【教条?】唯物史観・進歩史観をかたる【科学?】

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1世界@名無史さん
マルクス・レーニン・スターリンから東大・京大からあまちゅあの歴史観まで自由にかたって下さい。
進歩・停滞・循環どんとこい!
2世界@名無史さん:02/07/05 01:53


 ヤタ!朕が2げっとだ!!お前等朕にひれ伏せ!クソ共が!
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /\ /\  /神\/../
          / /\  \(´∀` )./
        ())ノ__ ○二○二⌒/../
       / /||(二ニ) (___/../ 几l
   γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
   l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) ||  (´⌒(´
__ ゝ__ノ     ̄(___) ̄  ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
朕は神なり!朕は神なり!朕は神なり!朕は神なり!朕は神なり!朕は神なり!朕は神なり!
朕 IS GOD!朕 IS GOD!朕 IS GOD!朕 IS GOD!朕 IS GOD!

>>3へ    おせ〜んだよ、氏ね(ププ
>>4へ    ハナゲ出てるぞ(ププ
>>5へ    デブヲタ氏ねよ(ププ
>>6へ    低学歴が(ププ
>>7へ    オナニーして寝ろ(ププ
>>8へ    牛鮭定食でも食ってろ(ププ
>>9へ    クソレスするな(ププ
>>10へ    2ちゃん辞めろ(ププ
>>11へ    冗談は顔だけにしろ(ププ
>>12へ    チョンみてえなやつだな(ププ
>>13へ    人生の敗北者(ププ
>>14へ    主治医呼んで来い(ププ
>>15へ    くさいなお前(ププ
>>16へ    YOU IS FOOL(ププ
>>17へ    人に迷惑かけるなよ(ププ
>>18へ    人間辞めろ(ププ
>>19へ    空気読めよ(ププ
>>20へ    まだレスするのかよ(ププ
3世界@名無史さん:02/07/05 02:04
遅かったか。
4世界@名無史さん:02/07/05 02:04
鼻毛切ったよ。
5米好き:02/07/05 02:12
自然科学以外の学問が科学を名乗ることへの抵抗感。

なかなか拭えない。

科学、と名乗ることで、自然科学が積み上げた信頼を利用しようと
している気がするんだよなあ
6世界@名無しさん:02/07/05 02:23
ルイセンコ生物学ならぬルイセンコ歴史学なのでは
と自問してみたことはないのか、
と言ってみるテスト
7世界@名無史さん:02/07/05 23:49
分かった、これからオナニする。<2

はやばやと総括するが、
唯物史観はヨーロッパの生産関係の発展を形式的にとらえるには、いってい役に立ったと思ふ。
でも非ヨーロッパ世界にそれを適用するにはちと無理がありすぎた。
アジア史に奴隷→封建→資本の単一的発展図式を当てはめるのも、
アジア的生産様式(アジア的専制)なるタームで停滞論と妥協しても、
けっきょく実態に即さず、失敗に帰したということじゃないかねえ。
8世界@名無史さん:02/07/06 02:30
おい、おまえら!講座波と労農波に分かれて内ゲバしる!
9世界@名無史さん:02/07/06 02:40
>>1に大塚史学を一から勉強しなおすことを命ずる。

                  以上
10世界@名無史さん:02/07/06 02:42
進歩史観(=ヘンペル理論?)についてご存知の方、ご教授くださいませ。
11考える名無しさん:02/07/06 10:04
ううん、唯物史観に関してはなんともいえんが、「ヒューマニズム発達史観」というのは唱えられないだろうか?

昔の人類というのは残酷だった。子供が残酷なように。
しかし、人類全体が成長するにつれ、残酷さというものがかくじつに抑圧、あるいは克服されてきたように思える。
人権思想が生まれ、残酷な暴力描写は自主規制され、拷問や死刑制度を禁止しだした国は多い。
世界戦争が抑えられているのも、ヒューマニズムの発達というものが大きいのでは? これは唯物史観では説明できないと思う。

これらは、けっこう不可逆な進歩といえるのではないだろうか?
12世界@名無史さん:02/07/06 10:11
>>11
残酷さの定義によるわな。
人の首を斧で一人一人ちょん切っていくのと、
一気に何人も機関銃でなぎ倒す
どちらが残酷か。

ある町を襲い、略奪虐殺レイプの限りを尽くすのと
ある町を何百機もの重爆(巡航ミサイルでも可)で炎の海に変える
どちらが残酷か。

僕に言わせりゃ単に殺戮の過程が合理的になっただけの気がするが。
13世界@名無史さん:02/07/06 10:17
>>11
兵器の威力が発達してきた歴史はどう考える?
棍棒から、金属製武器や弓、そして銃器、爆弾、核兵器などの大量破壊兵器

第1次世界大戦で大量の死者が出たことから、化学兵器の禁止や
不戦条約の締結などが行われた。
世界戦争が行われないのは、大量破壊兵器に対する恐怖であり
報復能力を保持する敵対国の存在であって、断じてヒューマニズムではなかった。
14世界@名無史さん:02/07/06 20:42
>>11

できのいい小学生の論文のようだな
1511だけど:02/07/07 08:10
う〜ん。
世界史板の人間は、歴史というものを悲観的というか、冷徹に見る癖がついてるような気がするんだ。
なんか、冷酷さに慣れちゃってるというか、それを当たりまえと考えているというか。
しかし、冷徹=現実的というのはやっぱりちがうと思う。

ヒューマニズムの発達を証明するいちばんの例は、「差別」意識だと思う。
昔は、異民族だから、外国人だから、異人種だから、異宗教だからという理由で差別されたが、いまはその差別はかなり克服された。
宗教の自由はかなり認められているし、法的な人種差別は撤廃されたし、黒人の映画スターや、有色人種のアカデミー賞女優なんてものも出てきた。

この変化というのはやはり認めるべきでは?

それにさいきんの兵器は、選択性(無差別性)を重視するかたちで技術を発達させている。
軍事施設にたいするピンポイント爆撃とか、正確な巡航ミサイルとか。
ただ破壊が目的なら核兵器という安上がりな大量殺戮兵器を使えばいいだけだ。そっちのほうが合理的なのだから。
それを使わないのはやはり戦争のなかにもある種の道義というか、ヒューマニズムが出てきたからではないだろうか?
1611だけど:02/07/07 08:14
あら、まちがい。
>選択性(無差別性)を重視するかたちで
は、
選択性(無差別性ではなく)を重視するかたちで
に訂正。
17世界@名無史さん:02/07/07 11:36
>>11
同意。
戦い続けることで増してきた残虐性に対抗するようにしてヒューマニズムも
発達してきたように思える。まあこれがどこでも起きたというわけではないと思うけど。
18世界@名無史さん:02/07/07 23:54
>>17
人間自体は1万年前も現在もほとんど変わっていないよ
変わったのは社会と環境。

社会が激変すれば、ヒューマニズムなんて弊履のごとくうち捨てられる
コソボを見ればわかる。
人権人権とうるさいアメリカがなぜ最後まで地上軍を出さなかったのか?
国益の前にヒューマニズムは手段にしかすぎないから。
その意味で手段としてのヒューマニズムは進歩している。
19世界@名無史さん:02/07/08 00:45
なんかここのスレ見てると見事に>>15の意見が当てはまってるような。
ここがつり放題の釣堀に見えてきたよ
20通行犬:02/07/08 02:42
他の動物の文化がどのようであるか知らないが少なくとも人間の文化には
累積的に進歩するという重要な属性があるのであって、その一環として11>>
氏の言われていることも至極当然の一つの事実の指摘に過ぎないのでは
ないか?

人間の「進歩」をラジカルに否定し過ぎるのにも無理があり、科学技術が
進歩するように、それに伴いまたは別の起因から発達する世界観も、変化
するし、その累積的な変化を進歩と呼ぶことに大きな不適切はないと思う。

生物学的に進化した高度の意識がこの世に原始的に抛り出されてあったら
たぶん自分を主観的に他から‘差別’して考えないではいられないであろう
(想像ですが)処ろから、やがて知識が拡大すれば自己を相対化するように
もなるでしょう。ファミリーの差別も人種の差別も根拠を失い、更には人間と
動物との境目も近頃随分薄れてきたし、一方で人工知能が実現すれば人間
と物との差別だって意味を失ってくるかもしれない。
要するに「差別がなくなりつつある」と言われる現象は、社会活動の成果と
して権利の分与の形態が偶々変化してるというだけのことではない、もっと
確かな、殆ど自然科学的な根拠がある進み行きだと思う。

勿論こうした認識の問題と、行動において自己の利益を中心に据えるかと
いう問題とは一応別であり、18>>氏は寧ろその後者について不易を主張され
たのかもしれないが、どんな行動を導き出すかということもまた、認識の問題
としての人間観や世界観から無縁である筈がないし、教育の効果ということも
確かにある。クリントンがチャーチルよりもその政治判断において僅かにヨリ
非差別的だったとしたら、それは時代の進歩の成果と考えて差し支えない
と思う。

でも弁証法史観の特徴は、そんなありきたりな進歩性の要素を人間の文化
の中に認めたことにあるのではないのではないでしょうか?私はよく知らない
がマルクスが進歩史観の元祖だなんて信じられない。マルクスを待たなけ
れば人間社会が進歩するものとは誰も思わなかった、なんてそんなヴァカな。
・・・それとも“ヒューマニズム”の拡大がなにか宇宙的な原理であってそれ
が歴史をドライブする独立変数的因子であり、それが飽和した先に実現する
神の目的を充足するかの如きゴールまで、描けそうな用意が、11>>氏には
あるんでしょうか?
21世界@名無史さん:02/07/09 10:23
>>15

それはヒューマニズムの問題というより人間の合理性の問題ではないのか?
アメリカは報道統制を徹底したアフガンの山中では
デイジーカッターを使ってタリバンを虐殺したではないか?

>>18の言われるようにヒ、ューマニズムが発達したといってもそれは
「手段」としてのものに過ぎないと思う。今の日本で暖衣飽食している
われわれがアフリカで部族抗争している「土人」より道徳的だとでも言うのか?

>>20
思ったんですがそれは「差別」がなくなりつつあるという意味ではなく「区別」の
問題ではないですか?
2211だけど。:02/07/11 04:03
>>21
>それはヒューマニズムの問題というより人間の合理性の問題ではないのか?
>アメリカは報道統制を徹底したアフガンの山中では
>デイジーカッターを使ってタリバンを虐殺したではないか?

だから、合理的に考えれば、いちいちデイジーカッターで切り刻むよりも、核で一気にやっちゃったほうが速いし、リスクも少ないでしょ?
虐殺って言ってるけど、くわしい内容は知らないが、どうせ戦闘中でしょ? べつに捕虜や非戦闘員を虐殺したわけじゃないんでしょ?
それに、殺害方法が残虐だとしても、それを残虐だと感じる感受性があなたの心にはある。これはあなたのヒューマニズムが社会発展とともに発達している証拠だ?
ほんとうにヒューマニズムが発達していないのなら、それに対する問題意識すら生まれないはずでは?
100年前なら、その殺害方法を残虐だとは感じないと思うよ。

>「手段」としてのものに過ぎないと思う。今の日本で暖衣飽食している
>われわれがアフリカで部族抗争している「土人」より道徳的だとでも言うのか?

これをはっきり言いきるのは問題かもしれないが、はるかに先進国国民のほうが人権意識や生命尊重の意識は高いと思う。

すくなくとも、育てる経済力がないと分かっていながら、子供を産んで餓死させたりはしない。
発展途上国が多産多死なのは、出産制限できるほど生命尊重の意識が発達していない(子供の大半は、成長過程で死ぬのを当たり前だと思っている)からじゃないのかな?
たぶん幼児虐待なども、先進国とは比較にならないぐらい多いと思う。いや、それを問題視する問題意識すら育ってないのでは? 子供をどうしようが親の勝手だと考えているのでは?
23世界@名無史さん:02/07/11 04:12
)だから、合理的に考えれば、いちいちデイジーカッターで切り刻むよりも、核で一気にやっちゃったほうが速いし、リスクも少ないでしょ?
デイジーカッターが何か誤解されているようです。
これは爆弾の名称で威力としては小型の核爆弾と言うべき物です。
2411だけど。:02/07/11 06:24
>これは爆弾の名称で威力としては小型の核爆弾と言うべき物です。

あら、そうでしたの……。
『虐殺』とか言うからカンちがいしちゃった。
だったらなぜ、『虐殺』という表現を?
戦闘中ということを考えれば、とくべつ残酷は殺害方法とは思えないけど。

どうせ降伏勧告受け入れなかったんでしょ、原理主義者たちは。
25世界@名無史さん:02/07/11 07:37
”100年前なら、その殺害方法を残虐だとは感じないと思うよ。”

よくこんな傲慢な物言いができるな
100年前でも10000年までも自分の身内の死は耐えがたく
縁遠い人の死はそれほどでもない っていうのが人の本性であって
進歩うんぬんとは関係のないことだと思う

あなたは先進国の人間のほうがヒューマニズムがあると思っているらしいが
それは先進国の人間が若年で死ぬことが少なくなり、また育成にお金が
かかるようになったことで人命の「値段」が上がったからに過ぎないだろ



2611だけど。:02/07/11 09:22
>>25
>よくこんな傲慢な物言いができるな

べつに傲慢な言い方なんかしてないでしょ?
昔は、死刑方法とかでももっと残酷なのはいっぱいあったし、捕虜のリンチとかも日常茶飯事だったでしょ?
ぼくは「とくべつ」残酷じゃないって言っただけだし、そもそも戦争にすてきな殺し方なんてないんだよ。

もちろん現代人は戦闘そのものを、もう残酷だと認識できる。100年前に比べてヒューマニズムが発達している証拠じゃないの?
だから反戦気運も高まったし、アメリカだってテロリズムや戦争を憎んでるんだ。今回の作戦だって必要最小限に抑えたし、いくらでも戦争回避の方法はタリバン側にあったはずだ。無理やり戦争させたのはタリバンのほうだよ。
ほんとうに自分に罪がないと思ったのなら、裁判に出廷して、どうどうと法廷闘争を行えばよかったんだ。
そんなんだから、同じイスラム教国家からも支持を得られなかったんだよ。

>100年前でも10000年までも自分の身内の死は耐えがたく
>縁遠い人の死はそれほどでもない っていうのが人の本性であって
>進歩うんぬんとは関係のないことだと思う

どうしてそれが本性だと言い切れるのさ?
博愛(同胞愛ではなく)の精神は、古代キリスト教にも、中国の諸子百家の時代にもあったはず。原初からあったってことは、それらも人間の本性のかくじつな一部だったんだと思う。
しかし、時代的な制約があってそれがなかなか実行できなかった。残酷さと理性の戦いの末、ようやく現代になって理性的な博愛精神が実現されてきたんだよ。その歴史的変化って言うのはやっぱり否定できない。

>あなたは先進国の人間のほうがヒューマニズムがあると思っているらしいが
>それは先進国の人間が若年で死ぬことが少なくなり、また育成にお金が
>かかるようになったことで人命の「値段」が上がったからに過ぎないだろ

それは悪しき俗流マルクス主義(経済還元主義)だよ。
生命尊重や人権意識をむりやり経済に還元しても意味ないし、できないよ。
ぎゃくに、人権意識が発達した(市民革命)から、はやく経済が発達した(産業革命)とも言える。
経済的に無益だからと言って、障害者への福祉や援助をうち切ったりはしないでしょ?

もし道徳に進歩がないんなら、道徳的教育そのものが無意味になる。
それは教育関係者にたいする侮辱だよ。
たしかにひとはいくらでもエゴイスティックにもなれるが、いくらでも優しくなれるし、エゴを殺すこともできる。
ブッダが諸法無我を説いたようにね。

そもそも、自由・平等・博愛は民主主義の基本理念だよ。
27世界@名無史さん:02/07/11 09:49
>いくらでも戦争回避の方法はタリバン側にあったはずだ。
>無理やり戦争させたのはタリバンのほうだよ。
>ほんとうに自分に罪がないと思ったのなら、
>裁判に出廷して、どうどうと法廷闘争を行えばよかったんだ

リアル厨房?
28T・S:02/07/11 10:25
>いくらでも戦争回避の方法はタリバン側にあったはずだ。

ないと思うですよ。
南北戦争の頃から、連邦政府は飲めない条件をつきつけて脅して、飲むと言っても「もう遅い」と戦争ふっかけてきたんだから……。

まあ、それはそれとして、ヒューマニズムの発達?
社会が複雑化してすぐに殺したりはできなくなったようには思うけど、それが発達と考えるべきなのかは微妙な気がするんですが。
29世界@名無史さん:02/07/11 10:38
>自由・平等・博愛は民主主義の基本理念だよ。

フランス革命で処刑された人がどんな人々かご存知?

だいたい「人権」なんて言葉がなかった昔だってほとんどの人は
殺人を犯さなかったんだし人権教育の進んだいまだって
人を殺す奴はいるわけだし。
そもそもヒューマニズム、道徳はどこまでいっても個人的なものだと思うが?



3011だけど。:02/07/11 11:47
>>27
>リアル厨房?

なんで、リアル厨房あつかいするのさ。
だって、そうでしょ?
「ビンラディンを引き渡せ」って、アメリカはなんども警告したはずだ。
それに従えばよかったんだよ。
国際世論の注目があったんだ。アメリカだってそうむちゃな裁判はできなかったはずだ。
世界的にも証拠を示す必要があった。
アメリカのやり方に文句があるのなら、長期に裁判闘争を繰り広げて、国際世論を味方に付けるなりの方法があったはずだよ。(どちらにせよ、同時多発テロの責任はとらされるだろうけど、まだ世論の印象はマシになったはずだ)

>>28
>ないと思うですよ。
>南北戦争の頃から、連邦政府は飲めない条件をつきつけて脅して、飲むと言っても「もう遅い」と戦争ふっかけてきたんだから……。

南北戦争とは時代がちがうよ。もちろんハル・ノートの時とも。

戦争の口実を潰すことはできたはずだよ。
いずれにせよ、タリバンを自滅に追い込んだのは博愛とはほど遠いイスラム原理主義でしょ?

>>29
>フランス革命で処刑された人がどんな人々かご存知?

くわしくは知らないけど、それがどういう関係があるのさ?

>そもそもヒューマニズム、道徳はどこまでいっても個人的なものだと思うが?

法的な差別撤廃や、残酷な刑罰の禁止はどう説明するの?
31T・S:02/07/11 12:27
>いずれにせよ、タリバンを自滅に追い込んだのは博愛とはほど遠いイスラム原理主義でしょ?

 博愛とほぼ遠い?
 ふーん。
 そうさせたのは何処かとかは考えなくてもいいわけですね。
 このスレの主旨とは外れるのでこれ以上は言わんですが。
32世界@名無史さん:02/07/11 12:39
タリバンはアメリカが証拠を提示すれば
引渡しもありうるといっていたけどな。
33世界@名無史さん:02/07/11 17:09
>>30
とりあえず、NHKのタリバン特集でも見て勉強してください。
中東史や南米史を見れば、U.S.Aの無茶苦茶ぶりが良くわかる。
34世界@名無史さん:02/07/12 04:10
南米というか、中米と言った方がよろしいかと。>33

キューバ、パナマ、ニカラグア……
3511だけど。 :02/07/12 10:44
あんまり、アメリカを批判しすぎるのも反米厨化しちゃうと思うけどな。日本共産党や、小林よしのりみたいに。
そりゃ、アメリカは大国だ。象が歩けば、野草が踏まれて潰される。そういう例を挙げればきりがないよ。

でも、アメリカは世界最初の自覚的な共和制自由主義的民主主義国家だよ。
フランス革命だって、アメリカの影響も受けたものだ。
アメリカはその源流としての誇りがある。
だから戦後日本にもドイツにもロシアにも、戦争が終われば、友好国として資本を投下し、援助してくれた。
世界大戦の荒廃から立ち直る過程での、アメリカの功績はやはり大きい。
たとえ相手を戦争によって、制圧したとしても、そのあとちゃんと民主主義を植え付けるかたちで独立させてくれた。
アメリカは、日本や他の国々から大きな信頼を得ることに成功している。
日本国民がいちばん信用している国はまちがいなくアメリカだよ。
すくなくとも世界大戦以降は、アメリカは領土的野心で戦争を行ったことはないよ。すべては民主主義の守護者として、スターリニズムや宗教ファシズムと戦ったんだ。
もともと戦争嫌いの国民世論を持ちながら、けんめいに血を流して戦ったんだよ。

アフガン国民に聞いてみるといい。
アフガン国民はアメリカに感謝すらしているはずだ。アメリカがタリバンの圧制から解放してくれたんだから。

20世紀において、アメリカ以上に平和と民主主義に貢献した国はないよ。信頼と尊敬に値する偉大な国だ。
やっぱり公平に見れば、アメリカをそう評価せざるを得ないはず。

公平な視点は、世界史板住人がいちばん得意なはずでしょ?
36世界@名無史さん:02/07/12 11:42
だからアメリカが日本とかに援助したのは
自らの国益のためだろ?

>アフガン国民に聞いてみるといい。
>アフガン国民はアメリカに感謝すらしているはずだ。
>アメリカがタリバンの圧制から解放してくれたんだから
何を根拠にこんな断定をする?

なんかアメリカに洗脳されているようで怖い
37世界@名無史さん:02/07/12 12:07
>>35
当初、親米的だったベトナム独立派を無視したのもアメリカ。
民主的な政権が中南米にできると片っ端から潰したのもアメリカ。
いまだにキューバを敵対視しているのもアメリカ。
9/11までアフガンを見捨ててたのもアメリカ。

ちなみに俺はアメリカが嫌いなわけじゃない。アメリカの傲慢な
とこなんか好きだ。


38世界@名無史さん:02/07/12 12:13
>世界最初の自覚的な共和制自由主義的民主主義国家
ギリシアのポリスじゃないですか?
>すくなくとも世界大戦以降は、アメリカは領土的野心で戦争を行ったことはないよ。すべては民主主義の守護者として、スターリニズムや宗教ファシズムと戦ったんだ。
要するに、アメリカが大陸間戦争を行う理由は、自国の拠って立つところである民主主義を他国に(力ずくででも)普及させる為ということですか?
どうしてそれが領土的野心よりマシと言い切れるのでしょうね。

確かにアメリカは自覚的に「民主主義の守護者」であろうと努力してきたし、
それが最も成功した国家だとも言えます。
その点では評価できるでしょう。
だからこそ「自分たちは無条件に民主主義の守護者たりうるのだ」という幻想を
合衆国国民の大多数が持ったとき、私は彼らを恐怖するのです。
39世界@名無史さん:02/07/12 12:25
>>11
アメリカの方ですか?
日本語お上手ですね。
4038:02/07/12 12:41
>>39
そういうハン板みたいな煽りはやめろ
41世界@名無史さん:02/07/12 13:05
恥ずかしながら
唯物論的世界観を素朴に信じてるのってやばいですか?
神の存在を信じないとか自分のことを無神論者だと思ってるとか。
自分では妥当だと思ってたんですけど。
42世界@名無史さん:02/07/12 13:29
>>41

コーヒーが好きな人間もいれば紅茶が好きな人間もいる
TPOに反しない行動ができていればいいんじゃない?
43世界@名無史さん:02/07/12 13:47
プリモ・レーヴィいわく
「善なる全能の神はいない。なぜならば神が善で全能であれば
アウシュビッツで殺された人々に対して神が何をしてくれたか」
だそうで。
で、悪なる全能の神はいるかもしれないが、そんなのはヤだから(w
「全能の神はいない」と思うことにしていたそうです。
じゃあ全能じゃない神はどうなのかというと、
レ−ヴィはイタリアのユダヤ人だからそういうのは思いつかなかったらしい。
44世界@名無史さん:02/07/12 18:59
共産主義が現実の世界でうまくいかないことが実証された今日、
その無念さをアメリカに当り散らすことにより解消する2002年夏。
45世界@名無史さん:02/07/12 23:23
>>44
そういう人は始めからアメリカに当たり散らしているのでは?
>>43
「殉教の栄光を与えてやった」とか言いかねないな。
4611だけど。:02/07/12 23:24
>>36
>だからアメリカが日本とかに援助したのは
>自らの国益のためだろ?

ちがうよ。ちゃんと民主主義的な博愛主義からだよ。
現に冷戦が終わったあとも、アメリカは日本やドイツを再占領しようとはしていない。
なにもかもが、対ソ政策だったわけじゃないよ。

>何を根拠にこんな断定をする?

タリバンから解放された市民の喜びが、ちゃんと報道されてたじゃないか。
あれがぜんぶヤラセだとでも?
これからアフガンも発展していくよ。天皇制ファシズムから解放されて発展した日本のように。

>>38
>>世界最初の自覚的な共和制自由主義的民主主義国家
>ギリシアのポリスじゃないですか?

でも、ギリシャ時代の民主主義は、やっぱり限界があったでしょ? ギリシアの民主主義はまだ無自覚だったと思う。奴隷制度を基盤としていたし。
アメリカも当初は奴隷制があったけど、ほぼ独力で克服したよ。
ちゃんと、人権思想に基づいた啓蒙主義的な意味で、自覚的に民主主義を建設しようとしたのはアメリカからでしょ?

>要するに、アメリカが大陸間戦争を行う理由は、自国の拠って立つところである民主主義を他国に(力ずくででも)普及させる為ということですか?
>どうしてそれが領土的野心よりマシと言い切れるのでしょうね。

マシだよ。
民主主義は、中華思想や大東亜共栄圏のような、閉鎖的で自己中心的な価値観じゃない。
世界に共通する、国境を越えることができるイデオロギーだよ。
自由・平等・博愛は全人類共通の価値観たりえる説得力があるんだ。じゃなきゃ、ここまでグローバル化して普及したりしないよ。

力ずくって言うけど、アメリカは基本的に仕掛けられなきゃ攻撃しないよ。
北朝鮮だって、外圧で独裁をぶっつぶせば、それがいちばん手っ取り早いって分かってるけど、やらない。それは内政干渉になるから。
アメリカはちゃんと民族自決の尊重や、国際世論と協調する意志があるということだよ。

>だからこそ「自分たちは無条件に民主主義の守護者たりうるのだ」という幻想を
>合衆国国民の大多数が持ったとき、私は彼らを恐怖するのです。

でも、アメリカはソ連とはちがう。ちゃんと、自己を客観するだけの冷静さを持っている。
敵対勢力へのリベラルさ、寛容性、価値相対主義こそが、民主主義だからじゃないの?
47世界@名無史さん:02/07/12 23:26
いい仕事してるスレ伸ばし職人だな
48世界@名無史さん:02/07/12 23:29
11は釣り師です
みなさん放置をおねがいします
49世界@名無史さん:02/07/12 23:49
>>41
唯物論と唯物史観は別物です。
唯物論は、すべての事象は自然法則に支配されているという世界観であって、
科学の基礎です。
唯物史観は、歴史学が扱う事象は経済の法則に支配されているという史観です。
50世界@名無史さん:02/07/12 23:55
う〜ん。ヒューマニズムの語源というか、本来の意味から考えると、宗教的狂信者を
まとめてアボーンするのは別にかまわないように思うのだけどどうなんだろう。

人道主義、人間主義というのは、絶対神を倫理規範、行動規範とした中世的思想に
対して、人間存在を優越させようという考え方なのだから、イスラム原理主義者のよ
うに、宗教的価値を世俗的な価値の上位に置いて独裁的な政治を行う連中は本来の
ヒューマニズムにとって、唯一相容れない敵なんだけどね。

まぁ、人が死ぬのは可哀想というのがヒューマニズムと考えれば、タリバンだって殺し
ちゃダメっていう理屈になるのかな。
51世界@名無史さん:02/07/13 00:05
民主制と資本主義のもとで、文明にとっての最大の脅威は宗教なんだよな。
52世界@名無史さん:02/07/13 02:10
>>46
冷戦が終わったらドイツや日本を再占領する?そんな必要がどこに。

アメリカが奴隷制廃止したのは経済的、政治的な理由からです。
ちなみに、冷戦時のアメリカの対外政策は反共一本です。反共ならどんな独裁や
腐敗も関係ありません。むしろ民主的国家は社会主義化を恐れて積極的に潰してます。

北朝鮮を潰さないのは極東が不安定化するからです。内政干渉はCIAの主なお仕事です。
53世界@名無史さん :02/07/13 03:09
>>49
>唯物論と唯物史観は別物です。

その通りだよね。
だいたい唯物史観なんて、経済史観に名前を変えればいいんだよ。
なまじ唯物なんて名乗ってるから、「科学」とか自称し始めて、それにだまされるやつが出てくる。
54通行犬:02/07/13 03:16
>>50
だから、ヒューマニズムなんて思想もう糞なんじゃないんですか?

人権の平等みたいなこと言うけど、どうしてそうなるかっていうと、人間が自然界
で価値の特異点みたいになってると思ってんでしょ?「人間」であることの価値が
あまりに偉大なんで、それに比べて人間の個体相互間の価値の差違なんて吹っ飛ん
じゃうと。そこから非差別が導き出されてるんでしょ。だから「ヒューマニズム」と。

こんなの明らかに、神が自身の似姿として人間を作ったとした考えの残滓をとどめ
まくりじゃん。自尊の固まりじゃん。石器時代的じゃん。
こんなのもう時代に乗り越えられちゃってる過去の糞じゃんよおおおおおお!!!

だから人間の意識ってのは素朴にしとくとそんな風に自尊的に主観を膨大させちゃ
うから。文化の進歩に従って認識が拡大すれば少しずつ自己も相対化できていくん
だろうけど、もっと実践的に日常で効果的にこの自己意識の誤謬を抑圧する文化と
して・・・・・・・・・宗教の方がよっぽど期待できらあ〜。
55世界@名無史さん:02/07/13 03:59
もし戦時中だったら、>>46はそこそこいい対外宣伝技術者になれるぞw
宣伝は報道と違って「事実とみなされているものを都合良く再編成する」ことがその主戦法だからね。

>力ずくって言うけど、アメリカは基本的に仕掛けられなきゃ攻撃しないよ。
フィリピンは?パナマは?グレナダは?ベトナムは?クウェートおよびイラクは?

>北朝鮮だって、外圧で独裁をぶっつぶせば、それがいちばん手っ取り早いって分かってるけど、やらない。それは内政干渉になるから。
>アメリカはちゃんと民族自決の尊重や、国際世論と協調する意志があるということだよ。
一番あとあとややこしくなるのが「外圧で独裁をぶっつぶす」ことだからやらないだけなんじゃないのか?
それに「国際世論と協調」?「常任理事国(たまに中ロ仏無視)と協調」の間違いでは?
あと、民族自決概念なんてもはや意味のない概念を尊重なんてどうやったらできるんだ。
既成国民国家の枠を保持するという意味で使ってるんならそう言えばいいのに。

5611だけど。 :02/07/13 09:34
>>52
>冷戦が終わったらドイツや日本を再占領する?そんな必要がどこに。

必要はないよ。
アメリカはローマ帝国やモンゴル帝国じゃないからね。
領土的野心なんていうエゴは克服したんだ。

>アメリカが奴隷制廃止したのは経済的、政治的な理由からです。
>ちなみに、冷戦時のアメリカの対外政策は反共一本です。反共ならどんな独裁や
>腐敗も関係ありません。むしろ民主的国家は社会主義化を恐れて積極的に潰してます。

>北朝鮮を潰さないのは極東が不安定化するからです。内政干渉はCIAの主なお仕事です。

ど、どうして、そんなふうに考えるのさ!
それは、素直な見方じゃないよ。そう考えないと安心できなくなってるんじゃないの?
人種差別や、スターリニズムやその亜流を許せないという義憤があるからじゃないか!
アメリカは正義の味方だったんだよ。
だからみんなアメリカを好きになったんだ。
軍事費だってただじゃないんだよ。
日本が経済成長にうつつを抜かしているあいだに、いっしょうけんめい戦ったんだよ。
博愛と正義と世界平和のために。

>>55
>もし戦時中だったら、>>46はそこそこいい対外宣伝技術者になれるぞw
>宣伝は報道と違って「事実とみなされているものを都合良く再編成する」ことがその主戦法だからね。

しつれいな! ぼくのどこが宣伝技術者だよ! ぼくはじゅんすいに社会科学的な意見としてカキコしてるんだよ。
げんにぼくの言うことに同意してくれるひとだっているじゃないか。

>フィリピンは?パナマは?グレナダは?ベトナムは?クウェートおよびイラクは?

そりゃ、昔は悪さはしたよ。奴隷制度立ってあったし。
でも、アメリカも短いながらも歴史的変化を受けて、とくにベトナム戦争は大きな教訓にして、民主主義をより高度にしていったんじゃないか。
過去といまは同じじゃないよ。それだから、進歩史観なんでしょ!

>一番あとあとややこしくなるのが「外圧で独裁をぶっつぶす」ことだからやらないだけなんじゃないのか?

国際世論が反発するからややっこしくなるんでしょ。
アメリカは最強の軍事大国だよ。それなのに国際世論をちゃんと気にできるって言うところがすごいんじゃないか!
過去の帝国にはなかったよ。こんな自制心のある大国は。
57世界@名無史さん:02/07/13 09:53
なんか>>56での書き込みを見て、「やっぱりネタなんだ」と思えた
58世界@名無史さん:02/07/13 11:38
同じく。
59mog:02/07/13 11:48
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60T・S:02/07/13 11:53
ですねえ。
ってーか、
>ど、どうして、そんなふうに考えるのさ!
なせどもる?

>それは、素直な見方じゃないよ。そう考えないと安心できなくなってるんじゃないの?
素直な見方……それは「アメリカのやっていることは疑うな」ということですか……。

……やっぱりネタですかね。
しかしここまで臆面のない言葉が次々書き込めるというのは何か凄いと思います。
ってーか、私にはまねできません。

続きを期待させていただきます。
61世界@名無史さん :02/07/13 12:15
なんか、でも11みたいなやつっていそうじゃない?
純粋まっすぐ君ていうか、善悪二元論で物事を考えれるやつ。

しかし、確かに言われてみれば、、アメリカみたいに武力占領しておきながら、嫌われないでかえって人気を高めている歴史上の軍事大国ってめずらしいよな。
日本って原爆2発も落とされてるんだぜ?
100年は恨まれたっておかしくねーよ。
どうしてだろう?
62世界@名無史さん:02/07/13 12:49
>>61
「日本はアジアに侵略戦争したから、原爆を落とされて当然だ
原爆は日本の犯罪に対する刑であり、悲惨な民衆は巻き込まれただけ。」

こんな風に変換しているから。
刑は、東京大空襲なども含まれる。
犯罪に対する罰なら、罰を憎む必要はない、犯罪者(陸海軍)を憎めばよい。

他国にはそんな日本人独特の思考を理解できないから
日本の軍国主義化を恐れたりする。
63世界@名無史さん:02/07/13 12:50
>>61
>純粋まっすぐ君ていうか、善悪二元論で物事を考えれるやつ。
いるよね。
アメリカ = 悪
という固定観念でしか語れないヤツとか。
6411だけど。:02/07/13 13:28
ネタじゃないよ。
今回のアフガンの戦争を見て、やっぱりアメリカって特別なんだって感じたんだよ。
アフガン国民も、みなタリバンを倒してくれたアメリカに好意的だった。
攻めてきた国に好意的だなんて、歴史上、ちょっと類がないでしょ?
爆弾の空爆だけでなく、救援物資の空爆までやってたんだよ、アメリカは。
しかも、イスラム教圏国家もタリバンじゃなく、アメリカの側についた。
これは文明の衝突なんて言う、俗説じゃ説明できないよ。
これだけ世界中の国の支持を集められる国なんて、史上ははじめてじゃないの?

アメリカの特異性を自分なりに考えた結果、「ヒューマニズム発達史観」に行きついたんだよ。
アメリカのこの支持の高さは、ヒューマニズムの高さゆえだってね。
そうじゃないと、ローマ帝国も、モンゴル帝国も、ドイツ第三帝国も、ソ連も滅びたのに、アメリカだけが高い支持を得ながら繁栄をつづけてる理由が説明できないよ。

それに、さいきん日本の反米厨化はちょっと目に余るじゃないか。
小林よしのりは、ルーズベルト陰謀論とか真顔で唱えてるし、アメリカはイスラム圏国家まで味方につけたのに「文明の衝突」だなんて言ってる。中学生が本気にしたらえらいことだよ。
長渕剛のあのアフガンの歌なんてひどいじゃないか。あれじゃ、まるでアメリカが悪者だよ。
世界史板にだって、「アメリカが死ぬほど嫌いです」なんてスレがあるし。

もうすこしアメリカがここまで繁栄した理由を、その世界史的意義を真剣に論じてもいいんじゃないの?
65世界@名無史さん:02/07/13 13:33
あのー。アメリカが超大国になって、まだ60年前後しか
たってないんですけど・・・・ライバルのソ連が滅んでからならば、
10年そこそこ。
ローマもモンゴルも、それ以上に長らえたでしょ。
ナチスを比較の対象に入れているのはよくわからん。
66世界@名無史さん:02/07/13 13:33
ネタ師だね・・・
反射的に釣られたくなったYO!
67世界@名無史さん:02/07/13 13:47
正直、南北米大陸における資源の自給・独占がなかったら
合衆国はここまで繁栄していなかったと思われ。
その際、テキサスやハワイの住民は合衆国のヒューマニズムに感動して併合を望んだわけじゃないとも思われ。

>これだけ世界中の国の支持を集められる国なんて、史上ははじめてじゃないの?
いやあ、イギリスにくらべりゃまだまだでしょ。
合衆国がゴリ押ししてない場合でもゴリ押ししているかのような印象を与える事がある。
ヒューマニズムを全面に出しすぎて、かえって私利私欲が浮き彫りになってしまっているのだ。

しかし反米厨ぶりを「中学生が本気にしたらえらいこと」なのは確かで、
せいぜい合衆国のやり方がどんなにエグいかを理解した上で
仲良くお付き合いしていただくしかないのも事実。

68世界@名無史さん:02/07/13 14:41
釣られてしまった。11に一つだけ言うとこのスレの連中は反米じゃないよ。
単に国家を善悪で語られるのが嫌なだけ。
6911:02/07/13 14:41
>他国にはそんな日本人独特の思考を理解できないから
>日本の軍国主義化を恐れたりする。

この日本の特異的な部分からいっても、日本が本当に意
味での民主主義を学びえたか疑問なんです。
客観的に見ると、アメリカは"善"とまではいえないけど
ベターであり、北朝鮮やイラクは明らかに"悪"寄りでしょ?

この見方こそが民主主義的であり、近代に縛られた見方と
いうこともできるかもしれないけど、過ぎたる相対主義は
全肯定か全否定にしかならないと思う。
でも相対主義が民主主義の柱である以上みんなで考えない
といけないね。

他のスレ見てたら考え方が少し変わりました。
アメリカがどうして占領国にすかれているかについて。
まずはやはり、民主主義とその国へのきちんとした配慮。
次に俗にいうコーラとハンバーガーだと思います。
自由とパン。
これは人類の普遍理念だと思いませんか?
7011:02/07/13 14:43
あとネタ氏ではありません。
正直あまり頭は良くありませんが、物事を率直に
見るほうだと思います。
だから、ある意味オッカムの剃刀としてヒューマ
ニズムの歴史的発展は認められるべきだと。
7111:02/07/13 14:50
>68
では、マキャベリズムに則った政治或いは国家を
容認するのですか?
現実原則として、そのような謀略が世界には渦巻
いていると思います。
アメリカも当然、CIAなどでやっているでしょうね。

でも、国民国家的考えはいずれアメリカを背景にし
たコスモポリタリンに収斂するのでは。
世界的ヘゲモニーを握る国家としてのアメリカは極
めて温厚なほうだと思います。

だって、ローマも中国も何かんだと酷かったでしょ。
それに、ヘゲモニー国家として、アメリカは今試練
を迎えているのかもしれません。(テロやその原因の
主要要素であるグローバリズム、経済格差が)
それを克服しえたとき、アメリカは人類初の宇宙に
まで至るパクスアメリカーナを実現すると思います。
72世界@名無史さん:02/07/13 15:09
>でも、国民国家的考えはいずれアメリカを背景にし
>たコスモポリタリンに収斂するのでは。
73失敬:02/07/13 15:10
>でも、国民国家的考えはいずれアメリカを背景にし
>たコスモポリタリンに収斂するのでは。

「沈黙の艦隊」っぽいね。
74ぎゃあ:02/07/13 15:35
唯物史観の役割は地道な研究にも光を当ててくれたことさ。経済的基盤なんて何時も地味なものさ。
それまでは歴史=政治史だったから。英雄豪傑のオンパレードが歴史だったのだから。
アメリカの今度のアフガンに対する戦争は全くの失敗と思ってるけどね。
喜んでるのは援助が貰えるアフガン高官、地方支配者、ロシア、中国の対イスラム担当者。今後はうるさく言われないからね。
国民が喜んでるというのは全くのアメリカのプロパガンダ。そうでも言わなければビンラディンを取り逃がしたミスを隠せないからね。
75世界@名無史さん:02/07/13 16:28
アメリカがどうして占領国にすかれているかについて。
>まずはやはり、民主主義とその国へのきちんとした配慮。
>次に俗にいうコーラとハンバーガーだと思います。
>自由とパン。
>これは人類の普遍理念だと思いませんか?
それは言えますね。だが順番が逆でしょう。
人類に普遍的な傾向は経済的自由>政治的自由ですよ。
そもそも合衆国の独立だって、自立した経済政策の獲得が第一義じゃありませんでしたっけ?

76世界@名無史さん:02/07/13 20:25
凄まじい11がいるスレッドとしてブクマクしますた。
77世界@名無史さん:02/07/13 21:04
キチガイ警報……と言いたかったりするテスト。
7811:02/07/14 00:13
>73
沈黙の艦隊は寡聞ながら読んだ事ありません。
ジパングを読んで、あのような熱い時代もあったんだなと
思いましたが。(でも、戦争は肯定しません。)

>74
古くは原初の共産製から、いわゆる耕作や牧畜(カルチャー
の始まりですね。)が起こり生産力が上昇し、人が集まり
都市が出来、支配者が登場した時より経済的観点は歴史を
見る上で欠かすことが出来なくなったと思います。

だから、歴史=経済の発展でもあるわけですね。
>唯物史観の役割は地道な研究にも光を当ててくれたことさ。
これはちょっと分からないんですが、軍事や政治などの派手
な部分が着目されがちですからね。
しかし、富の不均衡があるにせよ経済の発展そして拡大に伴っ
て、ヒューマニティの価値は高まっています。
良く、ゴーギャンやルソーのように原初の生活を理想化する
向きもありますが、人間はそれほど馬鹿でもなく少しづつです
が普遍的価値を見出していると思います。

アメリカがタリバンを追い出して喜んでいる人たちの中に、あ
なたが上げた人たちも当然いるでしょうが、それ以上にアフガ
ンの人たちは喜んでいると思います。
たとい、今は誤爆などで恨みをもっているにせよ、民主主義が
広まるに連れて、アメリカに感謝する人たちも増えるはず。

>75
代表無くして課税無し。
そして、印紙条例やボストンティパーティのように、経済的
自立と政治的自立はある程度は同義だと僕は考えています。
ただ、一般論としてマズローの欲求段階説ではありませんが、
お腹を満たす事が第一義ですね。

そして、アメリカが開放(語弊がありますが)した地域の人達
は少なくとも、以前と比べてお腹が膨れる。
これは些かなりとも正義ではないでしょうか?

>76、77
僕は真面目です。
あまり、からかわないで下さい。
79世界@名無史さん:02/07/14 00:32
オマンマたらふく食べさせてくれたら、ナチがやってきても貧しい国の人々はよろこぶよ。
80世界@名無史さん:02/07/14 00:37
なんのかんの言って話がスレタイに戻ってきているのは凄いと思う
81世界@名無史さん:02/07/14 01:16
>>80
2chでは珍しくそういう板だし。
(Web上では珍しいの方があたってるかも・・・)
8211だけど。:02/07/14 01:56
アメリカも国家である以上利己的な面はあるが、
その他のどの国よりもマシ。
2次大戦後もしイギリスが世界の警察になっていたら?
あるいはフランスが?
今よりも悲惨な世界になっていそう。
83世界@名無史さん:02/07/14 02:03
>>82
マシと言っている時点で特別でもすごくもないじゃん…
8411:02/07/14 02:29
>79
皮肉ですか。
別に途上国の人を馬鹿にはしていません。
ただ、人間の一般的な傾向としてそのようにあると
思っただけです。

>83
"マシ"である、この一時があるからこそアメリカは
有る意味特別なのです。
有史以来、大国は横暴。(ローマの分断統治やシナの朝貢貿易
などは大国が、自らの役割を意識して演じた中々良い例であり
、その精神はアメリカが引き継いでいます)

そのように、大国が自らの役割に気付きそれを意識的
に行えるようになって初めて大国足りえると思います。
些か自家撞着的ですが、故にアメリカは大国たり得て
おり、それに歴史の発展段階で人類が会得した"ヒュー
マニティ"を国是としてますから。

ただ、アメリカの問題として先にあげた経済格差や資
本主義的発展の限界の露呈以外に、以前誰かが書きま
したが"神"と"ヒューマニティ"は同じころから生じ
ながら相容れないと所があります。
それの解決?或いは止揚が人類の福祉の為、必要で
すね。

そして、次の経済的発展のフェーズとしては僕は宇
宙だと思いますね。
ただ、経済的に膨張するだけではなくその段階を踏
む事により、より高次な何かを構築し得ると楽観的
に考えていますよ、僕は。





85世界@名無史さん:02/07/14 03:20
宗教か・・・・・・
86用語の整理:02/07/14 05:59
materialismという英語には二種類の語義がある。

一方は唯物論で、「世界は物だけから出来ている」という主張。
神や霊の存在を仮定する宗教的・オカルト的世界観や、
唯心論・唯我論といった哲学的世界観と対立する。

他方は物質主義で、「人間行動の基本的動機は物質的利害」という主張。
例えば、「十字軍は宗教的熱情で出かけた」という精神論に対して、
「いや、食いつめ者が略奪目当てに出かけた」とするのが物質主義。

「唯物史観」というのは、
世界精神という一種の神を持ち出したヘーゲルの史観との対比では、
前者の意味で間違いないのだが、
そういうオカルト史観と対比する文脈以外では、
後者の意味で理解するべきもの。
つまり、「歴史の動きの基礎には経済の変化がある」という史観。

そういう歴史の基礎となる底流としてマルクスが挙げたのが、
原始共産制・奴隷制・農奴制・資本主義……という社会関係の変化。

しかし、そういう社会関係自体も、時代の技術水準に規定されている。
マルクスの史観という意味の唯物史観(固有名詞)が、
真に唯物史観(一般名詞)となるためには、
社会関係を更に掘り下げて、技術史を根底に据えるべきだったろう。
87ブックガイド:02/07/14 06:08
マーヴィン ハリスの一連の著作は、
文化の違いを環境への合理的適応として明快に説明している。
物質主義史観としては、マルクスよりハリスを代表に挙げるべきだ。
例えば『ヒトはなぜヒトを食べたか』では、
ヒンドゥー教徒が牛神聖視する理由、イスラム教徒が豚を賎視する理由、
などなど文化の違いについて、納得のいく説明を与えている。

少し前に一種のブームになった
Jダイオヤモンド『銃・病原菌・鉄』も、
この主題に関しては必読の書だろう。
88世界@名無史さん:02/07/14 07:19
インディアン強制移住法(先住民は合衆国市民に非ず)
南北戦争(奴隷解放は、欧米諸国では合衆国はもっとも遅い)
公民権運動(名目的な解放後も、黒人が法的に白人と同等な権利を得るのは今世紀も後半)

これらについてはどう考えておられるのでしょうか。>11氏

(´-`).。oO(正直宇宙云々は勘弁願いたく……)

私は、合衆国は「高邁な理想と、現実とのギャップに苦しむ国」と思います。
合衆国の掲げる理想は私も好きです。(私は自由主義者ですし)
しかるに現実の彼らの姿は……。
89世界@名無史さん:02/07/14 08:18
まぁ理想を謳うなら黒人を大統領にしてから出直して来い、ってことなんだが
90世界@名無史さん:02/07/14 08:32
>>88
漸進的に改良がはかられてきた、と言うに50000ペセタ
まあそれで正しいんだけど。
>「高邁な理想と、現実とのギャップに苦しむ国」
言い得て妙だ。
これからこのギャップは広がるのか狭まるのか、
狭まるとしたら理想がないがしろにされるのか現実が理想に近付くのか。
俺はギャップが広まる方に一票かなあ。
91世界@名無史さん:02/07/14 13:30
合衆国の国是は「自由」だろ。ヒューマニズムなんて冷戦後の話。
92ぎゃあ:02/07/14 15:00
いあ、此処に熱心なアメリカの擁護者がいるので驚きました。歴史好きはとかく裏を読みたがる癖があり、スローガンなど全く信じて無いものと思ってました。
十字軍だって元は理想主義の固まりだったでしょうし、あの悪の枢軸の北朝鮮だった少なくとも最初は理想に燃えてた筈ですから。
歴史は理想ではうまく行きませんなあ。それが面白いのでしょう。
処でアメリカの南北戦争時の奴隷解放は人道問題以前に経済問題だったと聞きましたがどうでしょう。リンカーンも必ずしも奴隷解放論者では無かったのではないですか。
93世界@名無史さん:02/07/14 15:02
ゲティスバーグ・アドレス(リンカーンの例のアレ)も、当時はちっとも話題にならず、有名になったのはずっと後の時代だったよね。
94T・S:02/07/14 20:29
南部が労働力を独占していたから、北部はそれを得るためにどうとか……と、中学の時に教わった時は、心底目から鱗が落ちた思いだったなぁと。
95世界@名無史さん:02/07/15 02:20
  \
:::::  \            >>11の両腕に冷たい鉄の輪がはめられた
\:::::  \
 \::::: _ヽ __   _     外界との連絡を断ち切る契約の印だ。
  ヽ/,  /_ ヽ/、 ヽ_
   // /<  __) l -,|__) > 「刑事さん・・・、俺、どうして・・・
   || | <  __)_ゝJ_)_>    こんな書き込み・・・しちゃったのかな?」
\ ||.| <  ___)_(_)_ >
  \| |  <____ノ_(_)_ )   とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち
   ヾヽニニ/ー--'/        震える彼の掌を濡らした。
    |_|_t_|_♀__|
      9   ∂        「その答えを見つけるのは、お前自信だ。」
       6  ∂
       (9_∂          >>11は声をあげて泣いた。
9611だけど。 ◆ZXaatxv6 :02/07/15 12:16
ちょっと待って。
>>69以降の11はぼくじゃないよ。
なんか偽物が出てきたみたい。いちおうトリップつけておこう。(でも、偽物さんは、わりとぼくと意見が近いよ。けっこう意見を代弁してくれてる)

>>68
>単に国家を善悪で語られるのが嫌なだけ。

ぼくもいちおう世界史選択者のはしくれだ。善悪が、時代や地域や階級によって変化するというのもいちおう理解しているつもりだけど、
でもこんかいのアフガン戦争は、イスラム原理主義(自己中心主義)vsアメリカを中心とした民主主義(博愛主義)の衝突だと思っているんだ。
いろいろと考えてみたけど、こうとらえるのがいちばん的を射ていると思う。
どうしても、この対立を「文明の衝突」とか「キリスト教とイスラム教の宗教対立」ととらえるのは、本質を逃していると思うんだよ。

自己中心主義と博愛主義、これを比べたら、やっぱり博愛主義が善ということになるんじゃないかな?
これは子供にでも理解できると思う。どんな宗教圏でも、時代でも、階級でも、これだけは普遍的に自己中心主義<博愛主義になると思う。

宗教対立とかはどっちもどっちだけど、それ(エゴ)を超えた民主主義の国であるアメリカはやっぱり善なんじゃないのかな?
そう呼ばれる資格はあると思う。

>>73
>「沈黙の艦隊」っぽいね。

そう! 沈黙の艦隊だよ!
ぼくさいきん、文庫で沈黙の艦隊を読んで、ものすごく感動したんだ。
アメリカ嫌いのひとはぜひ読んでほしい。
イメージが一変するよ!
フィクションだけど、日本人の、いや、世界のアメリカ観がよく表現されているよ。
ベネット大統領の「アメリカ大統領は、当然、世界に君臨するキングだ」だっていう言葉、アメリカは今後50年後も「世界でもっとも責任のある国だ」っていう言葉。
正直、興奮したよ。
そうなんだ。やっぱり、アメリカ大統領だけが世界のキングを名乗れる資格がある。こんな人物、いや身分は、やっぱり史上希有だよ。
どんな征服者だって、ついに世界の王にはなれなかった。
アレキサンダーも、カエサルも、武帝も、チンギス・ハンも、サラディンも、ビクトリア女王も、ナポレオンも、ヒトラーも、スターリンもみんな、なれなかった。でも、アメリカ大統領はそれをやってのけた。
まさに世界史的偉業だよ! 世界の一極化がついに実現したんだ。

沈黙の艦隊は、いかに核と軍事の分散を防ぐのか? が、テーマだったと思う。
核や軍隊は、分散しているより、集中管理していた方が、抑止力として働く。
分散してたら、みんながみんな、核の先制攻撃をおそれて、先制攻撃を防ぐための先制攻撃を行いかねないような、疑心暗鬼に陥るからだ。
でも、問題はその核と軍備をどこに集中させるか? なんだよね。
ここで、海江田(世界政府をつくって、そこに集中)とベネット(アメリカに集中)に意見の対立があったんだ。
世界政府っていう発想はおもしろいけど、やっぱり現実性はとぼしい。(げんに、海江田は死に、ベネットが生き残った。作者も、ほんとうの主人公はベネットだって言ってたしね)
ほんとうに世界平和を願うなら、現実を考えれば、作中でベネットが言うように、やっぱりアメリカに核と軍備を集中するべきなんだ。
そうすれば、カント以来の人類最大の夢だった、世界の恒久平和が実現するんだよ。
これってすごいじゃないか!
沈黙の艦隊は、漫画のなかでも傑出した名作だよ! アイデアや思想的水準が群を抜いてるんだもん。こんなアイデアをいままで考えられたひとがいただろうか? たいていの小説や漫画は、恒久平和なんて幻想だの一点張りだったじゃないか。
いち漫画が、恒久平和をいかに実現するかという、具体的なビジョンを提出してくれた。

アメリカは世界でもっとも多くの核と軍備を持った、世界最強の軍事大国だ。
しかし、歴史上のどの軍事大国ともちがうところは、軍備と平行して、もっとも文人統制、シビリアン・コントロールが発達しているという点なんだ。
それがゆえに、アメリカは歴史上もっとも偉大な国なんだよ!

アメリカこそが、史上初めての人類の恒久平和を実現できる唯一の国家なんだよ。
そして、アメリカはそれを行う意志と能力がある。
「正義という名の名誉」 
それがアメリカを動かすモチベーションなんだから。
こんな国家がほかにあるかい?

アメリカという存在は、人類の進歩の象徴だよ。希望そのものだ。
97世界@名無史さん:02/07/15 12:53
>>96
撒き餌を散布しすぎですよ。
ニュース速報あたりなら、大量間違いなしでしょうが
ここは世界史板、2chの透明湖ですから・・魚影少ないです。
98世界@名無史さん:02/07/15 13:15
>>96
沈黙の艦隊を礼讃する時点で釣り師にしか見えん。
99世界@名無史さん:02/07/15 18:05
もう飽きた
次のキャラ出して
10011 ◆stTVUYG. :02/07/15 19:26
>86
どうもありがとう御座います。
基本的に唯物史観は後者の物質的変化(環境や技術)が
人間を規定するという考え方で、それを前提として考
えると前者即ち、宗教的なもの(精神的なもの)への理
論的否定に至るのではと僕は考えてます。

>88
漸進的に改良…という意見は至極当たり前すぎるので、
僕が考えるもう一つの理由をあげますね。
それは精神的な支配、語弊がありますが一神教の影響
に揺らぎが生じだしたのも、丁度アメリカ建国や南北
戦争の頃だと思います。(しかし、当時も今も、指導者
階級は信仰深い事は興味深い事実ですが)

詳しい事は僕は分からないのですが、アメリカ独立がフ
ランス革命の露払いをしたように、当時のヒューマニティ
の高揚があげられます。(フランス革命の理性神への帰依
は、一つの神からの脱却へと至る階梯であった事から宗教
色は拭いきれませんでしたが)
進歩史観的に言うと、ダーゥインの進化論や人類学の
進歩が、決定的とまでは行かなくても当時(この場合は
南北戦争以後ですね)において、神の存在の有無に大きな
インパクトだったでしょう。

アメリカの高邁な思想は確かに普通に生きるアメリカの
国民が真の意味で理解し、それを支持する事は中々出来
ないと思います。
しかし、漸進的(wに良くなって来ているのではないで
しょうか。(理想と現実、形而上と形而下の葛藤)

>92
リンカーンが人種差別主義者で有ったことは知っています。
南北戦争が思想の戦いというよりも、労働力を巡る一種の
経済戦であったことも。
ただ、経済的必要性が当事者達さえ意図しない形で、ヒュ
ーマニティの観点から言って良い方向へと進んでいく。
これこそが、唯物史観の有る意味の妥当せいを支持してい
ると思います。

現在の世界における、経済格差の広がり、限られたパイを
巡る争い。
その中心にアメリカがおり、故にこれからも経済的な必要
性により、アメリカは世界のヘゲモニーを握り、結果、良
い方向へと進んでいくと思います。

前にも指摘しましたが、アメリカは現在、その存在意義へ
試練を受けており(市場のゲーム化、世界経済の不安定化や
それに伴う、途上国だけではなく先進国における政治の不安
定化、広い意味での思想と思想の戦いなどなど)これはすぐ
には解決し得ない問題だと思いますが、この試練を超えてこ
そ、世界の恒久平和に至ると思います。

101世界@名無史さん:02/07/15 19:42
やっぱ、これからはアズマ主義だな。
102世界@名無史さん:02/07/15 19:52
11は赤ですか?
103世界@名無史さん:02/07/15 23:30
今の11は別人

104世界@名無史さん:02/07/15 23:32
まだやってたのか・・・
105世界@名無史さん:02/07/15 23:40
>>102
現今のアメリカを礼賛する赤がいるわけないだろ!
10649:02/07/16 00:46
>>100
>86
>どうもありがとう御座います。
>基本的に唯物史観は後者の物質的変化(環境や技術)が
>人間を規定するという考え方で、それを前提として考
>えると前者即ち、宗教的なもの(精神的なもの)への理
>論的否定に至るのではと僕は考えてます
ちょっとちがう。
人間が物質から規定されるからといって、それだけで
すべての事象が物質から規定される事にはならないでしょうが。
 ところでマルクス流経済学者は、環境など地理的条件から
社会が規定されていることを認めたがらなかったように思うのですが,、如何に?
107世界@名無史さん :02/07/16 01:29
わたしは、けっこう11さんの言う、ヒューマニズム史観に感動したけどな。
そう、世界史は愛が広がっていく物語なんだよ。
これってすてきじゃない?

そう考えれば、世界史板の住人は、さしずめ愛の伝道師ってとこね。
108世界@名無史さん:02/07/16 08:23
109世界@名無史さん :02/07/16 10:08
>108
お〜い、釣られてるぞ〜!(w
110743:02/07/16 13:32
>>107
なんか冷たいものでもやってるって感じで、爽快感すら感じるカキコだね。
11111 ◆stTVUYG. :02/07/16 19:07
>102
当然ながら赤ではありませんよ。
しかし、共産主義にも部分があり、またそれはたとい
ナチズムでも然りです。
当然倫理面での配慮は欠かせませんが、全て全否定と
いう態度は取るような方々はこの板にはいないと願っ
てます。

>106
そうですね。
私の個人的な意見であり、客観的なものの見方ではありません
でした。
ただ、やはり唯物史観が内包するマテリアリズムは、精神性と
対立項に至る蓋然性が高いと思うのですよ。
しかし、それも又、赤化革命の折に欧州における教会は一種の
搾取階級ですから、それへの対処という形で精神性の否定に傾
いたのが歴史だと思います。

だからといって唯物主義=無神論ではないですね。
ただ、根拠無く否定する事はそれ自体科学的な態度ではないです。

>ところでマルクス流経済学者は、環境など地理的条件から
>社会が規定されていることを認めたがらなかったように思うのですが,、如何に?
良いところを付いてくれました。
僕は詳しくはないのですが、やはり共産主義的な考えが生まれた背景には
欧州の歴史的発展があり、それは必ずしもアジアや他の地域に当てはまら
ないと思います。
でも、共産主義の理論家は世界赤化という大義を掲げる以上、それが人類
にとっての普遍的なものでなくてはならず、その必要性から認めないのだ
と思います。
しかし、現在のアメリカによる資本化の嵐は全ての諸条件をキャンセルし
無化する力があり、コーラとハンバーガー、そして自由は人間の求める普
遍則であり、故にヒューマニティの理念と物質の力が備わったアメリカは
やはり、歴史的な使命がありそれを担えるだけの能力があると僕は思って
いますが、皆様はどうでしょうか?

>107
ありがとう御座います!
愛というのは言い過ぎかもしれませんが(w 僕も歴史の展開は人
が"より良き"状態へと進んでいく過程だと思います。
だから、進歩史観もある意味もう少し掘り下げたいですね。
11211 ◆stTVUYG. :02/07/16 19:09
間違えた。

>しかし、共産主義にも良い部分があり、またそれはたとい
>ナチズムでも然りです。

でした。
113世界@名無史さん :02/07/16 20:46
>>11 ◆stTVUYG
ひと通りこれまでの発言をROMさせてもらいましたが、全体的に疑問
あり。
1,俗流進歩史観の歴史観としての問題は、現在を文明の最高到達地点
 と見る視点から過去の歴史的時代を(現在の価値判断に即して)評価
 すること。これでは過去の歴史時代の内在的理解が不可能(俗に云う
 プロクレチウスの寝台。非歴史的な見方)。

2,マルクスの唯物史観は、経済的土台ー政治的法的(思想的)上部構造
 という比喩で、過去の歴史時代(各社会構成体)を分析する場合のひと
 つの手掛かりを提示した。そこでは時代の移行(社会構成体の移行)とと
 もに政治的・法的上部構造は崩壊し、新たな経済的土台(生産関係)に
 照応する別な上部構造が成立(即ちそれ以前の時代との断絶)。
 したがって、単なる進歩一元論的歴史観とは異なる。

3,ヒューマニズム史観:これもマルクス主義流に云えば、上部構造の一部を
 形成する観念形態(思想)の一つ。資本主義の発達とともに19世紀以降、
 表面化してきた。この時点で、過去のイタリア・ルネッサンス的、フランス
 的などの歴史的諸現象にそうした歴史的概念が賦与された。
114世界@名無史さん:02/07/16 21:04
113のつづき
4,ヒューマニズム史観という視点で過去の歴史を看る立場と否定する
 わけではないが、それがなぜ現代のアメリカなのか?
 ヨリ具体的に云えば、アメリカ政府の見解なのか? 
 アメリカ政府はアメリカ国民の思想と同じではない(前回の大統領選
 での得票状況の例)。
 またアメリカ政府の思想が、他の資本主義国(ヨーロッパ・日本など
 )や、ましてその他の宗教や社会体制を異にする第三世界諸国の国
 民と同じでもないし、同化すべき理由もない。
 
 なお、1で述べた俗流進歩史観の弊害克服の方法として、過去を異文
 化(現在とは異なる価値観を有する世界)として理解しようとするの
 が現代歴史学の一般的趨勢。その前提には、現代世界を単なる先進ー
 後進や文明ー未開図式といった概ね資本主義先進国での価値基準を普遍
 化して他者を評価することへの反省という現在理解がある。この点は、
 現在オリエンタリズム(欧米的価値尺度を内包したアジア理解)として
 論壇や学界でもホットな話題となっている筈。
 
 あなたの議論からは、そうした動向と無縁な1960〜70年ぐらいに流行した
 近代化論(文化的問題を除去した産業化のみを指標とする歴史観)に
 更に輪をかけた単純な歴史観を見る思いがするだが。
115世界@名無史さん:02/07/16 21:29
114の意見に概ね賛成だよ。

要は、11の見解というのは、ヒューマニズムというひとつの
観念(=形而上学)で、過去・現在の歴史を見ようとする唯物史観
以前の観念的歴史観の亜流の類だろう。
11611 ◆stTVUYG. :02/07/16 21:55
正直、難し過ぎて半分も理解できたかどうか我ながら
疑問ですが、出来るだけ答えて見ますね。
僕は現在無色で言わば、産業社会の駄目駄目くんです
が、やはり資本主義よりもベターな価値観が今現在も
分かりません…鬱。

まずは1のご意見へ。
歴史が現在をもって最高水準とするか否かは、学術的
に言えばよく言って疑問視、普通は否定的な意見が趨
勢を占めると思います。
しかし、所詮は僕は現代に縛られた人間で決してそれ
から自由になれない事は自覚していますが、それでも
尚、現在を肯定します。

なぜなら、結局は人間も一生命体である以上、安全、
自由、空腹が満たされる事、それが即ち良い事であり
故に、医療技術等が発達し、長命も可能な現在を肯定
します。
ただ、それも究極的には僕一個人の価値観であり、歴
史の内的理解には繋がらないかもしれませんが、結局
は人間は自らの身体感覚でしか物を見れないと僕は考
えていますので。(それは僕が学術に携わっている人間
ではないから、こういう勝手な事を言えるのでしょうね)

2へ。
その土台(経済)を築くのが漸進的に発展する技術で、その
土台に乗っかった上部構造(政治的・法的)というのがマル
クスの唯物史観なんですね。
ごめんなさい。勉強不足で。
しかし、結局は経済的なパラダイムの移行は技術の発展に
伴う以上、上部構造の連続性は断ち切られますが、有る意
味漸進的に人類の歴史はその究極段階へと向かっているの
では?

3へ
ヒューマニティが現在の体制における一つのパラダイムで
あり、絶対軸では有り得ない事は分かります。
そして、現在の視点で歴史を評価し、これは人文的だ、いや
これは人文的では無いというように評価し、ある意味レッテル
付けをしているのも。
でも、それでいいのではないでしょうか。
所詮、現在も未来があるのならば一つの過程であり、その過程
における一つの思想がヒューマニズムに過ぎません。
ただ、奴隷制や帝国主義などは消滅しましたが、歴史の審判に
耐え残るものも又あり、僕はヒューマニズムが現代が生み出し
た後生への一つの歴史的潮流となり、そして大いなる遺産とな
る事を願ってます。

難しいので、4移行はまだ明日にでも。
117わっはっは:02/07/17 04:16
>>114
1960年代頃の思潮よりも現代の思潮の方が進歩しているとする
進歩史観を前提にして進歩史観に反駁している奴を発見!!
11811:02/07/17 08:48
              _,..----、_
              / ,r ̄\!!;へ
             /〃/   、  , ;i
             i,__ i ‐=・ァj,ir=・゙)
             lk i.l  /',!゙i\ i
             ゙iヾ,.   ,..-ニ_ /    
             Y ト、  ト-:=┘i   
              l ! \__j'.l  
              」-ゝr―‐==;十i      _,r--――、
             .ト、.j.!レ' ̄三! >ーr‐r‐r‐<  _,.r<"「 l_____
     ____,..r--r=ヾヽj,r―'"≦__ ̄ ̄r―'"\\ \r",.-、, \
    ∧   ト-'‐'"三へ>ト-‐'"~    ゙i  /       \\(_.人 ヽ._ ヽ
    レ'へ._ノi 「 \ ゙l //./",「 ̄/ / /       ヽ-ゝ. \   /
    レ'// .l l   ! ! i/./ ./  /  / /         ,(  \  ノハ
    レ'/  .! !   i ゙'!  ̄ ∠,  /  ヽ._        ,ター  '",〈 !
   /゙" ,r'" .l‐=ニ゙,「l ! 「 ̄!. /./   ー=='       .l.ト、. -‐'"/!.ト

われわれは国際貿易センタービルを失った。しかし、これは敗北を意味するのか!?
否! 始まりなのだ!
世界人口に比べ、わがアメリカの人口は30分の1以下である。
にもかかわらず、アメリカが世界を制覇できたのはなぜか!?
第1次大戦、第2次大戦、朝鮮、ベトナム、イラク、アフガン、つぎつぎと戦争をくり返しながらも、アメリカが世界の支持を受け続けるのはなぜか!?
諸君! わがアメリカの戦争目的が正義だからだ!
これはアメリカの同盟国である日本国民がいちばんよく知っている。

アメリカのかかげる人類ひとりひとりの自由のための戦いを神が見捨てるわけはない!
アメリカ資本主義の象徴! 諸君らが愛してくれた国際貿易センタービルは崩壊した!!
なぜだ!?
世界の覇権を我ら選ばれたアメリカ国民が得るのは歴史の必然である。

しかしながらファシストどもは、じぶんたちが人類の支配権を有すると増長しわれわれに抗戦する。
諸君の父も、子も、そのファシストの無深慮な抵抗の前に死んでいったのだ!

この悲しみも、怒りも、忘れてはならない!
これを…国際貿易センタービルは…崩壊をもってわれわれの前に示してくれた!

われわれはいま、この怒りを結集し、ファシストどもにたたきつけてはじめて真の勝利を得ることができる!
この勝利こそ、戦死者すべてへの最大の慰めとなる!
アメリカ国民よ! 悲しみを怒りにかえて!
立てよ! アメリカ国民よ!
われらアメリカ国民こそ選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ!
優秀種たるわれらこそ人類を救い得るのである!!

U.S.A.!! U.S.A.!! U.S.A.!!
119マジレス:02/07/17 15:10
>その前提には、現代世界を単なる先進ー
>後進や文明ー未開図式といった概ね資本主義先進国での価値基準を普遍
>化して他者を評価することへの反省という現在理解がある。この点は、
> 現在オリエンタリズム(欧米的価値尺度を内包したアジア理解)として
>論壇や学界でもホットな話題となっている筈。

日本の視点で第三世界として目に入るのは、日本自身の近過去であり、
東アジア・東南アジアといった現代経済成長を続ける国だが、欧米視点では、
アフリカなど経済的離陸の可能性が見えてこない地域が最初に思い浮かぶ。
そういう地域にも何か誉めるところを探してリップサービスしているのを
本気でとるのはイタイ。
どうしようもなく弱いスポーツチームに対して
「笑顔はどこにも負けてなかった」と誰かがコメントしたからといって、
「スポーツには笑顔という勝敗の次元もあるのか」と勘違いするようなもん。

大体、アジアについては経済発展というのが現代のステロタイプイメージ。
そこからハンチントンみたいな新黄禍論も出て来るわけで、
「アジア≒未開」という観念の方が一昔前のもんだし、
それこそがオリエンタリズムなんだよ。
120世界@名無史さん:02/07/17 18:40
>「スポーツには笑顔という勝敗の次元もあるのか」と勘違いするようなもん。

体操やフィギュアスケートやシンクロナイズドスイミングでは、
笑顔は重要な評価ポイントですが、何か?
121114:02/07/18 00:55
>>116(=11さん)
カキコの字数が制限されているため、意見の内容が不充分でまた批判がやや性急
となってしまったことを御詫びします。11さん(本物)の今までのカキコを見て、
私自身の賛成・反対両面も錯綜していたので、やや混乱した議論を展開してし
まったようで。
以下では少しづつ具体的にレスしていくつもりですので。なお、やはり字数の
制限上、丁寧表現は省きややブッキラボーなカキコになりますが御容赦のほどを。
122114:02/07/18 03:48
>>116(=11さん)
>やはり資本主義よりもベターな価値観が今現在も
>分かりません
「資本主義よりもベターな価値観」の模索より、現在の資本主義の問題点を検
討することが重要かと。マルクスも資本主義社会の徹底した批判的分析を通じ
てその克服の方法(共産主義)を考えた。ある歴史社会は、最初その内在的批
判(=思想)とそれを現実化した運動を通じて、次の体制へと変化(=移行)
する。

>所詮は僕は現代に縛られた人間で決してそれ
>から自由になれない事は自覚していますが、それでも
>尚、現在を肯定します。
我々は現在性に拘束されていると同時に、その現在性は歴史(過去性)に制約
されている(二重の存在被拘束性)。そしてそのことの自覚は重要。
しかしそこから安易な全面肯定でなく、そうした拘束性=束縛感を脱する努力
も必要な筈。そして、そうした意志は、現実批判の視点からしか生まれないの
では。

>結局は人間は自らの身体感覚でしか物を見れないと僕は考
>えていますので。
現実をまず「自らの身体感覚」で把握することは勿論必要。ただその次の段階
として感覚を基礎としながら理性(理論)で把握することも必要。両者の働き
により、現実は、リアル(真実性)でアクチュアル(実際的)な対象と認識す
ることができ、またそれへの変革や改革の行動性(実践)も生まれる。
この理性的な現実把握に関わるのがマルクス主義理論(唯物史観はその歴史部
門)。
123114:02/07/18 04:18
122のつづき
>結局は経済的なパラダイムの移行は技術の発展に
>伴う以上、上部構造の連続性は断ち切られますが、有る意
>味漸進的に人類の歴史はその究極段階へと向かっているの
>では?
歴史における土台部分(生産力・生産関係など)に継起的な発展があるのは
事実。なお生産力とは、労働主体(人間)・労働手段(用具)・労働対象(自
然)を構成要素とする相互関係の総和。

>「経済的なパラダイム」と「技術」との関係。
人間(主体)による自然(対象)への働きかけは、用具(手段)の性格に依存
、用具(手段)の性格はそれを生産・所有する人間たちの社会関係に依存。
つまり人間の物質的生活の生産(=本源的な経済行為)は、生産手段の自体の
性格と生産手段の生産様式(=技術)に規定される。(経済の根幹を技術が支える
理由)。
性格に
124114:02/07/18 04:50
123のつづき
>ヒューマニズムというパラダイムの選択と歴史への評価の問題
ヒューマニズムという観点を選択する点に異論なし(価値観の選択は自由)
ただ、いずれの価値観にせよ現在の到達点(=価値観)から過去の事象を
分別することは非歴史的。ヒューマニズム自体も過去の歴史の所産として
重層的構造をもっている筈。
そして各時代のヒューマニズムは、その時代が提示する問題との関係でそ
れぞれ存在意義をもつ。同時に前の時代のヒューマニズムは次の時代のそ
れと関連性もち、そこに当該理念・運動の新しい発展と伝統的持続との重
畳的構造が生まれる。それゆえ現代のヒューマニズムも、第一義的には現代
の問題と向き合うが、その表層の下には各時代のそれが重層的に存在して
いる筈。
つまい、単に昔のヒューマニズの時間的発展=新しいヒューマニズによる古い
それの克服(除去)という視点では、そうした歴史的であると同時に今日的で
もあるヒューマニズムの思想的構造を把握できず、どう未来へ向けて継承・発
展させるべきか、という実践的な課題にも応えられないのでは。

>ヒューマニズムが現代が生み出し
>た後生への一つの歴史的潮流となり、そして大いなる遺産とな
>る事
上で述べた問題点が踏まえられるならば、正しい見通しとも云えるかも。
125114:02/07/18 05:10
>>118
11さんの偽物のようですが………
>われわれは国際貿易センタービルを失った。しかし、これは敗北を意味するのか!?
>否! 始まりなのだ!
アメリカの覇権主義の終わりの始まりという点では、確かに「始まり」。

>諸君! わがアメリカの戦争目的が正義だからだ!
古来いかなる部族・民族・国家も、不正義や侵略を公然とした目的と宣言
して、戦争を始めた者はいない(常に自衛や世界秩序の再建などなど)。

いずれにしても、このアジ・プロ文書を読めばアメリカ政府のそれも
右派勢力は大いに感謝してくれることかと。
126114:02/07/18 05:29
>>119(マジレスさん)
先進ー後進や文明ー未開図式による世界史把握は、欧米中心の世界
資本主義体制がほぼ地球を覆い尽くした19世紀後半(日本の開国が
資本主義の世界化の最後の環を閉じたというマルクスの評価)とほ
ぼ同時に出てくる考え方です。マルクス主義的に云えば、経済世界の
実態に照応したイエオロギー(観念形態)の一種。

世界の諸地域社会への相対的視点は、産業化の程度を指標にその優劣
を決めることではありません。またこれらの産業化の格差は、欧米列強
(日本も含む)の植民地化や経済的従属化により、強制的に創出された
もので、それはグローバル化の現在でも状況は変わっていません(帝国
主義時代の囲い込み的排他的植民地が、先進諸国共有の市場(秣場)に
変化したのみ。
ですからこれらの支配ー従属関係を無視して、対等な条件を偽装しての
優劣比較はナンセンスであろうと。
更に、こうした支配ー従属化を根拠づけるイデオロギーとしての機能
を担ったのがオリエンタリズムと総括される(欧米に根深い)思惟様式。
したがって
>「アジア≒未開」という観念の方が一昔前のもんだし、
>それこそがオリエンタリズムなんだよ。
という御指摘は正しいが、私が先に挙げたのはこうした考えを批判する
オリエンタリズム批判としての議論。
127やれやれ:02/07/18 06:33
↑は自分の発言の矛盾に気づかないのかな……。

「経済発展の度合いが低いのは不幸だ」
ということを前提にしないんだったら、
他国の経済発展を妨害するのは道義的に何の問題も無いはずだが。

他国の経済発展の妨害を非難するというのは、
「経済発展の度合いが低いのは不幸だ」
というのを自明の前提として語っていることになるんだよ。
128世界@名無史さん:02/07/18 07:01
>>125

>このアジ・プロ文書を読めば


……あなた、ものすごくマヌケなことをしていますよ?
129世界@名無史さん :02/07/18 15:11
>>125
>古来いかなる部族・民族・国家も、不正義や侵略を公然とした目的と宣言
>して、戦争を始めた者はいない(常に自衛や世界秩序の再建などなど)。

あんちゃん。
あんちゃんはたしかに賢そうだが、まだ若い。
アメリカの特異性を認められないようじゃ、まだ世界史を知ってるとは言えないな。

アメリカだけは特別なんだよ。

ナチズムも日本軍国主義もスターリニズムもみな、アメリカには勝てなかった。
11の言ってることはたしかに局所的に問題もあるが、本質的なことはまったくまちがっていない。

なぜなら人種が混沌としたアメリカは、世界そのものだからだ。

世界のなかにアメリカがあるんじゃない。アメリカのなかに世界があるんだよ。

アメリカの歴史とは世界史そのものなんだ。
130114:02/07/18 15:49
>>116(=11さん)
前レス114の最後の3行
>あなたの議論からは、そうした動向と無縁な1960〜70年ぐらいに流行した
>近代化論(文化的問題を除去した産業化のみを指標とする歴史観)に
>更に輪をかけた単純な歴史観を見る思いがするだが。
は、>>117氏が指摘したように
拙速のあまり自己矛盾的な批判でした。スマソ
131世界@名無史さん:02/07/18 15:52
すべてのちるどれんへ
おめでとう!!!
13211 ◆stTVUYG. :02/07/18 20:00
昨日は書き込めませんで申し訳ありませんでした。
まずは114さんの4へのレスです。

アメリカ政府の意向=すなわちアメリカ国民の最大公約数的
な動向という事を否定すると、それは即ち民主主義の否定
であるのでは。
選挙制度や一部のエスタブリッシュメント、ロビー活動など
は当然それを歪める要素ではありますが、根本的な理念そ
して現実として、アメリカ政府=アメリカ国民だと思います。

僕は単純に世界史とは人間の根本欲求を満たしていく過程で
あり、それは農耕と牧畜の始まりから産業革命に至るまで、
全ては結局、まずは生物としての欲求(食欲や生存欲求等)が
満たされての後、人間らしい欲求(自由、快楽、その他個々人
によって数多)を満たそうとするのではないでしょうか。

そして、漸進的にそれは満たされつつあると。
故に歴史は、不可逆的な進歩への階梯だと僕は考えています。
問題は、不当なまでの格差、そして地球という限られたパイ
がそろそろ限界に来ている事でしょうね。

そして、その論点でいうと経済発展即ち、欲求の充足に繋が
りますから(物質的な部分においては)それすなわち、善であ
り進歩だと思いますね。
正直、些か厭な面もかいま見えますが、欧米的スタンスによ
るアジアやアフリカへの視点がより確かかと。

また新たに頂いたレスへの返答はまた明日にでも。
基本的な部分での補足や指摘には大変感謝しておりますよ。

>129
良い意見ですね。
この問題のきもの部分でもあります。
今回はちょっと簡単に。(これはゆっくりと語りたいですから)

現在のアメリカにおける人種比率が有色人種に傾いてきている
事は、皆様ご存知でしょうが、これは大変に興味深い現象だと
思います。
世界にアメリカがあるのではなく、世界がアメリカになりつつ
あり、最終的には世界とはアメリカが内包する物になるのでは
ないでしょうか。
単純に白人国家或いは自由を標榜する超大国だからアメリカが
凄いのでは無く、そのアメリカが世界になりつつあるからこそ
凄いと。
そして、当然アメリカの理念は現在の段階においては人類にと
ってベターな選択肢だと思います。
(それへの経済的、精神的全ての面においての反発もおきていま
すが)
133世界@名無史さん:02/07/19 00:48
>>130
>拙速のあまり自己矛盾的な批判でした。スマソ

謝っているところに追い討ちをかけるのは心苦しいのですが……。
あなたのそもそもの問題点は、本心と上っ面の言葉に乖離があることです。
その根本的問題を直視しないままでは、
本心が行間から漏れ出て来ないように文章を練っても、
むしろ自己欺瞞をこじらせてしまうだけでしょう。

ハングル板でこういうジョークを見つけました。

 或る男が韓国人にやかんを貸した所、
戻ってきた時にはそのやかんには穴が開いていた。
其所で、やかんを貸した男はこの韓国人を訴えた。
 裁判の日、韓国人はこう言った。
「裁判長、私には裁判の前に言っておきたい事があります。
 一つ目、私はこの男からやかんを借りたりはしませんでした。
 二つ目、私がこの男からやかんを借りた時には、
  既にやかんに穴が開いていました。
 三つ目、私がこの男にやかんを返した時には、
  やかんには穴など開いていませんでした」

上の民族差別ジョーク、本来は韓国人ではなくユダヤ人のネタだそうですが、
いずれにせよ、その点はここでは問題ではありません。
あなたの投稿の論法は何だかこのジョークに似ている、というのが要点です。



134世界@名無史さん:02/07/19 07:43
人間も規格品ではない以上、全てが同じと考える事に無理がある。
よって人間同士の付き合いには「疑う」事が重要な要素となる。
人は隣人と信じ合える事はできるだろうが、
「知らない言葉を喋る」「知らない文化に育まれてきた」
「どんな教育をうけてきたか」…さえ不明な遠方の他人を信じきるのは
お気楽としか言い様がない。
国家も人間の集合であるから少なからず民意にはこれが表れるだろう。
人間の善意を疑い、論理的に考え判断し、行動する。
その為にはより広い知識を多くの人の思考を得る事が重要であり、
それが現代のマスコミに代表されるメディアの情報が必要であり、
さらに、このような場において議論される事が必須である。
技術に裏付けされたこの点においてのみ、
犯罪(戦争)により失われた生命の意味を論ずる意味が進化したと思える。
つまり、人類の混濁した思考を限りなく灰色に広めていく事実こそが、
過去の一方的な洗脳政治から脱するキッカケであると考えた。
よって、犯罪(戦争)は人間のもつ要素として享受しつつも、
それに対して戦う意思を全員で考え続ける事こそが必要だと、
なんだか何を言いたいのかわからなくなってきたので、
もうやめときます。
135世界@名無史さん:02/07/19 09:42
熱いなあ
136人類学:02/07/19 21:03
本来の東アジアの人種の身長は、
「満州人>華北人・朝鮮人>華南人・日本人」という具合に、
北が高く南が低くなっている、というのが人類学の定説。
しかし、現代では栄養水準が違うために、
日本人と韓国人が同じくらいで、北朝鮮人より高いという形になっている。
人種の形質を比較するためには、そういう要因の差を補正して、
栄養水準が同じ同士での比較を考えないといけない。

同様に、民族の文化を考えるにも、経済発展水準の差を補正して、
同じ発展段階同士での比較になるようにしないといけない。
貧困に由来する様々な現象を民族文化と考えるのは、論理上の誤り。
137世界@名無史さん:02/07/19 21:17
>>136
誤爆?
138つーか:02/07/19 23:09
>同様に、民族の文化を考えるにも、経済発展水準の差を補正して、
>同じ発展段階同士での比較になるようにしないといけない。
>貧困に由来する様々な現象を民族文化と考えるのは、論理上の誤り。

それはその通りなんだが、論理じゃなく感情の問題としても、
貧困を民族文化だとするタイプの主張には虫唾が走るな。
アジア・アフリカを旅行するのが好きなタイプによくいるんだが、
乞食やスラムや売春婦やドキュン現地人が大好きで、
「シンガポールは綺麗過ぎてつまんない」とか言う奴。
結局それは相手国を動物園として見ているだけだろうが!!

なお、貧しさを妙に美化したがる進歩ルサンチマン型の奴は、
このスレッドに書き込むことを禁止する。
つーか、そういう奴がインターネットやパソコン使うのは自己矛盾なんだから、
禁止される以前に自分で矛盾に気づいて自粛しなさい。
139世界@名無史さん:02/07/20 01:17
>>138
だけど、言論の自由も表現の自由もない国よりは、
ある国の方が面白い。
権力者との間で常にせめぎあっている国でも可。
そういう国の文学は、風刺だの何だので結構面白いから。

ヒューマニズムってののもともとの意味は人文主義で、
それを発展させたのは(それまで絶対だとされて来た)
中世キリスト教の価値観や表現に対する批判精神だと思うから、
シンガポールをつまらないと思う感性も、ある意味で
ヒューマニズム的と言えなくもない・・・と思う。
140世界@名無史さん:02/07/20 02:29
>>138
国益という観点からすれば単に当たり前だろ。
例えば、アメリカでの反日感情がピークだったのは、
バブルで日本企業がアメリカの資産を買いまくっていた時期。
その後、日本経済の停滞で日本は再び愛される国になったわけだが(藁
日本が、恐れられる国に再びなれるよう、努力しないとな。
141世界@名無史さん:02/07/20 09:52
>またこれらの産業化の格差は、欧米列強(日本も含む)の
>植民地化や経済的従属化により、強制的に創出されたもので

まーだこんなこという輩がいたか、、、
ちょっとその「経済的従属化」とやらの具体例を出してもらえまいかな。
あと、「植民地」が産業化に役立ったとかいうテーゼのもな。
142感謝:02/07/20 11:46
>>136
なるほど。
「一人当たりGDPが欧米並みの現代日本人が、相変わらず箸で米を食べ、
 畜肉や乳製品の消費量が欧米よりも少ない代わり海産物の消費量が多い」
というのは日本の民族文化だけれど、
「高度成長期以前の日本の食事は栄養不足気味で、平均身長も低かった」
というのは日本の民族文化ではなく貧困の問題だった――と。
言ってみれば、そういうことですね?

どんな野蛮な慣習も文化として尊重すべきなのかという点が、
文化相対主義を巡る議論では必ず問題になりますが、
発展段階を補正した民族文化を想定すれば、その辺がクリアになるでしょう。

例えば、中国の纏足という慣習は野蛮なものでした。
しかし文化相対主義の立場からは、そういう慣習ですら
「固有の民族文化である以上尊重すべきだ」ということになってしまいます。
しかし纏足の慣習は、中国が近代化して全体的知的水準が向上すれば、
異文化の影響を受けなくともどのみち中国人自身が廃止するはずのものでした。
それは、歴史の後知恵で実際にそうなったことを知っている我々だけでなく、
後知恵を持たない同時代の理性的観察者にとっても自明なことでしょう。
つまり、特定の時期の現象ではなく完成形を想定して文化を論じるならば、
「纏足は中国文化の切り離せない本質ではなく、貧しさの現われに過ぎない」
という主張をすることができ、文化相対主義は倫理と両立しうるわけです。

東アフリカの女性器切除など、問題となる多くの慣習について、
この論理を適用することが可能だろうと思います。
143世界@名無史さん:02/07/20 12:28
マルクスは人類が進歩したら一日3時間くらい働いて、あとは趣味の時間みたいな
ことを言ってたんだけど、どうもそうはなりそうにないね。

144世界@名無史さん:02/07/20 12:37
>>143
そうなっていると思うぞ。IT産業、営業マン、タクシーや列車の運転手・・

昔の人から見れば全部趣味みたいなもんだろ。
145世界@名無史さん :02/07/20 13:44
>>143
大学教授なんて一日換算で1時間ぐらいじゃないか
まあ、デイトレの俺も1日3時間ぐらいにしたいのだが
NY株の続落で休んでられない、稼ぎ時。
146世界@名無史さん:02/07/20 14:32
デイトレってどうやったらなれるの?
147114:02/07/20 14:43
>>129
>アメリカの特異性を認められないようじゃ、まだ世界史を知ってるとは言えないな。
>アメリカだけは特別なんだよ。
>世界のなかにアメリカがあるんじゃない。アメリカのなかに世界があるんだよ。
>アメリカの歴史とは世界史そのものなんだ。

「アメリカの特異性」とは諸民族(人種)・諸宗教の坩堝を意味しているらし
いが、その特異性がなぜアメリカの優越性に繋がるのか不明。
アメリカの優越性を指摘するなら、その特殊性でなく一般性・普遍性を述べて
こそ論拠になる。
またアメリカの歴史=世界史なら、アメリカが現在のような覇権国家となった
第二次大戦以前は、世界史は存在しないことになる(なお、それ以前は大英帝
国が覇権国家だったから、19世紀以降の世界史はそれがすべてだと?)

129の文章は、アメリカをソ連に、ソ連の特異性を社会主義に、スターリニズム
を資本主義に書き換えると、1950〜60年代のソ連盲従主義者たちの言説にソック
リとなる。これは悪ふざけではなく、特定の国家や体制のモデル化とそれへの
追従の危険性を指摘したまで(世界情勢というのはどう転変するかわからず、
この先アメリカが没落すれことがあれば、指標を喪失することになる)。

あと極端なアメリカ追従的主張は、ナショナリストたちから見れば「非国民」
と罵られることになるのでは?


148世界@名無史さん:02/07/20 15:06
アメリカを中心とする集団安全保障体制は、その価値観(近代主義的、国連的な)
にまつろわぬ国家を任意にエリミネートする権利を有する。
この価値枠ぐみをこえて(我が国独自の価値観)なるものを主張
することはゆるされない。
何が正義で不正義であるかはアメリカだけがこれを決し得る。
アメリカは地球の憲法であり法律であり判事であり死刑執行人である。
よってアメリカとその敵対者の関係は常に司法権力と犯罪者
の関係に等しい。こういうこと?>11
149世界@名無史さん :02/07/20 15:28
>>148
アメリカ絶対主義も、ここに極まれりだな。
日本の立場について考えたことがあるのか!! 
アメリカの国益と日本の国益とはすべてが一致するわけではない。
アメリカの強引な恫喝的な軍事負担などの押しつけに対しては、
毅然としてこれを退けるのが、日本の国益に即した立場な筈。

世界諸国(特にその政府)がアメリカの云うことに従っているのは
その卓越した軍事力・経済力への畏怖にすぎない。
それをアメリカ=正義だなどと云うのは笑止千万。

我々は、断固として日本の国益重視の立場から、アメリカの政策
に対しても、是々非々で対処しなければ、極東で(台頭しつつある
中国を牽制して)有力な国家となることはできない。
今必要なのは、「アメリカにNOといえる日本」の政治体制の構築
なのだ。

自らが生まれ育った祖国日本、その日本の伝統文化・制度に対する
理解すらなく、ひたすらアメリカを賛美する者、これを非国民トイウ!!
150世界@名無史さん:02/07/20 15:47
>149
禿堂!有事法制とはとどのつまり日本をアメリカの封建的隷属下
におく日本属国化法案にほかならない!
 兵員供出とひきかえに一定の自治権を認められる、これはまさに
封建的臣下の典型ではないか。
同胞諸君!今こそアメリカが押し付けた西洋近代主義のくびきを断ち切り
安保廃止、国軍創設を始めとするわが民族の真の独立を勝ち取ろう!
151世界@名無史さん:02/07/20 16:01
非国民が集まって、アメリカマンセーをしているスレはここですか。
152114:02/07/20 19:26
>>132(=11さん)
>アメリカ政府の意向=すなわちアメリカ国民の最大公約数的
>な動向という事を否定すると、それは即ち民主主義の否定
>であるのでは。

確かに民主主義国家の場合、制度(建前)上では、国民の意思=国家の意
思となる筈。
しかし現実は、政府・マスコミなどによる意図的な世論形成などで、国民
が政府の政策を鵜呑みにし、世論による政府のチェック機能が麻痺する場
合もしばしば存在する。

ベトナム戦争でも、当初国民は政府の介入政策を支持したが、直接的軍事
介入により戦争が泥沼化し、戦死者も増加してくると、次第に政府の政策
に懐疑的となり、政府が支援する南ベトナム政府の抑圧的性格や東南アジ
アの情勢についてよく知り、反戦の世論も高まるようになった(政府も最
終的に撤退せざるをえなくなった)。
なお現在では、ベトナム戦争について国民の大半は「政策的失敗」「敗戦
」と理解しているが、国家(政府)の公式見解では歴史的失敗とは認めて
いない筈。
以上は、たとえ民主主義国でも国家(政府)と国民とはただちに同じでな
いということの一例。

以上のことはアメリカのマイナス面を強調するためのものではない。
国家(政府)=国民という思考の危険性、政府の政策への反対派が常に存
在して政府の行動を監視することの必要、(対立も含めた)多様な意見の
存在を許容する寛容さの必要を述べたもの。
なお、これらの点は日本の現在の「民主主義」体制についても当て嵌まる
事柄です。

後半の御意見については、あとでレスします。
153世界@名無史さん :02/07/20 19:52
>>149
おい、おまえ!!
コヴァの一味か?
なんでも、コヴァ系統では、日本マンセー派とアメリカマンセー派
に二極分解したそうだが。
まあ、どちらもクルクルパー房である点じゃ同じだが。
俗に云う「目クソ鼻クソ」のレベルだけどな(ププ
154世界@名無史さん:02/07/20 20:26
>>153
アカ氏ね。地上の楽園に逝って来な。
155世界@名無史さん:02/07/20 20:45
夏は始まったばかり
156世界@名無史さん:02/07/20 21:04
コヴァの同調者には、世界史のイロハもわきまえないバカ者が多いので
困る。
コヴァの議論にマトモニつきあえるのは、ハッキリいって、厨房レベルの
頭脳の持ち主。
コヴァがもてはやされるのは、それだけ厨房レベルが
増えている証拠。

ガンの増殖と同じで、始末の悪いことだ罠。
157考える名無しさん:02/07/21 12:51
>>147
>「アメリカの特異性」とは諸民族(人種)・諸宗教の坩堝を意味しているらし
>いが、その特異性がなぜアメリカの優越性に繋がるのか不明。
>アメリカの優越性を指摘するなら、その特殊性でなく一般性・普遍性を述べて
>こそ論拠になる。

アメリカは世界の縮図だということだよ。
アメリカ国内でも支持を受けることは、世界でも支持を受ける。
時間的なズレはあるだろが、かくじつに支持を受ける。
アメリカを支持できないものは世界のマイノリティーになるだろう。

アメリカはいままで歴史上に存在したどの国家とも質がちがう。
世界そのものだからだ。
だが、それがゆえに普遍的だ。

普遍的であるということが、特殊なんだよ。
これほど普遍的な国家は歴史上存在しなかった。

>またアメリカの歴史=世界史なら、アメリカが現在のような覇権国家となった
>第二次大戦以前は、世界史は存在しないことになる(なお、それ以前は大英帝
>国が覇権国家だったから、19世紀以降の世界史はそれがすべてだと?)

19世紀以降のアメリカの台頭により、世界史が一気に進歩したというのはたしかだ。
アメリカが存在しなければ、歴史の進歩は数百年は遅れていただろう。

アメリカは歴史の最先端だ。他の国家の未来史なのだよ。
単一的な進歩史観に基づけば、世界のどの国家もかならずアメリカ化する。
それがゆえに世界史そのものなんだ。

アメリカ以外の国は、まだ発展段階が遅れているだけなんだよ。
質の差ではなく、時代の差だ。

>129の文章は、アメリカをソ連に、ソ連の特異性を社会主義に、スターリニズム
>を資本主義に書き換えると、1950〜60年代のソ連盲従主義者たちの言説にソック
>リとなる。これは悪ふざけではなく、特定の国家や体制のモデル化とそれへの
>追従の危険性を指摘したまで

過去、左翼たちにモデル化されたソ連は崩壊したが、アメリカは覇権国家としていまもなお君臨しつづけている。
ソ連よりは、世界世論の支持があったということだ。

これは少なくとも、ソ連よりはアメリカがより理想的な国家だったということだ。
ソ連をモデル化するより、アメリカをモデル化する方がはるかに健全で正常なことだと思うが。

>あと極端なアメリカ追従的主張は、ナショナリストたちから見れば「非国民」
>と罵られることになるのでは?

それはナショナリストたちの精神的な発展段階が遅れているからだよ。
彼らも成長すれば、アメリカこそがもっとも世界精神を実現した国家だという11の意見に賛同せざるを得なくなる。

いまは11の言うことに同意できないかもしれないが、いずれ同意するときが来るよ。
子供が大人になるように。
158世界@名無史さん:02/07/21 13:06
なんだ隔離スレか
159世界@名無史さん :02/07/21 13:31
>>148
>アメリカは地球の憲法であり法律であり判事であり死刑執行人である。
>よってアメリカとその敵対者の関係は常に司法権力と犯罪者
>の関係に等しい。こういうこと?>11

まさに、そう言っているんだろうな、11は。
しかし、アメリカ以外の国がそれをなそうとしても、世界世論は納得しないだろう。

それだけの器量を、説得力を、アメリカだけが有しているのはなぜか…?

あながち、11の意見をデンパとは笑えなくなってきた。
一面の真理をついているのかも…。
160世界@名無史さん:02/07/21 13:32
夏か
161世界@名無史さん:02/07/21 15:05
>>159
ようは、恫喝して世界を支配するのが正しく、EUの様なアメリカへの
対抗を打ち出すのは非進歩的ってことですね。
162世界@名無史さん:02/07/21 17:29
アメリカマンセーだけでなく、これを神と崇め奉る「日本人」のいるスレはここですか
163世界@名無史さん :02/07/21 17:37
>>157
あきれた野郎だ。そんなにアメリカがいいのなら、サッサとアメリカへ移住しろ。

それとも、アメリカの利益になることなら、たとえ日本の国益に反することでもヤル気かよ。
おれは、そうした売国奴は絶対許さない!!
もし、そうした奴がいれば、必ず殺してやる。これは冗談なんかじゃねーぞ
売国奴や非国民の一匹や二匹殺すぐらい雑作もないことサ

命が欲しかったら、もうたわごとも大概にすることだな。
これはマジ忠告だぞ。
164世界@名無史さん:02/07/21 17:51
夏厨は夏厨を呼ぶ
165世界@名無史さん:02/07/21 17:57
>164
たしかに。双方ともこの暑さで脳内異常を起こしたものと思われ。
166寅午(トラウマ):02/07/21 18:28
\  /イ/ / /   八 从从八八 ノノ} l l l l  ll |. / 見ないで…くだ…さい
.   \ |i  l ト、 从{ X"⌒   "⌒メメ丿l l  l| l// / /  ハ ハ i  ヾ ヾ  j
  ♪  \! | l (( /           ヽ}ハj j l / { 八ノハノノムノノ ナメ    i ノ
   ,. -‐ \> ヽハ   .....     ......   jノv' i/ ハノ ,,. -‐"   彳ij i l ijノ
  /´∠二二.\ i ハ ,;;;ii≡ii;    ;iill≡liii;;;、/ / / /ヽX"/O::ゝ     |::|レ'ル'jノ
/i ル'从ノソソ) )\i ハ , , ,      , , ,  /イ / i{ X 〃゚::::: !    bj lノ
\! iid´i゚ } ,{゚i{'  \ヽ    .__.     ./i ! /'⌒i   ム_ ::::。j     `' !
. く! ii ii、" lフ"イi ゚   \\   " ∧∧∧∧∧ ハ 、__    ヾ゚ノ    ゝ`!,-、
  | ii/r───┐あの  \>,<  の  コ >!>-_     ヽ`` c' / } L、
  | ii ,|_sukebu_|_ あの  \i<     ヴ  >l ̄~^ヽ 、_,,. -- 、/} }.ノ |. ト、
  jノ{_{ _}=={_ }        <  予  ァ > l⌒>-''´     \ l '   ` i、
――――――――――――<  感  ス >――――――――――――
 / /_, -‐‐-`ゝ、}   ☆  <  !!  レ >=どどどどどどど=, -─‐- 、
 { i/, , ,  , , .ヽヽ       ∨∨∨∨∨ ======= /´ ∠}≫≪{ヽ
_// {イノノノノメ} } }   ☆ / ノハ八从从 \ ======|  y(( 从ノノ)))っ
/〈^ {{ 'i゚j}`  ry' ノ   ☆  /八ル  __     \ =====| d ( l ,l)|i| ハァ
 ,ノ`ハ ''  ー ',!〈       / X´ ,,. z=≡ゝ   ,,≡\====ノ  リ、" (フノ j ハァ
  .ノ }_><ハ_}      /> i 〃|0:: ゚l|    |0;;: :\==(( /###f^l《
 /⌒ヽ /~ヽ(⌒)ビシッ  / { (V〈 i:::: o !    l :::  ij }\ = (⌒ヽ#/ヽ、i
_{ -‐-、_〈^__}` lr‐r‐、 /i ヽ∧  ヽ__゚/     ヽc__/  /,\.=\ " //>、
}     /  __ノ_ | | i/| i  l i 〉 , , ,    ,    , , ,  // \く#####/ ^‐"
'-‐ _/(´    ` ー'ー/ / i  i i i 〉、     ,--、     イ  i i  \ ##/
 /~  \ ̄⌒`ー─ / いんたーねっと? `ー'   イ ソ i i lヾ  \
16711 ◆stTVUYG. :02/07/21 20:00
>142
大枠では同意ですね。
文化相対主義は現代における一つの潮流ですが、その論理的な問題点(纏足や殉死など、現代の価値
からすると問題のある文化を認めるか否か)に対し、経済的観点においてブルークスルーを提起して
くれました。
しかし、纏足を例に取ると、本当に概略ですが貧しい→封建的→男の支配→男への隷属の為の女性の
纏足と果たして纏まりえるか?
ぼくには疑問ですけれど。
ただ、物事は物事として厳然と存在し、我々現代人からの視線をあざ笑っているかのように思えます。
しかし、その本来何の意味も持たない事象(纏足など)に対し、今の人間の大多数は忌避感を表明する
事は、それは経済的発展によってお腹が膨れ、そして"人間"それ自体に意味を置くヒューマニズム、
それへの政治的裏付けである民主主義が普及したおかげでしょう。(アメリカ評価への一つの論拠)
16811 ◆stTVUYG. :02/07/21 20:01
>148
非難を受ける事を覚悟し申しますと、端的にはその通りです。
文化相対主義の観点、或いは国民国家的なアイデンティティには抵触し、反発も予想されますが、人
間の手が余りにも大きく広くなり、何らかの形でイニシァチィブを取る国家が存在しないと、世界は
混沌の相を呈する事でしょう。
そして、今一番大きな抵抗は国民国家的な規模を超えた文明圏の衝突(あまり適切ではないのですが)
と国家を超えた利益集団(マフィアなどの犯罪シンジケート)がアメリカ的価値の世界への普及への大
きな抵抗になると思います。

しかし、相対主義は基本的には正しいと思いますが、その正しさは"事実"に属する事柄であり、人間
はフィクションすなわち"真実"言い換えると、よく出来た物語の枠組みの中で生きており、その物語
の中でも出来が良く、個々人そして、公共の福祉に一番益するのが民主主義であり、ヒューマニズム
です。
そして、それを体現している国家がアメリカであり、アメリカは現在唯一の超大国でありながらも、
ある意味、素朴であり、歴史的に見ても大国でありながらこれほどフェアだった国は今まであったで
しょうか?
中国の朝貢、或いはイスラム圏の宗教的寛容さ、ローマの法的な実直さ全てを兼ね備えているのでは
ないかと思います。

そして、その裁判官であり死刑執行人であるアメリカを御するのはアメリカ国民であり、世界世論で
す。
更にアメリカは自由と平和、民主主義を標榜しており、これほどその役割を担うべき条件を得た国が
あるでしょうか?
アメリカは、世界をアメリカにするという歴史的な宿命(比喩です。歴史の不可逆的な展開がアメリカ
にそれを強いるのでしょう)を担っています。
16911 ◆stTVUYG. :02/07/21 20:01
>114
アメリカの特異性の一要素が人種の混交であり、それは一つの側面でしかありません。
地政学的条件(アメリカを中心に西にアジア、東に欧州圏)、世界への文化、経済、政治的な影響力やそ
れへの対処。その歴史的な特異性などなど。
そして、この現代における普遍性とはすなわちヒューマニズム、人間の命を大切にする事ではないで
しょうか。
そして、アメリカが担うテーゼはその建国以来、多くの国に浸透し支持を集めており、それはアメリカ
の特異性でありながらも、又同時に普遍性も示唆していると思います。

後、アメリカ政府=国民は建前であり、その齟齬と両者の緊張関係を見逃してはならないというご意見
ですが、至極当然です。
しかし、アメリカ政府が何も善の使者では無く、ただ自分達の利益だけを求めていて、又国民も然りで
あるとも思っています。
ただ、アメリカが持つその制度、理念、力、これらがアメリカさえも意図しない形で世界を変えていき、
それは必ず良い方向に向かうと思っています。
それにアメリカ政府=国民という建前、そして政府と国民の間のある意味の緊張関係。
これこそが民主主義の勝利であり、北やイラクなどがアメリカに遠く及ばない証左でも有ります。

それではまた後日にでも。
170世界@名無史さん:02/07/21 20:04
いくら釣り師とはいえここまでしつこいと気持ち悪いな
171世界@名無史さん:02/07/21 20:36
どこを縦読みするんだ?
172世界@名無史さん:02/07/21 20:43
>169
しかし本当に彼らに地球の司法権力役を任せてよいのか?
地球上で最も反近代主義的な国家の一つであるサウジと同盟を結ぶあたり
結局国民国家的エゴイズムを粉飾するために奇麗事を逝ってる
だけの気がする。ネオ・コロニアリズムつうの?

173世界@名無史さん:02/07/21 22:38
11は人の話を聞かないので

-------------終了------------------
174世界@名無史さん:02/07/22 03:28
ななめに読んでたんだが、11に説得されつつあるよ。

反対な人は茶化したりしてごまかさないで、真っ正面から反論したらどうだろう。
175 :02/07/22 03:43
冷戦構造の中でのイデオロギー対立の中で進歩主義だの何だのといってきたが
もろくも崩壊して十年立った。
今や乗り越え主義は歴史学の自己保存のものにすぎず何ももたらさない机上の
空論にすぎないと多くの人が気づいている。
そうでなく今まであった思考をもう一度丹念に読み返し探ってみることが
必要である。
176風向:02/07/22 05:57
11は一面の真理を言っていると思う。アメリカの掲げる民主主義や自由、
人権といった理念は普遍的なものだし、人類全体が共有しうるものだ。

僕も含めて、手放しでアメリカを礼賛できない人たちにとって問題なの
は、そうした民主主義的な制度や生命の尊重が、もっぱらアメリカ国民
だけを対象にしているように感じられることが多いからだと思う。

国連を始めとする国際的な組織では自国の言い分が通らないと拒否権の
発動はもちろん、組織から脱退(ユネスコや京都議定書もそう)したり、
あるいはその組織や条約の骨抜きを図る(対EUの鉄鋼関税など)。これ
は国際的な場での民主主義の否定だよね。(続く)
177風向:02/07/22 05:58
(続き)
また、ビンラディンとアルカイダ、アルカイダとタリバン、タリバンと
アフガニスタン国家それぞれの関係を曖昧にしたまま、結局はアフガン
人の多くを殺傷する行為を平気で行ったりする。また、中東問題にして
も、パレスチナ側は好き好んで「テロ活動」をしているわけじゃない。
イスラエルにアメリカのユダヤ人から流れているのと同程度の資金があ
れば、パレスチナ側だって「軍隊」を組織して「戦争」ができるだろう
が、いかんせん、日本以上の最新装備を誇るイスラエル軍に対して、投
石とかをしてるのが現状だ。で、アメリカ「軍」が起こす「戦争」は善
だけど投石や自爆などの「テロ」は悪だ、という図式を演出する。アン
フェアだよね。

あと、権力構造についての意見も聞きたい。モノカルチャーで主要輸出
先がアメリカだ、という国は非常に多いと思うけど、こうした国は、た
とえ不本意でも、アメリカの意向に沿わざるを得ない場合が多い。そう
した状況下で、アメリカの振る舞いはしばしば傲慢だと思う。

最後に思考実験。オーストラリアは多民族国家だし、掲げてる理念はア
メリカ以上にリベラルだと思うけど、仮にオーストラリアがアメリカ並
みの経済大国となった時に、豪米双方ともハッピーかというと、やっぱ
り様々な利害対立は生じるわけで、そうなった時は、「国家」を前提と
する限り、民主主義や人権尊重を国是としている国家同士であっても、
互いを罵倒しあう可能性はいくらでもあると思う。アメリカの掲げる理
念が普遍的だということは認めるけれども、それを実現する基盤を国家
以外に求めることは不可能なんだろうか、と思うよ。
178薩長:02/07/22 06:37
過去の覇権国と較べてアメリカが良心的なのは事実。
でもそれは、剥き出しで暴力的な過去が現代からあまりにも近く、
それどころか、先進国以外の地域はまだその段階にあるということで、
現代のアメリカが理想的だというわけじゃない。
確かに大英帝国やソ連はドキュンだったが、そんなのと較べても、
「創価学会はオウムよりマシ」という程度の意味しかない。

>>11には、吉川元忠の『マネー敗戦』など、一連の著作を読んで欲しい。
内容を超大雑把に要約すると、
「バブル期以降の日本が、アメリカの圧力を受けて、国益ではなく、
 アメリカの経済成長を優先した経済運営をとらされてきた」という話。

欧州は、集団を組むことでアメリカの圧力に屈しないで済んだので、
日本もユーロ圏と組んだ方がいい、と吉川は提案している。
現実問題として可能かどうかという点はさておき、
アメリカ一国が実質上の世界政府を演じている現行の世界秩序よりは、
日本と欧州が組んで作った集団指導型の世界秩序の方が、
地球規模の問題(温暖化対策・国際平和……)を、
うまく処理できる可能性が高いと思う。
179世界@名無史さん:02/07/22 09:53
>>144 >>145
>そうなっていると思うぞ。IT産業、営業マン、タクシーや列車の運転手・・
>昔の人から見れば全部趣味みたいなもんだろ。

昔から馬丁や御者や運転手、売り子みたいなもんは立派な職業だったと思うが?趣味ではなく。
IT産業の隆盛も資本主義社会の中での、例えばビジネス活動における利潤追求と効率性追求などと技術革新が一致したものだろ。
とても共産主義革命が成就し、私有財産の否定や共有がおこった結果とは思えんが?
あくまで自分、自社、自国の利益、私利追及の流れの上に立ってるだろうが。
「そうなってる」なんてコジツケもいいところじゃん(w
ほとんど働かなくても良い人なら、昔から貴族とか富裕な地主とかいくらでもいただろう。
別に共産主義が人類に革命もたらしたおかげじゃないっつーの(w
現在の社会は資本主義が正しくて共産主義が間違ってた結果じゃないの?全然資本主義倒せてないじゃんw
180世界@名無史さん:02/07/22 11:01
>>174
もーどんどん洗脳されちゃってください(プ
181世界@名無史さん:02/07/22 11:11
>>180
洗脳じゃなくって説得な。

11は要は歴史上の超大国と比較してアメリカはマシだといいたいんだろう。
そりゃあ理想的じゃないのは当然だ(現実なんだから)。

11は大雑把で青く隙も随分ある(大体、長文すぎる)が、いわんとしてることは納得できる点も多い。
182世界@名無史さん:02/07/22 11:19
11は釣り士だと何度言ったらわかるのか
183世界@名無史さん:02/07/22 11:19
うんうん説得されて納得してください。
思う存分どーぞ。とめませんよ。
184世界@名無史さん:02/07/22 13:31
>>182
わざと釣られたっていいじゃん
185世界@名無史さん:02/07/22 17:11
>>181
お前、ちゃんと過去レス読め。いかに11が人の話を聞いていないか
わからないのか?

類は友を呼ぶなら、納得行くけど(w
186大本営:02/07/22 22:07
英米が世界のマスコミと世論を支配しているから、
アメリカが現実以上に正義を体現しているように見える面もあるな。
ビンラディン対アメリカという図式では、アメリカが正義なんだろうが、
それ以前にイスラエル軍事支援という汚い前史があることは、
英語系のマスコミでは忘れられている。
187世界@名無史さん:02/07/22 23:39
そもそもアメリカが他国の民主的政権を支援したこと有るか?
あ、WW2で英国を支援したか…、ソ連も支援したけど。
188世界@名無史さん:02/07/22 23:47
( ´,_ゝ`)プッ 
http://freehome.kakiko.com/tuk/iiyo.html
189世界@名無史さん :02/07/22 23:50
11の言うアメリカの世界史上の特異性を整理してみよう。

1・アメリカは世界史上初の共和制自由主義的民主主義国家であるということ。

2・アメリカは、ナチズム・日本軍国主義・スターリニズムと互角に渡り合えた唯一の国だということ。

3・アメリカは史上最大の軍事力を持ちながらも、世界でもっとも進んだシビリアンコントロールをもっているということ。

4・アメリカは多民族国家でありながらも、空中分解せず、いまなお国家としての形態を維持しているということ。

5・アメリカはほぼ独力で人種差別を克服する自制心(博愛主義)をもっていたということ。


こんなところか。
しかし、いずれも世界史板として語り合うべき価値のある重要なものだと思うが。
190世界@名無史さん :02/07/23 00:13
>189
あと、一個つけ加えてほしいな。

6・アメリカは史上初めて、神国・ジャパンを軍事占領した国。

日本は有史以来、他国に征服されたことはなかったんだ。
アメリカが現れるまではな。
191世界@名無史さん:02/07/23 00:16
>1・アメリカは世界史上初の共和制自由主義的民主主義国家であるということ。
奴隷制持っていたし、インディアン虐殺してたけどね

>2・アメリカは、ナチズム・日本軍国主義・スターリニズムと互角に渡り合えた唯一の国だということ。
主義思想と国力を同一化しているように思える

>3・アメリカは史上最大の軍事力を持ちながらも、世界でもっとも進んだシビリアンコントロールをもっているということ。
まあ同意

>4・アメリカは多民族国家でありながらも、空中分解せず、いまなお国家としての形態を維持しているということ。
多民族国家なんて世界中にいっぱいあるよん
単一民族国家の方が珍しい

>5・アメリカはほぼ独力で人種差別を克服する自制心(博愛主義)をもっていたということ。
建国以後何年かかったのやら?
アメリカ国籍を持つ日系人を強制収容所に入れていたのはつい60年前の話
192114:02/07/23 00:19
>>169(11氏)
>アメリカ政府が何も善の使者では無く、ただ自分達の利益だけを
>求めていて、又国民も然りであるとも思っています。
>ただ、アメリカが持つその制度、理念、力、これらがアメリカさ
>えも意図しない形で世界を変えていき、それは必ず良い方向に向
>かうと思っています。

人類の現在における到達点である普遍的諸理念についてはともかく、
現在のアメリカの評価については、やはり意見の分かれるところかと。
これらの点については、前レスの風向氏の意見(176・177)とほぼ同じ。

なお、文化相対主義の問題は、(歴史的理解は別として)現在の主に第
三世界の人権抑圧的側面などを是認・放置することではない。
しかし、これらの問題は第一義的にはその国の国民が解決すべき問題
(民族自決の原則)。勿論、国連機関や国際世論によりその解決を当
該政府に促したり、非政府機関などによる援助なも必要。
ただ圧政や人権抑圧からの解放などを大義名分に掲げて、大国が軍事
的・政治的な直接介入や恫喝を行うべきではないということ。

いわば将来世界の在り方は、アメリカ的価値観への一元化ではなく、
人類普遍的な価値観(必ずしもアメリカのみを担い手としない)を基
軸としつつも、それぞれの独自な諸文化が共存するような多元的構成
が望ましいのでは。
またその条件として、世界を構成する単位=近代国家が妥当か否かと
いう問題もあり。近代国民国家(主権国家)は、(仏革命を起点に)
この200年間存続し、いまだに人類を分割する最有力の単位ではあるが、
他方で情報・経済のグローバル化はその基礎を堀崩し始めているとも
云えるのでは。
193世界@名無史さん:02/07/23 01:49
>>191
>奴隷制持っていたし、インディアン虐殺してたけどね

インディアンのことは仕方ないよ。初期のころだし。
「運命の膨張」とか言ってなかったっけ?

奴隷制は、完全に克服したし。そのために内戦まで起こったんだから、アメリカの誠意を疑うわけにはいかない。

>主義思想と国力を同一化しているように思える

いや、けっこう重要だろ?
第2次大戦や、冷戦はイデオロギー闘争でもあったんだから。
ナチズムやスターリニズムよりも、アメリカ民主主義のほうが優れていたんだ。

>多民族国家なんて世界中にいっぱいあるよん
>単一民族国家の方が珍しい

いや、アメリカの多民族性は規模がちがう。
日本のアイヌや在日朝鮮人は、しょせんマイノリティーだろ?

ソ連だって崩壊と同時に、複数国家に分裂したんだぜ。
中国だって、民主化が進めば、文化・民族別に複数に分裂する可能性はおおいにある。

>建国以後何年かかったのやら?

かかったけど、他の国よりは進んでるよ。
いまヨーロッパでは極右が台頭し始めたりしてるじゃないか?

>アメリカ国籍を持つ日系人を強制収容所に入れていたのはつい60年前の話

それは、日本とアメリカの対立が深まってたからだろ?
それ以前は、日系人だって自由に居住・商売できてたはずだ。
194世界@名無史さん:02/07/23 01:52
>3・アメリカは史上最大の軍事力を持ちながらも、世界でもっとも進んだシビリアンコントロールをもっているということ。
軍事力は同意ですが、文民統制がもっとも進んだものでは無いです。いい方だとは
思いますが。
>5・アメリカはほぼ独力で人種差別を克服する自制心(博愛主義)をもっていたということ。
未だに解決できてませんが。
195世界@名無史さん:02/07/23 02:16
>>193
>奴隷制は、完全に克服したし。そのために内戦まで起こったんだから、アメリカの誠意を疑うわけにはいかない。

南北戦争は奴隷制のためというよりは南部と北部とどちらが経済的主導権を
握るか、というためのもの。
しかも、未だにその身分制の影響は克服されていない。

れっつやりなおし。
196世界@名無史さん :02/07/23 04:58
。    ∧_∧。゚
 ゚  (゚ ´Д`゚ )っ゚
  (つ   /
    |  (⌒)
   し⌒^

うわ〜ん!
じつはよく南北戦争をのことしらなかったんだよ〜ん!!
197世界@名無史さん:02/07/23 06:16
現在でもアメリカの
「安い賃金で働く出稼ぎ労働者」
の労働水準はひどいものがある。

渡りの農場労働者や、屠畜場の労働環境は目を覆わんばかり。
198世界@名無史さん:02/07/23 08:03
>それは、日本とアメリカの対立が深まってたからだろ?
>それ以前は、日系人だって自由に居住・商売できてたはずだ。

対立が深まったら強制収容所に入れるなら、ドイツ系・イタリア系も入れるのが筋だろう
しかし日系人のみを強制収容所に入れた
これはれっきとした人種差別だろう。
敵性外国人ならともかく、アメリカ国籍をもったアメリカ市民を強制収容所に入れたのだから。
199世界@名無史さん:02/07/23 08:23
>198
独伊系についても近年に移民してきたものは
収容されたらしい。

数の問題もあると思う。
実はドイツ系ってアメリカのマジョリティだし。

200世界@名無史さん:02/07/23 08:30


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201世界@名無史さん:02/07/23 10:22
>>199
しかし、日本人を狙い撃ちした移民法は満州事変以前に制定された罠。
202世界@名無史さん:02/07/23 15:31
>インディアンのことは仕方ないよ。初期のころだし。
>「運命の膨張」とか言ってなかったっけ?
南北戦争以後も虐殺し続けたような
100以上の条約や約束をインディアンと結びながら、すべてそれを破ったのは白人から。

理想を唱え、他者(他国)には高邁な理想を押しつけつつ
それが自国の利益に反する場合は口を噤み
自国の都合の良いようにルールを作り、変更する。

自由貿易を叫びつつ、鉄鋼に関税をかけるその姿がすべてを表している。
203世界@名無史さん:02/07/23 15:41
「文明の発達がもたらすものは、人間性の向上ではなく、
感覚の多面性にすぎない。」
ドストエフスキー『地下室の手記』より
204世界@名無史さん:02/07/23 17:38
>>202
しかし、アメリカは輸入大国でもあるしな〜。

お客さんが恨めないのは、商人の習性。
ここらへんが、アメリカがただの覇権国家とはちがうところだよな。

>>203
それは厭世的だな。ドストエフスキーは暗いからな〜。
あんまり真に受けるのもどうかと思うが。
205総督:02/07/23 18:54
外野から見てても面白いですこのスレ
全部読みますた。疲れますた。
>>11さん個人的に応援してます!
206世界@名無史さん:02/07/23 19:54
文明が発達したところで人間性が発達するわけじゃない
207世界@名無史さん:02/07/23 20:08
人生の負け組みが必死になっているようだな
208世界@名無史さん :02/07/23 20:24
>>206
>文明が発達したところで人間性が発達するわけじゃない

確かに人間の身体諸器官の組織は発達しない。
しかし、人間の自然的・社会的環境に関する知識、使用する道具、
人間が取り結ぶ社会関係(組織)、意識(哲学・法律・道徳など)
を「人間性」の内容とするならば、これらは文明の発達とともに
進化するとも云える。
など
20911 ◆stTVUYG. :02/07/23 23:08
>176と178
お二人がたのレスへのですが、重複する部分が多々御座いますので、こ
の形でご容赦下さい。


>国連を始めとする国際的な組織では自国の言い分が通らないと拒否権の
>発動はもちろん、組織から脱退(ユネスコや京都議定書もそう)したり、
>あるいはその組織や条約の骨抜きを図る(対EUの鉄鋼関税など)。

上記に加えて、WTOや対人地雷禁止条約などなど確かに、アメリカのエゴ
の発露により、国際的なコンセンサス、民主的に決定された事項が反古に
される事が多々ありますね。
問題はアメリカの理念と現実とのギャップ、そしてアメリカ自身が本当の
意味で世界に対する影響力を及ぼす事に及び腰な事だと思います。

それはアメリカ自身、建前はどうあれ自身が真の意味でこの世界を引っ張っ
ていく意思が今は欠如している事に原因があり、それがアメリカをただの
国民国家的な振る舞いに駆り立てているのだと思います。(意思の問題で
実力は既に伴っているんですが。)
少々過激ですが、途上国が現在の先進国と同様なレベルの生活を送る事は、
もはや物理的な不可能でありますが、先進国は自身の立場の保持、途上国
は追いつき追い越せで、限られたパイを奪い合っている状況です。
故に、何らかの形での資源や富の分配(社会主義的な意味合いではなく、
公正な市場にのっとった形での)機構が必要です。
ぼくはそれを果たしえるのはやはりアメリカだけであり、欧州や日本はそ
の歴史的経緯から世界に対するイニシアティブが取る事が出来ないので。
21011 ◆stTVUYG. :02/07/23 23:08
アメリカが真の意味で、世界を律する国となるにはまずは、アメリカ自身
がその歴史的に負わされた使命を自覚し、欧州や日本はアメリカの対抗極
となるのでは無く、寧ろアメリカに協力し、世界を導いてい行くべきだと
ぼくは思います。
この場合の絶対条件は、まずはヒューマニズム及び民主主義的価値の全肯
定、そして市場での機会の平等を図り、出来うる限り結果での格差を是正
していく事(この点では、かっての日本的経営はアメリカの手本になるかも
しれません)、究極的には全ての価値の根本に"人間"それ自身を置くこと
です。
これは真の意味での資本主義ではありませんが、現在の資本主義からの脱
却の意味も含めて、ヒューマニズムに基づき、試行錯誤するべきでしょう。

何故、欧州や日本及び豪州がアメリカの対抗極となってはならないかにつ
いては、貴方がご指摘のとおり、競争相手が存在するとそれは競争か或い
は現在の先進国同士の関係のようにいわば、カルテル状態になるからです。
アメリカに手放しで世界の全権を委任する事に付いては、ほぼ全ての人が
反対であると思いますが、それはアメリカを"ただの国"と考えるからであ
り、アメリカ=世界の構図になればアメリカの国民国家的な振る舞いに怯
える必要もありません。
そして、世界の側からアメリカが世界になるように仕向けるべきかもしれ
ません。
思考実験ですが、まずは日本と英国がアメリカの州になると考えると面白
い展開になると思います。

補足。
アメリカの権力構造は民主党政権か共和党政権かで、ある程度の偏差は生じ
ますが、正直国民国家的な振る舞いが多く、その影響力故に、アメリカは
必要以上に粗暴かつ暴君的に写るかもしれませんが、これは現在のアメリカ
が真の意味で世界となっていない以上、いわば国家としての必然かもしれ
ません。
特に南米諸国への介入、イスラエルへの一方的肩入れなどは目に余ります
が。
しかし、南米の麻薬や政情不安、アラブに置ける富の偏在と言った、アメリ
カ=悪で被抑圧者=正義という図式は安易ですが…。
ただ、一抹の希望としてアメリカの人口比率においてアラブ系やヒスパニッ
クなどが増加している事は、良い傾向だと思います。(米政権は頭が痛いで
しょうが。)
21111 ◆stTVUYG. :02/07/23 23:09
>192
アメリカの現状に対してはぼくも理想を見るが故に、大変否定的です。
ただ、普遍的価値観をもっとも体現しうる国、そして国を超えて世界になり
得る国がアメリカであるとの考えに変わりはありません。

前レスにもありますが、行き過ぎた相対主義とは全ての全肯定であり、それは
全否定と同義だと思います。
だから、現在到達し得た最上のフィクションであるヒューマニズム、そして
民主主義にあまりにも沿わない国などに対しての影響力を、アメリカが担って
欲しいと僕は思っています。
その価値判断をアメリカ一国が決めて良いのか? ぼくの答えは是ですね。
何故なら、アメリカはその国民の意思、そして国際世論に基本的には従い、
それはもっとも民主的な判断法だと考えるからです。
国連機関などは残念ながら、非民主的な国家が拒否権を持っていたり(あえて国
名は出しませんが)、国と国との利害がしばしば衝突しがちだからです。

アメリカに拘泥せず、現在人間が到達し得た普遍的価値の存続を図るという方法
も一つの手段です。
そして、現在の国家という枠組みは強固でありながらも、同時に絶対性は持ちえ
ません。
しかし、現在の段階は未だ国民国家的な枠組みで9割がた決定しているのも事実。
(先進国に生まれるか途上国に生まれるか、これだけでもその人生における期待値
は大きく変動する事など)
だからこそ、アメリカという国民国家の形を世界という形にフレームシフトさせ
て行く事こそが、現状での選択肢としてはベターでは無いかと。
212おいおい:02/07/24 00:55
現実のアメリカじゃなく観念としてのアメリカを
現実の他国と比較するんだったら、
「アメリカ≫他国」になるのは、単に当たり前でしょ。
それは考察の前提から間違っているよ。

例えば、日本がアメリカの通貨政策に意思参加できるようになる
現実的シナリオは描けない――現実のアメリカは<国家>なんだから。

まだしも「日本がユーロにペグして準ユーロ圏に入れてもらおう」とか
「日本と周辺諸国でアジア共同体を作ろう」という方が、
理念として<理想の世界政府>に近いし、実現性も高いよ。
213風向:02/07/24 03:35
11氏の書き込みでお聞きしたいことはいくつかあるのですが、一つだけ。

> 思考実験ですが、まずは日本と英国がアメリカの州になると考えると
> 面白い展開になると思います。

日本がアメリカの一州になるとどういうことが起こると考えてますか?まず、
天皇をどうしましょう?次に、日本語・英語、どちらを使いましょう?弁護
士なんかは、たとえ英米法を熟知してたとしても失業でしょうね。カリフォ
ルニア米、牛肉・オレンジ等々は無関税で流入しますね。石油も安くなるの
かな。車、右側通行にします?

僕は「国民国家」という枠組みが現実問題として非常に強固なのは認めざる
を得ないと思ってます。制度や慣習は、人為的な国家装置が強化している面
も忘れてはなりませんが、国民国家を国民国家たらしめている根幹であり、
非常に根強いものだと思います。だから、それを否定される側の心理的抵抗
感は並大抵のものではないはずで、「否定されない側(=つまりあなたの想
定ではアメリカ)」があるのは非常にまずい。EUの新通貨が「ユーロ」とい
う全く新しいものではなくマルクだったりフランだったりしたら、うまく通
貨統合できたでしょうか。
あなたの言う「アメリカという国民国家の形を世界という形にフレームシ
フトさせて行く事」が、アメリカによる州という形での他の国民国家の併
合であるなら、僕個人として、そういう形での「日本」の解消(「日本人」
から「アジア共同体市民」や「世界市民」になるのではなく「アメリカ人」
になる)は耐えられないし、一般的に言っても、実現性に乏しいと思うの
ですが。
214世界@名無史さん :02/07/24 09:14
おれも、11さん支持派だな。

やっぱりアメリカの覇権主義がどーのこーの言ったって、
日本国民はいちばん信頼できる他国をたずねられたら、「アメリカ」って答えると思うよ。
その世論は確実にあるし、このことをもっとしっかりふまえて語らないと。

11さんを必死になって批判しているやつらには、サヨク臭を感じてしまう。
さいきんは、コヴァって言うんだったけ? 反米厨のことを。
215世界@名無史さん:02/07/24 12:26
ていうかさ、ヒューマニズムが正しいって何で言い切れるの?
216世界@名無史さん:02/07/24 12:27
>214

反米と従属しか選択肢はないの?
217世界@名無史さん:02/07/24 15:12
>>214
ヒュウーマニズムと言うここ数年アメリカが言い出した言葉に
やたらと価値を見いだしている>11が嫌なだけで、アメリカが
世界を握っている国であることは間違いないし、それを全否定する
気もない。ヒューマニズムなんてものはヒラリーが票に変換できる
と発見するまでは意味のない言葉だった。







218世界@名無史さん:02/07/24 16:01
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/whis/1026132784/11
「正しい」という単語を無邪気に使う215に捧ぐ
219風向:02/07/24 17:30
>>214
一番信頼できる「他国」がアメリカであることと、自国がアメリカに
なっちゃうことは同一ではないでしょ?アメリカの掲げる理念につい
ては大いに賛成だし、まぁ、一番信頼できる他国ではあるけれども、
実際問題、212氏が言うように、現実のアメリカはそんなに理想的な
わけじゃない。その「現実」のアメリカになぜ率いられなければなら
ないのか?現今の日本のあり方に不満があるのであれば、世論がなぜ
国政(および地方自治)に反映されないかをまず自問するべきだし、
問題の解決も自らなされるべきであって、「アメリカさん、再占
領して直してね」じゃダメでしょ?

(と書きながら、214さんが「再占領して直してね」という世論が
 確実に存在する、と言っているように思えてきて、さらにそうい
 う世論ってありえると思い至って萎え・・・)
220総督:02/07/24 17:36
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/whis/1016438881/341

やっぱしJapaneseはAmericanがlove?
221世界@名無史さん:02/07/24 22:24
11に賛同しないヤシは反米コヴァかサヨクに認定されるようだ。
・・・やっぱ釣り師のジサクジエーンかな(プ
222考える名無しさん:02/07/24 23:17
>>216
>反米と従属しか選択肢はないの?

極端な物言いだな。
11は、アメリカに従属しろとは言ってないよ。
アメリカの世界史的特異性を素直に認めて、信頼、あるいは尊重しろって言ってるんだよ。

それに、アメリカは世界に従属を要求していないよ。
あくまで協力・協調を求めているんだ。
アメリカを、ナチやスターリニズムといっしょにしてはいかんよ。

>>221
すくなくとも、反米はマイノリティーだよ。
少数派である理由をもうすこし考えてみては?
223世界@名無史さん :02/07/24 23:33
>>219
>「再占領して直してね」

なんか、経済板でこんな意見を見たような気がするよ。

しかし、日本がアメリカの51番目の州になっても、喜ぶ人間のほうが多そう…。

「きょうからおれたち、アメリカ人だぜ」って。
224コギャル&中高生:02/07/24 23:34
http://go.iclub.to/ddiooc/
     
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225ふむ:02/07/24 23:47
仮にアメリカが日本を再占領したらどういう政治になるか、
というのは、それはそれとして興味深い問題設定だな。
スレ違いどころか板違いなんで、語るのは遠慮するが。
しかし、これを論じるべき板ってどこなんだろうな?
226世界@名無史さん:02/07/24 23:58
>>255
自民党が共和・民主を抜きさって合衆国第一党に君臨します
227世界@名無史さん:02/07/25 01:31
>>225
国の人口の1/3を占める新州なんて絶対アメリカは拒否します。
228114:02/07/25 02:04
>>11さん
先ほど209〜211のレスを見て、御意見の要旨はほぼ把握出来ました。
今日は時間がないので、詳しいレスは明日にでもしますが、結論的には
「アメリカは世界にはなり得ないし、またそうした指向を持つべきでもない」
という意見です。

あと、213(=風向氏)の質問についてどう考えているのか、私としても
伺いたいたいところです(11さんの主張では、日本のみならず各国国民の
ナショナリズムの問題をどう処理するのかという点です)。
229世界@名無史さん:02/07/25 02:46
日本人自身が、他国との統合を望むなんて…。
これがアメリカ覇権主義の正体か。

やっぱり、ナチズムやスターリニズムとはちがうな、アメリカニズムは。

これがアメリカが世界と言うことか……。
230世界@名無史さん:02/07/25 13:23
イエローキャブはプッシーひろげて並んでな。
順番に乗ってやっからよ(ゲラゲラ
231世界@名無史さん:02/07/25 14:35
>>230
ふ、古い・・・w
232世界@名無史さん:02/07/25 15:04
駅前で留学してみない?
233114:02/07/25 23:40
>>209〜211(=11氏)
あなたの意見を要約すれば、
『「アメリカが世界になる」とは、アメリカが現在の国民国家の枠を超脱し
て、普遍的価値を担う存在となることであり、アメリカはそうした可能性も
ち(ないしは指命としてもつべきであり)、それゆえ日本・欧州以下の世界
各国はそのためにアメリカに協力すべきである』
ということになる。

確かにアメリカは世界で最有力な国家ではあるが、同時に世界に数多ある国
家のうちのひとつにすぎない存在。そして国家とは、本質的にはその国民の
利益を擁護・保全するための組織、つまり人類全体の普遍的利益からすれば、
一部の人間集団の特殊利益を実現するための組織にすぎない。
アメリカも国民国家である限り、そうした性格規定から免れないから、いか
に崇高な理念を掲げようとも、実際のところアメリカの行動はあくまでアメ
リカ国民の利益を第一義的にせざるをえない。ここにアメリカの理念と現実
のデイレンマがあり、特殊利益の実現を指命とする国民国家のままで人類に
普遍的な理念を実現することは不可能となる。それを無理に強行しようとす
るところに、現在アメリカの覇権主義=抑圧性が生じている。




234114:02/07/25 23:42
233つづき
日本の場合、国民の大多数は親米的であるが、それはアメリカの掲げ
る普遍的な理念(自由・民主主義・人権擁護など)や文化への共感・
支持であり、必ずしもその世界政策や軍事的行動などを支持している
わけではない。むしろ国内米軍基地の存在、日米軍事同盟にともなう
諸負担、農産物輸入の解禁強制などの経済的負担の押し付けといった
現実的側面では不支持や反対も多い筈。
つまり国民感情としては親米と反米という相反する傾向が個人のなか
で共在しており、情勢や問題の性格によっていずれかの方向に針が振
れるというのが実情では。であるならば、日本がアメリカの属州にな
るというのは、風向氏が213でレスしたように、例え「思考実験」であ
っても、あまりに非現実的かつ軽薄な想定では。

235114:02/07/26 01:01
234つづき
人類に普遍的な理念を「世界=アメリカ」というかたち以外でどう実
現化していくかの代替案としては、やはり国連の強化が多くの困難を
抱えつつも現段階ではbetterなのでは。
国家間の紛争・戦争を抑止するためには、各国家がその軍事指揮権を
国連に委ねるという方法がある。個別国家を越える(internationalと
いうよりtransnationalな)公権力的機関としての役割を国連が担うと
いう形態。現在の国連は依然国家間の調整機関としての性格を出てお
らず、また内部構成も大国の拒否権やその意向に左右されるという非
民主的性格も存在するが、これらの仕組みを抜本的に改革して世界政
府的な権能をもたせるということ。
しかもこうしたことが可能か否かは大国、特にアメリカの姿勢にこそ
かかっている。アメリカが真に普遍的理念を実現する意思があるのな
ら、自らが世界となるより、国連の機能強化に向けてのイニシアチブ
をこそ発揮すべきではないかと。
近代国家の理論モデルでは、自然状態(万人オオカミ状態)の諸個人
が自己の生命・財産を守るため互いに社会契約を結び、またその契約
を担保するために機関としての公権力(=国家)の創設に同意し(統
治契約)、これにより国家は諸個人の自力救済権(自己の権利実現の
ための暴力行使)を剥奪して暴力を一元的に集中する、というプロセ
スをとる。
このモデルで、個人を国家に、社会契約を国家間の国際条約に、公権
力を国連にというかたちで置き換えるなら、現在の国連は未だ世界政
府として各国家との間に統治契約を結び、暴力(国家の軍事力発動=
交戦権)を集中する前段階の状況と云える。そして、もしこうした形
態での国連の強化→世界政府化が可能なら、そこにおいて始めて人類
的理念の現実化も可能となるのでは。この段階では、アメリカはもと
より通常の国民国家は大きく変容することになるが、日本の場合は、
憲法において、既に交戦権を否定しているので、むしろ国際政治の場
でイニシアチブを取りやすいという点で、日本の国家としての特殊性
が国際政治の場でアドバンテージとなる。
日本は憲法「改正」して通常の軍事力と交戦権をもつ「普通の国家」
(=欧米並の軍事大国)となるのではなく、現在の憲法を生かして
こそ国際社会への(真の意味での)貢献が可能だと考えます。



236114:02/07/26 13:25
235つづき
以上のように「アメリカが世界になること」は、アメリカが国民国家という
形態を脱することを必要条件としますが、現状ではそれはアメリカ政府も国
民も到底承知しないでしょう。また逆に現状のままで「アメリカが世界にな
ること」は、今度はそれ以外の諸国家・国民が納得しないところかと。対米
従属が顕著で、もっとも親米的な日本の場合についてさへ先に述べたとおり
ですから、ましてや欧州や第三世界の諸国民については尚更説得は困難でし
ょう。
私の主張は、「アメリカが世界になること」ではなく、国連が諸国家の上に
立つ世界政府的権能を果たすこと。その必要条件が現在国家の主権の一部
を構成する(軍事力の発動権=交戦権)を国連に移譲することです。このこ
と自体が国民国家(=主権国家)の在り方を大きく変容することになります。
アメリカは恐らくもっとも強硬に反対するでしょうが、経済的に苦しく軍隊
の維持に汲々としている第三世界諸国などにとっては受け入れやすいのでは。

またナショナリズムという問題について云えば、「アメリカが世界になるこ
と」とはアメリカ自身のナショナルな主張にすぎないもの。そして
それがアメリカ以外の諸国家・国民に受け入れられないのは、彼らにもそれ
ぞれのナショナリズムがあり、両者が同じ次元で衝突するからです。
ナショナリズムを排外主義的なかたちではなく、どう取り扱っていくか、
国民間の文化の相互理解を通じて、どこまでこれを馴致するか、というのが
今後のひとつの問題かと。
するか)は
237世界@名無史さん :02/07/26 15:06
>236
U.S.Aが世界になりえないことはよく分かったよ。当然のことだろ。
だけど、国連がホントにその代替になるのか?
現在は大国の言いなりだし、決議や議定書だしてもアメリカが拒否
すると実効性はなくなっちゃうし。

あとナショナリズムってどう定義されるの? 愛国心のこと?
238世界@名無史さん:02/07/26 15:10
11がいっているときは、そうかなと納得したけど、
114の反論見ると、こっちもこっちで一理あるなと思う。
アメリカ好きだけど、おれ自身日本人だし。
けっこう面倒な問題だな〜。
239世界@名無史さん:02/07/26 15:13
>>237
アメリカが、国連乗っ取ればいいじゃない。または国連=アメリカ政府
っていうやりかたもある。
240世界@名無史さん:02/07/26 15:21
>>234
>国民感情としては親米と反米という相反する傾向が個人のなか
>で共在しており、情勢や問題の性格によっていずれかの方向に針が振
>れる

親米=コーラ・ハンバーガー・デイズニーランド
反米=米軍基地・周辺事態法・農産物自由化
何か両者の深刻度のコントラストが鮮やか。
241世界@名無史さん:02/07/26 15:26
>>239
どうやって。国連は世界各国の合議機関なんだぞ。
米みたいたな大国でも、人口数千の新興の小国でも、形式的には
議場では一票と平等。要するに世界の議会みたいなものだ。
ただ大国はいろいろな特権もってるけど。
米以下の大国って、国会でいえば自民党の派閥みたいなものだよな。
242世界@名無史さん:02/07/26 15:33
>>236
国連と個別国家がダイレクトに結合するより、その中間に
EUなり、アジア共同体なり、中東連合のような地域的な
共同機構も必要ではないか。
国連だけでは、大国と小国との国家間格差が大きすぎてかえって
軋轢を生むんじゃないか?
243世界@名無史さん:02/07/26 15:40
アメリカ=世界なぞ論外の発想。日本は日本だよ。
国際的にあくまで独立・自立した存在。
もっとも中国や韓国を従属させて、東亜細亜共同体の盟主になるのなら、地域共同機構とやらでもよい。

>237
>あとナショナリズムってどう定義されるの? 愛国心のこと?

ナショナリズムとは郷土愛に根ざした愛国心や、日本文化の伝統を尊重する態度のことだよ。

244世界@名無史さん:02/07/26 15:43
>>241
国連を各国が尊重すればな。
>114氏
軍事力を国連に委譲することは無理っす。第三世界諸国にとっては
軍隊=政権ですから、軍事力が無ければ国家運営にも苦労します。
賛成する国は日本ぐらいでしょう。反対する国は国連軍が成敗するのですか(w

245世界@名無史さん:02/07/26 15:47
なんだかんだといっても、アメリカは世界を代表し、リードする大国
文化だって、優れているからこそ世界に広まったんだろう。
今の日本なんかに何ができるよ。
やはり、世界の安定のためには、これからも
アメリカが世界を牽引していく必要がある。
日本もそれに寄与してこそ世界への貢献になるのだ。
246世界@名無史さん:02/07/26 16:39
>>243
んー。この文脈ではナショナリズムはまず政治的なものだと理解する方がよくない?
国民国家における国民としての自意識、みたいな。
実際、過去の文化を破壊したナショナリストも沢山いるわけで。
つーか、そうしないと「アメリカが世界になること」とナショナリズムは
必ずしも矛盾しないと思う。
247考える名無しさん:02/07/27 04:52
>>245
>アメリカが世界を牽引していく必要がある。
>日本もそれに寄与してこそ世界への貢献になるのだ。

同意。反米厨こそが、非国民。
アメリカから独立することではなく、アメリカに協力することが、日本の国際的地位を高めていく。
248世界@名無史さん:02/07/27 09:33
もし、この人達が、本気でパックス・アメリカーナを賛美しているのなら、アメリカは余りにも恐ろしい国であることを認めざるを得ない。ただ、流石にそろそろアメリカの限界性に気付いて欲しいものだが。
249世界@名無史さん :02/07/27 09:43
しかし、日本の繁栄が従米によって築かれたと言うことは否定できないと思うが?
250世界@名無史さん:02/07/27 10:02
うむ。だからこそ親米論者が沢山いるのだよ。
251世界@名無史さん:02/07/27 10:17
つまり、従来の発展とこれからもアメリカ追従型でやっていくのは全く別の話だ、ということだ。
中国を市場化するために、日本を開戦に追いやり、多くの犠牲を強いたという罪滅ぼしは、日本側にしても、アメリカ側にしても、もう十分である。そこで、考え方の全く違う二者が袂を分かつというのは、至極当然。
自然な成り行きだと断言出来る。
252(・∀・):02/07/27 12:16
野球に関しては「アメリカ≒世界」になりつつあるね。
今の傾向が続いたら、十年くらい先の日本プロ野球は、
アメリカ大リーグのファームリーグになっているはず。
253世界@名無史さん:02/07/27 12:23
ま、アメリカで生まれたスポーツだしね。
バスケとかアメフトとかも。
254風向:02/07/27 16:54
>>245
> やはり、世界の安定のためには、これからも
> アメリカが世界を牽引していく必要がある。

世界の安定=大国の利益って構図が透けて見える気がして、なんか
嫌なんですよね、そういうの。アフリカや中南米の小規模な戦闘な
んかは、むしろ適度に起こっててねって思ってる節すらあるし。穿
ちすぎでしょうかね?あ、僕はそんなにアメリカ嫌いじゃないです
よ。ヨーロッパのほうが好きだけど。

114さんの近代国家モデルおよびそうした近代国家を前提とした国連
機能強化→世界政府へという道筋はとても説得的だと思いますが、
244さんの言うように第三世界諸国をどう取り扱うかがすごく難しい
と思う。アフガンを見ればわかるように、特に中東やアフリカの途
上国では「国民相互の社会契約を担保する民主的に創設された公権力」
という形で国家が編成されてないからです。こうした国々を世界政府
的な機関に結びつける方法として、先進諸国の指導の下に国民国家を
創設させるのか、NGOなど国家以外の組織が主役となるのか、考えどこ
ろなんだと思います。

スレタイに戻ると、進歩史観について考える時に重要なのは、不可逆
的な変化と、単なる選択の結果とを峻別することじゃないかと思いま
す。女性参政権なんかは、不可逆的な変化で、今後女性の参政権をと
りあげろというような議論は非常に出にくいはず。他方で、国連にお
ける一国一票なんかは、単に選択の結果でしかなく、中国やインドが
「人口比例にしろ。そっちのほうが民主的だから」という主張をする
可能性は十分ある。逆に、株主総会なんかは一株一票なわけで、出資
金比例で影響力が違う。これもある意味合理的であって、国連への出
資金比例にしたい国(日本とか)だってありそうなもんです。

現代のアメリカもそうした不可逆的な変化の結果である部分と、選択
の結果な部分が混在しているはずで、前者については人類が成し遂げ
た成果として継承すべきだけれど、後者については日本は日本の選択
があって良いと思うのですけれど。
255世界@名無史さん:02/07/27 23:36
欧州に関しては、ナポレオンは拡大フランスとして統合しようとしたし、
ヒトラーは拡大ドイツとして統合しようとしたけど、どちらも失敗した。
EUがうまくいったのは、個々の国とは別の中立的上位組織を作ったから。
英仏独といった大国ではなくベルギーに首都があるのも、
特定国の支配にならないよう配慮した結果。

実はアメリカ合衆国自体、本来はそういう構造の連邦で、
首都を選ぶ際にも特定の州が有利にならないよう配慮して、
建国13州の中間に別格の中立都市ワシントンを建設した。
そういう配慮は各州レベルまで行き渡っており、
例えばカリフォルニアの州都は、
サンフランシスコでもロサンジェルスでもなく、サクラメントにある。

アメリカを別格の世界国家にするという発想自体、
何となくアメリカの国家原理に反する感じがあるな。
256世界@名無史さん:02/07/27 23:45
>>255
本気でやろうと思ったら連邦政府を非アメリカ化するしかないよね。
連邦権力を大幅に削減し、元他国住民の政府雇用機会も均等に、公用語も多様化。
ガイシュツの有権者数バランスの激変問題もあるし、はっきり言って無理無理。
257わわわ:02/07/28 03:09
初めてスレさせていただきます。
マルクス氏の唯物・発展段階文明論は当時の情勢にとても影響されていると考えられます。
19世紀ヨーロッパではダーウィン氏の進化論がもてはやされ思想面においても多大な影響を与えました。
やはりマルクス氏も然りで世界は一定の方向性を持ち進んでいくと彼は考え発展段階説すなわち我々の潜在的に認識している進歩史観を生んだわけです。
しかしこの理論は簡単に認識しやすい反面とても非現実的であり、
特に歴史観に主要な生産体系(奴隷制や封建制)の変遷が重要だという考え植えつけた点で、
進歩史観とは我々がまず見直さなくてはいけないものなのではないでしょうか?
そもそもそれぞれの時代で経済システムが違いその上に乗った政治システムも時代ごとで違うという下部構造が上部構造を決める論理なんてあまりにも現実敵ではないです。
258114:02/07/28 13:55
>>254(風向氏)
>244さんの言うように第三世界諸国をどう取り扱うかがすごく難しい
>と思う。アフガンを見ればわかるように、特に中東やアフリカの途
>上国では「国民相互の社会契約を担保する民主的に創設された公権力」
>という形で国家が編成されてないからです。

ご指摘の点はある程度当たっているかと。
第三世界諸国の場合、軍隊は対外的国防より国内治安機構としての役割が
大きい(警察と軍隊の機能的未分離)。ただし、これの諸国は軍事力の規
模としては、先進資本主義諸国に比べて極めて小さい。軍事力の発動は、
(対外的には)せいぜい隣国との国境紛争の場合。
アメリカを始めとする先進資本主義諸国の軍隊(日本も含む)は、既に国
土の防衛範囲を超えた諸地域への「遠征」が可能な規模。先の235のレスで
国連(世界政府)への軍事力集中の対象として想定しているのは主にこう
した先進資本主義諸国の軍隊。

また先の2国連=世界政府化案では、取りあえず世界=国民国家の集合体と
いう現状を踏まえてのもの。
私も第三世界における国民国家化が妥当かどうかという点には疑問がある。
歴史的にも国民国家(近代国家)は西欧で生まれ、19世紀後半の西欧の対
外進出の過程で、アフリカ・中東・東南アジア・極東などへ強制してきた
国家形態。自前で近代国家となるか、さもなければ植民地かという選択の
強制。大半は西欧列強の植民地化され、しかも西欧諸国間の都合で勝手に
国境を線引きされたため、諸民族(部族)が分断された。
第二次大戦後の植民地独立運動=国民国家化も、かつての植民地の領域(
地理的分断化)を前提としての独立であったため、国境や民族問題などの
禍根を残した(というより新たな問題の発生というべきか)。
こうした事例は、現在のアフガニスタンを見ても明らか。
第三世界の場合、国民国家とは異なるタイプの政治的共同体の創設が必要
かも。あるいは前スレにあった国民国家より広い範囲の地域的共同機構の
設定も有効かも。
なお、日本のように近代国家化に成功した場合でも、急激な欧化政策によ
る伝統社会との断絶は、思想・文化的に大きな禍根を残した。第二次大戦
までの近代化vs伝統保持という構図は、ナショナリズムの在り方に独特の
歪みをもたらし、それは現在でのグローバル化vs自国中心主義という構図
にまで影響していると思われ。

259世界@名無史さん:02/07/28 17:10
国連=世界政府案の最大の欠陥はアメリカが国連を信用していない
という事実だな。というかアメリカ国民は国連なんて要らないと
思っている。
>>258
国外への本格的な遠征が可能な軍を持つのはアメリカだけ。
日本軍(自衛隊ね)、が派遣可能なんてムチャ言うな。






260世界@名無史さん :02/07/28 21:50
日本は早く対米従属から独立して自主外交に徹するべきだな。
9.11以降、気の毒だがアメリカの凋落傾向はハッキリしている。
日本もこれと一緒に運命を共にする謂われはない。

小泉自民党は、一見ナショナリズム派に見えるがそれは国内向けの煙幕。
本質は対米従属主義者にすぎない。自民党本来の買弁的性格丸出し。
即刻打倒すべし。

日本の今後の進路の基軸は、米でなく中国以下のアジア諸国だ。
かつての「脱亜入欧」ではなく「脱米入亜」だ。
261世界@名無史さん:02/07/28 21:53
>260
反米ウヨ氏ね!!
262総督:02/07/28 22:01
>>260
中国以外のアジアって発展途上国ばかりじゃん
それらと組むメリットは?
263総督:02/07/28 22:09
21世紀の覇者はEUと中国が有力だと思っている
今回成立したアフリカ連合(AU)は100年後が楽しみ
OPEC諸国は衰退するだろうね。米国は政策次第とだけ言っておこう。
264世界@名無史さん:02/07/28 22:12
鶏口牛後
265世界@名無史さん:02/07/28 22:13
実利優先
266総督:02/07/28 22:16
四字熟語はお腹いっぱい
267世界@名無史さん:02/07/28 22:16
焼肉定職
268世界@名無史さん:02/07/28 22:16
>>262
発展途上国だからこそ、日本経済にとっての新たな市場として
意味がある。欧米中心とした市場依存体制から脱却すべき。
日本にとっては、製品輸出の対象としてばかりでなく、原料・低賃金労働力を確保できる。
直接的な資本輸出で、これらの国の産業を発展させれば、今までのように無駄なODA(税金)を
つぎ込む必要もなくなる。
日本がアジア経済圏で主導的な地位を占めれば、米欧などに依存する必要
もなく、アジアに自立的な経済ブロックをつくり出せる。
アメリカが凋落すれば、グローバル化とやらもアブク同然。世界の先進国
はそれぞれ自国の存立を賭けて独自に動くはず(米は中南米、ヨーロッパは
アフリカ・中東などを対象に独自に経済ブロック形成へと動く)

グローバル化などというのは世紀末に流行した泡沫的な幻想だよ。
アメリカの国策とそれに追随する政府・マスコミの言動にまどわされると
第二次世界大戦のときの日本みたいになるぞ。
269世界@名無史さん:02/07/28 22:19
呵呵大笑
270世界@名無史さん:02/07/28 22:19
前立腺肥大
271世界@名無史さん:02/07/28 22:21
行川之水不絶
272世界@名無史さん:02/07/28 22:22
浦島太郎
273世界@名無史さん:02/07/28 22:23
失楽園
274世界@名無史さん:02/07/28 22:23
生活習慣病
275総督:02/07/28 22:24
>>268
なるほどねえ

でもそれらの国にも当然民意があるから下手すりゃ反日ナショナリズムを
煽っちゃうよ
276世界@名無史さん:02/07/28 22:24
椎間板ヘルニア
277世界@名無史さん:02/07/28 22:26
尿道結石
278世界@名無史さん:02/07/28 22:27
徹底値引
279世界@名無史さん:02/07/28 22:28
顧客満足
280世界@名無史さん:02/07/28 22:30
近日公開
281世界@名無史さん:02/07/28 22:31
花弁回転
282世界@名無史さん:02/07/28 22:33
聖徳太子
283世界@名無史さん:02/07/28 22:34
幼児性愛
284世界@名無史さん:02/07/28 22:36
>>260
凋落どころか、ますます怪物化しているが…
285世界@名無史さん:02/07/28 22:36
竜頭蛇尾
286世界@名無史さん:02/07/28 22:38
口内発射
287世界@名無史さん:02/07/28 22:41
仮性包茎
288世界@名無史さん:02/07/28 22:42
針小棒大
289世界@名無史さん:02/07/28 22:42
消費者金融
290世界@名無史さん:02/07/28 22:43
会員募集
291世界@名無史さん:02/07/28 22:44
延長歓迎
292世界@名無史さん:02/07/28 22:46
追加融資
293世界@名無史さん:02/07/28 22:47
自己破産
294世界@名無史さん:02/07/28 22:49
検尿容器
295世界@名無史さん:02/07/28 22:50
人妻出張
296世界@名無史さん:02/07/28 22:51
計画倒産
297世界@名無史さん:02/07/28 22:53
輪姦学校
298世界@名無史さん:02/07/28 22:54
不法就労
299世界@名無史さん:02/07/28 22:55
健康第一
300世界@名無史さん:02/07/28 22:56
参百奪取
301114:02/07/28 23:53
>>254(風向氏)
>進歩史観について考える時に重要なのは、不可逆的な変化と、単なる選
>択の結果とを峻別することじゃないかと思います。

唯物史観で云えば、歴史の必然と偶然ということかと。実際は両者別次元
の問題ではなく、偶然的な事象を貫いて存在する必然という関係ですが。
ただし、必然=宿命論というわけではなく、様々な人間の意志的行為の総
和としての歴史事象(当事者たちには偶然と見える)の裡に、客観的な必
然性(=歴史の発展)が存在するということ。
進歩史観も、手放しで歴史は自動的に進歩するという楽観的宿命論ではな
く、「不可逆的な変化」(必然性)と「選択の結果」(人間の意志による
実現可能性)で構成され、特に後者は進歩に資すると価値判断された事柄
を実現しようとする人間の意思・努力が重要な要因となる。ただ客観的か
つ可変的な条件次第で、それが常に実現するか否かは別ですが。
302114:02/07/29 00:17
>>257
>マルクス氏の唯物・発展段階文明論は当時の情勢にとても影響されていると
>考えられます。19世紀ヨーロッパではダーウィン氏の進化論がもてはやさ
>れ思想面においても多大な影響を与えました。
>やはりマルクス氏も然りで世界は一定の方向性を持ち進んでいくと彼は考え
>発展段階説すなわち我々の潜在的に認識している進歩史観を生んだわけです。

進歩史観・唯物史観・進化論も確かに19世紀に西欧で生まれ、普及したも
のですから、それには19世紀の時代的特徴が大きく作用しています。

進歩史観は、歴史がある目的(人類の進歩)に向かって前進してくという
思想で、産業革命以来の工業の高度化・交通の発達・生活水準の高度化な
どを指標としたもので、技術的発展(発明や普及)がその根幹をなしてい
ると云えます。したがって進歩のもつ陰の側面(貧富の格差・公害の発生・
農業などでの自給的経済の破壊)に鈍感であり、またこれらは貧窮者への
社会対策といった対症的療法で対応できるという楽観主義をもっていまし
た。それゆえ第一次大戦での惨状(それらが科学の進歩=軍事技術の進歩)
で西欧では大きく揺らぐことになります(科学の進歩はほんとうに幸福を
もたらすのかという懐疑)。
303114:02/07/29 01:05
302つづき
唯物史観は、この点単純な進歩史観とは異なります。通常唯物史観
も共産主義社会の実現を目的(ゴール)とする進歩史観の一種とい
う誤解がありますが、唯物史観は、そもそもマルクスが本格的な資
本主義分析に着手する以前にその生成の大まかな見取り図を描いた
もので、必ずしも共産主義社会の実現を目的(ゴール)とする歴史
観ではありません。
唯物史観の骨格はマルクスの『ドイツ・イデオロギー』第一章に要
約されていますが、そこでは物質的な生活の生産(衣食住の満たし
方・生活諸手段の生産)・新たな欲求の産出(ヨリ快適な生活)・
種の生産(家族の形成)、物質的生活の生産が社会的レベルでなさ
れる協働様式、という全歴史過程に貫通的な問題が出発点として提
示される。これらのことが、現在も含めてどのように実現されいる
かがその時代の特質となる。原始・古代・中世・近代・現代の諸段
階。
次に言語を媒介とする意識の発生(人間の協働に不可欠)とその発
展である物質的労働と精神的労働との分化、精神的労働の自立化(
宗教・神学・哲学・法律などの形成)。この労働の分離、即ち社会
的分業とそれに応じた所得分配(所有)の不均等をもたらす(分業
=所有)。かくしてここに各個人(家族)間の利害とすべての個人
の利害が形成。前者の特殊利害に対して後者は普遍的利害と分離さ
れその担い手として国家が措定され、特殊利害に対して自立した姿
をとる。意識の発生、社会的分業=所有の生成・展開、国家の形成
という、やはり歴史貫通的な論理的な発生プロセスが提示される。
そして、この後分業のもらたす人間的疎外の問題から、始めてそれ
の止揚としての共産主義社会の問題が論じられる。従って、この段
階では、産業(工業)発達による人間の疎外状況を如何に克服する
か、という点から生産力を人間のもとに取り戻す社会として共産主
義社会が措定される。
304114:02/07/29 01:33
>>257
>特に歴史観に主要な生産体系(奴隷制や封建制)の変遷が重要だという
>考え植えつけた点で、進歩史観とは我々がまず見直さなくてはいけない
>ものなのではないでしょうか?
>そもそもそれぞれの時代で経済システムが違いその上に乗った政治シス
>テムも時代ごとで違うという下部構造が上部構造を決める論理なんてあ
>まりにも現実敵ではないです。

「歴史観に主要な生産体系(奴隷制や封建制)の変遷が重要だ考え」は、
唯物史観の考え方ですが、それが歴史貫通的に重要である点は上記で説明
したとおり。生産様式や社会関係以外に何が重要だと考えますか? 宗教・
理論・哲学などの観念諸形態(イデオロギー)ですか? だとしたら転倒
した考え方だと思われ。観念諸形態もすべて物質的な生産様式を基礎にそ
こから分業(精神的労働)の発展の所産に過ぎないものですから。
勿論、これらのイデオロギーが人間の行動を規定する場合もありますが、
それもその時代の生産様式の枠内での行動となります。

生産様式を経済的な土台として、その上に政治的・法律的・思想的な上部
構造が形成されるというのが、大まかなある時代(=歴史的構成体)の構
造となります。勿論土台が上部構造を規定するというのは、全体的な動向
であり、個々の局面では政治的動向が土台に反映するという場合もしばし
ばあります。
しかし、最近のソ連の解体の最大の要因がゴルバチョフの改革というより
土台である社会主義経済そのものの破綻であり、改革はそれへの対応であ
ったこと。また最近の世界の様々な政治的・経済的動向も、アメリカを中
心とする経済のグローバル化(=資本主義的経済の土台部分の変質)に規
定されているという点も、土台=経済関係の政治的・イデオロギー的関係
への優位を示しているのではないかと。
なお、上部構造が土台を規定するという転倒した関係は、政治革命状況に
おいては短期間ながら現れる現象です。
305114:02/07/29 02:10
唯物史観・進歩史観に関する補足(日本の場合)
明治維新以降、進歩史観は進化論と重なりつつ、日本に外来思想と
して輸入。明治国家の近代化政策を側面より補強する歴史観でもあ
った。だた、これと似た考え方は既に江戸時代後半には存在してい
た(「開けゆく世」・「昇りゆく世」といった文化の精緻化・普及
化について云われた言葉)。
近代日本の場合は、進歩史観より進化論的傾向(社会・国家の有機
的な発展)が強く、明治末年〜大正期には社会ダーヴィニズム的発
想とともに、帝国主義化を合理化する思想ともなった。また進歩史
観は、同時期の大正デモクラシーを支える歴史観でもあった。
昭和前半期は、やがて非合理的な自国至上主義である皇国史観が制
覇するが、これも日本帝国の侵略を国体の有機的発展とする進化論
の亜種であったとも云える。
戦後アメリカ思想の流入と続く経済の高度成長のもと、再び進歩史
観が有力となった(1970の万博の標語「人類の進歩と調和」)。同
時期には社会主義国(ソ連・中国)の飛躍的な生産力増強やソ連の
宇宙開発での成功などから唯物史観も(反社会主義者たちからさえ
)一定の評価を受けていた。
こうした日本人の歴史観に変化が起こったのは、1990年代以降と思
われ。バブル崩壊→経済低迷で、進歩史観への懐疑が表面化し、他
方社会主義体制の崩壊により唯物史観への評価が一層凋落した(一
部では「歴史の終焉」!?までも叫ばれる)。
以上の経緯を見ても、主要な歴史観の流行というのは、その時の政
治・社会状況の左右される面が大きい。
ちなみに、昨今流行しているのが、終末史論・循環史観・文明史観
など。あと歴史観ナンセンス論(=歴史の動向はアトランダムで法則
性や傾向性など存在しない)。いずれも悲観論的歴史観。
ただ、いずれも唯物史観や進歩史観に比べて、宗教色が濃かったり、
根拠が薄弱で歴史観としての要件を欠いており、これこそ一時の流
行にすぎないと思われ。
306整理:02/07/29 06:41
まず、固有名詞としての唯物史観(≒マルクスの史観)と
一般名詞としての物質主義史観を区別しないと、議論が混乱するよ。

19世紀の段階だと、古典文献が歴史資料の大半を占めるわけだけど、
近代以前では読み書きできるのは社会の上層だけだから、
資料は必然的に、社会の上層の公的生活に関するものに偏っていた。
そのため、どの文化圏でも為政者の交代が歴史だと認識される偏りがあった。
例えば仮に20世紀後半の日本史をそういう史観で記述してみたら、
各年代の首相の名前、その首相の生い立ちや性格、
彼がどういう派閥力学で首相になったかというイキサツ……
といった政治的文書の寄せ集めが「日本史」と呼ばれることになるだろう。

もちろん、同じ時期について現代人が語る場合、
為政者と周辺だけじゃなく社会の全体が視野に入ってくるので、
社会全般の生活の変化、つまり経済史・技術史が歴史の重心になる。
そういう視野で眺める限り、物質主義史観は特定のイデオロギーじゃなく、
単に最低限の常識、誰もが共有する前提に過ぎない。
近代以前の時代についても、文献に限らない多様な資料が増えるにつれて、
そういう具合に社会の総合的イメージを描くこと、
(少なくとも目標としてその方向を目指すこと)が、
史学の仕事だと認識されるようになり、政治史の比重は下がってきた。

しかし19世紀人にとってはそうではなく、為政者史観が常識だった。
経済的基盤の重要性を認めさせたのがマルクスの功績ということになる。
307整理:02/07/29 06:41
しかしマルクス自身も19世紀人なので、
理論の基礎となる史実知識は極めて限定されていた。

例えば、同時期の中東や中国よりも遅れた社会だった中世の西欧を、
相対的に進歩した社会として描写したことは事実レベルの間違いであり、
それを前提とした史観も、今日では限定的な意義しか持ち得ない。

また、古代の奴隷制が中世の封建制に変わったのは、
西欧ローカルな事情であり、中国や中東にはあてはまらず、
歴史の普遍的モデルとは言えない。
(ただし日本には、西欧と相同的に封建制への移行があったので、
 西欧をモデルとした理論が結構説明に使えてしまう。
 日本でマルクシズムが生き残った一因でもあるだろう)

婚姻制度の歴史の説明として、原始乱婚制を出発点に想定したが、
現代の考古学・人類学・生物学は、原始乱婚制の存在を否定している。

 ……などなど、要するにマルクスは19世紀人であり、
その知識も19世紀の水準に限定されているということは、
念頭においておかないといけない。
308世界@名無史さん:02/07/29 08:29
ナショナリズム nationalism[英]

 国民(ネーション)を政治・経済・文化の主体と考え、そこに至上の価値を置く思想と運動の総体。
国民社会ないし国民国家の形成・純化・拡大を主張する。日本語では、時代・地域・状況による
性格の違いがあると考え、国民主義・民族主義・国家主義と訳し分けてきた。理念的には、
国民は自由・平等な個人が友愛を基礎に構成する普遍主義的共同体を意味し、あらゆる
身分的・社会的中間団体を排除して、権利主体としての独立した個人が国家と対等に向き合う
という共和制と結合した近代的概念とされる。ナショナリズムは、帝国的編成の国家に対抗する
運動として、18世紀末から、ヨーロッパやアメリカ大陸における国民国家形成を支え、国民国家の
制度化・普遍化と脱植民地化に伴って、20世紀には世界規模に拡大した。同時に、ナショナリズムは
特定の領域・空間を前提とする国民(ネーション)を基礎とするため、階級差を越えた垂直的統合、
地域差を越えた水平的統合を行い、政治・経済・文化の均質化を目的とする。対外的には、
他の国民との差異と自らの優位性を強調するため、常に排外的・膨張的性格を帯びる。

角川書店「角川世界史辞典」編集委員 西川正雄、他
309114:02/07/29 11:36
>>306
>まず、固有名詞としての唯物史観(≒マルクスの史観)と
>一般名詞としての物質主義史観を区別しないと、議論が混乱するよ。

物質主義史観というのがよくわからないのですが。19世紀末〜20世紀初頭
にM.Weberが批判の対象とした俗流唯物史観のことでしょうか?
それとも19世紀に一般的だったバックルやギゾーなどの文明的進歩史観の
ことでしょうか?

>>307
マルクスのインド・中国以下の西欧以外の社会に対する認識、またエンゲ
ルスの家族制に関する認識が、当時の学問水準に規定された不正確なもの
であったことは御指摘のとおりかと。
また所謂原始共産制・奴隷制・農奴制・資本主義という単線的な発展段階
論も、あくまで西欧モデルであり、これを普遍法則として理解し、逆に諸
地域の歴史的構造をこの段階のどこかに位置づけようという試み(かつて
の世界史の基本法則)は、転倒した発想だと思われます。
しかし、これらをある社会の生産構造や社会関係(分業や所有)を考える
場合に説明モデルの一つ(Weberの支配の諸形態などと同じ)として使用す
ることは可能であろうと。
また資本論に示された資本主義社会の解剖については、それが産業資本主
義段階をモデルにしたものにせよ、未だに学ぶべき点は多いのではないか
と。

>>308
ナショナリズムの定義についての御教示ありがとうございます。
今後、このスレでこの問題について議論する場合の道具にさせて
もらいます。
310世界@名無史さん:02/07/29 12:02
>>308
これ一行目だけまともだが、それ以下は胡散臭い解説だなー。
100年前ならこれでいいんだろうけどね。
311観察者:02/07/30 13:53
このスレをひととおりROMさせてもらいましたが、なにか現在アメリカの
世界史的意義をめぐっての議論が中心で、肝心のスレタイに即した
唯物史観や進歩史観が、教条(ドグマ)なのか、科学なのか、あるいはそれ以外
の何かなのか・・・という議論があまりなされていないように思いましたが。

ただ見ててオモシロイと思ったのは、アメリカの世界史的意義を認める
人たちに割合進歩史観が多いということです。
歴史学の分野では、唯物史観はもとより、単線的な進歩史観というのも既に時代遅れで・・・・
というより、歴史観の問題自体があまり論じられていないのが最近の傾向ですから。
それは価値観を含むから、結局は哲学的な問題であるとして棚上げする傾向あるためと考えられます。

唯物史観・進歩史観以下どんな歴史観でもかまいませんから、もう少し具体的に論じていただくことを希望します。

どころで前レスにもあった循環史観というのはどんな歴史観なのですか?
歴史はいろいろな文明の栄枯盛衰の繰り返しだという意味でしょうか?
確か昔、中国の歴史観にそうしたようなのがあったと記憶してますが。
どなたか説明できる人がいたら教えて下さい。
312世界@名無史さん:02/07/30 18:01
>唯物史観・進歩史観以下どんな歴史観でもかまいませんから、もう少し具体的に論じていただくことを希望します。

アメリカ中心史観
313世界@名無史さん :02/07/31 08:20
>>311
>というより、歴史観の問題自体があまり論じられていないのが最近の傾向ですから。

たしかに、まえはポストモダンとか言って「大きい物語」が終わって、
もう「小さい物語」しか語れないとかなんとか言って、
唯物史観の反動から歴史哲学そのものが敬遠されたって言うのはあるだろうけど、
さいきんはむしろ歴史哲学はけっこう語られてるんじゃないの?
ちゃんとした歴史観がなければ、「歴史の終焉」なんて言葉は出てこないし。

小さい物語なんて歴史じゃないよ。歴史はつねに大きな物語なんだから。

>唯物史観・進歩史観以下どんな歴史観でもかまいませんから、もう少し具体的に論じていただくことを希望します。

同じく、アメリカ中心史観。
世界史をふつうに民主主義が広がっていく過程と捉えれば、世界史上初の共和制民主主義国家アメリカの意義はきわめて重要なものになる。
アメリカの独立宣言とともに、世界史は始まったとすら言える。

ナチスや天皇制全体主義、ソ連などのファシズム的国家が、つぎつぎとアメリカに敗北したのも、
ただたんにアメリカが軍事的に強かったというだけではなく、それが歴史の流れの必然だったからではないだろうか?

なんにせよ、アメリカが世界の一極化を達成したその根拠は、真摯に問われるべきだろう。
世界史にとって、アメリカを特別視することは、偏見ではない。
314電波狸:02/08/01 01:48
>>311
>歴史観の問題自体があまり論じられていないのが最近の傾向ですから。
>それは価値観を含むから、結局は哲学的な問題であるとして棚上げす
>る傾向あるためと考えられます。

歴史観の問題を論じることは重要。
唯物史観の立場だが、進歩史観にもある程度の共感をもつ。
歴史観(=思想の一形態)である以上、必ずしも厳密な意味での科学とは
言い難いが、他方で教条(ドグマ)であるか否かは、これを唯一無二の正
しい歴史観とする立場に立つか、多様な歴史観の存在を認めた上でのone
of themとして選択するかで分かれる(個人的には後者の立場)。

>循環史観というのはどんな歴史観なのですか?
>歴史はいろいろな文明の栄枯盛衰の繰り返しだという意味でしょうか?
>確か昔、中国の歴史観にそうしたようなのがあったと記憶してますが。

詳しくは知らないが、だいたい指摘のとおりかと。中国では古くから歴代
の王朝の盛衰・興亡について、ある王朝が衰えてくると、やがて天命(天
の意志)が革(あらた)まり、古い王朝が亡びて新しい王朝が興る(「革
命」の本源的意味)という歴史観がある。歴史を発展・進歩ではなく栄枯
盛衰の繰り返しと見る歴史観のことで、ギリシア・ローマやインドなどの
古代文明も似たような歴史観をもっていたという。
こうした前近代的な歴史観に対して、唯物史観や進歩史観は西欧近代社会
の産物であり、科学や生産力(産業)の発展を基準とした歴史の見方。
315電波狸:02/08/01 03:05
>>311
>歴史学の分野では、唯物史観はもとより、単線的な進歩史観とい
>うのも既に時代遅れで・・・・

確かに(日本の)歴史学の分野で唯物史観が大きな比重を占めてい
たのは、戦後直後から1960年代まで。国内でも左翼やリベラル左派
を中心に戦後日本社会の変革の方向性として、社会主義革命を視野
に入れた民主主義の徹底化の問題が議論され、そうした動向が学問
分野にもある程度反映していた。
その後高度成長期を経た70年代後半〜80年代にかけて、国際的には
社会主義諸国の行き詰まりやその抑圧的性格が明確になり、また国
内では企業社会の確立にともなう労働運動や国民の政治意識の保守
化の中でマルクス主義も後退し、歴史学の動向も階級(人民)闘争
史的視点が希薄化していった。90年代の社会主義の解体以降は、歴
史学自体は対象とする分野や地域によって多様な方向性を示すが、
他方で自由主義史観に代表されるようなナショナリズム志向の歴史
学が台頭してくる。
個人的には、かつての唯物史観のストレートな歴史学への適用には
賛成しないが、ひとつの有力な参照系(説明モデル)として改めて
再検討し得るのではないかと考えている。
向性を取りつつあるが、他方で
316世界@名無史さん:02/08/01 03:28
アメリカが三度の世界大戦を勝ちぬいて(三度目は東西冷戦)
世界の覇権を握ることができたのは
アメリカが巨大な島国だからか、それとも資本主義だからか
それとも民主制だからか、それともネイションステートだからなのでしょうか?
これら4つの要因は、なぜ覇権を握るに有利なのでしょうか?
317世界@名無史さん:02/08/01 04:08
1. 広大な国土、植民地を獲得する必要がない。
2. 人口が大きい 市場が国内にある。
3. アメリカ大陸にある 欧州諸国と直接国境を面していないので陸戦をする必要がない。
これはナポレオンに屈しなかったのが英国な点からも重要。

これぐらいですかね。

318世界@名無史さん:02/08/01 10:44
>>317
>1. 広大な国土、植民地を獲得する必要がない。
>2. 人口が大きい 市場が国内にある。
>3. アメリカ大陸にある 欧州諸国と直接国境を面していないので陸戦をする必要がない。
>これはナポレオンに屈しなかったのが英国な点からも重要。

>これぐらいですかね。

ちょっと待ちなよ。
一見鋭く見えるが、それは表層的な意見じゃないかな?
そうなら、どうしてあれだけ大きな領土を獲得、維持できたのかという問いが新しく生まれてくる。

あれだけの多民族で、移民の国がどうして内部分裂しなかったのか?
そっちのほうが重要だと思う。
アメリカには日本の天皇制のような統一的な求心力となる伝統的イデオロギーは存在しないんだよ。
日本や中国なんかより、よっぽど分裂する可能性があったはずだ。
319世界@名無史さん:02/08/01 11:04
新大陸英語圏は米加二カ国にしか分かれなかった。この2つは非常に強い。
ポルトガル語圏はブラジル1カ国。これもそこそこ強い。
スペイン語圏は無数に分かれている。各々がアメリカに逆らえない。
この違いは何?
320総督:02/08/01 12:53
やっぱり「自由」の思想も重要だと思う。
資本主義が米国で発達した主要因だと思う。
321世界@名無史さん:02/08/01 13:12
>>11
まあアメリカが世界史上の覇権国の中で一番良心的、
というかマシというのは当たってると思うけどね。
322電波狸:02/08/01 13:16
>>313
>同じく、アメリカ中心史観。
>世界史をふつうに民主主義が広がっていく過程と捉えれば、世界史上初
>の共和制民主主義国家アメリカの意義はきわめて重要なものになる

アメリカ中心史観というのが成立するかは疑問だが、世界史=民主主義の
拡大過程とする見方には同意できる。
またアメリカ独立の意義は、それがフランス革命の勃発に影響し、続いて
ドイツを始めとする西欧諸国の近代国家への転換を促進したという点で大
きい。これ以降、西欧諸国はイギリスを先頭に、競って植民地獲得のため
世界へ進出していく。ただし、19世紀のアメリカは、専らイギリスからの
経済的自立化と東部を中心とする工業化、西部の開拓による領土の拡大過
程であり、国力は南北戦争後に急速に増大する。
19世紀後半〜20世紀初頭にかけてアメリカの対外政策の基調は孤立主義(
モンロー宣言)で、ヨーロッパや諸地域の紛争にはほとんど関与していない。
第一次大戦でも最初は局外中立。後半から欧州への輸送路確保のため参戦(
戦後も国際連盟の設立を主導するも自らは加盟しなかった)。
大戦でダメージを受けたヨーロッパ諸国にかわり、経済的には世界的に拡大
してイギリスと拮抗するにいたる。
アメリカの世界化は、第二次大戦で連合国の中軸を担ったことと、戦後のソ連
との冷戦の過程で確立したといえる。
(19世紀〜第一次大戦まではパクス・ブリタニカ、第二次大戦以降がパクス・
アメリカーナという図式)
323電波狸:02/08/01 13:32
>>313
>ナチスや天皇制全体主義、ソ連などのファシズム的国家が、つぎ
>つぎとアメリカに敗北したのも、 ただたんにアメリカが軍事的に
>強かったというだけではなく、それが歴史の流れの必然だったか
>らではないだろうか?

第二次大戦の連合国(米・英・ソほか)vs枢軸国(日・独・伊)の
性格は、経済的には帝国主義国間の戦争、政治的には民主主義+社
会主義vs全体主義の戦争という二重の性格をもつ。ナチスの打倒に
おけるソ連の軍事的役割は大きい。それゆえ、戦後の世界構想は米
・ソを中心に決定され、やがて米・ソの対立(冷戦体制)へと帰結
した。また冷戦解体後のアメリカの「勝利」は、正確にはソ連=社
会主義諸国の自壊でありアメリカにとっては「敵失」によるもの。
324世界@名無史さん:02/08/01 18:06
>>323
>政治的には民主主義+社
>会主義vs全体主義の戦争という二重の性格をもつ。

まあ、当時はまだソ連は民主主義の急先鋒というイメージがあったからね。
実質はぜんぜん民主主義じゃなかったけど。
いま考えれば、独ソ戦はウヨサヨの憎悪に満ちた戦争だよね。
どっちもどっちだった。

>冷戦解体後のアメリカの「勝利」は、正確にはソ連=社
>会主義諸国の自壊でありアメリカにとっては「敵失」によるもの。

自滅なのはたしかだが、それでも立派な総力戦でのアメリカの勝利でしょ?
宇宙開発競争では一歩上を行ったソ連だが、
けっきょくイデオロギー的な魅力、経済ともにアメリカに敗れた。(軍事的には、水爆と戦略原潜を装備した時点で、もはや飽和点だったから互角かな)
総合的に見て、ソ連よりもアメリカが優れていたのはまちがいないよ。
325閑話休題:02/08/02 03:13
年齢が若い人ほど、世界が変化する実感がないみたいだね。
技術と生活水準が年々向上した時代を経験した人だったら、
反論しようもない生活実感として進歩を覚えているはずだが、
今の若い人は、そういう経験がない。
「生まれて以来ずっと社会はこういう感じだったから、
 これからも未来永劫こういう感じなんだろう」
というのが、若い人の実感のようだ。

「数十年以内に中国の経済力がアメリカを追い抜くだろう」
「テロメア治療や組織再生といった医学の進歩のせいで、
 近い将来、先進国では寿命が大幅に延びることになるだろう」
などなど、社会の構造をかなり変えそうな要因は幾つもあるんだが、
そういうことが頭では判っている人でも、変化の時代を経験してないと、
心の奥底では変化を信じることができないようだ。

20世紀後半を通じて、アメリカの相対的国力は低下し続けてきた。
なのに「これからアメリカを世界政府にしよう」
なんて主張しちゃうのも、きっと若い人なんだろう。
戦争直後の実質的世界政府の地位からごく普通の一国に近づき続けてきた
アメリカ現代史を実感的に知っている者には、
今ごろそういうことを言う人がいるのが不思議に思えるんだが。

『歴史の終焉』というのは、突っ込みどころ満載の本だったが、
「生まれて以来ずっと社会はこういう感じだったから、
 これからも未来永劫こういう感じなんだろう」という
多くの先進国住民の無意識的信念の記録という意味はあったと思う。

進歩史観の衰退というのは、そういう無意識的信念の常識化ということだね。
326世界@名無史さん:02/08/02 04:07
>318
>アメリカには日本の天皇制のような統一的な求心力となる伝統的イデオロギーは存在しないんだよ。

断言してるが、本当に確信してるのか?
だとしたら、アメリカという国の成り立ちと歴史及び社会構造を何も知らないと告白してるに等しいな。
求心力が無くて巨大国家を維持できるわけがないだろ?

アメリカの建国の精神を知らないのか?
また、アメリカは自由主義、民主主義の側面を強調されるが、実は宗教国家だ。
選ばれし「神の国」なのだとの確信を持っている国民が中西部を中心に広範に
存在している。
キリスト教ファンダメンタリズム及びその亜流が強力な求心力となっていることを
忘れてはならない。

東海岸、西海岸の流儀は実は決してアメリカの本流を行っているものではない。
普段我々がよく目にするのは東海岸や西海岸で起こっている事象が多いが
それらに目を奪われているとアメリカの本質を見誤ることになる。
327世界@名無史さん:02/08/02 10:58
>>326
>キリスト教ファンダメンタリズム及びその亜流が強力な求心力となっていることを
>忘れてはならない。

むむっ。やはりキリスト教か!?
アメリカを分析する上で、欠かせないイデオロギーだな。

>選ばれし「神の国」なのだとの確信を持っている国民が中西部を中心に広範に
>存在している。

でも、ほんとにいるの? そんなユダヤ人みたいなアメリカ人って。
進化論を教えないとか、カルトなところは多そうだけど…。
328世界@名無史さん:02/08/02 11:20
>>325
>『歴史の終焉』というのは、突っ込みどころ満載の本だったが、
>「生まれて以来ずっと社会はこういう感じだったから、
> これからも未来永劫こういう感じなんだろう」という
>多くの先進国住民の無意識的信念の記録という意味はあったと思う。

おいおい、おじいちゃん。
突っ込みどころ満載って、あんたにフクヤマの「歴史の終焉」を論破できるのかい?
哲学板でも何回か議論されたが、だれも論破できなかったぜ。
論破できるのならやってごらんよ。

つーか、ぜったい読んでないだろ、あんた?
329世界@名無史さん :02/08/02 11:23
>>325
>「数十年以内に中国の経済力がアメリカを追い抜くだろう」

これはよく言われる言葉だが、ちょっと前置きを忘れている。
「無事に民主化が進めば、中国の経済力がアメリカを追い抜くだろう」
が、正しい言い方だよ。
いずれにせよ、民主化という形で、多少のアメリカ的イデオロギーの流入は避けられない。
日本のように、従米してはじめて得られる経済成長だよ。

しかし、民主化が進めば、当然あれだけの異文化、多民族の国家である中国は、旧ソ連のように分裂する可能性も高いという罠。
さてはて、10億の国民を無事統一しておくことができるかね、中国は?
元共産党独裁国家。周辺民族からはすっげー恨まれてんじゃないの?

旧ソ連の二の舞にならないように気をつけるんだね。
330世界@名無史さん:02/08/02 16:34
>318
>日本や中国なんかより、よっぽど分裂する可能性があったはずだ。
つか、一回分裂してるっしょ。
331世界@名無史さん:02/08/02 17:13
>>329
つうか、このまま経済発展が進めば分裂は必死。
332世界@名無史さん:02/08/02 17:40
>>330
分裂後すぐに再統一したよ。中国より簡単にね。
333電波狸:02/08/02 21:09
>>317
>1. 広大な国土、植民地を獲得する必要がない。
>2. 人口が大きい 市場が国内にある。
>3. アメリカ大陸にある 欧州諸国と直接国境を面していないので陸戦を
>する必要がない。

アメリカの発展に関する理由としてはほぼ妥当しているかと。
ただ最も大きな理由として、アメリカが最初から近代国家(国民国家)と
して成立した点がある。つまり啓蒙思想家たち(ロックやルソーなど)が
構想した近代国家・社会モデル(議会制・三権分立や個人の諸権利)の最
も忠実な実現と云えること。
欧州諸国は前近代的な国家・社会体制(アンシャン・レジーム)の革命・
改革を通じての近代国家形成だったため、いずれもそれ以前の国家や社会
の在り方に制約された面があるが、アメリカの場合はそうした制約をほと
んど持たず(なお旧宗主国英国は既に近代国家として確立)。
こうした近代国家=資本主義体制の実験場としてのアメリカの発展の要因
としては、欧州諸国が市場の獲得のため国外に植民地を求めたのに対して、
アメリカは西部の開拓(=植民と原料の確保)がその代替的役割を果たし
たこと、移民による人口増加が国内消費市場の拡大をもたらしたこと、欧
州から離れた大陸の一部という地政学的条件が有利に作用したこと、など
が挙げられる。
334電波狸:02/08/02 21:36
333つづき
アメリカが多民族(人種)・多宗教であるにもかかわらず国民統合され
ている大きな要因として、それが移民から構成されている点かと。

他の地域では、民族集団が歴史的に一定の(地理的な)テリトリーをも
って居住している(旧ユーゴやアフガニスタンの場合を見れば明らか)
ため、その地域を含む国家の主導権をめぐって民族間紛争が起こるが、
アメリカの場合、南部に黒人が多いという人口構成比率の問題はあって
もそれが固有の領域によって区別(分断)されているわけではない。
したがって、民族・人種・宗教間の差別による紛争は、アメリカ国民と
しての平等をめぐる社会的差別の問題(その撤廃要請)として現れる。
このこと自体が、既に国民であることを前提としている点で、国民統合と
しての機能をも果たしていく(ただし、こうした社会的差別の問題が実質
的に大きく前進したのは、公民権運動などが展開された1960年代以降であ
るが)。

あとキリスト教は、政治的というより社会的レベルでの国民統合的機能を
果たしているとも云えるが、これはキリスト教国であるヨーロッパ諸国に
しても大同小異かと。
335電波狸:02/08/02 23:04
>>324
>いま考えれば、独ソ戦はウヨサヨの憎悪に満ちた戦争だよね。
>どっちもどっちだった。
>総合的に見て、ソ連よりもアメリカが優れていたのはまちがいないよ。

前レス(>>323)は、WW2に関する世界史での常識的評価。
個人的には先に表明したとおり唯物史観の立場だが、別に旧ソ連(=国家
社会主義)について、あなたがアメリカに対して無批判に追随しているよ
うに、無理に高く評価しようと意図しているわけではない。

>>325(閑話休題氏)
だいたい同じ感想をもちます。
「アメリカ追随派」というのも、最初は一種のポーズ(ネタ)かと思って
いたのですが、どうも本気らしいので。
彼らの議論の特色は、いかなるアメリカ批判も許さないという「アバタも
エクボ」的な徹底したアメリカ追随ぶり、それに(将来の競争相手となる
かもしれない)中国への反発、あとなぜか自国である日本の問題を回避す
るという傾向です。
どうも最後の問題は、最近流行の国内での自国至上主義的ナショナリズム
の氾濫と関係しているようですが、あるいはそれへの条件反射的反発とし
ての「アメリカ追随」なのではないかとも推測してますが……。
いずれにしても、ただの「アメリカ追随」(=日本もそれに従え)では、
親米・反米の共在する現在の複雑な国民感情に対しては、どうみても説得
力が乏しい筈ですが(第三諸国などの国際世論に対しても)。
日本人で他国を美化・追随する議論をしても、それが多数派とはなり得な
いことは、かつてのソ連や中国の盲従主義者たちの例を見ても明らかなの
ですが(この点で社会主義・自由主義の区別はありません)………。
結局、彼らの議論では、アメリカの「正義」や「先進性」をどう弁証して
も、日本国内のナショナリズムにどう対処するかという点を抜きにしては、
やはり机上の空論になるのではないかと。
336世界@名無史さん:02/08/02 23:49
某私立女子高に通う(18歳)過激セルフヌードうp祭り関連スレ
http://tmp.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1027514824/

これは私事ですが、自身でセルフタイマーやリモコンで撮影しているようです。
337世界@名無史さん:02/08/03 00:50
>>これは私事ですが
チョンとでも言って欲しいのか??
338世界@名無史さん:02/08/03 03:25
>>335
>日本国内のナショナリズム

日本のナショナリズムね〜。
アメリカに敗北して、サムライのプライドを捨てて、あきんどに徹して金を稼いだ日本人。
そのときから、日本にナショナリズムなんてあるのかしら?

これはいちおう日本を誉めて言ってるんだけど、ワールドカップではベッカムカットにしたり、カナリア軍団のユニホームを着て応援したり、国籍を超えた応援をしていた。
イギリスと日本が対戦したら、イギリスを応援する日本国民だってけっこういたんじゃないの?

反日もウヨも、日本じゃマイノリティにすぎない。
インターナショナリズムがこれだけ発達しているというのは、それだけ日本が進んでるってことじゃないの?
339世界@名無史さん:02/08/03 04:31
>>331
>つうか、このまま経済発展が進めば分裂は必死。

同意。
しょせんアメリカにとって代われる器じゃないよ、中国は。


340世界@名無史さん:02/08/03 10:08
「このまま中国の経済発展がつづけば云々」、って言説は、
漫才の「このまま暑くなりつづければ、12月はもう50℃超えまっせ」
的なものを感じるのだが。
341世界@名無史さん:02/08/03 14:43
にちゃんで必死に中国叩きをしてヤシの正体は
ただの従米厨ダタノカ
342世界@名無史さん:02/08/03 14:58
>>338
一応、対立として南北戦争があったけど、これに北部が勝ったことが
アメリカの発展を決めたのかな?
343電波狸:02/08/04 00:49
>>338
>日本のナショナリズムね〜。
>アメリカに敗北して、サムライのプライドを捨てて、あきんどに徹して
>金を稼いだ日本人。そのときから、日本にナショナリズムなんてあるの
>かしら?

戦前型ナショナリズムの基本的性格は民族主義+国家主義。
敗戦後アメリカの占領政策によりその国家主義的側面は解体されたが、民
族主義的側面は、「祖国の独立」を目標に民主主義の徹底化とならんで主
に左翼運動に担われ、サンフランシスコ講和条約(1951)以降は、日米安
全保障条約(いわゆる安保体制)をアメリカ帝国主義への従属とする立場
から、反安保=非同盟・中立の日本をその主要な目標として展開。
この時期には、左翼・リベラル左派を主な担い手とした民族主義と民主主
義とが結合したタイプのナショナリズムが存在。

他方で、(独立以降は)体制側の反主流派(後の自民党タカ派など)でも、
憲法改正を目標とした戦前的な伝統的民族主義型のナショナリズムが存在
した。彼らは支配層内の主流とはなり得なかったが、その後も存続し、元
号の法制化や国旗・国歌法の制定を一貫して提起し続けていく。なお、80
年代に教科書の「偏向」問題を提起したのもこのグループが中心。

高度経済成長期以降(60〜80年代)の支配層主流派は、対米従属を基本路線
としていたため、専ら経済中心主義でナショナリズムの問題を避けてきたと
もいえる。したがって左翼運動の退潮とともに、先の反主流派による間歇
的な動向を別とすれば、ナショナリズム自体も希薄化したかの現象が生まれ
た。
しかし80年代後半〜バブル経済期には、経済大国化の幻想による「日本型
経営に学べ」型の経済的「ナショナリズム」が台頭(国民主義型ナショナ
リズムの一変種!?)、更に90年代以降(社会主義体制の崩壊やバブル経済
の崩壊=構造不況)は、戦後ひいては日本近代の在り方を再検討しようと
いう歴史修正主義(自由主義史観など)が登場。
国民主義的ナショナリズムと伝統主義的ナショナリズムとの対抗と相互補
完状況が、現在の段階かと思われ。
344電波狸:02/08/04 01:42
343の補足
支配層反主流派=自民党タカ派の主張として、あと靖国神社公式
参拝・紀元節(2.11)の復活などがあり。
なお93年の政界再編成(自民党が一時野党に転落)以降は、自民
党の主流・反主流の区別もアイマイとなってきている。
ちなみに、「神の国」発言で物議を醸した森喜朗が率いる派閥が
このタカ派グループ(したがって小泉純一郎も同じ。昨年の靖国
参拝強行もそうした動向の一環)。

>サッカーワールドカップでの若者たちの動向
先頃『読売新聞』で山崎正和氏が同じような議論をしていたかと。
彼の立場は(どちらかと云えば)リベラル右派だから、(勿論反左
翼だが)近年の伝統主義的ナショナリズムの台頭にはあまり賛成で
ない筈。いわばそうした動向を牽制する意味合いでワールドカップ
の事例を持ち出したものと思われ。

>反日もウヨも、日本じゃマイノリティにすぎない。
「反日」や「ウヨ」(「サヨ」)というのは何を基準にしているの
かな? 
現在の国内で主観的に「反日」と自己規定している人間はいないと
思われますが。

>インターナショナリズムがこれだけ発達しているというのは、そ
>れだけ日本が進んでるってことじゃないの?
一見国際理解や交流が進んでいるようでも、一端「有事」となれば
そうした表層的な理解や交流というのは意外ともろく崩れ、ナショ
ナリズムへと容易に回収される危険が多い(特に現在の20代の若者
のようにナショナリズムに対してウブである場合)。
345電波狸:02/08/04 02:15
>>339
>しょせんアメリカにとって代われる器じゃないよ、中国は。

個人的には、例え中国が現在の日本レベルまで経済成長したとして
も、アメリカと覇権抗争になるとも思われないが………。

それよりも、中国の経済大国化(それもあくまで可能性に過ぎない
)を必要以上に強調し、かつまたその「脅威」を煽る議論は、どう
いう勢力がどのような政治的意図を込めて云っているのかを見極め
ておく必要があると思われ。
肝心のアメリカ政府筋にそうした見解があるのか?
どうも日本国内の一部にのみ見られる主張ではないかと思われます
が。
346世界@名無史さん:02/08/04 02:19
中国は世界国家になるつもりはない。
中国は中国。

米国なんて都合がわるくなればすぐモンロー主義。

大国っていいよな、単独で成立できるから。

さて、日本も再び鎖国するべ。
347ヘーゲル:02/08/04 04:02
ここは史観を論じるスレッドなんだ。
歴史の中の必然要素を考えるというのは、つまり、
「この時間線だけじゃなく大半の時間線で通用するだろう法則」
を考えることなんだよ。

例えば仮に日中戦が無く中華民国が続いていたら、
今ごろは中国の一人当たりGDPは、
沿海部では台湾なみ、内陸部でその半分くらいだろう。
その場合、中国のGDP総額はアメリカよりも大きいことになる。
そこまでさかのぼらなくとも、
毛沢東が早死にして「大躍進」や「文化大革命」が起きず、
開放政策が早期に始まるだけでもいいかもしれない。

あるいは歴史の分岐点をもっと早く設定してもいい。
ムスリムが新大陸を発見する時間線とか、
モンゴル帝国がもっと強固な体制を築いて長続きする時間線とか。
そういう風に全く異質な世界をシミュレーションしても、例えば
「工業化に早く成功した民族が世界を支配するだろう」とか
「科学技術と相性の悪い文化は淘汰されるだろう」といった傾向は、
かなり普遍的なはず。

どの個別国家が世界を支配するかというのは、
それに較べたら普遍性が低く、偶然要素が大きすぎる。
史観をめぐる問題とは関連が薄い。

この主題で興味深い論点は、経済水準と政治制度の相関だろう。
〈この時間線〉で最も富裕な社会は、(産油国を例外として)
民主国家ばかりだが、これは偶然なのか必然なのか?
民主化は経済発展の原因なのか結果なのか?
更に高度の発展段階では議会制民主主義以外の体制が出て来るのか?
348世界@名無史さん:02/08/04 05:19
>>338
あなたは山崎正和ですか?(笑
349世界@名無史さん:02/08/04 08:06
>>348
おおっ! ついにヘーゲルさんが出てきたか。
進歩史観の真打ち登場だね。
350電波狸:02/08/04 14:08
>>347
>歴史の中の必然要素を考えるというのは、つまり、
>「この時間線だけじゃなく大半の時間線で通用するだろう法則」
>を考えることなんだよ。
まず歴史観とは、何よりも過去の国家や社会の歴史的推移・変遷をめぐる
歴史意識のこと。
「大半の時間線で通用するだろう法則」とは、過去の歴史事象のすべてを
網羅して展開する法則(したがって偶然的と見える事象の裡にもある必然
性が貫徹していると考える)のこと?
ならば、それ以下で例示されているような歴史事象の恣意的な捨象や勝手
なifの持ち込みは本来許されない筈だが。

>例えば仮に日中戦が無く中華民国が続いていたら、
>今ごろは中国の一人当たりGDPは、
>沿海部では台湾なみ、内陸部でその半分くらいだろう。
>その場合、中国のGDP総額はアメリカよりも大きいことになる。
この仮定のもとで、GDPがそうなるという因果関係の根拠は?
また上記の仮定では、軍閥割拠・土地問題の未解決・(日本以外の)帝国
主義諸国の権益の存在などを、当時の中華民国政府がどう解決したか(解
決し得たか否か)など未知数に属する問題が多く存在。

>あるいは歴史の分岐点をもっと早く設定してもいい。
何の分岐点?
>ムスリムが新大陸を発見する時間線とか、
一般常識では、(ヨーロッパより軍事技術が発展していた)イスラム帝国
の存在が、ヨーロッパ諸国の地中海以東への進出を困難にしたため、大西
洋進出(新大陸発見)となったのでは?
かなり荒唐無稽なifの設定では。

>そういう風に全く異質な世界をシミュレーションしても、例えば
>「工業化に早く成功した民族が世界を支配するだろう」とか
>「科学技術と相性の悪い文化は淘汰されるだろう」といった傾向は、
>かなり普遍的なはず。
それまでの議論とのつながりが不明だが。
「工業化に早く成功した民族」とはイギリスを筆頭とするヨーロッパ
諸国のこと? 
「科学技術と相性の悪い文化」=非ヨーロッパ圏のこと?
ちなみに、イギリスの産業革命以前段階では、中国世界でもイスラム世
界でもそれなりの科学技術が発展(イスラム圏の科学・学問が逆にヨー
ロッバに伝播して発展した例も)、商品貨幣経済の発展という点でもヨ
ーロッパを凌ぐ水準にあった。問題はイギリスというユーラシア大陸の
片隅の島国でなぜ産業革命(→工業化)が興ったのかという偶然的現象
性の裡に潜む必然性の解明であろう。したがって
>どの個別国家が世界を支配するかというのは、
>それに較べたら普遍性が低く、偶然要素が大きすぎる。
>史観をめぐる問題とは関連が薄い。
という指摘は見当ハズレかと。

冒頭で述べたように、歴史観や歴史的必然性の問題は、実際に生起した
歴史事象を大前提としての議論であり、恣意的な仮定(if)を持ち込ん
で実際の(しかも重要な)歴史事象を「変形」することではない。
351世界史大好き:02/08/04 14:55
岩波書店/岩波新書「歴史の進歩とは何か」 市井三郎 

自分の責任でないことで自分が責任を負わされる度合いが減ることが
歴史の進歩

と書いてあった記憶が。
名言だ!!!
352世界@名無史さん :02/08/04 15:14
>>351
昔読んだ記憶があるなあ。細かい内容は忘れちゃったけど、歴史の進歩を大所高所から見て
結論づけている良い本だたねえ。
最近は、世界は衰退に向かっているといった終末史観だの一治一乱的な循環史観だの
なんか元気の出ない歴史観が幅をきかせているような気がするよ。
やはり、人類は細かく見れば試行錯誤の繰り返しや後退しているように見えても、結局のところ
は進歩してるっていえるんじゃあないのかな。
353世界@名無史さん:02/08/04 15:21
幼児だったころの大坂万国博覧会の
スローガンが「人類の進歩と調和」だった。
今考えると、いかにも高度経済成長真っ盛り
の楽天的な標語だけど。
人類の退歩や不調和が目立つ現状だけど
だからこそ進歩と調和は、未だに人類が
達成すべき目標だと思う。
354/:02/08/04 15:34
>>350
>イギリスの産業革命の要因

1、三角奴隷貿易による、資本の原始的蓄積。
2、農村の羊毛手工業の発達と、囲い込み運動による労働者層の創出。
3、ブルジョワ革命による、商工業資本家の活動の制限撤廃。
4、海賊的商業の海運業への進化
5、スペイン・オランダなどとの海戦の勝利による制海権確保による海外市場確保。
6、蒸気機関の実用化。
7、森林伐採により、石炭にエネルギー源を求めた。
8、プロテスタンティズムの浸透。

マルクス主義史観からは1〜3が、内的必然性として重視か?
355世界@名無史さん:02/08/04 18:30
>>354
1、はどうかな。植民地はあまり儲からないと聞いたけど。
356電波狸:02/08/04 19:17
>>354
/さん、お久しぶりです。共産主義スレからは脱落してしまいスマソ。
実は、このスレの最初の方で、進歩史観をマジメに論じているレスがあっ
たので、(今時珍しいと思い)覗いてみていたのですが、どうも私がイ
メージしていた従来の進歩史観とは異なり、現在のアメリカ主導のグロー
バリズム肯定の立場からのそれなようなので、試みに114で文化相対主義
(オリエンタリズム批判)として議論を対置してみたところ、思いの外厳
しい批判を受け、以後こちらも反論したため専ら現代アメリカの歴史的意
義をめぐる議論に引きづられてしまうかたちとなりました。

個人的には唯物史観と進歩史観とは親和的だと思ってきたのですが、進歩
の内容と担い手を専ら現代資本主義のグローバル化とアメリカに特化させ
る議論は、労働者階級を歴史的進歩の主体とするマルクス主義とは相容れ
ません。
私が文化相対主義として念頭にあったのは、歴史的過去を内在的に理解す
るには、現代の我々がもつ価値観を一端カッコに入れて、その時代の価値
観に即して過去の時代を理解するということです。
そしてその延長として、現代においても欧米とは異質な価値観を有する社
会や国家(イスラム文化圏や中国など)に対しては、まず欧米的な価値観
を一端は棚上げにして、それらの思想や行動を理解するという前提が必要
だろうということなのですが、どうも理解=肯定と見なされてしまったよ
うで。本来は、理解=事実認識のレベルと肯定・否定といった価値判断の
レベルは別次元で、必ずしも理解=肯定ではないのですが………。
要は、過去の世界にせよ現代世界にせよ、先ずは他者をその他在において
理解することが必要ということが、云いたかったのですが。もっとも現代
世界を対象とする場合には、個人の思考において事実認識と価値判断との
区別は容易ではなく、対象の理解がその肯定へ直結したり、逆に対象への
否定的な先入観がその理解を妨げるという危険性が絶えず存在します。
…………というわけで、何か取り留めないグチになってしまいましたが。
御質問への回答につきましては、また後ほど。


357世界@名無史さん:02/08/04 19:21
議論を整理しようという誠意はわかりますが、三角貿易による原始的蓄積とか
農村手工業と囲い込みの関係とか、森林伐採と石炭とか、ちょっと不用意な
用語の使い方が多すぎませんか?
358347:02/08/05 00:19
「コロンブスの時代、コロンブス以外の西欧人は地球が丸いことを信じず、
 ただ一人それを信じたコロンブスだけがアメリカを発見できた」という話が、
一般に流布した「常識」になっているが、
実のところ、当時の西欧では地球が丸いのは常識だった。
地球の直径についてもユーラシアの大きさについても
おおむね正確な認識を持っていたコロンブスの同時代人は、
「ヨーロッパから西に船出してアジアまで行くのは遠すぎて無理だろう」と
合理的な予測に基づき、命を大切にしていたにすぎない。
コロンブスの特異性は、実際よりも(当時の一般的知識よりも)
地球の直径を小さく見積もり、ユーラシアの幅を大きく見積もったこと。
たまたまアメリカ大陸があったおかげでコロンブスは遭難せずにすんだが、
そういう幸運が無ければ、巨大な「大西洋=太平洋」の真っ只中で遭難するのが
ほんらいコロンブスに用意された運命だった。

ポルトガル人カブラルは、アフリカを回ってインドに向かう途中、
アフリカ沿岸の嵐を避けて、大きく大西洋の沖合いに出る航路をとった。
結果、アフリカ西岸に近いブラジル東岸に辿り着くことになった。

この二つの新大陸発見は、蓋然性という点では大きな違いがある。
コロンブスという特殊な個性に依存したアメリカ発見は偶然的だが、
アフリカ航路からそれてブラジルに到着するのは必然的で、
カブラルでなくとも、誰かが似たような形で辿り着いてしまったはず。
そして、そういう具合に偶然と必然とを区別するのは、
「地球とユーラシアの形を誤解して『アジアに直行できる』
 と信じた頑固者が新大陸を発見する時間線よりも、
 アフリカ西岸を航行していて航路を外れた航海者が
 新大陸に流れ着いて発見者となってしまう時間線の方が多いだろう」
と論じるのとイコールである。

一回的な事象については、法則や原理を語ることはできない。
逆に言えば、何らかの法則や原理を語ることは、
暗に複数の事象について語っているということであり、
歴史という一回的な事象について法則や原理を語るのは、必然的に、
暗に別の時間線を引き合いに出していることになる。
359347:02/08/05 00:48
文字は、少なくとも三箇所(メソポタミア・中国・中米)で独立に発明された。
最初は表意文字として始まり、当て字的な使用法から表音的になっていく――
という発達過程は三者に共通しているから、この発達過程は必然と考えられる。
これを法則として考えると、「最初から表音的な文字体系が出来ることはない」
という具合に、もっともらしさに関するフィルターが手に入ることになる。
例えば、「漢字到来以前に日本に神代文字というものがあった」という説は、
その「神代文字」がどれも表音的であることから、捏造と推測できるし、
最初の段階から(見かけに反して)表音的なヒエログリフは、
「独自発達したのではなく、メソポタミアを通じて文字という概念を知った上で
 表音的な絵文字を作成したのだろう」と推測できるわけだ。

また、文字をもたなかったアンデス高地も含めて、
中東・中国・中米・アンデスの少なくとも四箇所で文明は独自発達した。
どれも社会構造は似ており、父系の世襲君主制で、
戦士と神官が支配階級となって農民を支配する体制だった。
これも、この段階の社会にとって必然的なことなのだろう。
神官のいない古代社会や母系世襲君主制の古代社会も、想像は可能だが、
歴史を何度やりなおしても、そういう社会は出て来ないか、
出て来ても例外的小数なのだろう。

必然性を考えるとは、そういう考え方をするということである。
360347:02/08/05 01:19
>>350

このスレッドでアメリカ中心史観が焦点になっているという文脈を踏まえて、
「アメリカが唯一の超大国となったのは必然の事態ではなく、
 アメリカが覇権を握らない世界だって幾らも想像可能だよ」と、
アメリカ中心史観に釘をさしたつもりでしたが、確かに、
「アメリカが唯一の超大国となったのは必然の事態ではなく、
 アメリカが覇権を握らない世界だって幾らも想像可能だよ」
という前置きが無いと、意味不明になる文章でしたね。深く謝罪。

>一般常識では、(ヨーロッパより軍事技術が発展していた)イスラム帝国
>の存在が、ヨーロッパ諸国の地中海以東への進出を困難にしたため、大西
>洋進出(新大陸発見)となったのでは?
>かなり荒唐無稽なifの設定では。
アフリカ西部から象牙・黄金・奴隷を中東に運ぶ交易ルートは歴史が長く、
良く知られたサハラ横断ルートの他に、アフリカ西岸海上ルートもありました。
そんな交易船が、>>358 のカブラル式に新大陸を発見してしまうのは、
それほど蓋然性の低い事象ではなく、充分ありうることだったと思いますが。
あるいは、インドネシアまで行ったアラブ商人が
目と鼻の先のオーストラリアに行き着かなかったのは、
むしろ蓋然性の低い不自然な歴史のように思います。

>「工業化に早く成功した民族」とはイギリスを筆頭とするヨーロッパ
>諸国のこと?
は? そのまま読んでください。
産業革命が中国で始まる時間線ならば中国人、日本で始まる時間線なら日本人、
トルコで始まる時間線ならトルコ人……(以下同様)
が世界を支配することになっただろう――という意味です。

>「科学技術と相性の悪い文化」=非ヨーロッパ圏のこと?
例えば宗教的原理主義ですね。
ガリレオやダーウィンが受けた迫害と受容の過程は、社会の側から見れば、
聖書を文字通りに信じていた原理主義的信仰が、
神話を道徳的譬え話として受け取る聖俗分離型の信仰に変わる過程でした。
仮に近代科学がイスラム圏で始まっていたとしても、
その世界版のガリレオ事件・ダーウィン事件が起きて、
イスラムを変質させることになったでしょう。
361世界@名無史さん:02/08/05 03:51
民主主義、資本主義、人権主義の拡大を進歩史観で説明すること、
そのものには異論がないのだろうか。民主主義の発展≒歴史の進歩、
という式に違和感をあまり感じないのは、私達が無意識的に民主主義
者だからではないか?  500-200年前のヨーロッパ人なら、キリスト
教の拡大こそが人類の進歩だと確信していただろう。
 もし人間が、歴史の過程で前への歩みを続けるものなのだとしたら、
人間にとっての進歩、求める普遍的な価値観とはなんなのかを考え
てみなくてはならないのではないか。
 自由、平等、博愛、独立、などといったものは世界史を通じて普遍の
価値を持っているのだろうか?
362世界@名無史さん:02/08/05 05:20
>>361
宣伝力の強い外国からの干渉を撥ね退けないと国民が貧しくなるという状況で自由などとは言ってられないだろうし、
生まれながらの職業騎士を持たない国は滅びるという状況下では平等などとは言ってられないだろう。
致死率の高い伝染病が流行したら博愛などとは言ってられないし、
独立とは大国の庇護から離れる事である。
 これらがプラスの価値を持つのは最近の事ではあるまいか。
363世界@名無史さん  :02/08/05 05:42
>>361
自由・平等・博愛は、フランス革命のときのスローガン。
独立も個人としての独立(他人からの不当な支配を受けない)
いずれも近代社会の骨格をなす原理。
近代社会以降においては西欧を中心に、その勢力圏の拡大にもない
非西欧圏にも普及(一面価値として押し付けられる)。
ともあれ、近代社会以降においては普遍的理念となるのでは?
364つーか:02/08/05 11:02
俺は、>>347 はアメリカ中心史観への嫌味だと思って反論を考えたけどな。
普通の読解力があれば、そういう風に読めると思うよ。
日本語も読めない馬鹿は相手にしなくていいんじゃねーの。
365/:02/08/05 12:32
>>355 :世界@名無史さん :02/08/04 18:30
>1、はどうかな。植民地はあまり儲からないと聞いたけど。
その後の、イギリスのインド支配などは、海軍・現地軍維持費用などを
考えると、ペイしないかもしれませんね。
前述の1は、アフリカ⇔アメリカ⇔ヨーロッパの、酒・布⇔奴隷⇔綿花・たばこ
の三角貿易のことで、これは、莫大な儲けがあったようです。
イギリスに近代資本家階級が登場できる財政的背景となったようです。


>>356 :電波狸さん
>/さん、お久しぶりです。
お久しぶりです。
弁証法的史的唯物論は、マルクスの歴史的規定により、進歩史観とかぶってい
たと思います。
現在は、持続可能な開発的思考の、進歩史観にとらわれない、弁証法的史的唯
物論も可能だと思います。
アメリカ一国支配の必然性に関しては、アメリカの持つ2側面(世界帝国主義の
先兵と世界民主主義の総本山)が、議論の中で、未分化のような気がします。


>>357 :世界@名無史さん :02/08/04 19:21
>議論を整理しようという誠意はわかりますが、三角貿易による原始的蓄積とか
>農村手工業と囲い込みの関係とか、森林伐採と石炭とか、ちょっと不用意な
>用語の使い方が多すぎませんか?
そうですか。失礼しました。マルクス主義的過ぎましたか。


>>360 347さん
>>一般常識では、(ヨーロッパより軍事技術が発展していた)イスラム帝国
>>の存在が、ヨーロッパ諸国の地中海以東への進出を困難にしたため、大西
>>洋進出(新大陸発見)となったのでは?
通説だと思いますが?
366361:02/08/05 15:00
>>361-362
いや、主題はそこじゃない。二段落目。
三段落目は反語的な使い方をしただけだった(し、そんな政治的スローガンを
主題にしたくない)んだが。
まあ、興味を引かない話題だったなら、流してくれていい。
367361:02/08/05 15:01
……ごめん。前レスのレイ先は>>362-363だった。
368電波狸:02/08/05 19:31
>>358〜360(=347)

347の「時間線」という用語について、「その時代の諸条件の枠内での歴
史的な可能性(を問うこと)」という点を誤解して、過去に恣意的な仮定
を持ち込むものと考えてしまいました(レス全体の趣旨がよく理解できな
かったので)。
ご指摘の当時のイスラム社会の交易ルートの事例からすれば、確かに
新大陸発見の可能性はあったでしょう。347の「ムスリムが新大陸を発見す
る時間線」とだけでは意味がよく理解できなかったのです。

また表意文字から表音文字へという例での歴史的必然性については、私自
身も同感で、歴史事象での法則性とは、単一の法則ではなく、こうした蓋
然性が高い経験則の集合体を指すものと考えています。

ただ最後の産業革命が起こる可能性について、
>「工業化に早く成功した民族が世界を支配するだろう」とか
>「科学技術と相性の悪い文化は淘汰されるだろう」といった傾向
というのは、あまりに一般的すぎるのではないかと。
産業革命の起こる可能的条件は、>>354で/氏が指摘しているように、
もっと複雑で多岐に亘るのではないかと思いますが(これらの条件
を一般化した場合、イスラムや中国に欠落している部分も多い)。
369電波狸:02/08/05 20:14
>>354(/さん)
やはり、基本的には資本の本源的な蓄積過程を経て形成される(マニュ
経営下での)資本ー賃労働関係の創出、次に市民革命での営業の自由(ギ
ルドの廃止)や封建的隷属の撤廃などの制度変革、そして海外市場の確保
と流通(輸送)体系の整備かと。
そして蒸気機関の実用化による機械制大工業(=産業資本)が成立すると
生産力の飛躍的増大により、大幅な海外進出(=市場の更なる拡大)=世
界の資本主義体制化を促した。

370電波狸:02/08/05 20:42
>>365(/さん)
>アメリカ一国支配の必然性に関しては、アメリカの持つ2側面
>(世界帝国主義の先兵と世界民主主義の総本山)が、議論の中で、
>未分化のような気がします。

御指摘のとおり、アメリカが掲げる諸理念の問題(その実現の
是非)に比重がかかり、「世界帝国主義の先兵」という側面の
検討が脱落していたかと。

現在のグローバル化とは、本質的にはアメリカを本国とする多国
籍資本とその政治的代弁者たるアメリカ政府(国家)の意向にす
ぎない。
これらの多国籍資本は、アメリカ政府の意向を背景に、第三諸国の
民族資本(や政府)の大多数を従属もしくは駆逐し、そこでの人民
を搾取の対象としている。
また他方では、アメリカ国内では、国民(勤労者)の多数をもその
経済的な支配のもとに置いている。

主要な階級的対立は、この多国籍資本と第三世界諸国の被支配階
級であるが、同時にアメリカ国内(及び先進諸国)の国民の内で
多国籍資本の活動を抑制させる方向での新しいタイプの運動が形
成されてくること、そして両者の連帯が重要であろうかと。

371電波狸:02/08/05 21:01
>>361
>もし人間が、歴史の過程で前への歩みを続けるものなのだとしたら、
>人間にとっての進歩、求める普遍的な価値観とはなんなのかを考え
>てみなくてはならないのではないか。

普遍的価値観といっても、それは常に歴史の現在性に規定されるが、
同時に未来を指向すべきものとも思われ。

西欧近代社会が世界化した近代以降は、アジア・第三世界諸国へも
西欧的な価値観が普及したが、反面で軋轢も起こしている(この点
は現在の日本でも例外ではないかと)。
現在では諸文化の多元性を保持しつつも、両者の共生を可能とする
ような(そういう意味での)普遍的価値観のことかと。

したがって、生の欧米的価値観や、まして米国が主唱する現在のグ
ローバリズム的価値観はそうした普遍性において不完全。
372世界@名無史さん :02/08/06 01:04
アメリカ中心史観とやらは、ほぼ鎮圧されたようだね。
アメリカの理念は素晴らしいだけで、いまひとつ中味
がよくわかなかったけど。小林系の左派だったのかな?
右派はスレタイ見ただけで、
サヨだと無視するだろうから。
でも、反中国という点では、コヴァ左派とも共同戦線組めるんじゃあないか(W
373世界@名無史さん:02/08/06 01:09
>>372
しかしコヴァ系は、何で左派・右派に分裂したの?
左派:アメリカマンセー 日本フアシズム× あとサヨは×
右派:日本マンセー   日本フアシズム○ あとサヨは×
374世界@名無史さん:02/08/06 01:11
いやアメリカマンセー派は必ずしもコヴァ一派とは限らないだろう。
案外自由党系の小沢あたりの議論に似ていなくもない
と思われ。
375世界@名無史さん:02/08/06 02:44
>>372>>373>>374
いやコヴァ派の人間はいないだろう。連中はもっと厨房。

それにくらべればこのレスはまとも。

だってコヴァ派はほとんど低能だから
一行レス以上の文章作成能力自体がないヨ(ププ
376世界@名無史さん:02/08/06 02:51
コンナ非国民的スレは廃止シル。

対米従属主義者と共産主義者という非国民の野合は不快きわまる。

特に電波狸は今頃唯物史観なんて時代遅れのヴァカ。早く消えろ。
377総督:02/08/06 02:51
>>373
何だ何だ?
コヴァで戦前日本を賤しめる奴なんているんか?
これだから政治思想は難しい
378世界@名無史さん:02/08/06 02:52
非国民たちが集団謀議しているスレはここですか
379世界@名無史さん:02/08/06 03:26
たしかに、アメリカマンセー派はコヴァじゃないだろ。
反サヨという点では共通しているが。

アメリカマンセー派は、日本を51番目のアメリカの州にしたいみたいだからな。
いわば、究極の自虐史観か。
380世界@名無史さん:02/08/06 03:34
>>370
>民族資本(や政府)の大多数を従属もしくは駆逐し、そこでの人民
>を搾取の対象としている。

電波狸さん。
もう「搾取」っていう言葉使うのはよそうよ。
381世界@名無史さん:02/08/06 04:03
>>371
>西欧近代社会が世界化した近代以降は、アジア・第三世界諸国へも
>西欧的な価値観が普及したが、反面で軋轢も起こしている(この点
>は現在の日本でも例外ではないかと)。

電波狸さん。
あなたはリベラリズムというものを少し誤解している。
リベラリズムは、いわゆる相互寛容性のことだから、リベラリズムそのものが文明間で軋轢を生むことはない。

むしろ、こんかいのビンラディンの起こしたテロなどは、諸文明の価値観の相違が軋轢を生んだのではなく、
純粋に彼らのメンタリティの低さから生まれたものだ。
かれらは、イスラム文明圏でも孤立していたことを想起しなくてはならない。

リベラリズムが衝突を生むのではなく、リベラリズムがじゅうぶんに浸透していないから、なんらかのトラブルが起きるのだ。

文明の衝突ではなく、ただの集団エゴの衝突だよ。
それを仲裁できるのは、アメリカが信条とするリベラリズムだけだ。

そのとき、きみもアメリカが世界そのものだという真理を理解できるだろう。
382日本州軍二等兵:02/08/06 10:22
>379
さいでつ。
天皇や日本国憲法を背負うのは恥ずかしいでつ。
星条旗の理念と合衆国憲法ためなら喜んで死にます。
383世界@名無史さん:02/08/06 11:42
>381
現実においてリベラリズムとは、武力を直接使わずにかける圧力に対し寛容を求める物であり、
そうでない、相互寛容性(リベラリズム)が浸透している国は、生存競争によって淘汰されるだろうね。
384世界@名無史さん:02/08/06 12:03
>>383
生存競争によって淘汰ねぇ。
そう悲観するもんでもないんじゃない?
人間って、ドキュンにはきびしいけど、わりと理性を持った、腰の低い人間には優しくなるもんだよ。

こっちが優しければ、向こうも優しくしてくれる。
こっちが礼儀正しく、ていねいに誠意を示せば、相手も礼儀正しく、ていねいに誠意を持って接してくれる。
他人を信用できない人は、他人からも信用されない。
これは、日常生活でもつぶさに観察できることだ。

リベラルな人間にはかならず相手もリベラルに振る舞ってくれるさ。
ぎゃくに、そう振る舞えない人間はどんどん信用を失って、社会から脱落してゆく。
そして、やがて社会を逆恨みするようになる。
麻原や、宅間守や、ビンラディンのように。

メンタリティが低いというのは、そういうことじゃないかな?
385提案:02/08/06 12:37
USAマンセー派は「ウサちゃん」とよぶことにしてはどうだろう?
どのみち厨房にせよ、コヴァとは別の種類なのも確かだから、
区別するために、それなりの呼び方があった方がいいだろう。
言うまでもなく、「USA→ウサ」ね。
386世界@名無史さん:02/08/06 12:52
>>381
アメリカの自由主義が寛容性によっているなんて初めて聞いた。
387世界@名無史さん:02/08/06 13:21
>385
>「USA→ウサ」ね。
ワロタ
388世界@名無史さん:02/08/06 16:16
>385
フツーに媚米厨とかアメ信とかでいいんじゃない?
389電波狸:02/08/06 23:15
>>380
>もう「搾取」っていう言葉使うのはよそうよ。

「搾取」「収奪」も「収取」「取得」も(マルクス主義)経済的な意味で
用いてるので、特別な意味はありませんが。
資本主義経済における資本家による労働者からの剰余価値の搾取、封建経
済における領主(土地所有者)の農奴からの(経済外強制による)封建地
代の搾取、という意味と同じ。

ただ通常の労資関係モデルの比べて、第三世界に展開する多国籍資本によ
る搾取の在り方は極めて複雑・多岐に及んでいますが……現地での労資関
係から資本投下・為替差益、更には昨今問題化しているODAの使い道に至る
まで。
390電波狸:02/08/07 00:39
>>381
>あなたはリベラリズムというものを少し誤解している。

議論の前提として、リベラリズムの内容について検討して置く方が
よいと思われ。
まず、自由主義(リベラリズム)と民主主義とは必ずしも同じでは
ない。非(反)民主主義的な自由主義の存在(例:18世紀のイギリ
ス、戦前日本の支配層、現代の西部邁等の評論家たちなど)。
次に、自由主義は、歴史的には経済的自由主義(営業の自由=利潤
追求の自由)、政治的自由主義(言論・宗教・思想の自由や参政権
)として展開。
最後に、近代的自由(ブルジョア的自由)とは、他人の妨げになら
なければ何をしてもよいという権利のことで、その範囲は支配層(
ブルジョア階級)の意思(法律など)により伸縮自在(資本家の労
働者解雇の自由=労働者からすれば失業の「自由」)。
なお自由とならぶ平等・人権について。平等とは、先の自由の権利
の平等という形式的平等のこと、つまり機会の平等にすぎない(実
質的平等に対しては自由主義者は概して反対である)。
また人権(生命・身体・財産の保全)の本質は所有権の不可侵性(
最初から所有・無所有という財産格差を前提)であり、ブルジョア
社会(資本主義)の基礎をなすもの。

こうした近代的理念も、現代では経済的自由(搾取の自由)の制限
と政治的社会的自由(諸権利)の拡大、形式的平等(機会の平等)
から実質的平等(結果の平等)へ、人権概念の飛躍的拡大(いわゆ
る基本的人権)というかたちで変化。
重要なのは、これらの発展の原動力が、労働者階級を始めとする被
支配階級諸階層の歴史的運動・闘争にあったということ。
391電波狸:02/08/07 01:48
>>381
>リベラリズムは、いわゆる相互寛容性のことだから、リベラリ
>ズムそのものが文明間で軋轢を生むことはない。
リベラリズムが寛容性をもつのは、これがデモクラシー(民主主義
)的価値と結合している場合。リベラリズムが専ら(国外への)資
本主義の展開(覇権主義)として機能している場合、その展開先の
諸国民・諸民族との対立も引き起こす。

>ビンラディンの起こしたテロ
それが「文明の衝突」などではない点については同感。
しかし、アルカイダをアフガニスタンでの対ソ連政策の一環として
組織・支援したのはアメリカ政府。そして彼らの冷戦体制解体後の
反米行動の背景には、この間のアメリカ(資本主義)の中東への勢
力拡大策がある(アメリカの覇権に服さない勢力の打倒)。9.11は
そうしたアラブ・イスラム圏でのアメリカの覇権主義自体を主因と
する矛盾・対立の爆発的表現。

>文明の衝突ではなく、ただの集団エゴの衝突だよ。
テロは、多国籍資本とその政治的代弁者であるアメリカ政府の覇権
主義的政策が招いたもので、無関係な一般市民がその犠牲となった。
またテロへの報復攻撃でも主に犠牲となったのは、テロ集団とは全
く無関係なアフガン人民。アメリカ国家(政府)・テロ集団という
集団エゴの対立によって、全く無関係な両国人民が犠牲になるとい
う痛ましい現実。
392電波狸:02/08/07 01:52
391つづき
>それを仲裁できるのは、アメリカが信条とするリベラリズ
>ムだけだ。

アメリカ多国籍資本や政府の掲げるリベラリズム(資本の自由!)
には何の期待もできない(逆に「戦争の世紀」を呼号する点でマイ
ナスの期待=危惧)。

他方で、報復テロへと国民を煽るブッシュ政権に対して、反対や危
惧を敢然と表明したアメリカの一部の知識人や国民たちが存在した
(彼らが決して左翼などではない点に注意)。
個人的には、こうしたアメリカ国民の底流に存在するラデイカル・デ
モクラシーこそ、アメリカ民主主義の伝統と強靱さの現れであり、
世界世論と連帯するかたちで、真の調停・和解をそこに期待できる
のではないかと考えている。
393世界@名無史さん:02/08/07 08:42
おいおい、電波狸さん。
そんな俗流マルクス丸出しの意見言わなくてもいいんじゃない?
なんでもかんでも、経済問題に還元しちゃうのは社会科学的に間違いだよ。

社会科学的事実として、アメリカは天皇制日本と旧ソ連に勝ったんだから、
とりあえず、ウサちゃん>サヨ>コヴァの順位は確定だな。
394世界@名無史さん:02/08/07 08:54
反抗期のリア厨じゃあるまいし。
子供っぽい「反米の季節」はさっさと脱却しないといけないよ。
395世界@名無史さん:02/08/07 09:27
親は親、子供は子供。
もういい大人なら、
いつまでもパラサイトしてないで
はやく自立しなさい。
396/:02/08/07 12:18
>>393
>社会科学的事実として、アメリカは天皇制日本と旧ソ連に勝ったんだから、
それこそが、生産性・生産力格差に基づく、経済の問題では?
アメリカの行動は、
1、自国大企業の拡大戦略
2、1に規定はされるが、民主主義の普遍的理念
の2側面を持つ。
1を分析の視座にした電波狸さんの分析は、
おおむね妥当と思えるが?

アメリカは、(被害者には申し訳ないが)、9・11をうまく利用している。
旧ソ連国への軍事基地設置にも成功したし、
中東のアメリカ新秩序に成功しつつある。
背後には、当然、アメリカ多国籍企業がからんでいる。

>とりあえず、ウサちゃん>サヨ>コヴァの順位は確定だな。
ごめん、ウサちゃんて何ですか?
397世界@名無史さん:02/08/07 13:24
>>396
>ウサちゃんて何ですか?

>>385を見よ。
398世界@名無史さん:02/08/07 14:12
世界史と関係のない事ばかりですね。
いい加減板違いだと思うんですが。

ウヨサヨやりたいのなら、政治思想板
http://tmp.2ch.net/sisou/

コヴァについて語りたいのなら、ゴーマニズム板
http://tmp.2ch.net/kova/

減退の世界情勢について語りたいのなら、国際情勢板
http://academy.2ch.net/kokusai/

世界史板よりこれらの板のほうが適切です。
399世界@名無史さん:02/08/07 14:25
>>398
そう思うのなら、何かスレタイに関すること語ってみろよ。
コヴァだって、自由主義史観だろうが。このヴォケ!!
400世界@名無史さん:02/08/07 16:07
>>398
このスレは、アメリカの進歩を世界史の進歩と捉え、その世界史的特異性と意義を議論するスレです。
この内容を板違いだと考えるのなら、それはあなたに世界史的センスがない証拠です。
401世界@名無史さん:02/08/07 18:21
世界史の進歩?



ぷっ
402世界@名無史さん:02/08/07 19:47
なにがおかしい?
403世界@名無史さん:02/08/07 19:57
世界史の進歩ってあれか?
史学史とかあるけど(ワラ
404世界@名無史さん:02/08/07 20:31
>>394
>反抗期のリア厨じゃあるまいし。
>子供っぽい「反米の季節」はさっさと脱却しないといけないよ。

同意。
反米厨は、中立性を強調した気になっていても、じつはもっとも感情的になっていることが自覚できていない。
反抗期のリア厨とは、的確な表現。

>>395
>いつまでもパラサイトしてないで
>はやく自立しなさい。

同意だが、自立しても親への感謝は忘れないようにしたいものだ。
それが、子供と大人の違いでもある。
405世界@名無史さん:02/08/07 20:48
感情的といわれると受け入れるしかないな
なにせこのスレに書き込む従米厨はなんか
表現が非常に不愉快だし(藁
さして反米でもないけど煽ったら釣れるしね(プ
406電波狸:02/08/07 23:28
どうも知らないうちに「反米厨」と命名されてしまったようで…………。
もっとも、唯物史観とハッキリ述べた時点で、政治的思想的傾向性につい
ては大概分かりそうなものですが。

>>400
>アメリカの進歩を世界史の進歩と捉え、その世界史的特異性と意義
>を議論するスレです。

よく考えてみると、アメリカの「世界史的特異性と意義」について歴史
的事実を踏まえて述べてきたのは私の方で(電波狸=114)、あなたがた
は、ただ「アメリカは世界」「アメリカは特異」等々の言葉を繰り返して
きただけと思われ(根拠の不在)。
ネタだとしても少し能がないのでは? またネタでないとすると………
世界史自体に関する知識が決定的に欠落しているのでは!? という疑問
も生じてきますが。

アメリカ=リベラリズムというかたちでの評価が、人口に膾炙するよう
になったこの10年足らず。それ以前はアメリカン・デモクラシーという
点こそが強調された筈。
今までのあなたがたのレスで、デモクラシー(民主主義)という言葉は
ほとんど聞かれないが、これは非常に奇異なことでは。

先にレスしたように自由主義(Liberalism)と民主主義(Democracy)と
は重なる部分もあるが、範疇として必ずしも同じでない。ひょっとして
自由主義=理念、民主主義=(ただの)制度という誤解、もしくは自己
の価値観の裡に民主主義=多数決制=衆愚政治といった非(反)民主主
義的思考が潜んでいるのではと疑いたくなる。
近年の国内の自称リベラリストたちの見解には、例えば平等を専ら機会
の平等に限定し、結果の平等を「社会主義的」などとして排撃するよう
な言論が目立ちますが、自由主義にはそうした「権威主義的な自由主義」
というタイプも存在することに留意すべきでしょう。
407世界@名無史さん:02/08/07 23:35
なんで世界史的視野で進歩史観議論するのに、現代のアメリカのみを偶像視するの?
このスレでアメリカマンセーやってる人が西暦紀元前後の時代に生きていたら、ローマ帝国マンセーや漢帝国マンセーの進歩史観を唱え始めるんでない?
いやぁ、ススンでるぅ〜〜!
408電波狸:02/08/08 00:47
アメリカ中心史観なるものが、既にいくつかのレスで指摘されているよ
うに、そもそも「歴史観」として成立するのかは疑問。

一般的に人間の思想という場合、それを抽象的→具体的という方向で考
えると、
1理論(教義) 2世界(社会)像(世の中イメージ) 3個別的な問
題への意見(世論) 4生活感情
という成層構造をなしている(以上は丸山真男の議論)。
ここで歴史観とは、1の理論と2の世界像とに両属する次元に位置し、
学問分野としては哲学(理論)と歴史学(世界像)に両属する存在と云
えるかと思われます。

アメリカ中心史観とは、実際には「歴史観」というよりは、アメリカを
中心として見た現代に関する「世界像」と考えた方が妥当でしょう。
それが「歴史観」と云いながら、専ら現在のアメリカの政策・行動や政
治思想などに限定されているのも、この点に理由があると思われます。

したがってアメリカ中心主義という立場を「歴史観」としてこれ以上議
論するのは無理があると考えます。
(自由主義史観というのであれば可能かもしれないが、ただし運悪くそう
した名称をもつ歴史観は、多くの問題を抱えて存在していますが)。
409世界@名無史さん :02/08/08 04:18
>>電波狸さん
リベラリズムとデモクラシーてそんなに
違いがあるのかなあ。
リベラリズムってデモクラシーをも含んで
いるんじゃないの?
あとアメリカマンセーが政治的な主張で
歴史観では無いことには納得したヨ。
アメリカマンセー派には歴史的な見方が
欠けているってことだよね。
410世界@名無史さん:02/08/08 04:27
ウサちゃんもついに引導をわたされたかな。
見苦しい言い訳はやめて、このスレから早々に撤退した方が得策だよ。

いっそその議論、コヴァ連中相手にやってみたら
おおいに盛り上がるんじゃあないかな(w
411世界@名無史さん:02/08/08 04:46
>電波狸さん
>テロは、多国籍資本とその政治的代弁者であるアメリカ政府の覇権
>主義的政策が招いたもので、無関係な一般市民がその犠牲となった。

しかし、タリバンからの解放をいちばん喜んでいるのも、その一般市民では?
もし、国際貿易センターの被害者のことを一般市民と言っているのなら、それこそタリバンのカルト性を批判すべきだ。
アメリカはタリバンを壊滅させた英雄だよ。
もう二度と無差別テロをくり返させないために。

>ただ「アメリカは世界」「アメリカは特異」等々の言葉を繰り返して
>きただけと思われ(根拠の不在)。

ファシズムとスターリニズムを撃破し、アメリカが世界の一極化を実現させたこと。
しょせん、ローマ帝国も、モンゴル帝国も、アメリカに比べれば一地帯を支配したに過ぎない。
アメリカの影響力は、まさに世界を網羅している。
412世界@名無史さん:02/08/08 05:14
>>408
>アメリカ中心史観とは、実際には「歴史観」というよりは、アメリカを
>中心として見た現代に関する「世界像」と考えた方が妥当でしょう。

過去ログにもあるが、歴史が民主主義の広まっていく過程ととらえるのなら、史上初の共和制民主主義国家アメリカの意義は果てしなく大きい。
これは時間軸を導入してこそ正当に判断できる、きわめで歴史的な出来事だ。
413世界@名無史さん:02/08/08 06:25
ここの反米厨は何が望みなのかな?
米と決裂してTOYOTAやSONYを潰したいの?
414世界@名無史さん:02/08/08 09:21
>>413
うんにゃ、アメリカと結託して、TOYOTAやSONYを売り飛ばしたくないの。
415世界@名無史さん:02/08/08 09:32
>>414
へーえ。じゃあ代わりに米国と同程度の規模の市場をどこに求めるの?
つーか、君、日本が貿易立国だって知ってる?
416世界@名無史さん:02/08/08 15:07
>415
ネタ皮肉レスにむきになりなさんなよ。
417世界@名無史さん:02/08/08 16:05
脱線か?
よし!世界史的センスを誇示する好機だ(ワラ
↓↓↓↓↓↓↓↓キタ━━━━━━━━イ↓↓↓↓↓↓↓↓
418世界@名無史さん:02/08/08 16:24
共産主義による犠牲者は、8,000万人から1億人にのぼるとされている。
この数字は、ナチズムによる犠牲者数とされる2,500万人を軽く上回る。

 共産主義体制により殺害された犠牲者数の国・地域別の一覧

 ソ連       2,000万人
 中国      6,500万人
 ベトナム      100万人
 北朝鮮       200万人
 カンボジア     200万人
 東欧         100万人
 ラテンアメリカ    15万人
 アフリカ       170万人
 アフガニスタン  150万人
 コミンテルンと権力を握っていない共産党 約1万人
----------------------------------
 総計         約1億人

ソ連と中国における犠牲者が圧倒的に多いわけだが、ソ連に関してはかなり控えめの数字であり
他に6,200万人という説もある。
419世界@名無史さん:02/08/08 16:26
電波狸と / はアメリカを批判する資格はない。
420世界@名無史さん:02/08/08 16:35
ソ連の場合

兵本達吉(元共産党代議士秘書)によると、1997年11月6日、
モスクワ放送は「10月革命の起きた1917年から旧ソ連時代の87年の間に
6,200万人が殺害され、内4,000万が強制収容所で死んだ。
レーニンは、社会主義建設のため国内で400万の命を奪い、
スターリンは1,260万の命を奪った」と放送した。

このうちスターリン時代に関しては、マーティン・メイリア教授
(カリフォルニア大学バークレイ校)が、最低2,000万人とい
う数字を提示している。内訳は、強制労働収容所の死者
1,200万人、1937〜39年の処刑者100万人、農業集団
化の犠牲者600万人〜1,100万人など。

なお、第2次世界大戦でのソ連の死傷者数は、平凡社「世界大百科事典」
によると、1,200〜1,500万とされる。
戦争よりも共産主義の方が、ソ連の人々に大きな犠牲を生み出したようだ。
421世界@名無史さん:02/08/08 16:36
中国の場合

毛沢東は、1957年2月27日、「49年から54年までの間
に80万人を処刑した」と自ら述べている。(ザ・ワールド・
アルマナック1975年版)。周恩来は、同年6月、全国人民代表
大会報告で、1949年以来「反革命」の罪で逮捕された者のうち
、16%にあたる83万人を処刑したと報告した。また、
42%が労働改造所(労改、強制収容所)に送られ、32%が監視
下に置かれたと述べている。
毛沢東は、その後もさまざまな権力闘争や失政を続けたが、
丁抒らの研究によると、大躍進運動と文化大革命によって、
2,000万人が死に追いやられたとされている。

「共産主義黒書」では、ジャン・ルイ・マルゴランが、ほぼ信頼
できる数値として、内戦期を除いた犠牲者の数を、次のように総括
的に提示しています。

・体制によって暴力的に死に至らしめられた人
700万〜1,000万人(うち数十万人はチベット人)
・「反革命派」としてラーゲリに収容され、そこで死亡した人
約2,000万人
・1959〜61年の「大躍進期」に餓死した人
2,000ないし4,300万人
422世界@名無史さん:02/08/08 16:36
日本の場合

我が国には、ソ連によるシベリア抑留問題がある。
太平洋戦争の末期、共産主義ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して、
満州・樺太等を侵攻した。さらに、スターリンは国際法を無視し、
日本人を俘虜として抑留し、シベリア等の各地で強制労働を課した。
わが国の厚生省援護局の資料によると、抑留者は約57万5,000人、
うち死亡者は、約5万5,000人とされている。
また、ロシア側の研究報告によると、抑留者は約54万6,000人、
うち死亡者は、約6万2,000人とされている。
423世界@名無史さん:02/08/08 16:38
これでもアメリカが共産主義体制より悪だと言い張るのですか?
424世界@名無史さん:02/08/08 16:46
アメリカを批判する資格だか免許だかは
一体どこが発行するのだろうか?
425世界@名無史さん:02/08/08 16:52
>>424
コーラ飲んで、リーバイスのジーンズ履いて、マックのハンバーガー食って
マイクロソフトのOSがプリインスールされたPCでアメリカ批判ですか?
なかなか素敵な人生ですね(微笑
426世界@名無史さん:02/08/08 16:57
>>425
寒いよ、それ。
”中国を批判するのに漢字を使うな”論法
いくら夏厨でもねぇ………(ププッ
427世界@名無史さん:02/08/08 17:19
>>426
ヤンキーに金玉抜かれて、60年もの間お釜を掘られてきたくせに
今さら粋がってんじゃねーよ。ターコ。

奴等の価値観を押し付けられて、自らの生き方を見失い
今では、自分の頭で考えることが出来ない、
何も判断出来ない人種になり下がったくせに
そんな下等動物が他人様を腐すなんて100年はえーよ。
犬っコロなら犬っコロらしく、黙って御主人様に尻尾振ってろ。
428世界@名無史さん:02/08/08 17:31
>>427
それで?
429世界@名無史さん:02/08/08 17:36
>>427
なんか芸でもやってみせろや。バカ犬。
430世界@名無史さん:02/08/08 19:43
このスレに引っ付いてる人種面白いな。
元コヴァのウヨ廚と今時(失礼)唯物史観の人か。。。
つか、11はやっぱネタ師だったのかなぁ。
431世界@名無史さん:02/08/08 19:47
なんか、アンチUS同士が派手に同士討ちしてるように見えるんだが。

はい、

   ━━━━━  脱  線  終  了  ━━━━━
432Z:02/08/08 22:10
 “電波狸”さんと“/”さんの知的対談はこのスレ以外でも様々な所で拝見させて頂いた
  記憶があります。この2者は相変わらずアカデミック板にふさわしいハイレベルな論戦
  を展開しておりますな。論破されると“〜厨”とレッテルを貼、感情の塊と化して奇声を発する
  無教養なアホが 混在しているのも2ちゃんらしい。w
  このスレは教養レベルで言えば、東大レベルから中学レベルまで混在している状況なので、上記
  2者はレスする相手の知識・教養レベルを検討し、選別を行い、自らの知識レベルに見合ったレベルの相手と
  論戦を張るべきでしょう。
433世界@名無史さん:02/08/08 23:07
脇から見ているだけの分際で偉そうに批評している人間て
一番たちが悪いよね
434親米派:02/08/09 01:12
アメリカニズムなるものがあるとしたら、それは多元主義のことである。

政治的には、州政府と連邦政府、立法府と行政府が拮抗し、
権力主体が競争し監視しあうことで高次の秩序を生む体制である。
経済的には資本主義として現れるが、多元主義を破壊する独占行為は、
経済制度の根本を脅かすものとして忌避される。
外交的には、諸帝国が統合原理としたピラミッド的ヒエラルキーに代わる、
同盟・共同体といった対等的関係ということになるだろう。

近い将来中国の経済がアメリカを追い抜くことは、
親中国・反中国といった政治的立場を超えて共通了解となっている。
しかし、経済的巨人となった中国は多元主義的国際秩序を認めるだろうか?
かつての華夷秩序・朝貢貿易体制のような帝国原理で
東アジア・東南アジアを支配しようとする可能性が高いのではないか?
それは、過去二千年近く続いた国際秩序なのであり、
近代という数百年ほどの期間の方が特殊な例外だったに過ぎないのである。
そうなったときこそ、中国の帝国原理に対するアンチテーゼとして、
アメリカの同盟原理がクローズアップされることになるだろう。

ただしハンチントンによると、アジア人は同盟原理を理解できず、
「長いものには巻かれろ」の事大主義を選ぶ傾向があるらしい。
それは単にハンチントンの民族差別的偏見だろうと思っていたのだが、
実際に、事大主義しか理解できない者が多いんだと、
このスレッドを読んでいるうちに気づかされてしまった(鬱
435世界@名無史さん:02/08/09 01:48
その見方を使わせて貰うなら、非アメリカ諸国の今後の戦略は世界のアメリカ一極状態
を崩し、多極分立状態を確立を目指すことになる。おそらくEUやイスラムなど文化圏レベ
ルでの諸地域連合が進み、その間での同盟・均衡・牽制が図られるだろう(状況が上手く
進めばの話だが)。

そのシナリオにおいて、至近に中国という巨大地域を持つ「貿易大国」としての日本がど
んな針路をとるか、自分たちのことながら興味深い問題ではある。
436世界@名無史さん:02/08/09 08:18
親米派って青磁死相板にいたあの親米派?
437窓を開ければ:02/08/09 19:36
>>434
>実際に、事大主義しか理解できない者が多いんだと、
>このスレッドを読んでいるうちに気づかされてしまった(鬱

同感だね。
ふと思ったんだが、このスレッドのウサちゃんたちは、
MacやLINUXを叩くWin厨に似ているな。
俺自身、MacやLINUXを使うつもりはないんだが、
そういう対抗勢力のおかげでMSの専横に歯止めがかかっているという
因果関係は理解しているし、たいがいのWinユーザーは同様の感覚だろう。
それが判ってないのは、WinユーザーではなくてWin厨。
一般的意味での親米派とウサちゃんとの違いも、同じだって気がするな。
438世界@名無史さん:02/08/10 00:39
>近い将来中国の経済がアメリカを追い抜くことは、
>親中国・反中国といった政治的立場を超えて共通了解となっている。

なってないと思います。
現在の中国の経済成長率は粉飾されまくってて実際はマイナスの可能性もあります。
439電波狸:02/08/10 01:28
>>409
>リベラリズムってデモクラシーをも含んで
>いるんじゃないの?
これについては、前レス(390・406)を御参照のほどを。

>>411
前レスの「無関係な一般市民」とは「国際貿易センターの被害者のこと」。

>アメリカはタリバンを壊滅させた英雄
それは米国・日本以下のマスコミによる世論操作に多分に惑わされた見方かと。
テロの主体はアルカイダ、タリバンはアフガニスタンの事実上の政権。
アルカイダ≒タリバンとは云っても、両者は一応別個の組織。それゆえ米
国はアルカイダへの「報復」として攻撃し、タリバン政権自体は北部同盟
を使って倒した。しかし「報復」攻撃の真意は、反米的なタリバン政権の
打倒にこそあったと思われ(民衆の解放などではない)。
テロ撲滅は表向きで、要は中東、特にイラク・イラン・アフガニスタンと
いう反米政権の横並び地域に、反米的でない政権を樹立(それが独裁的か
民主的かなど末梢的事柄)して覇権を維持・拡大することにあると思われ
るが。

>米国の影響力は、まさに世界を網羅している。
それはその通り。ただし、ローマ帝国もモンゴル帝国もやがて衰退・分裂
したように、すでに絶頂期を越えた米国の覇権も衰退していくのでは。そ
の画期がこの中東問題への対処であると思われる。「悪の枢軸」発言、イ
ラクへの攻撃姿勢、パレスチナへの対応と言い、最近の米国にはその強硬
姿勢とは裏腹に、何か焦りのようなものを感じるのだが…………。
440電波狸:02/08/10 01:50
>>412
>史上初の共和制民主主義国家アメリカの意義
>これは時間軸を導入してこそ正当に判断できる、きわめで歴史
>的な出来事だ。

前にもレスしたが、上記の点について具体的内容を述べてもらいたい。
それを主張するあなたの方にこそ、挙証責任があると思うのだが。

>>432(Z氏)
わざわざ激励と適切なアドヴァイスありがとうございます。
御助言にしたがい、今後はあまりに「厨房」的なレスは無視するこ
とにします。
441電波狸:02/08/10 02:51
>>434
>政治的には、州政府と連邦政府、立法府と行政府が拮抗し、
>権力主体が競争し監視しあうことで高次の秩序を生む体制である。
要なモンテスキューなどの啓蒙思想家たちが理想とした権力構造=
三権分立のことかと。なお、上記の点に加えて司法の独立性も重要
かと。大統領の決定に対して公然と違憲判断を主張する場合など。

>経済的には資本主義として現れるが、多元主義を破壊する独占
>行為は、経済制度の根本を脅かすものとして忌避される。
国内についても独占資本は、かつての鉄鋼・鉄道・石油など諸部
門で発達していると思いますが(要は独占的大資本間でのシェア
の分割競争かと)。また海外では国内の自由競争的外観とは裏
腹に、露骨な覇権主義では。石油の採掘権などでの現地政府との
癒着、他方で合衆国政府の政治的圧力を背景とした恫喝。またデ
ルモンテ以下の農産物産業における東南アジア地域でのプランテ
ーション経営の実態など(資本ー地主ー小作・賃労働という収奪
構造)。

>外交的には、諸帝国が統合原理としたピラミッド的ヒエラルキ
>ーに代わる、 同盟・共同体といった対等的関係。
逆では。アメリカを頂点とし、次にNATO諸国と安保日本、更に第
三世界の米国の援助や資本投下を受けている発展途上国という明
確なヒエラルヒーを形成しているのでは。だからこそ、(国連決
議もない)米国の「報復」攻撃への強い意向(事実上の恫喝!)
に対して、これら従属的同盟にある諸国政府は、唯々諾々と承知
したのではないか(各政府とは反対に各国民の目はかなり醒めて
いたが)。



を飲ませるという甲南

442電波狸:02/08/10 03:52
(441つづき)
>中国の将来について

中国が将来経済的に米国と拮抗し対立するのは必然、という構図
自体に疑問を感じる(それ以前に、国内の民主化や民族問題など
解決すべき難問が山積している筈だが)。

またその歴史的根拠として「華夷秩序・朝貢貿易体制のような帝国
原理」と云うのも疑問。これらはあくまで、前近代の王朝的な中華
思想とそれに基づく東アジアの外交=貿易体制(儀礼的秩序)のこ
とで、西欧的意味での支配ー従属体制とはかなり異質。なお、この
体制外にあった(江戸期の)日本では、中華思想の裏返しである国
体思想(天皇中心的な自国至上主義)を生み出した。
19世紀の中国は、英国以下によって近代的な外交関係を武力で強制
され(アヘン戦争・アロー戦争)、他方日本の近代化による圧迫も
加わり、辛亥革命での王朝体制の廃止により華夷秩序的体制も完全
に解体された。
孫文の三民主義では、中華思想(中国の独自性)は、(半植民地化
からの独立を目指す)反帝国主義と結合した民族主義として現れて
いる。
また中華人民共和国成立後も、そうした世界帝国への動向は見られ
ない(寧ろ旧ソ連とは異なり第三世界との協調が目立つ)。

こうした歴史と現状を少し冷静に見るならば、この手の中国強大化
(の可能性!?)=脅威論というのが、為にする議論にすぎず、また
「中国の帝国原理に対するアンチテーゼとして、アメリカの同盟原
理がクローズアップされる」という結論部分に、逆にその政治的意
図が透けて見えるような気がしますが。
443電波狸:02/08/10 04:37
442つづき
>ただしハンチントンによると、アジア人は同盟原理を理解できず、
>「長いものには巻かれろ」の事大主義を選ぶ傾向があるらしい。

ハンチントンの趣旨は別として…………………

対外的「脅威」であったソ連が解体したのに、依然米国の意向で、
沖縄を始め国内に多くの米軍基地をが置かれ、その経費の一部まで
国民の税金で負担し、また日米軍事同盟を強化して遂に「周辺事態
法」まで立法化し、更に「有事」法制まで目論まれている現状。

また今度のアフガン戦争では、米国から「Show the Flag」(旗幟を
鮮明にせよ)といわれたのを、「日本の旗を戦場に見せろ」と意図
的(!?)に歪曲して解釈し、遂に自衛艦をインド洋に派遣した日本政
府の米国に追随する姿勢は、危険性とともに滑稽ですらある。

これらを見ると、確かにこの期に及んで米国の指示どおりに「軍事
同盟」を維持・強化することの危険性を理解しない政府の態度は、
>『「長いものには巻かれろ」の事大主義を選ぶ傾向』
の典型を示しているとはいえる。
444電波狸:02/08/10 04:59
>>435
>非アメリカ諸国の今後の戦略は世界のアメリカ一極状態
>を崩し、多極分立状態を確立を目指すことになる。

ご指摘のとおりかと。アメリカの一元的集中を解体して、多元化し
ようとすれば、「多極分立状態を確立を目指すことになる。」と思
われます。
「諸地域連合」が結成されるなら、それらの対立の抑制・均衡・調
停などは、(出来れば)国連が担うのが妥当と思われます。
即ち国家・民族集団ー地域連合ー国連という構図ですが。
ただ他方で、国連の存在を最も軽視(無視)しているのが米国の現
状です。多元化はアメリカがその一元的集中の不可能性(コスト面
など)を自覚したときであろうかと。
445世界@名無史さん:02/08/10 05:23
>>432
>“電波狸”さんと“/”さんの知的対談はこのスレ以外でも様々な所で拝見させて頂いた
>記憶があります。この2者は相変わらずアカデミック板にふさわしいハイレベルな論戦
>を展開しておりますな。

そうかい?
電波狸さんは今どき唯物史観とか言ってるし、どれだけ歴史を正確に見抜いているかは疑問を感じるな。
あんまり、知識をつらつらならべただけの文章にハッタリ感じるんじゃないよ。
シンプルなぶん、11の主張のほうが高度だと思うがな。

>>439
>「報復」攻撃の真意は、反米的なタリバン政権の
>打倒にこそあったと思われ(民衆の解放などではない)。

どうしてそんなこと言えるのよ?
なんかさすがに偏見入ってない?
電波狸さんは、武力外交で物事を考えすぎ。

アメリカに天皇制ファシズムから解放してもらった歴史をもう忘れたの?
ちゃんといま、日本が立憲君主制となってるのは、アメリカのおかげだよ。
これを解放といわずして、なにを解放という?

>ローマ帝国もモンゴル帝国もやがて衰退・分裂
>したように、すでに絶頂期を越えた米国の覇権も衰退していく

ローマやモンゴルと、アメリカはぜんぜんちがうよ。
だって、アメリカは民主主義国家だぜ。ぜんぜん国家体制としての質がちがうよ。

ローマやモンゴルは、現状につまずけば崩壊するだけだったが、
アメリカはリベラリズムを持っているがゆえに柔軟に、世界の変化に対応できる。
帝国主義と民主主義じゃ、柔軟性がちがうんだよ。

いま中国が苦しんでいるのも、その柔軟性がないからだよ。
柔軟性がない以上、変化するときは崩壊するときだ。
だから、みんな旧ソ連の二の舞になるんじゃないのかって、考えてるんだろ?
446電波狸:02/08/10 05:33
>>445

>アメリカに天皇制ファシズムから解放してもらった歴史をもう忘れたの?
>ちゃんといま、日本が立憲君主制となってるのは、アメリカのおかげだよ。
>これを解放といわずして、なにを解放という

一点だけ、現在の日本国憲法に対しての評価について聞きたい。
この憲法はアメリカの押し付け憲法だという評価が、かなり声高に主張
されているが、あなたは憲法改正は不要とする立場か?
それとも九条は改正して、自衛隊を軍隊とし交戦権と集団保障体制を認
める立場か。
447電波狸:02/08/10 05:57
>>445
少し性急すぎた質問かもしれないが、この点が現在のアメリカと
日本との関係を規定する最重要なモメントだからだ。
憲法改正派には2つの潮流がある、ひとつは反米的立場で、憲法
はアメリカが無理に押し付けたものだから改正すべし、一人前の
「普通の国家」として軍隊と交戦権をもつべし、またアメリカの
要請次第では極東有事の際に、最前線に出て戦えというもの。
いまひとつは、親米的立場での憲法改正論。これは九条が米国と
共同歩調をとるのに桎梏となっており、アメリカ側でも集団自衛
権は認めて欲しいという要請があるため(外ならぬアメリカ自身
からそうした要請が出ている)。
第三は、護憲つまり憲法改正不要論だ。日本が交戦権放棄した以上、
個別自衛権以外の集団的自衛権の行使は不可能というもの。
したがって日米軍事同盟体制に対しても、それがアメリカが戦争を
すればアメリカの敵国は自動的に日本の敵国ともなるため、日本は
アメリカとともにその敵国に攻撃する必要が出てくる。

私は第三の護憲の立場。
あなたは、親米派とすると第二の立場と考えてよいのかな。
すると日本の軍事力強化と世界各地へ(主にアメリカの要請によっ
てだが)軍隊派遣が自由になる。
アメリカの「正義」や「自由」を擁護するということは、日本にと
っては、極限化すればそういう自体に直面することを意味するのだが。

これについては明確な回答を求めたい。
448世界@名無史さん:02/08/10 06:04
>>446
>一点だけ、現在の日本国憲法に対しての評価について聞きたい。
>この憲法はアメリカの押し付け憲法だという評価が、かなり声高に主張
>されているが、あなたは憲法改正は不要とする立場か?

日本国憲法は高度で完成度の高い憲法だと思う。
だから改変する必要はないよ。
おれはアメリカを信用しているから、アメリカから押しつけられた憲法といってもべつに嫌悪感は感じない。
首相公選制とかにするのなら、変えてもいいと思うけど。

>それとも九条は改正して、自衛隊を軍隊とし交戦権と集団保障体制を認
>める立場か。

もう国際協調の時代だから、冷戦期にも改変しなかった九条を変える必要は感じない。
でも、日本にとって、国際的テロリズム打破に貢献できないのはやっぱりマイナスになる。
いちばん高価なのは人命だからね。
どんなにお金を出しても、それだけじゃ、世界はちゃんと認めてはくれない。
だから、小沢一郎が言ってたみたいに、自衛隊を常設国連軍にすればいいんだよ。
そうすれば、テロリズム打破に海外派兵しても、
「国権の発動たる」という憲法の条文に違反しないから、違憲にはならないし、軍靴の音も聞こえてこない。

ついでに米軍も国連軍にすれば、もうアメリカのことを覇権主義だとか帝国主義とか言い出す反米厨もいなくなるのにね。

そういえば、沈黙の艦隊でもそんなこと言ってたな、たしか。
449世界@名無史さん:02/08/10 06:24
>>447
>したがって日米軍事同盟体制に対しても、それがアメリカが戦争を
>すればアメリカの敵国は自動的に日本の敵国ともなるため、日本は
>アメリカとともにその敵国に攻撃する必要が出てくる。

え? これ書き間違いでしょ? 護憲を貫けば、自衛隊は軍隊じゃないから、安保に基づいても攻撃する必要なないんじゃないの?

国連軍化するにはしばらく時間がかかるだろうから、現実的に考えれば第二の立場かな。
冷戦が終わって国際協調が当たり前になったから、もうかたくなに九条にこだわる必要なはいとも言える。(9条の世界平和の理想は実現化した)
自衛隊を軍隊化しても、もう軍国主義化する可能性はないからね。
50年前とは状況がちがうよ。

>すると日本の軍事力強化と世界各地へ(主にアメリカの要請によっ
>てだが)軍隊派遣が自由になる。

それでいいんじゃない、当面は。
自衛隊員だって、訓練ばかりで飽き飽きしてるでしょ。すこしは国際貢献させてあげなよ。
それにもう戦争の時代は終わったんだよ。
これからテロリズムとの戦い。
軍事的な行動と言うより、実質的には警察的な行動だよ。自衛隊にはちょうどお似合いの仕事じゃないの?
450電波狸:02/08/10 06:26
>>448
だいたい趣旨は了解しました。

私も国際紛争に対しては国連への各国軍隊の指揮権の移譲というに
近い考えをもっています。
ただ、他の人たちのレスにもあったけど、それが今不可能なのは
アメリカが国連に力を貸そう、積極的にインシアチブを取ろうと
いう姿勢とは反対なんだよ。湾岸戦争では国連決議を経てアメリ
カ中心とはいえ多国籍軍としての戦争だった。(だからイラクが
侵略した地域からの掃討だけで、バグダットには侵攻しなかった。
現状回復という枠組みがあったから)。

だけど、今回のアフガン戦争では、アメリカは国連の再三の勧告を
無視して独自に各国を説得して、いわば独断専攻してしまった。
ここに大きな問題がある。やはりアメリカは現在の国連を自己の国
益に添わない存在と見ている傾向が強い(この点は大統領の交替と
いう点も大きいのだが)。
おまけに「悪の枢軸」(国連ではなくアメリカの個別判断)と決め
つけてしまい、これはただのハッタリじゃなく、アメリカは本気だ
と思う。既にイラク攻撃に向けての準備も進んでいるが、西欧諸国
では今度は否定的な言明が相次いでいる。
私がアメリカ批判的な方法をとっているのも、現在のこうした問題
を懸念しているからなんだ。

少し話しが飛びすぎたようでスマソ。何か意見があればどうぞ。
なければまた、もとのレスの調子にもどって議論しましょう。
では、今日はこれにて消えます。
451まぁ:02/08/10 06:51
歴史を見る場合は演繹的な思考よりも帰納的な思考
のほうがいいよ。主義に拘ると事実の意図的な矮小化や拡大に
行き付き、客観的に見れないよ。
唯物史観も人権思想も同レベルだろ。権力の正当化の為の思想
にすぎない。そけから距離を置かないと歴史にはならないな。
そしてそもそもその民族や社会や時代の本質が見ぬけない。
普遍的な思想なんてないんだよ。
それが歴史理解の第一歩だな。
452世界@名無史さん :02/08/10 07:05
>>451
おまえ、分かったようなこといっでるけど
史料分析すらまともにしたことないだろ。
いかなる価値観にも依拠しなしで、歴史見れるか?
あるなら方法論しりたいもんだ。
普遍的な思想がない。それは確かだ、だがどうやって
距離置くんだ?
思想のないヤツ書いた歴史なんて、読む価値もない。細かな事実の
ほじくりだろ。そういうのが実証主義なのか?
だったら歴史年表のほうがまだましだな。
思想から距離を置く=要はよくしらない=客観的だと思っている。
でも、それってただその時代の常識にベッタリよりかかっているだけだろ?
価値観には依拠するだろうがそれを客観視するべきなんだよ。
すくなくともその努力は必要だよ。じゃないと史料批判なんてできないだろう?
「完全に〜なんて有り得ない」等と言う反論は無意味だよ。
神の存在証明じゃあるまいしな。
価値観を相対化する努力自体が歴史であり、史料批判だと思わないか?
それともあれか、史料批判は当時の価値観に対する単なる独断にすぎない
と言うことかな?
では君の意味する「客観性」を定義してくれ。
存在しないのか?主観との違いは何だ?
価値論や思想の話しをするならさこから始めるかな?
「方法序説」のようだな。
客観的価値観が多様なら民族や時代の数ほど有ると言うことを言いたいのか?
では個人や家族や国家やその成長過程の数ほど無数にあるとも言えるな。
では逆に聞きたい。主観とは何だ?
ついでに聞いておこう、個人や家族や地域社会や国家やその成長過程
における主観むと客観の違いを教えてくれ。
457世界@名無史さん:02/08/10 08:00
>>450
おれも、大統領が代わったのが大きいと思う。
クリントン大統領も、いまのブッシュを呆れて見ているんじゃないの?

でも、おれは、ウサちゃんたちが言う「アメリカ=世界」説の賛同者でね。
もはや米軍と国連軍を同一視しているんだ。
ちゃんとした常設国連軍の創設はあくまで法整備や手続きの問題であって、ほんとうに常設国連軍が設立されても米軍がその中心となるのはまちがいない。
だから、べつだん、今回とアフガン攻撃と湾岸戦争の時を差別化して考えるつもりはないね。
米軍であれば、国連軍だということだよ。

ブッシュはイラク攻撃にどうやら本気みたいだね。
さいしょ、おれもさすがにそこまではしないだろうと思ってたけど。これには米国内からも批判があるらしい。
ぎゃくに言えば、イラクが大量殺戮兵器を開発するのを、アメリカはとことん怖がってるんだろう。
核テロリズムをおそれているんだよ。
だから攻撃したいんだろうけど、もう本気なら攻撃させてやってもいいんじゃないの?

冷戦が集結したいま、ターゲットは中東だ。
イラクのフセインを逮捕して、イラク国内に民主主義を広め、政教分離を達成させれば、イラク国民も親米派になる。
そうアメリカは踏んでるんだろうね。
日本国民が、戦後親米派になったように。

むしろ本気ならさっさとやればいいのにとすら思う。
458世界@名無史さん:02/08/10 08:12
>>451
>普遍的な思想なんてないんだよ。

そうかい?
ならどうして、アメリカが世界の一極化を実現できたんだい?
そこにはある種の普遍性があったからだろ?
11の主張の意味って言うのは、そこにあるんだと思うよ。
冷戦後のアメリカの一極化に、もっと驚きを持って接したほうがいい。
いままでの歴史にはなかった新しい現象なのだから。

きみの意見は20年前ならまだ説得力を持ったかもしれないが、いまの現状を考える上ではなんの意味もないよ。
考えが11より古いのは否定できない。
459世界@名無史さん:02/08/10 08:54
>アメリカが世界の一極化を実現できたんだい

まずここからして間違っていると思うんだが?
460世界@名無史さん:02/08/10 09:07
このスレには微妙に煽り厨が常駐していますね
461世界@名無史さん:02/08/10 09:16
>>453-456
電波狸さんの話もおもしろいけど、こういう話ももっと聞きたいっス。

最近のぽーもーな人たちは、まず「客観的な認識は存在する」という
前提を批判するね。唯物論も進歩史観もこの点は弱いから、現代の歴
史学の潮流からすれば、時代遅れ感は否めない。けど、実在を反映し
た認識が存在するとの仮定の上で、個々の事象の認識相互間に整合性
を保つ解釈としては、唯物論っておもしろいと思うけど。

アメリカが世界の一極化をすでに実現しているとする人の「認識」と
それを間違いだとする人の「認識」の違いってどこから生まれるんだ
ろう。世界の一極化って、具体的には何を指しているんだろう。軍事
力を言えば、確かに米軍は最強だろうが、逆に言うと軍事力以外は
多極的な気がするよ。
462世界@名無史さん:02/08/10 11:07
>クリントン大統領も、いまのブッシュを呆れて見ているんじゃないの?
クリンdは民主党で、ブッシュは共和党だから、あるいみ
「今の小泉の行動には、村山富市(片山某でもええわ)も呆れているのでは」
みたく、当たり前すぎてあんまし適切ではねーのでわ?

>ならどうして、アメリカが世界の一極化を実現できたんだい?
アメリカが超大国であるのは、それは大国の日本と独逸を同盟国と
してきたからであって、それは第二次大戦の戦中・戦後処理のおかげ
なんでないかな?
463釘師:02/08/11 05:53
>>461
そういう意味での唯物論については、哲学板で議論してください。
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/philo/1018680139/
同じ materialism でも、このスレッドの話題の materialism は、
経済決定論という意味の materialism のことです。
(この場合、環境や技術も包含する一番広い意味の経済ということね)
ただでさえ本筋から反れまくっているスレッドなので、
(meta)physical な文脈での materialism まで論じ始めたら、
収拾がつかないことになります。
それも現代的な価値観にすぎないよ。
アダムスミスの頃は政治と経済をあまり区別してはいない。国富論はイギリス史を経済を重視して見ているにすぎない。
事実、経済以外への言及も多い。これは大陸に比して国境や民族の紛争等の国内政治の統一が容易且つ、
短期間で済んだと言う島国の事情も考えうる。
経済要因を重視する傾向はマルクスの貢献が大だろうが、
政治音痴のドイツ人が経済の比重を過剰に重視したとも解釈できる。
政治は観念論では説明できない。事実、現実の理想社会への言及が少ない。
巾を広げても同じだ。統計を重視するのも現代的な傾向だ。
19世紀以前にはあまりない。
経済を重視する傾向は人間を合理的な動物と考える誤謬から始まることが多い。
これは近代経済学でも同じだ。
実際の人間はもっと不合理で矛盾や感情論に満ち満ちた存在だ。
これを市場に還元して解決したつもりなんだが、この市場のメカニズムと言うのがまたわからない。
干渉しすぎてもいかんし、完全にレッセフエーレと言うわけにもいかない。
一種の人間の管理そのものだな。一言で言えば政治だ。
事実、政治家の行動や発言が市場を不合理に急変させる事が一番多い。
エコノミストの発言や行動には往々にして合理的に反応するのにな。

経済もやはり政治で動いているのだよ。不合理な要素を排除しようとしても無駄だ。
経済と政治は密接不可分だ。だから歴史も合理的には動かないんだよ。
普遍的な理念なるものが通用しない所以だ。
不合理と矛盾を受け入れない限りは歴史は理解できない。
経済的合理性や人権思想に適うこともそうでないこともするのが人間だ。
決して一定の理念に基づいて合理的に行動しているわけではない。
なぜならそれこそ人間そのものだからだ。

この点ではアリストテレスが言った、「人間とはポリス的動物だ」と言った意見や
アダムスミスの政治と経済が分離していなかった時代の発想の方が
人間やその社会への理解としては「合理的」だとも言える。
専門分化或いは分業化が必ずしも正しい理解を提示するとは限らない。
本来総合的に考えるべき人間やその社会を一面的に理解させかねない傾向は、
退歩とも言い得る。
一極化は軍事的優越を意味しようが、普遍的思想の存在や普及を意味しない。
466461:02/08/11 06:57
>>463
了解しますた。でも、哲学板は敷居が高すぎるので、この板でROMってマス。
467世界@名無史さん:02/08/11 09:37
>>462
>アメリカが超大国であるのは、それは大国の日本と独逸を同盟国と
>してきたからであって、それは第二次大戦の戦中・戦後処理のおかげ
>なんでないかな?

しかし、どうしてドイツや日本は戦後アメリカの友好国となったかという疑問が抜けているのでは?
とくに日本は原爆を2発落とされているのに、再戦をアメリカに挑む気配すらない。
ドイツや日本も、もはや戦前とちがってアメリカの正当性に異議を唱える理由がないのだ。
つまり、アメリカの正当性を、第2次大戦の敵国たちも認めたと言うことだよ。
だから第三次世界大戦は起こっていない。
アメリカが正義でありつづける限り、第3次世界大戦は起きない。

>>465
>一極化は軍事的優越を意味しようが、普遍的思想の存在や普及を意味しない。

分かったようなこといっでるけど、軍事力というのはとつぜん空から降ってくるものではない。
それを支える政治と経済があってはじめて維持できる軍事力だ。

湾岸戦争は歴史的な戦争だった。
アメリカを中心として、世界中の国が歩調を合わせて犯罪国家を攻撃したからだ。
もし、周辺国がイラクに協力したら、湾岸戦争はベトナム戦争の二の舞になっていたにちがいない。
アメリカはイラクを孤立させることに成功した。
これは軍事力以上に、外交能力の勝利だ。
つまり、諸外国が同調するだけの普遍性をアメリカが持っていたんだよ。

ここまで考えなきゃ。
468世界@名無史さん:02/08/11 11:32
>これは軍事力以上に、外交能力の勝利だ。

>つまり、諸外国が同調するだけの普遍性をアメリカが持っていたんだよ

外交能力=普遍性を持っていることなの?
469ランナーFXR:02/08/11 12:47
>>467
第2次世界大戦後、排他的な1国帝国主義の時代は終焉し、国際帝国主義の時代に突入し、
市場を先進国が共有するようになったのさ。ドイツと日本はこの新経済秩序に迎合することが
国益になると認識するように洗脳されてきたし、実際そのおかげで戦後日本は経済的に大発展
した。アメリカの正体は人権主義や民主主義「実際に搾取構造を国内外に普遍化しているが」の総本山
であるとともに国際帝国主意の総本山でもある。アメリカの行う戦争にはかならず偏狭な経済的・政治的
利害がつきものである。第二次世界大戦を通じてようやく1国主導のブロック型帝国主義から
先進国相互による共通の利害の追求「国際帝国主義」へと“歩”を進めてきた人類ではあるが、
南北問題や「先進国内部での貧富の差の拡大傾向」を見れば、アメリカのもつ人権主義の仮面を被った真の
意図「グローバニズムの拡大と国際帝国主義の永続化」が“全人類に対する普遍性”など持たない事は明白!
470GT−R:02/08/11 13:07
つまりアメリカは人類を先進工業国家群と天然資源大国、プランテーション型農業
国家に産分割し、この状況の永続化を図っている訳ですね。考えてみれば湾岸戦争で
実利を得たのは欧米に本拠を置く国際石油資本と、これと結託する湾岸諸国の支配階層、
そして「死の商人」=「軍需産業」ですからな。湾岸戦争時、アラブの民衆レベルでは
圧倒的に反米、フセイン支持が多かったしね。元々イラク・ウエート間の国境も欧米植民地
時代の遺産で、日本で言えば、フォッサマグナ地溝帯で東西に国家が分断されたようなものだからね。
アメリカが真に人権国家でその意志を全世界に普遍化するように考えているのならば、まず
イスラエルのパレスチナ市民に対する虐殺行為を何とかしなければね。
471正統派「反ユダヤ文書」より:02/08/11 13:53
ユダヤ人はあらゆる民族の生活秩序を破壊する。
T ユダヤ人は世界支配に努力する。彼らの世界観にその根拠がある。
U ユダヤ人が各民族の思想に潜入するために利用する二大概念は、唯物主義と個人主義である。
V ユダヤ人は、彼らを支配する民族の生活秩序を毒し、破壊する。その典型的な実例がナチ政権掌握以前の独逸である。
 1 ユダヤ人は、貨幣・商業・銀行制度・取引所制度の支配を通じて、世界経済に対する枢要な地位を握る。
 2 ユダヤ人は、フリーメーソン、革命、民主主義、議会制度の力を借りて、あらゆる社会、あらゆる国家の民族停秩序を撹乱する。
 3 ユダヤ人は、あらゆる民族文化を退廃せしめ、民族文化を彼らの国際的計画に有利な宣伝の為に悪用する。
 4 ユダヤ人は道徳を破壊し、これによって民族の人間改良、力、生産性を弱める。
 5 ユダヤ人の犯罪者的性質は、あらゆる正しい法解釈を歪め、法と正義を駆逐する。
W ユダヤ人は現在の戦争の張本人であり、これを長引かせている陰謀者である。
 1 ロシアのボルシェヴィズムはユダヤ思想の申し子である。
 2 ユダヤ人はイギリス帝国主義を支持する。
 3 ユダヤ人はアメリカ金権政治の背後勢力である。

*日本の戦後体制とてユダヤ人の画策が働いていたことは、公然の秘密である。
472世界@名無史さん:02/08/11 20:10
>>469
>アメリカのもつ人権主義の仮面を被った真の
>意図「グローバニズムの拡大と国際帝国主義の永続化」が“全人類に対する普遍性”など持たない事は明白!

ばかですか?
反米厨は親米派よりも電波だといういい証拠ですね。

国際帝国主義というのなら、戦後、世界でももっとも貧しい国々だった日本、韓国、香港、シンガポール、台湾が奇跡とも呼ばれる経済成長を遂げたのはなぜですか?
その結果国内の経済格差も縮まりました。先進国より、発展途上国のほうが国内の経済格差が大きいのはなぜですか?

まだ発展途上国が貧しいのは先進国の搾取のせいではなく、
なんでも先進国のせいにしてひきこもり、国際資本主義に同調しないからだよ。
ひきこもってりゃ、経済発展なんかするわけないだろ。

アメリカを信じろ。
経済発展の秘訣はこれだけだ。
473世界@名無史さん:02/08/11 20:15
>>472
アメリカへの一番深い信頼を持っていたのはフィリピンだよ。
474エコノミスト:02/08/11 21:01
>>472
西欧科学文明への適応力が人種や民族によって異なる事は明白。日本やドイツは
戦前独自に産業革命を達成し、重化学工業が栄える土台が構築されていた。
戦後、焼け野原になった土地に最新の技術を活用し、マスプロダクト体制にもっていける
インフラを構築すれば、アジア人の中では例外的に理系に強く、勤勉な国民性が生かされ
朝鮮特需と相まって産業が爆発的に生起した。ドイツもしかり。
だが残念ながら人類の能力は西欧文明への適合性と言う観点から見ればみな等しいわけではない。
それぞれの民族にはそれぞれの歴史があり、各種能力や素養も異なるからだ。
なぜ産業革命がイギリスで起こったのか? 三角貿易による富の集積、エンクロージャーによる
プリ労働人口の創出、コーカソイドが先天的に持つ科学技術開発能力etc。
単に天然資源と労働人口があれば良いんなら、産業革命はアフリカや白人居住前のアメリカで起こっただろう。
人類の進歩の仕方は民族・人種レベルで見ると歪なんだよ。
アメリカはその事をわかっている上で、自国のブルジョワジ−にとって最大限利益が享受出来るよう国の舵取りを
しているだけ。東南アジアに行けば分かるが、走っている車は、電化製品は日本製、コンピューターのOSはアメリカ製
高級車はヨーロッパ製って決まっている。「正確には日・米・欧に本拠を置く多国籍企業の製造物」
華人の能力を除けば残念だが東南アジア人、そしてブラックアフリカ諸国の人間に欧米に匹敵する産業・技術力を独自に開発
するのは無理だと思う。フィリピンなどアジアで一番アメリカの鼻の息がかかり、民主主義的な国であると自称しているが、実際は国民
の大多数が欧米資本と結託したバナナなどのプランテーションで働くか、不在地主の下でただ同然に働かされ、欧米と結託した地主・華人資本を
除いて国民の大多数は貧しいままだ。だがアメリカはこの国で農地改革は行わなかったし、現在、上記のように現地の支配階層と結びついて利益をえている。
アメリカにとっては、フィリピンなどはこのような状態が望ましいわけさ。
反対に日本人やドイツ人は勤勉かつ優秀であり、西欧文明への適応力が優れているから、国際帝国主義のプレヤ−として育成することが
妥当と判断された。
475れれれ:02/08/11 21:10
つーか472は世界史の基礎的な知識がないんだよ!
シェークスピアの原典が素晴らしいって勧めても相手が英語知らなきゃ
単なる単語の羅列デイみな一緒!2ちゃんは無知なうえに洗脳されているオメデタイ
あほがわんさかいるから相手にするだけ損ですよん。
この連中は理屈じゃないから!w  大陸通打太郎みたいなモン。(大わら
476世界史@名無史さん:02/08/11 21:13
まあまあ、とりあえず傍観しましょうや。
477世界@名無史さん:02/08/11 22:06
共産党の不破議長が講演で、

世界で封建制の時代を経験した国は欧州と日本のみ、他国は
専制国家か植民地となり、内的発展を阻害された、と話す。

マルクスの予言、
原始共産制→奴隷制→封建制→近代資本主義→社会主義→共産主義

を順序正しく進んで来たのは世界で日本と欧州だけだというお話。


478世界@名無史さん:02/08/11 22:50
キムワンソプと同じことを言ってるne!
479世界@名無史さん:02/08/11 22:50
くだらね
48011 ◆stTVUYG. :02/08/12 00:22
ご無沙汰しておりました。
暫くぶりに覗くと、レスが進んでいましたね。
また今回も概要だけですので、あまり気にせず他の方々
はレスを進めて行って下さい。
後一言だけ。
その意見が持つ傾向により、レッテルを貼られることは
致し方が無いのですが、侮蔑感を交えてのレッテル張り
は張る人間の鼎の軽重が問われますよ。(小林さんの漫画
は最初しか読んでいませんが、あれは古くからあるイメー
ジ戦術を用いた、極めてオーソドックスな"個人の国家観"
と思いました)

アメリカは何故、現在の特異な地位を占めるに至ったか。
歴史にIFはご法度ですが、進歩史観=物質的な豊かさの獲得
過程と仮に簡単に仮定しますと、以前と同じ事の繰り返しに
なりますが、まずはパンそれから自由と言った諸観念が来る
ので、民主主義国家が高度な資本主義国家と同義なのは必然
でしょう。
だからまずは資本の蓄積があり、それあっての民主主義です。
(これは英国等の産業革命の過程で証明済みかと)

そして、その資本の蓄積、産業の発展、歴史的特異性(初めか
ら近代的な思想により建国された等)、地政学的問題など等か
らやはり、アメリカが民主主義、ひいてはヒューマニズムの
担い手、そしてその伝道者となったのは必然であり、そのアメ
リカは人間も根本では動物である以上、マックとコーラ、デズ
ニーランドで世界を席巻(パンと自由ですね)する事は、アメリ
カの普遍性の証左だと思います。

ただ、現在を()付けで見ると、後生があるのならば多分、アメ
リカは辛うじてその行為が人類史に与えた影響は黒字になると
思います。
そして、何故、日本がアメリカの一州になった方が言いと言う、
極論を言ったかというと、日本のある程度均一化された民衆、
それがアメリカ内部に入るとき、どれだけ大きな影響力を発揮
する事でしょうか?
日本人の良い意味での均一性(主に教育程度や思想的穏健さ)が
アメリカ内部の被抑圧階級を勇気付け(華僑にならないように)
その現在、アメリカが持つヘゲモニーを真の意味で、世界の為
に貢献でき、引いては現在の段階でのベターな人間観である、
ヒュウーマニズムへの世界への普及も極めて大でしょう。
(現実問題として、1億3千万の選挙票は難しいかもしれません。
ならば、アメリカの飛び地としての日本、すなわち上下院への
議会選出権などや納税などのアメリカ国民としての義務と権利
を遂行しながら、行政における高度な自治と言った新しいパラ
ダイムも求められると思います…穴だらけですが、申し訳あり
ません)
ただ、議論の踏み台として頂けたら幸いです。
481電波狸:02/08/12 02:41
世間は帰省ラッシュの最中のようですが………都会も少しは閑散として
凌ぎやすくなったように思われます。
さて、グローバリズム支持派に対して、反グローバリズムからの反論レ
スも出始めたようですので、当方はこの問題から少し離れて、スレタイ
に即した歴史認識=歴史観の問題を考えてみようかと。

>>451・453〜456
歴史的思考が「帰納的な思考」であること、またその場合に(自己の)
「価値観を相対化する努力」が必要なことへの言及は、重要な問題であ
ろうかと思われます。
現在世界に実存する諸個人が、常に現在的な多様な価値観に浸透されて
いること、そうした(被制約性の)自覚を前提として、過去の歴史的世
界を(出来る限り)過去から理解しようと努力すること、それが歴史的
思考の原則。それを前提とした上で、過去の歴史が現代にもつ意味(歴
史の現代的意義)とは何かを考えることが必要では。
個人的には、歴史を現在に繋がる連続面(例えばナショナリズム、資本
主義、近代国家などの発生や発展史など)と、現在とは異質な断絶面(
古代・中世以下多くの歴史がその範囲内に含まれるでしょうが)との
両面で把握することが必要かと。
後者は現在の諸問題を照らす鏡、即ちそれを通じて現在の我々自身の価
値観を相対化(=再検討)するための一方法としての意義をもち、また
前者も同じく現在の諸問題の生成・発展過程を知る方法としての意義を
もつと考えます。そしてこうした歴史的思考(過去への関心)は、現在
社会の全面肯定からは生まれにくく、それへの批判や疑問から生じるの
ではないかと。
余談ながら、今までのレスでグローバリズム肯定派が歴史的思考が希薄
なのもこの点と関係していると思われ。そこでは歴史的過去は、たかだ
か自己の主張を傍証する(まさにその)限りにおいて、恣意的に引用さ
れる対象に過ぎない!!
482電波狸:02/08/12 03:42
>>461
>最近のぽーもーな人たちは、まず「客観的な認識は存在する」という
>前提を批判するね。
歴史学で云えば(哲学からの亜流である)「言語論的転回派」がこれに
属する。「史料」の解析を通じた歴史的「事実」の導出という点を否定
し、存在するのは「史料」(テキスト)に書記された言説のみであると
する、歴史性そのものを捨象した観念論的な「史料」解釈の立場。

>実在を反映した認識が存在するとの仮定の上で、個々の事象の認識相
互間に整合性を保つ解釈
唯物史観の立場は、過去の歴史を、それを認識する人間の主観から独立
した客観的存在として対象化し、その裡に展開する運動(歴史上の諸個
人の意志と行為の総和)を歴史として把握する立場。
これに対して、一定の現在的価値観を過去に投影させ、過去の諸事実と
その連関を(学問的に可能な範囲を超えて)意味づけるのが、現代的な
観念論史観の一形態(自由主義史観などもその一例)。
483世界@名無史さん:02/08/12 03:42
>余談ながら、今までのレスでグローバリズム肯定派が歴史的思考が希薄
>なのもこの点と関係していると思われ。そこでは歴史的過去は、たかだ
>か自己の主張を傍証する(まさにその)限りにおいて、恣意的に引用さ
>れる対象に過ぎない!!

至言だね。
ついでに言うと、コヴァと呼ばれる連中や嫌韓厨房も同種かと。

左派はちょい別の形で似たような歴史の恣意的引用を行うけどね。
484世界@名無史さん:02/08/12 03:47
> 唯物史観の立場は、過去の歴史を、それを認識する人間の主観から独立
>した客観的存在として対象化し、その裡に展開する運動(歴史上の諸個
>人の意志と行為の総和)を歴史として把握する立場。

これは別に、唯物史観だけの立場ではないと思うが。
485マジレス:02/08/12 03:59
同意。唯物史観はむしろ客観的視点と言うことでは瑕がある。
486電波狸:02/08/12 04:09
>>484
>これは別に、唯物史観だけの立場ではないと思うが。

唯物史観について、物質主義、経済還元論、法則的な発展史観、
唯一の科学的歴史観等々のレッテルにより作り上げられたイメー
ジ(但しこの点は従来の唯物史観派の態度にも問題あると思われ
)を前提とすれば、ある程度もっともな御指摘かと。

個人的には唯物史観も、ひとつの理念型的な説明モデルと考えま
すが、そうした場合、通常の実証主義的な現代歴史学との間には
それほどの対立や異論はないと考えていますが。
487484:02/08/12 04:18
>個人的には唯物史観も、ひとつの理念型的な説明モデルと考えま
>すが、そうした場合、通常の実証主義的な現代歴史学との間には
>それほどの対立や異論はないと考えていますが。

おたがいそろそろおねむなのでしょうか?(ニガワラ
この部分、私が言いたかったのと同じことです。

前半部分は私へのレスというより、>>485氏へのレスですね。
488電波狸:02/08/12 04:40
>>484&485
なお、前レスで「通常の実証主義的な現代歴史学との間には それ
ほどの対立や異論はない」といったのは、例えば、マルクスの唯物
史観とウエーバーの歴史観では、(哲学的な)認識論レベルでは決
定的な対立があります。前者は主観から独立した客観的対象の存在
と認識を認める立場(模写説)、後者は対象の客観的認識は不可能
という新カント派的立場(構成説)です。
しかし実際の歴史的事象の分析においては、方法的には両者を併用
することも可能であり、どちらも一般理論として個別事象を検討す
る場合の参照系としての意味をもちます。

いささか折衷的な立場ですが……………。
489世界@名無史さん:02/08/12 12:10
>477
原始共産制なんてあったかどうかわからねーし、
日本に奴隷制があったというのは初耳だし、
マルクスがヨーロッパの歴史をみて理論を作り出した
上に、自己成就機能もつけておいて、「予言を順序正しく
進んできた」と他人事のよーにいうのもいかがなものかと思う。
490世界史@名無史さん:02/08/12 13:17
>>489
原始共産制=縄文時代「竪穴式住居居住期」

奴隷制=古墳時代


アンタ勉強不足だよ。
491電波狸:02/08/12 18:50
>>480(11氏)
米国の発展の特質性が、そのまま現状での更なる発展に繋がるかは疑問。
その特質性は同時に限界や没落の要因ともなり得る。

米国が生まれながらの近代国家(資本主義)として成立したことは、一
面では19世紀〜20世紀の順調な発展に大きく寄与したが、それは他面で
は近代国家(資本主義)以外の体制を経験したことがなく、自力での体
制変革の可能性が乏しいことをも意味する。

前レスでも触れたが、米国が世界的レベルでの覇権国家となり得たのは、
WW2以降のソ連(社会主義)との対抗関係という国際情勢の枠組みが
主要因。つまり、冷戦体制という枠組みのもと、中東・東南アジア・ア
フリカといった第三世界を舞台としたソ連との角逐(一種の陣取りゲー
ム)を通じて、米国はこの地域で(英・仏以下の勢力を駆逐して)覇権
を掌握し、また求心力を保持し得た。

冷戦体制の解体(ソ連という対抗勢力の消滅)は、第三世界での米国の
覇権が拡大した反面で、民族紛争以下の地域紛争の勃発などにより求心
力という点では低下したと云える。90年代初頭に米国は世界戦略の基軸
を対ソから地域紛争への対応へとシフトしたが、この10年は専らそうし
た事態への対応に終始しつつ、逆に紛争地域での矛盾・対立を深めてい
るのが実情であろう(繰り返しになるが、今回の9.11テロも第三世界で
の米国の求心力低下と矛盾・対立の激化の一表現にすぎない)。

現在の米国主導の資本主義的グローバリズムが引き起こしている第三世
界地域での矛盾・対立に対して、米国自身が軍事的対処を先行させてい
る限りこれらの矛盾・対立が解消する可能性はなく、やがては米国自身
の消耗を招く結果となるだろう。
492世界@名無史さん:02/08/12 19:09
>>490
勝手にそういう決め付けをするなってことだろ。
あんたのその「等号」が成り立つという根拠はどこにあるんだい?
493電波狸:02/08/12 20:02
(491つづき)
>日本が米国に編入されるという想定

最初はこうした(私から見れば)ナンセンスな想定をしている点
から、(他のレスにもありましたが)ネタではないかと疑ったの
ですが、どうも必ずしもネタというわけでもなさそうなので…………。
もっとも、こうした想定は、かつて日本の経済的・政治的な対米
従属への苛立ちから(左右を問わず)一種のジョークとして語ら
れる場合はありましたが、マジで主張している(!?)のには始めて
お目にかかりましたので。
あるいは、現在日本の政治的な行き詰まり状況、経済的な構造不
況の持続、社会的な閉塞感、特に現行憲法や民主主義に対する否
定的な一部の言論の横行等々が、そうしたことを考えさせる原因
ともなっているのではという気もしますが………。

現行の憲法の原則は、国家主権(対外的独立)・国民主権(参政権
と議会の優越性)・恒久平和(戦争の放棄)・基本的人権の尊重な
どであり、日本は独立した民主主義国であるという当然の前提から
すれば、やはりナンセンスな想定であろうかと。いかなる親米派に
しても、そこまで考えている人間というのは、ほぼ皆無だろうと思
われますが。
むしろあなたのヒューマニズムや民主主義といった普遍的価値を重
視する立場からすれば、上に記した憲法の原則である国民主権や基
本的人権の尊重といった、ともすれば戦後の政府・与党によって軽
視・空洞化されてきた事項について、改めてその実態化と徹底化を
要求するという方が、ヨリ現実的な接近の仕方であろうと思われる
のですが。
494世界@名無史さん:02/08/12 22:49
>>474
>インフラを構築すれば、アジア人の中では例外的に理系に強く、勤勉な国民性が生かされ
>朝鮮特需と相まって産業が爆発的に生起した。ドイツもしかり。

韓国や台湾やシンガポールは?
経済はリベラリズムとモチベーションを持てば、どんな国民の元でも必然的に発展するよ。
経済発展の原因をを国民性に還元してしまうことはむしろ危険だと思うが?

どうせ俺たちはダメだというような卑屈さを生む。
その卑屈さがルサンチマンに転化し、テロを実行したのがタリバンでは?
495世界@名無史さん:02/08/12 23:00
ウサちゃんが、このスレッドでがんばっているようです

         ┌┐ペタン
         ││ ペタン
  ∩∩,,     X ,,∩∩
 (; ゚_・゚)  ││(゚・_゚ ;)
 /  ⌒つノ ⌒)⊂  ⌒ヽ
.(o    ノ ) ̄ ̄ ̄(ヽ   )o
( )_)  (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)(_( )
496世界@名無史さん:02/08/12 23:01
>>490
>原始共産制=縄文時代「竪穴式住居居住期」

原始共産制が存在したわけねーだろ、ばーか。
そんなもん信じてるのは、人文科学的センスがない証拠。
もっと人間ていうものを知れよ。そうすれば、ばかばかしくて原始共産制なんて語れないよ。
497人類学:02/08/12 23:29
狩猟採集段階の社会では、階級を持たない文化は多いよ。
重たい財産を持ってない者にとって、逃げるのはとても簡単なことで、
そういう状況では、他人を支配するのは難しいことなんだよ。

農耕段階になると、持ち運びできない耕地という財産ができ、
人口密度も増えて、勝手に畑にしていい空き地もなくなった。
そういう風に身軽に逃げることのできない状況になると、
暴力的支配者が現れたら、言いなりになるしかなくなるわけ。
人間にとって一番基本的な自由とは、逃亡の自由なんだろう。

農耕段階に入っても、地域・生活形によっては、
逃げることが簡単にできる特殊な状況もあった。
交易商人の社会とか、伝染病で人口激減した後の新大陸とか。
そういう特殊な状況では、権力支配はさほど苛烈ではなかったし、
そういう社会が民主主義の苗床になったんだよ。
498世界@名無史さん:02/08/12 23:38
という「仮説」だよな、あくまで。実際のところ。>>497
499人類学:02/08/12 23:47
<世界うるるん滞在記>見るくらいでもいいから、
狩猟採集段階の社会についてのイメージを持ってくれよ。
500世界@名無史さん :02/08/12 23:49
原始共産制の実態は不明だが。
人類の最初から支配従属関係が存在したとも思いがたいけど。
もちろん群として生活している以上、サルと同様ボスというのはいただろう。ある種の実力主義、といっても腕力強いだけじゃしょうがないから、
やはり統率力の問題だろうし、また世襲制なんてものもないどうろうけど。
でも、その程度で収穫物はみんな平等に分配っていうのなら、原始共産制も存在した可能性もあるかも。
501498:02/08/12 23:52
1回「だけ」見たことあるけど、確かに自分も「原始共産制」というイメージは持ったよ。確かに。

でもさ、他の地域においても時代を問わずに全て同じであったという確証は無いだろ。
しかも、「原始共産制」というのは、あくまで我々が持っている知識という「フィルター」を通して見たものでしかないわけだ。それが本当に「原始共産制」であると、本当に言えるのか?
502世界@名無史さん:02/08/13 00:07
たしかに原始共産制というのも見方によるな。
指標は私有による支配関係が生じていたかというあたりかな。
だけど、狩猟・漁猟といった採集段階の社会って案外どこも似たようなかたちなんじゃない?
農耕段階で定着するようになると何を主として作るかによって、次第に社会の特徴=文化が生まれるんじゃないのかな。
503世界@名無史さん:02/08/13 00:16
「原始共産制」のマルクスによる定義はなんだっけ?
「食料や水や薪や石器といった基本的な資源が必要量スレスレにしか得られないため、
貧者を作ることがその部族の人工減少に直結するという環境下での貧者を作らない制度。」
が定義なら、今でもイヌイットが該当する。
504人類学:02/08/13 00:34
>>503
みたいな意味で言ってるんだったら、
原始共産制が無かったという主張に賛成せざるを得ないな。

19世紀人は、狩猟採集から農耕への移行を進歩だと思っていて、
狩猟採集地代の生活レベルは農耕地代より低いと思っていた。

でも、体格・栄養水準・食糧確保に必要な労働時間・
乳児死亡を除いた平均寿命……といった指標で比較すると、
実は狩猟採集民は農耕民より生活水準が高いことが判ってきた。
狩猟採集から農耕への移行は、19世紀的意味での進歩じゃなく、
人口圧への対応として仕方なく農耕生活に身を落としたんだ、
というのが現代の知識によるイメージ。
505人類学:02/08/13 00:36
訂正。上は「地代」じゃなくて「時代」です。
506世界@名無史さん:02/08/13 01:03
>>497
なかなか人類学らしい、おもしろく、鋭い指摘だが、しかし疑問点もある。
果たして、人間の支配というものが「暴力」や「財産」のみによっているのだろうか?

人類の初期であるがゆえに、その宗教性・呪術性というものも根強かっただろう。
権威主義というものはかくじつに、現在よりも強かったと考えられる。
すなわちカリスマによる、支配だ。
カリスマというものは、人間が類的存在である以上、太古から存在していたはずだ。
カリスマと信者という観念的階級が存在する以上、どんなに余剰資本がなかったとしても、経済格差はかくじつに存在しただろう。

支配の本質は観念性だよ。
どれだけ腕力が強くても、権威性・カリスマ性がなくては支配できない。たったひとりの人間が、多数の人間を腕力だけで支配できるわけがないからだ。

また、余剰資本がないからといって、財産が均等に配分されていたというのは論理が飛躍しているし、まったく無根拠だ。
むしろ余剰資本がないぶん、その苦痛から来る観念的な権威性というのはさらに高まったはずだ。
観念的支配が存在する以上、少しでも支配すれば被支配階級は逃亡し放題というのは、むしろ近代的な発想でナンセンスだ。

太古は、現代よりも「逃亡の自由」はなかったと考えるほうが自然だろう。
507503:02/08/13 01:06
すまない、私はテキトーなことを言ってた
508世界@名無史さん:02/08/13 01:40
>>506
なるほど。

496のいう、
「もっと人間ていうものを知れよ。そうすれば、ばかばかしくて原始共産制なんて語れないよ。」
というのは、そういうことか。
509世界@名無史さん:02/08/13 03:16
>>504
>実は狩猟採集民は農耕民より生活水準が高いことが判ってきた。

おい、ほんとかよ?
狩猟採集と農耕は両立できるはずだぞ。
女が農耕をやり、男が猟をやればいいだけだ。
それでどうして生活水準が下がる?
510世界@名無史さん:02/08/13 12:30
> 狩猟採集と農耕は両立できるはずだぞ。
> 女が農耕をやり、男が猟をやればいいだけだ。

それやったら、食糧確保に必要な延べ労働時間は延びるんじゃない?

日本の縄文と弥生の比較では、自然環境の変化→木の実や果物の量が減る→
農業しないと狩猟採集だけでは食っていけない、というようなストーリー
だったと思ったが。豊かな自然の恵み→良好な栄養条件・体格、という関係
が寒冷化(だったっけ?)によって崩れた結果、農耕の必要が生じたという
のを聞いた覚えがある。

狩猟採集活動におけるリーダーシップは存在したかもしれないが、その日
食べるものをその日に用意するような社会で「私有」による支配関係って
存在できるのかなぁ・・・
511世界@名無史さん:02/08/13 13:01
>それやったら、食糧確保に必要な延べ労働時間は延びるんじゃない?

たしかにそうだが、農業っていうのは技術だからな。
その技術を身につければそれだけの選択の幅が増える。
技術を身につけて、いくらなんでも生活水準が下がるっていうのはないんじゃない?

>その日食べるものをその日に用意するような社会で「私有」による支配関係って
>存在できるのかなぁ・・・

しかし、貢ぎ物というものは存在したのでは?
いずれにせよ、配分が均等にならなければならない理由はない。
512猫電波:02/08/13 14:41
>技術を身につけて、いくらなんでも生活水準が下がるっていうのはないんじゃない?
人口が増えちゃうらしい。
513世界@名無史さん:02/08/13 14:55
>>506
数家族が一緒に移動する、多くても数十人程度のバンドが
狩猟採集民の生活の基礎単位なんだよ。
そういうバンド同士が血縁でつながった更に大きな組織が部族だけど、
これは祭りのときとかに集まって顔を合わせるだけ。
そういう風に顔つき合わせて生活している少人数のバンドの中で
「カリスマによる支配」とか考えるのは不自然だよ。
514世界@名無史さん:02/08/15 07:36
>>513
しかし人間には、ふたり集まっただけでも、イニシアチブの取り合いが発生するよ。

まったく経済的利害の存在しない小学校にクラスにも、いじめっ子、いじめられっ子の階級分化が起こるんだから、べつに不自然とは思わない。
どー考えても、人間が集団化して、そこに優位性や差別が存在しないと考えるほうが不自然では?
515/:02/08/15 09:27
超お久しぶりです。別件で多忙でした。今後も、多分。

>原始共産制
最近の研究では、都市・商業・手工業・かなり広い交易ネットワークが、
農耕期「以前」に、あったことが定説化しつつあります。
祭祀リーダーや土木リーダーが存在したことでしょう。
そこら辺を含めて、広義の「原始共産制」というなら、存在したと思います。

ただ、「原始共産制>奴隷制>封建制>資本制」というのは、経済学草稿か
なんかで、マルクスがちょろっと述べただけなので、後のマルクス主義者が
とらわれすぎたと考えます。
ただし、「封建国家に民主主義の目標を与え、社会が固定されたものではない」
というイデオロギーを世界に広めたのには、世界史的意義があると思います。

ただ、弱点は、マルクスはイギリスを分析基地にしましたが、
イギリスが先に、産業革命・資本制社会・工業製品輸出開始をした時点で、
「すでに他の全ての国はイギリスに大なり小なり規定されてしまう」という点です。
マルクスは、それに気づいていて、その理由でイギリス分析を基本とした訳です。
当時、世界「最先端」のイギリス経済に、資本制生産様式の特質が、もっとも
あらわになるからです。

ちなみに、共産党宣言で、マルクスは資本制生産様式の長所をかなり褒めてます。
この長所を、社会主義経済に生かせというわけですね。
516世界@名無史さん:02/08/15 11:49
先史時代の東日本とか北米の太平洋岸では川にシャケが大量に上がってきたし、
先史時代の中東では野生の麦を大量に採取できた。
そういう風に食料の豊富な土地では、農耕なしの集落もありえた。
現代でも狩猟採集やってるような土地は、農耕文明が良い所をとった残りだが、
先史時代には、もっと条件の良い土地でも狩猟採集生活やってたわけだから。

狩猟採集と一口に言っても、社会構造という観点からは、
定住した村落のある段階とバンド社会を分離しないといけないね。
517世界@名無史さん:02/08/15 16:05
>>515
>祭祀リーダーや土木リーダーが存在したことでしょう。
>そこら辺を含めて、広義の「原始共産制」というなら、存在したと思います。

この文章は矛盾してないか?
リーダーが存在したのなら、すでに階級分化が始まっていたのでは?
518世界@名無史さん:02/08/16 05:06
age
519電波狸:02/08/16 05:21
マルクスの想定は無階級社会→階級社社会(奴隷制・農奴制・資本主
義)→無階級社会(社会主義・共産主義)という図式があった。
階級社会の生成を考える場合、それ以前の段階として無階級社会を措
定し、その特質は階級社会=生産手段の所有をめぐる階級分化という
定式から、未だ生産手段の所有による支配・従属関係が存在しない無
階級社会(=原始共産制)の存在を措定した。
したがって、無階級社会の要件として主要な生産手段の所有(非所有
)の不在(部族・氏族内での貧富の差やリーダーの存在と矛盾しない
)が指標となる。

典型的な観念的モデル論だな。
一定の理念型で社会を分析するのは歴史のばやい難しいよ。
社会学と違い構成要素が複雑すぎるからだよ。
マルクスの誤謬は時代や後発国ドイツへの情熱からして仕方ないが、
我々が付き合う必要はない。
各時代の必要性と環境を考えれば、自ずとその時代の理論や理念の限界は解る。
その時代の人間が「普遍的」と勘違いしていたものを相対化してこそ歴史理解の意義がある。
自国や現代社会の限界も見え易くなるものだよ。
普遍性などは幻想なんだよ。
522世界史@名無史さん:02/08/16 13:14
>>494
台湾やシンガポールは華人の国だよ。南朝鮮「韓国」は人種的にみれば新モンゴロイド。
もう少し世界史や地理の学習をした方がいいよ。君の知識レベルでは電波狸さんとは
対等な議論が出来ないだろうね。受験生かい?
523世界史@名無史さん:02/08/16 13:51
>>522
確かにそれは言えてる罠。香港、シンガポール、韓国、台湾は韓国を除けば華僑系
移民が多勢を占めているし、タイなんかの東南アジアのなかで経済的に成功したと
言われている国は経済発展の原動力として常に華僑の存在が重要な役割を果たしてきた。
「周りのインドシナ諸国は相次ぐ内戦と体制変換の繰り返しで華僑が逃げ出してしまった
からね。その逃げ出した華僑達が大挙してタイになだれ込んだ訳だが」
反対にマレーシアなんかはマレー人優遇政策をとり、華僑追放政策を施行してきたが、その政策は
破綻し、華人支配回帰へと向かっている。東南アジアはどこの国でも華僑が経済の根幹を握っている
そして華僑が多く、活動的な国ほど経済が発展し、華僑数が少なく、華僑の間に棄国意識が強い国
程、経済が停滞している「フィリピンなんかはよい例」
西欧科学文明への適応能力は新モンゴロイド「日本や朝鮮、中国などの東アジア人種。アイヌは除く」
の方が古モンゴロイド「インドシナ半島や島嶼部の東南アジア人」よりも優れているのは間違いないね。
アメリカが推進するグローバル化は新モンゴロイドには有益だが、全人種にあてはまるわけではない。
日本並に自由化している「黒い人たちの国、インドは除く」はいくらでもあるが、華僑の力を借りずに
彼等が経済的発展を勝ち取った事例は殆どないといってよい。「ブルネイなどの資源大国を除く」
524世界史@名無史さん:02/08/16 14:14
>>523
つまり新モンゴロイドは自由化と努力次第で日本並に発展可能だが、アフリカ人「黒人」
や東南アジア人「南方モンゴロイド」は無理ということですかい?
だからグローバリゼーションは全ての人種・民族に当てはまらないと?
確かに、西欧文明への適合能力が人種によって異なるのなら、富は偏在し、搾取構造が恒久化する。
「西欧文明への適合能力」は当然西欧の人間が最も適合的なのだろうから、
人種、民族やその地域の自然環境等々で異なるのが普通じゃないのか?
遍く適応し易い文明なんぞ存在した試しはないと思うが?
だから不平等はなくならないんだろ。
526世界史@名無史さん:02/08/16 19:04
アメリカが自由主義経済の象徴のように考えている人がいるようだが。全然歴史を解ってないね。
アメリカは建国以来、新旧両大陸不干渉政策をとり、孤立外交を是とする国策をとってきた経緯がある。

第二次世界大戦初期、アメリカの世論は孤立政策・不干渉政策一辺倒で、日本が真珠湾奇襲を敢行しなければ
指導者層の思惑とは裏腹にアメリカが参戦するのは至難の業だった。「日本はアメリカ指導者層の遠謀に引っかかった」

そのあまりにも強大な生産力のために第一次・第二次世界大戦はアメリカが主導したかに見えるが、
両大戦を前後してアメリカの外交で一貫しているのは孤立外交政策だ。
だからアメリカは国際連盟にも加盟しなかった。
第二次世界大戦後はアメリカは西側陣営の指導者として、自由主義圏に軍事的・外交的プレゼンスを拡大したが
アメリカの傘の下で繁栄を享受できたのは一部の国・地域だけで、自由圏アジア、ラテンアメリカでは貧富の差が
拡大し、都市ではスラム居住者が溢れる結果となった。
自由圏では国の形態が3つに固定化されたと言って良い。
1、石油などを産する資源大国。未だに王制である国も多い。
2、高度な最先端技術を有する先進諸国。香港やシンガポールのような中継貿易地も含めて良い。
  「もっとも最近では、中国内陸部の経済解放区に繁栄の拠点が移りつつあるが。」
3、プランテーション型農業により生み出される第一次産品、先進諸国の資本投下の結果誕生した
  生産設備で製造した低付加価値商品を主要輸出品目とする低開発国。
1の場合国際石油メジャーが、3の場合地主階層や先進国に本拠を置く多国籍企業が利益を享受している。
2の場合でも、日本などを見ればわかるであろうが、資源も食料の供給も石油メジャーや穀物メジャーに握られ
 欧米に本拠を置く多国籍企業が甘い汁を吸う構図になっている。 
アメリカにとって上記の国家3類型の固定化が望ましいわけだ。つまり搾取構造の恒久化。
だからこの秩序を乱すものに対してアメリカは戦争を行う。
この国が地球的視野で物事を思考していないのは、京都議定書の離脱を取り上げるまでもなく明らかだ。
自国のブルジョワジ−の近視眼的な利益の追求がアメリカの国是さ。
革命前の従米キューバや南ベトナム、フィリピンなんてまさに奴隷国家。哀れなもんだ。
「もっとも、革命後キューバやベトナムが経済的に成功しなかったのは周知だが。一方韓国は経済的に成功を収めた
 と言って良い。このへんにも人種や民族、風土、歴史、・地理学的な要素がもたらす西欧文明への適合性の相違が見え隠れする」
グローバニズムは適合性の相違が存在する限り、搾取構造を恒久化する。
仮に適合性の相違がない場合でも、勝者と多数の敗者を生み出すと言う原理に変わりはないが。ただしこの場合敗者復活可能。
527世界史@名無史さん:02/08/16 23:09
>>494
わからんヤツだな。南北間の貧富の差自体が欧米諸国が作り出した構図なんだよ。
自由主義陣営に与してた発展途上国のどこが引きこもりだよ!搾取構造の中にしっかりと
組み込まれているだろうが。コーヒーや砂糖、ココアやバナナがどういうふうに作られ
どこが利益をむさぼっているのか考えてみな。1997年のアジア経済危機もグローバル化
がもたらした現象だろう。日本なんかよりも遥かに東南アジア諸国の方が欧米に開けているよ。
元々欧米諸国の植民地だったんだから。「タイを除く」
でもその弊害が大きいのは既述。
528世界史@名無史さん:02/08/16 23:21
>>527
レスする相手間違えてるよ!(w)
529世界@名無史さん:02/08/17 01:47
人間の勤勉さとその土地の気候とはどう関係するだろう。
日本が毎月8月みたいでも日本人は勤勉かな?
ブラジルやハワイの二世などの短期的なものは別にして。
日本は水や気温にめぐまれてたから、勤勉だと、投資した
もとがとれた。
アフガンで一生懸命農業をやってどうなんだろう。
530あれかな:02/08/17 05:04
かといって、新モンゴロイドでくくっちゃうのもどうかな。
誰かさんの意見、随分「〜は除く」が多すぎないか?
531/:02/08/17 13:14
気候決定主義と人種決定主義は除くべきでは?
インドのIT革命の早さなどをみると、一概には言えないと思う。
532世界@名無史さん:02/08/17 18:46
>>522
>台湾やシンガポールは華人の国だよ。南朝鮮「韓国」は人種的にみれば新モンゴロイド。
>もう少し世界史や地理の学習をした方がいいよ。君の知識レベルでは電波狸さんとは
>対等な議論が出来ないだろうね。受験生かい?

中学生ですか?
きみは読解力がないのかい? ぜんぜんレスの返答になってないぞ。
新モンゴロイドだからなんだよ?
だれがいつそんな話をしたよ。
そんなんじゃ、11のマクロ的な歴史観は理解できないだろうね。
とりあえず、大学に入学してからここに書き込もうね。

>>523
>確かにそれは言えてる罠。香港、シンガポール、韓国、台湾は韓国を除けば華僑系
>移民が多勢を占めているし、タイなんかの東南アジアのなかで経済的に成功したと
>言われている国は経済発展の原動力として常に華僑の存在が重要な役割を果たしてきた。

華僑に着目するのはおもしろいが、それを追求しすぎればユダヤ陰謀論と大差なくなるのでは?
華僑の存在はあくまでも経済発展の補助材にしか過ぎない。
むしろ、経済発展の土壌があったから、機を見るに敏な華僑がそれに介入したと見るべきだろう。
あくまでも経済発展の原動力はその国民のなかにあるなにかだよ。

華僑は万能の神さまじゃないんだから。

>>531
>気候決定主義と人種決定主義は除くべきでは?

同意。
それは間違いであるだけでなく、危険ですらある。
533引かれ者の小唄:02/08/17 19:05
21世紀の私たちが求める道は、いまこそ時代遅れとなった「冷戦体制」の遺物である
日米軍事同盟を即時解消し、核兵器廃絶、民族の自立と民主主義が尊重される国際社会
をつくる事であり、そこにこそ日本国憲法の第九条(戦力の不保持)をはじめ平和的
主的原則がもつ先駆的役割を発揮させる事が出来るのです。
534世界@名無史さん:02/08/17 19:18
>>533みたいに現実を見ず語る理想というのは、
それは最早「理想」ではなく「妄想」と呼ぶべきである。
535世界@名無史さん:02/08/17 19:52
>533
こういう露骨な釣りは興ざめだなぁ。
536世界史@名無史さん:02/08/17 20:31
>>532
煽るのはいいからさ、あんたの言う全人種・民族は能力的に等しく、モチベーション
とチャンスがあれば等しい結果が得られると言う証拠を提示してよ。
じゃないと何の説得力もない負け惜しみにしか聞こえないよ。w

537代々木の盗聴器:02/08/17 20:33
――――――――――――――――――――――――
「唯物史観」って何よ?
__  __ .r――――――――――――――――――
    ∨   |「神は死んだ」と言って自分が新しい神になるってこと。
日 凸 U | ______
≡≡≡≡≡| /〃∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 U ∩ [] ∨%(´∀` ) < 不平分子の妄想は不滅だネ。
__ ∧ ∧__∧_∧___)_ |    
  (   ,,)日(    .)□    \______________
― /   | ― (     )―――   .
\(__.ノ    ━┳━)
 ━┳━   └ ┃―・゛
 ̄ ┻  ̄ ̄ ̄ ┻ ̄ ̄ ̄
538世界史@名無史さん:02/08/17 21:01
>>531
気候決定主義と人種決定主義は核心的なファクターだよ。人種が違うということは
生物学的に見て同一種内の異種ってことでしょ。当然能力も異なる罠。
そして気候と言うものが人種間の差異を生み出したメインファクターだしね。
白人はどんなに日焼けしても黒人ほど黒くはなれないし、いくら努力を重ねても
日本人が陸上やバスケットボールで黒人並に活躍出来るとは思えない。
同様に、アフリカの黒人がどんなにモチベーションを持って努力する機会を与えられても
白人並にノーベル物理・化学関連の賞を受賞できるとは思えない。
確かに人種によって適・不適がありそう。

ただ、人種問題はあまりにも核心的である故、議論の対象とするのは極めて危険だと思う。
日本人が朝鮮人を誹謗しても同一人種故、民族・文化差別に過ぎず、文化と言う要素を除去
すれば同じ生物として認識できるが、人種が違う場合、生物学的特性が異なるわけだからこの
違いは究極的だし、ここをつくのはタブ−だと思う。生物学的特性の違いが人間に多様性をもたらして
いるんだけどね。まあ、そこを突けば「西欧文明の適合性も人種間によって異なる」って結論になって
このレスで色んな人が議論してる。
539世界史@名無史さん:02/08/17 21:12
>>531
インドは南部のどラヴィダ族を除けばコーカソイド「インド・ヨーロッパ族だよ」
>>532
「期を見るに敏」も「産業を興す」も西欧科学文明への適合性を現す
重要な要素さ。明治維新期の我が国がいい例。
540世界史@名無史さん:02/08/17 21:23
>>532
経済発展の土壌は政情の安定化と安価な労働力、そしてこれらに対する
先進諸国の投資意欲だろう。つまり殆ど華僑や欧米頼み、いわゆる他力本願。
途上国の人間自身が欧米諸国のように独力で技術革新・産業革命を達成するわけではない。
541東南アジア愛好者へ:02/08/17 22:05
>>532
オマエが11だろうが!  誰にも振り向いてもらえない独り善がりの
厨な世界観を他人様に押し付けるなよ。テメーみたいなヲタでヒッキ−な
キショイ系はアキバでギャルゲーでも漁ってればいいんだよ!見苦しいから出てくるな!!
542名無しさん :02/08/18 00:58
541のようなアホはほっときましょう!

ところでこのスレでは人種問題が議論されているようだが・・・。
人種問題を科学的に議論する事にはそれなりに意義があるのでは?
ナチスの人種政策は明らかに捏造された歴史と一見科学性が有る様に見受けられるが、
実際そうではないナチス・オリジナルの彼等に都合の良い人種観・人種理論に基づいて
遂行された経緯がある。例えば、彼等はユダヤ人を人種と定義しているし、ドイツ人をアーリア人
直系の子孫としている。  更にアーリア人を文化創造者、ユダヤ人を文化破壊者であると決めつけ
前代未聞の大量殺戮の計画的実行、一民族の地球上からの抹殺を図った。

だが、科学的・歴史的に分析すればユダヤ人は「ユダヤ教を教義とする民族であり、様々な人種が包含され、生物学的な
特質によって区分される人種ではない」と言う事や、ゲルマン系ドイツ民族がアーリア人の子孫ではない事がすぐに分かる。
ナチスは行動原理を構築する土台がフィクションであり、これらの要素はとても科学的検証に耐えうる代物ではなかった。

問題をここで議論されている人種問題に戻そう。
ここでは新モンゴロイド「東アジア人」と古モンゴロイド「東南アジア人」、コーカソイド「インド・ヨーロッパ族」、ニグロイド「黒色人種」、
について様々な観点からバラエティに富んだ意見が主張されている。
まず、華人の問題について私見を述べたい。華人は人種的には新モンゴロイドであり、東南アジア原住の古モンゴロイド「南方モンゴロイド」とは人種的に異なる。
だから華人の東南アジアに於ける特異性「経済と金融を支配している」を人種と言う観点からアプローチする場合、ユダヤ人問題を議論する場合と本質的に異なる。
日本、アジアNIES、市場経済化しつつある中国やモンゴル、タイの指導者達は新モンゴロイドの集団であり、これらの国々の発展の要因を単にモチベーションや自由化
に帰するのはあまりにも強引でしょう。新モンゴロイドの西欧資本主義体制に対する適合性の顕在化と言う側面も否定出来ないのではないでしょうか。

マレーシアでマ八ティ−ルが「ルック・イースト」を合言葉に全国民のモチベーションを高めて、マレー人優遇政策・華僑追放政策のもと近代化に奮闘してきたが、華僑なきあと
古ンゴロイド独力では経済発展が思うようにいかず、結局華僑に協力を仰がなければならなくなったことは歴史の皮肉だ。
フィリピンも革命の度にモチベーションが高まるが、あれほどアメリカに強い影響を受けているにも拘らず、経済状況は悪いままだ。
新モンゴロイドが国民の多数を占める国は政体が資本主義ならば殆どどの国・どの地域でもある程度の経済的成功をみている。
一方、古モンゴロイドにより構成される国家で彼等自身が日本やNIES並に発達した経済を打ち立てた実例を私は知らない。「ブラックアフリカしかり」

一言断っておくが私は決してレイシストではない。あらゆる人種はそれぞれの居住環境に適応して何万年もの歳月をかけて
進化してきた。   だから人種ごとに様々な特長があり、恣意的な基準を設定してそれを基準に優劣を断ずること
などナンセンスだし無意味であろう。また人種によってある事柄に対する適応能力に差異が生じるのも自然であろう。
“新モンゴロイド”と“西欧資本主義文明適応能力”の間にはこれほどの相関が見られるのであるから
生物学的特質としての新モンゴロイドの西欧文明に対する適応性を世界認識の素材の一要素として活用するのは
自然であるし、現時点に於いては科学的な態度だ。
543世界@名無史さん:02/08/18 01:10
基地買いが念仏を唱えるスレですな
544世界史@名無史さん:02/08/18 01:26
↑自己紹介(大わら)
545やれやれ:02/08/18 01:31
http://www3.mahoroba.ne.jp/~npa/narayaku/image/dna_map.jpg

現代的な人種観を理解するには↑こういうマップを思い浮かべること。
上のマップは各民族のGm血液型の頻度分布を円グラフにしたもの。
松本秀雄『日本人は何処から来たか』からのスキャンだろう。
なお、松本自身のデータ解釈には疑問の余地があるのだけれど、
非常に多くの集団から集めた遺伝子マップは貴重な資料である。

このマップで青く表示されているag、緑のafb1b3は、
ニグロイド以外の人種に共通の因子である。
黄色のab3stは北方モンゴロイドに特有の因子。
白のfb1b3はコーカソイドに特有の因子。
赤のafb1b3は、南方モンゴロイドに特有の因子。
なお、Gm遺伝子では北方モンゴロイドの新旧両型を区別できないし、
その他の人種の内部にあるヴァリエーションも区別できない。
が、大きな枠での人種を示すには、そういう点はメリットである。

外見で分類すると、北方モンゴロイドは
コーカソイドよりも南方モンゴロイドに近いので、
伝統的に両者はモンゴロイドとしてくくられてきたのだが、
遺伝子で見るとむしろコーカソイドの方に近いことが判ってきた。
だから、北方モンゴロイドと南方モンゴロイドを総称する意味での
モンゴロイドという用語は使わない方がいい。
人類はまず、アフリカ系とアフリカ以外系統に分かれ、
アフリカ以外系統が南方モンゴロイドと北方系に分かれ、
北方系がコーカソイドと北方モンゴロイドに分かれ、
その一部が寒冷適応で新北方モンゴロイドになったわけ。
546やれやれ:02/08/18 01:31
そういう予備知識を念頭において地図を眺めると、印象的なのは、
どの民族グループも混合集団だということである。
例えば、アジアにいる北方モンゴロイドの集団はみな、
南方モンゴロイドの因子が混じっていて、
純粋に北方モンゴロイドの要素だけの集団はアジアには存在しない。
(ただし、アメリカ原住民はもっと純粋な北方モンゴロイドである)
特に漢民族は南方モンゴロイドの要素が強い混血であり、
華北人は南方モンゴロイドの混じった北方モンゴロイド、
華南人は北方モンゴロイドの混じった南方モンゴロイドである。
南北モンゴロイドは、人類全体の中では身体形質が中間的で、
極端な特徴を持たないうえ、これだけ広範に混血しているのだから、
以前の人類学が両者を分離できなかったのも無理はない。

南アジア人も南方モンゴロイドとコーカソイドの混血だ。
バングラデシュとスリランカを結ぶ
ベンガル湾沿いの地域では両方の因子が半々くらいだが、
西北に向かってコーカソイド要素が強まり、
パキスタンではコーカソイド要素が圧倒的になる。

身体形質で分類する以前の人類学も大雑把に同じ判断をしていたが、
「コーカソイド因子が何%か」といった定量的判断はできなかった。
遺伝子による数値データによって精密な表現が可能になり、
混血集団についても単に「混血」として思考停止するんじゃなく、
「どういう比率で混血しているのか」言えるようになったわけ。
Gm遺伝子だけじゃなく、他の遺伝子座に関しても同様の調査がなされ、
複数の別々の研究が、大筋では一致した結論を出している。
547世界史@名無史さん:02/08/18 01:36
>>545
ぶしつけですがア(アイヌ白人説)なるものが実しやかにささやかれた時期がありましたが。
548あれかな:02/08/18 05:16
系統のはっきりしない人種論や民族論に基づいて決定論言われてもなー。
新進化論か?マルクスと同じじゃん。
類型論もいいんだが、類型的決定論は観念的モデル論と変わらないよ。
文化人類学なんかでもともすると社会の機能や作用に着目して抽象的な社会機能や構造を
持ち出すが、歴史はもっと具体的、現実的な個性に着目せんと説得力ないよ。
人種や民族や気候や社会構造も独自性を説明する手段たるべきなんだよ。
やたらに捨象して抽象、一般化するのは学者や優等生のわるい癖だな。
先ず空間的な普遍性にとくに拘るよな。これは自然科学やイデオロギーの悪弊だな。
それでは捉えられないところに歴史の独自性と面白さがあるのだよ。
だから科学的でもないんだが、事実であるにもかかわらずドラマチックだ。
時間的な普遍性はまだゆるせるんだがな。
549一言で言うと:02/08/18 05:27
モンゴロイドと他人種との違いを説明する手段たるべきであり、
モンゴロイド間の共通性を説明する手段たるべきではないのだよ。
550電波狸:02/08/18 06:19
久々に見たら、世界の現在の動向を人種論や民族論(ヨリ正確には国民
性論とでも云うべきか)で説明しようというレスもあるようで。

545・546の「遺伝子マップ」の提示とその解説は興味深かったが、これ
によって現在の諸国民の文化などを人種論と恣意的に関連させて説明す
ることの無意味性が明らかになったと思われますが。

また民族論(国民性論)とは、本来は近代(国民)国家が成立する時点
で、その国民的identity形成を目的として新たに創出されたイデオロギ
ーの一形態で、内容的には、主にその国民(という性格を賦与された人
間集団)の歴史的来歴に関する事柄(民族の歴史と文化など)を中心に
構成される。
そしてこの「国民共有の歴史・文化」が、学校教育を通じて浸透させら
れ、国民としての一体性を担保するイデオロギー的な機能を果たす。
551電波狸:02/08/18 07:04
>>548
>類型論もいいんだが、類型的決定論は観念的モデル論と変わらないよ。
>歴史はもっと具体的、現実的な個性に着目せんと説得力ないよ。

前にも似たレスがありましたが。たしかに個別的諸事実やその連関
を特定の「類型論」の枠内に押し込めることは問題だが、歴史的検
討に類型的な考察は不可欠だと思われますが。あなたが云う「観念
的モデル論」に対する実在的モデル論とはどういうものですか?

確かに歴史的事実の「具体的、現実的な個性」を明らかにするのが、
歴史学(歴史的思考)の中心課題だが、そのためには普遍的(抽象
的)な一般性についての検討も方法的には不可欠。
そもそも対象の具体的個性自体が、その抽象的一般性を(思考にお
いて)前提することで始めて把握可能な筈だが。
また歴史にとって重要なのは、時間軸(通時性)と空間軸(共時性)
であり、前者は時系列的な変化や因果関係を、後者は同時代の政治
・経済・文化などの諸事象の構造やそれらの相関関係を考察する上
で根本的な契機。これらを捨象すればそれは歴史的考察でも何でも
なく、残されるのはただの断片的な「事実」のみ。
しかもこの「事実」自体が多様な解釈を内包する多面体なのであり、
解釈にあたって先の諸々の理念型・仮説モデルなどが必要となる。
これらを否定して「事実」、ヨリ正確には「事実」に関する漠然と
した表象のみを頼りにして、出来上がるのはある種の勝手な空想か
恣意的な物語の類であろうから、なるほどそれは、
>事実であるにもかかわらずドラマチックだ
ということにはなろう。
552電波狸:02/08/18 08:46
(550補足)
マルクス自身も「人間の肉体(身体的)の特性」や」「人間が直
面する自然的諸条件(地質学的・山水誌的、風土的諸関係)」が
人間の自然成長的組織やその後の発展・非発展を規定することを
述べている(『ドイツ・イデオロギー』)
人間の肉体の特性(=人種差)と彼らが生活のために働きかける
対象的自然の地理的・風土的性格により、多様な生産組織=社会
組織の在り方が想定される。
なお、(反唯物史観であるが)和辻哲郎『風土』は、その地理的
(草原・砂漠・湿地)気候的(熱帯・温暖・寒冷/湿潤・乾燥)な
分類とその組み合わせから、日本人の国民性や文化の特質を述べ
ている(ただし、日本人の特質=優秀性を弁証するという色彩が
濃いように思われるが)。
553レフリー:02/08/18 12:33
<人種的には>エスキモーやアメリカ原住民と東北アジア人は同類だし、
ヨーロッパ人と西アジア人も同類だが、経済的成功の度合いは全然違う。
そういう意味で人種決定論は、単なる誤りか言葉足らずだな。

ただしこれをベースに、もっと隙の無い論法を出すとしたら、
(ハンチントン的な意味での)「文明」の差を論拠とする
「文明」決定論だったら、(政治的には正しくないとしても)
論理的には、もっと反論が難しい主張になると思うんだが。
554ちょっとまった!:02/08/18 12:43
>>545
日本人が南方モンゴロイドよりもコーカソイドに近いと主張されているようだが
それはどうかな?
コーカソイド特有のfb1B3遺伝子と、南方モンゴロイドが多く持つafb1B3遺伝子は
兄弟みたいなものだよ。むしろ北方モンゴロイド特有のab3st遺伝子の方がfb1B3遺伝子
とかけ離れたものだろう。
生物学的に考察すれば、南方モンゴロイドの方がコーカソイドに近いのでは?
Gm遺伝子分類によると、日本人とイギリス人の共通点はag遺伝子とaxg遺伝子の共有と言う事に
なるが、この両者はオーストラリアン・アボリジニーにもっとも特徴的に見られるものでしょ。
となると、日本人とイギリス人はアボリジニー的な形質の類似性で結びついており、日本人がコーカソイド
に近いと言う事とは全く別問題だろう。
555電波狸:02/08/18 19:31
>>553
>(ハンチントン的な意味での)「文明」の差を論拠とする
>「文明」決定論だったら、(政治的には正しくないとしても)
>論理的には、もっと反論が難しい主張になると思うんだが。

指摘された点はある程度妥当する面もあると思われ。
現在流行の文明論(文明史観)の特徴は、事実や事実相互の実在的連関
の代わりに、事実のもつ意味や事実相互の意味的連関を述べる点にある。
例えば、資本主義のグローバル化にともなって生じている各地域内及び
地域間の矛盾・対立という実在的連関にかえて、これを異種の文明間の
矛盾・対立という意味的な連関に置き換えることで、それがあたかも長
い歴史性をもった(宿命論的)問題あるかのように描き出し、その実在
的連関を歪曲・隠蔽する役割を果たしている(キリスト教的・合理主義
的文明圏vsイスラム教的・非合理主義的文明圏など)。

元来、事実(事実相互の連関)のもつ意味とは、事実(事実相互の連関
)の解釈を通じて得られるものだが、その意味の範囲はあくまでそれに
対応する事実に制約されている。この制約性を逸脱した意味(意味的連
関)の展開は、最早事実的根拠とは無関係な独自の意味的世界を構成す
る。
現在の文明(史)観にある程度共通するのは、こうした実在的根拠(歴
史的事実)を出発点としながら、それから逸脱した恣意的で奔放な意味
的世界を創り出し、今度はその意味から事実を導出(=説明というより
はコジツケ)してみせることで、現実の実在的世界(過去の歴史的世界
)に取って代わるという点である。

現在の文明史観のたぐいは、(一面で人々の既存の知識と接触面をもつ
から)もっともらしく説得的に見えるが、実際のところは安直な観念の
混ぜ物・安易で皮相な推論といった、偽装された観念的歴史観である場
合が多いと思われる。
556世界@名無史さん:02/08/18 20:03
>>542
>一方、古モンゴロイドにより構成される国家で彼等自身が日本やNIES並に発達した経済を打ち立てた実例を私は知らない。「ブラックアフリカしかり」

これは人種の差って言うより、気候の差なんじゃないの?
北方にくらべて、赤道直下付近は経済・文明発展の停滞が見られるってよく言うじゃん。
557世界@名無史さん:02/08/18 21:26
おいおい、なに言ってるんだよ、おまえら。

人種決定論とか唱えているやつら、どうせ人種論を専門に研究してるんだろ?
科学者はなんでも自分の専門分野に寄せて考えるから、シロウト以上のトンデモになるいい例だな。
専門であるがゆえに、視野が狭すぎるんだよ。

アジアでもっとも急速な高度経済成長をとげた日本が経済大国になったのも、つい30年ほど前だぜ。
いま現在の日本と比べて東南アジアが経済発展してないからって、人種に還元してしまうのは誤りだよ。
3,40年程度の時代的な誤差ぐらいあり得るだろ?
もう少し長いスタンスで歴史を見ろよ。

こうしているあいだにも自然科学的技術はかくじつに東南アジアの諸国家にも浸透して言ってるんだ。
どういちゃもんつけたって、技術革新によって、生産性はかくじつに向上していく。
相対的な差はあれ、生活水準は向上し、経済は発展していくだろう。

50年、もう少し長く見積もって100年たてば、東南アジアもじゅうぶんな経済成長を遂げて、経済格差が格段に縮まっていくのは目に見えている。
いま現在は誤差の範囲にしか過ぎないさ。
むしろ、人種論や先進国−発展途上国間の搾取論のような被害妄想は、経済発展を妨げる要因にすらなり得る。

半世紀後に、人種決定論とか唱えていたやつは、恥じ入ることがないようにな。
558猫電波:02/08/18 22:12
広義の「文明の衝突論」は、必ずしも文明の実在論的立場に立つとは限らず、
実在論的見方が「文明圏」を存在させる、とする見方もある(むしろ、多い?)。
559電波狸:02/08/18 23:59
文明史観(文明論)批判のつづき

前スレ(>>555)で述べたように、現在を対象とした文明論にせよ
過去を対象とした文明史観であれ、その特徴は現実の実在的(過
去の事実的)連関を意味的な連関に置き換えて、独自の意味の世
界を構築する点にある。
意味の世界では、歴史的時間性も共時性も存在しないため、ここ
から古今東西のあらゆる歴史的事象の奔放かつ独創的な(!?)関
連づけや比較が可能となる。

例えば、西尾幹二『国民の歴史』が、たかだかここ10年内外の日
本社会の状況を念頭に、現在の日本文化と古代ギリシャ文化との
近似性(!?)が述べられたかと思うと、今度は日本古代について、
中国側文献史料の信憑性の「薄弱さ」を根拠に、「森と石清水の
文化」(!?)なる多分に印象批評的な(つまり無根拠な)評価を
行っている点などは、まさにこの手の歴史観の融通無碍な性格(
=荒唐無稽性)を示す見本であろう。

人種論、民族(国民性)論、気候・地理などの風土論なども、個
別的には独自性(場合によっては科学性)をもつだろうが、ただ
しこれらが、この手の文明論の構成要素として利用された場合に
は、著しい歪みや非科学性を帯びることになる。
それこそ比喩的に云えば、人種論は血液型による性格診断に、国
民性論は国内での県民性論に、風土論は熱帯地方の人間は概して
勤勉性に欠けるなどの偏見に、といった卑俗な見解と大同小異な
ものであろうかと思われるが。
なる。
560世界@名無史さん:02/08/19 00:06
>たしかにそうだが、農業っていうのは技術だからな。
>その技術を身につければそれだけの選択の幅が増える。
>技術を身につけて、いくらなんでも生活水準が下がるっていうのはないんじゃない?

選択肢が1つ
・狩猟と採集で食料を得よ
しかないのと、
2つ
・狩猟と採集で食料を得よ。労働時間が短くてすむ。
・農耕で食料を得よ。生活は苦しくなるが人口が増えて戦争に強くなる。
あるのとでは、どっちが生活の質が高いのだろうか?

選択肢が増えると、短期的または個人的には生活が楽になる。でも、
選択肢が増えた人ばかりになってしまうと、選択肢の多い人どうしで
生存競争をせねばならなくなるので、いつの日か損をする。
561世界@名無史さん:02/08/19 01:03
・韓国の新聞などは「現実に "East Sea" と表記するサイトが増えてきている」と伝えている
 が、これは「日本海の名称は現在係争中であるから、係争が解決するまで両方の名前を併記
 せよ」という韓国側の圧力によるものである(現在国際的にはこのようなルールになってい
 ることは確か)。つまり、これをもって学術的な正当性が認知されたとするには明らかに
 無理がある。

・韓国政府が行っているロビー活動について知る由は無いが、民間の地図会社に対して行われ
 ている「活動」の実態は以下のようなもの(通常の活動を行っている人もいるだろうが):
 - 活動団体のサイトに、日本海が Sea of Japan と記述されている地図サイトの投稿がある。
- 活動団体は「地図サイトに抗議メールを送信する」ボタンを自分のサイトに設置する。
  ここで送信されるメールは以下の内容を含む。
o 韓国は "East Sea" が Sea of Japan の正式名称であることを主張している
o 現在の Sea of Japan という名前は日本の植民地支配によるもの(但し具体的な証拠は
   挙げない)
o そのため、Sea of Japan への改名、最低でも併記を関係国が合意に達するまでは行う
   こと。
- 活動の支持者は、このサイトを訪れて自分のメアドを入力してボタンをクリックするだけ
  で、その地図サイトに抗議メールを送ることが出来る
ネット上であるWebマスタがこの方式によるメールを毎日20通受け取ることになったので名前
 を変更せざるを得なくなったと言うことを述べ、この活動の裏側を明らかにしている。

http://forums.about.com/ab-geography/messages?lgnF=y&tid=3165&fpi=yes



188 名前:我々がすぐに始められる活動について[] 投稿日:02/08/17 13:05
※East Sea との表記を見つけたら抗議しよう

2ちゃんじゃないんだから「チョンは基地外だから」とか書くとあんたが機知外だと思われるぞ。
SPAMまがいのことも出来れば避けたい

「この地域の地名としては "Sea of Japan" が世界的に確立している。このように表記している
理由を教えて欲しい」が一通目。二通目はおそらく「韓国がこの地域が紛争地域と認定している
ことは承知しているが、それを理由に表記するにしても"Sea of Japan"が標準名称と分かるよう
に書くべき。」ぐらいか。
また、表記の理由を控えておこう。「この地域が紛争地域との指定があったから」とだけ言われ
たら、そこではおそらくどうしようもない。ただ、後日韓国側から「このサイトも正当性を認め
た」と主張された場合に反論できる証拠になる。「表記が不当であるとの指摘があったから」と
言われたら、上で書いた説明を送って欲しい。「純粋に韓国地域の地図であり、韓国内の呼称に
従った」と言われ、実際に日本が出てなかったら…。「そうであるなら、"East Sea"ではなく、
"Dong Hae"と表記して欲しい。この地域で"East Sea"という英語名は通用していない」だろうか。

※外国人のお友達に説明しよう

上にも書いたように、中国・ベトナムは自分の東の海を"East Sea"と呼んでいる。「韓国は
どのアジア人も"East Sea"というと日本海を想起すると嘘の主張をして、East Seaを日本海の
標準名にしようとしている」と説明すると、きっとおかしいと思ってくれるはず。
また、ヨーロッパの人々は、日本や韓国とは比べ物にならないくらい海事に対する意識が高い。
200年以上前の古い地図を引っ張り出して、各国がやっと作り上げた標準名称を破壊しようと
することに対する関心は、多分日本人が思っているよりかなり高い。

562参考までに:02/08/19 01:09
サハラ南縁地域の砂漠化と飢餓の進行は周知の通り。
こんなエピソードがある。

報道された飢餓状況を見かねて、あるとき親切な先進国のNGOが
その地域の遊牧民のために井戸を掘った。
井戸のおかげで家畜が死なずに済み、遊牧民は大いに感謝した。
しかし、水場が出来たため、遊牧民は井戸の近くから動かなくなった。
広い地域の草をちょっとづつ食べていた家畜は、
井戸の周辺の土地の草だけを食べるようになり、
近辺の草をことごとく食い尽くしてしまって、
草の無くなったその場所は砂漠となってしまった。
そうなると遊牧民は遠くまで家畜を食事に連れ出すようになっので、
砂漠化地域はますます広がって行き、ついに本格的な砂漠となった。

善意が逆の結果となった例だが、古代の農業革命と
それによる環境破壊をイメージするには、参考となるだろう。
歴史というのは「塞翁の馬」である。



563ついでに言うと:02/08/19 01:25
一人当たり生産量の増加とは「全体の経済成長率-人口増加率」である。
近代になっての先進国の生活水準の向上は、
全体経済の成長とともに人口増加率の低下のおかげでもある。

教育の普及は、二通りの経路でこれに寄与している。
一方では当然、産業の高度化に対応できる労働力や、
技術水準を向上させる科学者・技術者を養成することで寄与した。
しかし実のところ、結婚年齢を上げて女性の妊娠可能年齢を減らし、
「人並みの教育」という基準を上げることで育児費用を高騰させ、
人口増加率を下げることで寄与した面も大きい。
前者は為政者の思惑通りというわけだが、
戦前の日本など多くの政府は「生めよ殖やせよ」の政策だったから、
後者の人口抑制効果の方は、意図に反する副産物だったことになる。
歴史というのは「塞翁の馬」である。
564世界@名無史さん:02/08/19 04:33
人口が増えると一人一人の豊かさは減るが、国としての影響力は増す。
だからたいていの国は生めよ増やせよと言ったのだろうな。
一番良いのは、他人がまじめにたくさんの子を産んで、自分は適量しか生まない。
しかしこれが良い手である事に多くの人が気づいてしまった。
565電波狸:02/08/19 12:58
>>557
私も人種決定論はナンセンスだと思うが、545・546が提示したのは血液型
遺伝子組成から見た現在の人種分布を客観的に提示したもので、むしろ人
種に関するこうした科学的分析によって、人種と経済的能力や文化の特徴
(優劣)などを安易に結びつけようとする卑俗的見解(人種決定論)の誤
謬が間接的に示されていると思われますが。


>>558(猫電波さん)
>広義の「文明の衝突論」は、必ずしも文明の実在論的立場に立つとは
>限らず、実在論的見方が「文明圏」を存在させる、とする見方もある
>(むしろ、多い?)。
前スレ(>>555>>559)で指摘したのは、現代の文明論(文明の衝突論)
が、ある種の意味論的立場、つまり宗教・民族・風土といった側面に関
する固定的な観念を随伴する立場に立っており、現実に実在している経
済的・政治的な諸関係の軽視や先の意味論的視点からの解釈(歪曲)に
よって、俗耳に入りやすい固定的なイメージを流布させ、結果的に実在
的諸関係の隠蔽へと繋がっているのではないかという意見です。

また「文明圏」という(意味論的であるが故に)本来フイクショナルな
地域概念は、欧米諸国からの様々な圧迫を受け続けている第三世界の側
では、逆にこれと対抗するための思想的拠り所ともなり、地域的identity
を具現するものとして実在化されるというパラドックスが生じると思わ
れます。この点からすれば、
>実在論的見方が「文明圏」を存在させるとする、見方
も妥当するかと。
歴史的に見れば、主に西欧諸国の側で発生した文明論(他文化認識の一
形態)は、それを移入・受容した第三世界の側では、自己の文明(文化)
の非西欧的な独自性の自覚を生み出す契機ともなり、やがて西欧文明へ
の対抗を含んだ自己の文明(文化)尊重の主張や運動(アラブやイスラ
ムの大義)へと発展していったと思われる(そうした主張・運動を極限化
したのが政治的過激派であろう)。
こうした意味で、文明論(文明の衝突論)は、客観的な世界像とは逆に
イデオロギー的性格を色濃く帯びており、それに欧米側と第三世界側双
方が捉われて無用な対立・衝突を引き起こしているとも云える。
566世界@名無史さん:02/08/19 15:23
>>565
Gm分類によって人種間による能力差を測定するのは不可能だよ。
人間が生理活動「受精から固体の形成、老化して死亡するまで。」を行う
上で発現する遺伝子の数は数え切れないほど多い。Gm分類は大雑把に人種を
区分する上で大変役に立つが、この分類では皮膚の色や形態的な特徴、各種能力を把握するのは
不可能だ「形状や文化史レベルがあれほど異なる新旧モンゴロイドを区別できない。もっとも、
純血はありえないのでどちらかの要素の大きい人間集団と言うことになろう」
“新モンゴロイド的形質を発現する遺伝子を多く有する固体が、西欧科学運命へ対する優れた潜在的適応能力を
有する”と言う見方が妥当なのでは。おそらく適合能力と対応関係にある遺伝子の組み合わせなるもの
が存在し、それが分子生物学的な人種間の差異と対応関係にあるのではないだろうか。

人間は環境と遺伝によって能力やその固体が有する客観的な特質「喜怒哀楽が激しい、好奇心が旺盛だ、走るのが速いetc」
が決まると言って良い。Gm分類は人間と言う生物種が生存していく上で発現している数え切れないほどの数の遺伝子の中のごく一部を
抜き出したものなので、これで新旧両モンゴロイド間の能力差を測定するのは不可能だろう。
「実際新寒冷地適応型新モンゴロイドを区別する事さえ出来ない」
学習能力「記憶能力、IQ、想像力etc」を規定する遺伝子の解析進めば更に色々な事が分かってくるであろう。
それが人種とどう関連性をもっているのか興味深い。
Gm分類では南方モンゴロイドを規定する遺伝子を“赤”に色分けしているが、実際はこの“赤”は“白”「コーカソイドの持つ遺伝子」にかなり近い。
それをわざわざ“赤”にしたところに作成者の意図を感じる。

567世界@名無史さん:02/08/19 20:08
>>562
>歴史というのは「塞翁の馬」である。

このスレは歴史の一般的な傾向性(史観)を議論するスレだから、「塞翁が馬」を持ち出すのは不適切では?
それに一般性はないし、「理屈と軟膏はなんにでもつく」のたぐいだ。






568世界@名無史さん:02/08/19 23:09
>>560
>選択肢が増えると、短期的または個人的には生活が楽になる。でも、
>選択肢が増えた人ばかりになってしまうと、選択肢の多い人どうしで
>生存競争をせねばならなくなるので、いつの日か損をする。

意味不明。
狩猟採集の段階でも、農耕の段階でも人口が増えれば生存競争が激しくなる。ただそれだけ。

あと、狩猟・採集段階を牧歌的に考えすぎてるんじゃないの?
収穫の安定感がないぶん、生存競争は農耕段階よりも激しかったはずだ。
そうでなければ、人類はいつまでも狩猟・採集段階でとどまりつづけただろう。

ただ、どれだけ生産性が上昇しても、最下層の人間たちはやはり飢餓線状にいただろう。
それをサンプルとしてとり上げて、生活水準をうんぬん語ったって意味ないよ。
569塞翁の馬:02/08/20 02:04
にも一般性はあるだろ。
民族、自然環境、制度、等々はある時代や地域ではプラスになるものが違った時代や地域では
マイナスにもなりうる。長所と短所は裏腹だろ。
日本式経営とやらもリーダーの輩出や組織の変革の必要な時には足枷になっているんじゃないか?
ものごとは時代や地域によって相対的に多面的に捉えねばならないという意見だろ。
570世界@名無史さん:02/08/20 02:23
>566
黒人が持つab1b3も白人が持つ遺伝子fb1b3に近いのでは?
あと黒人が持つab3sは北方蒙古人のあb3stに近そうだ。
そう言えば黒人の中にはかなり日本人に似た人がいるね。中には蒙湖班が出る部族も
あるらしいし。マンデラとかも日本人「アジア人」ぽい。
まっ、全部の人種は兄弟ということで。w
571570:02/08/20 02:33
訂正          あb3st→ab3st
              蒙湖班→蒙古班 
572電波狸:02/08/20 02:51
>>566
血液型遺伝子組成による人種分類の問題には素人なので詳しいことは
知りませんが、要は465で提示された人種分類の方法が問題ということ
かと。基本的な知識がないのでお聞きしますが、こうした人種分類を
行っているのは専門領域としては人類学になるのですか?
またこうした人種分類から
>“新モンゴロイド的形質を発現する遺伝子を多く有する固体が、西欧
>科学運命へ対する優れた潜在的適応能力を有する”
という点まで分かるのでしょうか?
個人的には、文明というのは、技術・生産組織はもとより社会組織や政
治制度までを包摂した幅広いカテゴリー(個人から見れば社会環境の総
体)と考えているので、人種の個体的な特質が、(自然環境と並んで)
これらの社会環境の構造や性格にどの程度影響を及ぼすのかという点に
懐疑的なのですが………。
前レスで、人種決定論への否定的な意見が述べられていたのも、私のよ
うに現在の人種研究への無知もありますが、前世紀以来それが歴史に及
ぼした悪影響の問題があるからと思われます。
573電波狸:02/08/20 03:18
>>562・563
>歴史というのは「塞翁の馬」である。
事例の趣旨は、歴史において個人・集団の行為が生み出す意図
せざる結果の問題と受け取りましたが。
現在も過去も、人間は一定の目的(意図)をもって行為してい
ますが、不可測要因の作用によって常に目的を達成できるとは
限りませんし、また達成したと思っても予想外の結果や副産物
が生まれてくるという問題があります。
特に政治過程においては、個人や集団が権力の獲得を意図して行
動するわけですが、そこでの互いの競合・対立・抗争が当事者全
員の予想外の結果や新しい局面展開に帰結するという事態が、往
々にして起こります(政治は一寸先は闇)。
しかし、過去の世界における、こうした無数の人間(集団)の意
思と行為の錯綜・衝突の展開も、ある程度マクロな視野で見れば
一定方向に向かっての軌跡を描いていると云えるでしょうし、ま
たその軌跡を追跡していくのが歴史であると考えます。
574世界@名無史さん:02/08/20 03:29
>>569
>ものごとは時代や地域によって相対的に多面的に捉えねばならないという意見だろ。

まあ、いわんとしていることはわからなくもないが、歴史が複雑性であるというのは、いわば当然のことでしょ?
歴史を決定論的に取り扱えると考えるのは厨房だが、少なくとも傾向性として、確率論として取り扱うことは可能なはず。
もし確率論としても歴史を取り扱えないのなら、歴史は人文・社会科学と名乗るのはおこがましい、ただの恣意的な妄想の産物になってしまう。

塞翁が馬は、むしろその傾向性を混乱させる効果のほうが高くて、危険なんじゃない?
「風が吹いたら桶屋が儲かる」がまかり通るのなら、小林よしのりが言う「日本が大東亜戦争を戦ったから、アジア諸国が独立できたんだ」というような言説も認めなくてはならない。
恣意的に自由に因果関係をつくれてしまうのが問題だと思う。

それは歴史発展法則の一般性を混乱させるだけだろう。
史観と名乗る以上、「地域による多面性」は誤差として切り捨てられるだけの普遍性がほしい。

自由主義史観みたいに、極端に局地的な史観ももちろんあることはあるんだけど……。
ありゃ、社会科学というよりプロパガンダだしね。
575塞翁の馬:02/08/20 03:29
ある程度マクロな視野で見れば 一定方向に向かっての軌跡

具体的には?
576塞翁の馬:02/08/20 03:33
歴史発展法則の一般性とは?
577塞翁の馬:02/08/20 03:35
歴史観が地域性を軽視して良いというのはアブリオリに言えることではないだろ。
578塞翁の馬:02/08/20 03:40
歴史は確率論ほど明確な答えはだしてはくれないよ。
579塞翁の馬:02/08/20 03:44
では、中国が近代化できた可能性は1960年には何パーセントだ?
1970年は?1980年は?
580電波狸:02/08/20 04:40
>>575
「一定方向に向かっての軌跡」とは、全人類史の総過程について
云えば、原始共産制→奴隷制→農奴制→資本制というマルクス主義
の図式を念頭に置いている。
ただし、資本制以前の世界は地域により多様で独自な構造をとって
いたので(様々なタイプの前近代社会体制の並存状況)、上記の図
式は主にヨーロッバ地域にのみ該当する。
しかし、英国の産業革命・フランス革命以降のヨーロッパ近代国家
群=資本主義社会が形成されて以降は、その世界的拡大にともない
文字通りの世界史(「一定方向に向かっての軌跡」)となる。
欧州列強の勢力進出にともない、非ヨーロッパの各地域社会には多
様な変動が起こるが、独立した近代国家となるか、半植民地もしく
は植民地となるかという選択を強制されていき、日本の開国により
世界全体の席巻が一段落する。
(欧州の重商主義的な貿易・通商体制をも含めれば、17世紀以降と
なるが)これらの一連の過程を世界資本主義システムの確立過程と
して捉えることができる。
これは、前レスでの「一定方向に向かっての軌跡」の具体例のひと
つ。なお、こうした点は、課題設定(古代の世界帝国の確立など)
の仕方に応じていくらでも存在すると思うが。
581塞翁の馬:02/08/20 05:01
では、農奴制から社会主義に移行したロシアはマルクスが想定した社会
ではないと認めるか?
582電波狸:02/08/20 05:27
>>581
ロシアは農奴制から社会主義へ直接移行したわけではない(所謂
発展段階の「飛び越え」論の立場は採らない)。
19世紀末以降、上からの工業化により事実上の資本主義的生産様
式はある程度発展していた筈。少なくとも産業革命以前の明治日
本以上の重工業の発展は存在した(ちなみにこの時期の明治日本
を農奴制とはいわないと思うが)。
また革命後のロシアは国家社会主義であり、マルクスが想定してい
た社会像とは異なる。マルクスは先進資本主義国での革命を想定し
ていたし、レーニンにしても、革命当初はロシア革命が起爆剤とな
り西欧先進国で連鎖的に革命(世界革命としての社会主義)が起こ
ることを期待していた(というよりそれがなければロシア一国での
社会政権の維持も不可能と考えていた)。
大戦でのヨーロッパ各国の経済的荒廃や政治的混乱によって、(干
渉戦争はあったが)一国社会主義の維持が可能となった。
しかし結局、生産力の低位性に規定され、共産党=国家という特殊
形態での産業化=工業化を推進せざるをえず、統制経済型の国家社
会主義になったと考える。
583塞翁の馬:02/08/20 05:55
当時のロシアの最大の産業は農業だろ。従事者も最大だ。何をもって農奴制と言うのだ?
農奴制のメルクマールは何だ?
584塞翁の馬:02/08/20 05:57
時間的に限定された17、8世紀以降の傾向やヨーロッパと言う地域的に
限定された方向性がなぜ普遍的たりうるのだ?
過去には適用されない普遍性か?将来はということか?未来学か?
過去に適合的でない理念がなぜ歴史理論として普遍的たりうるのだ?

17、8世紀以前のヨーロッパ以外の地域の説明が曖昧に思えるが?
まさかとは思うが、モデルに適合的な地域区分や時間区分を恣意的にしている
わけではないよな?
簡単に言うと17、8世紀以降の資本主義だけが世界に普及したという理解でよろしい
か?
それ以前は地域限定だと。
なんか、時間と地域を限定しすぎて人類史の長く広大な17、8世紀以前の他地域への
言及が物足りない気がするのだが?
例えば中国やエジプトやシリア地域の17、8世紀以降の過去3000年以上に遡りうる歴
史は随分簡単な解釈だな。
あ、そっか、歴史は長さではないと言うことだな?歴史で時間的量を軽視する理由は?
585塞翁の馬:02/08/20 06:04
17、8世紀以降の近代的ヨーロッパ的理念にのみとらわれた理論に思えるが?
どうしても時間的地域的限定をしてヨーロッパ近代の個性をのみ強調しているように
思えるのだが?
そういった理念の恣意的偏重でないと言うならば、もう少しヨーロッパ以外の地域の17、8世紀
に言及してくれると有り難い。
586塞翁の馬:02/08/20 06:07
失礼。17、8世紀以前、、、でした。
587電波狸:02/08/20 07:02
>>583
農奴制とは、土地所有者である領主(地主)が、その直接耕作者
(農奴)から経済外強制(土地緊縛など)によって地代(剰余労
働)を取得するという生産様式。
なお、一つの歴史的社会(構成体)は、単一の生産様式のみで構成
されているわけではなく、通常は複数の生産様式が並存する。問題
はどの生産様式が(量的にではなく質的に)主要な生産様式である
かが、その歴史的社会を規定する指標となる。

19世紀後半のロシアでは、(不徹底とはいえ)農奴解放令により農
民の土地緊縛が弛緩し、農奴から自作農へ上昇する者もかなりいた。
他方ペテルブルク以下の主要都市では重工業も展開。19世紀末〜20
世紀初頭のロシアでは、大工場から中小工場に至る資本主義的経営、
マニフアクチャー(工場制手工業)や小商品生産、地主ー小作関係、
自作農など複数の生産様式が並存していた。
就業人口面では、量的には圧倒的に農業人口が多かったが、自作農
を除いた地主ー小作関係的な生産様式に比べれば、都市部での資本
主義的生産様式も(政府の保護・促進政策により)無視できない質
的比重をもっていた。
だからこそ、革命時の主力となったのは何よりも都市部の労働者階
級であり、労農同盟に組織された農村部の小作農もそれに次いだ(
革命に頑強に反対し反革命の中軸を担ったのは地主層)。
大雑把に云えば、当時のロシアは、農村部では農奴制的な残滓を残
した地主ー小作的生産様式が有力でありながら、都市部では資本主
義的な生産様式が急速に台頭してくる状態にあったといえる。
革命直前の段階では、もはや農奴制というよりは、初期資本主義段
階と考えた方が妥当と思われる。
産業革命を経た日本にとって日露戦争は国力すべてを集中して、ロ
シアに辛勝したが、他方ロシアにとっては本拠地(ヨーロッバ)か
ら離れた極東地域の戦争にすぎず、国力すべてを集中したわけでも
なく、持久戦ともなれば日本の勝利は覚束なかった。
この点でもロシアがいかに後進資本主義国とはいえ、その発展段階
を示す一証左にはなると思われますが。
588電波狸:02/08/20 07:13
>>584・585(塞翁の馬さん)
気がついたら世が明けてしまったようなので(当方消耗気味で
すので)。この2つは今晩にでもレスします。
御容赦のほどを。
589世界@名無史さん:02/08/20 11:08
>>576
>歴史発展法則の一般性とは?

だからこのレスじゃ、それを論じてるんだろ?
唯物史観とか、アメリカ中心史観とか、人種別発展史観とか、ヒューマニズム史観とか、このスレじゃ、比較的多様な史観が提出されておもしろいじゃないか。
歴史を普遍的に語れることができるか、が議題なんだよ。(人種別発展は、やや普遍性は落ちるが)

>>577
>歴史観が地域性を軽視して良いというのはアブリオリに言えることではないだろ。

べつに軽視しているわけじゃない。
歴史をもっとマクロ的に捉えようと言うことだろ?
歴史的な意味での、ミクロとマクロのちがいだよ。

>>578
>歴史は確率論ほど明確な答えはだしてはくれないよ。

>>579
>では、中国が近代化できた可能性は1960年には何パーセントだ?
>1970年は?1980年は?

もちろん数値化するのはむずかしい(数値で表そうという発想そのものがまちがってる。ゲームじゃないんだから)が、
まったく無秩序ではないということを強調したい。

歴史には反動というものが起こる。
中国だって、このまますんなり改革が進んでいくとは思えない。
自由を求める市場(下部構造)と、支配を維持しようとする共産党独裁(上部構造)が激突するのは目に見えている。
それ相応の混乱が大きい確率で予想され、そのために中国そのものが分裂するかもしれない。

しかし、どのような反動が起きようとも、中国大陸がしだいに近代化していくのはまちがいない。
諸地域によって一時的な確率変動は起こっても、時間がたてば(試行回数を増やせば)、確率論どおりの結果に落ち着く。
そういう意味での確率論であり、傾向性だ。

また、完全に無秩序じゃない以上、マクロ的に限って言えば、歴史を普遍的に語ることは可能だろう。
590世界@名無史さん:02/08/20 12:25
>589
内乱->核使用->あぼーん
があるので、時間がたてば、というのはどうかな?
591電波狸:02/08/20 17:21
>>584・585
前スレで、歴史は「ある程度マクロな視野で見れば一定方向に向かって
の軌跡を描いている」という当方の指摘に対して、具体例を示せという
ことだったので、資本主義世界システムの成立過程の問題を取り上げた。
従って、近代以前の非ヨーロッバ諸地域の歴史は述べていない。

最古の四大文明の成立から、ギリシャ・ローマ帝国、ペルシャやイスラム
教成立以降のイスラム諸帝国、インド地域の諸王朝、中国の歴代王朝、中
米・南米のマヤやアステカ、更に古代〜近世までの日本等々、近代以前の
世界は地域ごとに様々な国家・社会が興亡したが、個別的で断続的な交易
や征服・被征服関係(シルクロードやモンゴルによるユーラシア大陸の席
巻)はあったが、基本的にはヨーロッパも含めて世界は独自な諸地域の並
存として構成されていた。それがヨーロッパでの資本主義の成立と展開以
降激変した点は前スレで述べたとおり。従って、
>簡単に言うと17、8世紀以降の資本主義だけが世界に普及したとい
>う理解でよろしいか? それ以前は地域限定だと。
となる。
資本主義以前の諸地域の歴史については、ここで概括的に述べるスペース
も能力もない。それだけ多様で内容も豊富だということ(概ね地域別とな
っている歴史書にでもあたられたい)。
資本主義以降は、ある意味で世界の動向が均質化してくる(産業化・交通
の発達など)。この動向は現在の資本主義のグローバル化によりますます
加速されている(インターネットによる情報流通など)。

>歴史は長さではないと言うことだな?
歴史とは、基本的には出来事を時間軸で考えること。ただ時代により密度
の精粗がある(古くなるほど知ることの可能な情報量は減る)。また近代
以降は知ることの出来る情報量が増えると同時に、その関連性も密になる
(日本の居間のTVでアフガン空爆の状況が分かるなど)。


592電波狸:02/08/20 17:44
(591つづき)
>>585
>17、8世紀以降の近代的ヨーロッパ的理念にのみとらわれた理論
歴史貫通的な理念というものは存在しない(ヘーゲルの『世界精
神』など一部の歴史哲学にはあるが)。理念と歴史観というのは
一応別個のもの。

なおヨーロッパ偏重という点では、現在の歴史(学)には確かに
そうした傾向もある。それは現在の史叙述(原始・古代〜現代)
の規定をなす歴史理論(マルクス主義も含まれる)や歴史学の方
法が、概ね19世紀の西欧で形成されたという理由による。
そうした方法に対して、現在ではかなりの反省や修正が加えられ
つつあるが、前近代でも中東以下アフリカや南米などの歴史記述
は極めて不充分なのが実情(研究のスタートが遅れたため)。

最後にひとつ質問。
塞翁の馬氏は、前レスで、砂漠乾燥化と教育普及による出世率低
下の事例をレスした人と同一人物ですか?
593世界@名無史さん:02/08/20 17:53
改行や句読点を入れるスタイルが明らかに違うじゃん。
594世界@名無史さん:02/08/20 18:15
>>590
>内乱->核使用->あぼーん
>があるので、時間がたてば、というのはどうかな?

あれだけ危機の高まった冷戦時にも核は使用されなかったんだ。
人間は核使用を押さえられるだけの理性を持っていると信じたい。
しかし、少ない確率でも核が使用される可能性はある。
そのばあいは、核使用は究極の反動であり、確率変動と考えるべきだろう。

しかし、しょせん中国の核兵器だろ?
正確に把握してないけど、中国って水爆持ってるの?
水爆がなければ、たとえ使用されたとしても、中国大陸が完全に荒廃するとは考えにくいが。
595世界@名無史さん :02/08/20 18:27
核兵器の危険はむしろロシアだろう。まだたくさん核弾頭残ってるし。問題はそれを管理する能力が
ないこと。
かえって、このほうが危険なんじゃないか。
中国は専制的とはいえ国家体制がしっかりしているところは、(戦争の場合は別して)平時の管理はかえって
まともなはずだろ。
コワイのは、杜撰な管理で担当者か何かがウッカリミスするケース。
前の東海村の臨海事故のようなケースだよ。
ロシアの方がそうした可能性は高いだろう。
596世界@名無史さん:02/08/20 18:52
>595
だから、「国家体制がしっかり」してない内乱だってあるだろう。
冷戦は所詮冷戦で、米ソが直接侵攻しあったわけではない。
逆にいえば、それでも、キューバ危機であそこまでいったんだよ。

>594
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/eventJan96/1967.html
>中国 水爆実験に成功、米ソ英に次ぐ水爆保有国に(6/17)
597世界@名無史さん:02/08/21 06:58
歴史観のはなしするんなら、最近重版されたコリングウッド『歴史の観念』の内容でも議論したら?
いろんな歴史観についての概説としてはおもしろい。
けど、分野としては歴史哲学だからチョットむずかしいかも。
598世界@名無史さん:02/08/21 18:42
>>592
>歴史貫通的な理念というものは存在しない。
>理念と歴史観というのは一応別個のもの。
なぜ歴史全体的な理念は存在しないのですか? また理念と歴史観はどうちがうの? 歴史観もひとつの理念なんじゃないの?

理念を思想だとすれば、歴史観も思想だと思うし、進歩・発展みたいな歴史全体に及ぶ思想もあるんでは?
599世界@名無史さん:02/08/22 03:14
>>596
>中国 水爆実験に成功、米ソ英に次ぐ水爆保有国に(6/17)

まじかい。そんな大昔にすでに持っていたんだな。
先行者の国だからてっきり持ってないかと思ってたヨ。

>>598
>なぜ歴史全体的な理念は存在しないのですか? また理念と歴史観はどうちがうの? 歴史観もひとつの理念なんじゃないの?

きみの言うとおりだと思うけど、電波狸さんは唯物論者なんだろ。
だから理念なんて、観念論的なシロモノは認められないんだよ。
観念=恣意・妄想・電波と、どうしても思ってしまうんだろね。

上部構造の発展史を独立的に認められないのが、どうしても唯物史観者の限界になってしまう。
600塞翁の馬:02/08/22 09:49
やっぱりおかしな矛盾が多いな。
歴史観と言うからには過去の事実に対しても須らく普遍的でなければ普遍的な歴史観とは呼べないよ。
過去現在未来に亘って且つあらゆる地域において通用するものを普遍的とよぶのだろ?
そうでなければ地域或いは時代に限定的なものにすぎない。
自分の意見の矛盾に気がつかなきゃ。
時代や地域を限定しているのは間違いないね?あと592での意見は明らかに現代の視点にとらわれていると言うことの自認だな。
それを相対化しろと言っているのだよ。

あと、経済を重視する歴史観がなぜ定量的なものを軽視して質的な観点で農奴制を語るのだ?
マルクスが経済に重点を置いた一つの理由は定量的な数値化しやすいものこそが客観的に認識比較しやすいからだろ。
これは経済学の大前提だ。
その最たるものが生産力だろ。当時のロシアの生産力で大きなウェイトを占めていたのは農業だ。
ロシア農奴制に限って定量的な視点を軽視して、20世紀まで家畜の如く売買されていた農奴下の農奴制を軽視し、
工業の萌芽と言う点にだけ着目するのはなぜだ?生産力の軽視か?即ち当時の基本的な経済力の軽視と言うことだな?
それでロシアの19-20世紀は農奴制ではなく資本主義だと言うことか?
やはり矛盾してないか?農奴制にだけ唯物論を軽視していないか?

簡単に聞く。19世紀ロシアの生産力で最大のものは何だ?最重要なものは何だ?
国民の殆どが従事していた産業は何だ?貴族の最重要な経済基盤は何だ?
工業ということかな?農業であるにも拘らず資本主義的工業の時代と言うのか?
だとしたらそれは歴史的事実を表した時代認識ではない。
それは最早歴史でも歴史観でもない。
ただの観念論だ。

自らの唯物論が唯心論に転嫁していることに早く気づけ。


601世界@名無史さん:02/08/22 16:24
>>600
同意だな。

革命前後のロシアを調べれば調べるほど、唯物史観との矛盾は大きくなる。

マルクスは資本主義のもっとも発達した国で共産主義革命は起こると言った(これは、段階的な歴史発展法則からすれば、当然のことだろう)が、
しかし、実際はロシアのようなヨーロッパでも後進国とされている農業国で起こった。
ぎゃくに、アメリカのような先進国では、ついに共産主義革命は起こらなかった。
共産化したのは、貧しい国々ばかりだ。

これは共産主義革命というものが、歴史の本流からすれば亜流であり、きわめて反動的なものだったということを示している。
だから容易にスターリニズムに乗っとられたのだ。

下部構造決定論に立つかぎり、歴史の本流は理解できないよ。
602電波狸:02/08/23 03:20
>>598
コトバが足りず誤解されたようですが。
「歴史貫通的な理念というものは存在しない」というのは、原始〜現代に
至るまで一貫して実在し続けた思想は存在しないという意味。
いずれもその時代的・地域的な限定性をもつ(キリスト教や仏教など広範
な地域で長い歴史をもつ宗教=思想にしても然り)。
歴史観も思想の一形態(歴史を対象とする思想)であり、その時代と地
域により多様(現代でも複数の歴史観が存在している。唯物史観・進歩
史観・文明史観や各宗教別の歴史観など)。またこれら個別の歴史観は、
それぞれの固有の視点から過去〜現在(未来)を一貫した立場で把握す
る。
唯物史観の場合は、過去の歴史的社会をその経済的関係(物質的社会関
係=土台)を基礎に、政治的・法的関係及び観念諸形態(イデオロギー
的社会関係=上部構造)を把握しようとする方法を採る(単なる経済中
心主義というわけではないことに注意!)

握しようとするもの。

603電波狸:02/08/23 04:19
>>600
あなたの云う「普遍性」が「何についての」という点で了解し兼
ねたが、個々の「歴史観」内部の特徴としては、指摘のとおり
>過去現在未来に亘って且つあらゆる地域において通用する
「普遍性」をもつ。

>革命以前のロシアの経済段階について
農業人口の比重だけではその経済の性格規定にはならないと思われ。
19世紀末〜20世紀のロシア農村では、自作農・小作農などいまだ生
産手段(土地・用具)から分離されていない一部の階層を除き、圧
倒的な比重を占めたのが(無所有の)貧農。彼らは都市に流入して
商・工業労働者となるか、農村で商業的農業を営む地主資本に雇用
される農業労働者となるか(もしくは石炭鉱山労働者)であった。
農業経営=非資本主義経営とは限らないことに注意(例:現代の多
国籍資本による第三世界でのagri-business。現地のコーヒーやバナ
ナ農園での農業労働者のミゼラブルな状態は、かつてのロシア貧農
の姿でもある!)。
従って、
>19世紀ロシアの生産力で最大のものは何だ?
以下への答えは、資本主義的生産様式。
ただ、工業部門では労働者を雇用する企業の経営規模が総じて小さ
く大企業に比して中小企業の圧倒性)、農業部門での労働者の多さ
が示すように、極めて資本主義経済としては後進的性格が強い。
604電波狸:02/08/23 04:54
(603つづき)
革命前のロシアについて、ツアーリズムの前近代的かつ専制的な性
格(主に政治的な統治構造に関する問題)と経済制度(後進的資本
主義)とは不可分な関係にあるが、一応は区別して検討すべき事柄。
戦前日本の体制が、「軍事的半封建的絶対主義」と規定されるほど
に専制的で抑圧的な天皇制的統治構造をとっていたという問題と、
経済制度としては資本主義体制(それも独占資本主義段階)であっ
たこととは矛盾しないのと同じ。
ちなみに当時の日本でも産業別の就業人口では、商・工業従事者よ
りも農業(漁業・林業)従事者の方が圧倒的な比率を占めていた(
戦後の高度成長期までは第一次産業就業者の比率の方が高かった)。
605電波狸:02/08/23 05:36
>>601
>マルクスの学説の時代制約性
マルクスが分析の対象とした資本主義は、歴史的には19世紀後半の
産業資本主義(政治的には自由主義体制)。マルクス死後、19世紀
末には資本主義は独占資本主義(政治的には帝国主義体制)へと変
貌した。この点の変化(いわば資本主義の生命力)については、マ
ルクスは見越せなかった。

>共産主義革命というものが、歴史の本流からすれば亜流であり、
>きわめて反動的なものだった
歴史的思考というのは、「亜流」「反動的」などの価値判断をする
前に、まず事実の客観的経過や何故起こったかの条件・理由を考え
てみることが基本じゃないのかな(後進資本主義国にも拘わらず革
命がなぜ起こったかなど)。

>下部構造決定論に立つかぎり、歴史の本流は理解できないよ。
下部構造=経済制度を重視する考え方は、何も唯物史観に限らず、
歴史分析にせよ現状分析にせよ常識だと思いますが(経済のグロ
ーバル化と云われ、株価や為替の変動が常に政治・社会問題と密
接に連動していることは日常経験している筈だが………)。
606塞翁の馬:02/08/23 08:08
農業人口の比重だけではその経済の性格規定はできないんだな?では生産力の比重はどうだ?
19世紀のロシア政府の歳入で最大のものは何だ?輸出品で最大のものは何だ?
大陸封鎖でロシアが根を上げた理由は何だ?19世紀末だけが19世紀なのか?

まだ、経済を重視する立場がなぜに定量的な見方をしないか答えていないな。
なぜ質にこだわり量を軽視するのだ?数字や統計を軽視する経済学などはじめて聞くが?


なるほど、603を読むと農奴を利用した農業部門は資本主義的生産様式だと言うことだな?
では、資本主義的生産様式と農奴制下での生産様式は何が違うのだ?
農奴制は資本主義に含まれ得ると言うことだな?
では、なぜ農奴制と資本制を区別するのだ?

最早、殆ど支離滅裂だろ。

603は意味不明だな。歴史観なんだから「歴史に対して」に決まっているだろ。
歴史とは先ずもって過去のことだ。過去に普遍性がないものは歴史観とは言わないよ。
地域もヨーロッパに限定しているな。そう言うのは普遍性がないと言うんだよ。

言葉や概念の遊びになってないか?解釈論の限界だよ。
602の意見は唯物論は宗教との類似性があると言う理解でよいか?

まぁ、頑張れや、狸ちゃん。
607風向:02/08/23 09:18
> 数字や統計を軽視する経済学などはじめて聞くが?

ゲーム論や新制度学派経済学では、どういう制度(ルール)のもとで
経済活動が行われているかが研究されてます。そこで重視されている
のは、定量的な情報とともに定性的な情報です。そこまで新しくなく
ても、例えば生産関数を導出しようとする時は、採用されている技術
の定量的把握という作業の影で、当然ながら具体的にどういった技術
が選択されているのかという質的な考察が働いているはずです。

農奴制とは、電波狸さんが587で述べているように、
> 土地所有者である領主(地主)が、その直接耕作者(農奴)から経
> 済外強制(土地緊縛など)によって地代(剰余労働)を取得すると
> いう生産様式
であり、農奴とは所有権は無いが耕作権はある存在(その代わり土地
に緊縛されていたりする)。603で紹介されている貧農は、所有権も
なければ特定の耕地を耕作する権利もない、いわゆる「二重の意味で
自由な労働者」でしょ?その辺は、電波狸さんの説明は明快だと思い
ますよ。もう少しちゃんと読んであげないと。

他方で、電波狸さんの「原始共産制→奴隷制→農奴制→資本制という
マルクス主義の図式を念頭に置いている」というのも問題な気がしま
す。生産関係が上部構造を規定する、というのは説得力がありますが、
それぞれの社会体制と生産様式が上記の通りに完全に1対1の対応関係
を持つというのは無理があるでしょう?その辺は言葉遊び的な感が否
めません。現代の日本で、株式を保有している人は多いと思いますし、
郵貯や銀行預金が全く無い人はほとんどいないでしょう。それらの余
剰資金は金融市場を通じて生産手段の購入・更新に使われていますが、
これをもって生産手段の共有だと言えなくもない気がするのですが。
608塞翁の馬:02/08/23 10:00
「貧農」などとは普通は言わないんだよ。工場労働者でさえ売買可能な財産として抵当化
しうる農奴だったのだよ。20世紀までね。家畜と同じだよ。
その定義や用語自体が歴史的事実を表しているとは言い難い。

あと、経済の数字に関しては、農奴制の時代の全体を見ず一部の徴候
を抽出して大部分を曲解しているから言ったのだよ。
明らかに定量的な考察と正反対だからだよ。
通常、マルクス主義者の経済史でも19世紀の農民を貧農などとは言わない。
農奴と言うよ。

君は家畜同然の存在に本当に「耕作権」とやらがあったと考えるのか?
では牛にも耕作権とやらが生じるぞ。耕作権はおろかそもそも権利等と言うものはない。
義務はやたら多かったがな。

君の意見を具体的に聞きたい。当時は農奴制ではなかつたと言うことかな?
本質的な反論が聞きたいが?
日本の株式市場は日本的社会主義と言う意見か?

現状或いは現代だけを見て歴史理論は無理なんだよ。
どうして過去に適用できない理論を歴史理論といいたがるかなー。
歴史は本質的に人類の過去を研究する学問だよ。
なぜ過去を軽視し得る?
最早、論理矛盾でさえあるだろ。
609風向:02/08/23 10:42
まず、僕の立場は、「普遍的」な歴史理論は無い(か、今のところ見つ
かってない)というものです。ただし、部分的に方向性を見出せるよう
な法則はあるだろうと思ってます。この場合、「歴史」理論とは言えな
いのかも知れませんが。マルクス主義的な発展段階論については懐疑的
です。

告白しますと、僕は北欧、ロシアの農奴制については全く無知です。
ですが、電波狸さんの説明を読む限り、19世紀のロシアにおける農業
生産は、農奴制ではなくて、資本主義的な、したがって資本(とロシ
アの場合土地もですか?)を持つ農業経営者が農業労働者を雇用して
農産物を生産する体制だったと読めます。他方で、塞翁の馬さんは、

> 工場労働者でさえ売買可能な財産として抵当化しうる農奴だった
> のだよ。20世紀までね。

とおっしゃる。つまり、電波狸さんの説明から敷衍すると、工場労働
者さえ、経済外強制が働いていて、他者による人格支配が及ぶ存在だ
ったと読めるのですけど、本当のところはどうなのか、是非教えてく
ださい。

("peasant"を連想させる「貧農」は、用語としては良くないかもしれ
 ません。小作人と農業労働者は違いますから。)

> 日本の株式市場は日本的社会主義と言う意見か?
僕の前レスの最後のところは、「そう言っちゃったら、それは言葉
遊びに過ぎないでしょう?」という意味で書きました。日本的社会
主義と言う意見ではありません。
塞翁の馬さんは、すべての時代、すべての地域に適応できる歴史理
論は存在するとお考えですか?
610世界@名無史さん:02/08/24 03:02
>>605
>(後進資本主義国にも拘わらず革命がなぜ起こったかなど)。

後進資本主義だからこそ、革命が起こった。
これが、革命が亜流であり、反動であることの大きな根拠。

>下部構造=経済制度を重視する考え方は、何も唯物史観に限らず、
>歴史分析にせよ現状分析にせよ常識だと思いますが

そりゃ、きみが資本主義の歴史段階を、すべての歴史に適応できると考えているからだよ。
マルクスは、上部構造は下部構造に規定されていると言ったが、まさにきみがそれに取り込まれているということ。
下部構造決定論は、経済が社会の中心となった資本主義段階だからこそ有力になった説。

中世では、カトリックのような宗教のほうが、経済よりもはるかに現実的拘束力を持った。

唯物史観は、資本主義段階が終われば廃れていくよ。
もうすでに廃れているが。
611世界@名無史さん:02/08/24 03:12
>>609
>「普遍的」な歴史理論は無い(か、今のところ見つかってない)

あるよ。
むしろ、部分的な方向性のほうが、ミクロ的であるぶん、発見するのはむずかしい。

このスレで知ってるのは、どうやら11だけくさい。
やつは釣り師だから、「ヒューマニズム史観」とか「アメリカ中心史観」とか言ってブラしているけどな。
612世界@名無史さん:02/08/24 04:34
ないね。
613世界@名無史さん:02/08/24 06:10
あるよ。
きみが知らないだけ。
614じゃあ:02/08/24 06:20
教えてちょんまげ。
615まかさ:02/08/24 06:34
自然法なんてやつじゃあないよね?
616世界@名無史さん:02/08/24 06:51
教えたら、このスレが終わっちまうだろ?

おれは釣り師の11の苦労をフイにするつもりはないね。
どんな多様な史観が出てくるのか、もうすこし見てみたいし。
617提案:02/08/24 07:22
地理学にはモデル大陸というのが登場する。
「大陸の西岸では、植生・気候帯が低緯度から高緯度に向かって、
 熱帯雨林、サバナ、砂漠、地中海型、西岸海洋性……と遷移する」
といったような規則は、どの大陸にも共通しており、
大陸の配置や形を変えて描いた仮想上のマップにでも、
現実の気候帯配置から抽出したモデルが当てはまるだろう。

ユーラシア、アフリカ、豪州、南米、北米の動物相・植物相は、
大陸ごとに異なる固有の生物種が配役されているが、
「草食獣、肉食獣、虫食性動物……」
といったような役(ニッチ)の構造は基本的に一致している。
つまり各大陸の生態系は、同じ筋書きの芝居なのであり、
演じる役者が大陸ごとに違っているだけなのである。
それを抽象化したモデル生態系を考えることもできるだろう。
ドゥーガル ディクソン『アフター マン』『新恐竜』といった著作は、
別の時間線におけるモデル生態系を描いた図鑑ということになる。

歴史学にとっての史観は、地理学のモデル大陸に対応するものである。
歴史の中には蓋然性の高い事象があり、史実とは異なった形であれ、
その事象自体は、いつかは必然的に起きただろうと考えられる。
例えば、南北アメリカ大陸の原住民は
ユーラシアの病原体に免疫を持たなかったから、
1500年頃の南欧人ではなくバイキングやポリネシア人によって
新旧両大陸の永続的な交流が開始されていたとしても、
どのみち接触後には南北アメリカに疫病の波状的流行が起こり、
アメリカ大陸の人口は激減することになっただろう。
そういう必然的イベントを、狩猟採集段階から工業段階まで列挙し、
重要性を評価していけば、モデル大陸に相当するような、
歴史の一般化モデルのイメージを共有できるんじゃないかと思う。
618風向:02/08/24 10:54
>>610=611=613=616(ですか?)
> 中世では、カトリックのような宗教のほうが、経済よりもはるかに現実的拘束力を持った。

僕の想像だと、小麦、大麦、オーツ麦などの作物のミックスを決める時、
リスク分散的考えよりも神の声に従った、とか、日曜に収穫してしまわなけ
れば、大量に小麦が腐ってしまうけど、安息日だから働かない、といったこ
とを思いつくのですけれど、あなたが具体的に想定しているのはどういった
状況なのでしょうか。教えてください。

> あるよ。
...
> 教えたら、このスレが終わっちまうだろ?
その「普遍的な歴史理論」の妥当性が語られていくと思うので、スレ自体は
終わらないと思います。あなたが示したら、全員が「あぁ、そうだね、その
通り」と納得してしまうような理論だったら別でしょうけれども。是非とも
開陳してください。
619電波狸:02/08/24 20:01
同じ議論を何度も繰り返すのは、少し面倒になったので、革命前のロシア
社会の性格について、(前レスとの重複もありますが)まとめておきます。

少し長くなりますが、御容赦のほどを。

まず、農奴制と資本制の一般的特徴を整理すると………

農奴制では、領主(土地所有者)が、農民(農奴)より経済外強制(土地
緊縛・領主裁判権など)を通じて地代(剰余労働)を取得する。
資本制では、資本家(生産手段の所有者)が労働者(労働力商品の所有者
)を賃金で雇用し、その使役(労働過程)で生じる利潤(剰余価値)を取
得する。
農奴制下の農民は、領主より分与される一定規模の保有地(耕作権)と自
己の労働手段(農具や牛馬など)をもつが、資本制下の労働者は、自己の
(技能も含めた)労働力以外は所有してない。領主は、地代を農民の収穫
物からの一部貢納という形態で取得するが、資本家は、労働者の指揮・監
督を通じた労働過程で生じる、(賃金以上の)利潤を剰余価値として取得
する(この利潤が経済過程での取得であるのに対して、地代は経済過程外
での強制的な取得であるため「経済外強制」と云われる)。
620電波狸:02/08/24 20:04
(619つづき)
つぎに農奴制社会の一般的特徴として………

農奴制下の農民にも、富農(地主的経営)・中農(自作農)・小農
(自小作農)の階層性があり、彼らは一定規模の村落共同体(ロシ
アの場合はミール共同体)を形成していた(領主の規制強化と農民
間の相互扶助という二面の役割を果たす)。

また地代にも労働地代・生産物地代・貨幣地代の別がある。
典型的な農奴制の場合、農民は、労働地代として領主の直営地を(
無償で)耕作し、同時に自己の保有地での収穫から生産物地代を納
めるという形態。生産力の上昇などにより、次第に労働地代は軽減
(消滅)して生産物地代への比重が高まるが、更に商品経済が農村
へ浸透するようになると、地代を貨幣で納める形態が一般化してい
く、というのが地代形態から見た農奴制=封建制社会の歴史的な推
移。
生産物地代や貨幣地代の段階となると、農民の土地保有権は強化さ
れ、領主―農民関係も地主―小作関係に近似的な形態となるが、他
方で農民層分解により富農―小農間にも地主―小作関係が成長して
くる。

19世紀のロシアの農奴制社会とは、以上のような形態であったと思
われます。
621電波狸:02/08/24 20:12
(620つづき)
最後に19世紀後半〜革命前の社会構造として………

1861年の農奴解放令により、土地緊縛(農民の自由な移動の禁止)・領主
裁判権(身分別の不平等な権利)などが廃止され、農奴制は形式的には消
滅する(ミール共同体も弱体化)。
しかし土地は有償還付で、農民たちは、自己の保有地を買い取る必要があ
ったため、中農・小農の大半は自己の土地を手放し、反対に富農層による
土地集積が進展し、中農層の没落(小作人化)、小農層の半プロレタリア
化(小作地耕作と賃労働による収入)やプロレタリア化(完全な賃労働者
化)に結果した
前レスで貧農といったのは、主にこの没落小農層を指す)。
彼らは、都市部に流入して商・工業労働者となるか、農村部で富農層の農
地の耕作労働に従事するか、また彼らが経営する搾油(搾乳)工場や麦挽
き割り工場での労働者となるか、である。

つまり、この時期以降、一方では富農層・旧領主層(貴族層)への富の集
積とその農村・都市工業部門への資本投下による資本の集中が、他方で(
生産手段と身分的隷属からの二重に自由な)労働者が大量に析出されると
いう資本の本源的蓄積過程が展開した。

従って、19世紀末〜20世紀初頭のロシア資本主義は、それが未だ農村工業
の比重がかなりあり、都市部での工業も重工業より軽工業のが中心という
意味で後進的ではあるものの、資本主義の確立過程であったと評価できる。
622世界@名無史さん:02/08/24 22:00
頑張ってるけどサー。
ロシアの工業の発展は伝統的に軍事を重視して発展して来たものだよ。
農奴が20世紀にも売買されていたのは嘗ての農奴自身が確か革命前の国会で
述べていたはずだよ。
狸ちゃんの意見は概念的評価だけで事実があまり
ないよね。具体性かない。無理だよ、そう言う解釈は。

あと、あっても教えないなんて輩はどうせ大した意見じゃないだろうから
気にする必要ないだろ。
623617:02/08/25 00:37
一番最初の大きなイベントは、植物の栽培化と動物の家畜化である。
仮に、この段階で史実とは全く異なった生物種が選ばれていたら、
その後の歴史の展開は全く変わってくるわけだ。
しかし、Jダイアモンド『銃・病原体・鉄』に記されている通り、
栽培されなかった植物・家畜化されなかった動物には、それぞれ理由がある。
どの時間線でも、犀や河馬を家畜化する文明は現れないだろうし、
栽培植物や家畜動物の品種のレパートリーは大枠で似ているだろう。

とはいえ、この世界での主要な品種がマイナーになっていたり、
逆に、この世界での補助的な品種がメジャーになっていたり、
といった程度の小異はあるだろう。
例えば<この時間線>の中東では、豚は飼育されない。
しかしこれは、ユダヤ教・イスラム教の教義が禁じているという、
ローカルな理由で生じた現象なので、必然とは言えない。
中東で豚を飼う時間線だって幾らでもあるだろうし、逆に、
似たような宗教的禁忌で別の生物が禁止されている世界もあるだろう。
最近は駝鳥の肉がブームで、駝鳥牧場の話題をニュースで見かけるが、
歴史の初期から駝鳥が主要な家畜になっている時間線もあるかもしれない。

アメリカ大陸原住民の祖先のアメリカ大陸侵入と同時期に、
アメリカ大陸では多くの動物が絶滅しているが、
獲物として狩り尽くされたせいだろうと考えられている。
この結果、アメリカ大陸には馬が存在せず、
歴史の発展がユーラシアに遅れをとる一因となった。
仮に馬が絶滅せず、アメリカ大陸の文明進歩が多少早まったとしても、
諸文明が知識と発明を交換し合うユーラシア大陸ほどにはならないだろう。
大半の時間線では、ユーラシア大陸が歴史の主要舞台であるはずだ。

ユーラシア内陸部には広大な草原地帯がある。
ここは農業には適さないが、遊牧生活には適している。
馬が家畜化されるのは蓋然性が高いと思うが、仮に馬が家畜化されなくても
駱駝が代わりとなって、草原地帯は遊牧民の世界となるだろう。
遊牧民の人口は農耕民よりも少ないが、馬や駱駝を乗りこなせるので
機動性が高く、一人当たりの戦闘力は大きい。
ユーラシア周辺に幾つもある大河川流域が大文明の本拠地となり、
それらの文明が遊牧民にたびたび侵攻される――という緊張関係が、
どの時間線でも農業段階のユーラシア史の大枠となるだろう。
624電波狸:02/08/25 01:03
>>607(風向さん)
>それぞれの社会体制と生産様式が上記の通りに完全に1対1の対応関係
>を持つというのは無理があるでしょう?
前レスでは、19世紀〜20世紀の封建制から資本制への移行期における支配
的な生産様式の変化(農奴制→資本制)を強調したので誤解を受けたよう
ですが、「1対1の対応関係」とは考えていません。
農奴制下の社会でも、前レス(>>620>>621)で示したように、農奴主(
領主)的経営、地主(富農)的経営、自作農経営があり、都市部も含め
ればマニュフクチュアや問屋制家内工業的経営、商人・職人の小経営と
いった複数の経営類型(生産様式のタイプ)が存在するでしょう。
問題は、どの生産様式がその社会の基軸(=政治権力の基盤)をなして
いるかという点であり、この点は初期資本主義社会でも同じで、変化は
農奴主的経営の消滅、自作農経営の減少、資本主義的工業経営の出現と
拡大といった点でしょうが、最後の経営類型が基軸をなし他の生産様式
をそれに従属させていくことになります。

>株式保有と生産手段の共有の問題
この点については、やや意見を異にします。
私は現在の大企業の株式の大半は大企業間の持ち合いで、一般の諸個人の
株式保有率は低いと思われますが……。
また現在では、一般の大企業では経営と所有が分離し、(新興企業の場合
を別とすれば)社長=大株主という形態の資本家はいません。しかしサラ
リーマン社長であっても、その役割は従来の経済的人格としての資本家が
果たす機能と何ら変わらず、企業の巨大化の必然としてそれが個人的人格
から集団的人格(取締役会)へと組織化=強化されたものと考えます。
従って、生産手段の共有化論(所有は資本家個人から多くの株主たちに移
行したから資本主義的所有は社会化されているという議論)には賛成しか
ねます。何よりも近年のリストラ・賃下げ・労働諸条件の低下など、企業
が労働者に対してこれだけの専権を行使出来ること自体が、資本主義の本
性を示しているものと考えていますが……。
625電波狸:02/08/25 01:32
>>610
>中世では、カトリックのような宗教のほうが、経済よりもはるかに現実
>的拘束力を持った。

カトリック=宗教が拘束力をもったのは、その布教を行っている教会(僧
侶集団)が、独自の所領をもち国王・貴族とならぶ支配階級の一角を構成
していたから。国家権力の一分枝として、国土全体に及ぶ教会組織を通じ
て、民衆に対するイデオロギー支配の役割を担当していた。
日本中世でも仏教の影響力は大きかったが、それは当時の寺院が、巨大な
荘園領主として武家・公家とならんで国家の支配階級を構成していたから
というのと同じこと。
626世界@名無史さん:02/08/25 01:37
>623
面白いage
627電波狸:02/08/25 01:40
>>617
>歴史学にとっての史観は、地理学のモデル大陸に対応するもので
>ある(以下略)
(地理学については素人ですが)興味深い内容です。
御指摘のとおり、歴史理論もひとつのモデルと考えますし、哲学的
な思弁や観念的な言説としてではなく、歴史事象を解明する際の説
明モデルとして利用してこそ意味があると思います。
628電波狸:02/08/25 01:52
>>622
後進資本主義国(ドイツ・ロシア・日本)では、国家権力が強行に
資本主義を生育するためその軍事部門での工業化が先行する(資本
主義の自然成長性にあまり期待できないため)。

歴史理論(歴史観)というのは、一般性をもつから理論なのであり、
そのために範疇や概念を使用する。単なる具体的な個別事実をいく
ら羅列しても歴史理論にはならない。
629狸ちゃん:02/08/25 04:23
いやいや、理論はそれでいいんだが、ロシアの歴史自体を説明するには
理論ではなく事実の具体的な説明はいるでしょ。
当て嵌めってやつよ。
それとも、ロシア史の為の歴史理論が個別的にあるということ?
簡単に聞きたいんだが、農奴と言う用語を20世紀に使うのは正確に
言うと間違っているという事?
でも、そうなると独善じゃないの?
農民が実際に取引されていたと言うことへの説明がつかないよ。
630電波狸:02/08/25 04:43
夏はどうも不眠症でまた寝そびれてしまいましたが………。

>>629
>農奴と言う用語を20世紀に使うのは正確に
>言うと間違っているという事?

逆に聞きたいが、1861年の農奴解放令以降、公的に農奴という存在は認め
られていたのか?
勿論社会的実態として、旧来の農奴的存在が残存していることは想定され
るが、それが社会構成においてかなり決定的比重を占めたかどうかという
ことが問題と思われますが。
旧来の領主―農奴関係が、そのまま地主―小作関係や資本―賃労働関係に
表面的には偽装したかたちで転移している場合はあるだろう。
例えば法外な小作料や地主への無償での労働奉仕慣行、賃労働とは名ばか
りの工場内のタコ部屋的居住と奴隷同然の過酷な使役等々………。

そういう社会的実態面から「農奴」の存在を主張しているのですか?
631風向:02/08/25 07:21
>>624(電波狸さん)
丁寧な説明、ありがとうございました。僕も、様々な生産様式が並存してい
るのが常態で、支配的な生産様式が交替していくというイメージを持ってい
ます。ただ「支配的」という言葉については、数的優位くらいの漠然とした
意味しか考えていませんでした。「その社会の基軸(=政治権力の基盤)」
というふうにすぐにつながるかのかはよくわかりません。政治の主導権が地
主利害から商工業利害へ移ったあたりを資本主義の成立ととらえると、なる
ほど19世紀の前半から中期にかけて英でも米でも政変が起こってますね。

> 何よりも近年のリストラ・賃下げ・労働諸条件の低下など、企業が労働者
> に対してこれだけの専権を行使出来ること自体が、資本主義の本性を示し
> ているものと考えていますが……。
友人に金融コンサルがいますが、彼が、「カルロスゴーンが優秀やっちゅう
アホがいるが、日本人は大規模ストはせーへんってのを見抜いただけや。あ
んなんフランスでやったらえらいことになんで。首切るだけやったら誰でも
できるっちゅーねん」と言ってたのを思い出しました。コーポレートガバナ
ンスについては、かつては、欧企業は株主のもの、米企業は経営者のもの、
日本企業は従業員のもの、と言われたこともありましたね。少しスレ違い気
味なので、sageで・・・
632世界@名無史さん:02/08/25 08:31
>>618
>あなたが具体的に想定しているのはどういった
>状況なのでしょうか。教えてください。

べつに細かい例を挙げるつもりはないけど、
中世に乞食みたいなフランチェスコ派とかが支持を受けたのは、唯物史観では説明できないでしょ?
もちろん、富を求めた俗物僧侶もいただろうけど、庶民をふくむ一般信者は、みな清貧の暮らしをしていた。
近代資本主義者の感覚では、この感性は説明できないでしょ?
要するに、中世と近代では価値観が違うんだよ。
贅沢ではなく、清貧を是とする感性が人間にはあるってこと。

これだけでも、下部構造決定論には、こぼれ落ちるなにかがある。
633世界@名無史さん:02/08/25 08:32
>>622
>あと、あっても教えないなんて輩はどうせ大した意見じゃないだろうから
>気にする必要ないだろ。

べつに出し惜しみするわけじゃないけど、
歴史発展の本質は上部構造的発展だから、上部構造をとり扱えるだけの繊細さがないと理解できないよ。
その繊細さが相手にあるかどうか心配なだけ。

さわりていどは11の意見を読めば、けっこう理解できるんじゃない? おれも、その付近にレス着けといたし。
でも、11の意見を電波としか思えない人間には、ここだけで説明しただけじゃ、ちょっと理解できないと思う。

>>625
>カトリック=宗教が拘束力をもったのは、その布教を行っている教会(僧
>侶集団)が、独自の所領をもち国王・貴族とならぶ支配階級の一角を構成
>していたから。

あいかわらずだね、電波狸さん〜。
あんさんは、宗教の支配力というものをまるで理解してないね。
唯物論者は、宗教にたいしておどろくほど無知だから呆れるよ。
それじゃ、どうして教会が支配階級の一角になれたの?
その地方にリアルな信者がいたからでしょ?
信仰心というものを理解できないと、中世なんて語れるわけないでしょうが。

信仰心というものが先にあって、その結果として経済的支配が確立したの。
そうじゃないと支配体制なんて確立できないでしょ。
そう考えたほうがはるかに自然でしょ? どうして無理やり、本末転倒な方に持っていくの?
もともとキリスト教が、貧者のなか(なんの富も支配力も持っていない階級)から生まれたのを知らないの?

資本主義段階的感覚を、すべての時代に拡大したらダメって、なんど言ったら分かるの?
634世界@名無史さん:02/08/25 10:15
確かに教会は荘園があったのも大きいよな。
自然信仰なんて狩猟採集や農耕の為のものとも言えるし。
キリスト教が良き羊たちとか羊飼いとか言うのは何でかな?
中世ヨーロッパの農業の生産性は土壌の貧しさから低かったりしたりしてない?
で、清貧とか?
経済は自然環境への対応と言う側面もあるから政治や宗教も無視できないはずだが。
あまり時間的前後関係だけで語るのもどうか、、、。
635風向:02/08/25 10:36
>>632
> 近代資本主義者の感覚では、この感性は説明できないでしょ?
> 要するに、中世と近代では価値観が違うんだよ。

中世と近代とで価値観が違うというのは仰るとおりなんだろうと想像
します。ですが、そうした価値観の延長線上に制度変化や生産様式の
変化が生じ資本主義段階が到来するというような図式を考えると?で
す。11あたりを読み返してみましたが、リアルな衣食住生産の発展
とは独立に、より思弁的な部分で進歩が起こり、それが主因となって
下部構造たる経済制度を変革して行く、というお考えでしょうか?そ
うであるとすると、思想上の進歩を促していく原動力はなんなんで
しょう?

あと蛇足ですが、清貧を是とする感性というのは、現代でもありうる
と思います。例えば、無償でボランティアをする人たちや寄付する人
の感覚と本質は一緒だと思うのですが。
636電波狸:02/08/25 10:47
>>632
全体として唯物史観に対する誤解があるように思われますが。

>中世に乞食みたいなフランチェスコ派とかが支持を受けたのは、
>唯物史観では説明できないでしょ?
当時の民衆の生活状況(経済状況)や生活意識が分かれば、ロー
マ教会の宗教的支配の内容に不満をもつ民衆が、最初は異端とさ
れた新宗派(フランチェスコ会やドミニコ会)を受容する理由も
分かるのでは。それにこれらの宗派もやがては正統化し修道院を
基盤に勢力を拡大していったのでは。

確かに上部構造の諸要素も一定の枠内では発展するが、ただそれを
基本とすると、革命・改革期の上部構造の変動要因を見い出せなく
なるのでは。

>信仰心というものが先にあって、その結果として経済的支配が
>確立したの。
唯物史観では、宗教的信仰心などの意識形態は、その社会的存在
の反映と捉えますので、当然その信仰を受容する社会階層やその
生活様式の在り方を前提として考えます。また宗教もその発生時
とそれが拡大・普及して教団化した時点での在り方(信徒の階層
性や教団の経済的基盤)とは異なる場合もあるでしょう。

唯物史観は、常に経済的利益を目指す人間像(資本主義社会に固
有な人間像)を前提としているわけではなく、ただ過去の人々の
物質的生活の生産・再生産構造(簡単に云えば衣食住の在り方)
に重点を置いて歴史を見るというに過ぎません。だから清貧や勤
勉という価値観が有力であれば、それもその経済生活を考える上
での重要な要因となるわけです。
なお、宗教の教義の発展・変化などは、経済関係から直接導出でき
るわけもありませんので、それは思想史など独自の分野での課題に
なると考えます。

少しでも、誤解が解ければ幸いですが…………。
637>632:02/08/25 11:41
>贅沢ではなく、清貧を是とする感性が人間にはあるってこと。

今でもいるじゃん。
だいたい日本人が好きな連中ってそんな奴ばっかりじゃん。
638電波狸:02/08/25 19:54
>>633
>上部構造をとり扱えるだけの繊細さ

唯物史観は、上部構造を土台(経済的諸関係)の付属物として軽視してい
るわけではなく、逆に両者を区別することで、上部構造の土台に対する相
対的独立性を認め、その独自な構造分析を可能とするための方法でもあり
ます。

一般に上部構造は、政治的・法的領域と社会的意識領域で構成されますが、
政治的領域に限っても、そこでは人々が取り結ぶ政治的関係レベルと、そ
れが客体化された機構・制度レベルが存在し、また法的領域でも道徳や慣
習レベルと(制裁をともなう)実定的な法制度のレベルが存在します。
特に社会的意識領域は、これら政治的・法的領域と密接に関係する領域で
あり、そこでは政治意識や法意識を始め、宗教・哲学・歴史などの諸意識
形態(諸観念形態)から構成されています。更にこれら個別の意識形態も、
それぞれに理論(教義)、世界像、意見、生活感情といった層状構造を形
成しています。

このように、上部構造の諸領域とは、土台に比して遥かに複雑な構造をな
しており、それだけアプローチも難しいと云えます。この複雑な上部構造
と経済的土台との(関係性も含めた)総体が、ひとつの歴史的な社会構成
体、即ち歴史的社会として措定されているのです。
なお、マルクス自身が実際に行ったのは、専ら資本主義的な土台の分析で
あり(『資本論』)、(資本主義及び歴史的社会の)上部構造の具体的な
分析とその方法についての検討は、残された課題であると云えます。
639エッフェル:02/08/25 20:43
「遺跡史観」とでも言うべき歴史イメージがあると思う。
「文明の偉大さは、残した巨大石造建築によって示される」という観念。
この歴史観では、古代エジプト・古代ローマ・インカなどが高く評価され、
地味な遺跡しか残さなかったメソポタミアは過小評価されてしまう。
「観光客史観」とか「歴史番組史観」とか色んな名前を思いつくが、
学者以外の普通の人が無意識に抱いている歴史イメージは、実はこれだろう。

文明ではなく歴史上の人物についても、こういう基準で評価する場合がある。
バイエルンのルートヴィッヒはノイシュヴァーンシュタイン城、
ムガール朝のジャハンギールはタージマハールによって歴史に名を留めた。

そういう評価基準は、現実の政治にも影響を及ぼしている。
チャウシェスクや金正日など、無意味な巨大建築を築いた為政者は多いが、
古代の帝王を評価する基準を適用するならば彼らは「名君」なのであり、
当の為政者に決断を下させた自己イメージは、正にそれだったのだろう。
「遺跡史観」が社会通念となっていなければ、
彼らはもう少しマシな為政者になっていたのではないだろうか?
640世界@名無史さん:02/08/26 02:09
>>639
バイエルンのルートヴィッヒ→公共事業(しかも私的関心による)で経済危機を生んだ基地外
ムガールのシャー・ジャハーン→信仰に反して墓に金つぎ込んで帝国を崩壊させた阿呆
こいつらの残した建築を世界遺産というのなら日本の田舎にある公共事業の産物たる建築も世界遺産になるな。
641塞翁が馬はしんどい:02/08/26 03:26
>>逆に聞きたいが、1861年の農奴解放令以降、公的に農奴という存在は認め
られていたのか?
公的とは法令上と言うこと?では例えば、憲法上認められない女性差別は戦後の
日本に存在しなかった、或いは存在しても歴史的事実ではないと言うことだな。
やはり観念論だよ。
法令は上部構造のありさまだろ。なぜ、下部構造を語る基準にする?
整合性ある説明を頼む。
>>確かに上部構造の諸要素も一定の枠内では発展するが、ただそれを
基本とすると、革命・改革期の上部構造の変動要因を見い出せなく
なるのでは。
この発言と矛盾するよね。

上も下も関係するから歴史は面白いんだよ。下部だけでもないが、上部だけでもない。
構造全体への洞察だろ。
642:02/08/26 11:22
>>639
実は20世紀細大のピラミッド事業はアメリカの月面着陸。
膨大な予算を費やしたが、経済的利益は無かったし、
その後の宇宙開発にもつながっていない。
宗教?いずれ語りまひょう。
でも、上部構造だけでもだめよね。
644世界@名無史さん:02/08/27 08:59
>>328のカキコからして、
>>611の言うマクロ的で「普遍的な歴史理論」というのは、
おそらくアメリカの政治・歴史哲学者フランシス・フクヤマのコジェーブ解釈のヘーゲル歴史哲学のことを言ってるんだろう。
まさにフクヤマが説いたのが、上部構造発展史観だ。

フクヤマの「歴史の終わり」は名著だが、それを理解できないウヨサヨが、イメージ批判を繰り広げているのが現実だ。
611はその惨状を知っているから、「上部構造をとり扱えるだけの繊細さがないと理解できない」と言って、カキコするのを遠慮したのだろう。
フクヤマはよく、湾岸戦争や今回のアフガン戦争で、「文明の衝突」という概念で批判を浴びたが、これは公平に見ればフクヤマに分がある。

利害調節の役目のある国家を対立の単位と考えるのは可能かもしれないが、文明を対立の単位と考えるのはまったくのまちがいだ。
文明は、対立するよりも、入り交じって、融和していく場合のほうがはるかに多い。世界史板の人間はそのことをいちばんよく知っているだろ。
今回のアフガン戦は、「文明の衝突」と見るより、フクヤマが言うように「歴史世界と脱歴史世界の対立」と見るほうが、はるかに真理をうがっている。

文明の差ではなく、歴史段階の差なのだ。

現状で「普遍的な歴史理論」と呼べるのは、フクヤマのヘーゲル的歴史哲学だけだ。
その点では、611の「普遍的な歴史理論がある」という発言は真実であり、けしてデタラメではないと思う。
645世界@名無史さん:02/08/27 12:25
一応、フクヤマを知らないひとのために、フクヤマの歴史哲学を要約しておくよ。
批判があれば、してみるといい。

フクヤマは世界史を、アイソサミア(対等願望)とメガロサミア(優越願望)の二重螺旋的対立の過程として捉える。
これは、思想史的に言えば、キリスト教とニーチェ主義の対立であり、
政治的に言えばリベラルな民主主義と権威主義・全体主義の対立である。
理念的に言えば、「自由・平等・博愛」と「規律・秩序・忠誠」の対立ということになるだろう。

第2次大戦は、フクヤマ的にいえば、ゲルマン的優越願望(ナチス)とユダヤ的対等願望(アメリカ)の対決ということになる。それ以外の軍事・経済的要素は、あくまで表象的的要素でしかない。
リベラルな民主主義は、ナチスや日本軍国主義、スターリニズムをうち破り、1989年・冷戦の終結を持って最終的な勝利を治めた。
それが、「歴史の終わり」である。
リベラルな民主主義の正当性が完全に立証されれば、
もはやこれ以上、歴史を動かすモチベーションが生まれてこないからだ。

リベラルな民主主義に対抗できるだけのイデオロギー(正義)は、全世界のどこを見回しても存在しない。
冷戦の終結は、リベラルな民主主義の正当性を、社会科学的に証明したのである。


歴史は、人間の一個人の成長過程と対比して考えると分かりやすい。
幼児的全能感という言葉があるように、幼い人間は利己的でわがままだ。
そして肉体的に成長して第二次反抗期になると、さまざまに理由なき反抗をくり返して、大人たちと対立する。
タリバンとアメリカの対立はまさにこの例に当てはまるだろう。
中学生が「夜の校舎、窓ガラスを壊して回る」ように、タリバンは国際貿易センタービルを破壊した。
もちろん、こんな反抗期を放っておくほど、社会は甘くはない。
アメリカは大人の理性と厳格さを持って、暴れるタリバンを取り押さえた。
社会の壁に跳ね返されて、子供は大人になっていく。
第二次反抗期も終わって大人になると、社会に反抗することはなくなり、平和に自由に冷静に生活を送ることができるようになる。
行き場のない反抗心に駆り立てられるようなことはなくなるのだ。

いまは、歴史段階(成長段階)のズレから局所的なトラブルが起こるが、時間がたてば、全世界にリベラルな民主主義に普及し、戦争やテロのようなトラブルは起きなくなるだろう。

冷戦後の世界情勢は、このフクヤマの予言をくつがえすどころかどんどんその正しさを立証している。
やはり、歴史に普遍的な傾向性があることは否定できないだろう。
646世界@名無史さん:02/08/27 13:05
しかしブッシュは大人にはとても見えないな。
647世界@名無史さん:02/08/27 13:22
まあ、たしかにブッシュはバカっぽいよな。
あいつ、早く罷免したほうがいいぜ。アメリカ人みんなバカと思われるぞ。
やっぱ、クリントンは立派だったよな。人気あって当然だよ。
648世界@名無史さん:02/08/27 13:36
クリントンを立派とはとてもいえん。
649世界@名無史さん:02/08/27 19:25

>タリバンは国際貿易センタービルを破壊した。

(゚Д゚)ハァ?
650世界@名無史さん:02/08/27 20:40
>>645

福山のいってる事ってアメリカ人のためのオナニー歴史哲学にしか見えない。

つうか、塩婆とか読んでるとアメリカってローマ帝国の安物の二番煎じ。
バッタモノのローマ帝国にしか見えないんだけど。

こういうときに言うんだよね。
「歴史的大事件は2度起こる、ただし1度目は悲劇として、2度めは茶番として」
(K.Marx)
651風向:02/08/28 01:09
>>645
なるほどぉ、と思っちゃいました。でも、アメリカ的な自由民主主義と同時に
日本的な、イスラム的な、アフリカ的な自由民主主義があっていいはずだと思
うのです。もう少し、考えます。あと、こんなの見つけました。

In 1989, Francis Fukuyama made his now-famous pronouncement that
because the major alternatives to liberal democracy had exhausted
themselves, history as we knew it had reached its end. Ten years later,
he revised his argument: we hadn't reached the end of history, he
wrote, because we hadn't yet reached the end of science. Arguing that
the greatest advances still to come will be in the life sciences,
Fukuyama now asks how the ability to modify human behavior will affect
liberal democracy.
http://www.2think.org/ourposthumanfuture.shtml
なんか一挙に夏休み宿題教室になっちゃったな。
まぁいいけどね。
過去には通用しない歴史理論か、、、。福山は確かに画期的な観念論を発明
したな。ヘーゲルもまっつぁおだな。
極めて欧米的な二元論で新鮮味はないな。マルクスの方が理論としてはまともだな。
言葉並べただけでは理論ではないよ。
ああー疲れる。
狸ちゃん帰っておいでよ。まだ狸ちゃんの方がましだよ。
なるほどね、アングロ君の国では理論は無理だね。
頼むから反論する気力出るネタ頼むよ。
幼稚園の作文だな。
狸ちゃんが来ないなら盛れも失敬するかな。
ボーイスカウトの教官までやってらんないな。

653611だが:02/08/28 09:25
>>644
ははっ、正解。
まあ、知ってる人はすぐ気づいただろうけど。

>>650
>福山のいってる事ってアメリカ人のためのオナニー歴史哲学にしか見えない。

そうかい? フクヤマはあくまでイデオロギーとしてのリベラル民主主義の勝利を宣言しただけで、
アメリカ擁護のために歴史の終わりを著述したわけじゃない。
でも、アメリカ擁護と思われてしまうから、ウヨサヨたたき始めるんだよ。
それでちゃんとした社会科学的議論ができなくなってしまう。
そこがフクヤマの悩みの種だろう。

まあ、11みたいに、わざとアメリカ・マンセーを名乗って釣りを楽しむヤツもいるんだが。

むしろ、フクヤマの歴史哲学は日本史によく当てはまることにおどろく。
日本史の場合は、キリスト教vsニーチェと捉えるより、あきんどvsサムライと捉えたほうがわかりやすいけど。

>つうか、塩婆とか読んでるとアメリカってローマ帝国の安物の二番煎じ。
>バッタモノのローマ帝国にしか見えないんだけど。

つーか、あんな2千年前の帝国とアメリカを比べるなよ。
ぜんぜん歴史段階論を理解してない証拠だぞ。
弁証法的に歴史を捉えろよ。

>>651
>なるほどぉ、と思っちゃいました。でも、アメリカ的な自由民主主義と同時に
>日本的な、イスラム的な、アフリカ的な自由民主主義があっていいはずだと思
>うのです。

そりゃ、もっともだ。
フクヤマはリベラル民主主義を、「複数政党制を持ち、定期的で、秘密の、普通選挙を行う政治体制」と定義してたと思うが、
その定義に則しているかぎり、いろいろな民主主義があっていいと思う。
なにも、なんでもアメリカに追従する必要なないし、フクヤマもそんなことは主張していないだろう。

>>652
はい、ウヨサヨが出てきた。
おまえみたいなやつがすぐ出てくるから、おれは書きたくなかったんだよ。
反論する気が起きないんじゃなくて、反論できないのまちがいだろ。

歴史の終わりは、大人の歴史理論だ。
反抗期のリア厨は、自分が反抗期だなんていう自覚はないからな。
大人になってはじめて分かることだ。
おまえには、フクヤマの歴史哲学なんて理解できないんだろうよ。
654世界@名無史さん:02/08/28 10:59
>>653

スローガンだけ叫んでも内容が伴わないと面白くないですな。


「株屋のあと後付け」っていっって、出来事が起きてからシタリ顔で
もっともらしい図式をでっち上げるというのは、巷のいんちき株屋の
よく使う手口ですな。オリジナルの福山は別として645の言ってるこ
とはそういうことだよ。 ソ連の衰退という情勢を受けて誰でも予測
のつくむこう20年くらいの成り行きに哲学的な味付けをしただけ。
「反論するに足る内容がない」のだね。

しかもベースになってるのがアメリカ人の一般的な世界認識だから
どうしても、アメリカ人のためのオナニーにしか成らない。

議会制民主主義が今のところまあ先進国の政治形態として望ましい
という事実、少々ほころびがあっても何とか機能しているという経
験的事実と645的の脳内図式とは無関係。


で645が実際に主張しているのはパックスアメリカーナとアメリカの
覇権を目指した軍事力の行使の正当化。
655世界@名無史さん:02/08/28 11:11
>>652
>なるほどね、アングロ君の国では理論は無理だね。
たしかに、アメリカ人が哲学とかいうと笑いたくなるの
は事実だね。でもイギリスを巻き添えにしないでくれ
るかな。

イギリスでは「弁証法」という名前の図式主義が支配的になった
ことはなく、それなりの伝統もあるし。


656世界@名無史さん:02/08/28 15:19
>「株屋のあと後付け」っていっって、出来事が起きてからシタリ顔で
>もっともらしい図式をでっち上げるというのは、巷のいんちき株屋の
>よく使う手口ですな。

これってまさにマルクス史観のことじゃん。
657世界@名無史さん:02/08/28 16:58
>これってまさにマルクス史観のことじゃん。
別にそれに反対しない。ただマルクスがこの分野ではヘーゲルの弟子
だったことを思い出してほしいいけどね。


658世界@名無史さん :02/08/28 18:36
>>654
>「株屋のあと後付け」

ヘーゲルの概念じゃ、こういうのを「ミネルバのフクロウは黄昏時に飛び立つ」って言うんだよ。
しょうがないだろ。歴史を社会科学的に実証するにはどうしても時間がかかる。
リベラル民主主義が勝利を治めるのにキリストから200年かかったっでだけだ。

むしろ、それ以前にリベラル民主主義の勝利を唱えるほうが電波だ。

>ソ連の衰退という情勢を受けて誰でも予測
>のつくむこう20年くらいの成り行きに哲学的な味付けをしただけ。
>「反論するに足る内容がない」のだね。

はぁ? おまえ、フクヤマの歴史哲学を理解してるのか?
フクヤマは、「最初の人間」から「最後の人間」まで、考察の範囲にしている。
まさに歴史全体を視野に入れてるんだよ。
ここ20年くらいの成り行きの範囲なわけないだろ?
逆に時間がたてばたつほど、フクヤマの予言の正確性は立証されていくよ。

ウヨサヨの言動を見ていると、フクヤマの特権性がさらに引き立つ。
どうみても「誰でも予測のつく」ものじゃない。
少なくともウヨサヨは予測どころか理解もできない。

>で645が実際に主張しているのはパックスアメリカーナとアメリカの
>覇権を目指した軍事力の行使の正当化。

どう見たらそう読めるんだ?
645は、国際世論がどうしてタリバンよりアメリカを支持したのかを説明してるように見えるが?
だれがどう見たって、アメリカよりタリバンが強い幼児性を持ってたからだろ?

>>652
>なるほどね、アングロ君の国では理論は無理だね。

あと、フクヤマがベースにしてるのはドイツ観念論だし、フクヤマは日系人だ。
むしろアングロサクソン的思考を克服しているところに、フクヤマの特権性がある。
アングロ君というのは、指摘として筋違いだ。
659世界@名無史さん:02/08/28 18:39
>キリストから200年かかった

おっと、2000年。
660世界@名無史さん:02/08/28 18:56
>>658

まあどうでも良いが、10年位前にコジェベと福山の紹介
を一生懸命やっていたころの浅田彰のまとめの方が手際が
よかった気がするが。いかがか。


>>「株屋のあと後付け」
>
>ヘーゲルの概念じゃ、こういうのを「ミネルバのフクロウは黄昏時に飛び立つ」って言うんだよ。
>しょうがないだろ。歴史を社会科学的に実証するにはどうしても時間がかかる。
>リベラル民主主義が勝利を治めるのにキリストから200年かかったっでだけだ。

上の引用、多分ケアレスミスだとは思うが、時間的な混乱があ
るとおもうな。とにかく、君には「ここに薔薇があるここで踊れ!」
というお言葉を進呈しよう。まぁ「ここがロドスだここで飛べ!」
でも良いがね。

あと「予言」だそうだからどうでも良いが、
冷戦に勝って「このまま勝ち逃げしたいなー」という
願望の表れが「歴史の終わり」であって、アメリカ人の
都合の良い夢想の「哲学的表現」が福山(645解釈の)だと
いうのは動かんと思うが。
つまり、ここ20年くらいのアメリカ人の願望の投影なのだよ。
いかに長いスパンのつもりでも。
661世界@名無史さん:02/08/28 19:02
>あと、フクヤマがベースにしてるのはドイツ観念論だし、フクヤマは日系人だ。
>むしろアングロサクソン的思考を克服しているところに、フクヤマの特権性がある。
>アングロ君というのは、指摘として筋違いだ。

あと、他人へのレスなのでどうでもいいようなもんだが、
まともな古典の教育の伝統のないアメリカでヨーロッパの
哲学を下敷きにして自説を唱えれば、無教養なアメリカ人は
大抵の場合は引っかかる、ってことだと思う。
鳥なき里の蝙蝠ってやつだね。

やっぱり料理人は客が育てると言われるように
まともな哲学の大衆的な読者層のないアメリカではまがい物がは
やるんだね。ま、それを担ぐ日本人もいるやけだからこまったわけ
だが。

662世界@名無史さん:02/08/28 20:55
>>660-661
ぜんぜん批判になってない。
内容を批判しろよ。
できるのならな。
663世界@名無史さん:02/08/28 21:06
>>662

批判する程の代物じゃないけど、あえていうと
批判なら「株屋の後付け」で終わってますって。
あとからもっともらしい図式をくっつけるのなんて
一定の暇と準備があれば誰にだってできるって。

しかもヘーゲルのエピゴーネンのさらにエピゴーネン
だから巨人(ヘーゲル)の肩に乗る小人(福山)の肩に乗る
下水道の虫程度の話でしょ645の人って。
664世界@名無史さん:02/08/28 22:04
>>660
>つまり、ここ20年くらいのアメリカ人の願望の投影なのだよ。

きみはまったくフクヤマを理解してないな。
フクヤマは、アメリカの栄達の要因をリベラルな民主主義に意識化したが、
これは逆に言えば、他国もリベラルな民主主義を導入しさえすれば、アメリカ並みの経済発展が可能だと言うことを証明したことにもなる。(リベラルな民主主義を導入した日本は、バブル期にアメリカを追い越し、それを実証した)
これがフクヤマの最大の功績なんだよ。

アメリカの「都合のよい夢想」ではなく、他の発展途上国の未来への希望なのだ。
それは、アメリカの相対的地位を低下させる可能性すらある。

フクヤマの言説を「アメリカ人の願望の投影」とするのは、
数あるフクヤマ批判の中でも、もっとも俗悪なものだろう。
665世界@名無史さん:02/08/28 23:03
あんあまりフクヤマ理論てアメリカ人以外まじめに考えていないような
気がするが。やっぱりアメリカ人の価値観を「意識化」する理論だからな
んだろうね。

しかし、図式当てはめ以外の一歩外へ出ると事実関係の詰めが甘い気がする
な。
>リベラルな民主主義を導入した日本は、バブル期にアメリカを追い越し、
>それを実証した
これ強引でしょ。別にリベラル度と経済的繁栄が比例しているわけじゃ
なし。プラザ合意以降の言われた「世界経済の強調」のために無理な投機
路線に走って一時的にブームになってその後地獄を味わってるだけでしょう
日本は。

ま、現実政治では、発展途上国に対しては「リベラルな民主主義」を口実に
したアメリカ的価値観の押し付けにしかならない気がするな。




666世界@名無史さん:02/08/28 23:09
しかし、同じ歴史の後付けの解釈だとしてもフクヤマ理論よりは
唯物史観の方がはるかに面白いわ。

ということで僕も電波タヌキ氏再登場に期待したい。
667665:02/08/28 23:52
あと、フクヤマ系の話はつまらないのでまとめとして
参考になるテキストを示しておきます。

ttp://www.wku.edu/~sullib/history.htm
The End of History?
The National Interest, Summer 1989
Francis Fukuyama

What we may be witnessing in not just the end of the Cold War,
or the passing of a particular period of post-war history,
but the end of history as such: that is, the end point of mankind's
ideological evolution and the universalization of Western liberal
democracy as the final form of human government.
「西側リベラル民主主義」言い方他、アメリカの冷戦勝利宣言に衒学的な
味付けのした文章が読めます。

668世界@名無史さん:02/08/29 06:58
>>665
>あんあまりフクヤマ理論てアメリカ人以外まじめに考えていないような
>気がするが。やっぱりアメリカ人の価値観を「意識化」する理論だからな
>んだろうね。

そんなわけないだろ。
フクヤマは世界的に有名な論客だよ。
「歴史の終わり」は、世界中で議論されたテーマだ。

>これ強引でしょ。別にリベラル度と経済的繁栄が比例しているわけじゃ
>なし。

そりゃ、下部構造と上部構造は相対的に分離しているからだよ。
しかし、リベラルな民主主義以外では、どうしても経済発展に限界が生まれる。
ソ連が70年代以降、急速に停滞したのがその理由だ。

>ま、現実政治では、発展途上国に対しては「リベラルな民主主義」を口実に
>したアメリカ的価値観の押し付けにしかならない気がするな。

そりゃ、偏見。
リベラル(相互寛容)な民主主義が押しつけになるわけじゃないだろ。
昔はアメリカの専売特許だったリベラルな民主主義が、もう専売特許じゃなくなってるだけだよ。
それだけ周辺国も歴史的に発展してきているんだ。
日本は限界があったが、アメリカを経済的に追い抜く発展途上国が今後出てくるだろう。
アメリカの覇権には限界があるが、リベラル民主主義の普及には限界がない。

>>666
>しかし、同じ歴史の後付けの解釈だとしてもフクヤマ理論よりは
>唯物史観の方がはるかに面白いわ。

唯物史観よりも、フクヤマのほうがはるかに普遍的で、今後の未来予見にも役立つ。
好き嫌いはきみの好みだろ。

>>667
偏見。坊主憎けりゃ、袈裟まで憎いのたぐい。

つーか、ろくな批判がないな。
天下の世界史板だろ? もっとしっかりしろよ。
まだ哲学板のほうがマシだったぞ。 
669しょうがねーなー:02/08/29 07:13
では、先ず、何で過去に通用しない理論が
歴史理論なのか教えてちょんまげ。
歴史っていつから未来のことになったんだ?
670世界@名無史さん:02/08/29 07:57
>>669
フクヤマの歴史理論は、「最初の人間」から適応されます。
過去に思いっきり通用してますが、なにか?

>歴史っていつから未来のことになったんだ?

未来はかくじつに歴史の延長にある。
ぎゃくに、未来予見に役立たない歴史理論は、後付けであり、無意味。
671じゃあ:02/08/29 08:08
例出してちょんまげ。寂しがりや君。
672世界@名無史さん:02/08/29 08:13
>>667の英語部分とリンク先を読む限り「冷戦に勝利した、
西側民主主義は究極の政治形態だ」って言ってるに過ぎ
ないと思うのだが、フクヤマは。

少なくとも「歴史の終わり」って言ったた頃は。まぁ、
簡単に言えばソ連との冷戦に勝利したアメリカ的価値観
は普遍的で永久のものだっていってるわけだよね。

もちろん、冷戦に勝ったのは事実だからアメリカ的価値の
「相対的優位」は認めてもいいわけだ。(ホントにそれが
原因で勝ったのかは保留して)。
ただしアメリカ的に考えられた「西側リベラル民主主義」が究極の
政治形態でかどうかは。これは確認のしようのないことな訳だ。

そこを無理やり強弁するのにフクヤマはヘーゲルの2番煎じの方法を
使ったわけだね。

フクヤマも主張をころころ変えているようだし、発展途上国云々付け
たしだな。共産主義だって美しいユートピアを約束しながら実際にや
ったことはは反対だったのと同じだね。
673世界@名無史さん:02/08/29 08:16
しかもフクヤマはあのグロテスクな偽装されたアメリカ至上主義の
考え方の持ち主でありながら、結構な地位のアメリカの国家公務員
だったはずだよね。やな国だね。
674世界@名無史さん:02/08/29 08:23
>>670
あと忠告。説明抜きで、あんまり独特の言い回しは使わないほう
がいいと思う。>>「最初の人間」


ここは歴史版だよ。

ま、フクヤマも用語で脅すみたいなことをする人だけど。
675世界@名無史さん:02/08/29 08:35
>>671
>例出してちょんまげ。寂しがりや君。

例なんてありすぎて上げられるかよ。
すべての歴史に適応されるって言ってるだろ?

20世紀だけでも、リベラル民主主義はナチス・天皇制ファシズム・スターリニズムをうち破ったんだ。
これは社会科学的な事実なんだよ。
これ以上明確な根拠があるかよ。
ナチも、天皇制も、スターリニズムも、みずからの永遠を信じたが、滅んだ。

しかし、リベラルな民主主義に基づいたアメリカは、永遠に滅びない。いまなお国際世論の支持を受け続けている。
いや、アメリカだけではない。
安定した民主主義国家は、もはや革命のモチベーションに揺さぶられることがないし、互いの正当性に異議を唱える理由がない。
歴史上あらゆる国家は滅んだが、民主主義国家だけは滅びることはない。(将来、世界政府が樹立されて、一県や州になるということは多いにあり得るが。しかし、それはリベラル民主主義の究極の理念の実現に過ぎない)
滅びる理由がないんだよ。
もう歴史が終わったんだから、止揚も革命も、民主主義国家間の戦争も起きない。

>「西側リベラル民主主義」が究極の政治形態

西側っていう言葉に偏見を感じているらしいが、ただ「複数政党制を持ち、定期的で、秘密の普通選挙制を持つ政治体制」というだけだよ。
これ以外の政治体制が、どうやって正当性を維持するんだよ。
リベラル民主主義に対抗できる他の政治体制の例を出してみろよ。
676世界@名無史さん:02/08/29 09:08
「正当性」っていうが、善悪の話はしていないんだが、
あくまでも歴史のはなし。

>西側っていう言葉に偏見を感じているらしいが、ただ
>「複数政党制を持ち、定期的で、秘密の普通選挙制を持つ政治体制」
>というだけだよ。

フクヤマ自身にとってはそういう「制度的な話」だけではないよう
だけど。
>the end point of mankind's ideological evolution
人類のイデオロギー的進化の終点(頂点)なんて大層な意味付与を
してるし。あなた、もう一遍はじめからフクヤマを読み直したらど
うかな?

でも、第一その程度の「制度」なら一時的にであればあのレーニンだって
認めていたし、部分的にはギリシャ・ローマから知られていたことだね。

>「複数政党制を持ち、定期的で、秘密の普通選挙制を持つ政治体制」
ま、制度の話しなんてしても詰まらんが、「定期的な選挙」からネットワークの
発達によって「随時の選挙」の方へ移行するかもしれないし、政党の持つ意味が
今とは将来ぜんぜん変わる可能性もあるし、究極には程遠いと思うが。

また、不幸なことだが、何らかの歴史的事件によって民主主義がちゃんと
機能できない事だって起こりうる。(起こって欲しくないが。)

>民主主義国家間の戦争も起きない。
国家のエゴがある限り民主主義でも戦争の起きる潜在的危険はあるでしょ。

677世界@名無史さん:02/08/29 09:12
しかし、でたーって感じだね。
>しかし、リベラルな民主主義に基づいたアメリカは、永遠に滅
>びない。いまなお国際世論の支持を受け続けている
相変わらずの事実認識だな。
678世界@名無史さん:02/08/29 09:30
>>674
>あと忠告。説明抜きで、あんまり独特の言い回しは使わないほう
>がいいと思う。>>「最初の人間」

これは失礼したな。(しかし、用語を知らないで批判するものがいると言うことは、 イメージ批判していると暴露するようなものだと思うが)

「最初の人間」(これはヘーゲルの歴史哲学にあるらしい)っていうのは、最初に出会ったふたりの人間のこと。
最初に出会った人間はまずなにをしたかというと、優越願望に基づき、イニシアチブを獲得するためにケンカをした。
勝ったものが貴族となり、誇りを覚えた。
負けたものは奴隷となり、服従を覚えた。
観念的な階級分化が生まれたわけ。
これが歴史の始まり。

しかし、紀元年前後に、キリスト教という博愛主義に基づいた奴隷の名誉回復運動が起こった。
貴族ではなく、奴隷のほうが偉いという価値転換が起こったのだ。
キリスト教の博愛主義は、民族の壁を超えてどんどん普及していき、ついにヨーロッパ全土を支配した。
しかし、ここで大きな壁に激突した。イスラム教との衝突だ。
キリスト教は民族の壁を超えられるが、宗教であるかぎり、宗教の壁は超えられなかった。
博愛主義をかかげたキリスト教そのものが、他宗教を差別する根拠となってしまったのだ。
対等願望はこの壁を乗り越えようとした。
それで起こったのが宗教改革。
政治と宗教を分離させようという運動だ。
多くの血を流してヨーロッパは政教分離に成功した。
対等願望は宗教の壁すら超えたのだ。

しかし、大航海時代が始まり、つぎに巨大な壁に対等願望はぶち当たった。
人種(民族ではなく)の壁だ。
近代になってはげしい人種差別と人種間戦争が起こった。
もちろん究極の人種間戦争は第二次大戦である。
これには奴隷道徳(キリスト教)に対する、ニーチェ主義(貴族道徳・差別肯定)の強力な反動が、思想史的に深い影響を与えている。
史上最大の戦争ののち、民族差別をどうどうと国策にかかげていたナチスをうち破った。
(のちのガンジーやキング牧師の努力もあり、人種差別はほぼ克服されている)

そして、歴史最後のハルマゲドン。
リベラル民主主義と共産主義(スターリニズム)の激突が冷戦期に起こった。
共産主義が掲げたのはイデオロギーの差別である。共産党独裁のスターリニズムは、異なった主義者を徹底的に差別し、強制収容所送りとした。
もちろん人類の対等願望は、このイデオロギー差別すら超えた。
究極兵器・核を持ったソ連が、1991年に、内部から崩壊したのだ。

これを見てフクヤマは「歴史の終わり」を宣言した。
人類の対等願望はすべての差別を超えたからだ。
民主主義国家(脱歴史世界)の住人は、「最後の人間」(差別をしない人間。つまり、大人のこと)になった。
もはやこれ以上、歴史を動かすモチベーションはなくなった。

歴史が終わったのである。
679電波狸:02/08/30 03:01
今週は毎夜爆睡状態たっだでの、レスする暇がなかったのですが、
久ぶりにROMしたところ、話題が大きく変化しているようで………。
こちらは相変わらずの亀レスでいきます。

>>641(塞翁が馬はしんどいさん)
前レス(>>630)でも述べたが、法制度と現実の社会に実態は、必ずしも同
一ではなく、ズレや矛盾をもつのが常態。農奴の解放が法的に規定された
からといって、現実に社会でそうした社会関係が直ちに消滅するわけでは
なく、条件次第ではかなり長期間残存する場合もある。問題は、そうした
残存現象が広範かつ生産様式の基軸となったという点。
男女差別も戦後憲法では平等とされ撤廃されたが、他面で社会的実態とし
て残存したのも事実。しかし、これらの社会的レベルの差別は国法に照ら
せば不法なものと判断される(いわば非合法な存在と規定された)。
両者の矛盾(ギャップ)は、女性運動や市民運動などの粘り強い展開によ
り、解消されつつある。
つまり制度も社会的実態もともの事実、そして両者の矛盾を問題化しそれ
を解消しようとする運動がここから出発していくのも事実。
こうした事例は、法的上部構造領域と下部構図領域との矛盾を意味し、こ
の矛盾をめぐって、人間の種々の行為(運動)が起こり、事態が変化して
いくことこそが、まさに歴史過程の弁証法的な在り方の一事例とも云える。

>フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』について
この本は、当方残念ながら読んでいません(邦訳が出た頃耳にはしました
が)。Hegelの歴史観をベースにしていることですが………
>>645氏が内容の要約をしてくれてますが、いまひとつ要領が把握できない
ので(どこまでがフクヤマの著書の内容で、どこからが氏の持論の展開なの
か判別がつかないので)。
644・645氏の主張に対しては、かなり批判的なレスも多いようですが。
幸い667(=665さん)が、参考テキストの所在を示してくれているので、
当面これでも読んでから、この問題についてレスしたいと思います。
(665さんに感謝!)
680電波狸:02/08/30 03:08
訂正:
679の9〜10行目:
問題は、そうした残存現象が広範かつ生産様式の基軸となったという点
              ↓ 
問題は、そうした残存現象が生産様式の基軸となり得たのかという点
681世界@名無史さん:02/08/30 16:59
>>679
俺はフクヤマの主張に賛成はしないけど、
>>645 は、フクヤマの主張の要約としては適切だと思う。
これに対する反論は、充分フクヤマ自身の主張に対する反論になると思うよ。
682世界@名無史さん:02/08/31 03:29
ここのログを読んだだけだが、今回のタリバンのテロをは、
「文明の差ではなく、歴史段階の差」によって起きたというのは、けっこう説得力があると思う。
やはり、特攻テロを行うものには、なんらかの精神的幼さがあるのではないだろうか?
ある種の陶酔、意地があり、とても冷静とは思えない。
683世界@名無史さん:02/08/31 11:24
哲学思想の素養のないおれには、このフクヤマの歴史観はけっこう新鮮で、面白いな。
まったく経済に言及していないところがすごい。
こういう歴史観があるのか。
684 ◆TLe2H2No :02/08/31 17:00
フクヤマは「長い目で見れば対等願望が満たされる方に歴史は動く」と言ってるのか。
ローマ帝国末期から中世までは、階級分化が進み続けたと思ってたけど。

仮にそうだとしても、現在も階級は残ってるだろ?南北問題として。
685ふにゃぽん:02/09/01 09:43
鉄板に類似スレ立てたので、興味のあるかたはどうぞ。
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/philo/1030531327/l50
686世界@名無史さん:02/09/01 10:34
>>684
>ローマ帝国末期から中世までは、階級分化が進み続けたと思ってたけど。

ローマ帝国が崩壊して、中世になると地方の封建化が進んだ。
これは唯物史観にも言えることだが、皇帝と奴隷の階級分化が、国王と農奴にまで縮まったという解釈ができるのでは?
そう考えれば、キリスト教成立以降は、やはり階級差別は縮まって行っているという歴史的傾向性が確認できる。

>仮にそうだとしても、現在も階級は残ってるだろ?南北問題として。

これは誤解。
フクヤマは経済格差ではなく、精神的な「認知」(一人前の人間として認められること)に基づいた平等を重視している。
つまり、重要なのは、経済格差そのものではなく、経済格差から発生する「ルサンチマン」(劣等感)のほうだとみているのだ。
このルサンチマンが解消されれば、経済格差がたとえ残っていても、歴史は静止する。
フクヤマが上部構造論を本質と考えている以上、こう結論づけるのは当然。

人間は必ずしもみな金持ちに嫉妬するわけではない。
「お金なんかはちょっとでいい」と思っている清貧の思想の持ち主はいっぱいいるし、
むしろ金を持っていることに煩わしさを感じている人もいるかもしれない。
経済格差そのものは本質的な不合理ではないのだ。(俗流マルクス主義者たちは、ここを決定的に見誤った)

むしろ、経済格差からくる政治的差別(選挙権の制限など)のほうが被差別者を憎悪させ、歴史を動かす本質的な力となる。
「金持ちと貧乏人がいるのはおかしい」という意見より、
「金持ちだからといって、選挙権をもらえたり、裁判で無罪になったりするのはおかしい」という意見のほうが説得力を感じるでしょ?
宗教・人種・イデオロギー・経済力によって差別されない、法の下での平等こそが、人間の「認知」を満たし、納得させるのだ。
687電波狸:02/09/01 16:08
>フクヤマの『歴史の終わり』について

あくまで、原論文(>>667“The National Interest”誌に発表)の内容の
範囲でだが、ここで「歴史」とは、主として第二次大戦後の冷戦体制下の
資本主義vs社会主義の対立を、「終わり」とは社会主義体制の崩壊による
資本主義体制の勝利を指すが、この問題をイデオロギー的に自由民主主義
vs社会主義の対立、前者の勝利として論じ、またそれと併せて20世紀全般
の諸思想に対する自由民主主義(liberal democracy)の優越性(人類の思
想の最終形態)を強調しようする点にある。
つまり、狭義の現代世界史(それも政治思想に限定)を対象に、自由民主
主義の正統性を弁証しようとするもの。
思想的には現代史に関する自由民主主的な世界像の提示といえるが、歴史
観としては対象範囲が極めて狭小であり、単に20世紀末の一歴史現象(社
会主義体制の崩壊現象)を所与として、資本主義体制側のイデオロギーを
賞賛・美化するための議論に過ぎないように思われる。

Hegelの歴史観に示唆を受けた点は、著者も触れているが、その影響はあま
り見いだせない。強いて云えば、Hegelが19世紀前半の近代国民国家を歴史
の最終的な到達形態と見て、これを絶対化したように、米国とその自由民
主主義を歴史の最終的な到達形態としている点であろうか…………。
Hegelが絶対化した国家と人類の歴史が、その後も大きく変化・発展したこ
とを見れば、現在の資本主義体制と自由民主主義思想も、今後変化してい
くのは必然と考えるのが常識だと思われるが。
歴史は人類の存在とともに、変化・発展していくものであり、停滞や後退
があるのは個別の社会体制(とそれに照応する思想)の枠内での問題にす
ぎない。

688電波狸:02/09/01 17:33
(687の補足)
>>645
前レス(>>651風向氏)に拠れば、フクヤマは最近「歴史の終わり」という
規定について、人類は(特に生命諸科学などの)科学の(進歩の)終わり
に到達していないという理由から、それを訂正しているようだが。

凡そ歴史観という以上、それは単なる政治思想レベルでなく、経済や諸思想
(自然・社会・人文諸科学や宗教)も含めた全体を通時的に包括すべきもの
と考えるが、この点でフクヤマの主張は、それが一個の政治的な見解・主張
としてならともかく、これを「歴史観」とまで持ち上げるのは、如何なもの
かと思われるが。
上記のフクヤマの訂正も、彼の従来の見解で、科学などの分野が視野の外に
置かれていたことを示すものといえる。やはり、近々数十年の世界情勢=政
治体制の抗争が歴史である、という偏向した視点が見られるように思われる
が。
なお、以上の批判は、彼のイデオロギー的偏向についてではない。その議論
が歴史観として妥当か否かという点からのもの。
689世界@名無史さん:02/09/01 18:52
>>687
>思想的には現代史に関する自由民主主的な世界像の提示といえるが、歴史
>観としては対象範囲が極めて狭小

そんなことはない。
678で指摘しているように、すべての歴史を網羅している。
「対象範囲が狭小」と考えるのは、充分にフクヤマの歴史観を理解してないから。

>Hegelが絶対化した国家と人類の歴史が、その後も大きく変化・発展した

これはヘーゲルの解釈問題にもなるが、
ヘーゲルは当時のドイツ帝国を無条件に絶対化したわけではないとフクヤマは考えている。

>現在の資本主義体制と自由民主主義思想も、今後変化してい
>くのは必然と考えるのが常識だと思われるが。

しかし、それらの変化は「複数政党制を持ち、定期的で秘密の普通選挙を行う政治体制」の枠内の中で充分対処可能である。

>上記のフクヤマの訂正も、彼の従来の見解で、科学などの分野が視野の外に
>置かれていたことを示すものといえる。

フクヤマは本質論として歴史を語っていることに注意してほしい。
科学の発達史は歴史の本質ではない。
自然科学の水準が低くても、上部構造(人文・社会科学)の発達により、歴史を静止させることは可能。
フクヤマはあくまでも現象面を考慮して、訂正したように語っているだけで、
本質論としての「歴史の終わり」(リベラルな民主主義の最終的な勝利)は少しも訂正していない。
690あげ:02/09/02 01:21
歴史とは過去の人間の生活の総体である。
しかし、歴史の中には後世に残りやすい部分と残りにくい部分がある。
為政者や周辺の言動・生活は残りやすい部分に属するので、
過去は為政者たちの名前の列記として観念されやすい。
「歴史≒政治史」という史観は、そうして生まれることになる。
しかしそれは、化石を見て「恐竜は骨だった」と考えるのと同様の誤解である。
残らなかった部分まで含めた総体を再構成するのが史学の仕事であり、
残った部分はその再構成のための素材として扱わないといけない。

19世紀の史学の水準からして、19世紀人が「歴史≒政治史」と唱えても、
それには弁護の余地があるだろうが、
現代人がそんなことを言うのは単なる無教養である。
フクヤマの場合は、印象に残る誇張表現――2chで言う「煽り」――として
ヘーゲルの用語法を採用したんだろうが、それを本気でとるのはイタイ。
691風向:02/09/02 12:17
>>689
単純な質問なんですけど、678で描写されているのはヨーロッパ的な観点から
見た歴史ですよね?では、中国史の文脈では、対等願望はどういう風に実現
されていくと読めるのでしょうか?日本史でも、身分間の流動性を考えると、
戦国→江戸期で逆行してると思うのですが。678の描写自体はすごくおもしろ
いし説得的だと思いました。
692世界@名無史さん:02/09/02 12:23
>フクヤマの場合は、印象に残る誇張表現
>――2chで言う「煽り」――として
>ヘーゲルの用語法を採用したんだろうが、
>それを本気でとるのはイタイ。

確かにフクヤマは釣り師としては優秀だった。
冷戦終結直後の時期にフクヤマ関連の議論が盛んだったのは、
2chのスレが伸びるのと似た現象だったと思う。
693世界@名無史さん:02/09/02 17:01
>>690
>19世紀の史学の水準からして、19世紀人が「歴史≒政治史」と唱えても、
>それには弁護の余地があるだろうが、
>現代人がそんなことを言うのは単なる無教養である。

たしかに「リベラルな民主主義の勝利」を歴史の終わりと呼ばれても、
ピンとこないひとは多いかも知れない。
これはあくまで政治史の枠内だと考えているんだろう。
しかし、フクヤマの主張は、政治学的枠内のみにおさまるものでは、もちろんないんだよ。
そのていどだったら、ぼくもこれほど弁護はしないよ。

フクヤマの言う「歴史の終わり」は政治史というよりも、むしろ「戦争史の終わり」のことを本質的に指しているんだよ。
フクヤマは、リベラルな民主主義の最大の功績は、戦争・武力革命を終わらせたことにあると思っている。
第2時大戦以降、これまで慢性的な戦争状態にあったドイツ・フランス・イギリスの3国間で、50年以上も戦争が起きてはいなし、これからも起こる可能性は0に近い。
これはおどろくべきことだ。
これに驚きを感じない人は、まったく歴史を知らない人だろう。
これはドイツが民主主義を受け入れたからなんだよ。
民主主義国家間には、もはや戦争をする理由(モチベーション)がないんだ。

戦争は経済的利害で起こるものではない。
あくまでも優越願望同士の激突、あるいは優越願望と対等願望の激突によって生じる。
だから、世界中がリベラルな民主主義国家になれば、世界から戦争を根絶できるのである。
(ほとんどの読者は読みとれなかっただろうが、『沈黙の艦隊』の恒久平和の実現の理想は、このフクヤマ的な民主主義の戦争抑止論に基づいている。
海江田も、「人類の最大の資産は民主主義」とはっきり断言している。そこには民主主義のみが戦争を抑止できるという発想がある)

ごく初期の段階をのぞいて、民主主義国家間おいて、戦争が起こったことはない。
(例外を上げれば、イギリスとアメリカ間に起こった独立戦争のみ。
というか、当時リベラルな民主国家は、その2国しかなかった。
といっても、まだ普通選挙は完全に施行されてはいなかったから、
やはり当時の民主主義には限界があったのだろう)
694世界@名無史さん:02/09/02 17:02
(693のつづき)
「人類の歴史とは戦争の歴史だ」と言われる。

歴史の教科書も、戦争名や、内乱、武力革命、戦争による版図の拡大などを多く記載している。
戦争にかんする記述がなくなれば、歴史の教科書はかなり薄くなってしまうだろう。
歴史時代においては、戦争という行為は、人間の最大関心事だった。
その「人間の最大関心事」をフクヤマは真正面からとり扱っているんだ。
戦争史(武力革命も含む)の終わりを、「歴史の終わり」と呼んでも納得する人はわりと多いのではないだろうか?

少なくとも、戦争史以上の人類的関心事を上げることができなければ、フクヤマのほうを本質論と認めるしかない。

以上からして、フクヤマの表現はけして誇張表現ではないのである。
695世界@名無史さん:02/09/02 18:43
>民主主義国家間には、もはや戦争をする理由(モチベーション)がないんだ。
どーなんかなー。
チョビ髭の伍長閣下の扱いが気になるなー。
太平洋戦争勃発を、「日本が内的自己と外的自己に分裂していたのが、発狂して
内的自己オンリーになったからだ」とする、岸田秀の説はそれなりに説得力がある
ような気がするけど、それって天皇制ファシズムとかとは無関係じゃねーのかなー?
そうなると、日本帝国が民主主義国だったとしても、戦争は起こった気がするけどなー。
696電波狸:02/09/02 21:43
>>689
>678で指摘しているように、すべての歴史を網羅している。
肝心の678の内容だが……
>「最初の人間」(以下略)
これは、ヘーゲルではなく、ホッブズなど社会契約論が想定している自然
状態(万人狼状態)の誤りでは。また社会契約論では、そこから支配・従
属関係ではなく、対等な社会契約による生命・身体・財産の相互保全とい
う論理が出てくる(なおヘーゲルの主人と奴隷の弁証法は支配・従属関係
形成の説明モデルではない)。

>紀元年前後に、キリスト教という博愛主義(以下略)
キリスト教は確かに“神の前の万人平等”を根本教義とするが「奴隷の名
誉回復運動」でもなく、「貴族ではなく、奴隷のほうが偉いという価値転
換が起こった」わけでもない(4世紀にローマ帝国の公認宗教となったが
帝政・貴族制はそのまま)。

>イスラム教との衝突
十字軍遠征は11世紀末〜13世紀末だが、宗教改革は16世紀であり、両者の
間に因果関係があるわけではない。誰の何に対する“対等願望”なのかな?
また宗教改革はローマ教会の腐敗に対抗するプロテスタント諸教会の成立
という、キリスト教の枠内の教会体制上の改革。それは「政治と宗教を分
離させようという運動」ではなく、「多くの血を流してヨーロッパは政教
分離に成功した」のはブルジョア革命による近代国家の成立に拠る。
したがって「対等願望は宗教の壁すら超えたのだ」とは何を云っているの
か不明。
697電波狸:02/09/02 21:43
(696続き)
>大航海時代が始まり(以下略)
ヨーロッパ諸国のが、世界的拡大によって多くの諸民族を支配したという
現実からすれば、(強いてこの表現を使ったとしても)“対等願望”では
なく“優越願望”が人種問題を引き起こしたというべき。

>究極の人種間戦争は第二次大戦である。
前レスでも述べたが、WW2は帝国主義間戦争+異なる政治体制間戦争と
いう二重の性格をもつ(日本民族vsアングロ・サクソンやゲルマン民族vs
アングロ・サクソンというのは、日独両国の国内消費用のプロパガンダで
あり、事柄の本質ではない)。

というわけで、あなたの叙述には不正確な点が多く(どんな歴史認
識でも最低限の正確な知識は要求されると思われるが)、フクヤマの歴史
観の正確な祖述とも思われないのですが………。
698電波狸:02/09/02 22:11
(697続き)
(697続き)
歴史の総過程を“対等願望”と“優越願望”という説明原理(!?)で描出
しようというのが、そもそも無理なことと思われ。
これらの願望=意識も、それを欲求するに至る実在的根拠(社会体制の矛
盾など)があって始めて成立するものであり、無限定にこれらを主語とし
ても、殆ど意味をなさない(というより理解不能)と思われますが。

恐らく、自由民主主義自体が内包する“自由”と“平等”について、この
範疇自体は近代社会の所産であるため、これを“優越願望”と“対等願望”
に代替て近代以前の歴史過程に適用しようという意図かとも思われますが。

その場合、今までの歴史的説明では、“対等願望”にプラス価値を“優越
願望”にマイナス価値を賦与しているように思われますが、本来“自由”
と“平等”という範疇自体が内容的には矛盾する性格をもち、相互移行的
(循環的)な運動構造をもっていると云う位置づけは出来るかもしれませ
ん。
699電波狸:02/09/02 23:35
>>689
>変化は「複数政党制を持ち、定期的で秘密の普通選挙を行う政治
>体制」の枠内の中で充分対処可能である。
これは、単なる議会制民主主義の規定にすぎない。民主主義とはも
っと豊饒な内容をもつものな筈だが。
前スレでも述べたが、自由主義と民主主義とは相対的に区別される
べきもので、歴史的由来も異なるが、この点は議会制と民主主義と
の関係についても同じ。非民主主義的な議会制(身分制議会、制限
選挙下の議会)や非議会制的な民主主義(ギリシアの都市国家、ル
ソーの直接民主主義)の存在。つまり議会制=代議制による民主主
義とは直接民主主義に比べれば民意の反映という点で劣るが、現代
国家の規模がそれを事実上不可能にしているため。
また自由主義についても非民主主義的な自由主義(18世紀英国の寡
頭制型立憲制・戦前日本の立憲制などの権威主義的自由主義)が存
在する。つまり極論すれば、自由主義も議会制も民主主義の内容を
形式化・空洞化する危険性をもつ。
特に現在の“自由民主主義”とは、一見口当たりの良い、非の打ち
所のない制度と思われがちだが、そこでの“自由”とは諸個人の政
治的自由よりも、企業(資本)などの経済的自由を優先・擁護する
内容であり、これによって個人の政治的自由は勿論、本体である民
主主義も歪められることになる。
民主主義は、議会制(手続き)に矮小化され、専ら議会における多
数決主義、即ち数の原理による少数意見の抑圧に結果する。

フクヤマのいう“自由民主主義”も、所詮はそうした専ら制度的に
縮小された民主主義を指すと思われる。これに対置する思想は、民
主主義を運動・理念というかたちで把握し、常に現実の制度のチェ
ックとして機能させる在り方、即ち“永久革命としての民主主義”
であろう。
700世界@名無史さん:02/09/02 23:40
電波狸はニーチェ読んだこと無いのか。。。
701世界@名無史さん:02/09/03 00:39
699 名前:電波狸[] 投稿日:02/09/02 23:35

特に現在の“自由民主主義”とは、一見口当たりの良い、非の打ち
所のない制度と思われがちだが、そこでの“自由”とは諸個人の政
治的自由よりも、企業(資本)などの経済的自由を優先・擁護する
内容であり、これによって個人の政治的自由は勿論、本体である民
主主義も歪められることになる。
民主主義は、議会制(手続き)に矮小化され、専ら議会における多
数決主義、即ち数の原理による少数意見の抑圧に結果する。

フクヤマのいう“自由民主主義”も、所詮はそうした専ら制度的に
縮小された民主主義を指すと思われる。これに対置する思想は、民
主主義を運動・理念というかたちで把握し、常に現実の制度のチェ
ックとして機能させる在り方、即ち“永久革命としての民主主義”
であろう。

702世界@名無史さん:02/09/03 00:58
電波狸は制度上仕方ないから直接民主主義じゃなくて間接民主主義(議会制)が
選ばれると勘違いしてる?
703あーあ:02/09/03 02:43
一挙にレベルダウンだな。
フクヤマはもういいよ。
704世界@名無史さん:02/09/03 04:07
>>693
日露戦争の停戦に際して、政府の弱腰に不満を持った民衆が
日比谷焼き打ち事件という暴動を起こしたことがある。
つまりその時点では、むしろ民意の方が政府よりも好戦的だった。
仮に当時の日本政府が民意に従っていたら戦争は更に継続したはずだが、
当時の日本政府があまり民主的ではなかったおかげで、講和が成立した。
こういう状況は例外的なものではない。
現代のアラブ諸国などでも、反米的・反イスラエル的な民意を
独裁者が何とかなだめすかして平和を維持している状況がある。
民主主義と戦争との間に負の相関があるのは確かだろうが、その相関は弱い。

戦争が歴史の根本的な枠組みである点、
現代では大国間の戦争が不可能になっている点については同意する。
しかし、そうなった原因は、
「戦争の総力戦化や核兵器の開発によって破壊規模が大きくなりすぎたこと」
「先進国では人口の大半が中産階級になってしまい、
 失う物を何も持たない者の破れかぶれな心理と縁遠くなったこと」
「第一次産業の相対的衰退によって、戦争の主要な原因であった天然資源が
 経済的に重要ではなくなり、取り合う必要がなくなったこと」
などに求めるべきだろう。
民主主義の普及もそうなった原因の一部ではあろうが、
因果関係は間接的であり、第一の原因とは言えない。
705電波狸:02/09/03 05:00
>>689
>フクヤマは本質論として歴史を語っていることに注意してほしい。
>科学の発達史は歴史の本質ではない。
科学=技術を視野に入れない「本質論としての歴史」とは何か?
要は、政治過程ですらない、体制化した政治思想=イズムのことを指して
いるように思われますが。

>>693
>フクヤマの主張は、政治学的枠内のみにおさまるものでは、もちろんないんだよ。
確かに、イズムであれば最早「政治学的枠」外のものだ。

>フクヤマの言う「歴史の終わり」は政治史というよりも、むしろ「戦争史の
>終わり」のことを本質的に指しているんだよ。
通常、戦争も政治の延長、つまり例外状況での政治と捉えられる筈だが、
「歴史の終わり」とは「政治の終わり」ということかな?
706電波狸:02/09/03 05:08
いずれにしても「歴史の終わり」とは、複数の政治思想(諸イズム)
の歴史的な対立・抗争の結果、当面米国を主要な担い手とする自由民
主主義という単一のイズムが勝ち残こったことへの「勝利宣言」とい
う積もりらしい。
しかし、その自由民主主義の今日的な欺瞞性については、前レス(>>699
で既に述べたとおり。

また、現代の国際政治では、解決を迫られいる問題(民族紛争・環境
問題・南北間格差など)が目白押しだが、これらを果たして米国の自
由民主主義というイズムが解決できるのだろうか? 
既に環境問題で、米国が世界の趨勢に背反しているように、その他の
問題でも、米国のイズムが逆に足を引っ張ることになる危険性がある。
最近の悪の枢軸発言・イラクへの攻撃姿勢など、国際世論の動向とは
裏腹に「自衛」(!?)や「中東の安定」(!?)と称して、戦争の火種
を撒布しているとしか見えないのだが…………。
もっとも今はまだ「意思表明」の段階だが、いざ攻撃となればアフガ
ンの時と同様に、また世界諸国へ賛同する旨の“恫喝”がなされるだ
ろうが。

>世界中がリベラルな民主主義国家になれば、世界から戦争を根絶できるので
>ある。
それ自体が南北間格差などの国際問題なのだが、米国はそれを専ら軍
事力行使=戦争という強行手段で実現しようとでもいうのだろうか?
あと余談だが
>イギリスとアメリカ間に起こった独立戦争のみ
は誤り。英仏戦争の激化に便乗して、米国は隣国の英領カナダを奪取
しようと1812年に米英戦争を起こす(カナダへの領土拡大は失敗)。
民主主義国家間でも、国内の民族紛争への介入をキッケケに紛争が起
こらないという保障はない(だからこそ国連で対処を議論しているの
では)。
707世界@名無史さん:02/09/03 06:04
>>695
>チョビ髭の伍長閣下の扱いが気になるなー。

ヒトラーは選挙戦術によって政権を獲得した。
これは大きな民主主義への皮肉になったが、
しかし、これは当時のドイツ国民の精神的未熟さが根拠になっていると思う。

民主主義はシステムだけ考えれば、独裁を生み出すことも可能だ。
しかし、ヒトラーの皮肉は、民主主義がシステムではなく、
ある種の価値観であり、イデオロギーであることへの明確な証拠となる。

法整備をするだけでは民主主義は根付かない。
そこに自由・平等・博愛の理念がなくては、権威主義・ファシズムに逆戻りしてしまう。
国民がその理念を理解するためには、どうしてもそれ相応の時間が必要になる。
子供が大人になるために、どうしても時間がかかるのといっしょだ。

>それって天皇制ファシズムとかとは無関係じゃねーのかなー?
>そうなると、日本帝国が民主主義国だったとしても、戦争は起こった気がするけどなー。

戦争を引き起こした最大の理由は国民世論にある。
これはみんなが認めるだろう。
当時の国民は為政者以上に、どうしようもないほど好戦的だった。
国民が戦争を回避できるだけの自制心、冷静さがあれば、
天皇制ももっと健全な形で立憲君主制に移行できたと思う。
やはり、「国民の好戦性」と「天皇制ファシズム」は無関係ではないだろう。
708世界@名無史さん:02/09/03 06:28
>>696
>自然状態(万人狼状態)の誤りでは。

万人狼は生存競争の説明であって、それでは「権威」をどうしても説明できないと思う。
人間は支配者に対抗するだけではなく、「忠誠」(服従)する心もある。
最初の人間の勝者には、優越願望に基づいた、「権威」と「誇り」が与えられた。
それを強調している点が、「万人狼」とは明らかにちがう。

>ヘーゲルの主人と奴隷の弁証法は支配・従属関係形成の説明モデルではない

これは解釈問題だと思ってくれい。

>(4世紀にローマ帝国の公認宗教となったが帝政・貴族制はそのまま)。

もちろんすぐには政治体制に反映されはしなかったが、中世には「教皇は太陽、皇帝は月」と言われたように、
大きな逆転現象が起こったのはたしか。
問題はキリスト教そのものが、異教・異端などの差別を生み出す原因になってしまったこと。

>十字軍遠征は11世紀末〜13世紀末だが、宗教改革は16世紀であり、両者の
>間に因果関係があるわけではない。

もちろん、十字軍とは時期的はズレがあるが、イスラム教のプレッシャーは常にあった。
そして国内の魔女狩りや異端弾圧も、政教分離の大きなモチベーションとなったはず。

>また宗教改革はローマ教会の腐敗に対抗するプロテスタント諸教会の成立
>という、キリスト教の枠内の教会体制上の改革。

それは宗教改革を矮小化しすぎ。
ルターの質問状には、政治・経済と宗教が結びつくことからおきる俗化への危険視が充分に読みとれる。
それは必然的に、政教分離(宗教の純粋化)を生み出すだろう。
ブルジョア革命は、宗教改革の延長であり、完成。
(つづく)
709世界@名無史さん:02/09/03 06:30
(つづき)
>>697
>ヨーロッパ諸国のが、世界的拡大によって多くの諸民族を支配したという
>現実からすれば、(強いてこの表現を使ったとしても)“対等願望”では
>なく“優越願望”が人種問題を引き起こしたというべき。

そう。
それは当時の対等願望の限界でもある。

>前レスでも述べたが、WW2は帝国主義間戦争+異なる政治体制間戦争と
>いう二重の性格をもつ

もちろんあれだけの規模の戦争であり、さまざまな複合性は認められる。

>日本民族vsアングロ・サクソンやゲルマン民族vs
>アングロ・サクソンというのは、日独両国の国内消費用のプロパガンダで
>あり、事柄の本質ではない)。

もちろんそれはデマゴーグであり、事実ではない。
しかし、そのデマゴーグを受け入れるだけの下地が国民にあったのは事実。
人種問題を優越願望の吐け口にしただけ。
やはり、「優越願望vs対等願望」という本質は変わらない。
710     :02/09/03 06:42
変わる。
711ばかばかしいな:02/09/03 06:52
社会のヒエラルキーと平等意識を願望と言う語で単純に二元論化しただけだろ。
くだらんな。そんなものどこにでもあるのは当たり前だよ。
最後は政教分離か。教科書そのまんまだな。
あーあ、あほくさ。
712世界@名無史さん:02/09/03 07:42
まあ693で沈艦などをだしてきたことから、
アイタタタなのはわかっていたことだが(苦笑)
713世界@名無史さん:02/09/03 07:47
>>691
>では、中国史の文脈では、対等願望はどういう風に実現
>されていくと読めるのでしょうか?

ぼくは中国史は専門に研究したことがないから、なんとも言えないんだよね。
でも、中国史を唯物史観で説明できるなら、わりとフクヤマ史観でも説明できると思うよ。
唯物史観とフクヤマ史観の違いは、歴史の原動力を「経済格差そのものの矛盾」ととらえるか、「経済格差からくるルサンチマンの矛盾」ととらえるかの違いだからね。

中国は、平等よりも秩序を重んじる国だから、西洋史ほど対等願望の発展が発見しにくいっていうのはあるかもしれない。
でも、ここ半世紀のうちに必ず民主化を達成し(その過程で分裂するかも知れないが)、優越願望的権威主義(皇帝主義・共産党独裁)に対等願望が勝利を治めるということは容易に予想できる。
だから紆余曲折は西洋とのズレはあっても、じゅうぶん中国史も「リベラルな民主主義が自己の正当性を証明していく過程」ととらえることは可能だと思う。

>日本史でも、身分間の流動性を考えると、
>戦国→江戸期で逆行してると思うのですが。

まあ、戦国時代は日本史のなかでは特異点だからね。平和な日本史の中で、あれほど戦争が恒常化した時代はなかった。
戦国時代は下克上という言葉が示すどおり、ものすごいリベラルな時代だったのだろう。
なんせ農民が天下を取ったわけだから、あれは、一種の確率変動と考えたほうがいいかも。

しかし、江戸時代は「士農工商」の最下位に属していた商人が、猛烈な勢いで名誉を回復した時代でもあった。
戦国→江戸期も、商人の名誉回復過程(サムライとあきんどの対立)ととらえれば、じゅうぶんに合理的に説明できると思う。
714世界@名無史さん:02/09/03 08:43
>>704
>独裁者が何とかなだめすかして平和を維持している状況がある。

支配者はつねに民衆の支持を得ている。
そうでなくては支配者になれないからだ。
だから極論すれば、過去の国家はすべて民主主義国家(大衆の支持があるという点で)と言い得る。
しかし、リベラル民主主義の本質は、ただ「大衆の支持があるか、ないか」だけではないよ。
そこにリベラリズム(相互寛容性)がなければ、国内の支持があってもリベラルな民主主義国家とは言えないんだよ。
それはただの権威主義国家だ。

前スレにも書いたが、ナチスは国民の圧倒的な支持を受けたが、リベラリズムとはほど遠かった。
だからリベラルな民主主義国家ではない。(複数政党制も、定期的な普通選挙もすでに行っていなかった)

独裁者が国民をなだめなくてはいけない国家は、それだけ国民が精神的に未熟だからだよ。
太平洋戦争前夜の、天皇や国家首脳部の苦悩はまさにここにあった。
715世界@名無史さん:02/09/03 08:44
(つづき)
>民主主義の普及もそうなった原因の一部ではあろうが、
>因果関係は間接的であり、第一の原因とは言えない。

戦争という行為が持つ、本質的な不合理に注目してほしい。

もし人間が動物的に生命保存を最大目標としているのなら、どんなに経済的な理由があろうとも、だれも戦争には踏み切らない。
命あっての物種だからだ。
主体的に戦争を行うには、どうしても、「生命よりも大事なものがある」という武士道的信念(狂気)が必要なのだ。
もちろん、人間が死よりも重要視したものは、「名誉」であり、「誇り」である。
戦争の本質を理解するには、「士は己を知る者のために死ぬ」という言葉を理解しなくてはならない。
(日本帝国軍人にとって、「己を知る者」とは天皇に他ならなかった。だから、アメリカという巨大な国家に立ち向かえたのである。逆にそれは、昭和帝の大きなプレッシャーとなってしまっただろう)

戦争抑止を核兵器や、天然資源、経済的利害にもとめるのは、本質ではない。(もちろん大きな理由であることはたしかだが)
「降伏するぐらいなら死を選ぶ」という狂気の抑止を、核や経済では説明できないからだ。
究極兵器を持つソ連が内部崩壊したことをもっと重視してほしい。
もしソ連がアメリカに敗北する屈辱を味わうぐらいなら死を選ぶと考えていたら、内部崩壊する前に、まきぞえに核を発射していただろう。
どうしてソ連が冷戦の敗北という屈辱を甘んじて受け入れることができたのか?
それは、ソ連国民が精神的に成熟し、命を捨ててまで「勝利」に固執することは狂気であり、無益なことだと気づいたからだ。

少年ジャンプの理念に、「友情・努力・勝利」という言葉があるが、子供であればあるほど「勝利」に固執する。
逆に大人になると言うことは、「勝ち負けで物事を考えない」ということなのである。
そして、「勝利」の概念を相対化できるのは、リベラリズムが持つ価値相対主義のみである。

対等願望の歴史的萌芽であるキリスト教の「汝の敵を愛せ」という言葉を、2000年かかって実践化させたのである。
716世界@名無史さん:02/09/03 09:06
>>711
>社会のヒエラルキーと平等意識を願望と言う語で単純に二元論化しただけだろ。

煩雑で複雑な歴史を、煩雑で複雑なまま描いても、なんの分析にもならない。
むしろ二元論に単純化しえたところに、フクヤマの特権性があると思うが。
本質はつねに単純なものだ。

>>712
>まあ693で沈艦などをだしてきたことから、
>アイタタタなのはわかっていたことだが(苦笑)

沈黙の艦隊の話は、11も触れているから書いたものだ。
当時読んで、マンガの中ではずば抜けた思想的水準を持っていると感じたよ。

沈黙の艦隊のストーリーは、高学歴の講談社編集部が考えたものだよ。
少なくともきみよりは頭がいい人たちだ。
717世界@名無史さん:02/09/03 09:29
面倒くさいから、しろはたでも読んでくれ。
http://ya.sakura.ne.jp/~otsukimi/hondat/view/kantai.htm
>元々アメリカの潜水艦をパクっておいて「独立国家でござーい」と言い張りながら
>日本の国益のためだけに世界中をテロって回るこの偽善的論法、よくよく思い返すと
>大日本帝国が満州帝国をデッチあげて国際的ひんしゅくを買ったやり口と全く同じ理屈

>「世界平和」を実現させるための方法論が米ソと同じ「核兵器による戦争の抑止」
>なんだから、これまた列強の帝国主義をまんま真似ておきながら「わが帝国だけは
>列強とは違い真の正義のために侵略戦争を行っておるのだ」と言い張っていた
>大日本帝国と一緒。溥儀のかわりに核ミサイルを担ぎ上げてるだけなのだ。
718世界@名無史さん:02/09/03 09:32
フクヤマの話(の2chでの展開)は、戦争する香具師を「幼稚だ」とか
「国民が未熟だ」とかなんとかいいはって、「リベラル民主主義」から
爪弾きするという、「ソ連がつぶれたら、『アレは本当は社会主義国では
なかったんだ』と言い出した共産党」みたいになってきてるな。笑い。
719世界@名無史さん:02/09/03 11:15
>>717
正直、こんな文章を書く男に『沈黙の艦隊』を語られたくない。
こいつがフクヤマを理解しているとは思えないし、フクヤマを理解できない以上、沈黙の艦隊も理解できないだろう。

>元々アメリカの潜水艦をパクっておいて「独立国家でござーい」と言い張りながら
>日本の国益のためだけに世界中をテロって回るこの偽善的論法、よくよく思い返すと
>大日本帝国が満州帝国をデッチあげて国際的ひんしゅくを買ったやり口と全く同じ理屈

こりゃ、海江田が核テロリストを演じて見せただけだって。
偽善もクソも、確信犯的にやってるんだよ。

>「世界平和」を実現させるための方法論が米ソと同じ「核兵器による戦争の抑止」

海江田は冷戦後の核をどうするかを話していたわけであって、核抑止力に世界平和を見出していたわけではない。
あくまでも民主主義にその力を見出し、政治と切り離した軍事と核の集中場所としての世界政府構想を立ち上げた。世界政府を実現するには、統一的なイデオロギーが不可欠だからだ。
海江田がカリスマを演じて見せたのは、歴史を動かすのが上部構造性だということを知ってたからだよ。
720世界@名無史さん:02/09/03 13:38
>719
9.11テロにおいて、沈黙の艦隊のストーリーが成立しない事は明らかになった。
蓋し、日本の自衛官として送りこまれた核テロリストと密入国したアルカイダ・テロリストに何らの違いがあろう。
唯一の違いは、同盟国の公務員にだまし討ちにされたか、密入国者かである。海江田の方が罪は重いだろう。
恐らく日本はテロ支援国として討伐を受ける。それを回避するには、日本は海江田の寄航を拒否し、あるいは、
海江田をアメリカへ突き出す事の他に存在しない。

この程度の想像ができない頭で学問の解釈をたれるな。
721世界@名無史さん:02/09/03 15:27
>>790
はぁ?
おまえ、沈黙の艦隊をちゃんと読んだのか?

アメリカはやまとに物資援助した日本に、在日米軍による首都制圧活動を行うちゃんと通告しただろ。そのまえに、日本の再占領計画まで通告してある。
9・11テロ以前に、アメリカがそんな甘い国じゃないって言うのは原作者もちゃんと認識してるんだよ。
作中でも、アメリカはテロには屈しないと何度も繰り返している。(ベネットの「アメリカが負けるわけにはいかないからだ」という言葉)
だから、その時間稼ぎのために日本は国連に提訴するって言ったんだ。

しかし、重要なのは、海江田がつぎつぎと政治的な提言を行って、アメリカが対処するスピード以上に国際世論を引きつけたことだ。
いくらアメリカといえども、国際世論はそうむげにはできない。
(今回のイラク攻撃に、アメリカが懸命に諸外国の説得に動いているのがその証拠。アメリカが他の軍国主義国家とちがうところは、ちゃんと国際世論の支持を気にしているところだし、アメリカの最大の強みは国際世論の支持を受けているところだ)

しかも、アルカイダとやまとはぜんぜんちがうぞ。
やまとは原潜であり、いちど潜行してしまえばぜったいに発見・撃沈は不可能だ。
なによりも核を持っている。(ほんとは持っていないが、持っているフリをするだけで海江田には充分だった)

海江田とベネットが終盤で和解したのも、ベネットはアメリカの利益のためにこの男は利用できると考えたからだ。
海江田はアルカイダなんかとはぜんぜんちがうし、ベネットは最後まで、世界の王としてのアメリカ大統領だった。

この程度の想像ができない頭で学問の解釈をたれるな。
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馬鹿ばっかだな。
725世界@名無史さん:02/09/04 12:12
>721
790って誰よ?

東京湾における第一回補給時点で逮捕or撃沈されて終わる。その時点でやまとは多くの国と敵対する核テロリストに過ぎなかっただろ。
やまとは極悪なテロリストであり、人質にとか,もし核が発射されて被害者が出たとしてもアメリカは英雄と祭り上げれば済む事。

この一時点で断固たる処置がとれない理由を述べよ。それ以降のコマのことは一つも出さずにだ。
726やれやれ:02/09/04 13:04
>究極兵器を持つソ連が内部崩壊したことをもっと重視してほしい。
>もしソ連がアメリカに敗北する屈辱を味わうぐらいなら死を選ぶ
>と考えていたら、内部崩壊する前に、まきぞえに核を発射していただろう。
>どうしてソ連が冷戦の敗北という屈辱を
>甘んじて受け入れることができたのか?
>それは、ソ連国民が精神的に成熟し、
>命を捨ててまで「勝利」に固執することは狂気であり、
>無益なことだと気づいたからだ。

上記の認識が正しいかどうかはともかく、それを前提とするなら、
戦争が不可能になった原因をリベラルな民主主義とするのはおかしい。
ソ連はリベラルな民主主義ではなかったんだから。
ソ連人が成熟した大人の国民だったとするなら、
そうなったのは政治的・思想的な理由ではなく、
経済的理由(日米西欧には遅れをとったが、ソ連は工業国)
社会的理由(ソ連国民の多くは教育水準の高い都市住民)ということになるし、
「歴史が終わった」原因もそういう経済的・社会的要因という理屈になる。

君が挙げた事例は、君自身の主張の支持材料ではなく反対材料なんだよ。
自分の主張くらいは理解しておきなさい。
727世界@名無史さん:02/09/04 13:39
>>725
>790って誰よ?

打ち間違えた。>>720

>この一時点で断固たる処置がとれない理由を述べよ。それ以降のコマのことは一つも出さずにだ。

この時点でやまとを撃沈しなかったのは、「やまとを支援した日本」を国際世論にアピールするため。
ジャパンパッシングを正当化するに、日本=「核テロリスト・海江田と軍事同盟を結んだ悪の国」という評価を明確にしておきたかったから。
軍事同盟を結ぶ以前では、まだ日本は「やまとという核テロリストに無理やり補給を迫られている被害者」という言い逃れをすることができた。
(げんに海原が、「喉元に核を突きつけられているのだ。言うとおりにするしかない」と国連理事会で言い訳していた)

ベネットはジャパン・パッシングのために東京での海江田と竹上総理の会見を利用しようとした。
ベネットはあくまで完全な正当性を獲得するためにやまとの東京湾入港を許したのであり、妥協したわけではない。
(もちろん、その時点で、「政軍分離と常設国連軍の創設」を海江田が提唱するとは夢にも思っていなかった。ベネットはそのときまで海江田を軍国ナショナリストとしか思ってなかったから)

ぎゃくに、海江田は会見を、やまとの修理・補給のための時間稼ぎに利用した。
海江田のほうが一枚上手だっただけ。
728世界@名無史さん:02/09/04 13:40
>>726
>ソ連はリベラルな民主主義ではなかったんだから。
>ソ連人が成熟した大人の国民だったとするなら、
>そうなったのは政治的・思想的な理由ではなく、
>経済的理由(日米西欧には遅れをとったが、ソ連は工業国)
>社会的理由(ソ連国民の多くは教育水準の高い都市住民)ということになるし、
>「歴史が終わった」原因もそういう経済的・社会的要因という理屈になる。

ぜんぜん矛盾はないよ。
ソ連国内におけるイデオロギー差別の不合理を、ソ連国民が時間をかけて自覚しただけ。

貴族道徳によって支配されていたローマ帝国内部から、その不合理を批判する形でキリスト教が発生したのと同じこと。
リベラルな民主主義は、その普遍性と合理性ゆえに、どんな支配体制下からも批判勢力として萌芽してくる。

止揚が矛盾から起こるっていう、弁証法の基本を知らないの?
729世界@名無史さん:02/09/04 16:30
>727
むしろ入航は歓迎な。湾には逃げ場が無いからそこで撃沈/海江田逮捕がいい。

では、日本はアメリカの断固たる処置にたいし、妨げとなるのか。
そもそもの原因、テロリスト・海江田を送り込んだ点で日本政府には負い目がある。
被害者への補償と、核テロリストを開放する事の危険性の訴えを受け拒否できるか?
ちなみに拒否しても、テロ支援国認定して、東京制圧の理由ができるだけだが。

#ジャパンバッシングがしたいだけでテロリストを許す事のどこが妥協で無いんだか。
730674:02/09/04 21:01
そういえば「最後の人間」はニーチェつながりか。

遅れてもうし分けないが
>>678
>これは失礼したな。(しかし、用語を知らないで批判するものがいると言うことは、 イメージ批判していると暴露するようなものだと思うが)
>「最初の人間」(これはヘーゲルの歴史哲学にあるらしい)っていうのは、最初に出会ったふたりの人間のこと。
>最初に出会った人間はまずなにをしたかというと、優越願望に基づき、イニシアチブを獲得するためにケンカをした。

やっぱり、フクヤマだけしか読でいない人だったのか。
私が知らないって話ではなく用語の定義もせずに新奇な用語を使うなといいたかった
のですが。

>ヘーゲルの歴史哲学にあるらしい
「らしい」って気に入りません。

「精神現象学」の「主と奴」の論理あたりから考えたらどうかな。
フクヤマはコジェベを経由したパクリだとおもうけど。
でも、やっぱフクヤマは3流(いいとこ2流)だと思うぞ
731世界@名無史さん:02/09/04 21:10
なんかいろんな言い方をしてフクヤマを正当化しようとしてる人がいるけど
本人は「歴史の終わり」で、人類の原理的な問題は解決した、って宣言して
るんだよね。もう原理的な問題でわれわれが考えるべきことなどない、と。

これが本当なら正に、「歴史の終わり」ではあるけど、まともな人間なら
よく其処まで言い切れるなって疑うが、そのマジックとハッタリを正当化
するためにヘーゲルを使ったわけだよね。特に哲学に弱い人がヒッカッタ
のだね。(それはこのスレを見てもわかるね)

で、フクヤマのベースにあるのは冷戦に勝って肥大化したアメリカ人の
世界認識なわけですね。

732感想:02/09/04 21:52
論破されてもそのことに気づかない相手とは、議論が成立しない。
ある意味、そういう奴って無敵だよな。
不毛だからフクヤマ厨は無視した方がいいと思うよ。
リベラル?何いってんの?今の米国がやっているのは「自由狩り」だぜ。
で、ミリシタ的思想は磐石となると。オッケー!
あれ?まずいなー。あいつら、有色人種嫌いなんだよなー。
こりゃピューリタン的優越願望だな。まいったなー、もう。
有色人種フクヤマの希望的観測だろ。
ご愁傷様です。
734警察権力や:02/09/05 00:43
軍事力が強化されていくのかな。
特に秘密警察的組織の強化は必至だろうな。
相手がテロリストだしな。スターリニズムの再来だな。
なるへそ、こうやって古代ローマも変質して東ローマになっていったのだろうな。
735世界@名無史さん:02/09/05 03:31
>>729
>そもそもの原因、テロリスト・海江田を送り込んだ点で日本政府には負い目がある。

ないよ。
だからちゃんと読んだの?
日本政府が海江田を送り込んだんじゃないよ。海江田が勝手に反乱・逃亡して独立を宣言しただけで、日本政府もそれに驚倒した。
日本政府はやまと事件をアメリカから独立の第一歩にしようとした。
(このじてんで、日本政府はやまとを支援しようとしたいたわけではなく、テロリストにも五分の理があるのだから、ちゃんと話を聞いて上げようという宥和政策を採ろうとしたてんで、アメリカと意見が分かれただけ。
げんにやまとが核を使用した場合、「自衛隊でやまとを沈める」と言っている)

>被害者への補償と、核テロリストを開放する事の危険性の訴えを受け拒否できるか?

だから、この時点でのやまと問題を、国連に委ねようと日本政府はしていたじゃないか。
会見中の竹上総理の「陸・海・空の自衛隊の指揮権を国連に委ねる」(本がいま手元にないから、微妙にちがうかも)という有名なセリフを知らないのかい?
裁くのはアメリカじゃなく、国連という図式をつくって、国際世論に委ねようとしていた。
これだけでも、アメリカの即時日本占領の一時的な時間稼ぎになる。

これだけのことが日本政府にできたのも、海江田の理想が普遍性を持つ「政軍分離と常設国連軍の創設」であり、アルカイダのようなイスラム原理主義とはぜんぜんちがうから。
というか、これくらいのこと読んでて分かれよ。
きみの思考力はマンガ以下かい?
736世界@名無史さん:02/09/05 03:32
(つづき)
>#ジャパンバッシングがしたいだけでテロリストを許す事のどこが妥協で無いんだか。

許してないって。
あくまでベネットはやまとを沈めようとしていた。
アメリカに反抗する者は、たとえ核テロリストであろうとも許さないと言う強い意志を持っていた。
大滝議員の会見のとき、やまとをミサイル攻撃しなかったのも、
すでにやまとは国際的注目を集めるテロリストであり、これを倒すには暗殺的なこそくな手段ではなく堂々としたアメリカ海軍の戦闘行為で沈めようと思ったから。
(ベネットはアンディ副大統領に問われたとき、はっきりとそう答えている。やまとの存在はアメリカに対する「挑戦だ」と)

しかし、ベネットの予想をくつがえし、大西洋艦隊も海江田の前に、模擬戦という形で完敗してしまった。
737世界@名無史さん:02/09/05 03:43
>>730
>フクヤマはコジェベを経由したパクリだとおもうけど。

関係ない。
パクリと言われるが、フクヤマはその出典を隠したことはない。
いいかがりのたぐい。
あくまで、歴史哲学の弁証法哲発展を示すために、先輩格であるヘーゲル・コジェーブを語った。
学問も弁証法の枠内で発展する以上、厳密な意味でオリジナルなどというものは存在しない。そんなの当たり前。
738世界@名無史さん:02/09/05 04:39
>>732
>論破されてもそのことに気づかない相手とは、議論が成立しない。

論破されたというのなら、そのレス番号を示しなさい。
どう見ても、これまでの流れは、
フクヤマ批判者が、ろくにフクヤマを知らずに批判しているということを証明しているだけのような気がするが。

こんな輩にイメージ批判されているフクヤマの苦労が偲ばれるよ。
739世界@名無史さん:02/09/05 04:56
>>731
>これが本当なら正に、「歴史の終わり」ではあるけど、まともな人間なら
>よく其処まで言い切れるなって疑うが、

だから疑っているのなら、リベラルな民主主義の枠内で解決できない原理的な問題を具体的に挙げなさい。

>で、フクヤマのベースにあるのは冷戦に勝って肥大化したアメリカ人の
>世界認識なわけですね。

そんなわけはない。
アメリカ人以外にも、フクヤマの言説を評価しているのは大勢いる。
フクヤマの「歴史の終わり」は、純粋に社会科学的意見だからだよ。
740世界@名無史さん:02/09/05 11:30
>735,736
しろはた読んでねーだろ。
「どうして諸外国がこういうやり口に怒り狂うのか、未だに日本人は理解出来ていないらしい。
要するにホンネとタテマエがあからさまにみえすいて使い分けられていることに他国が
気づかないと思いこんでいる、その無神経ぶりがひんしゅくものなんだよ。」

>739
アンタは、「戦争をしない、差別が起こりえない民主主義体制」を
「リベラル民主主義」と呼ぶんだから(例外は、「国民の精神的未熟さ」
とか、「自由・平等・博愛の理念がなくては」とか、「歴史段階のズレから
局所的なトラブル」とかに包摂してしまうから)、自明なのは当たり前。
「アンタの言うような『リベラル民主主義』なんて存在しねー」と言うしかない。
#ついでに、戦争の責任を他の社会体制に押しつけてる、という悪癖があるな。
>695,704,707
741世界@名無史さん:02/09/05 16:18
>>740
>しろはた読んでねーだろ。

読んだよ。

>「どうして諸外国がこういうやり口に怒り狂うのか、未だに日本人は理解出来ていないらしい。
>要するにホンネとタテマエがあからさまにみえすいて使い分けられていることに他国が
>気づかないと思いこんでいる、その無神経ぶりがひんしゅくものなんだよ。」

このしろはたの筆者は、なぜか海江田が日本のために独立したと思いこんでいるらしい。
海江田を当初日本政府が国益のために利用しようとしていたのはたしかであり(海原のオヤジの日本再軍国主義計画や、天津の太平洋共同体創設計画)、
それが見透かされてベネットに強硬な態度をとらせ(おそらくはハッタリだろうが、日本再占領計画)、日本の立場は苦しくなったのは事実。
しかし、海江田が日本の国益のために行動しようとしているのではないと言うことに、日本政府もしだいに気づき始めた。
海江田は目的は最初から、国連登壇であり、海江田自身はべつに本音と建て前を使い分けていたわけではない。

沈黙の艦隊を理解できてないのは、やまとと日本政府の密約説を信じているしろはたの筆者のほう。

>「アンタの言うような『リベラル民主主義』なんて存在しねー」と言うしかない。

リベラルな民主主義とはフクヤマも定義したように「複数政党制を維持し、定期的で、秘密の普通選挙を行う政治体制」のこと。
こんな国はちゃんと存在している。
日本もアメリカもドイツも、フランスも、イギリスも、みーんなそう。
ナチスは、複数政党制を放棄したでしょ(一党独裁)? だからその時点でリベラル民主主義国家じゃなくなったの。
ふつう、歴史時代の国家は、自分の党が第一党になったら、法律を変えて、他の政党を非合法にしてしまい、権力の強化を図るもの。
自分の党が第一党になっても、他の政党を禁止しないと言うことは、リベラリズム(寛容性)が発達しているきわめて大きな目安になる。

>#ついでに、戦争の責任を他の社会体制に押しつけてる、という悪癖があるな。

ごく初期(イギリス・アメリカ間の独立戦争。もう少し広く見て、米英戦争)をのぞいて、民主主義国家間が戦争を行っていないと言うのは社会科学的事実。
これがまちがいだというのなら、民主主義国家間の戦争の例を挙げてみて。
742世界@名無史さん:02/09/05 18:45
>735(二段目は736だが)

とりあえず撃沈は次善の手段な。アメリカがタリバンにラディンの逮捕を求めたように。
真意は法廷で聞く。これが断固たる処置だぞ。
更に言うと、撃沈も在日米軍が単独でやまとを沈める事を想定していた。
東京湾に逃げ場が無いから沈め易いんであって、自衛隊の援護はこの場合無関係。

後、核テロリストに対し正々堂々なんて精神を持ち出すのは馬鹿のすることだぞ。
何故なら、卑怯な行為を既にしているから。
#そう言う意味で、断固なんだがねぇ。

おまけ。
>これだけのことが日本政府にできたのも、海江田の理想が普遍性を持つ「政軍分離と
>常設国連軍の創設」であり、アルカイダのようなイスラム原理主義とはぜんぜんちがうから。
(引用者改行)
についてだが、それが成立するなら「日本政府がそれを知っている」=「密約がある」からだろ。
743世界@名無史さん:02/09/05 19:06
>>739
>だから疑っているのなら、リベラルな民主主義の枠内で解決できない原理的な問題を具体的に挙げなさい。
そんなに無内容に力み返らなくてもいいです。

フクヤマの言う「リベラル民主主義」って言う代物は信用しないが、
これ以上、人類史に原理的な難問が発生しない。ということをフクヤマシンパが
証明した方が早いと思うが。(「予言」と「断言」の類でなく)

常識的な人間は、先のことはわからないことを認めるし、一見解決したよう
に見えて実は問題が再現するという可能性を「原理的」には否定できないのだが。

ただ、フクヤマがここ2十年位のトレンドを後追い的に語っているだけ、しかも
アメリカ人として。


744世界@名無史さん:02/09/05 19:08
>>737
出展を隠さないからパクリじゃない、ってどういう論理なんだ。
745世界@名無史さん:02/09/05 19:15
>>732
そうだね。フクヤマ病患者ってどうもフクヤマしか読んでない人たちで
そういうところでフクヤマによっちゃうんだろうね。

フクヤマの下敷き(箔付け)のヘーゲルにしても電波狸氏の方が、ちゃんと
読めていることには驚く。(根本的には立場が違うが)
へーゲル理解のカギと言える精神現象学についても、オリジナルを読んだかどうか
は別にして内容は把握しているし。これはフクヤマ病患者にたいする優位だとおも
う。
746風向:02/09/06 02:51
高度に思弁的になってしまって(一部、沈黙の艦隊の話にもなってますが)、
呆然とROMする日々が続いてます・・・(泣。

古いレスを蒸し返すようですみませんが、どなたか、戦国期→江戸期で身分
間の流動性が低くなってることをフクヤマ的にはどう説明できるのか(でき
ないのか)、教えてください。あるいは、18,9世紀の英国史における男女差
別の問題でもいいです。この時期、多くの職種で一方の性への集中が見られ
ますし、公的世界から女性が排除される動きがありますが、これはフクヤマ
の直線的な史観にはうまくあてはまらないと思うのですが(直線的だという
認識がそもそも間違いなのでしょうか?)。
747   :02/09/06 04:40
夏休みは、、、長いな、、、。
748電波狸:02/09/06 04:49
>>746
>戦国期→江戸期で身分間の流動性が低くなってること

戦国時代に割拠していた地方権力(戦国大名)が統一政権(豊臣・
徳川)のもとに編成され、兵農分離により統治階級である武士身分
とそれ以外の被支配階級である農民(職人・商人など)が分離・固
定されたのが江戸時代の身分制です。なお、職人・商人は城下町に
集住させられ町人身分を形成、この外にエタ身分(軍需物資の原料
である皮革生産・加工に従事)が存在。また俗に士農工商と言われ
るが、実際には武士以外の農・工・商の間には身分の上下は存在せ
ず。
実際には、中世〜戦国にかけての社会的分業の進展により、事実上
戦闘(統治)、農耕生産、加工業、流通販売業に関わる集団という
のが、地域ごとに専業化しつつあり、統一政権はそした状況を前提
に、これを全国的に身分として掌握・編成したというのが実情です。

従って、こうした個別的歴史事象を“対等願望”や“優越願望”で
説明するのは、およそ無意味ということになります。
歴史事象を抽象化し一般化した議論(例:世界史における戦闘者の
位置づけの比較や類型化)は成立しますが、ア・プリオリに一般的
範疇(それも“願望”という観念レベルの範疇)を設定して、都合
のよい歴史事象に当て嵌めるというのでは、転倒した歴史認識と思
われます。
比喩的に云えば、世界史の上空を“ある霊魂”が常に浮遊していて、
眼下に適当な対象を見つけ出すと、舞い降りてきてそれに“受肉”
するというようなものかと。要は、古今東西のあらゆる歴史事象を
説明(解釈)可能な理論というのは存在しないし、仮にそう豪語す
る場合には、必ずどこかにペテンが隠されているということかと。
749フクちゃん:02/09/06 05:48
雲上を行く、ってとこかな。
750世界@名無史さん:02/09/06 09:03
>ごく初期(イギリス・アメリカ間の独立戦争。もう少し広く見て、米英戦争)をのぞいて、民主主義国家間が戦争を行っていないと言うのは社会科学的事実。
>これがまちがいだというのなら、民主主義国家間の戦争の例を挙げてみて。

つまり、リベラル民主主義国家同士での戦争がないから、
リベラル民主主義国家vs非リベラル民主主義国家の戦争は、
非リベラル民主主義国家の方に責任があるというわけか?

イラクがアメリカに難癖つけられて攻撃されても、イラクが
非リベラル民主主義国家だからイラクの方が悪いのか。フーン。

それって単に アメリカが戦争と情報工作に強いというだけの話でわ?
751世界@名無史さん:02/09/06 11:14
>>742
>についてだが、それが成立するなら「日本政府がそれを知っている」=「密約がある」からだろ。

いや、だから話の中でしっかり密約説は否定されている。
日本政府はアメリカ第三艦隊を壊滅させたやまとの軍事力に片思いしていたが、海江田は日本なんてさいしょっから眼中になかった。
ただ第三艦隊戦で全弾撃ちつくした魚雷を補給できればそれでよかった。
海江田の視線はあくまでベネットにむいていた。世界を変えるには、アメリカを変えなくてはいけないからだ。

おれが、「これだけのことが日本政府にできたのも」と言ったのは、イスラム原理主義をかかげるタリバンを支援するのと、冷戦後の新しい枠組みを考える海江田を支援するとでは、はるかに後者のほうが国際世論の理解を得やすかったから。
だから国連にやまと問題を委ねることができたんだよ。
752世界@名無史さん:02/09/06 11:19
>>743
>これ以上、人類史に原理的な難問が発生しない。ということをフクヤマシンパが
>証明した方が早いと思うが。(「予言」と「断言」の類でなく)

弁証法というものをどれだけ理解しているかに関わってくる。

まず、歴史は繰り返さない。
くり返しているように見えても、螺旋的に上昇して、段階が変わっている。
過去の歴史の記録と記憶がすべて消えない限り、歴史は繰り返されることはない。
いちど人類がマクロ的なレベルで、宗教・人種・イデオロギーの差別を超えたのなら、もうそれらの差別がマクロ的なレベルで再現され、問題になることはない。
もう、これらの差別が正当化されることは二度とないんだ。
753世界@名無史さん:02/09/06 11:22
(つづき)
>>743
>常識的な人間は、先のことはわからないことを認めるし、一見解決したよう
>に見えて実は問題が再現するという可能性を「原理的」には否定できないのだが。
いい?
ここは核心的な部分だから、ちょっとむずかしいかも知れないけど、よく聞いてね。
フクヤマを電波呼ばわりする人間は、ここのところがどうしても理解できないからなんだよ。

弁証法の概念を用いれば、「ここにあるものは彼方にあるものであり、ここにないものはどこにもない」という言説が可能になる。
だから、将来にわたっても、リベラル民主主義の対等願望をくつがえすほどの差別が正当化されることはもはや永遠にない。(歴史の記憶が抹消されない限り)。

なぜか?
それはもはや現在、そのような差別となるであろう「萌芽」が存在しないからだ。
もう、全世界のどこを見渡しても、リベラル民主主義に対抗できるだけのイデオロギーが、その萌芽すら存在しないと言うことは、
もはや永遠にわたってリベラル民主主義に対抗できるだけのイデオロギーは存在しないと言うことなんだよ。

歴史的な現象というものは、ある日どっかから、なんの前触れもなく飛来してくるものではないの。
弁証法の基本は、上げる、捨てる、保存するであり、歴史が現象化するためには、必ずその予兆となるべきものが、萌芽として過去に「保存」されていなくてはならない。

たとえば、飛行機の予兆(萌芽)は、空を飛ぶ鳥や昆虫だった。
人は大昔から鳥を見て、工夫次第では空を飛ぶことが物理的に可能であることを知っていた。だから、あらゆる努力を惜しまず、飛行機開発に邁進できた。
逆に、空を飛ぶ鳥や昆虫がいなかったら「飛行機をつくれる」という意志すら人間は持てなかっただろう。

それといっしょで、リベラル民主主義以上の政治体制を人間がいま現在、想像し得ないということは、もはや永遠に想像できないと言うことなの。
それは、人間の想像力の限界なんだよ。
人間はまったく見たことも、聞いたこともないものを想像することは不可能だ。
人間が想像、独創できるものは、せいぜい、従来あるものを組み合わせて、一見真新しくしているだけに過ぎない。
無から有を造り出すことは、永遠にできないの。
754世界@名無史さん:02/09/06 11:23
(つづき)
あれから100年たっても、マルクスとニーチェ以上のリベラル民主主義批判者が出てこないのがその証拠。
マルクス主義とニーチェ主義以上のものを、人間が想像できないんだよ。
あれから人類全体の知的水準も上がっているのに、ついに19世紀の思想家を超えることはできなかった。
完全にリベラル民主主義批判の想像力がつきてしまったのだ。


日本史を例にとろう。
日本人は、まだ鎌倉幕府よりも優秀な政治体制を想像できた。
だから室町幕府をつくった。でも、日本人は、さらに優秀な政治体制を想像することができた。
だから、安土・桃山時代をつくった。
でも日本人はそれよりも優秀な政治体制を想像することができた。だから、江戸幕府をつくった。
でも、日本人は江戸幕府よりも優秀な政治体制を想像することができた。
だから大日本帝国をつくった。しかし、日本人は大日本帝国よりも優れた政治体制を想像することができた。
だから、民主主義国家・日本をつくった。
それでは、民主主義国家・日本よりも優秀な政治体制を想像してみよう。
「…………」
日本人はみな沈黙してしまった。
「いいんじゃない、これで。これ以上政治革命を起こす必要もないし、具体的な未来像も思いつかない」
日本人は、近代化を達成したことによって、進歩という点での、目標を完全に失ってしまったのだ。
目標が思いつかない以上、これ以上、歴史が動くことはない。
「終わりなき日常」は始まったの。

それがゆえの歴史の終わりであり、弁証法的発展の完了という名の永遠の始まりなんだよ。
755世界@名無史さん:02/09/06 15:58
>751
結局政府がやまとの軍事力に片思いなんだか海江田の思想に賛同したのか全く
わからんのだが、何故わざわざ「おまけ」といってる部分にだけ言及する?

まあいい、最後にリベラルな民主主義と「沈黙〜」の関係の本質的な質問をする。

やまとは民主国ではないが、やまとが日本政府等で無かった事は、民主国に
は他の民主国を改善させる能力が無いためである。これは正しいか。

後段が成立するならリベラルな民主主義国家は進歩における袋小路であり、
理想的な国家像とは言えなくなる。(改善にやまとを必要としたので)

逆に、成立しないなら「沈黙〜」はリベラルな民主主義の記述として不適では?
756いつの時代も:02/09/06 16:47
みんなそう考えるのだよ。
ごくろうさん。
757民主主義と :02/09/06 18:12
政教分離か。思想史だいすき君か。
どっかのスレにも似たような教科書君がいたな。
758世界@名無史さん:02/09/06 18:53
ヘーゲルをちゃんと読んでいない人から弁証法の説教をされるとは思わ
なかった。ただ、「弁証法」は水戸黄門の印籠なみの威力はもうないよ。
しかも、三浦つとむレベルではつらい。

少なくともある時期までは江戸時代の人は、封建領主の居ない政治体制な
んてあまり現実味を持って考えた人はいないし、過去を探せば自分の政治
体制を「永遠だ」と自称して、かつ、ある程度のほころびが見えるまでは
結構多くの人が信じていたとと言う事実はある。
ま、「リベラル民主主義」も例外ではない。
つまり、ここで気が付くべきなのは「システムの内部にいる人間には
システムの限界が見えにくい」と言うことなんだね。

759世界@名無史さん:02/09/06 18:58
758の続き

しかも、現在の政治体制について人々は、別にこれをフクヤマとまったく同じ
哲学的意味付けで「リベラル民主主義」と考えているわけではない。じじつ
ヨーロッパではフクヤマはあまり相手にされていない。ジャーナリスティックに
はやったことは過去にはあるけど。

気をつけて欲しいのは、「民主主義」が別にいけないのではないということだね。
ただ、フクヤマ的な民主主義の哲学的意味付けがお笑いでしかないだけなんだね。
760世界@名無史さん:02/09/06 19:11
あと748の電波狸氏へのコメント

キチンとした説明ですね。歴史的事実と史観どちらも
隙がないですね。フクヤマ病の患者と比べると光って
ますね。

>史事象を抽象化し一般化した議論(例:世界史における戦闘者の
>位置づけの比較や類型化)は成立しますが、ア・プリオリに一般的
>範疇(それも“願望”という観念レベルの範疇)を設定して、都合
>のよい歴史事象に当て嵌めるというのでは、転倒した歴史認識と思
>われます。
その通りですね。これにつきてます。
761世界@名無史さん:02/09/06 20:00
>>750

>つまり、リベラル民主主義国家同士での戦争がないから、
>リベラル民主主義国家vs非リベラル民主主義国家の戦争は、
>非リベラル民主主義国家の方に責任があるというわけか?

ていうか事実は、「民主主義」が崩壊してナチズムが成立したり
民主主義国のはずのアメリカが国家の利益のために独裁国家とてを結んで
戦争を仕掛けたりってことでしょ。
また、戦争中のアメリカが日系人の人権を認めなかったりして「リベラル民主主義」
立ったかどうかもあやしだけじゃないのかな。
762菊千代:02/09/07 00:48
Sollen のレベル(規範的史観)と Sein のレベル(記述的史観)が
議論の中でごっちゃになっている気がする。
議論のフォーマットとしてミーム進化論を共有前提にしよう。

念のために、19世紀的な進化概念と現代的な進化概念の違いを確認しておく。
19世紀人にとって、進化は価値中立的なものではなく、
世界・生命がより高度な存在に近づいて行くという宇宙的な向上過程だった。
それは、神の創造という概念を科学用語で言い換えた擬似神学だったと言える。
そういう意味の進化を社会構造に当てはめたものとして歴史哲学が生まれ、
「社会進化がどの方向に向かっているのか」が議論されたわけである。
現代の日常用語で使う進化にもそういう名残があり、
「進化した〜〜」という表現には価値的にプラスの含意がある。
しかしアカデミックな文脈で「進化した〜〜」という表現が使われる場合、
現代的な進化の概念は価値中立的であり、
「生存効率が高く子孫を残しやすい」という程度の意味でしかない。
そういう意味での社会進化を考えることにしよう。
763菊千代:02/09/07 00:51
考え方のサンプルを示す。
農耕段階では大抵の文化が一子相続の男系世襲君主制だったが、
なぜだろう?
代替案を示し、それとの比較で考えてみよう。

まず、分割相続制の文化との比較。
例えばカール大帝没後のフランク王国は三人の息子に分割相続された。
それが文化だったら、その民族の巨大国家は
一世代しか持たないことになる。
仮に戦国時代の日本で、東部が一子相続、西部が分割相続だったら、
東日本ではいつまでも小さな藩が分立し続け、
西日本に成立した大藩に征服されるはずである。
そこで西日本の一子相続制が東日本にも伝わることになり、
分割相続制というミームは淘汰されることになるだろう。

この段階での支配者とは第一義的に軍事指導者なので、
娘に家を継がせることには自明なデメリットがある。
相続する相手は息子たちの中から選ばれなければならない。
764菊千代:02/09/07 00:52
最も有能な息子が継ぐというのは論理的な制度に思えるが、
そういう文化では、複数の候補を擁立して
家臣たちが争い合うことになり、その間に他国に攻撃されたり
国が割れたりする可能性があるので不安定である。
徳川吉宗は、脳性麻痺だったらしい長男家重を後継ぎとしたが、
吉宗の念頭にあったのも、これに似た思考実験だったのだろう。

モンゴル文化では末子が家を継ぐのがデフォールトだったが、
この文化では、親が死んだ時点で末子が子供の場合、
新君主が家臣の傀儡になってしまう可能性や、
実力を持った兄が末弟の相続に不満を持って国が割れる可能性がある。
従って、末子相続も不安定ということになるが、
長兄相続に対する末弟相続の不利は微妙なものであり、
分割相続や女系相続のミームよりは生き残りやすいだろう。

戦国時代のような段階にある仮想の大陸をシミュレーションして、
それぞれの国に上記のような文化を持たせて戦わせるとしよう。
分割相続や女系相続の文化はすぐに淘汰されてしまい、
大陸を統一するのは長兄が相続する文化の国である可能性が高い。
765世界@名無史さん:02/09/07 01:45
>>755
>やまとは民主国ではないが、やまとが日本政府等で無かった事は、民主国に
>は他の民主国を改善させる能力が無いためである。これは正しいか。

べつに関係ないよ。
やまとは核の危険性を示すために、核テロリストを演じて見せただけ。
アメリカや日本は、あくまでも民主主義の枠内の中で、その核テロリズムに対処しようとしていた。
民主主義は、その柔軟性ゆえに、冷戦後の枠組みである世界政府を実現できるだろうという読みが、海江田にあった。

>>758
>ヘーゲルをちゃんと読んでいない人から弁証法の説教をされるとは思わ
>なかった。ただ、「弁証法」は水戸黄門の印籠なみの威力はもうないよ。
>しかも、三浦つとむレベルではつらい。

こっちがヘーゲルに言及しないのは、不毛なヘーゲル解釈問題に拘泥したくないからだよ。
こっちはあくまでも、ヘーゲル哲学ではなく、フクヤマの歴史哲学に言及しているの。
こっちからすれば、フクヤマを読んでないのにフクヤマを批判してる人間がいることに呆れるよ。

>つまり、ここで気が付くべきなのは「システムの内部にいる人間には
>システムの限界が見えにくい」と言うことなんだね。

きみは、決定的な時代錯誤をおかしている。
江戸時代を例として出している段階で、歴史段階論が理解できていない証拠。

フクヤマが歴史の終わりを宣言するのに、どうして冷戦の終焉と世界の一極化まで待ったのか分かっていない。
世界が一極化を実現したのちは、もうシステムに外部も内部もない。
それがもう、世界のすべてなんだよ。

民主主義のシステム外のものが生まれるとしたら、それはもう宇宙人が地球にやってきたときだけだろう。
766はいはい:02/09/07 02:16
さようでございますね。
767世界@名無史さん:02/09/07 02:56
>>748
>また俗に士農工商と言われ
>るが、実際には武士以外の農・工・商の間には身分の上下は存在せ
>ず。

電波狸さんが言うように、士農工商は差別的階級と言うより、職業的分業化という側面が大きい。
戦国時代は分業化が不明確(農民が天下を取ったように)だったため、職業的にはリベラルだったが、しかし差別意識そのものは江戸時代よりも強かったと考えられる。
弱肉強食の時代であり、なによりも、武が重んじられていた時代だ。
優越願望にもとついた勝者の優越感と、敗者への軽蔑感は、江戸時代よりも強かっただろう。
ただ職業による差別意識が、分業化以前だったために、そう強くはなかったというだけの話。

>従って、こうした個別的歴史事象を“対等願望”や“優越願望”で
>説明するのは、およそ無意味ということになります。

これは、誤解。
電波狸さんの述べる歴史的事実にはべつに異議はないが、優越願望と対等願望の対立を、職業間身分差別のみに着目している点に問題がある。それはマルクス主義者の発想だよ。
あくまでも、「貴族道徳」(勝者)と「奴隷道徳」(敗者)の対立である点を忘れないように。

>都合のよい歴史事象に当て嵌めるというのでは、転倒した歴史認識と思
>われます。

>要は、古今東西のあらゆる歴史事象を
>説明(解釈)可能な理論というのは存在しないし、仮にそう豪語す
>る場合には、必ずどこかにペテンが隠されているということかと。

都合がよいと言われるが、フクヤマ史観の特権性は、ずば抜けた未来予見性を持つということ。
理論そのものはどんな理論も、後付けと呼ばれれば後付けに過ぎない。
だが強い再現性を持ってるがゆえに、フクヤマ史観はやはり科学と呼ばれる資格がある。
けして転倒してはいない。
理解できない人は、ペテンと呼ぶかもしれないが、
世界中の国家が民主化してゆくであろうという傾向性をだれも事実として否定できない。
768風向:02/09/07 02:57
>>748(電波狸さん)
わかりやすい説明をありがとうございました。

> 要は、古今東西のあらゆる歴史事象を説明(解釈)可能な理論というのは存
> 在しないし、仮にそう豪語する場合には、必ずどこかにペテンが隠されてい
> るということかと。

僕もそう思うのです。確かに、フクヤマの話は1990年をはさんだ前後10年くら
いを考えると「歴史の終わり」を感じさせますが、それ以前の歴史段階の諸事
象をどう扱うのか、よくわからない。歴史段階をリベラル民主主義以前と以後
の二つにまとめてしまうというのは少し乱暴すぎる気がします(この点は、歴
史区分の指標をどうとるかの議論をする必要があるかと思いますが)。

>>765さん(捨てハンでよいので何かハンドルをつけてもらえませんか?)
リベラルな民主主義「国家」は、国家の最終形態かもしれないけれど、その
国家自体を超えようという試みはさかんになされていますよね。今後、多く
の国で民主化が実現していくだろうという方向性はその通りだと思いますし、
その過程で、比喩的に「世界のアメリカ化」のようなことは起こるかもしれ
ません。しかし、「アメリカのようになる」ことと「アメリカになる」こと
は別で、EUの足並みの乱れっぷりを見ても、統一的な意思決定機関(=世界
政府)ができるまでには、思想的にも実体経済においてももう一段の変化が
必要な気がします(「統一的な意思決定機関」を必要としない社会体制すら
あり得ると思われます)。
769ロマンチック・フクヤマ:02/09/07 06:09
765だが、一応捨てハンを名乗ることにするよ。
フランシス・フクヤマ弁護者であることを示すためにこれから「ロマンチック・フクヤマ」と名乗ることにするよ。
気軽にファーストネームで、ロマンチックさんと呼んでほしい。
ナウ・ロマンチックだ。

>>755
>後段が成立するならリベラルな民主主義国家は進歩における袋小路であり、
>理想的な国家像とは言えなくなる。(改善にやまとを必要としたので)

読み返してみたが、この質問に充分に答えていなかったな。
作中で海江田がいってるとおり、
やまとが日本という民主主義国家を離脱したのは、まず核テロリストの恐ろしさを世界に示すため。
(この時点で、海江田はまだ核の危険性について、世界中の認識が甘いと思っており、その示威行動として核テロリストを演じた)
また、核が生まれた時点で、戦争という行為そのものが無意味になったという点を強調するためでもある。

そして、日本という国、いや、国家というものから離脱する必要があった。
ぼくが沈黙の艦隊を面白いと思ったのは、民主主義は国家すら越えられるという認識に立っており、歴史の進歩の必然的結果としての世界説府を着想している点。
ほぼ先進国間では、歴史が終わったと見ていい。
しかし、まだ発展途上国では歴史が進行中だ。政情は不安定だし、資本主義は根付いていないし、テロによる政治革命も起こる。
だが、発展途上国も時間がたてば、充分に脱歴史化するだろう。
そうなると、歴史段階の差からくる価値観の衝突も終わって、世界政府(国連よりも強制力を持った組織)構想もリアリティを増してくる。
現在の国際連合はまだ歴史段階的に不十分だ。(作中にも「拒否権を乱発する大国の横暴は、民主主義に対する挑戦だ」と言う言葉がある。拒否権がある限り、民主主義組織として不十分。それは差別だから)

そうなったばあい、国家主義というものは足かせでしかない。
そのナショナリズムを克服するために、独立国を一時的に名乗った。(海江田は、世界政府しか存在を認めない。その結果、やまとが一県や州になってもいいと言っている)
770ロマンチック・フクヤマ:02/09/07 06:09
(つづき)
そしてなによりも、海江田は世界の注目を自分に集めなくてはいけなかった。
新しい理想を掲げ、大国の軍事力をあざ笑うことによって、世界中の人々からカリスマ視された。
民主主義をうたうヒーローをつくることによって、世界中の発展途上国を上部構造的に一気に成長させようとした。
(国連総会で、「〜〜の人々」と世界中の国々の(人々の)名を読み上げたのはそういう意味。そして、最後に、「わたしは海江田四郎です」という、一個人の名をつけ加えた。また「独立せよ」という遺言)
そうすれば、後々、世界政府創設を早める結果になると思っていたから。

しかし、もちろんカリスマというものは本来民主主義的には危険なものだ。(作中にも「この男の前で民主的な総会が行われるとは思えない」と言う指摘がある)
だから、海江田は死ななくてはならなかった。(本人もさいしょっからそのつもりだった)
海江田の死(カリスマの消失)によって、海江田の計画プロセスは完了し、世界レベルにおいて歴史は終了した。
それが沈黙の艦隊のストーリー。

まあ、逆に言えば、もう世界政府構想までが人間の想像力の限界。
771ロマンチック・フクヤマ:02/09/07 06:39
>歴史の進歩の必然的結果としての世界説府を着想している点。

あら誤字。
世界政府ね。
772世界@名無史さん:02/09/07 08:03
>>765
別にヘーゲルなんて読まなくてもかまわないんだけど、
俗流化した弁証法を振り回すなら、オリジナルも読んだ方がいい
という話なんだが。

あと、ここのフクヤマ批判をやってる人はフクヤマ読んでるよ。
電波狸氏の指定した論文を材料に具他的に議論してるし、
また、フクヤマ関係の具体的な論文をここで
紹介したのは私なのだが。

>きみは、決定的な時代錯誤をおかしている。
>江戸時代を例として出している段階で、歴史段階論が理解できていない証拠。
おいおい先に江戸時代をお持ち出したのはフクヤマ病患者の方だぜ。>>754
773世界@名無史さん:02/09/07 08:21
>>762

>Sollen のレベル(規範的史観)と Sein のレベル(記述的史観)が
>議論の中でごっちゃになっている気がする。

それを「弁証法」と言うそうです。

ここのフクヤマ論者というのはかつて、ヘーゲルが絶対精神だなんだのい
ながら現実にはドイツの現実の国家の存在を哲学的に美化することに
帰結したという過去の2番煎じを、冷戦後のアメリカに対してやってるだ
けに過ぎないのです。あえて言えばマルクスとも通じます

「社会主義の必然性」を叫んでいた頃の観念的なマルクス主義者と現在のフクヤマ
病患者の言い方は、驚くほどに通っています。

自分たちを「社会科学」と自称することか「弁証法を受け入れろ」ということ、未来予見できると自称すると
ころ。都合のいい「歴史の発展段階論」(過去の部分は後付けの理屈にすぎませんが)振り回すところなど。
でも結局、世界はそういうマルクス主義者の望み通りには進みませんでした。
774世界@名無史さん:02/09/07 08:31
>都合がよいと言われるが、フクヤマ史観の特権性は、ずば抜けた未来予見性を持つということ。
>理論そのものはどんな理論も、後付けと呼ばれれば後付けに過ぎない。

だから、歴史に変な理論を持ち込まない方がいいですよ。なにも観念的な
図式がどうしても必要というわけじゃなし。

ま、本人はこれをマルクス主義を引き合いに出していってるわけだが。
フクヤマが「歴史の終わり」っていってから精々10数年しかたって居ないの
だが、マルクスは一応100年の寿命を保った。後半はぼろぼろだとしても。

マルクスだって一時は相当なリアリティがあって、それは現在のフクヤマの
ひではないわけだね。

正直にいってフクヤマの言ってることががマルクス並みに100年生き残るとは
思えない。
775世界@名無史さん:02/09/07 08:40
>>768

ここでの議論が「リベラル民主主義」の方向へミスリードされていますが
実は、現在の世界で起きていることと言うのは「グローバル資本主義」と
いう視点で見るべきではないのだろうかと思います。

べつにフクヤマが「民主主義」を作ったわけでもないのですから、
彼等は、「グローバル資本主義」がもたらした現状のトレンドに
便乗して哲学的な意匠をこらしただけにすぎません。
776ロマンチック・フクヤマ:02/09/07 09:21
>>772
>おいおい先に江戸時代をお持ち出したのはフクヤマ病患者の方だぜ。>>754

ぼくは、歴史の一過程として江戸時代の名を挙げたわけであって、現代とのちがいは自覚している。
きみは、現代の話を歴史時代の話を例に出して、批判したんだろ? そんなの脱歴史世界に当てはまらないのは当然だよ。
江戸時代の初期と現代じゃ、情報量がちがうよ。リベラリズムが発達しているがゆえに、現代は情報公開も進んでいる。

その膨大な情報量を駆使しても、ついにリベラル民主主義を超えるものは発見できていない。

>>773
>「社会主義の必然性」を叫んでいた頃の観念的なマルクス主義者と現在のフクヤマ
>病患者の言い方は、驚くほどに通っています。

ぜんぜんちがうよ。
だから歴史段階がちがうものをいっしょくたに語るなっつーの。

マルクス主義は崩壊したが、リベラルな民主主義はいまなお、現在進行形で世界中に普及している。
フクヤマはマルクス主義の欠点をその認識にとり入れて語っている。
フクヤマは政治学者だし、共産主義陣営が崩壊した理由をいちばんよく知っている人間のひとりだよ。

>正直にいってフクヤマの言ってることががマルクス並みに100年生き残るとは
>思えない。

そんなこと言ったら、現代の何人の社会科学者が後世に名を残せるんだよ?

もうすでに崩壊してるマルクス主義と比較してもしょうがないだろうに。
すくなくともリベラル民主主義の理念(これをとりあえず、アメリカ独立宣言に政治的に始まると考えても)は、マルクス主義よりは長く生き残っている。
別にフクヤマは個人の名が後世に残ることを望んでいないよ。
フクヤマのやったことは、ヘーゲル・コジェーブの時代とは比較にならないほどの情報量を駆使して、社会科学的にリベラル民主主義の最終的な勝利を証明したこと。
リベラル民主主義の名が残れば、それはリベラル民主主義擁護派としてのフクヤマの永遠の名誉だろう。
777ロマンチック・フクヤマ:02/09/07 09:42
あと、ヘーゲルは翻訳だがちゃんと読んでるよ。もちろん全集をすべて読破したわけじゃないが。
「らしい」とつけたのは、あくまでフクヤマ解釈だと言うことを強調するため。

>あと、ここのフクヤマ批判をやってる人はフクヤマ読んでるよ。

ほうとかよ。とてもそうとは思えない。
読んだって、アドレス引用先の「歴史の終わり?」のほうでしょ?
ちゃんと「歴史の終わりと最後の人間」まで読んどきなさいよ。あっちのほうが内容が豊富だから。
こっちも内容の要約は二度手間になる。
読んでないんだったら、批判ではなく質問という形にしてほしい。
778世界@名無史さん:02/09/07 09:51
>きみは、現代の話を歴史時代の話を例に出して、批判したんだろ? 
>そんなの脱歴史世界に当てはまらないのは当然だよ。
「脱歴史」自体の成立が議論の対象になってるときにそういうことを
言われてもな。そういうのは「結論の先取り」って言うんじゃないかな。
いまは「脱歴史」なんてものが成立するかどうか議論してるわけだね。

あと、フクヤマに関してはなにを対象に議論してもしいが、とりあえず
翻訳は止めて原文でやろうね。

779世界@名無史さん:02/09/07 10:01
>もうすでに崩壊してるマルクス主義と比較してもしょうがないだろうに。
>すくなくともリベラル民主主義の理念(これをとりあえず、アメリカ独立宣言に
>政治的に始まると考えても)は、マルクス主義よりは長く生き残っている。

よく理解して欲しいのは、「民主主義」はフクヤマがつくった訳でも
フクヤマの専売特許でもないということなんですね。

で、フクヤマのやったことは民主主義に「冷戦後のアメリカ人の世界認識」と
をベースにした哲学的解釈を加えたこと。
で、そういうフクヤマ的な解釈はせいぜい10年ちょっとの歴史を
持っているに過ぎないし、おそらく、マルクス主義なみに100年もつ
とは思えないってこと。
780778:02/09/07 10:08
まあフクヤマ全集を全部読むはないけど

>読んだって、アドレス引用先の「歴史の終わり?」のほうでしょ?

だからといってそれをベースにした批判に答えなくていいとか
ということになならないと思うが。

あと、よく考えたけど翻訳でもかまわんけど書名をあげると
きは刊行年と原題だけはあげて欲しいね。それは要望しておく。
単行の本はともかく寄稿論文みたいなので読んだのを思い出すて
がかりになる。
781ブッ:02/09/07 10:24

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  おいこら、フクヤマを批判するやつはおれが許さんぞ。
  え? おれの名前?
  ふふ。まあ、名乗るほどのものじゃないが、あえていうと正義の味方かな
782ブッ

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おい、おまえら。
そんなにおれが好きか?
好きなら好きって言えよ。