【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 9

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1通常の名無しさんの3倍
このスレは種系SSスレのうち、まとめサイトのカテゴリでIF物とされるスレの統合を目的としています。
種作品内でのIF作品を種別問わず投下してください。
種以外とのクロスオーバーは兄弟スレにお願いします。

過去スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 8
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1234086864/l80
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 7
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1228025594/l80
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 6
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1220011475/l80
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 5
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212578381/l80
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 4
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1209267080/l80
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 3
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1205047619/l80
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 2
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1202222711/l80
【IF系】もし種・種死の○○が××だったら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196438301/l80

まとめサイト
http://arte.wikiwiki.jp/

兄弟スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 7【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1233666943/l80
2通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 03:21:59 ID:???
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
3通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 03:42:11 ID:???
1乙ポニテ
4通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 05:11:11 ID:???
乙ポニテってなんすか>>1
5通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 05:14:38 ID:???
そのまま
1乙ポニテ
でググるといいと思うの
6通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 05:34:47 ID:???
        ∧_∧
  ハァハァ (´Д` ;)  こ、これは>>1乙じゃなくてSUZUKIの”Z”なんだから
          (=====)     変な勘違いしないでよね!
          (⌒(⌒ )@
ト、-----、/\  ̄し' ̄ヽ
ヽ ̄ ̄ ̄   }      }
 ーーーァ   /     /
    / /    /
  /  /    /
/  /     /ノ| ̄ ̄ ̄|
{   丶ーーーー'  }    }
SUゝ、_______丿___丿 UKI
7SEED DESTINY “M” PHASE-16 01/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:50:33 ID:???
 バチバチバチバチッ
 ウィンダムのビームサーベルがガイアのシールドに叩きつけられ、アンチビームコート
と接触して激しく火花を散らす。
「どうした、アーモリー1でのお前の強さはこんなものじゃなかった筈だ!」
 ウィンダムのコクピットで、ネオは防戦一方のガイアに、不満をぶつけるかのように言
う。
「……この人が“ネオ”かもしれない……」
 マユはガイアをじりじりと下げつつ、憔悴して呟く。
「この人を殺してしまったら……ステラさんが……」
 はっきり言ってマユには、ステラを強化人間として使役する仇でもあるのだが、ステラ
にとっては“家族”のような存在でもある。
「くっ」
 スラスターの推力を一瞬落とし、僅かに高度を落とし、少しだけ間合いを取る。
「もらった!」
「このぉっ!」
 ネオはそれを隙と見て突っ込んだ、だが、マユは瞬時にガイアのビーム突撃砲を起すと、
ウィンダムの頭部めがけて射撃した。
「く!」
 すんでのところで、ウィンダムをスナップ、というより仰け反らせて、ビーム突撃砲の
射撃を回避する。
 マユはその隙に、ガイアの右手にヴァジュラ・ビームサーベルを抜かせた。
「フリーダム程の性能があるわけじゃない! やるだけやってみるしかないっ!」

機動戦士ガンダムSEED DESTINY “M”
 PHASE-16

「マユ、チィッ」
 カオスと斬り合いになっていたセイバーだが、アスランは補助カメラに、ウィンダム相
手に“苦戦”しているガイアを見つけると、歯を食いしばるようにしながら舌打ちする。
 セイバーが、カオスを蹴飛ばす。僅かに間合いが開いたところで、スーパーフォルティ
ス・ビーム砲で速射をかける。
「っ!」
 カオスが回避機動を取った隙に、セイバーは一気にカオスから離れた。
「マユ、今行くぞ!」
 アスランはセイバーをMS形態にしたまま、ガイアとネオのウィンダムが斬り合っている
空間へと飛ばす。
 だが。
 直後、セイバーのコクピットにロックオンアラート。
 カオスのビームポッドが、セイバーのやや後ろ斜めの側面から狙ってくる。
「新型ぁ! お前の相手は、俺だぁぁっ!」
 カオスがセイバーに迫ってくる。
8SEED DESTINY “M” PHASE-16 02/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:51:04 ID:???
「くっ」
 アスランは、短く呻くような声を漏らす。
 だが、今度はそのカオスが、ロックオンアラートを受ける番だった。
「何」
 ビーム・マシンライフルの五月雨のような射撃が、カオスに向かって浴びせられる。ス
ティングはそれを悠々と回避する。だが、撃っている灰白色のゲイツD、レイも命中を期
待しての射撃ではなかった。
 そのビームにまぎれて、別のものがカオスに撃ち込まれる。
「何!?」
「もらったっ!」
 エクステンショナル・アレスターのアンカーが、カオスの装甲に撃ち込まれる、のでは
なく、その腕をワイヤーで絡めとった。
「こんなもの!」
 スティングはカオスの腕を引いてワイヤーを手繰り寄せ、ビームクロウでワイヤーを切
断しようとしたが、
「ゲイツDの推力を舐めないでよね!」
 ルナマリアがゲイツDの左手にワイヤーをつかませて、カオスを力任せに振り回した。
「ぐぅっ!」
 振り回されながらも、スティングはヴァジュラ・ビームサーベルの切っ先でワイヤーを
切断する。
 海面に叩きつけられる寸前のところで、逆噴射をかけた。
 だが、体勢を立て直すより早く、レイのゲイツDから、ビーム・マシンライフルの射撃
が降ってくる。
「隊長! こいつは私が!」
 レイの射撃アシストを受けながら、ルナマリアはカオスにシールドタックルをかけた。
「ぐぁっ!」
 カオスは一瞬、海面に叩きつけられ、僅かに沈んだ。
「すまない、ルナマリア」
 アスランはルナマリアに対して礼を言ってから、そのままガイアとネオ機の交戦空域へ
と向かう。
 ────そのさなか。
「はぁっ!」
 マユはカガリが囚われたフリーダムにしたのと同じように、ウィンダムの腰部を狙って
斬撃を試みる。
「むっ!」
 ネオはウィンダムをスナップさせて、ガイアの斬撃から逃れる。
「このぉっ!」
 マユはその体勢から、シーリングリフターの推力を乗せて、ウィンダムにタックルをか
けた。
「ぐぅっ!」
 衝撃に、ネオはくぐもったうめき声を上げた。
9SEED DESTINY “M” PHASE-16 03/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:51:38 ID:???
 ガイアはタックルを敢行しながら、スラスターをさらに吹かしてウィンダムに追いすが
る。
「はっ」
「何!?」
 ガイアのビームサーベルが、ウィンダムの左腕を斬り落とした。
「次は、右腕……そうすれば、武装は!」
 ウィンダムにシールドを押し付け、ビームサーベルを構えさせつつ、一瞬逡巡する。
「その隙が、命取りだ!」
「きゃぁっ!」
 ウィンダムがガイアを蹴飛ばした。ガイアは一気に高度を落とす。
 そこへ向かって、ネオはシールドに装備された2発のヴェルガー・ミサイルを放つ。
「くっ」
 スラスターを吹かして姿勢を回復させつつ、シールドでミサイルを受け止める。衝撃が
ガイアを揺するが、VPS装甲は破壊されない。
「なら、行くよっ!」
 スラスターを全開にし、ガイアは急上昇でウィンダムに迫る。
「はっ」
「させるか!」
 マユはガイアで左腕に斬りかかるが、今度はウィンダムのシールドに阻まれる。
「この!」
 もう一撃。やはりシールドで受け止められた。
「はぁっ!」
 さらにもう一撃。難なく、といった感じで、ウィンダムはそれを回避した。
「こっちは片腕だというのに、その戦い方は……!」
 むしろマユの戦い方に不満げな声を漏らしかけたネオだが、次の瞬間、戦慄しながら、
ウィンダムを急ロールさせて回避する。
 ガイアのビーム突撃砲が、ウィンダムの頭部めがけて撃たれた。ネオは紙一重でかわす。
「くっ、味な真似をする!」
「なら今度は、これで!」
 マユはガイアをMS形態のまま、ビームウィングを展開した。ビームサーベルを構えさせ、
さらに追撃を入れようとした。
 だが、それより早く、ビームライフルの閃光が、片腕のウィンダムを掠めた。ガイアの
ものではない。
『マユ! 逃げるんだ!』
「アスランさん!? 一体どうして」
 通信ディスプレィに映し出されたアスランに、マユは一瞬、目を円くする。
「なんだか知らないが、これは好都合だな。残念だがここは、引き上げる」
 ネオは声に出して呟き、ウィンダムを一気に降下させると、離脱にかかった。
「あ、ま、待て!」
 マユもガイアを急降下させ、ネオのウィンダムを追う。
10SEED DESTINY “M” PHASE-16 04/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:52:11 ID:???

「この野郎、たかがゲイツの分際でやるじゃねぇか!」
 ルナマリアのゲイツDと対峙しながら、スティングは毒つく。
 その周囲では、レイが基地ウィンダム隊と戦っていた。
 ウィンダム隊はビームライフルで、遠巻きにレイを狙ってくる。
 だが、レイの操るゲイツDは、そのたびに跳ねる様な機動で、照準の死角へと移動して
いく。
「はっ!」
 気合一閃。レイのゲイツDが急接近したかと思うと、ウィンダムは腰部をパルチザンで
貫かれた。破壊された腰部は分解して、上半身と下半身が泣き別れになりながら、海面に
落ちていった。
「くそっ、ケリを……」
 スティングが焦れたように呟いたとき。
『各機、撤収せよ。作戦中止!』
「ネオ!? ちぃ、しかたねぇ」
 ルナマリアのゲイツDが、カオスめがけて突っ込んでくる。
 スティングはそのリーチギリギリでスラスターを切り、一気に降下すると、MA形態に変
形して、その場を高速離脱した。
「この!」
 ルナマリアは自らも急降下でカオスを追おうとしたが、
『全機、深追いするな!』
 と、アスランの声で、我に返った。
 だが、その直後、アスランは全機に向かってチャンネルを開けたまま、声を上げた。
『マユ!』
11SEED DESTINY “M” PHASE-16 05/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:52:45 ID:???

 ギシィィ……
 防戦一方になりながらも、アビスに対してインパルスは一歩も退かない。
 背後にはニーラゴンゴの姿があった。
「あのパイロットは、確か……」
 ニーラゴンゴの艦長は、カーペンタリア基地で得た記憶を辿る。
「連合の強化人間と聞いていたが……」
 その間も、インパルスはアビスのランスによる激しい刺突を、シールドと自分のランス
で裁いていく。
「アウル、ステラ、解らないの!?」
 身体の方ではインパルスを激しく動かしながら、ステラはアウルに再度呼びかけた。
『お前なんか知るか! 大体お前、声聞くだけでも気持ち悪いんだよ! さっさと死んじま
え!』
「えっ……!?」
 ステラが愕然としたように、一瞬動きを止める。その額に、脂汗が浮かんだ。
『そら、これでバイバイだ!』
 アビスはインパルスの隙を見逃さず右肩のシールドをくるりと回すと、インパルスに向
かって高速短魚雷を放った。
「うわぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!!」
 次の瞬間、ステラは獣のような咆哮を上げた。
 短魚雷をシールド避けると、一気にアビスに向かって間合いをつめる。
「ステラ死なない! マユがいるから! だからステラは、マユを!」
 怒りのような形相で、インパルスをアビスに急接近させると、短魚雷を放った側のシー
ルドにランスを突き刺した。
「ぐへっ!?」
 アウルが妙な悲鳴を上げるが早いか、アビスの右肩シールドは接合部を破壊され、本体
から外れる。
「くそぉっ!」
 アウルが毒つき、インパルスに襲い掛かろうとしたとき。
『各機、撤収せよ。作戦中止!』
 アビスのコクピットに、ネオのウィンダムから撤退命令が飛び込んできた。
「ネオ!」
『命令だ、撤収しろ!』
 アウルは不満げに声を上げるが、ネオは厳しい口調でそう言い切った。
「ちっ、じゃあ、ついでだ!」
「!」
 今度は左肩のシールドから、短魚雷を発射する。だが、その狙いはアビスではない。
「マユ!」
12SEED DESTINY “M” PHASE-16 06/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:53:18 ID:???
 本人がそこにいるはずはないが、ステラは離脱するアビスを放り、ニーラゴンゴに向け
て発射された魚雷を追う。
 MA形態に変形して一気に追いすがると、躊躇う様子もなく、インパルスで魚雷の先端部、
撃発信管を叩いた。
 大爆発。
「お、おお!?」
 衝撃波で揺さぶられるニーラゴンゴの中で、艦長は信じられないような物を見たかのよ
うな声を出した。
 魚雷の爆発による気泡が収まると、しかし、その中からインパルスは出てきた。シール
ドは若干損傷していたが、本体には傷ひとつない。VPS装甲の恩恵だった。
「はー……はー……ステラ……マユを……マユの仲間……守れた……」
 息を整えるように、若干苦しげな深呼吸をしながら、目じりにうっすらと涙を浮かべつ
つ、ステラはコクピットでそう呟いた。
13SEED DESTINY “M” PHASE-16 07/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:53:52 ID:???

 ネオの撤収命令に、数えるほどになったウィンダムが、蜘蛛の子を散らすように一目散
に逃げ出していく。
『全機、深追いするな!』
 アスランの声。
 ビームライフルで、逃げるウィンダムをさらに狙撃しようとしていたミレッタは、そこ
で我に返る。
「あっちゃぁ……ずいぶん奥まで引っ張ってこられちゃったなぁ……」
 周囲を確認すると、そこはマダガスカル島の海岸線が見える場所にまでミレッタは引き
寄せられていた。
「ん……?」
 引き返そうとしたミレッタだったが、海岸線の南側にふとそれを発見した。
「あれは!」
 壊走するウィンダムがそちらへ向かっている。おそらくその推測は正しいだろう。
 バビをMA形態に変形させると、それを視認する為に高速で接近した。
 すると、やがて眼下に、ミレッタが想定した通りのものが現れた。
「MS部隊の基地、連合の!? こんな、カーペンタリアの鼻先に!」
 まだ建設中のようだったが、それは明らかにMSの運用を前提とした軍事施設だった。
 作業員と思しき人の群れが、飛来したバビの姿に、逃げ惑っている。
「えっ!?」
 次の瞬間、ミレッタは目を疑った。
 作業員の群れに向かって、軍服を着た軍人が、機関銃を乱射したのだ。
 作業員は軍装ではなく、拳銃すら携行していない。
「な、なにやってんだよ!」
 その姿が、嘗て──平気で自国の市街地を戦場とした祖国と被った。
「それが軍人のすることかぁ!!」
 ミレッタはバビをMS形態にすると、基地に滑り込むように着陸させた。
 右腕のセスタスを展開し、機関銃を乱射していた銃塔をなぎ払った。
『ミレッタ! ミレッタ・ラバッツ、何をやっているんだ!』
 アスランの咎める声が聞こえる。だが、ミレッタは基地を破壊するのをやめない。
『いい加減にしろ! ミレッタ! 彼らにもう戦闘能力はない!』
「えっ……あ……」
 アスランの声に、ミレッタは我に返る。
 見回すと、作業員が逃げていく方向に、有刺鉄線の巻かれた高い柵が設置されていた。
 その向こうに、女性や子供の姿が見える。それは、逃げ出してくる作業員を呼んでいる
ように見えた。
「無理やり働かせてたってワケ?」
14SEED DESTINY “M” PHASE-16 08/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:54:27 ID:???
 ミレッタの推測は当たっていた。大西洋連邦を中心とする連合軍は、圧力に屈した赤道
連合各国の事実上の黙認の元、基地を設営する為の人員を強制徴用していた。
「なら、この!」
 バビの右腕が、金網の柵を破壊した。有刺鉄線には電流が流されていたが、火花が散っ
たかと思うと、大地短絡で回路が焼け停止した。
 バビの破壊した柵の破口から、作業員達が脱出すると、その外側で待っていた女性達と
抱き合った。
『危ない!』
 アスランの声。
 次の瞬間、バビの背後で爆発音がした。対機動兵器用の大口径の機関砲塔が、4脚形態
のガイアのビームウィングで破壊されていた。
「わ……ごめん、マユちゃん、ありがとう」
『大丈夫だよっ』
 通信ディスプレィに現れたマユは、苦笑交じりにはにかんだ。
15SEED DESTINY “M” PHASE-16 09/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:55:00 ID:???

 パァンッ!
 乾いた音が、ミネルバの格納庫で響いた。
 その勢いで、ミレッタは後ずさりする。だが体勢を整えると、自らにその平手打ちを加
えた相手を、軽く睨んだ。
「何をしているんですか!」
 マユはガイアのコクピットから降りるなり、それを目撃すると、全力で走って2人の間
に割り込み、ミレッタを庇うように手を広げる。
 そして、平手打ちを入れた相手──アスランを睨みつけた。
「マユ……あ、当たり前じゃないか、彼女は独断であんなことをしたんだぞ!」
 割り込んできたマユに、若干戸惑いながら、アスランは言い返す。
「戦争はヒーローごっこじゃない! 勝手な行動をされては困るんだ! マユ、君も!」
「ヒーローごっこ? 冗談じゃない! 例え敵国だろうと、非武装の民間人を救って何が悪
いんですか!」
 アスランは高圧的な口調で言うが、マユも負けじと声を荒げる。
「救う? 俺達はずっとここにとどまるわけには行かないんだぞ! もし、連合がまた戻っ
てきたら、彼らはどうなるんだ!」
「だからと言って、誰も何もしなかったら、解決のきっかけすら与えられないじゃないで
すか!」
「ま、マユちゃん……」
 アスランを睨みつけ、言い争うマユの姿に、庇われたミレッタの方が気後れしたように
声をかける。
「それに、私達はZAFTです。いえ、例えどこの軍人だったとしても、力有る者なら、自ら
の良識に従って行動する権利があります!」
「ぐっ……」
 アスランは言葉に詰まる。やがて、彼の瞳が哀しげな色に染まり、マユを見つめる。
「何で理解してくれないんだ、マユ!」
 アスランは嘆くように声を上げた。
「どうやって理解しろって言うんですか!?」
 マユは敵意をむき出しにしてアスランを睨み、言い返した。
「そこまで言うなら! ようし、今後ミレッタは君が指揮を取れ!」
「え、ええ!?」
 あまりにも唐突なアスランの提案、というか押し付けにマユは一瞬、目を円くして、戸
惑いの声を上げた。
「君もFAITHなんだからな! そうすれば、俺の言っていることの意味が解るはずだ!」
 アスランは半ば自棄的に、無理に高圧な口調を作って言う。
「それは……」
 マユは戸惑い、ちらりとミレッタを振り返る。ミレッタもおろおろとした様子でマユと
アスランを交互に見ている。
16SEED DESTINY “M” PHASE-16 10/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:55:34 ID:???
「出来ないって言うんなら……」
「わ、解りました」
 アスランが表情を少し和らげて、言いかけたとき、マユは僅かにどもりつつも、真剣な
表情で声を上げた。
「FAITHマユ・アスカは、ミネルバ所属MS搭乗員、ミレッタ・ラバッツを配下に、アスカ
隊を組織します!」
「ま、マユちゃん……」
 マユが宣言すると、背後でミレッタがおずおずと声をかけてきた。
「…………」
 アスランは、哀しげな表情になり、愕然とした様子でマユを見たが、やがて、
「そうか、解った」
 と、低い声で言い、その場から立ち去った。
17SEED DESTINY “M” PHASE-16 11/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:56:21 ID:???

『だからと言って、誰も何もしなかったら、解決のきっかけすら与えられないじゃないで
すか!』
 マユの発言は、危ういものではあったが、しかしそれは現実のものとなる。
 赤道連合各国の主要都市では、この事件をきっかけに、反大西洋連邦の動きが活発化し、
連日のようにデモが繰り広げられるようになった。
 中には、警官隊と衝突になり、死者が出たものもあったが、それでも、その勢いは、止
まらなかった────。
18SEED DESTINY “M” PHASE-16 12/11 ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 06:57:35 ID:???
>>7-17
今回は以上です。

ステラのブロックワードが変な方向に発動するようになってしまいました。
19通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 08:15:02 ID:???
独断で基地に突っ込んでいくのは…いくら民間人がいるからって駄目だろ。
ちゃんとミネルバやMS隊隊長にきちんと報告し、指示をうけてから動こうぜ?
下手に手を出して犠牲がでたらどうすんの?

とはいえアスラン、きちんと対応しろとw
指揮官としての訓練受けてないのかよw
20通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 10:41:06 ID:???
ダメだこの凸早く何とかしないと…
これでキラが介入してきたら、マユとどっちを優先するかで指揮そっちのけで
迷いまくって被害が拡大しそう……いや案外各自あてにせず動いて
ある程度危機を回避できるかな?
21通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 11:28:55 ID:???
上から押さえつけるだけじゃなくて、理路整然とした説明くらしろよ…
戦闘中も余計な事しかしてないし…
この凸はガロードやカミーユみたいに最低路線まっしぐらかな?
22通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 11:58:16 ID:???
最初は駄目だが徐々に改善していくのかもしれない
復帰した動機がおかしいからどうなるかわかんないけど
23通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 14:51:17 ID:???
>ガイアのビームサーベルが、ウィンダムの左腕を斬り落とした。
>「次は、右腕……そうすれば、武装は!」
(略)
>そこへ向かって、ネオはシールドに装備された2発のヴェルガー・ミサイルを放つ。
ここが気になるんだがつまりシールドを右手に装備してたってことか?
24通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 15:02:18 ID:???
凸叩きもほどほどにして、もう少し凸を見守ってやろうや
25通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 15:43:23 ID:???
だって現状でのマユへの感情は正直ストーカーすれすれ…
それともマユのオリジンを知ったら迷いを捨てて本気でキラを殺しにかかるかな?
26通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 17:07:05 ID:???
>>24
凸「ああ、マユたんになら叩かれたいな、この台詞に怒ったシンに踏み躙られるのも捨て難いが…」
27通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 18:40:04 ID:???
ルナマリアに助けられている時点で手後れかと。
28通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 21:00:06 ID:???
>>26
こんな凸はカーペンタリアに沈めてしまえw
29通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 21:06:09 ID:???
こんな別方向に気持ち悪い凸は初めてだ・・・!








いいぞ、もっとやれ
30SEED DESTINY “M” ◆NXh03Plp3g :2009/03/10(火) 21:35:11 ID:???
>>23
すみません、素で間違えた……というかボケた……
最初に切り落とされたのが右腕で、左腕が残っていると思ってください。

申し訳ありません。
31不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:16:21 ID:???
「いよいよだな」
「ええ、いよいよジブラルタルです」
ロゴスの会合が、また開かれていた。
出席してないのは、パリで暴徒に殺されたサノレコヅ、そして内戦が続くイベリア半島のミリオ・ボティン、マルチ一
族(付け耳無し)と言った財閥である。
「ようやく……」
メンバーの一人が感に耐えないように言った。
「ようやく終わるのだな」
「カーペンタリアがありますからね」
冷静な声が言う。
「プラントと大洋州が繋がっている限り、戦争は続く」
「カーペンタリアは、落とせるのかね?」
「いや」
ここで、ジブリールは口を挟んだ。
「ジブラルタルからボズゴロフ級が何隻も出航し、輸送機やシャトルも頻繁に飛んだそうです」
「カーペンタリアは相当強化されていると見たほうがいいな」
「ええ。試算では、直接プラントを攻めた方がまだましと。それに、核兵器の存在も考えに入れねば……」
「話は変わるが、マドリード政権、落とせるのかのう」
「う……む……」
ジブリールは唸った。マドリード政権は意外な耐久力を見せているのだ。
「まぁ、主要な沿岸都市はこちらの物です。セビリアの指揮官とは戦後の約束も出来ている。ジブラルタルさえ落と
せばいいのでは?」
「そう言う事か」
「スカンジナビアも存外不甲斐ない」
「そういうな、久方ぶりに戦った軍だぞ」
「では、話をまとめましょう。ジブラルタル攻略の後は、最低限の防衛隊を残し、海上部隊はカーペンタリアの包囲
に加わる。その他は宇宙へ送り込むと言う事でよろしいですな?」
「「異議なし」」


32不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:16:50 ID:???
「ふうむ。宇宙では……ドラグーンがプロヴィデンスより若干少ないが!」
レジェンドのドラグーンが宇宙に踊った。
無論、シミュレーションである。
次々に破壊されていくザフトのモビルスーツ。
ハイネは本気で悔しがっていた。

無事だったのは、ドラグーンの届く距離では無い所からすばやい動きで位置を変え、M2000GX 高エネルギー長射
程ビーム砲を打ち込むアスランのデスティニー、ついに主な大型ドラグーンを叩き落し、格闘戦にまで持ち込んだ
が、長大なアロンダイトビームソードで格闘戦をやる不利を悟ったのか、その後は距離を取ってシミュレーションが
終わる。

「なかなか考えたな。昔の君なら、まっすぐ突っかかってきたろうに」
クルーゼはアスランの肩を叩いた。
「からかわないでください。引き分けに持ち込むのがやっとでした」
「だが、君の主武器はそのままだ。君の勝ちだ。上達したな」
「いやぁ」
アスランは照れた。

次に善戦したのは、同じく距離を取り、時折本体をM106 アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲でけん制しながら、
まずは回避専念して決してドラグーンには囲まれずに攻撃を一個のドラグーンに集中し、隙が表れたらMA-7B ス
ーパーフォルティスビーム砲を連射しドラグーンを一つずつ潰していくセイバーのルナマリアだろうか?
クルーゼはとうとう、MA-M80S デファイアント改ビームジャベリンで格闘戦を挑んだが、ルナマリアはそれには乗ら
ず、機動力を生かして避け続けた。

「君の機動もたいしたものだ。レジェンドの弱点を突いているというか、勘がいい」
「ありがとうございます」
ルナマリアは嬉しそうな顔で答えた。
「君ならレジェンドでどう戦う?」
「ドラグーンの距離まで近づいて、一気にドラグーンで逃げ場を作らせず四方八方から止めを刺す、でしょうか。レ
ジェンドは、前に出るべきではありません。中距離からの支援攻撃こそ真価を発揮するでしょう」
「ふむ。君の機体とは相性が悪かった訳だ。参考にしよう」

33不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:17:08 ID:???
――プラント某所――
「ラウ・ル・クルーゼか。よい時に復活してくれたものだ」
「だが、クライン派のデュランダルと親しいと言うぞ」
「逆に考えればよかろう。利点になる」
「これは、ザラ派の復活の狼煙だ!」
「アスラン・ザラ。ジェフリーからもラッドからも悪い噂は聞いていない。早く政界に送ってやりたいと言っておったな」
「ふん、エザリアの息子はさっさと前線に戻ったか。せっかく政界に送ったのに。猪武者だったか」
「エザリアの息子はあのラクス・クラインに近すぎないか? 個人的に崇拝していると聞いている」
「アスランはどうなのだ」
「ラクス・クラインに強い憎しみを抱いているようだと、情報が入っている。ミネルバの同士からの報告だ」
「だが、アスラン・ザラも戦場の勇者で終わるんじゃなかろうな?」
「前戦役の情報では思慮深いそうだ。時には戦闘に不利を招いてしまうほどに。資質的には軍人より政治家向き
かの。上に行くほど真価を発揮するだろうと。本人のためにもさっさと政界に行ってもらった方がいいな」
「まずはミネルバで武勲を立てて指揮官に、と言うのはどうです?」
「よいですな」
「賛成」
「では、会合を終わるとする。クライン派には気をつけろよ」


34不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:17:32 ID:???
「ラクス様、ダコスタからの報告です。あのラウ・ル・クルーゼが生きていたようです。彼はザフトに復帰、フェイス
です。上級指揮官になるでしょう。それに伴ってアイリーン・カナーバは拘束されたようです」
ノイマンがラクスに告げた。
「……まさか生きていたとは」
ラクスは指を齧る。
アイリーン・カナーバはラクスがプラントに持つ有力な協力者だった。ラクスにとっては打撃と言える。
「……いいでしょう。それはそれで。プラントの支配権を握ってしまえばなんとでもなります。あなたの方は? ノイ
マン?」
「は? なにか?」
「もしかしたら、わたくしがクルーゼを部下にするかもしれませんよ? あなたはそれに我慢できますか? ドミニ
ンからの救命艇を破壊した相手に」
「いえ……彼がバジルール中尉を殺した訳でもない。それに、私はドミニオンの生き残りを手にかけた男ですよ?」
無表情にノイマンは言った。
先の戦役時、終局。ドミニオンからの救命艇……唯一宇宙服を着けていて助かったパイロットがナタル・バジルー
ルの最後の模様を伝えた。
ノイマンはその男を、『艦長とはいえ女一人を残して命令どおりおめおめ脱出したのか』と言って即座に射殺した。
「ふふ……恨むのはマリュー・ラミアスで十分ですか」
無邪気そうにラクスは微笑んだ。遠目から見れば仲の良い友人同士が話しているように見えたかもしれない。
「それほどまでに愛されて、ナタルさんは幸せでしたわね」
ラクスはため息をついた。
「ラクス様こそ、キラ・ヤマトと相思相愛ではありませんか」
ふっとラクスの表情に陰りが走った。
「キラは……本当にわたくしを好きでいてくれるのでしょうか? 病気が治ればどこかへ飛んでいってしまいそう
な……」
35不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:17:50 ID:???
「あなたらしくもない。『自分には世界平和という志がある。そのために手を汚す覚悟もあるから着いて来てくれ』と
言ったあなたはどこへ行った。恋如きで迷うな。目的のためにどんな手も使うと決心したのなら、何も躊躇うな怯む
な、幾千幾万の血を流そうと平然としていろ。そのために罵られ憎まれ、全身を血で染めようと立ち止まるな」
冷然と言える口調でノイマンは言った。
「ふふ……恋愛に一番捕らわれているのはあなたではないですか」
少し嬉しそうな表情でラクスは笑う。
「……我々はこんな話しをする間柄ではない」
再びぶっきらぼうにノイマンは言った。
「それよりラクス様、人員はターミナルを通じて集まってきているのですが、物資が足りません。モビルスーツあた
りはジャンク屋からなんとかなるのですが……艦船が」
「あらあら、それはこまりましたねぇ」
ラクスは右頬に人差し指を突いた。
「ええ、困っているのですよ」
「では、こうしましょう!」
ラクスは両手を合わせて笑った。
そして――手を打ち合わせる。
「服部正吾!」
いきなり、ラクスの前に中年の男性が姿を現した。
「ど、どこから? セキュリティはどうなっていっるんだ!?」
その疑問に答えるようにラクスは言った。
「ふふふ。さすがにノイマンも驚きましたか? この服部正吾は伊賀忍者として有名な服部半蔵から数えて25代目
に当たる伊賀流忍法の末裔なのです」
「はぁ……」
「服部正吾、あなたに100名のSPを与えます。月で竣工したと言う地球連合の不沈戦艦『プリンス・オブ・ウェール
ズ』を見事に強奪してくるのです!」
「はっ」
「作戦には私も参加しますわ」
そう言うとラクスは上着をばさっと脱ぎ去る。そこには、クノイチ風の服をまとったラクスの姿があった。


36不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:18:09 ID:???
「では、な。死ぬなよ、レイ」
「はい」
どうしてもその言葉を口にしたかったのだろう。クルーゼはレイに話しかける。
「一族に加えてもらえるまでは、死にませんよ」
「ふ」
クルーゼはレイの髪をくしゃっと撫でるとランチの方へ進んでいく。ここでミネルバとクルーゼは別れるのだ。ナスカ
級3隻を率いてクルーゼ隊を率いる。すでに決まっている事だ。

ランチは離れていった。
「せっかく会えたのに、ねぇ。話、一杯出来た?」
マユがレイに尋ねる。
「絶対、また会うさ。明日を、希望を貰ったからね」
レイは明るい声で言った。


37不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:18:28 ID:???
いよいよジブラルタルに対し攻撃が始まった。
基地の左右より、フォビドゥン・ボーテクス隊が上陸を試みる。
陸上からは、陸軍がタリファからアルヘラシスへ陣を進める。そちらへもジブラルタルは注意を払わねばならな
かった。
両軍の水中用モビルスーツ同士で戦闘が始まる。
完全なる水中の戦いで、意外と役に立ったのは上陸戦も考えていた、陸上用兵装の多い新型機アッシュよりも、
魚雷などの武装が多いグーン、ゾノだった。

だが、その抵抗も数時間すると弱り始める。
「次への準備、よろしいですか?」
ユークリッドに乗ってネオが問いかける。
「計画に変更は……ありません」
「では、ユークリッド隊発進! 敵戦闘機部隊を軒並み潰してやろうぜ!」
「「ラジャー!!!」」

まずはユークリッド隊で全てを編成すると言うこのネオの策は当たった。ジブラルタル基地も、出撃させてきた全て
を戦闘機で揃えてきたのである。
だが……爆撃機相手ならともかく……ユークリッドの相手はつらすぎる。
「ふ。ユーロファイタータイフーンか」
親ザフト軍から供給されたのだろうその機体。
後ろに着かれる。ネオは急降下に入る。ユークリッドは丈夫な機体だ。急降下速度も速い。ユーロファイタータイフ
ーンが耐え切れずに機首を返す。そこを、坂井だろうか? 西沢だろうか? 列機が止めを刺す。
ディン、バビを初めとするモビルスーツも出撃するが、ユークリッドのビームシールドに攻撃が弾かれる。そしてユ
ークリッドの機動性の前では単なる的である。
グフも現れるがユークリッドはグフのテンペストの攻撃範囲に入らない。遠距離からビーム砲で仕留めてしまう。
「こちとらカラミティのスキュラにも耐えるんだよ! グフのビームガンなど!」
グフが苦し紛れに放ったドラウプニルはユークリッドのビームシールドに簡単に弾かれてしまう。
ザフトのモビルスーツは無力感に苛まされていた。
その時。
――地上から、大威力のビーム砲がユークリッドのビームシールドがない下腹を狙う。
ガナーザクのオルトロス高エネルギー長射程ビーム砲だ。
「あぶねぇ、あぶねぇ。おい、皆、時間だ。撤退するぞ」
ユークリッドとて無敵ではないのだ。前面以外を攻撃されれば、被弾する。
ネオ率いるユークリッド隊は引き上げていった。
そして、迎撃戦闘機が補給のために帰還した時、ネオの第二の罠は口をあけた。
アルヘシラス、そしてセウタから、ハソス=ウノレソッヒ・ノレーデノレ大佐率いるAー30対地攻撃機、通称サンダー
ボルトV。総勢20機がユークリッドの護衛付きで出撃してきたのである!
ザフトの迎撃機は、先の戦闘でやられるか、補給中である。
Aー30対地攻撃機はろくに阻止攻撃も受けず、空港施設を狙い、その機能を消失させた。
ちなみにノレーデノレ大佐はボズゴロフ級を一隻撃沈した。おまけで敵機も撃墜した。これは彼にとってはほんの
余技である。

38不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:18:50 ID:???
「さあ! まだまだいくよお! もう獲物はないかもしれないけどね!」
ミューディーは機体のスローターダガーを発進させた。
とうとう地球軍のモビルスーツがジブラルタルに上陸したのだ。
スウェンのストライクノワール以外はスローターダガーだ。
海岸で、空爆にやられたのだろう、右腕が故障したザクが動いている。向こうでは、新たなアッシュの一団が地球
軍の迎撃に向かっている。どうやら、アッシュの武装を考えて水中用途はおまけだと割り切ったようだ。
「悪いけど! 手加減できないわ!」
ミューディーはその右腕が故障したザクに正対すると、死角へ死角へと動き、ついにコクピットにビームサーベル
を突き刺した。
ミューディー達が上陸した事で、これ以上の空爆はないと判断したのだろう。空爆を耐え切ったバンカーからザク
が、グフが、ガズウート、そしてザウートまでもが出撃してきた。
「ミラー、防御専念!」
「はいはい、モード、パサラにゅう!」
敵の目前まで来て攻撃するでもないミラー。それに苛立ったのだろう。複数のザクが寄っていく。
「姐さん! こんなに無理っす!」
「わかってる! 原田、前線に突撃!」
「ふふふ、斬り捲ってやるわい!」
「スウェン、フォローお願い!」
「ああ」
「今日は俺だって!」
シャムスがスローターダガーで前に出る。
ヴェルデバスターが乗機と言う事で射手としてのイメージが強いが、近接戦闘も巧みにこなすオールラウンダーだ。
「やはり黒い剣は血を吸いたいようですね、ふふふ」
デイカーも前進する。
「シャムス、デイカー」
冷静な声がそれを止める。
「お前ら、ミューディーとあっちのアッシュ部隊の方へ叩き潰して来い。ここは足りてる」
「はいよ」

「ジョン、相手はビーム兵器を持っている! 両手のクローにも気を付けろ!」
シャムスがアッシュの特徴を仲間に伝える。
「おーけー」
「射手なめんな!」
シャムスは少し離れた場所から肩肘を突いて320mm超高インパルス砲「アグニ」を構え狙撃の姿勢を取る。
「やりい! 一機撃破!」
アグニに撃破されたアッシュを見てミューディーが歓声を上げる。
「ミューディー、デイカー。支援する。思い切りやれ!」
「おおう!」
デイカーはお気に入りの黒い剣でアッシュをぶった切る。
「おおう! 相手を突き刺すと力が湧いてくるようだ!」
シャムスはミューディーとデイカーを狙うアッシュを狙撃し続けた。

戦いは海岸から地上へと移っていく。歩兵がモビルスーツの援護で突入していく。


39不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:19:09 ID:???
「すべてはナチュラルどもがもたらした災厄だ」
またあいつか……
シュタウフェンブルクは不機嫌だった。
チビの緑服が演説している。
シュタウフェンブルクはこの自分よりも20以上も年上のちょび髭を付けたチビの緑服が嫌いだった。
チビと言うのは言い過ぎであろう。中肉中背と言った所か。前戦役時はザフトの上級指揮官でザラ派の上層部に
いたらしい。だがナチュラル嫌いのチビ、で皆には通っていた。
実は、シュタウフェンブルクは第一世代だったのだが、チビの緑服はそれを知らずにいた。
「今、我々、優秀なコーディネイターがこうして苦難の道を歩まされているのはなぜか? 皆ナチュラルの陰謀だ!
 前の大戦でプラントが敗者の立場に追いやられたのは、我々コーディネイターが優秀ではなかったからなのか? 
それとも努力が足りなかったのか? 違う! 断じて違う! 国内の裏切り者ども、薄汚いナチュラルに買収され
た輩が結託し、背後から我々を刺したのだ!」
大したもんだ、とシュタウフェンブルクは思った。
演説に関しては、中隊長の自分よりもこのチビの方がよほどうまい。ザラ派で伊達に指導的な立場に居たわけで
はないらしい。現に虚脱状態に陥りつつあった部下達に、ある種の活力が戻りはじめていた。

40不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:19:15 ID:???
「中隊長殿!」
歩哨に立たせていた二人の部下の内一人が息せき切って駆けてきた。
「敵のモビルスーツがこちらに!」
「何?」
だらしなく座り込んでいた兵士達は感電したように飛び起きた。
「道路を挟んで、中隊を散開させろ!」
そう命じたシュタウフェンブルクに兵士達の恨めしそうな視線が集中する。
その目は、モビルスーツも無いただの歩兵に、モビルスーツに対抗できるわけ無いじゃないか、無駄死にはごめん
だと、無言のうちに語っていた。
「貴様ら! 中隊長殿のご命令が聞こえなかったのか? さっさと持場につけ!」
チビの緑服が大声で叫んだ。
すると、しぶしぶながらであるが、兵士達が動き出した。
俺の命令よりも、チビの緑服の方が効き目があるとは。これでは誰が指揮官かわからんな。
シュタウフェンブルクはなおも不機嫌になりながら、指示を出した。
重機関銃で敵歩兵を撃ちすくめながら、対モビルスーツ肉薄攻撃をする。勝機はそれしかない。問題は、対モビル
スーツ攻撃用の爆薬が3個しかない事であった。
その時、敵陣から銃声が響いた。それはおそらく威嚇だったろう。だが、シュタウフェンブルクの部下達はそう取らな
かった。止めるまもなく射撃が始まってしまった。
敵モビルスーツが上方から、銃弾の雨を降らしてくる。
シュタウフェンブルクは、援護射撃を命じながら、2名の部下に対モビルスーツ肉薄攻撃を命じた。敵の歩兵の制
圧ができていない状態では無謀なのは覚悟の上だ。
彼らは、匍匐前進しながら、左右からじりじりと進んでいく。
胃液がこみ上げるような不快感に耐えながら、シュタウフェンブルクはその光景を見ていた。
モビルスーツは視界が高い。同じモビルスーツに気を取られがちだ。遮蔽物も手伝って、二名の部下はモビルス
ーツまで10mまで接近した。
「いいぞ!」
そう思った時だった。敵の歩兵に気づかれてしまったのだ。彼らは集中射撃を浴び、二人とも動かなくなってしまった。
俺が行くか!
シュタウフェンブルクが爆薬を手に取った時だった。彼の肩をがっちりつかむ者がいた。
「中隊長殿、あなたはまだ若い。それは私のような年寄りの役目です」
そう言うと、チビの緑服は力尽くで奪うようにして爆薬を取り上げた。
「明日のプラントのために生きてください。では!」
その一言を残し、にこりと微笑むと、チビの緑服は飛び出していった。
前大戦でなんども死線をくぐり抜けたと豪語するだけに、彼の動きはすばやかった。もう初老と言っていいくらいの
年齢を感じさせずに、地形を巧みに利用しながら、敵モビルスーツに接近していった。
が、投擲動作に入ろうとした瞬間、敵機銃が火を噴き、彼はのけぞって倒れた。
「駄目か……」
シュタウフェンブルクだけでなく、全員が絶望のうめき声を上げた。
が、彼は被弾したものの、まだ死んではいなかった。最後の力を振り絞ると、爆薬に点火し敵モビルスーツの足下
に我が身を投げ出したのだ。
数秒後、轟音が響いた。
敵モビルスーツは片足を失い、地面に倒れ込んでいた。
それに動揺したのか、敵の歩兵も射撃を中止して退却する。
シュタウフェンブルクの頬を涙が濡らしていた。
彼はチビの緑服の墓標となった敵モビルスーツに向かって敬礼した。
「我々は、君の事をけして忘れない。勇敢なるアドルフ・ヒトラーの事を……」
41不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/11(水) 00:19:36 ID:???
続く。
きれいなヒトラー
42通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 00:39:27 ID:???
なんだこの綺麗なヒトラーwwwwwwww
43通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 01:15:03 ID:???
征西の艦隊テラナツカシス
44通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 01:15:46 ID:???
悪魔がついに神器を・・・ザフトはおしまいだ・・・
45通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 01:41:39 ID:???
ちょwwwプリンスオブウェールズ強奪wwwwクソ懐かしいwwwww
46通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 02:17:37 ID:???
ルーデルwwwww
それに「にゅう」って白粉付け耳エルフのハトコかwwww
そして綺麗なチョビヒゲ伍長ワロタww
47通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 04:19:31 ID:???
なんというカオスwwwwww
48通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 06:14:56 ID:???
>>20
ベルリン戦辺りまでにみーんなアスカ隊になっちゃったりしてな。
49通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 06:18:52 ID:???
>>48
それなんて凸離脱フラグだwwwwwww

そして最終話で「このわからずや!」とか言いながら攻撃してくるんですね、わかります
50通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 06:59:52 ID:???
>>49
離脱フラグ、っていうか脱走フラグ?
51通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 20:38:32 ID:???
ジュドーって好き?
52通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 21:30:08 ID:???
>>41
なんかこの場合のCEでは、『ヒトラーの尻尾』という喩えが
「なけなしの勇気を振り絞る」とか「自己犠牲」とか肯定的なニュアンスで
後世に伝わりそうな。
しかしネタ素の一つがアレなだけに、実は死んでなく後でナチュコディどころか
人類かどうかさえ怪しいオカルト狐狸妖怪極悪ラスボスとして再登場しそうな気も。

いずれにしてもドイツには輸出できそうにないけどw
53通常の名無しさんの3倍:2009/03/11(水) 23:22:58 ID:???
最新のネタだと、月にナチス第四帝国を築いた後に、地球に宣戦布告
月面から地球のあらゆる都市を狙い撃て、その破壊力は広島原爆1000発分に相当する、
10000mm口径電磁レールカノン「グスタフ列車砲」で地球を脅しつつ、地球と月の代表それぞれ五人による麻雀勝負を持ち掛けてくるよ
54通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 00:39:53 ID:???
某所某所のネタが大好きだw
55通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 00:41:20 ID:???
CEに換算して3074年頃に、当時の宇宙海賊ギルドをまとめあげて
各惑星に女神像型灯台を装ったレーザー衛星を配置しようとも企むらしいぞ
56通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 01:10:58 ID:???
そういえばOOでは咎だの報いだのよく言われるが、
今の沙慈にとってルイスを失うこと以上に辛い罰はないんだよな…

元一般人にそこまで背負わせるのもどうかと思うし、
ならなおのことルイスは生き残らなきゃならないはずなんだが…
57通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 01:14:10 ID:???
弱者・敗者しか咎や報いを受けないのが種・種死
58通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 05:22:43 ID:MUNlnVEn
>>56
逆にルイスが沙慈殺して「死より重い罰」を背負いそうな勢いだよな
59通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 05:35:37 ID:???
流石00だよな
種とは大違いの良作
6056:2009/03/12(木) 18:15:43 ID:???
すいません誤爆ですorz
今頃になって気付くなんて…
61通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 18:48:53 ID:???
こんな種はいやかもしれない。
1 ヘリオポリス崩壊で沸騰した世論に引きずられ、準備不足のままプラントに宣戦したオーブが
速攻でカーペンタリアのザフトに占領される。
2 何をとちくるったのかデュランダル議長が「戦争は一族のせいだ!」とロゴス弾劾演説の場面で言い出す。
たぶんみんな陰謀史観乙といって生暖かい目でスルー。
62通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 19:08:13 ID:???
ヘリオポリスが超武装コロニーだったら
63通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 20:19:56 ID:???
自由によるアスカ家砲撃の直後無傷で仁王立ちし嬉々として強襲、自由を強奪するマユ


……怖いもの見たさで見てみたいかもしんない
64通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 20:36:36 ID:???
もしも血のバレンタインでアスラン母が死んでなかったら
65通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 21:36:01 ID:???
要するにアスカ家が流派東方不敗だったら、ということですねわかります
66通常の名無しさんの3倍:2009/03/12(木) 22:41:47 ID:???
>>63
ついでにシンも正義を強奪してもらえると(ネタ的に)ありがたい。



勿論最後はラウのプロヴィデンスをジェネシス内部に放り込んで自爆させて(滅
67通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 01:02:12 ID:???
マユが生きててヤンデレとか想像しちまった……

キラとアスランをハメ殺しとか
シンが戦死してたらシンの精子で人工授精して"お兄ちゃんはココに居るよ"……とか
68通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 01:08:16 ID:???
昔、ヘルシングネタで色々あったな。
ラクス少佐がはまり役で笑ったw
本編でもこれくらいはっちゃけてくれたら面白かったのに。
69通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 01:11:48 ID:???
>>67
それ何ておるすばんスレ?
70通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 02:21:31 ID:???
ミネルバに凸の変わりにソーマが来たら……
なんか危機は有っても皆で乗り越えて行きそうだ
ソーマだとシンを飼い慣らしそうではある

>>69
流石近親アッ―スレだ


ラクスが三解のフェイスレスだったら―――
ってある意味変化無いか
71通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 02:40:28 ID:???
もしラクスがお姉さまだったら


            〃´⌒ヽ
.     , -――  メ/_´⌒ヽ
   /   / ̄  ´ヽ ヽ
.  /  ,  /// ト. !  、 丶ヽ
  l  / /(((リ从  リノ)) '
  |  i  l   . ヽノ .V l    ついにねんがんのスパコーを
  l ,=!  l  ///    ///l l     てにいれましたわ!   
  l ヾ! ', l    ヽ_フ   l l
  |  ヽヽヽ        //
  l    ヾ≧ , __ , イ〃
  li   (´`)l {ニ0ニ}、 |_"____
  li   /l, l└ タl」/l´        `l
  リヽ/ l l__ ./  |_________|
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      i   /_,/i!/   カガリ  / l::::::::::::::::
      l    人  /  ユラ   /  /::::::::::::::::
     l   / /⌒ヽ アスハ  /  /::::::::::::::::
     l  /il  |   )      /  /::::::::::::::::
     ll l i! `ー、\___ / n/::::::::::::::::
     lヽ l    |\. \   /⌒〉::::::::::::::::

72通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 06:44:43 ID:???
>>71
……なんだろう。
ピンクなのに何故か同情してしまう……
73通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 10:22:24 ID:???
もし、クルーゼ、ネオ、アッシュ、スーがモノホンの変態仮面だったら
74通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 12:17:26 ID:???
種死のロードジブリールが西澤梅雄だったら
75通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 20:13:33 ID:???
ロードジブリールが魔界天使だったら
76通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 20:16:03 ID:???
もしラクシズが竜堂四兄弟に手を出そうとして間違って南雲慶一郎に手を出してしまったら
77通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 21:43:51 ID:???
ヘリオポリス証拠隠滅部隊+サーペントテイルが普通に援軍としてヘリオポリスに配備されていたら。
78通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 22:08:18 ID:???
オーブが侵略国家だったら
79通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 23:41:39 ID:???
>>78
それIFじゃないしw
80通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 00:20:47 ID:???
一応侵略国家ではなかったと思うが・・・
テロ支援国家からテロ国家になったけど
81通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 00:53:53 ID:???
領土の拡大を謀り足りない人員は占領した地域の現地住民の素質あるものを
手術して脳みそだけの兵士に
素質無いものはオーブの言語学や生活を無理矢理叩き込む

でオーブ国民と結婚させてハーフでも数を殖やす
82通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 01:06:33 ID:???
どこのドラカやねん。
83SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:24:00 ID:???
―CE104年 2月9日―

深夜。
廃工場のようなガランドウの建物に男たちが数百人集まっていた。
集まった者たちにワインの小瓶が配られていく。
リーダーらしき人物が
「全員に回ったか」
と声をかけた。
そうすると強い返事が返ってきた。
男たちはワインを片手に乾杯の音頭を取った。
「ザフトよ、永遠なれ」
「プラントに栄光あれ!」
掛け声が続いたと、ワインの瓶を投げ捨てると声がかかった。
「列組め、行進」
隊列を組み、十数台並んだコンテナトレーラーに歩いて行く
鉄の箱を積み込みながら、男たちは真新しい軍服に身を包んだ。
ザフト正規軍の制服を着た兵士たちが次々にトラックに乗り込んでいく。
トラックのドアが閉まり、トラックが発信していく。
84SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:24:59 ID:???
―翌朝―
―日本 千代田区―

朝、6時過ぎ
日比谷公園の辺りを年代物のスポーツカーが走っている。
車種はC5コルベット。エンジンこそ違えども、他はすべてオリジナル。
車は官庁街へ入り、外務省の方に道を変えた。
唐突に車が止まると、ドアが開き、男が降りてくる。
剃り上げた頭に黒い袈裟。履物は草履ではなくローファー。
その造りから見るとセメントではなくマッケイ式であろうか。
赤いサングラスをした男は庁舎の方へ歩いて行くと警官たちが遠巻きによって来った。
外務省の施設の前までくると、中に入ろうとしたところを警官に制止された。
警官が誰何してきた
「ご用件と御身分は」
男は、
「オーブ連合首長国、国家代表カガリ・ユラ・アスハ特別警備隊所属、アスハ家使用人、アレックス・ディノ」
そういうと男は制止を振り切って施設内へ入って行った。
何名かの警官は遠巻きにしながら後を追いかけ、警官の一人は無線で連絡し、指示を仰いだ。
85SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:26:04 ID:???
そして施設内に入ると、受付の方に行き、こう叫んだ。
「オーブ連合首長国摂政殿下、キラ・ヤマト御夫妻は今、どちらにいらっしゃられるか、ご存じか。
お答え願いたい!」
受付にスーツを着た男が来て
「職務上、そのような事はお答えできません」
「私はオーブ連合首長国、元国家代表カガリ・ユラ・アスハ特別警備隊所属、アスハ家使用人、アレックス・ディノだ。
いわば殿下のご家族同様の人物です。
それに知らないとはどう言うことですか!!
責任者を出して頂きたい!!」
そこに防弾ベストを着こんだ略帽の制服警官数名が入ってきて
「アレックス・ディノさん、あちらでお話を伺いたいのですが……」
と、外に停まったパトカーを指した。
僧衣の男は
「私は2階のオーブ特別対策支援室に用があるだけだ。
何でもない!」
と言うと足早に外へ行った。
86SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:27:24 ID:???
その騒ぎから10分もたたない間であろうか。
外務省前で人だかりができていると、数名の者が庁舎へ向かって入ってきた。
警官ともみ合ってる僧衣の男に向かって
「アスラン!こんなところで、貴様何をしているんだ」
サングラスをかけた男は
「イザーク!!」
警官は
「プラントのイザーク・ジュール議員のご知り合いですか」
偶然イザークとディアッカが数人のザフト高官らと共に非公式に外務省へ来ていたのだった。
「知り合いも何も、使節団の正式職員だ」
イザークは外交部のバッチをつけた男から書類を受け取ると警官に渡した。
警官はその書類を確認し、車載電話から連絡を取った。
87SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:28:49 ID:???
10分ほどしてアスランは解放され、人だかりは消えて行った。
ディアッカは外務省入省許可のバッチをいじりながら
「何しに来たんだ?」
「キラの、キラに会いたかった。
あって本当の所を聞きたい」
イザークは
「馬鹿!
お前と違ってキラ・ヤマトは事実上の国家元首だ。
そんな人物に暇があるか、場所を考えろ。
日本に来てるのも遊び出来てるわけじゃないんだぞ。
お前というやつは……」
「あいつに確かめたかったんだ。
ただ……」
「駄目だディアッカ。
こんなバカは放って置こう」
イザークは捨て台詞を言うとそっぽを向いた
濃紺の外衣を纏った男が言った
「ジュール代議員、間もなく外務次官との折衝の時間です。参りましょう」
イザーク達は奥の部屋へと消えて行った。
一人その場に残されたアスランは、外へ歩いて行った。
88SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:32:13 ID:???
―駐日オーブ大使館―
東京、六本木。
同じの日の正午前ごろオーブ大使館はいつになく騒がしかった。
玄関に車が横付けされる。
車に乗り込もうとする一人の男
「キラ様!」
そう呼ばれてキラは後ろを振り向いた。
杖を突いた若い男と腰の曲がった老人が付いて来る。
タツキ・マシマとその息子、エイジ・マシマであった。
「マシマ、どうかしたのかい」
エイジ・マシマは
「お伝えして良いか判りませんが、ターミナルの情報に寄りますと明後日か、明々後日に何か騒ぎが起きるという不確定情報が入ってます」
「本当なの?」
タツキ・マシマは口を開き
「心配事もございましょうが、まず首脳会談で極東のザフト問題を解決するのが先かと……」
「わかったよ、ありがとう。タツキ・マシマ
もしもの為にパイロットと30機ほどMSを確保しておいて」
「わかりました」
89SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:34:37 ID:???
―タツキ・マシマ―
ザフトのオーブ侵攻作戦の際に防空壕ごと死んだかと思われた男は偶然にも生き永らえた。
そして傷痍軍人として復員してきた息子エイジ・マシマと共に事実上の新国家代表となったキラ・ヤマトを老体ながら支えている数少ないオーブ良識派の生き残りであった。
セイラン家なきオーブは国際社会から孤立するかと思われたが、カガリの《御心労》によって政治は再び元老達の手に戻った。
そして元老達は、政治の民主化と国家経済の立て直しのため、その準備期間として制限君主制を選び、政治の安定化を図った。
カガリを引き続き名目上の君主として置きながら、キラ・ヤマトを摂政の地位につけさせた。
90SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:37:20 ID:???
キラを外交の場に出したのは、ほかでもないタツキ・マシマであった。

エイジ・マシマは
「で、如何致しますか、その、ヘリオポリスの傭兵風情の件は……」
「叢雲劾って人だよね、でも彼は最終的に連合にいて、東アジア共和国軍に引き渡された際に自分は日本人だと言ったんでしょ。
僕だってそう云う事を云う人を面倒見切れないな」
「恩赦要求は?」
「ウズミ様がしたことはよくは知らないけど、彼が日本人と自己主張して、日本政府が死刑判決を出してる以上、オーブの問題ではないし
それにカガリが何かしたそうだけど、今はそれどころじゃないし。
僕は、雇った人の手を噛むような人は信用できないなぁ」
「キラ様はなぜそのような態度を?」
「今回の極東の兵乱だって、ザフトも悪いけど、この粗悪な傭兵集団とジャンク屋が遠因じゃない……
ザフトと連合の間に入って掻き回してきた人達を何で助けてあげる必要があるのかな……
彼等にだってちゃんと咎は受けてもらうよ。僕達みたいに」
タツキ・マシマは纏めるつもりで
「たしかにあのイナゴ共のせいで、極東は痩せこけました。
害虫駆除をしなくてはなりません。
我等が日本に対して恩返しできるとすれば、汚れ仕事をせねばなりますまい」
タツキ・マシマは一言付け加えたかったが、彼はあえて言わなかった

―自分で蒔いた種は自分で刈るべきです―と
91SEED 戦後30年目の愛:2009/03/14(土) 01:39:59 ID:???
続く
92通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 01:50:39 ID:???
乙です。
やっぱりキラはキラなんだな。
93通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 03:09:55 ID:???
アスランフリーダムすぎるw
94通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 20:33:05 ID:???
>ザフトと連合の間に入って掻き回してきた人達を何で助けてあげる必要があるのかな……

まさに「お前が言うな」w
「ここがヘリオポリスか……」
私はつぶやいた。
初めての宇宙、初めての宇宙コロニー。
頭上に見える、人口の地上。
思わず口を開けてぽかんとなる。
首を振って観光気分になりそうな気持ちを引き締める。
だって……地球では、仲間達が、待ってるんだから。今もザフトに殺されてるんだから……!
サダム。フセイン。バラク。オバマ……
もう、なん人死んだだろう。死んだ仲間を思い出し、胸が痛くなる。
それに、メイリン。
憎しみの思いが湧き上がる。

カトーからの手紙を広げる。
もう、何度も読んだ手紙。
その手紙は、
「ともあれ、プラントは滅ぼされるべきである」
と結ばれていた。
思わずくすりと笑ってしまう。
カトー教授――フルネームをマルクス・ポルキウス・カトー・ケンソリウス――のポリシーなのだ。なにかにつけて
「プラントは滅ぼされるべきである」と言うのは。
……無理もないかな。
カトーの祖父母は、あの『エイプリル・フール・クライシス』――ザフトによりニュートロン・ジャマーが地球上に打ち
込まれ、世界中の原子力発電所が停止した春、ようやく救助隊が彼らの住んでいた高層ビルに派遣された時、す
でに餓死していたと言う。
ニューヨークと言う大都市だっただけに、電気が止まるのは大打撃だったのだ。
ともあれ、今用事があるのはその続きの方だ。地図が書いてある。
私は地図を見ながら、カトーのラボへと向かった。


96紅き鷹よ、空を駆けろ!! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:12:27 ID:???
連合軍輸送艦艦橋――
「軸線修正、右6コンマ51ポイント、進入ベクトル良好」
「制動噴射、停止。電磁パケットに制御を移管する」
「減速率、2.56。停船する、待機せよ」
「これでこの船の最後の任務も無事終了だ。貴様も護衛の任、ごくろうだったな、フラガ少佐」
輸送艦の艦長は言った。
フラガと呼ばれた男は、眼光鋭い目を油断無くスクリーンに注ぎながら答える。
「いえ、航路なにもなく、幸いでありました。周辺にザフト艦の動きは?」
「2隻トレースしておるが、なぁに、港に入ってしまえばザフトも手は出せんよ」
「……ふっ。中立国、でありますか。聞いてあきれますな」
「はははは、だがそのおかげで計画もそこまで来れたのだ。オーブとて地球の一国と言う事さ」
「では、艦長」
上陸する予定のパイロットが艦長に挨拶に来た。
「うむ」
「上陸は本当に、彼らだけでよろしいので?」
フラガは少し眉をひそめた。
「ひよっこでもGのパイロットに選ばれたトップガン達だ。問題ない。貴様などがちょろちょろしてるほうがかえって目
立つぞ」
フラガは苦笑した。


ザフト艦ヴェサリウス内――
「そう難しい顔をするな、アデス」
高速戦艦ナスカ級、ヴェサリウスともう一艦、ローラシア級のガモフからなるクルーゼ隊を率いるラウ・ル・クルー
ゼは艦長のアデスに言った。
「はぁ……いやしかし、評議会からの返答を待ってからでも遅くはないのでは……」
「遅いな。私の勘がそう告げている。ここで見過ごさばその代価、いずれ我らの命で支払わねればならなくなるぞ。
地球軍の新型機動兵器、あそこから運び出される前に奪取する!」


97紅き鷹よ、空を駆けろ!! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:13:02 ID:??? BE:1701470887-2BP(777)
「ここかしら?」
地図に従い、たどり着いた扉の前。
私はちょっとためらうと、ドアをノックした。
「どうぞ」
部屋の中から声がする。教授じゃない、若い男性の声だ。
私はドアを開けた。
「こんにちは、こちらはカトー教授のラボでしょうか」
「ええ、そうです」
眼鏡をかけた学生らしい男性が答えた。先ほどの声だ。
「教授と、約束をしてるのですが……」
「そうですか! いやぁ、教授も忙しくって、どこにいるやら……。まぁ、座ってください。おっつけそのうち来るでしょう」
「ありがとう」
「何か飲む?」
「あ……えと……」
「ああ、僕は、サイ・アーガイル。あっちにいるのがカズィ・バスカーク。君は?」
「あ……」
ちょっとためらったが、私は言った。
「ルナ……ルナマリア・ホークです」

「いい名前だ!」
サイは私に笑いかけた。
「ルナって呼ぶけどいいかい」
「あ、はい」
「とりあえずコーヒー入れるよ。豆だけはいい奴揃えてるんだ」

コポコポ……コーヒーメーカーが音を立てる。
そして、私の所にコーヒーを入れたカップが運ばれてくる。
その時、ドアが開いた。

98紅き鷹よ、空を駆けろ!! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:13:34 ID:??? BE:1063419375-2BP(777)
ドアから、3人の男女が入ってきた。彼らも学生らしい。
「ちーっす」
「待ってたぞ。ほれ、キラ。教授からの宿題だ」
「うへー。またぁ? この間のだってまだなのに」
「あら、この人は?」
女性が言った。
「ああ、教授のお客さんだ」
「そう! 初めまして。私はミリアリア・ハウよ。ミリィって呼んで」
女性は気さくに言った。
「私は、ルナマリア・ホークです。よろしく」
「じゃあ、ルナって呼ぶね。いい?」
「ええ……」
「そんな他人行儀な。うん、でいいのよ。同じような年でしょう? 何歳?」
「16だけど」
「ほら同い年だ」
ミリィは嬉しそうに笑った。
それから、他の二人の名前もわかった。
茶色の髪でショートシャギーのがキラ・ヤマト。
もう一人がトール・ケーニヒ。ミリィの彼氏だそうだ。
一当たりおしゃべりすると、彼らは普段の作業に戻っていった。

コーヒーを飲んでしまった私は、パワードスーツを身に着けてるカズィを見物する事にした。
だって、キラとかはパソコンに向かってて見てても面白くないし。
「ん? 興味ある?」
カズィが話しかけてきた。
「ん、うん」
「じゃあ、着てみる?」
「いいの?」
「いいさ」
カズィは笑った。

99紅き鷹よ、空を駆けろ!! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:14:03 ID:??? BE:759585555-2BP(777)
「……へぇ、なかなかうまく動かすじゃない」
カズィが感心したように言う。
「ちょっとばかし、コツがあんだけどねぇ」
「ん、似たようなの、身に着けた事あるから」
「へぇ! どこで?」
「……」
まさか、戦場で、とは言えないか。

――突然、衝撃が来た。
「キャー!」
ミリィが悲鳴を上げる!
「何? 隕石でもぶつかった?」
「まさか! 衝突しそうな隕石やらデブリやらは、とうの昔にわかっているはずだ!」
部屋の明かりが消え、そして非常灯に切り替わった。
「とにかく、避難しよう」
「ええ!」
私も急いでパワードスーツを取り外すと、部屋から出る!
部屋を出ると、職員の人たちもぞくぞくと階段を上がって避難していた
「いったい、どうしたんです!?」
「知らんよ」
「ザフトに攻撃されてるんだ! コロニーにモビルスーツが入ってきてるんだよ!」
「「「「え!?」」」
「君達も早く!」
……なんで? ザフトが?
いや、カトーには会えなかったけど、こうなったら、私だけで確認だけでもしなきゃ!
私はカトーからの手紙をちらりと見て地図を確認すると、走り出した!

「おおい! そっちは逆だ!」
キラだ。
「私に構うな! お前は逃げろ!」
「そんな事言ったって……」
「おーい、キラ! ルナ!」
向こうでサイが叫ぶ。
だけど、私にはやらなくちゃならない事がある!
「後から行くよ、僕はルナに着いてく!」
「おい! 別に着いて来なくてもいいって!」
「だって、心配だろ」
「……しょうがないな」
私はキラを連れて、地図にあった、工廠の方へと走る!

――!
「うわぁ!」
爆発が起こった!
ふと後ろを振り向くと、通ってきた通路が瓦礫で塞がっていた。
「これじゃ、戻れないね」
「……急ぐ。行くぞ」
私は再び走り出す。
100紅き鷹よ、空を駆けろ! 株価【30】 :! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:14:55 ID:??? BE:364601434-2BP(777) 株主優待
走って走って。
「どうやらここのようね」
大きな空間に出た時、下に大きなロボットが横たわっていた。
「こ、これは一体……!?」
キラが驚いている。
だけど、私はキラの方に気をかけてやれる余裕がなかった。
自然と笑みが浮かぶ。
モビルスーツ。これがあれば……。

チーン!
ラッタルが甲高い金属音を立てた。
下から兵士が撃ってきた!
「おい、ルナ! ここあぶないよ!」
「……そうね、行きましょう」
目的地はまだ先だ。私は頭の中の地図を素早くチェックすると、走り出す。

しばらく走って、ようやくたどり着いた所。それは――
「……埋まってる?」
私は瞬間呆然としてしまった。
「おい、なんだってのさ」
キラの声で我に返る。
「……戻るわよ」
「ええ!? あぶないよ! 早くシェルター探して避難しようよ」
「行きたいなら、あなた一人で避難しなさい」
言い捨てると、私はまた元来た道を走り出した。

「あ!? 危ない!」
私は咄嗟に声を上げた。
ザフトらしい兵士が、オレンジ色の作業着を着た女性に銃の狙いを付けている!
彼女は私の声で危機に気づいたのか、振り向かずに後手に銃を放ち、ザフトらしい兵を撃つという妙技を見せた。
ザフト兵の頭はざくろの様に割れた。
……その女性が持ってるの、デザートイーグルじゃん!
その女性が私達に声をかけてきた。
「来い! お前達!」
「え……あ……」
追いついてきたキラが、戸惑っている。
「早く! ここら辺のシェルターを探しても無駄よ! ザフトの奴らに潰されたわ!」
「今、行きます!」
すばやく私は考えると、その女性に言葉を返す。そして、下に降りる階段を探す。
「ええと、階段……」
「この方が早いよ」
キラが言った。
「え?」
そしてキラは私を抱え上げると下に飛び降りた!

101紅き鷹よ、空を駆けろ! 株価【30】 :  ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:15:35 ID:??? BE:303834252-2BP(777) 株主優待
あ、あの女性が撃たれた!
あわてて駆け寄ると、赤いスーツで身を固めたザフトの兵士がナイフを持ってこっちに来るのが見えた!
く、私だって伊達に戦ってきた訳じゃ……
こんな事もあろうかと、武器を身に着けてきたのは言うまでもない。
私は落ち着いて、愛用の柘植久慶デザインナイフの最高峰、柘植スペシャルホーク(4・6・1)(問い合わせはスペ
シャル・フォース――)を取り出す!
「ウィ、ムッシュ、カピタン!」
だが、その私の誘いの台詞を無視して、そのザフト兵士が驚いたように叫んだ!
「お、お前! キラ!?」
「あ、アスラン!?」
キラも、驚いたように叫んだ。
「え? ええ!?」
「くっ……」
ダーン!
銃声が、二人の会話を引き裂いた。
作業着の女性がそのザフト兵士に銃を向けたのだ。
ザフト兵士は素早い動きで、身を躱すと、隣のモビルスーツに乗り込んだ。
そして。作業服のその女性はいきなり私達をモビルスーツのコクピットに落とすと、モビルスーツを起動させた。
「シートの後ろに! この機体だけでも! 私にだって動かすくらい!」
「……GUN、DAM?」
キラがつぶやく。
表示される画面に表示される文字が縦読みでそう見えた。
そして、スクリーンにパッと周囲の光景が映し出され、このモビルスーツは立ち上がったのだ!
やあ (´・ω・`)

ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、また「ルナマリア主人公」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、この題名を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
この物語を書いたんだ。


じゃあ、感想を聞こうか。
103紅き鷹よ、空を駆けろ!  【shar:1397】   ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 02:26:57 ID:??? BE:2187605298-2BP(777) 株主優待
tesu
104通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 11:01:09 ID:???
>カトーの祖父母は、
まさかのカトー教授が相手(フラグもち)!
105通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 12:09:11 ID:???
>>104
なんかカトー教授設定あるの?フラグとか
106通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 13:29:49 ID:???
カトー教授作のナチュラル用(オーブ用)OSの出番かな
例えるとペーパードライバーの主婦がF1マシンに乗って優勝できるサポート付きOS
107通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 13:46:51 ID:???
サポートAIはロウが乗せた物でカトーは関係ない
108通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 13:48:19 ID:???
アスラーダ付いてんのか!
109通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 18:46:55 ID:???
グリーンフレームの事だよ
青と赤、金には乗ってない
110紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:30:42 ID:???
「……ちょっと。ただ歩いてるだけじゃないか。大丈夫なんですか?」
キラが心配そうに言う。
確かにぎこちない。ほんとにぎこちない操縦だ。
「私は戦艦の副長よ! パイロットじゃないの! だから言ったじゃない、動かすぐらいならできるって! 無理に
走って一般人巻き込むよりいいでしょう!? 戦うわけじゃない、安全な所にこの子を逃がしたいのよ」
「あ、ちょっと! ふら付いた! 足元に人がいた!」
「ちょっと、黙って!」
私達をコクピットに押し込んだ女性は、コクピットのあちこちをいじっている。
――! あるスクリーンが拡大される!
「サイ! トール! カズィ! まだ避難し終わってなかったんだ!?」


「アスラン!」
ザフトの緑服、トモアキ・オグラはイージスを強奪したアスランに呼びかけた。
「オグラ、トモコは失敗だ」
「なに!? 『他に面白い事が無いんでしょう』とかえらそーに人の事笑っておきながらそれか! あの***女!」
説明しよう。
戦争が始まってしばらくした時、ザフトのネット世界で、クライン議長を応援する気持ちを表すために彼の著書(『と
てつもないザフト』『自由と繁栄のザフト』などである――)を購入しようという動きがわき上がった事があった。それ
を、トモコ・フジタは『他に面白い事が無いんでしょう』とあざ笑ったのである! それに、一度カツラの事で笑われ
た事があるのをオグラは忘れた事がなかった――
「 向こうの機体には、地球軍の士官が乗っている」
「ちい!」
オグラは敵機に発砲した!
「ならあの機体俺が捕獲する。お前はそいつを持って、先に離脱しろ!」
「!……」
アスランは頷きながら思った。
キラ……いや、違う。あいつがあんなところにいるはずが……


――ガーン!
突然、大きな音と共にモビルスーツがふら付き、コクピットを衝撃が襲う!
「きゃー!」
「下がってなさい! 死にたいの!?」
正面のスクリーンにはどうやらザフトの物らしいモビルスーツ――おそらくジンが映っていた。
そいつは重斬刀を抜くと切りつけてくる!
「まだ終わらないわ! ええい、このスイッチよ!」
副長と名乗った女性は、ひとつのスイッチを入れた!

111紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:31:09 ID:???
――ガシィーン!
スクリーンから見ると、どうやらまともに重斬刀でぶったたかれたらしい。でも、衝撃はあったけど。
このモビルスーツはやられていなかった!
「PS装甲――フェイズシフト装甲よ。実体兵器ならほぼ完全に無力化できるわ!」
作業服の女性が自慢げに言う。
「よかった……!」
キラがほっとした声でため息をつく。
私は……なんとかPS装甲の技術を盗めないかなと頭の中の醒めた部分がつぶやいていた。カトーからの知らせ
では、オーブはまたPS装甲の秘密を探り出せていないのだ。

――ガシィーン! ガシッ! ガシッ! ガシッ! ガシッ! ガッ! ガッ! ガッ! ガガガガガ!
……安心したのは早かった。ザフトのモビルスーツは何度も重斬刀を叩きつけて、叩きつけて。
その度に衝撃が襲い、ふらついて。とうとうこのモビルスーツは倒れてしまったのだ!
「う!……ぅ……」
作業服の女性がぐったりとなった!?
あ、額から血が!
こうなったら!
「キラ、悪いけどこの人、どけてくれる?」
「え、どうすんだよ?」
「いいから早く! モーレン、ディー! ディー!」
「ちょ……なに……を」
作業服の女性に構わず、空いたパイロット席の隙間にすばやく私の身体を滑り込ませる。
モニターには重斬刀を構えた敵が迫って来るのが見える!
でも、まだ余裕はあるはず!
振り下ろされる重斬刀!
襲う衝撃!
でも幸いな事に、地面に背中をつけているからか。衝撃はふらついていたさっき程ではない。
「規格は同じはずよね、教授からの情報によると……」
私はメモリースティックを取り出す。
「ほんとはこの子に使うはずじゃなかったんだけど」
コンソールの差込口に挿す!
プログラムが自動的に立ち上がる! OSが見る間に修正されていく!
そして
【完了】の表示。
112紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:31:27 ID:???
「よおし! これで! モッ! ハイ! バー!」
わたしは一気にスラスターを吹かす!
モビルスーツはまず上体が起き上がり、重斬刀を振り下ろそうとしていた敵に、カウンター気味に頭突きを食らわす!
そして、このモビルスーツは再び立ち上がる。
「X-105ストライク……か。この状態じゃ、武器は……」
モニターに、立ち上がりかけた敵機が見える。
「させない!」
アーマーシュナイダーを取り出すと、立ち上がったばかりで無防備な敵機の肩関節に突き刺す!
重斬刀を取り落とす敵機。
「やった!」
その時、作業服の女性が叫んだ。
「あぶない! 耐ショック防御!」
え……
モニターに敵機を脱出していく人影が見える。
咄嗟に私はイーゲルシュテルンを放った!
ズタボロになって消し飛ぶ人影!
そしてモニターに、一瞬光が満ち、すぐに遮光モードに入ったのだろう、暗くなる。
そして、衝撃!
「くっ!」

くそう、モビルスーツを後に倒してしまった!
「なんたる阿呆だ、この私は!」
「いてっ」
「あ、キラ。大丈夫か? その人も」
「……僕ならなんとか。この人気絶しちゃってるみたいだ。……まぁ頭は僕の腹の上だったから大丈夫だと思うけど」
「ふん、役得だな」
「え、ええ?」
「ちょっと見せろ」
私モビルスーツを待機状態にすると、その女性を軽く診察する。
「……ん。大丈夫そうだ」
ドッグタグに目をやる。
「ふん、名前はマリュー・ラミアス。地球軍の大尉さんか」
「経験あるんだ? 手つきが慣れてる」
「ん。戦場でな。戦場では誰が医療専門だとか言っていられんから」
「戦場……」
驚いたようにキラはつぶやいた。
「教官だったんだ、特殊部隊の――」
そう言うとキラは納得して何度も頷いたのだった。
「ふ……む。デザートイーグルかか。なかなかじゃないか」
私は拳銃を見つけると、身に着ける。
「ハッチを開けるぞ」
「あ、うん」

113紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:31:48 ID:???
ハッチを開け、周りを見渡す。
モビルスーツの周囲に、サイ達の姿が見えた。
「ルナ!?」
「なにやってんだ!?」
「……お前らここから離れろ! 今からこいつを動かす!」

私はコクピット内に戻る。
「キラ、このラミアス大尉を頼む。私は今から行くところがある」
「え、どこへ行くのさ!」
「いいから早くしろ! ここはザフトの攻撃を受けた。また奴らが戻って来たら知らんぞ!」
「でも……」
「また戻ってくるから!」
私はキラを追い出すと、再びこのモビルスーツ――ストライクを起動させた。

「……着いた。コクピットだけでいいんだ。そうすれば……」
私は、先ほどキラと訪れた場所にとって返す。
慎重に、瓦礫を取り除いていく。と、赤い装甲板が見える。
「レッドフレーム!」
私の顔に笑みが浮かんだ。
「戻るだけのエネルギーは残しておかないとね」
私はストライクから降り、赤い装甲版のある箇所のスイッチを入れる。
パフン!
軽い音と共にコクピットのハッチが開く。
そこのパイロット席には人が座っていた!
「――カトー!」
私は慌てて近づくと、様子を見る。
「ぁ……」
「大丈夫ですか!?」
「ぁ……ぁ……」
だんだんカトーは正気付いてきたようだった。
「あ、あなたは! ルナマリア様!」
「……よかった!」
「よくぞご無事で! ザフトの攻撃が……」
「わかっています。地球軍のモブルスーツで無事なのは、X-105ストライクだけかもしれません。残りは破壊された
か、強奪されたか」
「なんと!」
「ちょうど、強奪された場面に居合わせました。それより、これを。託された物を。ネットの巨大掲示板、オーブチャ
ンネルUNIX版に助けを求めて改良されたモビルスーツ用OSです」
私はカトーにメモリースティックを渡した。
「おお、ありがたい!」
カトーはこのモビルスーツ――レッドフレームを起動させると、メモリースティックを差し込む。
先ほどと同じ光景が繰り返され、【完了】の文字が浮かぶ。
「ブルーフレームもやってしまいましょう。ザフトがまた来るかも知れない。戦力はあった方がいいです」
「そうですな。では……」
カトーはレッドフレームを立ち上がらせると、ブルーフレームのコクピットの上にある瓦礫をそっと除ける。
私はブルーフレームに入り込み、OSを更新する。
114紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:32:03 ID:???
っと……
私は思い出して手近な所にある通信機を見つける。
「ヘリオポリス防衛本部!」
『……こちら、防衛本部!』
「状況は!?」
『あなたは誰です!?』
「国民番号を述べる! OBAAA1133546」
『……ちょっと待って……え、ええー! ふ、符丁を確認する!』
「了解した」
『K―113203』
「Y−432210」
『ルナマリア・ホーク・アスハ准将殿! 確認しました! 現在の状況、ザフト軍の奇襲により混乱中、港外にて防
衛隊メビウス20機喪失!』
「了解した。私はこれより地球軍の新造戦艦を接収し、行動を共にする。ザフトをコロニー内に入れるなよ!」
『了解しました!』
私は通話機を置いた。
「あ、カトー。あの瓦礫で塞がってる扉の向こうは? まだ見ていませんが」
「あー。モルゲンレーテじゃなくてどっかがなんかやってたようだけど。よくわからんし時間がない」
「わかりました。さて、と。カトー、とりあえず、戻らなければなりません。気絶したラミアス大尉……ご存じですか?」
「ああ、もちろん!」
「彼女と、あなたのラボの子達を待たせているんです」
「わかった。では行こうか!」


115紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:32:19 ID:???
「どうすんのさ」
「どうすんのって言っても、カズィ、このまま待つしかないだろ」
「あ、起きた」
「大丈夫ですか」
キラはマリューの顔をのぞき込んだ。
「あ、ああ……ありがとう……」
「よかった! お水、飲みます?」
ミリアリアがペットボトルを差し出す。
「ありがとう……ん? んー? そう言えば、私、ストライクに!」
周りを見渡す。……無い!
マリューは慌てた。
キラの顔を見つけ出すと、くっつかんばかりに言った。
「君! 一緒にストライク乗ってたわよね!? あれ、あれどこ行ったの!?」
「は、はぁ……。ルナが、行くところがあるって、乗って行っちゃいました!」
「な、なんですってぇ!?」
マリューは卒倒しそうになった。
「どこに! 私も行くわ! あれは人に見られていい物じゃないのよ!」
「いや、そう言われても、どこへ行ったか定かでは……」
「ええー!?」
再び卒倒しそうになったマリューの耳に天使の声が聞こえた。
「あ、戻って来た」
「でも、増えてるぜ」
その通り。マリューの目に見えたのは、ストライクと、見知らぬ赤いモビルスーツであった――


116紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:32:31 ID:???
「これは……」
息を飲むマリューの前で、二体のモビルスーツのハッチが開く。
ルナマリアとカトーが降りてくる。
「あ、あなたは、カトー教授!」
マリューはカトーの姿を見ると叫ぶ。
カトーは軽く頷くと、マリューの腕をつかみ、物陰に連れて行く。
「ともかく無事でよかったラミアス大尉」
「ええ、あなたも。それにしてもあの赤いモビルスーツは……」
「ふ……オーブで開発していたのですよ」
「え、それって技術盗用!」
「ふ、ここで開発する以上、暗黙の了解だと思いましたが。それに、ストライク以外のモビルスーツを失ったそうですな」
「ええ……」
「結果オーライです。戦力は多い方がいい。とりあえずあなたが黙っていればよい。あとは上層部同士の交渉で決
まるでしょう」
「ええ……。あ、あのルナマリアとか言う少女は! 機密が!」
「そう騒ぐな。後にいる」
後から、少女の声が聞こえた。
マリューが振り向くと、あの印象的な赤い髪の少女が強い意志を秘めたまなざしでこちらを見つめていた。
「ラミアス大尉」
カトーが言う。
「はい?」
「くれぐれも、ルナマリア様にご無礼のないように」
「ルナマリア、様?」
117紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:32:38 ID:???
「私はルナマリア・ホーク・アスハ。オーブの現代表首長、ウズミ・ナラ・アスハの娘だ」
「ええ!?」
「この事は他言無用」
驚くマリューにルナマリアは言葉を繋いだ。
「ラミアス大尉。貴様の経歴はカトーから聞いた。憎いか、婚約者を殺したザフトが」
一瞬、マリューの瞳に憎悪の光が灯った。
「ええ、憎いわ」
「ならば」
ルナマリアは笑みを浮かべた。
「我らは同志だ」
「え」
「ザフトによるニュートロン・ジャマー無差別投下。オーブも小なりといえど被害も出た。……妹のメイリンは、キャ
ンプに出かけていた時に、ニュートロン・ジャマーの直撃を受けた。妹の身体は跡形も残らなかった。私はザフトを
許さない」
淡々とした口調でルナマリアは語った。
「誓約を立てよう」
ルナマリアはマリューの手を握る。それにカトーが手を重ね合わせる。
「我ら、必ず」
その言葉をカトーが引き継ぐ。
「ザフトを滅ぼす」
「蒼天我らが上に落ち来らぬ限り」
「緑なす大地引き裂けて我らを飲み込まぬ限り」
「泡だつ海押し寄せて我らを溺らしめぬ限り」
「この誓い破らるることなし」
ルナマリアとカトー、二人の口が紡ぎ出す誓約の言葉を聞きながら、マリューは自分が何か大きな運命の渦に捕
らえられたのを感じていた。
118紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/15(日) 21:33:34 ID:???
続く。

ミゲル、ラスティと名前ありキャラを序盤で殺すのもったいないので適当な名前付けたキャラに死んでもらいました。
119通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 21:46:04 ID:???
とりあえず分割1枚目の3行目あたりでどうでもよくなった
120通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 22:21:27 ID:???
なにこの桃園の誓い
なにこの、なにこの

オーブがちゃんとEFCに対して怒りを持ってるのがいいなあ
続き期待してまっす
121通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 23:07:39 ID:???
オグラわろたw

>>120
EFCって何?
エイプリルフールクライシスならAFCじゃないか?
122120:2009/03/15(日) 23:22:01 ID:???
ごめん、間違えてた
AFCですね
123通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 23:25:04 ID:???
ネタ依存からはそろそろ脱却して欲しいな
124通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 00:14:06 ID:???
確かにオーブがNJ投下で被害を受けていないはずが無いのにプラントへ怒りを抱いている様子が無いのは疑問ですよね。
独裁国家だとしても、首長家に被害が出た以上はオーブは本気なんだな。
サハクの独断ではなくアスハが承認した上で動いているわけか。
125通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 02:19:23 ID:???
乙です。
序盤で外野がどーのこーの評論家みたいな事言ったって、
ラーメンのどうでもいい薀蓄垂れてるラーメンオタクみたいなもの
とりあえず、黙って続きを待っておこう。
126通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 02:24:27 ID:???
全然黙ってねえじゃんw
127通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 20:27:02 ID:???
>>124
オーブには地熱発電があってだな
128通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 20:35:19 ID:???
でも突如無線が使えなくなって政府専用機が墜落とかありえるぜ
それに電波が使えないのは被害とは呼ばんのか?
129通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 20:48:12 ID:???
対空砲火で全て打ち落としたとか老魔法王みたいな人がいたとか
実は多額の保険金があったとか既に地中のNジャマーを取り出していたとか
太陽炉を所有していたとか
オーブ国民は妨害されない電波で頭が繋がっていたとか


何がいい?
130通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 21:41:51 ID:???
少なくとも通信事業は大打撃。ヘリオポリス、ミハシラとの通信がダメで衛星も使えないし。
あと、4月馬鹿危機の時に飛んでる航空機の半分くらいは落ちただろうな。
着陸指示は全て無線で行ってるんだから。
131通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 22:29:17 ID:???
後、電波が衛星から通じなくなった場合GPSを使って航行している船舶の殆どが現在位置を見失い海難事故が急増しただろうな。
航空輸送も海上輸送も悲惨な事故が世界中で同時多発的に発生。しかも衛星網が使えなくなった事で経済も大暴落、いくらオーブ
でも天文学的な被害を受けたはずだぞ。
132通常の名無しさんの3倍:2009/03/16(月) 23:44:17 ID:???
>>129
管理局の白い悪魔が配備されてたとか。

>>131
GPSなんて1国の打ち上げた戦略システムに頼りきりなのはいかがなものかと。
長距離船舶の航海士なら天測ぐらい出来るだろ?
133通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:08:05 ID:???
冷静に考えると、長距離通信が本当に壊滅しているんなら、ZAFTが地上支配とか出来るわけ無いんだけどな
最速の通信手段が「手紙持った人が直接行き来する事」っていう状態になるから、命令が全然行き届かない
134通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:26:13 ID:???
つ【伝書鳩】
135通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:30:47 ID:???
>>134
トリーが宇宙を飛べる理由とその存在意義がようやくわかった
136通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:44:10 ID:???
昔のヨーロッパみたいに有線電信網に頼るか。
さらにもう一段階も戻って信号連絡塔に頼るしかないな。
137通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:47:06 ID:???
飛脚って手もあるぞ!
138通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:49:03 ID:???
狼煙は?
139通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:54:21 ID:???
夜に電気使ったモールス信号でだな
140通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:56:05 ID:???
なんだ、以外と大丈夫じゃないかw
141通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 00:59:00 ID:???
古代中国の凧揚げ通信なんてのもあるな
142通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:02:43 ID:???
情報網に打撃を受けるのは確かだが、
無線発明以前の世界も何とかなってたんだから大丈夫だろう。
143通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:08:06 ID:???
無線があったってそれを伝えないで奇襲された!とか言う国もあるし
144通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:09:41 ID:???
>>136
プラントからカーペンタリアまで有線でつなぐのは大変そうだなw
145通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:12:23 ID:???
静止衛星と気球を用いた光学通信とかだめかな?

具体的にいえば超巨大MSによる手旗信号とかw
146通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:15:06 ID:???
>>142
ネタだと判っているが一応言っておこう。
中世〜近代と全てに電力、無線通信が使われている現代〜CE世界を同列で語るのはどうかと思うぞ。
147通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:19:21 ID:???
援軍を求める合図は『ボスケテ』だな
148通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 01:44:49 ID:???
手紙入れたカプセルをマスドライバーで射出とか
149通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 10:56:46 ID:???
レーザー通信網が発達してると考えればなんとか。
宇宙ならそれでいけるし、通信衛星に送ってNJの影響少ない地域に送信したりすればいいんじゃね?
150通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 13:25:38 ID:???
原子力発電所がおちて電力不足だぞ
151通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 15:30:48 ID:???
「千億の星、千億の光」や「SEED DESTINY “M”」の更新が最近見られないのは
ひょっとして作者方がYbb規制に巻き込まれてるから?
念のためクロスオーバーSS倉庫内の避難所への誘導も貼っとこうか…

【統合】もし種・種死の○○が××だったら @避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10411/1197815983/
152通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 18:25:17 ID:???
個人的にはブリッツのレーザーライフルの本来の用途は通信用レーザーだと勝手に思ってる
153不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:04:03 ID:???
サハロフは、海岸の方は大変だろうな、と思った。
彼は沈没したボズゴロフ級の生存者である。
彼ら、漂流生存者大隊は、内陸部に配備されていた。
海岸の味方が壊滅しない限り、この陣地へは攻撃はこないだろう。だが……
いかに陣地を作られていると言っても、この程度の陣地では艦砲、そして大型ミサイルの攻撃には耐えられない事
を曲がりなりにも水兵であるサハロフは知っていた。
サハロフのいる機銃座には射手を命じられた彼を含め5人の人間が配置されていた。その中に、『鉄の男』との異
名で知られてるヨシフ・ヴィサリオノヴィチ・ジュガシヴィリがいた。彼はザラ派の強硬派として知られていた。
サハロフは乗艦が沈没する際、ジュガシヴィリに命を助けられていた。老齢で、しかも片足が不自由だというのに、
彼は救助されるまでの間、気絶したサハロフを抱えて洋上を泳ぎ続けてくれたのだ。
サハロフは鉄の男に深く感謝し、同時に信頼するようになっていた。鉄の男と一緒にいる限り、どんなに苦しい状況
でもなんとか切り抜けられるように思えるのである。
その時、サハロフは、硝煙とは異なる煙が漂いはじめたことに気づいた。
「が、ガス!?」
彼の声は恐怖のあまり、上ずっていた。ガスマスクの数が足りず、この部隊までは行き渡っていなかったのだ。
こんな密閉された空間にいてガス攻撃されたら、まず助からない。
「ど、どうしよう」
「落ち着け」
そう言う鉄の男の声は冷静そのものであった。
「で、でも……」
一刻も早く脱出すべきだとしか、サハロフには思えなかった。
「毒ガスじゃない。発煙弾だ」
確かに、濃密な白い煙の中で、味方の歩兵は咳き込みながらも、普通に動いている。
ふうっと言う安堵のため息が、一斉に漏れた。
「油断するな。来るぞ」
「えっ、なにが?」
「何のために、敵が煙幕を張ったと思う? 突撃支援のために決まっているではないか!」
「来た!」
悲鳴が上がった。
白煙の向こうで、黒い影が動いている。
敵か? 敵なのか?
「撃て!」
鉄の男が叫ぶと同時にサハロフは機銃の引き金を引いた。
154不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:04:22 ID:???
命中しているのかわからぬまま、サハロフはひたすら撃ち続けた。
と、カラン、と射撃用の開口部から飛び込んできたものがある。
手榴弾だ!
サハロフは一瞬にして悟った。
もう終わりだ!
サハロフは覚悟した。
その時、ジュガシヴィリがその身をもって手榴弾の上に覆い被さるのを、サハロフは見た。
ず……んと言う腹に響く音がした。キーンと耳鳴りがする。だが、サハロフはまだ生きていた。
「鉄の男! スターリン! スターリン!」
サハロフは腹の下を血で濡らしつつあるジュガシヴィリに駆け寄った。
ジュガシヴィリの口元がわずかに動いた。
「なんだ? なんて言ったんだ?」
「……神よ、今御許に参ります……」
それがジュガシヴィリの最後の言葉だった。無神論者が多いコーディネイターらしくない最後だった。
「くそう! スターリンの仇だ! ナチュラルども皆殺しにしてやる!」
再び、機銃の引き金を引こうとした彼を、仲間が押さえつけた。
「なにしやがる! 邪魔するな!」
「大隊本部からだ。射撃中止命令が出た」
「な、なんだって!?」
「降伏したんだとよ」
外を見ると、薄れはじめた煙の中、友軍が武器を放り出して両手を上げて地球軍の方に歩いていく。
「じゃ、スターリンはなんのために……」
サハロフは力尽きたかのようにうずくまり、声を出して泣きはじめた。
その肩に仲間がそっと手を触れる。
「せっかく、スターリンが我が身を犠牲にしてまで救ってくれた命だ。大切にしよう」
それを聞くと、サハロフの泣き声はますます大きくなった。


155不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:04:43 ID:???
「おめでとうございます」
「おめでとうございます」
「おめでとうございます」
ネオ、ユウナ、そして大西洋艦隊の司令長官は杯を干した

ジブラルタルは戦闘の傷跡が多いのでセウタで戦勝パーティが開かれている
「これで、祖国に帰れるかと思うとほっとしますな」
「ああ、オーブ艦隊はカーペンタリアの封鎖に加わるのでしたっけ」
「ええ、ですが、大分楽が出来ます
「われらもこれからは最低限の海軍力を残して、カーペンタリアに向かわねばなりませんからなぁ、その時はぜひ」
「ええ、歓迎しますよ」
「ま、私はどうも宇宙に帰りそうで」
ネオが言った。
「それはそれは」
「宇宙でもご活躍される事でしょう」
「そう願いたいものです」

この日、地球軍は浮かれていたのだ。本当に――


「あれほど修行をして、棒形手裏剣を使えるようになったのが1割とは!」
訓練を負かされたSP達の体たらくに服部正吾は嘆いていた。
「いやいや、棒形手裏剣は難しいですから」
副官が宥める。
「しかたない。棒形手裏剣を使えないものには星形手裏剣を配るように!」
「はっ!」
「では、ミラージュコロイドを使った船で地球軍の月基地近くまで行くぞ!」
「ユニウス条約違反では?」
「我々はユニウス条約から外れた存在だろう君ぃ」
そうであっても守るべき物もあるだろうと副官は思ったが何も言わなかった。

156不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:05:00 ID:???
「ふっふっふ。こんなに月基地まで近づけるとはな」
「地球軍も油断してますね」
「進水式直後の戦艦を奪ってやるのだ。痛快だぞ」
「はぁ」
「では、作戦開始!」
闇夜に溶け込む濃紺色で固めた宇宙用スクーターで皆は出発した。
レーダーもこれほど小さな物が進入してくるとは考えていない。
皆は忍者熊手を使って艦内へ乗り込んだ。どうやったのかはわからないが。おそらくロック解除の機能でも仕組ま
れているのだろう。
「誰何!」警備員の声が消える前に、服部正吾の棒形手裏剣が警備の者の喉に突き立っていた。
なにしろ100人で1400人を殺さねばならないので大変である。
「声を出させるな! 静かに死んでもらえ!」
服部の指示が飛ぶ。
賑やかな声がする。娯楽部屋のようだ。
「ようし、催涙弾、投擲開始!」
「はい!」
部屋の中に、催涙弾が投擲される。
ゴホゴホと咳き込む声がする。
「今だ!」
ガスマスクを着けた服部達が部屋に突入する。
服部は棒手裏剣で苦しんでいる。地球軍兵の止めを刺していく。
わざわざ手裏剣で止めを刺さなくても、消音ピストルでも使った方がいいのでは? と考えた者もいるがもう何も
言わない。
ぐさ!
棒手裏剣を投げずに、地球軍兵を刺し殺している者がいる。ラクスだ。
「ラクス様! ラクス様が手を汚される事など……」
「わたくしは、部下にだけ危険を犯させて自分だけ安全な場所にいるのがもう我慢できませんの。許してくださいましね?」
そう言いながらラクスはナイフを突き刺す手を止めない。
「うううーー感動した!」
服部は感涙に咽んだ。
その時、銃声がした。
「誰だ! 銃を撃ったのは!?」
おどおどと、女性隊員が前に出る。
「ヒルダ、貴様か! 銃は最後から二番目の武器と言ったろうが!」
「は、はい。ごめんなさいぃ。……あのう、最後の武器はなんなんです?」
「決まってるじゃないか」
あっさり服部は言った。
「核爆弾だよ、君ぃ」
服部はにやりと笑った。

157不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:05:21 ID:???
服部達はこの調子で艦橋に入り、艦長も手裏剣で仕留めた。
その時艦内通信が入った。
『隊長! 見つかってしまいました。機関部です!』
「なにい!」
服部は阿修羅のような形相になった。
「3名、艦橋に残れ。地球軍をごまかし続けるんだ」
「は!」
服部達は機関部に向かった。
そこでは銃撃戦が起こっていた。
「くうう。忍者が銃撃戦などなんと無様なのだ! 催涙弾投擲!」
2・3人が投擲しようと立ち上がった所を撃たれる。だが、一人が投擲に成功し、地球軍は混乱し始めた。
「こうするのだ! よく見るがいい! 伊賀忍術の真髄を!」
服部は突入し、棒手裏剣で止めを刺していく。
……結局1400人の乗組員のうち、半舷上陸で半分しかいなかった事もあり、午後9時頃SP部隊の侵入を受けた
『プリンス・オブ・ウェールズ』は午後11時に制圧された。当然、約700名の乗組員はピストルで射殺されたごく
一部を除き、全員が手裏剣で皆殺しにされたのだ。

「隊長、生き残りが59名しかいません! これでは操縦が!」
「伊賀忍術を使えばなんとかなる! さっさと配置に付かんか!」
「はいぃ!」
「時間だな」
服部は時計を見た。
月基地に突入した時に使ったスクーターが一斉に爆発した。積んでいた核爆弾も一緒に――

158不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:05:39 ID:???
月基地は大混乱に陥った。
「この隙だ! 脱出する!」
「はっ!」
こうして『プリンス・オブ・ウェールズ』は脱出を果たした。
「大変です! 1隻、我が艦を追跡してくる艦があります! 熱紋照合、ネルソン級『レパルス』!」
「ふうむ、さすがに簡単に逃がしてはくれんか。主砲、発射用意!」
「相手はネルソン級ですよう、モビルスーツが出撃してきますぅ!」
だが、対空戦艦として設計された『プリンス・オブ・ウェールズ』はその真価を発揮した。今までの味方に向かって。
「敵モビルスーツ撃破! あは! あは!」
針鼠のように増設されたビーム砲は、次々とモビルスーツを絡め取っていった。
そして……
「ええい、射撃とはこうするのだ! 伊賀忍術の精髄を見ろ!」
服部が主砲の管制を取る。
「あ、我が艦の主砲、敵戦艦に直撃!」
ネルソン級と言えど、『プリンス・オブ・ウェールズ』の225cm2連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMk.72」
に耐える事は出来なかったのだ。
レパルスは、爆散した。
「やったー! やったー! やったー!」
浮かれる乗員の前で、服部は沈んでいた。
「明日はわが身……死して屍拾うもの無し。それが伊賀者の生き様よ」
服部はつぶやいた。

一週間の韜晦航路の後、『プリンス・オブ・ウェールズ』は『エターナル』と合流した。
マリューはラクスを迎えにいったが、すさまじい臭いに鼻をしかめる。なにしろ700名の敵乗組員の死体も一緒に
運んできたため死臭がひどかったのである。
マリューはラクスに、顔をしかめて
「先に、風呂と着替えを……」
と言うしか出来なかった。


159不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:05:58 ID:???
結局マドリードはジブラルタルが落ちても長期持久体制を崩す事はなかった。
地球軍はスカンジナビア軍を主体とした軍隊で北西から、フランス軍を主力とした軍隊で北東から圧力をかけるに
留め、ジブラルタルには最低限の守備隊を置き、撤退する事になる。

「オーブに着いたら、観光スポットを案内しますよ。命の洗濯も必要でしょうからね」
「ははは、それはありがたい」
ユウナの台詞にネオが答える。
一週間後、南アメリカのホーン岬を廻ってオーブ艦隊はついに長い航海を終え、帰国を果たした。

「ユウナ!」
カガリがユウナに飛びついてきた。
「無事だったか。心配したぞ」
「あはは、君の姿をもう一度見るまでは死ねるもんかとね、頑張ったよ」
カガリの頬が赤く染まった。
「ひゅう」
ネオが口笛を吹いた。
「若いってのはいいねぇ。いや、仲がいいのは結構な事だ」
「ともあれ、ご苦労様でした」
マシマ・タツキがネオに挨拶をする。
「ネオ・ロアノーク殿もご苦労様でした。ささやかながらジブラルタル解放パーティーが整っておりますので」
「わかった」
「では、トダカ」
「はっ」
「君のおかげでほんの予備仕官だった僕も無事に任務を果たせた。礼を言うよ」
「いえ、私こそ、ユウナ様とご一緒できた事を光栄に思います。オーブを離れ、あちこち見物できました。ジブラルタ
ル攻略という大作戦にも参加できた。もうすぐ生まれてくる孫にいい昔話ができるでしょう。ひまになったら回想録
でも書きましょうかな。はは……」
「ではな。兵達も労ってやってくれ」
「はっ」

「君ねぇ、ステディがいるって、いい事よ?」
パーティーで酔っ払ったネオがユウナに絡んだ。
「あなたこそ、地球軍大佐。お見合いの一つ二つあるでしょうに」
「それがさっぱりなくてねぇ」
「そりゃ、やっぱり猫の仮面のせいじゃないですか? 妙なんですよ、やはり」
「うっ。まぁ、傷跡を隠していると言う理由もあるが、被ってると便利なんだよ」
「便利?」
「嗅覚と聴覚が猫並になる。暗視も利くぞ」
「そりゃ便利でしょうけど」
ユウナは苦笑した。結局ネオは女性が怖いのではないのか。
こんな妙な人を気に入ってくれる人は果たして現れるのだろうか?
神ならぬユウナは、それが結構間近なのに気がつかなかった。


160不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:06:15 ID:???
「な、なぁ、今、なんて言ったんだよ?」
タキトは恋人のリンナ・セラ・イヤサカの言葉を信じられない思いで聞き返した。
「だから、あなたにはあたしよりもっと合う人がいるんじゃないかなぁって」
「そ、そんな事ないって! 君だけだよ! 君しかいないんだ!」
「……うざい。はっきり言おうか? 降格されるようなかっこわるい人、あたし、嫌いなの。二尉ごときであたしと付き
合おうとすんじゃねーよ! じゃ!」

……タケミカヅチに戻り、デッキからぼんやりと海を見つめていたタキトは、不意にぽん、と肩を叩かれた。
振り向くと、アマギ一尉がにこりと微笑んでいた。


ネオの艦隊は修理などに一週間オーブに滞在した。
「いやぁ、ジャングルが続くねぇ」
ネオとスウェン達はカガリ、ユウナ達とソロモン諸島のファロ島に冒険しに行った。これもユウナ達にとっては接待
である。
「ジャングルを抜けると、それはきれいな浜辺に出るんですよ」
その時、突然カガリの体が宙に持ち上げられた。
「なんだ、あれは!」
「ゴリラ? でもあんな巨大な!」
巨大な7メートル以上あるゴリラがカガリを捕まえていた。
「ファロ島の『巨大なる魔神』と呼ばれる生き物ですよ。本当にいたなんて!」
ユウナも、呆然としている。
「あはは! キングコングは美女にしか興味がないと言われている! 私は美女と認められたのだ! はははは」
巨大なゴリラに捕まえられたカガリは、ハイになっていた。
が、しばらく経つと興味を失ったように、キングコングはカガリをぽとりと落とすと森の中へ去って行った。
「いやぁ……あれを見ただけでもここに来た甲斐があったねぇ」
ネオは感慨深げに呟いた。
「そんな事より私を助けろ−!」
木の枝に引っかかったカガリが叫んだ。


161不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:06:39 ID:???
一週間後、オーブに、日本での最終艤装が終わった地球軍の改アークエンジェル級『ガルガリン』が到着した。

「貴様が司令官か! ワシが艦長の大官寺じゃ! この艦はいいぞぅ! 大船に乗った気でいる事じゃ!」
「は、はぁ?」
「最近のひよっこどもはなっとらんのう。敬礼ぐらいちゃんとせんかい!」
「あ、はぁ」
慌ててネオは大官寺に向かって敬礼する。
「うむ」
大官寺は頷いて答礼する。
なんで俺が先に敬礼するんだ? 逆じゃないか?
ネオは混乱した頭に疑問を浮かべるが大官寺の態度が変わるわけでもない。
「ほれ、これが仕様書じゃ」
大官寺はえらそーにネオに仕様書を放り投げる。
「は、はい、ありがとうございます」
ネオは、艦長の大官寺の調子に飲まれ、つい敬語を使ってしまった。
「ほう」
仕様書を読むとネオは、ほぅと溜息をついた。
改アークエンジェル級と言ってもだいぶ変わっている。アークエンジェルより一回り大きい。それは、左右舷側、下
側に船体が増築がされたこともあるが……ラミネート装甲にさらに複合和紙装甲を重ねた事が大きかった。
複合和紙装甲――それは文字通り和紙を使った装甲である。ぴちぴちの女子学生が真心をこめて漉いた、畳一
畳程の手漉きの和紙を数百枚ほど積み重ね、竹の繊維で綴じ、厚さ10ミリの標準鉄板で挟み込むと言う職人の
魂が籠もった装甲である! これが1ユニットになるのだ。それを積み重ねる。各ユニット間には1センチ程の隙間
が空いている。ボルト締めするために生じる隙間だが、これが垂直からの圧力を実によく受け流すのである。ミサ
イルなんかへっちゃらである。仮に、成形炸薬弾、ビームで攻撃されても、一定の防御力を発揮する。瞬間的な高
熱に対しては、和紙は却って断熱性を示すのである!
特装砲には、プラントに亡命した陽電子博士をも超えると評される中嶋陽子博士が十二国記研究所で開発した『麒
麟Mk.1――蝕』砲が搭載されている。地球軍の一部で開発が進められ、一時は搭載が検討されていた反物質砲と
は違い放射能汚染を引き起こさないのが特長である。……なぜか研究中に謎の人体消失事件が起こった事は秘密だ。
主砲の225cm2連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMk.73」は上部に2門の他に左右に1門、下方に2門増
設されている。
これは、アークエンジェルが海上でモラシム隊に苦戦した戦訓からだった。それに……宇宙であれば上下左右の
区別など無い。一方向にだけ攻撃力があってもだめなのだ。
110mm単装リニアカノン「バリアントMk.8」も変わらず装備されている。
そして機動力だ。速力もかなり増加している。そして大気圏での限界高度が非常に上がっている。ぶっちゃけ、自
力で大気圏突破できるのである。
162不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:06:46 ID:???
「もしこれが前戦役時にあったらねぇ」
ネオは呟いた。アフリカの山地を飛び越えてビクトリア防衛に参加し、マスドライバーを守りぬけたかもしれない。
あるいは、北方に抜け、ユーラシアを経てアラスカ・JOSH-Aに史実より早くたどり着けたかもしれない。もし、史実
と同じ行動を取ったとしても、ザフトの水中用モビルスーツの遥か上を飛行し、史実のような危険な目になど会わな
かったはずだ。
「准将?」
「……」
「ネオ准将?」
「わぁ!」
そう言えば、自分はジブラルタルを落とした功で昇進していたのだった。
そこにはヘイゼルの瞳と金褐色の髪を持つ美しい若い女性がいた。確か自分の新しい副官だった。
「ええと、君は確か……」
ネオは副官に名前を尋ねた。一度は聞いた筈なのだが失念してしまっていた。
「アンネローゼ・緑森中尉です。閣下」
「ああ、そうだった」
「もう! 閣下は私と初めて会った時の事も覚えてないでしょう?」
「え? 前に会ってた?」
ネオにはさっぱりわからなかった。
「1年前のベルファストの動乱の鎮圧の時ですわ。私が巴旦杏(ケルシー)のケーキを持って行ったら、おいしそう
にペロリと食べられましたわ。他の人達の分まで! それで、おかわりが欲しいなぁって!」
緑森中尉は嬉しそうに言った。
「そんな事、言ったかな?」
ネオにはさっぱり覚えがなかった。
「ま、まぁよろしく頼むよ、中尉」
163不沈戦艦強奪作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/17(火) 19:07:27 ID:???
続く。
和紙の用途、見事に当てた方がおられました! おめでとう!
164通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 19:28:02 ID:???
もうどこから突っ込んでいいやらwwwwwwwwwwwww
しかしこれだけは言える。

オドオド口調のヒルダはイイ!
165通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 19:38:29 ID:???
NINJAwwwww
スクーター核爆弾ってスーツケース核爆弾かよwww
KGBと中国特殊部隊の合いの子みたいなみたいラクシズ吹いたwww
つーか超小型NJCでも積んでないと核爆弾なんて使えないから、一発で出所がばれるな
166通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 19:41:31 ID:???
そういやネオって複数人居るんだよな
アッシュ・グレイだったりフラガだったり
167通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 19:48:28 ID:???
>「核爆弾だよ、君ぃ」
戦え!軍人くん吹いたwww
168通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 20:55:13 ID:???
スターリンがかっこよすぎるwww
ヒトラーといいザラ派濃すぎだろ
169通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 22:27:45 ID:???
相変わらずカオスな内容でwwwww
つか、最近主人公の影が薄すぎるwww
170通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 22:33:34 ID:???
主人公はルナマリアでいいんだよね?
ルナマリアIF系にカテゴリするよう進言した事があるけど、最近その判断に自信がない…
171通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 01:53:11 ID:???
大官寺来ちゃらめぇぇぇぇぇ

ルーデルといい、ザフトはもう終了ですね
172通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 06:23:54 ID:???
もしコーディが立ちション可能ならミネルバの艦内に女子トイレは無かったと思う?
173通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 09:58:50 ID:???
>>169>>170
特定の主人公は居なくて、群像劇の様な気がする
174通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 14:03:52 ID:???
老魔法王、ルーデル、大官寺、(多分)ヘイヘ……

まるで魔王のバーゲンセールだ
175通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 15:21:41 ID:???
もうどこから突っ込んで良いかわからねぇw
これはギャグなのかシリアスなのかどっちなんだw
176通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 18:25:04 ID:???
スーパー神父アンデルセンにフォースの申し子アナキン、そして老魔法王……
バチカンが無敵すぎるwwww
177通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 20:25:22 ID:???
これがシリアスにギャグをやるという事なのか……
178通常の名無しさんの3倍:2009/03/18(水) 20:44:56 ID:???
>>176
おまけにバチカンはルーデルに手を貸すしな(史実)
179通常の名無しさんの3倍:2009/03/19(木) 02:01:54 ID:???
>>172
宇宙戦艦の中でんなことしたら懲罰房行きだぞJK
180通常の名無しさんの3倍:2009/03/19(木) 02:05:27 ID:???
何 故 ス ル ー し な い
181通常の名無しさんの3倍:2009/03/20(金) 09:55:44 ID:???
SPて普通、身辺警護をする仕事の人のことで工作員のことじゃないと思うけど。

>>117
何の脈絡もなくはじめたこれって東方不敗のノリなのかな。
ネタじゃなくて大真面目なシリアスなのかもしれないけどさ。
182通常の名無しさんの3倍:2009/03/20(金) 11:05:06 ID:???
この伊賀忍者SPどもの元ネタはトンデモ架空戦記「不沈戦艦強奪作戦発動」だよ。
183通常の名無しさんの3倍:2009/03/20(金) 12:14:03 ID:???
元ネタ知らないからてっきりAAを強奪するのかと思った
184SEED 戦後30年目の愛:2009/03/21(土) 06:48:16 ID:???
アスランはホテルで遅めの朝食をとりながら昨日のことを想い返していた
「キラ。俺達はどうしてこんなになっちまったんだろう」
そうつぶやくと、ただ窓を眺めていた……
アスランは思い立ったように駐車場に向かうと車に乗り、八王子の方にある寺へ向かった。
すこし渋滞していたが、スムーズに行くとコンビニで茶菓子を買って花を用意した。
寺に着くと、水くみ場で桶に水を汲みながら
「あいつ、サクラソウが好きだとか言ってたけどどれだかわからないからこれにしちまったな」
そう独り言を言うとメイリンの墓に向かった。
短いお経を読み、僅かばかりの菓子を供えるとメイリンの墓に水をかけ、話し出した
「君にこうやって話すのは10年ぶりだな。
皆元気でやってるか。俺は寂しい。
な、俺もそっちに行くかもしれない。
そん時は迎えに来てくれ」
そう云うと立ち上がり、桶を持って歩いて行った。
185SEED 戦後30年目の愛:2009/03/21(土) 06:49:52 ID:???
偶然ある墓の前に行くと、若い青年に目がとまった。
濃紺の外套に白い軍帽。線香を添えて拝んでる。
赤毛の入った茶色い髪、どことなくその面影が重なる。
「キラ!」
青年は振り帰って立ち上がり、答えた
「え、なにか御用ですか。和尚さん」
「失礼。人違いだったようですな。
何分年を取って老眼が酷いもので……
余りにも貴方が私の友人に似ていたもので。
どちらの方のお墓参りに来られたのですかな」
「戦死した父です」
「失礼ですが、どちらで……」
「ヤキン・ドゥーエ戦役、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で……」
「というとMAパイロット?
いやMSパイロットか。
軍は東アジア共和国軍か」
「詳しいことは聞いてませんが連合でヤキン・ドゥーエで戦死したとしか……」
アスランは頭に手をやり
「悪いことをしてしまったな」
「いえ、いいんです」
「見たところ、軍人かね。
ところで、アスラン・ザラという人を君なら、どう評価する」
186SEED 戦後30年目の愛:2009/03/21(土) 06:52:12 ID:???
「え、私には……」
「遠慮することはない本当のことを話したまえ」
「戦争を止めたということは評価できるかもしれませんが。
もし私がザフト軍人ならば、父親に託された最新機を持ち出して母国の敗戦を招き、
軍法会議が嫌でオーブに逃げ込み、 厚遇されると裏切った母国に舞い戻って、被害妄想の末、脱走。
恩を仇で返すように母国の軍事行動を妨害・破壊した売国奴と評価されるでしょう 」
アスランはきつく睨み返して
「お前のような分らず屋が居なかったら地球とザフトの間には戦争はなかったと思うよ」
「貴方こそ何ですか、その言い方は!
言っておきますがね、そもそも黄道同盟とかいう連中がプラントを暴力で奪い取らなければこんな事態にはならなかった」
「若造、言わせておけば。
あれは核ミサイルがユニウスセブンに撃ち込まれたのが原因だ。あれで二十四万の尊い命が失われた」
「でもあのコロニーを違法改造して、生物化学兵器を作っていなければそんなことにはならなかった。
それにニュートロンジャマーが落されて10億が死んだんですよ!
そのせいで戦争が酷くなって、俺の祖父と父は死んだんです」
アスランは熱くなって叫んだ。
「なんだと!」
ちょうどその時、赤毛の長い髪を結ったスーツ姿の女性が近づいてきた。
アスランは縁無しのメガネをかけていたのになかなか気がつかなかった
「母さん。仕事は?」
「今日は早いの。
あら、こんにちわ」
アスランも
「今日は。お若いお母様ですね。
てっきりお姉さまかと思いましたよ。
ではこれで」
母親は息子と思しき男に声をかけ
「お知り合い?」
「いんや」
女性はアスランに声をかけた
「どこかでお会いしませんでしたか?」
「さあ。何分、世俗での生活を捨てた時間が長いので」
そういうと編み笠をかぶり、駐車場まで歩いて行った。
187SEED 戦後30年目の愛:2009/03/21(土) 06:54:48 ID:???
―CE104年 2月11日―
ニューヨーク

ザフト陸上軍の軍服を着た男たちが市庁舎周辺に集まってきた。
人々はそれが軍事行動ではなく、映画撮影や催し物だと勘違いしていた。
偶然、近くを通った騎馬警官に誰何されたことを発端に全市的な暴動へと発展した。
そして暴動開始から数時間後、市庁舎には翩翻と翻る赤旗とザフト軍旗……
市庁舎周辺では焦点が破壊され、各所から黒煙が立ち上り、廃材が散らばっている。
その暴力集団の頭領と思しき人物が演説を始めた。
「これは、連合の強欲な権力、ブルジョア権力、国家権力に対する闘いである。
我々の望みは収奪ではなく、各人の能力に応じて、各人の必要に応じた生活要求である。
各国の、労働者、農民、文化知識人、青年、学生、婦人たちよ、立ち上がれ!
ブルジョア政府から解放された、封建主義から解放された人民の政権を、
民衆の集中的な政治権力を、人民主体の政府の樹立を。
現実にそれ以外に人民の生活は望めない!
歴史は証明した。人類最底辺であった、持たざるものであったコーディーネーターが
独裁の権力を得て、黄道政治同盟を作り、プラントを得た」
違法電波で放送したものであったがすぐさま世界中にその様子が中継された。
……
188SEED 戦後30年目の愛:2009/03/21(土) 06:56:13 ID:???
東京西麻布
早朝、トラックが数十台止まると、各国の大使館へ目掛けて武装したザフト兵が突撃した。
大使館地域の近辺の住宅街も荒らされた。
周辺にあった自宅と併設した幼稚園にトラックが乗りつけた。
ドアがこじ開けられ、中に武装した兵士たちが闖入した。
兵士に叫び声が飛んだ
「あんた達はいったい何だ!
何のつもりなんだ」
「金目のものをだしゃ、何もしねぇよ。旦那」
そういって男は兵士の胸倉をつかんだ。
「あんた、ザフト軍の兵士か」
「ああ、そうだ。俺達は極東方面軍の……」
奥から女が出てきて、兵士の一人を棍棒で殴った。
そして
「いい。よく聞きなさい。
この人はザフト軍人で、FAITHのシン・アスカ。
アスラン・ザラの義弟よ。
いわばパトリック・ザラの養子(むすこ)よ」
兵士の一人が笑い出した。
「その俺達はアスラン・ザラって人が部隊長を務めることになった戦闘MS軍団の陸戦隊だ。
つまりあんたの義兄さんの命令で来た様なもんだ。
野郎ども、とっととやっちまいな!」
そういうと兵士たちは手斧やナイフを持って襲いかかった。
「このアマ!」
そういうと女は数人の兵士に羽交い絞めにされ、着衣を剥がされ始めた。
「やめろ!ルナ!」
シンはそういうと敵の兵士から手斧を奪い、ルナマリアを羽交い絞めにしてる兵士へ投げた。
斧は外れて床に落ちた。
ルナマリアの上に馬乗りになった兵士が
「おい、此奴は上物だぜ
赤服のルナマリア・ホークと来たもんだ。ま、婆だが女には変わりはねぇ」
そういった兵士が下から蹴り上げられて飛びあがった。
兵士の一人がシンの方へ拳銃を向け、発砲した。
その刹那、ルナマリアがシンの方手飛び込んだ。
パーン。
乾いた音と共に薬きょうが落ちる。そしてルナマリアが崩れ落ちた。
「ルナ!」
189SEED 戦後30年目の愛:2009/03/21(土) 06:57:12 ID:???
続く。
190SEED DESTINY “M” ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:15:01 ID:???
>>189
乙です。

30年目氏への感想を待ってから投下したかったのですが、ちょっと時間がないので
連続になってしまいますが投下します。
191SEED DESTINY “M” PHASE-17 1/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:15:50 ID:???
『勇敢なるZAFT軍兵士のみなさーん! 平和の為、わたくし達も頑張りま〜す。どうか
お気をつけて!』
 メインディスプレィにテレビの画像が映し出される。それはプラントの海外放送だった。
 ラクス・クラインのZAFT慰問ライブ、なるものを流している。
 コーディネィターにしかありえないピンク色の長髪と、露出度を増した衣装に身を包ん
だ抜群のスタイル、あどけなさを残す快活そうな顔。
 アップテンポの曲にあわせて、会場のボルテージも上がっているのが、中継越しにもわ
かる。
「向こうは、楽しそうでいいですわね……」
 その画面を見ていた、ラクス・クラインは呟く。
「出来れば何とかしたいところだがねぇ、下手に動けばこちらの居場所が割れる。そいつ
は上手くないだろ、匿ってくれているスカンジナビアに対してもさ」
 バルトフェルドが、ぼやく様に言った。
「でも、デュランダル議長の姿勢は紳士だわ。確かにユニウス7の落下は地上に大きなダ
メージを与えたけど、カガリさんの言う通り、ZAFTが動かなければもっと酷いことになっ
ていたでしょうしね……それを難癖つけて開戦した連合がバカよ」
 マリューがため息混じりに言う。
「でも、それなら、誰がラクスを殺そうとしたの?」
 険しい表情のキラが、低い声で問いただすように言う。
「…………」
「…………」
 バルトフェルドとマリューは、困惑気な表情で押し黙ってしまう。
 ラクスも、まだ、何も言わない。
「そしてこれじゃあ、僕には信じられない。そのデュランダルって人は」
「キラ……」
 ラクスはキラを落ち着かせるように、穏やかな口調で名前を呼びかける。だが、キラの
トーンは落ちない。
「みんなを騙してる」
「政治なんてもんは、大なり小なり騙し合いだがね」
 ふっ、と短くため息をついて、バルトフェルドが言った。
「今の状況を見てる限りじゃ、どっちかって言うとZAFTに味方して、連合を討ちたくなっ
ちゃうけど」
「お前は反対なんだろう? それには」
 マリューの言葉を受けて、バルトフェルドがキラに訊ねる。
「ええ」
 キラは険しい表情で、画面の中の“ラクス・クライン”────ミーアを睨みつけるよ
うにしつつ、はっきりと言った。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY “M”
 PHASE-17
192SEED DESTINY “M” PHASE-17 2/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:16:22 ID:???

 アークエンジェル・格納庫。
「…………よし」
 カガリは周囲の人の目を確認すると、気配を殺すようにして、ストライクルージュの足
元に駆け寄った。タラップを上がり、コクピットハッチを開く。
 手の中に忍ばせていたイグニッションキーを差し込んでONに倒し、起動スイッチを押す。

 General
 Unilateral
 Neuron - link
 Dispersive
 Autonomic
 Maneuver
 ___Synthesis System

 MBF-02 STLIKE ROUGE

 PS装甲が作動し、赤と薄いピンクに染まる。
 だが、その事でストライクルージュが起動したことに、コジロー・マードック整備長が
気付いた。
「ん?」
 突然、PS装甲の作動したストライクルージュに、マードックが声を張り上げる。
「誰だ! 勝手に何をしている!?」
「っ…………」
 カガリは、マードックの声に顔をしかめてから、観念したように、一度コクピットハッ
チを開いて、身を乗り出した。
「班長、悪い、見逃してくれないか?」
「カガリさん」
 コクピットから身を乗り出してきたカガリに、マードックは目を円くして驚く。
「悪い」
 カガリは、苦笑を装って、マードックに拝むようなポーズをとる。
「…………すまないが、艦長の指示なしに発進させるわけには行かない。今は……居場所
を突き止められる可能性もあるし」
 マードックは申し訳なさそうな顔で、カガリに向かってそう言った。
「…………そうか」
 マードックの表情に、カガリも毒気を抜かれ、脱力したようにシートにもたれかかる。
起動スイッチを押し、電源を落とした。
193SEED DESTINY “M” PHASE-17 3/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:17:24 ID:???

 ガルナハン。
 カスピ海南端の沿岸に位置するこの地は、元は敬虔なムスリムの街であった。
 だが、コズミック・イラの世になって、石油資源が枯渇し始めたとき、この地には比較
的多くの埋蔵量を残す油井が残っていたことで、この街の運命は激しく揺れ動くことにな
る。
 世界再構築戦争に伴い、この地には後にユーラシア連邦の東部となる、旧・独立国家共
同体(CIS、旧ソ連構成国からなる国家共同体)の連合部隊が展開してその勢力圏に収めた。
 だが、旧CISの構成国にはイスラム国家も存在するが、もっとも影響力が強いのはロシ
ア正教、すなわちキリスト教である。その為この地の支配に当たっては、イスラームに否
定的な政策が採られた。
 それが原因となり、支配者であるユーラシア連邦政府と、この街の住人との間には元々
軋轢が生じていた。
 反政府レジスタンスが結成され、有形無形の妨害活動が始められたのは、地球連合が成
立するよりも以前のことである。
 とは言え、それもしばらくは小規模なテロ組織に過ぎず、街の治安も落ち着いていたの
だが、それを覆す事態が起きた。
 エイプリル・フール・クライシスである。
 核分裂炉によるオーソドックスな原子力発電が使えなくなった結果、ユーラシア連邦は
貴重な油井と火力発電所をもつこの地を、重要軍事拠点に拡張し、改良型陽電子砲を備え
る要塞ローエングリンゲートを建設した。
 それに伴って、ムスリムの街に対する支配も過酷なものへと転じていった。
 そして、それに比例するようにレジスタンス組織は拡大し、反政府活動も激化していく。
緒戦におけるZAFTの優位に裏付けされ、激しい抵抗活動が起こった。
 だが、アラスカにおけるZAFT地上軍の壊滅により、分離と。独立あるいは汎ムスリム連
合への参加を目指したこの活動の機運は一気に萎んでいく。ユニウス条約締結時には、元
の零細テロ組織が残るのみとなってしまった。
 だが、ユーラシア連邦は、レジスタンスの活動員を逮捕拘束し、街の治安を回復しただ
けでは飽き足らず、街に報復とも言える、さらに過酷な支配を敷いた。
 そこへ持ってきて、ブレイク・ザ・ワールド、そして連合・プラント再戦である。積も
り積もった住民の反ユーラシア連邦主流感情は再び爆発し、前にも増して激しい内乱状態
になった。
 それでも当初は、軍事的にユーラシア連邦正規軍が圧倒していた。
 だが、自らは宗教に否定的とは言え、異教徒が我が物顔で暴虐を振るうこの惨状に見か
ねて、遂にスエズのZAFTがこの地に向けて軍を動かしたのである。
194SEED DESTINY “M” PHASE-17 4/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:17:58 ID:???

「と、言うのが現状です」
 ガルナハンの目と鼻の先、ローエングリンゲートの設置される渓谷を挟んで反対側のマ
ハムールに展開したZAFT部隊の司令官、ヨアヒム・アドルが言う。
 ミネルバからは、FAITHの3人、タリア、アスラン、そしてマユ。それに副官としてアー
サーが列席している。
「しかしここを突破するのは難しい。従前の戦闘では我々が優位に立ちましたが、それ故
に地球軍もここの守りに必死です。敵はモビルスーツの他に、陽電子リフレクターを装備
した多脚型のモビルアーマーを配置して守りに備えている」
「陽電子リフレクター?」
 アスランが、聞きなれぬ単語に聞き返した。
「ビームシールドの強化拡大版と思ってくれれば良いと思います。詳しいデータは後で渡
しますが……陽電子砲でも跳ね返す」
「なんと」
「ずいぶん厄介なものがあるのね……」
 アーサーが間抜けな声を出し、タリアがため息混じりに言った。
「我々も独力で突破を試みたのですが、結果は散々でして」
「ふむ……」
 アスランがあごに手を当てて、短く声を出す。
「けれど、戦略陽電子砲があるとなると、ここを潰してしまわない限り、スエズ運河の安
全な航行に支障が出る……ミネルバとしても、無視して通れない、か」
 タリアが、どこか感心したように言った。
「まぁ、早い話がそうなります。それに、黒海のディオキアも干上がってしまう。まぁ、
そっちの方はいざとなれば、宇宙からの投下でも間に合わせられますが、それにしても量
は確保できませんし」
「つまり、その道作りをしろってことね、まったく。誰がこんなこと考えたのかしら」
 タリアは言いつつも、その苦笑にはどこか楽しそうな色があった。
「ですが、我々が加わったとしても、戦力的には……」
 アーサーが、困惑気な表情で、弱音を出す。
「そこなんですが、今回、ガルナハンのレジスタンスからの協力者が訪れていまして、そ
のーぉ……」
 そう切り出したアドルだったが、急に言葉の歯切れが悪くなる。
「その者が持っているデータがあるんですが、ミネルバ隊であればそれを生かせるかと」
 アドルはそこまで言うと、ちらりとマユを見た。
「?」
 アドルの視線の意味がわからず、マユはキョトンとした。
「とにかく、ガルナハンの街も相当悲惨な状況になっていまして……その為にも、今度こ
そここを突破しなければなりません」
195SEED DESTINY “M” PHASE-17 5/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:18:36 ID:???

「体良く押し付けられたって感じですねぇ……」
 アドルの旗艦でもある、レセップス級陸上戦艦『ヘズモンド』の司令部公室を出たミネ
ルバ一行。
 アーサーが振り返る仕種をしつつ、そうぼやいた。
「仕方ないでしょう、私達にとっても無視することの出来ない存在ではあるのだし。それ
に……」
「それに?」
 タリアの言葉に、アーサーは反射的に聞き返す。
「アドル司令の言葉の濁し方は、別のところにあったような気がするけど」
 タリアはそう言うと、後ろからついてくるマユを振り返った。アーサーもそれに倣う。
「?」
 突然、タリアに視線を向けられて、マユはキョトン、とした。
「マユ」
 アスランが、マユに声をかけてきた。
「すまなかった……この前は。かっとなってしまって……」
 すまなそうに、アスランはそう言った。
「っ!……私こそ、すみません。感情的に判断していたところもあったから……」
 マユは気まずそうに視線を逸らしてしまいつつ、そう答える。
「感情的?」
 マユの言葉に、アスランは反射的に聞き返す。
「あの基地で労働させられていた人達が……その、私も多分、ミレッタお姉……ミレッタ
さんと同じ行動をとってしまったと思うんですよ」
「…………」
 マユの言葉を聞いて、アスランは少し逡巡する。
「君の家族は、オーブで死んだって聞いたけど……」
「はい、オノゴロでの戦闘に巻き込まれて、避難する途中に」
「…………」
「私が、わがままを言ったせいで……」
「君の、わがまま?」
 自嘲気味な笑顔を浮かべるマユに、アスランは聞き返す。
「あの時、私は買ってもらったばかりの携帯電話を落としちゃって。それを失くすのが嫌
で……よく考えれば、そんなことやってる状況じゃないことぐらい、私の歳でもわかった
はずなのに……」
「…………」
 アスランは返す言葉が見つからず、目を細める。
「それで、拾いに行ってくれた兄も、両親も、フリーダムの砲撃の流れ弾で」
「フリーダムの!?」
196SEED DESTINY “M” PHASE-17 6/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:19:09 ID:???
 それを聞いて、アスランは素っ頓狂な声を出してしまった。
「間違いじゃないのか? カラミティの方じゃ」
「えっと……アスランさんには悪いと思うんですけど……間違いなくフリーダムのでした」
 3隻同盟の経緯を知っているマユは、気まずそうに言う。
「…………」
 アスランは絶句する。
「そんな……俺は…………」
「え?」
 歩みを止め、立ち尽くしかけたアスランを、マユは軽く驚いたように振り替える。
「あ、あの、すみません、変な時に、変なことを言ってしまって」
「あ、いや!」
 マユの言葉で、アスランは我に返る。
「君が気にすることじゃない」
 アスランはそう言ってから、タリアとアーサーを追いかけて小走りに駆けた。マユもそ
れを追う。
「キラ、ラクス……俺は、どうすれば…………」
197SEED DESTINY “M” PHASE-17 7/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:19:44 ID:???

「現地協力者、ね……」
 ミネルバ、ブリーフィングルーム。
 その姿を見て、ゲイルはため息混じりに言った。
「まだ子供じゃない」
「マユより年上だそうだけど……」
 ゲイルの呟きに、ルナマリアが苦笑ながら言う。
「けど、ナチュラルでしょ? ガルナハンはそんなに酷いことになってるってことなのか
な?」
 ゲイルは小首をかしげる仕種をしながら、その協力者を見る。
 コニール・アルメタ。そう名乗る協力者とやらは、まだ幼さの残る少女だった。
「データを持ってきてもらったのはいいんだが……」
 アスランはブリーフィング・ルームの大型ディスプレィに映し出された地形図を見つつ、
気まずそうに唸った。
「これを活用すると言っても……」
 ちらり、と、末席に加わるステラを見た。
 ステラは、境遇がわかっているのかいないのか、緊張感の乏しい表情で椅子に座ってい
る。
「無理すればセイバーやバビでも通れないことになさそうですよね」
 マユはニュートラルな表情で言った。
「えっ!?」
 アスランが驚いたような声をあげる。
「ちょ、ちょっとそれはないよ、マユちゃん。ちょっとでもぶれたらぶつかってオシャカ
だよ」
 ミレッタが慌てて、そう言った。
「冗談だよ、じょーだん。MAでここは抜けられないって」
 マユは、苦笑しながら軽くそう言った。
 すると、
「冗談だってぇ!?」
 と、コニールが怒りに満ちた形相で、マユやアスラン達を見る。
「お前たちは冗談やってる余裕もあるかもしれないけどな! こっちはそれどころじゃな
いんだぞ! このデータだって必死で、もし今回失敗したら、マジで街はやばいんだから
な!!」
 怒声を上げ、まくし立てる。
「え……あ、ご、ごめんなさい、そんなつもりじゃ……」
 マユはコニールの突然の怒声に驚き、戸惑いながら謝罪の言葉を口にする。
「落ち着くんだ。俺達だって真剣に考えていないわけじゃない」
 アスランが仲裁するように割って入り、コニールに向かってそう言った。
198SEED DESTINY “M” PHASE-17 8/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:20:18 ID:???
「けど、じゃあ、一体どうするんだよ!」
 コニールはアスランにまで食って掛かるように言う。
「正面突破でいけるんじゃないかな」
 状況表示の加わった地形図を見ながら、マユはそう言った。
「正面突破って、それじゃ何で今まで突破できなかったんだよ!」
 コニールはマユに噛み付く。
「レセップス級の火力と、ゲイツFが半分も占める部隊じゃきついよ」
「ミレッタにしてもマユにしても……ここにF型乗りがいるってこと多少は気遣ってよ
ね」
 ゲイルが不機嫌そうに、マユをひくつかせた笑顔でツッ込む。
「ごめんごめん」
 マユは、苦笑しながらそう言ってから、
「でも、相手は多脚型のMAな訳だし。ガイアやバビの機動力にはついてこれないんじゃな
いかな」
 アドルから与えられた、陽電子リフレクターを装備しているというMAのデータを、
ディスプレィに表示させる。
 それは蜘蛛のような6脚歩行の大型MAで、MSの上半身が上に生えているという、見
た目かなり恐ろしげなMAだが、確かに俊敏な動きが期待できるような形態ではない。
「待て、ガイアやバビって……今回も、自分が先行するつもりなのか、君は!」
 アスランが驚いたように声を上げた。
「はい」
 マユは笑みまで交えて、はっきりとそう答えた。
「あ……ミレッタお姉……ミレッタさんが嫌なら、ガイア1機だけでも何とかするけど…
…」
 はっと気付いて、ミレッタの方を見ながら困惑したように言う。
「ちょっと、それじゃボクがいやだって言ってるみたいじゃないか」
 ミレッタはムッとしたような表情で、ふざけ混じりに言い返す。
「なら、決まり。アスカ隊が先鋒で正面突破。MAと陽電子砲を何とかするから、ザラ隊は
その援護。で、いいでよね? アスランさん?」
 マユはそう言って、アスランに視線を向けた。
「ああ……」
 アスランは苦い表情で、もう一度ちらり、とステラに視線を向けた。
「いや、俺も先鋒に加わる」
「えっ?」
 アスランが言うと、マユは軽く驚いたように聞き返した。
「セイバーも高機動機だ。こういう任務で援護に徹していても仕方がない」
 アスランはそう言って、視線をマユから移し、レイとルナマリアを見る。
「レイ、ルナマリア、援護は2人が中心になって行ってくれ」
199SEED DESTINY “M” PHASE-17 9/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:21:22 ID:???
「はい!」
「了解しました」
 ルナマリアは妙にはしゃいだように、レイは淡々と、それぞれ答えた。
「よし、一旦解散だ。各自出撃に備えろ。以上だ」
 アスランが言う。
 その脇で……
「コニールさん、コニールさん」
 と、マユがコニールに声をかける。
「なんだよ」
 不機嫌そうにしていたコニールは、ぶっきらぼうに、マユに返事をした。
「お願いがあるんですけど……あ、ミレッタお姉ちゃんも」
 マユはいい、コニールとミレッタを傍に呼び寄せる。
「それで、なんなんだよ」
 不機嫌そうなままのコニールに、マユはそれを告げた。
「あー、なるほどね」
 それを聞いたミレッタは、納得したような声を上げる。
「わかった。出来るだけ努力してみる」
「お願いします。コニールさんも、複雑だとも思いますけど……」
200SEED DESTINY “M” PHASE-17 10/9 ◆NXh03Plp3g :2009/03/21(土) 09:21:56 ID:???
>>191-199
今回は以上です。
201通常の名無しさんの3倍:2009/03/21(土) 13:59:29 ID:???
>>200
202通常の名無しさんの3倍:2009/03/21(土) 16:04:17 ID:???
久々の両作更新が両方とも駄目凸コンボなのは何かのいやがらせなのかw
>30年目
30年も経って、名乗ってもいない自分のひとつの客観的評に即ギレとか、
坊さんのマネとか言いつつ精神面の成長やはりゼロ以下なのか、
他のいくつかのSSと同じく相変わらずシンルナにとっても疫病神だし。
>”M”
少しは関係改善できたかと思ったところでフリーダム流れ弾説が確定とは。
板挟みストレスでミネルバに居る間に後退が致命的レベルになりそう。
203通常の名無しさんの3倍:2009/03/21(土) 18:44:20 ID:???
>>202
なんだよ!その言い方は・・・?
そんな感想文なら無いほうがマシ、作者に失礼だぞ。
204通常の名無しさんの3倍:2009/03/21(土) 18:54:21 ID:???
キラとアスランが男装の女性という設定で小説を希望・・・
205通常の名無しさんの3倍:2009/03/21(土) 21:22:23 ID:???
自分で書けば?
206通常の名無しさんの3倍:2009/03/21(土) 23:53:29 ID:???
>>203
気にならないなら自分が高尚な感想を書けば良いじゃない
207通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 03:34:19 ID:???
止まってるな…
ラクシズ厨の良識派面作戦が珍しく効を奏したってとこかな。
208通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 04:32:03 ID:???
凸もいいかげんKYだが、マードックも余計なことしてくれてるな。
209通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 12:12:44 ID:???
>>208
むしろKYだからこその凸だ
KYじゃない凸がでる作品の場合、それはアスランという同姓同名の別キャラ
210通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 18:31:49 ID:???
最高に空気を読まなかったのは剃髪去勢までした凸だな
211通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 18:43:04 ID:???
アニメ版は問題外として
凸じゃないアスランが出る作品というと
Wとのクロス、クロスデスティニー、ルナ主役IFくらいだったかな
それとは真逆に凸節全開だったのがガロードとカミーユの二作品だな
ホント、コイツほど作者さん次第で扱いの変わるキャラも珍しいわ
212通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 19:30:36 ID:???
もはや「芯がない」というのがキャラの芯になっちゃってるからなw
213通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 20:03:00 ID:???
あなたが落としたのは
人間の屑のアスランですか?
男の中の漢のアスランですか?
それとも普通のアスランですか?

「普通のアスランです」

よろしい、ならばこの作品を読むといいでしょう!
つ【ザクレロSEED】
214通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 21:10:46 ID:???
マフティークロスのアスランも凸ではなくアスランだったぞ(ややこしい
215通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 21:33:59 ID:???
ジョジョに出てきたアスラン(特にようこそ…男の世界へ…後)はスーパーアスランだぞ。
だれだ、おめえってな感じで
216通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 21:39:00 ID:???
>>215
あのSSは、黄金の精神に目覚めた種キャラが皆脳内で荒木絵に変換されるから困る
逆にいまだに電波のままなキララクだけは依然として平井絵だ
217通常の名無しさんの3倍:2009/03/23(月) 22:22:52 ID:???
「あしたっていまさ!!」のセリフや一連のくだりを抜きにしても
コニールがポコ顔の女の子にしか再生されないのはいかんともしがたいが…な。
『ガルガリン』が到着して2・3日後、ネオの率いていた水上艦隊はカーペンタリア封鎖のために出航していった。
「はは、急にいなくなると寂しくなりますな」
ユウナがネオに言った。
「オーブもだいぶ潤ったでしょう。彼らが落としたお金で」
「それは否定しませんな」
「では、私も行かねば成りません」
「御武運を、お祈りしています」
そして『ガルガリン』もネオやスウェンを乗せて宇宙へ旅立っていった。

その夜――
ユウナの寝室の部屋が開けられる。
「誰だ! ……お前は、高野!」
「お静かに。落ち着いて。クーデターです」
「なんだと?」
「今ならば逃げられます。お早く。アスハ代表首長の元にもわれらの手の者が」
「わかった」
ユウナはすばやく身支度を整えると、高野の後に続いた。
高野の後に続き、見知らぬドッグの前に出ると、そこにはすでにカガリと、マシマ、彼の息子がいた。
新設されたカガリ近衛部隊……と言ってもまだ十数人しかいなかったが彼らもいた。
「では、皆様にはこれにお乗りください」
「これはなんだ! こんな大きな潜水艦が建造されているなど聞いた事がなかったぞ!」
カガリは叫んだ。
「ユウナ、お前は知っていたか?」
「ああ、ぼくもオーブから出撃する前に彼らから聞かされたのが初めてだ」
「ウナト宰相ですよ」
高野が微笑みながら言った。
「オーブは海洋国であるのに水中用の兵器に関しては奇妙なほど無関心でした。それにウナト宰相は危機感を抱
かれていたのです。さあ、この潜水艦――アッドマソグラーに乗ってください!」

「オーブ国民の諸君!」
オーブ国営放送――その一言でクーデター軍の発声は始まった。
「諸君は元代表首長ウズミ氏の理想を忘れたのか? 大国の言うがままに兵を出し、兵士を死なせる今のカガリ
代表を支持するのか!?」
「我々は、ウズミ元代表の理想を実現するために立ち上がった!」
「たとえ国が焼かれようとも守るべき理想と言うものはあるのだ!」
「我々はカガリ代表を惑わす奸臣を除くために立ち上がったのだ!」
「カガリ代表が正道に戻られれば、我ら自ら縛に付き、クーデターを起こした罪を償う所存である!」
「オーブ国民よ! 我らはここにオーブ救国軍事会議の設立を宣言する! 国民の支持をお願いするものである!」

「トダカ一佐……どうしても我々に協力していただけないと?」
アマギはその瞳を眠たそうに、見ようによっては冷たく開き、もう一度トダカに聞いた。
「何度聞いても同じだ! 俺はお前らの仲間にはならん! お前らのやろうとしている事は国を危うくする事にしか見えん!」
「残念です」
アマギは血走った目に幾分かの力を込めると、右手の指に力を込めた。
トダカの体が銃声が鳴る度に跳ねる。
「……行くぞ。俗物に説得と言う時間をかけるだけ無駄だった」
「はっ」
タキト・ハヤ・オシダリはトダカの死体を担ぎ上げると、甲板に上がり、海に放り込んだ。


「で、どこに行きますか? 代表?」
高野が尋ねる。
「そうだな。まずオーブを取り戻すとなると、アメノミハシラと連絡を取りたい。サハク姉弟と相談せねば」
「宇宙へ行くとなると、カオシュンかパナマだね」
ユウナが答える。
「東アジアは内乱中だろう。と、なるとパナマしかないか」
「そうなるだろうね。とりあえず近いところで大西洋連邦領のハウランド島を目指そうよ。そこから大西洋連邦に連絡しよう」
「ああ、それでいい」
「では、そう言う事で。では、我らが紺碧隊の装備でもご覧になりますかな?」
高野はそうカガリ達を誘った。

「これは……大きい!」
水中用モビルアーマー『グラプロ』を見てカガリは感嘆の声を上げた。
「攻撃方法としては機首にフォノンメーザー砲を搭載、7連装噴進魚雷発射管2門、対空ミサイルランチャー2門も
積んで、空からの攻撃にも対処できます。クローを装備しており直接攻撃も出来ます」
カガリはそれをいつまでも見ていたいようだった。
が、ユウナが先に促す。
「ほら、カガリ。次もあるようだから」
次にカガリ達が見せられたのは水中用モビルスーツだった。
「水中用モビルスーツ『カプノレ』です。水中用モビルスーツと言っていますがね、実際は上陸作戦でも使えます。
オーブを再び取り戻す時に役に立つでしょう」
「真ん丸だな」
「ああ、真ん丸だ」
「かわいい(ハート)♪」
「あの形態により、水流抵抗が小さく耐圧性に優れ、は非常に高い水中運動能力を発揮するそうです」
「そうなのか!」
「レーザービーム、ソニックブラスト各1基。ミサイルランチャーを8基積んでいます。アイアンネイルはPS装甲製で
大抵の装甲に効果があるでしょう」
「彼らは、地中海でのザフト軍との海戦の時にも陰働きをしてくれたんだよ」
ユウナがカガリに説明した。
「こんな、大西洋連合にもザフトにも対抗できるようなモビルスーツが我が国でも開発されていたなんて!」
カガリは素直にはしゃいでいる。
「……これが、半ば神がかりの気のいい悪魔のおかげで整えられたと言う事はお忘れなきよう」
小さな声で高野はユウナにささやいた。
「ああ、判っているよ」
ユウナも囁きかえした。
「オーブでクーデターが起こった。どうする? 姉者」
ロンド・ギナ・サハクは姉のミナに聞いた。
「カガリが捕まったと言う情報もないな。もう少し待つか」
「救国軍事会議か。言っている事はもっともらしいが。未だにウズミの言葉を至上とするただの馬鹿だな」
「違いない」
「このままカガリと連絡が取れなければ……降下作戦と言う事になるか。バリュートシステムか。ウナトはこのよう
な事態を予測していたのかな」
「さぁな。ウナトは謎が多すぎる」

カガリ達は無事ハウランド島へ到着し、海中ケーブルを使い大西洋連邦に連絡した。
その日のうちに、ジョゼフ・コープランド大統領と話すことが出来た。
「いや、今回の事は私も憂慮している」
大統領は言った。
「中立を謳うだけで、ザフトを支援すると言っている訳でもないので簡単に叩き潰す訳にもいかん。君と早々に話し
たいと思っていたところだ」
「すまないが、オーブ本国の救国軍事政権の事はしばらく様子を見てもらえないだろうか? できれば同じ国民同
士で血を流したくないのだ」
「それはわかるが……」
「地球軍への支援は変わらずやらせてもらうつもりだ」
「と言うと?」
「オーブには宇宙軍があるのだ、コープランド大統領」
カガリは笑った。
「これからの戦いは、宇宙に移る事になるだろう。私も、宇宙に上がるつもりだ」


  そもそも でうすと敬まい奉るは
  天地の御主 人間万物の御親にてましますなり
  はじめに 天地万物を 創らせたまい
  また土より五体をつくりて人となし
  これ あだんとじゅすへるの二人なり
  ぱらいそに二本の天の木あれば 必ず食うことなかれと
  でうす固く仰せあるを じゅすへる あだんを謀りて
  あだんはまさんの木の実を採りて食い
  じゅすへるはいのちの木の実を食しける
  これより たちまち天の快楽を失い
  あだん その妻えわと下界に追いやられ
  畜生を食し 田畑を耕してまいるべし
  また じゅすへるの子供 死ぬことなく生みふえれば
  でうす これを憂いたまいて 地を開きて
  いんへるのに落としたもう
  その子孫 わずかに人から隠れ住み
  いのとの木の実の功徳にや 死ぬことなしといえども
  でうすの呪い受けたれば 順次にいんへるのに引き込まれ
  子々孫々 地の底に身をもがき
  きりんと参る日まで 苦しみ尽きざるというなり


「ふむ。アンデルセンよ。オーブはかのマルキオが宿を構えて居った所。奴の痕跡はあるかの?」
老魔法王はアンデルセンに尋ねた。
「は、この度は、ラクス・クラインの手が伸びていると思われます」
「そうか。引き続き監視を怠らぬようにな」
「はっ……。猊下、それは、エビデンス1の写真でありますか?」
「そうだ。ジョージ・グレンもとんでもない物を見つけてきたものよ。これを見つけて喜ぶとは無知とは怖いものよ。
……もし生きているこれに出会っていたら、木星探索隊は全滅していたろうにな」
「ではエビデンス1とは……」
「まぎれもなく『星間宇宙を渡るもの』ハスターの眷属、有翼生物バイアクヘーじゃ!」
「なんと!」
「彼らに対抗するにはこちらも相応の準備をせねばの。奴らが地球にやってくる可能性は常にある」
「はっ。ミラージュ騎士団、創設準備は進んでおります。彼らが装備するモーターヘッドの作成も……装備する
『インフェルノ・ナパームシステム』も猊下のおかげをもちまして悪霊すら焼く滅ぼす物となりましょう……。しかし、
赤い服の男、信用なりましょうか? 彼のおかげでレッド・ミラージュの開発は順調ですが」
「ふふふ。あれは、サンジェルマン伯爵は、少なくとも今は信用できよう。それから、アナキンに対する教育、鈍る
でないぞ。彼こそがフォースの申し子、選ばれし者、地球人類の希望なのじゃから」
「はっ」
アンデルセンは深くひざまづいた。


――どこかの次元の某巨大掲示板――
1 名前:灰田尽瞑[sage] 投稿日:****/01/19(木) 14:29:06 ID:tyB78/2GO
灰田だけど何か質問ある?

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:****/01/15(木) 19:29:28 ID:GDyYvAKF0
はよ『覇者の戦塵』の片付けろよ。

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:****/01/17(木) 17:28:25 ID:ZYyYvAKF0
次は中国ですね! 期待してます!

211 名前:灰田尽瞑[sage] 投稿日:****/02/20(木) 17:02:57 ID:qiX2ZjcX0
とりあえず何支援しよう。オーブに資金と資源は適当に支援した。
安価>>300

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:****/02/29(木) 20:30:27 ID:KDyYvAKF0
ガンダニュウム合金作れ。あれならビーム耐性も物理耐性もあるしつぶしがきく。

456 名前:灰田尽瞑[sage] 投稿日:****/03/09(木) 21:41:01 ID:k+fsQq6pO
おk、とりあえずガンダニュウム合金作らせる。でも2・3機分しか作らせないよ。あまり作ると面白くないし。
何作る?
安価>>600

600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:****/03/15(木) 23:30:33 ID:nwhhk1oj0
ゾック!!!

601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:****/03/15(木) 23:31:45 ID:qGWQktcIP
wwwwwwwwwwwwww
これは草を生やすしかないwwwww


こうして貴重なガンダニュゥム合金を使ったギナの乗機はゾックに決まったのである……


「ひっさしぶりの宇宙〜♪」
「嬉しそうだな、ミューディー」
「この月面の微妙な重力がたまんないのよ」
「そう言えばそろそろオーブ艦隊がアメノミハシラから来る時間だな」
「大変よねー。オーブも、クーデターなんて」
「お、あれか?」
1等星の様に光る点が3つ、現れた。それがだんだん大きくなってくる。
「あれは……」
スウェン達は絶句した。
「金キラ金じゃないか……」

「よろしく。私がロンド・ミナ・サハクだ」
「弟のロンド・ギナ・サハクだ」
二人は月面アルザッヘル基地の司令官に挨拶をした。
「とりあえずオーブはアメノミハシラに亡命政権を置く事となった。協力はオーブ宇宙軍が変わらず果すので安心
して欲しい。どの道、地上はもうそれほど意味がないだろう」
「そうですな」
司令官はにこやかに答えた。
「いくらカーペンタリアが強固に防御を固めていても、プラント本国が攻められれば終わりですからな」


「オーブが、クーデター……」
その頃、南洋諸島に到着したジェスとミリアリア二人は困惑していた。
「どうしよう?」
「危険、だよなぁ」
「とりあえず、カガリ様はアメノミハシラに逃げたみたい。しょうがないから、ここら辺の取材でもする?」
「ああ、そうしよっか」


「ふん。暫定代表首長にはワイド・ラビ・ナダガが立ち、わたくし達を新生オーブ軍に組み込むと言う事ですか……」
「はっ。一応の目的は達成できました」
服部が答える。
ラクスはつまらなそうにその報告書を見ていた。前戦役の英雄たるカガリ・ユラ・アスハが代表でなければ、小国
オーブのバックアップを受けたとてさほどの効果はない。むしろカガリはアメノミハシラに在り、敵対しているのだ。
ラクスは考え込んだ。
「どうしたのです?」
服部が尋ねた。
「いえ。マスドライバーは全て地球連合の物となってしまいました。このままではザフトは……」
「……一つだけなら、なんとか破壊できるかもしれません」
「本当ですの? それだけでもかなりザフトは楽になるのです。カオシュンは混乱、カグヤは押さえましたし」
「私の最大の力を振り絞る所存です」
「では、SPを100人? あるいはもっと必要ですか?」
「いえ、連中は忍者としての訓練が不充分です。自分一人でやります」
「服部……」
ラクスは服部の手を握った。
「決して、死なないでくださいね」
続く。
225通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 20:47:59 ID:???
乙なんだぜ


なんちゅーか、色々と凄すぎる

もうこれしか言えない
226通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 21:07:12 ID:???
IFスレのSSがクトゥに浸食されつつあるw
227通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 21:12:39 ID:???
なんかスパロボ以上に混沌としたおぞましいジャンルとしかいいようがないw(誉め言葉)
228通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 21:16:59 ID:???
このSSって誰が主人公なんだっけ?
229通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 22:06:24 ID:???
トダカさん形だけでも従ったふりすれば…
230通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 22:11:36 ID:???
>>228
一応、ルナマリアらしい・・・
231通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 23:27:37 ID:???
マッドアングラーにグラブロにカプルにゾックとかwwww
何というザフト軍水中戦力終了のお知らせwwwwwww
232通常の名無しさんの3倍:2009/03/24(火) 23:42:32 ID:???
いあ!いあ!はすたー!wwwww
マルキオの盲目はシュラズベリィ教授と同じく自分で目を抉ってセラエノ断章かwww
だれか教会の戦力にグイード=ボルジアを呼んで来いwww
しかもカプルかよ!?
カプール(ZZ)じゃなくてカプル(ターンA)なのかよ!?
オーバーテクノロジーってレベルジャネーゾwww
233ファンの一人:2009/03/25(水) 00:33:29 ID:/enrip9H
そのうち「鋼鉄の咆哮」で出た超兵器が出てもおかしくないな。アラハバキとか
234通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 00:38:33 ID:???
>>232
>だれか教会の戦力にグイード=ボルジアを呼んで来いwww

老魔法皇とバックを取り合う更なるおぞましい光景が展開されるから止めろ!w
235通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 00:44:12 ID:???
・・・このSSで最後にガンダムの活躍を見たのはいつだろう
236通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 01:16:22 ID:???
そういや序盤じゃオーブは水中戦力ないから
カガリに付いて行って議長からザフトの水中MSのデータ提供の許可貰って来い
なんて流れがあったね
237通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 01:30:16 ID:???
みなではらいそさいくだー!
わてもつれてってくだせ、わてもつれてってくだせ!

MHに諸星大二郎ネタまで……。
最後の最後で、ラクスが人間都市化、デビルコロニーとなって攻め寄せてきても、俺は驚かない
238通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 08:34:36 ID:???
>>231
ゾックは岡崎版かもしれない
239通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 16:56:43 ID:???
クトゥルフ繋がりでPERSONAを……とか思ったけど幸せな終わりにはならなそうだ
240通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 17:47:11 ID:???
尽瞑さん、折れとしても覇者の戦塵を早くケリ付けて下さい。

で、レッドミラージュかよw
老魔法王の戦力は洒落にならんぞ。

ここまで設定がぶっ飛んでるのはルナスレのやつ以来久しぶりに見たョ。
241通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 17:57:05 ID:???
LEDがあるならバスター砲もありそうだ
核なんてめじゃねーぜ
242通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 18:39:57 ID:???
オーブなんぞバスター砲一発で消し飛ぶじゃないか…
243通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 19:04:53 ID:???
もう種である必要がないな
244通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 19:12:48 ID:???
それを言ったら種もガンダムである必要性なんて皆無だしなぁ
245通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 19:18:38 ID:???
種死じゃ劇中で「ガンダム」の呼称すら使われてないような・・・
種でも1・2回くらいだが、こちらは次回予告で毎回ガンダムと呼んでた
246通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 20:09:34 ID:???
>>245
スティングが使ってるが
247通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 20:13:16 ID:???
スティングはきっとガンダム(初代)でも見てて人型ロボットはみんなガンダムって呼ぶんだよ
じゃなきゃ見た目だけでOSわかるわけねーし
248通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 21:00:07 ID:???
>>247
いんや、種死の時にはガンダムの名称は一般に知れ渡ってて頭部形状で判断してるってさ
249通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 21:03:15 ID:???
ガンダム顔って意味だったのか
なるほど勉強になります
250通常の名無しさんの3倍:2009/03/25(水) 21:46:01 ID:???
スティング「連合ではロボットのことをガンダムと呼ぶニd……です」
251通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 01:31:49 ID:???
>>248
しかし劇中でスティング以外ガンダムの名称を使う者はいなかった・・・
どこが一般に知れ渡ってるんだ?
そもそもキラが数回そう呼んだだけの軍事機密の塊の呼称が知れ渡る事があるのか?
252通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 02:12:07 ID:???
>>251
キラと同じこと考えた奴が他にもいて広まっていった…
とか?整備士とかならスラングとして定着させそう
253通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 02:40:25 ID:???
>>240
神っぽいのが暗躍してるみたいだし
天照とかも出てくるかもなw
254通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 04:09:04 ID:???
神ね……チェーンソーでばらばらにしかねんな、このSSだと
255通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 14:33:52 ID:???
>>251
アルテミスのガルシア司令から広がったらしいよ。
256通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 18:07:52 ID:???
>>251
一応カガリもガンダムって使ってたけど…
せいぜいキラの周りの何人かに伝わってるぐらいでないとおかしいよな
257通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 18:23:31 ID:???
種の「ガンダム」ってガンダムフェイスじゃなくてガンダムOSのことじゃなかったっけ?
それともガンダムOSを搭載すると自動的にガンダムフェイスに変化するのか?
258通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 19:24:13 ID:???
劇中であまり直接呼ばないのは平成ライダーあたりのマネかな。
さりとてたまに呼ぶとして特に意味があるかというと全然そんな事なかったぜだし。
いずれにせよムーンレイスが時折口にする『ガンダム』や『ザク』の
重みには遠く及ばないわけで。
259通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 19:33:43 ID:???
クロスものだと、
「なんでも○○の世界じゃあの手の顔の高性能機をガンダムと呼ぶらしいよ」
と聞き、それに倣ってCE製Gタイプも…というのがよくあるな。
260通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 20:20:51 ID:???
CEではGUNDAMが頭文字になるOS積んでれば、ジンだろうが、ザクだろうがガンダム
なにこの定義
261通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 20:35:24 ID:???
もしカガリより年下の少女がウズミの養子になっていれば
その少女はカガリの義妹になるけど、どんな少女なら萌える?
262通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 20:51:04 ID:???
笑顔で民衆は家畜だとか言い放つ幼女でw
263通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 20:57:19 ID:???
>>262
幼女って何歳?
264通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 21:11:34 ID:???
マユがウズミの養女に・・・
265通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 21:13:09 ID:???
>>262
大体、小学校低学年くらいまで
266通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 21:14:20 ID:???
大体500〜1500くらいが幼女だと思うにゃるら
267通常の名無しさんの3倍:2009/03/26(木) 21:59:49 ID:???
>>261
理屈じゃなくて情で訴えるタイプのカガリのブレーキ役で言動は気弱だけど芯が強いってのがこてこてに
あざとくていいと思います!
ところで、もしもジブリールがラスボスだったら。ロゴスが出所のフレアモーターをサトーに横流しし、
開戦後その出所の情報を意図的にリークしてロゴス排斥の機運を作り経済を混乱させる
(うまくいくわけないとか言わんといて)。講和会談に向かう首脳ののった宇宙船をレクイエムで
吹っ飛ばそうとするなどなど。行動原理は地球保護のために人類を滅ぼすはずが、なぜかコロニーとか
落としちゃう破綻したブルコス(環境保護団体としての)過激派で。
268通常の名無しさんの3倍:2009/03/27(金) 03:15:33 ID:???
エヴィデンス1の存在に衝撃を受けて「自由に宇宙を旅することの出来る彼らと比べれば、我々人間は地べたを這いずるダニに過ぎん」という思考を持つ
遺伝子()などに囚われないジブタンが爆誕するも、前戦争の起こりと顛末に軽く絶望。
せめて我々は我々自身の手で幕を引くべきだっつー独善的思考から全人類抹殺を考えるエレガント耽美系なジブリールでいいよもう。
269通常の名無しさんの3倍:2009/03/27(金) 10:33:38 ID:???
>>261
容姿と性格はマリーメイアで、内政外交軍事経済の天才
270通常の名無しさんの3倍:2009/03/27(金) 11:42:25 ID:???
>>261
外見ロリ、中身は冷徹。
「ごきげんよう、お父様、お姉さま」
と言ってウズミ・カガリを粛清、オーブの実験を握る。
271通常の名無しさんの3倍:2009/03/27(金) 12:48:29 ID:???
>>270
民衆に向かって「下々の皆さーん」とか言っちゃう子だとなお良し
272紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:57:25 ID:???
ヘリオポリス防衛本部――
彼らは混乱の極にありながらも必死で目の前の状況に対応しようとしていた。
「どうします! ヘリオポリス防衛隊、損害80%!」
「あの情報屋め! ぎりぎりになってから知らせてきおって!」
「とにかく、増援を! 周囲の資源開発衛星からかき集めるんだ!」
「ザフトめ! メイリン姫様の仇を!」
「俺、ここを生き残ったら地球軍に義勇兵として参戦してやる! ザフトの奴らをぶっ殺す!」
「こうなったら、名目を宇宙海賊襲撃にして、地球軍にも応援を要請しろ! いいか、ザフトなんて名前すらもった
いない! 奴らは賊だ!」
「傭兵がいる? 早速雇え! 会計? 本土に回せ!」


「教授!」
「無事だったんですか!」
「いや、もうどうなる事かと!」
カトーの周りにサイ達が群がる。大人の知り合いに会えて安心したのだろう。
「ははは。私も危ないところだったがね、ルナマリア君に助けられたよ」
「やっぱり知り合いだったんですか」
「ああ、本土のね。ところで、君ら、協力してくれ。ここらのシェルターは皆もう入れなかったろう?」
「ええ、困ってしまって……」
「近くに地球軍の船がいるはずなんだ。そいつに救援を頼む。いいかい?」
「わかりました!」
「了解」
「では、紹介しておこう、私の仕事の同僚、みたいなもんかな。地球軍のマリュー・ラミアス大尉だ」
「よろしく、皆さん」
「よろしくー」
「よろしくお願いします!」
「じゃあ、サイ、このストライクに乗って通信を試みてくれ。トール達は地球軍の大尉さんとこの場所へ行って運搬
車で……」

「で、ストライクはどうする?」
私はラミアス大尉に話題を振った。
「え、どうするって、ルナマリアさん?」
「オーブのモビルスーツ、2体あるが、ストライクに比べればまだまだ未完成だ。さすが大西洋連合の技術力だな」
「そうでも……」
そう言いながらマリューは嬉しそうに顔をほころばせた。
「僭越ながら、今、ここにいる中で一番うまくモビルスーツを操縦できるのは私だと思う」
「ええ」
「できれば、ストライクに乗らせて欲しい」
「……ええ、判ったわ」
「ありがたい! で、付けるストライカーだがエールを。ソードは対艦攻撃するわけでもあるまいし、ランチャーはコ
ロニーの中で使うには物騒すぎる」
「了解! トール君! 7番のコンテナを持ってきて!」

273紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:57:45 ID:???
「あ!」
サイが驚いたような声を上げる。
「どうしたの!? サイ君」
「通信が! 繋がりました!」
「なんですって!」
マリューはストライクのコクピットに駆け上がる。
『…ちら…ク……ジェル……ちらアークエンジェル!』
微かだけど、途切れ途切れだけど、呼びかけて来る艦名は確かにアークエンジェルだ!
マリューはマイクを取ると呼びかける。
「繋がった! こちらX-105ストライク。アークエンジェル、応答願います!」

――!
爆発音がした!
エアミアス大尉が嬉しそうに声をあげる。
爆炎から現れたのは一隻の戦艦だった。
見上げると鮮やかに赤と白に塗られた戦艦が飛んでいる。まるでペガサスのようだ、と思った。

着陸してきたアークエンジェルから黒髪のショートの髪型の女性が降りて、駆け寄ってきた。
「ラミアス大尉! 御無事で何よりでありました!」
「あなた達こそ、よくアークエンジェルを……おかげで助かったわ」
「……艦長以下、艦の主立った士官は皆、戦死されました。無事だったのは艦にいた下士官と、十数名のみです。
私はシャフトの中で運良く難を逃れました」
「艦長が……そんな……」
「よって今は、ラミアス大尉が最上級者であります。ご命令を、お願いします」
「……わかりました。奪われなかったこのストライク、なんとしても本部へ届けましょう!」
「ところで、この子供達は?」
「ああ……。オーブ側の、モビルスーツ開発協力者であるカトー教授と、その生徒です。危険な中を手伝ってくれて
いるわ。……失礼の無いように」
「了解であります! で、困った問題ですが……ストライクのパイロットがいません。と、言いますか護衛のメビウス
すらありません。モビルスーツのパイロット候補生達は皆、先程の攻撃で艦長に挨拶していたところを……」
「そう、とりあえず、ストライクのパイロットはルナマリアさんに頼んであるわ」
「ルナマリア?」
「ええ、カトー教授の知り合いでね、オーブでモビルスーツの操縦訓練を受けていたそうよ。私よりずいぶんましな
腕前よ。先程もジンを一機撃退したわ」
「ええ!?」
「教官だったんだ、グリンベレーの――」
そう私が言うと、バジルール少尉は納得したように何度も頷いたのだった。
「それはすばらしい! で、あの赤と青の見慣れぬモビルスーツは……」
「……オーブが、作っていたそうよ」
「え?」
「ふふ。私達は素直に戦力が増えた事を喜びましょう。後は上層部が交渉なりなんなり、するでしょう。オーブのOS
は私達の物より優れていました。すでにストライクにインストールしてあります。ここはオーブと大西洋連合、お互
いに協力し合いましょう」
「了解しました!」


274紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:58:04 ID:???
その頃ザフト艦――ヴェサリウス艦内

「オグラの奴遅いな」
アスランはつぶやいた。
自分と代わるようにコロニー内に残ったオグラ。帰還が遅れているのが妙に気にかかる。
「ああ、しかし、ベテランだ。そう、遅れを取る奴でもないだろう」
「ん、そうだな」

「ふむ。オロール機が大破か。どうやらいささか五月蠅い蠅が一匹飛んでいるようだぞ」
「はっ」
「ところで紅茶の入れ方にはゴールデンルールと呼ばれる有名な入れ方がある。しかしその前に重要なポイントに
ついて教えよう。紅茶の三大要素として『香り』、『色』、『味』がある。このうちの『色』と『味』はポットで決まってしまう
。これは何故かというと単純に、抽出時間やポットでの茶葉の動きに起因するからという訳だ」
「はぁ…」
「厳しい理想としては、できるだけ丸いものを選ぶ。保温性の高いものを選ぶ。ボーンチャイナ製が大変好ましい。
鉄製のポットは絶対使わない。そんな所だな」
「はぁ…」
「では次に……新鮮な紅茶葉、茶摘みされてから余り日数の経っていない物を使うのはもちろんだ。そして新鮮な
美味しい水。これは、水により紅茶のまろやかさが全然変わってしまうためだ。
「はぁ……」
「お湯は緑茶と違い、100℃の空気を充分に含んだお湯を使う事。これはジャンピングを起こすためだ。ペットボト
ルの水や湯沸かしポットでの時間の経ったお湯はジャンピングが起きにくいので、水道より出したての空気を含ん
だ水を沸かした物を使う。そんなところか。ん、そろそろいいかな。注いでやろう」
「はぁ……頂きます」
「オグラからの連絡が遅いが、まぁ彼の事だ。うまくやるだろう」

ラウ・ル・クルーゼはアデス艦長相手に優雅にお茶を楽しんでいた。
「――む!」
クルーゼは何かを感じた。うっすらと汗が吹き出るのを感じる。
「……容易ならん相手かも知れん、出るぞ!」


275紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:58:24 ID:???
「おい、少年」
「え、俺の事?」
「ふふ、そうよ。カズイ」
私はカズイに声をかけた。
「なんだよ」
「ふふ。君、モビルスーツに乗ってみたくない?」
「え、そりゃあ、乗ってみたいけど、なんでさ」
「ん。ストライクは私が乗る。レッドフレームはカトー教授が乗るわ。でも、ブルーフレームが、乗り手がいないのよ
ね。もったいないでしょ」
「でも、なんで僕に」
「んー。ラボでさ、君、パワードスーツ動かしてたでしょ。見込みあるかなぁって」
カズイの顔が緩んだ。
「でも、危険なんだろう?」
「そりゃそうよ。でも最前線は私が受け持つわ。君にやって欲しいのは、私を狙ってる敵を見つけ出して、私が攻撃
されないうちに、牽制のためにビームライフルを撃つ事。エネルギーはアンビリカブルケーブルでアークエンジェル
と繋ぐから、危ない時は弾切れの心配なく弾幕張っていいわ。どう?」
「んー……」
「やれるよ、君なら――」
私はカズイの肩に手を置く。
一瞬逡巡した後、カズイは言った。
「よし、僕も男だ! 見込まれたなら、やってやる!」

「ところでキラ君、これ、やっといてね」
カトーはキラにまた宿題を押し付けた。
「ええー!? またですか? 教授?」
「ははは。いいじゃないか。プログラミングの腕はラボで君が一番だからね」
「はぁ……」
「そうだ! これはオーブのモビルスーツ開発と言う大事業だ。ボーナス出そう、ボーナス」
「教授のポケットマネーですか?」
「馬鹿言っちゃいけない。モルゲンレーテからたっぷり分捕ってやるさ!」
「むむ……」
「そうだなぁ。月に3000ドル出そう」
「……僕だけにですか?」
キラは自分だけ金をもらう事が心配だったのだ。
「いや、手伝ってもらう学生にはそれなりに出すさ」
「最後にもう一つ。……ジンバブエドルじゃありませんよね?」
「君も突っ込むね。もちろんオーブドルさ!」
「んん……じゃあ、いいかなぁ」
だが……もはや天文学的な数字の額面となったジンバブエドル紙幣にはコレクターによりプレミアが付いていたり
するのだ。
ちなみに筆者も一枚持っている――


276紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:58:43 ID:???
「くっ、こいつは!」
クルーゼは、たった一機のメビウス・ゼロによって追い込まれていた。
「この私とした事が! オロールがやられるのも頷ける!」
相手のメビウス・ゼロは、4つのガンバレルを縦横無尽に使い、クルーゼのシグーを追い込むように動く。
「こいつはムゥ? ムゥなのか!? しかしこのプレッシャーは!?」
クルーゼはシャフトに逃げ込み、コロニー内へと退避する。
「む、あれか? 地球軍のモビルスーツとやらは! ……数が多い!」
地球軍の新造戦艦らしき物のブリッジに3機ものモビルスーツがある。
しかし、何とか当たってみなければわざわざ自分が出撃してきた意味もない。
メビウスにはできない、モビルスーツならではの小回りの機動で一時的にメビウス・ゼロを振り切ると、地球軍のモ
ビルスーツらしき物へと突っ込む!
稼いだ時間はわずかだ。
クルーゼはこちらへ向かってくるトリコロールカラーの一機に狙いを定めると、シグーの重突撃機銃を撃つ!
「効果無しか!」
クルーゼは素早く判断を下すとシールド裏面に設置されたバルカン砲で強化APSV弾を撃ち放つ!
「こいつもだめか! む!?」
敵モビルスーツが、こちらに突進してくる!
ビームライフルの光がシグーを掠める!
「ビームライフル? ビーム兵器か! これではこちらに分が悪い!」
「む!?」
殺気を感じて、クルーゼはシグーを急加速させる!
今までシグーがいた場所を、メビウス・ゼロのリニアガンの弾丸が通り過ぎていった。
――!
「うっ! ぬかった!」
危険を感じ、慌ててシグーの腕を盾にする。
その腕を、地球軍のモビルスーツは、ビームサーベルであっさり切り飛ばす!
「く、まだまだ、まだやられんよ!」
それにしても……どうやらバックアップらしい赤と青二機の機体からもビームの弾幕が上がっている。
どうやら地球軍はビーム兵器を本格的に運用し始めたらしい。
――!
クルーゼはまたしても紙一重のところでメビウス・ゼロの攻撃を避けた。
「潮時か! にしても地球軍にこれほどのパイロットがいたとは!」
目的は達した。
クルーゼは撤退に掛かる。
だが、それを見逃すメビウス・ゼロではない。ガンバレルを本体に合体、ブースターとして使用! クルーゼのシ
グーに追いすがる!
――!
クルーゼのシグーは、右足に被弾する!
「くっ、私とした事が! 足なんて飾りに過ぎん!」
クルーゼはシグーの両足をパージする!
軽くなった機体はスピードが上がり、どうやらメビウス・ゼロを振り切りシャフト内に逃げ込めた、
クルーゼは一目散にコロニー内から脇目もふらず撤退していった。


277紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:58:51 ID:???
地球軍の戦闘機――メビウス・ゼロは、余裕のある様子でアークエンジェルの周囲を一回りし、着艦してきた。
降りてきたのは……険しい顔立ちをしたくせ毛の金髪の青年だった。
「地球軍、第7機動艦隊所属、ア……ムウ・ラ・フラガ少佐だ。よろしく」
「第2宙域、第5特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」
「同じく、ナタル・バジルール少尉であります」
「私の乗ってきた艦は残念ながら落とされてしまった。乗艦許可を貰いたい。この艦の責任者は?」
「……艦長以下、艦の主立った士官は皆戦死されました。今は私がその任にあります」
マリューが答えた。
「ふぅ。あちらもこちらも大騒ぎだな。ともかく許可を。ラミアス大尉」
「わかりました。乗船を許可します」
「ところで、地球軍のモビルスーツを操縦していたのは?」
「私ですが」
コクピットから降りると私はそのフラガ大尉に言う。
「オーブの、ルナマリア・ホークだ」
「……そうか。不躾な質問をするが許してもらいたい。君はコーディネイターか?」
周囲に緊張が走る。
「ふ。ナチュラルですよ。それはマリュー大尉とカトー教授が証人だ」
「ふむ……」
フラガ少佐は自分のあごをつまんだ。
「すまん。他意はない。私はただ聞きたかっただけなのだ。なにしろ、ここに来るまでの道中、これのパイロットにな
るはずだった連中の、シミュレーションをけっこう見てきたが、奴等、ノロくさ動かすにも四苦八苦してたものでな」
「ふ……血反吐を吐くような訓練をしただけだ。文字通りな。それに、モビルスーツの原型のバトルスーツはコー
ディネーターが創ったと言うわけでもあるまい」
「確かにな。だが、それだけではなさそうだが」
秘密を探り出そうとでも言うように、フラガ少佐は強いまなざしでこちらを見つめてくる。
「ふぅ。ま、別に隠す事でもないが。OSは、オーブで開発された物に更新されている。ナチュラルでも使える物にだ。
先程はモビルスーツには素人の学生でも銃撃戦が出来たぞ。もちろん彼はナチュラルだ」
「そうか。それは心強い。ところで、奪われなかったのは1機だけか? あの2機は? 私のの知ってるデータには
ない機体だが?」
「ああ、なんと言うか、オーブの作っていた秘密兵器さ」
カトーが口を挟んだ。
「秘密兵器! そりゃなんとも頼もしそうな響きだな。ところで、外に居るのはクルーゼ隊だ。あいつはしつこい。
こんなところでのんびりしているより、早く出航した方がいいと思うがね」
そう言ってフラガ少佐はアークエンジェルの中へ入っていった。
私はカズイの姿を見つけると、「上出来だったね」と握手を求めた。
彼は嬉しそうに照れた。
278紅き鷹よ、空を駆けろ! ◆Lna0TEvcJM :2009/03/27(金) 18:59:03 ID:???
続く
279通常の名無しさんの3倍:2009/03/27(金) 19:20:24 ID:???
>>271
そこは「愚民の皆さーん」だろ、洗脳搾取虎の巻的に考えて
280通常の名無しさんの3倍:2009/03/27(金) 23:36:50 ID:???

なんて物分りのいい連中なんだ
281通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 00:24:40 ID:???

私っていうムゥさんは何か違和感があるな
282通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 02:20:38 ID:???
GJ!

>もはや天文学的な数字の額面となったジンバブエドル紙幣
日本ですら生き残れなかったCEで、西暦からハイパーインフレ中のジンバブエ
・・・0いくつ付いてんだろうか

で、リアルでコレクターアイテムをお持ちの紅き鷹さん
トイレのちり紙に、金額だけ片面印刷してあるって、本当?
283通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 02:31:42 ID:???
たしかジンバブエドル札はすかしなどの偽造防止処理も国際的に通用するレベルの物が無駄に施されている
わざわざユーロ紙幣など各国の通貨の印刷を請け負っているドイツの紙幣印刷会社に発注して刷っているとか
毎週50万ユーロ超を紙幣の印刷費として支出そうな
>>282
両面いんさつしてありますよ^^
285通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 08:05:38 ID:???
GJ

「ア……」って言いかけたって事は、アル・ダ・フラガ?
口調からして、ムウじゃなくてラウっぽいな
286通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 21:28:18 ID:???
ちょうどそんな所で面白そうな材料が出ましたよ

シロアリの女王、後継ぎは「王との交配」ではなく自分の遺伝子だけで「分身」を作っていた
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1238205635/1

1 名前: レパルス(西日本)[] 投稿日:2009/03/28(土) 11:00:35.38 ID:rb7s4Qhy ?PLT(12000) ポイント特典
http://img.2ch.net/ico/haa.gif
シロアリの女王、後継ぎは「分身」 王とは交配せず

 日本各地にすむヤマトシロアリの女王は、後継ぎとなる女王を産む時は、
王とは交配せずに自分の遺伝子だけで「分身」を作っていることが、
岡山大学大学院の松浦健二准教授(社会生物学)らの調査で分かった。
自らの「分身」を作ることで、王との近親交配を防いでいた。27日付米科学誌サイエンス電子版で発表した。

 ヤマトシロアリは、5月ごろ巣を飛び立ち、一対の雌雄が新たな巣を作って初代の王と女王になる。
王も女王も寿命は10年以上と長く、巣の内部で近親交配を繰り返して増殖していると推定されていた。

 松浦准教授らは10年かけて千カ所以上の巣を掘り、約50カ所で巣の中枢部分を採集。
ほぼすべての巣で、王は初代だったのに対し、女王は数十匹の後継に代替わりしていた。
そこで、後継ぎ女王を調べると、いずれも王の遺伝子を持っておらず、
後継ぎ女王が王と交配して、働きアリを産んでも近親交配にはならないことがわかった。
後継ぎ女王を産む時は、卵子が成熟する過程で分裂する「極体」と卵子を融合させ、「単為生殖」をしていた。 

 松浦准教授は「遺伝的には巨大な不老不死の女王が存在するのと同じ。
(単為生殖と交配による生殖を使い分けることは)非常に効率が良く、生き物として究極の遺伝システム」と話す。(上田真美)

http://www.asahi.com/science/update/0328/OSK200903280001.html



クローン系ネタの作者の方は使えるネタなんじゃないでしょか
287通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 21:45:20 ID:???
カガリは性染色体がXYの女性というのは、どうかな?

Y染色体のSRY遺伝子が欠損していればXYでも女性になるし
SRY遺伝子があっても他の要因で女性になる場合もある
288通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 21:47:43 ID:???
>>278
ルナマリアなら立ちションが似合いそう
289SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:05:36 ID:???
-在日本公使館襲撃事件より数時間前-

CE104年2月11日。
コズミック・イラという時代を生きる人々にとって忘れがたいあの忌まわしき開戦の日。
しかしながらこの3000年の歴史を持つ極東の帝国においては寿ぐ日。
日本建国の天皇である神武天皇が即位した日
国中において人々はこの即位を祝った。

夕刻、プラント評議会からの約1300人の大使節団が車列を組んで空港からプラントの臨時大使館になっていたザフト対日通商部の建物へ向かう
その岐路において人々が提灯を持って歩く姿に出くわした。
提灯行列というものを初めて見たイザークとディアッカは不思議な感覚に襲われた。
ザフトによる一党独裁の強権政治の中で育った二人にとって君主制とは悪という考えしかなく、有徳の君主の下での民族の団結というものを理解できなかった。
同乗してるザフト外務高官が言った
「こんな封建制の残滓に縋り付くなんって……」
イザークが
「羨ましいよ。民族を纏める存在があるのは……
俺達には錆びついた思想しかない……」
そう云いながら冷笑した。
運転手が
「この天皇という存在への忠誠は些か宗教じみてます。
マルクスはこう書き記しています。
宗教とは国家にとっての私事と。
そう考えるとこの問題は歴史が解決するのかと」
「かもしれんな」
290SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:07:19 ID:???
その夜、宮中で行われた晩餐会。
参加した数十カ国の親善大使、首脳達
大西洋連邦大統領夫妻、ユーラシア連邦議長、赤道連合首相など各国の要人が集まっていた
その中には近年表舞台から姿を消したブルーノ・アズラエルの姿もあった。
そういった列強や大人物の間にあってキラ達の扱いはその中で格別であった。
人口500万の小国オーブは約5億の人口を持つ大西洋連邦と同等の扱いを受けた。
それはキラ達が日本の主権回復の際に果たした役割に比例するものであった。
「あの時の小僧がこんなに偉くなるとはな」
キラは唐突に声をかけられ、振り向いた。
「あ、あなたは」
禿頭のガッチリとした体つきの老年の男が立っていた
「ガルシア司令!」
禿頭の男は
「今は司令官より上でな。連邦議会議長だよ。
キラ・ヤマト君」
隣のラクスを一瞥して
「ほう、ザフトの歌姫がこうなるとは。
世の中も狭いものだ」
そう云うと笑いながらその場を去った。
291SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:10:41 ID:???
―CE104年 2月12日(日本時間)―
巨大なモニター。
数十名の兵士たちが立っている
電源が入り、モニターの画面に画像が現れた
ゆったりとした長衣を着た男が映り、一言二言喋った。
「俺達を坊様の兵に戻れと」
軍服を着た兵士が訊ねた。
「そうです。今日は貴方方はザフト極東方面軍兵でもなく、ジャンク屋組合(ギルド)でもなく、乱軍としてです。
しかし私の手の中でですがね」
そして男はこう叫んだ。
「さあ!行きなさい
焼き尽くしなさい、奪い尽くしなさい、殺し尽くしなさい!
日本を混乱させて、連合に付け込む隙を作りなさい
混乱の後に新しい世界を作るのです!」
男たちは指令を受けると右手を握りしめ、胸において
「ザフト、栄光たらんことを!!」
と叫んだ。
292SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:13:29 ID:???
早朝、トラックの車列は神奈川方面から現れて、都内に入り、西麻布の大使館区域に向った。
大使館区域に入ると数十台のトラックが止まる。
後ろのドアが開き、男たちが駆け降りてくる。
偃月刀や手斧を持った兵士たちが大西洋連邦大使館に駆け寄る。
「連合の帝国主義の元凶め!死ね」
大使館の門を壊そうとした時、機械音が響き渡った。
火花が飛び、薬莢が落ちる。
ザフト兵達は倒れこむと動かなくなった。
その瞬間、トラックからロケット弾が飛んだ。
大使館の2階に着弾し、炎上した。
手投げ弾を投げこむと、重機の音が消えた。
「今だ、中に入りこめ!」
塀を飛び越えて入ると、中はもぬけの殻で中庭では物が燃えていた。
「遅かったか」
兵士の一人が火を消して、燃え残った紙を手に取る
「隊長、これを」
「これは……でかしたぞ」
高笑いが響いた……
293SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:14:30 ID:???
「ルナを!」
シンは立ち上がり、兵士の方へ頭突きを喰らわせた。
「この野郎」
兵士が銃を向けた。
シンは撃たれる!と思った瞬間、兵士達が血を噴いて倒れた。
散弾銃で武装した警官隊が立っていた。
「お怪我はありませんか!」
「ル、ルナが!妻が……」
警官の一人が駆け寄って来て血塗れになったルナマリアの脈を取っている。
首を横に振った。
「ルナァー!うあああー」
シンはルナマリアの身体を抱き抱えて叫んだ。涙が流れ落ちる。
「ここは危険です、さあパトカーまで」
「頼む、もう少しここに居させてくれ!」
20分ほどして救急車が来て、冷たくなり始めたルナマリアを運ぼうとした時、シンは縋り付いた。
「待ってくれ、持ってかないでくれ。
こんなはずじゃなかった。なんでこんなことに……ルナァー!うあああー」
サイレンが鳴り、救急車が発進する。
シンは立ち竦んだまま泣いていた。
若い警官が声をかけてきて
「さあ、避難所まで行きましょうか」
シンは項垂れたまま、警官の指示に従った。
パトカーに乗って、避難所まで行く間中泣いていた。
シンは避難所に指定された公会堂に着くと住所氏名と怪我の状況を確認され、手当てを受けると毛布を渡されて端の方へ歩いて行った。
「俺は……」
毛布をかぶると、横になった。
294通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 23:16:24 ID:???
ガルシア大出世、支援
295SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:16:41 ID:???
翌朝、シンはボランティアの看護婦に起こされると背広姿の数人の男に囲まれて目が覚めた。
「シン・アスカさんですか。少しお時間頂けないでしょうか」
そして別室に呼ばれ、黒い手帳を見せられた。
公安調査庁と見えた。一枚の紙を取り出す
裁判所からの捜査令状。
彼らの自己紹介が終わると、開口一番
「あなたの家に来たお坊さん、どのような関係?」
「私の……義兄です
妻の妹の夫で、義兄弟の契りを結んだ仲です」
「で、そのお義兄さん、何で来たわけ?」
「俺達夫婦をプラントに連れて行きたかったって」
別な男が缶ジュースを渡しながら
「あの昨日の事件知ってる?誰が犯人だって」
「まさか……」
「心当たりがある?」
シンは缶ジュースを飲むと
「昨日来た犯人の一人が《俺達はアスラン・ザラって人の命令で来た》って言ったので」
警官が封筒からカラー写真を数枚出して、テーブルに広げる
「そのアスラン・ザラって人とこのアレックス・ディノって人は同一人物で間違いないよね」
シンは写真の一つにに指をさして
「はい。その人です。間違いありません、私の義兄です」
「義兄さんの話、詳しく聞かせてもらえないかな」
296SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:20:21 ID:???
シンは深夜になって解放された。
そのまま避難所には戻らず、近くのレストランまで行って遅めの夜食を食べに。
ウエイトレスに喫煙席まで案内されると、オムレツとサンドイッチのコーヒーセットを頼んだ。
ふと、タバコが吸いたくなり、ライターを探した。
どうやら忘れたようだ……隣の席に夫婦連れがいる。
「スンマセン、火借してもらえませんか」
男の声で
「これでよければ」
そう云ってオイルライターを投げてきた。
受け取って手に取ってみると、重い
「これ、純銀じゃないか」
どこかで聞いたことがある声のようだったので振り返って礼を言った
「ありがとうございます……
どうしてあんたっ !!、何でここにいるんだ」
「30年ぶりだね。シン」
「お元気にしてましたか、シン」
297SEED 戦後30年目の愛:2009/03/28(土) 23:21:48 ID:???
続く。
298通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 23:47:11 ID:???
GJ!
ガルシア出世しすぎwww
299通常の名無しさんの3倍:2009/03/29(日) 00:40:17 ID:???
GJです
流石わ不死身のガルシア閣下
300通常の名無しさんの3倍:2009/03/29(日) 14:43:06 ID:???
>>272-278
なんかサイっぽくない
悪い意味ではなく
301通常の名無しさんの3倍:2009/03/29(日) 18:07:28 ID:???
ガルシアww
302通常の名無しさんの3倍:2009/03/29(日) 22:59:46 ID:???
ガルシアは出オチすぎるwww
しかもなんでそんなに親しいんだwww
303マスドライバー破壊作戦発動編 ◆Lna0TEvcJM :2009/03/30(月) 17:50:25 ID:??? BE:1093803449-2BP(877)
「ん……」
ルナマリアはため息をついた。
シャワーの水滴がルナマリアの瑞々しい肌をこぼれ落ちていく。
ひとしきりシャボンで身体を洗った後、冷水と温水を交互に浴びて肌を引き締める。
バスタオルにくるまって、水気を取る。
仕上げに、さりげなくお気に入りのコロンを一吹き。
「ふん……♪ ふん……♪」
ルナマリアは鼻歌を歌いながら冷蔵庫を開けた。注文しておいたレアチーズケーキがちょうどよく解凍されていた。

「アスラーン、一緒にケーキ食べない?」
ルナマリアは書類仕事をしているアスランの元へケーキを持って行く。
「ああ、頂くよ」
ケーキをぱくつくアスランを見つめながら、ルナマリアはニコニコと微笑んでいた。


アルザッヘル基地では警備が厳しくなっていた。
なにしろ最新鋭の戦艦を強奪されたのだ。
「誰何!」
「ネオ・ロアノーク准将だ」
ネオの顔を見ても、警備兵は警戒した態度を崩さなかった。
「IDカードを拝見できますか?」
「ああ」
警備兵は機械にカードを通した。
「確認できました。ご容赦ください。これも任務ですので」
「わかっているよ。じゃ、緑森中尉、行こうか」
「はい」


服部正吾は夜になってからビクトリア基地へ侵入した。
暗闇に溶け込む濃紺の服装である。
マスドライバーを警備する警備兵を倒すのは、もちろん棒手裏剣である。
気づかれないように、マスドライバーの鉄骨に寄りかからせる。
結局、爆薬を仕掛ける位置に付くまでに、出会った11人の警備兵は全員死亡。
また服部は手を血で汚してしまった。
爆薬を仕掛けると、服部は急いでマスドライバーから遠ざかる。
「そろそろだな……」
充分マスドライバーから離れた場所で、服部はビクトリアのマスドライバーの方を観察する。
――と、轟音と、きのこ雲が現れる。
服部が仕掛けた物は――服部の言う最後の武器……核爆弾であった。


「ようこそ!」
「こちらこそ!」
ジェスとミリアリアは村人と挨拶を交わす。
赤道連合は、カオシュン――カーペンタリアの通り道として一方的に侵略された前戦役時と違い、今戦役では直接
的にはザフトと交戦状態になかった。だが、ザフトの襲撃に遭ったと言う。その基地に勤めていた人物が見つかっ
たのだ。
その人物は足に怪我をしていた。
「……そんでな、いきなりザフトのモビルスーツが降りてきてな、あたりかまわず攻撃したんだ。俺らの事なんかお
構いなしさ。せめてってんで、隣のジェクロの女房と息子が銃で立ち向かったらしいが、ザフトのモビルスーツの
銃にやられてかけらも残ってないだとさ」
「……」
「貴重な情報、ありがとうございました」
「いやなに、前みたいには動けなくなりそうだが、見舞金が予想以上に入ったでな、店でもやるわ」

「これで、基地司令の証言の裏が取れたわね」
ミリアリア達は、事前に基地指令に取材をしていたのだ。
「ああ、やっぱり、どうにも、ザフトが良い者って訳じゃねえようだな」
「次は、どこに行く?」
「ああ、なんとかオーブに潜入したいが。部外者は入りにくいそうだ」
「じゃ、こう言うのはどう?」
「ん?」
「あなたは私の婚約者。親に紹介をしに私はオーブに帰ってきたの!」
「ぶ!」
ジェスは吹き出した。


「ロアノーク准将!」
ネオは声をかけられた。
「おお、リー少佐じゃないか!」
「この度、私も中佐に昇進してネルソン級の艦長になりましてな。また、一緒に戦えますな」
敬礼しながらリー中佐の顔がほころんだ。
「ああ、よろしく頼むよ!」

地球軍提督達の会議は少々暗い雰囲気で始まった。
「ビクトリアのマスドライバーが破壊されたそうだ。核だそうだ。当分復興は見込めんな」
「カオシュンも、東アジアが不安定で当てになりません」
「そして、オーブのクーデターか……」
「パナマの防備は強化されています」
「もっともだ」
「ともあれ、新編なった第3艦隊、期待しているぞ、ロアノーク准将」
一人が雰囲気を変えるように言った。
「は、微力を尽くします!」
「とりあえず、月基地の物資の備蓄状態はどうなのだ?」
「1年、飢えさせず」
「となると、一年のうちにプラントを叩き潰さねばならんか……」


「戦艦やモビルスーツを集めているようだけど」
マリューがラクスに聞いた。
「なぜ、武力に頼るの?」
「え?」
不意の問いにラクスは不思議そうな顔をした。
「あなたの力なら、プラント市民に対して働きかければ政権など奪えるでしょうに」
「なぜですって!?」
きっとなった表情でラクスは言った。
「私の父、シーゲル・クラインは民の手で評議会議長の座を追われたのです。そして評議会議長に付いたのはパト
リック・ザラ。流されやすい民衆のの支持による権力など、頼りになるもんですか」
ラクスはぎりっと歯を噛み締めた。
オーブのクーデターも実質失敗した事にもラクスにとっては癪が触る。本来なら前戦役の英雄カガリがラクス達を
バックアップし、オーブ全軍一体となってラクスを支援するはずだったのに。肝心の宇宙軍が、サハク家にしっかり
握られていた。
「あきらめるもんですか。私は世界の物、世界は私の物」


「ここがアメノミハシラか」
オーブが所有する宇宙ステーション『アメノミハシラ』に上がったカガリは、はしゃいであちこち見回っていた。
「先の戦役で連合の支配下に入る事を良しとしない者達が逃げてきたとも言うね」
ユウナが答える。
「ふん。いずれ、ここも元の計画通り軌道エレベーターも作りたいよな。オーブが進出するなら宇宙しかないから」
「ああ、情勢が落ち着けばね」」
カガリとユウナは工廠に入った。
「ん? あれは……」
作られているモビルスーツがカガリの目を引いた。
「M1アストレイではないじゃないか」
それはM1アストレイとはまったく違う、別の思想で作られているモビルスーツのようだった。M1アストレイと比べる
と異形。どちらかと言えば、ザフトの初期のモビルスーツに近い。
「ああ、あれは父ウナトの依頼で作られはじめたんだよ。いずれオーブ本国を取り戻す時のためにね」
ユウナが答える。
「あれはパイマラソ、隣がギャブラソ、メダズ、ハソプラピ、ガブスレイ、ムッドゥー、シャペリン。どれも大気圏内飛
行可能モビルスーツだ。そして、サハク家専用の高速高機動モビルスーツ――『ゾッグ』」
「シャペリンだけはアストレイに似ているな。に、しても、種類が多いな」
「今は試作段階なんだよ。実際に使ってみて、これからの主力を考える。その内教えるが、訳有りだ。この一戦だ
けで、後の使用は控えたいと思う」
「実際に使ってみてか……」
カガリはうつむいた。オーブ奪回作戦の事を考えたようだった。
「そう言えば、私の専用機とか、ないのか?」
「あるよ」
ユウナは工廠の一角を示した。
「三(さん)ガンダムだ」
「……ふーん」
妙な名前にカガリは首をひねった。
「ところで、あのぼんやりと立っている三人はなんなんだ?」
「ああ、彼らはここの監督だよ。あれでも腕がいいんだ。三(さん)ガンダムを作るために渡戸村から引き抜いてき
たんだ。皆名前を『じゅわん(ヨハネ)』と言ってね、3人いるから工員達はさんじゅわんさまと……」
「まったく……」
その時、後ろから声がした。
その声に振り返ると、ロンド・ミナ・サハクがいた。
「さんじゅわんとは聖ヨハネの事だ。三の意味では無いと言うのに。馬鹿な事を……。それに……三(さん)ガンダム
なんて名前はどう考えてもおかしいだろう。三(さん)じゃなくてΞ(クスィー)ガンダムじゃないかと思うんだが……
灰田さんからもらった設計図の読み間違えなんじゃないかなぁと……」
眉をひそめてぶつぶつ言うミナ。
だが、聖書には3人の【ヨハネ】が登場する。洗礼者ヨハネ、使徒ヨハネ、そして福音記者ヨハネである。
そして……灰田さんからの仕様書には墨痕あざやかに漢字の草書体で三(さん)と言う文字が書かれていたので
ある――!
「さんじゅわんさま!」
「さんじゅわんさま!」
「おたすけくだせ!」
「おすくいくだせ!」
「な、なんなんだ?」
いきなりわき上がった、工員達が上げた声にカガリは驚いた。
「総監督が来るのさ。ほら、善次が来た」
歩いてきた男は叫んだ。
「みんなぱらいそさいくだ!」
「ぐろうりやのぜずさま!」
工員達に歓声が上がる。
「おらといっしょに、ぱらいそさいくだ!」
「ぐろうりやのぜずさま!」
「ぐろうりやのぜずさま!」
カガリにはまるで訳がわからなかったが、ふと光に包まれて彼らと一緒に天上に昇るような心持ちがした。
SEEDとか言って訳のわからない事を言っていたマルキオよりも、この善次の方がよっぽど自分を救ってくれるよう
な気がしたのである。特に理由はないが。


「ミリィ! よく無事でオーブに入れたな!」
サイ・アーガイルはミリアリアに声をかけた。久しぶりの再会だった。
「まぁ、オーブ人だし、ジェスは名が売れてるからね。そう追い返すって訳にも行かなかったんでしょう。相変わらず
IT企業の社長やってる?」
「ああ」
前戦役後、サイはIT関連会社を興していた。
「君は前の戦役に従軍したって? 君の話も聞きたいが、問題は今のオーブだ」
ジェスは言った。
「どうなんだ?」
「ひどいものさ。アスハ家の独裁を叫んでおきながら、自分達はそれ以上に締め付ける。物資の流通にも支障が
出始めている。統制すればいいと考える軍人の馬鹿さ」
「抵抗する人は、いないの?」
「片っ端から拘禁されているよ。だが、国会議員がデモをすると言う噂もある。それに……」
サイは声を潜めた。
「アメノミハシラにいるカガリが、本土奪回作戦を立てているという噂だ」


「服部! よく帰ってきました!」
ラクスは帰ってきた服部に駆け寄った。
「本当に、本当に心配していたのですよ」
「ははは、伊賀忍術の賜物です」
「とりあえず、ゆっくり休んでくださいな」
「はい。そうさせてもらいます」
服部は退出して行った。
そこにキラが現れた。
ラクスはキラの瞳に不満の色を見て取った。
「キラ? 私が一番好きなのは、一番頼りにしているのはキラなのですよ?」
ラクスはキラにキスをした。
「そ、そんな事……」
キラの頬は赤くなった。
「キラ! そう言えばプレゼントがありますの! ストライクフリーダムと言う新型機ですわ。あなたの命を守ってく
れた二機のモビルスーツの名前から私が名前をつけましたのよ」
「新型機!? ラクス、嬉しいよ! 僕がガンダムだ!」
「その他にも驚かせたい事があるのですわ」
「なんだろう?」
「わたくしの、親衛隊を作ろうと思いまして!」
「ああ! 遅すぎるくらいだよ!」
「親衛隊隊長、やってくださいますわね?」
「もちろんだよ!」
キラはラクスにキスをする。
ふいに、ラクスの目が翳った。
「……本当はあの孤児院で二人で子供の面倒を見ながら平和に暮らすという道もあったのですわ。そうしていつか
キラも治って……」
「? なにを言い出すんだ? ラクス。僕はどこも悪くないよ?」
「キラ。わたくしはあなたに取り返しのつかない事をしてしまったかもしれません。今更ですが、ごめんなさいね」
「ごめんなんて! 訳がわからないよ!?」
「いいのです。キラにはわからなくて」
そう言ってラクスは澄んだ笑顔をキラに向けた。


「私がミネルバの艦長に!?」
いきなりの人事通達にアスランは驚きの声を上げた。
「そうだ」
「各方面からも1パイロットとして使うには惜しいと言う意見が出てね」
人事課長はにこやかに告げた。
「それはもう、大勢の人達が、君を買っているのだよ」
「し、しかし……」
「大丈夫だ。副官はそのままだ。君を補佐してくれるだろう」
アスランは逆に心配になった。が、どうやら断る訳には行かないようだった。
「了解しました。微力を尽くします!」

「じゃあ、アスラン。頑張ってね。あなたなら立派な艦長になれると思うわ」
「はい。グラディス艦長も、いえ、隊長ですね。お気をつけて」
引継ぎは終わった。
タリアはナスカ級1隻、ローラシア級2隻からなるグラディス隊の隊長に転出する。

「タリア艦長に敬礼!」
アーサーの号令でランチに乗り込むタリアに皆が敬礼する。
そしてランチは発進していった。
「さぁ!」
ミネルバの皆に振り向いてアスランは言った。
「新米艦長で頼りない所もあるだろうが、よろしく頼むよ」
歓声が――沸き上がった!
続く。

岡崎版ゾックです。当てた方おめでとう!
312通常の名無しさんの3倍:2009/03/30(月) 18:27:27 ID:???
GJ!
相変わらずカオスですなwww
313通常の名無しさんの3倍:2009/03/30(月) 18:35:15 ID:???
ラクスの意見はもっともだな。眼から鱗が落ちた。
でもそういう愚昧な民衆にプランとコーディを育て上げたのは茂自身だって事を忘れちゃ遺憾。
314通常の名無しさんの3倍:2009/03/30(月) 21:28:51 ID:???
シーゲルが追われたのはラクスが自由を盗んだせいだと思うが…
315通常の名無しさんの3倍:2009/03/30(月) 23:06:21 ID:???
妖怪ハンターww
316通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 00:03:49 ID:???
あーもう、あーもう!
相変わらずどっからツッコめばいいのかわからねえ!!
317通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 00:24:22 ID:???
>>314
「政権の座から」追われたってことだろう。
318通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 01:03:08 ID:???
つまりラクスがなりたいのは終身大統領とかなのか
319通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 01:09:02 ID:???
ギアスSEEDのよりも黒いラクスでも目指してるのか?w
320通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 03:35:17 ID:???
CE300年頃、ずっと鎖国を決め込んでたプラントに開国を求める東アジアの使節が…
「あっドム・トルーパーだ!幻のMSといわれるザクウォーリアまで!
 み、ミーティアだ!凄い!動いてる!!」
「原始的な軍備だな、…なんだあの男は?」
「あいつはクラシック兵器のマニアなのです。」そしてプラント国内の開国派を取り締まるためにニューディサイズという治安部隊が…
321通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 13:36:42 ID:???
ガブスレイそのまんまで吹いたwww
322通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 13:48:08 ID:???
「オノゴロの仮面」……
違和感あるようなないような
323通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 14:01:02 ID:???
あ……カプスレイだと思い込んでたのは秘密だ。
324通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 14:01:41 ID:???
ちゃうわ! ガプスレイ
325通常の名無しさんの3倍:2009/03/31(火) 17:01:49 ID:???
ニューディサイズ隊内ルール!

一、ニューディサイズ隊内の決まりを破ってはいけません
一、ニューディサイズを勝手に辞めてはいけません
一、ニューディサイズ上層部に内緒でお金の貸し借りをしてはいけません
一、ニューディサイズ上層部の許可を貰わずに嘆願とかお願いとか聞いてはいけません
一、ニューディサイズ上層部に認められずに戦ってはいけません
これらの決まりを破ったらそれはそれはヒドい目にあわせるのでそのつもりで

326通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 09:00:39 ID:???
ルナマリアが主人公の小説が多いけど、カガリが主人公の小説は少ないの?
327通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 09:01:56 ID:???
カガリ主人公をやろうと思ったら無印から始めないといけないし、無印だと終盤までMSに乗れないよw
328通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 09:28:46 ID:???
>>327
まともにするには種以前に遡らないとw
329通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 11:41:09 ID:???
カガリとキラのポジションを替えるとか

強気で仲間を引っ張るカガリ
内気だがオーブ代表の息子キラ
330通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 11:49:06 ID:???
>>329
それだけで十分良作の匂いがするなwww
やっぱり、主人公はナチュラルの方が良かった
331通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 11:50:35 ID:???
紅き鷹よ、空を駆けろ!
別に主人公がカガリでも成立するんだがそこをルナにしたのは作者の愛です。
332通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 11:52:55 ID:???
主人公がコーディでもいい
ただ、種族対立的な何かを書きたいんならヒロインはナチュラルにすべきだったとは思う
ナチュラルとコーディは決して相容れないんだってのが書きたいんならいいんだけど
333通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 11:58:32 ID:???
>>329
>強気で仲間を引っ張るカガリ 

何あいつ、とハブられて終わりになるようなw
334通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 12:25:53 ID:???
>>333
だから無印以前から話を始めないとですね…いや、スパロボのKガリさんみたく開き直るのもアリだがw
335通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 14:42:12 ID:???
とりあえず百億万歩譲ってアレ以外のが脚本書いてアレ以外のが監督やれば、それだけで良作
336通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 18:03:08 ID:???
もし最初に月基地を目指したら
もしヘリオポリス崩壊の件でクルーゼ隊全員が帰還したら
もし第八艦隊がもっと有能だったら
337通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 19:16:17 ID:???
もし種序盤でラクスごとAAが沈んでいたら

撃った奴の立場とかどうなるんだろう
338通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 19:27:38 ID:???
ナタルが言うまで知らないんだからそのままじゃね?AA沈めたとして叙勲かもな
339通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 19:37:41 ID:???
ザフト側ではもう死んだことになってるんじゃなかったっけ
クルーゼが何か言ってたような
340通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:17:24 ID:???
もし脱出したとしてももう酸素は残っていない

とかじゃなかった?
341通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:39:00 ID:???
しかし負債は「AAに救助されなくてもラクスはプラントに帰れた」と発言している、と聞いたことがあるぞ
342通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:50:54 ID:???
いつものでまかせだろう。
整合性とかあった試しがないじゃないか。
343通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:52:31 ID:???
なにその10人居たらプラントは(ryなクライン塾長
344通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:52:52 ID:???
そりゃ、あそこにいた強行偵察型ジンがラクスを発見する筈だったんだろ
ところが人命救助をしようとしていたジンを先制攻撃で撃墜している・・・

その後ポッドを無視すればラクスは宇宙の藻屑だったかもね!
345通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:54:48 ID:???
一応偵察ジンいたみたいだし無理ではないんじゃない?

ジンが見つければ帰れたろうし
346通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 20:58:20 ID:???
偵察ジンがロストすれば僚機が捜索に来るか
これで無事にラクスは発見され、生還したとして、AAはその後沈められる訳だ・・・
347通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:17:40 ID:???
なんか重要な位置の人間はみんなクローンいそうだ
348通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:25:07 ID:???
偵察ジンを撃墜→ポッド回収→原作ルート
偵察ジンを撃墜→ポッド未回収→死亡
偵察ジンが無事→ポッド回収→偵察ジンの部隊と交戦?
偵察ジンが無事→ポッド未回収→帰還

偵察ジンの目の前でポッド撃墜→国葬で士気アップ
349通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:29:10 ID:???
キラが男装の女性で、本編と同じ無印1話なら
キラがカガリに「女の子!?」っていう台詞が萌える
自分も男装の女性なのに、同じ女性に向かって「女の子!?」って言うのが・・・
(当然、カガリはキラを女性とは見抜けない)
350通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:34:38 ID:???
Xクロスの一つでティファの直感で拾わずに全速離脱してたのがあったな。
ひょっとしてそのうちキャンサーとムロンにでも出会ったかもしれないが。
あとザクレロだと魔力に目覚める前にザクレロに睨まれて発現しなかったがあの後は?
海兵隊の連中の備品化(…)か?
351通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:49:23 ID:???
俺、今度は白いラクス書くんだ・・・
352通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:57:39 ID:???
ちょっとアイデアだけ思いついたんだけど、私にはSSを作る自信が無いので
このアイデアを使ってSSを完成させてくれる作者がいれば歓迎するよ
353通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 21:59:13 ID:???
エミリ・セラ・アスハ
性別:女性
年齢:15歳
身長:157cm
体重:45kg
血液型:A型
・ウズミの養子でカガリの義妹
・普段からオーブ軍服(男性用)を着用
・カガリと違って冷静沈着

無印1話でエミリがカガリと一緒にヘリオポリスを偵察して
ザフトの襲撃からキラと3人で逃げるが、キラがカガリだけ避難させる本編と違って
エミリとカガリのどちらも避難せず、3人でAAに合流する
エミリとカガリがAAに加わることで、本編とは違った展開が期待できそう
354通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 22:03:28 ID:???
sageない奴の話など聞く耳もたんわ
355通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 22:06:46 ID:???
>>351
それは幻想に過ぎない
356通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 22:55:46 ID:???
>>329
それまとめか、どこか忘れたけどすでにあるぞ
357通常の名無しさんの3倍:2009/04/01(水) 23:17:37 ID:???
そういや一般サイトでゼンガーがストライク乗っていたらなんてあったな

ストライクを伍式、フリーダムをゼンダムっていうの
358通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 01:33:08 ID:???
種死編の序盤で投げ出しちゃってたな
359通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 05:30:54 ID:???
>>327
カガリは種無印でも種死でもMS乗ったのは終盤だけだからね
でもオリジナルSSならカガリを無印の序盤からMSに乗せることだってできるよ
360通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 10:16:30 ID:???
もしもCE71時点のオーブの首長と娘がフランツとヒルダのマリーンドルフ親子だったら
361通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 10:17:56 ID:???
>>360
娘同士は比較にもならんが
父親も地味に政治スペック高そうだからなぁ
362通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 10:51:57 ID:???
どちらかというと精錬で公平な人柄が評価されてて実務能力は未知数だが
時代の推移や現実を直視するというウズミに一番欠けてる能力があるのが
マリーンドルフ国務尚書だからな
363通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 12:09:18 ID:???
領民の安全のためなら躊躇せず資産や家名を投げ出す覚悟がある御仁だからな。
娘に対しては、型に嵌めず個性を尊重し、家名に縛られずむしろ利用して
自分の生きる道を拡げるよう教えている……
と字面だけ並べるとうっすら共通点がなくもないが、肝心の娘自身の資質が
違いすぎるとあのテイタラクか…
364通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 12:30:20 ID:???
>>363
型に嵌めず、個性を尊重するのと
躾もしないで野放しにするのは別の話ですからw
つーか、その二つを完全に混同してたのがリウの小説版w
365通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 12:43:30 ID:???
名言
「生徒の個性を尊重?たかが校則守った程度で消えるような個性なんぞ何の意味もない」
366通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 17:45:33 ID:???
リウも糞って事?なら死に役に使うが
367通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 18:19:09 ID:???
死に役ってタケダとかプロ・デューサーさんとかチアキとかフクダとかその辺のことか?
是非使ってくれw

リウの小説は仕方ないっちゃ仕方ないが終始ラクシズオーブ擁護ばっかでイライラする
368通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 18:26:18 ID:???
>躾もしないで野放し
 やっぱ「ウズミ様もホムラ様も健康だしもうしばらくほっといても問題ないんじゃね」とそろいもそろってのん気に構えてたんだろうか?
369通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 18:49:43 ID:???
>死に役ってタケダとかプロ・デューサーさんとかチアキとかフクダとかその辺のことか?
どっかのSSでそんなの見たな。
その話で死ぬ雑魚キャラの名前がどっかで見た名前ばかりのやつ。
370通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 19:04:36 ID:???
シモムラコマルのことか
371通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 19:15:45 ID:???
リウアストレイと言い千葉ときたアストレイといい
負債に翻弄された挙句、擁護をさせられるという最悪の仕事をさせられてるよなぁ
千葉なんか最後の方には発狂したのかトンでも兵器を出しまくったり
天空の宣言とかいうマジキチな事をミナにやらせてるし
372通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 21:38:41 ID:???
ときたは仕事とは言え内心さぞや納得行かなかっただろうな
373通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 21:42:30 ID:???
もしザクレロの世界に英雄クルーゼがやってきたら
374通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 21:43:33 ID:???
>>373
そんなこと自分で考えろ
375通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 22:39:53 ID:???
>>371
千葉の発狂は負債関係ないぞw
00の方見てる限り真性だわあれ
376通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 22:56:13 ID:???
リウも負債の尻拭い関係なく贔屓と貶め連発ですよw
377通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 22:58:55 ID:???
リウって何?チョン?
378通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 23:16:57 ID:???
>>377
公式の小説書いた人
379通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 23:29:10 ID:???
種死はザラ派をもっと生してほしかった。一話ではザラ派のテロ発生。
ラクスやカガリの使命でプラントのザラ派内部の動向を探るために侵入→テロ発生。
父の亡霊がいまだに存在したことにショックを受けたアスランはアレックス・ディノ
としてザフトに入隊する。そしてシンのインパルスと共に戦う。
見たいな流れ。
しまいにはザフトやプラントの主権争いまで発展みたいな感じで。
連合側も地球連合穏健派(プラントと共存と地球復興支援を戴くのが目的)対
ブルーコスモス(ジブリールはコーディネーター殲滅を掲げたアズラエルとは違い
コーディネーターを奴隷や家畜のような扱いにしたいと考える)
といった前作とかなり対立を複雑にする。
アスランはアレックスディノとして最後までザフトに残る。
キラは前大戦で大破したルージュとフリーダムの掛け合わせ機を駆る。
ザクグフは出さない。ジンの派生機やニューミレミアムをザフト風に(Zのリックディアス的存在)メインにする。
380通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 00:22:44 ID:???
ラクスだって惜しいキャラだよな。
似たような結末になるとしても、もう少し描写の仕方が違えば
ただの電波歌姫にならなかったのに
381通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 00:22:49 ID:???
種死はなぁ
キラ達の行動で家族を失ったシンとか、キラ達と違う視点・見方で種の話を振り返ったり
誰にだって正義がある、難しいのはその妥協みたいな話だと思ったんだが

普通にキラ様ラクシズマンセー、正しいのはラクシズ従わない奴らは敵、軍人だろうが
上司に従うな好きに行動するのがジャスティスだもの
382通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 00:47:21 ID:???
前からそうじゃないか。


大河ドラマ篤姫の脚本書いてるオバハンもモロサワ臭が漂ってるな。
女性向きにするには戦闘なくす、恋愛要素(笑)を入れる。
383通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 01:42:21 ID:???
女性向きっていってもどの層を狙ってるかだな。
熱血的な展開が好きな女も意外に多い。

まあ種は明らかにある特定層狙いだったな。
384通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 03:01:42 ID:???
狙っていたんじゃあない
脚本家が特定層の人間だっただけだ
多分な
385通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 03:22:41 ID:???
だが特定層にしろ視聴率稼いで売れたもん勝ちなのよねこの業界
386通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 16:42:39 ID:???
そういや負債はさっぱり見かけなくなったな
387通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 17:26:06 ID:???
ラクスが「ただの」電波歌姫だったら
どれほど良かった事か…。
388正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:42:56 ID:??? BE:607668454-2BP(877)
「ネオ隊長も将軍かぁ。第3宇宙軍を率いるなんてね」
「俺達も出世してるだろう。俺とスウェンは大尉。お前も中尉だろう」
シャムスはミューディーに言った。
「そんな事じゃないのよ。なんか、遠くへ行っちゃったなぁって」
「惚れてたのか」
「馬鹿!」


「わ、私がデスティニーに!?」
マユは驚きの声を上げた。
「ああ」
アスランは頷く。
「わ、私なんかより他に適任な人が……」
「俺は……」
アスランは語りだした。
「デスティニーはまだ試作機だと思ってる。バランスが悪い。俺はデスティニーを一番生かせるのは超長距離から
の狙撃だと思うんだ。それには君が一番適任だと判断した」
「い、インパルスは……」
「ハイネに割り当てる。本人は前衛嗜好だが、中衛でも後衛でもやれる実力だ」
「……」
「やってくれるね?」
微笑みながらアスランはマユに顔を近づけた。
「は、はい! 一生懸命、やらせていただきます!」
顔を赤らめながらマユはうなづいた。


「戦艦は3隻ばかり手に入れましたけど、やはりモビルスーツを搭載する艦が足りませんわねぇ」
ラクスは溜息をついた。
服部達が奪ってきた戦艦は皆、新型艦ばかりである。首尾よく奪えたのは伊賀忍術の賜物であろう。
「今度は空母を手に入れましょうか?」
一休みして気力の充実した服部が言った。この短い時間で回復するのはやはり伊賀忍術の賜物であろうか。
「ザフト軍のゴンドワナでも奪ってまいりましょうか?」
服部は事も無げに言う。
ゴンドワナとはザフトの型宇宙空母であり、全長は1200mを超える。艦体の内部にナスカ級やローラシア級を収容
する事が可能である。
「い、いえ」
さすがに焦ったようにラクスは答えた。
「大きすぎますし、碌に機動力もありませんわ。それにザフトの物を奪うと言うのはやはり……」
「では、次は地球軍の最新鋭空母を奪う事にしましょう」
「出来るのですか?」
ラクスの問いに服部はニカっと笑った。


389正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:43:19 ID:???
「なーに見てんですか? アスラン艦長?」
ルナマリアが尋ねた。
「気恥ずかしいな。今までどおりアスランでいいよ」
「はい、アスラン」
「フォーメーションを考えていたんだ。宇宙用の」
アスランはルナマリアに一枚の紙を見せた。

前衛
ハイネ・ヴェステンフルス フォースインパルス
ショーン・ホワイト グフ
ゲイル・リバース グフ

前〜中衛
ルナマリア・ホーク セイバー
レイ・ザ・バレル フォースインパルス

後衛
マユ・アスカ デスティニー(M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲)
プロ・デューサー ガナーザク
カン・トーク ガナーザク
シリー・ズ・コウセイ ガナーザク

「ずいぶん後衛が多いですね」
「ああ、あいつらひよっこだろう? 後ろなら焦らずに出来るかと思ってさ。マユも付けるし。可能ならエネルギーは
ミネルバと繋いで弾切れの怖れも無くす予定だ。ひよっこはどうしても余分に撃ってしまいがちだからな」
「うん、いいんじゃないですか? ……アスランは、出撃しないんですか?」
「艦長は指揮をするのが仕事だ。艦長が留守になっちまったら後が困るだろう? まぁ、どうしてもって時は予備機
のグフでも借りるさ!」


390正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:43:43 ID:???
「これが、ストライクフリーダム!」
キラは新たに与えられたストライクフリーダムの機動に酔った。
ストライクフリーダム――形式番号ZGMF-X20A
ZGMF-X10Aフリーダムの直接の後継機である。
圧倒的火力を持った大部隊で敵部隊を殲滅することを運用思想とし、量産化を前提に開発されていた。開発自体
はフリーダムと同時期にザフトで開始されており、その意味では後継機よりも双子機に近い。しかしドラグーン・シ
ステムと新型高機動スラスターの開発が予定より遅れた為、機体の完成は戦争終結に間に合わなかった。
その後、ユニウス条約の発効で核エンジンを搭載したMSの所有が禁止されたため、既に完成していた基本アッセ
ンブリー及び開発・設計データは封印された。しかし、封印されていたアッセンブリーとデータはラクスの命令で
ターミナルが入手(この際、ザフト統合開発局のサーバーからは、本機のデータは削除された)し、キラ・ヤマト専
用の短距離・中距離向き万能機として、オーブで復元されていたフリーダム及びセカンドステージシリーズのデー
タを投影した強化改造を施し、完成させた物である。

「ドラグーン射出!」
前戦役時に彼を苦しめたプロヴィデンスのドラグーン。それが、今度はこちらが使えるのだ。
仮想の敵に向かってオールレンジ攻撃をする。
そして、ドラグーンを射出した後に可能になる高機動!
「今度は、アスランに負けない!」


「おい」
「お、何だ?」
アスランはミネルバを訪ねてきたイザークの顔を見ると不思議そうな顔をした。
「なんだ貴様ぁ、せっかく祝いに来てやったというのに!」
「やあ、お久し」
イザークの後ろからディアッカが声をかける。
「あ! ああ! ありがとう!」
アスランは嬉しそうな顔をしてイザークの手を取る。
「ふん!」
「しかし、ザフトに復帰してからあっという間に艦長か。期待されてんね」
「ふん、どうやら覚悟は決めたようだな」
イザークは言った。
「覚悟? ああ。俺はもうオーブには拘らない。祖国を守る事に力を尽くす。まぁオーブの事を思うと胸がちょっとし
くしく痛いのよ」
「女のような事を〜。しかし、まぁ覚悟を決めた事はよろしい!」
イザークはバンとアスランの背中を叩いた。
「しかし、どうだ? 今日時間はあるか?」
アスランは尋ねた。
「ああ、今日は休みだ」
「じゃあ、食事でも行くか? イザークのおごりで」
「ぶっ。なんで俺がおごらにゃならんのだ!」
「イザークは一番の出世頭だ。それに今回は俺の昇進祝いだろう? お前以外に出す奴いないじゃないか」
しれっとした顔でアスランは言った。


391正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:44:03 ID:???
その頃……服部正吾は、今回はさすがに一人ではなく、100人のSPをつけてもらった。手裏剣の修行をやらせる
のはもちろんだが、今回は催眠術の修行も課程に取り入れられた。果たして服部は何を考えているのだろうか?


「ザラ艦長! 熱紋反応、敵艦です! 相手も単艦の模様!」
それはミネルバがパトロール任務に着いていた時の事だった。
「よし、モビルスーツ隊出撃! 慎重に行こう。デスティニー、ガナーザクはミネルバから離さず、エネルギー直結
しろ。残りはまず防御だ!」
「はっ」
ガナーザク3機とデスティニーが撃ちまくる。
「ふ。相手は雑魚ね!」
ルナマリアのセイバーが相手のダガーの間に切り込み攪乱する!
慣れたもので、ハイネとレイが混乱したダガーを狙い、とどめを刺す。
こちらに向かってこようとするダガーもあったのだが、すっかりベテランのハイネ、ルナマリア、レイ、ショーン、ゲイ
ルは敵モビルスーツをミネルバに近づけさせなかった。
結局デスティニーのM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲が敵戦艦を撃沈し、戦いは終わった。
「幸先がいいな。よーし、今夜は俺の奢りで飲み放題食べ放題だ!」
アスランは叫んだ。
周囲は歓声に包まれた。


392正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:44:30 ID:???
セトナはアフリカを後にした。被災地は乾燥地帯なのが幸いし、疾病もあまり広まらなかったのである。
セトナはアキダリアに乗っていた。オーブにただ居るだけなど『我慢できん!』と言うアグニスの主張でセトナと一
緒に行動する事になったのである。
「セトナ様、最寄の赤道連合地球軍基地から救援要請が入っておりますが」
「救援要請? 地球軍基地から?」
「ええ、なんでも最近起こった戦闘で民間人が犠牲になったとか」
「……私、本格的な外科手術はまだ勉強中なのですけど」
「怪我がひどい者はもう皆死んでいるそうです。怪我の軽い者を最寄の大都市まで運んでいただきたいと」
「わかりました。参りましょう!」

393正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:44:51 ID:???
アキダリアは赤道連合の地球軍基地に到着した。
「病気の方はおられませんか? 多少の事ならなんとか……」
セトナは呼びかけた。
「いや、病気の方はなんとかなっております。それより、運んでもらいたい怪我人が30名ばかりなのですが大丈夫
でしょうか?」
そう基地の司令官は言った。
「ああ。そのぐらいなら大丈夫だ」
アグニスが答えた。
怪我人が運ばれてくる。
片手を失った少年、両足を失った女性……
「まだ、ましな方です。もっとひどい怪我人はもう早くに死んでしまいましたから」
「一体どうしてこんな怪我人が?」
「ある日、ザフトのモビルスーツがいきなり舞い降りてきたのですよ」
司令官は苦々しげに言った。
「それが、あたり構わず攻撃しまして。残念ながら民間人に被害者が出てしまいました……」
「なぜ、基地に民間人がいたのです?」
「この辺りは碌な仕事も無く、とても生活レベルが低いのです。非効率ではありますが、基地の設営の仕事を与え
る事で民間人との友好も図れると考えたのですが……」
「そうですか……では、怪我人は責任を持って搬送します!」

――!
「――セトナ様!」
ディアゴがセトナを突き飛ばす!
「な、なに……」
セトナを狙ったナイフが、空を切る。
「……撃て!」
アグニスがそう命令しながら銃を抜き、自らセトナを襲った者の四肢を撃つ。
「ぎゃひ!」
襲撃者――老婆が悲鳴を上げる。
「貴様、何者だ? なぜ姉上を狙った!」
アグニスがその老婆の喉元を締め上げる。
「ぐふっ」
老婆は口から血を吐き、がくっと頭を垂らす。
「死んでますよ、アグニス?」
「毒か!? しかし一体……なぜ姉上を!」
「とりあえず、セトナ様をアキダリアへ!」
その後、アグニスは基地指令を始め周囲の者に襲撃者の身元確認をした。だが不思議な事に、誰もその老婆を
知らなかった。

394正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:45:09 ID:???
「姉上、落ち着きましたか?」
「ええ……でも、私が狙われるなんて……
「まったくどこのどいつが!」
「デュランダル議長……」
ぽつりとナーエがつぶやいた。
「かも知れませんね? セトナ様は彼に喧嘩を売ったような物ですからね?」
「そんな……」
アイザックは呆然とする。
「まぁ、はっきりしませんからね?」
「なんにせよ、姉上が邪魔な者がいるという事だ。ともかく姉上の安全にはこれまで以上に注意を払う事にしよう」
「それで、怪我人達をどこに運んだらよいのでしょう?」
セトナは悩んだ。ここらへんの地理には詳しくないのだ。
「ジャワ島まで行けば、かなり大きな都市がいっぱいあります。ユニウス7の被害を受けなかった内陸部でここか
ら近い都市、となるとマランでしょうか」
まほりんが答えた。
「では、そうしましょう」
ほっとしたようにセトナは言った。
「インドネシア政府に話を通しておいた方がいいですね。私がやっておきます」
まほりんが言う。
「助かります」
この様子を、アイザックは辛そうに見ていた。


395正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:45:18 ID:???
ミネルバは遭遇戦で地球軍戦艦一隻を撃沈した。
これは司令部から大いに称えられた。
異例な事だが、突然アスランは臨時と言う名目でナスカ級2隻も指揮する事になった。通称ザラ隊である。
これには各所から強い働きかけがあったと言う事だった。

「ふむ。やはりデスティニーのM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲の威力はすごいな」
「うむむ、なんだ、お前の隊は! 長射程ビーム砲ばかり揃えおって!」
イザークが怒鳴った。
ザラ隊とジュール隊の模擬戦である。
ザラ隊はハイネ、ショーン、ゲイルが前面を固め、レイとルナマリアが撹乱する。その隙から数多くの長射程ビー
ム砲が次々と撃たれる。
模擬戦はザラ隊の優勢勝ちであった。
「もう、補充されてくるのはひよっこ達ばかりだろう? 彼らを生かすにはどうすればいいか、考えた」
アスランはイザークに答えた。
「ふうむ」
イザークは考え込む。
「うむ。見るところがあるな。しかし、ジュール隊の不甲斐なさを見ると自分で出撃したくなった」
「そんな事をすると、余計に事態は悪化するぞ。指揮官が留守してどうする」
その台詞を聞いて、イザークはじっとアスランの顔を見つめる。そして言った。
「やっぱりお前、俺より指揮官向きだよ。上に行け、上に」
「よく言われる」
アスランは苦笑した。

「マユ、よかったぜ。お前さんにデスティニーやったのは間違っちゃいなかったようだな」
ハイネがマユに声をかける。
「あ、ありがとう、ハイネ!」
「うん、一時は俺にって話もあったんだけどね。俺じゃ使いこなせねーわ。対艦刀で斬りかかっちまうだろうから
なぁ。そうすればデスティニーの戦力はがた落ちだとよ」
「でも、ハイネみたいに前線で頑張ってくれる人がいないと、私、だめです」
会話は弾んでいく。
それを見ていたシンが言った。
「お姉ちゃん、気が多い」
396正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/03(金) 17:45:28 ID:???
続く。
397通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 19:13:58 ID:???

ところで運命を射撃専用にするならゴテゴテくっついてる近接武装を外すかほかの機体に回したほうがよくね。
ハイブリッドのくせにフェイズシフトダウンするような機体だし。
398通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 19:22:36 ID:???
尻軽マユたんw
乙であります、隊長殿。



運命の接近戦用武装ってあの馬鹿でかい剣だろ?
取り回し悪くて使いづらいかと…。
399通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 19:55:30 ID:???
ブーメランとしてしか使われなくて、毎回弾かれるだけだったフラッシュエッジIIがあるぞ
これを死に設定どおりにビームサーベルとして運用すればいいんだ
400通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 23:36:16 ID:???
いい加減、服部の思いどうりになり過ぎでマンネリな感じ。
甲賀とか、山彦返しとか千手観音を使うくノ一とか
敵役が欲しい。
401通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 00:25:53 ID:???
>>398
>馬鹿でかい剣
使わないならデッドウエイトだよな。
なにを考えて僕の考えた最強のインパルスみたいなデザインにしたんだろ。
402通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 00:26:35 ID:???
確かに服部はウザ過ぎるけど
まあ、どんでん返しがあるでしょ。

奪ってきたのが使い物にならないとか
400の言うとおり敵忍者とか
403通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 00:27:15 ID:???
何言ってんだ
くの一忍法帳な事はラクスがしてくれるに決まってるじゃないかw
404通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 00:31:12 ID:???
つか元ネタありきなのがいい加減なぁ
スパイスとして老魔法王とかそういうの出すのは良いんだけど
405通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 00:41:48 ID:???
ネタが気に入らないなら読まなければ良いのに…。
406通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 02:41:14 ID:???
つか、来たらスレの管轄なんじゃねえ?
407通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 03:06:16 ID:???
そういやもうこれ来たらスレの管轄だな
408通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 06:46:27 ID:???
ちょっと服部が出張りすぎなのは認める
でもヤツが動かないとラクシズの戦力が調わない
……でもないか。桃色電波でプラントに裏切り者発生させれば済む話だ
409通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 07:59:48 ID:???
つーか今更かよ、お前らw
元ネタ知らないけど灰田さんってキャラが
出てきた時点で来たらネタだったんじゃないのか?




正直、俺はどっちでもいいよ。
410通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 08:07:59 ID:???
小ネタの時点ではまだ来たらネタって感じじゃなかったんだけどなぁ
今は服部に限らず外部キャラが出張りすぎ
411通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 08:17:37 ID:???
言ったら荒らし呼ばわりされそうだったから……
412通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 08:55:27 ID:???
荒らしは来るな!
413SEED 戦後30年目の愛:2009/04/04(土) 09:20:37 ID:???
「あんた達、なんでこんなところにいるんだ。
自分の立場を弁えろよ」
シンが粗雑な言葉で返した相手はその場にふさわしくない人物であった
「シン、元気そうで何より」
「ルナマリアさんと結婚なさったそうで」
「ええ。まあ……」
シンは深く項垂れた。
「子供はいくつになる?」
「俺ら、子供出来なかったんです
あいつ産めない体だったんです……」
「それは悪いことしたね……」
「何か、お辛いことでも…」
シンは心配をかけないようにと、気を取り直し
「いえ、別に。
ただ眠いだけです」
男は紙を取り出し、ペンで何かを書いた
「これ、何かあったら連絡して
僕の日本での連絡先だから」
「え、キラさん……俺に」
キラ達はすっと立ち上がって
「楽しかったよ。何かあったら力になってあげられるかも知れないかは、分からないけど……」
「ではお体をお大事に」
そういうとキラとラクスは店を出て行った。
シンの心の中は複雑だった。
…ルナマリアさんと結婚なさったそうで…
―ラクスの何気ない一言が重く響く―
(ルナ、俺はお前を幸せに出来たんだろうか……
マユ、ステラ、ルナ……俺の愛した女はなぜ俺を置いて行くんだ……)

シンは店員を呼んだ
「ウイスキー、一つ」
414SEED 戦後30年目の愛:2009/04/04(土) 09:26:18 ID:???
CE104年2月14日。
プラントにおいてこの日は「血のバレンタイン事件」とよばれる諸事件の発端の日
地球連合に参加した諸国家間の間、特に大西洋連邦とアフリカ大陸においては忘れがたき惨劇の日でもあった。
かつてよりは規模が小さくなったものの、世界各地で異例集会が開かれた。
この忌むべき日にあってザフト政治局は一つの決定を出した。

―地球連合が参加する国々の大使館およびその国民に対し渡航手続きを禁止したを持って宣戦布告と受け止め、即座に積極的攻防行動に移るべし―

その夜、プラント外交部はザフトのドイツ語機関紙「ゲストアルバイター」紙上でこう発表した
「先の悲劇的な事件は、冒険主義的な一部の前近代的思想を持つ過激派とそれを先導した国際金融資本家の謀略である」と
それは名指しこそされなかったがブルーコスモスとロゴスへの当てつけであった……
415SEED 戦後30年目の愛:2009/04/04(土) 09:27:07 ID:???
アスランはカナダに国交交渉に向かったイザークたちと別れて、山梨の禅寺にいた。
頭を剃り上げた作務衣の男がお茶を注ぎながら聞いてきた
「幻尽さん、チベットはどうでしたか」

―幻尽―
アスランの出家後の名前であった。

アスランは
「思いのほか寒くて、暑くて、大変なところでした。
が、人々は優しくて親切でしたよ。
和尚、実は大切なことを言いに来ました。
今日はお別れの挨拶に……」
和尚は
「では如何様な事で」
アスランは頭に手をやりながら
「なんといっていいのか、父の後を継ぐことになったというべきか……
昔の友が来まして、国に戻って仕事のしてほしいと……」
「それは素晴らしいことではないでしょうか」
アスランは汁粉を食べて
「こうして汁粉を喰うこともかないませんが……
妻に先立たれてもぬけの殻になってしまった、こんなだらしも無い私を拾ってくださって……
私のような人の道を見失ったものを……」
スーツを着た男が来て
「アスラン・ザラ、お時間です
下に待たせてあります」
アスランは茶を飲むと
「判った」
和尚に深くお辞儀をすると
「では」
和尚は笑顔で
「人は誰しも道を誤る時があります
また道に迷ったら来なさい」
416SEED 戦後30年目の愛:2009/04/04(土) 09:31:58 ID:???
―オーブ代表首長府―

「カガリ様、非公式に、カーペンタリアまで行かれると言うのですか!」
「ああ。我が国はプラントとの友好関係を30年近くも結んでいるし、戦前まではかなりの関係であった
それに今度の議長はウズミ代表の御仁政をよくわかっている。
つまり話は早いということだ」
眼鏡をかけた若い男が
「しかし先進5カ国がザフト軍服を着た男たちに襲撃を受けている状況で即時講話などありますまい。どうか考え直されては」
カガリは睨みかえすと
「シズミマ、お前はなんも分かってないな。この30年間のオーブと国際関係を見てみろ。あの大西洋連邦ですらオーブと友好関係を結んでいるではないか
ということは、つまり、ウズミ代表の中立の理念が正しかったということの結果ではないか!」
その場にいた全員が黙り込んだ。
「あの悪辣なロゴスの支配の国ですらオーブとの関係を復活させたということは、それは中立の理念が認められてたという証明だ。
つまりプラントとの即時講話も出来るはずだ。元にディランダル議長が戦死した際も即座に和平宣言まで持ち込めた」
その場にいた全員はこう思った。
ああ、また御大の政治講義が始まったと……

シズミマは一言言った
「ディランダルではなく、デュランダル議長です」
「五月蠅い!
さあ、行くぞ」
そう云うと、カガリは首長公邸の中庭に待つヘリの方へ歩いて行った。

立ち去る姿を見る一人の大臣が涙を流している姿をみたカガリは不安になって
「安心しろ!戦争に行くというわけじゃあるまい。泣くな!」
そう云うとヘリに乗りこみ、ヘリは発進した。
417SEED 戦後30年目の愛:2009/04/04(土) 09:33:08 ID:???
続く
418正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/04(土) 09:58:15 ID:???
投下乙です。

坊さんのアスランが良い味出してますね。
419正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/04(土) 10:02:38 ID:???
質問です。
どの程度他作品キャラまたは他作品ロボが出てきたら「もしも〜来たら」の管轄なんでしょう?
もちろん作品にはIF要素があるという前提でです。
次作品の話なんですが灰田さん出てきたら「もしも」行きですか?
420通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 10:22:51 ID:???
特定キャラ(原作外)が強すぎるんだよ!
判らないならカエレ!
421通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 10:22:56 ID:???
>>419
明確な基準なんて無いから、最後には書き手の判断だとは思うけど

他作品のキャラがストーリーを動かし始めたら、クロス統合に言った方が良いんじゃね
最近は忍者が大活躍で、ストーリー的に重要なキャラの様に見え始めたから、違和感が出てきたって所かと
422通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 10:41:34 ID:???
最近ずっと忍者のターンだったからな
明らかに「最近の主人公忍者だろ」って感じて違和感が出てる
コレだったらまだキラ様無双やられたほうがましかも……でもそれもヤダな
423正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/04(土) 10:56:58 ID:???
それもラクス軍を作るため・・・服部の出番もあと一回で終わりですので
424通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 11:22:05 ID:???
まぁ服部無双が続きすぎたね
もうちょっと間隔空けてやればまた違ったんだろうが
あとNJ影響下で核使うんじゃねぇww
425通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 11:25:30 ID:???
服部最後の武器はNJC付きだったのかもね?
426通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 11:29:11 ID:???
まぁ本編では号令かけたらどこからともなく艦船がやって来て
ほとんど戦力の残るザフトと互角に戦うとか
素敵な事したからなぁ
427通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 11:37:30 ID:???
あの世界の軍事力って、Z軸からの攻撃を仕掛けただけでうわーってなるような軍事力だからな

宇宙らしい戦闘ってあの時だけの感じがする
平面的な戦いしかやってないというか
428通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 11:44:02 ID:???
>423
嫁脚本並みの理由だな……
書けば?
続きを
429通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 11:45:40 ID:???
穴座スィーツの作者が来てる悪寒
430通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 12:49:18 ID:???
人の作品の叩きやってる馬鹿の事なんてどうでもいいよ
特徴あるから判別しやすいし
431通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 13:18:54 ID:???
マンセー以外は荒らしですかそうですか
432通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 13:42:44 ID:???
>>431
真面目に答えると、直近なら
>>419の質問以降、420、428、429は荒らしじゃないかな。
それ以外は批判も含む感想っていうだけ。

自分の感想は尊いなんて思ってないといいけど。
433通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 15:06:23 ID:???
>>419
多少、他作品から名前の拝借をするのは構わないと思うし、物語の構成を模倣するのはいいかもしれない。
ただしそれはすべて原作のキャラクターを生かす上でのスパイス。
肉料理で、肉本来の味を生かすのが目的でスパイスを使い始めたのに、香辛料の味が強くて本来の味付けの趣旨からずれてしまった、というのが現在の状況
スパイスを払い落すか、料理の趣旨を変えるかの選択が重要だと思う。
まあ、これも一般論ではあるが。

芯のぶれないことが書き手には重要
434通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 15:44:13 ID:???
こいつ職人を叩くのが趣味のクズ野郎なんじゃね?
種デスバルディオスの作者を追い出した奴に似てるぜ
435通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 15:52:39 ID:???
>>434
「こいつ」とは
>>420>>428-429>>431のことね。
「こいつ(ら)」かも知れないがゴキブリに変わりはない。
436通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 15:55:21 ID:???
>戦後30年
シンがぶっ壊れていってる
437通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 16:08:32 ID:???
大方、向こうで叩くものが投下されなくなったんでこっちに来たってとこか
438通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 17:52:08 ID:???
職人叩くのが趣味ってか、作品でおかしいと思った点について言うのはいけないことなのか?
そういうのもどうかと思うんだが
439通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 17:54:35 ID:???
職人が筆を折ってからもう一度その台詞を吐いてみろ
440通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 17:55:00 ID:???
作者のやる気を削ぐような意図が明らかに見えるようなのは荒らしだろ
441通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 19:15:51 ID:???
>>419
俺は貴方の作品があるからこのスレにきました。
貴方の作品を読むためにこのスレにいます。

元々の住人からは異端でしょうが
どこに投下されようとそこが俺の乙する場所です。
442通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 19:19:57 ID:???
まともに感想や指摘を書く人は、いちいち
「おかしいと思った点について書く事が云々」とか言わない。
荒らしだけが正当化や居座りの予防線というか免罪符のつもりで
クドクド言い立てるんだよ。今まで必ずそうだった。
443通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 19:28:03 ID:???
まあ善意で言ってる人は普通は予防線貼ったりしないよな
444通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 20:26:21 ID:???
>>433
すごくいい例えだw

それに付け加えるならば、このスレにおいては>>433って感じかな
クロスだったら種が肉料理じゃなくなることもあるし、それは駄目なことじゃない

種以外の登場人物にこれからも継続してスポットを当てるならば
クロスに行ったほうが投下する方も気を使わなくていいと思うけど
今の部分だけなら、このままここでいいんじゃないかなぁ
445通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 23:47:31 ID:???
別のスレで少し話題になっていたので気になってザクレロ今全部読んだ
おもしろいwww
なんかこの小説読んでいるとサイとフレイが好きになるな。
アニメで見たときは自分にはどうでもいいキャラだったのにw
特に隊長グループVSサイ(ヘルプのフレイ)は熱いな!フレイの狡猾もいい。
不器用なナタルもぐっとくるし、このマリューは好きだ。
あと何といっても「手」料理ww
ハンニバル思い出しちゃったよ。忘れたい映像なのに。

SSたくさん読んでいてるとだいたいAAの進路は原作どおりだったり
オーブは入らないコースだったりのパターンがあってきっとこうなるのかな
と先を想像して楽しんだりするのだけど、このザクレロでのAAのいく先は
全く想像出来ないw
地球に降りるのか?それさえも想像出来ないよ

あと一つ一つセリフがいいな!
サイの初陣でのジンの「殺すのか」への返答とか、ミゲルとオロールの掛け合いとか
ヘリオポリス出航時のナタルの「作戦どおりだ」とかw
他にもあるけど、長すぎてウザイ感想になってしまったので
これでやめとく
446通常の名無しさんの3倍:2009/04/05(日) 02:50:36 ID:???
すっかりと突っ込むの忘れたけど
水をくれの婆さんは暗殺者だったのね
447正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 17:59:52 ID:???
「また負けたぁ」
ミューディーが嘆息した。
「何度やっても無理だって」
ブルデュエル対ユークリッドのシミュレーションである。
「機動性だってユークリッドの方が高いし、真正面から突っ込んでこられたら、ビームシールドがあるんだぜ」
「くやしいなぁ」
「それより、ユークリッドの確保した制宙権の元で如何に戦うか考えた方が建設的だな」
「だな」
「そういや、ユークリッド専門の大型空母がもうじき完成するらしいな」
「ああ、ユークリッドは普通のモビルスーツより大きいからな」
「楽しみだな」
「確か、コバヤカワヒデアキだっけ」


448正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:00:14 ID:???
その頃、メキシコに潜入した服部達は街道の脇に陣取った。
走って来る車に手裏剣を投げ、パンクさせる。修理のために運転者が出て来たところを催眠術にかけるのだ。
100人も一台の車に乗れないのでこれを繰り返す。
同乗者が居た場合は催涙弾を投げて出て来たところを催眠術にかける。
服部達はこうしてメキシコのティファナまでたどり着いた。
運転者達には催眠術をかけ服部達の事を忘れさせる。殺しはしない。軍人ではなく民間人を殺すのは国際協約
違反だからだ!

「なぁ、親戚を捜しているんだが、知らないかね? 私にそっくりなんだが」
服部は、ティファナで出会う人毎に声をかけていた。大抵は知らないと言われる。
しかし、とうとう10人目で違う答えが返ってきた。
「ホセじゃないか?」
「そうそう! 確かホセだったよ。住所を教えてくれないか?」
首尾よくホセの住所を聞きだした服部は、ホセの家へ行き、催眠術にかけてしまう。ホセのパスポートを盗み出し、
アメリカに入国する。
売春宿近くに拠点を構えた服部は、自分とよく似た体格の軍人が訪れるのをじっと待つ。
とうとうその男が来た! 服部は歩き方の癖を盗みつつ尾行して、暗がりに引き込んでしまう。
そして催眠術にかけ、名前や階級、その他すり替わって日常生活を送るために必要な情報を全て聞き出すのだ。
全ての情報を聞き出したら可哀想だが、この男には死んでもらう。顔がわからないようにぐちゃぐちゃにして、腐敗
ガスで浮かんで来ないように腹を裂き、湖へ放り込むと、次は変装だ。オキシフルで髪を脱色した後、カラーコンタ
クトをする。これだけである。これだけで、誰にも咎められる事も無く服部はサンディエゴ基地に潜入を果した。伊
賀忍術の賜物であろう。
首尾よくサンディエゴ鎮守府に潜入した服部は、掲示板を見て回る。するとなんと言う事だろう! 新しく建造され
たユークリッド専門の大型宇宙空母の乗員を募集しているではないか! 服部は早速志願した。
月基地へ出発し、その新造された宇宙空母コバヤカワヒデアキに乗り込むと、なんと言う事だろう! メキシコに
潜入したSP忍者100人の内80名が新造された改アガメムノン級に配属されていたのである。これも伊賀忍術の
なせる技、であろうか。

服部はコバヤカワヒデアキの行き先も探らなくてはいけない。しかし、下っ端の兵隊に教えてくれるはずも無い。
そこで服部は警備の兵に催眠術をかけ、自分を見えなくする。そしてコバヤカワヒデアキの艦長、ミッチャーの寝
室に首尾よく忍び込んだ服部は、ミッチャーにスコポラミン(自白剤)を注射すると、目覚めさせる。必要な事を聞き
出した服部は、訓練のために独艦で航行するようにミッチャーの頭に吹き込み、自分達の事を忘れるように催眠術
をかける。

訓練宙域付近に着くと、服部忍者部隊達は行動を開始する。就寝中の乗員を手裏剣で次々に刺殺していくのだ。
不審に気づいて様子を見にやってきた乗員も待ちかまえていた忍者部隊が当然手裏剣で刺殺する。
仕上げとして、炊事係りに紛れ込んだ忍者部隊が朝食に食中毒菌を混入する。80名の忍者部隊は食中毒で身動
きが取れないコバヤカワヒデアキ乗員を次々に手裏剣で刺殺していった……
「さぁ、エターナルと合流しようじゃないか!」
「「はい!」」
コバヤカワヒデアキはエターナルと合流すべく動き出した。2000名の死体を乗せて。


449正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:00:38 ID:???
「誰だ! 新造宇宙空母にコバヤカワヒデアキなんて名前を付けたのは! 敵の物になるのが当たり前のような
名前じゃないか!」
コバヤカワヒデアキが強奪されたと言う知らせに一人の日系人が怒髪天を衝いている。
「ヘイ! ケンイチ。コバヤカワヒデアキはショーグン、トクガワイエヤスに天下を取らせた武将と聞いたぜ!」
「間違ってない、間違ってないけど!」
「……じゃあ、いいじゃないか?」
「違う……違うんだよ!」
「ヨクワカラナイヨ!」
「あぁあ、イシダミツナリにしときゃよかったよ……」
当分誤解は解けそうも無かった。

「おいおい、また強奪かね。それも新造艦だぞ」
「うむ」
「それなりに警備を強化していたのだが……」
「このまま一ヶ月に1隻のペースで強奪されると士気が落ちるぞ」
「同僚に疑心暗鬼にもなる」
「早期に戦わざるをえんか……もう少し物資を充実させて一気に叩きたかったのだがな」
「そう言えばザフトが軍事ステーションを作っておったな」
「そこを目指すか」
「攻略できなくてもいい。優勢勝ちになれば」
「では、新編なった第3・第8艦隊と、第5・第6艦隊を当てればどうでしょう? 負けはしますまい」
「了解した」


地球軍の新造空母を強奪したと言う出来事はラクス軍の戦意を向上させた。
――もはや前戦役のように三隻同盟ではありえず、ラクス軍、と言うのがふさわしいだろう。オーブクーデター政権
からオーブ軍として扱う旨連絡が届いていたが、状況が変わった今それを受け入れるのはマイナスが多いと思わ
れたためラクスはそれを黙殺していた――
しかし、それをさして嬉しい様子を見せない者もいた。
「ああ! キラ!」
つまらなそうな様子のキラを見ると、ラクスは飛びついて頬にキスをした。
「キーラ? ストライクフリーダムの様子はどうですか?」
一瞬で機嫌を直すとキラは弾んだ声で答えた。
「すごいよ! フリーダムより動かしやすい! ビームシールドもすごい! ドラグーンもすごい! これなら……
アスランに勝てる!」
ラクスの顔が少し曇った。
そこに、悄然とした様子のヒルダがやってきた。
「ラクスさまー」
「あら、どうしたのです?」
「お願いです! 忍者部隊から抜けさせてください!」
「あらあら、私の役に立ちたいと自ら志願したのに?」
「あいつらまともな精神じゃありません! 2000人の死体を前に平気で飯食ってるんですよ? 頼みます! 医
者から貰った精神安定剤1シート飲んでも耐えられません! 限界です!」
「……わかりましたわ。では、元の通り、モビルスーツのパイロットに戻ってくださいな」
「ああ、ありがとうございます! 一生恩に着ます!」
「ちょうどあなたに使って欲しい機体が届きましたのよ。ドムトルーパーとか言う……」

450正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:00:54 ID:???
「第3艦隊、ネオ・ロアノーク准将だ。艦隊指揮は初めてでね、よろしく頼みたい。」
「第5艦隊、コーブアソ少将だ」
「第6艦隊、ホフアソ少将です」
「第8艦隊、ハノレパートソ准将です。よろしく」
「では打ち合わせ会議を始める」
最先任のコーブアソ少将が口を開く。
「今回の作戦は、ザフトの軍事ステーションに近づき、出血を強いると言うものだ。無理はしない。ひたすらザフトに
戦い続ける事を強いて疲労させる。なに、同数の損害を与え続ければこちらの勝ちだ」
「しかし、地球で使えるマスドライバーはパナマの一基だけ。それほど時間が無いのでは?」
「まぁ、ギガフロートも使えるがね。確かに、オーブかカオシュンが使用可能にならなければ、物資は厳しくなる一方
だろう。司令部は月基地の物資を使える1年の間にザフトを叩き潰す気だ」
「ふむ。面白そうですな」
「作戦としては、単純なものだ。四方から進軍し、戦う。それだけだ。但し! 敵に、我々が攻略をもくろんでいると
思わせねばならん。本気にならせねばな。後先考えない反撃で疲労してくれればよいのだ。同時に我が軍の損害
も抑えねばならん」
「単純な作戦ですが……」
ネオは発言した。
「艦隊によって時間差をつけては? 予備兵力もあるでしょう。それを投入する時間は同時にするのです」
「面白いかも知れんな」
「他に案は無いか?……では、その作戦で行く。我らが行く末に勝利があらん事を!」
「ところで……」
ネオはいたずらっぽく言った。
「本当に攻略してしまってもかまわないのですよね?」


451正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:01:12 ID:???
オーブ。
この日、オーブ――オロファトスタジアムで非合法の集会が行われていた。だが、非合法にもかかわらず3万人の
民衆が参加していた。
救国軍事会議のオーブ支配に反対する集会である。
「貴様等、すぐに解散しろ!」
救国軍事会議のクソスティマソ一佐がジーブで乗り付けた。
「あなたがたに、そう言う権利がありますの?」
一人の女性が発言した。
「アスハ家の専制を謳いながら、やっている事はそれ以上の独裁ではありませんか!」
「うう、一時の事でやむを得ん事だと言っておろうが!」
「カガリ様を戴くオーブ正統政府は相変わらずアメノミハシラに存在しています。地球連合にも協力しているとか。
プラントとの戦いが終われば、地球軍の力はオーブに向けられる事になるでしょう。また、国を焼くおつもり!?」
舌鋒鋭くクソスティマソを責める女性に、彼は見覚えが歩きがした。……そうだ、常に軍事費の削減を叫ぶジェシ
ア・江戸輪須議員だ。憎い奴だ。こいつがいなくなれば……
クリスティマソはいきなり銃の台尻でジェシアを殴りつけた。ジェシアは倒れこむ。何度も何度も、クソステマソは
叩き続けた。ジェシアは、もう殴っても動かない。そして、クソステマソは近くにいた男性に聞く。
「なぁ、さっき、民衆が、主権がどうとか言ってたよなぁ、もう一度、言えるか?」
「……わ、我々は屈しない! 救国軍事会議はすぐに権利を民衆に返せ!」
クリスティマソはその男も台尻で殴り倒した。
「さあ、隣の坊やに同じ事を聞こうじゃないか……」
「う、うわぁーーー!」
混乱したのか、その若い男はクソステイマソに飛び掛った。
「くそが!」
銃声が響く。若者は倒れる。
「誰か撃たれたぞ!」
「救国軍事会議は我々を皆殺しにする気だ!」
次第にその声は大きくなっていた。
クソスティマソを包囲する人の輪がじりじりと狭まっていく。
「う、撃て!」
「しかし……」
「命令に従わず解散しない奴は、撃て!」
――発砲が、はじまる。逃げ惑う民衆達。しかし、仲間の死体を盾にクソスティマソに近づく者も多かった。
そして、クソスティマソの身体は怒りざわめく民衆の足の下へを姿を消したのであった。
だが……この様子を見ていた各所の救国軍事会議派軍隊が攻撃を開始、最終的に、死者は市民20,000人、兵士
1,500人にのぼった。この一件はオーブに潜入していたジェスとミリアリアの手で世界中に発信され、『スタジアム
の虐殺』と呼ばれ、救国軍事会議が人心を失うに至った大きな一因となった。


452正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:01:32 ID:???
「おい、あれは地球軍じゃないか!?」
「こちらの識別コードに反応無し! 警戒警報を出せ!」

まずザフトの軍事ステーションに攻撃したのはネオ・ロアノーク率いる第3艦隊だった。
「さぁ、ネオ隊長の前でみっともない真似見せるんじゃないぞ」
「わかってる!」
スウェン達は出撃した。
すぐにザフトのスクランブルしてきたモビルスーツ隊とぶつかる。
「く、こいつら、腕がいい!」
「無理をするな。これはそう言う作戦だ」
「パサラモードにゅう!」
ミラーが敵の前で防衛に専念する。

「くそう、こいつ、固い!」
「なめられるな、一機で3機も相手に出来ると思うな!」

「ふふふ、隙ありだよ!」
ミューディーがミラーに攻撃している一機を後ろから倒す。原田とジョンも一機ずつ倒す。
「ふふふ、相手の力が流れ込んでくるようだ! まだまだ行くぞ!」
黒い実体剣を構えてジョンが吼える。
ミラーの防御を破ろうとする敵モビルスーツを、味方のモビルスーツが撃破していく。
だが、スウェン達は急に敵の数が増えたのを感じた。
「おい、敵の数が急に増えた。下がった方がいいか?」
「そうだな。各人、防御優先しながらゆっくり下がれ」
「よし、殿軍は俺に任せろ!」
ミラーは最後尾に位置し、防御専念を始めた。

ザフトのモビルスーツが急速に増えたのは、ザフトが第3艦隊の攻撃に即応できた事を意味する。
だが……ザフトはあまりにも急速に第3艦隊への反撃体制を整えすぎたのだ。完璧すぎるほどに。
ザフトの司令部がどうやら第3艦隊の攻撃を凌げるか、と思い始めた時、第5艦隊が反対方向から姿を現した。

「敵は第3艦隊に集中しているぞ! 突撃しろ!」
コーブアソ少将が吠えた。
若干残っていたザフトの戦艦が、第5艦隊の攻撃で撃破される。
ザフトは慌ててステーション内部から予備の戦艦を出撃させる。

「救援だ! 近くのザフト軍に救援要請をしろ!」
軍事ステーションの指揮官は叫んだ。
「司令官!」
悲鳴のような声が聞こえた。
「敵の新手です!」
地球軍第6艦隊だった。

453正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:01:51 ID:???
軍事ステーションの通信を聞き、アスランとイザークは軍事ステーションに駆けつけた。
近くに友軍もいる。
「あれは……」
「アスランにイザークか」
クルーゼ隊をはじめとする諸隊だった。
「ただ戦っても詰まらん。君らがまず戦端を開き、適当な所で私が参加する。どうかな?」
「はい!」
「了解です!」
これだけなのだ。これだけの会話なのだ。だが、会話が無いよりはるかにましな戦いが出来る!

ザラ隊とジュール隊は地球軍第6艦隊に襲い掛かった。
ハイネとショーン、ゲイルは前面で敵と対峙する。レイとルナマリアもそれに加わる。
敵の新型モビルアーマー、ユークリッドはできるだけ相手にしない。牽制だけに留める。
「はっ! こいつら、ほんとどうしようもねえって感じ?」
グフが近づこうにも、速度が違う。
「横と後ろはビームシールド無いみたいよ!」
ルナマリアはセイバーの機動性を生かしてユークリッドと渡り合う。
「隙あり!」
――ついにユークリッドが被弾する!

「ちい! やられちまったか! だがまだまだ!」

ユークリッドに被弾したと言うだけだった。だが、ザフト軍の士気は上がる。
そしてユークリッド隊はより慎重に、ザフトのモビルスーツに注意を払わざるを得ない。
ユークリッド隊の作り出す鉄壁の防御が破れたのだ。

ルナマリアは巧妙に、味方の陣の前にユークリッドが後ろや横面を晒すように誘導する。
そして――それを逃すマユではなかった。
「今よ、射撃管制、私に回して!」
マユが叫ぶ。
「「はい!」」
マユのデスティニーのM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲発射に合わせ、ガナーザク達のM1500 オルトロス
高エネルギー長射程ビーム砲が火を噴く。
横を向いていたそのユークリッドは、長距離砲を合わせて散弾のように使うマユの戦法に敗れ撃墜……
「さぁ、まだまだいくよぉ!」
その撃墜されたユークリッドの開いた隙間から、艦船を狙って長射程ビーム砲がつるべ撃ちに撃たれる。特にデス
ティニーのM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲はその威力を充分に発揮し、3隻の敵戦艦を撃沈した。
第6艦隊は若干油断していたと言えよう。思いもしない損害を被った。

454正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:02:07 ID:???
「アスランもイザークもやるではないか。さて、そろそろ行くかな」
クルーゼは不敵に笑う。
軍事ステーションの救援要請を聞いて集まってきた緒隊も集結している。
それが、クルーゼの指揮の下、地球軍に向けて攻撃に入る。

クルーゼの指揮によるザフト軍の攻撃は狡智をを極めた。数で押していたはずの地球軍の陣形にほころびが現れ
る。所属艦の撃沈報告が続き、ホフアソ少将は一瞬、撤退するかと考えた。だがまだだ。まだ第8艦隊がいると思
い直す。

ザフトの誰もが予想しなかった時に第8艦隊は現れた。
第8艦隊の前にはすでに一隻の戦艦もいなかった。皆他の艦隊に対応していたのだった。ザフトには既に一隻の
予備兵力も存在しなかった。
ハノレパートソ准将は叫んだ。
「全軍突撃、軍事ステーションを落としちまえ!」
「ようし!」
「予備部隊を」
「ぶつけろ!」
地球軍の各艦隊は温存していた予備兵力をザフトにぶつけた!

455正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:02:15 ID:???
「もうだめだ……」
第8艦隊を確認した時、軍事ステーション司令官クリスティアン・ド・ラ・クロワ・ド・カストリは呻いた。
「司令官! 何を気弱な! まだまだやれます!」
「う、うむ、そうだな」
その時オペレーターが叫んだ。
「Nフィールド方面の艦隊……押し出して来ます! あ……マルクス、レーニン、トロツキー通信途絶!」
ネオの第3艦隊の攻撃である。一撃でザフトの戦艦3隻を葬ったのはネオの乗艦『ガルガリン』の特装砲『麒麟
Mk.1――蝕』であった――!

「わはは! 前進! 前進じゃ! いっちょ、ぷわぁーっと行こう!」
「大官寺艦長!」
ネオは焦るが、貫禄が違う。ブリッジの皆は首をすくめて大官寺の言葉に従い、単艦で突出を続ける。
「ほれ、撃ちまくれ! スピードを上げろ!」
当然被弾もするが、幸い複合和紙装甲が役目を果たしている。
そして――とうとう軍事ステーションを指呼の間に捉えた!
「そりゃ! 目の前の軍事ステーションに撃ちまくれ!」

「Nフィールド、第13ブロック、被弾!」
だめだ……
軍事ステーションに直接被害を受けた事で、カストリ司令官の胸に再び絶望が兆した。もっとも戦力が集中してい
るNフィールド方面でさえこれなのだ……
「敵艦隊に、停戦の申し込みをしてくれ」
「司令官!」
「いいんだよ。もういいんだ……」

軍事ステーションからの停戦の申し込みをコーブアソ少将は受諾した。条件に、軍事ステーションの引渡しがあっ
たからだ。その代わり、ザフト軍の本国への撤退は妨害しない条件である。
このコーブアソ少将の判断は、歴史上多くの賛同者と、同じ位多くの批判者を生む事になる。
カストリにとって不運だったのは、電波のクラッターにより第8艦隊ではない新たな艦隊の出現が報告された事だっ
た。実はこれは予備隊として第3艦隊から分派されたユークリッド隊で、実数より大きく表示されていたのだった。
更に、大官寺の指揮によるガルガリンの突出により軍事ステーションが攻撃を受けた事を、第3艦隊全体が押して
来たと誤認した事である。
実はこの時点で未だ軍事ステーション内にはモビルスーツ300機を数え、プラント本国から援軍が来るまで軍事
ステーションを維持できた、と言う者もいたのである。
456正規空母強奪作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/07(火) 18:02:27 ID:???
続く
457通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 19:12:27 ID:???
この服部とか言う奴が、種・種死のキャラだったら普通に楽しめただろうに
残念だ
458通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 19:13:35 ID:???
ちょ、ザフト艦の名前wwwwwwww
459通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 19:29:50 ID:???
服部はなぜかクヒオ大佐のにおひがするんだがwww
460通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 20:14:30 ID:/oUI3Wp8
ついに「銀河英雄伝説」の
オマージュまで・・・
この後「ヤン・ウェンリー」とか「ラインハルト・フォン・ローエングラム」の名前が出てももう驚かない。
461通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 20:34:35 ID:???
このSS的には、
ヤソ・ウェソリーとかライソハノレトとかかいな。
462通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 20:54:33 ID:???
小早川秀秋wwwww
そりゃ敵に回るわwwwwwww
463通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 21:30:46 ID:???
>◆Lna0TEvcJM
なあ……軍を舐めてるだろ?
それとも、C.Eのレベルがこれなのか?

一般区域と、重要区域、機密区域
それぞれにゲートがあるし、生体照合くらい今でもあるぞ?
民間工廠でもこのあたりは変わらない……寧ろ厳しいくらい

更に、新造艦艇なら起工時には員数割りも出来ているし、
出港可能状態なら、人員配備済み
補給物資の積み込みの方が遅い……

このくらいは、ちょっと調べれば判ることなんだが……調べてないのか?
リアルでなくて良いからリアリティーは欲しいな
464通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 21:38:28 ID:???
CEのリアリティ?
ナイフと拳銃で武装したガキに正規兵が皆殺しにされたりとか
民間人の女性が軍施設内に爆弾仕掛けまくったりとかできる世界観ですが何か?
465通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 21:40:41 ID:???
そういやそんな細かい描写はあんまりなかったな
466通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 21:52:18 ID:???
>464
はい?
それ、マジしゃべり?
467通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 21:53:28 ID:???
乗員2000名必要な戦艦を、80人で動かせる忍者達なんだから、細かい事気にすんなよ
あれだ、分身の術とかで50倍に増えるんだきっと
468通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 21:56:13 ID:???
明らかにギャグ話なのになんでリアリティを求める気になるんだよ
469通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:00:04 ID:???
元ネタが元ネタなんだから素直に笑えばいいのさ。
この部分はギャグですよって印付いてるっしょ。
470通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:01:26 ID:???
設定も知らないのにSSに文句言う人って圧倒的に頭の中がスカスカなんだろうな
大脳なんて殆どなさそうw
471通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:06:00 ID:???
嘘だ!
SEEDシリーズは"ガンダム"なんだろ?
"ガンダム"ならリアリティーはあるはずだ!
472通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:23:21 ID:???
何言ってんの?
ガンダムはターンエーが最後だろ
473通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:24:41 ID:???
SDGFを忘れてもらっては困る


いやマジで
474通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:38:24 ID:???
>>467
忍者が出てる時点でスレ違いなんじゃってことじゃね?
475通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:44:15 ID:???
なあGガンにリアリティとかあったか?
熱いノリなら有ったけど、御禿以外のガンダムにそこまで言えるもんかな?公式同人みたいなもんなのに
476通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 22:54:51 ID:???
ここはオリキャラ禁止のスレじゃねーしな
477通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 23:00:33 ID:???
>>466
一行目は種死の序盤だな
ステラ達三人で新型ガンダムの周囲に居た人達が全滅
(って言っても奇襲だし、ステラ達は強化人間だが)
民間人が軍施設内に爆弾はわからん
478通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 23:00:37 ID:???
というか原作にキャラが居なさ杉というか死にすぎというか
479通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 23:03:32 ID:???
アストレイRだな
恋人がMSで新兵器の試験中に死んじゃって
「その試験データは彼の物」=「そのデータは私の物」と勘違いした馬鹿女が
ザフトのMSドックに爆弾仕掛けまくって爆破しまくった
480通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 23:19:28 ID:???
種死のアークエンジェルは寒い。見てて寂しくなってくる人のいなさ。
481通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 01:33:16 ID:???
つーかこの忍者ネタは殆ど元ネタそのままだ。
霧島那智のトンデモ架空戦記でこういうのがあるんだよ。
艦の乗っ取り方から人数まで殆どそのままだ。

そこを突っ込むならともかく、今更リアリティ(笑)に突っ込むなよ。
482通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 01:35:23 ID:???
こんなカオス世界にリアリティなんかあってたまるかww
そんなもんあったら俺らの世界がこんなんだって事だぞwwww
483通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 01:37:23 ID:???
そもそも種の世界にリアリティが無いwww
484通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 01:57:00 ID:???
>>481
懺悔
某板で某架空戦記の丸パクリ(縦読みでネタバレ炭)したけど
スレがなくなるまで誰も気づきませんでしたw
485通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 01:57:54 ID:???
宇宙空間で煙が上に立ち昇り、風で揺らめき、火災が起こる
その上スラスターも無いのにトリィが羽ばたいて飛んでたり
ワープしたり、ビームより早く動いたり
明らかにコクピットぶち抜かれたり蒸発してたりするはずなのにパイロットが生き延びてたり
巨大日本刀でビームを跳ね返し爆風を切裂き
MSでビルを持ち運びするトンデモ世界で
リアリティ(笑)がどうとか言われてもなぁ
486通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 02:02:26 ID:???
>>485
一行目は野暮だぞw
487通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 02:35:28 ID:???
>>481
元ネタありってmjd?!
商業の戦記ものでこんなんとか正気の沙汰じゃねーな
488通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 02:40:29 ID:???
志茂田の戦国長島巨人軍ならいざ知らず
霧島那智なんて真面目に内容覚えてるほうがどうかしてるけどな。

……なんで俺覚えてるんだろう。


ま、種死の出来は霧島那智の粗製乱造作品に例えたくなるなぁ。
489通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 02:53:19 ID:???
『超ハイテク電子潜水空母大和』
こんなのが普通に商業で売ってるから困る
490通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 05:12:58 ID:???
虐殺とかギアスばりにパネェな展開だなw
491通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 06:42:26 ID:???
オーブと日本の違いは何?
492通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 07:08:08 ID:???
戦前の日本にも存在しなかった
絶対君主としての王が君臨してる所=オーブ
493通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 17:22:21 ID:???
国のTOPが口封じで自国民殲滅を実行する、かな。
494機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 20:57:12 ID:???
 ユウナ・ロマ・セイランは、ヘリオポリスのシェルターの通信室で、オーブ本国の父ウナト・エマ・セイランと超長距離通信を交わしていた。
 話は、ヘリオポリス市民収容の為の部隊がアメノミハシラから発進したという事。
 聞き終えてユウナは、苦笑混じりに言った。
「急いだんだね。もっとぐずぐずすると思ったけど」
『連合軍第8艦隊が、ヘリオポリスに向けて進軍中だ。ヘリオポリスが主戦場になる可能性もある。それに巻き込まれる事を恐れたのだろう』
 ウナトは、彼なりに掴んだ情報からの推測を述べる。
 第8艦隊の動きは、地上からも観測出来る。オーブ軍がその動きを知らない筈がない。
 そして、連合製MSがヘリオポリスでZAFTに奪われている事を知る者ならば、第8艦隊の目的が連合製MSの奪還だと想像する事は容易い。となれば、第8艦隊がヘリオポリスに攻撃をかける可能性は予測出来る。
 連合ZAFT両軍が戦う中、市民の逮捕などという作業が出来るはずもない。ヘリオポリス自体が戦闘に巻き込まれて破壊されてしまう事も有り得る。
 そんな状況である事を考慮すれば、戦闘が始まる前に全て終わらせてしまおうとするのは当然の結論だ。
「なるほど……で、急遽用意したのがネルソン級一隻分の戦力に、コロニー建設の時の大型輸送船と」
 呟く様に言ってからユウナは、ウナトに別の問いを向ける。
「わからないな。どうしてそんな大型輸送船を使うんだろうね?」
『ヘリオポリス市民を収容する為だろう。確かに、あれならば一隻で全員を収容出来る』
 ウナトの返答は、オーブ軍が公式に説明した物と同じである。
 一隻でヘリオポリス市民を収容するには大型船の方が都合が良く、色々な兼ね合いから古い大型輸送船を使う事に決定したと。
 しかし、ユウナはそれを否定するかの様に言った。
「普通の輸送船を数隻使っても同じ事が出来るよ。あんな骨董品を使うより安全で仕事が早く安上がりだ」
 単純な話、貨物船数隻で十分な仕事に、巨大なタンカーを持ってきたような物だ。
 確かにそれでも仕事は出来るが、過剰な輸送力を得た代償に、大質量を動かす為の莫大な燃料消費、巡航速度の低さからくる移動時間の増加、大型船故の操作性の悪さから来る作業効率の低下など問題が多く発生する。
 そして最も不可解なのは、オーブ軍がわざわざこの大型輸送船を整備までして持ち出した事だ。事情があって急ぐと言うのなら、通常の輸送船を掻き集めた方が早かっただろう。
 何故、整備という手間と時間をかけてまで、大型輸送船なのか……
「僕なら、船倉に棚でも作って、捕らえたヘリオポリス市民をそこに並べて寝させるね。それなら普通の輸送船一隻でも十分だろうし」
 そもそもの目的が犯罪者の収監なのだから、輸送中に自由に動き回らせる必要はない。
 ならば、奴隷貿易船か絶滅収容所のように、船倉の容量を有効に活用してギチギチに詰め込んでおけばいいのだ。閉塞された環境はさぞかし心身に悪いだろうが、輸送中に死ぬ人間が出ても、今のオーブならば誰も気に留めまい。
『提案するなら、私ではなく、オーブ軍の方に直接言ってくれ……いや、冗談だ。本気にして、連絡を取るなよ。お前ならやりかねんからな』
 ウナトは悪態をついた後、少し慌ててユウナに釘を刺した。
「信用がないなぁ」
 ユウナは苦笑してみせる。
 無論、今のユウナにとってヘリオポリス市民を手にかける事に意味はない為、発案を実行に移す事はない。
 無数の人間が苦悶する姿を観察するというのも面白そうだが、やはり愛した相手と楽しむのとは比較にならないと思えたし、そもそもそういった事は敵を使ってやれば良いのだ。利用価値のある駒を遊びで無駄にするわけにはいかない。
 と、そんな事をとりとめなく考えたユウナは、もう一つ、無駄に出来ない者の事を思い出した。
「そうだ、父さん。信用のない息子からの忠告だけど……そろそろオーブから逃げないと、一族郎党皆尽く死ぬ事になるよ」
 ユウナの忠告を聞いた途端、通信モニターの向こうでウナトが目を剥きだして叫んだ。
『何をする気だ!?』
495機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 20:58:17 ID:???
「いや、僕が……ってだけじゃなくてね」
『だけじゃないって事は、やっぱりお前も何かしでかす気か!?』
 自らの信用の無さを改めて知ってユウナは苦笑が大きくなり、乾いた笑い声を漏らす。
「ははは、しばらく僕は表舞台には立たないから、安心して良いよ」
 ひとしきり笑ってからユウナは、声音を真面目な物へと変えた。
「それより……このままだと父さんは、オーブと対立する事になる。そうなった時、敵が何であれ手段は選んでくれないよ? コロニー一つ、葬り去る事に躊躇のない連中だからね。脱出の準備は進めた方が良い」
『ヘリオポリスの様に……か』
 ユウナの言う事に間違いない事は、ウナトにもわかる。
 ヘリオポリスというコロニー一つが、オーブの敵として葬り去られようとしているのだ。元々国民に人気のないセイラン家など、葬り去るのは容易かろう。
『そうだな。最悪に備え、一族の者だけでも逃がす準備はしておく。だが、私が逃げる事は難しかろうな』
「父さんは仕方ないか……でも、セイランは小悪党の家系なんだから、父さんも生き足掻いてみてよ。死んだら、小銭を数えるどころじゃないよ?」
 ウナトの返答に、ユウナも諦めを露わに淡々とした口調で言った。
 ウナト自身が逃げ出す事は難しい。政治を司る氏族としての義務があるし、そう簡単にオーブでの既得権益を放り出すわけにもいかない。いよいよダメだとなれば逃げる努力はするが、その時には包囲の輪が狭まってきている事だろう。
 ぐだぐだやった上で、逃げ切れなくて捕まるか殺されるのが落ちか……
 だが、一族の子女やセイラン系統の氏族を逃がす準備をしておくのは悪くない。彼らが生き残れば、最悪でもセイラン家が全滅するといった事は防げる。
『ユウナ。お前も今回の一件が終息するまでは、オーブに帰らぬ方が良いな』
「そうだね。しばらくは帰れないかな。でも、何時か必ず帰るよ。オーブにはカガリが居るからね」
『お前はまたそれか』
 ユウナの浮かれた様な答えに、ウナトは呆れた様に溜息をついた。そんなウナトを見ながら、ユウナは一瞬だけ口端を歪んだ笑みに曲げる。
 ウナトは戯言と思ったのだろうが、ユウナは本気で帰るつもりだった。何時になるかはわからないが……遠くない未来に。
 その為にも、今は幾つか成功を積み上げていかなければならない。
「そうそう。逃げるタイミングだけど……ウズミ・ナラ・アスハが権力の座から落とされる事があれば、それが最後の警鐘だと思う」
『まさか、それはあるまい。ウズミは、今のオーブでは絶対だ』
 ユウナの言葉に、ウナトは首を横に振って答えた。
 今の状況は、オーブの理念を神の啓示のごとく掲げる事で動いている節がある。では、そのオーブの理念を作ったのは誰か? ウズミなのだ。ならば、ウズミを排斥する筈がない。教典を守って神を排するようなものだ。
 現状、ウズミにとっては暴走気味な情勢を制御しかねているようだが、それも初期の混乱だろうとウズミは考えていた。
「でもさ、それなのにウズミが排される……なんて事になったら、それこそ天下の一大事って奴じゃない? そりゃあもう、逃げ時ってものでしょ」
『確かにそうだが、有り得ない事を想定してどうする。やれやれ、そんなではお前に私の後を次がせる事など出来んぞ』
 軽い口調で言うユウナに、ウナトは渋面を作る。そして、思い出した様に言葉を続けた。
496機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 20:59:26 ID:???
『そうだ、ユウナ……お前に頼まれていた連合とのコネだがな。かなりの大物と連絡をとる事が出来た。お前が何をするのか知らんが、この際だ、思い切りやってみるがいい。ただ、通信には立ち会わせて貰うぞ』
 ウナトの答えに、ユウナは有りがたいと思いつつも、父の甘さに内心で苦笑した。
「……何も聞かないで、そんな大物と引き合わせてくれるのかい?」
『今の情勢では、何時、私に何かあるかもわからん。お前には早く一人前になって貰わねば困る。これも、獅子のごとく、子を千尋の谷に突き落とすくらいのつもりだ。しっかりやり遂げて、私を安心させてくれ』
 やはり、甘い。千尋の谷とやらを全部お膳立てして、子が滑り落ちぬ様に手を差し伸べる用意までして、獅子のつもりとは。
 ユウナは、そんな父に心の底から感謝している。ウナトは知る由もないが、この甘さがあればこそ今まで“恋愛”を幾つも重ねて来られた。そして、これから始めるカガリへの言わば“プロポーズ”にしてもこの甘さは十分に利用させてもらえるだろう。
「ありがとう、父さん。必ず、やり遂げてみせるよ。それで……誰と話をさせてもらえるのかな?」
 ウナトと繋がりがある中で、かなりの大物と言うのだから、恐らくはロード・ジブリール辺りだろうとユウナは推測していた。ブルーコスモスのナンバー2であり、かなりの影響力を持つ人物だ。
 繋がりがあると言っても、それほど強い結びつきがあったわけではない。きっと、相当の苦労をしてくれたのだろう……ユウナはそう考えたのだが、父ウナトはユウナのそんな推測を覆す努力を見せてくれた。
 通信機の向こうで、ウナトは自らの仕事を誇る様に小さく笑い、その人物の名を告げる。
『ロード・ジブリール殿に話を付け、口を利いていただけてな。ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエル殿と繋ぎがとれた。政財界は元より、連合軍にも強い影響力を持つ盟主殿ならば、お前の目的にもかなうだろう』
「なっ……!?」
 ユウナも流石に声が出ない程驚いた。その顔を見て、ウナトは嬉しげにニヤリと笑う
『さしものお前も驚いたか。お前のそんな顔を見るのは久しぶりだな。苦労した甲斐があったというものだよ』
497機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:00:24 ID:???
 

 ヘリオポリス厚生病院、その敷地内に建てられたプレハブ病棟。戦闘直後は喧噪が満ちていたこの場所も、かなり落ち着いてきていた。回復出来た者が去り、重篤者が病院内に改めて収容され、死にゆく者が死んだ事によって……
 プレハブ病棟に残された者達は、回復に長い時間を必要とする者か、永遠に癒えぬ傷を負った者達。そして、帰るべき家や迎えてくれる家族をを失った者だ。
 カズイ・バスカークは、母のベッドの脇に腰を下ろしていた。
『オーブ政府により、ヘリオポリスに残された市民の皆さんの保護と、本国への帰還事業が実施されます。市民の皆さんは、オーブ本国への移住の準備を行ってください』
 遠く、声が聞こえる。
 病院に設置されたスピーカーを通して、ZAFTが放送を行っているのだ。
 有線放送や街宣車などを使って連日の様に同じ放送を繰り返しているので、話の内容は既にヘリオポリス市民全てが知っていた。
 そして……オーブ政府が行おうとしている事が、保護や帰還事業などと言う様なものでは無い事も、ヘリオポリス市民のほとんどが察していた。それは、本国へ帰れば、犯罪者として扱われる事が確定しているからだ。
 オーブ政府はヘリオポリス市民に対し、罪を認め抵抗せず逮捕される事を求めている。抵抗する者へは、武力鎮圧を持って対処するとの恫喝もあわせて告げられた。
 これらのオーブ政府の決定に対してヘリオポリス市民は何が出来たのか……
 命を賭して抵抗するべく抵抗組織が結成されたとの噂は幾つも流れていたし、決起を促す檄文が街角に貼られた事も何度かある。
 しかし、雑多な小火器を持った程度の市民達にとって、オーブ軍は遙かに強大だ。また、ZAFTが治安維持の名目でオーブ軍に協力するだろう事も確実。コロニーという環境では逃げ場も隠れ場所もない。外からの補給も援軍もない。
 そんな勝利の有り得ない抵抗の先に何があるのか? 未来を見いだせない事に、多くの市民は抵抗を諦めていた。
「カズイ……」
 ベッドの上、四肢が失われた身体を包帯に覆われた母がカズイの名を呼んだ。
「私、お父さんと一緒に残りたいわ」
 カズイは、今までに何度か繰り返された話に、全く同じ答えを返す。
「……置いては行かないよ」
 牢獄で生かされるくらいならば、夫と息子との思い出が満ち、そして夫の死した地であるこのヘリオポリスに残していって欲しいと母は願っていた。もちろん、残して欲しいという願いは、母が自ら死を選ぶ事を意味している。
 だからカズイは決めていた。その時には、母を背負ってでも連れて行くと。犯罪者としての日々の果てに死刑が待つとしても、母を自分の意思で見殺しにする事は出来なかった。
「そうだ……父さんは共同墓所から返して貰ってきたから、一緒に行けそうだよ。あと荷物だけど、現金とか通帳とか保険証とかアルバムとかは持って行くよね」
 カズイは、話題を変え、そして一緒に逃げるのだと言う考えを母に強調する為に、逃げる準備の事を話し始める。
「それから日用品とか必要そうな物をまとめておくよ。宇宙をしばらく旅して、それからシャトルで降下だって話だから、何日分か着替えとかもいるだろうし……そうそう、僕のゲームと漫画は諦めたよ。荷造りしたけど、あれじゃ重くて持てなくってさ」
 荷造りは進んでいない。
 思い出の染みついた家。思い出の品々。全てを捨てて、未来無き旅に出なければならないのだ。気付けば、荷造り中の荷物に囲まれながら、幸福だった頃の記憶を思い返している自分が居る。
 ゲームや漫画などには何の価値もない。母への台詞は、変わらない自分を見せたいが為の冗談だ。
 本当は……出来るならば、家の全てを持って行きたい。母と、父との思い出があふれる家を。いや、それよりも出来るならばいっそ、あの頃の幸せをそのままに。
 荷造りの作業の最中に囚われる、やるせない思い。それを思い返していたカズイの胸に、重苦しい悲しみが迫り上がってくる。
 それを感じてすぐにカズイはその場所から立ち上がり、母に背を向けた。
 母を心配させるわけにはいかない。涙を見せるわけにはいかない……
 悲しみが胸につかえて、声を出せばそのまま嗚咽になってしまいそうだったが、それを無理に抑えてカズイは母に言う。
「さ……さあ、荷造りしに帰らないと。ハハハ、忙しいから困るよ。見舞いには、またすぐに来るから」
 カズイはそう言い残して歩み出す。声の震えは、母に気取られてはいないと信じた。
498機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:01:47 ID:???
 

 ユウナに、シェルターの居間に呼び出されたトール・ケーニヒとエル。不安そうなエルの肩を抱きながら、トールは半ば警戒した様な目でユウナを見つつ聞いた。
「ユウナさん、話って何ですか?」
 ユウナが奇妙な人物である事は、出会ってからの数日でトールもエルも理解している。
 何か直接的な危害を加えてくる事はないのだが、いきなり猟奇的な事を言い放ってエルを酷く怯えさせる事があった。トールだって正直な話、そういった話は遠慮願いたい。
 だから、ユウナの話の内容によっては、トールはエルを連れて逃げる気でいた。
 しかし、ユウナはいつもの軽薄な態度はそのままだが、口調だけは真面目に話を始める。
「ここに来た理由をはぐらかしてきたけど……そろそろ説明した方が良いと思ってね。良いかい? ここに来たのは、このヘリオポリスで何が起こっているかを確認する為。そして、セイラン派にとっての力を確保する為だ。君達も見ただろう?」
「ミステール1……ですか?」
 力と言われ、トールは直感的にそれが何なのかを悟った。ユウナは、トールの答えに満足そうに頷く。
「そう。連合軍最新鋭の大型MA。ザクレロ試験型ミステール1。あれはセイラン派……僕の父の派閥の持ち物なんでね。取り返しに来たんだよ」
 このシェルターの格納庫に置かれている一機のMA。セイラン派が連合軍から譲り受けた、ザクレロのテストタイプ。ユウナは、それを手に入れに来た。
「あれは……俺のMAだ! オーブには渡さない!」
 ミステール1がユウナに奪われる……そう悟ったトールは、ユウナに向けて声を荒げる。だが、ユウナはそんなトールの反応を見越していた様で、面白がる様子で口端を笑みに曲げて言葉を返した。
「へぇ? 君に所有権は無い筈だけど……まあ良いか。それより、理由を聞かせて貰っても良いかな? どうして、あのミステール1が欲しいの?
 格好良いからかな? そうだよねー、男の子ならMAとか憧れちゃうもんな。でも、あれは玩具じゃなくて、本物の兵器なんだ。軍隊ごっこは、プラモデルか超合金でやって欲しいな」
「俺がやりたいのは軍隊ごっこなんかじゃない!」
 トールの怒りの声が部屋の空気を震わせる。
「俺は……あのミステール1で!」
「ダメ、お兄ちゃん! あんなのに乗っちゃダメ!」
 トールの身体に縋り付く様にしてエルが叫んだ。
「ねぇ……ダメだよ。お兄ちゃん。あんなのに乗らないで!」
 涙をこぼし、縋り付いたまま見上げる様にしてトールの顔を覗くエル。そんな二人を眺めるユウナの表情に愉悦の笑みが混じる。
 ああ、やはりこれは最高だ。実に楽しませてくれる。
 トールはエルを扱いかねている様だった。意思は変わらないのだろうが、エルを無碍に突き放す事も出来ないのだろう。
 ユウナは、そんなトールに助け船を出す事にした。
「トール君が望むのは復讐……そうなんだね?」
 その囁きにも似た問いにトールはハッとして顔を上げ、ユウナを見た。
 それから、トールはぎゅっと歯を食いしばり、意を決した様子で改めてエルに視線を落とす。
「ミリィ……でも、俺は! 俺は許せないんだ! オーブの理念は……いや、それを掲げた奴等が皆を殺した! 父さんを! 母さんを! それに、ミ……」
 激情のままに続けようとした言葉が途切れた。
 トールの頭の中に、閃光が瞬く様に記憶の断片が浮かんでは消える。炎の中の影。走る少女。黒焦げの破片。キス。顔がない死体……
「お兄ちゃん?」
 ループした思考は、エルの声で再び動き出した。
「あ? ああ、ミリィ……」
 そうだ、ミリィはここにいる。ミリィはここにいる。ミリィはここにいる……
 断片的に蘇った記憶が、再び心の闇の中に消えていく。そして後には重苦しい怒りと身を焦がす様な憎悪だけが残る。
「ともかく、俺は許せない。全てを奪った連中を……オーブを! オーブの理念を! オーブの理念を掲げて正義を嘯く全ての奴等を! 殺してやる! 殺してやるんだ! その為には力が……ミステール1が必要なんだ!」
「……お兄ちゃん」
 トールの怒りと憎悪に彩られた叫びを聞き、エルは恐怖に身を震わせながらトールに預けていた身体を退いた。何かとても冷たい物に感じられて。
 一方、同じくトールの叫びを聞いたユウナは、素晴らしい演奏か何かを鑑賞した後の様な満足げな笑みを浮かべていた。
499機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:05:42 ID:???
「わかった。トール君にミステール1を託そう」
「……え?」
 ユウナの発言に、エルは小さく悲鳴にも聞こえる声を上げて、途方に暮れた様な表情でユウナを見た。
 そんなエルに嗜虐心をそそられながら、ユウナは精一杯、申し訳なさそうな顔を作ってエルに話しかける。
「トール君から、戦う事を奪えるか? 答えは否だね。君がシミュレーターに乗るトール君を止められなかった様に、僕も彼を止める事は出来ない」
 エルは努力してきた。トールが戦わない様に……シミュレーターにも乗らない様に。しかし、その努力は全て失敗に終わっている。エルに出来なかった事を、ユウナが出来るわけが無いと言われれば、エルには返す言葉はない。
 だが、エルは考えていた。シミュレーターに乗せる事は防げなくても、あのミステール1に乗せない事は出来るのではないかと。
「ユ……ユウナさんが、あのMAを持って行ってくれたら」
 あのミステール1が無ければ……武器がなければ、トールも戦う事を諦めるのではないか? そんなエルの願いにも似た考えを、ユウナはゆっくり首を横に振って否定する。
「武器がなければ、トール君は素手でもかまわず戦おうとするんじゃないかな? なら、強力な武器を持たせてあげた方が、生き残る可能性は大きくなる」
 ユウナはその視線をトールに向けた。エルも、つられるようにトールを見上げる。
 トールは二人の視線に気付くと、迷いもなく首を縦に振った。
 そんなトールに満足げな表情を浮かべてユウナは、トールがMAが無くとも戦う事を肯定した事にショックを受けて泣き出しそうなエルに向けて、更に切り口を変えて話を続ける。
「それにね。僕がMAを持って行って、トール君が戦わずに残ったとしても……ここでの生活も何時かは終わってしまうんだ。ヘリオポリスは遠からずプラント領になるし、オーブはヘリオポリス市民全員の強制収容を決定したからね」
「強制収容?」
 シェルターに隠れていたトールとエルは、今何が起こっているかをほとんど知らない。酷く物騒な言葉に、トールが思わず反応して聞き返す。
 ユウナは呆れを表す為に、軽く肩をすくめて見せた。
「字の通りだよ。ヘリオポリス市民全員を捕らえ、“オーブの理念を守らなかった裏切り者”として裁くつもりだ」
 その答えに、トールは内心の怒りを沸き立たせて顔をしかめる。エルは不安そうにトールに寄り添い、彼の服の裾を指先で摘んだ。
 そんな二人を見ながら、ユウナは二人を更に追いつめるかのように言葉を並べ立てる。
「プラントはオーブの中立維持と占領地からの旧住民退去の為、この強制収容に協力している。つまり、このヘリオポリスでは、君達は見つかり次第、捕まってしまう。そして、オーブに罪人として送り届けられる。
 ここは隠しシェルターだから、そう簡単には見つからないだろうけど……それでも、最長で一年少々かな? 備蓄食糧や燃料が尽きるから、隠れて生きていく事は出来なくなる。
 その時にどうする? 大人しく捕まるかい? そうなれば結局、君達は離ればなれだ。
 共に居たいなら、戦って、生きる場所を自分で確保するしかない。わかってくれるかな?」
「……わからない。そんなのわからないよ」
 エルは、駄々を捏ねるように言い返しながら、首を横に振った。それを見て、ユウナは少し困ったように微笑みながら、静かに語りかける。
「そう……でも僕は、君にはトール君を支えていて欲しいと思うのだけどね。トール君一人では戦い続ける事は出来ないのだから」
500機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:06:50 ID:???
「一人でも、ミステール1があれば……!」
 ユウナのその言葉に、トールは反論する素振りを見せた。ユウナは、仕掛けた釣り針に獲物がかかったとばかりに一瞬笑みを浮かべ、畳み掛ける様に話し出す。
「ミステール1で出撃する。戦う。問題はそれ以外だよ。
 戦闘後には整備補修が必要だけど、トール君にはそれが出来るかな? 戦えば弾や推進剤を消費する。補給しなきゃならないけど、トール君はそれを手に入れられるかな?
 オーブと戦うならオーブ本国へ行かないとならないけど、移動するには船が必要だね。船を手に入れて、そして操縦するのは誰かな?
 敵の情報を知れば効果的に戦える。戦闘前にそれを調べる事をトール君は出来るかな? 戦闘中は僅かな時間で状況が激変する。そんな戦闘中の情報収集は誰がする? 情報を元にして、効率的な戦い方を考えてくれる人はいるのかな?
 君を支え、戦場に送り込む者が必要だ。共に戦い、サポートしてくれる仲間。戦いを継続する為の資金や補給物資。的確な戦略、戦術、戦闘指揮。生きて戦い続けるには不可欠な物だけど、全てトール君には無い物だ。
 ここまで聞いても、君は一人でも戦えると思うかい?」
「…………」
 トールは愕然とした様子で俯き、ユウナから目をそらした。戦う力だけでは、戦う事は出来ない。それは、トールが想像もしなかった現実だった。
 アマチュアは兵器を語り、プロは兵站を語る。ほんの少し前まではただの学生だったのだから、こういった錯誤は仕方のない事だと、ユウナは理解していた。
 だからこそ、トールを自分の下に取り込む余地がある。
「僕が全て用意しようじゃないか」
 ユウナは、魂の契約を迫る悪魔の様に、親しげな笑みで申し出た。
「僕はこれからオーブを打倒する。ヘリオポリス市民を守り、ヘリオポリス市民を組織する。ヘリオポリス市民の手でオーブの理念の虚構を暴き立て、その信者達を完膚無きまでに叩き潰す。復讐と守護を望むトール君にも意味のある戦いになるだろう」
 ユウナは笑みを少しだけ人悪げなものにして、右手を握手の為に差し出す。
「どうだろう。一緒に戦わないかい?」
501機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:07:57 ID:???
 

 夜半。トールは一人、寝室のベッドに身を横たえていた。
 いつもならばシミュレーターに向かっている時間。しかし今日のトールは、ベッドの中で、じっと考え事に耽っている。
 考える事は一つ。ユウナの差し出した手を取るか否か。とは言え、思考のほとんどはそれをどう断るかに費やされていた。
 あれこれ考えた挙げ句、断る理由が無い事に気付く……そんな事をずっと繰り返している。
 別に、ユウナが悪い訳ではない。断る理由の最有力候補として「ユウナは得体が知れないから」という理由は厳然として存在していたが……他の誰に誘われても、同じように迷った事だろう。
 断りたい本当の理由は、単に復讐を自分の物としたいだけだと言う事に、トールは気付いていた。
 理性を持って考えれば、ユウナの言う通り一人で復讐を行う事は不可能とわかる。
 迷いと呼べる物ではなかった。答えは出ているのだ。ユウナの手を取るより他にない。
 トールの中で、復讐の達成に重きが置かれていたなら違ったのだろう。あらゆる手段を用い、最後に復讐が果たされている事だけを目標に出来ていたら。そうだったなら、成功の可能性が大きい方を選ぶ事が出来たはずだ。
 しかし、感情と狂気は復讐を他人に委ねる事を拒絶する。
 自分の手で、自分の力だけで全てを成し遂げたい。全てを滅ぼしたいと。
 あらゆる物を失った今、復讐だけはトールだけの物だった。
 トールの復讐は、怒りも、憎悪も、狂気も、全てを呑み込んで煮えたぎる坩堝の様な物。単純に狂気の産物なのだとも言える。
 怨嗟と狂気の叫びを上げながら、自らの肉体と魂が滅びるまで戦い続ける……トールの中の復讐とはそういった物だ。
 それは目標の無い空虚な物でもある。オーブの理念を復讐の標的に置いているが、何処まで戦い、殺し、破壊すれば復讐が果たされた事になるのか、トールは考えた事すらない。きっと、トールの復讐心……いや、狂気が導く全ての標的を破壊するのだろう。
 ユウナの手を取るという事は、その復讐の一部……ひょっとすると大部分を、ユウナなど他の人間に委ねる事になる。
 狂気が導きのままに戦う事など出来るはずもない。望みである所の、肉体と魂が滅びるまで戦い続けるという事さえも叶わなくなるだろう。そうなってしまっては、トールの復讐は本来の姿を失ってしまう。
 では、復讐の達成が彼方に遠のこうとも、復讐を自ら遂行する事を選ぶか? トールの中に考えが渦巻く。
 ミステール1で飛び立ち、オーブ国防宇宙軍の本拠地であるアメノミハシラを目指す。宇宙空間である以上、最初の加速に成功すれば、推進剤を使わずに移動は出来るはずだ。
 単機で攻撃を仕掛けてアメノミハシラを落とす。その後、可能なら奪った物資で補給して、大気圏突入を行い、オーブ本国を……
 そこまで考えて、その荒唐無稽さにトールは苦笑した。それで上手く行くなどありえない。
 しかし、それでも良いのかも知れないとトールは思う。復讐を自分だけのものとし、その復讐に身を捧げる事が出来る。万に一つの可能性でも成功すれば良し、死んでもトールに後悔する暇など無い。肉体も魂も砕けて燃え尽きるだけ……
 トールは、試験型ザクレロ・ミステール1という一匹の魔獣になりたいのだ。闘争に明け暮れ、全てを滅ぼしていく魔獣に。
 そうならなかったのは、トールを人として繋ぎ止めたものがあったから……
502機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:11:13 ID:???
「……お兄ちゃん?」
 不意に声をかけられ、トールは寝室のドアが開いている事に気付いた。
 暗闇の満ちた寝室、壁を四角く切り抜いたように、廊下の光が中へ差し込んでくる。そこにトールは、エルの姿を見た。
「ミリィ? どうしたんだ?」
「お兄ちゃん……」
 俯き、強張った表情で居たエルは、トールの声に泣き出しそうな声で応える。そして、ベッドに歩み寄ると、少し逡巡してから聞いた。
「今日は一緒に寝ても良い?」
 トールの答えを待たず、エルはベッドに上がりトールの横に身を横たえる。エルの背後で寝室のドアが僅かな隙間を残して閉まり、寝室を再び闇で満たす。
 暗闇のベッドの上、ふわりと少女の甘い匂いがした。
「ミ……ミリィ? えと……」
 トールは、同じベッドの中のエルの存在に戸惑う。
 トールと“ミリアリア・ハウ”の年齢ならば、一線を越える事もありかもしれない。
 だからトールが、エルがベッドに入ってきた事を、そう言う事なのかと思ってしまったのは仕方のない事ではあった。
 とは言え、即座に手を出せる程、欲望に素直なわけもなく、心理的に追いつめられてるわけでもなければ、根性が座っているわけでもない。
 しかし、この行為は誘っているのだろうなぁと勘違いしたままトールは、とりあえずエルの小さな身体を抱き寄せた。
 壊れてしまいそうな程に柔らかで華奢な身体がトールの腕の中に収まる。
 そして……トールは、はたと困り果てた。ここからどうしたものか、経験がないばかりに判断がつかない。手を出したいかと言えば出したいのだが、変な事をやって嫌われるのは怖く、判断に困るのだ。
 困ってはいるのだが、腕の中の柔らかな感触はしっかりと感じられているし、少女の香りも存分に吸えているわけで、幸福感は怒濤のごとく押し寄せてくる。
 しばらくはこれで良いかと、ぼんやりと考え込んでいたトールに、腕の中のエルが不意に囁いた。
503機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:14:19 ID:???
「お兄ちゃん、一人で戦いに行かないでね?」
 エルは、その身体をトールの胸に預け、潤む瞳でトールを見つめながら続ける。
「ずっと考えてたら、怖くなったの。お兄ちゃんが……お兄ちゃんが一人で居なくなっちゃうんじゃないかって。そして、戦って死んじゃうんじゃないかって」
 エルのその言葉に、トールの中から浮ついた気持ちが消え去る。そして、エルが来る前の迷いの時と同じ重苦しさが戻ってきた。
 つい先ほどまで考えていた妄想の通りじゃないかと、トールは自嘲しながら苦々しい思いで奥歯を噛みしめる。
 一人出撃し、無為に戦い、死ぬ。トールが考えた通りの事を、エルは心配していた。
 トールは復讐の中で戦い、死ぬ時には後悔と怨嗟を叫びながら砕け散る事が出来るのかも知れない。だが、残されたエル……トールにとってのミリィはどうなるか?
 このシェルターに残れば、ユウナの言う通りの最後が待っているだろう。何時かは捕まり、オーブの理念を理由に裁かれる。
 それは許せなかった。これ以上、オーブの理念の下に人が傷つけられる事を看過する事は出来ない。それをさせない事は、トールの復讐にもかなう。
「守るよ。ミリィを。もう二度と、ミリィを殺させはしない」
 膨れあがった憎悪と怒りに押し出されるかのように、意思はそのまま言葉となって漏れ出た。
 しかし、その言葉では、エルにとっては話の意味が繋がらない。だから、エルはもう一度、トールに訴えかける。
「でも、それでお兄ちゃんが一人で戦って、死んじゃったら……嫌だよ。何処にも行かないで? 一人になんてならないで」
 エルは、トールの冷たく凍った表情を暖めようとでもするかのように、トールの頬にそっと手を添えた。
「どんな時でも、私がずっと一緒にいるから」
「!?」
 偶然にか、聞き覚えのある言葉……
 それを聞いた時トールは、エルに重なって、走り去っていく少女の後ろ姿が一瞬だけ見えたような気がした。
 行かせてはならない――
 何故かそう思えて、トールはエルの身体を強く抱きしめる。
「お……お兄ちゃん? 苦しいよぉ」
「……ごめん。ミリィが消えていくみたいに思えて……ごめん。俺は……もうミリィを一人にはさせない」
 トールは今、喪失感を思い出していた。何を失ったのか、それはトールにはわからなかったが、何かを失ってしまった事による、激しい喪失感の記憶だけが蘇ってくる。
 ほんの少しの間、触れ合えない距離に居ただけなのに、もう会う事は出来ない。
「……どうしたんだ? 手が……身体が震えるんだ。ミリィが居なくなるって思っただけなのに」
 喪失への恐怖で震えだしたトールの腕の中で、エルは静かに目を閉じる。
 エルには想像がついていた。トールが震えているのは、きっとあの日に死んだ本物のミリィの為だろうと。
 なら……ミリィとして、トールにしてあげられる事はある。
「お兄ちゃんが守ってくれるって言ってくれるなら、それを信じるよ。お兄ちゃんが、私を一人にしないって言うなら、それも信じる。だから……お兄ちゃんが守ってくれて、一緒にいてくれるから、私は何処にも行かないよ」
 エルは瞳を開き、それからトールの唇に自らのそれを押し当てた。
 温かいキス。
 トールの中に一瞬、誰かの笑顔が蘇る。誰なのか……今のトールにはわからない。
 ただ、キスを切っ掛けに、トールの心の中に渦巻いていた物が静かに退いていった。
 落ち着いてからトールは、顔を退いてエルとのキスを解く。
「ありがとう……ミリィ」
 感謝の言葉を囁きながら、今度はトールからエルにキスをした。ミリィの名を呼びながら……
 トールとキスを交わすエルの目から、一筋の涙が流れ落ちる。
 暗闇に満ちた寝室の中、それに気付いたのはエル自身だけだった。
504機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:17:43 ID:???
 

「……残念。今日はハズレだったか」
 トールとエルの寝息が聞こえ始めたのを確認し、ユウナは手に持っていたビデオカメラのスイッチを切り、トールの寝室のドアを閉めた。
 そして、大あくびを一つしてから自分の寝室へと、いそいそと帰っていく。
 色々と期待していた様な展開にはならなかったが、それでも別の意味で収穫は大きかったので、ユウナとしては満足していた。
 確信が持てたのだ。トールとエルを、自分の手駒とする事が出来ると。
「怒りと憎悪……そして無自覚な後悔か」
 ユウナはニヤと笑いながら小さく呟く。
 怒りと憎悪は見て簡単にわかる。トールはそれを隠す事もなくさらけ出すからだ。
 そして、無自覚な後悔。トールは気付いていないのだろうが……“もう二度と、ミリィを殺させはしない”と言った意味。つまり、一度は守る事が出来なかった事実があると言う事……それは確実に、トールを縛るトラウマとなっている。
 その辺りを弄くるのが、トールを上手く動かすコツだろう。
 ユウナにとってミステール1は持ちうる最大の戦力だ。それをトールに渡す理由は、九割方「その方が面白そうだから」という理由で占められているが、もう一つトールのコントロールが容易だと想像出来たからという事がある。
 シミュレーションを見た所、トールの腕前は申し分ない。とは言え、父ウナトの部下や、傭兵ならばもっとMAを上手く使える者が居るだろう。
 しかし、トールならばその生死を含めて、ユウナがコントロール出来る。これは、他の誰かを駒にした時には得られない利点だ。
 トールには、自身の命以上に優先される狂気がある。狂気の発現とそれが向かう方向を誘導してやれば、トールは死を厭わずに力を振るうだろう。
 それでいてトールは他の狂気の者と違い、なかなか暴走しない。エルが……いや、ミリィという少女の幻影が、トールが復讐の獣と化す事を防いでいるのだ。
 トールの狂気と、エル。この二つを握れば、トールはユウナにとって絶対の信頼を置ける駒となる。狂気を孕むトールを単純に信用する事が出来ない今は、そんな無情な関係の方が信頼が置ける様に思えた。
 ただ、その状態のままであって良いというものでもない。別の形で信頼関係を築く事も必要だろう。だから、ユウナは今のところ嘘偽り無くトールやエルと接しているし、トールを戦力として搾取するのではなく与えられる物は全て与えようとも考えている。
 他にも、もっとフレンドリーな関係を目指してみるのも良いのかも知れないと少し考えた。
「それにしても、トール君は意気地がないな。あの場面は、一気に押し倒して良い場面の筈だ。もっと積極的じゃないと女の子を逃してしまう……これは、少し教授してあげた方が良いかな?」
 ユウナは自分の考えを口に出し、深く納得した様子で何度も頷く。
 こう言った人生の先達としてのアドバイスは、トールとの関係を良くしてくれるだろう。トールとエルが急接近し、その影にユウナが居ると知れば、エルの心も変わるはずだ。
「まずは手錠を使えって所からかな。縄の方が見栄えはするけど、やっぱり手錠の方が初心者向きだし」
 ユウナはアドバイスの内容を考えながら、自らの寝室へと消えていった……
505機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:21:13 ID:???
 機動戦士ザクレロSEED‥‥以上。

 オーブ市民編
 ユウナの大活躍は続きつつ、ヘリオポリス市民強制収容は迫る
506機動戦士ザクレロSEED:2009/04/08(水) 21:24:27 ID:???
>>445
楽しんでいただけたようで何よりです
感想をいただけて、凄く励みになりました
ありがとうございます
507通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 21:24:40 ID:???
いろんな意味でほっとしたような、がっかりしたようなw
508通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 22:23:36 ID:???
このユウナはやばすぎる…そしてカズィもやべぇな
つか段々トールとエルはアウトな領域に近づいてきてないか?w
509通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 23:00:47 ID:???
やっぱり今回もユwウwナwって感じだったw
そしてやっぱり全キャラ狂っとる

>戦闘後には整備補修が必要だけど、トール君にはそれが出来るかな?
中略
>共に戦い、サポートしてくれる仲間。戦いを継続する為の資金や補給物資。的確な戦略、戦術、戦闘指揮。
ある意味狂ってる種本編なら必要なかったのにね……
510通常の名無しさんの3倍:2009/04/08(水) 23:51:11 ID:???
初心なトールがアレなユウナの指導でアレな方向にいっちゃったら……
511通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 00:31:28 ID:???
トールとユウナがエルの手料理を仲良く食うシーンが脳裏に浮かんだぜ
512通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 01:30:28 ID:???
トールがユウナの手料理(エル)を仲良く食うシーン?
513通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 01:57:53 ID:???
けしからん!もっとやれ
514通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 02:10:32 ID:???
カズィ生きろ超生きろ
515通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 03:35:21 ID:???
>>485
リアリティ云々よりも、たぶん面白くないからだろ。
元ネタは、読者にとって弱者で正義の日本だから許されたんだ。
本編で絶対的な力を持つカルトで活躍されては面白くない。
516通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 03:41:58 ID:???
本編で既に核エンジンだの新型MSだのチート能力があるのに、更にチートの忍者部隊とかなぁ
はいはいチート乙ラクシズクオリティ乙状態というか
517通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 13:33:37 ID:???
読んでないのに語るがw
悪役は強い方が面白くね?
518通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 13:53:05 ID:???
>>514
全く同意見だ

 カズイ頑張れ!カズイ超頑張れ!
カズイは冴えなくて彼女もいなくて、どうみてもモテなさそうで
脇役で、いてもいなくてもあまり影響のなさそうなポジションでw
このSSでもやっぱり地味だけれど・・・
でも、父親が死に、母親が大変な事になっていて、そして現実も全く
甘くなく、先にも絶望しかなさそうな状況で
全てを放り出してしまい、捨て鉢な態度になることもなく
想像力の足りない友人(キラ)への配慮もしっかり出来ていて
ちゃんと明日も生きようとしているところに激しく好感が持てる
519通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 19:19:23 ID:???
ザクレロは本当に半端ねえ
特に作中の心理描写はある種病み付きになるものがあるわ
520通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 19:51:19 ID:???
ザクレロSEEDが恐ろしいのは本編の設定からさほど外れていないということw
521通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 20:00:56 ID:???
>>520
確かに、MSのほかにMA作ってた、というだけだし。
522通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 21:34:05 ID:???
トールは憑き物落しが必要な病み具合だな。

いつかエルのミリィと決定的に違うところなんかを発見したら、
トールの精神が崩壊しそう。
523通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 21:43:42 ID:???
ザクレロの人がその程度で許してくれる訳無いだろ
もっと虚淵や永井豪並にどん底を味合わせてくれると俺は信じてる
524通常の名無しさんの3倍:2009/04/09(木) 23:52:41 ID:???
むしろ普通の話なら正気に戻ったところで察して、今まで一緒に居てくれた
エルに感謝して改めて守ると誓いそうなところだが、なにしろザクレロだからなあ…
525通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 00:11:27 ID:???
正気に帰ったとこに‘エルの手料理’くらい余裕で覚悟済みだぜw
526通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 00:23:54 ID:???
正気に戻った途端にエルを捨てかねないな
あとはオーブ兵士にレイープ・・・
527通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 01:29:58 ID:???
捨てるならまだしも、下手するとぶっ殺しかねない危うさがある。
528通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 14:29:21 ID:???
お前ら、たとえ絶望の中にあったとしても、少しは幸せな未来も想像してやれよ

でも、ユウナだけはどう転んでもハッピーで終わりそうだな
529通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 15:22:17 ID:???
>>526
いささか語弊があるが、レイープするような、外道とはいえ人間的な感情が
あるなら……ちっともよかねえけどまだ理解の範疇だが、現状のオーブ軍人は
ヘリオ残存住民を純然たるSATSUGAI対象としてしか見てないだろ。
害虫や害獣の駆除に性欲が関わる余地なんかあるはずもないのと一緒で。
530通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 17:20:06 ID:???
>>529
アスランが坊主で去勢の漫画の方じゃブルコス兵がコーディを○便器扱いしてたシーンがあったな
531通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 18:35:29 ID:???
あのアスランは本来の意味でのブルコス(環境保護団体)に感銘を受けたのに
何故に過激派の方に行ったのか……
まぁでもブルコス内でも肉便器にしてた奴らを『獣姦野郎』とか見下してる風潮もあったけどな
532通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 02:10:30 ID:GS0HoVal
>>524
いや、あれだよ。
正気に戻ってエルを守ると改めて誓った矢先に来るんだよ。
例えば"エルの手料理"とかが。

って>>525の言ってるのってそういうことか。
533通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 02:16:21 ID:???
>>ザクレロSEED
投下乙。狂ってておもしれぇ!


トールがエルをミリィではないと理解して、戦場にいる時分から引き離すために
ユ ウ ナ にエルを預けるシーンが想像できるw
534通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 10:10:48 ID:???
しかし、“手料理”の話ばかりなのは、ザクレロに萌えキャラがおらんからだろうかw
535通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 12:38:13 ID:???
貴様はエルたんでは萌えないと申すか
536通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 13:18:45 ID:???
>>534
お前何言ってるんだ
537通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 14:34:25 ID:???
TV最終回カミーユあるいはDボゥイ状態のクルーゼに萌えんと(ry
538通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 15:10:58 ID:???
手料理……
冬木名物マスターハンバーグ思い出したw
539SEED 戦後30年目の愛:2009/04/11(土) 16:51:31 ID:???
機内でアスランは思っていた
前大戦の折、デュランダルの謀略に乗せられ、メイリンとともに半ば脱走という形でザフトを離れたという事実を……
いくら評議会議員のイザークの様々な工作によって自分の評価が変わるわけではないことを……
そうこうしている間に飛行機はカーペンタリアに着いた。
ドアが開き、タラップが横付けされる。
「アスラン・ザラ、降りましょう。話はそれからです」
案内役の兵士に促される形で、アスランは恐る恐るドアの方へ歩いて行った
不安に押しつぶされそうになった。
(まさか、2度の出戻りの俺の行く場所なんてあるのか?)
彼を待っていたのは彼への非難ではなく称賛だった。
「アスラン・ザラ、万歳!アスラン・ザラ、万歳!」
空港にこだまする歓声。
その声にアスランは圧倒された。
ザフトの旗と大段幕を持つ人々で溢れた。数は一千人を超えるであろうか
正装した兵と将校団が近づいてくる。
「アスラン・ザラ、お待ちしておりました」
すっと手を出して来て握手を求められた。
握手を返すと、証書入れに載った書類と大きな包み紙のかかった絵のようなものを差し出した
プラント評議会からの名誉回復証明を渡された。
アスランは証明書を覘いて絶句した。
「こ、これは……」
アスランだけではなく、ザラ家全員の名誉回復証明所であった。
父母だけではなく、メイリンと死んだ子供たちの名前まで書いてあった。
「アスラン・ザラ、包み紙を取って見てください」
そして包み紙を破いた
それは父、パトリック・ザラのポートレートだった
アスランは書類を持ってきた将校たちに一人一人強く握手を返して
「ありがとう!ありがとう!」
と言って声をあげて泣いた。
540SEED 戦後30年目の愛:2009/04/11(土) 16:53:29 ID:???
その夜、アスランはオセアニア政府主催の茶会によばれていた。
彼の所に一人の男が駆け寄ってきて、耳元で囁いた
「貴方に会いたがってるお方がいます」
アスランはその男の後を付いて行った。
スモークが窓ガラスに張られた車で市街地から15分ほど走ったところについた。
なにもない荒野に現れた白い建物。
その場所にそぐわない高い塀が周りを囲んでいる不思議な建物。
「アスラン・ザラ、入ってください」
そう云うと建物の中に入った
(大寺院のような作りだが、寺院ではなさそうだ)
長い回廊のようなところに案内され、ずいぶん歩かされた。
大きな部屋の手前までくると、少し待たされて
「どうぞ!」
と言われたのでドアを開けると、椅子に座って杖を持った男が
「お待ちしておりましたよ」
「!、マルキオ導師、なぜあなたがここに」
アスランは酷く困惑した。
「え、どうして」
「お座りなさい。
まず、戦闘MS軍団司令官(軍団長)就任おめでとうございます」
「え、まあ。
導師、キラは元気ですか。私何分山籠もりを十数年近くしていましたので」
541SEED 戦後30年目の愛:2009/04/11(土) 16:54:24 ID:???
マルキオは悲しい顔をしながら
「そのことですが……
まずこのご写真を」
そういってアルバムのようなものを渡された
アスランは覗くと絶句した
「え、うそだろう、キラが」
そこにはキラとブルーノ・アズラエルの話している姿があった
そのほかにもブルーコスモスのメンバーとされる人物達と話す写真
(どういうこと何だ、これは!)
マルキオは
「悲しいですが事実です。
ジェス・リブルというカメラマンが私の所に持ち込んだ写真だそうです。
私もジェスから説明を受けて驚きましたよ
もっとも私には写真がどのような状況下は確かめようがございませんが……」
信じられない気持で、アスランはアルバムを捲った
(嘘だ、嘘だと言ってくれ!キラ)
キラとラクスとガルシアの話し込んでいる様子の写真が出てきた。
その瞬間、アルバムを落としてしまった。
アスランの頬を熱い何かが伝った。
彼はその場に崩れ落ちた。
案内役の男が彼を抱きかえ、長椅子に横にさせた。
マルキオはすっと立ち上がりアスランの方へ歩いて行った。
「アスラン、あなたの知らない間に彼は遠い世界に行ってしまったのです。
貴方の母を、消し去ってしまった者たちの方へと」
アスランは起き上がり、頭を抱えて
「少し考える時間をください」
542SEED 戦後30年目の愛:2009/04/11(土) 16:55:20 ID:???
アスランは熱い風呂に入っていた
裸になった自分を見ていて、一人で悩んでいた
(俺ももう50か、親父と同じ年になったのか)
「お背中をお流ししましょうか」
不意に若い女の声が聞こえた
アスランは
「君じゃなくていい、男で誰か手の空いてる人でいいから呼んできてくれ」
(導師が気を使ったのか、違うだろう?)
そういうと湯船に身体を首まで沈めた
瞑想していると、ザフトの軍服を纏った若い男が入ってきた
「君か。まあいい」
そういうと湯船から出て椅子に座った
「さあ、始めてくれ」
若い男は腕まくりをしてスポンジでアスランの背中を洗い始めた
「君は、どこの出身だね。
訛りがないようなところを見ると、アプリリウス?」
「いえ自分はシドニー出身です」
「珍しいな」
「両親がプラント生まれですが……
軍団長、なぜザフトに戻られたんですか
御自分の意思で、それとも評議会の決定で」
「悪いが、それははっきりとした答えはいないことになってる」
「はい」
若い男に湯をかけてもらうと風呂を出ようとした
「着替えは出してあります
何分官給品なので着辛いとは思いますが……」
アスランは若い男の方を向くと
「君、名前は」
「イワノフ、アレクサンドル・イワノフです」
「そうか」
そういうとアスランは出て行った
543SEED 戦後30年目の愛:2009/04/11(土) 16:57:47 ID:???
続く

544通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 17:27:57 ID:???
何この展開
545通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 17:32:16 ID:???
マルキオお前目見えるだろw
546通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 21:00:03 ID:???
目を開けたら魔王覚醒しても俺は驚かない
547通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 21:09:13 ID:???
目を開いたら天舞宝輪が炸裂するぞ・・・
548通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 21:59:28 ID:???
賢者の石を飲み込むと目が開くんですね、分かります
549通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 04:40:21 ID:???
>>548
懐かしいネタだなあと思ったらつい最近再販されたんだっけか
550SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:23:24 ID:???
CE104年2月15日

ザフト軍襲撃の報を受け、奉祝式典に集まった各国首脳の面々はすぐさま帰国した
が、列強国は日本でそのまま対策会議を開いてから帰国するという決定をした
場所は赤坂離宮で開かれた。
参加者は、ユーラシアからジェラード・ガルシア連邦議会議長、大西洋から国務長官(外相相当)、他2名
オーブからは摂政キラ・ヤマト、オブザーバーとしてブルーノ・アズラエル、アダム・ヴァミリア等々……
議事進行役はホスト国日本の首相の板垣公三であった。
ガルシアは開口一番
「あのエイリアンどもに核爆弾を打ち込んでやるべきです。
ユーラシア議会はフランスとドイツの陸軍に招集をかけました」
大西洋連邦国務長官が
「しかしザフトのNJは先次大戦とは比べ物にならないぐらいのものとの情報があります。
これをもう一回落とされたら、現状では手立てはありません
ニュートロンスタンピーダーとかいう凶悪兵器は最低でも3機あるということは公然の事実です」
ガルシアは書類ばさみで机をたたき
「失敗作の、あの馬鹿コーディネーターが、盲坊主の所に逃げ込まなければ……」
ガルシアは自身の不手際で鹵獲したNJC試作機を脱走兵に強奪されたことを悔やんだ。
大西洋連邦国務長官が半ば笑いながら、
「ヤマト摂政殿下、オーブは参戦されるおつもりなのですか?
よもやウズミ元代表の理念などを持ち出して、今回も忌避されるおつもりですか」
「我が国は国法上、議会の承認を得なければ参加できませんが、皆様の前でこれだけは伝えて置きたい」
キラはすっと立ち上がり
「我が国は日本帝国にカグヤのマスドライバー施設の貸与と使用権限の租借、パラオの海軍からの優先的通行権をする準備があります」
「!!」「どうゆうことだね、キラ・ヤマト君」「まさか」
一同が騒がしくなった
「これは先般、日本国とオーブとの間で結ばれた秘密条約による物で、すでに決定条項であります。
もっともこれは従前から施行されている世界安全保障条約の効力を反故にするものではございません」
キラは芝居に打って出た。
日本とオーブの間には秘密条約もマスドライバー貸与構想もなかった。
もしも地球連合軍、その主力軍としての大西洋連邦との事を構えるのを防ぐための安全策であった。
551SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:25:46 ID:???
ガルシアは、板垣首相に
「板垣さん、これは事実ですかね!」
「オーブ連合首長国との間に友好条約は存在しますが、秘密条項なるものは日本政府としては結んではいませんし、そのようなものは存在致しません」
黙って聞いていたブルーノ・アズラエルが
「まあ、事実か事実でないかは置いといて、オーブは参戦する準備はあるということかね」
「そう、受け取ってもらってかまいません。少し時間を戴きたい」
「それは準備する時間をかね」
キラは水を飲むと
「それは貴方がたの解釈の問題です」
と答えて座った。
ガルシア苛立った様子では書類ばさみで机をたたき
「結論は出たな。さっそく取り掛かろうじゃないか!」
そう云ってドアを開けて出て行った。
キラはその場から休憩室に向かった。
休憩室で休んでいるキラに、大西洋連邦国務長官が声をかけてきた
「キラ、君が言ったことは本当かい」
「ああ」
そう云って彼は懐から葉巻を取り出し、火をつけた
「この策は誰の作品だい?まさか……」
「僕の考えさ。一本もらうよ」
そういうと葉巻をくすねて、ライターで火をつけた
「珍しいね、君が煙草を吸うなんて」
「そういう気持にもなるさ、マイク。
軍学校に行ってる息子さんは」
「家には帰ってこないがたまに手紙ぐらいしかよこさん」
「そっか。うちのおちびちゃんも、もうそんな年頃になるだったな」
「三番目の倅さん、何してる」
「学生だよ。彼には僕たちみたいな辛い思いはさせたくないんだ……」
腕時計を見て
「おっと、煙草を吹かしてる様なわけにはいかないんだった。
じゃあ、マイク。
今度は官職名抜きで会いたいね」
マイクは笑いながら
「あと10年は無理だろ、お前さんの国が許してくれまいよ」
笑いながらキラは車の方へ行った。
552SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:28:17 ID:???
車に乗り込むと、隣にエイジ・マシマが乗りこんできた
「どうでしたか。手ごたえは」
「厳しいね。でもなんとかなるとは思うんだ。
希望があれば、オーブという国を守り立てていくという希望があれば」
前の席に乗っていたタツキ・マシマが
「誰とお話をなさっていたのですか、キラ様」
「大西洋連邦国務長官のマイク、マイケル・ウィルソン」
「たしか地球連合軍カルフォルニア士官学校の同級生でしたか」
「戦略課のね。もっとも僕は聴講生だったけど」
「例の場所に寄られるのですか」
「30分、10分だけでもいい。少しだけ時間が欲しい」
「判りました」
「運転手さん、わるいけど今から吉祥寺に向かって」
そういうと車は吉祥寺方面へ向かった
553SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:29:46 ID:???
車はほどなくして目的の場所に着くと
「30分ほどで戻るから。でも、何かあったら呼びに来て」
そういうとキラは車を降りて、屋敷の方へ入って行った。
「今日は、キラです。いないのかな」
靴を脱いで、玄関を上がると中に向かって進んだ
客間のほうに向かったが誰もいないようなので、玄関に戻って靴を履いて裏の方へ向かった。
裏口に着物を着た見慣れぬ青年がいた。
キラは
「すいません、響修造博士はどちらにいますか」
そう云うと青年は中庭の方に手を向け
「向こうで鯉に餌をあげてるんだと思います」
「そう、ありがとう」
返事を返し終わらない内に駆けて行った
中庭の池で鯉に餌をあげている老人がいた。

―響修造―
キラの実父、ユーレン・ヒビキ博士の父。
クライン派の情報機関、ターミナルが探し当てて引き合わせた。
CE以前の日本独立時代を知る数少ない生き残りであった。
強烈な愛国心の持ち主で、科学者でありながら東アジア共和国時代の強烈な政治迫害を乗り切った信念の人物であった。
ユーレンのことを勘当はしていたが、孫を名乗るキラを気にしてはいたが確実な証拠があるまで信じていなかった
DNAによる血縁証明と彼がユーレン・ヒビキによって設計されたスーパーコーディネーターという事実を聞かされてやっと孫と認めた。
もっとも彼はキラがユーレンに《改造された》孫と、とらえていたようだが……
554SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:31:06 ID:???
キラは、池のそばで立っている老人に向かって声をかけた
「キラです。おひさしぶりです」
老人はギラリと睨んだ
「良く来た」
「お元気そうで」
「オレも年を取ったよ。ことしで茶寿だ」
「僕も、もうすぐ50歳です」
響修造は笑いだした
「まだまだ若い。生き急ぐな」
「はい」
響修造は振り返って
「カガリの具合は良くなったのか」
「ええ、随分良くなりました。
長い時間話も出来るようになりましたし」
「そうか。お前に合わせたい人がいるんだが今日は生憎、此処に居なくてな……」
「はい。少しでしたら待ちますが」
「いや、いいよ。そのうち会いに行かせるよう説得するさ。
何分、猫のように小難しくてな。
下手に扱うと引っ掻かれる」
そういうと笑いだした
「さて、こんな所に居てもしょうがないだろ。
帰りなさい。お前にはやることがあるはずだ。
もっと大事なことが」
「わかりました。お祖父さん
では」
キラはそう云うと背を向けて歩いて行った
「死ぬなよ」
響修造はそうキラの背中へ向かって叫んだ。
555SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:35:30 ID:???
同日、日本軍は先のザフト軍を名乗るテロ集団の襲撃を受けて、志願兵の応募と予備役・後備役の緊急招集をかけ始めた。
各地の軍関係学校や、軍事科目のある大学・高等学校では短期士官育成を決定した。

シン・アスカはその報を聞くと葬式の準備の途中であったが、すぐさま出かけて行った。
シンにとって葬式よりも血を持っての復讐の方がルナマリアへのはなむけに思えた……
(俺は、許さないぞ!アスラン)
シンは陸軍の臨時志願兵募集所に来ていた。
待っていると受付で呼ばれた
「10893番!」
「ハイ」
そう云うと立ち上がり、面接室と張り紙がしてある部屋まで行った
「失礼します」
「はいりたまえ」
ドアが開き、部屋に入った
「まず、氏名、年齢、本籍から確認する」
「シン・アスカ、46歳、現住所は東京都港区西麻布……、本籍は和歌山県……、教師、いや私立学校の運営をしてます」
大尉が資料を取って
「では、オーブ生れで、プラントで5年間暮らしたという書類があるが」
「はい、たしかに生れはオーブです。プラントでは14〜19歳まで、20歳の時に帰国しました」
「一応、帰化人ではなく帰国者扱いか?」
「はい。曽祖父の戸籍謄本で父が日本人と証明できましたので」
中尉が
「君はザフトにいたという話があったが」
「はい、ザフトではグラディス隊で軍艦ミネルバに乗船した後、第8連絡船守備隊のサルキソフ隊にいました。その隊を最後に除隊申請して、受理されました」
中佐が
「プラント帰りだそうだが、帰ったあとは何してた?まさか園長先生にすぐなったわけじゃあるまい」
「大学を出た後、ユーラシアとの通商をする商社に6年いました」
「で、何が出来る」
「プラントでは英語が公用語だったので、英語、フランス語が話せます、ロシア語は日常会話しかできませんが……」
中尉が鋭い目つきで
「目が赤いようだが……コーディネーターか」
「はい」
「追って連絡する。それまで待て」
中佐が
「おい、心配するな、もしどこもダメだったらおまえは俺が拾ってやるよ」
556SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:42:17 ID:???
続く

追記
前日にあげたものと今日上げたものは一緒にする予定でしたが長すぎると思い、二分割しました。
557SEED 戦後30年目の愛:2009/04/12(日) 05:48:12 ID:???
申し訳ないのですが、まとめサイトの方で

>パラオの海軍からの優先的通行権


>パラオの日本海軍基地からの優先的通行権

に直しておいて下さい。


558通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 07:35:54 ID:???
>>557
原作整合性無視の無茶苦茶オリ設定で書いてるから本人以外には正しいか間違っているかわからんな
559通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 10:06:54 ID:???
まあな、書き間違いで大西洋連邦大統領ラクス・クラインとか書かれても
プラント議長と兼任してるんだろうな。でスルーされそうだしな
560通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 10:59:26 ID:???
負債補正のついたままのラクスなら普通にやりそうだしな
561通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 13:10:43 ID:???
なんかこう…ただ淡々と会話を書いてるだけというかなんというか
最後の会話シーンとかセリフの間に入るのも
「中尉が」
「中佐が」
ってそんなんばっかだし
もうちょっと会話シーン考えた方が良いと思うんだが
562通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 14:35:31 ID:???
>>558
ここにあるIF物でかろうじて原作との整合性があるのはザクレロSEEDだけだろ。
あとはホント目をつぶらないと見れないレベル。
ラクスとマルキオが対立とかラクスと忍者が空母盗むとか何なんですかって思ったよ。
職人も何か考えのあってのことだろうから、難しいのだろう
563通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 15:25:33 ID:???
>>562
永遠に目をつぶってろよ。誰も止めないから。
そうやって職人淘汰するなら自サイトでも立てて好きにやってくれ
564通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 15:35:44 ID:???
なんか荒らしが定期的に来るようになったな
565通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 15:58:24 ID:???
何度も話題になる事だが、おかしいと思ったところを指摘するのは荒らしなのか?
職人がいなくなるって誉める感想しか許さないってのもどうかと思うんだが
566通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 16:03:36 ID:???
>>565
562が、おかしいと思ったところを指摘してる様に見えるのか?
見えるとしたら、何処をどう解釈したらそう見えるんだ?
567通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 16:20:44 ID:???
そもそもIFスレとは何ぞやって問いをしないといけないと思うって的な意見だろう>>562
それともここは意見すらいってはいけない場所なのか
568通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 16:44:58 ID:???
って言うかザクレロみたいのが本当だ、それ以外は糞だみたいな書き方したら荒らし扱いは当然だろう。
それこそ自分で正統IFスレ立てるなりしてくれ。
自分は玉石混淆だろうがにぎやかな今の方がいい。
569通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 17:23:50 ID:???
あーあ、自分を荒らしと自覚してないのか
その余計な一言がいらん世話つうのが分かってないんだろうね
それともわざとか?
そんなに職人の心を折りたいのか?
570通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 17:49:53 ID:???
わざとだろうなぁ
「意見を言っては行けないのか?」みたいな事は、荒らしが自分を正当化する時に使う言葉だ
普通の住人はそもそも、そんな言葉を使わなければならないような意見の言い方はしない
571通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 17:51:22 ID:???
565=567はひどく短絡的だな

「おかしなところを指摘している」とお前が思っている行為は
傍から見ればただのいちゃもんだ。
自分の思うとおりにストーリーが進まないから駄々をこねているだけ。

お前に限っては、ここでは意見をしてはいけないと思って間違いない
572通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 18:22:32 ID:???
最近他のSSスレでもよく見かける奴だろ
放って置くのが吉
573通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 18:33:04 ID:???
というかよく律儀に下らないと思うSSを読むなあ
自分はもう面白いと思うSSしか読まないから
文句を書き込みようもないよ
基本的にGJしか言わないし言いようがない
574通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 18:35:11 ID:???
例の数字付きだろ
575通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 19:09:10 ID:???
単に粗探ししたいだけのクズだろ
こいつはスレからスレへと渡っているから、その都度駆除するしかない
こいつに潰された職人とSSは数知れず・・・
最近だとバルディオスとのクロスかな
576通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 19:26:03 ID:???
バルディオススレとかの話してるのっていつも同じ人なんだろうなぁ
知らないっつのそんなスレの話されても
こいつに潰されたーとか言ってるけど、同一人物だって証拠もないのに何言ってるんだか
577通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 19:27:44 ID:???
ここらで空気変えようぜ。作品か人かの違いだけでどっちもけなしてるのには違いない。


情勢的に難しいかも知れないが、ジブとアズの登板順を逆にしてみてはどうだろうか。
クルーゼはやりやすくなるし、逆に議長は一筋縄ではいかなくなるはず。
578通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 19:28:28 ID:???
ブルコス学園野球部?
579通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 19:33:31 ID:???
580通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 19:46:36 ID:???
>>578
ブルコス学園野球部エース。ピッチャーアズ&ジブ
対するはザフト学園野球部
ヘルメット被ってバット振り回すクルーゼと議長が脳内再生された
とりあえずチアにタリアを呼べば議長はやる気を出すんじゃなかろうか
ジブはハンカチ王子ならぬ、ぬこ王子で
581通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 20:30:17 ID:???
>>577
種の時点でブルコストップがジブだすると、オーブ解放作戦はなくなりそうな気がする
582通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 20:31:19 ID:???
>>580
ぬこで汗を拭くのかw
583通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 20:36:25 ID:???
         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  | ←ジブ
  ヽ        ':
  彡   ´ ∀ ` ミ
  ;'         ミ旦
 ミ  ミ;,/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヘ ̄ハ,_,ハ
ミ゙゛';:, /            Yっ´∀`;っ ←ぬこ
`゙'''~^"⌒~''"⌒~'゙"⌒~""⌒~''""⌒~''"
584通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 20:37:28 ID:???
>>582
ぬこをいつも頭にのせてるんだろ
585通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 21:41:32 ID:???
ザフト学園側が
殺人スライディングやキャッチャー攻撃、ピッチャー返しを多用しそうだなw
586通常の名無しさんの3倍:2009/04/13(月) 01:59:23 ID:???
           ト、/!)ン'o::::::::::,.ァ'コメコュ、::`ヽ、
          _」:::::::::フ:::`ヽ;'´::::::::::::::::`ヾ>、::::ヽ.
         /`ヽr'´:::::::::::::::';::::::::::::::::::::::::::::::`':;::::';
        ,:':::::::::::::::/::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Y::!
        !::::::::::::::;'::::/::::::::::::;'!::::::::::::::::::::ヽ;:::::::i::::::ヾ.
        i::::::::::::::!,メ、:::::::::;:' !:::::;:::::::::;::::::::::';:::::';::::::;::';
        '、:::::::ィ〈 i`ヽイ i:::/!::::::_」:::!:::::::!:::::';:::ハ,ノ
       . ノヽ:;7,.,. '、_リ'   レ',.-r‐ァ''T7´::::!::::::i;':::::ヽ.
       ,.:'´::::::::::i、     ,     '、__,ソノ!::::;:'::::::八::::::::ヽ.
       i:::::::::::::::!::::>、  、 __     イイ_;;::イ::::::ヽ;:::::::',
       '、::::::::::::ハ:::::ノヽ, .   ,.-''´`ヽ.:::::::::!::::::::::::i:::::::ノ
        )イ:::;ゝ、_;::-ノ`iこ7"i     Y::::::::!:::::::::;':/
         '、::,.:'´:.:.:.::.,ゝ、ゝヽし' 、    !:_ン、:;_;ノ(
          /r。:.:.:.:.(_ソ米::::i,.ゝ、`i.   |.:.:.:.:.`ヽ.
         ,!//:.:.:.:..;'ァ''⌒ヽ,!:'、__ノ:.:|.   !:.::.:.::.:.:.:':,
         く.: !:.:./*il// i |*:..::.:.|    !.:.:...:.::.:.:ヽ.
>>200-201
私は打ち方を器用に変えるコトは出来ないけど
今のつきの流れ的に速度じゃ如何頑張っても無理そうだからね。
キャラにぴったりだったからやってるだけよ。
>>202
ホテルモスクワが動いてるの?それは知らなかったけど
フライフェイスの人は……ああ、シン女体化の時居たわね。
>>203
あーあー、慣れたらクック狩り、もしくは砂漠でガレオスだったかしら?
アレ狙うと良いわよ。結構良い値段するし、何よりクックは序盤から中盤位まで使える良装備よ?
587通常の名無しさんの3倍:2009/04/13(月) 02:00:09 ID:???
すまない。誤爆してしまったorz
588通常の名無しさんの3倍:2009/04/13(月) 16:24:05 ID:???
>>583
ジブリがツトゥグア様になったように見えた。
589通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 18:07:43 ID:???
つぁとぅぐあさんなら大歓迎だ
590通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 18:09:43 ID:???
もしシンとカガリが種(死)以前に知り合いもしくは友人だったら
591通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 18:14:56 ID:???
>>590
友人って事は、カガリの「お父様のしたことは間違っていない」思想が無いのが前提か?
592釣られ作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:15:36 ID:???
                       ,
海鮮ジョンゴル鍋の材料を     ,/ヽ
  釣るモナー            ,/   ヽ
            ∧_∧  ,/      ヽ
           ( ´∀`),/          ヽ
           (ザフトつつ@            ヽ     
        __  | | |                ヽ   
      |――| (__)_)                ヽ   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|                ヽ 
/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\|彡~゚ ゜~ ~。゜ ~ ~ ~ ~~ ~  ~~ ~~ ~~ ~~ ~ ~~ ~  ~~ ~~ ~~ 
⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\彡 〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜 〜  〜〜 〜 〜〜 〜
593釣られ作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:16:20 ID:???
                       ,
                      ,/ヽ
                     ,/   ヽ
            ∧_∧  ,/      ヽ
         Σ ( ´∀`),/          ヽ
           (  つつ@            ヽ       /^l'"'"~/^i'''ツ'ッ.,
        __  | | |                ヽ    ヾ          ヾ ←ジブリ
      |――| (__)_)                ヽ   ミ ´ ∀ `      ミ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|                ヽ ッ       _     ミ ))
/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\|彡~゚ ゜~ ~。゜ ~ ~ ~ ~~ ~ (´彡,.    (,,_,ノ" ~~ ~~ ~~ ~~
⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\彡 〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜 〜  〜〜 〜 〜〜 〜
594釣られ作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:16:44 ID:???
           /^l            ,/ヽ
  ,―-y'"'~"~"~゙´ |           /   ヽ
  ヽ   ´┰ー‐┰`;:          /         ヽ
  ミ    づ;;;  ;;と ミ        /            ヽ     このように、釣りには危険が伴うもさよ。
  ゙,     |    |  ''ミ      / @               ヽ
  彡.    し' ̄し'  ;:'     /y                ヽ
   '; (⌒) .    ⌒)  /  |                      ヽ
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|          ヽ
  /⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\|彡~゚ ゜~ ~。゜ ~ ~ ~ ~~ ~ ~~ ~ ~~ ~~ ~~
  ⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\/⌒\彡 〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜 〜
595釣られ作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:17:10 ID:???
    ┼┐¨リ _
          _|¨リ

     昼食モサよ

               ,ヘ
      ,―-y'"~"~"~゙´ヽ
      ヽ  :::::::::::::::::::: ;:
  ` ;、 ;:-,`::::::::::::::::::::::::::ミ
   ∴ (^゙,::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ
    ノ 彡.:::::::::::::::::::::::::::::::;:'lミ ノ
   と_(⌒';ミ ::::::::::::::::::::::ミノシ
       ̄二三三三三三二 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             二三三三三二
                  二三三二
596最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:19:37 ID:???
「ううむ。ここまで追い詰められてしまうとは」
デュランダルは唸った。
「軍事ステーションは所詮器です。ザフトの軍は致命的な損害を受ける事無く撤退できたのですから」
「しかし……これでは本国を守る要塞はメサイアしか無くなったな……」
「残存艦隊は、メサイアに向かう様に指示を出しましょうか?」
「そうしてくれ。私もメサイアへ向かう!」

「なんとか無事に本国に戻れそうだなシリー」
「ええ、カン、すごかったわ。カン」
「君こそいい攻撃だった」
休養室で、二人がいちゃいちゃしている。
「ルナ」
「あ」
休養室の入り口に居たルナマリアに後ろから声をかけたのはマユだった。
「どうしたの?」
「ん? 彼らって、私の部下だったチアキとミツオに似てるじゃない? ちょっと、話すの辛くてね。思い出しちゃって」
「そっか」
ルナマリアの肩をぽんと叩いてマユは休養室の中へ入っていった。
「よくやったわねー! あんた達!」
そう言ってマユはカンとシリーを抱きしめた。

「私も、ああ出来ればいいのにな」
「ルナ、慣れん方がいい、人の死になど」
「え、あ、アスラン!」
「お前はお前らしくやれよ。前に言われたな」
ぽんとルナマリアの頭を叩いてアスランは去って行った・


「まさか軍事ステーションを落としてしまうとはなぁ」
「それほどザフトが弱体化していると言う事でしょう」
「第9から第12艦隊にも軍事ステーションに向かうように指示を出しました」
「この機を逃さず! ザフトを敗北させましょう!」
「うむ!」


「軍事ステーションは取られたか……」
アスランは嘆息した。
「ああ。残念だ。しかし、貴様の考えたフォーメーションは効果があったな」
イザークは言った。
「そうか」
「この際全軍に通達するべきかも知れん」
「ああ、やってくれ。俺からもデュランダル議長に進言しよう」
アスランの考えたフォーメーションはこの後の戦いで意外と地球軍を苦しめる事となる。


597釣られ作戦発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:20:02 ID:???
アメノミハシラでは、降下作戦の準備が行われていた。
「どうだ、サース?」
ガルドが尋ねる。
「はい、いい機体です!」
サースの機体はパイマラソだ。
「ああ。しかし、俺はこのシャペリンの様なオーブらしいほうが好きだな。」
ガルドの機体はシャペリンだった。
「サース、無理はするなよ!」
「はい!」
『各員降下準備開始』
アナウンスが入る。
オーブ本土奪還作戦が始まった。


月面アルザッヘル基地から第9艦隊、第10、第11、第12艦隊が攻略した軍事ステーション目指して進発していく。
「できれば我らも行きたかったがな」
第1艦隊司令長官のラザーノレ・ロポス中将が呟いた。
「我々はいざと言う時のために残っていなければ」
第2艦隊司令長官のバエシタ中将がたしなめる。
「ああ、わかっているとも。だが、どうにも心が逸る……」


「……と言う事で、まだ経験の少ない者達はガナーザク装備で後方から狙撃すると言う事だ。前面はベテランに任せる」
デュランダルは軍部の首脳に言った。
アスランの考えたフォーメーションの案はクルーゼからもその利点を進言されていた。
「うむ」
「もっともな話だな」
「後方に置くと言う事で、戦場、新兵特有の恐慌状態にも陥りにくいでしょう」
「で、ここで言いにくい事を言わなければならないのだが……」
デュランダルは口ごもった。
「なんでしょう?」
「徴兵年齢を引き下げたい。13歳に。まだ学生の身分の者を徴兵する事になるが、後方から狙いをつけて撃つだけなら
さほど難しい事でもないだろう」
後ろめたそうにデュランダルは言った。
「……それは!」
「そこまで。厳しいのですか?」
「元々プラントの人口は2千万だ。地球連合と戦うにしても限界が出始めていると言う事だよ」
デュランダルの言うとおりだった。既に物資の配給制は実施され、先の戦役による消耗、それを補うための更なる
徴兵によりプラントの社会システムは限界に近づいていた。
少々暗い雰囲気の中で、その案は決定された。


598最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:20:37 ID:???
「第9艦隊、アノレ・サレム少将だ」
「第10艦隊、ウラソフ少将です」
「第11艦隊、ムーマ少将だ」
「第12艦隊、ポロティソ中将だ」
軍事ステーションに集まった面々が自己紹介する。
軍事ステーション攻略を成功させた第3、5,6,8艦隊は補給及び軍事ステーションの周囲を警戒に当たっている。

「我々の情報では、もはやザフトに軍事的要衝は無い。一気にプラントを攻略し、城下の盟をさせるべきだと思うが」
「ふう」
ウラソフは溜息をついた。
「長かったですな。ここまで」
「まさか人口2000万人の集団があれほどに地球に被害を与えるとは思わなかった」
もはや、プラント攻略に区々たる戦術は必要ない。軍勢の多寡を利用して押して行けばよいだけである。しかも、ザフト
はプラントと言う民間人の居住する施設を抱えているのだ。プラント攻略作戦会議は自然と雑談になっていった。
「地球連合は、プラント住人を全て地球に移住させる計画らしいですな」
「2千万か……なんとかなるかね?」
「しかし、差別が起こるかも知れんな」
「当然の報いだよ。私の祖父母もエイプリルフール・クライシスで死んでいる。田舎で静かに暮らしていただけだったのに」
会議は、3日後の出陣を決定して、解散した。


「こんな要塞が作られていたとはな」
アスランはイザークに言った。
「ああ、こんな時だ。心強い」
「絶対に成功させようぜ、この作戦」
「ああ、ディアッカ!」
「ジュール隊長!」
その時、部下の一人が声をかけてきた。
「あん? なんだ?」
「お母様が、おいでになられております」
「なんだと!?」


「ギル。今度の作戦、自分の案が受け入れられたようでありがたい」
クルーゼがデュランダルに話しかける。
「ああ」
「もう一つ、ある」
「なんだ?」
「今度の作戦、ナスカ級とローラシア級に完全に運用を別けたいのだ。そして迎撃作戦は……」
クルーゼは手元のコンソールを操作した。
画面上の敵味方が動いていく。
「どうだ?」
「いいだろう」
デュランダルはクルーゼの出した案に承認を与えた。


599最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:21:02 ID:???
同日――
宇宙軌道上から超巨大円盤機『ヴリル・オーディン』がオーブ上空に舞い降り、オーブ本土奪還軍は一斉に降下した!
まずは高野一佐率いる『紺碧隊』を中心とした部隊がカプノレを主力とした水中用モビルスーツでオーブ近海に着
水、そのままオーブ本土上陸作戦へと繋げていく。
救国軍事会議側が配置した軍艦は軒並みグラプロとカプノレにやられていた。
救国軍事会議側があわててその方面に兵力を集中した時だった。
大高一佐率いる『青風会』を中心とした部隊が降下し、首都オロファト――行政府、内閣府官邸、国防総省。オノゴ
ロ島――国防本部、モルゲンレーテ社。カグヤ島――マスドライバー施設の制圧を目指す。
オーブ本土奪還軍の装備するモビルスーツは、灰田氏による設計図の調整により、この時代のモビルスーツとし
ては最高の性能を誇っていた。
各地で救国軍事会議側の軍を包囲するようにいくつもの輪が閉じ、潰れていった。

「これで! 家を復興するんだ!」
サースの気迫はいつもの雰囲気とはまるで違い、凄まじかった。敵の攻撃をビームシールドで防ぎ、お返しとばか
りに大型ビーム砲をぶちまかし、敵モビルスーツを消滅させる。
「熱くなるな」
そうサースに助言をしながら、さりげなくガルドはサースを狙ったモビルスーツをビールライフルで撃破した。

「ちくしょう! 上の奴らもだらしない!」
タキト・ハヤ・オシダリは悪態をついた。
「どうします?」
部下が焦った声で指示を求めてくる。
「ようし、敵の奴らが見逃している所がある。そこを狙う!」
「一体どこで?」
「オーブ中央銀行さ」
タキトはにやりと笑った。
「救国軍事会議はもうだめだ。銀行を襲って金を手に入れ、モビルスーツは乗り捨てて逃げる!」
「いいですな」
「そりゃあいい!」
タキトの提案に驚くどころか、部下達は賛成の声を上げる。
「では、行くぞ! ヤマダ、ワダ、スズキ、タナカ!」


600最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:21:26 ID:???
「イザーク……元気な姿を見られてほっとしたわ」
イザークの私室に通されたエザリア・ジュールは、安心したような笑みを浮かべた。
「どうしたというのです、母上?」
「いえね、プラントも追い詰められているわ。プラント本国がいつ攻撃にあってもおかしくない。そう思ったら、あなた
に無性に会いたくなったのよ。でも安心した。これでもう思い残す事は……」
「母上……プラントは、俺が守ります!」
「ふ……そうね。頼りにしてるわ」
「ええ、頼ってください!」
「でもね、もし、もし私が死んでも、あなたはひとりぼっちじゃないのよ」
「何の事です?」
「あなたには、弟がいるの」
「なんですって!?」
「ふふ……驚いた?」
「驚きましたよ!」
「まぁ、残念ながら私の生んだ子供じゃないけどね。この際教えておこうと思って。ほら、この子よ」
「これは……!」
エザリアから渡された写真を見たイザークは言葉を失った。


軍事ステーションを根拠地とした、地球軍のプラント攻略部隊は順調に歩みを進めていた。
「ザフト軍はプラント本国前に陣を敷いているようです」
「そうか。布陣は?」
「中央部が厚く、周辺部が薄い。まぁ、順当な陣形ですな」
「中央部が厚いと言っても、今のザフトの戦力だ。我々の兵力と比べればたいした事は無いだろう?」
「それは確かに」
「では、我が軍は鋒矢の陣形を取る! もはやザフトに我が軍を包囲する戦力は無い!」


601最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:21:47 ID:???
「はっはっは! 大金持ちだぜ!」
銀行強盗を首尾良く果たしたタキトは、元恋人のリンナ・セラ・イヤサカの元へと混乱した町中を車を走らせた。

「あ? タキト? 何よ今更?」
家の扉を開いたリンナはそっけなく言った。
「おいおい、そんな口聞いてると後悔しちゃうぜ?」
「なによ。いい? 今のあんたがあたしと釣り合うとでもおもってんの? あたしは二尉に降格されたあんたなんか
いらないの! 愛想が尽きたの!」
「お、俺と一緒に来たら、贅沢できるぜ!」
「ばーか。気持ち悪いのよ! もう来るな! もう私には彼がいるの! あんたよりずっと素敵なね!」
リンナは扉を閉めようとした。が、タキトは怒りの表情でそれを阻んだ。
「何よ! きゃ、うぐぅ……」
「貴様、貴様、貴様、この売女!」
タキトはリンナにのしかかり、その細い首を締め上げた。リンナは必死に抵抗したが、やがて動きが止まった。
「はっ……俺は……何を……」
タキトは我に返り、その場を逃げ出した。駆け出した。
その時、タキトはいきなり周囲が暗くなったのに気づいた。
子供のような素直さで上を見上げたタキトの上に、撃墜されたM1アストレイが落下してくる! その真下には幼児
が危険に気づきもせずふらふら歩いていた!
タキトはダッシュして子供を、横の方へ、悲鳴を上げている幼児の母らしい女性の方へと投げ出した!
――瞬間、M1アストレイがタキトの下半身を押しつぶした。
へへ、こんな俺の最後としちゃ、まぁまぁかな……
満足そうな笑みを浮かべながら、タキトの意識は薄らいでいった――

オーブでの戦闘は急速に収束へと向かっていった。
一時間後、救国軍事会議の首班であるプロソズ将軍、ストークズ将軍始めノレクランシュ一佐、エペソス一佐、と
言った首魁が自決。オーブのクーデターは鎮圧されたのである。


「とうとう、地球軍がプラント本国を攻めるようだ、ラクス」
バルトフェルドが言った。
「そう。でも、地球軍にはメサイアの情報は漏れてはいないのでしょう?」
「そのようだな。でなければあんな陣形を取るはずがない」
「地球軍は、痛い目に遭いそうですね。その時が、わが軍の動く時となりましょう。準備を怠らないように」
「わかった」

自室に戻ったバルトフェルドは、亡くなった恋人、アイシャの写真に語りかけた。
「もうすぐだよ、もうすぐ……」


602最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:21:54 ID:???
3日後、地球軍はプラント攻略を目指して出撃した。
プラント前面に陣を張るザフトと砲火が交わされる。
だが、ザフトの砲火は地球軍のそれと比べて弱々しく感じられた。
「今だ、突撃して奴らの陣を食い破ってやれ!」
先鋒を任された第9艦隊、アノレ・サレム少将は吼えた。
ユークリッド隊が敵陣を食い破っていく。
ザフトの陣を突破できる……そう感じた時だった。アノレ・サレムは何か違和感を感じた。如何にしても、弱すぎる。

――その時、ザフト軍は中央部を破られるのではなく、自ら中央部から撤退していた。高速なナスカ級のみで構成
された周辺部艦隊が、急速に地球軍の側面を逆進して行く。
「急げ! 急がんとネオ・ジェネシスに巻き込まれるぞ!」
ザフトの陣形はまるでチューブの様に中央部がぽっかり開いた。
そして……最後方に、ミラージュコロイドを解いたメサイアが姿を現す!

「あれは……急げ! 急いで中央部から撤退するんだ!」
そのアノレ・サレムの命令は全てに遅すぎた。
光が、アノレ・サレムを包んでいった――

いつの間にか、地球軍はコップの内部に入ったかのような形になっていた。
コップの底は要塞砲、コップを形作るのは地球軍を包み込むように急激に前進してきたナスカ級を中心としたザフト
艦隊だ。
補充された新兵も、艦に乗って狙いをつけて撃つだけならできる。
ミネルバも当然先端にいる。マユが、カンが、シリーが、デューサーが撃ちまくる!
「マユさん! 私……撃沈しちゃいました!」
「よくやった! さぁ、撃ち続けるのよ!」
「撃て、撃て! 撃ちまくれ!」
ザフト軍の司令官が吠える。そして、ネオ・ジェネシスの第2射――
地球軍第10艦隊司令長官ウラソフ少将の意識はネオ・ジェネシスの光の中へ消えた。
603最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/14(火) 18:22:07 ID:???
続く。
604通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 19:48:28 ID:???
イザークの弟って誰だw
605通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 21:24:03 ID:???
遺作の弟っていったら鬼作と臭作だろJK
606通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 21:28:29 ID:???
キザークとシュザックかw
607通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 21:35:00 ID:???
タキトgdgdすぎるwww
608通常の名無しさんの3倍:2009/04/14(火) 23:29:33 ID:???

最初のAAが何レスも続いて嵐と思ってしまったのは内緒だ
609通常の名無しさんの3倍:2009/04/15(水) 00:16:40 ID:???
>>592
>>593
>>594
>>595
萌えたwww
610通常の名無しさんの3倍:2009/04/15(水) 16:33:46 ID:???
786 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:32:56 ID:???
話題変えようぜ
最近読んだこのSSのここは無いなってのある?

787 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 15:41:55 ID:???
>>786
忍者大活躍

788 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2009/04/15(水) 16:09:02 ID:???
>>786
100年以上後の世界なのに自虐史観に塗れる日本と麻生総理登場

コスプレをした教祖様が忍者と泥棒ゴッコ
611通常の名無しさんの3倍:2009/04/15(水) 17:13:57 ID:???
自演乙
612通常の名無しさんの3倍:2009/04/15(水) 18:21:40 ID:???
もしもCEキャラで「ウォッチメン」をやるとしたら
613通常の名無しさんの3倍:2009/04/16(木) 18:53:12 ID:???
ロールシャッハはカズイ、これは譲れん
614通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 12:12:54 ID:???
フラガがプロパガンダで造られた英雄像と現実との差違に強いコンプレックスを持っていたら

もうちょっと深刻なキャラでもよかったと思う。
んで、キラの成長見てますます強まって中盤前あたりに託して死ぬポジション。
615最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:28:30 ID:???
プラント攻撃にあたった地球軍艦隊は3度に渡るネオ・ジェネシスの発射によりその8割を消失した。

「どうやら、一先ずは地球軍の攻撃を防げたようだな。次はなんとか交渉に持ち込んでプラントの存続を図らねば……」
デュランダルがひとまずアプリリウスへ戻り、プラント評議会の会議が終わらせて執務室へ戻ろうとした時である。
「か〜ん〜ぞ〜く〜!」
前から突進してくる男の言葉が『奸賊』を意味する言葉だと理解した時だった。デュランダルの腹部に、熱い物が突き
刺さった――

「議長の容態はどうなのだ?」
「……」
医師は首を振った。
「後は本人の体力次第です」
「犯人は?」
「奥歯に、シアン化化合物の入ったカプセルを仕込んでいました。それを噛み砕いて……」


混乱するプラントに近づく艦隊があった。
「あれはなんだ!?」
「地球軍の艦艇だぞ!」
「いや、待て、先頭はエターナルだ!」
その時、謎の艦隊から通信があった。
『ザフトのみなさん。わたくしは、ラクス・クラインです!』

苦しい状況の中、地球軍の艦艇を数多く強奪してきたと言うラクス軍の行為はプラント市民に英雄のように捉えられた。
フリーダム強奪事件の真相などは、まだ一般市民に知らされていなかったのだ。
『で、あなた方はどうしたいと? ラクス・クライン?』
「もちろん、祖国の勝利に貢献する事ですわ」
にっこりラクスは微笑んだ。
「わたくしが持ってきた艦隊もお役に立ててくださいな」
『……条件は?』
「そうですわねぇ。今はまだ、わたしくが上に立つのもおかしいでしょうから、アイリーン・カナーバを釈放、評議会
議長に復帰させてくださいな」

「ラクス・クラインが? 私を釈放? 評議会議長に?」
知らせを聞いた拘禁されていたアイリーンは驚いた表情をした。そして突然笑い出した。
「ほほほほ!」
笑い止んだアイリーンは言った。
「いいでしょう。これが運命と言う訳ね。引き受けましょう!」


616最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:28:50 ID:???
地球軍のプラント攻略部隊は、アノレ・サレム少将、戦死。ウラソフ少将、戦死。ムーマ少将、戦死。
かろうじて一番後方にいたポロティソ中将だけがなんとか生還を果していた。
「どうすればいいのだ、どうすれば……」
その時、颯爽とサハク姉弟が現れた。
「ヤキン・ドゥーエのジェネシスと同じ武器にやられたようだな。若干威力は弱いようだが」
「代わりに、連射ができるようだ。それで、8割まで艦隊が損害を受けた」
「どうしたのだね? なにか用なのか?」
ポロティンが質問した。
「ザフトの新要塞、要塞砲、正面はオーブ宇宙軍に任せてもらおう!」
ギナは自信ありげに言った。
「なんだって? オーブに戦艦なんか4隻しかおらんだろうが!」
「残りは無人艦でも配置して増量して艦隊に見せかければよい。とにかくオーブ宇宙軍のイズモ級をジェネシスに
狙って欲しいのだ」
「あの金ピカの艦か?」
「ふふふ。金色(こんじき)の艦隊と呼んでくれ。あの金ピカ装甲に秘密があるのだよ。ザフトの奴ら、驚くであろうな」
ミナはほくそ笑む。
「ザフトが混乱したら、地球軍に側方から攻撃してもらえばよい」
他に適当な案もなかった。もしジェネシスが撃たれても、被害はオーブ宇宙軍4隻と無人艦だけである。
サハク姉弟の案は承認された。

地球軍のプラント攻撃は再開された。ただ、とりあえずの目標は変更されている。新しく確認されたザフトの要塞だ。
そこに、オーブ宇宙軍の金ピカのイズモ級4隻を先頭に無人艦がまるで艦隊が行動しているように見せかけ、続く。
第3、5、6、8艦隊は前回の戦訓から、ジェネシスの効果範囲に入らないように注意してオーブ艦隊の周囲を取り
囲み、全体として紡錘形を保って進んでいく。


「どうやら、勝ったな。このカシオミニを賭けてもいい」
アメノミハシラで戦況を見ていたユウナが言った。
ここでザフト軍が地球軍を撃退したとしても、もう次の攻勢に耐える体力がない事に気づいていたのだ。
「ああ。オーブもクーデターが鎮圧完了と言う。早く本土へ戻ろう。私のむじな姿をオーブ国民に見せて、笑顔を取
り戻してやりたい」
「そう思って、準備しといたよ」
そう言うとユウナはタヌキの着ぐるみを取り出した。
……10分後、彼らはシャトルでオーブ本土を目指した。


617最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:29:10 ID:???
「また懲りずにやってきたか」
メサイアに向かってくる地球軍を見て管制室のクルーが馬鹿にしたように言う。
「……? ただメサイアのまん前に進んで来るだけではないか? 何かの罠では?」
「どっちにしろ撃たずには居られまい。対空砲火開始! ネオ・ジェネシス発射用意! 狙い、敵中央部!」

メサイアからの対空ビーム砲がオーブ艦隊を包み込む。
メサイアの司令室から金ピカ艦の後ろの艦隊が撃破されていくのが見えた

そして……メサイアが揺れた――!
「主任! メサイアに衝撃!」
「何事だ!?」
メサイア前面表面、対空施設、全滅! 応答ありません!」
メサイア表面に多数設置されていた対空ビーム砲――それは『ヤタノカガミ』の反射によって破壊された。
「ええい、細かい事はいい! ジェネシスを撃てば終わる! ネオ・ジェネシス発射!」
――ネオ・ジェネシスが発射され、光がオーブ艦隊を包み込む!

そしてネオ・ジェネシスも――
金ピカの『ヤタノカガミ』でネオ・ジェネシスの光を真っ直ぐに反射されたその光はネオ・ジェネシスの砲口に威力を
減衰しないまま突き刺さり……その内部で爆発! ――メサイアは崩壊した。

「なんと言う事だ。悪夢だ」
プラント評議会の皆はアイリーン・カナーバを除いて頭を抱えた。
アイリーンは何を考えているのか、表情に変化を見せない。

「おい、なんでコロニー全基に急にフレアモーター付けろなんて?」
「さぁ? とにかく評議会議長からの命令だ。手早くやっちまおうぜ!」

「……どのような手か知りませんが、地球軍にも策があったと言う事ですね」
エターナルの艦橋でラクスは冷静に言った。
「では、マンハッタン作戦の発動を命じます。各艦には事前に送ってあったコード1945を開き、それに従うように伝
えてくださいな」

「ラクスか」
通信を開くと苦々しげにアスランは呟いた。
「あの女……」
アスランはラクスを憎んでいると言っていい。
だが、ラクスは何か事態を打開する策を持っているらしい。
また、自分の地位も何かを為せる地位にある訳ではない。3隻の艦を統率するだけのただの臨時のザラ隊隊長だ。
アスランは感情を理性で抑えた。
不本意ながらそれに従うしかなかった。


618最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:29:29 ID:???
メサイアを崩壊させた地球軍は、プラント目指して突き進んだ。
――突然、一隻の戦艦が爆発した。その爆発は数を増していき、地球軍は混乱に陥った。
「今だ、行くぞ! イザーク! アスラン!」
「「はい!」」
上級指揮官となったクルーゼの声に従い、イザークとアスランは旗下の艦に攻撃を指示する。
メサイアの崩壊に巻き込まれなかった残存ザフト軍が攻撃を開始する。
「なんだ、あの金ピカの艦は!?」
後ろに引き連れていた無人艦艇はネオ・ジェネシスに破壊され、イズモ級4隻だけが孤立して、崩壊したメサイア
の前面に存在していた。
「いい度胸だ、やっちまえ!」
「あれだけ突出していると言う事は何かの罠かも知れない! 気をつけて!」
マユが叫ぶ。
「罠なんてありませんよ!」
カン・トークがM1500 オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲を放つ。
一瞬、何かが光った。
「ああ!? カン・トーク!」
何故だかわからないが、カン・トークのザクが爆発した。
「よくもカン・トークを!」
シリー・ズ・コウセイが叫んだ。シリーはカン・トークと恋人同士の間柄だったのだ。
シリーは顔を歪ませてオルトロス高エネルギー長射程ビーム砲を構える。
プロ・デューサーも同じくオルトロス高エネルギー長射程ビーム砲を構える。
そして……発射。
次の瞬間、シリーもデューサーも訳もわからずザクの爆発の中で命を落とした。


「ははは! 見事な物だ。この金ピカ装甲は。ザフト軍に突っ込むぞ!」
ギナが笑った。
「物理的攻撃には無力だと言う事を忘れるな。あと、ビームサーベルにもな」
ミナが指摘する。
「わかっている。最大戦速で一回だけ、突き抜ける。どうだ?」
「いいだろう」
イズモ級4隻は地球軍を攻撃するザフト軍に突撃した。
ザフト軍の内側に入り込み、『ローエングリン』、『ゴットフリートMK.71』を撃ちまくる。
ザフト軍艦艇は内側に入ったイズモ級を攻撃するが、イズモ級の金ピカの装甲『ヤタノカガミ』で反射された自らの
ビームでわけもわからず撃破されていく。


619最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:29:49 ID:???
「行くよ! こいつら、なんとしても許さない」
「ああ、姐さん!」
ヒルダ達はオーブ艦隊に接近、攻撃を仕掛けた。
JP536X ギガランチャーDR1マルチプレックスで実弾とビーム砲を発射する。
ヒルダは実弾が金ピカ艦隊の装甲に食い込み破裂するのを見た。
「はは、ざまあ……」
その時、ヒルダは何かが高速で迫ってくるのを感じた。
「くっ」
あやうく何かの攻撃を躱す。
「くそ、なんだってんだい! レーダーには何も……」
向こうで何かが急速旋回してくるのが見える。
「まぁいいさ! いくよ! ジェットストリームアタック!」
「おうよ」
「いいともさ!」
「――く、スピードが! 間に合わない!?」
ヘルベルトとマーズのドムトルーパーからJP536X ギガランチャーDR1マルチプレックスが放たれる!
ヒルダは咄嗟にドリルランスMA-SX628フォーディオを手に取り、突き立てた。
「ざまぁ! これで……効いてない!?」

「はははは! 貧弱、貧弱ぅ!」
それは、ギナの操る高速高機動モビルスーツ、ゾッグであった。ガンダニュウム合金の装甲により、ヒルダ達の攻
撃をいとも簡単に受け止めたゾッグは、頭頂部のメガ粒子砲を発射する!
次の瞬間、ヒルダのドムトルーパーは、ビームシールドを使う余裕もなくメガ粒子砲に貫かれ爆散、ヒルダの意識
は四散した。
次に突進に移ったゾッグは両手のツメにドムトルーパーを引っかけ、急激な加速を行う。
「ち、装甲が剥がれた!」
その代わりにゾッグのツメからは逃れられたのだが、マーズとヘルベルトは喜んではいられなかった。
「遅いわ!」
いつの間にか、真っ正面にゾッグがいた。そして、両肩から放たれる四つの光――!
「行動不能! 脱出する!」
だが、その瞬間マーズとヘルベルトのドムトルーパーは再びのゾッグからの光を浴びて、破壊された……
「あっけない、つまらんな」
ギナはつぶやき、それ以上艦隊に近づくモビルスーツが無いのを確認するとイズモに帰還する。


このオーブ宇宙軍の突撃により、混乱する地球軍は撤退する貴重な時間を得た。


620最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:30:15 ID:???
「あれは、あの爆発は何だったので?」
撤退していく地球軍を見ながら、エターナルに連絡士官として派遣されていたザフト軍人がラクスに尋ねた。
「ああ、あれ。核爆弾ですわ。ミラーシュコロイドをつけてあらかじめあの宙域に設置しておいたのです」
「か、核爆弾!?」
「あらあら、宇宙には原子爆弾の発する以上の放射線が飛び交っているのに今更ですわね」
あわてふためく軍人に嫣然とラクスは笑った。
「どうやって、核物質を手に入れたので?」
プラントには、ニュートロン・スタンピーダに使うだけでほとんどの核物質を消費していたと言うのに。
「大洋州の同士が、協力してくれましたの」
ラクスはくすくす笑った。
「後は、地球連合に、もう一度ユニウス7を経験したいかと脅しつけて交渉するだけですわ! 核でもよいですけど」
「すごいや、さすがラクスだよ!」
キラがはしゃいだ。
「キラ…・・・今、幸福かい?」
ふいに、バルトフェルドが聞いた。
「うん? 幸福だけど? だってラクスが希望を果たして……」
「そうかい」
バルトフェルドはつぶやくように言い……
――!
バルトフェルドはいきなり左腕の義手を抜いて、キラに向けて銃を連射した。
キラは倒れこんだ。血溜りが広がっていく。どう見ても死亡するのに充分な流血の量だった。
「――! どうして? どうしてこんな事を!? キラ君を!?」
混乱した様子でマリューが叫んだ。
「こいつはアイシャを殺した」
ぽつりとバルトフェルドは言った。
「で、でも! あれは戦いで!」
「ああ、最初は恨みになんか思っちゃいなかったさ。キラが心を病んだ時も本気で心配していた。だがねぇ」
バルトフェルドは溜息をついた。
「楽しかったよなぁ、ラクス。世界をこの手に握る計画を練るのはさ」
バルトフェルドは両手を広げて見せた。
「でもな。俺が、ラクスと作ったデュランダル議長の野望の書。粗末なもんさ。デュランダル議長本人が書いたと言
う事にした訳でもなかった。知り合いが書いたと言う事にした。筆跡でばれるからな。……それを簡単に信じ込み、
ラクスの言葉を簡単に信じ込むキラを見ている間に、思ったんだ。……ああ、こんな奴なら、アイシャの仇を取って
もいいかなぁってな」
「そんな……」
「一度思っちまうと、恨みが表れてきた。募ってきた。だが、これでも我慢したんだぜ? 義理を果そうって。ラクス
が天下を取るまではってな。さぁ、行けよ、ラクス。その血だらけの手で世界をつかめ!」
「くっ」
621最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:30:34 ID:???
ラクスはキッとなるとキラの死体から銃を取り出し、バルトフェルドに向けて発砲した。
銃声が響く。
「あ。ああ……」
数発発射した後、ラクスは自分がした事が信じられないかのように気が抜けたように座り込んだ。
バルトフェルドはその身体から血を流し倒れこんだ。
「……へへ。いい顔だったぜ、ラクス……いつもの作り笑いよりよっぽど……」
「しゃべらないで! 衛生兵!」
一番早く正気に戻ったのはマリューだった。
呆然と座り込んでいるラクスの頬を叩いた。
「しっかりしなさい! ラクス軍の皆の命はあなたに掛かっているのよ!? さあ、気を取り直してアプリリススに向
かいなさい!」
もう一度、マリューはラクスの頬を叩いた。
「……大丈夫……」
低い声でラクスは声を出した。
「負けるもんですか。私は世界の物、世界は私の物!」
血を吐くような口調でラクスは言い、立ち上がった。
「アプリリウスに行きます! 用意しなさい!」
張りのある声でラクスは命令した。もう後ろは、キラの姿は振り返らなかった。

622最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:31:00 ID:???
「ラクス! 会いたかったわ!」
アイリーン・カナーバが言った。
評議会室にラクスが入ると、銃を構えた男達が周囲を取り囲み、ラクス達に狙いをつけた。
「これは一体どう言う事です?」
予想と違うアイリーンの出迎えの様子に、硬い声でラクスが尋ねた。
アイリーンはプラント内の腹心のはずだった。はずだったのだが、これはなんだ?
「お黙りなさい。この父親殺しが!」
アイリーンは怒鳴った。
「私をプラント内の腹心と思っていたわよね。おあいにく様。このような時が来るのを待っていたのよ! シーゲル
様の仇のお前を始末できる時をね!」
「父親殺し? なぜわたしくがそのような事をしなければいけないのです?」
「今更しらを切る気? フリーダム強奪の際、監視カメラにわざと顔を見せたわね。そして、わざわざシーゲル様と
別れて身を隠し、シーゲル様の潜伏場所を通報した! 全てネタは上がっているのよ! 不肖の子が!」
「……ええ。確かに私は父親殺しをしたと言えるかもしれません」
ラクスは認めた。
「でも、それは父、シーゲルが人類滅亡を企んでいたからです!」
とんでもない言葉だった。
だが、それを聞いても、アイリーンの表情は変わらなかった。
「知っていたわ」
表情も変えずアイリーンが言った。
「え?」
ラクスが戸惑ったような顔をする。
「知っていたわ。そんな事。奥様が死んだ後、誰よりもシーゲル様に近かったのはこの私よ」
「そんな……」
「シーゲル様は地球環境が悪化していく事に非常に苦悩していらしたわ。そして気づいたのよ。人間がいなくなれ
ば全ては解決するってね」
「狂ってる……」
「そうかも知れないわね。」
アイリーンはにっこり笑う。
「では、私の狂気はあなたが保証してくれるという訳ね。では、あなたの正気は誰が保障してくれるのかしら? あ
なたがオーブのウナト宰相を暗殺し、デュランダル議長を暗殺しようとした事はネタが上がっているのよ。ああ、
ついでにあの可哀想なあなたの偽者、ミーアもね。そこまでして落ち目のプラントの支配権が欲しかった? それ
とも地球の支配権かしら」
「……」
絶句したラクスをよそに、アイリーンはデスクにある通話機を取った。
「緑の豆へ。『最後のラッパを吹き鳴らせ』」
「……?」
623最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:31:23 ID:???
「同士への暗号よ。これで、全てのプラントのコロニーが地球に落下を始めるわ」
「そんな! 地球が滅びてしまう!」
「些細な事よ、そんな事」
アイリーンは事も無げに言った。
「地球は、太古に植物を繁栄させて嫌気性生物の発展の道を奪ったわ。それって地球環境には大変化じゃない?
 大体大昔は人類が住める環境じゃなかったのよ。そこまで昔に行かなくても、古生代のオルドビス紀末、約4億
3500万年前の大量絶滅では、当時生息していた85%の生物種が絶滅したと言うわ。2億5000万年前、古生代後期
のペルム紀末に過去最大規模の大量絶滅が起こっているわね。当時、海洋生物のうち96%、全ての生物種でも
90〜95%が絶滅したと言われてるのよ? 最近じゃあ白亜紀末、6500万年前には大型爬虫類の恐竜やアンモナ
イトなど地球上の全生物の70%が絶滅したと言われているわ。……ふふ、地球環境を守るって何よ? 人間に都合
のいい環境の事だけじゃない。些細な事よ、地球にとっては。プラントが落ちて起こる災害なんか。プラントが落ち
ても地球は平気で存在するわ」
「く、狂っているわ! あなた! 父は、父はそれでも現在の地球環境を守ろうとして!」
「どうでもいいのよ。今更ね。シーゲル様はシーゲル様。私は私。私にとっては現在の地球環境もコロニーが落ちた
後の地球環境も等価値なのよ」
「くっ――!」
皆がラクスとアイリーンの会話に注目する中、隙を掴み、突然、アーノルド・ノイマンがマリューの身体を掴み、部屋
の外へと脱出する。
「撃ちなさい!」
度重なる銃声。
背中から血を流しながらノイマンは、重い扉を閉め、自らの身体をもたれかけさせ扉が開くのを防ぐ。
「ノイマン! あなた!」
「ラミアス艦長……謝罪します。私はあなたを洗脳する役目を引き受けていました。ラクスの思い通りになる人形に……」
「なんですって!」
「あなたに使われた薬剤と治療法のデータは自分のパソコンの中に。パスワードは『Natarle Badgiruel』」
「ナタル!?」
思いがけない懐かしい名前にマリューは驚いた。
「バジルール中尉を殺したあなたは、愛する男を殺された、ただの私怨でローエングリン発射を命じた様に見えた……。
そのくせ憎しみあって戦争は終わるのかときれい事を言う。それがずっと拘りだった。先の戦役が終わった時から、
ラクスはそんな自分の気持ちをすべて見抜いていました。そしてユニウス7落下事件の後、自分に声をかけてきた。
復讐だったのですよ。あなたに自分を愛させてやると言うラクスの言葉に乗って……あなたに自分を愛させ、そし
て自分は……」
「あなた……ああ、ごめんなさい。血が止まらない……」
マリューはノイマンの告白を聞きながら彼の止血を試みるが、見る見るうちに血溜まりが作られていく。
「もう、いいんです。やっとわかった……ああ、バジルール中尉! 迎えに……? ラミアス艦長? 早く、早く逃げ
てください! 私はもうだめです! 自分はこのままバジルール中尉と……」
すでにノイマンの意識は混濁しているようだった。
「――わかったわ!」
マリューはノイマンの唇にキスをすると、救命艇のある場所を目指して走り出した。
「絶対、生き残ってやる!」

624最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:32:03 ID:???
「ふ……まぁいいわ。さぁ、抗うものは抗えばいいわ。私達は人類滅亡までゆっくり楽しみましょうよ。あなたは生か
しておいて上げるわ」
そう言いながら、アイリーンはラクスの四肢に銃弾を撃ち込んだ。
ラクスはその痛みに悲鳴を上げる事すらできなかった。
「椅子に座らせて上げなさい」
「はっ」
四肢を破壊され身動きできなくなったラクスは男達の手で椅子に座らされた。
ラクス、そしてアイリーンの前には刻々と近づいていく地球。
「さあ、このアプリリウスもどこまで持つかしらね。その内自壊するわ。地球に激突するまで生きていられないのが
残念。ワイン、飲む?」
男の手がワイングラスをラクスの唇に近づける。
「ええ、頂くわ」
ラクスは一気に飲み干した。こぼれ落ちたワインが首を伝う。アルコールが身体に廻り熱い。どの道できる事はも
うないのだ。
「お望みなら毒入りのワインにしてあげるけど? この光景を見ていられないと言うならね」
「結構よ」
ラクスはアイリーンの提案を断った。
この結末を出来る限り自分の目で見届ける事……それが自分の責任だと――世界をこの手に握るために、最初
にウナトを殺し、ミーアを殺し……デュランダルを襲わせ――次々に引き起こした事態への責任だと思ったのである。
「ほほほ。さすがね。ウナト・エマ・セイランを殺し、ミーア・キャンベルを殺し、ギルバート・デュランダルの暗殺を謀
る女だけはあるわね」
「……」
ラクスはただアイリーンを睨み付けた。
625最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:32:20 ID:???
「否定しないのね」
「今更しないですわ。ただ、私には志がありましたわ。手を汚して悔いない……」
「へぇ、どんな?」
「世界を平和の内に治める事ですわ。もう少しで可能でしたのに!」
「あはは! 核やコロニー落としで脅しつけて作り出す平和の世界? 笑っちゃうわ。……ねぇ、聞かせて頂戴。
何故、世界を混乱に落としいれ、そして世界の覇権を握ろうとしたの? 普通に選挙に出てプラントを支配しなかっ
たの? そうして、コロニー落としで地球連合を脅せばよかったじゃない? ねぇ、何故? そうすれば、私だってあ
なたの目を掻い潜ってこんな事は出来なかったかもしれないのに」
「こちらも聞きたいですわ。なぜ、前戦役の終わった時に事を起こさなかったのですか?」
「ジェネシスで十分と思ったからよ。見事にあなたたちに邪魔されたけど」
「では、あなたが! ……その後評議会議長になったのにコロニー落としをしなかったのはなぜですの?」
「地球軍に警戒されていたからに決まっているじゃない。それに平時にコロニー落としをしようとしてもプラント市民
が邪魔するわよ、さすがに。コロニー落としを成功させるには今のように攻撃されて混乱している時でないとねぇ」
「――まさか! ユニウス7を堕として再び戦争を起こしたのは!?」
「それも私よ。もっともギルバート・デュランダルも彼なりの思惑があってテロリストに手を貸していたようだけど」
アイリーンはにぃっと笑った。
ラクスはアイリーンから目をそらした。
敗北感が身に満ちた。
スクリーンを見つめ、もはやアイリーンに話しかけなかった。
ただ、後、思う事は……
ああ、今更かもしれないけれど。あなた達はなんとか助かって、ラミアス艦長達……
――!
その時、どこからともなく飛来した一発の弾丸が、ラクスの頭を吹き飛ばした――
それは、神の慈悲であったのだろうか?

「依頼、完了……」
地球へ向けて動き続けるアプリリウスの中で、裏の世界で有名なスナイパー、ゴルゴ41はそうつぶやくと、焦る
様子もなく手に持ったフォーティーワンアイスをなめながら、コロニーから脱出するために移動をはじめた。

626最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:32:42 ID:???
「なんだと? ふざけるな!」
デュランダルが暗殺されかけたと言う事で慌ててアプリリウスへ詰め掛け入港したクルーゼである。
いきなり、通信方向が全方位に向けた広域発信通信を受信した。
それは……アイリーンとラクスの会談の映像だった。
「くっ。ギルを暗殺しようとしたのか、許さん! お前らだけは……」
クルーゼは立ち上がった。
「レジェンドで出る! 用意しろ!」
「お待ちを」
レジェンドを出し、評議会議長室へ行こうとしたクルーゼを押えたのは副官だった。
「あなたが先の戦役で何をしようとしたのかは存じております。ですが! 今、ここにあなたの指揮を待っている者
がおります! あなたを信じて指示を待っている者が居ります! それでも行かれますか!? あなたの個人的な
事情を満足させるためだけに! それでも、それでも自侭に行動なされるというなら勝手になさるが良い!」
「……くっ……」
クルーゼは呪った。かつてなら面白がってみていたであろう、この世界を滅ぼさんとする者達を。
席に座りなおすと指揮官として言った。
「港に、避難者が退去して来よう。限界まで、避難者を救助せよ! 離脱限界高度までだ! 港にも伝えろ!」

「何が起こった!」
アスランは目の前の光景が信じられなかった。
プラントのコロニー全基が、地球に向けて落下をはじめていく。
ユニウス7落下の時の光景が頭を過ぎる。
「ミネルバのタンホイザーで……」
プラントから脱出艇が次々に発進しているのが見える。
「だめだ。プラントには人が居る!」
アスランは決意した。自分の父の、ある意味では呪われた名前を利用する事を。
「全軍、聞いてくれ! 俺はパトリック・ザラの息子、フェイスのアスラン・ザラだ! 一時的に全軍の指揮を取らせ
てもらう! まず地球軍に休戦を申し出る。プラント住民の救援のためである! どうか、受け入れられたい!」
そしてシンに言った。
「シン、長距離通信で地球軍に講和と救援を申し込め、アスラン・ザラの名でだ!」
「はい!」
「続いて、ザフト軍残存全艦に告げる! プラントから脱出艇が発進している! 彼らを一人でも多く助けるんだ!
 もう戦っている場合じゃない!」

「ふ」
イザークはその通信を聞くと微笑を浮かべた。
「やはり。これでこそアスラン・ザラだ。いつも俺より上を行きやがる。自慢の……弟だ!」
そして部下に命令した。
「プラントに急行しろ! できるだけ多くの人々を助けるんだ!」


その光景は地球軍艦艇からも確認されていた。
「おいおい、なんだこれは!」
「まさか、戦争に負けるからって俺達を道連れにする気じゃあるまいな!」
「なにかできる事はないのか!?」
その時、アスランからの長距離通信が届いた。
「なに? 講和と救援要請!?」

627最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:33:01 ID:???
「ええい、私の独断で構わん! レクイエム、発射用意!」
「はっ」
地球連合軍ダイダロス基地の司令官は命令した。
『レクイエム』――巨大ビーム砲を、月の周辺に配置されたビーム偏向装置を設置した複数の廃棄コロニーで全
方位に攻撃可能と言う代物である。その威力は前戦役時のジェネシスに匹敵する。
「とにかくできるだけ多くのプラントを破壊できるコースを取らせろ!」
「プラントからは、まだ脱出艇が……」
「知るか! 奴らの自業自得だ! 人類を心中させる訳にはいかんだろうが! これこそ先制的自衛権の行使って奴だ!」
――軌道間全方位戦略砲『レクイエム』が発射された。
レクイエムは数基のプラントを両断した。
だが、両断されたプラントはそのまま落下を続ける。
「司令! あの大きさでは落ちたらどの道……」
「わかっておる! だが、何かやらなきゃいかんだろうが! 1%でも可能性がある内はよぅ、あがくのが男ってもん
だ! レクイエム撃てるだけ撃て! 撃ちまくれ! プラントを細かく破壊しろ!」


628最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:33:17 ID:???
「アスラン!」
帰還したルナマリアがブリッジに入ってきた。
「何が起こったの?」
「ブラントが……全基、地球に向けて落下を始めた」
「何か……できないの?」
「メテオブレーカーも無い! それにプラントの中には人が居るんだ!」
「地球、滅びちゃう……」
「地球も滅べば宇宙に居る俺達も、終わりだ……」
「アスラン!」
ふいにルナマリアは叫んだ。
「何だ?」
「死んじゃうなら、私言いたい! 私、あなたが好き! ずっと前から好き!」
「俺もだ! ルナ!」
二人は抱き合い、むさぼるようにキスをした。

その間にもプラントは地球に落下していく。

全基のプラントは、大気との摩擦熱で赤熱しながら、地球に落下していく。
「ああ……!」
ルナマリアとアスランはその様子をどうしようもなく見つめていた。

「お兄様……」
セトナがジブリールの手を握る。
ジブリールはシャトルまで使って赤道連合までやってきた。
プラントが落下を始めたと聞いた時、ジブリールの頭に浮かんだのはセトナのそばに行きたい、ただそれだけだっ
たのだ。
ジブリールは優しくセトナの髪を撫でる。
「この様な事が起こらないよう、なんとかしようとやって来たが、すまんな。力不足だった」
「いいえ!」
「不思議だな、こんなに穏やかな気持ちなのは。セトナと一緒のおかげかな。出会ってくれてありがとう」
ジブリールはセトナに微笑んだ。

「ユウナ、あぶないぞ! さっさと避難を……」
カガリの声に、海岸に出ていたユウナは振り返った。
「やれやれ。アメノミハシラを出る時はこれで事は済んだと思ったのにねぇ。ユニウス7一基であれほどの被害だっ
たんだ。今度こそ地球は終わりさ」
「ユウナ……」
「カガリ、こんな時だから言うけど」
「なんだ?」
「ありがとう。僕の人生を豊かにしてくれて。君と一緒で楽しかったよ」
ユウナはカガリに向かって微笑んだ。

地球滅亡――地上のある者は絶望に陥り、ある者は覚悟を決めた――
629最終兵器発動 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/17(金) 19:33:27 ID:???
続く。
630通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 19:59:01 ID:???
GJ!

だが真面目な話、忍者はどうした?
631通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 20:06:43 ID:???
乙だぜ

終盤なのは感じていたがすげー急展開だ
632通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 20:10:48 ID:???
変態忍者もそうだが、ジェ●イinL.E.D.ミ●ージュとか色々どこいったwwww
633通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 20:26:29 ID:???
GJ
しかし色々ありすぎて、どこからどう感想を述べていいのかわからん
とりあえずみんな怖えーよ
634通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 21:08:47 ID:???
この発想は無かったwww
中だれしたかなと思ったらクライマックスでやってくれたw
やっぱりこのスレの作者はみんな頭おかしいぜ!!(褒め言葉)
635通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 22:08:34 ID:???
わお、ここにきて急展開と詰め込みだぜ
636通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 22:11:40 ID:???
まだまだ続くと思っていただけにこの急展開には驚かされたぜ
まさか、ラスボスと思われてたラクス一派があっさりと退場するとは・・・
637通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 22:15:27 ID:???
アイリーンが活躍(…)するSSって初めて…か?
ここまで来るとさすがにもう人類滅亡は避けられそうにないか。
レッドミラージュwitnフレームランチャーとかGファルコンDXとか
持ち出してきても追っつきそうにないし、
それでも笑う仮面の英雄クルーゼタンなら何とか…って既にクルーゼ居るし、
かくなる上は最後の希望は阿部さんだけか!?www
638通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 23:11:38 ID:???
本編及び大抵の二次では他人の尻ぬぐいに奔走するか延々と軟禁されているだけの人、
プラント随一の苦労人アイリーンさんが活躍しているとは。しかもボスっぽく
OKOK、たまにはそれくらいはっちゃけるのもありだぜ姉御。もっとやれw
639通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 23:24:50 ID:???
えー、っと
じゃあ俺はシーゲルがマスターアジア化してるところにツッコんでおこう
640通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 23:46:55 ID:???
じゃあ俺は前回話題になっていたイザークの弟が
アスランだったことに突っ込んでおく
641通常の名無しさんの3倍:2009/04/17(金) 23:59:55 ID:???
なんて綺麗なクルーゼwww
642通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 00:11:36 ID:???
この発想は無かったわ
よい意味でぶっ飛んでるぜこの作者
643通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 00:22:49 ID:???
ジブも綺麗だな……
644通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 01:01:52 ID:???
じゃあ俺は漆原教授化したユウナに突っ込みを
645通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 03:53:31 ID:???
これでラクスが実は生きてて死んだのは身代わりの術を使ってた忍者だったら吹くぞ
646通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 04:20:08 ID:???
それならアイスを食べているゴルゴに俺は突っ込む
647通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 05:05:07 ID:???
忍者の集めた戦力は何処へ・・・
648通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 05:23:08 ID:???
なあ、ところでカガリの薬漬け設定とかどうなったんだ?
なんかもうすっかり毒抜けてるんだが、早過ぎないか
649通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 09:10:46 ID:???
マリューも何気に回復に向かってる気が
650通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 10:16:49 ID:???
ユリアンやポプランが、一時苦しんだ位ですぐ回復したしな。
カガリもそんなに長期間飲まされてた訳でもないし。
651「千億の星、千億の光」 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/18(土) 10:33:03 ID:???
マリューの描写若干修正
652通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 10:46:00 ID:???
「人間は素晴らしいもんなんだがなあ…一人もいなくなるんですか、地球に……」
653通常の名無しさんの3倍:2009/04/18(土) 10:49:30 ID:???
じゃあ俺は無事なと狢の言い間違えを予想できたユウナの対応力の高さに突っ込もう
654SEED 戦後30年目の愛:2009/04/19(日) 03:11:46 ID:???
風呂を出て野戦服に指揮官用の標章をつけた服に着替えたアスランはマルキオの部屋に向かった。
ドアをノックして中に入ると、マルキオの他に見知らぬ女がいた。
その女の肌は若干浅黒いように見える。年のころは30前後であろうか
黒人の血でも入ってるのだろうかと彼は考えた。
「導師、だれです、このジプシー女みたいなのは!」
女が黙って睨みかえしてきた。
「彼女は風花・アジャーさん、私の知り合いのサーペンテールのものです」
マルキオはそう云った
「サーペンテール?なんですかそれは」
「力無き者の剣、つまり傭兵ですよ。何かとあなたの役には立つでしょう。風花さんを、彼女を連れて行くと良いでしょう
貴方の、精神的、肉体的な支えになってくれるはずです」
「肉体的?どういう意味ですか」
「後にわかります」
(何を考えてるんだ、この人は?)
マルキオの要領の得ない話に苛々したアスランは時計を見た。
もう深夜12時過ぎだ。
明日の午前中にここを出発して東アジアに行きたい……
「おいとまさせて貰って宜しいでしょうか」
そう云うと彼はドアを開けて出て以降をした。
出て行く間際、声がした
「明日使いの者を基地に送ります」
655SEED 戦後30年目の愛:2009/04/19(日) 03:31:27 ID:???
車で基地まで送り届けられたアスランは、購買所で肌着と旅行鞄を買うと部屋に戻った。
部屋について10分ほどした後、電話が鳴った
こんな深夜にと思い受話器を取ると……
「俺だ、アスラン」
イザークが落ち着いた声で話しかけてきた
「なんだ。こんな時間に」
「基地には既にお前の機体は搬入してある」
アスランは受話器を持ちながら寝そべった。
(長くなりそうだな。これは)
「で、お前がこうやって電話をかけてくるなんて何か事情があるんじゃないか」
「……実は……その、・・・」
「どうした。何かあったのか」
「お前の行く部隊には兵站が十分ではないのだが、評議会から2週間以内に北京までの移動命令が出てる」
受話器を持った驚いて飛び起きた
「おい、俺の部隊は五万台もMSを抱えてるんだぞ。2週間で補給もなしにってどういうことだ!」
「つまり、場合によっては死んでくれと言うことっと受け取ってもらっても構わない・・・・・・」
受話器を握る手が汗でぬれる。脇の下も湿ってきた……
まるで冷水をかけられたような気分だった・・・・・・
「が、死ぬなよ」
そういうとイザークは電話を切った。
アスランはその命令の重さに耐えられるだろうかと思った
首に手をのばして縛り首の紐の長さを想像しながら、冷蔵庫から酒を取り出し飲み干した。
酒に酔いながら、目を瞑った。
656SEED 戦後30年目の愛:2009/04/19(日) 03:34:45 ID:???
眠れずに起きたアスランは、基地内を歩き回っていた。
昨日から出頭命令の出ている司令室に顔を出さずに、そのまま格納庫にやって来ていた。
自分の機体を探してるうちに、なにやら機械音がするのに気付いた。
思わず腕時計を見た。まだ朝の6時過ぎだ。
機械いじりの好きな奴がいるようだ。どんな馬鹿だろう、と彼は考えて、その顔が見たくなった
近づいて行くと、どうやら自分の機体らしい。
MSの頭部と両手が外された状態で転がっている。
(誰だ!俺の許可なく)
思わずホルスターに手を添えて、拳銃をとれる体制にした。そして声をかけた
「おい!貴様、誰の許可を得て修理している!」
コクピットから誰か、出てきたその瞬間、銃を構えた。
半袖を着た男は両手をあげて工具を離した。
「待ってくれ。撃つな。ジャンク屋組合から来た」
「ジャンク屋?ともかく降りろ」
そう云うと男に降りて来るように促し、左手で降りろという指示を出した
ジャンク屋を名乗る男は工具を拾いながら、アスランの方をちらちら見ていた。
撃ってくるのか、心配だったようだ。アスランは仕方なくホルスターに銃を戻した。
「俺はジャンク屋、ロウ・ギュールだ」
工具箱を持って降りてきた男はロウ・ギュールと名乗り、握手を求めてきた。
657SEED 戦後30年目の愛:2009/04/19(日) 03:37:01 ID:???
続く。
658通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 08:02:33 ID:???
乙です。

風花も30台ですかー。肉体的に?意味深ですね。
659通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 08:30:51 ID:???

やっぱり凸は差別主義者だな
660通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 09:58:15 ID:???
何故だろう。30年経ってもロウだけ大して老けてないような印象を受けるのはww
661通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 23:08:48 ID:???
>>659
サーペンテールを知らないのもどうかと
>>660
ウラシマ効果?
662通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 23:14:06 ID:???
>>661
ロウは亜光速で生きてるのか!
663通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 23:52:18 ID:???
五万台www
物量あり過ぎwww
664通常の名無しさんの3倍:2009/04/19(日) 23:53:38 ID:???
>>662
火星以遠にも行ってそうな気がしたもので
665通常の名無しさんの3倍:2009/04/20(月) 00:11:29 ID:???
五万台って事は、陸上戦艦が数千隻ついてくるな
666通常の名無しさんの3倍:2009/04/20(月) 01:21:45 ID:???
サーペントテールじゃね
667通常の名無しさんの3倍:2009/04/21(火) 23:07:51 ID:???
709 名前:病弱名無しさん[] 投稿日:2009/04/21(火) 17:37:26 ID:OsdH6a5g0
>>694>>696
ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
宇宙ヤバい!宇宙よりも俺の体ヤバい!!

両目とも眼底出血(初期)確認orz
2/23にA1C9.5、これはヤバいと思って節制しはじめて(白ご飯量半分・3食以外食べない)
3/26にA1C7.9
4/21でA1C6.6
半年前の前回眼科検診時には異常無しだったのだがその後発生したみたい
節制始めなかったらどんだけ悪くなってたんだよ俺の体。

アマリール朝3mg1錠と毎食後グリコラン1錠が
アマリール朝半分夜半分毎食後グリコラン1錠に変わった
朝晩アマリール1錠づつで血糖落とし過ぎると目の方が急激に悪くなるかもしれんとの医者の配慮で。
眼科医はA1C5.5以下が理想と言ってたが内科医はここから急激にやると無理がある\(^o^)/
一月後に精密検査やるよ、節制続けるわ。




「やばい、やばいよ・・・」
フランツは偶然見つけた掲示板に引き込まれるように読み続けた。
掲示板にリンクされていたサイトに飛ぶ。

『糖尿病と言う病気は 』
『片目失明 」
『右足切断 』
『人工透析 人工透析その2 』
『左足切断 』
『左目も眼底出血 』

「この人、死んじゃったのか…」

『簡易血糖測定器と空腹時血糖 』
『食事療法=1 』
『食事療法=2 』

「俺、今までどんな食べ方してきたよ?」
フランツの背中をぞくっとしたものが通る。
「俺、運動しよう! 節制しよう!」
フランツは決意した。
「戦場で弾が避けて通る、戦いの女神に祝福されし一族」のフランツの一つの決意。
それが歴史が変わる瞬間だった・・・



※フランツ=アマゾンデブの名前
668通常の名無しさんの3倍:2009/04/23(木) 21:11:45 ID:???
>MSの頭部と両手が外された状態で転がっている。
>「おい!貴様、誰の許可を得て修理している!
修理じゃなくて解体だろw
つーか、工具箱一個でどうやってMSをバラしたんだよw
669通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 15:55:42 ID:???
CEのMSならいっそはめ込み式で工具不要で組み立てられてもおかしくない気がするw
670通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 16:28:16 ID:???
ドラえもんのペーパークラフト潜水艦じゃあるまいに……
671通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 17:32:14 ID:???
ロウはきっと直死の魔眼を持っているんだよ
672通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 17:45:26 ID:???
壊れてないものを分解するのは修理とは言わないよな
地球の人々が覚悟を決めたその時――
その時――地球に住む全ての人々の頭に、『声』が響いた――
『みんな! 少しずつでいい、地球を救うためにワシに力を貸してくれ! 祈ってくれ!』

「神様! まさか!?」
テレビ等の宗教説教番組で、その声に常日頃から馴染んでいたエドワード・ハレルソンは、驚きと共にすぐさま胸
元から十字架を取り出し、ひざまづくと祈りだした。
ハレルソンの周囲の人々も次々にそうしている。
日本の麻生総太郎首相もひざまづいてロザリオを取り出す。
『声』に応じて祈りを捧げる人々は、南米に、イタリアに、フランスに、アイルランドに――そして全世界へと広がっ
ていった。
全ての人々が、その『声』に一筋の希望を見出し、祈った。

そして――イタリア、ローマ――バチカンに、一点の染みの様に黒い点が出現した。
それは、見る見る内に広がり、地球を包み込み、黒い球になると、地球に落下してくるプラントを粉砕・消滅させな
がら、宇宙へと拡散した――

「やったか……」
――老魔法王ベネディクトは力を使い果たしてばったりと倒れこんだ。
その眼前に、ふいに影が射した。
「貴様か……マルキオ! いやさ、這い寄る混沌――ナイアルラトホテップ!」
マルキオと呼ばれたその男は、静かな雰囲気をたたえ、その閉じられた両眼でベネディクトを見下ろしていた。
「……人の身でここまでやるとはな」
感慨深そうにマルキオは言った。
「……なぜ、邪魔をせんかった? この混乱はお主がもたらした物だろうに」
「いや、私にも予想外だったよ。人類が滅びそうになると言うのはね」
マルキオは、いや、ナイアルラトホテップは言った。
「こうなったら、自らの力を持って人類滅亡を防がねばならんかと思った位だ」
「……お主がそんなに人類に対して優しいとは思わなかったな」
「何、人間は面白いからね」
ナイアルラトホテップは嗤った。
「滅びてしまっては、私がつまらないだけさ。……だいぶ苦しそうだな」
「ダーク・ギャラクシー・エンド――生命と引き換えに全てを破壊するエネルギーを放つ技だ。さすがにこのワシ
も、そろそろおさらばじゃ……さらばだ、ナイアル……」
ベネディクトの声が小さくなってゆく。
「そうか。じゃあ、おさらばだ、友よ。まったく君は大したものだ。まさか人間風情にこれほどの芸当ができるとは思
わなんだ。君こそは真の天才の名を冠するにふさわしい存在だ。 だが……残念だ、もはや二度と会うことはでき
んとは。いかに君が希代の人物とはいえ所詮は人間。これで死ぬか。……もう一度君と矛を交えてみたかった物
だが……何にせよ、それは叶わぬ望み……君に敬意を表し、君が守ろうとした人類がもう少し復興するまでしば
らくは大人しくしてやるよ……面白かったよ……本当に……」
その声はまるで泣いているように聞こえた。

その時、その空間が霧がかかったようにぼんやりとし始めた。
そこに、いきなり三人の人影が登場した。
「タイムパトロール、両澤千晶よ!」
「同じく、福田己津央だ! 時間犯罪を目論んだ罪によりおとなしく両手を上げて……」
「動くな、フリーズ……あ……」
タイムパトロール、竹田菁滋は見てしまった。マルキオの閉ざされた眼が開くのを。
いきなり銃を構えて登場した彼らは、彼らは見た。マルキオの閉ざされた目が開いてしまうのを。
マルキオの炯炯と紅く光った目に言葉を失い、彼らは身体のコントロールを失った。。
「友との別れの最中だと言うのに無粋な……。己の次元世界の歴史のみを正しいと信じ込み、他の次元の歴史
を一方的に改ざんする愚か者どもよ。その驕りにふさわしい結末を用意してやろう。次元世界の狭間には、お前
らが想像もしないような化け物がいる事を思い知らせてやる!」」
「おぅ! 身体が!」
「助けてくれ!」
「いやーーー!」
マルキオの言葉とともに、タイムパトロールと名乗った三人の身体が、変形していく。
「心配するな。君らの同僚も同じようにしてやる」
マルキオの声が冷酷に嗤う。
そして、ふいに、もはや言葉すら発せられない名状しがたき形態に変わった三人が部屋から消える。
しかし、今後彼らの心配はする事はないだろう。これから三人は、三人をサポートしていたタイムパトロールの同
僚共々、人間とは似ても似つかぬ姿に変わり、おぞましきものへの供物として奉げられるのだから。

「うわぁー! なんだ!?」
次元の向こうで上げられる悲鳴をマルキオは聞き取った。
マンス・エヴァラードが、ヴィンス・エヴェレットが、ジュリ・ムギンガが……。己の歴史のみを正しいと信じ込み無
数に分岐した平行世界の存在などしらず、多々の次元世界の歴史をねじ曲げその流れを途絶えさせ、思うがま
まにしてきた傲慢なるタイムパトロール員達が次々におぞましい姿に変えられていく。

「さぁ、邪魔者は消えた。友よ……。逝ってしまったか」
マルキオはベネディクトを抱え、仰向けに寝かしつけ、クロスを持たせた両手を胸の前で組ませてやる。
「さらばだ」
其の声が途絶えた時、出現した時と同様に、一瞬にして人影は消えた。

「猊下! 猊下!」
ドアを叩く音がする。
「あ、開いたぞ!」
入って来た者達は、寝かされているベネディクトを発見した。
「猊下!」
彼らは慌てて駆け寄る。
……ベネディクトの脈は永遠に止まっていた。だが、その顔には静かなる微笑を湛えていた。
「猊下は、地球を救ってお亡くなりになったのだ。皆、その事を忘れるでないぞ」
そう告げたベルットーネ枢機卿の頬に、涙が止め処なく流れた。


『こちらは、ザフトのフェイス、アスラン・ザラである。一時的に全軍の指揮を取る事を宣言する。戦闘は終結した。
無事な艦、救命艇はL5宙域、アプリリウス1跡に集結せよ。余裕のある艦は救命行動に当たれ。繰り返す。こちら
はアスラン・ザラである……』
生き残ったザフトの者達は皆、パトリック・ザラの息子、アスラン・ザラの名を覚えていた。この事態に、どうしたら
いいのかわからないままだった彼らは指示してくれる者を得、行動を開始した。
同時に、アスランの呼びかけに答え、地球軍第3、5、6、8艦隊が軍事ステーションより進出。生き残ったザフト軍
と協力して救命行動にあたる事になる。
この戦争が終わった事を感じさせる光景であった。

「じゃあ、後は任せた」
服部はコバヤカワヒデアキの忍者SPクルーに言った。
服部が鍛えた、少ない人員で艦を操れる忍者SPは人員の少ないラクス軍の貴重な要員として強奪した各艦に配
属されていたのである。
「ええ!?」
副長は驚いた。
「どうするんですか?」
「面倒な事にならん内におさらばさせてもらうよ」
そう、服部には戻らねばならない場所があるのだった。


地球上で異変に気づいたのは車を運転していた一人の少年だった。
『……政府の指示に従って……危機は去りました! 落ち着いて政府の指示に従ってください!』
「まさか! 周波数417がこんなに遠くで聞こえるなんて!」
少年は驚いた。
周波数417は少年がよく聞いているコミュニティラジオ局のチャンネルだった。エイプリルフール・クライシスからこ
っち、かなり基地局の近くへ行かないと聞こえなかったのに……
「もしかしたら!」
少年は興奮してダイヤルを回し始めた。
「聞こえる! ここも! ここも!」
全世界で、同じような喜びの声が沸き上がった。
そう、ダーク・ギャラクシー・エンドが地球を包み込んだ時、すべてのニュートロン・ジャマーを破壊していったので
ある……


プラント地球落下未遂事件から一ヵ月後。
ジブリールは再び、ロゴスの面々と会合をしていた。
今回の議題は、プラントの生き残りをどう処分するかだ。
「100万か」
「ええ、プラントの生き残り、約100万人」
そう。プラントの生き残りは100万人まで数を減らしていた。残りは砕け散るプラントと共に宇宙にその命を散らし
ていた。若い者が多いのが幸いと言った所だろうか。
「……ずいぶん減ってくれたが、今更皆殺しと言う訳にもいかんかな」
「しかし、まさかアイリーン・カナーバがとはな。しかし、アイリーン・カナーバとラクス・クラインの最後を世界に発
信したのは誰だったのだ?」
「さぁな」
それは、情報屋ルキーニの仕掛けだった。特定方向へのみデータを発信するはずが、故意か否か、アイリーンと
ラクスの会話を全方位で発信したのである。
ちなみに、映像の最後はレクイエムの光に包まれて終わっていた。
「ともかく戦争犯罪者は収監するとしてあとはどうする」
「どこかに隔離してしまえ!」
「ユダヤ人のようにマダガスカルとかか」
「馬鹿な! あんな大きな島を奴らにくれてやるなど!」
「再教育して社会に戻す、と言うのは? ほら、ブーステッドマンに使っていた揺り篭。あれで記憶操作して……」
「国民が許さんよ。そんな金と手間があるならブレイク・ザ・ワールドの被害救済に使えとな」
「IMF管理になっている半島国家がありましたな。借金を棒引きにしてやると言う事で、押し付けてしまうのは? 
100万位人口が増えても大丈夫でしょう」
「そう言う訳にも行くまい。人口2000万で人類を滅ぼすような事を3度も出来たのだ。奴らと一緒にまとめておくな
どとんでもない! どんな化学反応が起こるか!? どんな大火事が起こっても知らんぞ?」
「我が国としてはごめんこうむりたい。絶対。とにかくやめて! 頼むから! 大陸と半島だけで充分なんだよ!」
日本の財界代表が喚いた。地球連合の運営資金16%を拠出している日本の声は無視できるものではなかった。
「では、こうしたら如何です?」
ジブリールは口を挟んだ。
「家族単位で、世界各国へ散らばせるのです。公式にはコーディネーターと言う事は秘匿させます。そうして常に
動静を監視させます。なに、1世代も経てば純粋コーディネーターの数なんて激減しますよ。そうしてコーディネ
ーターをナチュラルへと帰還させるのです」

プラントの生き残りは地球連合の提案を受け入れた。
受け入れざるを得なかった。
地球連合はこの度のプラントコロニー群の地球への落下未遂事件に対し、情報を一切隠し立てしなかった。
自分達の評議会議長――アイリーン・カナーバが為した暴挙を知るに、プラントの生き残りの者達は反抗する気
力も失っていた。
もう一つ。自然とプラント生き残りのリーダーの役割を果たすようになっていたアスラン・ザラが地球連合の提案を
受け入れる姿勢を示したのも大きいだろう。

一ヵ月後――
二人の客を乗せた船が桟橋に着いた。
「本当にいいのか? 君はオーブ国民として生きる事も出来たはずだ。一生監視されて生きるなど……」
アスランはルナマリアに尋ねた。
「いいのよ。私はあなたと一緒がいいの! 私、どの道一人ぼっちだから」
ルナマリアは両手を広げるとくるりと回って微笑んだ。
「それに、いい所じゃない? このプリンスエドワード島って!」
「これで……終わったのかな?」
カガリは信じられないように呟いた。
「そうだねぇ。プラントもきれいさっぱり無くなっちゃったし」
ユウナが、のんびりした口調で答えた。
「だけど、はじまりは今、だよ。オーブがはじまるのは。忙しくなるぞぉ! 大西洋連邦もユーラシアも、まずはこの
戦争で受けた被害を立て直さなきゃいけない。人類の宇宙開発はオーブの双肩にかかっている」
「ヘリオポリス、再建しないとな」
「ああ、一基だけじゃない。いっぱい作ろう。ヘリオポリスと言う大仰な名前も変えよう。そう、ビレジがいいな、うん。
一歩一歩着実に進む感がある。もう、呼び方も決めてあるんだ。住所は、ルフトアイステイ――アレクタウ――
ヘリオビレジ。それにマクティービレジも作るぞ。そしてベルビレジ、ベツレビレジ……」
空を見上げてしゃべるユウナの顔を見て、カガリは微笑んだ。
「ああ! それから! やっとかなきゃいけない大切な事があった!」
「ん? なんだ? ユウナ?」
ユウナはカガリに正対するとひざまづいた。
「そう言えば、ちゃんと申し込んだ事がなかったね。……結婚してくれ、カガリ。人生を共に歩んで欲しい」
カガリの頬が赤く染まった。


「……と、言う訳だ」
あの戦いで辛くも生き残ったマリューとバルトフェルドはカガリの前に出頭した。
マリューはドラッグの禁断症状でだいぶ苦しんだらしいが。いや、今でも苦しんでいる。治療は一生続くかもしれ
ない。
カガリとて、時々フラッシュバックが襲い、完全に回復したわけではないのだ。
カガリの机の前で全てを話し終えたバルトフェルドは清々した顔をした。
「カガリさん、例え、洗脳されていたとしても、知らなかったとしても私にも罪はあるわ。謝って済む問題じゃないの
はわかっているけど。本当にごめんなさい」
マリューは深々と頭を下げた。バルトフェルドも頭を下げる。
「銃殺されても文句は言わんよ」
「……」
「……」
「…………長期休暇でリフレッシュできたか? マリア・ベルネス」
「え?」
長い沈黙の後、カガリが発したのはマリューの思いもよらない言葉だった。
「さっさと工廠へ戻れ。工廠長が怒っているぞ。ああ、無断の長期休暇の分の給料は出ないからそのつもりで」
「ああ! カガリさん!」
「ところで、アンドレイ・バルアミー」
カガリはバルトフェルドの方へ顔を向けた。
「へ? 俺の事?」
「他に誰がいる。オーブでは今度宣伝省を作る事になってな。ポストに空きがある。広告はお前の専門だろう? 
そこで働け。人間暇を持て余すと碌な事を考えないからな」
「痛い所を突くなぁ。だが、いいのか? それで?」
カガリは無言で頷いた。
マリューとバルトフェルドは頭を下げると、部屋を出て行った。
後年、バルトフェルドはリディアと言う子役をめぐってラドモーズと言う男とちょっとした騒動を引き起こすのだが、
それはまた別の話である。

「……」
二人が出て行った執務室に、ユウナが入ってきた。
「あれでよかったのか? ユウナ?」
「いいさ。オーブにとって人材は宝だ。使える物は使わなきゃぁもったいない。きっと生きていたら父もそうしてたよ」
「そうか……お前がいいなら、いいんだ」
カガリはほっと溜息をついた。
飛行機かなにかの飛ぶ音がする。
二人は、誘い合わせたかのように、窓から高い空を見上げた。
オーブ近衛軍の機体だった。

「さあ、今日の訓練も終わりだ」
「はい!」
ガルドの言葉にサースが答える。
「明日も頼むぞ、相棒」
ガルドは頼もしそうに飛行ユニットをつけたシャペリンを見上げつぶやいた。
オーブ近衛軍は、本土防衛軍とは別に、完全にカガリ一人に忠誠を誓う部隊だ。救国軍事会議のクーデターが
そうさせた。粛清のリストはいまだ粛々と消化され続けている。
相対的にガルド達の地位が上がっている。サースの望み、家の再興も、そう遠くはなさそうだった。
近衛軍は、度重なる実験の後、シャペリンを主力機種に選定した。但し、デチューン物である。偽装ではなくデチ
ューン物を設計しなおしたのには、情報の秘匿と言う訳がある。
もっともデチューンされたと言っても最新鋭のビームシールドを装備し、大気圏はストライカーのように飛行ユニッ
トをつけなければ飛行できない……とは言ってもその性能はすばらしい物だったが。
最も近衛軍で主力として考えられているのはライセンス生産されたユークリッドだろうか?
そして、一般オーブ軍の主力機はあくまでムラサメである。
オーブ本土奪還戦に使われた各種新型モビルスーツ達はアメノミハシラに封印されている。
何故か。それは三ノフスキー物理学による三ノフスキー・イーヨ・ネス湖型熱核反応炉を初めとする各技術。それ
によるオーブの地位の向上を狙ったのである。
但し、今、世に出すのは得策ではないとカガリ達は判断した。
オーブが、宇宙に再び拠点をを築き、他国と肩を並べられるだけの国力を得、三ノフスキー物理学を完全に使いこ
なせるようになれば、その時初めて、宇宙での覇権を確立するために世に出す予定だった。


「あーあ。アスランとルナはカナダに行っちゃうかぁ」
マユはぼやいた。
「いいのぉ? アスラン、狙ってたんでしょう? 僕も義兄さんって呼びたかったのに」
「いいのよ。あんなキスシーン見せ付けられちゃあねぇ」
ルナマリアがブリッジに入った後、マユも送れてブリッジに入り、濃厚なアスランとルナマリアのキスシーンを見せ
付けられたのだった。
「ま、私ならいい男もいくらでも捜せるってもんよ!」
「おい、マユ・アスカ」
「あ、ハイネさん」
「俺の、連絡先だ。よかったら連絡してくれ! じゃあな!」
そう言ってメモを渡すとハイネは去って行った。
「……お姉ちゃん、顔赤いよ? 惚れっぽいんだからもう!」


「俺も早く成長したいものです」
レイはクルーゼに言った。
「死なない事ができるとなると、気が焦る。前は、死など怖くなかったのに」
クルーゼは、地球連合に対し、自分が先の戦役で地球連合のスパイであったと主張したのである。その発言は確
認され、先の戦役でクルーゼがニュートロンジャマーキャンセラーの情報を地球連合に流した事が非公式に評価
され、自由の身となったのである。レイも、クルーゼが保護者となる事で自由の身となった。
だが、クルーゼはポーの町に帰る事を避けていた。十字架や聖書は慣れる事である程度苦手を克服できるが、
十字架そのものよりも、それに込められた信仰が彼らにとっての脅威となるからである。プラント落下時の奇跡に
よって、フランスはカトリックの力が強くなっていた。
「そう焦るな」
「しかし、便利ですね。『バンパネラ』と言うのは」
「まぁ、一所に長く留まれないのがやっかいだが。また仮面でも付けるか? はは。嫌になって死のうと思えば死ね
るしな」
「俺が大きくなった時には、ポーの町のバラはさぞ増えている事でしょうね」
「ああ。だが……カトリックの力が強くなって行きにくくなったな。……そうだ! 東アジアにでも行くか? そこの奥
地で桃源郷のようなバラの園を作るんだ。そしてバラだけで生きるんだ。ロマンチックだろう?」
夢見るようにクルーゼは言った。


「いやよ、嫌! あなたが死ぬなんて!」
タリアは泣きわめいた。
「しょうがないさ、誰かが責任を取らねばこの世界は収まらん」
強化プラスチックの向こうで、デュランダルは静かに微笑んだ。
戦後、デュランダルは軍事裁判を受ける事になった。
ユニウス条約後のプラントが真っ先に作った新規コロニーが農業用でも工業用でも資源採掘用でも新規移民用
の居住用でもなく、軍事兵器生産コロニーだったという点、運用環境が地球環境である新型量産機・局地戦対応型(
ガイア、アビス、セイバー)の開発、幾らでも保有数のごまかしが聞く機体(インパルス)の開発、対核攻撃迎撃用兵
器の開発、ジェネシスの改良、月軌道への要塞建造、大気圏突破可能なモビルスーツ運用艦、ユニウス7落下にま
ぎれた都合の良すぎる潜水艦基地(ラガシュ基地)降下、etc……
デュランダルは、ユニウス7落下及び今回の戦役の発端に責任ありとして死刑を宣告されたのだった。
「せっかく、せっかく傷が治ったのに、なんで死ななきゃならないのよ……地球連合は殺すためにあなたを治したっ
て言うの!?」
「……ジェイクの事をよろしく頼む。おかしなものだな。すっかり自分の息子のようだ。強い子に育ててくれ」
「さぁ、時間だ」
係員はタリアの退出を促した。
タリアはあふれる涙を抑えながら部屋を出て行った。

「目隠しはいるかね?」
「いらん」
「そうか」
壁の前に立たされたデュランダルは、前方の銃を構えた地球軍兵達をまっすぐ見つめた。
――銃声が立て続けに響き、彼はその場に崩れ落ちた。
ふいに地球軍兵達がざわめく。
不思議な事に、デュランダルのその骸は霧となって、跡形もなく消えていたのである……


「ああ、そう言えばラミアス艦長っと、この呼び方も変えなきゃいけんか」
「そうね。ふふ」
オーブに帰ったマリューとバルトフェルトは、カガリとの会見の後、また一緒に暮らしていた。
マルキオは行方不明だったが、また、その邸宅を与えられている。子供達も帰ってきていた。
カリダ・ヤマトも釈放され、ハルマ・ヤマトも回復傾向にあり病院を退院していた。
「マリア、どうだろう?」
「……ああ、私の事ね。何が?」
「新しく人生をやり直すんだ。お互い過去にこだわらなくても、そろそろいいんじゃないかってね」
「……?」
「ええと、つまりだな、その……」
バルトフェルドは言いよどんだ。
「僕は君をだましていた立場だし、生活人として欠けたところもあるし、その他にも欠点だらけだし、いろいろと顧み
てこんなことを申し込む資格があるか疑問だし……」
色々言い訳じみた事を言った後、バルトフェルドは勇気を振り絞って言った。
「要するに……要するに、結婚してほしいんだ」
バルトフェルドの顔は赤らんでいた。
ふふ、とマリューは笑った。
全てを赦したい気になっていた。全てを受け入れたい気になっていた。薬のフラッシュバックだったのかも知れない。
だが、マリューはそれらを含めて赦した。受け入れた。
「ええ、いいわよ」
二人の影が、重なっていった。


「お前さん、まだ落ち込んでるのか」
ジェスがミリアリアに聞いた。
「んー。なんか、アークエンジェルの雰囲気変ったのは感じてたし。元々ラクスさんは昔からの知り合いじゃなかっ
たし、ノイマンさん以外はアークエンジェル乗員も助かったし、なんて言うのかな? キラが死んだ事にこれほど
ショックを受けてる自分にショックを受けてるのよ。キラの事、それほど、どうでもよかったし」
「ん……複雑だな」
「私……意外とそんなにキラの事好きだったのかなって。トールに比べれば、ディアッカも小さく思えた。どうでも
いいやと思った。なのに何でよ、キラごときに」
「さぁな。恋愛以外でも好きってあるだろう? さぁ、次の取材場所行くぞ。仕事に集中で忘れろや。俺やカイトな
んかなぁ、何度失恋したか……」
ジェスは失恋した昔話を面白おかしく話しながら、バックホームにミリアリアを乗せて、アウトフレームを立ち上が
らせる。
「ジェス……」
「ん?」
「ありがとね……」
「いいって事よ。……付け込む様で悪いが、俺、最初に会った時から、気になってた。お前の事好きみたいだ」
「ふふ。ありがとう。私もあなたの事、最上級 I like you よ」
「なんだそりゃ。liveじゃないって事は振られたって事か? はっきり言ってくれ」
「ふふ。恋人でもなくて、友達だけでもないわ。ただ守っていたいの。失くしたくない」
「恋か?」
「違うわ。あなたが悲しい時、どこにいても、私、祈るわ。あなたが嬉しい時、どこにいても私、必ず喜べる……。
恋ってはじまった瞬間から終わりに向かうでしょ?」
「ああ」
「だから、いつか二人が愛を語れるようになるまで。『最上級 I like you』よ」
これじゃまるで恋じゃなくて愛の告白じゃないか……
ジェスの頬は紅潮していた。」


日本――三重県・伊賀忍者村――
「あー!」
受付の女性職員が大声を上げた。
「村長! どこへ行ってたんですか!」
「え、村長?」
その声を聞いて他の職員も集まってきた。
「ほんとに?」
「ほんとに村長だ!」
「ははは。みんな元気だったか!?」
服部正吾は大きく手を上げた。
「客の入りはどうだ? ちゃんと忍術の修行はしてるか?」
「たまに金持ちの道楽者が来るぐらいで……赤字ですぅ」
「まぁ、このご時世だからな。だが! きっと今に娯楽が必要とされる時代が来る!」
「そうですよね!」
「忍者が受ける時代が必ず来ます!」
「実はな、ちょっと出稼ぎしてきたんだ。当分金には困らないぞう!」
そう言って服部は片眼をつぶった。
「ほら、忍者村の口座の残高証明書だ!」
「わぁ、こんなに!」
「これで忍者村はあと十年は戦える!」
「はっはっは。伊賀忍法に不可能はない!」
服部は胸を張った。


「スウェン、これからどうすんだ?」
シャムスが聞いた。
「ん。DSSDに行こうと思ってる」
「げ。難しいんじゃなかったか? あそこ? 確かナチュラルだと7年勉強しなきゃなれないとか……」
「贅沢をしなければその位食えるさ。夢のためだ」
結局スウェンはネオ・ロアノークのコネですぐにDSSDの警備員に採用され、そこで勉強をしながら正規職員を目
指す事になる。そこでセレーネ・マクグリフと言う女性と運命的な出会いをするのだがそれはまた別のお話である。

「なぁ、ミューディー。お前は、これからどうすんだ?」
「うーん、軍縮で解雇って言われてもねぇ。コーディネーターにも勝っちゃったし気が抜けちゃった」
「じゃ、やる事無いんだな?」
「うん」
シャムスはニヤリと笑った。
「じゃあ、俺を手伝えよ」
「ん? 何かやんの?」
「プールバーを開こうと思ってさ。ちょうど人手が足りなかったんだ」
シャムスが開いたこのプールバーは、シャムスが趣味に走り過ぎそうになるとミューディーがストップをかけると
いう具合で、それなりに繁盛しているようである。

「なんじゃ、デイカーか」
大官寺はつまらなそうに言った。
「あちゃー! せっかくの休暇に大官寺艦長に遭うとは!」
デイカーは額に手を当てて嘆く。この人と出会うと、とんでもない事になる方が多かったのだ。
「あちゃーとはなんじゃい! 上官に向かって! お、おぬし、面白いもんもっとるのう?」
大官寺はさっと手を伸ばしてデイカーの持っていた小さなナイフの鞘を抜く。
「あ、ちょ!」
「な、なんじゃ!」
大官寺が鞘から小さなナイフ『暁の剣』を抜くと、それが光りだした!
そして――その光が消えた時、大官寺とジョン・デイカーの姿はこの世から消えていた。
「……ここは、どこだ?」
「いや、私にもさっぱり……」
ジョンが目覚めた時目にしたのは、まったく見知らぬ光景である。いつのまにか手には黒い剣を握っている。父
からもらった小さなナイフ『暁の剣』はどこに行ったのだろう? 見当たらない。
「まぁいいわい。ほれ、行くぞ!」
「お、驚かないんですか〜!?」
「馬鹿もん! いちいち驚いてなんぞおれるかい!」
この後、ジョン・デイカーはエレコーゼと言う名前をはじめ様々な名前を持ち、数々の異世界を冒険するのだが……
なにしろ大官寺も一緒なのである。
英雄的な冒険譚になるはずが、デイカーはどこの世界に行っても大官寺のわがままにため息をつきながら付き合
う羽目になるのだが、それはまた別のお話である。

ナイトハルト・ミラーは戦後、その腕を買われてモビルスーツの教官になる。
ミラーの戦方は防御を最優先にしてまず自分が生き残る事、そして相手が隙を見せたら一気にそこを突く事である。
海賊対策にも出撃した。ある時は相手の数に圧倒され、次々に乗機を壊される事になるが、ミラーは乗機を取替
え戦闘指揮を取り続け、とうとう戦闘を勝利に導いた。
この事から彼は『鉄壁ミラー』と言う異名を尊敬を込めて呼ばれるようになる。

原田左之助は戦後も軍に残り、最終的には一艦を率いる中佐にまで出世した。但し、自分で出撃をする癖が治ら
ず、ネオ・ロアノークの弟子と言われた。
29歳で退役。その後の消息は不明。
ただ、後年、動乱の東アジアを訪れたジェス・リブルとミリアリア・ハウが原田左之助と名乗る馬賊の頭目と出会
っているが本人であるかは定かではない。

「あなた達は火星に帰っちゃうのねぇ。なんか寂しいなぁ」
まほりんはナーエにぼやいた。
「私もですよ、まほりん。でも、約束しましょう。アグニスは責任ある立場ですのでどうかわかりませんが、私はま
た必ず地球に来ますよ? あなたに会いにね?」
「本当?」
「本当ですよ。ところでまほりんはこの後どうするのですか?」
「ん。退役して、医科大学に行くわ」
井沢真秀はその言葉どおり、退役後、医科大学に進学、卒業後は日本の総合病院に脳外科医として勤務する。
そして、2年後中学生の時から付き合っていた12歳年上の恋人、貴志優介と結婚する事となる。
その婚礼の席には火星からの使節団として地球を再び訪れたナーエの姿もあった。


ショーン・ホワイトは戦後、世界各地を放浪し、日本に落ち着いた。そこで偶然出演した『ウノレトラマンマックス』と
言う作品で日本DASH唯一の外国人隊員として、英語と日本語が入り混じった妙な言葉を喋り、主にメカニック・装備開発を担当して、糸のこぎりとハンマーで戦闘機を修理する脅威の腕を持つと言う役をこなし、それなりに俳優として人気が出たようである。

ゲイル・リバースはニュージーランドに渡り、傭兵、工作員、経営者、作家と様々な仕事を経験した。最近は傭兵
を引退し、航空輸送会社の経営、および特殊用途用の武器販売を手がける。 著書は日本語訳もなり、それなり
に人気が出たようである。


ネオ・ロアノークは戦後、ジブリールによってムウ・ラ・フラガとしての記憶を戻された。
ネオは戻った記憶を落ち着いた態度で受け入れた。
そして真っ先に知りたがったのはかつての恋人、マリュー・ラミアスの事であった。
ジブリールからマリューがバルトフェルドと結婚した事を知らされると、20本のウイスキーを抱え込んで部屋に
閉じこもった。皆が心配したが、3日後部屋から出てきた時は、いつもと変わらぬ態度であった。

「ねぇ、私の作ったサンドイッチおいしいですか?」
「ん、うまいよ」
「良かった! 私挟む物は得意なんです」
「ふむ」
そう言いながらネオは書類をめくった。
「ほら、食べながら書類見てたら汚れますってば。食べる時ぐらいゆっくりなさったら?」
「むぅ」
ネオは椅子を横に回すと、書類を汚さないように、食べる。
その様子をアンネローゼはにこにこ見つめている。
記憶が戻ってからのネオはまるで仕事場が憩いの場であるかのように仕事に精勤している。
それに付き合って副官のアンネローゼもネオの元に日参する事になる。
だが、二人がくっつくのはまだ先になりそうだった。


戦争が終わってから一年後、ジブリールとセトナは結ばれた。
この時初めて、セトナが火星人(マーシャン)であると知った者も多かった。
「お兄様……いえ、もうお兄様じゃありませんわね? ええと、あ、あなた」
セトナは頬を赤らめた。
「いいよ。好きなように呼んでくれ」
ジブリールは微笑んだ。
「はい。でもアグニスに結婚式に出てもらえなかったのが残念ですわ。仕方の無い事ですけど」
そう言えば、宇宙の各地にビームの拠点を作ってそのビームを宇宙船の帆で受けて進む計画があったな、とジブ
リールは思い出した。あれなら相当火星と地球との往復時間を短縮できるはずだ。確か3ヶ月で往復できるんじゃ
なかったか?
資金がかかりすぎると言う事で否決したはずだが……
やってやろう。セトナのために。ジブリールは心に決めた。


……プラント落下事件からちょうど3年が経つ。
人々は、奇跡が起こった事に感謝し、教会で祈りを捧げる。カトリックでない人も、家々で祈りを捧げる。

バチカンでは、前戦役の犠牲者を追悼する儀式と共に、死後一向に腐敗の兆候を見せない前老魔法王ベネディ
クトを正式に聖人に加える儀式の準備で奇妙な活気に包まれていた。
「見えますか、アナキン。あの星々が」
儀式を抜け出してきたアンデルセンはアナキンに語りかけた。
アナキンは無言で頷いた。
「ベネディクト猊下の行きたがっていた所です。いつか、我らはあの星々に満ち、正しき教えを広げ、そして……」
ふいに込み上げてきた感情が、言葉を止めた。だが、アンデルセンの思いはアナキンにも伝わってきた。
アナキンは、満天の星空を振り仰いだ。


「あなた、手紙よ」
ルナマリアが一通の手紙を持ってきた。
宛名は、アスラン・ホーク。
アスランは、知られすぎているザラ家の名前を名乗る事を遠慮し、ホーク姓を名乗っている。
「ん……。へえ! 懐かしいなぁ。ジブラルタルで会ったケビン・ラッドさんからだ」
ケビンは地球への移住の際、アスラン達と同じ、カナダに割り振りされていた。
プラント崩壊から5年、元プラントコーディネーターへの締め付けも緩み、ケビンは移住した土地の市会議員にな
っていた。
アスランは手紙を開く。
手紙には、近況とアスランに、引きこもっていないで政治の世界に進むように勧める文章が連ねてあった。
「引き篭もっているつもりは無いんだけどな」
アスランは苦笑した。アスランは地元の青年団の団長を引き受けていた。プリンス・エドワード州の議員にならない
かと言う誘いもある。

夜になり、アスランは返信の筆を取る。

あなたは一年で、つるはしと三本の鍬だけで七畝ほどの荒地を開墾する事ができますか?

それは僕達宇宙育ちからみればとんでもない能力なんです。

でもそれは"進化"したわけではなく人間がもともと持っている力――

"環境"にあわせて身につく人間自身の力――

僕達は人間のコーディネイトと言う力を手に入れ、それに酔っていた様に思います。

今は、僕は人間の自然の力を感じて生活したいのです――


手紙を書き終えると、アスランは娘のマーヤを抱え、家の外へ出る。
空には、満天の星々――

「パパ」
「え? マーヤ?」
「パパ!」
もう一度、マーヤが言葉を発した。
「おおい!」
アスランは家の中へ声をかけた。
「マーヤが言葉をしゃべったよ!」
「まぁ、ほんと?」
ルナマリアが慌てて外に出てきた。
「ママ!」
マーヤがむずかるようにルナマリアに手を伸ばす。
「まぁまぁ!」
プラントが、そして多くの友人、知り合いが失われた悲しむべき日は、彼らにとって喜ばしい色彩を加える事になり
そうだった。
ふいに、何かの思いに突き動かされたかのように、マーヤは上に手を上げ、星空を掴もうとした。
それは、人類誰もが持つ宇宙への憧憬かも知れなかった。


――二十年後――そして、星へ行く船――

『じゃあ、パパ、ママ行ってきます!』
マーヤはモニターの向こうで明るく言った。
ジョージ・グレンの木星往還船『ツィオルコフスキー』以来、人類の宇宙開発は地球、及び火星近辺に留まり、
戦乱の残した傷を癒す事に力を注いでいた。
だが、ついに、第二次木星往還船『フォン・ブラウン』が発進する時が来たのだ。
マーヤはその乗組員に志願し、見事に合格した。
「身体に気をつけるのよ」
ルナマリアは心配そうに言う。
いくら木星往還船開発計画責任者ウェルナー・ロックスミス博士の作り上げた『フォン・ブラウン』が新型エンジン
により、『ツィオルコフスキー』程の時間は掛からないとはいえ、地球〜木星間の往復の期間は年単位だ。
だが、マーヤはそれを気にもしないようだった。
「元気でやれよ」
とだけアスランは言った。
『じゃあ、時間だから。またね! 時々連絡するから!』
慌ただしく、マーヤとの通信が切れた。
「ほら、あなた、早く! テレビを」
ルナマリアが急かす。
『……とうとう『ツィオルコフスキー』から84年ぶりの木星往還船が発進しようとしています!』
応接間の大型モニターからアナウンサーが興奮した様子で実況している声が聞こえ始める。
『ここで乗組員の皆さんに地球を離れる前の最後のインタビューをしたいと思います! まず、船長のアナキン・
スカイウィーカーさん!……』
ふとアスランは思った。
自分の世代は、地球の周りで無駄に戦争に明け暮れてしまった世代だったと。
ネビュラ勲章か……
タンスに放り込んである勲章を思い出した。
戦争で伝説の英雄と持てはやされた所で、そんな物は時間が経てば忘れ去られるに決まってる。もう今ではアス
ラン・ザラの名前を聞いてもわからない人の方が多いだろう。……うん、それよりは、やはり宇宙飛行士だな。現実
に木星を間近に見る方が素晴らしいに決まっている。
きっとすばらしい光景だろう。
自分にはできない。だが、マーヤが代りに見てくれるだろう。
マーヤの世代の前には星の世界へと進む道が拓けているのだ。
そう、星へ行く道が……


――伝説が終わり、歴史が始まる――



<FIN>
えっと、あとがきです。
この作品は私の五作目の作品に当たりまして2008年の春から書いたお話です。
前作の話数を超えたんだなぁと、今更ながら感慨深いものがあります。
このお話は『そして、星を継ぐもの』と言うガンダムSEEDの世界にルナマリアが巻き込まれると言うお話の後に書き
ました。
『そして、星を継ぐもの』と言うガンダムSEEDのお話は一応満足いく物が書き上げられたので今度はガンダム機動
戦士ガンダムSEED DESTINYのお話を書きたくなったのです。
さて、これは、ルナマリア主人公の作品と言われた事もありましたが、自分では群像劇を書きたいと言う思いで書い
ていました。でも、ルナマリアになると描写に力がこもっちゃいますね。自分がルナマリア好きだとあらためて自覚さ
せられた作品でした。
このお話の構成は、二転三転しました。当初は題名『超種運命の大戦(仮)』と言う名前の通り、ミスターグレイが
オーブに肩入れをしていくというお話を考えていました。ですが、ミスターグレイが本格介入すると話がすぐ終わっ
てしまいそうで……結局資金と資源と若干の技術供与に押さえておきました。(しかし技術供与はお話に生かせず
><)それに一般的に軽く――親地球連合派の作品でも――扱われるジブリールも書きたいと言う気持ちが沸い
て来まして。そのせいで書きたい事が焦点がぼやけてしまったと言う後悔があります。
あと、スウェン達も、もっと書きたかったんですね。やはり、いまいち描写不足に終わったと言う後悔があります。

二回目に題名を付けたのは『金色(こんじき)の艦隊(仮)』で。『ヤタノカガミ』を付けたオーブ艦隊が大活躍する
予定でした。でも、結局活躍が終盤になってしまいましたのが残念です

三回目に題名を付けた『不沈戦艦強奪作戦発動(仮)』『正規空母強奪作戦発動(仮)』これは、題名の作品を見て
大笑いをしました。あれほど笑ったのはそうありません。完全に受け狙いの命名です。この回は真面目に読まない
でください。笑ってください(笑)

正式な題名を考え付いたのは、ラストの構想ができてからです。
星空を見上げる、と言う光景を思いついた時に、正式な題名の案も浮かびました。

ザフトが負けるのは当初からの予定でした。末期戦万歳です。でもその中で、ルナマリアとアスランが一緒になる
と言うのも決めていた事でした。どうも自分、このカップルが好きみたいです。後、くっつけようと思っていたのはマ
リューとバルトフェルド。これは、前作で考えていたんですが果せず。この作品で実現しました。一時構想の中でバ
ルトフェルドが死にそうになって際どい所でした。セトナとジブリールがくっつくのは当然ですね。これは、アズラエ
ルに比べていまいちな描写のジブリールをセトナで補強したかった意味合いもありました。
後、テレビ本編ではなされなかった、結婚による、愛によるナチュラルとコーディネーターの融和。これを実現でき
て嬉しく思います。なんでテレビ本編がミリアリアとディアッカと言うネタを捨ててしまったのかわかりません。

ミリアリアと言えば、アークエンジェルに乗せませんでした。乗せても、モブキャラ化するだけだし、なんとかせっ
かくのジャーナリストと言う設定を生かしたいと思ったからです。今回はその設定を生かして書こうと思いましたが
どうだったてしょうか。もう少し、ジャーナリストとして活躍させたかったなと思います。

キラが殺されるのは当初の予定からでした。だって、恨みって、そう簡単に消えるもんじゃないと思うんです。うう
ん、消えて欲しくない。アイシャの写真を飾っていたバルトフェルドには特に。
心の裏で、恨みを持ち続けていて欲しかったのです。無いように見えてもなにかのきっかけで現れて欲しかったの
です。
ただ、最初はアスランに負けてラクスの元へ帰還、射殺。と言うシーンを考えていたのですがアスランが以外に人
間的に成長してモビルスーツのパイロットに拘らなくなったのでこのような形になりました。

ノイマン。この人物も恨みを持ち続けていた人物です。種は前作を書くのに何回も見ましたが、アークエンジェル
がドミニオンを撃つシーンはどう見ても愛する男を殺された復讐としか見えませんでした(撃つ事自体は戦場で当
然なんですけどね)
ドミニオンにナタルが残っていた事を知ったノイマンはどう思ったでしょう? やっぱり、恨んで欲しい。その思いが
この作品のノイマンとなりました。

キラ。この人物は悲劇を表現しようと思って出しました。キラ。キラ自身は何も悪くないんですよね。ただ、先の戦
役で心を病んでしまっただけ。でも。キラは最初はフレイの面影、後はラクスに依存しました。治るきっかけもあっ
たんです。フレイの幻影から解き放たれた事。しかし、オーブは中立を宣言しました。そこでラクスは自分の野望
を選んでしまった。キラは歪みが直らないまま戦い続けました。カガリの言葉も、アスランの言葉も届きません。
最後に望んだ事はアスランに勝つ事、でしょうか。でも、アスランはとっくにそのモビルスーツパイロットと言う段階
を過ぎていました。もし対決が実現していたら、アスランは後方で部隊の指揮を取り、冷静にキラを仕留めたでし
ょうか。ラクスの野望実現と言うキラにとって喜ばしい状況で死ねたのはあるいは幸せな事だったかもしれませ
ん。もし、ラクスが野望を抱かなかったなら、キラは回復して幼稚園の先生でもやっていたかもしれません。

ラクス、黒いです。ある意味、銀河英雄伝説のラインハルト・ローエングラムに似てるかも。種死の最初が、宇宙
を征服した所で引っ込んでしまった。その結果なんですね。だから、彼女はその点については挫折感が無い、
成功体験しかないんです。今回も、自分が望めば世界は手に入れられると信じていた。そしてそれはある程度事
実です。そう、ラクスは天才なんです。種死の今回でもターミナルと言う組織を作り上げ、数々の計算違いを乗り
越えてもう少しでまた世界征服してしまったかもしれない。アークエンジェルの乗員を薬漬けにしましたが、それは
彼らがラクスにとってさほど価値がなかったからでしょう。マリューとカガリは前戦役の英雄と言うお神輿やっても
らえばよかったわけですし。ラクスが当てにしていたのはターミナルの人員でしたでしょう。当然自分の陣営だと思
っていたアイリーン・カナーバの裏切りが無ければ、コロニー落としに恐怖する地球はラクスと妥協したかもしれ
ません。
あるいは愛する男を殺された女の怨念がラクスの野望を阻んだ、と言っていいかもしれません。
テレビ本編でラクスが民意を問うと言う正道を行かない訳をこの作品では、父が、民意によって失墜させられたか
ら、としましたがどうでしょうか。そして、父を陥れるような行動をした訳は……。この事については後段におきます。
とりあえず自分の正義を疑ってないんですね。この人。本当に人類に責任感を持ってしまっている。ルドルフ・フォ
ン・ゴールデンバウムです。だから、民意には問わない、武力で征服と言う考えが出てくる。その統治は策略有り
謀略有りのものになるでしょうが。
ただ、仲間にはそれなりの仲間意識がさすがにあっただろうと、そしてキラとは純粋に愛し合っていたと思います。

ネオはどうしようかと悩みました。マリューがバルトフェルドとくっついてしまう予定で、地球連合が勝利する予定
ですから。戦死してもらうのも忍びない。ですので、中の人ネタの美人の副官を付けてあげました。そのうち彼女
とくっつくでしょう。
彼にはユークリッド隊を率いて戦ってもらおうかとも考えましたが、やっぱりルーデルみたいな人を出すのは……
と言う事でユークリッドは二次大戦時の撃墜王達に頑張ってもらう事に。と言いながらノレーデルがw

マユ&シン
マユは当初死ぬ予定でした。死にキャラがいっぱいいたために生き残りました。それがなんと最後は乗機がデス
ティニーですよ! 作者もびっくりです。戦後はハイネとくっつくか?
実は、ルナマリアの位置を彼女の位置にするかどうかで悩みました。
シンは、シンちゃんと言った方がいいでしょうか。和みキャラ? 妖しい一面も。

ハイネ……彼も、当初は死ぬ予定でした。そしてアスランが彼の言う『群れて戦わなきゃいけないナチュラルの戦
法』を取り入れるきっかけに、と思っていたのですが。アスランの成長が作者の予想より早く。死に時を逃しまし
た。ラッキーですね。

ミーア。死ぬ予定であり、死んだ人物。もし、自分の好みがアスラン×ルナでなければ生き残っていたかもしれま
せん。デュランダルの演説の時に殺されたので、内面を深く書く事ができませんでした。後悔しきり。

後。サブキャラ達。
ファントムペイン側――
ナイトハルト・ミラー……はい、銀英伝からですね。『ュ』が入るかどうかだけの違いです(笑)。無事、『鉄壁ミラー』
の異名を得ました。

原田 左之助……新選組十番隊組長から。ニュートロン・スタンピーダで近藤達がやられる場面で、駆けつけるの
はシャムスではなく原田にした方がよかったかもしれません。

ジョン・デイカー……はい、エターナエル・チャンピオンのエレコーゼの一般人として暮らしていた時の名前です。
最後は無事? 冒険の旅に出たようです。大官寺と一緒ですから相当苦労するでしょうが。

井沢真秀(いさわ まほ) 出演作は『彼氏彼女の事情』です。最初はつっけんどんだった彼女も、最後にはナーエ
達に『まほりん』と呼ばれるくらい仲良くなっていたようです。

ザフト側――
ショーン・ホワイト……ラストの話の通り、ウルトラマンマックスに登場した人物の役名です。本名はショーン・ニコ
ルスと言うアメリカの俳優さんです。

ゲイル・リバース……ウィキペディアに出ています。ニュージーランド生まれの傭兵で、工作員、経営者、作家と
多彩な活動をしています。元SAS隊員。航空輸送会社の経営、および特殊用途用の武器販売を手がけるそうで。
一方で傭兵として、各国諜報機関の依頼で数々の対テロリスト工作に関わったそうです。 著書の日本語訳は主
に作家の落合信彦が手がけたそうですので興味が湧いた方はご覧ください。

その他――
ガルト・デル・ホクハ……漫画での死に際が気の毒過ぎたので登場。ジャベリンを気に入ったようですがあれは
オーパーツ過ぎました。ごめんなさい。

サース・セム・イーリア……ガルトのお供で登場。本当は、救国軍事会議との戦いをもっと詳しく書くつもりだった
んですが、ザフトと地球軍+オーブ艦隊の戦いで心が満足してしまったのです。ごめんなさい。とりあえず、お家
再興です。おめでとう!

そして……モロサワ、フクダ、タケダその他多くの名前を持っていた死にキャラ達……。
彼らもエターナル・チャンピオンでしょうか(笑)
ネタ元は、わかりますよね? 遠慮なく殺せる名前と言う事で何度も登場してもらいました。


スカンジナビア王国。これは、絶対にお話に絡ませようと思いました。参戦させようと思いました。だって、オーブ
より遥かに軍事力持っていそうで、ただの仲介役で終わるなんてもったいないじゃないですか。直接の切っ掛け
は『かかってこい! フィンランド流血の夏』と言うHOI(ハート・オブ・アイアン)と言うゲームのリプレイを読んだ事
でしょうか。燃えました。スカンジナビアの進撃路――ヨーロッパの地図を見るのは楽しかったです。

お話の終わりをどうするかには悩みました。地球連合の勝利で終わる事は確定だったんですけどね。それが決
まったのは、東方不敗マスターアジアの台詞からです。あれで、シーゲルの行動が説明できると思ったんです。
ニュートロンジャマーを過剰過ぎる程に地球に打ち込んだのも、最終的にプラントが負けるような行動を取ってい
たのもすべて人類絶滅のため!(笑)
でもシーゲルは死んでいます。復活はさせたくありませんでした。代行者が必要です。それが、アイリーン・カナー
バ。彼女に決まった時、ラクスの死亡も確定しました。女同士のドロドロを書きたかったのです。
とはいえ、当初はアスランがラクスを殺すと言うシーンも考えていたのでラクスの死亡はかなり当初から決まって
いましたね(笑)

復活した人もいますね。はい、ラウ・ル・クルーゼです。これは、私が以前に書いた『ポーの一族』とのクロス短編
を流用しました。クローンで寿命が短いレイ。それになんとか救いを与えてやりたかったのです。

それから触れておかなければいけないのはやはり、老魔法王ベネディクトでしょう(笑)これは、最初は前作のエ
ターナルフォ−スブリザードから検索して見つけた、単なるネタだったのですが、ラストがプラント全基の地球突
入と言うアイデアが浮かんで、どう収拾をつけようと思ったところからキャラが出来上がりました。はい、デウス・
エキス・マキナです(笑)
アンデルセン神父とアナキンはリクエストに答えて。登場させただけでそれ程活躍させる気はありませんでした。
種死のキャラを食ってしまいますものね。
ちなみに、私はカトリックではありません。ただ、1年に一回ルルドのお水を10リットルお頒けしてもらうくらいです(笑)

マルキオ――正体はナイアルラトホテップ(笑) 実はこの案は前作の時に考えていたんです。でも前作ではマル
キオはただのやられ役になってしまいましたので、今回はちゃんと這い寄る混沌になってもらいました。あまり活
動はしませんでしたが。だって、彼がまともに活動したらお話が終わっちゃう(笑)
結構いい奴? な最後でした。
ちなみにわかると思いますが自分はタイムパトロール系の話が苦手です。結局夢落ちだと思うからです。
歴史改変を成功させる話は好きです。

……さて、後書きもだいぶ長くなってしまいました。
応援ありがとうございました。
そして最後に。
もし、もしもこの作品が気に入っていただけたとして。
もしもまた次の作品が書けましたら、いつの日か、また、お目にかかりましょう……。
693通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 18:34:32 ID:???
はっきり言おうか
アンタ才能無いよ
序盤はともかく、後半のグダグダ感は本当に酷かった
ネタに走りたいなら、最初からネタ全開にすればいいのに、下手にシリアスぶるから本当にグダグダだった
694通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 18:54:42 ID:???
と、数字付きがわめいております


それはともかく後書きもマジメに読んじゃダメなんだよね?w
695通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 18:58:53 ID:???
東京●者の横……はないか下……いや、愛と哀しみのエスパーマン?
696通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 19:08:21 ID:???
収拾がつかなくなったからついでに何でもぶち込んで見ました闇鍋ってな感じだねw←褒め言葉
697通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 19:13:38 ID:???
もうちょっとじっくり読みたかったぜ
忍者艦隊とか
698通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 19:16:11 ID:???
忍者大活躍
  ↓
忍者大勝利 new!
699通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 19:28:24 ID:???
後半の詰め込みっぷりは異常だったぜ!
つかあとがき長すぎるwwwwwww三行でまとめてくれwwwwwww
700通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 22:01:47 ID:???
アンタの作品は初期のやつから読んでるが、最初期の淡々とした描写からは想像もつかないネタの詰め込みっぷりはあっぱれ!
次回作があったら期待してるよ
やっぱルナマリアものなのかねぇ?
701通常の名無しさんの3倍:2009/04/24(金) 23:20:21 ID:???
前連載してたほうは好きだったけどこっちはなんだかなぁ
俺の肌に合わないだけなんけどもね…
とりあえず連載乙でした
702通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 01:19:18 ID:???
そういやマユ主人公の人はどうしたんだろう
703通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 01:29:01 ID:???
火葬戦記物を好んで読んでる俺としてはネタが多くて楽しめたな。
ちょっと頭の固い人はイライラすると思うけど
704通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 01:49:16 ID:???
頭の固い柔いじゃなくて、ネタを知ってるかどうかがまず問題だと思うが
705通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 02:21:29 ID:???
>>704
ネタが出始めた頃は元ネタ知らなくても楽しめたけど、最後の頃は元ネタ丸々使うとか
それで元ネタわかる人が盛り上がって置いて行かれる感じ
706通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 02:39:23 ID:???
ネタ同士がリンクしないから、SSにネタ突っ込んだだけで終わってるのが惜しいな
ネタを作者なりに発展させる所にまで至っていないから、ただの借り物で終わってる

特に忍者の辺りとか
あそこまで悪役側の強敵として印象づける暴れ方をさせたのに、悪役として相応しい終わりを用意出来なかったのかと
結局、ご都合主義的な道具としての印象しか残らなかった
707通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 03:10:29 ID:???
>>702
マユ主人公の作家さんが心配。
意外に面白いだけに、筆折って欲しくないものだ

>千億の星、千億の光
走り出しは良い。ただ途中から謎展開になってしまった。
あと他作品からのキャラ引用が多すぎる。
IF物のものすごく難しいところは作品オリジナル(原作)設定と作者の追加(二次創作)のさじ加減。
原作の世界観を壊さない程度でネタを使って、なめらかに展開してほしかった。
708通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 11:28:02 ID:???
4作目の中盤辺りから技術的な向上を放り出してネタに逃げている感が強いのがなんとも……。
今後も続けられるなら、もう少し基本に立ち返って欲しいです。
709通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 11:48:49 ID:???


とりあえず乙というのは礼儀だと思っている。

今回のSSは、火葬戦記ネタで闇鍋と化してると思うwww
「やり過ぎです。もうちょっと自重してください」ってところかな。
710通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 12:29:12 ID:???
作者さん乙です。

ただ、ネタ詰め込みすぎて途中からさっぱり分からなかったです。
ぶっちゃけ(一般)人の食物ではない、下手物風味な感が
そのテンションについて行けるのはごく一部の数寄者だけでしょう。

火葬戦記だから何でもありなのは分かりますが、盛大な胃もたれがする作品だと思われます。
711通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 12:34:17 ID:???
薬中のあたりが最盛期だったな…
あの頃はザクレロと共に盛り上がったものだが
712通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 12:59:42 ID:???
トキワ荘作家の寺田ヒロオ氏は長編に行き詰った赤塚不二夫氏にこうアドバイスしたそうです。
「詰め込み過ぎだよ。僕ならこの原稿から5つのマンガを作るな。」
何はともあれお疲れ様でした。
713通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 15:51:57 ID:???
あとがきなげー…
714通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 18:56:03 ID:???
「えっと、あとがきです」でぐぐれ
あとがきが長いのは新井素子へのオマージュだ
715通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 19:18:29 ID:???
>>714
最後まで人に通じないネタで評価を落としていたのか
716 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/25(土) 19:49:36 ID:???
もちろんオマージュもありますが、連載中は極力余計な事は書かないようにしてるんですよ。
ネタはわかる人がわかればいいです。これからはわからなくても楽しめるようにしますよ……
でもここはこうなんだとか語りたい欲もあるんです。最後ぐらい語らせてくださいな。
717通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 19:55:14 ID:???
正直自分はSEED以外には興味もないし、間口が狭い自覚があるから
クロス系スレとかは覗かずにこのスレだけ覗いてる
だからポコポコ他作品のネタを放り込まれるのは不快です
今後はスレに合わせた作品投下をお願いしたい
718 ◆Lna0TEvcJM :2009/04/25(土) 20:13:24 ID:???
それは申し訳ありません。上手にか下手にかはわかりませんが面白いと思ったネタは取り入れる方針です。
ここは懐が深いスレだと思っておりますので。なめらかに取り入れる事ができなかったのは一重に自分の腕がないからです。
今後も鳥付けますのでご不快ならあぼーんしてくださいませ。
719通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 20:30:55 ID:???
>>718
とりあえず、今回のは楽しめなかった人が多い様だが、その原因を自己分析出来てるのかい?

あと、「嫌なら見るな」と取れるような事を、書いてる本人が言うのは止めた方が良いよ
開き直ったとしか思われないから
720通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 21:01:46 ID:???
ネタは調理なり消化なりするからネタなんであって
素材そのままぶち込むのはネタじゃないっていう話
寿司の上に鱗も取ってない魚が丸々のってるようなもん
721通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 21:22:24 ID:???
まあ、作者には開き直りも時には必要だけどなw


ごちゃ混ぜはクロス向けってのはたぶん間違いない。
722通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 21:29:53 ID:???
>>721
今回の作品で言うなら、クロスが主題じゃないから、クロススレでもお断りだろうな
仮想戦記とのクロスですと最初から言って、最初からクロスして始めたなら違うだろうけど
723通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 21:48:15 ID:???
しかしIFスレとクロススレは、スレ圧縮で行き場の無くなったスレ住人を救済するために作られたってーのは
忘れちゃいかんよ。
「どっちにも来るな」
はスレ設立の精神に反する。
724通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 22:54:17 ID:???
IF要素があってクロス要素がある作品はどうしたら?
725通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 22:59:02 ID:???
クロススレでしょ、クロスのスレタイにもしもってあるし。
726通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 22:59:54 ID:???
クロスがあればクロス行き、それ以外はこのスレでいいんじゃね
IF要素のないクロスがそもそもありえないと思うが
727通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:08:05 ID:???
クロスがある時点で絶対にIFだわな
728通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:09:53 ID:???
だが、クロスの定義ってのが、「異世界から何かが来る・異世界に種キャラが行く」ってのになってないか?
他作品からキャラだけ引っ張ってきて、種世界のキャラとして出すのは、クロスに入るのかどうかだ
729通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:14:44 ID:???
『千億の星、千億の光』 は完結した時点で分けるならどっちよ?
730通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:16:28 ID:???
老魔法王とか出して受けたのを勘違いしちゃったんだろうなぁ…
料理に入ってるスパイスを誉めたら、次はスパイスをそのまま出された感じ
731通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:17:57 ID:???
キャラに限らず、原作との相違点が「特定の創作物から引っ張ってきた要素」だってのがクロスだと思うが
732通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:22:01 ID:???
他作品(現実世界含む)の固有人名出した時点でクロスだと思う
伏せ字とか、もじっていても
733通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:23:18 ID:???
IFスレには、ザクレロも居るんだよなぁ
クロスか?
734通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:29:45 ID:???
厳密にはクロスだって言われてた

ただザクレロのザクレロは、ぶっちゃけザクレロでなくても話は進むからなあ
735通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:30:29 ID:???
クロスと言えばクロス、種・種死のMAがザクレロだったら、というスレタイに沿ったIFとも言える
設定とか名前だけでキャラクターとして出てなかったらクロスとしては微妙だと思ふ
736通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:49:53 ID:???
>>728
スパロボみたいに最初から二作品あるいはもっと多くの作品が同一世界に存在してるってのも立派なクロスだろ
ただ世界が最初から同じという設定にすると、単純に別世界から転移してくる話に比べて世界観や設定の擦り合わせが難しい
737通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:53:20 ID:???
>>1の3行目に書いている通りクロスはクロススレへ。
そしてザクレロはこのスレで全く問題ない
「もし種・種死のMAがザクレロだったら」ってだけで人や世界が
クロスしてるわけじゃない

関係のない他のタイトル出してごまかしているようで不愉快だ
738通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 23:58:39 ID:???
ザクレロはMAだから主体的行動をするわけじゃないからな
キャラクターはどうしても人格や設定を持っていて、世界から移転してくる設定でなくても
元作品と切り離せない部分がある
739通常の名無しさんの3倍:2009/04/26(日) 00:07:46 ID:???
>>736
じゃあ、スレタイ変更するべきじゃね?
今のままじゃ転移しかだめなのかとおもっちまう
740通常の名無しさんの3倍:2009/04/26(日) 00:17:47 ID:???
>>739
スレタイだけじゃなくてテンプレも読もうよ、な?
クロスの方のテンプレ
>種以外とのクロスオーバーを種別問わず投下してください。
わかりやすいじゃないか。
クロスオーバーならクロススレ。単純明快。
741通常の名無しさんの3倍:2009/04/26(日) 22:01:21 ID:CcuCKz32
もし
「『討たれなかった』じゃない!『討てなかった』んだ!! この裏切り者がぁーっ!!」
と、ルナマリア殺害したシンがラクシズ殲滅&オーブ滅亡を目指すとしたら?

逆襲スレは「本編終了後」が条件なので、こっちにカキコしてみる
742通常の名無しさんの3倍:2009/04/27(月) 05:51:31 ID:???
>>741
>IF物とされるスレの統合を目的としています。
逆襲スレが消滅してたらこっちでも良いと思うけど…
それだと逆襲じゃなくて逆ギレだろ。
743通常の名無しさんの3倍:2009/04/27(月) 09:58:09 ID:???
まとめサイトにある「もしルナもろともアスラン殺していたら…」を
「メサイヤ落ちた後、月でルナに泣きつかず「お前のせいで凸禿殺せなかった」と
殺す」に変えたifなんだよ
744通常の名無しさんの3倍:2009/04/27(月) 19:17:24 ID:???
作品のクロス主体ではなくて物語の主軸の変化をメインにあっちこっちからキャラが来るのはIFとクロスどっちが良いだろ?
例えば、大雑把に

「もし種・種死の戦争方法がガンダムファイトだったら」

という事で色々なガンダムやらキャラやら持ってきたりとか

「もしOOがスーパーロボットモノだったら」

とかでイノベイターが機械獣とかマグマ獣とか持ち出すノリとか
745通常の名無しさんの3倍:2009/04/27(月) 19:31:41 ID:???
もしラクスがロゴスに組したら。自分の思い付きでは
種後半で自分の能力(洗脳)を知り、子供っぽい潔癖さから表舞台を退きオーブで隠棲→
エイプリルフールクライシスでオーブに逃げてきた人と知り合い落ち込む→
ユニウス落としでジンバブエドルの価値>>コーディネイターなくらい落ち込む→
なぜかラクスの声の秘密を知ってるロゴスメンバーがこいつうまく使えば
プラントの設備を壊さずに回収できるんじゃね?と接触を図る。という流れ。
746通常の名無しさんの3倍:2009/04/27(月) 20:57:55 ID:???
>>744
「もし種・種死の戦争方法がガンダムファイトだったら」
で、キャラが種そのままならIFスレ、他世界からキャラが来るならクロスだと思う
747通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 06:24:35 ID:???
もしコーディの女キャラが立ちション可能だったら?
748通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 07:09:41 ID:???
もし凸に支給される機体がレジェンドではなくインジャだったら
あと裏切らなかったら
749通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 08:39:23 ID:???
裏切らない凸って過去にいたっけ?
750通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 17:03:04 ID:???
>>749
X運命の凸は裏切ってないと思う
751通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 17:08:22 ID:???
ルナifの凸はレジェンドで頑張ってた
752通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 17:22:27 ID:???
脱走した理由がレジェンドが嫌だったからなんてSSないかな
753通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 19:17:35 ID:???
確かに嫌そうな顔はしてたけどさ・・・・・・
トサカもないし、赤系統の色でもないし
754通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 20:03:43 ID:???
>>749
つ 今は無きマユ主役スレの「隻腕」の凸
755通常の名無しさんの3倍:2009/04/28(火) 23:23:58 ID:???
カミーユin種死
756通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 00:46:28 ID:???
>>748
むしろ最初にザフトに出戻ったときに、FAITHどころか赤服にすらしてもらえずに緑服から出直し、当然専用機体も無し、って境遇だったらどうしたのか興味あるわ
757通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 00:57:04 ID:???
それを自発的にやったらどうだろう?父の間違いを償う、と。かっこいいキャラになるぜ。
カガリの護衛なんぞやってるよりゃ
758通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 01:07:13 ID:???
デモベクロスのアスランは凸ではなかったな……
あと、閃ハサのも裏切ってないじゃないか。
759通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 07:05:17 ID:???
イザークとディアッカも
緑服で最前線のミネルバに送られれば・・・
試作機のテストという名目で専用のグフとザクのハイブリットとか火力重視の機体とか
760通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 12:19:05 ID:???
アスランが坊主で去勢のイザークは緑服じゃなかったっけ

あのイザークはいくらなんでもアホすぎて微妙だったけどな
761通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 13:24:23 ID:???
>>758
>閃ハサ
あれはまだラクシズと遭遇してないからなんとも
762通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 13:53:56 ID:???
裏切らない凸は凸じゃなくて大抵かっこいいアスランじゃね?
763通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 21:34:08 ID:???
だが、抜け毛を気にする奴はいる
裏切ってなくても
Wクロスの親善大使とかXクロスのヤタガラス艦長、CVクロスの副艦長然り、出世すると裏切らないが凸率が上がる
764通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 23:12:59 ID:???
あげくのはては太陽拳
765通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 02:46:14 ID:???
シンがジュール隊に配属されたらifの凸も裏切らないな
最初っから敵だから・・・
766通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 08:34:43 ID:???
もしもラクスが種の時点で死んでいたら
767通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 08:41:33 ID:???
>>766
某スレにある。
768通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 19:32:18 ID:???
もしもBtWの時に
ユニウス7の残骸を核ミサイル乱れ撃ちで木っ端微塵に粉砕していたら
769通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 21:10:48 ID:???
もしもキラとアスランが女性だったら
770通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 21:38:43 ID:???
やべぇ百合百合でズーレーなガンダムが見たくなったぜ

サイがキラに手を出そうとして返り討ちに遭うんだな?
そしてフレイから絶交される・・・と
771SEED 戦後30年目の愛:2009/04/30(木) 21:45:45 ID:???
油まみれのズボンに半袖、ヘアバンドを着けている。
その男は、ロウ・ギュールとかいった。
ふざけた奴だとアスランは思った。
彼は出自のせいだろうか、ジャンク屋や傭兵というドロップアウトした連中が嫌いだった。
もっとも彼自身もザフトを2度ドロップアウトして車引きやボディガードの真似をしたことがあったが。
彼は挨拶も返さずにこう切り出した
「どう言うつもりなんだ。俺の機体を!」
ロウは話を聞き流しながらこう答えた。
「ま、メインカメラは、外させてもらった。
両腕のドラグーンシステムは大気圏上じゃ使い物にならないからゲイツRの腕に変えておいた。
本当は設定を一から直してやりたいんだが、時間がないし、人を迎えに行かなきゃいけねえ」
そういいながら、アスランに指示書を渡した。
「そっか。解った。
あんた誰の許可でこんな所に入ってる」
振り向くとこう答えた
「マルキオのおっさんさ」
「マルキオ導師……」
その言葉を聞いた瞬間、アスランの態度は豹変した。
高圧的な態度から急に委縮して
「ミスター・ギュール、お忙しい中、失礼した」
「は!」
ロウは苦虫を噛み潰したような顔をした。
その余所余所しい態度がよほど嫌だったようだろう。
772SEED 戦後30年目の愛:2009/04/30(木) 21:48:53 ID:???
「ちょっと尋ねたいことがある」
「ナンだい」
「サーペンテールというのは凄いのか」
頭を掻き毟りながら
「サーペンテール?、ああサーペントテールね
俺は今から、その元リーダー、叢雲該って大馬鹿野郎を日本まで迎えに行くのさ」
叢雲該という言葉をどこかで聞いたことがあるが思い出せない……気のせいだろうか?
彼は不思議な感覚にとらわれたが、気を取り直して
「ついでで悪いが、俺も一緒に連れって欲しい。俺の義弟に会いたいんだ」
「!!
待ってくれ。俺はザフトじゃない」
「なら俺の義弟を探して来てくれないか!」
そう云うとロウの両肩に掴みかかった。
「わ、わかったから!放してくれ。
途中までなら連れってやるよ。日本でアンタの義弟も探してやるよ」
「おお、それは助かる」
そう云うとアスランの手を払いのけて
「しかし、あんた酒臭いな。飲酒運転は危ないから乗せってやるよ」
話し終わらない内に、兵士たちが駆け寄ってきた
「ここにいましたか、アスラン・ザラ。司令室まで来てもらいますよ」
773SEED 戦後30年目の愛:2009/04/30(木) 21:49:47 ID:???
兵士に半ば無理やりに連れて行かれると広い会議室のような部屋にきた。
大きなモニターのある講堂のようなものもある変わった部屋だ。
黒の長い軍服を着た指揮官らしき男が数名の戦闘服姿の高級士官と共に歩いて来る。
その後から、半袖の熱帯用軍服を着た男がやってくる。
帽子を目深に被り、胸には戦闘指揮官の表彰。司令官だろうか。
向こうが敬礼をする前に、アスランは敬礼をした。
敬礼が終わると向こうが名前を名乗った。
「カーペンタリア総司令官、アーサー・トラインだ。宜しく」
再度敬礼して、返答した
「昨日復隊しました、東アジア方面隊(極東方面軍)戦闘モビルスーツ軍団軍団長の職を拝命致しましたアスラン・ザラです」
「え!!」
そういうと司令官は体をのけぞらせて、情けない大声をあげた。
「えー、あ、う……君が復隊していたとは驚いたよ」
「何よりお元気で、良かったです、司令」
黒の長い軍服を着た男が話しかけてきた。
ついさっき名乗ったがマイヤーだかマイセンだか良く聞き取れなかった。ドイツ風の名前だったと思えた。
後でわかったことだがザフトアカデミーの政治教育の教官だった男だった。
「メイリン・ホーク君、今はメイリン・ザラ君だったね、彼女は元気かい
私のザフトアカデミー時代の教え子でね」
アスランは少し間をおいてから
「メイリンはブルーコスモスの連中に惨殺されました……」
彼は、妊娠中にもかかわらずと言おうとしたがやめた。
もっとも惨殺はされはしたが、ブルーコスモスか、土匪か、諜報機関の工作かは彼自身も分からなかった。
マルキオの情報をうのみにしたことをそのまま返してしまったのが実情だ。
その場を静寂が包んだ。
774SEED 戦後30年目の愛:2009/04/30(木) 21:52:43 ID:???
彼はつづけた
「息子が居たんです。二人、今生きていたら30目前だったでしょう。私の目の前で無残に殺されたんですよ!
私は何もできなかったんです……」
ふらふら会議室を歩き回りながら、話し始めた
「なんでこんなことになってしまったんでしょうね」
「君が、パトリック・ザラの息子だからだよ!
その答えは君自身で見つけたまえ」
不意に立ち止まり、振り返った
「なぜ東アジア共和国政府領土内に、ザフトが居るのですか!」
「アスラン君、そのことについてだがちょっとばかり勉強が足りんようだな。昼間に子供新聞を届けさせるよう連絡しておく」
「その必要はございません。私自身が早速昼間から東アジアまで行って現状を見てきます」
そういうと敬礼をして司令室のドアを開けた。
まるで追いかけるように声がした
「じゃあ行ってくれ。子供新聞は届けさせるよ」
「司令、その必要はございません」
「アスラン君、気をつけなさい。現地のナチュラルは一筋縄ではいかんということを!」
775SEED 戦後30年目の愛:2009/04/30(木) 21:54:00 ID:???
続く。
776通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 22:47:35 ID:???
GJです!!
凸には子供新聞で十分ですか。そうですか。
777通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 23:51:22 ID:???
この凸は突き抜けたアホだwwwwwwwwww
778通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 15:18:45 ID:???
凸の返答は信じられないと。
しかも子供新聞しか理解できないだろうと思われているわけだwww。
ま、事実だからな。
779通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 15:31:20 ID:???
こども新聞でもムリムリ( ´_ゝ`)
780通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 15:36:53 ID:???
週刊こどもニュース
とか
小学校の教科書とか
Yahooキッズとか
781通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 16:01:08 ID:???
>>780
それらでも凸には無意味だ
キラきゅん(に親好的な人)しか信じないじゃん
782通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 19:25:21 ID:???
じゃあVIPのやる夫スレみたく
キラが国際問題について考えるようです
みたいな
783通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 20:30:05 ID:???
>>782
キラが部屋に小便を撒き散らして、シンに蹴られるのかwww
784通常の名無しさんの3倍:2009/05/01(金) 20:32:59 ID:???
現地のナチュラルは一筋縄でいかないと言っている以上、司令官は中国人(漢人)の厄介さを理解しているみたいだな。
ま、凸には理解するしない以前の問題だろうけど。
785通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 01:16:02 ID:???
>>767
亀だがよければヒントプリーズ
786通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 08:06:52 ID:???
アーサー…なんか出世してる
787通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 13:52:22 ID:???
そりゃまぁ数十年も経てば有能にはなるだろうて
788通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 14:01:50 ID:???
凸に艦を沈められて、部下も殺されてるんだよな・・・
789通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 14:47:09 ID:???
ついでに上司も見捨てられてる
恨んでても不思議じゃないが、あのアスランじゃ恨んでも仕方ない気がするw
790通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 20:06:01 ID:???
タリア艦長は見捨てるってより託したって感じもするが
791通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 21:17:21 ID:???
凸のダメっぷりが半端ないwww
メイリンは結婚相手を間違えたな。
792通常の名無しさんの3倍:2009/05/02(土) 22:16:19 ID:???
艦を沈め、部下を殺した男が身内を殺された件で喚き散らしているのか・・・
その身内も部下を拉致したものだし・・・
その挙句死なせてしまったような男に、どんな言葉をかけろと?
793通常の名無しさんの3倍:2009/05/03(日) 11:15:53 ID:???
もしシンとマユが002ndの沙慈とルイスの関係だったら
794通常の名無しさんの3倍:2009/05/03(日) 12:17:36 ID:???
>>793
シン「君に殺されるなら本望だ」
マユ、シン殺害で完全管理世界END
795通常の名無しさんの3倍:2009/05/03(日) 15:59:48 ID:???
>>794
シン、少しは妹を取り戻す努力をしなさい
796通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 06:19:40 ID:???
シンは沙慈よりむしろルイスの立ち位置だからなあ
797通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 08:06:12 ID:???
「あんたが悪いんだ!あんたが、あんたが裏切るからァ!!」
って喚いても不自然じゃないし。
798機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 08:57:33 ID:???
 連合軍第8機動艦隊は、地球上空での最終補給を終え、アガメムノン級宇宙母艦“メネラオス”を中心とした方陣をとり、整然と侵攻を開始した。
 『連合軍第8機動艦隊、動く』
 この一報にヘリオポリスのZAFTは、かねてより進められていた連合MSをプラントへと輸送する為の出航準備を急ぎだした。
 出航するのはナスカ級高速戦闘艦“ハーシェル”。ローラシア級モビルスーツ搭載艦“ガモフ”“ツィーグラー”。連合MSを積み込む輸送艦。この四隻である。
 キラ・ヤマトとアスラン・ザラは、出航準備に追われる輸送艦の前で別れを惜しんでいた。
 レールを走るアームに把持されたコンテナが、次々に艦内に運び込まれていく。その規則正しい動きを見せる風景の中、キラとアスランは互いを見つめ合って動かない。
 このヘリオポリスで二度の再会を交わした後、二人は毎日時間の許す限り共にいた。今回の出航が、二人を分かつ事になるまでは。
 アスランは輸送艦の護衛任務がある為、ナスカ級“ハーシェル”に搭乗する。一方、キラとその家族は、輸送艦に乗る事になっていた。
「アスラン……」
「キラ……」
 二人、互いの名を呼び合い、視線を交わしてお互いの気持ちを伝え合う。
 遠くそれを見ていたイザーク・ジュールは、眉を顰めて呟いた。
「……あいつら、気持ち悪いぞ」
 ディアッカ・エルスマン、苦笑混じりに答えて曰く。
「カップルだよなどう見ても」
 ニコル・アマルフィ、嘆息混じりに。
「ショックです。つい何日か前までは、ノーマルな友人だと思っていたのに……」
 キラとアスランの関係が“そう言う関係”だと言うのは、本人達の意識とは全く関係無しに、二人を知るZAFT兵の間では固まってしまっていた。
 アスランが軍務に就く時以外は、常に二人で居る。それだけならまだ良い……ニコルとディアッカとイザークだって、アスランとは多くの時間を共にしている。だが、キラとアスランは妙にベタベタしていて、何か普通の友人関係ではない。
 そこで、「あいつらは特殊なんだな」と考えると納得が出来るわけだ。
 本人達は言われれば否定しただろうが、面と向かって「君達はそう言う関係か?」と聞く輩も居なかったので――イザーク等、聞いて否定されて、それでも二人の関係に確信を抱く者もいるにはいるが――何時しか二人はそう言う関係という事で確定していた。
 幸い、カップルが成立しているので他の男達の尻が狙われる事はない。実害がないだろうからと、皆は申し合わせたわけでもないのに、二人の事には出来るだけ触れないという方針を取った。
 アスランは、この任務が終われば除隊する事を公言していたので、我慢するにせよ短い時間の事だ。
 政治権力を握るパトリック・ザラ国防委員長の息子であり、恐らくはこれから父の権力を背景にどんどん高い地位を得ていくだろうアスランと、無駄に関係を悪くしたい者など居はしない。
 ともあれそんな事情もあって、扱いに困る噂が流れてもアスランとキラの生活は平穏だったし、キラとその家族の扱いも非常に丁重なものであった。
 その状況故にキラは、凄惨な状況にあるヘリオポリスとは無縁でおり、残されるヘリオポリス市民にオーブ本国がどんな末路を用意しているのかを知らない。
 知っていたなら、彼はヘリオポリス市民を救うべく“アスランに頼んだ”だろう。他に出来る事は何も無いし、他の誰もキラがすべき事を教えていないのだから。
 そして、それがアスランにどうする事も出来ない事であっても、人を救うという単純な正義を説き続けたに違いない。そうなれば、キラに影響されたアスランがプラントに正義が無いと思い込んで叛意を持つ位の事になったかもしれないが、幸いそれは避けられた。
 キラは幸福だったと言えよう。他の全てのヘリオポリス市民よりずっと。
「アスランの事が心配なんだ。アスランはその……戦うかも知れないんだよね?」
 キラが、表情を曇らせて心配そうにアスランに言う。アスランは少しだけ顔を喜びに緩めた後、表情を引き締めて答えた。
「……まだ、作戦は終わってないからな。でも、これが終われば俺は……」
「アスランには戦って欲しくない。もし、アスランに何かあったら……」
「俺は負けない。俺が必ず、お前を守ってやる。キラ……」
 キラとアスランは無意識に互いに手を取り合い、熱い視線を交わし合う。
 キラは幸福だった。
 自分の事ではなく、他人の事だけを心配する事が出来たのだから――
799機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 08:58:16 ID:???
 

 ガモフの乗組員搭乗口へと続くキャットウォークの前。
「作戦任務開始につき、営倉入りを解除。釈放する」
 筋力強化コーディネートを重点的に行ったらしき筋肉の塊と言った様相のMPが、顔面これまた筋肉と言った厳つい顔を緩めもせずに言うのを、ミゲル・アイマンとオロール・クーデンブルグは苦虫を噛み潰したような顔で聞いている。
 二人が自分の言葉に感動して涙を流す筈も無い事は百も承知のMPは、そんな二人の様子など全く気にせず、「任務が始まったから出してやるが、次はお前のお袋でもわからなくなる位に拳骨で顔を撫で回してやる」くらいの事を言って、さっさと帰っていった。
 ミゲルもオロールも両親が作ってくれた自分の顔は気に入っているので、本気であろうMPの台詞に震え上がった後、去っていくMPの背中に中指をしっかり立ててからキャットウォークを渡る。
 人一人が通過するのがやっとの大きさのエアロックを通れば、後は勝手知ったる艦内だ。
「あーあ、営倉から直接乗艦かよ」
「誰のせいだ。誰の」
 廊下の手摺りを伝いながらの艦内移動を始めてすぐに、ぼやき始めたオロールに、ミゲルが舌打ちをしつつ問う。オロールは、手を顎に添えて考える素振りをしながら、悪びれることなく言い返した。
「あの新入りどもとMA女のせいだな。俺が悪くないのは確実だ。ミゲル、お前もちょっとは責任があると思うが、まあ許してやるよ」
「ありがたい事だなぁ、ちくしょう」
 艦に配属されたMSパイロット三人と、MA好きの整備兵らしき女の子が喧嘩していたという所まではオロールの責任では無いだろう。迂闊に介入したせいでミゲルがパイロット達に殴られたのも、事故みたいなものでオロールに責任はない。
 しかし、その後にパイロット達へ反撃し、騒動を一気に乱闘にまでレベルアップさせ、穏便に済ませるという選択肢を粉砕したのはオロールだったろうに。
 オロールの寛大な言葉にミゲルは感謝する筈もなく、深く溜息をつきながら、片手で頭を抱えた。
「結局、新しい仲間とは、親睦を深める事も、一緒に訓練をする事も無しだ。どうするんだよ、この状況」
 ZAFTの兵は個人主義で英雄志向が強く、連合兵のように組織だって動いたり連携を取ったりという事はしない傾向にあるが、最低限これくらいはというものがある。
 同じ艦で戦うのに互いの能力を知らない。それどころか、互いの間に争いの火種を残したままというのでは、流石に「コーディネーター兵士は優秀だから常に最良の行動を取るのだ」と言うプロパガンダもその御威光を失うというものだ。
 もっとも、本当にコーディネーターが優秀で最良の行動しかしないなら、ミゲルとオロールが営倉にぶち込まれる事も無かったろう。あれがあの場での最良の行動だったと言うのなら、むなしくて泣けてくる。
 プロパガンダとは違い、コーディネーターだってろくでもない事をやらかすものなのだ。
「あんな連中、当てにするなって。むしろ、背中撃たれないように気をつけな」
 ろくでもない事をやらかす代表選手の如きオロールの言葉だったが、そこに僅かに真剣な色味が混じる。その意味に気付いて、ミゲルは表情を暗くした。
「味方殺しか? 洒落にならんよなぁ」
 戦場で、味方の背中を故意に撃つという行為は、昔から行われている。
 無論、ZAFTでも禁じられてはいるのだが、上官の命令は絶対と教え込み規律でガチガチに縛るナチュラルの軍隊ですら味方殺しは発生するのだ。個人主義であり自己の判断を重視するZAFTでそれが発生しない筈がない。
 まあ、日常的に心配しなければならないほど発生している事かと言うと、決してそうではないのだが……直接的間接的を問わなかった場合、戦死者の何人が味方に殺された事になるのか、正確な数字は出ないだろうが、想像するのは怖い。
「関係を修復出来ると良いんだが」
 言いながらミゲルは、廊下の手摺りを掴んで移動を止めた。
 そこにあるのは、ブリーフィングルーム。ここで、今回の作戦の説明が行われるのだ。
800機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 08:59:08 ID:???
 ドアを開けた二人の前に、既に人でいっぱいの室内が見えた。MS格納庫に近い位置にある為、ここにはMSパイロットや整備兵などが集まっている。
 人の集まりは三つに分けられた。
 一つは、つなぎの作業服を着た整備兵達。もう一つは軍服姿のMSパイロットが三人。そして、その両方から離れて、つなぎの作業服を着たMS嫌いの女の子……ミゲルとオロールが、MSパイロット達と喧嘩するはめになった原因だ。
 MSパイロット三人は、いっそ殺気と言っていい位に不穏な空気を発しながら女の子を睨んでいる。そして、その殺気は、入室したミゲルとオロールにも向けられた。
「関係修復はダメっぽいな」
 オロールは慰めるようにミゲルの肩を叩いて言い置き、それから床を蹴って女の子の方へと迷わずに移動していく。
 ミゲルは、何処に座るべきか一瞬迷ったが、すぐにオロールの後に続いた。
 殺気じみたMSパイロット達の所に行っても事態が好転するとは思えない。今は関係修復の話し合いよりも、今回の作戦について聞く方が優先だろう。下手に絡まれたりしては、それが果たせなくなってしまう。
 となると、整備兵達の集まっている所は満席に近い状態であるので、最終的に女の子の側に席を探す事になる。オロールも同じ結論に達したのだろう。
 女の子と席が近いとMSパイロット達の怒りを煽る事になりそうだが、彼らはミゲルとオロールを女の子の仲間だと思い込んでいるわけで、ならば今更と言う物だ。
 それでも少し離れて座るつもりだったが、うっかり近寄った所でミゲルとオロールは、女の子から声をかけられた。
「遅かったわね。艦長の話、始まってるわよ? 肝心な所はこれからだけど」
 そう言って女の子は、早く座りなさいとばかりに隣の席を指差す。
 勧められたのを、わざわざ断って遠くの席を探す程の理由は見つからない。ミゲルとオロールは互いに視線を合わせ、同時に苦笑してから勧められた席に座り、身体が宙に浮かないようにベルトで留めた。
 そして二人は、先ほどからブリーフィングルームに流れていた艦内放送に耳を傾ける。
 艦内放送では、艦長のゼルマンが作戦内容について説明している所だった。
801機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:00:32 ID:???
『――連合MSは輸送艦に積み、ナスカ級“ハーシェル”が護衛しながらプラントへ帰還する。その際、ローラシア級“ガモフ”と“ツィーグラー”も同行。途中まで護衛の任につく。これを輸送艦隊とする。
 一方、ナスカ級“ヘルダーリン”“ホイジンガー”を中核とした艦隊が、ヘリオポリス沖に展開。第8艦隊を迎え撃つ。これを迎撃艦隊とする。
 この迎撃艦隊で第8艦隊を撃滅する予定だが、万が一、抜かれてしまった場合、“ガモフ”“ツィーグラー”が輸送艦隊を離れて第8艦隊を迎撃する。
 残る“ハーシェル”と輸送艦は巡航速度を上げ、一気に第8艦隊を引き離す。“ハーシェル”は、輸送艦を最後まで守って航行する。
 これが、連合MS護送作戦の概略だ』
 説明の途中、女の子が作戦資料をミゲルとオロールに渡す。
 十数枚の紙がまとめられたそれには、作戦に関わる細かな情報が印刷されており、ゼルマン艦長の説明を十分に補足していた。
「……ミゲル、ガモフのMS戦力を見たか? 新入りどものノーマル三機はともかく、後はお前の専用ジン・アサルトシュラウドに、俺のジン・ハイマニューバ、そしてシグーだってよ。案外、楽な戦闘になりそうじゃないか?」
 資料をペラペラとめくり適当に流し見ていたオロールが、ミゲルに小声で言う。それを受けて、ミゲルも資料をめくり、そして呆れたように言い返した。
「良く読めよ。シグーは赤服新兵だぞ? かえって足手まといにも成りかねない」
 言いながらミゲルはブリーフィングルームの中に視線を走らせる。
 エリート様である事を示す赤服は、このブリーフィングルームには無い。パイロットならばここで説明を聞いている筈なのにだ。
 他の部屋で聞いているのかも知れないが、それは戦闘中に密接な関係となる他パイロットや整備兵との交流を軽視しているという事であり、そんな人物と一緒に戦わなければならないミゲルの苦労を想像すると、楽な戦闘になるとは冗談でも言えそうにない。
 と、暗澹たる思いを抱いたミゲルの腕が、隣から肘で突かれた。
「これ、確認した方が良いわよ? データがちょっと古いみたい」
 資料のMS戦力のページを開いた女の子が、ミゲルに悪戯っぽい笑みを見せながら言う。
 ミゲルには、傍目には可愛らしく見えそうなその笑みが、酷く不吉な物に見えた。
「どういう事だ?」
「足手まといの赤服新兵を捜して、自分で確認してみたら? 艦長の話が聞こえないから、おしゃべりはもう止してよね。古参兵さん」
 そう返して、女の子は“艦長の話を聞いている”というポーズに戻る。そのすました横顔に、カウンターを狙って攻撃を待ち受けている様子を見て取り、ミゲルはこの場でこれ以上の追求は得策ではないと察した。
「確かにその通りだな」
 席に座り直して、艦長の話を聞く事に集中する素振りを見せるミゲルに、女の子はチラとだけ不満を混ぜた視線を送る。やはり、追求してくる事を期待していたらしい。
 女の子の思惑から外れた事にささやかな勝利感を得て、それを心地よく思いながらミゲルは、今度は本当に艦内通信に集中した。
 ゼルマン艦長の話はまだ続いている。
『なお、連合軍の宇宙要塞“アルテミス”にユーラシアの艦艇が集結しつつある。陽動、あるいは第8艦隊とは別にMSの奪還を狙っている可能性があると言えるだろう。
 もしこれがMSの奪還を狙ってくるなら、“ガモフ”と“ツィーグラー”あるいは“ハーシェル”で迎撃を行う事になる。
 状況にもよるが、一度、戦闘が発生した場合には、激しい戦闘となる事が予測される。各員、いっそうの奮闘努力を望む。以上だ』
802機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:01:15 ID:???

 ヘリオポリスの港口。ナスカ級“ハーシェル”を先頭に、連合MSを積んだ輸送艦を中心として、ローラシア級“ガモフ”“ツィーグラー”が後ろに続く形で、輸送艦隊が出航していった。
 ヘリオポリスには、防衛戦力としてジン六機が残されている。ナスカ級“ヴェサリウス”も残されては居たが、これは修理中で戦力としては使えない。
 しかし、ジン六機があれば、旧来のMAと戦艦主体の戦力が相手ならば、その数倍の戦力を差し向けられても撃退出来る。防衛戦力としては十分だし、この戦力を撃退出来る程の戦力をヘリオポリスに送る意味は連合にはない。
 オーブにはヘリオポリス奪還の動機はあるが、今後の中立態勢の維持を考えれば、直接的な武力侵攻をかけてくるとは考えがたい。実際、ヘリオポリス市民収容の為の大型輸送船と戦艦一隻を出して以来、オーブの宇宙基地であるアメノミハシラは沈黙を保っている。
 よって、ヘリオポリスのZAFTは、防衛に何ら危機感を抱いては居なかった。
 だからこそ、彼らは困惑する。出撃していった輸送艦隊の忘れ物に。
 輸送艦隊の出撃後に格納庫で発見された物。それは、輸送艦隊が全て持って行く筈だった最新型MSシグーだった。
803機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:02:06 ID:???
 

 地球上空を立ちヘリオポリスに迫り来る連合軍第8艦隊に対抗する為、ナスカ級高速戦闘艦“ヘルダーリン”“ホイジンガー”と四隻のローラシア級モビルスーツ搭載艦が、ヘリオポリス沖に展開していた。
 連合軍第八機動艦隊は、アガメムノン級宇宙母艦“メネラオス”と、ネルソン級宇宙戦艦三隻、ドレイク級宇宙護衛艦五隻で構成される。
 更に、ZAFTのMSジン二十四機に対し、連合には百五十余機のMAメビウスがある。MS一機でMA五機分と言われているので、戦力比は120対150。
 ZAFT艦隊は、第8艦隊の進路を遮る様に、単横陣を組んで待ちかまえている。ナスカ級二隻を中央に、ローラシア級が両脇に二隻ずつという形で、横一列に並ぶ陣形だ。
 第8艦隊の動きは、ZAFT艦隊に完全に捕捉されており、進路を変えてもそれに合わせてZAFT艦隊は移動して、第8艦隊に道は譲らない。
 両艦隊は次第に距離を詰めており、交戦は避けられぬ状況である事は明らかだった。
 第8艦隊提督デュエイン・ハルバートンは、旗艦メネラオスの指揮所より指示を下す。
「紡錘陣を組め。各艦、戦闘準備。これより敵艦隊中央を突破する」
 その指示に、指揮所に詰めていた参謀達がざわめく。そして、参謀の一人が、恐る恐るハルバートンに聞いた。
「提督。接近戦はMSの有利となる所。なのに、自ら接近戦を挑むのですか?」
 敵艦隊中央突破。つまりは、敵に最接近する事を意味していた。
 基本的に艦艇は、長距離で撃ち合う事を前提に作られている。一方、MSやMAは近距離での戦いが前提。MSやMAの接近を許してしまえば、艦艇の有利さは失われる。
 現在の彼我の戦力は、艦艇数で第8艦隊が勝っているが、MSとMAの戦力はほぼ互角と見るべき所。ならば、距離を置いて長距離砲撃戦を挑むのが、第8艦隊にとって有利な戦術である筈である。
 しかし、ハルバートンはそうしなかった。
「我々の目的は、敵に勝つ事ではない。MSを取り戻す事だ」
 ハルバートンは落ち着いた風を装いながら参謀の問いにそう言ってみせる。答えにはなっていなかったが、参謀はそれで黙り込んだ。納得したのか……ハルバートンに問う意味がないと思ったのかはわからないが。
 答えはしなかったが、ハルバートンに決断をさせたのは焦りであった。
 連合MSがいつまでもヘリオポリスにあるという保証はない。そして、持ち去られてしまっては、取り返す事は出来なくなる。故に、第8艦隊側は一刻も早くヘリオポリスに向かわねばならず、退く事はもちろん迂回するといった事も出来なくなっていた。
 長距離砲撃戦は有利かもしれない。しかし、決着を付けるまでには時間がかかる。ZAFT艦隊が、時間稼ぎを目的としていたならば、かかる時間は相当に長い物になるだろう。ハルバートンはその時間を惜しんだ。
 それに、ハルバートンには自軍に有利な長距離砲撃戦を挑んだ所で、MSを有するZAFT艦隊には勝てないだろうという妄執的確信があった。
 ZAFT艦隊に勝てる時が来るならば、それはMSを奪い返した時だ。ならば、その時まで戦力を温存しなければならない……犠牲を覚悟しても。
 連合製MSのみが連合に勝利をもたらすと信じる男は、進んで行かざるを得なかった。部下の兵士、数万を道連れにして。
 C.E.71年2月13日。ヘリオポリス沖会戦が始まる。
804機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:02:47 ID:???
 

 第8艦隊は、前面にドレイク級を押し立て、中央に旗艦メネラオス、そして旗艦を囲む様にネルソン級が展開し、紡錘陣を組んでいる。
 砲撃戦。第8艦隊からの砲火は、戦場に光の奔流となってをZAFT艦隊を襲った。
 ZAFT艦隊は防御に重きを置いており、アンチビーム爆雷や機銃を用いた徹底的な防御でその攻撃に耐えつつ、報復の砲撃を仕掛ける。
 互いに防衛手段を活用している為、お互いの攻撃はなかなか決定打とならない。しかし、艦数……すなわちは砲の数で勝る第8艦隊側が、次第にZAFT艦隊を押し始めたのは必然だった。
 横隊は中央から左右両翼に別れ、第8艦隊に道を開こうとしている。このまま艦隊戦のみが続くならば、ZAFT艦隊は陣形を乱されて千々に散った事だろう。しかし、戦争はその形態を変えて久しい。
 スラスターの光を蛍の様に曳きながら、MAメビウスが宇宙を突き進む。敵は、接近中のMS。単機では敵対し得ない圧倒的な性能差のある敵……これに、数の利でもって挑む。それは、犠牲を約束された戦いだという事でもあった。
 艦隊の距離が詰まった事で、ついにMAとMSが激突する。
 直線的な動きのメビウスは、高速でMSに接近し、対装甲リニアガンや有線誘導式対艦ミサイルの一撃を撃ち込もうとする。それに対しMSは、出鱈目にも見える複雑な動きで射線上から逃れながら、手にした重機銃でメビウスに対して弾幕を張る。
 一撃で千々に砕けるメビウス。数発を受けて尚、当たり所によっては戦闘を継続出来るMS。
 五対一の戦力比などという数字上の話など、全く当てにならない悲壮な戦闘が始まった。
 戦場で開く無数の閃光の華は、多くがメビウスの物だ。
 ZAFTのMSジンが、手にしたMMI-M8A3 76mm重突撃機銃を盛大に撃ち放つ。混ぜられた曳光弾が宙に線を描き、その線に絡め取られたメビウスがあっけなく爆発する。
 一機、二機、次々に落ちていくメビウス。しかし、撃墜されるばかりではない。
 ジンが張る弾幕を抜けたメビウスが、ジンに向けて対装甲リニアガンを放つ。胸部に直撃を受け、ジンはその巨体をのけぞらせた。
 メビウスはその脇をすり抜け……直後、胸に開けた穴から破片とオイルを吐き出すジンが、振り返りざまに放った重機銃に撃墜される。そしてそのジンは、次の瞬間に有線誘導式対艦ミサイルが身体に突き刺さり、巨大な爆炎へと姿を変えた。
 そんな戦いが繰り広げられる中、艦隊戦も続く。
「アンティゴノスに被弾」
 メネラオスのブリッジ。オペレーターの冷静な声が上がる。
 モニターには、前方を行くドレイク級宇宙護衛艦アンティゴノスが、艦全体から黒煙を放出しているのが見えた。そして、コントロールを失ったのか、それとも僚艦を巻き込むまいとしたのか、陣形から外れて行く。
 アンティゴノスは致命傷を受けていたのか、それほど移動する事も無く、突然爆発して炎の塊になった。
 ZAFT艦隊は着実に戦力を減らしていくつもりなのだろう。一つの艦に集中砲撃をして来ており、アンティゴノスは第一の犠牲だった。
 艦隊が距離を詰め、砲撃の命中率が上がり、距離によるビームの減衰率が低下した事によりビームの威力が上がって、双方の艦隊は損傷が大きくなってきている。
 無論、第8艦隊も何もしていないわけではない。ZAFT艦隊はまだ撃沈はされていないものの全艦が小破以上の損傷を受け、またその猛射に耐えかねて完全に陣形を崩そうとしていた。
「敵左翼、ナスカ級高速戦闘艦が後方に退いています」
 オペレーターが報告した。砲撃を受けて大きな損傷を受けたのか、ナスカ級高速戦闘艦ヘルダーリンがゆっくりと後退を始めている。
「ベルグラーノ、敵MS部隊に取り付かれました」
「セレウコス、敵艦隊の集中砲火を受けています」
 オペレーターの続けざまの報告。MA部隊の防御を突破したMSが現れ始めている。また、ZAFT艦隊は、新たな目標を定めた様だ。
 双方共にドレイク級宇宙護衛艦。このままでは長くは保たないだろう。
「……左翼を突破する。艦隊を前進させろ」
 ハルバートンは前進を命じた。
 攻撃を受けて思う様に動けないセレウコスとベルグラーノは艦隊から遅れ始める。このままでは脱落してしまうだろう。脱落すれば、後は敵に討たれるのみだ。
 そうと知っていながら、ハルバートンは更に命じる。
「全艦、最大戦速。脱落する艦は最後まで抗戦し、友軍を支援せよ。一艦でも多く戦域を脱し、ヘリオポリスへと向かうのだ!」
 MS奪還のみを考えるハルバートンの命令。それは、脱落する艦を囮として残して行くというものだった。
805機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:04:01 ID:???
 

 左翼。ナスカ級高速戦闘艦ヘルダーリンは大破し、戦場を離脱した。ヘルダーリンと共に戦線を形成していたローラシア級二隻は、猛進する第8艦隊の前に撃沈されている。
 一方、戦場右翼。ナスカ級高速戦闘艦ホイジンガー及びローラシア級二隻は、第8艦隊右後方から追撃する形で戦闘を継続している。
 第8艦隊の被害も大きかった。ドレイク級宇宙護衛艦セレウコスとベルグラーノは既に沈み、その姿はない。陣形右後方位置で、追撃してくるZAFT艦隊の攻撃に晒されているネルソン級宇宙戦艦プトレマイオスは、損傷で既に船足を鈍くさせている。
「プトレマイオスより入電。『作戦の成功を祈る』以上です」
 メネラオスのブリッジでオペレーターがそう告げた。
 モニターは、ZAFT艦隊を目指して回頭を始めたプトレマイオスを映す。そしてさらにもう一隻、旗艦メネラオスを挟んでプトレマイオスの反対側にいたネルソン級宇宙戦艦カサンドロスが回頭を始めるのが映った。
「カサンドロスより『我、プトレマイオスに続く』。『我、プトレマイオスに続く』です」
「……MSを奪還すれば、このような戦況は変わる。この犠牲は無駄ではないぞ」
 ハルバートンは、二隻の戦艦が戦列を離れた事に対し、そんな一言を述べた。
806機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:04:42 ID:???
 

 この後、プトレマイオスとカサンドロスの艦特攻と言っても良い程の苛烈な攻撃により、ホイジンガーは大破し航行不能となる。ローラシア級の一隻も撃沈された。
 これによりZAFT艦隊は追撃が不可能となり、第8艦隊を逃す結果となる。
 なお、プトレマイオスとカサンドロスは、MS隊の攻撃によりそれぞれ撃沈された。
 この戦いで第8艦隊は、ドレイク級宇宙護衛艦三隻、ネルソン級宇宙戦艦二隻、八十機あまりのMAを失い、戦力はほぼ半減している。
 一方で、ZAFT艦隊はローラシア級三隻撃沈、ナスカ級二隻大破、MS十機余りが戦闘不能となり、全滅と言って良いほどの損害を出した。
 では、第8艦隊の勝利なのか? それは違った。両艦隊には決定的な差がある。
 ZAFT艦隊は、この戦場に全力を注ぎ込めば良かった。連合MS輸送中の友軍がおり、自分達の全滅もまだ敗北へは繋がらない。
 しかし第8艦隊は、この戦闘の後にMS奪還、月への帰還と、さらに戦いを続けなければならない。つまり、この戦闘で戦力を使い切ってしまう事が出来なかったのだ。
 この一戦のみであったならば、第8艦隊は勝利を収めたと言えたかも知れない。しかし、MSを奪還出来なかったのであれば、その勝利には何の意味も無い。
 現戦力、アガメムノン級宇宙母艦“メネラオス”、ネルソン級宇宙戦艦“モントゴメリィ”、ドレイク級宇宙護衛艦“バーナード”“ロー”、艦載MA七十余機。
 ヘリオポリス沖会戦はまだ始まったばかりだった。
807機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:05:23 ID:???
 

 崩れた建物が放置されたままのヘリオポリス市街。夜闇が支配するそこに人の姿はない。
 ヘリオポリス沖での連合艦隊とZAFTの戦闘とは関わりなく、ヘリオポリスは諦観に沈み込んでいた。
 オーブ軍による市民の強制収容がすぐそこまで迫ってきている。オーブ軍が派遣した戦艦と大型輸送艦の接近は、既にヘリオポリス市民の知る所になっていた。
 猶予は、もう一日もないだろう。人々は為す術がないまま、息を潜めるようにして最後の夜を過ごしていた。
 だが、そんなヘリオポリスの中にも、活動をしている者達はいる。
 市民の収容の際、混乱を抑える為の放送を行う様にZAFTに命じられている放送局は、放送の準備で忙しい。
 しかし、行き交う人の数は、その準備に必要な人員よりもずっと多かった。
「中継の準備出来ました」
「おう、ごくろーさん」
 放送局の廊下。ソファと自販機の置かれた休憩ブース。放送局の外から帰ってきた青年に、中で働いていた中年男が缶コーヒーを差し出しながら聞いた。
「どうだった? ZAFTに見つからなかったか?」
「ばっちりですよ。ZAFTの監視があるのは港湾部だけですし……でも、何だって宇宙なんか撮るんでしょうね?」
 外……青年がしてきたのは、ヘリオポリスの外の撮影準備だ。外壁の外に撮影班を配置出来る様に準備をして、そこから映像をケーブルで放送局に届ける準備をした。
 それは、突然決まった事らしく、何の意味があるのかは作業をした者達も全くわかっていない。
「オーブの氏族の誰だかが、突然、ねじ込んできたって聞くがなぁ」
「オーブの氏族? ……まさかアスハの犬が、俺達を捕まえに来る艦隊を記録に残すとか言ってるんじゃないでしょうね」
 青年が嫌悪と言うよりも憎悪と言うべき表情を浮かべる。
 あの日、ヘリオポリス内での戦闘の前には、アスハを讃える番組を流す事に何の躊躇もなかったというのに、随分な変わりようだ。
 ヘリオポリス市民を襲った戦災は誰に対しても平等だった。放送局も沢山の職員を失っている。残った人の心も変わらざるを得ない。
 それに放送局は、アスハの演説を行って、ヘリオポリス市民の煽動に荷担してしまったという汚点もある。結果としてそれが誤りだったという事を痛感した今では、再びアスハのプロパガンダに利用される事は我慢ならなかった。
 もっとも、ZAFTからの命令で「オーブ軍に大人しく逮捕されましょう」と言うような放送を行っている現状が、怒りがあっても抵抗は出来ない現実を表している。
 だからこそなおさらなのだろう。放送局に勤める青年のアスハへの憎悪は行き所を無くし、ただその濃度を上げている。
 中年男の方もその辺りの感情は大差なかったが、それでも激情に任せる若さを失って久しい為か、感情を押し殺して冷静に考える事が出来ていた。
「違うだろ。アスハが、こんな所まで来るかよ」
 答えて、中年男は苦い笑みを浮かべる。
「何でも、その御仁はこのヘリオポリスを救いに来たらしい」
「救う? どうやって? 敵は軍隊だ。前の戦いの時みたいに、蹴散らされて終わるさ」
 中年男の笑みからして、ヘリオポリスを救うなどと言う事に期待していないのは明らかだったが、青年は考える事もなく反論した。
「どうせ、また勝手な事を言うだけだろ。今度は、俺達をオーブ軍と戦わせるつもりか? 二度も口車に乗せられる程、俺達は馬鹿じゃない」
「……力を見せよう」
 声が青年にかけられた。
 青年と中年男が声をかけてきた男を見る。休憩ブース脇の廊下を通りすがったらしき彼は、少女を一人つれていた。
 何となく、少女の困惑した様子が印象に残る。それは、同行者の突飛な行動に困り果てているという感じの……
「その時を楽しみにするんだ。君は……いや、放送を見る全てのヘリオポリス市民は知る事になる。自分達を守る力が存在する事を」
 ニヤリと笑みを浮かべつつ、予言者か何かを気取ったように含みいっぱいに語る男に、青年と中年男は当然の問いをぶつける。
「「お前、誰だよ」」
 男は、堂々と胸を張って答えた。
「僕はユウナ・ロマ・セイラン。職業は自宅警備員。君達を救いに来た男だ」
808機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:08:07 ID:???
 

 ヘリオポリス市民の収容任務に就いたオーブ国防宇宙軍所属のネルソン級宇宙戦艦と大型輸送船は、ヘリオポリスに近づいていた。
 まだ目視できる様な距離ではないが、望遠カメラはしっかりとヘリオポリスを捉えており、モニターにその姿を映し出していた。
 目的地が見えたにも関わらず、大型輸送船の船橋は沈み込んでいる。
 誰もが自分達の任務の内容を知っており、そして任務終了後に自分達がどうなるかまで知っているのだ。喜びようなどある筈がない。
 船内にオーブ兵は乗っておらず、乗組員達には船内での自由な行動が許されているので窮屈さはなかった。しかし、状況としてはくつろげる筈もなく、精神的な問題から来る不調を訴える者も少なくない。
 反乱の可能性については誰もが一度ならず考えたが、同行している宇宙戦艦の砲が自分達に向けられている以上、大型輸送船を盗んで逃げるという事も出来ない。結局、従うしかないのだ。
 諦めが支配した船内では誰もが無気力で、自分達に与えられた最低限の仕事をするだけの存在となっていた。
「そろそろ、減速しよう」
 船橋の中、不運にも船長の役職を振られた男が口を開く。
 大型輸送船はその質量故に機動性は皆無で、加減速及び方向転換に時間を要する。ヘリオポリスの側で止まるには、かなり離れた位置から減速して行かなければならない。
 それでもタイミングとしては若干早かったが、ヘリオポリスに早く着いた所で、自分が牢に放り込まれる時が早くなるだけの事。到着時間を少しでも遅らせたいとの思いが、無意識に早めの減速を命じていた。
「了解、逆噴射開始」
 言われるがままに速力通信機員が、船速を減ずるよう速力通信機のレバーをセットする。
 と……ややあって、船橋の通信機が鳴った。
『こちら機関室。逆噴射がされません。原因は調査中。放置されていた船ですから、何処かにトラブルが出ると思っていましたが……』
 通信機を通し、機関長から投げやりな報告が上げられてくる。本来ならば叱責しても良い態度だが、こんな任務であっては仕方がないと、船長はもうそんな事は気にしない事に決めていた。
「オーブ軍の連中が直したと言っていたが、手を抜かれたものだな」
 船長自らがオーブ軍への皮肉を言う。船橋のクルー達から僅かに笑みが漏れた。
「もう一度、試してみろ。ダメなら、ターンして止める」
 逆噴射が利かなくても、船体を百八十度ターンさせ、それから主推進器で減速をかける事が出来る。到着まではまだ時間があり、対処をする余裕があった。それに、到着の遅れはむしろ嬉しい事。
 が……そう考える余裕は、機関長の上げた困惑の声に破られる。
『……何だ? ちょっと待ってください、今……』
809機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:09:45 ID:???
 機関長の声は突然、悲鳴に近い響きを持った。
『推進器が勝手に……推進器最大出力! 加速する!』
「何だと!?」
 巨大船だけあって、推進器が全力を出しても、それとわかる程の加速は得られない。しかし、速度は確実に増しているだろう。
『調査して報告します! では!』
 機関長は通信を切った。
「暴走している……のか? どういう事だ!?」
 船長は、とりあえず状況を推進器の暴走と定めて、船が止まる事の出来ないまま遠い宙域まで行ってしまい自力帰還や救助活動が困難になる危険を考えた。暴走している推進器の調査と修理は機関員に任せるより他はないので、まずはこれに対処する。
 その危険を避けるには、進路を変えて地球圏を巡る円環の軌道を取ればよい。そうすれば、仮に推進剤を使い切るまで暴走しても、救助の手の届きやすい場所に居る事が出来る。
 問題は、今の自分達が、急な進路変更が許される立場にない事だろう。逃亡だと思われて、戦艦から攻撃を受けては困る。
「オーブ軍に連絡を取れ! 連絡を終え次第、進路を変える!」
 船長の指示を受け、通信士と操舵士が自らの仕事に取りかかる。
 しかし、ややあってから彼らはほぼ同時に声を上げた。
「通信機に不調! 一切の通信が行えません!」
「操舵不能! 操作を受け付けません!」
 船橋の中が凍り付く。
 幾ら何でも、同時にこれほど多数の故障が起こるとは考えられない。
 状況を理解出来ず、船橋にいる誰もが呆然とした様子で船長に目をやった。
「…………落ち着け。各員、自分の担当する船の機能を確認しろ」
 船長は、自らの責任感だけを頼りに平静を保とうと努力する。
 何が起こっているのか……原因を探るように、船橋の中を見回す船長の視線が、船外を映すモニターで止まった。
 船橋のモニターに映し出されるヘリオポリス。それは僅かずつ、モニターの中での大きさを増してきている。輸送船は、ヘリオポリスへまっすぐに進んでいる――
「まさか!」
 船長は最悪の想像をひらめいて声を上げた。
「ヘリオポリスの位置と、この船の予想進路を確認しろ! 急げ!」
 船長のその指示に、クルーの一人がコンソールを叩く。結果はすぐにモニター上に映し出された。
 予想進路として表示された線は、ヘリオポリスを貫いている。
 それを見た全員が愕然とする中、計算を行ったクルーが自らの職務上の責任感からか震える声で報告を行う。
「船が現在の進路を進み続けた場合……ヘリオポリスに……衝突します」
 巨大な質量をもつ大型輸送船が高速でコロニーへ衝突する。それは、コロニーを崩壊させるに足る一撃となる事は明らかだった。
810機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 09:10:36 ID:???
 機動戦士ザクレロSEED‥‥以上。

 ヘリオポリス沖会戦開始。ZAFTメンバーは第8艦隊との対決へ。
 同時にヘリオポリスに強制収容の部隊が到着。作戦開始へ。
811通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 09:36:54 ID:???
投下乙
812通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 11:47:29 ID:???


アスランがアブノーマル認定を受けたり、地味にハルバートン艦隊の自滅戦が始まったのに、
今回の話が「平和だなぁ」と思ってしまうとは恐るべし……
813通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 11:47:55 ID:???
更新お疲れ様です。

それにしても良い意味で種の狂気を表現しているからSAN値がやばいかも・・・・・・。
814通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 11:50:58 ID:???
乙であります。

それにしても今回は平和な話ですね。
アスランの帆も疑惑が確定的なものになったり、連合の痴将ハルバートンによる第八艦隊総自殺戦も始まりましたが
前回までに比べれば本当平和です。
815通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 13:17:06 ID:???
キラ凸コンビは相変わらずだなw
そしてお春さんの運命やいかに
816通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 16:07:08 ID:???
職業は自宅警備員w少しだけユウナが格好良いと思ってしまった。
817通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 18:07:01 ID:???
乙です
そろそろザクレロさん投下くるかなと毎日覗いていたのでめちゃうれしいです
大型輸送船を「修理」した理由はこれだったんですね

ヘリオポリス市民について議員達が話し合っていた時に
「ヘリオポリスさえなくなればすむ」という発言、あれがある意味伏線だったとは
全く気がつかなかったですw
ザフトと連合の戦いに巻き込まれ、不幸にも流れ弾wに当たり、
ヘリオポリス市民全員を乗せた船が沈んでしまったとなるのかと思ってました。
オーブ的因果応報みたいなw
輸送船の人たちは死ぬ運命になりそうですが、運命をも食い破るザクレロには
是非是非是非頑張ってもらいたい!ヘリオポリス市民がかわいそすぎる

ザフトの側だとミゲオロコンビと他のMSパイロットの不和が気になりますね
あと一番気になるのがラスティ
ザクレロさんのSSでは原作であまり目立たなかったキャラの心情を含めて
丁寧に書いている気がするので、ラスティはその「恋」も含めて気になります

でも自分が今一番気になっているのは今回の話と全く関係なくて申し訳ないですが
英雄サイ様のMAはどうなるのか??です

それと最後に誤字かな?というのがありました。22話ですがユウナとウナトの会話シーン
>現状、ウズミにとっては暴走気味な情勢を制御しかねているようだが、それも初期の混乱だろうとウズミは考えていた。
2番目のウズミはウナトかな?

また長くてすみませんです
818機動戦士ザクレロSEED:2009/05/04(月) 22:37:31 ID:???
>>817
感想ありがとうございます

誤字の件はその通りのようです
保管されてるものを修正しておきますね
819通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 23:29:21 ID:???
ああやっぱり
「ヘリオポリスが無くなれば〜」の発言でヘリオポリスふっ飛ばすのは予測してたけどまさか特攻とは思わなかった
てっきり船に爆弾満載してヘリオポリスごと自爆させるとかだと思ってたよ
戦闘状態じゃない中立国のコロニーの宙域ならNJなくて核が使えるんじゃあとか思ったし

個人的にはガルシア閣下の動きが気になる
この人何やったって死にそうにないし
820通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 10:48:17 ID:???
原形をとどめたまま地上に落とせるUCコロニーの頑丈さに比べたら種のコロニーて脆すぎるよな
821通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 10:57:02 ID:???
サイが死にそうになってフレイが取り乱すのはともかく
今のところ最も精神的に安定してるのはAAなんだよな。
まあ単にこれまで運良く狂気の修羅場に居合わせずに済んできただけの事だが。
ヘリオがどうにかなってその知らせが届いたらさすがに変化も生じてくるか…?
822通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 14:46:02 ID:???
>>820
あれはUCコロニーが異常すぎるwwwwwwwwww
823通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 15:09:44 ID:???
ヘリオは内部のシャフトを破壊したのが原因だから
コロニーは基本的に外部からのダメージ(デブリとか宇宙線)を想定しているから
さすがにコロニー内部でミサイルとかビームを撃ちまくるなんて思いつかないでしょう
824通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 15:16:58 ID:???
小説版だと壊れ方が結構詳しく書いてあった気がする
シャフトが壊れて、コロニーの回転する力に耐えられなくなってねじれるように壊れたとかなんとか
825通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 17:53:58 ID:???
宇宙をかける少女のブレインコロニーの扱いを見ると
サンライズではあの形のコロニーは堅いという認識なのかもしれん
826通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 18:14:28 ID:???
レオパルドはコロニーというよりでっけえヘンないきものって感じだな

名前に”ン”が付いてれば出演時間の代わりに最強になれたかもだが
827通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 19:08:16 ID:???
>>820
>>822
ブリティッシュ戦争で落とされたコロニーは突入時にバラバラになって
シドニーに落ちた一番大きな破片ですら全体の3分の1以下のはずだが
映像では先頭部描かれたから原形保ってるように見えるけど、実際の
コロニーはあんな短くない
828通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 22:26:02 ID:???


今回は本当に平和ですなぁ、キラがボケた考えなしにも読めるけど、ごく普通
の十代として、友人の危機、新天地での不安、プラントでは両親の為にも働く
なくちゃ、とか等身大の人間として悩んでいるのかもしれないし。

しかし、よく「戦場は地獄だ」というが、精神的に正常なAA組を見ていると、
ヘリオポリスは果たしてなんと呼ぶべきなのか悩む。
829通常の名無しさんの3倍:2009/05/05(火) 23:23:58 ID:???
>>826
クロス系かもしれんが、
プラントの議員選出コンピュータやDPに使われるはずだったコンピュータが
ブレインコロニータイプのAI搭載型だったら……

まあ宇宙をかける少女の方でも、ブレインコロニーの存在意義とかがわかっていない状況で
言うことじゃないんだろうけどさ。
830通常の名無しさんの3倍:2009/05/06(水) 00:29:38 ID:???
AA組が安定してるのは、明確な敵とだけ戦ってて、やるべき事がはっきりしてて、早い内に味方と連絡ついたからじゃないかなぁ
あと、残虐シーンとはほぼ無縁だし

しかし、おハルさんが死闘に突入してたり、ヘリオポリスにオーブ軍が迫ってたりしてるのに、平和と評価されるっていったいw
831通常の名無しさんの3倍:2009/05/06(水) 22:40:02 ID:???
>>827
ZZでダブリンに落ちたのは地球串刺しだったねぇ
832通常の名無しさんの3倍:2009/05/07(木) 00:07:08 ID:???
Xで地球に落ちたのは15年たったらコロニーの残骸らしきものはなかったような
実はUCよりもコロニーのサイズが小さくて、だからあの短期間で復活できた…とか?
833通常の名無しさんの3倍:2009/05/07(木) 00:19:45 ID:???
コロニーが落ちた所に生存者は居ない
よって人が近づく事もない
そうでなくとも巨大なクレーターの外延部が行く手を阻む
そんなとこじゃね?
834通常の名無しさんの3倍:2009/05/07(木) 00:34:03 ID:???
コロニーの残骸どころか大陸が削れてなくなってる件
835通常の名無しさんの3倍:2009/05/07(木) 00:47:50 ID:???
コロニーの話はもういいよ
836通常の名無しさんの3倍:2009/05/08(金) 22:30:09 ID:???
保守
837通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 07:15:30 ID:???
保守
838通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 14:05:50 ID:ZCARBnwi
おい、糞蛇どもに種が馬鹿にされてんぞwwww

なんでガンダムSEEDはあんなに叩かれるんだ?
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241925186/
839通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 14:21:32 ID:???
VIPと言えば昔キラなんてフルボッコにしてやんよだか

キラの代わりに俺が種の主人公に

だかそんなSSなかったっけ?
840通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 14:40:15 ID:???
ヘイトスレのキラ様なら知ってる
841通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 14:46:27 ID:???
>>839
もしもキラがVIPPERだったらみたいなのはあったな
842通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 14:49:07 ID:???
>>839
ほれ

つキラ「え!ぼ、僕がガンダムのパイロットに!?」の3
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1231465927/

パー速だから混雑するとすぐ落ちる、気をつけれ
843839:2009/05/10(日) 16:28:11 ID:???
あーいやそれじゃなく
チートだか使ってMSの操縦をゲーム機のコントローラーにして
大暴れするような内容なんだが・・・
キラ、俺と代われだっけかなぁ・・・
844通常の名無しさんの3倍:2009/05/10(日) 16:32:16 ID:???
すまん
自己解決した
もういいキラ、俺と代われ
だった
845通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 16:11:21 ID:???
質問
「もしも種のキャラが全員ボーグ脳だったら」
っていうのはここでおk?
カブトボーグのキャラは一切出てこなくて
種キャラがボーグバトルをする話なんだけど
846通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 16:19:53 ID:???
「我々はボーグだ」「お前達は同化される」「抵抗は無意味だ」
847通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 16:22:01 ID:???
>>845
クロスだろうな
848通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 18:53:02 ID:???
カブトボーグみたいなノリの種なら・・・

必殺技でコロニー崩壊
必殺技で傘を破壊
きっ君はサイの婚約者のフレイちゃん!
きっ君はプラントのアイドルラクスちゃん!
バジルール副長に叱られたいなぁ
すまんイザーク、買収された
ニコルの死ぬ死ぬ詐欺
神になったニコル
849通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 21:00:49 ID:???
>「我々はボーグだ」「お前達は同化される」「抵抗は無意味だ」

それなんていうラクシズ?
850通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 21:19:37 ID:???
うわぁ…種死だったら間違いなく
マンソンが当たり前のようにミネルバのMS隊のリーダーシップ取ってたりするんだろうな…

マンソン「みんな!いつものリズムだ!!」
シン「OK!アン!」
ルナ「ドゥ!」
レイ「トロワ!」
アスラン「えーと…」
マンソン「落ち着けアスラン!いつものお前ならやれるはずだ!」
シン「そうだぜアスラン!マンソンと一緒に特訓したあのリズムでいいんだ!」
アスラン「まったく…マンソンにはかなわないな…いつものコンビネーションで行くぞ!シン、ルナマリア、レイ、そして、マンソン!!」
マンソン「ああ!いつものリズムだ!!」

なんかすごく楽しそうだな…
851845:2009/05/11(月) 21:23:26 ID:???
>>847
ありがとうございます
クロススレの方も見て考えます
852通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 21:34:30 ID:???
「ああ!いつものリズムだ!!」
「うんたん、うんたん、うんたん・・・」
853通常の名無しさんの3倍:2009/05/11(月) 21:46:26 ID:???
>>852
「バカヤロー!」(殴打)
「お前、身も心もけいおんになってしまったのかよー!!」
854通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 00:07:51 ID:???
カブトボーグな種死

強奪直後に三馬鹿を達磨にするシン
罠に嵌まるが襲ってきた敵を全滅させるシン
メテオブレイカー無しでユニウス砕くシン
最初からいて最後までいるはずなのに一話しかでないハイネ
855通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 00:11:34 ID:???
元ネタが分かんねえ。
こういうときは黙っておくべきなんだろうか。
856通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 01:36:50 ID:???
その通り
857通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 01:39:23 ID:???
洗脳動画どぞー

【けいおん!MAD】うんたうんた で てってってー‐ニコニコ動画(ββ)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6641875
858通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 02:06:38 ID:???
ごめん、普通についてけない
859通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 03:13:52 ID:???
嫌いなら変えれば話題を変えればいい
元ネタがしりたければ調べるといい

ちなみに今回のはカブトボーグっていうアニメな
某所に全話上がってるよ
860通常の名無しさんの3倍:2009/05/12(火) 03:18:08 ID:???
日本語が変になってしもーた
861858:2009/05/12(火) 17:13:02 ID:???
いや、カブトボーグじゃなくてMADのほうのノリについてけないという意味w
862通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 21:42:35 ID:???
もし種死のカガリが種のような目の前に困っている?人を見ると立場やら中立やら理念やら忘れて
突っ走っていく直情馬鹿だったら。
863通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 21:44:41 ID:???
そういや不思議に思ってたんだが
「被災した連合の国にも復興支援はするが連合に加盟はしない」
って選択肢が無かったのは何でだ?
864通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 21:58:53 ID:???
そろそろ投下を待つには容量やばくね?
865通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 22:05:33 ID:???
投下きたら新スレ立てればいいんじゃない?
それか容量がいっぱいになったら新スレ
866通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 22:29:54 ID:???
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 10
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1242221343/

ものぐさなオマイラのために立ててきた
867通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 22:56:58 ID:???
>>866
スレ立て乙
868通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 23:39:06 ID:???
もし、コーディネーターのモデルとなった遺伝子マップに誠氏ねの父親の遺伝子が混じってたら……
869通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 23:47:56 ID:???
2代目にnice boatが多発して男コーディー全滅。妊娠してた女コーディーは「中に誰もいませんよ」
870通常の名無しさんの3倍:2009/05/13(水) 23:52:28 ID:???
議長の子供産めないタリアが突然ヤンデレ化して、
そばにいる女を片っ端から「中に誰もいませんよ」して、
議長の首を抱いて木星に向かい、二人で宇宙クジラを見に行くまで想像した
871通常の名無しさんの3倍:2009/05/14(木) 02:01:53 ID:???
血統がやばくなって、心身に障害を抱える所とコーディネートで
無理やり克服しようとするところとでぐちゃぐちゃになりそうな世界が
想像できた。
872通常の名無しさんの3倍:2009/05/14(木) 08:38:35 ID:???
900レスまで到達するかな?
873通常の名無しさんの3倍:2009/05/14(木) 23:42:58 ID:???
>863
それじゃプラントと一緒扱いされるじゃない
プラントも復興支援やってたんだから
874通常の名無しさんの3倍:2009/05/14(木) 23:45:36 ID:???
もしもラクスがハマーンだったら
875通常の名無しさんの3倍:2009/05/14(木) 23:55:56 ID:???
キラ「それでも守りたい世界があるんだ!」
ラクス「俗物が!」
876通常の名無しさんの3倍:2009/05/15(金) 00:04:55 ID:???
>>863 その設定のSSどっかで読んだ
877通常の名無しさんの3倍:2009/05/15(金) 01:53:25 ID:???
アスランがちゃんとシンの先輩してるSSが書きたいが文才も時間もない…
あと構想の大筋も頭の中にはあるのに細部がうまく書けなくて困る
878通常の名無しさんの3倍:2009/05/15(金) 10:43:49 ID:???
凸にちゃんと先輩やらせたいなら、そもそも無印に遡って更正させなきゃいかんと思うのだが
裏切りの出戻り野郎が何言ったって滑稽なだけだしな
879通常の名無しさんの3倍:2009/05/15(金) 10:45:21 ID:???
もしもカガリがクシャナ殿下だったら
880通常の名無しさんの3倍:2009/05/15(金) 21:04:32 ID:???
>>879
ミナ&ギナと組んでウズミを謀殺しそう。
881通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 00:52:27 ID:???
「我が夫となる者はさらにおぞましきものを見るであろう」
882通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 11:46:39 ID:???
>>881
背中に鬼が哭くほどのマッスルボディですね、わかりまs(ドグシャァ
883通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 11:51:54 ID:???
ユウナが首だけで生きてる
884通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 12:45:27 ID:???
年の差カップルの神聖皇兄は、アズラエルが似合いそう
885通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 13:03:07 ID:???
ナオシカが・・・ラクス?
886通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 13:13:49 ID:???
ケチャがフレイでアステルがキラ?
テトがハロなのは確定したな

その者、青き衣(水色の歌姫衣装)をまとい、金色の野に降り立つべし
肩にはハロね
887通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 13:17:52 ID:???
>>886
フレイとキラがくっついて、ラクスは生涯独身なんですねわかります

見方によっては、ラクスが人類の未来をぶっ壊すんですねわかります
888通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 13:39:53 ID:???
じゃあアステルの妹で開始早々死亡するラステルはカガリか
あれ、カガリが二人になってしまったw
889通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 14:19:30 ID:???
アステルってどこの電話会社やねん
890通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 14:26:30 ID:???
アスベルだろw

アスベルはシンでもいいかもしれない
ペジテあぼーん=故郷あぼんということで
891通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 15:54:46 ID:???
アスベルもベルで電話っぽいな
アスベルがシンなら妹はマユか
892通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 21:08:29 ID:???
もしチャージマン研が居て、プラントコーディ=ジュラル星人と認識したら

敵も見方も大迷惑
893通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 22:34:07 ID:???
クロスのような気もするがそれはさておき、





誰の頭の中にダイナマイト?
894通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 23:19:19 ID:???
チャージマンレイ「議長……お許しください!」

デュランダル「うわー!」
キラ「うわー!」
ボカーーン

こうですか?
895通常の名無しさんの3倍:2009/05/16(土) 23:49:57 ID:???
          ,,.._  /    :::::::::::::::::::::::::::::::\
         /,.、レ'´    ヽ、ヽ ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
       , '/ /   、、 、ト、..... :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
      /, ' /  ll|,  ヽヽ` :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     //  /ィl/イ l{,l .    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!  鬱だわ・・・もう埋めね・・・
    〃  / l'´    :::. :..  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;!
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       リ  ヾ`!  ::::::::l ハ::::::::::::::::::;:::::::;: - ;:ニニl'
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           /´/:::/ l:::l ゙!メ、ハトィ   ,.-‐'' " ´ ̄ ̄`''ー _
             /:; '  !/  ′'  ヾフ‐''´            `丶、
          /'´      _ -''´       __      __   `丶、
               _,.- '´      ,.-‐''" \    /  `''− 、   ヽ
896通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 01:10:20 ID:???
アスハ親子がカーン親子だったら
897通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 12:34:52 ID:???
>>863
普通は加盟が軍事行動に直結するわけがないだろうに種ではイコールになってる。
というか、あの世界は軍事独裁国家しかないような気がする。
898通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 13:03:23 ID:???
>>897
後方支援だけとか、連合側も普通は空気読むよな
米帝が我が国に直接戦闘やらせないみたいな感じで

本当、脚本が(検閲により削除)だから、あんなありえない国家だらけの世界に
899通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 14:53:24 ID:???
ラクシズは軍事独裁?
900通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 15:05:09 ID:???
国家ではない謎の組織
901通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 15:34:29 ID:???
00のCBみたいなもんだろ
902通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 18:07:16 ID:???
テロリストとゲリラをミックスしたもの
903通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 19:54:21 ID:???
ゲロリストか
904通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 20:13:06 ID:???
キラがどっかでテロニストって呼ばれてたの思い出した
905通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 01:27:13 ID:???
ラクシズって日本赤軍のノリに近い気がする。
安保闘争から卒業できずに革マルに入ってしまった電波学生の思想構造に近い。
906通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 11:20:25 ID:???
暴力団だけど正義の任侠一家
907通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 12:18:33 ID:???
正義(笑)
908通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 14:21:23 ID:???
武装した社民党だろう
909通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 14:26:36 ID:???
殲滅系エンドSSだと「自分が『悪』だと気づいていない、もっともドス黒い『悪』」でよし
例外もあるけど
910通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 14:47:01 ID:???
敵に回ったときのラクス一派は悪とかそういう概念で語れない混沌とした存在。
911通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 16:29:25 ID:???
梅干し
912通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 09:31:37 ID:???
SEEDがBLUE SEEDと化した
913通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 09:39:48 ID:???
悪というより、KYな癖に声だけは大きい「市民団体」的な存在だろうな。
奴ら自身は自分たちの行動を善行だと思っているけど、どう考えてもそれを主張する世情じゃない。
なおかつ、GPみたいに目的のためなら犯罪を辞さない。
というかそれが犯罪だと自覚しないから、たちが悪い。
914通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 14:23:24 ID:???
GP‥ライドバックの悪役か?
915通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 15:11:33 ID:???
ギャラクシーポリスがそんな悪党だったなんて……
916通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 16:04:37 ID:???
スペースパトロールと言う名の宇宙海賊ですね、わかります
917通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 16:38:24 ID:???
元宇宙刑事と宇宙海賊がアップ始めました。
918通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 22:04:20 ID:???
それも私だ
919通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 22:23:43 ID:???
猫型人喰い宇宙人が舌なめずりしています。
920通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 22:26:36 ID:???
逃げて、海賊超逃げてー
921通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 01:21:16 ID:???
                 _
               /´  `フ
         , '' ` ` /      ,!
.        , '      レ   _,  rミ
        ;          `ミ __,xノミ
        i     ミ   ; ,、、、、 ミ
      ,.-‐!       ミ  i    彡
     //´``、     ミ ヽ.  彡  _ ザシュ
.    | l    ` ーー -‐''ゝ、,,)) .. ,, Σ  `ヽーっ
     ヽ.ー─'´)          l   ⊃  ⌒_つ
      '''''''''            `''ー---‐'''''"
922通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 02:22:39 ID:???

   、ヾ'"'';          /ゝ
   ミ  彡    wWw _/´  `ヽ  ビクッ!
   ミ  彡  、ヾ   ヾ/      ,! Σ
.   ミ  ミ  ミ      ゝ   o,  oミ
    ミ ミ ミ         `ミ __,xノ゙、
    ミ  ミ ミ     ミ     ヽ.._,,)))  
    ヾ、  !       ミ  i           
     ´"'`、     ミ ヽ.      、ゞヾ'""''ソ;μ,  
.        ` ーー -‐''ゝ、,,))    ヾ  ,' 3    彡   ブワッ
                     ミ        ミ
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                     ッヾ´     ノ           `..彡
                     、ゞ             ⌒)         ミ  ブワッ
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミ´           -<´          彡:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ    
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι

923通常の名無しさんの3倍
              _         埋まれ
               /´  `フ  __ ヾ
         , '' ` ` /      ,! ;'',,_,,)   埋まれ   埋まれ
.        , '      レ   _,  rミ,;' ノ )))
        ;          `ミ __,xノ゙、,r''  ,,_,,)    埋まれ
        i     ミ   ; ,、、、、 ヽ、//,,_,,)/_,,))
      ,.-‐!       ミ  i    `ヽ.._,,))
     //´``、     ミ ヽ      _, 、_⌒☆
.    | l    ` ーー -‐''ゝ、,,))    ∩`Д´)
     ヽ.ー─'´)            ノ   ⊂ノ
                   (__ ̄) )