デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ12週目
2 :
通常の名無しさんの3倍:2008/07/21(月) 07:22:01 ID:RhUDMITm
乙
乙
憎悪の
>>1より乙りて
それにしても前スレ、ホントに落ちたな。
ホントに落ちてワロタw
>1乙
三ヶ月ルールマジこええ
過疎ってるスレがボロボロ落とされてくなぁ
続編出ないのは邪神の仕業
ニャル「また僕の所為にされてるよ・・・」
私、ニャルさまじゃないけど今回のことはニャルさま関係無いと思うニャルラ
私もそう思うテプ
我輩もそう思うのである
ペルソナの黒幕がニャルちゃんでなくなって寂しいなあ。
エルザもそう思うロボ
ペルシャ湾に隣したザフトの前線基地、マハムール。
ニーラゴンゴを犠牲にしながらもなんとか基地へと到着する事が出来たミネルバは、ドッグに入って傷付いた
船体の修復作業に入っていた。それに伴いクルーにもわずかながらに休息が与えられていたが──
「カーペンタリア軍上層部との協議の結果、貴方の処分が決定したわ。シン」
「はい……」
ミネルバ艦長室の雰囲気は、穏やかなものではなかった。
アスランに付き添われたシンが、デスクに座ったタリアの眼前に立っている。姿勢を正してはいるが、
頬に湿布を張った表情には覇気がない。先の命令無視の後三日間近く営倉に入っていたことを差し引いても、
気が抜けすぎている。
タリアは漏れそうになった溜息を、厳しい表情という仮面の下で噛み殺した。
「結論だけ言うと、貴方の処分はこれから一週間の艦内清掃活動および各部署への派遣労働。営倉入りは
本日を持って終了とします……以上よ。何か質問は?」
サラリと告げるタリア。シンは即座に言葉の意味を理解できなかったらしく、暫く考えてから口を開いた。
「えっと……それだけで、いいんですか?」
「いいわけがないでしょうがっっっ!」
予想通りの質問にタリアが声を荒げ、身を乗り出した。シンはもちろんアスランも、その迫力に恐れおののく。
タリアの横に立っていたアーサーにいたってはガタガタ震え、今にも失禁しかねない怯えようだ。
「敵施設への過剰な攻撃に、民間人への誤射の可能性! しかもそれが命令無視による独断専行の結果!
捕虜は誰も彼も重症か重体、施設には接収できそうなもの何一つ残らず……本来なら軍法会議にかけて
軍籍剥奪、最悪銃殺もやむなしなところを、貴方が貴重なパイロットであることを考慮した上で、方々に
私やアーサーが下げなくてもいい頭を下げて今回の処置に留めたの! こんな事は異例中の異例よ、
感謝なさい!」
「はい! 申し訳ありませんでした!」
直立不動で最敬礼するシン。タリアの恐ろしさはもはやすっかり身に染みているようだ。
「以上、退出して良し。ああそれと、三日以内に反省レポート三百枚を作成して私のところに
持ってきなさい。私が勝手に決めた罰だけど、これくらいはやってもらうわ」
「いいっ!? さんびゃ……いえ! 了解しました!」
ギロリと睨み付けられればシンに逆らう事は許されない。げんなりしながらも、シンは退出しようとして。
「……シン。一部からは、貴方をインパルスから降ろすべきではという意見も出たわ」
「っ!」
シンが振り向く。戦慄に似た表情のシンに、タリアは鋭く言い放った。
「次はないわよ。自分の『力』を失いたくないなら、その力の使い道を良く考えなさい……今度こそ以上よ」
さっさと行け、という風に手を振るタリア。下手をすると入室前よりも沈んだ顔で、シンは部屋から退出した。
「ほんとにもう……デュランダル議長も厄介な子をインパルスのパイロットにしたものね」
「そう言えば、シンをパイロットに選んだのは議長でしたか」
「ええ、少し前までは何故主席のレイでなくシンをと思っていたんだけど……これまでの戦果を見ればね。
あれでも元は遺伝子研究の第一人者だったから、シンの遺伝子に何かを見つけたのかしら」
そう嘯きながら、タリアはずっと押さえていた溜息を一気に吐き出した。厳しさを取り払った顔には
ありありと疲れが見える。
マハムールについてからこちら、タリアは多忙を極めていた。基地司令であるヨアヒム・ラドルとの対面に
現状の確認、攻略中のガルナハン・ゲートへの作戦行動の打ち合わせ。それに平行して、通信による
カーペンタリアとのシンの処分の協議と、休まる暇がなかった。アーサーのサポートがなければ
倒れていたのではないかと思える。
「今回話が妙にトントン拍子で進んだのも多分、あの人が裏で手を回しているんでしょうね」
「確かに、予想よりずっと反発は少なかったですが……」
「とはいえ調子に乗られても困るから、言うべき事はハッキリ言っておいたけど……私が言うまでもなく
ヘコんでいたわね。あれで大丈夫かしら?」
「確かに、むしろ今ので致命傷になったんじゃ……あ、いえ、ナンデモナイデスヨ?」
表情は穏やかなまま、突き刺すような視線を向けるとこの調子だ。アーサーも副長としてかなり仕事は
こなせるようになってきているが、精神面ではまだどうにも頼りない。
複雑な心境のタリアに、アスランが口を開いた。
「まあ俺も少し様子を見て、拙そうならばフォローを入れておきますよ。話したいこともありますし」
「お願ね、アスラン」
一礼して、アスランも退出する。それを確認して、タリアは一度身体を大きく伸ばした。
「さて、と……もう一仕事終わらせないとね」
デスクの引き出しを開き、数枚の書類を取り出す。先ほどヨアヒムから渡された、ある場所から送られて
きたという書類だ。
長々と綴られた文章。その中には【補充人員】や【援助物資】などの単語があり……文末のサインには、
【リーアム・ガーフィールド】と記されていた。
「アーサー。ドクターとエルザ、それにティトゥスを呼んでちょうだい。荷物とお仲間が到着するのを
教えておかないといけないわ」
「それじゃ、シンの処分は軽めで済んだんだ。よかったぁ」
「ホントよ……ハァ、まったく心配ばっかりかけるんだから」
ベッドにボスンと身体を横たえるルナマリア。その横にあるもう一つのベッドで、メイリンは雑誌を読みながら
スナック菓子を頬張る。
特に外に出る理由もなく、麗しき赤毛の姉妹は二人揃って自室でゴロゴロしていた。
「さて、これで心配事も消えたし……ンフフフ♪ これであたしも自分のことに集中できるわ」
「お姉ちゃん、笑い方が不気味だよ」
「うっさいわね。まあいいわ、この姉はそんなこと気にする小さな人間じゃな〜いの♪ アハッ☆」
ニヤニヤしながらベッドの上でゴロゴロ転がる姉を、メイリンは冷ややかな目で見つめていた。
このネジの外れっぷりの原因は、前回の戦闘が終わったすぐ後にまで遡る──
戦闘が終わって暫く後。シンを除くパイロットが集まったパイロット控え室で、ルナマリアはアスランと
ティトゥスから、ルナの持つある能力についての考察を語られた。
これまでも幾度か、ルナの能力の鱗片が見えたことがあった。オーブ沖会戦でダガー三機が肉薄してきた際、
武器を構えようとした腕を素早く撃ち抜いた時。またはオーガアストレイとの仮想模擬戦で、ほんのわずかな
回避動作に合わせ標準を修整した時などである。
そして極めつけは、先のインド洋での戦いだ。ミネルバを襲うウィンダムの中から部隊を率いる機体を見抜き、
撃破。更にはMS隊を包囲する無数のウィンダムの中からも同様に、ザコに紛れて牽制を仕掛ける能力の高い
機体をルナは容易く判別した。
「ちょ、ちょっと待ってください! そんな大したことはしてませんよ! 単に動きのいいヤツを見つけて、
そいつを必死で追いかけて……皆を助ける時だって、皆に包囲網をバラつかせてもらったからよく見えた
だけで、ちゃんと見える状況なら皆だって──」
「敵の判別はともかく、敵を補足し続けることに関しては俺には自信がない」
今まで傍観していたレイが、困惑の声を上げるルナを遮った。
「MS戦闘は通常、動きの読み合いだ。敵がどう動くか、どこに撃って来るか、どう考えるか──
それらを様々な要素を元に予測し、相手の動きの一歩先を先読みして動く。常に敵を追いかけるのは
当然だとしても、現在の高機動戦闘が一般的な状況では実際に視界に捉える時間はそう長くはない……
というか、不可能だ。にもかかわらず、ルナマリアにはそれが出来ていた」
「ちょ、ちょっと待ってよレイ! アンタが出来ないことをあたしが出来るわけないでしょ!? 身体能力は
もちろん反応速度も、動体視力だって適正検査ではアンタやシンが上だったじゃない!」
「そうだな……つまりお前の能力は、技術や身体能力によるものではないということだ」
「そうだ。これはコーディネーターが動体視力に優れているとか、反応速度が早いとか単純な話じゃない」
レイの言葉を肯定するように、アスランが言った。
「ダガーLの場合は武器を扱うの腕を立て続けに狙い撃った。ティトゥスとの模擬戦ではオーガアストレイの
回避動作に対応した。その時君はどういう判断で、どういう動きをしようとしたんだい?」
「えっと……ダガーLの時は武器を構えるのを視た瞬間死にたくない! って思ったんです。その後は無我夢中で、
気が付いたらもう撃ってて──模擬戦の時はライフルを構えようとしたらオーガが少し動いたように視えて、
このままじゃ射線から外れるって思った時には、勝手に手が動いてました」
「意識して行なっていたんじゃないわけか……だがやはり、相手の動きを『視て』から動いていたんだな?」
イマイチ意味が分からなかったが、頷くルナ。少しだけ思案顔をしたアスランは一度ティトゥスと視線を
交わすと、ルナに真剣な顔で向き直り、継げた。
「ルナマリア。君は確かにシンやレイと比べて動体視力や反応速度は劣っている……だが、それに匹敵する
特殊な力があると、俺やティトゥスは睨んでいる」
「特殊な、力……」
「存在を視覚に捉えることにより、その動きを瞬時に把握する力──予測して敵の動きを追うのではなく、
敵のわずかな動きを元にその後の行動を予測する能力だ」
それが、ティトゥスとアスランが出した結論だった。単純に目で見る、目で追いかけるだけではなく、
眼に捉えた瞬間にその後の動作を感覚的に理解する。
時間にして一秒未満、一瞬先の把握が関の山だろうが、それでも十分だ。また視覚に捉え続けることで
予測は常に上書きされるわけだから、不意のフェイントや予想外の動作をしてもその瞬間に認識出来る。
「敵がどう動くかを理解しているから、そのまま眼で追うことが出来る。視野の広さや動体視力は確かに
影響を及ぼすだろうが、絶対に必要なものじゃない──この力を強いて名付けるなら、
【視覚による動体認識能力】とでも言うべきか……特筆すべき能力だ。立派な才能だよ」
「才能……あたしの、力……!」
才能などないと思っていた。仲間に劣る、落ちこぼれだと思っていた。
しかし、あった。自分の力。自分だけが持つ、力が……
「だがこの才は、下手を打つと害悪にしかならん」
喜びの色を帯び始めたルナマリアの顔が、ティトゥスの一言でピシリと凍りついた。
「眼が敵を追えても、身体がそれに追いついていなければ意味がない。眼で捉えたはいいが銃口は敵を
向いておらず、いざ構えた時には既に動いた敵を眼が追っている……このような反応差がある状況では
むしろ眼が邪魔をしてまともに飛び道具を当てられまい。力が足らぬゆえの分不相応、宝の持ち腐れよ」
容赦ないティトゥスの言葉に、ルナマリアの顔が引き攣る。追い討ちをかけるように、アスランも問題点を挙げた。
「それに関係して、武器の重量や射程距離も大きく影響する。例えば重量のある腕部武装だと、腕の反応がある程度
遅れるから相性が悪い。それに長距離射撃の場合、目視から命中までの時間差の関係で通常よりも命中率の低下が
著しいと考えられる……身に覚えがあるだろう?」
「そ、それじゃ今まであたしが当てられなかったのって……」
「ある意味、この力のせいだな。眼に身体が追い付いていれば正確かつ精密な射撃が期待出来るんだが……
実際今までも出来ていた時はあった。ただ君の話を聞く限り、どうやらピンチに身体が反射的に動いただけ、
ようは火事場のバカ力だったみたいだな。至近距離だったから命中率が高かったというのもある」
「うあああ……!」
一転、なんてこったという表情でガクリと突っ伏すルナマリア。
ようやく見出した自分の才能。しかしそれを半分はその才自体の特性、半分は自分の実力のなさで
今の今まで埋まらせていたとは。
「そう落ち込むな。高みを目指す余地は十分にある。これまでお主は己の才を知らなかった。今それを
知ったならば、熟練し理解すれば良い」
沈んだ頭の上で、ティトゥスがそう言った。
「その眼が何処まで先を視ることが出来るか、それを熟知せよ。そしてその眼に劣らぬ相応しき身体を
鍛え上げ、その上で眼と肉体の差を把握し、行動せよ。さすれば光明もまた、視得る」
「MSの方も、メカニックチームやドクターに協力を取り付けられた。今はまだ草案も出来ていないが、
いずれは君に合った装備を造ってくれるだろう……皆、君に期待してるんだ」
「あ……」
アスランに言われ、ルナマリアが顔を上げる。アスランが優しく微笑み、ティトゥスもわずかに口元を
緩ませているのが分かった。
不意にポンと、背中を叩かれる。振り向くと、レイの顔が合った。
「お前ならモノに出来る。期待しているぞルナマリア。 ──シンも話を聞けば、同じことを言うはずだ」
「……うん! よっしゃ〜! ガンバレ、あたし!」
自分だけの力。ようやく見つけ出す事が出来た、自分の価値。
愚図っている暇も迷っている暇もない。一刻も早く、モノにしてみせる──もっと、強くなる。
大切な物を守るために。
あたしは、赤なのだから──決意と共に、ルナマリアは己への激励の叫びを上げた。
──そして時は再び現在へと戻る。
「オホホ、オホホ、オホホホホ〜! この神眼ルナマリア・ホークが、世界を震撼させるのよ!」
「…………」
才能を発見した喜びが後になって去来したのか、休みとなった途端この調子なルナマリア。それをジト目で
見つめていたメイリンは、浮かれまくった姉の心に鋭い言葉のナイフを投げつけた。
「……でも今はまだ満足に敵に当てられない」
「うっ!」
「ようは今まで、能力を持て余して振り回されてたヘタレってことじゃない」
「ううっ!」
「しかもわざわざ訓練したり装備を選ばないと活かせない能力とか、どんだけよ。なんかあんまり凄い気がしない」
「あううっ!」
「……ようは【イロモノ】よね、お姉ちゃん」
「うわ〜んメイリンの鬼! ツインテ! プクプク太ってグドンに喰われてしまえ〜!」
「ちょ、だれがエビみたいな味か! ……行っちゃった」
攻めに耐え切れず、泣きながら部屋を飛び出すルナ。それを見送ったメイリンは呆れ顔で溜息を付くと、
ゴロリとベットに横たわった。ポテチを一枚かじろうとして先ほどの姉の言葉を思い出し、そっと袋に戻す。
「……自重してよね。あんまり張り切られたら心配になっちゃう」
メイリンとてルナが評価された事が嬉しくないわけではない、むしろ諸手を挙げて賞賛したいところだ。
しかしそのせいで調子付き、無茶の末に大ポカをかまされでもしたら溜まったものではない。それが最悪、
ルナの命に関わるようなミスだったら……
「もし死んじゃったら……なんて、考えたくもないよ」
メイリンにとっても、ルナマリアはたった一人の姉妹なのだ。危険に身を投じる姉が、心配でしょうがない。
しかし自分に出来る事といえば連絡係程度で、戦闘時に直接何かが出来るわけではない。
自分はただ、見守るだけ。助ける事は、出来ない。
「誰か頼りになる人が、お姉ちゃんを守ってくれるならな〜……もういっそ、人生において」
自分が守れないなら、別の誰かに──そう考えて、ふとメイリンの思考が停まる。
「……あ〜! お姉ちゃんよりも私! 私も彼氏欲しい〜!」
自分も姉と同じ【彼強いない暦=年齢】であることにようやく思い至り、メイリンは己への嘆きの叫びを上げた。
「ったくメイリンめ〜、よくもまあ姉にあそこまでズケズケと……」
強く床を踏み鳴らしながら、ルナマリアはMSハンガーへ足を進める。到着したそこでは、メカニック達が
忙しげに搬入作業を行なっていた。積み込まれているのは、幾つかの大型コンテナだ。
物資の補給自体は到着してすぐ済ませていたはずなので、その光景にルナは眉をひそめる。ヨウランと
ヴィーノを見つけ、何事か問いただそうと声をかけた。
「ちょっと、二人とも」
「おっ、ルナじゃん。どしたの?」
「あたしのザクがどんな感じか見に来たんだけど……って、どうしたのって聞きたいのはこっち。何、これ?」
「ああ、これは……」
「来〜たよキタキタ、ついにわが世の春がキターーーーーであ〜る!」
「……アイツへの届け物なんだとさ」
合いも変わらず騒音公害なウェストを指差し、ヨウランがウンザリした顔になった。
「ドクターへの届け物って……どこから?」
「それはぁ〜、アメノミハシラですよぉ〜」
「もちろんここまでの輸送ルートは偽装してありますけどね〜」
「へえ……って!?」
聞き覚えのない二つの声を背に掛けられ、ルナは慌てて振り向く。
ソバカスの浮いた顔にノンビリした笑みを浮かべた作業着の女性と、豊かなピンクの髪にリボンを結んだ、
小柄で可憐な少女がそこに居た。
「ど〜も〜、アメノミハシラから派遣されてきましたぁ、ユン・セファンと申しますぅ」
「セトナ・ウィンタースです。補充人員としてアメノミハシラから来ました。よろしくお願いします♪」
「あ、セトナ久しぶりロボ。イェーイ」
「エルザちゃんひさしぶりですぅ、イェイ♪」
トコトコ近寄ってきたエルザと軽くハイタッチを交わすピンク髪の少女。展開についていけず呆然とする
ルナの耳に、男メカニック二人の呟きが届いた。
「殺伐としたミネルバに二人目のアイドルが……!」
「ロボ&ピンクのユニット展開でdat落ちもなんのその……!」
とりあえず斬影拳→疾風裏拳のコンボで二人とも殴っておいた。カワイイモノに汚れた眼を向けるものは
死すべし。
「シン」
「……アスランさん」
黄昏時。オレンジに染まるミネルバの甲板に佇んでいたシンは、現れたアスランに振り向いた。
先の一軒以来、シンはアスランと一切話していない。あの日から今日までシンが営倉に入っており、顔を
合わせたのも先の艦長室が三日ぶりなのだから仕方ないといえば仕方ないのだが。
「頬の具合はどうだ?」
「え? えと、まあ大したことないです。一週間もすれば完治するって……って、ぶん殴ったのは
アンタでしょうが!」
「フッ、そうだな」
咄嗟に噛み付くシンに、アスランは飄々としている。その様子にシンは苛立つが、その顔が真剣味を
帯びるのを見て一気に覚めた。
「少しは頭が冷えたか?」
「っ!」
「自分がやった行動が本当に正しかったのか。それで得た結果が、本当に自分が欲しかったものなのか……
今のお前は、どう思っている?」
シンの脳裏に、己がやった行為が再生される。
守るために戦った。守るために撃ち、壊し、そして殺した。それが正しい事であるという免罪符を掲げて。
──だが、そのために奮った力が飛び火し、自分が助けるべき、守るべきものにまで害をなすなんて、
考えたこともなかった。
理念を守るために戦いを選んだオーブ、そしてそのオーブを守るため戦ったフリーダム──それによって
家族を失った自分自身が、誰よりも分かっていたはずなのに。
握り込んだ掌に、爪がめり込む。
「俺は……あの人達を助けようと思ったことは、間違いだとは思ってません。けどあの時俺の
やってしまったことは、間違いだと思ってます──俺は、仇のフリーダムと同じことをやってしまった」
「成る程」
アスランは表情を変えぬまま頷く。
「自分の非力さに泣いた事のある者は、大抵力を求める……二度と失わない為に、同じことを
繰り返さないために。だがその力の使い道を、人は簡単に間違えるんだ」
「……アスランさんも、ですか?」
「どうだろうな……ただ、俺は識っている。母親の敵討ちの為に軍に入ったのに、いつの間にかナチュラル全てを
敵と思い、戦いに明け暮れた挙句ナチュラルの友人を守ろうとする親友と戦い、その結果互いに相手の友人を
殺してしまった、バカな男の話をな」
アスランの言葉は静かだが、重みがあった。実際に経験し、苦悩し、苦しんだ者が口から漏らす、重く昏い独白。
「本来守るため、救うために得たはずの力が、いつの間にか誰かを泣かせることになる。それは俺もお前も、
ましてやフリーダムとて例外じゃない。戦う内に自分の想いは正しい、だから自分の行動は間違いじゃない──
そんな自分よがりの考え方に、弱い心が流されていくんだ。その思いが歪んでいる事に気づかずにな。
そして取り返しが付かなくなった時それに気づく……いや、最後まで気づけない人間の方が多いのかもしれない」
瞬間、アスランの顔が歪んだ。神妙な面持ちが一片、嫌疑と憤怒、そして悲嘆を綯い交ぜにした貌へと変化する。
その口から漏れる声もまた、熱さと苛烈さを無理矢理押さえ込んだかのような低いものとなる。
「そう……罪を犯したことをまだ知りもしないまま──いや、罪を罪とも思わないままに、自分が正しいと
信じて迷走している、あいつらのように……!」
シンは気づいた。アスランの激昂は、自分に対してだけの感情ではない。今もまだ行方の知れない
アークエンジェル、そしてフリーダムに対する憤り。
考えてみれば、アスランは元々彼等の仲間だったのだ。今は袂を別っているとはいえ、その行動に
心を痛めないはずがない。何故と。どうしてと。
そんな鬱憤とした感情があったはずなのに、誰にも──それこそシンのように、フリーダムを表立って
憎悪するような人間の前ですら──そんな素振りを見せないでいた。
だからこそ、あの時のシンの行動が許せなかったのだろう。フリーダムを憎む言葉を吐きながら、
感情に任せそのフリーダムと同じ行動を取った、自分が。
八つ当たりだ、という思いは湧かなかった。むしろ自分の軽はずみな行動に対する、更なる自己嫌悪が
心を苛む。
「アスランさん……俺、俺は……!」
震える肩に、ポンと手が置かれた。シンがハッとして顔を上げると、そこには少しだけ綻んだアスランの
顔が合った。
「間違いに気づけるならお前はまだ大丈夫だ。それを教訓とし次に活かせればそれでいい。それが分かって
さえいれば、お前は優秀なパイロットだよ──でなきゃ、ただの馬鹿だがな」
そう言って笑うと、アスランは踵を返し甲板から船内へと歩いていく。
その背中に、シンは自分にはない経験と苦悩……それ以外にも無数の、大きな何かが背負われているのを見た。
そしてそれを背負ってのける、意思の力を。
かつての仲間の不可解な行動、オーブの為にオーブを離れなければならないジレンマ、二つの仮面を付け替える
日々──多くを抱えながらも他人を気遣う優しさも兼ね備えた、大らかで揺るがぬ大樹の如き意思。
その根底にあるのが何なのかは、シンには分からない。唯一つ言えるのは、アスランが強いということ。
そのアスランに比べ、自分はどうだ。
──もっと、強くなりたい。あの背中に並べるほどに。
シンは、決心を新たにした。
「剣を教えろ、だと?」
ミネルバを駈けずりまわり、通路の一角でようやく見つけた目的の人物。シンが告げた言葉に、その人物──
ティトゥスは表情を変えなかった。
「……お主はパイロットであろう。何故剣を望む。生半可な覚悟で剣の道に挑むつもりなら、話にもならぬ」
表情は変わらないが、目が笑っていない。射抜くような視線にシンの身体がのけぞるが、必死に踏ん張る。
剣を教わろうと初めて思い立ったのは、少し前。その時は剣術自体に単純に興味があり、MS戦闘にも
活かせるんじゃないかという、軽い気持ちだった──その程度の思いだった。生半可な覚悟と言われても、
仕方がない。
だが今は少し、そして明確に違う。
「俺は、貴方に近づきたい──もっと強くなりたいんです! 力だけじゃなく、心も!」
シンにとって、ティトゥスは強さの象徴。その理想に──人の限界に挑む肉体の強さと、それに見合った
精神的な強さを持つティトゥスに、少しだけでも近づきたい。
そして、追いつきたい。ティトゥスだけではなく、あのアスランのような、心強き者達に。
剣を学ぶ事で心が強くなるなんて、子供の幻想かもしれない。しかしシンには、他に思いつくものがなかった。
「お願いします! 俺を鍛えてください……強く、してください!」
頭を下げ、教えを請う。値踏みするようにシンを見ていたティトゥスは、口を開き──
「断る」
一刀の元に、シンの願いを切り捨てた。
「剣の道は所詮修羅道と紙一重。生半端な覚悟で望めば即座に餓鬼界に転げ落ちるわ……お主には荷が重い」
そんなこと、やってみなけりゃ……! ──落胆に沈んでいた心で、安っぽい火が燃え燻るが分かる。
この程度の火種すら御することができない、かき消す事が出来ないのが弱さ。それが分かっていながらも、
シンは内に溜まった熱を言葉に変え吐き出そうとし──
「何も心身を鍛え上げるのに、あえて剣の道に拘る必要もあるまい」
──その熱が一気に下降した。
「いずれお主も逆十字とかち合うこともあるやもしれぬ……その時に備え、ある程度の護身の術を教えるのは
やぶさかではない。剣の道とまでは言わぬが、刀の扱いの基礎程度ならその内に含め教授しよう」
ティトゥスは背を向け、歩いていく。アスランとは質の違う、硬く鋭い抜き身の意思を背負った、武士の背中。
「無論、手心は加えぬぞ」
「──あるがとうございます!」。
──強くなろう。もう二度と間違いを犯さないために、強くなろう。
ティトゥスの背へ頭を下げながら、シンは新たな決意を胸に秘め拳を握り締めた。
──ほんの数日後に再び、新たな苦悩と迷いにぶち当たることになるのを知らぬまま。
to be continued──
ようやく12話終了だぜこんばんわ
初期と比べるとどんどん一話辺りの分量が増えていく……その分執筆時間も増えてるからあまり変わらないけど(汗)
出来れば前スレが落ちる前に投降したかった
ルナイロモノ化で力を得、シンがティトゥスに弟子入りし力を求めるの巻。ルナの能力には
突っ込み所満載だがスルーしていただけると助かる、少なくとも現実の理論と重ね合わせようとしてはいけない
シンはとりあえず強くなるを目的に頑張るわけだけど今回で吹っ切れたわけではなく、
むしろこっからバコバコへこませる展開に。迷走はしばらく続く
ちなみに前回アスランにフェイス云々の台詞があったけど、この話じゃフェイスじゃなかったよアスラン( ゚д゚)
まとめでは修整した、凡ミス御無礼--;
……と思ったら投稿中に誤字発見とかへこむよねorz
次回、ガルナハンゲート。レジスタンスにあの男がいたり、ドクターの愚行に鉄拳がとんだり──はいつものことか
投下GJ
凸が輝いてやがる!
今回のドクターはあまり騒がなかったな
次回こそ暴走ですねわかります
何このかっこいい凸!
まってて良かったよぅ。ありがとう職人さん。
GJ!
ルナはあれだ、相手の筋肉を見て動きを予想するという
……え、MSに筋肉なんてない?
そういえばレジェンドって形式番号に666が入ってるんだよな
嫁のことだから
どっかのラノベで「相手をつぶさに観察することで未来予知と同等の結果をはじき出す」的な能力を見た覚えがあったようななかったような
某奪還屋の赤くて黒い人は「経験から来るカン」で片づけてたな。
やはりまともなアスラン分と真っ当な主人公してるシン分の補給にはもってこいのSSだ。
というか、ルナがここまで輝くなんて誰に想像できただろうか。
それはさておきそろそろ○○○イドクターのドラム缶に期待せざるを得ない。
>>36 漫画ならマテリアル・パズルであったけど。
行動を観察してほぼ完全な行動予測を可能にするってのが。
〇〇〇〇は空気が嫁ないのでルナマリアの能力も形無しです
アホ毛=センサー説
>>39 あれは瞬間記憶能力ももってるからな
筋肉の動きまで正確に観察してて変装を一発で見破ったから
観測による疑似未来予測のラノベといったら
トロイメライに一人いたね、えろいのがw
>>36 超演繹能力使って生身でレーザーをよける女ならゾアハンターに
ルナマリアが覚醒すると相手の存在情報を読み取って情報消滅出来るようになるんですね、わかりました
エンネア「それはネロのネームレスワンの技だよ?」
>>45 「直死の魔眼」ですね?わかります
狙った相手は絶対に外さない、「魔弾の射手」ってのもそそられるけど
ありゃ死ぬだけだ
>>47 魔弾の能力はイタカと同じだからいっそ二挺拳銃でいいんじゃね
ドクターウェストがパクって種の世界でも応用したのであ〜る的な感じで
つか我埋葬にあたわずをMSサイズにしたのを量産すれば最強じゃん。
拡散砲になるわビームのくせにホーミングするわで十分チート兵器だぜあれ。
問題は量産できる構造かどうかだな。
西博士謹製だし中には機械の宇宙が広がっていてもおかしくはない。
量産なんて美学がない
魔弾の射手と聞いて某眼鏡中尉の姿が
>>54 となるとメイリンがミーティア持ち出してティベリウス涙目ですな
中破したデスティニーを西博士が改造して、ビーム砲が「我埋葬に値わず」に
なる、というのなら妄想したことが。 要魔術ってことで魔術機関やらそれを
駆動させるための魔導書として○○がシンと相乗りしてーとか辺りまで妄想して
モノガタリをそこまでたどり着かせられそうにない己が文章力のなさに涙した。
魔弾の射手と聞いて列車砲思い浮かべる俺はダメだな
保守
>>57 列車砲というとガレッキー様しか思い浮かばんな
列車砲でマイトガンナーとアドヴェンジャーを思い出した
鋼鉄神ジーグにもあったな
493 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/07/30(水) 19:27:51 ID:???
ゲッペラーやデモベに勝てるようにFAGを魔改造してみた
ファイナルアルティメットガンダム
連合軍が対ドミニオン用に日本の国家予算の300無量大数倍の資金と
過去全てのあらゆるデータを元に設計したものを
ザフトが強奪し全勢力をかけて改良、進化させた究極のガンダム
全長3000無量大数キロメートル
重量800億トン
新型の動力炉PC(パーフェクトクリスタル)を4つ搭載する事により無限に動けることは勿論
超光速(光の8000倍のスピード)での戦闘が可能となった。
さらにHMRS(ハイマルチロックオンシステム)により1度に100兆機までのロックオンが可能となり
フリーダムの2000京倍近いスピードで攻撃可能となる。
そしてOSの他に人工知能も搭載されており、
これには最近発掘されたアムロ・レイという人物の過去のデータを元に約6000京倍近く強化した物で、
パイロットの思考とは別にアルティメットドラグーンを全自動で操作して戦闘をサポートする。
そしてキラ・ヤマトのデータもオリジナルを完全再現しており、
こちらは戦局によって5000兆分の1秒でOSを書き直してくれる機能を持つ。
さらにデスメテオシステムを搭載して相手の動きを完全に読み、未来予測することが出来る
武装には最大出力で撃つと宇宙が4000億は跡形も無く消滅するギガスキュラ5門
超究極光速(光の500無量大数倍のスピード)で相手を攻撃できるアルティメットドラグーン(秒間300兆発射が可能で威力は1発で宇宙が1万跡形もなく消滅する)×180万
超究極最高核(威力は1発で全能存在を7000万回は消滅できる。宇宙程度なら500兆程度は跡形もなく消滅する)12発
携帯用ジェネシス(秒間500発発射可能で威力は宇宙が2000万は跡形もなく消滅する)×6000
ダークガンバレル(秒間500京発射でき、ガンバレルの6000無量大数倍精密で威力は銀河系が8000万消滅する程度)×400万
ハイパーテラビームサーベル(1振りで宇宙が4000億が跡形もなく消滅する)×200万
アフターイーゲルシュテルン(秒間6000京発が発射可能で威力は1発で銀河系が1つ破壊できる程度)×4000兆
特殊能力
絶対全能。全能存在の全能攻撃を無効化する。吸収能力。半径5000無量大数宇宙個ぐらいの範囲内にあるものをすべて吸収する。
瞬間移動。文字通り瞬間移動。時間は経過しない。時間調整。全宇宙の時間を自由に操ることができる。
絶対抹殺。どうしても倒せない相手に使う。相手は絶対抹殺される。デメリットはちょっと眠くなる。最高進化。一秒間に200回進化する。一回毎に全能力が300倍になる。
最高再生。ありえないことだがもしFAGが消滅しても3000無量大数分の1秒で完全に再生することができる。
最高増殖。子機の人工知能搭載型ストライクフリーダムを秒間3000万体に増殖させることができる。
人工知能搭載型ストライクフリーダム×8(初期状態での機数。人工知能はキラ)
全長3000キロメートル
重量800トン
テラビームサーベル(一振りで宇宙が2つ消滅する程度)×4
アフターバルカン(秒速3000万発発射可能。威力は太陽系を消滅させる程度)
ミスターライフル(1発で宇宙が1つ消滅する程度)×2
パイロット キラ・ヤマト
素手で8000兆の宇宙を消滅でき、ウインクだけで世界の物理法則を変える。
絶対に負けない死なない傷つかない倒れない勝つ。FAGの特殊能力はすべて300倍のものを使える。アザトースとは飲み仲間。
>>62 何このぼくのかんがえたさいきょうのガンダム
種厨の臭いもプンプンするし
64 :
通常の名無しさんの3倍:2008/07/30(水) 20:06:39 ID:P3XcdSvE
>>63 ネタレスにマジレス新参乙。とりあえず元ネタこれ
ファイナルアルティメットガンダム
連合軍が対ドミニオン用に日本の国家予算の8倍の資金と
過去全てのあらゆるデータを元に設計したものを
ザフトが強奪し全勢力をかけて改良、進化させた究極のガンダム
全長200メートル
重量80トン
新型の動力炉PC(パーフェクトクリスタル)を4つ搭載する事により無限に動けることは勿論
超光速(光の8倍のスピード)での戦闘が可能となった。
さらにHMRS(ハイマルチロックオンシステム)により1度に100機までのロックオンが可能となり
フリーダムの倍近いスピードで攻撃可能となる。
そしてOSの他に人工知能も搭載されており、
これには最近発掘されたアムロ・レイという人物の過去のデータを元に忠実に再現した物で、
パイロットの思考とは別にアルティメットドラグーンを全自動で操作して戦闘をサポートする。
そしてキラ・ヤマトのデータもオリジナルを完全再現しており、
こちらは戦局によって瞬時にOSを書き直してくれる機能を持つ。
さらにデスメテオシステムを搭載して相手の動きを完全に読む事が出来る
武装には最大出力で撃つとプラントが跡形も無く消滅するギガスキュラ5門
ドラグーンの3倍近いスピードで相手を攻撃できるアルティメットドラグーン×180
核12発
携帯用ジェネシス×6
ダークガンバレル×400(ガンバレルの10倍精密で威力は4倍)
人工知能搭載型ストライクフリーダム×8(人工知能はキラ)
少し見ないうちにFAGもここまで強化されたんだなぁ……いつのまにかアザトースレベルになって。
もしかして今このスレは荒らされているのだろうか
FAGすら知らないのはさすがに新参としかwww
まぁネタでも出し尽くされたコピペだから面白くも無いし目障りなだけだが
やたらかっかしてんな。せっかくゲッペラースレから拾ってきてやったのに
せっかくも何もコピペだろw
>>62は少し改造されてるじゃないかwww張る意味がわからないが
過疎だったからネタ投下したかったんだろ
>>67 初代のスレから始まって過去ログを片っ端から検索してみたが、
件のファイナルアルティメットガンダムなるGガンダムのパチモン
くさい代物がなかったぞ。そのスレの半年前を見ればいいんだ
日本語で。
マジレスするとこのスレばかり引きこもってたら一生気がつけないよ
ネタにマジレスしてやるなよ
最強議論スレやロボゲ板で流行ったコピペだっつーの
久々にあがってるなこのスレと思って覗いたらFAG魔改造wwww
ふーん。
まあついていけないネタだけど、過疎ってたし、
盛り上がるならいっか。もっとやれ
あと職人の投下と思って開いた人はお気の毒様でした。
アザトースの飲み仲間っとこでダウトだよな
彼(彼女)はいつかニャル様が庭と知識を取り戻すまで夢の世界にいますから
つまり封印される前から知り合いだった、ということだったんだよ!
もう少し魔改造するか。
キラっていつの時代の生まれだよ、というつっこみが
まぁ無粋だよね、魔改造だし
多分あのキラは顔の無い人だよ、うん
パイロット キラ・ヤマト
年齢:不明。
趣味:主役の座を馬うこと
吐息で8000兆の宇宙を消滅でき、ウインクだけで世界の物理法則を変える。
絶対に負けない死なない傷つかない倒れない勝つ。FAGの特殊能力はすべて300倍のものを使える。アザトースとは飲み仲間。
トラペゾヘドロンはキラが作った。旧神はキラが育てた。
理由はアザトースと喧嘩をしたため。懲らしめようと思ったのだがやりすぎてアザトースが封印されてしまった。
ナイアは実はキラの人形。その気になればすべてのナイアを消滅させることができる。トラペゾヘドロンは手刀で破壊できるがつまらないのでやらない。
ここまでやって飽きた。誰か頼む
パイロット キラ・ヤマト
年齢:不明。
趣味:主役の座を馬うこと
吐息で8000兆の宇宙を消滅でき、ウインクだけで世界の物理法則を変える。
絶対に負けない死なない傷つかない倒れない勝つ。FAGの特殊能力はすべて300倍のものを使える。アザトースとは飲み仲間。
トラペゾヘドロンはキラが作った。旧神はキラが育てた。
理由はアザトースと喧嘩をしたため。懲らしめようと思ったのだがやりすぎてアザトースが封印されてしまった。
ナイアは実はキラの人形。その気になればすべてのナイアを消滅させることができる。トラペゾヘドロンは手刀で破壊できるがつまらないのでやらない。
という、厨房時代のニャル様の脳内設定でしたとさ
でいいよもう
>>85 それにしてもこの神々、ノリノリである
つかクトゥルーがゲームやってるとこでSAN値がry
>>86 ニャル様に厨房時代があるだけで親近感を持てる
なぜだろう
>>85 いあいあ
もうクゥトルーとハスターはゲームで白黒付ければいいと思ったよあいあい
A.D.2307
AEU軌道エレベーター、AEU軍事演習場
観客おおぉ…
ビリー・カタギリ「モビルスーツ『イナクト』、AEU初の太陽エネルギー対応型か
グラハム・エーカー「AEUは軌道エレベーターの開発で遅れを取っている。せめてモビルスーツだけでもどうにかしたいのだろう」
ビリー・カタギリ「おやいいのかい?MSWADのエースがこんな場所にいて」
グラハム・エーカー「もちろんよくはない」
ビリー・カタギリ「フッしかし、AEUは豪気だよ。人革の10周年記念式典に新型の発表をぶつけてくるんだから」
グラハム・エーカー「どうみる?あの機体を」
ビリー・カタギリ「どうもこうも、うちのフラッグの猿真似だよ、独創的なのはデザインだけだねぇ」
パトリック・コーラサワー「そこ!聞えてっぞ!今何つった?ええ!?コラァ!」
グラハム・エーカー「集音性は高いようだな」
ビリー・カタギリ「ふふっみたいだね」
刹那・F・セイエイ「240082、エクシア、目標地点を視認、字祷子粒子の散布、目標到達と同時に終了させる。
目標対象確認。予定通り、ファーストフェイズを開始する」
AEUオペレーターA「大尉、接近する機影を確認」
AEU大尉「何ぃ?」
AEUオペレーターA「3時の方角」
AEU大尉「どこの部隊だ!?演習中だぞ、さがらせろ!」
AEUオペレーターB「レーダー反応、ありません!」
AEUオペレーターC「サブもです!」
AEU大尉「カメラで追え!」
AEUオペレーターたち「おおっ…」
AEU大尉「何だ?あの機体は…」
ティエリア・アーデ「始まる…」
パトリック・コーラサワー「ああ?アンノウンが?どうしてこんなとき…うっああん?」
グラハム・エーカー「モビルスーツ?」
ビリー・カタギリ「すごいな、もう1機新型があるなんて」
グラハム・エーカー「違うな…あの光…」
観客おお…
観客A「イナクト、聞えるかイナクト?パトリック!くそっ、通信できん!どうなっている?!」
観客B「何だ?どうした?」
観客C「通信不良か?」
グラハム・エーカー「通信が?」
観客D「どうしたのでしょうか?」
AEU兵「皆さん!誘導にしたがって避難をお願いします!」
観客E「あのモビルスーツは?」
ビリー・カタギリ「味方ではない?どこの機体だ?」
観客F「とにかく避難を」
パトリック・コーラサワー「おいおい、どこのどいつだ?ユニオンか?人革連か?ま、どっちにしても人様の領土に土足で踏み込んだんだ
ただで済むわけねぇよなぁ?!」
観客A「あの馬鹿、何をする気だ?!あの機体にどれだけ開発費を…」
観客G「いいチャンスですよ。これでイナクトの価値は上がる、パトリック・コーラサワーはわが軍のエースではないですか、性格に少々問題はありますが…」
パトリック・コーラサワー「貴様ぁ、俺が誰だかわかってんのかぁ?AEUのパトリック・コーラサワーだ!模擬戦でも負け知らずのスペシャル様なんだよ!知らねぇとは言わせねぇぞ!」
観客うわあっ!
観客Aあの馬鹿!
パトリック・コーラサワー「ええ?!おい!」
刹那・F・セイエイ「エクシア、目標を駆逐する」
グラハム・エーカー「何と!」
ビリー・カタギリ「おおっ」
パトリック・コーラサワー「!?てめぇ!わかってねぇだろ!?」
俺は!
左腕破壊
スペシャルで!
右腕破壊
2000回で!(?)
頭部破壊
模擬戦なんだよぉっ!
崩壊
観客ああ…
グラハム・エーカー「失礼」
観客Hな、何を?
グラハム・エーカー「失礼だと言った、デモン…べイン?あのモビルスーツの名前か?」
ビリー・カタギリ「デモン、べイン…」
刹那・F・セイエイ「エクシア、ファーストフェイズ終了セカンドフェイズに移行する」
グラハム・エーカー「またあの光…」
ビリー・カタギリ「推進力もなしで、どうして?」
パトリック・コーラサワー「奴はどこだ?奴は?!俺の名はパトリック・コーラサワーだ!わかったか?!」
グラハム・エーカー「なるほど…最新鋭機イナクト、パイロットの安全性は確かなようだ」
パトリック・コーラサワー「覚えてやがれ!」
グラハム・エーカー「しかし、あのモビルスーツ…軍備増強路線を行くAEUへのけん制…いや、警告と取るべきかだとしても、ここまでされてAEUが黙っているわけがない」
ソレスタルピーイング輸送艦プトレマイオス
フェルト・グレイス「トレミーの周辺濃度、ミッション濃度を持続」
クリスティナ・シエラ「エクシア、ファーストフェイズの予定行動時間を終了しました。セカンドフェイズに入ったと推測します」
ラッセ・アイオン「ちゃんとやれてんのか、刹那は?」
リヒテンダーレ・ツエーリ「でなきゃ、ソレスタルビーングはそれまでってことで」
クリスティナ・シエラ「無駄口たたかないで、もうじきサードフェイズの開始時間です」
スメラギ・李・ノリエガ「そんなに硬くならないで、わたしたちソレスタルビーングの初お披露目よ、ド派手に行きましょ」
クリスティナ・シエラ「ああっ!お酒飲んでる!」
リヒテンダーレ・ツエーリ「マジですか?!」
スメラギ・李・ノリエガ「いいでしょ?わたしは作戦を考える係。あとのことは任せるから」
フェルト・グレイス「コンテナ、ローディング終了」
キュリオス、カタパルトデッキへ移動
アレルヤ・ハプティズム「実戦だ…ハレルヤ待ちわびた?フッ僕は憂鬱だよ」
フェルト・グレイス「キュリオス、カタパルトデッキへ到着リニアカタパルトボルテージ、230から520へ上昇
キュリオスをリニアフィールドへ固定。射出準備完了タイミングをキュリオスに譲渡
アレルヤ・ハプティズム「アイハブコントロールキュリオス、作戦行動に入る:
システム「人革連軌道エレベーター 天柱」
女性レポーター「第2軌道エレベーター、通称『天柱』その静止衛星軌道ステーションで今、電力送信10周年を記念するパーティーが華やかに行われています
パーティーには、軌道エレベーター建設にかかわった人革連各国大使、関連企業、軍軍関係者たちが多数参加しています」
ボーイ「飲み物はいかかですか?」
覇道瑠璃「あっいただくわ、そんな顔をしていると、男が下がりますわよ?うふっ」
執事「始まったようですね。お嬢様」
瑠璃「ついに、彼らが動き出すのね。」
スメラギ・李・ノリエガ「ソレスタルビーイングのデモンべインマイスターが」
End
「ダゴンは最高!」まで読んだ
ほとんど話を同じにするんだったら
セブンソードと呼ばれたデモンベインがあった
狙い撃つデモンベインがあった
ふひひ。とやたら自然につぶやくデモンベインがあった
重装甲の外殻に身を包む、獅子舞のごときデモンベインがあった
くらいでよかったな
95 :
通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 09:48:39 ID:f7m87eFP
三兄妹が狩るデモンペインがあった
「いけよ、ドリル!もろいもろいぜ!」
ですね、わかります
アル・アジフ:CV能登麻美子になりかけ
存在する前に創造主によって否定されたデモンベインが
あれ?
窓に・・・なにか
「ダゴンって凄いね!」
「そうねニャル君」
リメイク版の声優が棒読みの人か
イクゾー
カクゴォ
ヤラレタァ
そういやナイトハルト君達アニメ化するんだっけか…
大丈夫なんかね?
200 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 18:28:12 ID:RRQQRcq5
昨日のワンホビTVにて・・・
MAX「デモンベインきましたね」
寺田「・・・・・・(ノーコメント)」
これは第二次スーパーロボット大戦Zへの参戦フラグと見ていいんですよね…?寺田さん
201 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 18:36:47 ID:G9F5Ly1t
何それ、kwsk
202 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 18:42:57 ID:mNyJDWOB
ニコ動による生放送企画で昨日(正確には今日だが)25:30〜26:00まで寺田と大張がゲストだった
でMAXファクトリーのフュギュア企画という対面だが7割くらいはスパロボ話
最後のほうに参戦希望がどうたらでデモンベインをMAXが拾ったが寺さんは完全にスルー
他の作品は大なり小なりのリアクションがあったが
203 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2008/08/04(月) 18:44:58 ID:G9F5Ly1t
なるへそ、サンクス
……シカトもしょうがないとはいえ、なんか寂しいのも事実……(´・ω・`)
敵も味方もバランスブレイカーだからしゃーねーさ
西博士はアストナージさん並みの便利キャラだから仕方ない
執事さんは素の強さがアンチクロス並みだからスパロボマジックでガンダムファイター並みの強さになるだろうし
地球皇帝の至ってはインパクト大だぜ!
あの格好は絶対突っ込まれる
そもそも西博士を描けるライターがスパロボスタッフにいるとは到底思えない
@西博士の出るデモベのセリフをそのまま移植(他キャラとの関わりほぼなし)
A西博士の原型留めてない(主にまとも的な意味で)
B鋼屋ジン緊急参戦、これでかつる!
Cデモンベインは出ても西博士が参戦しない。現実は非常である。メカニックはアストナージさんで間に合ってるんだよ!!!
D古橋召喚
古橋一択!鋼屋も喜ぶ!
E間違えて涼風さん呼んじゃいました
もし出たらキャラの立ち絵どうなるんだろ?
アニメ絵だとメタトロンや草履王出した時違和感あるし、つかあの一話の影はどこに…
やっぱ最初からゲーム版準拠でいくのが妥当かなぁ。
スパロボに参戦したら、「全ては、ニャル様の陰謀」で、スパロボシリーズ終わっちゃいそうなんだが・・・
「それも私だ」とか「そうか、僕も運命の輪に囚われて…」とか
回避の使用なんていくらでもある
外なる神々「テラーダ」ならニャル様だって踏み台にできる…!
しかし実はテラーダのほうが踏み台にされていたという可能性も0ではない!
総てのロボットはテラーダのもとに帰する
寺田ってノーデンスじゃね?
38 :名無しは無慈悲な夜の女王 :2008/08/03(日) 23:29:17
やったー携帯小説できたよー(^o^)ノ
───アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショで
キャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの男の顔を見た。
「・・!!」
・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男はホストだった。連れていかれてレイプされた。「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)
39 :名無しは無慈悲な夜の女王 :2008/08/03(日) 23:32:24
>38
これをSF風にしようぜ
40 :名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] :2008/08/04(月) 00:46:23
・・・違う・・・今までの男とは違うと意識の奥底で共鳴を起こし、無限の深淵より現れる冒涜的な力が私の体を
駆け巡った。「ああ!窓に!窓に!」
男は這いよる混沌だった。私は窮極の門に連れていかれて戸口に潜むものと交わった。「ダルブシ・アドゥラ・ウル・バアクル!」私は地上の時間を超越した混沌の宇宙へと足を踏み入れた。
「イア!イア!」私は全てにしてひとつのもの ひとつにして全てのものとなった。おお、ヨグ=ソトース!
こうですか
久々に糞ワロタw
67 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 03/09/02 01:06 ID:p5i9hPq9
それは大いなる神とその眷属の物語…
語り継いでいかなくてはならない星々の記憶なのですよ…
ねえ、半魚人になれたらって思うこと無いかな。
呼吸の出来ないエラに意味はあるんでしょうか?
この海の底にもう一人の自分がいる。そんな気がして…。
金色の髪の少女は全てを忘れて海へと帰った。
それを皮切りに次々に変化を始める若者達。
帰ってきた彼らは海辺の町を血の色に染め上げる。
そして、ついに浮上する海底都市。
邪神の復活は近い。
鱗の軍団を迎え撃つのはたった一人の青年。
手にする武器は唯一つ。
親から受け継いだ古の記憶のみ。
彼は伝説の謎を解き明かし、この町を、この世界を救えるのか!?
戦慄のロマンホラー 「Sea」 近日発売
乾き切った砂漠に覆われた地、ガルナハン。風に舞う砂は日常ではあるが、今日の砂は一段と激しく
吹き荒んでいた。
マハムール基地より発進した何隻もの地上艇、そしてわずかに陸から船体を離し地上艇に随伴している
空中戦艦、ミネルバのためだ。鳴動する推進機関からあふれ出すエネルギーが砂を吹き上げ、撒き散らしていく。
長い砂のケープを引いて進むその雄姿を、停車した一台のジープから遠目に見つめる者達がいた。
「あれがミネルバか……」
地上艇ばかりの中で一際目立つ白い船体を目にして、ジープの運転席から身を乗り出した小柄な人物が
呟いた。防塵のためのゴーグルとマスクから除く濃い目の肌色は、この土地では一般的だ。
「まさかこんな所で出くわすとはね……けど、これでガルナハンゲートもなんとかなるかな」
「どうだかな。英雄だのなんだのと持ち上げられてはいるが、所詮は一戦艦と数機のMSが合流しただけだ。
その程度で覆る状況なら苦労しない」
「けど、そのために俺達がいるんだろ?」
「フン……気乗りしない」
そう会話を交わしたのは後部座席に座った二人の男だ。その見た目は運転席の人物とは違い、あまり砂漠に
適しているとはいえなかった。
片やゴーグルこそしているがジーパンにシャツ、ジャケットという軽装。もう一人に至っては上から下まで
ピシッと決めたスーツという出で立ち。似合ってはいるのだが、だからと言って砂漠の砂は防げない。
「それじゃ行くぞ。二人とも落ちるなよ」
「ん? ……のうわ!?」
「お、おいお嬢──!」
唐突に、ジープのエンジンが唸りを挙げた。急発進で空回りしたタイヤに砂が巻き上げられ、後部座席の
二人へと散った。
二人が文句を言う間もなく、ジープが走り出す。荒々しい運転に二人は車にしがみつくのが精一杯だ。
ジープが向かうのはザフト艦隊、そしてミネルバへと向かっていく──結論として、彼等を包む
砂のケープへと突っ込む形となる。
二人の男は揃って顔を引き攣らせる。活発そうな男の方は、片手でしっかり掴んだ己の仕事道具──
カメラの防塵処理を再度確認し直した。
第十三話 The Truth and Burrower──貫くは真実、穿つは大地──
「──お前さんと相性がいいのは広範囲攻撃、出来れば連射できる武装がいいって話だったよな」
「面に範囲が広い方が射撃位置を絞る必要がないから、眼で追った相手を狙いやすいんです。
実際スラッシュウィザードは扱いやすかったし」
資料片手に頭を掻くエイブスと、真剣な表情のルナマリアが連れたってハンガーを歩いている。歩みの先に
あるのはもちろん、ルナマリアのザクウォーリアだ。
「となると、かなりの近接迎撃機仕様になっちまうが……お前さんの今までの戦法と随分違ってくるぞ。
それでいいのか?」
「遠距離兵器があたしの苦手なオルトロスくらいしかありませんからね……砲身もバッテリーパックも重いし、
弾速はまあまあだけど距離が開いてるとやっぱり着弾までに時間もかかっちゃって。先読みに身体が
ついていかない現状じゃ、遠距離攻撃は諦めるしかないです」
諦めたような口調だが、その顔には口惜しさがにじみ出ている。そんなルナを見て、不意にエイブスが
口元を歪めた。
「とりあえず元々のコンセプトである広範囲攻撃強化の目処は立った。基本装備はスラッシュウィザードの
ビームガトリングに手を加えるつもりだが──それ以外にも、アレを使おうと思ってる」
ザクの横を指差すエイブス。ルナが指先を眼で追うと、そこには思いもよらないパーツが転がっていた。
「あれって、アビスのシールド!?」
「ティトゥスが斬り落としたのを回収したんだ。元々アビスはこの船で運用されるはずだったからな、
修理は簡単だったぜ。こいつを本来のシールドの変わりに左肩に装備しようと思ってる。内側の
三連装ビーム砲は攻撃範囲が広いし、連装砲も炸裂弾頭を連続でばら撒ける。オマケに盾としても
機能するからな。使い勝手はいいはずだ──で、こっからが面白いんだ。こいつを見てみな」
エイブスは資料の中から一枚の紙を取ると、ルナに差し出した。受け取り、その内容にルナは眼を通す。
それは、MS用銃火器の設計図だった。専門家ではないルナには詳しいところは分からないが、
その彼女の目にもその銃は随分奇異に見えた。
銃身は通常のライフルより少しだけ長いが、全体像が非常にシャープかつコンパクトに纏められている。
見ようによっては金属の棒のようにも見えるその形状は、とてもビームライフルとしての構造を内部に
持っているとは思えない。
「そいつは試作型でな。コンセプトは長距離、高弾速用ビームライフルってやつだ」
「は? ……ちょ、この大きさでですか!?」
驚くルナマリアに、エイブスは得意げに説明を始めた。
支援私怨〜
「徹底的な効率化、小型化の為に切るべきところを一気に切って、逆に必要なところは密度を高めるってのを
やっただけよ。弾はカートリッジ方式、それでも小型化しすぎて1カートリッジで四、五発が限界。
一発の威力自体はMSの装甲を撃破できるギリギリライン──けどその変わりに、収束率を徹底的に絞って
弾速と射程を最大限引き上げてる。シンプルな形状と見た目どおりの軽量さで、片手でだって振り回せる
取り回しのよさ──動きは邪魔しない、着弾も早い。これならお前さんでも扱えるんじゃないか?」
「……すごい……」
確かに、着弾までの時間が短ければ長射程でも誤差は小さくなる。なおかつ取り回しが効くというなら
理想的な武器だ。
「まあまだ設計だけで机上の空論だし、造れたとしても複雑化しすぎて量産性は皆無だけどな。
俺らミネルバメカニックだけの力じゃないってのがシャクでもある」
そう言いながらエイブスは視線を動かす。レイのザクファントムと、その調整をしながら周囲の
メカニック達と話しているユンの姿が見えた。
「あの嬢ちゃん、発想の柔らかさがハンパじゃねえ。たまに脳味噌熔けてんじゃねえかと思う時もあるが、
喋ってることの中に思いもしなかったアイディアがポンポン混じってやがる。お前さんの機体についても
意見をもらったし、今もレイ用のウィザードの考案があるとかで色々測定してるんだそうだ。
ティトゥスで分かってたが、やっぱナチュラルにだってスゴイヤツはいるもんだな」
嬉しそうに言っていたエイブスだったが、ふとその表情が沈痛な面持ちに変わった。
「ただ、いくらなんでも……」
「これをつければ攻撃力速力共に大幅アップであ〜る! これさえあれば変哲のないショッピングカートも
スーパーを守る決戦兵器に! 我輩の発明、我輩の証明、我輩の魂! 我輩の、我輩のド」
「黙っていろ狂人【サイコパス】!」
「六番コンテナにどうぞーーーーーー!?」
「……あのヤロウだけは技術者として、というより人として認めたくねえがな。このライフルのビーム制御機構
やらなんやら、アイツがいなけりゃ出来なかった事は多々あるんだが……」
格納庫の奥、アメノミハシラから送られてきたコンテナが置かれた区画。そこから鈍い音と叫び声が響き渡る。
天蓋の開いたコンテナの縁に身体を引っ掛け足しか見えないドクターウェスト。そのコンテナの下で
肩を怒らせるティトゥスをセトナがまあまあと押し留め、エルザがツンツンと木の棒でピクリともしない
ドクターの足を突いていた。
「……ドクター、また何かやったんですか」
「あのボケ、あのコンテナに入ってたパーツを組み立ててたんだが、それがまたとんでもないシロモノでな。
それをティトゥスに使わせようとか何とか……そりゃティトゥスも怒るわ、あんなモン」
今度は一体何作ったんだあの■■■■──そう思いながらもルナは口を噤んだ。
ハンガーの一角に置かれた、アメノミハシラから送られてきた物の一つであるMSを見る……正直思考が
深遠に堕ちそうなので普段は意識しないようにしているが、そこには恐ろしいものが置かれていた。
二つの巨大なドリルを背負った作業用?MS──スーパーウェスト無敵ロボVerレイスタ。背中に超重量が
集中しているにもかかわらず何故か自立しているその機体の周囲には当然、誰も近寄らない。
アレを見れば何を作ったのか想像は──つかないが、ロクでもないモノなのは間違いない。下手に関わって
生まれ変わる直前の自分の機体にまで飛び火するのは勘弁願いたかった。
「……お?」
艦内通信機から呼び出し音が鳴った。エイブスは駆け足で向かって受話機を取ると、回線の向こうの相手と
言葉を交わす。距離の開いたルナの位置からでは周囲の音が邪魔をして内容までは分からない。
「了解です──おーいお前等! ハッチ降ろすぞ! お客さんだそうだ! ウロチョロしてるヤツは
下がれ、そのまま地面に放り落とすぞ!」
受話器を下ろした直後、張り上げた声にメカニック達が一斉に動き出す。ルナマリアもエイブスに促され、
安全地帯へと離れる。
ハンガーの床の一部がゆっくりと下降し、砂漠の砂の色が覗く。車両や資材を搬入する為のハッチで、
低速時ならミネルバの飛行中にも使用できる。
景色の流れを見ていつの間にか速度落としてたんだ、などとルナが考えていると、下降したハッチに後方から
ジープが乗り上げた。
よし上げろ、とエイブスが叫ぶと共に上昇し出すハッチ。ルナは上がってくるジープに乗った人物へと
眼を向ける。
後部座席には二人の男。なぜかグッタリしており、髪や衣服に被った砂を払う余裕も無いらしい。
対して操縦席の人物は平然としている。小柄な身体を揺らして素早く砂を払うと、ゴーグルとマスクを
取り払い短く息を吐く。
(女の子?)
露になった幼い顔に、ルナは眼を丸くした。その間にハッチは完全に閉じ、現場責任者であるエイブスが
ジープへと近寄る。
「あ〜、あんた等がお客さんだな。少ししたら上の人間が来ると思うんで待っててくんな……後ろの二人、
大丈夫なのかい?」
「ああ、こいつらはこの土地にあまり慣れてないから……だらしないなあ」
「あ、あはは……面目ない」
ゴーグルを上げながら、軽装の男が乾いた笑みを浮かべた。所々に金のメッシュを入れた紺色の髪を揺らし砂を
落とす──と、ハンガーの一画に目を向けたその男が突然声を上げた。
「──! ティトゥス! ティトゥスじゃないか!」
視線が男へ、続いてティトゥスへと集中する。紺色の髪の男はどこか嬉しそうな顔をし、その隣のスーツの男も
髭を生やしたダンディな顔に驚きを浮かべた。
「……ジェス・リブルか?」
振り向いたティトゥスは、短くそう告げた。
支援
「それでは、作戦の説明を始める」
ミネルバのブリーフィングルームに集められた、この作戦に参加する全てのパイロットの面々。
その戦士達の前で、アーサーが堂々と宣言した。
その横にはアスラン、そして少し後ろに先ほどミネルバに乗りつけた三人の姿がある。
「まず先にご紹介しよう。今回協力してくれる、地元レジスタンスに所属するミス・コニール。そして
フリージャーナリストのジェス・リブル氏と、ボディガードのカイト・マディガン氏だ」
アスランが促し、三人の内二人が一歩前に出る。コニールとジェスが小さく一礼する中、一人動かなかった
カイトはすました風を装いながら周囲に気を配っている。
確かに実力はある人物のようだと、ボディガード経験のあるアスランは感じた。
「……子供じゃないか」
コニールの姿を見たシンの口から言葉が漏れた。それを聞き取ったコニールがキッとシンを睨み、シンは
その目に篭った強い感情に少しだけ身をすくませた。
「ミス・コニールは現在連合に占領されているガルナハン出身者で、リブル氏達はそこで行なわれている
圧制の事実を世界に知らせるため彼女らと行動を共にしている。彼等と協力し、我々は今回の作戦を
決行することになる」
今回タリアはブリッジに残り、ラドル司令ほか上級仕官達との折り合いを行なっている。ミネルバクルーからは
頼りないイメージを持たれていたアーサーだったが、小さなミスをアスランにフォローされつつも問題なく
作戦の説明を行なっていく。外の人間へのミネルバ副長の面目はなんとか守られそうだ。
今回の作戦は大きな火力プラントを保有するガルナハンの攻略。ここを得られれば大きなエネルギー源を失った
連合の勢いはかなり削がれる事になり、また連合の圧制を受けている現地住民達の支持を勝ち取る事も出来る。
ザフトの戦争目的は積極的自衛権の行使であり領土拡大ではないが、圧制からの開放という大層なお題目さえ
立てば攻め込めないわけではないのだ──そういう薄暗い側面は、流石にアーサーも口にはしなかったが。
しかし、重要拠点ともなればそう簡単に落とせるものではない。ガルナハンゲートと呼ばれる要塞施設が、
ガルナハンの街を護るように、同時に住民を閉じ込めるかのように建造されている。
配備された戦力も多数であるが、なにより問題なのは要塞に装備された陽電子砲【ローエングリン】の存在である。
戦艦に搭載されるそれより大型化された現行最大規模の主砲は、ザフト艦隊を瞬く間に消し去るだけの威力と
大地の汚染という二重の脅威を持っている。実際、先日マハムール基地が行なった侵攻作戦では多数の艦が
一撃の元に沈められ、多大な被害を被ったという。
更にそのローエングリンへの攻撃を一手に防御する、陽電子リフレクター装備のMAが確認されている。
かつてミネルバを襲ったザムザザーとはまた違う、より防御に特化したMAらしい。
「つまり、正面切っての戦いでは分が悪いわけだが……ここでレジスタンスの協力が活きてくる」
作戦領域周辺の地図が映されたモニターに、一本のラインが浮かび上がる。その線はガルナハンゲートの側面、
山や渓谷が自然の要塞を形成している地形を貫いて描かれていた。
援護
「この地点に、今は使われていない坑道が存在する。MSが通れる大きさではないが、ここを通り抜けられれば
一気に要塞の懐に飛び込める……敵の意表を突きローエングリン、もしくは防衛用MAを破壊できれば勝機は
生まれるというわけだ。その坑道の内部データを、今回レジスタンスが提供してくれた」
「ただし坑道の入り口から出口まではかなりの距離だ。悠長に歩兵を運用していては時間がかかるし、そもそも
歩兵用火器でどうにか出来るものでもない。しかし我々にはただ一機、この狭い坑道を通り抜けられる
MSが存在する」
アスランが話を引き継ぎ、コニールを連れて前に出る。二人は話を聞いていたパイロット達へと
近寄っていき──シンの目の前で止まった。
「ミス・コニール。彼にデータを」
「え、俺!?」
「こっ、コイツにか!?」
お互いに顔を見合わせた直後、弾かれるようにアスランを見る二人。
「お前のインパルスなら分離状態でこの坑道を通り抜けられる。パイロットとしての技量も問題ない。
当然の人選だろう……ミス・コニール、彼は優秀なパイロットです。彼に任せれば上手く行きます」
素早く対応するアスランに、二の句を告げなくなる二人。どこか不満気な目を向けてくるコニールに、
シンは苛立ちを覚える。
「なんなんだよ、さっきから」
「……本当に大丈夫なんだろうな。お前みたいなガキっぽいヤツで」
「なっ、んだとぉ!? お前の方がガキだろうが!」
身を乗り出したシンを両脇にいたルナとレイが抑える。対するコニールは怯えた仕草も見せず、逆に
シンへと歯に衣着せぬ物言いで返した。
「アタシくらいしか動ける人間がいないから、アタシがきたんだ! レジスタンスの皆はもうボロボロで、
でも命がけなんだ! 今回の作戦で失敗するわけにはいかないんだよ! それをお前見たいなガキなんかに!」
「ガキガキ言うなガキ! だいたいなんだよ、レジスタンスとか! わざわざ力のないやつが戦う必要なんて
ないだろうが! 全部俺達ザフトに任せて大人しくしておけば──」
「そうもいかないんだよ、シン・アスカ。戦わざるを得ないんだ、今のガルナハンは」
ヒートアップする二人の口論。そこへ不意に横槍が入った。
「アーモリーワンで何度か顔を合わせたけど、こうやって話すのは初めてだな」
「あ、ああ……」
そう言ってきたジェスに、シンは高ぶった感情もあり曖昧な表情を返した。
支援
【野次馬】ジェス。その知名度はフリージャーナリストとしてはそれなりに高い。
大きな特徴はMSを所有し、MS視点による戦闘の記録を行なう事。そして何よりも『真実の探求』を
重視している事だ。少々取材対象に入れ込む傾向があるが、基本的に国家のプロパガンダや真偽の知れぬ
情報には惑わされず、自分の足でその場に赴き、自分の目で見た真実を記録に収め、公表する。そこには
偽りも思惑もない、むき出しの真実があるだけ。
思惑を持って情報を操作する国家寄り報道機関からは受けが悪く、同業者からも批判の声はある。大衆に
望まれる受けのいい情報でなければ意味がない。真実に価値はない。興味のあるもののみを追い求めるのは
ジャーナリストではなく、単なる野次馬である、等々。
しかし愚直なまでに真実を求める姿勢と、どんな場合でも嘘偽りない報道内容を評価する声が無いわけではない。
情報が乱れ飛び真偽の基準が崩壊しかけている今の世界では、【真実】という言葉は魅力的に聞こえる
のかもしれない。
しかし、何故そのジャーナリストがレジスタンスに身を寄せ、今ザフトに協力者として現れたのか。
先ほどアーサーは連合の圧制の事実を世界に知らせるため、と言っていたが……
「……ここに集まっている皆さんに見せたいものがあります。少々刺激の強い内容ですが、出来れば
目を逸らさないでもらいたい……これが今ガルナハンで起こっている、真実です」
カメラからメモリーユニットを取り外し、モニターの外部スロットに接続するジェス。先ほどまで映っていた
地図が消え、ユニットの中に記録されていた画像ファイルが表示される。
ブリーフィングルーム内の雰囲気が、一気に重苦しいものへと変わった。
「うっ……」
「ひ、ひどい……」
そこに映ったのは、連合兵による現地住民への圧制──先日の強制労働が生易しいとも思えるほどの、
弾圧や暴行の記録だった。
強者による弱者への一方的な暴力。残虐さを剥き出しにした上位者と、虐げられる下位の人間。
口にするのもおぞましき醜悪な人間の姿が、そこにはあった。
それを見たパイロット達の中には目を背ける者や、口元を押さえうずくまる者が出始める。いつも冷静な
レイですら表情を嫌悪に歪め、ルナマリアは目元に涙すら浮かべている。
そしてシンは、その光景に激しい怒りを抱いた。弱者が一方的に傷付けられるのを、シンは何よりも許せない。
「先日のザフトの攻撃に合わせ、蜂起したレジスタンスの末路だ……蜂起前も似たようなことは
いくらでもあったが、な」
「……っ! アンタはぁ!」
目の前のコニールを押しのけ、シンはジェスへと詰め寄った。
支援
「黙って見てたのか! これを、こんなものを写真に取るだけで、アンタは何もしなかったのか!
自分は関係ありませんってか! こんな、これだからマスコミなんてのは……っ!」
「コイツに当たるのはお門違いだぜ」
ジェスの胸元を締め上げようと伸びたシンの腕を、ジェスの後ろから伸びた手が掴んだ。そのまま軽く
関節を極められ呻くシンを、ジェスの前に出たカイトが見下ろした。
「連合がこんなものの撮影を手放しで許すはずがないだろう。全てレジスタンスの協力の下、ガルナハンに
忍び込んで取ったものだ。危険を承知の上でな。見つかってたらどれもタダじゃすまん、実際
俺もコイツも何度か酷い目に合ってる」
カイトがシンの手を離す。すぐさま体勢を建て直しカイトに向きなおるシンだったが、その身体を
誰かが背中から押さえこんだ。
「やめてくれ! ジェスはアタシに付き合ってくれてるだけなんだ! ジェスは今まで何度もアタシ達を
助けてくれた! こいつのことを悪く言わないでくれ!」
「お前……」
シンを捕まえたのはコニールだった。先ほどまでの睨むような顔から一転、涙目でシンの背中にすがりつく。
困惑するシンを尻目に、ジェスが口を開いた。
「……オレは今までに何度もガルナハンの──いや、世界各地で行なわれている連合の暴走を世界に伝えてきた。
ほとんどが連合から検閲を受けて闇に葬られちまったが……オレはジャーナリストだ。兵士じゃない。オレが
出来るのは真実を伝える事だけ。伝え続けていればいつかは大勢の人も気づいてくれる、状況は変わるって
期待してた。けれど──」
「でも、もうガルナハンは限界なんだ!」
ジェスの言葉を遮って、コニールが声を上げた。
「前にザフトが砲台を攻めこんだ時、それと同時に街でも抵抗運動を起こしたんだ。でも結局失敗して……
逆らった人達は捕まって、写真みたいに酷い目に遭わされて、殺された人もいる! もうまともに動
ける人間だってほとんどいないのに、それでも奴等は皆をこき使って……だからアタシみたいな子供しか
これなかったんだよ!」
泣きながら訴えるコニールにシンの心は揺さぶられた。自分とコニール、境遇は違えど理不尽な暴力に
大切なものを奪われている点では、同じだと今になって気づいたのだ。
「アタシ達が何をしたって、この作戦が失敗すれば遅かれ早かれ皆死んじまう……もうザフトにあの砲台を
何とかしてもらうしかないんだ! だから、だから……!」
「……データをくれ、コニール」
えっ、とコニールは顔を上げる。やんわりとコニールを背中から引き剥がし、ジェスにすまないと謝るシン。
視線をコニールの位置まで降ろし、その瞳を真っ直ぐ見て、告げる。
「約束する。俺は絶対に、この作戦を成功させてみせる!」
今度こそ、虐げられた人達を助けてみせる──!
データを受け取り、一度コニールに任せろという笑顔を向ける。すぐに表情を引き締めなおし振り向くと、
頷くアスランの姿があった。
「頼んだぞ、シン。お前が作戦の鍵だ」
「……はい!」
支援
ブリーフィングが終わり、パイロット達はブリーフィングルームを後にしそれぞれの船へと戻っていく。
誰もが連合への怒りと苦しめられる住民を解放するという決意を胸に、高い士気で戦いへと望めるだろう。
「……相変わらず、報道屋としてはあるまじき行いばかりしているようだな。南アメリカでの大演説を思い出す」
「へへ、分かっちゃいるんだけどな。けど、真実を追い求めるだけなのは変わってないぜ。今回はそれで
たまたま連合とかち合うことになっただけさ」
ブリーフィングルームに残っているのは三人。ジェスとカイト、そしてブリーフィング中は隅に背をもたれ
傍観していたティトゥスだ。
ティトゥスはかつて参加した南アメリカ独立戦争で、MSに乗って戦場でも真実を追いかけるジェス達と
出逢った。また彼らはロウ・ギュールやアメノミハシラとも浅はかならぬ繋がりがあり、現在はその縁で
ティトゥスの事情にも通じていた。
「アメノミハシラから話は聞いてたし、オーブでの活躍もTVで見たが、まさか本当にミネルバの用心棒に
なってるとはな。若い連中のお守りはどうだ、MS斬りの旦那」
「何、野次馬の手綱を締めねばならぬお主程苦労してはおらぬよ、白十字」
「へっ、どうせオレは王道じゃないヘンテコジャーナリストですよ」
作戦まで時間はあまりないが、久方ぶりの再開に世間話の花が咲く。セトナがこの船に乗っている事を伝えると、
二人とも複雑な顔で唸った。
「ホンットーに何処にでも現れるな、あのコは」
「顔見知りだと聞いたのでな。後で顔を見せてやれ、喜ぶだろう」
だがいつまでも世間話をしてる場合ではない。ティトゥスは真剣な顔をすると、ジェスへと問いかけた。
「しかし、お主覚悟はいいのか?」
「ん?」
「作戦が成功した後、どうなるかを分かっていないわけではないだろう。だがそれを黙っていられるお主では
あるまい……だからこそあの少女と共にここに来た。そうではないのか?」
ジェスの表情が大きく変わった──どこか陰りの見える、疲れ切った男のような乾いた表情へと。
「……ああ。オレはここで全てを見てきた。だからこそ最後まで見届けて、その真実を伝える人間でいなけりゃ
いけない」
「全て承知の上で、それでも覚悟があるのか?」
「ガルナハンの人達、本当にいい人ばっかりなんだよ……これ以上余計なしがらみを背負って欲しくない」
「……不器用な男よ」
「これもジャーナリストの宿命、ってやつかな」
ティトゥスは苦笑し、ジェスもまた苦笑を返す。カイトだけは大きく溜息をついた。
「さて、コニールと一緒にシンを案内してやらないとな……じゃ、アンタも頼んだぜ」
ジェスとカイトが退出する。一人残されたブリーフィングルームで、ティトゥスは目を伏せて呟いた。
「真実を追い求める故に、己の心に嘘をつけぬ者──だからこその矛盾であり、因果か」
「渓谷、であるか……いい話を聞いたのであ〜る! 丁度良い、いっそあの小僧でも構わん!
今度こそ祭りの始まりであ〜る!」
「そして今回もドクターの出番は少なかったのでしたとさ、プププ〜ロボ」
「エェルザァァァァァァァァァァ!?」
ホンットドクターを期待してくれてる人スイマセンこんばんわ
いやまさか、プロットの段階ではここでこんなに文量使うと思わないものでして……じ、次回こそは!
レジスタンスに何故かジェスがいるよの巻。あれだけ好き放題やってまったく弾圧の事実が出回らない、
つまり連合の情報検閲力は世界一!(爆)ザフトの方にばれてもコーディの言う事は嘘ですで通してるんだろうな
そしてミネルバに併走できるガルナハンジープも世界一(マテ)
ルナだけでなくちゃっかりレイの強化フラグ。でもまだ先よん。
……最近気づいたんだけど、高威力のキャノン系の方がライフルより弾早いのかな、ゲームとか見る限り−−;
次回は今度こそお待ちかね! んで文量によっては最後のシリアスまでいけるかな?
しかし、タイトル長ry
西博士……まさかゲッター2よろしく地中から強襲しろと?
嫌な予感を抱えつつもGJ
博士の使い方は難しいよな。
それまでの展開全てぶち壊しにする可能性まで孕んでるように見えるし……
シンは主人公してるし、赤ザクも活躍しそうで何よりだぜ。
GJ!
楽しみにしてる甲斐はあるなぁ、やっぱり
>>117 やったー携帯小説できたよー(^o^)ノ
───アタシの名前はアイ。SAN値に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は邪神教団をやってるミキ、学校にナイショで
ユゴスで働いてるユウカ。訳あって深きものの一員になってるアキナ。
友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ? 自分らしさの演出とも言うかな!
「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
「カノジョー、ちょっと脳味噌見せてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
キャッチの甲殻類はカッコイイけどなんか透き通っててキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの顔を見た。
「・・!!」
・・・違う・・・今までの男とは違うと意識の奥底で共鳴を起こし、無限の深淵より現れる冒涜的な力が私の体を
駆け巡った。「ああ!窓に!窓に!」
男は這いよる混沌だった。私は窮極の門に連れていかれて戸口に潜むものと交わった。「ダルブシ・アドゥラ・ウル・バアクル!」私は地上の時間を超越した混沌の宇宙へと足を踏み入れた。
「イア!イア!」私は全てにしてひとつのもの ひとつにして全てのものとなった。おお、ヨグ=ソトース!
とりあえず前半部いじってみた
友達がカオスすぎる
それで面白くないってどんだけ学校荒れてんだよ
スィーツ(笑)でさえSAN値減るのにクトゥルーと合わさって死ねる
エルザのメイフォンネタに吹いた
あれシンってジェスと会話してる筈じゃなかったっけ?
確かマーレの陰謀で、シンとジェスがデブリに閉じ込められて、相談の結果ランチャーストライカーの火力使って脱出したって話があった
>>119 それは幼女と真性下衆野郎の物語…
語り継いでいってもいいんじゃないかな的な記憶なのですよ…
ねえ、ロリコンになれたらって思うこと無いかな。
幼女に興奮する意味はあるんでしょうか?
この世界に下衆野郎の自分がいる。そんな気がして…。
翡翠の瞳の古本娘は傲岸不遜だった。
それを皮きりに次々に萌え始めるロリコン達。
萌えたた彼らは世界から下衆野郎と蔑まれる。
旋律のロリータ「pedophilia」発売、きっとないよ
ヴェドゴニアでモーラにペドゴニア呼ばわりされるネタ思い出して吹いた
クトゥルフ版鳥の詩こと魚の詩ってのもあったな
沈む石像都市 僕たちは見送った
眩しくて逃げた いつだって弱くて
星辰は変わらず
いつまでも変わらずにいられなかったこと
悔しくて海を仰ぐ
あの神はまだ眠り続けるけど
いつかは海を割って起つ
及ばない意思がまだ近くにある
人は恐れ秘めて見つめてる
子供たちは極光の下 歩く
吹く風に鱗をさらして
人の身には幼かった日々を
両手には飛び込む希望を
沈む石像都市 追いかけて追いかけて
深淵を越えたあの日から変わらずいつまでも
忠実に僕たちはあるように
わたつみのような強さを守れるよ きっと
逆十字の人乙。
ジェスはガルナハン解放後に起こる惨劇に気がついてる訳か……。
ああ、そういや逆襲のの大虐殺なんてあったな。
自業自得な面もあるけど、ジェスは許容できんだろうな多分
保守
今回の西の元ネタはデットライジングの店長か
時期的にテクテクさんの影響かな?逆十字の人
バスターガンダムがハスターの加護を受けてハスターガンダムになる夢を見た
想定範囲内
ガンハスターがハスタービームやらハスターミサイルやら打ちまくってる夢なぞただの通過点に過ぎないって事だ
ハスターガンダムって何とも気の抜ける名前だなぁ
だいたいビットMSですでにハスターがあるしな
ファンネルガンダムみたいなネーミングか
158 :
通常の名無しさんの3倍:2008/08/16(土) 23:01:53 ID:ca7L19hK
age
保守
保守
過去ログを漁って「プロジェクトバフォメッド」なるものの存在を知ったんだが、これはまだ入手出来るんだろうか。主に逆十字の魔導書娘とかに激しく興味があるんですが。
公式魔導書とかファンブックとかもどこまで載ってるのか分からなくて注文出来ない。
>>161 最後の1ページに設定画と説明があるだけ
それが見たいならニトロプラスの通販で頼めばおk
>162
ありがトン
デモペ分が見開き1頁だけかー。公式魔導書探しつつ、もうちょっと考えてみるですよ。
保守
数十機を数えるMSを引き連れ、陸上艦隊が大きく開いた谷の合間を突き進む。
ミネルバはその先頭に立ち、正に先陣を切る戦女神といわんばかりの雄姿を熱砂の中で際立たせていた。
格納庫ではMSがいつでも出撃できるようスタンバイし、メカニックたちも入念なチェックを行なっていた、
その最中。
「ウェストがいないだと?」
『おう、それにエルザとセトナ嬢ちゃんも。あんたなら知ってるかと思ったんだが……オラそこタラタラしてんじゃ
ねえ! ……ったく、嬢ちゃんたちはともかくこのクソ忙しいときにどこいきやがったあの■■■■!』
エイブスの言葉に、オーガアストレイのコクピットで待機していたティトゥスは首を傾げた。先日ふざけた
提案をしてきた時に殴り飛ばしてからマトモな会話はしていないし、何処に行ったかなど知るよしもない。
──今思い出しても頭が痛くなる。よりにもよって己の愛馬に、あのような珍妙極まりない代物を
取り付けようなどと……そういえば、アレを入れていたコンテナが見あたらぬような──
ズンと響く振動。始まった艦砲射撃にティトゥスの意識が引き戻される。
『どれほどの困難、犠牲があろうともこの作戦は必ず成功させねばならない! 総員、奮戦せよ!』
『了解!』
タリアの一喝に負けぬ、クルー一同の力強い答え。この戦いがザフトの今後に、そしてこの地に住む人々の
運命を大きく左右する事を、誰もが理解している。
鍵を握るのは別行動を取るシンだが、万一シンが失敗した場合のことも考慮しなければならない。
シンが失敗すればローエングリンを防ぐ手立ては無く、艦隊は大打撃を受けミネルバとてタダではすまないだろう。もしそうなったなら、ある程度は生き残るであろう艦やMSだけでガルナハンゲートを落とさなければならない。
犠牲は覚悟の上、どれだけの屍を踏み越えようともここは落とさなければならないのだ。
「我等は我等の成すべき事を……任せるぞ、シン。ティトゥス、オーガアストレイ、参る!」
カタパルトから射出されたオーガアストレイが宙を舞い、岩と砂だらけの地へと着地する。背中には二本の
大剣が備えられたツヴァイストライカー。
遥か前方にあるは岩壁と一体化してそびえ立つ、文字通りの鉄壁の要塞、ガルナハンゲート。
段差になった壁の中ほどに備えられた円形ハッチが開き、超強大な陽電子砲ローエングリンの砲身が
あらわになる。その前方に、砲身を守る様にホバリングするMAの姿があった。
六つの足を持つ蜘蛛の様な下半身に、通常のMSの上半身が乗った異形の機体。前面に展開した
陽電子リフレクターで、ローエングリンを射抜かんとする砲撃を容易く受け止める。
ゲートの守りはゲルズゲーだけではない。無数のミサイルが、砲撃が、そしてMSがザフト艦隊に牙を向く。
瞬く間にゲートへの道は激戦の様相を呈していた。
「疾っ!」
頭上でミサイルや砲弾が飛び交う中、オーガアストレイが疾る。ほぼ垂直の崖を各部スラスターを噴かせながら
一気に駆け上り、その上に陣取っていたダガーL部隊の目の前に飛び出す。ストライカーパックに二門の大型砲を
装備し、艦隊への遠距離砲撃を行なっていたダガーLたちは突然の敵出現に動きを止める。
「遅い」
わずかなリアクションを取る間もなく、ダガー部隊は瞬く間に一機残らず切り伏せられる。
刀を払ったオーガアストレイが、次の敵を見据えてその眼光を光らせた。
ガルナハンゲートでの戦闘が始まる、ほんの数分前。シンはガルナハンゲートの側面に位置する坑道へと
向かっていた。渓谷の合間を飛行するコアスプレンダーに、チェストとレッグが自動追尾で付いて来る。
コアスプレンダーを先導するように、前方を飛ぶ機体が二機。白い機体をトリコロールカラーの外装パーツで
覆ったジェスの『アストレイアウトフレーム・Gフライト装備』と、真紅の装甲に白い十字のラインが浮かぶ
カイトの『テスタメント』だ。アウトフレームにはコニールが同乗している。シンを確実に誘導するのが
彼らの役目だ。
『そろそろ目でも見える頃だ!』
「え、どこだ?」
コニールの声にシンがキョロキョロと周りを見渡すがそれらしいものが見えない。アウトフレームが手に持った
ガンカメラを動かしシンに方向を指し示す。
モニター画像をズームアップしつつ目を凝らし、シンはそれを見つけ──その顔が直後強張り、やがて
引き攣ったものへと変わった。
「あ、あんなに小さいんだな、入り口」
『なんだよ、データを見て分かってただろ』
「いや、実物を見るとまたなんというか……」
通信モニターの向こうで何を今更と肩をすくめるコニールに、シンは苦笑をしながら返した。
確かにデータで分かっていた事だが、実際見てみるとその坑道の入り口はデータよりずっと小さいように思えた。
渓谷の壁に空いた切れ目という表現が相応しいだろう形状は細長く、分離した機体が入るかギリギリといった
ところだ。
それに入り口を通り抜けられても、その先がまた難しい。データによれば入り口より多少は広くなって
いるようだが道が入り組んでおり、一度操作を誤れば壁に激突必死、しかも真っ暗というオマケ付き。
正に落ちれば命はない、綱渡りの飛行だ。
「……けど、やってみせなきゃな」
通信モニターへもう一度目を向ける。モニター越しにこちらを見るジェスの横で、不安げな瞳でこちらを
見つめるコニール。
「失敗なんて、出来るもんかよ……!」
思い出されるのは家族を失った時の自分。あんな光景をコニールに、いや他の誰にも味合わせてなるものか。
大きく息を吸い、吐き出す。深呼吸を繰り返すうちに、恐怖や不安が多少なりとも薄れていく。
もうすぐ、戦闘予定時刻だ。
「よし……行くぞ!」
コアスプレンダーが速度を上げ、逆に速度を下げたアウトフレームとテスタメントを追い抜く。そのまま一気に
坑道へと飛び込もうと、シンは更に速度を上げ──その背を悪寒が走った。
『……! しまった、アスカ!』
カイトの叫びも認識半分、すぐさまインパルスへ合体しそのまま回転、壁面に足を付けそのまま跳ぶ。その直後、
坑道の入り口付近を無数の砲撃が襲った。
「な、なんだ!?」
何とか足場に使える、道に使われていたのであろう壁面の突き出た部分に着地。周囲を伺ったその直後、シンは
己の目を疑った。
唐突に岩陰や崖の上から、次々とMSの影が現れた。飛行装備のウィンダムや砲撃装備のダガーL、
目に映るだけで八機ほど。今の今まで、完全に動力を切って身を潜めていたらしい。
攻撃はインパルスはもちろん、アウトフレームやテスタメントにも向けられる。
『作戦が……いや、ここの場所がバレていたのか!?』
『そんな! この坑道はもうずっと前から使われてなくて、人だって近寄る事はなかったのに!」
『ここの指揮官も馬鹿じゃなかったってことだ。周辺の地理を調べ、危険な箇所には伏兵を
潜ませていたんだろう……当然といえば当然だが、厄介なことになったぞ』
テスタメントが巨大なクローシールドの中からナイフ付ハンドガンを抜いた。アウトフレームに切りかかった
ウィンダムをクローで掴み、コクピットにナイフを突き刺すと共に弾丸を叩き込む。撃ち込まれる攻撃は的確に
シールドで受け止め、アウトフレームをフォローするのも忘れない。
「くっそー!」
シルエットのないインパルスは飛行能力もなければ、決定的な火力もない。横幅の狭い足場に四苦八苦しながら、
ビームライフルで敵を迎撃する。ジェットストライカーを破壊しウィンダムを谷底へ落とすことに成功するが、
一歩足を踏み外せば自分も同じだと思うとぞっとする。
状況はあまりいいものではない。Gフライト装備のアウトフレームは航続力はあるが機動性は高くなく、攻撃力は
皆無に等しい。高い戦闘能力を持つテスタメントはそのアウトフレームを守るため全力が出せず、
インパルスに至っては飛べないという最悪な状況だ。
飛行装備のウィンダムは何とかなる。問題は二連装砲装備のダガーL部隊だった。
『ドッペルホルン連装無反動砲』。ストライカーパック規格で造られた二門の大型砲で、対艦兵装にカテゴライズ
されているものの命中精度はMS戦闘にも通用するほど高い。更に肩部兵装の為両手は自由に使え、ライフルや
シールドを併用する事で更なる攻撃や防御も同時に行なえる。その分動きは鈍重になるが、動きを制限された
今のシンたちにとっては非常に厄介な相手だった。
「このままじゃ……!」
硬い岸壁を砕く砲撃は、インパルスの走る足場をも削りとっていく。反撃の糸口を見出せぬまま、時間と疲弊
が募っていくばかり。
『カイト、オレたちはいいからあいつらをなんとかしてくれ!』
『バカいうな! お前をほっといたらすぐさま集中砲火で叩き落されちまう! PS装甲でもないその機体じゃ
二秒と保たん!』
『けどこのままじゃっ……へ!?』
カイトと言い争うジェスが不意に声を上げた。ズンと響くような大きな鈍い音と共に、崖の上から砲撃を
行なっていたダガーLの一機がいきなり落下してきたからだ。右半身が消失──正に『抉り取られた』
ダガーLはそのまま谷底へと消えていく。
『我輩がやらねば! だーれがやるのか! いーまに見ていろアンチクロス、全 滅 DA!』
『やられメカという理由だけで十分ロボ! ア○ロブリーガー、氏ねぇロボ!』
「ま、まさか……」
意味不明な、しかし聞き覚えのある叫び声にシンは青い顔をする。もう一度轟音が響き、次に崖から
飛び降りてきたのは予想通り……
『ダイナマイトドリルアタアァァァァァク!』
スーパーウェスト無敵ロボVerレイスタの姿だった。背中から伸びた二本のアーム、その先に付いた
超巨大ドリルの後方から火を噴き上げ、猛スピードで宙を駆ける。そのまま渓谷の間を抜けて、ダガーLを
隠れていた岩ごとドリルで貫いた。
誰もが目を点にする中、瞬く間にレイスタは敵を全滅させてしまった。
『す、凄すぎる……』
『バカな、ありえんこんなこと……』
ジェスとカイトがあまりの光景に現実逃避しかける中、何とか正気を保っていたシンはレイスタへと叫んだ。
「ドクターウェスト! アンタこんなところで何やってんだ!?」
『なにを言っているであるかシン・アスカ。貴様らが一方的にやられていたので助けてやったというに、
第一声がそれとは無礼であるな』
「うっ……そ、それについてはありがとう……け、けどどうしてこっちに?」
『うむ、素直で宜しいのである。なに、ちと貴様に試して欲しいものが──』
『あーーーーっっっ!』
ウェストの言葉をコニールの叫びが遮った。キーンと響いた耳を押さえながらシンが訊く。
「どうしたコニール!」
『入り口が……そんな!』
入り口。その言葉にシンは坑道へと目をやり……愕然とした。
土砂と岩にまみれ、坑道は完全に塞がっていた。最初の不意打ち、そして戦闘による振動で
崩れ落ちてしまったのだろう。
これではローエングリンまで辿り着くことが出来ない。このままではザフト艦隊は、ミネルバは……
「なんてこった……急いでミネルバに伝えて、作戦の中止を──」
『もう始まってる、間に合わん……それにザフトは撤退できても、ガルナハン側のレジスタンスは
どうしようもない』
『あ、ああ……!』
カイトの指摘にコニールが涙声になる。ジェスは何も言えず、シンは無力感と悔しさに唇を噛み締めるばかり。
『あいや待たれよ! おじいちゃんは言っていた、諦めたらそこで試合終了ですよと! 別段、名前に同じ字が
一文字あるだけで血縁どころか面識もないが』
「けどどうしろってんだ! 道はもう塞がって……」
『道がないのなら作ればよい! ほれとっとと上に上がってくるのである!』
相変わらずドリルから火を噴いて、レイスタは崖の上へと移動していく。インパルスはテスタメントに
引き上げてもらう。
『あ、皆さんお待ちしてました〜』
そこには少し前にミネルバに持ち込まれたコンテナの一つと、その傍に立つセトナがいた。
「な、なんでこんなもんがここにあるんだ!?」
『そんなの担いで持ってきたに決まってるロボ』
「あっ、そ……」
エルザの言葉に、シンは考えるのをやめた。もはやどのような不条理が来ても驚かない、そう決心した……
その一瞬だけは。
『さあ、目玉かっぽじってよく見るのである! 我輩の作り出した新たなる傑作の姿を! セェトナァ!』
『は〜い。ポチッとな♪』
ウェストがギターを掻き鳴らすのを合図に、セトナがコンテナの展開スイッチを押して離れる。コンテナの
四方と天蓋が開き、その中身が露になる。
──それは、誰一人として予想し得なかった、正に異形の物体であった。
「なっ……なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」
先ほどの決心も何処へやら、シンの腹の底から吐き出された叫びが渓谷に響き渡った。
「うう……あれでホントになんとかなるのかぁ?」
「なんというか、もう在り得ないとか不可能とかいう言葉を使う気にもなれん……」
「あれは流石に写真取って公表するのはマズイよなぁ……ああ、ガルナハンの日差しが暑い……」
「はい、冷たいお茶をどうぞ〜」
「ありがと、セトナ……」
シンがガルナハン・ゲートへ向かった後、いろんな意味で疲れたジェスたちはMSから降りて地面に
へたり込んでいた。もうセトナがどこからお茶を出したのか考える事すら億劫だ。
「フハハハハ! な〜に心配は無用! 我輩の造ったアレの力なら陽電子砲だろうとMAだろうと
もろともに粉砕、玉砕、大喝采であ〜る!」
「玉砕してどうするよ……つか、あんた等はついていかないのか?」
「ドリルの燃料がそろそろマズイロボ」
「ふ〜ん……」
ギターが五月蝿いなあと頭の片隅で思いながら、ジェスはセトナに渡されたお茶を啜る。喉に流れる
冷たさが、少しだけ疲れを和らげた。
支援
大剣シュベルトゲベールが、シールドごとウィンダムを十字に両断した。すぐさまサーベルを
構えたウィンダムが、三方からオーガアストレイを串刺しにしようと迫る。切っ先がオーガアストレイに迫った
瞬間、オーガアストレイの姿が突然消える。
シュベルトゲベールの刀身を柱代わりにし、腕の力だけで身体を持ち上げたオーガアストレイ。そのまま
柄を離し宙返り、その手には既に二本の刀が握られていた。
「──斬」
刃が疾る。オーガアストレイが地に足を着くと同時に、寸断されたウィンダム達は残らず爆散し果てた。
だがオーガアストレイは止まれない。横へ跳んだ瞬間、砲弾の雨あられが側面をかすめ地面を抉った。
「ちぃっ……」
既に十数機を斬り伏せたオーガアストレイだが、敵の勢いはまるで留まる事を知らない。ザフト艦隊も、
当初予定していた半分も進めていなかった。このままではまるごとローエングリンの餌食だ。
アスランのセイバーやマハムール基地所属のバクゥハウンドなど、MSの何機かは先行してローエングリンまで
辿り着いているが、やはり件のMA──『ゲルズゲー』とそれに率いられた精鋭部隊を前に手も足も出ずにいた。
攻撃を周囲のMSに任せ徹底して防御体勢を取られては、先のザムザザーのように背面を取るのも難しい。
エネルギー切れを待とうにも、そんな事をしている間にローエングリンのチャージが済んでしまう。
何度目かのセイバーのビーム砲が、やはりリフレクターの前に拡散する。その後方ではチャージを続ける
ローエングリンの姿。
『クソッ! このままでは!』
『もう! シンは何やってんのよ〜!』
『弱音を吐くなルナマリア。シンならやってくれる……やってくれる筈だ……!』
パイロット達の声に焦りが混じり始める。信じている、信じてはいるが、このままでは──
「ぬおおおおお!」
ティトゥスが操縦款を倒し、オーガアストレイが跳んだ。多少の無茶は覚悟、他を無視し一直線に
ゲルズゲーへと向かう。
対ビームコーティングを施した実体剣なら、陽電子リフレクターを貫ける。貫くまでに数秒の隙が出来るのが
難だが、今はそれに賭けるしかない。
だがオーガアストレイの進路を、護衛のMSたちが阻む。
「邪魔だ!」
一機目を右の刀で一刀両断。二機目を左の切り上げで。三機目の胸を突き刺す。四機目を──
「ぐっ!」
そこまで来たところで、砲撃がオーガアストレイの右側面を打った。右肩の一部がスラスターごと持っていかれ、
推力ベクトルの狂ったオーガアストレイが岩肌に激突する。
「この、愚か者が……!」
長距離射撃に意識を向けるのを失念していた己を罵倒しながら、ティトゥスはオーガアストレイを立たせる。
「まだなのか……シンよ!」
ティトゥスが声を上げた、その時。
支援
『うおうおおおおぅおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっ!?』
岩の砕ける音と共に、凄まじい叫び声が轟いた。
ガルナハンゲート近くの分厚い岩壁を貫いて、何かが飛び出してきたのだ。それを見たアスランが叫ぶ。
『イ、インパルス! ……なのか、あれは?』
尻すぼみな声になったのは仕方がなかった。なにせインパルスの姿は今まで見たこともない、非常に奇妙な
ものだったからだ。
鈍い鉄の色の機体の節々を緑や金で彩った、地味なのか派手なのか判断しかねるカラーリング。
背中に背負った巨大なブースターらしき装備。これだけならまあインパルスと断言できなくもない。
問題は装備した兵装だった。
『ド、ドリル……?』
そう、ドリルだった。ブースターの両側面に、巨大なドリルがくっ付いた太いアームが二本。更に顔を
スッポリ覆ったパーツの先にも少し小さいドリル。そして二つのキャタピラがついたパーツが胸の前に
装備されている。
三つのドリルを先端に向けた、MAモードとでも言うべき形状。その状態でインパルスは岩壁をぶち抜いて
現れたのである。
『あれって……まさかぁ……』
凄く嫌そうなルナマリアの声が響く。その理由を、ミネルバのクルーは一人残らず理解していた。
哀れにもインパルスの進行方向に立っていたウィンダム三機が攻撃をかけるが、ビームはドリルに当たった途端
あらぬ方向に逸れていく。そのまま一直線に突き進むインパルスは、ウィンダム達をそのドリルでまとめて貫いた。
「真逆……あれをシンに使わせるとは……」
『あれを知っているのか、ティトゥス!?』
ティトゥスの言葉にアスランが反応する。確かにもう確信しているが、最後の希望としてティトゥスにそれを
否定して欲しかった──恐らく無理だとしても。
そんな中彼等の目の前で、ようやく突撃を止めたインパルスが姿を変えていく。
胸のキャタピラユニットが二つに割れ、それぞれ脚部に装着されると共にキャタピラが足の裏に。ドリルアームが
スライドし、両肩の上にキャノンの用に突き出る。顔を覆ったパーツがコクピット部分に移動し、胸の前で
ドリルが回転する。
──なんというか、凄まじくシュールな外見だった。
「あれはあのドクターウェストの造った狂気の新型ストライカーパック……ドリルストライカー!」
ティトゥスの答えは予想通り、かつもっとも聞きたくないものであった。
「ハァー、ハァー……」
シンは荒い息をついて新たなインパルス──『ドリルインパルス』のコクピットにいた。
酷い目に合った。何故かシルエットにストライカーパックを装備可能な互換ユニットまでこしらえたあの
■■■■に無理矢理送り出され、凄まじすぎる振動に意識を飛ばしそうだった最悪の乗り心地に耐えた
約数分。
しかし、おかげで当初の目的どおりローエングリンの近くに辿り着いた。何故か戦場は気まずい雰囲気に包まれ、
全ての視線がこちらに集中しているような錯覚を覚える。
そりゃこの見た目じゃな──とこんな機体で現れざるを得なかった自分に絶望しかけるが、そんな気持ちは
ローエングリンを見た瞬間吹き飛ぶ。
機体が何であれ、自分には果たさなければならない役目があるのだ。
「あれだ……絶対に止める!」
『シン! 何故──』
通信機から仲間達からの声が響くが、既に耳に届いていない。ブースターを噴かせ、インパルスが
ローエングリンへと跳んだ。
インパルスの動きに反応し、ウィンダムの一団がインパルスの行く手を阻もうと前に出る。
「邪魔すんな!」
戦闘の一機を、インパルスの蹴りが襲った。装着されたキャタピラが高速で駆動し、チェーンソーの要領で
装甲を引き裂く。続けて襲ってきた二機は、肩のドリルユニット下部に備えられたマシンキャノンで
蜂の巣にする。
ローエングリンへと肉薄するシンの前に最後の壁が迫る。陽電子リフレクターを展開するゲルズゲー。
「このお!」
ドリルユニットを叩きつけるように真正面から突っ込む。高速回転するドリルがリフレクターに接触し、
火花が散る。だがやはり、ドリルはリフレクターに突き刺さりはするもののゆっくりとしか進まない。
周囲のMSがライフルを乱射してきたので、慌ててインパルスは後退する。ビームは数発コクピットを
正確に狙っていたが、胸の小型ドリルがビームを弾いてくれたことで事なきを得る。
「クソッ、アイツを何とかしなきゃ……」
ゲルズゲーの後ろのローエングリンはもうチャージ完了寸前。もはや時間の余裕は無い。
「シールドに突き刺さる事は突き刺さるんだ……あとは一気にブチ抜くだけのパワーさえあれば!」
ウェストに教えてもらったコードを入力。ドリルインパルスがその能力を最も発揮できる形態──すなわち、
ドリルの最大パワーを引き出す必殺の姿を表す。
肩のドリルユニットがブースターからはずれ、両腕と一体化する。ドリルが高速回転すると共に、アームの
上下からスラスターがせり出した。
「うおおおおおおおお!?」
ブースターとスラスターが連動し、圧倒的な加速をもってしてインパルスがゲルズゲーへと突貫した。
加速から来る圧倒的なパワーにより、ドリルの半分が一気にリフレクターを貫通する。
「よし! このまま……へっ!?」
ドリルとリフレクターのぶつかり合いによって生じる圧力……それが突然軽くなった。
ドリルを受け止めたゲルズゲー──その脚部のほうがパワーに耐えられず、リフレクターごとゲルズゲーが
後方へ押されているのだ。
「ええっ!?」
そして無論、ゲルズゲーの後方にあるのは──ローエングリン。
「えええっっ!?」
ローエングリンの砲身にゲルズゲーがぶつかると同時にドリルがリフレクターを貫通、ゲルズゲーを
串刺しにする。そしてそのまま半分ひしゃげたローエングリンへと突っ込むインパルス。
「ええええええええええええっっっ!?」
シンの視界が、まぶしい光に包まれ──
発射寸前だったローエングリンは、激しい炎と衝撃と共に爆発四散した。
炎と煙を上げるローエングリンとザムザザーの残骸。それが示すのはザフトの勝利、そして
連合の敗北。
しかしながら、勝利の美酒も敗北の遺恨も、誰一人として感じる心の余裕は持っていなかった。
目の前で繰り広げられたあまりにも突飛で滑稽な、喜劇とも悲劇とも付かぬ一連の事態。そのあまりにも
理解しがたい光景に、だれもが完全に思考を停止していた。
「……シンは、どうなった?」
真っ先にティトゥスが我に帰れたのは、もともと非常識極まりない魔術の世界と■■■■の所業をよく知る為か。
その言葉に仲間達も我を取り戻す。
「し、シン! シン返事しなさいよ! シンってば〜!」
「レイ、手伝ってくれ! ローエングリンを消化してシンを掘り出さなければ!」
「りょ、了解しました!」
彼等を筆頭に、再度動き始める一同。しかし誰も彼もその動きは疲れ果て、覇気がなかった。
「と、とりあえず何とかなりましたね、艦長!」
「そうね」
「あ〜、シン大丈夫かなあ〜……き、きっと無事ですよね!?」
「そうね」
「あ、あの〜敵が何機か逃げ出してるんですが、追撃は……しなくていいんですかね」
「そうね」
「……やる気出しましょうよ」
そんな光景がミネルバのブリッジであったとか、なかったとか。
──数分後、ガルナハンゲートよりザフトに正式な降伏宣言。ザフトは即座にこれを受諾した。捕虜の抵抗や
ザフト側の虐待など、トラブルは一切無かったという。
ただしそれは戦場において、連合とザフトの間だけの話だったが。
ほとんど悪ふざけに近いノリ。しかし私はあやまらないこんばんわ。
とはいえかなりの精神力を持っていかれた……結局最後まで書けてないし。
西によってハチャメチャが押しよせてきちゃったよの巻。けど書いてみたらそこまで博士出てないことに気づく。
多分一番可哀想なのはゲルズゲー。あんなのに貫かれるとは。皆SUN値が下がる。俺も下がった。何故だ。
そしてもう西博士のネタが早々出ない。なんでこんなに難しいんだよ西博士……
次回はガルナハンの締め。今回と違って完全シリアス。
あんまり長くなるはずは無い……といいつついつも長くなるからどうるかな−−;
まあ今回ほど時間は掛からないはずですのでお待ちください。
なお、このドリルストライカーはレスキューフォースのソレとはなんの関わりも御座いませんw
検索かけてこれが出てきた時は吹いた。ぶっちゃけ自分の考えたのよりこっち丸ごと使ったほうが(ry
GJ!!
乙
ドリ肌がたったぜw
さすが西博士
物語を捻じ曲げるキ○ガイだ
無事に戻ってきても、冷静になったとき落ち込むんじゃないかシン?
非常事態とはいえ、■■■■が作ったシルエットで一瞬でも熱くなった自分に気づいて。
今回でシンは螺旋力に目覚めたんじゃね?
勝利の後の惨劇が来るのか!?と、ビクビク構えてた斜め上をかっ飛んで行かれたーーー?!
だがドリルは浪漫!男の夢!全てのゲッター2号機にかけて■■■■GJ!
でもこの後かわいそうなシンが、どこぞの猟犬が沸いて来そうな隅っこでブツブツ言い出したり、アスランに八つ当たりしたり、ティトゥスに泣きついたり、ルナにコンシューマー版では要修正な慰めを求めても、全力で許す。
というか、SAN値ギリギリで逆襲の惨劇を乗り越えられるんだろうか、シン。
喜びの後に突き落とされるよりはマシなのか?
GJ!
ってかもうなんなんだこのドリルによるドリルの為の荒唐無稽さはwwww
GJ!
つーかなんだこの腹筋ブレイカー。ゲルズゲー、テラカワイソス。
連合の立場がねえよwwwwwwwwww
GJwwwwwwwwwwwwwwww
こうなったら、『運命貫く螺旋』という二つ名で呼ばれる男にだな……。
GJ!!!
つーか、■■■■に関わったのが運の尽きだな
もう「こっちの負けでいいから■■■■引き取ってくれ」で
戦争終わらせられるんじゃないか?
そして■■■■を引き取ってしまったがためにカオスと化した連合を援助の名目で吸収するんですね?
なんという策士……!!
だが残念っ
カオス連合によってザフトもまたカオスザフトにっ
なんというクラインの壷w
ニャル様もビックリだぜwww
ところでここのティトゥスさん、ボロになろうと血塗れになろうと、宇宙に行こうと、軍艦の中だろうと、
制服もパイロットスーツもなしの黒装束なんだろうか。
さすがにパイスーくらいは着るんじゃね?
逆十字時代と違って魔術によるGからの保護がないわけだし、でもやっこさんなら鍛えてどうにかしちゃう気もするなぁ。
けっこう最初から規格外だからな。パイスーの必要性とか気付かず普通に乗
ってて、後で言われて気付くくらいの一般ズレはありそうだ。
一般人は木一本飛び越えたり出来ないよお侍さん。
シンだって制服でデスティニー乗ってたし、ティトゥスも平気な予感
デスティニー初出撃って急いで出たから制服だったよな?
アストレイなんて、みんな私服でMS戦してるもんなぁ。
パイスーって、宇宙空間に出ても平気、以外にどんな効果があるんだっけ。
流石は西博士。其処に痺れる、憧れるーーー!!
ってなわけで、GJです。
しかし・・・最近、「機神双刃デモンベイン=デスティニー」の続きが何時投下されるのか、気になって仕方が無い…
>>197 某所にてセラエノの大図書館から帰ってきて早々ンガイの森に旅立っていきました
>>198 そうだったんですか。
それならば、仕方がありませんね。
教えて、下さりありがとうございます。
そんなことより、初代旧神の続きは何時になったら投下されるんだろ・・・
もう早くも2年・・・
>>200 それはもはや、初代旧神のみが知っているとしか…
>>201 祈る相手は、ロリペドでオッドアイな旧神でよろしいか?
>>202 一緒にヘブンッ!にいけるなら男以外なら誰でも良い、そこんとこヨロシク!な見下げ果てたオッドアイでロリペドな神様ですね
>>sm4489281
ニャル様達なにやってんの
>>197 自分も機神双刃の続きが気になるよ。
「永劫の探求」よろしくクトゥルーの眷属から逃げるためにどこかで隠れているのか……
きっとわんこをやり過ごすために、角がない部屋から出られないんだよ
わんこは甘い物置いておいて、食べさせた後洗ってあげるとおにゃのこになるよ!
【目ん玉ぐるぐる言わせながら○○ボンの書を片手に】
保守
保守ついでにネタ振り
西博士が種MSのOS「のみ」を作った場合どうなるか
@OSに機体が付いてこないでこけまくる
Aファミコン(非スーパー)のコントローラで動かせるぐらい操作性UP
Bどこぞの桑島ボイスの機体よろしくやたら乙女チックな自我を得る
Aだと良いな。
あわせて改造したコクピットがゲームセンター状態。
エース同士の対決は、さながらゲームセンター嵐だぜ!
西博士だとAだな
真面目に作ったら@かBになりそうだが
十字ボタン取りつつA、Bボタンおよびスタート、セレクトボタンを再設定
ちっ、 ならマリオ的ドット画の分子キノコに制御土管に直結、ルイージ?クッパ、ピーチ姫再構築
鼻糞運動野パラメータ更新、任○堂制御再起動、伝達関数スター無敵偏差修正
運動ダッシュ接続、システムオンライン、ファミコン起動であ〜る!!
高々一ヶ月かそこらでエルザみたいな人工知能搭載アンドロイド作る西博士だしなぁ。
勇者シリーズ並のAI作っても不思議ではない。
>>213 ただ、語尾に「〜ダム」とか付きそうなんだがw
AI「俺がガンダムだ」
AI「お前を殺す」
とか言う羽と厨ライフル持ちが爆誕する悪寒が・・・
大道師が憑依してるんですねわかります
にゃんこの形をしたAI搭載ロボが8のようにMS操縦の補佐をするんですね、わかります
H.P.Lの御大もにゃんこ大好きだったなぁ
エルザもそうだが、ウェストはAIを作る上での音声って一体誰の声を割り当ててるんだろうな?
いっそ、メイン音声にエルザで副音声でウェストが喋りだすようなAIを……
想像したらSAN値がゴッソリ減少した。
…ああ、窓に!窓に!
>>209 BZ.O.E.ドロレスのことかぁぁぁぁぁぁ
ほんとに西が作ったらダメ娘になりそうだがな
西が作ったらエルザになるだろ。
MSサイズのエルザとな?
「AIにまでマスターをとられた……」
エセルドレーダが欝入ったようです
>>223 大丈夫、マスターが宿敵並にズタボロになってからリベルレギスひっさげて、助けに現れる役だ!!!
・・・出演話数?アーアー聞こえn
マスターに乗ればいいんじゃね?
『いやしかし、無事でよかったよ、シン』
「ホントですよ……くそ、ドクターめ覚えてろよ」
所々が焦げ付いているインパルスの中でシンはぼやいた。
ローエングリンの爆発に巻き込まれたと思われたシンだったが、実際はそのままローエングリンどころか
ガルナハンゲートの外壁までブチ抜いており、推進剤の使用時間が切れてゲート内部の床に突き刺さった状態で
無事回収された。
現在は簡易補修を受けたオーガアストレイとセイバーと共に、コニールたちが既に到着しているはずの
ガルナハンの街へと向かっていた。既にドリルストライカーは外し、フォースシルエットを装備している。
『急ぐぞ……ジェス達の身が気がかりだ』
「あ、待って下さいよティトゥスさん!」
併走するインパルスとセイバーを追い越し、ジェットストライカー装備のオーガアストレイが先行した。
アスランの怪訝そうな声がシンの耳に届く。
『どうしたんだ、彼は? ずっとあんな調子だが』
「さあ、コニールたちは別段怪我をしたわけでも……そういや、街にも連合兵は駐留してたんですよね?
まさかそいつ等が暴れだしたりってことを心配して!?」
『それはないだろう。ガルナハンゲートが落ちたのは向こうにも伝わっているはずだ、残っている
連合兵が無茶をするとは思えない。ティトゥスだって分かってると思うが……』
などと会話している間に、ガルナハンの街上空に到着する。あまり近代的とはいえない、砂の上に
造られた石と煉瓦の街並み──そこには腕を振り上げて勝利の雄叫びを上げる住民達の姿があった。
連合に捕まっていたのか、ボロボロの姿をした者も多く目につく。
勝ち取った勝利の余韻に浸る街──だが同時に、その一角に漂う不穏な空気にシンは気づいた。
「……!? あ、あれは!」
中心近くの広場に、武器を手に集まった人間達。そこには立っている人間のほかに、縄に縛られた無数の
人間が転がされていた。何人かはガタガタと奮え、何人かは散々な暴行を受け痛ましい姿を晒し──何人かは、
血を流して事切れている。そしてまた一人、頭を銃に撃たれて脳漿を撒き散らした。
そしてそれを行なう人間に張り付いた表情は、狂気の貌。喜怒哀楽様々な表情を浮かべながらも、
その全てには憎悪という感情が見て取れる。
作戦前のブリーフィングでジェスに見せられた、一方的な暴力。人間の隠された残虐性。
ただし、前に見た映像と決定的に違う点がある。
その光景は写真ではなく、今現在行なわれている現実であるということ──そして強者と弱者、狩る者と
狩られる者の立場が180度入れ替わっていることだ。
甚振られているのは撤退し損ねた連合兵。そして暴力を振るうのは、今まさに自由を得た
ガルナハンの住民だったのである。
『やはり……こうなるか』
インパルスの前方で、オーガアストレイが滞空していた。シンと同じ光景を見ていたのであろう
ティトゥスの呟きが聞こえる。
「やっぱりって……こうなることが分かってたんですか」
『簡単な話だ。奪われた者が考えるのは、奪った者への復讐……お主が分からないはずがあるまい』
「それ、は」
言葉に抑揚は無い。だがまるで責められているような錯覚にシンは言いよどむ。視線をオーガから
地上に戻したシンは、そこに更なる驚愕の光景を見た。
連合兵を蹂躙する住民達の輪の中心に乗り込み、彼らを止めようとする人間がいた。その姿は間違いない、
ジェス・リブルだ。
「あの人、何を!?」
『……降りるぞ』
高度を落としていくオーガアストレイにインパルスとセイバーが続く。ジェスを囲んでいた
住民たちはMSの登場におののき、開いたスペースへと三機は降り立った。
「何をやっているんだ、貴方たちは!?」
指揮官であるアスランがすぐさまコクピットから降り、住民達へと叫ぶ。
「もうすぐザフト本隊がここに着く、捕虜はその時引き渡してくれればしかるべき処罰を下す!
だからもうやめるんだ!」
自分達を助けてくれたザフト兵の言葉に戸惑いを見せる住人達。だがその中から十数人の男たちが
前へと出てきた。
全員が銃を持ち、衣服にはかすかに血が付着している。虐殺に積極的に参加していた連中のようだ。
「……アンタらザフトには感謝してる。だがこれに口出しはして欲しくない。こいつらが俺達に今まで
どんな仕打ちをしてきたか……その報いを受けさせなきゃ気がすまない!」
「その気持ちは分かるが、しかし!」
憤りを隠さない住民を説得しようとするアスラン。だがそれを手を上げてジェスが制した。無言のまま、
しかし強い意志を発する彼の目を見て、アスランは食い下がる。
アスランに軽く頭を下げるとジェスは振り返り、住民達と対峙する。
「お前もさっきみたいに俺達を止めようとするのか、ジェス。お前だって一緒に見てただろう! こいつらが
俺たちに何をしたかを! こいつらがどれだけのものを奪い、どれだけの仲間を殺したのかを!」
「ああ、分かってる」
「だったら!」
支援
「けど、アンタたちがやろうとしてるのは本当に間違いじゃないのか?」
ジェスはいきり立つ住民達を見渡し、一人一人の目を見ながら問いを投げた。
「本当にそこにいる連中は、全員が全員悪人だったのか? 助けてくれたザフトの言葉を無視してまで
復讐を断行して本当にいいのか? 非道な行いをやられたからって、それをそのままやり返すことは
非道じゃないのか? ──オレには、そうは思えない」
淡々と語るジェスに向けられる視線が、徐々に敵意を帯び始める。だがその只中にあってなお、ジェスは
毅然とした態度を崩さない。
「彼らはザフトに引き渡して、正統な裁きの元で罪を償わせるべきだ。これだけのことをしたんだ、裁判に
かければタダじゃすまない。アンタたちが手を汚す必要なんてないじゃないか──それに、捕虜の一方的な
殺害は国際法で罪とされている。ザフトは同情で黙認してくれるかもしれないが、ギクシャクした
雰囲気はずっと後を引く。これから協力していくことになるんだ、しこりは残さないほうがいい──
オレは、そう思う」
「……やっぱり、お前は余所者だよ」
住民の一人が、ジェスにそう吐き捨てた。
「お前にゃ色々世話になったが、その言葉は聞けねえ! 所詮余所者のお前に俺達の気持ちが分かるはずも
ないんだ! 生まれた国をメチャクチャにされた悔しさが! 仲間を、家族を殺された者の悲しみと怒りが!
俺達の手で苦しみと死という償いを与えなけりゃ俺達の、死んだ者達の無念は消えやしねえんだ!」
青年の言葉に周囲からも同調の声が上がる。余所者は引っ込め、邪魔するな──罵声が次々とジェスへ
浴びせられる。
「……アンタ達は本当にそれが正しいと、誰に対しても胸を張って言えるのか?」
「当然だ! こいつらが俺達にしたことを、今度は俺達がやってやる番だ! それを間違いだなどと
誰にも言わせねえ!」
「……分かった。なら好きにすればいいさ」
ジェスが諦めたととった彼らはすぐさま踵を返し、兵士への暴行を再開しようとする。慌ててアスランが
止めようとする中、ジェスはその場から一歩も動かないまま──
「──けど、やっぱりオレは納得できない!」
シャッター音が鳴り、フラッシュの光が一同の目を突き刺した。
何をしたのか分からないという顔で、住民たちの視線が再び、カメラを構えたジェスへと集中する。
「確かにオレは余所者だ、アンタたちのやることに口出しできる立場じゃない。ザフトでもないから、
力で無理矢理に抑えるなんてことも出来ない……けど、オレはジャーナリストだ。だから今目の前で起こる
真実を写真に収めて、世界に公表させてもらう──『ガルナハンの住民は圧制を受けた報復として、連合兵を
捕らえて虐殺した』という、真実を」
呆気にとられたまま言葉もない一同を尻目に、ジェスは続ける。
「ここで何が起きたか、一つ残らず全部記録する。殺された人間の名前も、殺したのが誰かも、何もかも……
何も後ろめたい事が無いなら、公表されても問題は無いはずだ。そうだろう?」
「ふ、ふざけやがって!」
若者の一人が銃口をジェスに向けた……その直後、黒い影が若者へと詰め寄った。
「気に入らぬな。己自身は何もせぬ分際でいざ立場が逆転すれば増長し、無抵抗の相手を弄るような輩は」
いつの間にやらコクピットから飛び降りていたティトゥスが、刀を若者の首筋に突きつける。
身を竦ませた直後手の中で銃がバラバラになり地面へと落ち、若者は悲鳴を上げて尻餅をつく。
「ティトゥス、手を出さないでくれ」
ジェスがティトゥスに近寄り、先ほどのアスランのようにやめるよう促す。ティトゥスはすぐに刀を戻すと、
オーガアストレイの方向へと歩いていく。
ジェスは尻餅をついた若者に手を貸して立たせる。手を離して相手を見据えると、若者はおびえるように
数歩後ろへと下がった。
「アンタはさっき、本気でオレを撃つつもりだったのか?」
「だ、だったらどうだってんだ!」
「……厄介な事をするなら、例え顔見知りでも問答無用で殺せるのか? 都合が悪ければなら他人を
いくら殺してでも構わないのか? ……それは、連合がアンタたちにしたことと何が違う?」
その言葉に秘められた奇妙な圧力に、男は気圧されさらに後ろへと下がる。
暴徒寸前だった住民たちの前へ躍り出たジェス。銃を持たずにカメラを構えた彼の姿に、今や
住民全体が圧倒されていた。
「そしてオレの口を封じようとしたってことは、アンタたちは自覚してるってことだ……これを公表されたら
自分達が罪に問われるだろうことが。虐殺という行為が、周囲からは認められないことが」
「……黙れ、黙れ黙れぇ!」
壮年の域に達した男が倒れた連合兵の一人にのしかかると、その頭に銃口を突きつけた。かろうじて意識を
保っていたらしい連合兵の口から小さい悲鳴が上がる。
「こいつらのせいで、こいつらのせいであいつと娘は……! 許せるか、許せるものか! こいつが手を下して
なかろうと同じだ! 連合さえこなければ、こいつらがいなければっ! 罪だと!? 認められないだと!?
それがなんだというんだ! こいつらは俺に……俺達に殺されるべきなんだっ!」
「……オレにはアンタを非難することも、その兵士を擁護することもできない。……けど、もう一度
聞かせてくれ。今やろうとしていることが正しいと、アンタたちは本当にそう思ってるのか?」
今にも人が死のうとするその光景に、ジェスはカメラを向ける。兵士に押し付けられた銃口は震え、
兵士の口からは命乞いと助けを求める声が悲鳴に混じって発せられていた。
「人の人生を丸々奪う覚悟が、その家族や友人から恨まれる覚悟が……そして、自分達が受けた悲しみと
怒りを他の誰かにも与える覚悟が、本当にあるのか!? 被害者だからって自分の行いを正当化して、
自分の間違いを認めたくないだけじゃないのかっ!」
ジェスの一喝に、男は憎悪とも苦悶ともいえぬ表情で噛み締めた歯を鳴らす。トリガーにかけられた
人差し指に力が篭り──
支援
すっかり興奮の収まった夕暮れのガルナハンの街。その路地をシンは荒い息をつきながら走っていた。
向かうは町外れ──アウトフレームとテスタメントが停まっている場所だ。
あの後、銃が撃たれる直前にザフト本隊が到着し、司令官であるヨアヒム・ラドルにより住民との交渉が
行なわれた。着任期間が長く現地住民とも親交の深いヨアヒム直々の説得のおかげで、捕虜は全員引き渡され
ザフトの法により裁かれることとなった。
ジェスがいなければ、本隊到着までに捕虜は皆殺しになっていたかもしれない。
赤服を着たままジェスの元へ向かうシンに住民たちは皆複雑な表情を見せるが、シンはそんな視線に
気づきもしないで走り続ける。
身一つで復讐に駆られた住民達を止めたジェス。その彼と話がしたかった。何を話したいのかは、シン自身にも
よく分かっていなかったが。
路地はそれなりに複雑だったが、巨大なアウトフレーム自体が目印になり多少デタラメな道順でも
辿り着ける。あと少しといったところで、シンは曲がり角から飛び出した人影とぶつかった。
「うおっと……って、コニールじゃないか……!?」
「あっ、シン……」
小柄な身体を胸で受け止めたシンの表情が固まった。コニールの目からは、幾筋もの涙が流れている。
コニールが走ってきたのはアウトフレームのいる方向──つまりジェスのいる場所からである事に、シンは
ハッと思い至った。
「……分かってるんだ……ジェスがアタシたちのことを思って言ってくれたのは。あのまま続けてたら
きっと、これからザフトとうまくやっていけなかった。ジェスの言ってることが正しいって、みんなも
本当は分かってる……けど!」
表情を歪めて、コニールは握った両手をシンの胸にぶつけた。だが腕の力より、コニールの次の言葉が
シンの胸を強く揺さぶった。
「アタシたちのこの嫌な気持ちは、いったい何にぶつければいいんだよぉ!」
「コニール……」
「……っ!」
シンを押しのけるようにして、コニールは走り去っていく。シンはその後ろ姿をただ見ているだけしか
出来なかった。
「あのまま行かせるとは、レディの扱いがなっちゃいないな」
いきなり背後から声をかけられシンは飛び上がりそうになる。振り向くとそこには相変わらずスーツを着た
カイトがいた。
「わ、悪かったな。そういうアンタはなんでここにいるんだ」
「俺はあの野次馬バカの護衛だ、傍にいるのは当然だろう。アイツもお前みたいにレディの扱いが分かってないから
嬢ちゃんを泣かせちまって、フォローしとこうと思ったが……お前さんに任せたのは失敗だったらしい」
少し引っかかる物言いだったが、どうやらジェスはこの先にいるらしい。シンが動く前にカイトはシンが
向かってきた方向へと歩いていく。
「俺はちょいと飲み物でも調達してくる。アイツに用があるなら好きにしな……アイツも少し、身近でない
人間と話したほうがいい」
そのまま去っていくカイトにあれで護衛かと眉をひそめるシンだったが、気を取り直しジェスの元へと向かう。
角を曲がって少し進んだところで開けた場所に出た。アウトフレームとテスタメントの傍、砂の上に転がった
少し大きめの岩に、ジェスは座り込んでいる。
住人の前に出たときの毅然さはなく、背を丸め力なく俯く姿はいかに精根尽き果てているかを物語っていた。
支援
「ジェス、さん……」
「ん……やあ、シンじゃないか。どうした?」
シンの声にジェスが顔を上げた。疲れきった笑顔、だがシンを驚かせたのはそれではなく、
真っ赤に染まった左頬だった。
「ああ、これか? さっきコニールに一発手痛いのをもらっちゃってな」
シンの脳裏に言い争った末、ジェスに拳を叩き込むコニールの姿がありありと浮かぶ。これが
他愛もない言い争いの結果なら微笑ましいことだろうが、その内容が内容であるだけにシンは
作り笑いすら出来なかった。
「覚悟はしてたんだけどな……やっぱり少し前まで笑い合ってた相手に嫌われるのは辛いもんだ」
「……なら、どうして止めたんです?」
「ん?」
「嫌われてまで、あなたが街の人を止めて連合兵を助ける理由なんてなかったはずです。一般人が、それも
行きずりのジャーナリストがすることじゃ……」
「違う」
シンの言葉を、ジェスは強い口調で遮った。
「確かにオレのしたことはジャーナリストとしちゃやるべきではなかったんだろう……けど、
ジャーナリストだからこそ、あそこでオレはみんなを止めることが出来たんだと思ってる」
横に座るように促され、シンは岩に腰を降ろす。ジェスはゆっくりとシンに語り始めた。
「オレは戦争が始まってからずっと、各地の戦場を巡ってそこで起きた真実を見てきた。
はっきり言って、地獄だったよ。連合に支配されてる場所が大半だったが、中にはここみたいに
非連合勢力が盛り返したところもあった。けど、結局のところどこもそう変わりはしない。
互いに争っているか、そうでなければ強者が弱者を弾圧する──狂気じみた光景があるだけだった」
眼前で振りかざされる暴力に、ただ虐げられ続ける弱者。ルールもモラルもなく、ただ欲望のままに
搾取と殺戮の日々が続く。
だがいざ弱者が救われたとしても、その瞬間弱者は強者となり、虐げられた者は虐げる物へと変わる。
「赤ん坊を殺された母親がナイフで捕虜の腹を掻っ捌く。妻を暴行された旦那が捕まった女兵士を
めちゃくちゃに犯す。仲間と手足を失った戦士が同じように何人もの敵兵の手足を切断する……そんな
残虐な行いをする人間だって、皆ほんの数日前は生きてた仲間と笑ってた、余所者のオレとも
仲良くしてくれたいい人達だったんだ」
菩薩の如き心の持ち主でさえ、心通じた者を殺されれば夜叉となる。多少とはいえ見知った人物が
目の前で豹変する──その様何度も目撃したであろうジェスの悲嘆と絶望は、いかほどのものだったのか。
「……かなり堪えたよ。オレには戦う力もなければ、みんなの苦しみを理解する事もできない……オレはただ
みんなが変わっていくのを、血塗れで狂気に呑まれる姿を──目の前で起こる最悪の真実を、
見ていることしか出来なかったんだ」
支援する
所詮、ジャーナリストはジャーナリスト以上足り得ない。
戦場を渡り歩き、真実を伝えるのがジャーナリストの使命。ジェスは最初この恐るべき真実を世界に
伝える事で、この状況を変えられないかと考えた──だが、国家の思惑により真実が多分に歪められる
今の世界で、それがどれほどの効果を得られるというのだろう。
真実を追い求めてきたジェス。だが戦場で見た真実は、あまりにも悲惨なものだった。真実全てが自分の
望むものばかりでないのは理解しているつもりでいた。だが目の前で凶行が行なわれていく現実を、
ジャーナリストであると同時に一人の人間であるジェスは受け入れられなかった。
「だからオレは、戦うことを選んだ」
「戦う……?」
シンは首を傾げる。ジャーナリストが戦うとはどういうことか。アウトフレームで連合と戦う?
それとも暴走する住民を力ずくで抑える? ……どちらも不可能だとシンは思った。
シンの表情から考えていることを読み取ったのか、ジェスは苦笑した。
「君みたいにMSに乗って戦ったり、身一つで戦ったりするわけじゃないさ」
銃を取り敵を討つのも、カメラを手に真実を追い続けるのも同じ戦い──ジェスはそう言った。
「そして、戦うためにはその『理由』がいる。オレの今まで戦ってきた理由は『真実を守る』ためだった」
戦う理由。誰が頼んだわけでもない、自分が望んだ、誰にも譲れないもの。『真実を守る』という
ジャーナリストとしてのジェスの理由は揺るがない。
だがジャーナリストとしての理由があるのと同時に、人間として譲れないものもあるのだ。
「オレがガルナハンのみんなを止めた理由は至極単純……嫌だったからさ。オレはもう優しかった人達が
狂っていくのも、血に塗れるのもオレはもう見たくない──オレは、オレの『真実を貫く』ことを決めた」
ジェスがカメラを持ち上げ、保存されていた画像を表示させた。小型ディスプレイに、連合兵に銃を構える
住民の姿が映る。
狂気に犯された姿、これは間違いなく存在した真実──だがここから連想される結末は
ジェスの望む真実──『未来』ではない。だからそれが確定する前に、抗った。
「みんなも本当はこれは間違いだと、正しくないことだと分かってる。けど、怒りと憎しみがその考えを
覆いつくし、狂った真実へと向かわせる──オレはそれが納得いかない。だからオレはみんなに、
心の奥に押し込め隠した狂った真実を目の前に突きつけて、止める。オレはオレなりに、
オレの望む『未来』を貫き通してみせる!」
カメラに映った画像データを、ジェスはためらうことなく消去した。『未来』の消えた『真実』はもう、
いらない。
「普通のジャーナリストとしてはやっぱり失格なんだろうさ……けど、今更だ。この馬鹿げた真実に
向かう世界に、最後まで抗う──それがオレの、オレなりのジャーナリストとしての生き方だ」
ジェスはそういって、シンに笑いかけた。そこには先ほどまでの疲れきった男の顔ではなく、決意を固めた
一人の『戦士』の顔があった。
支援
日も落ちすっかり暗くなった街外れで、シンは岩の上に座り込んでいた。
あの後すぐ、ジェスもカイトも行ってしまった。マハムール経由でまた新たな戦場に向かうのだという。
(結局のところオレのやることはその場しのぎでしかない。戦争が終わらない限り、どこかで同じことが
繰り返されるだけだ……だからオレは、ザフトにこの戦争を終わらせてもらいたい。ザフトはまだ──
少なくとも君たちミネルバのクルーはまだ、連合のように狂気には捕らわれていないと思える)
シンの心には、去り際にジェスが言った言葉が引っかかっていた。
(だからシン、兵士の君にこんな事をいうのは筋違いかもしれないが……よく考えてみてくれ。
自分が戦う理由を、自分が求める『真実』がなんなのかを──そしてそれが本当に間違っていないのかを。
でなければいつか、君もまた狂気に呑まれてしまうかもしれない……それじゃ、何も変わらないんだ)
「真実に、理由、か……」
自分の真実とは……戦う理由とは、なんだ?
強くなりたいという思い、無力な者が虐げられるのが許せないという思い──この根幹にあるのは
家族を殺された悲しみと、その原因となったものへの憎しみだ。アスハへの憎しみは徐々に沈静化しているが、
連合とフリーダムに対しては未だ強く燃え上がっている。
故にシンは、ガルナハンの住民が抱く思いが痛いほど理解出来た。何故なら彼らはシンと同じ痛みを持つ、
シンの守るべき無力な者達だったからだ。
だが、しかし。
「無力な人達って、誰だよ……」
泣き叫び命乞いをする連合兵が、無慈悲に殺されていく姿。それを見た時にシンが感じたのは
共感ではなく、不快だった。弱者だった者達は、その時既に弱者ではなくなっていた。
だが彼らを否定するなら、自分はどうだ?
シンもまた数日前に、大多数の連合兵を虐殺している。周囲への被害を省みなかったことは
間違いだと思っているが、連合兵への行いに関してはシンは完全に間違いではないと思っていた。奴等は、
弱者を利用していたのだから。
だが、今回の件でその考えにも亀裂が生じた。結局あの時の自分は、圧倒的優位な立場を利用して
鬱憤を晴らしただけではないのか? 弱者を上から見下ろし、自分を正当化していただけではないのか?
──ジェスの言うように、あの時俺は連合兵やガルナハンの住民のような、狂った顔をしていたのではないのか?
(気に入らぬな。己自身は何もせぬ分際でいざ立場が逆転すれば増長し、無抵抗の相手を弄るような輩は)
(人の人生を丸々奪う覚悟が、その家族や友人から恨まれる覚悟が……そして、自分達が受けた悲しみと
怒りを他の誰かにも与える覚悟が、本当にあるのか!? 被害者だからって自分の行いを正当化して、
自分の間違いを認めたくないだけじゃないのかっ!?)
住民たちの前で、ティトゥスとジェスが言った言葉が思い出される。シンにはその言葉が、まるで自分を
責めているかのように感じられた。
肩を押さえ身を縮めた時、シンはようやく自らの身体が夜の寒さに震えていることに気づいた。
to be continued──
短いと言いつつ普通の分量と時間になったよこんばんわ。
まあいつもどおりっちゃいつもどおり。
ジェス大説得劇&大幅方向転換の巻。真実を追い求めるジェスだけどそれは公表が目的じゃなくて、
自分が知りたいから。だから野次馬。隠すべきところは隠すし、非人道的な行いが許せなくて手を出すのも
いつものこと。本編では民間人を巻き込んだ戦争の只中に飛び込むことはなかった(多分、なかったと思う)
ジェスが、戦争を前にどういう道を選ぶかの一パターンとして書いてみた。こんなのジェスじゃねえという人
もいるでしょうけどあくまで一個人の見解なのでご容赦を。
あとどこかに「ジェスはシンのいい兄貴分になれそう」なんて話があったような気がして、
それを目指したんだけどそうはいかなかった、難しい。
次回は一時の休息。いろんな意味で違う人達の登場かな。
それとちょっと話題になってたティトゥスのパイロットスーツですが、基本的に着てません。
理由としては似合わないからで(マテ)。やっぱティトゥスといえば黒装束だし。
なので宇宙空間でやられることは即死亡フラグだぜ〜……それでいいんか(--;)
毎度ながらGJ。
ティトゥスの旦那はいつものスーツでMSか。素敵過ぎる。
最近毎回リアルタイムで支援できて嬉しいぜ。
ジェスかっけぇ惚れた
超GJ!
最弱不屈のジャーナリストガンダムマイスター(コラ)、漢だよ!
TVでのあの虐殺は、シンには気付かれず、アスランはただ見ているだけで闇に消えてしまい、その後の流れもあってかなり引っかかる話だったのですが、いやあ、見事昇華してくださった!
スーツは男の戦闘服なので無問題。
でもコスプレ的にパイスーも見てみたいな。メット付きは流石に想像出来ないが。
なんか凄まじく漢前なジェスを見た気がする……。
そしてシンは事が終わると色々ときっつい事を突きつけられて苦悩してる気がしてきた。
そうやって悩んで出した答えを楽しみにしたくなる。
244 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/11(木) 21:45:43 ID:TcjN5ShN
age
ニャル!ニャル!ニャル!ニャルぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ニャルニャルニャルぅううぁわぁああああ!!!
あぁニャル・シュタン!ニャル・ガシャンナ!シャメッシュシャメッシュ!シャメッシュシャメッシュ!いい邪神だなぁ…くんくん
んはぁっ!ニャルラトテップたんの赤色燃える三眼をイアイアしたいお!イアイア!あぁあ!!
間違えた!シャメッシュしたいお!シャメッシュ!シャメッシュ!混沌シャメッシュ!ツガー・シャメッシュ…きゅんきゅんきゅい!!
全集3巻のニャルたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
ネフレン=カに信仰されて良かったねニャルたん!あぁあああああ!かわいい!ニャルたん!かわいい!あっああぁああ!
魔女も使役なされて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!魔女なんて現実じゃない!!!!あ…小説もネフレン=カもよく考えたら…
ニ ャ ル ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ドリームランドぉおおおお!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?トラペゾヘドロンからニャル様が僕を見てる?
トラペゾヘドロンからニャル様が僕を見てるぞ!ニャル様が僕を見てるぞ!黒い男のニャル様が僕を見てるぞ!!
膨れ女のニャル様が僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはニャル様がいる!!やったよブレイク!!ひとりでできるもん!!!
あ、這いよる混沌のニャルさまぁあああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアザ様ぁあ!!ヨ、ヨグ=ソトース!!アザトースぅうううううう!!!シュブ=ニグラスぅううう!!
ううっうぅうう!!俺の想いよニャルへ届け!!ドリームランドのニャルへ届け!
暗黒のファラオ吹いたwwwww
どこまで進化するんだw
なぁ、ニトロプラス落ちた?
格納庫内に三体のザクが並び立つ。誘導に従いザクがハンガーに収められると同時イザークの
ザクの掌から一人の男が降り立った。
「宇宙船な……火星に行った時とは大違いだぜ」
呟き、エドガーは周りを見渡す。
鋼鉄の壁、デモンベインと似たヒトガタの群、覇道の基地でも見たことがないものばかりが
ここには存在した。
「おいコラ、テメエ。本当にここは俺のいた世界じゃないんだな?」
「ああ、その通りだエドガー」
誰ともなくエドガーは問いかけ、『彼女』は答えた。
エドガーを覆っていた黒衣が一瞬にして解け、パンチカードがエドガーの周囲に舞う。
無重力空間に円環を描き回転するパンチカード、それはエドガーから離れ螺旋状に渦巻き、
そして一瞬の後、少女になった。
稲穂色の髪を揺らし、彼女――リトル・エイダはエドガーへと振り返る。
「彼らの乗る機械からデータを拝借した。彼らの技術、及び情報伝達体系、魔力濃度、
霊子濃度……それらの総合から導き出される結果はその解答に是を示している」
そしてL・Aは今自分たちを運んできた白色の機械の小人を見上げた。
「更に、これらの機会兵器に使われている技術には一切の字祷子反応は見られない。つまり、
覇道鋼造の成し遂げたはずの技術革命が存在しない。それらからも――」
「ちょい待て」
続けようとして、エドガーの言葉にL・Aは口を噤んだ。
「どうした、エドガー」
「どうもこうもしねえ。テメエの下らない話なんぞ俺にはどうでも良い。それよりだ――」
説明の中断の理由を求めるL・Aの眼差しに答える代わりに、面倒くさげな表情でエドガーは
顎をしゃくって促した。
「まずはコッチの奴等をどうにかしろ」
そう言われ、L・Aはその方へと視線を向ける。
――いつのまにか、エドガーたちは銃を突きつけられ囲まれていた
普通ならば危機的状況ではあるが、この二人にそれは当て嵌まらない。
敵意をむき出しにした視線を意に介する事もなくエドガーとL・Aの会話は続く。
「了解した。しかし私ではこの身体的特徴により彼らへの説明に説得力が欠ける」
「知るか。あの白いのに乗ってる奴にはテメエが話をつけろ。テメエが何も言わなけりゃ
あのまま地球に行けてたんだからな」
「だがエドガーよ。あの時点で私が救助を求めなければ、あの時点で10分39秒後、術衣形態
が魔力枯渇によって解除され貴方は死んでいた。最善の選択だった」
「知るか。勝手に救助求めたテメエの責任だろが。俺には関係ねえ」
それ以上は何も言う気が無いのだろう、そのまま壁にもたれかかるとエドガーは腕を組んだまま
黙り込んだ。
「……了解した。では私が彼らとの交渉を行なおう」
銃を構えた兵士たちの向こうからやってくるイザーク達を目に留め、機械語写本の妖精は呟いた。
****
「ありえない……」
「在り得なくとも信じて貰う他はない。他室にて倣岸不遜な態度をしているであろうエドガーも
恐らくそう言うだろう」
眼の前の少女が話した内容は、イザークから尋問を任されたシホの常識をXY軸に360度
回ってZ軸方向を加えて吹っ飛ばすものだった。
それは彼女の後ろで立っている警備の兵士たちも同じ事であっただろう。
自分の世界とは異なる世界、魔術と科学の融合した技術により発展した世界、鬼械神、魔術結社、
意志を持つ魔導書、火星人、魔術師――全てがナンセンス。
本来ならばそのような事を口走った時点で両者まとめて精神病院に送る所だが、宇宙空間に
生身で立つ男を見た手前そうもいかない。
「リトル・エイダ……で良いのよね。貴女、私をからかっているんじゃないのよね?」
「残念ながら、私には冗談を言うボキャブラリティはない」
自分より3歳から4歳は年下であろう少女にかける声としては物腰柔らかな問いかけに対し、
少女の方は誰かを騙そうという雰囲気すら感じられないほどの無感情な声色。
口元しか動かないロボット的なL・Aの表情にシホは軽い寒気を覚える。
「……でも、やはり信じられないわね。確かに私達は貴女の主人だという男が宇宙空間で生身で
立っているのは見たわ。そして、貴女達の乗っていたという機体が消失した瞬間も。
でも、それらが何かしらの技術の一つとも考える事が出来るわよね?」
「ああ、そうだろうな」
しかし、それは強引なこじ付けだ。
今のこの世界の何処に、50メートルを超える機体を反応すら残さずに消せるというのか。
今のこの世界の何処に、生身で宇宙空間に存在できる人間がいるというのか。
在り得ない、存在するわけがない。シホ自身もその事実を理解していた。
だが、そうでもしないと自分が見たものと彼女の言う事を現実と認めなければなくなる。
知らない内にシホは自分が生きる世界の中の常識を守ろうとしていた。
「そちらの技術レベルがどの水準に達しているかは知らない。そして大西洋連合がどのような
組織であるかの詳細もデータ不足のため把握は不可だ。しかしながらそちらの言い分も一理
あるだろう」
「否定しないのね」
「否定する要素が見当たらない」
機械的にも感じられる声で少女は即答する。
「だが、そちらが信じるに値する可能性のある物証を見せる用意はある」
「物証?」
そう言うと、L・Aと名乗った少女は拘束された両腕をシホの前へ突き出した。
突き出した手首には念のためにはめられた手錠がある。だが、それ以外には何もない。
「何もないようだけど――」
「これだ」
言うと同時、シホの眼の前で少女の腕が――文字通り解けた。
血の通った腕が服と共にパンチカードに変わり、手錠が拘束していた腕を失い音を立てて
床に落ちる。
少女の腕は肘から先はなく、繋がった部分からは旧世紀に使われていたパンチカードの
紙片が蛇のようにうねり、螺旋を描くように渦巻いていた。
「嘘……」
シホが守ろうとした彼女の世界の常識はその瞬間瓦解した。
「述べた通り、私は人ではない。これだけでもある程度は信ずるに値すると思うが」
パンチカードの束を元の腕に戻し、L・Aがシホを見る。
「冗談でしょ? これ、何の悪夢なのよ……」
「悪夢であれば余程良いが、残念ながら今見たものは全て現実だ」
「悪夢よ、これは……」
頭を抱え、シホは瓦解した自分にとっての現実を反芻する。
だが、眼の前でとびっきりの怪異を見せられた後では、その行為はただ虚しいだけだった。
「……いったいどこからが夢で、どこからが現実なのかしら」
「この世は全て、盲目暗愚たる白痴の王の見る夢。だが、そこに生きる人々には現実だ」
「ひどいオカルトだわ。この科学の時代にあって、そんな話ナンセンス過ぎる」
眼の前の無感情な瞳を持つ少女をシホは見る。額に生えたアンテナのような角が殊更に
奇妙な少女。大きく息を吸い込み、深呼吸する。
「……もう一度聞くわ。貴女は魔導書で、彼は魔術師。貴女達は別の世界から此処にきた」
「そうだ。何の因果が働いてこの世界に来たかはまだ分からないが」
「ユニウスセブンで起きた事も全て貴女達の世界の人間が関わっている」
「そうだ。先ほどの映像から推測するに、恐らくユニウスセブンとやらを破壊したのは
デモンベインだ。クトゥグアとイタクァの神性同時招喚を行なえるのはネクロノミコン、
その中でも我が原本(はは)たるアル・アジフでなければ不可能であろう」
「宇宙にはカミサマがいて、それが私達の世界を侵略しようとしている事も?」
「その通りだ。外宇宙の神々は常に我々の世界を冒さんとしている」
「いっそ冗談と言ってくれる方がまだマシよ……」
否定は一切なし、もう一度シホは頭を抱えた。
このまま部屋に戻って寝てしまいたい。そして翌朝起きたら今起きた事も全部夢で、明日も
変わらない哨戒任務で一日が終わる――そう思えたらどれだけ良いか。
ユニウスセブンからこれまで、自分の理解の範疇を超えた事件に巻き込まれ、正直なところ
自分の正気を疑いたくなる。
だが、あのような怪異を見せられてしまって後となっては、眼の前に突きつけられた現実は
認めるほかがない。
後ろで腰を抜かした兵士を一度見やると、シホは立ち上がった。
「分かった、分かったわ……貴女の言う事、信じるわよ」
軽く、機械的に無表情だった少女の瞳に驚きが見えた。
「そうか。信用する確率は低いかと思ったが違ったようだ」
「別に全部信じたわけじゃないんだけどね。あんなもの見せられて信じるなと言う方が
難しいわよ……軽くトラウマになったわ」
「そうか。だが、あの程度ならばまだ正気を失う内にはまだ入らない。安心して良い」
しれっと言うL・Aの言葉にシホは軽く頭痛を覚えた。
「そう、ありがとうね……でも、貴女達の処遇がどうなるかは正直私には分からないわよ。
まずは私の上官に聞かないとどうしようもないから」
「それについては問題はない。私もエドガーもそちらが何かしらの危害を加えない限りは抵抗を
するつもりはない。我々が求めるのは休める場所、それだけだ」
年相応とは思えないL・Aの眼差しにシホは溜息をつく。
「ええ、分かったわ。とにかくイザーク隊長に聞いてみるから、貴女はそこで待っててくれる?」
「了解した。シホ・ハーネンフース」
****
宇宙、再び魔術師の目を取り戻したエドガーには普通の人間には認識できない霊的な次元
を見通すことが出来る。
だが、今彼がそこに視た宇宙は今まで視てきた世界とは異なる空間に変化していた。
字祷子の流れ、魔力の流れ、それら全てが今まさに源泉から溢れ出したと言わんばかりに
混じり合おうとしている。
――それはまるで、魔術が今初めてこの世界に現れたとでも言わんばかりの奇怪な光景
いや、実際そうなのだろう。
エドガーの魔術師の感覚が、この世界が自分の良く知った世界へと変貌しつつある事を
認識していた。だが、別段それがエドガーの行動指針に影響を与えるわけではない。
結局のところ、エドガーの持つ性質は変わらない。
「くそったれが……」
舌打ちをし、エドガーは自分の顔の前に手をかざした。
それは大人の男の手だ。自分がなりたくてしょうがなかった、大人の手。
弟を守るために望んで仕方なかったその力、その象徴。
いざ大人になりはしたが、しかし弟はもうこの世には居ない。
酷い矛盾だ。最低だ。
そんな運命を運んだ奴を全部叩き潰す、そのためだけに戦った。
様々な人間と出会い、様々な敵と戦い、様々な戦いを繰り広げた。
だが、それすらも何もかも無駄で、無意味で。
最初から最後まで、意味といえるものはなくて。
「結局、俺は運命とやらには勝てなかった……」
理解してはいたが、それは余りにもエドガーにとって腹立たしくてしょうがない事実で。
しかし、それでも、最後の戦い、出会った彼らの顔がそこにはあって。
瞳を閉じると、いけ好かない優男と、気に食わない女教師の顔が浮かぶのだ。
「ああ、くそったれが……」
エドガーの胸の奥に炎が燃え盛る。それは何者をも焼かずにはいられない劫火。
だが、それは決して邪悪ではない。
結局何者をも守れず戦い続け、無意味にされた事への純粋な怒り。
「クソッタレが……!」
その破壊的な炎は更に心の中を暴れまわり、エドガーの魂を奮い立たせる。
「ああ良いぜ……やってやろうじゃねえか!」
瞳を見開き、彼は凶暴な野犬の笑みを浮かべた。
だが、その野犬の瞳は濁ることなく明確な意志を備えていた。
「糞忌々しいあの世界になるってんなら、俺が全員まとめて叩き潰してやる……!
今度こそしくじらねぇ。今度こそ、ぶっ殺す……!」
そして彼はその手を握り締めた。
まるで、そこに掴み損ねたものを確かめるように。
その手を見つめる瞳は優しく、強く――そして、気高く
ンガイの森からただいま帰還しました。
いったいなにがあったかは色々ヒミツにしときます、ソッチの方がかっこいいから。
そんなわけでものごっついお久しぶりです皆さん。
んで、本編の方はイザーク組とエドガー組のダブルオカッパチームの話。
前回のアイオーンを召喚させてたのはリトルエイダでしたというわけで。
まあ、彼女の記述能力で鬼械神が招喚できるのかという話は今は語りますまい。
ちなみに、エドガーもL・Aと同じくイザークに尋問をされてますが、そこはもちろんエドガーですから
書くまでもなくイザークの血圧が著しくあがって終了。
きっとイザークにとってエドガーみたいな人種は天敵、茶化されるだけ茶化されるに決まってる。
エドガーも切れるのを見るのがおもしろいからキレさせるだけキレさせるに違いない。
そんな訳で今回もお付き合いありがとうございました。それではまた次回!
いーあいーあいあダゴンの子〜♪
旧神が森から還ってきた!!
祈りが通じたんだ!!!!
エドガーは相変わらずチンピラだなぁ
乗ってるのはデモンベインじゃなくてやっぱりアイオーンか
まぁ魔導書が人型になる程度では正気を失わんな
最低でもオカマ野郎ぐらいでSAN値が下がる
GJ!!
いーあいーあいあ♪ってポニョじゃねえかw
まあ、目の前で知らなかった人が魔導書になるくらいじゃSAN値はピンチにならんよな
知っている人が軒並み魔導書にでもならにゃ、インパクトが足りない
おお! 我らの旧神が還ってきた!
リトルエイダの登場か〜九朔達にとっては種違いの姉って感じかな?
とりあえずここでも議長が狂喜するに違いないw
暇つぶしにクロス倉庫を攫ってたんだけど、デスベの人のが更新されてなくね?
確か、海に行ったような話があった気がしたんだけど…
そして、紅朔の人は外側に旅立ってしまったんだろうか…?
そこで何故初代旧神の名前が出て来ない・・・
>>259 L.A.は鋼造とエイダの子供みたいなもんだから腹違い?
GJ!!
それでも鋼造は九郎で、原本(はは)はアル・アジフだから
ややこしい。
エドガーと同じ鬼子ってところか。
要するにデモンペインみたいなもんだろ
L・A「あれと一緒にしないでもらいたい」
>>265 しかしL.A.は小説一本で使い終わるには惜しいキャラだよな
後付けキャラなだけに扱いが難しいな。
下手に使うと本編がキリリもできんくらい狂っちまう。
その狂いこそ望むところでは?
どうせデモベ世界には、無限の可能性があるのだから
ナイアさんがうっかりしてキリリを忘れた世界=デモンベインがいた
キリリ
西博士がカリスマを発揮して世界中をウェストカラーに染め上げてしまい
胃がキリキリ軋むナイアさんがいた
西博士がマスターテリオンポジになってしまって目と同じ長さの涙を流すナコト写本がいた
いや、人目をはばからずいちゃいちゃできるんだから嬉しがるんじゃないか?
こんばんは。いきてます。最近戻ってきました。
やっと機神飛翔を手に入れてがっつり攻略中の今日このごろ。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
では、投下いきます。
目覚めは最悪だった。
首は痛い、他の場所もなんか痛い。
そんな時に限って異変が起こるって、なぁにこれぇ。
調査のため、離れの孤島に向かうことになった俺達だったが……。
頼むから言ってるそばから吐かないでくれ覇道総帥。
ちなみにこの人、昨晩のこと何も覚えていないそうな。
おお、ほわいほわい。
俺、帰っても覇道総帥とは絶対酒飲みたくない。
「あら、お疲れ? だめじゃない、ちゃんと次の日に備えて休まなきゃ」
ぐったりしている俺に声をかけてくれるライカさん。
ああ、やっぱりこういうときに気遣ってくれる言葉はいいよなー。
正直ありがたい。
ここが船の上じゃなかったらの話だけどさ。
「ら、らららららライカさぁぁぁん!? 何でアンタが此処に!?
俺達仕事で行くんだけど!? 遊びでやってんじゃないんだよ!?」
「(・3・) あるぇー?」
軽く流さないでくれます? こっち、必死なんですけど。
……やばいことになりすぎている。
魔術的な意味で戦えるのは九郎+アル。俺は……まだ不安。
はっきり言おう。
ザフトで赤服やってる俺は自力で何とかする以上のことをできるとしても。
いつもボディガードも兼任している執事さんがどれだけ強いかはわからないが、
覇道総帥とライカさんの二人を守り抜くって、ちょっとこれしんどくないか?
しかし、今更送り返すという時間も……。
悩んでいる暇は、なかった。というより、消し飛んだ。
突如襲来したそれは、自身が見たこともない―――
「マユでーす」
……マユ?
「……ごめんなさい」
マユ、なのか? 本当に……
「マユでーす。ごめんなさい……」
何を謝る必要があるんだ。お前が生きてくれれば、それだけで俺は……!
感極まって抱きしめようとした瞬間、
な ぜ か 俺の顔面をマユの拳が捉えていた。
「いってえなあ! 何すんだよ、マy」
ダイニダァ。
「前が見えねェ」
「お姉さんにいきなり襲い掛かってくるからです。一方的な行為は許しませんよ、ぷんぷん」
マユはライカさんだった。つまるところ、俺は寝ぼけていたらしい。
あまりに気がつかないからって、人の携帯から勝手にマユの着声を流すってどうよ、しかしながら。
それでも効いた自分が恥ずかしい。
誰だシスコンって言った奴。そこに直れ、今すぐ正座しろ。
「……あれ。そういえばライカさん、俺の携帯はどこにあったんだ?」
「え? シンちゃんの横に流されて……」
ちょっと待て。水に濡れたんだよな。何で壊れなかったんだ?
ロイガー、ツァール……何かしたんだろうか。
「「何も干渉していません」」
ですよねー。
……本当に、どうなってるんだ、この携帯は。
ともあれ、探すしかない。皆それぞれ合流に向けて歩いているところだろう。
ここで、今までの状況を整理してみる。
まず、ディープワンとか深きものどもとか言われている怪物。
あれは、邪神崇拝の中の化物らしい。
デザイン的に、一瞬ジン・ワスプとかゾノとかの水中MSを
思い浮かべたのはおいといて。
そいつらが俺たちの船を攻撃し沈め、そのせいで散り散りになった。
最大の懸念は、俺とライカさんのように皆誰かと行動できているか、ということ。
一人で孤立するのが一番危険、そして合流は最優先だ。
俺ができるのは、ロイガー、そしてツァールの力を借りた戦闘といいたいが、
生身での招還は今まで成功したことがない。
しかし、それで怯んでもいられないのがこの状況の困ったところ。
今ライカさんを護れるのは俺だけだ。絶対に失うものか。絶対に―――!!
「まずいな……」
タイミングの悪いことに、雨が降ってきた。
俺はともかくとして、ライカさんがまずい。
水着のまま雨に打たれ、そのままだと体調を崩しかねない。
この状態でそれはまずい……。
俺は拳銃と予備弾倉を上着から取り出し、制服をライカさんに手渡す。
「これ、せめて雨よけに」
「……シンちゃん、いいの?」
頷き、銃を構えながら先行する。
ここには何が潜んでいるかわからない。常識が通用しない相手もいる。
これは訓練ではない、戦場だ。
白兵戦の実戦がしょっぱなから化物なんて思わなかったが、
ここでしくじるわけにはいかない。
慎重に歩を進めること十数分。
洞窟と思わしき場所に辿り着いた。
「ひとまず、雨が止むまではこの中に居よう。
このまま雨中を探索するよりかは、幾分かマシだ」
「主、ここから先に魔力の気配を感じます」
「おそらく深きものどもの拠点かと」
俺が持ちかけた提案に、ロイガーとツァールから飛んだ言葉。
そうだ、そもそも何のために船で出立したか。
「敵の襲撃時警戒する方向を絞ることが出来る。
そのまま気配を追っていけば皆とも合流できるチャンスはある、けど」
ここは奴等のフィールドだ。どこにだって隠れることは出来る。
それならば、少しでも警戒の方向は絞れたほうがいい。
だが、迂闊に俺達だけで敵の本拠地に向かうのは危険だ。
俺一人だったら……迷わず中に突っ込んでいった。断言できる。
「ロイガー、ツァール。警戒を頼む……ライカさん、大丈夫?」
「私より、シンちゃんは大丈夫?」
死角を任せ、ライカさんを囲みながら……って、俺?
「何で俺なんですか、ライカさん」
「シンちゃん、そんなにガッチガチじゃあ駄目よ。
四角い思考のシンちゃんに護られても、不安なんだから」
「ひどいこと言うなちくせう!?」
むう、と振り向いたそこに、ツンと突き立てられた彼女の指。
「うん、その方がよっぽどシンちゃんらしい」
俺を見つめながら微笑む彼女。ああ、これは九郎が頼りにするのも分かる気がする。
一瞬思考停止の後、真っ赤になりながら前を向いて。
「い、行きますよライカさんっ!?」
ああもう、と前に進みながら。少しだけ、張り詰めた思考が和らいだのを感じた。
本当に、この人には敵わない。
投下終了。
一応、インスマス編が終わったらオリ話を挟もうと思うのですが、
原作と離れられない展開がもう少しだけ続いてしまいます。
ご了承ください。
昨日から5連休に突入しているので、水曜までにまた続きを書くかもです。
それでは、またの機会に。
PS:誰かあがっていない分のログをまとめに上げてもらえないでしょうか。
帰ってきた……ですべのひとが帰ってきたんだ!!
GJです!! 続き楽しみに待ってます!!
GJ!
インスマスは確か、九朗がロリペドを遺憾なく発揮してた気がしなくもないな
え、つまり何? これは姫さんかライカさんに期待していいってことなのか?
上がってない分は俺も読みたい。なので、まとめに上げたいけど俺には無理です…orz
旧神の帰還だ! GJ!
シンにライカさんとのフラグが立った?w
過去ログのどのあたりにあるんだろう、ネットに転がってればなんとか……
というかここの住人でまとめに上げてくれてる人何人いるんだろ?
速攻魔法発動! ライティングソウル!
休暇の時間を棄て、効果発動!
というわけでこんばんは。
確か5話前半9週目のときに上げたはずなのですが。
まずは投下分と行きますか。
俺は、九郎とは違う。
俺には魔術の才なんて、少しはあっても九郎みたいに溢れてるわけじゃない。
断章とはいえ、俺も同じ魔導書を扱ってるけど、
その魔術的な力量の差は足元にも及んでいない。
だから今は、一刻も早く九郎と合流することを先決にしている。
護れる程の力が自分にはない。
その状況、今まで何度あったことか―――くそっ。
「……ライカさん、大丈夫?」
自身はまだ未熟な魔術探査をロイガーとツァールに任せ、俺たちは奥に進んでいく。
気が抜けない。ここは敵地なのだから。
こんなとき、一人では足りない「目」を補ってくれるこいつらの存在はありがたい。
銃は予備弾装も3〜4程あるが、下手をすれば簡単に尽きかねない。
早く合流しなければ。
構えつつ、警戒しながら先攻する俺だったが……
「あの、シンちゃん……」
ライカさんの様子がおかしい。
どうしたんだ、怪我でもしたんだろうか。
それとも、雨で体温を奪われたのが原因で熱とか―――?
「……先行します。済ませたら右の角を曲がったところに居ますからね」
納得した。
あれほど内股でもじもじしていて、俺に言い出しにくいような恥ずかしいことで。
一つしかないよなあ、そんなのは。
というわけで、俺は曲がり角を先に行った所でひとまず待機。
なあ、ところで皆。この状況、どうすればいいと思う?
ライカさんに危害が加わるのはまずいけど、ライカさんが……その、アレだ。
えーと、アレだよ、アレ。とにかく、アレしてる状態で俺が近くにいすぎるとまずい。
ただこう、ライカさんが完全無防備になるってことは命の危険でもあるわけで。
倫理観と目的(Not不純)の狭間で揺れ動く。
俺はどうすればいいんDAAAAAAAAA!
「きゃあああああ!!」
思い悩んでいた瞬間。突然の悲鳴が、俺の思考をさえぎった。
非常事態、銃を構えて咄嗟に飛び出す。
視界に入るのは、深きものども一匹。しまった、捉えきれなかったか。
目の前にライカさんを確認する。
慌ててこちらに駆け出そうとしていたのか、やはり下半身は着衣さえままならない状態だった。
俺は引き金を引こうと、深きものどもを視認する―――既に、一発急所に穴が開いていた。
ほかに誰もいない。この状況は……? しかし、疑問を抱える暇もない。
念のため、かまわず一発、二発。銃弾を打ち込んでやった。直後―――
ダイサンダァ。
結局殴られるのな、俺。と、殴られて視界を取り戻すと、そこには。
タイミングが悪過ぎたのか、そう。よりによってライカさんの秘密の花園が、
その隠すものがなくなった秘密の花園が、俺の目の前に秘密の花園が。
「シンちゃあああああんっ!!」
「ダイヨンダァァァ!!」
俺、轟沈。
泣いてもいいよね。答えは聞いてない。
俺は、九郎とは違う。
家族を戦火に焼かれ、戦いに身を投じた。
死ぬ気で訓練に望み、這い上がり、ザフトレッドにまでなって。
インパルスで戦場を駆け抜けた。
だから分かる。軍人としての思考が、俺にはある。
「―――ビーム兵器だ。それも、灼かれて間もない」
最初に空いていた穴は、ビーム兵器に貫かれたもの。
でなければ、こんなに綺麗に空くはずがない。
俺は推測した。しこたま追加攻撃された顔面を擦りながら。
殴られてから少し気絶していたのだろうか、気づいたときにはライカさんはもう水着はちゃんと着ていた。
正直ほっとした。そして正直思う。理不尽だ。
親父にもぶたれた事ないのに! ……でもアスランには殴られた。
閑話休題。
それにしても、このビーム兵器はどこから?
深きものどもに、そんな装備があるようなことは見受けられない。
ライカさんは……論外。
なら、何故だ。何故こんな攻撃が……?
「ライカさん。起こったことをちゃんと話して欲しい。何があったんだ?」
「それが……その、『して』たら……突然、あれが襲いかかって来て。それからはもう……覚えてないのよ」
パニックを起こしたか。それにしては、俺に対する制裁はやけに正確だったなドチクショウ!
―――そして、俺はある違和感に気づく。
今の証言では、少なくとも「ライカさんに襲い掛かるまでは」動いていたということになる。
普通ならこの傷では即死だ。考えられる可能性は三つ。
ひとつは、隠れていた奴が化物を射抜いた。
「主、それらしき術式はありません」
ロイガーやツァールの調べによると、魔術的ステルスはないようだ。
答えはこうだ、この可能性は考えにくい。
ミラージュコロイドを人間サイズで所持していれば不可能ではないが、
そこまでやってそもそも何になる? 利点は?
流石の覇道財閥もそこまでの用意はないし、覇道の者なら俺たちの前でも姿を隠す必要はない。
ひとつは、奴の生命力が異常だった。
にしては……悲鳴から俺の視認の間までは時間がそこまであるとは思えない。
銃弾をくれてやるまでにはさらに時間が短い。
疑うとしたらライカさんのほかにない。
が、人間としての心の強さはともあれ、身体的な強さはそこまであるとは思えない。
ましてや人間サイズのビーム兵器なんて、どうやって所持できる?
「……とにかく、行こう。ここで奴等の一人が倒れたんだ、もう騒ぎになってもおかしくない」
そして、また奥に走り出す。一刻も早く合流を果たすために。
奥にしまった、もうひとつの可能性。
ライカさんが、何かを隠している可能性。
今は口に出さない。切り抜けるまで、考える暇はない。
投下終了。
ところで質問なのですが、現状と比べてどのくらい書き溜めて
更新したほうがいいのですかね?
ほかの方と比べると、こちらの投下密度は薄いようなのですが。
今回シンは、まだ自信のない魔術より信頼できる銃を使用しましたが、
実際深きものどもに効くかどうかの描写はなかったと思うので、
とりあえず当たりはするということになりました。
それでは、またお会いしましょう ・w・)ノシ
GJ!
おつおつ
じっくりいきましょー
後は紅朔でブラッドジャケットなあの人と海外のあの人だ!
乙!
花園ーーーーーーー!
普通の弾丸なら当たっても致命傷にならんけど眉間や急所狙いor魔術付加済み弾丸なら効果あるかな?
何処かの執事は素手で深きものどもをフルボッコしてたけどあれは例外だしな
GJ
ライカさんの花園だって…っ
いあ!いあ!はすたあ!
…ふぅ、ちょっと取り乱しちゃったな
しかし、このままだとシンはメタトロンとかと絡むルートに行きそうな…
キラはキラで囲われかけてるし、まったくデモベ世界は地獄だぜ
292 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/23(火) 01:24:33 ID:w/19CMpM
実はショットガン持った人間が横に数人並んで打ちまくればダゴンを倒せるんだぜ……。
某ゲームだとな。
>>291 この後シンは謎の女博士から得体の知れない薬を渡されて、青ざめた騎士に変身できるようになります
そしてSEED覚醒でブラスター化ですね、分かります
シンで変身ヒーロー・・・
ロスチャとか電王とか
296 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/23(火) 07:01:38 ID:HLX0dVuU
シンとジョセフ
空気主人公同士で戦わせてみたいな。
シンの性格はヘルマンに近い。
ジョセフは後半化けるよ、あとシンみたいにでしゃばってないし、Dボゥイタイプだろ
過去編やったときは、後半に一気に活躍しだす前フリだと思っていた時期が俺にもありました……
まさか後半もほとんど寝たままとは思わなかったぜ!
___|___ | / \
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ヽ\_. -‐久/: \: : : : :\::、: : : : :: :  ̄: ヽ//: :レ : : /:ヽrュ┐_
: ::`ー'´: : : : 丶: : :丶: : : : :\::: 、: : : : : O/: : : : : : :|: : : : |.: : : : : : :ヽ、
: : : : : : : : : : : : :\: : : \: : : :\::::ーzzz「O: : : : : : : |: : : : |: : : : : : : : : \
このまんまだと、アマンダに主人公取られちゃうぞ、ジョセフ
群像劇としては割と面白いからいいや
最後は何かしら中心に映るだろうし
外伝の「遺跡破壊者」だと「飛び出た目玉辺りとかには効くけど、それ以外の
部位は硬い皮膚に覆われて守られてるから効果は薄い」とされてた気が>拳銃
外伝みたいに素手での格闘もありかもね。シンもとりあえずの体術は出来る
だろうから、適切に弱点を狙える腕さえあれば自分の身くらいは守れそう。
一応ザフトではトップクラスのナイフの使い手じゃなかったか
さすがにバリーや刀の爺さんやミナ様Lvまで行かなくても深きものども相手なら身を守れるぐらいの腕はあるだろ
さすがに数で来られるとBADEND逝きだが
>>304 素手の殴り合いなら凸より強えぞ
キラキュン殺された怒りMAXの拳がまるで効かないんだからな
描写中心に考えるなら、生身においてはシンがコーディでは最強クラスじゃないか?
まあ、生身でMSのカメラ破壊するようなナチュラルが存在するけど
>>306 コーディ限定だと、生身で空中でビーム回避する劾や、その劾を片腕一本で持ち上げるミナのが強そうだな
コーディ全体になると戦闘用コーディやソキウスもいるからな
精々シンはコーディの中だと中の上も上の下あたりかな
外伝の奴らがコーディ、ナチュ共々超人すぎる
そういや外伝にはそんな連中もいたっけかw
一方、キラは生身だとカガリにすら劣る
シン≧アスラン>カガリ>キラ>>>サイ(笑)
こんな感じか
おいおい、サイはMSで史上初の土下座をした奴なんだぞ!!
馬鹿にしてやるのは良くないぜ?
まぁコーディといっても上限はナチュラルと同じだしその上限に辿り着くのもまた別問題だしなぁ
シンは免疫面とかその辺しかコーディネイトされてないらしいしキラや凸のような成長才能チートされてるわけでないし
そしてデモベアーカムになると上限飛び越えて超人、魔人の域に達してるのがほとんどだし…
…シンは生き残れるのだろうか
魔術師相手になると生半可な物理攻撃、魔術攻撃は効かないしな
>>311 ボクシングの力をもってすれば魔術師に対抗することなど造作もありません
>>312 執事さんが規定外すぎるんだよ…
まぁ本人も言ってるけど魔術だけが超人に至る道ではないと言葉通りティトゥスに勝ってるし
しかし一方でアイオーンに殴られて無傷な魔術師もいるわけだが…
ティトゥスって魔術関連はそんなに得意ではないのかねぇ
強化系と武器生成ぐらいしか使わなそうだし
そもそも使えてもそれ以外の技能を使う気はないだろうな。
そのせいか凰餓も近距離戦特化の仕様になってるし(鎌居達なんかの飛び道具もある程度揃えてるみたいだが)
その分近接戦闘における技量と動体視力等は逆十字でも群を抜いてるよ。
九朗が勝てたのは得物が小回りが利き、凰餓の斬撃に耐えれる強度の魔銃だったこと。
あと執事に相手の隠し手を聞いていたことが大きい。
多分初見の相手としては一番厄介な相手だったと思う。
>>313 ティトゥスの魔術は肉体の異形化
そういえば遺跡破壊者の対深きものの授業の時、素手で深きものに挑んでた奴が居たが、
やっぱボクシングとジュードーが得意なフェランだよな?
対ティトゥス戦は、いまやったら魔銃二挺じゃなくて
ロイガーとツァールで応戦しそうだな
いくらシンでもティトゥス相手にロイガー&ツァールの近接は無謀だぜ…
シンが逆十字で戦えそうなのはオカマ野郎と単純馬鹿のカリグラしか思いつかんわ
オカマ野郎は意図的に手加減して遊ぶタイプだし、カリグラは単純だし
糞餓鬼も最初は遊んでなぶり殺し→飽きたら瞬殺
地球皇帝、似非紳士はさっさと始末
うーん、シンをかなり強化しないと対抗すらままならんな
カリグラは逆十字のなかで唯一、鬼械神使って、無しの相手に負けちまった御方だからな
ロイガー&ツァール複数召喚尚且つイタクァ&クトゥグアの氷と炎の追加効果くらいチートでも勝てるかわからん
卑猥な双子だと神獣召喚でもティトゥスに勝てそうにないイメージがあるな。
なにせ、
「ヘイ、あんたも災難だったな。
実は俺超能力者なんだけど、
あの矮小なニガーどもが邪悪な神を蘇らせようとしているんで、
今、旧神の助けを呼んでいるんだ。
もうすぐ来るからそのとき一緒に逃げようぜ」
ちゅどーん(光の塊が落下)
そして悪は滅びた
で片割れが消滅させられた神だからな(苦笑)。
もうちっとはまともなコリン・ウィルソンの方も、
なんか普通のSFの精神体宇宙人っぽくてかなーりパワー不足だし。
やはり改造手術しか無いようだ
>322
ギターが!ギターの音が!
皇餓も、飛翔では防御陣みたいなの展開してたよな?(持ってなくてムービー見ただけなんだ…)
司令室からコードもらうデモベは兎も角、100%術士の力で行使してる槐械神は、
槐械神の術=本人が使える術でいいんだろうか。
マンガ版のティベリウスにとどめさした術は、非公式?
お侍さんはあの能力だけで一気にチート化できると思うんだ。
>>323 デモベの改造と言ったら西博士より似非紳士だろ
似非紳士なら仮面ライダーもどきになるが西博士だとドリルを付けるぞ
そもそもあのお侍さんはクトゥグァ、イタクァの神獣弾を刀で切り捨てるぐらいだからなぁ
並みの達人クラスでも接近戦じゃ相手にならんな
神獣弾じゃねーよ通常弾だw
まあそれでも板野サーカスばりのホーミング性能なイタクァと
並のデウスマキナなら急所に一撃もらえば即お陀仏なクトゥグアの通常弾だがな。
ああ、神獣弾を捌いたのはリベルレギスかw
まぁティトゥスは接近戦にかなり強いけど執事式ボクシングには勝てないでFAか
確かイタクァの追尾弾に対して
「直線じゃない分、動きが遅くて斬りやすい」
とか言ってたっけか。
んなヤツ相手に勝てる執事さんはやっぱり普通の銃弾が止まって見える世界の人なのかね。
今更だが子安はエロゲでも強いキャラが多いなw
俺が最近やったエロゲでは主人公の彼女をNTRる陵辱高校生をやっていました。
俺が最近やったエロゲでは女だらけの三国志にいました
ちなみに仲間?に照夫が
仲間?に地球皇帝がいる三国志か
>>326 執事であれなんだからあの世界のプロってどんなのだろうな。
執事さんがもうプロの領域を超えてるんじゃないのか
たしかチンピラ時代は素手だけで100人を殴り飛ばしてるし執事さんが別格なんだよ
プロで執事さん以上がいたらどんだけだよになる
執事が万能に強いのはお約束だし
流石執事さん
HPLのパパンな名前が付いてるだけのことはあるな
範馬勇次郎クラス…つまりイメージだけで骨を鞭のようにしなやかにしてマッハパンチを撃つような奴らがゴロゴロといるわけか
ピクルとカリグラどっちが強いんだろ
>>334 英国国教騎士団のお方も相当な使い手です
化け物のゴミ処理から実務、武器の製作まで幅広い自称ロートルな人ですね
ブラスレ最終回クソワロタw
こんな腹痛えラストは久しぶりだ…
やっぱ最後まで虚淵が書くべきだったんだよ!
小林でもよかったな
なんか、GONZOアニメ云々というよりは
いつもどおりの板野アニメって感じというか
「……(通夜のように沈痛な面持ち)」
そういえばスノウっていつの間に死んだの?
まさかとは思いますが、
この「スノウ」とは、太田さんの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
「……(通夜のように沈痛な面持ち)」
最近皆がスパロボZに熱中しているせいか話題が無いな。
つーことでスパロボにデモベが参加したらどうなるかを想像しようぜ。
それは既に通った道だ(俺の住んでる世界では)
御三家はバランスとらにゃならんからサーガのZと新ゲは要るってばっちゃが言ってた
ガンダムどーしようかなぁ(;・∀・)
>>346 いやロボゲ板で語られまくってるから今更言うことはあんまりない
大導師さまはすでに出てるな>Z
アサキムって微妙に大導師っぽい設定なんだっけ
「寺田が、緑川を黙らせるために、作ったキャラ」説が根強い
だからと言って、照夫と競演不可能というわけじゃないが
>>352 そんなにサイバスター関係の問題は複雑なのか
他の魔装機神については寺田曰く
「今後は出せるかもしれないし、出せないかもしれない」だそう、
まぁ何かあったのは確実だわな、じゃないとわざわざ出せないかもしれないなんて言わない
つまりサイバスターの代わりにシュロウヤ出したかもしれないのか
>>354 ラ・ギアスそのものの設定は第〜次シリーズ製作のウィンキーが権利持ってるらしいからな。
で、そのウィンキーが確か今はコナミの事実上の下請けだったかな?
スレ違いな話題だがとにかく噂では「昨日の友が今日の敵」な状態らしい。
マサキ以外のキャラとなるともう何がなんだか……
ところでZはやってないんだがシュロウヤってどんな奴なんだ?
必要以上にスレ違いにならぬようにデモベキャラで例えてほしい。
魔に堕ちたデモンベインがあった
でおk。俺もたまたまネタバレ踏んだだけで実際には見てないが
一応言っておくが「シュロウヤ」じゃなくて「シュロウガ」な。
具体的に言うと邪気眼というか中二病を具現化したようなキャラと機体で、
台詞で「堕ちてみれば心地良いものだよ」とか言ったり、
女主人公だと彼女の場合だと、主人公だけ生き残らせて他のオリ仲間を殺した上に言葉攻めするくらいSで、
そのくせ自機への攻撃でも微笑み浮かべて「もっとやってこい」的な台詞を吐くMでもある。
攻撃中にグランゾンやら、サイバスターVS真サイバスターが映り込んだりするんだっけか
で、結局次元烈風狩狼哉とシュロウガの関係は?
魔に堕ちたあと、色々やるのにも飽きる前のマスターテリオンって感じかね
パートナーがまるで正反対だが
アサキム⇒ASAKIM
マサキ⇒MASAKI
これから、連想されることは・・・
それだけじゃない
機体だってサイバスターを連想させる武器を持つし、機体の名前もシュロウヤに似ている
つまり、トゥーソードよろしく、ニャル様が、悪戯したんですね?
ところで話ぶった切るが、このスレでスマガやった人いる?
面白いのかアレ
悪くないな
良い意味でニトロらしくない作品ではあるが
ループとメタフィクション、あと世界の中心で愛を叫ぶなノリが好きなら間違いない
>>367 なるほどthx
あとは俺のノートで動くかどうかだな
インストールが上手くいかないって人も出てるらしいから
そのときは公式のサポートにメール出せば個別でパッチくれるらしい
sage
甲高い音と共に、白刃が日の光を弾きながら宙を舞う。
甲板の床にカタナは転がり落ち、刀を弾き飛ばされたシンが尻餅をついた。
「くっ……!」
シンが刀を取り直そうと手を伸ばすが、柄に触れる前にその喉元へと刃が突きつけられた。
無表情のティトゥスが見下ろす中、シンは息を呑む。
「そこまで!」
審判役のアスランの声が甲板に響く。ティトゥスはまず自分が持つ刀、続いてシンが使っていた刀を
拾い上げて鞘に戻した。
「踏み込みが足らぬ。集中力も足りぬ……なにより、気迫が足らぬ」
ティトゥスが言った。シンは尻餅を付いたまま項垂れている。
「拙者に教えを請うた時の威勢は何処に行った。そんな事では剣どころか何を教えても身には入らぬ。
教えるだけ無駄というものだ」
言い放つと、ティトゥスは黒衣を翻しシンに背を向ける。顔を上げ追いすがろうとするシンに、
ティトゥスは更に一言告げた。
「お主は何故拙者に教えを乞うた? 何故力を求めた? その根底を失ったままならば、拙者がお主に
教えられることは何もない」
シンの動きが止まる気配を背中越しに感じながら、ティトゥスは振り返ることなく艦内へと歩いていく。
「少しいいすぎじゃないのか?」
アスランがティトゥスへと声をかける。足を止めたティトゥスの鋭い視線と、やや厳しく細められた
アスランの視線が交錯する。
「シンはまだガルナハンでのショックが抜け切っていないんだ。そんな状態の彼に、余りにも厳しすぎる……」
「甘やかしたところでどうにもならぬ。そもそも軍人であるなら、戦闘者であるなら
この程度で揺らぐ事自体が問題だ」
アスランの言葉を、ティトゥスはにべも無く切って捨てた。
「しかし!」
「己もまた手を血に染める者……その自覚のないまま力を奮っていたシンが危うかったのは重々承知。
今回の件は遅かれ早かれ、直面せねばならぬ問題だった」
ティトゥスがシンと再開した当初から抱いていた懸念──それはシンの感性があまりにも真っ直ぐで、自分は
何一つ間違っていないと思っている節があったことだった。
信念が揺るいだ時、人は容易く脆くなる。シンが力を求めたのは弱者を守るため、そして復讐のため。
だが、弱者とは何か。復讐の正当性とは?
ガルナハンでの惨状を見たシンは、その信念を激しく揺さぶられていた。
「なればこそ、シンは見つけねばならぬのだ。己の根幹にある筈の、決して揺るがぬ己の目的を──でなければ、
あやつはこの先生き残れぬ」
ティトゥスは首だけを動かして後ろを見る。仲間に囲まれながらも、未だに甲板に座り込んだままの
シンの姿が目に入った。
第十四話 邂逅
ガルナハンを発ったミネルバは数日後、黒海に面した都市ディオキアのザフト軍基地へと寄航していた。
連合の前線基地にガルナハンゲートと、半ば連戦を重ねたミネルバ。酷使された船体には大規模な整備が、
疲れきったクルーには十分な休息が必要だった。幸いディオキアにはミネルバの整備に十分なドッグがあり、
また海岸沿いの街はリゾートとしてそこそこ名が売れており休息地にはもってこいだ。
更に、ディオキア基地では今兵士の士気を高めるある催しが行なわれていた。
『皆さんこんにちわー! ラクス・クラインで〜す!』
基地のど真ん中に急遽造られたコンサートステージに、右手を突き出して直立している一機のザク。
ピンク一色に塗られたその機体の掌の上で、一人の少女が舞い謳う。
ザクと同じピンク色の髪に添えられた星型の髪飾りが日光を照り返す。凹凸のハッキリした身体を引き立てる、
露出度はそう高くないがどこか際どい衣装。口から流れ出る美しくも快活なメロディーが、会場の活気を
臨界まで盛り上げる。
彼女こそプラントのアイドル、ラクス・クライン。突如としてプラントに舞い戻り、瞬く間にそのカリスマ的
人気を取り戻した彼女が影武者である事実を知る者は少ない。
その真実を知る者の一人、アスランは休憩室のモニター越しにコンサートの様子を眺めていた。
観客達の熱狂ぶりはどうかと思うが、『彼女』の歌声はやはり素晴らしい。
プラントで聞いたとき、『彼女』は本物のラクスを意識して穏やかで麗しい旋律を模倣していた。確かに
本物そっくりの歌声だったが、それは『彼女』本来の歌ではない。
今のメロディーはハッキリ言ってしまえば、本物のラクスとは似ても似つかない。しかし今の歌声こそ『彼女』
本来の持ち味なのだろう。その歌声には心を高ぶらせる熱さと、元気を取り戻せるような活発さがある。
この力はやはり『彼女』の持つ、プラントへの愛と平和への願いの強さゆえか。
なるほど、今の人気はあながちラクスのネームバリューだけではないのかもなとアスランは思った。
「ホント雰囲気変わったね、ラクス様」
「そうね。でもあたしは今のほうが好きかな。こういう元気なノリの方が親しみやすい感じがするもの……
シンはどう?」
「え? う〜ん、俺は別に音楽なんて聴かないし……でも、いい曲だな」
「ノリ悪いわね〜。まあ意地で仕事終わらせて会場に行ったヴィーノやヨウランほどミーハーなのも
どうかと思うけど」
横のテーブル席に陣取るルナとメイリン、そしてシンが各々の感想を口にする。その様子にアスランは
少しだけ安心する。
先の事件のショック、そしてシン個人に開始されたティトゥスとの対人訓練による容赦ないシゴキにより、
ここ数日のシンは沈みがちで笑顔を見せることはほとんど無かった。
その彼が今、歌を聴いて僅かながら表情を綻ばせている。これも『彼女』の力かなと、アスランは思った。
「アスランさんはどう思います? 婚約者なんでしょ」
突然の質問にアスランは面食らう。それをよそに興味津々と言った目を向けてくるホーク姉妹と、
様子を伺うようにこちらを見ているシン。
ため息をつきながら、アスランは疑問に答えた。
「よく言われるがな……俺とラクスはもう婚約者同士じゃない。良き友人ではあるけどな」
「「ええーっ!?」」
ホーク姉妹が驚きの声を上げる。シンも声には出さないが驚きの表情だ。
「よく考えてみろ。俺とラクスの婚約は俺と彼女の親がプラントの議員同士だったという理由で決められたんだ。
だがその親は両方もうこの世にはいない。当然婚約は解消されてる」
「で、でも二人は互いに思い合っていたんじゃ……」
「確かに婚約していた当時はそう思っていたこともあった。実際仲は良かったしな。けど、それはあくまで
友人としてのものだったんだと今は思ってる。少し下世話な話になるが、『そういう関係』と言えるほど
深い付き合いをしていたわけでもなかった。結局俺達は一緒になる人間じゃなかったってことさ……
未練はないよ」
少々顔を紅く染めながら、感心したようにアスランの言葉を聞き入るホーク姉妹。メイリンなどはオトナだなぁ、
などと呟いている。アスランは少し照れながら、視線を『彼女』の映る画面に戻した。
「ラクスには、俺なんかよりずっと相応しい相手がいるさ……きっと、『彼女』にも」
ピンクのザクの傍らに、オレンジ色をしたザクとは違うMSが降り立つ。そのコクピットから、機体と似た
オレンジ色の髪をなびかせる美男子が現れた。
男の身に纏った軍服の色は、赤。エリートの証、ザフトレッド。
「さて、そろそろ出たほうがいいな。シン、ルナ、準備はできているな? メイリン、姉さんは借りていくよ」
アスランに促され一同は席を立つ。一人蚊帳の外であるメイリンは少し不満げな顔をするが、すぐに
明るい表情を作ると締まらない敬礼を返した。
「ティトゥス達はハンガーで、レイは一足先に行っているんだったな……少し急いで行こう。デュランダル議長
直々の呼び出しだ。指定された時間に遅れるわけにはいかない」
「やあ、よく来てくれたね。私の我侭で食事などに付き合わせてしまって」
ディオキアの最高級ホテル、そのホテル内レストランの一室。到着したアスランらザフトレッド、そして
ティトゥスとドクターウェスト、エルザを、円形テーブルに座ったデュランダルが出迎えた。
何故デュランダルが地球に下りているのかというと、地球上部隊の視察という形で基地を回っていたからだ。
丁度ミネルバと同じ時期にディオキアに到着しており、今回はデュランダルの個人的希望としてミネルバの艦長と
パイロット達、そしてティトゥス達異界からの客人が食事に招かれたのである。
既にテーブルには、先にデュランダルと会っていたタリアとレイが着席している。デュランダルは
二人とはそれぞれ時間を作って会っていたらしいが、その意図はアスランには分からない。
デュランダルに促され、全員がテーブルへと着席する。
「君たちの活躍はプラント本国にも届いているよ。特に、シン・アスカ君」
突然デュランダルに呼ばれたシンが身体を硬直させる。その様子に微笑みながら、デュランダルはシンを
賞賛した。
「オーブ沖での戦闘から君は大活躍らしいね。先のガルナハンでも難しい任務を成し遂げたと聞いている。
多少問題行動もあったようだが、それを上回る結果を出してくれさえすれば問題ない。ザフトのエースとして、
君には期待しているよ」
「は、はい! ありがとうございます!」
「うむ……時にドクター、そのガルナハンでの作戦にはドクターが直々に協力してくれたとかで、感謝しております。
一体どのような技術を使われたのです? 何故かこちらの方には詳しい情報が回ってこないもので」
「フフン、ならば聞かせてやろうではないか! 我輩のマーベラス&エキサイティングな発明の華々しい活躍の
軌跡をばんれいっ!?」
「失礼だがこのたわけに喋らせると話が進まぬゆえ、それは次の機会にお願いしたい。宜しいかな議長殿」
「そ、そうかね。ではまあ今日は遠慮させてもらうとしよう」
ドクターの顔をテーブルに押し付けるティトゥスに、デュランダルは乾いた笑いを返した。
正直、あの話題についてはドクターとエルザを除く全員が思い出したくなかった。ある意味その中心にあった
シンは褒められた直後にその話を振られ逆にへこんでいる。万一調子に乗るようなら諌めようと思っていた
アスランも、その様子を見て逆に同情する始末だ。
空気を変えようと、タリアがデュランダルへと話題を振った。
「ところで議長。宇宙の状況はどうなっているのです?」
「相変わらずだよ。月の連合艦隊に動く気配はない。無論いつ動かれても対応できるよう要所には戦力を
配備しているが、にらみ合いを続けているのが現状だ。今後も戦況は地上での行動如何で変わってくるだろう。
君たちのお陰で、戦況もこちら側にわずかながら傾いてきているが……」
そう言うデュランダルの表情にわずかな影がかかるのに、アスランが気づく。
「やはり連合との交渉は……?」
「ああ、まるで進んでいない。内部ではアスハ代表らも頑張ってくれているようだが、今のところは
完全に無視されているよ。一度始めてしまった以上下手に引き下がれないのは分かるが、あまりにも頑な過ぎる」
「やはり、いましばらくは……」
「この戦争は終わらないだろう。戦いを終わらせる──戦わない道を選ぶということは、戦うと決めるより
遥かに難しいものさ。あちらも、そしてこちらも。分かってはいたことだったが、こうして現実を見れば
やはり厳しいものだ」
重苦しい空気に捕らわれる一同。
だがその空気を読まない■■■■が突然ギターを掻き鳴らした。静寂を引き裂く轟音に誰もが耳を塞ぐ。
「まったくこの世界の人間は御しがたいであるな! 戦争なぞありとあらゆる資源の無駄遣いであることに
気づかぬとは嘆かわしい! 特に気に入らぬのはたいした性能もない機体を無意味にポンポン量産し、
五十円投売りレベルで使い捨てている事である! 我輩なら量産機数百機程度の材料でその数十倍の破壊ロボが
造れるのであ〜る!」
「おお、それは素晴らしい! ではドクター、その腕を私たちプラントの為に振るってはいただけませんか」
「ふ、我輩の腕は高いのであるでんて!」
「調子に乗るなロボ、博士」
『お願いします、それだけはやめてくださいいやマジで』
ティトゥスとエルザがパスタを盛った更にウェストの顔を叩きつける。それを尻目にミネルバクルーたちは
一糸乱れず頭を下げてデュランダルに懇願する。本気で実行しようと思っていたらしいデュランダルだったが
土下座すらしそうな彼らの様子に冷汗をかきつつ、やや残念そうではあるが『破壊ロボ主力機化計画』を断念した。
「さて、少し話が逸れたがドクターの言うことには一理ある。戦争とは確かに人的、物的資源の無駄遣いだ。
かつて戦争で困窮し、国を傾かせた国家がどれだけあったか。民は疲弊し、戦いで命を落とし、そして
大事なものを数多く失う……だが、何故人はそれだけの対価を払ってでも戦争をしようと思うのだろう?
戦争は嫌だ、いけない。そう言い続けているのに何故戦争は起こるのか。シンくん、君はどう思う?」
「それは……」
戦争を起こす、身勝手でバカな連中がいるから。少し前までのシンなら迷わずそう即答していただろう。
だが、今のシンはそう簡単な一言に割り切ることは出来なかった。少し考えて、ゆっくりと答える。
「憎しみがあるから、だと思います。最初はブルーコスモスとか、そういう勝手な連中が一方的に
仕掛けてきて……でもその内に仕掛けられたほうも沢山の物を失って、相手が憎い、殺してやりたいって
思いが止められなくなる。そしていつの間にか、お互いに止められなくなってるんだと思います」
シンの答えにティトゥスが目を細め、アスランが感心したように目を見張った。デュランダルは興味深げに
その答えに頷きながら、再び言葉を紡ぐ。
「それもある。ナチュラルとコーディネーター、殺した者と殺された者の確執。憎い。恐い。
間違っている。そういった負の感情を持つため、戦いがやめられない……哀しいものだ、人とは」
シンに目を向けたデュランダルは一度間を置くと、わずかに声を低くして語り始めた。
「しかしシン。実はそんな哀しい者たちを利用してまで戦争をしたいと思わせる、更に御しがたい理由が
人間には存在するのだ」
「え?」
「利益だよ」
その言葉にシンやルナは唖然とし、ティトゥスやアスラン、タリアは眉を潜めた。
「最も分かりやすい例を挙げれば、軍需産業だ。彼らは兵器を造るのが仕事、つまり対価を得る為に兵器を
造っている。戦争になれば兵器は消費され、常に新しい強力な、多くの兵器が求められる。
つまり戦争は軍需産業にとって一番の儲け時というわけだ」
確かに戦争は資源の無駄遣い──だが同時に、その使われた資源の分だけ儲かるということでもある。
戦争にあわせ兵器を準備し、その流通をコントロールすることが出来るなら、それはどれだけの利益を産むことか。
「そんな……それじゃ、戦争を使って金儲けをしてる奴がいるってことですか!?」
「そうだ。そして利益の為に、故意に戦争を起こす事すらも辞さぬ存在があるのだ。ブルーコスモスの
ような団体を支援し、人々の憎悪を煽る──あれは敵だ、危険だ、戦おう。撃たれた、許せない、戦おう──
そう叫び戦争を誘発する者たちの名は、『ロゴス』。世界経済を牛耳るトップが名を連ね、利権追求の
為にありとあらゆる手段を行使する組織だ」
全ては、己の欲望の為に。彼等にかかれば戦争は利益を呼ぶ手段であり、人の生死はその儲けを計算する中の
数字の変化でしかない。
彼らが戦争を煽り続ける限り、停戦はあり得ないだろうとデュランダルは言う。
「冗談じゃない……戦争のせいで、どれだけの人が人生を踏みにじられてると思ってんだ……!」
シンが怒りを滲ませた顔で、ワナワナと身を震わせている。今まで彼が体験した悲劇、それらが全て何者かの
利益の為に怒ったという事実を認められないのだろう。
アスランはシンの怒りをもっともだと思う。戦争による利益は仕方ないにしても、そのために戦争を起こすなど
正気の沙汰とは思えない。
もし、本当にそんな者達が存在するなら……アスランもまた、そのロゴスなる者達へ激しい憤りを禁じえなかった。
「……君の怒りは最もだ。私とて彼らの行動を黙って黙認するつもりはない」
だが、と言葉を一度区切り、デュランダルは神妙な表情でシンを見つめ直した。
「では、君はどうすればいいと思うかね、シン?」
「え?」
「君はロゴスの存在を知り、その正体に怒りを覚えている。では彼らの起こす戦争を止める為には
どうすればいいか、君は分かるかい?」
デュランダルの問いに答えを返せず、困惑するばかりのシン。デュランダルは今度は
他の者全員へと問いを投げ掛ける。
「ロゴスはまごうことなき『悪』なのか。ならば彼らを余さず殲滅する事で全ては解決するのだろうか……
君たちはどう思うかね」
突然の問いかけにうろたえ、誰一人その問いに答えられない。一度目を伏せ、再び目を開いた
デュランダルの顔は無表情だった。
「──正直に言おう。私には、ロゴスを潰すつもりなど毛頭ないのだ」
会食が終わり、ホテルの中庭へとデュランダルとアスランは出ていた。既に日はほとんど沈み、深いオレンジ色が
地平線伝を微かに浮かび上がらせている。
シンたちパイロットとタリアにはデュランダルから、ホテル上級客室への宿泊というささやかな褒美が
贈られていた。万一の時の待機要員として、またオーブからの連絡があった際に備えアスランだけはミネルバに
戻る事になったが、その彼にデュランダルは少しだけ付き合ってくれないかと言ってきたのだ。
「私の言葉に皆、特にシンは驚いていたようだね……納得もいっていなかったようだ」
「確かに伺った限り、議長のお言葉は分かります。ですがシンにとっては受け入れがたいのでしょう。
戦争を助長する組織をしょうがないとはいえ放置しておく、というのは……彼はこれまでの戦いでも、
色々とありましたから」
「だが、納得してもらわねばならん。彼はザフトの兵士なのだからな」
デュランダルの言葉にアスランは頷く。
「ところで、私を呼び出されたのはやはりオーブ関係の話ですか?」
「うむ。こちらでもアメノミハシラ越しに多少のコンタクトは取れるが、やはりそちらほど頻繁にはいかなくてね。
少々歯がゆいが贅沢は言えまい。ただ、今回はその話だけではないんだ」
デュランダルの顔に悪戯っぽい笑顔が浮かぶ。その顔をみてアスランは嫌な予感を感じた。
この顔は、何かろくでもないことを考えている時の顔だ、と。
「ミネルバの諸君にも紹介しなければならないのだが、事情を知る君には先に会ってもらおうと思ってね。
それと、ちょっとした説明を……」
「アスラ〜ン!」
ぎょっとしてアスランは振り向く。ホテルの廊下から手を振っているのは予想通りの人物で、だからこそ
アスランは驚きを禁じえなかった。
「ミー……いや、ラクス!?」
本名を言いかけ、慌ててアスランは訂正した。彼女の横に、ライブでも傍にいた赤服の男がいたからだ。
だか当のミーアが告げた言葉に、再びアスランは驚かされることとなった。
「ウフフッ! ミーアで構わないわ、アスラン。この場にいる人はみんな私の正体を知ってるから」
「何だって? それじゃ……」
アスランはミーアの後ろから歩いてくる赤服の男を凝視する。男はデュランダルと目配せすると、
微笑を浮かべてアスランへと右手を差し出してきた。
「アンタがアスラン・ザラか。FAITH所属、ハイネ・ヴェステンフルスだ。ラクス・クライン──
いや、ミーア・キャンベル嬢直属の護衛任務を受けている……ま、よろしく頼むわ」
久しぶりに大きく間が開いたこんばんわ。
しかしその割に分量は少なめ……ごめんなさいごめんなさいスパロボやっててゴメンナサイorz
ディオキアでの休暇開始&邂逅始まるの巻。シンへの鍛錬も始まったけど、これはちょっとだけ。
ついにミーア&ハイネとの邂逅。この二人は多分原作と相当かけ離れたキャラになる予定。
とりあえず見せ場はあるはず。ハイネは中の人が多忙(?)とはいえ、もうちょっと生きてもいいキャラだった……
次回もタイトルどおり、邂逅が続きます。ただし原作とは違い多人数で。
スパロボも終わってないし、次の更新はいつに……が、頑張って二週間を目処に!
旧神方も戻ってきてるようだし、気合を入れなおしていかんと。
GJ!
GJ!
まあまったりとやってくれ。
しかしホントドクターは自重しねえな。
50円投売りって1/144カオスプラモのことか。
ブラックロッジの生産力ですら数千機用意できたんだから、ドクターが
本気出してプラントも手伝ったら五桁くらいいっちゃうかもな>破壊ロボ
GJ!
ウエストはあらゆる意味で別次元だな。
実際破壊ロボ作ったところで、上の命令なんぞ聞きそうにないし。
アークエンジェルと別ベクトルで、敵味方に迷惑だ。
物語を捻じ曲げて旧神に至っちゃうのが西クオリティ
保守
保守
保守
遅レスでGJ!
おお、成長してるシンと、貞操観念あるアスランがかっこええ!
議長の衝撃発言に今後の展開が楽しみで仕方ない。
邂逅が複数組ということは、デモベ組みにも邂逅?
シン視点のティトウスはもう理想の人って感じですが、
そろそろ元世界寄りの自己中スイッチ入ったお侍さんも見たいなぁ。
しかし全てをひっさらうなぁドクターは。
>>388 この画像、知らないやつはまだいるんだろうか
ところエドガーとアズラットのアイオーンは微妙に形が違うって聞いたんだが
機神双刃のアンチクロスのアイオーンはどっちヴァージョンなんだ?
そこは明らかにされてない
出てきた時点でボロボロだったし
エドガーのアイオーンは左右非対称だな
デザイン画も存在してるけど、機神飛翔Nitrowars以外じゃみたことない
吾輩はデモンペインである
吾輩はデモンペインになれないのである・・・
貴様はデモンペインではない!!
吾輩が・・・吾輩達がデモンペインだ!!!!
俺がガンダムだといえば、九郎も九朔もガンダムの声やったんだっけな
しかもライバル同士
同じ劇団だしな
>>390 ここに・・・(´・ω・`)ノ
こりゃ何だ、いつ出たもんだ?
ハヅキ除くと書いてあるから少なくとも飛翔の後か?
デモベの続編期待していいのか?いいのか??
しかし見事にロリばかりですね
魔導書の精霊は今んとこ例外なくこんなんばっか
アルの断片はクト&イタも蜘蛛も鏡もムチプリお姉さんなのに何故だろうか
あくまで妄想だって書いてあんだろ
仮に続編が出るとしても村正とドグロの後だろ
母親(魔導書)はロリ
娘(断片)はムチムチ
@ゴルゴムの仕業
Aニャルの仕業
B宇宙意思(アカシック・レコード)
C絵師のしゅry
>>397 @アルが本来なりたかった体形が断片に現れた
Aアルハザードの趣味。アルがロリ体形なのは邪神がムチプリお姉さんの姿をとることを察知して。
そして自分の趣味じゃないロリ少女を書いてしまったアルハザードは、正気を保てず狂死したという。
>>399 どっかのサイトではニャルが犯人だと聞いたような。
なぜなら、アルがボインボインだと九朗の理性が持たなくて速攻で腹上死するからだそうなw
どっちにしろ理性保ててないけどな
つまりアレか、ロリでボインな体型の魔導書こそが最適だと?
ページモンスターを直接使役すんのって無理なのかな?
クト&イタは神獣弾で飛んでいく時にちょっとだけあの姿になるが・・・
探偵事務所を開業すんなら便利だと思うんだけどな
スパイダーマなアトラック・ナチャが諜報
クトゥグアがボディガードでイタクァが秘書
ニトクリスは…受付でもやらしとけ
アルがナイトゴーント使役してたぜ。
紅朔もアトラック・ナチャ使役してたな。
エイボン子を捕まえて剃毛したあと野外で●●●なことしたい
ルルイエ子欲しい
え?付属にインマウス面が?
>>411 0.1mmでも生えてたら剃る
生えてないなら嘗め回す
>>405 設定ではバルザイの円月刀も擬人化する予定だったそうな。
つかニトクリスはアレだ、汚い事務所を奇麗に見せる幻覚役だろw
常人如きが魔導書に勝てると思うてか
このスレに犇めいているのは変態という名の○○○○だけですよ、いあいあ!
>>388 これ見る度にいつも思うんだが、アンチクロスの面々の魔導書とはとても思えないなw
つーかやっぱりこいつらも持ち主のアンチクロスに手をつけられてるんだろうか?
>>419 魔導書と言っても一冊しかないわけじゃないし、別にアンチクロスの魔導書が精霊化したとは書いてないだろう?
持ち主次第で精霊化できないセラエノ断章は別にしても、アンチクロスの魔導書は原典には劣る写本なんだろう。
精霊出てきてないんだから。
大体、単に性欲処理をするだけなら街から適当な人間をさらって犯すなり壊すなりで使い捨てればいいんだから、
精霊に手をつける必要は無いだろう。
そもそものところで
精霊化するほどの魔導書ってのが珍しい
アル・アジフ、ナコト写本のような桁違いのものは自らの意思を持ってるけど
葉月やリトルエイダは外部からのパワーで精霊化してるものの自我薄いし
そりゃ葉月はレポート紙に書き写した即席写本だからな
魔導書連中の中で一番の年下じゃぜ
金枝篇に至っては、大きな図書館なら普通においてあるぜ?
アンチクロスの魔道書の中で、本来一番凄いのはエイボンの書で、
オリジナルならナコト写本より遥に上……の筈なんだが、
あんまり質の良くない写本って本人が言ってるからなぁ。
それに、魔術師エイボンの晩年を見るに、あんまり記述に信が置けない気がするしな。
そもそも精霊が幼女っていうところが色々終わっている
>>420 逆十字の影響でティトゥスは原典であって欲しいと思った俺ガイル
ティベリウスも原典っぽいな
アンチクロスの面々なら普通に特に理由が無くても精霊とやりそうだけどな〜
元々変態○○○○ロリペドみたいな危険な連中の集まりだし
>>425 その場合、特に妖蛆の秘密の死亡が確定するがいいんだな?
>>426 邪悪な魔導師集団なんだから、きっと精霊は氏賀Y太やいれくば堂みたいなことになるんだろうな
いれくば堂じゃ実際にアルがなってたしな
>>428 アザトースの庭で外なる神に弄ばれながら、な
ティベ公とエログロな事を死にながらする妖蛆の秘密たん・・・・
いいね
フランケンふらん思い出した
でも普通の魔術師は魔道書=道具扱いだしそもそも欲情しないんじゃないか
ティベ公ですらアルやエセルには興奮してた覚えがない
逆十字のお侍さんには魔道書ロリ萌えに目覚めてほしいと思っているが
>>432 ティべは思いっきりアルに発情してただろ、
覇道邸襲ったときに待っててねー姫より後で〜とか言ってただろ確か
後エセルは照夫の所有物だから欲情<<<畏怖だったんじゃないか
まぁティベには挨拶みたいなもんだろうな・・・
リトルエイダってさ、やっぱり覇道鋼造がテリオンに殺られた時に
ついでに始末されたとかだったりするのかなぁ。
いや俺の隣で寝てるよ
>>435 覇道鋼造が使ってないところを見ると、それ以前に始末されたかぶっ壊れたかしたんだろう
>>437 きっと覇道邸の別荘、プールの下辺りにでも第二のデモンベインと眠ってるんだよ
普通に考えればループ中にL.Aが産まれた時が特別なんだろうけどね
今日の00にティベいたね
>>438 キリリと、時計を巻き戻されただろうがw
LAなら、デモンベインの中に記憶として残っているよ
ふと思ったが、今飛翔を作ったらゴリアテ+LAに乗って戦う九朗とか出てくるだろな
アルが紅朔に吸収されるのがちょっと早くて、その間にデモベ+LAとかな
あと、九朗とあった後のアルだとLAとは普通に仲良くなれそうだな、LAの性格的に
九朔達にとっては種違いの姉の誕生でもあるな。
鋼造が父と考えると、種違いでもなくないか?
リトルがあるならビッグもあるよな
熟女エイダでいいよ
オーガスタ・エイダ・ダーレスの本物は本編のころにはいい年齢になってないか?
エイダがリトルと呼ばれるのは、エイダ・バイロンと言う有名な女性が居るからだ。
同じ一族で、同じ名前の人間(特に著名人)が居る場合、先人の方に大をつける(例、大バッハ、小バッハ)。
小エイダはエイダ・バイロンとは血縁関係には無いが、
最初のプログラマーとも言われるこの女性に因んで名付けられたので、意図的に小エイダよばれていると思われる。
因みに、デモベの時代には既に死んでるぞ。
瑠璃の母親もエイダだし瑠璃母にちなんで名付けたって記述無かったっけ?
因みに婚前の名前はオーガスタ・エイダ・ダーレス
間違えた
本編じゃなくて飛翔か
海に面したディオキアの街。心地よい潮風が吹く海岸線沿いの道路を、一台の車が走っていた。
オープンタイプの車体の運転席にレイ、隣にはシン。そして後部座席にはホーク姉妹が座っている。
「いやー買った買った♪ やっぱりショッピングは楽しいわ。う〜ん、休暇最高!」
「お姉ちゃん、ほんと服も化粧品もいっぱい買ったよね。シン達もありがと、荷物持ちしてくれて。
レイにはレンタカーまで出してもらっちゃったし」
「気にするな、俺は気にしてない」
「メイリンも随分買ってたじゃない。さっきのランチでは割勘にかこつけて一番食べてたし。っていうか、
訊こうと思ってたけどヨウランやヴィーノはどうしたのよ? てっきりあっちと出かけると思ってたのに
あたし達についてくるなんて、珍しい」
「それがね、何かディオキア限定のラクス様グッズが前のライブと連動で売られてるとか何とかで、
絶対買いに行くって変に盛り上がっててさ〜。わざわざ付き合うのもばからしくなっちゃって」
「うわ〜……ハマっちゃてるわねあいつら。知ってる? 連中ラクス様が復帰した当初はイメージが違うだの
なんだの結構愚痴ってたのよ」
「え〜、それホント!?」
「ホントホント! それでさ──」
姉妹の姦しい喧騒を尻目に、前の席は会話の一つもなく静けさを保っている。
普段から無口なレイはいい。だが普段なら多少は会話に絡んでくるはずのシンは難しげな顔で、延々と海を
眺め続けている。先ほど街を回っていた時も呼びかければ反応こそするが、ずっとこんな調子だ。
あまりの温度差に耐えかねて、メイリンは一度会話を切るとひそひそ声で姉に訊いた。
「ねえ、シン一体どうしたの? 少し前までは気が抜けてて変だったけど、今日はずっと不機嫌そう。
私がついてきたのがまずかったのかな?」
「ううん、メイリンのせいじゃないし、機嫌が悪いわけでもないのよ。昨日議長に呼び出された時に、
ちょっとあってね。シンも複雑なのよ、いろいろ」
「議長に直接怒られでもしたの?」
「そうじゃないんだけどね……」
むしろシンが議長に怒りたいところでしょ、とはルナは口に出さなかった。ルナ自身議長の話には理解は
出来るが、完全に納得出来るかといわれればしっくりはこない。
しかし、それを今ここでどうこう言っても仕方のないことだ。
当面の問題は話の内容ではなく、そのためにシンが悩んでいるということ。アカデミー以来の腐れ縁ゆえに、
シンがウジウジと悩み続けている様を見ていると調子が狂って仕方ない。
レイもそれが気になっているようで、彼にしては珍しく自発的に観光スポットを調べ、今ハンドルを握って
そこへと向かっている。
このわずかな休みの間に、シンの気が少しでも解れてくれればいい。その想いはレイもルナも一緒なのだ。
(あたし達がこんなに心配してあげてるんだから。しっかりしてよね、シン)
数十分車を走らせた後、砂浜から徒歩で数分。一向は少し人里から離れた海辺の岩場へと到着した。
その岩場の一部、岬状に大きく海へと突き出た場所こそがレイの調べた観光スポットだった。
日の光を受けた青い海が一面に広がり、遠目にはディオキアの街も見える。
「結構綺麗じゃない! 海なんて艦の上で散々見てきたから今更って少し思ってたけど、
こういうところから見てみるとやっぱり違う気がするわね」
「夜だと街の明かりが映えて美しいそうだが、日中の景色も中々のものだと聞いてな。街から距離が
あるのもあって、この時間帯は人も少なくほとんど穴場扱いらしい」
「へ〜、私は夜の景色も見てみたいな」
三人が景色を話している横で、シンもまたぼんやりと海を眺めていた。だが海の青はシンの目に映るだけで、
その心には響かない。
シンの頭には、昨日議長が話した言葉が何度も繰り返されていた。
「無論、ロゴスを放置しておくつもりはない。だがロゴスは先に言ったように、古今東西の利益を求める者たちが
集まった集団だ。それぞれ違う職業、地位、権威を持つ人間が大量に集まることで、政治や経済に強い
影響力を持つ大組織を形作っている……もし彼らが突然、一斉にいなくなってしまったら?」
ロゴスメンバーの中には国や企業の要職に名を連ねる人間も数多いという。それらが全員その役職を
追われるなどということになれば、どうなるか。
最悪の場合、体勢を維持できない国家や企業が出る。一つ二つならそれでも世界全体は回り続けるが、
それが大量に、世界規模で起こるのだ。
そうなれば世界はたちまち大混乱と大恐慌に見舞われるだろう。金と物の流れは完全に停止し、輸出入に
頼っていた国は瞬く間に飢餓と貧困にあえぐことになる。行政の管理を失った国の治安は失われ、
犯罪が横行する無法地帯が生まれる──その被害は戦争などよりも遥かに大きいものになるかもしれない。
少しオーバーかもしれないが、その可能性は決して低くないと議長は言った。
「それを防ぐ為に、私はロゴスの体制を維持しつつ、その中の戦争を望む者達を排除できないかと考えている」
ありとあらゆる経済に干渉するというのなら、その中には当然戦争では利益を得ることが出来ない者、または
戦争によって利益どころか損害を受けてしまう者もいる筈。また多数の人間が集まっているからには、心情的に
戦争を好まない者も決して少なくはないだろう。戦争で得られる利益が莫大であるがためそういう者達の意見は
主流派に封殺されてしまっているが、もしそれらの穏健派、少数派とでも呼べばいい者達をこちらに
引きこめるなら。
そこを皮切りにロゴスの内部に切り込み、多くを懐柔する事も不可能ではないのではないか。
「戦争を推し進めている主流派にしても、戦争はあくまで手段に過ぎない。儲からないとなれば即座に
戦争を止める方向に動く、所詮その程度の小物の集まりだ。劣勢になったところに多少の見返りを与えれば、
掌を返させるのは難しくはない。それでもまだ意固地に戦争を煽るような愚か者は残るだろうが──
そのような輩は排除せざるを得ないだろう。そこから混乱は多少なりとも生まれるのは必至。だがそれを
収めることこそ私の仕事だ」
毒を喰らわば皿まで。戦争を終わらせるだけでなく、その後の混乱を最小限に防ぐ為に。そのために
あえてロゴスという毒を呑み込む必要がある。
無論こちらがその毒に侵されぬ程度に薄めなければならないが、とデュランダルは冗談めかして苦笑していた。
しえん
(言っていることは分かるさ……分かるけど、でも!)
ロゴスのせいで戦争が行なわれ、そのせいで命を奪われた人達がいる。大事な物を奪われた人達がいる。
そしてそれは今も続いていることだ。
そんな連中を見逃すどころか、懐柔するなどと。それが後の平和の為であるとしても、納得できない。
今も失われているであろう弱き人々の命は、既に奪われてしまった者達の埋められない悲しみや
憎しみはどうなる。平和の為ならば、それらは全て切り捨てられて当然なのか?
(だけど──)
しかしその憎しみに駆られた人々の醜い姿もまた、シンは識っている。その身に受けた苦痛を、それ以上の
憎悪をもってして相手に返す人間の姿を。その余りにも醜く、惨たらしく、哀しい悲劇を。
そして自分は彼ら以上に、己の手を血で汚している。連合の兵を、故郷を焼いた国の人間を……そして、
故意ではなかったとはいえ虐げられていた人々を。
シンもまた復讐者だ。家族をその手にかけたフリーダムは未だに許せない。だがガルナハンで見た復讐者達の
姿を見て、自身も彼らと同類であるとシンは認めたくはなかった。
アスランさんは言っていた、間違いを間違いと分かってさえいれば……俺は力のない人を守るために……けど
弱い人は復讐者で、故郷を焼いた連合の兵は命乞いをする弱者になった……全ての元凶はロゴス、奴等さえ
いなければ……けど奴等を殺せば世界中が混乱してしまう……いや、悪いのはフリーダムだ……アイツが
俺の家族を……絶対に許さない……けどそれじゃ俺も同じ……ジェスさんやティトゥスさんの言っていた言葉は──
(くそっメチャクチャだ! なんでこんな……もう、訳が分からないっ……)
支離滅裂な考えがシンの頭の中で混ざり合い渦を巻く。オーブを出てから直面してきた数多くの出来事と
衝撃の連続に、シンの精神と思考はとうに限界を振り切っていた。
疲れた。もう何も考えたくない──シンが思考を放棄しようとした、その時。
明るく陽気な鼻歌が、シンの耳に入った。
「これ、ライブでも歌ってたラクス様の曲だね」
「地元の人達かしら? 歌ってる子、結構カワイイじゃない。でも、こんなところで踊るなんて危ないんじゃ……」
「柵がないとはいえ、流石にそこまで考えが回らない事はないだろう。見た目より随分幼げに見えるが」
仲間たちの声につられて、歌のするほうに顔を向ける。
同年代くらいの若者が三人、岩場の反対の端から海を眺めていた。先客だったのか後から来たのか、
悩みに没頭していたシンは彼らの存在に今まで気付かなかった。
その中の一人、金髪の少女がクルクルと回りながらラクスの歌を歌っている。
柵のない岩場で舞い歌う少女の姿を、シンは知らず知らずのうちに目で追っていた。少女の顔を何処かで
見たような気がしたからだ。
記憶を掘り起こそうするシンの視線の先で、少女は相変わらず踊りながら、ゆっくりと岩場の突端方向に
移動し続け──
「……へっ?」
その身体が傾いたかと思うと、突然彼女は消えた。
歌の途切れた耳に届いたのは、ボチャンと何かが海に落ちる音。それに仲間や少女の連れも気づく。
一瞬の間の後、
「「「……落ちたーっ!?」」」
ホーク姉妹と水色の髪の少年の絶叫が、全員に事態を認識させた。
「アウルテメェ、なんでステラを見てなかった!?」
「なんだよスティングだって見てなかったろ!」
「おおおおおお姉ちゃんどうしよ!? どうしよ!?」
「落ち着きなさいメイリン! こういうときは深呼吸、スーハーハーハー……ァッ!」
「吐き過ぎだ! お前も落ち着けルナマリア! 俺達が乗ってきた車にロープがあったはずだ、急いで──」
誰もが落ち着きを無くし、混乱を極める中、
「──っ!」
シンは反射的に駆け出し、その身を海へと投げ出した。
シン達がある意味激動の最中にいた、丁度その時。アスランは再び呼び出されたホテルのレストランにて、
二人の人物と昼食を楽しんでいた。
いや、楽しんでいたという言葉には少々語弊があるかもしれない。
「議長の執務室に乗り込んだぁ!?」
「おう! 核攻撃を何とか防いでやれやれって時に、いきなりテレビがついたと思ったらミーアが出てきやがって。
しかもラクス・クラインの格好でだぜ? 気づいた時にはもう議長のとこに怒鳴り込んでたよ。
何やってくれてんだアンタはぁ! って感じで」
なにせそこで語られる話の内容は、外部に漏れれば様々な問題を巻き起こすであろう恐ろしい暴露話だったからだ。
「いや、今思い出すとゾッとするねホント。もしプラント防衛戦でFAITH授与が確定してなけりゃ間違いなく
首切られてたぜ、文字通りの意味で。そこはまあ穏便に済ましてくれた上に彼女の護衛に回してくれた
デュランダル議長に感謝ってやつだ。ま、向こうにも色々思惑はあるんだろうけど」
とんでもない話を平然と、笑みすら浮かべて自信気に語るハイネにアスランは唖然とし、
ラクス──ミーアは苦笑していた。
「は、はぁ……しかし、よくミーアだって分かりましたね。顔も完全にラクスだと思いますけど」
「ふふん。俺は昔ボーカリスト目指してたんだ。インディーズで中々いいトコいってたんだぜ?
前の戦争が始まった時にザフト入りしちまったけど。ま、その音楽活動してた時期にミーアと知り合ってな、
声もしっかり覚えてたわけだ」
「そりゃ、ハイネとは結構顔を合わせたりしてたけど……まさか、声だけであたしとラクス様を見分ける事が
できるなんて。他の人は誰も気付かなかったのに」
「バーカ。いつも言ってるだろ、お前とラクスじゃ全然違う。発声の仕方から抑揚のつけ方、音程の幅まで
何から何までな。見た目がラクスだからどいつもこいつもイメージだけが先行して、疑いを持ってないから
騙せてるだけだ。毎度毎度自惚れてんじゃねえよ」
「あーもういっつもいっつもうるっさいわね! 分かってるわよ、今のあたしの人気はラクス様の人気で、
あたしの歌のおかげじゃないことくらい! え〜え〜ニセモノで悪かったですね!」
「その程度で化粧が剥がれてたらすぐバレちまうぞ。おしとやかにしてくださいませラクス様、ってな。
ま、無理か」
「ムキ〜! なんでよりによってあんたなんかが気付いたりしたかな〜っ!」
普段のラクス像とは一変し、ハイネに怒鳴り散らすミーア。そして彼女の癇癪をのらりくらりとかわして更に
彼女をおちょくるハイネ。アスランはハラハラしながら、二人の顔と部屋の扉へ視線を交互に動かしていた。
この個室は外に音が漏れるような安普請ではなく、盗聴器等のチェックも事前に行なわれているのは
聞いている。だがそれでもつい神経質になってしまうのはアスランの性格ゆえか。
そんな中、マネージャーに呼び出されてミーアが退室する。何かスケジュールの変更があり
少し簡単な打ち合わせをしないといけなくなったらしい。必然的に、個室にはアスランとハイネの二人が
残される。
「少し意外でした。活発な印象は元からありましたが、ああいう一面もあるんですね、彼女」
ミーアのハイネへの態度を思い出し、アスランは苦笑しながら言う。やれやれという身振りをしながら、
ハイネは答えた。
「そうかい? あいつはアレが地だぜ。ま、気づかれてないってことは、それなりにラクスも
板についてきたってことかね」
「彼女のこと、よく知っているんですね」
「言ったろ、インディーズ時代からの腐れ縁さ」
冗談めかした軽口ばかりのハイネに苦笑するアスラン。笑みを返すハイネだったが、ふとその顔に
憂いの色が差した。
「なあ、アスラン。ほとんど初対面のお前に言うのもなんなんだが、ちょっと愚痴らせてくれ。
ミーアの正体を知ってる人間で、こんなこと話せるのお前くらいしかいないからさ」
「はい?」
「インディーズ時代に、俺はミーアの歌を聞いてるんだ。ラクスの歌じゃない、本当のミーアの歌を」
そりゃヘタクソだった、とハイネは言う。声はラクスに近いがただそれだけ、という周囲の意見を彼自身も
認めていたと。
「けど、俺はこうも思った。『これは絶対に大化けする!』ってな」
声がラクスに似ているとか、そういう話ではなく。荒削りな歌声の中に密かに、だが強く輝く才能の片鱗があった。
こいつはいつか大物になるという、確信が。
その確信はあながち間違いではなかった。今のミーアの歌は本来のラクスにはなかった魅力が確実にある。
今のミーアの人気は決してラクスに乗っかったからだけではなく、彼女の実力の成果も少なからず存在するのだ。
だが、それによって評価されるのは『ミーア・キャンベル』ではない。
どれだけ実力がついても、歌に人気が出ても、結局売れるのは『ラクス・クライン』の名前だけ。ステージに
立っているのは自分なのに、本当の自分にはだた一つの賞賛も、ただ一人の歓声も、名前すら呼ばれることもない。
「俺が一番懸念してるのは、そのうちミーアが『ラクスの代わりをしたい』じゃなく、
『ラクスでいたい』と思い始めるんじゃないかってことだ」
評価されたい。賞賛されたい──それは人間なら少なからず持つ思い。『ミーア・キャンベル』のままでは、
自分に賞賛が向けられることはない……ならば、本当に『ラクス・クライン』になってしまえばいい。
そう思ってしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
だが一度その味を占めてしまえば最後、もう『ミーア・キャンベル』には戻れない。彼女はその栄光と
快楽に魅了され、永遠に『ラクス・クライン』から抜け出せなくなるだろう。
「ザフトに入ってからも、ミーアのことは応援してたんだ。インディーズの楽曲も全部手に入れてたし、
いつメジャーデビューできるか楽しみだった……けど、俺はこんな形のデビューを期待してたわけじゃねえ」
だから頭に来た。彼女にラクスの真似事をさせる議長が、そしてそれを感受するミーアが。
「あのバカに自分が『ミーア・キャンベル』だってことを忘れさせないために……そのために俺はここにいる。
あいつをラクスになんぞ、ならせてたまるもんかよ」
俺の聞きたいのはラクスの歌じゃない。ミーアの歌だとハイネは言い切った。
「……自分の歌で誰かを安心させたり、勇気付ける事が出来るなら、それが嬉しい……か」
初めて会った時、ミーアの言っていた言葉をアスランは思い出す。
あの言葉が嘘だとは思わない。だがそれが変わらないとも、決して言い切れはしない。
人はあまりにも弱く、うつろうものだから。それは自分が一番よく知っている。
「……議長はいつまで、彼女をラクスの代わりに使うつもりでしょうか」
「知るかよ。そんなのは議長か、本物のラクス・クラインに聞いてくれ」
ハイネは冗談で言ったつもりだったのだろうが、その言葉はアスランの胸を突き刺した。
何故ならアスランは、本物のラクスが今どういう行動を取っているか知っているのだから。
(ラクス、それにキラ……お前たちは今、何をやっている……?)
その後すぐミーアは戻り、それ以上その会話が続く事はなかった。
海に飛び込んだシンは、何とか少女を助けて陸地に戻る事に成功した。
溺れかけた人間を助けるのは訓練された軍人といえどかなりの重労働で、二人揃って砂浜にぐったりと横たわる。
濡れた服に入り込んだ砂のザラザラした感触が、今は気持ち悪い。
「あー、無事でよかったぁ」
「すまんなシン。何も出来なくて」
「あっちの子も大丈夫みたいよ。ヒーローね、シン」
仲間達の労いの言葉もほとんど耳に入っていない。なんでこんなことに──沸々と怒りが混み上げて来る。
「おいアンタ!」
疲れも忘れて、シンは仲間や少女の連れを押しのけて少女へと詰め寄った。
「周りが見えてないんならあんなところで踊るな! 死ぬ気かこのバカ!」
「っ!」
「あ、ヤベッ!」
水色の髪の少年が声を上げる。掴んだ少女の肩がビクリと震えたのが掌から伝わった、その直後、
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「っ!?」
絶叫が耳に響くと同時に強い力に腕を引かれ、シンは再び地面へと叩きつけられた。
「な、何っ!?」
「嫌、嫌ぁっ! 死ぬのは、死んじゃうのは嫌! いやぁ!」
「クソッ、落ち着けステラ!」
砂に突っ伏したシンが少女へと目をやると、半狂乱で泣き叫ぶ少女の姿がそこにあった。連れの男二人が
押し留めようと腕を掴むが、大の男二人の力にも屈せず少女は暴れ続ける。
「怖い……怖い! 死ぬのはいや……怖いよぉ! 死にたくない!」
「あ……」
死を恐れ、涙する少女の姿。その姿を見たシンの脳裏にいくつもの光景がフラッシュバックする。
自分の駆るインパルスを、震えながら見上げる人々。
映像で見た、連合兵によって一方的に蹂躙され逃げまどうガルナハンの民。
報復として捕らえられ、殺されていく仲間と憎しみに燃える住民たちを前に命乞いをする連合兵。
──そして、家族を失い絶望に涙した、過去の弱かった自分。
(この子も、どこかで同じような体験をしたのか……?)
目の前の少女は、そんな人間たちとどこか似ていた。失うことを恐れる姿、恐怖に怯えた瞳。
そう思ってしまった直後、シンは矢も盾も溜まらず立ち上がると、少女の身体を抱きしめることで押さえ込んだ。
なおもシンを振りほどこうとする少女の手や肘が胸や腹に突き刺さるが、シンは引かない。
少女の絶叫をかき消すように、声を張り上げて呼びかける。
「大丈夫だ! 君は死なない! 俺が、俺が護るから! 君を絶対に死なせたりしないから!」
「っ! あ……」
「だから大丈夫、大丈夫だから……怖い目になんか合わせないから」
シンの言葉に少女はハッとシンを見上げ、その身体から力が抜ける。
「落ち着かせた? あそこまで恐慌状態だったステラを……」
驚いた顔をする緑色の髪の少年。それには気づかず、シンは手の中の少女を、軽く頭を撫でながら
出来るだけ優しい声で話しかける。
「もう怖くない?」
「うん……ねえ」
「ん?」
「本当に、ステラのこと護ってくれる?」
「ん……ああ、勿論。君が……ステラが怖い目に合いそうな時は、俺が護るよ」
「……あはっ! ね、名前、教えて」
「あ、そうか。俺はシン・アスカ。君は……ステラでいいのか?」
「うん、ステラ! ステラ・ルーシェ! あとね」
残った涙の跡の印象をかき消す花のような笑みを浮かべ、ステラは告げた。
「シンの後ろで変な笑い方してるのが、スティングとアウル!」
その言葉にシンは一瞬呆けた後、ゆっくりと後ろを振り向く。
そこには歯を見せて笑いながらも、目はまったく笑っていない二人の少年が仁王立ちしていた。
「色々と礼をいうべきだなのは分かっているが、ちょっととその前に話をしようか」
「とりあえずさぁ、ウチのステラといつまでくっ付いてるつもりだい? 色男さんよ」
「へ? って、あ!」
未だにステラを押さえ込んだ──つまりは抱きしめた状態でいた事にようやく気づいたシンは真っ赤になり、
慌ててステラから離れる。しかし今更遅いと言わんばかりに、シンへとにじり寄るスティングとアウル。
シンは助けを求めて仲間たちを振り返るが、
「シン、手を出してしまった以上男なら筋を通すべきだと俺は思う」
「頑張れ〜シ〜ン♪ ……ナムナム」
既に距離を取り、レイとメイリンは我関せずを貫いていた。
「お、お前らなぁ! ル、ルナは……」
「はーいステラ、シンはお兄さん達とお話があるみたいだから向こう行ってましょうね。あ、ビショビショな
服も着替えたほうがいいわね、風邪引いちゃいけないわ」
ちゃかりステラを確保してシンから引き離すルナ。追いすがろうとするシンにルナは振り向き、
満面の笑みを返すと……
「くたばれ、ラッキースケベ」
右手で立てた親指を地面に向け、下へと振り下ろした。
顔面蒼白になるシン。状況を理解していないステラが、くちゅんと可愛いくしゃみをした。
なぜか00FとPまとめ買いしてしまったよこんばんわ。
SEED書いてるんだからその前にフレイムアストレイとか買えよ……
しかしどちらも本編とは雰囲気違って悪くない。クセはかなり強いけど、特にF。げひゃひゃ。
それはさておきステラが落ちて会っちゃったの巻。パイロット+αズ、ほぼ初の顔会わせ。
敵味方が出会うのはまあ定番の流れ。それをシンステだけじゃなく他の連中にも広げてみた。
んでもってハイネ西川さん。中の人繋がりで元音楽関係志望者ってのもよく見る設定だけど、
そこからミーアとの繋がりを作れるんじゃないかと思いこんな感じに。なぜかかなり軽い性格になったけど。
次回で邂逅終わり……の予定。
しかし主役のはずなのに定期的に影の薄くなるティトゥスってのはどうなんだろ……正にジョセフ(マテ)
大本の元凶を辿るとロゴスではなくて本来理事国のものであったプラントを奪ったコーディなんですけどね
この議長はかっこいいな。凸も輝いてるしいい作品だ
ティトゥスは…ジョセフポジなら最後の最後で美味しいところを持っていくんだぜ!
悩み続けるシンはどんな答えを見つけるのか
逆十字の人乙&GJ!
ここで全員顔合わせるのは意外とみない展開な気がする。
>主役
さすがにジョセフほど寝たきりじゃないから大丈夫、最後誰かリョーガしてくれるのかは今からwktkだがw
ジョセフはジョセフである意味ニトロ的な味のあるいい主人公だったと思うよ。
このスレの創造神は今何処。
もう何年前になるか。
初代の人はもうここ一年ほど音沙汰無いし・・・もう無理かね
誰かに続編書いてほしいもんだが
GJです!
ハイネやミーアはかなりいい役どころになりそうな予感。
自分の歌と出るとミーアは最近のスパロボZで神改変されてかなり印象的だったのを思い出す。
周りにみんないる時にステラ助けるってのも新鮮でおもしろかったです
次回も期待してます。
GJ
何故か途中送信OTZ
逆十字GJでしたー。ハイネとミーアが原作といろいろちがくなりそうでおもしろそう
>>460 主人公がプラント側な以上『プラント施設の占拠』は無かった事にしないと
他にも種はザフトが元凶な設定が山ほどあるし
設定だけ見るとザフトはブラックロッジ以上の人類の敵なんだよ
プラントでもコーディでも無く政治結社のザフトが
まあ泥沼になった戦争でどっちが元凶だとか言っても虚しいけどね。
その元凶だって空から降ってきたわけじゃないんだ。
そんなことより逆十字の方GJ!
種死は、アレだけ人がいるにもかかわらず、皆皆ひとりぼっちor一人より悪いマイナスにし合ってる感じがしてたんですが、この世界では、皆がちゃんと皆と一緒にいるようで、とても嬉しい。
そのつながりが良くも悪くも。
保守
保守
ジョセフで思い出したけど本編終了後もスノウが普通に生き残ってて吹いた
最終回のアレは一体何だったんだ……
は?死んだろ、最後のバイクに全員一同が写ってただけで
漫画二期よりさらに後がアニメの最後
漫画の最後で死ぬんじゃね?
>>467 それ以上はブルコススレでやりましょう。
以下通常の流れでよろ。
「ステラの着替え、終わったわよ男ども」
ルナとメイリンに連れられて、服を着替えたステラが車から戻ってきた。
「こういう服初めてだけど、嫌いじゃない……ありがとルナマリア、メイリン」
「どういたしまして。と言ってもその服全部メイリンのやつで、あたしは選んだだけなんだけど。
もうちょっと胸があればあたしのもぴったりだったのにね〜」
「お姉ちゃん、それ自慢のつもり?」
「あ、でもステラ腰細いから下はあたしのでも入ったかも。メイリンのじゃブカブカかしらね〜」
ジト目で睨んでくる妹をスルーし、悪びれもなく言うルナ。今にも爪かハンカチでも噛みそうな勢いだなと、
唸るメイリンを見たシンの頭にそんな考えが浮かんだ。
「ほらシン、ボーっとしてないでステラに言ってあげないと」
「へ?」
「感想。男なら気の利いたこと一つぐらいいえないとダメよ」
ルナに言われて、シンはステラの姿をまじまじと見つめる。
ロゴの入ったシャツにショートパンツというラフな服装。先ほどまで来ていた清楚なワンピース姿とは
イメージが随分変わり、活発な感じが強く出ている。露出度も上がっており、ついシンは赤面してしまう。
とはいえ、中身は相変わらずぼけっとしているのは変わらないらしい。何故シンが顔を赤くしているのか
分からないらしく、不思議そうな顔で首を傾げている。
「シン、どうしたの?」
「い、いや……似合ってるよ、ステラ」
「ありがと。それよりシン、顔が少しヘン。赤いけど、少し青い」
「あ、いやこれは……なんでもない」
アウルに一発もらって出来た頬の痣を手で隠しながら、慌ててシンは言いつくろう。ちなみに
後頭部にもスティングにもらった一発でたんこぶが出来ている。
ステラを助けてくれたからその程度で済ましてやる、と言って憮然としていたスティングは表情を崩すと、
ルナとメイリンに頭を下げた。
「本当にありがとうございました。服までお世話していただいて……代金はこちらで支払わせてもらいます」
「そんな、いいですよそんなこと気にしないで」
丁寧な対応を示すスティングに、メイリンがあたふたしながら返す。
「しかし、それではこちらの気が済みません」
「いいじゃんスティング。気にしないって言ってるんだからさ」
「アウル!」
生意気な態度のアウルをスティングが諌めるが、それに反発するようにアウルは口を止めない。
「それに服もらったのはいいけど、あんまりセンスがいいわけじゃないし。ステラには似合ってるけど、
自分で着てたらはみ出すんじゃね? 脂肪とかがさ」
「ぬぁんですって〜!?」
アウルの言葉に怒ったメイリンがズカズカと彼に詰め寄る。半ば冗談のつもりで言ったアウルはその反応に慌てた。
「な、なんだよ!」
「何よ! そっちだってそんなにセンス良くないじゃない! その服、なんか古臭くて似合ってないよ!」
「んなっ!? こ、これは僕が選んだんじゃない! ネオの奴が……」
「それじゃ、ほんとはセンスがあるって言うわけ!?」
「あ、あったりまえだろ!」
売り言葉に買い言葉とはこのことか。他人の入り込む隙間のないまま、メイリンの勢いにアウルが圧倒されていく。
どうやら先ほどルナにスタイルで勝ち誇られた怒りも吐き出しているようだ。
「じゃあ、選んでよ!」
「はあ!?」
「代わりの服、きみに買ってもらうから一緒に来て選んで! それにシンの代わりの服も
買わなきゃいけないから、そっちも!」
「なんでそうなるんだよ!?」
「あの、メイリン、俺は別にこのままでも」
「シンは黙ってて!」
「はい……」
「メイリン、怖い……」
一喝によりシンは即時降伏、ステラは怯えてしまってその背中に隠れる始末。普段はどちらかといえば大人しい
のだが、怒ると怖いのはやはりルナの妹である。
「もうそれで構わないだろう。付き合って差し上げろ、アウル」
投げ遣りに、スティングはアウルへとそう言い放った。
「スティング!?」
「お前もステラを見てなかったんだ、責任はあんだからそれぐらいしろ……お前にセンスとやらが
あるかどうかは甚だ疑問だが」
「あ〜もう……分かったよ! 行きゃいいんだろ行きゃ!」
観念したのか、不満げな表情ながらも承諾するアウル。メイリンはよしっ、と胸の前で両掌を握り、
絶対に勝つといわんばかりに気合を入れる……何をどう勝つつもりかは知らないが。
「メイリンはそれでいいとして……スティングさん、だっけ? あたしも一つ注文してもいいかな」
「ええ、勿論」
「それじゃあここであったのも何かの縁だし、今日の夕食一緒にどう? あたしの分はそっち持ちで、
っていうのがあたしへの支払いってことで。そっちの都合がよければだけど」
「ええと、確か合流が……大丈夫だと思います。あまり遅くならないようなら、ですが」
「それはこっちも同じね。あとこれはお願いなんだけど、同年代みたいだし敬語はやめてくれない? あたしは
ずっと普通に話しちゃってるし」
「……オーケー。こっちもその方がやりやすい」
「決まり」
スティングが笑い、ルナがそれに笑い返す。
「皆もそれでいいかしら?」
「うん! シン一緒、みんな一緒、嬉しい!」
「ああ、そうだな。俺も構わない」
「俺に異論は無い」
「うん、いいよ。でもお姉ちゃんいいな〜、一人だけ奢りで食べ放題なんて」
「それじゃお前もそっちにすりゃいいじゃんか、服なんかよりさ」
「それはダメ!」
「ちぇっ……まあメシについては僕も文句ないよ」
満場一致。満足気にルナは頷く。
「さてと、それじゃ行動しますか! シン、車乗る前に出来るだけ水絞っておきなさいよ!
さあ、食べる前に動いてガンガンお腹空かせるわよ〜!」
そう宣言して車の方向へ歩いていくルナ。その嬉々とした様子に、スティングはふと漏らす。
「どんだけ食う気だ、あの女……」
その直後、ポンと二つの手が同時にスティングの両肩を叩いた。
「覚悟はしたほうがいい」
「ご愁傷様です」
それだけ言って、レイとメイリンはルナを追っていく。話を聞いていたアウルは複雑な顔をスティングに
向けた後、同じように歩いていく。
「足りないなんてことはないよなあ……いざとなったら、ネオから借りたカードがあるからいいか」
諦め気味な呟きは、海辺で服を絞っているシンと付き添うステラには聞こえなかった。
──後日、預金の残高を確認したネオが絶叫したとか、しなかったとか。
「あ、それとかいいんじゃない?」
「これかぁ? よっと」
街中のショッピングセンター内。衣料品関係のショップが設置された階で、メイリンに促されて
アウルはジーンズをハンガーから取る。
「ねえねえ、これもいいんじゃないかな? アウル君やっぱり変に気取ったのよりも
カジュアルな服のほうが似合うよ、絶対」
「ん〜、今までそんなの気にしなかったからなぁ……お、それカッケーじゃん」
メイリンから迷彩色のジャケットを手渡され、珍しげに目を輝かすアウル──と、そこでハッとして気づく。
「ってお前が僕の服を選んでどーすんだよ! 僕がお前の服選ぶって話じゃなかったっけ!?」
「あ、そうだった。エヘヘ、ごめんごめん。それじゃお姉ちゃん、私たち向こう行ってるね〜!」
「おっおいちょま! 僕を置いていくな!」
女物を専門に扱うブースに早足で向かうメイリンを、アウルが追いかける。試着室の前に立っていたルナは、
その様子を少々呆れ気味に見ていた。
「はしゃいじゃってまあ。でも、あれじゃ一着や二着じゃ止まらないわね。あのアウルって子、
押されたら弱そうだし……お金大丈夫かしら?」
そんなことを考えつつ、ルナは試着室の中に呼びかける。
「シン、もう終わった?」
「ああ、あとこれで……今出る」
試着室のカーテンを開け、濡れた服から着替えたシンが出てくる。その姿を見たルナが眉を潜めた。
漢字の『兄』がでかでかとプリントされたシャツに、その上からやけに真っ赤な長袖のパーカー。下は
色褪せた生地に絵やら文字やらが所狭しと書かれたジーンズで、ベルトは留め金がなぜかドクロを象っている。
単品で見ればどれも決して悪いものではない、悪いものではない、と思うが──
「……とりあえず、アウルのセンスは疑わざるを得ないわね」
ため息をついたルナにシンは乾いた笑みだけ返し、ふとキョロキョロと周りを見渡す。
「あれ、他の皆は?」
「メイリンとアウルは服探し。レイとスティングは服のことはよく分からないから、適当なところで
暇潰しするって。集合場所と時間は決めてるから、それまであたしたちもブラブラしてましょ」
投げ遣りにいうルナ。その横に立っていたステラが、シンを見ながら言う。
「シン、かっこいい」
「そ、そうかな? ありがとう、ステラ」
自分ではそう思っていなくても、褒められて悪い気はしないらしい。もしくは褒めてくれたのがステラだからか。
(こっちはこっちでヘラヘラしちゃって……なんかムカツクわね)
自分でもよく分からない悶々とした気持ちを心の隅に押しのけつつ、これでスティングも似たような
センスならどうしようもないなあと、ルナは取りとめもなく考えた。
聞くだけ無駄かなと思いつつ、ステラに訊ねてみる。
「ねえステラ、お兄さんもアウルと服の趣味は同じなのかしら?」
「……お兄さんって、誰?」
「誰って、スティングのことに決まってるじゃない」
「スティング、ステラのお兄さんじゃないよ?」
へっ? と、ルナとシンはマヌケな声を上げてしまった。
「では、君達は実の兄弟というわけではないのか……むっ、やるな」
「ああ。俺達は皆、まあ孤児みたいなもんでな……っと、甘えよオラァ!」」
空を翔る羽根の付いたロボットが放つレーザーが、着地しようとした両腕が砲になったロボットを貫く──
という光景が、ゲーム機のディスプレイ上に映しだされている。
MSを操縦するのに似た、しかし挙動はMSより軽快で迫力のある、一騎打ち形式の対戦ロボットゲーム。
隣り合う二基の筐体の座席に付き、レイとスティングがそのゲームで争っていた。
コンティニューしようと硬貨を財布から取り出しつつ、レイがスティングに訊く。
「孤児か……あの時のステラの慌てぶりは、その関係で?」
「まあそんなもんだ。今の引き取り手のとこに来るまでも色々とあった……らしい」
「今は何を?」
「ああその……ジャンク屋だよ。世界中を巡り巡ってジャンクを漁って、その日暮らしの毎日だ。
前のユニウスセブン落としからこっち、戦争が起きて移動が面倒になるわ、ジャンク屋組合があの件に
関わってたとかなんとかで一部のバカどもから風当たりが強くなるわ、散々だけどな」
施設で対コーディネイターの訓練と強化を受け、今は連合兵としてザフトと戦っている──などとは
言えるはずもない。前もって頭に叩き込んでおいた『部外者向け』の架空プロフィールで、
スティングは誤魔化した。
レイに不審な様子は無く、どうやら自分はそれなりに芝居は出来るらしいと安堵するスティング──
レイもまた、ユニウスセブン落下で被害を受けたスティングたちにわざわざいう必要はないと、
ザフトの軍人なのを隠すことにしたとは気づかずに。
「まあ兄弟ってのは間違ってないかもな。ガキの頃から一緒に居るし、さしずめ俺は長男ってとこか。
ボケっとしてる妹に生意気盛りの弟で、扱い辛くてしょうがないぜ」
「そうか……気持ちは分からなくもない。兄弟とは違うが、同期の仲間がクセの強いもの揃いでな。
片や真っ直ぐだが何事も猪突猛進、片や少々調子に乗りやすいお転婆……しかも二人とも変に気難しいときている。
最近上司に有能な人物が着いたおかげで、随分と苦労が減った」
「それシンとルナマリアのことかよ? ハハッ、確かにそんな感じするなあいつら。俺の方も有能……
とは言えねえが、面倒見のいいオッサンがいるお陰で結構助かってる」
雑談を交わしながら、ゲームをプレイする二人の操作にはよどみが無い。
機動力を武器に動き回り、ヒット&アウェイを繰り返すスティング。ゲームの経験があまりないレイは
回避に徹しているが、それでも十分に動けている。
「初心者にしちゃやってくれるぜ……けどすこし意外だった。お前、最初の印象じゃ無表情でとっつきにくそうな
奴だと思ったが、意外と付き合いがいいじゃねえか。こうやって話にも結構乗ってくれるし、暇潰しにも
付き合ってくれるしよ」
「話を振られれば会話するくらいの協調性は持ち合わせているつもりだ──それになんというべきか、
相性とでもいうのか。それが合うんだろう」
「──かもな」
お互いに手のかかる仲間がおり、頼れる年長者がいる。似通った境遇が、二人に共感のようなものを
抱かせていた。
「さて、お互いを知ったついでにもう一つ、俺について知ってもらおうか」
「あん?」
「……俺はそれなりに負けず嫌いだ」
無表情たったレイが不敵な笑みを作った瞬間、スティングの自機が爆発に巻き込まれ転倒する。
「なっ!?」
「なるほど、こういう戦い方をすればいいのか。悪くない機体だ」
弾速やホーミング能力に大きな差がある各種武装による時間差攻撃や、フィールドに砲台を設置しての
多角攻撃を得意とするトリッキーな機体──レイが選んだ機体の特性を、油断してすっかり忘れていた
スティングは今になって思い出す。
「操作はほぼ把握した……これまでやられた借りを返すとしよう」
「──ってわけでさ〜。スティングの奴いっつも兄貴ぶってるけど結構熱くなりやすかったり、そのせいで
ドジ踏んだりすることも多いんだぜ?」
「ふ〜ん。あ、これいいかも。だけど柄が少し派手過ぎるかな」
「……お前な、人に話させといてちゃんと聞いてるか?」
「うん、聞いてるよ。ああ、でもこっちは逆にちょっと地味かも」
どう見ても服選びに集中しているメイリンに、アウルは怒る気も失せてため息をついた。時折思い出したように
こちらに話を振ってくるが、いざ話してみれば毎度こんな感じだ。
「ほら、アウル君も選んでよ」
「って言われてもなあ……女の服なんてよく分かんないよ」
最初こそ意気込んでいたが、いざ選ぶ段階になるとアウルは途方に暮れていた。
そもそも女物ばかりのスペースに男の自分がいると思うだけで居心地が悪い。チラチラと女性店員に
見られている気がして落ち着けなくなる。
逃げるように視線を泳がせたアウルは、ふとハンガーに並んでいた服の一つに目を留めた。
「なあ、これなんかどうだ?」
「え?」
アウルが手に取ったのはチェックのフレアスカートで、丈は長すぎず短すぎずといった普通のものだ。
それを見たメイリンの反応はあまり良くはなかった。全然ダメというわけではないが、あまり気が乗らないと
言った感じだ。
「なんか地味っていうより、大人し過ぎる感じ。こういうのはあんまり着ないなあ」
「やっぱりね。さっきからミニスカとかショーパンとかばっか選んでたからそうだと思った。
そういう、なんてーの? 若者向けってのも似合ってないことはないけどさ。こういう大人っぽいのも
悪くないんじゃないかって思うぜ? 上もタンクトップとか派手なプリントシャツじゃなくて、
ブラウスとか合わせたら結構イイ線いくんじゃない?」
「どうなんだろ。それじゃ後で試着してみる……フフ、でもちょっと意外。アウル君シンに選んだ服とか、
絶対派手なの好きだろうからそういうの薦めてくると思ったのに。コーディネートのセンスは良くなかったけど」
「う、うるっさいな! いいだろ、僕が似合うと思ったんだから! べ、別に買いたくなけりゃ
他に好きなの選びなよ!?」
「はいはい、それはちゃんと着てから決めるからいいですよ〜」
クスクスと笑うメイリン。その笑顔がなぜか気恥ずかしくて、アウルは視線を逸らす。
「意外といえば、アウル君がジャンク屋っていうのも意外だけどね。普通に学校とかに通ってる歳じゃない?」
「まあ、こっちにも色々事情があるんだよ。それに歳はそっちも同じくらいだろ、そういうお前は何やってんの?」
何気ない質問。それにメイリンは迷うでもなく、率直な答えをアウルへと返した。
「私? 私はね──」
所変わって、ミネルバの格納庫。
クルーの大半は休暇に入っており、メカニックたちもほとんど出払っている。
とはいえ、残っている人間が一人もいないわけではない。
「ふむ、やはり良い結果は得られぬようであるな」
「当然だ。やはりあのような物、拙者には合わぬ」
ウェストの不満足気な言葉に、オーガアストレイのコクピットから顔を出したティトゥスは憮然として言い返した。
先ほどまでティトゥスは、シミュレーターでドリルストライカーのデータを使用していた。正直またウェストを
殴り倒してでも拒否しようと思ったティトゥスだったが、一度だけでもデータが欲しいと、珍しく割と
真剣に言ってきたウェストに折れて模擬戦闘を行なうことになったのだ。
結果だけ見れば、オーガアストレイは勝利した。しかしながらその過程は、ティトゥスにとってもウェストに
とっても満足いく結果ではなかった。
「せっかくのドリルを何故使わぬか貴様は! あのドリルはアームによって前後左右東西南北中央問わず
あらゆる方向に対応できると教えたろうに! 何故にその場は避けた挙句わざわざ振り向くのであるか!
あまり宝を持ち腐れるともったいないオバケが出ますよ!?」
「眼前に敵が多数いる状態で、後方の敵に気づけはしても対応まで出来る筈があるまい! あの場に留まり
囲われるなぞ愚の骨頂よ! しかも両の刃を踏み込んだ直後に、ドリルの操作まで手が回るか!」
「ふん、あの程度の苦境で弱音を吐くのであるか? その程度で人の境地など片腹痛いのである」
「……拙者を愚弄するか、ウェスト」
剣呑な雰囲気を纏い、突き刺すような視線をウェストに向けるティトゥス。当のウェストは平気な顔で
背を向けると、オーガアストレイから離れていく。
「何をイラついているのであるか……まあ良い、データは取れたので我輩は失礼するのである。
少々電波を受けて破壊ロボVerレイスタの強化プランや新たなストライカーパックの設計を閃いたのでな。
お主は好きにすると良い」
去っていくウェストの背を睨みつけていたティトゥスだったが、目を伏せるとシートに座り込みハッチを閉じる。
自嘲を含んだ苦悩に、表情が歪んだ。
「……幼稚よな。痛い所を突かれて、他者に当り散らすなど」
先のガルナハンにおいて、ティトゥスは醜態を晒した。数だけの雑兵に押され、たかがカラクリ仕掛けの防御壁を
斬る事も出来ず、挙句の果てに油断から敵の攻撃を受けて地べたに倒れ伏す始末。
それはあくまでティトゥスの認識であり、ザフト全体で見ればティトゥスの撃墜数、戦果は他の兵とは
比べ物にならないものである。だが、そんなことはティトゥスには関係ない。
──足りない。もっと早く。もっと鋭く。
力への渇望、無力への憤り。オーガアストレイを手に入れてから久しく感じていなかった満たされぬ思い。
今度は機体の性能ではなく、純粋な己自身の力に対して。
「これでは、偉そうにシンに説教出来る立場ではないな……」
かつてのように魔道を促す声は聞こえず、魔術に頼ろうとする浅ましさもない。
ただ、憤怒とも悲嘆ともつかぬ焦燥感のみが、胸の奥底で燻っていた。
すっかり日が落ちたディオキアの町。街灯の照らす公営パーキングを、シンたちは歩いていた。
「うっぷ、調子に乗って食べ過ぎた……」
「お姉ちゃん、いくら奢りだからって食べすぎ。私みたいに腹八分目で済まさないと」
「どっちもどっちだよ……」
少し気分の悪そうなルナと彼女に肩を貸し介抱するメイリンに、げんなりしながらスティングが突っ込んだ。
そんなスティングに、メイリンの買った服の入った紙袋二つを持たされているシンが訊く。
「けど本当にいいのかよ? 結局全員分の代金、払ってもらっちゃって。俺達も大分食ったし、
少しは払ったほうが」
「構わんさ。助けてもらったのもあるが、本当に今日は楽しかったからな。その礼だ。
どうせほとんど俺達の金じゃないし。なあアウル?」
手を振って遠慮の意を示しつつ、アウルに同意を求める。いつも通りの生意気な口から遠まわしに
同意の言葉が出るかと思ったが、アウルは黙ったままだった。
「アウル、どうした? お前なんか飯の前から変だぞ」
「っ……お、おう! 気にすんなよシン!」
「……? まあ、そこまでいうんならお言葉に甘えさせてもらうけど」
スティングと顔を合わせお互いに首を傾げながらも、シンは納得する事にした。
そうこうしている内に、止めていた車まで到着する。
「それじゃ、そろそろ行くわ。あんまり遅くなると保護者がうるさい」
「うん。ネオ、待ってるから……少し寂しいけど、バイバイ」
「……じゃあな」
「「あ、ちょっと待って!」」
車に乗り込もうとするスティングたちの背中に声がかかる。同時に彼らを呼びとめたのは、メイリンとルナだ。
メイリンはシンから紙袋を一つ受け取り、アウルへと近寄る。戸惑うアウルに、メイリンは紙袋を差し出した。
「アウル君、はいこれ」
「これって……」
「アウル君の服、ちょっとだけ選んでたでしょ? あれを内緒で買っておいたんだ。私のワガママで、
二着ぐらい多めに買って貰っちゃったから、そのお詫び。 ……いらなかったかな?」
「……そんなこと、ねえよ……サンキュな、メイリン」
紙袋を受け取って、アウルは表情を柔らかくする。ぎこちない笑みだったが、メイリンはその笑顔に笑い返した。
その後ろで、ルナはシンを肘鉄砲でつついていた。
「ほら、あんたも早くしなさいよ」
「わ、分かってるよ!」
ルナに促されるように、シンはステラの元に向かう。不思議そうな顔をするステラの前で、シンはポケットから
ビニールで包装された一枚のハンカチを取り出した。
ブルーと水色の、四角い模様で彩られたハンカチ──ディオキアの海の色。
「小物売り場で見かけて、ステラに似合うと思って……その、見てたらルナに見つかって! 買ってあげれば
いいじゃないって言われてさ! え〜と、あの……良かったら使ってくれない、かな?」
しどろもどろに言うシン。背後からあ〜もうじれったい〜! という叫びが聞こえたが、怖いので
振り返えらなかった。
暫くシンを見つめていたステラは、優しく微笑むとシンの手を取った。
「ありがと、シン……じゃあ、これはステラのお返し」
ハンカチを受け取りながら、ステラはシンの掌に何かを置いた。
シンが目を向けると、掌には小さな紫の貝殻があった。
「海を見てたとき、見つけたの。綺麗だから拾ったけど、シンにあげる」
「いいのか?」
ステラは笑顔で頷く。シンも微笑み、ありがとうと返した。
「青春、ってやつか……で、俺には何もないわけだ」
「すまないな、気が利かなくて。プレゼントの一つでも準備するべきだったか」
「男の贈り物なんざいるか!」
割と真剣味のある声で呟くレイに、スティングは突っ込む。レイは冗談だと言って、スティングへと手を
差し出した。
「今日の戦績は三勝八敗だった。次は負けるつもりはない」
「本当に負けず嫌いなんだな、お前。いいぜ、次に会う時までしっかり腕を磨いときな。ついでに首も洗っとけ」
互いに不敵な笑みを浮かべつつ、二人は固い握手を交わした。
──そして、別れの時は来る。
三人は車に乗り込み、運転席のスティングがエンジンをかける。
「シン!」
後部座席に座っていたステラが身を乗り出し、見送っていたシンへと言った。
「またステラが危ない目にあったら、また守りに来てね、絶対!」
「ああ! 約束しただろ! ステラが危ない目にあったら、俺を呼んでくれ!」
「うん、約束! またねシン! ルナ! メイリン! レイ!」
「あばよ! 縁があったらまた会おうぜ」
「じゃーな、お前らぁ!」
車が発進し、遠ざかっていく。シンたちは新しい友人たちを、見えなくなるまで見送った。
「いい奴らだったな」
「……ああ」
車を運転しながら、スティングが助手席のアウルに言う。後部座席では色々あって疲れたのか、
ステラが横になってぐっすりと眠っていた。
ここまで遊び倒したのはステラにとって──いや、彼ら三人にとって初めての体験だったかもしれない。
「……アウル、お前本当にどうした?」
あまりに口数の少ないアウルに、スティングは訊ねる。ヤンチャが服を着て歩いているようなアウルが
ここまで黙っているなんて事は、これまでなかった。
もっとも、スティングはその理由に大方感づいてはいたが。
「……なあ、スティングは気づかなかったのか? あいつらが──」
「あいつらがコーディネイター……ザフトだってことか?」
「! 気づいてたのかよ!?」
「レイとゲームしてて、おかしいと思ったんだ。ゲームとはいえあそこまで俺の反応についてきた上に、
馬鹿みたいに早い順応速度……あいつが俺らのお仲間じゃない以上、コーディネイターって考えるのが自然だ。
向こうはこっちをどう思ってたかは分からないが」
このスティングの予測にはある決定的な間違いがあるのだが、それは今問題ではなかった。今重要なのは、
スティングがシンたちの素性に感づいていたということだ。
「あまり深く考えるなよ、アウル。どうせ俺達の記憶は消されちまうんだ……なら、今この時を
楽しんだほうがいいだろうが」
だから、スティングは黙っていた。その方がステラやアウルが楽しめるだろうと思ったから。
彼らエクステンデッドは生命維持と精神の安定のため、『最適化』という処置を定期的に受けなければならない。
その際、戦争に不必要だと判断された記憶は消去されてしまう。
今回の休暇もネオがエクステンデッド達を気遣って与えてくれたが、科学者達はこの記憶も不必要として
消し去るだろうことは目に見えていた。
「それに連中がザフトだからって、別に俺達が絶対に戦うってわけじゃない。そりゃ可能性はあるが、まさか
丁度俺たちとあいつらがかち合うなんてこともないだろ。連合の方針によっちゃ、上手く行けば
あいつらが死ぬ前に戦争が終わるってことも──」
「絶対なんだよ、クソッ!」
スティングのいい訳じみた言葉を、アウルの叫びが遮った。驚きに目を見開くスティング。
ハッとしてステラが起きていないのを確認してから、アウルは細々とした声で告げた。
「訊いちゃったんだよ、僕は……メイリンに、どんな仕事してるのかって……」
──船に乗って、通信士やってるんだ私。ミネルバって船に、お姉ちゃんやシン、レイと一緒に。
スティングの表情が、凍った。
「僕もさ、最初はスティングと同じこと考えたんだ。どうせ忘れちまうんだし、今が楽しければいいじゃんって。
でもさ……あいつら皆、凄くいいやつばっかで……服なんて、買ってくれちゃってさ」
綴っていくほどに、震えていくアウルの声。 胸に抱えた紙袋を、強く抱きしめる。
「分かんないよ……分かんないけど、すげぇイヤな感じするんだ。胸が痛くって、苦しくってさあ……
なんなんだよ、これ……っ」
顔を伏せ、搾り出すように言うアウル。スティングはその言葉に、答えを返す事が出来なかった。
エクステンデッドの悲嘆を知る良しもなく、シンたちはミネルバへと帰還していた。
「ほんと、いい休暇になったね」
「ああ。新しい発見もあった。一般の娯楽というのも中々楽しめるな」
「特にシンはホクホクでしょうね〜、あんなカワイイ娘と仲良くなれてさ〜」
「な、何言ってるんだよルナ!? と、とにかく少し急ごう、外出期限までギリギリだ」
シンにちょっかいをかけつつ、ルナは安心した。シンの雰囲気が随分と元に戻っている事を感じたからだ。
ステラと仲良くなったという点には、自分でも良く分からないほど複雑な思いだったが。
談笑しつつ、格納庫からミネルバの中へと入っていく四人。彼らを出迎えたのは、アスランだった。
「遅かったな。休暇は楽しめたかい?」
「アスランさん? はい、そりゃもう存分に……でも、どうかしたんですかこんなところで」
「君たちを待っていたんだ。疲れているところ悪いが、制服に着替えてブリーフィングルームに集合してくれ。
外出期限の時刻に緊急発表が予定されているんだが、ここまでギリギリになるとは思っていなくてな。
君たちで最後だ」
「マジッスか!?」
慌てて自室に戻り制服に着替える四人。ブリーフィングルームに飛び込んだ瞬間、視線が一斉に集中する。
特に正面モニターの前に立つタリアの射殺すような視線に、全員悪寒を禁じえなかった。アーサーの
憐れむような視線も、別の意味で辛い。
「……全員揃ったようなので、ゲストをお呼びしましょうか。アスラン」
タリアに促されたアスランが部屋を退出する。ゲストという言葉にざわめくクルーを、アーサーが静粛にと
なだめる。
数分後、部屋にアスランが戻り……その後ろから入ってきた人物に、ほとんどのクルーが驚きの声を上げた。
「ラ、ラクス様!?」
歌姫ラクス・クライン。その横に赤服のFAITHを従え、一同の正面に立った彼女は優雅に一礼した。
「ごきげんよう、ミネルバのクルーの皆様。皆様ご存知でしょうが、自己紹介させていただきます。
私はラクス・クライン。皆様の次の航海にご同伴させていただく事になりました。何卒、宜しくお願い致します」
「FAITH所属、ハイネ・ヴェステンフルス。ラクス・クライン嬢護衛の任をデュランダル議長より拝領している。
今回、同じくミネルバに同行させてもらう……なお、諸事情によりマネージャーは別行動となるので、
ラクス様へのサイン握手愛の言葉その他諸々の希望は全て俺を通してもらう。そこんとこヨロシク」
歓喜の絶叫がブリーフィングルームに溢れ、数少ない困惑の声はかき消された。
「ほうほう、これは、これはこれは面白い。面白いな」
研究機関コロッセオ。自らの私室にて、ウェスパシアヌスは送られてきた情報を吟味していた。
「偽のラクス・クラインに……オーブ。なんという、なんという格好の組み合わせ。これなら、
これなら動くか? 『自由』と『大天使』は」
デスクを立ち、大仰な身振りで思案に更ける老紳士。口から思考を垂れ流し、目には穢れた興奮が浮かぶ。
「いや待て待て、結論は早い、まだ早い。現れるという確証はまだない。だがしかし、放置するというのは
あまりにも、あまりにも惜しい……!」
不意に、ウェスパシアヌスが笑う。いいことを思いついた子供のように、子供じみた笑顔。そして子供と同じ、
罪悪感の欠片もない酷薄な笑み。
「まあ良い、良いともさ。上手くすればアスラン・ザラくらいは手に入れられるかも知れぬし、上手くすれば
ロンド・ミナ・サハクあたりも出向くかも知れぬ。そろそろティトゥスとも再開を分かち合いたいし、何より……
何よりアレの実戦テストには丁度良い、良いともさ」
デスクに手を付き、コンソールを操作する。モニターに現れたのは巨大な円盤──
もしくは巨大な蜘蛛のようなシルエット。
「フハハハハ……待っていてくれたまえ諸君。現れてくれたまえ諸君。もうすぐ、もうすぐだ。
楽しい、楽しくてくだらない、本当にくだらない討論【ディベート】の時間はもうすぐだ!」
to be continued──
かつてないほど速いペースかもしれんこんばんわ。
まあ書けそうだと思ってブッ続けてたらこんな時間なわけだが。
仲良くなってエクステ組だけ相手の正体に気付くの巻。メイリン素直すぎ。
予想以上にアウルとメイリンの絡みが多くなった。ステラはシンとルナ、スティングはレイに絡ませると
アウルが余るので急遽メイリン組み込んだんだけど、ここまで出張るとは。
まあ逆十字でカップリングと言えるほど最後に昇華されるかは正直微妙だけど、苦手な人はごめんなさい(−−;)
作者としてはシンステルナはトライアングラートリオ(マテ)、レイ&スティングは兄貴分コンビ、
アウメイは子供っぽいコンビで書くのは楽しかった。
一つ言っておく。俺にもファッションセンスはない(爆)
次回はとうとうフリーダム王子と変態紳士老現る、までいけるか?
良く考えると敵側の逆十字出すの久しぶりだな。っつかティベ公とか凸凹コンビ出番どうしよ……
……まあ、とりあえず寝よう
乙です
一つ思い浮かんだ物は、レイの使っていたのはバル・バドスっすか?
ぬああああ、これは厳しい。いろんな意味で。
エクステンデッドが辛すぎる。
しかもラストは変態髭登場を匂わせて終わりか。
今度は何を魔改造したんだろ。
エクス三馬鹿に救いはあるのだろうか?
滑稽なまでの機械神(きせき)に期待したいところだ
まぁ西博士がなんとかしそうでならないけどね
変態紳士のモビル・マキナとフリーダム王子にも期待
>>489 リジェネレイドを魔改造したらなんとなくサイクラノーシュっぽくなるような……
連合と手組んでるっぽいしロッソイージスのほうが妥当か?
巨大な蜘蛛だって言うしここはザムザザーで
しかしエクステ三人組にはこの先生きのこって欲しいな
ここは大穴のエグザスに賭けてみようと思う
デストロイはどうだ?
ほら、背中がソレっぽい
エクステはウェスパの使い魔扱いとか……
シンがエクスカリバーで鬼械神貫いたらステラの腹がぶしゅーって
>>495 ……お前のせいでガルバ、オトー、ウィテリウスの貌が、
ステラ、アウル、スティングになっているという
嫌な想像をしてしまったじゃないか。
っておい!あの似非紳士ならマジでやりかねねーだろ!
外道にとっては死亡フラグだけどさ。
保守
変態紳士がハッスルしてやがる…!
あのちゃぶ台蜘蛛のMMがスタンバイだと!?
ミーアinミネルバといい、ワクテカする…けどエクステの行方がマジ不安だ…。
お侍さんと博士は良いコンビですね。
博士に振り回されてるお侍さんは少年組み相手のときと違って素になってて、
「力を求める渇いた魂」の危うさがたまらんのです。
人とMSと魔導書が合わさって機械仕掛けの神となるーーな夢を見たんだが
シンとL.A、運命の組み合わせだった
何故か運命の脚部がアドヴァンスドヘイズルで側面にシールドブースター付いてたけど……
脚部的に喋来る混沌の一柱だったのだろうか
>>500 人と陸王とネクロノミコンが合体したバイクの映画なら昔あったが。
戦う相手は自衛隊戦闘バイクだったような
題名は忘れた。
自衛隊戦闘バイク……ドゥカー・イクが何時の間にそんなところに
映像だけ覚えているのさね
女性の形をしたと言うか女性が変化したエンジンと陸王がネクロノミコンの力で変化したバイクと
速射砲(?)を搭載したロードセクターのような自衛隊戦闘バイクの戦い。
ホント題名だけが思い出せない……orz
最近発売したキミの勇者ってRPGで
魔法使いの装備武器に、ルルイエ写本、黄衣の王、ルルイエ異本があって
敵四天王の中にダゴンキングってのがいた
門に封印された魔王ってのもなんとなく想起させるものがあるな
保守
寝てたら半人半書で蘇生したマユとシンがアイオーン・インパルスなる機体でたたかうなんつぅ電波がきたんだ。
邪神か、邪神のしわざか。
クロックワーク・エターナルという単語が湧いて出たのも邪神の仕業だな
>>506 さぁ、何も言わず文章に起こすんだ。
夢を文字に起こすのは碌な事になりそうにないけどなー
寝てたら半人半魚で蘇生したマユとシンに見えたのも邪神の仕業ですか?
半分人で半分魚のマユと、半分魚で半分人のシンですね、わかります。
首から下と片手を除いて魔導書なマユと
アンチクロス並にイっちゃたシンと
その二人の養父な似非ダンディですね、わかりません
インスマウスの影の主人公といとこがシンとマユになっているのを幻視した。
陰須升に流れて 夕波小波 命救われ 中坊シン・アスカ
義理を立てりゃあ 道理が引っ込む
笑ってやって下せぇ 青い恋の始まりでございます
夏休みに陰須升にある父方の祖母の家に遊びに行ったアスカ一家
その生臭い海で踊り狂う少女に見惚れ、崖からダイブした彼女を救おうとしたシンだったが
その時、少女ステラがルルイエ異本と契約して下半身魚であり
現代に蘇った魔術結社『ネオ・ブラックロッジ』の構成員であることを知ってしまう
家族共々邪教の神殿『悪怨痔江琉』へ拉致されたシンだったが
正体を知られてしまったステラ、正体を知ってしまったシンが二人とも粛清を免れ、五体満足で生き延びるため
二人が結婚してアスカ家も邪教の身内になることになってしまう・・・
満更でもないシンちゃんだったが、これが彼の血と硝煙と腐臭に満ちた苦悩の青春の幕開けとは知らない・・・
種死+セト嫁+ラヴクラな電波が内的宇宙から湧き出した
原因は多分オレダム関連
文才のない俺にはこのイメージを固めることが出来そうにないし、多分微妙にスレ違だし
ただキャスティングは
エロ澄さん:シン 太陽:ステラ 月:ミーア 御廻りさん:ルナ 委員長:ライカさん
豪三郎:カリグラ シャーク藤代:スティング オクトパス中島:マーシュ
あふれ出す電波が留まらないのでこの辺で自粛します
寝てる祭にルルイエ異本に絞り取られるシンが見えるようだ……
サーリャンはナイアさんかねぇ
>>513 ちゃんとデモベを出せるならSSを投下してみるんだ。君はもしかしたら旧神になれるかもしれないぞ。
種じゃないSSってダメなの?
種だとイマイチ電波が来ない
00で介入してもいいと思う。
邪悪な神の通りなど、旧神の無理でこじあげろ!!
刹那「俺がデモンベインだ」
旧神も十分邪悪だと思うが……
××××な博士やらロリペド野郎は邪悪と言えば邪悪だな、おもに公共良俗とか風紀とか法律的な意味合いで
デモンベインは人間しか救わないから他の種族から見れば邪悪だけどな
蟻の巣穴を突っついたり水流し込んだりするのが邪神。
うちの庭で何やってんだって邪神追いかけて蟻の巣はスルーなのが旧神。
蟻の巣修復しながら邪神の家にミサイル打ち込む変人がノーデンス。
笑っちゃうよね
人間しか救わないくせに
>>523 でも御伽噺では人間って訳じゃ・・・
むしろ神とその眷属の被害に遭ってる者に対する守護者のような
>>521 人間しか救わないってことは、少なくとも古のものは守護対象になるわけだな
つーかクトゥルフ的には地球人と同じ精神構造持ってる生命は全部救うわけだな
なら問題無いじゃないか。そりゃ邪神や盲目のものにとっては迷惑だが
旧神が何時の間にダンセイニ卿を殲滅したのかkwsk
>>527 なぜに旧神がショゴスみたいな人間と大して変わらない物を滅ぼさにゃあかんのだ
>515
すまぬ、ノリで考えた一発ネタの域を超えられそうに無い
俺は・・・デモンベインにはなれない・・・!!
>>517 いかん、どう考えてもイオリア=黒い人になってしまう
確かに天上人を自称するのに相応しいワケではあるが、い(おり)あ! い(おり)あ!
ダブルオーでデモンベインネタかますとしたら。
アルハザードのランプで燃え尽きたロックオン兄貴とか魔導書搭載済みな太陽炉・そしてエクシアさん(第一期OPのあの人)がせっさんの魔導書の化身として登場。
みたいな?
は?マリナの事言ってるのか?
純正太陽炉は永久機関だからある意味銀鍵守護機関の代わりになったりならなかったり
純正は200年で出来るから時間的になんか劣ってるしな
獅子の心臓を二乗化か
その道は覇道鋼造とデモンベインが通った道だ
……取り返されたけどな
肝心のリベル・レギスとの戦いでは無意味だったしなぁ
相手がリベル・レギスでなければこの上なく強力なのだが・・・
デモベ世界においてはスペックパワー=強さとはならないからねぇ。
魔術師としての強さなら九朗よりもエドガーの方が強いが彼では白き王になれないから照夫に勝てない。
鬼械神の強さなら巨大デモベの方が強いがニャルに抵抗できないので旧神デモベに負ける。
物語はドラマチックでないと
旧神=荒唐無稽の御伽噺な世界だからな
脚本(某ドジっこ)にすら書き換えられないんだから他の物語で勝てる訳がない
最後まで荒唐無稽なアズラットとか見たかったな……
>>532 残念だったな、アレ(刹那の前にでる女性)は公式にエクシアらしいぞ
>>540 何故かその書き込みを見てマリナデバイスという言葉が……
魔法少女リリカルまりな
ロイd……刹那「カレn……マリナ、一緒に行こう」
こうですかトラウマです
>>539 アズラッドは悲劇から始まるから無理っぽいよなぁ
だからこそ飛翔のラストの会話がジーンと来るんだが
先生、マリナ・イスマイールの年齢で魔法少女は無理があると思います。
なのはを莫迦にするな!
なのはの中の人なんてあの歳なのに17歳なんだぜ
548 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 18:53:15 ID:mEmYm1rh
>>544 「お前が好きだーっ!」とか叫んで、某Gガンのデビルガンダムから救い出すように
貪り食われた魂を取り戻して、時計を使って彼女の肉体時間を巻き戻して再生とかすれば何とかできそーな?
いや、本当に荒唐無稽なご都合主義(デウス・エキス・マキナ)になりそーだがw
>>545 マリナが駄目なら刹那にすればいいじゃない
魔法少年リリカルせつな
>>549 こうですねわかります。
ガンダムになれなかった刹那、古の魔道書ネクロノミコンのアルアジフと出会う。
刹那「俺はガンダムになれない……」
???「小僧、何を言っている?」
刹那「アル・アジフ俺はお前と契約する」
暗躍するドクターウエスト
次回「まじかるせつな〜恋のアザディスタン〜マリナ・イスマイールは永遠の17歳」
荒唐無稽なご都合主義で突き進んだ○レ○ラ○ンでさえ、最後は嫁が死んだしなぁ・・・
現実は厳しいとです
そういや、17歳の人の娘さんが来年成人式だっけ?
>>545 ???「宜しい、講義の時間だ
この世界には2X歳過ぎで更に人妻でありながら魔法少女であると主張する作品が存在する
嘘だと思う物は探してみると良い」
それどころか、幼稚園児の娘がいる美少女戦士までいるぞ。
ちなみに、特殊能力を使うためのステッキはもらい物だけど、
衣装の方はコスパで自腹切って買ったものらしい。
オマエラは大事な人を忘れている
三十路過ぎてあの服を着るクイーンを
まあ魔法少女じゃないんだがな
>>556 下品な話だが、女性も三十路過ぎて処女なら魔法が使えるかも知れん。
まあそれでも魔法「少女」ではないが。
魔法処女
00とのクロスだとブシドーが二人になるからめんどくさいよな
つまり劇場版
暫魔戦士ガンダムOO.D外伝-ブシドーvs仮面ブシドー-
同時上映魔法少(?)女マジカルマリナ-目が血走った旧神の驚異・101柱ニャル様大行進-
こんな感じだろうか
SAN値がががが
同時上映の作品がすごく…みたいです…
564 :
560:2008/11/22(土) 01:26:00 ID:???
>>563 ???「宜しい、ならば鍵となる祝詞を教えよう
奥様、魔法少女、17才……それが深き深遠を覗くための鍵だ
だが深淵を覗くものはまた相手にも覗かれている……努々忘れぬ事だ」
>>562 魔法少(?)女マジカルマリナ、略すと魔法少女ママ…と言うネタもですね
あ、こんな時間に来客なんt.......
>>563 美少女戦麗舞パンシャーヌ。因みに実写……。
寝てたらアンブロシウスに乗ってるアレルヤが出てた………。
第二期でロードビヤーキーなのは弱体化ですかそうですか、で目が覚めた。
昨日風呂で寝てたら種死最終回でにぁー様介入の紅朔な夢を見た
……チャンネルが混信した?それとも真坂<<検閲削除>>な事には成ってないよな!?
「それは本当なのか、ユウナ!」
問い詰めるアスランに、モニターの向こうのユウナは自嘲じみた苦笑を浮かべた。
『ああ、本当だよ。君が議長から聞いた【ロゴス】……ボクの父上も、そのメンバーの一人だった』
オーブ襲撃事件で亡くなったユウナの父、ウナト。彼が先の大戦で焼かれたオーブの復興のためロゴスに接触。
数多の物資や資金の援助と引き換えに、最新技術や政治機密などの様々な情報をロゴスへと流していたことが
判明したのだ。
『確かに仕方ないとも思うよ、当時のオーブを考えれば。考えてみれば焼かれた上に連合に取り込まれかけてた
オーブが、わずか二年でここまで復興したのがおかしな話さ。それだけロゴスの援助に助けられたって
ことなんだろうね』
「しかし……」
『割り切れない? ……ボクも複雑さ。確かに父上はオーブのためなら手段を選ばない人だったけど、
まさか裏で世界を支配する秘密組織のメンバーだったとはね』
「ロゴス……か」
呟くアスラン。彼にはロゴスに対し、未だ実感が沸かなかった。
世界の裏側に隠れ、ブルーコスモスから果ては国家すらも操る力を持つ利益追求組織、ロゴス。
有り体に言えば金持ちの集団にしか過ぎぬそんな組織に、世界が牛耳られているなどと。
在り得ない。そうアスランの理性は今も警鐘を鳴らしている。世界とは、そんな単純なものではないはずだ。
もしそれが事実であるならば──この世界は歪んでいる。アスランはそんな思いに駆られていた。
『けど、今はそれがありがたい。父上の残したパイプを伝って、ロゴスの内部へと切り込める可能性が出てきた。
そこからメンバーの素性を慎重に調べて、ボクやカガリが接触してこちら側へ引きこもうと思ってる……
父上の行いは決して手放しで受け入れられるものじゃないけど、オーブを愛していたのは間違いないんだ。
その思いを無駄にはしないよ』
「ああ。そっちは任せたぞユウナ」
ウナトの行いに最もショックを受けているのはユウナだろう。だがそんな様子はおくびにも出さず、
ユウナはウナトの残した物を良い形で引き継ごうとしている。
父の思いを息子が受け継ぐ──それが出来なかったアスランは、ユウナに少しだけ嫉妬を覚えた。
『それと、アスラン。実はもう一つ話があるんだ。こっちは完全に良くない知らせ』
「……何だ?」
神妙な顔つきで語るユウナ。
アスランはその言葉を聞き……ついに来たかと、その表情に諦観を浮かべた。
第一五話 The Battlefield of Blades〜刃舞う戦場〜
J.P.ジョーンズの私室で、ネオは仮面をしていても分かるほど渋い顔をしていた。
「それで……なんで自分の記憶は消さないでくれ、なんて言い出した」
目の前に立っているスティングに向けてネオは問う。スティングは悲痛な表情でネオから顔を背けた。
「前の休暇で何があった? ステラは変に上機嫌かと思えば、アウルはやけに沈んでるし……
オマケに普段は落ち着いてるお前がこれだ。そのくせ、ステラとアウルの記憶は絶対に消せときた」
スティングは答えない。煮え切らない態度に、ネオは仮面を放り投げて髪を掻き毟りたい衝動に駆られた。
やはり休暇に出すべきではなかったか──ネオがそう思い始めた時、ポツポツとスティングが話し始めた。
「あいつらに……」
「ん?」
「あいつらにやらせちゃいけねえことが出来た……だが、俺がそれを覚えていなきゃどうすることも
出来ないんだ。だから、頼むネオ! ミネルバを倒すまででいい! 俺の記憶を消さないでくれ!」
必死に懇願してくるスティング。始めて見るその様子にうろたえながら、ネオはその言葉の中にあった
単語に気づいた。
「ミネルバだと? あの連中に関わることなのか? どういうことだ」
スティングは一瞬ハッとし、苦虫を噛み潰したような顔で再び黙り込む。
「話せない、か……」
どうやら随分とややこしい話らしい。記憶を覗けないのはこういう時不便だなとネオはため息をついた。
「……分かった。科学者連中やジブリール卿には俺が取り成しておく。スティングの士気は高く、
下手に記憶を消してそれが失われるのは避けたい……とでも言えばなんとかなるだろう」
「っ! すまねえネオ、恩に着る!」
「ただし、二つほどお前に注意しておくことがある」
声のトーンを低く、強い語気で言葉を紡ぐ。記憶を残しておく以上、これだけは言い聞かせて
おかなければならない。
「お前達に施している記憶操作は特定期間の記憶、もしくは調整を行なう側が把握している特定の人物に
関する記憶を消すのが精一杯……と、俺は聞いている」
人間は未だ、脳や記憶のメカニズムを全て理解してはいない。エクステンデッドに施す記憶操作も脳内をいじる
ようなものでなく、暗示や催眠術に近い精神面から効果を与える方法が取られている。
だがその信頼性は決して高くなく、消してしまった記憶と関係する人物や連想させる出来事と遭遇した場合、
記憶を取り戻す可能性がある。
──絵を描いたキャンパスを白いクレヨンで塗り潰すことはできる。だがクレヨンの下の絵は完全に
消えたわけではないし、クレヨンは剥れにくいものではない。
記憶の空白に不安を持ったり、消したはずの記憶に関係する物に触れてしまうと、自分から記憶を
取り戻したいと思い始めるのが特にまずい。そうすればさらにクレヨンは剥れやすくなってしまう。
「だからアウルとステラに、消した記憶に関わるものは極力見せないようにしろ。これまではこっちで
何とかしてきたが、お前にもそれは徹底してもらう。消す記憶がどういうものか知っているならなおさらだ」
「……分かった」
「そしてもう一つ。戦果は上げ続けろ。絶対にミネルバを落とせ。でなければお前の記憶だって
いつまで消さずにいられるか分からん。科学者連中やジブリール卿は、俺のように甘くはないぞ」
「分かってるさ……やってやるよ。どれもこれも、俺が全部片を付ける……!」
話が終わり、スティングが退室する。
一人残された部屋で、ネオは再び大きくため息をついた。
「入れ込みすぎ、か……だが、やっぱりあいつらは人間だな」
我ながら因果なものだ、と思う。あの三人に人間らしく生きて欲しいと思いつつ、結局自分は彼らを兵器として
運用していくしかないのだ。
いっそのこと記憶や人格を完全に操作できるなら、彼等も苦悩する事はなかったのかもしれないが──
「何考えてるんだか、俺も。そんなの連中は望まないだろうし、何より……」
出来るとしたら、まさに魔術だ──そんなことを考えて、馬鹿なことをと笑う。
思考を切り替えて、ネオはデスクに投げていた資料を手に取った。
送られてくる増援を率いて、スエズへと再侵攻。ザフトに攻撃をかけよという命令書。そこに書かれた
増援の詳細を見てネオは苦笑する。
「オーブもご愁傷様だな。好き好んで戦いたいわけでないだろうに……まあ、せいぜい利用させてもらおう」
机の上に置かれた別の資料に目を向ける。数時間前に届いた最新の情報──ミネルバが単独で、増援との
合流地点の近辺を航行中との報告である。この分なら、ダーダネルス海峡辺りでかち合える。
「今度こそ落とさせてもらうぜ、女神様」
海を往くミネルバの甲板で、刃の打ち合う音が響いていた。
「たぁぁぁぁぁ!」
シンの振り下ろす刀を、ティトゥスの刀が受け流した。
慌てて刀を引き戻しながら、シンは後ろへ下がる。下手に前進しようものなら、即座に首筋に刃を当てられて
終了だ。
追い討ちをかける素振りも見せず、ティトゥスは右手に刀を携えて立っている。
(全然攻め込めない……!)
どんな角度から打ち込んでも、黒装束の剣士は難なくその全てをいなしてしまう。戦闘経験や身体能力、
ありとあらゆる点で劣っているのだから当然といえば当然だ。
しかし、やられっぱなしというのはいただけない。こちとらザフトの兵士、エリートの赤服なのだ。
「どうした。立っているだけでは何も変わらぬぞ。打ち込んで来い。目の前の敵へ、深く斬り込んで見せよ」
誘うように言うティトゥス。言われるまでもない。ティトゥスへと駆け出すシン。
振りかぶった刀に反応するように、ティトゥスもまた刀を振る体勢に入る。
詰まる間合い。刀の有効範囲に入る。ティトゥスが刀を横薙ぎに振り、シンは刀を──振らない。
ティトゥスの顔に、かすかな驚きが浮かんだ。
身体を屈めて刀の攻撃範囲から逃れたシンが、そのままティトゥスの懐に踏み込む。密着寸前の距離に
来た所で、シンは改めて刀を構え──
「だが甘い」
その下顎に、鈍い衝撃が響いた。
硬い膝に蹴飛ばされ、シンが仰向けに倒れる。刀が手から離れ、甲板へ転がった。
「懐に入る踏み込みと思い切り、あえて刀を振らせ後の先を取る判断は良し。しかし、あの間合いでは
刀を振るより四肢のほうが早い。武器に固執したのが誤りだ」
シンは顎をさすりながら上体を起こしながら、頭上から聞こえる淡々とした説明を聞いた。
「イテテ……ナイフだったら突きを決めれたはずなのにな」
「ナイフか。扱いを知っているのか?」
「あ、はい。士官学校で、格闘訓練はナイフを使ってました。一対一なら教官にも早々負けませんでしたよ……
ティトゥスさんの前じゃ、自慢にもなりませんけど」
「ふむ」
シンが落とした刀を拾い上げ、ティトゥスはシンに告げた。
「今日はここまでだが……ならば明日はナイフを使ってもらうか」
「ええ!? でもナイフと刀じゃリーチがありすぎて……」
「要はいかに己の間合いを掴むかが肝心。先も言ったように、踏み込みすぎれば刀は使い辛い。
お主は躊躇なく敵の懐深くまで踏み込み、重い一撃を撃ち込もうとする傾向がある。下手に刀や
戦い方全般を教えるより、踏み込みや至近での立ち回りに絞って鍛えた方が伸びるやもしれん」
ティトゥスはそういうと、少しだけ表情を緩めた。
「まだ迷いは消えぬが……多少は吹っ切れたようだな。ディオキアを出る前よりは切れの良い動きだ」
「そ、そうですか?」
少し照れながら、ディオキアで出会った、ジャンク屋の友人たちのことを思い出す。
シンの迷い。それを僅かながら晴らしてくれたのは彼らと、そしてステラだ。
死の恐怖に怯えるステラと出会い、シンは『守る』という自身の願いにわずかな正当性を見出す事が出来た。
まだ何を守るべきか、何が守れるのかということは分からない。だが少なくとも、ステラや友人たちが生きる
世界は守るべきだと思えるようになったのだ。
それがわずかながら、シンに活力を取り戻させていた。決して、疑問や悩みが解決したわけではないが……
「やがては迷っている暇などなくなるだろう……精進せよ」
「はい!」
甲板から去っていくティトゥス。シンはその背を見送ったのち、ぱたりと身を横たえた。
「つ、疲れた……」
汗がどっと吹き出る。赤服の前を空け、シンは荒い息を吐いた。
身体を動かしたから、というより極度の緊張感による疲労。ティトゥスとの対峙はそれだけの迫力がある。
刀は寸止め、打撃も手加減をしてくれている。それでも下手をすれば殺られるという緊張感。
「やっぱり……」
「すごいな、あのティトゥスって人は。マジでコーディネイターも形無しだぜ」
不意に頭上からかかった声に、シンは慌てて上体を起こした。
いつのまに近づいたのか、オレンジの髪の男がシンの傍らに立っていた。
着ているのはシンと同じ赤服だが、その胸元にはエリートの証、『FAITH』の徽章が光っている。
「ヴェステンフルスさん」
「言ったろ、ハイネでいいって。堅っ苦しいのは苦手なんだ」
ハイネ・ヴェステンフルス。FAITH所属にして──
「あの人が魔術師、ねえ……そんな感じには見えないけど。むしろ本当に剣士って感じ」
プラントのアイドル、ラクス・クラインの護衛。
時の人の声を背後に聞いて、シンは慌てて振り返った。
「ら、ラクス、様!? ラクス様までどうしてこんなとこに!?」
「いえ、休憩室でクルーの皆様とご一緒していたのですが、少し外の空気を吸いたいと思いまして」
「サインしてくれだの握手してくれだの、ひっきりなしに人が来るもんでな。あんだけ怒涛のように迫られちゃ
流石のラクス様も逃げたくなるってもんさ。ったく、まず仕事しろってのクルーども」
「ちょっとハイネ……べ、別に逃げたかったとか、嫌とかいうわけじゃありませんですのよ?」
ハイネの良いように少し引き攣った顔をするラクスだったが、ハイネが本気ではないことはシンにも分かった。
最新鋭の艦単独によるアイドルのエスコート。単なる送迎と考えれば大仰、行軍と考えれば少なすぎる
戦力だが、下手に戦力を揃えると逆に目に付きやすいというのが上層部の言い分らしい。またスエズの
情勢が安定し、連合側もこれまでの無茶のため増援を行なう余裕がないと思われたのも理由だろう。
兎にも角にも、その名誉ある任務を受けたミネルバがジブラルタルまで送り届けることになった二人の存在は、
ミネルバに少なからず話題と波紋を呼んでいた。
ラクス・クラインの人気は艦内でも高い。彼女と触れ合おうとするクルーは後を絶たず、彼女の方も
快くそれに応じている。勤務中にまで彼女にかまけているクルーが続出しているのに、艦長のタリアは頭を
抱えているが。
とはいえラクスとクルーが四六時中一緒に居るようでは彼女が保たないし、仕事にもならない。その辺りの
整理やスケジュールを担っていたのがハイネである。当初はラクスに近い人間として多少やっかみの目を
向けられていた彼だったが、明るく人当たりが良い性格が徐々に受け入れられていた。
「しっかし、面白い奴ぞろいだなこの船は。ここに来る途中ハンガーでカスタムしたザクを見上げて
ニヤニヤしてる奴はいるし、エースは甲板で魔術師と刀振り回してるし。まさかこの時代に
チャンバラが生で見れるとは思わなかったぜ」
「なんですか、人をイロモノみたいに言って」
「あら、ちがうの?」
「ラクス様まで……」
シンは当初二人に関して堅苦しいイメージしかなく、あまり積極的に話すことはなかった。
そもそも立場の違いすぎる二人である。それにラクス・クラインの歌は嫌いではないが、別にファンという
ほどでもなかった。
だが人懐こいハイネがシンをほうっておくはずもない。気さくに話しかけてくる彼と、シンは少しずつ
打ち解けた。
そして彼の護衛対象であるラクスも、意外と好奇心の強い人間だった。クルーへのファンサービスを
欠かさぬ傍ら、ミネルバの中をうろついては始めて見る物に興味を示し、近くにいたクルーを質問攻めにする。
特にパイロットやMSについて、ラクスは強い興味を示していた。
当初の堅苦しいイメージは払拭され、友人とはいかずとも仲の良い知人くらいの感覚で二人に
接することができる様になっていた。無論、相手が自分より立場が上であることは忘れていない。
だが何よりシンが二人を受け入れられている理由は、同じ【秘密】を共有していることであろう。
「ま、一番面白いのは、この船がオーブと繋がってるってことだけどな。しかもアスランが
オーブ大使アレックス・ディノときたもんだ。最初聞いたときはマジかよと思った」
「こっちは驚きましたよ。まさかそれを知ってるなんて」
「フフ、これでもデュランダル議長の隠し玉ですからね。それに知ってないと乗せてくれなかったでしょう?」
悪戯っぽく笑うラクスに、シンは曖昧な笑顔を返した。
オーブと繋がりがあり、アスランがアレックス・ディノの側面を持っていることを、この二人は知っている。
彼らもまたデュランダルが『信頼に値する』と判断した人間なのだ。
「オーブ、か。いい国らしいな。お前もオーブ出身だったよな。どんなとこなんだ?」
「……別に。俺に聞かないで下さいよ」
そっけなく返すシンに、ハイネはしまったという顔で自分の頭を叩いた。
今のアスハやオーブは変わりつつあり、かつてのように憎しみを向ける対象ではない。だが表向きは
連合と同盟し、敵として存在している。
シンにとって、オーブに対する気持ちはまだ複雑ものだった。
「やれやれ、アスランには聞いてたがホントにオーブは苦手なんだね、お前さん」
「……色々ありましたから。それよりも、ラクス様はどうなんですか?」
苦し紛れにした質問。だがその問いに、ラクスは驚くほど狼狽した。
「え!? あた、私っ!? ですの!?」
「そうですよ。オーブとか、アークエンジェルとか……それとアスランさんについて、どう思われているんですか?」
一度訊きたいと思っていた。ラクス・クラインはかつて三隻同盟を率いた──ひいては、アスランやカガリ、
フリーダムと共に戦った人物だ。
そんな彼女が現状に対してどんな思いを抱いているのか、シンは知りたかったのだが──
「ええと、その、わ、私は……」
奇妙に思えるほど、ラクスはうろたえていた。訝しむシンに、厳しい顔をしたハイネが詰め寄る。
「おいシン、いくらなんでも不躾だぞ。ラクス様だって連中には複雑な思いを持たれているんだ。
ちょいとその質問は突っ込みすぎだぜ」
そう言われてシンは少しうろたえる。思い返せば、オーブへの苛立ちが昂じてラクスに対して
立場を忘れてしまっていた気がする。
即座に非礼を詫びようとしたシンだったが、それをラクスが止めた。
「構いませんわシンさん。ハイネも、いいから」
そういうラクスを、ハイネは相変わらず厳しい顔で見つめている。しばし考えるような素振りを見せて、
ラクスは口を開いた。
「アークエンジェル、ですか……一言で申し上げれば、悲しいこととしか言いようがありません。
あの船の皆様を私は存じていますが、何を考えているのかまでは分からない。指名手配されてしまったとはいえ、
願わくば彼らと話し合いことの真相を明らかにしたいと思っています」
ラクスの語りに、シンは違和感を覚えた。表情や声色こそ悲しげではあるが、なぜかその言葉には真剣味が
感じられないのだ。
まるで、書いてある文章をそのまま朗読しているだけのような──
「ですが、オーブについて……アスハ代表とアスランは、敬意に値する人物だと考えていますわ」
その瞬間、ラクスの声色が突然変わった。
「オーブは今、非常に難しい立場に置かれています。にもかかわらず、アスハ代表を始めるオーブの方々は
皆平和の為、未来の為に頑張っていらっしゃる。それこそ、同盟している連合に知られれば危うい秘密を
抱えながら、全て覚悟の上で。アスランは一度は去った祖国に戻ってまで、オーブとプラントの橋渡しを
してくれている……あの方々とかつて、共に戦った、仲間として……私は彼らを誇りに思います」
一部言いよどんだ部分があったが、その言葉に嘘偽りの空気はなかった。言葉の端々ににじみ出る、オーブへ、
アスランへの感謝と敬意。真にラクスがそう思っているということを感じさせた。
どこか安堵したように、ハイネが表情を緩める。
「なあシン、お前はオーブと戦えるか?」
「え?」
「実際、今のところオーブは敵だ。いずれ戦うことがあるかもしれない。だがその時お前さんはオーブに
銃を向けられるか? かつての自分の国によ」
ハイネの言葉に、シンは言いよどむ。
かつて、何度も言ってきた──あんな国。どうだっていい。今度は俺が滅ぼしてやる。俺は、オーブが憎い。
だが、今の自分もオーブへの思いも、その当時とはまるで違う。
今の自分に、オーブと戦えるのか──
「やっぱりな。お前は実のところ、やっぱりオーブが好きなのさ」
自問するシンに、ハイネは笑いかけた。
「即答できないってことはそういうことだ。色々あったのは知ってるが、祖国を嫌いになれる奴なんて
早々いねえよ。アスランだってそうさ。あいつも親父のこととか色々あったが、それでも今ザフトに戻って
くれてんだ」
そういわれて、シンは初めて思い至る。オーブから逃げてプラントに渡った自身のように、アスランもまた
プラントを離れオーブに身を寄せていたのだ。
その細かい経緯こそ違うが、その点ではアスランは自分と似ているのだとシンは気づいた。
「だがな、一つだけ言わせてもらうぜ……いざという時は、割り切れよ」
シンはハッとする。真剣な表情で、ハイネがシンを見据えていた。
「今のお前はザフトなんだ。プラントの為に戦うのが使命だ。いざオーブと戦うときに、自分の祖国とは
戦えません、なんてのは論外だぜ……でなきゃ、死ぬだけだ。向こうはそんなこと気にしちゃ
くれないんだからな」
「ハイネ!」
諌めるようにラクスが言う。ハイネは頭を振ると、一息ついて何時もの笑みを取り戻した。
「ま、んなことは早々ないと思うがな。オーブだって好き好んでザフトと戦うことなんざ」
「いや、そうも言っていられなくなった」
その声に、三人が一斉に振り返る。厳しい顔のアスランがそこにいた。
「ブリーフィングルームに集まってくれ。オーブからの情報で、連合がスエズへ送った増援がこちらへ
向かってきているらしい……その中に、オーブ軍も組み込まれている」
オーブ空母タケミカヅチのブリッジ。側面に併走するJ.P.ジョーンズの横目に、ミナが呟いた。
「仮面の司令官とは、センスがあるのか趣味が悪いのか……ファントムペイン。聞きしに勝る特異な集団らしい」
先ほど会見したネオを思い出す。協力的とは言えないオーブに嫌味の一つでも言ってくるかと思ったが、
見た目に反し丁寧な対応をする人物だった。完膚なきまでに言い負かしてやろうと身構えていたミナからすれば、
拍子抜けであったが。
「本当にこれでよいのでしょうか、サハク閣下。連合への協力はやむなしとはいえ、まさか初陣の相手が
ミネルバとは……」
「今更だぞ、アマギ。我等は形だけとはいえ、連合に組する以上、遅かれ早かれミネルバとまみえるのは
分かっていた事だ。そして彼奴等がオーブを出るときも言ったな。この程度の苦境を超えられぬなら
価値はないと……そうだろう、トダカ?」
傍らに立つ艦長に目を向ける。こちらを向いたトダカはわずかに考える素振りを見せたが、決意したかのような
表情で頷いた。
それで良い、とミナは思う。タケミカヅチとミネルバ、オーブとザフト。目指す先は同じなれど、そこまでの
過程はそれぞれの道を往くのだ。
とはいえ、ザフトと本気で争う必要もない。軍責任者であるミナの長い交渉と現地への同行という条件で、
派遣戦力はかなり抑えることが出来た。あとは、どれだけ上手く立ち回れるか。
「行くぞ、武士達よ。無益で滑稽な戯曲の戦……なれどオーブの為に、その命かけて踊ってみせよ」
全ては連合を、ロゴスを内側から打ち崩す為に──せいぜい、踊ってやろうではないか。
静かにして厳かなるミナの言葉に、将兵たちは一分の迷いなく返礼した。
ダーダネルス海峡に差し掛かったミネルバは、迫る敵艦隊を感知し戦闘態勢に入っていた。
「オーブが、敵……」
出撃したフォースインパルスのコクピットで、シンが呟く。
まさかこんなに早く、オーブと戦うことになるなんて。感情が交じり合い、頭が上手く働かない。
撃てるのか、俺は? オーブを、オーブを守るために戦う人達を。
『シン、あまり深く考えすぎるな』
インパルスの横にセイバーが併走する。普段より少しだけ硬い声で、アスランはシンに告げた。
『お前は連合との戦いに集中してくれ……オーブ機は、俺に任せろ。お前が業を背負う必要はない』
未来のために同胞を撃ち、その責を背負う覚悟。一番辛いのは自分だろうに、そんな中アスランは自分を
気遣ってくれる。
そんな中不意にインパルスを追い抜いていく、オレンジ色をしたザクとは違う機体が目に入った。
グフ・イグナイテッド。ハイネの機体だ。
割り切れよ──ハイネから言われた言葉が蘇る。
「どうすればいいんだ、俺は……」
不安定な精神を抱いたまま、シンは目前に迫る戦いへと向かっていった。
オーブの船から飛び立つ飛行装備のM1アストレイとムラサメ。連合艦隊から出撃したウィンダムの部隊と
合流し、ミネルバへと向かう。
「ミネルバか……しっかりしろ自分。自分はオーブの為に戦わないといけないんだ」
連合と共同でザフトを責めることに乗り気ではないM1のパイロットだったが、全てはオーブのためと
気合を入れなおす。
とはいえ、ミネルバとの距離はまだ十分にある。油断こそないがまだ交戦距離でないと考えていた彼は
自機をゆったりと飛行させ……
「ん、今何か……うおっ!」
ミネルバの甲板上で何かが光ったと認識した直後、アストレイの側面を突き抜けた閃光が飛行ユニット
『シュライク』を破壊。制御を失って海面へと落下していく。
何とか体勢を立て直して無事着水しようと足掻く中、彼は見た。彼だけではなくオーブ機が一機、またもう一機と
閃光に主翼や飛行ユニットを破壊され、高度を落としていく様を。
「なんなんだ、一体……」
呟いた直後着水の衝撃にコクピットが揺れ、彼は舌を思い切り噛んだ。
攻撃を受け、慌てて回避飛行を取り始める敵編隊。それを見たルナはにやりと笑う。
「ふふ、焦ってるじゃない」
狙い通り。距離がある状態で飛行ユニットを破壊出来れば動きを鈍らせ、上手くすれば戦線離脱させられる。
オーブに与える被害を、多少なりとも少なくする事が出来る。
シンやアスランにばかり背負わせてはいられない。それに自分も好き好んでオーブと戦いたいわけではないのだ。
「だから、距離がある内に一機でも!」
ルナのザクが、手に持った風変わりなライフルを降ろした。
銃身自体は普通のライフルより長めなのだが、飾り気がなく細長い全体像のためコンパクトに見える。
トリガーのすぐ上に取り付けられたEカートリッジを、左手が外して投げ捨てる。
右肩のシールド内側に備えられた予備パックを装着。ゼロだったエネルギーが最大残弾五発まで回復する。
再びライフルを構えるザク。右肩にシールドを移し本来シールドのあった左肩にはアビスのシールドを装備。
そして背にはスラッシュウィザードのガトリング二門が鈍く光る。
これこそが、新たな姿に生まれ変わったルナの愛機。その名も──
「スラッシュザクウォーリア・バラージカスタム! 撃ちまくるわよ!」
「ヒュウ! やるねえ!」
後方から飛んでくるビームが、また一機ムラサメの翼をへし折った。その精度の高さにハイネが口笛を吹く。
が、いつまでも気を抜いているわけでなく、先行してきた一団と接触しハイネの顔が真剣味を帯びる。
「テメェらの不幸は二つある……ミーアが乗ってる船を襲ったことと、俺に出遭っちまったことだ!」
グフの左手から伸びた電磁鞭『スレイヤーウィップ』がウィンダムに絡みつき、強烈な電流を流し込む。
機能を麻痺させたウィンダムを鞭で捕らえたまま振り回し、別のウィンダムに叩きつける。
「オーブはまだしも、連合に遠慮する義理はねえ!」
素早く鞭を戻し、シールドから剣を引き抜く。刀身がスライド、伸長して諸刃状にビーム刃が展開した大剣が、
ぶつかって動きの止まった二機をまとめて一刀両断した。
「……あれ? ミーアが乗ってたから俺が居たんであって、んじゃ不幸は一つなのか?」
などと一人でボケたことを言う間にも、新たな敵が眼前に迫る。今度はウィンダムの三機編隊。
少し慌てつつハイネが迎撃しようとした時、ビームがウィンダムを貫いた。
『余計なお世話でしたか? ハイネ』
落ちていくウィンダムを尻目に、白い機体がグフの眼前を横切る。その姿を見てハイネは目を丸くする。
単体で空を飛ぶ、ザク。グフとは違い単機では飛行できないはずのザクが、である。
良く見るとブレイズウィザードに翼が生え、更に両足の下腿部にもバーニアと翼が取り付けられている。
ブレイズザクファントム・エールカスタム。エールストライカーを使いウェストが出力強化、ユンが
バランス調整を行い完成した機体である。
高出力だが飛行可能なまでには届かなかったブレイズウィザードの推力にエールストライカーの出力と
空力効果が加わり、単体による飛行を実現したのだ。
前もって聞いてはいたが、実際にザクが飛ぶという光景を目にしたハイネは驚愕を禁じえなかった。
『ハイネ?』
「あ、ああスマン。助かったぜ、レイ」
『いいえ。では先に行きます。FAITHの実力、期待していますよ』
レイの発言に、少しだけカチンと来るハイネ。向こうにそのつもりはないのだろうが、挑発のように
聞こえてしまったのだ。
いくら強化されたザクであろうと、こちとら最新機に乗っているのだ。遅れをとるわけには行かない。
「いいぜ、見せてやる……グフの力ってヤツをよぉ!」
啖呵を切り、グフは新たに迫る敵機へと剣先を向けた。
海上での戦いが激化する中、一機海中に潜行するアビスのコクピットでアウルは悶々としていた。
「なんだってんだ、スティングのやつ……」
テメェは援護に徹しろ、ミネルバには手を出すな──出撃前に、アウルはスティングからそう言われたのだ。
今回は前のように護衛機は居ないが、それは潜水艦の随伴がない向こうも同じこと。海中からミネルバを
攻撃するのは有効な手だと思うのに、スティングはそれをやるなという。
それ以外にも、最近のスティングには奇妙な点が多い。
前回の『最適化』から戻ると、自分の持ち物に見慣れぬ服があった。後を引く違和感に首を傾げながらも
それを捨てようとしたアウルだったが、
『わざわざ捨てる事もないだろ。なんでそんなもん持ってるか知らないが、似合ってるんじゃねえか?』
などとスティングが言い出したのだ。しかもステラも同じように見慣れぬ物を捨てようとし、
それをスティングに止められたらしい。
スティングから服が似合っているなどと、初めてだった。
「なんか悪いものでも食ったのかなあ? まあいいや。手柄を上げちまえば、別にスティングの言うこと
聞く必要もないだろ。ミネルバを落とせば……」
瞬間、アウルの脳裏に嫌な感覚が走った。例えるなら、一瞬ラジオのノイズを大音量で聞いてしまったような
感覚。
顔を顰めるアウルだったがその感覚は一瞬で、首を傾げながらも目的達成に動き出そうとする。
しかし、レーダーに敵影を感知してその動きは止まった。
「敵!? ……この反応!」
反応を追ってアビスを前進させるアウル。反応が近くなり、敵機の姿が海水の向こうに浮かび上がる。
その姿を捉えたアウルは、目を見張った。
前の戦いで自分を痛め付けた鎧武者が、腕を組んでこちらを睨んでいた──その背中から、
ディープフォビドゥンのゲシュマイディッヒ・パンツァーを生やして。
サル喰らったのかな支援
「船もMSも凄い数……だ、大丈夫なんですか?」
「ご心配には及びませんわ、ラクス様。必ずここを突破し、貴方を無事にジブラルタルまでお送りします」
心配げに言うラクスを横目に、タリアは極力優しい声で言った。その心中はあまり穏やかでも
なかったが。
戦闘をブリッジで見たい、などとラクスが言い出したとき、タリアは断固として反対しようとした。
野次馬根性で戦闘を見物されて面白いわけもなく、それでブリッジに押し掛けられるのも御免だからだ。
しかし「自分の為に多くの人が戦っているのに、そんな中ただ部屋に閉じこもっているなんて我慢できない」
と言われ、しかも本気でそう思っている目を向けられれば無下にするのも忍ばれる。デュランダルから極力
行動に便宜を図ってくれと言われたのもあり、結局タリアは余計な事をいわない、おびえた姿を見せないという
条件でブリッジへの同行を許していた。
「オーガアストレイより連絡! 海中で、アビスと接触したとのことです!」
メイリンの報告にタリアは頷く。恐らく来るだろうアビスを迎撃に向かったティトゥスの読みが当たった。
これで当面の不安要素は消えた。後はオーブをなんとかしなければ。
「タンホイザー、発射準備! 目標、オーブ艦!」
「えええ!? ほ、本気ですか艦長!」
アーサーが目を見開いて聞いてくる。タンホイザーはディオキアでの整備で、地上で使っても環境に
影響が出にくい新型モデルに換装されている。だが威力は従来のままを維持しており、直撃すれば
環境云々の前にオーブ艦を藻屑と消せる代物だ。
困惑するアーサーに呆れつつ、タリアは説明した。
「本当に当てるわけないでしょ。威嚇よ、威嚇。確かにザフトとして任務は果たすけど、私だって
シンやアスランに好き好んで恨まれたいわけじゃないのよ。それに、こちらに強力な兵器があるということが
分かれば慎重にならざるを得ない。つまりオーブがこちらへの攻撃頻度を減らす理由付けになるわ」
成る程とタリアの意図を掴むと、仕切りなおすかのようにアーサーはタンホイザーのチャージを
再指示しようとし……
『フフ、ククク……ヒャ〜ハハハハハハ!』
高らかに響いた笑い声に、ラクスをのぞく全員が背筋を凍らせた。
ミネルバに近づく敵機に、バラージカスタムがガトリングニ門とシールドの二連装砲を乱射する。
いくらを逃げても執拗に回避機動を追ってくるビームと炸裂弾の雨あられに、敵MSはミネルバに
近寄る事が出来ない。迂闊に踏み込みすぎれば即座に蜂の巣にされ、上手くそこを切り抜けても今度は
ライフルとシールド内側に装備された三連ビーム砲に狙い撃ちされる。
名前通りの【弾幕】でミネルバを守っていたザクだったが、不意にその弾幕が止まった。
近寄ってきた一機にルナがライフルを撃ちこもうとした瞬間、巨大なドリルがその敵MSを貫いたからだ。
ドリルはそのまま直進を続け、後方にいた別の敵機を貫いていく。
凄まじく嫌な予感がしたルナが、嫌々ながら振り向くと──
『トルネード・ドリルブレイカァァァァァ! もう逃げる場所はNo Whereである!』
『光越えた速さで突き抜けるロボ〜!』
目を疑うような異形の機体が、ハンガーから這い出していた。
ずんぐりむっくりな胴体に太い足。頭部は無く、胴体の中央に四角い顔が埋め込まれている。
そして左腕は巨大なクレーンアームになっており、右腕は……ない。
『前作スーパーウェ(略)verレイスタを元に造り上げたこの【スーパーウェスト無敵ロボ$奴隷
──マネーとドリルならいくらでもくれてやぁるうぅ──】! 遠隔操作機能を付加した大型ドリルの前では、
何処まで逃げようが無駄無駄無駄ぁ!』
『受け流して見せろこのクルピラ野郎ロボぉ!』
何がなんだか分からない。半分トんだ意識の片隅で、ルナは思った。
『さあ、行くのであ〜る!』
もはやMSの面影を完全に無くした破壊ロボが跳び、更に高度を維持したまま前方に飛ぶ。
どこにそんな推力がと疑いたくなる光景だったが、僅かに前進したところでその動きがピタリと止まる。
『ん? どうしたであるか?』
『あ。そういえば推力のほとんどはドリルに割り振ったから、ドリルがないと飛べるわけ無いロボ』
一瞬の静寂。
『……ギェアアアアアアアアアア!』
『ロボーーーー!』
ボチャンと質量にそぐわない軽い水音を上げて、破壊ロボは海へと消えていった。
「……さーて、迎撃迎撃っと」
何事もなかったかのように、ルナは敵へと向き直った。
「なんだったんだ、今のは?」
ミネルバでの騒動は知る良しもなく、アスランはセイバーで戦場を駆ける。突然ドリルが後ろから飛んで来て
敵機を落とし、そのまま海の中に落ちていったのは驚いたが、嫌な予感がしたので考えない事にした。
それに今のアスランにはそんなことを気にする余裕もない。
「すまない……!」
また一機、オーブのムラサメを撃ち抜く。翼を破壊した瞬間はパイロットも生きているだろうが、
そのまま海面に墜落して五体満足でいられる保証はない。
オーブの兵士達の動きには戸惑いこそ見えるが、手加減はない。数の差もあり、油断すれば一気に
押し切られそうなほどだ……そうでなければ、連合に怪しまれる。
被害を少なくしたいという自分の意思を仲間達も酌んでくれている。だが、どんなに頑張っても
被害は──人死には出る。後の平和のためという理由の下に。
アスランはミネルバに目を向ける。展開されるタンホイザーが向けられているのは、オーブの艦隊。
それがベストだ。タンホイザーの威力を見せつけ、それを向けていればオーブが消極的になる理由が
立つ。後は何とかミネルバが戦線を離脱するか、オーブが撤退できる状況を作るしか……
「……何っ!?」
チャージされていたタンホイザーが、側面からの射撃を受けて爆発した。突然の事態に、戦場の動きが
一瞬止まる。
上空を駆ける影、それがタンホイザーを撃ったものの正体。それは戦場へ躍り出ると、
その背に十枚の翼を広げた。
「馬鹿な……キラ!?」
伝説のMSフリーダム。そしてその足元の海中から浮上する、浮沈艦アークエンジェル。
『連合およびザフト、そしてオーブ軍に告げます。今すぐ戦闘を中止してください』
アークエンジェルから、流水の如く澄んだ声が響いた。
『私は、ラクス・クラインです』
「来たか、来たか! やはり予想通り、希望通り、来てくれたか!」
闇の中で、ウェスパシアヌスが目を見開いた。同時に計器の光が一斉に灯る。
海の底から、巨大な物体が浮上を始めた。
「ではとうとう、とうとう私の出番だ! さあ行こう、いざ行こう、いざ参ろう! 【エイボンの書】よ!」
いろいろ詰め込みすぎたこんばんわ。
最近予定より文量が増える傾向がある今日この頃。
おかげで久しぶりにサルに引っかかっちゃったい。支援ありです。
ラクス様送迎でオーブ軍と合っちゃったの巻。変態紳士は出現まではいけなかった。
記憶関係は大分自己解釈でやってます。しかし特定の人物の記憶が消せるって地味に凄いよな……
そしてザクシリーズ強化。本体もいじってるのでカスタム。名前は割りと思いつきで。
ザクが飛べないのは地球侵攻を(建前では)考えてなかったからという話を聞いたが、
グフが出来た段階で空戦ウィザードがあってもいいよなと思う。さりげなくオーガにも新ストライカー。
そして西博士……は、ほんとゴメンナサイorz 実はこっちから前回のゲームネタ思いついてたりする
次回はいろんな意味で混沌としそうだ。
やっぱ現地改修というのはいいねぇ。
アニメ版(原作?漫画でしょ)ではただの一ビーム砲台だった2体のザクの輝くこと輝くことw
特にスーパールナタイムスゲー、弾幕もはれるスナイパーてどこのシモヘイヘだよwww
次回は似非紳士大暴れぽい。ステラ達ガルバとかの変わりにされないように逃げてー!
空気読まないラクスとキラはどうでもいいからー
みんな輝いてるなぁ。
でもシンは辛い立場ですね。
オーブを相手にしても、連合を相手にしてもどちらも愛着があった人がいるわけですし。
乙乙
よりによって$奴隷っすか西博士w
いや、あの人的に好きそうだけどさ
皆の新型ウィザードも疲労で次回ついに似非紳士のMMが登場かぁ。
一体何を魔改造したんだか…
MS&中のヒト区別なく、なんという万遍無い輝き万歳。
スティング兄さん、あんたってヒトは…!
ユウナが輝いているので、アスランも恋敵として負けずに輝き返して欲しい。デコじゃなくてな。
そして獲り損ねた獲物はガチで獲りに行くお侍さん、カッケー!…ってこ、今回ばかりは!今回ばかりは…っ!;でも事情を知ったら率先して自分が斬りに行ってくれs…ダメじゃん!orz
そしていよいよ、いよいよ盛大華麗な修羅場を自演して、変態紳士がライジング!
オーブ脱出→カガリ誘拐未遂までの間に何があったんだなキラが、今現在どうなってるか…そしてソレに変態紳士が絡んできっと博士効果も付いてくるに違いない次回、ワクテカすべきですかガクブルすべきですか!?
ネオ兄貴の記憶をいじったのは盟主じゃなくて変態紳士っぽいなぁ。ステラ組を護る唯一の砦がもう堕ちてるとか言わないでくれよ…。
髭は!!髭はまだかーーーーーーー!!!
いつもいい所で切ってくれるぜ・・・・・・・・・・・・・・
しかし変態紳士の獲物がアークエンジェルなら
一瞬いっそアークエンジェル任しちゃっていいんじゃないかと、考えてしまった。
ニャル様にアークエンジェル任せるよりはましだと思うが、似た様なもんか。
確かにニャル様なら世界に迷惑なアークエンジェルが、面白おかしく大迷惑な存在になるからなー
それに引き替え、ウェスパシアヌスなら自分に面白おかしいが、世界的にはなんとかなる存在に収めてくれる・・・はず
乙であります
これからシンには辛いことばかりになりそうで胸がキュウキュウします
オーブが憎めないものになって、極力オーブに被害を出すまいと頑張ってるのに
空気読まない堕天使が来ちゃって・・・
ラクスもといミーアもどうなりますかね、最終的に救われるのだと信じたいですが
髭紳士のMMはなんとなくだけど、パイロットの脳直結でXYZ軸をそれぞれ担当して
ガンバレル使うようなMA(名称失念)を原型にしてそう・・・
とにもかくにも、楽しみに待ってまーす
死なないと思うけど死ぬなハイネ・・・
アークエンジェルを媒介にしてクトゥルー召喚とみた
肉塊に押しつぶされるクルー達・・・
持ってるのはエイボンだけで、ルルイエっ子はいないよな?
ダゴンの海…。
そもそも肝心のC巫女がいないだろ
C巫女=ラクス
あの歌声はどう考えても召喚の儀式w
儀式はラクス一人で事足りると言う事か
保守
SAN値の低さでIFに負けてるぞage
ザクレロは最早旧支配者だと思ってる俺
保守
『他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない……それがオーブの国是だったはず。
今現在のオーブはそれに反しているといわざるを得ません。オーブは戦ってはならないのです。
今すぐに戦闘を中止してください』
「あ、ああ……」
アークエンジェルからの声が響き渡る中、驚愕の表情で立ち尽くすラクスの姿。それを見て、
タリアは大まかな状況を理解した。
(戻ってきたタイミングが都合良すぎるとは思っていたけれど……ギルも酷いわね。こんな若い子に
重たい役を背負わせて)
整形だろうから実際の年齢は分からないけど、とどうでもいい考えを振り払いながら、タリアは
動きの停滞したブリッジで声を張り上げた。
「何を呆けているの! MS隊にアークエンジェル一派は無視し作戦を続行、もし手を出してくるなら
迎撃するよう通達! それとアスラン……いえ、アレックス・ディノ氏には独自の判断で動くように伝えて!」
その言葉にブリッジクルーは皆困惑の表情を見せた。タリアとラクス、二人の顔へと交互に目を向ける。
その視線にラクスが身を強張らせる中、タリアは更なる一喝を上げた。
「アークエンジェルがどういう存在か、貴方達はよく承知している筈でしょう! そこからラクスの声が
聞こえたからって、それが信用できると思っているの!? そして今ここに、今この場に
ラクス・クラインはいる! それでどういうことか分かるわね!? これだけ言って分からないなら
今すぐこのブリッジから出て行きなさいっ! 返事はっ!?」
『りょ、了解であります!』
有無を言わせぬ迫力に、誰一人逆らうことなくそれぞれの役割に戻る。
「ラクス様、こちらに」
声をかけて、未だ茫然自失としたラクスを傍に呼ぶ。
「……しゃんとしなさい。動揺すればそれだけ疑われるし、兵の士気にも関わってくるわ。反論したり
否定したりする必要はない……虚勢でもいいから、自信のある風を装ってなさい。
私はラクス・クラインだ、ってね」
周囲に聞こえないよう抑えた言葉に、ラクスはハッとタリアを見る。
かすかに震えている彼女の手をそっと握り、タリアはかすかな笑みを浮かべて頷いた。
「当然、叩き潰す」
容赦のないミナの一言。通信機越しのネオの声が戸惑った様子を伝える。
『いや、しかしアークエンジェルはそちらの国の……』
「そう。あれはわがオーブの代表を誘拐しようとして国際指名手配された船だ。出来れば捕らえて
その招待を白日の下に晒したいが、戦場でそのような考えは甘いといわざるを得ない……
故に、せめて我が軍の手で始末をつける。失礼」
強制的に通信を切り、ミナは優雅な素振りで通信機を元の位置に戻した。
「タイミングとしては悪くもない。このまま暴れてくれるなら、我等の撤退する理由にも
なり得る……が、しかし」
静かに独語を呟くミナ。その表情や身振りには特に変わった様子は見られない。
だが、クルーたちは気づいていた──表情は落ち着いているが目は笑っておらず、
声が完全な無感情になっていることに。
「トダカ」
「ハッ!」
緊張の面持ちで敬礼するトダカに、ミナは短く告げて指揮官シートから立ち上がる。
「私も出る。用兵と撤退のタイミングは任せた……少々、悪戯の過ぎた子供に灸をすえねばならぬ」
あれは確実に怒っている──ブリッジを出るミナを、クルー全員が恐怖の視線で見送った。
突然の乱入に止まっていた戦闘が再開する──と同時に、フリーダムの全砲門が火を吹いた。
連合オーブ問わず、MSが手足や首、翼をもがれて堕ちていく。
状況は混乱し、泥沼の様相を呈していた。
「おのれ、フリーダム……!」
幸いザフト機は数が少ないのもあり、今のところ被害はない。それにレイは安堵すると同時に、
暴れまわるフリーダムへの怒りに身を震わせた。
戦場を混乱させるのも迷惑極まるが、レイの怒りはそれだけではない。フリーダムのパイロットは、
レイにとって──
「っ!」
エールカスタムの側面を横切った影が、レイの思考を怒りから引き戻した。
連合艦隊から飛び出したカオスだ。高速で突き進む先にはミネルバがある。この混乱の最中に、
ミネルバを落としてしまおうという腹か。
「させん!」
ブレイズウィザードからミサイルを『上方向に』発射し、ライフルを撃ちながらカオスを追いかける。
正確な射撃に回避行動を取るカオスのスピードが落ち、その隙に距離を詰めたザクは更にカオスの
下方向に回り込みながらビームを撃ちこむ。
カオスが上昇しながら回避行動を取り──その背中を、時間差で飛んで来たミサイルが強かに打ち付けた。
「もらった!」
VPS装甲に実弾は効かないと言えど、衝撃を受ければ隙も出来る。レイはカオスの進行方向に回り込み、
狙い済ませて撃破しようとするが、
「ちっ!」
体勢を崩しつつもカオスは踵を返し、猛スピードでザクの射程から離れる……かと思えばすぐさま振り向いて
再び突撃の姿勢を見せた。だがどうやら、攻撃目標をミネルバからこちらに移すことは出来たようだ。
「……?」
突撃してくるカオスと相対するレイは、その時何故か違和感を覚えた。
初めてのカオスとの一騎打ち──なのに何故かこれが初めてではないような、既視感を。
フリーダムの砲火を、シンは必死の回避軌道で避け続けていた。少しでも気を抜けば、手足を
引き千切られてしまう。
「フリーダム……!」
憎むべき仇。家族を奪った存在。そして今、突然現れて戦場を掻き乱す。
混戦を極めるこの状況では、オーブ相手に手を抜く事も出来やしない。
黒い憎悪が、再びシンの中で燻り始める。
「なんで……こんな時に出て来るんだ、お前はぁ!」
フリーダムに憎悪の叫びを上げるシン。頭の中で、昏い憎悪の火に炙られた『種』が弾け──
(でなければいつか、君もまた狂気に呑まれてしまうかもしれない……それじゃ、何も変わらないんだ)
「っ!」
──寸前、シンの中でジェスの言葉が思い出された。『種』のイメージが消え、憎悪が一気に冷める。
憎しみに捕らわれた人の狂気の貌を思い出し、シンは身を震わせる。
少し前のシンなら、憎悪に任せフリーダムに向かっただろう。しかし今まで見た人の狂気の姿が、
『復讐』というシンの思いに迷いを与えていた。
だがそれでも、フリーダムへの憎しみは振り払えるものではない。再び憎悪がシンの中で再燃を始める。
「俺は……!?」
その時、シンは見た。
両の手にサーベルを抜き、迷いなくフリーダムへと駆けるセイバーの姿を。
「キラ!」
接近するセイバーを、ライフルで迎撃するフリーダム。それを避け肉薄するセイバーだが、
フリーダムは弾幕を張りながら後ろへ下がって逃れてしまう。
剣を構え直すセイバーのコクピットで、アスランは操縦幹を強く握りしめた。
「何故出て来た……何故、こんな所に現れた! キラ! ラクス!」
通信回線は繋がらず、ラクスのように外部スピーカーで叫ぶわけにもいかない……今己の意思を
相手に伝えられないと分かっていても、アスランは叫ばずにはいられなかった。
「突然戦場に現れて、ラクスの存在を明かして……その次は問答無用で攻撃か! それがオーブへの被害を
大きくしている事に何故気づかない!? ラクス、君が居ない間ミーアがどれだけ頑張ってきたと思ってる!
彼女が積み上げてきた物を、全てぶち壊すつもりか!」
ミーアについては向こうにも言い分があるかもしれないが、それを考慮できるほどアスランに余裕は無かった。
それだけ、キラとラクスへの失望と怒りが大きかったのだ。
「キラ……お前は!」
こうなればフリーダムと接触し、直接回線で問い正す。
刃を構えなおし、セイバーが再びフリーダムへと突っ込んだ。
弾幕を抜け、フリーダムへと剣を振り上げるセイバー。その右腕が、半ばから切り裂かれる。
素早くサーベルを抜いたフリーダムが、返す刀でもう一方の腕を切り落とそうとし──
側面から放たれたビームに、慌ててフリーダムは後退した。
「あれは!?」
ビームの飛んで来た方向を見るアスラン。
そこには漆黒の翼を広げた、ゴールドフレーム天が飛翔していた。
「あの機体は、オーブの……」
かつてカガリを連れて行こうとした自分を阻んだ機体。それを目にしたキラが僅かに怯むが、
すぐに弱い考えを頭から振り払う。
「僕は、この戦いを止めなくちゃいけないんだ」
スカンジナビア王国に身を寄せていたアークエンジェルに、【ターミナル】から送られてきた情報。
オーブが連合の増援として駆り出され、更にその近くには偽のラクスが乗ったミネルバがいるという。
オーブを戦いに巻き込まないため、キラたちはあえてラクスの存在を公表する事に決めた──それも、
偽のラクスの前で。
ザフトに混乱を呼んだ上で、ラクスの影響力があればオーブは止まってくれる。そう信じていたのに──
「どうして戦わなきゃならないんだ……僕は、僕達は戦いたくなんかないのに!」
戦いを止めないなら、止めさせるしかない。
マルチロック起動。コクピットにだけは当たらないようにロックオン位置を調整。フルバースト。
ビームと電磁加速の砲弾が乱舞し、所属を問わずあらゆるMSを貫く。だがどれだけ破壊されようと、
コクピットだけは無傷のままだ。
もう、他人の命を奪いたくない。
そんな中落とされずにいる二機──オーブの黒い機体とザフトの赤い機体が迫る。
まるで連携を取るかのような波状攻撃を仕掛けてくる二機。特に赤い機体は、右腕を斬り落としたのに
まるで恐れがないように見える。
その機体──セイバーの良く知った動きが、キラを戸惑わせる。
「アスラン、まだ君はその機体に乗っているのか? ……くっ!」
悪寒を感じ咄嗟に上昇する。後方と右前方からビームが飛び、フリーダムの足下を抜けていく。
紫に塗られたウィンダムがライフルを構え、オレンジ色をしたザフト機が腕に装備した小型ビームガンを
向けている。
混乱を巻き起こしたフリーダムに奇しくも連合、ザフト、オーブの機体が対するという構図が出来ていた。
ウィンダムの撃つライフルをかわす。そこに仕掛けてきたオレンジの機体の斬撃をかわし、急上昇。
「撃ちたくない……」
視界に全MSの姿を見る。ロックオン可能距離。
キラは迷いながらも、止まらない。全ては、こんなくだらない戦いを繰り返させないために。
──迷っていたって、前に進むしかないじゃないか。
「……撃たせないで」
再びマルチロックを起動し、キラはフルバーストの引き金を引いた。
オーガアストレイの鋭い連撃を、アビスはシールドとランスで受け流す。
「こんなのインチキだろ!」
以前より遥かに素早いオーガアストレイにアウルは防御に手一杯で、反撃の糸口が掴めない。
攻勢に転じようと連装砲を向けた瞬間、振り下ろされる刃。慌ててシールドを傾け、刀を弾く。
防御を疎かにすれば、またもやその刀がコクピットを貫くのではないかという強迫観念。それがアウルに
思い切りの良さを失わせ、防戦一方の現状を作り出している。
兵器である自分が、ビビっている──認めたくない自覚が、よりアウルの恐怖感と苛立ちを煽った。
「クソがぁぁぁぁっ!」
コクピットで絶叫するアウル──しかし苛立ちという点で相手も同じだという事は、知る良しもなかった。
回収したディープフォビドゥンのパーツで造られた【フォビドゥンストライカー】──武装や変形機構を廃し、
追加スラスターとゲシュマイディッヒ・パンツァーのみ残した簡易ストライカーの使用で、オーガアストレイの
水中戦闘能力は大幅に上昇していた。
だが、しかし。
「遅い……」
攻勢を維持しているティトゥス。だが防戦一方のアウル以上に、その心は苛立っていた。
「遅い、遅い、遅い……!」
ここで踏み込めれば。そこに斬り付けられれば──もっと、疾ければ。
幾度となく撃破のチャンスを見出しながら、それに身体の動きが追いついていない。ティトゥス自身が
追いついていないのだから、まだ多少水に動きを取られているとはいえ機体の責ではない。
全ては、己の脆弱さ故。アビスが防御に徹している、【その程度】の理由で決定打を撃てなくなる。
理想と現実のギャップ──外道だった己なら届いた領域に、届かない。
【人間】であるが故の苦しみ。己の弱さが、ティトゥスをどこまでも憤らせる。
「……!?」
その時、ティトゥスの感覚が何かを捉えた……刹那、海水の流れが奇妙な勢いを伴い始める。
オーガアストレイとアビスが、突然の異変にいったん距離をとった。
「これは!?」
にわかに激しくなる流れの中踏み止まる二機。二機から距離の離れた位置の海底から、何かが浮上を始める。
MS、いや連合のMAより一回り大きいその物体を見て、ティトゥスははっきりと感じた。
ほの暗い、魔術の匂い。しかも覚えのあるこれは……
「ウェスパシアヌスか!」
MS戦が激化の一途を辿る中、海に浮かぶオーブと連合の艦隊も戦っていた。
乱戦の中味方に当てぬよう援護射撃を行いつつ、アークエンジェルとミネルバにも仕掛ける。
タンホイザーをやられたミネルバは後退、戦場の中心から離れた。艦上のザクが迎撃行動を取り、
容易にMSを近寄らせない。
アークエンジェルは謎の演説を止め、数年前の艦とは思えぬ機動性を持って戦場の中央を駆けている。
こちらにはオーブ艦隊を中心とした攻撃が行なわれているが、すぐにフリーダムが周囲を凄腕に囲まれて
尚正確な援護射撃を行い艦の攻撃力を奪っていく。
決め手が掴めない中、J.P.ジョーンズの艦上で援護射撃を行なっていたステラが何かに気づいた。
「何……?」
ネオや他の機体と争っているフリーダムの下、海面から何かが浮上してくる。
MS──いや違う。MSにしては大きすぎる。
「──っ!?」
水飛沫を上げて現れた、MSよりずっと巨大な【それ】の姿を見て、ステラは息を呑んだ。
【それ】は足のついた、赤色の巨大な円盤とでも言うべき姿形をしていた。
円盤そのものといった本体から、甲殻類のような外装と爪を備えた巨大な足が四本生えている。
その足と足の間四箇所からも太い突起状のパーツが伸びており、前方に突き出した物の上部にはモノアイの目が
光っていた。
何より異常なのは本体の下部で、そこには無数のケーブルかチューブのような何かが蠢いている。
しかもその中央から、手のないMSの上半身が頭を下に、オブジェのように突き出しているのだ。
あまりの異形に、気持ち悪さを覚えるステラ。目にするだけで吐き気を誘う、醜悪な造詣。
再び停滞する戦場で、異形はゆっくりと浮上していった。
「さて、さてさて皆どのような印象を受けるかね? 私の自信作、【リジェネレイト・サイクラノーシュ】
のめでたい、めでたいお披露目に」
コクピットシートに座り、両手の指を絡ませ弄びながらウェスパシアヌスは哂う。周囲の計器類は
かすかに魔力の光を帯び、彼が手を触れずとも各種操作を続けている。
モニターの向こうでこちらを見つめるフリーダムとセイバーを、ウェスパシアヌスは熱い目で見つめる。
「では参ろう、いざ参ろう。君達の力……スーパーコーディネイターと、【SEED】とやらの
仕組み、理屈、遺伝子構造! それら全て私が、この私が解析し、理解し、手に入れてみせよう!」
指を解き、高らかに両手を振り上げ、ウェスパシアヌスは叫んだ。
「まずは小手調べ! さあ歌え! 呪え! ガルバ! オトー! ウィテリウス!」
突如現れた謎の機体──R・サイクラノーシュの突起パーツ三つが、本体から飛び立った。
先端が分かれ、三つのビーム砲門を持つ機動砲台となったそれらが宙を舞う。無数の閃光が、フリーダムと
その周囲に向けられる。
一斉に放たれたビームの雨に、フリーダムを囲んでいた四機も散開した。
「ガンバレル……いや、ドラグーンだと!? 地上でか!?」
ウィンダムを駆るネオが驚愕の声を上げる。ガンバレル使いの彼にとって、重力下では飛行できる推力を
得られないガンバレルやドラグーンが使えないのは常識であり、不満でもあった。
その常識をひっくり返されたことに驚愕とかすかな羨望、嫉妬を覚えつつ、ドラグーンを放った正体不明機に
ライフルを向ける。
「フリーダムといい、訳分からない日だな、今日は!」
吐き捨てながらライフルを撃つが、かわされる。更にネオは追い討ちを仕掛けようとし──
《それはいかん、いかんなあ。止めておきたまえ、ネオ》
──突然の頭痛に、その動きを止めた。
「グッ──!?」
すぐさまR・サイクラノーシュから距離を取り、後方へ下がるウィンダム。
「なんだ……アレに手を出すのはやばい気がする……無視するか」
自分はあれに手を出さない──その段階で思考が停止し、ネオはそれを味方に伝えようとまでは思わない。
それが犠牲者を増やすかもしれないという懸念は、その時のネオには一切浮かばなかった。
R・サイクラノーシュから放たれたドラグーンは、フリーダムと同じように誰彼構わずMSを撃ち落していく。
だがフリーダムと決定的に違うのは、パイロットの生命は一切考慮していないという点だ。
また一機、ビームにウィンダムの一機が撃ち抜かれた。爆散する機体のすぐ横を飛んでいた僚機が相棒の死に
愕然とする中、ドラグーンが三つの砲身を大きく広げ、彼の機体に向かってくる。
MS並の質量が向かってくる恐怖に震えるパイロットは、その瞬間見た。
迫るドラグーン。その砲身を束ねる基部中心に顔があり──その口が大きく開いているのを。
「うわあぁ──」
恐怖の雄叫びの途中で、彼の意識は途絶した。
ドラグーンはウィンダムを『通り抜け』、そのまま飛翔する。胴体だけ綺麗に『喰いちぎられた』ウィンダムは、
両手と下半身だけになって海へ落下していった。
支援
「ちょろちょろと、うっとおしいんだよ!」
飛び回るドラグーンの側面から、ハイネのグフがビームソードで斬りつける。
しかしドラグーンの周囲に魔法陣が展開し、刃の動きを押し留めた。
「何ぃ!? はっ!」
ドラグーンはそのままハイネの視界から消える。ハイネが追いかけようして振り向くと、前方から
別のドラグーンが砲門を大きく開いてグフへと迫っていた。
ハイネは先ほど視界の端に捉えていた、ドラグーンに抉られたウィンダムの姿を思い出す。
「ソードで攻撃しても武器ごと持ってかれるか……なら!」
スレイヤーウィップを伸ばし、ドラグーン目掛けて振付ける。鞭が砲身の一つに絡みついた瞬間、グフは鞭を
大きく振り回した。
突然かかった力にドラグーンは軌道を変更、グフの側面を通り過ぎようとし……まだ絡みついたままの
鞭に引っぱられ、動きを止めた。
「くらえよ!」
鞭に流される電流。ドラグーンから苦悶の叫びのような奇怪な音が響く。グフがソードを振り払い、
砲身の一つを切り裂いた。
衝撃で鞭が解け、ドラグーンが逃げる。ハイネは逃がさぬとばかりに追いかけた。
ザクならさっきの攻撃でやられていたかもしれない。しかしこのグフはザクの汎用性を捨てる代わりに、
格闘能力を最大限に引き出した機体なのだ。接近してきた敵を逃がしては名がすたる。
「ザクとは違うんだよ! ザクとはぁ!」
「ほう! これは中々、中々の新型じゃあないか! 成程成程、ザクとは違うな、ザクとはぁ!」
『ウィテリウス』を傷付けられたウェスパシアヌスは、ようやくその新型機に意識を傾けた。
量産前提の凡作だろうと侮っていたが、近接時の手数と攻撃力は中々だ。オレンジのカラーリングは
ややケバケバしすぎる気もするが、外観もそう悪くない。今一つ装備が多すぎてスマートさに欠けるが──
「おっとこれは、いかんいかん。今回の本命は別だ、掘り出し物を見つけたといって目移りはいかん。
どうも集中力に欠けるなぁ、私は」
とはいえ、少々手こずりすぎている感は否めない。いらぬ連中を排除してゆっくりフリーダムとセイバーを
狙うつもりだったが、意外と有象無象が粘ってくれる。
やはりテストが必要だったとはいえ、未完成のまま出てきたのは早計だったか。
「仕方ない、仕方がないな……」
グフに追いかけられるウィテリウス。その前方に、『オトー』を相手にしつつMSを落としていく
フリーダムの側面が見えた。
「少々君にもご協力をお願いしようかね、キラ・ヤマト君!」
ウィテリウスに念で指示を出し、フリーダムを撃たせる。フリーダムが素早い反応で避けるのを確認し、
ウェスパシアヌスはウィテリウスを急旋回させその場から離脱させた。
「っ!」
側面から飛んで来たビームを避け、キラはそちらを振り向く。
そこにいたのはオレンジをしたザフトの新型、グフイグナイテッド。先ほど自分に攻撃を仕掛けてきた一機だ。
グフが自分を止めようとしたのだと、キラは判断した。
「邪魔をしないでくれ!」
ちょ、勘違いだぜ!──グフのパイロットがそう叫んでいるなど、キラは分からない。
腰のレールガンをグフに放つ。グフは回避すると、仕方ないといわんばかりに剣を構えて突撃してくる。
ライフルを腰裏にしまい、二本のサーベルを抜く。柄を連結、前後に伸びた刃を構えてグフと斬り合いを
演じる。
「……強い!」
敵の機体は、近接戦闘に特化されているらしい。重量のありそうな大剣を軽々と振り、こちらの連続攻撃を
ことごとく避ける。パイロットも機体の特性を生かす凄腕だ。
戦い方を誤ったと、キラは認めざるを得なかった。
「なら、距離を!」
一端離れようと後ろに飛ぶフリーダム。だが待ってましたとばかりに伸びた鞭が、フリーダムの左腕を
絡み取った。
流された電流に、キラと機体が悲鳴を上げる。
「うわあああああ!」
激痛の中、キラは見た。目の前で剣を構える、グフの姿を。
このままでは──
「死ねない……」
僕はこの戦争を止めなければならない──
「死ねないんだ……」
オーブを戦わせちゃいけない──
「僕は……!」
──生きて、ラクスの望みを叶えなければいけない!
頭の中で、『種』が弾けた。高速回転する思考に、キラの身体は完璧に対応する。
鞭を切り落とす。大剣を回避。そのまま敵の後方へ。手加減できる相手じゃない。確実に戦闘不能にしなければ。
でも殺しちゃいけない。だから──
「……ごめん」
止まったままに見えるグフの背中へ、短くキラは謝罪した。
もらった──裂帛の気合で放たれた一撃は、何もない空を切った。
ハイネが唖然とする中、激しい衝撃がコクピットを揺らす。息が止まり、呻き声も上げられない。
負荷に計器が爆発。破片がいくつかパイロットスーツに刺さる。今度は苦悶の声が出た。
ひび割れたモニターを見ると、海面が徐々に近づいて……いや、こちらが海に落下していくのが分かる。
フライトユニットと両腕を壊され、そして腰を真横にぶった切られたのだと、ようやく気づく。
「へっ……ダッセェな」
自嘲の笑みを浮かべながら、ハイネは意識を手放した。
「嘘……」
ミネルバ上で警戒を続けていたルナは、それを視て愕然となった。
「くっ……!」
カオスと戦いながら、横目にその光景を捉えたレイは唇を噛んだ。
「キラ、お前は……なんてことを!」
ドラグーンを相手にしながらフリーダムに近寄る機会を伺っていたアスランは、表情を凍らせた。
「そんな……そんな!」
迷いに囚われ満足に戦うことすら出来なかったシンは、目を見開いた。
海へと落下していく、ボロボロになったグフの上半身に。
「あ、ああ……」
ミーアもまた、それを見た。
グフに手を伸ばすも、しかしその手は何も掴む事はできない。
グフは、堕ちて行く。
「ハイネーーーーーーッッッ!」
ミーアの叫びと同時に、海に一つ小さな水柱が上がった。
オリジナル機体設定4
リジェネレイト・サイクラノーシュ
ウェスパシアヌス主導で開発された、『ZGMF-X11A リジェネレイトガンダム』を素体としたMM。
組み込まれた術式は『エイボンの書』の鬼械神『サイクラノーシュ』。
ザフト製ガンダムであるリジェネレイトの名を関しているが、これは地球連合軍特殊情報部隊が入手した
リジェネレイトのデータをウェスパシアヌスが極秘裏に解析、使用したためである。
なお本機には連合製試作MA『ペルグランデ』のデータも多分に流用されており、ドラグーン形状に
その名残が見て取れる。
大型MAクラスの巨大な姿には数多くの武装と、他のMAより大型で高出力の魔力炉が搭載されている。
充実した通常兵器だけでなく、ウェスパシアヌスの極めた数多くの魔術を使用した戦いを得意とする。
最大の特徴は三匹の使い魔を融合させて操作する『ファミリア・ドラグーン』であり、
各三門のビーム砲や呪詛の歌、使い魔に対象を『喰わせる』などの攻撃を全方位から行うことが出来る。
特にリジェネレイト・サイクラノーシュ本体との連携による儀式魔術は非常に強力。
また浮遊魔術の応用により、本来重力下で使用できないドラグーンを常時使用できるのも強みである。
弱点は飛行こそ出来るが動きはそこまで速いわけではなく、大きさと相まって回避能力が高くないこと。
そして他のMMと比べると一撃の決定力に欠けることである。
とはいえ前者は隠蔽魔術や転移魔術で補え、後者も総火力で比較すればそこまで劣っているわけではない。
全高 41.19m
本体重量 653.78t
武装
使い魔融合式ファミリア・ドラグーン「ガルバ」「オトー」「ウィテリウス」各1
140mmビーム砲×12(ドラグーン含)
大型ビームクロー×4
580mm高効率複列位相エネルギー砲「スキュラ改」×1
イメージはサイクラの足をイージスやリジェネレイトっぽい感じに。
足の間の補助翼(?)を、シンプルにしたペルグランデのビーム砲を三つ束ねた砲台に。
ドラグーン三つにはビーム開いたら使い魔の顔が。正面のは普段分離しないけど中にスキュラがあって、
MA形態のリジェネレイトの頭が乗ってます。
んでもってサイクラ下部の人形(?)がリジェネレイトの上半身。本来の人形は本体と比べてかなり小さいけど、
こっちの上半身は本体より少し小さい程度で大きく見える。
……想像すると考えた自分もこれどうよと思う変態使用。ガンダムとかMSとかそれ以前の問題(−−;)
ペルグランデじゃなくてリジェネレイトにしたのはどうせなら『ガンダム』で合わせようと思ったのと、
『巨大なサイクラノーシュ』って本来より小さくなってるじゃねーかと思ったからw
ファミリア・ドラグーンて良く考えりゃハイフ■ミリアじゃねーかということに、
本編書き始めるまでマジで気づかなかった俺ガイルorz
早く書けるのはいいことだこんばんわ。
書きたいシーンがあると早く書ける……ような気がする(ぇ)
変態紳士大暴れで、勘違いで落とされるハイネの巻。ある意味交通事故より酷いのではなかろうか;
ザクとは(ryがやりたかった、反省はしているorz
うちのキラは本編より少し弱いけど、種発動でそれ以上に強くなる感じ。でなきゃ皆瞬殺されてまう。
次回で戦闘は終わり。二人の歌姫のターンでシンとサムライはいける……か?
あとサイクラの武装の口径決めようとしてて思ったどうでもいい疑問だけど、
wiki情報だと種の武装の口径って決められてたり決められてなかったりでややこしい。
カラミティは全部決められてるのに自由や正義はほとんど決められてないとか。
まあこっちも適当に決めてるんだけど。
>>617 GJ!
仕事の帰りに遭遇するとは何て幸運なんだ!
ハイネエェェェェェェェェ!
本編死亡フラグを壊せなかったか…キラの独善まじうぜぇwwwww
それでも…それでもハイネなら生きている!あと凸は地味に生き残ってるなw
今回の変態紳士のMM
元がリジュネレイドだとすると他の機体を乗っ取る機能は残ってるんですかね
ロウとレッドフレームとのリジュvsアストレイの再戦はないかなぁ
刀繋がりで侍さんが殺りそうだが
そういやランバ・ラルとウェスパシアヌス
中の人一緒だったな
GJ!!
小手調べの段階で早くも犠牲者が。さすが変態紳士。
しかしサイクラノーシュとフリーダム、
実際どっちを先にみんなでフルボッコすべきなのだろうか?
サイクラノーシュが何だか原作より強く見えるぞw
つか原作だと浮いてるだけで鬼械神固有の性能が不明だったし
原作だと本当に浮いてるだけだったな。
地球皇帝のインパクトが強くてサイクラノーシュ影薄すぎ
確か呪術・儀式攻撃を得意とすると聞いたことがあるが
その前にオカマゾンビが呪術攻撃やらかしてる上に地球皇帝登場だからな
そりゃインパクトも薄くなるさwww
まあ、ウエスパシア〜ヌスのエイボンの書はかなりの粗悪品らしいからな。
あれだ、きっと、ゴールデンゴブリンプレス社版だ(苦笑)
それに、オリジナルだとナコト写本もびっくりの歴史を誇るエイボンの書(初版はハイパーボリア時代)だけど、
正直書き手がアレだから、信頼性が今一つ薄い……。
それを考えれば、ウェスパシア〜ヌスはよく頑張ったと言えるんじゃないかな?
オリジナルはアルやエセルドレータみたく術者の補助無しで精霊になれるらしいな。確か
それに比べりゃ…
大元や咆哮のはともかく飛翔で先生に切り刻まれたあれなら参考に……なるか?
乙です
ザクとは〜に今更ながらやられた感じ
音声を脳内再生してて今更気付きましたw
ハイネは・・・十分に生存フラグが立っていますね、ク〇ツより希望が持てますね・・・ますよね?
しかし、リジェネレイトとは予想外、予想していたベルグランデも使ってるのはらしいと思いましたが
正直ウェスパシアヌスが強い印象に戸惑いを覚えますw
>>625 確かウェスパシアヌスの書は不完全英訳版とかなんとか
サンダルートの回想シーン辺りで触れられていたような、うろ覚えですが
ドラマCDでも影が薄いといわれていたからな
ウェスパシアヌス「〜ごわす」
強そうな感じはするのに
すぐやられるし
変態紳士は、魔術よりも詐術とエグさと変態さがスゴいイメージがあるからなぁ。
元世界(パソコンの話)でちょっかいかけてたり、ユニウスやプラントで観察してたりしたし、
ティトゥスの苛立ちを見抜いて口八丁の勧誘に来て欲しい。
人の心の傷を笑顔で引き裂いて毒を注いでこそ、変態紳士だ。
SSってむずね、他の人と比べると自分の文章が稚拙すぎるよね、うん
ドクター西の活躍でハイネが破壊ロボ風グフクラッシャーで復活する予感
もしかしてレイはループに気づいた?
……オリジナルイボンコによるシン調きょ...もとい狂育をみたいと思った
穿いてない疑惑有るし何とか服を着替えさせようとするシンと
それを条件に色々交渉したりする姿を妄想してしまった……
そういえば、この変態紳士は月子供計画とかルルイエ異本とかどしてんのかな?
なんとなく漏れには獣がいなくても獣以上を作ろうとするだろうと思うんだが……
それの前段階があの人型魔導兵器だろう。
最近使ってないが使う必要も無いと言う事か。
獣への対抗心はバリバリだし、ユニウスのリベルレギスをテリオンだと思ってるし、
種持ちを捕まえて何かしようとしてるんだよな?
…間違っても改造ラスクとか量産キラじゃないよな?よな?
640 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 19:48:03 ID:mPMLxNj2
>>639 さいこーのこーでぃねたーを量産とかの悪夢は最恐だよな、反乱されてラクスの手足にされそー的にw
原作では怒りや憎悪を迷わずぶつけてたシンだけど、なまじ末路を知ってる
だけに迷って弱くなってるな。
まぁ、ボロボロに追い詰められてからがデモベ味方サイドの本番だけど。
シンがループの主役なら絶対照夫の位置だな
妹一万回くらい殺しておけば従順になると思うよ彼は
でもキラが九郎の位置になるのはすんごい癪に障るけどw
>>643 シンこそ九郎ポジだろ。不完全で未熟だからこそ無限の可能性=トラペゾを扱える可能性を生む
ってことだぞ。変に完成してるキラじゃ幾億とループしようとトラペゾ握れる可能性の欠片も出んよ。
>>643 照男の位置はキラ以外考えられないだろjk
ラクスクライン=ニャルラ的に考えて
>>644 いやキラはトラぺゾまでいけなかったらダメだろ、トラぺゾ破壊させるのがナイアの仕事だし
そもそも最初から完成してるのは照夫も一緒だろ
>>645 それはあるな。でも個人的にシンは悪役でも栄えると思うな俺は
>シンこそ九郎ポジだろ。
ロリコンじゃない時点でだめだ
>647
シスコンじゃないか
>>644 不完全で未熟と言うと、無印の頃のキラですね
具体的にはアスランに殺されてラクスの屋敷にワープするあたりまで
>>649 そうだな、そこから唆されて落ちるんだからやっぱりキラは照男ポジだな
敢えて言うならばな、敢えて言うならば!
>前々回を嫁
読んでもわからない私はどうすれば
>>647 九朗だってライカや姫やニャル様に欲情してたけど度重なる調教で神を絶つロリコンになったんだ
紅朔やオリジナルイボンコに調教されれば全てにNoと言う反逆のロリコンにだって……ってコレはキラか声的に
ゲーセンで対戦したスティングとカオスの動きに面影を見出してしまったってことでしょう
しかし、輝男も半分は人間
その完成に無限を費やしたって言っても、人格面だけじゃなくて
能力開発にも掛けた時期があったんじゃないかと思ったり
腹違いの兄たちも何だかんだで勉強はしてたみたいだし
半分人間っていっても親があれだし真人間からレベル上げをする苦労ちゃんと比べるとちょっとね
しかし今更だが何故九郎ちゃんはニャル様に目を付けられたんだろうな。
まぁこれこそ気まぐれだったのかもしれないけどさ。
まあ気まぐれだろうね。
ニャル様からみれば人間なんて、どんなでも似たり寄ったりだろうし。
他より多少諦めが悪かったとか。
それこそシーャレの中のプランクトンで、一番生きがいいくらいのレベルで。
ただ行き着く先は旧神なので、そこから見ると鶏が先か卵が先かの議論になりそうだが。
>>645 混沌はマルキオじゃないか?設定的に考えて種世界ではラクス以上に不可解な人物だぞ
いやいや、マルキオは種死逆十字でアウグステゥスなナイ神父に絶望させられて
自殺してるみたいな、ああいう役回りがいいと思うよ。
シーゲルが邪神か何かで羽根鯨なクトゥルフ様が力を貸して撃破するのなら見たことある
逆十字の人GJ! エイボンの書が好きな俺にストライク!
ライカルートの回想(脱出するとこ)でサイクラノーシュを召喚したときに、「誤訳まみれの英語版」とか言ってた。
ニャル様も「失敗した世界」って言ってるから明確な黒幕がいるんじゃなくて、無意識にダメな方に行くんじゃね? キラとかラクスみたいに。
で、一言言わせてほしい。
陛下(マスターテリオン)とキラ一緒にすんな!
あえてだ! あえてカテゴライズするなら陛下寄りになるだけだ!!
俺の妄想だとラクスがにゃー様ポジ
"クライン"の壺だしね
あとキラは増田照男ってよりはアゥグスチヌスポジで
此処だけの話地球皇帝な一張羅でフルバ連発するキラを想像して吹いた
そういえば「失敗して放り出した世界」だったよな。
いままで放ってたけど、お侍さんたち放り込んだのを契機に、
またちょっかい掛けなおしてるんだっけ?
>>647 魔導書の精霊がマユそっくりなら問題無いだろw
正直、シンなら照夫化も九郎化も簡単に思えて仕方が無い。
んでキラが照夫化するのが嫌なら、クルーゼとレイを照夫にすれば良いんじゃね?
まぁ、キラと声が同じって事でカナードって手もあるが・・・
>>663 俺が考えていた妄想から一部抜粋
紅き羽根、漆黒にして血煙に彩られた体躯
両足に巨大な楯持ち光の鬣を持つ猛禽の如きーー運命と、永劫と、墜ちたる魔を断つ剣の成れの果てーー産まれ落ちたる最も新しく最も古い混沌の刃金を前に
宙に浮かぶ女が言葉を紡いだ
「今まで幾度、キミを観ただろうね、
キミは何処まで堕ちようと希望を見出し這い上がって来た
そして新たな絶望に見舞われる……その繰り返し」
「大十字九朗や大導士…善と悪の極限
未来永劫過去永劫、繰り返し繰り返し異なる物語を綴った
素質は有れど遂に至る事は無かった、故にキミは成った!英雄ではない、魔王でも無い!
このボクと根源を同じくするモノ!!」
ーー女が自身を抱き震える
火山の如き怒りを静めるように
倒錯的な快楽に歓喜するかのようにーー
「ああ、キミは何処までも近く限り無く遠い存在<モノ>ーー故にこそ愛おしい!!」
こんなの妄想してた事も有りました
マユはアンリマユとなって世界を滅ぼします
それも私だ
聖杯戦争に呼ばれたデモンベインがあった
優しい魔王となったデモンベインがあった
ペロペロキャンディで出来たデモンベインがあった
海外のアニメだとネス警部の煙草はチュパチュパキャンディになってしまうらしい
実はデモンペインだったデモンベインがあった
ニャル様「今かんなぎの非処女騒動見て楽しんでるんだから、デモンベインは帰ってくれないかな」
やっぱニャル様の中には、清純な処女(オトメ)のバージョンとかもあるんですかね
自分で自分がニャルの一柱だと気付いてないという展開で
>>673 連載無期限延期になったじゃねぇかこの邪神
とりあえずロリコンの旧神呼んどきますね
ニャル様に文句いうやつは処女厨と同レベルの屑共
ニャル様楽しそうだな
エルザ「処女とか非処女とか、そんな下らないことで、大騒ぎしないロボ!」
処女とか 非処女とか 最初に言い出したのは〜♪
デモベ厨には中古が似合う
種厨にはビッチが似合う
俺は古本でも一向に構わんッ
さぁ路地裏の古本屋を探す作業に戻るんだ
白い液体がくっついてページがめくれない古本ならいっぱいあるよ
ニャル様「おや、バハムートドラグーンは嫌いかな? ボクは大好きなんだけど」
王女以外は大好きですよ?
え、ヨヨビッチ?
バハムートにでも喰われてれば?
アナスタシアは俺の嫁
え、あれのヒロインってバハムートでしょ?
シンは大人になった
レイは大人になった
ヴィーノは大人になった
ヨウランは大人になった
アーサーは……
エロゲを購入した
ドラゴンにエサとしてエロゲを与えるわけですね、わかります
そいやあのゲーム、エロ本やコ●ドームをエサにできたよな……
絶対「うにうじ」になるだろソレ、いや待てよ…
エサにするモノがモノだから誕生するのは
「名状し難きうにうじ」
とかになるのかな?
デモンベイン・デスティニーのレムリアインパクト・アイン・ソフ・オウルなんつう電波が………
数多の世界のデスティニーが現れるんだろうなぁ………
>>696 エロ本はともかく、コン●ームは知らなかった
王女の???は何かが当時さっぱり分からなかった
前にどっかで話に出てパン●一択じゃなかったと知り、自分の想像力のなさを実感した
ベヒーモス+ぷちでびダンス、めちゃくちゃ強いよね
製造されたばかりのデスティニーがあった。
幾多の戦いを経たデスティニーがあった。
英雄の愛機として伝説となったデスティニーがあった。
悪魔の機械として破壊されたデスティニーがあった。
たった一機で世界と戦うデスティニーがあった。
億万の軍勢を率いるデスティニーがあった。
機神として祀られたデスティニーがあった。
オニギリ頭で股にアロンダイトを持ったデスティニーがあった。
漆黒に染まり、真紅の爪と翼を得たデスティニーがあった。
異世界のガンダムと正座するデスティニーがあった。
主恋しさに人となり、大食いとなったデスティニーがあった。
複座型のコクピットに改装され、主とその想い人を乗せ飛び立つデスティニーがあった。
(表現的な意味で)空気のデスティニーがあった。
50メートル大に巨大化し、宇宙怪獣と戦うデスティニーがあった。
何処かのキ■■イに改造され、巨大なドリルとドラム缶状の姿となったデスティニーがあった。
ナイ■ルラ■■■ップに気に入られ、ループを彷徨うデスティニーがあった。
覇道の元で修復され、ナイ■ルラ■■■ップにパルマを撃ち込むデスティニーがあった。
大導師に拾われ、逆十字の鬼械神となったデスティニーがあった。
デモンベインとともに戦い、ともに旧神となったデスティニーがあった。
デスティニー・アイン・ソフ・オウル!
すまん、ちょっと地球皇帝に頭冷やされてくる
デスティニーでキラッ☆があった
パワーアップしたもののいまひとつ見せ場がなく
ラストは大きなピカチュウと戦ってヒロインを孕ませて消えたディスティニーが(ry
怒りの翼を背に宙を翔けるデモンベインがあった
>>701 ちょっと待てwwプランAが混じってるぞwwww
保守
保守支援しつつ
ノベル三巻読んで燃えてて思ったんだけど・・・
種死逆十字、アウグストゥス出番少ないなぁ
実質ナイ神父らしいけど、そろそろアクションして欲しいような
俺の表現力と伝達力が足りていればアウグストゥスがCEでサクセスストーリーとか描いてみたい気もするんだが
オーブの隅っこから新興宗教興して政界に乗り出し、オーブから連合を支配し
ラクシズをも討ち滅ぼし終に地球皇帝の時代が・・・
そんな世界が
あったかもしれないレベルで親父の玉虫色の泡に紛れていたとさ・・・
忘れてください、カオスの戯言ですから
本編でも活躍なんて後半のクトゥルー編ぐらいじゃん
逆十時でも後半に出番やってくるさ
照夫さんの側近として一番出番が多い逆十字かもしれないけどな。
各地から召集される前からいたし。
やっぱり地球皇帝には調子に乗ってる●●●●を串刺しにしてもらわないといけないよね
でも地球皇帝は鳴り物入りで登場と見せかけてあっさり殺られるあの
ポジションだからこそ今の絶大な支持があるんだと思う。
「ハイネ機、動力反応、消失……」
レーダー手の報告が、嗚咽の流れるブリッジで空しく響いた。
一時目を伏せたタリアは、視線を嗚咽の主に向ける。
膝を屈し頭を伏せた、威厳の欠片も持たない姿で泣く少女。その表情はピンクの長い髪に隠れて見えない。
おそらくハイネは、彼女の正体を知っていたのだろう。思い返せば彼らには、秘密を共有しているもの
同士の疎通とでもいうべき素振りがあった。
本来の姿を隠していた彼女にとって、それを知る彼が常に共に居ることをどう思っていたのかは分からない。
だが、恐らく救いであり心の支えだったのだろうということは、今の彼女を見れば分かる。
その支えを失った彼女の悲しみと喪失感はどれほどのものか。タリアは憐憫の情を禁じえない。
「……戦況はどうなってるの? 敵の動きは?」
しかし、今はそれを考えるときではない。余計な感情を振り払い、声を発する。
「連合とオーブの艦隊はほぼ後退、交戦距離にある艦はアークエンジェルのみ。敵MSも
数機を残して撤退、もしくは撃墜されたようです。こちらのMS隊はフリーダムと正体不明機に対応して……
あ、セイバーがフリーダムに接近!」
情報を聞き、タリアはここからどう動くべきか思考を巡らせる。
最終的な結果を見れば、大多数の敵から生き延びることが出来たと言えるだろう。連合の戦力も
かなりのダメージを受けたはずだ。これが普通に戦って得た結果なら手放しで喜んでいる。
だが、それが脈絡もなく現れた連中の手によるものという一点が、全てを帳消しにする。
何より許せないのは、ミネルバのクルーの命を奪ったことだ。タンホイザーへの攻撃に、周辺ブロックで
死傷者が出ている。
そして、ハイネ。コクピットこそ攻撃されていないが、あの状態で海に落ちて救助できるはずもない──
MIA、すなわち死亡と同意義だ。
部下が、同僚が死ぬことへの覚悟は当然ある。だがアークエンジェルとフリーダム、彼らがこんなところに
現れなければ──
「……グラディス艦長」
不意にかけられた言葉にハッと振り向く。そこに立つ影を見て、タリアは気づいた。
嗚咽の声は、いつの間にか止まっていた。
「外部スピーカーを、使わせてもらえないでしょうか?」
嗚咽に変わって発せられる、少し掠れた声。少女らしからぬ迫力をはらんだ声を発する
少女の顔を見て、タリアは息を呑んだ。
「お願い、します」
先ほどまで泣き叫んでいたとは思えない、『ラクス・クライン』の真剣な顔が、そこにあった。
「キラァァァァ!」
フリーダムへと駆けたセイバーが、左腕のサーベルを渾身の力で振るう。フリーダムはそれを容易く避け、
逆にセイバーの左手首を切り落とした。もう両腕は使えない。
「くっ……」
すぐさま後退し、両脇に背部ユニットを展開。しかしその砲身も、薙ぎ払われた両剣によって
叩き切られる。
唖然とするアスランを衝撃が襲った。セイバーの胴体を、フリーダムが右足で蹴り飛ばしたのだ。
揺れるアスランの視界の先で、フリーダムは再度両剣を振り払おうとし……不意に右側面を向くと、
左手に持つ盾を突き出す。
インパルスのサーベルを、盾が受け止めた。
『フリーダム……っ!』
通信機から聞こえるシンの声。噴出しそうな何かを押さえ、それでも押さえきれない憎しみを滲ませた声だ。
『アンタは……また……俺から奪うのかぁぁぁ!』
遮二無二サーベルを振るインパルス。しかしデタラメな切っ先は、フリーダムが少しだけ後方に下がるだけで
全て回避されてしまう。
その刹那、フリーダムが加速。一瞬でインパルスとすれ違う。
インパルスの右腕と両足がビームで焼かれた切り口を見せ、海面へと落下していった。
『ああっ……!』
もやは害にならぬと見たのか、フリーダムが飛び去る。その背を飛び回るドラグーンが追いかけていく。
バランスを崩し落下しかけたインパルスを、手首のない左腕で何とか支えるセイバー。セイバーもかなり
バランスを崩しているが、なんとかミネルバに戻る程度はできそうだ。
「シン、大丈夫か!?」
『なんなんだよ……』
無事を確かめようとアスランが呼びかけるが、シンはその声が聞こえていないかのように呟いている。
そして呟きは、叫びに変わった。
『なんなんだよアイツは!? 突然現れて、メチャクチャやって! オーブの人達を、ハイネを!
それに、それにラクス・クラインって……』
「それは……!」
やはり、先ほどのラクスの言葉がミネルバのラクス──ミーアに疑いを抱かせている。だがそれを上手く
誤魔化せる言葉を、アスランは思いつかない。
その時、ミネルバから女の声が戦場に響き渡る。
『アークエンジェルとフリーダム、そしてラクス・クラインを名乗る方に、お聞きしたいことがあります』
三度、戦場の動きが停止した。
ミネルバのブリッジは、異様な雰囲気に包まれていた。
外部スピーカーに声を伝えるインカムを装着し、ミーア・キャンベルは声を上げていた。
顔には涙の後が残り、目も真っ赤。声も鳴いていたせいか、かすかに掠れている。
しかし、そんな状態の彼女にブリッジの人員は皆圧倒されていた。
「貴方たちは何をなさりたいのですか? 突然現れて、戦場を混乱させる……この行為は
我々ザフト、いえ、ここにいる全ての勢力への敵対行為ではありませんか」
酷い顔に酷い声。しかしその顔は気迫と決意を示し、はっきりと綴られる声は力強さに溢れている。
連合もオーブもフリーダムも、戦場に通る声に皆が戦いを止める。謎の機体とドラグーンもまた、
面白い見世物だといわんばかりに静観を決めこんでいた。
問いかけに、アークエンジェルから返答の声が上がる。ミーアと同じだが、こちらは掠れていない穏やかな声。
『ラクス・クラインです。先ほどお告げしましたように、私達はこの戦いを止めたいだけです。
敵対行為と仰いますが、それは攻撃を受けたことに対する防衛行動です。それ以上の意味はありません』
「防衛行動だと仰いますが、では何故ミネルバを撃ったのですか?」
『ミネルバがオーブを撃とうとしたからです。あのまま攻撃を放置していれば、オーブ艦隊は確実に
多くの被害を被っていました』
その言葉にブリッジクルーの何人かが忌々しげに顔を歪めた。あの攻撃は威嚇であり、
オーブを直接狙ってはいなかった。
それを知らずに連中はタンホイザーを破壊し、クルーに死傷者を出したのだ。知らなくて当たり前ではあるが、
そんなくだらない理由で仲間を殺されれば、怒りを覚えて当然だ。
その事実を突きつけんと口を開きかけたクルーを、タリアが止めた。威嚇だったことを
ここで公表しては、ザフトとオーブの関係を連合に疑われかねない。
タリアに目配せされたミーアは、分かっていると頷いて再び口を開く。
「……あなたたちは、オーブの方々なのでしょうか? オーブに犠牲が出ることが嫌だから、
オーブに戦いをやめさせようと?」
『オーブだけではありません。私達は無意味な戦いと、そこから無意味な犠牲が生まれるのを止めたいのです』
「おかしいですね。無意味な犠牲というならあなたたちがやっていることはなんなのですか?
あなたたちが今攻撃し、撃墜している方々は犠牲ではないのですか?」
『戦いを止めさせるためには、仕方なかったのです。戦いたいと思っているわけではありません。
しかし私達を阻もうとされる以上、火の粉は払わざるをえません。無論、好き好んで命を奪うような
真似はしておりません。戦闘力を奪うだけです』
「……本気で言っているんですか?」
その時、ミーアの声のトーンがかすかに落ちた。
アークエンジェルのラクスは、わずかに間を置いて言った。
『何度も言うようですが、私達はただ戦いを止めたいだけなのです。あなた方は何のために戦うのですか?
ただ目の前の他者を敵と断じ、屠る事が未来に繋がるのでしょうか? それが人が歩むべき、
正しい道なのでしょうか? 本当に?』
その言葉には、わずかな迷いも躊躇も、そして後ろめたさも含んでいなかった。
『私達の行いが、全て正しいなとどいうことを言うつもりはありません……しかし、今のままでは世界は
悲しい未来へ向かってしまう。だからこそ、私たちは迷いながらでも進まなければいけないのです』
なおもラクスが何かを言い募ろうとした、その時。
「……認めない」
『え?』
直後ミーアが発した声に、その声を聞いたほとんどの人間が息を呑んだ。
「私はあなたを、ラクス・クラインだなんて認めない! あなたの言っていること、やっていることは
メチャクチャです! 貴方のせいで今この瞬間、どれだけの人間が犠牲になっているか
分からないんですか!? 戦闘力を奪うだけ!? あなたたちはそうやって落とされた人達が今、
海の底に沈んでいってるのが分からないんですか!? あなたが……あなた達が暴れているせいで、
その人達を助けられないのが分からないんですか!?」
感情の爆発。誰も聴いたことがないであろう、ラクス・クラインらしからぬ、怒りの叫び。
しかし、ミーアはその声を抑えることは出来なかった。
彼等のせいでミネルバは撃たれ、戦場は混乱し、人は死に……ハイネが、沈んでいく。
なのに、それを起こした張本人はそんなことにも気づいていない──いや、気付いていながら、
それを肯定している。
「あなたは本気で、自分たちが犠牲を出していないと胸を張って言えるんですか
こんなことをして、本当に平和が来ると思ってるんですか!? あなたの言う悲しい未来を防ぐ為なら、
今この時の悲しみはどうでもいいんですか!?」
問いかける。追求の言葉と同時に、かすかな希望を込めて、問いかける。
これが、これが私が尊敬し、至らなくとも代わりを務め上げようと努力してきた、ラクス・クラインの
することなのか。これが英雄と呼ばれた、ラクス・クラインの本当の姿なのか。
──答えて!
『……私をラクス・クラインとは認めないと仰る方。では、貴女は何者なのですか?』
ラクス・クラインはその問いに応えない。逆にミーアへと、問いを投げ掛ける。
ミーアは、泣いた。泣き声は上げず、表情も歪めず、ただ目から大粒の涙だけを流した。
わたしの問いかけに、あなたは何も答えをくれなかった。答えてくれたなら、平和の歌姫として正しい答えを
くれたのなら、私はまだあなたを信じていられたのに。
「私は……わたしは、ラクス・クラインです」
『違います。貴女は私ではありません』
「当たり前です。【わたし】は、あなたじゃない」
あなたの代わりになろうと、努力した。あなたが帰ってきたとき、喜んでこの名前を返そうと思った。
でももう違う。わたしは、あなたになんかなりたくない。あなたみたいな【ラクス・クライン】には、ならない。
「わたしは……わたしは、戦争に怯え、悲しみにくれる人の為に。平和の為に戦い、散っていった人達の為に。
そしてその思いを受け継ぎ、戦いを終わらせようと頑張る人達の為に……そんな人達の為に平和を願って歌う、
ザフトの【ラクス・クライン】です! あなたとは……あなたなんかとは、違うっ!」
ミーアは──【ラクス・クライン】は、決意を叫んだ。羨望から決別し、自らの道を進む、覚悟を。
その時、アークエンジェルとミネルバの傍で、二つの水飛沫が上がった。
水飛沫を上げて、オーガアストレイがミネルバへと着艦した。
その右腕には、巨大な鉄塊が握られている。
『ティトゥス!?』
「急ぎ医者を。下手を打てば間に合わぬぞ」
ハンガーに入ったオーガアストレイが、右腕に掴んでいた鉄塊を床に降ろす。それが何なのか気づいた
メカニックたちは、驚きの声にかすかな歓喜の色を浮かべた。
ところどころがひしゃげているが、それは間違いなくハイネのグフだった。
『ハイネ! ほ、本当に、本当に!?』
通信機越しにミーアの半泣きの声が聞こえる。しかしティトゥスはそれに構っていられるほど余裕がなかった。
「手が空いている者がいるなら、換装を頼みたい。今戦場に浮かぶ異形の機体、彼奴は……
彼奴は魔術師の駆るMMだ」
海面からアビスが跳び出し、ビームの一斉射撃がアークエンジェルの装甲を叩いた。ラミネート装甲は
熱を拡散し攻撃に耐えるが、船体が大きく揺れる。
アークエンジェルを守ろうとフリーダムがアビスへと向かう。追いかけるドラグーンの攻撃をものともせず
突き進むフリーダムだったが、その間にアビスは再び海へと潜っていく。
様子を傍観していたウェスパシアヌスは、ふむと拍子抜けしたかのように唸った。
「歌姫二人の対談はあまり面白くなかったな。まあ、まあいいとも。茶番は終わったようだし、
そろそろ真面目にやってみようか」
リジェネレイト・サイクラノーシュの足が一本持ち上がり、飛来した黒い影とぶつかる。
巨大な爪が、ゴールドフレームの鉤爪を受け止めた。
「これはこれは、オーブの戦姫、黒の女神の呼び名高いロンド・ミナ・サハクご本人に出向いてもらえるとは光栄、
恐悦至極に存じます! しかし、しかし挨拶も無しに強襲とは無礼というもの!」
円盤部分の下部から飛び出した何かが、逃げようとしたゴールドフレームに向かっていく。蠢いていたケーブルが
何本も、触手のように伸びてゴールドフレームの四肢を絡め取った。
動きを封じられたゴールドフレームの前で、爪からビーム刃を伸ばした足が振り上げられる。
「無礼には無礼をもって返礼致しましょうぞ!」
振り下ろされるビームクロー。ゴールドフレームの頭部に切っ先が突き刺さろうとする最中、
一陣の風が吹いた。
ゴールドフレームを捕らえたケーブルが寸断され、クローが足ごと何かに弾き返された。
「むっ!?」
咄嗟に後方へ下がるR・サイクラノーシュ。軽い驚きを浮かべていたウェスパシアヌスは、
「ほほう、そうかねそうかね……そちらからわざわざ、わざわざ再開の挨拶に来てくれたか!」
十字に重ねた二刀を突き出しているオーガアストレイを見て、唇を吊り上げた。
ゴールドフレームはその場を去り、オーブ本隊と合流に向かう。その姿をティトゥスはもう目に留めていない。
ジェットストライカーの全開出力を噴き上げ、オーガアストレイが異形へと疾駆した。
振るわれる二刀。疾く、鋭く放たれた二連撃を、二本の爪が受け止めた。
「斬」
側面のスラスターを噴射。円軌道を描きながら、オーガアストレイが剣を振るう。
多角面から繰り出される白刃の乱舞。だがそれもフレキシブルに動く四本の爪によってことごとくが
防がれてしまう。
「チィ……」
爪の間を掻い潜り、放たれる深い踏み込みの一撃。切っ先が足の付け根である本隊に迫る。
刃が届く、その寸前。展開された魔術防御陣に防がれる。
すぐさまオーガアストレイが後退するが、その時突然、モニターの端にノイズが走った。
『おお久しい、実に久しい顔だ。久しぶりじゃあないか、ティトゥス』
「ウェスパシアヌス……!」
現れたのは髭を蓄えた紳士の顔。ティトゥスは険しい顔でかつての同胞を睨みつけた。
『そう怖い顔をしないでくれたまえ。今日は別に、お主にちょっかいを出しに来たわけではないのだし』
「手当たり次第に暴れまわる者の言うことか」
言いながら剣を振るわせ続けるティトゥスだが、クローと防御陣の守りに阻まれ、一撃たりとも有効打に
なり得ない。
『それはフリーダムのパイロットにこそ言ってあげたまえ。先に暴れていたのは彼だし、私は彼を
狙ってここに来たに過ぎん』
「何? どういうことだ?」
フリーダムのパイロットを狙ったという言葉に、ティトゥスは眉をひそめた。
「お主は、いやお主ら逆十字の目的はなんだ? 連合に取り入り、アメノミハシラを攻め、アスハ代表を狙い、
今はフリーダムのパイロットが目的だと言う。この世界で、一体何をしようというのだ?」
『はてさて、どうだろうね? まあアメノミハシラについては上役に頼まれたからだと言っておこうか……
まあそれは、それはさておき。このR・サイクラノーシュのようなMMとは違うが、君のもかなり、随分と、
中々に面白い機体のようじゃないか』
振り下ろされる二本のクロー。実体部分を刃で受け止め、頭上でビーム刃が止まる。
その時R・サイクラノーシュの本体下部にあるMS部分──下に突き出した上半身の頭部から光が放たれた。
カメラアイから伸びる二本のラインがオーガアストレイをなぞる様に照らす。ビームとは違い
攻撃力はもたないようだったが、警戒したティトゥスはクローを弾き返して機体を下がらせる。
直後ウェスパシアヌスが発した言葉に、ティトゥスは目を見張った。
『なるほどこれは、これは面白いアプローチだ。魔導書を演算装置とし、術式を機体そのものでなく
回路のみに限定して組み込んでいるのか。これならば魔力炉も魔術師も無しで動くのも納得だ』
「っ! 貴様、オーガアストレイを……!」
今の一瞬でオーガアストレイを解析し、しかもその構造を理解したというのか?
その事実にティトゥスは驚き、そして納得する。数多の生体実験や魔導兵器開発に手を染めた
ウェスパシアヌスなら、構造が分かればその本質を見抜くことも容易いだろう。
『しかし、これではほとんど魔術的効果は期待できんな。あくまで魔術を用いた伝達速度の向上のみか……
これでは、これではなぁ。性能面では脆弱に過ぎる』
ウェスパシアヌスの声。そこには呆れと侮蔑の感情が混じっていた。
「何が言いたい?」
『なあティトゥス。アンチクロスに戻る気はないかね? 魔術師として……おっと!』
その言葉に、ティトゥスは返答の代わりに一撃を返した。防御陣を展開したR・サイクラノーシュから、
嘲笑が響き渡る!
『ハハハハ! ティベリウスに聞いたとおり、随分と魔術師が嫌うようになったものだ。
しかし、何故そこまで人に拘る? かつては人間を遥かに超えた力を身につけながら。せっかく、せっかく
魔導書という貴重な物を持っているというのに。それを有効活用せぬとは。難しいというなら、
また私が手伝おうか?いやいや、遠慮はいらんよ? 君が力を取り戻して協力してくれるなら、
それまでの助力は惜しまんとも』
「黙れ。戯言を聞く気はない。拙者は人間のまま高みを目指すのみ」
『まあ一度落ち着きたまえ……歌え、オトー!』
人間の──否、人ならざる醜悪な絶叫がティトゥスの頭上から響き渡った。耳から入り込んだ絶叫は脳を震わせ、
体には虫が這いずり回るような不快感と痛みを錯覚させる。
意識が朦朧としてもなお、耳障りなウェスパシアヌスの言葉は途切れない。
『高みを目指すというが、所詮人間の範疇で得られる力などたかが知れているではないか。
かつて一度は限界まで力を高め、満ち足りなかったお主なら分かりきった事だろうに。
その程度の力で、お主は満足できるかね? いいや無理だろうさ。力を追い求め人を止めたお主が、
その程度で満足できるはずがない。我慢する必要が何処にある? 手を伸ばせば掴める力、
戸惑う理由が何処にある?』
「黙れと、言っている!」
苛立ちが意識の靄を散らした。懐に潜り込み、上半身を真横に叩き斬ろうと振りかぶるオーガアストレイ。
だがその手足を、ケーブルの触手が絡め取った。さらに別の触手が、オーガアストレイの装甲を打ちつける。
『ハハハハハ! 無様だな、脆弱だな、物足りないなあティトゥス! その程度の力では私とサイクラノーシュに
敵いはせぬよ! 愚かだ、愚かだ、愚かさここに極まれりだな! フハハハハ!』
「貴、様……!」
ウェスパシアヌスの嘲笑が、衝撃に揺さぶられるティトゥスの苛立ちに油を注ぐ。
『ただの人間の力なんぞにしがみ付くとは……手伝ってもらおうかと思ったが、
残念ながら腑抜けたお主なんぞにもう興味はない!』
ケーブルに拘束されたオーガアストレイが、MS部分の眼前に引き出される。手を持たぬ
逆さのシルエット正面に、防御陣とは違う魔法陣が描かれた。
『残念だ、残念だよティトゥス……悪いがお別れだ。消えたまえ』
魔法陣から無数の魔力弾が、至近距離のオーガアストレイに放たれた。
「いい加減当たれっての! ……ってヤベ!」
上空にフルバーストを仕掛けたアウルは、それを全てかわして飛んで来るフリーダムを見ると
慌ててアビスを海中へと潜行させた。
先ほどから浮上しフリーダムを攻撃、向かってきたら潜行して逃げるというパターンを、何度か繰り返している。
「うわ、こっわ。しっかし訳分かんないよなー。MSのスクラップがやけに落ちてくるかと思ったら、
サムライヤローは一つ拾って逃げちまうし……何事かと思って顔出してみたらコレだもんな」
飛び出た直後目の前にいたアークエンジェルに、慌てて攻撃してしまったアウル。後に通信で、彼らが
突然現れて暴れている集団である事を知り、まあ結果オーライだなと納得したのだった。
しかしその後、フリーダムに執拗に狙われたのは恐怖以外の何者でもなかった。海戦能力がなければ
あっと言う間に自分もスクラップにされていたかも知れない。
とはいえ、命令もないのに逃げ出すわけにもいかない。ヒット&アウェイを徹底し、アウルはちまちまと
攻撃を繰り返していたのだが──
「あのヤローとんでもねーな。メチャクチャ強いじゃん」
『おいアウル、何をやってる! もうとっくに本隊は撤退を開始してるぞ! 早く戻って来い』
「うっせーなそっちが言うのが遅いんだよ! フリーダム押さえてやったんだから感謝しろよな!」
ネオからのようやくきた撤退命令。もうこれ以上あんな化物を相手にしていられないと、
アウルは素直に機首を本隊に向けた。
ふと、後ろ髪を引かれるような感覚に振り向く。視界の先に、ミネルバの船底がかすかに見えた。
「……落とされんじゃねえぞ……?」
自分で言った言葉に、アウルは呆気に取られた。何故因縁深く、今回落としそびれた相手の無事を祈らなければ
ならないのか。
多分、訳分からない連中にエモノを持っていかれたくないから。うん、きっとそうだ──と、アウルは自分を
納得させた。
「さー帰ろ帰ろ。スティングやステラは大丈夫かな〜っと」
そんな事を口に出しつつ、あいつらは大丈夫だろとアウルは内心で思っていた。
「……何?」
呆然と、ウェスパシアヌスが呟いた。
完璧だった。オーガアストレイとかいうMMの四肢をしっかりと捕らえ、回避不能の至近から
魔力弾を打ち込んだ。これで王手だったはず。
にもかかわらず、ケーブルは引き千切られて力なく垂れ、魔力弾は何もない空間を通り過ぎている。
「!?」
上空に待機させていた【オトー】の視界が、オーガアストレイを捉える。
いかな早業か、オーガアストレイはR・サイクラノーシュの直上から刀を下に向け落下してきていた。
「あの状況から離脱したのは流石、流石といっておこうか! しかしまだ、まだまだ甘いわ!」
あの機体には近接戦闘用の装備しかないのは分かっている。ティトゥスの技量がそれを補っているようだが、
通常の武装では魔術陣を貫く事は出来ない。
予想通り、刃は上面に展開した陣に止められる。
嘲りの言葉をかけようとしたウェスパシアヌスはしかし、驚愕に一言すら発する事が出来なかった。
ジェットストライカーを吹かしつつ機体のバランスを取り、オーガアストレイが横に回転。
一瞬で防御陣を張った上部から側面へと移動した。
直後、一筋の閃光がR・サイクラノーシュの装甲に刻まれるのを、ウェスパシアヌスは見た。
「ばっ……馬鹿な!」
ウェスパシアヌスが驚愕に目を見開く中、鏡のような斬り口を見せて脚部の一つが落下していく。
上からの攻撃が防がれた直後に側面に移動、防御陣を張る間も与えない一刀。【オトー】の視界に
捉えておきながら、ウェスパシアヌスはその間の挙動を一切認識する事が出来なかった。
なんという反応速度。人間があそこまでの速さで、いやそもそも魔術理論を組み込んであるとはいえ、
人の手による機械が、認識も出来ない速さで動ける筈が──
「……! お、オトー!」
オーガアストレイが再び刀を構えている。顔を引き攣らせながら、ウェスパシアヌスは待機させていた
【オトー】に突撃を命じた。
剣を振り下ろそうとしたティトゥスは、魔力を感じ頭上を見上げた。
上空から迫る、R・サイクラノーシュのドラグーン。
ティトゥスは今、奇妙な現象に見舞われていた。オーガアストレイが文字通り、思うがままに動くのだ。
隙を見つけ、そこを突きたいと思えば既に刀が突き込まれている。横に避けたいと思えば、既に機体は
その位置に移動している。
身体は確かに動いているが、もはや『機体に身体が動かされている』状態に近い。
まるでティトゥスの肉体がオーガアストレイそのものに変わったかのような状態。そしてオーガアストレイは、
ティトゥスの要求にわずかな遅れも見せず対応していた。
──だが、今のティトゥスはそれをまったく意識していない。
「ウェスパシアヌス」
彼の意識は今、たった一つの感情に支配されていた。
「貴様の言葉は」
ティトゥスの中で、煉獄の業火の如く燃え盛る感情。
それは苛立ちを越えた、憤怒だ。
「今の拙者にはちと、腸が煮えくり返るほどに耳障りだ……っ!」
上空から迫るドラグーンの砲門が開き、中央の顔が大口を開ける。
オーガアストレイが右腕を突き出した。その目がカバーの下で紅く輝いた。
「微塵と為りて消え失せよっ!」
【──Crimson blood draws a falling flowers──】(──紅い血は、舞い散る花を描く──)
一瞬だった。オーガアストレイがわずかに下がり、その眼前をドラグーンが通り抜けようとした刹那。
無数の紅い剣筋を刻まれたドラグーンが、絶叫と共に爆散した。
魔剣、紅桜。一本の刀と腕のみで、瞬きの間に敵を切り刻み血の花を咲かせる剣の奥義。魔術師であった頃の
ティトゥスが極めていた技。
『なんと、なんということ! お主の力、見誤ったか!』
爆発したドラグーンから光る球体が現れ、R・サイクラノーシュに吸い込まれる。勢いに乗って
オーガアストレイがR・サイクラノーシュへ剣を振り上げると、R・サイクラノーシュは海面へと降下しつつ
戦場から離脱していく。
『少々遊びが過ぎた。この有様では目的を達するのも難しい。ここはとりあえず、とりあえず退散するとしよう』
残ったドラグーン二機を回収し、R・サイクラノーシュが海中へと消えていく。だがそれを黙って見逃せるほど、
ティトゥスの心は穏やかではなかった。
「逃がしはせぬ! 貴様は、今ここで……!」
感情に任せウェスパシアヌスを追おうとしたティトゥス。だがその進路を、上空から降り注いだ
ビームと弾丸の雨が阻んだ。
「邪魔をするな!」
阻むなら斬り捨てるといわんばかりに、刀を邪魔者に向けるオーガアストレイ。その邪魔者──フリーダムは
柄を重ねた両剣を携え、オーガアストレイへと駆ける。
「あくまで阻むというなら、斬り捨て──!?」
操縦幹を動かすティトゥス。だがその時、致命的な異常が彼を襲った。
機体の腕が、持ち上がらない。
【──System error. Main system is shifted to the normal mode──】
その表示とアラームは、正に悲劇を告げる暗示だったか。
正確に関節を狙ったフリーダムの刃に力を失ったオーガアストレイは弾き飛ばされ、
そのまま海面へと叩きつけられた。
混乱を極めた戦いは、ようやく終結を迎えようとしていた。
被害をもっとも多く受けた連合はいち早く撤退を決め、オーブ艦隊もそれに追従。R・サイクラノーシュの
撤退とほぼ同時刻に、アークエンジェルとフリーダムも戦場から消えていった。
他の軍勢が全ていなくなり、ようやくミネルバは警戒態勢を解くことが出来た。
『あ、レイ! アンタは割と大丈夫そうね!』
着艦したエールカスタムを見て、バラージカスタムに乗ったルナマリアが声をかける。
セイバーとインパルスはボロボロで、オーガアストレイもかなりの損傷を負ったらしい。
あまり直撃を喰らっていないエールカスタムはマシなほうだ。
しかしいくら機体が無事であっても、それはレイの気分を晴らす要因にはならなかった。
「カオスのパイロット……奴は……」
撤退するまでカオスと戦い続けたレイ。その戦いの中レイはあることを確信し、同時にそれを否定し続けていた。
あの動き。一撃離脱を繰り返しながら、こちらのわずかな隙に火力を集中する戦い方。
そんな筈はない。だが──
「奴は……あいつの戦い方は……!」
「クソッ!」
J.P.ジョーンズに着艦したカオスのコクピットで、スティングは壁に握った拳を叩きつけた。
ミサイルを使った時間差攻撃に、隙の少ない動き。こちらの動きへの対応の仕方や、小さな癖。
討つ覚悟はあった。しかしまさか、こんな形で再戦を果たすことになろうとは──!
「間違いねえ……あの野郎、レイか!」
出会ってしまったという事実を、スティングは本気で呪った。
支援
支援だ!
おんやサルかな支援
戦いが繰り広げらていた海峡を一望できる岬。その突端で、忙しなくカメラやその他個人撮影用の機材を
片付けている人影があった。
ミリアリア・ハウ。かつてはアークエンジェルのクルーで、現在は戦場ジャーナリストをしている女性である。
「キラもラミアス艦長も、かなりムチャやったわね……」
馴染み深いMSと艦、彼らが今行なったやったことを思い返し、ミリアリアは片付けの手を止めて呟いた。
カメラを落としそうになり、慌てて持ち直す。
「やはり動いたか……想定通りだ。しかし奴まで現れるとは予想外だったな」
「え?」
「いえ、なんでも……しかし度胸のある方ですね。こんな危険なところまで写真を撮りに来られるとは」
「ここはまだ戦場まで距離がある方です。それに仕事ですから。むしろ、貴方みたいな人が
どうしてこんなところに?」
ミリアリアはすぐ横に伏せている男を注視する。たまたま同じ場所に居合わせた、黒衣に身を包む黒い肌の男。
カメラ一つ持っていないから、本人の言うとおり同業者ではないだろう。しかし男自身が語った
【神父】という職業が本当かどうかは胡散臭い、とミリアリアは感じていた。
「神の教えを説く身とはいえ、野次馬根性は中々消せぬものでして。ところで時間はいいのですか?
さっきまでは随分とお急ぎのようだったが」
「あ、そうだ! 急がなきゃ! それじゃ失礼します、アウグストゥスさん!」
「ええ、縁があればまたお会いしましょう」
荷物をまとめたリュックを背負い、走り出すミリアリア。かつての仲間が動き出した以上、自分も
このままじゃいられない。とりあえず一度アークエンジェルと合流し、何をするつもりなのか聞き出さなければ。
──去っていくミリアリアの背から視線を海へと戻し、アウグストゥスは呟く。
「ウェスパシアヌス。奴もまた『SEED』を求めているか……」
アウグストゥスは思案する。ウェスパシアヌスが何を求め『SEED』を狙うのかは分からないが、
その為にキラとラクスを潰されるのはまずい。彼らにはやってもらわねばならない役目がある。
だがその為にいずれは、あの二人を確保せねばならないのも事実。『準備』さえ済ませれば、滞りなく
彼らを迎え入れられる。
「星々は着実に、邪悪な位置に収まろうとしている……時が満ちるまでに全ての準備を。その為に──」
そろそろウェスパシアヌス、そして他のアンチクロスを引きこむか──口元を醜く歪め、
アウグストゥスは哂った。
久しぶり地球皇帝こんばんわ。
書き込もうとしたら地球皇帝カモン的流れが出来てて吹いたw
そしていまや三回に一度はあるサルorz いつも支援ありがとうございます。
二人の歌姫及び魔術師と元魔術師直接対決Part1の巻。
ラクスは疑問符ばっかりのイメージがあったけど、いざ対決させてみたらミーアのほうが疑問符ばっかりにw
お侍はイライラでスーパーモード、かと思えばフリーダム王子にパコーンと。
刀とナイフだけだと多芸なサイクラ相手はキツかった。
次回で今回の話は終わり。ミーアとハイネの命運やいかに。
そして地球皇帝と変態紳士、ついに因縁の顔合わせか?
GJ! ハイネ助か…るよね?
最悪は西博士にサイボーグ手術を頼むしかないけどw
ティトゥスかっけぇ!
完全に漢になってやがる!このまま人のまま人を超え、外道を狩る刃金の刃になってほしいぜ
ハイネは生きているのか?まぁ西博士がいるから平気そうだが
しかしラクシズは本当にうざいね。本編より更にうざさが増してるよ
ミーアも理想と現実のラクスに悩みそうだけど、希望を与えるラクスのまま突き進むのだろうか
GJ!
>あなたとは……あなたなんかとは、違うっ!
これが、これが原作でほしかった。
後は、ミーアの思う「理想のラクス」を、現実で演じきれれば、「本物のラクス」になれるのだが。
桃色電波説教VS平和の歌+乳ダンス ・・・歌姫としては、既に圧勝だ。
GJ!
中の人こと田中理恵嬢が「ラクスは怒ることがない」とか何かで言っていたような気がしたから
淡々としたラクスに対しミーアが顔をぐちゃぐちゃにしながら激怒するのは実に良い対比かと。
でもってハイネ生還か?
ガンダムでこれをやったらブーイングもんだがデモベが絡むと全てが許せる。不思議!
ハイネは生きてさえいれば……ってところか?
半身不随でパイロットはリタイアくらいがデモベとガンダムとの折衷かなー?
完治はエピローグにとっとけばご都合主義的にもおいしいしな
神の啓示を受けて、エビ漁師になるってのも
最終決戦の時に助けに来るという美味しいポジションもアリだな
>神の啓示を受けて、エビ漁師になるってのも
何時武器を捨て海老を取れってか
それより地球皇帝が出てきたか
今後の活躍に期待
生きてさえいれば後遺症が残ったとしても西つながりでドクターが何かやらかしてくれそうな気がw
強烈なドリル信者となってドリルグフで颯爽と救援に現れるというのか
何故か西博士が天元突破して旧神になる夢を見た、カオス
西博士が旧神になるのは全然ありえない事じゃないからあんまりカオスじゃないよ
実際、飛翔で西博士一回旧神になってるしな。
あれは旧神とはまた別な存在のような気が
西博士は旧神になれる可能性があるって事だと思った
西博士が旧神…?
破壊ロボが宇宙怪獣クラスの物量で来る予感
旧神つーか、主人公になったというか
物語を乗っ取ったというか、ニャル様さえ収集がつかなくなったというか……
下手をするとクロスどころか西博士の独演会になりそうだ。
コンビニにあった「クトゥルフ神話がよくわかる本」を衝動買いしシンが使役するツァールとロイガーの挿し絵を見て「コレなんて祟り神!?」と思った俺は無知だった……
ツァトゥグァも今まではAAでかわいい小動物のイメージだったぜい
クトゥルー系列の神や魔物はきもくてクリーチャーでSAN値の下がるのばかりだからな
特にヨグパパなんていくつもの姿、ニャル様に至っては無限の顔(姿)の持ち主だし
アザトースまでくるともはや意味不明なゲテモノ
>>748 無知なお前にオヌヌメのエロゲ
つ沙耶の唄
>>748 原典の方が可愛かったろう?ツァトゥグァ様は
あの外見で貰って余ってる者を近所にお裾分けする気配り上手な性格なんだからたまらんぜ
地球皇帝の登場を待ち望んだ者ですが
もうこれは果てし無くGJと言わざるを得ないです
今回は何よりも、俺が望んでいたミーアを見れたことが喜ばしい
ミーアは何だかんだでラクスの信望者というのが設定の基本だからでしょうが
ラクスの実態を知って否定するという流れは(少なくとも俺の読んだSSなどでは)今まで見たことが無かったんで
それこそ本当に見たかった、待ち望んでいたミーアであることに気付きました
このままミーアには彼女自身が信じたラクスを演じきって幸せになってもらいたいです
そして着々と魔を絶つ剣に近づいていくティトゥス、キラがウェスパシアヌスに弄られる前にきっつい目にあわして欲しいっすね
シンの見せ場を奪わない程度にw
んでハイネ生きろーーーー!!!!
ツァトゥグァ様は怠けているようでン・カイの全てを観察し生贄を捧げる信者にはもれなく英知と奇跡の力をくれる邪神とは思えない方なんだぜ!
一度怒らしたら酷い死に方をするがな…
多くのラクス信者が狂信的なのに対しミーアはいい子やのう
クトゥルーも、高校生の作るイカモノ料理に舌鼓を打ったり、人間滅ぼそうとしたら既に滅亡しかけてたんでツンデレ気味に対仙術・仙術を教えてあげたり、お茶目な奴だよね
ツァトゥグァ様は萌え神様なのに
クトゥグァときたら真性の引きこもりニートなんだぜ?
たまに働いたと思ったら部下をニャル様の家に派遣して焼き討ちするくらいだし
アザリンは反目開けたまま寝てるロリですよ
そしてアトラック・ナチャは鍋奉行
アザトース→寝てばかりの駄目王。しかも痴呆症
ニャル様→幼女と子作り、トラペゾ破壊、王様、魔を断つ剣にペルソナと実に多忙
ヨグパパ→落とし子作りにずっこんばっこn(ry
まぁデモベとかに登場するクトゥ神たちは擬人化という最先端に乗って我々に理解しやすい姿に取ってるだけで
実際の姿とやってる事を知ったらSAN値が下がりつつ、微笑ましくみえるだろうな
流れをぶった切るんだが、保管庫のやつ見てから斬魔のニャル様END見たら
九郎がニャル様にヤられてる横でロイガーとツァールに貪られるシンを夢でみてしまったんだが……どう思う?
>>758 デモベってニャル様ぐらいしか人間に理解できるような姿とってる神性いなくないか?
>>759 基本飢えてるからなww
>>761 どこぞの世界ではベルゼバブ様が美少女魔王になったりしてるから全然オッケーっすよ!
>>760 シン女難スレでも行ってくれば?
>>763 何処かの世界ではアシュタロスが幼女になったり、アーサー王が女になってりするもんな!
>>761 だってそもそも邪神が人間と関わる必要性がないし
俺らがゴキブリの事知りたいからってゴキブリに成ってまで知りたいとは思わないだろ
ハスター辺りは「変身? 取り付けばおk」って感じに思っってそうじゃね?
まぁ、取り付いた後に酷い身体になるが。
ゴル=ゴロスは口を開かなければ萌えれる
768 :
761:2008/12/21(日) 11:24:56 ID:???
>>765 いや、758がデモベで結構擬人化邪神が出てきてるみたいなこと書いてたからそうだっけ?
って返しただけなんだ
擬人化邪神というとエンジェル・フォイゾンぐらいしか思い浮かばんな
>>768 ナイア以外はアルたんの記述が擬人化したのだからちいと違うな
アルたんのコンプレックスの裏返しなのか殆んどが巨乳だったのが
>>768 本物の邪神は擬人化はしないよ
あれはアルたんの記述だから出来る事であって、
まぁ擬人化しないで服従しようとするとただの獣姦w
になるから見たいような見たくないようなそんな微妙な感じになっちゃうんだよね
>>773 眼窩から眼球を零して白くて蛆みたいな体形とくれば、ルリムちゃん以外におるまい
駅前のタコ焼き屋がダゴン焼屋に見えてしまった俺はきっと憑かれてるんだな
ふと思ったがループ中に瑠璃ママンとリトルエイダが消されたのはパワーバランスのためなのかねぇ?
仮に変神スーツメタトロンがオリジナル並の戦闘力だとしたらそれの廉価版量産したらかなりの戦力だし、
デモベの開発スタッフでもあるから金に飽かせてデモンペイン級のオートマトン作るのも不可能じゃない。
リトルエイダがいれば機械言語版も量産できるわである意味ウェスト以上にジョーカーな気がする。
>>775 この前クトゥルーと一緒にクトゥルーの心臓焼き食ったんだが、美味かったぜ
九郎ちゃんが出番がなくて強くならないじゃないか
正義の軍隊はできるけどそれじゃ正義のミカタは育ちませんな
育てるなら覇道側をさらに追い詰めないといけないから今度は逆十字を強化せにゃならん
強化のイタチゴッコになるとエドガーのように千日手のパターンもあり得るしな
>>777 SAN値チェックはちゃんとしねーとダメじゃねないか。
俺はロードアイランド病院から持ち出した脳味噌食べたよ。
>>779 そこで正義の戦隊がですね
特撮経験者多いしやれそうだが……
戦隊じゃ意味ないのw
必要なのは正義の極限の一なんだから、アルとデモベなら三位一体になれるけど
チームなら役割分担が発生して一つが突出できないよ
そして最後に決めるリーダー以外いるだけ無駄になる
零零零に戦隊ロボなデモンベインは居なかったんだろうか…
あ、でも戦隊ロボにしちゃうとクトゥグアとかが変形して手足に接合するタイプになって
再生されたアズラッドが強奪されたミスカトニックのネクロノミコンと一緒に敵になった後味方になったりするのか
何故かネクロノミコンをネクラロリコンと書いたまま書きコしそうになった.........
這い寄る混沌水飲んでSUN値を回復せねば
太陽値
太陽値:太陽炉搭載モビルスーツを見た際にチェックされる数値。
一定数を下回ると、ガンダムに心奪われてしまう。
つまり刹那とハムはすでに末期状態か
「ガンダアァァァァァァァァァァム」
「また会えたなぁ、ガンダム!」
>>782 ひろしもかなりヤバい
リボンズは00を見てからおかしくなった
刹那とニナが遭遇したらウザイ事に成りそうだと思った俺はSUN値とSAN値が足りない....
金と時間さえ有れば運命デモベ造るんだけどなぁ
デモベヘッドと脚部はアドバンスドヘイズルとのコンパチで比較的楽に作れそうだし
右手がシェルブリットのデモンベインがいた
三体合体で気持ちいいデモンベインがあった
でもあれは厳密にいうと四位合体だろ
エロい力でパワーアップするデモンベインがあった
異世界の自分(女)と性的に合体して覚醒した少年のデモンベインがあった
ツナギを着て公園のベンチに座っていたイイオトコ(デモンベイン)があった
遙かなる二重恒星系で、兄の敵を取るために旅立った少女のでモンベインがあった
アル「九郎! ドッキングじゃ!」
九郎「アッー!」
勇気の力で合体する勇者王(デモンベイン)があった
通常の十倍の炎を燃やして合体するデモンベイン・ザ・グレートがあった。
銀の翼に希望を乗せるデモンベインがあった
合体する事でデモンベインを超えたデモンベインがあった。
愛の力にて悪しき空間を断つデモンベインがあった
異なる対の女機神と合神し、その身を剣と成した女機神を握り三機の心臓を持って他を超越するデモンベインが在った
無間に成長を続けるエネルギー結晶によって進化を繰り返し、三機の戦闘機と合体する事により攻・速・守……人・鳥・蟹へ姿を変え、
融合する事で三段変形するデモンベインが在った
太陽の力で奇跡を起こすデモンベインがあった
肉体をゲル化できるデモンベインがあった
熱を吸収できるデモンヘインがあった
「ゴルゴムの仕業か!許さん!」と全てをゴルゴムのせいにするデモンベインがあった
月に落書きをするデモンベインがあった。
月に敵ごとパンチを打ち込むデモンベインがあった。
月から力を得て破滅の光を放つデモンベインがあった。
内に全てを滅ぼし尽くすほどの破壊衝動を持ち、魔術師と魔導書すらただのリミッターにしかならぬ、
15騎で星ひとつを炎の剣で焼き尽くし、恐怖の象徴となった神の代行者たるデモンベインがあった
809 :
↑:2008/12/28(日) 22:02:05 ID:???
長すぎてネーヨwwwwwwとレスするデモンベインがあった
旧神達の帰還を待ち続けるデモンベインがあった。
ジム顔のデモンベインがあった
ザク顔のデモンベインがあった
ガンダム顔のデモンベインがあった
元ネタ全てが分かれば神
にょろーんとなったデモンベインがあった。
77個のひほうを集めて完成するデモンベインがあった。
三機の戦闘機と合体し三種の形態を持ち更に小型端末機ロボと5身合体したデモンベインがあった
ガラスの瞳に、真鍮の義足と義腕を持った、英雄から魔王となったデモンベインがあった。
逃げた英雄の変わりに、悪の大首領を倒しに行き、魔王と痴話喧嘩を行なうお姫様たるデモンベインがあった。
将来の夢を悪の大首領だと言うデモンベインがあった。
ブリキで出来たデモンベインがあった。
「あの世で俺に詫び続けろ」と裏切られたデモンベインがあった。
「ごめんね、貴方は今でも私の大切な人なの」と寝取られたデモンベインがあった。
デモンベイン(笑)
ネクロノミコン(笑)
大十字九郎(笑)
ナコト写本(笑)
マスターテリオン(笑)
リベルレギス(笑)
デモンベイン脳(笑)
>寝取られたデモンベインがあった。
これってニャル様じゃ・・・
ニャルとデモベは紙一重
処女の当主に忠誠を誓い、「ゴミ処理屋」として化け物共を駆逐するデモンベインがあった
化け物共を駆逐するために、不死の身体を手に入れ、「首切り判事」と呼ばれるでモンベインがあった
自らの滅びのために、「手段のためなら、目的を選ばぬ」ようなデモンベインがあった
邪気眼使い大十字九郎があった
まぁデモンベイン自体邪気眼だから大差ないか
邪鬼王デモンベインがあった
もちろん「ズワォ」「ギャン!」「ああ・・・・」「この宇宙が吹っ飛ぶ!」なスカルキラーな爆裂
臍だし亜人に糸で操られる邪気眼の王たるデモンベインが在った
冬コミで午後から回りまくったがエレアもといブラスレ同人確認出来なかったデモベは何故かなのはとのクロスを三冊ほど確認出来たけど……
ブラスレ扱ってたのは居たのかが気になるな
なのはとクロスが多いのは、Fateとクロスが多かったのと似たようなもんだろ
なのはさんはなんで19歳なのに魔法少女なん?
ナイアさんがぶりっ子してるぐらい無理があるよカテジナさん
じゃあ何て呼べばいいんだろうか。
砲撃魔女
18歳でババアと呼ばれr
そういえば逆十字のキラ、オーガアストレイにも関節狙いやってるけど、オーガは関節部分だけヒヒイロカネだから、強度が 関節>装甲のMMなんだよな。キラ相手にはさりげなくでかいスペックだとオモウ。
ところでブクオフの機神咆哮が1980円まで下がっていたんだが、通常版とBESTってなんか違いある?
>>830 内容に差が無い筈だが動作が軽くなってるらしい
それとオマケのDVDにBEST版はTVアニメ版のPVが追加収録されてる
>>830 BEST版の方が既読スキップが速くて快適らしい。
>>830 アニメシーンの挿入タイミングが幾つか変更されている
どんどん減っていく旧神という名の職人達・・・
あけおめ
ゼロ魔クロススレの菊池クロスで、外道親子の存在を初めて知ったよ。
そして夫と子供の悪口言われて怒るニャル様に、激しく萌えた。
妖神グルメの主人公がニャル様だってのも初めて知ったよ…。
それって何だ、イカモノじゃなくてカニバだったってか?
ちょっと明日本屋逝って来る。
人間臭いニャル様が多いからな、菊池作品は
てか菊池作者ってクトゥルーよりゴジラが強いと言ってる癖にそのクトゥルーがおかしいぐらいに強いからな
奴の脳内ゴジラは地球消滅級ですか
まあクトゥルーはたまに漁船の体当たりでバラバラになるからな。
ゴジラが強いのはあれだ、
ジャンプやサンデーやマガジンの超能力大戦やってる作品のキャラ(明言は避ける)が、
範馬勇次郎に勝てそうも無い感じ?
なんつーか、雄度の差?
>>837 そりゃそう言った作品でも雑魚中の雑魚で勇次郎には勝てんだろう
ヤムt…いやなんでもない
うっかり麻酔銃でやられたりするあたり
案外勇次郎は属性が近いのやもしれん
>>840 江田島塾長だって雑魚の麻酔銃であっさり拉致られたりするんだぜ
バトル漫画の麻酔は最強兵器
ゲッターの竜馬は致死量の麻酔を食らっても大暴れしてようやく寝る程度
あいつは人間じゃないな
843 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 23:04:30 ID:yHulMVvM
ゲッターの連中つーか、あの作者の人間どもは
素で鬼とか爬虫人類相手に戦えるバケモン達だからナ
生命体の差なんて大差無いんだなーとよくワカル
まあね
とりあえずブラックホールに一物ぶち込んで宇宙に漂流する漫画を描くぐらいだし
? 原作漫画版のノベライズでは筋弛緩剤喰らっても多少動けてしかも短時間で解毒できる程度だが。
まあ解毒直後に中型肉食恐竜とダース単位で戦ってほぼ無傷で皆殺ししてるがw
デモベの元祖とも言える作品だからな
人間は無限の可能性を秘めてる
確かトルコの騎士団に撃退された旧支配者が居たよな?
>>842 勇次郎とか塾長も、使われたのはシロサイ用10数発とか、巨像用とかだぜ
常人が喰らったら当然死ぬw
あれ?こうして見ると、どいつもこいつも旧神になれる可能性秘めてね?
博士でさえ旧神になれるんだし
邪神に諦めずに抗えるなら旧神でいいんじゃね?
エンネア的に勇次郎が旧神だと首を傾げそうだが
肉体的な強靭さはあんまり関係ないだろ。
九朗ちゃんの基本スペックは、
常人と比べたら、魔術に才能があって・・・
みたいな感じで特に天才でもなんでもないし
デモンベインからしてデウスマキナ中最弱とかいうのが萌えポイントであるからして(以下略
デモンベインの出力はアイオーンの半分程度だっけ
ただ鬼械神は魔術で構成されてるから高位の神による解呪に耐えられずバラされるけど
デモンベインは錬金術混じりとはいえ物質で構成されてるから耐性があるというメリットが
ちなみに破壊ロボはスペック上はデモンベインに匹敵するから
高位の神に対抗出来る可能性があったりして
>>853 確かデウスマキナ最強クラスのアイオーンの出力は、
デモンベインの10倍だったよ。
破壊ロボは基本的にギャグ補正あってもものだがら、
神に対抗とか言い出すと萎えるなぁ
>>854 ギャグに考えるんだ
神様だって笑いに引き摺り込んでやるぜ!
と、考えるんだ
破壊ロボだけじゃダメだ
あれは西博士&エルザとドリルと破壊ロボの三位一体で成り立つんだぜ
まだ足りないw
あれは西を観測して驚いたりツッコミ入れてくれる誰かがいないとボケ倒しになる
ところで神と西を同時に観測してツッコミ入れられるほど正気を保てる(片方でも無理)ってのは居るのか?
つ九郎
基本は大事よね☆
こんな事いうのは何だが…
エルザ、好きだー
メタトロンーーー!
好きじゃーーーーー!
ああっ!
>>862が飛んできた拳大の衝撃波でミンチに!
∧l二|ヘ
(・ω・ ) ←に土産を持たせてどこかのスレに送ってください
./ ̄ ̄ ̄ハ
| 福 | |
| 袋 | |,,,....
 ̄ ̄ ̄ ̄
現在の所持品:デジカメオリンパスC-100(ズームなし130万画素)とそのケース
palm m105(後に定価9800円→製造中止)とそのケース
6連コンセント・エアダスター・USB接続の携帯充電器・CD-R10枚
将棋ゲーム・ホコリとりホウキ・簡単ケーブル収納機・動物マウスパッド
掃除用ぬいぐるみ(モモンガ)・CDキャリングケース・CDラベル貼り機
インクジェットはがき50枚・インクジェット用紙30枚・ディアッカの炒飯
カレンダー組み立てセット・年賀状ファイル・幸せを呼ぶトルマリンゴ・オプーナ
お母さん・Mrブシドーの仮面(スペア)・ペプシコーラ・女神・主任のメガネ
ゴンドラの切り身でも放り込んでおくか
火星人のたこ焼きってのもあり
>>861 大丈夫、その内空から極度におもろい顔をして降ってくるからね。
∧l二|ヘ
(;;)ω・ )
./ ̄ ̄ ̄ハ
| 福 | |
| 袋 | |,,,....
 ̄ ̄ ̄ ̄
現在の所持品:なし
【焼野で処分実行中】
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧
( ´・ω) (,, )(,, )(,, )(,, )
>>868それはあまりに危険すぎるので
| ⊃|__,>;* ザッザッ ⊂ ヾ ⊂ ヾ ⊂ ヾ ⊂ ヾ 責任を持って此方で処分します。
u-u ・;*;'∴ ( ,,) ( ,,) ( ,,) ( ,,)
~~~~´゙`゙゙´´ ~~゙`゙´\ ∧,,∧/`゙゙´´ ~~゙゙´``´`´~~~~~~~~~~~~゙゙´``´`´
ニャル「ひどいじゃないか
>>870、クトゥグアで焼くなんて」
そこはやっぱり
「温うございますよ、
>>870様」
じゃないか?
多分モノホンに焼かれたんだろうよ
モノホンだと流石に
温うございますよ
というワケにはいかんのだろうか?
デモベのニャル様だとクトゥグア本体に焼かれてもピンピンしてそうだなw
まあ化身してる姿にもよると思うけど
クトゥグアの火は本物はクトグアの生理現象だけど
アズラッドのクトゥグアは魔術で放ったモノ
魔術で構成された鬼械神が神に対抗出来ないのと同様
構成する術式に干渉され術が変質していまうからです
デモンベインが神に対抗できるのは鬼械神を参考に錬金術混じりとはいえ物質で製造されたためで
魔道書の演算力に頼るとはいえ機体の稼働や魔道兵装などは可能な限り機械的な動作で行われる為
神による術式干渉の影響が受けにくく鬼械神のように分解されたり攻撃の無効化などを防ぐ事が出来る為で
大十字九郎(デモンベイン)のクトゥグアなら魔銃による機械的な動作と物質で構成された弾丸(術式の刻印が重要)により
ナイアルラトホテップによる術式干渉に対してかなりの抵抗力があると思われるので効果が見込めると思います
補足
デモンベインの魔銃は人間サイズの魔銃を参考に魔術でデモンベイン用に練成した物だが
術式の中核に魔銃を使う事によって外部からの術式干渉を防ぐことが出来ると推定してみる
誤字の訂正
×クトゥグアの火は本物はクトグアの生理現象だけど
○クトゥグアの火は本物はクトゥグアの生理現象だけど
でした、生理現象に対するツッコミは無しで
クトゥグアの魔術は全てアルの生理現象ですね
デモンベインで水芸をするときはアルの生理現象を利用します
潮か小水かどっちだ
>>876 術者とかの能力も関係あるのかねぇ
旧神関係の縁者は抵抗力が強いとか
アルならば当然小水であろうさ
>>882 旧神の定義が難しいですね、あと息子のデモベは機械で造られてるとはいえナイアですし
とりあえず魔術だけでは対抗できないのはマスターテリオンがナイアに抗えなかったことから証明できるし
トゥーソードデモベはナイア抜けると元祖デモベとほとんど大差ないなしかし
足の機構まで元祖になる必要はなかろうに…
トゥーソードデモベはナイアが抜けたんじゃなくて旧神側に転んだだけ
あーそうなんだ、旧神側のデモベってみんなああだとなんか萎えるな
水のデモンベインってどんなデモンベインなんだろ
こっそりデモンペインも混じってそうです
まあデモンベインはデモンペイン(当事は偽アイオーン)の頭部を挿げ替えて心臓ぶち込んで造ったかもしれんが
考えられる分だけデモベのバリエーションはあるから
いるだろうな。無駄に派手な外装の、顔が四角いデモンベインも。中の人は誰かは知らんが
そしてどういう訳か紛れ込んだいつもの破壊ロボが(樽型でドリルの)
中の人次第だが一瞬でデモベ組み立てられたりするから役立たずではなかったり
トゥーソードは足からシャンタクが出るのが最高にカッケえ
背負い物を減らすという意味では画期的なデザインだな
次回作では、腰にシャンタク付けて、格納時には、ロングスカート風に見えるようにして欲しいな
設定であったという変形が見たいですw
俺もエルザルートが見たいです・・・
西博士ルートとナイアさん純愛ルートと照男かガチホモルートはまだですか?
小さい頃は 神様がいて
不思議に夢を かなえてくれた
やさしい気持ちで 目覚めた朝は
大人になっても 奇蹟は起こるよ
カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目に写る全てのことは メッセージ
混沌「はい、残念ここまでだ♪」
その神様はまだ地球にいるのです
多分
『混沌魔術合戦 にゃるにゃる』
エルザ「子供向け映画だと思って侮ってたロボ・・・
大人の鑑賞にも堪えられる
いや、大人にこそ見て欲しい映画ロボ・・・!!」
九郎 「何処に感動してんだ!?」
・・・ってな感じで、エルザルートの映画館デートを妄想してみた
今はこれが精一杯
つかエルザルートって何で没になったんだっけ
容量の関係?
>時間の都合と、シナリオ展開が微妙に上手くいかなくて、泣く泣くカット。
>>900 たしか当事の情勢だと前作の不振で早期に新作の投入が必要だったらしい
更にショップへの入荷本数も控えさせられて
初期出荷があんまし無く瞬殺というわけで難民も出たとか
小説での西博士のシリアス面を前面に押し出せばエルザルートいけるんじゃないか?
>>902 それをやると西博士のキャラが壊れるから絶対に避けたいトコで
大丈夫、西博士のシリアスなんて3分も立たんさ
>>901 デモベの前作っていうとハロワか
名前しか知らんけど、アレ売れなかったんだ
>>902 あんな劣化死体蘇生者のエピソードを前面に出されても・・・
まあシリアスと見せかけて完全ギャグとかなら見てみたいが
>>904 失礼だな。博士なら3秒もたんに決まってるじゃないか
>>907 その3秒の隙を狙ってナイフ刺せる地球皇帝マジパネェ
>>908 お前の所為で地球皇帝が大人物に見えてきたじゃないか
何を言ってる
大人物じゃないか
特に服装とか
あれどうやって用意したんだろうな。
信者にこそこそ作らせていたんだろうかwもしくは手製…
手の込んだことはお手の物の地球皇帝陛下だぞ?
当然お手製に決まっておろう!!!
ちくちくちくちくちく
「いてェッ!指刺したぶるぅぁぁぁぁぁぁ」
>>912 あとがきのイベントの為にせっせとラメ入りスーツを仕立てる某魔王といい勝負だなw
この魔王は中間管理職的な位置にもいるし、(上に真のボスがいる)
意外と話が合いそうな気がしてきた…。
>>908 地球皇帝大半がそんな感じだよなタイミング良く漁夫の利的な
直属の上司がバケモノで、同僚は自分と互角なのが5人
イレギュラーなサンダルやら博士やナイアさんとかって環境で下克上をねらうとなると
漁夫の利以外の選択肢はなるなって鍛えられたんだろーな、明らかに敵(世界)より見方のが手ごわい
運が良かったのは上司も同僚も大抵が自滅する形で漁夫の利を得れたとこだよな。
結局のところ変態髯の方が一枚上手だったが。
その髭も鬼械神ごと残り2つの命をまとめて暴君にデリートされるという…
実力的には地球皇帝と髭は飛びぬけているんだけどねえ……
かたやエイボンの書持ち、
かたや元々魔導書でない金枝編を魔導書に改造する男、
ただ性格が変態なだけで。
まあアンチクロスは全員性格が歪んでいるんだけど、
この二人はその中でも生温かい目で見られているような。
920 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/08(木) 12:50:40 ID:REOshc3P
筋肉馬鹿と糞餓鬼は仲良く喧嘩しながらあの連中では珍しくペアで戦える
サムライは近接最強で手がつけられない、ヒゲは蘇生と研究物が洒落にならない
暴君はヒゲ+地球皇帝が二人がかりでも無理、触手ゾンビは雑魚だけど殺すのにトラペゾがほしいほどの生き汚さ
じつは、幹部級で一番薄いのって地球皇帝? とふと思ってしまった
>>919 髭をエイボンの書持ちだからと特別扱いするのはいかがなものか?
書き手の魔道師エイボンはあの憎めないうっかりさんだし、なにより奴のエイボンの書はゴールデン・ゴブリン・プレス社版だぜ?
エイボンの書と言っても出来の悪い写本だしな
本物かそれに準ずる写本(例ナコト写本)だったらアル以上の代物だし
その出来損ないの英語版でデウス・マキナ召喚とかすげーな。
エイボンは魔導書の著者にしては平和なオチだけどな。
アナブラとかリトルエイダを見て思うんだが、一番効率的な写本ってどう作るんだろうな。
原本が強力ならたいていは大丈夫だろうけど。
術者や著者による血液語写本とかが有効かな。機械語・電子写本は神秘が劣るかもだし。
……マスターテリオンがエセルドレーダの写本書いてるの想像したら萌えた。
>>921 逆に言うと、んな粗悪品でアデプト級まで上り詰めた髭ってすごくねってことに。
まあ一研究者としてはともかく魔術師としての戦闘能力は逆十字の底辺ぽいが。
>>920 金枝編の真骨頂は共感呪術だから、多分アウグストゥスじゃないとクトゥルーの力を充分には使えないんだろう
まあ共感しすぎて地球皇帝になったが
逆に髭は原書に近い版だと御しきれず喰われるなんて事があったり
粗悪品だからなのか髭の鬼械神は攻撃が微妙だし
アデプト級なんだから、もっと良い版が入手できてもいいんだが
結局の所、ナイアがお膳立てしてるんだから
髭の魔道書が粗悪品なのは、その程度までが髭の限界なんだろうか
案外、難易度調整だったりしてな。
今回の九郎くんはギリギリいいところまで行ったから、
次は終盤の相手をもっと強くしておこう、とか、
今回は半ばでダウンしちゃったから、もうちょっと簡単にしようか、
なんて感じで。
>>925 要するに〇〇〇〇にダメージを与えるには共感しないと駄目って事なのか?
果てしなく無理だな
俺的にはイボン娘(仮)は我が強く面食いだった為髭が出会った際に手ひどくフラレタと脳内補正が
まあ実際はニャル様補正の一環なんだろうけど
>>928 つまり地球皇帝はキ○ガイと共感…キチ○イになったのか
ああ、だからあんな衣装ではっちゃけられたわけだ。クトゥルーの神気を受けて更にドン
イボンコペッタンコ
残る未出のMMの素体はガイアと暁かな?
地球皇帝の機体の元になりそうで仕方が無い>暁
理由は言うまでもない…
>>928 しかし対九朗だけで考えると大して仕事して無い気が
935 :
934:2009/01/09(金) 23:13:43 ID:???
だがまって欲しい
別に金ぴかに塗ってしまえばべつの機体でもいいのでは?
大火力とシールドを考えるとカラミティ、デストロイの金ぴかverが出るんじゃないだろうか
ああ、デストロイがいたな。
後カラミティはクラーケンの元になったみたいだし、重複はしないだろう。
>>936 スーパーじゃなくてストフリがあるじゃないか
全身金ぴかのストフリかw清清しいな、そこまでいくと
でもそうなるとキラの乗るのは何になるだろ?破壊ロボ?
>>939 戦場を引っ掻き回すのなら並みのMSでアンチクロスの相手は・・・
ガンダム顔のDEMONPAINにでも乗せとく?
貴様、博士の作品をなんと心得るであるか。
>>941 大丈夫、我輩が造った覚えが無いDEMONPAINで
実のところナイアだ
>>929 なんかいいなそのエピソード。で、九朗にコテンパンにされたあとエイボン娘が助けにくるんだな(それなんて主人公)
マジであの嘘設定実現しねーかな。某所でエイボン娘と妖蛆娘と屍食娘をベースにオリキャラ設定作ってた人いたけど、その娘たちと仲のいいアンチクロスも見てみたい。
……駄目だ。カリグラが気弱なオヤジとしか想像できねぇ……。
成る程、アンチクロスの面々が親父設定もいいかもな
パンツ穿いてないのは主人の品性が疑われます
>パンツ穿いてない
パンツじゃないから(ry
ていうかNiθのキャラでは穿いてないくらい普通なんだよなー。機神なんてライカさんもそれっぽいし。
アンチクロスの面々が親父……。ちょっと待ってくれ今画像と照合するかr……、
やべぇ、萌えた。
糞餓鬼は見た目的に兄貴か?
なんつーか尻敷かれてるアンチクロスが見えるぜ…
無限のループでそんなアンチクロスはいたのだろうか
無限ループに存在したかもしれないアンチクロス。こんな感じかね?
地球皇帝(覚醒前)→意外とまともな親父
髭→博識な父親。所持する魔導書の数からして子沢山。理想形か?
筋肉達磨→豪快な父親。娘の危機には大暴れ。
糞餓鬼→言動に反して面倒見の良い兄貴。典型的なツンデレ兄妹。
十八禁変態→しっかり者の娘に引っ張られる親父。家族の前ではまとも。
侍→寡黙で質実剛健な父親or兄貴。躾もきっちりやる。髭と並んで理想形か。
地球皇帝(覚醒後)→いろいろとアレだが娘には慕われたり。
ネロ→九郎ちゃんとこでお嫁さん的な。
番外
エイガー→決めるときは決める兄貴。家族想いでかなりしっかり者の良い兄貴。
18禁はきっと娘にどうすれば意中のあの子を狙えるかを講義するな
あの手この手使って喜ばせよう!って
ティベはエログロ講義を娘に仕込むんですね、分かります
951 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/10(土) 19:35:27 ID:9d70arrh
そして、エログロの方向性の違いで親子喧嘩ですね、分かります
……娘に親父と呼ばせてるのかオカンと呼ばせてるのかが問題だ
どんなことしても死なないんだったら色々楽しめるだろうしな
氏賀Y太かいれくばの精神で接するだろうよ
そして九朔に思いの他、少女として接してもらってベタ惚れするんですね、分かります
>>952 まて、アルは背中の傷で・・・
生き返ったとはいえダメージが無効に出来る訳ではないです
>>954 アル・アジフと再生蘇生特化の妖蛆の秘密を一緒にしちゃいけないな
リストカットしようが自殺しようがすぐ復活さ
>>953 ティベ「娘は渡さないわよ、くそがきゃあぁぁぁぁ!」
妖蛆娘「お母さんなんて嫌い!」
ティベ「ひでぶ!?」
九朔(…お母さん?)
>>955 しかしローソクプレイでの火は異常に怖がるのであった
今まで余裕かましてた紅朔が九朔を取られそうになって
始めて危機感と嫉妬を感じるんですね、分かります
>>957 トラペゾ食らわなけりゃティベの妖蛆の秘密は焼かれるわけだから、火は苦手だろうな。
それ以外はティベ並に再生できそうだが。
となるとアレか。コリンが帰宅したら妖蛆の秘密が人の形をしていないほどの
ショッキング自殺をしてたってこともありそうだな。
>>943 嘘設定画の軽い設定を羅列。ちなみに性格だけな。
エイボンの書
ゲーム本編ではあまり目立たなかったけど、『アル・アジフ』や『無銘祭祀書』に並ぶ大魔導書。エスプリの利いた皮肉屋さん。だけど素直クール。
「至高の魔導書の主たる誇りがないのかエロス。哀れを誘うような声で泣いて欲しい。愛してる」
利いてないよエスプリ。
以下略。
妖蛆の秘密
鬱病でリストカット癖あり。すぐ治るけど。あとたまに自殺する。すぐに蘇るけど。
「帰ってきたら死んでいたというのはよくあるが、こんなにもショッキングな死に様は初めてだ」(同居人談)
ファー様的に。
屍食教典儀
著者がダレット伯爵のせいか貴族っぽい性格。多分。
ちなみにティトゥスがこの魔導書から得た恩恵は背徳的な儀式による異形化。そんな感じにアレでアレな具合の儀式とか風習について書かれている本っぽい。題名の通り食屍鬼について色々とか。あと吸血鬼についても。えいぜいとうとふの息子的な。
続き
金枝編
なんとなく自我薄そう。
ゲーム本編ではビーム撃ってる印象しかないけど、実は共感魔術にこそ真髄がある。アウグストゥスがクトゥルーとシンクロしてデモンベインを苦しめたのは『金枝編』の性質ゆえです。
きっと色々感化されやすい娘に違いない。アーカムシティとかにいると急速に駄目な子になっていく。
水神クタアト
泣き虫キャラがいいな。「びえーん」てガン泣きしてほしい。そしてその大量に排泄される涙の中からクラーケン
が改が出てきてほしい。
書いてて思った。やっぱニトロだ。
ちなみに俺の好みは見た目はエイボン。性質は妖蛆。熱めのお風呂用意して一緒に入りたい。
金枝編娘はあれだ。「ははは! わたしがチキュウコウテイだー!」とかいうんだ。
クトゥルー神話の食屍鬼は人間から変化したのもいるが、
やっぱデモベじゃ屍食教典儀の力で食屍鬼に変身って展開になりそうだな
となると食屍鬼の大物のピックマンは屍食教典儀と知り合いだったりマスターだったりしそうだな
もっとも性格の悪いピックマンと貴族っぽい性格の屍食教典儀だ。相性は良くないだろうが
金枝編とクタアトは貰いますね
>>964 金枝編はジョージが黙っちゃいないしクタアトは・・・誰だろ?
タイタス関係なんだから多分マスターに適任なのは大十字家なんだろうけど
まあいいや、適当にアンリ辺りが黙っちゃいないぞ
それでも…それでも守りたい萌えがあるんだー!
アンチクロスが親子してる時に増田照男とナイアさんは何してるんだろ
>>966 テリオンはエセルともども九朔のルームメイトに
親と言えばエイボンの書の親の土星でフジウルクォイグムンズハー様をモフモフしてる方のエイボンってまだ生きてるんだろうか
やっぱエイボンの書のあの格好もエイボンの趣味なんだろうな
種死逆十字の方のティトで親子妄想した
萌えた
屍食教典儀は食堂でホラーとかスプラッタとか18禁描写満載の小説を頼まれて書くんですね。
えいぜいとうとふ…ってアザ様なのか。…白痴の王にも落とし子いるの?
>969
呼び方は主様。関係は主従。人喰い属性で非魔術士がうろたえそうな耽美な光景も交えつつ、時折ふと混じるほのぼのな空気の中でティトさんの目が優しかったりするのですね
…最高じゃないか
何かシンが屍喰経典儀娘にむちゃくちゃイジめられそうな気がする。型月の腹黒尼僧的に。
俺、シンにはイボンコ(仮)が良いと思うんだ
自身の所有者に相応しい位階まで懇切丁寧に調きょ…狂育してくれそうだし
何よりツンデレは素直に好意をぶつけてくる相手に弱い
俺のイメージとしては屍食娘は素ですぷらったなことをやるくらいだな
よし、台詞妄想開始!
妖蛆の秘密
「虫、蟲、蛆虫……可愛い。あなたもそう思う? 思うよね。あれはいいもの、可愛いもの。ふふ、ふふふふふふふふふ……」
「私は虫。蛆虫。妖しき蛆虫。……てぃべりうすの虫。昨日もどろどろ」
屍食教典儀
「手が四つあれば便利でしょう。あら? 主様はそういってましたのに」
「主様、ご覧になってくださいまし。今日の生贄は……」
金枝編
「アウグストゥスぅ? 大導師さまのぉぉぉ、ところ。ぶるぁぁぁぁ!」
「しーずかなー♪ このよるにー♪ え、ダメ?」
水神クタアト
「カリグラとるな。帰れ、ガキんちょ」
「びえーん! ……えぐ、ぐす。ガキんちょがいじめるー」
金枝編が若本調に
覚醒したらお揃いの地球皇帝ファッションですねわかります
みぃ知らぬぅぅあいてにぃぃ〜〜
スゥハァダァを曝すなんてぇ、ぅ父さんは許しませんよぉ
ぶるぁぁあああーーッ!!!!!
若本が地球皇帝だから
娘は地球王女か
何故だろう……娘の前でだけ最強になる筋肉が見えた。
「俺ノ娘泣カシタ奴ァドイツダァァッ!」って
>>977乙
しかし全く話題に上がらないなぁ「流血祈祷書」……
まぁ、元よりデモベオリジナルの魔導書だし、司る神「ズアウィア」も中身アレだし、
その上公式の嘘設定すらないから半オリジナルになっちまうから仕方ないか。
そもそもデモベの魔導書は魔導書と言っていいものかすら疑問だが本家的に考えて