デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ5週目

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1通常の名無しさんの3倍
このスレはデモンベインのエキスを種シリーズにブチ込んだ混沌の箱庭です。
このスレに参加する諸兄には、旧神に連なる者として恥ずかしくない言動を望む。

以下は注意事項

・荒し、煽り、騙り、は原則で禁止。
・上記を破った者はインスマスの海にて『深きものども』と一生戯れて貰う。
・爆破作業はシュリュズベリィ教授に許可を得てから。
・ドリルは西博士と無数の漢達の夢であり浪漫だからして、これを止める事は無理である不可能であるインポッシブルなのである。
・九郎ちゃんの パイルバンカーの露骨な使用は禁止。エロスは程々に。ネタとしては全然OK。
・ニャルさまが見てる。
・議長は根暗なオタ・・・・・・オカルト趣味
・うつけ!何を埋められておるかっ!そんな事では我が主は務まらんぞ!
・SAN値に注意しながらまったりやりましょう。

前スレ
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ4週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1165308646/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ3週目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1160223218/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ2週目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1155649090/

大十字九朗とシン・アスカの事件簿
デモンベイン>>>>>>>>>>種シリーズ
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1146806109/

まとめサイト
ttp://demoba.nobody.jp/
2通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 17:59:17 ID:???
>>1
3通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 18:01:52 ID:???
乙、職人さんも早く来てくれ
4通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 18:18:41 ID:???
>>1乙なのであーーーーーーる!!!
5人誅:2007/03/10(土) 20:27:30 ID:???
失せろ
目障りだ
6通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 20:46:44 ID:???
デモンベインの日常シーンは種死の総集編並みにツマランな
7天誅:2007/03/10(土) 20:47:44 ID:???
失せろ
目障りだ
8通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 21:24:41 ID:???
>>6
ん?西博士が破壊ロボで暴れ回ってるのが日常で、平和な市民生活が異常だよな?
9通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 21:30:51 ID:???
破壊ロボやら変身ヒーローやら巨大ロボットやら悪の秘密結社が暴れまわっている上にそれ以外の
魑魅魍魎までもが蠢いているのが日常ですが何か。
10通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 21:42:38 ID:???
初めまして

えー…何故に種とデモンベインなのか尋ねても?
11通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 21:49:13 ID:???
>>10
負債の混沌とした脚本で作られた種と
這いよる混沌によって作られた物語であるデモベはマッチさせると化学反応を起こして面白い物語になるから
12通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 22:07:31 ID:???
えーと、最初は煽り目的で立てられたスレが職人に占拠されて5スレ目まできたって事でいいのか?
んで、スレ名だけ伝統でそのままになってると
13ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:15:36 ID:???
どうも、ですべのひとです。
携帯を変えました。所謂とか荒唐無稽とか、
今までの携帯では変換できなかったものが変換できるように。
さすが京セラ。

では、投下に参ります。
14デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:17:39 ID:???
前略 母さん、お元気ですか。
僕、キラ・ヤマトは今
「ぬぅはっはっはっはっ! ドォクタァァァァ・ウェェェスト!」
元気に悪役をやってます。
「僕は、なんでこんなところにいるんだろう……」
「自分で言ったことロボよ」
いやわかっちゃいるんだけどね。
「三つの心が一つになれば、一つの回路は100万パワー(当社比)!
 三位一体・真(チェンジ!)機動戦士スーパーウェスト無敵ロボSEED ― 所詮この世は諸行無常 ―、
 これさえあればデモンベインなど恐るに足らず!」
ドギャ―――ンギュルギュルギュ……
「あだだだだだぁ!?」
「やめてよね、僕が本気になっても鼓膜はどうにもならないじゃない?」
「折角の出番に水を差すなであーる! 出番ブレイカー!」
心外だなあ。
「まあ、よい。見せてもらうのである、貴様の調整したOSの性能とやらを」
「で、本当にデモンベインは来るんですか?」
「心配ご無用ロボ。何故ならダーリンとエルザは赤い糸で結ばれているロボ」
「へ、へえ。そうなんだ」
「主に亀甲縛りで」
いや待とうよ。
「そんな話をするうちに、我輩のライバルはやってくるのである。ほれ」
言われて空を見る。
其処には、燃えるような五芒の星が浮かんでいた。
15デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:20:14 ID:???
―――正しき怒りと憎悪に応え
―――我等は魔を断つ剣を執る

「「汝、無垢なる刃―――デモンベイン!!」」
五芒星の浮かぶ空から、機械の、鬼械の神が招喚される。
その名はデモンベイン。最弱無敵のデウス・マキナ。
「また性懲りもなく来やがったな、ドクターウェスト!」
搭乗者、大十字九郎。
「なに、また倒せばよいだけのこと!」
魔導書、アル・アジフ。
彼等が駆るデモンベインに、断てぬものなし。
「覚悟しろ、ドクターウェスト!」
『ふん、大十字九郎。今までの我輩と思うなよ?』
「もう聞き飽きたわ」
『そうではない。今回は特別に超豪華オブザーバーを用意したのである』
「いや誰だよ」
超豪華オブザーバー。
大層なことを抜かして、一体誰なんだろうか。
『いや誰だよと聞かれたら!』
『応えてあげるが世の情けロボ!』
「いや、それもう変わってるから」
『(゚д゚)』
こっちみんな。
16デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:24:57 ID:???
『と、とにかく! 貴様のよく知っている人物なのである。ほら、何とか言え』
『何とかって』
『早く言うロボ』
『だからそんなこと急に……』
「えーと……誰だ?」
『気づかれんとは。ああ、可愛そうなキラ、あなたは我輩が守るから』
『あなたって人は……』
「……ああ」
なんというグダグダ。伝わらなかったらどうなっていたか。
「あやつめ……ブラックロッジに加担するなどと、どういう頭の構造をしておる!」
「洗脳か? それとも脅迫か?」
『失敬な! いくら我輩とてそんなことはしないのである!』
勿論、過去何度もやりかけたということは言ってはならない。
ただ単に成功していないだけ。
「ああ、そう……ん?」
「九郎、後ろ!」
慌ててその場を飛び退くデモンベイン。
その元いた場所を―――ビームが抜けた。
「あれは、モビルスーツ……?」
確かに、そこには黒いモビルスーツがあった。
17デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:26:05 ID:???
「これは……インパルスやウィンダム、フリーダムとも違う!?」
「まさか、ブラックロッジは我々の知らないところでこれを回収していたのか!」
『ピンポン正解ご名答であーる! そしてそれを元に我輩の辿り着いた三位一体!
 ひとぉつ! 格闘担当、エルザ!』
『はーいロボ』
『ひとぉつ! 射撃担当、超コーディネイター2、キラ・ヤマト!!』
『2って何ですか2って。僕は某野菜星人じゃないんですけど』
『そして我輩はモビルスーツの遠隔操作! 三人で一部隊、気分はスクランブルコマンダー!』
それは黒歴史である。
しかし、突如として姿を消すモビルスーツ。
「なに!? 何処におる!」
幸いにも、動く音は消せていない。かろうじて気配が感じられる―――
「九郎、我等は囲まれているようだ!」
6つほど。
18デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:27:28 ID:???
片方を避ければ片方に当たる。
なんとか避けきっても破壊ロボが火器とドリルで攻撃してくる。
「ちぃっ、これじゃ反撃できねえ!」
「まずいな……これでは何処にいるか把握しきれん。それに、だ」
「ああ、あのビームライフルとかいう武器だったか。
 ―――魔術的な要素を含んでおる!」
そう、ただの光線銃ではない。
デモンペインの掌にあった遠距離武装が、この火器に流用されていた。
そのせいで、デモンベインの装甲は溶けはじめていた。
『まだ試作品であるが、貴様を九郎ハードするには十分である。
 「くやしいっ……姿さえ見えればこんな奴らなんかに……」
 「よかったじゃないか、ウェスト印ミラージュコロイドダブルツインマーク2セカンドのせいにできて」
 んんんんんんっ!! 2が多いー!』
『キラ、耳栓ロボ』
『ありがとう、エルザ』
キラも大変だな。しかしそんな思考も一瞬、
調子に乗ったキ○○○の一撃にまた撃たれてしまう。
「くっ……シンはまだか!」
「あやつの機体は我らと違ってすぐに呼び出すことはできん、耐えろ!」
多勢に無勢。
デモンベインは、見えざる敵と見える敵に危機を迎えていた。
19ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/10(土) 22:29:49 ID:???
投下終了。
全角文字で500文字は入るので、一発で1レス分張りつけられるのは嬉しいですね。
では今日はこのあたりで。さんざん遅れてすみませんでした。
20通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 22:31:01 ID:???
またいいとこで…w

なにはともあれGJ!
21通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 22:31:09 ID:???
乙です!
なんか今回はいつも以上にいろんなネタが含まれていて面白かったです
22通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 23:50:11 ID:???
乙カレー

いいタイミングで光臨するとは
23ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/11(日) 01:09:20 ID:???
ちょっと訂正。

「まずいな……これでは何処にいるか把握しきれん。それに、だ」
「ああ、あのビームライフルとかいう武器だったか。

これだと区切りがおかしい、というか消し忘れだったので

「まずいな……これでは何処にいるか把握しきれん。それに、だ。
 あのビームライフルとかいう武器だったか―――魔術的な要素を含んでおる!」

という区切りに訂正します。申し訳ありません。
24通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 08:19:04 ID:???
なるほど、たしかにグッドタイミング
理解した

25通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 09:31:49 ID:???
ネタのオンパレードに笑いがとまりません^^
26通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 14:30:32 ID:???
GJ!
マジ西博士の台詞に違和感ねえwww
27通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 15:04:32 ID:???
なんだかんだで順応しつつあるキラがwww
28通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 15:05:21 ID:???
ここのキラなら真っ当な人間になりそうだなぁ。
29通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 15:59:35 ID:???
>超コーディネイター2、キラ・ヤマト

実は3人目
30通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 16:20:57 ID:???
>6つほど。

六神合体?
31通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 23:00:33 ID:???
キケンなやつらがくる♪
32通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 23:33:27 ID:???
宇宙の暗闇から♪
33通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 01:19:20 ID:???
マーズ乙

しかし他の旧神達はどうしてるのだろうか
34通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 01:21:23 ID:???
私生活が忙しいんだろ、どこかの貧困探偵みたいにならないように働いてるのさ
35通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 03:43:14 ID:???
ですべ氏乙&GJ!
キラいい味出しすぎワロタww
この3人なら土曜夕方6時のアニメでレギュラー張れるよ!悪役でw
36通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:59:15 ID:???
のまれてるwwwwww
キラがまともに見えるwwwwww
37通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 22:01:22 ID:???
キラはラクス電波に当てられてないバージョンはまともだ
38通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 23:47:13 ID:???
なんかキラがオタスケマンのゲキガスキーっぽく見えるw
39種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:26:08 ID:???
「兵士にとって経験は重要な要素である……それをイヤでも実感させられる光景だわ」
「いやそれよりも、いえそれもあるんですが!それより彼ですよ彼!あの人本当にナチュラルなんですか!?」
 ミネルバのブリッジで、先発したMS隊の戦いをモニター越しに見ていたタリアとアーサーは、それぞれ
別の意味で驚嘆の言葉を発した。そしてそれはどちらも的を得た見解だった。
 ザフトの赤服が乗る最新鋭MS相手に旧式のジンで拮抗し得る、おそらくベテランと思われる敵パイロット達。
そしてその兵相手にブランクがありながらも健闘するアスラン。これまで実戦経験が皆無だった温室育ちの
エリートとは違う、実戦で鍛え上げられた力強さを見て、タリアは状況を顧みて苦々しく思うのと同時に
その重要さを再確認していた。
 そしてその中でも特に異彩を放つ存在がいる。率先して前に出、その剣で敵を斬り倒していくダガータイプの
旧式機体。しかもそれを操っているのはナチュラルだというのだ。指摘したアーサーは勿論のことタリアも、
そして他のクルー達も驚愕の表情を見せていた──ただ一人を除いて。
「議長は彼がこれほどの戦力になると御存知だったのですか?」
 タリアはその唯一人──笑みを浮かべて艦長席の後ろに座るデュランダルに問うた。
 元々ティトゥスが作戦に参加できたのはデュランダルの許しがあったからだ。タリアとカガリが渋る中、
彼の一声でカガリが折れ、タリアも仕方なく認めた。そこでいきなりアスランまで出撃させて欲しいと
言い出したのはまた別問題として頭が痛かったが。
「いや、彼の参加を許したのは単に人手が欲しいと思ったからだよ……まあ、少しも期待していなかったと
 いえば嘘になるがね。先日の彼の言葉に嘘がないなら、いい戦力になるだろうとは考えていた」
 そのデュランダルの言葉に嘘はないと感じるタリア。が、同時に別の疑惑を持つ。
(……本当にそれだけ?)
 タリアとデュランダルには長く続いている、かつ複雑な関係がある。その賜物か、タリアはデュランダルの
少々熱の入りすぎな目と、どこか嬉しさ、喜色の混じった笑みに気付く。彼の言葉に『嘘』はない。しかしまだ
何かを隠しているという印象をタリアは持った。
 だがそれを追求しようとした直後、開きかけた口をレーダー手の叫びが遮った。
「レーダーに反応!大きい、なんでこの距離で今まで……!デ、データベースに該当あり!ボギー・ワンです!」
 クルー全員に緊張が走る。これまで追い続けてきた宿敵、それがこの場で一体何をしようというのか?
 ドサクサに紛れてのこの船の撃破を狙っているのか、もしくはユニウス落下の犯人達とグルだったのでは……
「え、何これ、こんなのどこから……か、艦長!本艦に電文、発信先は……カオスからです!」
 様々な予想がタリアの頭を駆け巡る中、その答えは信じられないといった表情をしたメイリンから告げられた。
そしてその答えは、タリアの想像したどの答えとも凄まじくベクトルの違うモノであった。
40種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:27:04 ID:???
『まさか仲良くやれ、なんてことになるなんてね……あいつ等と!』
 オルトロスをそこらに撃ちまくりながら叫ぶルナの声が、通信機越しにシンの耳に届く。だが耳に
届いただけで、サーベルを抜いてジンへ斬りかかっていたシンの頭までは届いていなかったが。
 ユニウスの外壁は乱戦模様を呈していた。設置された数機のメテオブレイカーを起動させつつ、まだ未起動の
物を守るわずかなゲイツRと、それらを破壊しようとする多数のジン。そしてジンから彼等を守ろうと闘う
五機のザクと一機のダガー、一機のガンダム──そして其処に突如として現れた、奪われた筈の三機のガンダム。
 ザフト側は最初三機の登場に多いに慌てた。あれが強奪された機体であり、ザフトに敵対しているのはミネルバ
の人間は勿論、他のザフト軍にも伝えられていたことだったからだ。
 しかし、何故か三機はザフト軍には攻撃せず、何故かメテオブレイカーを狙うジンのみに攻撃を集中していた。
怪訝に思う全員に、ミネルバからの通信が届いたのはすぐだった。
 奪われたMS経由の電文より、ボギー・ワンより休戦とユニウス落下阻止の意が示されたこと。そして
それを受け、今現在は彼等を放置すること──それが、タリアが下した命令だった。
 全員、納得出来ているわけではない。特にミネルバクルーからすれば追いかけてきた倒すべき敵だ、普通なら
共闘するなど論外である。が、今の切羽詰った状況がその理不尽な選択を選ばせる。これ以上厄介な敵を増やす
のは勘弁だし、逆に戦力が増えるのはありがたいのだ。
「ムダ口叩いてる暇があったら一発でも当てる努力しろよルナ!今メテオブレイカーを落とさせるわけには
 いかないんだからな!」
『む、そんなことアンタに言われなくても分かってるわよ!……けどシン、アンタ意外と気にしてないみたいね。
 アンタが一番突っかかると思ってたのに、文句の一つもないなんて』
 レイなら分かるけど、と付け足されたのは余計だが、確かに自分でもそうだと思う。普段なら間違いなく
憤慨している──まあ今もユニウス落としの犯人達に対して怒り心頭ではあるが──ところだろうが、
今は強奪犯に対して落ち着いて対応できる……否、しなければならないのだ。
「──文句がないわけじゃない、あいつ等には確かに頭にきてるさ……けど、今はあいつ等も地球にこれが
 落ちるのを防ごうとしてる。それなのにこっちがユニウス放っておいてあいつ等やっつけよう!なんて
 出来ないだろ?」
 そして何より、奴等を倒すよりもシンにとって優先すべき事柄がある。
「何にせよ、今はこいつをぶっ壊すのと……こんな物を落とそうとするバカを何とかするほうが先だ!
 こんな事で、何の罪もない人が死ぬようなことがあってたまるか!」
 インパルスがライフルを構え、ゲイツRを狙っていたジンの横っ腹にビームを叩き込む。ジンが爆散した
直後、ユニウスの外壁ではまた新たなメテオブレイカーが一つ起動し、ドリルが岩盤を砕きながらユニウスの
奥深くへと潜っていく。
 そして数十秒後、ユニウスの大地に大きな亀裂が入った。
41種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:28:13 ID:???
「ええい!おのれ、おのれ!」
 亀裂の入ったユニウスセブンを見ながら、サトーは怨嗟の叫びを上げる。その眼下でユニウスの亀裂は更に
大きくなり、遂にその巨体は四つほどの塊に分かれていく。
 まだ終わってはいない。あの内一つでも落とすことができれば地球に壊滅的なダメージを与えられる。だが、
現状がこのまま進むほど甘くないこともサトーには分かっていた。
 最初こそ数と腕の差で押せてはいたが、今の戦況はかなり劣勢だ。新型を含む敵の増援と、一人また一人と
討たれていく同胞達。そしてとうとうユニウス破砕の一手を打たれた事に、焦りと憤りは募っていく。
 何より、サトーの怒りを刺激したのは──
「おのれナチュラルめ!ここでも、ここでも我等の邪魔をするか!」
 両手に剣を持った、一機のダガータイプ。見た目、装備、そしてその見事としか言えない腕前。連合とは
思えぬから傭兵の類なのだろうか。しかし、そんな事は関係ない。
 この場にナチュラルが存在し、それによって自らの行いが阻まれているという事実。それがサトーの怒りに
油を注いでいた。
『サトー隊長!』
 サトーのジンの周りに集まってくる四機のジン。ザフトにいた頃からついてきてくれた、彼の腹心の部下達だ。
「残っているのはこれだけか?」
『各所でまだ何人かが戦ってはいますが、そう長くは持ちますまい……申し訳ありません。メテオブレイカーも
 かなりの数が残っているのにこのザマとは……』
 かつて副官の位置にいた男が悔しげに言う。彼もまたサトーと『同じ理由』でユニウスを落とそうとしていた
一人だった。
「──皆、今までよく私について来てくれた。礼を言うぞ」
 自分の周りのジン全てにゆっくりと目を向けるサトー。副官のように同じ理由がある者、自分を慕って
ついて来てくれた者、単にザフトにいるのが面倒になった者等々、理由は様々──しかし、サトーはこの場に
いる者や今も闘っている物、既に討たれている者を含めた、己について来てくれた人間全てに感謝した。
「もはや我等に生き残る道はないだろう……だがただでは死なぬ!最後に腑抜けたザフトの若造どもに一矢
 報い、ナチュラルどもに滅びの一撃を叩きつけてやろうではないか!……お前達の命、俺に預けてもらうぞ!」
42種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:30:18 ID:???
 インパルスと三機のザク、そしてツヴァイダガーが砕けた岩の欠片やデブリを避けながら、4つに分かれた
ユニウスの内一つの外壁にそって駆ける。その頭上で、別のユニウスの欠片が大きく砕けるのが見える。
『イザーク達がやってくれたようだな、俺達も急ぐぞ!』
『言われなくても分かってますよ!』
 促すアスランにシンがやや反抗的に返すが、別にそこまで敵意に満ちているわけでもない。
 イザーク達ジュール隊と別れ、別々に破砕作業をすることになったミネルバMS隊+α。散発的な攻撃こそ
あるが、相手の数と勢いは既に目に見えて落ちていた。これはミネルバ隊の力も大きいが、今もまだそこらに
飛び回りながら黒いジンを追い掛け回す例の三機のおかげでもあるのが複雑だったが。
「前方に二機確認した、メテオブレイカーだ」
『こっちも確認した。ルナマリアとレイは起動にかかってくれ。俺とシン、ティトゥスは周辺の警戒に回る』
 アスランの返事を受けたティトゥスはメテオブレイカーと余裕を持って距離を取り、モニターとレーダーに
意識を向ける。その後ろでレイとルナのザクがメテオブレイカーに近寄り、起動用のコードを入力していく。
 そしてツヴァイのコクピット内に響くアラーム。レーダーが機影を捉え、正面に陣形を組んで迫ってくるのは
五機のジン。
『来たか!メテオブレイカーを守るのが最優先だ、撃ち漏らすなよ!二人は起動を急いでくれ!』
『『了解!』』
 レイとルナが返事をした直後、向かってきたジンが一斉にビームカービンを発射する。正に乱れ撃ちという
勢いのそれは命中精度こそ低いが、とにかく手数が多い。メテオブレイカーへの直撃コースな弾も少なくは
なく、シールドで防ぐだけでも一苦労だ。
 更に向かってくる五機の内三機が、カービンを撃ちながらこちらへ距離を詰めてくる。
『ちぃっ、ティトゥス、頼む!』
「承知!」
 シールドを持つインパルスとザクはビームを防ぐのに手一杯で動けない──代わりに、シールドを持たない
ツヴァイが接近を抑えるために前に出る。
 一際先行していた一機のジンへと近づく。そのジンはカービンを投げ捨て、斬機刀を抜いてツヴァイへと
突貫してくる。ジンの横薙ぎの一撃を紙一重で回避し、逆にシュベルトゲベールを右胸に突き立てる。
 だが、目の前のジンはその状態で更に機体を前進させ、刀を投げ捨てると両腕でツヴァイの肩を掴んだ。
「何っ!?」
『眼下のこの大地、これ一つさえ落ちれば我等の悲願は果たされるのだ!我が命にかけて、邪魔はさせんぞぉ
 ナチュラルぅ!』
43種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:31:50 ID:???

 雄叫びが接触回線から流れてきた直後、ジンは激しい光を伴って爆散する。爆風に大剣と左腕の先は
呑み込まれ、衝撃と破片が全身の装甲を激しく打ち、吹き飛ばす。
「ぐおおっ!」
『ティトゥスさんっ!』
『そんな……まさか自爆したのか!?』
 後方の二人の驚愕の声を聞き取りながら、機体を安定させ体勢を立て直す。被害を確認、衝撃で全身に多少
ダメージが来ているが、特に深刻なのは左腕だ。シュベルトゲベールは取り落とした上、中程まで焦げ付き、
指先に至っては何本か融解寸前で明後日の方向にひしゃげている。
「おのれ、真逆捨て身の覚悟とは……!」
 ──真、脆弱よな。命をかけねば敵を満足に討てぬあ奴等も、それにてこずる貴様も──
「くっ、このような時にまた……っ!」
 『声』が頭の中に響き、鈍い頭痛が走るような感覚に陥る。その隙を狙ったかのごとく、ビームカービンの
一撃が右足を貫く。
「ちいっ!貴様!」
 ──何を憤る?貴様が憤るべきは己の弱さ、脆弱さよ……貴様の下らぬ感傷が全ての原因ではないか──
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇー!」
 ジンの方向へ振り向き、声を振り払うかのように頭部バルカンをジンに撃ちまくるが、難なく避けられる。
逆にビームカービンを何度もかすめさせてしまう始末。
 ──このような輩に無様を晒すのが貴様の望みか?この程度が貴様の限界か!?否、否であろう!──
「ウオォォォォォ!」
 咆吼と共に突っ込み、斬る。斬る、斬る、斬る、斬る斬る斬る斬る──気付けば、目の前には五体バラバラに
なったジンが映り……直後、再び閃光へと消える。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 流石に二度目の自爆をそのまま受けるような間抜けは晒さず、即座に後退して衝撃をそのまま受けるのは
避ける。しかしコクピットのティトゥスは、肉体疲労よりも遥かに酷い精神疲労を負っていた。
44種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:34:30 ID:???
 故に、後方から更なる敵が迫っていることに気付けなかった。
「がっ!」
 鋭い衝撃。背中のバックパックに損傷を受けつつ振り向く。既に目前に迫っていた二の太刀に、融解した
掌を叩きつけるように突き出す。ガタガタと振動がコクピットに響き、刀は掌から肩までを真っ二つにする
寸前で止まる。
 刀が食い込んでしまったジンに引導を渡そうとサーベルを振り上げようとした直後、何かが視界の大半を遮る。
 理解と直感どちらが早かったか、それが頭部に迫るシールドの先端だと気付いた直後、回避行動を取ろうとして
操縦桿を倒すが、無反応。どうやら至近距離での自爆によるダメージに先程の背への斬撃、更に今の左腕への
一撃がトドメとなり、スラスターの点火機構に異常が起きてしまったらしい。
 結果、モロに入ったシールドの一突きはツヴァイのカメラアイを叩き割り、その勢いでツヴァイの左腕から
刀が抜ける。
『見事な腕前であった……しかし!ここは貴様のような輩の居て良い場所ではない!滅び行く大地と共に消えよ、
 ナチュラル!』
 コクピットに響く、ジンのパイロットであろう男の声。半分以上ダウンしたモニターの向こう側に、
ティトゥスは左腕から引き抜いた刀を振り上げるジンの姿を見る。考えられる結末は、一つ。
 ──拙者は、死ぬのか?
 やけに冷めた思考で、ティトゥスはそんなことを考えた。




「ティトゥスさん!やめろーー!」
 雄叫びを上げながら、シンはツヴァイダガーに刀を振り下ろそうとするジン目掛けライフルを連射する。
 ギリギリだった。ティトゥスが二機落としてくれたおかげでメテオブレイカーへの攻撃が弱まり、シンが
ティトゥスの援護に出て行けるだけの余裕が出来た。ボロボロのツヴァイを見つけたのと全周波通信でジンの
パイロットの声が響いたのは、同時だった。
「その人は、絶対、やらせるもんかぁ!」
 ジンが後退し、ツヴァイと開いた間合いの間にインパルスを滑り込ませる。ジンが刀を構え直しているのを
油断なく見定めながら、ティトゥスに呼び掛ける。
「ティトゥスさん!ティトゥスさん!大丈夫ですか!?」
 返事はない、気絶してしまったのだろうか?流石にそのまま放置しているわけにもいかないので更に強く
呼び掛けようとするが、そこでティトゥスではない別の人物の怒号が響き渡り、シンは身体をわずかに震わせた。
『邪魔をするな!大義は我等にこそある!我が妻と娘の墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ!』
45種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:36:47 ID:???
「なん、だと?」
 突然全周波帯に流れてきた通信を聞き、アスランは愕然とする。
『ここで無駄に散った命の嘆きを忘れ、その命を奪った者達と偽りの世界で笑うか!ナチュラルの手まで借りて
 この歪んだ世界を守りたいか、貴様等は!』
 憎悪に満ちた声が戦場に轟く。血のバレンタインの悲劇、それはアスランにとっても人事ではない。彼もまた
あの時、母レノアを失った被害者の一人であり──ナチュラルを憎んだ一人のコーディネーターであるのだから。
しかし、アスランはそれが間違いだと気付いた、気付かされた。ナチュラルの全てが悪い訳ではない、
コーディネーターだけが被害者なわけじゃないことに。憎んでいた筈のナチュラルの少女と、互いに
大事な者を奪い合ってしまったコーディネーターの親友のおかげで。
 だがそんなアスランを畳み掛けるように男が叫んだ次の言葉は、アスランに頭を強く殴られたような衝撃を
与えた。
『何故分からん!パトリック・ザラの取った道こそが、我等にとって唯一正しき道だったのだと!』
「……っ!」
 パトリック・ザラ。最後までナチュラルを憎み、ナチュラルを滅ぼさんとしたその思考についていくことが
出来ず、袂を分かったアスランの父。その名を引き合いに出され、アスランはショックを隠せない。
『そうだ!あの核攻撃でオフクロは死んだ!あんな事が出来るナチュラルなんぞと分かり合えるものか!』
『全てナチュラルが悪いんだ!奴等が殺したから、今度はオレ達が殺してやる!』
 サトーの声に同調するように残ったジンのパイロット達も叫び出す。ビームカービンの一撃を、精細を欠いた
アスランは避けきれずライフルごとザクの右腕が貫かれる。
『アスランさん!』
「くそっ……」
 トマホークをシールドから射出し、無理矢理左手でキャッチして構える。ルナマリアの声はもう耳に
届いてすらいなかった。
 メテオブレイカーを落とさせてはいけない、彼等を止めなければならない、それは分かっている──だが、
思考に入り込んだ雑念が、アスランの集中を乱していた。それはずっと前から思っていながら、決して
考えないようにしていた、疑問。
(父のせい、なのか?彼等が凶行に走ったのは……いや、そうじゃない。父上をただ否定だけして、それを
 正そうともせずオーブに逃げ出した俺は?俺が、俺こそ責任を負うべきじゃなかったのか!?)
46種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:41:38 ID:???
 一方ティトゥスは、徐々に戦場から離れて流れていくコクピットの中でただ座っていた……その表情を、
修羅に変えて。
 不快、不快、不快の極み。死に直面した瞬間とは一変、ティトゥスの心は不快感が嵐のように荒れ狂っていた。
 理由も意味も知れぬ不快感を伴う衝動は未だ収まらず膨らむばかり。それは聞こえてくるジンのパイロット
の声が聞こえるたび、なお強くなっていく。
『もはや止めることなど出来ぬ!ナチュラルにも堕落したザフトにも、もはや出来ることなど何もないわ!』
「巫山戯たことを……っ!」
 イラだちを吐き捨てるように呟く……この胸の中の感情全てを込めて叫んでやろうかと思い立って、気付く。
《何故、「巫山戯るな」と思ったのだ?》
 分からない。何故そんな事を思ったのかも。この不快感の正体も。何も、何も、何も分からない!
 ──それは貴様の、己自身の無力さへの憤りよ。それ以外何があるというのだ?──
 『声』の告げた言葉は、ティトゥスの心を大きく揺さぶった。
「拙者は、無力……」
 ──そうではないか!鉄屑の駄馬は満足に動かず、脆弱な肉体はこの棺の如き狭い空間から出ることも
 敵わぬ!あのような誰とも知れぬ馬の骨に命を奪われかけ、挙句小僧に助けられる体たらく!そのような
 生き恥を晒して、憤らぬ道理はあるまい!──
「この感情が……拙者の、拙者自身への憤りだというのか!?」
 ──そうだ!認めるが良い!貴様は無力!そして同時に力を求めている!下らぬしがらみに拘り、
 人を捨てるのを躊躇しながら、結局貴様はかつての力を捨てられぬのだ!書を捨てられぬのがその証!
 貴様は力を手元に置いたまま、捨てられぬのだ!──
「違う、拙者は、拙者は……」 
 ワナワナと手が震える。震える手はゆっくりと懐の中へと入れられ……屍食教典儀を取り出す。
 ──何故迷う!何を躊躇する!力が欲しいのだろう!人にこだわる必要が何処にある!──
 認めたくない、認めればそれはこの世界でやってきた全てを全否定するに等しい。だが『声』の言う事に
反論できぬのも、また事実。
 仮に、もし『声』の言うことが全て、真実であるならば──
「拙者は……拙者のやってきたことは……」
 ──拙者はこの世界に来て、何をやってきたのだろう。魔道の愚かさを知り、真の境地を目指すと言いながら、其処に至る術は未だ暗中模索。己の無力に憤った挙句、捨てたはずの魔術を完全に捨てきれぬ。
 なんと滑稽。なんという無様、無様の極み。このようなザマで、どうやって真の境地などに辿り着けようか。

 ならば、いっその事。

 ──人を捨てよ!魔道に堕ちよ!人肉を喰らい血を啜れ!それこそ最も拙者が望みしもの!──
「拙者の、望み……」
 拙者の望みは……唯一つ。剣の道を極めることのみ。
 ……例えそれが、どのような道であれど。
 ──全て斬れ!全て殺せ!悪鬼羅刹の道こそ拙者の望む道、それこそ拙者の心を満たす唯一つの道!今こそ
 失いし力が戻る時!『拙者』は再び、あのおぞましくも絶対的な力を行使する事が出来るのだ!──
『我等の無念と怒りを、今度こそナチュラルどもにぃ!』
 ティトゥスの唇が歪み、目は血走り──久しく忘れていた狂気の笑みを作る。握った屍食教典儀へ、
魔力の供給を初め──
『ふざけた事ぬかすなーーーーーーっ!』
 ──直後、響き渡ったインパルスからの全周波通信に、彼は我を取り戻した。
47種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:44:06 ID:???
 ふざけんな、好き勝手何言ってやがるこの野郎。
 シンは、今まで好き放題叫びまくっていた目の前のジンのパイロットへ心底頭にきていた。今日ほど一日に
何度も何度も、怒りが絶頂に達した日があっただろうか?いいやない。
「さっきから聞いてりゃふざけた事ばかりいって!大義だ!?世界が変わらないだ!?理由になってないのが
 分からないのか、アンタ達はーー!」
 彼等の気持ちが分からないわけでもない、むしろ痛いほど分かる……だがそれ以上に、こいつ等のやろうと
していることは、凄まじく気に入らない!
 ライフルを狙いもつけず乱射する。至近距離にもかかわらずジンは素早く回避行動を取り距離を取るが、
シンは撃つのをやめはしない。
『黙れ小童!貴様に何が分かる!家族を失った無念、奪った者達がのうのうと生きている世界への絶望……
 ナチュラルと馴れ合う貴様等ごときにぃぃ!』
「分かんないね!復讐だのなんだの言って、大量虐殺しようとする奴の気持ちなんて!アンタこそ、自分の
 やったことでそれだけ無関係の人が死ぬか、その人たちがどんな気持ちで死ぬか、ちゃんと考えたのかよ!?
 大義だのパトリック・ザラの道だの、適当な理由つけてただ平和に暮らしてる人達を巻き込むような奴を、
 俺は絶対に認めない!」
 ジンに乗る男の怒声に怒声で返し、一気に距離を詰めてサーベルを振り下ろす。最初はシールドで
受け止められるもののもはや限界だったのか、融解を起こしたシールドを左腕ごと斬り落とす。体勢を崩した
ジンに、更に左回し蹴りを叩き込む。
『ぬおおぉっ!何故だっ!何故なのだっ!何故ザフトが、コーディネーターがそこまでナチュラルを守ろうと
 する!?何が貴様をそこまで駆り立てる!?』
「ナチュラルもコーディネーターも関係ない!俺は力のない人達を巻き込むような奴が許せない、それだけだ!」
48種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:46:41 ID:???
「シン・アスカ……」
 シンの叫びを聞いたティトゥスは呆然とシンの名を呟き、次の瞬間くくくっ、と小さな苦笑を漏らした。
 よくよく聞けばかなりムチャクチャな内容だ。正当性もへったくれもない、ほとんど子供の我が侭のような
ものである。おそらく話下手な自分でも、論破しようと思えば簡単に出来る──シンが間違いを認めるか
どうかは別だが。
 だが、例えそうであっても──人を、命を守りたい。むやみに命を奪おうとする者が許せないと思える心。
それは自分には無い美徳、尊いものなのだろうなだと、ティトゥスはなんともなしに思う。
 自分には命どころか、守りたいものなど何一つ、ない。かつて、自分でも覚えてないほどの大昔には
持っていたかもしれないが、かつて魔道に堕ちた時に全て捨て去った。この世界に飛ばされ、人の身体に戻って
からもただ己のことしか考えず、それ以外の全てを捨てて生きて来た。そんな自分に守りたいものなど何もない。
 そう、何一つ──

 ──本当に?
「……っ!」
 ほとんど映らないモニターに、「それ」は映された。
 己が立っていた場所。己が生きていた世界。己が美しいと思ったもの。そして今、悪意により滅ぼされんと
している大地。
 青い『地球』が、そこにあった。
「……拙者は……」
 宇宙に出てから何度も目には入っていたはずだが、まじまじと見つめるのはこれが二度目だ。やはり、美しい。
 かつて自分は世界は違えど、この惑星を滅ぼす寸前までに貶めた事がある。その時は特に、躊躇する理由は
なかった……強者との戦いこそ、己の生きている意味だった故に。他の事など些細なこと、興味などなかった。
 そして、今。再び自分の眼前で地球は滅びようとしている。最悪、クトゥルー降臨にも匹敵する災厄が
地球にもたらされるだろう。もし、それが現実となるのであれば……
「──っ!そうか、そうなのか……ははははははははは……」
 気付いた。ようやく気付いた。この不快感、この衝動、この思い。こんな単純で簡単な事に、今まで
気付きもしなかったのか。
「はははは……なんたる間抜けよ。拙者はここまで大馬鹿だったとは、笑うしかあるまい。はははははは……」
49種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:49:15 ID:???
『……だがもはや、我等に引く道は無し!貴様に譲れぬように、我等にも譲れぬのだ!』
 インパルスと闘うジンのパイロットは叫ぶと、フルスロットルでスラスターを噴かせつつインパルスの腹に
ニーキックを叩き込む。衝撃がシンを揺さぶり、インパルスが動きを止めた隙を付いてジンはインパルスを
無視して抜き去り、メテオブレイカーへと向かう。
「……ルナマリア、レイ!まだ起動できないか!?」
 アスランが切羽詰った声で呼び掛ける。疑惑と困惑が渦巻く頭で尚二機のジンを押さえてきたがもう一機、
しかも恐らく彼らのリーダーであろう男まで加わってくるとなるともはや抑えるのは無理だ。メテオブレイカー
も完全に守るのは流石に不可能で、致命傷はないがかなりダメージが蓄積している。せめて二機ある内どちらか
でも起動させてしまわなければ……
『もう少し、もう少しだけ!』
『くっ、損傷のせいか動作がすぐに働かん!』
『早くしてくれ、でないと……ぐあっ!』
 ザクの両側面から接近してきた二機のジンが刀をザクに振り下ろす。左側はシールドで受け止めるが、右から
来た方は右手がないのもあって防ぎきれず、右足を斬り落とされる。バランスを崩しつつもアスランは上昇し、
一度距離を取ろうとする。だが直後、二機のジンはアスランを無視してメテオブレイカーへと向かっていく。
「しまった!ルナマリア!レイ!」
『大丈夫ですアスランさん!こんのぉ、真正面から突っ込んでくるならー!』
 ルナのザクは一時作業を止め、オルトロスを構えて放つ。ビームの奔流にジンの一機は貫かれ、上半身と
下半身が泣き別れとなり……その状態でなお、上半身は回転しながら前進を止めず、メテオブレイカーへと
取り付いた。
『この破片だけは、なんとしても砕かせるものかーーーーー!』
 直後、爆発がザクごとメテオブレイカーを呑み込んだ。
『キャアアア!』
「ルナマリア!おいしっかりしろ!」
 ジン、そして誘爆を起こしたメテオブレイカーの爆発に吹き飛ばされたルナのザクは地面に叩きつけられ、
倒れる。呼び掛けるアスランの声に、弱弱しい返事が返ってくる。
『ううっ……ごめんなさい、あたし、守れなかった……機体もちょっと、しばらく動けそうにない……』
「くそっ、レイ!」
『問題ありません、このブレイズウィザードなら近寄られる前にやれる!』
 残ったメテオブレイカーに向かうもう一機のジンに、レイのザクファントムは背負ったブレイズ
ウィザード──ミサイルポッドから多数のファイヤビー誘導ミサイルを放つ。ミサイルは弾幕となり、正面から
突っ込んだジンは回避する間もなく全身にミサイルを受けて爆発するも、メテオブレイカーには距離が
十分に離れていた為、被害は無い。
「よし、これで……後はこいつ一機!」
 振り下ろされた刀をトマホークで受け止める。最後の一機、こいつを止めさえすれば……
(今は父のことは置いておく……例えどんな理由があろうと、こんな物を落とすのを許すわけにはいかない!
 ……そうだよな、カガリ?)
50種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:53:08 ID:???
『後一歩、後一歩なのだ!今も他所で戦っている同志達の為に、先に逝った者達の為に!引き下がる
 わけにはいかんのだぁぁ!』
 大急ぎでジンを追いかけてきたシンの耳に男の声が聞こえ、視界にはジンを止めているアスランのザクが映る。しかしザクはもうボロボロ、トマホークは刀にじわじわと押され、最後にはトマホークが弾かれてしまう。
そのまま返す刀で左腕も斬り落とし、ジンは左足以外を失ったザクを無視してメテオブレイカーへと向かう。
「アスランさん!大丈夫ですか!?」
『シン!俺のことはいい!早く奴を追うんだ!』
 いきなり怒鳴られても、流石に今度は起こる気がしない。むしろここまでボロボロになっても闘ってくれた
その姿勢に、シンのアスランへの認識はわずかに変わり始めていた。
「分かってます!絶対に、やらせたりしない!」
 そう言ってジンを追う。既にレイと戦闘に入っているようだ。倒れているルナが心配だが、今はジンを
落とすことに集中しなければならない。
『シン、奴をメテオブレイカーに近づけさせるな!自爆でもされたらもうメテオブレイカーは保たん!』
「分かってる!けど急いで作業を再開しないと……もうあんまり時間がない!」
 左腕を失い、武器は刀一本だけだというのにジンの勢いは衰えない。インパルスとザクの攻撃をことごとく
かわし、隙を見て刀や足蹴りを用いてダメージを与えてくる。
『貴様等のような小童に、この俺が止められるものかああああ!』
 ビームを潜り抜け、ジンがレイのザクに大きく振りかぶった右回し蹴りを横っ腹に叩き込む。インパルスの
通信機から、ザクの中に居るレイの呻き声が聞こえた。
『ガハッ……』
 蹴り飛ばされたザクが地面に叩きつけられる。シンは一瞬レイを助けようとしたが、すぐにライフルの照準を
ジンに合わせる。あれだけ大きなモーションをした後なら、隙も出来る筈──!
 ロックオンし、引き金を引く──寸前、ジンが無造作に、しかし力強くその右手に持った刀を投擲した。何を、
と思ったシンの思考は、投擲された方向を見て凍りつく。刀は間違いなく、動けないルナのザクへと向けて
放たれていた。
 即座に銃口を刀へと向ける。動体、しかもあれほど小さいものを狙ったことはない。
(けど、やらなきゃルナが──!)
 トリガーを引く。放たれたビームは刀へと向かい──もう一条のビームと共に狂いなく刀に命中し、破壊する。
安堵すると共に、もう一条のビームがレイのザクからだったことを確認して……
 そこでようやく、シンは自分達のミスに気付いた。
『最後の最後にこのような姑息な手を使うのはシャクだったがな……仲間は守れたようだが、メテオブレイカーは
 守れなかったようだな、少年』
 通信を送ってきたジンは、もはやメテオブレイカーから目と鼻の先の位置。インパルスもザクも撃ちまくるが、
もはやジンは避けようともしない……どっちにしろ、手遅れだ。
『今逝くぞ、皆……妻や娘のところに逝けぬのは残念だが、道連れは多いのだ、寂しくはあるまい……』
 直後、ジンは爆散し……メテオブレイカーも、一際大きな誘爆を起こして消え去った。
 破砕は、失敗したのだ。
「そんな……チックショオオオオオオオオ!」
51種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:56:59 ID:???
 分かってみれば、実に単純なことだった……いや、こんな単純な気持ちすら、自分は忘れていたのだ。
 地球が滅びる……それを考えた瞬間頭に浮かんだのは、この世界に飛ばされてきてからの二年間。その
二年間で自分が歩んできた道。闘った戦場。見、聞き、感じた世界。そして、出会ってきた人物。
 なんだかんだと自分に世話を焼くネスとストーン。陽気な黒人、気の強い女海兵、寡黙な格闘家、
ツヴァイダガーを造ってくれたメカニック達……南アメリカや各地の戦場で共に戦った数多の戦友。
ヤジ馬根性丸出しのフリージャーナリストに、その護衛。
 骨休みにはうってつけのオーブ。豊かな自然に溢れた南アメリカの大地。過酷だが力強く生きる人々が多い
アフリカの砂漠──
 言い表せないほど出会い、見てきた多くの人、多くの景色、多くの出来事──その全てが、消えてなくなる。
少数の人間の、勝手な願いで。
 ──巫山戯るな。
「……単純なことだったのだ、この気持ちは」
 失いたくなかった。守りたかった。友と呼べる人々を、過ごしてきた世界を……心から美しいと感じた、
己の生きて来た地球を。その思いがユニウス落下の報を聞いて怒りとなり、行く手を遮られる度増大した
強すぎる怒りは不快へと変わる……人として当然の、好みしモノを守りたいという感情。そんなことすら、
自分は忘れていた。
「挙句その感情を持て余し、己の弱さに付け込まれるとは……もはや何も言えぬわ」
 手に持った『屍食教典儀』を眺めて、呟く。あの『声』については、未だよく分からない。この魔導書の
関与があったのかどうかすら定かではないが、今はなんとなく……あれは魔導書云々は関係なく、単なる己の
弱さ、力への執着心が形となったモノではないかと思う。まあ魔導書の意図であれそうでないのであれ、
あそこまで『声』に振り回されたのは己の未熟故なのは間違いない。
 まあともかく、これで感情の整理はついた。そのおかげか、『声』も今は聞こえない。
 では改めて己に問おう。今自分は何をするべきか?
 通信は全て聞こえていた。このままではあの巨大すぎる破片はそのまま地球へ落下するのは避けられない。
それをただ、この動かぬ相棒の中で指を咥え、黙って眺めているのか──否。
 失うには惜しいものがあの惑星には山ほどある。失われるのを黙って放っておくことが出来るのか──否、
断じて否。
「……こういう時に使うのだったかな、『後味が悪い』という言葉は」
 ならば、どうする。
「貴様が望んでいるのかどうかは知らんが、拙者は人を捨てぬ……だが力を貸してもらうぞ、最後にな」
 屍食教典儀を手に、呟く。今、己に出来るのは、唯一つ──もう、真の境地へ辿り着くという目的は、
 果たせぬかもしれない。
 だが、それでも構わない。もはや、覚悟は出来た。
「──母なる惑星〔ホシ〕を守り、命を散らす……か。陳腐な幕引きだが、拙者のこれまでを思えば上々よな。
 では参るとしよう……付き合ってもらうぞ、屍食教典儀!」
52種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 10:59:10 ID:???
「クソッ!どうしようもないのかよ!」
 シンは眼前の破片を見ながら吐き捨てる。大気圏が近くなり、ミネルバからは帰還命令を受けている。ギリギリ
まで艦からの攻撃を続けるというが、どれほど効果があるものか。
『結局、俺達には何も……なんだ、あれはっ!?』
「え?……なっ!?」
 自分が掴んで運んでいるアスランの声に、シンは怪訝な顔をし……それを見て驚愕の表情を浮かべた。
 宇宙空間に描かれた、幾何学的で巨大な紋様……『魔法陣』といえば分かりやすいだろう。直径40メートルは
ありそうな円形のそれが、紅い光によって宙に描かれている。
 そしてその魔法陣の中央に存在するものを見て、更にシンの驚愕は大きくなる。
「ツヴァイダガー!?なんで……」
 全てを言い終える前に、魔法陣から激しい光が放たれる。光が放たれる直前、シンは魔法陣の中、
ツヴァイダガーを中心に巨人の姿を幻視したような気がした。
 ──それが幻視でなかったことに気付いたのは、すぐだった。


 ──激しい光の中から、『それ』は現れた。


「あ、あああああ……」
「何なの……アレは、一体……」
(そうか、やはり彼は……!)
 静まりかえるミネルバのブリッジの中メイリンはガタガタ振るえ、タリアは呆然と声を漏らし……
デュランダルは驚愕の表情を浮かべながらも、その眼に隠し切れない興奮の色を浮かべる。


 ──『それ』は、神の模造。


『スティング……なんだよアレ……なんなんだよアレはっ!おいっ!』
『知るか!俺に聞くんじゃねえ!落ち着けアウル!落ち着け、そうだ落ち着くんだよ!』
「すごく、おっきい……かみさま?」
 半狂乱状態のアウルを宥めつつ、震える自身も落ち着けようとするスティング。ステラだけが何時もと変わらぬ
ボーっとした顔で、あながち間違ってもいない言葉を口にしていた。
53種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 11:01:23 ID:???


 ──『それ』は、機械仕掛けの神


『ディアッカ、俺は夢でも見ているのか……』
『夢だとしたら、グゥレイトにデンジャラスな夢だぜ……』
「二人ともしっかりして下さい!これは現実です!認めたくないですが、私もホンットーに認めたくないですが
 現実なんですっ!」
 三つ目の破片を幾つかに砕き、更に砕く為メテオブレイカーを探していたジュール隊。上官二人がイってしまい
必死で現実に引き戻そうとするシホ。


 ──『それ』は、最強最悪の戦機にして戦鬼。


「おいおい……冗談きついだろ!なんじゃありゃあ!?」
「大佐、落ち着いてください!」
 取り乱しまくるネオを必死で落ち着けようとするリー……その横で、ウェスパシアヌスは口元を押さえながら、
信じられないという顔で『それ』を睨むように見つめる。
(信じられん、全く信じられん……こんな、こんな愚かな!死ぬ気か、ティトゥス!?)


 ──『それ』は本来、魔道を極めたものにしか召還できぬ、穢れし力の顕現。


『ねえ、レイ……目の前になんか変なモノが見えない?』
『奇遇だなルナマリア、俺も同じ質問をしようとしていたところだ』
 互いのザクの肩を貸しあうレイとルナは肝が据わっているのか思考が付いていけてないのか、やけに
落ち着いている。逆に『それ』が現れる過程を最初から見ていたシンとアスランは唖然として、それを見ていた。
『ティトゥス……君は、一体……』
「ティトゥス、さん……貴方は……アンタは一体なんなんだあああああっ!?」
54種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 11:04:24 ID:???
 その姿は一言で言うと、鎧を纏ったボロボロの人のようだった。

 そこらがひび割れ、割れ目の入った銀色の装甲はうっすらと紅く……まるで、血を吸ったかのよう。

 太い足の左側は無く、砕けた太腿から骨のようなフレームだけが伸びている。

 両腕に握られた巨大な曲刀は片方は中ほどで折れ、もう片方は刀身全体にひび割れが走っている。

 ひび割れた仮面のような顔の右目はカバーが砕け、血走った丸い眼がギョロリと周囲を見渡す。

 まるで、落武者。不完全に召還された、出来損ないのデウスエクスマキナ。

 されども、それは物語を終わらせる為のデウスエクスマキナであることには変わりない。

 
 ──さあ、収拾の付かなくなった物語に終焉を。


 機械神皇餓〔デウスマキナ・オーガ〕、降臨。
55種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/03/17(土) 11:06:12 ID:???
難産だったーーー!長文になったーーーー!
日付変わる前から一気に書き上げたよおはにちわー!
……ども、一ヶ月ほどご無沙汰しておりました。待っててくれた方居たら申し訳ない。

さあとうとう皇餓(不完全体)登場の巻。しかしまさかここまで長文になるとは思わなかったですよ。
サトーやらユニウスやら『声』やら何度も何度も設定を変え、矛盾点を修正し、修正し修正し(ry
とりあえずこういう感じになりました。かなり無理矢理感が強いのは実力不足、勘弁してorz
ティトゥスはここにきて完全に別人に……反応が怖いぜ(((( ;゚Д゚))))
実は登場の伏線張っておきながら、エクステ組やジュール隊の出番相当削っちゃった、ファンの人ゴメンなさい

とりあえず次でいい加減4話は終わり。ていうか一話にドンだけ量かけてるんだ俺。
……しかし、皇餓って『黒い鎧武者』には絶対見えないよな(爆)
56通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 11:09:02 ID:???
GJ。長いので割り込みそうになっちまったぜ。
57通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 11:46:52 ID:???
GJ! そして、乙!
ティトゥスカッコええ!
人としての強さとは、魔道書を使うかどうかで決まるものではないということか・・・
なんにせよ、次回の彼の無事を祈っています.
58通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 13:03:19 ID:???
GJ!!
ティトゥス漢だ。後半思わず震えがくるほどのかっこよさ。
サトー達やシンも原作より数段熱い展開でとても素晴らしいです。
次回で一つの山場が終わりそうなのでとても楽しみに待ってます!
59通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 14:19:42 ID:???
萌えた!じゃなくて燃えた!
マジGJ!!
60通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 14:41:42 ID:???
待ってましたぜ!GJ!!!
シンがとってもいい子に見えました。ティトゥス
かっけぇえぇぇぇ今後にwktk
61通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 16:17:37 ID:???
くはー!ここで召還!しかも不完全で死ぬ気かーって熱すぎだろコノヤロウ!


62通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 18:03:46 ID:???
GJ!!

ここで皇餓が出るとは・・・
63通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 18:21:42 ID:???
熱くて死ぬほど燃えるのに、手元に斬魔大聖しかなくて皇飢の詳しいデザインが良く判らない俺は負け組み。
顔とか背面とかの資料ってどこかにあったっけ?
64通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 20:29:36 ID:???
GJ!

顔なら機神咆吼の公式サイトに行けば良いと思う。
65通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 20:56:09 ID:???
ティトゥス待ちかねたぜ!GJ!
66通常の名無しさんの3倍:2007/03/18(日) 11:45:33 ID:???
皇餓GJ!
憎悪の空より来たりて、正しき怒りを胸に、我等は魔を絶つ剣を取る!
67通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 23:05:00 ID:???
スレ違いかもしれんが、皇餓とかロードビヤーキーってデモンベインみたく
三位一体できるんかな?
正直、デモベのコクピットが印象的で他の鬼械神の中って想像つかんのだけど
68通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 23:15:38 ID:???
>>67
魔道書がロリ付きになれば可かと

ただし、照男や教授は厳密に言えば三位一体では無いが(鬼械神を魔道書で召喚する為)
おそらく真の意味での、三位一体は意思を持つ者が、三つ必要でないかと



ってことは無敵ロボにも意思が宿っていれば、西博士も・・・
69通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 23:23:40 ID:???
エルザを見る限りすでに宿っていそうで・・・・・・面白!!
70通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 23:41:03 ID:???
紅デモベを殺れたし
71通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 00:46:10 ID:???
無敵ロボに、このスレの力が集まってゆく!
72通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 00:51:50 ID:???
「我輩の体を、スレのみんなに貸すであ〜〜〜る!!!」
73通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 00:53:40 ID:???
>>71
敗北の経験はデモベ以上なだけに(つーか、紅ぐらいにしか勝っていないような)
化けたら、とんでもないことになりそうな気が・・・




デモンベインの、お兄さんかもしれないのはナイショな
74通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 01:51:23 ID:???
アンチクロスの持ってる魔道書のロリ精霊のイラストと設定ならあるぞ。
75通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 02:00:52 ID:???
ちなみに屍食教典儀は屍の文字が入った紺色っぽいゴスロリな服を着てて
性格は貴族っぽいらしい。
76通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 06:57:48 ID:???
じゃあ金髪縦ロールだな。
77通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 08:23:45 ID:???
>>76
いやいや、灰色の髪で九郎みたいな触覚付きだよ、イラストでは。

つーかダーレス嬢の先祖が書いた魔道書だから、
一応姫さんの親戚になる? なんか服のセンス(漢字一文字が入ってるとこ)
似てるし。
78通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 08:50:17 ID:???
どこで見れるの、それ?
79通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 09:54:18 ID:???
そのイラスト持ってるし。つかエイボンの精霊の説明でワロタ!
80通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 11:17:23 ID:???
>>78
ニトロの没イラストや没企画が載った同人誌「プロジェクトバフォメッド」
に載ってる。ニトダイかアニメイトに行けば多分買えるかも。
水神クタアト搭載のデモンベインが海賊船に変形したのは口から茶ぁ吹いたな。
81通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 13:56:30 ID:???
GJ!

ふと思ったけど、鬼械神って術者の属性や位階によって、
同じ書でも召還される機体はチガウというのが公式設定だったわな。

このティトウスの場合、通常2対の腕の皇餓が人間同様1対とかに変化してそう。
まあ、それでも十分、コレまで以上に強そうだが。
なんせこれまでさんざん反射速度の鈍さに苦しんできたし・・・。
82通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 14:05:03 ID:???
デウスマキナたる物ボロボロになってからが本番だしな。
完膚なきまでにユニウスセブンの破片を粉砕してくれる事を期待してまつ。
83通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 14:09:11 ID:???
>>81
確か、セラエノ断章だと、小達人のクラウディウスがロードビヤーキーで、
それ以上の位階だった教授がアンブロシウス。
で、ガチッた結果が教授の勝ちでしたもんねえ…。
84通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 22:55:49 ID:???
>>81
いや、むしろ小細工に頼らなくなった分
ループ世界の時とは比較にならないぐらい
凄いことになっていたり・・・
85通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 04:15:10 ID:???
でもこれナイアさんの手のひらの上なんだよね…
まったくクトゥルー系ってやつはもう…!
86通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 11:33:42 ID:???
クトゥルー系なら発狂するか死ぬか死ぬよりもっとひどい目にあうかだからまったくもって正しい
87通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 11:37:34 ID:???
存在を消されることもしばしば
88通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 18:24:09 ID:???
>>67
三身一体になった時のロードビヤーキーのコックピット
ttp://www.moel.jp/images/anime/ZOIDS_GENESIS/04/kotona_01.jpg
89通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 18:27:54 ID:???
ひでぇw
90通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 21:25:16 ID:???
ん〜、下で顔赤くしてるほうがクソガキか、なるへそ
91通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 23:08:25 ID:???
じゃあ上のはセラエノ関係で髪型の跳ね具合が近いキーンあたりか

一体どんな状況だ
92通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 00:52:31 ID:???
しかし納得できる構図ではあるな。
93通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 04:38:51 ID:???
クラ坊女性化か・・・・・・
クロウといい、この絵といい、女装が似合うことこそマスターの条件なのか?

94通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 15:13:26 ID:???
>>93は地球皇帝陛下のドレス姿がご覧になりたいようです
95通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 16:02:15 ID:???
カリグラータが見たいと申したか
96通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 16:24:48 ID:???
地球皇后陛下のお声は、魁クロ○ティ〜高校のアニメ最終話で妄想汁
97通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 16:47:18 ID:???
カリグラータって誰?
98通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 16:49:18 ID:???
カリグラータなんて想像しただけで・・
99通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 17:22:11 ID:???
某マダムの姿が浮かぶんだががが
100通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 18:35:05 ID:???
「プロジェクトバフォメッド」購入完了。
『Yes!グリモアファイブ』も九朔同様にデモベ2用のネタだったのね。

いや、まぢにまたデモベ続編とかで出てきテくれんかなぁ。
ちなみにお気に入りは
エイボンの書(3大魔導書精霊の中で一番まともっぽい)と
屍食教典儀(濃紺ワンピースに赤く描かれた『屍』という字にぶっとくおっ立ったあほ毛が気に入った)

いや、みんなイイ性格なキャラだけどね。
101通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 18:42:57 ID:???
連投スマン
今説明文読み返していて
「著者がダレット伯爵なせいか貴族っぽい性格」というのの「ダレット」を
「ギャラクシーエンジェる〜ん」の「ガレット伯爵」と、
一瞬混同。
さらに「全長50Mを超えるフランケンシュタインの怪物相手に大暴れ」という一文で

「放置プレイ(勝手な思いこみ)で巨大化して大暴れな屍食教典儀娘」

なんて思い浮かんだ・・・・。
102通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 18:43:19 ID:???
ヒント・
クルイザキ ウロブチ新作
103通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 18:52:12 ID:???
>>100
「至高の魔導書の主たる誇りがないのかこのエロス。哀れを誘うような声で泣いて欲しい。愛してる。」
なんて台詞を吐く履いてない皮肉屋の素直クールが普通と仰るか?
104通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 19:25:10 ID:???
>>97
斬魔大聖が出たばかりの頃、
エロゲネタ板のSS投稿スレで出た、
カリグラそっくりの女性。(一応普通の人類)

21才以上ならそこのまとめスレ行けば読めるはず。
105通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 23:34:33 ID:???
>>103
皮肉屋と素直クール・・・・・・どっちか一つならありがちだが、
両方となるとどれだけ萌えるか想像がつかん・・・・・・
(炉莉になる)覚悟は出来てるか?
おれは出来てる。
106通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 03:55:20 ID:???
>>97
どっかのパロ小説に出てくるキャラ、執事さんがこいつに婚約を申し込まれて、困った結果九朗に女装して恋人のふりをして欲しいとたのむお話
九朗とウィンのディープなキスが見れる
107通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 04:11:39 ID:???
執事恐るべし・・・
108通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 04:15:36 ID:???
腐小説か、まぁ女装九郎なら別にいいのか
109通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 16:08:15 ID:???
いえ、ギャグ小説です。
執事と女装とアーカムの怪でぐぐれば出ます。
110通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 16:14:37 ID:???
>>100>>103>>105
ちょっくらクレカ作ってくる(AAry
11197:2007/03/24(土) 22:35:20 ID:???
>>106
読んできた……

…面白かった。教えてくれてありがとうw
112通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 11:56:02 ID:???
どれどれ見てくるか
113通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 12:00:30 ID:???
何々?新シャアだけに腐女子だらけ?
114通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 23:54:35 ID:???
休日に職人さんが来ないと寂しいな
115通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 21:59:38 ID:???
過疎ってるし保守がてら中の人繋がりで


それは、リベル=レギスだ。
無限/無量/無窮の宇宙の彼方より来た、
無限/無尽/無垢のリベル=レギスだ。

世界の総てを埋め尽くすリベル=レギスの大軍勢だ。

傷一つない、産まれたてのリベル=レギスが在った。
激戦の数々を潜り抜けた、古強者のリベル=レギスが在った。
未だ完成していない、心臓が空洞のリベル=レギスが在った。
破壊され、最期の魔力を燃焼させるリベル=レギスが在った。

別の時間軸のマスターテリオンとエセルドレーダが駆るリベル=レギスが在った。
別の時間軸のリューガが駆るリベル=レギスが在った。
リューガとまだ見ぬ誰かが駆るリベル=レギスが在った。
全く別の、最新鋭超AIが駆るリベル=レギスが在った。

無人で駆動するリベル=レギスが在った。
ゾンダーメタルが駆るリベル=レギスが在った。
機界新種に成ったリベル=レギスが在った。
レイプロボに成り下がったリベル=レギスが在った。

巨大なリベル=レギスが在った。
小型のリベル=レギスが在った。
ビークルロボのリベル=レギスが在った。
形すら無いリベル=レギスが在った。
シスコンのリベル=レギスが在った。
ショタコンのリベル=レギスが在った。
盗撮屋のリベル=レギスが在った。
ロックンローラーのリベル=レギスが在った。

ハンマーコネクトしたリベル=レギスが在った。
ファイティング・リベル=レギスが在った。
仲間達のGSライドを搭載したリベル=レギスが在った。
ジェネシック化したリベル=レギスが在った。

無数のガンマシンを引き連れたリベル=レギスが在った。
シンメトリカルドッキングしたリベル=レギスが在った。
超弩級戦艦のリベル=レギスが在った。
惑星穿つ光の槌を執るリベル=レギスが在った。

破壊神に成ったリベル=レギスが在った。
複製されたリベル=レギスが在った。
人とフュージョンしたリベル=レギスが在った。
エヴォリューダーに生まれ変わったリベル=レギスが在った。
116通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 22:00:25 ID:???
かつて在りしリベル=レギス
今在りしリベル=レギス
来るべきリベル=レギス
別の可能性のリベル=レギス
可能性すらないリベル=レギス
ES空間の狭間を流離うリベル=レギス

それはゴルディオンクラッシャーが織り成す綾模様。
無限の数のリベル=レギス達が紡ぐ物語の名は――

「――伝説の最低勇者ロボ軍団(リベル=レギス=フォルティトゥード・アウディティオ)」



スパロボWやったら思いついたのでつい書いてしまった。今では邪神に踊らされたような気がしている
117通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 22:43:24 ID:???
>>115
デモベ関連しかわからないんだぜ。まじで答え頼む
118通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 22:44:27 ID:???
中盤から殆どガオガイガーじゃねえかwww
119通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 22:55:53 ID:???
そういや無限回廊の決戦でヨグ・ソトースの扉を通った後いろんな世界にいくけど、
CEのヤキン攻防戦に来てたらプラント壊滅かな?
120通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 01:31:39 ID:???
地球にも落ちるからかなりヤバイって
へたすると火星には眷属が・・・
人類ほぼ滅亡かと


バイタリティの異常に高いジャンク屋は各地で
しぶとく生き残っていたりして
121通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 09:45:22 ID:???
>中の人繋がりで
 せめてグリリバの方で統一してやれよw
122通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 10:54:20 ID:???
自爆したリベル=レギスが在った
迷子になったリベル=レギスが在った
粉砕玉砕大喝采したリベル=レギスが在った
クールでいなせなリベル=レギスが在った

こうですか!?分かりません!
123通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 11:53:58 ID:???
age
124通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 14:22:46 ID:???
>>115

レイプロボなんてWスレ十人あたりにしか判らないもの入れなくても。

スパロボWネタバレ

一応規制中なんで

ちなみに
資金稼ぎの為に
実は主人公の(検閲済み)な女キャラのユニットを
勇者ロボ(気力ブッチギリ)達で袋にすることから
勇者ロボ達がそう呼ばれている。
125通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 14:49:36 ID:???
>>119
ヤキンに来た瞬間、衝撃で雑魚機体の一部がぶっ壊れる。
ビビった、パトリックがジェネシス発射→シリウスの弓でジェネシス破壊される
キラ&ズラ&連合の三馬鹿が、リベルレギスとデモベに攻撃して、反撃で粉々に粉砕されたりして、パイロット即死。
デモベ+リベルレギスが光速を超えた速度で戦い始めて、攻撃の衝突の余波だけでヤキンの全部隊に大ダメージ…

最低でも、戦争なんかしてる場合じゃないなwww
126通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 16:27:51 ID:???
>>119>>125
確か前スレでその話題でなかったけ?
それでヤキン・ドゥーエは2体が出た時点でアボン
C.E世界は戦いの余波で人類滅亡って結論になった気ガス
127通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 21:57:00 ID:???
まああの最終決戦のレベルになったら普通の機械式のロボは魔力や波動や邪神のオーラであらかた壊れるだろうし
宇宙でも衝撃波とかで近辺のものも壊れるだろ
軍神襲来で鋼造がわざわざ火星付近まで行ってテリオンと決戦したのだってそれが理由だそうだし
128通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 22:44:12 ID:???
アトランティス・トルネード・ストライクとアトランティス・ストライク・ヴォーテクスって、どう違うの?
129通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 23:13:20 ID:???
>>128
角度とか
130通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 23:18:37 ID:???
>>128
よく見てみるんだ、まず名前が違う
131通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 23:57:42 ID:???
>>127
>普通の機械式のロボは魔力や波動や邪神のオーラであらかた壊れるだろうし

逆だ逆、鬼械神は超高度な術式の塊であるか、高位の神に対しては
術式が容易に書き換えられてしまう為、太刀打ちすることは不可能である

まあ、火星でやりあったのは、地球環境に影響を与えない為であるが


実はいうと、完全機械式であろう無敵ロボが、最も抗耐性が高かったりする(物理的には壊れやすいが)
132通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 00:05:11 ID:???
補足

デモンベインの場合は機体の基本動作や固定兵装は影響を受けないが
アルアジフに頼る防御結界などは無効化されるおそれがある
133通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 00:46:58 ID:???
アトランティス・トルネード・ストライクやアトランティス・ストライク・ヴォーテクスと、ストライクフリーダムってどっちが強いの?教えて、エロい人!!
134通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 01:34:32 ID:???
技と機体を比べられても…っと釣りっぽいが答えておく。
135ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:12:42 ID:???
どうも、ですべのひとです。

いや、暫く書いてないと勘が戻りませんね。
結局二週間以上かかっていますし。
一応第4話は今回と次で終わる予定です。
第5話からは本筋に戻る予定です。

では、投下をば。
136デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:15:12 ID:???
大十字九郎。
我が御敵。
どのような世界でも、自らの運命を知らぬまま、翻弄される者。
だが、たとえ死そうとも揺るがぬ善、正義。
―――何時からか。
渇ききった、飢えに飢えた「僕」の最大の楽しみが、
その御敵の育成物語になってしまったのは。
最早数を覚えることは放棄した。
時折奴は、異世界の者と共にこの混沌とした世界を戦う。
それも何回だったか、数えてはいない。
結末すらどうでもいい。
「僕」は、今も「余」としてクライマックスを待つばかり。

「マスター、此方にいらしたのですか」
来たか、エセルドレーダ。
「……大十字九郎ですか」
「此度の奴は、そうだな。仲間がどのような者か識る事ができれば、予想はつきそうだが。
 朱に交われば赤くなる。彼奴の母国の諺だそうだ」
……滑稽だな。
このようなどうでもいい事も、知りつくした。
勿論何も満たされることはない。何も。

「……彼奴め、この段階でそれを思い付くのか」
また面白いことをする。だが、余の位置にはまだ果てしなく遠い。
余と同じ最終舞台に上がれるのは何時か。
今回は余とどの程度闘えるのか。
今はただ、来るべき時に思いを馳せるのみ。
焦がれて、焦がれて、焦がれて―――
137デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:19:36 ID:???
咄嗟だった。
奴に一度使った手だが、機械人形に対しては効くかどうか信頼性に欠けていた。
だが、それは思わぬ方向に作用した。
「これは―――」
何気ないこと程忘れがちで、とても気づきにくい。
関連付けなどさらに難しい。
そう、例えば。

ニトクリスの鏡。
鏡は光を反射する。
光はビームに近い。

「弾いた!?」
つまり、ビームはニトクリスの鏡で反射できる。
如何に特殊でも、鏡は鏡だった。
「おお、その手があったか! 汝も戦いに慣れてきたな、九郎」
ぶっつけ本番は御免被りたいがな。
だが、この偶然のお陰で一体の場所が分かるようになった。
「一気に行くぞ! 断鎖術式解放!」
間合いを詰める。
背後からビームの嵐が襲うが、最早この程度のビームは敵ではなかった。
「ニトクリスの鏡・ミラーコーティング!」
背面を鏡でコーティングしたデモンベインは、
反射角を調整して敵が撃った方向にビームを跳ね返す。
「アトランティス……ストライク!!」
勢いを生かした飛び蹴りがモビルスーツを粉微塵。
他の機体に注意を向けたその時、
「どわっ!?」
ミサイル着弾、未来の世界のビームには無敵の装甲が脆くも崩れる。
138デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:21:29 ID:???
『おのれ大十字九郎! 我等三位一体・超ミラコロ殺法を崩すとは流石であるな。
 だが、独力でいつまでも闘えるとは思わないことなのである!
 三号の恨み、貴様をミンチよりひでぇ状態にして晴らしてやるのである!』
『ダーリン、さっきのダーリンはエルザには輝いて見えたロボ。
 思わず本作品中二度目のうおっまぶしっロボ』
『もう僕を放っておいてくれ……』
台詞だけで何行取る気だ、お前ら。
「しかしまだ厳しいぞ、九郎。この防御方法は酷く不安定だ」
そう、不意討ちとはいえミサイル一発で吹き飛ぶ臨時装甲だ、長々と展開できはしない。
それに、破壊ロボが射撃と格闘を分業しているせいでいつ砲撃されるか分からない。
ドリルを避けてもそこから機関砲を食らってしまうわけだ。
一撃必殺が出来ればいいのだが、隙を作らない限りは―――
「大十字さん、シンさんの発進準備が整いました」
漸くか。
二人で攻めればどうにかなりそうだが、確かPS装甲はビームに弱い。
グラコロに狙い撃ちされたらそれこそ終わりだ。
『ミラコロである!』
「そうそう、ミラコロ……って人の考えを読むな!」
139デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:23:11 ID:???
とにかく、奴から隙をもぎ取るにはどうすればいいのか。
今の自分の持っている手札。
鏡。
『済まない、来るのに少し時間がかかった!』
「遅いぞ、このうつけが!」
「シン、インパルスの換装パーツには何があった!?」
『高機動戦闘のフォースと近接戦闘用のソード、砲撃支援用のブラストがある!』
「よし、ブラストにしてくれ。俺に考えがある」


ビルが割れる。
そこから出てくる想定のデモンベインはなく、代わりに小さな巨人が姿を現す。
「何でわざわざこんな……」
シンには掴めなかった。九郎の意図が。
わざわざ遠くの回収口から出てきてくれというのだ。
まわりくどい。それに、レーダーくらい搭載している筈だ。
今更こんなことで、何の意味がある?
「……いや」
信じよう。
九郎は今まで、自分が不可能だった事も可能にしてきた。
なら、信じよう。

引き金を引いた。
インパルス中最大の威力を誇るビーム兵器・ケルベロスの咆哮。
遠くに見えるドラム缶―――その遥か上をすっ飛んでいくビーム。
其処には、デモンベインがいた。
140デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:27:19 ID:???
「バルザイの偃月刀!!」
招喚したそれを、すぐさまコーティング。
断鎖術式を用いたジャンプで、指定した場所まで飛ぶ。
その超加速を受けたデモンベインは、減衰したビームを捉える。
そして、
「喰らってろ!」
振り下ろす!
『ぬおぉぉぉぉ!?』
弾かれたビームは、吸い込まれるように破壊ロボの天辺に命中。
隙が見えた!
「光射す世界に、汝ら闇黒棲まう場所なし!」
あとは、あらかじめ送信してもらったナアカル・コードで発動させる―――
「渇かず飢えず、無に還れ!」
―――レムリア・インパクト!!

「昇華!!」

結界が破壊ロボを飲み込む。
勝った。
そう思うのは、奴の不死身さを甘く見ていたせいだったか。
「お」
爆風。
バックステップで離れるところにピンポイント。
「あ」
レムリア・インパクトはデモンベインの魔力を著しく消費する。
ステップに断鎖術式を使うにも、今は魔力が不十分。
「あァァァ!?」
落ちるしかなかった。
141デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:29:40 ID:???
『げぇはっはっはっは―――! 必殺技それ即ち最大の隙。
 貴様のあまりある破壊力、利用させてもらうのである!』
『博士、脱出装置に乗って言うセリフじゃないロボ』
あの変な奴らのセリフが聞こえる。
『……ふう、死ぬかと思った』
フリーダムは不死身か。

目の前の光景は悲惨なものだった。
両足をもがれたデモンベイン。
ビームの集中砲火を受けているではないか。
すぐに援護に行かなければ―――。
ブラストの速度が酷く遅く思えた。
ヒヒイロカネといえど、いつまで持つか分からない。
ミサイルをありったけ放って弾幕を張り、時間を少しでも稼ぎながら、パージ。
空中でフォースシルエットを転送してもらい、装着。
行かなければ。
姿は見えないが、何かできるかもしれない。
このままでは負ける。
また失うのか、俺は。
そういう思考が、頭を埋め尽くす。
やめろ。
お前達の勝手で、これ以上俺から居場所を奪うな。
そんなことが許せるものか。
否定しつくしてやる。未来像を。お前達の勝利という未来を。

そして、荒れ狂う意識は開放された。
「種」が割れる。
142デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:33:35 ID:???
全てを観測し、把握する。
俺の意識が広がる。
それまで見えなかったものが、いやに鮮明に見えた。
線。
「ロイガー!」
躊躇なく刻む。
「ツァール!!」
躊躇わず刻む。
瞬間の剣戟は十七を数え、見えざる敵を微塵に裂いた。
後の十七分割である。
「次!」
二機目を捉える。
串刺し。
その間に武器を連結し、切り裂く。
三機目。
さらに変形させたロイガーとツァールを放り投げた。
あとはマウントしたライフルを手に、四機目を撃ち貫く。
弧を描いていたロイガー・ツァールの軌道に意識介入。
五機目は、背後から軌道を曲げられたそれにバッサリだった。

あまりに鮮やかな瞬劇。
世界は、暫く止まっていた。

『お、おのれ貴様! 我輩から最大のWチャンスを奪いおって!
 次に会った時は応募ハガキに張り付けて郵送してやるのであ―――』

射撃。
爆発。

『『『や、やなかんじ―――っ!』』ロボ!』
フリーダム、お前もか。
ともあれ、デモンベインを襲った危機は一先ず去った。
だがこの世界で初めての感覚は、確かに何かを捉えた。
この力の正体は、未だに分からない。
俺は、一体何なんだ?
143ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/03/28(水) 04:35:06 ID:???
投下終了。
長くなりすぎたようです。
連投規制とかいうのに引っ掛かりますし。
一体何なんでしょう、あれ。

それでは、また。
144通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 08:26:34 ID:???
GJ! 十七分割キター!!
145通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 15:14:08 ID:???
>この防御方法は酷く不安定だ

そこでEI-01の攻撃をシステム化した光と闇のm(ry
146通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 23:18:07 ID:???
>>145
反射角の演算処理に魔導書使ったら機体制御に問題が起きそうだな。

いや、機動性や防御を完全に捨てた必殺技と考えればあるいは…!
147通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 01:00:48 ID:???
>145
デモンベインがトップレスで失礼するわけですね
148通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 00:01:54 ID:???
>>147
デモンペインとのシンメトリカルドッキングが先ダロ?
149通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 00:48:32 ID:???
>>148
超旧神
撃旧神
強旧神
幻旧神
天旧神

なんかしっくりこねぇ…
150通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 12:32:50 ID:???
幼旧神(ロリキュウシン)!!
151通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 13:54:02 ID:???
デモンベインって「レムリア・インパクト」があったから戦ってこれたと思うんだよね
152通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 13:55:47 ID:???
今更なんだ?
153通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 14:09:02 ID:???
デモンベインがこの先生きのこるには
154通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 14:29:24 ID:???
ネロからのプレゼントがあるから何、気にする事はない
155通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 14:31:37 ID:???
この先生きのこにしか見えないから困る
156通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 17:05:42 ID:???
>>155
や、そういうネタだしw
157通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 17:46:31 ID:???
奈須きのこに書かせろと…

158通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 20:49:53 ID:???
>>157
奈須の書くシナリオは、だいたいが最強の力を持ったキャラ中心だからデモベには合わないんじゃね?
最初はちっぽけで弱い主人公がだんだんと強くなっていく過程にデモベの熱さがある。
奈須のシナリオが悪いとは言わんが、スーパーロボット的熱さとはあんまり縁がない作家だし、避けた方が無難。
159通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 20:58:47 ID:???
>最初はちっぽけで弱い主人公がだんだんと強くなっていく過程にデモベの熱さがある
でも神様が主人公を贔屓してるので、なかなかゲームオーバーにならない安心感がある
160通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 21:14:42 ID:???
幼旧神……想像した俺はロリか
161通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 21:15:50 ID:???
しかし年齢はババア
162通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 21:40:18 ID:???
そういや西博士に今日ライバルが現れたな、
ドリル好きの西博士が危ういような気が・・・
163通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 21:47:26 ID:SYckCTcz
紅蓮組のドリルを見せつけられてしまうわけですな
164通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 22:33:01 ID:???
>>159
長谷川裕一作品なんて必ず一度は主人公側がズタボロに負けちゃうしな。

そこからドラマティックな反撃で大勝利ってパターンなのは分かってるのに
ハラハラドキドキが止まらないから困る。
165通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 23:49:42 ID:???
ニトロ繋がりで、最近になって鬼哭街やり始めたんだが、このゲームも音楽が熱い
やっぱZIZZのサウンドはたまらん
特に「Supersonic Showdown」がかかった時は脳勃起した
166通常の名無しさんの3倍:2007/04/02(月) 18:47:43 ID:???

ジャスティスがビームサーベルでシンの乗るドレットノート改の四肢を切り飛ばした瞬間に、それは弾けた。
物理法則や質量などを無視して切断面からあふれ出す歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、
歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車、歯車。

それは、まるで地から吹き出す間欠泉のようにあふれ出てくる。
宇宙空間でそれぞれが意志を持っているかのごとく動き始める、それは失ったものを補うように形を成していく。
「な、なんだあれはMSと言えるものなのかシン」
アスランは目の前で切られた蜥蜴の尾のように再生していくMSだった物をジャスティスのモニター越しに見つめている。
元のドレットノート改も従来のMSからみれば充分大型といえた。
だが、なんだ目の前の光景はアークエンジェル内のモニターからみた連合のデストロイ並みの大きさに生まれ変わっていく。
全ての歯車が動きを止めるとまるで鮮血を浴びたように真っ赤な刃刀がそこにあった。
「「「「さあ、裏切り者の蝙蝠野郎続きといこうじゃないか!!!」」」」
通信機の類を使わずともジャスティスのコクピットの中へとシンの声が聞こえてきた。
否、それは大勢の人間が一度に喋りかけてきているようだった。
それも、志半ばに倒れていったかつての同僚達の声にも聞こえた。
おかしい、俺は狂ってしまったのか?
否、この戦場そのものが狂い始めているように思えてくる。
宇宙を見上げれば、そこに浮かぶのはZAFTの要塞兵器ネオジェネシスではなく真っ赤に魔が魔がと輝く二つの月。
月は何時から、二つになったんだろうか。
何もない空間から溢れ出る血のような液体が泡となり、空間を漂う。
周囲のZAFT、連合、オーブのMSや戦艦などからは見ただけで発狂しそうな触手が発生し、最早戦場と呼べる場所ではなかった。
ああ、気ガ付けばパイロットスーツに包まれているはずの俺の体はアバラの辺りが陸に上がった魚のようにパクパクと閉じたり開いたりしている。
コクピットのレバーを握る手には指と指の間に薄い膜のようなものが出来始めている。
背中の辺りが熱を帯び始めている、まるで急激な膨張を始めているようにも思えてくる。


そもそも、オレハ何をしていたんだ。
キラ、カガリ、ラクス助けてくれ……


戦場に残されたインフィニットジャスティスのレコーダーに残された、パイロットであるアスラン・ザラの記録より。
167通常の名無しさんの3倍:2007/04/02(月) 23:33:01 ID:???
168通常の名無しさんの三倍:2007/04/03(火) 14:38:26 ID:???
デモベ世界にインパルスごと飛んでしまったら、最終的にこんな機体が出てきそうな気がする。

っアイオーン・インパルス
見た目、インパルスにアイオーンの外装を装備したような機体。断じて鬼械神ではない。

駄目か。
169通常の名無しさんの3倍:2007/04/03(火) 14:41:44 ID:???
シン死ぬなw
170ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:44:10 ID:???
どうも、ですべのひとです。
若干ペースが上がりました。
一週間に一回のペースにはまだ少し足りないようですが。
では、今回の投下にまいります。
171デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:48:14 ID:???
「そうそう、そこに頼むでー」
「わかりました……っと」
今、俺はミラージュコロイドの解けた敵MSを回収している。
あの見えないMSの正体は、黒いダガータイプだった。
何故か連合の機体ばかりがこの世界に来ているような気がする。
まあ、それは気にしても仕方のない事だけれども。
「……そういえば」
あの感覚。
戦闘中に、たまに頭がクリアになるような感覚を、また感じた。
今回の逆転もそれからだ。そもそもあのMAとの戦いから、何度もあったこと。
ただ、今回は微妙に違う。
感覚だけで、ミラージュコロイドを看破した。
今までそんな異能染みた事をこなしたことはなかった筈だ。
あくまで人間のできる範囲での動きだった筈。
とすれば、あの感覚は何だ?
「説明が必要ですか」
誰ッ!?
「どうされました、主」
声は肩の上から。いたんだ、君ら。
ロイガー(ちび)とツァール(ちび)。
結局こいつら急に出たりいなかったり、結構でたらめだな。
「単刀直入に説明しましょう」
「主には、魔術の潜在能力があります」
「それが突発的に覚醒した、それだけです」
172デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:49:26 ID:???
魔術の潜在能力が、俺に? 才能じゃなくて?
「魔術師の闘いは自我と自我の闘いです」
「主は自我、つまり意識が極限状態になると無意識に意識を周囲に広げることができるようです」
「そして、全てを観測・把握して自らの有利な状況に現象を捩じ曲げます」
「魔術の学習により完全となった『魔術師の覚醒』です」
……正直、あまり理解できない。ああいうのは理屈じゃないし。
強いて言うなら―――
「火事場のバカ力?」
「「恐らく似たようなものかと」」
なんとなく納得した。
「ところで、お前達は何処にいたんだ?」
「「武器に」」
ああ、こいつらロイガーにツァールだった。
つまるところ武器と同一存在か。
「シンちゃん、何しとんねん!」
あ、やべ。作業に戻らなきゃ。

結局回収し終わったものは、フレームの損傷具合から組み上げられそうになかった。
そこまであっても操作できる人がいなきゃ厳しいけど。
チアキさんは微妙に残念そうだった。
ただ、ミラージュコロイドは使えるか?
173デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:50:41 ID:???
「やめておけ。奴は自らが使った技への対抗策を知らないとは思えん」
「アル、本当にあの○○ガ○はそんな天才なのか?」
「うつけ。人格で敵を侮るな。確かに奴は人格に問題はあるが、
 断鎖術式の模倣すら成し遂げた男だ」
そんなことまで。想像はできそうでできない。
「それにあのMS、ビームの銃器に魔術的要素が組み込まれておる。
 デモンベインに対抗するためにな……って、汝?」
俺はチアキさんのところにすっ飛んでいった。
魔術的要素がインパルスのライフルに組み込まれていれば、
この先魔術を使う敵に対抗する時に楽になるかもしれない。
なんせ敵は犯罪組織。話を聞く限り幹部は本物の鬼械神を所持。
できる限り強化しておいて損はない。

機体の強化の次はパイロットの訓練。
「今日はロイガーとツァールの武器を招喚してもらおう。ただし人間サイズだ」
「何故そんなことを?」
「汝……魔導書の補助がなければ相当難しいものだぞ?
 まず一度やってみせてほしいものだな」
そんなことを言われても、インパルスのサイズだと魔導書なしで自然にできたわけだし。
まあ、文句を言っても仕方はない。
武器の錬成―――ロイガー、ツァールのイメージ―――
174デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:53:18 ID:???
「―――主」
あ、あれ? 錬成しようとしてからどうなったんだっけ、俺?
「主?」
記憶がない。完全に抜け落ちている。
どうなったんだ、俺。
「単刀直入に説明しよう。
 汝はロイガーとツァールの形を自然と意識した、それまではよかった。
 だが、情報量に頭がついていかず倒れ込んだ。これが汝の舐めきっていた魔術だ」
……まだ頭が重い。
何事も舐めてかかると大変な目にあうんだな。目の前がまだ真っ暗だ。
「おーい、タオル持って来たぞ……?」
やってきた九郎の声が途中で切れる。
「……どちら様で?」
誰か知らない人がいるのか。状況を確認しようと目を開けてみると。
「主、無理に目を開けてはいけません」
「まだ情報量が多すぎます」
言われなくとも目は閉じるさ。
というか、何で大きくなってるんだお前ら。
アルと同じくらいに。
「どうやら精霊に魔力が逆流したようだな。
 なに、安心するがよい。今のロイガーとツァールに毒はあるまい。
 汝の体力が戻り次第調節すればよい」
ああ、そうですか。
「ただな。その大きさまで来ると、顕現されている邪神の属性が強く出るのだ」
へえ、どんな?
「ロイガーとツァールの呼び名には―――『双子の卑猥なるもの』というものがあってな」
175デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:54:52 ID:???
……はい?
つまりは、どういう事で?
「うん、まあ……時が来たら頑張れ」
「妾の断章の行動だ、一応骨は拾っておいてあろう」
ちょ! シャレにならないから!
「「主」」
お前達は不安材料だから黙ってくれ! ああもう、不条理だ!

―――結局、元に戻るまでにヒドイ目にあった。
ぺたんこじゃなかった。


足どりもふらつく帰り道。
早く帰って休みたい。ヘトヘト。
今日はもう洗い物とかする余裕はないな。明日はライカさんのところに行くか。
しかし……
「どうされました、主」
「まだ疲れが酷いのですか」
「主にお前らのせいでな」
こんな日常を過ごせたのは、確かに俺の力だ。
俺が自分の力で、街を護った。
誰かさんが今の俺を見たら、ヒーローごっこだと言うんだろうな。
ただ、俺はそれでもいいと思っている。
ヒーローごっこだろうが、誰かが悲しむようなことがなければ。

大黄金時代にして大暗黒時代、そして大混乱時代のアーカムシティ。
俺の滞在記は、まだまだ続く。多分。

PHASE-4「PRIDE」
phase shift down...
176デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/05(木) 23:57:04 ID:???
    ― 次回予告 ―
舞台は変わってインスマウス。
ここぞとばかりに遊びまわるシン達であったが、やはり事件は彼らを襲う。
散り散りになる仲間達。人の意外な素顔。
そして、狂った歴史は其処にあらざるものを呼び寄せた。
次回、機神咆哮デスティニーベイン
PHASE-5「The shadow of Inntmouth」
善も悪も、灼き尽くせ! クトゥグア!!
177ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/06(金) 00:01:49 ID:???
投下終了。
漸く本編の流れに入ります。此処まで長かった……
完結はまだまだ延びそうですが、今後とも縁がありましたらお付き合いください。
ちなみに今回の破壊ロボ、前スレのどなたかの出した名前を
少々改変して使わせていただきました。
今後ももしかしたら破壊ロボの名前のネタはどなたかから拝借するかもしれません。

では、今日はこのあたりで。長かった……
178通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 01:10:17 ID:???
ですべさん乙にしてGJ!何時までも何処までもついて行きますぜ

しかしシン、テラウラヤマシス
179通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 01:14:07 ID:???
ぺたんこじゃなかったで盛大にフイタw
180通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 03:04:55 ID:???
ちょ、シンwこっちに来てからいろいろ打ちのめされてる気がする

あと一応言っておくとNダガーNはNJC搭載機だ
181通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 11:45:58 ID:???
デザインが原作準拠じゃなくて良かったな、シン。

まあ、原作のアレは超能力者が呼び出したウルトラマンにふっとばされるだけの存在だったが……。
コリン・ウィルソンのは別物だったし。
あれ、けど元の卑猥な双子は、双子で延々盛ってるからじゃなかったっけ?
つーことはシンは、体の動きとか封じられて延々レズプレイを見せ付けられたのかな?
うらやましいどころか蛇の生殺し状態で……。
182通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 15:09:08 ID:???
>>181
実に外道。エゲツナス…
183種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:27:19 ID:???
「あっちゃ〜、こりゃいいんだか悪いんだか」
 地球に流れる小さな破片の上に座りながら、黒い女は召還された偽神を眺めていた。
 外見を見れば分かるが、アレは実に不完全だ。位階も、魔力も、時間も足りぬ状態で召還された不良品。
が、それでもこの世界の兵器とは比べ物にならない。アレは完全近接特化型だが、それでもユニウスを被害が
出ない程度に解体することは可能だろう。
「まったく、シン君達がだらけてたせいで予想以上に被害が大きくなりそうだと思えば……これは
 やりすぎだよ、ティトゥス」
 このままは、ちょっとマズイ。例え被害ゼロでもキッカケとしては十分だが、それでは面白くない。もっと、
もっともっと、死と、恐怖と、絶望をバラ撒いてもらわないと。怨念と憎悪を煽ってくれないと。
「仕方ないなあ……やっぱり君に出張ってもらわないといけないみたいだね、これは」
 女は自分の横を見る。其処に居るのは一冊の本をその中に浮かべた、不定形の血の塊。それは怪しくその身を
蠢かせると、弾ける様に血飛沫となって飛び散り、本ごとその場から消える。
「ウフフフフ、それじゃ、頑張ってね〜♪」
 女は哂う。嘲笑う。手を振る女の乗った破片は、炎に包まれながら地球へと堕ちていった。
184種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:28:43 ID:???
 突如として現れた、巨大な落武者の姿をしたMS……いや、そもそもMSに分類できるのかどうかすら
分からないが、ともかくシンはその姿を呆然と眺めていた。
 その巨人はボロボロの姿をしていながら、圧倒的な威圧感を放っていた。巨大とかそういう問題ではなく、
なんと表すべきかシンは表現に困ったが──強いて言うなら、「まるで存在してはいけないモノがそこにいる」
というような感じか。
「……っ!?」
 不意に、巨人の視線がこちらに向いた気がした。四角い頭部に張り付いた仮面のような顔、その仮面の奥に
窪んだ双眸と視線が交差する。左目は緑色のカバーの奥に赤い光が丸く灯り、右目は亀裂が入りカバーが砕け、
まるで人間のような眼球がギョロリと露出している。
 だが本来恐ろしいものに見えるであろうそれに、シンは自分でも以外に思うほど恐怖を感じなかった──
ロボットの視線から感じられるものでもないと思うが、その視線から敵意を僅かほどにも感じなかったのだ。
 直後、巨人の背で何かが弾けるような光が円状に広がったかと思うと、巨人がその巨体とは裏腹の
スピードで、こちらに向かって飛んできた。反射的に身構えるシンだが、巨人はインパルスや掴んでいる
アスランのザクは勿論、レイとルナのザクも意に介さず、自分達を避けて破片へと向かっていく。
『……敵対するわけでは、ないのか?』
 アスランの声に誰も明確な答えを返せない中、巨人は破片へと近づく。巨人よりもまだ四、五倍の
質量は持っているであろう破片の中心近くでその動きを止め、ゆっくりと左手に握ったヒビだらけの曲刀を
振り上げ……次の瞬間には、刀は音も無く振り下ろされていた。
 ──直後、巨大だった破片は滑らかな断面を開きながら、真っ二つに分断された。
『『『「はっ……はいーーーーーーッッ!?」』』』
 全員の叫びが統一された。おそらく自分達以外の、それを見ている全員の心境だろう。断言できる。
 二つに分かれた破片は片方は僅かに落下スピードを落とし、もう片方は逆に速度を上げて落下していく。
巨人はスピードの上がった方へと向かい加速し、二刀を持った両腕を広げながら擦れ違う。巨人が
破片へ振り向いた瞬間、破片は不揃いのサイコロステーキのようにバラバラに寸断される。
 もはや声も出ない一同を尻目に、巨人は折れた刀を持った右手を前に突き出し、刀を振って印を結ぶ。
 臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前──印を結び終えた巨人は両腕を突き出し、二本の刀を重ねて
振り上げる。瞬間、二本の刀は光となって消え、代わりに一本の光の剣が巨人の手に掴まれていた。
 光の剣が振り下ろされた直後、剣から何条もの三日月のような光刃が飛び出し、既にバラバラだった破片を
更に細かく斬り裂いていく。破片は光刃に呑まれ完全に消滅するか、もしくは極々小さい破片へと解体され、
地球へと落ちて行く。あの程度なら、地球に落ちる前に全て燃え尽きてしまうだろう。その落ちて行く破片を
見る巨人の腕から光の剣は消え、何時の間にか二振りの曲刀が戻っていた。
185種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:31:35 ID:???
 誰もが、その場に居た人間全てが驚愕するしかなかった。
 ミネルバの乗員もMS隊も、ファントムペインもエクステンデットもジュール隊も……その場の
ほぼ全員が全員、顎を地面に落とさんばかりに口をアングリと開け、その信じがたい現実を認めることを
心のどこかで否定していた。ただ、そんな矮小な人間にも例外というのは居る。
 プラント評議会議長ギルバート・デュランダル。彼はそのようなご立派な肩書きを持っている人間とは
思えないほど子供っぽい──まるでヒーローショーを信じて見ている子供のような興奮気味の笑顔を浮かべ、
その瞳を輝かせていた。その場の誰もがそれに気付く余裕を持たず、百面相しながら真横に立っていた
カガリすら気付いていなかったのは実に幸いだった。もし見られていたらミネルバ内の議長の評価は数時間で
逆転したことだろう。
 そしてもう一人。ガーティー・ルーのゲストであるフラウィウス・ウェスパシアヌス。彼はデュランダルとは
逆に困惑、そしてわずかな呆れの混じった顔で巨人──皇蛾を見つめていた。おそらく彼がこの場で一番、
あの巨人がどういうものか理解している。何故なら彼もまた、機械仕掛けの神を召還し得る資格を持ち、
かつて召還する事が可能だった存在故に。
 ──だからこそ、今あれを駆る乗り手の状況も大方想像できる。それを考えて、ウェスパシアヌスは少し
残念そうに、だが大半が呆れと嘲りに満ちた溜息をついた。
186種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:34:40 ID:???
「がっ!かはっ……が、餓ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 皇餓が実体化した際ツヴァイダガーが分解され、再構築された皇餓のコクピット──真っ赤な風景と数多の
魔術陣、そして不完全召還の影響か不完全に残ったツヴァイのパーツが浮かぶだけの異空間で、ティトゥスは
膝を折りながら血を吐いた。口からだけでなく全身からもだらだらと流れるそれは、真っ赤な空間の一部となり
消えていく。魔術陣から伸び、体の至る箇所に鎖のように絡まる魔術文字もまた真紅……その姿はまるで、
血の鎖に捕らわれた罪人の様だ。
「愚、あぁぁぁぁぁ!……ハァッ、ハァッ……クッ、やはりこの身体では……──っ!」
 皇餓の魔導機関エンジンが、ティトゥスの魔力を吸収、増幅して皇餓全体の術式へと流す……その都度
途轍もない激痛と虚脱感がティトゥスの全身を蝕んでいく。ティトゥスが意識を失いかける度、皇餓の
実像もぼやけ、消えかける。
 ──そもそも鬼械神が鬼械神たるのは、術者の命を削る……身体への尋常ならざる負荷と魔力の搾取
によって、絶対的な力を発揮するためである。仮にごくごく普通の一般人が鬼械神に乗った場合、一っ走り
するだけで体中が引き千切れ、同時に魔力も枯渇しボロボロのミイラが出来上がるだろう……むしろマトモな
死に様すら残るかどうか定かではない。
 故に通常、鬼械神を召還出来る位階にまで至った魔術師は、その段階でもうその身体は『人間』辞めている
のがほとんどである。そこまでいけば肉体の規格外化と同時に魔力総量も術式制御もそれ相応のレベルに
至っている。それで初めて、鬼械神の力をある程度安全に行使できるのだ。
 そして今回のティトゥスの場合──これは恐らく前代未聞の高度かつ危険かつ最悪な方法における召還だ。
 今のティトゥスは魔術師だったが魔術師ではない、極めて特殊な存在だ。鬼械神の召還方法を知り、
召還した経験もあるが、魔導書に記された肉体強化等、召還出来る位階に達するまでに修練しているはずの
過程や成果はリセットされ、無効も同然。
 その状態でティトゥスが行った召還方法は吃驚仰天……

『かつての知識と経験だけを頼みに、それまでの過程をすっ飛ばして僅かな魔力で鬼械神を召還』

 ……というとんでもない方法を行ったのである。
 当然上手く行くはずもなく、召還された皇餓はフルスペックの半分の性能どころか、実体化すら不完全。
ティトゥスに至っては生身の身体は負荷に悲鳴を上げ、元々総量の少ない魔力を召還自体で大半消費した上に、
制御も出来ぬまま残りを鬼械神に過剰搾取されていく。
187種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:36:49 ID:???
 このままでは数分もしない間に鬼械神の実体化は解ける……いや、その前にティトゥスの命の火が
消えるのが早いか。
 ──だが、それがどうした。
「今更……命惜しさに引くなど言語道断!」
 歯を食いしばり、ガクガクと震える足を意地と根性だけで押さえつけ、立ち上がる。もはや死は覚悟。悔いは
数あれど、是非もなし。
 この地球〔ホシ〕を守るために──この怠惰に蝕まれてきた命、今こそ賭けようぞ!
「はああああ……っ!」
 皇餓の背で圧縮された魔力が弾け、その衝撃を推力として巨体が宇宙を駆ける。その先にあるのは二つに
叩き斬ってなお皇餓より巨大な、最後の破片。これさえ砕けばもうそこまで大きな破片は残っていない。
少なくとも人類滅亡などという最悪の事態は避けることが出来る筈だ。
 方法は先程の手順と変わりなし──斬撃である程度細かく砕き、込めた魔力を数多の光刃として
放つ渾身の一撃……奥義・飛龍で全て消し去る。不完全な皇餓といえど、その業の切れに一片も曇り無し。
魔術文字の螺旋が絡みつくティトゥスの腕が構えを取ると、皇餓もまた全く同じ構えを取る。
「……斬ぁぁぁぁぁぁん!」
 破片が目前に迫り、両手の刀を同時に振り下ろす。放たれた超高速の二刀が破片へと迫り──刃が突き立つ
寸前、奇妙な感触が皇餓を通じてティトゥスの手へと伝わった。
「……何、だと?」
 刀は止まっていた……否、止められていた。『それ』は突然その場に現れ、何物をも斬り裂く筈の刃を
受け止め、『掴んだ』のだ。
 『それ』は血の色をした二本の、真っ赤な両腕。それにティトゥスは見覚えがあった。それを肯定するかの
ように、何処からともなく流れてきた幾つもの紅い水滴──血液が両腕へと集まり、存在していなかった箇所を
構築していく。
 幾千、幾万幾億幾兆京垓穣溝澗正載極恒河沙阿僧祇那由他不可思議無量大数──ユニウスセブンに
未だ残る死体や、この近辺の戦闘で死んだ人間……いや、かつての戦争で死んだ全ての犠牲者を合わせても
足りないのではないかと思えるほどの大量の血が、上腕を造り肩を造り胸を作り腰を造り両足を造り
顔を造り──その全身を形作る。
 ──それはこの世界に現れた、二体目のデウス・エクス・マキナだった。
188種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:38:44 ID:???
『ぐっ!こ、これは……頭が、が、ぐああああああああ!』
「っ!?レイ!?」
 『それ』の出現で意識が飛びかけたシンは、突然聞こえた悲鳴になんとか正気を取り戻した。通信機の向こう
から聞こえてくるのはレイの声。モニターに映る彼はヘルメット越しに頭を押さえ、首を大きく振りながら
のた打ち回っている。
『ちょっとどうしちゃったのよレイ!こんな時に!』
『レイ、しっかりするんだ!』
 ルナやアスランは正気を保っているらしいことに、少し安堵する。だが二人の言葉を無視してレイが
答えた内容に、シンは困惑するしかなかった。
『……逃げなければ……』
「え?」
『今すぐここから逃げるぞ!ギルに、ミネルバにも連絡を!理由は分からんが俺には分かる!『あれ』の
 近くに居たら……死ぬぞ!』


 異常をきたしたのは、レイだけではなかった。
「ぐおあぁっ!?お、おあああああああああ!」
「大佐!?しっかりして下さい、大佐!」
 仮面で隠れた表情を手で覆いながら、ネオが叫び声を上げながら倒れ伏す。何事かと騒然となるブリッジで、
リーがネオを助け起こした。
「クッ……リー、撤退だ!急いでこの宙域から離脱する!あの三人も今すぐ呼び戻せ!」
「はっ?し、しかし……」
「ガタガタぬかすな!『あれ』に巻き込まれて死にたくないだろう!?なら急げ!」
 突然の命令に困惑するリーを、頭痛への八つ当たり混じりに怒鳴りつける。ネオ自身、なんでこんな命令を
出しているのか分からない。ただ激しい頭痛の中、彼は突如現れた『あれ』に激しい恐怖を感じていた。
 本能が告げている、というのだろうか。『あれ』はヤバイ、逃げなければ死んでしまう──そんな確信が
あった。
「宜しいですね、ウェスパシアヌス卿!」
 ネオは一番文句を言いそうな人物にも語気を荒げて問うが、返事は返ってこない。当の人物が、完全に
周りから意識を断絶していた故に。
(馬鹿な……馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!
 ……有り得ん!有り得ん有り得んありえん!何故、何故こんなことが!)
 またもや信じられないという表情で、ウェスパシアヌスは『それ』を見る。どれだけ凝視しても、
瞬きをしても、網膜に映るのは記憶の中に焼き付いた『それ』とまったく同じ形状のモノ。
 今彼の表情の大半を占めているのは、驚愕。そしてそれに混じるように歪んだ、憎悪、嫉妬、憤怒、羨望……
そして、恐怖の貌。
(何故、何故この世界にまで現れる!?この世界でも私を嘲笑う気か……『獣』!)
189種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:40:24 ID:???
 その身に纏うは、真紅の外套。

 その背に折畳まれしは、紅い悪魔の翼。

 その姿はまるで赤い蝙蝠──紅い悪魔。

 その貌は真紅の外套に隠され見えず──その隙間から漏れる光もまた、真紅。

 『背徳の獣』が僕。最強最悪なる鬼械神の中に置いて、最も最凶たる真紅の鬼械神! 


「リベル・レギスッ……いや、違う?」
 突如現れた鬼械神──リベル・レギスに驚愕すると同時に、ティトゥスはそれの持つわずかな違和感に
気付く。
 その禍々しい形状は紛れもなくリベル・レギスそのもの。が、色が違う。確かに血のような真紅が特徴的な
機体ではあったが、ここまでまじりっけ無しの紅単一色ではなかった。
 そしてもう一つの違和感は、その存在感。両刀を掴んでリベル・レギスは確かに其処に在る。その場に
存在するだけで恐ろしいほどの威圧感、重圧感を放ってもいる……なのに、『薄い』。何故かその存在が
今にも掻き消えてしまいそうな、まるで蜃気楼を見ているかのような、奇怪な印象……『現実感の欠如』
とでも言えばいいのか、そんな感覚が頭から離れない。
 ──しかし、長考する余裕を、目の前のリベル・レギスは与えてくれなかった。
 ミシリ、と掌に伝わる嫌な感覚。リベル・レギスの掌が掴んでいる場所から、折れた刀もひび割れた刀も、
崩壊を初める。グッとリベル・レギスの両手が握り拳を作ると同時に、両手の刀は柄とほんのわずかの刀身を
残し、砕け散る。
「くっ……」
 皇餓がわずかに後ろへ下がる。リベル・レギスはその場で大きく両手を広げ、皇餓へと更に強い威圧感──
明確な殺気をぶつける。その長い爪で、今にも皇餓を引き裂かんと飛び掛ってきそうだ。
 どうする?ハッキリ言って魔力に余裕など皆無、刀剣一振りを再構築する魔力すら惜しい。皇餓の
『切り札』に至っては論外だ。魔力云々の前に腕一対の今の自分には扱えないどころか、今皇餓の背に
それは『存在すらしていない』!
 そもそも、例え五体満足であったとしても、リベル・レギスに勝てる可能性などあるのか!?
190種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:43:19 ID:???
 ……そこまで考えて、ティトゥスは自嘲気に唇を歪め──強く握った己と皇餓の拳が、ギシリと鳴った。
 今更臆して、何とする。今己のするべきことはただ、一つ。
「覇ァァァァァァァァッッ!」
 皇餓が砕けた二刀の柄を合わせ、振りかぶる。刀は消え、その両手に握られるは再び現れた光の剣。
その剣に、ティトゥスは全ての魔力を──己の命全てを込める勢いで力を注ぎ込む。本来想定される以上の
魔力を押し込まれた剣は強く発光し、握る掌が膨大なエネルギー量に変色を起こし始める……それでも、
ティトゥスは魔力を込めるのを止めはしない。
 魔力が暴発し、腕が吹き飛ぼうと構わぬ。己全てが灰燼に帰そうと構わぬ。相手がリベル・レギス
であろうと、やることは何一つ変わらぬ。
「其処を……退けぇぇぇぇぇぇぇいっ!」
 暴走寸前まで魔力を込めた光刃を、リベル・レギスへ──その背のユニウスセブンへと振り下ろす。今優先
すべきなのはユニウスの破壊、唯一つ。それを邪魔するならば如何な存在だろうと、全て叩っ斬るのみ!
 かつてない魔力を込めた必滅の一撃が、リベル・レギスへ迫る。解放されればリベル・レギスごとユニウスを
消し去れるほどの魔力を込められた光刃を、リベル・レギスは右手をかざして受け止め……激しい魔力光が
接触点を中心に爆ぜる。刀身から溢れ出る衝撃はユニウスにヒビを入れ、小さな破片は跡形もなく砕け散る。
剣を掴んだ皇餓の両腕もその力に耐えられず、ガタガタと震え亀裂が広がっていく。
 だが、リベル・レギスはその力に耐える。剣を受け止める右腕は微動だにせず、魔術陣も展開せずに皇餓
全力の一撃に耐えている。時折、機体全体が波打つように揺れているように見えるのは、気のせいか?
 魔力の嵐が荒れ狂う中、リベル・レギスは受け止めていた光刃をゆっくりと掴み、その手を横に薙ぎ払い──
あっけないほど簡単に、光の剣をへし折った。魔力の嵐は収まり、光刃は砕けたガラス細工のように儚い光と
なって、皇餓の手から消えていく。
「────ッ!」
 唖然とするティトゥスの視界を何かが覆った。左手で皇餓の頭部を掴んだリベル・レギスが、圧倒的な力で
もってして皇餓を振り回し、ユニウスの破片へと押し付ける。外壁に深くめり込んだ皇餓を掴んだまま、
右腕を皇餓に翳す。手首部分からプレート状のパーツが伸び、其処に黒い球体が5つ形成される。
 ン・カイの闇。触れた物全てを逃さす呑み込む超重力の塊を、ティトゥスは頭を掴む指の隙間から
睨みつけ……直後激しい痛みにコクピットでのた打ち回る。
「ぐああああああああああっ!がぶぁっ!ガアアアアアアアアアアッッ!」
 皇餓の右腕が穿たれ、左肩が穿たれ、右足が穿たれ、左腿が穿たれ……最後に、脇腹を穿たれる。
ティトゥスの全身に今までの比ではない激痛が駆け巡り、骨は砕け、更なる血が吹き出る。常人ならとうに
発狂しているであろう状態でも、ティトゥスは鋼の意思で意識を保っていた──例えそれが拷問にも等しい
苦痛が続くことだと、分かっていても。
191種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:46:27 ID:???
「……ぁ、ハッ……」
 それでも、為すべき事がある。四肢が動かなかろうと、この身朽ちようと、命尽きようと──拙者には今、
守らねばならぬものが在るのだ──!
 ──だがその思いを嘲笑うかのように、冷酷な宣告がティトゥスの頭に響いた。

《──諦めたまえ。世界は今より、終末へ向かって奔り出す──もう誰にも、この流れは止められない──》

「ッ!?」
 声が聞こえた。聞いたことがない、いや何処かで聞いたことがあるような声。激しい憤怒と深い絶望、
そして狂気たる狂喜に満ち満ちた声……だが、違う。この声は違う。
 この声は『背徳の獣』……かつての自分達の主、『大導師マスターテリオン』の声ではない!
「貴様、い、一体……何、者……」
 もう言葉を紡ぐことすら困難な口で、問い詰めるティトゥス。わずかな沈黙の後、声の主は答えた。

《──I am Providence of evil──》

 リベル・レギスの頭部と胴体を覆っていたシールドがずれ、わずかな隙間からその顔が覗いた。その貌は
本来のリベル・レギスの顔ではなく、二本の角と二つの眼──否、頭部に三つ目の眼を持った──
「き、さま……ッは────!」
 呻くティトゥスの視界を覆う、光。皇餓の頭部を掴む掌に逆三角形が浮かび、其処から迸る強大な電流の波に
ティトゥスと皇餓は激しく痙攣し──

《──ABRAHADABRA〔死に雷の洗礼を〕──》

 直後、ティトゥスの意識は現世より断絶された。


 意識を失う瞬間、ティトゥスは何かを聞いた気がした。

 それは狂ったフルートの旋律にも聞こえ、

 ウィップアーウィルの喚き声にも聞こえ、

 忌まわしき邪神を崇める呪文にも聞こえ、

 気高く謳い上げられる、生命賛歌にも聞こえ、


 ──やらせない、死なせはしない……我が──!
 
 聞いた事のない、なのに聞き慣れた誰かの声に聞こえた。


 雷撃を叩きつけられた皇餓がユニウスの奥深くへめり込んでいく。巨大なユニウスの破片に亀裂が走り──
内部から一際大きい電撃が弾けた瞬間、その巨体は砕け飛んだ。
 分かれた破片は大きく広がりながら、リベル・レギスを通り過ぎて堕ちて行く。それを眺めながら、
リベル・レギスは大きく手を広げて身体を振るわせた──まるで高哂いを上げるように。
 哂いながら、リベル・レギスの身体は輪郭を崩して行き……血飛沫となって、その場から跡形もなく消えた。
192種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:48:26 ID:???
「……なんてこと!」
 ミネルバのブリッジで、コンソールに手を叩き付けたタリアにアーサーはビクリと身を震わせた。既に
タリアと同じ考えに至っているデュランダルは深刻な表情で口元を押さえ、カガリは顔面蒼白でモニターを
眺めている。
 色々と理解の範疇を超えている現状の中、様々な要因の連続によって『最低限の破砕』は成った。地球の
破滅はこれで防がれるだろう……あくまで、破滅だけは。
「あの紅いの……最後の最後になんてことを!」
「艦長!やはりジュール隊からの回答も一緒です!破片の拡散距離が広すぎて、全てを撃ち落すのは
 無理だと!」
 メイリンの泣きそうな声がブリッジの絶望感を更に深める。
 砕けた破片はまだかなりの大きさを持つものが多く、かなりの数は燃え尽きずに地球に落ちるというのが
大方の予想だ。そしてあの紅い巨人の一撃によって勢いが付いたのか、破片は大きく広がりながら地上へと
落下していく。
 艦砲射撃で幾つかは落とせるだろう。だが全てを落とすのは不可能……そういう結論が出たのだ。
「どれだけの被害が、どれだけの死者が出る……オーブに、いや地球に住む人々はどうなる!」
 悲痛な叫びを上げるカガリに、答えを返せる人間は居ない。タリアは振るえる拳を押さえ、真一文字に
引き締めた唇を開いた。
「……議長とアスハ代表は小型艇に移って下さい。ボルテールに回収するよう連絡を入れます。ミネルバは
 これより、大気圏突入と平行して破片を砲撃します……お二人を付き合わせるわけにはいきません」
「ぅえええっ!?」
 副長を初めとして、幾つかの驚愕の声がブリッジから上がる。確かにそれなら多少は多くの破片を
破壊できる可能性もある。だが、危険も大きい。破片にぶつかれば一巻の終わりだ。確かにVIP二人を
乗せたまま行うのはまずいだろう。
「……分かった。頼んだぞ、タリア」
「私は残るぞ!我等オーブの、地球の未来がかかっていることだ!見届けなければならない!頼む艦長!」
 デュランダルは素直にその言葉を受け入れるが、カガリは断固として拒否する。溜息を付きたくなったが
問答の暇はない。タリアは頷くと何時もの凛とした佇まいを取り戻し、ブリッジに命令を響かせた。
「小型艇の離艦とMS隊の回収が終了次第、本艦は大気圏へ突入する!MS隊を急いで呼び戻して!」
193種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:50:54 ID:???
「あ、ああ……」
 絶望感で染められた貌で、シンはただその様を眺めていた。
 争う二体の巨人。砕かれる剣を持った巨人とユニウスセブン。消え去る真紅の巨人。そして、
大地に降り注ぐ流星。
『シン、どうした?命令だ、ミネルバに戻らなければ……』
『ちょっとシンどうしたの?ねえってば!』
 既に冷静さを取り戻したレイや心配げなルナの声は、耳に届いていなかった。
「チクショウ……チクショウ……」
 何も、出来なかった。破砕することが出来なかった。巨人が力を奮うのを見ているしか出来なかった。
真紅の巨人が剣持つ巨人を蹂躙する様を──ティトゥスが葬られるのを黙って見ているしか出来なかった。
そして今、地球に落ちていく破片をただ眺めることしか出来ない。
 ──何も変わってないじゃないか。オーブを逃げ出してプラントに行って、ザフトに入って必死で自分を
鍛えても、赤服を着る資格と新型MSを手に入れても……結局俺は何も出来ない。
 また、守れなかった。地球も、罪もない人も──ティトゥスすらも、見殺しにするしかできなかった。
今の力なんてちっぽけなものでしかなかった。守るなんて自惚れだった。結局自分は、見ているだけ。
「……ッッ!チックショオォォォォォォォォォォォォッ!」
『……シン……』
 シンは慟哭する。己の無力に、認めがたい現実に、多くの命の死に……恩人の死に。アスランは勿論、その
慟哭を聞いた誰も、彼を慰めることは出来なかった。
194種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:52:59 ID:???
 コズミック・イラ73年10月3日、地球に落下中だったユニウスセブンはザフト軍の活躍により破砕は成功
したものの、燃え尽きずに落下した十数個の破片は世界各地へ落下。地球上の各国は大小の差こそあれ、
ほぼ例外なく被害を受けた。落下地点周辺への被害は勿論、海上に落下した破片の影響で起きた
津波等の二次災害による被害は凄まじいもので、実に億単位の人命が失われた。歴史的建造物や都市一つが
丸々消し飛んだ地域もあり、被害総額は計算しきれないほどのものだったという。
 後に『ブレイク・ザ・ワールド』と呼ばれることになるこの大惨事が引き金となり、再び世界全てを
巻き込んだ、かつての大戦を超える騒乱が起こることとなる。
 ──ここまでが公式の記録。だが、この事件には正式発表されていない、隠されたある『真実』があった。
 軍の一部だけにその存在は映像とともに明かされたが、すぐに噂や口コミ、ネットを通じて一般にも流れ──
『ユニウスの魔神』の映像は早々と地上、プラントの民衆にもに伝わった。だが誰一人、連合かザフトの
秘密兵器ではないか等の事実無根の話を上げず、むしろその内容を疑問視する、否定する人間が多数であった。
 無理もない。映像を見た人間のほとんどは、その強大すぎる力を恐れ、恐怖し、その存在を認めることを
拒んだのである……だが、真実は拒みようがないということもまた、誰もが分かっている事だった。
 そしてこの巨人の出現を契機として、世界はヒトの理解と限界を超えた超常的な力の存在──俗に言う
『魔術』の存在を、半信半疑でありながらも認識しだすこととなる。

 そして、一部の宗教家やオカルトマニア……それとこの日から極秘裏に、しかし活発に活動を開始した
『とある宗教結社』の人間は、この日をこう呼んだ──

 ──『神が降臨した日』と──
195種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:54:16 ID:???
『ミネルバが降下する?……くそっ!』
『イザーク引こうぜ、もうオレたちにゃどうしようもない……悔しいがよ』
「そうですね……」
 ジュール隊の面々は堕ちて行く破片と、それを追うミネルバを見つめる。MSではこれ以上地球に近寄ると
重力に引きずられる可能性がある。無念ではあるが、三人はミネルバへと敬礼することしか出来なかった。
 青いザクに乗るジュール隊の紅一点にして赤服の一人、シホ・ハーネンフースはヘルメットのバイザーに
覆われた顔を悔しげに歪め、唇を噛む。周りには沈着冷静と思われている彼女だが内面は結構熱く、実は
すぐ感情を外に出すイザークと本質は近いものがあったりするのである。
(まだこんなに残ってるのに……もっと私がしっかりしていれば!)
 故に、彼女もまた外に出さぬだけで、イザークやディアッカに劣らぬほどの悔しさを噛み締めていた。
『シホ!何してる撤収だ!』
「は、はい隊長!」
 少し物思いにふける内に二人において行かれたらしい。すぐに追いかけようとして、ふと視界の端に見えた
破片の一つが光ったのにシホは気付いた。
「……えっ!?」
 反射的にそちらを向いたシホは目を疑う。見たことのないモノアイの重装甲MSが破片に取り付き、携えた
一振りの刀で叩き斬ろうとしているのだ。
 無茶だ。あの破片はもう地球に近づき過ぎている。早く離脱しないと一緒に重力に捕まり、落下前に
燃え尽きるか爆散するかのどちらかだ。
「なんてことを……そこのMS!よせ!それ以上は……」
 通信周波数を合わせようとコンソールに手を伸ばしたその瞬間、シホの手と表情が、固まった。彼女の目に、
新たな『モノ』が飛び込んできたためである。
 刀を持ったMSの傍にもう一機MSが居た。こちらは見たことがある、ジャンク屋組合が一般に貸し出して
いる作業用MS『レイスタ』だ。それはいい。
 問題は、それの背にくっ付いているモノだった。
196種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/06(金) 23:57:41 ID:???
 ──ドリルだった。軽くMS一機分の質量はあるんじゃないかと思えるほどの巨大なドリルが二機、
レイスタの背から伸びたアームにくっ付いている……頭部もやけに四角くて丸い目と角ばった口が付いている
ようなデザインに変化しているが、そこはぶっちゃけどうでもいい。
 二基のドリルが後方から火を噴き、急加速したレイスタが破片へと突進し……回転するドリルの先端が破片の
一つに触れた瞬間、破片は粉々に砕け散った。
(は、はいーーーーーーッ!?ウソでしょ、幾ら速度と高速回転の力が加わったからってあの破壊力は……
 しかもあの質量であの加速力何!?推進器と燃料何!?そもそも誰よあんな■■■■なシロモノ造ろう
 なんて考えた■■■■はーーーーーー!)
 不条理極まる兵器の出現は、元々技術畑の人間であるシホの心理を大いにかき乱した。彼女にとって先程の
巨人なんかよりよっぽど信じたくない光景である。
 そしてうろたえた彼女の手がたまたま通信周波数調整用のダイヤルにぶつかり、たまたまその周波数が
レイスタの通信周波とピッタリ一致した──実に不幸な事に。

『ドリル・トルネード・スイィィィィィィィング!砕くぜ砕くぜ、おっきな隕石砕きまくるぜであ〜る!
 我輩のドリルのDADAッダーーンッ!なマグナム具合に、全国一千億の我輩のファン諸君の心は
 スィングスィングスィンガソン胸キュン愛ラブ(ハァト)。ブゥレイクブレイクブレイクァーウッ!と
 東へ西へ走って走って、必死こいて稼いだ給料は上司の競馬へと消えました。チキュウコウテイなんぞに
 かけてんじゃねぞこの生ハゲがーー!』
『文句あるなら給料下げたろかああ〜んっ!?ロボ〜!』

 ブツッ!

 即座にダイヤルを一気に回して通信を断つ。視界にはまだ破壊を続ける変な『幻』が見えるが、振り向いて
目を瞑って黙殺する。通夜のような沈痛な面持ちで、シホはブツブツと念仏のように呟く。
「……私は何も見なかった。私は何も聞かなかった。そう、アレは夢!白昼夢!混乱した脳が作った幻に幻聴!
 そうよシホそれでいいのそれが正しいの!よって報告する必要も思えている必要も無しッ!」
『コラ何しとるかシホーッ!置いて帰るぞ!』
「は、は〜い隊長!今戻りま〜す!」
 こうして、その不条理の存在は今しばらく闇に葬られることとなる。同時に、その二人のおかげで落下する
破片の20%近くが破壊されたことも、誰も知らぬ事実と相成ったのであった。



to be continued──
197種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/04/07(土) 00:01:52 ID:???
ですべのひと氏GJ!しっかり成長してるシンが双子をはべらせどこまで堕ちるのか期待してますw(マテ
ということで月イチペースが完全に板に付いてきた俺、こんばんわ

これで4話終了。分かる人には分かるであろうネタと仕込み大量……ツッコミどころ満載( ̄  ̄;)
実は前回書いた時カガリの存在をすっかり忘れてたということで、その辺りちと無理矢理で申し訳
更にティトゥスは今しばらく人間のままにしたいのでこの無茶具合。PS2のテルオのコクピット内をイメージに
皇餓内部は捏造、奥義・飛龍は飛翔に本当にあるけど字が分からん;
とりあえずですべのひと氏の■■■■の台詞再現率は神だと実感した、ムズイorz

次は戦闘なしになるかな?もしくはぼちぼちオリジナルMSの出番かも。これが一番反応怖い(((( ;゚Д゚))))
それと最近ようやく屍食姫メリフィリア読みました……だからってワケではないんだけどロリ分が足りな(ry
198通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 00:02:55 ID:???
なんか凄い展開来たと思ったら、最後の最後に西博士が全部掻っ攫っていったーっ!!

何はともあれ大変美味しゅうございました。
199通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 00:04:19 ID:???
GJ!

最後に出ていたMSはティトゥス?
ウエストが本編に絡んできましたね、あのキチがティトゥスとどう絡むのか楽しみです。
そしてリベルレギスに乗っているのはナイアクルーゼ?
彼女曰く半端な悪役がどう関係してくるのか期待して待ってます。
200通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 00:27:33 ID:???
ちょww博士wwww

そしてチキュウコウテイってどんなウマだオイwww
201通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 00:34:54 ID:???
>>199

たぶんモノアイだからアストレイの機体だと思われる、詳しくないんで多分だけど
202通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 00:56:50 ID:???
>>201
アストレイのヒゲググ(仮)だな。
正式名称は未見の人の為に伏せておくが、
外見は、ゲルググにヒゲが生えたような奴。
実はキン肉マンで有名なオーバーボディタイプで中身がある。
この時の中身は、たしかレットフレームだったはず。
でも、乗ってる人は少なくてもロウではなかったはず。
くわしくは、デルタアストレイ。もしくはディステニーアストレイを参考。

で、西博士w
おまえは、そこでドリルをぐるんぐるん回してるのは何故ですか?ww
203通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 02:15:46 ID:???
おつかれさまです


西博士はジャンク屋側ですか・・・
204通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 11:09:37 ID:???
ティトゥスもロリコンになるフラグが立ったな
205通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 12:39:29 ID:???
GJ!

やはりデモベの主人公は、
ズタボロに叩きのめされるのが似合うなあw
206通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 01:15:18 ID:???
>──やらせない、死なせはしない……我が──!

屍食教典儀(字これであってたか?)の精霊だろうか。wktk
207通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 01:41:00 ID:???
熱い展開キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
とおもったら最後の西博士のせいでシリアスだいなしwwww

ともかくGJでしたww
208通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 08:02:18 ID:MNTfjhrQ
ちょwwwww
うるっと来た所に西博士の追い討ちなんて予想もつかねーぞwwwww
泣き笑いじゃねーかwwww

とにかくGJ
209通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 08:25:06 ID:???
確か破砕作業している時はまだパイロットはロウ
だったな。ヒゲググ例の如くジャンク屋にいるのか
西博士GJGJGJGJGJGJMJ!!!
210通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 13:48:36 ID:???
GJでした。
ウェストとエルザの台詞を読んで思ったのが……
どことなく、恐らく日本一分厚い某月刊誌の某作品に出て来るラッコ?なナマモノと、部下や元部下から金借りる獅子舞が思い浮かんだんだのは気のせい?
まぁ、そんな事は置いといて…ティトゥス格好良いと思ってたらウェストとエルザのせいで笑ってしまいましたよw


所で、一つ聞きたいんだけど……鬼械神ってアイオーン以外でも魂消費して死ぬのかな?
例えば、教授のアンブロシウスや、糞餓鬼のロードビヤーキでも魂って消費して死ぬのか疑問に思って書いてみた。
誰か、教えて……
211通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 13:52:32 ID:???
教授の場合は、蜂蜜酒を使うことにより回避
他は、人外の存在に成り果てれば無問題
212通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 13:57:44 ID:???
『アウトサイダーその他』でも鬼械神って呼べるのかな?w
213通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 15:24:20 ID:???
流石に無理だろw
アルの写本でも、鬼械神が呼べるのはミスカトニックの虫食いだらけのラテン語版が限界なんだろ?
LAでも召喚出来ないわけだから、無理だと思うぞ
214通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 16:14:25 ID:???
>LAでも召喚出来ないわけだから

100年ぐらい研鑚を積めば召喚出来るような
215通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 18:00:48 ID:???
>>213
LAは獅子の心臓の魔力を受け続けて精霊化したとは言え作られたばかりって事を……
とか言うとレディの存在に矛盾が
取り敢えずデモンベイン喚べるみたいだしその気になれば普通の鬼械神喚べるんじゃないか?
216通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 19:25:06 ID:???
つまり獅子の心臓の魔力に、もう10年くらい漬けとけばおkなんですよ
217通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 19:30:25 ID:???
書いた人間がおかしければ講義ノートの断片みたいなセラエノ断章でも呼べる。
218通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 19:36:27 ID:???
>>217
では西博士のメモ書きだったら、呼べるような気が
219通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 19:40:17 ID:???
>>215
残念ながら原本のアルアジフ自体アイオーンの記述が抜け落ちてることが多々ある
それに半端に機械制御のテクノロジーが混ざってるから魔力はまだまだ弱いだろうし
鬼械神呼び出すのにパンチカード読み込み機を探してうろうろするんだろうなあ戦神丸みたく
220通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:07:24 ID:???
>>218
でも出てくるのはドラムカンです。デモンペインかもしれないが。
最初のデモンベイン作ったの西博士だろうから永劫の輪廻を繰り返せば
最強になるけど最初は弱いだろうな
221通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:15:23 ID:???
いや待て、意表を突いてグレンラガンが(ry
222通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:22:14 ID:???
正直、本編の破壊ロボ28號(クロスファイア仕様)⇒デモンペイン⇒飛翔の破壊ロボ(デモベ血倒したやつ)
のインフレスピードを考えるに、あと10年もあれば鬼械神に追いつくんじゃね?
223通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:36:10 ID:???
>>211
教授も人外だって聞いたぞ?
224通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:39:21 ID:???
>>217
講義ノートの断片じゃなくて糞餓鬼が使ってるのは本物
225通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 20:58:09 ID:???
>>224
 セラエノ断章が講義ノートかは知らんが、セラエノ断章は教授によって
写本されたセラエノの石碑の一部(断片)だよ。
226通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 21:23:29 ID:???
で教授のセラエノ断章をさらに模写した写本がミスカトニック大学に保管されてる。
その写本のさらに写本で鬼械神呼べるかわからんが。


227通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 21:25:55 ID:???
それ以前に単なる博物学書籍にすぎない金枝篇ででも呼べるわけだし・・・。
228通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 21:27:21 ID:???
それを言ったら終わりだろw
229通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 22:17:37 ID:???
そこは名称が同じなだけの違う書物と考えるべきじゃね?
230通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 22:22:39 ID:???
魔術の認知された世界の博物学書籍なら魔術も扱ってるかと
つまり名称も著者も同じだけど内容は違う
231通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 23:40:39 ID:???
>>230
内容が同じでも、書かれてることが
実際に効果があったからでは?
232通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 23:55:58 ID:???
金枝篇はなんかアミニズムとか地域信仰とかのことについても書かれてる有名な本みたいだね
だから実際にはその中にC系や暗黒神話についての記述が含まれているのだろうお
12回もマイナーチェンジを繰り返すにつれ色々付け加わったりしたのか?
233通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 00:54:20 ID:???
岩波新書版の2巻までしか読んでない俺が来ましたよ。
類感呪術その他について、システムや世界各国の伝統的な実例が挙げられてた。
印象深かったのは日本独自の文化「神殺し」について。

たとえば雨乞いをするときに、人々は大抵生贄を捧げたり、雨が降る様子を模した儀式とかを行って、神様や精霊に雨を降らせてくれるようお願いする。
しかし日本にはその次のステップがあって、どんなに頼んでも雨が降らないと今度はご神体を引きずり出して、乾いた田んぼの中に投げ込み「どうだ俺たちの苦しさがわかったかゴルァ」とかやるらしい。
まぁデータを集めたのはフレイザーだから、本当にそんな儀式があったのかどうかは知らんが。
漫画やアニメ、ゲームのラスボスが神様だったなんて展開は日本じゃ別に珍しくないし、邪神相手に「そんなものは気合と根性次第で以下略」とか言ってる奴らもいるしな、ここに。
234通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 02:16:46 ID:???
>>233
神殺しの一例が「てうてるぼうず」

歌の「明日天気にしておくれ」
のあとに、
「してくれなかったらお前の首をちょん切ってやる。」(うろ覚え)
と続くのだが、
結構知らない人が多いらしい。
235通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 02:41:45 ID:???
思うと外と違って日本って結構変わってるんだな、神の扱い方が

外国は絶対者って感じだが
236通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 03:04:21 ID:???
神にすがって何とかしてもらおうとするのが向こう。
神に「どうか何もしないでくれ」と祈りをささげるのがこっち。

向こうとこっちが何処を指すのかはナイショ。
237通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 07:47:25 ID:???
どうかナイア様、なにもしないで下さい。と祀るのが日本風ということか
238通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 10:23:41 ID:???

日本には沢山神様がいるから、
いらん神様を別のところから引っ張ってきた神様で封じたりとかは普通にあるよな。

後、神様作り変えたりするのも得意だぞ
あの厄介な荒ぶる神が、見る間に驚きの白さに!……ってな。
例)シヴァ→大黒天

まあ、神話に邪神が山と犇いていたとか書かれている珍しい国だけに、
そーいうのには慣れっこなのかもな。
239通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 10:27:05 ID:???
つまり、ナイア様、何もせんでください。
なんかしたら旧神呼んできますよ。

ほら、大人しくしているならこちらも精一杯接待しますからさぁ……。

と、宥めて賺して脅して、100年くらいたったら、
いつの間にかナイアさんがツンデレな萌えキャラに変化しているのが
神秘の国のジャパニーズシントーって訳だ。
240通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 10:31:08 ID:???
>>239
それがあながち間違いじゃない所が日本神道の恐ろしい所だな
241通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 12:32:58 ID:???
>>235
昔に高校の頃に聞いて印象的だから覚えてるんだけど、
厳しい環境にあると一神教が発達しやすくて、温和な環境だと多神教になりやすいって聞いた

まあ日本は考え方も独特すぎるよな、穢れを落としたときに生まれた穢れの禍津日神を
「穢れを落としてくれた神」って考えて祀るんだから
あと神道の邪神は「行為」によって邪神とされる。このへんも独特だな
その威力ゆえにまた祀られたりするんだが
242通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 21:25:53 ID:???
ニッポンジンはオマツリが好きアルカラネー
243通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 23:55:04 ID:???
日本人にかかればグロイ邪神ですら萌えキャラに……
244通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 00:02:55 ID:???
本来ならアルは緑の肌なんだよな
245通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 00:17:18 ID:???
>>239
そしてナイアさんがいつのまにか旧神になってたりもするのか
元々、人間は好きだったから、ツンデレ化からの延長で妙なことに

ナイア「僕は人間が好きだから彼らを守るよ♪」
246通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 00:19:54 ID:???
>>245
後のデモンベイントゥーソードであった
247通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 00:28:09 ID:???
そろそろ邪神から旧神に衣替えしちゃったニャル様がいても良いと思うんだ
248通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 00:31:10 ID:???
>>246
実はいうと、西博士に身の毛も与奪ような恐ろしい改造がされていたりして


西「こんなこともあろうかと〜・・・」←妙な回路が追加されていたりする
249通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 00:52:37 ID:???
>>247
熱烈な支援者だったら確実に居る筈
250通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 01:44:17 ID:???
旧神ナイアさんとシンの組み合わせが浮かんだ
251通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 05:30:18 ID:???
ヤノケンじゃないが、「互いに矛盾するからこそ“混沌”」なので、ニャル様の千の貌の中には
きっといるんじゃないかな。
252通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 06:08:31 ID:???
ループ初回のデモンベイン製造の出資者はナイ神父だったとか。
本物の覇道鋼造の金脈のヒントやら、その後の発展は怪しげな秘書の
おかげだったとか。
253通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 08:37:38 ID:???
>>251
中には自分の正体に気付かずに、人類の味方をしている貌もあるかも知れないな
254通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 11:28:20 ID:???
まあ、なんだ、無限の平行世界はあらゆる現在を肯定するから、理屈として

『ジャパニーズシントーに絡め取られ萌えキャラとかしたナイアさん』

とか、

『やることなす事うまくいかず、結果的に人類の守護者とかしているドジっ子ニャルちゃん』

とか、

『人の道に目覚めた正義の味方ナイ神父』

とかも、絶対いる事になるんだよな。
理屈としては……。

まあ、彼らは人の理屈を超越する存在だと言われたらおしまいだけど、うん。
255通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 11:39:35 ID:???
そして戦っていくのだがそこはニャル様やることなすことが裏目に出るわけか
そこで大半のニャル様が諦めるなか諦め無いニャル様が…
とここまで妄想してここがどこの板か思い出した
256通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 12:40:39 ID:???
>>250
wikiにあるぞ。
小ネタ集だけど。
シンは>その03「シンとナイア」
キラは>その09「キラルートBADEND」
キラのはともかく、シンのはちゃんとナイアがヒロインだw
257通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 12:41:56 ID:???
>>256
旧神じゃなかった。スマソ。
258通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 19:49:20 ID:???
ハウメア=ナイアさん

というのはいかが?

祈る度にとんでもない事が・・・・
259通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 22:57:33 ID:???
三位一体旧神ナイア
・ナイ神父を父に持つ熱血漢の混沌少年
・昔から地元で土着の神様をやっていたツンデレにゃるら
・デモンベインに化けたと思ったら本当の魔を断つ剣になってたうっかりナイア
260通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 23:22:59 ID:???
>>259
それって一位三体じゃ
261通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 23:37:04 ID:???
>ナイ神父を父に持つ熱血漢の混沌少年

母も混沌だったり(ナイ神父が敵対する他のナイアを孕ませた)
262通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 00:16:25 ID:???
>>258
なるほど!だからアフメド(だったけ?カガリを好きだった奴)は死んだのか!
263通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 01:12:33 ID:???
つかハウメアって実際の神話ではトンでもない邪神だって聞いたけど
264通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 01:30:32 ID:???
ハワイの地母神だろ。
265通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 02:23:56 ID:???
邪神ではないな。
いる場所に無差別に豊饒をもたらすまっとうな大地母神だ。

常夏の島の神だから、カーリーやペルセフォネやメデューサみたいな死をもたらす冬の層は持ってない。

まあ、高位の神としての権限を最大限に使って旦那をとっかえひっかえして、
信じられない数の子を生んだと言う意味では、邪しまな神と言えなくもないがなぁ。

266通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 16:20:26 ID:???
>>265
>まあ、高位の神としての権限を最大限に使って旦那をとっかえひっかえして、
>信じられない数の子を生んだと言う意味では、邪しまな神と言えなくもないがなぁ。

キバヤシ:「わかったぞ! 『大地母神・ハウメア』とは即ち、『千の仔を孕みし森の黒山羊・シュブ=ニグラス』の事だったんだ!!」

その他大勢:「な、なんだってー!?」
267通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 16:27:44 ID:???
>>265
何故だろう、不意に種死での凸の女難イベントや蝙蝠っぷりに納得してしまったような

ハウメアの守り石はちゃんと効いていたんだなw
268通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 10:52:23 ID:???
>>263
 それは、ハウメアの娘のペレの方だな。
 奴は、男を巡り、幾度も全島を血に染めた火山噴火の女神だ。

 ……て言うか、何で戦いに行く奴にハウメアなんだろうな?
 オノゴロにハウメアという時点で全く脈絡がないし……。
 せめて、カナロアとかクーとか、そー言うのにならんかったんだろうか?
269通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 19:09:15 ID:???
>>268
クーはともかくカナロアはやばくない?
「変なにおいのするタコ」という表現と
ニュージーランド沖に程近いということも併せると・・・


戦いを前にカナロアへ祈を捧げる。
何を間違えたか蛸神様に届いてしまう。
そして、オーブ群と連合軍の前に現れるクトゥルフの触足・・・とシュリュズベリィ博士。


何人生き残れるかな?
270通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 20:04:09 ID:???
YOUそのネタで書いちゃいなYO
271通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 20:16:50 ID:/Seuwxcj
>>266
>>269
そもそも、ラヴクラフト御大は、各地の土着神を旧支配者の元ネタにしている
それに、あらゆる神性となりうる『這いよる混沌』のことを考えると……
272269:2007/04/12(木) 21:51:42 ID:???
>>270
おいらにゃ文才はないのさ〜

と、レスするだけではつまらないのでネタ出しを

ナチュラルの月面基地を殲滅するためにジェネシスを発射するザフト軍。
しかし、その行動は月に眠る何かを刺激してしまう…

うん、適当にでっち上げました。
よく考えれば地球上は夢いっぱい危険いっぱいの邪神やら奉仕種族の拠点やらで
ユニウス落しのようなことやると・・・

ネットで資料探してたら「涼宮ハルヒの呼び声」なんての見つけたYO
アレも顔のひとつだったのかw
273270:2007/04/13(金) 19:58:55 ID:???
じゃあ、オレが書いちゃってもOK
274269:2007/04/13(金) 21:34:37 ID:???
どうぞどうぞ。
存分に筆を振るってください。
275通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 01:55:23 ID:???
カナロアと水の中で死んでる御大のクロスかぁ。
けど、変な匂いのする蛸の異名を誇るカナロア様の神像は、どう見てもヤリイカ怪人なんだよなぁ
いや、マジで東南アジア民芸物風イカデビルなんだ。

276通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 14:50:29 ID:???
死んでる御大も烏賊と蛸のバージョンがあるから大丈夫だw
どちらもデビルフィッシュだし。
ワサビ醤油を持ち出す日本人にはわからん感覚だな。
277通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 15:58:47 ID:???
アニメ版のメタ子と草履がドラマCDのプロセスで種死世界に。出番のためにラクシズ陣営を壊滅させます。
278通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 16:41:40 ID:???
そういや 九頭竜神社 なんてのも現実にあったような・・・
279通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 17:25:30 ID:???
>>278
此処かっ!!
ttp://www.diviner.jp/HolyPlace/Kuzuryu/

小田急沿線に棲んでるんで、行こうと思えば行けるな
280通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 22:48:11 ID:???
281通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 22:49:33 ID:???
高いのはともかく、プラモを上手に作れない俺はどうすれば・・・
282通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 23:12:44 ID:???
ブキヤのプラモはオープンプライスなのか
ビックと淀で微妙に値段違うのはこのせいか?
283通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 23:27:54 ID:???
284通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 23:33:16 ID:???
んげ、前月にジガバチとウルフとスコープドッグか
積みプラが減らん
285通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 23:40:49 ID:???
SRXみたいに高くてもいいからアクションフィギアにしてほしかった
286通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:46:47 ID:???
>>285
 そんなアナタに魔道合金デモンベイン
287通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 15:01:42 ID:???
つか魔道合金デモンベインの発売日まだ決まらないの?
288通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 01:27:20 ID:CUqKPmyi
停滞してるな〜 と上げてみる
289通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 03:53:37 ID:???
職人さんをのんびりと待ちながら保守
290通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 19:44:38 ID:???
職人さんを待ちながら保守なんです><
デモベのプラモは3体買って、通常・デモンペイン・飛翔の奴を作る予定だ!!
飛翔のDisk紛失した為に紅朔仕様が分からんがな(´・ω・`)
291通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 20:04:41 ID:???
紅朔仕様はアニメ版を赤く塗っただけでなかったっけ?

脚部のみトゥーソード風に可変するという。
292通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 20:08:34 ID:???
とりあえずだ、
デモベに限らずニトロ作品とのクロスというのはどうでしょう?

例「もしもキラを助けたのがロウでなくて沙耶だったら(当然キラはアレなカンジ)」

293通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 20:34:38 ID:???
まずいいだしっぺが書く法則
294通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:22:32 ID:???
だったらアレだな微妙アニメ+微妙アニメの組み合わせで「種×ファントム(OVA)」か?

それとも微妙マンガ+微妙マンガで「種(マンガ版)×ヴェドゴニア(マンガ版)」か?

そして禁断のSEED四コマ×ニトロ学園のラブコメ学園ストーリー?
295通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:32:04 ID:???
漫画版デモベも忘れないでやって下さい…
296通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:52:58 ID:???
アニメ版デモベもあったような・・・
297通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:59:37 ID:???
それは前のループの記憶だろ。今回のループじゃそんな■■■■■
ものはつくら■■■
298ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2007/04/20(金) 00:33:52 ID:???
皆さんに少し意見を求めていいでしょうか。
実はまだアーカムシティで入れたい話が少しあったのですが、
次回予告ではすぐインスマスにいるような感じで書いてしまいました。
この場合は、幕間話か次回にそのまま含めるかどちらがいいでしょうか。

本当にすみません、書いてる途中で気がついて混乱してる最中でしたorz
299通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 00:40:44 ID:???
お疲れ様です。毎回楽しく読ませていただいております。
予告はあくまで予告ですし、幕間話にすると齟齬などが出るようでしたら
そのまま一本増やしちゃってもいいさ、ぐらいの感覚でお願いいたします。
300通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 15:01:09 ID:???
>>292
とりあえず、ティトゥスの代わりに、鬼哭街の劉豪軍が屍食教典儀もってたら、ネロ除いた逆十字最強だったろうな

301通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 15:08:45 ID:???
「でもフリーダムが・・・・」
狂気の復讐者、シン=アスカから
キラ=ヤマトは自らの命は守り切れました
だけど彼は歌姫の騎士としての剣を無くしてしまいました
キラは大変落ち込みました
しかしそこへ虎が現れてこう言いました
「フリーダムを信じろ、あれは主役のためのガンダムだ」
「そうですキラ、貴方のフリーダムはまだ無くなってはいません、コレをみてください」
歌姫でキラの主のラクスはそう言って、どこからともなく突然
白い刀身に青と金の装飾を施した剣を出しました
「これは?」
「貴方の新しい剣です」
「有難うこれで僕はまた戦える」

〜魔導書『小さい子にもわかる中世風種死あらすじ』から抜粋〜

そういやぁ煌めく凶星Jの中の人はティトゥスと同じか
掛け合いみられるかな?
302通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 15:36:50 ID:???
らくす「これはすとらいくふりーだむ、ふりーだむの゙五倍゙のしゅつりょくがでます」
アスラン「(え、どこでそんな凄いの作ってる描写あったんだ?)」
らくす「あすらんあなたのきたいもありますそのなもいんふぃにてぃっとじゃすてぃす、ジャスティスの(ry」
アスラン「(いったいどこからそんな資金が?)」
らくす「ばるどふぇるどたいちょうには、せいきのざふとからもってきたがいあをあげます」
アスラン「(いったいry)」

最近思ったが種死は絶対的なキラの力で物語を完結させるデウスエクスマキナストーリーだからデモンベインと相性が良いいんだな
303通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 18:36:12 ID:???
>>302
邪神ラクスのお兄ちゃんエンドだとばっかり(ry>種死
304通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 19:02:26 ID:???
>>302-303
どちらの解釈でも有ってると言い切れる所がまた……

ちなみにストフリはザフトからの強奪品(おそらくは隠者もそうなった)
305通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 20:41:40 ID:???
>303
そこを中の人つながりで「おばかさぁん」にすると極一部が喜ぶんじゃね
妄想主とか
>304
それなのにミーティアとのコネクターがあるのが不思議だよな
流石後付け
306通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 20:54:43 ID:???
>流石後付け
誰が上手いこと言えと(ry
307通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 21:35:46 ID:???
>>305
隕石だってザフト製だぞー忘れられてるかもしれないけどな・・・
ストフリは元量産型フリーダム計画で試作されたテストヘッド機だったんだぜ?
後付けってのは否定しないがな・・・
308通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 22:54:17 ID:???
ストフリはザフトの量産型フリーダムを改造したもの
インジャも同じく量産型ジャスティスを改造したもの
元々ミーティアはザフト製なので使えて当たり前
309通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 00:05:55 ID:???
試作器強奪の上設計図は消去って設定聞いてエアーウルフ思い出したサ
310通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 22:51:55 ID:???
>308
コストパフォーマンスに優れる量産機に果たしてコストが割高な支援ユニット用のコネクターをわざわざもうけるだろうか?
まあ無くてもラクスが例のファクトリーで設けるか

それにしてもザフトでは既に無差別テロリストの機体と名高いフリーダムの名を再び正規採用型に持っていこうなんて………
311通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 09:48:42 ID:???
>>310
あくまで量産機開発の為に作られたテストヘッド(…テストベットだったか?)機だ
ヴェルヌとかも有るから用途別に追加ユニット装備する案が有ったのかもしれん
和田は公に出てる設定では羽をスパドラを変えただけだったりする…原型はデルタフリーダム(初期に公開されてたアレ)か

>ザフトでは既に無差別テロリストの機体と名高いフリーダムの名を再び正規採用型に持っていこうなんて………
一応自由は正規採用型だ・・・ラクス事件でパクラレタから量産機の建造が流れただけで
ザフトは凍結されていた核動力機の量産計画を実行に移さなければ成らない程切羽詰まってたって事だろうな(それも結局パクラレタけど)
312通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 13:23:08 ID:???
スレ違いだが、これはよいものだ

ttp://www.youtube.com/watch?v=m2S2iUZxoQw&mode=related&search=
313通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 16:53:28 ID:???
それより本家を目指すのだ
314種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:21:21 ID:???
 ユニウスセブンの破片が地上に落下してから、早数時間。既にザフト郡の影は周辺宙域になく、残っている
のは落下しても燃え尽きるだけと判断された小さなデブリと、二機のMS──片方はMSに分類していいのか少々
疑問だが──のみだ。
『……もう大丈夫だな。やばそうなデブリもないし、ザフトも引いたみたいだ。お疲れお二人さん、戻ろうぜ』
 一つ目のマッシブなシルエットを持ったMSからの通信に、バカデカイドリル二基を背負ったレイスタの中に
居る男はフンッ、と不機嫌そうに鼻を鳴らした。一つ目MSはすぐにその場を離れ、大気圏ギリギリに
待機している筈の母艦へと戻っていく。
 パイロットスーツなどは着ず、纏っているのは割と筋肉質な体格が映えるボディスーツと白コートのみ。
緑の髪は先端に近いほど白く脱色されており、頭頂部にはピョンと立った一本のアホ毛。意味もなく
立ち上がると、横に置いていたエレキギターを手に取り、意味もなく激しく掻き鳴らす。
 そう、彼こそ世紀の天才!狂気の天才!紙一重の壁を飛び越えた挙句ぶち壊して戻ってきた超!天!才!
「ドォクタァァァァァァァァ、ウェェェェェェストッゴブォワッ!」
 その叫びを上げた■■■■の腹に、並みのプロボクサーの比ではない素晴らしい右フックが叩き込まれる。
「博士、うっせーロボ。こんな狭いコクピットで叫びすぎロボ。また外に放り出されて酸素欠乏症になりたく
 なかったら黙ってろロボ」
「エ、エェルザァァァァァァァァァッ!?ゴフッ」
 エルザ──ドクターウェストの最高傑作たる人造人間。ちょいとロボット三原則〔慎み〕を忘れたどころか
華麗にスルーしているのが玉にキズだが。
「……どうしたロボか博士?テストは上手くいったのに、全然嬉しそうじゃないロボ」
 とはいえ、流石に製作者の心の機微をある程度察することは出来るらしい。そもそも二人が此処に居るのは、
この世界に『跳んで来て』から最初に手を加えたメカ──レイスタこと『スーパーウェスト無敵ロボverレイスタ
──だからドリルは付けろと言ったのだ──』のテストのためだった。だがその結果が完璧と言ってもいい
仕上がりだったにも関わらず、当のウェストは渋い顔だ。
「気に入らんのである」
「え?」
「この傍迷惑な隕石落としである。隕石頼みの破壊なぞ我輩の美学に反するのである。自らの力と知恵と
 覚悟を持ってして行う破壊こそ真の破壊、このような方法は破壊などではなく単なる大量虐殺なのである。
 そもそもギャラリーを全員退場させてしまっては我輩の天才っぷりを愚民どもに見せてやることも
 出来なくなるではないか。全く不愉快な、これだから道理の何たるかを理解できぬ凡人は……おかげで
 柄にも無い人助けをしてしまったのである」
 彼とて破壊活動が日常茶飯事の犯罪者で悪人で■■■■ではあるが、自分なりの信念、美学は
持ち合わせている。今回の件に、ウェストは同じ破壊者としての共感をひとかけらすら感じなかった。
まあそれ以前に落とした当人たちは破壊というより復讐が目的だったのだが、そんな事はウェストの
知ったこっちゃない。
 そしてもう一つ、ウェストを不機嫌にさせたもの──それは自分達の世界では何度も見た、しかしこの
世界には存在しない筈だった、あの──
315種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:24:35 ID:???
「……ロボ?」
「ん?どうしたであるか、エルザ?」
「気のせいロボか……あ、やっぱりロボ!博士、魔力レーダーに反応ありだロボ!」
「にゃ、にゃにぃ!?」
 ウェストがレイスタに魔力レーダーをつけたのはほんのついで、というか習慣のようなものだった。この
世界に魔力がないことは分かっていたが、これまでの破壊ロボに標準装備していたものだったのでついつい
作って付けてしまった、その程度の扱い。反応があるなどとは、ほんの少しも思っていなかった……
あの二体を見るまでは。
 そして、今この場で反応するものといえば……
「エルザ、座標はどこであるか?」
「すぐ近くロボ、って博士っ!?近付く気ロボか!?」
「当然である!この大!天!才!ドクターウェストがビビってたまるかである!さあ行くのであ〜る!」
「うう〜、もし死んだら夜な夜な枕元に立ってやるロボ〜!」
 文句を言いつつも、デブリを避けながらレイスタを反応がある場所へ向かわせるエルザ。ちなみにこの機体の
操縦はドリル操作:ウェスト、その他:エルザという分担である。
「もうすぐ見える筈ロボ……ロボッ!?」
「こ、これはっ!」
 二人が見つけたもの──それは正に、骸そのものだった。両手両足は完全に吹き飛び、残った部分は
 ヒビだらけ。その残った頭部も身体も半分以上が消し飛んだ、皇餓の残骸がデブリに紛れて其処にあった。
「こ、このような状態の鬼械神を見たのは初めてである、と言うか何故このようなことが……」
 通常、こんな半端な状態で鬼械神の残骸が残ることは在り得ない。鬼械神は術者の魔力によって形作られる
物であり、術者が倒され意識を失う、または生命活動が停止した場合、その構成は解けて消える。このように
残骸が残る場合があるとしたら術者が意図的に残しているのか、あるいは──
 その時、それまで沈黙していた皇餓の右目が突然光を灯し、ギョロリと動いてレイスタ、引いてはその中の
二人と視線を交差させた。
 蛇に睨まれた蛙の様に身を竦ませるウェストとエルザ。ほぼ全ての戦闘能力を失っている筈なのに、その
血走った丸い眼から刃のような威圧感と警戒心を二人にぶつけて来る皇餓。そのまま皇餓の眼は、値踏み
するかのようにレイスタを見渡す。
 そして一分も過ぎた頃、威圧感が突如として消え、皇餓の眼から光が消えた──消える寸前、睨みつけていた
眼が一瞬、安心したように緩められた気がした。
「ぬなっ!?」
「ロボっ!?」
 直後、皇餓の残骸が消えていく。機体を形作っていた魔力が、淡い光となって散っていく。皇餓が完全に
光となって消えた後、その場に残っていたのは皇餓と同様の状態まで大破した、ツヴァイダガーのみだった。


第五話『一時の休息、蠢く影』

316種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:29:38 ID:???
「外装の三割弱損傷、エンジン出力20%近くダウン……クルーに死者無し、ただしゲスト一名がMIA。
 それとMS一機が大破、その他は小破未満。とりあえず被害はそんなものかしらね」
「そうですね。となると当面の問題は……やはりカーペンタリアまでの距離と補給ですか。やはり
 アスハ代表の申し出は有難かったですね」
 艦長室でプラント本国へのレポートを作成しながら、タリアとアーサーは今後について話し合っていた。
 ミネルバはなんとか地球への降下に成功した。だが破砕作業を優先した結果降下地点が大幅にずれてしまい、
予定していたカーペンタリア基地近辺からは大分離れた、太平洋のど真ん中に落下してしまったのだ。無茶な
降下で船体に無視できない被害が出ているし、クルーの疲れも大きい。さてどうしたものかというところで、
カガリからオーブのドッグへ入港しないかという申し出があったのだ。遅かれ早かれ彼女を送り届けないと
いけないし、この提案は渡りに船だった。
「ええ、彼女も色々と大変でしょうに……彼のMIA、随分と気にしていた様だし」
「そうですよね……艦長はどうお思いなんですか?シンとアス、じゃないアレックス氏の報告について」
 アーサーが言っているのはティトゥスについてのことだ。シンとアスランは、剣を持った巨人が現れる
直前、魔法陣のようなものの中心にツヴァイダガーが居たのを見たというのだ。二人はティトゥスがあの巨人に
乗っていたのでは、という疑惑を持っているようだった。
 何を馬鹿なとタリアは最初思ったが、正体不明なティトゥス、巨人の出現と同時に反応が消えたという
ツヴァイのビーコン記録、ティトゥスと巨人の戦闘スタイルの酷似、等等の点から完全否定を出来ずにいた。
 そしてタリアには『その手』の信じがたい知識にやけに詳しい『知り合い』が一人いる。
「魔術……まさかね」
「は?何か仰いましたか?」
「あ、いいえなんでもないわ。正直、私も何が何だか分からないっていうのが本心よ。理解の範疇を超えた
 事象が短い間に立て続けだもの。何もかも投げ捨ててしまいたい気分よ……ごめんなさいアーサー、
 忘れて頂戴。艦長として最低よね、こんなことじゃ」
「いえ、艦長も人間ですから仕方ありません。自分で良ければ幾らでも愚痴を聞きますよ。発言は全て私の
 胸の内のみに仕舞っておきますから」
「……ありがとう」
 胸を張るアーサーに優しく笑いかけるタリア。戦闘中もこれくらいしっかりしてくれれば安心なのだけどとも
少し思ったが、そこはまあ今は言うまい。
「ところで、当のアスハ代表は今何処にいるのかしら?」
317種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:36:46 ID:???
「ハア……」
 シンは少しやつれた顔で、甲板へと足を進めていた。守れなかったショックは今は少し落ち着いている。
だがそれでもティトゥスのMIAや人々を守れなかったという事実が、未だシンの心に陰を落としていた。
 引きこもっているわけには行かない、落ち込んでても何一つ変わらない……だが分かってはいても気分は
ネガティブになるばかり。レイやルナに愚痴るのは避けたい、しかし一人でいても何が変わるわけでもない。
アスランと少し話をしたかったのだが、あてがわれた部屋には居なかった。
 仕方なくほんのわずかな気晴らしを期待しながら、シンは外の空気を吸いたくて甲板へと向かう。
 やがて解放されている甲板の入り口へと辿り着いたシンは足を踏み入れようとしたところで、其処に先客が
居るのに気が付いた。
「カガリ、大丈夫なのか?少し顔色が優れないようだが……ティトゥスのことは気にするな、君のせいじゃ
 ない」
「うん、分かってる……大丈夫だ。むしろ心配なのはこっちだ、お前のほうがヒドイ顔してるぞ」
「そ、そうか?」
 即座に入り口から飛び退いて壁に背を付ける。一番顔を見たくない奴と、一番話をしたかった人間が其処に
居た。
(アスハッ……それにアスラン、さん)
 なんで、と一瞬思ったがよく考えれば当然だ。アスランはカガリの護衛、そのことをすっかり忘れていた。
 なんであんな人もオーブなんかに──それが今のシンの率直な感想だった。
「無理するなよ、今は私達しか居ないんだから」
「本当に大丈夫さ。大体あの戦闘は俺が自分で参加したことで……」
「とぼけるなよ。パトリック・ザラ……御父上のこと、気にしてるんだろ?」
「なっ!なんで……」
「全周波通信だったからな、ミネルバにも全部聞こえてた。ちなみにあいつ……シンの切った啖呵も
 丸聞こえだったけどな」
 ゲッ、と顔を顰めるシン。そういやあれも全周波で叫んだのだ、聞かれて当然だった。今思えば随分と
こっ恥ずかしいこと叫んだなあと、少し自己嫌悪する。
「あのテロリスト達はアスランのお父様の名を旗印にあんなことをした。それの責任が自分にもあるんじゃ
 ないかとかどうだとか、そんなこと考えて悩んでるんだろ?」
「あ、ああ」
「バカ」
「んなっ!?」
「前に言ったろ、ハツカネズミになるなって。そうやってすぐ自分の頭の中だけでグルグル考えるから
 分からなくなるんだ。何度言っても分からないな、このバカ」
 絶句するアスラン。それを見ているシンはアスランへの軽い同情とカガリへの憤りを感じる。
(あのアマ、言うに事欠いてなんて言い草だ!)
318種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:39:08 ID:???
 思わず飛び出て散散に罵倒してやろうとしたシンだが、直後のカガリの言葉にその行動を止めた。
「あれはお前のせいなんかじゃない、絶対に。少なくとも私はそう思っているぞ」
 アスランがハッと驚いた顔でカガリを見る。カガリはそんなアスランに笑いかける……その笑顔は活発な
カガリには似合わないくらい、儚げだ。
「それにシンも、だろうな。あいつも言ってただろう、『適当な理由つけて』って。あの連中はただ、自分達に
 都合のいい言い訳に御父上の名前を使っただけだ。お前が責任を感じることなんて無い、むしろ勝手に肉親の
 名前を使われたんだ、怒るところだと思うぞ」
「しかし!どう言い繕っても父がナチュラル根絶を図ったのは事実で」
「だからって死者の名前を語って虐殺なんて許されるものか!それに……例えそうだとしても、お前はそれが
 間違いだと分かって、抗ったじゃないか。御父上のやろうとしたことが間違ってたから、そんなこと
 許されないと分かっていたから、前の大戦でもユニウスでも戦った、止めようとした。そうだろう?」
 アスランの肩に手を置くカガリ。アスランとカガリの視線が交差する。
「お前は肉親だからって甘えに負けないで御父上と袂を分かった、間違いを正そうとした。もしそれを責める
 奴がいるなら、私は庇う。私はお前の傍で見てきたんだから。辛いのも悲しいのも、お前が御父上を看取った
 時も、全部。気にするなとは言えない、けど引きずる必要は無いってハッキリ言える……お前が悪いんじゃ
 ないって、私一人でも叫んでやる」
「カガリ……」
 感謝と愛しさに、そっとカガリの頬に手を添えるアスラン。だが当のカガリは唇を噛み締め、目に哀しみの
色を浮かべる。
「……むしろ、お父様のことで責任を取らなきゃいけないのは、私だ」
「え?」
「私はお父様が正しかったとずっと思ってきた、それを疑いもしなかった……けど違ったんだ。そんなのは
 ただの良い訳だったんだ。私はただお父様の娘として、お父様を否定するのが怖かった、お父様の理想に
 間違いがあることを認めるのが嫌だったんだ。シンやテロリスト達の言葉を聞いて気付いたんだ……
 首長になってからの私がやってきたことは、あのテロリスト達のしていたこととそう変わりはしないって」
「違う!カガリ、それは違う!」
319種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:43:40 ID:???
「違うもんか!」
 アスランの手を払い、その胸に両手を何度も打ちつけるカガリ。大した力はこもっていないが、衝撃が
何度もアスランの体と心を揺らす。
「私は、私はずっとお父様に甘えてた!お父様のやったことに間違いなんて無いって思ってた!それだけが
 正しいって、それが一番だって信じ込んでいた!信じていたかった!ただ闇雲に理想を叫んで、誰彼構わず
 押し付けようとして!実際はシンのような人間も生んでいた、ああいう人が居るかもしれないって分かって
 いた筈なのに、知らないフリをして!己の理想で犠牲になる人間なんていないと目を背けて、誤魔化して!
 何が違う!パトリック・ザラの理想を信じたテロリストと、ウズミ・ナラ・アスハの理想を信じた私の!」
「カガリ……」
「……分かってる、過ぎたことは今更どうしようもないって。出来るのは間違いを認めて、正すことだって。
 それが首長として私がすべき事だって。でも、私はまだ心の何処かでお父様の理想を信じたいって思ってる。
 お父様は何一つ間違ってなかったって思い込みたがってる。こんなことじゃいけないって分かってるのに。
 私は……私こそバカだ、大バカだ。こんなんじゃシンに罵られても仕方なっ……!」
 アスランの胸に置いていた手を強く掴まれる。気付いた時には、カガリの身体はアスランの胸の中に
抱き込まれていた。
「アスラン、止めろ!私はオーブ代表で、お前はただの護衛だ!大体此処は他国の船の上で」
「今は俺達だけだ……今だけは君はただのカガリだ。だから今は泣いていい。『アスハ代表』に戻るまでに、
 全部吐き出しておくんだ」
「アス、ラン……ウ、ウアァァ、ウワアアアアアアアアアアアアン!ゴメンナサイ、ゴメンナサイッ!
 ウアアアアアアアアアアアアアッッ!」
 堰を切れたかのように大粒の涙を流し、アスランの胸の中で泣き叫ぶカガリ。誰にとも知れぬ謝罪の言葉を
 繰り返すカガリを、アスランはただ優しく抱きしめる。
「…………チッ」
 舌打ちを小さく付いて、シンは甲板の扉を後にする。結局気分は晴れず、むしろ更に不愉快な方向に
落ち込んでしまった。
 アスハに言ってやりたいことは山ほどあった。情けないとか、泣言言うなとか、んな弱気でどうするんだ
とか、それでも一国の国家元首かとか、そんなことで国を守っていけると思うのかとか、それはもう
腐るほどに。だが、それでも今あそこで泣いている『ただの少女』に、心無い罵声を浴びせる気には
なれなかった。
 ──そして、その言ってやりたい言葉がある意味罵声ではなくなっている事に、シンは気付いていなかった。
320種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/04/22(日) 18:47:37 ID:???
ちょっとスローペースでこんにちわ
久しぶりの早めアップと短め切りなのは書けてないから(核爆)勘弁してくだされ

とりあえずじわじわ原作から大きく変えていこうと四苦八苦。
ちなみにアストレイ分は運命まででΔは省くつもりです、複雑になりすぎるので( ̄  ̄;)
一人出てるじゃねえかとツッコミが来るかもしれませんがまああれはあれで少しありますので

少しペースダウンしてるのでしっかりせねば!
あと前回のウェストのネタは某ブレイクな社歌とたまたま思い出した某ンババです、当てた人おめw
321通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 18:49:23 ID:???
GJ!
322通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 20:24:41 ID:I6h9DA0I
GJ

ティトゥスの次のMSはウェストが改造したアストレイに乗るのかな?
323通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 20:25:57 ID:???
しまった、上げて・・・orz
324通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 21:44:37 ID:???
まあティトゥスに一番似合う武器はガーベラだが、あれはロウの魂とも言うべき存在なので譲渡は無理だろうな
325通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 22:08:31 ID:???
>>324
火星服に二本付いてるから新しく打てるだろうし
新しく打ってもらえるだろ
それか屍喰経典儀でMSサイズの日本刀出せるようになるとか
326通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 22:38:03 ID:???
Δアストレイ途中で読むの止めたから知らないけど、

種デス始まってユニウスセブン落ちた時点でロウってどこにいたっけ?
ゲルググ朱骨は火星から来た奴にパクられてたんだっけ?
327通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 23:06:29 ID:???
>ユニウスセブン落ちた時点でロウってどこにいたっけ?

だから、破砕作業をしていた訳で
このときガーベラを落とした上に
直後にパクられた
328通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 20:01:12 ID:???
>>311
いろいろ教えてくれてありがとうな
俺はてっきりフリーダム&ジャスティス量産計画はCE73に発案されたのかと思ってたぜ
あとヴエルヌについて詳しく教えてくれるないか?
329通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 20:22:10 ID:???
量産型ミーティアみたいなもん。自前の核エンジンあるからジンやダガーでも使える。
330通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 21:16:27 ID:???
相変わらず○○○○な博士にはGJを贈りたいんだけど
ティトゥス分が足りぬ………

このままでは譲治症候群にかかりそうだ。
331通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 00:48:25 ID:???
>>328-329
量産型ミーティアって考えも有ってると思うが大気圏離脱・再突入用のモジュールだった筈だ
一応ミサイルとか付いてるが火力は・・・・って代物
332通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 03:51:21 ID:???
話は変わるけど、ツヴァイダガーのイメージは、背中にソードストライカーを背負ってる105、つーか
スローターダガーって感じで良いんだろうか?どうしても、まとめサイトに載ってる感じだと
そんな感じしか思い浮かばないんだけど…。
333種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/04/25(水) 00:47:25 ID:???
>>332
まあゲベール二本くっついたバッテリー背負っただけの105です
作中すぐ片方壊すか失くすかするので二刀流というイメージ薄いかもしれませんがw
あと腕やら足やらストライクダガーやダガーLのパーツごちゃ混ぜという設定もありますが
ダガーはどれも似たようなものなんでそう深く考えることもないかと

製作理由やら細かい設定はまとめ二話の最後に載せてもらってます
オリが増えてきたら1ページに設定纏めたほうがいいかな?
334通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 19:47:58 ID:???
つまり105のボディにソードカラミティのバックパックみたいな感じですか?
335通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 20:22:17 ID:???
今更ながらですべの人へ
貴方のやりたいやり方でOKです

^^^←こうすると這い寄る混沌が笑っているにも見え無くもない
336通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 22:51:56 ID:???
職人の皆様、収拾が付かなくなったら、アレを持ち出すとよろしいですよ

ド■■■■■■■(検閲されてますねぇ)
337種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/04/26(木) 02:17:47 ID:???
>>334
そんなもんです(^^)
338通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 04:19:43 ID:???
ほっしゅ
339通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 15:50:14 ID:???
TV版ドラマCDのお話

黒天使「メタトロン、その二人は誰だ?」
白天使「っふ、前回のツンデレ計画、おもしろキャラ計画、どっちも失敗したが、これは我々の知識不足が敗因だ」
黒天使「まぁたしかに、だが、ではどうすれば・・・」
白天使「そこでだ、この二人に弟子入りしようとおもったわけだ」

イザーク「放さんか貴様らー!!」<ツンデレ
ディアッカ「グゥレイトォォオ!」<おもしろキャラ


・・・ごめん、俺文才無いわ、お話にできそうに無いのでここでギブ
340通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 18:24:08 ID:???
お父さん(パーパ)は、お前をそんな軟弱な子どもに育てた憶えはありませんっっっっ!
341通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 18:56:40 ID:???
ん、なんか一陣の風が通り過ぎたような
342通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 20:28:26 ID:???
イザークって覇道に捕まったら、確実に冥土修行をさせられそうなナ
343通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 22:24:38 ID:???
344通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 22:26:33 ID:???
白浜町きめぇ〜、普通に引くわ
345通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 22:36:56 ID:???
クトゥルフスレじゃ飽きが来るほど既出だったが、はてデモベスレじゃどうだったか
346種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:20:13 ID:???
「うう……」
 眩しい。それが目を覚ましたティトゥス最初の感想だった。
「拙者は──っっ!」
 身体を起こそうと力を入れた直後、激痛が体中を駆け巡る。それに耐えつつなんとか上半身を起こして己の
身体を見渡せば、まるでミイラ男並の量の包帯が体中に巻かれていた。
 此処は何処だろう。頭上には変哲の無い天井と灯り、横を向けば一つの自動ドアと幾つか並べられた
簡易ベッドが見える。どうやら自分は今その内の一つで寝ていたらしい。脱がされたらしい服はベッド横の
小型タンスの上に畳まれており、鞘に収められた二本の刀も棚に立てかけられてあった。
「拙者は、助かったのか……何故」
「お、気がついたかい」
 部屋のドアが開き、見知らぬ若い男が現れる。顔にはニヤニヤと自信満々という感じの笑みを浮かべて
いるが、そこに軽薄さはカケラもない、変わった雰囲気を持った男だ。
「御主は?」
「ロウ・ギュールってんだ、ジャンク屋をやってる。んでここはオレ達の船『リ・ホーム』。ザフトとは別に
 ユニウスセブンの破砕作業をしてたんだが、その帰りにアンタを見つけてな。機体と一緒に回収したのさ」
 ロウと名乗った男はそう言うとティトゥスの傍に近付いてくる。徐々に覚醒し始めたティトゥスの頭は、
己が目覚める前どういう状況に居たのか思い出し始める。
「破砕作業……そうだ、リベル・レギスは!?ユニウスセブンは、地球はどうなったのだっ!?」
「いくつか破片が落ちてえらい事になってはいるが、地球はまだ大丈夫だよ。リベル・レギスってのはあの
 赤いデカブツだよな?アイツはアンタが乗ってたデカイのとユニウスをぶっ壊してすぐ消えちまったよ」
「そうか……助けていただいた事、感謝する。名乗るのが遅れた、拙者は」
「ティトゥス、だろ?聞いてるよ。それに、正確に言えばアンタを助けたのはオレじゃない」
「何?」
 その言葉でようやく、ティトゥスはロウが事情に通じ過ぎている事に気付く。何故この男は自分の名前や
リベル・レギス、はては皇餓を操っていたのが自分であることまで知っているのだ!?
「貴様、一体何も」
「ワンス・アポン・ア・タイム・インジャッパァァァァァァンッッ!」
 ティトゥスの問いは、扉の向こうから聞こえてきた大声とギターの大音量に遮られ……直後、開いた扉から
特大の大音量が放たれた。
347種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:22:02 ID:???
「『こちら浦島、任務はなんなんだ』『救出任務だ』『誰を?』『亀だ』『……なんだって?』
 かくして作戦通り亀を助けた浦島太郎は竜宮城に潜入、性欲を持て余しつつ乙姫ごと玉手箱搭載式
 二足歩行戦車を破壊した!任務を終えた浦島はクローンの宿命、急激な老化で衰えていくも次の戦いに
 向かうのであった」
「待たせたなロボ!」
「…………(通夜のような沈痛な面持ち)」
 現れた■■■■とロボッ娘に呆然とするティトゥス。
「フン、何を呆然としているであるか逆十字。御主を見つけ回収してやったこの我輩に、さっさと惜しみない
 感謝の言葉を捧げ……ぬおおお純潔で醜悪な儀式が蘇り胸に深く突き刺さるゥゥゥゥゥ!?」
「おお〜惜しいロボ、もう少し左なら命中だったロボ」
 エレキギターを掻き鳴らしながら部屋に飛び込んできたウェストに、迷い無く放たれる折れた刀。
折れて尚剛性を失ってはいなかった刀は彼の心臓を僅かに逸れてギターに突き刺さり、彼の胸に達する寸前、
紙一重で止まる。遅れて部屋に入ってきたエルザが、製作者の身の安全など心配する素振りも見せず
その鋭い一撃を淡々と評価した。
「き、貴様ーーっ!拾ってやった恩人にいきなり!いきなり仇を叩き付けて来るとはーっ!胸に刃物を
 プスッ♪と刺されるのが我輩唯一の死亡フラグだと知っての狼藉かーーーーっっ!?」
「ロウ・ギュール、この船に良からぬ悪霊が取り付いているようだ。ちと手荒くなるが、祓って良いか?」
「まあまあ、落ち着けよ二人とも。お互い積もる話もあるんじゃないか?」
 この混沌とした状況でも平然としているロウ。ティトゥスは正直この■■■■と関わりたくないと
思ったが、流石にこのまま無視を決め込むわけにもいかなかった。
「……ドクター、何故御主等までこの世界におるのだ?」
「フン、それはこちらの台詞である。おっ死んだ筈の貴様が何故生きていて、しかもこんなところにいるので
 あるか?人の話を聞きたいならまずそちらの話を聞かせるのである」
 相変わらず傲岸不遜な態度だが、それが本当にこの男があのドクターウェストであるという確信を持たせる。
溜息を漏らしながら、ティトゥスはウェストに事情を説明した。死んだと思ったらこの世界に
飛ばされていた事、それまで培った全ての魔術を全て失っていた事、既にこちらに来て二年が経過している事、
紆余曲折の末ユニウスセブン落下に居合わせ、思うところがあり皇餓を無理矢理召還して落下を阻止しようと
した事、等々。
「フン、アンチクロスの貴様が地球を守ろうとするなどとは、かつての御主を知っている人間としては
 信じられん話であるな」
「まあ、そうであろうな。とりあえず拙者の事情は話した、次はそちらの番だ……色々と聞きたい事も
 あるのでな」
 クトゥルーが召還され、滅ぶ寸前だったあの世界。自分が死んでからあの世界がどうなったのか、ティトゥス
とて興味が無いわけではない。ただそれを知ることはもはや出来ぬと諦めていただけだ……今の今までは。
348種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:23:51 ID:???
「よかろう、我輩も男同士で交わした約束を違える気はない」
 ウェストはティトゥスに、彼が死んでからの事を語った。アンチクロスが滅した筈の、マスターテリオン
の復活。更に彼がクトゥルーを贄として行った邪神、ヨグ=ソトースの門の召還。その門の中に消えた
マスターテリオンを狩り倒す為、そして数多の異界へと繋がる門から新たな邪神達の出現を食い止める為、
戻ってこれるかすらどうかも分からぬ門へと突入していった、魔を断つ剣──大十字九郎とアル・アジフ、
デモンベイン。彼等が突入して暫く後、ヨグ=ソトースの門は閉じ世界に平穏が戻った事。
 ──そして門が閉じて一年が過ぎようとしても、彼等が未だ世界に帰還しなかった事を。
「腹立たしい!実に腹立たしいのである!我が宿敵とあろう者がたかが数千世界に飛ばされた程度で戻って
 こないとは!これはライバルである我輩への侮辱、挑発、挑戦、敵前逃亡と受け取った!」
「ああ、ダーリンの居ない世界なんて、エルザには夜も眠れず昼寝するくらい辛いものロボ……ダーリン、
 カムバーーック!」
 それまでの説明も色々とややこしい内容と語り口調で要点を汲み取り辛かったが、ここにきてヤケ気味に
ヒートアップまでし始めたウェストにいい加減ティトゥスはウンザリだった。
「成程……で、御主は今何故ここに居るのだ?拙者のように突然飛ばされたか?」
「否、否である!予想通りの安直な発想をしよってからに。我輩は自力でこの世界へやってきたのであーる!」
「何?」
「この我輩が、この大!天!才!ドクターウェストがこれ以上待たされるのは御免であーるっ!ということで、
 別の世界に跳んだ大十字九郎らを追う為、我輩は更に一年かけて遂に、遂に人類初の大快挙っ!異世界
 異次元並行世界パラレルワールド、ありとあらゆる世界を自由自在に跳躍して移動する装置、名付けて
 『跳躍装置ヨーグ=ルトソースたん〜原材料:砂漠のホワイトタイガー〜』を完成させたので
 あーーーーるっ!」
 その言葉にティトゥスは驚かざるをえなかった。単なる瞬間移動や空間転移ならともかく、隔たれた
世界を渡るなど魔術ですら為し得ない領域だ。ウェストの科学力は認めてはいた(性格はともかく)が、
真逆そこまでの領域に辿り着いていたとは思わなかった。これは素直に賞賛に値することである。
「エラそうに言ってるけど、結局失敗ロボ。出発前夜にアーカムシティで最後の大暴れをしようとしたら
 破壊ロボのドリルをぶつけて壊した上に誤作動、こんな世界に飛ばされてしまったロボ。しかもいきなり
 宇宙空間に出るわ空気は無いわ、ロケットの推進剤は入れ忘れてるわ、オマケに漂流者を一人拾って
 タダでさえ少ない空気が更に減るわ、ロウに拾ってもらわなかったら確実に博士は死んでたロボ。
 まあロボットのエルザは空気が無くても博士が死んでも大丈夫ロボけど」
「エルザァァァァァァァァァッッ!?」
 ……訂正、やっぱりコイツ唯の紙一重な■■■■だ。
349種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:26:02 ID:???
「分かった、もう良い。とりあえず大体のところは理解した……あの世界は、救われたのだな」
「……うむ、それは間違いない事実である」
 ティトゥスは安堵する。あちらで己がやってきた事への罪悪感か、望郷の念か、安堵する理由は自分でも
よく分からない。だがそれでも己の生きた世界が残っていることを知り、世界を滅ぼしかけた男は頬を僅かに
緩ませた。
 ウェストとエルザがそんな自分を狐に摘まれたような顔で見ているのに気付いて、ティトゥスはコホンと
咳払いして表情を引き締めた。
「まあ良かったじゃないか、同郷の人間に会えて。やっぱり誰も自分の事を知らない世界なんて寂しいもん
 だろうからな」
 話が纏まったと思ったのか、それまで傍聴者に徹していたロウがティトゥスの背をポンと叩いた。瞬間
走った激痛にティトゥスが表情を苦悶に歪め、気付いたロウはバツの悪い顔で謝罪した。
「ああ、ワリィワリィ。怪我してんのすっかり忘れてた」
「お、御主な……」
「そのそそっかしさは問題であるなロウ・ギュール。貴様のメカニックとしての腕は我輩も認めるところ、
 我輩のように落ち着き払い静まった海のような心を持てば我輩までとは行かずとも更なる栄達が望めよう」
 いや、お前だけには言われたくないから。その場の二人&一体の思いが一致した瞬間だった。
「さて、ティトゥス。我輩貴様にもう一つ聞いておきたいことがあるのである」
「む?」
「……あの紅いリベル・レギスはなんなのであるか?」
 沈黙が部屋に落ちる。皇餓ごとユニウスセブンを一撃で破壊した鬼械神、それは本来のリベル・レギスを知る
ティトゥスやウェスト達は勿論、詳しい事を知らぬロウにさえ驚愕と恐怖を与えるに十分な力を示した。
「拙者にも詳しい事は分からぬ。分かっているのはアレに乗っているのは大導師ではないことくらいだ」
「ほう、その根拠は?」
「あれの乗り手の名乗りを聞いた。『I am Providence of evil』、あやつはそう名乗った」
「フン……『我は邪悪なる神意なり』であるか?気取った輩であるな」
 不機嫌そうに吐き捨てるウェストに、ティトゥスはふと思いついた言葉をポツリと漏らした。
「……この様にも取れるのではないか?『我は邪神の意なり』とな」
「っ!邪神、であるか」
 ウェストが驚いたように目を見開く。『邪神』、彼等の中でその言葉にはロクな思い出はない。
350種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:27:24 ID:???
「それともう一つ伝えておきたい事がある……リベル・レギスが現れる前、拙者はプラントで
 ウェスパシアヌスが造ったと思わしき人間魔導兵器と刃を交えた」
「ぬぁにい!?」
「確証はない。だがメタトロンやサンダルフォンには遠く及ばぬ代物であったとはいえ、あんな物を造れる
 輩を拙者はウェスパシアヌス意外に知らぬ。それに偶然拙者が飛ばされた世界で、偶然人間魔導兵器に
 似通った兵器が造られたなどとは、出来すぎだと思わぬか?」
 そう思うとウェスト達が此方に来たのも偶然とは思えなくなってくるが、流石にそれは勘繰り過ぎだろう、
■■■■だし。
「今思えば奇妙な事だ。此方に飛ばされた拙者、ウェスパシアヌスが造ったと思わしき魔導兵器、そして
 真紅のリベル・レギス……我等の世界に関係するものがこうも次々とこの世界に現れる……まるで何者かに
 意図されているかのようだ。それこそ神のように強大な力を持ち、尚且つ狡猾な存在に……まあ、現状では
 何も分からんのが正直なところなのだが」
「……全く、これだから我輩は魔術関係が好かんのである。厄介且つ面倒極まりない」
 忌々しげに言うウェスト。元々科学至上主義な彼は魔術関係がどうにも好かないのだ。とはいえ魔術理論を
科学で制御し活用、転用する機転や応用はちゃんと利く。むしろ科学でもって魔術を製する事こそ、今の
ウェストの目的の一つである。
「まあ良い。拙者は大十字九郎を追う為、こちらで何とか跳躍装置を造り直してオサラバするだけである。
 この世界がどうなろうと、我輩の知った事ではないのでな……で、貴様はどうするのであるか?」
 ウェストはティトゥスに問う。元はアンチクロスであり、悪逆非道の限りを尽くしたティトゥスはこれから、
どうするのかと。
「……さて、な。もはや魔道に未練は無い、人として剣の道を極める事が我が唯一の目的……だが、未だに
 拙者はそこに至るどころか、進むべき道すら見えぬ有様……」
 それだけ言って、ティトゥスの言葉は止まる。しばしの沈黙の後、ウェストは大きく溜息を付いた。
「長話が過ぎたのである、我輩は破壊ロボの調整に戻るとしよう。エルザ、行くである」
「了解ロボ。まあせいぜい養生するロボ」
 ウェストは真っ直ぐ振り返ることなく、エルザは軽く手を振りながら部屋を後にする。それを見届けて、
ロウもまた部屋の出口へと足を向ける。
351種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:29:37 ID:???
「まあオレには詳しい事はわかんないが、とにかく此処はオレ達の船だ、遠慮はいらないからゆっくり
 休んでくれ」
「心遣い感謝……ロウ・ギュール、最後に一つ問いたい」
「ん?」
「拙者の持ち物の中に、本が一冊無かったか?」
 ロウは少し怪訝そうな顔をした後、首を縦に振った。
「いや?オレは見てないな。アンタの私物は其処に置いてあるのだけだった筈だが……失くしちまったのか?」
「いや……引き止めてしまってすまぬ」
 首を傾げながら部屋を出るロウ。一人だけになった部屋で、ベッドの上のティトゥスふと右手を広げ、掌に
目を向ける。
「屍食、教典儀……」
 そう無いのだ、死食教典儀が。ロウが嘘をついているとは考えにくい、そんな素振りは無かったしそもそも
そんな事をする理由が無い。と、なるとどういうことか。無理な手順で召還を行った影響で消滅して
しまったか、もしくはロクな使い方をしない持ち主に愛想を尽かし、何らかの方法でティトゥスの元から
消えたか……魔導書ならば、在り得る話だ。
 ただ確実なのはティトゥスはとうとう、長年歩み続けてきた魔道との接点、そしてその象徴とも言えるあの
魔導書と完全に袂を分かったという事実のみ。
「……くっ」
 掌を強く握り締めるティトゥス。後悔は無い、むしろ魔道を捨て人の道を歩む事こそが、今のティトゥスの
本懐。それに偽りは無い。
 だが、長年道を共にしたモノとの決別に一抹の寂しさが去来する事実を、ティトゥスは否定しなかった。



「博士、結局どうするロボ?」
 リ・ホームの通路を歩くウェストと、後ろから付いて行くエルザ。エルザの問いに、ウェストは答えない。
「エルザは大丈夫だと思うロボ。今のティトゥスはブラックロッジに居た頃と随分感じが違うロボ。人間
 変われば変わるものロボね」
「フン、分かっているのである。元々あれはアンチクロスの中でも結構な変わり者であったしな」
 不貞腐れているような口調でそう言いながらウェストは白衣の内側に手を突っ込み、そこから結構な
厚みを持つ本を取り出す。
「……まあ今後ゆっくり様子を見て渡すかどうか決めるとして、とりあえず設計図は引いてやるのである。
 ロウ・ギュールにも手を貸してもらうとするであるか。せっかくの上質な素材である……前の世界で
 試せなかった理論も使って、我輩の技術を持ってして、最高の作品を造ってやるのであーーるっ!」
 その本はまごうことない、魔導書『死食教典儀』であった。
352種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/04/30(月) 01:36:20 ID:???
俺にギャグのセンスは無いようだこんばんわorz
ウェストの台詞考えるだけでSAN値が下がる。やっぱ難しいなと感じつつ、
今回は比較的早く書きあがったかな

ティトゥスとウェスト接触、そしてロウ顔出しの巻
前回Δを省くと言う話をしましたが、実はそれによりディアゴ(レッドフレームMJパクった人)が
存在抹消されたためレッドフレームは奪われてませんw
あとアストレイ分を入れはしましたが結局ロウやジェスの登場回数ははそんなに多くならないことに
なりそうです、期待してくれた人居たらゴメンね

後凄く今更ですがですべのひと氏、自分は書きたいものがあるなら書いちゃえばいいじゃないと思いますよw
自分の書きたいように書くのが一番だと思いますし、細かい調整がしたいならまとめwikiでやってしまえば
いいかと。自分も一読者として期待しております(^^)

とりあえずあんま寝てないので寝ます、GWでも仕事はあるがな〜
353通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 02:16:19 ID:???
GJJJJ−−−−!!

>最高の作品
皇餓のデモぺ仕様(基幹技術はMS準拠、動力は核でなく魔力炉)を造る訳ですね
354353:2007/04/30(月) 02:24:32 ID:???
>皇餓のデモぺ仕様

正確には皇餓をモデルにしたスーパーウェスト無敵ロボ28号アストレイか?

通称は鋼我?

おそらく60ガーベラが2本装備してたり
355通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 14:56:52 ID:???

デモンベイン・オーガか……。

問題は、屍食経典儀の魔道書としてのランクが限りなく低いって事かなぁ。
あれ、基本的には食屍鬼と繋がりがあった異端教団の経典でしかないし。

まあ、それ言うなら地球皇帝陛下の金枝篇はもっとアレで、
ブライアン・ラムレイで正義の味方御用達な水神クタアトは、かなりの高ランクになるが。
356通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 15:06:54 ID:???
魔道書の格ってのは書かれていることだけで
決まるモノじゃないんじゃ無いかな。
昔は本に注釈、メモ、修正を直接書き込むこともよくあったみたいだし、
鬼械神呼び出せるような魔道書は何人もの手を経て
そんなモノがかきこまれた代物かも知れないし。

そうでなきゃ金枝篇が逆十字まとめ役の魔道書になってたりとか、
最強の魔道書が書かれてたかだか1500年に満たないアル・アジフなのも
説明付かないし。
357通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 15:47:00 ID:???
何はともあれ性欲をもてあます浦島太郎スネークに吹いた。GJ。
358通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 16:35:47 ID:???
とりあえずティトゥスは、魔道の代わりに戴天流を修得すればいいさ
359通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 16:45:13 ID:???
俺は人神機の歌詞で吹かせてもらったぜ
360通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 19:45:10 ID:???
逆十字氏GJです

>胸に刃物を プスッ♪と刺されるのが我輩唯一の死亡フラグ
これで謎が解けたっ!打撲・銃創・無敵ロボの自爆その他いろいろなダメージを受けても
ウェストが平気だったのはフラグが立ってなかったからだ!
361通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:06:20 ID:???
>>358
しかしあれは並外れたシスコンでなければ真の極みには到達できない流派だ
362通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:07:50 ID:???
じゃあ地球皇帝に刺されたとき昏睡状態になったのはフラグかすめたからか
363通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:13:00 ID:???
>>361
ガイア、アビス、カオス、3体にそれぞれ
1/3に分割されたマユのコピーが入っているという展開?
364通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 22:00:40 ID:???
>>363
これを見て、ザフト製ガンダムタイプ全部にコピーしてあの話を再現とかアレなのを連想シタ。
ガイア+ステラ→戦闘人格限定で鞭のおねーさん
アビス+アウル→最初にやられたのでサイバーグの人
カオス+スティング→武器的にラスボスに切られる人
ストフリ+キラ→ハッカーなので蟲毒の人
レジェンド+レイ→親友なのでラスボス

[最低SSスレ]  λ......
365通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 00:48:56 ID:???
>>361
それはギャグで言ってるのか?
ホントに原作でそう設定されてるんなら、寧ろシンが習得すべきだな。
まあ、極められそうなやつはガンダムシリーズにはいっぱいいるけどな。
366通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 01:57:12 ID:???
シャアにジュドーにシーブックにゼクスに…

妹がいてなおかつシスコンじゃないのって、ハサウェイくらいじゃないの
367通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 03:32:31 ID:???
シーブックってシスコンか?
368通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 12:45:04 ID:???
>>367
とりあえず嫌ったり憎んだりしてないが、
そういう描写も無いな。
369通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 12:54:02 ID:???
まあ、妹残して恋人と海賊家業とか、
指名手配されてるから本名その他隠して小さな町でパン屋さんとか、
普通シスコンには出来ないよな。
370通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 18:35:48 ID:???
子供も出来たし
371通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 21:57:24 ID:???
シーブックの代わりに

つクロノクル・アシャー
372通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 09:31:40 ID:???
ティトゥスがロリコン疑惑で凹む瞬間を心待ちにしてるぜ。

現状だと、

オーガ→アイオーン
西博士新作→デモンベイン

って事になるのかねえ。
373通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:41:25 ID:???
それにしてもデモベ死 ◆iKdtJFeM4o氏消えたな
そんなにあのアンチ?ぽい奴に作品の悪口言われたのが堪えたのか?
あんな奴以上に氏のSSを待ち望んでいることを忘れないでほしい、
とりあえず生きてるのなら報告だけでもしてほしいんだが、何も言わずに打ち切りは勘弁してくれ

374通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 14:03:34 ID:???
>>373

邪神乙
その程度の煽りで、俺達が旧神の帰りを待つのを諦めるとでも思ったのか?
375通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 15:53:39 ID:???
待て、逆に考えるんだ。
デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2=デモベ死 ◆iKdtJFeM4oなんじゃないかと考えるんだ
376通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 16:52:28 ID:???
まあ妥当なとこだと受験→引越し→新生活とかで
忙しいんじゃね。もしくは■■■■■■■(検閲されました)
の仕業
377通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 16:53:56 ID:???
>>375
その発想は無かったわwww
378通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:11:53 ID:???
デモベ死 ◆iKdtJFeM4oはもう帰って来たけど俺らが気がついてないだけなんだよ。
デモベ死 ◆iKdtJFeM4oにさよならを言わないと
379通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:30:43 ID:???
デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2=デモベ死 ◆iKdtJFeM4o説
言われてみればこの二人、なんとなく似てる気がしないでもない
380通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:45:27 ID:???
西博士はやっぱ■■■■■■■■■■でも関与できない存在か?
まさかこんなキ○○イに計画狂わされるとは納得できんだろうさ…
381通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:46:22 ID:???
■■■■■■■自重しろ
382通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:43:12 ID:???
>>379
待て、それはニャル様の罠だ
383通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 11:18:31 ID:XeqUP0MX
セラエノ断章にネクロノミコンの記述の一部(クトゥグアとか)を書くと
その力も使用可能?
384通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 11:48:22 ID:???
>>383
書く人がシュリュズベリイ先生みたいな人外なら使えるかもな。
普通の人が書いてもB級ホラー小説になるだけかも…
385通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 17:51:32 ID:???
記述の内容がネクロノミコンを介して足されるから
葉月の服に赤リボンの「アクセント」ぐらい足されるかもしれん
386通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 19:34:49 ID:???
>>383
 書いた人がどれだけ記述を理解していたか、にもよるんじゃないか?
 言葉面を追って書いただけならただの落書きだと思う。
387通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 01:27:57 ID:???
記入者が記述を理解してなくても
情念をこめて書けば服装が変わるかもね

え〜、お客様の中に看護士、学生に深い思い入れのある方はいらっしゃいませんか?
388通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 01:40:11 ID:???
魔導書にコスプレさせるのが好きな変体探偵なら知ってるけど
389通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 01:47:56 ID:???
>>383

内容を理解した人間が内容を関連付けて書いたということを前提に言うなら、
セラエノ断章とネクロノミコンを基にした新しい魔道書が生まれるんではないかな。

そうでなく、単なる覚書を足した程度なら、普通の私家版っつーか、バージョン違い程度の差が生まれるだけなんじゃないかね?

つーか、そもそも、同じ魔道書なら同じ精霊が生まれるって決まったもんじゃないだろうし。
まあ、似てはいるんだろうけどな……アルアジフと血液言語版くらいには。
390通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 12:40:52 ID:???
どんだけ外見変わっても貧でロリなのは変わらぬとな。あと声も


あ、でもそういえば機械語写本も貧でロリだったな。イラスト
391通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 18:15:33 ID:???
>>389
そのバージョン違いでどれだけの差違が生まれるのかが気になるな
バージョンが0,1上がるだけで板金鎧が追加されちゃったプテラノドン思い出した
392通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 22:06:10 ID:???
そういや金枝篇だったかの精霊は元から周りに影響されやすい性格だったから、
結構簡単に服装を変更できそう。
393通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 01:03:09 ID:???
>そうでなく、単なる覚書を足した程度なら、普通の私家版っつーか、バージョン違い程度の差が生まれるだけなんじゃないかね?

書の調和が乱れてバグ持ちに成る事も(格が落ちたりとか)
394通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 20:04:43 ID:???
この板のプロキラスレにナイ神父が出現した
395通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 20:29:06 ID:???
糞餓鬼が精霊召還したら服が中途半端にスケスケになってるよ
396383:2007/05/09(水) 09:12:19 ID:???
情報ありb
397通常の名無しさんの3倍:2007/05/09(水) 10:14:26 ID:???
半月ぶりに来たら種死逆十字が更新されてる〜。
非常に遅ればせながらGJであります!
西博士、自力で(?)来たんですか^^;
さすがやり方によっては旧神になるお方だ。
きっとティトゥスの反応速度に合わせたメカを作ってくれるに違いないと期待。
しかし、ティトゥスが拾われたのはリ・ホームでしたか。
もしロウからウン・ノウ爺さんの話を聞いたりしたら、どう反応するのだろうか?
どっちも剣士だし、MS日本刀で切ってるしw
398270:2007/05/11(金) 03:57:18 ID:???
269さんが元ネタのカナロアと御大のクロスが出来上がったので投下します。
399通常の名無しさんの3倍:2007/05/11(金) 04:04:21 ID:???
わぁい
400270:2007/05/11(金) 04:05:27 ID:???
オーブ本土東側の高知がすぐそこに面していて平地が無く人の手がさほど届いていない海
岸沿い、鬱蒼とした奇形の木々の葉が地面に日の光を届く事を拒む、黒々とした気配を漂
わせる森を背後にして立ち並ぶ絶壁にただ一つ、禍々と歪に湾曲する口を潮の満ち引きに
応じて開いく天然の洞窟が穿たれていた。

荒波に削られゴツゴツとしながらも、海水に濡れて何かしらの生々しさを携える光沢の
付いた岩肌をした、蝙蝠すら寄り付かない奥深くまで続く危機感を孕む闇を貯めた蛇行す
る悪路を奥へ奥へと進んでいくと、やがて広大な空洞が広がる場所に行き止まり、空気が
腐敗しているかと思わせる生臭い異臭がヘドロの如く堆積するそこの入り口の対面、吐き
気を催す有毒な緑色の光を放射する湖の殆ど砂の無い沈泥が岩の上を薄く覆う濃い緑色の
泥地の水際よりやや手前にある盛り上がった岩の突起物―――明らかに何者かによって加
工された台形の岩、というより祭壇―――が言いようの無い異様さを漂わせて立っている。

この祭壇に似た突起物が何者によって拵えられたのかは定かではないが、ここが間違い
なく忌避されるべき禁断の領域である事は明確だった。

しかしつい最近になって、この洞窟はある特定の神を信仰する教団の者達が儀式か集会
もしくは何かを行なう為にひっそりと使用するようになった。

文明の光の届かない星々が幽かな光の揺らめきに乗せて悪意ある囁きを交し合う闇夜の
帳の中、空恐ろしさの湧く寒々とした魔的で生臭い死の匂いを立ち上らせる波音に混じっ
て教団の者たちが密やかに洞窟に入っていくのを、もし目撃したなら全身を包み隠すフー
ド付のマントを巻きつけるように着込んだ彼らの手に携えられたか細げな懐中電灯の灯り
で知る事が出来るだろう。

彼らはここら一帯の地域で信仰されているカナロアと呼ばれる神を祀る者達であり、
また同じ信奉者の中でも特に熱烈で病的なまでに信仰する者達の集まりである。

手に携えた頼りない灯火を頼りに、彼らは暗く濡れて滑りやすい蛇行する悪路を覚束無
い足取りで奥へと入っていく。

開けた場所は既に信者で埋め尽くされており、広場は湖から放射される粘着質な悪意の
ある緑色の暗澹とした光で滲むように浮かび上がっていた。

信者達は地面に膝をつけ頭を垂れ、口の前辺りで両手を組んで祭壇に向けて祈りを捧げ
ていて、祭壇には一つの石像が置かれていた。
401270:2007/05/11(金) 04:06:00 ID:???
その石像は七インチから八インチの間程度の高さで、一体どのような経緯を持って存命
していたのか判断付きかねない太古からの物だという事は明らかであり、執拗なほど精緻
に彫刻された小像は常人なら吐き気を催すほどグロテスク極まりなく、古ぶるしさの雰囲
気に混じる奇怪で恐ろしげな気配は博物館などで目にする古代の遺産などに見られるもの
と同種の物でありながら遥かに凌駕する空恐ろしい景観を強烈にほのめかし、今なお息づ
く古代の残り香を付着させていた。

蛸にも龍にも人間にも石像の姿は似ついていると同時にどちらとも甚だ異なっていた。

触腕の付いた締まりのない弛んだ頭部に、蝙蝠に似た未発達な翼と胴はゴム状の鱗で覆
われており、前脚と後脚には巨大な鉤爪を備えた怪物の石像は湖の緑色の光に照らされて
いるからか、怖気のする生気を帯びているように見える。

推測するに、この石像がカナロアだという結論に辿り着くが、人間の信仰する神がこれ
ほどまでに悍しいモノなのか。

まるで光あれと創造された世界を踏み躙るような、身の毛もよだつ不気味な神は、果た
して本当にカナロアなのか。

少なくとも、信者達にとってこの石像は間違いなくカナロアなのだろう。

信者達の祈りが続く中、石像に似た両生類めいた生物の姿が刺繍された何とも冒涜的な
飾り付けの装いをした神父風の男が石像の置かれた祭壇の前に立ち、うやうやしく両手を
像において既知の言語には当て嵌まらない奇妙で謎めいた言葉を朗朗と喋り始めた。

同時に信者達は暗く鬱な詠唱を陰の篭もる淡々とした声色で唱え始めた。

この冒涜的で悍しい集会に参加する信者達が正常な精神を保持しているかは疑わしい限
りで、理解しがたいその信仰の片鱗を耳にしたなら、その狂わしく呪わしい内容に誰もが
忘却というあまりにも当たり前で最良の選択をするはずだ。

世の理の裏側に潜む吐き気の催す外道の知識が告げる恐怖の数々―――ほんの少し小突
けば常識というシャボンは弾け、無知という楽園は泡沫と消えて安楽椅子の悪夢と変わる。

この洞窟は今、楽園と悪夢の混じりながら鬩ぎ合う陽炎の如き境界線上に立つ弥次郎兵
衛に等しい。
402270:2007/05/11(金) 04:06:44 ID:???
そんな中に居ても信者達は口元で組んだ手を強く握り、不浄の空気が満ちる雰囲気の中
で一心の祈りを捧げていた。

ここに集まった信者達の半数は家族か身内、もしくは友人か恋人が軍役に身をおいてい
る者で、激化する戦況の中に飛び込まなければならない親しい者達の無事を祈るためにこ
こへと集ったのだった。

彼らは例え尋常ではない教義の宗教に属して影を孕んでいるとしても、まだ引き返す事
が出来るおおよその一般的な者だった。

そしてもう半数。彼らは奇妙な風貌の―――蛙や魚を彷彿とさせる両生類めいた人間だった。

額は狭くて鼻は平べったく、長く厚い唇の張り付く肌理の粗い青白い肌は縮れた黄色い
毛が疎らに生え、目は腫れぼったく潤んでいて、耳は異常に発達の遅れた形をなし、首筋
には妙に深くたるんだ皺がある。顔の表面は皮膚病か何かしらの病気にかかったがために
皮がむけたようにところどころ調和が取れてなく、大きいが指の異常なまでに短い手は血
管が盛り上がっており、如何にも不健康そうな土気色を帯びていた。

儀式は経過と共に熱気を増し、清濁の秘められた陰気な詠唱も加速的に大きくなっていく。

愛する物の無事を願う祈りと悪意の有る汚らわしい者達の祈りが入り混じって同じ神に
向かって捧げられる光景は滑稽そのものであった。

そんな光景を神父風の男は何とも愉快そうに眺めていた。

亀裂が走ったかのような口を吊り上げ、容貌の後ろに立ち込める悪意有る闇の気配の中
で燃える三つの眼を揺らしながら。
403270:2007/05/11(金) 04:07:19 ID:???
この集会が行われていた同時刻、オーブのとある病院で産まれた一人の赤ん坊が死んだ。

赤ん坊は産声を上げる事無く、変わりに身の毛がよだつ言葉を常識を超えて死ぬ寸前ま
で呟き続けた。

その声は水の中で喋ったようにくぐもっていて、おおよそ人間の声帯が発せられる音と
は思えないような声で、この声を聞いた分娩室にいたもの全員は数日に渡り身の毛のよだ
つ景観と生物の悪夢を数日間にわたって見続けて精神を病んでしまった。

赤ん坊の声を出来る限り文字で表すと次のようになる。

ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うがふなぐる ふたぐん

―――ルルイエの館にて死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり

予兆は既に現れ、前触れは密かに潜み、気配は漂い、警告は告げられた。

しかし無知なる人間は水に浮かぶ泡のようにまどろみ続け、人知を超える恐怖の来訪者
はその触腕を無知という名の平穏な島へ伸ばしてしまう。

それは何者も逃れるすべの無い暗黒の到来した狂気の帳。
それは倒れ臥して果てるまで苛む絶望の夜。
だが、光はあった。
404270:2007/05/11(金) 04:07:55 ID:???
海の底に陰惨な歴史と事件で結ばれた昏い因縁の残る、日本の千葉県の海底郡にある地方都市の夜刀浦。

戦時中は怪しげな実験が行われていたという飯綱製薬の敷地内に位置する飯綱大学の旧
図書館に、ラバン・シュリュズベリィとハヅキとその学徒達は居た。

シュリュズベリィの顔には苦々しげな皺が彫られている。

「―――諸君、ここ最近での<深きものども>の活動が著しく顕著であることは言うまでもない。
インスマスは勿論、世界中で彼らの集会は開かれ、一般のニュースや新聞にさえ彼らの
活動が掲載されるほどだ。
これは明らかな異常である」

「博士、これは彼らの中で何かが起きようと、もしくは何かを起こそうという計画が進
行しているという事でしょうか」

「うむ。憶測の域は出ないがフェラン君が言ったとおりだろう。
ホルバーグ准将からの情報によれば、軍内に潜伏する多数の<深きものども>が良から
ぬ動きを見せているらしい。
どうやら軍の上層部は<深きものども>と何らかの取引を行っているらしいのだが、残
念だが我々では軍という巨大な組織に対抗する事は例え覇道財閥の力を借りたとしても無
謀といってもいい。
それにホルバーグ准将は我々と繋がっている事を敵に知られてしまったらしく、焦った
声で滞在していたホテルに直接電話でこの情報を伝えてきた」

「じゃあ准将は……」

キーンが恐る恐る訊ねた。

「……もう<深きものども>の手にかかっている筈だ。
諸君、我々に残された時間は限りなく少ない。
准将の話を聞くに、数日後に迫った『オーブ開放作戦』において何かしらの事態が高確
率で発生すると予想される。
これまでの<深きものども>の活動の規模を考えるに、おそらく今回引き起こされる事
態は人類の存亡に関わってくるものだと私は考えている。
我々はこの未曾有の事態に対処すべく、ミスカトニック大と覇道財閥にて物資を補給し
た後にオーブへと向かう。
諸君、覚悟の程は良いか!」
405270:2007/05/11(金) 04:12:17 ID:???
シュリュズベリイの凄味の有る問いかけに、学徒達は微塵の迷いも無く頷いてみせる。

彼らの決意をシュリュズベリィは頼もしく感じた。

確かに人類は強壮たる旧支配者たちの前では脆弱で虚弱でしかないかもしれない。

だが一人一人の胸の内に宿る小さな炎―――圧倒的理不尽に直面したとき、絶望に対抗
する意思は限りなく無力ながらも絶対的に存在するのだ。

これまで眼球のない双眸でシュリュズベリィは数多くの生徒にそれを見てきた。

そして今目の前にいる者達も絶望に抗う意志を持っているのだ。

ここでふと、ある二人の顔がシュリュズベリィの脳裏を過ぎった。

「どうしたのダディ。突然笑ったりして」

ハヅキが指摘したとおり、シュリュズベリィの顔には微笑が浮かんでいた。

「いや、何でもないよレディ。ちょっと思い出しただけだ」

「何を?」

「大十字君とウェスト君のことだ」

「ああ、あの碌でもない二人ね。
ウェストは頭が可哀想だったし、九郎は講義中にカップ麺食べてるし。
ホントおかしな人達だったわ。
でも、どうしてこの二人を今になって思い出したの?」

「今この二人がここに居たらどんな事を言うだろうな、と思ってな」

「そんなの決まってるじゃない。
ウェストは最初から最後まで騒いでるだろうし、九郎はきっと後味がどうとか言って付いて来るでしょう」

「うむ。まさにそうだな」

この二人を顧みるに、どちらとも程度の違いこそあれ、個性的な気質を持ち合わせていた。
九郎は魔術に通ずる者としては珍しい陽性の心を持っていたし、ウェストに関しては語る必要も無いだろう。

九郎とウェスト。この二人は今何処で何をしているのだろうか。

406270:2007/05/11(金) 04:13:19 ID:???
「まあ、この二人のことだし、元気でやってるんじゃない?
もしかすると、またウェストは捕まってたりしてね」

かもしれないなと苦笑したシュリュズベリィだったが、弾かれたように視線を下に向けた。

シュリュズベリィの鋭敏な魔術的感覚が真っ先にそれを捉え、次いでハヅキが気付いた。

図書館の床の裏側、地面の奥に通る下水道の内部を巨大な原形質状の物体が進んでいる
かのような言葉に尽くしがたい音が響き渡っている。

地面に張り巡らされた暗い水路、その奥で蟠る異臭の漂う闇と共に到来する何かがいた。

「今回は奴らの方から仕掛けてきたか」

脳髄を凍結させるほどの恐怖と悍しさを伴って、呪わしい音が徐々に大きくなってくる。

「決して倒せない相手ではない……が、苦戦は必至だろう。
戦うのは得策ではない。
全員、直ちに蜂蜜酒を服用し外に集合するんだ。
この場を離脱する!」

シュリュズベリィの号令に学徒達は瞬く間に外に集合した。

既に飯綱大学周辺には異臭と瘴気が充満しており、地上は空に詰め込まれた黒い雲によ
って海底のように暗くなっている。

「全員揃ったな。
準備は良いかレディ?」

「勿論よ」

「よろしい。では―――機神招喚!!」

シュリュズベリィの声と共に魔術の超理論が瞬く間に刃金を構築し、幾重にも連結して
やがて一つの形を成す。

鋼の巨鳥がその姿を現した。

学徒たちを巨鳥の背に乗せて飛び立った直後、マンホールの蓋を突き破ってそいつが現れる。
407270:2007/05/11(金) 07:35:30 ID:???
しかし既に鋼の巨鳥は超音速の域に速度を達し、人間の眼では視認出来ない距離にまで
離れていた。

そいつは獲物を逃がした事を知ると、身体を引きずって本来いるべき次元へと還っていった。

後には破られてひしゃげたマンホールの蓋に、マンホールから幽かに聞こえてくる悍し
い残響と異臭が残されていた。


+++


C.E.71/6月15日―――大西洋連邦はアスハ代表が要求を拒否した事によって
『オーブ開放作戦』を発動し、オーブへの武力侵攻を図った。
戦況は連合を脱退したアークエンジェルと無事帰還したキラ・ヤマトの搭乗するザフト
の核エンジン搭載新型機『フリーダム』の加勢とオーブが極秘開発していたMS『M1ア
ストレイ』を実践投入、さらにザフト新型機『ジャスティス』に乗ったアスラン・ザラが
参戦するも連邦の物量という戦力差による圧倒的有利は覆しようもなく、連邦が投入した
連合の新型GAT‐Xシリーズ『フォビドゥン』『レイダー』『カラミティ』によってオー
ブ陥落は目前になっていた。

To Be Continued……
408270:2007/05/11(金) 08:01:48 ID:???
久しぶりにSSなんか書くとすげぇ時間がかかったわorz
これじゃあ続きが書き上がるのにどのくらい時間がかかるのやら……
409通常の名無しさんの3倍:2007/05/11(金) 08:46:44 ID:???
GJ! 冒頭の御大風文体が最高にイカス
410通常の名無しさんの3倍:2007/05/11(金) 15:54:56 ID:???
GJ
411通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 01:37:01 ID:???
GJ

しかし、夜刀浦と来たか……。
412通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 14:34:51 ID:???
GJ

ところでウエスト博士をブラックロッジにスカウトしたのって大導師さま直々だったよな
もしかして大導師様は邪神があまり干渉できない科学サイドからの邪神への対抗策としてウエストを引き入れたのか?
結構ウエストに対して甘かったし、アルの断片探しをさせたのもそういうものに対する耐性とか知識をつけさせるためで
なんだかんだ言ってもデモンペインも初期デモンベインとほぼ互角だったし
413通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 14:40:42 ID:???
GJ。雰囲気が素晴らしい。


>>412
案外色々と気に入ってたのかもな。
ひょっとしたら一番初めのデモンベインも西博士謹製だったのかもしれないし…
414通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 16:21:10 ID:???
ミスカトニック大卒というステータスに騙された説

…ほら、最近じゃヤのつく自営業も大卒でないとなれないらしいし。
415通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 17:43:26 ID:???
>一番初めのデモンベインも西博士謹製だったのかもしれないし


スーパーウェスト無敵ロボ―中略―アイヲーン?
416通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 18:13:31 ID:???
ゲームバランスの調整のためでしょ
序盤は程よく強力でマヌケな敵として九朗のレベル上げ
後半はテリオンの死後逆十字を抜けるからデモンベインの緊急修理やバックアップに
何週してもテンション高い博士たちを見ているのもそれはそれで暇は潰せるとおもってたかもしれんが
一応マスター直々にドクターのことは高く評価していると言ってるからそれなりには認めてたかも
417通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 21:28:27 ID:???
まあ能力だけなら紛うかたなき人類最高峰の頭脳の持ち主だからな…
418通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 22:00:42 ID:???
さすがに無限ループで疲れ果ててるのにさらにある意味無限ループなお方を敵に回したくなかったんじゃ…
無限回アレを相手にするのは精神的にキツ過ぎる気がする。
419通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 23:18:39 ID:???
覇道側に付いても、鋼造の死後に放り出されるかと
一般的に役立つ所を見せなきゃね
420通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 23:41:32 ID:???
デモンベインと言う、××××の力を借りたい機体が有るうちは、放り出せないんじゃないかな? 対アンチクロスを考えると得難い××××ですし。
某Cの威圧感に何とか耐えた対魔道システムとか、博士が居ると便利そうな箇所は多いかと……チアキの胃に穴があきそーだなとは思いますが。
421通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 00:16:50 ID:???
一般的に役に立つさ、能力は。性格はともかくエルザのAIはあの世界でも
ありえないくらいの性能だし、身体のほうもアンチクロスと渡り合える性能、
こんなデタラメなロボットつくれるし、トイリアニメーターの修理速度を数十倍にも
できるからな。どうやってやる気にさせるかが問題だけど
422通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 02:05:46 ID:???
デモンベインの建造に大きく関わったのはエイダだからなぁ。仮にウェストを
雇って二人でデモベの建造・強化をやったとしたら…。

ゴリアテと破壊ロボのあいの子な姿のデモベを想像しちまった。
423通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 06:21:52 ID:???
ゴリアテの頭にドリルつければそれっぽくなるんじゃね?
424通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 10:04:50 ID:???
気になってるんだが、ゴリアテの甲板ってどこだ?
肩(に突っ立ったパネル)か? それとも後頭部か?
客船並みの収容力があるって言ってたけど、実は横から見ると
船、あるいは列車みたいにある程度奥行きがあったりするんだろうか?
425通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 13:14:07 ID:???
ttp://www.nitroplus.co.jp/pc/gallery/img/060804.jpg

普段は上半身?は仰向けなんじゃね
426通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 14:19:10 ID:???
変形するんだろ
427通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 15:34:52 ID:???
今更なんだけど>>1のまとめサイトって全然更新されてないよな?
他にまとめサイトって無いの?
428通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 20:12:43 ID:???
次のループからこっちを入れよう

ガンダムクロスオーバーSS倉庫
http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage
429通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 20:19:03 ID:???
>>428
サンクス
430通常の名無しさんの3倍:2007/05/15(火) 22:37:42 ID:???
しかしいつ見ても赤い翼のデモンベインは良い
心が洗われるようだ
431通常の名無しさんの3倍:2007/05/16(水) 09:42:34 ID:???
しかし読みすぎると磨耗するかも試練
432通常の名無しさんの3倍:2007/05/17(木) 22:33:55 ID:???
クトゥグアガンダムとかハスターガンダムとか変な設定を考えてSS書こうと思ったけど
機体性能考えるの面倒すぎたのでパス

あんまり強くすると鬼械紳と変わらなくなってしまう……
433通常の名無しさんの3倍:2007/05/17(木) 23:01:31 ID:???
ハスターガンダムに乗るのは間違いなくディアッカ。
デュエル→決闘
イージス→盾
ブリッツ→電撃
バスター→暴風
434通常の名無しさんの3倍:2007/05/18(金) 19:16:42 ID:???
だがハスターガンダムだとEVOLVEのハスターとかぶらないか?
435通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 10:57:50 ID:???
ガンダムアンブロシウスにすれば問題ない。
436種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 14:52:08 ID:???
 軌道エレベータ『アメノミハシラ』。その中の豪華な内装が整えられた一室で、艶やかな黒髪と
漆黒の瞳を持った美女がモニターを注視し続けている。
 ロンド・ミナ・サハク。オーブ五大氏族の一つ、サハク家の当主。だが現在はオーブとは距離を取り、
サハク家主導で造られていたアメノミハシラを掌握してその主となっている。
 とはいえその影響力は未だ健在、更に連合やザフトすらそう簡単に寄せ付けないアメノミハシラの戦力、
そして彼女の駆る『ゴールドフレーム天』の力から、オーブ影の軍神、影の女神と称されるほどの人物である。
 その彼女は己の執務室で、『ユニウスの魔神』の出現からユニウスセブンが砕けるまでを記録した映像を
繰り返し何度も眺めていた。
 モニターの中にいる銀色の巨人と紅い巨人……その力を目の当たりにする度、ミナの眼は鋭さを増し、座り
込んだ椅子の手すりを強く握る。コンコン、と扉をノックする音が響いて、ようやくミナはモニター
から視線を外した。
「なんだ?」
「ルキーニ様がお見えです。如何致しましょう?」
「ルキーニが?……分かった、通せ」
 告げられた名に眉を顰めつつ、扉の前に待機させていた忠実な部下に許可を出す。ドアが開き、オーブの
旧式軍服を来た無表情な少年と、左右に尖った変わった髪形をした人相の悪い男が入ってきた。
 ナチュラルに反抗できぬよう遺伝子操作されて生まれた戦闘用コーディネーター、ソキウス。そして裏の
世界でその名を広く知られた情報屋、ケナフ・ルキーニである。ソキウスはかつて縁あって『三人』が
サハクの兵となり、ルキーニは最近ある人物から追跡されていたところをミナに客人として招待され、
これ幸いにとアメノミハシラに身を寄せていた。
「どうしたルキーニ、情報漁りに忙しいお前が直接顔を出してくるなど珍しい」
「ちょっと小耳に挟んだ事があってな。アンタに直接確認したくてね」
「フ……良かろう、座れ」
 ソキウスが退室し、テーブルを挟んで座るミナとルキーニが視線を交差させる。数秒の沈黙の後、
ルキーニが話を切り出した。
「『天空の宣言』を中止するらしいな」
「流石に耳が早いな」
 『天空の宣言』とはミナが近日、全世界に発信する予定だった声明で、その内容は単純ではあるが
難しいものだ。
 「全ての人類は他者の理念を妨げない範囲で己の信念に従い、自由に生きるべきである」という言葉を
根幹に置き、連合やプラントを含む国家或いは組織等は他者に主義・主張を押し付けてはならないもの
であるとする。そしてそれはあくまで強制ではなく、しかし賛同したものにサハクは援助を行うという旨。
 それを近日発表する──その予定だった。
437種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 14:54:11 ID:???
「自分の居る場所の動向ぐらい把握しておくのは当然だ……しかし、急な話だな。何故だ」
 ルキーニの問いにミナは答えない。とはいえ彼の中でおおよその答えは分かっていた。ここに来たのは、
ミナの口から直接答えが聞きたかったからだ。
 ミナがその意思を曲げることになったであろう、決定的な理由──それはルキーニ自身、認めることを
戸惑う非常識な出来事だった故に。
「ルキーニ、お前はあの『魔神』を見てどう思った?」
 やはり、とルキーニは胸中で溜息を付いた。『ユニウスの魔神』、やはりそれがミナの決意を動かしたのだ。
「……我と死んだ兄弟ギナ……ロンド・サハクはかつて力こそ全てだと思っていた。アスハを、奴の理念を
 笑い、絶対的な力を持つ優秀な者が弱者を支配することこそ理だと考えていた……それこそが真に
 オーブを繁栄させる正しい道だと信じていた」
 ルキーニの質問には答えず、ミナはまるで関係ないような事を語りだす。その表情はいつもの妖艶な
笑みだが、どこか悲しみと懐かしさを綯い交ぜにした、儚い微笑だ。
「だがギナを失い、そのギナを倒したロウ・ギュールに出会い、我は己の考えが唾棄すべきアスハの考えと
 何も変わらぬ事に気付いた。結局は、己の考えを民に押し付けるだけの身勝手な傲慢に過ぎぬのだと
 いうことに……そして、国を形作り繁栄させていくのはあくまで、そこに住まう民達自身であることに」
 ミナの語る言葉をルキーニは珍しげに聞いていた。ミナがどういう考え方でどういう道を進んでいるかは
ルキーニも知っていた、このように本人の口から直接聞くのは始めての事だった。
 ちなみにルキーニ自身は決してミナの理想に共感しているわけではない。彼はどのような思想にも
一長一短があることを理解しているし、そもそも個人や国の思想がどうであっても知った事ではない。
 己の操った情報で世界を動かす事──良くも悪くも、ルキーニにはそれが全てだった。だから今現在の
世界を変えようとするミナに興味を持ち、お互い利用しつつ勝手に行動している。ただそれだけのことだ。
 まあ思想に絶対的なものがないのはミナも理解しているのだろう。その上で、彼女はこの道を選んだのだ。
「全ての根幹たる個人個人が自由に生きる事が出来る社会……その実現の為に私は尽力を惜しまぬ。
 時間はかかるだろう。解決していかねばならぬ問題も多い……だがいつか、我が生涯をかけて
 成してみせる。我が代で成せぬとも、未来に繋がる種は撒いてみせよう。その決意は今も変わらぬ……
 だが、そうも言っていられなくなった」
 ミナの表情がガラリと変わった。唇は一文字に引き締まり、顔中に緊張が見て取れる……ルキーニが
始めてみる表情をしたミナの頬に、一筋の冷や汗がきらりと流れ落ちた。
「白状しよう。私はあの魔神がユニウスセブンを破壊した様を見て、恐怖した。それも、その異形や
 力にではない……あのようなモノが『存在するという事実そのもの』を認めたくなかった。あれが、
 恐ろしかったのだ」
 どこか落ち着きのない、切羽詰ったように聞こえるミナの言葉。ルキーニはそんなミナに驚きつつ、同時に
納得もしていた。顔にこそ出さないが、彼もまた似たような感情を覚えた一人であったからだ。
「初めてだ、我がこれほどの恐怖を感じたのは……不覚にも震えたよ、この我がな。
 そして、その時我は根本的な事に気付いた。人は支配される事よりも、自由を阻まれることよりも……
 何よりもまず『恐怖する事』を恐れるということに」
438種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 14:56:37 ID:???
 そう、それはヒトに刻まれた、最も単純な防衛本能のようなものだ。
 僅かな恐怖にすら人はそれを避け、忌み嫌い、排除しようとする。ナチュラルとコーディネーターの
争いも、ある意味その一つだ。奴等が牙を向く前に殺してしまえ、また攻撃してくる前に殺してしまえ。
殺られる前に殺れ──互いに疑い、恐れているからこそ、その存在が許せないのだ。
 ──だが『本当の恐怖』と対峙した時、人はそれに抗う事が出来るだろうか?一体どれだけの人間が
『絶対的な悪意』と向かい合った時、屈服せず、隷属せず、己の自由意思を貫けるというのだろうか?
「あの怪物に思い知らされた気分だ──人知を超えた不条理極まる力の前では、人間の半端な力など、
 所詮何の意味も持たぬということをな……あのようなバケモノが世に存在すると分かった以上、
 悠長に個人の自由を尊重している場合ではない」
 悔しげにミナは神妙に目を伏せる──が、次に目を開いた時その瞳にはもう迷いはなく、逆に
燃え滾るほどの決意に満ち満ちていた。
「今必要なのは自由ではなく、あの絶大なる脅威に対する為世界が、人類が一丸となって纏まる事だ。
 それも早急に、次にアレが現れる前に──それが、我の結論だ。『天空の宣言』は今行っても、
 ただ無用な混乱を呼びそれを遅らせるだけにしかならん」
 いい終わり口を閉ざすミナは、ルキーニを見据える。ルキーニはボリボリと髪を掻きながら、ミナの
言った事を頭の中で組み立て直していた。
 ハッキリ言ってしまえばタチの悪い冗談のような話だとルキーニは思う。あんな夢のような存在、
実際に見た人間ですら信じられるものではない。そんなものを恐れ、その為に世界をまとめ、対抗する?
なんと馬鹿馬鹿しい。誰も賛同なんかしない。不可能だ。
 だがミナの言う事が大げさではないと訴える奇妙な確信も、ルキーニの心中にはあった。
「……で、結局『天空の宣言』は諦めるのか?」
「馬鹿を言うな」
「……なに?」
「延期するだけだ。我の決意には何の変化もない、ただ過程が変化したに過ぎぬ。全て終わればまた
 機会を伺って行う……その時になって我が考えを変えていなければ、だが」
 その台詞を聞いて、ルキーニは笑いを堪える事は出来なかった。なんのこともない、何が起きてどんな事を
しようと、目の前に居るのはロンド・ミナ・サハク以外の何物でもないのだ。そもそも馬鹿馬鹿しい、
誰も賛同しない、不可能というのなら『天空の宣言』も似たようなものではないか、何を今更。
「ククク……流石はロンド・ミナ・サハク。そうでなくては俺も面白くない」
「お前にもこれから働いてもらうぞ、ケナフ・ルキーニ。これから何をするにも情報は山ほど
 かき集めねばならんのだ……裏社会最高の情報屋の手腕に期待させてもらうぞ」
 その後二人は己の感じ方や予測、想像を交えた様々な論議を、数十分に渡って語り合った。
 リ・ホームがアメノミハシラに近付いている事がミナに伝えられたのは、その最中のことだった。
439種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 15:00:39 ID:???
「やはり、連合との同盟は避けられませんか」
「だねぇ。流石に国家間によるユニウスセブン被害への支援体制ってのを名目に出されちゃね。
 対プラント戦力集めの方便って分かっていても、受けなきゃオーブは地球で孤立して終わりさ。
 この際下手に時間掛けて、余計に無理難題押し付けられる前に受けたほうが無難でしょ……開戦して
 一週間以内、待たせるにしてもそれくらいが限度かな」
「……また、戦争になるんですね」
 オーブ行政府、そこでアスランは現オーブ政権の一翼を担う氏族、セイラン家の後取りである
ユウナ・ロマ・セイランと面会していた。
 ミネルバがオーブに到着してすぐカガリとアスランは行政府に呼び出され、代表であるカガリはすぐ
他の政治家達と会議に入った。そしてカガリを待っていたアスランは会議終了直後、何故かユウナに
彼の執務室へと呼び出された。
 そこでアスランはユウナに、ユニウスセブンを落とそうとしたのがザフトのMSなのを既に連合が
知っている事、そして連合から地球の各国に同盟加入の申し入れが来ているのを聞かされた。
「しかしカガ……代表は納得されたのですか?正直あの方が納得するとは思えないのですが……」
「ん〜それなんだけど、確かにカガリは何度かゴネたよ。でも何度かしたら割とすぐ引き下がった。むしろ
 今までみたいにただ怒鳴り返すんじゃなくて、結構きわどい問題点を突いてきたもんだから驚いた。
 何も理解せずただ主張ばかり言ってる馬鹿共への問題提起にはなったんじゃない?」
「はあ……」
 どこか真剣味のないユウナにアスランは気のない返事を返す。元々アスランはユウナにあまり良い感情を
持っていない。セイラン家はオーブの中でも特に連合に傾向している事で知られているのもあるが、
アスランが気に入らないのはこのユウナがカガリの許婚であるということだ。常に飄々としている、
というかヘラヘラとしているユウナをアスランは真面目さがかけているよう思っており、そんな彼が
カガリが望んでも居ないのに彼女と添い遂げるのが気に入らなかった──同時にそれを止められず、
さらに護衛という道を選んだのに未だカガリを求め、ユウナに嫉妬する己自身への憤りも覚えていた。
「ところで、何故自分を呼び出してそんな話を?自分は代表の護衛です、そんな大したことない人間に
 一体何を……」
「確かに『アレックス・ディノ』はそうだろうね。まあ急がないで……これからが本題なんだよ」
 そう言った直後、それまで何時ものようにヘラヘラしていたユウナの目つきが変わった。外面はパッと見
変わりないが、その真剣な目が纏っている雰囲気すら一変させる。これまでのイメージとは違うユウナに、
アスランは一瞬息を呑んだ。
440種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 15:04:09 ID:???
「確かにオーブは連合と同盟を結ぶ。でもそれはあくまで仕方なくだよ。地球での孤立を避けるためと
 他国への支援の効率化、そして連合にオーブを攻める口実を与えないためだ。でなけりゃあんな
 危なっかしい国と同盟なんてゴメンだよ、まあそんな国だから同盟でもしないとヤバイんだけどね」
「ムチャクチャ言いますね……ってユウナ様、連合寄りの人間じゃなかったんですか!?」
「あ、やっぱりそう思われてた?まあ父上がああだからセイランはそういうイメージ持たれてるってのは
 知ってたけどさ」
 にこやかな顔で笑うが、ユウナの目は笑っていない。いやむしろ、余計に真剣さというか、
熱が入ったような──
「確かに単に国として見るなら嫌いじゃないよボクは。今のオーブがあるのは連合の支援やあそことの
 貿易ルートあってのものだし、現大西洋連邦大統領のコープランド氏は政治家としても人間としても
 なかなかだしね……ただ、連合の裏にいるブルーコスモスとかはダイッキライなんだよね」
 ユウナの顔からとうとう笑みが消える。その声はどんどん低くなり、握った両手に力が強く
篭っているのが分かる。
「ああいう身勝手な連中が一番行動が読みにくい上に迷惑なんだ。連中のテロがオーブで何度あったと思う?
 その被害額はどれくらいだと思う!?あいつらは利益もクソも考えずにただコーディを殺したいだけ
 なんだよ!んな得もないクサれた道楽になんでボクらが付き合わなきゃいけないのさ!?そんな連中が
 蔓延してる国を警戒しないわけないだろ、それが当然だよねぇ!?」
 ヒートアップし語気まで荒くなったユウナに、アスランは呆然とした顔で首を縦に振るしか出来なかった。
これまで培ってきたユウナのイメージ、その大半が崩壊した瞬間だった。
「……失礼、取り乱した。ま、まあそれは置いておいて。つまり攻められないための同盟なんだ、前の
 ようにこの国を焼かれない為にね……けど、だからといってザフトに攻められちゃ本末転倒なワケなんだ」
 ユウナの心配は一般的に見れば尤もだ。オーブのすぐ傍には地球上におけるザフトの最重要拠点、
カーペンタリア基地がある。連合とプラントが再び戦争状態になれば、連合と同盟を結んだ場合オーブは
どう見てもプラントの『敵性国家』だ。カーペンタリアからの攻撃がオーブに及んでも何の不自然もない。
「ですがデュランダル議長は良識ある方です、むやみやたらに攻撃を仕掛ける人では……」
「まあ内面はどうあれデュランダル議長が見た目そういう人物なのは認めるけどさ、それじゃ確証も
 何もない。ともかく、プラントとの関係もあまり悪くしたくない。それも連合に知られる事無く
 極秘裏にね。と、いうわけで」
 一度声を止め、ユウナはアスランを見据える。開いた口から、ようやくアスランを呼んだ本題が告げられた。
「君にオーブの特使としてプラントに赴き、デュランダル議長にオーブからの書状を渡した上でオーブの現状を
 説明してもらいたい。それも『アレックス・ディノ』としてではなく、『アスラン・ザラ』としてね……
 引き受けてもらえないかな、アスラン君?」
441種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 15:06:48 ID:???
 オーブ近海のアカツキ島にある、マルキオ導師の孤児院。住人達こそシェルターに守られ無事だったものの、
ユニウスセブン落下による津波でここも大きな被害を受けていた。
 流された住居の残骸や倒れた木々を見て嘆く子供達。その中に二人、周りの子供からかなり歳の離れた
少年と少女が居た。その目は悲しげに、広がる惨状を見つめている。
「どうして……こんなことが起きてしまうんだろう」
「キラ……」
 キラ・ヤマトとラクス・クライン──かつて大戦を終結に導いた者達の中心に立っていた二人は互いの身を
寄せ合い、その瞳の悲しみが、ほんの少し和らいだ。
「これは酷い、なんという有様だ」
 二人の背から、よく通る低く渋い声が上がった。二人が振り向いた先には、黒衣を纏った黒人男性が
顔に手を当て大げさに嘆いていた。
「まさかこんな事になろうとは……ここだけでなく、世界各地で多くの被害と死者が出た事だろう。神は
 時として、人には厳しすぎる試練をお与えになる。ああ神よ、貴方はなんとむごい仕打ちを……」
「……そうかもしれません。けれど神父様、私達はそれを乗り切らねばなりません。生き残った私達には
 やるべき事がある……神様はそう仰っているのではないでしょうか?」
 悟ったような口調でラクスが語ると、『神父』と呼ばれた男は伏せていた顔を上げた。
「そうかもしれないね。私が今日ここにマルキオ導師を訪ね、運良く危機を乗り越える事が出来たのも
 神の思し召しかもしれない。感謝しなければな、神に……そして君達に」
「いえ神父様、僕達は何も……」
「いや、君達のおかげで目が覚めたよ。私の信じる神の為、私と同じ神を信じる同志たちの為、そして
 今苦しんでいる人々の為に!私はより一層奮起し、我等が神の道を民衆に伝え、迷える子羊に希望と
 救いを与えなければならない!それが卑しくも一宗教の長として私が成さねばならぬ事なのだァ!」
「あらあら、お元気になられたようで何よりですわ」
「そ、そうだねラクス、アハハ……」
 オーバーアクション気味に熱弁する神父にラクスは特に気にすることなく朗らかに笑い、キラは少々
引き気味に苦笑した。
「キラ、ラクス」
 そんな二人に声をかけたのは、現在二人の身を匿っている盲目の男性、マルキオ導師だ。彼が現れた途端、
子供たちは我先にと導師の傍へと駆け寄っていく。
「オーブ本国と連絡が取れました。少しすれば迎えが到着するそうです。荷物をまとめるのでシェルターへ」
 マルキオの言葉に二人は頷き、シェルターのある方向へ向かっていく。子供達も二人に付いて行き、
残った神父にマルキオは呼び掛けた。
「貴方も中へどうぞ、神父アウグストゥス」
「ええ、少ししたら……一服して参ります。その後でまた語り合いましょう」
「分かりました。では……」
 マルキオがシェルターに戻り、一人になったアウグストゥスは取り出した葉巻に火をつけ、強く吸い込む。
煙を吐き出し、開いた唇が閉じた時──その形は邪悪で下卑た嘲笑の形を取った。
「そう、全ては我等が『神』の為に……その復活の為に、いずれ君達の力を借りる時が来るだろう。
 『英雄』キラ・ヤマト、そしてラクス・クライン──『種』を持つ君達の力──その力こそ、
 神への供物に相応しい」



to be continued──
442種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/05/19(土) 15:07:47 ID:???
久しぶりにえらく時間かかったよこんにちは。
いや〜色々と立て込んでて結構遅くなりました、申し訳ない。

色々と改変しまくりつつ風呂敷を広げまくりの巻。正直いろいろやり過ぎた感がいなめない(汗)
んでもって地球皇帝登場!だがまだ地味、の割にはキャラ違うw
中身がモノホンかあの人かは……まあナイショってことで。
しかしここまでティトゥス出番ないのもどうなんだろ〜ね;

次回はいい加減ティトゥス主体の話です、まあ出だしはちょっと出番少ないかも( ̄  ̄;)
443通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 15:14:17 ID:???
リアル遭遇ktkr!ユウナ本編よりかなりかっこいいですな(そこかよ)。
しかもミナとか皇帝まで動き出して、「始まったな」って感じです。 GJ!
444通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 18:08:06 ID:???
いあ!いあ!待ってました〜
445通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 20:24:57 ID:???
このシリーズは、無印(R印の)アストレイ好きにはたまらん内容だな。
ユウナまで邪神の影響で『自分は何者で何をするべきか?』がわかっていて、
行動に一連の統一感があって、それだけでもGJもんです。

保守的な考えなのはかわらずとも分別はある。
けして良い人じゃないけど、悪い事してる弱者だってきちんと考えてる。
これ一つで小心者の奥行きが広くなるんですからねぇ…。

さて、地球皇帝まで出てくるとなると、
例の彼もどこぞこでギンギンになって待ちくたびれてる事でしょう。
存在そのものが年齢制限モノですが、逆十字最後の男がどう出るかも注目ですね。
446通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 20:26:29 ID:???
GJ!
遂に来たぞ来たぞ地球皇帝が!
さあ、何時あの姿を晒しだすのか、今から楽しみですっ!
 
ティトゥス……キ○ガ○相手、ガンバ
447通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 00:18:20 ID:???
地球皇帝
今、幸せかい?
448通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 02:27:03 ID:???
GJ!!
ナイ神父かと思ったら地球皇帝陛下のほうでしたか
彼の全人類に向けての演説を楽しみにしています
449通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 04:02:27 ID:???
い、いくら地球皇帝が出張ったってティトゥスへの愛は途切れないんだからっ
450通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 10:54:12 ID:???
>>448
実は、供物の筈のラクス(ナイア)に踊らせられただけだったりして
451通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 10:58:43 ID:???
そして、ラクスもまた、大きなループに取り込まれ・・・



不本意にも旧神めいた事をする嵌めに・・・orz(双剣みたく転んだ訳ではないが何故か)
452通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 12:11:22 ID:???
ラクス(ナイア)最大の誤算

フリーダムを修理してナイアを内包させたのに、インパルスにヤラれてしまい
代わりに用意したストライクフリーダムが何故か





四つ目だった・・・orz(普段は下から見上げてるので気が付かなかった)
何処で歯車が?
453通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 12:46:12 ID:???
地球皇帝wwwwwww

やべえ、アンチクロスの連中が世界中に散らばってるなんて。
これは正直結託してる時より厄介な予感
454通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 12:49:33 ID:???
>>453
協調性がないから、お互いに潰しあったり
455通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 13:03:56 ID:???
>>454
所詮は前座
456通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 18:10:05 ID:???
朕を前座と申したか
457通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 19:03:41 ID:???
しかし地球皇帝やアウグストゥスは頭回る方だから、この世界にも適応してるけど、あの基地外と脳筋はどこでどうしてるやら……
458紅い死霊秘法09  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 19:16:27 ID:???
「我は神意なり」
議長が書斎の本棚から一冊の本を抜き取り、一言呟くと本棚は厚みの分だけ奥へ移動し、今度は横へ
スライド、そこには壁はなく書斎からいづこかへ通ずる暗い道があった。

「こんな仕掛けがあったなんて……」
「驚くのはこれからだよ、シン・アスカ君。
気をしっかり持つことだ。とりこまれるかもしれない。」
懐中電灯を片手に真剣な表情で忠告する議長。
ごくっと喉を鳴らし、シンは本を抱きしめ、議長とレイに続いて暗い道を歩み始めた。

こつりこつりと三人の歩く音と、懐中電灯の明かりの中、シン達は黙々と歩き続けた。
道は完全に暗黒。唯一の光源がなければ十分宇宙訓練に使えるほどの空間だ。
怖くてやらないが、右に行こうと左に行こうと果てがないような気がする。
はぐれたりしたら帰れないとばかりに、レイにくっついてシンは歩き続けた。

いい加減不安に耐え切れなくなったシンは言葉を発する。
「あの、この道何処まで続いているんでしょうか、とっくに外に出ていると思うんですけど」
振り向きもしないままに、議長は答える。
「その心配は杞憂だよ、この道は内でも外でもない場所に繋がっているからね。
クラインの壷なのさ。表も裏も、入る場所も出る場所もないのだよ」
頭部に大量のクエスチョンマークが浮かぶシン。
「不安になるのももっともだが、大丈夫。今ついたからね」
暗黒の道を抜けた先には、五茫星が刻まれた扉があった。

議長はその扉に手を当て、
「第四の結印はエルダーサイン、脅威と敵意を祓い、禁断の知を封ずるもの也」
またも合言葉を唱える、たちまちの内に重々しい音と共に扉は左右に開かれていった。
中は書庫と呼ぶに相応しい、小さな書店が開けそうなほどに本棚が並んでいる。
古い本の放つ独特な異臭が鼻をつく、だがそれだけではない。目に見えずとも臭わずともなにも
物質が検出されなくとも、その書庫は何か言葉にできないようなものが空気に充満していた。
例えるなら瘴気とでも呼ぶべきものが。

「この書庫は、この本は……」
「魔導書だよ、若きメイガス。
君の本と同質の、触れてはいけないものを綴った書ばかりだ」
周りを見渡すだけで眩暈を起こしそうなナニカ、強大な圧迫感で視界すら歪んでしまいそうな
通路、いやもうとっくに歪んでいるのではないだろうか。

「このような書籍は本来プラントではなく、アーカムのミスカトニック大学に保管されていた。
いや……保管では不適当だね、そう封印されていたのだよ。わざわざ地球外に移送されてきた
理由はただ一つ。リスクの分散だ」
「分散……?」
「そう、仮に今、此処にある書籍が氾濫、暴走したとしても、核攻撃ひとつで綺麗に
消し去れるからね」
「なっ……」
本が外に出たくらいで、コロニーを消し去ろうだなんて。
459紅い死霊秘法09  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 19:17:26 ID:???

「此処にある本とて、ミスカトニック大学に封印されていたものの一部、一割ほどに過ぎない。
シーゲル様も一割ほどを管理していたが、今は私が代理人としてクライン家の地下から続く
書庫を管理させてもらっている。残りの8割は何処に保管されているかは私も知らない。
残りはミスカトニックにあるかもしれないし、地球のどこかにあるかもしれない。
あるいは火星に保管されているかもしれないし、他の評議員が管理している可能性もある」
議長は一度言葉を切ると、俺の瞳を覗き込んだ。

「シン・アスカ君、たかが本でコロニー市民を生贄にするなど正気の沙汰ではない。そう思うかな?
しかし地球全土、数十億の人間に災いが及ぶよりは、最大2千万そこそこの生贄でオカルトハザード
を防げると思えば安いものだ。それが数十年前のプラント理事国の決定だった。
その時代の評議会もまた、プラントの価値を高めると思えばこそ、その提案を受け入れた。
それが禁書がプラントにある真相だよ」
「ギル、そろそろ本題に入ったほうが」

「すまなかったね、レイやラウ以外に趣味を話せる知人が少なくてね、つい興が乗ってしまった。
君に見せたかったのは、そうこの書庫においてもっとも封じなければならないもの。
それは────ネクロノミコンラテン語版だ」
「はあ……この本の親戚でしょうか」
なんだか悲しそうな議長だった。
「研究者ならもう少し驚くところだったのだが。……仕方ないことなのだろうね」
きっと、なんだってーという反応を期待していたんだろう。自分の無知を呪ってしまう。
レイは視線だけで気の毒だと言わんばかりだ。優しさだけは受け取っとく。

三人は異様に長く感じる通路を端まで歩む、着いた先は、一つの本棚に一冊の書という妙な配置の
本棚。数秒してシンも気づく、これこそがこの書庫の最大の禁忌なのだと。

「これが件の書だ。この本を解読すれば、シン君の書への解明に一歩ちかづ───なんだと!」
言葉を紡ぎ終える前に、シンの持つ紅い書が分散し、嵐のように舞い散る。
昨日の契約と同じように少女の形を模ると思ったが、次に起こった現象は想像の埒外だ。
大切に保管してあったラテン語版までもが、中空に舞い上がり、その頁を散らし始める。
シンは猛烈に嫌な予感がした。なぜだか自分の持っていた書が、あの少女が何をする気か
おぼろげに分かってしまったのだ。

「わ、私のネクロノミコンが!」
もっとも貴重な封印物にして、最大のコレクションが紅い書の頁に巻き取られていく。
コーヒーに落としたミルクをかき混ぜるように、二重螺旋が収束するように、紅い書と写本は
一つに重なりあい、交じり合ってゆく。
シンはその光景を呆然と眺めた。もうどうしていいか分からない。
460紅い死霊秘法09  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 19:18:23 ID:???
「シン、とめろ! ギルを殺す気か!」
「俺にも止めらないんだって! 元から俺のいう事なんて聞く耳ないんだよ彼女は!」
「いいからやれ!」
「わ、分かったよ!」
大きく息を吸って───
「コラ! やめないか! 人様の物を漁るな!」
シンは絶叫した、生まれてこの方、妹が死んだ時以来の大絶叫だった。

───イヤ、私の勝手でしょ───

最悪だコイツ。なんとも思ってない。俺はご主人様じゃなかったのか。
サラダを食べるんじゃなかったのか?

───契約通りだわ、実に正当な行動よ───

「一言断ってからやれ! この馬鹿!」

───今度から考えておくわ、それともう遅いから───

なんということでしょう。数十年以上この書庫で封印されていた禁書は跡形もなくなり、
その場に在るのは真紅の人影、二冊の魔導書が模った、紅い少女にすり替わっていたのです。

「ごちそうさま、とっても美味しかったわ。流石は私のマスターね。たった一日で私を世界に
固定させてくれるなんて。私は不幸の星の下だと思っていたけど、なかなかどうして」

真っ白に燃え尽きていたギルバート議長は彼女の姿を認めた瞬間、残像でも発生させんばかりに、
少女に詰め寄り、挨拶を始めた。凄い立ち直りだ。
「始めまして、私の名前はギルバート・デュランダル。後ろの金髪の少年が息子の
レイ・ザ・バレルと申します。以後お見知りおきください。
不躾ではございますが、是非ともご尊名を伺いたいのです。偉大なる書の精霊よ」

「あら、話の分かるヒトもいるのね。ふふ、私のコトを知りたいのね。嬉しいわ、私のことを認めて
くれるニンゲンが居てくれるなんて。───それでは名乗りましょう。
私は生まれざる生命。
私は望まれぬ生命。
私は呪詛を血に宿す『書』。
私は怨嗟で綴られた物語。私は──」
「ネクロノミコン────
………ネクロノミコン……
ネクロノミコン、なんだったかしら」
ずっこけた。大丈夫かコイツ。
461紅い死霊秘法09  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 19:19:39 ID:???
「まあアル・アジフより産み落とされたることに変わりはないわ」
「なるほど、それでは貴女は如何なる目的を望まれるのです?」
いいのかなあ、まるで議長がコイツの手下みたいだ。昨晩ならいい奴かなあって思ってたのに……

「私が私として完璧になること。私は欠けているの。断章が地球圏のどこかに紛失している。
そのせいで、私も力と記憶が欠けているのよ。断章集め、手伝ってくれるの? ギルバート」
「是非とも」
「ええええええええええ!」
即決ですか!?

議長、もしかしてロリコンの気があるのか、それどころかブックフェチ? 魔法少女効果もプラス?
レイ、どうなってるんだ───って降参のポーズで首を振っている。お手上げってコトなのか。
「とりあえず議長に謝れ、この馬鹿!」
「許してくれるギルバート?」
「もちろんです、ミスネクロノミコン」

プラントの明日はどっちだ。


つづく。
冒涜の剣さんの図書館描写に圧倒されて以来、手をつけてなかった。
自分ではああうまくかけなくて、場面が被って落ち込んで以来、離れてました。
放置しててすみません。
462通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 19:26:50 ID:???
おつかれさま


シャアとギルの最大の違いはロリコンか否かだったのに
463通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 19:27:37 ID:???
どれだけ遺伝子は変えられないってことだな
464通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 20:15:58 ID:???
投下乙です。

強引にマイウエイな彼女と、残像が残りそうな速度で詰め寄った議長に吹いたw
トンにロリコン、ブックフェチ、魔法少女好きとか思われてますが、
仮に一つとか該当してなくても、えらいカミングアウトぶりですねw
465通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 20:17:18 ID:???
作者氏GJ&帰還感謝!

タカビーな紅朔と根暗オタかつロリな議長・・・・・・
シンが苦労人に見えてきたのは俺だけなのか?
466通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 20:33:28 ID:???
おふた方ともGj!
やっぱ面白いわ

所で>>457、それ両方若元
アヌスと間違ってるよ……


そう言えばエンネアはどうするんだろ?
467紅い死霊秘法10  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 20:45:38 ID:???
シンたち3人は、一人を加えてリビングに戻っていた。議長がとびっきりの紅茶を淹れてくれる。
あまりの張り切りようにレイは情けなさそうだった。
「あら美味しい、見事ねギルバート」
「お褒めに預かり光栄です」
我が魔導書に文句をつけようにも、議長の手前言い出せない。

「とりあえずさ、断章集めってどうすればいいんだ?」
「アザトース反応や怪異を追いかけて、私と一緒に行動してくれればどうにかするわ」
「ふーん」
どうにも要領を得ない。これだけ好き勝手振舞えるなら、自分ひとりで行動できそうなものだけど。
「せっかく形を保てるんだから、この世界を愉しまないと損よね。手伝ってねシン」
「いやだ」
「お兄様、お願い」
「まあ仕方ないかな」
なんだよレイ、どうして議長に向けてた視線を俺に変更するんだよ。

「ねえギルバート、戸籍とか身分照明とか、シンの住んでいる場所へのフリーパスとか、
お金とか、もろもろ用意して欲しいのだけれど」
「わかりました」
ぎちょう、それでいいんですか。

結局、夕食までご馳走になってしまった。議長は料理まで美味しかった。
元々俺を招いた時点で作るつもりだったらしい。久しぶりにレイと一緒の食事で喜んでいた。
血は繋がっていなくても、素晴らしい親子であることは見て取れた。今は亡き、家族との団欒を
思い出し少しホームシックになったのは内緒だ。

「さて、形も保てるし、おなかも一杯だし、今日のところは帰るわ」
「ギル、先に言っておきますが、外出ならともかく外泊は寮の規則に引っかかってしまう」
「むう、残念だね」
「帰るって何処に?」
「決まってるでしょシンの部屋よ」
「……男子寮なんだけど」
「気づかれないから問題ないわ」
「俺はシンのところではなく、この家に寝泊りすべきだと思う。歩く怪異がアカデミーにあるだけで
歪みを引き寄せる可能性がある。この家ならば一種の結界となりプラントへの影響は少ない。
「素晴らしい提案だレイ。いかがでしょうネクロノミコンの精霊よ。この家にホームステイする
というのは」
「嬉しいけど、契約なの。シンがまた夜が怖くて震えていたら、可愛そうでしょう」
「ぶっ、ちょ、だまれこの」
「あら酷い、隠すの? 昨日の夜はあんなに強く私を抱きしめてくれたのに、ベッドで一晩中
私の体が砕けそうになるほどしがみついていたのよ」
「シン、お前という奴は───知り合って一日もたたないうちにそんな行為に及ぶとはな、
しかも栄えあるアカデミーの男子寮で………見損なったぞ」
「規律をこうも容易く破るとは、なんらかの罰則が必要になるかもしれないね」
「誤解です! 事実無根です!」
食後の一時は騒がしく過ぎていくのであった。
468紅い死霊秘法10  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 20:46:04 ID:???
「それではお世話になりました」
「何かあったらすぐに知らせてくれたまえ、出来る限りの援助を約束しよう」
「ギル、またシンと来ることになると思う」
「身体に気をつけるのだよ、レイ」
「さよならギルバート、またね」
「またお会いできる日を楽しみにしています」
三者三様の別れを述べ、アカデミーへの帰路についた。

住宅街を歩きながら、シンは余りにも浮いた彼女の服が気になりだした。
「……お前その格好何とかしてくれ」
「なあに? センスあるでしょ」
「俺達は何者に見えるかなあレイ」
「15歳になるかならないか不明な少女に、いかがわしい服を着せて住宅街を二人がかりで
連れ回している」
「という訳で、その寝巻きみたいな服をなんとかしてくれ」
「欲情した?」
「俺は年下は対象外なんだよ。妹がいたんだ」
「もう手間がかかるわねえ。そうね貴方達が卒業したらもらえる軍服、あれならどう?
あれなら及第点ね」
「ザフトレッドの女性軍服か、じゃあそれにしてくれ」
「分かったわ」

分かったというが早いか、彼女の服が解けて───解けて!?
「この馬鹿! 道の真ん中で脱ぐ奴があるか!」
「シンは本当に可愛いわね、恥辱プレイがお好みなのかしら」
とりあえず背を向ける。この喋る本の暴走をなんとかしてほしい。本当に。

「いいわよ」
振り向くと、そこにいたのは裸の、ではなくて、立派にザフトレッドを着こなした少女だった。
スカートではなくズボンなのでパイロットバージョンのようだ。帽子だけは以前のまま、
これだけは譲れないご様子。
……なぜだろう、モビルスーツに乗りたいと我が儘を言うネクロノミコンを容易に想像
できてしまった。そんな日が来ないことを切に願おう。
「せっかくこの格好になったのだから、貴方達の軍事兵器を操ってみたいわね」
「もうかよ!!!」

拝啓、お父様、お母様、マユ。お兄ちゃんはこれから大変そうです。
469通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 20:46:28 ID:???
エンネアがいたら拙いって




旧神が来ちゃうよ
470紅い死霊秘法10  ◆XGuB22wfJM :2007/05/20(日) 20:47:08 ID:???
漫才を繰り広げながら、シンたち一行はようやくアカデミーまで戻ってきた。
「はあ、今日はもう寝るよ、流石に疲れた。レイはどうする?」
「俺は彼女と話したいことがある。先に休んでくれ」
「……人に迷惑かけないようにしっかり監視しといてくれよ、それじゃあまた明日」
「おやすみシン。また明日からよろしくね」
シンは無言で去っていった。返事する気力も尽きていたようだ。
「本当に可愛いわね、それでレイ・ザ・バレル、私に話って?」
「談話室に移動しよう」

などという会話を背中越しに聞き、後ろ髪を引かれる思いであったが、それでもシンは睡眠を
選択した。もう寝むりたい。精神的疲労が激しすぎた。



久しぶりに安眠した、あくる朝───ルームメイトの悲鳴で目を覚ましたシンは、部屋中が
粘着質の正体不明の液体、黄色いゼリーを存分に塗りたくられた、悪夢のような光景を
目の当たりにするのであった。



つづく。
471通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 22:40:41 ID:???
GJ、お疲れ様でした。
最近更新がないなー、と思っていた頃に2種類のSSが投下、幸せな気分になりました。

>種死逆十字
アウグストゥス登場、野心家の彼が戦力を蓄えないわけがないので、ウェシパシアヌスと既に組んでいるのでしょうね。
ということは未発見の逆十字級2人(3人)はティトゥス、テリオン、ネロの3人なのかな。

そしてついに前作主人公&ヒロインが登場、しかし今回はいい様に改造されそうな雰囲気、期待です。
472通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 01:29:28 ID:???
紅ネクロノミコンキタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!
静かに続きを待ち続けてきてよかったー。
お帰りなさい&GJ!!
これからも楽しみにしてます
473通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 06:19:53 ID:???
原作終了後のエンネアの基本姿勢、旧神の巫女
原作終了後のテリオンの基本姿勢、我関せずor九朔ウォッチ
どっちも協力しそうにないな、ちょっとした語らい程度ならともかく
474通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 18:01:31 ID:???
御二方GJ
475通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 21:36:40 ID:???
お帰りなさい
父の特殊な趣味に苦労するレイ
紅朔の行動にハラハラするシン

うん、原作より分かり合えそうな気がします
苦労とか心労とかの方向でw
476通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 22:23:49 ID:???
いや、シンは紅朔の義兄様発言に無条件で従ってしまうことが発覚してるし、レイの苦労が増すんじゃないか?
まあ、友人が魔導師であることが発覚した次の日にもう粘液まみれにされてる辺り、紅朔のオモチャにされてる
感はあるな。
477通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 00:17:45 ID:???
なんとなく九朔がラクス側につきそうな気が。
478通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 00:25:56 ID:???
お兄様と呼ばれてデレるシンと騎士として戦うわけですね。

だが正直、騎士マニアって言うか潔癖症な感じのする九朔が一ヶ所にいつくのも
何となく想像できんな。
479通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 01:16:03 ID:???
>>477
歌姫の騎士団に入るってか
480通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 01:57:25 ID:???
九朔ならラクスの目の前であり方を全否定、そのご騎士道に付いて語り始め結局ラクシズに目の仇にされそうな気が・・・
九朔独自の騎士道精神を満たすとしたらミナやセトナくらいか?
騎士道とは違うがミーアとも合うかもしれん
481通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 02:06:31 ID:???
ミーアは無いだろさすがに。
一応時系列的には飛翔前もしくはパラレルに当たるわけだし、現時点で紅朔と同じ所に
居られるほどの精神的余裕は無いと思われ。
話が進めば或いは・・・・・・ってかんじだけどな。
482通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 07:18:17 ID:???
時系列的に飛翔後の九朔も居たり・・・


時系列的に飛翔前の九朔が、飛翔後の九朔を偽者と誤解(紅朔と一緒に居るので)して
戦いを望んだり、飛翔後の九朔的には絶対に倒す訳にはいかないんで梃子摺ったりとか

飛翔後の九朔的には、パラレルワールドなんで厳密に過去の世界とは断定できず
あの時は、こんな事があった筈が、微妙にズレていたりして
483通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 11:33:50 ID:???
age
484通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 05:47:51 ID:???
誰もいねえええええええええええ
485紅い死霊秘法11  ◆XGuB22wfJM :2007/05/27(日) 16:10:49 ID:???
シン・アスカ、リビドー事件。のちにそう呼ばれるようになった原因不明、正体不明のこの事件は
男子寮を大いに揺るがした。

要点はこうだ。ある朝シンのルームメイトが起きると、部屋中がゼリーだらけになっていた。
その結果、部屋にガスマスクと白い防護服を纏った完全武装のZAFTが押し入り、粘液のついた
あらゆるものを押収していった。
この惨劇に対しシン自身も驚いていたので、証言の限りでは犯人は不明で終わるはずだった。
もしも外部犯であるならば軍事技術が盗まれた可能性がありかなりの非常事態だったが、
上層部の判断で原因が究明されることはなかった。

しかし、その日以降、シン・アスカに紅い少女が憑いて回っている。男子寮に夜遅く、紅い人影が
出没してシンの部屋で消える。そんな幽霊騒ぎまで巻き起こったりと、ろくでもない噂がチラホラと
聞かれるようになり、よくわからないがシン・アスカは呪われているという風評がアカデミーを駆け
巡った。
そのせいでゼリー事件までシン・アスカのせいだ。という風に見られるようになってしまったのだ。
元々オーブに復讐するためにプラントに入ったとまで噂され、眼が赤くて、成績上位なのだ。
興味の対象になりやすかったのも不運であった。

追記すると、シンの相部屋の生徒は精神的不調を訴え、別な部屋に引っ越してしまった。
シン一人で部屋を使っていいのかという論争もあったようだが、紅い幽霊がでるという噂の中、
入りたい人間など誰もいなかった。シンが残っていたのは責任感からと、これ以上迷惑をかける
人間を減らすためである。

なお、上記の事件は本当にシン・アスカに責任がある。
もみ消したのはギルバート・デュランダルである。
ゼリーは厳重に回収され、持ち主?に返されている。
確実なのはシン・アスカは契約して良いことなど、何もなかったという事である。

『はい、マユでーす。でもごめんなさい。ただ今マユは電話に出ることができませーん』
『はい、マユでーす。でもごめんなさい。ただ今マユは電話に出ることができませーん』
『はい、マユでーす。でもごめんなさい。ただ今マユは電話に出ることができませーん』

「もう嫌だ」
「てけり・り」
「そうか、ありがとな、ポー」
「てけり・り」
「お前だけだよ、俺を慰めてくれるのは」
「てけり・り」
「そうか、アイツと契約切ってお前と契約すればいいのか」
「てけり・り」
486紅い死霊秘法11  ◆XGuB22wfJM :2007/05/27(日) 16:12:49 ID:???
シンを慰めている正体不明のゼリー、コンピュータゲームに慣れ親しんだシンからしてみると
初期■系リアルスライムモンスターだ。現実で見たときは腰が抜けそうになったが、話してみると
良い奴だった。ご主人様よりずっと良い。彼? をベッドにするのは勘弁だが、ペットとしてなら
ずっといて欲しいものだ。しかも主人と違って空気が読めるので、ちゃんと人が来たら隠れたり
シンをフォローしてくれるのだ。ありがたい、ありがたい。

しかしシンは気づいていなかった。ゼリー生命体をマシだと思えるようになっている時点で
十分すぎるほど精神が磨耗しているという事実に。

まともな紹介をすると、シンと握手しつつ、うねったり蠢いたり震えたりしているポー君こと
ゼリーの正体は──

地球外生命によって太古の地球に飛来した宇宙生物「古のもの」達によって合成された漆黒の粘液状
生物。
非常に高い可塑性と延性を持ち、必要に応じて自在に形態を変化させ、さまざまな器官を発生させる
ことができる。地下鉄の車両ほどに大きなタールでできたアメーバのようだと形容される。
南極圏における「古のもの」の巨大都市・狂気山脈の建設などに使役された。
もともとは知性も低く、肉体労働のための奴隷種族として扱われていたが、発生させた脳を自ら固定
化することで知能を持つようになり、創造主である「古のもの」に反抗して全面戦争を引き起こした。
非常に生命力の強いショゴスたちは「古のもの」に壊滅的な損害を与えたが、最終的には地底深くに
封印された。
「テケリ・リ、テケリ・リ」("Tekeli-li, Tekeli-li")という独特の鳴き声をあげる。

という一節が議長から借りた文書に載っていた。
…………どうやら、コロニーの一つや二つショゴスで押し潰してやる!
と言わんばかりに強力な存在のようだ。
今は制御されているのか、増えもしないし攻撃もしてこない、人間並みの知性もある。
ショゴスをわざわざ地球の地底から遠隔召喚してくる辺り、彼女は凄いのかもしれない。
ついでに彼をベッドにできる彼女は人間としてどうかと思う。……人間じゃなかった。

「ただいま、今日はこんな物もらってきちゃった」

そしてシンの部屋に現れるは、やりたい放題の歩く本、ネクロノミコンなんとか版、
ショゴスのポー君の主にして、シン・アスカ14歳に仕える精霊、紅いZAFT軍服の登場である。
今日は議長からフェイス勲章なるものを賜ったそうだ。

彼女は精力的に活動している。
具体的に列挙すると、ジンを真っ赤に染めて好き勝手に動かしてみたり、新型艦の対魔術設備の
設計に関わったり、議長席から魔術込みの催眠効果のある音声がでるようにいじったり、議長の
書庫の中身を持ち出したり、大学帽、眼鏡、白衣での三点セットで俺に講義したり、深夜に俺を
宇宙空間に生身で放り出して、悪魔相手に特訓させたりと、権力と周囲に対する魔術操作で
やりたい放題である。

「私は少しでもシンの為にって」
嘘つけ、愉しんでるだろ!
「シンに立派な魔術師になってもらおうと……」
目薬とハンカチを用意するな、何処で覚えたんだ。
487紅い死霊秘法11  ◆XGuB22wfJM :2007/05/27(日) 16:14:19 ID:???
分かる人間には彼女の悪行を認識して近づかないが、分からない人間は騙されっぱなしなのだ。
まさに縦横無尽、我が儘を地で行く、究極情報生命体、名無し。
頼むから自重して欲しい。

彼女なりの言い分もあるらしく、おおっぴらに動くことによってアブリリウスに魔術師や怪異が
集まってくるように誘導しているそうだが。

あえて言おう、ただの愉快犯であると。

「君の、いやお前の目的忘れてないか」
「ん〜、急ぐ理由もないし、私の断片はどうやら地球にも落ちてるみたいだし、焦らずじっくり
探すからいいの。こうやって騒いでおけばきっと姿を現すわ、これは立派な策よ。
私のことはいいから、ちゃんと宿題終わらせた?」
「読めるかこんな物! 何語だ!」
「読めるわよ。集中力が足りないだけ、私を読めるんだから大丈夫」
「俺は人間だ……」
俺の手には議長から借りた魔術書がある。宿題という事で中身を覚えておけと言われたものの、
これは人類が読める物ではない。

「もう仕方ないわね、ここはあsdfghjkl;:────」
「人間の可聴域で喋ってくれ!」
彼女は意外と面倒見は良いのである。是非とも他の部分も自重して欲しい。無理か。

「飽きたわ。私は休むから、理解できなくても最後まで目を通しておいてね」
言うが早いか、ポー君に横たわると最初のひらひらな服に着替え、爆睡モードに入った。
「う、うう……」
俺は四日間寝てない、最長記録だ。
おかしな暗示と賦活魔術を重ねがけされたので、あんまり疲れないし眠くもない。
昼は今までどおりアカデミーの勉強。夜は睡眠時間を削り魔術師としての修行だ。
肉体的な疲労は別としても、もう精神的疲労はとんでもないものがあり、日夜グロテスクな書物
に目を通しつつ、化け物と格闘戦を繰り返している。
唯一事情を知るレイに相談してみたが、逆に羨ましがられた。世の中は理不尽である。

そんな生活を送る中、気づけば鏡には見知らぬ少年が映って吃驚する、やつれた自分であることに
気づき、さらに吃驚。これはシン・アスカが幽霊に取り憑かれていると噂されるのも納得である。

鏡に言ってみた。
「君は────生き延びることができるか?」




続く。
488通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 16:28:05 ID:???
リアルタイム投下ktkr
GJ!

磨耗してるな、シン……
489通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 17:30:12 ID:???
おお、GJです!

このシンは最後まで生き延びることができるのだろうか…無理な気がする
まあ、ポーが凄く萌えたのでシンはどうでもいいや
490通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 17:32:34 ID:???
作者氏GJ!

しかし紅朔はいつまで名無しなんだろうか・・・・・・
事情を知っている奴らしかいないならともかく、そうでないときはどうしているやら。
とりあえず、無差別に洗脳して(あるいは暗示をかけて)回っているに3000点
491通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 19:50:47 ID:???
GJ!
紅九朔が非常に活き活きしていてイイ感じ。
いつか二人の信頼関係とかアップしそうなイベントがあったらいいなと。
492通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 20:28:51 ID:???
つうか14歳って・・・・・・
シンとレイって最初っから同室じゃなかったのか?
今までずっとアカデミー入学当初から同室だったとばっかり思ってたが。

最後に職人さんGJ!
493通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 20:40:04 ID:???
GJ

紅九朔のレベルが上がった!
演技技能が1上がった! 教師技能が1上がった!
エアリード技能が1さがった!
コスプレ 教師(科学者風味)をおぼえた!
女の涙(初級編)をおぼえた!
勲章 フェイスを手に入れた!

そいやフェイス持ってるのってハイネ、凸と後のシンぐらい?
後々シンは紅九朔を先輩!と呼ばなきゃならないのか

ツンデレな後輩ってどっかにいたね
494通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 21:04:06 ID:???
本編でフェイスになったのは、ハイネ・凸・タリア・シン・レイの5人
495通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 00:57:41 ID:???
最後の最後で龍騎ネタktkrwwwww
テラGJ!
496通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 01:28:51 ID:???
しかしながら相変わらずえらそうな名前だなw
不定形生物。
497通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 09:20:40 ID:???
>>495
野暮なツッコミだがあれはガンダムの永井ナレじゃないか?

まぁある意味「戦わなければ生き残れない!」だがw
498通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 09:31:45 ID:???
戦う相手が二人とも不戦敗で白旗揚げたくなるってのはどうよ?
一人は自国の首相でもう一人はごーいんぐまいうぇいな魔道書だぞ?
そろって原作どこにおいてきたって突っ込みたくなる相手だが、どうせ勝てない品
499通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 21:28:25 ID:???
魔道書にかかわった者の運命のなかではまだましなほう。
そして魔道書なんて求めない人間の所に来たりはしないので
シンの自業自得だ
500通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 23:40:52 ID:???
ポー・・・
まさかフルネームはエドガー・アラン・ポー?
501通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 01:09:11 ID:???
江戸川かよ

そしてエドガーと言えばやっぱり……
アレか。黒いショゴスが変形してスペルヘリクス…
502通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 04:29:53 ID:???
>>500
『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』は、
「テケリ・リ」の元祖だからなぁw
503通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 09:06:20 ID:???
>>499
つまり、

シン「力を与えよ力を与えよ力を与えよ!」

ということか
時期的には一番シンが力を求めてた頃だれうし
504通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 09:10:07 ID:???
この後は

名探偵江戸川!
犯人はいつもキラ!!
505通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 14:20:47 ID:???
SAN値じゃないものもガリガリ削れてるシンGJw
506通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 16:19:07 ID:???
そういやシンは一人部屋になってから殆ど寝てないらしいが、寝るときはどうしてるんだろうな。
やっぱり紅朔を抱きしめてないと眠れないんだろうか?
507通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 17:18:34 ID:???
シンより怪異(九朔のイタズラ)にあったアカデミー生徒はどうなったんだろうな?
クローゼットにショットガン入れてやっと三日に一晩寝れるとかになってなければいいんだけどな
508紅い死霊秘法11.1  ◆XGuB22wfJM :2007/05/29(火) 20:36:27 ID:???
「やっときましたね。おめでとう! このゲームを かちぬいたのは きみが ふたくみめです
「ゲーム?」
「わたしが つくった そうだいな ストーリーの ゲームです!」
「どういうことだ?」
「わたしは へいわなせかいに あきあきしていました。そこで クトゥルーをよびだしたのです」
「なに かんがえてんだ!」
「クトゥルーは せかいをみだし おもしろくしてくれました。
だが それもつかのまのこと クトゥルーにも たいくつしてきました」
「そこで ゲーム…か?」
「そう!そのとうり!! わたしは じゃしんを うちたおすヒーローが ほしかったのです!」
「なにもかも アンタが かいた すじがきだったわけだ」
「なかなか りかいが はやい。おおくの モノたちが ヒーローになれずに きえていきました。
しすべき うんめいをせおった ちっぽけなそんざいが ひっしにいきぬいていく すがたは
わたしさえも かんどうさせるものがありました。
わたしは このかんどうをあたえてくれた きみたちにおれいがしたい!
どんなのぞみでも かなえて あげましょう」
「アンタのために ここまで きたんじゃない!
よくも おれを みんなを おもちゃにしてくれたな!」
「それが どうかしましたか? すべては わたしが つくったゆうぎばんなのです」
「にんげんはおもちゃじゃない」
「わたしに ケンカをうるとは… どこまでも たのしい ひとたちだ!
どうしてもやるつもりですね これもいきもののサガか……

よろしい しぬまえに じゃしんのちから とくと めに やきつけておけ!!」

シン は チェーンソーで ■い■る■■を こうげき

■い■る■■ は バラバラ になった

しぬまえに ■い■る■■ は なかまをよんだ

■い■る■■Aがあらわれた
■い■る■■Bがあらわれた
■い■る■■Cがあらわれた
■い■る■■Dがあらわれた
■い■る■■Eがあらわれた
■い■る■■Fがあらわれた
■い■る■■Hがあらわれた
■い■る■■Iがあらわれた

なんと■い■る■■は合体して───
509紅い死霊秘法11.1  ◆XGuB22wfJM :2007/05/29(火) 20:37:02 ID:???
「うぎゃあああああああああああ!!!」

「んもう、五月蝿いわね、眠れないじゃない」
時計を確認したあと、うんざりしたようにシンを睨んで、止まった。

「僕に文句をつける前に言っておくッ!
僕は今、悪夢の中で邪神の力をほんのちょっぴりだが体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……」

「ちょっと、大丈夫? 目がトんでるわよ、ついでに言葉遣いが変よ」

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すと!

『僕はチェーンソーでかみをバラバラにしたのに
俺たちの世界に還れなかった』」

「正気に返って! 今はコズミックイラ72年よ!」

「な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
僕も何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…」

「衛生兵! 衛生兵! くっ、私が手を下すしかないの?」

「つちわらしだとか爆弾岩だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてない
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」

ネクロノミコン は ちゅうしゃき で シンをこうげき

シン は ねむった



純然たるネタですので、まとめには入れないで下さい。お願いします。
510紅い死霊秘法12  ◆XGuB22wfJM :2007/05/29(火) 20:38:13 ID:???
シン・アスカは憑かれている、そして疲れている。
彼は連日続く二重生活にまいりきっていた。

「食欲が、沸かない」
昼食のトレイを前にしてシンはスプーンを置いた。
ルナマリアを含め、友人達が気の毒そうに見つめてくる。
見るからにやつれているシンが食事を拒否する様は、心配するなという方がおかしい。

「食べるのも軍人の務めよ、そのうち倒れるんだから。まあ倒れてないのが不思議なんだけど、
それはそれとして、食べないなら私がもらうわよ」
ひょいひょいとシンのトレイから自分のトレイに食料を移動させるルナマリア。
そんな姉の姿を、メイリンが化け物と遭遇したような視線で見ている。
「あれメイリン、プリン欲しかった?」
「要らない、欲しいけど要らない」
「いっぱい食べなきゃ駄目よメイリン、パイロットは体が資本なんだから」
喋りながらも一般人の1.3倍のペースで平らげるルナマリア・ホーク、やはりこの女只者ではない。

シンは健啖なルナマリアを羨ましそうに、他人から見るとうらめしそうに見詰めながら、落ち込む。
食べ物、特に魚介類が苦手になってしまった。今なら好物だったたこ焼きを口に入れた瞬間に吐く
自信がある。それ以外でも幻覚を見たり、寝れば必ず悪夢と、精神状態は最悪。
その内、自分の顔がインスマウス顔になるのではないかとビクビクしているぐらいだ。
ここ数日で眼窩が落ち窪んできたため、暗闇でシンを見ると悲鳴をあげたくなると専らの噂だが、
食欲がさっぱり戻ってこないので仕方がない。

賦活魔術のせいか、中途半端に元気なため活動に支障はない。だが望めるのなら、まともな体で
イカレた世界のことなど考えないでゆっくりと眠りたい。
だからといって賦活魔術を解けば、心臓が止まったり倒れるような気がするのは何故だろう?
長期療養などしては回りに置いて行かれてしまう。シン・アスカの目下の願いは、二重生活を維持
しつつ健康体でいることなのだが、解決の糸口は見当もつかなかった。
511紅い死霊秘法12  ◆XGuB22wfJM :2007/05/29(火) 20:39:08 ID:???
そんな悩めるシンを遠めから見守る金髪と紅髪の二人組みがあった。
「失敗したかしら?」
口元に人差し指を当てて小首を傾げる紅い精霊。
「シンの体重を元に戻してくれ」
沈痛な面持ちで懇願する、赤服候補筆頭。

「書の内容に動じなければ、良く食べてすぐに治る。はずなのだけど」
「適正がなかったのだろう、シンは日向を歩ける男だ」
「そうだとしても、私と巡りあう時点で足を踏み外してるわ。魔術師と書の契約は必然。
素質は絶対にある、はず?」
「今からでも解約してやったらどうだ、本人が必要としたとき改めて再契約すれば良い。
勘だが、今の君は単独で行動できる」
「せっかくの縁を大事にしたいのよ。人の絆は大事よ」
「苦しめている本人が言う事ではないな。それと君に友情は似合わない」

きょとんとレイを見つめた後に、自分の言った言葉を反芻する紅の少女。
「そうね、今のセリフは私らしくないわ。やっぱりおかしいみたい、今の私は」
「……とにかく、早く対応策を練らなければシンは突然死するな」
「そうね、どうしましょう?」
二人の悩みは未だ解決をみない。

「話は変わるが、君は何故こんなところで堂々としていられる?」
「特務って説明したらみんな納得してくれるわ。
正体を探ることは軍機に抵触する、ちゃんと軍人になりたいでしょ、って説得するの」
「赤服を着るという事はアカデミー卒業者、上位10名の証だ。卒業者名簿に存在しない以上、
疑念を持つなという方が無理だ」
「そこはそれ、私が真心を込めて説得すればみんな解決したわ」
暗に洗脳して回っていると告白する、自信あふれる人型迷惑発生本。

レイは瞑目した。
友人はこんな傍若無人な存在に憑かれているのだ、その心労は想像を絶した。
512紅い死霊秘法12  ◆XGuB22wfJM :2007/05/29(火) 20:44:06 ID:???
考え込むレイを尻目に、ぽんと手を叩いて、たった今思いついた名案を披露する名無し少女。
「良いコトを思いついたわ。ベタだけど、シンのトラウマをつついてやる気を出させましょう」
自分で自分の企みにうっとりしている。
レイは焦った、ここで止めなければ惨劇は免れない!

「全力で却下だ。シンは軍人になる、殺人マシーンや復讐鬼にされては困る」
「いいじゃない。どうせ魔術師なんて、野心家か復讐鬼か書に振り回されてるか、脳みその筋が
違っちゃってるものなんだから。そうでしょう、レイ・ザ・バレル?」
見透かすように、嘲笑うように少女は言う。少女は気づいているのだ。

「俺はただ、人並みに生きたいだけだ。分別は忘れていない。だからこそ魔術書も持っていない」
「いつまでもつのかしら? 人並みに生きたい貴方が、人並みに死ねるように祈ってあげるわ」
「祈るか…………誰に祈る? 何に祈る? 俺たち外れた者が祈れる対象などいるものか」
「それは、そうね…………どこかで我が子をほったらかして戦ってる、最も新しく、古い神様に
でも祈りましょうか」
寂しそうに語る少女にレイは違和感を覚えた。
ついでにいじる標的が、シンから自分に移ったことにホッとした。

「俺は眉唾だと考えているがな」
「あら、人間がアレを否定してはいけないわ。
アレはちっぽけな人の願いによって産み落とされた奇跡。
未来永劫、過去永劫戦い続ける、無力にして無敵なるかみさまだから」
「本当に万能の存在なら、世界はもっとまともだろう」
「だから無力だって言ってるじゃない。世界というのは元々救いなんてないの。
だって本当の神様はとっくに狂っているんだもの。その神様が御創りになった宇宙は、最初から
狂っている。でも貴方達人間はここにいる。それはすごい奇跡なのよ」

饒舌に語る少女に、レイの違和感はますます増大していく。
魔術書というものは本来あちら側の存在について綴ったもの、つまるところ精霊とて人を
狂わせるものに違いはない。
だが、眼前の少女から漏れる人間賛美とも取れる発言は、精霊らしいのだろうか?。
この少女は唯の、伝え聞くような当たり前の精霊なのだろうか?
レイの疑念は払拭されることはなかった。



つづく。
513通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 20:55:04 ID:???
だが ことわる!
いちどくしゃに すぎないこの ななし が 
もっとも すきなことの ひとつは
さくしゃ が かいてしまってから こうかいしている わかげのいたりを
まとめさいと に ほかんしてやることだ!


嘘ですまとめませんからあの狂ったフルートの音色を止めてください

1作目では猫の爪やチェンソー片手に神様にケンカを売り、2作目では並行世界を渡り歩いて神様達を殺して回り、
3作目では「世界そのもの」でもある神様に核爆弾とか絨毯爆撃をぶち込んで空手チョップや地獄車でとどめを刺しちゃうのが生き物のサガなのです
514通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 21:36:12 ID:???
GJ!
俺も憑かれたいw


ごめんなさいうそですもういいませんゆるs
515通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 21:36:22 ID:???
GJです。
レイと紅の会話にせつなくなった
516通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 01:03:21 ID:???
シンは大丈夫か?w
517通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 05:05:40 ID:???
今は睡眠不足で人間らしい睡眠生活に憧れても
実行したらクトゥルーな悪夢かサガな悪夢で目を覚ましちゃうんだろうなぁ

つまり今のままの生活で
「俺はいつか健康的な睡眠生活を送るんだ!」
と、叶わぬ夢を描いているのが幸せ?
518通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 12:37:25 ID:???
世は青天井で底なし沼だからねぇ。
519通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 11:25:14 ID:???
シン……哀れだな
しかし、今のいっぱいいっぱいなとこだけ見てると適正なさげに見えるけど、
実際問題あの全自動人型迷惑発生本のやってるのってアルのスパルタより酷くないか?
少なくとも九朗は夜ちゃんと寝てたし身一つで宇宙空間に放り出されてないしな。
正に外道ってやつだ。

あと、紅ノミコンのシンって魔術師としてどのぐらいなんだ?生身で宇宙出られるって
言われてもすごいんだかすごくないんだかよくわからんのだが。
520通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 17:29:28 ID:???
とりあえずマギウス・スタイルなら宇宙空間でも平気っぽい。力量に寄らず
521通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 22:27:40 ID:???
>>519
九郎の場合、アルと出会う以前から修行めいた事をしていた訳で・・・




何せネコを―検閲―ったりもしてるし
522通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 22:40:50 ID:???
>何せネコを―検閲―ったりもしてるし

原作者のHPLに喧嘩売ってるとしか思えないんだよな、その設定w
HPLって大の猫好きなんだぜ?
523通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 23:03:10 ID:???
HPLは自分を小説でだめ人間として書こうが殺そうが全て許すといった人間だぜ。
それくらいじゃ喧嘩売ってることにならないさ。
コズミックホラーを理解してないとまで言い切ったダーレスにだってそれは
駄目だとか言わなかったし。
524通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 02:46:52 ID:???
実際に小説内で殺されてるしな、にゃル様に。御大はw



あれ?
なんか外で犬が吠えまくってる
ちょっくら見てrん気fだbvm羽;vs、dそ@jm@lwrsんj:p;
525通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 03:13:41 ID:???
実のトコ海外でのクトゥルフモノではしょっちゅう殺されてるっぽい。
>御大

日本でクトゥル−、コズミックホラーモノというと、
怪獣、ロボット、変身ヒーロー等 VS 邪神、旧支配者

な作品が多いけど、
海外では御大を始めとした有名作家、過去の魔術師との邂逅、
って感じの作品が多いらしい。
526通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 09:51:24 ID:???
>>525
日本のヒーロー思想がよく浮かび上がってる気がしないでもない
ティガの相手はガチでクトゥルーだったし

まぁデモベ自体もそうなんだが
527通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 11:17:01 ID:???
まあ、日本は元々一神、多神でいえば多神教だしクトゥルー神話に馴染み易かったんだろうな。
んで、一度馴染んでしまえばあとは噛み砕いて作り直しをやる日本のお家芸が炸裂するわけか。
少し前のレスの焼き直しみたいな言い分だがな。
528通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 21:21:16 ID:???
旧神関連はみんな受け入れてるの?
否定派だったがデモベの旧神エンドでなんとなく受け入れられるようになった。
529通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 21:39:02 ID:???
普通に受け入れてるだろ
530通常の名無しさんの3倍:2007/06/01(金) 23:47:43 ID:???
"かみはバラバラ"もそうだが、確かに日本人的にはまったく違和感ないな神殺し
サガ3ではアザトースもとい世界そのものであるラグナまでぶっ殺したんだっけ

遡ってみると天地創造神の片割れが出産事故で死んじゃうし、太陽神の弟は乱暴だからって生爪はがされて追放されるしな
531通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 00:16:16 ID:???
つか世界の神話を見渡せば、完璧超人な神の方が珍しかったりしないか
532通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 02:17:57 ID:???
日本の神話は人が産まれる過程<神が泥を捏ねて〜〜等>が存在しない稀有な存在らしいしな

>>531
完璧じゃない(=成長出来る)故に神々の王となった奴も居る…ってコレは別問題か
何を持って完璧とするかという問題も有るしな
下半身でモノを考えるゼウスとかの事を考えるとね・・・ってスレ違いか
533通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 04:04:26 ID:???
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm333898
完璧じゃないとか下半身でモノを考え杉とかってレベルじゃねぇ
534通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 16:21:49 ID:???
心のより所として超越的存在を捏造しておきながら
深層意識下ではその存在による呪縛から逃れたいと考える。

宗教に神殺し、またはそれを企てた奴は珍しくないよな
535通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 18:42:57 ID:???
そういや、種の世界の神ってどんなんだっけ?
536通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 18:59:24 ID:???
>>535
少なくともキリスト教圏は宇宙鯨の発見によって無神論化が進行
ムスリムは健在っぽい。他は一応不明だが……

種世界のベースになってるのはジョージ・オーウェルの『1984年』らしいから
そこにヒントがあるのかも。異常なまでに愚民化した各国国民とか。
537通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 19:04:25 ID:???
種世界の神?普通に負債夫妻神だろ?
538通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 19:10:02 ID:???
……ちょっとまて、元ってほんとにオーウェル1984年なのか?

書いた意図とは真逆の理由で有名になってしまったあのかわいそうなオーウェルの……。
……ええと、負債が俺達馬鹿にするために、態々あんなに馬鹿な話って事はないよね?



お前らなんか、この程度の話で充分だ。
馬鹿は喜ぶし、馬鹿じゃないつもりの奴は、話の薄っぺらな部分を暴いて優越感に浸れるだろう?

とか……
539通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 19:15:29 ID:???
>>538
Wikipediaの機動戦士ガンダムSEEDの項にそんな事が書いてあったな。
大西洋連邦・ユーラシア・東アジア共和国の国境線がまんま1984年だとか。
540通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 19:40:05 ID:???
>>535
ラクス神
541通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 20:20:19 ID:???
>>536
>少なくともキリスト教圏は宇宙鯨の発見によって無神論化が進行
なんでこんな事で無神論化が進行するのん?
542通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 20:46:39 ID:???
>>541
するんですよ、なにせ混沌の化身の一人、嫁が作った粗雑なできの世界では
543通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 22:03:32 ID:???
俺の頭の中では
キリスト教国=アメリカ合衆国=鯨保護推進国家
ってことになってるんだけど、あいつらって鯨を保護する理由を宗教に求めてなかったか?
宇宙に鯨が居たらむしろ喜びそうな気がするんだが。
544通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 23:37:34 ID:???
ダーウィンの進化論ですらどうにかこうにか教義との折り合いつけた連中が
たかだか地球外知性体の一つや二つで教義捨てるとかありえないだろうに。
545通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 23:37:54 ID:???
>>541
多分「生き物は神が創った云々」が崩壊したってことじゃない?

>>543
確か「鱗、ひれのついていない海洋生物」を食うのがいけないんではなかったか?これユダヤの方だっけ?
まあ必ずしも食べていなかったわけではなく、遠洋でとった鯨の保存が利きにくいので油を特に保存したというだけで、
肉を食っていなかった訳じゃあないらしいからな。昔食ってた可能性はなくはない。
とまあこうなったら、お前ら本当に何で鯨保護してんの?ってことになるが。

ちなみに国際捕鯨委員会IWCの捕鯨反対の理由は「バランス」と「数」をデータに則って否定すると残りは「かわいそうだから」。
牛豚は殺しまくるのに理解できない。人道バーガーとか何がしたいのかと。

あぁ、鯨食いてぇなあ…
546通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 23:41:23 ID:???
近所のスーパーで北氷洋産ミンク鯨が買える俺は勝ち組
547通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 23:49:13 ID:???
>>545
オーストラリアが反対する理由は
・観光に力を入れているから。(ホエールウォッチングとか)
・牛肉の売れ行きが落ちるから。
と言われてるな。

後者はそんなに影響ないと思うのだが。

海外は見る生き物と食う生き物の区別がつかないらしい。

日本でも度々見かけるがな。
(ウサギ肉は可哀想で使われなくなった。ごっつ美味しいとか。)
548通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 00:09:01 ID:???
クジラ?
ああ、取れなくなったんで数が増えてきて、もっと貴重なクジラがヤバイらしいとも言うな。
森とかもだけど、一度手を入れちゃった物は人類が滅びるまで手を入れ続けて自分達のために守らないとなぁ。

>>544
まったくもってだ。
549通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 00:22:34 ID:???
>>545
メルヴィルの白鯨で鯨ステーキの船上での焼具合をどうこう言う会話があったから
航海中の捕鯨船では食べてたんだと思う。
550通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 01:12:37 ID:???
ちなみに∀だと、月では鯨料理が名物です
551通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 13:16:09 ID:???
鯨漁の内容

・日本:骨一本残さず全て使い切る。「鯨一頭で三村潤う」と言われてる
・捕鯨を行う発展途上国:喰えるところは全部喰うよ
・欧米などの反捕鯨国:鯨は鯨油を取ったら捨ててますが何か?
・緑豆:豚や牛、鶏に羊を貪りながら「捕鯨はんたーい!!!」と叫びながら鯨の死体を街中に数日間放置する

と内容がかみ合ってないから話通じないんじゃよなぁ・・・
やっぱ脱退して新しい組織を立ち上げるべきじゃよー
552通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 18:41:41 ID:???
横浜ベイスターズの大洋ホエールズ時代なんて、鯨一頭とれば選手全員の給料賄えたと言うからなあ
553通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 19:28:00 ID:???
九朔と紅朔が種の世界に行ったら、な妄想したが種死をちゃんと見てない事に気付いた

ただ、九朔とシンはなんだかんだ言いながら仲良くやりそうな気がするんだよね
554通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 21:58:50 ID:???
宇宙鯨を捕まえて食べようと言いだす紅朔……orz


555通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:16:55 ID:???
まだ生きてる宇宙鯨はいるのかな?
化石しか見つかっていないのでは?
556通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:29:18 ID:???
>>555
地球の海にそれっぽい生物が一応いる。
557通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:41:15 ID:???
>>556
ロウが遭遇した「海神様」だな
558通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 00:10:33 ID:???
宇宙鯨は、劇場版の敵として出てくれば妄想広がるんだがなw
559通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 00:47:26 ID:???
>>558
32 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 21:47:39 ID:???
劇場版は製作中止

53 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 21:50:58 ID:???
>>32
今はサンライズのではおおもめ中らしいな
負債だと単なる総集編になってしまうから中止するみたい。
現在富野にリメイクしてくれないかと富野と交渉中で
富野がOKすれば製作に入るらしい。


……例によって未確認だがな。
560通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 00:49:39 ID:???
>>559
あれから音沙汰無いと思ってたらこれかよ・・・・orz
期待を返してくれと負債に小一時間(ry
561通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 01:04:40 ID:???
>>560
負債に期待する事がそもそも間違い。種死の後なら特に。
嫁に脚本やらせるのは明らかに自分達だけが儲ける以外の目的を排除しているから。
才能無いからアニメを金を稼ぐ為だけの仕事にしちまったんだろう。
クリエイターとしては底辺に近い姿勢だな。
562通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 01:06:18 ID:???
いやその前に監督富野て

黒富野か?
563通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 01:10:54 ID:???
>>562
この話がホントで、お禿が話を受けたら久々に黒富野御大降臨ってなるかもな……
元々日本サンライズって会社の設立目的は禿御大の為らしい。
詳しくはhttp://homepage3.nifty.com/mana/tomino-5.htmlで
564通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 01:52:57 ID:???
他人の駄作をトミノにリメイクさせて嬉しいのだろうか……
565通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 02:02:49 ID:???
負債「俺らの作ったガンダムで落ちぶれた原作者に仕事を与えるんだwwwむしろ感謝して欲しいねwww」

どーせこんな感じじゃね?
566通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 02:03:45 ID:???
でも富野断固として断るかもよ
ガンダムはもうやらないって言ってるんだし
567通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 02:25:08 ID:???
たとえ富野だろうと既に色々枯れてる上に、劇場版作っても既にやること無いしな
新ガンダムもベーゴマだしゆんだし、もうガンダム終わったな
568通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 02:32:10 ID:???
※とりあえずガンプラとハイコンプロの金型が無駄にならない様にお願いします
※登場キャラはお好きなキャラデザの方をお選びください。○井?お気になさらずにドゾー
※主役MSも味方と敵のMSもお好きに再配置してください
※設定とストーリーは0から自由に作り直して頂いて結構です

これだけやっても無理、以前に激怒なんてもんじゃ(ry
磐梯としては1行目さえ達成できればいいんじゃまいか。
569通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 02:42:25 ID:???
虚淵に脚本書かせればいいんじゃね?
多分黒冨野バリの皆殺しバッドエンドになるぜ!(白貌の伝道師を片手に
570通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 02:53:21 ID:???


種死

富野:∀で綺麗に畳んだのにまた引きずり出しやがった…

富野:全てはZを投げやりに作った自分の所為だ、反省

Zリメイク

Zリメイク興行成績最高

Zの儲けでOVAリーンの翼作成

富野:ロボット出したくなかったのに……

富野:え、種人気なの? 俺が間違ってたのか

富野:種を好きになる努力

種劇場版脚本グダグダ

富野に依頼

富野:種死のグダグダっぷりに憤死

福井:むしろ俺にガンダムやらせろ!(種に怒り)
重田:クロスボーンガンダムの監督やりたい
長谷川:鋼鉄の7人
黒田:ガンダム……カテジナさん出していい?
竹田:うひょひょひょひょ

ガンダムUC

オガンダム放送決定←今ここ
571通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 10:02:12 ID:???
>>570
今にもフルートの音色が聞こえてきそうな惨状だな、ホント・・・
572通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 15:31:56 ID:???
ようやく機神飛翔手に入れたってのにうちのヘボ環境じゃプレイできないよママン……
つかベンチマークで7fpsってorz
573通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 18:55:54 ID:???
>>572
ノベルパートは問題ないよな?
しょうがないからイージー設定で負けまくって戦闘飛ばせ〜。トゥルーや西エンドはセーブデータ手に入れて解決するべし
574通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 20:20:57 ID:???
トゥルーと西エンドはニコニコで見れるよ

それより飛翔は古橋あたりがノベル化とかしないのかね
個人的に、ゲームでの戦闘シーンを活字に起こしてもらいたいのだが
575通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 21:02:04 ID:???
アイオォォォォォォン!!!
576通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 21:17:20 ID:???
時の歯車。断罪の刃。 久遠の果てより来る虚無。
577通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 21:21:42 ID:???
アズラッドは熱いな。
あとエドガー。
578通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 21:25:28 ID:???
アズラッドの魔導師としてのレベルって幾つくらいなんだ?
アイオーンってレベル低いと呼ぶだけで術者死ぬらしいし、相当たかいンかな?
579通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 21:33:35 ID:???
まぁ質問の前にこれだ

アイオォォォォォォォンッ!!!
580通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 21:35:16 ID:???
汝より逃れ得るものは無く、汝が触れるものは死すらも死せん!!
581通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 22:26:19 ID:???
逆十字以上教授以下、て所だべ
582通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 00:25:28 ID:???
飛翔で逆十字を圧倒できたのは物語の加護があったからでは?
生前のアズラッドが使えなかったクトゥグアを、ティベリウスは普通に使ってたし
583通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 00:34:02 ID:???
そういや物語の加護のお陰でクトゥグア砲が使えるとか言ってたな。
584通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 02:14:59 ID:???
少なくとも本来の能力じゃ、九郎とエドガーと比べたら一番下なんだろうな。
エドガーはニャル様の介入があったとは言え、呪文螺旋使いまくってたし。
585通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 05:42:10 ID:???
エドガーって歴代の主の中じゃ実力トップじゃなかったっけ?
586通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 07:57:36 ID:???
狂暴なおかげで爆発力は高いな。ただし精彩を欠いてるからすぐガス欠になる。

アズラッドが借りた物語って、エドガーのだったのかな…
587通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 08:04:10 ID:???
破壊力だけはトップなんだっけ、エドガー

アズラッドの魔杖展開とエドガーの呪文螺旋ってどう違うんだ?
588通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 08:45:02 ID:???
呼び方が違うだけで同じじゃね?
589通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 14:18:56 ID:???
そういや今時のPCだとパッチさえきちんと当てていれば存外飛翔もきちんと動いてくれるんだよなぁ。
例え中古の型遅れとかでも
590通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 14:21:26 ID:???
>>587
普通に使えるのがエドガー
アルによるヒーロー補正が付かないと全く使えないのアズラッド。

つまり588がいっているとおり、呪文自体は全く同じ物
591通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 16:57:29 ID:???
>>590
でもアズラッドが使えなかったのは「クトゥグア」の力じゃなかったっけ?
使ってる力は同じだろうが呪文自体は別物かもしれん
592通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 17:48:12 ID:0EHjhu0e
つかアズラッドは某運命の主人公みたいに剣に特化してるのでは。
少なくとも九郎は円月刀を複数出すなんてできなかったし。
593通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 17:53:29 ID:???
逆にエドガーは魔杖展開に特化してるわけか
594通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:00:48 ID:???
特化してるというよりかは拳銃を使うという考えがなかっただけで
捨てっぱちにやけになって全力で突っ込むしかしてこなかっただけと思われ
それで頭を使わずに突っ込むなりで考えてたら剣をたくさん出して投げるのがよくね?って感じだと思う
595通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:01:01 ID:???
>>592
得意不得意だろうな。

アズラッドは確か一回もニトクリスの鏡やアトラック・ナチャとかの小技は使ってなかった筈だし、
その分堰月刀の多重詠唱なんかを得意としてたのかな。

エドガーは魔杖展開が出来る上、何本も堰月刀は出す事は無かったけど二刀流は出来たし、その上に表記はされなかったけど
描写的に恐らくイタクァとクトゥグァの術式を乗せたり…やっぱりレベルの差が見えてくるな……
596通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:04:40 ID:???
>>589
そのパッチ当てればノートでも動くのかい?
597通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:24:52 ID:???
俺はノートパソコンでパッチをあてずに飛翔をクリアした。
598通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:39:31 ID:???
>>597
どんだけハイスペックですかw

そんな俺のパソコンはバルカン級
599通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:45:32 ID:???
>>596
メモリ面の負担が無茶苦茶軽くなるのは確か。
軽いほうのモード設定で、最新版パッチ当てれば存外なんとかなんでねえ?

まあ、CPU速度が足りてないとかなら、話は別だけど。
600通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 18:53:39 ID:???
パッチを当てると代わりにニャル様が劇的ビフォーアフターな強さになるんだよな
601通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 19:23:04 ID:???
>>599
とりあえず動くには動いた、ありがとう
結局アクションパートはやたら遅かったorz 最初はフリーズしたくらいだからマシにはなったが

へん! いいもんいいもん! 鋼屋節が楽しめればいいんだからな!
OTLイイモン……
602通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 19:40:25 ID:???
しかし要求スペックと推奨スペック見てみたが、
今見るとそうでもないのな。

推奨ですら 
CPU:PEN4以上(つまりCeleron-MでもOK)
メモリ:512MB(きょうび1Gで5000円位か)

大体、これ位であればデスクトップの中古なら二万切るからねえ。
ノートででも中古で39,800円OS付きで条件満たしているのみっけた。
603通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 20:20:23 ID:???
俺のノートはアトランティス
やっぱりCG用にメモリ1G積んどいたのも効いたのだろうか
604通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 20:22:02 ID:???
そうでもというかPS2で出してくれれば。咆哮出したんだし
605通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 22:43:31 ID:???
アニベインで盛大にコケたからなぁ・・・・・・
ダメージでかすぎて正直無理かも。
出ても今だったらPS3かWiiじゃねぇかねえ?
606通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 00:17:19 ID:???
Wiiで3Dアクションやりたいとも思わんが……
607種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:32:00 ID:???
「アスラン!」
 アスハ邸の裏にある専用へリポートへ向かう道を歩いていたアスランの背に、今にも泣きそうな
声がかけられた。
「カガリ……」
「どうしてだ!どうしてお前がプラントに行かなきゃいけない!?お前はもうプラントとは関係ない、
 唯の私の護衛なんだぞっ!?」
 『唯の』……詰め寄ってくるカガリ自身は何の自覚も無しに言っただであろう言葉が、アスランの心を
チクリと痛ませた。
「……そう、『アレックス・ディノ』は何の力も持ってない唯の男だ。今オーブに居ても何一つ
 出来やしない……でも、『アスラン・ザラ』なら違う。ザラの名はまだ強い影響力を持つ。
 特に、プラントでは」
 泣きそうな顔をしたカガリの肩を掴む。かつてのお転婆の賜物か、カガリの身体は同年代の女性にしては
ガッチリしていた。だが政治に関わり、悪意と策謀の渦に飛び込んでからの彼女の身体は徐々に疲れ果て、
やせ細り始めている。今感じられるのは弱さと、脆弱さだ。
「プラントに行き、デュランダル議長と面会する。そして連合との同盟に加入せざるを得ない
 オーブの事情を説明し、オーブへの悪感情を少しでも抑える……可能ならば俺を架け橋としてオーブと
 プラントに秘密裏の繋がりを保つ。それがアスランである俺に出来る、いや俺がやらなきゃいけない
 事なんだ。ユウナからもう聞いてるんだろう?」
「でも、だからって、そんな……うっ、うう……」
「おっ、おいおい泣くなよこんな所で……」
 とうとう泣き出したカガリにアスランは気まずそうにしつつ彼女を宥めようとする。カガリをこんな時に
一人にしてしまう、もしかしたら不安にさせてしまうかもしれない……そういう想像はしていたが、
ここまで取り乱されるとは予想外だった。いくらなんでも其処までヤワな神経ではな……もとい、
繊細さを見せる人間ではなかった筈なのだが──
 ──そこまできてやっと、アスランはカガリがここまで不安がっている理由に思い当たった……
否、アスラン自身今までその事を無意識に考えないようにしていたのだ。
「……ユウナ・ロマとの結婚の件か」
「ッッ!」
 流石に表情を硬くするアスランが言った言葉に、カガリはわずかに身を震わせた。
608種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:33:21 ID:???
 ボク、カガリと結婚するから──それは先日ユウナに呼び出された際、帰り際にもののついでのような
感じでアッサリ言われた言葉だった。かつて国を焼いた国との同盟による国民の不安を抑える為、首長の
結婚という明るい話題を同盟締結と前後して行うということらしい。
 これ見よがしではあるが、それなりに有効な手段ではある。人間というものはどんな時も嫌な話を避け、
めでたい話を求めるものだ。こんなご時世でも首長の結婚となればお祭り騒ぎとなり、ある程度不安も
消えるだろう、効果に対してリスクもほとんどない……結婚に関わる人間達の心情を考慮に
入れなければ、だが。
 元はといえばこのカガリとユウナの許婚は、カガリの父ウズミとユウナの父ウナトとの間で決められた
事らしい。カガリ自身はユウナとは幼い頃からの顔見知りとはいえ乗り気ではなかったが、亡き父の遺言を
無碍には出来ず、更にユウナの方は何故かカガリにゾッコンときている。
「カガリ、何度も話し合って決めただろう?これはいずれ訪れる、仕方ない事だって」
 この件が発覚して以来、二人は何度も話し合い己の考えをまとめ……結局、アスランとカガリは
添い遂げることを諦めていた。お互いが望む未来の為に、選んだ今の立場。それを捨ててまで
一緒になろうという思いを、二人は持てなかった。結局の所、この結末は遅かれ早かれ
既に決まっていた事なのだ。
 しかし、例え添い遂げられずともこの思いは変わらない──それだけは本当だと、二人はお互い誓っていた。
「けどっ!……何で、よりによって、お前のっ……居ない、時にっ……」
 そう、悲しい事にこの結婚は、下手をするとアスランがプラントに留まっている時に行われる
可能性が高い。どれだけ早く連合がプラントに宣戦布告するかどうかによるが、既に月の戦力が動いている
という情報もある。そう遅い話ではないだろう。
 そしていくらアスランの名の力が大きくても、議長との面会が一日二日でまかり通るなど有り得ないし、
更にその後の交渉ともなれば言わずもがな。本来の思い人のアスランの居ない場所で、カガリは他の男に
娶られる事になる。
「カガリ……」
「分かってるさっ、今更駄々をこねても仕方ないって──けど……けどッッッ!」
 すっかり涙で目を腫らし、泣きじゃくるカガリ。結局は強がっていただけなんだろう、問題が目の前に
来てやっと、その不安に襲われた……ハッキリ言ってしまえば、もうどうしようもない。今更な話だ。
 ──それでも、それが自分がまだ思われている証な事も確か。泣きじゃくるカガリを見つめる
アスランの心は、愛しさで満たされていた。
609種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:37:19 ID:???
「ハァ……馬鹿だな、カガリは」
「んなっ!?お、おまぇ……!ん、んんっ!?」
 アスランの発言にカガリが面食らい、食って掛かろうとした直後──開いた口は、アスランの口に塞がれた。
一瞬触れるだけのキスだが、それでもカガリを黙らせるには十分だった。
「カガリ、よく聞いてくれ」
 唇を離し、アスランが真っ直ぐカガリの潤んだ視線を見つめる。
「例えどれだけ離れ離れでも……君の隣に俺以外の男が居たとしても。俺のこの思いはもう一生変わらない。
 君を助け続ける。君を支え続ける。君を思い続ける……君を、愛し続ける。何があっても、
 俺は君の為だけに全てを賭けられる。君を裏切るようなことは絶対にしない。俺はもう、君の物だ。
 だから泣かないでくれ。何処にいても、何をしていても……俺の全ては、君の為にあるんだから」
「ッッ!アス……ランッ……!」
 大粒の涙を流すカガリに、アスランは優しく微笑む。そして懐に手を入れ、其処から小さな小箱を
取り出した。
「本当は渡すか渡さないか、迷ってたんだけど……ユウナだけにカッコつけられるのは、やっぱり悔しいから」
 小箱を開ける。其処にあったのは、指輪だ。小さな宝石の付いた、中々凝ったデザインの指輪……それの
示す意味は考えるまでもない。
「アスラン、お前……!」
「持っていてくれるだけで、受け取ってくれるだけでいい……俺の思いの証明、みたいなものかな。
 結婚式の時俺は一緒に居られないけど、俺の思いは君の傍にある……だから」
 受け取ってくれるか、と差し出された指輪を、カガリは右手に取り、掌を握りながらその手を胸に当てる。
それを嬉しそうに微笑んで見届けたアスランは、カガリに背を向け歩き出した。
「……それじゃ、行って来る」
「……行ってらっしゃい」
 歩いていくアスランを、泣き笑いで送り出すカガリ。その顔には涙の後は残っていても、もう
憂いや不安はほとんど残っていない。
 最後にわずかな悲しみが、最後に一筋流れた涙と一緒に消えていった──
610種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:40:27 ID:???
 そしてアスランがオーブを経って一両日もしない内に、地球連合はプラントに対し、ほとんどこじつけの
ような理由を突きつけ宣戦を布告。即座に月からプラント本国へ戦力を派兵すると同時に、
それを囮とした核による奇襲を行った。
 だがプラントは核分裂を誘発し核ミサイルを強制的に爆発させる新兵器『ニュートロンスタンピーダー』
を使用。核攻撃部隊は母艦、機動兵器共に自らの核ミサイルにより全滅、それを受け月からの本隊も撤退し、
その場はプラントの勝利に終わった。
 この理不尽極まる宣戦布告と攻撃に対し、プラント側は積極的自衛権の行使を決定、地上への降下および
カーペンタリアを中心とした地上での戦力を整え始めた。
 ここに再び、地球とプラント間における戦いの火蓋は切って落とされたのである。



第六話『DEAD RISING』


611種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:43:01 ID:???
「……正直、あまり良い結果は望めませんぞ」
『構いません、あくまで成功すればいい、という程度です、正規部隊には被害もない……では頼みますよ、
 ウェスパシアヌス卿……結果を出したなら、貴方のレギオンの正規採用も考えましょう』
「ええ、ではやるだけやらせて頂きましょうジブリール卿、では……全く、愚か者が」
 先日月経由でやっとこさ、ユーラシア西部の辺境にある自らの『根城』に戻ったウェスパシアヌスは、
大型モニターからやけに顔色の悪い男が消えた瞬間慇懃だった態度を崩し、侮蔑の表情を浮かべた。
 先程の男こそ、ロゴスの一員にしてブルーコスモスの盟主、ロード・ジブリールだ。アズラエル亡き後の
ブルーコスモスを立て直した手腕と資産家としての豊富な資源、そして巧妙極まる口の上手さでロゴス内の
地位を確立している男である。
 同時に権力を傘に来た強引さ、強硬さを持つ事でもロゴス内で知られており、その例として挙げられる
最もたるものが地球軍への第81独立機動群──通称『ファントムペイン』と呼ばれるブルーコスモス
私兵部隊の創設と編入である。
 そして先日行われたプラントへの核による奇襲。これもまたジブリールが大西洋連邦大統領
ジョセフ・コープランドへ脅迫まがいの方法で受諾させたことである。最もこれはジブリールの力
というより背景にあるロゴスの影響力が大きく関わっているのだが、その権力を使ったのが
ジブリールであるのは違いない。
「愚かしい、実に愚かしい。コーディネーター憎し以上に、あの小物ぶりは度し難いにもほどがある。
 用はイライラを見当違いな嫌がらせで晴らしたいだけだろうに……私を巻き込まないで欲しいものだ」
 ウェスパシアヌスは嫌悪、というより呆れに満ちた愚痴をつく。
 ジブリールがウェスパシアヌスに言ってきた頼み、それはウェスパシアヌスにアメノミハシラを
攻めて欲しいというものだった。
 元々アメノミハシラは非常に戦略価値のある要塞及び軍事工廠として連合、ザフト双方から狙われ、
幾度となく攻撃を受けてきた。それをアメノミハシラがこれまで防げてきた理由にはその戦力と
ロンド・サハクの手腕、そして表向きオーブのものであるアメノミハシラに正規部隊を送り込むことは
出来ず、連合もザフトも本腰で攻撃を仕掛けることはなかったというのがある。
 今回の件がウェスパシアヌスに回ってきたのはそういう点もある。ある程度の戦力を有している
ウェスパシアヌスを、レギオンの正規採用を餌に利用する。成功すれば正規部隊に被害を出さず
アメノミハシラを手に入れられ、失敗すればそれをネタにロゴスでの地位を下げる事が出来る、とでも
考えているのだろう。成功しなくても構わん、というところがいかにもだ。
 しかし、ジブリールの本音が更に別のものである事も、ウェスパシアヌスは気付いていた。
 この攻撃の表向きの理由は軍事工廠の奪取と成層圏でのザフトへの警戒強化のためだが、実際の
ところは実にくだらない。未だに同盟を先延ばしにしているオーブへのジブリールの苛立ちが、
名目上はオーブの物であるアメノミハシラに向けられたというだけ……要は八つ当たりである、しかも
かなり見当ハズレな。その方法にたまたま利用できそうだったウェスパシアヌスが選ばれたというわけだ。
612種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:46:14 ID:???
 そんなアホな理由で、と普通なら思うところだが、ジブリールにそういう常識は通用しない。彼は
ブルーコスモスのナチュラル至上主義とかそういうレベル以前の問題──己こそが最も優秀であり、
己の行いこそが絶対という考えに微塵の疑問すら持たない、天上天下唯我独尊を悪い意味で極端に
体現したような男なのである。
 しかもそんな人間が、周りを納得させ操る話術に秀でているとはどれほど最悪なのか。政治家なんぞより
詐欺師のほうが向いているのではないか、とウェスパシアヌスは割と本気で思っていた。
「まあいい、まあいいさ。ロゴスでの地位は今となってはどうでもよいし、元々アメノミハシラはちと
 邪魔だったのだ。それに……あやつの機体の実戦テストには丁度いいだろうさ」

「あらあら、ようやくアタシの出番かしら〜?」

 突然、ウェスパシアヌスの背から投げかけられる声。ウェスパシアヌスは特に気にした風もなく、
振り返りもせずに声の主に話し掛けた。
「おお丁度いい、いいタイミングで来てくれたな。アメノミハシラへの攻撃、お主に頼もうと思って
 おったのだ。完成した『アレ』のテストにもちょうど良かろう」
「いや〜ん嬉しいじゃな〜い♪アタシ、あのロンド・ミナ・サハクとかいう美女、ずっと前から一度
 イタダキたかったのよ〜ん。あのお高くとまった顔が歪む様……ああん想像だけでたまんないわ〜♪」
「艦やMSの手配はしておく。何体かレギオンも連れて行くといい、改良が済んだ個体も幾つかある」
「あらあら、随分な念の入れようね。たかだか人間相手、アタシ一人で十分だっていうのに。まっいいわ、
 アタシは最後にしっかり調整しておくことにするわね。それじゃ」
 ウェスパシアヌスの背後から気配が掻き消える。ウェスパシアヌスはしばしの沈黙の後、その貌に邪悪な
笑みを浮かべた。
(まったく、まったく他の二人といい扱い易い。脳味噌まで腐っているのだから当然といえば当然だが。
 まあおかげで私は助かっているのだ、有効に使わせてもらおうか……さてさて、これから忙しくなるぞ)
 戦争はもう、始まった。地球、プラント共に多くの人命が失われ、世界は混迷の度合いを
深めるだろう……だが、それがどうした。
 戦況がどう転ぼうが、誰が何処でどれだけ死のうが、そんな事はウェスパシアヌスの知ったことではない。
問題はどれだけ、この状況を自分が有効に使えるかということだけだ。
 自分の目的の達成こそが、ウェスパシアヌスの全て。己の目的をどれだけ早く、完全に、徹底的に、
完璧に成す事が出来るか。その過程で必要ないモノがどれだけ失われようと構いはしない。それを
成す為ならどんな事でもやる。彼の全ての行動は、そのためだけにあるのだから。
「私の目的の為に、芸術[アート]の為に!私は今度こそ、今度こそ成し遂げて魅せるぞ!そして……」
 ギリ、と噛み締めた歯を鳴らし、血走った目を見開くウェスパシアヌス。その脳裏に浮かぶのは忌々しき
あの魔人、聖書の獣。金色の闇を眼に宿した異形の少年の、退屈気で儚い嘲笑……そして、紅い鬼械神。
「今度こそ完全に、徹底的に、完璧に、油断無く、容赦無く、際限なく!世界から、宇宙から、この私の
 記憶から!欠片も残さず貴様を消し去ってくれるぞ……マスターテリオンッ!」
613種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:51:14 ID:???
「…………」
 黒衣を纏った男が一人、喧騒溢れるガレージの一角に不自然に立てられ固定された鉄柱二本の間に
立っていた。その腰に刺さっているのは、鞘に収められた二本の刀だ。
「…………」
 男の周囲の空気が張り詰めていく。仕事中の作業員達もそこから流れてくる空気に気付き、手を止め、
注目が男に集まっていく。何時の間にか、ガレージの物音は普段より静かになっていた。
 男の周囲の空気は更に高まっていく。余りの重苦しさに野次馬の何人かが吐き気すら覚えだした時、
閉じていた男の目がカッと見開かれる。

「斬ッ!」

 光が流れた──野次馬にはそう認識することしか出来なかった。目の前にあるのは変わらずそこにある
二本の鉄柱と、両手に何時の間にか刀を抜いた男の姿のみ。
 男が素早い動きで刀を鞘に収める……パチン、と鍔が鳴った瞬間、二本の鉄柱は何本もの切れ目を浮かべ、
幾つかの鉄塊となってガンガンと音を立て床に落ちた。
『オオーーーーッ!』
 歓声が響く中、パチパチと拍手の音が二つ鳴った。一つは歓声響く中でもハッキリと響き渡りつつ
優雅さを持ち、もう一つは力いっぱいの惜しみない賞賛だ。
「見事だ。流石は魔術師殿といったところか」
「本当です、本当にスゴイです!」
 凛とした声とどこか幼い可愛げのある声に、野次馬たちが道を明け、それぞれの持ち場へと戻っていく。
現れたのはこのアメノミハシラの総責任者であるミナと、12才前後といったところのピンクの髪をした
美少女だ。
「拙者はもう魔術師に非ず。その呼び方は辞めていただきたいのだがなサハク殿」
「フフ、失礼した……ところでどうだ、ロウ・ギュールの鍛えた刀は」
「見事としか言えぬ出来だ。切れ味、強度、どれをとってもこれまでと遜色ないどころか上回っている……
 これほどの物を作れる職人がいようとは」
 男は再び刀を抜き、刃を見据える。刃には一片の刃こぼれもなく、その刀身に男の表情を鏡のように
移し込む。
「ロウさまは本当に物を作るのがお上手ですから。あ、でもティトゥスさんもスゴイと思いますよ♪」
「う、うむ」
 直球の賞賛を送ってくる少女に、男──ティトゥスはどこか困った顔で答えた。
 彼女はセトナ・ウィンタース。ロウが地球権に戻る途中、ウェストやエルザと一緒に何故か破壊ロボに
同乗していた少女だ。ウェスト達からの話だと彼等が此方の世界に来てすぐ、漂っていた救難カプセル
の中から拾ったらしい。そのカプセルがどうやらアーモリーワンの物らしく、ティトゥスは最初聞いた時
奇妙な縁を感じたものだった。
 今はアメノミハシラでロウやミナ、多くの人の手伝いをしているのだが、ティトゥスは彼女が何故か
苦手だった。感情をストレートに表現してくるのも中々に困惑するが、どうにも彼女に何か
苦手意識というか、近寄りがたい何かを感じてしまうのだ。
614種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:54:28 ID:???
「と、所で当のロウ・ギュールはどうしたのだ?」
「いつも通りだ。ドクターやエルザと共に第八格納庫に篭っている」
「またか……ここに来て以来、暇を見つければいつもだな。何をしているのだあ奴等は?」
 ユニウスセブン落下後、それまでユニウスの管理を任されていたジャンク屋連盟にも批判の声が上がり、
ジャンク屋連盟は本拠地であるジェネシスαを連合に攻撃された末解体、方々に名の知れ渡っていたロウに
至っては指名手配までされる事になった。
 そんなバラバラになりかけていたジャンク屋達に助け舟を出したのがミナだった。彼女はアメノミハシラに
ジャンク屋達を受け入れ、技術提携を持ちかけた。利害の一致もありジャンク屋連盟の責任者である
リーアム・ガーフィールドは提案を受け入れ、多くのジャンク屋がアメノミハシラに集まっていた。
 そういうわけでリ・ホームもアメノミハシラに停泊し、ティトゥスやロウ、ウェストはそれからここに
厄介になっていた。
 その際ティトゥス達はミナに自分達の事情を説明したのだが、ミナは疑うどころか逆に彼らに
興味を持ち、行動に便宜を図られたりこうして直接顔を見に来る事がしょっちゅうとなっていた。
「ふ、まあ楽しみにしておけばいい、きっとお前も気に入るだろう」
「……?その口ぶり、貴殿は何か知っているのか?」
「さてな……と、噂をすれば来たぞ」
「やいやいやいロンド・ミナ・サハク!頼んでいたパーツが届いていないのであるぞ〜!」
「あ、ウェストさま」
 ギャンギャンとギターを鳴らしながら、何処からともなく現れた■■■■は猛ダッシュでミナに詰め寄る。
だがミナは涼しい顔でその追求を切って捨てた。
「大方昨日送った分を貴様が既に使い尽くしただけだろう、発注しなおせばまた送ってやる……
 所で、そろそろ支払いをお願いしたいところなのだがな。貴様が潰した資材やパーツに、
 作業機械の使用料その他諸々……生半可な額では済まんぞ、私は慈善事業家ではないのだからな」
「な〜にを言うか。貴様が我輩の目を盗んで、我輩の破壊ロボの解析をしているのは分かっているのである。
 だがそれに文句を言う気はない、これはれっきとしたギブ&テイクである。貴様は我輩の、我輩は貴様の
 技術を調べ、利用する。次からはもっと堂々と調べればよいのである」
「……気付いていたか。まあならそれは良しとしよう」
 お互い一歩も退かず、ウェストとミナはそれぞれ不敵な笑みで相手を見据える。そんな二人を
ティトゥスは呆れて、セトナはいつも通りのニコニコ顔で眺めていた。
615種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 02:58:33 ID:???
「……それで、完成の目処は立っているんだろうな?必ず造る、というから貴様の好きにさせているのだぞ」
「当然である。既に全体の構築は済んでおる、後は回路への式の組み込み作業を残すのみ。まあ、そこが
 一番のキモであるが」
「ほう、予想以上に早いな。まだここに来て五日と経っていないのにか?」
「我輩をなめてもらっちゃあ〜困るのであ〜る!例え設備が劣っていようとこの大!天!才!
 ドクターウェストの手にかかればあのくらいのモノをちょっぱやで完成させる事なぞ造作もない
 ことなのであ〜る!」
 そう言いながらまたギターを掻き鳴らす。その騒音にウンザリしながら、ティトゥスはウェストに
抱いていた疑問を聞いてみた。
「ドクター、一体御主等何をやっておるのだ?サハク殿の言葉からすると拙者にも何か関係しているようだが」
「ぬ……ロンド・ミナ、もしかして喋っちゃったのであるか?」
 ジト目で睨むウェストの視線を、ミナは表情一つ変えず受け流した。
「……まあいいであるか。そろそろ本人による調整が必要だったのである」
「調整?」
「うむ。実は、我輩のこのマーヴェラスかつエクセレントな頭脳が浪漫シングで性的な閃きによって……む?」
 ウェストの言葉は、物々しいアラームによって遮られた。周囲の作業員達も緊張を顔に浮かべ、慌しく
動き回っている。
「何事だ?」
「……襲撃だ」
 またかといった感じの表情で、ミナは短くそれだけ告げた。
「襲撃だと?」
「うむ。大方ここを狙っている連合かザフト……今の情勢では連合だろうな」
 実にくだらん、と一言で切り捨てて、ミナは振り向き歩みを進める。
「だが所詮無駄な事。我の兵達が守るこのアメノミハシラはそう簡単には落とされぬ。それに今は
 傭兵達も居る、問題はあるまい……私は司令室に上がる。貴公等はまあ終わるのを待っておけ」
「あ、待ってくださいミナさまー!」
 ティトゥスに背を向け、ガレージから出て行く。それをセトナも追っていき、作業員達の喧騒の中
ティトゥスとウェストが残された。
「……と言われても、居候の身で何もせんのは気が引ける。動かせる機体はないものだろうか」
「まあ待つのである。それなら……ってぬおおお脳天割りィィィッッ!?」
 突然の振動が、アメノミハシラを揺らした。ティトゥスは何とか体勢を崩さず踏ん張るが、ウェストは
思いっきりこけた挙句先程ティトゥスが斬り落とした鉄塊に見事に後頭部をぶつけて白目をむいている。
「なんだなんだ!?」
「爆発っぽいぞ今の揺れ!」
 突然の揺れに作業員達にも困惑がすぐさま伝播していく。
(……!?)
 そんな中、ウェストを助け起こそうとしたティトゥスの背に悪寒が走る。アーモリーワンと同じ、
懐かしく忌まわしい感覚。闇の匂いを漂わせる、魔力の波動。
 だがあの時と決定的に違う点が二つ──あの時とは比べ物にならぬほどハッキリと感じられる強い魔力。
そしてその魔力に混じり漂う、濃厚で醜悪な……腐臭。
「これは……真逆っ!?」
616種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 03:01:35 ID:???
「ホンット、アメノミハシラの警備も大したことないわねー。囮とステルス有りとはいえ、
 こんなに簡単に内部に侵入されちゃダメダメよ?」
 破壊されたアメノミハシラ下層部の強固な壁──その向こうの宇宙空間から、宇宙服も着ていない
奇妙な出で立ちの人間が、外に漏れる空気の流れに逆らい内部へと入って来る。その背で緊急隔壁が降り、
破壊された壁は塞がり空気の流れも止まる。
 その人物は実に奇妙だった。巨体を全て黒いフード付きローブで覆い隠し、その顔は下卑た笑みを象った
緑の仮面に覆われている──まるで、道化師だ。
「爆発の起きた区画はここかっ!?」
「っ!?侵入者?」
 異変を察知した警備員達が、不審者に向けて銃を向ける。道化師はそれを見て身をすくめ、仮面をクルリと
一回転させる。
「あら、対応だけは早い事。皆さん始めまして、元気してる〜?」
「動くな!手を上げろ!従わないなら容赦なく射殺する!」
「つれないわね〜。もうちょっと方の力抜かないと人生楽しめないわよ?」
 銃口を向けられても全く動じていない風な道化師は、警備員たちにジワジワと近寄っていく。
その未知なる異様への恐怖も手伝い、警備員たちは戸惑いなくライフルの引き金を引く。
 弾丸の雨アラレが道化師の身を引き千切り、ミンチにしていく。数秒の一斉射のち、道化師は
ボロボロのローブとともに地面に倒れ伏す。ローブの内部は無残な状態となっていている筈だ。
 警備員達はまず、他に侵入者がいないかどうかを調べようと死体から背を向け……その背に、声がかかった。

「──痛いじゃないのよ」

 警備員の一人が振り返った瞬間、その顔が三枚に下ろされた。仮面を赤い憤怒の表情に変え、両腕に
巨大な鉤爪を取り出した道化師はその巨体で飛び上がり……虐殺が始まった。
 脳髄を砕かれ、内臓を抉られ、手足をバラバラにされ──道化師の周りには、モノの数秒で無残な死体の
山が築かれた。
「だらしないわね、もうちょっと楽しませなさいよ……まあいいわ。アンタ達、出てらっしゃい!」
 呆れた声を出しながら、道化師は指をパチンと鳴らす。直後道化師の周囲に灰色の装甲を纏った異形──
レギオンが四体、姿を現す。
「アンタ達は防衛機構を徹底的に破壊しなさい、抵抗する奴は殺しちゃっていいわよ。アタシはアタシで
 楽しませてもらうわ、久しぶりに気兼ねなく好き勝手出来るんだから……さあ、行ってらっしゃい!」
 道化師の号令と共に、レギオン達は散っていく。何時の間にか笑みに戻った仮面をケタケタと
揺らしながら、道化師は仮面の奥で舌なめずりした。
「さあ待ってなさいロンド・ミナちゃん……このティベリウスがたっぷりしっぽり、文字通り死ぬほど
 ヒィヒィ言わせてア・ゲ・ル♪ああもうガマン出来ない、想像するだけではちきれそうよ〜ん!」
 道化師は笑いながら歩みを進める。その後ろで、放置された死体がモゾモゾと動き始めていた……
617種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/06(水) 03:03:10 ID:???
なんかすっごい苦労したこんばんわ(汗)
今回はあんまり西博士ハジケさせられなかったな〜……

つうわけでようやく腐乱死体登場の巻。こっから暴れさせていくよー!
実は今回、アヌスにミハシラ攻めさせる理由考えるのだけに一週間以上費やしてたり(汗)
脳内やプロットだけにまとめていてもいざ書いてみれば色々と矛盾とかがでて、
以下延々と修正修正……やっぱり二次創作って難しい……でも頑張るよ、俺
本当に応援の声が嬉しいと感じる今日この頃

次はバトル開始かな。テンションは山場に入って上がってきてるので、
テンション維持して出来るだけ早く書けるよう頑張ってみま〜!
618通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 03:10:04 ID:???
GJ!
正にグレイトなジョブだぜ。
熱い展開になってきたようで次にも期待だな。
619通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 05:24:17 ID:???
……誰もいない
620通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 06:22:05 ID:???
GJだね
次回のお侍VS死体にもうwktk
621通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 08:50:20 ID:???
GJ!
ティトゥス大変そうだな〜、色々と。
622通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 09:22:28 ID:???
腐乱死体キタ━(゚∀゚)━!
ここに来てアメノミハシラ襲撃とは…こいつは嫌でもテンション上がる展開ですな
初の逆十字対決に超期待です
623通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 13:47:15 ID:???
>>アヌスにミハシラ攻め
624通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 14:16:41 ID:???
これはGJという以外の言葉が出ないな!
腐った道化がミナ様を狙うとは、予想の斜め上をいってたな!

それはそうと、西博士の電波を涼しげな顔で受け流すミナ様が凛々すぎるw
625通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 20:06:33 ID:???
うおおおおお燃えてきたゼ!!GJ!!
626通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 01:47:46 ID:???
…破壊ロボを解析してる、という一文を見たとき、ドリル装備ゴールド天という
電波がシナプスと化して脳髄を犯し始めた…ともあれ作者さん乙、期待してます
627通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 06:04:52 ID:???
>>626
もう脳髄は犯しつくされてるだろ
そして作者殿GJ!
628通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 17:00:37 ID:???
タイトルがデッドライジングだったんで持ってるのかな?
と思ったらそういうことですかw
侍VS腐乱死体に西博士のドッキリメカとか楽しみが多すぎる。
629通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 20:18:12 ID:???
アストレイ系列のトンデモ装備と破壊ロボは相性がよさそうだ
630通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 23:27:32 ID:???
>>626
なんだっけ、天空宣言企画だかで出たあれはドリルに出来そうな気がする
631通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 02:16:57 ID:???
>>630
オキツの鏡とヌバタの矛……だっけ?
駄目だ詳しく思い出せん
632通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 07:14:47 ID:???
マガノイクタチ改良して某超電磁ロボの必殺技使えるようにならんかね?
破壊ロボの必滅奥義と同じく全身を一つのドリルにするものだしw
633通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 10:54:44 ID:???
あんま注目されてないけど、アスランやカガリも原作とは微妙に違う間柄になりそうなので今後に期待。
634通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 12:40:02 ID:???
えーと、あと二人……

二人と言えばカリグラとクラウディウスとしか思えない。
ウェスパシアヌスのヤツ、殆ど全員と接触済みなのかwwww
635通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 14:24:36 ID:???
サンダルフォンとか
636通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 14:29:00 ID:???
サンダルフォンって扱いやすいか?
637通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 14:35:32 ID:???
メタ子がいないと輝けない子ですよ?
638通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 15:02:16 ID:???
そのせいでアニメに出られなかったからな
639通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 21:13:21 ID:???
だがそれでこそサンダルフォンとも言える
1クールでいっぱいいっぱいなのにさらにライダーバトルしてる場合じゃないよなあ
640通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 21:29:14 ID:???
メタトロンがいないと戦う理由が全く無いからね>草履
その分、ライカルートでは化物バイク乗り回してまさしく悪の仮面ライダーだったり、
本家よりもハイパーボリアの叫びが熱かったりと大活躍だが
641通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 23:14:00 ID:???
>>638
ドラマCD思い出してコーヒー吹いちまったじゃねーかw
642通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 23:16:50 ID:???
ドラマCDのサンダルフォンは斑目化してたよなぁ
643通常の名無しさんの3倍:2007/06/09(土) 21:39:12 ID:???
しかしゲーム本編では何気にトップに食い込むほど熱いサンダルフォン。
644通常の名無しさんの3倍:2007/06/09(土) 23:16:55 ID:???
メタトロォォォォォォンッッッ!!!!

お前への怒りが俺を強くした!
お前への憎悪が俺を強くした!

お前は俺に殺されろッッ!!


など、デモンベイン本編で結構な名台詞を残してるリューガ君
645通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 00:42:39 ID:???
何いってんの?サンダルフォンの一番の台詞は死に際にいったあの一言で決定だろ。
・・・・・・たしか、死に際に「俺を哀れむな」だっけ?
自分でいっといて内容覚えてないのもあれだけど、ループが閉じても戻ってこない
あの頑なさはあそこが一番良く出てると思不。
646通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 00:51:15 ID:???
草履はあの展開がきれいな〆なんだろうが、それでも戻ってきた来たときの展開を見たいと思う俺は異端
647通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 00:53:40 ID:???
あの西博士とは正反対のベクトルに狂っちゃってるのがいいんじゃないか。
648通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 01:03:52 ID:???
ドクターもだけど、デモベはエンディングでの飛ばし方が異常。
特にアル人間エンドは西博士の変わらなさに我輩仰天。
649通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 01:32:52 ID:???
>>647
いやさ、西博士は色々あったとはいえ時計見る限り真性じゃないか
草履はもともとそういう節がなかったとは言えないけど
元があの子供だと思うともうね( ´・ω・`)
650通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 23:52:03 ID:???
>>645
「姉さん―姉さんの優しさで己の狂気を汚すな!」
だったハズ、んで
「姉さんは不様に地べたを這って生きて行くが良い云々」
とか言って独り死ぬのだ…た、確かにカッコイイなw
651通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 12:57:58 ID:Xdgp6xTf
前半は確かにカッコイイがぶっちゃけ後半は負け惜しみに聞こえr(ry
652通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 13:49:18 ID:???
最後の一言が
「自棄になるな、生きろ」
って意味の思いやりに思える俺は異端
653通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 13:56:12 ID:???
>>652
いや、そういう解釈もありだと思うよ
最後の言葉を「生きて苦しめ」ととるか、「苦しんででも生きろ」ととるか
個人的には、両方が混じった感じだと思う
草履はメタ子に、深い愛と強い憎しみの両方を抱いていたわけだし
654通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 16:53:48 ID:???
つまりあの姉弟に壊れあうから動けない淋しい羽根重ねて
出逢う光のない時代の眩しさを見せてあげたいわけですね!?わかります!!
655通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 20:53:36 ID:???
>>654
不覚にもワロタwwww
ネタじゃないならごめんねwwwww
656通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 21:36:14 ID:???
あれって仮面ライダーBLACKが元ネタに思える
657通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 21:43:08 ID:???
俺にはテッカマンブレードとエビルの関係に見えた
658通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 21:58:10 ID:???
メタトロンとサンダルフォンのモデルは、「テッカマンブレードとエビル」とシナリオライターが
イベントで語っていたって話を聞いたことがある。
659通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 22:18:07 ID:???
>>653
まさに殺し愛い、鋼屋節だねぇ

しかしブログ更新来ないな……忙しいのかね?
660通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 22:18:40 ID:???
黒歴史の漫画版のあとがきで
作者がPS2版の収録現場を見学しに行った様子が描かれてるんだが
檜山のシャウトが「マイクぶっ壊しかねない」勢いで描かれてた。

ぼ…ぼる○っかー?
661通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 22:39:15 ID:???
>>658
某スレのせいでテッカマンブレードとエビルの関係と、聞くとブラコンで変態なエビルを思い浮かべてしまう
エビルと同じ名前の俺、参上!
662通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 23:25:05 ID:???
漫画って黒歴史なのか?
絵はヘタだったけどまあいいんじゃね?って感じだったんだが
663通常の名無しさんの3倍:2007/06/12(火) 23:29:35 ID:???
ヒント:頭の仙人骨
664通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 00:00:05 ID:???
でもまあ兄弟での殺し愛バトルは聖書のアベルとカインの頃からある伝統だし
ぶっちゃけ同タイプの変身ヒーローが二人いたら戦い合わせたくなるよね燃えポイントだし
665通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 01:17:20 ID:???
あの漫画のおかげで皇餓の背面展開のデザインがちょっとわかった
黒歴史というほどではないかもな…本当の黒歴史とは、貧乏探偵が車に乗ってたりすることさ
666通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 06:20:45 ID:???
>>665
おっと残念、じゃあ、これはなしだ
667通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 09:42:40 ID:???
漫画はメタとサンダルが共闘してたりとなかなか好きだけどな
668通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 11:44:10 ID:???
絵は致命的に駄目だった

けど話自体は全然よかったよ。
元がいいのもあるけどアニメと比べると月とすっぽん。

あと飛翔が漫画やるっていうのも聞いたけど(作者が同じかは知らないけど)
669通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 14:06:42 ID:???
クラウディウスが乗った魔改造デモべはなかなか良かった>漫画版
かなり改変はあるけど充分許容範囲内だし
670通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 20:26:31 ID:???
インスマウス全カットは痛かったけどな。まあ尺の都合だろうが
671通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 22:23:10 ID:???
まあ、最終巻の後書きさえ見なければ許せたが











おめえの練習帳じゃないんだぞ!!
672通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 01:05:09 ID:???
ヒーロー姉弟がおいしかった反面、何気に姫さん分が足りないのも減点だな
673通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 14:06:00 ID:???
我は勝利を誓う刃金 我は禍風に挑む翼
674通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 14:55:38 ID:???
なんでかエターナルフォースブリザードを思い浮かべたんだぜ
675通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 16:24:11 ID:???
>>674
だがそれがいい

無窮の空を越え
霊子(アヱテュル)の海を渡り
676通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 17:31:22 ID:???
翔けよ、刃金の翼!!
677通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 18:16:20 ID:???
舞い降りよ――アンブロシウス!
678通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 18:34:37 ID:???
先生だってロリ魔導書にダディって呼ばせる変態だろうに
679通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 19:03:10 ID:???
いや待て。魔導書はもしかするとロリ、もしくはショタにしかならないのかもしれんぞ?
680通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 20:29:58 ID:???
竜†恋をやりながら、CEにデモべキャラと竜が来たらどうなるんだろうと妄想




……どうにもできねー
そして多分シンは付けねらわれる、武器的に
681通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 20:44:13 ID:???
>>678
執筆者なんだから別に問題ない気がするのだが
682通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 03:21:26 ID:???
「あのなぁ……九朔。子どもが泣いて『おしまい』なんて後味悪ィお話――胸糞悪ィって思うんだよ」
683通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 16:14:50 ID:???
残念ながらミナ様はS系お嬢様系だが髪型はドリルロールではないので超電磁スピンは無理だろう
684通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 19:38:09 ID:???
つまりっ!!超高軌道要塞型ドリルコロニー・ミハシラクラッシャーなら
かまいませんねっ!!!
685通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 20:27:00 ID:???
>>667
姉弟の共闘は「ぶち壊しじゃないか」って言う人と意見が別れるな
個人的に糞餓鬼が命乞いするのと
ティトゥスがアルと九郎助けるのは受けいられなかったな
686通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 20:31:50 ID:???
>>685
ティトゥスってなんだかんだで他のアンチクロスと比べてかなり毛色が違うし、
別にいんじゃね?
687通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 21:06:07 ID:???
毛色が違うのは分かるが、最後にいい人っぽいところ見せて死ぬ悪人とは
かなり違う気がするんだよなぁ〜
688通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 21:12:26 ID:???
>>685
>糞餓鬼が命乞い

最高じゃん
どうせ美学も信念も無いただの外道だし
見苦しく命乞いの果てにくたばっても然程違和感ないな
689通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 21:20:00 ID:???
糞餓鬼には友情パワーがあるじゃん
690通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 21:46:06 ID:???
あのツンデレ友情パワーを見た俺はクラウディウスを糞餓鬼だなんて呼べなくなっていた
691通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 22:10:00 ID:???
地下のデモベスレで糞餓鬼を実は少女化したり
デカブツをきぐるみで中におねーさんがはいってたり
ってーのがあったなぁ
692通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 22:19:12 ID:???
糞餓鬼を少女化って……エグくならんか?
バラしてやらぁ、とか大男と言い合いと仲良く喧嘩して
そいつが死んだら、自身をゾンビ化しても仇を討とうとする幼女だろ?

……非常に良いかも
693通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 23:48:39 ID:???
皇餓とティトゥスはあれで良かった、と思えるようになったのも種死逆十字の影響かもしれん
隠し腕ver皇餓って本編でもあったっけ?

というか鬼械神関係はCGだとわかりにくいんだよ
694通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 00:08:27 ID:???
>>693
本編って咆哮か?
それでなら4本腕展開した奴もあったはず。
695通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 00:51:02 ID:???
>>693
ティトゥス株は飛翔で騰がったと思うが
696通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 13:18:11 ID:???
>693
鬼械神って魔術の一言でギチギチ音ならしながら
姿形変えちゃうから、どうとも言えないだろ
697通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 14:41:36 ID:???
>>693
皇餓はもともと4本腕。
本編でも飛翔でも展開している。

>CGだとわかりにくいんだよ
そうか? 俺はむしろわかりやすいんだが
698通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 21:48:28 ID:???
表面材質が同一・近似値とか光源が後方とかだったら非常にわかりにくいが、
皇飢は形のおかげもあってまだわかりやすい方だと思うぞ
699通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 03:23:59 ID:???
種世界のワールドルールってどんなのかなぁ
キラとかラクスとかが有利になるルールなのは間違いないんだろうけど
700種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:15:52 ID:???
「まずいことになったな……」
 巨大な剣を構えたアストレイブルーフレームセカンドLのコクピット内で、傭兵部隊『サーペントテール』
の叢雲劾は苦々しげに呟いた。
『なんなんだこいつ等っ!?はっ速い!』
『クッ!雑魚の分際でぇっ!』
 その両翼に陣取るのは同じくサーペントテールのイライジャ・キールが駆る専用ザクと、別の傭兵部隊を
率いているカナード・パルスのドレットノートイータだ。
 その眼前には、三角状の陣形を取りながら彼らと一定距離を保つ連合の新型量産機、ウィンダムが三機。
宇宙用M1アストレイを主体としたアメノミハシラ防衛部隊が傭兵三人の後ろから援護攻撃を行うが、
エールストライカーを装備したウィンダムは無駄のない動きでそれらを全てかわしていく。
 アメノミハシラに接近してきたのは型式不明の宇宙戦艦一隻──それがアーモリーワンに奇襲をかけた
ガーティー・ルーと同型の艦とは当時知られていなかった──のみ。それに対しアメノミハシラは
決して油断せず、十分な数の防衛部隊と傭兵を素早く出撃させ、警報を鳴らした……だが、その迅速な行動が
裏目に出た。出撃直後にアメノミハシラ下層部で爆発が発生。敵の侵入が報告されたのは、敵MS部隊が
防衛部隊に一気に切り込んできた直後だった。
 そして更に予想外の事に、防衛部隊は未だに所属不明機を排除することが出来ないでいた。数では
圧倒的に勝っていた、現に5機ほど居たダガーLは囲んでの集中攻撃で瞬く間に倒せたのに、だ。
 曲者だったのは残った三機のウィンダムだ。機械の様に正確、かつ柔軟性を持った射撃と回避。
まるで一心同体のように互いを活かし、隙を見せない完璧なフォーメーション──手も足も出ず、
もはや足手まといの防衛部隊を後方に下がらせ、傭兵達がメインで闘っていても状況はまるで
好転していなかった。
『消えろっ!消えろっ!消えろおぉッッ!』
 ドレットノートが背部の大型装備『イータ・ユニット』をバスターモードで展開、各二門の機関砲と
ビームキャノンをウィンダム目掛け放つ。ウィンダム達が散開した所に、三人がそれぞれ一機ずつに接近する。
「任務はアメノミハシラを守る事……時間を掛けるわけにはいかない」
 放たれるビームを大剣形態に変形させた多目的バックパック『タクティカル・アームズ』で薙ぎ払いながら、
ブルーフレームが一機に肉薄し斬りかかる。それをウィンダムはシールドで受け止めつつ
刃を滑らせ、逆にシールド裏に装備された二発の小型ミサイルを発射、至近距離からブルーフレームに
ぶつけようとする
「くっ!」
 咄嗟に後退しつつタクティカル・アームズを引き戻し、その刀身でミサイルを受け止める。衝撃が
厚いラミネート装甲で出来た刀身を伝わり、コクピットを揺らした。
(こいつ等の動きには、戸惑いも恐怖も何もない……まるで機械だ。パイロットは本当に人間なのか?)
 冷や汗を流しながら、劾は正面のウィンダムを見据える。眼前の敵は再び無駄のない動きで、右手に持った
ライフルをブルーフレームに向けて持ち上げた。
701種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:19:05 ID:???
「一体何がどうなっている!?」
 アメノミハシラの司令室で、ミナが声を上げた。流石の彼女もこの状況に、その凛とした佇まいを崩す事は
なくとも動揺を隠し切ることは出来なかったようだ。
 眼前の大型モニターに映るのはたった三機のMSに押さえられる傭兵達と、手も足も出せていない自らの兵達。
だがそれ以上にミナを驚愕せしめたのは、別のモニターに映るアメノミハシラ内部の監視カメラの映像と、
通信機から伝わり消えていく、恐怖に満ちた叫び声だ。
『こ、こちら2番カタパルト!侵入者が、灰色のパイロットスーツを着た侵入者が……っ!く、来るな!
 こっちに来るなぁぁぁぁ!』
『司令室!司令室っ!助けっ、助けてくれ!ゾンビが、ゾンビが仲間を食って仲間がゾンビにっ!急いで、
 急いで救援を!おい司令室聞いてるのかっ!?チクショウもう誰でもいい、助けて!助け──』
『イヤアァァァァァッッ!やめて!やめてお願いだから許して!イヤ、イヤ……イヤイヤイヤイヤイヤ
 イヤ────ッッ!』
 どこもかしこも通信は悲痛な叫びを最後に途絶し、監視カメラに最後に映った者達は例外なく
切り倒され、引き千切られ、陵辱され──唯一つの例外なく惨殺されていく。
 いやむしろ、殺されて終わった者はまだ幸せかもしれない。
「ゾンビ、だと……いつからアメノミハシラはパニックホラー映画のロケ地になったっ!?」
 まだ残っているカメラから映る異様な光景……それはゾンビの群れ。殺された筈の人間がゾンビとなって
生者を喰い殺し、その死体が新たなゾンビとなって立ち上がる。正に地獄とはこのことか。
「やはり……『妖蛆の秘密』の力」
 背後からの声にミナが振り返る。表情を引き締めたティトゥスが、司令室に入ってきていた。
「お前達……『妖蛆の秘密』というのはあの……魔導書というやつか」
「然り。そしてその使い手は……」
 ティトゥスは顔をモニターに向ける。下層の宇宙船用ドックにある監視カメラの映像に一瞬映った
道化師の姿を、ティトゥスは見逃さなかった。
「……最強にして最悪の魔術師、逆十字[アンチクロス]だ」
702種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:22:18 ID:???
「やれやれ、肉体労働は苦手なんですが……」
「そりゃ私もそうだけど、まあこの場合は仕方ないんじゃない?」
「こらそこー!のんきなこと言ってる暇があるなら走る走る撃つーー!」
「あ、あの〜、本当に撃っちゃっていいんでしょうか〜?」
 そこらじゅうでゾンビが蠢く宇宙船ドッグを、ジャンク屋組合の長リーアム・ガーフィールドと
同じくジャンク屋のプロフェッサー、山吹樹里、ユン・セファンはひたすら走り続けていた。沸いて出る
ゾンビ共をそれぞれ手に持った火器で最低限駆逐しながら、とにかく駐留してある筈のリ・ホームへと向かう。
 何故上層に向かわずリ・ホームに向かっているのかというと、下手にゾンビの多い狭い通路を通って
上層ブロックへ向かうより、割と彼等が居た場所から近場にあり、MSや環境設備を持つリ・ホームへと
向かったほうが効率がいいというリーアムとプロフェッサーの意見からだった。
 幾らゾンビとはいえ元は人間ということで撃つのを戸惑っているユンに、プロフェッサーは表情一つ
変えず淡々と言い放った。
「連中だって好き好んでゾンビになってるわけじゃないでしょ。ここはサクッと始末してあげるのが
 あちらさんの為にもなるってことよ」
「は、はあ、そんなものなんでしょうか〜?」
「なんでこんな事に〜!ホラー映画は嫌いじゃないけど自分が出るのはイヤーーーッ!こんな時にロウは
 何処にいんのよーーー!」
 正しいんだかそうでないんだか分からない答えを普通に言うプロフェッサーに、ソバカスの浮いた顔を
半泣き状態にしたユンは困惑する。その横では樹里が半狂乱でゾンビの群れに銃を撃ちまくっている。
本来は臆病な性格なのだが……想定以上の恐怖にネジが何本か飛んでいるらしい。
「この状況、我々が生き残るためには仕方ないでしょう。とにかく、なんとかリ・ホームに辿り着かなくては。
 せめて作業用でもMSが確保出来れば楽だったんですが、こうゾンビで溢れていては……っ!?」
 リーアムが鼻元を手で覆い、顔を顰める。血と肉と臓物の生々しい匂いで満ちたドックに、更に濃密で
不快な悪臭が漂ってきたからだ。
 ズルッ、ズルッ──何時の間にか集まり、歩みを止めたゾンビ共の後方から、奇妙な衣擦れの音と共に、
その匂いの元は近付いてくる。
「オホホホホ、おこんばんわ〜。雌のイイ匂いがすると思ったら、結構な上玉が集まってるじゃな〜い♪」
 そしてゾンビの壁が道を開け、その異形は現れる。奇怪な仮面とローブを纏った道化師風の太った大男の
出現に、ユンと樹里はヒッと小さな悲鳴を上げた。
「あ、貴方は一体、何者です!?」
「あらっイイ男。でも流石に歳が行き過ぎね、アンタには興味ないわ……でもまあ誰だと聞かれたら答えて
 あげるが世の情けかしら。アタシはティベリウス、死を支配する魔導書『妖蛆の秘密』を持つ魔術師よん☆」
 ローブから露わにした、体系とは裏腹なひしゃげた腕。その掌に何処からともなく現れる一冊の書物。
分厚いその表紙は鉄に覆われ、その色はどす黒く染まっている。そしてそこには蠢くもの……大小の蛆虫が、
大量に沸いていた。
703種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:24:00 ID:???
「魔術師……?」
「この世界じゃ信じられないのも無理ないけど。ま、信じようと信じまいとどーでもいいわ」
 書物を手品のように消し、ニヤけた仮面の奥から下卑た笑いを響かせながら、ティベリウスは四人に
近寄っていく。
「そ・れ・よ・り♪見れば見るほどオイシそうなこと。ナイスバディなオネエサマにスレンダーな
 お嬢ちゃん、そっちのソバカスの子もよくよく見ればバランス取れてていい感じじゃな〜い♪」
「こ、こっちに来るなぁ!」
 舌なめずりの音をたてながら近付いてくるティベリウスに、樹里が後ずさりながら銃を向ける……しかし、
その震えた手は引き金を引けない。ゾンビはまだしも、生身の人間に銃を撃つのは流石に抵抗があるのだろう。
「アラアラ、怖がっちゃヤ〜よ。このアタシが優しく、丁寧に、手取り足取り腰取りカワイがって
 ア・ゲ・ルブルォァッ!?」
 喋ってた途中の道化師に、弾丸の雨が叩き込まれた。あっと言う間にボロ雑巾のようになった
ティベリウスは後方に吹っ飛び、床に倒れ伏す。カツンと、外れた仮面が転がった。
「悪いけど趣味じゃないわ、帰って」
「ププププロフェッサーーーーーッッ!?」
「いきなりですか〜!?っていうか躊躇なく撃ちました〜っ!?」
「何言ってるの、障害は排除しないといけないでしょ?まだゾンビだって山ほどいるのよ?」
 銃口から煙を上げるマシンガン片手に、プロフェッサーは煙草を吹かす。その憮然とした態度に
樹里とユンは顔を引きつらせた……直後、
「ホント酷いわね、喋ってる途中に横槍入れるなんてマナー違反じゃない?」
「っ!危ないっ!」
 ボロボロになったローブの下から何かが伸び、樹里達に迫る。それを見たリーアムが三人を突き飛ばし、
伸びた何かはリーアムの全身に絡まり、首を締め上げる。
「リーアムっ……キャアアアアアッ!?」
「な、なんですかこれえぇぇぇぇ!?」
「あら、これは……ちょっとマズイ、かしらねっ……」
 突き飛ばされた三人がリーアムを助けようとしたが、更にローブの下から新たに伸びたそれらが全員を
拘束し、地面から持ち上げる。
 彼等の身体を縛るそれは……腸だ。腐り切った肉は黒ずみ、グロテスクさを引き立たせている。染み出る
生暖かい粘液が身体を汚し、嫌悪感を増大させる。
「イヤ、イヤァッ!なにこれぇ!?汚い気持ち悪い気色悪い〜っ!」
「あらあら、そんな事言わないでよ。アナタの肌がキモチイイって、アタシのイキのいい内臓ちゃんも
 嬉しくてビクビクしてるんだからぁん♪」
704種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:26:10 ID:???
 悲鳴を上げる樹里に、更に追い討ちで絶望感を与える声。
 倒れていたティベリウスが、ローブを引きずりながら立ち上がる。開いた腹の中からは四人を拘束する
腸が伸び、さらにその内側は全ての内臓が腐り落ち、大量の蝿、蛆、その他諸々の蟲が蠢いている。
 そして、仮面の外れたその顔は──
「キャアアアアアアアアアアッ!お、オバケェェェェ!?」
「ガ、ガイコツさんですかあぁぁぁぁぁ!?」
「あら失礼ね、カッコイイでしょ?」
 樹里とユンが一際大きな悲鳴を上げる。ティベリウスはまだわずかに腐肉を残した己の髑髏をカタカタと
鳴らしながら、落としていた仮面を拾い上げる。
「成る程、ゾンビの親玉はやっぱりゾンビだったってワケね……油断したわ」
「わ、私達を……どうする気、ですか……」
 プロフェッサーが珍しく不機嫌そうに呟き、首を絞められているリーアムは苦しそうに問う。
「そんなの決まってるじゃない、これから楽しい楽しいオトナのプレイタイムよ。壊れるくらい……いえ、
 壊れてからもアタシのぶっとい一物や腸で、穴という穴全部ズンズン突き刺してア・ゲ・ル♪ノーマルから
 触手プレイ、死姦プレイまでよりどりみどりよ〜ん。文字通り昇天させてアゲルわ〜……でも、その前に」
 吐き気をもよおす内容を当然のように、実に嬉しそうに言い放つティベリウス。だが最後に、その声の
トーンが急に低くなった。
「男は要らないわ」
「……っ!?かはっ……っ!」
「「リーアムっ!?」」
「リーアムさんっ!?」
 突然、リーアムの首を締め上げていた腸──否、もはや触手と呼ぶに相応しい歪な肉の力が強まる。
リーアムが目を見開き、苦しげに呻く様に他の三人はジタバタと身体を動かすが、拘束は弱まらない。
「あと二十年も若かったらアタシ好みのショタ美少年だったっぽいけど……ま、邪魔だからさっさと
 死んで頂戴。あ、ダイジョブダイジョブ、死んだらちゃんとゾンビにしてあげるから安心なさいな」
「やめて、やめてよぉ!リーアム、リーアム!」
「オホホホホホホ!オーーッホホホホホホホホ!」
 樹里が叫んでも、プロフェッサーがティベリウスを睨みつけても、ユンがポロポロ涙を流しても……
事態は何一つ好転しない。むしろそれを見て楽しげにティベリウスは嘲笑う。
 リーアムの目が血走り、口からの呻き声がかすれ始め……今にもその意識が落ちようとしたその時、
「──我の客人達を離してもらおうか、外道」
 二発の銃声と共に、その高貴な声が響き渡った。
705種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:28:34 ID:???
「グッ!ッハッゴホッ……」
 銃弾が首に絡みついた触手を引き裂き、地面に落ちたリーアムが呼吸を再開する。
「誰!?」
 ティベリウスが銃弾の飛んできた方向を睨む。リーアム達の後方、通路の奥に立っていたのは、
上から下まで黒で統一された麗人。その手に持つ金色の古式拳銃が黒に映える。
 そしてその表情は、見るだけで怖気を誘うような貌だ。その細められた眼からは映る全てを
射殺さんほどの冷たさを放っている。
「ここの主だ。招待してもいないのに現れた無作法な来訪者が居ると聞いてな、直接用件を聞きに来た」
「ゴホッ……ロ、ロンド・サハク……」
「……オホホホホホ!まさかアンタの方から直接来てもらえるとは思わなかったわ、ロ・ン・ド・ちゃん☆」
 ミナに見据えられても、ティベリウスはその人を小馬鹿にした態度を崩さない。仮面の口部分から
覗かせた舌を仮面に這わせながら、下種で卑猥な言葉を吐き出し続ける。
「ん〜、やっぱり直接見ても美人だわ〜。その引き締まった体もサイコー、さぞ具合がいいんでしょうね〜」
「何が目的だ?何のために我等を攻め、我の城に押し入り、我が臣民を手にかけた?」
「ああ〜ん怒っちゃイヤよぉん。でもその怒った声も凛々しくてス・テ・キ♪早く悲鳴を聞いてみっ」
 ドンッ!と銃声が響き、言葉を遮られたティベリウスの頭がのけぞった。ミナの握った拳銃の
銃口から、白煙が立ち上る。
「さっさと答えろ魔術師。貴様の様な下衆に使ってやる時間は我にとって惜しすぎるのだ……とはいえ、
 仮に答えたからとて無事に帰れるとは思うな。我が民をあのような姿に辱めた罪、生半可な罰で
 終わると思うなよ、蛆虫!」
 ミナの表情が明確な怒りを形作る。唇は引き締められ、眉間に険しく皺が寄る。吊り上げられた眼からは
それまで以上の冷たさを放つと同時に、激しく燃える憤怒の色を覗かせた。
「……何よ何よ、熱くなっちゃって。あ〜ヤダヤダ」
 ティベリウスがのけぞった頭を戻す。眉間に穴の開いた仮面が一回転、憤怒の貌に早変わりした。
「調子乗ってんじゃねえぞこのアマァ!手足全部バラした後犯しまくって、そのスカした顔に雌豚以下の
 アヘ面しか浮かばなくなるまで調教してやらぁっ!」
 ティベリウスの腹から新たな触手が伸び、ミナに迫る。だが、ミナは動じない。
「……そうか、そういう態度を取るか。なら仕方あるまい」
 腐臭と腐汁を撒き散らす臓腑の触手がミナに絡み付こうとし──
「下劣で礼儀知らずな輩には、用心棒に対応してもらうとしよう」
 ──直前、疾った二本の白刃によって細切れに寸断された。
706種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:30:59 ID:???
「なっ!?ア、アンタはっ!?」
 ティベリウスの驚愕を他所に、二本の刀で触手を斬り裂いた黒いサムライはそのままティベリウス目掛け
通路を駆け抜ける。
 触手に捕らわれた樹里達の横を影が抜けていった瞬間、彼女等を捕えていた触手もまたバラバラに
切り落される。地面に落ち尻餅を付いた樹里とユンが軽く声を上げるが、彼女達の身体には切り傷一つ
ついてはいない。
 そのままサムライはティベリウスの眼前まで駆け抜け、その二刀を道化師へと振り下ろした。刀を
両腕の鉤爪で受け止めたティベリウスの仮面が、驚愕を映した青の仮面に変わる。
「アンタ、ティトゥス!?リベル・レギスに吹き飛ばされて死んだ筈じゃ……あるばっ!」
 その仮面に回し蹴りを叩き込まれ、道化師の巨体が後方に吹っ飛ぶ。そのまま彼は後方で停止していた
ゾンビの群れに突っ込み、結構な数のゾンビを自らの身体で潰した挙句飛び散った腐肉と腐汁に埋まる。
「危なっかしい事をなさる……ここまでに沸いていたゾンビ共の始末を頼んでおいて、自分はさっさと
 先に進んで彼奴の前に姿を晒すなどと。拙者が間に合わなかったらどうするつもりだったのか」
「何を言う。人の庭を土足で荒らされて、主が顔も見せずに黙っておけるものか。それに、期待通りの
 見事なタイミングで来てくれたではないか……無事か、リーアム代表にその他の諸君」
「え、ええ……助かりましたよ」
「私達はその他扱いですか……」
 少々目を細めで呆れ気味に言うティトゥスの言葉を軽く流しながら、ミナが倒れたリーアムに手を伸ばす。
立ち上がるリーアムの横で、樹里が自力で立ち上がりんがらぼやいた。
「……やってくれんじゃないのよ、ハラキリ男」
 低く抑えられた声とともに、ゾンビの残骸の中から道化師が立ち上がった。腐肉まみれのローブを翻し、
床や壁に腐臭と一緒に撒き散らす。
「……奴には清掃代も請求せねばならんかな」
「馬鹿を言っていないで下がってくれぬか。ここからはもうタダでは済まんぞ」
「分かっている……リーアム代表、早く彼女等を連れて上へ。そうすればもう追っ手はない」
「分かりました。さ、皆さん」
「ちょっと興味あるけど、まあ仕方ないわね」
「え、ええとぉ、あちらのお侍さんは……」
「あの人は大丈夫!早く行きましょ!もうグロいのはイヤー!」
707種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:33:08 ID:???
 ミナに促され、ジャンク屋の面々が通路の奥へと走っていく。ミナと彼女を見据えるティトゥスが
残り……最後にミナが、トーンの下がった口調でティトゥスにハッキリと言い放った。
「……では、後は任せたぞ。確認しておくが、我の依頼は『侵入者の速やかなる捕縛もしくは殲滅』だ……
 遠慮はいらん、好きなようにやれ」
「……委細、承知」
 その言葉に満足げに微笑み、身を翻すミナ。
「ちょっと待ちなさいよ、アタシのこと忘れてんじゃないわよ!」
 ティベリウスはそれを見て彼女を追おうとするが、振り返ったティトゥスがその前に立ち塞がる。
「客人、ここからは関係者以外立ち入り禁止だ」
「……オーッホッホッホッホ!随分と落ちたもんじゃないティトゥスちゃん。かつてはアタシ達と同じ
 『アンチクロス』の席に座っていたアンタが、今はあんな女の飼い犬?無様すぎて笑っちゃうわ!」
「……今の拙者は唯の傭兵だ。それ以外の何者でもない」
 笑い転げるティベリウスに、ティトゥスは両手をそれぞれ上下段に広げつつ、刀を交差させて答える。
「故に……依頼に従い、貴様を斬る。聞きたいことは山ほどあるが……今はこれ以上語ることはない」
「斬る?今のアンタが?このアタシを?……オーーーーーーホッホッホッホッッ!」
 ティトゥスの言葉に、ティベリウスは仮面を百面相させながら大きな馬鹿笑いを上げる。ティトゥスは
何の反応も示さず、刀を構えて動かない。
「ムリよムリムリ!アンタごときにこのアタシが殺せると本気で思ってるの?さっきは油断したけど、
 今のアンタのヘッポコ剣術じゃアタシを殺すどころか傷一つだってつ」
「斬」
 ティベリウスが言い終わるのを待たず、ティトゥスはティベリウスの懐に踏み込み、両の刀を
その首に突き立てた。
「けっ……らんれぇぃっ!?」
 そのまま柄を捻り、腐肉を抉りながら刃を外側へ向ける。一気に両手を広げティベリウスの首を落とし、
更に返す刀で胴体を×字に斬り裂く。しかし……
「……やるじゃないのよ。けど、無駄だって言ってるでしょ」
 まだ、終わってなどいない。
 胴体の裂かれた部分から触手が溢れ、分かたれた胴体と首に絡みつくと共に残りがティトゥスに迫る。
ティトゥスはバックステップしながら触手に斬り付けるが、斬った後ろから別の触手が迫り、それに
対処している間に斬った触手が再生する。何度も斬り付け触手の勢いが止まった時には、
ティベリウスの身体は綺麗に繋がり元へと戻っていた。
708種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:35:00 ID:???
「アタシは不、死、身☆そんなナマクラ刀でアタシが殺せるわけないでしょ。同じアンチクロスだった
 アンタはよく分かってるでしょうに……ま、ちょっとビックリはしたケド。そんな並よりちょっと上程度の
 魔力しか感じない身体のクセして、そこまで動けるなんてねぇ……けど」
 突然、ティベリウスの後方で待機していたゾンビ達が前へと出てくる。十数体のゾンビが前に出たのを
確認してから、ティベリウスは右手を前に出し……
「これは避けられるかしら?」
 ひしゃがれた指をパチンと鳴らした瞬間、ゾンビが一斉にティトゥスに飛び掛る。
 ティトゥスは向かってくるゾンビを刀を振るい次々と斬り倒していく。横斬り、縦斬り、袈裟斬り、
斬り上げ、薙ぎ払い、斬り落とし……ありとあらゆる太刀筋で向かってくるゾンビを斬り続けるが、
そのの勢いは止まらない。愚鈍だが肉体の限界を超えた力を持つ腕が、アングリと広げられた口内で
光る歯が、ティトゥスの肉を引き千切り喰らわんと這い寄って来る。
「結構保つわねえ……それじゃ、これはどう!?」
 ティベリウスがもう一度指を鳴らす──直後ゾンビが内側から弾け、臓腑で構成された何本もの触手が
ティトゥスに迫る。しかも眼前のゾンビだけではなく、斬った筈の倒れたものからも同様に。
「くっ……裂っ!」
 斬撃を一瞬止め、足を曲げ腰と胴を下に深く捻り溜め込む。その隙を突き一気にティトゥス目掛け迫る
触手。多くの触手が紙一重の距離まで近付いた瞬間、ティトゥスは溜め込んだ腰を解放し、その場で
駒のように回転する。回転と連動して刃を唸らせる刀が、寄って来た触手を次々と輪切りにしていく。
「バカね!」
 だが回転の終わり、そこに一瞬だが大きな隙が生まれる。数本の触手が絡まり、一本の太い
触手となって横薙ぎにティトゥスの腹部を打った。
「ガハッ……」
 ミシリ、と骨の軋む音を聞いた直後、ティトゥスの体が近場の壁まで吹っ飛ばされた。鈍い音を響かせ、
壁が歪み亀裂が入る。更に、一本の触手がティトゥスの左肩に深々と突き刺さり、壁ごと串刺しにする。
飛び散った血が、壁に血痕を作った。
「ぐああっ!」
「オホホホホホホ、中々いい声で鳴くじゃな〜い」
 蠢く触手の中から、ティベリウスが鉤爪を構え近寄ってくる。ティトゥスはまだ動く右手の刀で
自らを貫く触手を断ち、肩から引き抜く。だが傷は深く、出血も酷くはないが、無視できるほど少なくもない。
709種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 04:37:00 ID:???
「……まさかとは思ったけど、アンタ本当に魔術を使ってないのね。よくそんなザマで皇餓が
 召喚できたわ、アタシ達だって鬼械神の召喚はまだヤバイから出来ないっていうのに」
 黒装束を破り傷口に巻き付けるティトゥスを見て、ティベリウスは呆れた。先ほどからティトゥスの攻撃や
動きを見て大方想像は付いていたが、正直ありえないと思っていた。
「なんで使わないのよティトゥスちゃん?せっかくの力、使わないと損じゃないの」
「……拙者はもう、魔術には頼らん。己の力のみで進む……そう、決めたのだ」
「ハァ?……オーーーーーホッホッホッホッホッッ!何を言うかと思えば!何、前の世界でボッコボコに
 されたから反省しましたとでも言うわけ!?笑わせないでよ!くだらない、くだらないわ!」
 一瞬の呆然の後、ティベリウスは狂ったように一際大きい笑い声を上げ、眼前のティトゥスを罵った。
ティトゥスはその侮蔑に言葉を返さなず、俯く。
 ティトゥスの様子など気にも留めず、身を振り手を振り仮面を震わせ、ティベリウスは全身でティトゥスへ
嘲りを表現する。
「じゃあ何、ユニウスセブンの落下を防ごうとしたのはマジで正義感ぶってやっちゃったワケ?
 バカよバカバカ!何、大十字九郎の影響でも受けて正義の味方ヅラ?アンタが?ギャハハハハハハハハ!」
 ティトゥスは反応しない。ティベリウスの言葉に、彼は悔しさや情けなさは微塵にも感じなかった。
 ──しかし、ティベリウスを見てから既に火のついていた別の感情が、胸中で激しく燃え上がっていた。
「己の力?そんなちっぽけなモノで何が出来るってのよ!?現にアンタだってユニウスで皇餓
 使ってんじゃないの!そもそも、人間なんてゴミよ、アタシ達に搾取される為に存在するブタよ、家畜よ!
 そんなモノの為に命掛けるなんて馬鹿馬鹿しいにも程があるわ。アンタだって似たような考えで
 散々殺してたじゃないのよ、ホント今更!」
 そう、当時は己もそうだった。弱者など殺す価値もなかったが、同時に生かす価値もなかった。殺すことに
拘ってはいなかったが、躊躇もなかった。
 目の前の男と、自分は間違いなく同類だった──故に、気付かなかった。
「『汝の欲するところを行え』、結局これが全てなのよ。力を持つ者がゴミを好き放題にする、これが
 世界の真理そのもの。だからアタシはこの世界でも、どいつもこいつも殺して犯して好き勝手に
 やらせてもらう、いえそれが当然の権利なのよ!ここの連中も同じよ、ミナちゃんもさっき逃がした
 連中も、どいつもこいつも犯して殺して喰らい尽くして」

「少し黙れ、腐乱死体」

 周辺の空気が、固まる。忙しなく動いていたティベリウスが動きを止め、仮面の奥の腐った眼窩が
ティトゥスを睨みつける。
「……あんですって?」
「腐った耳では聞き取れなかったか?ならばもう一度言おう」
710種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 05:04:44 ID:???
 俯いていた顔を上げ、ティトゥスは真っ向からティベリウスを見据える。その眼に宿るのは、憤怒と憎悪。
「その汚らしい口を止めろと言ったのだ、肥溜。臭い息を吐くな、汚い汁を撒き散らすな、視界に映るな、
 拙者と同じ空気を吸うな……貴様のその醜悪さ、その全てが我慢ならん」
「んなっ……」
 元々侮蔑していた、嫌悪もしていた。だが、同類だったから肝心な事に気付かなかった。相当な時間
共に居る事を許容し、気にしないどころか気付きもしなかった。
 この人外は、この外道は──唾棄すべき、滅すべき存在だという事に!
「拙者は大罪人、正義を語るつもりも毛頭ない……しかし」
 遅かったのかもしれない。今更気付いてもどうしようもないのかもしれない。
「『汝の欲するところを行え』……そう言ったな」
 だが、気付いた以上やる事は一つ。それは今、眼前にある。
 この感情を抑える必要は無い……この憤怒は、憎悪は、邪悪に対する正しき怒り!
「拙者は貴様が、貴様の行いが甚く気に入らん……故に全身全霊を持って、今貴様を成敗する!
 それが今、拙者が最も欲するところだ!」
 肩の痛みを無視し、刀を呆然とするティベリウスに振り下ろす。ティベリウスは鉤爪でそれを受け止め、
不機嫌極まるといった感じでブツブツと呟き始めた。
「……ウザイ、ウザイウザイウザイウザイウザイウザイ!」
 刀を払い、巨体を回転させながら何度も何度も鉤爪をティトゥスにぶつける。二刀でそれを防御するが、
肩の痛みに力が入らず、徐々に後退するティトゥス。
「クッ……」
「ハッ!大層な事言って所詮その程度!?もういいわ、アンタはアンチクロスの頃からちょっと
 気に入らなかったのよ、武人面気取りやがって……介錯してやるから、ハラキリしてなさい!」
 飛び上がり、右手の鉤爪をティトゥスの首へと振り下ろすティベリウス──だがその瞬間、
「我、埋葬にあたわずっ[Dig me no grave]!」
「っ!?」
 後方から放たれた光が、ゾンビの群れごとティベリウスを貫いた。
「ギャアアアアアア!熱っ、あっつゥゥ!」
 腹の中央を吹き飛ばされ、地面に落ちたティベリウスはのた打ち回る。
 その後方に、辛うじて生き残……もとい、死に損なったゾンビを巨大な砲とガントンファーを両手に
殴り倒す少女の影があった。
「キモイゾンビを叩いて砕く、エルザがやらねば誰がやるロボー!」
 ……随分と楽しそうですね。
711種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 05:07:15 ID:???
「随分といいタイミングで来てくれたな、エルザ」
「当然ロボ、37.5秒前から絶妙かつ感動的なシーン狙ってたロボ」
「この木偶人形……」
 親指を立てるジェスチャーをするエルザに、ティトゥスは本気で殺意を持った。当のエルザはティトゥスと
会話しながらも、ゾンビを次々に駆逐していく。右手の『我、埋葬にあたわず』の砲身で全身を叩き潰し、
左手に持ったガントンファーで頭を胴体から引き千切って飛ばした後まだ活動するそれに弾丸をぶち込み
粉砕する……実にX指定な光景だが、見た目ロリっぽいロボっ娘がそれをやっているとシュールである。
「なっ、なんでドクターウェストの機械人形までここにいるのよ!?」
「……まあいい、首尾のほうは?」
「バッチリロボ。魔導兵器三体全部、ゾンビと一緒に片付けといたロボ。時間稼ぎサンキューロボ」
「ちょっとアンタ達アタシを無視してんじゃ……なあ!?」
 地面に転がされたまま華麗にスルーされたティベリウスは、一瞬二人の会話の内容を理解できず……
理解した瞬間、素っ頓狂な叫びを上げた。
「そんな馬鹿な!アンタみたいなガラクタがこの短時間で、レギオンを全機始末出来るわけ……」
「ガラクタはどっちロボ、エルザを嘗めんなロボ。変なシールドには手こずったロボが、あの程度の
 性能でエルザに敵うと思ってんじゃねーロボ」
 最後のゾンビを叩き潰し、今度はティベリウスに親指を下へ向けるジェスチャーをするエルザ。
エルザはドクターウェストが造り上げた最高傑作、その能力は魔術師と比べても遜色ない。非常に高い
パワーと運動能力、そして装備された『我、埋葬にあたわず』を初めとした呪法兵装。所詮人間に
毛が生えた程度の魔導兵器が束になったところで、彼女に敵うはずもない。
「け、けどね……例えレギオンがやられようが、アタシ一人さえ居ればアンタ達なんざ敵じゃないのよ!」
 腹の傷が塞がり、バック転しながら立ち上がったティベリウスはエルザへと駆けて行き、鉤爪を振るう。
『我、埋葬にあたわず』で受け止めガントンファーの弾丸を肩口に撃ち込むが、傷口は即座に塞がってしまう。
「アタシを殺せないアンタ達に、勝機なんざ一切あるわけが」
「ないという訳ではないのは、御主が一番よく分かっているのではないか、ティベリウス」
 後ろからのその声をティベリウスが聞いた時には、ティトゥスは既にティベリウスの横を駆け抜けて行った
後だった。一条の閃光が疾り、ティベリウスの首の中央が横一線にスライドする。
 今にも胴体から滑り落ちそうなその頭目掛け、エルザが『我、埋葬にあたわず』を振り上げ──
「エルザァァァァァ、ホォォォォムランッッ!ロボォッッ!」
「ゴッッッ!ド、ヅィラァァァァァァァァッ!?」
 フルスイングされた『我、埋葬にあたわず』に、クリーンヒットしたティベリウスの頭部がぶっ飛ばされる。
オマケにそのまま、『我、埋葬にあたわず』の砲口を残った体に向け、引き金を引くエルザ。放たれた光の
奔流に呑まれ、肉の焦げた臭いと共にその体が灰になって消し飛ぶ。
「て、テメエ等ァァァァ、ゴッ!?こ、こんな真似してタダで済むと思うんじゃ、ヌボァッ!」
 吹っ飛ばされた頭部の方はただっ広いドッグの天井まで達し、天井にぶつかって戻ってきた挙句
地面に叩きつけられる。正にピンボール。
712種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 05:09:20 ID:???
 だがそんな悲惨な眼に合いながらも、首だけのティベリウスはケタケタと笑い続ける。
「オホ、オホ、オーーーーホホホホホホ!けど無駄よ無駄!『妖蛆の秘密』の力を得たアタシは不死身!
 アンタ等がどれだけアタシを切り刻もうと焼き尽くそうと、アタシは何度でも蘇るのよ!」
 床にキスした状態で転がるティベリウスの頭の周りに、何処からともなく現れた腐肉が
集まっていく。それらは徐々に纏わり付き、一つとなり、ティベリウスの胴体を形作っていく。
「どう!これこそ人間には持ち得ない、人間を超えたアタシの力!『妖蛆の秘密』の力!この力がある限り、
 魔術にびびった腐れザムライとポンコツ人形如きに、このアタシが負けるわけがないのよ!」
「そう、『妖蛆の秘密』……それがある限り貴様は死なぬ。だが逆に言えば、『それがなければ』貴様は
 タダの死体に過ぎぬわけだ」
 淡々とした言葉が、再生途中のティベリウスの頭上から聞こえてくる。ゆっくりと不完全な身体で
上に振り向くと、其処にはティトゥスとエルザが仁王立ちしていた。
「ちょ……ちょっとタンマ!ね、ねえティトゥスちゃ〜ん?」
「「妖蛆の秘密」に蒐集された死者の怨念、憎悪から変換された魔力が在るゆえ、貴様の肉体は無限に
 再生する事が出来る……つまり『妖蛆の秘密』こそが貴様の本体と言っても良い。それを悟られぬ
 よう、『妖蛆の秘密』は貴様の体内中で常に転移しその位置を隠している……拙者や他の逆十字が
 それを知らぬと本気で思っておったか」
 ティベリウスの言葉を無視し、ティトゥスは確信を付く。当のティベリウスは仮面を驚愕の面に変え、
ここに来て本気で慌て出す。
「ねえちょっと!ちょっと待ってってば!」
「そして肉体を完全に消し飛ばされた時、肉体を再生する直前に『妖蛆の秘密』は姿を現す……」
「ちょっと、ちょっとちょっと!マジになんないでよ!い、今までのは久しぶりに会ったトモダチへの
 軽いスキンシップよぉん、スキンシップ☆だからぁ……」
「悪いが──」
 ティトゥスは無造作に後ろへと足を振り上げ──
「──生ゴミの友人を持った覚えはない」
 短く言い放った直後、ティベリウスの巨体を上空へと蹴り上げた。
「あがあぁぁぁぁぁっ!?」
「────斬ッッッ!」
 そしてその腐肉達磨に、ティトゥスは怒涛の連続斬撃を放ち続ける。ティベリウスの身体は千切りにされ、
短冊切りにされ、微塵切りにされ──やがてそれは腐った血と骨の混じったミンチへと変わっていく。
「ロボロボロボロボロボーーーーーーッッ!」
 更に其処にエルザが『我、埋葬にあたわず』を全開出力で叩き込む。飛び散ったミンチの一部分が
消し飛ぶ。更に二発目を発射、ミンチはまたその体積を減らしていく。
 斬撃、砲撃──斬撃斬撃斬撃砲撃斬撃斬撃斬撃斬撃砲撃斬撃斬撃砲撃斬撃斬撃斬撃斬撃斬撃斬撃──
斬撃と砲撃による、無慈悲で圧倒的な蹂躙。
 もはや血風と表現してもよいほどに解体[バラ]されたティベリウスの肉体、その真っ赤な霧の中に、
ドス黒く鈍い輝きを持った書物が姿を表し──
713種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 05:12:03 ID:???
「嘗ァメルナァァァァァァァァクズ共ガァァァァァァァァァ!」
 悪寒が、ティトゥスの背を走った。素早く刀を鞘に戻し、『我、埋葬にあたわず』を構えたままの
エルザを抱えて後方に跳躍する。流石に大砲抱えたロボっ娘は腕に堪えるが、構っていられない。
 ──直後、轟音と共にティトゥスとエルザが立っていた床が、大きく陥没した。
「これは……!?」
「なっ、何ロボ!?」
 眼を見張る二人の眼前で、血風が勢い良く広がる。その中に浮かんでいる物体が二つ。
 『妖蛆の秘密』と──血で真っ赤に染まったティベリウスの仮面だ。
「──もういい。もういいわ。もうロンド・ミナもアメノミハシラの確保も知ったこっちゃないわ!」
 エコーの掛かった低い声を出す仮面──その後ろで、巨大な魔術陣が展開された。
「「──っ!?」」
 変化は更に続く。魔術陣の内側の空間が歪み、何かがその姿を形作り始める──それと似た光景に、
ティトゥスは見覚えがあった。
「これは……あの魔導兵器と同じ!?」
「殺してやる、どいつもこいつも皆殺しにしてやるわ……アンタ達をくびり殺した後、残りはこの
 アメノミハシラごと、全員宇宙の藻屑にしてくれる!宇宙に飛び出した死体で、シッポリタップリ
 無重力死姦してやるわ!」
 ──歪みの中から、巨人が現れた。
 大きさは20メートル前後。全身は丸みを帯び、その上から真っ赤な布のような物が被せられている。
その両手首にはゴツイナックルガーらしきパーツが装着され、掌部を覆っている。
 その頭部──いや、頭部に被せられた特殊なパーツは特に特徴的で、肩部分よりも更に横に大きく
広がっている。そのパーツも大半が布に覆われており、両端に装備されたむき出しの大型キャノンが
奇妙にミスマッチだ。
 そしてその変わった中で、最も異様な部分──それは、布に覆われていない顔部分だ。
 ツタンカーメンのマスクの様に突き出した顎。カメラアイは存在せず、本来眼が在るべき場所に
在るのは──鋭い無数の歯を噛み締めた口だけ。その口がとても下卑た笑みを浮かべているように
見えるのは、偶然なのか?
「真逆……こんなことが!?」
 その異容に、ティトゥスは慄きを禁じえない。大きさも姿も違うが、その姿から連想されるものは一つ。
 ティトゥスの考えを裏付けるように、血風から本来の姿に戻りかけていたティベリウスが、叫びを上げた。

「モビル・マキナ──フォビドゥン・ベルゼビュート!暴食せよ!」
714種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/17(日) 05:14:20 ID:???
結局いつもとそうペース変わってなくてゴメンなさいこんばんわ
そして途中でアクセス制限食らって投下が遅れてほんとすみませんでした;
マジで書いていくほどに難しくなってく感が……そしてどんどん捏造設定増やしてる俺を許してorz

さてティベ公大暴れ&オリMS登場の巻……そろそろ土下座したほうがいいのかもしれない(ぉ
おそらく誰もが考え付くであろう安直な機体種別名……これしか思いつかなかったのよー(ノД`)
あとどうでもいいところで正直ジャンク屋は人数少し省いてもいいかと思ったんだけど、
ティベの餌は多いほうがいんじゃねってのがあって出してみた(マテ
……やべ、気付けば言い訳ばっかり書いてる俺がいるorz

さて次回はお待ちかねー(?)、真の主役機登場かな?
あとフォビベルゼのスペック云々は次回上げようと思いますので〜

ところで今回色々とグロ描写っぽいシーンを書いたのだが、これは投下前に注意書きした方がいいのかな?
個人的には大したことない描写だし、このスレにくるような人は平気っぽい気はするんだけどw
715通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 05:22:29 ID:???
GJ! まぢGJ! 次回の更新が楽しみでなりませぬ。
716通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 06:09:28 ID:???
GJ!GJ!GJ!GJ!
ワクワクテカテカ期待が高まるザマス
717通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 07:52:16 ID:???
ものすごくセリフが生き生きしてる。ティベリウス再限度高い。
ちょっと問題あるんじゃないか作者。
718通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 08:47:22 ID:???
なんという腐乱死体
これは間違いなくティベリウス
719通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 10:32:07 ID:???
ティベリウスって腐れ外道で最低野郎なんだが……
あの声とあんまりと言えばあんまりな扱いに何故か憎みきれんwwwww

フォビドゥンベルゼルートって……素敵に硬そうでイヤン。
非常に楽しみだぜ
720通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 10:43:29 ID:???
超GJ!
モビル・マキナは想像もできんかったw

>>717
なに、問題あるくらいのほうがいいティベリウスを書くってもんだ。
721通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 11:09:12 ID:???
物凄いティベリウスが再現されてた…作者氏は魔術に走らないで下さいね?
フォビベルゼはTS+ゲシュマイ+再生能力で非常に性質が悪そうだw
722通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 12:00:06 ID:???
GJ!
種死ってアストレイsideのキャラは魅力的だったんだよなぁ…ジャーナリストはなんだかんだで役立たずだけど

しかし「魔術に呑まれない」んじゃなくて完全に「魔術を使わない」んだとすると、本家セイギノミカタのへっぽこ魔導師兼貧乏探偵よりハードル高いよね
だがそれもアリかもしれんと思えるから不思議ww "ただの人"が意地と信念で戦い抜くのは大好きだ
723通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 18:01:23 ID:???
ケケケGJ!
いや、カッコええわティトウス
ただまぁ頑張るだけ頑張ったし、無垢なる怒りも抱いたし
そろそろ…

屍食教典儀(ロリ)との再契約な時期じゃね?w
724通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 18:03:03 ID:???
>>723
しかし、人として生きると決意したティトゥスじゃあ契約しそうにないのがなんともなあ……

ロリコン呼ばわりされて凹むティトゥスは是非とも見たいけど
725通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 18:20:06 ID:???
つーか、ロリ教典っていまウェストがもってたろ。
ウェスト、エルザ、ロウしか周囲にいないことを考えるとウェスト節に染まってる可能性が・・・・・・
726通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 18:38:23 ID:???
ロリ魔導書といえば、地球皇帝のが「周囲に影響受けやすい性格」という設定なわけで、
同居人がラクスな以上、そっちの方が被害は大きめになりそうな。・・・・
727通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 20:38:20 ID:???
37.5秒前からこのスレを愛してる。
そして職人GJ!
728通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 22:42:03 ID:???
職人さんGJ!

皆の衆
屍食教典儀が炉前提で語っておられるが
ショタでも良いのでわ?
侍付の小姓や稚児みたいにさ
(そして、背徳的イメージがより強くなるっと)
729通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 23:13:48 ID:???
いや、一応アンチクロスの使った魔導書の精霊さんの設定は存在するわけで。
となればそれ準拠の思考になるのは仕方ないかと。

まあ、小姓とかなのも結構イイカモとは思うが。
730通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 23:44:41 ID:???
ってかショタとの絡みが見たいだけの腐とちゃうんかと(ry
731通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 00:22:52 ID:???
『超人舞闘 ―激突する法則と法則―』をBGMにティトゥスが現れる幻覚を見たのは俺だけか。
とにかくGJ。
732通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 01:48:11 ID:???
おおおおおおお
こりゃすごい!GJ!
皇餓もそろそろ再臨か!?
733通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 08:41:54 ID:???
ヤラレ役「貴様!魔術はもう使わないんじゃなかったのか!?やはり力に溺れ再び外道に堕ちたか!」
ティトゥス「この力を用いなければ汝等から世界を護れんとするならば、拙者は今一度冥府の蓋を自ら開けよう。
所詮、我らは冥府魔導をゆく身なり。
往けるか?我が魔導書よ。」
屍食「ちゃーん。」

ショタと言うことつまりこうですね
734通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 08:56:00 ID:???
何処の子連れ狼だ!?
735通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 09:02:34 ID:???
小姓姿に男装したロリ魔導書というのもイイナ
736通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 09:27:05 ID:???
乳母車が要るジャマイカwwww
737通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 11:35:50 ID:???
魔導書の精霊の性格って
アルアジフ:倣岸不遜
ハヅキ:ファザコン
クタアト:泣き虫
屍食教典儀:貴族っぽい
金枝編:感化されやすい子
エイボン:履いてない素直クール
妖蛆の秘密:鬱で自傷癖と自殺癖あり
だっけ? でネームレスカルツだけ設定がないんだよな?
738通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 13:08:03 ID:???
そだね。

無銘祭祀書については、まあ、仮の姿なのかなんなのか、
一応ネロの影武者として本編出てるけどね。

まあ、ここは「なのは」の「夜天の書」の如く融合型の精霊さんで、
ネロのマギウススタイル=無銘の精霊さんの外見
と見てみるのもおもしろげ?
739通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 20:09:12 ID:???
あの格好はマギウススタイルだったのか……いい勉強になった。
740紅い死霊秘法13  ◆XGuB22wfJM :2007/06/19(火) 00:25:53 ID:???
その凶報が舞い込んだとき、シン・アスカの擁する魔導書は小躍りして喜んだ。
比喩抜きでくるくる回って踊った。白衣を着せて躍らせればトレードで押し勝てるほどに。
その時、主であるシン・アスカはエアロックからプラントの外、真空の宇宙でノーマルスーツを着た
状態でナイトゴーントと格闘訓練の真っ最中であった。
なお、ノーマルスーツにバーニアはついていないので、宇宙を飛び回るのは魔術師の力に拠る。
「このっ」
敵の真っ黒な顔面に右ストレートを叩き込んだものの、作用反作用の法則に従いシンはあらぬ方向に
吹っ飛んでいった。
ナイトゴーントは音もなく、宇宙で音が伝わらないのは当然であるが、くるくる回り続けるシンの背
後に張り付くと、ゼロ距離から寸頸を背中にうちこんだ。
「あべしっ」
肩甲骨をしたたかに打ち据えられて呻くシン。こうかはばつぐんだ。
無重力ではそのまま殴っても有効打は与えられない為、相手の体を掴み、重心点を打ちぬくのが
理想である。あるいはバーニアで推力を保持しながら殴る。そして魔術師の力で周囲の物理法則を
一時的に塗り替えて、どうにかして殴る。その三つである。
ナイトゴーントは翼が生えているものの、常識的に考えればどうやっても宇宙で活動はできない。
その無茶を通しているのが人外の法なのである。シンを殴りつけられるのもそれによる。
シンはバーニアなしで宇宙を動き回るほどに上達したが、まだまだ魔術師的格闘は訓練不足なのだ。
そこが従者的に気に入らないらしく、最終的には宇宙で平然と素肌をさらしつつ、モビルスーツと
肉弾戦を行ったり、プラントひとつを地球に蹴り飛ばすくらいのパワーを見せて欲しいのだそうだ。
最終目標は魔導書なしで魔術師と戦闘をして、追い詰められてから、よくぞ余に魔導書を使わせた
とか、余裕綽々で振舞って欲しいというリクエストだ。
そんな無理難題を吹っかけられても一生懸命についていく訓練生シン・アスカ。
何だかんだ言っても生身で宇宙生存を成し遂げたり、バーニアなしで移動できるようになった辺り、
凄く偉いのかもしれない。しかし誰も褒めてはくれない、悲しい14歳だった。
今日も〜悪夢〜拒食〜痩せる〜そして〜殴られーる〜。
愚痴る歌を作詞しながら、それでも愛してくれとまでは言わない男の子である。

相手は訓練ということで、急所を巧く外して殴ってくれる。しかし宇宙空間での殴り合いは
一般的な人間の領分を越えているため、梃子摺りっ放しのままで今日もサンドバックにされていた。
そのため、突如としてもたらされた訓練中止の報をシンは心から喜んだ。
ほうほうの体でエアロックに飛び込み、バイザーを上げると、篭った空気を吐き出してから
思いっきり息を吸う。そして散々痛めつけられた肉体の叫びに苦悶の声を漏らした。
相変わらず酷い訓練だ。
ずるずるとうつぶせに倒れこむと、視界の端をZAFTレッドな少女が掠めた。
忌々しい、ああ忌々しい、忌々しい。
「吉報よ! ついに我が主の実力を世に知らしめるときが来たのよ」
嬉しそうに浮かれている魔導書をみつめる視線は冷たい。
説明しろと訴えようと思ったが、既に訓練後でボロボロであったため、シンは何も言わなかった。
とりあえず眠りたい。ストレスは回復しないまでも、肉体的疲労は癒える。
「明日聞くよ……」
「そんな暇はないわ、議長から直々のお願いなのに、無視するの?」
にやにやと見下しながら、偉そうにふんぞり返る本の精霊。
「教えてください」
シンは折れた。
741紅い死霊秘法13  ◆XGuB22wfJM :2007/06/19(火) 00:29:57 ID:???
非常事態につきシンには休憩も与えられない為、緊急措置として魔導書から魔力を補充してもらって
なんとか活動している。エアロックのある施設から街中に移動したシンと紅い少女が魔導文字がびっ
しり刻み込まれた迎えの装甲車に乗り込むと、議長からの直通回線が開かれた。
「久しぶりだね、シン君。調子は……悪そうだが、大丈夫かね?」
「魔術師は見た目で判断してはいけないわ、ギルバート。
それより、シンに発破かけてあげて、気力が高まれば任務の成功率も上昇するわ」
議長の手前、辛いとか駄目だとか言うつもりは毛頭なかったが、自分の返答をさっぱり聞かない
魔導書が恨めしい。
「うむ、本題に入ろう。事件の概要だが、ユーラシア連邦からの貨物を載せた民間の輸送船が
アブリリウスの宇宙港に入港した。マニュアルどおり貨物の検閲が入ったのだが、そこで異常が発生
した。監視カメラの映像から、対象は一見して成人女性の体躯。投網のような非殺傷兵器を射出して、
宇宙港警備員、その後に投入された警官隊を全員捕らえた。もしやと思い、魔力探査機を作動させた
ところ、字祷子振動を検知、怪奇指数が2000を超えていた。
第一級のマジカルハザードと認定し、宇宙港周辺から全住民を退避、対魔術用の兵員を投入して現場
の封鎖を行っている。君達には速やかな原因の除去をお願いしたい。
シン・アスカ君、これはあくまで命令ではなく、要請の域をでない。君は訓練生だ。正式な軍人にな
っていない者に、前線で戦えとは軍事責任者として言うわけにはいかない。
だが、現状のプラントでは君達より優れた魔術師はいないのだ。
だから不甲斐ないプラント議長として、一市民としてお願いする。
シン・アスカ………アブリリウスを救って欲しい」
プラントの最高権力者にここまで言われ、乗せられやすいシンの魂に火がつく。
「やります。俺にしかできないって言われたら黙ってられません。
それに自分もプラント市民の一人です。プラントの安全の為なら力を惜しみません」
「ありがとう………」
魔導書の精霊は珍しく空気を読んで何も言わなかった。

議長は根回しをする相手が山ほどいるという事で、通信を閉じた。
今映し出されている映像は、監視カメラに映ったデータである。そこには件の犯人?、妖気の源たる
存在が高速で動き回っていた。はっきりと捉えられたものがないが、それでも資料にはなる。
目を凝らして映像を確認するが……見れば見るほど美女である、グラマラスなプロポーション、ミス
ユニバースに出場できそうなボンキュッボンな肢体、エロチックかつ神秘性を漂わせているというか、
レオタードで動き回るのは販促というか、まさに蜘蛛女というか、ヨウランあたりの持ち込む15禁
性描写媒体と比較してもぶっちぎりの美女である。隣の貧相な肉体の魔導書とは大違いだ。無論口に
は出さない、知られたら何をされるか───途端、視界に握り拳が飛び込んできた。
「ひでばっ! な、なんで殴るんだよ!」
「失礼なことを考えたからよ」
「な、嗜好を、もとい思考を!?」
「やっぱり考えていたのね、腐ってるわ。このエロ腐乱脳みそ! 蛆虫以下の道化師クラスだわ」
よく解らない喩えだったが、すさまじい罵倒を受けているのは理解した。しかし思春期の少年の迸る
情熱には酷な話だ。
742紅い死霊秘法13  ◆XGuB22wfJM :2007/06/19(火) 00:31:25 ID:???
口論に入ったため作戦会議は遅々として進まず、気づけば狭いプラントを車両は快走し、現場である
宇宙港に着いてしまった。どうやら先遣部隊、議長の用意した対魔術部隊が展開して立ち入り禁止と
しているようだ。
シン達が降りると、赤い制服、オレンジがかった金髪の男が青年が駆け寄ってきた。
「来たな後輩、オレは対魔術特殊任務班アッセンブルEX1、隊長のハイネ・ヴェステンフルスだ。
特務隊のフェイスも兼任している」
「アカデミー候補生のシン・アスカです、宜しくお願いします」
「ネクロノミコンよ」
シンはすかさず敬礼、候補生として敬意を忘れてはならない。
従者である筈の少女は腕組みしまま偉そうに返答する。背は小さいが態度はでかい。
妙な取り合わせの二人組みにハイネの視線が険しい、使い物になるのかといぶかしみ始めたのだ。
原因である少女は泰然としたものだ。
「ねえハイネ、貴方が相手にするモノは、外見で戦力を測れる程度の代物かしら?」
「悪かった、助っ人が殻のついた雛鳥と、可愛らしい少女だったものでね。つい疑っちまった。
ネクロノミコンの名前に偽りがなければ、心強いんだけどな」
厄介払いしたそうな顔のハイネに一瞬で怒り心頭になった少女は、行動を開始した。
「…………灼熱の血を分ける、爆ぜろ」
少女が片手を振ると紅い霧がハイネの頭部を埋め尽くし、ゼッフル粒子よろしく爆裂した。
髪の毛が面白いことになるハイネ先輩。傲岸不遜、傍若無人を地で行く少女を挑発するとは、
なんて愚かな。シンは心の中で哭いた。
ハイネはギャグのような髪型を瞬時に直すと、真剣な表情になった。どうやらシン達を変な二人組み
からまともな助っ人として見直したようだ。
「実のところオレたちの活動はまだ本格的じゃない。肉のかたまり系の化け物退治とか、ゾンビ狩り
程度しかやったことがない。辺境のコロニーならともかく、アブリリウスでの出動も初めてだしな。
一番きつかった事件は化け物ねずみの駆除。その事件後に1割が再起不能、2割が軍人やめて精神科
通いになった。という訳で、オレたちは創立から間もないし、経験も人材も不足している状態だ。
よって、今回の完全人間型の相手は戸惑ってる。敵戦闘力を予測できるか?」
「繁殖力は無いけど、単純な力比べで敵を怒らせちゃったら、たぶん貴方達に犠牲がでるわね。
仮に銃弾で穴だらけにできても、殺し方が分からないでしょう?」
「オレたちの手持ちじゃ、無理か?」
「見なくても分かるわ、武装にある種の神性を讃える文字を刻んだりしているようだけど焼け石に水。
安心しなさいな。マスターオブネクロノミコンがさっくりと片付けるから。ねぇ、マスター」
「俺が習った事で手に負えるんなら」
シンが身に着けた魔術は、宇宙空間で生身で生存する。推進装置無しに宇宙で移動する、ただし生身
では無理。知覚の鋭敏化と単純な肉体強化、そしてロイガーとツァール、『双子の卑猥なるもの』に
冠する記述を用いた魔術武器の具現化である。ただし、それぞれ別々に訓練しているため、同時にや
れと言われてもできない。小剣を具現化することはできても、その状態で戦闘が行えるほど錬度は高
くない。
743紅い死霊秘法13  ◆XGuB22wfJM :2007/06/19(火) 00:32:20 ID:???
「大丈夫よ、やりたくないけど奥の手があるわ。」
不快感たっぷりに告げると、少女の形が崩れ無数の頁となって乱舞する。いつぞやの書庫を思い起こ
す光景。頁はシンに纏わりつくと服と一体化し、色と形状を多少変化させた。その姿は
「随分と赤が似合うじゃないか、後輩」
ハイネが茶化した通り、シンの格好はザフトレッドとなっていた。注視すればハイネの着る赤より
なお深い、ブラッドレッドと呼べるような血濡れのザフト軍服だった。
「なんだ、これ!?」
「驚いてくれたみたいね。これぞマスターオブネクロノミコンの誇るマギウススタイルよ。
本来のはダサイからザフト風にアレンジしておいたわ。試しにロイガーをだしてみなさい」
「いや、それよりその小さい姿のほうが驚いた」
魔術云々よりも、シンの目の前で小さくなってる少女の方がずっと注意を引く。手の平サイズにデフ
ォルメされた従者がふわふわと目の前で滞空していた。SD(スーパーデフォルメ)ネクロノミコン
と呼んでやるべきだろうか。
「機能のほとんどをバックアップに使ってるからこの姿になるのよ、本当に不本意なんだけどね。
それよりさっさと魔術を使ってみなさい」
「分かったって」
ロイガーに関する記述を呼び起こしながら、集中する。
普段ならば召喚するだけで全身汗だくになり、剣の形を保持するだけで疲れるのだが───
「できた。こんなにあっさり」
予想に反し、最短新記録で剣はシンの右手に収まった。
「どう? 私のチカラが多少なりともわかってくれたかしら」
「……………最初からこの姿で訓練した方が、ふぐぅっ!?」
シンが文句を言い終える前に纏っていたブラッドレッドが拘束具となって全身を締め付ける。
空気が残らず肺から締め出され、目の前が暗転する、意識が遠くなっていく。
「まさか我が主が! この私の、私の名前……もう、とりあえず私の主たる魔術師が!
そんな情けないコトを言うなんて。いい? そんな向上心の低い有様じゃあ、アイツに、
精神の集中が甘い。感情の制御がなってない。反応速度が遅い。勘も鈍い。術の錬度が低い。術の強
度も脆い。そもそも術衣を纏わなければ、大した魔術も紡げないって見下されるわよ」
「かっ、け、こ、殺す気……」
ざんねん、しかばねのようだ。ではなくて、瀕死のシンは既に話を聞いていなかった。
「とりあえずソイツ死ぬぞ」のんきなハイネ先輩の声と、
「あれ?」すっとんきょうな従者の声を聞きながらシンは失神した。
744紅い死霊秘法13  ◆XGuB22wfJM :2007/06/19(火) 00:33:23 ID:???
「ぎゃあああああ!」
全身に電撃が走り、シンは飛び起きた。まともに起こすのが面倒で電気ショックを使ったのだろう、
まっこと恐ろしい従者である。
「とりあえず議長が助っ人を呼ぶって仰った意味が分かった。オマエたちなら期待できそうだ。
通信機を渡すから報告をしながら探索をしてくれ。もしも標的と戦闘になった場合、やばいと思った
ら援軍を呼べ、及ばずながらオレたちも突入する。それと後輩、オマエ近接武器はいいが、飛び道具
は出せるのか?」
「一応この剣は投擲もできますけど、あくまで接近戦主体です」
「だと思った。こいつを持ってけよ、後輩」
ひょいとハイネが手渡したサブマシンガンは、ずしりとシンの手に重量感を伝えてくる。
「弾丸はミスリルチップ・ハローポイント。人間の頭部ぐらいなら一秒でトマトにできる威力で、
化け物相手にも多少は効果を見込めるはずだ。牽制にでも使ってくれ、邪魔と感じたら即捨てろ。
恥ずかしい話、俺たちの部隊で正式採用されてる魔術武器はこれと同じ弾を使う、マグナムだけだっ
たりする。あとは火炎放射器と、液体窒素と、既製品のショットガンぐらいだ。
まだまだ組織として不十分でな、碌なバックアップもできなくてすまない」
「十分ですよ。促成栽培ですけど魔術師のはしくれです。役目を果たしてきます」
「気をつけてな、頼むから五体満足で帰ってきてくれよ、後輩」
「はい!」
「いい返事だ。この件が片付いたら、オマエの配属先が融通利くように掛け合ってやるよ」
「期待してます、それじゃ行きます!」
魔術を使い疾風となって港に突入するシンとSDネクロノミコン、その姿を頼もしそうにハイネ・
ヴェステンフルスは見送った。



つづく。
745通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 00:54:24 ID:???
>>740-744
GJ!!
どうやらアフロハイネは生き残りそうで…
746通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 01:01:29 ID:???
GJ!
一瞬ハイネの頭がミンチになったのかとw
747通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 01:11:07 ID:???
GJ!!!
ブラッドジャケットktkr
748通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 02:05:04 ID:???
GJ!
そろそろシンが可哀想になってきたw
749通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 02:19:20 ID:???
GJ
750通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 02:24:59 ID:???
GJです。

>>最終目標は魔導書なしで魔術師と戦闘をして、追い詰められてから、よくぞ余に魔導書を使わせた
とか、余裕綽々で振舞って欲しい
テラテリオンwwwこのままシンが育ったら何処に出しても恥ずかしくない
ラスボスになれますね。
751通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 05:52:30 ID:???
生身でフリーダムの拳を受け止めるまで行ったら正しくテリオンだな
752通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 06:51:22 ID:???
なんという外道。
この少女は間違いなくシンをラスボスとして育成中。
753通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 12:03:02 ID:???
GJ!!

目指せテリオンって感じだけど……そうすると
力を込めて無さそうなアッパーでデストロイを数百m上空まで飛ばすのも後々の目標になるのかな?
754通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 12:39:36 ID:???
GJ!
しかし、紅朔(記憶喪失バージョン)がだんだんお母様(オリジナル)に似てきた件について
……てか、もしかしてこれが地なのか……?

って、ウェイトリィが窓に、窓に!!
755通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 13:11:52 ID:???
スマン、一瞬

『ウエストが窓に、窓に!!』

に見えた
756通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 13:37:30 ID:???
おはようございます!良い朝ですねッッッ!!
757通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 13:55:52 ID:???
>>755
怖ぇよw
758通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 16:36:06 ID:???
微妙に九朔のこと思い出してるじゃねえか
759通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 21:37:07 ID:???
>白衣を着せて躍らせればトレードで押し勝てるほどに。
ハイパーゴールドラグジュアリーフルオートマチック真ファイナルヴァーチャルロマンシングときめきドラゴンマシーン吹いたw
この人もオカシかったなぁ
760通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 22:51:01 ID:???
マジカルハザード………
なんか魔法少女の臭いがした!?
761通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 23:28:55 ID:???
みんな小ネタへの食いつき率が素晴らしいなwww

さて次回は断片シリーズの中でも、あのつるぺたなお母様からどうすればこんなにもっていうぐらいに工□い蜘蛛姐さんとの邂逅な訳だが…
正直、僕はシンきゅんの貞操が心配です。




@緊縛プレイ いたいけな14歳のショタっ子を縛ってみよう! アッーー!
Aこの板は紳士淑女の交流所であるからして、そのような展開が入り込む隙間は毛の先ほどもない 滅せよ下郎
Bこんな下らない文章を書き込んでいる俺の部屋に、ありえない角度からティンダロスのわんこがくぁwせ@:
762通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 23:39:55 ID:???
かの最弱無敵な貧乏探偵も喰っちゃったような姐さんだし
ショタっ子は既に双子に喰われてるしで大丈夫だよ、多分!
763通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 23:52:42 ID:???
GJ!
やっぱりミスリルチップは50口径だろうか
764通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 00:23:48 ID:???
>>761
貴様っ!!イタクァとクトゥグアを忘れたとはいわさんぞっ!!!
765通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 00:37:35 ID:???
つまり、シンにとってナイトゴートンが師匠なんですね
この馬鹿弟子が〜だからお前は(ry

あと、さり気なくお父様をけなしてますね
766通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 12:09:40 ID:???
ナイトゴーント……ページモンスター化しないかなぁ…
767通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 14:30:30 ID:???
ナイトゴーント人間体予想
希望的観測:つるぺた悪魔っ娘
まあ無難に:ガタイのいい悪魔姐さん
現実は甘くない:マッスル悪魔オヂサン
768通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 15:36:55 ID:???
ダンディ髭おやじを想像したのは俺だけか…
イメージはTHのセバスチャン
でシンとかに『まだまだ脇が甘いな』とか言いまくり何かわいてるな俺
769通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 16:35:07 ID:???
ページモンスターきょぬーの法則はロイガーツァールで破れてるんだったなそういえば
770通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 16:54:56 ID:???
>>768 
ちょwマテ
ナイトゴーントの攻撃方法は「くすぐる」と「お持ち帰り」だぞ?

ドコの801だオマイワwww
771通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 18:34:03 ID:???
真顔でマジカルハザードとか言っちゃうギルに噴いた
772通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 21:42:01 ID:???
待ておまいら、バルザイたんのことを思い出してごらんよ
二挺拳銃の二人よりも使用頻度が高いかもしれない重要キャラなのに、思いっきりそのまんまだったじゃないか
773通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 22:05:37 ID:???
バルザイは和服美女、シャンタクは金髪縦ロールだって話を
どこかで聞いたことがあったような……
774通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 22:27:27 ID:???
妄想主の日記でなかったか?
775通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 22:52:06 ID:???
金髪縦ロールにときめいた
776通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 00:18:11 ID:???
お前らの萌えへの執念には毎回驚かされるよ
恐ろしいな日本人って あれ? これがループってやつか?

なんにしてもクトゥルー神話の皆様方は、他の国で読まれてる分には身の毛もよだつコズミックホラーでいられたのに…
今日本屋に言ったら、頭にタコ乗せたスク水の娘が「また」ラノベキャラになってたぞ
777通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 00:24:11 ID:???
”スク水”と”また”・・・・・・
どっちに驚けばいいのかワカランが、受け入れる覚悟は出来てるか?
おれは出来てる、萌えてみせる!!
778通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 00:50:44 ID:???
失せろ。
そう思うなら来るな荒らしが
779通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 00:53:38 ID:???
誤爆…?
780通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 00:59:17 ID:???
>>776
>なんにしてもクトゥルー神話の皆様方は、他の国で読まれてる分には身の毛もよだつコズミックホラーでいられたのに…
「Calls For Cthulhu」のフレンドリィなクト様を知らないとは言わさんぞ
781通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 07:24:55 ID:???
ああ、みのさんなクト様か。

そういえば、ふと思ったのだが、
舞HiMEの清姫ってよく見るとクト様じゃないか?
782通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 07:53:41 ID:???
>>776
絶対的な神という存在に対して、露ほどの敬意も払わない八百万の神々の国・日本に来たのがクトゥルフの運のツキだったな
783通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 08:31:48 ID:???
神様は友達感覚ですから
784通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 10:53:03 ID:???
>>776

フッ、甘いな、アメリカじゃ大統領選にだって出馬してるんだぜ!
マサーチューセッツ州出身のクトゥルフさんはなぁ。

星条旗模様のシルクハット被って、
両手に星条旗持ったクトゥルフさんのイラストが入ったTシャツと、
星条旗模様の紙製のシルクハットもどきが入った
クトゥルフ大統領選出馬支援キットを買った俺が言うんだ、間違いねェ。

エルダーサインから生えたバラが咲いてるデザインの、
ミスカトニックユニバーシティのマグカップとかも欲しかったんだが、丁度金無くて変えなかったんだよなぁ……。


785通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 11:39:26 ID:???
日本の神様に対する感情はいい方向でも敬意より感謝に近いしな
786通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 12:07:38 ID:???
>>784

wikiのUP掲示板にぜひ写真のUP頼む
787通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 20:36:25 ID:???
>>782
敬意は払うだろ、神道の凄みは形が整っていれば中身は問わないことだ。
つまり「xxx大神」と名付け、神道形式の社に祀れば、敬意とお賽銭貰えるわけで。
田舎の神社の客殿に「大海津見陀金乃神」(オオワタツミダゴンノカミ)とか祀ってあっても気にされない・・・

・・・やべ、本当にドコカにありそうなw
788通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 22:03:09 ID:???
声が大塚明夫なダゴン
789通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 00:29:22 ID:???
インフェルシア…?(うろ覚えの為違う可能性大)
790784:2007/06/22(金) 02:34:36 ID:???
>>786

 すまん、もう1X年前に買ったブツなんで、何処にあるのやらさっぱり……。

 最も、ケイオシアム社は大統領選の度に『クトゥルフを大統領に』グッズを出していると言う話だが……。


791通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 06:41:26 ID:???
>>789
いや、合ってる
あれのラスボスとかモロにクトゥルーだったしね
792通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 07:58:22 ID:???
>>783
「神は友達」と言いながら、ナイアに向かって銃を乱射するエンネアと、
体中を風穴だらけにされながら、
「イ、イタイ、イタイって!!。平気だけど、やっぱり撃たれたら一応痛いんだよ、まったくヒドイなぁ〜」
とか言ってるナイアさんの姿が。
793通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 08:00:26 ID:???
クトゥルフなんて知らない子供の頃にネクロノームを買って「設定が独特だなあ」と思いつつ読み耽っていた思い出がある。
794通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 12:32:32 ID:???
>>792
実に微笑ましい光景ですね。無論ナイアさんは若本だよな?
795通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 18:07:46 ID:???
794のせいで、BGMがサザエさんでアナゴさんなノリのナイアだったよ。
796通常の名無しさんの3倍:2007/06/22(金) 23:46:36 ID:???
>>792
何故か蝶変態な這い寄る混沌の姿を幻視した
797通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 10:32:59 ID:???
ナイアさんとナイ神父がパピヨンの服を着るのを想像した。
あまり違和感がなかった。
798通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 14:37:48 ID:???
地球皇帝は前科があるしなw
799通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 17:29:20 ID:???
他の連中じゃまずやらないだろうな。
盆栽を趣味にしてたり、結構マトモだし。

まあ、その分行動がイカレているせいで、
中間管理職としてストレスが溜まりすぎた地球皇帝はあんな事に。
800紅い死霊秘法14  ◆XGuB22wfJM :2007/06/23(土) 20:50:10 ID:???
「まさに蜘蛛の巣そのものだ、……そういやさっき敵の戦力を予想してなかったっけ」
「車じゃ言わなかったわね、敵はアトラック=ナチャ、アトラナートとも呼ばれる、
ヴーアミタドレス山の地底に広がる深淵に巣を張る蜘蛛の神よ」
「蜘蛛っぽいけど、人間の形だぞ」
「本物じゃないわ。あれは、魔導書の記述から生み出されたモノ」
言い淀んだが、観念したように続きを吐く。
「私と同じ存在よ……」
「そうか、相手も魔術師と魔導書の精霊ってことか」
「そう、そうなのよ! 操ってる奴に気をつけてね、きっと死んだふりしたり、被害者の振りを
してるから」
我が意を得たりと、早口になるSDネクロノミコン、なんだか嬉しそう。
ちなみにシンは見事に勘違いをしている。これから戦う敵は自身の従者の頁から発生したモンスター
である。つまり元凶はシンの眼前にいる。宇宙港を占拠したのが自分の一部と知れると、怒りの矛先
が向いてきそうなので少女は誤魔化したのだ。あとは気づかれないように頁を確保するだけである。
「と、とにかく敵を完膚なきまでに叩き潰すのよ!」
「分かった」
シン達は定期的に報告を済ませながら、ハイネの誘導に従い怪奇指数の高い領域に足を進める。
周りは蜘蛛の巣だらけだったが、途中に警備員や警官隊が撃ったとおぼしき薬莢や、弾痕も
遺されている。死体が見つからないことにほっとしながらも、シンは歩くペースを速めた。
粘りつく空気と時間の中、慎重に探索を重ねていたところ、入出管理のフロアで異変を感じ取った。
相変わらずの蜘蛛の糸だらけだったが、人のうめき声が聞こえてきたのだ。
「こちらシン、人の声を確認しました。近づいてみます」
「こちらハイネ、オマエの位置は確認できてる、そのまま進んでいい。いいか人間をみても、すぐに
触ったり救助しようなんて思うなよ。この業界、被害者が化け物にされてるケースなんて山ほどある
んだからな。ミイラとりがミイラにならないように気をつけろよ」
「わ、分かりました」
先輩の指摘ももっともだと気を引き締め、進軍する。幾多の魔導書に記されていた、凄惨かつグロテ
スクな挿絵や情景が脳裏をよぎる。被害者が人間の形をしていることを願いならシンは歩みを進めた。
声の出所に近づき、蜘蛛の糸を掻き分ける。無論サブマシンガンはいつでも撃てるようにセーフティ
に指をかけておく。ロイガーで糸を切り分けながら、ようやく声の主を探し当てた。其処には、
「こ、これはすごい……」
「助平」
妙齢の女性、服装から推測するに入出管理担当の職員であろう人間が、蜘蛛の糸に捕らえられていた。
表現に憚られるが、その女性は局部を完全に露出したまま息も絶え絶えに喘いでいた。
「どうした! 何があった後輩!」
「ナニと言われても、ナンと言いましょうか、あの、その、任せた!」
主に軽蔑の視線を存分に叩きつけてから、被害者の検分を済ませ、報告する。
「蜘蛛の巣に絡まった、精気を収奪された女性を発見したわ。
健康状態は……今すぐどうこうじゃないわね、ただし放置しておくと衰弱死の危険性がある」
「精気? あぁ、そういうコトね、了解。病院と救急車の手はずを整えておく。
……精神科通いがまた増えるな。」
「そうならないように急ぐわ」
「ところで、君のマスターはこんな状況下で興奮できるとは、随分と余裕なんだな」
「スゴイわよね。この生死を分ける境界で、外法の理が渦巻くこの異界で、下半身に回す煩悩が
あるんだもの」
「まったく、ザフトも安泰だな」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
シンはレベルが上がった。シンはラッキースケベのスキルを手に入れた。シンは顰蹙をかった。
801紅い死霊秘法14  ◆XGuB22wfJM :2007/06/23(土) 20:50:53 ID:???
「まあ冗談はともかく、敵は蜘蛛の糸で捕らえてから、貞操を奪っちまうってことだな。
敵の情報は最大限に生かせよ。後輩」
「シン・アスカ、了解しました探索に戻ります」
被害者から離れ、再び犯人探しに戻ったシン達は、その後も被害者を発見しながら宇宙港を制圧し、
ついにソレと遭遇した。
「……いた」
悠然と佇む人影がある、一見して水着姿の美女であるが、自ら光りを放つ瞳などコーディネイター
でもありえない。何よりも漂う妖気が異形の存在であると教えてくれる。
自分の巣に迷い込んだシン達を獲物と捕らえたのか、敵対者と捕らえたのか定かではないが、
こちらを見据えたまま動きは無い。
「とにかくダメージを与えればいいんだな」
「そうよ、後はこちらで処理するわ。勝つ事だけ考えて」
「分かった、やるぞ」
左手のサブマシンガンをセーフティーを外しながら敵に向ける。相手の中心、腹部を狙って引き金を
絞った。しかし50口径のモンスターブリッドが風穴を開ける寸前に、人影は揺らぎバネ仕掛けの
ように跳躍、あっという間にシンの真横に来ていた。
「っ!」
横に転がり、蹴りを回避する。
「迅い、だけど」
「ナイトゴーントよりは遅いわね」
従者の言葉どおり、普段の訓練相手よりも僅かに遅い。しかもナイトゴーントは空を飛ぶ。
この戦闘力なら十二分に押し切れる。そんな楽観論が形を成す前にシンの左腕に糸が絡みついた。
「投網か、こんなのっ!」
剣閃が奔り、巻きついた糸が両断される。ロイガーの切れ味は糸の強度を容易く凌駕するのだ。
体勢のくずれた相手に今度こそサブマシンガンのフルオート射撃を撃ち込んだ。
ドドドドドドドとアサルトライフルと聞き間違うような騒音が発生し、敵の腹部がズタズタどころか
着弾部分を綺麗に抉りとるように吹き飛ばす。はっきり言ってサブマシンガンの威力ではない。
弾装が空になると同時に、腹部がなくなって支えを失った上半身と下半身がどさりと床に転がった。
「オーバーキルだよ、これ」
「大うつけ! さっさと止めを刺す!」
安堵したシンの油断をついて、蜘蛛女の無くなった腹部に頁が乱舞、寄り集まって再生をはたす。
「しまった!」
弾が敵の体内に残れば再生を阻害できたが、強力すぎたことが仇となってしまった。
弾装を交換し再照準する前に、敵は地を這うように隣のフロアに逃げ込んでしまった。
「追いかけて! ダメージは与えてるわ、回復される前に片付ける。走って!」
落ち込む暇などないようで、全力で隣のフロアに駆け込む。
其処は被害者も巣の量も先ほどのフロアの倍近くあり、足下まで糸が張り巡らされていた。
急ぎながらも慎重に巣を躱わし、追跡する。
素早い追撃が功を奏したか、ほどなく敵は見つかった。ただし被害者に隠れるように待ち受けていた。
802紅い死霊秘法14  ◆XGuB22wfJM :2007/06/23(土) 20:51:38 ID:???
「くそっ、人間を盾にして」
使えなくなったサブマシンガンをすぐに破棄すると、空いた手にツァールを招喚する。
動きの鈍った獲物に呵責のない攻撃が加えられるが、ロイガーとツァールの二刀流で対抗する。
相手を絡め取るべく糸を出し続ける敵と、縦横無尽に剣を振るい、前進しようとするシン。
糸と剣、二人の間でしばしの拮抗状態が生まれたが、先に折れたのはやはり短気なシンの方だった。
横っ飛びで一瞬の間隙を作り出すと、二剣を組み合わせ十字剣と為す。
そして槍を回転させる要領で、十字剣を扇風機のように回しながら敵に突っ込んでいく。
「吹き荒め、鋼鉄の風!」
その姿はまるで、ソリッドな鎧を身に纏う、勇者とまで呼ばれた裏切り者のよう。
魔力を孕む竜巻のような風が、放射状に押し寄せる糸の悉くを弾き散らす。
「もらった!」
盾とされた人に当てないために、ゼロ距離まで接敵してからの袈裟切り。
しかし敵も然る者、紙一重で斬撃を躱わす、シン渾身の一撃は薄皮一枚切り裂くに留まった。
パラリと蜘蛛女のレオタードがはだけ、豊かな双丘がポロリとまろびでる。決してわざとではない。
「助平」
冷たい罵声が飛んでくるが、断じてわざとではない。わざとではないのだが、シンのラッキースケベ
はレベルがあがった。

予想を超えるシンの戦闘力に恐れをなしたのか、悔しそうな顔を浮かべ、アトラック=ナチャの精霊
は踵を返して最後のフロア、宇宙船の発着場へ消えていった。
「追いかけないと!」
「止まりなさい、息が切れてるわ。気も乱れている。魔術師なら如何なるときも冷静で在りなさい」
渋々立ち止まり、深呼吸する。指摘されたとおり興奮して気づいていなかったが、ロイガー、
ツァールの連続行使は体力、魔力を削っていた。
シンは高ぶった自身を落ち着かせながら、先ほどまでの戦いを振り返った。
我ながら巧く戦えたと安心する主だったが、ちっこい従者の顔は苦虫を噛み潰したかのようだった。
「なんだよ、なんか悪かったか?」
「戦闘のことじゃないわ、猛烈に嫌なデジャビュを覚えたのよ。念のために釘を刺しておくのだけど。
もしも捕まって姦られたりしたら、初体験が虫姦の少年がいたとか、魔導書をオナニーアイテムにし
ていたとか言いふらすからね」
「ちょっおま」
「万が一、万が一にでも、私に汚い体液を振り掛けようものなら、貧相なモノを八つ裂きにして
ルルイエにばら撒いてあげるわ」
「ひ、貧相っていうわぁ!」
シンは抗議の最中に突如として引き摺られていった。見ればシンの足には幾重にも極太の糸が絡まっ
ており、それがシンを捕らえていたのだ。SDネクロノミコンは滞空していため難を逃れたが、主を
攫われてはどうしようもない。解呪しようにもシンは既に発着場へ消えうせていた。
数秒で少女は何が起こったかを見抜いた。敵は集団戦を想定してあらかじめ罠を用意しておいたのだ。
このフロアに入ったときに跨いだ糸がそれだろう。あとは油断したときに思いっきり引っ張って大量
収穫という寸法だ。例えるなら地引網。
803紅い死霊秘法14  ◆XGuB22wfJM :2007/06/23(土) 20:52:07 ID:???
「なんて………お約束な男」
ため息が零れる。ますますデジャビュが酷くなる。多分待ち受けている光景は、アレがナニして
噴き出すことになるのだろう。無論そんなものを付き合う気は毛頭無いので、周辺の被害者の衣服を
切り裂いて、加工して、糸で裁縫して、即席の傘を造る。これで汚い雨は防げることだろう。
さっさと主を助けに行こうなどとは露ほども思わない。まずは安全を確保してからだ。
「後輩! 応答しろ! シン! 何があった」
傘を造っている間、落ちた無線機ががなりたてていたが、SDネクロノミコンは完全に無視していた。
傘を作り終わったのでようやく応答する
「あ、ハイネ? 偉大なるマイマスターは敵に捕まったわよ。だけど慌てなくていいわ、交戦して
分かったけど中の下くらいの相手。次で勝てるわ。犠牲はシンの童貞だけよ」
「信じて、いいんだな」
「任せなさいな」
「………分かった。オレたちはまだ突入しない。頼んだぞ」
「次の報告は勝利の報告になるから、後始末の準備して置いてね」
無線機を放置して主へ追いつくべく移動する、が、身体の小ささもあり速度は遅かった。
焦らずとも相手の特性からして即殺されることもない。もしかするとマギウススタイルのシンが返り
討ちにしているかもしれないし、まあゆっくり行きましょう。とフワフワ飛んでいく元凶さんでした。

その頃、あっさり捕まったシン・アスカは、目の前で風俗店かと見間違う光景を見せ付けられ、
とっても元気だった。訂正、シンの一部はとても元気だった。
シンの前で繰り広げられる現場のタイトルは、シンプルに『蜘蛛女のお食事』と命名した。
ヴィーノが居たら喜びそうな光景、カメラが無いのが大変惜しい。ではなくて反撃しないとまずい。
ロイガーとツァールを出そうにも魔力が集まらない。原因は目覚めた直後に喰らったディープキスだ。
目蓋を空けた瞬間に腔内を蹂躙した舌と、迸しった牝の匂い、おっぱいの重さ、飲まれる唾液。
精気を吸われ、弱りきったところで襲われてしまうものと緊張したものの、敵は違う獲物に
のしかかって行った。
ほっとしたのもつかの間。敵と被害者の痴態に激しく興奮してしまうのは、少年として仕方ないと
言いましょうか、もしかして僕はメインディッシュ扱いで、美味しくなるまで焦らされているの
でしょうか?
目を開いても天国、いや地獄。目を瞑っても痴態が気になって地獄。まさに拷問タイム。
そんな短いような長いような時間が過ぎ去り、姦られていたモブっぽいおっさんは力尽きた、
苦しそうでちょっぴり満足げ顔だった。
そして奴は来た。今度はキスで済ます気はないらしく、ベルトを優雅に外すとズボンをいやらしく、
ゆったりと降ろしていく。股間のナニはもうはちきれんばかりです。
外気に晒された息子さんはヒクヒクと喜んでおりまして、父親としては情けないことこの上ない。
奴はわざわざレオタードの胸元をはだけさせ、乳房を自分で鷲掴みにして、魅せつける。
その扇情的な零距離ストリップでシンの性器は触らなくても発射しそう。しかも追加攻撃が来た。
フゥーーーとシンの繊細な部分に息を吹きかけたりなんかしちゃってくれた。
「はぅあ!」
ヤバイ出そうです。でもシン・アスカは男の子、頑張れ僕。脂汗がこめかみを流れていく。逝きそう。
アトラック=ナチャはシンの反応が大変お気に召したらしく、にこやかに微笑んでから、不意打ちで
ぱっくりとナニを咥え込んだ。
「ひぐっ!?」
15歳の成人前、女性経験なしの少年は瞬時に陥落間際となる。敵はあまりにも強大で、シンの理性
はあっさりと白旗を掲げ始めた。被害者達が片っ端から精気を吸い取られていた理由が良くわかる。
これに耐え切れる男などいるものか。恥も外聞も未来も使命も命の危険も何処かへ消えてゆき、
滾る情欲の全てを、熱い精の全てを吐き出した。
804紅い死霊秘法14  ◆XGuB22wfJM :2007/06/23(土) 20:52:53 ID:???
───いや吐き出すはずだった。その寸前、従者の遠い呼び声がなければ。
「マユちゃんが見てる!」
シンは幻視した。天国の果てから、最愛の妹が死んだ魚の目をして落伍者を見下すのを。
「うわあぁぁぁぁ!!!」
肉欲を粉砕する、お兄ちゃんとして譲れないプライドが息を吹き返し、妖女を押し飛ばした。
すぐさま距離を取るとズボンをあげる。なおシンの愚息はまだまだ元気です。
「御愉しみ中に悪かったわね、お兄様」
「頼むから後にしてくれ。それと内緒にしてください」
「高いわよ」
敵のアトラック=ナチャに関する精霊は食事を邪魔された怒りを顕にすると、本気になった。
似つかわしくない野太い唸り声を放つと、めりめりと美女の姿が割れ、内側から、どう見ても蜘蛛で
す本当にありがとうございました。と主張する化け物が姿を現した。
シンの一部のステータスが一気に下降し、代わりに怒りと哀しみと情けなさとが込み上げて来る。
別に出しちゃったワケじゃないけど、自分の女性初体験がこんな、こんな……。
形容しがたいファンキンガッツに支配されたシンには、もはや武器を持ち出す思考さえなく、
そのマグマの如く湧き上がる衝動のままに、化け物蜘蛛に殴りかかった。
敵も全力全開とばかりに今までよりも大量かつ密度の高い糸を繰り出してくるが、風より迅く
動くシンには無力。残像を起こしながら糸をパッシングスルーして敵の眼前に躍り出る。そして、
「ふっはっくらえ! ふっはっくらえ! ふっはっくらえ! ふっはっくらえ!」
神速の通常攻撃三連弾が四度打ち込まれた。一度目はガードされ、二度目でガードが崩れ、三度目は
直撃し、四度目でダウンした。その機を逃さずシンは前方へ一歩距離を詰め、
「いくぞ、妖蜘蛛衝追撃!」
説明しよう。妖蜘蛛衝追撃とはシン・アスカが今考え出した我流奥義である。永遠のお兄ちゃんで
あるシン・アスカのみが扱い得る巨大蜘蛛を投げ飛ばす必殺技であり、何故か発動中は爪が光るのだ。
消費TPが40なので乱発は大変危険である。
ドタンバタンとブン投げられ、ぐったりする巨大蜘蛛。それでも怒り収まらぬシンは、さらに
ロイガーとツァールを招喚して滅茶苦茶に切り刻み始めた。
「よくもよくもよくもよくもよくもぉー!」
容赦など微塵も無い。MSN−04の二刀流連続攻撃の如き猛攻撃を行い、蜘蛛を挽肉に変えていく。
「なるほどねぇ、怒った状態が一番強い……もっともっと罵倒した方が訓練にいいのかしら?」
「勝ったな」「ああ」と一人芝居をしつつ、のほほんと観戦モードに入ったSDネクロノミコン。
切り刻まれ、踏み潰され、叩き潰され、三次元から二次元に変わり果てていくアトラック=ナチャ。
その情景を満足げに眺めながら、少女は脳裏に新たな訓練メニューを組み立てはじめた。
全ては計画のために。そう当面の愉しみとして考え始めた計画、その恐るべき暇つぶしの名前は
『目指せアデプトクラス・アスカ育成計画』という。
飛び散る血飛沫を傘で防御しながら、その計画がまた一歩完成に近づいたのを喜ぶのであった。



つづく
来週のサ○エさんは
『ブラックロッジ破産、大導師行方不明』
『大十字九郎、アーカムに引っ越さない』
『騎士九朔の父親は性犯罪者だった!』
の三本です。
805通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 21:28:15 ID:???
14歳じゃ仕方ないとおもいつつGJ!

今回小ネタが多かったですけど、個人的に最後のシスコン力炸裂が一番吹きました。
806通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 21:50:32 ID:???
隅々まで小ネタ満載でGJ!

怒ることは慣れが生まれるから訓練の度に怒らせてるとその内冷静なシンになっちゃうぞw
807通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 21:59:09 ID:???
GJ!
ってか今回寸止めだが18禁だw
808通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:05:25 ID:???
GJ!!

ところで、
>>猛烈に嫌なデジャビュを覚えたのよ
「デジャビュ」→「デジャブ」だと思う…
しかし、紅朔が猛烈に嫌なって言うのはやっぱり、九郎がアトラックナチャに逆レ○プされた時の事なのか?

そして、サ○エさん風の三本立てを見てワロタw
809通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:12:58 ID:???
レwwwジェwwwンwwwディwwwアwww
810通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:16:24 ID:???
GJ!
ちくしょう、エロパロスレにアトラックナチャss
投下したくなっちゃったじゃないか。どうしてくれるww
811通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:17:37 ID:???
デジャブ、デジャブー、デジャビュ、デジャヴ、デジャヴー、デジャヴュ、好きに呼べ
812通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:21:57 ID:???
GJとしか言えないww
今回はネタも満載でおもしろかったw
813通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:25:38 ID:???
GJ!!

やられたよ。
ましゃか自分がアナゴさんゆーたせいでこぎゃん次回予告が付くたぁ。

しかし『アスカ育成計画』とな・・・・
なんかシンが女装スキルを手に入れそうな気がするのは俺の気のせいですよね?
ねえ!?
814通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:44:30 ID:???
>>808
>「デジャビュ」→「デジャブ」
どっちも正しいよ。
815通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 00:04:55 ID:???
ふっwwwwwはっwwwwwwくらえwwwwwwww
816通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 00:45:32 ID:???
GJ!
う〜む、しかし今回寸止めだったのは問題だね。
タントラヨーガを引き合いに出すまでも無く、SEXと言うのは霊的に非常に重要なのだよ。
二つの別個の存在を混じり合わせると言う魔術的儀式な訳だからね、房中術では出してはイカンと言うが…ハッw
この場合はマーキングや、与えるという契約的な意味も込めて「射精して」おくべきだったな。

いやいやエロが見たい訳では無いのだよ?ああ無いとも。

大十字九郎君を例にすれば分かりやすい。
どう考えても魔術的ヒヨッコの彼が、アル=アジフの力を借りたとは言えだよ?あそこまで戦えるのはおかしいだろう?
そう、彼は大本であるアル=アジフとの契約に上乗せして、各ページと別個に契約=SEXを結んでいたのが強みなのだよ。
PC版デモンベインでもその一部が取り上げられていただろう?

う〜むこれはまだ魔導書として幼い彼女の失策だったな。
アラクニーソラーラは魔術のルーンを持つ力在る存在だ、契約は結んでおくに越したことは無い。
ここは野良犬に噛まれたとでも思ってだね、プラントの為平和の為に貞操を犠牲にすのが漢ではないかね?シン・アスカ

いやいや私がエロが見たいとかでは一切!そう一切無いのだよ?信じてくれるね?
817通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 00:57:24 ID:???
おまいはウェスパシアヌスかw
818通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 01:22:27 ID:???
般若心境より効果のある煩悩退散術ですね
本人は幻とはいえ妹に救いようの無い落伍者に見られずにすんだと
思ってるかもしれないが
愛と怒りと哀しみにより覚醒した姿を見られてしまったら
性犯罪を犯した落伍者(確定)と見られそうだねw

今回の件は他の件と比べて精神科に通う比率は少なそうな

あと、次回からシンの修行は幼女に罵倒されつつ行うそうですが
羨ましいなんて思ってる奴ここにどれほど潜んでる?
819通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 01:29:14 ID:???
>>818
なに言ってやがる、
このスレにはそんな奴らばかりに決まって・・・・・

え・・・・俺だけ?
820通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 01:29:55 ID:???
ノシ
821通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 01:31:23 ID:???
>>816
やけに深いキスをしてた描写はあったわけだし、紅朔と同じで仮契約みたいな
関係が出来ててもおかしくないんじゃね?問題は、仮に契約結んでても明らかに
紅朔≧アトラックナチャ>シン
な関係しか浮かばんと言うことだ。

>>818
紅ノミコンのシンって14・5歳じゃなかったっけ?幼女じゃなくて、
意地っ張りなところのある同年代の女の子だろ、シンから見ればだけど。

う・・・・・・うらやましくなんかないやい!!
822通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 02:15:07 ID:???
>>816
飛翔を見る限り紅朔はページモンスターを操れる(例:アトラック・ナチャ)みたいだからその辺を理解したら後日襲わせるだろうな
"ほぼ"間違い無く…もしかしたら目隠し・拘束状態で嬲るだけ嬲って本番無しと言う暴挙に出るかも知れんが
>>821
もうちょい幼くなかったか?
823通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 05:27:11 ID:???
>>822
紅朔は九朔は双子扱いで
ルームメイトのベル・デュラボーと同じ15〜6ってとこでなかった?
824通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 10:25:32 ID:???
あれ、初物はロイガーたんとツァールたんに奪われ済みじゃなかったけか?
とにかくGJ
825通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 10:48:38 ID:???
>>824
奪われたのは他の作品だよ。シンとキラがデモベ世界に来る奴。
826通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 12:07:04 ID:???
あの話だとキラはサンドイッチにされたよなwwww
827通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 19:33:54 ID:???
> アラクニーソラーラは魔術のルーンを持つ力在る存在だ、契約は結んでおくに越したことは無い。

はっはっはっこの卓ゲー野郎めwwww
ルナマリアは啓発済みかい?
828通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 10:20:59 ID:???


ルンクエかよ!

彼女はただひたすらに巣を織り続ける比較的温厚な旧支配者だよ。
珍しく普通に交渉ができるから、お友達になっておくのは悪い選択じゃぁないな。
829通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 17:34:19 ID:???
|ω・)ダレモイナイ……魔道書オクナラ イマノウチ

|ω・)つ『英BONの書』
830通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 19:14:45 ID:???
…ペルデュラボーの魔導書はナコト写本で、リベルレギスの召喚は可能…と考えているんだが、間違ってるのか?
831通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 19:37:21 ID:???
デモベの公式じゃあ、ペルデュラボー=テリオンじゃないの?
いいと思うんだが。
832通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 20:04:05 ID:???
『AVONの書』

「あぼんの書」と読んでしまったのは内緒だ
833通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 20:08:49 ID:???
>>832
何気に間違ってなくね?
834通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 20:26:39 ID:???
VじゃなくてBだなorz
835通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 20:32:48 ID:???
サイクラノーシュって浮いてるだけで機体固有の武装とか一つもないよな
攻撃方法は全部ウェスの能力だし
836通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 20:49:15 ID:???
触手とか生えなかったっけ?
ライカルートでナイアさんの操るリベルレギスを串刺しにしてたような……
837通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 21:10:54 ID:???
……よもや!それは伝説のひでぼんのsy
【窓に!窓に!】
838通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 21:57:40 ID:???
>>829
ミスカトニック大学のものですが禁書を回収にきますた
ついでに星の智慧教団の方とノイズ氏を派遣しておきますね
839通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:05:46 ID:???
ごめん、マジで恥さらしな質問なんだが

ペルデュラボーっていう名前はいつ出たんだ?
ゲームは覚えてない部分が多いし本は読んだことないし……
840通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:07:13 ID:???
>>835
おそらくアヌスの能力が未熟なだけで
より高位の者なら人型で固有武装も付くのでは?
841通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:18:57 ID:???
>>840
確かアヌスのはフランス語版だったような
記述内容が
ヒューペルボレア版>>>(もふもふ)>>>アトランティス版>>>(いあいあ)>>>
希>羅>>>(ふんぐる)>>>仏>>英
な感じでむしろデウスマキナがヘボい版でも呼べるアヌスが寧ろ凄いかも知れん、知れないよ?
842通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:19:08 ID:???
>>839
鋼屋の日記に書いてある妄想という名の設定に書いてある人物名
シュリズベリィや九朔も元々はそこから始まった
843通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:20:06 ID:???
>>839
ライターのサイトの妄想話


この話の設定を一部取り入れ発展させたのが後の機神飛翔である
844通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:22:39 ID:???
>>841
いやいや、原書に近くなればなるほど手に負えなくなることも十分考えられるが
845通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:22:44 ID:???
>>841
いやいや、原書に近くなればなるほど手に負えなくなることも十分考えられるが
846通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:27:05 ID:???
>>839
鋼屋氏のサイトのテキストログ2003年11月6日を読むとわかる。
847通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:27:54 ID:???
>>844から美人なおねえさん、>>845から渋いおっさんの声が聞こえたんだが
848通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:33:25 ID:???
>>841
>>847
ナ■ア■ラ■ホ■ッ■が言うとおり、アヌスは、あの版までが精一杯であったと
849通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 22:36:57 ID:???
教えてくれた人ありがとう。
早速見てみるわ。
850849=839:2007/06/25(月) 22:37:58 ID:???
名前書き忘れてた
無駄にレスしてスマソ。
851通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 23:00:54 ID:???
SAN値に気をつけてなw
852通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 02:02:46 ID:???
>>848

 いや、単純に希少本だから手に入らなかっただけなんじゃね?
 かなり後の版でも、エイボンの書だったら相当ランクの高い魔道書だろうし……。

 ライカの昔話で、私の魔道書は最近の版だから欠落が多くて、鬼械神の召喚が大変だ云々とはいってたけどな
853通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 05:52:12 ID:???
つかひでぼんの書ってまた懐かしいな

ちょっくらイタクァと一緒に観光地めぐ  (通信が途絶しました
854通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 08:43:09 ID:???
HAHAHA 魔道書如きに汚染されるような惰弱な精神は持ち合わせておらぬわ
              ↓
             >>829
              ↓
そんな風に思ってた時期が私にもありました。お手伝いさんはどこで頼めばいいんディスKAaaッ!?
855通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 21:05:08 ID:???
おまいら・・・
ステッキーな感じにSAN値がカツカツですな

そんなきしゃまらにトドメの一撃でつよ?

つ「スク水でぃーぷわんずの群れ」
856通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 21:27:11 ID:???
>>855
んなもん、すく水ムスカのダメージにはおよばん!
857通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 22:01:11 ID:???
じゃあ口直しにスク水姿のブラックロッジ御一行様を想像して終わりしようぜ
858通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 22:06:22 ID:???
恥らう糞餓鬼、威風堂々たるガチムチ軍団、そして腐乱死体は…(プツン、ザー)
859通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 22:29:49 ID:???
エセルドレーダ以外が見えない。
860通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 22:33:22 ID:???
では、参ろうではないか………ヘヴンへ!!
861通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 22:43:34 ID:???
青き衣をまとった凛々しき侍を幻視してしまった…
>>859
あそこにいるロボっ娘が見えないと申すか、見えてるの自分だけ?
862通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 22:48:17 ID:???
>>861
隣で騒いでる○○○○がどうしても目に入る気がするのですが、いかがでしょうか
863通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 23:04:17 ID:???
ネロたんは!? 夢幻心母でおるすばんか?
864通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 23:43:34 ID:???
俺には見える!
スク水姿の魔道書タン達が!!(血涙を流しつつ
865通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 12:50:13 ID:???
866通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 16:04:16 ID:???
そしてスク水を着たアンチクロスを大導師がプロデュースして、ステージ上で歌って踊ると
867通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 17:09:00 ID:???
とりあえずふんどし一丁でスイカ割りするティトゥスが浮かんだ俺殺駆三兄弟
868通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 17:45:36 ID:???
へそだしは、正義かな?
869通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 18:06:10 ID:???
素敵水着な地球皇帝様はまだでつか?
870通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 18:14:54 ID:???
>>867

更にその横で褌にサラシ巻いただけの屍喰教典儀の聖霊を幻視した俺のsun値はヤバいっぽい
871通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 20:11:32 ID:???
ばかもの!!大導師殿は町内会活動に真面目にいそしむお方だぞ。
きっと、スク水アンチクロスを引き連れてまずは海岸のゴミ拾いを行うにちがいない。
872839:2007/06/27(水) 21:07:51 ID:???
よう、鋼屋のやつ見て来たぜ。

飛翔って最初はいつ発売予定だったっけ?
こんな前から構想暖めてたとは

あとこれ↓
>立ち絵は、こう、微妙にサイズの小さい司令服の胸元やスカートの裾を押さえて、隠していて。顔、真っ赤にしていて。
>うん。貫禄ゼロ。

真エンドのあれのことかww

あと続けて聞きたいんだけど、アンチクロスたちの魔道書の精霊って何で出たの?
何かの本っていうのは聞いたんだけど

>>866
某パピヨンな水着を着た地球皇帝と
地味な、そうあくまで地味な水着を着たアヌスがいるわけか
873通常の名無しさんの3倍:2007/06/27(水) 21:43:30 ID:???
ここのスレのLOGを最初から通しで見てみそ。
本のタイトルも出てるでよ。
かく言うおいらもここで見て速攻でニトロダイレクトで購入したクチだ。

絵に解説付きで紹介されていたでしよ。
(ただし無銘祭祀書のは出ていないが)
874通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 00:08:28 ID:???
俺は>>839とは別人

鋼屋のHP見たんだけどさぁ。
電王の話するたびに
『いまだに話の進行がない』とかいちいちうるさいやつがいるけど
あいつなんなんだと思ったよ。
鋼屋全然相手にしてないようだけど
875通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 09:08:19 ID:WV9T+9XV
やべ、俺なんか話がピピーンと来た!

投下おk?
876通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 09:18:37 ID:???
聞かずとも良い、汝の物語を楽しみにして居るぞ
877通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 11:19:56 ID:???
新たなる旧神を知るもの、このスレに来たれ!
878WV9T+9XV:2007/06/28(木) 13:07:00 ID:???
プロローグ・白き黎明




“それ”は、ただ眠っていた。
いや、眠る事を余儀なくされていた。
“それ”に、名前はない。





「おやおや、こんな所にこんな物が」

怪しく光る三つの赤い目が、女のようで男ねような声で、“それ”を見つけた。
「可哀想に。名も無く魔力も無いと言っていい魔導書よ。どうだい?君も主が欲しいかい?」
それの言葉に、“それ”は僅かだが、震えた。
「へぇ。じゃあちょっと待っててね…………………うん、いたいた。とっても陳腐な物語を作った神様に忘れさられた、その物語に眠っているとっても光る素材。君にぴったりだ!」
それは嬉しそうに笑うと、“それ”を手にとった。
「僕はあの物語が大嫌いだ。だから、もっと面白くしておくれ。だから、もう一眠りするんだ。次に目が覚める時、君は会えるんだから」





オーブでの悪夢。
両親と最愛の妹は死に、彼は一人となった。

避難船の中で、妹の携帯電話に録音されたボイスを何度となく繰り返して聞く。

―…で…
「!…だ、誰だ」
―…いで…

声はなおも聞こえる。
少年…シン・アスカはピンクの携帯を握りしめ、恐る恐る呼び声が聞こえてくる暗闇へと一歩足を踏み入れた。
879通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 13:55:12 ID:???
忘れられた素材なんていうから、サイかカズィかと思ったw
880通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 15:00:52 ID:???
作中キャラがストレートすぎるアンチ発言しても、それがナイアさんだと全く違和感なく許されるから困るw
881WV9T+9XV:2007/06/28(木) 15:14:53 ID:???
忘れられた×
→見捨てられた○

スマソ





暗闇の中を進んでいると、真っ白なものが落ちている事にシンは気がついた。
シンは近づき、そしてそれを拾う。
それは、白亜の本。
中身を開いてページをパラパラと捲る。でも、何も書いてはない。
シンは本を閉じた。そして元の場所に置いて元の部屋に…


出来なかった。
腕にいきなり重みがかかったのだ。

「!!!お、女の子!!!」

絹糸のような柔らかく白く長い髪、血管が透けて見える程の白い肌、その白さに溶けてしまいそうな白いフリルのワンピース。
シンの腕の中にいきなりその少女は現れ、彼の腕にもたれかかっていた。

「わわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」
真っ赤になって少女の肩に手をかけて離れようとするシン。
少女は、目を開いた。
シンと同じ、血のような赤い色の瞳がシンの眼を捉える。

「やっと、やっと会えた……!」





白き黎明・完
882通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 16:53:13 ID:???
完かよ! 続かねーのかよ! 頼むから続けてくれよ!!
と思ったがプロローグが終わった、という意味での「完」だと気づいて赤面。
883WV9T+9XV:2007/06/28(木) 20:12:41 ID:???
続きはマターリ頑張ります。





第一話
「Pure-white Gramary book 」





「き、君は誰!?な、何処から現れたんだ!?」
何処までも白い女の子にドギマギしながらシンは訊ねた。
容姿から見て、女の子はどうやらアルビノのようだった。
「私の名前?残念だけど私には名前ないの。何処から?あなたが持ってた魔導書が私よ」
「魔導…書?」

シンは眼を点にした。
何を言っているのだろう、この子は。

「そう!魔導師だけが扱えるもの!あなたの魔力のおかげで私は初めてこうなれたの!」
魔力?

「な…わ、訳わかんねぇ……そうか、俺疲れて夢見てんだよな。ああマユ…」
「あれ?どうしたの?顔色悪いよ?ねぇねぇ。あ、そうだあなたの名前教えて!それとマユってだぁれ?」

ブツブツと呟きだしたシンに、魔導書だという女の子は空気も読まず訊ねてくる。
それがいけなかった。
「うるさい!黙れよ!」
「!!!」
シンは怒鳴った。もうついていけない。そんな気持ちで。
だが、それも悪かった。
「………ふ……ふぇぇぇ…」
女の子は泣き出した。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいいい子にするから、私いい子にするから捨てないで……」

884通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 21:52:51 ID:???
幼女に平気で怒鳴り散らす。流石シン!!
妹以外には全く容赦がない!!そこにシビレル憧れるぅ
885通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 22:22:04 ID:???
一話分をメモ帳かWordに書いてからコピペでまとめて投下して欲しい
886通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 23:32:12 ID:???
あとsageようぜ
887通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 23:48:47 ID:???
って最後のはsageてんのか_| ̄|○
888WV9T+9XV:2007/06/28(木) 23:51:36 ID:???
>>885
たまに携帯から投下してるから、少しは目をつむってほしい。
続き。





泣き出す女の子。シンはびっくりしておろおろした。
「な、なんで俺がお前を捨てなきゃいけないんだよ!おまえ人間だろ!」
「人間じゃないもん魔導書だもん!あなたがくれた魔力で私、こうやってあなたと喋れるもん!あなたが私のマスターだもん!」
意味不明。こいつ真性DQNじゃねえだろな、とシンは思う。
関わりたくない。だが、いつまでも泣かしていると誰か来るかもしれない。
そしたら自分は「女の子泣かせのシン」という異名がつくかもしれない。
いやだ、そんな異名。天国のマユにきっとさげずまれる。せめて、赤い彗星ぐらいは欲しい。
それらは脳内会議で素早く審議され、可決される。
そいて、実行に移された。
「ご、ごめんな。どうして魔導書とかそういう話がでるのか、なんでここにいるのか話してもらえないか?」
「ぐず…ぐず………うん!あのね、あのね!」
先ほどまで泣いていたのはどこへいったのやら。女の子はすぐに泣き止んで、うれしそうに話し出した。

「私ね、ずーっとずーっと前にある人によって書かれたんだ。けどね、その人内容を書く前に死んじゃって、そのせいで白紙ばっかりの私は魔力もほとんど無いし名前もないの。
だからずっと本の姿でどこかで眠ってたの。そしたらね、ある日、力ある人がやってきて、私にぴったりなマスターを探してくれたの!それがあなた!」
だれだよソイツ。
「私もね、すごくびっくりしたの。あなたが本に触れた瞬間私がこうして人型になれるほどの魔力が流れ込んできたもの!
すごい魔導師の資質もってる!あなたといっしょなら、私、完成するかもしれない!」
魔導師?ああ、なんか終わりの物語にもそんなジョブあったなぁ。
…完成?
それは半ば聞き流していたシンの脳内のどこかに引っかかったらしい。
「なんで完成なんだ?」
「さっきも言ったけど、私白紙ばっかりだから。
それにシンといたら、きっと何かがおこる。そんな気がする。だから、あなたと契約したいの。もちろん、あなたにも見返りはあるよ」
「見返り?」
シンはもう疑うことをやめていた…いや、疑う気力がつきかけていただけだった。
「力!あなたは常人とは違う力を手にするの!
…私がこうだから、最初はそうはいかないかもしれない。けど、確実に普通の人とは異なる魔導の力を開花できる!」
力、という単語にシンは揺らいだ。それさえあれば…という考えがシンの脳内を駆け巡る。
断れば、力さえ手に入れられるかどうかはわからない行く先不明。
頷けば、胡散臭いとはいえ確実に力を手にすることが出来る。
先ほどの疑念の考えやあきれた考えはどこにいったのか。シンは迷った末、答えを出した。
889WV9T+9XV:2007/06/28(木) 23:52:51 ID:???
「…わかった。契約、してやるよ」
「ありがとう!!ねぇ、あなたの名前を教えて!そして私に名前をちょうだい!!」
うれしそうに、そして無邪気に笑う女の子に、シンは自分の名前を告げた。
「シン。シン・アスカ。いい名前!じゃあ、契約するよ」
「わかっ……!!!んんん!?!」
女の子がだきついてきたと思ったら自身の唇にやわらかい感触を感じ、シンは目を見開いた。
中途半端に開いた唇からは熱い何かが進入してくる。
―私を受け入れて、そして、名前を与えて…―
シンの脳内にそんな言葉が響いた。そして、二人の周囲が淡く光りだす。
「お前の、名前は…」
ゆっくりと銀の糸を引き、シンは言葉を紡いだ。





第一話「Pure-white Gramary book 」完




ここまできて、白い魔導書の名前を考えてなかった罠(´`;)
890通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 00:07:29 ID:???
面白いが、今度はsageが大文字になってるぞw
891通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 00:11:11 ID:???
いい感じにシンとシンクロしてるじゃんw

妄想と勢いに身を任せな!
SAN値と引き替えに物語が降りてくるぜ!!
892通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 03:10:31 ID:???
真っ白な魔導書かぁ
言動も見ると素直ロリなんだろうね
・・・「素直」な魔導書を新鮮と感じるのは
自分と世間どっちが穢れてるんだ?

あとシン、その異名はシスコンの上にロリコン、マザコンまで付与されるぞ?
893通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 03:18:38 ID:???
GJ
なんだかロリコンのシンになっていきそう
894通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 03:35:10 ID:???
パーソナルカラーが赤になると聞いてルナマリアが興味を示したようです。
895WV9T+9XV:2007/06/29(金) 14:16:49 ID:???
GJありがとう!
引き続き妄想の限り突き進みたいと思う。
そしてシンは行き着く所まで行き着いてもらうw





第二話
「そしてそして、そして」





シンと魔導書が契約したその頃。

「この、うつけがぁー!!」
「わぁぁっ!物投げるな壊れるだろ!」
「知るか!貴様というヤツは何をだらだらしておるか!さっさとせんか!」
「あらあら、九郎ちゃんとアルちゃんは今日も元気ねぇ」
「ライカさん見てないで助け…ぐぁぁぁっ!」
「ふっふっふ…手こずらせおって……」
「ま、待ってくださいアルさん。俺は何も「問答無用!」
「ギャーーー!!」

異次元の何処かのアーカムシティに情けない叫び声が響き渡った。
その片隅のある秘密基地(自称)で、今日も一人のキ○ガイが趣味にせいをだしていた。

「ふっふっふっふっ………出来た…出来たぞ!このドクターウェストの技術の粋!!ドリルスマ「それ以上言ったら駄目ロボ!完成品はこっちロボ!」
「おおすまんなエルザ。これで我輩の無敵ロボスペシャルエディションが完成するのであーる!」
「それもどうかと思うロボ………マスター、いつ有給休暇くれるロボ?エルザは愛しのダーリンとピクニックに行くロボ」
「あーちょっと待て。ここをこうして…ん?」

○チガイは何かの気配を感じたらしく、後ろを振り向いた。
896通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 19:17:26 ID:???
× 真性DQN
○ 真性電波
897種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:01:39 ID:???
「オーホッホッホッホ!随分と驚いてるみたいね!」
 顕現した赤く奇怪な姿のMSの頭上で、再生を完了したティベリウスが高笑いを上げた。
「けど、驚いてる暇なんてないわよぉ……人を散々おちょくりやがって!ここからはずっとアタシのターン、
 グチャグチャのドロドロに煉って潰してミンチにしてやらぁ!」
 足元に現れた魔術陣の中へと、ティベリウスが消えていく。その姿が完全に消えた直後、
フォビドゥン・ベルゼビュートが両手を広げ唸りを上げる。その巨体から衝撃と共に、周囲へ膨大な
魔力の波動が広がっていく。
「なんという魔力っ……」
「でも所詮MSロボ!『我、埋葬にあたわず』、ファイア!」
 ティトゥスの腕から降りたエルザがその手の術式魔砲を構え、出力全開の一撃を眼前のMS目掛け放つ。
だがその光の奔流は、MSの前面に展開された魔術陣にぶつかり、あっけなく散って消えていく。
「ロボッ!?」
『オホホホホホホ!無駄よ無駄よ、ムダなのよぉ!このアタシのMM[モビル・マキナ]、
 フォビドゥン・ベルゼビュートの魔術障壁がそんな豆鉄砲で貫けられるもんですか!』
 赤いMS──否、フォビドゥン・ベルゼビュートが、二人にその巨大な腕を振り下ろす。後ろに跳んだ
二人の眼前でゴツイナックルガードが床を叩き、もう一つ陥没箇所を作る。
「ハッ!」
 その振り下ろされた腕に、ティトゥスが素早く斬り付ける。しかしいかにティトゥスの斬撃とはいえ
MSの強固な装甲を断ち切ることは出来ず、ほんの小さな傷程度しか──
「……くっ!」
 ──否、小さな傷すら『与えられたが与えられていない』。装甲に走った線状の切れ目は瞬く間に
塞がり、消えていく──信じられない事に、この機体には自己再生能力が備わっているらしい。
「やはり、これは……」
『そうよ、理解できたかしら……ねぇ!?』
「グッ!」
 F・ベルゼビュートが腕を払い、ティトゥスを跳ね飛ばす。刀で受け止めた直後咄嗟に身体を浮かせ
宙に吹き飛んだ身体を宙返りさせつつ着地させる。完全に逃しきれなかった衝撃が脳髄を揺らし、
ティトゥスは表情を歪ませた。
「その機体……魔導技術を組み込んだMSか!」
『御名答ぉ〜!しかも単なる魔導技術じゃないわ。この世界でようやく出来た小型魔力炉とこの世界のMSを
 組み合わせ、更に!魔導書の術式を使って一部を鬼械神のパーツそのもので構成した、科学と魔導の
 融合品!それがモビル・マキナよ!だ・か・ら☆』
898種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:04:22 ID:???
 F・ベルゼビュートの両端に装備された二門のレールガンが、祝砲だとでも言わんばかりに盛大に、
でたらめに乱射される。着弾のたびドックの中で爆音が唸り、吹き荒ぶ爆風に飛ばされた資材や部品の破片が
ティトゥスやエルザへと打ち付ける。
『当然、こういう風に通常兵器も使えるのよぉん……アメノミハシラごと、宇宙の藻屑になっちゃいなさい!』
 撃ちまくられていたレールガンの砲口がティトゥス達へと向く。ティトゥスとエルザ、二人が身構えた──
その瞬間。
『レッド・フレイィム[赤い一撃]ッッ!』
『なっ……ああああああああああっっ!?』
 突如飛んできた赤いフレームのガンダムタイプMSが、F・ベルゼビュートの顔面を殴りつけた。
巨大で大きく広がった肩、マッシブで太い腕から繰り出された一撃を横っ面に叩き込まれ、一気に
吹き飛び壁にめり込むほどたたき付けられるF・ベルゼビュート。
「レッドフレームロボ!?」
『いようティトゥスの旦那にエルザ!こいつに換装してたら遅くなっちまった!』
「ロウ・ギュールか!」
 ロウの乗ったアストレイレッドフレーム『パワードレッド』がティトゥス達に向き直り、左手の親指を
立てる。
「油断するなロウ・ギュール!あやつは……」
『分かってる、あらかたの事情は監視システムやエルザ経由で聞いてる!通信機持たせといて正解だったぜ!』
「ああ、そういえば出てくる前に博士から渡されてたロボ。電源つけっぱなしで忘れてたロボ」
 をいロボッ娘。
『ガアアァァァァァァァッッ!どいつもこいつも、邪魔しくさってぇぇぇぇぇぇ!』
『うおっと!』
 壁からはいでたF・ベルゼビュートがパワードレッドに向かってくる。不意打ち気味に放たれた左の
ナックルガードを懐に入りながらかわし、パワードレッドがF・ベルゼビュートのボディを両腕でしっかりと
捕まえる。
『なっ何よ!離しなさい!離せ!は、な、せっ!』
『悪いが、これ以上内部で暴れられちゃ困るんだよ!こいつのパワーは伊達じゃねえぜ!』
 パワードレットの全スラスターが火を噴き上げ、F・ベルゼビュートを抱えたままドックの出口方面へと
すっ飛んでいく。
「なっ、真逆……無茶はやめろ、ロウ・ギュール!」
『こ、この腐れマッチョMSがぁぁぁぁぁ…………』
『ティトゥスの旦那、第八格納庫でドクターが待ってる!早く行ってやってくれぇぇ……』
 声をフェードアウトさせながら、パワードレッドとF・ベルゼビュートは先へと消えていく。轟音と隔壁の
閉じる音がした後、その場には僅かに上がった火がパチパチと燃える音以外聞こえなくなった。
899種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:07:26 ID:???
「くっ!こうしてはおれん、拙者もMSを!」
「待つロボ!」
 駆け出そうとするティトゥスを、エルザが止める。ティトゥスは意にせず払いのけようとするが、逆に
エルザに手を掴まれその場に釘付けにされる。
「何をする!彼奴には通常のMSでは対抗出来ぬ!急がねば外の防衛部隊まで全滅は免れぬぞ!?」
「それはティトゥスでも同じロボ!並のMSで出たところで何も変わらないロボ!」
「しかし!」
「落ち着くロボ!対抗策はあるロボ!」
「……何?」
 その言葉に、ティトゥスはようやく平静を取り戻す。それを確認して、エルザはようやく
ティトゥスの手を離した。
「ロウも言ってたロボ、まずは博士の所に行くロボ……『あれ』は、ティトゥスの為のモノだロボ」



「……?何だ?」
 相変わらずウィンダムを相手取っていたドレットノートのレーダーが、自分の後方に反応を捉える。
それに気付いたカナードがそちらに少し意識を向けると、其処には奇妙な形をしたMS──
F・ベルゼビュートを羽交い絞めにしながら、アメノミハシラの外壁をぶち抜いて飛び出してきた
パワードレッドの姿があった。
『っ!?』
『な、なんだぁ!?』
「バカなっ!?既に敵に防衛網を突破されていたのか!?」
 ニュアンスは違えど、同時に驚きの声を上げる劾、イライジャ、カナード。それにより生まれた
一瞬の隙に、対峙していた三機のウィンダムが同時に動いた。
「くっ、しまっ……?」
 慌ててすぐ意識をウィンダムに戻す三人……が、奇妙な事にウィンダム達は眼前の三機を素通りし、真っ直ぐ
パワードレッドへと向かって行く。
『う、うわあああああっ!』
 傭兵達とアメノミハシラの間、丁度ウィンダムとパワードレッドが接触する位置の近くまで後退していた
ミハシラ防衛部隊が、向かってくるウィンダムへ反射的に迎撃を行う。されどやはり彼らでは太刀打ち出来ず、
攻撃を避けたウィンダムは部隊のM1Aアストレイを次々に撃墜していく。
『くそっ!やめやがれテメェ等……うおおっと!』
900種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:10:08 ID:???
 パワードレッドにライフルをかすめ、ロウが叫びを上げる。ウィンダムは進行方向にいたMSのみを
掃討し、すぐにその攻撃をパワードレッドに集中させ始めたのだ。
『何時までくっ付いてんのよ、暑苦しい!』
 その攻撃で緩んだパワードレッドの拘束を振りほどき、F・ベルゼビュートが右腕をパワードレッドの
顔面に叩き込む。表情を少々歪ませつつ、パワードレッドがF・ベルゼビュートから離れる。
『遅いわよアンタ達!雑魚相手にちんたらやってんじゃないわよ!』
 F・ベルゼビュートからの怒号が、全周波で周囲に響き渡った。MSの身振り手振りから察するに、
奴の周囲に展開したウィンダム達へ向けてのものらしい。
『ロウ、無事か?』
『ガ、劾か……へへ、このくらいならなんとかな』
 吹き飛ばされたパワードレッドへブルーフレームが近寄り、互いに体勢を立て直しつつ正面に
F・ベルゼビュートと三機のウィンダムを見据える。更にその周囲でドレットノートとザク、そしてミハシラ
防衛部隊も展開し、四機を囲む。
『……雑魚の癖にホントウザイわ。どいつもこいつも人の予定をブチ壊しにしてくれやがって……』
 F・ベルゼビュートから全周波で低い声が響く。不機嫌極まるといった感じの声と共に、装備された二門の
レールガンの砲身が動き、周囲のウィンダムがライフルを構える。
『アメノミハシラ潰す前に、まずアンタらを血祭りよ!せいぜいビビって、アタシを楽しませなさい!』
 5つの砲が一斉に火を吹く。囲いを維持しつつ回避行動に移るが、防衛部隊の数機が捉えられ落とされる。
「誰がザコだっ!このゲテモノMSがっ!」
 その砲火の中、カナードのドレットノートが突出する。スーパーコーディネーターとしての操縦能力、
核エンジン搭載MSの機動力、そしてその膨大なエネルギーによって展開させる二枚の光波防御体シールド
『アルミューレ・リュミエール』の絶対的な防御力──その全てを駆使し、砲火を潜り抜けウィンダムと
F・ベルゼビュートの懐へと迫る。
 ウィンダムの一機がベルゼビュートを守るように前に出、シールドごとドレットノートを受け止め……
その瞬間、コクピットの中でカナードがニヤリと笑う。
「一機で突出したのが運のツキだ!!」
 シールド発生器である二つの『アルミューレ・リュミエール・ハンディ』、その右側のみをオフにし、
形状を変化させて再び起動する。平面状から槍状に変化した光が、左腕で構えたシールドの裏から
一気にウィンダムのコクピットを貫く。
 爆発の中を一気に抜け、ドレットノートはF・ベルゼビュートへと肉薄する。
『ああ〜ん、どこが改良されてるのよぉん。この程度の雑魚にやられてちゃ世話ないわぁ』
「ザコザコ五月蝿い!死ね!消えろっ!くたばれぇっ!」
 F・ベルゼビュートに、ドレットノートはイータユニットをソードモードで起動し突撃する。キャノンの
先端から伸びた巨大なビームソード二本がF・ベルゼビュートに振り下ろされる。
『甘いってのよ、雑魚!』
 F・ベルゼビュートの前面に魔術陣が展開され、ビームソードを容易く受け止める。逆にベルゼビュートは
機体を前進させ、ビームソードの勢いを押し返しドレットノートの懐に入る。
901種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:15:22 ID:???
「何!?」
『喰らいなさい、バッド・トリップ・ワイン!』
 ナックルガードに怪しく光る紫電を迸らせながら、F・ベルゼビュートの右腕がドレットノートのボディに
叩き込まれる。吹き飛ばされるドレットノートのコクピットで衝撃に身を揺らしつつも、カナードが嘲笑する。
「フン!PS装甲にそんな実体の肉弾攻撃が通用するか!」
『あらあら、バカはどっちかしらねぇ?』
「貴様っ……!?なんだ、これはっ!」
 嘲笑を返され激昂したカナードは即座にイータユニットのトリガーを引き……異常に気付く。
 イータユニットがトリガーに反応しない……いや、それだけではない。ユニットのモードチェンジどころか、
シールドやビームマシンガンへの武器変更、単純な機体動作すらも満足な速度で行えない。
 慌ててOSを開いた直後、表示されたのはエラー、エラー……山のようなプログラムエラーの羅列。
「どうなっている!?……さっきの攻撃か!」
『アタシのバッド・トリップ・ワインの味は気に入ってもらえたかしらぁ?全てを侵し尽くし、おかしくする
 高圧電流と瘴気入りの銘酒……もう一杯奢ってアゲルわ!』
 今度は左腕がドレットノートを打つ。その一撃は衝撃を伴って──ドレットノートの右肩を紙のように
ひしゃげさせた。
「なっ!?PS装甲が……」
『オーホッホッホ!電圧が通ってなきゃ、天下のPS装甲も単なるフツーの装甲よねぇ〜!』
 その言葉通り、瘴気に侵されたプログラムエラーと電流による電圧制御の乱れにより、ドレットノートの
PS装甲は全体が着色と脱色をランダムに繰り返して点滅しているような状態になっている。
『ん〜自分でタイミングを調節出来ないのがちょ〜とタマに傷なのよねえ……まあ、憂さ晴らしの
 黒髭危機一髪モドキには丁度いいわぁん☆』
『……させん』
 ドレットノートを救おうと、ブルーフレームとザク、パワードレッドが二機に減って弱まった
ウィンダムの砲火を抜けようとする……しかし。
『アンタ達は後よ!暫くウィンダムと遊んでなさい!『スターヴァンパイア』!』
『……っ!?』
 突然、三機の動きが鈍る。ティベリウスが叫んだ直後、何故か機体の出力が低下し、エネルギー残量が
普段の数倍のスピードで減少し始めた。
『どうなってるんだこりゃ……うわっ!』
『カナード……クッ!』
『ちょ、こいつはマズイぜ!』
 ウィンダム二機が動きの鈍った三機や残った防衛部隊を牽制し。接近を許さない。突出したカナードは、
完全に孤立した形となった。
『オーホホホホ!正に一機で突出したのが運のツキだったみたいね☆』
 ドレットノートの眼前で、F・ベルゼビュートが両拳を打ち付ける。カナードにはその顔部分の口が、
更に下卑た笑みを浮かべたように見えた。
『さあ、何発目で上手い具合にコクピットが潰せるかしらねぇん♪……コクピットの中でションベン
 ちびらせながら、ガタガタ震えてビビりな!バラガキィィッ!』
902種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:17:00 ID:???
「……ここか」
 ティトゥスとエルザが、アメノミハシラ内のMS整備・開発ブロックの一区画、第八格納庫の扉の前に立つ。
MSも通れるように設計されたその扉は人間にとっては巨大で、堅牢だ。
「そうロボ。ここにティトゥスが今、一番欲しがっていているモノがある筈ロボ」
「何があるというのだ、一体?」
「それは見てのお楽しみロボ。今ロックを解除するロボ」
 エルザがトコトコと扉の下にあるコンソールに近付き、開錠用のパスワードを入力する。
「え〜と、ヨイフロ(ブー)……じゃなかった、千、十、マ(ブー)ああまた間違えたロボ!
 ……あ、そうそう!10、3、1と。全く博士ももっと分かりやすいパスワードにしろロボ」
「…………」
 色々とツッコみたいティトゥスであった。
 とにかく、パスワードを受付け、扉が重厚な音を立てながら開いていく。少し強めの照明が眼に入り、
その眩しさに掌を軽くかざすティトゥス。
 やがて扉が開ききり、ティトゥスはかざしていた手を下ろす。扉の向こう側にあったのは数機のMSが
入るであろうスペースと、使い込まれた幾つも作業機械。そして何に使われたのか、ボロボロになった
パーツやら何やらの瓦礫の山。

「──なっ──」

 ──そして、ティトゥスは見た。『見つけてしまった』。

 扉の奥、機械と瓦礫の中央に仁王立ちする『ソレ』を。

 それは、それこそは──
903種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:19:34 ID:???
「やっみもと〜むはあっかいはっな〜!おもいくだ〜けこっわれてっく〜ぅ〜!いろよに〜お〜へ
 はなをちらっして〜むっせ〜ぶ!く〜きょ!ちっぬっられった〜み〜ちゅぶらっっ!?」
「博士、超うっせ〜ロボ」
「う、裏切られて、killed you……DODA誘う残夢ぅぅぅぅぅぅぅ!?」
 『ソレ』の最上部に立ってギターを掻き鳴らしシャウトしていたら、一足飛びで駆け寄ったエルザに
ボディブローで叩き落されたドクターウェスト南無。しかし見事に地面に急降下したウェストの事など、
ティトゥスは全くその意識の中に入れていなかった。
 全ては、そのドクターウェストが立っていた『モノ』の姿故に。
「これは──」

 堅牢な四肢の中でも、一際太く力強い肩と太腿。
 両腰に下げられた見慣れぬ二振りの長刀と、背に負った見慣れたツヴァイストライカー。
 アンテナやレーダーなど余分なもの一切が省かれ、ただ緑色の両目を持つ仮面を被っただけの頭部。
 そのダークシルバーで彩られた姿は正に、鋼鉄〔ハガネ〕で覆われた巨大なる鎧武者。

「──皇餓」

 本来己が知る姿とは大きく違うものの、その20m前後の巨人の姿はティトゥスにかつての愛馬を
連想させるには十分だった。
「そう、これぞ我輩の技術とこの世界の技術を掛け合わせた傑作!ああ、この天才さがコ・ワ・イ♪」
「結構な割合ロウに手伝ってもらったくせに偉そうにすんなロボ、ロウがいなけりゃ唯の破壊ロボで
 終わってたロボ。博士のデザインセンスは単調過ぎるロボ」
「エェルザァァァァァァァァ!?」
 ロボッ娘からの冷たいツッコミを受け、何時の間にか復活していた■■■■がorzになる。だがそんな事は
ティトゥスにはどうでもいい。
「ドクター、貴様っ!これは一体なんなのだ!?」
 流石に平静を保てず、声を荒げるティトゥス。だが逆にドクターにとってはティトゥスのその態度は
どうでもよかった。スクッと立ち上がり、何時もの傲岸不遜な態度を取り戻す。
「分かっているのである。説明してやるであるからして、そんなに怒っちゃイヤンなのである」
「巫山戯ている暇があるならさっさと喋れ!」
「……フン、心の余裕がない奴である。まあいい、状況はこちらも把握しているのである」
 溜息を一つ付いて、ウェストはようやく語り始めた。
904種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:24:41 ID:???
「これは貴様の機体なのである」
「……拙者の機体、だと?」
「うむ。貴様、この世界のMSでは自分の反応速度について来れぬとか言っていたであるな」
 そこで一旦言葉を止め、ウェストはついてこい、というジェスチャーをして背を向ける。歩いていく
ウェストとそれに連れ添うエルザの背を未だ釣り上がった目で睨みつけるように見つめながら、ティトゥスは
後を追っていく。
 整備用に設置された階段と通路をカンカンと音を鳴らしながら進み、三人はMSの胴体、コクピットまで
上がってくる。開かれたままのコクピットを覗き込みながら、ウェストは話を再開した。
「見てみるである」
 ティトゥスがコクピットを覗き込む。コンソールや操作系、モニターは特に何の変哲も無い様に見える。
奇妙なのは、シートの『後ろ』だ。シート自体は何の変哲もないのだが、その後ろにやけに深くスペースが
広げられており──其処には、何本ものコードに繋がれた奇妙な機械が置かれていた。
「これは?」
「これこそこの機体の最大のポイントである……さあ、目玉かっぽじってしかと見るが良いのである!
 ポチッとな」
 ウェストがコンソールを操作すると、機械の表面が煙を上げて中央からガコンと割れ、開く。
そしてその中には──
「なっ──」
 ──一冊の本が、それを埋め尽くすほどに数があるコードやケーブルに繋がれていた。その本は
忘れもしない、かつてティトゥスが持ち、袂を別ったと思っていた、あの──
「屍食教典儀……!」
「うむ、貴様を宇宙から回収した時に見つけたのでな。勝手に借りたのである」
「お、御主という奴は……!」
「そう怒るなである、これのおかげで貴様の不満も解消されたのであるぞ?」
 今にも刀を抜かんとしたティトゥスの手が、止まる。それを見て満足げに、ニヤリと笑うウェスト。
「用はメインコンピュータの演算処理能力と、回路の伝達速度の限界が不足している故、貴様の反応に
 MSは付いて来れなかったのである。つまり、その二つを解決すればいいだけの事……この天才、
 世紀の天才!ドクタァァァァァ、ウェェェェストッッ!にとって、そんな事はお茶の子さいさい
 数の子たんまり!WO、モーニングマイサン!」
 ギターを掻き鳴らしながら、ドクターはハイテンションで叫びを上げた。
「この機体は高度な演算ユニットである魔導書『屍食教典儀』をメインコンピュータとしているのである!
 更に、更に更に!全身の伝達系を全て魔術回路で構成し、更にそれに直接『屍食教典儀』を接続、術式
 そのものを回路に組み込んだのであ〜る!パイロットの極少量の魔力を感応させる事で、その伝達速度は
 一瞬にまで縮まる!命令から挙動までのタイムラグは限りなくゼロに近付くであろう!貴様と長年
 寄り添った縁深い『屍食教典儀』なら、魔術師ではなくなった貴様の少ない魔力にも勝手に
 感応してくれよう!」
905種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:28:29 ID:???
 ウェストの言葉にティトゥスは驚きを隠す事は出来なかった。到底不可能だと思っていた己のMSに
対する無茶な要求……それが敵ったという事と、それをいとも容易く成し遂げてしまった目の前の
■■■■の技術力に、ただただ呆然とするしかなかった。
「といっても正直、こやつはそれだけの機体でもあるのだが。僅かに魔導技術こそ使っているが、
 こやつにはあのモビル・マキナとやらのように魔力炉が搭載されているわけでもなければ、呪法兵装が
 搭載されているわけでもない。ぶっちゃけ単なる『反応速度がぶっ飛んでるだけのMS』である。
 まあモビル・マキナと呼んでも問題はないかも知れぬが」
 ともかく、と一旦咳払いし、ウェストは自信満々の笑みを浮かべる。
「この機体は単なるスペックだけで見れば我輩の作品の中でも凡作以下の代物である。性能は
 この世界の量産型MSとドッコイドッコイ程度、実際不満タラタラである……しかしティトゥスよ、
 貴様が乗る事でこの機体は正に『最高』となる。貴様が操って始めて、この機体は我輩の芸術品として
 完成するのである!この機体であればあの汚物が乗る醜いロボットにも対抗出来るであろう!我輩と
 エルザ、ロウ・ギュールが寝る間も惜しんで昼寝してコツコツ作った上、襲撃から突貫作業で
 完成させてやったのであるからして、これに乗ってしっかりと戦果を……?」
 とにかく喋り続けていたウェストは、そこで初めてティトゥスの表情に気付く。彼は実に様々な感情を
入り混じらせた──特に、疑惑と困惑を色濃く映した表情でウェストを見ていた。
「……ドクター、屍食教典儀を勝手に使った云々はこの際置いておくとして、何故御主は拙者にそこまで
 してくれるのだ?御主にここまでされる理由に心当たりはない。それに御主等はこの世界の争いには
 介入せず、すぐにでもこの世界から脱出したいと言っていたではないか」
「……うむ」
 ティトゥスの問いに、わずかな間ウェストは腕を組んで沈黙し……珍しくも真剣な表情で語りだした。
「まあ『屍食教典儀』を使ってこの機体を造ったのは純粋に好奇心からである。この世界の技術でどこまでの
 物が出来るか興味もあったのでな。これを造った後は、適当に技術を調べつつ次元跳躍装置を造って、
 面倒な事になる前にさっさとオサラバする気であった……その気が変わったのはついさっきである」
 真正面からティトゥスを見据えるウェスト。ティトゥスは少々困惑しつつ、その視線を見据え返す。
「貴様、ティベリウスに言ったであるな、『貴様等のやる事が気に入らん』と。我輩も前の世界から
 貴様等逆十字が大嫌いだったのである、美学のカケラすらない連中だったであるしな……貴様や
 ウェスパシアヌスは比較的マシな方であったが」
「ふん……確かにな」
 確かに思い返してみれば、ウェストが逆十字と馴れ合っていた所を見た事など一度もない──もっとも、
ウェストも逆十字も元々、他人と馴れ合う事など滅多になかったが。
906種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 12:33:20 ID:???
「流石にあのような下衆な輩、しかも我輩達の世界から落ちてきた汚物を放っておくのは少々
 気が乗らんのである。我輩は意外と地球に優しいエコロジストなのであるからして──それと、もう一つ」
 直後、ウェストの顔がニヤリと歪んだ。
「ちと貴様に興味が湧いたのである」
「……?」
「貴様は向こうにいた頃と比べると随分変わったのである。魔術に頼らぬようになり、地球を破滅から
 守ろうとし、ティベリウスのような邪悪に怒りの言葉まで放ち……あまつさえ我が宿敵、大十字九郎の
 ような事まで言い出す始末……正直笑えたである」
「うんうん、マイダーリンほどじゃないロボけど、なかなかカッコよかったロボ」
「う……」
 これまで傍観していたエルザにまで言われ、ティトゥスは少し気恥ずかしい思いで顔を背ける。今思えば
随分と己らしからぬ事を言ってしまったものだ。
「それに元は邪悪の権化アンチクロスだった貴様が唯の人間として、我輩の造ったこの機体の性能を
 何処まで引き出せる事が出来るか──製作者としては最後まで見届けたい所でもある。
 よって、我輩は一時この世界からの脱出を後回しにし、貴様と共同戦線を結びたいのである」
「……何?」
「貴様もアンチクロスを放置しておくつもりはないのであろう?我輩の科学力は決して貴様にとって
 無益にはなるまい。その証明として貴様にその機体を譲渡しようと言うのだ──利害の一致という
 やつである。貴様は我輩の技術を、我輩は貴様の腕を利用してアンチクロスを屠る。そして我輩は
 貴様やこの機体の観察も出来て一石二鳥というものである」
 そう言ってくるウェストの顔には、一切の虚偽や謀略の色はない。この男は本心でこの台詞を自分に
言い放っている。
 ──それに気付いたティトゥスは何故か胸中から沸いてくる可笑しさに堪えきれず、ずっと緊張していた
その表情に数時間ぶりの笑みを浮かべた。
「……良かろう!当てにさせてもらうぞ、ウェスト」
「フッ、決まりであるな!」
 ガシィッ!と、お互いの拳をぶつけ合う。武士と科学者、人格の相性ははともかく、職としての相性はいい
夢のタッグが、今ここに実現した。
「エルザもいるロボ!」
 ──訂正、+ロボッ娘のトリオが実現した。
907通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:01:16 ID:???
・・・今回の投稿は終わったのかな?

GJ
つまり、侍、マッドサイエンティスト、ロボッ娘とロボットという
浪漫回路が回転しっぱなしのカルテットが誕生なんですね


博士へ
当然本人には内緒で
自爆回路とドリルを付けてるんですよね?
908種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:04:31 ID:???
 コクピットに乗り込み、操縦桿を握る。同時に全身から掌へ、更に掌からほんの少しずつ、魔力が
漏れ出すのを感じる。その魔力が自分の真後ろにある『屍食教典儀』に流れ、更にそこから魔術回路を通し、
機体全体に伝わっていくのを、ハッキリと感じる。
 ──まるで、自身がこの機体そのものになったような感覚。
 機体がほんの少しの魔力に満たされると同時に、メイン動力のバッテリーに火が入る。全身のモーターや
アクチュエーターが動き出し、忙しない駆動音が厳かに響きだす。
 仮面の奥に穿たれた翠玉色の両眼、その鮮やかなガラスカバーの奥底で円形の瞳に光が灯り、赤い輝きを
放ちながらギョロリと四方八方に動き、辺りを見回した。
 同時にコクピットのモニターも点り、周囲の様子をティトゥスの目に映す。モニターの中央に四角い
ウィンドウが開き、簡素なメッセージが流れる

 【──Main system:Cults of the Ghouls set up──】

 【──Please order , my lord──】
 
「そういえば、こ奴の名はなんと言うのだ?」
 聞きそびれていた肝心な事をウェストに問う。機体の足元に居るウェストが、ギターを掻き鳴らしながら
叫んだ。
「よくぞ聞いてくれましたっ!その名は『スーパーウェスト無敵ロボ──」
「──は博士が勝手につけた名前ロボ、あんまり合わないからやめといたほうが良いロボ」
「うむ」
「エェルザァァァァァァ!?」
 項垂れるウェスト。最近そんなのばっかだな。
「そう言えば、ロウがよく言っていた名前があるロボ──『アストレイ』」
「──アストレイ?」
 その単語にはティトゥスにも聞き覚えがあった。オーブの量産機や、ロウの駆るMSの名称の筈だ。しかし
その意味はティトゥスも知らない。
「『王道に非ず』という意味らしいロボ。ロウは本来兵器として扱われないMSにその名を付けていたそう
 ロボが──『鬼械神としても、MSとしてもこいつは王道に沿って造られた訳じゃない──こいつもまた、
 アストレイみたいなモンだな』って言っていたロボ」
「王道に、非ず──」
909種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:07:39 ID:???
 その言葉に、ティトゥスは惹かれるものがあった。魔術の王道とは外道、鬼械神の王道とは邪道。
それを外れ、自らの望む道を往く己と、この新たな『皇餓〔オーガ〕』。
「──気に入った。ならばこ奴の名は『オーガアストレイ』だ」
 名を与えられ、歓喜したように一層大きく駆動音を鳴らし始めるオーガアストレイ。
「そう慌てるな──すぐに暴れさせてやる」
 そう言いながら、ティトゥスは操縦桿をわずかに、ほんの少し前に倒し──直後、大きく踏み出された
一歩でオーガアストレイがバランスを崩す。
「な──」
「──ハイ?」
「あ、やばいロボ」
 前方左斜めに転倒を始めるオーガアストレイの巨体。その一瞬の中、ティトゥスはオーガアストレイの腕を
操作し、エルザは飛び退き、ウェストは呆然とその場に立ったまま──
「ぬおおおっ!」
「ギィヤァァァァァァァァ!」
「うわ、これは……博士ー!?生きてるロボかー!?」
 倒れる瞬間左腕で自重を支え、何とかモロに床へとぶち当たる事『だけ』は避けたアストレイオーガと、
そのボディに潰されたウェスト。エルザが呼ぶ中オーガアストレイは立ち上がり、その下にはカートゥーン
のようにペシャンコになったウェストの姿。
「気、気をつけるのである……」
「す、すまん……しかし」
 慎重に操縦桿への力加減を確かめる。なんという過敏な反応、これまで扱っていたMSとは根本的に違う。
「……だが、むしそこれくらいじゃじゃ馬な方が乗りこなしがいがあるというものだ」
 再び操縦桿を前に倒す。今度こそ正確に、バランスを崩すことなく、ティトゥスの操作に全く遅れる
事なく──オーガアストレイは一歩を踏みしめた。
「さあ、往くのである新たな戦友[とも]よっ!レッツ、サムライショウダウン!」
「いざ尋常に勝負ロボーッ!」
 何時の間にか復活したウェストとエルザがよく分からない声援を送る──だが、それが奇妙に心地良い。
「……応!」
910通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:08:35 ID:???
>>907
自爆『回路』ではないッ!自爆『装置』だッ!!
(様式美)

ついでだから言っておくと、
『マッド』サイエンティストではないッ!『天才』科学者だッ!
と主張なさるでしょうね、あくまでご本人はwww
911種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:11:34 ID:???
『これで、7回目ぇ!』
『ガアアアッ!』
 フォビドゥン・ベルゼビュートの拳がドレットノートのボディを打つ。既に外装が所々がひび割れ、
今にも砕けてしまいそうなほどドレットノートは満身創痍だった。何とか機体のエラーを回復させようと
必死なカナードだったが、襲い掛かる衝撃とプレッシャーにもう限界が近い。
『あらあら、随分と運の良い事☆いえ、むしろ運が悪いのかしらねぇ?』
『こ、このゲテモノヤロウ……』
 それでもその声は未だに諦めてはいない。そんな彼を救い出そうと仲間達は彼の元に行こうとするが……
『ぐあぁっ!』
『イライジャ!』
「チクショウ、どうなってんだよコイツぁ!?」
 パワードレッドのコクピットでロウが叫ぶ。突然機体の出力が下がり、エネルギーを奪われる。更に
二機のウィンダムを抜きされそうな状態になった途端、突然爆発が起こりその動きを止められてしまう。
防衛部隊の数も相当に減り、ロウ達三人もまたドレットノート並に追い詰められていた。
(……まだなのかよ、ティトゥスの旦那!)
 このままでは状況を打開する事は出来ない。ロウは己も開発に関わった、あの腐れ外道が駆るMSと
互角に戦えるだろう新たなアストレイに希望を託す。
 ──そして、その願いは果たされる。
『それじゃもういっちょ……?』
 ドレットノートにもう一撃かまそうとしたF・ベルゼビュートが動きを止め、後方のアメノミハシラに
目──はないので顔を向ける。彼だけでなく、劾やイライジャ、カナードやウィンダム、防衛部隊も
アメノミハシラから現れたMS反応に困惑する。今更一機が出て来て何を、というのがその場のほぼ全員の
思いだった──一人を除いて。
「来た来た来たぁ!」
 唯一人、ロウがその反応に歓喜の声を上げる。反応は徐々にロウ達に近付き、そのままロウ達を追い抜いて
F・ベルゼビュートへ駆け抜ける──すれ違い様に、各々の目にその鈍い輝きを放つ雄姿を見せつけて。
『何っ、何なのよ!?……アンタ達、やっちゃいなさい!』
 二機のウィンダムが向かってくる銀色の『それ』に火線を集中させる。連射されるビームライフルを、
『それ』は背のバーニアと激しく吹かせ、更に肩と太腿からせり出したスラスターを連続で吹かせ掻い潜る。
 遂に痺れを切らしたか、ウィンダムの一機がサーベルを抜き、『それ』に斬り掛かるが──
それは愚行の極みだった。
912種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:13:44 ID:???
『──斬』
 ウィンダムが『それ』に近付いた瞬間、『それ』の両腰の棒の様な物がカチャリと動く。直後『それ』は
ウィンダムの横をスッと、一瞬で流れるようにすり抜けた。その両腕に握られているのは、美しく光を弾く
長大な二本の刀。
 『それ』がその刀の露を払うように宙に振った瞬間──ウィンダムはその全身に幾重もの線を走らせ、
バラバラになると同時に爆散した。
 誰もがその早業を見て、最初目を疑い──そして気付く。『それ』の姿が、どこかで見た事がある何かに
似ているという事に。
『な……ま、真逆……真逆アンタはッ!』
 最初にそれに気付き、悲鳴に近い声を上げるティベリウス。それに応える様に、『それ』はその右手の
刀をF・ベルゼビュートに向け、突きつける。

『──反逆の逆十字、ティトゥス。新たな軍馬オーガアストレイと共に、我が世が生みし悪逆の徒を
 討たんが為、参上仕った──推して参る』



to be continued──


913種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:16:09 ID:???
とうとう暴走始まっちゃったぜこんにちわ〜!
実は徹夜明けでテンション無駄に高いですよ。

いや〜いろんな意味でやっちゃったぜ☆な巻。これは受け入れられるかすっごい不安(((( ;゚Д゚))))
とりあえずティトゥスの機体だけはメインで魔術使っちゃまずいからこういう設定にしました……
が、結局魔術なんだよね( ̄  ̄;) プロットじゃそう問題になるとは思ってなかったんだけど、
いざ書いてみたら小さい矛盾とか問題とかになって出て来てもうorz ……未熟さを痛感させられます。

だがもうとにかく書くしかねー!というわけでこんなノリですがよろしくお願いします。
とりあえず前回ティベリウス扱いされててワロタwあそこまでいかずとも壊れているのは
認めざるを得んが(エ

ちょっと途中でアク禁にかかってしまい、混乱を引き起こしてしまいスイマセンでした。
最近よく引っかかるなあ……もうちょっと分量短めに切って投稿したほうがいいかな?
この後機体設定載せるつもりですが、また引っかかったら遅れますんで少々お待ちを(汗)
914種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:18:43 ID:???
オリジナル機体設定2

オーガアストレイ
ツヴァイダガーを素体として、狂喜の天才ドクター・ウェストと稀代の改造ジャンク屋ロウ・ギュールが
共同開発したモビル・マキナ。二人の技術とアイディアがふんだんに盛り込まれているが、通常の
スペック性能は並のMSと大差ない(ダガーL以上ザク以下程度)。
少々大柄な体型だが全体的に装甲はそう厚くなく、どちらかといえば機動力、瞬発力を重視している。
完全に近接戦闘のみに特化した、近接戦闘専門の機体。

その最大の機体特性は、伝達系に使用された魔術回路とメイン演算装置として組み込まれた魔導書
『屍食教典儀』である。
この機体は伝達系として機体全体に張り巡らせた魔術回路に屍食教典儀の術式そのものを組み込み、
屍食教典儀と機体をほぼ完全に一体化させている。搭乗者が屍食教典儀に魔力を感応させる事で、
操縦者の行った動作命令は魔力と共に屍食教典儀から魔術回路を伝わり、各駆動部へ伝達される
システムとなっている。
元々高度な演算ユニットとしての側面を持つ魔導書の処理能力、そして魔術回路の伝達速度はこの時代の
技術によるものとは比較にならず、結果この機体は圧倒的な反応速度と追従性を獲得している。
ただし屍食教典儀との魔力感応はかつて主であったティトゥス、もしくは相応の位階の魔術師以外では
ほぼ不可能に近く、感応出来ないパイロットの場合はやはりスペック相応の能力しか引き出せない。

本来このシステムはウェストが元居た世界で構想していた『鬼械神とも渡り合える人造魔導兵器用呪法兵装』
とほぼ同様のものなのだが、こちらの世界で造れる魔術回路がまだ粗悪な事、それに付随して組み込む
術式を一部に限定せざるを得なかった事、パイロットが術式に深く介入できる人造魔導兵器ではない事
等々の理由で、当時想定したほどの能力は再現できていない。

また動作による負荷への対応の為、関節のような負荷の大きいとされる極一部分にはウェストが持ち込んだ
魔導金属ヒヒイロカネが使われている(全身に使うには重量がかさみ過ぎる)のだが、そのおかげで
通常装甲よりも関節の方が頑丈という奇妙な特性を持ってしまっている。
背面にはストライカーパック用コネクタも残っており、状況にあった柔軟な装備が可能。

ティトゥスの反応速度に完全に対応し、更に腕の上達に伴いその能力は更に高まる。普通の人間が乗るなら
単なる並の機体だが、ティトゥスが乗りさえすれば『最高』の機体に成り得る正にティトゥス専用の機体。
便宜上MMに分類されているが他の魔術師のMMとは違いあくまで『反応速度が速すぎるだけのMS』
なので、本来MMとは言えない代物。
915種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:20:04 ID:???
全高 20.09m
本体重量 109.16t

基本武装
12.14m斬鬼刀×2
アーマーシュナイダー×4(手首部分×2、肩部ワイヤー射出機付×2)

見た目のイメージは通常MS(ダガーとかM1アストレイ)にそのまま皇餓のパーツを取り付けた感じ。
全体的に普通のMSよりはマッシブだが、オリジナル皇餓よりは少し細いくらいで。
顔はMSというよりモー○ー○ッドとかガ○ド○イバーみたいな感じでw
……絵が描ける人は偉大だとつくづく思う(爆)
916通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:20:44 ID:???
うっひょおおおおお!

と真剣に口から出そうになったぜ!GJ!

>ここからはずっとアタシのターン
>腐れマッチョMS
ここ思いっきり吹いた
917種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:20:59 ID:???
フォビドゥン・ベルゼビュート
ウェスパシアヌスの個人機関『コロッセオ』において、ティベリウス主導で開発されたMM。
MMとはMSに人工魔力炉とそれぞれの魔術師が持つ魔導書の術式の一部、鬼械神の構成要素を組み込んだ
特殊魔導ロボットの総称である。魔力炉は鬼械神のそれとは比べ物にならぬほど出力が小さいが、それでも
その性能と使用する呪法兵装の数々はこの世界の技術とは一線を画した能力を持っている。

この機体の素体は『GAT-X252フォビドゥンガンダム』。組み込まれた術式は『妖蛆の秘密』の鬼械神
『ベルゼビュート』。この機体は基本的に鬼械神としての特性を色濃く反映しており、性能こそ落ちているが
ベルゼビュートが使用していた呪法兵装の殆どを再現している。また術式で構成されている部分が比較的
多く、魔術式完全ステルス機能やある程度の再生能力まで獲得している。
反してフォビドゥンの特性、主にビーム偏光装甲『ゲシュマイディッヒ・パンツァー』などは排されて
いるものの、ステルス能力と高い障壁出力、そして再生能力のおかげでそれを補って余りある持久力を誇る。
また常にフォビドゥンにおける強襲形態モードをとっている事も特徴で、大気圏内での地面効果を利用した
飛行能力は健在。重量こそ増大しているが魔術による補助もありそこそこの機動力は維持している。

その奥義はベルゼビュートと同じく、ティベリウスが殺してきた人間の負の感情に染まった悪霊を集め
敵にぶつけ、ぶつけられた者を腐敗、侵食しその怨霊の中へと取り込んでいく最悪の魔術『怨霊呪弾』。
欠点は鬼械神としての部分と呪法兵装の多さに比例して、魔力の消費が非常に高い事。殺した者の怨念が
魔力となり、かつそれをMMの魔力炉で増幅している状態のティベリウスに魔力切れなどないように
思えるが……

全高 22.24m
本体重量 110.35t

武装
口部強酸噴射装置×1
近接用汚染魔術兵装「バッド・トリップ・ワイン」×2
魔導操作式特殊ドラグーン「スターヴァンパイア」×16
98mmレールガン「エクツァーン改」×2

イメージは丸っこくしたフォビドゥンにローブを被せ、背面パーツの顔をベルゼビュートそのものに
した感じ(そのまんまw)。
ある意味MSと鬼械神の原型両方一番残してるのかも。
原作通りしぶとく生き残ってネチネチ相手に嫌がらせする機体。
……絵が描ける人は偉大だとつ(ry
918種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 13:22:07 ID:???
以上っス。
ホントぶつ切りの投下になって申しわけありませんでした。
ではではー。
919通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:23:49 ID:???
さるさる規制ッスか?お疲れ様です。
やっぱ適当に支援必要ですかねぇ?

なにはともあれGJ!今回も読み応え充分。

しかし毎度思うのは、俺は西博士が大好きなんだなぁと。
そして作者氏も西博士大好きに違いない!と。
920通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:25:59 ID:???
>>913
GJ!!GJ!!GJ!!!!!
オーガアストレイはかっこよすぎですw
それに魔術に頼り切るのはダメですが人の技術+人の心+魔術の三位一体はOKですよ。
921通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:33:01 ID:???
>ダガーL以上ザク以下
ウインダムを忘れないであげて…

ジ・Oが86.3tであることを考えたら
プロヴィデンス 90.68t アビスガンダム 92.39t
ってどうと思うが…
オーガA 109.16t これはちょっと重すぎじゃあ…
922通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:35:15 ID:???
投下乙です、ああ、××××が良い味だしすぎw

>>921
種世界のMSは基本的に他世界のMSより重いので、それくらい重くても良いのでは?
923通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:42:26 ID:???
>>922
いや、アビスとかプロヴィとかは巨大なユニット付いてるからわかるんだが…
重MSで80〜90tとかなのに軽装のツヴァイのパックで100tオーバーって一体何を積んでるのかと…
924通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:52:12 ID:???
>>923
西博士謹製の特大自爆装置とか
925通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:58:08 ID:???
>>921
関節に使用されている、ヒヒイロカネの重量分
他のMSより重たいって設定なんじゃないかと
926通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:58:39 ID:???
フォビドゥン 85.33t Fベルゼ 110.35t
Fベルゼビュートも重いみたいだし、もしかして魔術関連の素材が重いのか?
927通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 13:58:43 ID:???
>>923
夢とかロマンとか隠し武器とかドリルとか……
いや、冗談無しなら、間接に使ってるヒヒイロガネの重量とか、反応速度を上げたのに相応しくフレームの強化してるぶんの重量かもと。
928種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 14:01:51 ID:???
>>922
ああ、予想はしてたがやっぱり思ったとおりの疑問がでましたか……というわけで再び顔出し。

とりあえずこのSSの設定ですが、「ヒヒイロカネはクソ重い」っていう設定にしてます。
色々調べた限り
デモンベイン 55.5メートル 4254トン
破壊ロボ 81.7メートル 13570トン
デモンペイン 55.5メートル 6833トン
皇餓 47.2メートル 2616トン
105ダガー 18メートル 57.05トン
デストロイ 38.07メートル 404.93トン
ということらしいので、ヒヒイロカネは重過ぎると(汗)
それにオーガA全身ヒヒイロカネにしたら速い上に硬い化け物になりますんで、
負担の強く掛かる関節等の一部分だけヒヒイロカネで、それでも相当重さがかさむという事にしてます。
勿論この作品だけの設定の上、特に計算とかした数値でもないので、
出来れば軽く流していただけるとありがたいです^^;

ちなみにFベルゼは魔術もありますが純粋に装甲の厚み増した分とエクツァーンのカスタム、
それとスターヴァンパイアの搭載で重くなった感じです。
929種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/06/30(土) 14:05:05 ID:???
アンかミスった、>>921だった……orz

俺の頭はもうボロボロだ!
930通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 14:10:48 ID:???
公式の重量換算だしSSだから言う必要もないけど、一応ウィキペディア先生から引いてきた
>その比重は金よりも軽量であるが、合金としてのヒヒイロカネは
>金剛石よりも硬く、永久不変で絶対にさびない性質をもつという。
まあ別作品書くときに出すこともあるかもしれないし今後の参考までに…

つうかデモベ勢重っ!よく地面持つな…
931通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 14:14:10 ID:???
GJ!
色々とみなぎってきたなぁ。

>>930
魔導金属ヒヒイロカネorオリハルコンに不可能などありませぬ。
932通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 14:30:16 ID:???
でもリアルに巨大ロボの重量考えたら、それくらい重い方がむしろ当たり前だと思うけどな
種MSの重さはまだマシな方で、それ以外のガンダム…特にアナザー連中はあまりに軽すぎる
933通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 15:00:10 ID:???
比重ほぼ1の人体(1.8m・70kg)が10倍になるだけで18m・70t、30倍なら54m・2190tだしな
中身が詰まってる詰まってないの差を差し置いても、
トータルでアルミニウムの比重としただけでそれぞれ190t、5900tだし
Asimo(1.3m・52kg)基準で換算しても140t、3700tだ
934通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 15:13:06 ID:???
もとい、30倍の場合は1900tの5100tだった
935通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 15:20:12 ID:???
>>関節のような負荷の大きいとされる極一部分にはウェストが持ち込んだ
魔導金属ヒヒイロカネが使われている

これって自由か和田の達磨対策になるじゃないか。ウエストの破壊ロボのビームに耐える
ヒヒイロカネなら種世界のビームは余程じゃなきゃ効かんだろ。
936通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 15:22:04 ID:???
GJ!
オーガアストレイカコイイ!!
>>932-934
巨大ロボットモノでその辺は突っ込んじゃダメだ、自重で動けなくなるからw
937通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 16:26:36 ID:???
いざとなったら柳田理科男氏に適正重量を計算してもらえば…
いろいろと素敵なことに成りそうだな。
938通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 17:45:57 ID:???
ガンダムは組みあげた瞬間バラバラに!?

とかな。
939通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 18:07:16 ID:???
>>928
デモベってこんなに重いのか。よくアッパーで吹っ飛ばせたな大導師w
940通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 18:25:34 ID:???
>>939
そんなに重くてもアッパーでぶっ飛ばせると大導師様が世界を紡いだからさ。
魔術士の戦いは物理的力ではなく論理の外の論理を競うゲームだって言ってるじゃまいか
941通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 20:04:53 ID:???
>>939-940

大事なことを忘れてないか?
この場合、最も驚異的なのは










アーカムの地盤(どんな基礎工事をやったら、あれだけの超高重量に耐えられるんだか)
942通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 20:06:09 ID:???
>>941
しかもシェルターが地下にあるのになww
943通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 20:08:19 ID:???
シェルターどころか覇道基地関連施設で穴だらけだし
944通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 20:16:36 ID:???
いや、でも無敵ロボがドリルで地下を掘り進めるくらいの地盤があるから支えられるのでは?
……言っててどれだけ地下にシェルター作ってるんだろと思いました。
まあ、Cが出現する事が分かってる覇道のじーさんなら思いっきり地下深くに作ってても違和感ないですが。
945通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 20:56:02 ID:???
ウェストの歌には誰も突っ込まないのか?
946通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 23:03:49 ID:???
>>945
お前は今、デモベその物を否定するところだったぞ。
947通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 00:40:18 ID:???
飛翔のDrEDを見てて、電波を受信しましたので。
これより投下します。
948西博士のC.E.蹂躙:2007/07/01(日) 00:41:18 ID:???
「ああ、また負けちゃったか。
 これで何度目かな?」
どことも知れぬ空間で闇が呆れたように呟いた。
闇の目に映るのは一つの無限螺旋。
機械の巨人が宇宙空間で戦っていた。
赤い翼を模した物を背負い、血の涙のような隈取をした巨人が、四肢を両断され不時着したところだった。
「やっぱり、運命は捻じ曲げられないって事かな?」
その無限螺旋はちょうど再生回数が****桁を超えていた。
「ん〜、正義のような悪と悪のような正義か。
 そろそろ飽きてきていたことだしちょっと手を加えるかな」
闇はそう言って、キリリと時計の螺子を戻した。
無限螺旋の中に映る巨人から這い出てきた少年に何かしらの力を与えて。
「さあて、愛しの大十字君の所へまたちょっかいを出しにいってくるかな」
闇はその空間から消えた。
何も無い空間に夜鷹の声が鳴り響いた。

「おっと、忘れていたよ。
 物語を壊すには劇薬が無いとね、さてどこからつれてこようかな」
突如、舞い戻った闇が一冊の本を取り出した。
『無限螺旋に置けるDrウエストの可能性』
タイトルからして劇薬になるのは間違いないだろう。
「う〜ん、やはりここは飛翔の枝から旧神になった彼を連れてくるのがいいかな。
 どうせ、今回は僕が行くわけでもないしね……」
闇はそうして、飛翔の枝より現れた想定外の物を投げ込んだ。
まあ、闇にも考えられなかった結末を作り出した者だ。
この世界に放り込めば何らかの形でオチがつくだろうと。

949西博士のC.E.蹂躙:2007/07/01(日) 00:42:46 ID:???
とおい、とおい、むかし。
はるか昔のおはなし。
最初の人間が生まれるよりも、さらに昔のおはなしです。
冥い冥い星々の向こうから、生まれたばかりの地球に『ぐれーと・おーるど・わん』と呼ばれる悪い神様たちがやって来ました。
悪い神様たちは好き勝手に暴れて、地球に生きるみんなを苦しめました。
みんなみんな、泣きました。
地球も、痛い痛いと泣きました。
だけどその時、空が輝きました。
誰もが、空を見上げました。
そして、誰もがそれを見ました。
――善い神様が、舞い降りたのです。

「まさか――こんな世界にまで、やって来るとはね」

「ヒトとして戦い、戦い抜いて、ヒトを超え、ヒトを棄て、遂に神の領域に辿り着いたか!!
 邪悪を打ち滅ぼすために、私と同じ存在になったか!!」
闇が叫んだ、だが内心は喜んでいた。
どうせ、想定外の事態の産物であるのだから。
けたたましい、エレキギターの音と共に姿を現したのは、一人の男。
「一緒にするなであーる!!!」
その傍らに現れるのは、彼の作り出した最高傑作。
「同類にされては、すっげー不愉快ロボ!!」

それは刹那の愛を紡いで、永遠の時を刻み続ける―――

いのちの歌。


今ここに、コズミックイラの世界に劇薬が投下された。
950西博士のC.E.蹂躙:2007/07/01(日) 00:45:39 ID:???
以上、飛翔の西博士の旧神EDを見ていて思いついたものです。
初めて書いたので至らぬ点などありますでしょうが、続くかも?



参考文献?:PCゲーム機神飛翔デモンベイン
951通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 01:14:35 ID:???
1000に近くなってきたので次スレ立てておきました。
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1183219896/
952通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 01:21:51 ID:???
さて、スレが1000まで埋まるのが先か、それとも容量オーバーが先か
953通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 01:30:06 ID:???
容量ってどのくらいでオーバーになるんだっけ?
954通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 01:37:58 ID:???
500じゃなかったか?
だとすれば残り25だから…後1話ぐらいか。
955通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 01:41:51 ID:???
そういう意味では実にギリギリなタイミングのスレ建てだな
>>951乙です
956通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 05:00:27 ID:???
今更種死の年表が見たくなった
細かいとこまで案外覚えてないもんだ
957通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 06:32:58 ID:???
>>950
旧神西博士が主役………コズミック・イラが破壊ロボで埋め尽くされたりするんだろうなぁ
958通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 09:53:13 ID:???
ドラムストライク思い出して吹いたwwwwww
959通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 10:47:31 ID:???
>>941-944その前にデモベが着地する時計台の頑丈さに
驚く
960通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 11:04:03 ID:???
>>959
それはつまり、ド・マリニーの時計塔だったからだよ!
961通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 14:51:20 ID:???
デストロイがまんま破壊ロボになりそうだなwwwwww
962通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 16:53:03 ID:???
Dr.ウエストデストロイロボ28号VerC.E「アンタって○○○○はー!」…
中々いいかもしれないな。
963通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 16:55:38 ID:???
>>961
その発言のせいで、種死のデストロイによる都市部蹂躙に
こんな破壊美学が無いと破壊ロボで空気を読まずに
デストロイ(約40m)に襲い掛かる破壊ロボ(約80M)を幻視した。

何故かステラとシンとキラが強力して破壊ロボと戦って(突っ込みいれて)た。
964通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 17:51:58 ID:???
ステラが
「うぇい、ドリル欲しい……」
とか言ってる光景が見えた。
そしてデストロイに有線式ドリルブーストナッコォが装備されて(ry
965通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 18:26:14 ID:???
>963
キラ「やめてよね。本気で戦ったら、■■■■が僕に敵うはずないだろ?」
シン「あんたは一体何なんだー!」
ステラ「■■■■はいやぁ──────ッ!」

こうですか!?分かりません!
966通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 18:34:09 ID:???
そして、正気に返ったステラと破壊行為を止められて悠々と去ってくキラと
ステラを助けられたけど何か納得出来ないシンが残るわけか
流石は××××普通なら出来ない結末を用意するとは、そこに痺れて憧れ……て、良いのか?
967通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 23:00:14 ID:???
み・な・ぎって……キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
いやいやいやいやGJ?! GJ!!!

ティトゥス格好イイな、オィw
>王道に、非ず
外道の看板はおろしたが、今の自分が王道とはとても言えない。
いいねぇ、結局執事さんのように王道を極められず、ちょいホロ苦なサムライにはピッタリ!
ハードボイルドな主人公はこうでなくっちゃw
968通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 22:37:57 ID:???
俺も触発されてW九朔で書いてみたんだが投下しても良いかい?
容量をみると18kくらいあったんで次スレあたりのが良いか悩んだので
969通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 23:03:21 ID:???
思う存分やれ!
970通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 23:15:19 ID:???
>>968
そんなもの気にするな!
じゃあ投下するぜ!!


―――親父殿、母上……初めまして、またお会いしましたね

天に神はなく――されど、世はこともなし

それは果たされた誓約、終わりし物語の新なる始まり


嵐の気配があった。
魔術理論の急速な進歩は旧き力の復活と新たな力の台頭、そのふたつを
人類の闘争にもたらした。
即ち、オカルト技術と巨大ロボット。
戦場は呪術が荒れ狂い、鋼鉄の巨人が疾駆する異形の姿へと様変わりしようと
していた。
加速する魔術闘争。
激動する時代。
世界を、暗雲が覆い尽くそうとしていた。
嵐の気配があった。
人はその時代をこう呼ぶ。
大嵐の時代(グレート・ウォー)、と。


『八月党』、それは旧神と呼ばれる『正義』の神を崇め、旧神の呪法を駆使して
邪教集団と闘争する組織であり集団。
彼らを構成するのは教主とされる男と『旧神の加護』を受けた超人達。
そして、彼ら超人の振るう力は外法の賜物である魔術。
旧神の加護を受けたと陶酔する彼らは狂信者であり狂戦士だった。
邪神と思しき行動と彼らに受け止められれば、それ即ち、破滅の宣告。
曰く、アーカムシティで紡績業を営んでいた店が邪神崇拝者と疑われた。
次の日、その店は跡形もなく叩き潰され、主人は原型を留めていなかった。
曰く、ある本屋が魔導書を扱っていると疑われた。
翌々日、その本屋はコンクリートでできていたというのに燃え尽くされ、
溶かされ尽くしていた。店主は灰すら残っていなかった。
人智を超えた外道の力、彼らの破壊活動にアーカムシティの住民は皆、戦慄する。
しかし、だが、しかし。
抗う術を持つものが、そこにいた。
それは、覇道財閥。
地下秘密基地にて邪神眷属、邪神教団と対抗する、人類の守護機関。
覇道瑠璃を指令とし、あのルルイエ海戦でブラックロッジに勝利を収めた戦士達。
それは、ミスカトニック大学図書館特殊資料室。
邪神、若しくはそれに匹敵する呪力を込められた妖器物(アーティファクト)を
おぞましきモノから守り抜く守護者達。
ヨグ=ソトースの血を分けられたというウィルバー・ウェイトリィの襲撃を
退けた、アーミティッジ達『三銃士』が所属した守護機関。
そして、今、新たに、二人。

※※※
「何故だ!?何故、我らの呪法が通じない!!??」
「在り得ぬ!!旧神の力なのだぞ!?四属性による完全な防護が何故!?」
八月党本部、地下大聖堂。
地下に張り巡らされた通路は一種の迷路、旧神の加護により呪術的脈動を
続けるそこは魔術師の侵入さえも拒絶する強固な要塞。
数多くの邪悪を退け、数多くの侵入者を駆逐した無敵の城郭。
だが、今この要塞は外敵の侵入を許していた。
地下とは思えぬ白一色で作られた広い通路、白の裏に脈打つ魔導動力の音、
鼓動(ビート)、鼓動(ビート)、鼓動反響(ビートハウリング)。
そして、その鼓動を切り裂き歪な十字剣が人を超越した異端能力者を次々と屠る。
運良く紛れ込んだ侵入者を駆逐するだけと思いこんでいた超人の傲慢を、
十字剣はいとも簡単に打ち砕いていく。
「あぎゃば!」
「ぎゃぼりゃ!」
彼らが崇める旧神の術により創造された呪法装甲、あらゆる攻撃を無にする
はずの無敵の鎧が、紙屑のように切り裂かれていく。
対抗しようとした超人参名が同時に飛びかかるが、その行動も無に帰す。
非ユークリッド力学的に乱舞する十字剣、着地した彼らは三枚に下ろされていた。
なおも飛び続ける。
切り裂かれる超人勢力は一人、二人、三人……数、数多。
白の通路は崩れ落ちた超人で埋め尽くされる。
「戻って来い」
不意に、空間全体を突き抜けるように、澄んだ少年の声が通路に響いた。
未だ多く残る彼らを無視し、十字剣は声の主に従い弧を描いて還る。
超人の体液をぶちまけられた通路のはるか奥、十字剣の主はそこに立つ。
主の手に収まる十字剣、持ち主を認識し、超人たちは驚愕した。
歪な十字剣を握り締めるは、紅の外套を身に纏う短身痩躯の少年。
その澄んだ翡翠の瞳は眼前、外道の知識を駆る超人軍勢を睨みつけている。
「貴様が侵入者か!我らへのこのような振る舞い、それすなわち旧神への反逆!
万死に値する大罪なるぞ!!」
「旧神、か。ふん、笑止千万だな」
「な、なに!?」
侮蔑の表情で吐き捨てる少年に超人は激昂する。
「貴様、全知全能たる旧神を愚弄するか!!彼の神によって旧支配者は封印された!
我らはその意志を継ぎ邪悪から世界を護る戦士だぞ!!」
「その救世の戦士とやらが罪無き民を害するか、愚かだな」
冷たい視線が一人前に出た超人を射抜く。
「邪神討伐こそが我らの大義名分!邪神に組するものには死あるのみ!
そのために生じる犠牲ならば相仕方なし!!」
その声色と姿勢に揺るぎはない、むしろ陶酔さえある。
全くもって腹立たしい。
「それが他者を蹂躙する理由になるか。それが全ての免罪符になるか。
実に、片腹痛いな」
翡翠の瞳が更に冷たい色を帯びる。
「貴様っ……!!我らの理念を理解できぬか!!」
「巫山戯るな、貴様らも所詮は只の邪法の使い手。自惚れるなよ、下郎」
「言わせておけば!!」
生き残った超人達が次々戦闘態勢を取る。彼らの後ろからは黒山の増援。
なんという短絡思考、いよいよ少年の顔は苦々しいものになる。
「愚者もここに極まる……か。己がどのようなモノかも理解せずに」
閃光、十字剣は非対称の双振りの剣に成る。
「魔道に生きる身なれど、魂(ココロ)は騎士道(ツルギ)に奉げたり。
―――外道、断つべし」
その双剣を目にし、魔術装甲の仮面の下、超人達が気づく。
「貴様は――!」
走る動揺、畏怖がありありと。
しかし、九朔は意に介さず彼らを睨みつける。
「サタンの下僕、邪神奉仕の覇道財閥の懐刀、そして悪の根源――!」
「世界に悪をもたらすCCD(邪神眷属群)――!」
「忌むべき書を駆る者――!」

――魔 書 人 九 朔【グリモワール・クザク】!!! 

畏怖と憤怒の掛け声。同時、超人軍勢が雪崩打った。
その数凡そ参拾。
九朔は自分を呑み込まんとする破壊者を凝と睨みつけた。
彼らの攻撃の威力は言うまでもなく絶大、生身の体を持つ者が喰らえば
有無を言わさず肉片となるだろう。
だが、それをに十字九朔は怯むどころか、
「―――仕る」
突撃した。
それはまるで、冗談のような光景だった。
突撃と同時、旧神の加護を受け、四属性を利用した力場を形成した超人達、
彼らを中心に五芒星に似た呪文法陣が瞬時に通路全体へ拡がる。
これにより全ての魔術は意味を成さなくなり、敵は無力に、自分達は
より無敵になるはずだった。
しかし、
「甘い!!」
奔る壱撃、
「温い!!」
貫く弐撃、
「侮るか!!」
踊る参撃、死撃、護撃。
無力になったはずの大十字九朔に超人八名が伍閃で切り伏せられていた。
脅威に慄き間合いを広げる超人壱拾数名。
刃を振りぬき、その刀身についた体液を拭う九朔。
しかし、その彼を死角から襲う超人壱名がいた。
振り上げられた腕は彼の脳漿をぶちまけようと限界まで張り詰められている。
「牙ァァァァァァアァアァァ!!!!」
落雷に匹敵する速度を持って九朔を襲う双腕。
しかし、
「―――血は灼け、爆ぜる」
九朔の後ろから伸ばされていた腕、その手から暴虐の白焔が放たれる。
連続するマズルフラッシュ、超人はそれが何かを認識する早く意識を断絶した。
更に続く圧倒的暴力は超人の体を噛み砕き、間合いを広げ防御体勢に
入っていた他の超人六名も薙ぎ倒す。
撒き散らされた硝煙、イブン=ガズイの粉薬が反応して通路を綺羅綺羅と
煌めかせる。
「まったく。騎士殿、しっかりなさいな」
何時からそこにいたのか、硝煙の奥から紅の少女が姿を現す。
紅、紅、紅。装束から靴、帽子に至るまで、更には髪も瞳も紅。
子細に至るまで紅一色の少女である。
微笑む少女の唇に浮かぶ妖しい彩、超人の視線がそれに縫い付ける。
見下ろす先、少女の右手には、女性の持ち物としては到底似つかわしくない
得物が握られていた。
赤と黒の彩色を施された暴虐の象徴、自動式魔銃――クトゥグアである。
「あれしきの雑魚、我には脅威たり得ぬ」
「分かってるわ。ただの冗談よ」
「理解している」
「うふふっ」
少女と少年が背中合わせに銃舞と剣舞の型をとる。
「さあ、騎士殿。この英雄(ヒーロー)気取りの人外魔性、とっちめちるわよ?」
「心得た」
二人の間にそれ以上の言葉は必要ない、騎士と少女が戦舞<イクサマ>う。
弾丸が穿ち、剣が削ぐ。
弾丸が抉り、剣が裂く。
装甲は砕かれ、裂かれる。
四肢は?がれ、散らされる。
拳撃をかわし叩き込まれる弾丸、脚撃を逸らし翻る双剣。
術式魔砲と思しき光弾、紅の自動式魔銃が打ち抜き霧散させる。
爆裂する蹴打と拳打、双子の剣が悉く去なし裂く。
蒼と赤の暴虐、超人軍勢は見る見るうちにその数を減らして逝く。
累々と積み重ねられていく骸、抵抗は激しく、しかし無意味。
全方位射撃、全方位剣撃、全方位拳撃、全方位脚撃、全てが無効。
双子の戦舞に死角なし。
圧倒的銃舞<ガンブ>と剣舞<ケンブ>は瞬く間に全ての超人を沈黙させた。
訂正:?がれ=もがれ

「おしまい、ね」
「ああ。それにしても―――」
九朔の視線が目の前の超人の屍体を見据えた。
注視する九朔、ごぼりと音を立て装甲に包まれた肉体が崩れた。
どろどろと、黒と緑が入り混じった穢れた粘液が通路いっぱいに広がる。
同時、他の超人の肉体も崩れ容を失う。
漂う悪臭、それは腐爛した何ともいえぬ饐えた匂いだ。
「……やはりな」
九朔の瞳がその粘液の奥に潜む術構成を見破る。
「これの何が旧神か……反吐が出る」
「最悪ね。ほんっと」

※※※

白の通路の奥に佇む祭壇、超人たちには聖なる場所に見えたそれも、しかと
見れば、蠢く闇と淀んだ瘴気が満ちている。
そこは、不定形の異形が跋扈する、冒涜的な角度に地獄めいた装飾を施された、
人外の智慧を用いて作り上げられた異界であった。
「……見つけたぞ」
両手に左右非対称の剣を握り少年が立つ。
その横にはもう一人、紅装束に身を包んだ紅の少女が。
「色々手間取っちゃったわ。でも、観念してちょうだいね」
軽い口ぶりとは裏腹に、握り締められた赤黒の自動拳銃は祭壇に立つ男を
逃すまじとその銃口を向けている。
視認し、祭壇を囲む信者達は紅朔と九朔から教主を護ろうと襲いかかる。
閃光、マズルフラッシュと剣閃が煌めく。
超人が崩れる。
「貴様ら、自分たちが何をしているのか分かっているのか?」
九朔は問いただす。
「天誅!!」
またも襲いかかる超人たち、崩れ落ちたものは皆、腐臭を放つ粘液になる。
「貴様らが信仰しているのは旧神などではない、邪神だ!」
そう。旧神と彼らが呼び信仰するものは邪神。
放つ咆哮。しかし、その言葉は彼らには通じない。
なぜなら、彼らには己こそが正義であり、紅朔/九朔は悪なのだから。
それを、この場に在る超人軍勢の信徒の誰もが信じている、盲信している。
おそらく、教主も。
九朔は祭壇の上で自分たちを見据える男を見る。
超人軍勢と同じような呪術的施術を受けてはいるが、彼奴は只の人だ。
魔術師の勘がそう告げる。
「騎士殿、来るわよ」
「承知した」
雪崩打つ超人を迫る側から討つ紅朔と九朔。
裂かれ、穿たれ、抉られ、斬られ、散らされ、砕かれる。
超人信者達はそのたびに粘液状物質に。
「きりがないわね」
「ああ」
先ほど切り伏せた数がほんの一握りだったことを実感させられる。
だが、これは自分たちの敵になりえない。
崩れ落ちた超人軍勢は肉体を溶解させ、床へと染み込んで―――
「――染み込む、だと?」
その異常に気づく。
振向き、今斬捨てた一名を見据える。
「――――――!」
人の耳では聞き取れぬ言語、それが意味するものに一瞬気づくのが遅れた。
いや、既に手遅れだ。
そう、これは――
「招喚の儀式ッ!!」
「騎士殿ッッ!!」
大歓声、祭壇に集った超人たちが己の腕を天高く突き出した。
そして、
「―――旧神よ、顕れ出でよッッ!!!」
教主の言葉、祭壇が聖堂が三次元的認識を凌駕した宇宙的角度に捩れた。
「なッ!?こ、これはッ!?」
少年が驚きの声を上げる。
世界が罅割れた音がした。
祭壇と空間にずれがあった。
空間と地面がずれていた。
光と闇がずれている。
闇と闇が捩れている。
光と光が崩れている。
壁と壁が非ユークリッド的な容に歪んでいる。
世界と世界の壁が怒涛の唸りをあげて崩壊する。
決壊する世界の音が紅朔と紅朔の耳を聾した。
修復されたはずの世界に、何か凄まじい何かが現われようとしていた。
「顕れよ!!顕れよ!!世界に光を!!世界に光を!!」
狂信者達に応え、世界の、次元の壁が罅割れ、砕けた。
ヒカリがセカイに溢れ出た。
携帯より失礼、バイ猿を食らってしまいました。次の投稿は次スレに………
982通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 23:53:10 ID:???
途中のようだがとりあえずGJ!
983通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 01:44:55 ID:???
では埋め
984通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 08:12:55 ID:???
鋼屋節の再現が素晴らしい、素晴らしいよ! 実に、実にマーベラスだ!!
グッド・ジョブ、いや、ゴッド・ジョブとしか言わざるを得ない!!
985通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 14:40:29 ID:???
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ6週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1183219896/

次なる世界の扉は開いてある。
世界が閉じる前に参ろう!
986通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 15:40:50 ID:???
埋めるぜ
987通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 15:41:23 ID:???
聖句で埋めてみよう


──憎悪の空より来たりて
988通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 16:02:12 ID:???
――正しき怒りを胸に
989通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 16:32:27 ID:???
――我等は魔を断つ剣を執るッ!
990通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 16:48:02 ID:???
汝、無垢なる刃――
991通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:17:53 ID:???
スーパーウェスト無敵ロボ28號DX!デモンペイィィィン!!
992通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:26:51 ID:???
博士、空気嫁ロボ
993通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:30:46 ID:???
ちょw西博士自重しろw
994通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:31:41 ID:???
西博士アンタって人はぁぁぁぁぁぁぁっ!
995通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:53:43 ID:???
埋め
996通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:54:54 ID:???
再挑戦

──憎悪の空より来たりて

997通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 17:55:48 ID:???
――正しき怒りを胸に
998通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 18:09:25 ID:???
――我等は魔を断つ剣を執るッ!
999通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 18:15:23 ID:???
汝、無垢なる刃!
1000通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 18:24:58 ID:46Pp/ort
デモンベイン
10011001
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