【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その5

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1通常の名無しさんの3倍
種死&リリカルなのはクロスオーバー

シンが八神家に餌付けされたり
レイがリリカルな魔法少年になったり
なのはさんが種死世界に行き、世直しをしたり
デバイス達がMS化したり
ほかetc……

・職人様はコテとトリ必須
・次スレ立ては950を踏んだ人が立ててください
・1000に達する前に容量オーバーになりそうな時は気づいた人が立ててください
・各作品の考察は該当スレでどうぞ
・スレは、sage進行です。

前スレ
【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その3
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1169726409/l50

前々スレ
【相互】種死&リリカルなのはSS【乗り入れ】その2
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1167498043/l50

前々々スレ
【相互】種死&リリカルなのはSSスレ【乗り入れ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1163678370/l50

雑談スレ
【スバル】種vsリリカルなのは4【ティアナ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1167225154/l50
2失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:22:13 ID:???
すみません、容量をまったく見てませんでした。
何一つ知らせもなしで申し訳ないです。
3失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:24:03 ID:???
第五話


第83管理外世界。そう印を押された世界。
科学が発達し、機械から生物まで、どの分野でもなのはの世界と比べれば大きな成長の先にいる世界で
ある。
しかし、未だ世界は戦争のただ中にいた。
世界の全てを巻き込んでいると言って過言ではない戦争だ。

そんな世界の、ある海の上。
文字通り、海の上、海の上空で立っていたのはシグナムだ。
適当に魔力を放射し、海の底で眠る者が起きるのを待った。

前回の闇の書の転移地点であり、グレアムがアルカンシェルを発射した世界。
つまり、リンディにとっては大きな心の傷を刺激する世界だ。
そんな事をおくびにも出さず、リンディは指揮をとっている。当時3歳だったクロノは知らされこそしないだ
ろうが、自ら調べ、父の消えた世界である事を知っているだろう。クロノの振る舞いや表面に出ていなくと
も、シグナムはそう感じた。

(なんとも強い母子だ……)

プロ意識なのか、それとも強靭な精神の賜物か。

蒼い空を眺め、その向こうにあるだろうアースラにいる女艦長を思っていた時だ。
海が盛り上がる。
生物が、海を割って現れた。
それも、巨大な。

『おや、おや、これは驚いた。誰かと思えば、剣の騎士か。またリンカーコアでも欲しいのかな?』
「久方ぶりです、海神殿……リンカーコアについては、もう謝罪したではありませんか。もう以前の我々で
はありません」
『かかかか、分っている、分っている。そちらも、海神というのは、やめてくれ。近場の漁師が、勝手にそう
呼んでいるだけだ』

姿かたちは、魚だろうか。
どちらかと言えば、鯨やシャチ、イルカといった海洋に住む哺乳類によく似たものだ。大きな羽のようなヒ
レと、長い長い尾。海底に住む神秘を体現したかのような存在だった。この世界でも未確認生物とされる
個体だ。
まるで思念通話の要領でシグナムの頭へ直接語りかけてくる。
4失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:24:55 ID:???
『さて、さて、アルカンシェルで吹き飛ばされたこの世界に、君が一体何の用件か? 管理局も一緒であ
るなら、事件だろうがなぁ』
「はい、この世界でロストロギアの反応がありましたので捜査中です。何かご存じではありませんか?」
『さて、さて、私はほとんど眠っているだけだ。前に起きたのも、海に落ちたレアメタルなる物の取り合い
のいざこざで起こされて、機械人形を助けてやったくらい………さて、さて、そのロストロギアは海の外の
事だろう? 私が眠っている間、私は何も感じていない』
「そうですか…」

大きく期待が外れたという顔でシグナムは眉根を寄せる。
魔法を使用してないこの世界だがその実、遥か昔は今シグナムがいる星以外の星では魔法が存在して
いた。別の惑星で魔法を扱って暮らしていたのがこの巨大海洋生物の祖先だが、代を重ねるごとに数が
減り、住み家をこの星にしてからはもう彼のみとなってしまっている。管理局からの保護も断り、絶滅を受
け入れた大いなる老人だ。
ひっそりと海の底で眠っていても、この世界で魔法の事件について頼るとなれば彼以上に考えられない。
つまり収穫なし、だった。

『かかか、そんな顔をするものではないよ。君が来たから思いついたんだがね、あれが起動したんじゃな
いのかね? ほら、ほら、あの対闇の書用ロストロギア』
「……光の卵ですか。しかしあれのマスターは前回、暴走した闇の書の近くにいたはずです。アルカン
シェルで光の卵も消滅したとしか思えませんが」
『そう、思いたいだけじゃないのかな?』

闇の書は、深い恨みをいくつもの世界で生んだ。
しかし転生の都度に積み重なるその怨嗟を糧として、いつの時代かの誰かが反撃の牙を生み出した。

光の卵。

そんな呼称を受けたロストロギアである。
ただ闇の書を消滅させる事だけを目的としたロストロギア。

闇の書が生者からリンカーコアを蒐集するのに対し、光の卵は死者のリンカーコアを集め、それを基に闇
の書を攻撃するためだけの戦士を生む。生み出される戦士は、一定の魔力レベルを超えた死者のリン
カーコアが選ばれ、闇の書を殲滅した暁には新たな生命が約束されるのだ。この戦士が、光の卵のマス
ターとしてその力を振るう。
性質の悪い事に、光の卵が選んだマスターがやられれば、光の卵はそのマスターの経験を学習して次
のマスターを選び、この経験を受け継がせる。ここで光の卵は、選んだマスターがやられた世界で次のマ
スターを選択する事を記しておく。つまり、今回は第83管理外世界から選ばれる事になる。
5失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:27:12 ID:???

さらに光の卵はその世界でリンカーコアを集めて、一定水準を超えるものを使用者とするが、それ以外も
めぼしいリンカーコアをストックする事ができた。そのリンカーコアから、光の卵のマスターは下僕とも呼
べる奴隷兵を作りだすことができるのだ。姿形は、死ぬ前の体を用意し、ストックしたリンカーコアから生
み出されるそれらはゾンビースレイヴと呼ばれた、ヴォルケンリッターに対抗するためのようなシステム
である。
しばしば、ヴォルケンリッターの足止めにこのゾンビースレイヴは捨て駒にされ、シグナムも手こずった記
憶がある。さらには『デバイスを生む』機能まであるため、武装も充実させられるという。

死者の数だけ奴隷を作る事が出来ると道義なのだが、即戦闘に投与できる奴隷を作れるほど上質なリ
ンカーコアはそうないのが実情だが。

何度か、ヴォルケンリッターも光の卵に選ばれた者とぶつかった事がある。
しかし、現在に至るまで、闇の書を滅した光の卵のマスターはいなかった。

そのまま光の卵もアルカンシェルで蒸発したとばかり考えていたのだが、ふと海神の言う事にシグナムは
現実味を覚えた。

しかし、

「しかし、魔法の発達していないこの世界です。光の卵が選ぶだけの魔力を持つ者がそうそう現れるとは
思えませんね…」
『さて、さて、しかし世の中どう転ぶかわからない。魔法文明が発達していなくとも、魔力の強い者も生ま
れる可能性もある、と思わんかね?』

ちらりと、シグナムの脳裏に浮かぶのは桜色の魔力を纏った、二つくくりのエース。
理は、海神にあるようだった。
しかし思いたくない。

もしも、もしも光の卵が再び活動しているのならば。
ならばヴィータは……・

黙り込むシグナムへと、しかし海神は楽しげだ。

『どうした、どうした剣の騎士。やはり――――

その楽しげな声が、途中で途切れた。
海神の姿が、消える。
そして海が、空が、近くにある島が、生気を失い、色を失っていった。

「海神殿…? これは……封鎖領域!」

胸元のレヴァンティンを起動。瞬時にシュベルトフォルムとなり主の手に納まる。まだ、剣は鞘に収まった
まま。何時でも抜剣できるよう柄に手をかけて360度へと注意を配る。
6失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:28:11 ID:???
「………」

そして鋭い瞳は、一つの影を捉える。
人影だ。そう身長は高いわけではないが、全身を銀色の甲冑で隠した者。ゆったりとした飛行でシグナム
へと近づけば、2つの盾が甲冑の周囲を従うように浮かんでいるのが分かる。適度な距離で、甲冑が接
近を止めた。シグナムの腕と得物ならば一呼吸では打ち込み損ねる距離だ。

「何者だ?」
「闇の書……壊す…」
「!」

怨恨。
復讐。
悲哀。
憎悪。
憤怒。
正義。

あらゆる理由がシグナムの頭を駆け巡る。闇の書を壊す理由。
そんな中で、やはりシグナムが一際重く見たものは、今しがたの会話の内容だった。

光の卵。

「待ってくれ」

そこへ、ストップをかけた。

「闇の書はもう、ない。ないんだ」
「闇の書……壊す…」

銀が灰色の空を踏んだ。
速い。

「問答無用か……」

まるでイノシシのような、掛け値なく正直な突撃。そして鉄の腕による渾身のストレートがシグナムへと突
き出された。そんな真っ向からの拳を、シグナムは鞘に収まったレヴァンティンで受け止める。

「聞け。闇の書はもうない。だからといって、我々の罪は消えるわけでもない……しかし、話を聞いてくれ」

しかし聞かない。
鉄の外見をとは裏腹に、猫科を思わせるしなやかな動きでシグナムの横っ腹へと蹴りを入れてくる。甲冑
の構造上、中空で後ろのめりになるが、そもそも魔法によって空を飛んでいるのでバランスを崩したとい
う様子ではない。
7失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:29:12 ID:???

「聞け。お前は、私が以前襲いかかった誰かか?」

シグナムの肘が、鉄のつま先を阻む。問いの答えはない。意志を疎通するつもりは、ないのだろう。

お前は光の卵の使者か?

そう、聞けなかった。
聞きたくなかった。

「お前は、私が以前襲い掛かった誰かの縁者か?」

お前は光の卵の使者か?

やはり、本当に聞きたい事は聞けなかった。

返答は脳天へと落とされた手刀。
鉄甲に包まれたその手刀は、しかし鞘に納まるレヴァンティンに止められる。
銀の甲冑が、手刀を解きレヴァンティンを掴む。そして、シグナムのみぞおちのあたりへと前蹴り。

堂々と、その蹴りをみぞおちで受け止めてシグナムは一瞬息の詰まる思いに苦しんだ。

「お前は、私たちを裁こうとする者か?」

お前は光の卵の使者か?

言ってしまえ。聞かなければならない事だ。それでも、シグナムはその質問を飲み込んで、別の質問を投
げかけた。

レヴァンティンを掴む、甲冑の手を無理やり振り解いて少し後ろに引いた。
前から、銀の甲冑に追従する盾の1つが突っ込んでくる。単純な盾の体当たりだ。調子を合せて後ろから
も盾が突進してくるのがわかる。並の術者の誘導操作による魔力弾よりも円滑な操作だ。いい腕だとシ
グナムは思う。

そして、右手で正面の盾を受け止めて、左手で後方の盾を受け止めた。
防御の魔法陣も展開。重い、重い盾の衝撃を二面から受けて腕が悲鳴を上げた。逃げるつもりも、受け
流すつもりもない。ただ、愚直に受け止めるだけだ。
8失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:29:57 ID:???

そして、

「お前は……」

やっと唇が真意に動く。

「お前は……光の卵の使者か?」
「……うん」

突撃力をシグナムに与えきった盾が、シグナムから離れて甲冑へと戻った。
シグナムの心に冷気で満たされていく。

「……ヴィータを…どうした?」
「殺した」

空っぽになったカートリッジが、宙を舞う。
紫電が一筋、閃いた。

殺意の冷風を従えて、炎を纏ったレヴァンティンの刃が降り抜かれる。
真っ二つになったのは、盾の片方だ。

奇麗に二つになった盾の向こうから、甲冑が鉄の豪拳を突き出してくる。それを受け止めたのは、抜き放
たれたレヴァンティンの鞘だ。鞘を盾として、その豪拳を受け止めて、衝撃を殺そうと後ろへとシグナムの
体が流れた。

『launch』

銀色が、弾け飛ぶ。
中から飛び出してきたのは、女の子だ。
文字通り、飛び出してくる。射出されたと言ってもいい。銀の甲冑を脱ぎ捨てて、爆発的な推進でシグナ
ムへと突っ込んでくる。簡単な服で、子供と女性のはざまにいるような容姿だ。ただ一つ、奇妙なのは
すっぽりと頭部を覆った仮面だった。肩口まで金髪がこぼれているが、それ以外はほとんど首から上が
わからなかった。

宝玉のついた手袋をした拳を、シグナムへと突きつけて弾丸のように飛んでくる。

(あの手袋……いかん!)

流れる体をどうにか立て直せば、余裕で拳は回避できる態勢をシグナムは確保できた。
確保できたが、さらに逃げようと空を動く。

2人が交錯する。

シグナムの首筋には、皮一枚を切り裂かれて流れる血。
9失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:31:18 ID:???

見れば、女の子の手袋の宝玉から、魔力の爪が5本飛び出していた。魔力を形として維持する技術。ミッ
ドチルダともベルカともまた違った技術体系で生まれた魔法技術とデバイスだ。フェイトのハーケンフォー
ムに最も類似を見るものである。

どうにか、回避に成功したシグナムの表情に安堵の色が滲む。
そして、その顔が驚きがに塗りつぶされる。
軽い衝撃。
気付けば、後ろから何者かに羽交い締めにされていた。

「やはり、2人か!」

後ろへ視線をどうにか回せば、そこには仮面の女の子が先ほどまで纏っていた銀の甲冑がいた。
一瞬、銀の甲冑が主なしでも動けると思ったが、中に誰かがいるのがシグナムに感じられた。
2人目の敵だ。

とはいえ、ヴィータがやられたと言われて、まっ先に考えたのが多数による攻撃だ。
ここで、シグナムに焦りはない。

身動きが取れないシグナムへと、また仮面の女の子が両手に魔力の爪を立てて空を疾ってくる。
銀の甲冑を脱ぎ捨てた今、バリアジャケットとも言い難い薄い防御力の衣類だけだ。もちろん、それだけ
に速度には目を見張るものがあるが、直線的すぎた。

カートリッジが一発爆ぜた。
レヴァンティンの姿が、変わる。
次々に腹が割れ、いくつもの節と化す。その姿はさながら鞭のようだ。シュランゲフォルムである。
そして獲物へ爪を突きたてようとした仮面の女の子をからめ取ろうと、分割した刃が包囲網を作り出す。
動けぬ獲物の、まさかの反撃に仮面の女の子は逃げ道を探るが、遅い。

「きゃあああああーーーーーーーーーーーー!!!」

仮面の女の子の肉へと、いくつもの刃が突き刺さる。
どうにか、魔力を防御に回して突き刺さる刃を弾き飛ばし、仮面の女の子は逃げるが、深手となったのが
目に見える。

「次は貴様だ!」

そして、背後に張り付く銀の甲冑へと、蛇腹剣を突きたてようとして、

『launch』
「何!?」
10失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:32:22 ID:???

また、銀の甲冑が弾け飛ぶ。中の何者かが逃げたのだろう。シグナムを締める圧力が消えた。
攻撃に転じようとしたシグナムは、急な自由に戸惑い、動きが止まった。
そもそも、レヴァンティンのシュランゲフォルムによる攻撃は動きが止まらざるを得ないのだから、ここで
シグナムは完全に虚を突かれた形になってしまう。

だから、

(しまった……!! 海……)

眼下の海にシグナムは赤い魔力を見たのにも関わらず動けずにいた。
海に見えた赤の正体は、海中で練りに練られた、超絶の魔力だ。
それを例えば砲撃に使用すれば、シグナムの命も食い尽くしかねない威力と化すだろう。
シュランゲフォルムから、どうにか防御が出来るシュベルトフォルムへと戻そうとした、瞬間だった。

海から、極大の砲撃がシグナムへと駆け昇る。
赤い、紅い、灼熱の極大閃光。
大量の海水を蒸発させながら、シグナムの視界が紅蓮に染まる。

ベルカの騎士に1対1での負けはない。
ならば―――

(く……間に合わん…! ヴィータ……あるじ……・)

剣の騎士の姿が炎に消えた。





11失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/07(土) 02:34:11 ID:???
終わりです。
あー、無事、他の方々が見つけてくれますように。
今回は、不注意千万で申し訳なかったです。
12通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 03:34:15 ID:???
お疲れ様
あと>>1
13通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 08:24:49 ID:???
光の卵≒ブラックスワン?
14ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:15:01 ID:???
短編投下します
15ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:21:08 ID:???
D´s短編集 入れ替わり4

「ただいまぁ」
夕暮れの時間にシンは帰ってきた。
「おかえりー」
はやてが出迎え、着替えるために二人ははやての部屋へ行く。
「全く。どこでもあんまり変わってないな、学校って言うのは」
シンは苦笑いを浮かべながら今日起こったことを話した。
もちろん昼休みに起こったなのはのラクガキ事件のことも話した。
それを聞いたはやてはくすくす笑う。
「ちょっとみてみたかったなー」
着替えも終わり、はやてもそういうと、
「実は、アリサから写メでもらってるんだ、ほら」
シンは携帯を取り出し、あの写真を見せる。
そこには油性ペンで左目に◎を書かれて、少しよだれを垂らし気持ちよさそうに眠っているなのはの姿があった。
それを見て、はやては大いに笑う。
「あはは!なにこれ!?」
どうやらつぼにはまったらしく。その目から涙が出ている。
そういえば、軍の訓練校でも同じようなことがあったっけ?
最も、その時の被害者は自分だったが……
(ほんとに、変わらないなあ、どこでも、コーディネーターでも、ナチュラルでも)
コーディネーターもこの世界に来れば、意外と受け入れてくれるかもしれない。
そう思えた普段の夕暮れ時だった。

「今日はどうにかなったけど、明日はどないしよう……」
はやてはさりげなくつぶやく。
今日は何とかなったが、これがずっと続くとなると、流石にまずい。
「1日くらいなら『ちょっと機嫌が悪い』って言えばすむけど、ずっとはちょっとなあ」
そのことばに、はやてはえ?とシンを見る。
「しょうがないだろ。普段、はやてが普段学校でどんな生活してるかわからないし、関西弁なんでしゃべれないしな」
だから、それとなく女子っぽく振舞っただけだ、とシンはいった。
「まあそれは確かにしょうがないとして、アスカ、あのときの誓いのことは覚えているな」
あの時?とはやてはシグナムを見る。
「解ってる。何もしてねえよ、多分……」
多分?とシグナムはシンを見る。
「シグナム、どういうこと?」
さっきからシグナムは何を言っているのだろうとはやては思った。
「実は、先日アスカに『主の体を使って如何わしい行為などをしたらただでは済まさない』と互いに誓いを交わしたのです」
これも主のため、黙っていてすみません、と謝罪するシグナム。
あれって誓いだったか?とシンは思ったが、もうどうでも良かった。
16ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:22:59 ID:???
「それで、多分とはどういうことだ?」
シグナムは睨みつけるようにシンを見る。
怖い…正直言って怖い。
「えっと……」
どうしようか、とシンは思う。
その時……
「シン、もしかして、あれのこと?」
あれって?とシャマルははやてに聞く。
「なんか今日、アリサちゃんがなのはちゃんにいたずらしたらしくて。それと関係があるんかなあって」
何のいたずらだよ?とヴィータはきいて、なのはちゃんには内緒よ、といってはやては携帯を見せる。
だんだんヴィータの顔が緩んでいき……
「あーっはははは!何だよこれ!ぎゃはははは」
ヴィータももろにクリーンヒットし、笑い転げまわる。
「ほなけん、なのはちゃんにいわんとずっとだまっとったってことやろ?」
はやてにいわれて、ああ、まあ……と歯切れが悪く言うシン。
そういうことか、とシグナムも納得してくれた。
「あ、そういえば、そろそろ夕飯の時間やな、シャマル、準備しよか」
はい、と二人は席を立ち、夕食に準備に取り掛かった。

「なのは、その顔どうしたの?」
家に帰って、両親はまだ働いているので、家でゆっくりしていた。
やがて、姉美由希が帰ってきてきた。
そこで、美由希がなのはの微妙に残っている黒い跡を見つける。
「えっと……」
なのはは昼休みのことを姉に話した。
それを聞いて、美由希はくすくすと笑う。
「お姉ちゃんまで笑わなくても……」
姉の笑う姿を見てむくれるなのは。
ごめんごめん、と謝るが、その顔はまだ笑っていた。
「だったら、早くそのペン跡落としたら?」
そうなんだけど……と困った顔をするなのは。
「どうやっても落ちないの……」
はぁ、とため息をつくなのは。
そこで、美由紀はある提案をする。
「だったら、早めにお風呂入ったら?準備ならしてあげるから」
そういって、風呂の準備をする美由希。
どうやら自分も入るようである。
なのははそんな中、明日はすこしアリサをシカトしようかと思った。
(ちょっとくらいならいいよね?)
そう思いながら。
17ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:24:50 ID:???
「「いただきます」」
はやて家では、少し早い夕食の時間になる。
「ご飯作るときって、やっぱり背が大きいと便利やなあ」
はやては食事をしながら呟く。
これまで、椅子とか何か補助器具を使わないと料理がしづらい今の子供の姿とは違い、真の体はそんなのがなくても、皿まで自分で準備できる。
「はやても数年したらおおきくなるよ」
シンがそういい、そお?とはやてはため息をつく。
「はやての体も今は成長期だし。そろそろ身長も伸びる頃だとおもうぞ」
シンの言葉に、じゃあ楽しみにしとこう、と少し喜ぶような顔をする。
……しつこいようだが、今はやての体はシンである。
本来自分がしない表情をしているので、シンは相変わらず違和感を感じる。
「にしても、逆にこの体は不便だな、いろいろと……」
なんとなく、見た目は子供、頭脳は大人、なバーロー名探偵の当初の気持ちがわかる気がした。
その後いろいろ話をして、風呂が出来るまで各自思い思いの時間を過ごす。
(風呂が沸くまで、自分の部屋でもいるか)
それにしても……
(またあいつらと一緒に入らなきゃいけないのか?)
そう思い階段を上っている最中だった。
「っつ!」
いきなりだった。
急に足が痺れだしたのだ。
闇の書の呪いは確かに完全には治っていないと聞いている。
「にしても今時かよ」
シンはいきなりの痛みでバランスを崩す。
このパターン、どこかで……
案の定、下にははやてもいた。
しかも本人は気付いていない。
勿論……
ゴツ!……ドサ……
「うわ!」
はやてのそばにいたヴィータが驚く。
いきなりシンが振ってきたのだ。
「おい!はやて!!シン!!しっかりしろ!!おい!!」
シグナムがどうした?と廊下を見る。
そこには、先日の朝のような光景が繰り広げられていた。

「っん……」
はやては頭を押さえて目が覚める。
(えっと……うちは確か……)
はやては思い出す。
確かヴィータと話をしていて、階段を上ろうとしたときに……
そこから一向に思い出せない。
18ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:35:55 ID:???
「目が覚めましたか、主……」
横にはシグナムがいた。
そのシグナムの顔は何かおかしいものを見るように笑っていた。
そう思い自分を見る。
(あれ、この手って)
自分の手を見ると、さっきまでシンの体だった。
けど今は……
「うち…元にもどっとる……」
そう思っていると……
「少し前に、アスカが目を覚ましました」
シンが自分の体に戻ったということではやてをシグナムたちに任せ、先に風呂に入った。
時間が込んでるらしい。
シグナムからどうなっているのかを聞いた。
「アスカが階段を上っているときに、魔道書の呪いで足が痺れだして足を滑らせたらしいのです」
なるほど、それでシンが落ちてきた、ということになるのか」
「今回ばかりは足に助けられたね」
はやては笑いながらいう。
「直って良かったなはやて!」
ヴィータは喜びながらはやてにとびつく。
「ヴィータ……」
はやてもほっとする。
これでいろんな心配をしなくてすむ。そう思って。
「ほな、シンが出たら一緒にお風呂入ろうか」
はやての言葉にうん!と喜ぶはやて。
シグナムは、そんな二人を優しく見ているのだった。

「あの……なのは?」
「…………」
学校のバス内で、奇妙な空気が流れている。
「昨日はごめん………」
アリサはさっきから昨日のことを謝っているのだが…
「………」
なのははずっと黙り込んだままだった。
そんな二人をはやてたち3人は笑ってみていた。
「それにしても、良かったね、元の体に戻れて」
フェイトの言葉に、うん、と頷くはやて。
シンはあんな子といってたけど……
(やっぱりええなあ、学校って……)
そう思うはやてだった。
「だからごめんってば!!」
「………」
19ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:42:03 ID:???
ここは時空管理局ですら見つけられない、おそらくどの組織も見つけられない空間。
なのは達の世界では「あの世」とか「天国」とも言われているのかもしれない場所。
そこに、一人の女性がいた。
かつて、「夜天の魔道書」「闇の書」などと呼ばれ、数々のし星を破壊した呪文書。
だが、今でははやてのおかげで暴走を停止し、リィンフォースという新たな名前をもらった。
『良かったですね、わが主』
リィンフォースはつぶやく。
それにしても……
『まさか、他人の心が入れ替わるとは……』
魔術所でもわからないものでもあるんだなと思った。
はやては、今までのマスターの中で最も若い。
これからも何が起こるかわからない。
『もう少しだけ見守らせていただきます。これもわが主のため』
年長者として、主として。
そして、自分を救ってくれ、リィンフォースと名前をつけてくれた恩人として……

「ん?」
何かを感じた気がして、はやては立ち止まる。
そしてふとおもう。
(もしかしたら、リィンが助けてくれたんかな?)
はやては、もう二度と会えないあの魔道書を思い出す。
うん、そういうことにしておこう。何ごとも前向きがたいせつや!
そう思いながら上を向く。
ただ……
(出来れば、もうちょっと優しくしてほしかったかな?)
そう思い、はやては苦笑しながら後頭部にあるたんこぶをさすりながら上を向く。
昨日の夜、シンとぶつかったときに出来たものだ。
けど、これでもとの体に戻ったのだから安いといえば安いのかもしれない。
「はやてちゃん、どうしたの?」
はやての言葉に、なんでもないよ、と返事をする。
「そういえば、昨日シン君がね……」
こうして、いつもどおりの1日は過ぎていく。

「今回俺の出晩少なかったな………」
自重してくださいシン
20ガンダムし〜どD´s:2007/04/07(土) 22:44:40 ID:???
入れ替わり最終話投下完了。

最後になんかカオスってますがギャグも乗ってことで捕らえておいてください。
21通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 23:04:59 ID:???
下世話な話ですまんが学校行ってる間のトイレをどうしてたのかがとても気になる
22失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/08(日) 02:59:52 ID:???
>>13
申し訳ない、ブラックスワンがわからないです。
調べる限り、セイント星矢でしょうか?

>>20
入れ替わり編終了お疲れ様でした。
本編で大きな変化があったので、箸休めのように気楽に読めて楽しかったです。
23通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 03:59:03 ID:???
CE73のひと、来ないなぁ……。
2413:2007/04/08(日) 09:17:03 ID:???
>>22
ブラックスワン(黒い白鳥と書いてルビを振ってる)はヴァンパイア十字界という漫画に出てくる呪いです
ゾンビ兵の部分を除いてほぼ光の卵そのまんまの設定
25通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 21:21:00 ID:???
>>24
言われてみれば確かに似てるな
しかしあの漫画は終わり方が微妙だったな・・・
26 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/08(日) 22:13:26 ID:???
>>23
遅筆ですいません。
ボチボチ書いてはいますので、気長に待ってて頂けると有り難いです。
27通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 23:24:52 ID:???
>>26
おぉ!!現れた
実はものすごい楽しみに待ってたりする
28通常の名無しさんの3倍:2007/04/08(日) 23:31:49 ID:???
>>26
わぁい、せかしたようですみません。
年度またぐと復帰不能なひとがちらほらいたりするので、気になってますた。
のんびり待たせてもらいまつ。
29失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/09(月) 00:47:31 ID:???
>>24 >>25
確認しました。
ホンマや…orz ずいぶん類似点がありますね。
似すぎてて興が削げてしまったのであれば、申し訳ありません。別の部分で楽しんでもらえるよう努めます。
30通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 03:21:03 ID:???
>>29
別に気にしなくていいんじゃないか?俺も言われて初めて気づいたし
31通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 18:44:38 ID:???
シン・ユーノ・エリオの三人が「チーム淫獣」を結成するのはいつですか?
32通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 19:08:53 ID:???
>>31
見ちゃったんですね、第二話のあのシーンを……
33通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 19:26:13 ID:???
シン=犬
ユーノ=フェレット
エリオ=???

エリオは何なんだろう?
34通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 21:33:04 ID:???
おお!いつのまにか新スレたってた。
いまさらだがGJ。
大雑把ですまない。
35ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:36:52 ID:???
機動戦士ガンダムし〜どD´s25話

「「いただきます」」
八神家ではいつもどおり夕食が行われていた。
いつもどおりのはやてが作った食事。
いつものメンバーで食べる食事。
そう、以前に、シンが来る前に戻っただけである。
だが……
「なんか、やっぱりちょっと寂しいな」
はやては苦笑いを浮かべながら箸を進める。
シンは数日前から魔術師の訓練のため、リーゼ達に連れて行かれた。
少し前にした自分の誕生日も、初めて皆で祝ってくれた誕生日。
はやては嬉しかったが、どこか寂しい感じがぬぐえなかった。
その気持ちは、皆も同じような気持ちだった。
「なあはやて……」
ヴィータが小さな声ではやてに聞く。
「今回、あいつは帰ってくるけどよ………あいつの世界が分かったら、もうあいつとは二度と会えないんだよな?」
ヴィータの言葉に、はやての箸が止まった。
ヴィータノ言っている意味はわかる。
確かに、元の世界に戻ったらシンには時空をわたる手段がない。
さらにシンは軍人である。ずっと同じ場所にいるわけじゃないので探すのも一苦労。
さらに地上ならともかく、シンが住んでいるところは宇宙空間。
トドメに、今シンの世界は戦争中。
はっきり言ってほとんど会えるかどうか解らない。
「なあはやて。アタシは、あいつが元の世界に戻って欲しくない。ずっとここにいて欲しい。だってあいつは向こうじゃ死んでるってことになってるんだろ?だったら……」
「いい加減にしろヴィータ」
ヴィータが言葉を続けようとするが、シグナムにとめられる。
「ヴィータの言いたいことも解る」
せっかく新しい家族が出来たのだ、離れて欲しくはない。
だったら……と口ごもりヴィータに、今度はザフィーラが言う。
「だが、私達の勝手でアスカをこの世界にとどませることは出来ない。あいつは元の世界へ帰りたがっている。それを、我々は止められない」
ザフィーラの言葉で、ヴィータが俯く。
そうだ、シンは元世界へ帰りたがっている。
最初はヴィータも、シンが元の世界に戻れたらいいと思っていた。
だが、シンと生活を重ねていくうちに、シンを完全に家族の一員として認識し、中でもヴィータは八神家のメンバーで一番シンになついていた。
だからいなくなるのが嫌なのだろう。
「ヴィータ、シンの気持ちも解ってあげて」
はやてにいわれて、はやては黙ったまま夕食を食べ続ける。
だが、そういっているはやての顔も、あまりいい顔をしていなかった。
36ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:40:18 ID:???
「はぁ」
夕食も終わり風呂にも入って、はやては自分の部屋にいる。
はやては自分のベッドでため息をつく。
ヴィータには、今日は違う部屋で寝てもらっている。
「ヴィータにあんなこと言うたんはええけど」
自分がこんなのでは全然説得になってない、とはやては思う。
はやてもヴィータと気持ちは一緒である。
彼女にとって、シンはそこまで年の離れていない(それでも6つや7つはあいている)兄のようなもので、頼りにしていたりされたりしている。
ふと、そばにある写真を見る。
そこには以前にとったみんなの写真がある。
だが、これはシンが来る前に撮ったもので、勿論シンは写っていない。
(また、シンも入れての写真を撮らなあかんな……)
そう思い、はやては電気を消し布団にもぐりこむ。

(そういえば……)
美由希は布団に入って思う。
(あの時以降、まともシンに会ってないなぁ)
そう思い、シンとデートをしたときを思い出す。
あれ以降、まともにシンに会っていない。
少し前に、シンが倒れたと聞いて、特別に管理局の船に入れてもらい、見舞いに行った程度。
目が覚めても、何故か彼がなのはの同じように魔術師になっていて、その魔法の訓練で今はいないらしい。
(なにやってんだろう私って)
そう思いどうしようもないほど自分がなさけなく感じる美由希。
こんなことではなかなか進展しない。
(そろそろ、決める頃かな?)
そう思い、美由紀は眠りにつく。

「う…ん……」
マユは自分の部屋で目を覚ます。
「あれ、私どうして……」
マユはおぼろけながら記憶をたどる。
確か、プレシアさんがフェイトちゃんを連れ戻すために戦いに出て、手伝いがしたかったから自分の出て行った。
そこまでは覚えてる。
そのあと外に出た後、管理局の人間に捕まって、それから……
所々微妙に忘れているところが多くて悩むマユ。
「目が覚めたのね」
少し考えていると、プレシアが部屋に入ってくる。
「初めての実践で緊張してたんでしょうね。あなたはしばらくの間気を失ってたのよ」
実はそれは嘘で、プレシアはマユに少し記憶操作をした。
兄と出会う前後の記憶をすっぽりと消したのだ。
その後遺症ではないが、しばらく目が覚めなかったマユ。
だが、そんなことはマユにはわからないため、プレシアが言ったことを信じてしまう。
37ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:49:12 ID:???
「けど、この分だと大丈夫ね」
プレシアは微笑んでマユを見る。
マユはそんなマユを見て申し訳なさそうな顔をする。
「あの、何も出来なくてごめんなさい」
そんなマユをプレシアは優しくなでる。
「最初はそんなものよ。それに相手も悪かったしね」
プレシアはマユを慰める。
それに、とプレシアはある決意をしていた。
「そろそろ、アリシアを復活させるわ。フェイトはいないけど、フェイトはあとでも取り返せる」
プレシアの言葉にマユは驚く。
その二人の部屋の扉の向こうで、クルーゼはくすくす微笑んでいた。

「え?今日でシン帰ってくるんですか?」
アースラの提示会議で、修行が終わりシンが帰ってくるという。
その日数、2週間。
ええ、というリンディの言葉にはやてはほっとする。
よかったね、となのはたちも喜んでいる。
はやてにとっては早い2週間だが……
「2週間で使い物になるのか?」
修行としての2週間は正直言って短い。
シグナムの問に、クロノはさぁ、としか言えない。
「それはリーゼたちにしかわからないさ」
さて、とクロノ時計を見る。
「本来だったら後数日はかかるところだけど、あの二人のことだから……」
そう思っていると、予想通りまたもやばたんと自動ドアを無理やりすっでこじ開ける音が聞こえた。
「たっだいまー!」
そこには、リーゼ姉妹と、その二人にはさむような形でシンがいた。
「………」
この場合、なんていえばいいんだ?
シンはどうしようか迷う。
そのとき……
「おい!」
「ん」
いきなりシンに睨みつけるヴィータ。
「戻ってきたんだからいうことあるだろ!」
別にここは家じゃないんだけど……とシンは思うのだが、ずっとヴィータが睨んでいるので。
38ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:50:54 ID:???
「た、ただいま……」
「おう!」
ずっと睨んでいると思えば、今度は笑う。
一体どうなってるんだ?
シンがそう思う中、リーゼたちは他のメンバーと話をする。
「で、結果はどうなんだ」
それを聞いたアリアはある紙を渡す。
「正直すごいわね。この短期間でAAの実力を持つなんて。彼の許可を得たら、このまま管理局で働かせたくらいよ」
アリアの言葉にクロはへぇ、と資料を見る。
なるほど、確かになかなかのものだ。
「それに、何か特殊な能力が備わっているみたいだし」
その能力をあわせれば、もしかしたらなのはたちとそこそこ戦えるかもしれない。
「そりゃあ、私達の教え方がいいからに決まってるじゃない」
そういうロッテに、アリアは少しため息をつく。
「初心者にあれをやらせるたのはいい教え方じゃないと思うけど……」
アリアのいったあれに反応するクロノ。
「あれ?あれってまさか……」
クロノは苦い顔をしながら後ずさる。
そんなクロノを、リンディとエイミィ以外がはてなマークを浮かべる。
「そうよ、クロスケも受けたあれよ、あ・れ♪」
ロッテの言葉に、クロノはシンを見る。
「おい…シン……」
いつもとは違う様子でクロノに呼ばれるシン。
「お前もあれを受けたのか?」
あれ、という言葉に反応して、おまえもか?と逆に聞き返すシン。
彼もあの二人の弟子なのだ、あれを受けていてもおかしくない。
「普通初心者には無理なんだが、大丈夫だったのか?」
クロノの言葉に、頷くシン。
どうやら守れたようだ。
そう思い、二人は固い握手を交わす。
「いやあ、あのときのあいつはすごかった。人間修羅場迎えると何をしでかすか解らんからねぇ」
腕を生んであのときの心を思い浮かべるロッテ。
「さっきから気になっているのだが、あれとは?」
二人がいきなり奇妙な絆を結んでいるとこに少し疑問を抱いたシグナムは、何をしたのか二人に聞く。
それにアリアが答える
「この前、シンにある試練を与えてね」
試練?と考えていると
「そう、試練。その名も、『魔術祭り』!!」
「「魔術祭り?」」
一同は、聞きなれない言葉に首をかしげる。
「いままで星の数の私の弟子達が挑戦し、そして星となって消えていった……」
肉体と魔力を極限まで酷使し、そして精神をも極限まで試される」
いきなり妙なシリアスモードに入ったリーゼロッテ。
39ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:52:39 ID:???
「そしてこの試練を乗り越えたものこそ、私達の本当の弟子、そして後継者となる」
「簡単に言えば、魔術師との模擬戦100連戦」
奇妙な説明ばかりするロッテに変わり、さらりと内容を説明するアリア。
100連戦ときいてうえぇ、となのはが嫌そうな顔をする。
自分には体力が持ちそうにない。
シンも、軍人で体を鍛えてよかったと思う。
「けど、負けたら恐ろしい罰ゲームが待っている!」
ビシっ!とポーズを決めるリーゼロッテ。
「罰ゲームって何ですか?」
「「やめろ!!」」
「うわ!」
フェイトの言葉に、見事にハモりながらきかせないようにするふたり。
いつも名にこの二人はこんなに仲が良くなったのだろうか……
「やめるんだフェイト、きいちゃだめだ」
「そうだ。君にはまだ早い!」
まだ早い?そうおもっていると
「まあいいじゃない」
そういって二人をバインドで拘束する。
「罰ゲーム、それは下手をすれば今後の人生を狂わしかねない恐怖の罰ゲーム」
いつの間にか興味のある全員がリーゼたちの話を聞こうとする。
「母さん!エイミィ!!とめてくれ……」
「そうですよ!せめて子供達だけでも……」
ふとみると、リンディはこの部屋になく、エイミィはお茶を飲んで行く末を見守っている。
絶対楽しんでいるだろう。そう思う。
援護は絶たれた。
そう思いながら二人は絶望に打ちひしがれる。
「いい、よく聞きなさいよ。罰ゲーム、それは……」
「それは?
ロッテは至極真剣にいう。
まるで怪談話をしているかのように。
「挑戦者が負けたとき、その対戦相手から筋を一本通される」
筋を通される?
皆が悩んでいると真っ先にザフィーラが気付く。
「ま…まさか……」
自分が考えたことに恐怖を感じるザフィーラ
ああ、と頭を抱えてうずくまるその姿勢に、今までこんなザフィーラを見たこともない八神家は混乱する。
一方ムゥはおやおや、と面白そうに聞いている。
レイも無表情dザフィーラをみる。
「まあつまり簡単にいうと……××××(バキューン)」
………え?
一瞬時が止まったかのように思うと、急に女性人の顔が赤くなった。
「えっと、その……えーと……」
いきなり妙なことを言い出して、なのはは少しパニックに陥っている。
すごいことを聞いたような気がする。
40ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:55:02 ID:???
「だから、××××(バキューン)××××(バキューン)」
「も、もういいです!」
顔を真っ赤にして拒否するなのはたち女性陣。
ロッテはどう見てもこの状況を面白がっている。
「それで、シンは大丈夫なんですか?」
はやての問に、変わりにアリアが答える。
「ええ、見事にクリアしました。まさか本当にクリアできるとは思えなかったけど」
アリアの言葉にえ?とあアリアのほうを向く八神家。
「敵はほとんどがAクラス。初心者には難しい相手」
そこで、とロッテは少し秘策を用意した。それは……
「以前挑戦して失敗した魔術師が××××(パキューン)されてる所を見せて、無理やりヤル気をださせたの」
またいわれて顔を赤くするなのはたち。
「心配ないわよ、確かに感触はあるけどホログラムだし、本当にされてるわけじゃないって」
それでも本人にしてみたら嫌だろう。
そこへ……
「おい!早くほどけ!!」
シントクロノがうしろからギャーギャーとわめいている。
ロッテはそんな二人を見て見下すように言う。
「私の弟子ならどうにかしなさい」
そう言われて、シンは舌打ちをして……
「だったら……ステラ!」
シンの叫びとともに、シンが光りだす。
普通は今クロノがしているように術式を解いてバインドを解くのだが……
「うおおぉぉーーー!!」
シンは無理やりバインドを引きちぎる。
シンの高い魔術の才能、そしてコーディネーターの強靭な体によって出来るかなりの力技。
それを見てロッテはため息をつく。
「相変わらずね、そのバカ力は」
リーゼたちはシンの身体能力に驚いている。
いったいその体でどこからそんな力を発揮できるのだろうか。
二人には、まだコーディネーターのことは話していない。
いったらからかわれるかもしれないと踏んだからだ。
その中、リンディが戻ってきた。
「ごめんなさいね。ちょっとブリッジに急な呼び出しがあってねぇ」
ふとリンディは周囲を見る。
なにやら微妙な雰囲気で皆はリンディを見ていた。
「あら、どうしたの?」
そんなリンディに何でもありません、とクロノが言う。
41ガンダムし〜どD´s:2007/04/10(火) 16:59:15 ID:???
「それじゃリンディさん、彼は返しましたので、私達はこれで」
人を人質みたいに言うな!とシンは突っ込むが、いつものようにロッテがバタン!と自動ドアを閉めて去っていった。
あの二人が去ると本当に静かだ。
シンはこの2週間で思う。
「それでシン君。戻ってきてもらったところで悪いんだけど、模擬戦をして欲しいの」
実は、シンが修行しているときにも定期的にアリアから通信が入って、多少は実践まがいなこともさせないといけないからアースラにいるメンバーで誰かと模擬戦をして欲しいとのこと。
「別に今すぐって言うわけじゃないわ。期間は3日後、あなたはその間その対戦相手のことを好きなだけ調べてもいいわ。レイ君にも手伝ってもらってるから」
はぁ、と聞き返すシン。
「それで、対戦相手のことだけど……」
そういってリンディはなのはを見る。
「なのはさん。あなたがシン君と戦うのよ」

第25話投下完了。
次回かその次ぐらいにシンはなのはと戦います。
…………シン、生きろよ。
次は、例の短編「なのはさん強化計画」か新しい短編「闇鍋」か「まじかるしん4話修正バージョン)のどれかを投下予定。
とりあえず要望にこたえてうpします。
42通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 17:18:52 ID:???
乙なの!

しかし、シンが哀れすぎる。
リーゼ姉妹の地獄の特訓から、身も心も無事に生還したのに
こんどは白い悪魔と模擬戦とは……。
43通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 17:58:51 ID:???
GJっす、シンよその祭りは由緒正しい祭りなのであります、昭和初期の東京
で行われた『漢祭り』百回建てのリングで百連戦をする祭りなのです。
まあ30階位から90階位までは回想で一気に進みますが・・・・
シン君オツカレ様です。
44通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 22:21:12 ID:???
乙彼&Gjなの!

魔術祭り……100人組み手よりも罰ゲームが恐ろしすぎるな。美由希との展開もwktk

個人的には『闇鍋』希望。すんごいどっかの提督が絡んできそうだけど。
まじかるしんは……もうちょっと本編待ちの方がよいかと。
45通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 02:06:23 ID:???
    /// /   イ l  | |  | |   ヽ ヽ ヽ、         _,,,,._                、-r
ィニニ〔ゝノ_ノ   / ヽ\ヽヽ  | l    |l  |l  ヽ      .,','" ̄',〈... _,,,_   _,,,_   _,,,,,| |
'´/ /| |7   r/'´ ̄ヽゝニヽ-ヽヽ  │ | | ヽ ヽ     { {   ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l
イ/ / ! | |   |‐‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一 / / /  | ヽヽ    ゝヽ、 ~]| ,i i  i l i l  i i .i i  .i .i
/ / / j |   l|. ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 ノ、/l  │ l | l     `ー-‐'"  ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ
./  / / ヽ   l|   二´/' ; |丶ニ  ノヽリ ハ || |            r--,      、-r
'  / /   ヽ  lヾ:、  丶 ; | ゙   /イ'  メ | / リ           ~`l |  _,,,_   | |,,,,,_
  `,´l    lヽ ヽ. `   ,.__(__,}   / イ  /イ                | | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
  /| |   |! ゙! `丶ゝ  ,.,,.`三'゙、,_  /  lノ  ,イノ                | | i i  i l  .| i  .i |
. /│|   | l    /゙,:-…-〜、 ) | .ノ イ |                .l l  ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
/  ! |   !  \   `' '≡≡' " ノニィ | |lハ               (~'-'ノ
  | !   |   _`ト_、 _     , イ    ! |ル'   ,イ          __`~~
  ハ ヘ  |‐'  ̄,.ィ´ヘ` ー- イ  |    |l |    /│         〈  ヽ
ノ  ヘ ヘ   | <´ィ´ /介「`ヽヽ│   ハ l   / ノ      _,   |   }  
ゞ、_ゝヽ  !  \ー´/ハ トニノノ !   / ハ ト、//,ィ _ ,.-ィ´    !>'⌒ヽ、
  ヾゝヽ.ヽ lー-、  ̄ 1 |│|ヽハ 」  / _ハ _/ イィニィ'´        /ヽ、 ,  )
    ヾゝヽ. l^ーィ- 、|│ ! ト、>-リ  イニィー '^ヽ、          /:::::::::Τ  ̄ `l
     ヾヽヽゝ   ̄! | | lヽヾ/  /        ヽ        /::::::::::::┼‐- -ノ
46失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:20:50 ID:???
六話目投下したいと思います。
部屋を明るくして離れてみてくださいね。
47失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:22:58 ID:???
第六話

『フェイトちゃん! 飛ばし過ぎだよ!』
「わかってる!」

第83管理外世界。そう印を押された世界。
その海の上を、つまり空を少女が一人、駆け抜ける。
速い。
音速もかくやと言わんばかりの飛翔である。
体にいくつもの羽を纏い、高度と速度に適さぬ水着のような薄い衣服だ。

ソニックフォーム。
どうでもいいが、ソニックとライトニングではライトニングの方が速いだろうと感じたのは筆者だけでないと
思う。

シグナムとの定期連絡が途切れても、もう30分以上が経った。
アースラからシグナムの行方を追ったモニターにて、映し出されたのは封鎖領域である。
現地でおそらく唯一の魔法使いであろう海洋生物による念話を試みたところ、シグナムが閉じ込められて
いる事が判明。すぐさま、フェイトは調査を切り上げてエイミィの誘導を頼りに、シグナムの元へと駆け
た。
転移魔法に適さぬポイントである事と、フェイトの速度を考慮して、フェイトは一緒にいたアルフを置き去り
にして単騎での行動だった。まずはアースラへと転移出来るポイントを探し、さらにアースラからシグナム
のいる場所に最も近い転送可能なポイントへと転送、そしてシグナムの元へと飛行というプロセスをクロ
ノとアルフは踏まなければならないのである。

シグナムの強さについて、おそらく最も信頼しているのはフェイトである。
仲間であるヴォルケンリッターとはやてもシグナムの強さについて、これ以上ない信頼を置いているが、
直に刃を交えた者同士にしか生まれない絆もある。その真っ向からのぶつかり合いを繰り返したフェイト
だから、シグナムの孤立が危険であると考える。

そう簡単にやられるシグナムではない。

そう思う一方で、ならば相応の用意でシグナムに接触するのが当然である。
闇の書事件以降、シグナムは管理局に在籍。つまり影で動く者ではなくなったのだ。ならば情報の仕入
れ方はいくらでもある。そして、それを元にシグナムだけのシグナムに対するシグナムへの対抗策を抱え
て、封鎖領域を展開すればどうだろうか?
人数は?
デバイスは?
海という地形は不安要素になるのではないのか?
フェイトの裡に不安が無数に広がっていく。

あのシグナムが易々とやられるわけはない。
48失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:23:52 ID:???

しかし胸騒ぎは消えない。
あれだけ名を広めたシグナムなのだ。それを閉じ込める者がいたとするのならば、よほどの馬鹿かよほ
どの用意かだ。そして、フェイトはこんな時最悪の状況を頭に入れておかなければならない。

「ついた……!」

肩で息をしながらフェイトは気合いを入れる。
魔法を修めた者は見える。海に展開された魔力に依る巨大なドーム。
シグナムは、この中だろう。

「シグナム……」
『フェイトちゃん駄目! ちょっと落ち着いて! あのシグナムだよ?』
「わかってる……でも、ヴィータの事もあるから!」

マントが翻り、ソニックフォームからライトニングフォームへ。
二度のロード。
黒い杖が、変わる。

『フェイトちゃん!!』

輝きを剣に。
黄金色の魔法陣を踏んで。
ザンバーフォーム。

「疾風…迅雷!」

2度、3度ほど雷光の剣を泳がせた。紫の雷電がほとばしる。漲る魔力。担ぐように、構え、

「スプライト! ザンバー!」

封鎖領域へと踏み込んだ。
紫の稲妻が暴れ狂う。黄金の剣が、封鎖領域を切り裂いた。まるでガラスにひびが入るように、封鎖領
域は悲鳴を上げ、そして崩れ落ちる。

中にいたのは、1人。

銀色の甲冑を纏った、

「…子供?」

小さな魔法使い。子供程度の背丈で、よくもまぁ甲冑に耐えられると思えるような小ささだ。
全身を隠し、男の子か女の子かもわからない。その隣に、従うように丸い盾が1つ、浮かんでいた。デバ
イスなのだろう。

「あなたは……」
49失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:25:19 ID:???

銀の甲冑が、フェイトへと向く。
周りには、誰もいない。
ごくりとフェイトの喉が鳴った。

「シグナム……シグナムは?」
「殺した」

奇妙にねじれた声。
フェイトが凍りつく。

「そんな……嘘だ……あの強い…シグナムが……」

現実にいないような気分へと落とされたフェイトが、一歩踏み込もうとして、飛びのいた。
海から、赤い、紅い砲撃。非殺傷設定などお構いのない凶悪な砲撃が海から天へと伸びていったのだ。
その直撃を受けたのだろうか。羽と尾をもつ鯨のような巨大な海洋生物が、海から空中へと高々と放り投
げられた。この質量が宙に舞うのだから、砲撃の威力を物語るには十分だった。

「!!」

明らかに、即死だろう。火傷など言う前に、その海洋生物には穴まで開いていたのだ。

「ふぅん……エヴィデンス01なんて、本当にいたんだ。ま、魔法がある時点で何でもありか」

そして、砲手であろう者が驚きを交えながら海から飛んでくる。
声が奇妙にねじれ、その頭にはすっぽりと、仮面。隠しているのは顔だけで、男とわかった。

「レヴァンティン、テイカーショット」
『了解』

その手には、赤い杖。
巨大な海洋生物へと杖を構えれば、槍のような閃光が海洋生物の死体へと突き刺さり、体内から一つの
煌きを抜き取った。煌きは仮面の男の杖へと収まり、巨大海洋生物の体は、まるで光の粒子となって消
えていく。

「リンカーコア!?」
「そ。管理局にしては速いじゃない。君がフェイト=テスタロッサかな」
「……あなたは…」
「うーん、名無しというのも不便かな。じゃ、トライア・ン・グールハートとでも名乗っておこう。こっちの子は
……君が良く知っている人物だ」

奇妙な音声で仮面の男は軽く笑った。偽名も甚だしい。
トライアと名乗る男が銀の甲冑をコンコンと叩くが、フェイトは誰であるか見当もつかなかった。
50失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:27:14 ID:???

「シグナムは……シグナムは本当に…」
「さあ、どうだろうね……この子に勝ったら、いろいろ教えてあげてもいいかな。いろいろとね」
「……」

銀の甲冑が、空を踏みこんでフェイトへ飛んだ。
速い。
が、フェイトはさらに速かった。
一呼吸で甲冑の繰り出すパンチから大きく離れ、二呼吸目ではもう甲冑を後方へと置き去りにしてしまっ
て、トライアと名乗る仮面の男へと飛んだ。

「いやあぁぁ!」

担ぐように構えたザンバーフォームを、美麗な姿勢で振り下ろす。フェイトの魔力を大量に吸って、強大な
威力を有するザンバーフォームだが、しかしトライアの赤い杖によって受け止められる。正直、フェイトとし
てはこの杖型のデバイスも断ち切る勢いだっただけに驚いた。

「非殺傷設定? 仕事の人は大変だね」

フェイトは酷薄な笑顔を、仮面の向こう側に感じた。こいつは、許せる人間ではない。本能で、危険だと理
解できる。たとえば禁止された力でも、禁忌とされる強さでも、もしも手に入ったのならば躊躇いなく使用
するような。

「レヴァンティン、ファイアガトリング」
『了解』

トライアの周囲に、赤い球体が3つ生まれて空間に固定される。
魔力砲台とも言える、スフィアだ。自分のフォトンランサーとほぼ同じ性能と見抜き。すぐさま飛びのくフェ
イトが寸前までいた空間を、スフィアから打ち出された赤い灼熱の魔力が通り過ぎた。

(強い…!)

純然な破壊のエネルギーが込められたファイアガトリングなる魔法の威力を肌で感じたフェイトは、フォト
ンランサーと同等などと考えた愚に息を飲む。おそらく防ぐ事はできるだろうが、受けたくない射撃だ。

そして、フェイトが飛びのいた先で、銀色の甲冑が殴りかかってくる。
こちらは、いい。動きも、トライアとの立ち位置もしっかりしているが、いかんせんフェイトの速さについて
いけていない。警戒は必要最低限で対応できるレベルとフェイトは思えた。
事実、ザンバーフォームで数度斬りつけて見るが、オートで主を守る盾がフェイトの斬撃に徐々について
いけなくなっている。もう3、4度斬りこめば盾をすり抜けて銀の甲冑へと一手浴びせる事が出来るだろ
う。

とはいえ、それも邪魔のないという仮定の話。
的確にフェイトが銀の甲冑を攻めれば、嫌なタイミングでファイアガトリングが飛んできて距離を取らざる
を得なくなる。
51失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:28:32 ID:???
熱風を撒いて鋭く撃ちだされるそれは、あくまで銀の甲冑をフェイトから離すためだ。
しかし、こうやって敵が時間を稼いでくれるのは好ましい。時間が取れれば取れるほど、クロノとアルフの
援軍が期待できるのだ。

「やれやれ、これじゃ埒が明かないか」

トライアの嘆息が聞こえる。同時に、ファイアガトリングのスフィア――仮にファイアスフィアと呼ぼうか
――を消すのが見えた。攻め手を変える気だ。そう警戒したフェイトに、しかし攻めてきたのは銀の甲冑
の方だった。従えていた盾が高速でフェイトへと突っ込んでくる。重そうな盾で、その運動に大きく魔力を
込められている。普通にぶつかれば十分な痛手になるだろう。
それを余裕で回避すれば、フェイトの進路へと銀の甲冑が躍り出る。
それも、想定できる範囲だ。
殴りかかる銀の拳を、焦らずにバルディッシュで受け止めて見せる。
重い。
重いが耐えられる威力だ。
弾き飛ばされるようにフェイトが空を流れる。

この時点で、フェイトは余力を残している。即座にソニックムーブによる離脱が可能なように。
間違いなく、仮面の男の砲撃があると踏んでいるのだ。

『launch』

だから、ここで想像もしない人物の登場に足が止まる。

銀色が弾け飛んだ。
甲冑を構成するプレートというプレートが爆発するように四散し、当たり一面へと飛んでいく。的確に、自
分にぶつかる物だけを斬り払いながら、銀色の向こうにフェイトは見た。

赤い、少女。

銀の甲冑から現れたのは、

「ヴィータ!!?」

フェイトの手が、足が、何より思考が戸惑いに塗りつぶされた瞬間だった。

(しま……!)

甲冑の爆発に乗ったかのような推進でフェイトへとたどり着いたヴィータが、グラーフアイゼンを振るう。
防御に魔力を回すが、遅い。
重い。
耐えがたく重い鉄槌の一撃。
52失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:29:46 ID:???

「ああああぁぁぁあ!!」

展開した防御魔法陣を木端微塵に砕き、フェイト自身は人形のように抵抗できぬまま空を吹き飛んだ。
そして、フェイトの視界が一色に染まる。
赤く、紅く。
トライアによる、赫耀の砲撃。

(いけない……これは……回避…できな……!!!)

極大の猛炎が、ただ一直線にフェイトを飲み込もうと空を焦がし、空を奔り―――


白が、赤の奔流からフェイトをさらった。


「何ぃッ!?」

鉄槌による痛みに、フェイトは己の意識がまだある事を悟って驚いた。超常の赤い砲撃は、フェイトを通り
過ぎてもはや遥か後方を走り抜けた後だ。
そして、同時に誰かの腕の中にいる事も理解する。
顔を上げれば、見知らぬ、男。

仮面の、男。

顔の上半分を白い仮面で隠した、ある軍内にて白服と呼ばれる衣服に酷似したバリアジャケットの男
だった。そして、フェイトを抱きかかえていない方の手に持つのは、

「か、母さんの……杖…!!」

プレシア=テスタロッサが最期まで手にしていた杖だ。
間違いない。間違えるはずがなく、それはプレシアの杖だった。
痛みさえ忘れてしまう程の驚愕。
支えられるまま、フェイトは見開いた眼を抱きかかえてくれる仮面の男へと向けた。

「あ…あなたは……」
「お前は……何故ここに……!!?」

フェイトとトライアの、動揺滲む声。

「私か……私は」

仮面の男が、唇を自嘲気味に歪ませた。笑ったのだろうか。

「……ラウ=ル=クルーゼ。在ってはならない存在……とでも言うべきか」
53失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/11(水) 02:32:32 ID:???
終わりです。
ところで、自分もD´s氏へは闇鍋の方をを希望したいです。
54通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 02:40:02 ID:???

>失われた者たちへの鎮魂歌。

乙彼&GJです。
敵の偽名ふいたw 一番驚きなのはクルーゼがフェイトさん救出!!?こいつはいよいよ盛り上がる展開になってきましたね!
55通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 17:05:51 ID:???
っていうか筋を一本通されるってどういうこと
56通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 17:29:14 ID:???
肛門あたりからグリグリ鉄筋差し込んで首の後ろあたりまで貫通させること
57通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 18:22:23 ID:???
>>55
ウホッ!
とか
アッーー!!
な事に成るんだよ
58通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 19:27:38 ID:???
クロノ「ところでシン、あの光景を見せられてどう思った?」
シン「すごく、デステニーです」

こーゆー事か
59通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 19:27:41 ID:???
インモラルデバイス・・・
60通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 19:36:50 ID:???
それなんて阿部さん?
61 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:03:50 ID:???
10分後に投下します。
62 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:14:41 ID:???
 マハムール基地の司令部では、今回のガルハナン攻略戦に向けて、ブリーフィングが行われようとしていた。
 ブリーフィングルームには作戦に参加する部隊のパイロット達が集まりつつあり、本来は十分な広さを持つ室内を少々圧迫しつつある。
「けど、現地協力員って……つまり、レジスタンス?」
「まあ、そういう事じゃない? だいぶ酷い状況らしいからね、ガルナハンの町は」
 シンの問い掛けに、ルナマリアは眉を顰めながら答える。
 今回の作戦には不可欠な要素があった。それは現地協力員の存在である。地球連合軍の占領下に置かれたガルハナンの住民達は、謂れのない支配に抵抗し、その一派がザフトに協力を申し出ていた。ガルハナンを陥とす攻略材料となりうる情報を彼らは持っているというのだ。
 真正面から攻めたのでは、再び甚大な犠牲を出して敗走するだけなのだから、ザフトとしては渡りに船だった。


 ルナマリアと話をしながらブリーフィングルームに入ったシンは、ザフトとは雰囲気が異なる一角がある事に気づく。それはオーブ軍のMSパイロット達。その中にはキラもいた。
 シンは、そちらの方に歩いていくと、キラの前で立ち止まる。キラの方はといえば、どうしたらいいものかと、ただ戸惑っていた。
 キラを睨みつけながら、シンは言葉を吐く。
「……俺はザフトで、アンタは友軍の兵士だ。命令だから、今は一緒に戦ってやる。……こんな戦争、とっとと終わらせなくちゃ、マユとだって安心して暮らせないからな」
 様々な想いが混ざり合う中で、それがシンなりに出した取り敢えずの答えだった。
 マユとの平穏な暮らしの為に──また、その事を差し引いても、連合が吹っかけてきた今回の戦争をいち早く終わらせる事が、彼の望みだ。だからこそ、ザフトの一兵士として戦っているのだから。
「だけど! すべてが終わったら……アンタとはきっちりケリをつけさせてもらう。必ずな!」
 あくまでも、優先順位を考えた結果であり、キラとの因縁を有耶無耶にするつもりは毛頭ない。だが――後々どういった形でキラとの決着をつけたいのかは、シン自身にもまだ見えてはいなかった。
 シンの言葉を呆然とした顔で聞いていたキラは、やがて表情を和らげて「ありがとう」と、礼を言った。
「ふん! 別に、アンタの為に言ってるんじゃない……感謝される覚えなんか無いね!」
 シンはそう言い捨てると、部屋に並べられた椅子の最前列に座る。


 そして、そんな彼らからやや離れた所で、その様子を窺っていた者がいた。
(あの男がキラ・ヤマト……)
 レイ・ザ・バレル――彼もまたシンと同様、キラとの因縁を持つ者だった。
 彼は困惑していた。彼が最も信奉する人物は、すべてを承知しているはずだというのに。
(俺は……どうすればいい?)
 表情に表れることのない彼の動揺に、気づく者はいない。


「ちょ……ちょっと、シン! 今のって、いったい何の話? あの人、オーブの人だよね?」
 ルナマリアの目から見て、彼らの仲は険悪にしか見えなかった。少なくとも、シンの方は明らかに相手の事を快く思っていないらしい。
「別に……ルナには関係ないだろ!」
 シンは苛立ち混じりに答える。
「何よ! 怒らなくたっていいじゃない!」
「怒ってなんか――」
 部屋にアーサーとアスランが入ってきた。室内にいたパイロット達が一斉に起立して敬礼する。
 シンとルナマリアも言い合いを止めて、彼らに倣った。
(――ん?)
 シンは、アーサーとアスランの間を歩く一人の少女に気づいた。茶色のパサパサした髪を後でくくっている。ちょうど、マユと同じ年頃だろう。
(まさか……こんな子がレジスタンス?)
 妹と変わらぬ年齢の少女に驚き、シンは思わず呟いてしまう。
「……まだ子供じゃん」
 シンの言葉が聞こえたのか、少女はムッと口をひん曲げた。
63 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:15:39 ID:???
「着席」
 アーサーが声を掛け、シン達は座った。
「さあ、いよいよだぞぉ。ではこれより、ガルナハン・ローエングリンゲート突破作戦の詳細を説明する」
 ローエングリンとは、地球連合軍の陽電子砲の名称だ。デュナメイスにも同名の兵器が搭載されているし、ミネルバのタンホイザーも原理は同じである。
「だが、知っての通り、この目標は難敵である。以前にもラドル隊が突破を試みたが、あー……結果は失敗に終わっている」
 この場にいるラドル隊の面々を気にしてか、アーサーは少し言い淀みながらも話を続けた。
「そこで今回は……アスラン――」
「え?」
 ふいに名前を呼ばれ、やや驚くアスラン。
「――代わろう。どうぞ、あとは君から」
「あ、はい」
 アスランは戸惑いながらも説明を始める。部屋の照明が落とされ、大型モニターに俯瞰図が投影された。ポインターが一本しかない渓谷を示す。
「ガルナハン・ローエングリンゲートと呼ばれる渓谷の状況だ。この断崖の向こうに町があり、そのさらに奥に火力プラントがある。こちら側からこの町にアプローチ可能なラインは、ここのみ――」
 次に、町の手前に一際高く聳える岩山の上を指し示す。
「――が、敵の陽電子砲台はこの高台に設置されており、渓谷全体をカバーしていて、どこへ行こうが敵射程内に入り、隠れられる場所はない」
 アスランの淀みない説明を聞きながら、アーサーは感心したように頷いていた。
「超長距離射撃で敵の砲台、もしくはその下の壁面を狙おうとしても、ここにはMSの他にも陽電子リフレクターを装備したMAが配備されており、有効打撃は望めない」
 アスランはシン達の方を見る。
「君達は、オーブ沖で同様の装備のMAと遭遇したということだが?」
「……はい」
 シンがぶっきらぼうに答えると、アスランは少し微笑んだ。
「そこで、今回の作戦だが――」
「そのMAをぶっ飛ばして、砲台をぶっ壊し、ガルナハンに入ればいいんでしょ?」
 シンは、アスランを遮るように、挑発的な言い方をする。
 彼の両隣に座っているルナマリアとレイが、深いため息をついた。
「それはそうだが……俺達は今、どうしたらそうできるかを話してるんだぞ、シン」
 アスランが呆れた様子で言う。
「やれますよ。やる気になれば」
「じゃ、やってくれるか?」
 アスランは人の悪い笑みを浮かべながら続けた。
「俺達は後方で待っていればいいんだな? 突破できたら知らせてもらおうか」
「えっ?……あ、いや……それは……」
 てっきり叱責されるものと思っていたシンは、予想外のアスランの言い様に、しどろもどろになってしまう。
 隣にいるルナマリアが噴き出すのを聞いて、シンは思わず彼女を睨みつけた。
64 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:17:29 ID:???
 アスランは涼しげな顔で、説明を再開する。
「――という馬鹿な話は置いといて……ミス・コニールからの情報によると――」
 目標の砲台付近に抜ける坑道があり、インパルスの分離形態ならばギリギリ通れるくらいの広さだった。主力部隊が正面から仕掛けて敵を引きつけている間に、坑道を抜けたインパルスが砲台を破壊する――以上が、今回の作戦の大まかな概要である。
 アスランが一通りの説明を終えると、部屋の照明が点灯した。
「――というわけで、ミス・コニール」
「あっ、はい」
 馬鹿にしたような表情でシンを見ていた少女は、アスランに呼ばれて慌てて返事をする。
「彼がそのパイロットだ。データを渡してやってくれ」
「ええっ!? こいつが!?」
「そうだ」
 コニールは不満げにじろじろとシンを見る。一方、シンも年下の少女にこいつ呼ばわりされて、腹を立てていた。
「……何だよ?」
 シンは、ぶすっとした態度で応じる。
 だが、コニールはシンを無視して、アスランに訴えた。
「この作戦が成功するかどうかは、そのパイロットに懸かってるんだろう? 大丈夫なのか? こんな奴で」
「何ぃッ!?」
 シンは思わず声を荒げる。両隣のルナマリアとレイが、またもや深いため息をつく。
「ミス・コニール……」
 アスランはコニールを宥めようとするが、彼女はなおも訴え続けた。
「隊長はアンタなんだろ!? じゃ、アンタがやった方がいいんじゃないのか?……失敗したら町のみんなだって、今度こそマジ終わりなんだから!」
「何だとォ、こいつッ!」
 シンはついに立ち上がり、コニールに詰め寄ろうとする。
「シン! ミス・コニールも! 止めろ!」
 両者を諌めようと、アスランもつい声を荒げてしまった。
 そこへ、アーサーのどこかのどかな調子の声が割り込む。
「ああ、なるほど。アスランかぁ……いや、それは考えてなかったなあ……あ、でも――」
 彼はしきりに頭をひねっており、かなり真剣に悩んでいるようだった。
 そんな彼を見たアスランは、疲労感を覚えながらも諌言する。
「副長まで……止めてください――シン、座れ!」
 アスランに命じられて、シンはふてくされながら席に戻った。
 それを確認すると、アスランは表情を和らげてコニールに話しかける。
「……彼ならやれますよ。大丈夫です。だからデータを」
 コニールはしばらく躊躇っていたが、やがて意を決したのか、アスランにデータディスクを預けた。
65 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:18:22 ID:???
 アスランはシンに歩み寄ると、ディスクを差し出す。
「シン、坑道のデータだ」
 しかし、シンは意固地に下を向いて、ディスクを受け取ろうとしない。
「……シン?」
 訝るアスランの声に、シンは拗ねた調子で答えた。
「そいつの言う通り、アンタがやればいいだろ! 失敗したらマジ終わりとか言って……。自分の方が上手くやれるって、アンタだってどうせ本当はそう思ってんだろ!?」
「シン!! 甘ったれた事を言うな!!」
 アスランの怒鳴り声が室内に響く。
「あいにく俺は、お前の心情とやらに配慮して、無理と思える作戦でもやらせてやろうと思うほど馬鹿じゃない。無理だと思えば初めから自分でやるさ」
 彼の皮肉にシンは何か言い返そうとするが――
「……だが、お前なら出来ると思った。だからこの作戦を採った」
 シンは小さく息をのんだ。自分は信頼されているというのか?――アスランの言葉に揺さぶられる。
「それを……あれだけデカい口を叩いておきながら、今度は尻込みか!?」
 どのみち、こうまで挑発されてしまっては、シンとしては後に退けなくなっていた。
 アスランの手から荒々しくディスクをひったくる。
「分かりましたよ! やってやるさ!」


 その後は何事もなくブリーフィングは終了し、各部隊のパイロット達は部屋を出て行く。
 シンも部屋を出ようとしていたのだが、入り口まできた所で視線に気づく。コニールが険しい表情で彼を睨みつけているように見えた。
「……何だよ。まだ何か言い足りないのか?」
「シン!――」
 喧嘩腰でコニールに当たるシンをアスランが諌めようとする。
 しかし、それより先にコニールが口を開いた。
「前に……ザフトが砲台を攻めた後、町は大変だったんだ。それと同時に、町でも抵抗運動が起きたから」
 シンはハッとして、思いつめた表情で語るコニールを見つめる。
「地球軍に逆らった人達は、滅茶苦茶酷い目に遭わされた! 殺された人だってたくさんいる! 今度だって、失敗すればどんなことになるか判らない……だから、絶対やっつけて欲しいんだ! あの砲台! 今度こそ!」
 彼女は目を上げ、縋るようにシンを見て叫んだ。その目には涙が光っている。
「だからっ……頼んだぞ!」
 涙の止まらぬ彼女の小さく震える肩に、アスランがそっと手を置き、連れて行く。
 シンは彼女の背中を見つめながら、手にするディスクの重さをひしひしと感じていた。
 連合側の人間に見つかれば、ただではすまないだろうに――町の人達の思いを背負い、たった一人で彼女はやってきたのだ。
 失敗するわけにはいかない。『お前なら出来る』と、アスランも言っていた。
(成功させてみせるさ……必ず!)

=========================
66 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:19:13 ID:???

「流石ですね」
「え?」
 コニールと共にエレベーターを待っていたアスランは、ルナマリアに声を掛けられて振り返った。
「シンって扱いにくいでしょう? 私達、アカデミーからずっと一緒ですけど、いっつもあんな調子で。あの子、教官や上官とぶつかってばっかり」
 彼女の目から見たシンは、本当に子供みたいだったのだ。
「なのに、ちゃんと乗せて、言う事聞かせて……凄いです!」
 まるで奇跡でも起こしたかのような彼女の口振りに、アスランは苦笑する。
「そんなんじゃないよ。扱うとか……下手くそなんだろ、色々と。……悪い奴じゃない」
「あ……はあ……」
 ルナマリアは驚いた。アスランがシンの事をこうまでよく見ているとは思っていなかったからだ。


「そうだね。僕もそう思うよ」
 ──と、二人の会話に割り入ってくる声。
「キラ……お前、大丈夫なのか?」
「うん。打撲だけだから、二〜三日すれば腫れも引く、って」
「いや、怪我の事じゃなくてだな……」
 アスランはシンとの問題について尋ねたのだが、キラの返答は食い違っていた。だが、こういう少しずれた所がキラらしいとも、アスランは思う。
 言い淀むアスランを見て、流石にキラも彼の言いたい事を察した。
「それは……僕が決める事でもないから……。でも、とりあえずは一緒に戦ってくれるってさ」
 苦笑いしながらのキラの返答に、アスランは少し驚く。たしかに、シンとは話をしたが、これ程すぐに変化が出るとは思っていなかったからだ。
「そうか……あいつがな」
 シンの真っすぐな性格は危うさでもあるというのが、アスランが彼に待つ印象だった。銃を手にする者として、シンの心は純真過ぎるのだ。
 だからこそ、彼には間違ってほしくない──かつての自分のようにはなってほしくない。これがアスランの願いだった。
「それでね、アスラン。ちょっと話しておきたい事があるんだけど、時間とれないかな?」
「あ、ああ。そうだな……」
 アスランは少し思案した。マハムール基地を出立するまでに、少しぐらいの時間なら取れるだろう。それに、彼の方もキラとゆっくり話す時間がほしいと思っていた所である。
 シンとの事以外にも、キラが再び戦場に出ている事についても。この二年間、後悔ばかりしていたキラを見てきたアスランとしては、彼の事が気掛かりだったのだ。
「それじゃ、後でデュナメイスの方に行く」
「うん、分かった。待ってるよ」
 アスランは頷くと、エレベーターの扉を閉めた。
67 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:20:56 ID:???


 アスラン達が乗るエレベーターを見送ったキラは、一人の少女のジロジロと自分を見る視線に戸惑う。
「えと……な、何かな?」
「あ……失礼しました。私はミネルバ隊所属、ルナマリア・ホークです」
 ルナマリアは姿勢を正すと、敬礼して名乗る。
「……キラさん──でしたっけ? オーブの方みたいですけど、アスランさんの御友人なんですか?」
「うん。アスランとは幼馴染みなんだ」
「──という事は、キラさんもコーディネイター?」
「そうだけど……」
 キラが答えると、ルナマリアは大いに納得した様子で頷いた。
「じゃあ、あの青いムラサメは、キラさんだったんですね?」
 一機だけ特出した違う動きの良さを見せる青いムラサメをルナマリアも目にしていた。当然、その戦い方も。
「そ、そうだよ」
 質問しながら迫り寄るルナマリアから逃げるように、キラは顔を引きつらせながら、少しばかり後退る。
 しかし、彼女の質問はまだ続いた。
「では、キラさんがフリーダムのパイロットだった、っていうのは? みんな、そう噂してるんですよねぇ。あんな戦い方する人、他にはいないはずですから」
 ヤキン戦役終盤に現われた、鬼神のような強さのMS。単機で艦隊さえ圧倒したというフリーダム。
 アスランのジャスティスとは違い、そのパイロットの詳細は公にされていなかった。唯一特徴的だったのは、敵の戦闘力だけを奪いさる、その奇抜な戦い方。エースクラスすら遥かに凌駕する技量がなければ、実戦で行う事など不可能な絶技だ。
 それだけに、先日の戦闘で青いムラサメの見せた戦い様は、ミネルバクルーの間に件の噂話を立たせるには十分な要因となった。
 ルナマリアの期待を込めた眼差しに観念するかのように、キラは頷いた。
「凄いですよね。どうやったら、あんな風に戦えるんですか?」
 ルナマリアは技術的な意味合いで聞いたのだが、その言葉にキラは俯いてしまう。
「それは──僕が無知で傲慢で……卑怯だったからだよ……」
「──えっ!?」
 予想外の返答を受けてルナマリアが戸惑っていると、彼女の後ろから声がした。
「そのぐらいにしておけ、ルナマリア。あまり質問ばかりしては、相手も困るだろう」
 ルナマリアが振り返ると、見慣れた金色の長髪の少年がいた。


 会話に交ざってきたのは、キラの見知らぬ少年だった。
「君は?」
「ミネルバ隊所属、レイ・ザ・バレルです」
「僕は──」
 自分も自己紹介しようとしたキラをレイは遮る。
「キラ・ヤマト──よく知っていますよ、貴方の事は」
 そう。彼は知っていた。キラ・ヤマトという存在が、どういったものなのかを。
「そ、そう?」
 キラの戸惑いを含んだ返答に、レイは表情にこそ出さないものの、微かに落胆した。
「……分かるかとも思ったんだがな」
「え?」
 レイの声が小さくて聞き取れなかったので、キラは聞き返す。
「いえ、何でもありません。我々はミネルバに戻らねばなりませんので、これで失礼します。――行くぞ、ルナマリア」
「えっ? ちょ……ちょっと待ってよ、レイ」
 敬礼してから通路の向こうへと歩き出すレイ。ルナマリアは、そんな彼の後を慌てて追いかける。
 去っていく二人の少年少女を見送りながら、キラはふと奇妙な感覚に気づく。
(あのレイって子……どこかで会った事があるような気もする)
 しかし、それが何時何処であったか、キラには思い出せなかった。
68 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/11(水) 22:30:36 ID:???
お待たせしましたの第22話、投下終了です。

ベースは、種死本編のマハムール基地です。
簡略化しようかとも思いましたが、気づいたら長くなっていました。

あと2話ほどガルハナン編の話が続きますが、
先月の予告通り、なのはさんの出番はナシでいきます。
……まぁ、砲撃魔導師らしくチャージ中、って事で一つご容赦を。

ではではノシ
69通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 22:36:44 ID:???
乙!
よく考えてみるとシンレイキラアスランの4人が揃ってるっていうのは珍しいね
4人揃って戦力が上がってるのがはてさてどういう風に作戦に影響を与えるのだろうか?
70通常の名無しさんの3倍:2007/04/11(水) 23:40:19 ID:???
乙!! 待ってました。
なのはさんの出番は残念ですが、そっちはStrikerS本編で補給してきまつ:-)
71通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 00:24:17 ID:???
GJです!
レイとキラを混ぜるのは、ちょっと見た事ないのでワクワクですよ!
むしろ、なのはさんを加えないでSEEDキャラを絡ませるのは、それはそれで面白いですし、これはなのはさんを待つ価値有りな内容だと思います。
72シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/12(木) 18:34:26 ID:???
注意書き!!※

これから投下する作品は劇中のネタバレが多く含まれております。
まだストライカーズをご覧になっていない方は読まないことをおすすめします!

尚、作者も一度しかみていないため。実際とは間違った表現、及び勘違いして使ってしまう言葉、設定があるかもですが、その際は教えていただければ幸いです。

また、この作品はシンとヤマトの神隠しの続編にあたります。(劇場版は続編続編ではありません。)
なのではじめて読まれる方はシンとヤマトの神隠しを読まれることをお奨めします。
それでは、以下投下開始し。
73シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/12(木) 18:39:41 ID:???
はぁっはぁっはぁっ!
苦しそうな呼吸音が響く。「こっちだ!」
シンが先だって誘導し、そのあとを負傷したデュランダルに肩を貸すレイとアスラン。すぐ後ろにはタリア、最後尾にキラと言う順番で、崩壊を始めるメサイアから脱出をはかろうとしていた。
響く爆発音が平常心を揺るがし、舞う粉塵が視界を奪う。
デュランダルを担ぐレイとアスラン、先頭を行くシンのすぐ近くで爆発が起こった。
「「「シン!」」」
シンの姿は炎と粉塵で姿を確認できない。
だが、ここでいつまでも呆けているわけにもいかなかった。
事態は一刻を争う。
「このルートはもう駄目だ!こっち!早く!」
キラが手招きし、キラの方へ皆がむかう。
「グラディス艦長、他に脱出経路はないんですか?」走りながらキラが聞く。
「あるわ、塞がってないといいんだけど」
「じゃあ、案内を任せ…、グラディス艦長!」
キラが突然、タリアを突き飛ばした。
直後に爆発、炎が上がった。
「キラッ!!」
「アスラン、落ち着いてください、今は脱出を…あなたまで死ぬ気ですか?」
燃え上がる炎に駆け寄ろうとしたアスランをレイが引き留めた。


魔導試験Bランク試験場。
「スバル!あんた、停まること考えてんでしょーね?」
二人の少女が疾走していいた。
オレンジがかった髪をツインテールにしている少女ティアナは、ショートカットの青い髪に額に白いハチマキをしている少女の背中で顔を引きつらせていた。
「…と、停まる!?…うぁ、えっと…」
「この馬鹿ぁ!!」
今は魔導試験、CランクからBランクへのレベルアップ試験だ。
そして、受けているのはこの二人、青い髪の少女がスバル・ナカジマ。
オレンジがかった髪で、ツインテールにしているのがティアナ・ランスターである。
ティアナは試験中、足に怪我をしていて、スバルはティアナを背負い、ローラーブーツをフル稼働。
一目散にゴールを目指しているのだ。
残り時間は一分を切っている。
スバルは時間内にゴールを目指すことだけを考えていて、停まることを考えていなかった。
ゴール地点を過ぎれば、目の前には、瓦礫の山。
このスピードで突っ込めばただでは済まないだろう。ゴールラインを通過。
「は〜い、お二人さん、お疲れ様ぁ、試験は…。あれ?」
何の生物か、もの凄く小さい人型の何かはゴールラインを通過してなお止まらない二人に呆気をとられ、見送るばかりだった。
74シンとヤマトの神隠し〜Striker'S:2007/04/12(木) 18:43:49 ID:???
そんな様子を上空からみている人影があった。
「…はぁ、アクティブシールドとホールディングネットも必要かな…」
『Master!!Caution!』
「えっ!?何?」
スバルとティアナの進行方向に突然閃光が走った。
刹那、暴風がティアナとスバルを襲い、そのおかげでなんとか二人は激突することなく停止する。
まぁこけることにはなったわけだが…。
「いたたたた…。」
「すぅばぁるぅ〜!!!」
「ちょっと、ティアナ、ごめんって、あれは確に私が悪かったけど…。」
ティアナが自分のどこかしらを抓むと思ったスバルは目を瞑り、身構えるが、ティアナが何かしら危害を加える気配はなかった。
「あれ…ティアナ?」
「あれって人?」
二人の視線の先には二人の少年が倒れていた。
一人は赤いピッタリとした服に身を包んだ黒髪の少年。
もう一人は青いピッタリとした服に身を包んだ茶髪の少年だった。
二人の少年が着ている服は、所々破れており、あちこちに傷をおっていた。
地面を染めていく血の量が、その傷がどれ程深いものかを想像させた。
このまま呆っておけば二人は間違いなく死ぬだろう。
「ティ、ティアナ!どうしよう?」
「ど、どうしようって、あんた…。私に聞かれても…。」
すると上空から、降り立つ一人の少女が二人の元へと駆け付けた。
少年二人はうつ伏せで倒れている。
「これって?」
驚きながらもすぐに止血するため、応急処置に入った。
さらに上空からヘリが降りてくる。
中から姿を表したのはフェイト・T・ハラオウンと八神はやてだった。
はやてはリィンフォースにティアナの足の治療を頼み、なのは、フェイト、はやては突如として現れた少年二人の治療を優先する。
ある程度まで応急処置を施すと、二人をゆっくり、慎重にヘリにのせるため、仰向けにした。
そして、三人は言葉を失った。
75シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/12(木) 18:49:08 ID:???
それから二日後、管理局本部、医務室。
「シン、シン!!」
自分を呼ぶ声に、シンの意識は回復を促され、力なく、ゆっくりとまぶたを開いた。
「こ、ここは…。」
見慣れぬ景色、見慣れぬ人。聴きなれぬ声。
シンは慌てて体を起こし
ゴッ
頭をぶつけた。
「……ッ。」
被害者はフェイト。目尻に涙を浮かべ額を押さえる。しばらく、シンも痛みをこらえるようにして、額を押さえていたが、やがて
「ここは?議長は?レイは?」
とキョロキョロ周囲を伺うように見回す。
「シン、落ち着いて。ここは管理局本部の医療機関だよ!」
シンは動きを止め、フェイトを改めて見つめ、聞き返した。
「管理…局…?」


同じくして隣の部屋ではキラが目を醒ましていた。
「うっ、ここは…。僕は…確か…アスランと議長と…レイ君とグラディス艦長を…。」
キラの思考が停止した。何かが足りない。誰かが足りない気がした。
ゆっくりと体を起こすと、丁度、茶色の制服に身を包んだ女性が入ってくるところだった。
「よかったぁ、わりと早くに目ぇさめたんやなぁ。」
「えぇ、まぁ…はい。」
「魔導試験中に突然、大きな魔力反応があってな。」はやては湯飲みにお茶を入れながらキラがどのようにしてこっちの世界に現れたのかを説明する。
「そう…だったんですか…。ありがとうございます。」
湯飲みをもって片方をキラに差し出し、にっこり微笑んでキラに言った。
「おかえり…キラ君。」
「……あの…。」
「ん?何やぁ?」
「君は…誰?」
「あぁ、あれから十年経っとるしな、わからんでもしゃーないわ。
はやて、八神はやてや。」
「八神…はや…て?」
はやての表情が曇る。
「ひょっとして…覚えてへんの?」
はやての声のトーンが落ち、悲しげな表情をする。
「…ごめん。
僕は…君と会ったことがあるのかな?」
容赦のないキラの言葉に、はやては無言で部屋を出ていった。
はやてが部屋を出ていくと、何かしら神妙な顔で思案しながら部屋を出てくるフェイトを見つけた。
「はやて…、どうしたの?」
「……なんでもないよ。」
「ひょっとして、覚えてない?」
はやては足を止め、フェイトを振り向いた。
「覚えてないんだね?
私たちのこと……。」
はやては無言で頷いた。
76シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/12(木) 18:53:56 ID:???
管理局本部食堂。
「えっ?じゃあ、シン君もキラ君も私たちのこと覚えてないの?」
「あれから何度か聞いてみたんだけど、全く忘れてるわけじゃなくて、記憶に空白があるっていうか…。」フェイトは言い淀む。
「それに、おかしいのは、年齢。あれから十年も経っとるのに、キラ君は18歳、シン君は15歳。年が変わっとらん。いつのまにか、私らの方が年上や。」

「二人のデバイスの方は?どうなの?」
「わからん、まだ起動させてへんし…。」
「ただ、技術局の人達が言うには、過去のストライクフリーダムとデスティニーとは重なる部分はあってもどっちのデータとも完全には一致しないって…。」
「魔法のことは覚えてるの?」
なのははフェイトに聞く。「シンの方はうっすらと覚えてるみたいだったよ。」
「キラ君も、それは同じや。」
それを聞いたなのはは席を立った。
「じゃあ、私はスバル及びティアナ陸士の試験の採点に行ってくるから、シン君、キラ君の件ははやてちゃんとフェイトちゃんに任せるね。」
と一礼して先に食堂からなのはは姿を消した。
「はやて、どうする?」
「どうするって言われてもなぁ〜。」
フェイト、はやての目の前にモニターが開く。
過去の闇の書事件、及び、シンVSキラのデータだった。
「………。」
「………。テスト…してみよか?」
「…うん。シンは近接戦闘特化型。
キラが遠距離戦闘特化型…と言うよりは、万能型かな。二人でペアを組ませて…。」
「そやな、それで行こう!」

「八神…えと、二等陸佐。あの…試験ってどういう…?」
キラは管理局の制服を着せられ、はやての後ろを着いていく。
すると向かいからやって来るのは長いブロンドを揺らし、黒いスーツに身を包んだ女性。
そして、その後ろを歩いてくるのはキラと同じく管理局員の制服を着せられた黒髪、緋い瞳が印象的な少年。
ある通路の前までやって来てはたと四人は足を止める。
「えっと…シン…君だっけ、よろしくお願いします。」
シンは黙って頭を下げる。なぜか、キラのことを毛嫌してしまう自分。
なぜだろう?
そんな事を考えながらシンとキラはスバルとティアナが試験を行っていた場所へと移動を開始した。
77シンとヤマトの神隠し:2007/04/12(木) 19:01:53 ID:???
第一話 欠けた記憶
です。章題書き忘れました。
すいません。

以上がシンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜第一話出だしです。
本当はシンもキラも劇場版と同じ歳にしようとおもっていたのですが…変更しました。
楽しんでいただければと思っています。

それではまた!
78通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 19:06:10 ID:???

シンとヤマトの神隠し続編キタ―――!!

しかも年齢逆転とはまた……期待していますよ!
79通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 19:11:48 ID:???
乙!
しかし、えらくご都合主義な記憶喪失だなぁ。
まぁ、それが些細な事に感じるぐらいWktkしてますが。
続きも期待しています!
80通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 19:21:49 ID:???
乙です。
ただ気になったんですが、C.E.73ということはシンは16歳だと思うのですが……
81シンとヤマトの神隠し:2007/04/12(木) 19:44:48 ID:???
間違いです。
ごめんなさい
82通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 20:11:49 ID:???
続きが気になる!
はやく読みたいよ〜!
83通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 20:26:33 ID:???
GJ
次回wktkして待たせていただきますぜ?
84通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 20:58:39 ID:???
おお、早くもストライカーズが!!
とにかくGJ。続き楽しみにしてます。
85ガンダムし〜どD´s:2007/04/13(金) 17:15:23 ID:???
闇鍋編ができたので投下
86ガンダムし〜どD´s:2007/04/13(金) 17:17:12 ID:???
D´s短編集 闇鍋(賛成編&材料調達)

『辛いとき、悲しいとき。人はそんな時、心の隙間に闇が出来る。
その心の闇に、魔物たちは容赦なく入り込んでくるのだ!
だけど、くじけるな!落ち込むな!ぷよぷよするな!!
何事にも屈しない、強靭な心こそが、最強の武器なのだから!!』
『これは、すこし怪しげで胡散臭そうな男、矢部野彦麻呂が駆け巡る、魔物たちとの壮絶な戦いの物語。
新番組、レッツゴー陰陽師!第一話「矢部野彦麻呂」』
『悪霊共、成仏しろよ』
既に夕食も終わり、皆がテレビを見ているときだった」
「え?ヴィータ、今何て?」
その話ものきっかけは、ヴィータの一言で始まった。
「だから、闇鍋って何なんだよはやて」
えーと、とどこから突っ込もうか考えるはやて。
「どこでその言葉覚えたん?」
はやてに聞かれて、ヴィータは昼のことを話す。
いつものようにヴィータが近所のじーさんばーさんたちとゲートボールをしているときに、とあるじーさんが孫が闇鍋をしたときのことを話していて、気になったヴィータだが結局どんなのかさっぱり解らなかったのだ。
「なるほどぉ」
ヴィータの言葉に、はやては残念そうに言う。
「ごめんな、うちも闇鍋って中身はどんなんか知らんのよ」
そっか、と残念そうに俯くヴィータ。
まあ、またジーさんたちから聞けばいいだけの話だ。
そのとき……
「闇鍋って、あれだよな?」
シンの言葉にヴィータはシンのほうを向く。
「知ってるのか?」
ああ、とシンは以前、訓練時代にレイやルナ、ヨウランたちいつものメンバーでした事を思い出す。
「前にしたことがあるんだよ。部屋を真っ暗にして、各自が事前に持ち込んだ材料で鍋をするんだ」
あのときを思い出し、一瞬ぞっとする。
「あの時はびっくりしたよなあ……ヴィーノがセオリーどおりスリッパをぶち込んだときは……」
あのときにスリッパをかじったレイの顔は真っ暗で見えなかったが、どんな顔をしていたか容易に想像できた。
そのシンの話を聞いて、うえ、と嫌な顔をするヴィータ。
「そんなもん入れるなよ」
ヴィータの言葉に、仕方ないだろう、とシンはいう。
「原則ルールとして、もって来た中身は持ってきた本人以外は食べるまでわからないんだ。」
さらに……
87ガンダムし〜どD´s:2007/04/13(金) 17:19:13 ID:???
「掴んだものは絶対に食べなきゃいけないルールなんだ。…流石にスリッパみたいに絶対に食えないのは食わなくていいけど」
まあ、ちょっとしたギャンブルのようなもの、とシンは付け加える。
それを聞いて、はやては少し考える。
「なんか面白そうやな」
それを聞いたシンはえ?とはやてを見た。
ひょっとしたら、言うべきじゃなかったかもしれない。
「はやて、もしかしてする気なのか?」
シンの言葉に、はやては首を盾にふる。
「だっておもしろそうやし。なのはちゃん達も誘ってしてみようかなぁって」
まあこいつらだったら遊んだりしないだろうとは思うのだが……
「場所どうする?結局いつものメンバーでやるんだし、この部屋じゃ狭くてできないぞ」
それもそうやな、と思いはやては少し考える。
「まあ、それは皆できめたらええわ。ほな、ちょっと皆にメールするな」
そういってはやては各自の家にメールを送る。

「ん、メール?はやてちゃんからだ」
なのはは皆で話をしている最中にはやてからメールが来て、その内容を見る。
その内容は……
『今週の土曜日ぐらいに、闇鍋パーティーをしようとおもうけど、なのはちゃんも来る?』
メールを見てまず一言
「闇鍋って何だろう……」
なにはの言葉に、士郎はああ、と説明する。
「部屋を真っ暗にして、みんなが内緒で持ち込んだ材料で鍋をするんだよ」
士郎の言葉に、恭也も以前のことを思い出す。
「俺もこの前大学の仲間とやったよ」
友達いたんだ、となのはは少しひどいと思いながら心の中で思った。
兄は、大体いつも忍といるからあまり大学の友達と何かをするというものを想像できない。
「お前達だけでするなら心配いらないと思うが、一応注意しとけよ」
恭也の言っていることを疑問に思うシン。
「さっき父さんも言ったけど、実際食べるまで中に何が入っている銅かわからないんだ。だから変なものを入れるやつも出てくる。俺もそれで鍋なのに卓球のラケットが入っていてね」
何で気付かなかったんだろう…と恭也は思い返す。
それを聞いて、あはは…と苦笑いを返すしかできないなのは。
「で、なのははどうするの?」
桃子はなのはに尋ねて、うーんと考える。
はやてのことだからみんなにもこのメールは届いているはずだろう。
何故かなのはには全員が参加することが予測できた。
勿論なのはも参加する。
なのはの読みどおり、いつものメンバーと、面白そうだから参加してみるハラオウン家のえメンバーすることになる。
さらに、場所もリンディの艦長権限でアースラの食堂ですることになるから、スペースの問題も解決した。
次の問題は、各々の食材選びである。
88ガンダムし〜どD´s:2007/04/13(金) 17:21:52 ID:???
「うーん……」
シンはスーパーの食材売場(スーパーはほとんど食材売場だが)で何を買おうか迷っていた。
買うものは闇鍋の材料。
シンは以前のことを思い出す。
あの時シンが選んだのは無難に長ネギ。
あの時は終った後、ヴィーノに「もうちょっと面白いのをもってこい」といわれた。
だがあまりへんすぎるのを選んだら食べれなくなる。
今回は食べることが目的なのだ。
だからシンが選んだのは……
「長ネギがだめなら万能ネギで」
たまねぎは流石にやばそうなので万能ネギにする。
……なぜ全部ネギなのかは作者の勝手ということで。
あとは……
「変わったのも欲しいよな」
なべに万能ネギを薬味にせずそのまま入れるのも十分変わっているとおもうが、もう一つ欲しいと思い選んだものは……
「お、これいいじゃん」
そう思いシンはあるものを手にする。

「んー、なんにしようかなぁ」
一方はやてとヴィータはデパートへ来ていた。
何故二人なのかというと、ヴィータに一人で買い物は出来ないだろうと思ったことと、ヴィータはすぐにばらしそうだから、いっそのこと二人で選ぼう、ということである。
「なあはやて、これは?」
そういってヴィータが手に取ったのは……
「ちょっと普通すぎる気もするけど、まあ普通なものもはめんと奇妙な鍋になってしまうしなぁ」
そう思い商品をかごに入れる。
「後は変わったもんもほしいよなぁ」
そう思いまわっていると……
「これなんか変わっててええな」
はやても材料を選びかごに入れる。

「鍋って、一体何をいれればいいのよ!??」
アリサも近くの高級食材が並ぶデパートで食材を買うが、何を買おうか迷っていた。
アリサはあまり夕食の買い物とかしない。というかさせてくれない。
同じ金持ちのすずかの場合は姉や買出しに言ってそうなメイドが一緒だから一人でも食事の買い物は出来そうである。
「それにしても、何にしよう……」
ただでさえアリサは鍋なんてあまり食べたことがない。
だから闇鍋というものを少し楽しみにしている。
(それにしても、真っ暗にして、皆には内緒で持ってきたものを入れて食べるなんて、鍋って変わった料理なのね)
……今、アリサの中で鍋という認識が奇妙な方向へと進んでいった。
「ま、これでいいわよね」
アリサはあるものを何品か選び、それをレジにもっていく。
89ガンダムし〜どD´s:2007/04/13(金) 17:23:52 ID:???
「うーん……」
リンディは考えている。
リンディ達も思いs路層なので闇鍋パーティーに参加することになり、材料を選ぶ。
だが、リンディ達ハラオウン家も、あまり鍋というものはしたことがない。
ましてや部屋を真っ暗にして、中に何が入っているかどうか解らないような料理など全然知らない。
「この世界って、変わった習慣があるのね…」
まだまだ勉強不足だわ、とため息を付く。
そう思い何を選ぼうか迷う。
いろいろ回っていると、
「あら、これなんかいいわよね」
そう思い、普通鍋に入れないあるものを入れる。

こうして、他の人も各自の材料も決まり、後はパーティーの開催を待つだけであった。

闇鍋編その1、投下完了。
キーマンはやはりアリサとリンディ。
全員加工と思ったけど書く内容が一緒になるので面白そうなやつだけをチョイス。
90通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 17:34:32 ID:???
キタ――――!!!!
リンディが入れるものは大体分かるけど・・・
アリサはなんだろ?ドックフード?
91通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 17:58:43 ID:???
アリサは自分家の飼い犬のどれか一匹じゃない?
92通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 18:34:42 ID:???
>>91
えぐいのにも程があるだろwwwww
93Re 黒い波動 ◆sczCv7JGpg :2007/04/13(金) 20:09:49 ID:???
覚えている人はいないと思いますがお久しぶりです。
この度、ようやく戻ってまいりましたが、「黒い波動」のプロットデータとテキストデータを消失してしまいました。
というわけで、「Re 黒い波動」として新しく始めたいと思います。
ダークな感じでいこうと思っています。細々と続けていきますので、見かけたら読んでやってください。
 
94通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 20:25:52 ID:???
覚えてますよ〜ずっとお待ちしておりました
95通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 21:05:28 ID:???
どんとこい!
96通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 21:18:05 ID:???
>D's氏
GJです!各自の持ち寄る材料がなんなのかとても気になります。
てか、シンはすっかり八神家の一員になってるなぁ・・・

>黒い波動氏
お帰りなさい。お待ちしておりました。
波動氏のシンとフェイトのやりとりが気に入っていただけに、新しく始めるものもとても楽しみです!
97 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 21:46:53 ID:???
22時くらいに投下します。
98 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 22:00:30 ID:???
 デュナメイスに戻って来たキラは、艦長室に呼ばれていた。キラがカガリ達に訴えた件について、マリューとバルトフェルドが詳しい事情を本人から聞く為だった。
 キラからその望みを聞かされ、マリューは戸惑いながらも、再度確認する。
「──でも、本当にそれでいいの? キラ君」
「はい。もう逃げるのは止めにしよう、って……そう決めたんです」
 どこか吹っ切れた表情で答えるキラ。
 そんな彼の眼を見て、バルトフェルドは思い当たる。キラと初めて対峙した時も、彼は今のような眼をしていた。いや――今は、あの頃には無かった力強さも感じる。
「いいんじゃないか? 自棄になっているわけではなさそうだし、実際に戦うのは本人だからな」
 バルトフェルドの言葉を受けて、マリューはしばらく考え込むが、やがて顔を上げた。そもそも、本人がそれを望み、カガリ達も了承しているというのだから、仕方ないというのもあったが──
「分かりました。キラ君の意志を尊重します」
「ありがとうございます、マリューさん。バルトフェルドさんも」


 と──。
 その時、マリューの元に、チャンドラからの通信が入った。端末を操作して、それに応じる。
「──どうしたの?」
『アスラン君が乗艦許可を求めています。何でも、キラ君に呼ばれたらしいんですが……』
 マリューが確認するような視線をキラへ向けた。
「僕が呼びました。アスランにも説明しておいた方が良いと思って……オーブでの事とか、なのはちゃんの事とか」
 キラの考えに、バルトフェルドも賛成する。
「……それもそうだな。いざという時、ミネルバ側にも事情を知っている人間が一人はいた方が良いだろう」
 その対象として、アスランは彼らにとって、最も都合が良かった。
 マリューにも異存は無い。チャンドラへと返信する。
「分かりました。アスラン君の乗艦を許可します」
『了解です』
 チャンドラとの通信を終えると、マリューは再び端末を操作しながら口を開いた。
「一応、マユちゃんも呼んでおきましょう」
 魔法や異世界に関して、自分達の中で最も詳しいのは彼女だから──と、付け加えて。


 そうして、三人はマユとアスランの到着を待った。

=========================
99 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 22:02:38 ID:???

 南太平洋上空を大洋州連合の方に向かって飛行中の小型旅客機が一機。その機体の横っ腹にはオーブ連合首長国の国章が描かれている。周囲にはムラサメが三機、護衛として随伴していた。
 旅客機の機内では、シートに座っているカガリが憂欝そうな表情を浮かべながら、窓越しに外を眺めている。
 カガリと向かい合って座っているユウナが、彼女に声を掛けた。
「……ずいぶんと晴れない表情だね?」
 思考の海に埋没していたカガリは、ユウナの言葉で我に返る。
「あ……ああ。いや、何でもない」
 取り繕うように答えるカガリに、ユウナは嘆息した。
「また、弟君の事でも考えてたのかい?」
「…………」
 図星だった。カガリは答えずに、視線を落とす。
「デュランダル議長は承認して下さったんだし、問題は無いだろ? まあ、僕としては演出面を考えると残念ではあるけどさ」
「ユウナ!」
 相手の些か不謹慎な物言いに、カガリは声を荒げてしまう。しかし、ユウナは気に掛けた様子もなく口を開く。
「『守りたいものを全力で守る為』って、本人も言ってたじゃないか。デュナメイスや彼自身の生還率も多少は上がるわけだし、悪くはないと思うよ?」
「それはそうだけど……」
 カガリもキラ本人の口から聞かされたその意志に納得はしていた。だが、それでも今さらながらに後ろ暗さを感じてしまう。
「アイツはお人好しで良い奴で……本当は戦争になんか向いてないんだ……」
「──カガリ。それはずるいんじゃないかな?」
「えっ?」
 カガリは驚き、ユウナの顔を見る。彼の表情は滅多に見せない真剣なものだった。
「君は国家元首として、自国の兵である彼を戦地に送り出したんだ。それを今になってそんな言葉を口にするだなんて、彼に対しても失礼だよ」
「…………」
 カガリには返す言葉もなかった。たしかに、今さら姉としてキラの事を心配するのは、ある意味卑怯とも言えるだろう。
「彼は彼の意志で、彼の戦いをしてる。それに応える為にも、僕達は僕達の戦いで結果を出さなくちゃならない。戦闘だけが戦いじゃないからね」
「……そうだな。すまない、ユウナ」
「いや。僕に謝られてもね……。まあ、取り敢えずは、大洋州連合との正式調印をきっちり済ませようよ?」
「ああ、そうだな」
 カガリは頷いた。
 それにしても──と、ユウナを見やる。まさか、この男を腹心として頼る事になるとは、ついこの間までは考えてもいなかった。
「ん? 僕の顔なんか見つめて……もしかして、僕に惚れちゃったとか?」
 茶化すようにユウナは言う。赤くなって反論するカガリを、彼は想像していたのだが──
「ああ。これからも頼らせてもらうよ」
 微笑んで答えるカガリ。その視線は吸い込まれそうになるくらい、どこまでも真っすぐだった。
 ユウナは毒気を抜かれて、逆に顔を赤らめてしまう。
(まったく……これだからかなわないだよなぁ)
 カガリの持つ魅力は、彼女の本質であり、天性のものだった。カリスマ性とは少し異なるが、自然と人心をひきつけるそれは、ある意味では父のウズミ・ナラ・アスハをも超え、オーブの民衆から慕われる要因となっている。
 もっとも、それは単純な人柄の話であり、相手の打算などが絡んでくるとまた違ってはくるが。
「──どうしたんだ、ユウナ? ニヤニヤして……なんか気持ち悪いぞ?」
 カガリは半眼でユウナを見ている。
「いや、何でもないよ」
 ユウナは右手をひらひらさせて答えた。

=========================
100 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 22:04:24 ID:???

 アスランは唖然としていた。オーブにいたラクスが襲撃されていた事にも驚かされたが、それ以上に――まさか、魔法などというものが現実に存在するとは到底思えなかったからだ。
 デュナメイスの艦長室にマリュー、バルトフェルド、キラ──そしてマユを含めた五人が集まっていた。
 この場になぜマユまで一緒にいるのか、最初は不思議に思っていたアスランだったが、異世界や魔法の事も含めたオーブでの経緯を聞かされて納得する。
「──そんな事が……いや。だが……」
 信じられないといった様子のアスラン。だが、キラ達にこのような嘘をつく理由があるとも思えない。
「まあ、いきなりこんな事を言われても、信じられるわけないよなぁ」
「いえ、疑っているわけではないんですが……」
 バルトフェルドの言う通り、信じ難いのも本音だった。
「とりあえず、頭の隅に覚えておいてくれればいいわ。ああなったMSには私達の兵器では手も足も出ないから、絶対にまともには戦ったりしないで」
 マリューの忠告を受けても、アスランはいまいちピンとこない。
「そんなに凄いんですか?」
「僕は直接戦ったんだけど、ビームはライフルもサーベルも通じなかった。なのはちゃんの話だと、実弾兵器でも結果は変わらないみたいだしね」
 キラが実体験を交えて説明する。
「しかし……例えば陽電子砲なら――」
「無理だな。魔法の力で飛んでいるせいなのか、動きも桁違いになるようだしな……大砲も当てられないのでは、意味が無い」
 アスランが挙げたのは、この世界において携帯可能な兵器の中で、現在最も高い火力を誇る陽電子砲。それは、バルトフェルドによって、即座に否定されてしまう。オーブでキラが戦ったゲイツの事を思うと、取り回しの悪い巨砲などに当たってくれるとは思えなかったからだ。
 アスランは眩暈を覚えた。
 相手の動きを何とかして捉えられる武器では、障壁を抜いて直撃させるだけの威力が無い。障壁を破れる可能性が残されている高火力兵器はあるものの、今度は相手に当てる事が適わない。そのようなMSを、いったいどのようにして破壊しろというのか。
 先程のマリューの忠告をアスランは本当の意味で理解した。
「だから、もしもの時はアスランにも協力してほしいんだ。今はまだ、ミネルバの人達に説明するわけにはいかないから」
「説明したところで、信じてはもらえんだろうしな」
 キラとバルトフェルドの意見には同意できるが、自分の力が何の役に立つのかと、アスランは思う。
「しかし、協力といっても……」
「ミネルバとそのMS隊を抑えてくれればいいわ」
 マリューの願いは、フェイスの権限を使えば何とかなるだろう。
「後は一定以上の距離を保ったまま足止めをして──」
「なのはちゃんが来てくれるのを待つしかない」
 バルトフェルドの言う通り、そのような規格外の相手では、その場でできるのは、足止めぐらいのものだろう。そして、キラの言葉通り、その魔導師の少女とやらが来てくれるのを待つしかないようだ。
 だが、アスランには一つの懸念があった。
101 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 22:05:21 ID:???


「ただ……ミネルバに一人、俺の制止を聞かずに突っ込んでいってしまいそうな奴がいる」
「それって……もしかして、お兄ちゃんの事ですか?」
 アスランはマユの手前、シンの名を直接出す事を遠慮していたのだが、その気遣った相手によって台無しにされる。
 それでも、アスランは少しばつが悪そうに答える。
「うっ……。まあ、そうなんだが……」
「あのぉ……その事だったら……」
「ん? どうしたんだ? マユ」
 言い淀むマユをバルトフェルドが訝った。
「わたし……お兄ちゃんには喋っちゃいました……全部」
 マユの言葉に、一同は呆然となる。その場の空気に居たたまれなくなって、マユはつい謝ってしまう。
「その……ごめんなさい! 一応、『誰にも言わないで』とは約束したんですけど……」
「いや……まあ、マユが謝る必要はないが……」
 バルトフェルドがフォローを入れる。マユの場合、自分が体験した過去を実の兄に語っただけに過ぎないのだから、と。
「俺としてはやりやすくなって、助かるけどな」
 アスランが肩をすくめながら言う。ちゃんとした理由も言えない状態で、シンを抑えきれるかといえば、正直あまり自信は無い。フェイス権限を使った上官命令として従わせる事もできるが、人間関係的には好ましくない手段であり、アスランも気が進まなかった。
「アスランさん。……お兄ちゃんって、そんなに好き勝手やってるんですか?」
 おずおずと尋ねるマユに、アスランは苦笑する。
「まあ、多少は手を焼かされる事もあるが……真っすぐで良い奴だよ、アイツは。ただ、ちょっと不器用なだけさ」
「はい。その……ありがとうございます」
 アスランの言い様や、先日のデュナメイスでの一件もあって、マユは兄に対して粗暴な一面を抱きつつあった。それだけに、アスランのシンに対する好意的な評価が嬉しかった。
「だけど――俺が今言った事は、シンには伝えないでほしい。……図に乗られては、堪らないからな」
 真顔でマユに口止めするアスラン。
 マユは、くすっと笑うと、「分かりました」と言った。


「それはそうと……なのはちゃんに関する事を知っている人間を一度整理しておいた方が良さそうね」
 マリューの提案に、一同は頷く。いざという時に、事情を把握している人間同士が協力し合える方が良いに決まっているからだ。
「ここにいる人達を除けば──ラクスとシン君。母さんとマルキオ導士。それに、カガリとユウナさんぐらいかな……?」
 他の者達も、キラが挙げた人物達以外には思い当たらないようだった。孤児院の子供達も、なのはが魔法を使うところを見ているが、まだ幼い為、数には入れていない。
 ここで、アスランだけは引っ掛かる点があった。
「ちょっと待ってくれ。……ユウナ・ロマも知っているのか?」
 アスランはユウナの政に対するシビアさを知っていた。そのような秘密を握れば、彼はオーブの利益の為に喜んで利用するだろう。それ故の懸念だった。
「うん。だけど、ユウナさんの事はカガリも信頼しているみたいだし、ユウナさん自身もなのはちゃんと約束してたしね」
「……そうか」
 キラへと返事をするアスランの心境は、やや複雑なものだった。
(……嫉妬いているんだろうな、俺は)
 アスランは、このような時にまで恋慕から嫉妬してしまう自分自身を、人知れず自嘲した。
(――ん?)
 ふと、時刻を気にすると、既にかなりの時が経ってしまっている事に、アスランは気づく。
「――と。そろそろ、ミネルバに戻らないと……出立予定時刻まで、もう余り時間が無い」
「そのようね。とりあえず、アスラン君には事情を説明できたわけだし……今は私達がやらなくてはいけない事に、気持ちを切り替えましょうか」
 マリューの言葉で、この場での話は切り上げられた。
102 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 22:06:07 ID:???

=========================

 左右に聳え連なる岩山。その間には吹き溜まりのような砂地。草木の一本すら無い渓谷を四隻の戦艦が進む。地上艦レセップス級デズモンドと中型地上艦バグリイが先行し、ミネルバとデュナメイスがその後尾に続く。
 作戦開始時刻の到来とともに、その開始ポイントへと進入する。そこはガルハナン基地の索敵範囲内ぎりぎりの位置だった。
『作戦開始』の打電がラドル司令官の乗るデズモンドから発進されると、各艦から次々とMSが出撃していく。
「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」
 ミネルバから発進したシンは、インパルスのパーツたるチェストフライヤーとレッグフライヤー、オプションのフォースシルエットを従えて、主力部隊とは異なる針路を取った。
 手元のモニターに映し出されている地形図に目をやりながら、彼はコニールの言葉を思い返していた。
 ――ここに、本当に地元の人もあまり知らない坑道があるんだ。中はそんなに広くないから、もちろんMSなんか通れない。でも、これはちょうど砲台の下、すぐ側に抜けてて……今、出口は塞がっちゃっているけど、ちょっと爆破すれば抜けられる
 シンは、広がる岩壁の中に、細長い裂け目を見つける。
「……あれか!」
 それは注視していなければ見過ごしてしまうような、とても狭い穴だった。
 今回の作戦の成否が、この坑道を抜け切れるかどうかにかかっているといった重圧を自覚しながらも、シンは躊躇する事なくコアスプレンダーを岩壁の裂け目へと飛び込ませた。

=========================

『エリアワンより接近する熱源あり。スクランブル。MS隊は直ちに発進せよ』
 連合のガルハナン基地内部に警報が鳴り響く。司令部の熱源探知モニターに映し出されている四つの大きな光点。
「識別、ザフト軍地上戦艦レセップス級一、ピートリー級一、それと……ミネルバとデュナメイスです!」
 熱紋解析を行っていたオペレーターの報告に、司令部全体に緊迫した空気が奔った。
 先日発表された、プラントとオーブの正式な同盟。そして、連合軍内部には既に広く知れ渡っている、二国の要とも言われている戦艦――ザフトの新造艦ミネルバと、不沈艦アークエンジェルを彷彿させるオーブの戦艦デュナメイス。
 しかし、基地司令官は、現在迫りつつある敵艦隊を問題にしていなかった。
「奴らめ。全く性懲りもなく! どのような艦を持ってこようが、結果は変わらん!」
 彼は基地の防衛に、絶対の自信を持っていた。
「ローエングリン起動! ゲルズゲー、及びザムザザー隊も発進させろ!」
 渓谷全体を睥睨する陽電子砲。その陽電子砲すら無効化するMA隊。これらがある限り、ガルハナン基地は難攻不落であると、司令官は誇っていた。
「司令。スエズからも増援を送るとの事ですが……」
「……『了解した』と、打電しておけ」
 司令官は増援など不要だと思っていたが、上層部の意向に逆らってまで拒否する意味もない。
「まあ、増援がここに着く頃には、全てが終わった後だろうがな」
 彼は、自軍の勝利を微塵も疑っていなかった。
103 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/13(金) 22:13:06 ID:???
第23話、投下終了。

「オーラバトラーのオーラバリアにできるんだったら、なのはにだって」って、妄想してしまい、>>100の辺りで
なのはの防御は「単純な熱量なら、核のそれすら防ぎきる」って書いてみたんですが、
さすがにそれは無いと思って没に。

……やっぱりムリかなぁ(ボソッ


ではではノシ
104通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 22:14:38 ID:???
シルエットフライヤーはついて行ってなかったんじゃないかと
TV版とはパラレルだと言ってもそもそもシルエットフライヤーが通れるなら
合体状態でも通れるわけだし
105通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 22:45:41 ID:???
>>104
確か通っていた
106通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 22:48:54 ID:???
THE EDGEでは坑道抜けた直後にフォースになってるみたい
107通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:00:35 ID:???
お二方ともGJっす、
闇鍋か〜なつかしいっす、昔やった時全員取り分けた後電気つけた時鍋の中央に
シャアザクがビームライフルを真上に構えてたのを見て爆笑した思い出があります
 ローエングリン戦の展開も気になりますこれからも楽しみにしております。
108転載:2007/04/13(金) 23:11:26 ID:???
あいつのことか ああ知っている
話せばながい そう古い話だ
しってるか?
闇鍋好きは三つに分けられる
味を求める奴
ゲテモノに生きる奴
空気をよめる奴
この三つだ
あいつは―――――

彼は『闇鍋の妖精』と
呼ばれた変人
『彼』の相棒だった男
《よう相棒、いい火加減だ》
《ここから見ればどの具も大して変わらん》
私は『彼』を追っている
あれは雪の降る寒い日だった

《『鍋中央』で大規模な投入!》
《具の追加か?どんな具だ!》
《味見隊へ 退室は許可できない》
《だろうな 報酬上乗せだ》
《こちらだし汁隊のPJ 可能な限り援護する》
《吐くなら俺の見えないところで頼む》
闇鍋には謎が多い
誰もが正義となり 誰もが悪となる
そして誰が被害者で 誰が加害者か
一体『おいしい鍋』とは何か
《ゲテモノ野郎帰宅 全員殺気を放ち生ごみ投入を阻止しろ》
《玄関でお出迎えだ》

暗闇の中で行う鍋――通称『闇鍋』
変人達に与えられた舞台
《ゲテモノ入りだ》
《闇鍋の罠だ!油断すんな》
《ゲテモノがなんだ 俺が食ってやる!》
《闇鍋にルールは無い ただすべてをぶち込むだけ》
《この闇鍋は 残らず完食するまで終わらない》

人は彼らを『闇鍋の奇人』と呼んだ
《受け入れろ 小僧》
《これが闇鍋だ》
変化する臭い 代われない味見
《闇鍋の鬼が!》
《入れろよ 臆病者!》

調理規定は唯一つ
“よく煮込め”
109sage:2007/04/13(金) 23:30:49 ID:W7TuKfmt
俺もやったなぁ
餃子を入れた気がする
110通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:37:00 ID:???
下げてオクレ
111通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:42:44 ID:???
先生!まとめはどこかにありませんか><
112通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:46:13 ID:???
>>111
俺のレスにお前が泣いた!
涙はこれで拭いとけ
ttp://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage
113通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:48:00 ID:???
このまとめでオススメってある?
114通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:50:12 ID:???
\(´∀`)/ありがドモー
115通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 02:11:33 ID:???
>113
全部おもしろいよ?
116Re 黒い波動 ◆sczCv7JGpg :2007/04/14(土) 10:32:42 ID:???
種キャラが最初からなのは世界の住人になっているのもクロスSSなのかな?
種世界から次元を渡るのはもう飽きてるかな、と思ってるんだけど、そこのところどうっすか?
117通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 11:42:33 ID:???
カモン。
飽きては居ないけど、そっちも見たい。
118通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 12:09:27 ID:???
>>103
GJ!
> ……やっぱりムリかなぁ(ボソッ
19歳なのはさんならどうかわかりませんが:-)
とは言え、14歳時点でも既にSランクか……。
119通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 14:29:32 ID:???
以前神隠し氏で出てきたステラ 
アウフプラール13 スーパースキュラ ツォーンmkUが同時に撃てるって
すごいよな。集団で攻撃してもネフェルトゥラムとmk62で攻撃され
スバルのグローブの様なものを付け 射出するシュトゥルム ファウスト
防御はシュナイド シュッツで完璧と無敵というレベルじゃないぞ。
なのはさんとフェイト はやてはシャニと相性最悪だが(攻撃が全て捻じ曲げられる。)
120通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 17:30:42 ID:???
↑同意。
てか、種世界でも、なのはでもゲシュマイディッヒパンツァーは厄介だろうな。

種では実弾系は防げないみたいだけど…。
なのはだと、ヴィータのシュワルベフリーゲンのみ有効って感じがするな。
121 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:36:29 ID:???
10分後に投下予定です。
122 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:47:52 ID:???
 ミネルバとデュナメイスが並んで部隊の前へと出る。二隻合わせて計三門の陽電子砲による一斉射を行う為だ。
 目標は敵基地から出撃してきた、向こう側の上空を覆いつくしているダガーLの大部隊。三条もの白い閃光が渓谷に迸る。通常ならば、敵部隊を一気に殲滅し得る無情の大砲火。
 しかし、それらは敵部隊の最前列に展開した四機のMAによって遮られてしまう。巻き起こる凄まじい爆発が、ミネルバやデュナメイスの巨体さえも大きく揺るがした。叩きつけられた爆風が砂嵐を巻き起こす。
 その光景をセイバーのコクピットで見つめていたアスランは、晴れていく砂嵐の中に、無傷で滞空する敵MA隊の姿を確認し戦慄した。予め、その性能を聞かされていたにも関わらず。
 だが、あのように化け物じみたMA隊を含む敵部隊を引きつける事が、自分達が担う役割なのだ。アスランは、改めて事の艱難さを認識する。
「行くぞ! 敵部隊をできるだけ誘い出すんだ!」
 僚機に乗るレイとルナマリアから『了解!』と声が返ってくる。
 ミネルバ隊の三機を筆頭に、ザフト軍は牽制目的でビームと実弾をばら撒いた。もちろん、可能ならばそのまま撃ち堕としもする。その状態を保ちつつ、前進と後退を繰り返した。
 何度目かになる後退から前進への切り替えの時、敵MS隊の動きに変化が起こる。いっせいに左右へと分かれたのだ。
 アスランは息をのみ、岩山の上に見える砲台に目を向けた。陽電子砲は上空のミネルバに狙いをつけているようである。
(くっ! こちらには盾が無いっていうのに……くそっ!)
 彼にできるのは、ミネルバが敵の陽電子砲を何とか回避してくれる事を祈るぐらいしかなかった。
 砲台のローエングリンから白い光が迸る。
 ミネルバは失速したかと思うほど急下降し、その火線から寸でのところで逃れる。だが、逃げ遅れた二機のディンが、閃光に飲まれてしまう。
 陽電子砲の凄まじいまでの威力に、ザフト軍全体が萎縮してしまう。その勢いに乗じた連合のダガーL部隊が、次々とミサイルをばら撒き、ビームライフルを浴びせるように撃ち放つ。完全に守勢へと追い込まれるザフト軍。
「不味い……このままでは――!!」
 見ると、例のMA隊が後退しようとしている。こちら側の意図を気づかれたかまでは分からないが、あのMA隊は陽電子砲の防衛を最優先任務としているのは、間違いなさそうであった。
 アスランはダガーLの砲撃をかわしながら叫んだ。
「あいつらが下がる! ルナマリア! レイ!」
 だが、二機のザクも目の前の敵機の相手で精一杯のようだった。
 アスラン自身もダガーLの部隊に阻まれて、敵MA隊のところまで行けずにいた。
 しかし――焦り出すアスランの前方に展開していたダガーLの小隊は、次々とビームで撃ち抜かれていく。彼のセイバーよりもやや後方の上空には、デュナメイスのムラサメ隊が展開していた。
123 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:50:28 ID:???

 ムラサメのコクピットの中で、キラは目を閉じる。反芻するのはマユから訴えられた言葉。
 ――……逃げたりなんかしないでよ
 その言葉はマユが意図した以上の意味をもって、キラの胸に突き刺さっていた。
 キラは、マユやシン達だけの事だけではなく、あらゆる事から逃げてばかりいる自分へと行き着いていた。
 ヘリオポリスでストライクに乗ったあの日から、現在に至るまでを一気に思い返す。
 撃って、撃たれて。たしかに手にしたもの。二度と戻らない、失ったもの。後悔と苦悩の日々の果てに、それでも誓ったはずだった。銃を手にしたはずだった。
(なのに……僕は……)
 用意された建前に守られて、再び同じ事を繰り返している。
(……認めよう)
 どれだけ己の正義を掲げようと、戦争という名目に法的保護を受けようと、やっている事は──ただの人殺しだ。
(……覚悟はある)
 すべての想いを救う事など不可能なのだから、せめて背負おう──その業を。
(僕は戦う!)
 この手を血に染めてでも――守りたいものと、望む未来の為に。
 キラが眼を見開くと同時に、彼の中に存在する種子が弾ける。それは、心の底から望んだ力。今まで嫌悪さえしていた、彼に存在する力の真の解放だった。
 視界が鮮明になり、集中力が極限まで高まった世界が訪れる。そして、その瞳は──色を失う事なく、明確な意志を宿していた。
 ダガーLに向けて放ったライフルのビームは、コクピットに寸分違わず吸い込まれていき、爆散させる。
 さらに、そこから最も近くにいた二機目のダガーLを、ビームサーベルを横薙ぎにして胴を両断した。


「キラ……?」
 獅子奮迅の動きを見せる青いムラサメの姿に、アスランはかすかに戸惑う。彼の目には、キラの動きが二年前のピーク時かそれ以上のものに映ったからだ。
 それは、未だに現在の自分自身の力に納得できていないアスランの嫉妬だった。インド洋の戦いの最中に、一時的に冴え渡った感覚を取り戻したものの、あれっきりその感覚が訪れる事はなかった。
 MSパイロットとして、やはり技量には拘ってしまう。以前はほぼ互角だったキラに負けたくないといった気持ちを、無意識に持っていた事に気づく。
(……馬鹿か、俺は! 今は、そんなつまらない事に囚われてる場合じゃない!)
「今だ! 態勢を立て直し、攻勢に出るぞ!」
 アスランはザフトのMS隊を鼓舞すると、キラに続いてダガーLを撃ち堕としていく。
 ルナマリアのガナーザクウォーリアが放ったオルトロスの光条が、二機のダガーLをまとめて撃ち堕とす。レイのザクファントムが背中から撃ち出したファイヤビー誘導ミサイルが、敵のミサイルを薙ぎ払う。
 他の艦のMS隊も、ダガーLの部隊を徐々に押し返し始めた。
「キラ!」
『うん! いくよ、アスラン!』
 アスランはキラと共にMA隊へと突っ込んでいく。

=========================
124 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:51:30 ID:???


「ええっ!? 何だよこりゃ!」
 シンは真っ暗闇の坑道内部で毒づいていた。
「くそっ! マジ、データだけが頼りかよ!?」
 彼は手元のモニターに表示されている3D画像に目を落とす。坑道内を細部まで正確に計測したこのデータこそ、コニールから託されたデータディスクの中身だった。MSが通るだけのスペースが無いこの狭い坑道は、一見利用価値が無さそうである。
 シンは何でもない事のような顔で言ったアスランの言葉を思い起こす。
 ――MSでは無理でもインパルスなら抜けられる。データ通りに飛べばいい
「――って、そんな問題じゃないだろ、これはっ! くっそー!」
 岩壁に翼端が擦れる度に、シンの背中に冷たい汗が流れる。
 ――俺達が正面で敵砲台を引き付け、MAを引き離すから、お前はこの坑道を抜けてきて直接砲台を攻撃するんだ
 ブリーフィングで説明を聞いた時は、理にかなった作戦だと思った。だが――
「何が『お前になら出来ると思った』だ、あの野郎っ! 自分でやりたくなかっただけじゃないのかあっ!?」
 岩盤の割れ目から滝となって流れ落ちる中を突っ切りながら、シンはひたすらアスランを罵る。
 ――お前が遅過ぎれば、こちらは追い込まれる。早すぎても駄目だ。引き離しきれないんだ。……いいな?
 そう言ったアスランの眼差しが思い起こされた時、彼への罵声を途切れさせてしまう。あの眼には、シンに対する信頼が込められていた。考えてみれば、自分の力を認めて全てを任せてくれた上官は、アスランが初めてだった。
 そんな彼の信頼に応えたいという想い。そして、それだけではない。
 この作戦には、コニール達――ガルハナンの町の人々の命運が懸かっているのだ。
「やってやるさ! 絶対にっ!」
 誰かを救う為の戦い。それこそが、シンの望むところだった。
 シンは集中力を研ぎ澄ませていく。コアスプレンダーの機動に繊細さが加わる。狭い坑道内を縫うように飛び抜けていく様は、鮮やかでさえあった。

=========================

 岩山に設置されたローエングリンが大火を放つ。狙われたデュナメイスは、その巨体を滑らせながら回避行動をとる。陽電子砲の白い奔流が、艦体の側をかすめていく。
 紙一重ではありながらも、ザフトの優勢で展開されていた戦況は、連合側に傾きつつあった。
 キラとアスランがザムザザーを二機まで堕としたあたりで、ガルハナン基地の方からウィンダム中隊が連合側の増援として加わってきた為だ。陽電子砲に睨みをきかされ、部隊の展開を制限されているザフト軍は、数の差もあって、再び押し込まれ始めていた。
 アスランが指示を叫ぶ。
「回り込め! あのMA達を戻らせるな!!」
 だが、アスランとキラを軸としているミネルバ隊とデュナメイス隊も、ダガーLやウィンダムを振り払いながら、敵MAの二機をなんとか足止めするのが精一杯だ。
(シンはまだか? これ以上消耗しては――)

=========================
125 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:53:10 ID:???

 坑道のデータが入ったナビゲーションシステムから、電子音が発せられる。
「ゴール!?……ここか!?」
 シンは坑道の出口を塞いでいるはずの岩をロックオンする。
「距離は五〇〇……行けよーっ!」
 コアスプレンダーから放たれたミサイルが、暗闇の中で爆発する。次の瞬間、坑道内に光がなだれ込んだ。
 シンは迷わず、光の中へコアスプレンダーを飛び込ませる。彼の視界が次弾チャージ中の陽電子砲を捉える。
 コアスプレンダーを急上昇させると、シンは素早く合体シークエンスを進めた。翼を持った鮮やかなトリコロールカラーのMS――フォースインパルスが、その場に出現する。
「あれがローエングリン……あの砲台さえつぶせば!」
 シンは防衛部隊のダガーLをライフルで撃ち抜きながら、砲台へと迫る。
「いっけぇぇーっ!!」
 狙いすました一条のビームが、陽電子砲を撃ち貫く。砲身にエネルギーを集めていた陽電子砲が、派手な爆発を起こした。


 連合兵達にとっては、信じられない光景だった。同じ光景を見て、ザフト兵達は歓喜する。――両軍の誰もが、爆炎を上げる破壊された陽電子砲に気を取られる中で、アスランは動いた。
 セイバーの両手に持たせた二本のビームサーベルをゲルズゲーに突き立てる。ゲルズゲーの複座式コクピットの中で、パイロット達は自分達の敗北を認識する間もなかった。その奇怪な外観の巨体が爆散する。
「残りは……アイツだけだ!」
 陽電子リフレクターを備えた敵MAは、残すところあと一機のみだった。アスランは機体をそのMAの方へ向ける。


 迫るザフト機から逃れようとするザムザザーだが、その先からはインパルスが向かってきていた。前後を挟撃される形となったザムザザーは、陽電子リフレクターを展開しながら、インパルスへと特攻していく。
「――なっ!? 突っ込んでくる!?」
 ザムザザーが取った捨て身の戦法にシンは驚きつつも、インパルスの右手に持たせていたビームライフルをビームサーベルに持ち替えさせる。
 シンはオーブ沖で戦った事のあるこの敵MAの弱点に気づいていた。懐に飛び込んで、近接兵装のクローにさえ注意しておけば、存外あっさりと堕とせるのである。
 インパルスはシールドを前方に掲げて、回り込みながらザムザザーとの距離を詰めていく。周囲のダガーLやウィンダムがライフルを撃ってくるが、それらに対しては回避に専念し、反撃はしない。シンはザムザザーの撃墜を優先していた。
 その時、別の方向からビームが飛来する。セイバーのM106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲だ。ザムザザーはリフレクターを張って防御するが、その所為で動きが止まってしまう。
 それはシンにとって好機だった。迷わず一直線にインパルスを突っ込ませる。
「はあぁぁっ!!」
 インパルスの方に振り返ったザムザザーの頭部に、ビームサーベルを突き刺し、CIWSを打ち込みながら後退する。数瞬の後、ザムザザーの巨体が爆散した。
 要の陽電子砲とMA隊を失った連合軍は、ガルハナン基地を放棄して撤退していく。

=========================
126 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:53:59 ID:???

 連合基地の陥落の報せに、ガルハナンの町は騒然としていた。怯え潜んでいた町の人々が家を飛び出し、勝利の歓声を上げている。連合の旗が引きずり降ろされて踏みつけられていた。
 喜びに沸く人々の中心では、一人の少女が担ぎ上げられている。町の命運を背負い、見事に今回の大役を果たしたコニールだ。
 シンはインパルスのコクピットから地上へと降りながら、その光景を見て嬉しくなる。
 解放の喜びに熱狂している町の様子に、彼は達成感を噛み締めていた。自分が何かを守ったという証のように、人々の熱を帯びた声が身体に染み込んでいくようだった。
 密かな満足感に浸っていた彼の所へ、セイバーから降り立ったアスランが歩み寄って来た。彼に声を掛けようとしたシンは、相手が暗く沈み込んだ表情をしている事に気づいて訝る。
「どうしたんですか? どこかやられましたか――貴方ともあろう人が?」
 つい皮肉っぽくなってしまうが、言葉の最後の部分はシンの本心であった。
「あ……いや。――大成功だな。よくやった、シン。君の力だ」
 アスランは言われて初めて気づいたみたいに、慌てて笑みを浮かべると、シンを称えた。
「……そんな事ないですよ」
 シンは照れを隠すように俯いて答える。こみ上げてくる喜びに、身体がむず痒くなるのを感じていた。
 彼の信頼に応えられて、それを認められて――舞い上がりそうになる自分を誤魔化すかのように、シンは笑いながらアスランを睨む。
「あっ! でも、あれ酷いですよ! もう、マジ死ぬかと思いました。あんなに何も見えないなんて、言ってなかったじゃないですか!」 すると、アスランは何食わぬ顔で答えた。
「そうか? ちゃんと言ったぞ。データだけがたよりだ、って」
「いや、それはそうですけどね――」
 なおも文句を続けようとするシンに、アスランは柔和な眼差しを向ける。
「でも、お前はやりきったろ? できたじゃないか。……それも、俺は言ったぞ?」
「そ、それもそうですけど……」
 口ではつい言い返してしまうが、シンはアスランからの言葉に心が満たされていった。
「さ、戻るぞ。俺達の任務は終わりだ」
「……はい!」
 アスランに促され、インパルスへ戻ろうとするシンに、コニールが声を掛けてきた。
「あ……あの!」
 シンが振り返ると、少女は何かを言葉にしようとするが、まごついてしまって上手くいかない様子だった。そんな彼女を見て、シンは嫌味のない程度の得意げな顔で訊く。
「……見直したか?」
「うん! ありがとう!」
 笑顔で答える少女の頭を、シンは撫でてやった。
 だが――


 ふとした拍子に、シンの視界にあるものが入った。 
「──なっ!?」
 彼は、熱狂の隅で行われている凄惨な光景を目にして衝撃を受ける。ただ呆然と立ち尽くしていると、右肩に手を置かれ、そちらの方に振り返った。シンのところまで、アスランが戻って来ていた。
「……アスランさん」
「惨いな……。惨いが、それだけ彼らも虐げられてきたんだろう。今まで我慢してきた連合への怒りや恨みが、一気に吹き出しているんだ」
 目の前の惨状を冷静に分析するような口調のアスラン。だが、その表情は先程と同じ暗く沈んだものだった。彼もまた、この凄惨な光景に気づいていたのだと、シンは察する。しかし、アスランのように冷静ではいられなかった。
「それは……ですけど! こんな……」
 シンはやりきれない気持ちを言葉にしきれない。彼とて、ガルハナンの人々の心情も分からなくはないが──
 連合の施設は尽く破壊されていく。物陰に隠れている連合兵を引きずり出しては、集団で暴行し殴り殺す。他方では、両手を頭の後ろに組まされて横一列に並べられた連合兵達が、頭を撃ち抜かれて射殺されている。
 恐怖に顔を引きつらせて涙を浮かべる連合兵を、ガルハナンの住民達は一片の憐れみさえない嬉々とした表情で暴虐していく。その光景は、あまりに無残なものだった。
「……これも戦争の一面だ。一方が勝てば、負けたもう一方が苦しみを嘗める。戦いの向こうには、必ずこんな図式が待っているんだ」
 シンを諭すように言葉を吐くアスランも、苦々しい表情をしている。
 と――
 これまで、シンとアスランの間で黙ったままだったコニールが口を開いた。
「……これまで、私達だって酷い目に合わされてきたんだ。……同じ事をやり返したって、いいじゃないか」
 しかし、少女は言葉とは裏腹に、まるで許しを乞うような眼をシンに向けている。負の感情に染まりきるには、少女は周りの大人達に比べて、まだ幼すぎたのだ。
127 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 18:55:03 ID:???

 彼らのいる場を気まずさが支配し始めた時、拡声器越しの声がガルハナンの町全体に届く。
『ザフト軍司令官のヨアヒム・ラドルである。ガルハナンの現地住民の皆様方に申し上げる。この地にいる地球連合兵は全て、我々ザフト軍の捕虜となる。よって、住民の方々には連合兵の身柄確保に尽力して頂きたい』
 ラドル司令官の発する言葉と共に、武装したザフト歩兵がガルハナンの町に散開していく。彼らは住民と連合兵の間に割って入る。
 ザフト――というより、プラントとしては、現在起こっている虐殺行為を許すわけにはいかなかった。これを見過ごしてしまう事は、プラントが連合兵に対するレジスタンスの蛮行を黙認した事に等しいからだ。
 ザフト兵が連合兵を連行していく様を、ガルハナンの住民達は不満そうな顔をしながらも、黙って見送った。ザフトの機嫌を損ねる事を――何より、たった今、連合軍を討ち破ったばかりのザフト軍の力を、彼らが恐れているからである。


 シン達もその様子を黙って見ていた。三人三様の複雑な表情をして。
 やがて、シンが気遣うようにコニールへ声を掛ける。
「コニール……」
 シンには、少女に対して何と言って良いのか分からなかった。
 しかし、少女は首を横に振る。
「……いいよ、別に。連合からは解放されたんだし……みんな、ザフトには感謝してる」
 コニールはシンの眼を縋るように見上げて尋ねる。
「ザフトは連合みたいな酷い事……しないんだよな?」
 成り行きとはいえ、住民が力で抑えつけられる様を見て、少女は不安になったのだ。
「あ、当たり前だろ? そんな事、絶対しないって」
 シンが慌てて答える。
「安心してください、ミス・コニール。ザフトはその様な事はしませんよ」
 アスランは優しげな表情でコニールに言う。
 二人の答えに少女も納得したのか、少しだけ笑って見せた。

=========================

 それはデュナメイスから帰艦命令を受けた直後だった。
 戦闘の緊張を解いた途端、全身が疲労感に襲われた。視界は霞み、耳鳴りも酷い。なにより、頭痛が耐え難かった。
「うぅぅ……」
 朦朧としながらも、必死に機体をデュナメイスの右舷ハッチへと向かわせる。本来の彼の操縦技術を知る者が見れば、必ず訝るだろう乱暴さで着艦を果たす。それ程、現在の彼には余裕がなかった。
「はぁ……はぁ……」
 呼吸は荒く、動悸も激しい。頭痛はますます酷くなっている。
 コクピット内に微かな衝撃と音が響く。MA時の戦闘機形態である為、コクピット側にタラップが架けられたのだろう。
 機体から降りようとコクピットハッチの開閉ボタンに小刻みに震える手を伸ばしたところで――キラの意識は途切れた。
128 ◆GmV9qCP9/g :2007/04/14(土) 19:02:01 ID:???
第24話、投下終了です。
やっとガルハナン編までが終わり、自分の中では一段落つきました。

次回までは、またまた間が空くかもしれませんが、忘れないでいて下さいまし。

ではではノシ
129通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 19:11:04 ID:???
ハイペースな投下乙なの!
キラの種割れが高性能化したと思ったらハイリスクに…
なのはがいないのもそうだけどそろそろ管理局の方々にも出てきて欲しいな
特にヴィータとかヴィータとかヴィータとか。
130通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 19:57:12 ID:???
乙だぜ!
確かにヴィータは欲しいのう
131通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 21:05:31 ID:???
フェイトに決まってるだろうが!!!!
132通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 21:07:55 ID:???
お前ら本当にヴィータ大好きだなw
まあ、なのは・フェイト・はやてが三人共成長してしまった以上、とある需要をほぼ一手に引き受けてるからな…
133通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 21:22:23 ID:???
ちびアルフもいるじゃないか
134通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 22:02:04 ID:???
キャロル忘れんなやコラ
135通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 22:46:32 ID:???
誰ですか、そのサイコキネシスで関節を破壊するのが大好きな女の子は
136通常の名無しさんの3倍:2007/04/14(土) 23:16:46 ID:???
>>134
お前こそ「キャロル」って続けんなや
乳触られても無反応な彼女の名前はキャロ・ル・ルシエだ
137通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 00:55:34 ID:???
結局キラマンセーか
138通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 01:14:28 ID:???
お前はそんなになのは達がキラ虐殺する最低SSが見たいのか?
139Re 黒い波動 ◆sczCv7JGpg :2007/04/15(日) 01:22:02 ID:???
ふー、アイデアが浮かんでもどこか似たような話になるなー。
ここではなのは無印とのクロスは投下されたっけ?
140通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 01:34:32 ID:???
キャロが一番可愛いんじゃね?
141通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 01:39:41 ID:???
>>139
そういやされてないような
142:通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 02:21:16 ID:???
プロローグ的なものがチラホラと

本格的に始まってるのはない希ガス
143通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 02:30:51 ID:???
では、ありなんじゃね?
144通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 09:22:54 ID:???
流れを断ち切るようで悪いが一番かわいいのはエリオ君だ。
145通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:07:47 ID:???
否定しません
淫獣の後継者になりそうだがw
146通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:38:06 ID:???
ないきがするといえばここのss全体にいえることだがキラとフェイトはほぼ会話
してなくね?
会話させにくいのか?
147通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 14:53:57 ID:???
>>145
いやぶっちゃけ淫獣萌えだから
148ガンダムし〜どD´s:2007/04/15(日) 15:15:03 ID:???
D´s26話が出来たので投下します。
149ガンダムし〜どD´s:2007/04/15(日) 15:17:43 ID:???
機動戦士ガンダムし〜どD´s 26話

「え?じゃあなのは、シン君と魔法で戦うんですか?」
「ええ、そうなんですよ」
あの話の後、翠屋でいつものメンバーが話をしていた。
このSS的に言えば、「よく集まってるけどよく儲かるなあんたら」って言いたくなる。
けど、そんな細かいことは気にしないでおこう。
「ちょっと、それって大丈夫なの?」
アリサが心配そうに言う。
皆はそこまで魔法というものを知らない。
だから、なのはとシンが戦うといわれて少々心配になる。
心配ないよ、となのはは笑いながら言う。
「ちゃんと非殺傷設定で戦うから」
そういう問題じゃなくて……と皆はどういおうか迷う。
っていうか、非殺傷設定って何?
「それで、その当のシンは?」
アリサが言うと、あはは……とはやてが苦笑いを浮かべながら言う。
「リンディさんの命令で、レイ君と一緒になのはちゃんとの対策を練ってるところや」
……は?……対策?
「流石にそのままで戦うとなのはさんが勝ってしまうから、ちょっとしたハンデとしてね」
リンディの言葉に意味が分からない、といった顔で皆はリンディとなのはを見る。
そこでクロノが付け足す。
「なのはたちの魔力は管理局にもなかなかいないんだ。管理局の全体で5%前後くらいかな?」
まあ、シンも魔力だけなら高いんだけどね、とクロノは言う。
クロノ言葉にさらに驚く高町家。
皆は驚いた顔でなのはたちを見る。
士郎はふとつぶやく。
「本当に強く育ったなぁ……」
だが、うれしいことはうれしいがどこか心配なところもあるのだった。
恭也と美由希も同じようなことを思っていた。
そこで、すずかが一つ聞きたかったことがある。
「あのぉ、その戦いを、私達も見ることは出来ますか?」
すずかの言葉に、リンディは驚く。
「なのはちゃんがどんなことをしているのか、わたしはもっとしりたいんです」
すずかのことばに、アリサも賛同する。
「あの、わたしもみていい?」
リンディは今度は高町家も見る。
家の人たちもすずかたちと同じ意見らしい。
その反応を見たリンディは。
「本当はアースラの訓練室で戦わせるはずだったんだけど、今回はなのはさんとフェイトさんが戦った海の上にしましょうか」
こうして、シンとなのはの戦いに多数のギャラリーがつくようになる。
150ガンダムし〜どD´s:2007/04/15(日) 15:20:18 ID:???
「なあ、レイ……」
レイの部屋で、二人はなのは対策を行っている。
そこでシンはふと思ってしまった。
「なんだ?」
レイはいつものように簡潔にいく。
ちなみに今、今レイの部屋のデスクのパソコンにはなのはの戦闘記録、そしてシンとなのは、二人の能力をデータ化されたファイルなどがある。
さっきから、二人はずっとなのはの映像や資料を見ているのだ。
小学生の女の子の、である。
「これってさ、絵的にかなり痛いと思うんだけど……」
シンはため息をつきながら思う。
そんなシンにレイはいつもの言葉を使う。
「気にするな。俺は気にしない」
まあ確かにこんな細かいこと気にしたらだめだけど……
それよりも、とレイはモニターを見る。
「彼女の戦闘能力だが……」
レイはモニターを動かす。
そのモニターには、今ではなのはと仲のいいヴィータとの戦いが映し出される。
「圧倒的な射撃能力。接近戦は苦手みたいだが、それを補う高い防御力」
シンはヴィータの攻撃を簡単に防ぎ、逆に射撃魔法でヴィータに攻撃するなのはを見て、彼女達とはじめてあったときに放たれた量産型MSのビームを簡単に凌駕する砲撃を思い出す。
おそらくあれもなのはが撃ったものだろう。
ってまてよ……圧倒的な射撃能力、接近戦が苦手な変わりに高い防御能力。
シンはこれに良く似たようなものと戦ったことがあると思った。
「シン、お前の気付いたか」
そういってレイが画面を切り替える。
そこに移っていたのは連合軍のMS、デストロイだった。
「彼女の戦い方はデストロイとよく似ているところがある」
相手の攻撃を絶対的な防御能力で無力化し、大火力で一気に沈める。
確かに、その戦い方はデストロイとよく似ていた。
ただ、とレイは何か恐怖心があるような顔で言う。
「ヴィータとの戦いでも見たように、接近戦でもその防御能力は十二分に発揮されている」
だからデストロイとの戦いのように、接近戦で一気にカタをつけるということができない。
「だが、最も恐ろしいのはこれだ」
そういって次に見せたのはフェイトとの戦い。
「相手を拘束して、身動きが取れないまま最大級の攻撃を仕掛ける」
シンはその映像を見て、普段のなのはから想像できなかった。
けど、とシンはいう。
「多分リーゼのバインドに比べたらたいしたことなさそうだな。あの攻撃も時間がかかるみたいだし、何とか引きちぎれそうだ」
シンは修行の日々を思い出す。
あのバインドに比べれば、多分だがあの二人よりは拘束能力は高くないだろう。
あの拘束はあてるための時間稼ぎといったところか。
151ガンダムし〜どD´s:2007/04/15(日) 15:22:49 ID:???
「そしてこれがおそらくなのはの最強の技だろう」
最後に見せたのが奇妙な化け物との戦い。
ヴィータたちも今回は一緒に戦ってるから、以前言っていた闇の書とかいうものだろう。
その時にみせたなのはの技は、なのはがMSサイズだったらタンホイザーに匹敵する、もしかすればそれ以上かもしれない威力を持っている。
これらを見てシンはため息をつく。
「なんて能力なんだよあいつ。ぱっとみ弱点という弱点はなさそうだな」
ただ、唯一の弱点と取れそうなのは……
「本人は運動がからっきしだめってところかな?」
あと、接近戦が苦手というところと、おそらく移動速度はそこまでというほど高くなさそうというところである。
「全く。簡単に言えば、小型化されて尚且つ強化されたデストロイってところかよ。都市を3つ崩壊させるどころの話じゃないな、化け物だよ」
シンは笑いながら言って、レイもああ、と言う。
「本人が聞いたらなんていうかな?」
シンがそういって、ふと声が聞こえる。
「そうねえ、多分2,3日くらい泣きながら不貞寝するんじゃないかしら?」
後ろからリンディの声が聞こえて、二人はリンディのほうへ向く。
「どう?光明は見いだせた?」
リンディが笑いながら聞いて、まあなんとか、とシンは返す。
「それでね、戦う場所のことなんだけど、海鳴市の上空に決まったわ」
リンディの言葉にえ?とシンはリンディを見る。
てっきり模擬戦室を使うと思っていたからだ。
「それがね、なのはさんの家族とお友達が魔術師同士の戦いっていうのを見てみたいって言ったからちょうどいいと思ってね」
リンディの言葉にシンはため息をつく。
見せ物じゃないんだけど……
それと、とリンディはシンを見る。
「シン君。そろそろ家に帰ったら?しばらく家に帰ってないんだから、はやてちゃんが心配しちゃうわよ」
リンディに言われて、それもそうか、と思うシン。
まだ日にちはあるし、あとはどうたたかうか、だ。
そう思いながらシンは帰路に着いたのであった。

「ただいま」
シンは2週間、いや、気を失っていた分もっとはやての家に帰ってなかったか。
とりあえず、久しぶりに帰ってきたはやての家。
「おかえり!」
はやての声が聞こえて、改めて帰ってきたんだな、と思うシン。
けど……
(いつかは別れなきゃいけないんだよなあ)
自分はこの世界の人間ではないし、自分は帰る世界がある。
だから、はやてたちとはいつか別れなければいけない。
(寂しくなるな)
けど、おそらく帰るとヨウランやヴィーノがうるさくかまってきたり、ルナにいろいろ小言をいわれたり、すぐにまた騒がしくなってくるんだろうな。
そう思いながらシンは居間に入る。
152ガンダムし〜どD´s:2007/04/15(日) 15:25:05 ID:???
「シン!久しぶりにゲームしようぜ!」
ヴィータが二人分のコントローラーを持ってシンにせがむ。
こういうものもう見れなくなるんだなと思うと、少し寂しく感じる。
だから……
「そのまえに、ご飯ができたよ」
はやての言葉に、はやてはすぐにコントローラーをおいて夕食の準備に取り掛かる。
「シンも早よたべよ。今日は久しぶりにシンが帰ってくるからちょっと豪勢にしたよ」
解った。といってしんは台所に行く。
だから、今を思いっきり楽しむことにする。そう決めた。

「シン君って、どんな戦い方するんだろう?」
なのはは自室のベッドで、相棒であるレイジングハートを持って思う。
『それは私にも解りません』
そうだよね、と苦笑いを浮かべるなのは。
ただ、今度戦うことになるのだからやはり気になる。
「土曜日か……お母さんたちも見るからちょっと緊張するなあ」
というより、恥ずかしいという表現が正しいのかもしれない。
「レイジングハート、今度の勝負、がんばろうね」
『イエス、マスター』
二人は、土曜日の決戦に、戦意を高めるのであった。

「そういえばシン」
夕食も終って、皿洗いをしているはやてがシンに言う。
「土曜日のはやてちゃんとの戦い、大丈夫なん?」
はやてにいわれて、うーんと考えるシン。
「まあ何とかなるんじゃないか?」
微妙だなおい、とヴィータが突っ込む。
「いろいろデータや戦闘記録を見たのはいいけど、データだけじゃ分からないこととかあるからなあ」
そればかりは実際戦ってみないと解らない。
「そういえば、ヴィータはあいつと戦ったことあるんだっけ?」
戦闘記録を見て、なのはと戦うヴィータを思い出す。
「ああ。あいつの射程距離にはびっくりした……」
ヴィータは、自分が想像もしない距離からの遠距離砲撃を思い出す。
あのときにリーゼたちがいなかったら危なかっただろう。
(なるほど、射程も長いのか)
シンはその戦いを知らないので、少し頭にとめておくことにした。
「ほか、うちらはシンを応援せなあかんな」
多分なのはを応援する人が圧倒的多数だろう。
だったら自分達はシンを応援しよう。
「みんなもそれでええよな?」
はやての質問に、ヴォルケン全員が首を縦に振る。
こうしてとうとう決戦の日が来るのだった……
153ガンダムし〜どD´s:2007/04/15(日) 15:27:14 ID:???
D´s26話投下完了。
次回、とうとう決戦開始です。

それで、ちょっとしたアンケを。
シンのアームドデバイス「ステラ」を普通のデバイスっぽくしゃべらせるか、
それともステラっぽくしゃべらせるか。
どっちがいいかアンケートをとってみようと思います。
次は、まじかるしん4話の修正版を投下予定。
154通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 15:36:08 ID:???
GJ!

ステラは…やっぱりステラっぽく喋らせた方がいいのでは?
155通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:03:14 ID:???
普段はフツーでここぞというときにステラ口調で。なんならシンの脳内ってry
156通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:35:37 ID:???
GJ!
デバイスにも個性を持たすのがいいと思うので
ステラっぽく喋るのがいいと思う

>「土曜日のはやてちゃんとの戦い、大丈夫なん?」
>はやてにいわれて、うーんと考えるシン。

ちょwwwwwwはやてwwww
157通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:48:50 ID:???
GJです!
なのは=デストロイ ヒデェww
しかし納得できるのがまた。

シンのデバイスはステラっぽい方が好みです。
「はーい、ステラです。でもごめんなさい。 ステラは今戦闘できません」
158通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:50:46 ID:???
>>157
混ぜるな危険w
159通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 17:51:22 ID:???
ステラっぽく喋ったらシンが四六時中デバイスといちゃいちゃする変態に・・・
でもステラっぽいってだけで人格までステラとは限らないか・・・それはそれで微妙なジレンマが
160通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 18:10:54 ID:???
大丈夫だ
すでに夢の中でステラとのイベントが発生してるから
そんなことは微塵も考え付かないはずだ
161通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 18:27:31 ID:???
>人格までステラ

戦闘行動に成功した時:「私も…シン守る」
戦闘行動に失敗した時:「お前…何なの!?」

こうですか?
162通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 19:27:28 ID:???
口癖は「ウェーイ」か?
163通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 19:41:47 ID:???
フェイトやクロノはガンダムに例えるとどうなるんだろだれか考えてくれ
164通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 19:49:45 ID:???
「行くぞ!ステラ!!」
「うぇ〜い!」
こうですか?
165通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 19:57:54 ID:???
>>163
フェイト・・・ガンダムじゃないけどトールギス
クロノ・・・バーニィが乗ったザク

かなw
166通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:16:30 ID:???
>>163
まず炒めたデスサイズにクロスボーン系を鍋肌で焦がしながら適当に垂らします。ノーベルを少しずつ入れて鍋を振って2、3度ひっくり返しながら馴染ませてやればフェイトっぽくね?

クロノはよく分らんな。尖らないバランスタイプだし
167通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:17:07 ID:???
なら

はやて…サンドロック、フリーダム、ストフリ
シグナム…エピオン、クロスボーンガンダム3号機、ソードカラミティ
ヴィータ…シャア専用MS各種、ゴッグ、レイダー、
シャマル…アイザック、フォビドゥン、ドラグナー3号機
ザフィーラ…バクゥ、ガイア
アルフ…ラゴウ、虎ガイア
淫獣…バクゥハウンド

か?w
168通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:32:55 ID:???
>>166
クロノは多芸と地味さでジャスティスがいいのでは?
169通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:44:19 ID:???
多芸で地味…F90とか?
170通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:46:11 ID:???
インパルスもある意味地味。
171通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:48:51 ID:???
いやクロノはワンオフ機じゃなくて
多くのパイロットに使われたベストセラー機だろ
172通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 20:51:37 ID:???
ザクか!!
じゃあ、もっと性能を上げてクロノはRFザクという事でひとつ。
ガンダムじゃねぇなぁ。

地味度だけどハイスペックという事を考慮すれば、GP01かな。当時にしてはべらぼうな性能だ。
173通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:08:18 ID:???
ゲルググだね量産機だと
174通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:16:43 ID:???
ジムカスタムのこと、たまには思い出してあげてください…
175通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:21:50 ID:???
あえて言おう・・・半端なんでデスティニ−
176通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:25:34 ID:???
デスティニーを馬鹿にするな!
確かに火力でストフリ、伝説に劣り、格闘でも隠者に劣るかもしれん

でもな!名無しの量産機にだけは負けないんだぞ!
177通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:29:59 ID:???
>>176
それまさにクロノではないか。だが奴は勇者仮面たおしているから・・・・・
178通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 21:39:47 ID:???
やはりザクだろ
うまい人が乗ればガンダムも倒せるし
179通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 22:00:43 ID:???
高性能機でそれなりに活躍の場もある
だけど主役クラスのカスタム機には決して勝てない

セイバーだな
180通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 22:01:46 ID:???
それもありだな
白い悪魔=なのはだし
181通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 22:05:25 ID:???
種死で言うところのザクファントムかグフってとこか。
或いはUCだとゲルググとか。
ワンオフじゃなくて、量産機体のエース用カスタム版みたいなイメージがある。
182通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 22:13:01 ID:???
それならデュランダルでシャア系の機体だな
183通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 22:53:10 ID:???
D's氏、GJです。
シンはやっぱり帰る気でいるか・・・いや、今後どうなるかわからんけど。
ステラに関しては、個人的には普段は普通で、大技かますときに「うぇーい!」とかで完全にそうするより控えめの方がいいかと。
184通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 22:59:05 ID:???
闇の書の闇「なんでそんな魔法を地球で撃つ?これでは、地球が寒くなって人が住めなくなる。エターナルコフィンの冬が来るぞ」
デュランダル「闇の書の闇に住む者は自分達の事しか考えていない、だから凍結すると宣言した」
闇の書の闇「デバイスがロストロギアに罰を与えるなどと」
デュランダル「私、デュランダルが凍結しようというのだ、闇の書の闇」
闇の書の闇「エコ(エターナル・コフィンの略)だよ、それは」
デュランダル「はやてが持たん時が来ているのだ」
185通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 23:17:40 ID:???
>>183
最終回予想

はやて「どうしてもCEへ帰るん?シン。
    もう身内はいないんやろ? よかったら私らと一緒にミッドチルダに行かへん?」
シン「はやて…身内はいなくてもCEは俺の故郷なんだ…
   故郷には思い出がある。どこへ行っても必ず帰ってしまうところなんだ。
   何かあったら呼んでくれ…
   平行世界中どこでもすっとんでかけつけるよ」
はやて「さびしくなるなあ……」
ヴォルケンズ「…………」

ガシィッ!!

シン「それじゃあな! 老成しすぎの小学生! 長生きしろよ!!
   そしてその忠実な騎士達よ! 俺のこと忘れるなよ!」
シグナム「また会おうッ! 我らの事が嫌いではないならな!」
ヴィータ「忘れたくてもそんなキャラクターしてねぇぜ……てめーはよ」
シン「あばよ……」


バァーーン! (ガンダムし〜どD´s 完)
186通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 23:30:12 ID:???
そして亀になるんだなシン
187通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 23:33:32 ID:???
むしろ、キララクの政治で荒廃してそうなCEを見限るという超展開とか・・・
188通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 23:36:03 ID:???
>>187
汚い油だなぁ
189通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 04:47:38 ID:???
いきなりメサイア攻防戦のど真ん中に放り込まれて

「な、なんなんだ?ここどこだ?何で俺ここに放り込まれたんだ?」

というオチ。あの魔女の釜状態の戦場に放り込まれたらちょっとアブない。
190通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 17:50:53 ID:???
ガンダムし〜どD´s氏、乙なの!

>接近戦でもその防御能力は十二分に発揮されている
とあるMADを思い出してしまったw
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm68863
191通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 19:43:53 ID:???
>>178
ザクは管理局員です。
192通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 20:38:08 ID:???
次回、ベルカ式作画にTake off
193Re 黒い波動 ◆sczCv7JGpg :2007/04/16(月) 21:50:56 ID:???
もしかしてプレシアって五十代っすか?念のために確認したいのですが。
194通常の三倍の7:2007/04/16(月) 21:57:54 ID:5MObXaDq
にしても連合はザンスカールと同じくらい防御力が厄介なMS造るよねーw
195通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 22:02:32 ID:???
>>193
中年なんだろうけどあの服装で若く見える
196リリカルDS☆7ucUemKu:2007/04/16(月) 23:22:26 ID:???
>>193
プレシアは、28歳の時に1児の母って書いてあった〜
そんで5歳で娘死亡から26年経過で一期らしいので59歳で亡くなったのかも。
197通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 23:42:02 ID:???
もうすぐ還暦だったのか・・・
198通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 00:10:57 ID:???
せめて40代ならば……
199通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 00:35:02 ID:???
>>198
世界が世界だから魔法で老化防止してるかもしれんよ?
それかリンディも含めて見た目があまり変らずに老化していくとか
200通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 00:38:58 ID:???
サイヤ人系なんだな、きっと
死ぬ間際に急激に(ry
201通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 01:57:32 ID:???
ある意味萌えねぇ?
202通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 17:30:10 ID:???
キャロ・ル・クルーゼ
203通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 19:52:56 ID:???
思うんだがキララクは人の心を操る精神侵食魔法の素質があって、
だからあんな電波を撒き散らしてもマンセーされんのかも
204通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 19:58:12 ID:???
踊り子さんにはノータッチでお願いします。チップを挟むのもダメです。
205通常の名無しさんの3倍:2007/04/17(火) 20:40:29 ID:???
戦後のCEは「火薬庫」だからなぁ・・・
海鳴市に留まった方が幸せとも言えるがw
206通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 08:42:47 ID:???
リリカルマジカルは比較的よく見るのに
アルタスクルタスエイギアスはあんまり見ないなぁ
207通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 15:21:12 ID:???
言いにくいし、長いからじゃない?
知名度も低そうだし
208通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 18:20:15 ID:???
>>205
はやてとかフェイトあたりは許してくれないんだろうね、残るの
恋仲にでもなれば違ってくるだろうけど、二人とも夢を夢として切り捨ててた描写があったし
209通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 22:14:00 ID:???
機動6課のヘリのデザインは本当に酷いね
機能性が全く感じられないよ
210通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 22:31:31 ID:???
『機動六課のヘリ』ならまだデザインにこだわった、でいいけど
どいつもこいつもあのヘリを使ってるとしたらどうかと思うな
211通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 00:04:01 ID:???
あれは本来は陸戦部隊用で、地上での使用が主目的なんだよ。
キャタピラがメインで、プロペラはおまけ。
212キャタピラは商標:2007/04/19(木) 04:46:13 ID:???
>>211
履帯なんて付いてました?
付いてたとしてもあの形状では走破性は激しく悪そう

しかし、ヘリで一番脆弱性の高いテイルローターが無いのは評価できますね
カウンタートルクは魔法かな?
213ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 09:48:23 ID:???
まじかるしんを投下します(以前言われたけど名前がすっとD´sなのは、とりあえずこれかいてる作者ってことで
214ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 09:54:14 ID:???
魔道戦士まじかるしん第4話 「転属」(修正版)

「はい、これでよしっと」
本局の治療室で、なのはは以前の戦いの傷の治療をしていた。
「傷口はある程度塞いだけど、それだけで痛みは変わらないから無茶はしないようにね。この休日でしっかり身体を休めて備えておいて。じゃないと、すぐにまた傷が開いちゃうわよ」
シャマルに言われて、わかってますよ、と少し苦笑いを浮かべながら答えるなのは。
それより、自分のことよりも……
「あの、ユーノ君は大丈夫なんですか?」
まだ聞いただけなのだが、ユーノも負傷しているという。
自分よりもかなり重症だとも聞いた。
「今は絶対安静で面会謝絶で…ごめんなさい」
以前の戦いの直後はまだ意識はあったが急に様態が急変して、なんとか一命はとりとめたが、今は眠ったままである。
そうですか、と残念そうに肩を落とすなのは。
場には暗い空気が立ちこめ、シャマルが必死に話題探しをする。
「そういえば、とうとう今日ね。機動六課誕生は」
シャマルの言葉にうん、となのはは頷く
今日は、はやてが「機動六課」という部隊を立ち上げる。
はやてを主とするシャマルたちヴォルケンリッターはもちろん。なのは、そしてフェイトもそのメンバーに選ばれている。
「それで、勿論部下は決めてあるのよね?」
シャマルの言葉に、うん、と返すなのは。
自分が分隊長のスターズ分隊。そしてフェイトが分隊長のライトニング分隊の部下は分隊長である自分達が決めることになっている。
そこで、シャマルがさっきはやてが言っていたことを思い出す。
「そういえば、リンディさんの紹介で、あなた達が決めた人とはまた別に、二人ほど入るって話聞いた?」
シャマルの言葉に「え?」となのはは首を横に振る。
そんな話、聞いたことない。
「はやてちゃんも詳しい話は聞いてないんだけど……なんかわけありみたいで……」
まあ、リンディさんが選ぶんだから問題はないと思うけど、とシャマルは考える。
そんな人が来るんだろう。なのはもそんな疑問を抱きながら二人ははやての部屋に向かうのであった。

「へっくしょい!!」
シンは廊下で思いっきりくしゃみをする。
「どうした、風邪でもひいたか?」
そこを横にいるヨウランがからかうように言う。
「いや、どうせあいつが俺の悪口でも言ってんだろ」
シンは簡単に言った。
あいつとは、現在のシンの上司であるジェラード・ガルシア提督である。
彼は、どうもシンを嫌っている。
その理由はシンを含め4人とも知っていた。
それは、シンがコーディネーターだからである。
215ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 09:56:49 ID:???
コーディネーター。少数民族の一つだが、他の民族とは事情が違う。
一つは、少数民族に分類されているが、他の民族と比べて人数が最も多い。
さらに、コーディネーターは他の人には無いものがある。
それは、生まれる際に受精卵の遺伝子を操作し、他の人間よりも頑丈な肉体、運動神経など、他の人間よりも優れた能力を多数持つ民族。
故に、コーディネーターに良い感情を持っていない人も多い。
ガルシアはその見本のようなものである。
「ほんと、やなやつだよな、ガルシア提督ってさ」
ヴィーノが愚痴を言うように答える。
確かに、とシンも同意した。
当初は何でこんな奴が上官になったんだろうと思ったが、多少はこうなることはわかっていた。普通の人の中にコーディネーターがいることはこういうことなのだ。
ガルシア以外にも、訓練時代の同期にもシンを嫌っている人物は多数いた。
だが、それでもシンは管理局で働くことを選んだ。
そう思って言ううちに、目的地に着く。
シンとレイは、緊急の話があるとガルシアに呼ばれた。
「じゃあ俺たちは先に休憩所でいるからな」
二人はそういってシン達と分かれる。
「あの件、ちゃんとやっといてくれよ」
分かってるって、とヨウランは手を振ってその場を離れる。
「シン・アスカ一等空士とレイ・ザ・バレル一等陸士です」
二人はドアの前で挨拶をしてどあのむこうから「入れ」という声が聞こえた。
失礼します。と二人は入室した。
そこには、いかにもえらそうな中年の男がいた。
彼こそがジェラード・ガルシアである。
「以前の戦いでは良くやってくれた。多数の負傷者が出た中、よく無傷で帰還した。とても初めての実戦とは思えんな」
ガルシアは含みがある言い方で二人に言う。
「流石コーディネーターといったところかな?」
ガルシアの言葉にシンのこめかみがぴくっと動く。
そんなシンを気にせずガルシアは続ける。
「まあ、そんな事はどうでもいい。今回お前らを呼んだのは、お前らに転属命令が出されたからだ」
ガルシアの言葉に、二人は疑問を浮かべる。
「転属、ですか?」
ああ、とガルシアは答える。
「本日を持って、お前達は機動六課へと転属になる」
いきなりのことで戸惑うシン。
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなのいきなり言われても……」
そんな事いきなり言われても困る。それはレイも同じだった。
それ以前に、機動六課ってどこだよ。少なくとも自分は知らない。
しかし…
「うるさい、もう上のほうで決まったことだ。反対は許さん」
これでシンははっきりとわかった。
彼は意外と上にも顔が通る。
だから、その権力を利用してのだろう。
厄介払いもいいところだ
216ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 10:00:36 ID:???
「これでもうお前らの顔を見ることはめったになくなるな。寂しいよ」
どこがだ、とシンは心中で突っ込む。
顔はかなりうれしそうである。
「そういう命令ならわかりました。それでは」
レイはガルシアに一礼して部屋を出て、シンも後に続く。
ガルシアはそんな彼らを見て一息つく。
野とあいつが目の前から消えた、とすっとする。
「コーディネーター、造られし人。ふん、忌々しい」
ガルシアはデスクにあるコーヒーを飲んで、机にある書物を見る。
「それにしてもリンディの奴、こんな奴まで面倒を見ようとは」
彼らの転属の際、上のほうもいきなりのことで困惑していた。
そこへ、同じ提督であるリンディ・ハラオウンが彼らを機動六課へ引き入れるといったのだ。
彼女は、他にもP・T事件の時にクローン人間を養子にしたと聞く。
ガルシアは、彼女の考えを理解できなかった。
あんな人間で無い者を、どうして好きで保護しているのかを。
まあいい、自分には関係ない。そう思ったガルシアは仕事を進めることにした。

「ふぅ、やっとおわったぁ……」
そう言って、はやてはその場でうなだれる。
はやてはさっきまで例の事件の処理をしていた。
あまりの量のため、先日からほとんど休んでいないし寝ていない。
「大丈夫ですか?はやてちゃん」
リィンフォースはそんなはやてを心配する。
「心配ないよリィン。ちょっと疲れただけや」
二人で話をしていると、誰かがドアを叩く。
「はやて、今大丈夫か?」
やってきたのはヴィータだ。
はやてはヴィータを部屋に入れる。
そこにはフェイトもいた。
「はやて、お仕事お疲れ様」
フェイトちゃんも、とお互い微笑する。
「そういえばはやて、なんかこの前様子変だったけどどうしたんだ?」
ヴィータに言われて、あのときのことを思い出したはやて。
その顔は少し赤くなってる。
そんなはやてを不思議そうに見るヴィータ。
一方リィンもあれを思い出して怒っていた。
「きいてよヴィータちゃん。この前、はやてちゃんが男性とぶつかって、そいつに思いっきり胸をもまれたんですよ」
それを聞いて、ヴィータ、そしてフェイトもえ、とはやてを見る。
心なしか、ヴィータに殺気が発生した気がしないでもない。
217ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 10:03:46 ID:???
私も思いっきり踏まれて…しかも謝りもしないで去っていって……」
これでは一方的に相手が悪いみたいな言い方をするリィン。
「リィン、少し落ちつき。元はといえば、わたしがなのはちゃんと話し込んで周りを見てなかったんだ悪いんや」
はやての言葉に、そんな事ありません!とリィンは抗議する。
おそらく自分も踏まれたからその怒りもあるのだろう。
「まあ、お互いに非があるみたいだけど、流石に女性の胸を触って謝らないのはひどいかな」
フェイトの言葉に、でしょ、とリィンフォースが言う。
そこでヴィータは思った。
「なあリィン。そいつでどんな奴かわかるか?」
ヴィータに聞かれ、うーんとかんがえるリィン。
一瞬だったが、特徴的なものがあった。
「髪は黒くて……あと目が赤かったくらいしか…」
そう聞いて、ん、と少し考える。
なんかそんな奴を知っている気が…とおもったとき、あ、と別のことを思い出す。
「あいつのことか?なんか違うような気もするけど」
ヴィータの言葉に誰のことですか?とリィンが聞く。
「あの事件のとき、念話が使えなくてはやて探してたら、リィンと同じで黒い髪と赤い目の魔術師にあってさ、そいつがここに行ってみたらどうだ、というポイントに行ったら本当にはやてがいたんだ」
おかげで早く疾風を見つけて、あの鉄球野郎からはやてを助けることが出来た。
「ほな、その人のおかげで、ヴィータが助けてくれて、うちが無事やったってこと?」
ヴィータは頷く。
そこで、フェイトは少し気になる人物がいた。
「ねえヴィータ。その人のデバイスってどんなのだったの?」
デバイスをのこと聞かれて、えーと、と考えるヴィータ。
確か……
「でっかい刀を2本持ってて……それでバリアジャケットは…赤かったよな」
そのヴィータの言葉でフェイトは確信する。
その人は多分少年を助けるときに会った人物だ。
そして、おそらく自分が4年前にエリオたちを預かる前に一時的に保護した人物、シン・アスカである可能性が高い。
「多分だけど、ヴィータに会った人だったら私も会ったよ。その人のおかげで男の子を助けることが出来たから」
へぇ、とヴィータはそいつの顔を思い出す。
あの少し生意気そうな顔を
「とうとう今日かあ、ちょっと緊張するなあ」
はやてはそういって資料を見る。
今日は、自分が機動六課を設立する。
とはいっても、設立してすぐに、皆休暇に入ってしまうのだが……
「なあはやて。私達以外に、いったいどんなやつが来るんだ?」
ヴィータの言葉に、はやては笑いながらいう。
「それは、なのはちゃんやフェイトちゃんに言うて。メンバーは彼女らに任せてあるから」
そういえば、と思い出す。
リンディが言っていたことをまだ話してなかった。
218ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 10:06:09 ID:???
「フェイトちゃん。リンディさんからフェイトちゃんたちが選んだ人とは別に、二人ほど機動六課に配属されるって話し聞いた?」
はやての言葉にえ?とフェイトは疑問を持つ。
そんな話は聞いたことがない。
「なんやようわからんけど、ちょっとした理由で引き入れて欲しいっていわれたんよ」
リンディさんがそこまで言うなら、と了解を得たのだが、リンディ自身もそこまで知らないらしい。
「なんでも、そのうちの一人が少数民族みたいなんよ。ちょっと特殊らしいけど」
それを聞いて、へぇ、とフェイトは返事をする。
そういえば、シンも希少種族、コーディネーターだったなと思い出した。

「ぶえっくしょい!!」
シンは盛大なくしゃみをぶちかます。
「またか?本当に風邪引いたんじゃないか?」
ヨウランに言われて、そうかも、とシンは思った。あとで病室で診察にでも行こうか。
………コーディネーターはあまり風邪を引かないのだが………あくまであまりだが……
二人はあの後待ち合わせ場所である休憩ルームに腰をかけていた。
「それにしても急だよなあ、転属命令って」
ヴィーノがそういって、シンはいう。
「どうせ厄介払いだろ。こっちだってせいせいするさ。あんな上司の元で働かなくてすむからな」
シンは笑いながら言う。ガルシアに聞かれれば厄介なのだったが、もうシンは奴の部下ではない。多少の悪口を言ってもどうにかなるだろう。
「悪いなレイ。お前まで巻き込んで」
そんなシンの言葉に、レイは気にするな、と簡単に言った。
二人はこの後、機動六課の部隊長のところへ顔見せにいく。
「機動六課かあ、ヨウラン、お前知ってるか?」
ヴィーノの言葉に、うーんとヨウランは考える。
「っていうか技術斑ってそんな事知ってるのか?」
シンの言葉に、いんや、と首を横に振るヨウラン。
「残念だから機動六課なんて俺も知らん。お楽しみってことでいいんじゃないか?」
そりゃあ、そうだけど、とシンは俯く。
「で、その隊長ってだれ?」
ヴィーノの言葉に、シンはああ、と思い出す。
「お前らだって名前は知ってるだろ?八神はやて二等陸佐って人だけど」
八神はやてと聞いて、その人を探していたあの生意気そうな子供を思い出す。
彼女とも一緒に戦うのだろうか……
ああ、とシンの言葉に相槌を打つヨウラン。
「ああ、それは俺も名前は知ってる。すげえよな、19歳で二等陸佐って」
それはシンも思った。
「それに、美人だって聞くよ」
ヴィーノの言葉に、シンはまたか、とため息をつく。
どうしてコイツはこういう話が絶えないのだろうか。
ヨウランはそんなシンを見て一つの作戦を思い出す。
「そういえばさシン、聞きたかったんだけどさ」
ヨウランがニヤついた笑みでシンを見る。
シンはなんだよ?といいながらコーヒーを口に含む。
219ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 10:07:32 ID:???
「数日前の隊長クラスの人の胸の感触はどうだったんだよ?」
「ぶっ!?」
「きゃっ!」
あのときのことを言われて、シンは思いっきりコーヒーを吹き出してしまう。
「げほ…げほ…な、何言い出すんだよ急に!」
顔を赤らめてるシンに、ヨウランは悪い悪い、と軽く謝る。
はあ、掃除しなきゃなと思い前を向いて、シンは固まる。
そんなシンを見て、ヨウランたちも前を向いて固まった。
「シン、わ…悪かった」
今度は本当にすまなさそうに謝るヨウラン。
が、既に遅い。
まだ一人で掃除をしたほうがはるかにましだった。
そこには、顔と服がシンの吹き出したコーヒーによって汚れた教導管がいたのであった。
「見ない顔だけど、ちょっと私の部屋まで来てくれるかな?」
笑っているが、眉間にしわをよせて、声を少し引きつらせていた。

「はぁ」
なのはは自室のシャワールームで身体を洗う。
機動六課のメンバーを待つため、シャマルと一緒にはやての部屋に行こうと思ったのだが、自販機の前で誰かが盛大に吹いたコーヒーで服やら顔やらいろいろと汚れてしまった。
なのはは、シャマルにはやてに遅れるといってもらい、その4人の少年を部屋で待たせ、自分は身体を洗っている。
「制服、クリーニングに出さなきゃ」
また、次の日からしばらく休日で助かったとなのはは思った。
今日はとりあえず予備の制服を着ればいいだけである。
それよりも、あの黒い髪の少年…
「あの子、もしかして……」
確かはやての胸をもんだ人物と一緒のような気がした。
まあそれは後で確かめようと思い、なのははシャワールームから出て着替え、髪留めをしないまま待たせてある4人の元へと向かう。
「それで、説明してもらえるよね」
そこにいた少年達は、事情を話した。
ヨウランがシンをおちょくり、それでシンが驚いてコーヒーを吹いたというわけだ。
「今回は許してあげるけど、以後は気をつけてね。こういうのにうるさい人とかいるから」
わかりました、とシンとヨウランはいった。
「それじゃ、最後に所属と名前を言って」
なのはに言われて、先にヨウランのヴィーノは言う。
「技術班のヨウラン・ケイト」
「同じくヴィーノ・デュプレ」
なのははそれを聞いて、先に二人を返した。
先に二人を返した理由。それはこの黒髪の少年と金髪の少年に用があったからだ。
「それで、あなたの名前は」
なのはにいわれ、一瞬迷ってシンは答えた。
「本日付けで、本局の特務隊Xより機動六課へと転属になったシン・アスカ1等空士です」
「同じくレイ・ザ・バレル1等陸士」
それで、へ?とつい疑問を浮かべるなのは。
220ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 10:09:19 ID:???
自分はこの人物を引き入れた覚えはない。
なら、フェイトが選んだ人物なのか。
いやちがう。フェイトはあの二人だ。
ということはおそらく……
(この二人が、シャマルさんが言ってた、リンディさんが引き入れた人?)
そんななのはに、どうしたんですか?と聞くシン。
あ、いや、なんでも、となのはは言葉を返す。
その後、なのはは席を立ち、一つの写真を手に取る。
「一つ聞きたいことがあるけど、この人を見かけたこと無い?」
差し出された写真と、指で指された人物を見て、シンはあせる。
その人物は、見たときよりも少し若い気がするが、コーヒーを吹く原因となった、シンが胸を触った人物がいた。
シンの反応を見て、やっぱり、とおもったなのは。
「その人は、今とっても傷ついてる。あなたはどうする気?」
なのはの真剣なまなざしに、シンはえっと…と言葉をつまらせる。
正直どうしようか迷う。謝って許してくれるかどうか微妙なのだ。
「あ、あとでちゃんと謝ります」
そんなシンの言葉に、なのはは納得した。
「それでいいよ、ちゃんと謝って、話をしたらいい」
そういって、なのはは手を差し出す。
「じゃあ、今後ともよろしくね」
なのはの言っている意味が分からなくて、二人は、は?と疑問を浮かべる。
「言うのが遅れたけど、私も機動六課に配属される戦技教導管、高町なのは一等空尉。よろしくね」
そういって、なのはは二人の前で微笑んだ。
221ガンダムし〜どD´s:2007/04/19(木) 10:13:11 ID:???
4話修正投下完了。

闇鍋の件なんだけど、なかなかいい具合の材料が決まらないので(ならやるなっていうのが、個人的感想)
試しに募集してみます。
一人最高3つぐらいまでで。
次はなのは強化計画
222通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 10:29:47 ID:???
>>221
GJです(*^-^)b

シンたちの会話良い感じです。
ガルシアも良い味だしててナイス!

シンは全ての次元でラッキースケベ発動してますね(笑)

こちらも、SS書いてますが、なのは『さん』の心情を書くのが難しい(笑)
シャマルさんの中の人ネタを考える日々
223通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 11:07:47 ID:???
にぼし
かつおぶし
利尻昆布
224通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 13:29:26 ID:???
あんころ餅
にんにくの塊
マネキンの指
225通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 16:23:28 ID:???
インパクトがあり
尚且つ食える、がウボァーな物か・・・

ドジョウ
ゴーヤ
レバー
226通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:06:37 ID:???
ヘビ
サボテン
カエル

かなぁ…?
227通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:11:32 ID:???
ウサギ
ネズミ
ハト
228通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:13:52 ID:???
わさびチョコレート
暴君ハバネロ
かりんとう
229通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:19:35 ID:???
アルフ(子犬)
ザフィーラ(子犬)
フェレット
230通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:21:18 ID:???
イモリ

231通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 17:37:47 ID:???
カレーパン
メロンパン
チョココロネ
232通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 18:27:48 ID:???
>>229
ちょwwwwwwwwww

うまい棒(めんたい)
うまい棒(チーズ)
うまい棒(ポタージュ)
233通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 18:53:55 ID:???
イチゴ
ウナギ
松坂牛

どっかの闇鍋と一緒だよorz
234通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 19:38:30 ID:???
たわし
なめたけ
エビフライ
235魚好き名無し:2007/04/19(木) 20:30:13 ID:HIzxRppf
※日本海の荒波を生き抜いた本鮪
※ノルウェーの川に無事生還したキングサーモン
※琵琶湖で吊り上げてしまい、リリース出来ずに処分に困っていたブラックバス
236通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:06:46 ID:???
巨人
大鵬
玉子焼き
237通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 21:44:52 ID:???
中国産野菜
韓国産餃子
アメリカ産牛肉
238謎の食通:2007/04/19(木) 22:57:30 ID:???
>>235
ブラックバスなめんな
239通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 22:59:52 ID:???
ゼルエルの肉片
まもののエサ
モルボルの触手
240通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 23:10:23 ID:???
レイジングハート
バルディッシュ
リィンフォース
241通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 23:31:23 ID:???
>>238
塩焼きは結構いけるよね>ブラックバス
煮物やムニエルも美味しかった。
鍋にしたことはないけど。
242通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 00:29:21 ID:4MITPvMp
シモフリトマト
ザザミソ
リュウノテール
243通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 00:36:29 ID:???
sage忘れスマンorz
244通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 01:03:17 ID:???
いい具合に白黴が生えた白米
いい具合に黒くなったバナナ
SAVAS(バニラ風味)
245通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 01:05:59 ID:???
間違えた、ZAVASだ
246通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 02:25:12 ID:???
液体でもいいならだが
コーラ
コーヒー
ポーショん
247通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 02:34:55 ID:???
>>242
貴様、ハンターだな!?

248通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 03:17:56 ID:???
ふつうに変な物
さつまいも
リンゴ
白子
249通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 09:39:38 ID:???
アンキモ
アンキモ
アンキモ
250通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 16:03:41 ID:???
>>248
さつまいものどこが変だと小一時間(ry

ピーマン
納豆
蜂の幼虫
251お菓子愛好家:2007/04/20(金) 16:24:48 ID:OchRJ6HK
≫235 ブラックバスバーガーなら食った事ある。なかなか美味だった定価850。

満月ぽん
キャベツ太郎
タマネギ親子
252Re 黒い波動 ◆sczCv7JGpg :2007/04/20(金) 17:55:39 ID:???
豚肉
鶏肉
牛肉

無印なのはでクロスするという件は忘れてください。自分では無理でした。
253通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 18:26:59 ID:???
そっか残念だな
書きやすいのからよろしく
254通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 20:55:56 ID:???
ミソペースト
ココアパウダー
片栗粉
255通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 20:58:26 ID:???
>>254
ボルシチ作る気かw

みそって普通に鍋に入れる気もせんでもないが
256通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 21:11:51 ID:???
>>255
正解wリインUのトラウマをえぐりますw
・・・まだいないorz
257ガンダムし〜どD´s:2007/04/20(金) 21:24:17 ID:???
って、ちょっと見ない間に予想以上にレスがきてうれしい、うれしいけど……せめて鍋に入れて解けないものを……スナック菓子とか絶対解けそう……
まあ、指定してなかった自分が悪いんだけど
258通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 21:24:30 ID:???
>>256
いやいや、いるいるwwwwwちゃんといるからwww
259通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 21:25:29 ID:???
>>257
ロストロギアなスナック菓子ということでw
260通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 22:06:05 ID:???
>>258
そうだっけ?リインがいるのはまじかるシンのほうだけじゃなかったのか・・・
261通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 22:06:47 ID:???
トラ
鶉の卵
フェイト
262通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 22:12:40 ID:???
>>260
24話に出てきている
それよりも前に出てきてるはずなんだが発見できない
263通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 00:44:43 ID:???
馬肉
イナゴの佃煮
ドリアン
264通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 00:51:17 ID:???
>>262
確認した。入れ替わりとごっちゃになってたわ
265通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 00:52:51 ID:???
ここって新しく書き始めてもいいの?
266通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 01:02:19 ID:???
Yes,All right!
267通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 13:41:05 ID:???
まとめサイトで完結してたから、シンとヤマトの神隠しを読んで、今、全部終わったけど…
面白いな。
特に戦闘が…。
268麺屋武蔵:2007/04/21(土) 21:10:44 ID:rpN+MQMj
まずはとんこつ
鷄ガラ
極中細太麺。トッピングはマー油に味玉子にノリにネギに決定だな……。
269通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 21:13:24 ID:???
????
270通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 21:29:50 ID:???
>>268は誤爆かな?
271通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 21:31:16 ID:???
闇鍋へのネタ提供かもね
272通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 21:58:56 ID:???
なのはさんはシュヴァルツの頭領。
ガル様はシュヴァルツの一員
シンもシュヴァルツに・・・
273通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 22:56:11 ID:???
今文章化してて思ったんだが、デバイスの『なおる』は『治る』?それとも『直る』?
274通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 22:58:12 ID:???
>>273
レイジングハートやバルディッシュみたいなインテリジェントデバイスは「治る」
それ以外は「直る」でいいんじゃ?
275通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 22:59:32 ID:???
d。
じゃあ、それでいってみる。
276通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:18:52 ID:???
オナる
277通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:55:17 ID:rpN+MQMj
お前らに質問。ラーメンにチャーシューはどのくらい重要?俺的にリリカルなのはでのヴィータ級に重要なんだが……。
278通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:55:53 ID:???
ヴィータ級って何か微妙だな
279通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:58:54 ID:???
ヴィータがいなかったら・・・二期は本当にフェイトの一人舞台になってたかもな

俺は・・・三期のクロノ級に重要
280通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:01:34 ID:???
じゃあ俺は「バルディッシュ」級だな
281通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:06:56 ID:???
「リニス」級に大事だ
282通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:09:47 ID:???
なのは嬢の巨乳さにビックリだ
283通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 08:45:00 ID:???
昔はヒロイン一のひんにゅーだたのに・・・・
284ガンダムし〜どD´s:2007/04/22(日) 14:08:34 ID:???
そろそろ強化訓練を投下したいともいます
285ガンダムし〜どD´s:2007/04/22(日) 14:10:16 ID:???
「さあてと」
とある休日に、シンは朝早くから目がさめる。
窓を見るとまだ日が昇りきっていない。
シンは階段を下りて居間に行く。
そこにはシグナムが素振りの準備をしていた。
「どうしたのだ、今日はやけに早いな。主もまだ寝ているのに」
シグナムにいわれて、シンはああ、と簡単に言う。
「今日は朝からちょっと用事がね」
そういってシンは準備をする。
「用事?」
そういえば、まだはやて達に言ってなかったな、とシンは思い出す。
「なのはの限りなく低い運動神経をどうにかするために今日は魔法の訓練じゃなくてそっちのほうの訓練をね」
ああ、とシンは付け足す。
「もしかしたら、朝飯は遅れるかもしれないってはやてに言っておいてくれ。なんか長引きそうな気がする」
確かに、とシグナムは笑いながら庭へ向かう。
シンも準備をして、なのはがいつも魔法の訓練をしていたところへと向かった。

D´s短編集 なのは強化計画

まだ日が昇りきっていない海鳴市。
その丘で、数人の男女がいた。
「で、なんでお前らまでいるんだ?」
シンはベンチを見る。
そこには、フェイトとすずか、そしてアリサもいた。
アリサはジュースを飲みながら言う。
「別にいいじゃない。私たちも見てみたいし」
絶対おちょくる気だろ。そう思いながらシンはなのはのほうを見る。
「よろしくね」
一応準備体操もして、ヤル気はあるようだ。
とりあえず今日は……
「初めてだからか簡単なのがいいよな」
そう思い今日やることは。
「じゃあランニングだな」
運動神経云々よりも、まずは体力からつけなければいけない。
「うえぇ」
だが、ランニングと聞いただけでなのはは少し嫌な顔をする。
さっきのヤル気はどこへやら……
「そんな顔しないでこれを足につけてとっとと走れ」
そういってシンがなのはに渡したのは、錘だった。
「これをつけるの?」
少しぶつくさ言いながらも足につけるなのは。
そこはちゃんと真面目にやる。
ふと、シンはとある案を思いつく。
どうせこいつらもいるんだから協力してもらおう。
「お前らも暇だったら走るか?」
シンの言葉に、3人は少し考えて、一緒に走ることになった。
よし、とシンはなのはのほうを向く。
286ガンダムし〜どD´s:2007/04/22(日) 14:11:31 ID:???
「なのは、今からちょっとしたレースをしてもらう」
レース?となのははシンのほうを向く。
これ以上何かあるの?という言葉が出てきそうである。
「この4人で各休憩地点までレースして、なのはがビリになる度にこれをつけてもらう」
そういって取り出したのはさっきなのはがつけた錘(1キロ)よりも少し小さめの500gの錘である。(500gではもはや錘と呼べるか微妙だが)
「えーーー!?」
シンの言葉に、反抗するなのは。
たかが500gだろ……
「絶対無理だよそんなの!!」
この3人に勝てるはずがないのだ。
そんななのはに、うるさいと一蹴する。
「だって、簡単にするって言ったじゃない!!」
はぁ、とシンはなのはのほうを向く。
「あのな、簡単にするのと手を抜くっていうのは意味が違うぞ」
それに、とシンはため息をつきながら言う。
「これでも楽なほうだぞ?日がたつにつれてもっと厳しくいくぞ。体力さえつけば、あとは運動神経と反射神経だからそこまで体力を使わないと思うから」
あと、とシンはフェイトたちのほうへ向く。
「お前らも本気でやれよ。そうしないとなのはのためにならないからな」
解ってるわよ、とアリサは言うが、フェイトとすずかはどうしようか迷っている。
最後に……
「俺は見張るからなのはの後ろにいるけど、俺は順位に数えるなよ」
わかってるよぉ、と既に意気消沈のなのはは深くため息をつく。

「あれ、シンは?」
朝食の準備をしているはやては、この時間なら起きているはずのシンが起きていないことに少し疑問を抱く。
シグナムは朝起こったことを言う。
「アスカは早朝に高町の強化訓練に言ってますが?」
それを聞いてああ、と相槌を打つはやて。
「そういえばそんな事昨日学校ではなししよったな」
一体どんなことしてんのやろ?と笑いながら朝食の準備をするはやて。
「それと、もしかしたら遅れるかもしれないとも言ってましたよ」
シグナムの言葉に「わかった」といってガスに火をつけるはやてであった。

「はぁ……はぁ……もう……無理……駄目……」
なのははベンチでうなだれる。
結局、競争は全部ビリになり、片足に4キロずつの錘をつけて走ったなのは。
休憩があったものの、走った距離も相当なもので、フェイト達も疲れて休憩している。
287ガンダムし〜どD´s:2007/04/22(日) 14:12:59 ID:???
「朝から走るのって、意外と気持ちいいわね」
すずかが疲れているが笑いながら言って、そうだね、とフェイトも言う。
なのはは、そんな3人を羨ましそうに見る。
ただ……
「走るんだったらもっと動きやすい格好で来ればよかった」
まさか走るとは思っていなかったので、普通にスカートで走ることになったアリサたち。
それでも3人はなのはに勝てたのだから、なのはの運動音痴っぷりはすさまじい。
シンは時計を見る。
「10分たった。よし、最初の丘まで戻るぞ」
えぇ、もう?とくたくたでシンの方を見るなのは。
ほとんど目が死んでる。
流石にこれを見たフェイトたちは、
「流石にもうやめたら?なのはが死んじゃうよ?」
というが、シンは……
「何言ってるんだ。限界がきてからが勝負じゃないか。じゃないと体力なんて上がらないぞ」
ただし、と一言付け加える。
「流石にもう錘ははずしてもいいぞ」
シンの言葉を聞いて、ゆっくりと鎖をはずす。
早くはずしたいが、体が言うことを聞かない。
やっとのところではずし終わると、足が軽い。
「へぇ、流石に錘ははずすんだ」
アリサの言葉にまあね、とシンは言う。
「どうせ帰りは上りがメインだからな。錘をつけたままじゃ流石になのはがやばそうだ」
そういえば……と思い出しなのははへこむ。
「よし、なのはの足が軽いうちにいくか」
そういって皆はまた走り出した。

「ぜー…ひゅぅー…ぜー…ひゅぅー…」
やっぱり最後にゴールしたなのはは、ゴールしたとたん原っぱに倒れこむ。
他のみんなも疲れているが、倒れこんだりはしていない。
「も……もう動けない……」
目も虚ろで、今すぐにでも眠れそうだった。
「くーー………」
というか眠ってしまった。
まあそれはべつにいいのだが、問題は……
「で、コイツどうやって家に帰す?」
シンはなのはのほうを指差す。
「予定だったらこのまま解散なんだけど……」
流石にこれは無理か。
それにしても……
「このままだったら先が思いやられるなぁ」
そう思いながらシンは足から錘をとる。
それを見たフェイトが気付く。
「シンも錘をしてたんだ」
ああ、と簡単に返事をする。
「まあ、こっちは一つ5キロだけどな」
これでも軽いもんだよ、と笑いながらシンは錘をバッグにはめる。
さて、当のなのはをどうするか悩んでいたときだった。
288ガンダムし〜どD´s:2007/04/22(日) 14:14:05 ID:???
「おーい、なのは。そろそろ朝飯だからもどるぞって……」
なのはの帰りが遅いので恭也が迎えに来たのだが、原っぱに大の字でうつぶせになって寝ているなのはを見る。
「あ、ちょうど良かった。こいつ寝ちゃって……どうしようか悩んでたんです」
シンはそういって寝息を立てて寝ているなのはを指差す。
恭也はそれを見て微笑む。
「解った。なのはは俺がおぶっていこう。すまないね、君も忙しいだろうに」
恭也の言葉にいやいや、と笑うシン。
「こっちも待ってるだけで暇なんですよ。だから丁度いいとおもって」
そうか、と頷いてなのはを背負う恭也。
「あと、なのはの目が覚めたら、あさっても待ってるから来いって言っておいてください」
週に1回だけじゃ成長は見込めそうにないので、魔法の訓練も考え、二日に一度の交代制にしようと思ってるシン。
わかったよ、といって恭也は家に帰る。
「さあて、俺達も解散だな」
そういってシン達も各自の家に戻っていった。
その帰り。
「なのは、耐えれるかな?」
フェイトの言葉に、シンは考える。
正直今のままじゃ持たないような気もする。
「また、メニューを考え直さないといけないかな?」
やれやれ、とシンはため息をつく。
まだ、なのは強化計画は始まったばかりなのである。
289ガンダムし〜どD´s:2007/04/22(日) 14:15:27 ID:???
投下完了。
とりあえず今回で強化訓練は一応終るけど、気が向いたら続きを書くかも。
290通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 14:33:32 ID:???
鬼教官シン参上
ハートマン軍曹みたいなことやってたらウケるなw
291通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 15:50:25 ID:???
そしてなのはは10年後に高町軍曹と呼ばれ恐れられることに・・・
292通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 18:09:18 ID:???
StSのなのはの素の身体能力はどれほどのものなんだろう
サウンドステージ3か何かで、クロノがサバイバル訓練もやるみたいな事言ってたけど
293通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 19:37:55 ID:???
まあ、10年近く訓練を積んでる以上普通にすごい身体能力持ってる可能性もあるな。
ただ、生身での訓練に時間を取られすぎたことがハヤテより出世してない理由の一つな可能性は無いんだろうか?
294通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 19:49:52 ID:???
シン鬼だ
なのはじゃなくてもこれは死ぬって
295通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 21:40:47 ID:???
>たかが500gだろ……
>「まあ、こっちは一つ5キロだけどな」

シン、自分を規準にするなw
500gの重りつけて走るって、小学生にはかなりキツいぞ
ましてや5キロなんて、普通だったら鍛えた成人男性でも無理w
296通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 00:00:08 ID:???
>>291
毎回新人達に放送禁止用語なことばかり言うなのはさん・・・




嫌すぎる!!!
297通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 01:31:42 ID:???
なのは「このクソ虫どもめ!貴様らはこの世で最も劣ったダニだ!ゴミだ!
     ジジイの○○○みたいにヒイヒイ言いよって、恥ずかしいとは思わんのか?
     この○○持ちの○○○野郎ども!」
298通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 01:52:03 ID:???
「管理局より早く神はこの世にあったの
心はジーザスに捧げてもいい、けど貴様らのケツは管理局の物なの、分かった?豚娘ども!」

(MSを見て)「これが、今回発見されたロストロギア…まるで、そびえ立つクソなの!」

「スバル、ティアナ、クソ真面目に努力する事は無いよ、神様に任せればケツに奇跡をつっこんでくれるの」

「何?その攻撃?じじいのファックの方がまだ気合が入ってるよ!」



なのはさん、マジ鬼教官
299通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 02:16:00 ID:???
これはこれで萌える
300通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 02:19:11 ID:???
>>300とシャマルとはやてはもらっていきますね
301通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 03:09:58 ID:???
>>300
俺の嫁であるところのシグナムがひどくご立腹ですよ?
302通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 16:05:46 ID:???
ユーノ・スクライアは既にミッドチルダの結界外まで飛び出している。

なのは「逃がない!ユーノ!」
ユーノ「おのれ!」
ユーノの攻撃をなのはがかわし、ディバインバスターがユーノを捕らえる
バランスを失ったユーノが、平野に不時着する。なのはもユーノを追うように着陸。
だが、ユーノの手にはスバルが。

ユーノ「このスバルを捻り潰されたくなければ、レイジングハートを捨てろ!」
なのは「くッ……!」

やむを得ずレイジングハートを地面に放るなのは。

スバル「あぁっ……!」
ユーノ「貴様、それほどまでしてこの小娘が大事か……」
なのは「大事なのはスバルだけではない。この時空に生きるすべての生命が大事なの!」
ユーノ「このちっぽけな死に底ないの命を守るために、自分はどうなってもいいというのか」
なのは「どんなに小さくとも、命は宝なの! たとえそれが、あなたのような悪党の命であっても!」
ユーノ「フッ、面白いことを言う……ならば、貴様の大事な命を奪ってやる!」

なのはの脳天目掛け、ユーノがダークスレイヤーを振り下ろす。
あわやと思われたそのとき、なのはは真剣白羽取りでブレードを押える。
瞬間、落とす寸前に律を唱えていたレイジングハートの攻撃がユーノを捕らえる
ユーノの手から宙に放られたスバルを、すかさずなのはが受け止める。
スバル「なのはさん!」
ユーノ「そうはさせん! ストラグルバインド!!」
だがユーノの攻撃が間に合わず、スバルはフェイトに助けられる。
なのは「レイジングハート!エクセリオンモード!」

ユーノ「おのれ!」
なのは「ディバインバスターぁぁぁぁぁ!!」
ユーノ「ネガティブゲイトォ!!!」
303通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 16:07:27 ID:???
2つの魔法が同時に唱えられる。なのはの服が砕け、素肌が露になる。ユーノの鎧が斬り落とされる。

ユーノ「食らえ!!」

平野を舞台に、闘いは尚も続く。互いの魔法が相手の胴を切り裂き、血が飛び散る。

ユーノ「おのれぇ、高町なのはぁ……!」
なのは「勝負……ユーノ・スクライア!!」
ユーノ「なんの!」
なのは「エクセリオンバスター!!!」
ユーノ「インディグネイション・ジャッジメント!!」

必殺魔法が激突。
ぶつかり合う魔法で、両者が激しい光に包まれる。

なのは「はぁぁぁぁぁ──!!」

渾身のなのはの一撃が、ユーノを吹き飛ばす。全身ボロボロになり、大地に叩きつけられるユーノ・スクライア。
ユーノ「うぅ……ひと思いに……殺せぇ!」
なのは「そうはいかない。貴様を逮捕します、ユーノ・スクライア!」
ユーノ「フフフ……できるかな?」
最後の魔力を振り絞ってユーノが高速移動呪文を唱え飛び去る。
なのは「待てっ!」
なのは、そしてフェイトもはやてもユーノの後を追う。
ユーノが目指す先は、何と火山。
ユーノ「高町なのはぁ、貴様の思い通りにはならんぞ!」
突然噴出すマグマ
フェイト「わぁ!?」
はやて「あかん! 呪文で火山を一時的に活性化させた!」

慌ててストップする3人。だがユーノは、まっしぐらにマグマの中へと突入してゆく。

なのは「ユーノ・スクライア!……」
ユーノ「命はロストロギア以上の宝だと……? ならば、この俺の命、貴様ら時空管理局の手に渡してなるものかぁっ!! ワッハハハハァ──ッ!!」」
高笑いと共に、煮えたぎるマグマの中へと消えてゆくユーノ・スクライア……。
なのは「ユーノ……」
304通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 19:00:56 ID:???
アスランがフェイトの心の剣で戦う・・・

そうコレがシャイニングWIND
305通常の名無しさんの3倍:2007/04/23(月) 23:47:01 ID:???
>>285-286
こんな走り方は意味がない
ジョギング・ランニング・ダッシュを組み合わせて
段々と負荷をかけるように鍛えないと
戦いに必要な筋力や持久力は身に付かないよ
306通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 05:23:01 ID:???
>>305
きっと、あの走り方はZAFT'S BOOT CAMPなんだよ
307通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 07:31:23 ID:???
なのはって、無印序盤で結構走りまわってなかった?
それなりに段数がありそうな石段を駈け上って、息切れしてなかったり。

だから、なのはの運痴ネタを初めて知った時は意外だったよ。
308通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 12:55:19 ID:???
『(兄や姉と比べれば)運動音痴』ということなんだと信じて疑わない
309通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 18:42:59 ID:???
ウンチと体力の有無は違う
310通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 20:56:41 ID:???
つまり体力はあるけどどんくさいと
311ガンダムし〜どD´s:2007/04/24(火) 22:55:18 ID:???
D´sと増し駆る新療法書きあがってるので、先にどっちが見たいかアンケ取ります(アンケばっかだな自分……)
312通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 23:05:11 ID:???
まじかるしんを希望します
313通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 23:07:53 ID:???
>>311
取り敢えず吹いたw
で、個人的にどっちも面白いから票は入れない
314通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 23:08:16 ID:???
しかし、D´sに一票
315通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 23:53:29 ID:???
私はまじかるしんに一票。というか二つとも投下!投下!投下!
316通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 00:24:09 ID:???
まじかるしんに一票!久々にみたい!
317通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 00:27:01 ID:???
まじかるしんはまだはじまりだからな。
展開がやっぱり気になってしまう。という事でまじかるしんに一票。
318通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 00:33:38 ID:???
>>312から>>314
一票と一票で時間がたちすぎてしまったから
作者さんも今日は保留にしちゃったのかな?
とりあえずまじかるしんに一票。
319ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:01:57 ID:???
本当は明日に投下しようと思ったけど(スdネイ日塚へ変わってるけど気にしない)
要望があるので票数の多かったまじかるしんを投下
320ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:05:36 ID:???
魔道戦士まじかるしん5話 「六課集結」

ここは、ある惑星のとある場所
「ほお、これが……」
「ええ、そうです。破壊の書です」
そこに、二人の男が話し合いをしていた。
一人は、ムルタ・アズラエル。
そしてもう一人は、紫色の唇がいっそう際立つ奇妙な人物。
彼の名前はロード・ジブリール。
アズラエルと主に、テロ組織「ブルーコスモス」の頂点に立つ男。
「全く、あの時は適当な部下に任せたのが間違いでしたね」
アズラエルは4年前のことを思い出す。
この『破壊の書』を完全な形で起動させるためには、大量の魔力と「ある物」が必要となってくる。
だが、その作業を部下に任せると、その部下はまだたまっていないのに血の気に走り、無理やり起動させてしまったのだ。
そのせいで見つけなければいけなくなってしまった。
「それでは、今度は誰が?」
ジブリールはアズラエルに聞く。
アズラエルはふっと笑いながら答える。
「あのネオ・ロアノークに任せましょうか。もしものときは私も出ますし」
それにしても、とアズラエルはあのときを思い出す。
「私にあれを使用させる状況に追い込まれるとは、少々管理局を甘く見ていましたね」
アズラエルはそういって肩をほぐす。
「あれ、性能はバカ高いですけど……使用後の負担が強すぎますからねえ……」
この二人はただ組織のトップに立つだけではなく、魔術師としてもかなり高い能力を持つ。
「まあゆっくりと行きましょう」
そうですな、と二人はワイングラスを手にとり、しばし談笑しあっていた。

「それで、高町一等空尉」
廊下で、なのはたち3人ははやての部屋に行く途中で話をしていた。
レイの言葉に、なのはは笑いながら言う。
「なのはさんでいいよ。皆そう呼んでるから」
ふたりは、そんななのはを不思議そうに見る。
(あいつとはえらい違いだなあ……)
シンはあのガルシアを思い出す。
少なくとも、あの中年親父よりはよさそうだな、とシンは心の中で思った。
「で、バレル一等陸士。私に何か用?」
なのはにいわれて、レイは答える。
「早く行かなくていいのですか?既に集合時間をかなりすぎてますが……」
ああ、となのはは頷きながらなのははいう。
「遅れるって言ってるからね。それにもう少しで着くよ」
ですが、とまだ何か言いたげなレイ。
変わりにシンは答える。
「空尉はともかく、俺達は遅れるなんて一言もいってませんよ?」
レイとは対照的に、少し生意気にシンはいう。
なのはのそばにいた女性も、新しく入ってくるのが俺達なんて知らないだろう。
シンに言われ、なのはは考える。
「そういうことなら、ちょっと急ごうか」
そう言って3人は駆け足で目的地へ行くのだった。
321ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:07:30 ID:???
「おっそいなぁ……」
はやては苦笑いしながら待つ。
なのははシャマルから事前に遅れると聞いているが、残りの二人、リンディが入れて欲しいといわれた人物が一向にこない。
連絡も未だになく、集合時間に15分も遅れている。
「全く。連絡もせずに時間に遅れるとは……」
シグナムはため息を付く。
話によれば緊急に配属されるのはまだ入局して2ヶ月と聞く。
そんな新人が大幅な遅刻など、聞いて呆れる。
『ねえねえティア』
『なによ?』
『私達以外に緊急で入る人って誰かな?』
『私が知ってるわけないでしょ』
その横で、機動六課に配属される人物二名はひそひそと話をしていた。
二人の名前はスバル・ナカジマにティアナ・ランスター。
階級は二人とも二等陸士。
「テスタロッサさん。テスタロッサさんもその人のことは解らないんですか?」
フェイトは横にいる子供、エリオ・モンディアルにいわれて首を縦に振る。
「話じゃ、本人も今日いきなり転属を言い渡されたからしいからただ迷ってるだけかもしれないけどね」
そうですか、と再度ドアの方を見るエリオ。
「キュー」
「あ、おとなしくしてなきゃ、フリード」
その横で、小さな竜フリード、本名フードリヒが動き回っているので、そのそばにいる少女、キャロ・ル・ルシエが咎める。
このエリオとキャロは、フェイトが保護した人物だが、二人が始めて顔を合わしたのは最近である。
その時、こんこん、ドアを叩く音が聞こえる。
「はやてちゃん。入るよ」
なのはの声が聞こえ、入って、と返事をするはやて。
扉が開き、なのはと、後ろに二人ん男性がいた。
「なのはちゃん。その二人は?」
言った後、はやては黒い髪の少年を見る。
(あの子ってもしかして……)
思い起こされる出来事。
彼は、あの時にはやての胸を触った人物と瓜二つ。
というよりおそらくだが彼だろう。
「時間に間に合わずすいませんでした。本日より本局の特務隊Xより転属することになりましたレイ・ザ・バレル一等陸士です」
レイはビシッと敬礼をし、自己紹介をする。
シンも少し適当そうに見える敬礼をして答える。
「同じく、シン・アスカ一等空士。時間に遅れ、申し訳ありませんでし……ん?」
シンも遅れたことを謝ろうとしたら、前方から妙な殺気に気付く。
322ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:09:59 ID:???
「よくも……よくも!」
そこには、妖精といわれてもおかしくないくらいの小さな、それは小さな女の子がシンを睨みつける。
まるで親の敵のように。
「よくも私とはやてちゃんをーーーーー!!!」
小さすぎる少女、リィンフォースは魔方陣を展開する。
「って、何だよおい!!」
いきなりのことでシンは慌てる。
「石化の槍、ミストルティン!!」
リィンフォースの周囲に魔力が集まり、それが一斉にシンに向かう。
シンが防御しようとするが……
(やべ、インパルスはヨウランに預けてるんだった……)
シンは舌打ちして、横っ飛びでミストルティンを回避する。
レイも巻き添えはごめんとばかりにさっと避ける。
勿論そこには……
「え?」
ミストルティンはまっすぐなのはのほうへ向かうが……
『プロテクション』
レイジングハートがプロテクションを展開し、防御する。
『ご無事ですか?マスター』
なのはのデバイス、レイジングハートはなのはのことを案ずる。
「大丈夫だよ。ありがとう、レイジングハート」
なのははほっとする。
あたっていれば自分が石像になっていただろう。
「ったく……何なんだよおい……」
シンは起き上がり、さっき魔法を仕掛けてきたリィンを見る。
「うっふっふっふっふっふ………」
そこには、顔の上半分が髪の影で隠れているが、目が妖しく光っているリィンフォースがいた。
解りやすくいうと、初号○の暴○。
伏字の意味ないなこれ………
「リィン!いいかげんにし!!」
スパーン!
「へぶ!」
景気の良いハリセンの音が部屋中に響く。
辺りは静寂に包まれる。
とりあえずシャマルがつっこむ。
「はやてちゃん。ハリセンなんかいつの間に?」
……どこかずれてるぞシャマル。
「ハリセンは関西人の必須アイテムや!」
はやてもなんかずれてますよ。
っというか、ハリセンなんか今初めてつかったでしょ?
そもそも関西弁をしゃべっているだけで、はやて自身関西人なんて資料もないんですから。
そんな事もいざしらず、はやてはリィンをみる。
その顔はすさまじく、まさしく怒髪、天を貫くとはこのことである。
323ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:11:48 ID:???
「いきなり人様を襲ったらあかんよ!」
だってぇ、と反論するリィン。
「はやてちゃんだってあの人に胸をもまれたじゃないですかあ!」
わたしも踏まれたし!とむくれるリィン。
そのリィンの一言で、皆がシンのほうへと目を向ける。
「貴様……」
その中で、シグナムは静かにレヴァンテインを起動させながらシンのほうを向く。
さらに、デバイスから炎が帯びている。
シンはもう何がなんだかわからない。
何で本人じゃないやつが怒るんだよ?
「よくも…よくもわが主にそんな卑猥なことを……覚悟は出来ているのだろうな?」
主、ということはこいつは使い魔か何かだろうか……
だが、今はそんな事を考えてる暇はない
「シ、シグナム、と、とにかく落ち着き!……ちょっとシャマル、なんで旅の鏡発動させるん!?」
ふと横を見ると、なにやら魔方陣を展開させているシャマルがいた。
「はやてちゃん、こういうエッチな人にはお仕置きが必要よ」
うふふ、と微笑を浮かべるシャマル。
だが、その顔は怖い。
ザフィーラもシンをにらんでいる。
「リンカーコアをブチ撒けろ!!」
言葉と同時にシャマルは魔方陣に手を突っ込もうとする。
「ええかげんにし!!」
再度はやてが叫び、二人とも少しだけ落ち着く。
「けどはやてちゃん……」
シャマルたちはまだどこか不服そうであった。
騎士の皆が自分の心配をしてくれるのは嬉しいが……
「もとはといえば、私がなのはちゃんと話しこんどったんが悪いんや。それに、ちゃんと彼も謝ってくれた、それでええやろ?」
はやてがこうまでいっても、どこか納得できていないシグナム。
はやては気付いていないが、シンもヨウラン達と話し込んでいたのでシンが悪いことは明らかである。
「そういえばヴィータはどうした?こういうことには一番にあいつに向かっていきそうなのだが?」
ザフィーラはヴィータを見る。
彼女はずっとシンを見ていた。
「おい、おまえ」
シンは誰かに呼ばれたと思い、後ろを向くとそこに少女が立っていた。
「お前は……あのときの子供か」
確か、あのときの事件で八神二等陸佐を探していた少女であった。
少女はむっとするが、まだ自分が名乗っていないことを思い出す。
「私はヴィータだ。お前のおかげではやてを助けられた。ありがとな!」
睨んだかと思えば、次は笑いながらシンを見る。
忙しいやつだなあ、とシンは思う。
324ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:12:59 ID:???
「ヴィータが言ってた人って君やったんや。ありがとうな。おかげで助かったわ」
はやてのヴィータ殻多少は話を聞いているので、シンに礼を言う。
ヴィータから少し話を聞いたシグナムたちは……
「主を助けてくれたのならば、それに免じて今回の件は不問にしておいてやる。これからよろしくな」
と、なんとか納得してくれた。
はあ、とあっけに取られるしかできないシン。
これが「絶対服従」というものだろうか……
「シン」
今度は誰だよ……俺、管理局に知り合いはいないはずなんだけどな……など思いながら振り向くと、確かにちょっとした知人がいた。
というより、恩人と呼んだほうがいいかもしれない。
「あんたは、えっと……」
シンは名前を思い出そうとするが、確か聞いてなかったような…と思い出す。
「あ、そっか。あの時は忙しくて名前を言ってなかったね。私はフェイト・T(テスタロッサ)・ハラオウン」
そういうと、フェイトはシンを見て微笑む。
「元気そうで良かった。管理局に入ってたのにはびっくりしたけど」
シンはあのときの、4年前の礼を言うのを忘れていた。
あの時は人と話すことなんて出来ず、家族を失い途方にくれていた。
「あの時はありがとうございました」
シンは礼を言うと、フェイトはべつにいいよ、という。
「あと、ちょっと君に伝言があるの」
伝言?とシンは考える。
「助けてくれてありがとうって男の子が」
いわれて、ああと思い出す。
「ですけど、実際はあなたが助けて…俺は何もしてません」
だが、シンがやったことはほとんど囮のようなもので、実際は彼女が助けたはずだ。
そんなシンに、フェイトは「ううん」首を横に振る。
「君がいたから、あの子を助けられたんだよ。だから、君が助けたのも同然だよ」
そう言われて、シンは少しうれしくなる。
管理局に入り、人に感謝されるのは初めてだったのだ。
「フェイトさん。彼と知り合いなんですか?」
エリオが彼を見てフェイトにたずねる。
「彼は、私がエリオたちを預かる前に、ちょっと前に保護した人だよ」
へえ、とエリオはシンを見ていた。

ここは管理局のロビー。
そこで、機動六課の部隊長、八神はやてからの挨拶があった。
はやては機動六課のメンバーを見る。
「私が、機動六課課長、そして、この本部隊の総部隊長の八神はやてです」
はやての挨拶と同時に、一斉に拍手が沸き起こった。
その中で、シンは他の隊員の後ろでヤル気のなさそうに拍手をする。
シンは、学校の校長の挨拶時代からこういうのは好きではない。
「平和と法の守護する、時空管理局の部隊として事件に立ち向かい、人々を守っていくことが私達の使命です。ここにいるメンバー全員が一丸となって、事件に立ち向かえることを信じています」
ふと、はやては気付く。
325ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:14:24 ID:???
「あ、長い挨拶は嫌われるんで、ここまで」
はやての言葉に、再度拍手が送られる。
そんなはやてに、シンはあっけに取られる。
(長くなるって……まだ1分もたってねえよ……)
シンは、予想よりもはるかに早い挨拶にあっけに取られる。
あと、最後に、とはやては言う。
「実は、設立してすぐなんやけど、機動六課は明日から5日間の急になります。せやから、今日はいろいろ準備せなあかんこととかがあるやろうから、今日は仕事をがんばって、休暇で体を休めて、ベストコンディションで仕事に望んでな」
はやての言葉に、みんなの顔が喜ぶ。
そういって、はやては右手を上げる。
「以上、機動六課部隊長、八神はやてでした」
終わりの言葉に、再度ロビーに拍手が響き渡った。

「シン・アスカ一等陸士、レイ・ザ・バレル一等陸士」
シンとレイはロビーのイスに座っていると、部隊長室にいた最年少と思われる二人組みがやってきて、二人に対して敬礼した。
「エリオ・モンディアル三等陸士です。これからよろしくお願いします」
「キャロ・ル・ルシエ三等陸士であります。これと、この子はフリードリヒです」
「キュー」
いきなりの自己紹介に、ああ、としか返せないシン。
レイははそんな二人を見て静かに言う。
「そこまでしなくても、普通にシンとレイでいい」
レイの言葉に、逆にエリオたちは困惑する。
「ですが、お二人のほうが年齢も上ですし、何より階級も上ですし」
エリオの言葉にキャロも頷く。
そういうエリオに、今度はシンが言う。
「気にしなくていいさ。お前らも今年管理局入りしたんだろ?」
シンの言葉に頷く二人。
「俺も管理局に入ってまだ2ヶ月しかたってないしな、そういう面では同じさ」
シンの言葉に、今度はエリオが驚く。
「じゃあ、配属されてすぐに一等空士になったんですか?」
エリオの質問に、ああと答えるレイ。
「うそ!」
すると、今度は後ろから声がしたので振り返ると、青い髪の女とツインテールの女がいた。
確かこの二人も機動六課のフォワードだったような……
「私達なんて3年でやっと2等陸士なのに……」
その場でがっくりと肩を落とす青い髪の少女。
「えーと…あんたは……」
シンの迷いに最初に気付いたのはツインテールの、シンと同じくらいの年の少女だった。
「ティアナ・ランスター二等陸士よ……スバル」
ティアナにいわれ、青い髪の少女、スバルはシンの方を向く。
「私はスバル・ナカジマ二等陸士。よろしく」
その後、六課のフォワードたちはそれぞれ話をしていると……
「そこにいたのか、二人とも」
聞きなれた声が聞こえ、声のほうへ向くと、ヨウランたちがいた。
「シン、ご注文の品がやっと出来たぞ」
そういってなにかをシンに向かって投げる。
シンはそれをキャッチする。
326ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 01:18:58 ID:???
『ヨウランさん、放り投げないでください』
わるいわるい、とヨウランは軽く謝る。
ヨウランは今投げたのはシンのデバイスであるインパルス。
二人にインパルスに関することがあって、数日前から渡していたのだ。
「以外と早かったな。てっきり明日ぐらいとおもったけどな」
シンの問に、ああとヴィーノが答える。
「それがさ、なんか手伝ってくれる人がいてさ。それでかなりはかどったんだ」
ヴィーノの言葉に、シンは顔をしかめる。
「大丈夫なのか、それ?」
そんなシンの心配をよそに、問題ない、とヨウランが言う。
「俺も今日知ったけど、その人も機動六課に入るらしいんだ、えっと名前は確か……シャリオ・フィニーノって人」
ふぅーん、とシンはインパルスを見る。
「あれ、ちゃんと忘れるなよ」
ヨウランの言葉に、解ってるよ、とシンは言う。
「じゃ、ちょっと性能を試してくる」
そういってシンは席を立ち、訓練室へ向かっていく。
その時、エリオが話しかけてきた。
「あの、自分も一緒に行っていいですか?」
これから一緒に戦う人の戦いを見ておきたいと思っているエリオ。
シンは少し考えて……
「好きにすればいいさ」
と一応許可する。
こうして、結局全員で見に行くことになるのであった。
そこで、予想外の出来事にあうことも知らずに………
「あ、ちょうど良かった、今から早速最初の訓練をしようと思ってるんだけど……」


5話投下完了。
5話から主にアニメ本編に、シンとレイ、種死組みを混ぜるような話になります。
また途中からオリジナルになるので。
最後に、本編ではなんかスパロボの小隊システムッぽいシステムがあるけど、
そんな事は全然予測は出来なかったので、まじかるしんについてはその設定を頭からのけてもらうとうれしいです。
327通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 01:24:51 ID:???
GJです!
いやー、投票してよかったです。おもしろかったです。
シンとレイすごいですね。2ヶ月で一等なんてどんな事をしたのやら。
これもコーディ故でしょうか?(このssではそうじゃないのかな?まあレイはナチュですが)
オリジナルや設定がアニメと違っていても全然オッケーだと思いますよ。
作者さんのssですし。これからも期待しています!
328通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 01:26:33 ID:???
起きててよかった〜。GJ!
シンは許してもらえたみたいですなw
シンとはやてがどうなっていくのか続きが激しく気になります。
329通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 01:33:51 ID:???
GJ!
リィンやばすぎだなw
ひとつ間違えばいまごろなのはが石像にw
シンとはやてのこれからにも期待です。
330通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 02:40:01 ID:???
>>329
【なのはさん】が簡単に殺られると思うか?
331通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 02:43:27 ID:???
まとめも一気に読んできた
アズライガーいいねw

>リンカーコアをブチ撒けろ!!

声優ネタかwwww
332通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 04:55:38 ID:???
まじかるシン乙!

毎回楽しみに待っています。次回も期待!
の前にD'sも今日中に投下っすよね?
楽しみだぁ!
333通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 06:36:59 ID:???
し〜ど氏、乙彼&GJです!

久々のまじかるしん! ついに登場したStrikerSキャラ!
というか、第3話のシーンに普通にシンとレイがいるのを想像できるくらいにこのスレに毒されてますね〜
あと階級ではなくランク聞いてたら、ティアナはかなり凹んでいたと思うな〜

時にシン達の前所属が特務隊Xという事は、あの復讐鬼傭兵とキャリアウーマンが元上司?
管理局服姿のシン達すんごい見てみたい。
334通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 07:28:41 ID:???
>>327
まあA’sまでだったら、そのぐらいでも妥当って感じだが、StSも加わると急に物凄い事に思えるから困るw
如何に前作までのキャラ達が怪物揃いだったかあらためて思い知らされるな
335通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 09:06:04 ID:???
ジブも魔導師とはね・・・
きっと得意技は精神攻撃と異常な自己修復能力だな
336通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 14:13:47 ID:???
>>335
ゲルマン忍法だろ常識的に考えて……
337ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:30:38 ID:???
昨日言ったとおりD´sもできてるので投下します。
338ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:35:39 ID:???
機動戦士ガンダムし〜どD´s 27話

午前10時の海鳴市。
この海沿いのとある場所で、結界が張られ、その中には多数の人がいた。
「とうとう今日か……」
シンはステラを見つめてぎゅっと握り締める。
「シン、頑張ってな」
はやてにいわれて、ああと返すシン。
なんかこういう気持ちで戦うのって初めてのような気がする。
強いて言えば、訓練学校にいたときテストに近いかもしれない。
「よお坊主、がんばれよ。応援してるからな」
ムゥもシンを励ますが……
「…………」
シンはそれを無視する。
かなり嫌われているご様子。
シン!とはやてが注意するがあまり効果がない。
「シン」
今度はレイがシンを呼び、レイにはちゃんと反応するシン。
やれやれ、とムゥは降参、といったポーズをとる。
「お前にならやれる。フリーダムと戦ったときを思い出せ」
フリーダムのときも相手の方が間違いなく格上だった。
だが、レイと研究の末、勝利した。
ただ、今回は別になのはを憎んでるというわけでもないが……
「だから、気軽に行け。楽しむようにな」
レイにいわれてああ、と微笑んで返すシン。

「相変わらずね、あの二人」
アリサがシンとムゥを見て思った。
そうだね、と苦笑いを浮かべてなのはも思った。
シンとムゥ、あの二人の仲は未だに治ってない。
ただシンが一方的に嫌っているだけだが……
「なのは、がんばってね」
そこに桃子がやってきてなのはの応援をする。
桃子の言葉に、うん!と頷くなのは。
「で、美由希はどっちを応援するんだ?」
恭也の言葉に、う…と俯く美由希。
どっちも応援したいが、正直迷っている。
悩んだ末に出した答えは……
「やっぱりなのはかな?妹だし」
そうか、と恭也は前を見る。
そこには上空に浮かんでいるシンとなのはがいた。
「前も見たが、まさかなのはが空を飛んで戦うなんてなあ」
そうだね、と美由希も前を向く。
339ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:38:04 ID:???
『開始の合図は私がするわ』
念話で話しかけるリンディに、二人は無言で頷く。
『解ってるとは思うけど、魔法は非殺傷設定。それでも怪我をしかねない危険なことがあったら即中止ね』
大体のことを言い終えて、今度は念話を使わずに言う。
「じゃあ、二人とも準備して」
リンディの声で、お互いのデバイスを掲げる。
「ステラ!」
「レイジングハート!」
二人の体が同時に光に包まれ、お互いのバリアジャケット…シンの場合はアームドデバイスなので騎士甲冑なのだが……を装着する。
同時に構え……
「シン君!」
ふいに、なのはがシンに話しかける。
「私が勝ったら、ムゥさんと仲直りしてもらうからね!」
はぁ!?とすっとんきょんな声を上げるシン。
いきなり何を言い出すんだコイツは?
「やっぱり仲が悪いのはいけないことだから!」
いや、満面の笑みで言われても……
それ以前に……
「仲直りって……前から仲がよかったってわけじゃ……」
じゃあ、となのははいう。
「だっやら無理にでも仲良くなってもらうからね!」
それでいいのかよおい!と突っ込むのだが、行っても聞かなさそうである。
「流石なのはちゃん……」
はやてたちはなのはの話を聞いて唖然とする。
だが、たしかに仲が悪いのはいけないことだ。
そして、当の本人は……
「いやあ、すごいねえあの嬢ちゃん」
……いいのかそれで?

「それでは、始め!」
まあいろいろあったが、リンディの言葉とともに二人は動く。
先に動いたのはなのはだった。
『アクセルシューター』
レイジングハートから薬莢が飛び出し、なのはの周りに球体が複数出現し……
「シュート!!」
アクセルシューターは奇妙な円を描きながらシンに向かっていく。
「ステラ!」
一方、シンもカートリッジを一つ使用する。
すると、シンの手から光が発せられる。
『ファイティングアーツ』
シンはアクセルシューターに向かって避けようともせず突撃する。
「はあ!」
そしてアクセルシューターを叩き落としていく。
だが、アクセルシューターはなのはの意思によって自由自在に動き回り、なかなかうまくいかない。
340ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:40:16 ID:???
「ちぃ!」
見る見るうちにアクセルシューターに囲まれそうになるシンだが……
「だったら!」
シンはかまわずなのはに向かって特攻し……
「このぉ!」
「くっ!」
シンはなのはにむかってパンチを続ける。
なのははシールドを張り攻撃を防ぐ。
何とか後ろに下がろうとするが、なかなか抜け出せないでいた。
そこに……
『シン…後ろ』
さっきのアクセルシューターがシンに向かってきた。
だが、シンはステラの言葉を無視して殴り続ける。
防御に自身のあるなのはでも、少しずつプロテクションにひびが入ってきている。
そこで、なのははシンの意図を理解したが遅かった。
シンはアクセルシューターが来るほんの手前で攻撃を止め、プロテクションを壁蹴りして上昇。
それによってアクセルシューターはなのはに向かう
アクセルシューターをとめようとするが何個かはそのままなのはの張ったプロテクションに命中、爆散した。
それを見たシンは再度攻撃を開始しようとするが、なにから薬莢が飛び出す音が聞こえる。
「ディバイィーーン……」
煙の中からなにやら光が収束し始める……
シンはとっさにシールドを張るが……
「ブァアスターーー!!」
一筋の桜色の光がシンを襲う。
「ぐっ……」
かなりの衝撃がシンを襲う。
今まで魔術祭りで戦った100人の兵(つわもの)たちよりも強力な攻撃。
(なんて火力とパワーだよ……こいつ……)
こいつこそ真の漢だ、シンはそう思う。
いけない、あの祭りのせいで奇妙な口癖が移った。
とにかく、やっぱりなのはと距離をとるものじゃない。
シンは必死で耐え、何とかディバインバスターに耐え切る。
「ふぅ……」
シンは息を少し切らしてなのはの方を見て構える。
しかし……
「何!」
シンはバインドで拘束される。
「何勘違いしているの?……」
もう一度カートリッジを放出。
今度はさっきのディバインバスターよりも強力な光が収束する。
「まだ、私の攻撃は終了してないよ!」
341ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:41:51 ID:???
「なのは、本気だね」
フェイトは二人の勝負を見ていてふとつぶやく。
最初は少しシンが押していたが、やはりなのはがだんだんと有利になる。
「やっぱりいきなり全力全壊のなのはちゃんと戦うんはちょっと無理があるなあ」
苦笑いを浮かべながらはやてはいう。
それ以前にはやてさん、全力全壊って字が違いますよ。
……まあ、半分あってますけど……
一方、家族と友人達はそんななのはを唖然としてみる。
あんななのは、今まで見たことない。
そんな中、レイは冷静になのはの戦いを分析していた。
「ほぼデータどおりの戦い方だな…ただ……」
ただ、予想よりも攻撃力が高い。
「俺がレジェンドに乗っても勝てるかどうか……」
負ける確率のほうが高いかもしれない。レイはそう思った。
(ザフトの技術力も、まだまだということか……)

「いくよ!ディバイィーーーン!」
だんだんと収束されて、今にもあふれ出そうはほどに膨れ上がった光。
それ以前に、今日のなのははどこか迫力が違うような気がした。
「くっそぉーーー!」
シンは力を込めて、いつものようにバインドを引きちぎる。
しょっちゅうあの師匠にバインドをかけられ、引きちぎるのは馴れている。
多少術式が違うので苦労したが。
「バアァスタァーーーーー!!!」
『エクステンション』
バインドを引きちぎると同時に、さっきとは比べ物にならない膨大な魔力の塊がシンを襲う。
ディバインバスターは海面に激突し、激しい水しぶきを上げる。
それをシンは紙一重でかわし、その威力に唖然とする。
(デスティニーのビーム砲でもあそこまで出ないぞ……)
こりゃさっさと終らせないとやばい目にあう。シンはそう確信した。
「はぁ……はぁ……」
なのはは全力のバスターを放ち、流石に少し疲れが見える。
シンはその隙に攻撃を仕掛ける。
「ステラ!フラッシュエッジ!」
『了解。フラッシュエッジ』
シンの両手が少し光ると、両手に短刀ほどの長さの魔力刃を持つ刀状の武器が現れる。
「へえ……」
恭也と士郎は、自分達が使う刀に似ているのをシンがもち、どう使うのか興味があった。
シンはスラッシュエッジを構え……
『モード・ブーメラン』
「このお!」
シンはフラッシュエッジをなのはに向かって投げた。
フラッシュエッジは弧を描く何度も描きながらなのはに向かってゆく。
だが、それを簡単にかわすなのは。
342ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:43:54 ID:???
そこに……
「もらった!!」
「うっ……」
再度、シンのパンチの応酬。
予想通りシンの機動力はなのはを超えていた。
それに、なのはに勝つにはこのように相手に攻撃をさせないように攻撃をする必要がある。
質より量、ゴリ押し先方である。
「オーラオラオラオラオラオラオラオラアアーーー!!」
繰り出される無数のパンチ。
今のシンなら自分でもないなにかがシンには出せそうな気がしてきた。
ス○○ドといったか。まあ、今は関係ない話である。
なのははシンの攻撃を防いでいると。
『マスター、後ろです』
そこに、さっき避けたフラッシュエッジが再度なのはを襲う。
シンはこれを狙っていた。
わざと攻撃を避けさせ、こっちが避けられないような連続攻撃で動きを止め、フラッシュエッジでダメージを与える作戦。
どの道正面衝突しても勝てないのは火を見るより明らか。
だったら頭を使って作戦を練るしかない。
さっきなのはもよく似た攻撃をしてきたが、こっちは今なのはの動きを封じている。
やれる、そう思ったが……
「これはさっきのお返し!」
『シールドブレイク』
なのははわざとシールドを破裂、爆発させ、なのははフラッシュエッジを回避し、スラッシュエッジはシンを襲うことになる。
「くそ、ステラ!」
『モード・サーベル』
フラッシュエッジはシンの手に戻り、刃の部分が伸び、接近戦用の武器となった。
お互いの距離が開き、なのはは再度アクセルシューターを展開し、
「シュート!」
さっきのは様子見だったのか、今度のは弾の数も速度は桁違いに高い。
「くそ!」
シンは迎撃用の魔法を展開する。
『CIWS』
シンの周りに、シンの顔ほどの大きさの魔法陣が複数出現する。
魔方陣はぴったりシンについてきて、シンが下がれば魔法陣も下がる。
シンは、下がりながらアクセルシューターに向かって、魔方陣から砲撃を連射で迎撃する。
一発一発の威力はおそらく最弱のCIWS。
だが、底連射力を駆使して地道に一つ一つシューターを落としていき、CIWSの攻撃をかわしたシューターはフラッシュエッジで切り落としていく。
それに必死でまだシンは気付いていない。
落としている最中に、シューターをコントロールしながら、エクセリオンモードにチェンジし、自身が持つ最大級の魔法を準備していることに……
343ガンダムし〜どD´s:2007/04/25(水) 16:45:59 ID:???
「まだまだなっていないな」
シグナムはシンのフラッシュエッジの振りを見て思う。
以前シンが剣道道場に来ていたときに少し練習風景を見ていたが、あんな状態でいきなり二刀流は無理がある。
ただ、まだまだのびそうではあるが。
「ほな、シグナムが使い方教えてあげんとな」
はやてが話しかけてきて、そうですね、と微笑むシグナム。
これからもシンは大変そうやな、とはやて思った。

「これで…ラストーーー!」
シンはフラッシュエッジを振るい、最後のシューターを破壊する。
全く、なんて数だよ、とシンは息を切らしながら思う。
そして、シンはやっと気付く。
なのはが次の攻撃の準備をしていることに。
「受けてみて、これが私の全力全開!」
なのははそういってレイジングハートをシンに向けて構える。
それと同時に再度、シンにバインドをかける。
いくらバインドを引きちぎるシンでも、このタイミングではちぎったとしても避けることはできない。
だから動きを止めるためのバインドで、そこまで拘束力は高くない。
「スタアァーライトオォーーーー……」
はちきれんばかりに収束される魔力。
シンはそれを見て息を呑む。
殺られる。
非殺傷設定なのはわかってるが、それでも殺される。そんな感じがシンの体全体に伝わる。
その時、シンの中で何かが弾ける。
このまま終ってたまるか!!
「ブゥレイカーーーーーー!!」
放たれる膨大な魔力。
シンはすぐにバインドを千切る。
だが、目の前にはスターライトブレイカーが目前に迫る。
「ステラ……」
シンはステラに命令し、ステラが何か唱えるが、それはスターライトブレイカーの膨大な魔力に阻まれ、聞こえるものは誰もいなかった。

D´s27話(なのは戦前編)投下完了。
次回、なのはさんの残酷極まりない新必殺技(作者オリジナルというかねた技?)が披露されます
344通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 17:31:17 ID:???
D'sさん乙です!
ずっとなのはのターンに笑わせていただきました。
次回も楽しみに待ってます。

345通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 17:52:22 ID:???
乙です!なのはもすごいけどシンもすごいですね。
種われなしで経験も不足な状態でなのはとあれだけ戦うとは。
346通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 18:07:10 ID:???
乙です!!
次回は種割れシンがGOするのですか?
347通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 19:19:43 ID:???
乙です!
なのはさんが、遊戯王の「俺のターンは、まだ終わってないぜ!ドローモン(ry」
348通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 20:02:49 ID:???
はやて「もうやめり、シンのライフは0や」

なのは「HA☆NA☆SE!」
349通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 21:41:25 ID:???
>>D's
GJ!
ずっとなのはさんのターン吹いたwwwwwwwww
350通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 22:22:18 ID:???
それにしても、このなのはさんノリノリである
マイクがハウリング起こしてブッ壊れそうな叫びだw
351通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 22:28:23 ID:???
             _
            ∠二: : : :`ヽ/´  ̄ ̄ `丶
         , '" ̄: : : : : : : : : : : : : : : :、:\/⌒\
        /:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:ヘ\.:.:.:.: ヽ
       l://.:.:/.:./ .:./ .:l.:.:,'.:.:{:.:.:.:.l.:.:ヽ.:.:.Vl:/ \.:.:.:.:',
         /.:.:/.:. l:.:.:.!>ト/{.:.ハ.:.:斗<:l:.:.:.l.:l.:.:.:.:.ヽ.:.:.l
.         l.:.:/.:.:.:.|:l.: レ仟圷ヽl ヽfチ圷 |.:.:l:|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
.         |:/!.:.:.: 从.:.{. V;;リ    V;;リ 'j.:.,' |.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
.          j:ハ.:.:..Wト :.ゝ   '    /.:/レ|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
              \:{ヽ|:小    V 7  彡'.:.|│l.:.:.:.:.:.:.:.:.|  なに勘違いしてるの?
               ` Y:| ヽ、  ´ ,.イ! .:./ |.:l.:.:.:.:.:.:.:. |  私のターンはまだ終了してないなの!
               ヾ:ゝ ト≧≦ュ| リ/   |.:l.:.:.:.:.:.:.:.:|  
             ____, /| >tく |ヽ、____|_l.:.:.:.:.:.:l.:.|
          /ヽ::::::::::::::::/  |/ l只lヘ|  l:::::::::::::::: ̄ヽ.:l.:|
          |:::: ヘ ̄ ̄ {____|{{<ハ>}}_j ̄ ̄`メ:::::::::|.:l:|
          |::::{ \   / ∨⌒∨ \   / l::::::::|.:.l|
        /ll::::}\ ∨ \  ,VCV  ∠ _∨ |::::/ハ :l|
        { }}:::::ン  ̄}__/ ̄`^<_/ /,弖  l ::{{ }:|
        V__/   / /   /:/`\r'〃ニフ   }::V/ :|
        {´ /了 ̄|l   /:/      ̄ ̄`ヽ ヽ:/:.: |
          ∨     |l   |::|         /  /.:.:.: |
          ∨      `ヽ、_,|::|            /.:.:.:.:. |
           \     , イゝ=≧ト、     _/ l.:.:.:.:. |
352通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 22:29:45 ID:???
このなのはさん、多分どこぞの勇者王にでも乗せたら面白いことになると思う
そのくらいSUGEEEEE叫びだww
353通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:17:15 ID:???
皆さん、こんばんわ。
シンとヤマトの神隠しを書かせてもらっているものです。
よろしければ協力をお願いしたいのですが…。
シンの魔法、またはデバイスのモードを募集したいです。
現在、近距離戦闘
アロンダイト(×2可)
パルマフィオキーナ、脚部魔力刃×2。
中距離
フラッシュエッジ(四種)遠距離
ケルベロス×2可。
その他、背部魔力翼(ミラコロ散布、自動追尾魔法妨害効果。)、リフレクションシールド、ソリドゥスフルゴール。
以上です。
ご協力をお願いします。
出していただいたアイディアは一部変更して使うかもですが、そこはご了承ください。
354通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:23:19 ID:???
これだけあって不足なのか?と思っちまうぜ
355通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:28:43 ID:???
>354
そうですか?
う〜…ん、もしかしたら無意識にキラと比較してるからかな?
これは多いぐらいですかね?
356通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:39:41 ID:???
ストフリと比べると武装の数が違うし

こうしたら?シンは狭い範囲で深いダメージを与えることができるが
一方キラは、浅く広い攻撃ができるというのは?
357通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:48:38 ID:???
今書いているんだが、シンとマユ以外が一向に出てこないんだがOK?
358通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:51:02 ID:???
                /  , ‐''"         \ \
               /  /     /   |      \ ヽ
               / /  /   / /    ||  |  i  ヽ i
              i /  / /  / / /    ||  ||  |│ |ノス
               |//  / /___, -一ァ|  /! |ト、|│ | | く」
                |,-‐¬  ̄---┘'7 |!  ハ! |,、-┼十|! | | |
          , -‐ ''"  し' '´_ /,ィ二l |ト、/!ヽト、\_ヽ!|!l | ハ |
       ,r/      __   ,イ|リ ヾハ! ヽ!  ,ィ⌒ヾミリノ!/リ  |   
      / ||ヽ  -'     / ̄ )` __      |ヒノ:} '` ,イ/ |  |   もちろんOK
    ,r '   ヾ、  ,-、____ , イ ̄,r==-      ==-'  レ' /|  |
  / ヽ    `ーソ  ' | |ト、,ヘ ′""          "" / / || |
. /    \_  /  | ハ ヽ`゙'ヘ       ' '__. ィ  / / | |  |    
           /   / / |  ヽ 川\    ヾ三ニ‐'′//! |  | |  |
        /    / / 八  \川| |`ト- ..  __ , イ‐ァヘ |  | ||  |!
      /    / / /  \  \ 「`ー- 、    /  .〉  ト、|  ヽ、   
     ,イ    /-─=¬ニヘ、_  \   厂\ 厂ヽ /!|   | `ー=ヘ
 -‐  ̄ /─ '  ̄     ├- ヽ\  \ノ\ \ 人 ハ!ヽ ||  |-┤ ヽ
      /          /!‐-- | |\   ト、_`ヽ oヽ  ト、!  ||  |‐┤- ヽ
  // 〉      __ /  ├‐-  ||  | 川-‐  | |  厂7! ハ!  ├:┤  ̄ヽ
  / / ー ─    ̄       ├‐- リ  || ハ!ヘ   | |  ト┤|/′ ヾ,┤   ゙i_
  ‐ '              〉‐-    | / /\ .|o | /ヽ/(′    ∨     \
359通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 23:56:36 ID:???
>356
そうですか、じゃあそうしてみますね。
ありがとうございます。

>357
いいんと思いますよ?
360通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 00:30:57 ID:???
>>350
それ何てボルテッカ?
361通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 01:41:54 ID:???
>>353
プラズマブレイカーみたいなのでも撃たせれば?
362シンとヤマトの神隠し〜Striker'S:2007/04/26(木) 01:44:45 ID:???
注意書き!!※

これから投下する作品は劇中のネタバレが多く含まれております。
まだストライカーズをご覧になっていない方は読まないことをおすすめします!

尚、作者も一度しかみていないため。実際とは間違った表現、及び勘違いして使ってしまう言葉、設定があるかもですが、その際は教えていただければ幸いです。
363シンとヤマトの神隠し〜Striker'S:2007/04/26(木) 01:46:39 ID:???
ミッドチルダ、廃棄都市街。
スタート地点に立つ、シンとキラ。
デバイスを起動させて待機する。
キラは白をベースとした赤のラインの入ったバリアジャケットに紺のインナースーツ。
そして腰部に前回はなかった灰色に赤のラインの入った折り畳みしきの何か。
傍目には鉄の塊に見える。重そうに見えるが、重量は魔法により軽量化されているようだ。
それから背部と両手には見慣れた肩翼二枚の蒼い魔力の翼と、白に蒼と赤のラインが入った二丁の銃。
対するシンは青がベースで白のラインのバリアジャケット、及び黒のインナースーツ。一刀の見慣れた実体部ありの魔力刃を右手にもっている。
背中には緋色の魔力の翼。そして、足には機械的な靴と、膝をカバーしている突起のある何かが付属していた。
「ん〜、なんか二人とも微妙に武装とバリアジャケットが変わっとるな?」
「…うん。」
『はやてちゃん、フェイトちゃん、こっちは準備できたよ。
障害用のオートスフィアも、ダミーもセット完了。』
「うん、わかった。それじゃあ、始めよか。
リィン!」

『了解しましたです!
それでは、魔導試験空戦B昇格試験を始めます。
受験者は二名、シン・アスカさん、キラ・ヤマトさんでいいですか?』
空間モニターか開き可愛らしい女の子が姿を見せる。
「はい。」
「…はぃ。」
『こちらがコースデータになります。障害物全て破壊して、時間内にゴール地点を目指してもらいます!よろしいですか?』
二人は無言で頷く。
『質問などはよろしいですか?』
もう一度二人は無言で頷いた。
二人は魔法の使用方法を記憶から引きずり出す。
所々、不鮮明だがあとは体が覚えてるはずだ。
いきなり八神はやて、フェイト・T・ハラオウンと名乗る人物から受けろと言われた試験。
しかし、魔法を使うことが、デバイスを起動させることが初めてではないことをシンもキラもわかっていた。
364シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 01:49:27 ID:???
数時間前、管理局本部食堂。
「これは…」
過去、闇の書事件の戦闘時のモニターが開かれ、シンとキラはまじまじとその空間モニターにみいっていた。
「これが、約十年前…。キラとシンがこの世界に来てたときの映像。」
フェイトが画面を操作しながら二人に言う。モニターの中の自分を見てキラもシンも驚いているようだった。
「これが……俺?」
頭の中の断片的な記憶が繋がって行く。
「二人とも、何か思い出した?」
「魔法については…大体…。」
はやての問いにシンが答える。
「でも、あんた…、フェイトさんとはやてさんの事は…」
「あぁ、気にせんでええよ。ちょっと堪えたけど…、また元の世界に帰るまで当分はここにおるんやから…。
ゆっくり思い出してくれればえぇ。」
気まずそうな顔をする二人はさておき、フェイトが口を開く。
「それで、二人に相談したいことがあるんだ。」
「うちらは今、新しい課を設立中なんよ。」
はぁ…、と返事を返すキラ。
「一応、魔導試験を受けてもらった子たちから見込みがありそうな子たちを選出してるんだけど…。」
「正直なところ、キラ君やシン君の力はうちらにとって魅力的や。
せやから、いややなければ、こっちの世界にいる間、新設課、機動六課の支えになってほしいと思ってる。」
「ただ、そのためには、管理局への入局手続き、それから、魔導試験の成績が必要になってくる。」
「入局手続きに関してはこっちでなんとか出来るし、魔導試験の成績が悪くても、対闇の書の闇戦闘を見せれば、みんな納得してくれるはずや。」
「それに、住まいはこっちで用意するし、食事も私たちがなんとかしよう。
別に、強制ってわけじゃなくて…」
「嫌なら、嫌でちゃんと安全に保護は出来る。せやからゆっくり考えてくれたってかまわへんよ?」
「俺は別に構いませんよ?だいぶ前にもあなたたちに世話になったことがあるみたいですし…。
それに、今回も世話にならなきゃいけないみたいだし…。」
そうシンが言うのを聞いていたキラも
「それなら、僕も…」
と同意した。
365シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 01:52:29 ID:???
以上のような流れで、二人は早速魔導試験を受けることになっていた。
点灯する三つシグナルが一つ、二つと消えて行く。
「言っときますけど、邪魔だけはしないで下さいよ?」
シンはただ前だけを見つめてぶっきらぼうにキラに言った。
「え…あ…、うん…。」
控え目に返事を返すキラ。最後のシグナルが消え、リィンフォースUが『スタート!』
と合図した。
崩壊した、戦闘後を思わせるようなコンクリート、廃ビルが立ち並ぶこの訓練施設。試験の合格条件は機械仕掛けの敵を殲滅。
それから、特定のターゲットの破壊、時間内に目的地へと辿りつくことが条件だ。
コースは二人とも頭に叩き込んである。
シンが先に先行し、キラはそれを追い掛けるような形で走り出した。
『Load Cartridge』
アロンダイトから弾け飛ぶ薬筒、そして展開される翼。鮮やかな光が噴射し、一気に加速、最高速度へと瞬時に達し、ビルの隙間を縫って飛行する。
キラはシンを追い掛ける形でスタートした。
指定された空域、廃ビルと廃ビルの間を縫っての飛行。
死角から現れるオートスフィアを片っ端から切り裂いて行くシン。
と、目先三寸を蒼い閃光が走り、ヒヤッとし、後退する。
直後に爆発が起こった。
自分の死角にいた敵をキラが撃ち落としたのだ。
「おい!危ないだろ!あんた!」
先頭を行くシンがキラを振り向き怒声を上げた。
「…、あ、……ごめん…。」とは言ったものの、正直な話、モビルスーツ戦でも『援護』と言う形での戦闘をキラはしてこなかった。
射撃には自信がある。
援護することにも自信があるにはあるのだが、いかんせん、シンがキラを信用してくれていない。
故に、キラがシンの死角を狙って襲ってくるオートスフィアを撃ち落としてもシンにとっては危険行為と認識されてしまうようだ。
さらに言うならば、死角をついたオートスフィアにシンは気付いているのだろう。
そんなわけでキラも機嫌を害したか、はたまたシンが一人でも大丈夫だと判断したのかは定かではないが、シンとは別方向のオートスフィアとの戦いにだけ専念し始めた。
366シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 01:56:51 ID:???
ミッドチルダ廃棄都市街上空。
「なんか、どっちも協力…というか援護はしないみたいだね。」
「そう…やな。」
シンとキラの好感度がリバースしているように見える。
記憶喪失と関係があるのだろうか。
ハラハラしながら、フェイトは二人を見守っている。実際、シンはオートスフィアの攻撃を紙一重でかわし反撃しているのだが、スフィアの数に対応しきれていない。
また、今になって気付くのだが、キラはトリッキーな動きをするが、シンは直線的な動きをする。
それで相手の攻撃を最小限の動きで交すのだから凄いと言えば凄い。
しかし、見ている方は気が気ではなかった。

訓練場設定室。
高町なのは、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスターはシンとキラの試験をモニターしていた。

アロンダイトを振り抜いたシンにできる隙。
オートスフィアはその隙を逃さない。

「あっ、あぶない!」
スバルが声を上げ、ティアナもシンの方のモニターに視線を向ける。
しかし、アロンダイトから放たれる魔法刃で破壊。
付近にいるスフィアを脚部魔法刃で破壊する。
一方、キラも数の多い正面の敵の対応におわれている。

「すごい正確な射撃…。」
ティアナの視線の先に写るのは一発で遠距離の敵を撃ち抜く超精密射撃。
本当は試験の際、他局員に見せると言ったことはしないが、スバルはシンをみることで、ティアナはキラをみることで勉強になるのではないか?
ということで特別になのはが二人を呼び寄せたのだ。

「数ばかりごちゃごちゃと…」
目の前の敵を薙払い、まだ出てくる敵にうんざりしながらもアロンダイトを振るいながらつき進む。
キラも左右のフリーダムを連射しながら進んでいるのだが、やがて動きをとめた。
「フリーダム!」
『Yes, my master!
ハイマット・フルバースト stand by』
キラの腰部の砲芯が持ち上がる。
「シン君、退いて!!」
両銃、両砲芯から音を立て弾けとぶ計4発の薬筒。
振り向くシンの目に写るのは七つの環状魔法陣。
シンは上昇し、回避距離をとる。
『ハイマットフルバーストバラエーナプラス』
轟音とともに七つの魔法陣から放たれる七つの閃光。ほとばしる奔流の勢いがその破壊力を容易に判断させる。
スフィアの部品が音を立てて地に散ってゆき、先ほどまでスフィアで埋め尽されていた進路には青空が広がっていた。
367シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 02:00:00 ID:???
高速で移動を続けるシンとキラ。
途中で出てくる少数のオートスフィアをシンはフラッシュエッジを駆使して、キラはすり抜け様に切り裂いて行く。
ゴール地点まではあと少し…残るのは大型スフィアだけだ。

「いよいよ試験も大詰めだね。残り七分。」
「最後は中距離射撃型、オート障壁に包まれた大型スフィアや。」
「二人ともどうするかな?」
フェイトとはやては顔を見合わせ笑みを浮かべた。
この難関をシンとキラの二人がどう切り抜けるか、それが楽しみだった。

一方、先ほどキラが放ったハイマットフルバーストに呆気にとられているのはティアナ・ランスター。
約数十機もいたオートスフィアが一掃されたのだ。
スバルはなのはのディバイン・バスターをみたことがあるのだがそれでも驚きを隠せないでいた。
「高町一等空尉。」
「なのはさんでいいよ。どうしたの?」
真剣な顔つきで自分を呼ぶティアナに、モニターから視線移し答えるなのは。
「蒼い翼の彼の名前を教えて頂けないでしょうか?」ティアナの目に炎がともっている。
同じ銃型デバイスの使い手として色々思うところがあるのだろう。
「闇の書事件時の民間協力者、キラ・ヤマトくんだよ。」
なのは笑ってそう答えた。

「くっ、何でこいつは…!」『フラッシュ・エッジ』
深紅の刃が大型スフィアを捉える、が
バシンッ
と本で机を叩いた様な音を立て霧散する。
『ロングレンジシュート』左右のフリーダムを連結させ、カートリッジを消費。ドウッと音を立て放たれる奔流は大型スフィアの障壁にあっさりと弾かれる。
「ッ!?」
追跡型の中距離射撃の連射が二人を近づけさせない。

「あかんで、正面から二人で出ていったら…。」
「うん、ここはスバルとティアナ。あの二人の作戦でやるのが定石なんだけど…。」

大型スフィアの射撃を避け続けるシンとキラ。
タイムリミットが近付く。残り時間はあと三分。
このままじゃ…。
焦る二人。
シンはキラへと視線を向ける。キラはシンへと視線を向けた。
368シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 02:03:27 ID:???
「このままじゃタイムリミットだ。」
射撃を避けながらシンが唐突に口を開いた。
「…うん。」
「俺が接近してバリアを破壊するから、あんたは!」
「…わかった。」
二人が交差すると思われた瞬間。
急に、大型スフィアに向かって突攻を仕掛けるシン。その後ろにはキラがついている。
大型スフィアの容赦ない射撃が二人を狙い打つ。
シンもキラも紙一重でかわし、大型スフィアまであと十メートルと言うところでキラが失速し落下、いや正確には落下したように見えた。
『パルマ・フィオキーナ』アロンダイトから弾けとぶ薬筒。
大型スフィアが障壁を展開する。
あてがわれるシンの掌から純白の光が溢れだし、そして
『バースト』
障壁が砕かれる。
直後に下方から放たれる4発の蒼き閃光が大型スフィアの武装、障壁発生装置を破壊する。
今度は大型スフィア本体に直接あてがわれるシンの掌底。
『バースト』
溢れ出す純白の光が溢れだし、一瞬だけ輝度をあげた。
大型スフィアの機能は停止、なんの反応もなく地へと落下を開始した。
それを無視して二人はゴールへと全速力で向かう。
風景はもう線の世界。
風を切るピィィィィという音が耳元でなり響く。
耳が痛い。
だが、残りはあと三分。
普通に飛んでいるのではとてもじゃないが間に合わない。
「見えた!!」
キラが声をあげる。
しかし、道を塞ぐ二十機のオートスフィアがこちらへと向かってくる。

「あと二分!」
モニターしているなのは、スバル、ティアナが、上空から見守るフェイト、はやてが声をあげた。

「ターゲットマルチロック」『オール・ライト』
『フラッシュ・エッジ』
「いっけぇぇええ!」
アロンダイト、両脚部から合計三発の鋭い深紅の刃が放たれた。
中心に待ち構えるオートスフィアをフラッシュエッジが破壊してゆく。
無論、左右に散らばり回避を図るスフィアもあるのだが…。

「あっ、来ましたです。」
オートスフィアが次々切り裂かれ、煙を上げる光景をみていたリィンフォースUの横を深紅の刃が三つ駆け抜けていく。
「わゎ。」
『リィン!障壁!!』
「へっ?」
と前をみてみれば輝きを増す五本の蒼い閃光。
「何かチョイやばです…。」リィンフォースUはキョトンと目前にまで迫る閃光を見つめるばかりだった。
369シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 02:06:24 ID:???
シンのフラッシュエッジにより左右に散らばった瞬間をフルバーストで一掃。
狙い通りの攻撃。
オートスフィアはもう無い。
残り四十秒をきっている。二人はゴールへ向かう。
シンが先に前に出る。カートリッジを消費してスタートダッシュを見事にきめている。
シンがキラを振り向き口元に笑みを浮かべた。
ムッとするキラ。
周囲を流れる風景が早くなり、ヒュンッと音を立てては流れていく。
シンへとジリジリジリジリと少しずつ差を詰めていくキラ。
『止まらないと正面のコンクリートに突っ込みます。』
デスティニーがシンに警告を促す。
『同じく。安定した停止を望むなら、少なくともラインを割ったと同時にブレーキをかけなければなりません。』
とフリーダムも同様にキラへと警告を促した。
シンとキラはその警告を無視。
限界スピードのままラインを割った。
タイマーが残り11秒で停止。
刹那
飛翔魔法が強制解除、代わりに全包囲障壁が二人の全身を包む。
「ッ!?」
「ッ!?」
障壁をコンクリートに打ち付けながら転がり、正面のコンクリートの壁に思いっきり打ち当たって停止した。
フェイトとはやてが地上に降り立った。
リィンフォースは自身とはやてとフェイトの張った三重の障壁によって助けられ、涼しい顔でシンとキラを見送っていた。
ガラッと音をたて、瓦礫の中から姿を現す二人。
どっちも平気な様だったが、シンが唇を切っていた。駆け寄ってくるはやて。
それから、いつの間にかやって来たなのはとスバル、ティアナの三人。
二人の近くになのはとはやてがやって来て、安否を気遣ってくれるのかと思いきや、怒られるシンとキラだった。


場所は変わって管理局本部一室。
「二人とも危険行為に関しては自覚してるよね?」
「はい」
「すみません。」
なのはの刺すような視線を浴びながら、シンとキラは謝った。
「あそこに民間人がいたら、あなたたちは巻き込んでたかもしれないんだよ?」うなだれるキラとは対照的に、しっかりとなのはを見つめるシン。
ふぅっとなのはは息を吐き、机の上の資料を手に取り、読み上げた。
「とりあえず、シンく…、シンもキラも空戦Bランク昇格試験は合格。
おめでとう。」
なのはがそこまでいい終えるとフェイトがお茶を入れてはやてと一緒に部屋に入って来たところだった。
370シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 02:08:45 ID:???
「二人ともお疲れ様。」
フェイトは二人に労いの言葉をかけ、お茶を置いていく。
もちろん、全員の分だ。
「ありがとうございます。フェイト執務官。」
「ありがとうございます。」シンの真似をしてキラも姿勢を正す。
シンはザフト軍所属で上官との接し方にはある程度成れている。
まぁ、それでもしょっちゅう上官とはぶつかっていたと聞くが…。
対するキラは、仕方なく地球軍に入りには入ったが、軍隊と言うものを知らない。軍による教育を受けていないのだ。
大佐、大尉、など色々あるようなのだが、正直、キラは全てさんづけだった。
なので、一等空尉、執務官などが名前についても偉い人なんだとは何となくわかるが、どれぐらい偉いのかと聞かれれば、はてといった感じである。
「シン、キラ、この面子で話すときは私のことはフェイトさんでいいから…」
「うちもはやてさんでええよ、何か二人に階級つけて呼ばれるんは気持悪いと言うか、違和感がある。」

「これから、二人をなのはちゃんとフェイトちゃん、機動六課フォワード部隊のスターズ分隊とライトニング分隊とに振りわけるんやけど…。
何か意見はある?」
となのは、フェイト両名にはやてが問いかける。
「できれば私はシン君が欲しいかな。」
なのはが言う。
なのはは砲撃戦が得意である。
スバルは超接近戦、ティアナは遠、中距離だ。
そこにシンを入れると、接近戦の連携バリエーションを増やせると思うし、何よりスバルの負担が格段にへるだろう。
「フェイトちゃんが、キラ君でええって言うならこれできまるで?」
「うん、そうだね。
私の部隊にはキラの方が必要かな。」
フェイトが率いるライトニング分隊には安定した力が必要だと判断したのだろう。
シンはミドルレンジに、スバルはクロスレンジ、ティアナは技術、サポートに突出している。
一方、フェイトが率いる二人はまだ幼いが、一人はスピードが取り柄の高速近接戦闘を得意とする少年。
もう一人は補助系魔法を得意とする少女。
ここにキラを投入することで、近接戦闘、詠唱、魔法強化中の術者のサポートを行わせる、二重にサポート置くという狙いだ。
スターズ分隊とのバランスも少しはとれるのではないだろうか、と言う考えでフェイトは決めた。
「よし、ほんならこれで解決やな。明日からがんばりや、二人とも…。」
371シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/04/26(木) 02:16:04 ID:???
投下終了です。
中途半端に終わってしまったんですが、ここで第一話終了となります。

キャラに違和感があるかもですが、その辺は追い追い直して行きますのでご勘弁を…。
楽しんでいただければと思います。

次回は、『機動六課』です。まぁ顔合わせみたいなもんですね。
お楽しみに!
372通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 03:44:41 ID:???
時間はかなりたってるが
感想第一号はもらった。

>キャラに違和感があるかも

特にはないぞ。いい線いってると思いまつ
373通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 06:56:12 ID:???
あの頃よりは弱くなってるっぽいね
374通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 07:03:53 ID:???
一歩間違えたら初期より弱いかもしれないが、それはそれで味がある。
GJ!
375通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 07:34:36 ID:???
GJ!

このシンとキラ、前作初期並みに仲が悪そうなのとバリアジャケットetcの相違点で思ったんだが、
もしかして前回のと違う平行宇宙から来たんじゃ?
376通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 07:35:48 ID:???
>>371
GJです!
シンたちが弱くなったのは、記憶喪失とリミッターが掛けられているってことにしたら、良いかも。
377通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 08:37:45 ID:???
神隠しにおけるシンキラコンビの活躍シーン見ると、脳内で勝手にDouble-Actionが再生されて困る

シン「デカいモンにはデカいモンだ!ブチ込めェェェェッッ!!」
キラ「倒すけどいいよね?答えは聞いてないけど!」
378通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 10:57:37 ID:???
>>377
志村ー!キラのセリフはシンのシンの!

けど、キラでも違和感ないな………(´・ω・`)
379通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 14:52:56 ID:???
キラでもっつーか、二人のキャラや能力を考えるとこっちの方がしっくりくるなw
380通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 15:25:09 ID:???
こいつを貼らなきゃならない流れだな

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm121800
381通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 16:38:18 ID:???
某スレで実体弾やビーム兵器の有用性について盛り上がってるのを見かけたんだが
魔力防御に対しての有用性ってどんなもんかね


9歳なのはさんディバインバスターは運命の折りたたみ式ビーム砲と≒くらいな気はするんだが……
382通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 16:40:42 ID:???
運命のビーム→推進剤とかに引火してあんな爆発を起こす

ディバイン・バスター→なんにも引火してないのにすごい爆発
383通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 17:48:16 ID:???
つかシン、さりげなくビームキックが追加されたのか
もしや隠者を喰らっ(r
384通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 17:59:36 ID:???
コピー能力つき!?

カー○ィーwwww
385通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 19:07:20 ID:???
>>380
これはいい電王
386通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 19:12:30 ID:???
シン「倒すけどいいよね?答えは聞いてないけど!」
なのは「何勘違いしてるの?まだ私のバトルフェイズは終了してないよ」
シン「なん・・・だと・・・」
387F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/04/26(木) 20:56:01 ID:???
投下しまーす。
388F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/04/26(木) 20:57:13 ID:???
 プロローグ 幸せの終わり

 都心部より少し離れた場所に、そこはあった。
 近代的な建物といえばある大企業の研究施設ぐらいで、豊かな自然を残す長閑な地方都市。
 その一角、小高い丘に一軒家が佇んでいた。
 時折、少女の明るい声が壁を抜けて外にまで漏れ聞こえてしまっている。
「ねえねえ、今度はこれで遊ぼうよぉ!」
 家の中では、金色の髪がよく似合う五歳ばかりの少女が、小さな両手でボールを掲げながら黒髪の少年に詰め寄っていた。
「アリシア……少し休憩にしないか?流石に四時間続けてはきついし……そうだ、昼食もまだだった。アリシア、先にご飯を食べてしまおう」
「いーや。お腹空いてないもん」
 年の頃十五、六の少年が疲労しているのも関わらず、アリシアは未だ体力を残しているようだ。
「うーん、せめて昼食を食べさせてくれ。朝も食べてないんだし、な?」
「うう……シンお兄ちゃん、そんなにお腹空いた?」
 少年、シンは頭を縦に振りながら、傍のソファーに腰を下ろす。
 ソファーはシンの体を優しく受け止めるようにその形状を変える。
 その柔らかすぎず、硬すぎず、使用者に適した形を取るソファーは、どう見ても一般家庭では買うことは難しい、いわゆる高級品にあたるものだ。
 ソファーだけではない、この家の家具調度品全てが高級品だ。
「ふう、いつ来てもこの家は贅沢だなぁ」
 シンは全身の力を抜くと、だらしない表情で動きを止める。
「うーん……あ!そうだ!シンお兄ちゃん!一緒にお昼ご飯作ろうよ!」
 数十秒の沈黙の後、アリシアは良い事を閃いたとばかりに手を叩く。
389F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/04/26(木) 20:58:23 ID:???
 少しの間、アリシアはシンの反応を待つが、シンは黙ったまま規則正しく肩を上下させるだけだ。
「あ!シンお兄ちゃん!!」
 その意味に気付いたアリシアは、シンの体の上に圧し掛かり、大声をあげて寝てしまったシンを起こそうとする。
「っ!アリシア、何でそんな所に乗っているんだ?」
「シンお兄ちゃんが寝ちゃうからでしょう!」
 アリシアはシンの体から飛び降りると、腕を組みあさっての方向を向いてしまった。
「アリシア?」
「……」
 シンは、怒っているぞとアピールするアリシアの頭の上に手を乗せ、優しく撫でる。
「わわ」
「ごめんな、アリシア。俺も疲れていてさ。つい寝ちゃったんだ。もうそんなことしないから、許してくれないか?な?」
 すまなそうに謝るシンに、アリシアは緩む頬を引き締めようとし、しかし結局緩んでしまう頬に顔を赤らめながら、小指をさしだす。
「アリシア?」
「約束。もうこんなことしないって」
 シンはアリシアの言葉に小指の意味を理解し、アリシアと同じように小指をさしだす。
「ほら、お呪い」
 シンとアリシアは互いの小指を絡め合うと、元気良く腕を振る。
 それは二人の約束のお呪い。
「ふふ。あ、そうだそうだ。シンお兄ちゃん、一緒にご飯作ろうよ」
「ご飯、か。アリシアに作れるのか?」
 アリシアの提案に、シンは思わず首を捻ってしまう。
 それを見過ごす程アリシアは甘くはない。
「どういう意味?」
 再び不機嫌になり始めたアリシアに、シンは半笑いで逃げの一手にでた。
「シンお兄ちゃん!」
「はは、悪かったよ。一緒に作ろう」
 シンは困ったように、アリシアは怒ったように、それでいて二人とも楽しそうに。
 そんな風に二人はじゃれ合いながらキッチンへと向かった。
390F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/04/26(木) 20:59:14 ID:???
 キッチンに着くと、シンとアリシアは協力して調理に取り掛かった。
 主にアリシアが主体だが、火の使用などの危ないことはシンが担当する。
 他愛も無い会話をしている内に、料理はあっという間にできあがった。
 キッチンの端では、食べ物の匂いを嗅ぎ付けてきたであろうリニスが行儀良く座っている。
「リニスー。はい、ご飯の時間だよ」
 アリシアの差し出した容器に入った猫用の餌に勢い良く貪りつくリニス。
 アリシアはそれをしばらく眺めると、リニスから離れて自分の席に座る。
「シンお兄ちゃん、食べようよ」
 アリシアが笑顔でシンを呼ぶ。
「ん、ああ。ちょっと待っていてくれ」
 だが、シンはアリシアの待つテーブルには行かず、玄関の方へと歩を進める。
「えー、もうお腹ぺこぺこだよー」
 十分前に言った言葉は何だったのか、アリシアは自身の空腹感をシンに示す。
「悪い、すぐ戻ってくるから」
 シンは苦笑し、急いで家の外に出ると自分とアリシアの母であるプレシアの働いている研究施設のある方向を見やる。
「何だ、この感じは」
 シンの第六感が告げていた。
 何か悪いことが起きる気がする、と。
「……試運転か」
 シンは自嘲気味に言葉を漏らす。
 今日、あの施設では新型の次元航行エネルギー駆動炉の起動実験が行われるのだ。
 本社から突きつけられた無理難題を必死の思いでクリアし、遂に起動に至る所まで漕ぎ着けたのだ。
 シンはプレシアの助手としてそのプロジェクトに参加していたのだが、連日の無理が祟り体調を崩してしまっていた。
 ただでさえ足りない人手だったが、周りのメンバーの好意により数日の休暇を貰えることができた。
 その休日には体調を休めろという意味も勿論あったのだが、本当のところはアリシアの面倒を見ていろという意味も含まれていることはシンには容易に察しがついた。
 アリシアはあの施設の人間全員の娘みたいなものだ。
 ここ数ヶ月の忙しさのせいでアリシアを蔑ろにしてしまった後ろ暗さが少なからず皆にあったのだろう。
「……ふう、プレシアさんだっているんだし、きっとうまくいくだろ」
 シンは先程の予感をただの初起動への未練と割り切った。
「シンお兄ちゃーん!」
 アリシアの急かす声に、シンは笑みを深める。
「今行くよ」
 優しさに溢れたシンの声。
 いつもと同じような穏やかな時間の筈だった。
 もうすぐプレシアも仕事の忙しさから解放されて、三人はピクニックに行く約束もしていた。
 それは、シンがアリシアの待つ食卓へと戻ろうとした時だった。
「なっ!?」
 その瞬間。
 この地区一帯の次元が、常態ではあり得ないほどに、完全に歪んだ。
391F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/04/26(木) 21:00:09 ID:???
「が、ぐう……アリ、シア……」
 歪み続ける次元の中を、シンは必死で這いずっていた。
 咄嗟の結界も意味をなさず、シンの意識は少しずつ削り取られていった。
「ぐ……っそ!」
 それでもシンは少しずつアリシアのもとへ行こうと体を動かす。
 だが、シンは心のどこかで気付いてしまっていた。
 もう助かることはない、と。 
「……ふざ、けんなっ!」
 そんな思いを叫ぶことで打ち消そうとし、しかしそれがシンの最後の抵抗になってしまった。
 助けたいという思いも虚しく、シンは一際大きい次元の亀裂に飲み込まれ、この世界から姿を消した。
392F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/04/26(木) 21:02:50 ID:???
プロローグ終了。無印クロスみたいな?
ちなみに390のラスト、完全に、と入ってますがスルーしてください。
稚拙な文ですが、アドバイスなどありましたらよろしくお願いします。
393通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 21:11:23 ID:???
GJ
シンはプレシアの娘なのか
394通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 21:16:03 ID:???
それを言うなら「息子」じゃね?
395通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 21:19:18 ID:???
性転換手術したトランスものになってしまったwwww
396通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 22:39:26 ID:???
>ほら、お呪い
ふ、一瞬「おのろい」と読んでしまった俺は負け組み・・・

しかし、GJ
397通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 22:54:40 ID:???
>>393
いや、ただのプレシアの助手の一人みたいだが
なのは世界は労働基準法?何それ?な世界だから、シンぐらいの年齢でサラリーマンやってても全く不思議ではないな
一応、種死原作でもちゃんとした社会人なわけだし
398通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 22:56:39 ID:???
プラントは16歳で成人だからなあ。だっけ?確か
399通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 23:00:41 ID:???
15だろ?
400通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 01:16:41 ID:???
>>396
^ー^)人(^ー^ナカーマ
シャマルの医務室でもいくか……
401通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 02:25:04 ID:???
\    手遅れですね    /    
   ̄ ̄_∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       /
   ∠ =。= ヘ          , '´ ⌒、ヽ < けど、それはただのゆとりや
   i !!ノリノ))》          l(((!((("メi  \
  ノi゚リ.゚ ヮ゚从 ./ ̄ ̄ ̄ ̄/ 从^ヮ^ メij 「
__ (つ)Ψ(^つ / 闇の書 /. ⊂゙ii゙゙゙ii゙`)゙|
       \/____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
402ミス?:2007/04/27(金) 09:44:57 ID:???
今更だけど>>323
>シンが悪いことは明らかである。
これじゃあシンにだけ過失が有るみたいでちょっとおかしいですね。
実際は双方共に過失が有るわけですし。
403通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 11:58:39 ID:???
http://www.youtube.com/watch?v=QYzHm-eWM5M&mode=related&search=

こういうMADを見るたびにムカついてくるわ
ガンダムを汚すなっつーの
404通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 13:56:38 ID:???
>>403
そういうの見て喜んでるやつはマジでキモいと思う
405通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 14:48:56 ID:???
遊戯「なのはなんて俺のターンで倒してやるよ!バーサーカーソウル!」
406通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 15:24:07 ID:???
>>406
遊戯「ドロー!モン………!?Σ(゜Д゜;)」


遊戯「トラップカード……( ゜Д ゜;)」
407通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 16:26:37 ID:???
社長「俺のブルーアイズの敵ではないわ!!滅びのバーストストリーム!」
なのは「スターライト・・・」
社長「トラップカード発動!『破壊輪』! レイジングハートを破壊する!」
408通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 16:53:16 ID:???
キャロ「ワオ!トゥーンフリードドラゴンでーす」
409通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 16:56:33 ID:???
キャロ「フリード!滅びのバーストストーム!!」
410通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 18:37:12 ID:???
少し、なのはを神聖的扱いし過ぎてる気がする。
確かに面白いのかも知れないけど・・・コレは・・・
411通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 18:40:07 ID:???
楽しけりゃいいのよ
412ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:36:08 ID:???
まじかるしん出来たので少ししたら投下します。
413通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 20:43:07 ID:???
ペース速いな
俺なんかsts始まってからというもの、書いていたSS書く気すっかりなくなっちゃったのに
414通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 20:44:58 ID:???
何かあったら。「何勘違いしてるんだ?俺のバトルフェイズは終了してないぜ」
を見ると気分が和むよ
415ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:45:33 ID:???
魔道戦士まじかるしん 6話 「訓練」

シン達、機動六課のフォワード陣+ヨウランとヴィーノは、シンのデバイスの性能チェックと調整のために、模擬戦室へ向かっていた。
ヨウランたちは、その間にスバルたち他のフォワード陣に自己紹介を済ませてある。
その途中に、ある人物と遭遇する。
「あ、ちょうど良かった」
その人物、高町なのはが誰かと話していて、シンたちも探していたらしい。
「何ですか?高町教導管官」
レイがなのはに尋ね、なのはは笑いながら言う。
「明日から休暇だけど、その前に早速訓練をしておきたいんだけど、大丈夫かな?」
なのはは、一度シンとレイ。この二人がどんな戦い方をするのか見てみたくなり、一度訓練をさせて、どのポジジョンにつかせるかを考えるために一度訓練をさせておこうと思ったのだ。
なのはの言葉に、全員がはい、と敬礼をしながら答える。
シンも、チェックや調整なら訓練でも出来るだろうと思った。
「へぇ、君がそのデバイスを持ってたんだ」
ふと、なのはと話していた女性が、シンに話しかけてきた。
その目はインパルスを見ている。
「あんたは?」
シンの質問に、ああ、と女性はシンを見る。
「私は、皆と同じ機動六課に入ったシャリオ・フィニーノ一等陸士。皆はシャーリーって呼んでるから、皆もそう呼んでね」
はぁ、とシンはシャーリーを見る。
ヨウランが言っていた人だというのはわかった。
けど、なんというか…初めて顔を合わせるのにやけになれなれしいな、と思った。
元からこんな性格なのだろうか。
「今回の訓練では、私も見せてもらうことになるからね。それでいろいろ調整とかしなきゃいけないから」
シャーリーがそういって、一同は機動六課の訓練室へと到着するのだが……
「ここでするんですか?」
レイが不思議そうに尋ねるのもわかる。
目の前には、訓練場と思われるところなんてない。
「心配ないよ。シャーリー」
なのはの合図に、はーい、と元気よく合図をして、なにやらいろいろ設定をしているシャーリー。
「機動六課自慢の訓練スペース。なのはさん完全監修の、陸戦、空戦なんでもござれの空間シュミレーター。ステージセット」
設定お終えると、なにやら廃墟みたいなのが出現する。
いきなりのことで、驚く一同。
「すごい……」
エリオがつい口をこぼす。
「シン、応援してるからがんばれよ」
ヨウランに茶化され、はいはい、と簡単な返事をしてシンは訓練場所へと向かってゆく
こうして、シン達の訓練は開始される。
416ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:48:24 ID:???
「ヴィータ、ヴィータは訓練に参加せんのん?」
別のところでその様子を見ていたヴィータは、はやての声が聞こえて声のほうを向くと、フェイトと他の八神家のメンバーがヴィータのところへやってくる。
「はやて!…あ、えっと……まだ新人はよちよち歩きのひよっこだから、私が教導を手伝うのはもうちょっと先になると思う」
そういいながら、ヴィータは訓練場を見る。
そこには、6人が話し合いながら準備体操をしたり、相談しあってたりしていた。
「ほな、なのはちゃんがどんな訓練をして、新人達がどんな戦いをするんか、うちらもみよか」
そういって、皆が新人の訓練を様子を見るのだった。
その中フェイトは
「じゃあ、私はなのはにあれを渡してくるね」
そういってフェイトはその場を後にする。
(それにしてもすごい……)
フェイトは手に持っている資料を見て思う。
それはやっと届いたシン・アスカとレイ・ザ・バレルに関するものだった
(二人とも新人だけどAAランクの魔術師なんて……)

『よし、みんな聞こえる?』
なのはの声が聞こえ、返事をする新人達。
周囲を見ると、これって本当にシュミレーター?と感じるほどの再現を持っていた。
さっきシンが何気なく硝子を触ると、本当に硝子の感覚もあり、壁を小突いてもちゃんと衝撃も痛みもある。
『じゃ、さっそくターゲットを出すね。まずはウォーミングアップで……12体かな?』
なのはが言って、シャーリーが設定する。
『動作レベルC動作制度Cってところですね』
シャーリーの言葉に、なのはも頷く。
『私達の仕事は、ロストロギアの捜索と保守管理。その目的で、私達が戦うのは複数あるけど、まずはこれ』
設定が終了し、出てきたのは傀儡兵が6と、傀儡兵とはちがう、浮遊している機械が6。
そのうちの一つはオレンジ色をしていて、形状も違う。
シンは、これに見覚えがあった。
「メビウス……メビウスゼロも……MA(モビルアーマー)相手かよ」
シンの言葉に、そう、と頷くなのは。
『ロストロギアを使って、悪事を働いているテロリスト、『ブルーコスモス』が使う、傀儡兵とは別の、自立行動型の魔道機械、MA。通称『モビルアーマー』』
なのはは最初にしてはちょっと難しかったかな?と思いながら続ける。
『MAと傀儡兵のコンビネーション攻撃に気をつけてね』
ところで、となのははシンに質問する。
『どうしてMAのことを?新人にしてはよく勉強してるね』
なのはにいわれて、レイが特務隊Xにいたときのことを話す。
「俺とシンが特務隊Xにいたとき、シュミレーションで幾度となく戦わされました」
レイの言葉に、素直に驚くなのは。
最も、シンは別の意味でも知っているのだが。
レイの言葉に、ちょっと簡単だったかな?と思う
これでも少しやりすぎたかなと思っているのだが……
417ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:50:14 ID:???
「じゃあ、期待しているよ、目的は、ターゲットの破壊、もしくは捕縛を10分以内。それじゃ、スタート」
その言葉と同時に、傀儡兵とMAが動き出す。

「なのは、これ」
なのはは新人達を見ていると、フェイトが資料を持ってなのはのと頃へやってきた。
「あ、フェイトちゃん。ありがとう」
なのはは早速その資料を目に通す。
スバルたちはともかく、まだシンたちのことは良く知らない。
「新人達、がんばってるみたいだね」
フェイトは訓練場に目を向ける。
「まだ危なっかしくて私もどきどきしてるけどね」
なのはは笑いながら言って、再度訓練の様子を見る。
「けど、今のところ予想以上ですよ、特にアスカ一等空士とバレル一等陸士は」
シャーリーも二人の働きに驚いている。
そりゃあ、とヨウランが言う
「あいつ、地味にランクがAAだしなあ」
そうそう、とヴィーノが頷く
一方、AAと聞いてとシャーリーは驚く。
「AA!?まだ入局してそんなにたってないんでしょ!?あの二人って」
なるほど、じゃあ二人にMA相手は簡単かもしれない……
「けど、まだ粗が多いから、鍛えがいがありそうだね」
一方、なのはは笑いながらシンのほうを見る。
流石、魔法を習ってすぐにAAAクラスの魔力を持っているのは伊達ではない。

「はあぁぁあーーーーー」
メビウスの攻撃をかいくぐり、スバルは右手に装着されているされているリボルバーナックルのローラーを回転させ、殴りつけ、メビウスは爆散する。
「次!」
そう思い後ろを向くと、最後の一つ、メビウスゼロのパーツが分離し、それぞれがスバルを取り囲むように配置されている。
「やっば……」
「スバル!前に出過ぎだってば!」
ティアナがいつものようにスバルに突っ込みをいれ、メビウスゼロを狙おうとしたときだった。
上から魔力弾が数発飛んできてメビウスゼロに向かっている。
数発は外れたが、最後の2発は命中し、崩れるメビウスゼロ。
「くそ。やっぱなかなか馴れないな」
そういって、上からシンが降ってきた。
さっきの射撃魔法はシンのものだったのだろう。
シンの手には、ティアナの銃よりも大型の銃を持っていた。
これがヨウランに頼んでおいたもので、中距離用の魔法の組み込みを頼んでいたのだ。
それでインパルスと相談し、非人格型のデバイスをインパルスに組み込むことにしたのだ。
ちょっと無茶だったと思ったが、ヨウランが言っていたシャーリーの手伝いもあり、完成にこぎつけた。
「インパルス、調子は?」
『上場です』
どうやら相性もなかなかいいらしい。
418ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:52:21 ID:???
「こっちもすべて終らせました」
横を見ると、エリオが最後の傀儡兵を倒したところだった。
「って!射撃魔術師が突っ込んでどうすんの!!」
いきなり叫ぶティアナに少々驚いたシン。
まあいいたいことはわかる。
射撃用のデバイス持ってるのなら、さっさと下がって撃ってろってことなのだろう。
ただでさえシンがもっているのはライフル状のデバイスなのだから、接近には向かないのは解る。
「しょうがないだろ、まだこれに馴れてないんだから、遠くで撃ってもあたんないんだよ」
それに対し、開き直るようにい言うシン。
そんなシンを見て、レイは笑う。
あいつらしい、と。
『はいはい、喧嘩はそこまで』
そこへ、なのはは二人を仲裁する。
もっとも、どう見ても喧嘩には見えないし、そこまでする余裕があるということでもある。
『意外と早かったね、けど、次が本番だからがんばってね』
なのはがそういって次に出したのは、長い円柱型の形をしているものが現れる。
数は12体。
さっきよりも数も多く、今度の敵は見たことがなかった。
『最近出現している自立行動型魔道機械、ガジェットローン。これはいろいろと厄介だよ。どんな能力を持っているかは自分で肌に感じてね』
要は、何か特殊な能力をもってるけど、それは自分で確かめろ、ということらしい。
まあ、能力があということを教えてくれるだけ優しいということか。
『流石にこれだけいるから時間は30分。目標は襲ってくる敵を全部完全撃破。けど、誰かがやられたらそれで終了。後衛を守りながら戦ってね』
次の瞬間、敵の目らしきものが奇妙に光る。
『それじゃ、始め!』
なのはと号令とともに、先に動いたのがガジェットローン。
「うわ、早!」
スバルがつい叫んでしまうのも納得がいく。
ガジェットローンは全部で行動するだけいいものの、そのスピードは速い。
「はぁ!」
エリオはガジェットローンに向かい攻撃するが、ひらりとかわされる。
「くっこの動き……」
この奇妙な動きも厄介である。
「ちびっ子、魔力強化お願い」
ティアナの言葉に、キャロは頷く。
「はい、ケリュケイオン」
『ブーストアップ・バーストパワー』
キャロのデバイス、ケリュケイオンが輝くと同時に、ティアナのアンカーガンにためてある魔力が増幅される、ガジェットローンに向かって魔力を発射するティアナ。
『ファイアビー』
レイも複数の魔力段を出し、攻撃する。
しかし、そのどの攻撃も途中で阻まれてしまう。
「魔力バリア!?」
驚くティアナに、キャロは首を振る。
419ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:54:20 ID:???
「違う、あれはAMF」
キャロの言葉に、なのはは頷く。
「そう、あれを展開されると攻撃魔法をかき消される。倒し方はいろいろあるけど、それは自分で考えてね」
なんつう魔術師泣かせな能力……とシンは思う。
普通の攻撃では通じなさそうだ。
さてどうするか、とシンなりに考えていると
「だったら!」
スバルはガジェットローンウイングロードを展開させ、それに乗って移動しようとする。
「スバル!バカ危ない」
ティアナが静止も聞かずに、突っ込むスバル。
しかし、ウイングロードは途中で掻き消え、少しずつゆがんでいく。
「え?ちょ・・・なにってうわわわわ…」
いきなりのことでバランスを崩すスバル。
「AMFを全力で展開されると、足場つくりや移動系魔法の発動も困難になる」
それ早く言ってよ、と思うスバル。
だが、さっき「どんな能力があるかは自分の肌で感じて」といわれたので何もいえない。
「うわーーーーーー!」
そのままスバルは勢いで、車がジャンプ台から飛ぶような感覚で飛んでしまう。
そこには壁。
(やっば……)
そう思いながら不意に目を閉じる。
しかし、壁には衝突せず、別の衝撃がスバルを襲う。
「なにやってんだよ馬鹿!」
「え?」
目を開けると、そこにはスバルの腰を左腕で包むように持っているシンがあった。
シンはそのまま地上に降り、スバルを降ろす。
「あ、ありがとう」
まだきょとんとしているスバル。
『スバル、大丈夫?』
なのはにわれて、はい、と返事をするスバル。
『シン、ナイスフォローだったね』
いきなりいわれてどうも、と簡単にかえすシン。
どうやら褒めるところは褒めるらしい。
『さあて、これをどう倒すか、見物させてもらうよ』
なのはにいわれて、シンはあることを考える。
「レイ、ちょっと考えが」
考えといっても力技なのだが……
「解ってる、俺も少し考えていた」
そんなレイの言葉と同時に、シンは飛ぶ
「ちょっと敵を足止めしておいてくれ!」
シンに言われて、え?と聞き返すスバル。
いきなりいわれても……
「インパルス、ブラストシルエットを」
『解りました』
シンの指示でライフルは消え、その代わりにシンの背中に巨大な二つの砲門があるデバイスになる。
420ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:57:05 ID:???
「高出力の砲撃魔法で、一気にぶち抜いてやる!!インパルス、カートリッジロード」
『ケルベロス』
2個のカートリッジを消費し、それぞれの砲門に魔方陣が展開される。
少し違うのは、ミッドでも、ましてやベルカ式のものでもなく、見たことのない術式だった。
「なによあれ?」
そばにいるティアナとキャロは、そんな魔法陣を、そしてデバイスの形が大きく変わったインパルスを見て疑問に思う。
だが、今はそんなことそしている場合ではない。
自分外まで気宇rことをしなければいけない。
「いくぞ、ファントム、カートリッジロード」
『オルトロス』
レイもカートリッジを使い砲撃魔術を使用する。
レイのデバイスは、ちゃんとミッド式の物だった。
一方スバルとエリオは、足止めのために橋の上に立っていた。
「あ、きたきた」
目の前には、二人が立っている橋を通り過ぎようとしているガジェットローン。
「タイミングを合わせるよ」
「はい!」
少しでもずれれば失敗。
二人は意識を集中する。
((いまだ!))
「「はぁーーーー!!」
二人は同時に動き、橋を破壊する。
それで8体のガジェットを生き埋めにする(機械に生き埋めという表現も変だが)
残ったガジェットも、動きを止めるには十分だった。
「いまだ、ケルベロス」
「オルトロス…」
「「ファイア!!」」
シンとレイ、二人のが放つ砲撃は魔手具がジェットに向かう。
勿論ガジェットもAMFを展開する。
AMFと砲撃魔術が衝突し、激しく火花が散る。
その結果は……
「2体か……」
砲撃魔術が命中した場所を見ると、2体のガジェットが機能を停止していた。
「へえ、無理やりAMFを破るなんて、魔力数値はなかなかみたいやな」
はやては、二人の砲撃魔法を見て思った。
あのAMFを無理やりぶち破る魔術師自体新人にはそうはいない。
「それに、あの魔法陣も気になりますね」
シャマルの言葉に、シグナムは頷く。
ミッド式でも、ベルカ式でもない魔術形式。
「だが、まだ練りが甘い」
「ああ。まあ、ド新人にしたらなかなかやるほうだな」
だが、シグナムとヴィータは二人の攻撃に少しから口のようだ。
「まあ、そこはなのはちゃんとヴィータちゃんがどうにかするんでしょ?」
シャマルの言葉に、まあな、とヴィータは腕を組んで訓練場を見る。
421ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 20:59:58 ID:???
「続けていきます。フリード、ブラストフレア」
「キュー」
キャロの指示で、フリードは火炎弾を放つ。
最初は小さな火炎弾だが、命中したときには爆発が広がり、周囲が燃え盛る。
「我が求めるのは、戒める物、捕らえる物。言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖」
キャロが詠唱を始め、魔法陣が展開され、ガジェットの下にも、四角形の魔法陣が展開される。
「連結召還!アルケミックチェーン!」
四角形の魔法陣から、いくつもの実態を帯びた無機物の鎖を召還し、生き埋めから脱出したガジェットのうち、3体のガジェットを絡ませる。
「今です、スバルさん、エリオさん」
キャロの合図とともに、二人は一斉に飛び出し、捕らえられているがジェットを攻撃し、撃破する。
これで5つ目。
その横でティアナとレイ。
「こちとら射撃型。無効化されてはいそうですかって下がったんじゃ、生きていけないのよ!」
ティアナはアンカーガンを構え、魔力を集中させる。
さっきと違うのは、魔力弾をさらに膜状のバリアで覆っている。
(AMFを貫通するほどの膜状バリアで覆えば、本命の弾は無事なはず)
フィールド系防御を突き抜ける多重弾殻射撃。
本来はAA級の技なのだが……
(固まれ!固まれ!固まれ!)
ティアナは必死で弾殻を作る。
「固まれー!」
なんとか膜状バリアを精製できたティアナ
「俺たちも行くぞ、ファントム」
『ファイアビー』
一方レイも同じように魔力弾を膜状バリアで覆う。
ティアナよりも多くの弾を、ティアナよりも早く。
(なんなのよこいつ……)
ティアナは驚いてレイを見る。
自分があれだけ苦労したのを、あんなに簡単に、それに多くの数を……
「ティアナ」
レイに呼ばれえて、え?とレイのほうを見るティアナ。
「俺が作ったバリアはあのAMFを突き抜けるほど強固に作っていない。だから俺が足を止めるから、お前が本命を撃て」
レイはそういって、ガジェットを見る。
「いけ!」
ファイアビーは、ガジェットを襲い、ガジェットもAMFを展開し、その場に止まる。
「いまだ!」
レイの指示に、ティアナは意識を集中する。
「バリアブル……シューーート!!」
放たれた魔力弾は、簡単にAMFを突き破り、2つのガジェットを破壊する。
422ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 21:02:57 ID:???
『ティア!』
ふと、スバルが念話で話しかけてくる。
『ナーイス!ナイスだよティア!やったね、流石!』
まるで自分のように喜ぶスバル。
ティアナはさっきの魔力の形成で魔力を大いに消費して、息もたえたえである。
「うっさい!」
ティアナはいつもスバルが言ってくるときに使うセリフを使い、大の字に倒れる。
「これくらい…当然よ!…はぁ…はぁ」

「がんばってるねぇ」
ヨウランたち二人は訓練場をみて思う。
自分達には無縁の物を見て、まるで楽しむように見ている。
実際楽しんでいるのだろうが……
なのははそんな二人を見て笑う。
「まだ危なっかしくて、ドキドキ物だけどね」
少しため息を付きながら言うが、予想以上の結果に喜ぶなのは。
「さあて、残り5つ。どうなるかな?」

第6話投下完了。
なのはさんがアニメより厳しくなってる気がしますが、あんまり気にしないでください。
423ガンダムし〜どD´s:2007/04/27(金) 22:42:16 ID:???
聞きたいことがあるけど、ストライカーズの時点で恭也と忍に間に子供って出来てたっけ?
いたら名前とかあるのかな?
424通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 22:47:29 ID:???
>>423
とらハの忍/ノエルシナリオに順ずるとすれば、既に出来てるはず
ただし名前は出てこない
425通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 23:13:53 ID:???
>>423
あくまでとらハ3の設定だが
忍・ノエルEDで3人の子供の描写があるが、名前が公開されているのは長女の雫のみ
今さっきとらハ3起動して確かめてきたから間違いない
まあ、リリなのでどうなってるかはわからないけどね
426通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 23:51:00 ID:???
このスレでも遊戯王は人気なのか
改めてドローモンスターカード!と社長の偉大さを再認識した
427通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 00:20:48 ID:???
>>423
リリカルなのはは高町士郎が死んでない世界の物語ですから
とらは歴史とはは大分違ってると思う
428失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:25:34 ID:???
箱根のみなさーん
失われた者ですよー

と声高に宣言出来るような出来栄えなら、胸も張れるんですがねぇ
第七話です
面白味のない所を上手に切り分けてできたような第七話ですがお楽しみ下されば、幸いです
429失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:26:53 ID:???
第七話

「一人で飛べるかね?」
「は、はい…ありがとうございます…」

まるで夢の中にいるような気分で、クルーゼの腕からフェイトは離れた。

銀の甲冑から現れたヴィータ。
レヴァンティンなる杖を操る仮面の男、トライア。
プレシアの杖を手に、フェイトを助けたクルーゼ。

目まぐるしい状況の変化に、ついていけない部分もある。それでもしっかりと空を踏んでフェイトは、敵対する者たちへと刃を向けて構える。
しかし、

(痛っ……)

表には出さないが、フェイトはグラーフアイゼンの一撃によるダメージに歯を食いしばった。
シグナムの剣が後も先もなく一刀で敵を斬り伏せるものだとすれば、ヴィータの鉄槌は後に響いて
くる重い攻撃だ。特に仲間たちの中でも防御面で不安要素が多いフェイトにとって、ヴィータの攻撃
を受けた事は大きなマイナスだった。

すっと、ヴィータが一歩前に出た。
手には、鈍い輝きを揺らめかせる赤い球体。

「ヴィータ!」

フェイトが叫んでも、眉ひとつ動かさなかった。

「ヴィータ! なんで……どうしたの! ヴィータ!」

きっと、青く大きな瞳がフェイトとクルーゼを見据えた。
そこに宿る光は敵意しかない。

間違いなく、ヴィータだ。
行方不明だったはずの、ヴィータなのに。

「ヴィータ!」
430失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:29:23 ID:???

赤い球を、グラーフアイゼンが叩いた。
フェイトがその場を飛びのき、クルーゼが身構える。

光と音が、当たりを包む。
まるで叩いた球が破裂したかのようだ。爆弾が爆発したかのような強力な閃光と轟音が広がった。

痺れるような耳と、ぼやけて仕方がない目の神経を必死で集中させてみれば、そこには赤、赤、赤、赤。ファイアガトリングが雨あられと横殴りに降り注ぐ。
防御魔法陣を展開しながら、とにかく足を使って上下左右前後を駆け、フェイトは逃げる。
防御魔法陣に赤い魔力が叩きつけられるたびに、秘められた熱量と破壊力を肌で感じて冷や汗が
流れた。防御魔法陣が砕かれそうになりながら、懸命に魔法陣を維持。その時間に比例してどんど
ん魔力が削られていく。
クルーゼも似たような状況だが、もう1人をフェイトは見失っていた。

(ヴィータは…どこ?)

「下だフェイト=テスタロッサ!」

クルーゼの大声とほとんど同時だっただろうか。
海から、高速でヴィータが飛び出してくる。
その手にはラケーテンハンマー。

上昇しながらカートリッジを何発もロードして、加速し続けているのがフェイトの目に映る。直線速度だ
けを考えれば、おそらくフェイトのマックススピードと同レベルだ。

本気だ。

躊躇なく、フェイトの命さえ奪って構わないと言わんばかりに力が籠っていた。
ラケーテンハンマーが、とっさにヴィータに対して展開した防御魔法陣に突き立てられる。ハンマーの
スパイクが停止したのは、一瞬。一瞬の停止の後、無残にもフェイトの防御魔法陣は叩き砕かれて、
フェイトは宙を舞う。
そんなフェイトへと、赤い弾丸の嵐が無慈悲に吹き荒れた。

「チィッ…!」

クルーゼの焦りを読み取ったかのように、プレシアの杖が変わる。
杖は鞭と化し、それを振るえばフェイトへと巻き付いた。そのままクルーゼが力を込めれば、鞭に撒き
付いたフェイトを遥か後方へと放り飛ばす。適当なところで鞭から杖へと戻せば、フェイトはもう戦闘
の手に届かない距離だ。
431失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:30:55 ID:???
何発ものファイアガトリングを身に受けてしまい、やぶれたバリアジャケットから酷い火傷が体のあち
こちから覗いていた。失神しておかしくない激痛であろうに、フェイトは朦朧とさせながらも意識を保っ
てどうにか空に踏みとどまっている。
だが徐々に高度が落ちている。5分としないうちに、海に落ちるのが目に見えた。

「ふぅ……ここまで手こずるとはね……しょうがない。ここは退こう」

トライアがレヴァンティンで肩を叩きながら嘆息。
もはやクルーゼにもフェイトにも興味を失くしたと言わんばかりに背を向けた。
それに倣い、ヴィータも。

「待て」

それに声をかけたのは、クルーゼだ。

「私を知っている魔法使い……お前は、何者だ?」
「……そんな事よりいいのかな? 彼女、落ちちゃうよ?」
「必要ないな。もう、管理局の仲間が来るのだろう? お前はそれを見越して逃げようとしている……
違うかな?」
「……ふん」

正解だったのだろう。不機嫌そうに鼻を鳴らしてトライアは飛んで逃げる。
それにヴィータが続く。

クルーゼは1度だけフェイトを振り返り、無言のままトライアを追った。


海に落ちるスレスレの所で、クロノとアルフの救援が到着したのだが、全ては終わった後であった。










432失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:31:53 ID:???
「…これで、戦闘記録全部」
「クソッ!!」

エイミィがモニターに映し出した一連の戦いを見おさめて、壁に拳を叩きつけながらクロノは叫ぶ。

アースラのブリッジにて、フェイトを医務室で寝かせた後の事である。
クロノたちの救援が来るまで気丈にも意識を保っていたフェイトは、2人の姿を見るや気絶。そんな
フェイトを即座にアースラへと運びこみ、今はアルフがフェイトのそばにいた。全身にくまなくつけられ
た火傷と、グラーフアイゼンによるダメージで酷い状態だ。
そんなフェイトを船医とアルフに任せてから、クロノはブリッジにてフェイトの戦いに目を通したのだっ
た。

「僕がもっと早くついていれば……」
「クロノ、あなたたちはあれが最速だったわ。あなたのせいじゃないのよ…」
「それでも……」
「あと、クロノ君、これも見て」

船橋前面にあるモニターに、新たに映し出されるものは先ほどのラウ=ル=クルーゼという男と、トラ
イア=ン=グールハートとヴィータの空の追いかけっこの続きだった。
追撃するクルーゼは、プレシアの杖からなかなかの精度で稲妻や雷電を伴う魔法でトライアを撃つ。

「これは……」

その戦闘スタイルこそ違うものの、使用する魔法の種類はフェイトのそれとかなり似通っている。
いや、折を見て生成するスフィアなどは、フォトンランサーのものではないか。
プレシアの杖を使っているからなのか、クルーゼの魔法のほとんどが「テスタロッサ」のものだった。

追われる側の2人は防戦一方だ。
クロノには、まるでもう弾も矢も少ない状態に見えた。
間違いなく、トライアは消耗していた。ヴィータはまだ戦える状態に感じられるが、画面から伝わる空
の飛び方を見る限り、トライアの方は余力がない。

「やはり…僕がもっと早くついていれば……」
「クロノ!」
433失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:32:49 ID:???

クロノがもっと早くついていれば、フェイトを傷つけることなくトライアとヴィータを確保できたかもしれ
ない。両方が無理でも、トライアの消耗の度合いを見れば、片方は確実にバインドをかけることがで
きただろう。
それを悔み、唇をかみしめるクロノへと、リンディは声を荒げる。荒げてしまう。
現場において、悔やむことは多い。多いが、今はその時間ではないのだ。
やがて、画面の中に新たな人物が登場する。

女の子だ。
年のころ、15歳前後であろう体つきの。
ただ、その顔は仮面にすっぽりと覆われて見えない。仮面の隙間から零れる金髪ぐらいが申し訳程
度に見えるだけだった。そして全身におびただしい切り傷をつけて、バリアジャケットであろう衣服に
赤がべったりと染みついていた。

なんとも、奇妙な光景だ。
ヴィータ以外の人間全てが仮面をかぶり、顔を隠していた。

どうやら、トライアとヴィータより先にここで逃げる準備をしていたらしく、大きな橙色の魔法陣が空に
描かれていた。それが次元跳躍用である事をクロノは見抜いて苦々しい表情になる。つまるところ、
これを見ている今はもう次元を超えた後ということなのだろう。

ふと、トライアとヴィータが魔法陣へとたどり着いた所で、仮面の女の子がクルーゼへと何かつぶやいた。

『―…』

しかしクロノには聞こえなかった。

「もっと音は大きくできないか?」
「ちょっと待って」

少し、画面が巻き戻る。
トライアとヴィータが魔法陣へとたどり着き、クルーゼが3人を逃してしまいそうな場面へと。
仮面の女の子が、クルーゼへと呟いた。

『ネ…』
『リリィ! 何をやっているんだ! 跳躍するぞ!』

呟きはトライアの怒号にかき消されてしまう。
クルーゼは何発か閃光のような魔力の弾丸を撃ちだすが、結局は3人の次元跳躍を許してしまう。
その後、クルーゼも次元跳躍をこなし、そこで記録は終わった。

「……それで?」

クロノの静かな声。
相当感情を押し殺しているのが、長い付き合いのエイミィじゃなくとも分かるだろう。

「うん、このリリィって呼ばれた女の子なんだけど…」
434通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 00:33:19 ID:???

し〜ど氏、乙彼&GJです。
いや〜何時もながら筆が早い&高クオリティなのはいい事です。というかMAはデフォで登場ならアノ最悪兵器もまた……
メビウスが原作や本編OPのようになのはさん達に落とされる絵が浮かんで吹きました。

>>423
女の子であれば恐らくは……でも作者曰く「同じことはしたくない」という性質の人らしいのでもしかしたら……
5月末に発売されるストライカーズのサウンドステージ01は海鳴市が舞台らしいので、もしかしたらそこで発覚するのではないのでしょうか?
それまでは待ってみたらどうかと……
435失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:34:22 ID:???

また少し画面が巻き戻る。
仮面の女の子――リリィがアップで映し出される。

「この子の転移魔法が発動した時、ロストロギア反応があったんだ」
「何だって!」
「ほら、波長も同じ。間違いなく、あたしたちが調査してるロストロギア、この子が持ってる」

最初に観測したロストロギアの反応をデータや数値化したものと、リリィなる女の子の魔力等の分析
を照らし合わせれば、かなりの部分で噛み合った。ほとんど間違いなく、この女の子はロストロギアを
所有している。

「行方は…!」
「2度の跳躍までは追いかけられたけど……見失っちゃった。クルーゼって人も、徐々に離されてる
みたい……」
「そうか…」

やはりあの時僕がもっと早く到着していれば。

クロノは、出かかったそんな言葉を飲み込んだ。
そして、強く強く歯をかみしめる。

(次こそは……)

医務室に眠る義妹を思いながら、クロノはそう意を固く結ぶのだった。

「まずは…状況整理ね」
「…はい」

リンディが重く切り出してから、エイミィの情報を元に現状を把握する事にスタッフは努める事になる。
現地にいたフェイトがダウンしている中、生の意見はゼロだったが、それでも見直すべきものは多
い。

ロストロギア。
行方不明となったシグナム。
エヴィデンス01と呼ばれた現地魔法使いの死亡。
ヴィータ、トライア、リリィから成る3人組。
ヴィータによる攻撃。
クルーゼとプレシアの杖。
クルーゼとトライア。

いろいろと要点を挙げてみてクロノはげんなりする。
理解できない事ばかりだった。
436失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:35:15 ID:???
まるでつながりが見えないし、どう解釈すればいいのか分らない事だらけである。
唯一、ヴィータが無事だったのは喜ばしいはずなのだが、その代わりに今度はシグナムが消えた。し
かも、ヴィータがこちらへ攻撃を加えてくるというオマケつきだ。
クロノの見立てとして、フェイトに対するヴィータの攻撃は加減なしの全力だった。まるで、見たことな
い敵に対する攻撃だ。

(偽物か…?)

と首をひねったが、クロノとしてはシグナムにグラーフアイゼンがヴィータ専用である事を聞かされて
いる。そうでなくとも、あれほどの突撃力はヴィータにしか実現できまい。

「魔力光もヴィータちゃんと一致……ほとんど確実に本物だよ」

エイミィが苦しそうに言った。
クロノもリンディも、苦い思いだ。

「はやてに何て言えばいいんだ……」
「……」

敵対する振る舞いのヴィータに、いなくなったシグナム。
家族のこんな状況を、人一倍家族を大切に思うはやてに伝えるのは気が重い。

「はやてさんは、今どこに?」
「えっと、ザフィーラとシャマルと一緒に捜索隊に組み込まれてますけど……ここからじゃ遠い次元世
界です」
「この位置じゃ通信は無理ね……適当な合流地点はあるかしら?」
「本局ぐらいしか……」
「そう……」

渋い表情でリンディは少しだけ考えた。
そんな思案もすぐに終わる。

「わかりました。まずは捜索隊のはやてさんたちに本局へ戻るよう、本局から連絡してもらいましょう。
本艦も7日を使って本局へ戻ります」
「待ってください艦長! ヴィータたちを追わなければ!」
「それについては、必要最小限の調査にとどめます。本局への規定進路にいくつか修正を加え、トラ
イア以下3名の足取りを追いますが、20時間以上の時間はとりません」
「艦長!」
「これだけヴォルケンリッターに異変がおきているのです。はやてさんたちに危険が及ばないうちに纏
まらなければいけないわ」
437失われた者たちへの鎮魂歌:2007/04/28(土) 00:37:30 ID:???
「トライアら3名を僕たちが追えば、はやてたちの危険も減ります! ラウ=ル=クルーゼにも接触で
きれば、上手くいけば多くの情報も手に入る!」
「落ち着いてクロノ君、敵は4名以上かもしれないんだから。それに、これまでシグナムたちは単体の
時に異常が起こったんだ。3名で固まっているはやてちゃんたち相手には敵も慎重になるよ」
「しかし……!」
「クロノ、もうこれは決定よ。意見は許されません」
「……わかりました」

握りしめる拳に力を込めて、クロノは呻くように返事をした。
フェイトに対する仕打ちに、クロノは我慢ならぬ思いだが、それは彼だけではない。
その上で、リンディたちはこの決を下す。
今は、激情をこらえる時間だ。いずれ、必ずこの感情をぶつけるために。




終了です
中繋ぎの話を、面白く書ける人ってすごいと思います
438434:2007/04/28(土) 00:48:11 ID:???
>失われた者たちへの鎮魂歌

乙彼&GJです。それと割り込みごめんなさいorz 一度感想を書いた後にリロードするべきでしたorz

クルーゼとプレシアの関係性、トライアやリリィ、ヴォルケンリッターに関わる謎とは一体……
妄想しつつ次回を楽しみに待ちます。
439通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 02:12:46 ID:???
>失われた鎮魂歌氏
待ってました&お疲れ様でGJです!
この先の展開が楽しみです!

>し〜どD's氏
お疲れ様です!二作品同時進行させるなんて…。しかも投下早いし…。
敵いません。
続きが楽しみです!
ところで、自分は「シンとヤマトの神隠し」を書かせていただいてるのですが…。時期背景+α、一部の話が同じになってしまうかもしれないんですが…これからも投下させていただいてよろしいでしょうか?
なるべく話の一致は回避しようと思いますが…どうでしょう?
440通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 08:34:34 ID:???
>失われた鎮魂歌氏
まってましたよ!GJです。
続きが今から楽しみです。
441ガンダムし〜どD´s:2007/04/28(土) 10:55:15 ID:???
>>439
別に全然OKですよ。
ストライカーズ自体がまだそこまで進んでないから、かぶるのはしょうがないしですし。
それと、投下が早いのは、今学校が長期休暇中で内容を考える時間が増えてるから。
学校が始まったらまた週に、または二週間に1回くらいのペースに戻るかもしれない。忙しいから。
442通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 23:25:27 ID:???
D’s氏の学校がいつまでも始まらなければいいのに・・・(オイ
443通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 09:37:31 ID:???
>422
このスレの住人なら考えそうな事だけどさ……
前向きに考えれば、今日からのGWは作品投下が多くなると捕えてOKですか?
444通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 13:46:29 ID:???
>>422
でしょうね。
それと一緒に房も増えるから、ageないようにしないと。
一瞬で食い尽くされるかもしれん。
445ガンダムし〜どD´s:2007/04/30(月) 14:50:27 ID:???
D´sシン対なのはの後編が出来たので投下します。
446通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 14:51:20 ID:???
キター
447ガンダムし〜どD´s:2007/04/30(月) 14:53:47 ID:???
機動戦士ガンダムし〜どD´s 28話

「あいつ、大丈夫なのか?」
ヴィータはスターライトブレイカーに飲み込まれたシンを見る。
なのはの持つ、おそらくなのは最強の魔法、スターライトブレイカー。
あの攻撃を喰らったのは暴走した闇の書、そしてフェイトの二人。
「なのは、本気で撃ってる……」
フェイトは、およそ1年前に受けたスターライトブレイカーを思い出す。
今回のそれは、カートリッジシステムのおかげで以前よりも威力は遥かに上回っていた。
「まあ、よくやったほうだな」
シグナムはそういって前を見ると……
「っつ……」
そこには、ところどころ騎士甲冑に傷があるが、何とかスターライトブレイカーに耐えているシンの姿があった。
『フルコールドプロテクション』
シンの前には、二重にはられたプロテクションがあった。
手にあるデバイスの手の甲からプロテクションを出現させるフルコールドプロテクション。
だがそれでは防ぎきれないと思い、シンは両手のプロテクションを発動させたが、まだ足りないので、カートリッジを使用して何とか耐え切ったのだ。
おかげてカートリッジは空っぽ。
シンがカートリッジを交換しているときに、シグナムは気付く。
「あいつ……」
シンの目は輝きはなく、あの時、美由希を助けたときのように赤黒く、雰囲気もあのときのようだった。

「うそ……」
なのはは唖然としてシンを見る。
確実に倒せたと思ったし、自身もあった。
シンはなのはが唖然としているうちにカートリッジの交換を済ませ、構える。
「ステラ、アロンダイト、それにミラージュコロイドも」
『わかった』
握られていたスラッシュエッジが光りだし、シンの身長を超えるほどの長さを持つ大剣になる。
それと同時に、カートリッジが射出され、シンの背中から輝くように魔力で出来た翼が形成される。
『ミラージュコロイド』
シンはなのはに向かって突撃する。
「え?」
なのはは、自分は夢でも見ているかのような錯覚に見舞われる。
戦いを見ているはやてたちも同様である。
ただ一人、レイだけが普通に見ていた。
シンが、残像みたいなものを残しながらなのはに接近する。
「ディバインバスター!」
なのはは攻撃するが、奇妙な分身のようなものが邪魔で、うまく標準が定まらない。
448ガンダムし〜どD´s:2007/04/30(月) 14:56:40 ID:???
「はあぁぁぁーーーーー!」
そのままなのはに接近し、アロンダイトを振り下ろす。
だが、実際にこんな大剣なんて使ったことない。
修行のときもほとんどをファイティングアーツで戦ってきた。
ゆえにその振りは遅く、紙一重でかわされる。
なのははこのまま後退しようとするが、すぐに体勢を立て直したシンは再度攻撃を加えようとする。
だが、アロンダイトの攻撃は通じない。
そう思ったシンは……
「これでーーーーー!!」
シンは、アロンダイトを思いっきり投げつける。
「え!?」
予想外の行動になのはは驚き、反応が遅れてしまうが……
『プロテクション』
レイジングハートがそれを察し、とっさに防御する。
それを見たシンは突貫し、再度アロンダイトを持ち、力を入れる。
「うおーーーーーー!!」
少しずつだが、プロテクションにひびが入っていく。
その時、なのはは瞬時にレイジングハートをアクセルモードもに戻す。
「アクセルシューター!」
シンの周囲にアクセルシューターが出現する。
シンを囲むように展開されたそれは、まっすぐに、逃げられないようにシンを襲う。
「くっそぉ!」
シンは、なのはへの攻撃を止め、防御に専念する。
『フルコールド』
展開されたプロテクションで攻撃を防ぎ、何とか堪えるシン。
なのはのプロテクションを張っていたせいか、そこまで多くの数はなかった。
防ぎきった後、なのはを見失ったシン。そこへ……
『フラッシュムーヴ』
気付くと、なのははシンに向かって上空から急降下で迫ってきた。
迎撃するためにシンはアロンダイトを持つが、既にアロンダイトはぼろぼろだった。
だが、それを気にせずシンもなのは似向かう。
「でやああぁぁーーーーーーーー!!」
「うぅおぉーーーーーーーーーー!!」
レイジングハートとアロンダイトが激突する。
ただでさえぼろぼろのアロンダイト。
そこへ、急降下時の重力を味方につけたレイジングハートはアロンダイトを粉砕する。
そのままフラッシュムーヴでシンにトドメを誘うとするのだが……
「え!?」
シンは意外な方法でそれを阻止する。
どうせアロンダイトが砕けることは承知していた。
だったらアロンダイトを捨て、相手の動きを逆に封じればいい。
そう思ったシンは二つの武器が交差した瞬間にアロンダイトを手から離し、レイジングハートの柄、ちょうどなのはの右手と左手の間を持つ。
449ガンダムし〜どD´s:2007/04/30(月) 14:59:33 ID:???
「真剣白刃取りって、ちょっと違うか?」
一度掴んでしまえば片手でも十分両手のなのはを抑えることが出来る。
シンはカートリッジをロードする。
その数3発。
「これが、俺の切り札!」
『パルマフィオキーナ』
シンの右手がなのはの腹部を抑える。
「いけぇ!」
そのまま右手のたまった魔力を放出する。
零距離で放たれた砲撃は、なのはを吹き飛ばし、なのはは海面に衝突した。
「はぁ……はぁ……」
シンもほとんど魔力は残っていない。
(どうだ?)
シンはなのはが落ちた海面を見る。
すると……
「何!?」
シンはまたバインドで拘束される。
流石に、ここまで魔力を消費するとなかなか引きちぎるという荒業は出来ない。
「シン君。びっくりしたよ」
ゆっくりと海面から姿を現すなのは。
「まさかあんな攻撃をしてくるなんて」
そう言ってなのはは再度レイジングハートをエクセリオンモードにチェンジし、シンへ向ける。
「今度はこっちの版だよ!」
そういって、魔方陣が展開される。
この大きさはなのはの十八番、ディバインバスター。
ただ違うのは、エクセリオンモードのはずが、そこまで大きな魔方陣ではない。
「フェイトちゃんの魔法をちょっと真似してみた新必殺魔法!!」
そういって、カートリッジをロードする。
その数、4発。
なのはの周りに、ディバインバスターの魔方陣が複数、少なくても10発以上はある。
「私の魔法?……!!」
フェイトは、一つだけ思い当たる節があった。
思い出したと同時に、フェイトは呆れ、同時に心配する。
「なのは……あれするならせめてアクセルシューターにしたほうが……」
はたして、今のなのはに耐えれるかどうか……
フェイトはなのはを、そしてそれを受けるシンを心配する。
「フェイトちゃん。なのはちゃん何するきなん?」
全然なのはの言っていることがわからないはやては、フェイトに聞く。
「あ、えっと…実は、まだはやてやシグナムに見せていない、あんまり使ったことがない魔法があるんだ」
そんなフェイトの言葉に、シグナムは反応する。
けど、と付け加えるフェイト。
「隙が多いから、シグナムにつかったらそのばで倒されるから使わないけど」
苦笑いを浮かべるフェイト。
「いくよ!新必殺!!ディバインバスターEX、ファランクスシフト……シューーーーート!!!」
なのはの指示と同時に、複数の魔力の塊がシンを襲う。
もうシンに抗う意思はなく、ただそのあまりにも激しい衝撃に、シンは意識を失った。
450ガンダムし〜どD´s:2007/04/30(月) 15:02:14 ID:???
「ん……」
シンはアースラのベッドで目が覚めた。
あれからアースラに運ばれたらしい。
「あ、目が覚めましたね」
横を見ると、そこにはシャマルがいた。
ふと気になったことは……
「で、今度はどれぐらい気を失ってたんだ?」
そんなシンの言葉に、シャマルは笑いながら答える。
「半日くらいかな?地球じゃ、今は夕方くらいよ」
シンも笑いながら、起き上がろうとするが、まだ体の節々が少し痛い。
「にしても、最後はびびったな……」
シンがそう思っていると、いつもの3人組が入ってきた。
「あ、シン君、大丈夫?」
どうやらなのはも少しやりすぎたと自覚しているらしい。
「ごめんなさい、やっぱりまだ制御がうまくいかないみたいなの」
そりゃああれだけの物を制御するにはかなりの集中力と魔力が必要なのはわかる。
なのはも、れだけの魔術を使って、かなり眠そうである。
「大丈夫だよ」
シンは笑いながら言う。
そこへ、もう一人医務室へやってきた男が一人。
「お、目が覚めてるな」
その男、ムゥをみて、シンは少し顔をしかめる。
ふと、戦う前のなのはの話を思い出す。
(私が勝ったら、ムゥさんと仲直りしてもらうからね!)
チラッとなのはを見ると、その顔は笑っていた。
「ちゃんと約束は守ってもらうからね」
そんななのはを見て少しため息を付くシン。
「じゃあ、仲直りの印に、二人で握手ね」
なのはにいわれて、いやいやながら手を差し出すシン。
(やれやれ、素直なのかそうなんだか)
そう思いながら、ムゥも手を差し出す。
あ、となのはは大事なことを思い出す。
「あと、お互いの名前も呼ばなきゃね」
なのはの言葉に、はぁ、と疑問を浮かべるシン。
「だって、シン君はムゥさんのことをお前、とか、アンタ、とか。ムゥさんも坊主、とか名前で全然呼ばないでしょ?」
でしょ、って言われても……
「ほとんどクセだしなあ……向こうでもそうだったし…」
シンの言葉に、ムゥも頷く。
そんな二人に、なのはは少し呆れる。
「お友達になるんだったらちゃんと名前で呼ばないと!シン君だってレイ君のことはちゃんと名前で呼んでるのに」
むしろ、シンにとっては名前で呼ぶほうが少ないかもしれない。
そういわれると、確かに反論が出来ない。
451ガンダムし〜どD´s:2007/04/30(月) 15:05:05 ID:???
「まあしょうがない、これからよろしくな、シン」
ムゥの言葉に、少し違和感を感じながらシンもいう。
「わかったよ。ここにいる間だけだからな、ムゥ・ラ・フラガ」
素直じゃないねぇ、とムゥは笑う。
だが、こうして仲直りは完了した。
ふと、はやては思い出す。
「シン、明日からシグナムがシンを鍛えてくれるって」
はやての言葉に、やっぱり、と少し予測していたシン。
「どうせこの世界にいるときにしか使わないから別にいいのに……」
「そういうわけにはいかない」
ふと前を見ると、シグナムが立っていた。
「見ていて思ったが、あまりにも剣の扱いがひど過ぎる。あれでは宝の持ち腐れだ」
はあ、としか言い返せないシン。
「ナイフしか使ったことがないのなら、習っておいて損はないと思うが。どうせ暇なのだろう?」
確かに暇だけど……もとの世界へ帰ったら多分いらないだろうし……
「それに、魔法のほうも教えなければな、使い方が荒すぎるからな……」
こうして、剣と魔法、両方の訓練をシグナム、ヴィータ、そして素手での戦いをザフィーラ(たまにアルフ)に教えてもらうことになった。
(訓練校時代を思い出すなあ……)
シンはそう思い、上を見上げるのだった。

投下完了。
なのはさん、フェイトの技をぱくらせて見ました(むしろ強化?)
……シン、ちょっと強くしすぎたか?
452通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 15:08:49 ID:???
ディバイン・バスターファランクシフト・・・・・・
流石、悪魔
453通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 15:13:22 ID:???
             l: |l :::iヽヽ{::::::::::::::::::::::::::::::::::リ: :イ`ヽ// l: ::l:. : : : : : :
           ',:|ヽ::|:::lヽl::::::::::::::::::::::::::::::::://:::| // |: : l:.: : : : : :
           l| ヽ|ヽ,l::}  、         j: : ::jノ/   |: : :l::: : : : :  
                l:ヽ  ー="   .イ::://    |: : ::l::: : : : :    誰が悪魔だって?
                |: ::iヽ、       イ//‐|,     |::::::::l:ヽ: : : :
                l: :リ  ` --r '´ //  /`┬ 、 .|:::::::::|:::ヽ: : :
                V    | l¨l    ./  |  `ー-、:l:::::::\
  ┌――――――――――┐__//大l   /   .ト、    `ー--
  |                    |::/  |/∧ヽ /   j  ヽ    /
  |                    |/  |V V /   /    \ /
  |                    |l|  |'⌒ヽ/  /    i  /j´   __
  |                    | l  |  / ,/     | .//  /r⌒
454通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 15:14:48 ID:???
シン「俺のBGMは「悪魔との契約」・・・なのはさんとの契約なのか!?」
455通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 15:17:56 ID:???
シン「いくら白い悪魔といえど至近距離からのパルマを喰らってはひとたまりも……何ィ!?」

今回の話で、これを連想してしまったw
456通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 17:56:09 ID:???
種割れ以上の進化などありえん!!

・・・・・・こうですか?
457通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 18:01:58 ID:???

し〜ど氏、乙彼&GJです。

シンの秘策もなのはさんの防御と魔導師としての感で押しつぶされるなんて……
それにしてもディバインバスターをファランクスシフト発射なんて鬼過ぎる。本編でも悪魔の所業

>>455
そこはなのはテイストらしく「もう少しやるしかないな」と切り替えして欲しいな。
あのACS効かなかったのに、ああ切り返すなのはさんは戦士らしすぎるし。
458通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 19:04:25 ID:???
し〜ど氏、乙です!
戦闘の描写が上手くて
羨ましいぜ……
自分も頭の中に
種死×なのは×redEyes
と言うのを考えては
いるのだが
文章力が無い
というかなのはとredEyesが合いそうにない
459通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 19:10:49 ID:???
おらは、一度だけフルメタとのクロスを考えたな・・・・
460通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 19:36:50 ID:???
>>454
なのはとの契約と言うとシンが使い魔化するパターンか?!
時事的には紫の龍かねぇ

ps.俺は一時初期なのはと種死(主にシンとレイ)、劇ナデ(アキトとラピス)のクロスものを考えた事が有る……
461通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 19:57:37 ID:???
>>460
「倒しちゃっていいよね?答えは聞かないけど!」
スターライトブレイカー!!
462通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:02:31 ID:???
>>458
レッドアイズ大好きだけど、この板で知ってる人どれくらいいるんだw
あれの主人公も、なのはさんとは違う意味で化物だよな
463通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:03:59 ID:???
>>462
464通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:17:58 ID:???
あれが・・・「ジェノサイド」グラハルト=ミルズの力かよ・・・
素手でAAS部隊を全滅。
465通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 23:28:28 ID:???
NHKのアニソン三昧でなのはの曲ながれてるぞ!!!
466通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 23:34:17 ID:???
リアルで聞いてるw
エレブレかw
467通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 00:03:53 ID:4L39EA2Y
オイラは昔種XアストレイとなのはのクロスSSを書いた事あるべさw
468通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 01:52:15 ID:???
よし
つべこべ言わず、書いたものを投下してください
469通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 06:37:52 ID:???
みんなに言っておきたいがシンはお前という二人称は使わない
あいつの二人称は「あんた」だ
じゃ、続きをよろしく
470通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 07:00:17 ID:???
人間ミラコロ・・・恐ろしい子!!
471通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 07:56:05 ID:???
>>469
いや、「お前」も使ってるよ
ヘブンズベース戦参照
472通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 08:17:22 ID:???
味方=あんた
敵=お前
じゃなかったっけ?
473通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 08:49:12 ID:???
ミネルバクルーで、アカデミーの同期連中に対しては皆「お前」って言ってるよ
>>471のような例外もあるが、基本的には

同格で親しい者=お前
初対面、あまり親しくない者、もしくは敵=あんた

って感じかと
474通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 12:44:08 ID:???
ステラだけかな?君、て言うのは
475通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 13:45:00 ID:???
>>473
基本仲の良いやつは名前で呼んでなかったか?
ヨウランやヴィーノはそうだったと思うが
お前はよっぽどのことないと使わない気がする
キラ相手でもあんただし
476通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 13:52:37 ID:???
キレたとき「お前」って使うよね?
フリーダムに「お前も…ふざけるなぁぁああ!!」って絶叫してたしね。
あとは「こいつ」とかね。
477通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 14:27:40 ID:???
「こいつ」は三人称だろ
478通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 20:03:17 ID:???
なのはさんが空戦でインメルマンターンかましたり、「同じ空は久しぶりだね」なんて微妙にエースコンバットな感じになってるような……。
飛行型ガジェット見てたら
ガジェット「ファトゥム01」を背中につけてるアスランとか
ガジェット「オオワシ」を背中に付けたカガリとかいう電波を受信した……
それぞれ隠者、暁モチーフのBJに背中に人間サイズのファトゥムとオオワシな感じで………
……とりあえず忘れてくれorz
479通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 20:16:01 ID:YV6xNsGq
>>478
俺はグゥルに載っているイージスを思い出した。
480通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 23:05:33 ID:pxfWspFI
リリカルなのはとAsのDVDって合わせたら全何巻になるべ?

種XアストレイとのクロスSS書くのに一から勉強しなきゃいかん。

DVD以外になのはのシナリオ詳しく知れる物ってあるかな?
481通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 23:08:32 ID:???
全部で11巻
無印5巻、A'sが6巻
482通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 23:26:11 ID:pKsnsA/J
>>480
let's go ようつべ
483通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 23:31:09 ID:???
YouTubeにあったな全話
484通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 23:37:24 ID:???
せめてレンタルDVDで見ようや
YouTubeの荒い映像で見るのは勿体無い
485通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 23:38:20 ID:???
確かにDVDは色々と修正されてるから作画も綺麗だしな
特に、A'sは
486通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 00:10:04 ID:8Wm1oE/o
情報提供サキュバス。

レンタルで11巻かぁ……時間掛かりそうだべさw

キャラの技とかはアニメ見て言ったら覚えれるだか?

詳しく知りたいから分かる方解説付きで教えてくだぁせorz
487通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 00:20:44 ID:???
まず見れ
見てから聞け
488通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 00:26:00 ID:???
489通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 01:03:29 ID:???
>>465
えっ!!!嘘マジっ!!!うわっっっっっーーーーー!!!!!見逃したーーーー!!!!
ちくしょーーーーーーー!!!!昨日新聞ちゃんと見ときゃ良かったーー!!(マジ泣)
490通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 01:13:19 ID:???
見逃したじゃなくて聞き逃しただろ
491通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 02:03:21 ID:g7Uz8o/F
>>466
エレブレじゃなくてエタブレな
492通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 02:44:52 ID:???
>>480
俺も……なのはのクロスss書きたくて
勉強の為に、無印とA`sのDVD全巻買っちまったんだ。
金が……
493通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 02:47:27 ID:???
後悔はするなよ
494通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 03:53:17 ID:???
とりあえず困ったらnanohawikiでいいんじゃないかね
495通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 04:06:15 ID:8Wm1oE/o
解ったアニメで勉強してから書くよ。

情報オクトパス!!

DVD全巻一気に買った人もいるとはw
496通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 08:19:45 ID:???
DVD11巻+SS6巻+無印小説+A'sコミックをまとめ買いしたら、77777円だったのを思い出した。
497通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 08:26:56 ID:???
とらハ1・2・3DVDとアニメ版とらハはいいのか?
498通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 08:40:55 ID:???
>>497
知ってるとネタの幅が広がるだろうが、基本別作品だから知らなくても問題は無い
499通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 09:09:25 ID:???
5話観たが、エリオのヒロインっぷりに俺が泣いた
神隠し氏のSSで、シンの戦闘スタイルをスバルが参考にする、ってあったけど、スタイル的に近いのはエリオのような気がした
500通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 09:27:05 ID:???
俺はSS書くために無印とA'Sと種死の動画を全話DLしちまったよ
つか、おかげで容量がヤバイことに(o_▽_)o
501通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 09:27:35 ID:???
>>500
死ねよ
502F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/02(水) 12:06:23 ID:???
 第一話 時を越えて

「一年、経ったのね」
 疲れが滲んだ女の声は、誰に聞かれることもなく暗い空気に溶け込んでいった。
 黒い長髪と黒い喪服のようなドレス、それに相反するかのような白い肌がこの女性に年齢に不釣合いな若さを与えていた。
 しかし一方で、全身から発する気だるげな空気が年齢以上の老いを与えてもいた。
 そんな矛盾する空気を纏う女性の名前は、プレシア・テスタロッサ。
 高位の魔導師を目指す者ならその名を知らぬ者はいない偉大な、そして悲劇の大魔導師。
「ごめんなさいね、アリシア。母さん、まだあなたの事を起こしてあげられないの」
 一人呟く言葉は、未だ眠り続ける愛娘への謝罪。
「あなたもお寝坊さんね、もう二十年は眠り続けているんだもの」
 その場に他の誰かがいたら耳を疑うであろう言葉も、彼女はさも当然のことのように口にし続ける。
「でもね、アリシア。もうすぐ起こしてあげられるから。もうすこしだけ我慢してね」
 既に数千を超える回数を数えた言葉も、最近は確たる自信の基に発せられていた。
 あの日から二十六年が経っていた。
 駆動炉暴走により起こった中規模次元震は、辺り一帯の次元を薙ぎ払いながらアリシアとシンの命を飲み込んだ。
 それに絶望し、しかし在って無いよう希望に縋りつき、プレシアはアリシアの蘇生を望んだ。
 そうして長い年月をかけて、プレシアは遂にアリシアの目を覚ます方法に辿り着いた。
 それはプロジェクトF.A.T.E.という完全なる人工生命を生み出すものだった。
 しかし、辿り着いた答えは間違っていた。
 生まれたのは単なる偽者であったのだ。
 どんなに姿が同じでも、記憶が同じでも、あの出来損ないは決して正解である筈がない。
「……忌々しい」
 プレシアの手に力が込められる。
 その表情は禍々しく、間違った解答への憎しみが表れていた。
「ああ、ごめんなさい、アリシア。あなたの前で言うことではなかったはね」
 しかし一転、プレシアは急に笑顔になると、目の前の巨大な容器に頬を擦りつける。
 まるで、我が子の顔にするかのように。
「そう、間違っているのなら、答えを見るだけよ」
 失敗の末に掴んだ、いや、掴むことを意識した解答。
「待っていてね、アリシア。アルハザードへの扉は、もうすぐ開かれるわ」
 どこまでも優しい響きをもって、プレシアは目の前に巨大な容器に口付けをした。
 そう、まるで、我が子の顔にするかのように。
「そうよ、もうすぐ開かれる」
 暗い室内に狂気に満ちた笑い声が響いた。
503F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/02(水) 12:07:18 ID:???
 風奔る草原を二人の少女が歩いていた。
 一人は金髪に黒いマント、もう一人は赤毛に露出度の高い軽装姿である。
「どうしたのさ、フェイト?こんな所に来たって何にもないじゃないか」
 赤毛の少女が口を尖らせながら、隣を歩く少女、フェイトへと言葉を漏らす。
 不満が見え隠れする口調に、フェイトは足を止める。
「ごめんね、アルフ。でも、何かがある気がするんだ」
 その凛とした口調に、アルフは首を振る。
「いや、フェイトがそう言うなら何かがあるんだろうけど……やっぱりこれを見るとねぇ」
 そう言い、アルフは自分達の辺りを見渡す。
 一見何の変哲も無い草原に見えるが、所々に違和感がある場所だった。
「あんまり長居はできないよ」
 それは空間の歪み。
 かつてこの場所で起きた事故の影響で、この一帯は次元律が少々壊れているのだ。
 現在は小康状態に落ち着いているが、それでも危険地帯に変わりはない。
 何かのきっかけで次元律がずれれば、たちまち辺りを巻き込む極小規模次元震が発生するだろう。
 そのためここは時空管理局によって厳重に封印されている場所なのだ。
 そんな場所を予感という曖昧なものを頼りに訪れたフェイトを、アルフは心配していた。
「うん。でも、誰かが呼んでいるんだ。私を、母さんを」
「フェイト?それって夢の話じゃ」
 アルフの言う夢とは、ここ最近フェイトが訴えていた不思議な夢の話だった。
 フェイトに良く似た少女とその傍らに寄り添う黒髪の少年。
 フェイトがいくら近付こうとしても決して近付くことのできない二人。
 しかし、いつの頃からか少女は消え、黒髪の少年がこちらに向かって歩いてくるようになった。
 最初は戸惑ったが、次第に胸を締め付けるような懐かしさに襲われた。
「……あの人が、私を待っている。そんな気がするから」
504F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/02(水) 12:08:04 ID:???
 そして、フェイトはある空間の裂け目の前に立つ。
 その向こうに広がる虚数空間にアルフは息を呑む。
 落ちれば二度と上がってこられない、一種のブラックホールのような落とし穴。
「ここかい?」
「うん、ここだと思う」
 フェイトがその裂け目に手を伸ばす。
「フェイトッ!?」
 アルフの驚きも意に介することなく、フェイトは裂け目に手を突っ込んだ。
「私を呼んだのは、あなたなの?」
 その問いかけに、フェイトは腕を掴まれる感触を得る。
「来て」
 そう言いフェイトは腕を引っ張り出すと、確かにフェイトの腕を掴む何者かの手があった。
「ちょっと何なのさ!やばいよ、フェイト!」
 アルフは自らの主の腕を掴む存在に、最大限の警戒を向ける。
 だが、フェイトはそれをもう片方の手で押さえる。
「大丈夫」
 そう言い、アルフを宥めるフェイトの顔はとても穏やかだった。
 フェイトは感じていた。
 記憶の奥底に刻まれている「彼」の笑顔を。
「きっと会えると思っていたよ」
 そこに矛盾を考えることはない。
「来て」
 溢れる想いに全ては流され、フェイトはその名前を呼ぶ。
「シンお兄ちゃん」
 次元の、時間の壁を越えて。
 あの日、この世界から消えた少年、シン・アスカはこうして虚数空間より帰還を果たした。
505F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/02(水) 12:09:09 ID:???
とりあえずここまで。この急展開の説明は次回辺りに……できるといいなぁ。
アドバイスがありましたらよろしくっす。
506通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 12:23:18 ID:???
>>505
特に問題はないかと
元SS書きの俺の目から見ても文章力も高いし
507通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 12:37:13 ID:???
>>505
GJ!
早くも無印本編とは違った形でのフェイトの幸せを渇望してしまってるよ。
まあ、そこら辺は作者さんの展開次第なんだろうけどね。
続きも期待してます!
508通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 14:34:50 ID:???
GJ
509通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 14:50:58 ID:???
よっしゃ、熟女好きな俺はF.A.T.E.応援するよ!
510通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 14:55:13 ID:???
20年以上も虚数空間を漂ってたのかシン・・・人格崩壊してないだろーな
511通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 18:01:01 ID:???
そう言えば同じく虚数空間に落ちた某サードチルドレンも落ちてから
12時間程で発狂しかけてたな。
512通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 18:23:32 ID:???
別に時間の流れが同一じゃなくてもよくね?
513通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 18:34:24 ID:???
>>511
虚数空間では時間は逆行してるじゃなかったっけ?
514通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 19:50:07 ID:???
虚数空間はたしか?
他の世界に繋がってると聞いたような気がする。
515通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 22:40:33 ID:???
物理学の虚数空間とエヴァ世界やなのは世界の虚数空間は違うダロ
516通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 22:41:58 ID:???
とりあえず、魔法が発動しない恒常的なAMFみたいな感覚でいいんじゃまいか?
517ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:07:02 ID:???
まじかるしんができたので投下
518ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:09:31 ID:???
魔道戦士まじかるシン 7話「モビルジャケット」

「行くぞ、インパルス!」
「解りました」
シンは上空に飛んで周囲を見る。
残り5体。
「AMFで攻撃魔法はそんなに効かないし、俺は魔力を包むなんて細かいことは出来ない」
シンは、AA級の魔術師だが、こう手先の器用なことはめんどくさいからあまりしないので得意ではない。
そんな自分が出来ることは……
「魔力を持たない武器で攻撃するか……インパルス」
シンはインパルスにあることを命令する。
「あれ、やってみるか?」
シンの言葉に、少し驚くような様子を見せるインパルス。
デバイスが驚くかは別として
『ソードシルエットのほうがいいのでは?』
そういうインパルスに、シンは首を横に振る。
「早めにみせとかないとな。後で説明すんのもめんどいし。」
そう言って、シンは上空へ飛び…
「行くぞ!」
まっすぐガジェットのほうへ突っ込むシン。
「な、なにやってんの?」
スバルたちも、そんなシンを呆れたように見る。
当然のように、ガジェットはシンを攻撃する。
「いくぞ、インパルス!モビルジャケット、セットアップ!」
そのガジェットの攻撃をシンは避けようともせず、そのまま突進する。
その結果は、集中的に攻撃が命中し、シンの周囲は煙で充満する。
「あのバカ!…あーもー…」
片手で頭を抱えてティアナが嘆く。
これじゃ訓練を最初からやり直しになる。
その横で、レイはくすくすと笑う。
「なんで笑ってるんですか?」
キャロはそんなレイを不思議そうに見る。
いや、とレイは前を見る。
そのときだった。
スバルもティアナと同じようにあちゃー、と頭を抱えていて見えなかった。
いきなりガジェットの中心に粉塵が舞ったのだ。
「な、何!?」
スバル、そしてエリオは近くまで行って見る。
ティアナたちにもビルの上から見えている。
やがて、煙からガジェットが出てくるのだが、その数が4体と、1体少ない。
次に煙から出てきたのは……
「うおぉぉーーーーー!」
叫び声とともに、見たこともない、傀儡兵とは違うロボットが現れる。
そのロボットはまっすぐガジェットへ向かい、ガジェットを殴り、そのまま壁にぶつける。
ガジェットはそのまま機能を停止し爆発する。
519ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:11:10 ID:???
「次は!?」
そのロボットは、別のガジェットに目を向ける。
そのロボットの声は、間違いなくシンのものだった。

「あれ、何なの?」
なのはも、予想外の出来事に呆然とする。
シンがやられたなと思ったら、そこから変なロボットが現れて、ガジェットを攻撃し始めたのだ。
「とりあえず訓練は中止して!!」
なのはがシャーリーにそう伝えようとしたときだった。
『待ってください、あれはシンです!』
レイの言葉にえ!?と、流石のなのはも目を見張る。
あれがシン?どうやったら人間がロボットになるのだろうか?
『事情は後で話させます』
そういって、レイは通信を切る。
何がどうなっているのやら、なのははさっぱりだった。

「あれ、何?……」
スバルはあっけに取られて妙なロボットを見る。
全体的に白と青で形成され、ところどころに黄色と赤い色が混ざっている。
ふと、それがシンのバリアジャケットの一つと似ていることに思いつく。
「もしかして、アスカさん?」
エリオの声に、ロボット、いや…シン・アスカはエリオのほうを向く。
『やっぱり変な目で見られてますね』
インパルスの声にそうだな、と笑うシン。
最も、今はロボットなので笑ってもわからないだろうが。
それよりもまずは……
「後で説明してやるからさっさと終らせるぞ。あと3体だしな」
まずはこの訓練を終らせてからだ、どうせ教官にも教えなきゃいけない。
はい、とエリオは丁寧に返事をして、構える。
「俺が特攻するから、向こうが避けたところを狙えよ!」
そういってシンはガジェットに向かって駆け出していった。
「ソードシルエット!もちろん魔力刃は抜きでな」
『了解。ソードシルエット』
インパルスの色がいったん灰色になり、次に赤を基調とした色に変わり、武器は背中に二つの巨大な剣。
シンはそのうちの一つを持つ。
「いくよ、ストラーダ」
エリオ、そしてスバルもシンの後に続く。
ガジェットは先頭にいるシンに向けて攻撃するが、通用している様子はなかった。
「はあぁぁーーーー!」
シンは持っている武器、エクスカリバーを振るが、ガジェットに避けられる。
これまでは予測どおり。
「これでえ!」
そこには、エリオとスバルが既に攻撃準備をしていた。
エリオはストラーダを相手に向かって突き刺す。
魔力を使っていないのでAMFを展開されずに破壊できる。
一方スバルは攻撃時にどうしても魔力でローラーを動かす。
520ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:12:52 ID:???
「やっぱり、威力がそがれる……だったら!」
スバルはガジェットを足で絡め、地面に倒す。
「これでどうだ!」
そこへ、無理やりパンチをぶち込む。
これで残りは一つ。
後一つを探していると、少しはなれたところで爆発が。
「最後は俺がしとめた」
そこにはレイがいて、ファントムを巨大な斧、ファルクスに変え、立っていた。
シンが一つを逃した後、ティアナが足止めをして、レイが敵をたたっ切ったのだ。
『お疲れ様。これで訓練を終了するから。私はこれからちょっと用事があるから、着替えたら一旦またここに集まっててね』
最後の一体を倒した後、なのはが終了の合図をするのだった。

「シン。お疲れさん」
寮の前で、ヨウランたちが出迎える。
寮事態は機動六課の新人達全員部屋は一緒で、寮内で男性部屋と女性部屋に分かれている。
シン達男性人は男性部屋に入って着替える。
「相変わらずの負傷率だな」
いつものように、ヨウランが右手を見ると、シンの右手は出血していた。
「大丈夫ですか?アスカさん」
心配するエリオに、心配ない、とシンは言う。
あれを使えば、大体の確立で負傷している。
いつもあの形態で殴りまくってるからだ。
だから、ヨウランたちもいまさらこの程度で驚いたりしない。
「シン」
そう言って、レイはシンに包帯と絆創膏を渡す。
いつも負傷するのは自分が良く知っているから手っ取り早くいつも持っていることにしている。
今日はたまたま外に出していて、それをレイが渡したというわけだ。
「サンキュ」
その包帯を手馴れた手つきで包帯を巻く。
「気をつけろよ。そのうち壊れちまうぞ、その手」
ヨウランは軽く言うが、シンを心配して言っている。
それを聞いて、シンは笑いながら言う。
「大丈夫だよ、モビルジャケットになって、たかがコンクリを殴ったくらいでだめになるような、やわな鍛え方はしてないさ」
それに、別にしょっちゅう使っているというわけでもないしな、と付け加える。
そういって管理局の制服へと着替え終わるシン。
「そういえば、あれ結構いい感じだったぜ。サンキュな」
シンはあの中距離型のライフルのことで礼を言う。
「なあにいいって、何かあったらまた言ってくれよ。それより、お前もあの約束守れよ」
ヨウランの言葉に、わかってる、とシンは言って更衣室を出る。
まだ女性人はいない。まだ着替え終わっていないか、既に集合場所にいるかのどちらカだろう。
シン達はヨウランたちと別れ、集合場所に行くことにした。
521ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:16:01 ID:???
「明日から休暇かあ、どうすっかな……」
シンは明日からのことについて考えていた。
休暇といってもすることがない。
「レイとお前はこの休日どうするんだ?」
シンは参考までに二人に休日のすごい方を聞こうとするが、一人がわかりきっているようなきもする。
「俺は実家に帰るつもりだ。たまにはギルに顔を見せておかないとな」
やっぱり、とシンは思った。
実は、レイもシンと同じコズミック・イラから来たのだ
そしてギル、本名「ギルバート・デュランダル」はコズミック・イラにある宇宙にある国(というものおかしいが)の一つ、コーディネーターばかりが暮らしている「プラント」の最高評議会議長。
つまり、国のトップの位置に当たる人物なのだ。
だが、別にその議長の息子でもないらしく、レイは彼に拾われたらしい。
シンも、一度レイの紹介で彼と会ったことがある。
黒く、長い髪の特徴的な笑顔が似合ういい人だった。
レイの話では、なんでもかなりの剣の達人で、魔術師としても腕もかなりのものだとか。
流派は……なんだったっけか。飛天……まあそんなものはどうでもいい。
そんなレイが、何故管理局で働いているかは不明である。
聞いてみたかったけど、まあ自分も良く似たようなものだから聞かないことにした。
そしてもう一人、エリオはというと……
「僕は……正直解りません」
自分で言っておいてなんだが、こんな10歳くらいの子供に「休日どうする?」って聞くのも変だなと思う。
多分こいつもレイと一緒で実家にでも帰るんだろう。
話しをしているうちに、3人はさっきまで自分達が訓練していたところに到着する。
まだ高町教官、そして女性陣も来ていないようだ。
ということでしばらく待つことに。
その5分後。
「シャワー長引いたけど、大丈夫だったかな?」
という声が聞こえ、やっと女性陣がやってくる。
「あ、皆そろってるね」
その後、すぐになのはもやってきた。
ほかにもいろいろと引き連れて。
「訓練のほうは、なかなか良かったよ。まだ危なっかしいところもあるけど、それはこれから上達すればいいしね。お疲れ様」
その言葉を聞いて、一同はほっとする。
その後、なのははシンを見る。
「それで、シン・アスカ一等空士。話があるけど、わかってるね」
おそらくモビルジャケットのことだろう。
さて、どう説明しようかと思ったとき、医療班の服を着た女性がシンの右手に気付く。
「どうしたの、その手?」
いきなりのことで戸惑うシン。
「えっと……さっきの訓練中にちょっと」
シンの言葉に、その女性、シャマルはシンの包帯の巻き方を見て、医務室へは行かずに自分で治療したということがわかった。
522ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:19:32 ID:???
「傷口、見せてくれる?」
シャマルにそう言われて、シンは包帯を解き、絆創膏もはがす。
勿論まだ完治しているはずがなく、まだ少し血が流れている。
シャマルはそれ見てシンに呆れながら彼女のデバイス、クラールヴィントを手に取る。
「怪我したら、まずは医務室へ来てくださいね」
シャマルはそういうと、クラールヴィントが光りだし、その次にシンの手の出血が止まり、傷口もほぼ塞がる。
「これぐらいの傷なら、すぐに直せますからね。私は医療斑のシャマルです。よろしくね」
はあ、とシンはあっけに取られてシャマルの方を見る。
「あ、ごめんなさい。話そらしちゃって」
シャマルはなのはに謝るが、なのはは別にいいよ、という。
これも大事なことだ。
「今回、私はすぐに用事があって離れたけど、これからは怪我したらまず私に報告してね」
なのはの言葉に、シンはわかりました、と簡単に言う。
「さて、怪我も治ったところで、あのロボットみたいなのは何?」
なのはにいわれて、シンは少し迷う。
(どう説明すりゃあいいんだよ……)
シンはあまり人に説明するのは得意ではない。
その時に助けてくれたのはレイだ。
「モビルジャケット。俺達の世界、コズミック・イラで使われていて、主に宇宙空間での戦いを想定した、単なるバリアジャケットの一種です」
レイの言葉に、まだ疑問が残る他のメンバー。
「まあ、もう一度見てもらったほうが早いでしょう。シン」
わかったよ、とシンはインパルスを起動させる。
「モビルジャケット、セットアップ」
その言葉と同時に、シンは光に包まれ、そこから現れたのは、あの時出てきたロボットのようなものが現れる。
「俺達の世界では普通ですが、ミッドチルダではまだこういうのがないみたいですね」
普通、宇宙空間でも戦いを想定していないから当然なのだが……
「俺達の世界じゃ、ブルーコスモスがMAを宇宙でも出してくるからなあ」
そういって、シンは元の姿に戻る。
「つまり……えっと……あれはバリアジャケットなんだよね?」
なのはの言葉に、シンは頷く。
まあ、大まかに言えばそういうことになるだろう。
シグナム達も、シンが使っていた魔法陣を気にしていたが、おそらく彼のいる世界で使われている魔法陣なのだろう。
「まだ管理局の知らないものがあるんですね……」
いや、おそらく上のほうは知っているだろう。
ただ、管理局に必要なさそうだからしないだけで……
「ああ、ちょっといいかな?」
その時、後ろにいたシャリオが前に出てくる。
523ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:24:19 ID:???
「一旦、今回の訓練をデータを参考に、デバイスのメンテを行いたいから、全員のデバイスを集めたいんだけど」
彼女の言葉で、皆がデバイスを彼女に渡す。
ふとシンは思う。
(こいつがライフルを組み込むときに手伝ってくれた人か……)
そのとき、何か少し嫌な感じがしたが、気のせいだろうと思い、気にしないことにした。
「休暇明けには出来てると思うから、その時に渡すね。
そういうシャーリーに、なのはは謝る。
「ごめんねシャーリー、明日から休暇なのに無理言っちゃって」
そんな事ないですよ、とシャリオは笑う。
「自分のこの仕事好きですし。趣味みたいなものですよ」
笑いながら言うシャリオに、それじゃお願い、と頼むなのは。
ちなみに、名の二十歳のデバイスの調整のため、シャリオに預けている。
後に、シンが感じた嫌な予感は的中する。
ただ、それはシンとレイには関係のない話だったのだった。
「さて、今日はこれくらいで解散なんだけど」
なのはは時計を見る。
もう夕食時だった。
「せっかくフォワードの皆がそろってるから、交流を深めるためにも今日は皆で一緒にご飯を食べよっか」
こうして、一同は団欒と夕食を取るのだった。

「ところでシン。休暇はどうするか決まったか?」
夕食の最中に、レイがあのときの話を聞いてきた。
目の前では、皆が和気藹々と話を楽しみながら食事をしている。
二人はあまり会話についていけず、こうやってほぼ二人で食べているのと同じように食べている。
それでシンは悩み、結局……
「墓参りに行って、いたら知り合いに会いに行くことぐらいだな……」
家族がおらず、親戚もいないシンは、墓参りをして世話になったトダカに顔を合わせるぐらいしかすることがない。
「あと、墓参りついでに、被害にあった人たちの慰霊碑にも寄らなきゃな……」
あの事件で二つの町が消え、数万人の人が死んだ。
その中で、シン一人だけが生き残った。
そんな事もあり、今では一人でも多くの人を助けたいし、自分のような目に合っている人を一人で減らしたいし。
だから、早く強くなりたい。様々な脅威から人々を守るために。
「アスカ一等空士。そんな顔で食べてたら、おいしいものもおいしくないですよ」
ふと、だれかに呼ばれた気がして探すが、誰もいない。
すると、
「もう!下ですよ、し・た!」
下と言われて、二人は下を向く、そこには、朝にシン(どちらかと言えば高町教官)をもう少しで石にしかけた小さな少女(?)がいた。
524ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:27:26 ID:???
「えっと……アンタは?」
シンの言葉に、むっとしながら答える。
「あんたなんて名前じゃないです!リィンフォースU(ツヴァイ)空曹長です!」
怒っているのだろうが、全然怖く感じない怒りでリーンは自己紹介をする。
「で、何ですか?」
「だから、そんなくらい顔してたら、おいしい料理もおいしくないですよって言ったんです!」
リィンが騒ぎ、皆もシンの方を向く。
「どないしたん?」
皆を代表してはやてが聞く。
「明日からの休日をどうしようか話してたんですよ」
シンはそういいながら食べ物を口へ運ぶ。
それを見て、はやてはリィンが言っている意味がわかった。
彼らは、食べているというよりも、ただ栄養を摂取しているというほうが正しい気がする。
ずっとはやてたちと食事をしてきたリィンだから余計気になったのだろう。
それは、シンの表情が何か暗いからなのかもしれない。
「ほれやったら、うちらも同じことを話ししよるけん一緒に話しよ」
何だろう……この「友達もおらず、ただひとりでいたときに誰かが話しかけた」ときの感覚は…
確かにヨウランたちと出会うまではよく似たようなものだったが……
「休暇かあ、私が休みでも、父さんやギン姉は仕事だし……どうしようかなあ」
休暇の話で、スバルはこれからの休みについて考える。
「ちょっと買いたいものとかもあるし、久しぶりに町にでも出かけようかな」
スバルとティアナはそれぞれの休暇を考えていく中で、
「うちらは……久しぶりになのはちゃんとフェイトちゃんで久しぶりに地球に帰ろうか」
そうだね、と3人は笑いながら話をしている。
「お父さん達、元気でやってるかなあ?」
なのははそういうが、あの家族に限って元気じゃないほうがおかしい。
おそらく今でもあの夫婦はあつあつだろうし、兄妹も元気でやっていることだろう。
「エリオやキャロも連れて行こうか。皆に紹介しとかなきゃね」
それだけではなく、実家にも顔見世しなければいけないと思い、充実した休日になりそうだとフェイトは思った。
「そういえば、聞きたいことがあるんですけど」
エリオがシンとレイに気になることを聞く。
「二人は、僕とほぼ同じ時期に管理局に入って、何でいきなり一等士の階級を持ってるんですか?」
エリオはこのことが少し気になっていたのだ。
エリオの言葉に、ああとシンは頷く。
「訓練校で、優秀な生徒は最後に教官と模擬線をするだろ?」
シンの言葉に、エリオは頷く。
管理局の訓練校では、各校で毎年優秀な生徒は最後にランダムで教官と模擬戦闘を行う。
まさか……とティアナはどうなったのかを察した……
「俺達二人は、見事A+の教官を打ち破った。それで教官同士の話し合いの結果、その模擬戦がそのまま審査になって、俺達は特別に試験を受けて、合格した」
あの時はびびったよ、とシンが笑いながら言う。
まさかその模擬戦がそのままAAランクの試験になるなんて思っても見なかった。
二人の話に、エリオ達は唖然とする。
AAランクもそうだが、訓練生が教官を倒すなど、あまり聞いたことがない。
525ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:29:03 ID:???
「階級は、AAランク持ってて三等士じゃ示しがつかないからって、特別二階級特進で一等士になれたってこと。殉職みたいで嫌だけどな」
まあ、流石にいきなり空曹や陸曹はなく、一等士になったのだが。
そこで、なのはは少し疑問に思う。
「あれ?試験ってAAランクからは模擬戦闘だけじゃなかったっけ?」
なのはの言葉に、レイが説明する。
「本当はそうなのですが、いきなりAAですから模擬戦闘だけでは分からないこともあるということで、Aランクの試験も受けさせられました。危険な行使をしないか、とか不具合がある時に、ちゃんと報告が出来てるか、とか」
レイの言葉に、スバルとティアナはギクッと顔を引きつらせる。
二人はそれでBランク試験を一度落としているからだ。
その時は、なのはの計らいで何とかすぐに再審査に持ち込むことができ、何とか受かったのだが。
なのはとリィンはそんな二人を見てくすくすと笑う。
こうやって夕食は終了し、皆は自分たちの部屋へと戻っていくのだった。

投下完了。
ちょっと無理やりすぎた気がしないでもない第7話。
次は休暇の話になります。
その前に次はD´sを投下予定。
526通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 16:42:43 ID:???
投下乙です。
ところで、倉庫Wikiの文章、ちょこちょこ誤字があるのですがこれは直しちゃってもいいんでしょうか?
シン→真 とか、フェイト→フェイと とかの、IME誤爆なのですが。
527ガンダムし〜どD´s:2007/05/03(木) 16:43:58 ID:???
OKです。というかむしろお願いします。
毎回すみません。
528通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 18:35:31 ID:???
>>まじかるシン氏
まいどGJです!

529通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 19:09:44 ID:???

し〜ど氏、乙彼&GJです! 
チョット待てよ、モビルジャケットの展開は素で……という事は宇宙戦もやるのか!
これぐらいやらないと円卓もびっくりな空中戦闘について行けないのか。面白いから無問題。

あと第5話見てて思ったけど……ラストの奴からすればシンやレイも興味深い案件なのでしょうかね?
先がわからないと出せないキャラですけど。OPの少女といい。
530通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 19:18:13 ID:???

>>流派は……なんだったっけか。飛天……まあそんなものはどうでもいい

師匠吹いた。
まじかるしんは本当に色んなパロネタ満載ですね……
キャロのドリンクネタや、エリオの水着ガンマン、ティアの鉈と暴走もやりそうで。
スバルはわからん。本編がすでにパロの塊ですし。特に変身シーンと武装
531526:2007/05/03(木) 20:12:44 ID:???
修正おわりました。
微妙な誤字はだいたい無くなったと思います。
あと、自分で読んでて少々読みづらいと感じた部分のひらがな→漢字化と、
違和感のあるはやての関西弁を少し直してます。ご容赦。
532通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 23:00:21 ID:???
D´s氏乙!

正直言うと、氏のもう一つの連載の方でもシンが魔導師になっちゃったので区別が微妙につかなくて困ってたんだが、
モビルジャケットというギミックを出してくれたおかげで面白くなってきた
唯一心配なのは、スバル達とただでさえランクに差があるのに、シンにだけこのギミックがあるとさらに戦力差開くのではないかということ
まあスバル達の方は本編の展開にもよるかも知れないけど、新人4人にもちゃんと見せ場は欲しいところ
533通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 23:05:56 ID:???
GJ!
まじかるシンおもしろいです。
シンが出世した理由はこんな所にあったんですなw
しかしバリアジャケット、というかガンダムが出てくるとは驚きでした。
何気にシンとはやてがかかわっている所もこれからの展開を期待させてくれます。
534通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 23:59:18 ID:???
俺が見落としているだけなのだろうが
モビルジャケットの大きさがよく分かんない
535通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 01:06:08 ID:???
モビルジャケットは硬そうだけど動きが遅くなりそうだなぁ

なのは設定では恭也と忍の子供っているのかな?
士郎さんが生きてるから子供が出来るのが遅くなったり、まだ出来てなかったりすると思うが
536リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 01:55:09 ID:E8I+w1rr
えーども。

初めてこの場でSSを投下する。リリカルASTRAY(以降はR&Aでいきます。)です。

最初はX ASTRAY×NANOHAで行こうと考えてたんですが。

ロウと劾だとどんなだろ?と考えて無印なのは×無印ASTRAYを書きました。ですのでまず投下します。
537通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 01:56:20 ID:???
了解だ
538R&A:2007/05/04(金) 01:59:20 ID:E8I+w1rr
リリカルなのは‘ASTRAY
   プロローグ

C.E.71

アークエンジェル、クサナギがオーブを離脱した頃。
宇宙ではもうひとつのドラマが動いていた。 それはヘリオポリスで造られたレッド、ブルー、ゴールドの三機の『ASTRAY』に導かれたロウ・ギュール、叢雲劾、ロンド・ギナ・サハクから始まった闘い。
 その闘いは『ASTRAY』のように王道なのか……王道を外れているのか……。


 ブルーフレームの介入により戦闘能力を削がれたゴールドのセンサーは憎らしげにレッドを見据えていた。ギナの心にはロウと劾の言葉が過ぎる。

バカな……右腕が動かなかった?(オレにはわかる、ゴールドの悲しみがな!!)
メカの悲しみ?(Gのパーツだってそうだ!! 破壊のためなんかじゃねぇ)
……ありえん この私が負けた?(コイツらは平和の為に闘って傷ついたはずだ。それが破壊を望むなんて絶対に無ぇ!!)

下賎なジャンク屋や傭兵ごときに?(世界ってのはそこに生きてる一人一人が頑張って作り上げるもんだ!!そいつら無視して、何が作れるってんだよっ!!)
(俺はロウの様にメカの事は詳しくはない、……だがお前の機体から機体自身の力を感じない)

ギナは左腕がまだ動く事を確認すると、ゆっくりとビームライフルをレッドフレームに向ける。

「ありえんな……ジャンク屋ごときに、傭兵ごときに私が負けるなど!!」

ギナは邪悪に満ちた笑みを浮かべるとビームを放つ。
 それに気付いたロウは回避しようとするが遅かった。放たれたビームは振り返ったレッドのコックピットを捉らえていた。


「く、しまった!!」
「ロウ!!」

 だが、レッドにビームが直撃する事はなかった。
 直撃する寸前に何かが光り輝く。それは折れたガーベラの切っ先がギナの放った一撃を受け止めた光であった。だがその瞬間、光は消える事なく、大きく溢れ出す。


「な、なんだ!?この光は!おい、8」

コックピット内でロウは8に聞く。だが8に表示されたのは 「わからん!!」の一言だけだった。
次第にその光はブルー、ゴールドをも包み込んでいく。

「なんだ……これは!!」

「この光は−−」


 三機のMSを包み込んだ光は次第に収束し、離散する。
539R&A:2007/05/04(金) 02:04:19 ID:E8I+w1rr
 だが、残った宇宙空間に三機のMSと男達の姿はなかった。

光は何だったのか……。『ASTRAY』と男達は何処に消えたのか……。
 それは新たな『ASTRAY』の旅の幕開けを意味していた。


…………

次元空間内

「未確認の魔力光反応を確認、場所は……ブリッジです!」
 艦橋に響くサイレン。ここは時空航行艦「アースラ」。

 今、この艦のブリッジは騒然としている。何故なら突如として艦内の艦橋に渦巻く光が出現したのだった。

「何なのこの光……?」

 光を前に慣れた手つきで局員に指示を出していた女性はこの船の艦長、リンディ・ハラオウン。

「この反応は……魔力。」
 リンディの横でつぶやく男の子は執務官でありリンディの息子でもあるクロノ・ハラオウンである。

 彼も念の為にデュランダルを片手に携えている。
だが、次第にリンディ達の目の前で渦巻いていた光は次第に集束し、離散していく。
 光が消えた後に現れたのは黄色いジャケットに動き易そうな服装を着、髪を立てた男が気を失って倒れていた。

予想外の出来事に二人は驚いていたが、リンディは男の手元に落ちていたチェーンのついた手の平サイズのトランクを見遣る。

あれは……、デバイス?

…………

同時刻、高次元空間『時の庭園』。

 ここにも『アースラ』と同様に突如として渦巻く光が玉座の前で発生していた。
 その光を目の前に黒い長髪と黒い喪服のようなドレスを着た女性が訝しげにそれを見据えていた。その女性の名はプレシア・テスタロッサ。

 だが、次第に光は集束して離散する。するとそこには二人の男が気を失い、倒れていた。

540リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 02:13:29 ID:E8I+w1rr
 一人は深いオレンジ色のサングラスを掛け、白い軍服のような服を纏った男。
 もう一人は黒いツヤのある長髪に黒衣を纏った男。

 普段なら気にも止めない彼女であったがプレシアは二人の男から感じる異様な程の高魔力の高さに驚きを見せていた。

何……この魔力の高さは?あの子と同等……いや……。

 プレシアは目の前で倒れている二人の男と自ら生み出した娘のクローンを比較する。が、そこで彼女は二人の男の手元にある羽の生えた水色の蛇の形をした物と黒を基調にした金の縁のカードの形をした手の平サイズの二つのキーホルダーのようなものに気付き、拾う。
 彼女はそれが何か直ぐに理解した。

これは……デバイス。


 それは海鳴市において、白と黒の魔導師が初めて互いを知り、デバイスを交えて闘ったのと同時刻に起きた出来事であった。

そしてこれより『ASTRAY』に導かれた男は新たな世界で相対する事となる。


てな訳でプロローグ投下終了。久しぶりのなのはSSなんで緊張してます……。続きは遅めになりますが書いていきます。

あと正直な所、種ASTRAYは種&種死に適しますかね?スレ違いですか?
541通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 02:24:18 ID:???
スレ違いかどうかはともかく、作品投稿するのならsageてください
542通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 02:41:22 ID:???
ASTRAYか…
個人的にMSのデバイス化というアイデア自体は好きなんだが、不思議とASTRAYに関してだけはMSのままで戦って欲しかった俺がいる
しかしほとんどのSSで、種キャラが魔導士化してる事実を考えるにつけ、
やっぱり等身大のキャラと20メートル近いロボットが戦う構図ってのは難しいのかなと思った
543リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 03:11:38 ID:E8I+w1rr
≫541

すいません。なにぶん2ちゃんは初めてで[sage]って何ですか?最初の頃2ちゃんの事2っちゃんと間違えて言ってたぐらいなんで……。

≫542

最初MSかキャラ自体か悩んだんですよ。でもデバイスの技とか考えるのが楽しそうだったんでキャラ自体にしたんです。

ああ携帯電話でしか打てないから大変だ……orz
544通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 04:10:29 ID:???
>>543
メール欄に小文字でsage
と入れるべし。
ついでにアンカー>>は携帯でいうところの半角記号の>を使うべし。
545リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 04:27:49 ID:???
>>544

こうですかね?

ご教授感謝!
また一つ2っちゃんルールを吸収できました(V)o\o(V)
546通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 05:14:17 ID:???
つーかギコナビでくぐってDLしてこい
547通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 06:09:34 ID:???
>>540
新作、乙なの!
ASTRAYとのクロスはこのスレ初だから期待してます。
で、少し指摘箇所が……。

『ASTRAY』=『王道じゃない』です。>>538で意味が逆になってます。それとも
>その闘いは王道なのか……『ASTRAY』のように王道を外れているのか……。
と書きたかったのかな?

あと、クロノは無印の時点ではデュランダルは持ってないです。
548シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/05/04(金) 08:12:39 ID:???
第二話 機動六課

「それじゃあ、失礼します。」
「失礼します。」
「ちょっと待って、キラ君。」
取り合えず機動六課、フォワード部隊への入隊が決まったキラとシン。
話も一段落を終え、シンと一緒に部屋を出ようとすると、キラははやてに呼び止められた。
「…えと、なんですか?」
「今からキラ君はシグナムと一緒に新隊員二人を迎えにいってくれん?」
眉をひそめるキラ。
「はぁ…。」
シグナム…誰?って感じである。
「えと、シグナムはライトニング分隊の副隊長さんや。
ほんで、今から迎えに行く二人の隊員は、キラ君と同じ隊になる新人さんや。
顔合わせしとくんも悪ないやろ?」
「…そう…ですね。わかりました。
それで、シグナムさんはどこに…?」
「うちが呼び出すから、一階のホールで待っといたらえぇ。」
「わかりました…。失礼します。」
キラはドアを閉め廊下に出る。シンの姿はもうない。先にどこかへ行ってしまったようだ。
「…まぁ…いいけどね…。」そう呟き、階段を目指す。エレベーターを使おうとも考えたが、ここは三階。
階段を降りた方が早いかも知れない。そう考えての選択だった。

一方、廊下を歩くシン。
「…記憶喪失…か。」
わしわしと頭をかきながらどこに行くといった風でもなく、適当に局内をうろつくシン。
なのは、フェイト、はやての気遣いが、シンの気持をせかしていた。
早く思い出さねば、と。
考え事をしながら歩いていると、曲がり角から出てきた青い髪をした、少年を思わせるような髪型をした少女にぶつかった。
「きゃっ!!」
「っ!?。」
バランスを崩し、尻餅をつかんとする少女の手首を掴んで引き寄せ、抱きとめる。
「悪い、考え事をしてたもんで…。大丈夫か?」
「…はい…。って、よかった、丁度探してたんですよ。シン・アスカさんですよね?」
「えっ、あぁ。」
少女の肩を抱きとめている手をシンは放す。
「私は、スバル・ナカジマ。機動六課ではスターズ分隊、フロントアタッカーです。ヨロシクお願いします。」
「俺は、シン・アスカ。機動六課に本日付けで入隊。ポジションはたぶん君の援護だと思う。」
互いに手を差し出し、握手をする。
「これから、一緒に頑張りましょうね!シン…さん?」
「あぁ、スバルさんってさんづけで呼べばいいのか?」
「私は特に気にしないから呼び捨てでも構いませんよ?」
「じゃあ、よろしくな。スバル。」
549シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/05/04(金) 08:14:49 ID:???
「はぁ、スバル、やっと見付けた…。何やってんのよこんなところで…。」
「あっティア、いいところに!」
廊下の角から手招きするスバルへと不審に思いながらも向かって行くと、そこにはスバル以外にもう一人いた。
黒髪に赤い眼が印象的な少年だった年は同い年ぐらいだろうか。
「スバル、そちらの方は?」「こちらはシン・アスカさん、聞くところによると、隊も私達と同じらしいよ?三等空士だってさ。」
「よろしくな…えっと…?」「私はティアナ・ランスター二等陸士。よろしくね。名前で呼んだほうがいいかしら?」
「あぁ、シンて呼べばいいよ。」
「じゃあ、よろしく。シン。ところで、試験を見せてもらってたんだけど…。」
「スバルも見てたって言ってたな。」
「うん、凄かったよ。シンのあのキック。」
「蹴りだけかよ?」
「でも、私は剣の事はよく分かんないし、いいとか悪いとか分かんないしね。
あっ、でも迫力はあったね、あんな長い剣使ってる人はみたことなかったから…。」
「スバル、あんたちょっと黙ってて。」
「は〜ぃ…。」
ショボくれるスバル。
「なんだよ?聞きたいことでもあるのか?」
「シンと一緒に試験を受けてたキラ・ヤマトって人どこにいるか知らない?」
シンの眉がピクンと動く。「どっかその辺にいるんじゃないの?」
「探してもいないからあんたに聞いてるんだけど…」
「知らない、別に仲がいいってわけでもないし…。」
「そぅ、まぁいいわ。そのうち会えるだろうし。」
「ところでこれから、模擬戦室にいかない?」
突然スバルが言い出した。「別に、構わないけど…。何しにいくんだよ?」
「シンのデバイスを起動させに…!ティアもみたいでしょ?」
「わ、私は…別に…。」
どうやら、シンのデバイスに興味があるようだ。
ティアナも口ではどうでもいいと言った感じだが、気になるのだろうか、スバルとシンと一緒に模擬戦室へと向かった。
「模擬戦室空いてるといいね?空いてたら使わせてもらおうよ。」
「あ、あぁ、そうだな。」
馴れ馴れしいなと思う反面、両手に花で嬉しいシンであった。
550シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/05/04(金) 08:17:42 ID:???
†††††††††
「事前に主から聞いてはいたが…。ここまで何も覚えていないとはな。」
「…すみません…。」
「いや…。別に謝るような事ではないが…。」
ミッドチルダ渡航施設、そこにシグナムとキラは新人隊員二人を迎えに一緒に来ていた。
道中、シグナムに八神家に関する色々な質問をされたが、しかしキラは何も答えられず渡航施設についてしまった。
「さて、着いたぞ。」
入り口をくぐるシグナムのあとをついていくキラ。
それから、エスカレーターを使い、二階の待合ロビーに向かう。
どうやら新人隊員二人とはこのエスカレーターの付近で待ち合わせているとのことだ。
「まだ来てないみたいだな…。」
「どんな人たちなんですか?」
そんなキラの問いにシグナムはポケットから携帯端末を取り出す。
画面に触れると電子音を立て起動し、少年少女、合わせて二人の幼い顔写真が表示された。
少年の名前はエリオ・モンディアル。
少女の名前はキャロ・ル・ルシェ。
「…子供?」
眉をひそめるキラ。
「とは言っても、この年齢で新設課、機動六課に選抜されるほどの実力の持ち主だ。
お前も油断すると、直ぐに追い抜かれてしまうぞ?」
「……。」
挑発するような笑みを浮かべ、シグナムは言ったのだが…、元々、あまり明るい表情をしていなかったキラの表情が更に暗くなる。
「お疲れ様です。遅れてすみません。
エリオ・モンディアル三等陸士です。」
突然の声に顔を向ければ、赤毛の、涼しげな雰囲気の少年がこちらに向かって敬礼していた。
「いや、私は遺失物管理部、機動六課のシグナム二等空尉だ。長旅ご苦労だったな。」
「いえ。……あの…。」
エリオの視線がキラへと移動する。
トンっとシグナムに背中を小突かれ、
「…えと…、キラ・ヤマト…。」
「三等空士だ。」
「よろしくね。」
シグナムに助けてもらいながら挨拶をすませる。
「よろしくお願いします。」エリオの爽やかさに好印象をもち少しだけ表情が和らぐキラとは別に、シグナムはキョロキョロと辺りを見回す。
「もう一人は?」
「はぁ、自分も今来たばかりなんで…。
あの、地方から出てくるとのことなんで迷っているのかもしれません。
探しに行ってもよろしいでしょうか?」
「頼んでいいか?」
「はい!」
と元気よく返事をするエリオ。
「じゃあ、手分けして探そうか?」
551シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/05/04(金) 08:21:00 ID:???
キラが提案する。
「これだけ広い駅だ。
そうだな…キラ・ヤマト頼めるか?」
「はい、じゃあ、僕はもう一つ上の階を探すから、エリオ君はこの階をお願いできるかな?」
「いいですよ。」
キラは身近なエスカレーターへと向かい、エリオは駆け足で人混みの中へと姿を消した。
†††††††††
「ルシェさ〜ん!ルシェさ〜ん!!
管理局機動六課、新隊員のルシェさ〜ん!いらっしゃいませんか?」
と声を上げながら探しているのはエリオ。
一旦足を止め、辺りを見回しては再び走り出す。

「見付からないな…。」
大体、三階を探し終えたキラはエリオに合流するため下りのエスカレーターを探しているところだ。
「ルシェさ〜ん!!」
とキラのところまで声が聞こえてくる。
まだ見付かってないようだが、
「はい!私です!!」
と駆け足で大きな荷物を持ったフードを被った少女がキラの目の前を通りすぎて行った。
「あっ、待って!!」
キラの制止は届かない。のであとを追う。
「すみません、遅くなりましたぁ〜。」
一方、そんな少女、つまりキャロ・ル・ルシェの声を聞いたエリオは自分が何者であるか説明しようとするが、
「キャロ・ル・ルシェさんですね?僕は…っ!?」
「きゃっ!!」
名乗る前に、キャロは階段から足を滑らせ、誰かに腕を捕まれる。
「危なかったね…。大じょ…ッ!?」
『Sonic Move』
そんな言葉を響かせ、閃く金色の閃光がキラとキャロに向かい、人と人との合間を縫って目にも止まらぬ早さでやって来る。
「…ッ!?キラさん!!」
「…エリオく…ッ!?」
慌ててキラはその場から跳びのき、エスカレーターに逆らって三階に戻り着地するが、目の前にエリオとキャロも着地する。
「わっ!?」
バランスを崩すキラ。
こちらのエリオとキャロもバランスを崩し、キラの方へとやって来る。
倒れる際に、なんとか自分を下にしようと、無理な体勢で、自分とキャロの体を入れ換えるエリオ。
それが不味かった。
キラの足を踏み、そしてそのまま三人は重なるようにして倒れた。
「あっ、いててて…、すみません。失敗しました。」エリオが素直に自分の失敗を謝ると、エリオの体の上に伏せるようにして倒れていたキャロが体を起こし、「いえ、ありがとうございます。助かりました。」
と笑顔でお礼を言った。
552シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/05/04(金) 08:24:53 ID:???
「んっ?」
キャロが何かに気付く。同時に、エリオも彼女の表情の変化に気付いたのか、何かに気付いた。
エリオの両の手がキャロの両の胸にあてがわれていた。
「あっ!!」
上がるエリオの声。一瞬、両者の間に沈黙が走る。
その合間に三人は思考した。
キャロ(私がこの方達を見下ろしてるって事は…、そっか、私が上にのっかってるのか…。そっか、そっか。早く退かないとね。)
エリオ(し、しまった。悲鳴をあげられたらどうしよう。
素直に謝ろうか、でも、これは事故なわけで、逆に意識して謝ったほうが、変に誤解をうんで事態をややこしくするのでは?)
キラ(何だか邪魔しちゃいけないような雰囲気に…。なら、二人のバランスをとりつつ気付かれないように自然にかつ、素早く抜け出し二人の世界を再設定。
…ちっ、左腕にキャロちゃんの膝が乗っていて動かない。
なら、背中をそっと浮かして素早くすり抜け、エリオ君を床に直結。駄目だ、気付かれる。
くっ、ニューロンネットワーク再構築、周辺環境データ更新……。)
「あっ、すみません。今退きますね。」
「あぁ!あのこちらこそ、すみません。」
キャロは体を起こし、キラの足の上だが…。
エリオもキラに手をついて体を起こす。
「…あ、あの…二人とも?」苦しそうなキラの声にようやく気付く二人。
「「す、すみません。」」
二人が退いたのを確認してキラも体を起こす。
すると、近くに落ちているキャロの鞄がもぞもぞとうごめきだした。
しばらくその様子を眺めているとバックの口が開き、「クー…。」
と可愛らしい鳴き声を漏らす生き物が姿を現した。
「あぁ、フリードもごめんね、大丈夫だった?」
キャロの問いにフリードは元気よく鳴く。
「ドラゴン…竜の子供?」
驚いているエリオ。キラも当然驚いているわけだが、この世界には魔法が存在するのだ。ドラゴンやその子供が存在しても不思議ではないといった感じだ。
もちろん希少価値などは分からないのだが…。
「あの〜、すみませんでした。エリオ・モンディアル三等陸士と……?」
返事をするエリオから、キラへと視線を移すキャロ。「僕は、え〜…キラ・ヤマト三等空士。よろしくね。」
「よろしくお願いします。私は、キャロ・ル・ルシェ三等陸士であります。
それからこの子はフリードリヒ、私の竜です。」
「クゥーゥ!」
こうして自己紹介も終り、ライトニング分隊の新人隊員は皆揃いシグナムとともに管理局局へと向かった。
553シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜:2007/05/04(金) 08:35:51 ID:???
投下終了です。
それから注意書きを入れるのを忘れていました。
申し訳ない。

さて、どうでしたでしょうか?
キャラに対して違和感があったのならご勘弁を…、直していきますのでアドバイスをくれると嬉しいです。少しでも楽しんでいただけたらと思います。

今回、キラとシンの種割れはかなり遅くなると思いますが、なのはに一撃を入れるときにどっちか一人割ろうかなと考えています。
覚醒も前回とはことなる仕様になってますのでお楽しみに!

次回は第三話に入ります。主に訓練ですね。
よろしきです。
554通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 08:55:46 ID:???
神隠し氏、乙であります!
>>552でのキラの必死さはなんなんだw

キャラへの違和感なんかはなかったです。
少しどころか、かなり楽しまさせてもらってますんで、頑張ってください。
555通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 09:09:46 ID:???
>リリカルASTRAY
GJです。
私も今、Xアストレイとのクロスを書いてる真っ最中です。
・・・・いつ完成することやら・・・・orz
556リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 10:09:09 ID:E8I+w1rr
うあぁ……orz

ほんとだ間違えた……。
てなわけで修正したものを投下します。
557リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 10:13:41 ID:???
リリカルなのは‘ASTRAY
   プロローグ

C.E.71 アークエンジェル、クサナギがオーブを離脱した頃。 宇宙ではもうひとつのドラマが動いていた。
 それはヘリオポリスで造られたレッド、ブルー、ゴールドの三機の『ASTRAY』に導かれたロウ・ギュール、叢雲劾、ロンド・ギナ・サハクから始まった闘い。
 その闘いは王道なのか……『ASTRAY』のように王道を外れているのか……。
 ブルーフレームの介入により戦闘能力を削がれたゴールドのセンサーは憎らしげにレッドを見据えていた。ギナの心にはロウと劾の言葉が過ぎる。

バカな……右腕が動かなかった?(オレにはわかる、ゴールドの悲しみがな!!)
メカの悲しみ?(Gのパーツだってそうだ!! 破壊のためなんかじゃねぇ)
……ありえん この私が負けた?(コイツらは平和の為に闘って傷ついたはずだ。それが破壊を望むなんて絶対に無ぇ!!)
下賎なジャンク屋や傭兵ごときに?(世界ってのはそこに生きてる一人一人が頑張って作り上げるもんだ!!そいつら無視して、何が作れるってんだよっ!!)
(俺はロウの様にメカの事は詳しくはない、……だがお前の機体から機体自身の力を感じない)

ギナは左腕がまだ動く事を確認すると、ゆっくりとビームライフルをレッドフレームに向ける。

「ありえんな……ジャンク屋ごときに、傭兵ごときに私が負けるなど!!」

 ギナは邪悪に満ちた笑みを浮かべるとビームを放つ。
 それに気付いたロウは回避しようとするが遅かった。放たれたビームは振り返ったレッドのコックピットを捉らえていた。

「く、しまった!!」
「ロウ!!」

 だが、レッドにビームが直撃する事はなかった。
 直撃する寸前に何かが光り輝く。それは折れたガーベラの切っ先がギナの放った一撃を受け止めた光であった。
 だがその瞬間、光は消える事なく、大きく溢れ出す。

「な、なんだ!?この光は!おい、8」

コックピット内でロウは8に聞く。だが8に表示されたのは 「わからん!!」の一言だけだった。 次第にその光はブルー、ゴールドをも包み込んでいく。

「なんだ……これは!!」
「この光は−−」  

 三機のMSを包み込んだ光は次第に収束し、離散する。
558リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 10:24:40 ID:???
 だが、残った宇宙空間に三機のMSと男達の姿はなかった。
光は何だったのか……。『ASTRAY』と男達は何処に消えたのか……。
 それは新たな『ASTRAY』の旅の幕開けを意味していた。

…………

次元空間内


「未確認の魔力光反応を確認、場所は……ブリッジです!」

 艦橋に響くサイレン。ここは時空航行艦「アースラ」。
 今、この艦のブリッジは騒然としている。 何故なら突如として艦内の艦橋に渦巻く光が出現したのだった。
「何なのこの光……?」

 光を前に慣れた手つきで局員に指示を出していた女性はこの船の艦長、リンディ・ハラオウン。

「この反応は……魔力。」

 リンディの横でつぶやく少年は執務官でありリンディの息子でもあるクロノ・ハラオウンである。
 彼も念の為に自分のデバイスであるS2U3を片手に携えている。
だが、次第にリンディ達の目の前で渦巻いていた光は次第に集束し、離散していく。

 光が消えた後に現れたのは黄色いジャケットに動き易そうな服装を着、髪を立てた男が気を失って倒れていた。
予想外の出来事に二人は驚いていたが、リンディは男の手元に落ちていたチェーンのついた手の平サイズのトランクを見遣る。

あれは……、デバイス?


…………


同時刻、高次元空間『時の庭園』。


 ここにも『アースラ』と同様に突如として渦巻く光が玉座の前で発生していた。

 その光を目の前に黒い長髪と黒い喪服のようなドレスを着た女性が訝しげにそれを見据えていた。その女性の名はプレシア・テスタロッサ。


 だが、次第に光は集束して離散する。するとそこには二人の男が気を失い、倒れていた。

559リリカルASTRAY:2007/05/04(金) 10:30:50 ID:???
 一人は深いオレンジ色のサングラスを掛け、白い軍服のような服を纏った男。
 もう一人は黒いツヤのある長髪に黒衣を纏った男。
 普段なら気にも止めない彼女であったがプレシアはこの二人の男から感じる異様な程の魔力の高さに驚きを見せていた。

何……この魔力の高さは?あの子と同等……いや……。

 プレシアは目の前で倒れている二人の男と自ら生み出した娘のクローンを比較する。が、そこで彼女は二人の男の手元にある羽の生えた水色の蛇の形をした物と黒を基調にした金の縁のカードの形をした手の平サイズの二つのキーホルダーのようなものに気付き、拾う。
 彼女はそれが何か直ぐに理解した。

これは……デバイス。

 それは海鳴市において、白と黒の魔導師が初めて互いを知り、デバイスを交えて闘ったのと同時刻に起きた出来事であった。

そしてこれより『ASTRAY』に導かれた男達は新たな世界で相対し信念をぶつける事となる。


はい修正投下終了です。

スレの無駄使いしぃませぇん……orz

この無印クロスが書き終わったらX ASTRAYとAsのクロス書くと想います。

でもまさか同じ事考えてる方がいるたぁ……よかったw
560通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 10:33:23 ID:???
S2U3じゃなくS2Uでは
561通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 11:09:13 ID:???
>560
まぁまぁ、誤字ならD's氏にも神隠し氏にもあるじゃないか。
これぐらい、脳内で補おうぜ?
562通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 11:21:18 ID:???
まあ普段ならそうするんだけど、わざわざその部分をデュランダルから修正した後だったの、であえて指摘した
563通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 12:19:04 ID:???
>>神隠し氏、乙なの
シンのスキル(ラッキースケベ)は発動しなかったのね
564通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 13:39:10 ID:???
スキルってw
まあ確かにスキルに近いけどw
でもなんだかんだいって得をしてるのはそのおかげかw
565通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 13:40:39 ID:???
訓練室でスバルとティアにスキル発動か?
566通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 13:42:16 ID:???
劾とギナはプレシア側か。
ミスターパーフェクトな傭兵である劾がプレシア側だと
なのはやロウでも勝てるかな?
567通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 13:47:59 ID:???
>>565
スバルとティアの両方に発動したら
シンのスキルのレベルが本編より上がっていることになるなw
568通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 13:49:40 ID:???
いつのまにか、そっちの方では経験を積んでスキルレベルアップかいw
569通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 13:59:48 ID:???
とりあえず、スバルにやったらリボルバーナックル全カートリッジ消費で殴られそうだなwww
570通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 14:20:19 ID:???
しかしシンのラッキースケベは発動した相手がヒロインになっている
前例があるからな。ティアあたりに発動すると面白いかもなw
571通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 14:22:21 ID:???
ティアに脂肪フラグか・・・
572通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 14:25:12 ID:???
それはさすがにやばすぎだなw
573通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 14:29:04 ID:???
まあ、クロスだし、本編のジンクスは気にしなくてもいいのでは?
とりあえず発動してくれるとry
574通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 14:33:48 ID:???
スキルラッキースケベのネタでここまでレスが付くとは・・・恐るべしラッキースケベ。
575通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:04:24 ID:???
エリオもスキルラッキースケベを持ってるぞ
ユーノも持ってるからそこまでレアなスキルではないんじゃないか?w
576通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:05:23 ID:???
淫獣の後継者が二人も・・・・
577通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:07:59 ID:???
レアなスキルじゃないのかwwwwww
シンのスキルレベルはどのくらいなんだww
578通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:16:51 ID:???
淫獣は半ば確信犯でやっていた、というか自分が人間で男という事を
言わなかった事が原因だしな。
スキルラッキースケベかどうかは疑問だな。
579通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:22:50 ID:???
となるとスキルラッキースケベの保有者はCEとなのは世界で一人ずつか
結構貴重な能力だなw
580通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:27:48 ID:???
エリオもシンも自分の胸に触れられても羞恥心の沸かないキャラであるキャロとステラにやったのも共通点だなww
ラッキースケベはひかれあうのか
581通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:30:15 ID:???
両方ともフラグがたっているのも共通点だなw
582通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:37:02 ID:???
なんなんだこの流れはw
583通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:42:54 ID:???
スバルたちって障壁はれるんだよな?
584通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:44:10 ID:???
常に貼っているわけにはいかんのでは?
585通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:45:22 ID:???
まあ、>>548でも特にはってないしな。
586通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:53:16 ID:???
スキルラッキースケベに関する話題だけでレスが20を超えた・・・
これが人の業というものなのか?w
587通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:54:08 ID:???
例えば戦闘中。
彼女等障壁はるけど、ブレイク効果つきのシンのパルマ(神隠しSS)でブレイクしたあと、誤って腕がのびて……。
ってことにはならんのだろうか?
588通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 15:57:49 ID:???
つうかなんでシンはスバルたちにパルマを撃っているんだw
589通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:00:17 ID:???
これから色々あるかもしれないだろ?
模擬戦みたいな展開。
胸を鷲掴みにしたのち、バリアジャケットに直でパルマ!
590通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:00:48 ID:???
訓練中とかじゃないか?
まあ、>>587の展開だとシンのラッキースケベレベルは非常に高い事になるがw
591通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:02:33 ID:???
>>589
胸を鷲掴みにしてためらうことなく攻撃につなげている時点で
シンすげええww
592通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:03:33 ID:???
>>589
それだとシンにとっては偶然であったとしても
周囲はそううけとってはくれないだろうなw
593通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:04:19 ID:???
バリアジャケットがリアクターパージされたあとも、更にパルマ!

ってどーなるのさwww
594通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:07:49 ID:???
>>592
へたすりゃ淫獣2号の称号が与えられるなw
595通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:09:25 ID:???
シンも必死で攻撃するだろうしな…。
キャロなら笑って許してくれそう。
だがなのはだったらスターライトブレイカーかな?
596通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:09:30 ID:???
ついにレス30突破wなんという威力だw
597通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:13:39 ID:???
なのはは・・・どうだろうな、想像がつかんw
現在ではかなり落ち着いた感じがするしなあ。
ムキになってスターライトブレイカーとかうったらかなり新鮮な感じw
598通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:15:47 ID:???
なんかラッキースケベってある意味アニメの主人公の特権だよね。現実じゃまず見ない
よね。シン、けっこう主人公でいい思いしてるな。・・・ん?そういえば種の主人公である
彼はラッキースケベ通り越してキスと大人の階段2段飛ばしでのぼっちまったな。
これも主人公の特権なのか?
599通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:16:32 ID:???
少なくともシグナムだと即効で紫電一閃だろうな。胸を気に強いてるようですし
ヴィータとリインは……どうだろうか? スバルもわからない。
ティアナは確実に怒りで錯乱してクロスファイアシュートで乱れ打ちだろうけど。
600通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:17:51 ID:???
リィンは怒る、ヴィータも怒る

怒らないのは、スバルとキャロだけ
601通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:18:57 ID:???
>>598
あれはラッキースケベというか相手の赤髪さんの謀略によるところが大きいし
キラもトラウマ化しているんであまり特権とはいえないんじゃ?
602通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:19:49 ID:???
>>600
スバルは怒らないかな?
603通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:21:23 ID:???
つか、キラは全くないよな。
ラッキースケベは…。
するようなキャラじゃないか?
604通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:21:45 ID:???
ならスバルのほうがシンの身は安泰なのかな?w
605通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:23:07 ID:???
レスが40を突破w>>563の人はここまで続くとは思ってもみなかっただろうなw
606通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:24:25 ID:???
>>604
この場合は当人よりも相方の方が激怒します。
「あんた何やってんのよ!」とか言ってバリアブルシュート
607通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:24:32 ID:???
>>602
スバルはノーブラ、ボクサーパンツでタオルを首から下げて
隊舎をうろついてそうなんだもん!
608通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:27:11 ID:???
>607
でも漫画版で出てきた私服はミニスカと随分と女の子らしかったぞ……
それでも羞恥心がないなんて、ある意味最強だろうけど。何気にシンと境遇も似ているし(深刻度は向こうが上っぽいけど)
609通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:32:33 ID:???
キラってほんと出会う女にめぐまれないよね。好きだった女には利用されるし
次は電波でもう私の考えがあなたの考えですのよ、だし。
もうあれだな、田舎から出てきた純情ボーイが東京で悪い女に引っ掛かったかんじだな
610通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:01:59 ID:???
>>608
お前はなにを言っているんだ?
どう考えたって家族全滅したシンの方が深刻度は上だろ
611通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:06:23 ID:???
>>610
向こうが、てのはシンの方が、て意味なんじゃないか?
ところで何故シンのスキル発動の相手にフェイトが出てないので(ry
612通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:10:20 ID:???
>>611
書いた本人はそう思ってたんだろうと思う。
ま、日本語読む限りではスバルが深刻くさいけどね
613通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:20:04 ID:???
フェイトは泣きそうじゃない?
614通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:22:00 ID:???
今やると、出世した怖い兄貴がなにするか・・・・
615通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:22:04 ID:???
ラッキースケベってのは咎められなくて初めてってことかw
616608:2007/05/04(金) 17:36:12 ID:???
>>611氏の書いた通りです。ちゃんと書いた後に文章の確認しとけよな、自分orz……

617シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜より:2007/05/04(金) 17:37:36 ID:???
こんなん書いてみました。板違いだったらごめんなさい。
つまんなかったらごめんなさい。

スバルのリボルバーナックルでの一撃を紙一重で避けたシンは翼を展開。
右腕を伸ばし、カートリッジを消費する。
「えっ!?」
一瞬で間合いをつめられ、動揺するスバル。
『パルマフィオキーナ』
よもや直で喰らうわけにもいかない。
スバルは障壁を張る。
しかし、パルマフィオキーナは障壁を容易く貫通する。
『バースト!』
スバルの障壁はあっさりと砕け散り、障壁を形成する魔力は宙に無散した。
「もらった!!」
ここぞとばかりに追い討ちをかけるシン。

「スバル、しっかり!」

と遠くからパートナー、ティアナの声が聞こえてくる。
(そうだ、私はなのはさんみたいに強くなるんだ!
こんな…、こんな事で私は!!)
マッハキャリバーをフル稼働させ全速力で後退する。(逃がすか!それに、ここで逃せば、またクロスレンジでの勝負だ。)
それは勘弁してほしい。正直、スバルのほうが純粋な格闘ではシンを凌駕している。
(最終防衛機能を駆使させてこの戦闘を終わらせてやる!)
ゼロだった間合いが少しずつ開いていき、リボルバーナックルからカートリッジが消費され、回転を開始する。
自分の腕が振り抜ける距離まで開いたら、スバルはシンに一撃を見舞い、障壁の上から弾き飛ばすつもりでいた。しかし、
「デスティニー!!」
『Yes, sir. Type Speed Seed Burst!』
シンの中で弾ける何か、光を失う眼、溢れる魔力。
そしてそれは超加速の狼煙。
スバルの拳が放たれる。
障壁は張らない。
スバルの拳はシンの頬をかすめ、ピリピリと皮膚が裂ける音がする。
「う、嘘!」
「もらったぁぁああ!!」
「し、障壁!」
張れない、もうスバルの魔力は空だ。
シンの腕がスバルの剥き出しの腹部に伸びる。
『パルマフィオキーナ』
しかし、直後に後退走行中のスバルがバランスを崩す。
発生したイレギュラーにシンはめざとく対応。
「これでぇ!」
つきだした手に程よく収まる柔らかな感触。
だが、シンは力強くそれを鷲掴みにし、
「わ…ちょ…シン…んっ!」『バースト』
破裂させた。
618シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜より:2007/05/04(金) 17:39:14 ID:???
「…はは、ははは…。やった…勝った。」
ガッツポーズで決めるシン。
「お疲れ様、シン。」
フェイトが言う。
「見ててくれましたか?フェイト執務官に高町教導官!」
「バッチリ、ちゃんと見てたよ。」
なのはが言う。
「ちょっとそこに立っててね、シンくん。」
「はい。」
「行くよ?フェイトちゃん!」
「了解、いつでも行けるよ?」
頷く二人。何やってるの?この人たちはという顔をしているシン。
「「ブラスト!!カラミティ!!!」」
「ちょ…なんでぇ!?勝ったのにぃい!!」
『Type Power Seed Burst』
耐える、ひたすら耐えるシン。

「キラさん、何で高町教導官とフェイトさんは怒ってるんでしょうか?」
桃色の髪の毛を激しい衝撃波に揺らしながらキャロ・ル・ルシエがキラに聞く。エリオはそんなキャロから視線外した。かなり動揺しているようだ。
「ん〜、何でだろうね?取り合えず、ここは危ないから…ね?本館に避難しようか?」
「えっ?でも…シンさん…。」
「大丈夫…、彼は、大丈夫だから…ね?さ、エリオ君も…。」
渋々キャロは了承し、三人は二号館模擬戦室をあとにした。
その日、管理局本部、二号館が半壊したという。
619通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:41:37 ID:???
>>542
遅レスだけど、個人的には難しいですね
別の場所で、仮面ライダーとガンダムが入り交じって戦うSS書いたことあるんですが、
まず人間とロボットでは目線の高さが違うので、戦闘シーンがエラい書きづらいのと、
後は技術的というより感覚的な問題だけど、等身大のキャラがロボットを倒すのは然程問題なく描けても、
その逆となると実際の戦力とは関係なく只の苛めに見えかねない、って気がしてどうにも引っかかってしまう感じですね
尤も、これはあくまで私見ではありますが
620608:2007/05/04(金) 17:43:38 ID:???

神隠し氏、仕事早っ!? しかも戦闘描写が凝っているせいで余計に……
完成版ブラストカラミティで吹き飛ばされるシンに哀れ。ちなみにフェイトは別の心があってぶっ放したのだろうけど。



621通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 17:52:41 ID:???
GJですwおもしろかったw
しかし>>608さんフェイトの別の心ってなに?
622608:2007/05/04(金) 17:57:13 ID:???
>>621
orz また勘違い……というか余計な事を……
しかも名前消し忘れた。今日はミス多すぎ……
623通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:00:26 ID:???
GJ
エリオが動揺してるw内心複雑だろうな。
624通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:07:12 ID:???
>>617>>618
乙彼&GJです。出切れば揉まれた後のスバルの反応の描写が欲しかったです。
時にブラストカラミティってどんな魔法だったっけ?合体技なのは理解できたけど

>>623
恐らくはあの場面を見られたら同じ事をされたでしょうね。平行してキャロに恥じらいを持てと教育しながら
625通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:09:21 ID:???
神隠し氏Gj!
中途半端なラッキースケベの発動は身を滅ぼすと言う事を身を持って証明したシン……強く生きろ
>>621
他人に発動した事に対する嫉妬?

シンが胸を揉んどいて気付かなかった事に対する怒りじゃないか?

後者だとおっぱい星人のハヤテな気もするが……
626通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:22:44 ID:???
>>624
コミック版で出てきたなのは&フェイトの合体魔法。
未完成だった9歳の時点で管理局の訓練室を吹っ飛ばしたほどの威力を持つ。
627通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:26:43 ID:???
そういや、神隠しさんのssではシンとフェイトは仲良かったなw
628通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:41:12 ID:???
フラグっぽいものも前半では立っていたけど
今は記憶喪失ですっかり忘れてますなwシンはw
629通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:42:46 ID:???
てか本当に記憶喪失なのか?
630通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:44:16 ID:???
シンはうっすら覚えてるそうな
631通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 18:49:05 ID:???
記憶喪失と言うか封印されてるような印象が有るな

まさかピンク電波?!
632通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:03:02 ID:???
確かにあれを食らうとラクシズに都合の悪い事は思い出せなくなるなw
633通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:04:04 ID:???
別になのは世界で知った事はラクシズにとって都合の悪い事じゃないと思うw
634通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:06:02 ID:???
まともな常識人や善良な人々と培った思い出があると
ラクシズに従えなくなってしまうじゃないかw
635通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:37:08 ID:???
見返してみたけど今日はすごいなw
スキルラッキースケベの話題だけで60以上のレスがついてssまで出来てるw
636通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:41:54 ID:???
ラッキースケベのスキルは正直ハーレム系主人公ならみんなもt(ry
637通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:44:24 ID:???
つまりシンにはその素養があったと?本編では開花しなかったがw
638通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 19:44:37 ID:???
>>617 >>618 GJ。 まさかssまでくるとわw
キラは普通に対処してるな、あれか?女性の体はもうフレイでなれてるというのか?
キラ・・・・。恐ろしい子!!!
639通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 20:33:13 ID:???
まじでレス続いてるとわw
640通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:02:01 ID:???
これが人の夢、人の望み、人の業というやつかw
641通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:18:07 ID:???
やっと勢いが衰えてきたかw結局何レスいったんだ?
642通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:25:10 ID:???
ここで流れをバババ!するが

>神隠し氏
劇場版のほうはどうなった?
643通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:31:13 ID:???
>>641
始まったのが>>563だから無関係な少数のレスを省くと68レスくらいだw
いやはやよくここまで続いたもんだw
644通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:33:25 ID:???
かつて 鈴村健一は中原麻衣にリアルで股間を殴られたという過去が・・・

語る必要も無いか。
645通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:42:52 ID:???
つまりシンのスキル発動の相手はティアになるという事か?
646通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:18:59 ID:???
ようやく静かになってきたな。今日はすごい祭りだったなw
647通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:25:00 ID:???
>>645
天敵に成る可能性も有るぞ?
ラッキースケベが発動する度に金的を……
648通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:25:41 ID:???
ティア相手には何回も発動するのかw
649563:2007/05/04(金) 22:28:03 ID:???
>>神隠し氏、乙です。
てか、こんなスレの流れ、読めるわけネーですw
まさか、神隠し氏本人が>>617ー618のような投下までされるとは……。
周囲の反応を余所に、スバル本人は模擬戦で負けた事の方で落ち込んでそう。
650通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:32:12 ID:???
おお、今日の祭りの火付け役さんですかwあなたもGJですw
651通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:47:17 ID:???
でもシンとティアっておもしろい組み合わせではありそうだなw
まじかるシンのシンとはやての組み合わせもすごくおもしろそうだがw
652通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:49:27 ID:???
神隠し初期のシンとキラはAAA-かAAAくらいだったんだろうな
キラはフェイトと互角に戦って、シンはそのキラとほぼ互角だったから
本当に弱体化したなぁキラとシン
653通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:51:26 ID:???
まあ、離れて本業にもどっていたしね。
なのは達はずっと経験を積み続けていたわけでもあるし。
654通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 22:58:27 ID:???
>>651
シンとはやての組み合わせだとおっぱい星人はやてとシンのおっぱい談義位しか想像できな(ry
655通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:01:04 ID:???
シン「いいおっぱいですね。ん?犬とロリが俺を睨んでいるな。」
656通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:02:18 ID:???
つうか、なんでそんな話題になるんだw
シンってそういうキャラだったかw
657通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:04:33 ID:???
ていうか、傍から見るとシンがセクハラしてるようにしか見えないなwその会話。
658通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:05:45 ID:???
シン「揉んでもいい?答えは聞いてない!」
659通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:08:37 ID:???
まて、シン!それをやると本当に警察に捕まってしまうぞw
660通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:10:09 ID:???
>>655
>>犬とロリが俺を睨んでいるな
じゃないだろwwwそりゃ睨むわw
661通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:11:03 ID:???
シン「俺のスキル『ラッキースケベ』発動。全キャラのおっぱい揉んじゃったぜ。
・・・・何見てるんだ・・・全員で俺を殴るのは止めろー。痛いじゃないか!」
662通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:11:18 ID:???
ん〜、ヴィータはシグナム相手ならふざけてけし掛けそうだけど
663通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:14:17 ID:???
>>661
なんかシンのキャラが変わってるwwていうか殴るだけですめばいいけどなw
664通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:15:47 ID:???
>>662
はやて相手なら?
665通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:16:05 ID:???
シンの日記

○月○日○曜日:午前8時。なのはさんのおっぱいを触る。撃たれる。
        午前9時。フェイトさんのおっぱいを揉む。斬られる。
        午前10時。シグナムさんのおっぱいを揉みまくる。斬られる。
666通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:16:34 ID:???
結局まだ続いてる件ww
667通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:17:15 ID:???
よく生きているな、シンw
ていうかもはやスキルでもなんでもなく、ただの確信犯のセクハラになってるww
668通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:22:22 ID:???
>>664
                  | |  |  | |
                  | .| | .|  | .| |  .| | .|
                  | |  |  | |
                  ,,,,,,,iiiiillllll!!!!!!!lllllliiiii,,,,,,,
                 .,llll゙゙゙゙゙        ゙゙゙゙゙lllll,
 \.ぶっ潰せー!./    .|!!!!,,,,,,,,       ,,,,,,,,,!!!!|
. .   ̄ ̄V ̄ ̄       |  ゙゙゙゙!!!!llllliiiiiiiiiilllll!!!!゙゙゙゙ |
      __ ,'⌒ヽ      |     ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       |
    ∠† _(†ヽ彡     .|              |
    又 !从从))))      |.      轟.        .|
   〈y.リ(l|`(フノ|ly〉     |              .|
   〈y⊂^)!†i(^つ!!!!!!!lllllllliii|.      .天        |
    ⊂く ,、,、>         |               .|
      し'           |      .爆        |
                 .|                .|
                 .|      .砕        |
       \\\\\   |                .|.  / ////
         \\\\\ |                .| / ////
          \\\\ |                .|/ ////
            \\\\゙!!!,,,,,,,,       ,,,,,,,,,!!!゙゙////
             \\\\゙゙゙゙!!!!llllliiiiiiiiiilllll!!!!゙゙゙゙////
                 ' ";`゙∵゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;"' ;∵;;"
                     ' ";`シン";∵;;"
669通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:23:18 ID:???
じゃあだめじゃんwシンやばいじゃんw
670通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:23:20 ID:???
シン「行くぞエリオ!!俺達のスキルを極めに」

エリオ「はい、先輩!!いつか必ずあの人のもとにたどり着きましょう」

シン「あぁ!待ってろよ淫獣!必ずお前に追いついてやる」

俺達のラッキースケベはまだまだこれからだ
671通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:23:48 ID:???
シン「俺は何度でも『ラッキースケベ』を繰り返す。それが俺クオリティ」
672通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:24:27 ID:???
目標が淫獣wwしかも名前で呼んでないw
ていうかあの人はスキルじゃなくて半ば確信犯だろうw
673通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:25:21 ID:???
シン「性欲を持て余す」
674通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:26:08 ID:???
なんか今の流れでいうと妙に生々しくしか聞こえないww
675通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:28:42 ID:???
ユーノ「別に僕から求めたわけじゃないしw向こうが勝手に勘違いしただけじゃんw」
676通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:42:12 ID:???
>>665に便乗しつつも正統派で……

シンの日記
○月罰日
皆で食事に行った際、キャロが階段で転んだ為受け止めようとしたが失敗、スバルを巻き込んだものの俺が下敷きに成ることで事なきを得る
体痛い……


スバルの日記
○日×日・晴れ
階段で足を滑らせたキャロちゃんを受け止めようとしたらシン君とぶつかり転げ落ちた
私もキャロちゃんも怪我が無く、幸運だったと思う
ただその際私がシン君の腰の上に、キャロちゃんが顔の上に座る形でのしかかってしまった
何処も怪我をしていないと言っていたが強がりかもしれない
明日シャマルさんの所へ連れていこうと思う
677通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:44:44 ID:???
シンがやばい事になってしまうwwスバルが天然でひどいw
678通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:45:55 ID:???
>>675
いいだす時間もタイミングも十分あったくせにいわなかったのは確信犯だろうw
まさに淫獣だなw
679通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:51:54 ID:???
シン「スバルのおしりの感触が気持ちよかった事は日記に書いておくか。」

後にその日記の内容がはやてに知れる事を彼はまだ知らない
680通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:52:31 ID:???
一人寂しく>>658の続き

フェイト→( ゚∀゚)o彡゜Eじゃん!Eじゃん!スゲーじゃん!

なのはさん→( ゚∀゚)o彡゜Bじゃん…Bじゃん……(´・ω・`)

カップ数は妄想。問題は『ラッキースケベ』所か確信犯すぎることだな。
681通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:54:06 ID:???
>>676
まさに正統的なラッキースケベですな。双方が気づいてないのがなんともw
682通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:54:19 ID:???
>>676続き
エリオの日記
丸月抜日・晴天
今日は凄い物を目撃しました
階段でルシェさんが足を滑らせ、それを助けようと飛び出したアスカさんとスバルさんが一緒に落ちてしまった
その際ルシェさんの胸を撫でること二回
スバルさんの胸に顔を埋める事一回、胸を触ること三回…
信じられない事だけどこれが階段を転げ落ちる間にシンさんが行った事である
しかも自身の身を痛めつける事で相手に微塵も疑わせないと言うその恐るべき手腕…
僕はあの人のようになりたい!!
683通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:55:33 ID:???
課の風紀の乱れがひどい事にw
まるで新撰組だなw
684通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:57:19 ID:???
>>680
シン、なのはの所でしょぼくれるなよwwさわっておいてw
685通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 23:59:13 ID:???
>>679
はやては知ったらどうするんだ、何気に気になるw
686通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:00:30 ID:???
まだだ!(ラッキースケベの話題は)まだ終わらんよ!
687通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:02:33 ID:???
>>682
シンすげえwまさに転んでもただでは起きない男だなw
688通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:05:58 ID:???
シン「フェイトさん。また胸のサイズ大きくなりましたよね?」
フェイト「な・・・なんで知ってるの・・・?」
シン「なのはさん。胸のサイズ・・・あんまり変わってませんね。」
なのは「な・・・なに・・・を・・・・」
シン「はやてさん!良いサイズですね!」
はやて「え?」

シン「俺の手にかかればスリーサイズなど意図もたやすく正確に測れるわ!ハハハ」
フェイトなのははやて「死ぬまでに言いたいことはそれだけか?」
シン「止めろー!そんなこわい顔で俺を見るなー」
689通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:07:22 ID:???
もはやただの確信犯のセクハラw
690通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:09:11 ID:???
なのはの攻撃がそのなかでは一番激しくなりそうだなw
691通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:14:15 ID:???
当然限定解除でスターライトブレイカーexは鉄板だな。
692通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:17:46 ID:???
ティアナはクロスミラージュから次々と魔力弾を放っていく
だが、シンはそれらを全て紙一重でかわし、一気に接近…アロンダイトを振りかぶりティアナの障壁ごと斬り裂いた
強い…
それがシンに対するティアナの印象だった
自分と違い自由自在に空も飛べ、遠距離からの射撃も出来る
射撃においては自分の方が勝っている。だが、速すぎて自分の腕では彼のことはまるで捕らえられない
距離を取り、何度か魔力弾を撃つが全て彼のアロンダイトの前に切り捨てられた
『ケルベロス』
彼のデバイスデスティニーから流れ出る機械的な男性声
ティアナでは防ぎきることは不可能なくらい巨大な魔力の奔流が襲いかかった
『プロテクション』
悪あがきに障壁を作ったがやはり無駄であった
シンが放ったケルベロスはティアのプロテクションを易々と突き破り彼女の体を空に上げた
重力の法則に従って、そのまま地面へと落下する
空を飛べない彼女は受け身を取ることで何とか骨への負傷を避けた
結局一矢報いることも出来なかった。魔導師ランクは同じなのに…経験はこちらの方が上のはずなのに…
だが、言葉通り手も足も出なかった
自信を根本から奪われてしまった
起き上がったところをシンがアロンダイトを突きつける
「俺の勝ちだな」
気絶させる、もしくは致命的な一撃を与えない限りは勝利とはならない
シンは無慈悲にアロンダイトを振りかぶった
ティアナは目を瞑り、手で防御しようとした
ゴンッ!
何かが当たった音がした
何時までたってもアロンダイトは振り下ろされない
ティアナは恐る恐る目を開けると目の前にはあそこを押さえながらのた打ち回るシンの姿があった
「えっ…あれ…?何が…あったの…?」
「ティアナがさん防御しようと振りかざした手がシンさんの…その大事なところに当たって…」
恥ずかしそうにエリオが説明した
「…シンさんは戦闘不能です。いかに優れた魔導師といえどもあそこまでは鍛えられませんから」
「〜〜〜〜〜っ!!!」
言葉にならない悲鳴を上げながらシンはのた打ち回る
男としてエリオはいかにその打撃が辛く…痛いものかを分かっていた
ティアナは呆気に取られながら自分が勝ったことを未だに信じられないでいた

即興で思いついたネタ
駄文すまない
693通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:21:49 ID:???
シン「よくも・・・俺の・・・絶対に許さないぞ!次は貴様の番だからな!」
スバル「おっはよー」

ごん

シン「スバル・・・おまえも俺の・・・いてえええ・・」
スバル「私の足が何かにあたったような・・・」
ティアナ「気にするな。私も気にしない。」
694通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:21:54 ID:???
クロスミラージュって目にした瞬間FFSかと思った
695通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:24:58 ID:???
>>692
中の人からのネタかww

>>693
次は貴様の番ってどうする気だったんだシンw
696通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:25:20 ID:???
ラッキースケベの話題だけで100スレ越えるとは・・・・・・
ラッキースケベ恐るべしwww
697通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:26:34 ID:???
途中からセクハラになってる気もするけどな
698696:2007/05/05(土) 00:27:47 ID:???
100スレじゃなくて100レスだった
素で間違えたorz
699通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:28:08 ID:???
>>695
そうだよ。噂だと今は中の人達付き合ってるらしいよ
あくまでも噂だがね
700通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:29:34 ID:???
そのうちシンが常にデバイスを展開して平然な顔で攻撃をぶっ放し、胸を触りまくる勢いだなおいw
701通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:29:47 ID:???
何だよ、このラッキースケベSS祭りは。
当然、保管庫に保管する際の短編集のタイトルは「ラッキースケベ」にそったタイトルを
702通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:30:53 ID:???
シン「スバル!見てくれ!この両腕両脚につけたタービンを!」
スバル「私のまね?」
シン「これを見て真似してみたんだ。」
スバル「『電童』・・・?」
シン「いや〜 影響されちゃってさ。徹夜で見てさ。」
703通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:32:42 ID:???
影響されやすいな〜シンはw
704通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:33:09 ID:???
そういえば電童にもでてたな、鈴村
705通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:39:37 ID:???
>>700
それで袋叩きにされるとw
706通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:40:14 ID:???
シン「スバル見てくれ。こいつをどう思う?」
スバル「何これ、私の真似?」
シン「いや、違う。こいつだ
つガオガイガー」
スバル「ガオガイガー……」
シン「いや、かっこいいなぁ。そうだ、俺お前の新技思いついたぞ」
スバル「何?」
シン「俺がバインドで動きを封じたらスバルがウィングロードを敵の方に向ける
そして、拳を前に構えながら突進する
名付けてヘルアンドヘブンだ」
スバル「………」
707通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:43:18 ID:???
また影響されてるwスバルがリアクションに困ってるなw
708通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:43:48 ID:???
シン「この漫画は面白いな。」
スバル「何を読んでるの?」
シン「読むか?いちご100%。」
スバル「・・・」
シン「これ見るか? つグラヴィオン」
スバル「最初っから女装ですか・・・」
709通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:44:33 ID:???
>>707
ちなみに作者は違ったりしてる
>>702氏便乗ネタすまん
710通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:46:06 ID:???
>>708
中の人ネタオンパレードw
いちご100%はリアクションに困るだろうな、女はw
711通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:48:29 ID:???
>>710
中の人ネタで考えると>>702はすごいw
712通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:50:58 ID:???
ガオガイガーやめれwww
エタブレに勇者王の空耳がwww
713通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:53:41 ID:???
仮面男「俺って・・・檜山ボイスだったんだぜ・・・それなのに正体が女って・・」
シン「盟主王・・・」
仮面男「その名はすでに捨てた身。俺は猫耳の女だったのさ・・・」
714通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:54:47 ID:???
>>712
檜山のやつかwww
715ガンダムし〜どD´s:2007/05/05(土) 00:56:25 ID:???
流れきるようで悪いけど投下しておk?
716通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:58:02 ID:???
>>715
投下汁!!
717通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:58:07 ID:???
おk
718通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:58:10 ID:???
>>715
シン「投下して良い?答えは聞いてないけどね!」

勿論
719通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:59:46 ID:???
良いんじゃないかな?
720692:2007/05/05(土) 01:00:18 ID:???
俺もちょくちょく短編投下して良いかな?答えは聞いてないけどね!

長編は苦手だから無理ぽ。気まぐれでリクエストにも答えるよ
721ガンダムし〜どD´s:2007/05/05(土) 01:01:06 ID:???
許可を得たので投下。

「アスカ、起きろ」
シンは久方ぶりに誰かに起こされ、目を開ける。
そこには、スポーツウェアに着替えているシグナムがいた。
「何だよ?」
シンが不意にそんな事を言って、シグナムが少しため息を付く。
「訓練だ、既に外にはザフィーラが準備している」

機動戦士ガンダムし〜どD´s 29話

「ん…んーーーー」
シンは背筋を伸ばし、体をほぐす。
まだ日も昇ってなく、空も暗い。
「これを使え、いきなりのことで男性用の竹刀がなかったけどな」
シグナムは手に持っている二つの竹刀のうち、一つをシンに渡す。
確かに、渡された竹刀は少し小さかった。
「本来は結界でも張って実戦形式がいいのだが…シャマルは主の朝食の準備をしている。そして何より、それで何かの間違いで怪我でもして、主を悲しませたくない」
そりゃまあね、とシンはどちらかが怪我をして、悲しませるというよりも、危ないと怒るはやてを想像する。
「朝は私とザフィーラ、交互で接近戦の訓練。そして、昼からはヴィータから魔法を教えてもらえ」
ヴィータかあ。あいつ、ちゃんと教えてくれるかなあと、ため息を付くシンであった。
こうして、シンの特訓が始まる。

「おはよう、はやてちゃん」
シャマルはいつものようにはやての朝食の手伝いをしていた。
「あ、おはよう。ほなお皿並べて」
はやては鍋をかき回しながらシャマルにお願いする。
シャマルが皿を並べている時だった。
「振りが甘いし打ち込みも温い。もう一度来い!」
ふとシグナムの声が聞こえたので、窓を向くシャマル。
「早速やっているみたいですね、あの二人」
訓練の様子を見てシャマルが微笑む。
それに吊られてはやても笑う。
「そういえば、魔法はジータが教えるっていよったけど、出来ればそばで見よったげてな、なんか心配なわ」
そういうはやてにわかってますよ、とシャマルは言う。
「ザフィーラも見ておくって言ってましたし、問題はないと思いますよ。お昼からなら私も結界をはれますから」
ヴィータはのりのりみたいだが、こっちにしてみたらかなりドキドキ物である。
「はやて、おはよう……」
そこへ、その当人とリィンフォースが目をこすらせながら降りてきた。
「おはよう。もうすぐご飯やから顔洗ってき」
722通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:01:54 ID:???
あらたな職人さん誕生か、>>720さん頑張ってください。
723ガンダムし〜どD´s:2007/05/05(土) 01:03:12 ID:???
はやてに言われ、眠たげながらも洗面所へ向かう二人。
「さて、準備もできたし……シャマル、皆を呼んできてくれる?」
はーい、という声とともに、シャマルは外で訓練している3人を呼ぶ。
そんな、少し変わったいつもどおりの朝だった。

「アスカ、朝のうちにやっておくことの一覧表だ。ちゃんとやっておけよ」
朝食後、シグナムは珍しく朝から管理局関係のことで留守にしているので、自習メニューをシンに渡す。
わかったよ、といってシンは一通り目を通す。
大体が素振りと筋トレである。
「基本が第一だ。運動がてらちょうどいいだろう?」
朝飯前に動いただろ、と突っ込もうと思ったが、もうやめた。
その後、家にはシンとヴィータ、シャマル、そしてザフィーラの4人と1匹。
シンは、外でシグナムに言われたとおりにメニューをこなす。
左手を締めて、大きく振りかぶる。
シグナムに、そして一度道場に行ったときに教えてくれた。
名前は……忘れたけどどうでもいいや。
どうせもうでてこないし(鬼)
こうして、シグナムから言われたことをして、どうしようかと悩んでいると。
「シン君、汗かいてるでしょ?そう思ってお風呂沸かしておいたから」
多分シグナムが毎朝はいっているから自分もそうなのだろうと思っているのだろうか。
まあ、確かに汗をかいてるし、せっかく沸かしてくれているのだから朝から入ることにした。
そして風呂場にいたのは……
「何でお前がいるんだ?」
風呂場には、小さな桶に入っているお湯にリィンが浸かっていた。
八神家通称「リィン風呂」。そのまんまである。
「え?毎日シグナムと入ってるんですよ?」
あ、そうと言って、シンは風呂に入る。
「確か、お前ってデバイスなんだよな……」
シンの質問に、はい。と元気よく答えるリィン。
「デバイスって、飯食ったり風呂に入ったりするもんなのか?」
それに、リィンは少し悩みながら答える。
「私みたいなデバイスはかなり特殊なんですよ」
ふぅん、とシンは前を見る。
魔術師になったはいいが、まだなのはたちの世界の知識が足りない気がする……
「そういえば、シンさんの世界ってあんなロボットのようなものがたくさんあるんですか?」
リィンは少しだけ見たデスティニーのことを話してきた。
そんなリィンに、ああとシンは頷く。
「まあ、MSは管理局で言うデバイスのようなものだな」
シンの言葉に、リィンは興味津々にはなしかけてくる。
「一度、シンさんの世界へ行って見たいです」
そんな事を言うリィンに、シンは笑いながら言う。
「やめてくれ。どうやってお前のことを説明するんだよ。こっちの世界じゃ物差しくらいの大きさの人間なんていないし、魔法なんて使ってないんだからな」
シンの言い方にむっとするリィン。
724通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:05:26 ID:???
毎日のように種死エタブレMAD見てるが



サビの「ウィーウィーシャーシャーウィーウィーファーー-!」がいつまで経っても抜けないwww
725ガンダムし〜どD´s:2007/05/05(土) 01:05:47 ID:???
「いつも言ってますけど、人の大きさを例えるときに、そうやって物に例えるのやめてください!」
そういうリィンを、シンは驚いてみる。
「おまえ、デバイスだろ?」
しばらく訪れる沈黙。
どこかのコント見たいだ。
「もういいです……」
リィンはぐれて浴槽(と言っても桶だが)に浸かる。
ちょっとやりすぎたか、と思ったシン。
「言い過ぎた、悪かったよ」
だが、シンが謝ってもリィンは無反応。
どうやらよほどショックだったらしい。
しょうがない、とシンは本音を言う。
「それに、俺の世界はまだ戦争中だから、連れて行きたくても連れていけないんだよ」
え?とリィンはシンのほうを向く。
「まだお前には話してなかったな。俺も世界のこと」
シンは、この世界へ着て何度目かわからない説明をした。
「ご、ごめんなさいです」
そんなシンの話を聞いて、リィンは謝るが、逆にシンは笑う。
「別にいいよ。普通はそんな事思いもしないだろうしさ」
ふと、シンはずっと風呂に入っていたことに気付く。
「さて、ゆでだこになる前に俺は上がるよ」
そういって、二人は風呂から上がるのだった。

「えー、ヴィータちゃんがシン君に魔法を教えるの?」
学校で、いつものメンバーが話をしていて、ちょうどシンの訓練の話をしていた。
「ほうなんよ。シンもリーゼたちからは大雑把にしか教えてもらってないって言うし……」
まあ、2週間で教えてもらうとしたら確かに大雑把になってしまうものわかる。
「えやけど、やっぱりちょっと心配なんよ。シャマルやザフィーラも手伝ってくれるってゆうてるから、心配はないと思うけど……」
確かに、となのはとフェイトは苦笑いを浮かべる。
「事情を説明して、暇なときにクロノにも手伝ってもらえるようにはなそうか?」
フェイトはそういうが、はあては悩む。
「けど、シンのデバイスはアームドやし……やっぱストレージとはかってがちがうとおもうんよ」
確かに、アームドデバイスにはアームドデバイスを使っている人に教わるのが一番だ。
「リーゼも基礎しか教えてないって言うし……シグナムは大体昼から道場に出かけてるし……朝は剣術のほうを教え取るし……」
うーん、となやむはやて。
「まあ、ヴィータちゃんも伊達に何十年、もしかしたら何百年も生きてないんでしょ?」
ヴォルケンは以前の主に作られる、プログラムだから年は取らない。
皆はそれぞれの年齢は設定されているが、どのメンバーもかなりの年数を生きているはずだ。
「だから大丈夫だよきっと」
なのはの言葉に、そやなと思うはやて。
一方、アリサとすずかは話がわからないため、何故か取り残された感があるのは否めなかった。
726ガンダムし〜どD´s:2007/05/05(土) 01:07:55 ID:???
時間は昼過ぎになり、シン達は近くの広場に集まる。
シャマルは周囲に結界を張って、誰にも邪魔させないようにしている。
「で、どんなことをするんだ?」
シンは目の前にいるヴィータに問いかける。
ヴィータは笑いながら言う。
「そんなもん、実戦……もとい、模擬戦に決まってるだろ。アームドデバイス使いは下手な小細工なんてしないで、正々堂々正面からぶつかるのが普通だ。だから、さっさと実戦慣れするんだよ」
MSでの実戦なら馴れてるんだけどなぁと思うが、MS戦と魔法戦は勝手が違うのは既に実証済み。
まあ、確かにいろんなやつと戦うのは大事かもしれない。
それに、いろいろ試して見たいこともあるからちょうどいいのかもしれない。
「ヴィータちゃん、あんまりやりすぎないようにね、はやてちゃんに怒られるわよ」
わかってる、とヴィータは言うが、多分聞き入れないだろう。
「じゃあいくぞ、アイゼン!」
『シュワルベフリーゲン』
ヴィータは鉛玉みたいな物を出し、それをグラーフアイゼンを使って打ち出した。
「って、それも十分下手な小細工だろが!」
シンはそう思いながら一つ一つ避ける。
なのはのアクセルシューターで何とか馴れているからよかった。
「もらったーー!」
『ラケーテンハンマー』
そう思った瞬間、ヴィータはぐるぐる回りながら突っ込んできた。
しかし、この行動はなのはとの戦いのときの資料に残っていた。
その時にシンの取った行動は……
「逃げるが勝ち!」
シンは後ろへ後退し、逃げ回った。
「あ、おい!逃げるな!!」
ヴィータは回りながら必死で追う。
そのうち……
「うえ……アイゼン……解除……」
酔ってきて、ラケーテンハンマーをキャンセルし、ヴィータは口を押さえる。
「ヴィータちゃん、大丈夫?」
シャマルが背中をさするが、まだ顔色が悪いヴィータ。
「汚いぞ……逃げるなんて……」
そんなヴィータを、シンは笑いながら見る。
「回りながら追いかけるのが悪い。これも作戦だよ」
ちょくちょく突っ込みすぎ、敵の罠に何度かはまってしまったことがあるシン。
それを生かした戦いをしようと思ったが、自分と同じように頭に血が上りやすい(自分で言うと切ない)ヴィータ相手にはやはり有効なようだ。
「訓練するつもりが、逆になったな」
ザフィーラのさりげない一言に、ヴィータは完全に言葉を返せない。
「くっそ〜〜〜……うっ……」
この後、回りすぎでしばらくヴィータは自分のベットでうなだれることになるのだった。
727ガンダムし〜どD´s:2007/05/05(土) 01:10:53 ID:???
「艦長。プレシア・テスタロッサの所在位置がつかめました」
アースラのブリッジでは、ようやくエイミィがプレシア・テスタロッサの居場所がつかめたのだった。
以前現れたときに取ったデータで、ようやく割り出せたのだ。
「とはいっても、うかつには近づけないな……向こうにMSもあるし……」
本来、MSだったらレイたちに知らせばいい。いいはずなのだが……
「そうよねえ、同時にこれも割り出せるなんて……」
リンディはため息を付きながら資料を見る。
それは、シン達の世界、コズミック・イラの資料であった。
プレシアの居場所を突き止める少し前に、この場所を突き止めたのだ。
「あの人たち、どうするのかしら」
リンディは資料を閉じ、またため息をするのであった。

投下完了。
ギャグを混ぜつつ、何とか話を進ませています。
それにしても、ヴィータは何故か絡ませやすい。単純だからか?
それと、リィンと一緒に風呂もラッキースケベに入りますか?
728通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:14:20 ID:???
>>724
キングゲイナーに比べたらまだまし
キングキングキングゲイナーのところが
ウィーウィーウィーよっしゃぁ!!に変えられてて笑いが止まらなくなる

>>727
GJ!!そろそろ、終わりを迎えるのか!?
729通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:15:28 ID:???
>>727
GJでした、次回も期待してます

>>721のジータってヴィータでOKですか?
730通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:40:41 ID:???
し〜ど氏、乙彼&GJです! 
ほのぼのとした魔導師訓練と終焉への兆しの見え隠れ……だがすんごい複線に見えてしまう。

あとお風呂ばったりネタも十分にラッキースケベに当たるかと。
今日は本気で祭りに発展しましたね……し〜ど氏も是非書いてみては?
731通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:48:47 ID:???
リィンは実は人間サイズにもなれる
ttp://www.broweb.jp/image/items/4988003341299_0.jpg
732通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:57:24 ID:???
>>731ヴィータやシグナムが魔法による年齢詐欺が出来てリインだけが出来ない訳無いじゃないか
733通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 02:01:10 ID:???
>>732言い方が悪かった
×年齢詐欺
○外見変化
734通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 03:36:04 ID:???
>>731
エリオがエリス・ウィラメットに見えた・・・
735リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 03:45:56 ID:???
>>神隠し氏、し〜ど氏 オレカツ様です。

いやぁ、先輩がたのSSは上手いなぁ……勉強になります。

リリカルなのは'ASTRAY続き出来たんで投げます。
736リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 03:49:10 ID:???
リリカルなのはASTRAY
第壱話


「ん……あれ?」

 まどろみの中、ロウはベットの上で眼を覚ます。まず彼の眼に映ったのは白い天井だった。

「あら、気が付いた?」

 声をかけられ部屋の入口を見遣ると水色の髪をポニーテールで纏め、大人の気品とどこかあどけなさを残す女性と男の子が立っていた。何がどうなっているのか整理出来ずにロウは声をかける。

「あ、アンタらはいったい……?」

「私はリンディ・ハラウオン。時空管理局提督でこの巡航艦アースラの艦長をやっています。 でこっちが私の息子の−−」

「クロノ・ハラウオン。同じく時空管理局の執務官をしている。」

ロウにとってそれは初めて聞く組織名であった、時空管理局?
制服を見る限り連合やザフトじゃないのは確かだ。ならオーブか?
いやオーブとも違う。

「それで、貴方の名前は?」

 ロウが考え込む中、自分達の自己紹介を済ませたリンディは彼を見遣ってから、にこりと微笑んで尋ねる。
ロウも「ああ、そうだな……」と答えてから自らの名前を名乗る。

「俺はジャンク屋ギルドのロウ・ギュールだ、よろしくな。 ところで聞きたいんだけど今はC.E.何年なんだ?それにアンタらの制服を見る限り、ここは連合やオーブじゃないよな?」


「C.E.……それはロウ君が居た世界の年号ね。 でも貴方が今居るのは貴方の世界じゃないわ……」

ロウは咄嗟に「嘘だろ……」と考えるがリンディやクロノの真剣な眼差しを見て事実なんだと確信する。

じいちゃん言ってたもんな……本当の事や嘘を言ってる人は眼を見りゃ解るって。

「今から僕達の言う事に驚くと思うけど聞いてくれるかな?」



 たが逆にその組織名や年号もリンディとクロノにとっても初めて聞くものであった。C.E.、連合、オーブ。
ただ彼の話から解るのはギルド(組合)という名の意味と彼が別次元から飛ばされてきたんだという事。
 クロノのその言葉にロウは神妙な面持ちで「ああ」と答える。

 そこでリンディとクロノがロウに話したのは今ロウや自分達が居るのは次元空間の事、そして自分達は魔法を使う事、失われた世界の危険な技術の遺産であるロストギアの事、そして今このアースラはそのロストギアを捜索している最中の事を話した。
737リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 03:51:38 ID:???
「おいおい、マジかよ……」
無理も無い、ロウからすれば魔法や異次元なんて言葉は樹里がよく自分に聞かせたお伽話やSF映画の中だけだと思ってたからだ。
しかも失われた世界の危険な技術の遺産とか厄介代物を探しているとか。

「嘘の様に聞こえるかもしれないけどこれは事実よ……ね、クロノ?」

リンディがクロノを呼び掛けるとクロノはそれの意を汲み取り、自分のデバイスをロウに見せる。

「これはデバイスと言って僕ら魔導師にとっては大切な相棒なんだ。 見てもらった方が早いかも知れないから、よく見ていてくれ」

なんだ?カード……?

「S2U」『Standby、OK』
とクロノの声に答えた瞬間、カードは一瞬で槍の様な杖に姿を変えた。

「これで解ってくれたかしら?」

 ロウは唖然としながらも「あ、ああ」と答える。

本当にこんなのお伽話の中だけだと思ってたけど……本当に俺、別世界に飛ばされたんだな。
それにあのデバイスって言うの……なかなかイカすデザインしてるな。

 そう思ったロウは勢いよく自分の顔を自分の手でバシっと叩き、気合いを入れる。

「よっしゃあ♪ ここまで見せられちゃ信じないわけにゃいかねーな♪信じるぜ、リンディ艦長さんにクロノ♪」

ビッと親指を立ててそう言うロウの明るさにリンディはくすくすと笑い、クロノは「楽天家だなぁ」と感じながら苦笑いを浮かべてしまう。
そこでリンディはある事を思い出す。

「あとロウ君、ちょっと聞きたいんだけど。貴方がここに現れた時、貴方の手元にデバイスが落ちていたの。見覚えある?」

そう言い、リンディがロウに見せたのはトランク型のデバイスだった。
するとトランクのディスプレイの部分に『生きてたか?私はいたって元気だ』と表示される。

「見覚えはあるぜ。そいつは俺の相棒……なんだけど、お前ってデバイスだったっけ?」
『気付いたら縮んでた』

「それにしても貴方のデバイスは珍しいわね……。」

リンディのその言葉に「そうなのか?」と聞き返すとクロノが説明する。

「うん、それほど表情豊かなデバイスは今までに見た事がないよ。」

738リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 03:55:24 ID:???
「へぇ〜。お前って珍しい存在だったんだな?」『やっと、私の希少価値に気付いたのかお前は。』

そのやり取りをみたリンディはロウにある事を聞く。

「ロウ君、一度貴方のデバイスを起動して見せてくれないかしら?」

「でも俺、起動の仕方解らねぇけど。」

「なら、貴方が知ってる自分自身に関連する言葉を言ってみるといいわ。」

 リンディにそう言われ、ロウはベットから降りると眼をつぶる、そして頭の中にいろんな関連する名を並べていく。

キサト、やかん、リーアム、プロフェッサー、ジョージ、レッド、ジャンク屋ギルド……いや違う。やっぱり……。
ロウの中で一つの言葉が弾き出される。
それは……

「いくぜ、8!!」『ガッテンだ』

その名に反応した8『トランク型デバイス』は光り輝き、ロウを包み込む。

「な、なあ!?後はどうせればいいんだ?」

「自分の想いえがくバリアジャケットを考えてみるんだ、ロウ」
「な、なんだそのバリアって?」
「騎士服の事だ。」

クロノにそう指示されたロウは自分の思考の中に騎士服を想いえがく。 ロウの頭に出たのはレッドフレーム。
すると光は消えていき、そこから現れたロウは白を基調とした服に赤い炎の模様が彩られたものだった。
そしてトランク型デバイスはガーベラストレート(日本刀)に変化し、ロウの腰に携えられている。

「これが……バリアントジャケットか。ガーベラまで付いてやがる……。」

「恐らくその刀が今貴方が持ってたトランク型デバイスが変化したものよ。」

「へぇ。コイツぁすげーな♪ははっ」

「あと貴方に話しておかなければならない事があるの。」

そしてそこでリンディは真剣な表情を見せる。そこからロウは彼女が言いたい事を理解する。

「多分、俺が居た世界が見つからないって言いたいんだろ?リンディ艦長」

そう言いあてられリンディは一瞬キョトンとするが直ぐに「ええ」と頷く。

「けど見つかり次第、君を送るようにする、約束するよ。」


739リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:00:17 ID:???
 クロノのその言葉にロウは「悪ぃな」と答える。と同時にロウの思考にはひとつの選択が残されていた。それは

「なぁ、アンタらの探してるロストギア……だったっけか?俺もそれ探すの手伝わせてくんねぇかな、ただ元いた場所探してもらってのんびりしてるなんて。
それに下手したら関係ないもん全部壊しちまうようなヤバイもんジャンク屋としてほっとけねぇ。頼むよクロノ、リンディ艦長。」

 手を合わせて頭を下げるロウにクロノは即座に却下する。
「駄目だ、民間人である君に手伝わせるなんて−−」
「わかりました、許可します。」
リンディの即決に「やったぜ♪」と喜ぶロウ。とは反対にクロノは直ぐに「母さ−−艦長!」とリンディを諌める。だがリンディはそれにニコリと微笑み、答える。

「ロストギアと二人の魔導師の捜索は大変だし、今のところ人員は必要でしょ?クロノ。」

「ですが!!……いえ、はい。」

クロノはリンディの笑顔にこれ以上何を言っても駄目だと感じてうなだれるように頷く。

「ではロウ・ギュール。貴方の申し出は一時、臨時局員の扱いとします。条件としては、こちらの指示を必ず守ってもらいます。良くって?」

「おう、ありがとな♪リンディ艦長、それにクロノ。改めてこれからよろしくな」

ニパッと先程よりも華やかな笑顔を見せてロウはリンディとクロノに握手を求める。
どんな状況に陥っても明るさを燈しつづけるロウに少し疑問を持ったクロノは彼に尋ねる。

「帰れないかもしれないのに明るいね君は。」

「まぁ、そうだけどな。でもだからって絶対って確率は誰にも証明できねえ……だから、俺は一度もマイナスに考えた事はねぇ。それに−−」

「それに?」

「俺の悪運は最強だからな♪」

そんなロウの台詞を聞き、つい笑い声をこぼしてしまったリンディはロウの握手に答える。

「ふふふ♪ なんだか凄い人ね、ロウ君は。 では改めてよろしくね♪」

「本当に凄い奴だね君は……」


クロノもそんなロウに呆れながらも彼の握手に応じる。

こうして宇宙一のジャンク屋ロウ・ギュールは時空管理局に居座る事になったのであった。


「ところでジャケットってどう脱ぐんだ?」『解除したいって考えろ』


以上第壱話投げ終了です。
740リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:02:08 ID:???
また、何か変なとこあったら教えて下さい。
それでは退散します。
壱、弐、散!
741リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:16:40 ID:???
すいません、自分で変なとこ発見したんで修正投げしますorz
742リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:22:59 ID:???
リリカルなのは'ASTRAY 第壱話


「ん……あれ?」

 まどろみの中、ロウはベットの上で眼を覚ます。まず彼の眼に映ったのは白い天井だった。

「あら、気が付いた?」

 声をかけられ部屋の入口を見遣ると水色の髪をポニーテールで纏め、大人の気品とどこかあどけなさを残す女性と男の子が立っていた。
何がどうなっているのか整理出来ずにロウは声をかける。

「あ、アンタらはいったい……?」

「私はリンディ・ハラウオン。時空管理局提督でこの巡航艦アースラの艦長をしています。 でこっちが私の息子の−−」
「クロノ・ハラウオンだ。同じく時空管理局の執務官をしている。」
ロウにとってそれは初めて聞く組織名であった、時空管理局?制服を見る限り連合やザフトじゃないのは確かだ。
ならオーブか?いやオーブとも違う。

「それで、貴方の名前を聞かせてもらえるかしら?」

 ロウが考え込む中、自分達の自己紹介を済ませたリンディは彼を見遣ってから、にこりと微笑んで尋ねる。
ロウも「ああ、そうだな……」と答えてから自らの名前を名乗る。
「俺はジャンク屋ギルドのロウ・ギュールだ、よろしくな。 ところで聞きたいんだけど今はC.E.何年なんだ?それにアンタらの制服を見る限り、ここは連合やオーブじゃないよな?」
 だが逆にその組織名や年号もリンディとクロノにとっても初めて聞くものであった。C.E.、連合、オーブ。 ただ彼の話から解るのはギルド(組合)という名の意味と彼が別次元から飛ばされてきたんだという事。

「C.E.……それはロウ君が居た世界の年号ね。でも貴方が今居るのは貴方の世界じゃないわ……」

ロウは咄嗟に「嘘だろ……」と考えるがリンディやクロノの真剣な眼差しを見て事実なんだと確信する。
じいちゃん言ってたもんな……本当の事や嘘を言ってる人は眼を見りゃ解るって。

「今から僕達の言う事に驚くと思うけど聞いてくれるかな?」
 クロノのその言葉にロウは神妙な面持ちで「ああ」と答える。
 そこでリンディとクロノがロウに話したのは今ロウや自分達が居るのは次元空間の事、そして自分達は魔法を使う事、失われた世界の危険な技術の遺産であるロストギアの事、そして今このアースラはそのロストギアを捜索している最中の事を話した。
743リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:27:42 ID:???
「おいおい、マジかよ……」

無理も無い、ロウからすれば魔法や異次元なんて言葉は樹里がよく自分に聞かせたお伽話やSF映画の中だけだと思ってたからだ。
しかも失われた世界の危険な技術の遺産とか厄介代物を探しているとか。

「嘘の様に聞こえるかもしれないけどこれは事実よ……ね、クロノ?」

リンディがクロノを呼び掛けるとクロノはそれの意を汲み取り、自分のデバイスをロウに見せる。

「これはデバイスと言って僕ら魔導師にとっては大切な相棒なんだ。 見てもらった方が早いかも知れないから、よく見ていてくれ」
なんだ?カード……?
「S2U」『Standby、OK』

とクロノの声に答えた瞬間、カードは一瞬で槍の様な杖に姿を変えた。

「これで解ってくれたかしら?」
 ロウは唖然としながらも「あ、ああ」と答える。

本当にこんなのお伽話の中だけだと思ってたけど……本当に俺、別世界に飛ばされたんだな。 それにあのデバイスって言うの……なかなかイカすデザインしてるな。

 そう思ったロウは勢いよく自分の顔を自分の手でバシっと叩き、気合いを入れる。

「よっしゃあ♪ ここまで見せられちゃ信じないわけにゃいかねーな♪信じるぜ、リンディ艦長さんにクロノ♪」

ビッと親指を立ててそう言うロウの明るさにリンディはくすくすと笑い、クロノは「楽天家だなぁ」と感じながら苦笑いを浮かべてしまう。
そこでリンディはある事を思い出す。

「あとロウ君、ちょっと聞きたいんだけど。貴方がここに現れた時、貴方の手元にデバイスが落ちていたの。見覚えある?」

そう言い、リンディがロウに見せたのはトランク型のデバイスだった。
するとトランクのディスプレイの部分に『生きてたか?私はいたって元気だ』と表示される。

「見覚えはあるぜ。そいつは俺の相棒……なんだけど、お前ってデバイスだったっけ?」『気付いたら縮んでた』

「それにしても貴方のデバイスは珍しいわね……。」

リンディのその言葉に「そうなのか?」と聞き返すとクロノが説明する。

「うん、それほど表情豊かなデバイスは今までに見た事がないからね。」
744リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:32:07 ID:???
「へぇ〜。お前って珍しい存在だったんだな?」『やっと、私の希少価値に気付いたのかお前は。』

そのやり取りをみたリンディはロウにある提案をする。

「ロウ君、一度貴方のデバイスを起動して見せてくれないかしら?」
「でも俺、起動の仕方解らねぇけど……」

「なら、貴方が知ってる自分自身に関連する言葉を言ってみるといいわ。」

 リンディにそう言われ、ロウはベットから降りると眼をつぶる、そして頭の中にいろんな関連する名を並べていく。

キサト、やかん、リーアム、プロフェッサー、ジョージ、レッド、ジャンク屋ギルド……いや違う。やっぱり……。

ロウの中で一つの言葉が弾き出される。 それは……


「いくぜ、8!!」『ガッテンだ』

その名に反応した8『トランク型デバイス』は光り輝き、ロウを包み込む。

「な、なあ!?後はどうせればいいんだ?」
「自分の想いえがくバリアジャケットを考えてみるんだ、ロウ」

「な、なんだそのバリアって?」

「騎士服の事だ。」

クロノにそう指示されたロウは自分の思考の中に騎士服を想いえがく。 ロウの頭に出たのはレッドフレーム。
すると光は消えていき、そこから現れたロウは白を基調とした服に赤い炎の模様が彩られたものだった。 そしてトランク型デバイスはガーベラストレート(日本刀)に変化し、ロウの腰に携えられている。

「これが……バリアントジャケットか。ガーベラまで付いてやがる……。」

「恐らくその刀が今貴方が持ってたトランク型デバイスが変化したものよ。」

「へぇ。コイツぁすげーな♪ははっ」

「あと、貴方に話しておかなければならない事があるの。」

そしてそこでリンディは真剣な表情を見せる。そこからロウは彼女が言いたい事を理解する。

「多分、俺が居た世界が見つからないって言いたいんだろ?リンディ艦長」

そう言いあてられリンディは一瞬キョトンとするが直ぐに「ええ」と頷く。

「けど見つかり次第、君を送るようにする、約束するよ。」

745リリカルASTRAY:2007/05/05(土) 04:36:21 ID:???
 クロノのその言葉にロウは「悪ぃな」と答える。と同時にロウの思考にはひとつの選択が残されていた。それは
「なぁ、アンタらの探してるロストギア……だったっけか?俺もそれ探すの手伝わせてくんねぇかな、ただ元いた場所探してもらってのんびりしてるなんて。
それに下手したら関係ないもん全部壊しちまうようなヤバイもんジャンク屋としてほっとけねぇ。頼むよクロノ、リンディ艦長。」

 手を合わせて頭を下げるロウにクロノは即座に却下する。

「駄目だ、民間人である君に手伝わせるなんて−−」
「わかりました、許可します。」

リンディの即決に「やったぜ♪」と喜ぶロウ。とは反対にクロノは直ぐに「母さ−−艦長!」とリンディを諌める。だがリンディはそれにニコリと微笑み、答える。

「ロストギアと二人の魔導師の捜索は大変だし、今のところ人員は必要でしょ?クロノ。」

「ですが!!……いえ、はい。」

クロノはリンディの笑顔にこれ以上何を言っても駄目だと感じてうなだれるように頷く。
「ではロウ・ギュール。貴方の申し出は一時、臨時局員の扱いとします。条件としては、こちらの指示を必ず守ってもらいます。良くって?」

「おう、ありがとな♪リンディ艦長、それにクロノ。改めてこれからよろしくな」

ニパッと先程よりも華やかな笑顔を見せてロウはリンディとクロノに握手を求める。 どんな状況に陥っても明るさを燈しつづけるロウに少し疑問を持ったクロノは彼に尋ねる。

「帰れないかもしれないのに明るいね君は。」
「まぁ、そうだけどな。でもだからって絶対って確率は誰にも証明できねえ……だから、俺は一度もマイナスに考えた事はねぇ。それに−−」

「それに?」

「俺の悪運は最強だからな♪」

そんなロウの台詞を聞き、つい笑い声をこぼしてしまったリンディはロウの握手に答える。

「ふふふ♪ なんだか凄い人ね、ロウ君は。 では改めてよろしくね♪」
「本当に凄い奴だね君は……」

クロノもそんなロウに呆れながらも彼の握手に応じる。

こうして宇宙一のジャンク屋ロウ・ギュールは時空管理局に居座る事になったのであった。

「ところでジャケットってどう脱ぐんだ?」『解除したいって考えろ』



以上修正投げ終了です。すいませんしたーorz
746通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 09:43:23 ID:???
やっぱりロウとハチの掛け合いいいな〜www

GJ!
747通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 11:13:26 ID:???
確かにいいなw明るい感じのキャラでおもしろいな。
748通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 11:26:32 ID:???
>>727
乙なの!
ついにCE世界発見ですか。
マユとクルーゼの件が片づくまでは、シン達は残りそう?
舞台がCEに移るのもありえたり!?

>>745
乙です。
8のデバイス化の違和感の無さは一体……w
749通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 11:32:28 ID:???
8は元からIDみたいなモノだ(ry


ミッドとかって本当ぬキャプテンがはっちゃけそうな世界だよなぁ
750返事の無い悶え死んでいる暇人A:2007/05/05(土) 12:07:30 ID:???
静かになってきたみたいだからいく
前からちょくちょく書くとか言ってた人間です。
主人公はシン
舞台は無印のなのはワールド

戦闘描写は苦手・・・
性格がちょっと違う・・・
まぁ、俺が無印はなのはとフェイトの友情物語として認識してるから、シンがでしゃばらないようにした結果ですw
それでいてシンサイドの部分が大半です。
まどろっこしい説明が多かったり説明不足だったり・・・
説明が多いのはシンサイドだから。不足は作者の力不足w

ま、気にしないで読んで下さると光栄ですw



後もう一つ。
『はやてはそうそう出てきません』
では、よろしく
751閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:08:17 ID:???
4月27日

それは、ここではないが、今後俺たちが生活する事になる世界の、日にち

「ん・・・ここは?」
少年が一人、目を覚ました。
少年には一見すると炎を思わせるような感覚があった。
「目を覚ましたんだね、シンくん」
少年の胸くらいの身長の少女が、ベッドの隣に立っていた。
シン、それが、少年の名前。
「マユ?どうしたんだ、俺の部屋で?」
少女の名前はマユ。
少年とは対照的に優しい顔立ちをしていたが、彼らはどこか雰囲気が似ていた。
「プレシアさんが呼んでるよ?シンくんとわたしに合わせたい人がいる、って」
「そうか。じゃあ着替えるから、廊下で待っててくれないか?」
「は〜い、じゃ、急いでね?」
「わかっているよ」


プレシア、というのは、俺を救ってくれた人だ。
なんでも俺は時空を飛ばされ、ここ『時の庭園』の大広間に倒れていたらしい。
その際に、俺は記憶喪失になっている。だから、らしい。
理由や名前他の自分のことなどは、全く覚えていなかった。
そんな俺に何から何まで用意してくれたのが、プレシア・テスタロッサだった。
優しい人だが、それ故に俺は急いでいた。
どうやら俺には天邪鬼の気質でもあるようだ、ってのはさっきの少女に言われた言葉だったりする。
因みにマユは昔からここにいたらしくて、よく俺の身の回りの世話をしてくれている。
752閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:09:29 ID:???
そんな事を回想しながら俺は着替えて、内靴のつま先を床に何度もたたきながら、ドアを開いた。
「男の子って着替えが早いよねぇ。じゃあ、いこっか?」
「ああ、でもお前も着替えるのは早いだろ?」
「そうだけど、魔法使いの服でずっといるのはマナー違反だよ、シンくん?」
「プレシアさんのあの服は?」
「あれは・・・魔力が持つからだよ」
マナーじゃねぇじゃねぇか・・・
「ま、そのへんは俺にはわからないんだけどな」
そう、俺は魔法を使えない。
当たり前?馬鹿を言うな。
このだだっ広い『時の庭園』の三分の二の人間が使えるのだから、やはり俺は異端なのだろう。
「シンくんも使えればいいのにね、魔法」
「そうだな〜。便利だろうし、プレシアさんの事も少しは手伝えるだろうのに・・・」
「プレシアさんはわたしにも手伝わせてくれないんだよ?
 あ、とうちゃ〜っく♪」
この『時の庭園』で一番大きなホールの前に、マユはジャンプして着地した。
「ここにいるのか?珍しいな」
ってか、呼び出し自体が珍しいのだが・・・
「人が来るらしいからね〜。
 プレシアさ〜ん、来ましたよ〜」
ドアがギコ〜っと、いかにもな雰囲気を出しながら開いた。



そこに居るのは、黒いローブに身を包んだ魔道士、プレシア・テスタロッサその人だ。
「あら、いらっしゃい、二人とも」
「こんにちは、ってか、お久しぶりです?」
「そうね、勉強は捗ってる?」
「はい、一応進めてはいますよ。
 でもやっぱり記憶にしっくり来るものがありません」
俺はこの人から勉強用に書庫を貸切にしてもらっていた。
「そうなんだ・・・やっぱりシンくんも魔法の無い世界から来たのかもねぇ」
「それでも勉強はしておいた方がいいわよ?
 今後あなたのいた世界が見つかるまでは、こっちの常識を持っていたほうがいい筈だもの」
プレシアさんの言葉は、本心から俺を心配しているように思えた。
「はい、ありがとうございます。
 それで、人っていうのは?」
「あら・・・あの子ったらまだ到着して無いみたいね」
「あの子?」
「あぁ、言うの忘れてたわね。今日来るのは、私の娘なのよ」
へぇ、ってか娘がいるってところから聞いていないんだが・・・
「あ、そうだったんですか」
「あ、なんか光ってるよぉ?」
マユが部屋の片隅を指さしていった。
「帰ってきたみたいね。お帰りなさい、フェイト」
「ただいま、母さん」
フェイト、と呼ばれたのはどうも二人いるうちの小さい金髪のほうみたいだった。
753閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:10:23 ID:???
「どうだった?ロストロギア探しのほうは・・・」
「はい、バルディッシュ」
フェイトは手の甲に装飾されているものを外して、言った。
「yes,sir」
「うわ、えっと、インテリジェントデバイス?」
思わず間抜けな声を出してしまったが、何とか名称を思い出せた。
「あ、あなたたちは?」
フェイトは今始めて俺たちに気づいたみたいだ。
心にゆとりは持っておこうぜ?なんてのは、何も知らなかった俺だから思えたことなんだろうな。
「この子達の事は後で説明するわ。それで、成果は?」
「あ、はい。邪魔が入って捜索に専念できなかったけど、四つは見つかりました」
「四つ、ね。まぁいいわ」
プレシアは何処と無く表情を歪ませていた。
「えっと・・・それと、これ」
フェイトはケーキの入っている箱を手渡した。
「これは何?」
「えっと・・・ケーキです。待たせちゃってるから・・・」
「そう。ちょうど五つあるわね・・・アルフ、お皿を用意して」
「え!?あぁ、はい」
アルフと呼ばれたのは長身で変な位置から耳を生やした女性。使い魔って奴か・・・
「あ、俺も手伝います」
「じゃあ、わたしも・・・」
フェイトも手を上げる。
何処と無く無愛想だったけど、案外いい奴かもしれない。でも・・・
「いいよ、疲れてるだろ?女の子は休んでて」
「あ、はい・・・」
背中に視線を感じる・・・殺気のこもった・・・
「あ、アルフさん?も、休んでていいですよ?」
「いいよ、これは命令なんだからね」
「はぁ」
命令って言うと、やっぱり変な感じがする。
「シンくん、わたしはお茶いれる〜」
マユもそういって付いて来た。
そして、残ったのは、親子が一組。
754閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:11:55 ID:???
「フェイト」
抑揚の無い声
「はい、母さん?」
鋭い目が、わたしに向けられる。
「少ないわ、四つじゃ」
「はい。母さん」
フェイトは夢から覚めてしまったような気分だった。
(マユちゃんだっけ?まだいてくれればよかったのに・・・)
「まぁ、今日は特別にお咎めは無しにするけど、次は無いわよ。わかっているわね?」
「はい、わかってます」
「なら、後でシンとマユも入れて作戦の話をするわ」
「あの人たちも?」
「ええ、厄介な事になってきたから・・・」
何が厄介なのだろうか?それよりも何が彼女を変えたのだろうか、どうにも饒舌でどこか優しげでもある。
「プレシアさ〜ん、フェイトちゃん、おっ待たせ〜」
マユちゃんが戻ってきた。とても愛嬌のある子だ。
「はい。えっと、フェイト、でよかったかな?」
わたしには男の子が持ってきてくれた。
「はい、呼び捨てでいいですから」
主にマユちゃんに向けていったのだが、無意味だったようで、全く見向きもせず母と喋っている。
「ああ、俺もいいよ。へんにくんづけされてもこそばゆいから」
シンも半分マユちゃんに言ったみたいだけど、無意味だったみたいで・・・
「シン、シンも魔法を使えるの?」
何でこんな事聞いたんだろう?
作戦の話の中で絶対に聞けるはずなのに・・・
「え?あぁ、俺は無理だけど、マユは使える」
そういって、シンはわたしの隣に座った。
「そうなんだ。じゃあシンは・・・」
「フェイト、作戦の話を始めるわよ?」
言いかけた言葉をさえぎられる。見回すと、アルフもマユちゃんも席についていた。
わたしは、もう暫く話していない家族以外の人との話に夢中になっていたみたいだった。
「ごめんなさい」
「さて、今私たちはロストロギアを探してるんだけど・・・」
謝罪は、無視というより拒絶されたみたいだった。
「その捜索に、シンとマユも加わってもらうわ」
「え?」
四者四様に驚いていた。
「マユちゃんはともかく、シンは危なくないの?」
「俺?俺は・・・フェイトのこと手伝ってやりたいけどなぁ」
「あ、ありがと・・・」
「時空管理局とかいう連中がうろついてるみたいなの。
 それを無碍に出来るって言う点が、シンにはあるわ。
 だから、捜索を担当して欲しいのよ」
プレシアが言うには、超自然を見つけたら唯一シンの使える魔法の念話で報告、がシンの任務らしい。
それ以外は魔力を絶っておけば、万が一にも敵に気づかれる恐れも無いのだ。
「フェイトは封印、マユは戦力、シンは捜索。やってくれるわね?」
「はい」と、三人で答え、「ぶ〜」と、アルフは無視された事を怒っていた。
755閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:12:37 ID:???
ノックの音が室内に聞こえた。
「はい?」
「シン?わたしだけど、はいっていいかな?」
えっと・・・「フェイトか?」
「うん・・・やっぱり駄目かな?」
「いや、いいよ。どうしたんだ?」
こんな遅くにと、言おうとしたんだが、入ってきたフェイトを見て驚いた。
「どうしたんだ、そっちは?」
少女は体中を傷つけて、そっちの気がある人にはいけない事を考えさせてしまいそうだった。
「これは・・・いいの、わたしが失敗しただけだから」
「だけって、そんなケガ・・・」
しかしフェイトは「いいの」と言って、首を振るだけだった。
「それよりも、シン。大丈夫なの?」
「大丈夫って、何が?」
どうも状況的にこっちのセリフのような気がする。
「あぶないよ?」
あぁ、時空管理局の事か・・・
「大丈夫、じゃないかもだけど・・・でも、だからこそ、かな?」
「あぶないからこそ?」
「あぁ、そんなのを女の子二人には任せて置けないからな。
 マユをつれて三人、ってのも無しな」
決心は固い。
それに、もしかしたら記憶の手がかりも、あるかもしれない。
「そっか・・・シンは優しいんだね」
「ッ!?」
「どうしたの、シン?」
びっくりした俺にフェイトがびっくりしていた。
「いや、記憶のあった頃の俺がそういわれるのになれてなかったらしいな、悲しい事に」
「そうなんだ・・・でも、これからきっといっぱい言われる事になるよ」
随分確信めいた言い方をするな・・・
「なんでだ?」
「だって、記憶をなくしたくらいじゃ、人間は変わらないと思うもん」
「そうかな・・・そうだといいけど」
「きっとそうだよ。だから、記憶を戻してからはその優しさを前面に出していけばいいと思うよ?」
話をしているうちに、フェイトの傷は治っていた。流石はプレシアさんの娘と言ったところか・・・
それを見てた俺の視線に気づいて、
「そろそろわたしも着替えてこなきゃかな・・・
 シン、先にホールに下りててね」
と言った。
「あ、あぁ・・・」
マユよりは確実に女の子の自覚があると思うのだが、フェイトも男ってものを分かっていない気がする。
マユになら何をされても大丈夫だろうが、フェイト相手だと自分の理性が持たないかもしれない。
(ん、なんでマユなら大丈夫なんだろう?)
二人とも結構可愛い。甲乙つけ難いとはこの事だ、多分。
(あぁ、マユは妹みたいなものだからか・・・)
妹と言う言葉に違和感のような何かを感じながら、俺はホールへと降りた。
756閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:14:06 ID:???
その後挨拶もそこそこに、俺たちは異世界へと向かった。
(まぁ、あそこも異世界には変わりは無いんだけどな・・・)
名前以外は脳の中身がすっからかんだった所為で、俺はどうもあそこに故郷を思い描いている傾向があるようだった。
「シンくん、ここはどうかな?魔法は一般化されて無い世界みたいなんだけど・・・」
マユは俺の記憶の事を言っているようだ。
「あぁ・・・なんかニュアンスは同じだけど違う言葉、みたいな感覚だ・・・」
「へぇ〜・・・わたしもそんな感じかなぁ」
そうだ、マユも厳密に言えばあの世界の人間ではない。
「ま、わたしは別に戻りたいとかは考えてないんだけどね〜」
本人曰く、そんなところらしい。
なんでも、大好きな人と絶対に恋人同士になれない世界だったような気がするから、記憶も無いままで一向に構わないそうだ。

「バルディッシュ、どう?」
心配そうなフェイトの声がかかる。
「Recovery complete」
「そう、がんばったね。えらいよ」
今度は優しげな声。
俺も言われてみたい・・・って、そうじゃなくって・・・
「アルフさん」
先ほどから犬の(なかなか大型な)姿をしている彼女に、確認がてらはなしかける。
「あぁ、感じるね。あたしにも分かる」
「うん。もうすぐ発動する子が、近くにいる」
デバイスとの会話を終えた、フェイトが後ろから話に参加する。
「じゃあマユはその周囲の、シンくんは、危険が無い範囲で、誘発して活発になってるジュエルシードを探す、でいいんだよね?」
マユが確認を取る。
「うん、お願いね」
「フェイト、アルフさん、お気をつけて」
「ありがと、シンくん。
 そっちも、念には念を込めて、ね?」
「あぁ、分かってるよ」
そして、三人と一匹はそれぞれの行動に移る。

時間は、五時に成ろうとしていた。
757閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:14:53 ID:???
海鳴市・・・始めてみた人は読み方に困るかも知れない、この町の名前。
そして、その町に住む、白い制服を着た少女が、バスから降りた。
どこか沈んでいる、しかし、駆け寄ってきた小動物から赤い玉を受け取って、笑顔になった。
「レイジングハート、治ったんだね?よかったぁ」
「Condition Green」
赤い玉はバルディッシュと同じ、いや、それと対になると言っても過言ではない、レイジングハートという名のインテリジュエントデバイスだった。
「また、一緒に頑張ってくれる?」
「All right,my master」
それを聞くと少女は、手を組み、胸に当て、感謝の言葉を口にした。
一時間とちょっと後に起こる事、言ってしまえば今起こってもおかしくない事も、今は考えないで、只管に祈りを込めていた。
少女の名前は、高町なのは。
かつて、このシーンで全く喋ることの無かった小動物を拾い、魔法の力と勇気の心を手にした、白く優しい魔法使い。
小動物の名前はユーノ・スクライア。
元は人間なのだが、ありとあらゆる役得のために、今はフェレットに似た小動物の姿をしていた。
なのはのアドバイザーとして、パートナーとして二人で協力し合ってジュエルシード回収を続けていた、ジュエルシードを発掘した張本人である。
そう、『ジュエルシード』を、である。


6時24分。
光の柱が、公園から上がった。
「ジュエルシード、あれが・・・」
シンは光の柱の周りに気をめぐらした。
今のところ、誘発したものは無いようだ。
758閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:15:28 ID:???
同時刻
「わぁ〜、綺麗だなぁ〜」
マユは結構近くにいた。
そして、こちらも気を辺りにめぐらしてみた。
(あっ、シンくんのだ〜)
と、シンの気配を確認すると、歩き出す。
誘発の種どころか、時空管理局さえも見つかりはしなかった。
(ま、いいことだけどね〜)


これも同時刻
何とかが好む高いところに、黒衣の魔道士と魔獣がいた。
こちらも申し訳程度に辺りに気をめぐらしてみたが、異質物は無いようだ。
「じゃ、いこうか?アルフ」
「あいよっ」
黒いマントをたなびかせ、フェイトは現場に向かった。


またまた同時刻
バス停で降りた後1時間と20分近く、おそらく歩き続けていたのであろう、鞄を背負ったままの白衣の少女。
その左肩には、ユーノが乗っていた。
無言で頷き合い、公園へと駆け出した。

どうでもいいことだが、折角バスに乗ったのに鞄を家に置いておこうとか着替えておこうとか思わなかったのだろうか?


「・・・・・・展開!!」
結界展開の掛け声を最後の二文字しか聞き取れないほどに、普通状態のなのはは非力だったが・・・
両の手で武器化したレイジングハートを構えたなのはは、どこか凛々しささえ漂っていた。
と、背後から異様な光が飛んできた。
それはなのはではなく、その前で異常に発育した樹木をターゲットにしていた。
しかし、その異様な光は円形になった異様な光に阻まれて、煙となって消えてしまった。
気の全容は奇妙なもので、手と足と目と口があるように見えた。
そして、極めつけに、『吼えた』。


「あんなもんは、無かったと思うんだけどなぁ」
大きすぎる木は危険なエリアから完全に離れているシンからも、見えていた。
「やっぱり俺の世界に、魔法は無かったのかな・・・」
759閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 12:19:05 ID:???
「今までのより強いね・・・
 それに、あの子もいる」
武器化したバルディッシュを大木に向けながら、フェイトは状況把握をしていた。
どうやら彼女は先にジュエルシードを押さえ込むほうを選んだようだ。
フェイトにも、異存は無い。

先ほどの光に、なのははフェイトの姿を確認した。
「ユーノくん、にげてっ!!」
木とフェイトに挟まれての戦いでは、ユーノは危険すぎるのだ。
そして、根っこがなのはに襲い掛かる。
「Frier Fin」
なのはの足から羽が生える。
とても人一人を支えられるとは思えないが、流石は魔法、姿勢も崩さず、なのはは上昇する。
そして、上昇するまでいた地面は根っこに薙ぎ払われる。

「アークセイバー。
 いくよ、バルディッシュ」
フェイトはバルディッシュをその場で振り下ろした。
「Ark Saver」
バルディッシュは呼応すると、その身から上下に鋭い光をまとった。
そして、フェイトがバリディッシュをその場で振ると、その光は根っこをきりながら本体へと飛んでいった。
どうも根っこにはバリアはつかないようで、バッサバッサ薙ぎ払って進んだためか、威力は数分も違わずに本体へと到達した。

「Shooting mode」
レイジングハートはそういうと、変形した。
視力検査の空いているところが横側から杖の先に変わった、と言う具合に。
[変形後は少々オプションもついてはいるが、ここでは割愛させていただく]
「いくよ、レイジングハート」
「撃ち抜いて、ディバイン・・・「Buster」」
こちらはデバイスと仲良く技名を二人して叫んだ。
そこから発射されるのは、魔法とは名ばかりの高エネルギーの塊だ。
フェイトの攻撃を受けたばかりの変な木には、最早ただで防ぐ事は出来ず、その身は地中に食い込んでいった。

フェイトは左手を四度、なんかいろいろと動かしていた。そして、
「貫け、轟雷」
「Thunder Smasher」
魔方陣を足元と目の前に描き、目の前の魔方陣からは雷がほとばしる。
大木に命中すると、一応はバリアを張ったが、ニ方向からの魔力には耐え切れず、ジュエルシードを吐き出した。

760連投規制?:2007/05/05(土) 12:41:09 ID:???
アイキャッチ、そして>>759の続きをどうぞ
761通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 13:39:14 ID:???
感想書いてもいいのかな?
なんか非常におもしろそうな話ですねえ。
シンとフェイトがいい感じです。
762閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 14:51:46 ID:???
「Sealing mode. Set up.」
「Sealing form. Set up.」
二つのデバイスが、封印を促す。
「ジュエルシード、シリアルZ「封印」」
ジュエルシードは二人から封印されかけ、優柔不断なのだろうか?光を放って空へと浮上した。
それを追って、二人も浮上する。
「ジュエルシードには、衝撃を与えたらいけないみたい」
「うん。夕べみたいな事になったら、私のレイジングハートも、フェイトちゃんのバルディッシュも、かわいそうだものね」
それは、昨日に起こったことで得た、教訓。いくら治ると言っても、インテリジェントデバイスを態々危険に曝す必要は無いのだ。
「だけど、譲れないから」
「Device form」
「わたしは・・・フェイトちゃんと話しをしたいだけなんだけど・・・」
「Device mode」
「わたしが勝ったら・・・ただの甘ったれた子じゃないって分かってくれたら、お話、聞いてくれる?」
フェイトは、なのはの言葉に肯定と取れるような声を出した。
そして、ユーノとは違いきちんとフェイトを見守るアルフのいる上空で、二人は、衝突しようとしていた。

青い、魔法陣が広がり、そこに同じくらいの歳の少年が現れる。
そして、なのはの武器が左手で掴まれ、フェイトの武器が右手の武器に止められる。
このとき少年が逆の手で、カメラ目線なんてのを意識さえしなければ、未来は変わっていたのかも知れない。
「ストップだ!」
少女二人を交互に見、
「ここでの戦闘行動は、危険すぎる」
と、武器と武器にサンドイッチにされている一番危険な少年は軽々と言ってのけた。
さらに、
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」
フェイトが一歩下がってクロノに切りかかっていたかもしれないのに、クロノは自己紹介までそのままの体勢でした。
「詳しい事情を聞かせてもらおうか」
二人が黙っている事をいいことに、偉そうに(実際偉いが)、さも当然のように、クロノは呼びかけた。
その前方に、もし意志が有るのなら、呆然としているであろうジュエルシードを置いて・・・
763閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 14:53:50 ID:???
「時空管理局?」
ユーノは木の上に上って、彼の姿を見、聞き、言った。
これで自分が力を託したなのはの周りには、自分を含め3勢力の異世界人が現れたことになる。

「フェイト、撤退するよ、離れて!」
アルフが犬の格好のまま魔法の弾を、3人に向かって発する。
「くっ」
クロノはなのはの武器を掴んだまま、防御も出来ずにまともに食らってしまう。
そして、フェイトはクロノから離れ、ジュエルシードに向かった。
「あっ」
と、なのはが声を上げるよりも早く、クロノが反応し、青い光の弾を発した。
そしてそれは、フェイトにかすって、彼女を落下させる。
「フェイト!」
「フェイトちゃん!」
なのはは名前を呼び、アルフは身をクッションにして、落下の衝撃を抑えた。
「・・・・・・」
クロノは無言でデバイスをかまえ、青い光を収束している。
アルフはもう、反応しきれない。
と、そこへ
「だめっ!」
「なっ」
なのはが立ちはだかる。
「やめてっ!撃たないでっ!!」
予想外の行動に、クロノは折角収束した光を拡散させた。
「いっけ〜〜」
その呆然としているクロノめがけて、ピンク色の光の弾が襲い掛かった。
「なっ、仲間かっ!?」
左手でそれらを防御したが、クロノは吹き飛ばされてしまう。
(不意打ちだったのもあるが、すごい魔力だ・・・)
「やっほ〜、フェイトちゃん、アルフさん、大丈夫〜?」
そこに居たのは、空飛ぶ少女。
764閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 14:54:54 ID:???
「マユっ!あんたなんでここに?」
「あの黒い子、わたし用でしょ?」
黒い子と形容されたクロノがむっとする。
「いや、今日は撤退するよ。
 フェイトにもう魔力が残ってない」
さらに言うと、背中のフェイトは息も荒くなって、いかにも具合が悪そうだ。
「逃がすと思うのかい?
 ハッキリ言って、敵が増えたのは好都合だよ」
クロノはその会話をよしとせず、さらには挑発もすが、
「ならフェイトちゃんたちは逃げていいよ〜。あっちの白黒のはわたしだけでも十分だろうしね♪」
軽くシカトついでに挑発されてしまう。
さらにはアルフが公園の奥へと去っていってしまう。
「まてっ!!」
クロノはそれを追いかけようとするが、
「シンくんのこと、どっかで拾っておいてね〜」
軽口をたたく少女にいとも容易く吹き飛ばされてしまう。
「駄目だよ〜?フェイトちゃんはどうなってもいいけど、シンくんがやる気なくなっちゃうかもしれないからね〜」
マユの表情は、笑顔と取れるものではあったが、それは歪みすぎていた。
そんな笑顔を、なのははともかくクロノだって、見た事は無かった。
「狂ってる・・・」
「そうかなぁ?
 任務だの命令だので命を落とせるって言うのも、結構狂ってると思うんだけどなぁ?」
「僕らは治安のためにやってるんだ。
 それのどこが狂っていると言うんだ」
「頼んでないし、邪魔なんだよねぇ」
「何だと?」
クロノは先ほどから怒りが沸々とたぎってきていた。
「君たちがいなければ、そこの白い子を殺すだけでよかったのに・・・
 それなら、わたしとシンくんはあそこでゆっくり出来たのに・・・」
「何を言ってるんだ・・・」
「あ〜あ、戦いよりも、シンくんたちといるほうが楽しいかなぁ」
「お前、いい加減にしないか!!」
「え〜っと・・・えいっ」
マユの体から白い魔力が放たれる。
「な・・・何をしたの?」
先ほどから黙っていたなのはが疑問の声を上げる。
「ん?異空間からフェイトちゃんの魔力を追ってる魔力があったから、それを切ったの」
「な・・・そんな事、どうやって・・・」
今度はクロノの疑問。
「魔力をぐちゃぐちゃに放出したからね〜。
 じゃあ、わたしもそろそろさよならするから〜」
バイバイ、と手を振って、笑顔のまま去っていった。
なのはもユーノも、クロノでさえも、彼女を肉眼で捕らえられるところまでしか追跡できないとわかりながら、追いかけれなかった。
圧倒的な力とは、それほどのものなのだ。
765閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 14:56:06 ID:???
あれだけのものを見ても、思い出すものは無かった。
曰く、先ほどの巨木であったり
曰く、それを討伐した閃光であったり・・・
「魔法の無い世界・・・ここみたいな、世界?」
厳密に言えば、シンもあの光の柱を見えない立場にあったというのも付け足されるが、それでもやはりパッとしない。
「ジュエルシードも見つからないしなぁ・・・」
と、シンは半ばうんざりしてきていた。
夕日が綺麗だ。
俺の世界に、夕日はあったんだろうな・・・
思えば思うほど、わからなくなる。常識で行けば、太陽はひとつだ。
「図書・・・館?」
気がつくとシンは、大きな建物の前にいた。
書物が沢山ある場所・・・
俺の知識は、そう告げていた。
「入ってみるか、暇つぶし程度に・・・」
ジュエルシードの気配は・・・やはり一個しかない。

さて、一方路地裏には大きな赤い犬?が一匹。
「シンの奴・・・見当たらないねぇ」
それもそのはず、彼は図書館にいるのだ。
(フェイト・・・置いてきちゃったからねぇ)
アルフにはどうしても、あの具合の悪そうな彼女の姿が気がかりだった。
マユには悪いが、シンも結構きちんと集合時間を聞いているのだ。アジトを移したわけでもないので、フェイトの元に戻る事にした。

「有益な情報ってのは少ないよなぁ・・・」
ってか、広すぎる気がする。
『時の庭園』の書斎の本を全てかき集めてもこんな量の本は無いだろう。
取り敢えずわかったことは、ここは地球で太陽はひとつしかないと言う事。
(ま、ここの常識、ってわけだけどな・・・)
自分がだんだん常識人じゃなくなって行ってる事に苦笑するシンであった。
766閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 14:57:00 ID:???
「フェイト」
「あ、アルフ・・・シン、見つからなかったの?
 それにマユちゃん、大丈夫かな?」
フェイトは本当に優しい。
先ほどの戦いのケガが残っていると言うのに、自分よりも他人の心配をしているのだ。
「フェイト・・・もう駄目だよ・・・」
「どうしたの?アルフ」
「まさか本当に時空管理局が出てくるなんて・・・」
あの少年、魔力は自分らと変わらないだろうが、場数が違う。
タイマンにでもなれば、確実に不利だ。
「逃げようよ・・・二人でどっかにさぁ」
「それは・・・駄目だよ・・・」
「なんでさ。あんたの母さんだって、わけのわからないことばかり言うし。
 この前だって結局、やられたんだろ?」
フェイトは心配させたくないから、アルフには隠していたのだ。しかし・・・
「そっか・・・やっぱり使い魔にも、痛みが行っちゃうんだよね」
「そんな事はどうでもいいんだよ。
 そんなの、雰囲気でわかっちまうのさ」
何年一緒に居ると思ってるのさ・・・アルフは既に、泣き出しそうな声になっていた。
「あの鬼婆、何考えてるのかはわからないけど、結局はフェイトには容赦しないじゃないか!」
「母さんの事、悪く言わないで・・・」
「言うよっ!あいつさえいなければ、フェイトは悲しまなくてすむじゃないか!
 フェイトが悲しんでると、あたしも悲しくって・・・胸が張り裂けそうになるんだよ」
「ごめんね・・・アルフとわたしは、精神的にもリンクしちゃってるからね・・・
 嫌ならわたし、もう悲しまないし、迷わない」
フェイトの言葉に、アルフは涙を流してしまう。
何を言っても無駄なのだろうか?
「あたしは・・・フェイトに笑って、幸せになって欲しいだけなんだっ」
「ごめんね、アルフ。
 でもわたし、母さんの願いをかなえてあげたいんだ。
 それが、わたしの幸せだから・・・」
母さんのためだけなんかじゃ、きっと無い。
きっとこれは自分のため・・・
「だから、あと、もう少し・・・」
フェイトはアルフの頭をなでてやる。
それでもアルフは泣き止んでくれなかった。
(ごめんよ、フェイト・・・)
心の中で謝罪をする。
多分もう、次は我慢できないだろうから・・・
それも多分、自分のため。フェイトのためだけじゃない。

互いのためを思う魔法使いと使い魔は、しかし確実に、別の答えを導き出していたのかもしれない・・・
767閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 15:03:28 ID:???
(ん?何してんだ、あいつ?)
椅子に座ったままで本に手を伸ばしているが届かない少女が一人。
(って、足が悪いのか・・・)
思うよりも早く、シンは歩き出していた。
「この本でいいのか?」
「え?」
本をとって渡してやると、少女は驚いていた。
「あ、もしかして余計なお世話?」
シンの言葉に、少女は首をぶんぶん振って否定した。
「そんな事あらへ、いや、ないです」
「あ、別に敬語とかいいから」
はい、と本を少女に渡してやる。
「ありがとうな、お兄ちゃん」
ちょっと変わったアクセントで感謝された。
しかし、お兄ちゃんってのは、なぜか呼ばれたくない代名詞だ。
「あぁ、俺はシン、シン・アスカだ・・・あれ?」
「あ、わたしははやて。八神はやて、やよ。
 どないしたん?」
はやてと名乗った少女は心配そうな顔をして、言葉の意味を尋ねてきた。
「いや、名前がすらっと出てきたな、って思って・・・」
言ってから、疑問符を浮かべ続けているはやてを見て、続きを話すことにした。
768閉じて開く宿命:2007/05/05(土) 15:05:41 ID:???
「あぁ、俺さ、記憶が無いんだよ。
 気がついたら家族も誰もいなくって俺一人。
 名字も、今の今まで忘れてたんだけど・・・」
「そうなん?
 実は、わたしも家族いないんよ?」
「え・・・」
辛い話だからか、記憶に新しくない事なのか、表情はあまり変えず、淡々と話している。
「せやから、こんな事になってもやっぱり一人っきりなんよ」
こんな事、と言うのはつまり足のことだろう。
「そうなのか・・・」
「うん、あまり人に迷惑かけたないんやけどね・・・」
「本は読みたいわけか。
 まぁ、尚更だよな?俺も記憶なくなってすぐの頃は本ばっかり読んでたし。
 外出はせずに引きこもり状態だったけどな」
「そやね。けど、引きこもりはあかんよぉ?」
外に出られるような状況じゃなかったんだが、それは言えない事の範囲内だな・・・
「これからは気をつけるよ。
 とはいえ、今のところ暇潰せる場所なんかここくらいしか知らないけどな」
「お引越ししてきた、とかなん?」
「ま、そんなところだ」
厳密には、さっきこの世界に着たばかりだ。
「ほんなら、学校は?」
「学校・・・いや、行ってない」
学校・・・多分これは、俺の世界にもあったんだろうな。
楽しく厳しく青い春な雰囲気を持つ言葉だ。
「なら、早く暇潰せる場所見つけなあかんね」
・・・あれ?そうだっけ?
「いや、当面は忙しいからな。ここだけで十分だよ」
「そうなん?せやったら、また来てな?」
「へ?」
「わたしも誰か話せる人がいたほうが楽しいとおもうし」
(人と話せることが楽しい、か・・・
 まぁ、叶えてやりたい願いだな・・・)
それに、家族のことまで教えてくれた、と言う事は、それなりに信頼されていると言う事だろう。
記憶が無くて、そういう相手のいないシンには、そのことがうれしかった。
「わかったよ。
 さっき言ったように忙しいから、毎日ってわけには行かないけど、会えたら話し相手にぐらいはなってやれるから」
そういうとはやては、ぱぁっと顔を輝かせ、
「ありがとう。シンくん」
やはり変わった発音の感謝を受けた。
(やっぱり子供なんだから、陰のある笑みよりはこっちのほうが似合うわな)
そんな事を思いながら、取り敢えず君付けを止めてもらえるまではやてと話して、フェイトたちの元へと戻った。
769暇人A:2007/05/05(土) 15:35:26 ID:???
途切れたのは俺がスクライド見てたからです。
>>760さん、ごめんなさい、で、ありがとう
一応書き上げてあるけど一旦休憩します。
改行制限に合わせるのが面倒くさいw

それと、このへんのはやての話し方に違和感ある人は教えてください、切実にw
770通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 16:10:54 ID:???
GJ
面白かったですよ!続きが気になります。
フェイトやシン、アルフの感情描写が非常におもしろかったです。
771通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:05:10 ID:???
マユが…マユが怖い…。
続きが非常に気になります。GJ
772通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:10:05 ID:???
かなり面白いです。
続きが気になります!!
773通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:14:23 ID:???
そろそろ次スレの準備した方がよくないか?
774通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:22:27 ID:???
シン「静寂を破り裂いて〜」
スバル「シン。何を歌っているの?」
シン「『紅ノ牙』だ。一緒に歌う。」

シン「何も恐れずに走れ 真紅のゴールまで」
スバル「最後の時を燃やし尽くせ」
シン&スバル「グラヴィィイオォォオン」

ティアナ「お前らウッサイ!」
775通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:24:42 ID:???
シンとスバルが熱いなw
ティアの突っ込みもおもしろいw
776通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:31:43 ID:???
GJ!面白かった、続き期待して待ってる。
777通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:32:06 ID:???
シン「そういえば俺オリンシスにも出てたんだったな…」
スバル「うわなにこのパンクの数々」
シン「……言ってくれるな」

オリンシスは種死を上回る酷いアニメだったな
778通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:36:39 ID:???
>>773
早いだろ
950くらいで立てればいいんじゃね?
779通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:41:34 ID:???
シン「セネルとハリエットってさ。俺とお前の同じ声してんな。」
スバル「そうだねえ・・・」

レジェンディアをやっている二人。

ユーノ「僕の声優さんも出てるんだけどね・・」
780通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:44:07 ID:???
もろになかの人ネタだなw
ちなみにシンのはシスコンというのは共通しているなw
781通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:50:21 ID:???
>>778
もう40KBぐらいしか残ってないぞ?
782通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:51:18 ID:???
>>780
と言うか鈴村の演じる役はどうにもシスコンが多い


気がするのは多分俺だけ
783通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 22:51:48 ID:???
ほら。本人も姉持ちだし、やるキャラはシスコンばかり
784F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/05(土) 22:53:23 ID:???
投下します。
785F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/05(土) 22:56:02 ID:???
 シンはゆっくりと目覚めていく。
 額に触れる冷たさ、自分を包む柔らかい肌触り、顔を覗き込んでいる誰かの視線を感じながら。
「……ここは?」
「……シン」
「俺は……死んでいないのか」
「ええ、あなたも死ななかった。誰も死んでいないわ」
 聞き知った声に似ている声の持ち主、妙齢の女性であるその人が、シンは一瞬誰だか分からなかった。
「あんたは?」
「ふふ、無理もないわね。あれから三十年経つのだから」
 プレシアはそう言うと、シンの額に当てていた手に魔力を回す。
「我願うはこの者の安らぎ」
 紡ぐ言葉と暖かな光に、シンは信じられないといった面持ちだった。
 目の前の女性と、記憶の中の女性が音を立てて繋がったのだから。
「まさか、プレシアさん?」
「ええ、あなたが生きていて本当に嬉しいわ、シン」
 笑顔でシンの頭を抱擁するプレシアに、シンは確信を持った。
 目の前にいるこの人は、紛れもなくプレシア・テスタロッサその人なのだと。
 しかし、それと同時にある感情が込み上げてくる。
「俺は……」
 シンの声色が変わったことに、プレシアは抱擁を止めてシンに視線を合わせる。
「アリシアを、守れなくて……」
 その後は言葉にならず、シンはただ謝りながら咽び泣くことしかできなかった。
 その間、プレシアはシンの頭を優しく撫で続けた。
 流れる静かな時間に、シンはプレシアと出会った頃を思い出した。
 あの頃もシンが魔法制御に失敗し泣くと、プレシアは必ずこうして慰めてくれた。
「シン」
 そしてシンが落ち着きを取り戻した頃、プレシアは告げた。
「な!?それは本当なんですか!?」
 その内容にシンは驚愕した。
 あの状況からアリシアが助かったとは思えなかったからだ。
「ええ、アリシアは死んでいないわ。ただちょっと眠っているだけよ」
 その言い回しにシンは違和感を覚えたが、何はともあれアリシアが生きているということが素直に嬉しかった。
786F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/05(土) 22:56:56 ID:???
「そっか、生きているんだ。はは、良かった。それでアリシアは今どこに?」
「ふふ、そう慌てないの」
 逸るシンに苦笑しながら、プレシアは部屋の入り口へと視線を向ける。
 と、同時に扉を叩く音が二回。
「……母さん、その入ってもいいですか?」
 遠慮がちに聞こえてきた声に、シンは顔を綻ばせた。
 その声は間違いなくアリシアの声だったからだ。
「ああ、入っ「何をやっているの!部屋で大人しくしていろと言った筈よ!」
 シンの声を打ち消すように、プレシアの怒声が響いた。
 それに呆気に取られるシンを気にせず、プレシアは更に怒りを強めていく。
「さっさと部屋に戻りなさい!」
「ご、ごめんなさい、でも」
「何度言わせれば分かるの!?」
「あ……」
 アリシアの声は徐々に弱まっていき、やがてここから離れていく足音が微かに聞こえた。
「いや、ちょっと、何でアリシアにあんなことを?」
 シンはプレシアの理不尽とも言える叱責に抗議した。
 しかし、プレシアは取り合うことなくそのまま立ち上がり、シンを眠るように促す。
「プレシアさん!」
「シン、まずあなたにはいろいろ説明しなきゃいけないことがあるわね」
「?」
 プレシアはそのまま静かに扉を開ける。
「また明日来るわ。その時教えてあげる。この三十年間何があったのかを」
「え?」
「それじゃあ、今日はゆっくり休みなさい」
 労わりの言葉を残し、扉は静かに閉められた。
 シンはプレシアを追いかけようとするが、突然の眠気に襲われる。
「くっ」
 どうやら先程の安らぎの魔法に睡眠促進の効果も付与されていたようだ。
 シンは必死に抗おうとするが、例えシンでもプレシアの魔法にはそう易々と抵抗できない。
 それに加えて、プレシアの言った言葉がシンを混乱させていた。
「三十年って、そんな」
 冷静に考えれば引っかかるプレシアの老い、そしてアリシアへの叱責、様々なことがシンの頭で渦巻いていた。
 しかし、シンは遂に眠気に抗うことが出来ず、そのまま深い眠りへと落ちていった。
787F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/05(土) 22:57:40 ID:???
「フェイト?」
 出て行ってから僅か数分で戻ってきた主に、アルフが不思議そうな声をかける。
「どうしたんだい?あの、シンって奴の見舞いに行くんじゃないのかい?」
 アルフはなおも疑問をぶつける。
 フェイトの表情はいつもと変わらないようにも見えるが、その実、暗く沈んでおりアルフを心配させた。
 いつもなら感じることができる心情も、今はフェイトが故意にロックしているのか窺い知ることは出来なかった。
「ごめんね、アルフ。せっかく後押ししてくれたのに」
 その言葉にアルフは確信を持った。
 シンへの見舞いは、きっとプレシアに邪魔されたのだろう、と。
 そう考えれば、いやそうとしか考えることはできないのだ。
「フェイト……」
 アルフは自らの主をそっと抱きしめた。
「アルフ?」
 一瞬呆気に取られたフェイトだったが、数秒後にはアルフの体をそっと剥がした。
「ごめんね、アルフ。でも私は大丈夫だから」
 説得力の欠片も無い弱弱しい笑み。
 それを見てアルフが更に言葉をかけようとした時だった。
「!?」
 部屋の扉が静かに開いた。
「……母さん」
 幽鬼の如く部屋に入ってきたのはプレシアだった。
 それを見たアルフはフェイトの体を再び抱き締める。
 それは先程とは違い、目の前のプレシアから感じる恐怖のための行動だった。
 フェイトはアルフを優しく撫でると、アリシアの前へと進み出る。
「ごめんなさい、母さん」
「……そうね。でもあなたは言葉だけじゃ分からないでしょう?」
 アリシアの声には最早怒りを通り越して憎しみが籠められているかのようだった。
「来なさい、罰の時間よ」
「……はい」
 アルフが何か言おうとするが、フェイトはそれに顔を横に振る。
 そしてそのまま、フェイトはプレシアに静かに付き従い行ってしまった。
 二人が部屋を出て行った後、アルフは壁に拳を叩きつけた。
「私はっ」
 その拳は、自らの情けなさとプレシアの非情さ、その両方への怒り。
 やがて聞こえてくるであろう鞭を打つ音、それに耐えるフェイトの事を想いながら、アルフは拳を叩きつけ続けた。
788F.A.T.E. ◆sczCv7JGpg :2007/05/05(土) 23:00:01 ID:???
はい、終了っす。次回からはもう少し纏めて投下したいと思います。
それと自分の書きたいことがちゃんと伝えられるようになりたいので、小説を読み漁ってきます。
次は多分、来週辺りに投下できると思います。忘れていなかったら読んでやってください。
789通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:04:14 ID:???
>>781
容量のほうか
それは気付かなかった
じゃあ、立てるけどいいかな?
790通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:05:09 ID:???
>>789
答えは聞いてないけどね
791通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:10:32 ID:???
>>790
すまん、未だそういう比喩表現がよく分からん
792通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:14:20 ID:???
>>791
シンの中の人つながりのネタ
793通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:15:06 ID:???
>>791
仮面ライダー電王@リュウタロス(CV鈴村)の台詞
794通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:15:07 ID:???
答えは聞いてない=実行していいよ ということでさ
795通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:18:49 ID:???
中の人つながりね
それからすまん、エラーが出て立てれなかった
誰かよろしく
796通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:32:20 ID:???
じゃあ言いだしっぺの俺が立てるね
797通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:33:10 ID:???
>>788 GJ。シンどうするのかな?
798通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:33:10 ID:???
頼んだ!
799通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:45:37 ID:???
とりあえず立ててきた
【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その6
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1178376184/
それと四代目のURLが解らなかったので抜けていますがご勘弁を
800通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:47:47 ID:???
次スレ乙です!
しかしこのスレはラッキースケベのネタで100レス以上ついたある意味
伝説的なスレだったなw
801通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 23:56:04 ID:???
ttp://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage

次のスレに・・・もう遅い?w
802通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:21:39 ID:???
シンという存在があるかぎり「ラッキースケベ」は終わらない。永遠に
803通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:27:23 ID:???
>788
GJです。次回も楽しみにしています。
804通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:28:36 ID:???
ユーノ 「ラッキースケベ、それは人の夢!人の望み!人の業!
     知れば誰もが君のようになりたいと君のようにありたいと願うだろう!
     故に許されない!ラッキースケベという称号は!」
805通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:33:21 ID:???
シン「俺の天性の才の『ラッキースケベ』は全てを幸せにする!誰もだ!」

なのは「今日も揉まれたんだけど・・・(怒)」
フェイト「ビキビキ(怒)」
はやて「(怒)」
以下 女勢

シン「…ま‥…良いじゃないか・・・そ・・そんな目で見るな・・・」
806通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:35:59 ID:???
>>804
クルーゼ吹いたw
807通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:37:12 ID:???
>>781
乙なんだぜ。
マジでおもしろいから、がんばってほしいんだぜ。
808807:2007/05/06(日) 00:38:51 ID:???
どうみても安価ミスです、本当にありがとうございました。
>>788
809通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:44:45 ID:???
シン「俺は『騎士凰牙』役をやる。スバルは『電童』な」
スバル「うんうん」
810通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 00:58:04 ID:???
>>804
確信犯の淫獣がなにをいっているw
811通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:02:29 ID:???
>>805
ていうかシン、マジで身の安全を考えたほうがいいんじゃないか、その状況w
812通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:22:36 ID:???
個人的にはラッキースケベの発動下地にはこれがいるかと
つ「異性への興味があまりない」or「ノット変態」
813通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:23:31 ID:???
なるほど、それが満たされていなければただの確信犯の変態だしなw
814通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:25:06 ID:???
シン「お・・・女の子・・?」
スバル「・・・」
815通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:27:00 ID:???
スバルはなんだかんだいって女とわかりそうじゃない?
816通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:28:59 ID:???
まあ、ラッキースケベが発動すればすぐにでもわかry
817通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:29:19 ID:???
シン「お・・・女の子・・?」
エリオ「・・・・・・・・・・・・・」
818通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:29:36 ID:???
シン「ああ。胸でしか判断出来ない俺を許してくれ。すまない。」
スバル「・・・」
シン「この前。うっかりパンツを見てしまった事も赦してくれ。
白だったなんて言わないから!」
スバル「・・・」
シン「なっ?許してくれるだろ・・・?」
819通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:30:24 ID:???
ぶちのめしフラグww
820通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:31:17 ID:???
なんでそんな火にガソリンを注ぐような事をw
821通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:33:47 ID:???
シン「エリオ。俺と一緒にお風呂に入らないか?」
エリオ「ええ!汗を流しましょう!」
シン「行こう!お風呂へ・・」

数分後

シン「・・・何で俺は女湯に落ちてるんだ?」
822通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:35:52 ID:???
その状況からどうする気だシンww
ばれたらラッキースケベを通り越して身に危険がせまるぞw
823通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:37:50 ID:???
ていうか、エリオなんで気楽に同意してるんだよw
824リリカルASTRAY:2007/05/06(日) 01:45:13 ID:???
なんか知らん間にシンが大変な奴になってるw

リリカルなのは'ASTRAYの続きが出来ましたので投げます。
825通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:45:44 ID:???
シン「誰か入ってきた!?ミラコロ発動!これで・・」

しかし湯気でバレバレである
826通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:45:52 ID:???
すげーな、ラッキースケベのレベルは明らかにシンのほうが上なのかw
827通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 01:47:48 ID:???
人間ミラコロww
それもラッキースケベ発動に一役買ってるのかw
828リリカルASTRAY:2007/05/06(日) 01:49:05 ID:???
リリカルなのは'ASTRAY
   第弐話

「信じがたい話だな……」
『アースラ』にてロウ・ギュールが目覚めた翌日。
 高次元空間『時の庭園』において叢雲劾が目覚めていた。そしていま劾は玉座の間にて玉座に座るプレシア・T・テスタロッサから話を聞いたところであった。
 自分はある光とともにこの高次元空間にやってきた事、そして彼女達は魔法を使う事、失われた世界の技術の遺産であるロストギア・ジュエルシードの事、
アルハザードの事、そして今彼女は失った娘を蘇らせるためにジュエルシードが必要な事、娘のクローンにそのジュエルシードを捜索させている最中の事。
しかし、劾にとっては容易に理解できるレベルの話では無かった。
異世界に飛ばされる、魔法を使う、失われた世界の危険な技術の遺産を集めて死んだ娘を助ける。どれもお伽話のようにしか聞こえない

バカげた話だ……、死んだ人間など、生き返りはしない……。

信じていないという表情で自分を見据える劾にプレシアは不敵な笑みを浮かべてある男の名前を呼ぶ。

「この男に見せてあげて頂戴。貴方がこの世界で手にした力を……」

「……?」

するとプレシアの座している玉座の後ろから黒衣を纏った長髪の男が彼女の声に応えて劾の前に姿を見せる。
劾は見覚えがあった。
この男のソキウスと闘った時。
ロウと共に闘った時。

劾の脳裏にはこの男とその機体ゴールドフレームとの闘いが想いだされる。


「お前は……ロンド・ギナ・サハク」

するとギナと呼ばれた長髪の男は忌ま忌ましげな眼で劾を見遣る。

「ふん……生きていたか傭兵。 お前には死んでいてほしかったな……。」

「お前もか……」

「ふん、そういう事だ。 私は彼女にサポートを頼まれていてな。……さて、プレシアの頼みだ……よく見ていろ、傭兵」

そう言い放つとギナはゴールドの縁の黒いカードを取り出す。
黒いカードの真ん中のオーブ軍章が劾の眼に映る。


「アマツ」『御心のままに(田村ゆかり低音ボイス)』

カードから発せられた声とともにギナの身体は黒い光に包まれるが。直ぐにその黒い光は消える。

829リリカルASTRAY:2007/05/06(日) 01:59:05 ID:???
そして黒い光の後から現れたギナは黒を基調に黄金で彩られた鎧の上からマントを着込む姿であった。
彼の右手にはデバイスが変化したトリケロス改が輝いていた。
それを見た劾の表情は崩してはいなかったが内心は驚いていた。

この女が言っているのは……どうやら、本当の事のようだな。

「解ってくれたかしら……?今貴方とギナが居るのはこういう世界だと。」

そんな劾の心を汲み取るかのようにプレシアは立ち上がり劾に歩みよる。

「……?」
そこでプレシアはある物を劾に手渡す。

なんだ……?これはサーペントテールの……。

「これは貴方が気絶していた時に貴方の手元にあったデバイスよ……。それに貴方自身に関連する名を呼んでみて。」
デバイスとはあの男が持っていたカードか。俺に関連する名……?
劾の脳裏には様々な名が浮かんでくる。

イライジャ、風花、リード、ロレッタ、ロウ……いや違う……なら。

「2ndL」『YES SER,STANDBY OK(中田譲治ボイス)』

劾の声に答えるとデバイスは蒼い光を放ち、劾の身体を包んでいく。
そして光が消えると白を基調とし蒼色の線が入り、それは一陣の風を思わせるバリアジャケットであった。
劾の背中にはデバイスが変化したタクティカルアームズが羽のように折りたたまれていた。

「これが俺のデバイス、魔法か……」

それを見ていたギナは変身を解き、プレシアに「ふん、私は傀儡兵へのサポートへ戻る」と言い残し、その場から立ち去る。
それからプレシアは眼の前の劾にある提案を持ち掛ける。

「さて、信じてくれたかしら叢雲劾?」

「此処まで見れば信じざるをおえないな。」
「そこで貴方に頼みがあるの。 ジュエルシードの回収とフェイトの援護をしてもらいたいの。」

「ほう……だが、そう簡単に受ける訳にはいかないな。」

と劾がプレシアの提案を拒むとプレシアは劾をギロリと睨む。
だが、次に劾の口から出たのは考えもしなかった言葉であった。

「……状況は理解した。が、起きた時に言ったように俺は傭兵だ。報酬の無い依頼は受け付けていない……」

と言うとプレシアはフッと怪しげな笑みを浮かべてそれに答える。
830リリカルASTRAY:2007/05/06(日) 02:04:24 ID:???
「なら貴方のいた世界の事が解れば貴方を元の世界に戻してあげる……それを報酬とするわ。」

彼女のその言葉に劾は少し考えてから「良いだろう。」と答える。だが

「それと……俺を雇うなら条件がある。」

「条件……?」

繋げて言う劾にプレシアは「まだ言う事があるの?」と訝しげに尋ねる。

「雇った以上は余計な手出しは無用だ、任された以上は俺に託してもらう。良いな?」

「ずいぶん強気なのね? 魔法の使い方も解らないはずよ……?」

だが劾はプレシアにとって思ってもなかった事を言う。

「先程のデバイスでの変身で大方の事は理解した。……恐らくは自分の想いえがく攻撃をデバイスで繰り出せば良いのだろう?」

プレシアは表情を崩さなかったが心の中では劾の態度に脅威を抱く。

何故ここまでこの男は冷静でいられるのか……。

プレシアにはその態度は高い魔力に比例しているようにも感じた。が、すぐにそれを振り払う。

「なら、その自信……見せて貰うわ。」

…………

二人は時の庭園内にある模擬室に場所を変える。
内容はこうだ。
今からプレシアがAクラスの傀儡兵を二十体ほど繰り出す。劾はただそれを撃てば良いというものであった。
そして劾はバリアジャケットのまま模擬室に立つ。

「まず、一体だけ出すわ」
「ああ。」

そう劾が頷くと劾の足元から中世欧州の歩兵を想わせる傀儡兵が右手に剣を左手に盾を掲げて現れる。
そして頭部が朱く光った瞬間、傀儡兵は剣を劾に振りかざす。
だが、劾は避けようともしなかった。

避けないつもり……?

プレシアがそう思った瞬間、傀儡兵は剣を劾に向けたまま、すれ違うように音をたてて倒れ込む。
傀儡兵を見遣ると頭部にはナイフが差し込まれいた。劾は差し込まれていたナイフをゆっくり抜きとる。
831リリカルASTRAY:2007/05/06(日) 02:09:05 ID:???
 彼は剣が振り下ろされる寸前に背中のタクティカルアームズからアーマーシュナイダーに変化させていたのであった。
そして彼は少し遠くでこちらを見遣るプレシアに眼鏡をクイと上げながら言い放つ。

「兵を出すなら一気に出す方が良いな……。一体ずつだとお前の出す傀儡兵では絶対に俺は倒せない。」

やはり、こういう仕組みか……。

劾は自分の推測した通りに魔法が出せた事に少しながら満足していた。
一方、プレシアは劾の動きを想い出しては頭の中で繰り返していた。

確かに魔力も高い、動きも鈍くないわ……むしろ、あの子と同じくらい速い。けどそれだけじゃ駄目……。
「そう……なら、貴方の望みどうりにしてあげるわ……。」

プレシアがそう言った瞬間、九体の傀儡兵が劾の眼の前に現れる。先程倒した歩兵、双斧を手に持つ大きなもの、羽をはばたかせ空を舞うものなど様々であった。
そして傀儡兵達は一斉に劾に襲い掛かる。

九体か……フルウェポンを使うまでもないな。

次々に飛び掛かる剣、槍、斧等、傀儡兵の攻撃を避けながら、そう考えた劾はアーマーシュナイダーを掲げる。

「2ndL、タクティカルアームズだ」『STANDBY OK』

瞬時にアーマーシュナイダーはタクティカルアームズに展開し。
劾はそのままタクティカルアームズを両手に握り、傀儡兵を縦や横に切り捨てていく。
そして九体全て切り倒した時。劾は背後から異様な気を感じ振り返る。
そこには十体目の傀儡兵が剣を鞘に納めたまま柄に手を添えて構えて赤い光をこちらに向けていた。

その構えから劾はレッドフレームを扱う、ある男の事を思い出す。

最強の悪運を持つ宇宙一のジャンク屋ロウ・ギュール。 それは彼の自称ではあるが劾自身も彼の事は認めている。
そういえば、アイツもあの光に巻き込まれていた。ならロウもこちらの世界に来ているのだろうか……。

いや、考えるのはコイツを倒してからだ……。


832リリカルASTRAY:2007/05/06(日) 02:27:25 ID:???
そう考えた劾は改めて傀儡兵に向き直る。

こいつは今まで倒した九体の傀儡兵とは違い、隙が無い……だが。
劾が呼吸したその瞬間、傀儡兵は鞘から剣を一気に抜く。が、剣は抜ききられる事はなかった。気付けば傀儡兵は二つに崩れ落ちる。

「確かに隙はない……が、ロウの足元にも及ばない。」

だが、傀儡兵はこれで最後ではない。まだ、十もの赤い光が劾を見据えている。

面倒だな……なら。

そう考えていると傀儡兵達は劾を目掛けて走りだす。
「2ndL、ローエングリンランチャー出力50%」『CHARGE SET,UP』
劾はタクティカルアームズを大型の砲台に変化させ装填完了を待つ。
次第に傀儡兵達は劾の至近距離まで近づいてくる。
そしてチャージが完了する。

『STANDBY OK』「……発射!!」

2ndLからは青白い光が膨れ上がり、一気に放出され。傀儡兵をあっという間に包み込んでいく。
ローエングリンの光が消えた後の模擬室に残っていたのは劾とプレシアだけであった。
そして劾はプレシアに言い放つ。

「これで満足か?」

「……ええ、充分よ。後で貴方に転送魔法を教えるわ。 それで直ぐにフェイトの後を追ってもらうわ。」

「了解した。」

プレシアは改めて劾の魔力に驚いていた。
それは今、彼が放った攻撃魔法にでもあるが、速さに見合った臨機応変の攻撃。それらの行動から彼の経験深さも感じられた。
この男の協力があればアルハザードへより速く行けるかもしれない。
時間の無いプレシアはそう確信した。

だが、その時。それを陰からある人影が二人を見据えていた。

「十体目に私が改良した傀儡兵を交ぜておいたが……あの傭兵め。 やはりソキウスの技術を組み込んだほうが良いかもしれんな……。」

しかし、失われた世界の技術の遺産『ジュエルシード』か、それがあれば私も……。

それは、その男の……。闇の胎動がの始まった瞬間であった。


以上、てなわけで投げ終了です。なにげにギナが魔法にたいして頭が柔らかかったですけど。
まあ、自分の中ではロンド姉弟は魔法の事には関しては詳しかったって思って書いてますw
833通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 02:33:08 ID:???
GJ
しかしさすがに劾は強いですな。しかもギナまでついてくる。
なのはとロウだけで勝てるかな?
834通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 02:47:36 ID:???
タクティカルアームズ・ガトリング砲形態とか、ローエングリンランチャーとか、遠距離も充実してるからな劾は…
それに比べてロウは、シグナム以上の近距離一点特化型だから多彩な戦法を持つ敵には苦戦しそうだ
835通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:06:03 ID:???
思いついたんだけど、ちびリインと8だけで放置してたらすごい賑やかそうだなw
あと、ロウとちびリインでもなんか盛り上がりそう……。
836通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:33:48 ID:???
シン「なのはさん達の変身シーンを盗撮していて正解だったぜ。
毎晩欠かさず見てるぜ・・・ん?誰かの視線を感じる・・・気のせいか・・」

シンの秘蔵のDVDが何処かに隠されているのである。
100000本くらい
837通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:36:23 ID:???
身の置き所もないだろ、それだけあったらw
ていうかよくそれだけ金があるなw
838通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:38:28 ID:???
まずいぞ、シン、このままではやがて抹消されてry
839通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:40:45 ID:???
シン「ユーノのダンナ。安くしておきますぜ」
ユーノ「じゃあ・・なのはのを・・・」
シン「毎度あり〜」
???「何やってるのかな?」

シン&ユーノ「な・・・のはさんじゃないですか・・はははは・・じゃ・・」
840通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:42:27 ID:???
なんか上ではシンがスタイルのいいフェイトに喜んでいて
なのはにしょぼくれているネタがあったなw
841通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:43:23 ID:???
ユーノとかに売りさばいてるのかww
それが資金源なのかw
842通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:44:21 ID:???
ユーノも買ってるwさすが淫獣w
843通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:44:39 ID:???
シン「(フェイトとスバルとシグナムとヴィータとはやてのDVDだけは
誰にも譲れん。俺の秘蔵のDVDの95%だからな‥…さてと今日はどれを見ようかな)」
844通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:46:14 ID:???
なのはとティアがはぶかれてるwwなぜにw
845通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:46:53 ID:???
譲れないのが95%もあるのかよw
846通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:47:06 ID:???
シン「なのはさんのはユーノさんが高値で買い取ってくれるから売る」
847通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:48:18 ID:???
あとスタイルの問題もあるんだろう、どうせww
848通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:48:56 ID:???
ティアはなんで省かれてるんだ?スバルとあんまりかわらないんじゃ?w
849通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:49:38 ID:???
シン「アイツだけはダメだ。金玉が痛くなる。俺が辛い。チクショー!!」
850通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:50:14 ID:???
隠し撮りじゃなかったのかいw
851通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:51:14 ID:???
シン「隠し撮りして。編集して。人に売って。自分で楽しんで。」
852通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:52:56 ID:???
シン「いやー。マジ困る。何で変身するとき全裸になるんだろ。鼻血が止まらない」
853通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 03:58:02 ID:???
シン「ヤバイ。ばれそうだ。隠し場所を変えなきゃ。あれ?ノック音?」
854通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 09:44:21 ID:???
とりあえず現段階で
まじかるシン 7話
F.A.T.E 2話
R.A 2話
がwikiにないのかな?
855通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 09:55:14 ID:???
>>853
はやて「シン君…何でそんな事…(涙」
856通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:17:25 ID:???
なんだ、その亭主の浮気を知ったときのような反応はw
857通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:19:35 ID:???
よりによってはやてにばれたw
858855:2007/05/06(日) 10:22:38 ID:???
あ、この状況はストライカーズのはやてが
シンに話したい事があって部屋に来てみたらこうなったという…
ほんと文章形成力無くてサーセンw
859通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:25:59 ID:???
どっちにしろやばい状況だなw
860通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:40:33 ID:???
シン「好きな人の物を取っておきたいのは当然じゃないか!」
861通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:44:48 ID:???
>>861
(はやてが携帯で誰かを呼び出したらしく、数分後に八神家にキラが)
キラ「や め て よ ね 。
いくら君がラッキースケベというスキルの所持者だととしても盗撮はよくないんじゃないかな?」
(キラ、ハイマットフルバーストバラエーナプラス発動)
862通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:46:46 ID:???
アンカーミスった…
>>861のアンカーは>>860という解釈でorz
863通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:47:34 ID:???
シン「若さ故の過ちという奴か・・・」
864通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:50:21 ID:???
>>863
はやて「格好つけてないでそこにあるDVD、全部うちが預かるわ。
勿論しっかり処分するために預かるんやけど。」
865通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:51:20 ID:???
シン「(既にバックアップは取ってあるから問題ない)どうぞどうぞ」
866通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:54:12 ID:???
もうラッキースケベじゃなくてただの淫獣Uじゃねぇかww
867通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 10:56:38 ID:???
シン「去ったか・・・さてと。アレ?バックアップデータが消えてる。何で?」
???「私が消した。」
シン「何でフェイトさん。デバイス構えてるんですか?ちょ・・止め・・」
868通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 11:22:18 ID:???
結局何レス続いてるんだこの流れ?
869通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 11:41:53 ID:???
一応埋めたて体勢に入ってるからいいんでない?
870暇人A:2007/05/06(日) 11:53:54 ID:???
ちょっと続き行きますw
871通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 11:53:55 ID:???
みんな乗り乗りだしなw
872閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 11:55:33 ID:???
「あ、おかえり、シンくん」
「遅かったね、何かあったの?」
帰って早々心配されてしまった。
「いや、珍しいものがいろいろあってさ。
 悪いな、心配させたみたいで・・・」
「本当だよ。せめて念話を常時許可してくれればよかったのに・・・」
アルフが忌々しそうに言うのを、フェイトがなだめる。
「しかたないよ。シンがこっちの人間だって事、ばれないほうがやりやすいから・・・」
「そうだよぉ。シンくんは、切り札なんだからね」
マユもそれに参加する。が、
(マユ・・・なんか雰囲気が変わった?)
何処となくだが、シンはそう感じた。



「さぁ、これでお終い、っと」
食器棚のガラスをスライドさせながら、高町桃子は娘に向かって微笑みかけた。
「うん」
手を拭きながら、なのはは母を振り向いた。
「さて、それじゃあ。
 大事なお話って、なぁに?」
「うん・・・」
先ほどアースラにて話をしてきたなのはは、ある決意をしていた。
母に出来る範囲で打ち明けて、許してもらって、あの女の子の心を開いてあげにいく事を・・・
873閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 11:56:31 ID:???
「女の子と会ったの・・・とても優しそうなんだけど、冷たい瞳をしている子・・・」
桃子は黙って我が子の話を聞いていた。
「その子を助けてあげたいの。沢山、笑わせてあげたいの」
なのはは信じていた。
優しいあの子は、きっとかつて良く笑う子だったのだと・・・
「なんで、それをなのはがする必要があるの?」
「え・・・?」
当然の疑問だが、母の鋭い視線に、なのはは怯んでしまう。
「親だって、話す相手だっているんでしょう?ましてや、なのはは別に友達と言うわけでもないんじゃないの?」
「友達、だよ・・・ううん、友達になるの」
桃子は娘の覚悟の大きさは感じていた。
しかし、二つ返事でOKを出すわけには行かないのは、親なのだから当たり前だろう。
「そうなの・・・でもね、学校が終わってからいく分にはかまわないけど、そうじゃないんでしょう?
 それに、何度も言うけど、それをなのはがやる必要は、ないんじゃないかな?」
「ううん、学校を休むのは悪い事だってことはわかってるの。
 でも・・・これはわたしじゃなきゃ駄目なの・・・」
「どうして?」
「それは・・・わたしも一人ぼっちがわかるから」
桃子は、なのはがそんなことを思っているなんて知らなかった。でも、今は自分を信じる事にした。
「それは、お父さんの怪我のときの事?」
「うん。あの時は、本当に一人ぼっちだと思ってた」
「それは、きっと勘違いよ?」
『きっと』そう付け加えなければいけない自分が、桃子はもどかしかった。
「うん。そうだった。
 家の中では浮いてたけど、外に目を向けたら友達が出来た。
 そしたらね、家の中でも『あぁ、家族なんだな』って思えるようになったの。
 でもね、お母さん、それに気づけてない子がいるの。
 力になって・・・あげちゃ駄目かな?」
わたしが皆にしてもらったみたいに・・・と。
桃子は自分を恥じた。
娘が自身を『ひとりぼっち』と言ったときに、彼女は一瞬我が耳を信じれなかったから。
そして、その娘が自分の答えを見つけている事を見抜けなかったから・・・
「いっぱい心配かけちゃうかもしれないけど、詳しい事は何もいえないんだけど・・・」
「そんなの、何時だって心配よぉ」
桃子は両の手で顔を覆った。そして、
「だけどね、やっぱり応援してあげたい。
 もう、決めた事なら、やらせてあげるしかないものね。
 決めた事、なんでしょ?なのはが自分で、ね?」
「うん」
「ならいってらっしゃい。
 後悔しないように、ね?」
そういって、なのはの頭をなでた。
「お父さんとお兄ちゃんは、母さんがちゃんと説得しといてあげる」
「うん、ありがとう。お母さん」
決意は固まった。
正直鈍りそうだったけど、それでもやはり、これがなのはにとってのやるべきことなのだ。
874閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 11:59:11 ID:???
ジュエルシードの輝く部屋
「約束の地、アルハザードのために・・・あなたたちにも、手伝ってもらうわよ」
プレシアはシンには決して見せはしなかった冷酷な瞳を、三人の少年に向けていた。
彼らはシンと違い、記憶と共に人格を破綻してしまった、いわば失敗作。
(だけどそれだけに、利用は容易い)
暗鬱な空気の流れる部屋には、邪悪な希望のみが陰鬱に渦巻いていた・・・




寝る前、シンは今日あったことを思い出していた。
先ほど聞いた話では、ジュエルシードは見つかったけど邪魔が入ってしまったようだ。
フェイトも状態があまりよくなかったために、逃げの一手を取ったらしい。
実際にはマユが適当に“遊んでいた”ことをシンは知らない
が、そんなある意味夢物語の範疇の話を聞いているよりも、シンには今日図書館であった少女の事が思い返された。
足が麻痺していて、両親は物心ついたときからいなかったそうだ。
そんな状況でなぜ関西(ここからは遠いらしい)から引っ越してきたのか、ということはどうも釈然としなかった。
いろいろ聞きたいことがあった。
はやてなら何を聞いても笑いながら答えてくれるかもしれない。それぐらい、優しい雰囲気を持った少女だった。
(でも、辛いことを聞いたら確実に悲しむ事になるよな・・・)
そんな感じに、シンはどこか、この世界に馴染んでいた。
それは同時に、未練を残すということでもあった・・・
875閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 12:00:58 ID:???
「フェイト、駄目だ。空振りみたいだ」
湖のほとりに、フェイトは立っていた。
「そう・・・」
「やっぱ、向こうに見つからないように探すのは、なかなか難しいよ」
向こう、と言うのはつまり、なのはたちのことだ。
「うん。でも、もう少し頑張ろう」
そういうと、フェイトは腕に巻かれた包帯を解いた。
「マユ、今夜わたしの援護してくれない?」
「へ?別にいいけど、何やるの?」

フェイトは取り敢えずの作戦をたてて、聞かせた。
「ちょっとフェイト、それはいくらなんでも危険じゃないのかい?」
「大丈夫だよ、マユがいるから。封印は、マユがやってね?」
「うん、わかった。そういうことなら任せてよ」
「ありがとう。アルフも、わたしがもし気絶でもしちゃったときにはよろしく」
「あ、あぁ」
危険ではあるが、止めるわけにはいかない。
そのことはアルフも良く分かっていた。
「シン、シンは見守っててくれないかな?」
「見守る?邪魔だから下がってろじゃなくてか?」
「ううん、そうじゃなくって、敵が増えたときとかに皆に教えて欲しいの。
 もしかしたら、乱戦になるかもだから」
シンの言葉に、フェイトは困ったような顔をして答えた。
「あぁ、わかったよ」
シンもそれに納得する。
大まかな作戦は決まった。
決行は、この夜に・・・
876閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 12:02:22 ID:???
フェイトがなにかをつぶやいている。
魔法の詠唱らしいのだが・・・
「海に魔力をぶつける、か・・・」
魔法と言うものはどうも威力を高める事に長けたものと広域放射する事に長けたものがいるらしい。
フェイトによると、自身は前者らしい。
それでもこんな無茶をする理由、それは・・・
「海の中にあるのはわかったんだけどねぇ」
という、マユの一言によるものだった。
そしてフェイト曰く、魔力をぶつければジュエルシードは活発になる、との事であった。
だが・・・
「あれ、大丈夫なのか?」
ジュエルシードの魔力(?)のせいか、海がフェイトの魔力を弾き返し、フェイトをねらっていた。
「大丈夫だと思うよ」
ふと、後ろからマユに声をかけられた。
「マユ・・・そうだと、いいんだけどな」
シンはマユを信じ、しばらくマユと話していようかとも思ったのだが、そうはいかなかった。
「!?・・・空間が・・・歪んできてる・・・」
マユは目を見開いていた。
「管理局って奴らか?」
シンの問いに、マユは首を振った。
「ううん、わたしが逆探知できない辺り、歪みは一方向からだけじゃないかも・・・」
一方向じゃない?
「いったいどういう意味だ?」
「意外と早かったな、って事だよ」
そういうとマユは、デバイスを起動した。
そして、駆け出しそうになった足を緩め、振り向き、俺に尋ねた。
「シンくん、わたしがシンくんって呼ぶことに、違和感ある?」
いきなりわけのわからないことを聞かれたが、マユは何時になく真剣な面持ちだ。
「正直言うと、結構」
「そっか・・・じゃあ、おにいちゃん、ってのは?」
「は?」
シンは大量の疑問符に包まれていたが、マユは微笑みをシンに見せ、前を向き走り出した。
行く先は、フェイトとは少し座標のずれた海の上のようだ。
「って、あれは・・・」
その期にフェイトを見ると、子供が二人増えていた。
「フェイトを助けてる、のか?」
そのうちの白い服の少女は、フェイトに魔力を分け与えていた。
シンは、お兄ちゃん発言については後回しと決め込んで、全容を把握しようとポジショニングをはじめた。


「どこにくるのっ!?」
マユは走りながら現状の把握に努めていた。
その様子はクロノと戦ったときとは打って変わって、真面目そのものだった。
しばらく走り続けると、思い出したように振り返った。
「だめ、おにいちゃんから離れすぎたら・・・」
転移してくる場所を探している間に、シンのもとに転移されては元も子もない。
危険に曝すわけには行かない。
大好きな、そう、大好きな『おにいちゃん』を・・・
877閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 12:05:48 ID:???
突如、目の前の空間が歪んだ。
「何だ?何か・・・出てくる?」
そのまま渦となって、そこから人が出てくる。
「って、人!?なんで?」
「・・・」
色の薄い髪の毛の少年だ。その少年は、無言で耳に手を当てた。
「フォビドゥン」
そう呟くと、耳につけていたイヤホンが形を変える。
「デバイス!?管理局の魔道士か?」
かと、シンは察したのだが・・・
「管理局?あんな奴らと一緒にするなよ・・・」
とてつもなく不機嫌で無気力に否定された。
「俺は・・・まぁ、いいや。
 お前死ぬしな」
イヤホンは変形を完了し、大鎌に変形した。
そして、その鎌がシンに振り下ろされようとしていた。
「おにいちゃん!?」
マユの声が聞こえた。
あぁ、あの少女に見守られて死ぬのか、などと、シンは考えていた。
しかし、マユの声が聞こえたっきり、俺に鎌は当たらなかった。
「・・・?」
シンは恐る恐る目を開くと、そこには
「・・・ッ!・・・」
苦痛に顔をゆがめるマユの姿があった。
「なに・・・お前?」
「わたしはキミと同じだよ。
 プレシア・テスタロッサにいいように使われている悲しい魂」
「あぁ、お前が『マユ』か・・・」
少年は思い当たるところがあったようだ。
だが、そんな事はどうでも良かった。
「マユ!?大丈夫なのか?」
目の前の少女が、心配だった。
「う〜ん、駄目かも。
 魔力流し込まれちゃって、治癒が出来ないや」
あっけらかんと、実に明快に、マユは言ってのけた。
「な・・・」
が、マユの言葉に、シンは絶句した。
しかし、マユはそんな事を気にせずに続けた。
「わたしね、記憶が戻ってたんだ。
 それでね、シンくんはおにいちゃんだったの」
「マユ、何言ってるんだ?」
「ごめんね、後は、自分の記憶に聞いて」
シンの質問を半分無視して、マユは少年に向きなおった。
「バインド」
そして、マユがそう呟くだけで、少年は身動きひとつ取れなくなった。
「フェイトちゃんは連れてかれちゃったか・・・
 仕方ないなぁ」
878閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 12:10:20 ID:???
「マユ?」
シンの呼びかけに、マユは振り返った。
「シンくん、この人たちはプレシアさんの仲間だよ。たぶん、わたしたちを排除しにきた・・・」
「マユ、もういい。もう喋るな。血が、出てるじゃないか」
呼んだのは説明を求めるためなんかじゃない。
マユを止めるためだ。
「いいの、どうせわたしは死んでいたんだもん」
「マユ!」
諭そうとしても、シンは納得してはくれなかった。
心配されている実感があったことは、やはりマユにとってもうれしい事だった。が、
「魔力によるつながりを絶って、この人と、海にいる人を元の世界に」
「了解」
それだけで、マユの言葉は施行された。
目の前と、先ほどまで宙に浮いていた少年が消えたのだ。
「さて、おにいちゃん。いきなりだけどわたしね、もう・・・駄目かも・・・」
言い終わるよりも前に、マユのひざは、足は、力を失った。
「マユ!?」
頭を腕で支えてやる。
「あはは・・・ごめんね」
「何を謝ってるんだ!何でそんな平然としていられるんだ!?」
「謝ってるのは・・・なんでだろうね。
 でもね、平然としているのは、これが決まっていた事だったからだよ」
「決まって・・・いた?」
先ほどからこの少女のいっている言葉の意味がわからない。
「うん。あのね、プレシアさんは、わたしが元の世界で死んで、魂だけが時の庭園に降り立ったのを見て、わたしに魔法をかけたの」
「魂だけ?」
「うん。だからね、わたしは痛みを感じない。
 けど、あの鎌は対抗呪文だったみたいだね。
 わたしを動かしていた魔力が無くなって、あと少しで動けなくなる」
それでも痛みは無いんだけどね、なんていって、マユは笑っていた。
「魂だけって言うのは、記憶に聞いて。
 今、解除呪文をかけるから」
879閉じて開く宿命:2007/05/06(日) 12:12:24 ID:???
するとハイ、と言っただけで、俺の記憶が全て戻った。
「マ・・・ユ・・・?」
「うん、おにいちゃん」
(そうだ。
 マユは俺の妹で・・・俺の目の前で、死んだ・・・)
「だから・・・魂だけ?」
「うん。もう時間が無いから、記憶になさそうな事を説明していくね?」
「あ、あぁ」
確かに鎌の傷口はだんだんと広がってきていた。
そして、マユはいろいろな事を俺に話した。
曰く、先ほどの男はプレシアの手駒で、後二人いるとの事。
曰く、その手駒と自分は、戦時下において性格や考え方が『ただひとつの事』を除いてがらっと変わってしまうと言う事。
曰く、自分の魔法には時間制限がかかっていて、どうせあと少しで死んでいたということ。
関連して、だからさっきの男はシンを殺し、証拠を消そうとしたのだと言う事。
曰く、フェイトのケガはプレシアが理由だったという事。
そして、
「わたしがすごい魔法を使える理由。
 それはね、おにいちゃんのリンカーコアを持ってるからなんだ」
「リンカーコアって、あの?」
リンカーコアとは、一人ひとつ体内に持っているもので、その能力=基礎魔力と言われている。
それを、俺はプレシアさんに奪われ、マユに移植されていたらしい。
(つまりマユの死と同時に俺の魔力も殺すつもりだったってことか・・・)
「そうだよ。それでね、おにいちゃん」
「ん?」
「もうわたしの存在自体薄れてきちゃったから、今ならおにいちゃんでも取り出せると思うんだ」
取り出す?
「それで、どうするんだ?」
「わたしの右胸に手を押し当てて。
 そうすれば、適合者の手に戻るはずだから」
「あぁ、って、胸!?」
シンが素っ頓狂な声を上げると、マユがため息を吐いた。
「妹なんだって、言ってるでしょ?」
シンは反論をとこうかとも思ったが、時間が無いのは事実のようだ。
そして、右胸を触った。
「ぁ・・・」
「んな声を出すな、兄弟だろう?」
「うん、でもこの世界は『兄妹間』ってのも認められているらしいよ?」
確信犯じゃないか・・・


そんなこんなで、リンカーコアを俺は手に入れた。
いや、取り返したのか?
そのときの光で、マユの表情を俺は見れていなかった。が、
悪戯をし終わったような笑みをマユは浮かべていた。
880暇人A:2007/05/06(日) 12:13:58 ID:???
疲れた・・・
続きはまた後ほどw

それで、ミスがあった
呪文をかけるっておかしいよな、やっぱり
881通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 12:25:35 ID:???
GJ!!最高です!

続きが気になる!
882通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 12:26:42 ID:???
GJなんだけど、容量がそろそろヤヴァイかも知れんから続きが長くなりそうなら次スレに投下してくれ
883通常の名無しさんの3倍
GJ!うーー続きが気になる