富野関連の対談や発言を書き込むスレ2

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1通常の名無しさんの3倍
富野氏の対談を中心に書き込むスレです。
厳密には対談でなくてもコメント等でも結構です。形式も自由。
また、富野氏でなくても関連が深い人物の発言なら何でもOKとします。
カキコしてくれる神にお任せします。

基本的に保守を除いてあまりageずにsage進行でお願いします。

前スレ
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1042114116/
富野&庵野語録倉庫(前スレ57氏のサイト)
http://members.tripod.co.jp/wijayu/
2通常の名無しさんの3倍:03/02/06 04:20 ID:???
前スレ57氏のうpろだ
http://tom-an.hp.infoseek.co.jp/

送信ミスで長文を消したくない時や、
打ち込むのはメンドイけどスキャンなら・・・
って時にどうぞ。
3通常の名無しさんの3倍:03/02/06 04:20 ID:???
3か4
4切り裂きジャック:03/02/06 04:38 ID:???
おまえがああああああふろ
             /ヽ       /ヽ       
            /  ヽ      /  ヽ                 人       
  ______ /     ヽ__/     ヽ                     
  | ____ /           :::::::::::::::\            類        
  | |       //       \  :::::::::::::::|          み
  | |       |  ●      ●    ::::::::::::::| ・・・・・・・  な     
  | |      .|             :::::::::::::|          大   
  | |       |   (__人__丿  .....:::::::::::::::::::/         根
  | |____ ヽ      .....:::::::::::::::::::::::< 
  └___/ ̄ ̄       :::::::::::::::::::::::::|
  |\    |            :::::::::::::::::::::::|
  \ \  \___       ::::::::::::::::::::::::|


5ごはんギリシャ:03/02/06 09:15 ID:???
5げっと    次すれでけてた
6815:03/02/06 10:06 ID:???
>>1 乙です。

さあ、貼りこみ貼りこみ!

ガーゼィの翼〜バイストン・ウェルの世界〜より

Long Interview 1 富野由悠季監督に聞く!
Q:まずは、今回の作品『ガーゼィの翼』の舞台でもあり、
富野監督がライフワークとされている、“バイストン・ウ
ェル”の世界についてお伺いします。これまで様々な作品
を通して構築され続けてきた異世界“バイストン・ウェル”
を思いつかれたキッカケというのは?
富野:テレビの仕事で『ダンバイン』を作ったときに、ロ
ボットものと言われるジャンルの作品だけれども、機械先
行、メカ先行の作品にはしたくはないというのが、まずあ
って・・・・・・。そこから、俗にいうファンタジー世界
の中でロボットを活躍させる作品にしよう、というアイデ
アが浮かんできました。そして、そのためのファンタジー
・ワールドとは、いったいどういうモノなのか? という
ことを考えていった結果できあがったのが、『ダンバイン』
の中で描かれていた“バイストン・ウェル”なんです。
Q:そのときに特に気をつけられた点などは?
富野:いくつかあるんだけど、そのうちのひとつに単純な
異次元世界にはしたくなかった、という点があります。ど
ういうことかというと、ファンタジーの基本を考えたとき
に、そこにはたえず“夢物語”というキーワードが存在し
ている。“夢物語”とは人間の欲望を具象化したものとい
うことなのだが、人間の欲望には“よきもの”と、その反
動としての“あしきもの”があって、この2つの欲望が現
われたのがファンタジーの世界なんですね。
7815:03/02/06 10:06 ID:???
 だから、例えば、単なる欲望の世界というだけではなく、
そこに厳しい道徳律というか、戒律といった要素が深く入
り込んで物語が成立している西洋のファンタジー、いわゆ
るキリスト教文化圏で語られているファンタジーを見てい
ると、天使たちが登場する“陽の世界”の物語と同時に、
悪魔というかゴブリンのようなものたちが跳梁跋扈する
“陰の世界”の物語をも作り上げてきた歴史があるわけで
・・・・・・。もちろん、これと同じようなことは、ゴブ
リンの代わりに物の怪や魑魅魍魎といったものたちが登場
する日本古来のお伽噺の世界にもみられます。
 ぼくは、ファンタジーをそういう風に捉えていました。
それで、“バイストン・ウェル”を作るとき最初から決め
ていたのは、異世界は絶えず人の意志に近いところにある
ということ。だから、“バイストン・ウェル”はオーラ
(人の力)が影響した世界なんだ、という考え方にたどり
着いたということです。
Q:では、“バイストン・ウェル”というネーミングは、
どのようにして?
富野:ずいぶん昔のことなので、よく思い出せないんだけ
ど・・・・・・。オーラがものすごく影響している世界で
はあるけれど、“オーラステージ”とか“オーラワールド”
という名前にはしたくなかった。・・・・・・そうだ、あ
のときは確か、井戸という言葉からはじまったんですよ。
現実の井戸というのは、水を汲み出すために地中に向かっ
て掘られた穴であるんだけれど、実は、異次元をつなぐ出
入口なのかもしれない、というアイデアが最初にあって
・・・・・・。
8815:03/02/06 10:07 ID:???
 そういう井戸のような不思議なモノがあってもおかしく
ない場所はどこだろう? と考えているうちに、ひょっと
したら、石というのは物の根元を象徴している物質かもし
れない。だったら、その近くにあるのではないか・・・・
・・。そんな風に考えがふくらんで、“バイストン・ウェ
ル”とネーミングした。そしてら、自分でもすっかり気に
入ってしまって。
Q:なるほど。“バイストン・ウェル”という言葉は、
“石のそばにある底なしの井戸”という意味だったわけで
すね。
富野:ええ。そして、“バイストン・ウェル”というのは
我々の心、つまり意識の中にある世界だから、そこで活躍
するロボットは一般的にオーラバトラーと呼ばれるんです。
Q:『ガーゼィの翼』では、コモン界に住むコモン人や、
その下にある地の界に住むガロウ・ランなど、様々な界層
や生物が登場しますね。“バイストン・ウェル”の世界が
縦構造になっている理由は?
富野:基本的には、“バイストン・ウェル”は何でもあり
の世界。かといって、好き勝手に色々なモノを登場させて
しまうと、結果的に身勝手な世界になってしまう。そこで、
ある種の約束を作ろうということで縦の構図を取り入れた
わけです。これはダンテの『神曲』などでも見られる手法
であって、ぼくの創作ではありません。ぼく自身としては
“バイストン・ウェル”の世界があまり複雑にならないよ
うにと考えて、このアイデアを採用したつもりなんだけど、
未だに“バイストン・ウェル”全体を見渡した物語を書け
ていない。今回の『ガーゼイの翼』は、そんな中での新し
いアプローチのひとつなんです。
9815:03/02/06 10:09 ID:???
Q:『ガーゼィの翼』の主人公・クリストファは、肉体か
ら分離した精神だけが“バイストン・ウェル”に引き込ま
れて、肉体は現実世界に残ったままになりますね。これは、
今までの作品(肉体ごとオーラ・ロードを通って“バイス
トン・ウェル”に行ってしまう)とはずいぶん違ったパタ
ーンですが・・・・・・。
富野:今って、我々をとりまく生活空間自体が異常な時代
にきています。日常の中で、いびつ、あるいは歪みという
ものを意識することがとても多い。今回『ガーゼィの翼』
では、そのあたりをずいぶん意識して、主人公の肉体と精
神を分離させてみました。あの状態は主人公にとって、と
ても居心地の悪いことなんですよ。でも、今の時代層を意
識しながら物語を考えたら、こういう設定になってしまっ
たんです。
 しかも、ぼくとしてはコレ(クリストファが感じたよう
な居心地の悪さ)は今回だけの特例にできれば、と思って
いるにもかかわらず、“バイストン・ウェル”の次の話の
ことをぼんやり考えたりしていると、そうはならないよう
なイヤな予感がしているんです。つまり、我々が現在おか
れている環境というのは、それくらい気持ちのいいもので
はない・・・・・・といえます。
10815:03/02/06 10:10 ID:???
Q:そのあたり、ひたすら便利さを追求する現代文明のあ
り方への疑問といったことがらは、『ガーゼィの翼』の原
作でも繰り返し語られていましたね。
富野:話が現代文明論のようになってしまいますが、日本
に関して言えば、アメリカとの戦争に負けた後、一度は経
済戦争に勝ったと思ったら、現在はまた負け始めて・・・
・・・。日本人は、本当にポリシーを持って生きてるのか
? そう問いかけてみると、どうもそうではないことの方
が多すぎる。しかも、これからしばらくの間は、そういっ
た日本の姿勢のようなものが顕在化してくる時代が続くよ
うな気がしてしょうがないんです。そんなときに、右から
左へパパッと移動するように異次元と現実世界を簡単に行
き来する物語は書けないよなぁ、という気持ちがぼくの中
にあって・・・・・・。
 具体的にいうと、“バイストン・ウェル”に召還されて、
現実世界へ戻ってくるんだけれども、また召還される。つ
まり、異世界と現実世界での移動が何回も繰り返しておこ
る。しかも、主人公にとってはそれをすごくうっとうしく
感ずるような状態で、無理やりにやらされられてしまう・
・・・・・。まだまだ漠然としたものなんだけれど、なん
となく頭の中で、そんな感じの話を考え始めているところ
なんです。
Q:『ダンバイン』のときのように、主人公がオーラ・ロ
ードを行き来する、ということですか?
富野:そう。『ダンバイン』の時代よりも激しく行ったり
来たりします。それも、この時代が抱えている“ねじれ”
の現われなのかもしれません。
11815:03/02/06 10:11 ID:???
Q:次の主人公は自分の自由意志でオーラ・ロードを行き
来きできる、ということなんでしょうか? 今までのパ
ターンでは、“バイストン・ウェル”に召還されるときに
は、フェラリオや巫女の祈りといったことが介在していま
したが。
富野:今の時点では、主人公が自分の意思で自由に“バイ
ストン・ウェル”と現実世界を行き来できるような設定に
はしたくないと思っています。
 例えば、“バイストン・ウェル”への落とし穴のような
ものが、たくさんできてしまっているが故の不都合さ。そ
れと、タイムトラベルものの要素が入ってくるんだけど、
一度現実世界へ帰ってきて、また“バイストン・ウェル”
へ戻ると、さっき自分が存在していたのとは全く違う時間、
もしくは年代にいる。すると、時間軸が連続していないか
ら、この前召還されたときにやろうとしていたことは全く
意味をなさない。主人公は全てを一からやり直さなければ
ならなくなってしまう・・・・・・。そういった非常にう
っとおしい状態というのもあるかもしれない。
 実は、こういったお話をゲームでできないか、と考えて
いるんです。
12815:03/02/06 10:14 ID:???
Q:今のお話はゲームでということですが、“バイストン
・ウェル”の次の物語が現実の世界の気持ちの悪さという
か、ねじれのようなものを色濃く反映させたものになると
いう点は?
富野:そうなるでしょう。というか、完全に連動するとい
うよりは、もう少しデフォルメした描き方をとらなくては
いけない、とは思っています。
 いずれにしても、“バイストン・ウェル”の次の物語が、
もっとドロドロした物語になることは間違いないはずです。
 本来は、物語というのはなるべくスッキリ作った方がい
いんだけどね。映画『インデペンデンス・デイ』みたいに。
そちらの方がわかりやすいし、だいいち見たときに気持ち
いい。でも、ぼくらの年代はそうもいかないんです。
Q:では、『ダンバイン』に登場したオーラバトラーにつ
いて聞かせてください。“バイストン・ウェル”の世界か
らオーラバトラーというものをとらえた場合、やはり地上
から呼び込まれた異端的なモノという存在になるのでしょ
うか?
富野:そう。ぼくは、機械的なるものはことごとく、人の
暮らしにとって異端なものだと思っています。今のように
文明が進んだのは機械的なものがあったからだし、確かに
いろいろな面で便利にもなった。ところが、機械・技術=
異端という考え方には、それとは全く違った視点があるん
です。
 それによると、技術はある時代までは異端でなかったし、
人間との住み分けができていた時代があったらしいんだよ
ね。ところが、電気とプラスティックの技術が確立されて
から以降は、技術は人にとって完全にブラックボックス化
してしまった。そして、今の我々が知っている技術力とい
うのは、人間がコントロールすることができないものにな
ってしまっている。この状態というのは異端以外のなにも
のでもないんです。
13815:03/02/06 10:16 ID:???
Q:確かにプラスティックとかは、廃棄しても分解して自
然に還ることはありませんし・・・・・・。
富野:そういった部分もありますね。それに、それまでの
技術が実は、人の目に見えていたんですよ。この形だった
らこう動く、あるいはこういう力を出すということが、目
で見て理解できた。ところが、フロッピー・ディスクの中
のソフトのバグ。これは人の目では(直接)見ることがで
きません。コンピューターでソフトを動かしてみるまでわ
からない。ひょっとすると、技術が目に見えない性能とい
うものを発揮し出した時から、人間は悪魔に取り囲まれた
世界の中にいるのかもしれない・・・・・・。先ほどブラ
ックボックスという言葉を使ったのは、そういう意味なん
です。
 ですから、“バイストン・ウェル”に登場するオーラバ
トラーは、まさにそういった現象の象徴のような扱い方を
しています。これは、『ダンバイン』でオーラバトラーを
登場させたときからそうだし、これからもそれが変わるこ
とはないでしょう。
Q:今回の『ガーゼィの翼』では登場しませんでしたが、
“バイストン・ウェル”の次の物語にオーラバトラーが出
現する予定は?
富野:おそらく、出現せざるを得ないと思っています。今
現在の我々をとりまく環境のいびつ感というものが、“バ
イストン・ウェル”の世界に移し絵的に写ってしまうのだ
から。そういったものごとの象徴としてオーラバトラーが
登場する可能性はかなりあるといえるでしょうね。
14815:03/02/06 10:18 ID:???
Q:『ガーゼィの翼』では、主人公のクリストファが肉体
と精神に分離して“バイストン・ウェル”へ召還されてし
まう、という部分が現実の世界のいびつ感を象徴している
ということですか?
富野:そうです。なにもオーラバトラーを登場させなくて
も、もっと身体に近いところでもそういったことが起こり
始めているのかもしれない。そういった話を『ガーゼィの
翼』では書きたかった。
 ただ、今回のクリストファの場合は、そういったことが
マイナス方向にはたらかないように注意したし、ある種の
体験論として(“バイストン・ウェル”での経験を)積み
重ねたという形で物語を終わらせたつもりです。異端に包
まれているからといって、それ故に敗北した・・・・・・
とは口が曲がっても言ってはほしくない。極論してしまえ
ば、このことが『ガーゼィの翼』で一番伝えたかったこと
なんです。
Q:いかに時代が歪んでいても、それを救う方法はあると
いうことなのでしょうか?
富野:方法はあるでしょうね。実は、それは人の心の持ち
ようの問題なんだと思う。
 それを技術論に近い部分で展開すれば、ぼくの場合には
作品的には『ガンダム』のような世界にいってしまうわけ
で・・・・・・。『ガンダム』を例にとれば、そこでぼく
がしてきたことは、モビルスーツ否定論なんだよね、ずっ
と。だから、モビルスーツが好きだと言った覚えは決して
ない。けれでも、ある部分では完璧に誤解されている部分
があって、ロボットものどうこうといった言われ方をする
ことがあるわけです。
15815:03/02/06 10:20 ID:???
Q:『ガーゼィの翼』は、まず小説が始まって途中からO
VAと同時進行という形で展開したわけですが、アニメが
小説に及ぼした影響というのは? また、アニメを演出さ
れるときと小説を書かれるときを比べてみると、富野監督
自身の中では、どのような違いがあるのでしょうか?
富野:ぼくの場合は、小説を書くときは観念というかロジ
ックが先行するんです。小説を書いているときは、『ガー
ゼィの翼』でいえば主人公の精神と肉体が分離するという、
大きなテーマの部分=主人公の揺れ動きにすべての興味が
集中してしまう。そして、演出家なら誰でもすごく気にな
るはずの、ひとつひとつのシーンを絵にしたときの様とい
うものをまったく気にしなくなっている。このことは一番
最初に書かせてもらった『機動戦士ガンダム』のノベルズ
に、すでに端的に現れていましたね。あのときも小説にす
る段階で、映像的な対比論で登場させていたテレビのキャ
ラを全部ではないにしろかなり外して、そして、ニュータ
イプ論というものだけに集中しようとしていた。だから、
詠んでいただいた方はおわかりになったと思うんだけど、
ずいぶん堅苦しい読み物になってしまいました。
 これはぼくの悪い癖というか、ある意味で活字人間なん
だろうね。ノベルズの段階で、表現的にはなんとなく視覚
的に見せてはいるけど、活字だけで済ませられるなら、そ
のロジックだけで小説を終わらせてなぜ悪い、みたいな。
『ガーゼィの翼』の第1巻を見直しても、それは端的に現
れている。
16815:03/02/06 10:21 ID:???
Q:どのあたりですか?
富野:例えばアクションシーン。それ風に書いてはいるん
だけど、活字を通して書くアクションシーンというのはヘ
ンに理詰めのところがあるんですよ。考えてみると、ちょ
っと違うなって感じがするよね。
 一方、演出をするときは、そういった部分は全部バッサ
リと捨ててしまう。そのときは、それこそ絵様のことしか
考えていない。キャラが敵味方に分かれたときの絵様とか
・・・・・・。
 でも、小説を書いているときはそういったことが気にな
らないんです、不思議と。
Q:富野監督の頭の中では、映像と活字は完全に分離して
とらえられている?
富野:ぼくの場合は、そう。また、そうあるべきだという
意識が頭のどこかにあります。ジャンルによって表現が違
ってくる、ということは創作者として一番気をつけていな
ければならない点だと、常々思っているからなんです。だ
から、意識しすぎですよとか、テレビとノベルズがあまり
にも違いすぎて読みにくい、といった意見をいただくこと
もあるのですが、ぼく自身はそれでもいいと思っているん
だけどね。
 ただ、最近はもう少しだけ近寄らせても・・・・・・と
考えるようになって。『ガーゼィの翼』では、それを意識
して作業したつもり。
17815:03/02/06 10:22 ID:???
Q:富野監督の頭の中では、今までは完全に分かれていた
ものが近寄ってきているということですか?
富野:いや、そうではなくて、自分で意識して近づけてみ
たということ。だから『ガーゼィの翼』は、いろいろな意
味で処女体験に近いものがあった。そのおかげで、ここま
でのニアミスだったらいいだろう・・・・・・というよう
な感覚をつかめたような気がしています。
18815:03/02/06 10:24 ID:???
Long Interview 2 富野由悠季監督に聞く!

Q:なぜアニメーションという世界を選ばれたのですか。
富野監督(以後富野と略す):特に理由はありません。ア
ニメしかできなくて、アニメ会社にしか就職できなかった
から。虫プロという所に4年間程いて、確かに1年間ほどは
しかたなくやっていた所があります。でも4年間を終わっ
てみて、アニメーションをやってて本当に良かったと思い
ました。アニメからは色々なことを教わった。むしろアニ
メでなければ分からなかったでしょう。例えば、一時期映
画を作るということをずっと考えていたことがあるんだけ
ど、アニメのおかげで映画は気分で作れる物ではないとい
うことが分かった。アニメではアニメーターに絵を描いて
貰うために、嫌でも応でも絵コンテを描かなければならな
い。最初慣れない内は「何で絵コンテなんか描かなければ
ならないんだ」と腹を立てていたこともあります。でも3
年位を終わってみて、やはり映像には絵コンテがいると分
かった。最終的な動いている映像を作るのは、気分では絶
対にできないこと。1カットを作るためには前後の絵が関
係してくるというように、極度にロジカルなものだからな
んです。この1カット1カットを読みきれるという演出力が
ない限り、映像なんて絶対に作れない。これは実写でも同
じ事だ。日本映画がイマイチなのは、コンテ主義じゃない
からでしょう。
19815:03/02/06 10:28 ID:???
 最近ヒットした映画に『インデペンデンス・デイ』とい
うのがあるけど、あの映画にはほとんどにコンテがあるね。
特にこの監督がコンテ主義だな、と思ったのが、モブシー
ンで、後ろの人間の動きを見た時。このシーンはコンテが
ないと絶対パンクする。気分で演出してません。そうしな
いとあんな短い時間で1エピソードを分からせられない。
映画だって芸術作品と言われているから、監督たちが感性
で作っているなんて言い方をするけど、映画はそんなヤワ
なものじゃない。一人の監督の感性ではできないんです。
コンテを切るということは、一人の監督や一人のコンテマ
ンの感性だけでは済まなくなる。関係者がみんなで見て、
コンテが読める人間はまずクレームをつけるからね。結局
そこにスタジオワークというものが発生する。その合意が
取れない限り、カメラは回らないんです。実はこの辺を日
本の映画人は見破らなければいけない。でも日本の映画人
はああいう映画は嫌いでしょ。だからきっとロクに見ない。
仮に見ても、このような話は絶対にしない。しない理由は、
映画作りとしてやさしくないから。分かりにくいからなん
です。どういう意味かというと、ストーリーは荒唐無稽な
んだけど、どうも全部の作りがそうじゃない。では大作映
画なのかというと、ステレオタイプの分かりきった話に過
ぎない。だけど、何となく面白くて見てしまう。この分か
りにくさがある。だけど僕のような立場にある人間が見る
と、全部計算してやっているという見事さが分かる。あれ
だけの技術を動員して、あのパッケージにぎゅっとまとめ
るというのは、よほどの頭がないと、とてもできません。
だからあの映画はスゴイと思う。それがスゴイと思えなけ
れば、映画なんて作れないし、作ってはいけないんじゃな
いかと思います。。こういう映画は、絶対に気分じゃ作れ
ない。そしてこんな荒唐無稽なストーリーを作ってしまう
勢いがスゴイ。今の日本人は勢いで何かをするという部分
が減殺されているような気がします。
20815:03/02/06 10:30 ID:???
Q:最近のアニメで思われることはありますか。
富野:何もありません。基本的に何も見ていないから。最
近見たのと言えば『新・みなしごハッチ』。こういうのは
子供に分かりやすいよね、と思いました。同時に最近はこ
んなアニメがないな、とも。これは結構問題だと思います。
 最近のアニメはみんな同じ顔。人間の描き方が、かなり
歪んでいる・頬骨が張っていて、頬のへっこんだ人間の顔
なんて、病人の顔だよね。あと、お尻とかがイメージでき
ないようなキャラクター。これは描き手が想像したくない
からで、つまり現実から逃げているんです。こういうキャ
ラクターが平気で描ける時代というのは、とてもヒドイ所
に来たという気がします。そういう絵を描くのが好きなア
ニメーターがいるのはいいんです。絵というのはそういう
ものだから。問題なのは、周りにいる人間がそれを認めて
しまっているということ。システム、チェック機構の問題
なんです。ここまでノー・チェックになってるのかと思う。
それが売れセンだからという理由で病人の絵を容認してし
まっている。アートというのはある意味ヘンなヤツがやっ
ている所があるから、そういう人が仕事をするのはいい。
しかしスタジオ・ワークである以上、普通の人達の目線が
あるはずなんです。そういうチェック機構が作動していな
いアニメ業界というのは、新しい物を生み出すポテンシャ
ルがないな、と思います。アニメの作品じゃない。視覚表
現に関して、ここまで無防備に、無批判になっているアニ
メ業界が異常だといっているんです。だから気持ち良くな
いんだ。どうも40代、50代の日本人というのは無批判にな
っているような気がします。
21815:03/02/06 10:35 ID:???
 元々アニメの仕事はそんなに立派なものじゃありません
よ。僕だってアニメしかできないからこの業界に入ったの
だから。そんな中で、何とかアニメの仕事をしていても恥
ずかしくないようにしたい、という欲望をずっと持ってや
ってきました。例えばアニメの演出家というものが税務署
で理解されないから、毎年説明していたんです。でも最近
は、少なくとも僕個人でいえば「『ガンダム』の富野です」
と言えば、バカにされません。これは本当に有り難いよね。
それが先に述べたことを容認しているようなシステムでア
ニメを作り続けていたら、絶対にこんなことは言われない。
それは『ガンダム』以後のこの世界で働く人間が、そうい
う志を捨ててしまったからこうなったんでしょう。ほんと
の意味での欲がなくなったんだね。この仕事をやって金持
ちになろう、でもいい。そういうハッキリしたものがない
から、本気になってどうにかしようという気がなくなって
しまったんです。あと、みんなずっとヒット作を待ってる
だけなんだよね。僕自身ヒット作を待ってこの10年間ぐら
いやってきたから偉そうなことは言えないが、このまま死
ぬまで待っていてもしょうがない。ヒット作ができるかど
うか分からないけれど、自分が動き出さないと何も始まら
ないから、やると決めました。死ぬまで働いていたいから。
自分が死ぬ何年か前に、痴呆症になっていたくないものね。
一生懸命仕事をしていれば、それは回避できるかもしれな
いでしょ。死ぬときはやはり、意識を持っていたいと思う。
これは今、一番切実に思うことなんです。こういう確固た
る欲望を、今の人は持ってないんじゃないか。それが今の
風潮をもたらしているんでしょう。
22815:03/02/06 10:36 ID:???
 例えば色気一つを取ってみても、完全な誤解が始まって
います。オールヌードすれすれの絵にしたって、人間の身
体を感じさせない絵ではどうしようもないわけです。エロ
ティシズムに対して本当の感性を持っていれば、こんな描
き方は絶対にしない。デジタル化したからとか、そういう
ことではないでしょうね。明らかに病気なんだ。コワイ時
代になったと思います。
Q:これまでの作品で視聴者に伝えたかったことは。
富野:生きている人間の持つ、肉体のダイナミズムという
ものを信じよう、ということに尽きます。そしてその使い
方を誤らないようにしようということ。僕の作品に出てく
る敵キャラクターというのは、その反面教師という意味も
あるんです。生命のダイナミズムがないと、人にしろ組織
にしろ早晩滅んでしまう。それを活性化しながらやってい
く必要があるんです。それはゲームでも同じだと思います。
こんなに作ってどうするんだ、というくらいの本数が出て
いるのに、新しいことを何もやっていない。ダイナミズム
を活性化してやらなければ、新しい物は生まれてこないで
すよ。僕の作品を見て、それに気付いてくれれば嬉しいと
思いますね。
23815:03/02/06 10:39 ID:???
Long Interview 3 富野由悠季監督に聞く!

Q:これから新たにやってみたいことはありますか。
富野監督(以下富野と略す):前にも言ったように、最近
企画がゲーム発なのか、アニメ発なのか、その境界線がな
くなってきているように思います。今までメディア・ミッ
クスと言ってはいるけど、本当にメディア・ミックスを
上手な形で始めから発進していた作品は、実はとても少な
いと思う。だからゲームと出版、それに映像を三位一体に
するというフィールドを作ってもいいのではないでしょう
か。その場合は相互でのチェック機能は完全に活性化させ
る必要があります。そんな企画があってもいいんじゃない
かと思うね。あと僕の場合にはまだアニメの世界を引きず
っている人間だから、もしこの業界のリフォームができる
ならば、リフォームしたい。作業をしていく中でそれがで
きれば、何とか新しい方向が見つかるんじゃないかと思い
ます。
Q:新しく試みてみたい手法はありますか。
富野:いや、特にはありません。むしろ、今うかつに個人
の変な趣味を出す方が危険だと思います。一番求められて
いるものがあれば、それを受け入れてやっていく、という
ことです。例えばバイストン・ウェルをやる場合、「バイ
ストン・ウェルの世界はこうなんだ」ということは言いた
くない。参加するスタッフが違えば、同じバイストン・ウ
ェルものでも違うルックスになっていくのではないか、と
いうこと。そういう所にこちらの描きたいことがあるんで
すよ。
24815:03/02/06 10:44 ID:???
Q:次はゲームのことについてお聞きしたいのですが、セ
ガバンダイの件を何かご存知ですか。
富野:全然知りません。危機感も含めてそういう話をサン
ライズ(サンライズはバンダイグループの系列会社)から
は一切聞かされてないんです。つまりどうなるか分からな
いんでしょうね。合併話を聞いた時のサンライズのリアク
ションを見た時、サンライズに組織体としてのダイナミズ
ムが働いていないと感じはしましたけど、その中にいる自
分も、やはり動けないでいるんですから、世の中の全体像
なんて見えませんよ。ここのところが僕が元気になろうと
して、去年(96年)の初め頃から、自分一人でも外に出て
みようと決心した。その端緒になったのが、『ガーゼィの
翼』のノベルとOVAの仕事なんだけれど、それだけでは
駄目だと感じて、『王の心』(角川ノベルス)の仕事もさ
せてもらいました。
 『王の心』は、とても気に入ったノベルスなんだけれど
、ヒットしなかった。読んでもらえないというのはとても
辛い。印税も入らないし、これは地獄です。
 それでも、そういう経験を通して、自分から出ていくこ
とは必要だと痛感した。『ガーゼィの翼』をやりながら幾
つか企画書を書いて持ち歩いてみたら、ようやくサンライ
ズが『ブレンパワード』を気に入ってくれた。本当はサン
ライズと僕の関係って、企画やマネージメントを助けてく
れるはずなんだけど、まるで僕は外注さん。それでもいい
んです。そうしないとフリーのスタッフなんて、黙って口
を開けて仕事が来るのを待つだけだから。それを僕は十年
やってきてしまって、「駄目だよなー」と感じたんですよ
ね。
 それで働きだしたら、『ブレンパワード』は、うまくい
けばこの秋、悪くても来春にはオンエアできるかもしれな
い機会を手に入れられそうになってきた。
25815:03/02/06 10:47 ID:???
 正式発表はまだなんだけど、サンライズ発で、僕の希望
としてはゲームメーカーのセガバンダイにも参加していた
だきたいと思っています。できれば、先に述べた三位一体
の作品にしたいんです。出版と映像のゲームの企画を進め
ていくには、利権の済み分けとか色々な問題はあるんだけ
ど、僕はとにかく作品が作れればそれでいいんです。タイ
トルの登録商標も申請しました。メカデザイナーは永野護。
キャラクターデザイナーは、いのまたむつみになるという
のは面白いでしょ。
 結局、会社レベルの問題に頭を悩ますよりは、実直に仕
事を積み重ねていくというのが、スタッフワークというも
のなんですよ。
Q:現在のゲーム業界にに関してどう思われますか。
富野:今一番気になっているのは、これだけゲームが出て
いるけれども、同じ様なことしかやってないのではないか、
ということです。結局RPGとかアドベンチャーというジャ
ンルも、昔からのスタイルを踏襲しているだけでよしとし
ていると感じます。特にRPGでは容量の問題もあるのだろ
うが、正解のワン・ストーリーに関してはキチッと作られ
ているのに、その枝分かれの部分が見え透いてしまうよう
ですね。このあたりの全体のバランスがよくないのは、ハ
ードの問題かもしれないけれど・・・・・・。操作性など
のシステムを主体として、ストーリーやキャラクターを等
分したプランニングをしている作品は強い実感はあります。
26815:03/02/06 10:48 ID:???
プランナーが自分のやりたいことだけをやっているとか、
好きなキャラクターを動かしたいという感じは、アニメと
同じ問題だと感じますね。ゲームにはプレイヤーがいて、
プレイヤーには色々な人がいるんでしょ。売れているメジ
ャーな作品というのは、全方位的な目配りが利いているん
ですよね。そういう目配りの利いてるゲームを作るために
は、まずゲームオタクだけと、物語オタクだけではダメな
んです。でも実際はそんな人たちが決定権を持っているか
ら幅の狭い物しかできない。例えばリアルガンダムのゲー
ムにしても、何でここまで映像に手間と容量をかけて、ゲ
ームをつまらなくしているのかな、と感じました。要する
にあれは映像オタクが作ったからです。ガンダムを作って
いるメンバーというのは映像指向が強い。それがゲームを
つまらなくしているんです。その辺りをもっと分かって欲
しいですね。ゲーム機の前に座っているプレイヤーが一体
何を望んでいるのか、キチッと想像できてないですよね。
もしくは決定権を持っている人がそういう人たちで、プラ
ンナーも意見も黙って取り入れざるを得ないということも
あるかもしれない。けれど根本的な原因は、スタッフ教育
ができていないところにあるんでしょうね。セガバンダイ
の合併話についても、そういった所が象徴的に現れた結果
だと僕は思っています。どちらの会社も、本当の意味で全
方位的にソフトを供給できる会社ではなかったのではない
でしょうか。プロデューサーやディレクターの下に才能が
集まらなかった何かがあると感じています。そのことは末
端の技術者までが承知していなければならないと思います。
今一番重要なのは、色々なことを総合的に見ていって、ど
ういう作品を作るか、どうすればプレイする人たちを元気
にしてあげられるかを考えることではないだろうかと思っ
ています。
27815:03/02/06 10:52 ID:???
Q:最近、特に気になる社会現象などはありますか。芸能
界とか。
富野:最近のことはよく分からないんです。好きなタレン
トでもいればいいんだけど、いませんし、いいと思う子は、
名前を覚えられなくてね。突出したキャラクターがいない
時代なんですね。これには原因があって、システムがいけ
ないというのは前から言っていたけど、実は人間がシステ
ムになり始めているのが最大の問題でしょうね。いまだに
マリリン・モンローの人気が根強いのは、このようなキャ
ラクターというのを、我々が失っているということなんで
しょう? 例えばイヤな事というのに、在京テレビが発信
しているバラエティー番組のメンバーが、同じような人ば
かり出ているというのがありますね。そしてその中に入っ
ている顕著な新人が見当たらない。これはつまり、今の時
代に生かされている人に、そういう力がないんだろうとい
うことです。テレビに出ている、いないに関係なく、昔と
スターの現われ方が違う。安室なんかもスターなんだろう
けど、スターって感じがしないよね。人間は本能的にカリ
スマ性を持った人を欲しがっていると思うんです。それが
出てこないというか生み出していけない時代というのは、
かなり鬱屈としているという気がします。本当の意味での、
人としてのパワーでやっているというのがないんですね。
 小室にしてもユーミンにしても、ミリオンを売るCDがあ
っても、それが時代の象徴にならないというメカニズムが
働いている現代というのは、異常だと感じます。なんでこ
うまで鬱屈して閉塞感があるのに、儲ける奴は儲けている
のか、という時代の構造は、一番イヤなことですね。
28815:03/02/06 10:54 ID:???
 かつて美空ひばりの最後の公演に、本当に偶然なんだけ
どカンが働いて、「これが最後かもしれない」と思って見
に行ったんです。美空ひばりはこんな小さくしか見えなか
ったのに、好き嫌い抜きでスゴいと思った。こういうのが
オーラなんでしょうね。田中角栄もそういう人物の一人だ
った。あるパーティーで見たことがあるんだけど、見てい
るだけでスゴいと感じたからね。捕まった時は、本当に残
念でしたね。
 最近話題になることは、大体悪い事ばかり。これは社会
全体が疲れているからだと思う。笑っちゃうようなことが
ニュースにならないのは、社会全体がヴィヴィットじゃな
いからでしょう。それを何とかするためには、とにかくイ
ケイケという感じで何かを始めてみるようなことが必要な
んじゃないでしょうか。


お忙しい中、ご協力ありがとうございました。
29通常の名無しさんの3倍:03/02/06 11:47 ID:???
あかほりとトミーの対談ってないの?
30通常の名無しさんの3倍:03/02/06 13:18 ID:???
長げぇ〜!こりゃ読み応えあるな。
815氏お疲れ様でした。
31通常の名無しさんの3倍:03/02/06 16:40 ID:???
インデペンデンス・デイ(96年)で何か感じるものがあり
タイタニック(97年)で吹っ切れたということなのか。
エメリッヒとキャメロンには感謝しないといかんかもしれんな。
32通常の名無しさんの3倍:03/02/06 17:23 ID:???
お疲れ〜
すげ・・・なんか身につまされるなあ
33通常の名無しさんの3倍:03/02/06 17:54 ID:???
庵野をこき下ろすのは、富野ヲタの健康に欠かせぬ娯楽であり、血行を良くするのにとても役立つ。
34通常の名無しさんの3倍:03/02/06 18:08 ID:???
>>33
富野信者は庵野を叩かねえよ。奴も仲間だからな。
おまえは前スレに残って穴埋めでもしてろ。
35通常の名無しさんの3倍:03/02/06 18:20 ID:???
>>34
33じゃないのだが。
確かに仲間だよね。うん。
36自治厨:03/02/06 19:25 ID:???
まぁ、認めたくない奴もいるだろうけど、庵野は俺達富野信者から生まれしものだからな。
よく俺が監督した方が〜とか俺が作った方が〜というのを聞くが、
間違いなくエヴァや種よりもつまらなく、くだらない物しか作る事ができないだろう。

まぁ、そういう話は今後↓のスレでやればいい。意味もなく叩くだけの行為をここでするのはやめよう。
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1044116929/
37通常の名無しさんの3倍:03/02/06 22:14 ID:???
種か
38通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:01 ID:???
種よりつまらなくってかなり難しくないか?
39通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:41 ID:???
∀GUNDAM the MOVIE SOUND TRACKS〜 惑星の午後、僕らはキスをした〜より

私信より

                   菅 野 よ う 子 様

 ポーランド、クラクフの街路樹の下、粒立った陽ざしのなかに、あなたの赤いランド
セルがゆれていたのを忘れることができません。八年も前のことです。狐のようだけ
ど、狸のような愛嬌のあるお顔。それが、次に、アウシュビッツのガス室からの帰り道
の草地のなか、おなじような明るい陽射しにゆれていましたね。
 陽射しはあっても、秋が深まった強制収容所の史跡の風は冷たくて、ぼくと妻は、
かつてゲシュタポの士官たちが暖をとっていたであろう三階の監視室のガラス窓
から、あなたのお姿を見下ろしていました。その部屋の物たちは、その陰影を無理に
強くして、かつての歴史を語ろうとしているようでした。
40通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:42 ID:???
 ぼくはあのような史跡の意味を体感できる世代のつもりですが、あなたはあの物
たちを正面から見つめようとなさりながらも、とまどっていらっしゃると拝察したもので
す。ですから、ぼくは、あの物たちの陰影は影ではなく現実なのだとお話したかった、
という記憶がございます。それができなかったのは、あのときは、あなたが何者か
知らされていなかったからです。
 そして、今、スタジオで『月光蝶』のための楽曲を耳にしながら、あなたは、あのとき
の記憶をご自身のなかで咀嚼なさったと感じ、とても驚いています。BGMのいくつか
には、東京では生まれようがない鋭い旋律がふくまれているからなのです。自覚
なさっているとは思いませんが、体験が記憶になって現在という時に現れるのが
創作だとも考えておりますので、そのように感じてしまうのです。
 ぼくの感じすぎかもしれませんが、そのようなものをあなたは『∀ガンダム』という
作品に与えてくださいました。ありがとうございます。
41通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:43 ID:???
 ガンダムという作品は、リアルタイムであれ、フィクションのなかであれ、少なからず
歴史というものがございます。あなたは、その歴史感覚を∀の作業をとおしてご自身
のものになさり、かつ、人の歴史の感触をガンダムにあたえてくださって、ガンダムと
∀を“事実”にしてくださいました。それはとても嬉しいことで、創作をするということ
を教えてくださったとも感じております。
 そして同時に、あなたはぼくに才能というものを愛し、それに嫉妬することも教えて
くださいました。嫉妬することは苦しいことですから、そのような才能には出会わずに
平穏な人生であったと回顧したかったのですが、その夢はぼくの手からはこぼれ
落ちてしまったのです。それでも、命が豊かになることだと自覚できるようになれば、
悦びでもあると呑み込めるようになりました。
42通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:44 ID:???
 だからといって、あなたが完璧な女性だとも思っていないのは、その才能ゆえでも
あるのですが、“おまえは仕事をしていても遊ぶときがあるんだよね”と、腹のなかで
ののしったりすることがあるのです。
 それでも口惜しくも、演奏者をまえにして指揮をなさっていらっしゃるときのあなた
の一挙手一投足は、どれほど拝見させていただいていても飽きることがないのです
から、“おまえ”呼ばわりした覚えなどはないとも断言できるのです。
 いとしくも愛するあなたへ、永くご自愛くださいませ・・・・・・。

                                       富野由悠季 まゐる
43通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:45 ID:???
返  信

私は、辛い思いをしたことがありません。
おじいちゃんもおばあちゃんも既に亡くなりましたが、命の順番に還っていきました。
身近な人の理不尽な死や事故、悪意、もちろん戦争による別れの経験もありません。
だから、富野さんがかつて、自分を痛めつけ過ぎて、家から一歩も出られないような
数年間を過ごされたと聞き、そんなにまで傷つくということがどういうことなのか、想像
もできませんでした。
奥さまが、「それでも、<コンクリートの上じゃなく>土の上だけは歩けたのよ、気持ち
いいって。」と、その時のことを話して下さいました。でも監督は、そう思ったことすら
覚えてない、と、おっしゃっていました。数年間、霧の中にいたような感じだと。
傷ついた心の有り様を思いやるのは、私には難しく、それよりも、心を閉ざしていても
足のウラは土の柔らかさを覚えていたということに、人間の不思議を感じました。
ターンAという作品に関わりながら、私は、富野さんがいっとき癒された、土を踏んだ
ときのハダシの感覚のことを、ずいぶん長いこと考えていたように思います。
44通常の名無しさんの3倍:03/02/06 23:46 ID:???
クラクフで収容所跡を訪ねたとき、誰かを痛めつけてやろうという暗い情熱を何年も
ずっと持ち続けることは、私にはできないと思いました。
それが他人に差し向けられたものでなく、自分自身を傷つける力だとしても同じこと
です。幸せな者が思わせぶりに悲しみを語ったところで、それは下品なこと。
不幸を知る人にも納得してもらえる音にするために、と、眉間にしわを寄せるうち、幸せ
であること、今ニッコリと笑えるということを恥じている自分に気づいたりもしました。
私は愛されて育った記憶があり、何か大きな力に守られていると感じていて、土の
暖かさを知っている。そんな音を、富野さんに届けたかった。わたしがそうである、
というより、すべての人間に、そう感じる権利があるという思いを込めて。
文章は本業ではないので・・・・。
劇場版のエンディングに流れるすべての曲たちが、ラブレターへのお返事です。
また、一緒に遊びたいな。

                                          かんのようこ
45通常の名無しさんの3倍:03/02/07 00:23 ID:???
ええ話じゃ・・( ´Д⊂ヽ
46ろろろん:03/02/07 01:01 ID:???
>>815さん おつかれさまっす。 

47通常の名無しさんの3倍:03/02/07 01:31 ID:???
このクラクフ云々ってのはVのレコーディングの時の話だろうな。
違うかな?
48通常の名無しさんの3倍:03/02/07 01:50 ID:???
∀じゃないの?
49通常の名無しさんの3倍:03/02/07 03:10 ID:???
>>47
恐らくそうでしょう。
>>39-44
それにしても泣けたよ。
50通常の名無しさんの3倍:03/02/07 06:18 ID:???
>>25の"セガバンダイ"と言うフレーズに刻の涙を見た。
51通常の名無しさんの3倍:03/02/07 08:38 ID:???
ハゲ、救済ageしてやる







いつまでもお元気で
52815:03/02/07 19:46 ID:???
>>39-44
すばらしい! トミノ×カンノの交換日記を
どこかで連載しないかな? と思うくらい感銘を受けました。
53通常の名無しさんの3倍:03/02/07 20:07 ID:???
上の記事、いいインタビュアーですね。面白かったです。
下のトミノ×カンノ、失礼ながら爆笑させていただきました。

ハリコしてくださる方、激しく感謝です。
54通常の名無しさんの3倍:03/02/08 01:18 ID:???
  言 葉

Q:まず、「リーンの翼」の最終原稿を脱稿されたすぐのお気持ちはいかがですか。
富野:まあ、抜けたな、という感じだけです。
   それ以外の思いというのはなにもありません。
Q:でも、たのしい仕事だったでしょう。
富野:とても楽しかったですね。角の立つ言い方なんですが、
   今まで小説らしきものを書かせてもらったことはあるけれども、
   それはすべてテレビアニメのノベライゼーションでした。
   こういう白紙の状態で書かせてもらったのは初めてなので、
   おしりもない何もないという、とても自由な条件でやらせてもらって、
   その自由さの中でどこまで自分がまとめることができるか、
   書くことができるか、ということを楽しめたと思います。
Q:これまでは、バイストン・ウェルの世界を、映像化を前提に考えられていたのが、
  それを、「リーンの翼」では文字で表現しなければいけない。
  その点でのご苦労はありましたか。
富野:そのことについて言えば、究極的には映像を使って文字を表現するものと
   文章を使って表現するものとの違いということになります。
   初めは、画でやった方が楽だなというような、いらだちはありました。
   けれども、それもせいぜい「野性時代」連載時一、二回あたりまで、
   以後そういうことはまったくありません。
   しかし、基礎学力がないところでかいているために、
   こちらの思いちしてはいろいろあるのに、
   それを文章家できないという問題はありました。
55通常の名無しさんの3倍:03/02/08 01:19 ID:???
Q:つまり、映像と文章という比較ではなく、文章を書くということの中で
  やっぱり書き切れなかったことはあると。
富野:ええ、もう山ほどある。
   先程言った基礎学力ということにも関係してきますが、
   たとえば"土間"を表す日本語に"たたき"というのがありますね。
   では"土間"と"たたき"がどう違うのかという部分は、今、
   "土間""たたき"も知らない子供たちにたいして
   文章だけで示すことはとても難しい。
   けれども、映像で示すのはすごく簡単なんです。
   活字を、つまり言葉を使って表現するというのは、
   まさにそういう一つの事象を表現している言葉が
   世の中にいっぱいあるわけだから、
   極端な言い方をすると、それを全部知らなければ、
   一つの事象さえも表現出来ないんじゃないのか、そうした意味では、
   ほんとうはこういう小説を書いちゃいけないんじゃないのかということを
   つくづく感じました(笑)。
Q:言葉と対象物との関係に関してはそうかもしれませんね。
  では、言葉と感情の関係についてはどうお考えですか。
   
56通常の名無しさんの3倍:03/02/08 01:19 ID:???
富野:それはね。今回「リーンの翼」をやってとてもよく分かったことがあるんです。
   人間の話す言葉というのはあまり正確に感情を表現するものではないということが
   とてもよく分かった。だから言葉の問題は、一人のキャラクターの、
   表面的、表層的にある感性で表現しているものであって、
   本気で自分の言葉を話せる人がどれだけいるのかは疑問だということが
   「リーンの翼」を書いていてとてもよく分かりました。
   言葉と物の現れ方、それから人の現れ方がこんなに(両手を広げて)あるんだよ、
   という話が「リーンの翼」のテーマでしたから、
   こんなものなのよ(再び両手を広げて)というふうに……。ただ、そうは言っても、
一つ、ほんとにその人が知力をもって言えば,
もうちょっと上手に表現することができたのではないのかなという、
   予感と悔しさがある。
   特に、「リーンの翼」の最終章で他人の詩を何本か使わせてもらったけれども、
   あれを引用するにあたって、やはりそのへんのことをつくづく感じます。
   なんだ、こういう詩があるならば、
   それこそ六巻の物量を書く必要はなかったんだと。
   だけど、その詩の込められている背景がその詩だけで全部見えるかといったときに、
   やはり六巻という物量が要ったのかな、
   言葉と事象の現れようにはそれだけの埋めるべき部分もあるんじゃないのかな、
   という気もした。


続く
57通常の名無しさんの3倍:03/02/08 11:36 ID:???
あげ
5854:03/02/08 13:12 ID:???
文量が多いんで、やっぱり打ち込むのやめてスキャンうぷしようと思います。
(誤植もあるし)
59通常の名無しさんの3倍:03/02/08 14:52 ID:???
皆さん乙。
いつの間にかとてつもなく良スレだな。
自分も何か見つかったら打ち込むよ。
>>58
乙〜。スキャンかなりありがたいっす。
60815:03/02/08 15:05 ID:???
今日はトミノのゲーム関連インタビューでも
打ち込んでみようかと。3つあります。
61富野vs遠藤:03/02/08 15:06 ID:???
「バンダイ完全必勝ブック機動戦士Zガンダムホットスクランブル」より
富野由悠季vs遠藤雅伸

Zガンダムを作って本当によかった

橋本名人:ぼくとガンダムのつきあいは、わりと長いん
ですよ。出会いは昭和54年4月、機動戦士ガンダムの第1
話「ガンダム大地に立つ」を見た時なんです。だからも
う7年になるんです。
富野由悠季:アニメ専門誌の編集記者をやってらっしゃ
いましたよねえ。
橋本名人:ええ。その頃は、ガンダムを取材する側だっ
たわけですね。
遠藤雅伸:それが今では、取材される側になった(笑)。
橋本名人:ええ(笑)、バンダイに入社して最初はパソ
コンゲームの開発。そして今回、遠藤さんと組んで、Z
ガンダムを手がけました。なんだか自分の話が長くなっ
てしまいましたが、今回はZガンダムのオリジナルスト
ーリーの生みの親である富野由悠季さん、そしてファミ
コンソフトとしてのZガンダムの生みの親である遠藤雅
伸さん。つまり2人の生みの親に集まっていただいたの
で、わが子であるZガンダムについて大いに親バカ自慢
をしていただこうと思うんです(笑)。
 まず最初は、プレイヤーが一番気になるところ、つま
りこのゲームの出来ばえから、どうでしょうか?
遠藤雅伸:親バカ自慢なんてすると照れちゃうけど、自
慢とかそんな意味じゃなくて、かなりハイレベルなゲー
ムになっていると思いますよ。なんて言うかなぁ・・・。
ちょっと抽象的な言い方になっちゃうけれど、ガンダム
やZZガンダムじゃなくて、やはりZガンダムを作って
よかった・・・。
62富野vs遠藤:03/02/08 15:06 ID:???
簡単でいて奥の深いゲームですよね

富野由悠季:そうですね。出来上がったゲームを見て、
私もそう思いました。遠藤さんがおっしゃったように、
ゲームのプログラムとしては、かなり内容が濃いですよ
ねえ。それでいて、実際にプレイしてみると、わりとス
ンナリとゲームに入っていけますよね。
橋本名人:つまり、それほどゲームなれしていない人で
も、すぐ楽しめるみたいなところですね。
富野由悠季:もちろんそうです。それでいて、ゲームな
れしたプレイヤーも手こずらせるような奥の深さも兼ね
備えていますね。このまったく反対の2つのテーマを両
方クリアしなければ、本当に“遊び”の要素を満たすフ
ァミコンソフトにはならないと思います。スーパーマリ
オなんかは、その条件をクリアしたいい例ですが、Zガ
ンダムも、そのレベルにいってるのではないでしょうか。
橋本名人:富野さんにそんなにおほめいただくと、かえ
って恐縮しちゃいますよ。でも、それだけのソフトを開
発された遠藤さんのご苦労は、並み大ていじゃなかった
と思いますが。
遠藤雅伸:やはり、制作する過程で、敵の処理のしかた
に苦労しましたね。それと、Zガンダム自身を画面に出
さなければならないということに。
富野由悠季:自分が何に乗って戦っているのかという不
安は、プレイする人には必ずある。それがないとゲーム
には集中できない。そのあたりの心理は、アニメの主人
公に対する感情移入と同じでしょうね。
63富野vs遠藤:03/02/08 15:06 ID:???
ほとんどファミコンの限界作品です

遠藤雅伸:まったく同感ですね。特にZガンダムのファ
ンは、本当にマニアックにZガンダムを愛している人ば
かりですから、その方々の熱い思い入れに応えなくちゃ
ならない。アニメだと、わりと簡単に表現できちゃうこ
とでも、ファミコンにプログラムしようとすると、かな
り困難なものもあるんです。
橋本名人:ほう、たとえばどんなことですか。
遠藤雅伸:そうですねえ・・・、例えばビームの表現の
しかたなどがそうですね。アニメで見ると、ビームの先
端が丸くなってるんだけどこれの表現が、どうにもでき
なかった。
富野由悠季:このゲームは、3Dスタイルをとっているし、
動きもかなりスピーディですから、細部の表現というの
は、本当に大変だったでしょうね。
遠藤雅伸:作っている時のコンピュータは高画質のもの
ですが、実際に家庭のファミコンでプレイした時に、作
った時と同じように見えなければならないわけですよね。
すごく簡単そうなことなんですが、実はそのギャップを
どううめるかということが、大問題なんですよ。
橋本名人:ほとんどファミコンソフトの限界近くまでい
ったみたいですね。
遠藤雅伸:データ量としていえば、スーパーマリオの4
倍ありますからね。特にがんばったのがアトラクト・モ
ードとキュベレイのグラフィック。キュベレイは昔から
一番好きなキャラクターだったもんですから(笑)。
64富野vs遠藤:03/02/08 15:07 ID:???
これからは世界に通用するソフトを

橋本名人:ファミコンブームの中で、それだけハイレベ
ルなゲームが完成したとなると、なんだか自社製品のP
Rみたいで恐縮ですけど(笑)・・・・・・。
遠藤雅伸:こういう機会ですから、もっとPRしちゃい
ましょう(笑)。
橋本名人:ええ、じゃあ、そういうソフトが登場したと
いうことで増々ファミコンに感心が集まると思うんです。
そこで、これからのゲームはどうあるべきかということ
について、ちょっとお話いただければと思うのですが。
なにか大きなテーマになってしまいますけど、プレイヤ
ーの方々も、きっと興味のある問題だと思うんです。
富野由悠季:そうですねえ、ゲームソフトにしても、映
画や音楽のように、日本だけでなく海外をターゲットと
して、長い目で見た作品作りが必要だと思いますね。生
活習慣の違う国にいっても喜ばれるゲームなんか出来た
らいいですね。
遠藤雅伸:最初に話したゲームソフトに簡単に入りこめ
て、それでいて奥の深い物を、というテーマを追求して
いけば、やはりそんな世界中で喜ばれるソフトの開発に
つながるかもしれませんね。
橋本名人:そうですね。世界中で何億人って人が同じソ
フトをプレイしてるとなると、新しい裏ワザなんかを発
見したときの喜びももっと大きい。世界中の子供たちが、
ファミコンを通してコミュニケーションを持てるかもし
れませんね。
富野由悠季:そうです。ですから遠藤氏みたいな若い人
に、これからもっといいゲームを作ってもらいたいと期待します。
橋本名人:ファミコンの明るい未来が見えたところで、
そろそろ終わりにしたいと思います。お2人とも、今回
はありがとうございました。('86年9月18日/富野氏仕事場にて)
65ガンダムミレニアム:03/02/08 15:09 ID:???
ロマンアルバム GaZOスペシャル ガンダムミレニアムより

富野監督、ゲームを斬る!

現在、各ゲームメーカーの発売ラインナップに「∀」の文
字はない。富野監督に聞く、「∀」はゲームになるのか、
ならないのか!?

コンピュータゲームの限界は
そんなものなのか!

富野 簡単に言うと、今、存在しているゲームのことしか
考えなかったら「∀」のゲーム化は無理です。ゲーム製作
者が考えているゲーム論というのは幅が狭いからです。こ
れだけ数が多いということは、名前を変えるだけで別のゲ
ームとして発売しているようなものも多いわけですから、
そういう範疇で考えると、「∀」でゲームを作るのは難し
いと言えます。だけど、コンピュータゲームは今出ている
ものが限界なのか? これは3年くらい前から、僕の課題
なんです。他に違うものが出来る可能性があるんじゃない
か。ゲームはそんな程度じゃないぞ、と言いたいんです。
また現在、ゲーム製作している人たちに関して言えば、そ
こから新しいアイデアが生まれるわけがないとも感じてい
るんです。
― ジャンルに縛られているからですか。
富野 まったくその通りですね。
66ガンダムミレニアム:03/02/08 15:10 ID:???
― その縛られている中では「∀」のゲーム化は難しいで
すよね。
富野 ひどい言い方をされますからね。「『∀』なんて、
キャラクター性がないもの」と。ゲームってそんなものか
な、と思ってしまいますね。
 僕は根本的にゲームは嫌いなんです。そのひとつには、
自分は勝負ごとが下手だからという理由があるからですが、
それだけで誤解しないでほしい。その次にあるのは、ゲー
ムに現実逃避を思わせるところがあって、そのモーション
を加速させるようなことでしか心理的に働かないのではな
いか、と思っているからです。だから、ゲームの話には興
味がないんです。
 と言いながらも、ゲームで期待するのは、楽しく15分で
終わるならいいと思う。ですが、ゲームに縛られるという
脅迫観念があって、強い魅力を持ったゲームはいかがなも
のか、とも思うんです。例えばRPGを何とか遊ぼうとした
んだけど、とにかくできないのは、プレイの中で自分に啓
発されるものがなく、ゲーム中で勝利者になるセンスがな
いんです。勝ってもお金を儲けさせてくれませんものね。
 将棋や碁は他者と空間を共有して勝負しなければいけな
いという暗黙のルールのもとに成り立っているわけです。
コンピュータゲームが怖いのはそういった要素がないとい
うことで、カプセル感を加速させますよね?
67ガンダムミレニアム:03/02/08 15:11 ID:???
― 勝負のないコンピュータゲームも増えてきていますが。
富野 だから、ますます現実逃避が加速するんです。完全
に社会逃避者を作るための仕掛けなわけで、それはゲーム
ではないと思います。バーチャルな世界が現実の時間を支
配することで、人間を退化させていく道具だと思うのです。
現実にSF的な部分の危険度が増していると感じます。
― ネットワークにつながることで、それはますます加速
すると思いますか。
富野 加速するでしょうね。ネットワークの持っている性
格は、生産性が低下するというような資本家のようなこと
は言いません。重要なのは、そういうことを享受していく
ことによって退化していき、自己というものをそこまで捨
てることができる人間だったら死ねよ、という一言です。
病気を加速させるシステムだってことを後で気が付くとき
があると思いますし、人間ってそこまでバカでないと思い
ますので、ゲーム脱けをする時代も来ますね。
68ガンダムミレニアム:03/02/08 15:11 ID:???
これからの時代に
必要になってくるゲームとは?

富野 それでも、女房とずっと遊んでいるゲームがありま
して「パズルボブル」なんですよ(笑)。飽きているんだ
けど30分遊ぶのにぴったりなんです。「IQ」は3ヶ月遊ん
だら、見向きもしなくなりました。買ったときは「これは
ゲームの革新かもしれない」と思ったけれど、あれには欠
陥があるんですよね。
― それは何ですか。
富野 再現性がない。いちいちスタートから始めなくちゃ
いけない。その程度のプログラムは仕組んでおけよ、と腹
が立ちました。最高得点を表示するのが関の山で、いつも
始めからではあまりにふざけてないか、と思いました。だ
から意地になって最後まで遊んだんだけど、ソフトを提供
していく作り手の錬度が見えないんですよね。こういう入
り方もある、こういう遊び方もある、という様々なプレイ
ヤーがいることを考えていない。雑誌は、律儀に1ページ
目から読みませんよね。そういった想定ができないのは、
業界が若いからとも言えるけど、基本的な考えがデジタル
なんですよ。
69ガンダムミレニアム:03/02/08 15:11 ID:???
― ほとんどのゲームはスタートから始めなくちゃいけな
いと考えていますからね。
富野 そうですね。1ステージが面白いか、と言えば必ず
しもそうではない。だったら時間を無駄にせず歯ごたえの
あるステージから遊べるようにしろ、と言いたいですね。
ゲームには極めて幼児的な問題があるんだけど、コンピュ
ータに入力する作業が高度に見えるから、上等な作業をし
ていると誤解しているスタッフが多いですね。本当はイン
ターフェイスとは何かを全くわかっていない人たちが作っ
ていると思います。現在のRPGに代表される長大なCD3枚や
ら4枚やらのゲームが、ゲームだとは思えません。2時間、
3時間も大人が拘束される遊びなんてないんですよ。そん
な時間があるなら、SEXしてろよと言いたい。口説いたり、
ふたりで気持ちよくなった方が絶対健康なんですよ。僕に
とってSEXはドッキングしています。ものすごく乱暴な言
い方だけど、コンピュータゲームはいつまでもあるものじ
ゃないと思っています。
70ガンダムミレニアム:03/02/08 15:12 ID:???
 僕はゲームをバカにしているわけではありません。興味
はあるし、参入もしたいと思っているんだけど、20代の頃
にCMを作っていて感じた「個」を抹殺する抵抗感をゲーム
からも受けるんです。CMと違って、ゲームにはある種の作
家性が出ることもわかっていますけど、プレイステーショ
ン2を見たときに、これはゲームとして高度ではなく、も
っと優しいものが必要だろうと思いました。幼児とまでは
言わないけど、低学年向けの情操教育まで関与し、弊害に
ならないゲームとはどんなものかという点に、僕は一番興
味があります。これは最大のヒントなんだけど、言います。
きっとそういうシンプルなものは、ボケ老人にとっても良
いものなのではないでしょうか。ゲームはシンプルなもの
だと、皆さん知っているハズなんです。僕が一番、驚くの
は碁です。あれほどシンプルで、大人が一生遊べるゲーム
とはなんだろう、と思いますね。あんなシンプルに作られ
たら、アレを目指すしかないんですよ。なのに、なんでガ
サガサしたガンダムのゲームが出てくるのか、僕にはよく
分からないんです。
71富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:18 ID:???
週刊ファミ通(3/24?)より

富野監督にインタビューしました!

『∀』は“正攻法”で、
“ファースト”は異端だった

鈴木 『∀』のシナリオを最終回まで読んで、ラストシーン
に『Vガンダム』(以下、『Vガン』)を思い出したんですよ。
『Vガン』では、戦争が終わって、みんな武器を捨ててふつう
の生活に戻っている、という姿を描いていましたよね。
富野 う〜ん、その読みかたは、ちょっとだけ“そそっかしい”
と思いますね。『Vガン』と物事の流れが同じように見えるか
もしれませんが、精神構造みたいなものが根本的に違います。
思い返すと、僕がいちばん“病気”しているときに作ったのが
『Vガン』なんだな、ということがわかったんですね。
鈴木 精神構造というのは、監督自身の精神構造のことですか?
富野 そうです。だから『Vガン』と『∀』、作り手と作品の
関係みたいな話になったときに、その“立ち居様”みたいなも
のも、根本的に違っていると思います。もっと言えば、物語を
作るにあたって、『∀』では“正攻法”の作りかたをやってみ
た、というのがいちばん正しいと思います。アニメに関して言
えば、この10年ぐらいでアニメ自身が特化されてしまって、ア
ニメのアニメたる作品しかなかった。ところが「“作品を作る”
とか、“世間様に発表するモノ”というのは、そういうもので
はないんじゃないか?」という疑問が、自分の中に出てきたか
ら、“作劇論ろしての正攻法”を、やってみたいと思ったんで
す。アニメとして偏ってる作品がいっぱいある中に“正攻法”
を持ってくると、それが“異端”に見えるという利点もありましてね。
72富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:18 ID:???
鈴木 それは最初の『ガンダム』を作ったときと比べても?
富野 うん、そうです。『∀』のほうが“正攻法”です。“フ
ァーストガンダム”の時代には、ハッキリその“正攻法”を否
定するという方向で仕事をしました。“ファーストガンダム”
の時代までの、脚本家にしても、あるいはひょっとしたら演出
家にしてもなんだけど、モビルスーツのコクピットを舞台にす
るってことを、ほとんど考えてなかった。だからモビルスーツ
を物語画面の中に持ち込むってことを、必死でやりました。
鈴木 最初の『ガンダム』のときには、ホントにもう、脚本家
や演出家を教育するっていう、なんにも道がないところを行く
ような作業だったわけですよね?
富野 もちろんそうです。
鈴木 その後20年経って、そういうところがすっかり畑になっ
てしまって、それこそ宅地になったりしてるところに・・・・・・。
富野 “正攻法”を持ってくる。
鈴木 それが当たり前だと思ってる人たちを、今度は逆に森に
連れて行くような作業なわけですか?
富野 うん。せめて「全部がプレハブの家じゃねぇんだゾ!」
っていう、“ハンドメイド”を見せたかったんです。『∀』で
はそれが、ある意味で僕にとっての“正攻法”論なんだってい
うことです。
73富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:19 ID:???
魚をさばくことが
できますか?

鈴木 シド・ミードに∀のデザインを依頼するときに、監督は
デザイナーの基礎体力が低下している、という話をされていま
したよね。そういうモノを描く体力が、絵描きやメカデザイナ
ーは低下してるんだっていうようなお話があって。それは脚本
家とか、ほかの部分にも感じられますか?
富野 もちろんです。メカデザイナー、キャラクターマン、ア
ニメーター、背景マンの、技量とか感性だけの問題じゃなくて、
じつは生活すべてに関して、我々はすごく脆くなってる。つま
り“生体力”が落ちてる、と僕には思えます。例で言うと、
「お魚さばくことができますか?」ってこと。
鈴木 あぁ、はい。
富野 あれは、ハラワタ取るために、まず出刃(包丁)の先を
(魚の腹に)入れた瞬間に臭ってくるとか、“グチャッ”って
感触があるっていう感覚は、ラップに包まれたものでは想像で
きないでしょ? レトルト食品になったら最後、なんにもわか
らないうちに食っちゃえるようなものになっている。そういう
我々の、なんていうかな、まさに基礎体力、基礎学力、そうい
うものが低下してきている。デザイン面に関して言えば、モノ
の形の“基礎の形”を知らない。それは絵にいくらでも出てき
ます。アニメだけでなく、いまやCGの世界もそうなんだけれど
も、現実とはまったくかけ離れているところで、勝手にバーチ
ャルなものを作れるという感覚だけが研ぎ澄まされていって、
そういう人間が作るものは、基本的に“基礎体力がある”とは
思えないんです。だから、不特定多数の観客なり視聴者なりを
相手にしたときに、彼らに「フンッ」って思わせないためには、
まだ僕は、まだまだ絵空事だけではいけないと思うんですよ。
7454:03/02/08 15:19 ID:???
>>2のサイトにうぷしたものの、二重投稿禁止とでてしまった…つД`;)
75富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:19 ID:???
キエルのスカートを
めくってみたい!

鈴木 キャラクターについてお聞きします。いま、キャラクタ
ービジネスがすごく肥大化してると思うんですよ。それはゲー
ムも同じで、突き詰めていくと、話はどうでもいいけどキャラ
は好きだ、とか、キャラクターがかわいければいいとか、そう
いう世界まで行っちゃってると思うんです。『∀』の場合、そ
ういうあざといキャラ重視の作りかたではないってことを、か
なり感じるんですが?
富野 それは違うと思いますよ。売れるキャラクターを目指し
てます。『ストリートファイターII』キャラクターを描いた安
田くんの手描きの絵を見たら、ものすごくアナログであるって
ことがわかって、彼のキャラクターには根源的な力があるんだ
ろうって思ったんです。僕が思うに15年まえに、『エルガイム』
で永野護くんを使って以来、そういう根源的な力のあるキャラ
クターを描ける人と出会えなかった。安田くんが描いた絵を見
たときに、この画力があれば絶対に売れる、と思った。鈴木さ
んを通してファミ通を読んでいるような人たちに言いたいのは、
基本的にスケベ根性があるからこうできてるんだよ、というこ
とは忘れてないので、好きになって、ということです。
鈴木 そのスケベとは、要するに“生きる”ってことの!?
富野 そうじゃない。もっと単純なエロティシズム。それも絢
爛豪華なエロティシズムです。僕も安田くんも。それを目指し
てるんです。安田くんなんて僕よりもっとスケベだから、この
絵が描けてるんです。とにかくエロティシズムを目指したい、
エロでありたい。と思えば思うほど、ディアナ様とキエルはあ
あいうふうに動く。僕ね、自分が演出してるんだけれども、実
際に音声まで入った絵を観たときに、ホンっト、「キエルのス
カートめくりたい!」って、こんなに思ってのは初めてです(笑)。
76富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:20 ID:???
鈴木 今回、やっぱりディアナとキエルが主役でしたよね。ま
ぁロランは狂言回しっていうか・・・・・・。
富野 そりゃそうです。あんなのただの狂言回しです。って、
いま鈴木さんと話してるような話が、アニメ雑誌の取材の人と
一度も話せなかったんですよ。こんなにいいキャラクターがテ
レビアニメでもできたんだぞって言いたいのに。僕の場合、バ
ーチャルな部分とリアリズムの部分がかなりシンクロしちゃっ
てるんだな。僕は奥さんいますから、ここまでキエルさんに惚
れたら奥さんに対して申しわけないと思ってるくらい。
鈴木 じゃ、かなりリアルであり、かつバーチャルである?
富野 そう(笑)。


※実際の富野監督は文字になった分量の20〜30倍をしゃべって
います。伝えられない部分が多くて申しわけない。でも監督の
“物作り”の姿勢の一助になってもらえたら、成功です。次回
はゲームについて語ってもらうことになります。
77富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:20 ID:???
週刊ファミ通(3/31)より

2週連続! 富野由悠季監督インタビュー(ゲーム編)!

それは“新しいゲーム”
じゃないんだよ!

富野 いまの“電気屋さん”たちの開発論ってのは、ムービー
とか、見た目の派手さを極限まで特化することでものすごくが
んばってるんだけど、悪いけど、しょせんモニターの中のこと
で、それで人間が、いつまで気持ちいいかといったらアヤシイ
ですね。
鈴木 ええ。それと同時に、ゲームに限らず、開発側もユーザ
ーもオリジナルを求めたいっていう気持ちと同時に、フェイク
のほうを喜ぶ人間ってのもいっぱいいて、実際の現象として、
フェイクのほうが売れたりするんですよ。
富野 わかってますよ。ひとつの視点から見た企画論でしかな
いっていうのが、いまのゲーム業界でしょ。僕は基本的に、将
棋なのか碁なのかっていうぐらいに違うものを生み出さなくち
ゃいけないのが“ゲーム企画”だと思うんですよ。だけど、そ
れこそファミ通なんか読んでて僕は不思議に思うんだけど、そ
ういう根本的なことをなんにも改革してないゲームがあとから
あとから出てくるってのは、こりゃいったいなんなんだろうか?
っていうこと。
鈴木 はいはいはい。
78富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:21 ID:???
富野 どうしてもわからない。つまりそれは“創作する”って
こととはまったく違うよね。なのに、それが新しい企画である
と勘違いしてる青少年がいる。そういうのは「ほとんど殺せよ!」
って思っちゃうんだけど。僕、間違ってる?
鈴木 (笑い合って)おっしゃるとおりだと思いますねえ。け
っきょく、いまゲームを作るにあたって、たとえば、「自分が
自由に空を飛ぶような感覚をゲーム上に再現したい」っていう
ような、理念を持ったうえでゲームを作ってる人が少ないから
なんですよね。
富野 そうそう。
鈴木 ただ単に、フライトシミュレーターっていうジャンルが
存在して、いままではF-15で飛んでいた。それがF-16になった
からとか、F-22になったから、「じゃあそうしよう」と。そう
いうふうにゲームを作ってるんですよね。
富野 うん。でも、それはクリエイティブな仕事じゃないんだ
よね。“新しいゲーム”ではない。
79富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:21 ID:???
やっぱり時代を
バカにしちゃいけない

富野 いま、“プレステ2”を見ちゃった立場で言えば、「そ
ろそろ映像を主体にして、チビちゃんたちが楽しめるようなや
さしいゲームや、そこから広がっていって、お年寄りまで楽し
めるようなゲームってのを作ってあげてもいいんじゃないのか
な。ついにそういう時期が来たのかな」といったような期待は
あるんです。それは、映像を主体としたロジカルなものか、映
像の変化が楽しめるようなゲームということなんで、まだ形が
見えないんですけどね。
鈴木 いま非常に難しいところにあると思うんですけど、ゲー
ムっていうものの固有の体験ですとか、そういったものを蓄積
していくっていうか、そういうことができるかどうかってこと
になっていくと思うんですよ。ゲームユーザーが何を求めてる
かっていうと、僕らが昔、たとえば映画ですとか、テレビです
とかアニメーションですとか小説ですとか、そういった作品か
ら得ていた“体験”みたいなものを、いま彼らはゲームに求め
て、ゲームから汲み取っている。
富野 うん、汲み取ってますよね。
鈴木 それでもって、一種、こと足りてるんですよ。
富野 それも想像がつくんです。だからね、「そういう人たち
をダシにして、金儲けすりゃいいじゃない」っていう、ホント
に無責任な言いかたもあるし、現にそういうゲーム会社や出版
社もあるでしょう。で、それは残念だけどもまだ増えていくで
しょうね。商売する側としては、その部分のマーケットを無視
することはないんじゃないですか、だけど「オレはそれには混
ざりたくないね」って、そういうことなんですよ。
鈴木 それをもって何かを感じ取れる、わずかな人間のために
何かを発信するってことは、オリジナルを作るっていう理念を
持って物作りをするってことですよね?
80富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:21 ID:???
富野 まったくそのとおりです。オリジナルを作るってことが
いちばん大事なことで、それ以上、それ以下のものはいっさい
許されません。ただね、フェイクで当たった人って、10年はそ
れで食えるんだけど、20年食えるのかっていったら、食えませ
んよ。やっぱり世の中ってのはスゴイですよ。最終的には、
“本物”がチョイスされるんですからね。
鈴木 はい。
富野 このことは、バカにしちゃいけない。『ガンダム』をや
ったときに、「あ、やっぱり時代のオリジナルってのは、ある
んだろうな」と思えたんです。それはゲームの世界でも同じで
す。僕は、「時代のオリジナルはある」と思ってます。だから、
オリジナルに対して、作り手側はたえずチャレンジしていく必
要があると思うんですよ。

ゲームはゲームで
あるべきなんです

富野 ゲームってものが厄介なのは、ツラ(表面)が、物語性
を発揮してるように見えちゃうことです。でも、大きな認識論
をぶつけることはできなくて、プレイヤーにゆだねるものだか
ら、けっきょく理念みたいなものは細分化しちゃうんですよ。
ゲーム以外の作品の場合には、中心にひとつの“核”が存在し
てるんです。その“核”まで細分化させていくっていう性質を、
RPGなどは持っちゃってる。「文化の礎の一環になるかも?」
って考えた時期もあるけれど、ゲームである限りそれはないな
と思うようになりました。ゲームはゲームでしかない。だった
らゲームはゲームでいいじゃない? というのが、僕の本音です。
81富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:22 ID:???
鈴木 いまおっしゃったRPGに関して言えば、「一種の文芸作品
であれ」と、そこまで持っていこうとする開発の人たちが多い
と思うんですよ。それは、エンターテインメント作品としての
評価とは別に、文芸作品というレベルまで持っていくことを目
指しているんです。ゲームを作ってる人たちの中には、「映画
を作りたい」って考えてる人たちなんかもいて・・・・・・。
富野 知ってます。
鈴木 さらに言えば、「アニメを作りたい」って人たちもいる。
それは、いまよりもちょっとまえのほうがより顕著だったんで
すけどね。「映画はちょっと作れないけど、アニメならゲーム
の中で作れるんじゃないか」っていう空気を、僕なんかは感じ
たんです。そういったものを経ながら、つぎは映画や文芸作品
を目指してるわけです。
富野 だけど、ジャンルが違うんです。映画というジャンル、
文芸というジャンル、演劇というジャンル・・・・・・。つま
り映画だって、演劇を引き写しにできるものだと思われていた
時期もあったわけです。まさにゲームはいま、そういう時期な
んですよ。でも、ゲームはゲームであるべきなんです。
鈴木 う〜ん。
富野 「そうじゃない」というのであれば、それ以前にあった
媒体、映画に屈服すべきです。つまり、映画を作るべきでしょう。
鈴木 はぁ。
82富野×鈴木ドイツ:03/02/08 15:22 ID:???
富野 ゲームの開発者の中に、文芸を目指そうっていう人がい
てはいけないんじゃなくて、いていいんです。さらに言えば、
いてくれなくちゃ困るんです。ただ映像を道具として、媒体と
して、機能として利用している“ゲーム”ってものは、映画で
もなければ小説でもないっていう独自のおもしろさを絶対に持
っているはずなんです。その、おもしろさの部分に突進するし
かない。ほかの部分に目をやっちゃいけないと思うんですよ。
鈴木 そのおもしろさとは? 反射神経的な部分とかですか?
富野 いや、違います。やっぱり、ビジュアルのエンターテイ
ンメントっていう点に尽きます。RPGのムービーの中に、なぜ
物語のプロットを組み入れないのよ! と、それだけのことです。
鈴木 つぎの・・・・・・つまり、“プレステ2”の段階で、組
み入れられるぐらいにはなってるんですよね。
富野 だから僕はそれを目指したいし、それを作りたいとも思
っています。さっきから“プレステ2”って言ってるのは、
「ここまできたら、まあねぇ」っていう感じで、可能性や自由
度が見えてきた。容量の部分も含めてね。
鈴木 じゃ、「“プレステ2”でゲームを作りませんか?」って
言われたら、どうしますか?
富野 だったらやりたいけど、逃げだす人のほうが多いし、僕
はゲームを知らないからできない(汗)。
鈴木 (笑)。
富野 だけど、もしそういう機会があったら、冷たく評論しな
いでいただきたい(笑)。ファミ通さんはキビシイですからね(笑)。
83PS2版ガンダム:03/02/08 15:31 ID:???
角川ゲームコレクションEX 機動戦士ガンダム G-GRAPHIX 0079より

富野由悠季ゲームプレイレビュー

オリジナル優先か、
リアリティ優先か

― 実際にゲーム中でザクを動かしていただきましたが、
モビルスーツを操作するという「遊び」に対するご感想は?
富野 まあ、こんなものでしょう、という言い方をとりあ
えずはしておきます。機動戦士ガンダムというタイトルが
ついているから、画面のイメージやモビルスーツの動きを
こうしたのだろうというのもわかります。今回のプレステ
2版のガンダムに関して言うと、ハードの基本性能をクリ
アにしているとは口が曲がっても言わないんだけれども・
・・・・・それはソニーさんに対して失礼だから(笑)。
だけれども、かなり健闘はしている。それにスケジュール
のあるところでやっている仕事という観点で言えば、本当
にスタッフの皆さんは頑張ってくれたと言えるし、本当に
お疲れ様でしたと言いたい。この手のシューティングゲー
ムとしても、こんな感じなのかなという気もしてます。自
分自身ではゲームはやらない僕が、こんな感じと言っちゃ
うのは、アーケードゲームを若い人たちがやっているのを
見ていたからなんです。そういうものと比較したときに、
家庭用ゲームでも、数年前のアーケードゲームに近い表現
ができているじゃないか、と思えるということです。だか
らユーザーの方には申し訳ないんだけれども、このゲーム
をやるときはちょっと大きな画面でやった方がいいんじゃ
ないのかなと思います。
84PS2版ガンダム:03/02/08 15:32 ID:???
 ただ以前から気になっていたんだけれども、ガンダムに
しろザクにしろ、二十年前のデザインのものをそのまま再
現していいのか、デザイン的な疑問というのがあるんです。
デザインの疑問について僕の立場で言うと、ゲーム用にき
ちんと改善して欲しいなと思うんです。これは今回のもの
だけでなくて、ずっと感じていることです。むしろ今回の
ように自分の扱っている機体がどういう風に攻撃している
のかということのディテールが、かなり見えるようになっ
てきたときに、やはりこのゲームに合ったモビルスーツの
デザインではないと思える部分があるんです。つまり、動
きを表現できるデザインになっていない。そういう部分は、
本来、きちんと改善した方が、気持ちが良いゲームができ
るんじゃないかなと思ってます。
85PS2版ガンダム:03/02/08 15:32 ID:???
 いちばんわかりやすいところで言うと、ライフルを正面
に向かって撃つというシーンがあります。ゲーム中のター
ゲットとライフルの射線が合うわけです。その射線とター
ゲットがキチっと見える瞬間が、プレイをしてみるとそれ
ほどない。プレイヤー側として見て思うのが、自分がライ
フルを撃ったはずなんだけど、自分の機体のライフルの銃
身が見えないというのは不満ですね。これは本物じゃなく
て遊びごとなんだから、どうせだったら見えるようにして
欲しいし、見えるような機体のポーズを取って欲しい。な
まじ、モビルスーツのテクスチャーや形が再現できるよう
になったために、こういう部分にフラストレーションを感
じてしまうのです。機体に内蔵されているミサイルを撃っ
たなら、その撃ったというサインが欲しい。ミサイル発射
機の後ろに穴があるなら排気煙が欲しい。空薬莢が飛ぶと
いうような、自分が攻撃したんだという保証、実感が欲し
いんです。ミサイルに薬莢なんかねぇよとか、そういう理
屈はどうでもいいんですよ。視覚的な表現が欲しいのです。
これだけの緻密な映像になってきたときに、そういうこと
を無視しているエンジニアやデザイナーが仕事をしている
という欠点が見えてきて、僕はフラストレーションを感じ
てしまうのです。
86PS2版ガンダム:03/02/08 15:32 ID:???
 例えば、このゲームではゾックのデザインをオリジナル
から大きく変えてある。それはいいんですよ。デザインを
変えていただいて結構なんです。ただ、CGでセルアニメ以
上に動きを再現できるようになったなら、その動きを想定
するようなデザインにしてくれれば良いのに、プレイヤー
側から見たら、外装でカバーしすぎていて、せっかく動い
ている部分が見えない。もっと言えば、ケンプファーなど
の場合には、古いモビルスーツ以上に動きを表現できるよ
うにアレンジしてデザインされているわけです。アニメで
もやっているアレンジを、CGだからこそ正確にすべきだと
思うんです。「オリジナルが第一なんだ」と言ってくださ
るファンの方々は本当にありがたいんだけれども、あれか
ら二十年経ったんだということと、ゲームの精度も十年前
とは違うということをもっと分って欲しい。プレステ2の
レベルになったときに、20年前のままのデザインでいいと
は僕は思えないんです。オリジナルのガンダムで言えば、
二本足歩行が正確にできるデザインのモビルスーツがそん
なにあるとは思えないし、ザクだってちょっと怪しい。足
の裾が広がりすぎている部分があります。僕はプレステ2
のレベルでそれを無視するのは許したくない。結局、オリ
ジナルを大事に思いすぎているところがあるし、仕事の都
合でデザインを変えてはいけないということもあるらしい
のは知っています。でもそれは、物を作る心としてはとて
も酷いことだと思うんです。そういう部分こそがクリエイ
ターの腕の見せ所なんだから、デザインは変わってもイメ
ージは変わってないだろうと言えるようなものを作ってい
ただきたい。そういうことが、物を作るということの、い
ちばんの戦いなんじゃないかなと思います。
87PS2版ガンダム:03/02/08 15:33 ID:???
CGで表現される
モビルスーツの限界

― オープニングムービーのクオリティも高いですし、ゲ
ームとしても健闘しているように思えますが。
富野 CGについて、最近もうひとつ思いついたことがあり
ます。まさに今回のゲームのCGムービーのことであり、さ
らにいえば『G-セイバー』でもいえることなんです。それ
は先程のデザイン論も関係するのですが、CGでの映像はあ
まりにもリアルに表現できるために、モビルスーツという
もののリアリティが瓦解しつつあるということです。綺麗
であればあるほど、テクスチャーにこだわればこだわるほ
ど、あの巨大なサイズの二足歩行兵器は現実的でないと観
客に気付かれてしまう。CGの映像を見ればわかるとおり、
プラモデルが動いているようにしか見えないというのは、
動かし方が間違っているのではないんです。ああいう動き
ができるデザインではない、ということなんです。アニメ
でやっている分には、まだいいんです。アニメというのは、
どんなに緻密に描いても、結局は漫画絵だからです。カリ
カチュアライズの絵である限り、それほど違和感を感じな
いで済む。それが、こういったリアルな質感のCGで表現さ
れた途端、明確でないにせよ違和感を覚えてしまう。アニ
メの絵とCGとは、根本的に違うものなんですよ。これにな
ぜ気付いてくれないのか不思議でしょうがないんです。
88PS2版ガンダム:03/02/08 15:33 ID:???
 最近、僕は覚悟したことがあります。それはCGで映像が
作れるようになったときに、何がいちばんの最大目標なの
かということなんです。これは究極の企業秘密であり結論
なんですが、ここで喋れます。なぜなら、極めて一般的な
言葉でしか言えないからです。それは「映画的に作る」と
いうそれだけです。ただ問題なのは、映画的表現とはどう
いうことか、これは説明できません。あまりに広義的すぎ
るからです。ただ、少なくともガンダムに関して映画的で
ないということは、先程から言っているモビルスーツのデ
ザイン的な問題がまずあります。これだけ本物らしいもの
が動くとき、あのデザインで動くのか、という問題を解決
しなくてはならない。腕とか脚が重すぎるんです。あれだ
けの質量のものが、宇宙空間でああいう機動ができるわけ
がない。メカニックなものが宇宙空間で動くには、理由が
必要なんです。期待の性能、機能が動きを表現できるよう
にデザインされていないということです。だから、デザイ
ンをバージョンアップさせなくちゃならないんですよ、と
いうことです。
89PS2版ガンダム:03/02/08 15:33 ID:???
 例えばオープニングのCGでいえば、背景の建物を大きく
して、ガンダムとザクの全長が三メートルくらいかな、程
度の比率にすれば、リアルな映像として見えるかもしれま
せん。巨大感が出ていないから問題なのではないんです。
まったく逆で、巨大感があるからこそリアルに見えないん
です。これは、CGの質感でやられたから、明快にわかった
ことなんです。だから、もうこの形態のモビルスーツ論と
か巨大ロボットじゃないものを作らなければならない時代
が来たのかもしれない、ということに気付いて欲しい。だ
からこそ、俺にも新しい仕事が絶対にできるぞ、とゲーム
やCGの人たちにも思って欲しいんですよ。
90PS2版ガンダム:03/02/08 15:34 ID:???
ゲームの「お楽しみ」と
「物語性」

富野 だけど今回のゲームは、背景とキャラクターが、そ
のシーンに乗っているという表現では、我慢できるレベル
に来ていると思うから、こういう話もできるんです。シュ
ーティングゲームとしても、ターゲットを狙って撃つとい
う根本的な部分は変えようがない以上、こんなものだろう
なと思えます。ただね、もうちょっとアーケードゲームに
あるような爽快感が欲しいなと思う。敵一機を倒していち
いちガッツポーズというのも恥ずかしいんだけども、何か
そういうのもあっていいんじゃないかな。遊びがないとい
うか、シリアスになりすぎているんじゃないかと思えます。
もちろんアーケードゲームにある、お金を投入してくれた
ことに対する誇張されたサービスというのは承知してます
が、ゲームというのは正に勝った負けたでしょ? その表
現をするのに、シミュレーションゲーム的なシューティン
グゲームという見え方のリアリズムで全部をやってしまっ
て良いのか、ちょっと疑問ですね。ゲームというのは爽快
感があって欲しい。勝ったときは勝ったときで、褒めて欲
しい。だからオジサン的なことで言えば、自分で好きなキ
ャラクターを選んでおいて、例えばセイラさんならセイラ
さんに「トミノ監督、エライ!!」って褒めてほしいな(笑)。
91PS2版ガンダム:03/02/08 15:34 ID:???
それがうるさいって奴は、消せばいいだけのことなんだか
ら。そういう選択のセッティングは今のソフトの容量なら
できるんだから、それを億劫がってもらっては困る。そう
いうアイディアなり、人を楽しませる心がなくて、あのオ
リジナルガンダムのこのシーンを何とかかんとかっていう
のは、ゲームとしては僕は面白くないという部分はありま
す。これは原作者だからとか、そういう演出をしたことが
あるからというのではなくて、僕だったらやっぱり、ララ
ァが「オメデトー!!」とか言ってパンツ見せてくれるとか
さ(笑)、そういうのがいいな。
― それだと一晩中でも遊んでしまいますね。
富野 だってゲームってそういうものじゃない! だから、
こういうことです。デザインを変えたくないということも
含めて、開発者に遊び心がないと思えるんです。ゲームと
いう遊びごとに対する本質をつかんでいるとは思えない。
これだけ綺麗な絵で出せるようになったら、それこそララ
ァのパンツの模様まで描ける。でもちょっと前までは、そ
んなことはできなかったんだから。この話をね、冗談だろ
うというふうに捉えている人がいるんだったら、開発から
は外れて欲しいなと思うんですよ。じゃあパンツ出せば良
いんだってなるのも困るんだけどね(笑)。遊び心がどこ
にあるのか、それから遊び心というのはかなり幅が広いん
だよっていうのを想像できる人でなければやっぱりやって
ほしくないんです。
92PS2版ガンダム:03/02/08 15:34 ID:???
 シューティングゲームだから破壊するという映像を作ら
なければならないという意味では、見ていてあまり気持ち
の良いものじゃないんです。気持ちも良くないから、克明
に破壊される映像を出して欲しいとも思わない。じゃあど
うやって遊び心を充足させるようなシューティングゲーム
にするかといえば、ガンダムの中にもヒントはいくつかあ
るんです。例えば、敵のパイロットに直撃させてしまった
ら「それはやりすぎだ」ということで、ペナルティが加わ
るような展開だってあるかもしれない。極端な話、ザクな
りガンダムなりを撃とうと思ったら、コックピットがガバ
ッと開いて、例えばアムロなりが両手挙げて「ゴメンナサ
イッ!」っていったらそれはそれで勝ちとかね。ガンダム
ではあんまりやって欲しくないけど場合によっては良いん
です。ゲームなんだから。これがとても重要なことなんで
すけど、物語性なんです。それともうひとつ重要なことが、
何度も言いますが、プレステ2の精度になったらこれがで
きるということなんです。そういう部分の能力を無視して、
旧来のままのシナリオのシューティングゲームを延々と繰
り返しているというのが、僕には欠点として見えてくるんです。
93PS2版ガンダム:03/02/08 15:35 ID:???
― ジャンルとしてシューティングを選択するというのは、
ガンダムのゲームとしては正しい判断であると?
富野 それはもう間違ってないし、極端な言い方をすると
それだけでも良いと思う。ただし、ムービーなんか入れて
る暇があるんだったら、ゲームのシーンの中での物語を作
ることに配慮して欲しい。ゲームにムービーを入れるとい
うのは、この十年の中でゲームの世界がやっている方法論
でしかなくて、ゲーム自体のクオリティは上がっていない
わけだから。それならばむしろ、ゲームのシチュエーショ
ンを表現することにエネルギーを使う方がよほど良いでし
ょう。例えば、索敵という機能があるんだったら、それは
ムービーの中にあったゲームに必要な情報は、すべて索敵
という行為の中に取り込めるということですよ。むしろそ
こに、見逃したら致命傷になる情報があるとか、足音が変
わったことに気付かなかったら、そこに敵が潜んでいるか
もしれないし、地雷原なのかもしれないよという、ゲーム
性に関わる物語が描けるはずなのに、そういうことをやっ
てこなかったわけです。単純に言えば、ムービーというの
は映画でやればいいんです。結局、ゲームの中にムービー
的な物語性を入れることのできる脚本家だとかプログラマ
ーがいないだけの話なんです。僕は基本的にゲームはゲー
ムであるべきだと思っているから、そうして欲しいんです
よ。例えばね、お前らどんなシーンを作ったんだと聞いた
とします。これですと見せられたら、単なるだだっ広い平
原だったと。こんなの作ってどうすんだ! となりますよ。
94PS2版ガンダム:03/02/08 15:35 ID:???
でも平原を歩き始めたら、そこで見落としたものだとか目
を付けたものが全部、当たり、アタリィ! と反応があっ
たら、チクショウやっぱりそうだったのかってなるじゃな
い。それこそが楽しい。そのためのコンピュータゲームで
しょう? それに、これは広い意味でシミュレーションゲ
ームになり得ると思えるんです。僕はシミュレーターとい
うものを一元的に捉えるのか、色んな要素を取り込むのか
取り込まないのか、という問題でしかないと思うんです。
これだけゲームを皆で作ってきたんだから、そろそろ複合
的なゲームというものがあってもいいんじゃないかと思い
ます。

誰がゲームを面白くするのか

富野 これからゲームを作りたいという人たちには、映像
で物語るということについて、もっと基本を勉強して欲し
いなと思うんです。これはゲームとは関係のないムービー
レベルで作っている人たちにも以前に言ったことなんだけ
れども、驚くほど動く映像を作るという、作り方の基本と
いうものを知らなさすぎるというのを感じたんです。せっ
かくプレステ2みたいに映像を売り物にしているのだった
ら、映像の中にもっと面白い仕掛けや面白い表現ができる
はずなのに、僕の世代の例えで言えば、絵の表現が、まだ
サイレント映画の時代だな、という感じなんです。一見、
精度が上がっているようなんだけれども、むしろこれだけ
の絵が描けて、動かせるようになり、バックグラウンドを
360度再現できるようになっているのに、まだ「絵を描く」
ということの結果でしかなくて、プレステ2のもつ能力に
見合うだけの物語性はないんじゃないか。また逆に、それ
をゲームとして利用するというところまでクリエイティブ
なことをやっているのかと言えば、やっていないと僕には
思えるんです。
95PS2版ガンダム:03/02/08 15:35 ID:???
 そういうことで言わせてもらえれば、開発者の思考回路
がどっちに振り分けられるかで、オペレーターのままで終
るのか、億単位のお金をゲットできるのかということなん
です。そして問題なのは、だったらお前が作るのが先か、
こっちが作るのが先かという話なんですよ。僕もまだ評論
家になるつもりは毛頭ないし、現場に居させてもらえるな
らば、あと五年か三年、生かさせてもらえるならば、そう
いうものも作りたいなと思うようになりました。
― それは富野監督がゲームを作ることがあると・・・・・・?
富野 いや、ここまでは一般論の話ですよ。でもそういう
ことがないとはいえないし、やる気もあるということです。
ここから先は企業秘密だよ(笑)。
― 本日はありがとうございました。
96通常の名無しさんの3倍:03/02/08 16:24 ID:???
>>815
お疲れ様です。ありがたく読ませてもらいます。
97通常の名無しさんの3倍:03/02/08 16:37 ID:???
こいつは貴重だ。THX!!
98通常の名無しさんの3倍:03/02/08 16:52 ID:???
素晴らしい!
これだけのテキストの打ち込み大変でしたでしょう
お疲れ様でした&本当にありがとう!!
99通常の名無しさんの3倍:03/02/08 16:56 ID:???
お疲れ!!すんばらしい!!

トミーノにDOAとかやらせて感想聞いてみたい(w
10054:03/02/08 18:03 ID:???
>>2のサイトにリーンの翼のインタビューをupしました。
101通常の名無しさんの3倍:03/02/08 22:55 ID:9lo0h4UE
上げた方がいい?
102通常の名無しさんの3倍:03/02/09 00:13 ID:???
>>99
エロバレーを神妙な顔つきでプレーする富野・・・
想像してワロタヨ
103通常の名無しさんの3倍:03/02/09 00:29 ID:Qtis6cvA
このスレ(前スレ含む)にテキストをのっけてくれた、全ての人に・・・

お疲れ様でした。どうもありがとう!!

御大のゲームに対する考え方、凄く共感が持てます(全てではないけどね)。
>>61>>95の話を総合してみると、ソレに見合うゲームを作ってるのって、悲しいかな任天堂(てかミヤホン)位なんだよな〜。
あと、御大の言ってる悪きゲームの条件が、殆んど最近のFFと被ってたのはワラタ。

まさに禿藁。
104通常の名無しさんの3倍:03/02/09 00:35 ID:???
>>103
そういう意見を書くとゲーム系の板で妊娠必死(ry
とかかれるのも病的だよな。
105通常の名無しさんの3倍:03/02/09 01:47 ID:dTPTJFLv
金沢の講演はどうだったのよ?
106通常の名無しさんの3倍:03/02/09 01:56 ID:???
107通常の名無しさんの3倍:03/02/09 02:02 ID:???
前スレでちょっと出てたエロ同人誌の庵野インタビューのスキャンを
>>2のあぷろだにアップしました。
108通常の名無しさんの3倍:03/02/09 05:31 ID:???
>>107
これ読んでみたいと思っていたのでありがたいです。
UPお疲れ様でした。
109通常の名無しさんの3倍:03/02/09 12:06 ID:???
upしてくれる方々に感謝。
オレもなんか捜すか。
110通常の名無しさんの3倍:03/02/09 12:17 ID:???
お、おもしろい…ファミ通の「ウィークリーガンダムパワー」とはまたレアな…
ゲーム畑の人間に読ませてやりたいね。

>>99
「もう勝手にやってくれーーー!!」
111逆襲のシャア友の会:03/02/09 12:23 ID:???
815さん さんくす
1120080対談:03/02/09 16:37 ID:???
NT1989年4月号から、「0080」1巻を見てのスタッフとの対談。
出席者は富野以下
内田健二(プロデューサー)
高山文彦(監督)
出淵裕(メカデザイン)
山賀博之(脚本)
高松信司(1・3・5話演出)
カッコ内は「0080」における役職
1130080対談:03/02/09 16:44 ID:???
富野 まず、最初に少し確認させてほしいんですが、高山さんが「ガンダム」を通じて描きたかった
 “高山オリジナル”とはどういうものだったんでしょうか?
高山 いちばん最初にプロデューサーの内田さんから、冒険小説みたいな話にできないか
 という方向性がでまして、僕もそれに賛成したんです。
 ただ、主人公を軍人にすると、戦争という大状況下の中で、冒険という概念は通用しにくい。
 僕は、冒険小説の冒険というのは、軍隊のような一種の命令形態のなかで、
 上から与えられるようなものではなくって、
 個人が選び取り、乗り越えて行くものだと思っているんです。
富野 そのとおりですね。
高山 そこで、物語のベースは、内田さんが出したプロットでいくことになったんですけど、
 会議の席で困ったあげく、突然、主人公を普通の少年に変えようと、
 思い付いたようにい言ってしまいまして。
 少年が、戦争に直面することで、世界の構造や距離に対する認識が生れる。
 その視点を描くことで、高野さんのつくった年表とも接点を持たせようとしたんです。
山賀 最初にビデオで「ガンダム」をつくるから来てくれといわれたとき、
 監督が高山さんと聞いて嫌な予感がしたんですよ。
 僕らが天下の「ガンダム」をやるとするなら2つのつくり方しかないと思っていたんです。
 ひとつはプラモデルなどと同じように周辺企業のいわばファン・サービスみたいなつくり方。
 もうひとつは「ガンダム」の老舗の看板を使ってまったく関係ないお話を提示するやり方。
 でも、後者は大変だから考えないようにしようと思っていたんですが…。
 第1回の打ち合わせで高山さんがいきなり飛ばしはじめた。
出淵 でも、会議のときいつも山賀君が、これとこれがありますけど、
 どちらがいいんですかって監督に聞く役割だったじゃない。
 高山さんは、自分の気に入らない話になると黙ってしまうから(笑)。
高山 そういう意思表示のつもりじゃないんだけど…。
 これを受け入れたら自分は絶対に後で詰まるな、という未来が見えてくるんですよ。
高松 しゃべらない高山さんから意見を聞き出す会議みたいでしたね。
1140080対談:03/02/09 16:46 ID:???
富野 淵っちゃんなんかは、会議でどうだったの。
 君は立場的におかめはちもくでいられる部分があるから。
山賀 毎回、いいから先に進め、俺はメカ・デザインがしたいんだ!
(一同爆笑)
出淵 確かに僕は「ガンダンム」は初めてじゃないし、富野さんともお付き合いがありますけど。
 まぁ、今回は、会議に入る前に、プロデューサーの内田さんが、物語の条件などを各スタッフにある程度根回ししてありましたから。
 人数が多いわりには、通常みたいに意見がバラバラにならなかったので、有意義な話し合いになりましたね。おもしろかったですよ。
富野 高松君は演出を担当してみてどうでした。高山監督の癖とかニオイとかを感じた?
高松 ありますね。けっこうついていくのが大変でした。で、ひとつ高山さんという人を認識した印象的なことがあったんです。
 一時期、方向性が見えなくなってみんなが不安になった時、高山さんが「ガンダム・ファンに冷水を浴びせてやるんだ」とおっしゃったんですよ。
山賀 そうそう、俺は冷水は商売にならないぞ、といったんだ。
(一同爆笑)
高松 それ以来、コンテを見て、これは何だろうと思うたびに、そのことばが頭に浮かんで納得してしまう。
1150080対談:03/02/09 16:50 ID:???
NT 高松さんが見た、その冷水というのは、どんな点ですか。
高松 僕は富野さんの「ガンダム」をずっと見てきたし、
 スタッフとしても参加させていただいてきたんですけど、
 今回のビデオ版は「ガンダム」らしくないですね。
 もちろん、歴史的な背景には「ガンダム」があるんだけど、
 それは僕らの世界の第二次世界大戦みたいなもの。
 僕も、これまでとは違うものと思って演出しました。
出淵 でも「ガンダム」らしさってなんなんだろう。最近、わかんなくなってきた。
富野 僕にも、その「ガンダム」らしさの定義はわかりません。
 ただ、これは高松君とは正反対の意見になるんだけど、
 今回のビデオを見せていただいて、ああ、なるほど、
 「ガンダム」っていうのはこうだったんだよね、というのが、
 凄く素直にフィルムから感じられた。
 そのために、当事者として、この1週間ほど落ち込んでます。
 これはおせじじゃありません。作品の中にちゃんと世界と空気がある。
 もちろん技術論では、こちらの気分にあわないことがいっぱいありますよ。
 でも、総論的にいったら認めざるをえない。
 旧作を知らなくても、この作品がなんで出てきたかが気になるフィルムになっている。
 こういうものをつくれるスタッフが集まっているんだと言うことが見えるんです。
NT 確かに最初のアムロの「ガンダム」に近い臭いを感じましたね。
1160080対談:03/02/09 16:51 ID:???
富野 だからといって、高山さん、結局、冷水を浴びせるようにつくれなかったのか、
 というわけではないので落ち込まないでください。それは違いますから。
高山 あのー、ひとつだけ弁明させてください。僕が冷水を浴びせたいといったのは、
 富野さんがつくった「ガンダム」の幅広いファンの中の一部、
 メカ戦だけしか見ないとかの偏執的な人たちなんです。
 そのとき、たぶんそういうファンに激怒してたんだと思うんです。
富野 そんなことは、実は腹を立てることじゃないんですよ(笑)。
高山 ただ、個人的に美樹本さんや河森さんのような、
 メカだけにいかれてたわけじゃないガンダム・ファンを知ってただけに…。
 だからこそ仮想敵にしたんです。
出淵 作品をつくるうえでは、仮想敵を想定したほうがはずみがつきますからね。
富野 そういう意味でいうなら、僕が最初に「ガンダム」をつくったときの仮想敵は、
 テレビ局とスポンサー、それにサンライズというプロダクション全体。
 俺たちはこういう風に作品をつくらされているのか、という思いでした。
 まあ困ったことにそれらはリアルな敵でもあったわけだけどね(笑)。
 敵を捕らえつつ、どうやって黙らせるか。
 そういった発想ができない人のつくる作品は、残念ながら、たかがしれてしまう。
 高山さんの発想はまちがってませんよ。
1170080対談:03/02/09 16:53 ID:???
NT 今回のシリーズでは、MSの見せ方にも、結構掟破りの試みがなされているといううわさを聞いたんですが?
出淵 とりあえず2話でひとつ挑戦したんですが、敗れました。
 宇宙の戦闘シーンをリアルに見せるため、音無しでやることになってたんです。
 勝算はあると高山監督はずっと言ってたのに…、
 先日2話の初号を見たら、しっかり音がはいってた!
高山 竹下総理みたいな公約破りをやってしまいました。
出淵 ただ、そういうことをやろうとする意気込みが大事なんですよね。
 当然、スタッフにも、そのやる気が伝わりますから。
富野 そういう話を、何年もフィルムをつくりつづけてきた人間たちは、ばかげたことと受け止めることが多いんだけど、
 音無しを想定してコンテを切って、それでもやっぱり音を入れなければならなくなったときの仕上がりと、
 そんなことを何も考えないで漠然と戦闘シーンをやったのとでは、見栄えが全然違うはずです。
 たとえば、そう、無重力なのに、なんで人間が立っているんだという、ファン・レターがいまだ僕のところに来るんですけど。
山賀 だから、それが仮想敵なんです(笑)。
富野 そう、天地逆さまの画面なんて見づらいだけだから誰もやらないんだよね。
 でも、無重力シーンで、それを忘れたコンテを描くのと、知ってて立たせているのでは、芝居も違うし、仕上がりも違う。
 そういった意識をもつことが大事なんです。
出淵 「逆襲のシャア」で、クェスがヤクト・ドーガから、宇宙に吹き出されるシーンがあるでしょう。
 そこのコンテを見たとき、富野さんにおかしいんじゃないんですか、といっちゃったんですよ。
 描いた本人も気になってたらしい。
富野 気にしてましたよ(笑)。
出淵 ただ、実際にそのシーンをフィルムで見たとき、そこだけ音をわざと入れていない。
 ほかの宇宙での戦闘ではバシバシ音が入るのに、宇宙に出たクェスの周囲だけが無音なんです。
 なるほどなぁ、と納得しましたね。
 逆にいうなら、あのワンカットで宇宙空間が表現されているわけで、後は音があっても宇宙空間の気分みたいなものが見えちゃう。
1180080対談:03/02/09 16:57 ID:???
富野 前に出た無重力の話などは、すべて技術論の話になって、
 そういう面でいったら、今回のビデオの1巻目はまだまだかもしれない。
 でも、淵っちゃんのいったように、それがたとえ「ガンダム」の外伝だろうと
 気分が出ていることがいちばん大事なんだ。
NT 第1話を見たところ、コロニーの描写もかなり本格的になりましたね。
 ひとつのコロニーの大きさがだいたい実感できましたね。
出淵 ただ、第2話で空に街が見えるシーンがあったんだけど、あれはツライわぁ。
内田 前から空は青空がいいと聞かされていたんですが、ザクが上昇していくのをアルの視点で見た1カットだけ、
 上に街並みが見えるんです。まぁ、1カットだけだから効果的に見えましたけど、
 全シーン見えたら、うっとうしいだけだということがわかりましたね。
富野 だから、いつもいってたじゃないか。実際に暮らしてて、上に街が見えたらいやじゃない。
 人間は絶対に見えないようにするはずだから。
1190080対談:03/02/09 16:58 ID:???
富野 今回のビデオを見せていただいて、もうひとつ思ったことなんですが、
 ビデオというマーケットに対する作品の提供の仕方について、
 そろそろ正しいありかたがみえてきたのではないでしょうか。
 ただ、そういう状況を踏まえたうえでの、ユーザー側の立場から言わせていただくと、
 この1本目はもう少しインパクトが欲しかった。
 理想論が見えすぎて、手控えしているような気になるんです。
出淵 いっしょに仕事をやってみて、高山さんは非常にてれ屋だということを、感じましたね。
富野 まあ、それはロボットものの困ったことで、今までにいろいろ作られすぎたんです。
 ただ、これは意外とスタッフ側も認識していないことなんですが、
 ロボットを出すことによって生れるインパクトというのは、かなり強い。
 場合によっては出るだけで画面が維持できてしまう。
 だからこそ、その映像に見合うだけの強いドラマを設定しなければバランスがくずれてしまうんです。
 ああいうふうにてれちゃ、本当は困る。これは趣味とは言わせません。
 このジャンルのものをつくるときの徹底的なセオリーだと思います。
出淵 また、高山さんはメカの描写がうまいんですよ。
 たぶん、これはロボット・アニメをあまり知らないからだと思うんですけど、
 巨大なものがこういうところに出てきたらどうなるかとか、
 大きいものを見せるときにはどう演出したらいいかを、ちゃんと考えている。
 なまじ知っていると、どうしても既成のアニメ・ロボットの動きをトレースしてしまいますからね。
1200080対談:03/02/09 17:01 ID:???
富野 そういう部分があるだけに惜しいんだよね。
 そうだ、ひとついい例を思い出した。
 ビデオの本編中に決定的なミスのセリフがひとつ残ってます。
 これは、今いったようなロボットの存在感を本当につかまえてないための失敗です。
 わかりますか。
山賀 …?
富野 アルがザクを追いかけていったとき、仲間の子供がいった「お前、授業をさぼるのか!」というセリフ。
 あれは決定的なミスです。
 要するに、市街地戦に近い形であの大きな物の戦争が始まった瞬間、いくら子供とはいえ、
 自分たちの置かれた状況は判断できるはず。
 避難するか、家に帰らねばというレベルで、あのセリフはちょっと違うような気がします。
 ああいうMSの下にいる人間たちが何を考えているのか。作り手は自分の座標をどこに置くのか。
 それを考えてみてください。
1210080対談:03/02/09 17:02 ID:???
NT 今後の展開をお聞きしたいんですが、第1話では、冒頭のいわば戦略ものの要素と、
 アルの私生活の部分との落差を感じたんですが、
 これからアルはどこかの別のコロニーなどの戦場に行くことになるんでしょうか?
内田 今回の大前提のひとつに、コロニーを徹底的に描くというのがありまして、
 ですから第1話の北極や、グラナダにカメラが移動する程度で、
 アル自体はあのコロニーから出ることはありません。
NT アルたちの生活空間に、戦争が乱入してくるわけですね。
出淵 乱入というより、アルがその中に飛び込んでいく形になります。
 といっても、MSには乗りませんよ。
山賀 高山さんが描くところの子供というのは、普通のアニメの子供とは違って、なかなか動かない。
 無理やり好きなもので釣って動かさねばならないんです。
 アルは作戦がすきだ。近くにそういう奴らが来ているなら出かけるという図式です。
出淵 自分の好きな遊びの延長線だと思って、偶然入りこむことができた世界。
 でも現実はそれほど甘くなかった。それが、今回のひとつのテーマでもあるんです。
富野 ということは、今後、アルの視点で魅力的な話ができる。
 皆さん見て、いや、買ってくださいというべきなのかな。
内田 買って、でしょうね。ただ、これから「ガンダム」に限らず、
 ビデオでオリジナルの商品をどういうふうに出していくかが難しくなってきましたね。
山賀 1か月に1本というのも問題でしょう。1話の初号を見終わったとき、
 やっぱり、うーん次週が楽しみだ!と思いましたからね。
1220080対談:03/02/09 17:03 ID:???
NT では、最後の富野さんに締めくくりのことばを。
富野 僕は原則的にテレビは、1回見て終わりのものだと考えているから、多少ラフなつくりでも許されると思っているんです。
 でも、ビデオ・ソフトは違う。基本的に3回、できれば5回は見られることを想定したクオリティをもっていなければならない。
 たとえ、レンタルといえども、少なくとも1回で終わってしまうものではないはずです。
 ただ、現実問題として、ソフト・メーカーのほとんどが、そのことを考えていないような気がします。
 ビデオを軽く考えている。
 そういう部分だけでいうなら、今回の「ガンダム」の1巻目も、残念ながら1回半で内容をほとんど理解できる。
 2回以上見なければ、わからないような、それだけ深い読みをしなければならない芝居はありませんでした。
 また、これは「逆襲のシャア」をビデオで見た時に思ったんですが、
 現在のビデオ・システムでは、劇場用のレイアウトで作ったあの作品を再現しきれない。
 ロングに引きすぎたため表情が読み取れないんです。
 だからといってアップばかりですまされては困る。そのかねあいをどこで取るか。
 今後、ソフトの提供者、特に演出家は、いやになるほど考えてみてください。
 そして、脚本家の方も、数回の鑑賞に耐えうるドラマづくりを考えてみてください。
 これはユーザーとしてのお願いです。
123:03/02/09 17:48 ID:???
>>112 立派な戦果です。
124通常の名無しさんの3倍:03/02/09 18:18 ID:Qtis6cvA
>>104
>>112
乙でした。うpロダの分は今の環境じゃ見れないんで、家でじっくり見せて貰います。

>>112
そだね(w
わしは妊娠ではないんだけど(GCも64も持ってないです)
客観的に見たときに、よそから単発でそれらしき作品が出てくることはあっても
コンスタントに出来てるのはやっぱミヤホンくらいだと思う。
125前スレ207:03/02/09 22:06 ID:???
インタビュー書き写すのは「引用」といえないこともないけど
スキャンしてあぷするのはやりすぎに思えるが。
ただの著作権侵害にしか見えないんだけど…。
なんか一気に醒めちゃったので俺はこの辺で。

今日久々に秋葉の虎で
ショーケースに鎮座ましましている
「逆襲のシャア友の会」を見ました。
126通常の名無しさんの3倍:03/02/09 22:14 ID:je9eOw3G
>>125
いくらでしたか?
127通常の名無しさんの3倍:03/02/09 22:38 ID:???
>>103
あ〜あ・・・・気づいちまったか。
128通常の名無しさんの3倍:03/02/09 23:14 ID:???
御大にメタルギアをぶつけてみたい
129逆襲のシャア友の会:03/02/10 01:43 ID:???
>>112氏 あつかれさます
130通常の名無しさんの3倍:03/02/10 03:46 ID:???
富野ってポケ戦は評価してるのか?
誰かこれ以外に発言してるの見たことある人いる?
131通常の名無しさんの3倍:03/02/10 04:19 ID:???
まあ、ほんとは著作権侵害なんだけどさ。
現在入手が不可能だったり困難だったりする雑誌の対談とかは
うpもアリなんじゃないかなーという気がしちゃうけどな。
webで公開されることによって経済的な損失が誰かに発生するというわけでもないし。

とはいえ、ありがたく読ませていただいているだけの立場としては何も言う権利ないけど。
とりあえず皆さん毎度乙。
132通常の名無しさんの3倍:03/02/10 06:41 ID:???
著作権云々って正当な言い分だけど
2chで、しかも匿名でそんな事いわれてモナー
133901:03/02/10 07:35 ID:???
「イデオン」ライナーノートをひさびさに読んだら面白
かったので、ちょっと抜粋。

 ぼくはいつ矢立部長と別れたかおぼえていない。駐車
場に自分のホンダ77があるな、とは思った。いつもの抜
け道コースで帰って来たらしい。
 薄暗い部屋の光を背にして亜阿子が立っていた。
「どうしたの!?」
「ウ?……ウン……」
「今夜、会社に泊まるっていってたじゃない」
「お、おまえに報告しとかなくっちゃいけないことがで
きちゃって、な……」
 ぼくは気丈夫にいったものだ。とにかく、この家の主
人なのだから……。靴を脱いだ。
 その途端に膝がぬけたようだった。ぼくの上体がグラ
リっと亜阿子の膝の上に倒れこんでいって、ぼくはつい
に声をあげて泣いてしまった。
?Tええい! 中年がなぜ泣く!?U
 そう思ったけれど、仕方ないのね……。
「だれにいじめられたの?」
「イデだ……イデが発動した!」
 とにかく、ぼくは矢立部長の話を亜阿子にきかせた。
「視聴率なのね……」
 亜阿子。
「それだけのこと、というより、そういう理由なら番組
当初で打ち切られているよ。警視ーKみたいに……。で、
でも勝プロの社長は笑いとばしちゃうのに、ぼくは……」
134901:03/02/10 07:36 ID:???
「イデの発現だなんて、現実にあるわけないじゃない」
「でもね、それしか考えられないよ。だってそうだろ?
夏には12月終了という案さえあったんだよ。そのための
ストーリーも作ったりしたよ。でも、2月だってことにな
って、いろいろない知恵をしぼってみたさ。そして、ぼ
くねぇ、カララ、どう殺そうかって……それが4話分のス
トーリーを残して打ち切れって……」
 もう声にもならなかった。亜阿子の膝に顔を埋めて泣
いた。そして、泣きながら、亜阿子のお腹がぼくの顔に
触れ、その肉1枚向こうに別の生命がいると感じ、想像し
たら、なおのこと悲しくなった。
「星まわりの悪い父親でごめんね。いくらなんでもおま
えの力で、この局面は救えないよなあ」
 と叫んでしまった。
 少なくともイデオンの中では、カララのお腹の中の胎
児は救世主(メシア)になるはずだったのに!
135901:03/02/10 07:39 ID:???
「イデオン」ライナーノート'82より抜粋 その2

「でもさ、がんばりが足りなかったんじゃないの? ウ
ソでも最終回は最終回なのよ。監督は作品で評価される
んでしょ? 1月で終了した『イデオン』。あの意味のわ
からなさ、尻切れトンボ。糸(意図)は丈夫でも縫えな
くっちゃあクズなのよね」
「あ、あなたはぼくの妻でしょ!? 少しでも事情をわ
かっていれば、そんな外野みたいないい方できないはず
だ。少しは亭主を慰めてやろうって心持ちにならないの
?」
「あーら、失礼しちゃうわね。残るのは作品だけだって
おっしゃっていたのはダレでしたかね? 作品の誕生す
る事情なんか関係なく存在するのが作品でしょ? なら、
いつどうなっても大丈夫な作品創りだってあるはずよ。
それを創り出すのがプロではないでしょうかね? それ
ともあなた、アマチュアなの?」
「……。アニメでおまえを食わせている。その事実だけ
に関して言えば、ぼくはプロだよ。プロですよ!」
「だったら、『イデオン』のあとのお仕事も見つけて私
を食べさせてよ。扶養家族も2人ふえるんですからね!」
「…………」
 ぼくは居間のソファベッドに横になって、ただただこ
とばを飲み込むだけだった。隙間風が背中をかすめて通
りすぎる。憂鬱の極みなのだ。
136901:03/02/10 07:41 ID:???
「イデオン」ライナーノート '82 より抜粋 その3

「そりゃあなた、そうつごうよくイデは発現しませんわ
な。話はありましたよ。いわゆる、どんなものでしょう
っていう、ホレ、相手の顔色をうかがうってのね。ぼく
たちだって、そりゃ実現させたいと思ってますよ。けど、
いまは『ガンダム』です。これが成功しないかぎりは、
何も始まりません」
 伊藤専務はおっしゃる。
「話って? 具体的にはどうなのさ」
「話は話です。『イデオン』終わりましたなア。ハァ終
わりましたね。どうですか? その後? はい『ガンダ
ム』で忙しくって……こういうのね。話っていうのは」
「まるで、話の話で、何もないじゃないの?」
「当たり前でしょ? あなただって、いまは『ガンダム』
の仕上げに入っているんでしょう? 仕事が重ならなく
ってよかったじゃない。
 しっかりやってよ。当てにしてんだから……。社運が
かかっているのよ。社運が!」
「そうですよ。総監督!『イデオン』の打ち上げをパァ
ーッとやってやるから、気分晴らしてさ!」
 これは矢立部長。
 なんでこの2人は、こうも大人っぽくふるまえるのだろ
う?
137901:03/02/10 07:42 ID:???
 だから、ぼくは、
「世間って、そんなものらしいねェ。深く静かに潜行し
だしたって感じで、イデは休息したらしい」
 そう亜阿子に報告をする。
「かもしれないわね。テレビの30分ものを1本作るのに
何百万円もかかる。映画だったらその5倍、10倍でしょ?
サラリーマンなら、上司の命令でもないかぎり、1000万
円単位の賭けのために動いたりはしないわよね。失敗し
たら、首が飛ばないまでも、左遷だわよね。妻子が泣く
わね」
「だから、社長だけが責任とらされる……会社ってそん
なもんなのだろうな。
 1人のディレクターの思い込みなんてことだけで映画
作れたりしたら、そのほうが間違っているのかな?」
「そうかもしれない。口惜しいわね」
138901:03/02/10 07:43 ID:???
 亜阿子もさすがに溜息をついて、針仕事をやめた。
「なんでおむつを手で縫うんだ。いまならいいものがあ
るんだろ? 紙おむつだってあるしそんな面倒なこと…」
 ムッとした亜阿子がいう。
「お母さんが、おむつは絶対に手縫いですっていうから
よ。私もそう思うからやっているんじゃない。厭よ。で
きあいのなんか。赤ちゃんが可哀相よ」
「……わかるけどさ、2人分だ。たいへんじゃないか?」
「妹だって少し手伝ってくれるっていうしね。いいじゃ
ない? 楽しいのよ。月曜日分のおむつ、火曜日分のお
むつってね」
「フーン。何枚作る?」
「100枚」
「!」
 冗談だろうと思ったが、それ以上いうとまた経済のこ
とをいわれたりするし、たいへんだろうと、この労働を
楽しんでいるらしい亜阿子を見ると、これこそ母親にな
る女性のスタミナ、パワーなんだろうと納得する。
「強いのね。ご婦人って」
139901:03/02/10 08:02 ID:???
以上です。なんかこのへんが面白いなあって思ったところを
抜粋してみました。なんというか、フィクションとノンフィ
クションのせめぎ合いって感じがたまらない。
140通常の名無しさんの3倍:03/02/10 08:30 ID:???
>>133
>「イデだ……イデが発動した!」

禿ワラ。
とりあえず乙。
ライナーノートは未だに手に入れてないんだよなあ…
141通常の名無しさんの3倍:03/02/10 08:53 ID:???
乙です
双子ってのはフィクション、ノンフィクション?
142通常の名無しさんの3倍:03/02/10 13:34 ID:???
これは面白いな。
ライナーノートってまだ手に入るの?
143通常の名無しさんの3倍:03/02/10 14:20 ID:???
>>141
実際には娘さんは歳がいくつか離れてるはずだけど。
144通常の名無しさんの3倍:03/02/10 21:09 ID:???
age
145通常の名無しさんの3倍:03/02/10 21:18 ID:???
>>143
なるほど、その部分はフィクションなわけですね
さすが作家、話がうまいw
146通常の名無しさんの3倍:03/02/10 22:00 ID:???
だがそれだけだ。富野は己の言葉に酔う余り真実を語れない。
147金沢者:03/02/10 22:03 ID:???
金沢の講演のこと、うろ覚えだけれど書いていい?
148通常の名無しさんの3倍:03/02/10 22:08 ID:???
>>147
お願いします。0080スレでも知りたいと言う書き込みがあったな。
149金沢者:03/02/10 22:53 ID:???
eAT03金沢「アートはサバイバルだ!」
今回のこの講演にはAM10:00〜PM5:00まで、高畑勲や東大の先生など色々な人が
入れ代わり一時間半ぐらいずつ立ち代わり講演をしていた。

セミナーD「身体性の復建を目指す時代の到来」
進行:川口洋一郎 ゲスト:富野由悠季

「今日こちらには大塚康生さんや、高畑勲さんみたいな、僕からしてみれば
 神様のような方々もいらっしゃるのに、僕のようなミーハーな者がトリを
 とるなんて、、、ですから僕は帽子をとります。」と頭を下げた。
場内からは笑みと拍手が。つかみはオッケーといった感じ。
150金沢者:03/02/10 23:21 ID:???
今回のテーマ、身体性の復建とは
「映画のスパイダーマンが格好良く飛んだり跳ねたりするからといって身体性を
 表現しているか?というとそうではないでしょう?ああいうハリウッド映画は
 ただの技術の塊なんじゃないだろうか。」

「そういう、技術だけに傾倒していくのは間違いなんですよ。僕は今キングゲイナーを
 デジタルでやってますけれども、結局デジタルっていっても人間の肉体労働に
 戻るんですよね。僕は今まで東大の教授なんて糞ッ食らえと思っていましたけれども、
 先ほどの東大の先生方の話を聞いて今日考えが変わりました。東大の先生方も、
 やっぱり体力必要なんですね。」
  ↑
当日に、奈良の大仏を丸々スキャニングしてデジタルデータにした教授の講演の際、
その作業ビデオを見ました。いちいち骨組みを作ってその高いところから大仏を
レーザーでスキャンすることを繰り返していました。このことをいっています。
151金沢者:03/02/10 23:31 ID:???
話の途中に、キングゲイナーのOP見ました。
初めて見たのですけれども、踊ってましたねw

「これが僕の言ってる『身体性』ってことじゃないんですけれどもね。
 そんな馬鹿で単純な話じゃないですよ?」
と苦笑いしてました。
152通常の名無しさんの3倍:03/02/10 23:43 ID:???
相変わらず、学歴コンプレックスあったのね(w
いい加減、脱却したかと思ってたけど。
153金沢者:03/02/10 23:54 ID:???
学歴の言葉を聞いてこう言っていたのを思い出しました。
「僕らのの世代のエリートは、アメリカの真似をした。アメリカの街を見て、
 東京を作った。ただしそれはアメリカの本当に一部なんですよ。
 アメリカってまだ大部分がド田舎なわけでしょ?パリだって車で10分も
 いけば農園が広がっている。そういうところを真似しなかったのは罪なんです。
 しかし、戦後の焼け野原から復興しようっていうのは悪くないことですけどね。」
154通常の名無しさんの3倍:03/02/11 00:31 ID:???
このスレ、富野の著作権侵害スレですね・・。
ライナーノートとかそのまま載せて。
155金沢者:03/02/11 00:40 ID:???
最近のアニメ業界やそれに関わる若者について
「高畑勲監督が先ほど
 『アニメーションはもう絵の精緻さと技術の時代ではなくなってきている』
 とおっしゃったように、それなりの体力と、それなりの実力があれば、愚民を騙せる作品は
 できあがるが、そうなってほしくはないです。絵を描くってことの真の意味も理解しないで
 CGなんかやるな!!スクウェアみたいに潰れる!!」

「NTTなんかがそうです。半年先に新しいモデルの携帯電話なんか出したりして、愚民を騙している。
 物造りに真の意味での進歩がない。彼等は社会の敵です!NTTさんの他にもいっぱいいますけどね。
 あいつら携帯電話の便利さばっか主張して、不便なところは全然宣伝しないんだから。
 、、、皆さん、携帯電話は不便なものですよー。」場内ちょい笑い、ちょいひき。
    ↑
NTTも協賛のアートフェスティバルだったのに、やっちゃった(w
場内にNTT関係者さんもいますよって言われて、富野氏は少しあせってた(w

「皆さんはアニメ、マンガ、ゲームばかり見てきたある意味可哀想な世代です。体感がない。
 昨日行われた、茶道や能楽とCGコラボレーションを見まして、伝統芸能って体感なんだな、
 と思いました。伝統芸能の先生方は体感で文化を感じていらっしゃる。若い奴らにはそういう
 体感でモノを覚えるってことがない。僕は子供の頃自分で朝ご飯を炊きましたけれど、
 臭いや煙加減によって何分とろ火にして、何分蒸らして、とかそういう感覚がありましたよ。
 今は皆電気釜でしょ?」
156通常の名無しさんの3倍:03/02/11 00:50 ID:???
>>155
相変わらず尖ってるなあ(w
157金沢者:03/02/11 01:43 ID:???
上の発言の最後に追加
「社会って便利になり過ぎているんですよ。それを自覚しなければならない。」

「なぜ、自分が絵を描いているのか?その意味を深く考えなければならないんですよ。それは、
 ただ単にマンガが好きだから、とかではない、もっと深い理念や思想を持たなければなりません。」
「ただ、理念や思想の行き過ぎた先にはハイル・ヒットラー(エゴイズム?)が待っている。」

「社会とは他者とのつながりです。他者がどうあるのか、自分がどうあるのか良く考えなければ
 なりません。あなた方の中で、たった自分一人の力だけで作品を作ろうと思っている人、
 それは間違いです。あんたの前にはMacがあるじゃないか!Macを作った人の技術の上にあんたは
 乗っかっているのを忘れるな!エゴでいきていけるのは天才だけです。」

私が憶えているのは、以上です。
なお、この文章は私のメモをまとめたものであり、色々な話がごちゃ混ぜになっているのを
ご了承願います。
158通常の名無しさんの3倍:03/02/11 02:35 ID:???
やっぱり尖ってるなあ(w
159通常の名無しさんの3倍:03/02/11 09:48 ID:???
「皆さんはアニメ、マンガ、ゲームばかり見てきたある意味可哀想な世代です。体感がない。
 昨日行われた、茶道や能楽とCGコラボレーションを見まして、伝統芸能って体感なんだな、
 と思いました。伝統芸能の先生方は体感で文化を感じていらっしゃる。若い奴らにはそういう
 体感でモノを覚えるってことがない。僕は子供の頃自分で朝ご飯を炊きましたけれど、
 臭いや煙加減によって何分とろ火にして、何分蒸らして、とかそういう感覚がありましたよ。
 今は皆電気釜でしょ?社会って便利になり過ぎているんですよ。それを自覚しなければならない。」
160通常の名無しさんの3倍:03/02/11 10:11 ID:???
スレ違いなんだけど、
押井×宮崎対談とか、アニメ界の大御所対談も欲しいね
富野やガンダムについても、言及してるかもしれんし
161通常の名無しさんの3倍:03/02/11 18:04 ID:???
>>99
遅レスだが御大なら
「女の子のセンスがなさすぎます」
もしくは
「お前らこの女の子のお○ンコ舐めたいと思うか」
とばっさり切りそうだな
ゲームの出来は知らんが
162通常の名無しさんの3倍:03/02/11 18:11 ID:???
チアキは魔丞チアキに。
イサムは魔合イサムに変身しまl@
蜷l公と理を巡って戦う魔ヘ確タでしょb?
娯C新悪魔でトキサダという奴がいまl@
小脇にΔ背中に切x丹一揆の旗を掲げているナイスガイでl@
163通常の名無しさんの3倍:03/02/12 00:07 ID:???
>Macを作った人の技術の上にあんたは乗っかっているのを忘れるな!
忘れてました…。
164通常の名無しさんの3倍:03/02/12 00:55 ID:???
>>155
僕は理解した。
富野由悠季の中の人が暗黒面に落ちた宮本茂である事に・・・・。
165通常の名無しさんの3倍:03/02/12 03:48 ID:CPwZPPL6
最新富野氏が拝めますぜ

http://kodansha.cplaza.ne.jp/hot/anime/index.html
166通常の名無しさんの3倍:03/02/12 03:54 ID:???
>>154
トミノが対談やインタビューをまとめた本を出してくれれば、ぼくらはこんな苦労して書き込まなくってすむんです。
167通常の名無しさんの3倍:03/02/12 03:59 ID:???
>>166
お前が書き込んだのどれ?
168通常の名無しさんの3倍:03/02/12 04:09 ID:???
>>167
ごめん、俺は書き込んでない。キンゲコピペから抜粋しただけ。
169通常の名無しさんの3倍:03/02/12 07:34 ID:???
久しぶりに見たら、語録量が半端じゃないことになってますな。名スレだ。
語録倉庫がもし消えても、ミラー作ってずっとweb上に残しておきたいね。
170通常の名無しさんの3倍:03/02/12 09:48 ID:???
>>165
そこの富野の写真だけど、
目ェつぶってるから、のど自慢でもやってるみたいだな。
171ファウ・ファウ物語あとがき:03/02/12 18:09 ID:???
『ファウ・ファウ物語 下巻』角川文庫 昭和62年3月初版発行
あとがき
  あるかも知れぬ話なれば、あるかも知れぬと思い、繰り返す物語とした……

                                  富野由悠季

『とんとある話。あったか無かったかは知らねども、昔のことなれば無かった事もあった
にして聴かねばならぬ。よいか?』
大江健三郎氏の『M/Tと森のフシギの物語』で、おばあさんが、『僕』に昔話を聞かせ
る時に、なんどもなんども口にした言葉です。
この枕言葉は、『M/T』を支配し、伝承と『僕』が体験した過去と現在の現実まで支配
します。
そのディティールを知りたい方は、その作品を読むことをおすすめしますが……
ここでは、『M/T』の所感を語るつもりはありません。しかし、ぼくは、ファウ・ファ
ウ物語の執筆を終了した後に、この『M/T』に接して、『昔のことなれば……』の語り
口が持つ摩訶不思議さに圧倒されて、涙を流しました。
なぜなら、ぼくがファウ・ファウ物語を書き始めた本当の理由は、『M/T』に示されて
いるような構造に触れたかったからだと分ったからです。
172ファウ・ファウ物語あとがき:03/02/12 18:10 ID:???
しかし、曖昧な意識では、虚構を現実まで引き上げさせる力など持たせられるはずがあり
ません。
ぼくのは背後には森がなく、ぼくは根なし草なのだという痛烈な事実を思い起させるだけ
なのですから……
         (勿論、読者はそれだけでない別の理由も御承知でしょうが……)
しかし、ひらき直って『M/T』は『M/T』で、ぼくには、こうしか書けなかったとい
う現実を直視するしかないのです。
ぼくは、自分の本能のどこかにある指向と、ぼくの能力のギャップを感じながらも、昔か
ら人を支配したであろうなにかに迫りたい、という欲望を捨て切れないのです。
ぼくにとって、ファウ・ファウ物語は、ロボット・アニメのある代表かも知れないガンダ
ムと無縁のものではないのです。
ガンダムを書き始めた時に意識したことは、ロボットが活躍しなければならない擬似SF
の世界に、人の記憶(別の言い方をすれば、恣意)を投入することはできないだろうか、と
夢想したことに始まります。
そして、その時、ようやく思い至ったことは、人の意思は、孤立して在るものではないと
いうことです。
当たり前のことなのです。
173ファウ・ファウ物語あとがき:03/02/12 18:10 ID:???
が、そうだろうか? と、疑問に思わざるを得ない賢しさを、人は一杯もっているのでは
ないか、とも思いました。
それは、なにも、自由主義に代表されるような思潮の中に現われる誤解にとどまらない、
と気がついたことです。
企業、国家、官僚、民族、宗教、専門職主義等々の背景にあるものは、独自性に名を借り
るか、真実に名を借りた独善的志向があると気づかざるを得なかったのです。勿論、利益追
求の真理というものもありますが……
それは、一般に言われる、例えば、企業が個人を抹殺する、と言った程度の認識ではなく、
もっと根深いものなのです。
危険を恐れずに言うならば、人は、本来、庇護されたいという習性を持ち、孤立できず、
独自の個の存立などはあり得ないという事実です。
こう断定することは危険かも知れないというぼくの感覚が、すでに、個性とか独自性とか
創造性という言葉のマヤカシに乗せられているのでしょう。
当り前でしょ?
生物が、個として存在したことがありましたか?
みんな助け合って、共存したではありませんか? 肩を寄せ合い、群れて暮してきたでは
ありませんか?
174ファウ・ファウ物語あとがき:03/02/12 18:11 ID:???
大人になって、どれだけ賢くなりましたか?
賢くなってはいけないのです。共存するためには、その群の意思に従って、妥協する知恵
がなければ、村八分になって、暮していけなくなるのです。
だからこそ、人は、夢と希望という名前でもって、個人の独自性、自由を語るのです。
そうなのです。
なのに、なんで、夢を先にして、生き、暮そうとするのでしょう?
希望を持たないと、堪らないからでしょう。
ですから、ズーッと昔から、自然への畏敬と感謝がないまぜになった夢物語が、口から耳
へ、耳から口へと語り継がれたのです。
そして、それは、いつか、現実の中に紛れ込んで、現実を支配とする力ともなってしまっ
たのです。
たとえば、古事記に書かれたことが、現実の国家の源として作動するように……
それは、いけないことなのでしょうか?
いえ、それがおくびょうで、脆さを持つ人の夢なのです。それがなければ、たとえば、日
本人は寂しいのです。
その寂しさ故に、神話さえも現実を構築する要素として利用し、現実の苦しさを回避する
手段として利用してしまうのです。
175ファウ・ファウ物語あとがき:03/02/12 18:11 ID:???
昔から、人が語った物語は、口先だけのものではなく、文字の中だけのものでもなく、ま
して、意識の中に封じ込められただけのものでもないのです。
現実を支えるものなのです。
それが、ぼくにとっては、バイストン・ウェルでした。
勿論、ぼくは、ロボット・アニメの監督ですから、一度は、バイストン・ウェルの世界を、
ロボットを動かすための世界として利用しました。
つまりは、ビジネスをする上での道具として、描写するところからはじめたのです。
ところが、『あるかも知れぬ事なれば、あるかも知れぬとして聴くのだぞ!』と言うに似
た言葉を聞いた時から、それは、個人の創作物以上に、現実のものになったのです。
『M/T』の森の世界では、人々は暮しの中に、やすやすと、しかも、巧妙に物語を取り
込んで暮して来ました。
それは、人にとってやんごとないことのように感じられます。
であればこそ、我々は意思して物語を創出して、昔ならば、森が残しておいてくれた物語
を、今、語り継がれなければならないと夢想するのです。
勿論、ひょっとしたら、海の物語かも知れないのですが、ともかく、それらのものが蓄え
てくれた激しさを決して忘れてはならないと思うのです。
それが、おおげさに言えば、ビビットな心を温存させて、現代的な危機を回避する唯一の
方法となりましょう。
現代、社会の表面に現れていて、一見、社会全体を支えているように見える各種のスペシ
ャリストたちは、それぞれがマニアークな世界に陥って、世界を大観することを忘れてしま
っているのではないかという想像は、本当に恐ろしいものです。
176ファウ・ファウ物語あとがき:03/02/12 18:13 ID:???
なにもそれは、アニメとかコミックスとかパソコンとか、ホビーの世界だけのことではな
く、政治や金融や科学技術の研究開発の世界やセックスやペットの考え方まで含めた、全て
の分野にいえることなのです。
それらのことごとが、それぞれの壁を作って、その中に閉じこもって、しかも、一番怖い
ことは、それが現代の言葉なのです、流行なのです、正義なのです、と語り継ぐ癖を持って
しまう社会の恐ろしさなのです。
その現実を『あることなれば、あることとして、認めなさい』『ウン!』とは、答えられ
ないボクの直感なのです。
人は、一人では生きていけません。
人は、この世に在るもの全ての関係の中で、生かされているのです。
そんな語りかけを、森に代ってしなければならない現代という時代は、本当に危険なので
す。
ですから、ファウ・ファウ物語には、繰り返す物語という意味で、リ・ストーリーという
ルビを振ったりもしました。
それは、今、現在、ぼくが生かされている現実のひとつでも覗いて見たいという欲望の現
れなのです。
繰り返さなければならない。繰り返さなければ、きっと、ぼくは、死んでも、根なし草で
終るのだろうという恐怖に取り付かれているのです。
ですから、書くのです。
今度は、ファウ・ファウと森に行ってみたいものです。
もし、酸性雨に犯されていない森があるのならばの話ですが……


以上です。
お役に立てれば幸いです。
177通常の名無しさんの3倍:03/02/12 20:57 ID:???
逆シァア小説版(徳間)の後書きインタビューアップきぼん
178通常の名無しさんの3倍:03/02/12 21:46 ID:???
>>177
今売ってるものなんだから買っとけ!
そして御大に寄与しろ!!
179通常の名無しさんの3倍:03/02/12 23:41 ID:???
>>165
これってまた「ガンダム者」みたく単行本化するのかな?
りんたろう×御大の対談やってほしいね。

それにしても…動画で見るとやっぱ御大怪しすぎる
途中いきなり叫ぶし コワー
180通常の名無しさんの3倍:03/02/12 23:48 ID:???
>>178
うるせーな
つまんねー小説に金落とすほど酔狂じゃねーんだよ
181通常の名無しさんの3倍:03/02/13 00:10 ID:???
>>180
・・・読んだのかよ
182胆力:03/02/13 00:13 ID:???
ハア、やる気なくなるね。
183通常の名無しさんの3倍:03/02/13 00:42 ID:???
>>180
おまえがこのスレを殺してしまった
184逆襲のシャア友の会:03/02/13 02:01 ID:???
>>171 後で読ませてもらうよ  オツカレ
185通常の名無しさんの3倍:03/02/13 03:11 ID:???
>>165
相変わらずヘンな動きのトミノ萌え(;´Д`)ハァハァ
186通常の名無しさんの3倍:03/02/13 05:34 ID:???
富野御大の所だけ音が悪いぞー、それにしても元気だなー。
187通常の名無しさんの3倍:03/02/13 15:11 ID:???
なんかどなってることだけはわかった
188通常の名無しさんの3倍:03/02/13 17:19 ID:???
>>165
保存しますた。
上智大学での講演会のmp3持ってるのって結構貴重なのかな?
189通常の名無しさんの3倍:03/02/13 19:42 ID:???
>165
なに言ってるかよくわからんけどワラタ
微妙に空気嫁てない感じ(?)

前半で手塚夫人にやさしくしてるのも御大?
190押井守:03/02/13 20:00 ID:???
押井スレ立てるのも もうナニなんで

こんなこと言うと間違いなく喧嘩になるだろうけど
あの人(宮崎)の歴史的使命は終わったんですよ。
僕の見てきた体験の中で言えば、「未来少年コナン」や
「ルパン三世 カリオストロの城」がピークで、
逆にジブリに移ってからは後退戦だったと思ってます。
作品のクオリティーが上がる一方で内実としては
後退戦だったのがここ十年だと思いますね。
でも幸せな人間だと思うんだけどね、やり尽くしたんだから。
191押井守:03/02/13 20:00 ID:???
ジブリでしか育ってこないタイプの
アニメーターは確実にいるはずだし、
スタッフの力量は動画から仕上げに至るまで
非常に高いものがあるわけだから。
(中略)
ジブリでなければできないものは確実にあるし、
なくなれば伝統は消え去ります。
それは相対的な評価で、個別の評価で言えば
すみやかに解散すべきだと思ってますね。
192押井守:03/02/13 20:01 ID:???
高畑さんはともかく、
宮さんは叩けば埃の出る人間なんだから。
そういうことを含めての高畑さんであり、
宮さんなんだから、神格化しちゃうと
とんでもないことになりますよ。
193押井守:03/02/13 20:02 ID:???
あそこ(ジブリ)に一歩でも足を踏み入れた人間なら
すぐ分かりますよ。
まあ全否定するわけじゃないですけど、そういう
(世界のアニメの良心のような)持ち上げられ方を
するとあそこの人間が不幸になるから。
現に不幸になってるから、やめてくれと思ってるんだけど。
どっかで誰かがこきおろすべきであってね、
それには迫力も覚悟も必要なんだけど。
194押井守:03/02/13 20:03 ID:???
高畑さんは宮さんと同じところに出入りしてますから、
ちょくちょく会うし、一緒に話すこともあります。
三人で一緒に仕事をという話もあったんです。
(中略)
確か宮さんがプロデューサーで僕が監督、
高畑さんもプロデュースで付くということで。
三人でこもって一応プロットまで作ったんですが、
一晩大喧嘩になりまして、
決裂してやめちゃったんです。
(中略)
195押井守:03/02/13 20:03 ID:???
要するに六〇年風に言えば、
目的が正当であれば手段は問わない。
あの人たちにとっては今も
映画を作ることは一種組合活動の延長線上にある
という感じで僕は見てますけどね。
(中略)
一つの戦略を立てて、いかに人間をまとめ上げて、
反逆者を粛清していくか。
変わんないですよ。
大衆運動特有のアジテーションもあれば恫喝もある。
基本的にはトップの意志をいかに貫徹するかという
徹底した組織論だから。
196押井守:03/02/13 20:04 ID:???
あの人たちはモラリストじゃないんですよ。
倫理観の欠如は六〇年代のおじさんに共通しています。
あの人たちは妥当性があれば、
要するに「錦の御旗」があれば何をやってもいいと
間違いなく思ってますから。
これがある意味では一番嫌な面であって、
それがある故にどうしても最後の部分で好きになれない。
197押井守:03/02/13 20:05 ID:???
何だかんだ文句言ってるけど、
あの二人が作らなくなるとしたら、つまんなくなると
思いますよ。何か妙にスカスカするだろうなという気がしますね。
198押井守:03/02/13 20:05 ID:???
「風の谷のナウシカ」
これは宮さん流の「宇宙戦艦ヤマト」なんですよ。
色々粉飾をこらしてるけど、特攻隊の情念が充満してる。
そういう意味ではイデオロギーをそのまま映画にして、
壮烈なエネルギーで支えたパワフルな作品ではある。

「天空の城ラピュタ」
僕はジブリの作品の中でも一番好きです。
良くも悪くも少年の冒険物語として
いい構造を持ってるから。
あの人が目指してる映画と、抱え込んでる情念との
バランスがよくとれてる作品です。「ナウシカ」は
天秤がドーンと上がってますよ(笑)
ただ、空から人がバラバラ落ちて、ムスカという男が
「人間がゴミのように見える、ワッハッハッ」っていう
シーンにはゾッとしたけどね。
どこかでそういう「人間なんかみんな死んでしまえ」って
恐ろしく残酷な面があるから。
199押井守:03/02/13 20:06 ID:???
「となりのトトロ」
自分の理想である日本の美しい共同体を描く時に
北欧のトロールを移植するしかなかったという根本的な
欠陥がありながら、力ずくで押し切った作品。
子供が夢中になるのは分かりますよ、サービスの
限りを尽くしたんだから。
もの作ってる人間が乗ってたまるかと思いますね。

「魔女の宅急便」
時代の要請があった時、鈴木敏夫というプロデューサー
の独特の勘があって言わば宮さんを論破して作った映画です。
宮さんにしてはサービスが過剰で破綻していると思います。
あの後落ち込んだんじゃないでしょうか。
二年ぐらいブランクがあるでしょう。
200押井守:03/02/13 20:07 ID:???
「紅の豚」
要するに私小説ですよ。あれだけカッコつけて
キザな台詞喋って、海賊をきどってるけど、
全部自己弁明じゃないですか。最後にスポッと
ブタの頭脱いだら宮さんの顔になって
「すみませんでした」ってオチがあればよかったんだけど。
あれは、「ブヒブヒ」しか言えないけどやたら
空中戦だけはうまいブタが主人公なら傑作だったと思いますよ。
201押井守:03/02/13 20:08 ID:???
8年くらい以前のインタビューでした。
なんとなく出典は伏せとく。
202通常の名無しさんの3倍:03/02/13 20:11 ID:???
思ってることは違うが俺もナウシカ、ラピュタまでで
御大がスピルバーグ=賞取り監督とかなんとかいってたのと同じで、トトロ以降は狙ってる感を強く感じる
203通常の名無しさんの3倍:03/02/13 20:13 ID:???
荒しかと思っちゃった。つうか、荒しそのものの発言だよなあ。
この調子でもののけや千尋のコメントも聞きたいものだねえ。
204山崎渉:03/02/13 21:18 ID:???

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                                      山発第250号
                                   平成15年2月13日
 2ちゃんねる
 関係者各位
                               山崎渉実行委員会
                                 実行委員長 山崎渉

             【(^^)山崎渉再開のお知らせ(^^)】

  拝啓 余寒の候、毎々格別のご厚情を賜り、まことに有り難うございます。
平素は山崎渉をひとかたならぬご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
  さて、早速ではございますが、先日サービスを終了させていただきました
山崎渉を皆様からのご声援とご要望にお応えして、再びサービスを再開する
運びとなりましたのでお知らせいたします。
  つきましては、関係者の皆様には既に山崎渉の使用をお止めになった
方もいらっしゃると思いますので、この機会に再度ご使用いただけますよう
お願い申し上げます。

  これからも何卒変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。(^^)

                                           敬具
----------------------------------------------------------------
205通常の名無しさんの3倍:03/02/13 21:56 ID:qa/jOPjw
>>203
2ちゃんの煽り・荒らしと同格に見るのもどうかと。
押井の話はおもろいけど、2ちゃんの煽り・荒らしなんか殆どが
糞詰まらなくて不快なだけ。
206通常の名無しさんの3倍:03/02/13 22:24 ID:???
>>202
狙ってるというよりいささか教条的かな…と思っている>ジブリ作品
スレ違いなので撤退。
207通常の名無しさんの3倍:03/02/14 00:21 ID:???
>>205
それに押井のバイアスがかかりまくっているが、極端な話、間違ったことは言ってない。
2chの煽りは往々にして間違った情報に基づいていたり、相手を貶めるためにわざと
間違ったりする。
208通常の名無しさんの3倍:03/02/14 00:29 ID:???
この押井発言は、徳間かキネ旬から出てたジブリ本だったっけ。
火垂るの墓について
「近親相姦の映画で、背景に死のイメージがべったり貼りついてる」
と言ってたのが印象に残ってるな。
後、ジブリはクレムリンで、
高畑=スターリン
宮崎=トロツキー
鈴木P=KGB局長とか。
209通常の名無しさんの3倍:03/02/14 02:18 ID:KQUTav2g
ま、この押井の作品評には当時禿しく胴衣したもんだが、
もののけ以降、多少変わってきたとは思う。
千尋がアカデミー賞にノミネートされても、今なら素直に喜べる。

たたいて埃のでるアカデミー賞監督なんていくらでもいるしな。
アニメの監督だけが清廉潔白である必要はないだろ。
210通常の名無しさんの3倍:03/02/14 02:29 ID:???
イデオンについてコメントしてたりするのか?>ハゲ
211通常の名無しさんの3倍:03/02/14 03:14 ID:???
>>209
俺には全然変わってないように思える。
つかノミネートされて何故キミが喜ぶのかさっぱり分からん。
アメ公が千尋を本当に理解できてるのかも分からん。
たぶん分かってないと思うが。
212通常の名無しさんの3倍:03/02/14 05:02 ID:???
ノミネートを喜んでるのは信者だからじゃないの?

それと、209は押井の作品評が
今では変わってしまった(当てはまらない)ってんじゃなくて、
豚オヤジの作る作品自体が変わってきたって言ってんだろ。きっと。

俺も、紅豚の頃からなんだか変わってきてるような気がするな。
観客を煙に巻くような所が出てきた感じがしないでもない。
以前は純粋にエンタメしてたのに。

ま、どうでもいいんだが。スレ違いだし。
213通常の名無しさんの3倍:03/02/14 05:13 ID:???
豚の、叩けば出てくる埃ってのが何なのかはちょっとだけ興味あるな。
何だ?今さらロリ癖でもあるまいし。

富野もそういう叩くと出てくる埃というか、ハゲ…じゃない影の部分ってあるのだろうか?
まァ人から叩かれる前に、全部自分で吐き出してるような気もするけど。
病気のこととかSM趣味のこととかさ。
214通常の名無しさんの3倍:03/02/14 08:41 ID:???
両方と付き合った鈴木プロデューサー曰く、
「宮崎駿は実生活はムチャクチャだが、作品は常識ぶっている。
 富野由悠季という人は実生活はしっかりしていて、気さくで
 付き合いやすい。が、作るものはブッ飛んでいる。面白いよね」

ってなのをアニメサロン板で見たよ。
215通常の名無しさんの3倍:03/02/14 11:49 ID:???
思想が赤かったりロリ癖は知ってる人は知ってるわけだし、
あと戦車とか好きなんだっけ?

他に何かあるのかねぇ。
216通常の名無しさんの3倍:03/02/14 12:07 ID:???
それこそ少女買春とかヤバイ事なんじゃないの?
217通常の名無しさんの3倍:03/02/14 12:15 ID:???
>>215
赤かったことを、今のジブリを見る層がどこまで把握しているのだろう。
宮崎は戦争大好き。軍事板ではそっちの方で人気がある。
エコは冗談か商売と思われている。
218通常の名無しさんの3倍:03/02/14 12:50 ID:???
ロリ癖は作品で社会的に認知させようとしてるじゃん
少女のパンモロはOKとか少女の背中見せはOKとか(w
219通常の名無しさんの3倍:03/02/14 15:50 ID:???
押井の感想は憶測からくる決め付けが多い。
逆シャアでの富野評も見当外れなこと言ってたし。
220通常の名無しさんの3倍:03/02/14 16:18 ID:???
>>215
不倫とか?
押井や富野なら「へー」ですむことでも
宮崎だと本人も周りも大問題と捉えそう(w
221通常の名無しさんの3倍:03/02/14 16:20 ID:???
>>191-196
右だの左だの、感触と個別論だけで
論じたがる奴がよくいるけど
(ま、ぜーんぜん関係ない子供なんだろうけど)
読ませてやりたいな。
222通常の名無しさんの3倍:03/02/14 17:11 ID:???
>>221
惑★開…
223通常の名無しさんの3倍:03/02/14 17:46 ID:???
富野は小田原出身か・・・。同じだ・・・。。鬱。
224通常の名無しさんの3倍:03/02/14 19:19 ID:???
>>222
掲示板でいやな目にでもあったの?
225通常の名無しさんの3倍:03/02/14 20:39 ID:???
>>223
どういう意味で鬱なんだろ・・・
226通常の名無しさんの3倍:03/02/14 21:54 ID:???
>>223
自意識過剰。だからどーしたと言われたらお前はどうする。
え?どうすんだコラ。
227通常の名無しさんの3倍:03/02/14 22:30 ID:???
>>226
嫉妬醜い。お前みたいのがいるからガノタはキモイって言われるんだよ。
228通常の名無しさんの3倍:03/02/14 22:30 ID:???
>>223
この板的には駅前に富野像を建てて欲しいくらいなのに。
キ●ガイの街って言われたとか?
229通常の名無しさんの3倍:03/02/15 02:18 ID:???
「だから僕は…」に影響されて小田原コンプレックスにかかったのかい?
230通常の名無しさんの3倍:03/02/15 03:39 ID:???
>>159
とか、、、

どこにでもいる老人の嘆きでしかないじゃねーか、、、

かっこよく嘆いてどーなるんだよ? ジジイのセンずりか!?w

核戦争でも起こして1から始めるのかよ!

かっこよく嘆くことに意味あるのかよ!?

そんなもん創作じゃねーだろ。
231通常の名無しさんの3倍:03/02/15 03:43 ID:???
ん?
かっこよく嘆く事を創作って言うんじゃないの?
232通常の名無しさんの3倍:03/02/15 03:45 ID:???
>>230
>核戦争でも起こして1から始めるのかよ!
それをしないで変わっていけりゃ良いよねって話じゃないの?
ブレンパワードや∀ガンダムは。
233通常の名無しさんの3倍:03/02/15 03:51 ID:???
>>230
>核戦争でも起こして1から始めるのかよ!

本気でそうしたかったから逆シャアで
234通常の名無しさんの3倍:03/02/15 03:58 ID:???
しょせんアニメはアニメでしかないんだよね。

ガンダムだってガンプラがヒットしただけの話。

富野は勘違いしたまま死んでいくんだよ。

幸せだね。

今の子供たちに一番必要なのは「アニメなんか見せない」ことだよ(w
身体性を失わせているのは富野(w
235通常の名無しさんの3倍:03/02/15 07:06 ID:???
>>234
本当にアニメにそこまで影響力があったら良かったけどね。
所詮アニメはアニメなんてそんなの普通は承知してる事でしょうが。無論、富野もそういってる。
あんたか現実で何程の事してるのか知らないが、勘違いしてるのはお前だよ。
嫉妬はやめときな。
236通常の名無しさんの3倍:03/02/15 08:30 ID:???
>>230
どこにでもいる老人の嘆きと同じことを、

あの変人富野がいうから

いいんじゃないか。
237通常の名無しさんの3倍:03/02/15 09:11 ID:???
>>133-138
遅レスだがいいもん読ませてもらいますた。
笑い過ぎて苦しい。なんてステキなんだ富野。LOVE。
238通常の名無しさんの3倍:03/02/15 09:20 ID:???
今の子供は昔ほどアニメを見てないと思うがな。
239通常の名無しさんの3倍:03/02/15 12:30 ID:???
アニメ、漫画の可能性議論
 来月、国際フォーラム開催

 今年が日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との交流年であることを記念して、文化庁とA
SEAN加盟各国による「国際アニメ・マンガフォーラム」が3月10日から1週間、東京都内で
開かれる。

 日本のアニメーションや漫画は東南アジアにも浸透しており、互いの文化への理解を深めるとと
もに、アニメや漫画を文化、芸術ととらえた場合の可能性などを話し合う。会場となる丸ビル(東
京都千代田区)で期間中、日本とASEAN諸国の作家の作品や原画を上映・展示する。

 初日の10日には、スーザン・ネイピア米テキサス大教授(近代日本文学)とアニメ映画「機動
戦士ガンダム」の富野由悠季監督の基調対談のほか、日本とASEAN諸国の共通言語としてのア
ニメの存在や、独自の文化を発信する情報としての漫画の可能性などについてシンポジウムを行
う。






↑これ行った人いる?
お話聞かせてー。
240通常の名無しさんの3倍:03/02/15 12:45 ID:???
>>239
キミ、未来人?
241角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:11 ID:fNn5EAzE
まだ出てなかったよね?
次から張ります。
242角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:13 ID:fNn5EAzE
あとがき

 映画を本編とすれば、本書は、モチーフ小説と位置づけられるもので、本来、発表される
べき性質のものではないでしょう。また、小生は、今期、別の出版社でも映画のストーリー
に即した『逆襲のシャア』のノベルス版も提供しております。
 それゆえに、なぜ、このような仕事をしたかという点について、お答えする義務が多少ある
と考えました。
 他社版の『逆襲のシャア』は、現実にすすめながら、前後に次なるストーリーを展開する
人物たちを登場させるという方法を試みさせてもらっているのです。このような手段を講じ
ないと、若い人に負けてしまうという、小生の恐れがさせていることです。
 そして、本書については、次の二つの理由があって、このような形で発表させていただ
いたのです。ひとつは、映画と活字では表現が違ってくるために、そのサンプルを提供した
かったということです。
243角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:14 ID:fNn5EAzE
 もうひとつの理由は、『逆襲のシャア』のモチーフであっても、小生の思いはこうであ
ったということを知ってもらいたかったということです。
 しかし、前者の理由は、企画の段階では、小生自身もわきまえることができず、その反省
だけが痛切にある問題でした。この問題は、ケースバイケースで、その時々に判定しなけれ
ばならないために、とても難しいのです。たとえば、小生の独断でありますが、今日までの
日本映画は、この企画段階で、この間違いを正確に理解せずに、今日に至ったと考えます。
 映画版『逆襲のシャア』のシナリオは、当然、小生が書きました。その提出第一稿が、こ
のストーリーだったのですが、『ガンダム映画化委員会』とも言うべきインベスターの審査
にかけたれた時に、このシナリオについて各種の意見と批判が出ました。
 この中で、もっとも重要な意見は、この小説になっているテーマは、モビルスーツ否定で
あるという指摘でした。当然、それは、小生の目論見でありました。
244角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:15 ID:fNn5EAzE
 しかし、ガンダムは、モビルスーツの玩具が売れ、それによって厚い市場が形成され、映
画を制作する資金が提供されているのです。その現実的な基盤を、作品そのものが否定する
のであれば、出資者たちが映画製作を拒否して当然です。これは、立場が違うから仕方な
い、という性格の問題ではありません。小生が、夢を追いすぎたのは、認めざるを得ません
でした。
 さらに、もうひとつ、小生に鉄槌を下した意見は、『映画で、アムロの結婚した姿は見たく
ないなー』というものでした。この意見は、世俗的でくだらないと思う方もいらっしゃる
でしょうが、小生には、映画を製作企画する上で、もっとも重要な意見に思えて、最重要ポ
イントとして採用させていただいたのです。
 小生がそのように直感できたのは、映画という媒体の性格に対して、その意見と同じよう
な思いがあったからです。しかし、思いがありながらも、できないのが小生なのです。
245角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:15 ID:fNn5EAzE
 映画は、オープン・エンターテイメント、つまり、大勢の人が一緒に見て、パーっと楽し
めるものでなければなりません。過去には、日本も文芸映画といわれるものが受け入れられ
ら時代もありましたが、時代が変われば、企画の発想は、根本的に変えなければなりません。
 二十年前の映画企画レベルは、現代ではテレビがビデオ、ミニシアター、ケーブル・ソフ
トで毎日のように公開されて、しかも、その表現レベルは上がっています。しかし、かつて
基幹産業的な性格を持った映画会社は、優等生しか入社させませんでしたから、その優等生
たちが芸術を振り廻し、栄光の時代から抜け出せない習い性の映画が製作され続けたのです。
 もちろん、映画界の柳の下にどじょうが二匹的企画も変りませんが、問題は、体力がなくなっ
た人々には、スピルバーグの真似はできないという点です。この体力こそオープン・エンタ
ーティメントをやってみせるという気概になります。もちろん、ガンダムは、まだそういうレベ
ルを語れるものではありませんが、それを目指したいと夢を見ているのです。
246角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:16 ID:fNn5EAzE
 映画のヒーローは、丹下左膳からランボーの時代まで独身であり、俳優が変わっても同じジ
ェームス・ボンドでありシャーロック・ホームズなのです。年齢も顔も関係がなく、素敵に
恋をし、冒険をしなければなりません。
 なぜならば、映画は、現世に疲れてる人々が、チョット気晴らしに見るものなのです。プ
ロバガンダ映画ほど、危険なものはないのです。
 まして、ガンダムはロボット物です。その主人公が、劇中の誰かさんの所有物になって、
『生活』をしたのでは、見る必要はありませんし、さらに、PTAから顰蹙を買うくらい戦
闘シーンがなくてはならないのです。
247角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:16 ID:fNn5EAzE
 小生は、戦闘については、この原則を忘れなかったつもりですが、人物については、ガン
ダム世界は、進化していく人間の物語ですから、その行き着く先が、『物否定』『マシーンの
否定=モビルスーツ否定』になってしまうのです。これが『アムロの結婚否定』の感想の意
味なのです。これでは、インベスターに対しての糾弾映画になる危険さあるのです。
 それで何が起きるのでしょうか? 何も起りません。次のガンダムはなくなり、小生自身も
ガンダムを作ったという事で手に入れた小さな成功まで否定する事になります。
 さらに、重要な事は、ガンダムのファンの存在が教えてくれた、現実の中にもニュー
タイプ的な感応を得させるものがあるという事実、それさえも否定する事になりそうな危
険感意識を持ちました。
248角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:17 ID:fNn5EAzE
 つまり、個人の思いだけで、映画を作ってしまうという危険を、この指摘から承知したの
です。この認識は、小生にとっても皆さんにとっても、間違いなく次のステップにな
るという確信があります。
 そのために、小生は、映画版の改訂を快く行ない、ガンダムの成功をより拡大したいと思
いました。映画は、個人のものではないのです。一人の監督、一人の原作者の意思だけで製
作されてはならないのです。この考え方が先にのべた『体力』ということになります。
 ガンダムの生み出したマーケットは、単に興行としてのマーケットの問題だけではなく、
ガンダムをぞん率させている『場』の真の意味を知る事ができれば、新しい映画の復権だっ
てあり得るのではないかとうぬぼれているのです。
249角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:17 ID:fNn5EAzE
 そして、小生もその末席にあって、それを発見し、次の機会を手に入れたいと願っている
のです。ですから、この仕事から、小説と映画の仕方の違い、個人と集団の仕事の仕方の違
いといったものを見抜いて下さったら嬉しいのです。
 故に、ここに収めたものは、ノベルスの形態にのみ許される方法であって、厳として、映
画になるフィールドではないという事を、若い諸君には知っていただきたいのです。
 しかし、個人という動物の欲は、深いものです。本来描きたかった自分の中のガンダムを、
このような形で上梓する機会を与えてくださった関係者各位には、心から感謝いたすとともに、
この一文を呼んでいただいたことに、本当に、心から御礼申し上げます。

  昭和六十二年十一月五日

                                   冨野由悠季
250赤ザク:03/02/15 18:18 ID:pVSnUMN2
で、シャアの半生を描いたエピソードTの可能性は?
251角川スニーカー文庫『逆襲のシャア』 あとがき:03/02/15 18:19 ID:fNn5EAzE
以上です。
ところで、>>242の他社版ノベルスって、見たことないんだけどどこから出てんだろ?
252通常の名無しさんの3倍:03/02/15 18:38 ID:???
ネタも尽きてきたし、もうそろそろ御役御免かな
このすれ。

続けるにしても、トミノはもういいから他のアニメ関係者
とくに話しのおもろい、山賀や押井の対談などあげてくれ
253通常の名無しさんの3倍:03/02/15 18:46 ID:???
>>252
なんてこと言うんだよ( ´∀‘)σ)Д‘) プニュ
254通常の名無しさんの3倍:03/02/15 19:16 ID:???
富野の制作した作品と富野のその時の躁鬱の状態が一緒になってわかる年表ないかなぁ…
255通常の名無しさんの3倍:03/02/15 19:26 ID:???
>>251
徳間書店のアニメージュ文庫から出てた。
ハイストリーマーとか何とか…上、中、下巻の全3巻。
イラストは星野なんたら…。
256通常の名無しさんの3倍:03/02/15 20:56 ID:???
>>255
ハイストリーマーは最近徳間から再刊されている。
余談だが、旧版のイラストを描いた星野之宣 (新版にも収録されてるが)
はSF漫画家として一流なので、読んでおくべし。
いや、俺も最初にあのイラストを見た時はギョッとしたけどねw
257通常の名無しさんの3倍:03/02/15 21:57 ID:???
あの星野ガンダムは見事にスルーされてるな(w
258251:03/02/15 22:38 ID:xcWPwodV
>>255
>>256
thx!!
ちょっと探してみまつ!!
259通常の名無しさんの3倍:03/02/16 02:03 ID:???
>>257
あれだけは流石になー(w
ヒゲですらガンダムのフォーマットは踏襲してるわけだし。
260ごはんギリシャ:03/02/16 08:59 ID:???
241 おつかれさます
261インヴォケ:03/02/16 12:33 ID:???
h age
262通常の名無しさんの3倍:03/02/16 14:12 ID:???
[編集日記]
03/02/15
■「虫プロ大同窓会」では、今までテロップで名前を見てきた歴代のクリエイターの方々の
お顔を拝見できました。僕的には「手塚先生は『バンパイヤ』にもっと出演したいと思っていたのでは?」
という話が印象的。なるほど、そうかもしれないなあ。年末にDVDで『バンパイヤ』を観たばかりだったので、
森村記者役の渡辺文雄さんが来ていたのがちょっと嬉しかった。
富野さんの「もっと『さすらいの太陽』を大事にしてよ!」という叫び(『さすらいの太陽』のコーナーでは、
富野さん以外に壇上に上るスタッフがいなかったのです)もインパクトありました。(黒)
263通常の名無しさんの3倍:03/02/16 16:05 ID:???
小黒 庵野さんの以前の作品から『エヴァ』の至る時に、
一番飛躍したのがセリフだと思うんです。セリフのキレの
良さというか。

庵野 はあはあ。

小黒 それまでがダサかったって事はないんですが、異様
に練り込むようになりましたよね。

庵野 いや、セリフだけで済むんなら、それがベストなわ
けですよ。

小黒 え? そうなんですか(笑)。

庵野 何て言うんかなぁ……情報伝達の手段として、一番
確実なのが言葉なわけじゃないですか。

小黒 はいはい。

庵野 感情とか雰囲気っていうのは言葉以外でも伝わるけ
ど、自分の意志とか意図みたいなものは、言葉を伝うのが
ベストなわけですよ。誤解される可能性が低い。例えば、
怒ってるっていうのは言葉にしないと、なかなか分かんな
いじゃないですか。「怒ってる」っていう記号までは分か
るんだけどね。それを、効率よく伝えるのはセリフだと思
うんですよ。で、言わないで隠すっていう事も可能なわけ
なんですよね。ま、セリフによる情報のコントロール。あ
とはそれで伝わるかどうかについての確実性。その辺を考
えてやってたからじゃないかなぁ。あの頃から。
264通常の名無しさんの3倍:03/02/16 16:06 ID:???
小黒 なるほど。

庵野 それに関しては、反面教師としての富野(由悠季)
さん。

小黒 反面教師なんですか?

庵野 反面教師なんです。富野さんは、画を全く信用しな
いで、セリフに頼ってますよ。全てをセリフにしてしまう。
宮(崎駿)さんも、あれだけの画力を持ちながら、最終的
にはセリフには頼ってますよ。

小黒 ドラマのおいしいところとかで?

庵野 『ナウシカ』のモノローグとかを聞いてみれば分か
るんですけど。「なんてキレイな王蟲」とかですね。

小黒 ああ、なるほど。
265通常の名無しさんの3倍:03/02/16 16:07 ID:???
庵野 画を観ただけで「ああ、スゴイ」と思うんだけど、
それをさらに強調するために「なんてキレイな王蟲」とセ
リフで言って、お客を説得しようとするんですよ。そう思
わせるために、詰めの一言として、それを言ってるわけじ
ゃないですか。「画だけじゃそれが伝わらないかもしれな
い」と思ってるわけですよ。画に自信があれば、そこまで
セリフで言う必要は無いんです。富野さんも「それぐらい
は言わなくても……」と思うような事まで全部セリフで言
っちゃうじゃないですか。
 僕の意見としてじゃなくてですね、一般論的に「アニメ
はセリフが多すぎる」「全てセリフで説明するから、ラジ
オドラマに画がついてる感じにしかならない」と言われて
る。でも、テレビアニメのクオリティで考えるとですね、
それをせざるを得ないと思うんですよ。基本的には画がつ
いているラジオドラマにしておかないと、マズイと思うん
です。たとえ、使われてる画がどんなにひどくても、伝わ
るようにしておかなくちゃいけないっていうのがあるんで
すよ。

小黒 庵野さん、『Vガンダム』の時に、先週までのあら
すじと来週の予告のナレーションをすごく気にしていたじ
ゃないですか。あれは、何が気になってたんですか?
266通常の名無しさんの3倍:03/02/16 16:08 ID:???
庵野 言い回しじゃないですか? あの文語体の感じ。そ
ういうところじゃないですかね。俺、富野さんの仕事で、
やっぱり好きなのはファースト『ガンダム』の予告なんで
すよ。あのカッコ良さね。だから反面教師であり……。


小黒 惹かれる部分もあるわけですね。

庵野 そうそう。そういう良さを教えてくれた部分もある
わけですよ。やっぱ、5話の予告とかスゲェ好きだったで
すね。

小黒 『ガンダム』の5話ですか。

庵野 「重力に任せて落ちれば、燃え尽きてしまう大気圏
突入。その瞬間にシャアはホワイトベースに奇襲をかけた。
我も危険なら彼も危険」。カッコイイじゃないですか。

小黒 なるほど。

庵野 「共に大地を見る事ができるのか」。カッコイイ。
あれを当時観れなかった大阪の人は、ホントに残念だと思
いますけど。

小黒 あの『Vガンダム』の予告や先週までのあらすじっ
て、視聴者に説明するよりも、観て内容を理解してるつも
りの人を攪乱するような内容を言ったりしていたじゃない
ですか。
267通常の名無しさんの3倍:03/02/16 16:09 ID:???
庵野 うん。あれは意図的なモノだと思うんだけどね。ナ
レーションが、なんか本質の部分を言っている感じが良か
ったですね。でも、やっぱり、影響を受けてるとしたら、
ファースト『ガンダム』ぐらいだと思うよ。

小黒 そうですか。

庵野 やっぱり、富野さん、カッコイイと思ってたからね
ぇ。セリフとかね。ファースト『ガンダム』でいいのは、
アイキャッチの入るタイミングとかですね。

小黒 ああ、なるほど。

庵野 あの辺はかなり影響受けたんじゃないですかね。9
話で「僕がそんなに安っぽい人間ですか」と、アムロがセ
リフ言ったところでアイキャッチとかですね。「カ、カッ
コイイ……」と思うんですよ。

小黒 なるほど。

         〜'00 ア○メス●イル第1号より〜
268通常の名無しさんの3倍:03/02/16 16:40 ID:???
虫プロ同窓会見たけど、ジジイども格好良すぎ。
ああいう風に年を取るべく頑張るぜ。
269おぴろ:03/02/17 04:46 ID:???
ダヴィンチ読ませてもらったよ サンクス
270通常の名無しさんの3倍:03/02/17 11:20 ID:???
『炎』でよければあげるけど、いる?
271通常の名無しさんの3倍:03/02/17 14:09 ID:???
いらん
272まかささ:03/02/17 14:13 ID:???
炎とは?    
273270:03/02/17 16:23 ID:???
>>272
前スレで第21回があがっていた富野の連載。
需要がないならやめとくけど。
274通常の名無しさんの3倍:03/02/17 17:07 ID:???
俺は読みたいんだがな
特に雑誌買ったりしてないから
何でもありがたい
275あげま:03/02/17 17:22 ID:???
富野インタビューキボウ
276270:03/02/17 19:00 ID:???
炎 '98年7月号
『情けない神の国の片隅で』
第22回 「ニュータイプの夢」

 5月初旬にインド政府が、2回の核実験をした。核兵器の実験である。
 世界から忘れられている大国のフラストレーションがさせたこと、長
年にわたるパキスタンとの抗争が直接の原因なっていると、どのような
理由があろうとも、そのような兵器を保有しなければならないと考える
動機は、戦争の歴史が人類の歴史であると考えている思考が生み出した
ものである。
 軍事行為が、国家間問題の解決の施策の延長線上であるというのは、
クラウセビッツの『戦争論』以来、当然であっても、軍事が優先するこ
となどはないのに、その発想が先行してしまうというのが無惨である。
 それは、5月20日の『国民覚醒の日』記念日にインドネシアでどのよ
うな事件が起こったのか、この原稿を書いている段階では予測できない
のだが、ジャカルタの混乱などからも、スハルト政権の施策も同列であ
るし、北朝鮮の対外姿勢などは、論外であろう。
 が、このレベルについていえば、日本の政体だって、ぼくの同世代人
が『ノーパンしゃぶしゃぶ世代』であるから、例外ではなく、無惨に古
い!
 なぜこうなるのか?なぜ、地球の問題を意識できないか?と、問いた
い。
 が、こう書いた途端に、テーマがSF的になってしまうのだから、話
は厄介だなと思う。
277270:03/02/17 19:01 ID:???
 核実験については、世界で唯一の被爆国である日本は、という論法も
すでに旧来の思考回路でしかなく、これもスハルト的である。
 そうではない。
 核爆弾が必要なのか?どのような国家利益を生むのか?につきるので
あって、いまや、戦争での殺戮も罰せられる時代なのである。
 戦争賠償の問題が、50年以上前のものでも、時効がないかのように語
られ、免責がない。これを、市民に過剰な権利意識が生まれてウザッタ
イ、とするわけにはいかない時代になっている。
 まして、自衛隊あたりで、過酷な訓練で隊員が怪我をしました、死に
ましたとなれば、訴訟沙汰にもなるのである。
 かつては、やむをえない行動として認められていた軍事行動が認知さ
れなくなれば、ゲーム以上の戦争などはできない。
 まして、国内の騒乱が、自分のファミリー存続のための施策から出た
のであれば、レベルは戦争以下である。
 そのような騒乱を解決する労力とか、戦争を維持する資金と気力を、
健全な国家運営と地球環境保全のために投入すれば、人がどれほど安心
できるかという想像は、とんでもなく難しいことなのだろう。
278270:03/02/17 19:03 ID:???
 ファミリーを保全しなければならない金成日の取り巻きにしてみれば、他の体制を想像すれば、恐慌をきたすだけだろうし、経済でいえば、戦闘機を製造すれば、失業対策、不況対策になるが、砂漠を緑に
する事業は、なんの金にもならないと考えるのが、我々である。
 宗教的教義にとりつかれた思考は、異端を排斥するだけであって、
教団の本部を立派に建設する資金調達に愚衆を利用するだけで、異端
との共存などは考えようがない。
 新しい思考に挑戦すれば、英知が生まれるかもしれないというのは、理想論だろうし、地を這うように暮らしている人から見れば、理想論
をかたる者が過激であるのは、じゅうぶん知っている。
 だから、理想は言ってはならないのである。
 最近、筑紫哲也氏とメディア論で対談する機会があった。
 最大のテーマは、誰も責任をとらない構造ができあがっている現代
なのだが、そのなかで、『自動販売機』があるから缶ゴミがでるなら、それらの使用を法律で規制してしまえという発想があるのだが、それ
をやると、統制になってしまおう、しかし、自由競争が善なのかとい
う話になった。このテーマは、殺人も無罪になってしまう社会構造と
リンクさせた法解釈が発生したりしている事実から、一筋縄ではいか
ない、と嘆息まじりの結論のない話になった。
 そんなところにも、旧来の思考をゴチャゴチャ揉んでいるだけの無
惨さがあって、恥ずかしいのだが、許容量がみえはじめた地球と未来
永劫につきあうため、という前提から出発した論法が生み出せれば、
卑小なエゴは消失して、我々は、ニュータイプになれるのではないか、と夢みる。
279270:03/02/17 19:05 ID:???
すまん、ずれた。
以上です。
280通常の名無しさんの3倍:03/02/17 19:47 ID:???
うーん、俺にゃ難しいお話…(w
281通常の名無しさんの3倍:03/02/18 04:07 ID:???
筑紫との対談ってどんな話なんですか?
282通常の名無しさんの3倍:03/02/18 12:54 ID:???
◆ ぴあ別冊「インビテーション」に書かれた富野監督近況
ttp://www.ag.wakwak.com/%7Elay/img-box/img20030216234223.jpg
アニヲタニュースより
283スレ違い:03/02/18 13:18 ID:???
1989年、手塚治虫死去時の宮崎駿

手塚さんの特集だそうですが、
悼む大合唱はたくさんあるだろうから、
それに声を揃えて一緒に大合唱をする気は、
ぼくはないです。
要するに、
手塚さんを神様だと言っている連中に比べて
ずっと深く、関わっているんだと思います。
闘わなきゃいけない相手で、
尊敬して神棚に置いておく相手ではなかった。
手塚さんにとっては、
全然相手にならないものだったかもしれないけど、
やはりこの職業をやっていくときに、
あの人は神様だと言って聖域にしておいて
仕事をすることはできませんでした。
284スレ違い:03/02/18 15:00 ID:???
585 :宮崎駿 :03/02/18 14:07 ID:qpDFuoFY

虫プロの仕事も、ぼくは好きじゃない。
好きじゃないだけでなくおかしいと思います。
285通常の名無しさんの3倍:03/02/18 17:44 ID:???
>>284
前後の文を無視してそこだけ書かれてもと
宮が何を言いたいのか(何を言っていたのか)全く分からないんだけど・・・。
書くなら全文希望。
286通常の名無しさんの3倍:03/02/18 18:50 ID:???
スレ違いだからもういいよ。他の板でさんざん出尽くしてるし。
ここは『富野関連の対談や発言を書き込むスレ』ですよ?
287通常の名無しさんの3倍:03/02/18 20:05 ID:???
虫プロ=富野、東映=宮崎のライバル関係を知る上で興味深い発言だと思う。
俺、他の板見ないし。リンクでも良いから貼ってくれ。
288通常の名無しさんの3倍:03/02/18 22:09 ID:???
>>287
ライバルじゃないよ
馬鹿は放置
289通常の名無しさんの3倍:03/02/18 23:53 ID:???
>>287
手塚治虫批判の一環で虫プロを挙げてるだけで
富野やりんたろうには言及してないよ。
宮崎駿+手塚あたりでググればどっかにあるかも。
290通常の名無しさんの3倍:03/02/19 00:23 ID:???
パヤにとっては「ヤマト」も「ガンダム」も同じようなものだろうナー・・・
そういう文脈で語った所しか見たことないや。
291通常の名無しさんの3倍:03/02/19 01:05 ID:???
>>289
岡田斗司夫の「オタク学入門」に同様の引用があった。全文かはわからんが。
で、氏は自分のホームページで全著書公開をやっていたはず、と
見に行ったが見当たらない…。リニューアルと共にやめてしまったのだろうか。
俺が発見できなかっただけかもしれんので見つけた人urlきぼんぬ。
292通常の名無しさんの3倍:03/02/19 01:35 ID:???
293通常の名無しさんの3倍:03/02/19 01:43 ID:???
ユリイカ「もののけ」特集号での山賀の毒舌が知りたい…。
294通常の名無しさんの3倍:03/02/19 18:02 ID:???
295通常の名無しさんの3倍:03/02/19 18:03 ID:???
ライバルじゃないけどな。なんでそう思うんだろう?
296通常の名無しさんの3倍:03/02/19 18:06 ID:???
おらおらネタ無いんだろ?スレ違いで騒ぐヤツはry
297通常の名無しさんの3倍:03/02/19 18:12 ID:???
じゃあ僕も
139 :愛蔵版名無しさん :03/02/18 17:00 ID:???
583 :宮崎駿 :03/02/18 14:04 ID:qpDFuoFY
コレは先輩から聞いた話ですが、
「西遊記」の製作に手塚さんが参加していたときに、
挿入するエピソードとして、
孫悟空の恋人の猿が
孫悟空が帰ってみると死んでいた、という話を主張したという。
けれどなぜその猿が死ななくてはならないかという理由は、
ないんです。
一言、「そのほうが感動するからだ」と
手塚さんが言ったことを伝聞で知ったときに、
もうこれで手塚治虫にはお別れができると、
はっきり思いました。

ttp://comic.2ch.net/test/read.cgi/rcomic/1044873711/
298通常の名無しさんの3倍:03/02/19 18:59 ID:???
>>297
感動したって意味がないよな。
赤化できなきゃ。
299通常の名無しさんの3倍:03/02/19 19:27 ID:???
> パーソナリティの駆け出し女性声優
って誰だろう?

674 名前:風の谷の名無しさん 投稿日:2003/02/19(水) 18:05 ID:p4EI6vO5
富野伝説
ttp://members.tripod.co.jp/toumyoujisourin/tomino-densetu.htm
300通常の名無しさんの3倍:03/02/19 20:13 ID:???
講談社 テレビマガジン デラックス8
機動戦士ガンダム TV版ストーリーブック4

読者へ
総監督:富野喜幸

 己の力を信じたいものだ、と思う。しか
し、物事の大半は個人の意思だけではどう
にもならないということを、この一年あま
りの時間が教えてくれた。
 かといって失望したわけではなく、そん
な世の中でも個の意思が伝わる部分もある
ということを知った。それは、アムロの科
白ではないが、嬉しいものである。
 二つの型式を使って、一つの事を伝える
という試みをさせてもらえる作家は、そん
なに多くはいない。それを僥倖とはせずに、
己の力だとするためには何をなさなければ
ならないのか、そう考える今日このごろで
ある。
 その発想は不遜にはきこえようが、人と
してこの世に生を受けたからには、死する
までそう思い、生きてみようとしてもよい
のでないかと考える。こんな時のめぐり
あわせを全ての人が得られるのではないの
だから・・・・。
301通常の名無しさんの3倍:03/02/19 20:14 ID:???
 よきめぐり合わせを、己にとってよきも
のであると素直に受けとめることもできず
に、傲慢になったり、奇妙に卑屈になって
みせることのほうが、よほど不遜ではない
のかと考えるようになったからである。
 そして、そう考え、それを支えるために
は僕は何をしなければならないのか、と考
えたときに、いかに己に力がないものかと
思い至るのである。だから、しのげるか?
と予感もする。しかし、時もまためぐりめ
ぐるものであるのなら、やってみせなけれ
ばならぬのだろう。それが討ち死にであっ
てもだ。
 ここまでお読みいただいた方は、僕が何
をいおうとしているのかお判りいただけな
いと思う。こんな文章をよしともしないが、
願わくば、諸君らの中の何人かが10年後に、
読み返して欲しいと思うのだ。1人の大人
(といえるかどうか)の本音がみえて、結局
は人の世のしのぎの物語であったのかもし
れないのだな、ガンダムは、と気づいてい
ただけたら幸いである。
 そして、ニュータイプ・・・・。それは諸君
らの子たちに与えられるべき言葉なのでは
ないだろうか、というのが僕の最後の本音
である。少なくとも、難しいことではない。

1981年8月27日
302通常の名無しさんの3倍:03/02/20 07:41 ID:???
イイ文章だなぁ。
でも、このあと富野は自分の作り出したものに
10年どころか20年間苦しめられ続けるワケですね…。
∀ができるまでは。
303通常の名無しさんの3倍:03/02/20 16:17 ID:???
まんこです
304通常の名無しさんの3倍:03/02/20 21:35 ID:???
TVブロス2002か3年?号(失念)機動戦士ガンダムスペシャルより
ガンダムシリーズの生みの親
富野由悠季 interview
取材・構成/西原大吾

セイラの「軟弱者!」のセリフが、
ガンダムを動かしていたんです

―セイラ・マスは『ガンダム』において、
 どんなキャラクターだったのでしょうか?
「まず、第2話のカイ・シデンに対しての「軟弱者!」というセリフで、
セイラのキャラクター像がはっきりして、セイラは劇を作る上で芯になるだろうという
確信が生まれたというのはあります。他のキャラクターは、どうしても
当時のマンガ映画の定型という配置に収まっていたんですが、「軟弱者!」のセリフで
セイラに実体感が生まれたことで、キャラクターの動かし方が明確になったんです。
セイラとシャアを兄妹関係にする設定は2話で出ていたけれど6話ぐらいまで
本気で使う気はなかったんです。敵味方が兄妹なんて、いかにも俗受けするようで
とても嫌だったんだけど、セイラなら、そういう関係にしちゃっても、
俗っぽいキャラクターにはならないだろうなと感じたんです」

―声を、井上瑤さんにお願いした理由は?
「『ダイターン3』で、瑤さんに三条レイカ役を演じてもらって、初めて
「キャラクターの実体感が生まれる組み合わせとはこういうものだ」と教えられたんです。
それが教訓として重くあったんで、『ガンダム』でも、それができるのではないかという
狙いがあったということです」
305通常の名無しさんの3倍:03/02/20 21:36 ID:???
―その狙いは、見事に成功したわけですね。
 では、監督、個人としては、セイラにどんな思い入れがありますか?
「セイラというキャラクターには、セル画を使いながらも、アニメ的な嗜好を
喚起するものでなく、実体としての人間を表現する、という課題に対して初めて
「触れることができた」という快感がありました。それが、僕にとっての
セイラ・マスというキャラクターなんです」

―話は変わりますが、監督はセイラだけでなく『Vガンダム』のカテジナのような、
 強烈な実体感を持った女性キャラも生み出していますが?
「それには、すごく大きなテーマがあります。これはもう『海のトリトン』から
作り手として一番気をつけてきたことです。あからさまに言えば、セックスと含めて、
どう女性と接すればいいかということ。カテジナもクェスも、男の欲望に
まったくリアクションを起こしてくれないんだけど、欲望を満たすためには
絶対向こうからのリアクションがない限りあり得ないわけです。だから、
女性に対しては、最低限これぐらいの目線は持たないとリアクションしてもらえないよ、
というメッセージを、男の子に送り続けてきたつもりです。ところが、画と実体は
別の物だと都合良く解釈して、その部分が見事に抜け落ちちゃってる人がいっぱい
出てきて困ってます。ガンダムを見てきた独身男性は、僕が描いてきた女性像を
正確に見ていれば、絶対結婚できてるはずなのに(笑)」

―最新作でも、そのメッセージは描き続けるんですか?
「『キングゲイナー』のために、ロシアに取材に行ったんですが、
田舎の娘さんは健やかに自然にセックスアピールをしているし、男も真面目に
相手の目を見て口説いているんですよね。出会い系サイトみたいのが氾濫して、
立ち居振る舞いがだらしなくなってる日本人から見ると、お互いの関係を尊重している
男女関係は気合いが違うと見えます。今、出来の良い小説は別として、生活の中で
真面目な男女関係を語らなくなっていると思います。『キングゲイナー』でも、
ロボットものという中に、そういうテーマを込めて、真剣に女を口説けるようになろうよと。
エクソダスとはそういうことなんです」

おわり
306通常の名無しさんの3倍:03/02/20 22:17 ID:???
それ今年だったかな。いずれにせよ、サンクス。欲しい情報これしかないと雑誌買わないからなぁ…
307通常の名無しさんの3倍:03/02/21 00:18 ID:???
富野と宇宙人の対談キボン
308kanrinin:03/02/21 00:36 ID:SLv0Oy6I
>>305
良い勉強になったが・・・・無駄になりそう。
309通常の名無しさんの3倍:03/02/21 00:45 ID:???
北天佑の方が強いよ。
310304-305:03/02/21 03:04 ID:???
誤字発見。
305、"セックスと"ではなく、"セックスを"が正解。すまん。吊(ry

あと、補足乍ら、富野の前にセイラ役の井上瑤さんのインタビューがあって、
最初のセイラについてのQはそれを受けてのものと思われ。
希望があれば、こちらもうpしますが、明日からちと出るので
日曜以降でもよければ希望どぞ。

あとこれ、確か種オンエア直前位の頃のものだったと思い出しました。

では今度こそ吊っ(ry)
311ああ:03/02/21 09:15 ID:???
304既出
312通常の名無しさんの3倍:03/02/21 22:56 ID:???
ガイシュツだっけ?ソフィア祭の講演だって。

ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-White/1371/
313goba:03/02/22 00:27 ID:???
>>312 YES
314通常の名無しさんの3倍:03/02/22 04:11 ID:???
>>312
そのmp3アプされたのでもらったが結合できん。
315通常の名無しさんの3倍:03/02/22 10:58 ID:???
富野がキンゲの漫画描いてる中村嘉宏に
「あなたの絵には怨念がある」って言ったのは
御大のあきまん評を見る限りスケベってことなんだろうな
31667ポナー:03/02/22 14:06 ID:???
おおおほほほ   富野インタビューアップきぼうう
317通常の名無しさんの3倍:03/02/22 14:48 ID:???
お前ら今夜の文化放送に御大が出演しますよ
318通常の名無しさんの3倍:03/02/22 14:55 ID:4IqkPo58
地方でも聞けるんだろうか
319通常の名無しさんの3倍:03/02/22 18:08 ID:???
文化放送 1134kHz
■超機動放送アニゲマスター 21:00〜
 祝富野由悠季生出演/アニメ店長
ttp://www.joqr.co.jp/ag/anige/

>>318
御大の発するデムパを直接受信するしかないかも
320通常の名無しさんの3倍:03/02/22 18:48 ID:???
>>318
夜になると遠くの地域の放送が聞こえるようになる地方もあるぞ
たとえば新潟県で大阪の放送が聞こえたり
321通常の名無しさんの3倍:03/02/22 21:04 ID:???
富野コネ━━━━━━(゚A゚)━━━━━━ !!!!!
早くせんかい、ボケ!!!
322通常の名無しさんの3倍:03/02/22 21:09 ID:???
まだまだだね
323通常の名無しさんの3倍:03/02/22 21:23 ID:???
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
324通常の名無しさんの3倍:03/02/22 21:57 ID:???
萌えよ剣氏ね!ウザすぎ!!
325コピペ:03/02/22 22:07 ID:x/VuvLtK
ガイシュツならスマソ。前スレ見れないから確認できない。

名前:カイジ:02/07/11 09:01 ID:Td4KmcmE []
囀りは無視して、なぜ高橋を出したか?の答えだ。OUTの創刊何年記念かで、
富野と対談したんだ。その富野の様子というのが終始
宮崎、高畑に対しての嫉妬を叫び続けてんだな。「許せない!許せない!許せない!」
っとな。まともじゃないぞ、(笑)これが一時代築いた男の言葉か?
何が許せないかって、制作体制から作品批評、全て恵まれてるし上だと。

それに、高橋は、「そうだとしたら、ただ許せないって叫び続けて何か変わるのか?
戦略を持たなければ駄目だ。」ってね。
富野「向うは優秀な人間が、優秀な人間と組んで、優秀な作品を作ってる。」
高橋「自分は才も何も恵まれてないと言ってる以上、それなら、なおさら一人じゃ不利でしょう。」
「ガンダムはあなた一人の力じゃない。」「PDの様な立場で企画、指揮して行くのはどうだろう。」
富野「その提案僕は断る、危険だから。」の富野節で、はぐらかしてたけどな。
326通常の名無しさんの3倍:03/02/23 03:51 ID:???
>>325
今頃になってようやく…(つД`
327通常の名無しさんの3倍:03/02/23 04:01 ID:???
対談相手は高橋良輔?
いい人やねー
最近の二人の対談と見比べるとまたおもしろい
328通常の名無しさんの3倍:03/02/23 04:13 ID:???
アガトの結晶、感動した。
感動する話じゃないけど凄すぎる。
作画が良い富野アニメがここまでの威力を持っているとは……
329通常の名無しさんの3倍:03/02/23 06:44 ID:???
アンノインタビューが結構あった。
ttp://village.infoweb.ne.jp/~fwih5694/siryou.htm
330ミード×富野:03/02/23 21:02 ID:???
ニュータイプ1991年9月号より、シド・ミード×富野由悠季対談。

富野 まずお伺いしたいのは、以前、NHK衛星で放送された番組の中で、
「デザイナーは“近未来に対する窓にならなければならない”」
とおっしゃっていたことについてなんです。
実は、このことばに非常に興味を覚えまして。
つまり、これは一般の人々に未来をのぞかせる、ということだと思うんですが、
ところが日本の現状はどうかというと、特に若いデザイナーを中心に、
自分たちの単純な思い込みのはけ口にしかなっていない。
そんな中で、デザイナーの役割、デザイナーとは何か?
ということをもう一度、直接お伺いしたいと思うのですが。
ミード もちろん、デザイナーの仕事において基本となるのは
 何かしらのビジュアルを描く、つくり出すということです。
しかし、だからといって、ただ単に何かを描けていればいいというわけでもありません。
もし描くことが好きでこの仕事を始めたのなら、
何かしらのイメージをビジュアルで表現したいのなら、
まず、自分の中にある考えを誰かに見せたいという思い入れを持つことが大切です。
そして、その思い入れの中で、自分の考えを表現するための技術を磨いていくのです。
そうして磨かれた技術は、そのものがひとつのことばになっていきます。
ただ、デザイナーという立場から見た場合、それだけではいけません。
さらに、それがビジネスとしてペイするかどうかが問われてくるのです。
ご存知のように、デザイナーの仕事はその大部分がカスタム的なものです。
例えば、映画であれば、ストーリーをより良く、効果的に見せるとか、
建築なら建造物をより美しく見せるというように、
常に何かしらの明確な目的がそこにはあります。
その目的を、自分の言葉でどれぐらい上手く表現することができるか、
あるいは超えられるか、そこでビジネスになるかどうかの大きな違いが生まれてきます。
現在、私のところには世界中から数多くの作品が送られてきます。
しかし、それらの多くは、まだまだ何かしらのコピーにすぎません。
本当の意味でのオリジナルな作品はごくわずかです。
でも、そうしたオリジナルを送ってきてくれるような人には、
できるだけ詳細な返事を書くようにしています。
331ミード×富野:03/02/23 21:03 ID:???
富野 その場合、アドバイスとして気をつけていることはどんなことでしょうか。
例えば、基本的に、テクノロジーやテクニックにこだわるよりも、
まず自分が理想としているものはなんなのか、
未来に対する可能性の中でアイデアとしてもっているものはなんなのか、
そういった何かを発見することが大切である、とお考えのように見受けられるのですが。
ミード 何よりも大切なのは、自分の個人的な哲学を持たなければならないということです。
他の表現手段でも同じだと思いますが、
例えば未来をできるだけ正確に真摯な姿勢で描こうとする時、
そこに要求されるものはとてつもなく大きくなってきます。
そうなると、何かちょっとした物を描いてみようとしても、
とことん突きつめていかなければならなくなります。
その時、哲学の無い人は何も表現することができません。
哲学があって初めて、何か新しい表現を生み出すことができるのです。
332ミード×富野:03/02/23 21:04 ID:???
富野 僕は、自分がディレクターであり小説家であるということで、
どうしてもデザインという作業を第三者的に見てしまう傾向があります。
そういった立場から見ますと、これは無責任に聞こえるかもしれませんが、
ここ10年ぐらいはどうも未来思考というのが弱まってきているような気がするんです。
例えば、’50年代から’60年代後半にかけては、未来志向が極めて強くて、
そのとどめとしてスペース・コロニーのような考え方が出てきたりもしたと思うんですが、
現在はどちらかというと、エコロジー的な考え方のほうが支配的になってきています。
その中で、現代という時代を考えると、
もしかしたら、それは次のものを生み出す時期ではなく、
何か、その次に控えているものを学習する時期なのではないでしょうか。
こうした考えは悲観的すぎるでしょうか。
333ミード×富野:03/02/23 21:04 ID:???
ミード まずいっておきたいことは、悲観論はお金を生み出すということです。
メディアにおいてもショッキングなことが最もエキサイティングですから。
実際、雲仙のような事件があると皆が注目するでしょう。
しかも、そういったニュースは、目に見える解決方法もありますし、
学術的にも説明できます。
つまり、パッケージとして商品になりやすいのです。
だいたい、ショッキングなニュースには、人間の心理をくすぐる点があります。
そこにいなくてよかったという、安全な所から日和見る感覚を。
ダイ・ハードやターミネーターのようなものが受けるのも同じではないでしょうか。
ただ、先ほどの悲観論という話になりますと、社会的、組織的な問題といいますか、
現在の官僚機構がもつさまざまな矛盾が生み出したもの、ということもできると思います。
もし一所懸命に働けばそれなりに報われる、といったベーシックな目的が明確なら、
そんな悲観論が支配的になることもありません。
しかし、今の社会はといいますと、とてもそこまで煮つまってはいない。
もっとより良い方向に向かわなければならない状況にあるのです。
ただ、だからといって悲観的ばかりになる必要もないと思います。
例えば15年前、中国は食糧危機のために国が立ち行かなくなってしまう
と多くの人が考えていました。
しかし、いまだにそうなっていません。
それどころか、肥満児が問題になる、といった現象さえ現れてきているのです。
これらは、社会的、組織的な改革が状況を改善した
かっこうの例といえるのではないでしょうか。
334ミード×富野:03/02/23 21:05 ID:???
富野 でも、組織によってあらゆることがなされるようになると、今度は個人のロマンや
欲望、イマジネーションといったものがなくなってしまうのではないでしょうか。
そうなると、デザイナーにも影響してくると思うのですが。
ミード そういう考え方もあるかもしれませんが、
逆に個人は変わらないといった考え方もあります。
結局は、企業にしてもそれを支えるのは個人ですから。
今でも、革新の原動力は組織ではなく個人なのです。
現に、進んだ企業では個人に自由な環境を与え、
その中で思いのままにアイデアを出させるといったやり方が主流になってきています。
ただその反面、今度は新しいものをいかに判断するかが難しくなってきていると思います。
例えば、トランジスターにしてもファジーにしても、
生み出したのはアメリカなのに、実際にそれをつくっているのは日本です。
これからは、ただアイデアを生み出すだけではなく、
それをどう使うかも重要になってくるでしょう。
そのとき、大きな企業というものが足枷にならなければいいが、と思いますが。
335ミード×富野:03/02/23 21:05 ID:???
富野 そういった個人と企業の関係から見ますと、
デザイナーはアイデアの提供者ということになるのですが、
日本では、個人で提供しようとしても、あるいは提供したとしても、
それが企業の実績になってしまうんですよ。
本来は、もっと個人が全面に出てもいいはずなのに、
結果的には企業の商品になってしまう。
なぜ、日本人はこんなに個人が埋没することを許してしまうのでしょうか。
ミード 私も時々そのようなことを考えます。
実は、私がフォードを辞めたのも同じような理由からだったんです。
つまり、いくら私がデザインをしても、出てくるのはフォードという名前だけで、
決して自分の名前は出てこない。
確かに、車をつくるというのは複雑でやりがいのある仕事でしたが、
でもほかにももっとやりたいことがあるのではないかと。
まあ、若くてナイーブだったこともあるかもしれませんが。
特に車のような製品をつくる場合は、巨大なピラミッド構造がそこにあって、
外からはその全体像しか見ることができない。
個々は埋没してしまうんです。
それでも、中にいればある程度はそれぞれの作業を見ることもできるのでしょうが、
実際にはほとんどの人がそんなことには無関心です。
336ミード×富野:03/02/23 21:06 ID:???
富野 日本では、工業製品に代表されるように、あらゆる物が無自覚に、
会社のためとかノルマのためとかいった理由でつくられていく。
そういった疑問が日本の奥底にあると思うんです。
だからこそ、個人では話ができない。
本来は、個人があらゆるものに表れてくるべきなのに、表せなくなってきている。
そうした中で、日本人のアイデンティティーがみるみる失われていく。
その象徴が東京なんです。
そこで、東京にはもう未来がないということになるんですが。
ミード 私は未来があると思います。
確かに、日本の社会には閉鎖性とか個人の埋没などといった問題があると思いますが、
それは歴史的な部分からも来ているのではないでしょうか。
日本のように長い間ずっと封建制度の中で生きてきた社会では、
その縦形構造のためにどうしても個人が埋没してしまう形になると思います。
一方、アメリカはというと、もともとがヨーロッパの旧社会に反抗して
ゼロから出発した国ですから、基本的に個人を生かそうという素地があったのです。
ですから、日本もまだまだこれからではないでしょうか。
それに、将来にかけてさらにコミュニケーションの手段が発達するようになると、
個人はもっと社会や時間の制約から解き放たれて、
自分の世界というものをもてるようになると思います。
337ミード×富野:03/02/23 21:07 ID:???
富野 確かに、コミュニケーションの発達には、
 そういった個人の暮らしを助ける面もあるかもしれませんが、
逆にその発達が個人を家の中に閉じ込めてしまうことにもなるのではないでしょうか。
そして、個人病といいますか、個人がより個の内部に埋没してしまい、
ついには病的な状況にまで陥ってしまう。
そんな現代が抱える病を、テクノロジーは克服することができるのでしょうか。
ミード 確かにそういう面もあるかもしれません。
ただ、そういった問題の原因をテクノロジーに帰せられるものでしょうか。
テクノロジーとは、本来人間が使うものであって、
人間がそれに使われるものではありません。
しかも、テクノロジーは、必要の中から生れてくるものであって、
決してそこに問題があるわけではないのです。
ですから、コミュニケーションの進歩が人間を職場から解放することが実際におこっても、
あるいは、さらに一歩進んで、エレクトロ・コテージのようなものが実現したとしても、
人間を疎外状況に追い込まないようにすることは可能だと思うんです。
ただ、少なくともその場合、実際の社会の中で何が起こっているかということを、
人々は知らなければならないと思います。
よく、現代社会をドライバーの乗っていないバスに例えることがありますが、
それと同じで、社会の動きを知っている人間が少なくなってしまうと、
それこそ、方向性を失ったバスのように崖から落ちてしまうからです。
そして、そのためにこそ、教育が必要になってくるのです。
しかし、今はその教育も商売になり下がろうとしています。
お金を払って子供を預けるという。
おそらく、現代社会が抱える最も大きな問題は、そのことなのではないでしょうか。
338ミード×富野:03/02/23 21:07 ID:???
富野 そのあたりは、ゴミの問題等も含めて、今は、あらゆる物事に対する
われわれ自身の視点が、すべてお金の問題や効率論に
置き換えられてしまっているのではないでしょうか。
本来、徳目をもっていけば解決されるはずのものが。
ミード リサイクルの考え方の前に、テクノロジー・プロセスには、
それなりの代価が必要であることをまずいっておかなければなりません。
テクノロジーの進歩は、それこそ200年ほど前であれば王侯貴族でも
使えなかったようなものを、安価で誰でも使えるようなものに変えました。
しかし、そういった快適なものを使えるようになった呪いを忘れてはいけないのです。
その中で企業体がリサイクルをやることのメリットを
考えなければならないのではないでしょうか。
しかし、残念ながら、現在企業のリサイクル活動は、
むしろ宣伝の一環として行われることが多いようです。
私は、この社会におけるものの流れは、生物の血液のようなものだと思っています。
常にきれいな血液を送りだしながら、使い古したものも必ず回収する。
帳簿はいつも0にしなければならないのです。
今の企業体は、生産物を洗練させることについては、それこそ最大限の努力を払いますが、
戻ってくるものについてはまったく無関心です。
でもこれからは、それではいけない。
戻ってくるものにも細心の注意を払わなければならないのではないでしょうか。
339ミード×富野:03/02/23 21:08 ID:???
富野 その帳簿を0にすることは可能でしょうか。
ミード 例えばこういう例があります。
ミルウォーキーの下水処理場の話なのですが、そこでは、
処理場から出た汚物をパッキングして、肥料として売っているんです。
“ミルオーガナイト”とかいう商標で。
あと、シカゴ近郊のスキー・リゾートでは、燃えないゴミを使ってゲレンデを作った、
という話も聞いています。
なんでも、“マウント・トラッシュモアー”(歴代大統領の顔が掘りこまれていることで
有名なラッシュモア山にひっかけたジョーク)と呼ばれているそうです(笑)。
340ミード×富野:03/02/23 21:08 ID:???
NT ここで、NT読者の一人として伺いたいのですが、ミードさんはかねてから
「ガンダム」の世界が好きとのことで、特にモビル・スーツのコンセプトの
どういった所が優れているとお考えなのでしょうか。
ミード もちろん、個々のパーツやスタイリングが優れていることもありますが、
特に私が印象を受けたのは、あのような人型のものが、あれだけのサイズで
機能するようにデザインされていた、ということなんです。
あれが、戦車なり戦闘機なりであれば私も考えたことがあるのですが……。
ところで、富野さんは、「ガンダム」を始め、世代交替をしながら
次々と素晴らしいストーリーを生み続けているわけですが、
現代のように、先に出たメディアを実像が追いかけてくる場合、
ご自身、ひとりのプロとして、危機感を抱いたり、
一般大衆からの圧力を感じたりされることはないのでしょうか。
富野 もちろん危機感は抱いています。ですから、変わるかもしれないような
いちばん身近な実像には、なるべく触れないようにしています(笑)。
それこそ、死ぬまで大丈夫なものしか扱わないということで。
ただ、そのためには絶対に触れてはいけないものを見つけ出さなければならないわけですが、
10年「ガンダム」をやってきてわかったのは、その作業が、口で言うほど簡単ではなく、
ものすごく神経を使うものだ、ということです。
ミード 自分の仕事は、確固とした背景を持った異質なものを、いかにもありそうに
見せることなんですが、ただ、絵で表現するという意味では、やはりシナリオとは
かなり違うと思います。
特に、人間の邪悪な部分には触れたりしないということで。
富野 そのあたりは違うところですね。
プランナーとして考えるのは汚い部分であって、ビジュアルは他人にお任せですから。
ミード ここで若い人たちに言いたいのは、未来に対する決定権を握っているのは
あなたたちであると言うことです。
だからこそ、他人ではなく、本当の自分の声に耳を傾けて欲しいのです。
341ミード×富野:03/02/23 21:09 ID:???
対談の後でシド・ミード氏は、
「自分も他人と違うことをするのは難しかったが、私は恐れずに、
社会が自分を受け入れようとしていることを信じて生きてきました。
確かに、本当の自分はなんなのか、単純にこれということはできません。
しかし、自分から出てきた考えは、それがどんなに小さなものでも重要です。
だからこそ、常に実現に向けて最大限の努力を払わねばならないのです」
と語ってくれた。
さらに、それを補足する形で富野氏も
「その場合、本当の自分というのは、そのときだけのものではなくて、
死ぬまで広がりつづけるものである、というような視点をもっていただきたい。
そうした、常に新しい世界を求める視点があってこそ、初めて、
自分は力強いものになるのです。
絶対に、とりあえずの自分には走らないでほしい」
という言葉を贈ってくれた。
(了)
342通常の名無しさんの3倍:03/02/23 22:11 ID:???
ミードが言ってること矛盾してない?
>336の
日本のように長い間ずっと封建制度の中で生きてきた社会では、
その縦形構造のためにどうしても個人が埋没してしまう形になると思います。
一方、アメリカはというと、もともとがヨーロッパの旧社会に反抗して
ゼロから出発した国ですから、基本的に個人を生かそうという素地があったのです。


>335の
実は、私がフォードを辞めたのも同じような理由からだったんです。

って。
343通常の名無しさんの3倍:03/02/24 07:24 ID:???
>>342
社会のありようの素地がどうなっているかということと、
いち企業の中でいちデザイナーのポジションがどういうものかということとは、
また別問題ということなのでしょう。
そこで、フォードの中で個を埋没させられてもなお
希望を持って自らの個を信じることができたミードと、
個が埋没しっぱなしの日本の現状にもはや
絶望しかけてる富野との違いが出てくるわけで。
344通常の名無しさんの3倍:03/02/24 09:25 ID:???
Vガンダムの交響楽団のサントラでの発言は既出ですか?
345通常の名無しさんの3倍:03/02/24 10:12 ID:???
>>343
なんどか343を読みなおしてみたけど、矛盾じゃないって言ってるわけじゃないんだな。
解説してるんだな。
読み取るまで時間がかかっちゃった。
346kanrinin:03/02/24 12:44 ID:Gb49DM5x
age
347通常の名無しさんの3倍:03/02/24 16:50 ID:???
ブレンパワード、フィルムブック3(98年、角川書店)より
人物説明 富野由悠季 総監督
     富岡秀行 プロデューサー
     面出明美 脚本 
     浅川美也 脚本
     高橋哲子 脚本
     河口佳高 設定デスク
     安川浩司 設定製作
     
今「ブレンパワード」を監督が作った意味
―「ブレンパワード」作っていく上で、どんな点で苦労しましたか?
安川 一番困ったのが3話「勇との戦い」の作画作業に入っているのにチャクラ
   フラッシュがどうなるかがわからないっていう(笑)
富野 それまでは誰も分かんなかったんです、本当に。だから僕自身も含めて
  「ガンダムぼけ」に陥ってたんだって。
河口 監督が一番重傷の人ですよ。
富野 そう。15年間新作やってなかったことが見事に表れた。チャクラフラッ
   シュのフォルムひとつとっても、うかつに決められない。その切り口み
   たいなものがまるでわかんないんだよね。考えてみれば、サンライズの
   第1スタジオ自体、ずっと「ガンダム」を作っているから、誰も他に頭
   が回る人がいなくて。実際にフィルムを見て「なんだ、これでいいん!」
   って気づくまでに6、7話かかった。製作前に決めておかなくてはいけない
   ことを決めておかなくてはいけないことをやりながら納得してた(笑)。
河口 富野さんにとっては、ガンダム教から脱退するためのリハビリ作戦ですよ
   ね(笑)。なにしろ教祖ですから(笑)。
富野 いわゆる還俗する作業だったことは事実です。ひとつだけ偉そうなことを
   言わせてもらうと、この年齢で一度「ガンダム」以外の作品をやらなくて
   はいけない。やらないと僕は死ぬんだよね。「ガンダム」漬けの中で、全
   部が封印されてしまうだろうと感じていた。で、やってみたらこんなにも
   スタッフに迷惑を変えてしまって申し訳ない。と同時に今、若い人たちが
   助けてくれてありがたいと思っています。
348通常の名無しさんの3倍:03/02/24 16:54 ID:???
続き
脚本家の言い分と監督の言い分
―脚本の方にうかがいますが、ご自分が手がけた中で印象に残っている話数
 を教えてください。
高橋 書いてて面白かったのは15話の「一点突破」ですね。絵コンテで監督
   に全部つぶされちゃいましたけどね。23話の「スイートメモリーズ」
   は監督のプロット通り書いたら、今度は「俺の分身みたいな脚本だ」
   って却下されて。しょうがないからまったく違う話を書きました(笑)。
   この回はシナリオ前のプロットで3稿、シナリオで3稿までいって計6稿、
   一ヵ月半ぐらいはかかっているんですよ。実は。
河口 その前の20、21話(「ガバナーの野望」「幻視錯綜」)の脚本は隅沢
   (克之)さんが頑張りましたよね(笑)。1,2週間でポンポンとシナ
   リオを上げて、一日で直しを上げて。
高橋 せっかく浮いたスケジュールを全部私が食ってしまって。すみません
   (笑)。
―浅川さんが印象深かったのは何話ですか?
浅川 一番最後に書いた22話「乾坤一擲」が好きで、16話「招かれざる客」
   は嫌いです(笑)。
面出 苦しんだから(笑)。
河口 ひどい打ち合わせだった、あれは。監督に突然「新キャラ出そう」っ
   て言われて(笑)。ナッキィはそこで生まれたっていう。
安川 生まれた理由も、土器手(司)さんが「アムロにはカイやハヤトみた
   いなライバルがいるけど、勇にはいない」って話をしたら、富野監督
   「そうか」ってホントに出しちゃった(笑)。
河口 もとは浅川さんの作った話があったのに、そこへ突然ナッキィが登場
   することになって、ナッキィの話になったんです。ひどいでしょう(笑)。
安川 登場するキャラクターの量が一年分なんだもん。あれだけキャラク
   ターいたら一年かけて掘り下げられますよ。
349通常の名無しさんの3倍:03/02/24 16:59 ID:???
続き
高橋 だから隅沢さんはせっかく出てきてるんだからってカントとナッキィ
   を21話でちゃんと活躍させる場面をつくったりしてて、苦労してるん
   だなぁ(笑)って。
富野 んー。そう考えると本当にずっとリハビリしてたんだねえ。
安川 しみじみ言わなくても(笑)。
河口 気が済みました(笑)?
富野 いやぁ、まだだなぁ。こうやって訳がわかんないとこでつくるって
   いうのはすごく面白いってわかったんで。予定調和でつくっていく
   のはやっぱりやだなぁ。
河口 もうちょっと構成があって、それに自由度がプラスされてるのがい
   いんじゃないですか。
富野 それが出来るとね。
河口 次の課題ですよね。
富野 しかし富岡さんは偉いよね。こうまで素人集めて、よくやってるよね。
富岡 (声にならないような声で)ありがとうございます(笑)。でも、
   中盤から本当に面白いよね。6話の「ダブル・リバイバル」以降ドラマ
   が始まって。
富野 今になってみると3話のなかごろから4,5話のもたつきってのは、な
   んだったんだろう、すごく悔しいねぇ。
高橋 勇っていうキャラクターを描くにはあれだけ時間が要るんじゃない
   ですか?
河口 4,5話が好きって人も多いし。
富岡 一本につき何ヶ所かポイントがあるんだよね、富野さんの作品って。
   三回目ぐらいに見るのが面白かったりする(笑)。何回も見られます
   よね。




350通常の名無しさんの3倍:03/02/24 17:01 ID:???
続き

面出さんが一人で書いたキャラクター、ネリー・キム
―面出さんが自分で印象に残っているのは何話ですか。
面出 とりあえず8話の「寄港地で」は監督に衝撃を与えたようなので「いっ
   かなー」と思ってるんですけど(笑)。
河口 本領発揮はネリーのときだな。
面出 そう、ネリーの話を前後編でやれた(17話「カーテンの向こうで」、
   18話「愛の淵」)のが面白かったですね。
河口 ネリーというキャラクターは面出さん以外の人は書いてないんですよね。
富野 だからあの話はトミノ流に言うと、シナリオにまったく触ってないも
   んね。それで、気持ちがまったく悪かったかとか、こちらが我慢した
   かっていうと、そういうことは無かった。
河口 でも面出さん「17話でいいセリフを切られちゃった」って怒ってた(笑)。
富野 嘘でしょう?
面出 ネリーと勇が喋っているところが丸々無かったから「おおっ!?アクシ
   ョンばっかり」って。「私が書きたかったのはここだったのに、ガー
   ン」と、絵コンテ見ながら。
富野 これは言い訳になるんだろうけど、コンテの展開上で「この絵並びだ
   ったらこうでしょう」みたいな作為が入ることはあるな。それはコン
   テマンはコンテマンなりに考えたことがあるというのと、尺と枚数の
   関係もあってチェックの段階でセリフ一辺倒は考えられなくて、セリ
   フをつくっちゃうところがあるね。

351通常の名無しさんの3倍:03/02/24 17:02 ID:???
続き
反響が大きかった第9話「ジョナサンの刃」
富野 現場とは違う意見で面白かったのは「ジョナサンの刃」(9話)。見
   ててつらかった、あそこまで本当のことを言ってもらっちゃ困る、っ
   て。その意見はかなり冷静な人なんです。つまりアニメでそこまでや
   ってもらうとつらい、っていう意味があると思うよね。
高橋 自分が働いている母親だったりしてね(笑)。「わかってるんだから、
   やらないでよ」って。
面出 だけどあれは救う話だから、あそこでやっとかないと、あとになって
   救えないんだよね。
安川 あの時間親が働いてて子供だけで見てたとなるとえらいことですよね。
河口 いつか殺してやろうと(笑)。
富野 だけどそう思ってくれていいんじゃないの?それが刷り込み意識には
   ならないと思っている、アニメの枠の中でそういう風に思って、気に
   なるからって次を見たら今度はお母さんがいなくなっちゃう。で気が
   晴れるっていうのは、僕はあると思う。
352通常の名無しさんの3倍:03/02/24 17:05 ID:???
続き
サブキャラに関する意外な事実
高橋 アノーアが消えてアイリーンが消えてアイリーンが艦長になるっての
   は監督は最初から決めてたんでしょうか?
安川 名前がキャリアーだから……(笑)。
河口 違う。艦長がいなくなった後どうするって。「誰かまだ何もやってな
   いのはー」って(笑)。アイリーン、医者だけどいいのかって(笑)。 
富野 だから劇中で「士官学校では優秀な生徒だった」って理論武装して(笑)。
高橋 キャリア持ちにしたんですよね(笑)。
河口 ひどいよなー(笑)。でも監督も新キャラを出すよりは今いるキャラ
   の中で、って抑制があったからその後すぐ忘れて「だめだ、新キャラだ
   !」ってナッキィ出して。それでみんなは「やばい、病気が始まっちゃ
   ったぞ」って(笑)。
面出 企画書よりキャラが増えてるんですよね。桑原さんとか。
高橋 それを言うならケイディ(笑)。
面出 名前をつけた時点でレギュラーになるから「わあ、しまった」って。
―ケイディは4話に出てきて死んだかと思いましたが。
富野 みんなそう思いました(笑)。
―まだエッガ一人しか死んでないじゃないですか。
安川 ネリーの話を見ると実は死んでないんじゃないかと思うんですけど(笑)。
河口 プレートを透かすと、中に見えるってのは……(笑)。
富野 それもいいかもしれない。
河口 それで「どうやったら出られるのかな」って(笑)。
高橋 改心したら出てくるとか(笑)。
富野 それ、最終回に入れよ(笑)。
高橋 面出さんなら何でもやってくれると思っていませんか。
353通常の名無しさんの3倍:03/02/24 17:07 ID:???
ラスト
河口 安川が言ってたんですけど、オルファンの中には江戸時代から入って
   た人がいて……。
富野 (爆笑)。
河口 「オルファン江戸村」、とか「ウエスタン村」が出来ているってい
   う(笑)。
安川 お侍が乗ってるんですよ。ブレンパワードに。妙な音がガサガサっ
   てするんで、見てみたら、畑があってお百姓さんがクワもって耕し
   てたりして。
河口 ナッキィとかそういうキャラクターでもよかったかもしれない。
富野 ねえ、それ惜しかったかもしれない。今言うなよー(笑)。じゃあ
   パート2ははそこから入ろう(笑)。そういうところから行きたい
   なぁ、ネクストは。
―皆さんいつもこんな感じですか?
富野 まったくそうです。
河口 ひどいんですよ(笑)。
富野 だけど、かなり本気ですなんですね、こちらは。やっぱり、その方が
   面白いと思いますからねえ。
  (了)
354通常の名無しさんの3倍:03/02/24 17:41 ID:???
以上です。この座談会には続きがあるようですが、残念ながら手持ちには
なく、少し探し回ったものの発見できませんでした。
蛇足で私のコメントを言うと、ブレンは最終回の詰め込みすぎやテーマを
作品内で直接的に押し出しすぎていることに対して放送当事は不満を感じて
いたため個人的には富野作品の中でも真中ぐらいの評価しかしてないので
すが、この脚本化陣の多くがそのまま∀やキンゲに引き継がれて、良いチ
ームワークを発揮している現状を見ると禿御大自身の言うリハビリはうま
くいったんじゃないかと思います。
あと>>281の対談は「ポップコーン」(ハヤカワミステリ文庫、98年刊)
という本に収録されているようです。フィクションによる受け手への影響
の責任性を論じたものだとか……。
では長々とカキコすみません。
355344です:03/02/24 21:44 ID:???
交響組曲第二番
“THOUSAND NESTS”とは…… 総監督 富野由悠季

日本人がオーケストレーションを獲得した、という予感を抱かせてくれた
今回のBGMとの出会いは、ぼくを幸せにしてくれた。
他人の評価などは、気にしてはいない。今回の千住明に惚れ込んだ。
だから、作曲中の彼が入れ込みすぎて、彼が倒れるのではないかということを心配して、
手を抜けとも言ったものだ。
それでも、できあがった楽曲はこうであった。
こんな仕事を、ぼくの作品のときにやってくれたことに、二重の幸せを感じている。
だから、前のCDで各楽曲にタイトルをつける仕事を依頼されたとき、
ぼくは、ひさしぶりに詩心を刺激されて、試行錯誤の二日間という至福のときをもてた。
だから、ぼくにとって、あのタイトルは詩以上のものなのである。
今回の楽曲は、その集大成といっても良いものであり、
ぼくにとっても、あのタイトルたちを統合するタイトルの発見をしなければならなかった。
それが、THOUSAND NESTS(千の巣)であった。
これも、誰になんと言われようとも撤回する気はない。
千住明の二番目の組曲に位置するという意味で、第2番目を冠することによって、
彼自身、この楽曲に対しての自負を示してくれたことも、又、心嬉しい。
ここには、人の心の襞がある。激動の出発点があると信じている。
なによりも、この千の巣から飛びたった意気が、幾百万もの旋律を紡ぎ出すことができるなら、
この楽曲の輝きは、ちかい未来により鮮やかな光沢を発するだろう。
だから、千の巣なのである。
356344です:03/02/24 21:45 ID:???
重い歌を唄う人たちと 総監督 富野由悠季

うつくしい金髪と伸びやかな脚が、
ポーランド女性の印象なのだが、
その笑顔は我々がトーキョーで見る
若い娘たちのものとはちがっていた。
それは、男たちや老人たちもおなじで、
一言でいってしまえば、歌が好きな癖に、
重く悲しい歌を唄う事しか
知らない人たちなのである。
その彼等の素質は、今回の楽曲を
録音する為に行ったクラコフで、
より痛感することとなった。
かつてのポーランド王国の首都であり、
第二次大戦の戦災から逃れながらも、
共産主義の統制下に身を屈した内陸の都市
クラコフは、我々の知る近代化から
大きく遅れをとったために、そこの人びとは、
我々が知っている商業主義に汚染された明るさ、
ルックスの良さや、耳障りの良さと
いったものを知らないのである。
357344です:03/02/24 21:45 ID:???
そのために、作曲者の千住明と指揮者の
アンソニー・イングリス氏は、この楽曲の
持っている古典としての新しいスタイルを、
彼等のどのように演奏させるかで
悪戦苦闘していた。
しかし、それは、古典のもっている
原理的な感性を肉体としているクラコフの
演奏者たちの技芸を否定するものではなく、
むしろ、千住音楽が目指しているものを
具現化していくためには、トーキョーや
ロンドンで学ぶことができなくなった
土着の薫りというものも必要なのだ、
ということを教えられたというのが、
正直な結果であった。
Vガンダムの根底的なテーマは、近代文明は、
人と環境にとって怪しいものではなかったか、
という物である。
その解答の一端を、ぼくは、まさか
オーケストラの演奏から思い知らされるとは
358344です:03/02/24 21:46 ID:???
予想もしていなかったので、
これは衝撃的だった。
彼等の感性のなかには、
我々がとうのむかしに忘れ去った、
ダサいが、原理的な人の心の表出の方法
といったものが残っていて、
そういったものを思い知らせてくれたのだ。
問題なのは、屈折しすぎた歴史から、
そろそろ解脱して欲しいのだが、
それをしようとする現在、日本人が
トーキョーでやったまちがいをこの国も
やるだろうという、という予測をしないために、
それは、まちがいなく次のガンダムの
テーマになってしまうという意味で、
僕は、痛恨の念ををもって
この国を好きになってしまったのである。
クラコフの夜は、我々が三十年前に
忘れ去った暗さがあったということは、
比喩でなく現実なのである。
359344です:03/02/24 21:56 ID:???
今まででてなかったと思うので書いてみました。
やや読みにくいと思いますが原文を再現したつもりです。

このタイトルの正式なタイトルは
「千住明 交響組曲第二番 サウザンドネスツ 機動戦士Vガンダムより」
です。
これが発売された時期は再販されて安いのを買ったんで
正確な時期はわかりませんが1993〜1994年ごろかと思います。

最初のコラムで書いてた様に富野監督はサントラの二枚目三枚目の曲の
タイトルをつけています。一枚目のサントラの歌詞カードを
なくしてしまったので一枚目に付いてはちょっと分かりません。

これも富野仕事に入るかな?
360))ポナー:03/02/25 01:20 ID:???
>>344 おつだす
361通常の名無しさんの3倍:03/02/25 04:50 ID:???
>>354
私もブレンの評価は低かったのですが
これを読んでから見直してみるとまた違った点から見ることができそうです。
ネリーの話が結構好きだったので
面出さんにもその後の作品に参加して欲しかったですね。
362通常の名無しさんの3倍:03/02/25 12:27 ID:???
種での面出脚本にはどれだけ嫁修正が入っている事やら…(泣
363通常の名無しさんの3倍:03/02/25 13:28 ID:???
>>362
Vガン初期の桶谷脚本第一稿ぐらいには(w
364通常の名無しさんの3倍:03/02/25 16:00 ID:???
ttp://members.jcom.home.ne.jp/usausa11/times/times.html

偶然こんなページを発見したわけだが、
365通常の名無しさんの3倍:03/02/25 17:31 ID:???
庵野を刺そうとした奴って誰?
366通常の名無しさんの3倍:03/02/25 19:48 ID:???
漫画家の"あさりよしとお"
367364:03/02/25 21:29 ID:???
前スレでガイシュツだったか
スマソ
368通常の名無しさんの3倍:03/02/26 12:16 ID:???
富野って人は発言だけ読んでると
謙遜してたりわざと大げさに言ってるだけなのかな、と思うけど
動画とかで本人の姿見ると狂人と紙一重だね。
この人がアニメやってなかったらと思うと…(((( ;゚д゚)))サブングル
369通常の名無しさんの3倍:03/02/26 12:29 ID:???
>>368
そのあたりは御大本人が自分でも言及してるしね(w
370とんぼ ◆GDIhcRYKlE :03/02/26 20:37 ID:???
No hard feelings.
371通常の名無しさんの3倍:03/02/26 20:54 ID:avLZ06fD
age
372通常の名無しさんの3倍:03/02/26 20:57 ID:???
口だけじゃないからマシだろ
373通常の名無しさんの3倍:03/02/27 04:19 ID:???
富野作品の根底に流れているのは愛だ
374通常の名無しさんの3倍:03/02/27 13:47 ID:???
庵野とあさりよしとおの話どこで見れますか?
カールビンソンの人だよね?
375通常の名無しさんの3倍:03/02/27 20:02 ID:???
使徒のデザインした人でもあるな、あさりよしとお
376))ポナー:03/02/28 05:09 ID:???
aga
377通常の名無しさんの3倍:03/02/28 08:26 ID:???
いろんなネタを聞くが、マトモな人間なのか?あさり。
作品批評は面白いが。
378通常の名無しさんの3倍:03/02/28 08:46 ID:???
元大蔵省、あさり
逆から読むと「おとしよりさあ
379通常の名無しさんの3倍:03/02/28 12:35 ID:???
まんがサイエンス自体はいい本だ
380通常の名無しさんの3倍:03/02/28 16:58 ID:???
この間の読み切りは肌に合わんかった。
381通常の名無しさんの3倍:03/02/28 23:07 ID:???
最近∀の癒しを読んだんですが
そのなかでの西城秀樹の∀に関するコメントが気になったのですが
そのコメントが書いてる本はありますか?
382通常の名無しさんの3倍:03/02/28 23:11 ID:???
>>381
∀の癒し
383通常の名無しさんの3倍:03/02/28 23:13 ID:???
>>381
フィルムブックの1か2にも秀樹のインタビューあったぞ。
384通常の名無しさんの3倍:03/03/01 00:11 ID:???
>>383
サンクス!今度買ってきます

>>382
・・・・・私の書き方まずかったんですねすいません
385通常の名無しさんの3倍:03/03/01 02:14 ID:???
>>384
そう言うけど絶版だぞ(^_^;)

おれも買ってたはずなのに
手元に残ってないし。
386通常の名無しさんの3倍:03/03/01 11:03 ID:???
>>385
絶版・・・・・・中古めぐりでもしますね
387通常の名無しさんの3倍:03/03/01 22:18 ID:???
保守
388通常の名無しさんの3倍:03/03/01 22:35 ID:???
漏れは単行本も文庫版も買ったが(ワラ>ヒゲの癒し
389通常の名無しさんの3倍:03/03/01 23:23 ID:???
∀のフィルムブックが絶版ってことだろ?
390通常の名無しさんの3倍:03/03/01 23:25 ID:???
文藝別冊 総特集 手塚治虫 より
エッセイ 「時を経て師」
冨野由悠季

 虫プロ時代の4年間、先生との間に特別なことはなかった。
虫プロ一期生ともいうべき先輩のバリア、アニメーターにあらずんば人にあらずの気風、
マンガ絵を描けないぼくなどは近づけもしなかった。ぼくら大学出も先生を社長とは呼ん
でも、口が曲がっても先生とは呼ばず、日本のディズニーになるのなら経営者に徹してくれ
と組合員として要求もした。
 当時、先生がマンガ家としてもっとも低迷していて、クリエーターとして悩みぬいてい
たのだが、そんな苦しみなど想像することは一切なかった。ひどいことを口にしたのでは
ないかと、今になって恐れている。
 とはいえ、ぼくが演出家になれたのは、すべて先生のおかげである。生まれてはじめて書
いた僕の絵コンテにOKを出して下さったのは先生であり、その直後、喫茶店で「トミ
ノ氏は制作志望らしいけど、演出部にいってくれないか」といってくれたのも先生である。
 普通の能力しか持たない先輩制作マンには、人の才能を見抜く力も決定権もない、と
そのとき思い知った。
 ぼくのアトムの最後のフィルムをチェックしてくださったのは先生で、なぜかそのとき、
一人の役員が同席していただけで、バリアとなっていた先輩諸氏はいなかった。そのとき
退出なさる先生の背中とお尻が寒々としていたからというのが直接の理由ではないのだが、
手塚時代がおわるなら虫プロはつぶれるだろうとかんじて、ぼくは虫プロを辞めた。
 その後も先生は雲の上の人でありつづけて『トリトン』や『メルモ』のアニメをやって
いるときにも深くお会いしたという記憶はない。
391通常の名無しさんの3倍:03/03/01 23:25 ID:???
続き

 『ガンダム』以後、外でお会いできるようになってから、あの「トミノ氏」という口癖と
ともに優しくニコニコとなさる笑顔とあのブ厚くもやわらかい握手に、神業が宿ると感じ
るようになった。ぼくが四十代になってからである。
 オリジナル作品をやるようになってはじめてぼくは、午前三時にスタジオにいらっしゃ
った先生が、翌朝9時には朝食をすませて原稿を手にしていらっしゃったり、ピアノを弾
いていらっしゃる先生の記憶が逆流するようになった。五十才になるころ、先生の全集百
巻を通読したあとでは、さらにあの握手をして下さった手の凄さ、熱がよみがえってしま
う。
 先生が亡くなられたと聞いた翌朝、失礼をかえりみず先生のお宅にあがりこんで、死に
顔を拝見できなくとも近くにいたいと願った。その行為は今も恥じていない。
 師のエキスの万分の一も真似することはできないだろうけど、ここに従うものがいると
師ってほしいと思うのは、生きている者の欲である。 (演出家)
392通常の名無しさんの3倍:03/03/02 00:38 ID:???
しまった、間違えた、鬱だ・・・
393通常の名無しさんの3倍:03/03/02 09:16 ID:???
長浜忠夫氏が存命だったら、どんな対談をするだろう?
394通常の名無しさんの3倍:03/03/02 16:37 ID:???
>>391
ありがとう。ふーん。
395通常の名無しさんの3倍:03/03/03 00:41 ID:???
>>390-391
いいですね。
396通常の名無しさんの3倍:03/03/03 01:38 ID:???
>>390-391
なんか素直に感動した。

それはそれとして富野が虫プロ時代を語る時、どうも先輩達
(杉井ギザブローとかりんたろうとか?)への怨念がただような・・・
397通常の名無しさんの3倍:03/03/03 01:40 ID:???
ある程度、歳をとってからこの手の話を読むと
妙に感慨深いもんがあるよな。
(若い頃はなんも感じんかったけど)
398通常の名無しさんの3倍:03/03/03 03:11 ID:???
>>390-391
富野にしては、めずらしくスッと読める文章だな。
399通常の名無しさんの3倍:03/03/03 19:45 ID:???
富野萌え
400通常の名無しさんの3倍:03/03/04 01:54 ID:???
信者スレで紹介されたインタビュー。既出かな?

http://www.mainichi.co.jp/edu/maisho/anohito/2002/0907.html

読みづらいんで、括弧を除去した分の需要があれば書き込むけど。
401通常の名無しさんの3倍:03/03/04 02:31 ID:???
例の訃報に対してのコメントも読みたいような読みたくないような・・・
402通常の名無しさんの3倍:03/03/04 03:29 ID:cl57mBFT
>>400
いつもと違ってえらい、いい笑顔だなー
子供好きなのか?
403通常の名無しさんの3倍:03/03/04 03:34 ID:???
リア消にはわかりづらい人だと思う
404通常の名無しさんの3倍:03/03/04 08:44 ID:???
でも、なかなか濃いインタビューだよね。
監督業は学校の校長先生みたいなもの、とか、口パクのこととか、
小学生の視点じゃないとなかなか聞けない(w
405通常の名無しさんの3倍:03/03/04 16:31 ID:???
>「アニメではなぜ、セリフと口の動き方がちがうの?」と技術的なことを質問。
>「きびしいな〜」と笑う監督。

小学生おそるべし
406通常の名無しさんの3倍:03/03/04 17:06 ID:???
北爪君(きたづめくん)は「クェスはこんな感(かん)じでどうですか」と
富野監督(とみのかんとく)に質問(しつもん)。
「こんなクェスのオマンコ、僕(ぼく)は舐(な)めないよ」と監督(かんとく)はきっぱり。
407通常の名無しさんの3倍:03/03/04 17:11 ID:???
>>406それおもしろいw
408通常の名無しさんの3倍:03/03/04 17:12 ID:s6HaEBRy
庵野(あんの)くんは「エヴァンゲリオン」という自分(じぶん)で作(つく)った
アニメの感想(かんそう)を富野監督(とみのかんとく)に質問(しつもん)。
「庵野(あんの)なんか大嫌(だいきら)い。死(し)んじゃえばいいのよ。」
と監督(かんとく)はきっぱり。
409通常の名無しさんの3倍:03/03/04 17:30 ID:???
>>405

リップシンクロ主義を長浜監督に学んだ頃の話、彷彿大会ね。
410通常の名無しさんの3倍:03/03/04 18:03 ID:???
朴ロ美にもインタビューしてるね。富野の名前が出てる。
禿(はげ)に…とは書いてないが。
411通常の名無しさんの3倍:03/03/04 18:47 ID:???
っていうか、声優へのインタビューが大杉
絶対編集の趣味だろ、福みたいで胸糞悪い
412通常の名無しさんの3倍:03/03/04 19:46 ID:???
朴って最初からロランに決まってたんじゃなかったのか。
ヒロインのオーディション受けてたって事は、朴ディアナもありえたのかも。
413通常の名無しさんの3倍:03/03/05 23:12 ID:IaUqSAfQ
手塚を心底怨んだ宮崎が栄え、
氏と仰ぐ富野がこうとは、因果なのか??
414通常の名無しさんの3倍:03/03/06 17:19 ID:???
ま、ナウシカ前身企画で共同するはずだった手塚にソデにされてから



ナウシカ制作時決定時は見返そうと燃えたであろう結果と思えば
今の繁栄は必ずしも無関係ではない。
415通常の名無しさんの3倍:03/03/06 17:19 ID:???
制作決定時、でした。
416通常の名無しさんの3倍:03/03/06 17:20 ID:???
でも富野も昔は手塚嫌ってたぞ。
まあ単純に富野のが宮さんよりカタギで大人な人って気はするね。(最近だけど)
そのぶん宮のパワーは凄まじいというかなんというか・・・
417通常の名無しさんの3倍:03/03/06 20:52 ID:???
虫プロ関係者は、みんな手塚にはいろいろと思うところあるだろ。
現実に利害を被ってるし。
ただ、虫プロ倒産とかいろんなことを経て、死ぬ頃には
みんな、恨みつらみも無くなっていたと思うよ。
ハヤオはそういう通過儀式がないまま、複雑な感情が
モンモンと大きくなって追悼特集で爆発したんだろう。
418通常の名無しさんの3倍:03/03/06 21:10 ID:???
とりあえず今月の雑誌「ダ・ヴィンチ」に
見開き2ページで御大インタビュー載ってます。ガンダム特集だけど(ワラ
419通常の名無しさんの3倍:03/03/06 22:02 ID:???
えー何でキンゲ特集やんないのよーダビンチさんよー
学校の図書館で済ませてやる(藁
420通常の名無しさんの3倍:03/03/07 01:21 ID:???
でも、作品だけみると富野より、むしろ宮崎の方が
手塚の弟子って気がする。
421通常の名無しさんの3倍:03/03/07 01:25 ID:???
∀はすごく手塚っぽい気がした
つーかハリーが七色いんこだし。
422通常の名無しさんの3倍:03/03/07 01:32 ID:???
手塚の変態性はロリから性倒錯や同性愛まで幅広いけど
宮崎はほぼロリ一辺倒だからナー
変態度においては富野のほうが手塚直系。
423通常の名無しさんの3倍:03/03/07 01:48 ID:???
>>421
>つーかハリーが七色いんこだし。

おぉ! 言われてみればΣ(゚Д゚;
424通常の名無しさんの3倍:03/03/07 02:43 ID:???
>>418 うp汁
425通常の名無しさんの3倍:03/03/07 03:30 ID:???
ペシミスティックな作風は御大将、手塚そのまんまという気がするけど。
426通常の名無しさんの3倍:03/03/07 03:36 ID:???
ぶっちゃけ禿はギリシア悲劇とかが好きなんじゃネーノ?
427ごはんギリシャ:03/03/07 05:06 ID:???
>>426 なんでよ
428通常の名無しさんの3倍:03/03/07 12:52 ID:???
むしろシェークスピア
429通常の名無しさんの3倍:03/03/07 21:43 ID:???
放映当時のアウトのインタビューとか外出?
戦争終結が1/1だって、勢いで決まったときのとか。

まだでしたらウプリマす
430429:03/03/07 21:44 ID:???
まちがいた、アウトじゃなくて、兄滅区です。
431通常の名無しさんの3倍:03/03/08 02:12 ID:???
>>429
何号?
432ナガノ世代の意味するもの:03/03/08 12:15 ID:???
ザテレビジョン別冊・重戦機エルガイム‐1
(角川書店発行・昭和59年12月5日発行)より

ナガノ世代の意味するもの
総監督 富野由悠季

編集部からの依頼は、ナガノ世代の可能性について書けという注文であるが、
そのような事が分るわけがない。
また、将来について分るのならば、自分が描いてみせるわい、と言いたい。
が、それは出来ない、
同時に、ナガノ君本人にしても、別の描き方ができるわけではない。
それが、絵というものであり、文章というものであり、
シナリオ、小説、作詞というものである。
しかし、総論として言えることがひとつだけある。
同世代というものは、トータルとして見ると同じだという事である。
つまり、ナガノ世代の同一の臭いというものがある。
それは、過去のスタッフを通覧しても言えることであり、
本人が好むと好まざるとに拘らず、共通の臭いがある。
時代が描かせるものであるといえる。
そのように、時代が描かせるものであるのならば、その継続として考えれば、
旧世代よりも、新世代の方がより将来に近い可能性というものがあるのは、
自明の理である。
433ナガノ世代の意味するもの:03/03/08 12:16 ID:???
問題なのは、その次の時代に生き残れるのは、誰かということに関していえば、
時代に対応できるノウ・ハウをインテリジェンス(知能、情報)をもって
対応できるだけのフレキシブル性を持ち得るか、という事であって、
これを身につけるためには、訓練か、学習しかない。
問題なのは、人間というものは、一度自信をつけてしまうと、
学習をするという謙虚な心をなくしてしまう事である。
殊に、同世代に競争相手がいないと、天狗になる。
自分では謙虚なつもりであっても、一度身につけさせた自信というものは、
謙虚さを持たせない。
それが、クリエイターという人種に言える悪癖である。
その自戒を持てば、成功をすると断言できる。
しかし、ナガノ世代にある共通の欠点は、
早くから実務についてしまったスタッフが多いという事だ。
これは自動的に増長を生む。
434ナガノ世代の意味するもの:03/03/08 12:17 ID:???
不幸なことである。
下積みの時代が長い人は、その時代に自分なりの情報を蓄えて、
いざ鎌倉に備えることが出来るし、そのような自己修練を重ねることをする。
しかし、実務者は、実践的な経験律の持つ実績に自信を持ってしまうという悪癖がある。
これをなくせと言うことはできないし、また自信がなければ、実務も遂行できない。
この二律背反した状況を抱えこんでいるのが、生活をしてゆく者の悲しい性なのである。
この状況に耐えて、乗り越えるためには、広い見識が必要となってくる。
ひとつの悟性では、対応できない。
しかし、ひとりの人にできる事は、ひとつの事でしかないという事実が、
若い人々に過酷な現実として示される。
小説家でも、作詞家でも、絵描きでも、ヴォーカリストでもなんでもだ。
一度有名になった人々が、二度目に有名になる事はできないのである。
つまり、ひとりの人には、ひとつの事しかできないという証明である。
この現実は、若くして名を成した人人にとっては、過酷である。
三十歳までは食えても、四十歳になって食えなくなったという人々は、芸能界には多い。
科学者もそうだ。
おおむねの分野でこの事は、事実として突きつけられる。
だから、大人は、権威づけをして、余生を生き永らえようとするのである。
その時から、人は、動脈硬化を起して、変化する時代に対応する能力を捨てるのである。
この繰り返しが、すでに始まっているのがナガノ世代でもある。
個人的に言えば、永野君のデザイン・コンセプトは、シャープさではなく、
細い長い脆弱性が主軸である。
これに、いかなるバリエーションが身につけられ、肉づけする事ができるのか、と、
デッサンの骨格はなにかというものが見えてこない限りは短命に終わるだろう。
が、その部分へのアプローチが十全に為され、人間としての繊細さを身につけられれば、
新しい職能を生み出す可能性の一端は有していよう。
435ナガノ世代の意味するもの:03/03/08 12:18 ID:???
具体的な例をひとつだけ述べよう。
感覚が絶対的なものの様に言われているが、
ナウイ感覚などというものは、怪しいものである。
なぜならば、そのようなものは。“今”だけのものであって、
決して続くものではないからだ。
そのようなものが真実であるわけがない。
キモノの原型は、現在に至るまで変える事ができなかったし、スカート、背広もそうだ。
それらのデザインには、歴史の修練を経たものがある。
それを、簡単にナウさでカバーできると信じるクリエイターがいたとしたら、
それは、傲慢である以上に無知であるとしか言えない。
ナウさ、とは、所詮、アレンジメントに於けるセンスでしかない。
この事を承知するだけでも、人間は、多少は、謙虚になれよう。
そのような事々が分る人間でない限りは、短命であるということだ。
しかし、人の事を言えるのは、このような一般論でしかない。
それ以上の事は、神様だって知りはしないだろう。
それが、現実の中で生きる人のいい加減さであり、だから無限の可能性が
ひとつのものの中にだってあるのだ、とも予測する事ができる。
すくなくとも、紙しか見ない人間でなければ、
次の展開に加担できる自分をつくり出す事はできる。

昭和59年7月18日(水曜日)
上井草/オフィス・アイにて
436異星人たちへ:03/03/08 16:11 ID:???
ザテレビジョン別冊・重戦機エルガイム‐2
(角川書店発行・昭和60年4月1日発行)より

異星人たちへ
文・富野由悠季

某アニメ誌に“トミノ効果”という言葉があって、ギョッとした覚えがある。
小生が関係する番組であれば、途中つまらなくとも、最後にはトミノ効果による
霊験あらたかな力が発揮されて、番組が面白く終るだろうという意味らしい。
そのように期待される僕は、ありがたいと思う。
そんなに力が自分にはあったのかと感動もする。
が、言われる方は見が細る思いがする。
はからずも、その証明となってしまったのが、エルガイムである。
不幸な作品だと思う。
なんでこうなったのか……。
その理由は明白である。
その理由は、大人の世すぎの言い訳なのだから書いてはいけないことなのだが、書かせて貰う。
率直に書いておかないと、忘れてしまうからだ。
周囲の大人達が……。

このエルガイムについての批判の代表的な文章は、オンエアが始まって日ならずして、
僕に届いた手紙の内容に尽きる。
つまり、
「トミノ作品を期待して見ていたのに、エルガイムはなんだ!
番組を若い連中の教育に利用している!それは作品作りではない。
テレビに対しての冒涜だ!あなたは創作者の立場を放棄したのか!」
437異星人たちへ:03/03/08 16:13 ID:???
が、エルガイムが終了して思うことは、
時には、番組制作を若い人の教育機関として利用させていただいても良いのではないか?
という感触であり、それは、今でも変わっていない考えである。
この僕の思い切りが、エルガイムの不幸と、ハッピーさを生んだ。
そのハッピーさの部分に、エルガイム故に手に入れることができた成果がある。
しかし、その成果が、僕に関係のない部分での成果であると言うことが口惜しい。

アニメは、いまや芸能であり、かつ、かってのように学芸レベルのものであるという
両極を備えたジャンルとして成長してしまっている。
今後は、この広いテリトリーの中で業務をこなしていかなければならない時代に突入している。
かって、映画が、TVというメディアに出会ったと同じ変革の時代に入っているのだ。
表面の見え方は違うが、変革としては、同質の問題を含んでいる時代なのである。
その時代を迎えた現在、日本サンライズでさえも、
そこは、大人としての偉い人々の固りになってしまっている。
そんな大人たちだけの発想で、若い人たちに見て貰えるような作品は作ってはいけない。

革新的な作品を作る事ができるスタッフというのは、所詮は、三十代までである。
それは、かっての日本サンライズでも、そうであったし、そうして来たのだ。
が、大人は、自分の主権を奪われることが怖いために、若い人の参加を危険視する。
若いスタッフに任せて、もっと巨大な成功を手に入れれば、
そのピンハネだけでメシが食えるとは思わないのだ。
それでは恥かしいし、現場としてはヤバイから……と。
しかし、中森明菜を使ってみせるプロダクションの大人たちを笑う人はいないだろう。
それが、まず、芸能の世界の生き方である。
そして、もう一方の学芸レベルということでは、
確実に生き残る作品を創作するという堅実さである。
サザエさんのように……だ。
438異星人たちへ:03/03/08 16:14 ID:???
成功作品などは、ある日突然、その時代の代表選手が、生むものであって、予定などはできない。
にも拘らず、大人たちは、自分たちの考えられる経験律で物事をあてようとする。
勘でしかない、運でしかないとは思いたがらない。
そう思った瞬間に、自分の存在意義がなくなると思うから、この考え方を大人たちは拒否するのだ。
「ゴーストバスターズ」のプロデューサーとディレクターたちは、
この作品が、これほどにヒットするとは思いはしなかったろう。

さて、僕には、時代に対応をしてやってゆくだけの能力は持っていないということは分っている。
その自己分析は、決定的に正しい。
なぜならば、既に年齢が、若くはないからだ。
その事実を謙虚に受け止めた時から、エルガイムの総監督のやり方を見られるような形にした。
そうでなければ、永野君に代表される年代のスタッフが、
これほどまでにエルガイムで主権を取ることはできなかったろう。
永野マシンとキャラクターは生まれなかったろう。
現在、それが将来の成功を約束するスタッフの登場かどうかは分らない。
そんなことの疑義は、重要ではない。
それこそ大人たちのやる仕事だ(が、そんな討論は仕事ではないのだがね)。
このスタッフのリフレッシュ感覚を投入して、アニメはやはり面白いと世間に感じさせて、
長くアニメの仕事をさせてもらうのか?
TVアニメの仕事を生活協同組合にしてしまって、
早晩、アニメがTVの世界から追放されるのを待つのか?
このどちらを選ぶかは明白である。
その当たり前なことを実践する機会を得るために、エルガイムを利用したのである。
その業務が、僕にとってのエルガイムの全てである。
そして、その時代感覚の違いの味つけが、アニメにとって、
キャビアのようになるであろうと感じたのである。
439異星人たちへ:03/03/08 16:15 ID:???
ナガノ世代は、僕のような“おじさん”にとっては、異星人である。
僕は、彼の描くマシーンもキャラクターも大嫌いだ!
永野君が、ヘビーメタルは大嫌いだ、と言うように嫌いなのだ。
が、その永野君の存在を手に入れていかなければ、
 ア ニ メ は ヤ バ イ ヨ ! 
ということになる。
既に、その作業は、他のプロダクションではやっているのである。
が、日本サンライズは、部分的にしかやろうとはしない。
それでは、事態は見えては来ない。
姑息ではいけないのだ。
作品上のトミノ効果などは、トミノ個人を安心させ、トミノ個人の延命策でしかない。
そんなことでは、アニメ全体がパワーダウンするだけのまやかし行為でしかないだろう。
だから、今回は、トミノ効果をスタッフ編成の為にだけ使ったのだ。
しかし、本来、このようなことに使うべきことではない。
が、大人の世界、状況というものは、アニメ一本を作る以上のパワーを吸いこむのである。
これが社会なのである。
だから、疲れるのだ。
だから、大人たちは、いつもいつも不満たらしい疲れた顔をしているのだ。
でなければ、お父さんたちは、もっと楽しい顔をできるのだがね……。
みんなで疲れる原因を作って、皆で疲れている……。
440異星人たちへ:03/03/08 16:17 ID:???
それが、エルガイムの世界でもある。
ペンタゴナの世界は、もっと現実的に僕の生気を吸い取ってくれた世界だった。
その原因の一端は、渡辺ストーリーにあり、永野キャラクターにある。
あの、ファンネリア・アムとガウ・ハ・レッシィ、
フル・フラットとミアン・クー・ハゥ・アッシャーたちだ。
少なくとも、彼女たちがいなければ、僕だって、もう少しは元気に作品を作ってゆけただろう。
が、ナガノ(ここからこの表示になるという意味を考えて欲しい!)の作り出す彼女たちは、
僕にとって異常すぎた。
あまりにも、異星人なのだ。
だから、彼女たちの欲求不満を晴らす方法を、僕は、想像できないで終った。
ナガノの描く男たちが、もっと女たちの気持ちを考えてくれる男であったら良かったのだが、
ナガノの描く男たちは、男ではなく、中性でありすぎた。
そんな男たちが、女たちを満足させられるのだろうか?
僕という年代は、あのナガノ絵を見て、そう感じる。
古かろうがなんだろうが、女を満足させるのは、男でなければならないと思っている。
その女たちの求めている男たちに対して、女に近いメンタリティを持った男たちでは、
所詮は、女にとってのアクセサリーでしかない。
その偏見は強烈である。
そこに、時代の断絶を感じるのは、読者だけではあるまい。
だから、僕は謙虚で言うのではなく、“おじさん”なのである。
だから、スタッフの世代交替もしなければならないのだという論理が生れる。
441異星人たちへ:03/03/08 16:17 ID:???
しかし、だからと言って、ナガノ世代が絶対ではない。
ナガノ世代が突出すればするほどに、そのあぶり出しの絵のように
おじさんの時代が回帰する明日が来るのも知っている。
が、だからと言って、安心はしない。
時代の交錯する時間というのはたえずあることなのだ。
その時の収斂を通して、生きのびるためには、“おじさん”の仕方を見せなければ、
時代は容認はしてくれない。
大人の理論武装だけでは、時代は大人を受けいれはしないのだ。
そして、女が男を強姦するのではなく、男が女を強姦するほうが
生物としてノーマルであろうと思いたい。
それが、おじさんの倫理観であり、それを猛烈に感じさせたのが、
僕にとってのエルガイムであるのだ。
だから、こうした。
(了)
442通常の名無しさんの3倍:03/03/08 17:34 ID:???
443通常の名無しさんの3倍:03/03/08 19:27 ID:???
保守
444通常の名無しさんの3倍:03/03/08 19:50 ID:???
>>430
アニメックのなら富野語録に載ってるんじゃないかな?
あの本はアニメックで行った富野インタビュー全掲載が売りだったはず。
445通常の名無しさんの3倍:03/03/08 22:52 ID:???
>>432
禿にとっても一物あったエルガイムの剥げによる邂逅はおもろいな
446ごはんギリシャ:03/03/09 06:39 ID:???
おつかれ
447通常の名無しさんの3倍:03/03/09 06:42 ID:???
>そこは、大人としての偉い人々の固りになってしまっている。
>そんな大人たちだけの発想で、若い人たちに見て貰えるような作品は作ってはいけない。

今のアニメ業界人に読ませたいような文章ですな
448通常の名無しさんの3倍:03/03/09 22:35 ID:???
俺、エルガイムって絵が嫌いで見なかったんだよなあ・・・
449通常の名無しさんの3倍:03/03/09 23:44 ID:???
エルガイムは若い世代への教育でエヴァは病的か。なるほどね〜

ところで禿って押井のアニメ見たことあるの?
450通常の名無しさんの3倍:03/03/10 01:30 ID:???
>>449
押井と対談した時、「あなたと僕の作っているものは正反対だと思う」
というようなことを言ってたので、一応見たことはあるのでは?
451通常の名無しさんの3倍:03/03/10 17:18 ID:SfYRwMRD
「戦争と平和」で攻殻機動隊は見てないと発言してる。
劇場パトはロボットものだから見てると思うけど。
452通常の名無しさんの3倍:03/03/10 17:29 ID:???
見てるのかなあ?
劇場パト見てるんだったら、ロボットもので結構出来もいいし(少なくとも教育機関としての
エルガイムよりはいいと思うし、特殊だし)ファンも多いし、何か発言しててもよさそうなもんだけど
453通常の名無しさんの3倍:03/03/10 18:05 ID:???
まぁ仮に観てたとしても、発言が無いのは特に思うところが無いからだと思うが。


454通常の名無しさんの3倍:03/03/10 18:23 ID:???
まぁ、押井がこだわってる部分に興味は無いだろうね。
現実か虚構か悩んでる暇があったら女の尻を追いかけなさい、と。
455通常の名無しさんの3倍:03/03/10 22:01 ID:???
キングゲイナーもエルガイムのような位置づけなのかな?
御大にとっては
456通常の名無しさんの3倍:03/03/10 22:27 ID:???
>>454
禿しく同意。
富野は人間ドラマが好きだけど押井は人間ドラマに興味ないんだよね。
457通常の名無しさんの3倍:03/03/10 22:58 ID:???
【速報】3・10国際マンガアニメフォーラム基調講演
富野御大VSスーザン・J・ネイピア(テキサス大教授)
ttp://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1046865291/53-82
458通常の名無しさんの3倍:03/03/11 21:34 ID:???
>>455
自分の好みでキンゲという作品その物を左右はしてないみたいだけど、若手の教育って意味じゃそうなのかもね。
今回はハリウッドと戦う気のあるスタッフを集めてきたらしい。

キンゲ以後の富野は要注目だと思う。
459通常の名無しさんの3倍:03/03/11 21:57 ID:???
>456
そもそも押井は他人に興味なかったし。
最近は「色気づいてきた」と言ってたけど。
460通常の名無しさんの3倍:03/03/11 22:45 ID:???
ニュータイプにインタビュー載ってたhage
461通常の名無しさんの3倍:03/03/12 22:17 ID:???
保守
462通常の名無しさんの3倍:03/03/12 22:32 ID:???
富野ピザ
463通常の名無しさんの3倍:03/03/13 01:23 ID:hRtUqEgm
富野
>…アニメはある時期、それを決定的に間違った時期があります。
>美女とメカの組み合わせ論になっていったわけです。それは言っちゃえば
>『マクロス』神話じゃないのかなという気がしています。そうすると
>『陸上防衛隊まおちゃん』なんていうとんでもないアニメまで出てきます。
>それが戦車と小学校2年生の組み合わせなんでしょ。そこまで行くわけです。
>それは善意あるパロディらしいんだけども、パロディとしても本来成立しない
>組み合わせを持ってきているということを平気でやって、それを講談社あたり
>が出資して作っちゃう。そこにはエンターテイメントと考えても狂が感じられます…

>赤松 [修正] [削除] [Fメール] ID:bfejuiq 02/11/09 06:46:43
> APPEND 12
>これは、近年まれに見る痛快な話題でした。(笑)(もっと言って言って〜!!)
>まだまだ御大もお若いですな。
>
>私のベスト富野作品は、イデオンとVガン。みんな見るべし!


赤松アホすぎ・・・。
464通常の名無しさんの3倍:03/03/13 02:29 ID:???
若いのさ
465通常の名無しさんの3倍:03/03/13 10:57 ID:???
富野に”エンターテイメントと考えても狂が感じられます”とか言われてもなぁ〜(w
466通常の名無しさんの3倍:03/03/13 11:08 ID:???
まおちゃんの前にMS少女を生み出す基を作ってしまったことについてコメントしろよ。
467通常の名無しさんの3倍:03/03/13 19:51 ID:???
プルプルーー!!
468通常の名無しさんの3倍:03/03/13 20:07 ID:???
>>466
そう!
「関係ねーよ」という小僧も多かろうが、違う。
ファンジンの隆盛と、その人口が業界に入ってくる時に
教育とまでは言わずとも
看過しすぎた罪を棚にあげて何を云うか!


ってなもんだよな。
469通常の名無しさんの3倍:03/03/13 21:41 ID:???
いくら富野でも、発表した作品からどんな反応が出てくるか、
それをすべて予想することはできないよ。

マジレス書き込んだらネタ扱いされて
あろうことか新しい2ch用語になっちゃったりもするんだし。
470通常の名無しさんの3倍:03/03/13 22:09 ID:???
後半意味不明、、、
471通常の名無しさんの3倍:03/03/13 23:54 ID:???
いや、なんか普段は普通の人が謝らないような所にまで懺悔したりしてるから、
MS少女についても何か言ってるのかもしれないと思ったのだ。
472通常の名無しさんの3倍:03/03/14 01:57 ID:???
20年前の同人誌では美少女+バズーカが流行りだったそうだから
べつに行き着くとかどーとかじゃあるめー
473通常の名無しさんの3倍:03/03/14 05:16 ID:???
明貴美加に言えや。
474通常の名無しさんの3倍:03/03/14 05:17 ID:???
いくらなんでもMS少女の責任まで取れんだろ。
文句は明貴に言おうぜ。
475通常の名無しさんの3倍:03/03/14 11:09 ID:???
イデオン記録全集に、富野喜幸とは別人格としての
斧谷稔のコメントが載ってるんだけど、富野=斧谷
が公式に解禁されたのっていつなの?

ちなみにコメントの書き出しは、
「総監督とのつき合いは十年になる。」
アニメ界におけるコンテマンの立場みたいなことを書いてる。
476通常の名無しさんの3倍:03/03/14 11:58 ID:???
妻の旧姓なんでしょ?
477通常の名無しさんの3倍:03/03/14 13:23 ID:???
>>476
えぇっ、そうだったのか? 知らなかった・・。
単に”良き田に実る”の語呂合わせだと思ってた<斧谷
478通常の名無しさんの3倍:03/03/14 21:23 ID:???
あ、いや、だから僕は、だったかイデオンライナーノートだったかに
そんな事をわからせる記述があった気がする。、、、今、会社なんで、、、w

するってぇと、実る、はシャレの部分なんだよな。
479通常の名無しさんの3倍:03/03/14 21:25 ID:???
エルガイムとダンバインに同じ妖精キャラが
出てきた気がするが、気のせいだったのかな?
480通常の名無しさんの3倍:03/03/15 04:46 ID:???
>>479
永野がパクッたw
481通常の名無しさんの3倍:03/03/15 10:39 ID:???
>>479
ダンバインで人気あったから引き続き続投願った
ペンタゴナにもバイストン=ウェルが存在するらしい
482通常の名無しさんの3倍:03/03/15 10:56 ID:???
つーかBW世界の宇宙がペンタゴナ、だったんだよ。

結局あの世界は「永野君にあげる」になったんだが。
483通常の名無しさんの3倍:03/03/15 14:15 ID:???
一応、全富野作品が階層世界を成している・・・
という構想があったんだよな。
結局お流れになったが、この発想が後の黒歴史に繋がっているのかも。
484通常の名無しさんの3倍:03/03/15 14:35 ID:???
>>463
赤松にクリエイターとしての自覚などありません。
読めば、まおを”作品”とみなしていないと分かるのに。
485通常の名無しさんの3倍:03/03/15 23:13 ID:???
>>483
髭の、あの黒歴史暴露の場面をよくよく見ると、
ドラムロやガンドロワやトラッドイレブンが映ってるよね。
486通常の名無しさんの3倍:03/03/16 01:34 ID:???
487通常の名無しさんの3倍:03/03/16 05:37 ID:???
>>485
マジ?
488通常の名無しさんの3倍:03/03/16 16:37 ID:???
>>487
見える
私にも見えるぞ
489kanrinin:03/03/16 22:51 ID:???
保全
490通常の名無しさんの3倍:03/03/17 21:01 ID:???
保守age
491通常の名無しさんの3倍:03/03/18 01:11 ID:???
『イデオンへの執着』
        総監督 富野喜幸

『伝説巨人インデオ』はテレビにあっては挫折の作品であった。その
おとしまえをつけるというのが映画版であるというのは不遜にきこえ
よう。
 この種の映画版のリリースは、好ましいものではないと思う我々ス
タッフにとって、『イデオン』を『ガンダム』と同じスタイルで公開
することは、極力排除したかった。
 そのために、『イデオン』は2部構成、一挙上映というスタイルを
とることにした。
 一部はテレビ版をなぞる悪辣なダイジェスト版。しかし、『イデオン』
を知らない方にも要点が判るようにシンプルな構成をとった。
 二部は、かつて描くべきであった『イデオン』の終局を予定通りの
構想で描いたものである。
 そのために、一部、二部を通して均整のとれた作品となっていない
という事実は、おとしまえをつけたいと欲する監督個人の意思とは、
はるかに遠い。映画にあっては作品として完成させたいという願望が
あるために……。
 しかし、これで良いと信じている。
 二部の80分以上にもおよぶ部分の別作は、この1年近くの間細々と
続けられた。そして、確実にフィルム化されていく映像の中に、我々
は『イデオン』の終局を発見しつつある。
 それは、“イデ”という無限の力が有するものにもて遊ばれる人々
でもなければ、従容として死にゆく運命を待つ人々の姿でもない。
 それは人の業なのだ。そして、その“イデ”なるものでさえも、人
との関係の中でしか成立し得ないという時、人は活生し得るのではな
いだろうか?
 そんな願望をこめたフィルムが『イデオン』である。そのエピロー
グを吐き出せなかった我々スタッフの無念さが、確実に表現を獲得し
つつある。その信心が映画版『イデオン』である。第一部“発動編”。
我々の映像の復権を期している。
492通常の名無しさんの3倍:03/03/18 05:21 ID:???
>>491
>『伝説巨人インデオ』はテレビにあっては挫折の作品であった。

インデオ??
493通常の名無しさんの3倍:03/03/18 05:22 ID:???
     ∧_∧∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ( ´∀`)/<先生!こんなのがありました!
 _ / /   /   \___________
\⊂ノ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ||\        \
 ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
http://saitama.gasuki.com/aomori/
494通常の名無しさんの3倍:03/03/18 07:04 ID:???
>>463
赤松がアホというより、オタク向けというか同人のような表に出るべき作品じゃないのに、
講談社のような名の知れた出版社が出資し、利益を得る社会性に対して不満なんだろな。
作品自体は同人アニメとかオタク向け、その筋の会社とやるなら問題なく、
一部のオタクのための作品としてスルー、一切言及することは無かっただろ。

赤松の発言の真意はわからんが、事実として講談社はAIとま、ラブひな、それ以降の
本来は日陰にいるべきオタク指向の赤松作品に屈してしまったということで。
495通常の名無しさんの3倍:03/03/18 11:37 ID:???
なんか富野の長文、最近は読む気しねぇな。
昔の「言い訳」文ばかりだからかな?
496通常の名無しさんの3倍:03/03/18 14:57 ID:???
>>495 目薬させ。
497通常の名無しさんの3倍:03/03/18 15:04 ID:???
>>496 座薬させ
498通常の名無しさんの3倍:03/03/18 15:11 ID:???
>>497薬丸とやれ
499通常の名無しさんの3倍:03/03/18 15:11 ID:???
>>497 ワォワォワォ
500通常の名無しさんの3倍:03/03/18 15:38 ID:???
>>498 ジタバタするなよ
501通常の名無しさんの3倍:03/03/18 15:46 ID:???
世紀末はきたぜ?
502通常の名無しさんの3倍:03/03/18 16:04 ID:???
すーがーりーつーけー。
503491:03/03/18 16:19 ID:???
>>492
「インデオ」は原文ママ。そこが笑う所。
出典はアオシマの1/600 ジグ・マックに入ってたチラシ。
504通常の名無しさんの3倍:03/03/18 16:22 ID:???
そんなとこで喋るなよ、御大
505通常の名無しさんの3倍:03/03/18 17:04 ID:???
viruiui nvuirwuiournuairiuiukjijfgjfjfdpofsijoijfojjnijfa
506通常の名無しさんの3倍:03/03/18 17:17 ID:???
お前ら富野見たいな作品のどこがいいんだ
507通常の名無しさんの3倍:03/03/18 17:20 ID:???
>>506
全裸がでてくるから
508通常の名無しさんの3倍:03/03/18 17:22 ID:???
変態だ―
509通常の名無しさんの3倍:03/03/18 20:37 ID:???
>>506
     , -―――-、
   /          \
  /             |
  |    ;≡==、 ,≡、|
  l-┯━| ‐==・ナ=|==・|
  |6    `ー ,(__づ、。‐|
 └、     ´ : : : : 、ノ   
   | 、     _;==、; |     や ら な い か
   |  \    ̄ ̄`ソ     
   |    `ー--‐i'´
510通常の名無しさんの3倍:03/03/18 21:38 ID:???
>>506
富野は作品じゃないよ
511通常の名無しさんの3倍:03/03/18 21:43 ID:???
いや、「富野]というキャラクターはもはや作品と言っていいだろう。
512通常の名無しさんの3倍:03/03/18 21:49 ID:???
     , -―――-、
   /          \
  /             |
  |    ;≡==、 ,≡、|
  l-┯━| ‐==・ナ=|==・|
  |6    `ー ,(__づ、。‐|
 └、     ´ : : : : 、ノ   
   | 、     _;==、; |     SEXはドッキングなんです。
   |  \    ̄ ̄`ソ     
   |    `ー--‐i'´
513通常の名無しさんの3倍:03/03/18 21:51 ID:???
富野の全裸
514通常の名無しさんの3倍:03/03/19 00:18 ID:???
俺は富野作品よりも富野のほうが好きかもしれん・・・。
515通常の名無しさんの3倍:03/03/19 01:18 ID:???
>>514
     , -―――-、
   /          \
  /             |
  |    ;≡==、 ,≡、|
  l-┯━| ‐==・ナ=|==・|
  |6    `ー ,(__づ、。‐|
 └、     ´ : : : : 、ノ   僕、そんなこと言う子は大嫌いです
   | 、     _;==、; |     
   |  \    ̄ ̄`ソ     
   |    `ー--‐i'´
516通常の名無しさんの3倍:03/03/19 01:29 ID:???
富野って何よ
517通常の名無しさんの3倍:03/03/19 15:45 ID:???
制作側の方針を無視し自分の作りたい作品だけを作る
富野信者から見たら神様のような人
でも俺は嫌いだ。
518通常の名無しさんの3倍:03/03/19 18:14 ID:???
>>517
じゃあ俺がお前の事を好きになってやる!
519通常の名無しさんの3倍:03/03/19 20:19 ID:???
(´З`)チュッ
520通常の名無しさんの3倍:03/03/20 07:54 ID:???
     , -―――-、
   /          \
  /             |
  |    ;≡==、 ,≡、|
  l-┯━| ‐==・ナ=|==・|
  |6    `ー ,(__づ、。‐|
 └、     ´ : : : : 、ノ   作りたいように作ってなんていません。
   | 、     _;==、; |     
   |  \    ̄ ̄`ソ     
   |    `ー--‐i'´
521通常の名無しさんの3倍:03/03/20 16:27 ID:???
AAウザイ!!
522通常の名無しさんの3倍:03/03/20 19:06 ID:???
>>517
作りたいものだけ作ったのは富野の模倣者達であり、
富野自身は常にスポンサーの意思を汲んでいる。
だからガンダムは合体するし、イデオンのダサいデザインをやむなく使ったし
ダンバインやZでは変形メカが出る。
あの人自身は制約があるのは当然と思っているし、
その中で良いものをつくろうとあがいているから面白い作品が出来るのだと思う。
523通常の名無しさんの3倍:03/03/20 19:09 ID:???
じゃあなぜにVガン降板
524通常の名無しさんの3倍:03/03/21 00:24 ID:???
>>523
池田と間違ってませんか?(w
525kanrinin:03/03/21 01:14 ID:DhUG3o0t
良スレ保全age
526通常の名無しさんの3倍:03/03/21 02:02 ID:???
>>523
全部作業済ませてあとは自動的に出来るようにして
手を引いただけ
527通常の名無しさんの3倍:03/03/21 02:58 ID:???
Vガンダムでもガンダムをいっぱい出したし、バイク戦艦を出して
艦隊戦もやった。さらに女性キャラも大量に出した。

まあ、スポンサーの本来の意向とは若干違ったかもしれないが。
528通常の名無しさんの3倍:03/03/21 08:15 ID:???
スポンサーの意向を曲解して嫌がらせをしようとするが、
スポンサーは別に気にせずますます落ち込んでいく人。
529通常の名無しさんの3倍:03/03/21 12:32 ID:???
ガンダムなんておっぱいしゃぶってる間に見るものです
530通常の名無しさんの3倍:03/03/22 01:17 ID:???
昔、マリアのラジオ番組に永野護が来たとき痛いこと語ってたなあ

『まあ、この業界では俺は稀有な存在だね。これからの環境からは
俺みたいな奴はもう出て来ないだろうね。』

『なんて言うのかなあ。長いことバンドやってるとほとんどの楽器を
演奏出来るようになっちゃう訳。まあ、俺はその上音響とかも出来る
から、アニメ業界がすたれても十分に食っていけるね。』

『10年20年後のことなんか、誰にもわからない。でも、俺は次のステージに
上がる為に、いろんなアイディアとか持ってるからね。きっとミンナの考えも
つかないことをやってると思うね。』

『トミノサンはだめだね。誰も意見する人がいないから。周りの人たちも
内心これは駄目だと思ってても口に出せないしさ。あれは周りが悪いよ。』
531kanrinin:03/03/22 01:19 ID:???
明日のために保全
532通常の名無しさんの3倍:03/03/22 01:29 ID:???
>>530
>『トミノサンはだめだね。誰も意見する人がいないから。周りの人たちも
>内心これは駄目だと思ってても口に出せないしさ。あれは周りが悪いよ。』
これだけは禿同。Ζ作ってる時とかそんな感じだったらしいし。
533通常の名無しさんの3倍:03/03/22 01:30 ID:???
>>530
とりあえず最後の発言は当時としては納得できるモノだろうとして…


他の発言に関しては??? だなぁ。
永野なんか変わった事してるか?今。
534通常の名無しさんの3倍:03/03/22 03:51 ID:???
まあ連載放り投げてゲームしてたりと
変わったことしてるのは確かだ(w
535通常の名無しさんの3倍:03/03/22 04:03 ID:???
周りの人間が意見しないからダメになってるってのは、今のナカツだな。
536通常の名無しさんの3倍:03/03/22 04:08 ID:???
またゲームですか。
PSOをやめてこんどはFF11? X2?



537通常の名無しさんの3倍:03/03/22 07:06 ID:???
>『10年20年後のことなんか、誰にもわからない。でも、俺は次のステージに
>上がる為に

まさか、次のステージが女装だなんて、本人さえもわかってなかっただろうなぁ
538逆襲のシャア映画パンフより:03/03/22 11:50 ID:???
あなたに感謝をこめて……富野由悠季

 あなたが、女性ならば、ひたすら男とはこんなものだと分かって欲しい
と思います。
 あなたが、男性ならば、男はこれでいいんだから、頑張ろうよという思いを
こめて、男の愚直さを描いてみたつもりです。
 このように書くと性別を意識しすぎだと、非難される方がいらっしゃる
のも承知していますが、これが正直な感想なのです。この感じ方がいけな
いのなら、性差を超えたものを見せて、勉強させて下さい。
 今回のこの映画は、ぼく自身、初めての映画の仕事で、自分の未熟さを
さらけ出したこと、スタッフ全体が若すぎて、全体の表現技術が稚拙になって
しまったことで、見てくれと胸を張れないのは残念です。
 プロのはずですから、こんなことを言ってはいけないのですが、心意気
だけは、一流の映画に負けていないつもりです。シリーズ化した作品を作る
苦しさからも逃げないで、未熟者同士が集まって、ともかくも作って見せた
という自負はあります。
 若いスタッフのほとんどは、以前のガンダムで育って、今回の仕事に参加
してくれた若者です。そして、今日、また、このように映画にすることが
できましたのは、このパンフレットを読んで下さっているあなたがいたから
なのです。そうでなければ、この映画は製作されませんでした。
539逆襲のシャア映画パンフより:03/03/22 11:50 ID:???
 その意味では、この映画は、本当の意味でのイベントなのです。ですから、
この映画の本当の意味は、皆様よりも、映画を企画し、製作する大人の方々に、
一番分かって欲しいことなのです。
 この種の作品は、敵と味方が単純に戦う図式にしなければなりません。しかし、
ガンダムは、以前の映画三部作の後に、テレビでシャアとアムロの友好関係が
語られました。
 その上で、今回のストーリーを創作しなければならなかった点、殊に、シャア
は、敵でありながらも悪人ではない、というイメージを大切にしなければなら
ないということは、作者にとって過酷な条件でした。その結果が、今回の
ストーリーだったのです。
 もちろん、誉めて欲しいというのが製作者すべての願いですが、ここまで
しか出来なかったという我々の力も認めざるを得ません。
 とはいえ、我々は、このようなチャンスを与えられたことに感謝し、やること
はやってみたという思いはあります。今後も、機会があれば、恥じることなく、
もっと映画をやってみたいと思っています。いけませんか?
540通常の名無しさんの3倍:03/03/22 13:43 ID:???
いけないことなんか無いですよ!
監督!

映画見たいっちゅーの
541通常の名無しさんの3倍:03/03/22 22:47 ID:???
質問です。2002年の夏にNYで行われたBig Apple Anime Fest 2002
に御大が招かれたとき、観客との一問一答の様子が当時のオフィシャル
ページにうpされており、それをシャア板のどなたかが翻訳され、
どこかのスレに書き込んでおられました。
それを探しているんですが見つかりません。
どなたかご存知ありませんか?
542通常の名無しさんの3倍:03/03/22 22:57 ID:???
>>541
おそらくこのスレかと。

**ガンダム**海外事情**
http://comic.2ch.net/shar/kako/1035/10353/1035390872.html
543通常の名無しさんの3倍:03/03/23 02:21 ID:???
保全
544通常の名無しさんの3倍:03/03/23 04:38 ID:???
やはり凄い。もう言葉にならない。
545541:03/03/23 14:53 ID:???
>>542
ありがとうございました!
546通常の名無しさんの3倍:03/03/23 18:03 ID:???
どうしたんだ?あの少年、、、?


フフッ 怯えていたんですよ。
547Vガンダム大事典より:03/03/24 03:26 ID:???
「富野由悠季インタビュー」
(『機動戦士Vガンダム大事典』ラポートデラックス、1994年、pp.73-80)


 フィルム作業が全部終了し、アフレコを残すのみの富野由悠季監
督にVガンダムの全てを吐き出していただいた。予定していた重箱
の隅を突っつくような瑣末な質間は、最終回の絵コンテを確認した
今となっては無意昧になってしまい、メインテーマを延々2時間に
わたって伺う事になってしまった。
548Vガンダム大事典より:03/03/24 03:26 ID:???
<終りから見ると良く分かるVガンダム>

編集
 今回のガンダムは、「親の責任」と「地球育ち、宇宙育ちの違い」
を描くことによって、テーマを浮かび上がらせようとしたと思うの
ですが、それへ行き着く前にストーリーが難解でしたね。


富野
 難しいストーリーを作ったつもりはないのですが、すごく込み入っ
た話になってしまったのは間違いありません。今になって反省して
います。何でこうなったのか、僕自身も良く分からないんです。


編集
 試写会で見た1話の時の印象と、今見直した1話の印象がまった
く同じなんですよ。ということは、構想的な問題はなかったと思い
ます。でも、2話以降の放映は見ていて苦痛だったのは事実だし、
腹を立てていた部分もあります。2クールが終わるくらいからです
か、疑問が解消されていくのは…放送終了後に、もう一度1話から
ビデオを見ていけば、ああ高密度な内容がきっちり納まっているな
あと納得はするんです。でも、これを普通の人が毎週テレビで見て
いて理解していただろうかという疑問が今でもあるんですよ。
549Vガンダム大事典より:03/03/24 03:27 ID:???
富野
 うん。それはあると思います。だけど、そんなに複雑怪奇に作っ
たつもりはなかったんですよね。全部が完成して、結果論で逆算し
て見たときに良く分かる映像ではないのかと、すごく感じますね。
だから、どうしてそうなったのか僕にも分からない。つまり、これ
が分かっていれぱ、僕はもっともっとテレビの仕事をやらせてもら
えたんだろうけど、という嫌な言い方が出来るんだよね。

 どうやらVガンダムで僕は、なんか別の事をやろうとしたという
のは事実らしいんですよね。結局、2クールの頃からだろうと思う
のですが、いろんなことに気がつきはじめて、軌道修正をしていっ
て、テレビパターン?そうテレビとしての作り方に戻していく努力を
すごくしたという意識があります。
550Vガンダム大事典より:03/03/24 03:27 ID:???
 つまり、1クール目で余分な事を一杯やってるんだよねっ、てい
うのが一番の印象ですね。それというのは、僕の方の仕切りじゃな
くて、なるべく、若い人の脚本にのっとってやってあげたいなって
いう気持ちがあったんです。今にして思うのだけど、そういう善意
の部分が作品をコントロールできていなかったんだとは思えます。

 これは一年間をやってみた後だから、分かったことですね。だか
ら、1クール目は僕自身もおよび腰になっていたんじゃないのかな。
だから、何が原因と言われると困るんですけど、こう話してても…

 もう一つ大きなミスがあるとすれば、テレビのバージョンの仕事
を始める前に、僕が考える時間がひどくあったために、内容が多く
なってしまった。そうして頭の中にあった物を、みんなに振り分け
ていって、みんなに書かせたいと思ったんですよ。

 だけど、結局それがまるで化けなかったので、2クールの中頃か
ら、言っちゃえば腹立てて全部の仕切りを僕がしちゃった。そうい
う事です。
551Vガンダム大事典より:03/03/24 03:28 ID:???
編集
 だからといって2クール目から違う話になったという気はしてい
ません。終盤近くになって、やっと物語が噛み合うようになったと
思うのですが。


富野
 1クール目に僕が強引に仕切らなかったのが一番の原因だという
ことは間違いないですよ。そういう意味でいう作品は、しょせん一
人の人の意志でしか出来ないものなんです。それを、スタッフ、特
に脚本の人達が個々に持っている部分をひどく善意に取り上げよう
と思い過ぎたのが一番の裏目に出たのかなって。ただこれは結果論
だから言えるんであって、その時その時のことで言うと、今言った
気持ちと全然違います。ですから、それがいいとか悪いとかってこ
とはちょっと言えないし、僕がちょっと頭でっかちに考えすぎた部
分の物量ってのがかなり多かった。ということかな。

 だからテレビシリーズってのは、あんまり準備期間があっちゃい
けないって、良く分かった。(苦笑)


552Vガンダム大事典より:03/03/24 03:28 ID:???
編集
 それは、スタッフ用資料を見せてもらった時にそう思いました。
今回のVガンダムでは、物語設計図である富野メモの完成度が高かっ
たので、他人が手を加えると混乱したみたいな印象がありますね。


富野
 だから言っちゃえば、それに手を加えさせること、特に1クール
の冒頭から2クール中頃、つまり20話くらいまでに不確定な要素を
入れ過ぎ、それを許し過ぎたというのが一番いけないことだね。そ
れが一番大きな事で、物語を繁雑にさせてしまったってすごく感じ
る。だけどこれはやっぱりやってみて分かることでね、やってる途
中では悪くしようと思って作っているわけではないから、今回参加
してくれたスタッフの持ち味をなるべ<生かそうという意識が、ひど
く働いていたことは事実なんですよ。実は当初の構想として、なる
べくなら、僕は途中で抜けるつもりでいたんだよね。とくに1クー
ルのころ。各担当シナリオライター、担当演出で転がしていけるよ
うにしたかったんですよ。だけれども、初めの6本くらいで打ちの
めされたもんで、続けちゃいました。

 結局いまご指摘の通り、こちらの初期プランもかなり分厚いもの
があったんでしょうね。それに途中いろんなものを入れちゃったか
ら、どうしようもなくなっちゃって、グチャグチャしちゃった。
553Vガンダム大事典より:03/03/24 03:29 ID:???
編集
 グチャグチャしたというより、テレビシリーズは転がしているう
ちに形が出来上がるものなのに、最初からこの形にしようという部
分に無理があったような気がします。固有名詞ひとつにしても、V
ガンダムではまず結論ありきみたいに、難解な固有名詞がスタッフ
に徹底されてるんで、疑問に思うことなく、日常会話だけで話を進
めていましたよね。

 答を知ってる人が不親切に物語を展開したような気がしないでも
ないですね。たしかに、今になれば全てが理解できていますが、普
通のテレビシリーズよりも密度が濃い部分がVガンダムにありまし
たから、見る側が消化不良をおこしてしまって、見るべきものを見
損なっちゃってる気がします。


富野
 でしょ。それはそう思います。そう、とにかく視聴者に伝わって
ないし、伝わるような作り方がとにかく完全に出来なかったってい
うのがあります。という意味では、典型的に失敗したシリーズだと
思っています。
554Vガンダム大事典より:03/03/24 03:29 ID:???
編集
 週間連載だと掴み切れない漫画がコミックスになったら名作だっ
た。そんな作品なんですよね。おかしいなあ、インタビューを申し
込んだ頃は「富野さん、どうしたの?」「誰も止める人がいなかった
んですか」ってかなりきついインタビューになるはずだったのに…
…一ヵ月前の私はどこ行ったんだ。うーん困った(笑)


富野
 それは薄々感じています。そうじゃなくて、特に最終回に向けて
の5〜6本のフィルムっていうのは、見てるとおかしいんだよね。
「全部良く分かるじゃないか」って僕思うもの。なんで今までのが
分からなかったんだ、って実感はものすごくある。ほんと困ったも
のだ、って。こういう作り方してもらっちゃ困るんだよねっていう
のが、本当のところある。それこそ、「みんな良く出来てるから、1
本ずつでも見てください、通しでも見てください」なんて口が曲がっ
ても言えない。最後を見てからでないと頭が見えないとんでもねえ
シリーズだと思って、腹立ててますよ、僕。
555Vガンダム大事典より:03/03/24 03:29 ID:???
<テレビシリーズとしては内容を入れ過ぎました>

編集
 Vガンダムはまとめてレーザーで見たらすこい名作ですよ。なん
か、『裏切り者』と読者に言われそうだけど、今はそう思います。


富野
 その話はとても良く分かるし、本当にそうだと思うもの。これに
一年付き合えといわれたら、こんなの一年も誰が付き合うかって、
やっぱり本当に思うもの。だから、こうなってしまったっていう原
因というのは、大雑把に言えぱその辺の僕の指揮権の問題なんです。

 僕が暫く離れているうちに、テレビシリーズのお作法を忘れてい
たという部分での問題点がかなりあるんですよね。だから今回、漸
く終わってくれるんで、本当にホッとしています。それで全部です
ね。今回の話は。
556Vガンダム大事典より:03/03/24 03:30 ID:???
編集
 そうですね。今日はどうもありがとうございました。それじゃ…
本にならないんで、もう今となっては枝葉の事を少しお尋ねします。

 Vガンダムは、ウッソの成長物語ではなかったということが、あ
る意味ではショックなんですよね。むしろオデロの成長が楽しみだっ
たんです。


富野
 そうだね。だから、ウッソっていうキャラクターがいいキャラク
ターじゃなかったっていうのは言えますね。本当はあのキャラクター
は…。この言葉は今まで言葉にしようとは思ってなかったけど、終
わってみて分かることは、本当はウッソというのは、ひょっとした
ら自己崩壊するかもしれない、自身を全肯定していったときに化け
ちゃう?どっちかしかないキャラクターでしたね。途中の曖昧な選択
肢がないんだよっていうところがありましたね。

 僕の中に、とても怖い話にする予定がどっかにあったらしいとい
うのを、今になってちょっと感じますね。それが結局、Vガンでは、
それも出来なくなってしまうくらいに混乱してしまった。
557Vガンダム大事典より:03/03/24 03:30 ID:???
 実は1クールの時の情報過多という部分の、整理学に追われてし
まって、後ろの2クール、3クールはそれに引かれてしまったとい
う部分があったんです。そうかVガンってやっぱり物語の構造ラィ
ンになっていないんじゃないのかな、ってのも、終わってみてつく
づく感じますね。

 そういう意味ではとんでもない失敗を一番初めにしてしまったっ
ていう以外、なんとも言い様がこざいません。Vガンダムで、はっ
きり、僕自身が言葉の上でも認識していることだけど、現在、この
種のアニメが落ち込んでいるので、自分の持ち物だけで作るのを止
めながら、自分自身の力をつけようと思っていました。多少の不協
和音があっても、力づくで何とか出来るだろうから、なるべく他の
人のものを入れようと思っていたんです。それは、こちらの欲でも
あるし、重要な事は、これは僕の誤解というか認識不足というか、
他人の心を入れれば作品に丸みが出ると思っていた部分があったこ
とですね。

 僕自身が作る作品が持っている「ゴツゴツさ加減」っていうのが、
僕は作品としてあまり好きじゃないんです。だけど、僕はこれしか
出来ない。だから、その『ゴツゴツさ加減』をもう少し優しくした
かった。でね、実はもう少し分かりやすく見せたかった。そのため
には他の人達の持ち物を利用させて貰おうと思ったんです。ところ
が実際にやってみたら、1クール、2クールです。
558Vガンダム大事典より:03/03/24 03:31 ID:???
編集
 最終話まで見終わってしまえぱ、そのあたりも読めるし理解でき
るのですけどね。


富野
 だから、一面では自信はあったんです。他の人のものを利用して、
テレビシリーズとしてもう少し優しいフィルム作りをしたかった。
それは、結果的に多少ゴツゴツしているかもしれないけれど、先に
言った通り、結果論でいえぱ一つの意志で全部統一した方が作品と
しては良かったのかなあという思いがちょっとありますね。だから、
これはもう、総監督の、監督ミスにつきるね。


編集
 それを言われると、何しにインタビューに来たのか、分からなく
なります。私は富野さんだったら、「フィルムを見て、これくらい
消化出来なくてどうする」って言われて、「いや、あれは分かりま
せんよ」っていう話から展開すると思ってました。
559Vガンダム大事典より:03/03/24 03:31 ID:???
富野
 だってそういう事で言う分かりにくい話っていうのは、全然とは
いいませんが、そんなにないはずだよね。作品というのはそうある
べきなんです。エンディングが終わってみればなるほどねって納得
しちゃったから。でも、そうなったからと言って映画会社の宣伝部
がいうような物の言い方をしたってしようがないでしょ。

 それよりも、最後の2ヵ月分くらいはかなり面白い話だってわか
るよ、「じゃあ何で今まで、こうもパッとしなかったんですかっ!」っ
て話になったら、それはきちんとしておかなくてはいけません。む
しろ視聴者への義務でしょう。


編集
 スタッフの意識が途中経過よりも、最終回へ向けて先行し過ぎて
いたんじゃないかなっていう気持ちもあるのですが。


560Vガンダム大事典より:03/03/24 03:32 ID:???
富野
 いや、それはちょっと違います。それに関しては言いたくありま
せん。というのはこれは全部スタッフの悪口になりますから、そこ
までは書いていいんですけども、それ以上の具体的な話になると、
独断と偏見でこちらが話をするわけだから、全部僕個人の問題とし
て話していったほうが、今日まで手伝ってくれたスタッフに対して
失礼にならないで済む。一番大きな立場に立っている僕。そのポジ
ションの僕が采配ミスをしたということをきちんと受け入れて上げ
るというほうが彼等にとって、いいことだと思う。それは、今回手
伝ってくれたスタッフに対して、おためごかしをするんじゃなくて、
個々の部分じゃみんなが頑張ってくれた。

 これは本当に外部の方に言えることなんですけど、スタッフが頑
張ってくれることで出来上がってきた、そういう仕事で、スタッフ
が覚えた事っていうのがいっぱいあるんですよね。本当にいっぱい。


編集
 スタッフのレベルが一桁アップしたのは見ていてもわかりますね。
561Vガンダム大事典より:03/03/24 03:32 ID:???
富野
 実は今回のVガンに参加するまで、スタッフの若い世代が知らな
かったっていう事が、山積みなんです。そのくらいみなさん基礎学
力がなかった。ということは、彼等が今までやってきた仕事、言っ
ちゃえば、テレビシリーズものとかビデオの仕事というのは、物語
をするというレベルではなかった。そういう人達、ひょっとしたら
シナリオライターもそうだし、演出家もそうだし、その人たちが、
「なんだ、こうやれば映画っぽいじゃないか」とか、「すごいじゃ
ないか」っていうのをVガンで始めて経験した。そういうスタッフ
がほとんどだったんですと、とりあえず言わせてください。

 総合的にはこういう言い方です。各論にするとね、ちょっと個人
攻撃になっちゃうから、というスタッフ大半だったと思ってくださ
い。僕はその事実を見落としていて、個々の才能をとにかく取り上
げようと思ったんで、それでひどい目にあったんです。それを全部
処理するのにどうするかっていうのを基本的に考えてきました。つ
まりその意識を持って作業しはじめたのが、手順としてある程度仕
上がりの見えてきた1クールの5、6本の時からです。しかし、絵コ
ンテの修正作業をやってるところで、脚本はさらに5、6本先までいっ
てるわけですから、その軌道修正もしなければいけないんです。こ
れらを平行して進めて追い付くのに、2クールのほとんどかかって
しまったということです。

 秋口、つまり、3クールのモトラッド艦が出てくるぐらいでよう
やく、「もうお前等黙れっ、ロボットものなんてこれでいいんだ!」っ
てところまでテンションを落としてみせて、ようやくこちらの気分
とみんなの気分の足踏みが揃いましたね。
562Vガンダム大事典より:03/03/24 03:32 ID:???
 ですから、僕がやっぱり迂闊だったんですねって、言い方…はあ
ります。

 でも、その事に関しては僕は残念だって気はありません。もとも
とVガンに関しては薄々ながらも以前と状況は違ってきているだろ
うなっていうのは分かっていましたから。世の中の流れとか、スタ
ジオワークのやり方とか、薄々分かってはいたから、結局全部僕が
ひっかぶるつもりでテレビシリーズの仕事を受けたわけですから。

 それよりも、僕が一番願っていたのは、2クールで打ち切りにな
らないで欲しい、という事でした。つまり最低あと2クール、出来
ることならもう一年くらいやって、スタジオワーク全体がみんなの
物になればいいなと願っていたんです。
563Vガンダム大事典より:03/03/24 03:33 ID:???
 つまり、ロボット物であっても、最低これくらいの作り方が出来
るんだとか、もっとぶっちゃけた言い方をすると、バンクをきちん
と使ってみせて要所に新作を入れて作ったら、作画枚数3千枚も使
わないで、こういうものが出来るんだと見せたかった。僕がその前
にテレビで10年間やってきたことを、スタジオ作業として分からせ
るというサンプル作りをVガンでやるってことに覚悟を決めたんで
すよね。それでやってみたら、見事に時間と精力を吸い取られてま
した。

 だからこの一年間、テレビの仕事以外何にも出来なくなっちゃっ
て、ノベルスは書けないわ、年収は下がるわ、僕自身の意識が物理
的にプッツンするわでもう……
564Vガンダム大事典より:03/03/24 03:33 ID:???
<スタッフは頑張ってくれたんですが…>

編集
 Vガンダムでは富野さんの方向性が見えにくかったですね。スタッ
フがその方向を目指したのだけれど、トレースするのがやっとやっ
との状況で、本来は物語に奥行きを与えるはずのプラスアルファが、
違う方向に出たのが1クール目でしたよね。


富野
 一番分かりやすい話、「お前さんのその頑張りは認めるよ。でも、
お前さんがそういうふうに考えて頑張ったから、フィルムが違う物
になったんだよ」っていうことなんです。ほんとうにそういう事例
がものすごく多いんです。極端な話ね、頑張らないで手抜きでやっ
てくれた方がもっと良かったっていう事例が今回ものすごくあるん
です。だから、4千枚でやりゃあいいんだよ。それでクオリティが
下がるとかなんとかって考えるのは、お前さんたちの言ってるクオ
リティが違うんだ。
565Vガンダム大事典より:03/03/24 03:34 ID:???
 そういう話もしましたね。結局、それを教えることに徹したのが、
2クールの中頃、30話くらいだったかな、ようやく方向性が見え始め
てきたのは。

 でも、やはり途中からまた新たに参入してくる人に対する余分な
修正作業をガンガンやって、こっちは多少せつなかったという気分
がある。


編集
 今にして見ると、それが全部フイルムの中に見えてますという気
分が……


富野
 見えてますね。特に最後までのフィルムを曲がりなりにも見てく
れた人。つまりスタッフもそうだし、視聴者もそうだし、Vガンダ
ムを最後まで見てくれればわかると思います。

 その上で、時間を遡って逆算したときに、このスタッフがなんで
こう無駄なスタッフワークをしたかということも見えるだろうし、
今回直接参与してくれたスタッフに関しては、かなり学習してくれ
ていたということも実感できるはずです。
566Vガンダム大事典より:03/03/24 03:34 ID:???
 結局、今回Vガンに加わってくれたスタッフは、ここに来るまで
に他の仕事でなんとなく一人前になった人達がほとんどだったんで
す。基本的にフィルムを作るハウツーを何も知らなかったという一
言につきます。それは正直驚くべきくらい、すごかった。だから何
故彼等がそういう仕事をして、学校を卒業して5年か10年か知りませ
んけども、長い人では10年くらいかな、なんでこれで食ってたのか
僕には分からない、それが許されてきたのかという部分が理解でき
ないんです。本当にみんな無駄をやってきた。それで制作費がかか
るの、かからないのって言ったり、そこそこの作品が出来てたり、
出来なかったり、という状況があったなどというのは、お笑いに近
いんです。僕にいわせると、そういうスタッフが集まって作ってい
た作品なんだから、良いも悪いもないじゃないかって思う。うまく
出来たのはたまたま出来たんじゃないのって…

 ちょっと口はばったい言い方かもしれませんが、そのあたりのこ
とが骨身にしみました。

 こんな事を言っていいのかな、もう僕の立場だったら言っていい
よね?
567Vガンダム大事典より:03/03/24 03:35 ID:???
編集
 でも数をこなしたスタッフは明らかにレベルが違っていますよね。
現場で厳しい仕事をすれば、練度が上がるという見本なんでしょう
ね。実戦を経験した兵士の逞しさみたいなものは感じますよ。


富野
 だから、今だからあからさまな言い方が出来るんです。Vガンに
関与していたスタッフ、これはもう彩色まで含めてですけども、物
が見えるようになりました。たとえば、彩色にしても『こんなに陰
つけなくて良かったんですね』って、今だから言えるようになった
んです。あからさまに言えば、特にこの半年のスタッフの練度って
すごいです。だから、今Vガンに関与してくれたスタッフは、まだ
馬鹿やる奴も一人か二人はいるけど、成長してくれました。みんな
がスタジオに来た時より練度が上がっているからこれが言えます。
認めてなければ馬鹿なんて正面きって言えません。だから、今回、
嫌がらないで最後まで手伝ってくれたスタッフに関しては、僕は本
当にお世辞でもなんでもなく、良く我慢して今日までやってきてく
れた。本当に嬉しいと言えます。
568Vガンダム大事典より:03/03/24 03:35 ID:???
 同時に先輩たちが悪い。後輩に何にも教えないで、仕事をさせる
な。これは先輩もそうだし、制作者もそうだけども、一蓮托生で本
来みんなに責任がある。ノーコントロール過ぎる。それで自分たち
で作品を作っているつもりになっているけれど、どれだけ無駄をし
てたかを考えて欲しいと思います。

 これは観念論じゃなくて、銭金の問題で考えてもあまりにも無駄
をし過ぎているという事です。作業の無駄な部分を、もし金銭で弾
き出したら、月に一千万という単位になるかもしれない。ドブに捨
ててる作り方をした作品があるんじゃないかと思えてしょうがない
のです。現場が痩せ細っていく原因なのです。

 お金を使ってそれが生かされるならいいです。だって、練度が上
がらないで、お金を使ってフィルムを作っていては…業界全体で言
うと問題なので、サンライズに限った言い方にしますが、ちょっと
現場を放任し過ぎたんじゃないかなって思いますね。

 スタッフを甘やかし過ぎた。それも素人のスタッフを。本来のフィ
ルムを作る、映像を作るっていう仕事がノーコンだった。凄まじい
現場ばかりだったから、ここにいた人達にそれぞれの個性を出させ
るように思った総監督が馬鹿だった。終り。(苦笑)
569Vガンダム大事典より:03/03/24 03:35 ID:???
<子供に親の期待を押し付けるな!>

編集
 インタビューの総論部分。起承転結の結の部分を先にお話しして
もらった感じになりましたので、逆に下世話な部分に戻して、分か
りやすい所から聞きたいんですけども、ウッソの親父というのは、
ウッソの将来がどうのこうの考えた訳じゃなくて、この子が一人に
なっても生きる術を身につけさせたいと思ってますよね?


富野
 思ってません。そんなに思ってません。僕は計画的過ぎるという
意味の嫌な両親にしています。子供にとってとても迷惑な存在です。
あの両親は…


編集
 そうですか?母親の方にはとてもそれがすごく出ていたんですけ
ど、父親の教育も同じですか?
570Vガンダム大事典より:03/03/24 03:36 ID:???
富野
 基本はそうです。両親とも嫌な親なんです。それがそういうよう
に感じさせないのは、テレビ上での台詞ということを考えた時に、
その辺をちょっとあからさまにやっちゃうと、見辛くなってすごく
嫌になるんですよ。特にそれはお母さんのほうを演出してみて、気
持ち良くなかったんで、父親ではその部分の匂いを意識して消しま
した。

 消しはしましたが、ラスト一ヶ月でのフィルムでは、父親のそう
いう部分はそれなりに醸し出すようにしています。つまり、こうい
うふうに親の予定で育てられたときの子供は、徹底的に被害者なん
だよっていうのが、残っています。まあそれをメインテーマにはし
ていませんが、払拭してはいません。逆にその部分は自信を持って
言えるのは、僕自身がこういう年をとって、親をやったから、自分
の子供が二十歳を過ぎた所を見て、思うところがあるからこの部分
はおさえました。

 つまりこういうことです。親っていうのは自分の子供に対してや
はり期待を持つじゃないですか、その期待を持つっていうのが、い
い方向に働けばいいんだけれども、きっとそうじゃないんだろうなっ
ていうケースの方が多いし、それで自分自身が向さ合うわけですか
ら、子供の化け方を見ていった時に、物凄く腹立たしいわけですよ。
571Vガンダム大事典より:03/03/24 03:37 ID:???
 親として、何故この程度だったんだろう。この程度であるはずが
なかったのが、なんでこうなってしまったんだろうと考えます。僕
は、子供に対して親の立場というのを、山ほど言いたいわけだけど、
山ほど言ったら、要するにウッソの両親みたいになるだろう。と考
えたんです。

 それは子供の側から見ればとても不愉快なのは、子供の主権無視
ですからね。そういう自分が親になった時の無念さを含めて見たと
きに、それを子供側から見た時のうっとおしさとか、過剰の期待で
潰れていく子供っていうのは、世間にそこそこに例があるわけでしょ。
『親が子供に対してどうあるべきか』っていうのは基本的に自分に
とっても一つの基本テーマになっているわけだから、表現は優しく
はなってはいますけれど、親のそのいやらしい部分というのは許し
たくないのです。ですから、最後はウッソの父親っていうのはすご
く卑怯にしてしまいました。


編集
 この作品を全部通して見ると、親の責任を全うしている奴がどっ
こにも出てこない。ただ、大人の責任を全うしてくれる人間がロメ
ロ爺さん以下の爺さん連中とか、いい年のおじさんたちでしたね。
572Vガンダム大事典より:03/03/24 03:37 ID:???
富野
 それはそうしました。親っていうのはきっとそうだろうと思う。
そして、自分が親をやる必要がなくなってしまった人達、独身者か
そうでなくっても孫がいるかもしれないような人達は、最終回前49、
50話のアフレコをやったときなんか見てますとね、感動ものです。
『こいつら潔がいいってね』って嬉しくなっちゃう。僕も、せめて
こういう風に死にたいなあと思うもの。そういう構造にしたのは、
これは大人の憧れですね。そのテーマっていうものを背景にして、
ずっとVガンでひいたっていうのは、今、自分が親をやってみて感
じた事なんです。間違いなく親子の関係をいい形で成立させるなり、
両親側の自意識の持ち方っていうのが、どうも一番難しいらしいっ
ていうのが、僕の実感になってきた時に、これは悟らなければいけ
ないなと思ったんです。

 ガンダムのような作品の場合、ぼやぼやしてると場合によっては、
親になった人だって見るかもしれないわけでしょ、やはりこのテー
マは逃げて通れない部分なんです。アニメの世界、つまりロボット
物であっても、そういう親子の構造っていうのを時には覗くような
作品があっていいだろうっていう気持ちを出しました。

 それは初期設定のプランをした時からの考えです。この部分は抜
さ差し無く最後まで行こうと思ってました。でも言ってしまえば、
そのあたりが若い人達に当初の段階で全然分からないんですよ。だ
から今回のVガンは、利口な親の間に生まれちゃった子供は悲劇な
んだよねっていうのが、一番のテーマということになりますかね
573Vガンダム大事典より:03/03/24 03:38 ID:???
編集
 ウッソを見て、歴代主人公の中でお前ほど親に恵まれた奴はいな
いと思っていたのに、最後には、放っとかれた方が良かったねって、
感じました。


富野
 あともう一つ嫌な言い方になるんですけどもね。今の子供世界っ
ていうのは、そういう色合いがすこく濃いんじゃないのかな、と思っ
てこのテーマを取り上げたんです。だから、その部分のフィーリン
グが、Vガンの作劇をしたときに思ったんだけれど、世間の状況に
しても、やっぱりファーストガンダムの時とは違いますよね。
 親の見え方。僕自身かなり精神的に親をやっちゃったおかげで、
親のスタンスをいつもはずさないで作劇したという部分が、物語と
しては、見辛くなったっていうのはあると、これも承知はしていま
す。


編集
 それなら父親も最初から嫌な人間として描いて欲しかったですね。
母親の教育論というかウッソヘの態度があれでしたから、両親の差
が出てしまっていましたね。
574Vガンダム大事典より:03/03/24 03:38 ID:???
富野
 実際現場でやってみて、ある程度こちらも細かくこの作品では全
部きちんと監督もしきれてなかったから言えないのですが、やはり
今日までの日本のアニメ界でこういう形での親子関係をさちんと描
かなければならないと思ったスタッフが実は、ほとんどいなかった。
それが原因とは思いたくないんですが、ウッソのお母さんが初めて
出てくる話数の演技指導の時に僕が立ち会えなかったんです。
(編注、出ました演技指導!この本を読んで下さる若い人には理解で
きないかもしれませんが、富野作品のキャラクターが生きているの
はこれがあるお陰といっても過言ではありません)

 あの時に僕は立ち会えなかったんです。見事に失敗してくれて、
そのあたりは困ってはいるんですけれども、しようがないですね。
じゃなくて、しようがないまんまでやって、途中で全部変えました
ね。ああいうようなことが……でもこれなんか分かりいいから言え
る話で、Vガンには説明しきれない、分かりにくいやり過ぎとかね、
ごたごたしたことがいっぱいありますから僕からはちょっと言いき
れません。

 母親は単純に演出のミスだと思ってください。ああいうふうにす
るとは、いや…。まあ、それに関してはエクスキューズする気はな
いから。ようするに、単純に、『もう…ちょっと目を離すと余分な
事やってくれるから、分かんなくなったじゃねえか』っていう話な
んですよ。
575Vガンダム大事典より:03/03/24 03:38 ID:???
<カテジナの心変わりは誰にもわからないです>

編集
 他のキャラクターには無理やりにも感情移入できないことはない
のですが、カテジナだけは理解する事が出来ませんでした。…あれ
何だったんです。


富野
 それは分かるはずないよ。ラストシーンの必殺兵器ですから。別
に心変わりしたわけじゃないよ。だって、心変わりするモーメントっ
てないんだもん。もともと何も考えていなかった女だから、あれは
心変わりでもなんでもないです。

 だって、クロノクル程度の男にケロッと行っちゃうようなつまん
ない女だったんだよ。それだけですよ。それで何故いけないの。そ
ういう人だっているでしょ、いいたかないけど。ただ、そういう時
に一つ重要な事があるんだけど、書いてもらうと困るのよね。
576Vガンダム大事典より:03/03/24 03:39 ID:???
 クロノクルがいい男だったら好きになっても誰も文句言わないの
よ。クロノクルが良い男を演じていれば、カテジナがクロノクルに
惚れて何故悪いって言えますよ、僕も。やっぱりプランニングが深
すぎたんだよね。クロノクルを殺したらにっちもさっちもいかなく
なっちゃうっていうポジションにおいといたから、殺すに殺せない
しっていう理由もあります。人間って自分が低い位置にいても、相
手の男であろうが女であろうがグレードが高けれぱ、自分のクレー
ドも上がってくるよね。今回カテジナの不幸があるとすると、まさ
にそれです。だから最後は、カテジナとウッソの個人技で押し込む
しかないなっていうふうにしたってことはある。だから凄く単純な
構造になってしまって、なんだカテジナは元々ウッソが好きだった
んじゃないかっていうふうになっちゃった。これは、シャアとララァ
の関係がいい例でね、2、3本やってみて、声が入っていって、キャ
ラクターがうんやっぱりこうだよねって膨らむのと、絶対膨らまな
くってっていうその二つのケース、間違いなくあるね。

 やっぱり、シャアのあの声がああいうふうに聞こえたっていう瞬
間で、キャラクターが化けたってところがある。だからカテジナが
悪いんじゃないけど、最後はカテジナ一人が頑張って狂ってみせる
しかないっていう。つらさが、あるね。


編集
 それが終盤の変更に関係しますか。
577Vガンダム大事典より:03/03/24 03:39 ID:???
富野
 それはしようがない。あの子は本当に不幸だった。本当に不幸だ
から最後がコンテでああいう落としになった。本当はね、漠然とあっ
たプランの時にはあのラストシーンじゃないんだよね。完全にエン
ジェルハイロゥそのものの大団円でメカ物風の景色で見せていくって
落とし、絶対考えていたはずなの、僕自身。それを結局カテジナで
取ったのはなんなのかっていうと、泣かず飛ばすのカテジナの不幸
な落としでやらない限りカテジナを救えなくなったからっていうの
が、本音です。

 最終的に僕がカテジナで落とすよって言った時に、それしかない
ですねって、スタッフも納得してくれました。どっちにしてもカテ
ジナのレスキューは出来なかった。その問題があって、こういうラ
ストシーンにしたんだけれども、じゃあ、あのラストシーンがいけ
ないかっていうと少し違います。ガンダム物のエンディングらしい
エンディングで初期通り落とした方が大名作になるのかなっていっ
たときに、そうじゃなくて映画っていうのは、今回の落とし方の方
が正当かなと僕は思っています。


編集
 テレピシリーズとしての最終回ではないです。けれど、Vガンダ
ムそのものが、長編を毎週細切れで見せられてるんだから、あれで
もいいのかな…
578Vガンダム大事典より:03/03/24 03:39 ID:???
<僕は名作物がやれそうだ>

富野
 あのエンディグは初期のVガンのイメージを全部とっぱらっ
ちゃった時に、うまくあそこに持ち込んだという意味では、かなり
頑張ったなというのは自分でも分かる。とっても好きなエンディン
グなんですよ。もともとウッソの話のVガンっていうのは、もう
ちょっとぶっ飛ぶ話だったんです。

 実はこういうことなんです。ああ、初恋物語だったのかって落と
しになっている、という意味では、僕はやっぱり、むしろ僕の一番
嫌な所を今回エンディングでああいうふうにやってみたっていう事
に関しては、気に入ってはいます。

 もっと平ったく言うと「なんだ、僕も名作物が出来るんだ』って、
だからちゃんと映画の仕事をやってみたいなと本当に思うように
なった。僕、演出家出来るんじゃないって。思ったんだけど、違う
かな。
579Vガンダム大事典より:03/03/24 03:40 ID:???
編集
 昔は我々が『富野さん名作物出来ますよ』って言うと、怒ったん
ですよ。馬鹿な事を言うもんじゃないって、激怒してたのにどうし
たんです。


富野
 そかな。そんな事があったっけ?


編集
 本人からそのお言葉が出るとは……そうなんですよ、あれはもう、
あそこまでくると名作物と紙一重になってるんですよね。


富野
 紙一重にしたんです。そして、もう一つ言える事は、自分自身が
ずっとガンダムやらされて、いい加減辟易してる部分があるから、
いわゆる名作物っていう言い方、分かりいいから言ってるだけです。
けど普通に映画を作るっていうところにそろそろ戻りたいなって思
い始めているんでしょう。
580Vガンダム大事典より:03/03/24 03:40 ID:???
 だから15年前に、はなから名作物やるなんて言ったら、やはりこ
うは長い間ガンダムは出来なかった。これが出来る自分になったん
だから、簡単に言っちゃうと、1本のフィルムを作りたい、凄く。
だから僕が死ぬまでの1年か知らないし、10年か知らないけど、生
きている間に、普通のもの作りたいですね。普通でいいんじゃない
のかなって思う。

 それで僕自身に関して言うと、若い人達がVガンテレビシリー
ズとか、なによりもストーリー性のあるものを作っていく演出論な
り、シナリオ論なりを、勉強してもらったのと同時に、僕にとって
は実はロボット物を抜け出していくための演出学、というのをかな
り意識して、総監督業務をやらせてもらいました。この2年間は無
駄ではなかったですよ。


編集
 1クールの混乱がなけれぱ、もっと面白い話だったですけれどね。


富野
 全部自分の下敷きでやろうと思わないとそういう部分のスキを許
すのよね。テレビシリーズのルックスの中の見易さというところで
もっとコントロールするべきでしたね。

581Vガンダム大事典より:03/03/24 03:40 ID:???
 僕自身、もしVガンダムをなんとか1本か2本にまとめてくださ
いって話があったら、喜んでやるけれども、その時はラストシーン
から逆算して頭を全部作り直さなくてはいけない。そういう作業だ
から。だから過去にやった何かとは違うから、基本的にVガンての
はこれきりかなって感じがしてます。それでいいんじゃない。だけ
れども、大きな意味でこの時期にVガンをやらせてくれたという状
況、僕のことだけでも基礎学力をもう一度再確認して、手に入れてっ
たという意味では、いい経験でしたよ。


編集
 最終回まで見てしまえば、誰が見てもフィルムの内容がわかるん
ですから。

582Vガンダム大事典より:03/03/24 03:41 ID:???
富野
 はははははは。そういう意味じゃ良く分かるフィルムなんだよ。
酷い言い方すると。

 僕は総監督の立場にいたから、フィルムを見ると僕が暴走してい
ると思っていたんだけれども、こうやって振り返ってみれば分かる
でしょ。

 僕は、3スタの連中にかなり生気吸い取られたんだよね。そうい
う意味で富野さんって、自分で自分に感心するけど、かなりタフだ
ね。肉体的にも精神的にもたしかに消耗はしたけれど、僕自身の感
性っていう部分でいえばかなりリフレッシュされています。僕は、
来年辺り芝居をしているかもしれないね。これで、Vガンダムの思
い出は全部吐き出したつもりです。もう何もないです。(笑)

                      (1994年2月22日)
583通常の名無しさんの3倍:03/03/24 04:06 ID:???
>>547-582
大作、お疲れさまでした。印象的だったのは
1 1クール目の情報過多
2 スタッフの若さ故の低技量と成長
3 カテジナの落としどころ
4 御大の名作物観

です。
584通常の名無しさんの3倍:03/03/24 05:28 ID:???
>>547−582
乙!!よくやった!!
ありがとう。
585通常の名無しさんの3倍:03/03/24 05:51 ID:???
おおおおおおおおおおお乙!!!!!

今まで断片的にしか聞こえてこなかった
Vガン製作状況が明るみに!
御大もVのラストは気に入ってたのね。
あれは本当にいいものだ・・・
586通常の名無しさんの3倍:03/03/24 13:26 ID:???
( ´∀`)< つまりこういうことです。
587通常の名無しさんの3倍:03/03/24 16:35 ID:mzG7g8V1
>>547-582
乙だ!
すげー読み応えあった。
ちょうど過渡期の富野か
588通常の名無しさんの3倍:03/03/24 20:10 ID:???
あとに出た「富野語録」だと編集さんの注釈が付いてるんで
それの最初と最後だけ引用してみる。
最初
このときの富野監督の疲れ方は尋常ではなかった。
その姿を一目見るなり、どうしたんですか?と尋ねたくらいだ。
そんなわけで、Vガンダムへの不満を山ほど溜めていたのだが、
それは半分程度しか出せなかった記憶がある。
最後
「もう何もないです」
今だから言える話であるが、この時には、もう富野さんはアニメに
関わらないのではないだろうかと本気で心配していた。
589通常の名無しさんの3倍:03/03/24 21:49 ID:Jg4J3knC
これから∀につながるわけか…
590通常の名無しさんの3倍:03/03/24 22:03 ID:???
お前ら、著作権って知ってるか?
591通常の名無しさんの3倍:03/03/24 22:35 ID:???
>>547-582
この本おいらも持ってるけどこのインタビューの横に載ってるハゲの写真
10年近く前なのに今よりかなり老けて見えるんだよな・・・。もう今にも死にそうな感じ。
復活できてホントに良かったよなぁ。
592通常の名無しさんの3倍:03/03/24 22:49 ID:???
ウッソの両親はキチガイで良いのね。富野的には。
ウッソがあまりにも従順なんで、肯定してんのかといぶかってたんだが。
正直、娘が反抗期で口も聞いてくれなくてとかで、現実逃避してんのかと思ってたよ。
593通常の名無しさんの3倍:03/03/24 23:02 ID:???
>>592
まあ娘も娘で、学校行くと
「はーいニュータイプですよー」
「モビルスーツですよー」
「ファンネルですよー」
とかいって苛められてたんだろうしな(笑)。
親に反抗したくなる気持ちもわかるってモンだ(←ウソ)。
594通常の名無しさんの3倍:03/03/24 23:09 ID:???
若いスタッフに任せていては駄目だ、自分が先導しないと、
っていう意識が強くあったんだね。今とは正反対だ。
595通常の名無しさんの3倍:03/03/24 23:13 ID:???
キンゲの最終話スタッフロールとか見ると
もうなんて言うか幸せきわまりないメンツみたいな感じ(作画だけど)だもんなあ。

富野愛されてるなあ。
596通常の名無しさんの3倍:03/03/24 23:30 ID:???
>>593 「そんなんじゃありませんのだ!」
597通常の名無しさんの3倍:03/03/24 23:35 ID:???
>>593
「こーんな髪型にしてー」

…禿?
598通常の名無しさんの3倍:03/03/24 23:50 ID:???
599失敗スレより転載(1/6):03/03/24 23:51 ID:???
ガンダムエース5月号トミノインタビュー

「ガンダムSEED」をめぐって

―ここで話題を変えまして、ガンダムシリーズの最新作である
「機動戦士ガンダムSEED」について、原作者の立場からお話をいただきたいと思います。

「僕の見たところ、「SEED」のスタッフは、かなり「キンゲ」を意識しているのではないでしょうか。
それも、1プロデューサーや1ディレクターのレベルではなく、スタジオ全体としてです。
基本的にこの作品を支持する立場になったことについて、僕はとても嬉しく思っています。
もしかしたら半分は悪口と取られるかもしれませんが、僕は「SEED」を
プログラムピクチャーだと思っています。それがいけないという意味ではありません。
その土壌があるから、スタッフも食べて育っていけるし、そのためにプログラム化した
システムがあるのは、とてもよいことだと思います」
600失敗スレより転載(2/6):03/03/24 23:52 ID:???
―プログラムピクチャーという例示は、若い世代にわかりにくいと思いますので、
もう少しご説明をいただけますか。
(編注:TVが台頭してくる'60年代までの日本映画は娯楽の王者の地位にあり、
その量産システムの中で、効率よく大衆向けにパターンの決まったジャンル・ムービーが
量産された。その総称を”プログラムピクチャー”という)

「プログラムピクチャーの自体には、会社が人材を丸抱えしていましたから、
スタッフが連続して映画を取れる土壌がありました。そこではそれなりの作品も
できていました。そういう体力もあったし、だからこそ世界に巣立つこともできたのだと思います。
昭和20年代後半では、それなりの監督であれば、年に5本とか10本の映画を消化していたものです。
もちろん、"プログラムピクチャーしかとれない無能な映画監督"という言い方もありましたが、
本数をこなせば間違いなくスキルは上がるのです。
でも、ここ最近の日本映画は、具体的に映画監督という職業自体を成立させていません。
監督業を名乗って成立させている方でも、年に1本撮れたら御の字でしょう。
その本数では何も試せないし、何も覚えられません。
だから僕は昔の監督のほうがスキルがあると思うし、尊敬もしています。
601失敗スレより転載(3/6):03/03/24 23:53 ID:???
―確かに日本映画界も、その時代は黒澤明、小津安二郎と世界的に
評価された監督を輩出していましたね。

「ですから、今のように後生大事に"映画を撮るぞ、撮らせるぞ"と
3〜4年も企画を寝かせていることは、まずいと思います。
そういう状況下では、たとえプログラムピクチャーかもしれないといわれても、
決して卑下することはないのです。実際、「ガンダムSEED」でも、
プログラムピクチャーとは言い切れないものを見せてくれるかもしれないわけですから。

今回の場合はガンダムのかんばんを背負っているからこそ、
そういったことをプロデューサーにしてもディレクターにしても、
スタッフ全員が意識してると思うし、何度も話し合いをして、
それを承知した上で何をつくるかということを積み重ねていると思います。
きっとそのおかげでしょうね、"初めこそ嫌悪感があったけど、面白くなったね"というファンも
たくさんいることを知っています。なによりも、キャラクター人気が上がってきましたよね。
それを含めて、TVアニメ番組としてきちんと成立してきたと思っています。
スタッフがそういう土壌を作ってこられたのは、間違いないでしょう。
あとは好き嫌いは誰でもありますから、全員が好きになるかどうかはなんとも言えませんが、
スタジオワークとしては、かなり良くなってきているのではないでしょうか」
602失敗スレより転載(4/6):03/03/24 23:53 ID:???
―あらためてスタッフに望むことはなんでしょうか。

「若いスタッフには、”ガンダムだから”という理由で鬱屈してつくらないでいって欲しいと願っています。
むしろ”プログラムピクチャーにはこういう良い所もあるぞ!”
”まさにこういうものがあるから、飽きずに次をつくっていけるんだ!”と
意識して欲しいのです。そういう気持ちを持っていれば、「SEED」は1年間しっかり保つでしょうし、
継続だってあり得る話だと思っています。
ですが、僕の立場を考えるとこれ以上のことは言えませんし、
これ以上のことは言ってはいけないとも思っています。
「SEED」をベースにして、3〜5年後にはどういう仕事をしたいか、
スタッフにはそういうことをぜひ考えて欲しいのです。
先ほど申し上げたように、時代が変わってきていますから、
来るべきときに対応できるよう、ここで体力をつけておくべきなのです」
603失敗スレより転載(5/6):03/03/24 23:54 ID:???
―作品として、トミノ監督からごらんになるとどうでしょうか。

「あえて「SEED」で気になる事を挙げれば、物語は良いと思いますが、
キャラクターや作画が少し時代に迎合し過ぎているかな・・・・・・
そのままで突破口は見えるのだろうか、という多少の心配はあります。
とは言うものの、それで人気を得ているのですから、
もっときれいにつくって欲しい、そういう心掛けを忘れないで欲しいと思っています」

―”きれにつくる”というのは、絵柄のことですか?

「いえ、とてもわかりにくいんですが・・・・・・作画のこととかそういうことでなく、
簡単に言うと”もっとメジャーを意識しろ”ということです。
「ガンダムSEED」としての”きれいにつくる”ということを発見できれば、
完璧にメジャーになれますよ。そのためには、単なるメカ好き、キャラ好きだけではダメです。
それが乗り越えられれば、宮崎(ハヤオ)さんの後釜だって狙えると思っています」
604失敗スレより転載(6/6):03/03/24 23:54 ID:???
―今後気をつけなければならないようなアドバイスがありますか?
「ファン投票でキャラクター人気が上がったからといって、ファンに媚びたりしないで欲しいですね。
そうなる可能性もあると思っています。でも、ファンというのはとても恐ろしい存在ですから、
そうなると必ず見放します。これだけは、スタッフ全員自覚して欲しいことです」

―次回作の構想などがあれば、ぜひお聞かせください。

「僕は失業状態ですよ(笑)。また、時期が来たら聞いてください」
605kanrinin:03/03/25 01:47 ID:???

あの・・・・SEEDについて語る富野の中の人は誰よ
606通常の名無しさんの3倍:03/03/25 03:00 ID:???
でも言いたいことは結構わかるな。
607通常の名無しさんの3倍:03/03/25 03:47 ID:???
「―”きれにつくる”というのは、絵柄のことですか? 」

インタビュアー、おまえは何を言ってるのだと小一時間問いつめたい
608通常の名無しさんの3倍:03/03/25 05:39 ID:???
さすが種、インタビュアも一味ちがいますね(ワラ
609通常の名無しさんの3倍:03/03/25 12:36 ID:???
インタビュアの中の人の頭の中の操縦者の頭脳が心配だ
610通常の名無しさんの3倍:03/03/25 13:55 ID:???
中の人など(ry
611通常の名無しさんの3倍:03/03/25 15:24 ID:???
トミノにしては、無茶苦茶気を使ってしゃべってるよな
まあ後輩をあまりくさらせては気の毒だと思っているんだろうけど。
もっとぶっちゃけた話を聞きたかった
612通常の名無しさんの3倍:03/03/25 16:24 ID:???
「宮崎駿の後釜」というのがポイントだな。
いろんな意味で。
613通常の名無しさんの3倍:03/03/25 17:00 ID:???
>>611
かなりぶっちゃけてると思うけどね。
非常に分かりやすくて納得できる内容だ。・・・珍しい。
>>612
自分よりも上を目指せとも、自分の真似は絶対出来ないとも取れるなw
614通常の名無しさんの3倍:03/03/25 17:03 ID:???
凡人集団にしては頑張ってるなぁってことかと>種
615通常の名無しさんの3倍:03/03/25 18:43 ID:???
「ガンダムSEED」としての”きれいにつくる”ということを発見できれば、
完璧にメジャーになれますよ。そのためには、単なるメカ好き、キャラ好きだけではダメです。
それが乗り越えられれば、宮崎(ハヤオ)さんの後釜だって狙えると思っています」



昔からメジャーって言い方が好きなひとですねーw

でも「ルーカスの後釜も狙えますよ」ってぐらい距離感がある話だ。
昔からハードルっつうか距離観に現実性の無い人ですねーw


狙えるわけねぇじゃねーかw
616通常の名無しさんの3倍:03/03/25 18:52 ID:???
気持ちの持ちようの話だろ
617通常の名無しさんの3倍:03/03/25 18:54 ID:???
御大は福田がグレちゃわないように気を遣ってるのかもね…

でもさー、甘い言葉だとそのまま甘えるだけだと思うんですよ、福田は。
おまけに周囲の人間も良くない。
ここら辺で一発ガツンと言っといた方が本人のためにも良くありませんかね?
618通常の名無しさんの3倍:03/03/25 18:56 ID:???
>>615
貴方は今すぐサンライズ公式行って高橋と富野の対談を読んできなさい。
619通常の名無しさんの3倍:03/03/25 19:23 ID:???
>>618
既読。要するにおまえもそれしか読んでないんだろ?


誰かにアカデミー先越されちゃったねぇw
620通常の名無しさんの3倍:03/03/25 19:40 ID:???
富野は種のストーリーはいいと思ってるのか
621通常の名無しさんの3倍 :03/03/25 19:44 ID:???
富野も老いたな
種のストーリーを認めるなんて。
名称の権利関係で気を使ってるだけかもしれないが
622通常の名無しさんの3倍:03/03/25 20:14 ID:???
というかアレは一見ソフトに見えるが分かってる人とか当事者が読むと
ものすごくキツいこと言ってると思うんだが。
623通常の名無しさんの3倍:03/03/25 20:25 ID:???
>>621
本気でそう思ってるように読める?
あのインタビュー、ソフトな口調でかなりヒデー事言ってると思うよ。
624通常の名無しさんの3倍:03/03/25 20:28 ID:???
俺はわかってないのか
625通常の名無しさんの3倍:03/03/25 20:47 ID:???
>>621-624
人は、何かを自分の理解したい方向で理解した気になるものさ。
626通常の名無しさんの3倍:03/03/25 20:53 ID:???
要約すれば、
種はつまらない作品だ、キャラデザとかでヲタに媚びて人気がでた
としても、作品の評価じゃないんだから勘違いするな。
でもありがたいことにガンダムというプログラムピクチャーだから
一年間の仕事は保証されてるんで、せいぜいそれを利用して数年後も
業界に残れるように腕を磨け。
627通常の名無しさんの3倍:03/03/25 21:11 ID:???
それと富野自身が種からは何の刺激も受けてないってのが良く伝わってくる。
基本的に認めてるものに対しては適当なヨイショしたりしない人だから。
628通常の名無しさんの3倍:03/03/25 21:36 ID:???
種に関しては訊かれたから答えました程度
の思いしかない感じだな。
629通常の名無しさんの3倍:03/03/25 21:49 ID:???
若者の読解力の低下を嘆くスレはここですか?
630通常の名無しさんの3倍:03/03/25 21:56 ID:???
ここですが、何か?
631通常の名無しさんの3倍:03/03/25 22:24 ID:???
しっかし、種公式BBSが生きてたらどうなったことやら……
BBS閉鎖は当然だな
632通常の名無しさんの3倍:03/03/25 22:27 ID:???
>>547


良くこれだけの大作を、感謝
633通常の名無しさんの3倍:03/03/25 23:12 ID:???
いや、だから富野語録を買えば載っているのですが・・・。
634通常の名無しさんの3倍:03/03/26 00:36 ID:???
正直、現在入手可能に関しては書きこみを自粛した方が良いと思う。
635kanrinin:03/03/26 01:02 ID:???
>>626
・・・・目のうろこが落ちますた。
636通常の名無しさんの3倍:03/03/26 03:17 ID:???
富野ガンダムっていわばロボットアニメの「前衛」だからな。
∀でも黒人を主人公にしたりヒゲガンダム出したり
意識的に既存の定型を外そうとしてた。

その富野が同じガンダムの名を冠する作品を
プログラムピクチャーって言ってんだから
どうしても皮肉ととれちゃうよな。

637通常の名無しさんの3倍:03/03/26 05:41 ID:???
>>636
「前衛」とか「大作」としてのガンダム」は∀でけりがついてるんだから
これからのガンダムは皆プログラムピクチャーだよ。
でも、そのなかでもやるべきことや、やれることはあるでしょう?

っていうメッセージだと思うけど。
638通常の名無しさんの3倍:03/03/26 11:50 ID:???
>>637
これからのガンダムは全部プログラムピクチャーだよとは言っていないと思う。
ただガンダム的プログラムピクチャーとして作っていくのであればその中でもやれる事はあるんじゃないの?とは読める。
お前ら何がやりたいの?、4年、5年先を考えてモノ作ってんの?と言ってるようにも。
639通常の名無しさんの3倍:03/03/26 12:58 ID:???
>>636
ヒゲガンダムには富野も不満だったそうだが。
デザイナーがどうしてもこれ!と主張したそうな。
640通常の名無しさんの3倍:03/03/26 15:42 ID:???
>>639
最初に出されたのがスモーだったから、もはや何でも許せたとも聞いた、
641通常の名無しさんの3倍:03/03/26 15:52 ID:???
デザインをシドミードに頼んだ段階からある程度覚悟していたと思うんだが。
過去にヤマトが起用して失敗してるから余計にこのデザインを映像として
使いこなせれば映像作家として前進できると踏んで敢えて起用したと思ってる。
642通常の名無しさんの3倍:03/03/26 15:58 ID:???
∀は率直に言って、あの変なヒゲガンダムを、
スタッフが必死になってカッコ良く見せようとしているところに感動した。
643通常の名無しさんの3倍:03/03/26 16:29 ID:???
∀ガンダムかっこいい!
644通常の名無しさんの3倍:03/03/26 16:49 ID:???
>>641
都合の良い信者脳だなw
645通常の名無しさんの3倍:03/03/26 17:09 ID:???
>>644
というかそんなコメントしてるがな>富野
646641:03/03/26 17:21 ID:???
>>644
そう言われると返す言葉ないですな。たぶん奴の小説を読みすぎたんだと思う。

確かに最初に∀のイラスト見たときはまたいつもの病気で
ガノタへの嫌がらせ始めたぐらいに思ってたよ。
647通常の名無しさんの3倍:03/03/26 17:35 ID:???
そうか?
俺はそれまでのゴテゴテパーツをつけてカッコイイでしょ?みたいな方向性のデザインに辟易していたのでシンプルな∀ガンダムに目から鱗が落ちた思いだったけどなあ(確かにヒゲには驚いたが、そんなにカッコワルイとも思わなかったし)
648ミード・ガンダムより:03/03/26 21:32 ID:???
from YOSHIYUKI TOMINO to Mr.SYD MEAD

ミード氏の第1稿をいただいた月曜日は、
小生もスタジオの設定関係の若者たちもカルチャーショックを受けて、
思考が作動しませんでした。
最低1日はクッションをおかなければ、討論をすることもできなかったのです。
ショックを与えられるほどの力をもっている原稿ですから、
若者たちはミード氏が何を考え、
どのようにデザイン化しようとしているか検討してくれました。
あまりにも考えることが多く、新鮮でスリリングな数日を我々は体験しました。
そこでまず我々が知ったことは、我々は、
旧来のガンダムのデザインとそのポリシーに囚われすぎていたと認識を得たことであり、
文化の違いがもつものがある、という認識でした。
次に得た認識は、SF的に洗練していくとミード氏のようなデザインになり、
かつ、大河原、堀口の提案を含んだを融合させ、
完成させるデザインというのはこのようなものであろう、という合意でした。
このようなものを提供していただけたことに感謝します。
なによりも、ミード氏のような方が全力をもって、
我々が発したコンセプトであるモビルスーツのデザインに取り組んでくださった事実を
獲得できたことで、我々のプライドを高めてくれたという喜びがあります。
この事実だけでも、我々は胸を張れると感じました。本当にありがとうございます。
ミード氏の原稿がもつガイドラインは、
今後の10年以上生き続ける強力なコンセプトであると信じています。
649ミード・ガンダムより:03/03/26 21:34 ID:???
その上で、業務として、また、市場に対してデザインの実現化について、どう考えるか、
どのように改善していくかということは、現実的な問題として残っています。
これについては、とりあえず市川さんに口頭で伝え、それについて、
ミード氏も同意する部分があるというファックスはいただきました。
しかし、口頭で伝えた部分はあくまでも小生のファースト・インプレッションですから、
概括的なものでしかありません。
なにしろ、カルチャーショックのなか、
思考力が停止している状態に近いところで電話したものですから……。

以下、我々の見解を申し上げますが、
前提は、市場を形成する性癖はクリエーターの感性とは違う、とうことです。
どのような作品であれ、「世間に広く受けいられるもの」と「いいもの」は違う、
という現実に直面せざるをえないのです。
ガンダムを製作するということは、商売的に成功しなければならず、
その利益によって我々の原稿料も発生するのですから、
市場の好みを考慮する必要がありますし、
作品が発表される形態についても考慮する必要がございます。
650ミード・ガンダムより:03/03/26 21:35 ID:???
まず、市場は保守的だということです。
1960年代でしたか、トヨタのカー・デザイナーがファースト・バックを目指したにもか
かわらず販売の観点からセミ・ファースト・バックが採用されて、
商売が成功したという例を小生は知っています。
フォルクス・ワーゲンのビートルが、
今日まであの第2次大戦以前にデザインされたビートルを越えたという事実には出会って
おりませんし、ローバーのミニ・クーパーも同じようなデザインであろうと考えます。
ダグラスDC-3を越えた旅客機は、ボーイング(BOEING)のジャンボだけでしょうが、
あれも10年以上使用されて認知されたデザインだと認識しております。
ガンダムは、20年現役であったデザインです。
この事実は、製作者、原作者の好みを越えた要素が内含されてしまっている素材である、
と理解しなければならないということです。
この市場の好みを端的にいえば、「ミリタリー趣味」につきます。
ミリタリーの空間、ミリタリーの質感、
それを構成している線(外形を形作るもの)の格好良さです。
これは、SF的な要素やフィーリングとは異質なものです。
昨今のハリウッド作品でも、純粋にSF的なものはヒットしませんでした。
『ブレードランナー』も『2001年宇宙の旅』も、
大ヒットではなかったと認識しないと、仕事を間違える、自戒します。
好きな作品をこのように言わなければならないのが、
市場を考えるということだと考えます。
651ミード・ガンダムより:03/03/26 21:36 ID:???
乱暴な言い方をすれば、メカニカルな感覚がいい、
という一般的な着想はミリタリズムにあるといっていいかもしれません。
(あくまでもモビルスーツの問題として)

その背景にあるものは、マシーンそのものについては、
「機能が分かり易いデザイン」であり、時代性について考慮すれば、
現実では、ミリタリー的なものが否定され、その存在が希薄になっていますから、
憧れの対象として、今後ますます成熟する好み(嗜好)になるであろうと予測します。
つまり、エンターテイメントの世界では、ますます隆盛するジャンルだと思うのです。
大河原デザインの第一のポイントは、
たまたまそのミリタリー感覚を触れることができたデザインであったということ。
第二に、彼のブロックと面の組み合わせ(または服を着せるような)原理的なデザインが、
絵の上手なアーチストによって、いくらでも格好良くリファインできる要素だけを提供
していたという点にあるといえましょう。
その上で、アニメーションの隆盛によって、ロボット的なマシーンがキャラクター
(人格化)し得る表情とシルエットをもっていたという点が、重要なポイントです。

ですから、
M-JとM-Kのシルエットは、グレート!です。
まったく新しいシルエットを提供してくださっていますので、
モビルスーツの新しい系譜として使えます。
さらに、キャラクター性についていえば、0-Dの機能説明の図案は、
モビルスーツのユーモアな側面から想像のできるキャラクター性が認められます。
ですから、これから予測できることは、ミード氏にも、
キャラクターとしての新しいガンダムは描ける、という断定です。
652ミード・ガンダムより:03/03/26 21:37 ID:???
以後のまとめ方、思考の働かせ方は、ミード氏のSF的に思考とセンスをセーブして、
表面的なラインをミリタリー的に改変しながら、
キャラクター性を創作するということでしょう。
しかし、冒頭で述べたように、
ミード氏の工学的なセンスによってまとめられた0-J、0-Kの秀抜なアイデアは、
絶対に採用していただかなければなりません。
「面」の問題については、
セル・アニメのもつ表現の不自由さと何十人ものアニメーターに描かせることを考慮して、
凸凹感を取り入れる必要があると認めていただきたいのです。

ミード氏は絵描きですから、ご自分の筆で質感を描くことができますが、
この点は、アニメでは決定的に期待できません。
それにCGでは流行っている金属面の「写り込み」は、
この物語では採用しないつもりです。
塗装にしても材質そのものも光を反射する性質はないとしたいのです。
姿形は、中肉中背のハンサム、
スリムなキャラクターを獲得するためのデザイン化ということです。
肉体のくびれるところはくびれ、
出ているところは出ている普通の感覚を持ち込んで下さい。
女性は人間に興味をもちます。
人形好きということです。
本来、女性の市場を考慮する必要はないのですが、
機械好き、ミリタリー好きの男性でも、本能的なヒーロー願望があるのですから、
キャラクター性の創造という点は充分に考慮しなければなりません。
ボディビルダーが、一般的嗜好から離れて一部の趣味に陥っているのは
行き過ぎたマッチョマンさがあるからで、強すぎてはいけないということです。

ミリタリー的な指向は「機能が分かり易いデザイン」の格好良さなのですから、
0-J、0-Kの機能が、
外見的なデザインからも予測できるものであればベターということです。
653ミード・ガンダムより:03/03/26 21:39 ID:???
以上、思い付くままに書きましたが、総論的にいえば、
ガンダムという主人公モビルスーツのデザインは、キャラクターを創作するために、
SF的処理は極力我慢して、人形として顔をのせて、
兵器を外装にすることでアニメ・メカ(ANIME・MEKA)にする。
つまり玩具です。
そして、ミード的SF処理を施されたモビルスーツや、背景モビルスーツは、
その周辺部に配置するという考えです。
とはいえ、現在の段階でミード氏に∀ガンダムのリファインはしていただかなくていいと
は考えておりません。
近日中に大河原氏からも堀口氏のベクタードノズルのコンセプトを取り入れたデザインが
出ると思いますので、それをベースに再度お考えいただければいいのではないか、
とも考えます。

余談となりますが、当方は零戦の改造をお願いしたつもりだったのに、
グラマン・ヘルキャット以上の爆撃機を提案されてしまった、
という印象があるということをお伝えいたしておきます。
                          1998年6月25日 富野由悠季
654通常の名無しさんの3倍:03/03/27 00:13 ID:???
シド・ミート「おー、なんですかこのよくわからない理屈を並べている東洋人は?
スモーとヒゲは東洋の神秘だと思ったのですが、シパーイでしたか?」
655通常の名無しさんの3倍:03/03/27 00:14 ID:???
>654
カギカッコ付けた以上、ソースを示してもらおうか・・・・。
656通常の名無しさんの3倍:03/03/27 00:21 ID:???
>>655
シド・ミート
657通常の名無しさんの3倍:03/03/27 02:17 ID:???
総合するとシド・ミードの第一稿が、ガンダムがデブ。まるで鉄人28号という処で、スタッフ一同
仰け反っちゃって、とにかくスリムにボリュームより軽快さを感じさせるラインにと軌道修正する
だけに、意識が行ってしまい、ヒゲなど瑣末な事だったらしい。
富野監督の再オーダーは
・日本のファンは保守的である。
・ガンダムはグラマンではなく、零戦
ということだったらしい。
富野監督が、森田氏に資料持って渡米しろと指令を下し、「ジャパニーズ・ギーグはシツコイ」とか
「シド爺さん。もう死ぬと言っているよ。」という、過酷な修羅場を経て完成したのが、あの'∀'。
あとで監督が、これも捨てがたいと第一稿をリファインしたのがスモー。
因みに命銘は監督。
658通常の名無しさんの3倍:03/03/27 02:22 ID:???
板違いだけと、少し続けると、動いたターンエーを観たとき、意外と悪くない。
ヒゲといってもきちんと鎧武者の兜に見えるし。
そして、殺陣が良かったのでターンエーを始め、あのデザインのMS群にも、凄くかっこ良い
シーンがあった。
やはり、MSの戦闘は迫撃戦だよ。
659658:03/03/27 02:32 ID:???
>>658
板違いじゃなく、スレッド違いね。
660ごはんギリシャ:03/03/27 02:42 ID:???
648氏おつかれ
661通常の名無しさんの3倍:03/03/27 02:47 ID:???
>>618が見つかりません。
サンライズのどこにあるの?
662通常の名無しさんの3倍:03/03/27 02:54 ID:???
663通常の名無しさんの3倍:03/03/27 03:08 ID:???
>>662
どうもありがとうございました
 「∀」成立の背景にあったもの
富野 『∀ガンダム』のノベライズを佐藤茂さんに任せた理由ですが、それは二つあります。
一つは体力的にテレビシリーズのアニメを製作しながら小説を書けない、そう言う年齢になってしまったということです。
もう一つは自分自身が思ったことなんですけど、僕程度の文章力しか持たない人間が小説なんかを書いちゃいけないな、ということです。これが一番大きな理由です。
確かに今までいくつかの小説を書いてきましたが、書くということが僕にとっては、とても苦しかった。
そしてもう一つ、自分の書いた小説が売れているのかな?という大きな疑問があったんです。
それで僕ていどの人間が書いちゃいけないと決めたときに、『∀ガンダム』のノベライズを任せられる僕以上の能力を持った人を捜したわけです。
 捜す基準は、才能があるかないか、それだけでした。
口はばったい言い方をすると、アニメのノベライズを手がける人の、最低限のガイドラインを作りたかったんです。
そんなこともあって、最初スニーカー編集部から紹介された三人の作家さんをお断りしました。
 その後、97年の第9回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した佐藤さんの作品を読んで、失礼ながら『最低限このレベルだ』と思いました。
原作になるアニメを自分なりに咀嚼して、さらにその上に、佐藤さんなりの、『∀ガンダム』を表現できる作家性を発揮することができるのだという意味です。
 挿絵を萩尾望都さんにお願いしたのも同じような理由です。
実はアニメのキャラクターデザインを安田朗さんにお願いして判ったことなんですが、ものすごく周囲の反応が悪かったんですよ。
『今風』なんて言葉が定型化されたキャラに、どうしてこだわるんでしょうか。だから僕はキャリアのある、才能のある人の絵を見せ付けてやりたかったんです。
 萩尾さんの絵と佐藤さんの文章、このふたつを合わせて『アニメ発のノベライズは”この程度のもの”なんかじゃない』、という”匂い”を感じとって欲しかったのです。
―もし富野さん自身が『∀ガンダム』のノベライズをしていたら、どんな作品になったと思いますか?
富野 それは明快です。アニメをそのまま文章に書き起こします。『∀ガンダム』は僕にとって、過去の作品と全く違う位置にあるんです。
『Vガンダム』までの作品って、まず”ロボットありき”で、だからテレビで1年間放映された話の中には、半分くらい物語とは関係の無い部分が含まれているものです。
 でも『∀ガンダム』にはそんなものありません。それに『Vガンダム』までの僕は、各話のストーリーを一人で作っている感じでしたが、
『∀ガンダム』では物語の始まりと終わり、それにヤマ場は決めたけど、各話の中身はシナリオライターにお願いしました。
 だからもし『∀ガンダム』のノベライズを手がけたとしても、アニメと違うものは書けないし、アニメに含まれなかった部分も無いので、TVをなぞりますね。
佐藤さんに『∀ガンダム』のノベライズをお願いした時も、始まりと終わりとヤマ場はこんな感じ、とお話しただけです。
その上で佐藤さんに、僕の話したプロットの中から「コレとコレをとるよ」とチョイスして、小説版を書いてもらいました。
だから小説版『∀ガンダム』は、アニメの原作ではなく独自の小説になっています。そういう物を、僕のほうで求めました。
 言葉だけで世界を構築する能力
富野 以前から思っていたのですが、アニメのノベライズといわれているものの多くが、
ただストーリーを並べているだけに過ぎないか、別物を書いてしまう傾向があります。
活字を並べて、ある世界を構築する作業は、本当はすごく難しく、
アニメがもとにあるからといって、それをただなぞってすむものではありません。
文章で表現する技術は、かなりレベルの高いところにあるんだということが、自分で小説を書くことで判ってきました。
ただ何となく文章が書ける、何となく小説みたいなものが書ける、と思っているレベルでは
アニメのノベライズといえども書いてはいけないものだと思うようになりました。
―文章だけを使って世界を構築するのは簡単じゃないよ、ということでしょうか。
富野 文章というのは読んだ人の認識に直に触れるものですけど、映像は感覚的に感知されるだけのものです。
だから読者の認識にしっかり届くような文章なり論理なりを持っていないと、小説は書けません。
 映像は視覚から物事を感動させるわけですが、これはしっかり考えて内容を認識するよりも易しいかもしれません。
もっとも、視覚だけで物語の内容を判らせて行くための設計図を書くことは、とんでもなく面倒な作業なんですけどね。
 単純に絵を4枚並べた時、そこからどんな物語を感じ取るかは見た人の受け取り方次第です。
映像で意味を伝える手法、映像言語とでもいうものは、例えばその4枚の絵を見た時に、
10人中8人とか9人が、同じ物語を思い浮かべてくれる、そう言う絵の並び方なんです。
 文章も限られた”言葉”という情報を並べていくという意味では同じなんですけど、言葉は認識に貼りついてくる。
 例えばここに僕の写真があったとしても、それを見ただけじゃ、どこにでもいるオヤジにしか見えないでしょう。
でも『富野由悠季』という名前がポツンと書いて置かれていたら、それを読んだ人は僕という個人を認識します。
だから言葉というのは、その単語に込められた意味を忘れて使ってはいけません。
 僕はどちらもやってみて、視覚から物語の内容を伝える方が面白いと思ったから、やっぱり小説家にはなれないなぁと思いました。
 文章をいじくり回していると、全部心の中で作業しなくちゃならなくなっていくんですけど、
僕はそれをやったおかげで、自閉症っぽくなったというのをすごく感じます。
 もともと、僕にとっては、文章を書く小説を書くという行為が、あくまでも映像を作るためのトレーニングでしかなかったんです。
言わば、小説がアニメの企画書になっちゃっているんですね。
 最初の『機動戦士ガンダム』の小説版を朝日ソノラマさんに書かせてもらったときから、それは感じてました。
はっきりと言葉にできないけれど、自分の小説には、小説としての”艶”が見えないなと思います。
 ただ状況を並べるだけじゃない、文章で表現された世界がギシギシと固いものじゃない小説というのは、”艶”が求められる媒体なのだと思います。
文章に”艶”、表現に”艶”。そして、そういう”艶”を出すためには、言葉の持つ意味をしっかり理解して、使いこなせる人じゃないと出せません。
だから、文章に”艶”の無い人はシナリオライターになれても、小説家にはなれません。とても厳しい言い方ですけどね。
 映像で言えば、『∀ガンダム』はその点うまくいったと思います。
 1話を見た時、例えばそれがキエルなら、「もしもし」ってこっちが声をかけないと、
彼女は向こうに用事があって、テクテクと歩いていって行ってしまう、そう感じられる存在になっています。
そしてそう思える世界こそが本当のフィクションワールドなんじゃないでしょうか。
 そう言う映像世界を生み出せたのも今までのように一人で全ての物語を作ろうとするのではなく、
僕は舞台を整える仕事に徹して、シナリオライターをはじめとするスタッフの仕事を信頼し、任せたからでしょう。
―それが『∀ガンダム』で行き着いた、富野さんなりの創作方法論という事なんでしょうか。
富野 今回初めてやったことなので、まだ僕の方法論と言うには早いと思います。
   ただ、テレビで放映するには、悪くないものができたんじゃないでしょうか。
 多くの才能が集結して初めてできた「∀」
―『∀ガンダム』で固まった方法論について、もう少し詳しく聞かせてくれませんか?
富野 『Vガンダム』の頃は、各話を面白く見せること以外、何もできなかったんです。
何をするにも考えるうちに煮詰まってきて、ドツボにはまっていく感触しかなかった。
 それで考えたんです。僕には作家性が無い、テレビアニメの総監督しかできない人間なんだから、
それ以外の余計な仕事は一切やめないとな、と。
それが今回の、佐藤さんにノベライズを任すようなシフトにもつながったし、
監督以外のほかの仕事を他のスタッフに任せるスタイルにもつながった。
そしてその方が、一人で威張り散らしているよりいい結果をもたらしたように思えます。
 フィールドワークとか、スタジオワークって言葉があるんですけど、
ひとつの作品全部を個人の発想/個人の表現だけで作ることは、
スタンリー・キューブリックのような天才以外にはできないんです。
 そして僕はそういう力がないって見極めたから、『∀ガンダム』ではいろんな人の力を借りました。
それがメカ・デザインのシド・ミードさんだし、キャラクター・デザインの安田朗さんもそうです。
そういう人たちの中に、佐藤さんも萩尾さんも入ってきています。
 ちなみにロボット物アニメの仕事で、今いったような名前の人たちを取り込むことができた作品ってまったくないでしょう?
アニメ会のそうそうたるメンバーが集結した作品っていうのは一杯ありますけどね。
―アニメとは違う分野の人を集めたのには、理由があるんですか?
富野 作品を作る、一つのフィクションワールドを作る、もっと平たく言って”物”を作るというのは、
本来、違うジャンルの人たちを結集しないと大きく広がらないんです。いわば異種格闘技戦です。
 映画の世界を例に取ると判りやすいですけれど、例えば映画を一本撮影するには、美術監督とか衣装デザイナーとか、
メイクアップアーティストや役者さんが必要ですよね。でも彼らは必ずしも映画が専門じゃない。
いろんな仕事をして、いろんな経験をつんでるから、発想も広がるし技術も向上するんです。
―ひとつのジャンルに固執しているようじゃダメってことですか。
富野 『機動戦士ガンダム』というものが、まさにロボットアニメにおいてそうでした。
 20年間も、断続的だったとはいえ続いてきたんですから、それはそれでスゴイ部分はあるんですが、
「でもそれはしょせん、ロボット物アニメのひとつでしかないんだよ」というところに落としておかなくっちゃいけなかったんです。
 商売になるからというだけで『ガンダム』というマーケットを維持しつづけた結果、ある世代に『ガンダム』という価値観を押し付けてしまった。
そこには本来「ロボットアニメのひとつ」という程度の価値しかなかったのにね。
そんな空気を、『ガンダム』の中から改善しなくちゃいけないっていうのも、『∀ガンダム』を作る時に思ったことでした。
 だから最初から『ガンダム』らしい『∀ガンダム』を作るつもりはなかったんです。とにかく、物語を作ることに集中したかったので、
俗に言うメカ展開への気配りにまで手が回らなかったんです。
 商売という意味からいえば、ものすごくハイリスクなことをしたという自覚はあります。
ありますけど、やっぱりやってよかったな、ということだけは言えます。
 ただスポンサーあっての仕事だからそれこそ「作品創りとは何なのか」というポリシーを持っている人でもない限り、
この次にロボット物の仕事を貰えるかどうかは判らないので怖いですよ。
 来年の暮らしをどうしようかって思うこともあるけれど、でもやっぱり『∀ガンダム』を作ったことを後悔しないです。
むしろ『Vガンダム』の時みたいに、スポンサーの都合だけが優先するという現象を見て、気持ちが悪かったことに比べたらずっとイイ。
当時はそういうスポンサー優先の製作体制に殺されてしまうと、本気で思ってました。
 それに僕は『∀ガンダム』を機に、この手のアニメの作り方も変わって行くと思ってます。
これまでの、アニメファンが好きそうなものを並べるだけの作り方っていうのは、そろそろ止める時代が来たんだと気付いて。
もうちょっと気持ちのいい、物語が物語として実感できる作品。
同業者だけで固まって作るんじゃない作品を作っていこう、というふうになっていくと思っています。
675664 :03/03/27 06:42 ID:???
これで大体終わりです。
あと少し富野以外の人物の∀についての発言がありますが、
それは暇が出来次第うPしますので、期待しないで待っていて下さい。
676通常の名無しさんの3倍:03/03/27 07:06 ID:???
>>664-675
乙彼様。この時は∀の制作についてはVとの違いを意識していますね。
677通常の名無しさんの3倍:03/03/27 07:19 ID:???
>>664さん
乙!
ホントにV、∀と全然違うなあ
キンゲ関連のはない?
678通常の名無しさんの3倍:03/03/27 15:12 ID:???
ちょっと前スレ貼らしてくれ。
http://up.your2ch.net/1048745901.htm
679通常の名無しさんの3倍:03/03/27 20:30 ID:???
sawadaspecial内の富野特集

http://sawadaspecial.com/tomino/
680通常の名無しさんの3倍:03/03/28 00:36 ID:???
作品を見ればわかることとはいえ、やはり富野もキューブリックになりたくて、
でもなれなかった映像作家の一人なんだな。アレを本気で目指しちゃイカンよ。気が狂う。
681通常の名無しさんの3倍:03/03/28 22:46 ID:???
Qぶりっくー?
適当に登場人物が画面内で左右対称になるように
フレームをうごかしときゃいいんじゃねーの?

とか、ほざいてみるテストと。
682通常の名無しさんの3倍:03/03/29 02:15 ID:???
種曜日対策age
683通常の名無しさんの3倍:03/03/29 03:18 ID:???
富野も十分気狂いだよ。
マネ(=普遍化)できるもんじゃない。
参考にするのは職務に対する真摯な姿勢くらいにとどめたほうが…
684通常の名無しさんの3倍:03/03/29 03:29 ID:???
「富野作品」とは富野も含む。
685通常の名無しさんの3倍:03/03/29 04:19 ID:???
文章の批評目的の引用は認められているから大いにやりたまい
686通常の名無しさんの3倍:03/03/29 20:58 ID:???
富野とキューブリックって、志向全然違うじゃん
どっちかつーと、富野は黒澤っぽいベクトルを持ってると思う
687通常の名無しさんの3倍:03/03/30 00:12 ID:???
すいません。
富野監督のクレヨンしんちゃんの「仮想敵」発言がどこにあるか教えていただけないでしょうか?
688通常の名無しさんの3倍:03/03/30 00:38 ID:???
>>687
キングゲイナーイントロダクション
P66
689通常の名無しさんの3倍:03/03/30 00:46 ID:???
>>687
映画版は大体抑えたと言ってる。
クレしんのハードルはものすごく高いとも発言してるね。
それとイントロダクションの取材時点では戦国はまだ見てないそうだ。
・・・もしかすると今日の放送を見てたりしてねw
690通常の名無しさんの3倍:03/03/30 01:12 ID:???
12月に弟が「Zガンダム」のビデオを借りてきたので、2話まで見たんですよ。で、やっぱりドラマ作りとしてはメチャクチャだったなあ、と。どう考えてもその後面白くなるような話作りではありませんでした。
富野監督に関しては「ガンダムF91」「ブレンパワード」以降失望しっぱなしだし。
 で今日、NHKの「トップランナー」に富野監督が出てたので、何を言うのか気になって見てみたのですが、なんかすごくまともでした。「Zガンダム」について、富野監督自身後悔してるっぽいのでとりあえず安心。
「∀ガンダム」も機会があれば観ていいかなって気になりました。
 富野作品の近作についてのオレの印象は、”大ゴマのない漫画”って感じ。とにかく場面作りにメリハリがないので退屈。カット割もそうですが、”間”の芝居のなさがやたらと目に付いて。
皆同じテンポでシーンが進んで行っちゃうから、重要なシーンもさらっと流しちゃう。「ここはもっとためて!ここはもう1カット入れて!ああ違う、ここはアップだろ!見せるべきコマはちゃんと見せろ!」って
フラストレーションばっかりたまっちゃうんですよね。独特の台詞回しも嫌味だし、脈絡のない展開とか、脈絡のないセリフとか、漫画の新人賞だったらまず予選落ちな構成ばかりだと思うんですが、いかがでしょ?
セリフに頼りすぎ。小説に移った悪影響かね。富野演出については「Vガンダム」「ガーゼィの翼」「ブレンパワード」を頂点として、不信感バリバリなオレであります。オレも結構見てるな(笑)。
691通常の名無しさんの3倍:03/03/30 07:20 ID:???
( ´,_ゝ`) フーン

しかしここは君の富野考えを書くスレではないのだよ
君は!
692通常の名無しさんの3倍:03/03/30 07:23 ID:???
>>690
おいおい、「ターンA」見ないで「富野監督の近作」について批判するのはどうかと思うよ。
とりあえず、「ターンA」だけでもひととおりご覧なさい。で、「キングゲイナー」もついでにご覧なさい。
「対談や発言を書き込むスレ」で富野作品批判をするのは、それからでも遅くはないでしょう。
693通常の名無しさんの3倍:03/03/30 10:21 ID:???
>>690
御大的に一番”どうしようもない時期〜立ち直りつつある時期”だけ見て語られてもなぁ。
694通常の名無しさんの3倍:03/03/30 11:06 ID:???
>>693
結局1st以外「どうしようもないもの」しか作ってないんだよね。
695通常の名無しさんの3倍:03/03/30 11:21 ID:???
むしろ今となってはかなり1stには不満を持ってるだろ。
御大的にはキンゲが今一番見て欲しい作品じゃないのか?
その次が∀。
696通常の名無しさんの3倍:03/03/30 12:59 ID:???
というか690はどっかのサイトのコピペだ。
697通常の名無しさんの3倍:03/03/30 13:48 ID:???
もうキンゲってレンタルできるの?
698通常の名無しさんの3倍:03/03/30 14:08 ID:???
>>697
販売用DVD・VHSと同時にレンタル用VHSも出てる。
でも箱付き版のDVD1巻にはWOWOWで放送された富野インタビューが収録されてるので
発言が気になる人はチェックすると良いぞ。
699通常の名無しさんの3倍:03/03/30 14:19 ID:???
thanx
700通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:31 ID:???
今フジでアトムの特集やってるけど、富野が出るっぽい。
701通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:36 ID:???
694はトリトン、ザンボット、ダイターン、イデオンを知らない香具師。
702通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:36 ID:???
もう出たの?
703通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:38 ID:???
まだ。
704通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:40 ID:???
虫プロ時代の事でも語るのか。
705通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:46 ID:???
富野キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
706通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:47 ID:???
あれだけ?
707通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:47 ID:???
富野絵ヘタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
708通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:47 ID:sXNcU+Gy
へえあれが富野(ハゲ)か。なんか坂本ちゃんみたいだね。
709通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:47 ID:???
関西はいつ放送?
710通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:48 ID:???
とみやん、でたーーーー
711通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:48 ID:???
富野のアトムw
712通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:48 ID:???
何に出てるんだ???
713通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:48 ID:???
富野、親族って・・・・・
714通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:48 ID:04/Ixx1m
富野ちょっとだけだった
でも他の愛情溢れる人たちとはなんか空気違ったな
715通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:49 ID:???
関西じゃドラマやってるがな(´・∀・`)
716通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:50 ID:???
もっと富野デンパを流してくれ〜
717通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:51 ID:???
アトムの後半って富野作品化してるの?
718通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:51 ID:lGjrh234




    ト   ミ   ノ   ア   ト   ム   画   は   す   ご   か   っ   た



719通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:52 ID:zumU95O6
正直今のほんわか富野より
渋谷陽一と押井の手塚バッサリ切った対談のが言いたいこと言ってくれてよかったよ
720通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:53 ID:???
さすがに初代アトムの富野分をリアルタイムで見ている奴はいないだろうなあ。
721通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:54 ID:???
いまフジテレビでやってた
アトムの新作やるのでやった特別番組に
富野が出てたよ
で「ガンダムはアトムの親族だってかってに思ってる」
って言ってました
722通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:55 ID:???
富野略歴
1941年小田原生まれ。日大芸術学部卒。
64年虫プロへ入社。アトムの脚本・演出を手がけた後フリーに。
723通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:55 ID:???
>>721
それ、たぶんリップサービス(w
724通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:55 ID:???
>>719
なにそれ。どこでよめるの?
渋谷陽一と押井ってすごい組み合わせだ。
でも、渋谷は宮崎を必要以上に持ち上げるから嫌いだ。
725通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:56 ID:???
>>719
その対談って2chのどこかに載ってるの?
726通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:57 ID:???
みんな渋谷陽一好きなのね
727通常の名無しさんの3倍:03/03/31 01:58 ID:FdA4GxhB
サイトで対談してるよ
アトムって要するに戦後民主主義だよなって結論
あと渋谷は世間はもっと黒手塚を見れ、とも
728通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:01 ID:QwND0p9u
サイトって雑誌ね
最新号でアトム特集してるから嫁
少なくとも僕らの愛したアトムってな論調ではない
729通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:04 ID:???
>>727-728
さんきゅ
730通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:05 ID:???
渋谷陽一って誰?
731通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:07 ID:???
ロック評論家
ゼップが好きでメタルが大嫌い
732通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:08 ID:???
>>730
音楽雑誌(だけではない)の人、って思ってる。俺は好き。
733通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:09 ID:???
フジのアトム糞特番にて
ttp://210.153.114.238/source/up0013.jpg
734通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:26 ID:???
アトム絵下手だなw
ハゲはエルメスとか上手かったのに
735通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:39 ID:???
渋谷陽一なんかがいいのか、お前ら。
ロッキンオンなんて10年前に終わった会社だぜ。
今はレコード会社の宣伝雑誌。富野御大や手塚の批評する権利なんてなし。
宮崎を持ち上げてるのはロックとか言いつつ体制にすりよった証拠。
736通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:44 ID:???
>>733
もう少しもつ掲示板で頼む。もう404だ。
737通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:45 ID:???
私は 渋谷陽一には
BARBEE BOYS とか VIrtual Fighterの時のイメージを持ってる
今は変わっちゃったのかな?
738通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:48 ID:???
渋谷天外しか知らん(w
739通常の名無しさんの3倍:03/03/31 02:51 ID:???
ゲーマーの渋谷洋一なら
740737:03/03/31 02:53 ID:???
>>739
別人だったの?

恥鬱死
741通常の名無しさんの3倍:03/03/31 03:11 ID:???
渋谷は今のロッキンオンにはほぼノータッチ状態だよ。
そもそもロキノンはグランジらへんからオナニー雑誌になった。誇れるのは部数のみ
渋谷は今でも反体制。言ってしまえばそこから一歩も成長してない
742通常の名無しさんの3倍:03/03/31 03:14 ID:???
渋谷 洋一(編集協力)
 パンクミュージックを愛し、デストロイ&ノーフューチャーを
信条としながらも、実は驚くほど礼儀正しいという変わったパンクス。
ゲーマーとして経験を積んだ後に『PCエンジン通信』を担当、
パンキッシュな文章とルックスで読者から高い人気を得た。
ファミ通退社後は、懐かしのビデオゲームを集めたゲームセンター
『ゲーム博物館』を創設。初代店長に就任する。
一応お約束なので書いておくと、よく似た名前の音楽評論家、
渋谷陽一とはまったく無関係。
743通常の名無しさんの3倍:03/03/31 03:14 ID:???
>>735
ところがだ、他のメディアはそれ以上に糞なんだよな!
昭和のアノ連中(渋谷、押井 を負かすほどの元気者を
オレはまだ見たことないよ。
744通常の名無しさんの3倍:03/03/31 03:19 ID:???
>>743
やっぱり皆頭使ってねえからなあ。
結局は明日のメシ食うための浅知恵に終始してる。
745通常の名無しさんの3倍:03/03/31 09:14 ID:???
>>743
それは10年以上前の話。
渋谷陽一も今は他のメディアと何も変わらない。
746通常の名無しさんの3倍:03/03/31 22:07 ID:???
>>688-689
レスありがとうございました。
キングゲイナーイントロダクションというのは今でも手に入るのでしょうか?
747アニメージュ85年1月号:03/03/31 22:13 ID:???
 言い訳はやめる。
 今回の企画が、かつてのガンダム・ファンから顰蹙をかっている事も承知している。
 しかし、すでに七年が経っても、人の意志というのは、変わっていない。
 先鋭化するところだけが先鋭化して、時代全体の意志は、むしろ後退しているように
見える。

 紛争が恒常化している地域、それを支援か扇動している勢力、それぞれに膠着化し
た意志が見える。
 また、後進国の先進国化は、かつて日本が三十年代に経験した大型消費経済構造
を踏襲しようとして、グローバルなバランスを取ることを忘れている。
748アニメージュ85年1月号:03/03/31 22:14 ID:???
 そして、日本は、第一次重消費経済からは脱却しつつあるが、先見性を持たない
(二十一世紀への保険を支払わない)経済大国の道を安穏として歩んでいる。
 わずかに、それぞれの産業の先端的位置にいる人々の先見性に支えられて国家が
安泰であるのだ。が、国家構造そのままの安全機構の設定はなされていない。
 大体、かくも老齢化の進んだ国家は、未曾有の事態であるに拘わらず、前世紀の倫
理観が横行しているという不思議さを大人たちはなぜかくも是認するのだろうか?
 自己改革の必要に迫られているのに、旧体を維持するための老人支配が横行しよ
うとしているのは、時代にとって危険である。
 しかし、官僚とか、別のシステムという摩訶不思議な生き物のおかげで、大人たちが
生かされているという事態は、奇妙であるのだ。
 それは、現代の君たちにとっても、無縁ではない。
 むしろ、家庭という本来人が形成されていくべき最低限度の単位さえも、過多な愛情
のおかげで、崩壊のうきめをも見るかも知れないという可能性をはらんだ時代など
は、異常この上ない事態なのだ。
 それでいて、逆に、人の個性、主権を主張するあまりに、独善が個性としてまかり通
るという極端もある。
 この幅の広さが世の中なのだとせせら笑うのは個人の自由だが、そのことが頽廃を
生み出す土壌となるであろう都市生活者の精神構造も危機であろう。
 しかし、田園に生きよ、と言ってもその田園はすでに過去のものとなりつつある時代
に我々は直面しているのである。
749アニメージュ85年1月号:03/03/31 22:15 ID:???
 そして、そんな苛酷な環境の中で人は、若者は次の時代の希望などは持てないと言
う厭世観に支配されても仕方があるまい。
 しかし、青年は大人になる。
 厭でも大人になり、厭でも組織の中で硬直化した思考を強要される。
 ならば、ウソでもいい、冗談でもかまわない。ニュータイプをやってやろうじゃないか、
と言ったドイツイ台詞を出そうじゃないか。
 そのためには、繰り返しでも構うものか。またガンダムなのだ、と、自分にも言いき
かせるのが、このニューガンダムなのだ。ゼータ・ガンダムなのだ、と言う事だ。

 ゼータ・ガンダムの世界は、前作の7年後、8年後に近い7年後の時代に設定した。
 当然、かつてのレギュラー・メンバーたちは、それだけ歳をとっている。
 そして、サブ・アタック・タイトルは、『逆襲のシャア』である。同時にこれが、本物語の
テーマでもある。
 なぜこのようにしたのか?
 パート2物のパターンを変えたいからに他ならない。
 他意はない。
 が、同時にガンダムという物語は、ロボット物である以上に、リアルな物語であろうと
いうかつての視聴者たちの意見に従ったのである。
 製作者の都合で、レギュラー・メンバーたちの年齢が永遠に変わらない物語はおか
しいからである。
 そして、そのような物語作りは、アニメに限らずにあるのならば、その新しい試みに
挑戦してみようということなのだ。
 これが、危険な賭であることは承知している。
 しかし、なにか挑戦の要素がない仕事は、人を停滞させるだろう。
 製作者は歳をとり、パワー・ダウンしているのである。それを活性化するためにも、
試みというものは設定をしておいて良いのではないのだろうか?
 それが、この度のゼータ・ガンダム上梓の理由である。
750アニメージュ85年1月号:03/03/31 22:16 ID:???
 パート2物のジンクスも承知している。
 しかし、やると決めたからには、過去のことは忘れて、現在の自分が考えている事々
の全てを作品に投入する意気込みでかかりたいのだ。
 そのために、アムロ・レイやセイラ・マスには申し訳ないが、歳をとって貰った。それ
に変わるべき世代交替劇を描きながらも、カミーユ・ビダンという少年の時代のニュー
タイプを考えてみたい。
 シャア・アズナブルもまだまだ若い。
 その大人としての魅力を引き出す仕事にかかわりながら、もう一度、時代を振り返る
仕事を手にいれたい。
 そして、この苛酷な時代であるからこそ、それに対応できる己れを見つけだしたいと
願うのである。
 そして、この問題は、若い諸君にとっても無縁ではないだろう、と想像する。
 君は、生きのびることができるか?
   1984・10/31
751通常の名無しさんの3倍:03/03/31 22:17 ID:???
Zガンダム制作発表の記者会見で配られた文章だそうです。
シャアがべつに逆襲なぞせずにずっと煮詰まったままだったのはご存じのとうり。
Zのやり直しが逆シャアだが、ライブ感覚でやってたZのほうが等身大の富野そのものがでてるってことですよ。
752通常の名無しさんの3倍:03/04/01 00:11 ID:???
>>747-751
おつです。

と言っといてなんだけど、アニメのメディアはダメすぎるんだよなぁ。
ロキオン的に見れば『富野由悠季1万字インタビュー』とかあって
しかるべきだよ。御大の顔が表紙とかでさw
アニメは音楽ほど才能の数が多くないから季刊誌とかでそういう雑誌が
あってもいいと思う。でも売れないか…
753通常の名無しさんの3倍:03/04/01 00:17 ID:???
季刊誌で思い出したけど小黒祐一郎の「アニメスタイル」は
かなりその辺意識してるよね。
誌面の作り方とかロキオン節だな〜と思ったよ。
二号で止まってるけど是非富野にもインタビューしてもらいたい。
754通常の名無しさんの3倍:03/04/01 00:32 ID:???
アニメ批hy(ry
755通常の名無しさんの3倍:03/04/01 01:45 ID:???
クソ雑誌ロッキングオンを破いて捨てよう
http://tv3.2ch.net/test/read.cgi/musice/1049023909/l50

ロッキングオンは逝ってよし
http://tv3.2ch.net/test/read.cgi/musice/1045629805/l50

洋楽板じゃ完全にゴミ扱いだな。
756通常の名無しさんの3倍:03/04/01 03:14 ID:???
メージュやニュータイプ読んでアニラジ聴いてるやつより
ロキオン読んでワールドロックナウ聴いてるやつのがまだマシ
むしろアニメファンがアニメ誌をゴミ扱いしないことの方が不思議
757通常の名無しさんの3倍:03/04/01 03:17 ID:???
でも富野関係は押さえちまうんだよな(藁
758通常の名無しさんの3倍:03/04/01 03:24 ID:???
>>756
む、そういうスレ立てろよ。応援するから。漏れはホスト規制で立てられそうにないし。
アニメージュとニュータイプはロキオンと一緒で糞、ってスレタイはどうだ?
759通常の名無しさんの3倍:03/04/01 05:15 ID:???
昔のアニメージュは文字を売りにしてたんだけどね。
しかし当時やってたのもまた小黒とか鈴木とか原口とかかか。
760通常の名無しさんの3倍:03/04/01 17:22 ID:???
>>759
体調でも悪いのか?
761通常の名無しさんの3倍:03/04/01 18:21 ID:???
>>756
ある意味、一番マトモな音楽雑誌がタワレコのバウンスなのが
泣けてくるなあ。
762通常の名無しさんの3倍:03/04/01 20:07 ID:???
>ある意味、一番マトモな音楽雑誌がタワレコのバウンスなのが
冗談だろ。趣味悪いな。
メジャーな音楽雑誌なんて全部糞だろ。
763通常の名無しさんの3倍:03/04/02 00:21 ID:???
冨野信者って何聴いてんの?
やっぱ教祖が挙げてたフロイドとかでつか(ワラ
764通常の名無しさんの3倍:03/04/02 01:33 ID:???
>>763
中島みゆき、山崎ハコ…
765通常の名無しさんの3倍:03/04/02 04:51 ID:???
バウンスってメジャーな音楽雑誌だったんだ(w
766通常の名無しさんの3倍:03/04/02 05:07 ID:???
糞というだけは楽
767通常の名無しさんの3倍:03/04/02 05:14 ID:???
>766
正解。>762が、自分が思う「クソじゃない雑誌」をあげないのは、クソと言われればどうしようもないことを
知っているから。
768通常の名無しさんの3倍:03/04/02 06:39 ID:???
762=767か?
769通常の名無しさんの3倍:03/04/02 11:49 ID:???
どうやら図☆のようですね
770通常の名無しさんの3倍:03/04/02 11:58 ID:???
何だか知らない間に自演扱いされてるが、まあいいや。
俺が好きだった洋楽雑誌は邦楽に方針変更する前の10年くらい前のマーキーだな。
今のマーキーは糞だが。

>>763
キング・クリムゾン。
キング・クリムゾンの3rdアルバム「リザード」の最後の曲は、
「めぐりあい宇宙」のエンディング曲にパクられてる。
771通常の名無しさんの3倍:03/04/02 12:33 ID:???
しかしここは音楽雑誌がどうこうを書くスレではないのだよ
君は!
772通常の名無しさんの3倍:03/04/02 12:34 ID:???
>>770は糞
773通常の名無しさんの3倍:03/04/02 14:24 ID:???
>>770
マーキーの変貌は確かに哀しいな。もっともオレは和製邪道プログレ
ファンなので現行のユーロロック・プレスで事足りてるが。

ところで今ここはシャア板で音楽雑誌を語るスレですか?
774通常の名無しさんの3倍:03/04/02 14:31 ID:???
>770
マーキーは今も昔も糞だよ
775通常の名無しさんの3倍:03/04/02 14:49 ID:???
ゲルググってインディーズバンドいなかったっけ?
776通常の名無しさんの3倍:03/04/02 16:30 ID:???
>>763
フロイドも聞くけど、原子心母よりあなたがここにいてほしいの方が好きだ。
主に聞くのはジャズだけど。
777通常の名無しさんの3倍:03/04/02 16:39 ID:???
ところでここはおまえらの聴いている音楽を語るスレですか?
違うだろ?
じゃあなんだ?
答えなさい
778通常の名無しさんの3倍:03/04/02 16:45 ID:???
次の富野発言が来るまで、音楽ネタで保守するスレですが、何か。
779通常の名無しさんの3倍:03/04/02 16:54 ID:???
たぶん上の方でヒゲのデザインについて語ってたらちょうどそれに関する富野発言が
貼られたからリクエストのつもりで音楽話してるのではないかと。

ちなみに俺は砂原良徳やAFXとかをぬるく聴いてる。
780通常の名無しさんの3倍:03/04/02 19:25 ID:???
さっきガンダムエーススレで、
富野氏が種についてコメントしてたと読んだんだけど、
それの抜粋はまだでつか?とリクなぞしてみる。
なんでもソフトな口調でボロクソ言ってるらしいけど?
781通常の名無しさんの3倍:03/04/02 19:27 ID:???
782通常の名無しさんの3倍:03/04/02 22:12 ID:???
「キングゲイナー・エクソダスガイド」より適当に拾ってみる。

・わかりやすく言うと、僕は一流大学出の人に対してコンプレックスが素直にある人間なんです。
・結局バンダイビジュアルのおかげでTVアニメにいつも押し込められているから
 ―これ、活字にしていいですからね―そういう自分の方法論の狭さに忸怩たる所はあるわけ。
・だから僕にヒット作ができない理由と言うのが分ったのよ、ね。
・所詮口先だけだった。愛人に関してはかなり本気のつもりだったんだけどなぁ(笑)。
・だから、何かの例えに「21世紀初頭の富野は」って使われるぐらい愛されたい。
 わかりやすく言えばビートルズぐらいに(笑)。
・だから今の金融のトップとか、政界のトップ、官僚のトップにいる人たちに、
 二言三言で「お前ら本当にひどいことやってるんだよ」っていうのがわかるような言葉が欲しいの。
・でも、この歳になったら、そこくらいのことは一応目標として置きますよ。
 それを置かなかったら無惨な年寄りになっていくだけじゃない。
783通常の名無しさんの3倍:03/04/02 23:21 ID:???
>>782
やべ面白そう…
明日買ってこよう。
784通常の名無しさんの3倍:03/04/03 05:16 ID:???
21世紀初頭の富野は(w
785通常の名無しさんの3倍:03/04/03 11:27 ID:???
>結局バンダイビジュアルのおかげでTVアニメにいつも押し込められているから

逆襲のシャアっていうチャンスをモノに出来なかった時点でお前は無残な年寄り以下。
786通常の名無しさんの3倍:03/04/03 16:31 ID:???
>>785
チャンス・・・・・か?
787通常の名無しさんの3倍:03/04/03 17:59 ID:???
自分で出資先を探して、スタッフもかき集めて、独力で映画を作るってのは駄目ですかね。
788通常の名無しさんの3倍:03/04/03 18:04 ID:???
て言うかどんなのとリたいのかな?
まさかロボモノじゃあるまいし、、、。
789通常の名無しさんの3倍:03/04/03 18:18 ID:???
エロアニメつくってくんねーかな
どんなの作るかすんげー興味ある
790通常の名無しさんの3倍:03/04/03 18:22 ID:???
>>789
エロアニメってジャンルで
評価の高い作品あげて
791789:03/04/03 18:24 ID:???
って言われても別にエロアニメ見てるわけじゃないから
どんなのが評価高いか知らないんだけどね
792通常の名無しさんの3倍:03/04/03 18:33 ID:???
>>791
じゃあ、富野のアニメ作品でエロ感じた所でもあったら教えて。
793789:03/04/03 18:54 ID:???
うーん?最近見た奴で言えば
Vガンでウッソがマーベットさんのお腹をさわって
赤ちゃんの息吹を感じ取って涙する所とかかな?
何でかわからんがエロスと感動が一編に来て泣けた。
794通常の名無しさんの3倍:03/04/03 20:49 ID:???
つーかAV撮ってくれ 女優はパ◯ロミあたりでw
「こんなオマンコ舐めれるか!」御大のオーバースキル炸裂ですよ
795通常の名無しさんの3倍:03/04/03 21:10 ID:???
御大が本気でオリジナル映画をやりたいって言ったら
それなりの資金出してくれるところは幾らかはあると
思うんだけどねぇ。実際のところはそんなに映画に対して
憧れや執着はないんじゃないの?
796通常の名無しさんの3倍:03/04/03 21:22 ID:???
自分はさばき屋で芸術家ではないという自戒と、でも自分は特別という自惚れが混在している為。
やろうと思えばできると承知しながらも最後の一線を決して越えていかない。
797通常の名無しさんの3倍:03/04/03 21:22 ID:???
>>790
クリームレモンの黒猫館が好き!・・・スレ違いショボーン
798通常の名無しさんの3倍:03/04/03 21:35 ID:???
>>795
富野っていつも本気で全力投球してると思ってたよ。ちょっとがっかり
799通常の名無しさんの3倍:03/04/03 21:35 ID:???
>>796
意気地なしのオトミさんですね
800通常の名無しさんの3倍:03/04/03 21:49 ID:???
一年生や二年生の半ば頃までは結構努力して勉強してたから成績もそんなに悪くなかった。
でも、二年生の後期のテストであんまり勉強しなくても結構いい点数が取れたからって調子
にのりすぎたんだよね。そのあとはほとんど勉強しなくなって、でも思い上がりだけはどん
どんエスカレートしていって、ホントに坂を転げるように成績が落ちていったんだ。
でもそんな状態になっても「本気を出せば軽い」なんて思ってる自分がいたりして。
結局本気をだせば、とか実力を出していないだけ、なんて自分をオブラートに包んで努力
する事を嫌っていただけなんだよね。


友達はこういったんだ。
「表に出てこない実力って何か意味あんの?」って。
801通常の名無しさんの3倍:03/04/03 23:39 ID:???
>>800
富野とは大違いだな。
802通常の名無しさんの3倍:03/04/03 23:40 ID:???
>>799
ただ、やるときは常に全力。
終わってから自戒して反省する。
そして、同時に周りにもその経験から注意を促す。
803通常の名無しさんの3倍:03/04/04 00:21 ID:???
>>798
いや十分全力だべ
804炎 97年11月号:03/04/04 00:48 ID:???
情けない神の国の片隅で
 第14回 あと39年

2037年までのあと39年間!

これが、石油採掘が可能な年数!

SFにも、現実が影響するから、
エネルギーを大量消費するガンダム・ワールドなどはありえない話になる。

9月10日に、石油鉱業連盟の資源評価報告書で発表された数字で、
くどいようだが、SFではない。

資源枯渇がいよいよ現実味をおびた、というキャプションをつけながら、
大新聞での記事も小さい。

人民女王ダイアナの事故死のあとのニュースのほうが気になってしまう
我々大衆が相手なら、報道だってそうなろう。

エリザベス女王が「彼女は、王室と関係がない」といっているほうが正しいのだが、
そういう話がとおらない世の中なのだから、
石油枯渇の話などは、当面は先送りになるのは、当然である。

生活に不安を感じても、2、3年後の不安を具体的に想像し、
それを対処することを考えて暮らしている人は、吝嗇家か計算高い人と誤解される。
805炎 97年11月号:03/04/04 00:49 ID:???
それでも、石油の残り39年です、とおっしゃる方がいるように、
想像力を発揮できる人たちが、別の場所にもいらっしゃった!

日本機械学会というアカデミックなグループの100周年記念イベントの一環で、
『ロボットと未来社会』をテーマにしたパネル・ディスカッションでのこと。

そこで、未来社会のアルビン・トフラー氏の基調講演からはじまって、
ロボットの問題が検討され、機械のプロがつきあたった問題があった。

「ロボットはヤバイ道具のようだ。開発していいのだろうか?」

その会場には、
ホンダが完成させた自律型2足歩行のロボットP2が置いてあったのだから、
それをコピーし、さらに高度な自律型ロボットをつくることはできるだろう
という意見の一致があったのは必然の結果である。

そんな場所で、ボクは、我々には悪しきロボットをつくる奴を阻止できるわけがない、
といってしまった。

そうしたら、そーいうものを開発してメシを食っている技術者たちは、
仕事はやめることができないから、討論は雪隠詰めになる。

で、総合司会の立花隆氏が、トフラーの論調をうけた上で、
「主権は人間にありということで、
監視していくガイドラインはつくらないといけません」ということで、
核心についての対策などはとりようがない、と終わった。
806炎 97年11月号:03/04/04 00:51 ID:???
ロボットを語りながら、すでにSFではない現実的な問題に直面している
という想像力をもった人たちの雪隠詰めになった討論は、スリリングだった。

くりかえすが、これも現実的の話で、SFではない。

ロボットを開発しようとしている科学者、技術者は、
悪用などは一切考えていないのだが、社会に投下した技術が、
別の人間によってまったく違う方向につかわれてしまう歴史については、
よく知っているのから、対策はもちえないとわかっているのだ。

その打ち上げ会場で、
人工知能の開発をしているロドニー・ブルックス氏から示唆にとんだ一言をいただいた。
 
「インターネットをやってわかったことは、羊が100万回タイプをうてば、
シェークスピアが書けるという諺が、ウソだということが証明されたということだ」

このエピソードは、目指す高さをしめす理念と、
技術を日常に還元する道程には、とんでもない乖離がありながらも、
何ごともやらなければわからない、ということである。

それでも、どの瞬間にあっても、想像力は必要で、
それがガイドになって、対策が生まれるのだから、
39年先の石油危機を回避する技術を手にいれる仕事は急務である、
という想像ぐらいはしなければならない。

807炎 97年11月号:03/04/04 00:51 ID:???
しかし、9月11日に発表された第2次橋本内閣の組閣の顔ぶれを知ったときに、
日本は大丈夫かなー、と不安になるのは、ボクだけではあるまい。

今日しか見えない愚昧な人がつくる組織に埋没しないで、
技術開発をしなければならないというのは、過酷である。

フツーの人も、この過酷さを排除する想像力は身につけないといけない。

が、パネル・ディスカッションで、ある日本人技術者が
「携帯電話だって、人はこうも悪用するんだから、人間なんか信用できるか!」
といった現実問題の指摘は、痛烈だと思う。
                                     (了)
808炎 97年12月号:03/04/04 00:52 ID:???
情けない神の国の片隅で
 第15回 恐怖症

いわれなく何かを恐れる、ということは、誰でも経験することだろう。

なぜ、不安を感じないのか、と説明するほうが難しい、という説もあって、
どちらにしても、感情の妙に支えられているのが、我々である。

小生の両親は、潜在意識という概念が想像できず、
無意識域の意識に縛られている自己がある、というようなことは、
絶対に理解できない。(当たり前だ)

おかげで、アルツハイマーにもならずに、88歳と81歳の二人が、
いまだに自炊生活をしてくれているのだから、
老人のわがままなどは可愛いものだ、と笑っていられる。

BSの海外レポート番組で、広場恐怖症、
学校恐怖症などというききなれない症状の患者の存在を知ると、過去の呼称とはちがう、
文明がつくりだした神経の病気が蔓延している事実に、唸った。

3年前あたりから2年ちかく、鬱病気味を経験した身にとっては、
他人事ではなく、情報恐怖症にとりつかれてしまうレポートだった。

生真面目さという性格は、けして褒められたものではない。(僕のことだよ)

しかし、そんな自分から出た情報から、
増幅された不安が生まれる局面に出会うようになると、
個の問題ではなくなるので、さらに困惑する。
809炎 97年12月号:03/04/04 00:53 ID:???
最近、そういう体験をしている。

ガンダムというフィールドは、20年経った現在でも存在していて、
享受者がつくる世界というものがある。

そういう世界をのぞくような小説『慎治』(今野 敏著、双葉社)
のようなものが出たり、モダンアートの世界で、
ガンダムのプラモを素材にした展覧会やったりしている若者がいるのだ。

若い世代に、自分が送り出した素材がつかわれることは、嬉しいことは嬉しい。

が、彼らの中に覗ける精密なインテリジェンスや感性は、たいしたものだと感じる前に、
小生には理解できない迷路のようなものを創っているように見える。

若者文化を理解できない、というのならいいのだが、彼らが目指しているものが、
矮小なものなのではないか、重箱の隅をつっついているのではないか、
という感覚にとらわれるのだ。

ガンプラを追求し、その作業をとおしていじめから脱却できる気持ちを、
手にいれられるというのは、本当のことなのだろうか? 
そんなところに、美の造形があるのだろうか?

小さな理詰めが生むものは、生真面目さという硬直した思考を醸成するだけ、と感じる。

小生の甥に、小学生の時代から登校拒否児童がいた。
彼は、20歳のこの秋に大学受験の資格がとれた。
810炎 97年12月号:03/04/04 00:54 ID:???
彼とは、数度、会話したことがあるのだが、
彼の中学時代に、不安の原因がどこにあるのか探りをいれたことがあった。

その時の解答が、資源が枯渇すれば人類は生き延びられない、
という現実認識であって、それは、ガンダム・ワールドで学んだことで、
フィクションから現実に挑戦する衝動が育っていないことに、
小生は、語るべき言葉をなくした。

その後、彼の読書量がふえて、リハビリして、大検を取得できたのである。
喜ばしいことである。

このように、自己を閉息させる基盤をガンダムの物語からピックアップして、
不安症の一種にとりつかれている青年を見るのは、つらい。

ホラーとミステリーはフィクションになっても、
ガンダム的な物語はフィクションではない、理解してしまう甥。

戦争がなくなってしまったつまらなさ感覚から、
ミリタリー願望が拡大していってしまう青年たちの存在。

どちらも、フラストレーションが高じて不安感にとりつかれると、
その不安を解消させるために、本物の銃を乱射してしまうのではないか、と恐れるのだ。
811炎 97年12月号:03/04/04 00:55 ID:???
去勢した種でなければ、戦争のない世界では生きつづけられないのだ、
という洞察も必要であろうが、だからといって、オウムの復活の兆候には、
そこまで、不安か? 別の商売を考えろ、といいたくなる。

これらの不安を解消する手法を提示したいと思うのだが、
それはできないと絶望して、不安にとりつかれるのは、小生が生真面目だからなのだね。

だから、ボク、本当はアラーキーさんの縛りの写真や花の写真が大好きで、
荒木陽子さんの『愛情生活』に癒しをもとめている、と告白する。
                                     (了)
812通常の名無しさんの3倍:03/04/04 00:56 ID:???
取りあえず2回分
813通常の名無しさんの3倍:03/04/04 04:31 ID:???
>去勢した種でなければ
814通常の名無しさんの3倍:03/04/04 06:53 ID:???
>不安症の一種にとりつかれている
815通常の名無しさんの3倍:03/04/04 09:59 ID:???
>自己を閉息させる基盤をガンダムの物語からピックアップ
816通常の名無しさんの3倍:03/04/04 11:21 ID:???
予言者だな、御大
817通常の名無しさんの3倍:03/04/04 15:13 ID:???
.>本当はアラーキーさんの縛りの写真や花の写真が大好きで、
818通常の名無しさんの3倍:03/04/04 15:15 ID:???
乙です

それにしてもガンダムエースで故・井上さんに奉げた言葉は
なんかエロイ・・・(;´Д`)
819通常の名無しさんの3倍:03/04/04 18:03 ID:???
富野ってキモい
820通常の名無しさんの3倍:03/04/04 20:56 ID:???
>>819
さんざんガイシュツ
821通常の名無しさんの3倍:03/04/04 21:50 ID:???
若い頃の方がキモイ。
禿げてから愛嬌が出たよ。
822通常の名無しさんの3倍:03/04/04 21:56 ID:???
CCAの「脆弱は美徳ではない」は、やはり自分自身に向けて言ってたんだよな。
シャアになったつもりで、カミーユになってしまったZの御大。
823通常の名無しさんの3倍:03/04/05 00:21 ID:???
保守だけどageます
824炎 98年3月号:03/04/05 01:36 ID:???
情けない神の国の片隅で
 第18回 ポケモン事件

年が明けて、ナガノ・オリンピックの報道が、
商業主義主導でおこなわれるようになっても、
それで不況の風が弱まってくれるなら歓迎もしたい。

が、巨大組織が運営する問題は、運搬中に消えてしまった聖火に象徴的で、
あの後でも、聖火と奉っているのはなんなんだろうねぇ……!?

アニメ関係者としては、
昨年の暮れに起こった『ポケットモンスター』の事件の事後の展開を見せつけられて、
おなじように考え込んでいる。

原因は『ポケモン』という作品にあるのではないのだが、
原因を正確に理解できない当事者たちは過剰反応をして、
番組を打ち切りにして世間の非難をかわし、世間もそれをよしとした。

その後、放送の許諾権を持つ尖兵であるサラリーマン諸氏は、
すべてのパカパカをやめろというチェックをいれ、
例のごとく、外国の基準をもちだして、規制をかけようとしている。

そこには、映像にたいする見識などはない。

しかし、番組を中止にしなければ、
原因は垂れ流しにされつづけていたであろうと断定できるのも、ぼくが、
こういう問題に無頓着な連中が作品をつくっている現場を知っているからである。

このようなレベルの大人が寄り集まって、ビジュアル社会をつくりだしているのだから、
モニターが映す世界は、ヤバインダと感じる。
825炎 98年3月号:03/04/05 01:38 ID:???
原因は、光効果そのものにあるのだから、ピカチュウが光ること自体には問題はない。

が、光り方そのものに問題があるということは、この要因を支えるものに、
発色の良くなったテレビ・モニターという道具も荷担しているかもしれず、
各家庭のモニターのカラー調整なども、どうなっているかわからないのだから、
これも光刺激を強化させているかもしれないのだ。

ここまで視野にいれて、このような公共の媒体に提供する作品では、
映像(動く絵と定義する)につけくわえる光効果の処理は、
どのようにしなければならないかという基礎的配慮が必要なのだ。

我々の世代では、パカパカなどという処理は、好きにできるものではなかった。

そんな処理を撮影に指定しようものなら、
撮影スタッフから呼びつけられて、怒鳴られたものだ。

理由は簡単で、面倒だから、である。

もともとパカパカ処理というのは、手抜きのための処理であったのだから、
白色光をいれるパカパカでさえ嫌われた。

そうであれば、赤と青の色のつくパカパカなどは、
三重の手間がかかる処理なので、言語道断なのである。
826炎 98年3月号:03/04/05 01:39 ID:???
光刺激についての基礎知識はなかったが、
仕事や色にたいする認識のちがいがあって、やらなかったのである。

しかし、CG的な映像やクールな視覚印象、蛍光色が好きな世代は、
赤や青のフィルターをかけるだけでできる処理を面倒がらず、
パカパカも技法のうちと理解して、
おっくうがらずにやるようになってしまったのである。

その理由は、色のついていないパカパカより、色つきが好きだからにすぎない。

我々、カラー慣れしていない世代は、演出家の好みがあったにしても、
補色関係を発生させる強力な光効果は、チカチカしすぎるとして、
コンピューターをもちだして脳のデータをとるまでもなく、嫌ったものなのだ。

それを、昔からあった技法なのだからパスさせた、
という局プロデューサーの発言は聞くことができない。

色彩学の領域でも、映像効果としての色彩を教育しているところは、
日本では皆無であろう。

827炎 98年3月号:03/04/05 01:40 ID:???
だから、色好きのバカなスタッフは、補色の残像効果や残色刺激が、
大脳生理にあたえる影響など考えもしないでつかい、
10人が見ていてもわからないようなサブリミナル効果を喚起する光処理をつっこむ奴も出てくるし、
それを見つけるのが快感という現場があるのだから、
問題は、こうした製作環境を許しているすべてなのである。

補色の本質が理解できれば、
映像上では白と黒という色からも喚起される補色効果があるのだから、
そのような処理も2秒以上はつかってはならないということは、実は、知る人はいない。

このような処理は、
表現の規制以前にパブリックな媒体で発表される作品ではつかってはならないのだ。

ことに、作品に集中して観てくれる児童が対象であれば。
                                     (了)
828通常の名無しさんの3倍:03/04/05 01:41 ID:???
あともう1回分だけ明日にでもうpします
829通常の名無しさんの3倍:03/04/05 01:46 ID:???
おつです
830通常の名無しさんの3倍:03/04/05 10:31 ID:???
なるほどー
ためになりますねー
831炎 98年12月号:03/04/05 21:26 ID:???
情けない神の国の片隅で
 第27回 キャンディとベルばら

この回で最後である。

不況をふくめたすべての事象が、人の作為と愚昧さ、
それらのからみあいで増幅された結果であるとわかる展開になっているから、
原因不明の気持ち悪さはない。
が、それらの事件を解明する専門家の発言で気をつけていただきたいのは、
メディアの都合にのっていないかという点である。

未来予測は……これはできない。
なぜなら、我々自身、数年先にどうしようとしているかは、
じつは、ほとんど関心を持っていない動物だからである。
このことについて書くスペースもないからやめるが、それでも、気になることをひとつ。

金大中韓国大統領が訪問したおりに、日本政府が謝罪したことについて、
保守系から「謝りすぎだ」というような意見が出ることがないように祈っておきたい。

現代史を知らず、軍と官と政の力関係を知らない輩は、
将来も防衛という施策さえ食い物にするということの繰り返しになるからだ。

さて、表題のキャンディは『キャンディキャンディ』であり、
もう一方は『ベルサイユのばら』である。

最近になってようやく読んだ。
832炎 98年12月号:03/04/05 21:28 ID:???
少女漫画のコマ割りの技法と絵が嫌いで読むことがなかったのだが、
スタジオの男の子の一言の評論がきっかけで、まず『キャンディ』から読んでみて、
その展開が、映画『風と共に去りぬ』とおなじように優れたものであると知った。

惜しむらく、第4巻から回想が頻繁にはいる悪い癖は、
編集者のアンケート主義から要求された汚点であろう。

その後書きに、中島梓がこれに匹敵する少女漫画は『ベルばら』であるとあったので、
屋根裏倉庫から娘たちが読んでいたものを捜し出して読んだ。

ツヴァイクの『マリーアントワネット』は、学生時代から心の名著にしていたので、
この漫画を読むとは思ってもいなかったのだが、
24年も前の作品を、仕事を放り出して一気に読んでしまった。

アレンジと組み立て方の巧妙さに、作者の叡智さえ感じた。

作品というものは、作者の品性や能力とは関係なく、
あるとき、作者に憑依した衝動と力が、かような名作を書かせる見本とみた。
運がなければ、才能など花開かないという恐怖を想像させるもので、
わが身をさいなむ部分もある。

このような作品があるなら、新たに物語を創出する必要などはない。

昨今のブームとかビジネスになるという発想で生産されるキワモノには、
通俗的にいわれる世紀末病しか見えてこない。

ここに男社会の構造の欠陥が露呈してくるのだが、
創作についていえば、病理の体現であっても一向に構わないのだが、
それを受けるマーケットが、
自身に内在している病理を促進させるように作用してしまう日本のような脆弱な基盤では、
キワモノは提供してはいけないのではないかと感じる。
833炎 98年12月号:03/04/05 21:29 ID:???
ハード・ロックでもそうなのだが、それらのジャンルが生まれてくる背景には、
あの強力な表現を生み出さざるを得なかった社会的理不尽さがあってのことなので、
そのようなものがない日本では、
内的病理を促進させる機能しか発揮しないという危険を感じる。

日本は地政学的に脳天気に平和でいられる国土なのである。
だから、ベネトンの広告写真を撮影するオリビエーロ・トスカーニ氏は、
原宿に次の世紀の悲劇の前触れを見て、次のベネトンの広告の被写体にしたのである。

原宿の若者の姿は、人種問題や戦争、
貧困、暴力の脅威の次にくるクライシスの光景だというのである。

環境ホルモンの問題もあいまって、精子の減少が具体的な数字になってあらわれ、
体位は向上しても運動能力は確実に減少して、
生活のなかにあるのは「不安」の一事であるのが日本なのである。

前2作は、まだそのような予兆があらわれる前の、
戦う現実が想定された時代の物語であったから活力があり、
ドラマのルーティンを活写し得たのかもしれないのだが、
男社会のいきすぎを叱る女性の感性が見抜くものを取り出している、と読み解ける。

同時に、女というものは、こうも感覚的なのか、と女性の表層性に蔑視も抱けるのだが、
この男の直線的な感覚が不安を呼んだのだと断言することもできる。

以上、女に負けるな!
                                     (了)
834通常の名無しさんの3倍:03/04/05 21:30 ID:???
以上です
なるべくガンダムやアニメ関連の回を拾ってみたつもりです
835通常の名無しさんの3倍:03/04/05 22:18 ID:???
>>831-834
乙彼様。これも御大の社会情勢への憤りがふつふつと伝わってきますが、特に現代史云々の
部分は御大の(良くも悪くも)純粋さが表れていますね。
836通常の名無しさんの3倍:03/04/05 22:51 ID:???
お疲れ様です
いいねえ〜やっぱ御大好きだ
837通常の名無しさんの3倍:03/04/06 01:19 ID:???
今日放送したアトム特番でトミーノが何か言ってたらしいのだけど、
書き出してくれる神はおりませんか?
838通常の名無しさんの3倍:03/04/06 02:21 ID:pF5YytP+
(・∀・)イイ!趣味ってホビーハイザックのことだったのか、
知らなかった。鬱だ。
839838:03/04/06 02:22 ID:???
誤爆スマソ
840通常の名無しさんの3倍:03/04/06 04:40 ID:???
>原宿の若者の姿は、人種問題や戦争、
>貧困、暴力の脅威の次にく>るクライシスの光景だというのである。
このベネトン広告のことを知りたいが、まあどうでもいいや。
841通常の名無しさんの3倍:03/04/06 11:39 ID:???
>>840
ttp://www.50-net.com/club/1960/kikou/kiyo.html
ベネトンカメラマンの発言の引用はここが一番多いっぽ
記事は面白くないけどね
842通常の名無しさんの3倍:03/04/06 20:03 ID:???
>>840
広告に自社製品を出さずにメッセージ性を前面に出した広告で有名。
ボスニア紛争で戦死した若者の死んだとき着ていた血まみれの服で
見開きを飾ったり、あらゆる国の人の血を集めて、同じ色であると言ったり
イスラエルでユダヤ人とイスラム人の恋人達をとったり、センセーショナルだね。
843通常の名無しさんの3倍:03/04/07 04:17 ID:???
富野は湖川のキャラを批判してたNE!
「テレビアニメでザブキャラみたいなの使えるかよ」
「ヘタでも永野キャラの方がまし」
みたいなことゆってたYO!
844通常の名無しさんの3倍:03/04/07 04:27 ID:???
いいからお前は明日からの現実世界に向けて
  
  ガ ク ガ ク ブ ル ブ ル しとけ!!
845通常の名無しさんの3倍:03/04/07 09:01 ID:???
まあヘタレでも丸顔キャラよりはましだわな...。
ザブングルのキャラはひどすぎ。トミーノが否定するのも無理ないよ。
846通常の名無しさんの3倍:03/04/07 09:56 ID:???
>>843
富野ってどうしようもない奴だな
847通常の名無しさんの3倍:03/04/07 11:56 ID:???
富野はただの口だけオタク。
848通常の名無しさんの3倍:03/04/07 12:53 ID:???
>>843
やっぱり富野は人を見る目があるね。
849通常の名無しさんの3倍:03/04/07 12:57 ID:???
( ゜Д゜)y─┛~
850通常の名無しさんの3倍:03/04/07 13:03 ID:???
やっぱ富野には安彦で決まりだろ。
湖川とは仕方なく組んだって自分で言ってるし。
851通常の名無しさんの3倍:03/04/07 13:06 ID:???
849 名前:通常の名無しさんの3倍 メェル:春厨のジサクジエンウザイ sage 投稿日:03/04/07 12:57 ID:???
( ゜Д゜)y─┛~

    ↑春廚発見。
852通常の名無しさんの3倍:03/04/07 13:21 ID:???
>>851
荒らしはほっとけ。

>>844>>849は釣りだろ。
スレの主旨とぜんぜん関係ない煽りは放置しる。
853通常の名無しさんの3倍:03/04/07 13:50 ID:eiU1TMxq
なんか必死だな? 
ここ最近のレスの他のがスレの主旨に沿ってるとでも?
854通常の名無しさんの3倍:03/04/07 13:51 ID:???
>>850
そういうのはソース出して言え。
855通常の名無しさんの3倍:03/04/07 16:13 ID:???
湖川信者と煽ラーの対決だろ。
互いにイライラしてるからこうなる。
富野以外の話題は別所でやってくれ。
856通常の名無しさんの3倍:03/04/07 16:21 ID:???
THE COMPLETE WORKS OF YOSHIYUKI TOMINO

「『エルガイム』の時に、キャラクター・デザイナーとして永野君を使ったのは、
 僕が強制的にやらせてしまったことであって、湖川さんには申し訳ないと思いますが、
 今でも間違いではないと思っています。
 湖川キャラクターの問題というのもあるんです。」

「『エルガイム』の時は申し訳ないけど「あなたは一度引っ込んでくれ」と言わざるを得なかった。
 当然、判定をしたのは僕ですから、僕の趣味かもしれませんし、そう言われても結構です。」

「それから、それ以後使えなくなったことに関しては僕の問題ではなくて、
 湖川さん個人の問題ですから、僕は関与出来ませんし、評論する気もありません。」
857通常の名無しさんの3倍:03/04/07 16:51 ID:???
イデオンという伝説

―― 湖川さんとお話しした時には、たとえばそういう死の描写を見せないというのは、
  逆にごまかしである、みたいなことをはっきりおっしゃっていましたけれども。

「だから全て描くというのとは違いますね。だいたい日本のクリエーター、アーチストと
 呼ばれる人たちの中には、そういう誤解をしている人が多いけれども、何でも好き勝手に、
 自分の描きたいものを描くことが正しいというのは間違いです。」
858通常の名無しさんの3倍:03/04/07 16:55 ID:???
>>844
ガ ク ガ ク プ ル プ ル
859通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:03 ID:???
イデオンの映画でちっちゃい子どもの頭とばしといてよく言うよ(w
860通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:07 ID:???
>>859
ちなみにそれをやったのが湖川である(トミノの意向でなく)という事実を君に。
861通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:11 ID:???
>>860
そういうのはソース出して言え。
さもなくば煽り目的のアンチと見なす。
862通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:25 ID:???
というか「イデオンという伝説」に書いてあったような気が。
誰か手元にある人確認プリーズ。
863通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:30 ID:???
そういえばイデオンスレにそのへん引用があったような・・過去ログ探せば見つかるかもな
864通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:44 ID:???
イデオンという伝説より引用

湖川友謙
>劇場版の戦闘シーンでアーシュラの首を飛ばしたときも、ブーブーいわれたんです。
>コンテでは撃たれちゃうだけだったんですよ。
>いろんな人に言われました。「湖川さん、なんて残酷なことするんですか!」って。
>でもね、だったら、老人は殺してもよくて、赤ん坊はダメなの?命は同じでしょ?
>そういう話じゃないか、『イデオン』は。
>納得しない人もいましたけど、僕の中ではそうなんです。
865通常の名無しさんの3倍:03/04/07 17:59 ID:???
するってぇと
御大はそのつもりじゃなかったのに
絵描きが勝手に首はねちまったってことか?
866通常の名無しさんの3倍:03/04/07 18:07 ID:???
>>865
らしいよ。でも御大は「直せ」と言わなかったようだ。
867通常の名無しさんの3倍:03/04/07 18:23 ID:???
>>866
なるほどね
そうゆう絵描きが相手じゃ御大も大変だったろうな
意図しないんなら直しちまえばよかったのに
時間がなかったのかな?
868通常の名無しさんの3倍:03/04/07 18:45 ID:???
THE COMPLETE WORKS OF YOSHIYUKI TOMINO

―― 『イデオン』以降の湖川さんとのお仕事は、どういうものだったのでしょうか?

「湖川さんには失礼な言い方ですけど、サンライズ周辺で湖川さんしかいなかったから、
 湖川さんを使わざるを得なかったということに尽きますね。
 安彦君がアニメから手を引いたからです。」

「一時はサンライズから自立してでもアニメをやっていきたいと思っていたでしょうけれども、
 ご存じの通りのこともありまして、結局アニメから手を引いて漫画の世界にいってしまいました。
 もし、安彦君がアニメーターであり作画監督であれば、そのまま一緒に仕事をしたでしょう。」
869通常の名無しさんの3倍:03/04/07 19:07 ID:???
でもま、撃たれた子供の死に顔を見るのはつらいな。
あそこは、頭ごと吹っ飛ばしてくれたおかげで、
逆に表現がマイルドになっているとも言えなくもないかもしれない。




…そうか?
870通常の名無しさんの3倍:03/04/07 19:11 ID:???
富野監督にとって安彦良和さんは特別な存在なんですね。
871通常の名無しさんの3倍:03/04/07 20:10 ID:???
>>866
自分は切り張りに夢中だったから言えなかったんじゃない?
872通常の名無しさんの3倍:03/04/07 20:12 ID:???
>>864
>>だったら、老人は殺してもよくて、赤ん坊はダメなの?

妙なこと言うね、この湖川友謙って人。
生かす殺すじゃなくて、どう見せるかが論点だろうに。
きちんと総監督とコミュニケーション取れてたんだろうか。
873通常の名無しさんの3倍:03/04/07 20:16 ID:???
>>872文章の一部を抽出しすぎ。全体から意味読み取れ。
874通常の名無しさんの3倍:03/04/07 20:41 ID:???
引用が湖川さんに不利な部分ばかりな気が?

「全仕事」
『エルガイム』で湖川さんをああいう立場にしたのは僕です。
それは本当に申し訳ないことだったと思うけれど、
湖川さんそのものの画やキャラクターを評価しているからこそ、あれだけ使いもしたし、
評価しているからこそ、逆に毒の部分もわかっています。


「イデオンという伝説」
──映画を作ることになったとき、
  当初考えられていたものより描写が過激になった部分というのはありますか?

富野 ないです。

──たとえば、ソロシップのクルーたちが女も子供も、
  次々に殺されていく『発動編』のクライマックス。
  予定通り作られたとして、テレビシリーズでもあれをおやりになりましたか?

富野 おおむねやりました。僕は器用な演出家じゃないんです。ああしかできない。
   テレビコードに引っ掛かる部分というのは、それはやりませんけれども。
   他の部分で、どこまでが過激なのか、何がやっちゃいけないことかというのは、
   捉えるレベルによって違いますよね。
   だから、一般論で見たときに、何が過激なのかというのは、
   ちょっと僕には分からないです。

──キャラクターが死んでいくシーンを、非常に生々しく描かれていますよね。

富野 生々しいかなあ。
875続き:03/04/07 20:42 ID:???
──演出上、あるいはデザインコンセプトの面で、
  『イデオン』ではこうしてみようという狙いや、特に心掛けられた点はありますか?

富野 それは完全に『ガンダム』のときには安彦さん、
   『イデオン』のときには湖川さんという、二人のコミック、
   アニメマンガ絵のジャンルとしては当時、
   第一の力量を持ったアニメーターだから、
   僕としてはその人たちの絵を見せる、
   利用させてもらうということしかありませんでした。
   このお二人の仕事というのは、本当に才気あふれるもので僕にないものでしたから、
   こと絵に間しては、もう嫉妬するだけでした。
   この二人が作画監督として手を入れた絵とか、
   彼らのキャラクターデザインというものがあったから、
   ひょっとしたら作品になり得なかったものを作品にしてくれたという意味では、
   非常に感謝してます。
   けれども、やっぱり僕は感謝よりもジェラシーの方が強いですね。
   ただ、そういうお二方が一緒に仕事をやってくださったことに間しては、
   本当にうれしく思っています。


とフォローしてるよ
876通常の名無しさんの3倍:03/04/07 21:05 ID:???
今更だが、インタビューって怖いな
本音なのかリップサービスなのかサッパリわからん
877通常の名無しさんの3倍:03/04/07 21:33 ID:???
>>876
リップサービスは「イデオンという伝説」の方じゃねぇの?
「全仕事」の方が本音に近いと思うぜ。
878通常の名無しさんの3倍:03/04/08 00:38 ID:???
富野の本心なんて分かるまいて・・。
879通常の名無しさんの3倍:03/04/08 02:15 ID:???
>>865
Vってイデオンのパクリなの?
880通常の名無しさんの3倍:03/04/08 07:48 ID:???
>>879
ウッソの母ちゃんのアレか?
881通常の名無しさんの3倍:03/04/08 09:59 ID:???
>>879
パクリの意味を調べなおした方がいいですよ、あなたの今後の人生の為にも。
882通常の名無しさんの3倍:03/04/08 14:51 ID:V6OQ2rN/
でも、ガンガ・ルブを監督の納得のいくようにデザインし直したのは
湖川だよね。ロッグ・マックも湖川だし。
883通常の名無しさんの3倍:03/04/08 14:54 ID:???
なんにせよ富野が湖川と組んだのはやむを得ずの選択だったことはよく分かった。
884通常の名無しさんの3倍:03/04/08 15:05 ID:???
首チョンパよりハゲは斬る系が好きっぽい
885通常の名無しさんの3倍:03/04/08 15:14 ID:???
作監が少なかったというか、他に取られていたのもあるだろうしね。
ガンダムでも安彦氏病欠中、代理があてがわれなかった為
富野自身が作監していたくらいだし。
886通常の名無しさんの3倍:03/04/08 15:17 ID:???
「湖川さんには失礼な言い方ですけど、
 サンライズ周辺で(まともなキャラデザできる香具師が)
 湖川さんしかいなかったから、
 湖川さんを使わざるを得なかったということに尽きますね。
 安彦君がアニメから手を引いたからです。」

ってことか。
887通常の名無しさんの3倍:03/04/08 15:24 ID:???
それは塩山紀生にすごく失礼な解釈だと思うぞ
888通常の名無しさんの3倍:03/04/08 15:31 ID:???
>>887
「湖川さんには失礼な言い方ですけど、
 イデオン製作時点、サンライズ周辺で(空いているまともなキャラデザできる香具師が)
 湖川さんしかいなかったから、
 湖川さんを使わざるを得なかったということに尽きますね。
 安彦君がアニメから手を引いたからです。」
889通常の名無しさんの3倍:03/04/08 17:44 ID:???
だいたいこんな流れか?

ヤスヒコ
「ニゲラレチャッタ (´・ω・`)ショボーン」

コガワ
「ツカエナイ (゚听)イラネ」

ナギャーノ
「( ´_ゝ`) フーン」

キタヅメ
「コンナ クェス ノ オマソコ ボクハ ナメナイヨ!! ヽ(`Д´)ノ ウワーン」

オーサカ
「フィルムヲ トメルナ!(*゚Д゚)ゴルァ!! 」

イノマタ
「ヒメタン イイコタン (・∀・)イイ!! 」

アキマソ
「チキショー 5ネンゴヲ ミテロヨ- (´Д⊂)」

キヌタン・コガチャン
「コンナノ ダメカシラ〜? (;´Д`)ハァハァ 」

(゚д゚)ウマー
890通常の名無しさんの3倍:03/04/08 18:43 ID:???
いのまたキャラは目がデカくてキモイっていってなかった?
891通常の名無しさんの3倍:03/04/08 19:00 ID:???
>>889
わりと恵まれてんだけど結局逃げられてるんだよね
892通常の名無しさんの3倍:03/04/08 20:03 ID:???
イデオンまでは好きで使ってたんじゃないの?
「イデオンという伝説」の湖川インタビューのところに

── これは人伝てに聞いた話なのですが、
   富野監督は『ダイターン3』のコロスというキャラクターを気に入っていて、
   個人的な思い入れもあって、それで『イデオン』のときも湖川さんに、
   キャラクターを依頼されたとか。

とあるし、御大の方のインタビューでは

「絵ということに限っていうと、僕としては安彦キャラクターより
『イデオン』の女の子の方が好きなんです。趣味、というのとは違うんです。
本能として、女というのは、ああであるべきというふうに思っているということです。
全部が好きなんです。『イデオン』に出てくるすべての女性キャラクターが、
本当に毛穴ひとつまで好きみたいなところがあります。それがあったから、
劇場版のラストシーンにたどりついたんですんね。
あの……これはロジックではないですよ。当時、こういう説明はしていないと思います。
十何年たった今だからいえることであって、その上で、趣味でいえば、
安彦キャラの女の子は好きですねぇ」

ともいってるし
リップサービスだっていわれたらそれまでだが


>>890
嫌いなタイプのキャラだっていってるね
893通常の名無しさんの3倍:03/04/08 22:04 ID:???
つうかエルガイムでの永野起用は
 
・イデオン>ザブングル(これは先に決まっていた)>ダンバインの3連続での作監起用
 でいくらなんでも4連続も起用できない(枠内でも2連続だし
・新人の育成もしないと将来的に不安
・御大的にもっとキャラ受けする画が欲しかった(湖川キャラでは一般受けは難しい

このへんが一番の理由かと(「全仕事」を読んで
894通常の名無しさんの3倍:03/04/08 22:08 ID:???
>>893
湖川信者必死だね。
895通常の名無しさんの3倍:03/04/08 23:12 ID:???
>>893
3項目目については、目論み大外れって感じではなかったんだろうか?
当時のアニメファンの、永野のキャラ設定を見てマンセーしている意見
は少なかったように記憶している。
当時の永野は、今以上にクセが強かったしね(見なれたせいでそう感じ
るのかも知れないけど)。
896通常の名無しさんの3倍:03/04/08 23:17 ID:???
>>895
アンチ永野も多かったけど、人気もあったよ。
レッシイか誰かがアニメ誌の人気キャラ1位になってたと思う。
897通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:07 ID:fo+gFfts
いのまたは、嫌いなタイプたけど、長所は何とか取り込もうとしていたみたいだよ。
それが、あのOPだとか。肉体としてキャラを捕らえて好きに為ろうとしたんだと。
結局、うまくいかなかったようだが・・・・。
898通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:12 ID:???
湖川って使えんのか・・・
骨格まで見えるデザインとか言われてたから、てっきり凄い人だと思ってたのに
899通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:16 ID:???
ガンダムエースのインタビューでも
キンゲのラスト辺りのテンションから考えたらもう少しキャラデザインを
マンガ的な親しみやすい形に注文すれば良かったと反省してたな。
900通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:20 ID:???
>>898
ぜんぜん凄くないよ。
そのむかしアニオタ雑誌に洗脳されちゃった年寄りが「凄い!」って信じ込んでるだけ。
901通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:24 ID:???
>>899
なんかトリトンの頃から”親しみやすいキャラ”をずーっと意識してるんだな。御大は
それも作劇、作画の両面で完璧なやつを。

そこまで極めようとしなくてもいいと思うんだけどねぇ。
902通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:26 ID:???
>>898
デッサンがしっかりしてて、骨格レベルで人物を描き分けできる人だからなあ。
ただ今のアニメ界の潮流とは正反対のタイプなんで、その意味では使い辛い
ってのはあるのかも。
903通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:31 ID:???
湖川のアニメーション作画法って本読んだけど、あのデッサン方法でもデフォルメすれば充分一般受けするのにって思ったよ
要するにそれがヘタクソなんだな もったいない
904通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:32 ID:???
>>902
湖川友謙よりむしろ梅津泰臣あたりを最初から使えばよかったのになぁ
ZのOP作画とか見るたびに今でもそう思えて惜しいよ…
905通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:34 ID:???
凄い、凄くないってなんじゃい
906通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:35 ID:???
>>904
まだダンバインくらいまでは下積み時代だよ>梅津
907通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:38 ID:???
>>905
898,900は粘着アンチの自作自演な。
わざわざ898でageてまで違う話題振ってきてるんだから。

2、3日前からずっとだな。
908通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:41 ID:???
もう少し梅津さんが出てくるのが早ければね。
909904:03/04/09 00:55 ID:???
>>906

じゃあエルガイムで抜擢したとき
永野は下積み時代を過ぎてたってこと?
ひょっとして別の名前で何か仕事してたんだろうか。
910通常の名無しさんの3倍:03/04/09 00:58 ID:???
つ〜か湖川嫌いな香具師ってなんか恨みでもあんのか?
富野ならともかくとしてメディアへの露出度はそんなに高いわけじゃないんだろ?
湖川の世代の人間ではないのでイマイチ、アンチ湖川の人の
考えがわからん。煽りたいだけですか?
911通常の名無しさんの3倍:03/04/09 01:05 ID:???
>>909
ゴーグやバイファムでメカデザインをやっていました。

イデオンの頃は劇場版の盛り上げで”明るいイデオン”のスタッフをやってたかな?
912通常の名無しさんの3倍:03/04/09 01:05 ID:???
つ〜か何で黙ってスルーできないのかわからん。
913通常の名無しさんの3倍:03/04/09 01:08 ID:???
>>909
永野は殆ど下積みなんてしてないよ。
エルガイムの前はゴーグとバイファムにほんのちょっと参加しただけ。
914909=904:03/04/09 01:12 ID:???
>>911

早っ! どもサンクスコ!! そうだったのかー。
富野御大って永野を高く評価(特にメカ)してるみたいだけど
できればああいうデザインの方向性でいきたいのかな?
915こまのろY:03/04/09 01:40 ID:???
永野氏の本がなぜ売れるのかわからない。
916通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:09 ID:???
湖川関連の話は他の所でやってください。

湖川友謙を語ろう
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1014277657/
創価・公明@2ch掲示板
http://society.2ch.net/koumei/
917通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:13 ID:???
このスレは読んどきたいけど、途中で面倒になる
あめ玉みたいなスレだな。
918通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:18 ID:???
永野護ってデッサン狂ってねえ?
919通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:20 ID:???
デッサン厨キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
920通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:24 ID:???
最近はかなりまともだと思うけどね。って何十年もやってるんだから(w

でもやはりデザイナー的要素のほうに特化してる人だと思う。
921909=904:03/04/09 02:44 ID:???
>>913

サンクス!! 
要するに富野御大は実績より才能で永野を選んだってことなのか。
922通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:51 ID:???
ついでに言うと、梅津たんの場合はアニメーターから来てるので
原画や動画がこなせて作画監督が任せられるくらいにならないといけないので
下積みが永野より長のも当然といえば当然。
923909=904:03/04/09 02:57 ID:???
>>922

ナルホド!
激しくナットクしますた。いろいろアリガd。
次に富野御大が誰を選ぶのか楽しみだなー。
924通常の名無しさんの3倍:03/04/09 02:58 ID:???
>>921
エルガイムやる前はほぼ実績ゼロといっていいくらいだよ。
ゴーグとバイファムでちょこっとヘリとかのデザインしただけ。
ただデザイン案をいろいろ出してたらしく、そのどれかが御大の目に止まったらしい。
エルガイムの初期デザインはバンダイも絶賛したらしいし。
でもZの時にはバンダイは急に永野を評価しなくなって行って、だんだん険悪になっていくわけだ。

永野スレはここ。
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1049088418/l50
925909=904:03/04/09 03:13 ID:???
>>924

おぉ、そういう経過があったとは。
スレまで紹介してくれてアリガd。
それにしても富野御大の選ぶ人ってバラエティ豊かだよね。
あきまんとかシド・ミードにはびっくりしますた。
926通常の名無しさんの3倍:03/04/09 03:30 ID:???
確かに良く見れば中山隊長に似てない気がしないでもないな。
927ブレンパワード DVD-BOX:03/04/09 06:13 ID:???
「オーガニックな物語を」

シリーズ物の作り方を本当に思い出すための仕事をしたというのが、記憶を掘り起こして
いったときの『ブレンパワード』である。

こんな思いを書いてしまうと、このDVDを買ってくれた方に申し訳ないと感じるが、ガン
ダム・シリーズを見てきた者にとっては、そんな思いでやった仕事が悪いことだはと思え
ない。

馴れで作ったものには、作品としての新発見がなく、スタッフの慣性や怠慢まで生んでし
まい、さらには、そのスタッフの生活そのものまでも怠惰なものにしてしまうのだから、
暗中模索の中「なんだろうかなー」という感覚があるほうが、創作する上では大切な感覚
だと実感もする。だから、それほど酷い仕事をしたと思わなくていいと思っている。

しかし、十分な反省もあって、本当の意味での『ブレン的』なものが抽出できたのかとい
えば、それこそ馴れていなかったたために、正確にその追求ができず、表現し切れなかっ
たことで、この課題は何とかしたいという思いにとりつかれている。

それはオーガニック的なものから始まって存在は強靱である、と言うテーマであり、オー
ガニック的なものが永遠性を獲得できるのではないか、と言うテーマでもある。

そのテーマを『なんか嬉しい』という感覚を喚起するようなドラマを描いてみたいという
野心である。

サイコ的、DNA的な世界と隣接した物語は、現在という時間軸のなかでは、あまりにも現
実的に疾病を喚起し、それこそ現実認識の物語ではないかという嫌悪感があるので、健や
かに楽しく、それでいて切れ味のある『ブレン的な物語』を、本格的な意味でいうファン
タジィという形で活写したいと画策しはじめている。
928通常の名無しさんの3倍:03/04/09 07:54 ID:???
オーガニックって何?
929通常の名無しさんの3倍:03/04/09 09:10 ID:???
辞書引いた上でブレン本編を見なさい。
930通常の名無しさんの3倍:03/04/09 09:18 ID:???
有機的って意味。
931通常の名無しさんの3倍:03/04/09 11:27 ID:???
大河原風=オーガニック
932通常の名無しさんの3倍:03/04/09 11:45 ID:???
>>931
ちょっと笑った。

ともかく富野発言で使われる「オーガニック」には富野独自の解釈が入る。
生きてるって感触みたいな物として考えると吉。
933通常の名無しさんの3倍:03/04/09 13:18 ID:???
最近出たキンゲの本の広井王子とかとの話の内容どうだったのかな。
934通常の名無しさんの3倍:03/04/09 13:33 ID:???
935通常の名無しさんの3倍:03/04/09 21:26 ID:???
F91のLDのインタビューって既出だっけ?
936通常の名無しさんの3倍:03/04/10 02:05 ID:???
アニメージュの富野発言はないの?
937935:03/04/10 02:12 ID:???
スレをざっと見たけど無さそうなので貼りますね
938935:03/04/10 02:14 ID:???
F91LDインナーより

──まず監督ご自身、今回のF91を、どう評価されますか。

評価と言われても、一概にどうこう言える物ではないです。
純粋に作品としての評価もありますが、、商業作品としての評価もありますが、
商業作品である以上、まず最初にビジネス・ベースでの評価がありますしね。

しかし当初考えていた目論見の一部、新しいガンダムの流れを作るという点においては、
ある程度の成功は収められたと思います。物語の背景の奥行き。
キャラクターの配置。今後の展開の可能性など。
特に設定の広がりは、とうてい劇場用作品1本で収まる物ではありませんから。

もっとも逆に物語を広げすぎたために、消化不良になったという感も拭えません。
その指摘をご覧になった方から受けたら、これは素直に謝るしかないかなと(笑)。

ですから、今後も商売として成立しうる作品を作った……というビジネス面においては成功。
しかし作品単体として見た場合においては、
反省点が数多くある、という言い方になります。

──では、近いうちにF92なりF93なりという形で、続編がありうると。

このインタビューを受けている段階では、何とも言えない、としか言えません。
もっとも、発売後何年化してこのソフトを購入された方なら、
その解答が分かると思います。
939935:03/04/10 02:15 ID:???
──話題を変えます。今回、エンディングでのラストカットに見られるように、
鉄仮面が主人公以上に重要なキャラクターとして扱われているように感じましたが。

今まで数多くの作品で、キャラクターに様々なセリフを喋らせましたが、
やはり記号の上に成り立つ“絵で描かれた”人物である以上、
言えるセリフには限界があるんです。

いかに生々しい、人間の本音の言葉を語らせても、
絵からそれが放たれた瞬間、途端に絵空事になってしまう。
もちろん、本当に絵なんだから仕方ないだろうと言われればそれまでですが。

ところが今回の鉄仮面は、言わば仮面自体が喋るという、無機質な存在なのです。
アニメのキャラクターの記号論から、はずれた存在とも言えるでしょう。

だからこそ逆に、生々しい言葉を言わせても、何の違和感もなかった。
へんに目鼻がついていない分、セリフがアニメ絵にかき消される事がなかった。
仮にジレなり、マイッツァーなりが鉄仮面のセリフを言えば、
あまりにも現実臭が強すぎて、とても滑稽に聞こえるか、臭くなったでしょう。

素直に言いたいことをそのまま、フィルターを通さずに言えるキャラクター。
それが鉄仮面なんです。だから他のキャラクターはアニメ向きアレンジされていますが、
鉄仮面のセリフには、ぼくの思っていることがそのまま入っています。

それともう一つ。鉄仮面自体、見た目のインパクトが大きいので、
F91と並べるキャラクターとして、エンディングや、
広告などにも出演してもらっています。

940935:03/04/10 02:16 ID:???
──物語のもう一つの主役であるモビルスーツ。
今回も、様々な意表を突く新兵器が登場しますが、その発想は、どこから来る物ですか。

正直、前から何度も言っていますが、ぼくはロボット物が好きではないんです(笑)。
ロボット物を作らせたら、ぼくより遥かにうまい人は大勢いるでしょう。

ただ、様々な周囲の状況やその他もろもろ併せて、
やはりロボット物を作り続けなければならない。
それならばプロとして、他ではやられていないことをやってやれ、
という意識がまずあります。

それにキライな物だからこそ、素直に頭の中に浮かんでこない。
だからこそ、常に一生懸命アイディアを模索しています。

仮にもし、今回の作品のなかで面白いアイディアがあるな、と思っていただけたのなら、
それはロボット以外の所から、アイディアを引っ張って来ているからでしょう。

何度も繰り返すようですが、ぼく自身ロボット物は好きでなく、
仕事でない限り他の人の作った作品は見ません。それはミリタリー物にしてもそうです。
もしこれがロボット物やミリタリー物が好きで、
そこからアイディアを引っ張ってくるのなら、
どうしても既存のワクからはずれた物は生まれてこないでしょう。
同じフィールド内でしか、物事を考えられなくなるからです。

SFの知識、科学知識にしてもそうだと思います。
もっと言えば、ドラマ作劇論にしても。
941935:03/04/10 02:17 ID:???
──別の所から何かを持ち出して来る、懐の深さが必要と言うことでしょうか。

簡単に言えばそうです。
例えば、世の中で大科学者と称される人の多くは、
面白いことに、楽器の趣味があるんです。
ぼくなんかは、正直それがすごくうらやましいんですが。音楽ベタなので(笑)。

それに歴史に名を残した小説家にしても、医者であったり、学者であったり、
すでに別の分野のプロでいて、なおかつその上で小説を書いていたんです。

人としての幅の広さとでも言いましょうか。
別の視点から社会を眺め、それを踏まえた作品を世に送り出しています。
その姿勢は、アニメーションでも必要と痛感しているから、とても意識します。

ぼくは最近、中世ヨーロッパの歴史に凝っているのですが、
今回のF91でも、表だって目につかない所で、その知識が役立っています。
それは軍政の仕組みについてだったり、
軍隊に必要な馬の徴用だったり━━モビルスーツに相当するわけです━━、
城下町の構造だったりするわけです。

もちろん、画面を見て明確にそれだとは、決して判りません。
ただそういう姿勢こそが、作品を作る上で必要だと感じます。
942935:03/04/10 02:18 ID:???
──それは、現在の若手スタッフに対しても言えることですか。

もちろんそうです。
それに、この業界に参加したいと考えている人達にも、同じことが言えます。
もし学生だったら、アニメはその仕事に就けばいやというほど見れるのだから、
とにかく、一般教養を身につけ、スポーツでも恋愛でもなんでもいい、
学生時代にしか出来ないことをやって欲しいですね。

こう言うと、ありがちなお説教のようになってしまいますが、
アニメーションというメディアはそうそうなくなりはしないので、
安心して、その分知識を広げてほしいのです。
知識と言うより、人間の幅を広げるべきです。

そうでないと、最初はそれまで見た作品の焼き直しやアレンジで仕事ができても、
いつかそれが枯渇し、いずれどうにもならなくなる時が来るはずです。
そうならないためにも、という事です。
943935:03/04/10 02:19 ID:???
──では監督ご自身、これからどのような作品を作っていきたいと考えておられますか。

……端的に言うならば、趣味のいい作品を作っていきたいですね。
趣味が良く、えげつなく、なおかつ面白い。
えげつないという意味の捉え方が微妙な所ですが。

別の点で話をすると、ぼくは、自分の過去の作品を、
出来うる限り忘れようと努力しています。
そうでないと同じ人間である以上、必ず感覚が似通ってきてしまいますから。

例えば、作品を作る前の心の決め方、視点の置き方一つで、
構図一つとっても変わってくるはずです。
万人向けの作品なのか、マニア向けの作品なのか、
エッチな作品なのかとかありますよね。

ただしそれを忘れ、慣れで作ってしまうと、
違う主旨の作品なのに、前作と同じになってしまう。
だからこそ、無理強いしてでも過去の作品は忘れないといけない。

そういうスタンスでこれまで仕事をしてきたし、
これからもそうしていきたいと思います。
944935:03/04/10 02:20 ID:???
──では締めくくりの言葉として、このソフトを購入された方になにかありましたら。

繰り返し言います。
もしあなたが、アニメーションの職場につきたいと思うのなら、
まず良い感性を磨くことが大切です。

ですから今は、直ちにこのソフトを封印し、
別の何かを数多く見て、数多くのことを感じて下さい。

そして数年後、この作品を思いだしたように見て、
それでもなお、面白いと言っていただけたなら、
仕事をする者として、これに勝る喜びはありません。

そしてあなた方がこの業界に来て、ガンダムを継ぐ新しい何かを形にするまでは、
ぼくも現役でがんばり、この業界を支えていきたいと考えます。

また、この作品を見て、初めてガンダムという作品に触れた方。
少しでも面白いなと感じて下さった方。
そういう方は、中古ソフト屋なり何なりを探して、
手前みそな話で恐縮ですが、ぜひ最初のガンダムを見てください。
945935:03/04/10 02:20 ID:???
最初のガンダムに参加した、単なる一スタッフ、
単なる一演出家として言っているのです。
あの作品は、個人の著作物などという範疇を越えた所にあると思っています。

最初のガンダムには、作劇上の慣れや妥協は一切なかったし、
それでいて、ロボットアニメというジャンルが完全に確立されて間もない頃の、
勢いが内包されています。
また単なるアニメーションの一作品であることを越えた、何かがあります。
『アルプスの少女ハイジ』や『未来少年コナン』などのように、
その時代そのものに認められる力を持った、何かを秘めていると思います。

事実ぼく自身、当時のファンに意外な所で出会い、
現在の自分を支える糧にもなっています。

制作時から10年以上たち、ようやくそのムーブメントの大きさを、
ぼく自身が実感しているわけで、当事者も気付いていない力があるのではないか、
と想像するからです。

            (1991年10月7日、上井草・サンライズスタジオにて収録)
946通常の名無しさんの3倍:03/04/10 02:48 ID:???
>>937-945
乙彼様。ヨーロッパ中世云々の所が目にとまりますた。確かにF91とVにはそういうテイストが
結構入っている気がするね。
947通常の名無しさんの3倍:03/04/10 09:16 ID:???
小説版でしか分からないけど、自作グライダー大会や学園祭や
セシリーと話すチャンスを作るのに頑張ったりする高校生の
シーブックは>>942で言う「学生時代にしか出来ないこと」を
やってる奴の一例なんだろうな。
948通常の名無しさんの3倍:03/04/10 19:07 ID:???
アニメージュのインタビューとこの間のガンダムAのインタビューを比較してみると面白い。

キンゲ17話(富野的ベストバウトの一つ)がサンライズスタッフ内でメチャ評判が良かったらしく、
どうもサンライズのスタッフは定型的なロボアニメ作りに飽きてるんじゃねえかという感触を感じたそうだ。
949通常の名無しさんの3倍:03/04/10 22:37 ID:???
    ____
    /∵∴∵∴\
  /∵ ≡==、 ,≡|
 /∵∴ |‐==・ナ=|==・|
 |∵∵/`ー ,(__づ、。|
 | ∵ / 三´ : : : :三ノ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | ∵ |    _;==、; | < チンとして猥雑に、アン!
 \ |     ̄ ̄`ソ    \________
    |   `ー--‐i'´
   ( ____⌒ヽ   
  彡,)ノ       `J  
950通常の名無しさんの3倍:03/04/11 13:33 ID:???
第17話 あらすじ
 難民受け入れで、深刻な食糧不足に陥るヤーパンの天井。そ
んな折、カシマルの新オーバーマン=プラネッタの「心の声を
聞かせる」オーバースキルがヤーパンの天井に向け発せられ
た。人々の本音が解放されたヤーパンの天井では、ヤーパンと
ガンガランのピープル間で抗争が。プラネッタ退治に出撃する
ゲインとゲイナーだったが、心の声を聞かれ、全ての攻撃は先
読みされる。こうなればゲイナーのサラを想う気持ちで勝利を
呼ぶしかない。
951通常の名無しさんの3倍:03/04/11 21:55 ID:???
ageもいいけど、そろそろ新スレもよろしくね。
952通常の名無しさんの3倍:03/04/12 19:06 ID:???
保守
953通常の名無しさんの3倍:03/04/13 03:29 ID:???
『唐沢俊一のB級裏モノ探偵団』
 あえて「ガンダム嫌い」の汚名を着て

(前略)1981年。
オタク世代が真剣にアニメとその未来の形について討論を行なった、まず再初期のもので
あると思う。そして、その輪が広がり、最終的に富野善幸、手塚治虫という大物までがコ
メントを付けた、ということでも、オタク史に残るものであろう。

名のみ有名なの論争の経過を、論争の張本人である筆者自身から、ちょっと詳細にドキュ
メントしてみたい。

(中略)

●地雷を踏んだ投稿

ただ、やはり若いということは仕方がない。ここから、私の筆は大きく横すべりをする。
そして、この論争がいつ果てるともないエンドレスに広がっていく原因を作ってしまうの
だ。それは、当時、『宇宙戦艦ヤマト』に代わる、新たなアニメ世代の神話としてオタク
たちに担がれかけていた、ある作品に対する批判であった。

「今度映画化されるという、あの『機動戦士ガンダム』、あれくらい日本のSFファンの
気質を嫌らしく具象化した作品を僕は知りません。日本人の深刻癖はどうしても『ス
ター・ウォーズ』程無邪気には騒げないんだよね。

954通常の名無しさんの3倍:03/04/13 03:30 ID:???
(中略)
ストーリーはハインラインの『宇宙の戦士』のエピゴーネン、お定まりの美形キャラ、ハ
デハデしいメカの行列、SF用語の羅列、反吐をつきそうなキザったらしいセリフ。小説
版(これがところによってはフォーサイスの新作より売れている)にはベッドシーンまで
出てくるという、ミーハー向けサービスたっぷりの道具立て。これだけなら陳腐というだ
けで別に取り立てて騒ぐ程のものでもありませんが、それを“戦争とは? 人類とは?”
といったいかにもそれらしそうなテーマで飾って高級そうに見せかけているのが中・高生
のSFファンたちにああまで奉られている所以です(それとて、戦争拒否みたいなポーズ
をとっている一方で、戦闘メカのかっこよさを誇示しているんだから衣の下から鎧が透け
て見えます)。
いったい、こういったテーマを番組に持たせることにどれ程の意味があるのでしょうか。
ましてやこれはそれこそ子供向けのアニメーション、マンガ映画です。年少の視聴者には
さっぱりわからないでしょうし、いくらかストーリーを理解出来る年齢の子どもたちに
は、誤った観念を植えつけてしまう可能性すらあるでしょう(いうまでもなく戦争などと
いうものはたんに良い、悪いなどという一面的な定義づけでとらえられる小さな問題では
ありません)。こういった作品にファンが集まることが日本のSFファンの思想好き、
テーマ好き、深刻好みの性癖を如実に表しています。そしてその現況とでもいうものがゴ
ジラであるとするならば、桜井さん、僕がいいたいこともわかっていただけますまいか」


……さあ、ここで地雷を踏んだ。ナンとあの『機動戦士ガンダム』をけなしたのだ。

考えてみると、この当時の私は『ゴジラ』と『ガンダム』をケチョンケチョンに言ってい
るのである。よくまあ18年後のコンニチ、すました顔で“オタク界の大物”なんぞと言
われて鎮座していられるものだ。しかし、当時の私が、このガンダムにどうしようもない
嫌悪感と、“これは僕が好きだったSFアニメとは違う”という違和感を持っていたこと
は事実なのである。
955通常の名無しさんの3倍:03/04/13 03:30 ID:???
(中略)

●口を開かされた大御所たち

この時期、アニメ同人誌などでこの論争を取り上げていたものもいくつかあったし、某ア
ニメ雑誌では、「アニメ論争を見る」という特集を設けて、各アニメ雑誌の投稿欄におけ
る代表的論争を取り上げて論じていた。

唯一“非アニメ”誌でインタビューされていたのが『ぴあ』で、インタビュアーが「『ぴ
あ』の論争は他のアニメ誌より文章の質が高いと思います」と言ってくれていたのはうれ
しかった。 ただし、当時の編集長の増淵氏が、

「あれは唐沢という人が最初にゴジラとガンダムの比較論を投書してきて、“ゴジラはい
いがガンダムはダメ”ということになっちゃって」

と、すごくいい加減な要約をしていたのがイヤハヤであった。増淵氏は、本当にこのオタ
ク論争の限りもない連続に嫌気がさしていたらしい。

「論争があると、投書の数は増えるが、一般の読者のお便りを載せるスペースがなくなり
ますからね」

と、暗にそろそろ打ち止めにしたい、という意見を漏らしていた。この時の増淵氏に限ら
ず、だいたい、『ぴあ』誌の編集長には優柔不断な人物が就任するように思う。

このインタビューに刺激されたのかどうか、それからすぐ、『ぴあ』誌は8月28日号(8
月14日発売)、9月11日号(8月28日発売)の二号連続で、見開きページを取り、“特
集「YOUとPIA」”と題して、今回の論争を総括する、というコーナーを組んだ。どうい
う特集かというと、プロのアニメ関係者に話を聞いて、『ガンダムは是か非か』という回
答をあおぐ、というものである。
956通常の名無しさんの3倍:03/04/13 03:31 ID:???
私は、この『ぴあ』の措置に、いくぶんの冷笑を浴びせていた。そんな、ハッキリと回答
できるアニメ関係者がいれば、もともと論争などというものは起きていないはずである。
ことは“日本において、本当に優れたアニメとは何であるのか”という本質論なのだ。

そこにまた登場するのが、パート1では「アニメーション80」代表世話人小出正志、「ぐ
るーぷえびせん」代表片山雅博といった、いわば実験アニメ製作の面々である。彼らにし
ろ、ガンダムをどう思いますかと訊かれるのは迷惑な話だったろう。片山雅博はいまだに
この件を持ち出しては私をからかうし、アニドウ代表のなみきたかしは、『ぴあ』からの
電話に唐沢という名前が出たとたんに、

「ああ、あの男はうるさいですから相手にしないほうがいいです」

と電話を切ったという。

続くパート2はいささかまともで、とうのガンダムの作者富野善幸氏(当時の表記)をは
じめ、手塚治虫、松本零士、大塚康生、森康二、といった商業アニメの大御所たちが、今
回の論争に関して意見を述べていた。

この5人の意見が、まことにそれぞれの性格を表していて面白い。まず、大塚・森のお二
人は、今のテレビアニメは面白くない、と口を揃え、

「ケバケバしいリアリティのないロボットはやりたくない」(大塚)
「ガンダムには悪いけど、血が通っているのかどうかわからない」(森)

と私の意志に賛同してくれている。正反対が手塚・松本のお二人。松本氏は、

「言っていることはわかるけど、アニメを作るのは本当に大変なんだ。文句言うなら自分
で作ってからにして欲しい」
957通常の名無しさんの3倍:03/04/13 03:32 ID:???
という意見で(まぁ、大学生に言うのも大人げないと思うが)、手塚氏に至っては、

「見る側にあれこれ要求はしたくないが、マニアというのはどうしてあんなに圧力をかけ
たがるのか。こういう場を借りて、自分の意見を押し付けようとしている」

と、ファンの側を批判するような発言をしている(僕は「神様」などと呼ばれている人物
の、あまりに非論理的なこの発言に仰天するあまり、もっと激語で非難されたと思い込ん
でいたが、今回十数年ぶりに読み返すと、それなりに手塚さんも当時のアニメ界の状況に困惑した感想を抱いていたことがわかる。要は、この“状況”を作った元の人物として
「あなたの言うこともわかるが……」という苦衷の発言だったのだろう)。

そして、一番老獪だったのは、やはり当事者の富野氏だった。彼は、

「極端な意見というのは、他人の意見として聞く場合には決して悪いことじゃないと思い
ます。わかりいいからです。私見なんていうのは、独断と偏見という風なまやかしの言葉
で飾るんじゃなくて、当然持ってしかるべきなんじゃないかと。むしろ、状況論は半分以
上は事実でこれは中庸なことなんである、っていう示し方をすることの方がよほど危険だ
と思う」

と、こちらの本当に言いたいことを先取りしてしまっている。このとき、心のどこかで
「待てよ」と踏みとどまらねば、私は大学卒業後、富野氏の門を叩いたかもしれない。
958通常の名無しさんの3倍:03/04/13 03:58 ID:???
>>953-957
深夜なのに乙カレっす。
やっぱりトミーノの言ってることは一番難しいっすね。
それに比べて松本零士さんは……。
とにかく、昔は色々と熱かったんすねぇ。
959通常の名無しさんの3倍:03/04/13 04:11 ID:DayBIOQz
唐沢俊一ってオタクの大物だったのか・・・。それにしても手塚の意見を好意的に取りすぎ
だ。文字通りの意味だろうに。
960通常の名無しさんの3倍:03/04/13 04:20 ID:???
富野は半分むかつきつつも、半分言ってくれてスッキリしたって感じだな。
961通常の名無しさんの3倍:03/04/13 04:27 ID:???
大塚康生、森康二って誰?
962通常の名無しさんの3倍:03/04/13 04:31 ID:???
アニメーターだよ。宮崎駿の先輩格。
963通常の名無しさんの3倍:03/04/13 06:33 ID:???
>ガンダムには悪いけど、血が通っているのかどうかわからない
なんかエヴァが出てきたときの否定的な意見と同じような内容だな(w
まぁ確かに唐沢が指摘してるようなロボット物としての「媚び」の部分は
今でも業界に悪い意味で引きずられているとは思うけど。
964通常の名無しさんの3倍:03/04/13 07:24 ID:???
いまは2ちゃんで気が済むから後で恥かかないで済むな
965通常の名無しさんの3倍:03/04/13 07:40 ID:???
一番年下の富野が一番大人の発言・・
966通常の名無しさんの3倍:03/04/13 13:42 ID:???
この唐沢の話は確かSFマガジンで読んだが、
表向き大人な発言をした御大は家に帰って
「唐沢なんて大嫌い、しん(r」
と叫んだに違いないと思ったよ。
967通常の名無しさんの3倍:03/04/13 14:11 ID:???
こいつのいいたいことって、ハリウッド製の映画はけしからん、優れたハリウッド映画など
無い、ともぎりのねーちゃんが愚痴るのと同レベルじゃん。つまらん。
968通常の名無しさんの3倍:03/04/13 16:21 ID:???
この男ってよーするに今度のガンダムは俺の求めてたものと違うふざけんな
と置き換えればいいだけだね

トミノはやっぱり攻められるのが好きだね(w
969通常の名無しさんの3倍:03/04/13 17:32 ID:???
>>948
まだ買えますか?
970通常の名無しさんの3倍:03/04/14 23:19 ID:???
次スレどうする?
971通常の名無しさんの3倍:03/04/15 12:24 ID:???
ageてみるか
972通常の名無しさんの3倍:03/04/15 14:05 ID:???
富野監督と永野護の対談、
ttp://members.tripod.co.jp/wijayu/tomino_nagano.txt
これって「FSSイシュー」の方だね。
「FSSアウトライン」の方が完全版で、2ページくらい多いんだけど、そっちは誰かうpしてないのかな?
973通常の名無しさんの3倍:03/04/15 14:32 ID:???
富野 なるほどね、はいはい。
974通常の名無しさんの3倍:03/04/15 14:51 ID:???
>>973
そこはFSSイシューにも収録されてる。
975通常の名無しさんの3倍:03/04/15 20:12 ID:???
>>972
うpしてもいいけど、足りるかな・・・
次スレ用意してくれると助かるのだが
976通常の名無しさんの3倍:03/04/15 21:07 ID:???
次スレ立てました。宜しくです。

http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1050408195/l50
977通常の名無しさんの3倍:03/04/15 22:34 ID:???
富野 できるけど、そういうことをよく平気で言えるなあ(笑)。

ご自分の影響なのでは……

永野は「なんでまたこんな熱いんだろう?」と暑苦しくは感じるけど、
不愉快ではないな。富野には明らかに受け流されてるのに。
978通常の名無しさんの3倍:03/04/15 22:38 ID:???
富野 なるほどね、はいはい。
979975:03/04/15 23:13 ID:???
新スレに貼ったよ
980通常の名無しさんの3倍:03/04/15 23:17 ID:???
>>979
おつかれさまです
981通常の名無しさんの3倍:03/04/16 02:09 ID:???
さてと、こっちはポツポツと小物で埋めますか
982哀戦士編パンフ:03/04/16 02:10 ID:???
哀戦士たち……

 私は、映画版の「機動戦士ガンダム」を、アムロ
の乳離れの物語と規定してみました。その第二部。
そんなアムロが、敵対する社会をのぞいていった
が、果たしてどうなるのか? そこは戦場です。ア
ムロは否応なく生と死の境目で戦い、生き残ってゆ
く。それは僥倖(ぎょうこう)によって得た“生”
にすぎないでしょう。それにもかかわらず、それを
単なる僥倖にするも、しないも、彼アムロの自意識
にかかっています。
 運かもしれません。たまたま、ニュータイプとし
ての能力がそなわっていたから生きのびてこられた
のであって、アムロの生は、選ばれた者の特権なの
かもしれません。しかし、人の生きざまは、時々の
運と、持ち得る秀れた才能しだいなのでしょうか?
 外界の刺激に対していかに反応し、いかに己を示
すのか、という覚悟の所産によって、その“生”へ
の道は拓かれるのではないでしょうか?
 でなければ、生き残れるはずがない。
 強運を生かすこともできないでしょう。
 戦場では、好むと好まざるとにかかわらず、戦士
たることを強要されます。日常生活以上に死と隣り
合わせの渦中に放り込まれるのです。それはアムロ
のみならず、あらゆる兵士にとっても同じことなの
です。
983哀戦士編パンフ:03/04/16 02:11 ID:???
 そこで人々は、ただひたすら生きのびようとして
全力を尽し、自分ひとりは生き残りたいと願いま
す。にもかかわらず、時には死を選ぼうとするの
は、そこに彼ら、彼女らが生命にかけて守ろうとす
る“何らかのもの”があるからでしょう。
 それは誰しも人類への期待でもありましょう。ひ
とりの愛する人のためなのかもしれません。
 それら、ひとりふたりの欲求を、いつしか己の内
なる力へと敷衍(ふえん)しうる力を持つものがい
るとするならば、私はそれをアムロとしたい。口惜
しさと哀しみの中で死んでいかざるを得なかった幾
百幾千の戦士たち。彼らの怨念と希望(夢)とを呑
みこみ、この現実を突破し得る力をアムロに持たせ
たい。
 そんなスタッフの願いをかけたアムロ。せめて、
外界の洞察に満ちた人なりへ成長して欲しい。彼こ
そ、現在の我々自身なのですから……。
次への飛翔を期して。
984通常の名無しさんの3倍:03/04/16 17:03 ID:???
>>982-983
そのアムロがZじゃ半ヒッキー状態になって登場ってのが切ないですな。
当時〜その後のガンダム状況を思いっきり端的に表しちゃってる。
985CD「Reverberation in GUNDAM」:03/04/17 01:39 ID:???
井上大輔 IN GUNDAM RECONSTRUCTION
                  井上大輔

 20周年記念のアルバムだからと云って、思い出
に耽りながらの単なるリメイクアルバムを作るつも
りは初めから無かった。
 このアルバムで僕は、かつて、僕等がファースト
ガンダムに抱いたイメージを、プログレッブ・ロッ
クで再構築してみたかった。
 だから、このアルバムの主人公は、アムロではな
くあえてシャアにしたし、セイラもマチルダも僕等
が20年前にイメージしたキャラクターとは少し違う。
 あえて、別の方向から、彼達、彼女達をとらえて
音にした事で、全く新しいガンダムの世界が作れた
と思うし、書き下した曲達にはさまれて「哀戦士」
も「めぐりあい」も、新しいイメージで聞こえるは
ずだ。
 プログレッシブガンダムの世界を体験して下さい。
986CD「Reverberation in GUNDAM」
井上大輔 IN GUNDAM RECONSTRUCTION
                 富野由悠季

 あの彼女たち、あの彼らが飛んだのだ。
ニュータイプという神に見まがう存在が、
身近にあると信じて…。
 そのようなものを信じなければ、切なかったのだ
ろう、辛かったのだろう、やり切れなかったのかも
しれない。
 青臭いと揶揄されながらも、わかっていてもやっ
てしまったぼくらは、あいつらのなかに生き様のひ
とつを求めたのだ。
 それらの物語りのひとつひとつが、記憶のなかに
滞留して、粒立ち、はじけた時、今日という時間の
なかで新しい歌になった。
 それらは過去をなつかしむ以上に、あすも生きて
いいと思えるドラマに育ってくれた。