【勝手に】仮面ライダー龍騎R・D・C【補完2’】

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8名無しより愛をこめて

今から紹介する作品は、初代スレから連載中の「Evergreen」です。


ライダーバトルの終焉から一年後。
再び仕組まれたライダーバトルを前に
平穏な日々を過ごしていたはずのライダー達の運命は…。
9Evergreen (1):04/07/25 21:07 ID:f1Z3e3Wq
何故だろう。
きれいに飾り付けられたクリスマスツリーを見ると、
急に切なくなるのは。

金色のイルミネーションに浮びあがる夕方の街でも
ひときわ目立つ、色とりどりの星やボールを
いっぱいにつけた巨大なモミの木。
その前を足早に通りすぎながら、目のあたりを
ジャケットの袖でぐいとこすった。

まったくどうかしてるよな。
ツリーや飾りを見ると、ひとりでに涙が出てくるなんて。
何の理由も思い当たらないのに・・・

おかげで編集長からさんざんからかわれる羽目になった。
定時後、OREジャーナル総出で、令子さんが知り合いから
もらったという白いツリーを飾り付けていた時のことだ。
「真司、おまえまさか、ツリー見て泣いてんの?
そおかそぉか、今年もついに彼女ができなかったんだっけなお前。
よし、イブは俺がとことん付き合ってやるから心配すんな!」
「ち、違いますってば!そりゃ彼女がいないのは事実ですけど・・・」
「い〜ってことよ!おい島田にめぐみ、イブはおまえらも付き合え」
「なんですかそれ!」
「えーなんであたしが?!」
数の少ない天使のオーナメントをどこに付けるかで
もめていた島田さんとめぐみさんが、憤然として向き直る。
「呑むんなら人数は多い方がいいに決まってるだろ。
どうせおまえらだって今年も男できなかったんだろうし・・・」

その後の惨劇に巻き込まれる前に、事務所を抜け出した。
10Evergreen (2):04/07/25 21:34 ID:f1Z3e3Wq
定時後に何の予定があるわけでもなく、
あとはアパートに帰るだけのはずだった。
だけど、なぜか真っ直ぐ帰る気にはなれなかった。
仕方なしにスクーターを降りて、にぎわう街に踏み出してみる。
とたんに後悔した。今の時期にふさわしく、
どっちを向こうがクリスマス一色だったからだ。
街灯や街路樹に絡みついた色とりどりの電飾、
ビルの上でぼうっと光る巨大なサンタの風船、そして・・・
有名デパートの入り口にそびえ立つクリスマスツリー。

やばい。また涙が出てきた。
涙と一緒に決まって浮んでくる、
映画の一箇所を切り取ったみたいなイメージと一緒に。

ツリーを手際よく飾り付けていく女の子。
枝先のワイヤーを直したりしてる姿は、とても楽しそうだ。
俺に気付いて見上げた顔も、明るく笑ってる。
だけど、もうひとつ吊るそうとオーナメントを取り、
ツリーの上の方に伸ばした手からは・・・
細かい粒子のようなものが立ち昇っている。
俺の表情に気付くと、女の子はことさら明るくこう言う。
「私、大丈夫だから。ほんとに」
そしてその言葉を聞くたびに俺は、
何ともいえずやり切れない気持ちになる−−

イメージの中の女の子と自分がどんな関係にあるのかも、
何故その女の子の手から粒子が立ち昇っているのかも、
そして何故やり切れない気持ちになるのかも、まったく分からない。
ただクリスマスツリーを見るたびに同じイメージが浮び、涙が流れる。
本当にどうしちゃったんだろう、俺・・・
11Evergreen (3):04/07/25 21:48 ID:f1Z3e3Wq
うつむき加減で光の街を歩き続ける俺の耳に、
ある音が入り込んできた。
なんだ、この嫌な響きは?
耳を細い針で貫かれるような・・・
立ち止まって周囲を見まわしたが、雑踏の中に
同じような反応をみせている人間はいない。
”どこを見ている。俺はここだ”
だしぬけに、今度は顔のすぐ横で嘲るような声がした。
「!」
ぎょっとして顔を上げ、右を見る。
ポインセチアで飾られたショーウィンドウに
映り込んだ男が、こっちを見返してにやりと笑った。

”そう。お前だよ、俺は”
そう言って、窓に映った俺は青いジャケットの片側を探った。
黒い板のようなものを取り出し、俺の前にかざしてみせる。
”感謝するよ。お前が力を与えてくれたおかげで、
またそっちへ出ていける・・・今度こそ勝ち残るためにな”
言葉と同時に、紋様のようなものが板の中央に浮びあがってきた。

耳を刺すような音が耐え難いまでに高まってくる。
そして。
闇に映えるイルミネーションのひとつひとつを震わせ、
凄まじい咆哮が響き渡った。
ウィンドウの表面から突然現れ、ビルの間の空めざして
駆け上がった巨大な黒龍の咆哮が。

目の前で起こったことを受け入れられず、両手で頭を抱えて
ウィンドウの前から逃げ出した俺の絶叫をかき消しながら。
12Evergreen (4):04/07/25 21:49 ID:f1Z3e3Wq
”どうした、俺はお前を助けにきたんだぞ?
不甲斐ないお前自身の代わりにな・・・”

嘲るような声が追ってくる。自分自身の声が。
黒い龍の咆哮、それに耳を刺す音と一緒になって。

”お前に取りついた悲しみを鎮める方法はひとつだけ−−
この俺、つまりお前自身があの娘に新しい命を与え、
この新しい世界に甦らせてやることだけだ。

お前があの娘を思い出して涙を流しさえすれば、
その悲しみがすべてのライダーと契約モンスターを
次々と覚醒させる−−最後にお前が龍騎として覚醒するまで。

その時こそ、俺はお前と完全に一体化して
最強のライダーとなり、他のライダーどもと闘って倒し、
神崎優衣に新しい命を与えることができるのだ。
神崎士郎がかつて望んだように。
この世界でのあいつは、幼い妹を見捨てて
自分が生き残ることを選んだ、ただの薄汚れた
男でしかないがな・・・

そうだ。お前の悲しみは、お前がそれを
味わい尽くした時にやっと消滅するというわけさ。
俺とドラグブラッカーがこうして覚醒した今、
それもそう遠いことではない。

だからもっともっと涙を流すがいい−−
そして目覚めるがいい、一刻も早くな!
13Evergreen (5):04/07/25 21:52 ID:f1Z3e3Wq
「雄一か。
悪いが、今日は行けなくなった。
お前も家から出ない方がいい−−
いや、絶対に出るな。ああ、そういうことだ。
コンクールが近いんだったな。手にケガなんかするなよ。
そうか、ならいい。じゃあな」

携帯をジャケットの内側にしまうと、
先ほどまで小さな店を開いていた路上を後にして、
青年は夜の街を歩きだした。
本当ならあと1時間ほど占い客を待ってから店を畳み、
親友と待ち合わせた場所へ出かけるはずだった。
だが事情が変わった。不吉な方向へ。
少し前に、あの耳を刺すような音を聞いてしまった時から。


砕けたガラス。中身をぶちまけてひっくり返った生ゴミのバケツ。
血まみれの身体を丸めて唸っている三下、チンピラ、
そして凶悪そうな若者たち。
普段は他人から被害を受けるより与える側に回る方が
多いたぐいの人間たちなのがせめてもの救いだった−−
男の通った後に累々と転がっているのが。

「畜生・・・浅倉の野郎、なんだって急に暴れだしやがったんだ」
「イライラしてる時に近づきさえしなけりゃいいんだが・・・
そのイライラが今日はえらく急にきやがったらしいからな。くそ、いてぇ」
「まさかあいつ、ついに粉に手を出したんじゃあ・・・
「何だこの音は、俺をイラつかせるなあっ!」って喚いてるのが
聞こえたんだけどよ、あいつが鉄パイプ持ってこっち来る時に。
幻聴ってやばいんじゃね?」
14Evergreen (6):04/07/25 21:59 ID:f1Z3e3Wq
イルミネーションの華やかな方角を指して歩き続けながら
思いに沈む、占い師の青年。

あの音は自分にだけ聞こえたのだろうか。
聞こえた瞬間はっとして目の前の往来を見渡したが、
おかしな音を聞きつけたような素振りを見せる通行人はなかった。
それでも音は消えるどころか、次第に大きくなってきた。
自分の中で急速に広がりはじめたヴィジョンと共に・・・

降りしきる雪の中、突然黒い影に襲われて地面に倒れる雄一。

「手塚・・・ 手塚・・・    手塚っ!」
何故か倒れている自分を抱えて、必死に名前を呼び続ける若者。

2つのヴィジョンが完全に像を結んだ瞬間、青年には分かった。
それぞれの意味ではなく、自分が今からしなくてはならないことが。
ひとつは雄一が、今夜絶対に街へ出ないようにすること。
そしてもうひとつは・・・
自分の名を呼んでいた若者に会うこと。
彼に会わなければ、何か取り返しのつかないことが起こる。
自分だけでなく彼自身にも、そしてこの世界全体にさえも。
そんな気がした。

友の能力を知る雄一は理由を聞きもせずに
予定の変更を承諾し、外出しないことを約束した。
問題は若者の方だ。いったいどこにいるのだろう。
それに何となく、初めて見る顔ではないような気がする。
だとしたらいつ、どこで会ったのか−−
15Evergreen (7):04/07/25 22:07 ID:f1Z3e3Wq
黒い龍と共に生じた異様な音は片時も止むことなく、
イルミネーションに輝く都会全体に広がっていった。

音が聞こえたのは、限られたわずかな人間たちだけだったが・・・

都心の一流ホテル最上階。
壁一面を使ったガラス窓の前に立ち、
うつろな表情で豪奢な夜景を眺めているスーツ姿の青年。
何もかもがつまらなかった。自分を見下す人間ばかりの
学校も、自分に無関心な人間ばかりの家の中も。
もちろん、父親が主催するこのパーティ会場も。
ここには「芝浦の御曹司」という自分の肩書きに
媚びへつらう人間しかいない。

だがその耳を刺すような音が聞こえた瞬間、
倦怠感を押しのけて奇妙な「記憶」が浮かんできた。
ずっと昔の俺は、こんなじゃなかったはずだ。
少なくとも、鋼の鎧を着けて闘っている時は・・・
そう思った時、今度は野獣の吼えるような声が聞こえた。
すぐ目の前のガラスの中から。
驚いて目を凝らすと、役員やその取巻き連中の群がる
テーブルの映り込みの向こうに、獣とも人とも
つかない姿が見えてきた。
低く下げた鼻面に載った巨大な角。鉤爪のついた両手。
とてつもなく頑丈そうな金属質の皮膚・・・

「面白くなってきたじゃん」
年の割に幼い顔に、やっと笑みが浮んだ。
たちの悪いいたずらを思いついた時のように。
16Evergreen (8):04/07/25 22:09 ID:f1Z3e3Wq
「先生!しっかりしてください!」
瀟洒な自宅兼オフィスで突然目まいに襲われて
倒れた弁護士に向かって、秘書の男が懸命に呼びかける。

「ああ、大丈夫だからゴロちゃん・・・でもやっぱり、
検査さぼらない方がよかったかな?」
つとめて呑気そうに答えたものの、北岡は不安に苛まれていた。
最近、立ちくらみの回数が増えたような気はしてたんだが。
もしかしてかなりやばいのかな、俺・・・
でも、まだ死にたくないな。せっかくイブは約束取りつけたんだし。
死ぬ?冗談じゃない、なんでこの俺が死ななきゃならないのよ。
どんなことをしたって生き延びてやるさ。

それにしても、さっきからキンキン鳴ってるこの音は何だ?
ゴロちゃんには聞こえてないみたいだけど・・・

二人とも気づかなかった。執務机の背後にある大窓に、
長い角を持つ巨大な影がぼんやりと浮んでいることに。


街灯もまばらな暗い道を、とぼとぼと歩く青年。
大学からの帰りだった。
抑えつけた怒りと不満が、心の底で泡立っている。

田宮君も西本君も小川さんも、全然わかってない。
香川先生だって「東條君の言い分も分かります」とか
言ってたけど、結局はみんなの言うことしか
聞いてないじゃないか。きっと、僕を丸め込もうとしてるんだ。
そうとしか思えない・・・
17Evergreen (9):04/07/25 22:18 ID:f1Z3e3Wq
でも、一番腹が立つのは仲村君だよ。
わざわざ先生に、僕の失敗を告げ口するような真似を
したんだから。その上、僕が抗議の意味で黙って
仲村君の顔を見たら「逆恨みはよせ!」なんて
すごんで見せたりした。本当に、嫌な奴。

いっそ、みんな、死んでしまえばいいのに。

怒りと屈辱感の虜になった青年には聞こえなかった。
自分の周りに響き渡る、甲高く不快な音が。

そして、今しがた通りすぎた街灯の脇に付いている
カーブミラーに映った獣人が、両手に生えた巨大な爪を
誇示しながら凄まじい吼え声をあげるのが。


夜の公園。街灯に照らされた池の水に、
冬の木立が映り込んでいる。
冷たいベンチに腰掛け、1時間近くもじっとしたままだった
娘が膝の上のバッグを開け、畳んだ便箋を取り出した。
何度も読んだためか、折り目の部分から破れかかっている。

「美穂へ。

そろそろ、父さんと母さんのところへ行かなければなりません。
でもあなたを1人で残していくのが一番心残りです。
なるべく早くいい人を見つけて、新しい家族をつくりなさい。
そうすれば、ひとりぼっちじゃなくなるでしょ?
お姉ちゃんだって、美穂と、美穂の血を受け継いだ
子供たちの中でずっと生きていけるから」
18Evergreen (10):04/07/25 22:19 ID:f1Z3e3Wq
お姉ちゃん。どうして何も言ってくれなかったの?
父さんと母さんがいなくなった時から、辛いことや
悲しいことは何もあたしに言わないで、いつも無理して。
病気になったことまで、入院する直前まであたしには
隠してて、その挙句に突然逝ってしまうなんて・・・
こんなに短い遺言だけ枕元に残して。

それに家族を作るなんて無理だよ。
あたし、男なんて信じられない。
お姉ちゃんだって、いっぱいだまされたじゃない。
あたしにはお姉ちゃんがいればいい。
だからお願い、生き返ってきて・・・

そう思ったとたん、目の前の池の水が盛り上がった。
翼の下に首を入れて眠っていたカモたちが、
驚いてけたたましく鳴きながら飛び立つ。

ベンチから立とうとして立てないまま、
娘はただ呆けたように見つめていた。
池の中から飛沫を上げて現れた何かが、
夜空ヘ向かって一直線に飛んでいくのを。
「この池・・・白鳥なんて、いなかったよね?」
怯えたような呟きに答えたのは、まだ波立っている水の面と
周囲の木立に響き渡る、耳を刺すような音だけだった。
19Evergreen (11):04/07/25 22:22 ID:f1Z3e3Wq
確かに俺は清廉潔白な地方公務員とはいえない。
それは認める。だがだからと言って、
このまま一生ゆすられ続けるつもりはない。

一度報酬額を上げてやると、加賀はほどなく
次の上乗せを要求してきた。
「寝言はよせ」と言ってやったら、野郎、
下卑た笑いを浮かべて眼鏡を直しながら
こうほざいたものだ。
「須藤さん。あたしのお願いを聞いてくれないと
後悔することになりますよ?」
後悔? どういうことだ。
「あたしが今あんたとやってる仕事の裏には、
ある組織の幹部が絡んでる。名前を聞けば
あんただって一発で分かる大物だ。そうそう、
小竹署のお偉いさんとも仲がいいんだとよ」
なんだと・・・?
「あんたが値上げを渋ったり、この仕事から
手を引こうなんて思ったら、その大物と
小竹署のお偉いさん、つまりあんたの上司が
黙っちゃいないってことさ。刑事の職を失うくらいなら
まだいいが、でかい重りを脚にくくりつけられて
東京湾に沈んだりしたかないだろ?まだ若いんだしな」

やつらみんな、最初からグルだったのだ。
そして俺は知らないうちに上司に嵌められ、利用され、
一生を闇に塗り込められつつあるというわけだった。
20Evergreen (12):04/07/25 22:23 ID:f1Z3e3Wq
塗り込められる?ふざけるな。
俺が、あいつらを殺して塗り込めてやる。
加賀の小汚い古道具屋の壁にでも・・・

暗くなったというのに灯りもつけず、
外回り用の黒いコートを羽織ったまま
冷たい怒りに身体を震わせる男の周囲で、
異様な音が響き始めていた。
そしてアパートのベランダに通じるガラス窓には、
いつのまにか何かが映り込んでいた。
夕陽のような金色をした巨大なハサミを振り上げて
威嚇するような仕草を見せる、カニに似た怪物だった。


都内を見下ろす高層ビルのワンフロアを使った
豪勢な部屋に、たった一人で座る男。
憤怒と苦悶に歪んだ表情は、少し前に丁重な礼を
述べて出ていった男とその部下達のせいだった。

この高見沢グループを買収だと?
テレビで派手なCMを垂れ流すだけで、海のものとも
山のものともつかない新興企業のくせに・・・
しかもトップ自ら乗り込んでくるとはどういう了見だ。

「いい度胸だな、え、社長さんよ?おととい来やがれ!」
俺の嘲笑と恫喝にも顔色ひとつ変えず、胸の悪くなるような
愛想笑いと皮肉で応じたのはあいつが初めてだった。
「社長同士会った方が話は早い。そう思ったまでですよ。
それに、高見沢の総帥はとても気さくなお人柄だ−−
そのように聞いていましたのでね。どうやら噂は本当だったらしい」
21Evergreen (13):04/07/25 22:25 ID:f1Z3e3Wq
答える代わりに俺は指を鳴らした。
間髪いれず、隣室から6名の黒服がなだれ込んでくる。
「おととい来やがれっていってんだよ、青二才。
社長だろうがなんだろうが知ったこっちゃねえ、
これ以上居座るなら痛い目に会うぜ」
わざとらしくため息をつくと、奴は部下達の方を向いた。
「仕方がない、見せて差し上げなさい」
上司の言葉と同時に、二人の屈強な男の身体が変化し始めた。
灰色で、ゴテゴテと飾りのついた姿に。
やたらでかい武者人形のようにも見える。
次の瞬間その頭から白い触手のようなものが飛び出し、
黒服どもの口や鼻に入りこんだ。

気がつくと絨緞の上に灰の山が6つできていた。
俺の耳に、青二才の声が聞こえてくる。
「返答の期限は1週間です。考える必要もないでしょうが・・・
では、これで失礼いたします。お忙しいところ私のような
若輩者のために時間を割いていただき、感謝しております」

警察はおろか、カネもヤクザも閣僚も役に立たない。
相手は化け物の支配する企業だ。
畜生、力さえあれば。
化け物に対抗できるような力が、俺にも・・・

いつのまにか、部屋中に不気味な音が響き始めていた。
机の上で頭を抱えて歯を食いしばる男の真上で、
豪華なシャンデリアがきらめいている。
男の背後の広い窓に映ったもうひとつのシャンデリアには、
長く巻いた尾と奇怪な形の脚を持つ緑色の怪物が張りついていた。
22Evergreen (14):04/07/25 22:27 ID:f1Z3e3Wq
やれやれ。入ってくる車にも出てくる車にも、
金だけは腐るほど持ってそうな連中ばかりが乗ってる。
腐りかけてる分くらい、寒空の下で一生懸命他人様に
奉仕してる俺みたいな人間に回してくれよ・・・

夜になってさらに冷え込んできた駐車場の片隅で、
靴跡のついた万札を制服のポケットから取り出して
丁寧に皺を伸ばすと、バイトの青年はため息をついた。
「いくらヨイショしたって、今日はまだこれだけか。ちぇ」
だが、ついさっき誘導したイタリア車から出てきた
男女に気付くやいなや、青年の表情と声の調子は
素晴らしい速さで切り換わった。
「いってらっしゃいませーー!!」

自分の挨拶を完全に無視し、軽口を叩き合いながら
目の前を通り過ぎていく男女を見つめる青年の眼に、
一瞬暗く危険な影が差す。
が、2人の姿が消えるとすぐ大げさに息を吐き出した。
嫌な気分を吹き飛ばそうとするかのように。
「あーあ。いいなぁ〜」
そして、ことさら大きな声で独りごとを言いはじめる。
「親父にたてついたりするんじゃなかったかなあ。
見合い話ってのも、親父にタンカきった手前引っ込みが
つかなくなって結局蹴っちゃったし。
写真で見る限りじゃ、きれいな子だったのにな・・・ん?」
ふと何かを感じてあたりを見まわす。
「風の唸りか・・・しかしクリスマス前からこの調子じゃ、
イブはさらに腐れカップルで充満するんだろうなあ。
仮病使って休もうっと」
23Evergreen (15):04/07/25 22:28 ID:f1Z3e3Wq
だが青年が聞いたのは風の唸りなどではなかった。
駐車場全体から、というより駐車場内の車全体から
湧き出し、低い天井に反響している甲高い音だった。

気配を感じながら青年が認識できなかったものがまだある。
視線を外したとたん、周りにあるすべての車の窓やボディや
ミラーにずらりと並んで映った、無数の怪物たちだ。
色も体の大きさもまちまちだったが、二本足で立ち、
頭部に太く長い角があるという点では共通していた。


「優衣・・・・・・許してくれ・・・!」
いくら耳をふさいでも無駄だった。
刺すように甲高い音は、その男の内側から聞こえてきたからだ。
遠い昔男が妹を捨てた時、一緒に捨てたはるか彼方の国で、
しかも一握りの人間にしか聞こえていないはずなのに・・・
黒い髪に両手の指を食い込ませてのたうちまわる男を、
冷ややかに見下ろしている者がいた。
壁に掛けられた横長の油彩画を保護するガラスの表面から。
身体の左右に巨大な金色の翼を広げて仁王立ちになった、
いかめしい黄金のマスクをつけた男のように見えた。


そして。
「何故だ、優衣・・・何故またこの音が聞こえる」
都心に近い住宅街にある小さな喫茶店のカウンターに座る、
漆黒のレザーコートを着た若い男が蒼白な顔でつぶやく。
目の前に置かれた少年と少女の写真の表面に映り込んで
はばたく、コウモリに似た怪物を見つめながら。
24Evergreen (16):04/07/25 22:32 ID:f1Z3e3Wq
脱色した髪を振り乱し、蛇皮を使った派手な
ジャケットを羽織って街を歩いていく男。
ぎらつく眼は常に前方の空を見上げている。
青い燐光をまとってビルの谷間を飛んでいく、
黒い龍を追いながら・・・

少し前のことだ。
突然響き出した得体の知れない音が引き起こす
耐えがたいほどの苛立ちを解消すべく、裏街で
行き会う人間を片端から鉄パイプで殴っていると、
音に混じって冷たい笑い声が聞こえてきた。
振り向くと、すぐ後ろのビルの窓に人影が映っている。
自分ではなく、長い茶髪の男だった。
明るい青のジャケットを着ている。
そいつがまた自分に向かって笑った。嘲るように。
「久しぶりだな・・・といっても、お前は間もなく
倒されることになるが。今度こそ俺の蹴りを受けてな。
俺の上には黒い龍がいる。俺と戦いたければそれを追って来い」
それだけ言うと、男の姿は消えた。

挑発された−−それだけ分かれば十分だった。
鏡に自分以外の人間が映って口をきいたことにも、
「久しぶり」「今度」という言葉が何を意味するかにも、
何の興味もなかった。

顔を上げて夜空を見渡すと、長い胴をくねらせながら
ビルの間を飛んでいく龍が目に入った。
「本当に久しぶりだな・・・こんなにイライラするのは」
低い声でつぶやくと、浅倉は歩き出した。
龍の下にいるはずの男を叩きのめすために。
25Evergreen (17):04/07/25 22:33 ID:f1Z3e3Wq
「暮れのせいか、変な奴が多いよね」
「ほんと、何かと思っちゃった」
街の中心部で買物をした帰りらしく、
いくつも紙袋を下げて話しながら歩く二人の女。
その二人とすれ違った占い師の青年が、
何を感じたのか急に立ち止まる。

「怖かったね、あの蛇柄のやつ」
「あれもだけどさ、その前に見かけた
青い服の子も変だったよ。「来るな!」とか
喚いてたじゃん、誰も追いかけてないのに」
後ろを歩いていく女たちの言葉を聞きながら、
青年の眼が細まった。
自分が探している若者との間の距離が
せばまってきている−−そんな気がしたからだ。
やや足を速めて再び歩き出す。
あの耳を刺すような音が、また大きくなってきている。

しばらくして予感は現実になった。
急な下り坂になった人気のない道を降りていると、
前方からよろよろとやってくる人影が見えた。
着ているジャケットの色は青。ずっと両手で耳を
ふさいでいるらしく、茶色の長い髪はくしゃくしゃだった。
そして、何かつぶやいている。
聞こえなくても内容の想像はついた。
今、彼の背後の夜空から突然降りて来て
その前に回り込んできたものを見れば。

「来るなあ!」
そう叫ぶと若者は、耳をふさいだまま倒れ込んだ。
26Evergreen (18):04/07/25 22:40 ID:f1Z3e3Wq
「おい。大丈夫か」
誰かの声が降ってくる。
「安心しろ、あの怪物はもう消えた」
倒れた若者が道路から顔を上げると、赤いジャケットを
着た上からコートを羽織った青年が見下ろしていた。
「立てるか?」
一瞬とまどったがすぐにうなずき、
青年の差し出した手につかまって起き上がる若者。
急いで空を見上げ、それから後ろを見たが、
確かに黒い龍はいなかった。
あの耳を刺すような音はまだ続いていたが。

そんな若者の様子を見ていた青年が言った。
「あんた−−今日の運勢は最悪だな」
若者が驚いたように青年の顔を見直す。
苦笑いして、青年が言葉を続ける。
「もっとも、俺の運勢も似たようなものだが。
俺の占いは当たる」

不安と恐怖の色ばかりが濃かった若者の顔に、
やっと少しずつ笑みが浮かんできた。
「今ので思い出したよ・・・
あんたには前にも一度、占ってもらったことがある。
確かに最悪だったな、あの時も」
青年もわずかに微笑んでうなずく。
今の状況とは反対に、同じ若者が倒れた自分を抱えて
名前を呼んでいるヴィジョンを思い出しながら。
「ああ。今年の初めだった。
俺も今あんたの顔を近くで見て、やっと思い出した。
どうやら奇縁があるらしいな、あんたとは」
27Evergreen (19):04/07/25 22:49 ID:f1Z3e3Wq
ずっと黒い龍に追われ続けていたからなのか、
まだ人心地のつかないらしい若者に向かって
占い師が言葉を続ける。
「よかったら話してくれないか?
今、あんたを悩ませているものについて・・・
少しは力になれるかもしれない」
それからこう付け加えた。
「名前を言ってなかったな。手塚海之だ」

若者が力なく笑った。自嘲的にも見える表情で。
「俺、城戸真司・・・でも話したって無駄だと思う、
せっかくだけど。頭がおかしいと思われるか、
嘘をついてるって思われるのがオチだろうな。
今の俺に必要なのは占い師じゃなくて
精神科の医者なんだよ、きっと」
言ってから、何かを思い出したようにまばたきする。
「さっき言ったよな、”あの怪物はもう消えた”って。
あんたには見えたのか、あの黒い龍が・・・
もしかしたらこの音も聞こえてるのか?」
予想もしなかった答えが返ってきた。
「ああ、見えた。それにこの音のせいだ、
俺があんたを探し始めたのは」
「・・・・・・探す?」
「この音が聞こえ始めて間もなく、不思議な映像が
目の前に浮かんだ。あんたが倒れている俺を抱えて
名前を呼び続けている−−そんな光景だった」
「そんな馬鹿な・・・今聞くまではあんたの名前なんて
知らなかったし、前に1回会っただけじゃないか!」
返ってきたのは、さらに予想外の答えだった。
「1回だけではないのかもしれないな」
28Evergreen (20):04/07/25 22:50 ID:f1Z3e3Wq
なんだよ。どういうことだよ。
1年近く前に街で声をかけてきて、頼みもしないのに
俺の運勢を告げた時も面食らったけど、
今度は俺を探していただの、名前を呼ばれていただの。
おまけに、会ったのが1回だけじゃないって・・・?

相手の疑念と苛立ちを読み取ったように、手塚がまた口を開く。
穏やかな笑みを浮かべているが、眼の表情は真剣だった。
「聞かせてくれないか。あの龍に追われることになった
いきさつや、この音が聞こえ始めた時のことを・・・
そうすれば、あんたを救う道が見つかるかもしれない。
あんたが俺の幻視に出てきた理由もな」

真司の顔から、次第に不安と疑いが消えていく。
「・・・なんだかよくわからないけどさ、
確かに俺たち、不思議な縁があるみたいだな。
それにあの龍が見えて、音が聞こえるあんたに
占ってもらえば、本当に何か見つかるかもしれない。
どっちみち俺には全然分からないんだしな、
どうしたらこの状態から抜け出せるのか」
哀しそうな笑みを見せたのも束の間、
すぐに決然とした表情で手塚を見上げる。
「こっちからお願いするよ。何もかも話すから、
これからどうすればいいのか教えてくれ!」

真司がすべてを話し終わると、沈黙が落ちた。
坂を降り切ったところにある街灯の蒼白い光が、
坂の途中に立つ二人を微かに照らしている。
今、もうひとつの明かりがそこへ加わった。
手塚が無言のまま、マッチを取り出して火をつけたのだ。
29Evergreen (21):04/07/25 22:51 ID:f1Z3e3Wq
眼を半ば閉じ、一切の表情を消した青年の顔が、
闇にゆらめく光の輪の中に浮かびあがる。

炎を見据えながらその顔が語り始めた。
「お前に取りついているのは、あの龍と音だけじゃない。
凄まじく危険な何かを呼び出してしまったようだな、
お前の悲しみは・・・いや、お前自身がその凄まじく
危険な何かになって、この世界を崩壊に導こうとしている」

この上なく不吉な託宣を受けた真司の脳裏に再び、
鏡の中にいた自分の邪悪な笑顔が浮かんでくる。
そして、クリスマスツリーの前にいる娘のイメージも。
「俺が世界を崩壊させるって・・・どういう意味だよ!」
顔を向けず、表情も動かさずに答える手塚。
「分からない、俺にも。だがこれだけは言える−−
お前が今の悲しみを持ち続ける限り、
もう1人のお前は何度でも現れる。
しかもお前のイメージに現れる娘が一番望まないのは、
お前がその子のために悲しむことだ」

俺の悲しみが世界を滅ぼすことになる?
しかもあの女の子は俺が悲しむことを望んでいない?
だったらどうして、あの子を見るたびに涙が流れるんだよ。
それにもう1人の俺が言った。俺の悲しみが何かを覚醒させて・・・
よく覚えてないけど、その結果あの子に新しい命を
与えることができれば、俺の悲しみもなくなるって。
つまりこういうことになるのか。
「俺の悲しみを望まない女の子の命が俺の悲しみで甦り、
その結果世界が崩壊して、俺の悲しみも消える」
何なんだよそれ!
30Evergreen (22):04/07/25 22:52 ID:f1Z3e3Wq
真司が再び恐慌状態に陥りかけた時。
風もないのにマッチの炎が消え、手塚の表情に緊張が走った。

「もうひとり、俺たちと奇縁のある奴が近づいてくる・・・
あいつにも俺たちと同じものが見え、聞こえているようだ。
−−すべてはあの日から始まっていたのかもしれないな。
俺たちと、それに今やってくる男が初めて会った時から。
いや。俺と、あの男と、それに俺の知らない人間たちが
あの日お前と会った時から・・・違う、もっと前だ・・・
俺たちすべての縁が始まったのは・・・」
「待ってくれよ、もう何言ってるのかさっぱり分かんねえよ!」

狼狽する真司にかまわず、憑かれたように言葉を続ける手塚。
「あの日のことを思い出せ。
俺やあの男と会ってから、お前が何をしたかを・・・
そうすれば、お前の悲しみを鎮める道が開ける。
そして世界を救う道も。
俺がお前に示してやれるのはこれだけだ。分かったら、
急いでここから離れろ−−あの男に追いつかれる前に」
「あの男って・・・」
言いかけた真司が、手塚の指差す方を見た。

誰かがこちらに向かって坂を登ってくる。街灯を背にして、
黒々としたシルエットにしか見えない誰かが。
両手を身体の脇にだらんと下げ、決して急がずに。
そして、真司は気付いた。
「あいつ・・・確かバイクを倒した・・・」
「早く行け!」
今までの冷静さをかなぐり捨てたような形相で叫び、
手塚が真司を押しやった。坂の上の闇に向かって。
31Evergreen (23):04/07/25 22:54 ID:f1Z3e3Wq
後ろを気にかけながらも真司が坂を駆け上がり始めた時。
海の向こうでは、内側から響く音に悩まされ続ける男が
子供の頃のある出来事を思い出していた。

あれはこの国に来てまもない頃だ。
妹が死に、両親も逮捕されて肉親を失った甥を心配した
養父母は、何とか俺を元気づけようとしてくれた。
頂上の平らな岩山や赤い奇岩で有名な、砂漠の中にある
観光地へ連れて行ってくれたのもそのためだ。

そこで、先住民のシャーマンに声をかけられた。
「お前は、この世界の前のすべての世界でポワカだった・・・
しかも並外れた力を持つポワカだった」
振り向いた俺の顔を見るなり、そいつはそう言った。
部族の仮面をつけ、たくさんの鳥の羽で
全身を飾ったその男に少し気圧されながらも、
年に見合った生意気さを発揮して俺は言い返した。
「ポワカ?何だよそれ・・・それに、この世界より
前の世界なんてあるわけないだろ!」

仮面の男の答えは、ショックなものだった。
「ポワカとは他者の生命を犠牲にして生きるもの−−
悪い魔法使いのことだ。お前の妹もポワカだった」
俺が、悪い・・・魔法使い?優衣もだと?
「なんだよおまえ、変なことばかり言うなよ!!」
なぜ自分に妹がいたことが分かるのか。
それさえ疑問に思わず、怒りに駆られて叫んだ。
今まで必死に抑えつけていた悲しみと後悔が、
涙と一緒に噴き出してくるのを感じながら。
32Evergreen (24):04/07/25 22:55 ID:f1Z3e3Wq
「お前と妹がポワカになったのは、やむを得ない
ことだったのだ・・・生きるためにな」
涙を流して睨みつける俺をなだめるように
そう言うと、さらにシャーマンは続けた。

「お前たちが魂のない動物を描いて虚像の世界に
放し続けたのは、守ってくれるものを必要としたからだ。
魂のない動物は魂を得るために人を食らう。
それを知りながらお前が、自分の命と引き換えに
虚像の動物たちを人の世に放ったのは・・・
そして生贄として選んだ人間たちに虚像の動物の力を与えて
互いに争わせ、勝ち残った者の魂を取り上げようとしたのは・・・
妹に最も強い魂を与えて生き返らせるためだ。
それを責める資格のある者は、この地上にはいない」

優衣を救ってやれなかった。目の前で優衣が
衰弱していくのを、ただ見ていることしかできなかった。
そして今、優衣を遠い国の冷たい墓の中に残したまま
自分だけがここで幸せになろうとしている−−
ずっと心に巣食っていた罪の意識が今また身体の中で
暴れ出すのにまかせ、俺は半ば泣きながら言った。
「じゃあ・・・じゃあ、もし俺がこの世でもポワカになれば、
その力で優衣を生き返らせることができるのかよ?
どうやったらなれるのか教えてくれよ・・・頼むから!」

答えたシャーマンの口調は、優しくもあり厳しくもあった。
「ばかなことを言うものではない。
この世界でのお前が普通の人間になれたのは、
お前の妹が前の世界、そしてそのまた前の世界から
ずっと、それを強く望んでいたからなのだぞ・・・
33Evergreen (25):04/07/25 22:56 ID:f1Z3e3Wq
お前の妹はポワカとして生き延びることを望まなかった。
だがそれ以上に、自分のためにお前がポワカとなって
他人の魂を食らい続けることを望まなかったのだ。
本当に妹を救いたいと思うのなら、この世界で
人間として立派に生きることだ。だが−−」
少しためらった後、呪術師がまた口を開く。
「気をつけるがよい。おまえが前の世界に残した
ポワカとしての力は、あまりにも強すぎた。
誰かお前同様に、お前の妹を救えなかったことを
悔やむ者の力を利用して、この世での復活を
遂げないともかぎらない。お前の妹や、
お前自身の意志さえも無視してな・・・」

あとで養父母から聞いたが、あの観光地の近くには
古い先住民の村があり、予言の力を持つと言われる
部族がずっと昔から住んでいるとのことだった。
そしてその部族の神話によれば、今自分たちの住む
世界以前にもたくさんの世界が神によって創造され、
滅びていったのだという・・・

そういえば今、目の前の壁に掛かった油彩画を覆う
ガラスに映り込んでこちらをじっと見つめている男の
仮面は、あの時のシャーマンの仮面に似ていなくもない。
金色で、表面に細く切れ込みの入ったあの仮面に・・・

だとしたら、こいつはあの時のシャーマンなのか?
前の世界に俺が残してきたというポワカの力が
どこかで復活しようとしている、そう警告に来たのか?
いや、それとも−−
こいつこそ、ポワカだった俺の力そのものなのか?
34Evergreen (26):04/07/25 22:57 ID:f1Z3e3Wq
手塚だっけ、お前も早く逃げろよ・・・
初めて会った時も乱暴だったからさ、その男。
占ってくれてありがとう。言うとおりにしてみるよ。

だけど、あの日−−
学生風の男の自転車と出会い頭にぶつかって、
それを見ていた手塚に運勢最悪って言われて、
あの男にバイクを倒されて、
それからどうしたんだっけ、俺・・・

暗い住宅街をあてもなくさまよいながら、
懸命に思い出そうとする真司。

確か、ひと休みできる場所を探したんだ。
コーヒーでも飲んで・・・
「コーヒーはない」
そうだ。そう言われたんだった。
やっと見つけて入った喫茶店で。
待てよ。思い出した。
そのちょっと前に、すごく嫌な奴に会ったんだ・・・!
店の前で目が合った瞬間、そのまま恨みでも
あるみたいに俺を睨み据えながら迫ってきた。
そして押し黙ったまま、俺があいつを避けて
通ろうとするたびに行く手をさえぎってきた・・・

そこまで真司が思い出した時。
「やっと思い出したか、奴のことを?」
いきなり後ろからそう話しかけられた。
自分自身の声で。
35Evergreen (27):04/07/25 22:59 ID:f1Z3e3Wq
振り向くこともできず凍りついた真司に向かって、
さらに自分の声が続ける。
「ふん、手塚海之か。
ライダーとしての奴を倒すことなど造作も無いが、
人間としてのあいつはどうも苦手でな。
あいつの持っている、邪気を払う力が鬱陶しい。
お前がこの世界まで引きずってきた悲しみと未練を
力の源にしている、言ってみれば怨霊みたいな
ものだからな、俺は・・・
まあいい。どうせ奴は王蛇に倒されることになる。
じきにモンスターどもが完全に復活するからな・・・
今はまだ、前の世界でライダーだった人間だけに
見える幻影にしか過ぎないが。

王蛇以外のライダー達も、すでに目覚めつつある。
あとはお前が目覚めて俺と一体化しさえすればいい
−−まずは、ナイトを血祭りにあげるためにな!」
「・・・ナイト?」
相変わらず闇の中に立ち尽くしたままの真司に、
再び嘲笑まじりの声が答える。
「お前が今思い出した、あいつのことさ。
自分の恋人のために優衣を犠牲にした男だ・・・
自分を信頼しきっていた優衣を。
そろそろお前にも完全な記憶が必要だな。
少し早いが、また俺を受け入れてもらうぞ−−
今度は分離するなよ」

十数秒後。道路脇に設置されたカーブミラーが、
遠ざかっていく真司の後ろ姿を映していた。
そう遠くない所にあるはずの、小さな喫茶店に向かう姿を。
36Evergreen (28):04/07/25 23:00 ID:f1Z3e3Wq
真横から見たガラス板のように、深い緑色の世界。
その底に小柄な娘がたったひとりで佇んでいた。

たったひとりというのは正確ではないかもしれない。
娘の背後には巨大なエイが浮かんでいたし、
足元には大蛇がうずくまっていたから。

あたしは、十分幸せだった。
お兄ちゃんが描いてくれたモンスター達がいるし、
ときどき上へ昇っていって、みんなが平和に暮らしている
今の世界をのぞいて見るのが楽しみだった。
そうやってずっとこのコアミラーの底で過ごしてきた。
向こうの世界で生きていれば、もうすぐ21歳になる今まで。
なのに。

見上げる娘の顔のおもてを、はるか上にある現実世界との
境目から射してくる銀色の光が移ろってゆく。

「優衣ちゃん・・・ごめん・・・
俺、優衣ちゃんを助けられなかった・・・」
ここで暮らすようになってからずっと、
真司くんのその悲痛な声は聞こえていた。
「許してくれ・・・優衣・・・」
そう嘆き続けるお兄ちゃんの声といっしょに。
私を救えなかった。
二人ともずっとそう思って苦しみ続けている。
たとえ無意識のうちにでも・・・
お願い。もう私のために苦しまないで。
何度ここからそう叫んだか分からない。
でも、二人の悲しみは強すぎた。
37Evergreen (29):04/07/25 23:02 ID:f1Z3e3Wq
お兄ちゃんはもう、鏡の力を使えない。
だからライダーバトルを仕掛けることもできない。
でもお兄ちゃんが前の世界に残した力が、
真司くんの悲しみと結びついてしまった。

クリスマス、そして私の21歳の誕生日が近づくにつれて、
真司くんの哀しい声はどんどん大きくなっていった。
そしてついに、コアミラーの底を破ってあの黒い龍が現れた。
真司くんの悲しみに呼び覚まされて。

同時に、今まであたしのそばにいてくれたモンスターたちも
次々と姿を消しはじめた・・・かつての主人たちの元へ行くために。

なんて皮肉なんだろう。
今までの世界で命をかけて戦いを止めようとしてくれた真司くんと、
私の願いをきいて戦いのない世界を一緒に作ってくれた
お兄ちゃんの悲しみが、戦いを再開させてしまうなんて。
やっと、誰も私のせいで死なない世界ができたと思ったのに。
それが、私への悲しみ故に崩れていくのを見ているしかないなんて・・・

涙にかすんだ優衣の視界の隅で、何かが動いた。
「ベノスネーカー・・・?そんな、エビルダイバーまで!」
今まで優衣を護るように付き従っていた紫の蛇と
紅いエイが、突然空中に飛び上がったのだ。

現実世界を目指して滑るように飛んでいく2匹を声もなく
見つめる優衣の眼に、もう1匹のモンスターが映った。
赤い龍だ。銀色の空の下を悠々と旋回している−−
呼ばれるのを待っているかのように。
38Evergreen (30):04/07/25 23:03 ID:f1Z3e3Wq
ずっと追ってきた黒い龍が突然消えても、
浅倉は立ち止まらなかった。
最後に龍の見えた位置の真下を目指して、
獣じみた前かがみの姿勢で歩き続ける。

急な坂を登りかけた時だった。
「黒い龍を追っているのか?」
いきなり前方から声をかけられた。
坂の途中に赤いジャケットを着た青年が立って、
自分を見下ろしている。
背後の街灯の明かりで顔を確かめるまでもなく、
鏡の中から挑発してきた男でないことはすぐ分かった。

何故あの化け物のことを知っている。
何故俺があいつを追っていると知っている。
普通ならするはずの質問を、浅倉はあっさり省いた。
「知ってるなら教えろ、奴の居場所を・・・!」
正気とは思えない台詞が返ってきた。
「断る」

だが浅倉は殴りかかろうとはしなかった。
華奢なくせに生意気な相手を一瞬睨みつけ、
ふんと笑っただけで、また坂を登りはじめる。
「お前に用はない。あいつを叩きのめす」
その蛇柄の背中に向かって、
青年がさらに信じられない台詞を投げつけた。
「怖いのか、俺が?」

浅倉の動きが止まった。
むこうを向いたまま、はじけるように笑い出す。
39Evergreen (31):04/07/25 23:04 ID:f1Z3e3Wq
「俺に遊んでほしいってわけか?いいぜ−−
あいつほどは面白くなさそうだが」
言葉が終らないうちに、蛇柄が闇に軌跡を描いて流れた。
浅倉の右拳を追って。

だが文字どおり目にも留まらぬ速さで放たれた拳は、
相手の頬骨には命中しなかった。浅倉の狙いが
狂ったからでも、速さが足りなかったからでもない。
青年の見切りと動きが正確だったからだ。

「面白くないのはお前の方だ・・・
もっとましな遊び方があるだろう?」
空振りした苛立ちが爆発する前の絶妙なタイミングで、
浅倉の顔の前に青年が何かを突き出した。
三角形の生物のような紋章が付いた、紅い板だった。


坂を登ってくる男のシルエットを見た瞬間、手塚には分かった。
自分が見たもうひとつのヴィジョン−−雄一に襲いかかる
黒い影の正体が、その男だということが。
それがきっかけだった。彼の、過去と未来を見通す
天性の力が最大限に働き始めたのは。

膨大な量の記憶が洪水のように押し寄せてきた。
自分が前の世界やその前の世界で何者だったのか。
城戸真司や、目の前の男・・・浅倉威とどんな関係にあったのか。
そしてそれらの記憶と、今までに起こったこと、そして真司から
聞いた話を突き合わせることで、次のことも想像がついた。
自分が前の世界で死んだ後、何が起こったのか。
この世界で何が起ころうとしていて、自分が何をすべきなのか。
40Evergreen (32):04/07/25 23:05 ID:f1Z3e3Wq
前の世界で俺が占ったとき、神崎優衣の未来には
何も見えなかった・・・あの時点で気づくべきだったのだ。
彼女がすでに死んでいたということに。
そして、神崎士郎の目的が妹の復活だったということにも。

城戸が繰り返し見るという幻は、前の世界での記憶だろう。
出てくる娘は神崎優衣以外に考えられない。
そして彼女の体から粒子が立ち昇っていたということは、
2つのことを示している。
ひとつは俺が死んだ後の冬、神崎優衣の体に異変が起こったこと。
彼女があのまま存在できる期間はそう長くなかったのだろう。
もうひとつは、彼女が普通の世界にいる状態が、
普通の人間がミラーワールドにいる状態と同じだったということだ。
つまり神崎優衣は、ミラーワールドで仮の命を与えられた者だったのだ。
おそらくは、俺が前の世界で突きとめた神崎邸での事故の際に。

だとすれば神崎士郎が考えることはひとつ−−
妹にできるだけ早く本当の人間の命を与えること。それ以外にはない。
自分を必死に探す妹を置いて、そしてたぶん自分自身の
本来の命さえ捨ててミラーワールドに渡ったのも、そのためだろう。
そしてもちろん、ライダーバトルを仕掛けたのも。

願いを叶えるという甘言で俺たちを操り、戦わせた挙句、
最後に残った者の命を妹に与えるつもりだったに違いない。
元々持っていた命が何らかの理由で失われたのならば、
他人の命を奪うほかはないからだ・・・仮の命が尽きる前に。

だからこそ神崎にとっては、城戸や俺や雄一のような存在が
何よりも邪魔だったというわけだ。妹の命の期限が
刻々と迫っているというのに、戦いを止めようとする者たちが。
41Evergreen (33):04/07/25 23:07 ID:f1Z3e3Wq
だが城戸や秋山と出会い、仮面ライダーライアとして戦い、
そして死んだという俺の記憶はひとつだけではない。
つまり、ライダーバトルは1回だけではなかった。
俺たちが前に生き、死んだ世界もまた、1つだけではないはずだ。

なのに今の世界では俺も城戸も、ずっと普通の人間として
生きてこられた。他の元ライダー達も同じだろう。何故だ?
結局、神崎士郎の目論見がすべて失敗に終ったからに違いない。
おそらくは神崎優衣自身の願いによって。
優しいが、意志の強い娘だった。兄の真の目的を知ったとすれば
止めようとしたはずだ。自分の命が終ると知っても。
だから、彼女はこの世界にはもう存在しないのだろう。
自分の命と引き換えに俺達の命を救った娘は・・・

そして、城戸。
ライダー同士の殺し合いを止めさせたい。
だが神崎優衣の命を救うにはライダーバトルが必要だ。
あいつは前の世界で、ずっとその矛盾について
悩み続けたのだろう。彼女の運命を知った時から。
平和になった今の世界でも、彼女を救えなかったことを
無意識に悔やみ、悲しみ続けるほど。
戦いを望まない自分と、彼女の復活のために
ライダーバトルを望む自分とに自我が分裂するほど。
そしてついに、そのもうひとりの自分に力を与えてしまうほどまでに。
黒い龍や他のモンスターをミラーワールドから呼び出し、
終ったはずのライダーバトルを再開させるだけの力を・・・

そうだ。ライダーバトルは始まっている。
あの音が響き出した時から。
42Evergreen (34):04/07/25 23:08 ID:f1Z3e3Wq
ならば今回も、俺のすべきことはひとつだ。
城戸と一緒にライダーバトルを止めなければ。もう一度。
そしてこの世界を守らなければ。
雄一も幸せになろうとしている、この世界を。

城戸・・・俺の占いは当たる。この世界を救う道は必ず開ける。
だからあの日のことを思い出せ。
そして戦ってくれ、もうひとりのお前と。
今度こそ、ライダーバトルのない世界を取り戻すために。
それこそお前や俺、そして神崎優衣が、いくつもの世界を生きながら
ずっと望んできたことなのだから・・・

浅倉が追っているのは黒い龍と、
城戸に取り憑いたもうひとりの城戸だろう。
今、あの男を城戸に追いつかせるわけにはいかない。
浅倉を俺に引きつけておく方法は−−ひとつだけだ。

「怖いのか、俺が?」
また挑発の台詞を吐くと、ジャケットの左側に手を入れる。
やはりあった。前の世界で馴染んだ、四角い板の感触が。
飛んできた浅倉の拳を避けると、それを突き出した。
「面白くないのはお前の方だ・・・
もっといい遊び方があるだろう?」

カードデッキをひと目見るなり、浅倉がまた笑い出した。
無邪気といっていいほど、純粋に楽しそうな笑い声だった。
「お前もなかなか面白いな」
まだ笑いながら自分も腰ポケットを探り、紫の板をつかみ出す。
まるで、前からそこにあるのを知っていたかのように。
43Evergreen (35):04/07/25 23:10 ID:f1Z3e3Wq
坂の脇に止められたバイクの脇に歩み寄り、
二人の男が同時にカードデッキをかざす。
手塚は右のミラーへ。
浅倉は左のミラーへ。

「変身!」
この世界では二度と響くはずのなかった声が響く。

シルバーリングの嵌った右指先を伸ばす手塚。
稲妻のような形と速さで右腕を宙に走らせる浅倉。

次の瞬間、世界が反転した。

坂の途中の景色も止めてあるバイクも変わらない。
ただ、バイクのナンバープレートの数字だけが
すべて左右逆になっている。

どこからか奇妙に虚ろな音が響いてくる。風鳴りだ。

それが突然断ち切られた。2つの声に。
「ソードベント」
「うぉあああっ!」
宙を飛んできた金色の剣を受け取るやいなや
大きく振りかぶり、浅倉がだっと駆け出す。
いや。仮面ライダー王蛇が。
坂の上方に立つ、仮面ライダーライアに向かって。

「そうだ、この感じをずっと探していたんだ俺は・・・!」
恍惚とした呟きを、剣に当たる風の唸りが掻き消した。
44Evergreen (36):04/07/25 23:11 ID:f1Z3e3Wq
目の前でベノサーベルが金色の弧を描いた刹那、
ライアが飛びすさる。片手をカードデッキに伸ばしながら。
「コピーベント」
空を切った後すぐに振り下ろされた王蛇の二撃目が、
今度は強烈な金属音とともに弾き返された。
同時に咲いて散った火花を浴びながら、ライアが
手にしたばかりの剣を構える。相手と寸分違わぬ武器を。
「ふん」
嘲るように唸ると、王蛇がベノサーベルの切先を
真っ直ぐ上に向けて握り直す。
一瞬、ライアには分からなかった。
王蛇が左腕を武器ごと捻じるように動かし、
下から思い切り自分の右脇腹に斬りつけたことが。
それほど、剣を目の前に構えて静止した状態から
攻撃に移るまでの王蛇の動きは速かった。
速いだけではない。
圧倒的な重量を込めた斬撃をまともに食らった
ライアの身体が大きくよろめく。
間髪いれず、王蛇の左手首が今度は水平に流れた。
相手の側頭部を太い刀身で薙ぎ払いながら。
火花が再び凶々しく闇に散る。
それでもなお踏みこたえようとするライダーの鳩尾に
王蛇の膝蹴りが続けざまに炸裂した。
「うぐ・・・」
たまらず今度こそ崩れ落ちたライアに向かって、
紫の右脚から渾身の蹴りが放たれる。

意識を失った赤紫の身体は、あっという間に
急な坂を転げ落ちていった。
力の抜けた腕からこぼれ落ちた剣とともに。
45Evergreen (37):04/07/25 23:12 ID:f1Z3e3Wq
ミラーワールドに響く音が、再び風鳴りだけになる。

「お前が仕掛けてきたんだろう・・・
もっと真面目に遊べよ」

左手に持ったベノサーベルの先で首の横を
軽く叩きながら、悠然と坂を降りていく王蛇。

坂の尽きるところまで来て落下を止め、
そのまま身動きひとつせず横たわったままの
ライアの身体を、街灯の冷たい光が照らしている。

「動かないやつにとどめを差してもつまらん。
もう少し遊んでからにしろよ、おい!」
すぐそばまで近づいてもぴくりとも動かない相手に
苛立ってきたのか、声を荒げてそう言うと
うつ伏せになった相手の肩を蹴り飛ばそうとする。
その瞬間。
「アドベント」
転がり落ちる時にカードを引き抜いていたライアが
跳ね起き、バイザーにそれを装填した。
意表を突かれた王蛇が剣を振り上げるよりも速く。
坂の両側にそびえる石垣の間の空から、
エビルダイバーが凄まじい速さで降下してきた。
「!」
さすがに転倒こそしなかったものの、辛うじて
モンスターの体当たりを避わした王蛇がよろめく。
その隙もライアは逃さなかった。
すぐに別のカードがバイザーの中に消える。
46Evergreen (38):04/07/25 23:13 ID:f1Z3e3Wq
「スイングベント」
再び、今度は坂の上からエイが向かってきた。
傾斜した路面すれすれを猛スピードで飛びながら。
紅い棘のついた輪の束がライアの手に渡ったと
思う間もなく、空気の鋭く鳴る音がした。

「うお・・・貴様あっ!」
苦悶の混じった王蛇の怒号が響き渡る。
ライアの手から放たれた紅い細身の鞭が、
両腕の上から紫の身体にびしりと巻きついたのだ。
高圧電流の青い火花を飛ばしながら。

殺す必要はない。しばらく締め上げて戦意を
喪失させ、そのままハイドベノンに持ち込んで
奴のカードデッキを破壊しよう。
あとは、現実世界へ引きずり出しておけばいい・・・
そんな風に思いながらもライアには分かっていた。
自分が王蛇に勝つことはないと。
次の瞬間、その予感は現実になった。

「うおあああああ!」
鞭に捕らわれながらも仁王立ちになって
高圧電流に耐えていた紫のライダーが咆哮し、
両肘を力いっぱい左右に押し上げた。
苦痛をすべて力と、そして怒りに変えたかのように。

引きちぎられバラバラになったエビルウィップを
身体の周りに振り落としながら、王蛇が腰の
カードデッキとバイザーに手を伸ばす。
「ファイナルベント」
47Evergreen (39):04/07/25 23:14 ID:f1Z3e3Wq
背後から持ち上がった巨大な鎌首の前で、
ライダーが地を蹴って跳躍した。
空中で後ろ向きに一回転すると同時に、
ベノスネーカーがかっと口を開く。

怒り狂っているとも狂喜しているとも
つかぬ叫びをあげながら、
王蛇が紫の弾丸となって激突した。
逃げようともせず自分を見上げるライアに。

今度も俺は、運命を変えることができたのだろうか。
奇妙に静かな気持ちでライアはそう考えていた。
胸に激烈な蹴りを次々と受け、意識を飛ばされかけながらも。

再び倒れ伏した赤紫のライダーの身体を、
王蛇が今度こそ忌々しげに蹴りつける。
「やっぱりお前は面白くないな・・・」
その時。かすかに咆哮らしきものが聞こえてきた。
斜めにスリットの入った顔を上げ、王蛇が夜空を見渡す。
あの黒い龍だった。青い燐光に包まれて、
かなり遠くの家並みの上を飛んでいく。
「・・・次はあいつだ」
表情を持たないはずの仮面が、にたりと笑ったように見えた。

数秒後。
蛇皮ジャケットの男が、再び坂道を登っていった。
暗い迷路のような住宅街の奥を目指して。
48Evergreen (40):04/07/25 23:15 ID:f1Z3e3Wq
残っていたわずかな力を振り絞り、バイクのミラーから
現実世界に出た途端に変身が解けた。
いや。腰のカードデッキが砕け散るのが先だった。

寒い。今夜は雪でも降るのか・・・
頭を坂の上側にして冷たい路面に倒れたまま、
ぼんやりとそんなことを思う。ひどく疲れていた。
もう、ずっとここに横たわっていたかった。

だがその時、不穏な気配が首の後ろを灼いた。
億劫さと戦いながら頭を上げ、坂の下を見る。
蒼い街灯の光を背負った、いくつもの人影が見えた。
皆、こちらへ登ってくる。
その正体に気づくのに時間はかからなかった。
全員が板のようなものを手にしていたから。
"そうだよ。復活したライダーたちさ"
頭の上で、悪意に満ちた声がした。

「お前・・・城戸に取りついた奴か」
"相変わらず察しの早い奴だな。だがこの世界でも
思い知るがいい−−お前に予言の力はあっても、
予言されたことを止める力はないということを"
「ふざけるな・・・」
"教えてやろうか?前の世界での戦いを制したのは
秋山蓮だ。お前が戦いを思い止まらせようとあれほど
世話を焼いたのになあ。それに城戸真司−−
つまり俺も、結局はお前の予言した死の運命から
逃れることはできなかった。お前が運命を変えようとして
やったことは、すべて徒労に終ったというわけだ。
だが今度こそは俺が勝者になる。神崎優衣を救うために"
49Evergreen (41):04/07/25 23:20 ID:f1Z3e3Wq
やはり、目的はそれか。
「・・・あの娘がそんなことを望むはずがない。
お前が勝ったところで何も変わりはしないだろう」
"だったらどうだというんだ?優衣が命を受け取る気に
なるまで戦いを続けるまでさ−−今まで通りに"
「やめろ!」
"今度も優衣が命を受け取らなかった場合の掃除屋どもも、
もう呼び出したしな"
掃除屋・・・?
"さてと、いつまでもお前に付き合っている暇はない。
お前はすでに敗者だからな・・・早く他の奴らも
追いつかせて、戦いを進めなければ"

邪悪な声が消えるのと入れ替わりに、何人もの足が
横を通り過ぎていく音と振動が伝わってきた。
必死で上半身を起こし、そいつらに向かって叫ぶ。
「行くな・・・また殺し合って、虚しく死んでいくつもりか!」
分かってはいたが、誰も止まりはしなかった。
若者たちも、娘も、壮年の男たちも。
思いつめたような表情で前を向いたまま、
坂の上の闇に沈む住宅街目指して進んでゆく。

そして、最後の1人が坂の向こうに消えた時。
坂の下に再び気配を感じた。
よみがえったライダーたちよりもずっと不穏な気配を。
振り向くと、幽霊のように生白いモンスターたちの群れが
ぞろぞろと坂を登ってくるのが見えた。奇妙な鳴き声と
滑稽な姿勢が、かえって不気味さを強調している。
「あれが掃除屋・・・なのか・・・・・・」
俺の意識は、そこで途切れた。
50Evergreen(42):04/07/25 23:27 ID:f1Z3e3Wq
「なにもこんな寒い夜に臨時の会合なんか
開かなくたってねえ、塚本さんも・・・
じゃ、悪いけど後頼んだわ蓮ちゃん」

そう言い残して経営者が出かけてから
閉店後の後片付けをひとりで済ませ、
帰り支度をして店のドアに向かった時だった。
あの音が響き始めたのは。

花鶏で働くようになって1年近くがたつ。
つまり、この世界で城戸に会ってから1年近くということだ。
あの時、何とかして声をかけたいと思いながら、
何も言わずにあいつを凝視することしかできなかった。
他にどうすることができたろう。店の前で偶然、
行きずりの他人として会っただけの俺に。
少なくとも城戸にとって、俺は得体の知れない
不愉快な男でしかなかったはずだ。
そして今も、あいつの記憶にある俺はそうに違いない。
いや。1年前にたまたま出くわした嫌な奴など、
覚えているかどうかさえあやしいものだ。

それでももう一度、何とかしてあいつに会いたかった。
あの後、経営者が店先に出したバイト募集の広告に
いち早く応募したのも、この店に常駐していれば
あいつがまた来た時に会うことができると思ったからだ。
もちろん、この店との断ち難い縁を感じたからというのもある。
だからそれまでやっていた、多少危険だが実入りのいい
仕事を辞めることにも躊躇はなかった。
51Evergreen(43):04/07/25 23:28 ID:f1Z3e3Wq
そうだ。あいつは必ずまた花鶏に来る。
かつて皆と一緒に暮らした場所に・・・優衣と、
優衣の叔母と、俺と、手塚と。
たとえ前の世界の記憶がなくても、いずれは−−
やはり記憶のなかった俺が、あいつと同じ日に
ここへ辿り着いた時のように、優衣に導かれて。


あの日。
街中にバイクを置いて仕事先に向かおうとした俺に、
とんでもない奴が絡んできた。
「邪魔だ!」
どこからともなく現れたかと思うと、そう言いながら
バイクを蹴り倒した蛇柄ジャケットの男だ。
「貴様・・・」
また恵里が悲しむと思いながらも即座に拳を固め、
相手の顔に叩きつけた。たいていの奴はこの一発で沈む。
少々無神経な奴でも、二発目で確実にのびる。
ところがそいつの無神経さは人並み以上どころではなかった。
三発目を繰り出そうとした瞬間、鳩尾に衝撃が走る。
蛇柄に膝蹴りを決められたと分かる前に、また一発。
胃液にむせかえりながらも何とか相手を蹴り放し、
さっさとバイクを起こして逃走を開始した。
喧嘩は嫌いじゃないが、相手は人間だけでいい。
「おい!もっと遊んでいけよ!」
後ろから奴がそう喚き散らすのを聞いて、げんなりした。
要するにあいつは暇と腕力を持て余していたのだ。
相手にした俺が阿呆だった。これで骨を折ったり、
顔を腫れ上がらせて帰ったりすれば、今度こそ恵里が
愛想を尽かさないとも限らない。それは願い下げだ・・・
52Evergreen(44):04/07/25 23:30 ID:f1Z3e3Wq
なりふり構わずバイクを走らせ、街はずれまで来た。
今日はもう街に戻らない方がいいだろう。
携帯を取り出して休みの連絡を仕事先に入れたものの、
急に暇ができたので何をすればよいのかわからない。
そうだ。今まで行ったことのない場所でも少し
見てこようか・・・そう思い立ち、ちょうど右前方に
見えてきた上り坂の方へ進んだ。

住宅街を黒いバイクで流す黒ずくめの男は、
住民にとってかなりうさんくさい存在だったかもしれない。
それでも俺は、一度入り込んだその閑静な家並みの間を
走り続けた−−今思えば、優衣に導かれながら。

「TEA 花鶏」
ほんの小さな看板なのに、バイクの上からそれに
気づいたのも、優衣が教えてくれたからだろう。
そして・・・壁という壁を枯れたツタに覆われ、庭木や
草花の茂みと洋風の鉄柵に囲まれた、小さな建物。
それを目にしたとたん、無意識にバイクを急停止させていた。

記憶の奔流が襲ってきた。
この店の前で誰と会い、誰と語り、誰につかみかかったのか。
店の中で誰と暮らし、誰と口論し、誰を元気づけたのか。
この店の経営者とその血縁者たちが何者であり、
自分とどんな関係にあったのか−−そして、
前の世界で自分が何のために生き、戦い、死んだのか。

すべてを思い出すと同時にバイクを降り、
店の入り口に向かって駆け出していた。
53Evergreen(45):04/07/25 23:31 ID:f1Z3e3Wq
見覚えのあるガラス張りのドアを乱暴に開け、
見覚えのあるカウンターの隅に駆け寄る。
だが、そこに飾られた写真は記憶にないものだった。
神崎士郎と優衣でなく、並んで微笑む少年と少女の写真は。

「いらっしゃいませ・・・」
顔を上げると、口元に笑み、目元に不審そうな表情を
浮かべた神崎沙奈子がカウンターの向こうに立っていた。
俺と違って、彼女の方に俺を覚えている様子はない。

一瞬迷った後、俺も一見の客らしく振舞うことにした。
軽く頭を下げてからカウンターの前に腰掛け、
置いてあったメニューを見る。これにも見覚えがあった。
「アイリッシュブレンド」

店主がカウンターの奥に消えた後、
他に客のいない静かな店内に座っていると、
涙がとめどなくあふれてきた。
さっき、写真を見たときに分かった。
この世界に花鶏はあっても、優衣はいないということが。
そしてこの世界で俺と恵里がごく普通に−−つまり
この上なく幸せに暮らしてこられたのは、
優衣のおかげなのだということが。

城戸の死によって最後のライダーとなった俺は、
オーディンとの最終決戦で死んだ。
だがその前にオーディンの方が消滅した。
最後の戦いで生まれた「新しい命」を
優衣に与えず、俺が恵里に与えるままにして。
54Evergreen(46):04/07/25 23:37 ID:f1Z3e3Wq
「実体のない俺の代わりだ・・・それでも、
お前がオーディンを倒すことは不可能だろう」
神崎士郎はそう言った。
ならばどうして奴は−−神崎の分身は消えたのか。
答えはひとつしかない。
優衣が新しい命を受け取らなかったからだ。

どんなに兄が望んでも、優衣はライダーたちの命を
犠牲にして生き延びることを最後まで拒んだのだろう。
そうしなければ自分が消えると分かっていながら。

そして俺や城戸や、おそらく他の元ライダーたちも
普通の人間として生きている今の世界があるのは・・・
俺たちの目の前で消えながら優衣が叫んだ、
あの言葉があったからに違いない。
「もう一度絵を描けたら・・・モンスターなんかがいる
世界じゃなくて・・・みんなが幸せに笑ってる絵を・・・」

優衣が消え、城戸が消え、神崎士郎が消え、
俺が消えた後、世界は生まれ変わったのだろう。
優衣が望んだ通りの姿になって。
なのに、その優衣だけがいないのだ。
幼くして理不尽に命を奪われ、仮の命を
与えられてなお苦しみ続けたあいつにこそ、
この世界で幸せに笑う権利があるはずではないのか。
55Evergreen(47):04/07/25 23:38 ID:f1Z3e3Wq
だが優衣自身、自分のために俺がこんな風に悲しみ、
悔やみ続けることなど望んではいないだろう。
でなければあいつが新しい命を拒んだことも、新しい世界を
実現させたことも、すべて無駄だったということになってしまう。
優衣がくれたこの世界で、恵里と一緒に生きていく。
俺が優衣のためにできることは、たぶんそれ以外にはない。
同時にそれが、何よりも優衣を喜ばせることになるのだろう・・・

カチャリという音に我に返ると、白い縄目模様の
カップと皿が目の前に置かれるところだった。
小さなティーポットを持った店主が、じっとこっちを見ている。
「そんなにこの写真が気に入りました?涙が出るほど」
「・・・」
俺の返事を待たず、言葉を続けた。
「あたしの甥と、姪なんです。姪の方は小さいうちに
いなくなっちまったけど・・・親のせいで。甥はその後
アメリカの親戚に引き取られたきり、ずっと音信不通でね。
できれば一度会いたいもんですよ」

香りと一緒に様々な思い出が立ち昇ってくる紅茶を
ニ杯飲むと、やっと涙は止まった。
会計を済ませてドアに向かう時、レジの向こうから
神崎沙奈子が俺の背中を見つめているのを感じた。
薄幸な甥と姪の話を知る前から写真を見て
涙を流していた客にますます不審の念を抱いたのか、
彼女の「間違いはない」勘の為なのかはわからなかったが。

そして、外へ出たとたんに城戸と鉢合わせた。
56Evergreen(48):04/07/25 23:44 ID:f1Z3e3Wq
そう、あの日。
俺と城戸を同じ時間に花鶏まで連れて来て
会わせるようにしたのは、優衣に違いない。

それなら何故、城戸の記憶は戻らなかったのだろう。

俺があの時偶然を装って城戸の行く手を何度か
ふさいだのは、あいつがなかなか俺の正体に
気づく様子を見せなかったからだ。
もっとよく俺の顔を見れば、こいつだって
前の世界でのことを思い出すに違いない。
俺が花鶏を見て記憶を取り戻したように。
そう思ったのだ−−結局無駄だったが。

何故だ、優衣?どうして俺の記憶だけを戻したんだ・・・
1年間、城戸が来るのをここで待ちながら
心の中で何度そう問いかけたかわからない。
今夜、仕事を終えて帰宅しようと店のドアに
向かった時も、考えていたのはやはりそのことだった。

だがガラス張りのドアを開ける前に足が止まった。
突然、あの音が店中に響き始めたからだ。
前の世界で聞き慣れた不吉な音が。
反射的にカウンターの隅へ走り寄り、
幼い優衣と神崎士郎の写真を見る。
「何故だ、優衣・・・何故またこの音が聞こえる。
・・・・・・それに何故ダークウイングが!」
光沢のある写真の表面で、今にもこちらへ
出てきそうにはばたいているのが見えた−−
やはり前の世界で見慣れたコウモリのモンスターが。
57Evergreen(49):04/07/25 23:45 ID:f1Z3e3Wq
どれくらい時間がたった後だったろう。
入り口のドアがバタンと開き、凍てつくような
夜風が店の中に吹き込んできたのは。
忘れるはずもない声と一緒に。
「また会えたな・・・」
俺が今まで待ち続けていた男の声だ。

城戸。やっと来たのか?
とうとう、俺や優衣のことを思い出したのか?

だが、声に含まれた嘲るような響きで分かった。
こいつは城戸であって城戸でない。
そして俺は、前にもこいつに会ったことがある。
まさに今ここにいる場所で。
今の世界でも、前の世界でもない時に。

「俺はもはや鏡の中の幻ではない!
俺は存在する−−最強のライダーとして」
俺の目の前で城戸に乗り移ったこいつは
あの時そう叫んだ後、名乗ったのだ。
「ミラーワールドからのライダー、リュウガ」と。

何故お前がこの世界にいる。
何故、再び城戸に取りついた?

あの時と同じようにただ呆然と相手を見つめる
俺に向かって、リュウガがまた口を開いた。
俺の考えを読んだかのように。
「決まっているだろう−−ライダーバトルのためさ。
今度こそ俺と最後まで戦え、仮面ライダーナイト!」
58Evergreen(50):04/07/25 23:56 ID:f1Z3e3Wq
「ライダーバトルは−−終った」
それだけ言い返すのが精一杯だった。

「終っただと? ふざけるな!!」
城戸の顔をした奴が答える。
ぞっとするほど冷たい怒りを込めて。

「お前はすでに前の世界で願いを叶えた・・・
俺と優衣の命を犠牲にしてな!
だから今度はお前の命を犠牲にしろ。
他のライダー達もすべて目覚めた。じきにここへ集結する。
分かったか?優衣に新しい命を与えるまで戦いは続くんだ!」

優衣に新しい命を与えるまで、か。
分かったよ、城戸。
何故お前がまたこいつに取りつかれたのか。
そして1年前花鶏に来た時、お前が何故
俺のように記憶を取り戻さなかったのかが。

「俺の中に来い・・・戦いに勝てば、まだ優衣を
救うことができるんだぞ!」
息絶えた優衣を前にして、城戸に分離された時も
こいつはそう言った。
戦いに勝って優衣を救いたい−−
戦いを止めたいという願いと相反する、
もうひとつの城戸の願い。
こいつはそれにつけ込んだのだ。
59Evergreen(51):04/07/25 23:58 ID:f1Z3e3Wq
俺のライダーとしての記憶は、いくつもある。
薄れる意識の中で恵里の指にリングを嵌めた記憶。
城戸に看取られて死んだ記憶。
城戸と共にモンスターの大群に向かっていった記憶・・・
優衣が新しい命を拒むたびに神崎士郎が世界を
作り直し、戦いを繰り返したからに違いない。

それでも戦いはついに終った。前の世界が終わると同時に。
神崎が妹の願いを受け入れて、新しい命を
与えようとするのを止めたからだろう。
だがその優衣に今度こそ必ず戦いを止めさせようと
決心させたのは、城戸、お前の姿だったのかもしれない。

優衣を助けるにはライダーバトルが必要だ。
だがライダー同士の殺し合いは絶対に止めたい。
どこまでも相反する二つの願いの間で苦しみ、涙を流し、
それでもお前は戦いを止めることをあきらめなかった。
俺の目の前で息絶える瞬間まで。
本当はお前こそがライダーバトルの勝利者であり、俺と恵里に
再び幸せな人生を与えてくれた当人なのかもしれない。
俺が恵里に命を与えた世界は終ったが、その後に
お前と優衣が望んだ通りの世界が実現したのだから。

だがこの世界でもお前はずっと持ちつづけていた。
優衣を救えなかった悲しみと後悔を。そうだろう?
それが鎮まるまでお前の記憶を封印しておこうというのが、
優衣のはからいだったに違いない。
なのに鎮まるどころか、お前の悲しみと後悔は
この世界に再び戦いの種子を芽吹かせてしまった。
もうひとりのお前、リュウガという種子を・・・
60Evergreen(52):04/07/26 00:00 ID:Bc7Sq0E3
「さあ、早くカードデッキを出せナイト!」
立ち尽くす蓮に向かってリュウガが叫ぶと同時に、
入り口のドアガラスから巨大な黒い頭が現れた。
続いて鉤爪の生えた脚と、幾つもの節に分かれた胴体も。
あっという間に狭い店内を占拠した黒い龍の尾の先が、
テーブルの上に逆さに置いてあった椅子を何脚か
はね飛ばす。そのひとつが天井の照明に当たった。
ガラスの砕ける音と共に、店内が真っ暗になる。

闇の中で、蓮の左の頬に笑みが浮かんだ。
限りなく悲しい笑みが。

「お前はすでに前の世界で願いを叶えた・・・
俺と優衣の命を犠牲にしてな!」
こいつの言ったとおりかもしれないな。
俺が勝ち残ったライダーとしてオーディンと
戦うことができたのは、城戸が死んだからだ。
手を下していなくても、あいつの死が俺にとって
有利に働いたという事実には何の変わりもない。
そして・・・俺が新しい命を恵里に与えた瞬間、
優衣は確かに俺の犠牲になったのだ。
俺を信頼し、恵里を支え続け、
兄の目的を知ってからは自ら仮の命を絶ってまで
俺たちを救おうとした優衣は。
いくらあいつが新しい命を拒んだからといって、
やはりその事実に変わりはない。
61Evergreen(53):04/07/26 00:03 ID:Bc7Sq0E3
もしもこいつが今の世界で本当に優衣を生き返らせることが
できるのなら−−そして城戸の悲しみが鎮まるのなら、
それもいいのではないか。

恵里がこの世界で生きている。
俺にはそれだけで十分だ。

「ずいぶんはっきりした奴だな、同じ顔の誰かと違って・・・
俺の命か。欲しいならくれてやる。
カードデッキなぞ出す必要もないだろう」
「黙れ!」
愚弄でもされたかのようにリュウガが激昂する。
「戦わない命になど二束三文の価値もない。
仮面ライダーナイトになって俺と戦え!」
「くだらんな。お前のライダーとしての力は、俺よりも
相当高いはずだ。どうせ俺が負けるのなら同じことだろう」
俺は二度とライダーにはならない。
前の世界で俺がライダーとして戦う度に、
城戸や優衣はどれだけの苦しみを味わったろう。

「ふん」
不意に、リュウガの口元が暗い笑いに歪む。
「ひとつだけだったな、お前の闘う理由は。
ならば今それを作ってやる」
言葉と同時に、店内を塞いでいた龍の巨躯が忽然と消えた。

一瞬とまどった後、蓮の顔色が変わる。
「貴様・・・まさか!」
62Evergreen(54):04/07/26 00:07 ID:Bc7Sq0E3
同時刻、清明院大学401号室。

「みんな、もう帰れよ。これは俺がやるから」
黙々と床に散らばった壊れ物の片づけを始めた
長身の青年が、仏頂面で呟く。
「あれ、さっきまで”馬鹿馬鹿しい、あいつが
壊したんだからあいつに片付けさせればいいんだ”
とか言ってたの誰だっけ?」
「うるさい、とっとと帰れ田宮!」
「お前こそ早く帰った方がいいんじゃないのか。
彼女と約束があったんだろ」
「・・・・・・」
「大丈夫かよ、連絡くらい入れてきたらどうだ?」
「みんな帰れっていってるだろう!!」
青年の剣幕に黙り込む香川研究室の一同。
「ねえ、仲村君。もしかして東條君のこと気にしてる?」
ややあって、柔らかい女の声が聞いた。
「そんなんじゃない」
「だったらどうして」
「小川さん・・・!」
仲村の癇癪がまた爆発するのを恐れた西本が
目で止めるのもかまわず、恵里が言葉を続ける。
「・・・東條君の失敗の後始末を進んでしているの?」
少し間を置いて返ってきたのは、怒鳴り声ではなかった。
「東條と組んでいた俺にも、失敗の責任はある。それに、
あいつも良かれと思ってしたことだ−−だからって
自分の責任を一切認めようとしないのは腹が立つけどな」
「ふーん、そうなんだ」
なぜか楽しそうに言うと恵里は身を翻した。すぐに、部屋の
隅の掃除用具入れから箒と塵取りを持って戻ってくる。
63Evergreen(55):04/07/26 00:07 ID:Bc7Sq0E3
「小川さん、どうしたんだろ・・・」
仲村の当惑などにお構いなく嬉々として掃除を手伝い始めた
恵里を見ながら、西本が田宮に向かって不思議そうに言う。
「さあな。でも仲村と、小川さんの付き合ってる男って
なんとなくタイプが似てる気がするから、そのせいじゃないのか」
「小川さんの彼?どういうことだよ」
「お前も見たことあるだろ、時々小川さんを迎えにここの下まで
バイクで来るから。あの黒一色で固めた奴だよ。
江島研究室にいる俺の知り合いが小川さんの親友でさ、
その女が小川さんから聞いた話によると、無愛想で
喧嘩っ早くて情に厚くて・・・まあ、ひとことで言うと
古いタイプの極道みたいな奴なんだと」
「極道、ってそれ、小川さんが自分で言ったのか?」
「らしいよ」
「ひえ。それじゃ小川さんは極道の姐さんタイプかよ?
女って見かけによらないもんだな」
「まだ帰っていなかったんですか、君たち?」
「あ、先生!」
驚く一同の見守る中、入り口の両開きの扉を閉めると
仲村と恵里のそばまで歩いてくる香川教授。
「皆で片づけていてくれたのですか。ご苦労でしたね。
・・・東條君も、あの頑なさをいい方向に生かせれば
失敗を糧にして成長できるのですが。頑固さは粘り強さと
表裏一体ですから。いや、きっと彼ならそうなれるはずだ。
君もそう思うのでしょう、仲村君?」
「知りませんよ、あんな勝手な奴のことなんか」
ガラスの破片を拾いながら、顔も上げずに仲村が答える。
「東條君と組んだ人は今まで何人かいましたが、
これだけ長く続いたのは君が初めてですよ・・・」
普段は厳しい教授の表情に、穏やかな笑みが浮かんだ。
64Evergreen(56):04/07/26 00:10 ID:Bc7Sq0E3
誰も気づかなかった。401号室の窓の外から、
いや窓そのものから、血のように暗い赤に輝く二つの眼が
室内をじっと見つめていることに。正確には室内の小川恵里を。
そして、赤い眼の周囲に夜闇よりもさらに黒い影が
広がり始めていることに・・・
幾重にも渦巻き重なる、龍の胴体が。

「貴様!恵里に何をする気だ!」
「お前次第だな」
血相を変えて詰め寄る蓮に向かってリュウガが笑う。
「カードデッキを出せ。もう一度あの女を眠らせたくなければ」
「・・・・・・!」
怒りと焦燥に、蓮の蒼白い顔が歪む。
「さあ、どうする?」
リュウガが容赦なく促す。
それに応じるかのように、蓮の右腕が少しずつ
動き始めた。レザーコートのポケットに向かって。
にやりと笑うリュウガ。
「そうだ、それでいい・・・さて、今度こそお前の番だ」
後半分の台詞は、自分の内側に向けられたものだった。
「目覚めてナイトと戦え、そうすればお前の悲しみも終りだ。
龍騎、俺の力となれ!」
そしてジャケットから黒いカードデッキを取り出す。
「変身!」

だが次の瞬間もリュウガの姿は変わらなかった。
「なぜだ・・・なぜ覚醒しない龍騎!」
狼狽を隠そうともしないリュウガを茫然と見つめる
蓮の後ろの暗がりで、微かに何かが光る。
店内に飾られたクリスマスツリーのオーナメントだった。
65Evergreen(57):04/07/26 00:14 ID:Bc7Sq0E3
こいつに身体を乗っ取られた瞬間、思い出した。
俺のイメージに出てくる女の子が誰なのか。
なぜその子を見ると涙が流れるのか。
そして思った。俺を乗っ取った俺の思惑どおりに。
「今度こそ、優衣ちゃんを助けなきゃ・・・!」
だけど今また花鶏に来て、一番大事なことを思い出したんだ。
優衣ちゃんが、最後に何を望んだのかを。
そして俺が、何のために戦っていたのかを。
クリスマスツリーが目に入った瞬間に。

優衣ちゃんは、あのツリーの前に座っていた。
あの日俺が外から帰ってきた時。
「ごめんね。心配させて」
俺と蓮の前で身も世もなく怯えていたのが
嘘のように、明るい笑顔でそう言った。
「私、大丈夫だから。ほんとに」
話す間も飾り付けの手は止めない。
その手からは、また粒子が立ち昇っているというのに・・・

その少し前、401号室で。
「当たり前だろ!」
優衣を助けたいかとの問いにそう答えた俺に、
神崎士郎が言った。
「ならば戦え、最後の1人になるまで。
それが優衣を救うたったひとつの方法だ」

その後、東條からの呼び出しに応じて
戦いに向かう蓮と会って、こう聞かれた。
「お前はどうする?」
66Evergreen(58):04/07/26 00:15 ID:Bc7Sq0E3
俺は叫ぶしかなかった。
「わかんないんだよ!優衣ちゃんを助けたいけど、
そのために他の人間を犠牲にするなんて」

結局、俺はずっと迷い続けた。あの世界で命を落とすまで。
そして・・・この世界に生まれ変わった。
ライダーバトルのない世界に。
俺が死んだ後で優衣ちゃんの願いが通じたんだろう。
俺と蓮の前で消えながら、優衣ちゃんはこう言ってたから。
「もう一度絵を描けたら・・・モンスターなんかがいる
世界じゃなくて・・・みんなが幸せに笑ってる絵を・・・」

あの日、この世界で初めて花鶏に来た時。
前の世界の記憶はなかったけれど、
俺にはきっと分かったんだ。無意識に。
優衣ちゃんがもうここにいないってことが。
そしてこの世界は、優衣ちゃんの命と引き換えに
作られたんだっていうことが・・・

きっと、あの時からだろう。
俺が迷い続けてさえいなければ。
優衣ちゃんのために戦ってさえいれば・・・
俺の無意識の中に、そんな思いが育ちはじめたのは。

だから、もうひとりの俺がまたよみがえってしまったんだろう。
別の世界で、幼い日に優衣ちゃんとの約束を破ったことを
悔やむ俺の気持ちを利用して現れた、あいつが。
67Evergreen(59):04/07/26 00:27 ID:Bc7Sq0E3
だけど、やっぱり優衣ちゃんが人の命を犠牲にして
生き返ることなんて望むはずがない。
それどころか、ライダーバトルのないこの世界こそ
優衣ちゃんの願いそのものじゃないか・・・

「畜生、また俺から離れるつもりか!」
あいつの声が聞こえる。俺の喉から。

「ああ、そうだよ。お前はいらない・・・俺の中に帰れ!」
声にならない声でそう叫ぶと俺は精神を集中させ、
思いきり身体を引き離した。
もうひとりの俺の身体から。

突然もがき苦しみ出したリュウガの身体から、
強烈な白い光がほとばしった。
とっさに目を閉じた蓮の耳に、どさりという音と
呻き声が聞こえてくる。二人分の。

再び目を開け、蓮は見た。
暗闇の中で、二つの同じ姿が床に倒れているのを。

「・・・・・・城戸・・・」
期待と、それを上回る不安に震える声で、
蓮が呼びかける。
「城戸!聞こえているなら返事をしてくれ!」
声に焦燥が混じりかけた時、片方の姿が
ゆっくりと身体を起こし、頭を上げた。
まだ焦点が合っていない眼で自分の前の男を
見つめ、ややあってわずかに唇を動かす。
「・・・・・・蓮」
68Evergreen(60):04/07/26 00:28 ID:Bc7Sq0E3
ああ。聞こえてるよ。
ここに来てやっと思い出せた・・・蓮、お前のことも。
今度こそ、また会えたな。本当に。

お前は優衣ちゃんを犠牲にした男なんかじゃない。
いつだってお前は優衣ちゃんを守ってきたんだ。
俺と一緒に。そしていくつもの世界で、俺たちは
一緒に戦ってきた。そうだろ?

「・・・思い出したのか・・・城戸」
極度に押し殺した声で問う蓮に向かい、
闇の向こうから真司が歯を見せて笑った。
「忘れるわけないだろ。お前みたいな嫌な奴のこと」

蓮のこわばりきった表情に光が差そうとした時。

「ばかめ・・・」
床に手をついて身体を起こしたリュウガの
振り乱した髪の陰から、呪詛のような呟きが聞こえた。
「もはやライダーバトルは始まっている。
戦うしかないんだよ、お前たちは。
お前の中に帰れ、だと・・・?
ふざけるな!お前こそ俺の力となって取り込まれろ。
でなければ神崎優衣は二度と生き返れなくなるんだぞ!」
「まだ分からないのか?」
真司が、哀れむようにもうひとりの自分を見つめながら言う。
「優衣ちゃんは、他人の命なんていらないんだよ・・・
今までも、そしてこれからも。何度世界が生まれ変わったって」
69Evergreen(61):04/07/26 00:29 ID:Bc7Sq0E3
「それが何だ?・・・何度だって俺は戦って、何度だって
世界を作り直してやるさ、優衣に命を与えるまでは」
手塚に言ったのと同じ台詞を吐くやいなや
黒豹のように立ち上がったリュウガが、
再びデッキをかざす。
「変身!」

次の瞬間、真司の身体も床から離れた。
店内の闇よりなお黒々とした身体と、
血の色の吊り上がった眼を持つライダーに
胸座をつかまれて起こされたからだ。
「最後のチャンスをやる。龍騎になって、俺と合体しろ。
嫌だというなら今ここで殺す。さあ、どっちだ?早く決めろ!」

スリットの向こうから爛々と輝く赤い眼を
まじろぎもせず見つめながら、
どこか悲しそうに真司が微笑んだ。
「どうしても戦いたいのか。
それじゃあ、変身してやるよ・・・
だけどそれは、お前に取り込まれるためじゃない。
お前を倒すためだ。もう一度、
そして今度こそ永久に甦ってこないように」
「ほざくな!死ね」
鋼の手が真司の喉にかかろうとした時。

重く長い咆哮が聞こえてきた。
店の窓という窓の中から。
その場の誰もが知る娘の声と一緒に。
「だめ、ドラグレッダー!お前だけは行かないで」
70Evergreen(62):04/07/26 00:30 ID:Bc7Sq0E3
「・・・優衣・・・・・・」
暗い窓の列を見つめ、夢でも見ているように
蓮がその名前を口にした時。

「変身!」

リュウガに胸座を掴まれたままジャケットに
差し込まれた真司の手が、黒い板と共に引き抜かれた。
窓に向かって突き出された龍の紋章が金色に輝く。

「行っちゃだめ!」
コアミラーの空に響き渡る、悲しい叫び。
だがモンスターは螺旋をひとつ描き、垂直に上昇を始めた。

花鶏のドアガラスから再び巨大な龍の頭が現れる。
今度は炎のような色の頭が。
続いて赤い前脚が銀色の爪を振り上げながら、
そして赤い胴体が左右にうねりながら次々と。

窓ガラスを破れそうに震わせる咆哮とともに、
赤い龍が黒いライダーに襲いかかった。
「っ!」
牙の列に弾き飛ばされ、床に転倒するリュウガ。

「心配しなくてもいいよ、優衣ちゃん・・・俺は、
戦いを終らせるために変身したんだから。今度こそ」
守るように自分を取り巻くドラグレッダーの巨躯の
向こうに立ち上がった赤いライダーが、そう呟いた。
仮面ライダー龍騎が。
71Evergreen(63):04/07/26 00:32 ID:Bc7Sq0E3
「龍騎として俺と戦うというのならそれもよかろう・・・
どのみち俺に倒されて優衣の命になるんだからな。来い」
なおも挑発的な態度を崩さずリュウガが立ち上がり、
吐き棄てるように言うと龍騎に背を向けた。
そのままドアガラスに向かって大股に踏み込んでいく。

同時に蓮がレザーのポケットに手を入れる。
中身をつかんで引き抜こうとしたができなかった。
龍騎の腕が横からその手を押さえたからだ。
「あいつは、もうひとりの俺だ。俺が倒さなければ意味がない。
それに蓮・・・お前にはもう戦わせたくないんだ」
真司の声が言う。

かすかに笑って、蓮は取り出したものを床に放った。
ブルーブラックの板が木の表面に当たって転がる。
「わかった・・・城戸、死ぬなよ」
「ああ!」
力強くそれだけ答えると背を向け、龍騎は足を踏み出した。
リュウガを追って、ドアガラスからミラーワールドへ。

一歩鏡の向こうへ踏み込んだ途端、目を疑った。
吹雪だ。眼の前も見えないほどの。
ライダーの身体さえ薙ぎ倒しそうな勢いの風に乗って、
無数の雪つぶてが叩きつけてくる。
闇を塗り潰す白い嵐を振り仰ぐ龍騎の眼に、
次第に見えてきたのは・・・
林立するビルの群れ、裸の黒い枝を張る街路樹、
大きな幹線道路。そして歩道橋。
花鶏の周囲の住宅街ではなかった。
72Evergreen(64):04/07/26 00:33 ID:Bc7Sq0E3
おそらくリュウガが、花鶏の鏡とミラーワールドの
別の場所をつなげたのだろう。
そして・・・
雪嵐に慣れてきた龍騎の赤い眼は、
さらに衝撃的なものを捉え始めていた。

吹雪の中に散らばって戦う仮面ライダーたちを。

「うおあぁ!」
ベノサーベルを振り上げて突進する王蛇。
その姿に向かってマグナバイザーを撃ち込むゾルダ。
瞬時に弾丸を受けて払った金色の剣から火花が散り、
あっというまに風にさらわれていく。
微塵も容赦のない銃撃を巧みに避けながら
吹雪の中を駆け巡る王蛇が、さも楽しそうに哄笑した。
「ほんとに面白いなあ・・・お前は!」
「どうでもいいけど、そろそろお開きにしない?」
冷ややかに言い、緑のライダーがカードを抜く。
「ストライクベント」
衝撃と轟音が風の唸りと雪片を吹き飛ばした。
だがギガランチャーの標的はすでに消えていた。
雪渦の中に躍り上がった王蛇がデッキに手をのばす。
「アドベント」
積もり始めた雪を撥ね散らして滑ってきた紫の大蛇が、
敵に黄色い毒液を吐きかける。
「おっと」
巨大な砲を放り棄て毒を避けるゾルダに向かい、
地上に降り立った王蛇が雪を蹴散らして再び斬りかかった・・・
73Evergreen(65):04/07/26 00:34 ID:Bc7Sq0E3
「スピンベント」
巨大なドリルを構えた褐色のライダーが
空中高く跳ね上り、降下しながら地上の敵を狙う。
まず強靭な切れ味を持つ右脚、次に
真横に薙ぎ払った二本のねじれ角が、
鉄灰色のライダーの頭部と幅広い肩を襲った。
「どう?強いでしょ、俺」
倒れたらそう言ってやるつもりだったが、
相手の頑丈さはインペラーの予想を越えていた。
蹴りとドリルの直撃を受けながら雪の上で
よろめきひとつ見せず、ガイはこう答えたのだ。
「なあんだ。弱いじゃんあんた」
嘲笑まじりの言葉と同時にカードが飛び、
肩のバイザーに吸い込まれる。
「ストライクベント」

避ける間もなく、インペラーの右肩から
左脇にかけて重い衝撃と火花が生じた。
そしてすぐに左肩、また右肩と、容赦無く
金色の一本角が振り下ろされていく。
メタルホーンの連打をガゼルスタッブで
何とか受け流しながら飛び下がっていた
インペラーが、再び右脚を振り上げた。
「ファイナルベント」
それまで主人と敵の周囲を跳ね回り、
隙を見ては一体一体バラバラにちょっかいを
出していたガゼルモンスターたちが一瞬で
インペラーの背後に集結し、キイキイ鳴きながら
一斉にガイめがけて襲いかかった。
74Evergreen(66):04/07/26 00:35 ID:Bc7Sq0E3
「うざいんだよね、小モノばっかりのくせに」
冷たい軽蔑を込めて毒づくと、
ガイも再びバイザーにカードを放る。
「コンファインベント」
飛び跳ねながら迫ってくるガゼル共が
たちまち掻き消え、渦巻く雪だけが闇に残される。
そこへ間髪入れず再び声が響く。
「ファイナルベント」
猛風に真っ向から挑むような咆哮と地響きを立て、
闇の向こうから鋼のサイが突進して来る。
「じゃあね」
そう言い放ち、ガイはメタルゲラスの肩に飛び乗った・・・


雪嵐の中で対峙する、二人の白いライダー。
「もしかして君、女の子なんだ。
でも容赦はしないから」
がっしりした身体に青い縞模様のある方が
抑揚のない声で宣言し、デッキからカードを引き抜いた。
「ストライクベント」
鋭い爪に飾られた巨大な両手を掲げると、
相手に向かって吹雪の中を猛然と走り出す。
「それはこっちの台詞だよ!」
華奢な身体に白いマントをまとった方が叫び、
細身の剣を振りかざすと根元にカードを差し込む。
「ソードベント」
飛んできた武器を両手で斜めに構え、正面から
雪つぶてを受けながら敵を目指して走り始める。
異様に長い銀色の爪と金色の刃が、
激しい金属音と火花を立ててぶつかり合った。
75Evergreen(67):04/07/26 00:37 ID:Bc7Sq0E3
最初の一撃で跳ね飛ばされ、雪に叩きつけられながら
ファムは理解した。ウイングスラッシャーが一瞬で
叩き折られなかったのは幸運に過ぎないことを。
腕から身体全体に響く痺れをこらえ、真上から迫る
デストクローのニ撃目を辛くも避けて宙に跳ぶ。
雪と風をはらんで、雪と同じ色のマントが闇に広がった。
「ガードベント」
目標を見失ったタイガの視界が白い闇と化す。
渦巻く雪に、無数の羽根が加わって周囲を舞い始めたのだ。
「だめだと思うけどな、そんな姑息な手を使っても」
余裕たっぷりに呟くと、カードを引き抜く。
「ファイナルベント」
純白の羽根と雪の渦の向こうに、咆哮する白虎モンスターの
巨大なシルエットが浮かび上がった・・・

「そいやあっ!」
黄緑の手から弾丸のように放たれては戻る小さな球。
それが敵の金色の身体に命中する度、火花が噴き出す。
膝を付き、なすすべもない相手を攻めるのにも飽きたのか、
ベルデがバイオワインダーを手の中に収めた。
飛び跳ねるように敵に向かって駆け出す。蹴りを決めるために。
だが、金と黒のライダーはそれを待っていたのだ。
「ストライクベント」
巨大な二本のハサミを胸の前で交差させたシザースが、
至近距離まで来たベルデに向かって突進した。
そのまま腕を思い切り広げ、交互に相手の顔面に叩きつける。
「畜生!」
強烈な不意討ちを食らいながらも怯まず、ベルデが
カードを引き抜く。だがもう一方の手がカードキャッチャーに
伸びようとした時、シザースピンチがそれを薙ぎ払った。
76Evergreen(68):04/07/26 00:38 ID:Bc7Sq0E3
吹雪の中に大きく火花が咲き、瞬時に消える。
今度こそベルデが大きくよろめいて倒れかけた。
その後ろにすばやく回り込み、今度は左手のバイザーで
敵の上半身をがっきり押さえ込むシザース。
「接近戦に持ち込むに限りますね、
あなたのようなタイプは」
言いながら右手のシザースピンチを構え直し、
相手の細い首めがけて突き出そうとする。
その一方の刃に鋭い衝撃が走った。再び咲いて散る火花。
「!?」
シザースの注意が一瞬逸れる。
その隙を逃さずベルデが思いきり身体を捻じった。
そのまま敵の腕を振り解き、積もりかけた雪に転げ込む。
今まで掌の中に隠され、たった今また放たれて
大鋏に命中したバイオワインダーがその後を追う。
既にカードキャッチャーは引き出されていた。
「クリアーベント」

「・・・どこだ!」
急に消えた相手の姿を求め、虚しく吹雪に向かって
叫ぶシザースの耳に、嘲るような声が聞こえてきた。
「いくら接近戦に持ち込んだって相手が見えなきゃ
どうしようもねえよな、カニさんよ?」
続いて響くもうひとつの声。
「ファイナルベント」

シザースには見えなかった。
自分のすぐ目の前に立つベルデのスリムな姿も。
そして、自分の背後の道路にかかる歩道橋上に
姿を現した、カメレオンに似たモンスターも。
77Evergreen(69):04/07/26 00:39 ID:Bc7Sq0E3
何が起こったのか分からなかった。
両肩にいきなり衝撃が走ったかと思うと
あっという間に地上から足が離れ、気がついた時は
空中で身体が回転していた。いや、させられていた。
文字通り目の廻るようなスピードで。
それが突然止まった。
視界上方で渦巻く吹雪の向こうに、
雪の路面がぐんぐん迫ってくる。
初めてシザースは気づいた。
誰かが両脚をがっちりつかんでいることに。
そして、自分が逆さ落としにされようとしていることに。
「死んでたまりますか!」
頭を地上に向け垂直に落下しながらも
迷わず右手をカードデッキに伸ばす。
雪に激突する寸前、声が響いた。
「ファイナルベント」

落ちてくるシザース、そしてベルデの真下に
赤味がかった金色のモンスターが出現する。
主人を受け止めるかのように構えられる、
両腕の巨大なハサミ。だが違った。
ボルキャンサーは主人の身体を敵ごと
思いきり打ち上げ、空中へ投げ返したのだ。
「ぐあっ!」
予想もしなかった方向から攻撃を受けた
ベルデの四肢がシザースから離れる。
そのまま吹雪の中を木の葉のように舞い、
相次いで路上に叩きつけられる2体のライダー。
威力で劣るとはいえ、シザースのファイナルベントは
デスバニッシュの致命的な威力を削いだのだった。
78Evergreen(70):04/07/26 00:42 ID:Bc7Sq0E3
「やめろ・・・ 
やめろおおおっ!」

果てしない死闘を続けるライダーたちに向かって
龍騎が絶望的に呼びかける声が、
吹きすさぶ風雪にもぎとられ流されていく。
たとえ吹雪いていなかったとしても、
誰にも届かないという点では同じだったろうが・・・

だが絶望している暇さえもなかった。
「うわっ!」
後ろから右肩に強烈な一太刀を浴びせられ、
もんどりうって頭から雪の中に突っ込む。
突っ込んだ瞬間身体を回転させた。
真上から落ちてくる殺気を感じ取ったのだ。
直後、垂直に突っ込んできた刃が
龍騎のいた位置の雪に深々と食い込む。
鋭く反った黒い刃が。
そのまま雪の上を必死で転がり続ける龍騎。
雪に点々と傷跡をつけながら、リュウガの
ドラグセイバーがそれを追う。

「どうした?・・・いつまでも逃げていないで戦え!
そうでなければさっさとあきらめて神崎優衣の命になれ!」
文字通り殺気に満ちたリュウガの声が降ってくる。
転がりつつ懸命にバイザーに手を伸ばす機会を
窺いながらも、龍騎は奇妙な違和感を覚えていた。

今までの世界でのバトルと、何かが違う・・・
だが、いったい何が?
79Evergreen(71):04/07/26 00:43 ID:Bc7Sq0E3
「ソードベント」
やっと龍騎の手がカードデッキに届く。
またも振り下ろされてきた黒い刃が、
火花もろとも斜めに斬り返された。
刀身に吹きつけてくる雪礫の幕を切り裂きながら、
龍騎のドラグセイバーがリュウガの胸に迫る。
「ガードベント」
龍の爪を持つ黒い盾が赤い刃を撥ね返し、
その勢いでリュウガの身体ごと正面から
龍騎を押しつぶしにかかる。
「ぐ・・・」
再び雪中に倒れ、ぐいぐいと押しつけられる
ドラグシールドの圧力に耐えながら、龍騎は見た。
地面の雪と盾の隙間から。
他のライダーたちに現れ始めている異変を・・・

ウイングシールドの幻惑をものともせず突進してきた
デストワイルダーがファムの首元を掴み、
紙人形のように易々と雪の上に引きずり倒した。
「!!」
ファムが懸命に手をかけて力を込めても、
肩に食い込んだ何本もの鋼の爪は微動だにしない。
獲物を押さえ込んだ白虎モンスターが再び咆哮し、
デストクローを構える主人の元へ走り始めた。
声にならない悲鳴を上げる白いライダーの身体が、
火花の代わりに雪飛沫をあげて地面を滑り出す。

だが両手の巨大な爪を広げて待つタイガの胸に
湧いてきていたのは、自分の力に対する陶酔でも
殺戮の高揚でもなかった。
80Evergreen(72):04/07/26 00:47 ID:Bc7Sq0E3
ああ、そうだ。こうやって僕は、
何度もこの爪を突き立ててきたんだっけ。
気に入らない奴にも。心の底から尊敬していた人にも。
英雄になってみんなから好かれたい、ただそれだけを願って。
だけど結局、英雄にはなれなかった・・・そして結局、
誰からも好かれなかったんだ。そうだよ。思い出した。

気を失ったファムの身体がデストワイルダーの
爪から放り上げられ、タイガの目の前に降ってくる。
デストクローが振り上げられ、白い胴に深々と突き刺さった。
タイガの近くまでよたよたと歩いてきたシアゴーストの胴に。
同時に後ろから何か細長いものが襲ってきたのを感じ取り、
空いた方の手を振り向きざまに素早く振り上げる。
数本の白い触手が、がっしりした首の後ろに刺さる寸前に
銀の爪で絡め取られた。そのまま渾身の力を込めて手首を引く。
驚いたように奇妙な鳴き声を立てながら、バランスを崩して
次々と雪に倒れ込むシアゴーストたち。その上に高く跳んで
襲いかかったデストワイルダーの巨爪がぎらりと閃いた。
白い殺戮者と白い犠牲者たちの撥ね散らす雪を浴び、
吹雪にさらされながら、タイガは雪の像のように動かなかった・・・
少し離れた所に落ちたまま動かないファムに気を留める気配もなく。

雪に埋もれかけている身体同様、闇の中に埋もれかけた
ファムの意識の隅で、かすかな明りが灯りつつあった。
思い出した。たったひとりいたんだ・・・
あたしが信じることのできる男が。
でも、なんにもいえないうちに死んじゃったんだ、あたし。
今度こそちゃんと気持ちを伝えたい。そうだよ。今度こそ!
わずかに残った力を両手と両膝に込め、
ファムは雪の中から立ち上がる努力を始めた。
81Evergreen(73):04/07/26 00:49 ID:Bc7Sq0E3
龍騎の身体から急に盾の重みが遠のく。
「くそ・・・勝負は始まったばかりのはずだ、
まだお前たちの出番ではない、のけえっ!」
よろめきつつ起きあがった龍騎の眼に、
二匹のシアゴーストに組みつかれ、首と胴を
締め上げられてもがくリュウガの姿が映った。
黒いドラグセイバーで龍騎にとどめを差そうとした
瞬間、後ろから襲いかかられたらしい。
だが複数による不意討ちとはいえ、やはり
雑魚にやられるようなライダーではなかった。
「ふぅあっ!」
気合と共に二匹の生白いモンスターがリュウガの
身体から弾けとび、前方へ突っ込んでいく。
「うわ!」
とんできたヤゴたちを辛うじてかわしたと思う間もなく、
龍騎の顔面すれすれを再び黒い風が襲った。
「戦え!」
自分と似たマスクを切り裂こうと、狂ったように
ドラグセイバーを振り回しながら向かってくるリュウガに
向かって、龍騎は必死に叫んだ。跳び下がりながら。
「おい、待てよ・・・何かおかしいと思わないか?」

雪の上に倒れたライダー二人の回りに、ぞろぞろと
シデムシのように群がってくるシアゴーストたち。
「ホールドベント」
緑色の方に触手を突き刺そうとしたヤゴモンスターが、
不意に飛んできた丸い物体に顎を撃たれてのけぞる。
「うっとうしい奴らだな・・・まだ死んじゃいねえよ」
素早く立ち上がり、返ってきたバイオワインダーを掌で
受け止めたベルデが、本当に鬱陶しそうに吐き棄てた。
82Evergreen (74):04/07/26 00:50 ID:Bc7Sq0E3
「おい、蟹!生きてるなら返事しやがれ!」
伝法な呼びかけと共に、ベルデの掌から
再びバイオワインダーが放たれた。
吹雪に逆らって弧を描くと、もう一体のライダーに
群がりかけていたシアゴースト共を一気に薙ぎ倒す。
よろめきながらも雪を払って立ち上がると、先ほどまで
敵だった助け主に向かって憤然と向き直るシザース。
「「失敬な・・・蟹とはなんです」
抗議しながらも、脇からしつこく寄ってきたシアゴーストに
赤金色の巨鋏を振り上げて一撃で殴り倒す。
「けっ。細かいことを気にする前に礼くらい言いやがれ」
毒づいたベルデも、またも寄ってきたヤゴの群れに
再びバイオワインダーと蹴りで応戦する。
あとからあとから輪になって迫ってくるシアゴースト共に
向かい合いながら防戦と攻撃を繰り返すうち、いつのまにか
2人は背中合わせで包囲網の中心に立つ形になっていた。
「おい蟹」
「だから蟹では・・・」
「お前、今までのうちでどの死に方が一番嫌だったよ?」
唐突で、しかも常識からすれば狂っているとしか
思えないベルデの質問に、シザースは戸惑いも見せず答えた。
「そうですねえ・・・自分の契約モンスターに
食われた時でしょうか。生きたままで」
「へえ、そいつは悲惨だったな。ま、そういう俺も
一度も安らかに死んだことなぞないけどよ。
さっきお前にされかかったみたいに、せっかく技を決めた
相手に返り討ちにされたこともあったしな・・・」
「おや、戦意喪失ですか?先ほどボルキャンサーに
打たれた場所が悪かったようですね」
そう皮肉っぽく返すシザースの声音にも、殺意はなかった。
83Evergreen(75):04/07/26 00:51 ID:Bc7Sq0E3
「時間稼ぎのつもりか・・・姑息な奴だ」
龍騎の懸命な呼びかけに冷笑で応じたリュウガが、
ドラグセイバーを雪中に放り捨てる。
そして無言で飛びあがった。何の勢いもつけずに。
そのまま放物線を描きながら落ちていく先は当然龍騎だ。
黒い槍の如く突き出された脚が狙う的も。
だが。
「邪魔だあっ!」
「Gfhweee!」
死の飛び蹴りは空中で吸収された。
脱皮と羽化を終えて飛び立ったばかりのヤゴモンスターに。
運悪く空中でリュウガの前を横切ってしまったらしい。
白く渦巻く闇に鮮やかな爆発炎が湧き、
黒焦げになった胴体と羽根が雪の上に落ちていく。
地上から、茫然とその光景を見つめる龍騎。
その間にも周囲では無数のシアゴーストたちが
次々と雪の上に突っ伏し始めていた。
レイドラグーンとして生まれ変わるために。
あちこちで白い背中が割れつつあり、青い羽根を
震わせる響きも風雪の音に混じり始めている。

「ふうん。思ったよりやるじゃん?」
ヘビープレッシャーを間一髪で避け、再びアドベントカードで
ガゼルたちを周囲に喚び出したインペラーに向かい合ったガイが
小ばかにしたように言う。右手指に挟んだ、こちらも
アドベントのカードをいつでも放れるように構えながら。
だがインペラーの方はそれ以上カードを抜く気配を見せない。
代わりに、予想外の言葉を発してきた。
「ねえ、このへんでやめにしとかない?」
84Evergreen(76):04/07/26 00:52 ID:Bc7Sq0E3
「リタイアする気?じゃそうしてよ、あんただけね」
今度は心底ばかにしたような声で言い、
ガイが右手を上げた。カードを左肩に放つために。
だがその手は凍りついたように止まった。
相手が今度はこう聞いてきたからだ。
「あんた、紫のやつに殺されたことある?」

最後に目に映ったもの−−自分に向かって
真上から突っ込んでくる紫の姿。
メタルゲラスの悲痛な絶叫。
そしてブラックアウト。
罠だよ。俺を油断させるための。
決まってるじゃん。耳を貸すなって!
そう自分に言い聞かせる声をあっさり押しのけ、
最も恐ろしく苦しい記憶がガイの心を瞬時に満たす。
カードを持つ手が、力なく下がった。
「・・・あるの、あんたもあいつに殺されたこと」

傷つき弱った自分の前に現れた、紫の死神。
ふんと笑うと、そいつは悠々とカードを引き抜いた。
そして褐色のデッキは砕かれ、俺は鏡に閉じ込められた。
緩慢で、恐怖と苦痛に満ちた死と一緒に。
「そうそう。じゃ、やっぱりあんたもなんだ?」
妙に慣れなれしい、それでいてあまり嫌味でもない
独特の口調で答え、インペラーがカードを雪の中に捨てる。

今やほとんどすべてのライダーたちが気づいていた。
仮面ライダーとして戦ったいくつもの人生の終りに
訪れた、いくつもの横死の記憶。それが突然、
自分だけでなく「敵」の心のうちにも甦ってきたことに。
85Evergreen(77):04/07/26 00:58 ID:Bc7Sq0E3
「何をしている、戦いを続けろ馬鹿ども!!」
レイドラグーンの残骸を八つ当りのように
蹴散らしながら、リュウガが吼え立てる。
声に焦燥が混じり始めていた。やっと気づいたのだ。
自分の周りのライダーたちが戦うのを止めていることに。
吹雪の中に立ち尽くす者。カードを投げ捨てる者。
そしてあろうことか、倒すべき相手と共に
雑魚モンスターと闘っている者・・・

「忘れたのか−−お前たちがあれほど願っていたことを。
戦わなければ願いを叶えることはできないんだぞ!」
「無駄だよ」
赤い眼に殺気を込め、声の主に向かってリュウガが振り向く。
横殴りの雪礫の向こうから、龍騎がじっと見つめていた。
同じように赤い眼には、殺気ではなく哀しみが満ちている。
「思い出したんだよ、みんな−−このまま戦い続ければ
どんなことになるかを」

そうだよ。みんな記憶を取り戻したんだ。
俺や蓮や、それに手塚みたいに。
願いを叶えようとして、不毛な殺し合いと非業の死を
今まで何度も繰り返してきたという記憶を・・・

「誰だって虚しくなるさ、戦いなんか。その果てに
待っているのが悲惨で孤独な死だけだと知っていれば。
どんなに切実な願いを叶えるためでもな・・・
今までの世界でライダーバトルが繰り返されたのは、
みんなが前の世界の記憶を失っていたからなんだ。きっと。
だけど今は違う。理由は分からないけど。
だったら、前のような死に方を繰り返したいなんて誰が
思うもんか・・・お前以外には」
86Evergreen(78):04/07/26 01:05 ID:Bc7Sq0E3
リュウガは何の反応も見せなかった。
吹雪の向こうから、鈍く赤い光を放つ両眼で
敵を見つめ続けている。それだけだ。
その眼に向かって、なおも語りかける龍騎。
「ライダーたちの記憶が戻った時から、
この戦いの失敗は決まっていたんだ。
わかるだろう。
始まったと思った時にもう終っていたんだよ、
お前のライダーバトルは。
俺や手塚が止めるまでもなくな・・・
もう、あきらめろ。俺の中に戻ってこい。
優衣ちゃんだってきっとそれを望んでる」


「・・・なあ、浅倉」
やっぱり俺、ライダーには向いてないみたい。
最初はやる気満々だけど、そのうち必ず殺し合いが
嫌になってくるんだからさ。今までずっとそうだった。
こいつには悪いが、今度も一足先にリタイアさせてもらうよ。
「俺を倒したければ、倒せばいい・・・
だけどそれで終わりにしろ、な? もう、十分だろう」
そう言うと、マグナバイザーを雪の上に放るゾルダ。
「うおあ!」
一瞬後、衰えを一向に見せない速さと衝撃力で襲ってきた
ベノサーベルに緑の身体が弾き飛ばされ、バイザーの
後を追って雪の上に叩きつけられる。
「どうした・・・起きろよ、おい!」
動かない敵に対して地団駄を踏みかねないほどの
苛立ちを見せる王蛇。その紫の身体から発する戦いへの
渇望は、毛ほども減じる様子を見せていなかった。
87Evergreen(79):04/07/26 01:07 ID:Bc7Sq0E3
次々と羽化を続け、いまや渦巻く雪に代わって
夜空を埋め尽くさんばかりに飛び交うレイドラグーン達。
幾千の羽の唸りも、風と雪の咆哮を圧しつつある。
だが龍騎の聴覚は捉えた。
吹雪と羽音の織りなす狂騒の間を縫って、
リュウガの哄笑が響いてきたのを。

「馬鹿が・・・まだ世迷い言をぬかすとは。
多少予定が狂ったが、いいだろう。
ライダーなぞ全員揃っている必要はない。
最も強い者が2人。それで十分だ。
1人は俺。あとは・・・あいつさえいればな」
あいつ?まさか−−
何かを思い出しかけた龍騎の背に冷たいものが
走った時、すでにリュウガの姿と声は
レイドラグーンの群れと羽音の渦の中に消えていた。

「畜生、立てよ!おい!」
ついに痺れを切らし、王蛇が脚を振り上げた。
倒れたままのゾルダに蹴りを入れるつもりだ。
だが、闇の向こうから吹雪を切り裂くように飛んできた
何かがそれをさえぎった。
「うぉっ!?」
鋭利な刃物のような気配が迫るのを感じ、雪の上に
転げ込む王蛇。直後、赤い影が身体の上を
かすめ過ぎ、また闇の向こうに消える。
「なんだ・・・?」
吹雪とレイドラグーンの群れの彼方を見透かそうと
顔を上げた王蛇が弾かれたように立ち上り、振り返った。
嘲笑を含んだこんな声が聞こえたからだ。
「おい。俺を忘れたわけじゃないだろうな?」
88名無しより愛をこめて:04/07/26 01:32 ID:Bc7Sq0E3
Evergreenの作者様による補足。

(補足)
「ポワカ」という言葉の元ネタは
「ポワカッツィ(POWAQQATSI)」という映画です。
去年この映画を見てタイトルの意味(=他者の生命を犠牲にして
繁栄する世界)を知り、「龍騎ワールドのことみたいだ」と
思ってしまったので今回取り上げて見ました・・・
映画の内容自体には、龍騎やこのSSとの共通点はありませんが
下記が日本での公式サイトです。
ttp://www.conversation.co.jp/koyaanisqatsi/

「ポワカ」の意味が”悪い魔法使い(negative sorcerer)”
であるという記述は、下記を参考にしました。
ttp://www.qatsi.org/

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以上が、前スレまでに連載されていた「Evergreen」の全てです。

物語がクライマックスに向う中、
登場人物それぞれの思いや望みはどのような結末を迎えるのか。
意外な展開に驚かされつつ、続きが非常に待ち遠しい作品です。
89Evergreen作者:04/07/26 01:35 ID:Ouy4gLmj
こんばんは。0時半ごろ今週分をupしようとして来て見たら、
前スレが落ちていたのでびっくりしますた。
そして、1さんがスレを立て直してくださっているのを見て
またびっくりと同時に涙出そうになりました・・・1さ〜ん、
何時間もずっと作業してくださったんですよね? 大丈夫ですか?
目や手に無理がかかっていないといいのですが・・・
本当にお疲れ様でした&ありがとうございます!

前スレ最近作「What a wonderful world」(ライダーたちに
縁ある人々の、最終回後のそれぞれの物語)の再掲前なので
とても恐縮ですが、とりあえずEvergreenの今週分を
今からupさせてください・・・
90Evergreen作者:04/07/26 01:41 ID:Ouy4gLmj
>>88さん
うわー ほとんど同時にカキコしてました・・・
その解説まで再掲してくださって、本当にありがとうございます!
91Evergreen(80):04/07/26 01:43 ID:Ouy4gLmj
相手の声を聞くまでもなく、王蛇には分かった。
吹雪の向こうの姿が、自分を挑発してここまで
連れてきた若者の変化したものだということが。
そして同時に思い出した。かつてその黒い姿に
自分が完膚無きまでに叩きのめされ、惨敗したことを。

だがこれまでに経験したいかなる敗北と死の記憶も、
王蛇−−浅倉にとっては単なる脳内の生理現象に
過ぎなかった。自分の無残な最期の思い出など、
この男には何の意味も持たなかったのだ。
過去の果てしない戦いの記憶。
今こうしてまた戦っていること。
意味があるのはそれだけだった。
「お前か・・・」
仮面の上に見えない笑いを浮かべてそう言うと
もうゾルダには目もくれずベノサーベルを振り上げ、
リュウガに向かってだっと駆け出す。
そこへ再び空から何かが襲いかかってきた。

「くそ、邪魔をするなぁっ!」
再び間一髪で赤い刃をかわしながら喚く王蛇。
それを見つめるリュウガの眼が、ひときわ邪悪に
輝き始めた。王蛇を狙うものの正体に気づいたのだ。
「敗者の亡霊か。面白いことになってきたな」
そして王蛇も気づいた。
「ああ・・・そういえばお前も俺のものだったなあ」
言うなり毒蛇のカードデッキに手を伸ばし、
引き抜いた無紋のカードを目の前にかざす。
空中で身を翻して再びこちらへ突き進んでくる、
赤いエイのモンスターに見せるかのように。
92名無しより愛をこめて:04/07/26 02:49 ID:Bc7Sq0E3
>Evergreen作者様。
いつもお話を楽しませてもらっています。
不注意から心配をおかけして本当にすみませんでした。

エビルの登場で物語により一層緊張が加わりましたね。
モンスター達もこのまま前と同じ運命をたどるのでしょうか…。(メタちゃんもピンチ?)
それにしてもリュウガを前にして怖れずに面白がる浅倉は余裕があって、
負の記憶すら楽しみの燃料にしてるみたいですね。
93名無しより愛をこめて:04/07/26 10:54 ID:Bc7Sq0E3

次に紹介するのは、短編「くもり空、とおり雨」です。

94くもり空、とおり雨:04/07/26 10:55 ID:Bc7Sq0E3
雨の中、傘を差したまま橋の欄干に寄り添い水面を見つめ無言で立つ娘。
通行人は気にも留めず、その脇を通り過ぎて行く。

その中の一人がふと立ち止まり、娘に声を掛ける。
「ねえ君、誰か待ってるの?こんな所に長く居ると風邪を引くよ?」

娘はぎこちない笑顔を浮かべて会釈すると、すぐに水面に視線を戻す。
「御心配ありがとうございます。お気になさらないで下さいね。
 友達が来るまでここでもう少し待っていたいんです。
 あの人は…すぐ戻ってきますから」

娘のただならない様子に、無言のままその場を去る人々。
少し遠くへ歩いてからくすくす笑いだす話しかけた男。

  ─幾ら待っても無駄だと思うな。君の待ってる人は僕が倒したから。
  ─彼はね。もう君達の手の届かない所、僕の中にいるよ。

  ─君も白い鳥も。そのまま待ち人の帰りを祈り続けてずっと…。
  ─ずっとずっと石になるまで。そうやって立っていれば良いかも。

雨は一層酷くなり、娘の悴んだ手に握られた傘を容赦なく強く打ち付ける。

「…用意した方が良いですって言ったのにもう、編集長の馬鹿ー!」
叫びながらハンカチを頭に乗せて娘の脇を走り去る女。
「…なーに、通り雨ならすぐ終わるわな。悪い時はいつまでも続くもんじゃねえし」
毒突きながら一緒に走り去る男。

  ─そうね。通り雨なら、悪い時はすぐに終わってすぐ元通りになるわね。
  ─だから待ちましょう。待っていればきっと…。必ず…。

空は曇りのまま。時が固まったように厚い雲が一面を覆う。
…雨はまだ止まない。
95名無しより愛をこめて:04/07/26 11:03 ID:Bc7Sq0E3


次に紹介するのは「What a wonderful world」です。

ライダー達がみんな消えた後の世界。
残された人達は…。

96What a wonderful world/1:04/07/26 11:04 ID:Bc7Sq0E3
     城戸君…。
     あなた、何の為にこの世界を守ろうとして命を落としたの?
     この世界は守るだけの価値があったの?


桃井令子は空を見上げ小さく呟いた。


『人殺し』 『死ね』 『化け物』
令子の目の前、荒れて廃墟化した喫茶店の壁には、憎しみの言葉が何百と書き記されている。
刃物で文字が抉られた壁にそっと手を置く令子。

     …それでも形が残っているだけ、ましかも。
     先に取材した神崎邸は放火で焼け落ち、煤けた瓦礫だけが地面に突立っていて…。


──あの雪の日の後。

怪物による街の破壊と殺戮の後には、
今まで確かだと信じていたものを失った人々が残された。

傷付けられた者、残された者の、行き場の無い怒りは癒される事無く、暗く澱み、増していき
遂にその重さに耐えられなくなった時に暴発した…。

吹き荒れる黒い思いは、誰かを生贄にその熱を鎮めるしかなかった。
人々は、神崎に、優衣に、ライダー達に、その責任を求め
ライダーに関した多くの場所や人が多大な被害を蒙った──。


人が街に与えた無残な傷跡を前に、つい弱音を吐いた自分に喝を入れると
令子は気持ちを引き締め、令子個人から報道記者桃井令子に心を戻し
冷静にカメラを構え始めた。
97What a wonderful world/2:04/07/26 11:05 ID:Bc7Sq0E3
2003年1月19日。
『この戦いに正義は無い。そこにあるのは純粋な願いだけである。その是非を問える者は…』

中心街で起きた信じ難い出来事の第一報が飛び込んできた時、
OREジャーナル編集長大久保大介は眠さ半分興奮半分で徹夜したまま
城戸真司から告白された「仮面ライダー」の話をまとめあげている最中だった。

大久保から報せを受けた令子はすぐに城戸に連絡を入れたが
幾ら携帯を呼び出しても繋がらないので、使えない後輩の事は諦め
島田奈々子に城戸宛の伝言を託すと浅野めぐみと二人だけで銀座に向った。

現場を一目見た瞬間、今までの軽いお喋りも途絶え呆然となる令子達。
容赦無く砕かれた窓ガラスや、ヒビの入った建物、まだ燃え続ける車…。
あちこちに飛び散る赤い飛沫…。横たわる物言わぬ幾つもの身体…。

爆弾テロでも起きたのかと思わせるその惨状に、令子は言葉を失い、
最初は「すごーい!」を連発していためぐみでさえ
場の持つ深刻さに飲まれたのか、おとなしくデジカメを回し出した。

----------------------------------------

同時刻。浜崎実加は、昼休みに学校の食堂のTVで
遠く東京で起きた大惨事に紛れて小さく報道された「連続殺人犯射殺」のニュースを見た。
浅倉威の名前に顔色を変えた実加に気を使い、級友達は今日は早退するよう彼女に勧めた。

怪物を警戒し寮まで見送ってきた保健の先生に
実加は明るく「大丈夫です」と告げたが、女医はすぐに
この子は快活そうに見せようと精一杯元気良く振舞ってるだけだと気付き、心を痛めた。


凶悪な殺人鬼の死に世間が凱歌をあげたその夜
世界でただ一人、浅倉の為に泣いた少女が居た。
98What a wonderful world/3:04/07/26 11:05 ID:Bc7Sq0E3
午後遅く、足取り重く令子は編集部に戻った。

一心不乱にキーを打ちながら時折こぼす令子の愚痴から、
約束の場所に北岡秀一が現れなかった事を知った奈々子達が騒ぎ出した。
めぐみと奈々子は訝しがる令子を強引に車に乗せ、大急ぎで北岡の法律事務所に駆け付けたが
時すでに遅く、動かなくなった北岡を前にめぐみは絶叫し、奈々子は床にしゃがんだ。

遺体を前にすすり泣く奈々子と、泣き喚くめぐみを見ながら
令子はまだ事態が飲み込めなかった。
「こうなる事は前から知ってたの」と、涙でくしゃくしゃになった顔で奈々子が告げても、
令子はまだ目の前の姿の意味を受け入れる事が出来なかった。


白いバラを一輪胸に乗せ、ソファーに横たわる北岡。
まるで眠っているように穏やかなその顔を見てるうち、
古いレコードの針飛びの様に途切れ途切れに令子の耳に甦る
北岡の悪戯っぽい誘いかけや、不意に真剣になった時の厳しい口調、
意外に無邪気な笑い声、調子外れな鼻歌、そして…

── I see trees of green, red roses too
── I see them bloom for me and you....

北岡を待つあいだレストランで流れていた「What a wonderful world」の一節。
ゆっくりと浮かんでは消えていくそれらに合わせ、瞳にも映しだされる様々な場面。

     北岡さん…。私、あなた自身の事、あなたが心に抱いた思いを、まだ知らない…。
     北岡さん…。あなたともっといっぱい話しておけば良かったって、そう思っても…。
     北岡さん…。北岡さん…。北岡さん…。
     …私はまだあなたの事を何も…。

過ぎ去った幾つもの思い出が、熱い雫に身を変えると
令子の頬をゆっくりと滑り降りていった。
99What a wonderful world/4:04/07/26 11:06 ID:Bc7Sq0E3
大久保が令子の取材を元に記事を執筆してる最中、警察から城戸真司に関する報せが届き
やっと気分を落ち着かせ化粧を整え直した奈々子のアイラインを再びぐだぐだに崩した。

警察から戻った奈々子もめぐみも令子も、三人共沈み込んで仕事がはかどらなかった。
大久保はとっておきのシャレでみんなを笑わせようと試み、かえって沈黙を呼び込んだ。
不機嫌な顔で、それでも無理に場を明るくするのは止めて淡々と記事を打ち込み出す大久保。
その姿に向って「真司君があんな事になったのに…編集長って冷たい」と呟くめぐみ。

「バ〜カ言ってんじゃないぞぉ?生きてる俺達が動かなきゃ誰が動く?俺達は記者だ。
 貴社の記者が帰社して、機関車みたい馬力上げてスクープ書かないでどうするよ?」
「編集長。そのシャレも氷河期」奈々子もトーンが低いまま机に突っ伏して呟き返す。

編集長とめぐみ達とのやり取りを聞いた令子はすっと立ちあがり、取材に行きますと告げた。
「編集長の言う通り記者の努めは報道する事です。ここでぐすったら真司君に申し訳無いわ」

「いいからさ令子。無理すんな。泣きたい時は思いきって泣け。お前が一番涙をこらえて
 耐えてるのは判ってるって。それでお前が心を壊したら、真司だって浮かばれねえよ」
泣きたいのは大久保も同じだったが、目頭を押さえる令子の姿に笑いかけると入力を続けた。

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何が起きているのか、何が起こったのか。人々には見当もつかなかった。
それでも多量に残された現場の映像は、事件以上に世間を震撼させた。

携帯や監視カメラに残された、人々を襲う怪物の姿、何も無い窓から化け物が這い出る様子。
その異形を叩き落し炎で焼き尽くす赤龍と、異形に突進し食らいつく巨大蝙蝠。
ふいに鏡が砕けるような亀裂が身体に走ると塵のように消えて行く全ての怪物達。
常識を覆す怪奇現象を前にして、専門家も宗教家も揃ってお手上げ状態だった。

混乱の中で事件の真相を知るのはOREJの社員だけだった。
報道の使命感に燃えた彼らは寝食を忘れ力を注ぎ、そうして突貫で出たOREJ緊急発売号と共に
仮面ライダーとミラーワールドの物語が人々の前に全貌を顕した。
100What a wonderful world/5:04/07/26 11:07 ID:Bc7Sq0E3
TVでは何度も、城戸真司のインタビュー映像が流された。
その大元はOREJに掲載された動画で、
大久保がせめて城戸の軌跡を残そうと腕によりをかけた解説を添え
変身の様子と告白とを中心に連載形式に仕上げた記事から、TV局が無断借用した物だった。

異形に変る城戸真司の姿に人々は息を飲み、
淡々と語られるその内容に驚愕し、
そして…多くの人々が、帰らない肉親や友人や愛する者の死を
城戸の言葉から知った。

須藤雅史の…
芝浦淳の…
佐野満の…
仲村創の…

斉藤雄一の…
ポトラッツ教授の…
浅倉の実弟、三原暁の…

試着室や骨董店やその他街中で突然消えた人達の…
須藤逮捕に向かった刑事達の…
生き物好きと評判の大森さんの…
明林大学の学生の…
元会社社長の竹内真理の…
フェリーの乗客や船員達の…
浅倉を護送した警官達の…

帰りを待ち続けた人々は悲しみに沈んだ。


花が大好きで優しかった中村先生の死を知って
ショウコとチサトは何日も泣き続けた。
101What a wonderful world/6:04/07/26 11:14 ID:Bc7Sq0E3
堀口ゆかりは父の死をはっきりと知らされ唇を噛んだ。
病み上りの母親を心配させまいと、回りにはいつも笑顔を見せていたが
胸が塞いで毎日が辛かった。
ふいに、先生や吾郎ちゃんに会いたくなって法律事務所を訪れてみたものの
緑でいっぱいだった庭は枯れて荒れ果てていて
封印された事務所の扉には「立入禁止」のプレートが打ち付けられていた。

その様子に酷くショックを受けたゆかりは、父の時でも流さなかった涙を初めてこぼした。

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由良吾郎の行方に付いては何も判らないままだった。
吾郎の父母や兄弟達は、戻らない吾郎の事を思って胸を痛めたが、
たとえ雇用主と凶悪犯の死からおおよそが推定できたとしても
それでも事実が明らかになるまでは吾郎の帰りを待とうと皆で決めた。

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香川教授の死は確定した。クリスマスも正月も迎える事無く、
ひたすら父の帰りを待って寂しく過ごした香川裕太には残酷な報せだった。
すすり泣く裕太の傍らで、香川典子は静かに夫の死を受け入れた。

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街は悲しみに覆われた。
事実が判っても、それで何か変る訳ではなかった。
消えてしまった人を待ち続ける辛さに変りは無かった。

そして何が起きたのか明確に判っていても、痛みが和らぐ訳でもなかった。

シアゴーストやレイドラグーンに目の前で知人を奪われたり、
それらに傷付けられた人々もまた同じく悲しみ苦しんだ。
102What a wonderful world/7:04/07/26 11:15 ID:Bc7Sq0E3
神崎士郎の設定したタイムリミットが過ぎて怪物が一斉に消えたとしても、
鏡の中、闇の奥、そこにまだ怪物が潜んで居るかもしれない恐怖。
肥大する鏡恐怖症や、失踪を怪物のせいにする殺人者、そこここで怪物を見たと言う流言。
鏡の向こうを恐れる気持ちから、瞬く間に人心は荒れだした。

怯える者はミラーモンスターを倒したライダーに救いを求め、
ライダー達を神格化して崇める事で安心を得ようとした。
カードデッキの模造品を御神体にしたり、ライダーを名乗る教祖があちこちに出現した。

夜中に怯えて泣く子供達に、仮面ライダーが怪物から護ってくれると告げて安心させる母親。
だが、母自身はライダーの存在やライダーの正義を心から信じる事が出来なかった。

そして、須藤についての証言や「契約モンスターもまた人間を餌として欲しがる」との言葉に
恐怖を覚える者も少なからず居た。
…それなら、他のライダー達も須藤と同じ様に、
てっとり早く人間を契約モンスターの餌食にしていたのではないか?

一度生まれた疑惑はどす黒く膨らみ、やがて疑惑は噂に、噂が確信に変っていくと
ライダーの名前は一転して、英雄から怪物使いの悪鬼に変貌した。
ライダーに関わった者は糾弾され、残されたライダーの家族や友人は酷く中傷され、
中には身の危険を感じ引越しや隠遁を余儀なくされる者も出た。


「俺があの記事を書いたのは真司の為なのに!何でこんな事になるんだよ、畜生!」
ライダー達の名前は伏せた筈だったが、何時の間にかインタビューの「完全版」が出回った。
元データをハッキングした明林大マトリックスの生残りの仕業と思われたが証拠は無かった。
あんな低スキルの連中にいいようにされてと奈々子は悔しがり、リベンジを試みた。

ライダーの名の下に行われる煽りと暴力、インチキ宗教の横行。
命懸けで城戸が残したかった物と、真逆な結果に大久保は失望した。
城戸真司の誇りとライダー達の詳細な情報と引き換えに大金と名声を得たのと同じだった。
大久保は虚しさを抱え、コメントを避け続けた。
103What a wonderful world/8:04/07/26 11:15 ID:Bc7Sq0E3
…江島教授と香川教授はどれだけこの惨劇に荷担していたのか?
…神崎士郎と共同で作り上げた怪物について、どれだけの認識があったのか?
歪んだ疑いは亡くなった教授達も容赦無く黒く染めていき、
根も葉もない噂はじわじわと彼らを悪魔の手先に仕立て上げていった。

大学側も遺族達も、必死の思いで疑惑の打消しに駆け回ったが、
不運な事に、野生化したサイコローグに襲われた者の証言から
香川教授が契約モンスターに人間を餌として与えていた疑惑が浮かび上がった。

証言がニュースで流れた直後、清明院大学は暴徒に襲われ
香川研究室の資料も資材も根こそぎ破壊され持ち去られた。

江島研究室の唯一の生き残りだった女子学生も、
病床から復学間も無い身にも関わらず連日実験の責任を問いただされ誹謗中傷され続け、
追われるように大学を去った。



学校へ行けずに閉じこもる香川裕太の耳に、口汚い野次がひっきりなしに届いた。
投石と罵倒は昼夜を問わず続き、巡回の警官もその大半を止める事が出来なかった。

裕太は「お父さんの似顔絵」を抱きしめて、
(わるいかいぶつからぼくたちを守ってくれたお兄ちゃん、
 お母さんを泣かせるわるものがまたきたよ。おねがい。お母さんをはやくたすけにきて)
と、いつか見た龍の姿に祈った。
104What a wonderful world/9:04/07/26 11:17 ID:Bc7Sq0E3
「それは違いますよ。うちの子が自分の欲の為に
 ひとさまを傷付けるような真似をする訳はありませんもの」

気が強そうだが顔立ちの整った年配の婦人が反論する。

「でもですね、奥さん。清明院大学の研究室から発見されたこの資料には、
 あなたの息子さんがライダーに変身する姿が残されてるんですよ?
 これをどう説明します?」

司会者が下卑た半笑いを浮かべ手の先で示すモニターには、
素早い動作で四角い板をかざし、その身を異形に変える青年の姿が映し出される。

「馬鹿馬鹿しい。それがどうしたって言うんでしょう。
 この子が形を変えたからと言って、即、人を傷付けて回ったとでも言いたいんですかね」

「仮面ライダーは自分の欲望を叶える為に、
 最後の一人になるまで互いに殺し合ってたそうじゃないですか?だったらねえ…?」

「それに彼ら香川研のメンバーは、目的の為なら殺人をもやむなしとの認識があった、と、
 そんな事実を裏付ける証拠もあるそうじゃないか」

モニターは次々と、青年に続いて白衣の男や丸顔の学生が異形に変る様子を映し出し、
そのたび婦人は眉を上げ反論を続けた。

ニュースショーは既にリンチの様相を帯び、ライダー関係者の吊し上げ会に成り果てていた。
ただ、司会者の予想以上にゲストはしぶとく、
笑い者にする為に呼ばれた婦人は毒舌と筋の通った反証で抵抗を続けた。


(…私はこんなに気丈でいられない)
息子の死を知っても打ちひしがれる事なく、
その名誉の為に戦う母親の姿をTV越しに見ながら百合絵は思った。
105What a wonderful world/10:04/07/26 11:18 ID:Bc7Sq0E3
佐野商事は、新社長の佐野がライダーだった事が知れて苦境に立たされていた。
百合絵の父は寝る間も無く対応に追われげっそりと痩せていき
彼女はそんな父親を見るのに忍びなかった。

── 疫病神。
── はした金の為に女の子を殺そうとした危険人物。
── なんという人選ミスを!あの男を社長として迎えたばかりに我が社は!

     満さんを罵る声は世間だけでなくて社内にも溢れてる…。

リモコンの再生ボタンを押す百合絵。もう何度見たか覚えていない。
画面の中、城戸真司が佐野を最期に見た様子を語り出す。
「…刺されて。『逃げろ!』って言って、佐野を逃がしたけど…でも…佐野はそれっきり…。
 俺やっぱ、あの時ちゃんと助けてやれば良かったって…。何度も何度も…」

「そんなに後悔するぐらいなら、どうして満さんを見捨てたの?」と城戸に問いたかった。


会社や自宅に押しかけて来た集団に怖い思いをさせられ、社員達のギスギスした態度に困惑し
父親がふと漏らした佐野への愚痴に酷く傷付いた百合絵。
百合絵はあれから何度も訪れた橋にまた足を向けていた。

     満さんの呼びかけが聞えた気のするこの橋に居れば、いつかきっと…。
     あのライダーのひとは、満さんが襲われた所を見ただけで
     そこから先を見ていないから…。
     満さんはどこかで傷付いた身体を休めて、騒ぎが収まるのを待って…。

そしていつか帰って来る。
そう信じていたかった。

     ほんの僅かな間の出会いだったけど
     あの人は、私の運命の人だと思うから…。
106What a wonderful world/11:04/07/26 11:20 ID:Bc7Sq0E3
橋の上に立つと、怪物から護ってくれた佐野の事や、雨の中で佐野の帰りを待ち続けた事が、
ついさっきの事の様に鮮明に百合絵の心に浮かんできた。

     何かも夢だったら…満さんと出会った以外夢だったらどんなに良かったか…。

揺れる水面。
きらりと光る反射の中に、百合絵は佐野の姿を見付けた気がした。

     満さんはさっき見た白衣の男の人や学生達と挨拶を交わしていて
     丸顔の学生と満さんが楽しそうに笑って話だして…。

     私服の満さんは、少し痩せてたように見えて
     洗いざらしの貧しい服にスーパーの買い物袋を手に下げ
     そして…笑顔だけは変わりなくて…。

     満さんは私に気が付くと嬉しそうにニコっと笑って
     こちらに向かって手を振って…。

幻は一瞬で消えてしまった。

どこにも無い筈の幸せそうな光景に、どこかで聞いた歌の一節が、ふっと甦る。
”── And I think to myself, what a wonderful world ──”
”…そして私は心に思います。なんと素敵な世界なのでしょう…”

     そうね。待ってばかりいても仕方が無いから。
     私の方からそちらへ行けば良いんですね?

     ここではないどこかに、みんなで幸せに暮らしてる世界があって。
     そこには満さんが居て、きっと手を広げて私を迎えてくれるから。

水音。
持ち主の手から離れた傘が、そらに舞った。
107What a wonderful world/12:04/07/26 11:21 ID:Bc7Sq0E3




     城戸君、あなたが守ろうとしたものはなに?
     城戸君、この世界は守るだけの価値があったの?
     城戸君…。

     城戸君?



108What a wonderful world/13:04/07/26 11:23 ID:Bc7Sq0E3
「馬鹿な真似はよしねえ」
痩せて眼鏡を掛けた人相の悪い中年男が百合絵の手首を掴んだ。

川に落ちた傘が流されて行くのを、ぼうっと見送る百合絵。
「あんた今、つまらん事ばしょっと思ーたんじゃなか?」
「いいえ。川を見ていただけです。みなもが光って綺麗だったから…」

男は眉間に皺を寄せると、百合絵の手を離さず半ば強引に車に押し込むとアクセルを踏んだ。
百合絵はどこへ連れて行かれるのか考えるのも億劫で、もうどうでも良くなっていた。


遠くの町の墓地で、墓に手を合わせる男を黙って見つめる百合絵。
墓石は新しかったが石の表面は傷だらけで、急な力を掛けられた様に少し歪んで立っていた。
百合絵に聞かせるつもりがあるのかないのか判らない調子で男は独り言を始めだした。
「こいつは、怪物に人を食わせるような人間じゃなか。そんな非道な真似するわけなかと」

墓に刻まれた名は、百合絵が繰り返した見た映像の語り手の物だった。
「以前になー、こいつと北岡に命ば救ってもろーた事あるとよ。
 ちぃと強情な真似するけん、さんざくらわして脅したすぐ後だったのにな…。
 化け物の事なんか誰も信じんから黙っとった。いま酷い言われ様のあいつらだけんど、
 根はお人よしの大馬鹿たい。本当に馬鹿で、馬鹿で…」

言葉に詰まった男はハンカチで鼻をかむとそのまま独り言を続けた。


やっと出会った城戸に向って「どうして満さんを助けてくれなかったの?」と、
問いかけようとして言葉を止める百合絵。

     決して見捨てたわけじゃないんですね?
     あの時悲しそうに辛そうに語っていたのは、偽善ぶった演技とかでなくて
     満さんの事も、救えなかった大勢の事も、
     心から悲しくて辛い自分の痛みとして受けとめていたからなんですね…。
109What a wonderful world/14:04/07/26 11:24 ID:Bc7Sq0E3
「私は大滝。あんたの父さんたぁ縁がある者たい。オヤジさん、あんたの様子心配しとった。
 あの人あれでもしたたかな古狸ばい。嘆かんとも会社盛り返す手ぇ幾らでも考えてあると。
 だからオヤジさん事ぁ心配せんでも良か。それに許婚の事は気の毒だけんど、いつま…」

説教なのか独り言なのか判らない話しは、ぼつぼつと続いた。
意図的なものにせよ偶然にせよ、ここに連れられた事で負の思いの多くが解け消えていた。
家まで送られながら、あの場所に導いて頂いて感謝していますと百合絵は頭を下げた。

----------------------------------------

喫茶店の店長はカラカラ笑った。
「じょ〜おだんじゃ、ないわ!あたしゃこれぐらいで凹んだりしないって。
 ピラミッド探検中に砂漠で食料と水が尽きて苔で命を繋いだ時を思や、ど〜って事ないわ」

「ここは落ち着くなー。お茶はうまいし、おば…もといお姉さんは話し上手だし。
 良い環境でキーを叩くと構想がスッと浮かんで次のベストセラーも間違い無しってもんよ」
「お世辞言ったって、なんにも出〜やしませんよ〜だ」
「違いねえ。調子に乗りすぎたらお姉さん怖いからなー。踏み台代わりはもう勘弁って」


店の片隅のTVの中、幾人かの男女が年配の婦人と共に手にパネルや書類を持って語りだす。
「でもこの人、俺をでかい蜘蛛の化け物から助けてくれたんですよ」
「この人、私をモンスターから救ってくれて。そして運命は変えられるって言ってくれて…。
 私、今こうして居られるのもこの人たちのおかげなんです」

「たまたまでしょう?たまたま通りすがりに餌を捕獲しただけじゃないんですか?」
「ライダーの気紛れを有難がるなんてねー。勝手な思い込みを広めると陰で笑われますよ?」

意地の悪い質問や嫌味な混ぜ返しの前で、自信無く首を傾げ、時々顔を曇らせ、小さく怯え、
それでも命の恩人の為に声を上げる人々の姿を、横目で見ながら牛乳をゆっくり混ぜる店長。
「恵里ちゃん、アッサムミルクとスコーンを4番の席にお願いね」
「はい、沙奈子さん」
110What a wonderful world/15:04/07/26 11:35 ID:Bc7Sq0E3
原田拓也は、考えていた。
     あのカードを使って変身してたら、オレもライダーで有名になれたのかな?
     でも、ゆだんして食べられたり、なぐられたり、苦しくてコワい戦いはイヤだな…。

ライダーの悲しみと残酷を目に焼き付け、蝙蝠の兄ちゃんへの憧れもまだ胸に焼き付いたまま
あれからずっと考え続けた。遊んでる時も、悪ふざけやカンニングの最中も、
カードを手にする機会がまたあればライダーになるかどうか、
もしライダーになったらどうするか、もしライダーにならないならどんな理由かを考えた。

幾ら考えても、答らしい物が見えても、その答が本当に正しいか間違ってるか判らなかった。
一人で考えても正解は出ないので、自分で判らない答を探すため苦手だった本も読み始めた。
「拓也君、最近落ち着きが出て積極的に質問もします」と、担任は笑顔で拓也の母に語った。

----------------------------------------

少年は、命を賭けて自分と父とを救ってくれた青年の死の様子と、
その際に「先生…」と呟いてこぼした涙を忘れる事が出来なかった。
何度もTVに映される虎の仮面は、少年にとっては紛れもないヒーローだった。

「…どうやったら英雄になれるのかな?…」
一筋の涙を浮かべて冷たくなっていった青年の呟きを何度も思い返す少年。

     ぼくが大人になったら、お兄さんみたいなえいゆうになってみんなをまもるから。
     ぼくはお兄さんのなりたかったものになるから。
     だから、なかなくていいよ。わらってよ。

----------------------------------------

香川裕太は涙を溜めたまま眠りについていた。
何か楽しい夢でも見たのか少し笑った。「お父さん…」

「…うん…お兄ちゃん、ありがとう。ぼく、がんばるよ…」
111What a wonderful world/16:04/07/26 11:36 ID:Bc7Sq0E3
「おねえちゃん?なにしてるの?」

「お花を…。大好きな人に供えているの。お墓の代わりにこの樹に。
 誰もあの人に花をあげないと思うと寂しいから。
 …でもあの人は受け取ってくれたから」

「わたしも、おはなをあげていーい?」

「うん。いいよ」

「はい、あげる。これは、おねえちゃんのおはなー。
 これは、おねえちゃんのだいすきなひとのおはなー。
 これは、わたしのだいすきなおにいちゃんのおはなー」


「未来ちゃ〜ん!おうちに帰るわよー」

「はーい! おねえちゃん、ばいばーい!」

「ばいばい。またね。 …ありがとう」
112What a wonderful world/17:04/07/26 11:37 ID:Bc7Sq0E3
花で遊ぶ少女達の会話に微笑みを浮かべ、
シャッターを押し掛けて指を止め首を振る令子。

     この子達を「和み」「癒し」とかの安易なテーマで撮っちゃ駄目。
     本当の事は見た目では判らない…。

     「悲しみから立ち直る少女」とか、「平和を祈る子供たち」とか、
     他人である私が、勝手で知ったかぶりな解説で綺麗にまとめてしまって語るのは
     おこがましいもの。


傷を与えられた街。傷を与えられた人々。
少しづつ騒ぎは収まり表面は回復しつつある。
だがその奥に深く残る痛み。他者には説明出来ない痛み。自分でも把握出来ない痛み。

その痛みが癒える日はいつ来るのだろうと令子は思った。


少女が去る姿を目で追い、ふと樹を振り返った令子は
懐かしい水色のジャケットをそこに見た気がした。
113What a wonderful world/18:04/07/26 11:37 ID:Bc7Sq0E3
大きな樹にもたれかかり、
供えられた花を手に取ると楽しそうに眺めるジャケットの青年。


いつのまにか青年は子供達に囲まれている。
子供達は手に持った花を青年の側に置く。

「これは私の大好きな先生のお花」
「これも私の大好きな先生のお花」

「これはわたしが世界で一番大好きな、べんごしの先生とアメをくれたあのひとのお花」
「これはわたしをレストランでたすけてくれた、おにいちゃんのおはな」
「これはわたしのきえたママのためにないてくれた、おにいちゃんのおはな」

「これはオレのカッコいーにーちゃんの花」
「これはぼくのそんけいするお兄さんの花」
「これはぼくのだいすきなお父さんとお兄ちゃんの花」

「これは私の愛するあの人に捧げる花」
「これはわたしにみらいをくれた、おにいちゃんのおはな」


「これは ぼくたちわたしたちに みらいをくれた あの人たちの花」



花に埋もれて青年は笑っている。
どこかで聞いた曲を口笛に乗せる。

── I see trees of green, red roses too
     :
114What a wonderful world/19:04/07/26 11:40 ID:Bc7Sq0E3
     :
── And I think to myself, what a wonderful world
── Yes, I think to myself, what a wonderful world....Oh yeah

令子は目を閉じたまま樹を見つめる。
まぶたの裏に映る光景は、幻だと判っている。
…そう。目を開ければそこには何も無い。いつもの風景がそこにあるだけだと判っている。

それでも今は、二度と見る筈の無い笑顔が無心にこぼれる様子を見ていたかった。


青年は調子外れの声で鼻歌に詞を付けて歌う。

── 木の緑や花の赤 君達の目に輝いてる
── 俺には見えるよ 何て素敵な世界だろ

── 青空には白い雲 澄んだ朝と静かな夜
── 俺には見えるよ 何て素敵な世界だろ

── そら高く虹が広がり 道行く人の顔にも映ってる
── みんなが手を取合い 「大好きだ」って言ってる

── 今は泣いてる子供達 君達が大人になる頃
── 俺よりもっともっと 多くを学んでるから
── やがて訪れる素敵な世界
── そうだよ何て素敵な世界なんだろ…本当に素敵だな


強い風に樹がしなり、木の葉や草が舞いあがった途端、声も姿もふいに消える。

令子はそっと目を開け
まわりを見渡した。
115What a wonderful world/20(END):04/07/26 11:41 ID:Bc7Sq0E3






     城戸君  この世界は守るだけの価値があるよね?






116名無しより愛をこめて:04/07/26 11:43 ID:Bc7Sq0E3
what a wonderful worldの作者様による補足。



"what a wonderful world"(作詞:George David Weiss / 作曲:George Douglas)
歌詞参考:ttp://display.lyrics.astraweb.com:2000/display.cgi?louis_armstrong..the_very_best_of_louis_armstrong..what_a_wonderful_world

方言参考:ttp://www.ronax.net/hakata/
(博多ネイティヴの方が居ましたら、webを参考にしただけのインチキ博多弁をお詫びします)
117名無しより愛をこめて:04/07/29 16:08 ID:qAYGOFSE
118保守:04/07/29 17:33 ID:bpy6G+XW
もうdat落ちさせないよ
119−願い−:04/07/30 23:14 ID:JjuEK+1t
そこにいたのは死体でもなければ異形の怪物でもなかった。
そこにはたった一人の少女がいた。
名は霧島美穂。今さっき戦いに敗れた戦士だった。
そして今、助けてくれた青年・・・・城戸真司はもうここには
いない。だから彼女はもう十分生きたと思った。
だがまだ死ねない。なぜなら彼女は姉を浅倉に殺され、
ライダーとなり、戦おうとした。だがそうもいかなかった。
謎の黒い龍騎のような戦士に襲撃を受け、真司に助けられたのである。
真司が立ち去った後美穂は最後に姉の死体の所まで行こうと思った。
だが体が動かない。もはやの謎の戦士に重傷を負わされていた
からである。彼女は思った。「浅倉、あたしはあんたに勝ったのね。」
思った。「ねえさん・・・ごめん。」思った。「真司・・・・・
ちゃんと・・・・く・・くつひもぐらい・・・・・結べなきゃ駄目
だ・・・・ぞ・・・・・」
そこで彼女の意識は途絶えた。
その顔はどこか微笑んでるようにも見えた。
彼女は最後になにを思ったのかは誰にもわからない・・・・

仮面ライダーファム死亡。
残るライダーは4人・・・・・


−あとがき−どうもです。こんな駄目作品投稿して
すみません。みなさんがつまらないと思っても
こういうのバネにどんどんいい小説を作っていきたいと
おもいます。

120Evergreen(81):04/08/02 00:00 ID:uzQ+pQEg
「・・・何だあれは・・・?」
闇に白い光が迸ったのに気づいたライダー達が、
一斉にその方を振り返る。
そして見た。
雪の中に仁王立ちになった紫のライダーと、
その上に浮かぶ赤いモンスターを。
最前までとは打って変わって、巨大なエイが
ライダーに攻撃を加えようとする様子は全くない。
「手塚・・・お前まさか・・・・・・」
契約のカードによって王蛇のモンスターとなった
エビルダイバーを見つめる龍騎の身体を、
吹雪よりも凍てつくような予感が走り抜けようとした時。
「どうした、もう一匹いたはずだろうお前のモンスターは!」
もはや聞き慣れた挑発の声が響いた。

「そら、あそこだ。さっさと捕まえてこい」
面白そうに言いながらリュウガの指した先に、
2体のライダーが立っていた。
紫の姿を見た途端、恐怖のあまり動くことも
口をきくこともできなくなったガイ、そしてインペラーが。
「ふん」
逆三角の頭をめぐらしてそれを確認すると、
これも楽しげにカードを引き抜く王蛇。
「ファイナルベント」
「はぁ!」
音声が消えないうちに跳躍した紫の身体を、
空中でエビルダイバーの背が受け止める。
そして全速力で滑空を始めた。
赤い死を目の前にしながら、なお呆けたように
立ち尽くすガイの姿を目指して。
121120:04/08/02 00:03 ID:uzQ+pQEg
Evergreenの続きをupしました。
読んで下さった方々、ありがとうございます。

>>92(1さんですよね)
「くもり空、とおり雨」(このお話について書くのを先週忘れてしまいました、
すみません)と「What a wonderful world」の再掲もすごく嬉しいです。
ずっとお世話になりっぱなしなのに、不注意なんてとんでもないです・・・
私も気をつけますね。繰り返しになりますが、本当にありがとうございました!
Evergreenを最後まで書いて、いただいたご期待と労力に必ずお応えします。

>モンスター達もこのまま前と同じ運命をたどるのでしょうか…。(メタちゃんもピンチ?)
今回まで、ご想像通りに進んでおります。今後はまた来週以降よろしくどうぞ・・・
(引っ張ってばかりですみませぬ(汗))

過去を思い出した浅倉の反応については少し迷ったのですが、
結局テーマソングの「spinnin' around゙」そのまんまになってしまいました。

>>117, >>118
保守どうもありがとうございます、嬉しいです・・・本当に、
DAT落ちはいつあるかわからないんですね。私ももっと気をつけます。

>>119
「 −願い−」作者様
新作乙です、とっても嬉しいです。
美穂の心理が、すごく細かく描写されていることに驚きました。
(最後にお姉さんの側に行こうとするくだりは泣けて仕方ありませんでした)
淡々とした語り口も、かえって胸を締めつけられるような
効果を出していますよね・・・
まだいろいろ書かれる予定もあるようで、とても楽しみです。
またいいお話をぜひよろしくお願いします!
122−願い−その弐:04/08/05 15:43 ID:OFnUunMz
「おい!城戸!しっかりしろ!」あれ・・・ここどこだ・・・
気がつくと目の前に蓮がいた。立ち上がろうとした。
でも立ち上がれない。さっきのミラーモンスター
の攻撃がかなり致命傷だったみたいだ。「おい!
城戸!どうした!死ぬな!」
−蓮、pお前はbなるべくf…h生きろl・・・−
「お前こそ生きろ!死ぬな!死ぬな!」
−だめだ・・もうウニナンダヨ・・じゃなかった
無理なんだよ・・・・−
「馬鹿いうな!しっかりしろ!起きろ!」
「r、蓮 お前  だけは・・・・
i、生き残れ・・・・」
「城戸・・・・?城戸ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
最後に城戸真司はこう思った。
−優衣ちゃん・・・俺、君を
救ってやれなかったよ。ごめん。−
−蓮、お前は生きろよ、お前はかならず・・・・−
こうして・・・仮面ライダー龍騎と呼ばれた男、
城戸真司は死んだ。


−あとがき−
またまたはってしまいました。
こんなつまんない作品でも
面白いと思ってくれたらいいと
思います。
123名無しより愛をこめて:04/08/07 16:36 ID:7vs3txXM
124Evergreen(82):04/08/09 00:28 ID:o8KFQ7O3
金縛りにあったように動けないガイの身体に、
王蛇を乗せたエビルダイバーが激突する。
と見えた瞬間、角の生えた姿がガイの前に立った。
インペラーだ。
カードを捨て、唯一の強みであるガゼル軍団の
援護もないというのに。
「ぎゃあああっ!」
悲鳴と同時に紅蓮の火球が生じ、
爆発音と衝撃が悲鳴を掻き消した。

なにやってんだろ、俺。
もうあの紫の奴にやられるのは御免だ、
こいつが狙われている間にさっさと逃げよう。
さっきまでそう思ってたはずなのに・・・

炎に包まれて宙高く飛ばされながら、インペラーが
不思議そうに独り言を繰り返す。心の中で。

紫の奴がすぐ近くまで来たとき、
全然反対のこと考えちゃったんだよな。
あんな死に方、もう誰にもさせたくない、とか。
おかしいなあ・・・全然俺らしくないよなあ、そんなの?

激突の寸前にガイの斜め後ろから現れ、
真正面からエビルダイバーに突っ込んでいった
鉄の巨獣がいなかったら、悲鳴さえあげずに
インペラーは消滅していたに違いない。
爆発音をさらに圧して、重い咆哮が轟く。
召喚も命令もないのにヘビープレッシャーで
ハイドベノンを相殺し、主人を救ったメタルゲラスだった。
125124:04/08/09 00:38 ID:o8KFQ7O3
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>122
「−願い−その弐」作者様

今度は真司の心のうちですね・・・
こうして各ライダーたちの最期の情景が
拾参まで続くのでしょうか?そうでしたら、
次もぜひよろしくお願いします。

>>123
保守ありがとうございます。
126−願い−その参(上):04/08/09 21:08 ID:fXPtvMw0
「先生、本当に戦えますか?」
ひどく困惑した表情のゴロちゃんが聞いた。
「ははっ大丈夫だよ。」あいかわらず
外は曇っている。決戦の日に曇っている
なんて皮肉な話だ。本当に俺は・・・!
「ドサッ!」←倒れる音。
「ッ!先生!大丈夫ですか!?」
「はは・・・・俺もこ・・こまで
のようだ・・・・」だんだん意識
が遠のいていく・・・・
「先生!しっかりしてください!」
「ゴロ・・ちゃん・・・君・・・は・・・生きろ・・・・」
「先生?先生ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
薄れゆく意識の中で俺はこう思った。
−浅倉、お前との決着はつけられない。
だが、きっと城戸か秋山が決着を
をつけるだろうからそれで我慢してくれ。−
−玲子さん、残念だけど食事はいけないみたいだ。−
−ゴロちゃん、君は・・・生き・・・・ろ・・・−
そして俺の意識が途絶えた。



127−願い−その参(下):04/08/09 21:17 ID:fXPtvMw0
先生の意識はすでに途絶えていた。
先生は俺に生きろと言った。
だが俺だけが生きる訳にはいかない。
ならば俺が浅倉と決着をつければいい。
そっちの方が先生も安心できるだろう。
生き残ろうとは思わない。
だがきっと浅倉とは決着をつけてみせる。
そう思うと由良五郎は北岡の遺体を
ソファーの上に乗せ、デッキを
もって事務所から出てった。




−あとがき−
今回は北岡とゴロちゃんと言う
ことで随分長くなってしまいました。
>>125
がんばって13人全員の最期を
描いていきたいです。
ちなみに今後の予定は
浅倉→佐野→須藤です。
128名無しより愛を込めて:04/08/10 14:03 ID:UqMePrD8
うわっココ復活してる!
新作も来てる!嬉しいッス

そんな訳で保守!
129名無しより愛をこめて:04/08/10 15:57 ID:dRwW33Iu
願いの人はもう一寸頑張って欲しいな。正直今までのは微妙。
130さようなら あの頃のボク:04/08/10 23:02 ID:0nosR0sp
青年は教会の庭にある墓石の前に立っていた
苔が生え薄汚れた墓石には「REN AKIYAMA」と名前が彫られていた
幼い頃、興味本位で未知なる力を手に入れようとしていた小さな自分
その自分に大切な事が何なのか教えてくれた大切なヒト
心に残り続けてるあの数日の面影
時は瞬く間に流れ、自分もあの頃のお兄さんと同じぐらいの年になっていた
あの頃大好きだったゲームのようにリセット出来ない世界で生きてきた
年を重ねる内にやるべき事は増えてきた、普通に生きてくだけで自分は精一杯だった

あの頃のお兄さんはあんなにも重いモノを背負って生き抜いていたんだね
あの後、お兄さんが死んだって噂で聞いてそれが現実で
自分はどうすればいいかわからなくて、泣いて泣いて泣き続けた
泣き続けたけど何をどうすればいいか子供だった自分には結局わからなくて
今も時々どうすればいいか考えるけど答えはきっと出せないみたい
けど、今は自分にも守りたいモノが出来たから・・・
あの頃のお兄さんのようにカッコよくはなれないけど
その人と一緒に精一杯生きていこうと思う
少しでも強くてカッコ良かったアナタに近づきたいから、もう此処にも来ない

ありがとう、お兄ちゃん さようなら、あの頃のボク

「拓也〜、そろそろ行こうよ〜」
「うん、今行くよ」
青年は墓地に花束を置いて声の方へ歩き出す
青年と丁度入れ違いで墓石の前に立つ女性
「あれ?花が置いてある…良かったね、蓮」
自分以外の誰かが置いていった黄色い花束を見て笑みを浮べる
優しい風が墓石に注いでいた午後の一時
131名無しより愛をこめて:04/08/13 22:29 ID:b9l5ZV7i
132Evergreen(83):04/08/16 01:34 ID:rF77EQpz
「ふはははははは・・・ 」
必殺技を妨害された王蛇の高笑いが響く。
「なかなか面白いなあ、お前らも」
「ファイナルベント」
言葉に重なるように音声が響き、音声に
導かれるように紫の蛇が雪の中から出現する。
「うおあああああ!」
自分を麻痺させた悪夢が今また現実となって
襲ってくるのをただぼんやりと見つめるガイ。
サイが反転して再び主人の盾となる暇など、
王蛇の連続攻撃が与えるはずもなかった。
ガイのベルトの中央に、ベノクラッシュの最初の
一撃が炸裂する。続いて胸にも、肩にも、顔にも。
「うわあああーーーっ!!」
絶叫と共に飛び散る黒いカードデッキの破片。
「GWFHOOOOOO!」
人間の絶叫とともに獣の絶叫も響く。
王蛇に向かって突っ込んでいくメタルゲラスだ。
「やめろおおぉーーーっ!!」
さらに別の人間の絶叫が響き、
「アドベント」
「GGYNHAAAAAAAAAAAAA!」
音声と同時に天を震わせるような咆哮が響き渡る。
ガイを救おうと、龍騎がドラグレッダーを召喚したのだ・・・だが。
「させるか」
冷たい声が落ち、
「アドベント」
「GWWHHOAAAAAAAAAAAAAA!」
濁った音声と濁った咆哮が続く。
その主たちは、言うまでもなかった。
133132:04/08/16 02:03 ID:rF77EQpz
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方、ありがとうございます。

>>126, >>127
北岡の最期はテレビでは直接描かれていなかっただけに、
ぐっと来るものがありました
「生き残ろうとは思わない。
だがきっと浅倉とは決着をつけてみせる」
このゴロちゃんの台詞が泣かせます・・・
浅倉編も楽しみにしてますので、よろしくお願いします。

>>128
保守ありがとうございます。

>>130
「さようなら あの頃のボク」作者様

拓也の立派な成長ぶりに驚きました。
あの時蓮や真司と会ったことが、彼にはどれだけ意味のある
ことだったかを考えさせられるお話ですね・・・
ラストも余韻があっていいです。

>>131
保守ありがとうございます。
134名無しより愛をこめて:04/08/20 16:25 ID:SaLFabQ8
ho
135名無しより愛をこめて:04/08/23 01:44 ID:6sK4oxBS
今週は休載ですか?(´・ω・`)
136Evergreen(84):04/08/23 01:46 ID:PJD1ZKFX
空中でガイに蹴りを繰り出しながら身体を捻り、
迫り来る鋼鉄の巨体を見据える王蛇。
そして、再び毒蛇のカードデッキに手を伸ばす。
そこへドラグレッダーが空から急降下してきた。

紫のライダーに体当たりしようとする巨龍を、
下から黒い炎が襲う。リュウガに召喚された
もう一匹の巨龍が地中から出現したのだ。
炎を避けていったん急上昇すると頭を下に向け、
真っ赤な炎を吐きながら再び急降下に転じて
応戦するドラグレッダー。だが黒龍は怯まない。
そのまま空中で互いの首に食らいつき、
バランスを崩して大地に落下する二匹の龍。

雪ばかりかその下のアスファルトまで瞬時に溶かし、
蒸発させながら、赤と黒の炎に包まれた巨大な
ウロボロスサークルが地上を駆け巡る。
そして。
メタルゲラスの角が紫の身体を貫こうとした瞬間、
王蛇の手にした無紋のカードが再び強烈に輝いた。

白い光が収まった時、あれほど怒り狂っていた
メタルゲラスの姿はどこにもなかった。いるのは、
従順そうに鼻面を下げて立つモンスターだけだ。
動かなくなった主人、いや元主人の身体を踏みつけ、
勝ち誇ったように契約のカードをかざす王蛇の前に。
違う−−もう契約のカードではない。
「ユナイトベント」
マグネットの図柄を持つカードがベノバイザーの
上部に装填され、声が響いた。
137136:04/08/23 01:59 ID:PJD1ZKFX
Evergreenの続きをupしました。読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>135
いつもより遅れてしまってすみません、先ほどupしました・・・
(ちょうど同じ時間に書き込みが重なりましたね)
138136:04/08/23 02:03 ID:PJD1ZKFX
忘れていました・・・ageておきます。
139名無しより愛をこめて:04/08/26 23:23 ID:xjBucWPr
部屋のいたるところに
「R・D・Cスレをみたらとにかく保守れ」
というメモが貼ってあったので、保守。

>>1-115 消えていった名作の重みが倍になりました。
>>「願い」「Evergreen」「さようなら・・」の作者さま、GJです。
140保守:04/08/28 13:43 ID:q9sIapii
明日あたりうpですか?
141Evergreen(85):04/08/30 00:01 ID:7ypqkqra
王蛇の背後に三匹のモンスターが集結し、
三たび闇が白く輝き渡る。
そして光が消え−−吹雪と闇を背景に
ぼんやりと巨大な影が浮かびあがってきた。

メタルゲラスの首が長く伸び、背中に翼が生えたのか。
ベノスネーカーの頭に角が生え、胴に翼と手足が付いたのか。
どちらにしろこれほど醜く恐ろしげな怪物もないだろう。
ライダーたちが戦慄しながら見守る中、そいつがかっと口を開いた。
咆哮が四方に轟き渡る。どのライダーの
モンスターも出せないような重く凶々しい咆哮が。
だがそれだけではなかった。
咆哮とともにエネルギーの塊が次々と
吐き出されたのだ。ライダーたちめがけて。

「うわあっ!」
持ち前の敏捷さのおかげで直撃こそ免れたが、
すぐ近くに落ちたエネルギーの余波を食らって
吹き飛ばされかけるベルデ。そこへ間髪いれず第二波が来た。
だが耳元で爆発音が響いただけで、身体への衝撃はない。
「・・・助かったぜ、蟹」
「さっきの借りを返しただけですよ。それに蟹ではないと何度言ったら・・・」
とっさに召喚したシェルディフェンスで自分と相手を守った
シザースが憮然として答えるのに構わず、ベルデも
カードデッキに手を伸ばす。
「正当防衛ってやつだ、仕方ねえ」
「いけませんね、抜け駆けは」
皮肉な応答とともにシザースも再びカードを抜く。
そして2つの音声が同時に響いた。
「ファイナルベント」
142141:04/08/30 00:07 ID:7ypqkqra
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>139
保守ありがとうございます。
(しかし、下宿先の女の子や勤務先の上司に怒られてないかチョト心配…)

>>140
ありがとうございます。保守してもらったおかげで今週もUpできました…
143名無しより愛をこめて:04/08/30 03:33 ID:T4qykZWM
どなたかEvergreenの80回目(といっていいのかな?)を再掲載していただけませんか?
dat落ちのごたごたでそこだけ保存し損ねてしまった…_| ̄|○

>Evergreen作者様
いつもうp楽しみにしてます。
これからも頑張ってください。
144名無しより愛をこめて:04/08/30 23:36 ID:oKI1TR3W
>>143さん、>>91じゃないの?
145143:04/08/31 17:00 ID:WqXj5xnW
>144
( ゚д゚)
すいません自分見落としてました…_| ̄|○
>144さん、ありがとう。
146名無しより愛をこめて:04/09/03 00:01 ID:++1stvi8
待ち遠しいな日曜日
147名無しより愛をこめて:04/09/03 04:30 ID:3ob97C2S
サバイブは出てくんのかな?
ナイトはこのままミラーワールドの外?
148Evergreen(86):04/09/05 23:30 ID:XJAZ2esJ
吹雪とともに空中から来襲した緑の影が
王蛇の両肩と両足首を捕らえ、長い弧を
描きながら反対側の空中へと攫う。
そのまま頭から地面に叩きつけようとするが、
相手の敏捷さと力の強さはベルデの
予想をはるかに越えていた。
「ぎゃっ!」
最初の回転も始まらないうちに思いきり
紫の脚に蹴り離されて失速し、地面に
もろに叩きつけられる緑のボディ。
だが王蛇への攻撃は終っていなかった。
「させますか!」
ボルキャンサーの交叉したハサミの上で
勢いをつけて跳躍したシザースが叫び、
丸めた身体を高速回転させながら
金色の弾丸のように突っ込んでいく。
まだ空中にいる紫の姿めがけて。
だが間髪入れぬ援護も失敗に終わった。
「うわあっ!」
王蛇のキメラ獣がまたも咆哮してエネルギー塊を吐き、
主人に激突する寸前のシザースを弾き飛ばしたのだ。

ジェノサイダーの攻撃は止まらない。
続けざまに吐き出される白熱の塊がタイガ、
そしてようやく立ちあがったファムを襲う。
「!!」
エネルギーが二つのボディの上で炸裂し、
白い体色をさらにまばゆく輝かせた。
辛うじて召喚に間に合ったデストワイルダーと
ブランウイングが、各々の主人の盾となったのだ。
149148:04/09/05 23:33 ID:XJAZ2esJ
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>143 - >>145
ありがとうございます、最終回まで楽しんでもらえるようにがんばります。

>>146
待っててくれてありがとうございます。

>>147
よかったら、どうなるか見ていてください・・・
150古式若葉 ◆hm6LCgnbj6 :04/09/08 18:31 ID:+A7f3vIx
>>149
もう我慢の限界や! うちと結婚してくれ!。
151名無しより愛をこめて:04/09/09 17:41 ID:LupQn7g5
  ブリザードクラッシュ!!  ///
             ///
        〔o〕   //
      ヽ( 0H0)ノ /
Hヽ   へノ  /
M0)っ──●_ノ
ノ     。゚   >
    。゚。゜
   。o゚。シャー
  WWWW            
ヽ: `Д´ミノ
152名無しより愛をこめて:04/09/10 12:51 ID:tTovknPR
保守しないとまた落ちる?
153名無しより愛をこめて:04/09/11 23:44:28 ID:fTWzlY/5
続き待ってます
154Evergreen(87):04/09/12 23:48:27 ID:bdY7hTkm
「浅倉・・・これ以上戦わせるわけには
いかないんだよ、お前を」
意識を取り戻し、雪の上をよろめきながら
歩いてきたゾルダが呟き、カードを引き抜く。
「アドベント」
地面の雪を盛り上げ、崩しながら現れる緑の巨獣。
その重々しい叫びに気づき、タイガが振り向いた。
「あんたなら倒せるんじゃないかな・・・あいつを」
「ああ、そのつもりだよ」
答えると、再び一枚のカードを引き抜くゾルダ。
デッキと同じ紋章のついたカードを。
それを見てタイガもデッキに手を伸ばす。
「ちょっと待ってて。あいつを釘づけにするから」
引き抜かれたカードの文字は「FREEZE VENT」。

だが、同時に。
「雑魚が多すぎる・・・」
狼のように暗く唸り、王蛇もカードを引き抜いていた。
3匹のモンスターの紋章が描かれたカードを。
「ファイナルベント」
「まずい!」
王蛇の動きを見たゾルダが即座にトリガーを引く。だが遅かった。
膨大な量の弾丸とビームが、ジェノサイダーの巨体に
吸い込まれていく。そう、文字通り吸い込まれていくのだ。
腹部にぽっかりと開いた、闇よりも黒い虚空に。
そして、信じられない光景が。
「GYFHUWOOOOOOOOOOOOO!」
悲鳴のような咆哮をあげるマグナギガの巨体が
宙に浮き、敵に向かって空中を漂い始めたのだ。
自らの放出した弾の軌跡に引きずられるかのように。
155154:04/09/12 23:54:08 ID:bdY7hTkm
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>150
ありがとうございます、お気持ちだけいただきます(汗)

>>152
保守どうもありがとうございます。

>>153
待っていてくださってありがとうございます。
156名無しより愛をこめて:04/09/13 05:53:33 ID:waEEduMX
あわわ・・・マグナギガが・・・・・・
浅倉に勝てるライダーはいないの?
157名無しより愛をこめて:04/09/13 06:53:51 ID:mZg/4rRq
次スレ立ってたんですね…ようやく見つけました。
Evergreenの作者様、dat落ち以降の分、まとめて楽しませていただきました。
ミラーライダーの共闘という今まで無かった展開にテンション上がりっぱなしです。
158−願い−その四:04/09/14 21:26:49 ID:1OL3unmj
そこに鎧をつけた二人の男がいた。一人は倒れており、一人はその場
で呆然と立ち尽くしていた。その男−浅倉威は唖然として
いた。−ハァ?いったいどういうことだよ。こいつは・・・こいつは・・・・
北岡ァァァァァァァァ!!!!−そして浅倉は現実世界へと戻った。
そしてもう一人の男・・・由良五郎は元の姿に戻り、こう
いった。−先・・・生・・・また・・・・うまいもん買って・・・・
帰ります・・・・・−そして五郎の意識は途絶えた。そして現実世界では
浅倉が愕然としていた。−・・・なんでだよ・・・ なんであいつじゃねぇんだよ!!
畜生!畜生!わけがわからねぇ!!なんで?なんで?なんで?
どーなってるんだよ!!!!!−浅倉は混乱し始めていた。
−ようやく決着をつけられると思ったら違うガキが来るし・・・
アァァァァァ!!!!全てがムカつく!みんな
消えちまえ!!!!−しかしそとに警官隊が待ち構えている。
このまま逃げられるはずがない。なにを思ったのか浅倉はそばに
あった鉄パイプを掴むと外へ向かっていった。
そして『バン!バン!バン!』という音と同時に浅倉の体
がダンスを踊るみたいによろけていく。そしてついに
浅倉は倒れた。朦朧とする意識のなかで
浅倉は思った。−結局俺はなんのために
戦おうとしたんだっけ?でももうどうでもいいや。
なんだか眠くなってきた。でも・・・なんで・・
俺・・・・は・・・・そこで浅倉の意識は完全に消えた。

−あとがき−
とりあえずすみません。
こんな更新が遅れてしまって。
次も結構遅くなると思うので
首を長ーくしてまっててください。
本当にすみませんでした。m(−−)m

159名無しより愛をこめて:04/09/17 17:50:41 ID:0kAWEPdM
どのお話も首を長ーーーー(略)ーーーーくして待っています
160Evergreen(88):04/09/19 23:29:51 ID:wr0XMDz9
だが、本当に信じられない光景はそれからだった。
宙に浮いたと見えたバッファロー型モンスターが
あっという間に消えたのだ。
自分のモンスターが吸い込まれた−−
敵の腹部の、頭さえ入るはずのない小さな虚無に。
それを認識する前にゾルダは叫んでいた。
自分も雪の上に身を躍らせながら。
「みんな伏せろ!」
だがすでにファムもタイガも脇にはいなかった。

悲鳴を上げながらジェノサイダーに向かって
空中を飛ばされていく、二人の白いライダー。
彼らを救ったのはまたも契約モンスターたちだった。
宙高く身を躍らせたデストワイルダーが巨大な爪を
一閃させ、タイガを渾身の力で地上へ叩き落す。
超高速で急降下してきたブランウイングも、
ファムに体当たりして脇へ跳ね飛ばす。
だがそれが限界だった。そのまま2体とも敵の腹に
生じた穴に引き寄せられ、あっけなく吸い込まれる。

その後に続くように空中を引きずられてきたのは−−
2体同様、倒れた主人を守って力尽きたボルキャンサーと
バイオグリーザ。主人のカードデッキが王蛇に破壊されたため、
契約から解放されてうろうろしていた多数のガゼルたち。
そして、さらにおびただしい数のシアゴーストたち、
レイドラグーンたち、それにぼつぼつ羽化し始めていた
ハイドラグーンたち。
それらすべてが、吸い込まれていく。地上に届かないうちに
白い竜巻となって吸い寄せられていく、大量の雪とともに。
ドゥームズデイのブラックホールの中へ。
161160:04/09/19 23:38:03 ID:wr0XMDz9
Evergreenの続きをupします。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>156
読んでくださってありがとうございます。結局、この世界でも
マグナたんをこんな目に合わせてしまいました(汗)

>>157
探してくださってありがとうございます。続けさせてもらえるのも
>>1 さんが再三スレを建て直してくださったおかげです・・・


>>158
新作乙です。淡々とした語り口が浅倉の虚無的な最期にすごく合っていますね。
それでいて、最後の意識の描写からは何ともいえない悲しさが伝わってくるのが
良いです。次作もお待ちしてます。

>>159
待っていてくださって、ありがとうございます。
162名無しより愛をこめて:04/09/20 06:53:07 ID:KH2J4QmY
あわわ、マグナたんが、デスたんが、ボルたんが、・・・・・・・
どうなっちゃうんですかほんとにー!?
163名無しより愛をこめて:04/09/21 09:32:12 ID:WGaFcPtz
このスレ初めて気付いた〜!
evergreen感動
164名無しより愛をこめて:04/09/23 08:31:37 ID:bruBO7+j
ジェノサバイバー?
165名無しより愛をこめて:04/09/25 09:43:19 ID:MnHaBGTa
まだ(うpまで)時間がある・・・・
保守しろ!!
166モラシム ◆AmzUKMGOOc :04/09/25 19:43:53 ID:q2tPJUgC
私も生暖かく見守っていますよ。
167Evergreen(89):04/09/26 23:11:19 ID:F6S6Qnv5
ジェノサイダーの腹が目の前のすべてを
呑み込んだ後、不気味な静寂が落ちる。
そして王蛇がゆっくりと振り向いた。
「ザコどもがやっと消えた・・・戦え」
顎をしゃくってそう言うとベノサーベルを構え、
ゆっくりと一歩踏み出す。一部始終を冷たく
見守っていた黒いライダーに向かって。
だが冷笑するリュウガ。
「まだ一匹残ってるぞ、あいつだ」
言いながら腕を上げ、左手を指す。
二人のライダーから等距離の位置に、
ぽつんと赤い姿が立っていた。
ドラグブラッカーにドラグレッダーを抑え込まれ、
他のライダーたちを助けることもできずに、
歯噛みしながら王蛇の暴虐を見ていることしか
できなかった龍騎が。
「は!」
乾いた声で笑い、剣を投げ捨てる王蛇。
と思うと両手をやや広げ、だっと走り出す。
向かう先は無論龍騎だ。
「消えろ・・・!」
非情な言葉とともに紫の姿が跳躍し、
立ち尽くす赤いライダーをあっさり蹴り飛ばした。
ジェノサイダーの中心の暗黒に向かって。

視界いっぱいに虚無の入り口が広がってくる。
それを見ながらなお、龍騎には何ひとつできなかった。
くそ、このままじゃ死んでも死にきれない・・・
またバトルの繰り返しが始まってしまう、そうなったら
優衣ちゃんは永遠に不幸なままじゃないかよ!
168167:04/09/26 23:12:36 ID:F6S6Qnv5
Evergreenの続きをupしました。
読んで下さった方々、ありがとうございます。

>>162
とりあえず主人公も追加です(汗)
この先もう少し見ていてくださいませ・・・

>>163
ありがとうございます。最終回もかなり
近くなってきましたので、よかったら読んでください。

>>164
ジェノサバイバーの画像は本スレで見せていただきましたが、
とてもあそこまでは無理ぽ(汗) でもすごかったですね・・・

>>165
保守ありがとうございます。おかげで今週もupできました・・・
169名無しより愛をこめて:04/09/27 07:13:54 ID:BR8uNcsa
龍騎本人が  (呆然)
170名無しより愛をこめて:04/09/27 20:18:53 ID:5g5p6b+i
ここでサバイブですよ!(←適当な事を・・・藁)
171名無しより愛をこめて:04/09/28 01:15:33 ID:GSyCr2mY
いや、内部から破壊だね!
にしてもシカトされてるモラシムに激藁w
172名無しより愛をこめて:04/09/30 22:25:37 ID:vz47rLAM
ナイトまだー?
173名無しより愛をこめて:04/10/03 06:40:57 ID:xYZ77FO5
uぷまだー?
174Evergreen(90):04/10/04 00:01:52 ID:/TnPcwAF
思いだけが空回りするまま、龍騎の頭が
ブラックホールの縁を通過しようとした時。
「ブラストベント」
「うわっ!?」
急に赤い身体の向きが変わり、回転しながら
勢いよく雪の上に叩きつけられる。真横から
吹きつけてきた、渦巻く突風にさらわれて。

「なんだ・・・?」
獲物を掠め取られて咆哮するジェノサイダーの
斜め上を見た王蛇が、不審そうに呟く。
すべて始末したはずのモンスターが
まだ残っていたからだ。青光りするボディと
翼を持つ大コウモリ型のモンスターが・・・
龍騎を救った竜巻は、その翼に収められた
一対の巨大なホイールが生み出したものらしい。
そして残っていたのはモンスターだけではなかった。

「蓮!」
突風と同時に聞こえた音声で、もう分かっていた。
だがそれでも叫ばずにはいられなかった。
雪の中から立ちあがり、少し先に立つ救い主に
向かってよろめくように一歩近づく龍騎。
震える声でこう言いながら。
「・・・なんで・・・もうお前には戦わせたく」
「助けてもらっておいてよくそんな台詞が吐けるな」
皮肉な調子でそう返すと、ナイトサバイブは
王蛇の方に向き直った。
「"もっと遊んでいけよ"・・・たしか最後に会った時、
そう言っていたな。いいだろう、今遊んでやる」
175名無しより愛をこめて:04/10/04 00:07:42 ID:7njzZ4b5
リアルタイムキタ━━( ´∀`),,゚Д゚)・ω・)゚∀゚)´`ω´) ̄ー ̄)@∀@)´_ゝ`)゚ー゚)・∀・)゚∋゚)━━!!!!
176174:04/10/04 00:16:56 ID:/TnPcwAF
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>169
やはり主人公なので助けないわけには・・・(汗)

>>170
当たりです。どちらのサバイブでしたか?

>>171
そうか、その手もありましたね・・・

>>172
やっと出ました。もう秋です(汗)

>>173
おかげさまで、今回もupできました。
177174:04/10/04 00:19:37 ID:/TnPcwAF
忘れてました、ageておきます。

・・・と書いたところで>>175 さんのカキコに気づきました、
age&読んでくださってありがとうございます。
178名無しより愛をこめて:04/10/04 06:15:54 ID:X2Yh1d3z
ナイトキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━しかもサバイブでキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
(月曜の朝はここに来るのが楽しみです!)
179名無しより愛をこめて:04/10/08 21:51:21 ID:AghjfIes
台風が近づいていますが
どうか休載しないでね・・・・・・
(無理言ってスマソ)
180名無しより愛をこめて:04/10/09 19:53:47 ID:UG01VioZ
明日のための保守!
181名無しより愛をこめて:04/10/10 03:30:05 ID:GF7sV62e
保守age
182-願い−作者♯Snikake:04/10/10 18:56:57 ID:7JfsXzvd
すんません。もうちょいまってくだせぇ。
183-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/10/10 19:22:18 ID:7JfsXzvd
↑トリップミスった・・・・orz
184Evergreen(91):04/10/10 23:35:16 ID:emn0y8cm
「ナイト・・・この期に及んでしゃしゃりでてきたか。
疾風のカードなぞ使って」
群青に黄金のラインの入ったボディを見つめ、
怨念を込めてリュウガが吐き捨てる。
同時に、王蛇のひときわ大きな哄笑が響き渡った。
「・・・おまえが一番面白そうだ」
指先をナイトに突きつけると同時にカードを抜き、
「ソードベント」
「えやあっ!」
狂喜に満ちた気合とともに剣を構え、
新たな敵に向かって突進し始める。

その王蛇を見据えながら、ナイトサバイブは
まだ動こうとしない。代わりに、金と銀に
縁取られた仮面の奥から語り始める。
自分の横に来た龍騎に向かって。
「成り行きは花鶏の鏡からずっと見ていた・・・
どうせこんなことになるのは分かっていたからな」
「悪かったな・・・助かったけど」
「あいつは俺に任せろ。お前はもうひとりのお前を」
「わかった・・・蓮」
「何だ」
「死ぬなよ!」
「ああ・・・  お前もな!」
「うおあああ!」
至近に迫った王蛇の叫びが会話を中断し、
「ソードベント」
声と同時に飛んできた大剣を受けとめ、
ナイトサバイブが大きく跳躍する。
黒いマントが二つに割れ、一対の翼のように広がった。
185184:04/10/10 23:44:43 ID:emn0y8cm
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>178
ありがとうございます、今度も楽しんでくれたら嬉しいです。

>>179
すごい台風でしたよね・・・幸いこちらの方はなんとか大丈夫でした。
おかげで、今回分もupできました。

>>180, >>181
保守どうもありがとうございます。

>>182
お待ちしてますので、がんばってくださいませ。
186名無しより愛をこめて:04/10/11 00:00:05 ID:DMWhn1fw
蓮と真司が会話しているだけで、なんか嬉しい。。。
187名無しより愛をこめて:04/10/11 02:52:55 ID:rWMhqKGu
スレ違いでしたら、すみません。
虹かなでは、健一よりも柴田loveだった娘が、
レンタルした龍騎を見て、壊れてしまいました。
明日は蓮を求めて、ショッピングにさ迷いそうです。
どなたか龍騎のカード等、販売しているところ、
ご存知じゃないですか?(もう放送終わってる物は
おもちゃ屋さんには無いと思われ。生徒手帳にはさみたいそうです。)

当方、札幌です。(ゲーマーズやアニメイトにあるのでしょうか?)
よろしくご教示お願いします。
188名無しより愛をこめて:04/10/11 06:21:22 ID:NDkZt+eu
>>187
禿しくスレ違い、ヤフオクでも覗けば?
189名無しより愛をこめて:04/10/11 07:33:56 ID:oPifTsX6
>>187
ここは龍騎小説のスレなので、龍騎の本スレで聞いた方が良いでしょうね。
玩具に詳しいかたが詳しく答えてくれるかもしれませんよ。

私個人の意見としては、
ヤフオクなどのオークションにはカードがセットで出品されてる事が多いので、
そちらを調べてみれば一通り揃ったセットを手に入れやすいと思います。


オークション以外にも、玩具専門店やフリーマーケットやリサイクルショップなどで
販売されている事もあると聞いた気がします。
カードなどのおもちゃに関しては玩具板の龍騎玩具スレで聞いた方が、
北海道方面のより詳しい情報が聞けるかもしれないです。
   ↓
仮面ライダー龍騎のおもちゃpart26
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/toy/1091002008/
190名無しより愛をこめて:04/10/11 09:52:04 ID:vIXxaZSz
>「死ぬなよ!」
>「ああ・・・  お前もな!」

タイムベントのたびに何度も何度も、お互いにこう呼びかけ合っていたんだろうね・・・・
191名無しより愛をこめて:04/10/11 12:00:24 ID:1MATxEsC
>>189
ご丁寧にありがとうございました。
192名無しより愛をこめて:04/10/14 09:45:27 ID:2L1+QthS
保守!
193名無しより愛をこめて:04/10/17 11:27:00 ID:UnPqHd48
>>190
きっとそうだ
194名無しより愛をこめて:04/10/17 19:10:39 ID:AOna8KUg
そろそろかな?
195名無しより愛をこめて:04/10/17 20:13:01 ID:LZ6Je81e
保守ageベント
196Evergreen(92):04/10/18 01:38:00 ID:Mh89WfjA
「蓮、頼む!」
ナイトを見上げてそう叫び、龍騎もカードを抜く。
その瞬間、ドラグバイザーが炎を噴き上げた。
変形した龍の顎が開き、黄金の右片翼を描いた
カードを呑み込むと同時に声が響く。
"サバイブ"
吹雪がビルの谷間に出現させた雪原が炎の海と化し、
その中心に立つ龍騎の姿がみるみるうちに変貌し始めた。
身体の内から迸る炎のエネルギーが額の触角や
肩の突起となって鋭く突き出し、上半身の幅と厚みを
内側から盛り上げ、ボディをより深い赤に彩っていく。
そして。
「ソードベント」
ドラグバイザーツバイの先端から、金色の
幾何学模様の入った細い刃が伸びた。
それを脇に降ろし、龍騎サバイブが向き直る。
リュウガに向かって。
何かを問いかけているようにも見える。
リュウガの反応は、今度も呪いと嘲りに満ちた言葉だった。
「どうした・・・自慢の切り札ならさっさと使うがいい。
さもなければこちらから行くぞお!」
「ソードベント」
黒い幅広の刃が唸りを上げた。
「あきらめないのか・・・  どうしても!」
絞り出すようにそう言い、剣の柄を折れんばかりに
握り締めた後、龍騎はついに心を決めた。
「来い。リュウガ!」
ドラグブレードを目の前で水平に構えると、
もうひとつの自分の名を叫んで走り出す。
もうひとりの自分に向かって。
197196:04/10/18 01:53:47 ID:Mh89WfjA
遅れてすみません、Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>186
超久々にツートップが揃った割には短すぎる会話で
恐縮ですが、喜んでもらえたら嬉しいです。

>>190
そう考えるとなんだか胸に迫るものがありますね・・・

>>192, >>195
保守どうもありがとうございます。

>>194
今週はかなりお待たせしてしまい、失礼しました。
(楽しんでもらえてたらいいのですが・・・)
198名無しより愛をこめて:04/10/21 17:18:08 ID:npFUBkvI
保守保守保守
199名無しより愛をこめて:04/10/22 17:19:18 ID:wuCEpggn
先生、保守…しておきますね。
200名無しより愛をこめて:04/10/23 01:21:53 ID:liu853I1
 
201名無しより愛をこめて:04/10/23 10:02:40 ID:Egr9g6ds
板移転で一瞬見つけられず焦りました。ほっ
202Evergreen(93):04/10/24 23:05:23 ID:14dg3yuH
青と銀の切先を王蛇に向けて据え、
真っ直ぐに降下してくるナイトサバイブ。
王蛇もそれを地上で待ってなどいなかった。
「うぉあ!」
腹の底から気合を入れ、ナイトめがけて
空中を駆け上がるように跳躍する。
ダークブレイドとベノサーベルが十字に
斬り結ばれた瞬間、滝のような火花が弾けた。
少し遅れて響き渡る凄まじい金属音。
「貴様・・・」
数瞬後、そう低く呟いたのは王蛇だった。
目の前に水平にかざした金色の剣には、
切先がない。斬り飛ばされたのだ。
自分の後ろにひらりと着地し、刃こぼれひとつない
大剣を改めて振り上げたナイトサバイブに。だが。
狂った笑いを放つと用済みの武器を放り捨て、
「ストライクベント」
新たな武器を構えて向き直り、再び突進する王蛇。
メタルホーンの鋭い先端が、ナイトサバイブの
深い青の装甲を貫かんばかりに打ちすえる。

猛攻を受けてよろめきながらナイトは応戦しない。
それどころか、あっさり剣を脇へ放り投げた。
「?」
意表を突かれた王蛇の動きが一瞬止まる。
ナイトはその隙を逃さなかった。
「シュートベント」
「うぉっ!」
至近から放たれたダークアローの閃光が
王蛇の胸で弾け、紫の身体を後方へ吹っ飛ばした。
203202:04/10/24 23:07:02 ID:14dg3yuH
Evergreenの続きをupします。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>198
保守どうもありがとうございます。

>>199
ゴロチャン? 保守ありがとうございます。

>>200
保守どうもありがとうございます。

>>201
どもです。移転のあとは、やっぱり一瞬まごつきますよね。
204無題〜浅倉 威の場合〜そのT:04/10/25 01:15:50 ID:oT1J2iSg
何故だ…?
 何故だ…?
  何故だ…?
   何故だ――?

全ての想いが燃え朽ちていく

まるで昔、家に自ら火をつけた時のように、ボロボロと崩れ落ちていく

“力”を手に入れた、ワケのわからない神崎 士郎という男にデッキをもらった

仮面ライダーという“力”を手に入れた…単純にライダーになるのは気持ちがよかった

脱獄してから銀色のヤツを殺って、次にあの赤いヤツ…


…だが、どこか退屈だった

理由?理由をつけたがるのは馬鹿な奴だけだ…

自分の欲求さえ満たせれば理由も何もいらない

オレは今、何を待っている?何に期待している?

オレを刑務所に叩き堕としたアイツ…北岡だ――!!!
205無題〜浅倉 威の場合〜そのU:04/10/25 01:18:56 ID:oT1J2iSg
奴は会う度オレの欲求を満たす希少な存在だった…
奴は殺してやりたい程、気にいらなかったが…その欲求があるだけで充分だった

なのに何故オマエがいない?…オマエが来ない
オレはオマエを待っていたのに…何故?何故?何故?何故?…

…オレは今、理由を求めている
あれ程嫌っていた理由をつけたがっている

何故だ?



……

………

わからない…わからない…わからない…何も…

外には無数の警官が殺気をオレに放ち銃を構え待機している

ハッ、丁度イイ…イライラしていたトコロだ…

『うぉぉぉぉぁぁ――――――!!!!』

最期にオレの中に残った物、五月蝿い銃声音、鼻につく火薬の匂い
体内に巣食う何十発もの銃弾、自身に降り注いだ真っ赤な血

…そして“死”…か…
オマエも同じなのか?…ええ?北岡?

〜fin〜
206130、204、205書いたヤシ:04/10/25 01:24:10 ID:oT1J2iSg
>Evergreen作者様

今週分、乙ですた
毎回楽しく拝見させてもらってます☆
Evergreen終っても何かしら書いて下さい、素晴らしい文才をお持ちなんで


204、205ですが浅倉が死ぬ前の心情を書いてみましたが
腐女子が書きそうな感じのになっちゃいました…スルーの方向でお願いします(w
207名無しより愛をこめて:04/10/25 06:37:59 ID:qtT76KO0
新潟の地震で、停電やパソコンの故障のため続きを読めなくなった人がいたかも・・・・・早くここに来られると良いのですが。
Evergreenも、浅倉威の場合も、いつもの月曜の朝と同じように読めたのが本当にありがたい、と実感。
208無題〜城戸 真司(裏)の場合〜そのT:04/10/29 00:16:55 ID:HhNYBAHV
視界に広がる永久の闇…その闇は契約モンスターの吐く炎の色とまるで同じだった

オレはどうした?…オレは、奴に、真司に負けた…のか?

何となく覚えているぞ…オレは奴の脚に纏われた赤い炎に飲まれ、それで…
じゃあオレはこのまま消えていくのか?…オレという存在が消える!?

消えて…いくのか…?

フッ、フフ…ハハハハハハ――!!!

バカバカしい…

結局オレもライダーの戦いの犠牲者、その一人となったワケか…
何が“神崎 士郎”だ、何が“最後の一人”だ!何が“城戸 真司”だ!!

オレは負けて朽ちていく…存在も何もかも否定されたまま……
209無題〜城戸 真司(裏)の場合〜そのU:04/10/29 00:19:19 ID:HhNYBAHV
…?

じゃあオレは誰だ…?城戸 真司?…いや違う…オレは真司になれなかった…じゃあオレは――!?

怖い…怖い……オレは何者としても存在できないまま消滅するのか―――!?

嫌だ――!!そんなのは…そんなのは嫌だぁぁぁ―――!!!!

オレこそが城戸 真司だ!!最強のライダー!!リュウガなんだぁぁ―――っ!!!!

咆哮と共に光に包まれる城戸 真司の幻影…そして…

「おい、起きろぉ!バカ真司!!」
「!!…あ、編集長…お、おはよう、ございます…ふっ、ふわぁぁ〜」
「今日も寝坊かぁ?おら、とっとと取材行って来い!!」
「はっ、はい!!今行きます〜!!」

真司に敗れたミラーワールドの真司…彼の魂は最終的に何処へ行き着いたのか?


〜THE END〜


「ん?…何だ、これ?…黒いケース?」
210名無しより愛をこめて:04/10/30 23:36:52 ID:bYokho8F
保守
211Evergreen(94):04/11/01 00:06:17 ID:c3vDZutM
「ふっ。はははははは・・・」
度重なる後退を余儀なくされながら、王蛇の笑いは
その度に狂喜の度合いを増していくようだった。
笑いを収め、嬉々として引き抜いたカードは
「ユナイトベント」

「VGGWHAOOOOOOOOOO!」
再び召喚されたジェノサイダーの裂けた口から、
エネルギーの塊が次々と吐き出される。
それを身軽に避けながら、ナイトサバイブもカードを抜く。
「アドベント」
「GHWWYAAAOOO!」
ダークレイダーがジェノサイダーの背後に現れる。
そのまま敵の頭部すれすれを信じ難い素早さで
縦横に飛び回り、細い首を狙って巨大な翼を
何度も振り降ろす。距離が近すぎるため、
エネルギー塊での反撃は不可能だ。
だがジェノサイダーも身体の大きさだけが
取柄の鈍獣ではなかった。ひときわ凶暴な咆哮と
ともに、背中の翼を大きく動かし始める。
ばさばさと重い音を立てながら、キメラモンスターの
巨体が宙に浮き始めた。
「!」
地上で成り行きを見守るナイトサバイブが鋭く息を呑む。
空中でジェノサイダーがダークレイダーから瞬く間に
離れ、2体の距離が大きく開いたのだ。
それまで飾りとしか見えなかった、貧弱な赤い翼に
秘められた力とスピードによって。
十分な距離が生まれた瞬間吐き出されたエネルギーが
ダークレイダーのボディに次々と命中し、弾け散った。
212211:04/11/01 00:14:07 ID:c3vDZutM
Evergreenの続きをupします。読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>204 - >>205, >>206 無題〜浅倉 威の場合〜 作者様
新作ありがとうございます、乙です!&いつも読んでくださって嬉しいです。
実をいうとEvergreen後のことはまだ何も考えていない状態ですが、
204さんや他の方の新作もとても楽しみにしていますので
またぜひよろしくお願いします・・・

(新作感想)
>…オレは今、理由を求めている
>あれ程嫌っていた理由をつけたがっている
この部分がとても好きです。ずっと「闘えればなんでもいい」だった浅倉も、
最後には「何故だ」と口にせざるを得なくなったんですよね・・・少しだけ
人間らしくなった、とも言えるのでしょうか。いずれにしても次の瞬間には
命が終る運命だったと思うと、泣けてきます。

>>207
実際に被害に遭われた方々のご苦労をテレビ等で見るたびに、すごく胸が痛みます・・・
同時に「自分の住む地域もいつ地震に襲われるか分からない」と思うととても不安です。
せめて新潟の方たちのお役に立てるよう、募金にいくらかでも出そうと思っています。

>>208 - >>209 無題〜城戸 真司(裏)の場合〜 作者様(たぶん204さんと同じ方ですよね)
最後の
>「ん?…何だ、これ?…黒いケース?」
が気になってしかたありません・・・まさか、やっぱり編集長が?
ガクガクブルブル(AA略)

>>210
保守どうもありがとうございます。
213−願い−その五:04/11/01 11:40:22 ID:qWrUc3M2

あれ・・・・俺なんで幸せになりたかったんだっけ・・・・?
       −願い−その五
完全に佐野満の体は消滅しかけていた。
無理もない。いきなり東條の攻撃を受け
その後真司に助けてもらったが、浅倉
に止めを刺されたからだ。
佐野はそばにあった鏡をじっと見つめていた。
−ねぇ、百合絵さん、気づいてよ!
なんで俺に気づいてくれないの!−
そう思っているうちに彼の体は消滅してきた。
『いやだ!俺は生きたいよ!死にたくないよ!
なんでだよぉ・・・・なんで皆俺を酷い目に
あわせんだよぉ・・・・なんで・・・
俺は・・・ただ・・・幸せに・・・なりたかった
・・・だけな・・・の・・・に・・・・・』
そして、彼の体は消滅した。


=あとがき=
ふー・・・随分待たせてすみません。
でも長く考えた分なかなかいい作品
に仕上がったと思います。話は変わり
ますが>>204->>206&>>208->>209
GJっす。とてもいい作品だと思います。
いきなりですが香田さんの冥福を祈ります・・
214名無しより愛をこめて:04/11/02 03:36:55 ID:INnT1nJ8
>>213
新作乙。

前から思うんだが、作品と解説は別レスにした方がいいよ。
作品の中に書き手がでしゃばってるように見えるから。

それから「いきなりですが・・」と、唐突に犠牲者の追悼を持ち出すのはかえって不謹慎だ。
確かに彼は哀れだが、作品との関連性も無いのに彼の話をここで出すと
「話題になってるからとりあえず口にしてみました」みたいに見えて不快な印象を与える。
215204:04/11/02 10:14:32 ID:BPn8BO4F
>>Evergreen作者様
今週分乙でした。浅倉ファンの漏れとしては浅倉大活躍で嬉しい限りです。

無題〜城戸 真司(裏)の場合〜の最後の台詞は真司が言ったのかもしれませんし、編集長が言ったのかもしれませんし
とりあえず最後の台詞を言ったヤシが真司(裏)の生まれ変わりみたいな感じで書きましたがわかりづらかったですね、反省。
現在、次に何を書こうか?と色々と迷ってます…が、何も思いつきません(藁
首を長くしまくってお待ちいただけば幸いかと。スレを汚さないようガンガリます!

>>213
新作乙です。

感想書いていただきありがとうございます。
216-願い−作者 ◇sinikake:04/11/02 19:23:19 ID:n9KZK/o3
>>214
すいません。今度から分けて書くようにするんで。
217-願い−作者 ♯sinikake:04/11/02 19:24:20 ID:n9KZK/o3
トリップ失敗・・(´・ω・`)
218-願い−作者 ◆.IOebtn0zk :04/11/02 19:24:54 ID:n9KZK/o3
また失敗するお馬鹿な俺・・・・
219−願い−その六:04/11/05 20:52:10 ID:PDn9CwKr
なんだかバリバリという音がした。
それは私が食べられているということに気づいた。
     −願い−その六
ああ・・私は死ぬのかとも思った。
まだ死にたくない。とも思った。
そうこうしているうちにボルキャンサーは
どんどん私の体を飲み込んでいく。
目の前ではナイトが唖然として見ていた。
思えば私はなぜライダーになったんだろう。
なぜ戦おうなどと考えたのだろう。
でも、もうそれも分からないだろう。
もう私の命は終わるのだから。
とうとう上半身だけになった。
はは・・・もうお終いだ。
最期だから断末魔の悲鳴ぐらい上げて
やろう。しかし、私の口からでたのは
こんな言葉だった。『馬鹿な・・・
私は生き残るはずだったのに・・・・』
もうどうでもよかった。
もういいや・・・なんだか痛みも消えてきたし
もう寝よう・・・・・
ちょうど須藤雅史の意識が飛んだのは
ボルキャンサーが彼を飲み込む直前だったという・・・
220-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/11/05 20:59:39 ID:PDn9CwKr
ふー・・・やっとこさ張り終わりました。
とりあえずこれからの目標を発表していきたいと
思います。まず・・・願いですが・・・
次は手塚→芝浦→東條の順番で行きたいと思います。
次に願いが終了したら二つの作品を張りたいと
思います。作品はこんな感じです。
・SPの戦いを続けるの方で生き残った
ナイトの物語。
・もしもSP,劇場版,TV版のライダー
が集合したら。
と、こんな感じです。
それでは皆さんお休みなさいませ。
221Evergreen(95):04/11/07 23:25:26 ID:UKud3hI2
「終りだ・・・消えろ!」
ダークレイダーが悲鳴を上げながら地上に
落ちていくのを見届け、王蛇が新たなカードを抜く。
「ファイナルベント」
「うおあっ!」
契約モンスターに駆け寄ったナイトサバイブに
向かって躍り上がり、必殺の蹴りを放つ。
暗い空を上昇していくジェノサイダーの腹に
穿たれた、さらに暗い虚空に向かって。
雪とともに蹴上げられた青いライダーの身体が
そのままゆっくりと宙を漂い始める。
翼を破壊されたコウモリの巨体も、後を追うように
雪の塊を落としながら浮き上がり始めた。
「蓮!」
リュウガと斬り合いながら振り返り、友の危機を見て
絶叫する龍騎サバイブ。そのまま助けに走りかけるが、
「どこへ行く!」
戦っている相手が許すはずがなかった。
「ちょうどいい・・・このまま2人揃って死ぬがいい」
酷薄な言葉とともに首の後ろに振り下ろされる
ドラグセイバーを辛うじて避け、龍騎サバイブが
カードデッキに手を伸ばす。
「アドベント」
召喚に応じて飛来するドラグレッダーの姿が、
空中で大きく変形し始めた。細長い身体の前半分が
膨れ上がり、砕け散り、その後からより強靭さと
しなやかさを増し、さらに巨大化した赤い竜が現れる。
「うわあっ!」
ドラグランザーの三角の巨尾が主人をかすめ、
その向こうのリュウガに叩きつけられた。
222221:04/11/08 00:05:00 ID:/0vJHsXC
Evergreenの続きをupします。読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>213, >>219「−願い−」作者様

龍騎ライダーの中でも一番悲惨な最後を遂げた2人ですが・・
だからこそ、213さんの突き放した描写が効果的ですね。
特に蟹様の、
>とうとう上半身だけになった。
>はは・・・もうお終いだ。
>最期だから断末魔の悲鳴ぐらい上げて
>やろう。しかし、私の口からでたのは
>こんな言葉だった。『馬鹿な・・・
>私は生き残るはずだったのに・・・・』
>もうどうでもよかった。
このあたりは異様な凄みを感じました。

>>214
読んでくださって、ありがとうございます。

>>215
最後の台詞の解説&読んでくださってありがとうございます。
裏真司も普通の人間として転生していると考えると
最後の台詞の後に色々なお話ができそうですね・・・
そういうお話でもそれ以外でも、ぜひまた何か書いてください。
(首を長〜くして待っております)
223222:04/11/08 00:09:55 ID:/0vJHsXC
忘れ物2つです、失礼しました。

>>220
「−願い−」の続きも、その後のお話も楽しみにしてますので
がんばってください。


ageておきます。
224名無しより愛をこめて:04/11/08 00:36:16 ID:AcdUm3fv
>225
GJです!がんばってください!
225名無しより愛をこめて:04/11/10 23:03:34 ID:SMtqa1Kw
作者さん、もしや来年もずっと楽しめますか??
226名無しより愛をこめて:04/11/13 11:49:25 ID:bsMvucx2
落ちてなかった、よかった
227Evergreen(96):04/11/15 00:59:46 ID:CV00zKzJ
空の高みに近づき、すでに小さな点にしか見えない
ジェノサイダーの巨体。それに引き寄せられていく
ナイトサバイブが新たなカードを引き抜いた。
こう言いながら。
「待っていろ。急かさなくてもこっちから行ってやる」
そしてダークバイザーツバイの音声が続く。
「ファイナルベント」
大きな翼をだらりと垂らしたまま宙を漂っていた
ダークレイダーが鋭く咆哮し、再び自らの力で
羽ばたき始めた。主人の方へ向かって。
「はっ!」
空中で大きく身体をひねったナイトサバイブが
近づいてきた契約モンスターの背に飛び移り、
金色の長い両耳を掴む。同時に変形が始まった。
胴の左右に広げた翼がひと打ちごとに位置をずらし、
胴の前後まで来る。前に来た翼を両脚が挟んだ時、
群青のコウモリは巨大なバイクに変わっていた。

今や天をはばたくのでなく、疾走するダークレイダー。
その上方で待ち構えるジェノサイダーの姿が
みるみるうちに大きくなっていく。そして、その腹に
ぽっかりと空いた虚無への風穴も。
「お前に倒せるか、今度のバイクが?」
ナイトサバイブが再び呟き、左手に力を込める。
バイクモードの先端部分から放たれた閃光が
行く手のブラックホールにポイントされ、ライダーの
マントが大きく広がって持ち主をバイクごと包み込む。

漆黒のミサイルが漆黒の穴に撃ち込まれた瞬間、
夜は夜でなくなった。
228227:04/11/15 01:11:37 ID:CV00zKzJ
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>224
ありがとうございます、がんばります。

>>225
1年も引っ張ってしまいましたし、一応(汗)クリスマスの話ですし
12月末で終れればいいなあと思っていたのですが・・・
週1で続ける限りお察しの通りになりそうです(大汗)

>>226
はい、226さんや皆さんが保守してくださるおかげで
今週もupできました・・・
229名無しより愛をこめて:04/11/15 16:14:50 ID:6ijzfgWf
だれか龍騎、アギト、クウガがDVDでレンタルされてる
大手レンタル屋さんしりませんか?
230名無しより愛をこめて:04/11/15 16:17:29 ID:6ijzfgWf
すいません。スレ違いでした。
231名無しより愛をこめて:04/11/15 17:38:53 ID:v7iKXSn7
>>227
うわぁぁぁぁ〜
めっさエエとこで終わってるぅぅぅぅ〜(´д`)
232名無しより愛をこめて:04/11/20 02:46:29 ID:VdOy67w7
<夜は夜でなくなった。>

かっこいー!!クゥー。
233名無しより愛をこめて:04/11/21 23:55:47 ID:e7flA5oA
そろそろだ・・・・・・・・ 
234Evergreen(97):04/11/22 00:38:26 ID:HWfgt01X
天頂から強烈な光の滝が降り注ぐ。
光だけではない。衝撃と、ライダーの装甲さえ
灼けつかせんばかりの熱線まで放出しながら、
ジェノサイダーは最期を遂げたのだった。

「うわ・・・!」
衝撃波に叩きつけられて地に身を投げ出し、
腕をかざしてスリットの上から眼を護りながらも、
龍騎の気がかりはただひとつだった。
「・・・生きてるのかよ、蓮」
不吉な想像を懸命に払おうとした時。
濁った声が響いた。
「ファイナルベント」

顔を上げると、前方にリュウガが立っていた。
正しくは前方の空に。しかも上昇を続けている。
腕を組んで宙に直立したライダーの周囲を
凄まじい勢いで螺旋状に巡りながら、
ドラグブラッカーも空へ昇りつつある。
「何をする気だ・・・?」
呆然と見上げる龍騎に向かって、
聞き慣れた嘲笑が降ってきた。
「バイザーの音声が聞こえなかったのか?
死にたくなければお前もさっさとカードを抜け」
龍騎の紅い眼に戸惑いが浮かぶ。
自分がパワーアップを遂げた今、能力において
明らかに不利なリュウガが本当に勝とうと思うのなら
不意討ちと速攻の他に策はない。今はその絶好の、
そして二度とない機会だったはずなのに・・・
なぜこんな悠長な戦い方をする?
235234:04/11/22 00:51:25 ID:HWfgt01X
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>231
今回はその続きから始まりましたが、
楽しんでもらえていたら嬉しいです。

>>232
ジェノサイダーとナイトサバイブのガチンコなので
少し派手にしたくてその表現にしました(汗)

>>233
皆さんのおかげで、今回もupできました・・・
236名無しより愛をこめて:04/11/22 01:35:29 ID:J/KXn472
何を考えてるんだ流河…?

ドキドキワクワク
237231:04/11/22 17:24:19 ID:no2yL+Nd
>>234
やー、楽しまさせて頂きました。
ドゥームズデイをブチ破るとは、
さすがサバイブの力、伊達じゃないっすね。

バトルも終盤ですな。
今後の展開(結末?)に期待してます!
238-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/11/24 17:32:34 ID:SK7fwOJ+
またしばらくかかるかもしれないので・・・
すみません。
239名無しより愛をこめて:04/11/24 18:07:11 ID:q3mMnLkT
>>238
いやそもそも貴方のには期待してないし。
保守の一種と認識してる。
240名無しより愛をこめて:04/11/25 19:42:09 ID:Zg3cx5tz
>>239
    ∧__∧
    (`・ω・´)  それは言いすぎ!
   .ノ^ yヽ、     
   ヽ,,ノ==l ノ
    /  l |
"""~""""""~"""~"""~"
241-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/11/25 20:16:25 ID:7mACrLI5
そうですか・・・じゃあ辞めさせていただきます。
短い間ありがとうございました。
242名無しより愛をこめて:04/11/25 21:40:40 ID:Zac/6Ius
たったひとりに言われたくらいで諦めるこたないよ。
確かに"Evergreen"はこのスレを代表する様な作品だが、
それ以外の作品だって面白い物は面白い。
>まだしばらくかかるかもしれないので・・・
という弱気なカキコに便乗して煽っているヤツがいるだけ。

ここはいろんなヤツが見ている2chだぜ。

気持ちが落ち着いたら、続きの作品、待ってるよ。

243名無しより愛をこめて:04/11/25 23:44:08 ID:Zg3cx5tz
>>241
チョット煽られたくらいで挫けんなよ、フォローを入れた俺の立場は・・・(w
真司なんかライダーの戦いを止めようとして何度アフォ、ボケ、カス呼ばわりされても
死ぬまでガンガったじゃないか!
おまいに鯖威武のカードやるから一息いれてパワーうpしる。
244The Final door 『T』:04/11/26 14:10:08 ID:JzHZO08k
これは儚い想いを散りばめ造られた、正義も悪もない物語

高すぎる頂点を目指し青い空の下捕食された刑事の。

自身の策謀が仇となり毒蛇の牙にかかって四散した学生の。
小指一本分もない僅かな希望を一人の青年に託した占い師の。

収まる事のない欲を抑えきれずその身を貫かれた資産家の。

凍りついた棺桶で眠る姉との再会を果たそうとした女の。

自身の存在を執拗なまでに信用しようとした鏡の中に生きる黒き龍の。

幸せという虚像を求め涙を流しながら消えた青年の。
鋭い銀色の爪を隠し二つの命を救い死んだ英雄の。

自分の信念を最期まで曲げず血の味を噛み締め朽ちた龍騎士の。

歪んでいく世界の中で咆哮を上げ消えていった操り人形の。

目映い光に手をゆっくりと伸ばし願いを叶えた漆黒の騎士の。

彼らの想いが詰められた一つの扉、その向こう側、新たに刻まれる物語。
245The Final door 『T』作者:04/11/26 14:19:50 ID:JzHZO08k
ゴメン、北岡さん浅倉たん忘れてた!!

>自分の信念を最期まで曲げず血の味を噛み締め朽ちた龍騎士の。
↑の前に。

生という希望を手に入れたかった弁護士の。力という証明をただ示したかった脱獄犯の。

を入れて下さい…>>209以来久々に書いたけど台無しだぁぁぁ...吊ってきま〜す。

>>241
書いて何も言われないよりは遥かにマシだと思いますが
前に某龍騎ライダースレでSS書いてて誰も触れてくれなくてメチャ憂鬱だったんで
それに比べてここには応援してくれる方々がいる。だから頑張って!!
246-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/11/26 15:48:11 ID:tYDTLQ54
すいませんみなさん。迷惑かけて。
改めて考えてみるとこんなくだらない
煽りでくじけていた自分が馬鹿でした。
これからも願いを続けていくのでよろしく
おねがいします!
247-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/11/26 15:51:41 ID:tYDTLQ54
あ、忘れていました。
>>245
GJです!!
248名無しより愛をこめて:04/11/26 16:01:19 ID:fXKVq/IA
>>246
確かに漏前は馬鹿だが、漏れや>>239よりはましな人間だ!
249名無しより愛をこめて:04/11/27 07:06:09 ID:Bgnl+e0H
つまんない話ならスルーで良いと思う。
自分はどの話も楽しみにしてます。感想を書くのが苦手なんでリードオンリーですが、チョト沸き立ってるようなんで書きました
250245:04/11/28 22:59:35 ID:1UVYDRMq
直前アゲ。

仮面ライダー龍騎 Evergreen...この後直ぐ!?
251Evergreen(98):04/11/29 00:19:23 ID:lGOXgMeC
「城戸・・・」
ジェノサイダーを破った後、地上に降りて
サバイブ形態を解いたナイトが不安そうに呟く。
自分と入れ替わるように空へ昇ったリュウガと
対峙する龍騎の、途方にくれたような姿を見つけたのだ。
だが加勢する余裕はなかった。倒れたライダー達を
回収し、現実へ戻さなければならない。一刻も早く。
と、背後に突然殺気を感じた。振り向く間もなく
ものすごい力で頚部を掴まれ、締め上げられる。
「逃げるなよ・・・まだ終ってないぜ・・・」
獲物を前にした肉食獣の吐く息とも虚ろな笑いとも
つかぬ音の混じった声を聞くまでもなく、襲撃者の
正体は知れた。すべての契約モンスターを失い、
鈍い灰色の身体と成り果てても、その闘争心は
増しこそすれ衰えることはないようだった。

「どうした、思い出せなくなったか、お前の目的を?
俺は憶えているぞ。神崎優衣に新しい命を与えること
−−俺の目的はそれだけだ」
空の果てから、闇に同化して見えなくなったリュウガの
嘲声が落ちてくる。途切れ途切れに舞う粉雪、
そしてジェノサイダーの残骸とともに。
「忘れたならいい、そのまま動かずにいろ。
今すぐ優衣の新しい命にしてやる。このカードで」
"サバイブ"

勝ち誇った台詞の後に続いた音声を聞くより早く、
龍騎は悟っていた。
リュウガには絶対の勝算があるのだということを。
252251:04/11/29 00:31:53 ID:lGOXgMeC
Evergreenの続きをupしました。読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>236
彼が何を考えているか、私も楽しみにしながら書いております(汗)

>>237
ありがとうございます、今後も楽しんでいただけるようにがんばります。

>>238 「願い」 作者様
気長にupお待ちしております、がんばってください。

>>244, >>245 The Final door 『T』 作者様
乙です。とっても楽しませていただきました!
龍騎の物語とキャラクターのあらゆる要素が、的確な表現で
ぎゅっと1行ずつに凝縮されているのに驚きました。しかも、
どれもかっこいいし。特にタイガとシザースとリュウガの所が好きです。

結局みんな死んでしまうわけですが、タイガ以外ではその言葉を
使わず、各々違う動詞等で説明されてるのも「うまいなあ〜」
と思いました。I ということは II もあるのですよね?
続き楽しみにしてます、ぜひよろしく・・・

>>249
いつも読んでくださってありがとうございます、がんばります。

>>250
ageありがとうございます。おまけに「このあとすぐ」を
付けてもらえるとは、すごく嬉しいです・・・
253名無しより愛をこめて:04/11/29 01:08:20 ID:nXXcjPKL
願いがんがれよ、カテゴリーエースにでも取り付かれたか?
こんなとこでまけんなよ!
254名無しより愛をこめて:04/11/29 06:55:47 ID:NEj3LS4v
>>251
そうか、このお話でもタイムリミットがあるんだね、忘れてた・・・・・
リュウガ以外はもうすぐしゅわしゅわが始まる・・・? 
255-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/11/29 10:40:10 ID:/BkSDtho
とりあえずお疲れっす・・・・
256名無しより愛をこめて:04/11/29 17:57:27 ID:FcJLq59v
>>252
こ、こんなスレがあったのか……自分の中に眠っていた龍騎熱が再燃、スレ一気読みしました!
あの13人目&13人外登場を密かに期待している自分はさておき乙、そして頑張ってください。
257名無しより愛をこめて:04/12/01 02:15:28 ID:5+ncqDxq
>>254
え?なに言ってんのさ。
Evergreen2が始まるっていうのに。


そうでしょ?作者タン。
258-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/12/01 16:53:29 ID:b1hu1wos
>>253
なんとか生きてます・・・・・
心配かけてすみません。
259名無しより愛をこめて:04/12/03 03:17:47 ID:2BJlbP21
>>258
素直な気持ちなんだろうけどあんま下手にでると調子に乗った馬鹿にまた
煽られるから気をつけろ。
260名無しより愛をこめて:04/12/05 22:07:23 ID:61JTCH22
戦え、そして生き残れ。

最後まで残った者だけがこのスレの面白さを知ることが出来る。

261Evergreen(99):04/12/05 23:44:52 ID:LSXdKVrh
天上のリュウガは今や、神の如き光背に包まれていた。
蒼白い炎の光背に。そして高々と掲げた左手の
指先には−−1枚のカードが挟まれていた。
黄金色に輝く鳥の卵のような絵柄と、
「SURVIVE」と読める文字のついたカードが。
「あらゆるものが死に絶え、古い世界が滅び、
すべてが混沌に帰す−−その混沌の中から
新たな命が生まれる。今度こそ・・・!」
恍惚とした調子で流れ出る言葉とともに、変形した
黒いバイザーの顎が"混沌"のカードを呑み込んだ。

そんな。嘘だろ。
あいつまであのカードを持ってたなんて。
茫然と見つめる龍騎サバイブのはるか頭上で
リュウガが変貌を遂げていく。黒のサバイブへと。
螺旋を描いて上昇と下降を繰り返すドラグブラッカーも
姿を変え始めていた。よりメカニックに、より凶々しく、
ドラグランザーよりもさらに巨大な黒竜へと。

モンスターの変形完了と同時にその背に
飛び移りながら、ブラックサバイブが叫ぶ。
「もはやお前に勝ち目はない。諦めるのはお前だ!」
ブラックドラグランザーが咆哮し、蒼白い炎の塊を
地上の敵に向かって次々と吐きかける。
そのひとつが龍騎の足元を直撃し、赤と金の
身体をあっさりと後方へ吹き飛ばした。
仰向けに雪へ叩きつけられた龍騎の
なかば霞んだ眼に、空から自分めがけて
一直線に突っ込んでくる巨大な塊が映る。
自らの吐く蒼白い炎の渦に包まれた巨竜と、
その背に腕を組んで立つ黒と金のライダーが。
262261:04/12/05 23:47:51 ID:LSXdKVrh
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>254
一応お約束・・・ですが、実は私もすっかり忘れていました(汗)

>>255
ありがとうございます、「願い」も引き続き待ってますね。

>>256
読んでくださってありがとうございます。残った1人については、
よかったらもう少し見ていてください・・・

>>257
いえ実は2でなくRXが・・・ナイナイw

>>260
私も引き続きがんばります>兄さん?
263名無しより愛をこめて:04/12/06 06:48:31 ID:VaJjk7hs
(゚д゚)   勝ち目ナイじゃん・・・・・・・・
264名無しより愛をこめて:04/12/06 09:06:50 ID:17wwPie/
オーディンがいないから無限のサバイブ持ってるのかと思ったら、
4枚目のサバイブだったのか。
265名無しより愛をこめて:04/12/07 10:25:11 ID:6znP/NVv
いやオーディンが登場して龍騎サバイブとオーディンのWファイナルベントで
龍牙サバイブ瞬殺!
まぁナイトサバイブからナイトに戻った蓮が救助にくるってのが妥当か?
もうドキがムネムネする展開だな(w
266名無しより愛をこめて:04/12/07 10:26:15 ID:GnHd4CTr
だれかこれをもとに漫画を描いてくれ!
267名無しより愛をこめて:04/12/07 10:38:07 ID:ebEKdhP2
>>266
絵描きから言わせてもらうと
今の時点で自分なら軽く200ページ超えると思う… ソンナニカケネエorz
268名無しより愛をこめて:04/12/07 14:35:03 ID:GnHd4CTr
>>267
多々描け… 多々描け!!

すみません、うそです。
でも、見てみたいなぁって思える魅力がある。
269名無しより愛をこめて:04/12/08 00:03:58 ID:VJJTcPSi
リュウガサバイブが見たい
黒に金、かっこいい!
270名無しより愛をこめて:04/12/08 08:48:45 ID:Gw1UA6Qv
267ですけど、龍騎サバイブをベースに龍牙サバイブ描いてみた。
どっか適当なうpろだないですか?
271名無しより愛をこめて:04/12/08 18:18:55 ID:vGGn/tNK
>>270
http://www.1rk.net/
好きなところを選べ。
272名無しより愛をこめて:04/12/08 18:40:10 ID:qFV1tn2u
確かリアルタイムの幼年誌のプレゼントで龍騎ブラックサバイブとかあったけどそんな感じかね。
273名無しより愛をこめて:04/12/08 21:34:50 ID:SdFGGtx/
軽そうなとこにうpしてきました。
体型が次郎さんより細くなったのは勘弁してください。
ttp://www.uploda.org/file/uporg21353.jpg

あと職人さん、勝手に描いてすみません orz
274名無しより愛をこめて:04/12/08 23:10:23 ID:WMTbgJJ+
>273
おお、カコイイ!!上手いな〜 やっぱり全部書きなよw

あとこれは涼平作、ソフビを改造したリュウガサバイブ。

ttp://www.number21.jp/adiary/diary8.cgi?id=ryohei&action=view&year=2003&month=8&day=22
275名無しより愛をこめて:04/12/09 06:46:26 ID:eMVDzPP5
>>273
中が裏真司だからお腹は(ry
276名無しより愛をこめて:04/12/10 03:29:14 ID:UzrpDTJh
新着436スレ目か・・・




タイムベント。
277手塚海之:04/12/11 08:31:20 ID:jmfgAY77
俺と一緒に保守してくれ!
278-願い−その七:04/12/12 18:48:18 ID:WqTxaobS
『俺は・・・いったい何のために・・・戦ってきたんだ・・・・?』
     −願い−その七
もう俺の体は持ちそうになかった。
当然だろう。城戸をかばって浅倉のファイナルベント
の直撃を食らったのだから。城戸はこういう。
『しっかりしろよ!お前は運命をかえるんだろ!
運命に決められたとうりに死ぬのかよ!』
優衣はこういった。『手塚君!』
そして俺はこういう。『・・・違う。
次に・・・消えるライダーは本当は・・・
お前だった・・・・しかし。運命は・・・
変わる。』そして城戸はこういった。
『手塚!頑張れよ!!どこが痛いんだ?
頑張れよ!・・・なんだよ?』優衣はこう
言っている。『救急車お願いします!
怪我人がいるんです!!』しかし、
俺の意識は消えかけていた。
意識が朦朧とする中で思った。
−お前なら…
雄一、お前は後悔なんかしてない…
今なら分かる…
お前は俺の運命を変えてたんだ…
そしてそれが、もっと大きな運命を変えるかもしれない… −
−俺の・・・占いが・・・やっと・・・外れた・・・−
『おい・・・手塚!!おい・・・・うそだろ!
手塚・・・・手塚ァァァァ!!!』
そして俺の意識も消えた。


279-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/12/12 19:01:39 ID:WqTxaobS
−あとがき−
その七を張り終わりました。
ずっとコメントがなかったから
レスしときます。
>>259
大丈夫です。
今度は煽られないようにレスするんで。
>>262
ありがとうございます。
あと、>>239
保守し終わりましたよ。
これで満足ですか?( ´,_ゝ`)
280名無しより愛をこめて:04/12/12 20:00:05 ID:Breot4su
煽られないようにと言いつつ早速挑発しないでくれw
改行はもう少し長めのセンテンスでするようにした方が見やすいかも。
281Evergreen(100):04/12/13 00:36:21 ID:PqUli5V3
倒れたままこちらを見上げる龍騎サバイブの姿が、
リュウガサバイブの視野の中でみるみる大きくなってくる。
そうだ。諦めろ。
サバイブ化した俺に勝てるわけなどないのだからな・・・
だがリュウガは見た。
龍騎が倒れたままデッキに手を伸ばし、カードを引き抜くのを。
「ファイナルベント」
ドラグバイザーツバイの宣言とともに再び飛来した
赤い巨竜が、地上すれすれまで降りてくる。
身体を起こして立ち上がり、龍騎がその背に飛び乗った。

赤い鱗に覆われた首と尾が振りたてられるたびに、
ドラグランザーの竜身が変形していく。
金色の眼の上にシールドが降り、胸から突き出た
巨大なホイールが両前足の爪に抱え込まれる。
うねくる太い尾の下からも車輪が降ろされるうちに、
長大な胴全体が縦に折り畳まれ始める。

すでに、というより最初からリュウガには分かっていた。
持てる力のすべてで自分にぶつかっていく。
龍騎の心にあるのはその意志だけだということが。
「虚仮の一念か・・・」
空の彼方で、黄金に縁取られた黒仮面が
微かな笑みを浮かべたかのようにきらめく。
自嘲的な笑いのようにも見えた。
その視野の中で、再び龍騎サバイブの姿が大きくなってくる。
今度は向こうから近づいてくるために。

「優衣ちゃん。俺はあきらめないから」
変形を完了した華麗なバイクの上で、龍騎サバイブが呟いた。
282281 (1):04/12/13 00:39:56 ID:PqUli5V3
(長いので2つに分けました)

Evergreenの続きをupします。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>263
たしかに・・・(汗)

>>264
はい、作りました(大汗)

>>265
楽しんでもらえてたら、とても嬉しいです。
どうなるか、よかったら見ていてくださいませ・・・

>>266, >>267, >>268
まさかそんな風に言っていただけるとは思ってなかったです、
ありがとうございます・・・(涙)

>>269
どもです。私も黒と金の配色っていいなと思ってました・・・

>>270, >>273
まさかまさか、あんな美しくてカコイイリュウガサバイブの絵まで
描いていただけるなんて・・・乙です&本当にありがとうございます!(感涙)
勝手なんてとんでもないです。(そもそもこのSSからして勝手に書いたものですし)
283281 (2):04/12/13 00:40:38 ID:PqUli5V3
>>271
ご協力どうもありがとうございます・・・

>>272
はい、大当たりです・・・まさに、龍騎ブラックサバイブを思い浮かべて
リュウガサバイブを書きました。というか、実は混同してた節も(汗)
ブラックサバイブはツリ目じゃないのにorz

>>274
おお。涼平センセのページは初めてみました、ありがとうございます。
ガンプラの話はいろいろ聞いていましたが、リュウガサバイブまで
作るなんてさすがですね・・・しかも胸像だと不思議な気品が。

>>275
そういえば、次郎さん=リュウガ=王蛇でしたよね・・・
中が裏真司だとおなかは?

>>276
???

>>277
もしや完璧超人さん?

>>278, >>279 -願い− 作者様
乙です。
もう少し、作者さんのオリジナルな描写もあるといいかな?と
思いました・・・(シザースの時のような)
284281:04/12/13 00:42:46 ID:PqUli5V3
しまったorz
age忘れたのでageておきます
285-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/12/14 19:26:58 ID:iQtO15xv
>>280
たしかに文を長めにした方がいいですね。
では次回からそうしてみます。
挑発?俺は結構根に持つ方ですから・・・・
>>281>>284
乙です。えっ?オリジナル要素があった方がいいですか?
そうですか・・・・・ではこれも次回から完全に取り入れて
いきましょう。
それではみなさんさようなら。
286保守:04/12/18 09:14:03 ID:Oiuj/AnA
287名無しより愛をこめて:04/12/19 22:32:26 ID:BQA0J7/F
喪主あげ
288名無しより愛をこめて:04/12/19 23:35:26 ID:7352hjBk
直前アゲ。

仮面ライダー龍騎 Evergreen...この後直ぐ!!

-------------------------------------------
イメージ的に闇の中でリュウガの目が赤く光ってリュウガサバイブの姿になりポーズを取る感じで。
289Evergreen(101):04/12/19 23:52:14 ID:NpnhbzOc
優衣ちゃん。ごめん。
なんていつも謝ってばかりで何もできなくて、
やっぱりごめん。
俺、また死ぬのかもしれない。
そしてまた次の世界で戦うことになるのかもしれない。
あいつが俺や蓮を殺して新しい命を手に入れたって、
優衣ちゃんが受け取るわけない。だけどあいつも
執念深いから、また新しい世界でバトルを始めるだろう。
結局、俺の悲しみのせいでまたライダーバトルが
繰り返されてしまうのかもしれない。
そしてせっかくバトルのない世界を作ってくれた優衣ちゃんを
また悲しませることになってしまうのかも・・・しれない。
本当に、ごめんね・・・・・・

だけど。俺、あきらめないから。

何度死んだって、何度ライダーになったって、
いつかは必ず戦いを止めてみせる。
今までだって、ずっとそのためにだけ戦ってきたんだ。

迫り来るリュウガサバイブを包む蒼白い炎が
仮面のおもてに届き、じりじりと灼き始める。
だが龍騎サバイブは正面を見据えたままだ。
ブラックドラグランザーの甲高い咆哮とともに、
その姿に向って新たな炎の塊が吐きつけられた。
これでもか、と言うように。
だがバイクに変化したドラグランザーの飛翔走行は止まらない。
そしてシートの上で立ちあがり、炎の塊をまともに
受け止めた龍騎サバイブも、微動だにしなかった。
全身を地獄の業火に巻かれながらも。
290289:04/12/19 23:59:47 ID:NpnhbzOc
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>285 「願い」作者様
続きお待ちしておりますので、またよろしくどうぞ・・・

>>286
保守どうもありがとうございます。

>>287
保守ageどうもありがとうございます。

>>288
うわ〜、また予告をつけてくださってありがとうございます!
しかも今度は映像まであるなんて最高に嬉しいです・・・(感涙)
291-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/12/20 10:55:53 ID:mjN8bgKX
御疲れ様ー!
あぁー!!真司タンが・・・・・・
292-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/12/20 10:59:47 ID:mjN8bgKX
あ、学校は休みでつ。もう冬休みなもんで。
293名無しより愛をこめて:04/12/25 07:29:54 ID:bKOM4SIa
保守
294Evergreen(102):04/12/26 23:44:48 ID:zn5V/mWO
何とか昏倒させた王蛇ブランク体、そして
気を失った他のライダー達すべてを回収し、
ライドシューターに載せて現実世界へ
送り届けると、焦りと不安に駆られながら
ミラーワールドへ取って返したナイト。
その目に飛び込んできたのは、
空の上で全身を蒼白い炎に包まれた友の姿だった。

遅かったのか−−
絶望に襲われる直前、ナイトは気づいた。
炎を浴び続ける龍騎サバイブの身体が
溶けも崩れもしていないことに。
だが龍騎サバイブ自身は気づいていなかった。
自分の身体が熱さを全く感じていないことにも。
ブラックドラグランザーが、バイクに変形する
気配をみせようとしていないことにも。
たとえ本当に熱さを感じ、身体を本当に炎に
焼き尽くされつつあっても、気づかないという点では
同じだったろうが・・・そして、天を突き進むその速度は
少しも落ちなかったろうが。

「死ねえええええええええええええええええええ!」
リュウガサバイブの悲鳴に近い絶叫とともに、
ひときわ巨大な蒼炎が黒竜の口から放たれる。
そして同時に、ドラグランザーの牙の間からも赤い炎が。
大きさでは明らかに劣る赤い炎弾が蒼い炎塊を一瞬で
砕き散らし、そのまま黒竜の顎に命中して火の華となった。

動くこともできず見守るナイトの目の前で、
龍騎サバイブが赤竜の背から跳躍した。
295294:04/12/26 23:45:43 ID:zn5V/mWO
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

すみませんが次の週はお休みします・・・
皆様、よいお年をどうぞ。

>>291, 292
ありがとうございます。今後どうなるか、よかったら
見ていてください。(冬休みはうらやましいです・・・)

>>293
保守どうもありがとうございます。
296名無しより愛をこめて:04/12/27 04:44:15 ID:KZWY9GCd
来週はお休みですか。今週は合併号ってことですね。
それにしても続きが気になる…
297名無しより愛をこめて:04/12/27 11:49:57 ID:WMlf3S1q
>>295
そういえばEvergreenが始まったのが昨年のクリスマス前でしたね。
今年一年、楽しませていただき、ありがとうございました。
来年も楽しみにしていますので、どうかよろしくお願いします。
298-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :04/12/29 16:31:25 ID:j5jLWAaj
僕もちょっとお休みでつ。
遅くなりましたが>>294>>295
おつかれ様!!
299名無しより愛をこめて:05/01/01 09:00:50 ID:v6x3UkY3
あけおめ ことよろ
300名無しより愛を込めて:05/01/02 01:45:47 ID:q07qcpGK
あけおめー
今年も楽しみにしております。
301-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :05/01/02 18:47:27 ID:JS9wtneR
あけましておめでとうございます。
そして、今年もよろしく!!
302名無しより愛をこめて:05/01/04 08:03:15 ID:1+ujbkB+
保守支援するぜ。
303名無しより愛をこめて:05/01/04 14:45:10 ID:7kH1C24t
保守
304Evergreen(103):05/01/09 23:21:17 ID:xwD4/Gyf
次々と放たれるドラゴンファイヤーストームの
炎弾が首や胴体に命中する度、黒竜が咆哮する。
今度は威嚇でなく、苦痛の悲鳴だった。
「っ!」
空中で竜の巨体が苦し紛れにのたうち回り、
リュウガサバイブも立ってはいられなくなった。
身体をかがめ、なんとか背にしがみつこうとする。
そこへ急に影が落ちた。
目の前に降りた姿を確認する間もなく、
黒と金の突起に飾られた両肩がぐいと掴まれる。
「貴様あ・・・何のつもりだ、放せえっ!」
叫び終わるまでリュウガサバイブは気づかなかった。
自分の足もとが消えたことに。
龍騎サバイブが再び跳躍したのだ。今度は虚空へと。

赤と蒼の炎が入り混じり、互いに渦巻き、
所々で大小の爆発を起こしては弾け散る。
大輪の炎花が競演を繰り広げる天の下方に
黒と赤の小さな点がぽつんと現れたのを、
地上のナイトは見逃さなかった。
「城戸おおーーーーーーっ!!」
捕えたリュウガサバイブもろとも真っ逆さまに落ちていく
龍騎サバイブを目指し、ナイトが雪をはね上げて駆け出す。
暗黙の命令に従ったダークウイングが現れて後を追い、
主人の背に取り付く。
翼を得て空を突進し始めたナイトの目の前に、
他のビル群からひとつだけ離れて立つ
高層ビルの姿がせり上がってきた。
総ミラーガラス張りの壁面が、天上でオーロラのように
燃え盛る炎を映して赤と青に照り輝いている。
305304:05/01/09 23:43:15 ID:xwD4/Gyf
明けましておめでとうございます。Evergreenの続きをupしました。
去年(とその前)からこの作品を読んでくださったみなさん、
本当にありがとうございます。続けてこられたのはみなさんのおかげです。
ラストまで読んでいただけるようにがんばりますので
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

>>296
楽しみにしてくださってありがとうございます。続きはこんな感じです。
合併号にしては、いつもの1スレ分だけですみませぬorz

>>297
こちらこそ、こんなに長い間お付き合いくださってありがとうございます。
やっと最終局面に入りましたので、これからも最後まで
楽しんでいただけるようにがんばります。

>>298, >>301 「願い」作者様
おめでとうございます&ありがとうございます・・・
充電したら、また願いの方もよろしくお願いします。

>>299
松飾りも取れましたが、あけましておめでとうございます。

>>300
おめでとうございます。今年も楽しんでいただけるようにがんばります。

>>302
保守どうもありがとうございます。

>>303
保守どうもありがとうございます。
306名無しより愛をこめて:05/01/10 07:34:36 ID:P3DtdO1g
スレ圧縮があったようなので心配しましたがスレがあってよかったです。
形勢不利で心配していたのですがどうやら逆転できそう・・・・?
307名無しより愛をこめて:05/01/12 02:50:24 ID:YyWcizg6
念のため、あげておこう。
308名無しより愛をこめて:05/01/17 01:47:04 ID:lQaOABVJ
ありゃ、今週はお休みですか?
ションボリage
309名無しより愛をこめて:05/01/17 07:06:55 ID:RiGUPomr
来週は続きが読めますか?
310名無しより愛をこめて:05/01/20 06:41:41 ID:cmsRE+qg
あうう・・・・・・何かあったんでしょうか・・・・・・・
311名無しより愛をこめて:05/01/20 08:37:40 ID:8IseyUWe
たしか先週は合併号だったよね?>グリン
312名無しより愛をこめて:05/01/20 11:03:01 ID:WkT6oine
2日は休むと言ってたが16日は告知は無かったはず。
313名無しより愛をこめて:05/01/20 16:16:04 ID:Kf76JBoM
季節柄、風邪でもひいて安静にしてたんじゃないの。
314Evergreen(104):05/01/20 22:50:48 ID:bGZbahOp
ビルの壁面すれすれを一気に垂直上昇し、
屋上に出たナイト。その目の前を流星のような
スピードで落下してきた龍騎とリュウガが、
ヘリポートを示す白い円の真中に激突した。

「ソードベント」
「城戸!」
屋上に降り立ち、ヘリポートに駆け寄るナイトは見た。
ドラグセイバーを縦に構え、瓦礫と化した床面に
横たわるリュウガにその切先を突きつける龍騎を。
どちらのサバイブ形態もすでに解けていた。
「城戸・・・」
いまや全天に広がり、狂ったように明滅する
光の渦が龍騎のマスクにも反映し、赤と青の
美しい縞となって表面を流れている。
だが龍騎自体は彫像のように動かなかった。
その両手で握り締められたドラグセイバーも。
「ソードベント」
新たな音声とともに飛んできたウイングランサーを
ナイトが左手で受け止める。
「蓮!こいつは俺の手で・・・」
「殺せるのか、お前に?」
一瞬の沈黙の後、赤い刃が力なく降ろされた。
「こいつを殺すのは・・・俺の優衣ちゃんへの
悲しみを棄てるのと同じことだ・・・」
「そんなことだろうと思った」
ことさら素っ気無く言い、黒い槍を構えるナイト。
「どこまでも迷い続ける。だがそれこそがお前という奴だ・・・
お前ができないのなら俺がやる。優衣を見棄てた罪は
元々俺が負うべきものだ。だから、お前はもう苦しむな」
315314:05/01/20 22:52:20 ID:bGZbahOp
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>306
やはり主人公を死なせるわけには・・・というお約束が
通じないのが龍騎の世界でしたね、そういえば(汗)
それにしてもスレ圧縮とはうかつにも知りませんでしたorz
ここまできてまた落ちたりしないよう、私も気をつけます・・・

>>307
保守してくださって、ありがとうございます。
316お詫び(Evergreen作者):05/01/20 23:37:42 ID:bGZbahOp
読んでくださっているみなさん、
お待たせしてしまって申し訳ありませんでした・・・

1/16(日)の夜12時頃に>>314 - >>315 をupしようとしたところ、
「アクセス規制中です!」のメッセージが出てきました。
それ以来毎晩upしようとしたのですが、昨日までアク禁が解除されず
こんなに遅れてしまいました。

upできない事情を携帯からupしようかとも思ったのですが、
恥ずかしながら携帯で文字を打つのが苦手なため、しないでおりました。
大変ご迷惑をおかけしました。

今後は皆さんをがっかりさせないように気をつけたいのですが、
残念ながらアク禁の場合、作品をなるべく早くupするくらいしか
対策がとれないのが悲しいです。今後、もし何のお知らせもなく
upがなかった場合はアク禁にひっかかったと思っていただければ幸いです。

それ以外の理由(313さんのご推察のように風邪をひく等)で休まなければ
ならないときは、パソを立ち上げられないほどひどい体調でない限りは
必ずお知らせさせていただくつもりでいます。
317続き(Evergreen作者):05/01/20 23:42:35 ID:bGZbahOp
308以降の方へのレスです・・・
皆さん、ありがとうございます。

>>308
未upにもかかわらず、保守してくださってありがとうございます。

>>309
はい、次はちゃんと今度の日曜日にupするつもりです。

>>310
ご心配をおかけしてすみません、アク禁が真相でした。

>>311, >>312
はい、その通りです。予定通りupするつもりがこんなことになりました。

>>313
幸い風邪ではありませんでしたが、それにも気をつけて
今後は週一のペースを守りたいです。
318名無しより愛をこめて:05/01/21 07:11:17 ID:bctz87vv
Evergreen新作乙です!
ここまで来てもぎりぎりまで迷ってる所が真司らしいですね。
319名無しより愛をこめて:05/01/21 08:52:25 ID:8N9lKrqu
だが、それがいい。
320-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :05/01/21 19:13:06 ID:4cQSOU4x
まことに申し訳ないのですが
もうちょっとお待ちください。
>>314>>317お疲れ様です!!
>>239
保守はもうすこしお待ちください。
それともママに泣きついてますか?(´,_ゝ`)
321名無しより愛をこめて:05/01/21 20:01:19 ID:fLg+h/Sm
いやだから蒸し返してまで煽るなよ・・・見苦しいぞ。
作品の方はそれなりに期待してるんだからそれ以外で暴れないでくれ。
322名無しより愛をこめて:05/01/22 15:54:38 ID:6cC/cNG4
>>320
何で意味もなく煽るの?今までは何とも思って無かったけど、なんかあなたの事嫌いになった。
323-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :05/01/22 18:23:48 ID:EYfdIWWG
>>321
>>322
嫌なら即効でやめさせていただきます。(煽りを)
324名無しより愛をこめて:05/01/22 19:08:18 ID:HnblI1My
>323
321でも322でもないが、絶対止めた方がいいよ。
己の欲せざることを他人に為すなかれ。
325Evergreen (105) :05/01/23 18:08:07 ID:H8xGDn7S
ナイトが言葉を切る直前だった。
二人の足元から黒い光が跳ね上がったのは。
「!」
ナイトの思いきり蹴り上げられた左手から
ウイングランサーが跳ね飛ばされると同時に、
龍騎の手からドラグセイバーがもぎ取られる。
「貴様・・・」
左手を右手で押さえながらナイトが唸った。
片腕で龍騎の首を押さえ込み、奪ったドラグセイバーを
そこへ突きつけて仁王立ちになったリュウガを睨みながら。
「お前も人のことはとやかく言えんな、ナイト」
黒いライダーの赤い眼が異様な明るさで輝く。
「無駄口を叩かずさっさと俺を斬っていれば
よかったものを−−こんな風にな」
ドラグセイバーが風を切る音が鋭く鳴った。


自分の内側から響いてくる音を聞くまいとして、
そして目の前のガラスに映った金色の仮面の
男を見まいとしてきつく頭と膝を抱え込み、
壁に背をつけてうずくまっているうちに、眠り込んでしまったらしい。
だが我に返った時にはもう何の音も聞こえなかった。
一瞬安堵したのもつかのま、おそるおそる顔を上げて目の前を
見たとたん、悲鳴のような音を立てて男は息を呑んだ。
「・・・優衣・・・・・・!」
絵を覆うガラスの中には相変わらずあの仮面の男が
トーテムポールのように立ち尽くしている。そして、
その隣りに映っていたのは・・・20歳前後の若い東洋人の娘だった。
男には一瞬で、それが自分の妹であると分かったのだ。
自分が最後に見た時の、幼い少女の姿ではなかったが。
326名無しより愛をこめて:05/01/24 06:46:57 ID:pSjaXc+W
えっ兄・・・?
327お詫びとレス(325):05/01/25 23:50:25 ID:dFEejfcl
こんばんは。Evergreenを読んでくださって
ありがとうございます。

実は先日の日曜日にもアク禁を食らっておりました。
今日になってやっと解除になったようです。

幸い規制板でレス代行を依頼できることを
知ったため、代行人さんに(105)を予定通り
upしていただくことができましたが、
レスの方が遅れてすみませんでした・・・

>>318
やはり迷ってこその真司ですよね。
この期に及んでまた引っ張りましたが(汗)

>>319
ほんとですね。

>>320 - >>325
読んでくださって、ありがとうございます。
願いの続きもお待ちしております。

>>326
白状すると、苦しむ兄さんを1年も放置しておりましたorz
328-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :05/01/27 14:53:47 ID:DiBIpra5
この場をかりてお詫びします。
>>321
>>322
>>324
本当に申し訳ございませんでした。
>>325
>>327
お疲れ様です。
次回は予定を無視して(いいアイデアが閃いたので)
リュウガにしたいと思います。
329名無しより愛をこめて:05/01/28 07:33:04 ID:jeYMJgXv
『願い』作者>
煽りに喧嘩売るような態度、何様だと思ってんだヴォケ。
悪いけどもう書いて欲しくないね、下らないし容量の無駄だし。
現在は『願い』全てスルーで此処見てるくらいだから☆


『願い』作者なんかこの世から消えちゃえ☆キャハハハハ!!☆

330名無しより愛をこめて:05/01/28 08:40:31 ID:6+J7R+TS
いやまぁ、>>329の言い様はちょっとひどいけど、
確かに何も書かないで、レスしているあたりは
かまって欲しくてやっているようにも見えるから、
気をつけたほうがいいとも思う。

 本当に作品を書きたいだけなら、作品を提出
しないのにレスをするのは無意味な話で、
そんな暇があるならよい作品を書くべきだと思う。


「願い」の作者が本当に何かを書きたいならそうするべき。
331330:05/01/28 10:37:44 ID:6+J7R+TS
もうひとつ言わせてもらえば、「願い」の作者は>>330-331にもレス
の必要はない。そんな暇があるなら(ry
332名無しより愛をこめて:05/01/29 12:10:42 ID:sFWIwoBs
まあ「願い」自体ただライダーの死に様をそのまま書いてるだけでオリジナリティの欠片も無いからね…
加えて書いてる人もアレだし。
333名無しより愛をこめて:05/01/29 13:06:49 ID:OTtYHU/l
そうだ、そうやって戦え。
お前達が戦い続けることで、このスレが生き残ることになる。








と、言ってみる。
334-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :05/01/29 17:58:26 ID:KYovmJhQ
けっ。やってらんねぇ。やめたやめた!!
こんなんじゃやる気うせるっつーの。
クソッタレめ!!
335名無しより愛をこめて:05/01/29 20:52:07 ID:CQKFDopZ
私はー願いーさんの小説楽しんで見てました。
でももうやめてしまうのですか・・。残念です。
これからも感動できるような小説をお願いします。
336名無しより愛をこめて:05/01/29 22:13:30 ID:rxmf1Km8
願いさん頑張れ!!
337名無しより愛をこめて:05/01/30 04:19:30 ID:Z1SmEUm5
>>334
今までは擁護したり多少のオイタには目を瞑ってたけどお前いい加減にしろよ!
煽ってる奴も如何かと思うけどお前も余計なレスで煽られるような事してるから
煽られるんだろ。
自分で煽られるようなネタ撒いて煽られたら逆ギレかよ?

書きたくなきゃ書かなくても別に良いよ、ていうかもう書かない方が良いんじゃないか?
どんな作品だってマンセーされるばかりじゃないし>332の作品評は決して的外れな
意見でもない、作品を公の場に出すなら賛否があるのは当然!
作品批判されるのが嫌なら発表せずに自分一人で読み返して自画自賛しながら
ニタニタしてろよ。

甘えんのも大概にしとけや! (*`Д')凸
最後に「-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6」をNGワードに入れたからお前のレスはもう
2度と見る事はないけどな (∩д∩)
338名無しより愛をこめて:05/01/30 09:26:29 ID:Doslmx3e
「EverGreen」の作者さんが来たときこんな雰囲気じゃあ・・・・・
皆さん落ち着きましょうよ・・・・・・
339名無しより愛をこめて:05/01/30 09:41:52 ID:qh/JFqVr
むしろ「EverGreen」の作者タンが
今までの流れはさくっと無視して作品投下、が
一番いいかもと思う。
340名無しより愛をこめて:05/01/30 17:40:25 ID:LlqECW3B
一つの作品のために他を犠牲にできるのが
真の英雄なのです。
341-願い−作者 ◆NzDEYhVyh6 :05/01/30 18:52:24 ID:wvdAt+WT
>>ALL
すみません。謝罪します。
迷惑かけてすまなかった。(こんなレスしたらまた叩かれるのかな・・・)
>>335さん
>>336さん
ありがd。
気が向いたら帰ってくるかもしれないから
待っててください。(ひょっとしたらすぐかも)
342名無しより愛をこめて:05/01/30 19:16:36 ID:R3VZCIcK
>>341
今までROMだったけど
SS書きのコテハンがSSも書かずにかまってちゃんやってたら
どんな書きこみしようがたたかれるのがまだ分からないの?
もう、煽りを入れる→たたかれる→援護される→また煽るorかまってレスのループはうんざりです。
少し冷却期間とかおいて出てくるなり、気が向いたらするかもとかでなくかまってレスする前に実際にSSを投下するなり……
すいません。空気が悪くなれば職人さんがSS投下しにくくなるのは分かっていますがこの人の無限ループにはもううんざりです。


  y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
 \/|  |) <すいません、逝ってきます・・・
343Evergreen (106) :05/01/31 00:12:42 ID:RWh1wcEH
ややあって、男は自分が間違っていなかったことを知った。
微笑みながらもずっと黙っていた娘が
鏡の中からこう呼びかけてきたからだ。
"お兄ちゃん"
次の瞬間、娘−−優衣は鏡の外に立っていた。
壁際に座り込んだまま、放置されたマリオネットのように
動けずにいる兄に向って左手を差し出す。
掌の上に、褐色の板のようなものが載っていた。
鳥に似た形の飾り模様が表面できらめいている。


ワイングラスの割れるような音をたててカードデッキが砕けた。
同時に前へ突き飛ばされ、よろめきながら振り返った龍騎が
そのままの姿勢で凍りつく。ダークバイザーを抜きかけたまま
動作を止めたナイト同様に。
「・・・・・・ !」

両手で握り締めた赤いドラグセイバーを自らのベルトの
中央に突き立てたまま、リュウガが顔を上げた。
右手を剣の柄から外すと黒いバイザーの
中から何かを取り出し、放り棄てる。
"混沌"のサバイブカードだった。
地面に散った黒いデッキの破片の上に
舞い落ちると同時にぱっと輝き、それきり
あとかたもなく消え去る。力尽きたように。
「ふふ・・・神崎士郎の手にならないカードの
力など、所詮は子供だましに過ぎんのさ。
それでも俺は勝っていたろう・・・お前の心に恐れや
絶望が少しでも兆していたら。その負の感情が
存在しない炎を実体化させ、お前を本当に焼き尽くすはずだった。
だが、やはり馬鹿にはかなわなかったということだな」
344343:05/01/31 00:19:14 ID:RWh1wcEH
Evergreenの続きをupしました。(幸い今週はアク禁がありませんでした)
読んでくださった方々、ありがとうございます。
345名無しより愛をこめて:05/01/31 06:08:41 ID:HBaRar8N
最後の一言が・・・・w
でも意外な展開です。早く続きが読みたい!
346名無しより愛をこめて:05/01/31 08:59:30 ID:ok7Vw805
こ、これは…兄の変身ポーズを考えないと
347名無しより愛をこめて:05/02/02 16:37:31 ID:SAbuPQKZ
浮上
348名無しより愛をこめて:05/02/02 16:38:51 ID:SAbuPQKZ
とか書いておきながらsageだった
小市民の俺に感動をありがとうSS作者さんたち!
349名無しより愛を込めて:05/02/05 12:34:31 ID:MHJYznQH
クライマックスですね
続き楽しみだー
余りにも下がりすぎてるので
保守ageしときます
350Evergreen (107):05/02/07 00:17:21 ID:WcGKdFEw
再び繊細なガラス器の割れるような音が響き、
ライダーの力を失ったリュウガの変身が解ける。
粉々に砕けて散った黒いマスクの下から現れる、
真司自身の顔。その表情には、もう怒りも
嘲りも怨みもなかった。
「・・・お前の馬鹿さ加減は、俺が思っていたより
はるかに重症だったようだ。この期に及んでさえ俺を
殺そうとしないとは・・・全く、正真正銘の大馬鹿だな。
お前を鏡に映して生まれた俺と同じだよ・・・・・・
妹の本当の願いを無視して永遠に無意味な戦いを
続けようとした、聞き分けのない兄貴の真似なぞ
しようとした俺と・・・・・・・・・」
真夜中の月の表から雲が吹き払われるように、
冴え渡った微笑みがもう一人の真司の顔に広がっていく。
「どこまでも優柔不断な奴め。だが俺はもうたくさんだ」
言葉が終ると同時に、薄青いジャケットの裾が翻った。
「待て!」
我に返った龍騎とナイトが同時に叫び、リュウガの後を
追って走り出す。


「優衣。やはり、俺に・・・ポワカになれというのか?」
ならば、なろうではないか。悪い魔法使いに。
幾つもの命を食らってでも、お前を生き返らせよう。
幼い頃に出会った、この国の先住民のシャーマンに
言われたように、前の世界で俺がずっとそうしてきたのならば・・・
お前さえ望むなら。
それまで人形のように力を失っていた男が跳ねるように
起き上がり、目の前のガラスに向って真っ直ぐに
右腕を差し出した。何の迷いもなく。
351350:05/02/07 00:18:41 ID:WcGKdFEw
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>345
待っててくださってありがとうございます。今週分です。

>>346
そういえば兄さんの中の人の念願でしたよね、変身は・・・

>>347, >>348
保守どうもありがとうございます。

>>349
age&待っててくださって、ありがとうございます。助かりました・・・
352名無しより愛をこめて:05/02/07 01:44:27 ID:jqw2t/+v
ど・LITTLE・ちんちん
353名無しより愛をこめて:05/02/07 19:22:19 ID:v60kBIKa
>>350
うお!せっかくリュウガの執念が解けかけたのに、神崎が怪しい方向に?!
一難去ってまた一難ですか。
続きが楽しみで、毎回引きがうまくて目が離せません。
354名無しより愛をこめて:05/02/12 00:25:17 ID:jO/d9n9V
>>350
GJ!です。兄が遂に「中の人」に?!
355requiem【1】:05/02/12 14:43:51 ID:33BbO313
また、今日も悲鳴が響く。いつもと同じように・・・・・・
人々は絶望していた。もう、すべてに。
毎日響く悲鳴、襲い来る異形の怪物、そしてこの生活に・・・・
もはや希望は一つしかなかった。謎の黒い騎士。人々がピンチに陥った時に
この騎士は現れていた。しかし、彼は誰なのかはまったくわからない。
しかし人々はまったく気にしてなかった。そして、また悲鳴が響く。

『またか・・・・・』俺はバイクを走らせる。そして悲鳴のした場所に
ついた。『敵は3匹、人は2人か・・・・』そして、俺はバイクから降り、
デッキをつけ、こう唱える。『変身』 

彼の体は鎧につつまれた。そしてミラーモンスターに向かって走る。カードをデッキに
差し込む。『ソードベント』そして、『スピン。』こんな音がなったと思うと
一瞬にしてミラーモンスター達はバラバラになった。

『ふん、こんなものか。』俺は襲われていた人々に話しかけた。
『おい、大丈夫か?』一人が言う。『な、なんとか・・・』
『そうか、ならとっとと帰れ。この辺は危険だ。』
『あ、ありがとうございます!!』そういって2人は帰っていった。
そして、俺は変身をといた。俺は何者かわからない。
ただ覚えているのは『秋山蓮』という名前とこのカードデッキの使い方だけだった。

続く・・・・



356名無しより愛をこめて:05/02/12 15:17:22 ID:YTCaBmkD
>>355
おお、新手が!
頑張って下さいね。
357名無しより愛をこめて:05/02/12 16:21:25 ID:I35ZuO8S
コミック版SPの「戦いを続ける」エンド後の話かな?
続きに期待。
358名無しより愛をこめて:05/02/13 15:00:48 ID:KSInFE5R
>355
お、これからに期待!
359Evergreen(108):05/02/14 00:06:51 ID:2I8LHzCc
「おい!何を・・・」
龍騎の絶叫が終らないうちだった。
青いジャケットの背中がふわりと浮かび、
屋上フェンスの向こうに消えたのは。
間髪入れず同時にジャンプし、フェンスを越えて
ビルの端に降り立った龍騎とナイトの目に
一点の曇りもない笑顔が飛び込んできた。
たった今、ビルから後ろ向きに身を投げた
リュウガの笑顔が−−

黒々とした空間を背にみるみる小さくなってゆく
自分の姿を見据えながら、龍騎がまた何か叫ぶ。
ナイトが後ろから両腕を押さえなければ、
後を追って虚空に跳んでいたかもしれない。
だがリュウガの姿が闇の奥に吸い込まれた瞬間、
ナイトまで転落しそうになった。突然ビル全体を
襲ってきた突き上げるような衝撃のために。
再び下を見た龍騎とナイトのマスクに、赤や青に
きらめく無数のガラスの細片が吹きつけてくる。
ビルを覆う窓ガラスすべてが吹き飛んだのだ。
二人のいるビルだけではなかった。
周囲のビルすべての表面に次々と亀裂が走り、
ガラスの滝となって流れ落ち始めている。
いや。建物だけではない。
風景そのものにどんどん亀裂が走り、崩落していく。

「閉じるのか・・・ミラーワールドが・・・」
「逃げるぞ!」
2つのちっぽけな姿の上に、ガラスと空間の破片が
豪雨よりも容赦なく降り注いでいった。
360359:05/02/14 00:07:49 ID:2I8LHzCc
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>353
ありがとうございます。次を楽しみにしてもらえるような話に
なっているとしたらとても嬉しいです・・・

>>354
なれますかどうか、よかったら見ていてください。

>>355 「requiem」作者様
新作嬉しいです、お疲れ様です!
この先「秋山ぁ〜」と絡んでくる人たちが
ぞくぞく現れたり・・・するのでしょうか?とにかく、
続きがとても楽しみです。
361requiem【2】:05/02/14 22:17:14 ID:5v/d2cAr
俺はバイクを走らせる。家に戻るために・・・・
家にはあっというまに着いた。
モンスターにばれぬよう、慎重に、ゆっくりと歩く。
そしてマンホールに入り、ドアを開けた。
中からは何人か人が出てきた。
『もーう、真吾君遅いじゃない!心配したんだよ?』
『ああ・・・すまなかった。』『それより真吾君、
新しい武器が出来たから使ってみないか?』
俺は彼らといっしょにすんでいた。彼らは俺が
ライダーだということには気づいてない。
それでいい。とりあえず、椅子に腰掛けると
ノックをする音が聞こえた。
『こんな時間に誰だ?』ガチャッとドアを開けると
マントをまとった男が入ってきた。
『私は旅の者なのですが、食べ物と水を分けていただけ
ませんでしょうか?』『おお、いいですとも。
もっていってください。』『ありがとうございます。
それからそこの人。話があるのでちょっと来てくれませんか?』
『ああ・・・いいけど。』
そして、俺はマントの男とともに外へ出た。もちろんモンスターに
みつからないようにだ。
しばらくして男が口を開いた。『久しぶりだよなぁ〜。
まさかこんな所で会えるとは思わなかったぜ。』
『・・・・誰だお前。』『忘れたとはいわせねぇ。
オメーのその顔見てると、この傷が疼くんだよぉぉぉぉ!!』
そして、その男はフードをとると襲い掛かってきた。
『うぉぉぉぉぉ!!テメェは絶対殺す!!!変身!!』
『な、なにぃ!!』

続く・・・・
362requiem【2】:05/02/14 22:25:12 ID:5v/d2cAr
どうも、はじめまして。とりあえずみなさんへのレスと
設定などを話しておきます。
>>356
ありがとうございます。がんばるので期待しててください。
>>357
おさっしの通りです。
>>358
ありがとうございます。
>>359>>360
お疲れ様です。そして、ありがとうございます。
次に、設定をお話します。
・まず、ストーリー的にはパラロスっぽいです。
真司はなぜか記憶をうしなっており、真吾と名乗っています。
一部の人間と暮らしています。
・次に、一応、ライダーは何人かでてきます。
(SPの時に死んだ奴以外はだいたい。)
・マントの男は誰かはまだ決まっておりません。
次の話まで予想してみてください。
それでは・・・みなさんおやすみなさい。
363名無しより愛をこめて:05/02/16 18:52:28 ID:LobXk6jz
そういやさ、こういうのって特撮板には龍騎しかないのかな?
364名無しより愛をこめて:05/02/16 18:59:18 ID:sJ0bDj78
>>363
ないんでない?検索してもなかったし。
365名無しより愛をこめて:05/02/16 19:01:30 ID:S0Wix/WK
>362
主人公、真司だったんだ。
キャラ違うから全然分からなかった。
でも続き楽しみにしてるから頑張って下さい。
366名無しより愛をこめて:05/02/17 07:31:58 ID:mCmt/wZL
>>363-364
戦闘系ならこういうスレがあるよ。

【果てしなき】ライダー共闘SSスレその8【戦い】
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1095734941/l50
特撮キャラ総出演!第6章
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1097901266/l50


ライダーじゃないけどちょっと良い話もあるスレ。

僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける2
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1107336224/l50


他にもエロ系のSSスレなら結構ある。URLは張らないけど。
スレタイに女性キャラの名や「女」の字が入ったスレを片端から開いていれば高い確率で見つかるし、
あと、昔の作品のスレに見せかけて子供や正義の味方を拷問したり弄って楽しむ話のスレも幾つかあるな。
367名無しより愛をこめて:05/02/17 23:57:13 ID:mCmt/wZL
>>359
乙です。このシーンは実写のひとコマか漫画にした「絵」で見てみたいですね。
リュウガが映画版の神崎兄に当たる役回りなら、兄に振り与えられるものは…?
368名無しより愛をこめて:05/02/18 20:45:50 ID:5AS6T9ko
>>366
遅くなったが感謝
369Evergreen作者:05/02/19 00:17:09 ID:+1cyRxAb
こんばんは。すみませんが、用事ができたので次の日曜・
その次の日曜にupすることができなくなりました。
なので、前倒しで書いた分をこれからupさせてください。
(間が空いてしまうのですが、次のupは3月6日を予定しています)

>>367
読んでくださってありがとうございます。かなり前から心に思い描いていた
シーンなので、とても嬉しいです・・・
370Evergreen(109):05/02/19 00:18:35 ID:+1cyRxAb
妹の持つ板に向って伸ばされた指が、そのまま
ガラスの表面に沈み込む。水のような波紋とともに。
続いて男の身体全体もガラスに同化し始める・・・
水中に引き込まれるように。

気がつくと目の前に絵があった。男自身が描き、
自作のフレームに納めてガラスで覆った油彩画が。
だがなぜだろう。さっきまで見ていた光景と
変わらないはずなのに、どこかおかしいのは。
違和感の理由はすぐに分かった。絵が反転しているのだ。
まるでリバーサルフィルムに撮って裏から見たように。
「!!」
訝る間もなく、もっと異様な事実が男を驚愕させた。
何気なく見下ろした自分の身体が、いつのまにか
茶色と金色の鎧のようなものに覆われていたのだ。
「これは・・・」
さっきまで、自分を威圧するようにガラスの中に立っていた
仮面の男の姿ではないのか。もしそうならば・・・
「優衣!」
狂おしく叫んで脇を振り向いた男と、微笑む娘の目が合った。
幼い頃と同じ澄んだ茶色の瞳が。


最後の雪びらが、ゆっくりと天から舞い落ちてくる。
花鶏の前の道路は真っ白で分厚い絨緞に変わっていた。
その上にうつ伏せに横たわる、二つの人影。
辛うじてミラーワールドからの脱出を果たした直後に
人間の姿に戻り、そのまま倒れ込んだ真司と蓮だった。
「・・・・・・蓮」
まず真司が身体を起こす。
371Evergreen(110):05/02/19 00:19:47 ID:+1cyRxAb
「・・・なんとか生きてる」
問われる前に答え、蓮も雪を払いながら立ち上がる。

そして二人とも沈黙した。
無数の破砕音とともに崩壊した鏡の世界とは
あまりにも対照的に、雪の作り出す圧倒的な
無音の支配する闇の底で。
今度こそ、ライダーバトルのなくなった世界で。

「優衣、ちゃん・・・」
かすれた声で呟くと、真司がおぼつかない足取りで
歩き始めた。花鶏の入り口へ向って。

夜明けを前にした店の中は暗く静まりかえっていた。
真司の後を追って中に入った蓮が、沙奈子が
帰ってきた気配のないのに気づく。予想だにしなかった
猛吹雪のせいで知人宅に足止めされているのだろう。

ややあって、花鶏の入り口にもうひとつの人影が現れた。
バトル緒戦で敗れた後、吹雪に見舞われながらも
必死で花鶏を目指し、今やっと辿り着いた手塚だった。
疲労と寒さにいつ力尽きてもおかしくない身体を
引きずるようにしてドアを開け、奥の二人の後姿に気づく。
「・・・・・・」
一目その場の光景を見ただけで手塚には分かった。
自分の予言が外れなかったことが。
372Evergreen(111):05/02/19 00:26:19 ID:+1cyRxAb
クリスマスツリーの前に座り込んで、真司が嗚咽している。
子供のようになりふり構わず。
「優衣ちゃん・・・優衣ちゃん・・・ゆい・・・ちゃん・・・・・・・・・」
もう永遠に甦ることのない娘の名前を呼ぶたびに、
青いジャケットの肩が大きく上下する。
ツリーの前の床に次々と落ち、星のように微かに
光る涙を、蓮がただ黙って見守っている。

-- お前の悲しみは、お前がそれを
味わい尽くした時にやっと消滅するというわけさ --

いつかもう一人の自分が言った台詞が、
真司の内側からもう一度響いてきていた。


「さあ、優衣・・・どうやったらお前を生き返らせられる?
教えてくれ。ポワカだった頃のことを、俺は忘れてしまったんだ」
仮面ライダーオーディンの姿となった兄に、再び優衣が
優しく微笑む。右手に持っていたカードを差し出しながら。
訝しげにその時計の絵柄を見つめる金色のライダー。
「時間を戻せば、お前の命も元に戻るというわけか・・・
だがこんな紙切れでそんなことが」
"お兄ちゃんが持ってる杖の中に入れるの"
言われて改めてゴルトバイザーを見つめ、すぐに疑念を
払いのけると、オーディンは妹からカードを受け取った。
373Evergreen(112):05/02/19 00:31:56 ID:+1cyRxAb
一対の翼の間にカードが挿入される直前に、
優衣が囁くような声で言うのが聞こえた。
この上なく幸せそうに。

"真司君の悲しみが、やっと消えたの。
あとは、戦いの火種のない新しい世界を
一からお兄ちゃんに作ってもらいさえすれば・・・
そうすれば、お兄ちゃんの悲しみも消える。今度こそ。
どんなにあたしが嬉しいか、分かる? お兄ちゃん・・・
大好きだよ。いつも見てるからね、お兄ちゃんのこと"

「タイムベント」



    ***** *****

「ひいやああっ!!」
情けない悲鳴とともにチンピラが吹っ飛ぶ。
いや、吹っ飛ばされた。生ゴミのバケツの横っ腹に向って。
都心では観測史上初という常識外れの猛吹雪の翌日とあって、
今朝は裏町の狭い路地の隅々にまで雪がこんもりと
積もっている。それが幸いして後頭部にケガこそせずに
すんだものの、生ゴミと雪を頭からたっぷり浴びせられた
チンピラの運は少なくとも今日は無いに等しかった。
腹を空かせた冬の野獣に出くわしたとあっては。
「イライラする・・・」
辛うじてそう聞き取れる唸り声を残し、チンピラに背を向ける男。
この寒空に蛇皮のジャケット1枚のみの上半身といういでたちも、
金色のざんばら髪も、ぎらつく両眼ほどには恐ろしく見えないだろう。
374名無しより愛をこめて:05/02/19 09:11:05 ID:Y890vZXQ
Evergreen作者さん乙です。
すげーな、一挙に一ヶ月分先出しだよ・・・。
375名無しより愛をこめて:05/02/20 19:38:30 ID:aRGd91wM
あげ
376名無しより愛をこめて:05/02/22 23:04:50 ID:fi6ZvCLV
乙です。遂に神崎が変身したか…。
優衣も、神崎やリュウガや真司の悲しみも、
このタイムベントで解き放たれるんだろうか?
377requiem【3】:05/02/24 19:57:48 ID:N6tOo8Ab
『お、お前は誰だっ!!』俺がこういうと、男はこう叫ぶ。
『ははぁ!この俺を忘れるとはなぁ!!
だが、俺はわすれちゃいない!!わすれちゃいねぇぞぉぉぉぉ!!!
城戸ぉぉぉぉ真司ぃぃぃぃ!!!』『真司!?いったい誰だ!!』
すると男はこういってきた。『ひゃはははははは!!誰だってぇ!?
馬鹿か、お前はぁぁぁ!!』そういってなお、斬りつけてきた。
『く、くそぉ!!変身!!!』そういって俺も変身する。
だが、あまりに強く、あっという間に俺は追い詰められてしまった。
『ははぁ、ここまでだなぁ城戸真司?』『ち、畜生・・・・』
『終わりだぁ!!しねぇ!!ファイナル・・・・』
そう男が言いかけた瞬間、ミサイルがとんできて、俺達を吹き飛ばした。
『て、てめぇは・・・・・』すると、炎のなかから緑色の戦士が出てきた。
『やっと見つけたぞ・・・・浅倉・・・・』

続く・・・・
378名無しより愛をこめて:05/02/25 00:56:15 ID:xDxBTZh7
あげ
379名無しより愛をこめて:05/02/25 12:37:25 ID:1UawTo5/
>>377
乙です 続きが楽しみ
380名無しより愛をこめて:05/02/27 09:21:29 ID:b7/cx9pe
>>Evergreen 一挙掲載乙です。
これでやっとライダーバトルの無い平和な世界が戻ってくるんですね。
それから、チンピラはEF版の葦原涼そっくりな人でイメージして読みました(笑。
381名無しより愛をこめて:05/02/27 10:04:31 ID:isoygASq
>377
ゾルダ王蛇キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
続き楽しみにしてるよ。
382名無しより愛をこめて:05/03/01 18:02:01 ID:uVW9BU9G
北斗の拳みたいやね。
383名無しより愛をこめて:05/03/04 15:07:18 ID:c2Mvh3gr
2ヶ月ぶりにきました。

まだ続いてたのかevergreen。なんて壮大なストーリーなんだ。
384名無しより愛をこめて:05/03/06 23:23:13 ID:m7YNL40b
Evergreenまだでつか?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
385Evergreen(113):05/03/07 00:40:00 ID:3A/OXi8A
男をイラつかせているのは、
生理的な空腹だけではなかった。
左手が記憶する剣の感触。
両の脚の持つ、敵を仕留めるために何度となく
跳び上がり、必殺の蹴りを放ち続けた記憶。
そして全身が記憶する、剣や脚先から伝わってくる
凶暴な歓喜に満ちた手応えと、息も止まるような陶酔感。
それらすべて−−あるはずのない記憶のすべてが、
男を永劫の精神の飢餓に縛り付けていた。
そう。
かつてライダーと呼ばれた者の中でただ一人、
浅倉威だけがすべての戦いの記憶を保持していたのだ。
戦った状況も、戦った相手の名も忘れ去りながら、
ただ彼が常に追い求めていた戦いの真髄の部分だけを
まるで愛する者の形見のように握り締め続け、
浅倉は生き続けているのだった。
もはや永遠に戦いの無くなった世界のただ中で。

なぜ彼にだけ記憶が残ったのか。
もちろん浅倉自身に分かるわけがないし、
他にも誰一人知る者は無いだろう。
浅倉が戦いを愛しすぎたからかもしれない。
あるいは、彼にとっては芝居の書き割り同然に
味気ない世界で戦いの記憶を持ったまま
生きねばならないことこそ、浅倉が"前世"で
犯した数々の罪に対する罰なのかもしれなかった。
「逃げろ!浅倉がまた暴れ出したぞおぉーーっ!」
「雪かきなんかしてる場合じゃねえ、早く事務所の中に入れ!」
・・・罰、といったところで、実際に被害を蒙るのは
彼ではなく、周りの不運な人間たちなのだが。
386386:05/03/07 00:55:12 ID:3A/OXi8A
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>374
どもです、きりのいいところまで書けたので、思い切って全部出しました。

>>375
保守してくださって、ありがとうございます。

>>376
せっかくの変身ですが、中の人の変身ポーズを思いつかなくて残念です・・・(汗)

>>377 :requiem作者様
乙です。迫力満点の闘いが始まりましたね・・・
続きを楽しみにしていますので、頑張ってください。

>>378
保守してくださって、ありがとうございます。

>>380
私も、うかつにもupしたあとで「そういえば浅倉に殴られる
チンピラといえばギルスの中の人だった」と思いつき、
もう少しかっこ悪くない悲鳴にすればよかった・・・と思いましたorz

>>383
またきてくださってありがとうございます。
ここまで続けてこられたのは皆さんのおかげ以外の何物でも
ありませんので、あと少しがんばって絶対完結させますね・・・

>>384
お待たせしました、2週間ぶりです・・・
387名無しより愛をこめて:05/03/07 07:01:09 ID:jfA79Od9
>>386
浅倉はテレビの最終回(イライラしていない状態で「イライラさせるな」と)と違ってイライラしっぱなしなんでつね・・・・・
388名無しより愛をこめて:05/03/10 23:18:10 ID:auO2PG3i
久し振りに続きがキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
意外な展開に驚いています。
浅倉に残ってる記憶がまた新たな波乱を生むんですか?
389requiem【4】:05/03/11 19:40:53 ID:Ixex9oGD
いきなり現れた緑色の戦士は俺を見るとこういった。
『おや〜?城戸君じゃないか。久しぶりだね。
とりあえず、俺は浅倉を片付けるから邪魔しないでくれよ。』
城戸君?浅倉?まったく言ってる意味が分からない。
そして浅倉と呼ばれた男はこう答えた。
『けっ!テメェ一人で倒せると思ってんのか?』
そして、戦士はこう答える。
『まぁ、そうかもしれないけどさっきの音で他の
ライダーがやって来てるんだよね。それでも
お前は勝てるかな?』男が言い終わった直後に
バイクの走る音が聞こえてきた。
そこには、何人もの戦士が立っていた。
390名無しより愛をこめて:05/03/13 10:51:47 ID:UzaVgq/B
>>385
こうきましたか、予想外での展開でした。
闘いを求める事しか生き場の無い浅倉には、
平和がかえって重荷になるのが不憫ですね。


>>389
新作乙!
391名無しより愛をこめて:05/03/13 19:22:07 ID:FsQo65su
mada-?
392Evergreen(114):05/03/14 00:04:24 ID:62pz58hG
「ぎゃああ!」
「ぐげええ!!」
哀れな裏街道の男たちを出会うそばから薙ぎ倒しつつ、
薄汚れた雪を踏みつけて浅倉がのし歩いてゆく。
永遠に失われた素晴らしい日々を虚しく求めながら、
死ぬまで自分を苛み続けるであろう飢餓感だけを
道連れにして・・・
だが彼は気づいていなかった。
その飢餓感が次第に熱をもち始め、早くも
くすぶり始めていることを。
道端で融け始めた雪の作った水溜りを無造作に
跨いで越えた時、一瞬だけ水のおもてに映った
自分の姿が、通り過ぎた後にも消えなかったことを。
そしてその虚像の姿がゆっくりと顔を上げ、実像より
はるかに暗く凄みのある笑いを浮かべたことを−−

「ねえゴロちゃん、裏道とか知らないの?」
「すいません・・・いくつかなら知ってるんですが、
こうまで動かないとどうしようも」
渋滞にハマった外車の中での会話通り、前代未聞の
降雪量が交通に与えたダメージもまた前代未聞だった。
未明から都内各所の交差点等で事故が相次いだこともあり、
都心周辺の道路は収拾のつかないグリッドロックに陥っている。
「どうしようもありませんね、これでは」
長大な駐車場と化した幹線道路のほとりまで歩いてきた
若い警官が濃い眉をしかめ、誰もいないのに敬語でぼやく。
交通整理の応援に駆り出されてきたのだが、
確かにこの状態でやれることはあまりなさそうだった。
もっとも、数分後にはいやというほど別の任務に
追われることになるのだが・・・
393392:05/03/14 00:26:00 ID:IyM2SScZ
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>387
はい、なんとも気の毒ですが(汗)

>>388
今までのところなんだかヤバそうな雰囲気です(汗)

>>389 requiem作者様
乙です。この世界では、真司以外のライダー全部が
現役なのでしょうか・・・
続きがとても楽しみなので、がんばってください。

>>390
どうみても犯罪者である浅倉を「平和な時代に生きる
目的を失くした戦士」とすると美化しすぎかな、とは
思うのですが、一応そんなイメージで描いてみました。

>>391
お待たせしました、よろしくどうぞ・・・
394名無しより愛をこめて:05/03/14 10:26:50 ID:Sz9Aswkk
>>392
須藤 has cooooooooooooooooome!
395名無しより愛をこめて:05/03/14 20:33:34 ID:tc1wTPjz
黒い王蛇が登場・・・・・・・? 「オーガ」(王牙)とか勝手に名前をつけてみる
396名無しより愛をこめて:05/03/15 09:56:10 ID:BMKnqNt5
>>395
ふわりと浮いてバタバタキックをするのか?(w
397名無しより愛をこめて:05/03/20 16:08:18 ID:5u95gFSa
保守します
398Evergreen(115):05/03/20 23:58:46 ID:rOj5f/ec
やはり渋滞に巻き込まれた巨大なリムジン内での会話。
「まだ動かねえのかよ。前の車なんざ片っ端からカマ掘っちまえ!」
「し、しかし社長、もう遅れる連絡は入れてありますし。
それにスマートブレインは高見沢グループよりはるかに格下の
新興ベンチャー、しかも社長は子供同然の若造ときてるんですから
多少、いやだいぶ遅れてもこちらに特に不利なことは」
「馬鹿野郎!!」
機嫌を取るつもりでしゃべり始めた秘書の男が
思わず頭を抱えて座席の隅に縮こまる。
「格下だからこそ、約束の時間より早く行って待ち受ける必要が
あるんじゃねえか。いかなるアクシデントがあってもだ。
どんな小さな借りだろうが負い目だろうが、俺は作りたくないんだよ。
特に自分より目下の奴にはな」


「ねえ、早く走ってってば。間に合わなくなっちゃうよ!」
「そう言われましても・・・」
「そんなあ、何とかならないの?!」
高見沢グループ総帥よりははるかに柔らかい物腰ながら、
佐野商事の高級車に乗った御曹子も相当焦っていた。
「写真で見ただけでもすっごく可愛い子なんだよ百合絵さんて、
だからどうしても今日のお見合いの後でもう1度会いたいって
思ってもらわなきゃならないんだよ?それなのに、しょっぱなから
遅れたりしたら心象悪くするに決まってるじゃないか!」


ごみごみした小路から幹線道路沿いの広い歩道に出たところで、
浅倉は突然足を止めた。何かを感じ取ったように。
そのまま空を見上げ、しばらくじっと動かない。
かすかな獲物の匂いを探り当てようとする猛獣そのままに。
399398:05/03/21 00:09:01 ID:tW1/ZKLx
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>394
お待ちかねでしたら嬉しいです。

>>395, >>396
オーガというと、デッキの他にとても立派なベルトが
付いていそうな気が・・・
浮かぶ時は背中のジェットを使ったり(それは違うか)

>>397
保守してくださって、ありがとうございます。
400requiem【5】:2005/03/22(火) 20:30:25 ID:1Gf/FNGU
浅倉が『てめぇらかかってきやがれぇ!!みーんな切り裂いてやるぜぇー!!ヒャハハハ!!』
と、叫んでライダー達に突っ込んでいった。これは、死んだな。ところが浅倉は返り討ちにされるどころか逆に互角に戦っていた。
しばらく見ていた北岡が呟いた。『あいつ、かなり強くなっているな。五人と互角に戦うなんて・・・俺は奴らに加勢するか。』そういって北岡は突っ込んでいった。
しばらく戦いは続いていたが、(俺はその場でじっとしていた。』途中で茶色い奴(インペラー)が叫んだ。
『ちょ、ちょっと、みんな待ってくれ!!どうせ倒すならあそこにいる奴の方がいいんじゃないか?人だし。』これを聞いた浅倉はこう言った。
『チッ・・・しかたねぇ。だが、あとでてめぇらを殺すのは俺だぞ。あそこの奴の止めも俺だ』北岡はまたなにか呟いているのが聞こえた。
『まぁ、いいか。どうせ浅倉は俺が殺すんだし。』俺は身の危険を感じた。奴らはカードデッキにファイナルベントのカードを差込みはじめた。音声が聞こえる。
『ファイナルベント。』、『ファイナルベント。』、『ファイナルベント。』『ファイナルベント。』この光景、どこかで・・・・・・
頭が痛む。こんな痛みを感じるくらいなら死んだほうがましだ。なにか会話のようなものが頭を通る。『蓮、お前...馬鹿だよ... 俺なんかの...俺なんかのために....』
『仲間...なんじゃ..ないのか...? 城戸...!!戦ってくれ、俺の...俺の変わりに...!! 恵理....を...頼む................... 』『蓮....?蓮...蓮...!!レーン!!! 』
そうか!!俺は・・!俺は・・・!ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
そして俺は奴らに一人突っ込んでいった。友の遺した力を信じて。


To Be Contenued ・・・・・・・






401名無しより愛をこめて:2005/03/24(木) 19:44:11 ID:E6E//glw
なんでせっかく投稿してくれたのに
レスしないのか。乙です。
402名無しより愛をこめて:2005/03/25(金) 21:20:21 ID:JcAVPiz8
佐野と高見沢は意外に気が合いそうだな。
ただ、弱気(佐野)と強気(高見沢)の違いはあるが…。

佐野が運転手で高見沢を送り迎えしてたら、
高見沢の合図と共に事故起こしてそうだ。(w)
403名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 09:50:28 ID:qcnBxtNV
>>398
ちょっと待てスマートブレイン!!!???
404名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 13:19:41 ID:il9UbVOm
>>403
村上がオルフェの力で高見沢を恫喝してきてたんで、
高見沢は対抗する力を得るべく13人ライダー戦に勝とうと
してた…という独自設定。

あれ?今のままだとベルデに変身すらできず村上にやられる?
405名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 14:55:13 ID:vehmPB9L
子供同然の若造って言うから木場社長かと思ってた。
406名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 15:16:28 ID:/3EsD+0/
まだ若い頃の山羊フェノクかと思っていた。
407名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 18:48:07 ID:E+8bEqrd
おまいらのレスはどう見てもレクイエム氏を無視しているようにしか
見えないんだが。願いの二の舞にする気か?
もうちょっとレスしてやれよ。
408名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 22:19:08 ID:il9UbVOm
>レクイエム氏

TVSP準拠の平行世界なんでしょうか?モンスターに支配された?
舞台がどの時点の何処なのか、今後明らかになってくるんですよね?

あと行長が今の6割ぐらいで改行していただければ読みやすいでしょう。
セリフ(心情描写)と本文も別の行に。
パッと見の読みづらさで損してる部分は否めないです。
409名無しより愛をこめて:2005/03/26(土) 23:01:25 ID:I5cC0Bod
>>407
ん?無視はしているように見えるが、逆に言えば、
文句もつけていないんだぞ?


あとは本人のガッツ次第。

レクイエムの作者は願いの作者みたいにDQNでも
ないから、きっと理解して頑張っているはず。

今は正直な反応をした方が吉だと思うよ。

それでも叩いたり、荒らしたりはいけないとは思うが…
410名無しより愛をこめて:2005/03/27(日) 14:05:07 ID:rri+W32P
レクイエム氏って投稿後なにも言わずに去っていくけど
もしかして願いみたいによけいなこと言って叩かれることを
恐れてるからなのかな?
411名無しより愛をこめて:2005/03/27(日) 17:55:09 ID:/STnEFw/
俺は当面生暖かく見守る予定。

>407が願い作者で願い作者=レクイエム氏だった笑う。(違うだろうけど)
412名無しより愛をこめて:2005/03/27(日) 18:02:13 ID:FV6F/RWQ
>>411
>願い作者=レクイエム氏
人類って、みんな似たような事を考えるもんだな(w
413名無しより愛をこめて:2005/03/27(日) 19:14:17 ID:tm7FoTW5
>>411
だった笑う×
だったら笑う○
だろ?
414名無しより愛をこめて:2005/03/27(日) 20:32:27 ID:sxqQgRcw
こう言うのもなんだけど、
感想にレスした方がいい気がするよ。 >>レクイエム氏
415Evergreen(116):2005/03/27(日) 23:45:33 ID:3Uk5qtyr
「やっぱり通学は自転車がいいかも」
大渋滞にあえぐ車の列を優越感に満ちた
横目で見ながら、手放しでサドルにまたがった
小柄な青年がまったりと呟く。
「ああそうだろうとも、天気と道路状態さえ良ければな!」
噛みつくように答えたのはもう一人の長身の青年だった。
小柄な青年の自転車のハンドルを持って
支えながら、つまり相手を自転車で運びながら、
半融解の雪でびしゃびしゃの歩道を苦労して進んでいる。
「俺を人力車夫にしやがって・・・」
「だって、仲村くんがいけないんだよ。
いくら喧嘩したからって、カッとなってぼくの車の
フェンダーミラーへし折っちゃったりして。
このくらいのことはしてもらってもいいかも」
「よくもそんな台詞が吐けるな!!お前が
ぼけっとしてて俺の足を車で轢きそうに
なったからだろう、訴えられなかっただけでも
ありがたいと思うのが普通じゃないのか!?」


「なあ、手塚。どうして今日は公園で営業しないんだ?」
「雪合戦の子供ばかりで商売にならない。それに、
この辺りに不穏な気が集まり始めてるのが気になってな。
もうこの道路の上に、いくつも気の塊が集まって
渦を巻いてるのが分かる。しかも、俺自身も
そのひとつかもしれない・・・」
「なんだかよくわからないけど、とにかく6時には必ず
会場に来てくれよ。ちょっと分かりにくい場所にあるけど」
「ああ。お前がプロになって初めてのコンサートだからな、
何があっても行くさ」
416415:2005/03/28(月) 00:26:14 ID:Mk0vbRfX
Evergreenの続きをupしました。読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>400 「requiem」作者様
いよいよ真司も覚醒ですね。果たして龍騎とナイト、
どちらに変身するのか楽しみです・・・やっぱりナイトかな?

>>401
読んでくださって、ありがとうございます。

>>402
確かにそんな感じがしますね、育った環境も似てそうだし。
高見沢の指パチ → 佐野アクセル全開
これがほんとの「ドライブ」ディバ(ry

失礼しましたorz
 
>>403, >>404, >>405, >>406

すみません、本筋と別のところで遊んでしまったのですが
ちょっと分かりにくかったですね。

前の世界の独自設定は、404さんの説明通りです。
タイムベント後の世界では、405さんのコメント通り
村上でなく最初から木場君が社長ということにして
書いてみました。なので、村上の脅しもチャラになっています。

しかし木場君の名前を出していないので、
406さんの若き日の山羊パパ説もありえるかも
しれません・・・さらに、スマートブレインはあるけれど
オルフェノクはいない世界かもしれません(汗)
417名無しより愛をこめて:変身!0w05/04/02(土) 01:07:10 ID:hJjPK8vB
Evergreenさん、乙です。

しばらくは戦いのその後って感じだけど
さて、これからどうなるんだろう?
418名無しより愛をこめて:変身!0w05/04/02(土) 07:29:31 ID:T7Z8VWoh
Evergreenさん、新作乙です。
スマブレの現社長は、薔薇社長じゃなくて馬社長でしたか。
悪態ついても東條の自転車を押してやる仲村君が良い味出してますね。
それから、手塚の不吉予言が気になるところです。
419 ◆y4UmrTJv2I :2005/04/03(日) 03:26:02 ID:bjTZ4miX
>398、400
乙。

漏れもSS書こうかな…スレを汚さない程度に
420Evergreen(117):2005/04/03(日) 23:45:52 ID:QmNyELeq
「ああ、あ。やってらんないよな」
もう何度目か分からないあくびをして物憂げに
呟いた芝浦の御曹子が、左の窓の外を見て
少しだけ興味をひかれたような表情になった。
「へえ。占いだって」

雄一が去った後、大渋滞の幹線道路脇の
なるべく雪の少ない所を探して占い台を出し、
営業を始めた手塚。
だがやはり今日の通行人は足元にばかり気が向くのか、
一人の客もないままつくねんと座っていたところへ・・・
「ねーねー。あんた占いやるの?」
人を食ったような呼びかけに顔を上げると、
すぐ目の前で止まったまま動かない外車の運転席の窓が
いつのまにか開いていて、スーツ姿の若い男がこっちを見ている。
なんとなく、木の洞から頭を出して様子を窺うリスのように見えた。
「もうずっとこんな状態でさあ、退屈で死にそうなんだ。
ちょっと俺のこと占ってみてよ」
言葉と一緒にガードレールを越えて飛んできた万札を
指二本ですっと受け取ると、手塚は即座に言った。
「お前にトラブルが見える。気をつけろ」
まだ少年といった方が良さそうな客が、不満そうに口を尖らせる。
「なにそれ?占いなんてしょせん客を持ち上げて
喜ばせる商売だろ。最低じゃんあんた」
毒づいたとたんに手元に飛んで戻ってきた万札を
あわてて受け止め、目を丸くして占い師を見る青年。
「結果が不満なら金は返す。だが俺の占いは当たる」
淡々と言いながら、手塚は背中に冷気が忍び寄るのを感じていた。
−−不穏な気がまた濃くなった・・・そして、その中心も近づいてくる。
421420:2005/04/03(日) 23:49:10 ID:QmNyELeq
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>417
どもです。よかったら、この世界で何が起こるか
もう少し見てください・・・

>>418
2人の性格をあまり変えずに、しかもTV版の世界での
ような破滅的な関係にしないのは難しいな、と書いていて
感じました。もしそれが成功していたらとても嬉しいです。

>>419
SSを書いてくださるならとても嬉しいです、よろしくお願いします!
422名無しより愛をこめて:2005/04/04(月) 09:17:15 ID:zlZkmNNs
Evergreenさん、乙です。
しかし手塚、占いらしいこととかも無しにいきなりそれじゃそりゃ不満に思われるよw
423名無しより愛をこめて:2005/04/04(月) 21:35:14 ID:Uv7JIACp
423ゲト
424名無しより愛をこめて:2005/04/07(木) 14:47:21 ID:m90JgvZ4
Evergreen、新作乙です。
てっきりエピローグかと思ってたんですが、
手塚が言うように不吉な展開になってしまうんでしょうか?
425Evergreen(118):2005/04/10(日) 23:56:42 ID:B38AfFKD
もはや雪も水たまりも避けようとせず、
飛沫や泥をばしゃばしゃと蹴立てながら、
浅倉が幹線道路の脇を大股に通り過ぎてゆく。
次第に強くなってきた獲物の匂いを追って。
そして再び突然立ち止まった。


「なんだあの男?服の趣味悪すぎ〜」
ただでさえ歩きにくい雪の歩道の行く手に
異様な風体の男が立ち塞がり、道路の方を
向いて渋滞の列を睨み始めたのを見て
そう毒づきながらも、若い娘はそそくさと
もと来た方へ引き返し始めた。
「なぁんか今日はろくなことがないよなあ、
お姉ちゃんと朝から派手に喧嘩しちゃうし、
イカレたチンピラに通せんぼされちゃうし・・・あ?」
来る時にはなかったのか、それとも単に気が
つかなかったのか、すぐ前の道端に占い師の店が
出ているのを見つけて興味を引かれ、近づいてみる。
「ねえ、恋愛運もみてくれる?あたしこの年で
誰とも付き合ったことないんだ、やんなっちゃう」

やや暗い表情でコインを弾きながら、手塚が心の中で呟く。
(この女もここに引き寄せられた不穏な気のひとつか・・・
俺や、さっきの男のように)
「今日中に、お前に運命的な出会いがある」
「え。ほんと?!」
「ああ。お前との出会いを定められた男だ」
「うそーやたっ!今までの男運の無さはそのせいだったんだ!」
(・・・そしてその男もまた、不穏な気とはな)
喜ぶ娘を見る手塚の顔が再び翳りを帯びた。
426425:2005/04/11(月) 00:12:23 ID:LNCzctOT
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>422
確かに商売気ゼロですよね・・・>手塚
芝浦との、前世の因縁が悪過ぎたのかもしれません(汗)

>>424
私もエピローグのつもりでいますのでご安心ください・・・
その割にはあまり平和でない展開ですが(汗)
427名無しより愛をこめて:2005/04/11(月) 02:27:08 ID:N99ZUPGJ
レクイエム氏、早く帰ってきて下さい。
本当に楽しみにしてますから。
428名無しより愛をこめて:2005/04/11(月) 22:24:40 ID:McoxgjVG
Evergreen新作乙です。
新しい世界では美穂もお姉さんと一緒に(喧嘩するほど)仲良く暮らしているようで一安心です。
どの登場人物もそれなりに平穏な暮らしに戻ったようですが
それでもいまだに残る不穏な空気が気になりますね。

これからみんながどうなっていくのか続きがとても楽しみです。
429名無しより愛をこめて:2005/04/12(火) 22:33:53 ID:sZTgXkVC
今日はじめてみつけて昼からずっと見てやっと追いつきました。
Evergreen作者様新作お疲れです。
出会てたと思ったらエピローグな雰囲気。。。
でもまた一波乱がありそうですごく楽しみです!
美穂の運命の人ってはっぱり真司かな?
うっわ〜、楽しみ!作者さん頑張ってくださいね、楽しみにしてます!
430名無しより愛をこめて:2005/04/16(土) 10:26:39 ID:dzcW1Nz9
hoshu
431名無しより愛をこめて:2005/04/16(土) 11:31:48 ID:cx4QOVQa
一言レスウザい。
作者さんに感想の一つや二つぐらい書けよ低脳。
432 ◆S/ljVqS.9Y :2005/04/16(土) 14:45:26 ID:8vW0sEnz
ああ>>425の女性は美穂タソだったんだ

ちゅうかエピローグって事はもう直ぐ終了でつか?
433Evergreen(119):2005/04/17(日) 23:13:02 ID:Rnjd2gAa
道路にひしめく自動車の群れを、
浅倉の灼けつくような視線がひとつひとつ捉えてゆく。
その照準が突然定まった。
中央寄りの車線に閉じ込められた1台の外車の上で。
シャツの裾が蛇の尾のように閃いた瞬間、
もう浅倉の身体はガードレールを跳び越えていた。

大きな音を2回たてて、豪勢なリムジンのボンネットが陥没する。
標的に定めた外車だけをひたと見据え、動かない車を
次々と乱暴に踏み越えて横切ってゆく浅倉の足の下で。
直後、リムジンの後部座席のドアが勢いよく開いた。
「野郎・・・よくも俺の車を泥足で踏みやがったな、待ちやがれ!」
ただでさえ募らせていた苛立ちに火をつけられた高見沢が、
蛇柄の背中を追ってリムジンのボンネットに這い上る。

「あ〜もう、自分で行くからもういいよ!」
しびれを切らした佐野が、ドアを開けて車から降りる。
「お、ちょうどいいや、あれを借りようっと」
長い脚でひょいとガードレールをまたぐと、目の前にいた
学生風の二人連れのところへ駆け寄った。
「ね、ね、ちょっとこれ貸してよ。あとで返すからさ」
「なんだお前は?」
「ぼくの自転車なんだけど」
自転車を押していた仲村がむっとしたように睨みつけるのも
乗っている東條が口を尖らせて主張するのも構わず、
スーツのポケットから財布を取り出して万札を東條に押し付ける。
「はい、これあげるからさ、どいてどいて」
「おいなんだその態度は!」
「・・・一方的に値段決めないで欲しいかも」
「急いでるんだよ、頼むからどいてくれないかなあ?」
434名無しより愛をこめて:2005/04/17(日) 23:18:16 ID:CzwG4e87
キターー(゜▽゜)ーー!!
浅倉ホントに常識はずれだ・・・
高見沢は何ゆえ怒ってるんだ?やっぱスマブレ?
なんにせよ、今週もGJ!そしてありがとうでつ
435433:2005/04/17(日) 23:23:48 ID:Rnjd2gAa
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>428
たとえ自覚はしなくても、そういう生活が美穂の一番の
幸せかなと思って書いたので、とても嬉しいです。
楽しんでいただけるようにがんばりますので、よかったら
もう少し元ライダー達の運命を見ていてください。

>>429
乙です・・・今から読んでくれる方もいると思うと、(>>1さんや
皆さんのおかげで)長く続けてこられて本当によかったです。
もうしばらく続きますが、最後まで読んでいただけるようにがんばります。

>>430
保守してくださって、ありがとうございます。助かりました・・・

>>432
はい、最初に出てくる時は名前を伏せてありました。
話の流れとしては終り間近なのですが・・・あと何レスで
最終回になるかは、まだ私にもよくわかりません(汗)
436再び433です:2005/04/18(月) 00:34:12 ID:blk2QzGE
>>434
こちらこそ、ありがとうございます!
(118)をupしてからしばらくして前回いただいた感想へのレスをupした後、
リロードせずに別の用事をしていたため、>>434さんのカキコに気づかず
失礼しました・・・(ageようと思ってもう一度来て気がつきました)
高見沢カリカリの理由はお察しの通りです。
437名無しより愛をこめて:2005/04/19(火) 07:35:41 ID:RAcvQgSQ
>>434
いや佐野も相当常識はずれだ・・・・・・w
438名無しより愛をこめて:2005/04/21(木) 01:26:24 ID:SW1v7fYs
hosyu
439名無しより愛をこめて:2005/04/24(日) 16:56:13 ID:ELmnrWro
>Evergreen
新作乙です。

常識破りの浅倉に対して、それ以上に大人コドモな反応を返す高見沢に笑わせてもらいました。
(このまま非常識対決かな?)
それと、佐野の常識であるところの「お金」では動きそうにない仲村君と東條も
相変わらず良い味出してます。(こちらも非常識対決になだれ込むかかな?)
440Evergreen(120):2005/04/25(月) 00:26:31 ID:qxIUOjfY
浅倉は知らなかった。
巨大な磁石の前の一粒の砂鉄のように、
自分をここまで強烈に引き寄せつつあるものが
何であるか、あるいは誰であるのかを。
そもそも知る必要を感じていない。
やっと。
あそこまでいけば、この全身を焼き尽くしそうな
苛立ちからやっと解放される−−
分かっているのはそれだけだった。
車の上を跳躍しながら疾走する飢狼の眼前で、
目指す外車の助手席に座る人影が次第にはっきりしてくる。

「先生、このままじゃ当分1センチも動きませんね。
すみませんが、降りて駅まで行っていただくしか・・・」
「いいよいいよ、先方にもさっき連絡いれたし。でも何だか
今日はもう仕事する気なくなっちゃったなあ・・・あれ?」
助手席であくびをしかけた北岡が、ダブルのスーツの
内側で鳴った着信音に気づいて再び携帯を取り出す。
送信者名を確認すると口笛を飛ばした。
「お、令子さんからだ!"クリスマスツリーありがとう、まさかあんな
立派なものを送ってくれるとは思いませんでした"だってさ」
「カナダから特注で取り寄せたやつですからね・・・」
「そう。この間取材に来てくれた時に機会を見つけて雑談してたら、
クリスマスツリーを買い換えたいって言ってたからさ。
"できれば白いのがいいんだけどな"なんて、バリバリの
ベテラン記者の割に結構可愛いとこあるのよ、これが。
だからほんのお近づきのしるしってわけ。プレゼントが
花やアクセサリーばかりってのも芸がないしね」
「じゃ、あとはイブのデートの約束を取り付けるばかりですね」
「さすがゴロちゃん、お見通し。今それ打ってるとこ」
441440:2005/04/25(月) 00:50:20 ID:qxIUOjfY
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>437
生まれ変わっても、みんな大元の性格は
たいして変わらなそうですね(汗)

>>438
保守してくださって、ありがとうございます。

>>439
面白いと思っていただけたなら、とても嬉しいです。
非常識前世ライダーたちがこれからどんな動きをするか
細かいところを考え考え書いています(汗)ので、
もしよかったら今後とも見ていてください...
442440:2005/04/25(月) 00:52:28 ID:qxIUOjfY
age忘れてました、失礼・・・
443Evergreen(121):2005/05/01(日) 23:37:32 ID:DW0NrgV1
北岡がメールを打ち終わり、返信を確定した時だった。
助手席の窓の外から黒い影が差したのは。

浅倉がだっと跳び上がり、思いきり拳を振り上げる。
次の瞬間、助手席の窓ガラスが粉々に砕けた。

「北岡あ!覚悟しろ!」
特殊警棒で窓ガラスを破ると同時に、
拳銃を車内に突き込んだ黒服の男が叫ぶ。
そのまま北岡の頭に一発ぶち込み素早く逃走する
−−はずだったが、できなかった。
「うおおおああーーっっ!!」
野獣より凄まじい咆哮とともに側頭部を吹っ飛ばされたからだ。
発砲しようとした瞬間、自分より一瞬遅れて北岡の車に
辿り着いた、蛇柄ジャケットの男の拳に。

邪魔者を片づけた浅倉の拳が再度唸る。
北岡、いやこの世界では名前さえ知らない男に向って。
車の外からこの男を見た瞬間、分かったのだ。
自分をここまで引っ張ってきたものの正体が、
この男の存在そのものだということが。
そしてこの男を叩きのめすことこそ、
自分の苛立ちを消す唯一の方法だということが。
だが邪魔は再び入った。
「先生!早く、反対側から逃げてください!」
運転席から出てルーフを飛び越えた吾郎が
叫ぶと同時に右腕を構え、浅倉の拳をブロックする。

その時だった−−ずっと動かなかった車の列が、
前方でゆっくりと動き出したのは。
444443:2005/05/01(日) 23:38:57 ID:DW0NrgV1
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。
445名無しより愛をこめて:2005/05/02(月) 09:44:23 ID:GWfOvh5F
ゴローちゃんVS浅倉か。
しかし浅倉は、何がしたいんだろう?
446名無しより愛をこめて:2005/05/02(月) 10:03:58 ID:N0JArCIO
>443
浅倉、北岡の命の恩人だw

続き楽しみにしてます。
447名無しより愛をこめて:2005/05/06(金) 17:45:49 ID:912ASP1E
今のお話がエピローグだとすると、これが終わった後のこのスレの行方が気になります…
レクイエム氏が帰って来てくれる事に期待してます…
448Evergreen(122):2005/05/09(月) 00:27:54 ID:xmwjMDyJ
「貴様・・・」
振り上げたままブロックされた腕の下から、
殺気を込めて新たな邪魔者を睨みつける浅倉。
実のところ、吾郎の方はこの得体の知れない男に
今すぐにでも礼を言いたい気分だったのだが。
−−最近北岡がかかりきりになっている事件の裏には
予想以上の大物が潜んでいるらしく、度々事務所に
「さっさと手を引いた方が身のためだぜ」という
脅迫電話が入るようになっていた。それもあって、北岡の
身辺には普段より気を配っているつもりだったが・・・
まさか、こんな時に刺客が襲ってくるとは思っていなかった。
この蛇柄男がいなかったら、今ごろ吾郎は後悔に身も心も
焼き尽くされながら北岡の骸の側で呆けていたに違いないのだ。
「ゴロちゃん・・・こっちも駄目っぽいよ」
小さな声に我に返って振り向くと、助手席に移った北岡が
後ろを指差している。その先には、こちらを目指して
わらわらと車の間を縫ってくる黒服男の一団がいた。
「・・・どうやら俺、相当危ない橋渡ってたみたいね、今回の件では」

だが、迫り来る危ない男たちの集団はそれだけではなかった。
「てめえら!前が流れ始めたのが見えねえのか!」
「車の間をちょろちょろしやがって、うぜーんだよ!!」
北岡の車の後ろから次々と怒号が飛び、あちこちで運転席の
ドアが開いて、殺気だったドライバーたちが降りてくる。
前代未聞の渋滞の中、我慢に我慢を重ねて待ち続け、やっと
動けると思った瞬間に邪魔をされたのだ。多少血の気が多かったり、
喧嘩っ早かったりする者たちがキレるのも無理はないといえた。
そして。
「ヘビガラ野郎、そこ動くなあっ!」
天下の高見沢グループ総帥も、やっと浅倉に追いついてきていた。
449448:2005/05/09(月) 00:42:52 ID:xmwjMDyJ
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>445
因縁の対決ですね。イライラを解消したい一心で、
浅倉もここまできました。

>>446
ありがとうございます。この世界では、
浅倉にも少しはいいことをさせてみました。

>>447
ほんとですね・・・私もrequiemの続きをお待ちしてます。
450名無しより愛をこめて:2005/05/09(月) 22:53:08 ID:9Mqz4Fey
高見沢の言ったように「人間、皆ライダーなんだよ!」状態になる
って解釈で良いかな?
451名無しより愛をこめて:2005/05/10(火) 00:47:48 ID:KKep+o8Q
「ここか…祭りの場所は」状態とも言える。

さらにこの後真司がズーマーで突っ込んできて祭りを収拾…は無理かw
452名無しより愛をこめて:2005/05/10(火) 09:31:59 ID:3QY9DyBQ
まあ祭りの取材に行って一緒に神輿を担いじゃうからな…
453名無しより愛をこめて:2005/05/15(日) 03:55:24 ID:0AX7G2XZ
>Evergreen
新作乙です。
ライダー達にとっても、回りの喧嘩早い連中にとっても一触即発の大ピンチですね。
ああ、先が読めない!続きが非常に気になります。
454Evergreen(123):2005/05/16(月) 00:49:32 ID:BRw1SD51
「いいから貸してってばさ」
「この野郎、勝手にハンドルを取るな!」
「あっ!痛いじゃないか、ひどいなあ・・・」
背の高い2人の間で身を縮めながらも
じっと争いの成り行きを見つめていた東條が、
不意に何かに気づいたように顔を上げる。
そのままサドルから降りて駆け出した。
「ねえ、おまわりさん!このひと自転車泥棒だよ!」

ただ渋滞を眺めるのにもうんざりしてきていた
若い警官−−須藤は、後ろからこう呼びかけられて
正直ほっとしたような気分になった。
どこかの不良かなにかが、止めてあった自転車の
チェーンでも切ろうとしてたところを見つかったのか・・・
道路がこんな状態の日に自転車泥棒とは間抜けな奴だ。
まあいい、今の手持ち無沙汰から抜け出せるなら、
つまらない窃盗未遂でも喜んで処理するさ・・・
「はい、どうかしましたか?」
そう答えて振り向くと、学生風の青年が後ろを指差していた。
「やだなあ、違いますよ、人聞きの悪い」
指差す方向には、困惑顔でこちらに向ってそう言う青年と、
怒った顔で彼の胸ぐらを掴みかけている青年がいる。
「とにかく話を聞かせてくださ−−」
すぐにそちらへ歩き出した須藤の言葉と足が止まった。
車道の方からただならぬ声がいくつも響いてきたからだ。
「てめえら!前が流れ始めたのが見えねえのか!」
「車の間をちょろちょろしやがって、うぜーんだよ!!」

「・・・そこの人たち!止まりなさい!」
考える前に、須藤は車道に向って駆け出していた。
455454:2005/05/16(月) 01:07:33 ID:BRw1SD51
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>450
・・・今のところそんな感じ、らしいぜ>草加くん

>>451, >>452
そうか!その手もありましたね・・・>ズーマー突撃
今の世界の真司も「いつのまにか神輿担ぎ」の気質は変わらないと思いますが、
祭にどんな参加のしかたをするか、よかったら見ていてください。

>>453
ありがとうございます、
この先も楽しんでもらえるようにがんばります。
456名無しより愛をこめて:2005/05/16(月) 02:29:26 ID:u4e77oyx
>>454-455
おお、なんかひさしぶりにワクワクしてきた。
でもこれエピローグなのよね・・
457名無しより愛をこめて:2005/05/16(月) 23:11:33 ID:ii+VvLd8
蟹刑事キター!
悪いことしてないから、フツーの警官なんですねw
佐野の考えの浅い所とか、基本的に変わっていないところも抑えられてて、
絵面で想像しやすい状況作りとか、いつもながら楽しませていただきました。
458Evergreen(124):2005/05/23(月) 00:27:14 ID:vWD987h5
「ねえ、おまわりさんでしょ!ちゃんと仕事してよ!」
そう叫ぶと、須藤の後を追ってまた駆け出す東條。
「おい、そんな危ない方へ行くやつがあるか、待て!」
東條の後を追って、仲村も駆け出す。
さらに・・・やっとせしめた自転車を放り出し、
佐野までもが車道の方へ走り出した。
「車、動いてるじゃん!はやく戻んなきゃ!」

「ねーねー。あんたの言ってたトラブルってあれのこと?」
再び車の窓から顔を出した芝浦が、占い師に向って聞く。
急に騒がしくなった車の列の彼方を指差しながら。
そちらに一瞬目を向け、手塚が答える。
「わからない、俺にも」
「あは。やっぱりでたらめじゃん、占いなんて」
そう言ってドアを開けると車から降りる。
「当たるようにしてやるよ、あんたの占い−−
退屈よりトラブルの方がマシだからさ」
答えを待たず、小柄なスーツ姿は車の間に消えた。
「あいつ、まさか・・・」
手塚の呟きが、途中で急に大きくなる。
「おい、お前までどこへ行く気だ?」
さっきまで占いを見てやっていた娘−−霧島美穂が
ふらふらと歩き出したのに気づいたからだ。車道に向って。
「この間ケータイ買い換えたからさ、ちょっと試し撮り。
なんか面白いものが撮れたら新聞社の人が
欲しがるかもしれないし」
「よせ!乱闘になりかけてるんだぞ!」
「だーいじょうぶだって、じゃね」
向こうをむいたまま携帯を持った右手を振ってみせ、
美穂もするっと車の間に姿を消した。
459458:2005/05/23(月) 00:49:40 ID:vWD987h5
Evergreenの続きをupしました。
読んで下さった方々、ありがとうございます。

>>456
はい、エピローグです。この先も楽しんでもらえるように
がんばりますので、よかったらどうなるか見ていてください・・・

>>457
私もテレビでの龍騎エピソードがもっと見たくてSSを
書いてるようなところがあるので、TVのような場面を
思い浮かべてもらっていたらとても嬉しいです・・・
460名無しより愛をこめて:2005/05/25(水) 23:03:43 ID:WZIx8fBc
手塚主役で長編書きたいんですが、スレお借りしていいですか?
461名無しより愛をこめて:2005/05/26(木) 09:04:36 ID:hw0uVor/
>460
読みたい!読みたい!
462名無しより愛をこめて:2005/05/26(木) 11:40:26 ID:HaTwqbi4
>>460
手塚がけんか強いか弱いかが名作の分かれ道
463名無しより愛をこめて:2005/05/28(土) 19:23:19 ID:slctV8hn
続きが楽しみ保守
464Evergreen(125):2005/05/30(月) 00:07:17 ID:es+b/d/L
歩道に一人取り残された後、眉をひそめて
空を見上げた手塚が息を呑む。
「何だ・・・あれは!」
巨大なコブラが車道の上に鎌首をもたげ、下界を
見渡している。黒い入道雲か竜巻のようにも見えた。
急いであたりを見まわしたが、ちらほらと見える通行人は
向こうで始まった乱闘騒ぎに気を取られているのか、
化け物に気づいた様子はない。いや、もしかしたら
そもそも見えていないのかもしれなかった。
手塚と、もう一人の男以外には。

もっともそのもう一人−−浅倉威も、自分の頭の上に
巨大な黒蛇がぼんやりと現れ始めていることになど
一向に気づいていなかった。気づいたとしても
何の興味も示さなかったろうが・・・
文字通り戦いの渦の真っ只中にいたからだ。
「ぐわぁ!」
「ひげぇ!」
次々と襲いかかる黒服の男や荒くれドライバーたちを
歯牙にもかけず、拳と蹴りであっさりさばいていく。
「足りないんだよ、これじゃ・・・!」
そう呟きながら。
さっきまでこの男と対峙していた吾郎はといえば
車の反対側に移動して、北岡のいる助手席を守りながら
やはり押し寄せる暴徒どもを相手に奮戦している。
そして高見沢は・・・
「べらぼうめ、この俺の行く手をふさぐなんざ100年早えんだよ!」
最高級のネクタイをほどいて黒服の首を締め上げながら、
意気盛んに毒づいていた。同じく最高級のスーツは
もはや原型をとどめていなかったが。
465464:2005/05/30(月) 00:13:42 ID:es+b/d/L
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>460
おお、手塚好きなので私もすごく楽しみです、
ぜひともよろしくお願いします!

>>463
保守してくださってありがとうございます、
続きを楽しんでいただけたら嬉しいです。
466名無しより愛をこめて:2005/06/02(木) 20:11:07 ID:TuRHrPJf
黒蛇キタ━━━( ゚∀゚ )━(∀゚ )━(゚ )━( )━( ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚ )━━━!!!!

と言う事は、皆黒蛇に食われるのヵ!
467名無しより愛をこめて:2005/06/03(金) 00:48:31 ID:7vk+Xz4a
紫じゃなくて、黒?
468名無しより愛をこめて:2005/06/04(土) 01:29:08 ID:BdAOLVu0
保守もかねて書き込みを…

>>460
出遅れましたが自分もぜひ読みたいです
469Evergreen(126):2005/06/05(日) 23:54:18 ID:Hiokb5Po
何故だろう。
きれいに飾り付けられたクリスマスツリーを見ると、
なんだかとっても懐かしくなるのは。

まだイルミネーションが灯るには早い街の中でも
ひときわ目立つ、色とりどりの星やボールを
いっぱいにつけた巨大なモミの木。
その前を足早に通りすぎながら、目のあたりを
ジャケットの袖でぐいとこすった。 ゴミが入ったらしい。

まったくどうかしてるよな。
ツリーや飾りを見ると、懐かしい気持ちになるなんて。
何の理由も思い当たらないのに・・・

おかげでさっきは編集長にからかわれてしまったし。
OREジャーナル総出で、令子さんが取材で知り合った
弁護士からもらったという白いツリーを飾りつけてる最中に。
「おい真司、なんだおめぇ妙に幸せそうな顔しやがって・・・
ガキじゃあるまいし、ツリーがそんなに珍しいのか?
お、それともついにイブを一緒に過ごす彼女ができたってか!」
「ち、違いますってば!今年もべつに彼女なんて・・・」
「そうだ。イブといえば、令子!」
しどろもどろになる俺にはもう構わず、デスクの前で何やら
忙しそうに打ち込んでいる令子さんに声をかける編集長。
「24日からの出張取材、行けそうか?」
「あ、はい、もちろん!」
「悪りぃなあ、せっかくのエリート弁護士からのお誘いを蹴らせちまって」
「いいんです、仕事優先ですから。それに北岡さんとは
ただのお友達ですし・・・」
「しっかしただのお友達への贈り物にしちゃ豪華すぎねえか、このツリー?」
470469:2005/06/06(月) 00:05:14 ID:sGv6JRnm
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>466
そ、それも壮絶なラストでいい・・・かも

>>467
名前をつけるとすれば、ベノブラッカーでしょうか・・・芸がなくてスマソorz

>>468
保守してくださって、ありがとうございます。
471名無しより愛をこめて:2005/06/06(月) 12:34:17 ID:qipBiugf
>>470
ベノブラッカー…よい響鬼だ…。
472名無しより愛をこめて:2005/06/08(水) 17:54:56 ID:0/TSk89k
保守しつつ新作を待つ。
>460とかrequiemとか楽しみにしているんだがどうしたんだろう。
473名無しより愛をこめて:2005/06/09(木) 02:52:04 ID:GDGlFPbW
まぁまぁ、焦らずゆっくり待ちましょうや
つ旦~
474名無しより愛をこめて:2005/06/11(土) 00:22:13 ID:JzDV+pEP
保守
475Evergreen(127):2005/06/13(月) 00:36:13 ID:nIWKkrmR
「そうそう、こんな立派なツリーをくれたのって、令子さんの
気を引きたいからに決まってますよね、きゃっ!」
銀の星のワイヤーを枝にぐるぐる結びつけながら口をはさんだ
めぐみさんが、脚立から落ちそうになって悲鳴を上げる。
「生涯ただ一度のチャンスを逃せば、待っているのは・・・
負け犬の人生」
それまで黙々と作業していた島田さんが、そう呟いてにっと笑う。
「あてにならない玉の輿に目が眩んで仕事を放り出すような
記者なんて、負け犬以上に惨めだと思うわよ、あたしは」
落ち着き払ってそう返すと、ばしっとエンターキーを押す令子さん。
その時編集長のデスクの電話が鳴った。
「はいこちらOREジャーナル・・・なんですって!?・・・・・・
わかりました、情報提供ありがとうございます」
受話器を置くと、編集長が血相を変えて俺に向き直る。
「おい真司、取材だ!とんでもねえ事件が起こりやがった。
ついさっき、中学校にヤクザ風の男多数が乗り込んで、授業中の
女子1人を人質に取って家庭科室に立て篭もったんだと。
女の子の名前は、ええと・・・浜崎実加」
「は、はいっ!あ、でも編集長、今日はどこもすごい渋滞なんで
スクーターが使え・・・」
「足があるだろが、てめーの足が!とっとと行ってこい!」

「・・・いっけね!」
繁華街を通り抜けようとしていたつもりが、ついデパートの前の
立派なツリーに見とれて油を売ってしまった。急がなきゃ。
そう思って前を見た途端、異様な光景が目に飛び込んできた。
一目でカタギではないと分かる人相と服装の男たちの一団が、
ぞろぞろと前方の大通りを横切っていく。それだけでも異様だったが、
もっと信じられないのは、その集団を率いるように先頭を歩いているのが
セーラー服姿の小柄な女の子だということだった。そう、中学生くらいの。
476475:2005/06/13(月) 00:41:53 ID:nIWKkrmR
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>471
しかしこれが活躍したりすれば話が無限ループに(汗)

>>472, >>473, >>474
保守してくださって、ありがとうございます。
私も新作が楽しみなので、ゆっくりお待ちしております・・・
477名無しより愛をこめて:2005/06/13(月) 12:33:21 ID:81LNhBt+
 当然のように見させてもらっているが、正直1週間に1回
必ずアップしてくれるのは凄いことだと思う。
 
 
 新たな展開。これからも楽しみにしています!頑張って下さい!!!
478名無しより愛をこめて:2005/06/14(火) 00:00:29 ID:7f37FJ47
実加ちゃん登場は嬉しいけれど

い、一体何が起こっているんだー!?
479名無しより愛をこめて:2005/06/16(木) 15:56:35 ID:1zzNuIM7
例の乱闘とどう絡むか楽しみ
480Evergreen(128):2005/06/20(月) 00:38:34 ID:OCt+qrtw
きっちりおさげに編んだ黒い髪。広く白い額。
そして、やや生真面目そうな澄んだ瞳。
いまどきちょっと珍しいタイプの、日本人形のように
可愛らしい女の子だった。だけど俺がその子の方へ
駆け出したのは、そのこととは関係ない。
「ちょ、ちょっとそこの君、待って!お〜〜い!!」
浜崎実加。それしか考えられない−−ヤクザ風の
男多数と一緒に、俺の目指していた中学校の
方角から来た制服姿の女の子なんて。ただし、
どうも人質に取られているようには見えないが・・・
「てめえ、なにもんだ?」
「急いでんだよ俺たちは、邪魔するとただじゃおかねえぞ!」
ヤクザどもが一斉に突き刺す視線と言葉にもめげず、俺は
振り向いた女の子にこう聞いた。多少声が震えたのは仕方ない。
「す、すみません・・・君もしかして、浜崎実加さん?」
女の子は、こっくりうなずいた。そしてこう言った。
「すみませんけど、お話は歩きながらにしてください。
本当に急いでるんです、わたしたち」

その頃、浜崎実加の学校では−−
教頭が電話口で大手新聞社の人間に最新の状況を説明していた。
「はい、はい・・・事件の発生から約1時間後くらいでしょうか、
家庭科室から浜崎実加が出てきまして、駆け寄った教職員たちに
次のように言ったんです・・・"ご迷惑おかけしてすみません、
今日は早退させてください"。・・・はあ、実を言うと今回のような事は
始めてではございませんで・・・いえ、元々は決して事件になるような
種類のことではないんです。ただ、今回は何故か相手の方達が
少々殺気立っていて強引でして、受付を通さずに浜崎実加の
教室に直接乗り込んだため、生徒たちに万一のことがあってはと
思い、通報に踏み切った次第です、はい」
481480:2005/06/20(月) 00:46:10 ID:OCt+qrtw
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>477
ありがとうございます、そう言っていただける事が
涙が出るほど嬉しいです・・・せめて1周間に1回のペースだけは
守りたいと思って続けていますので、あともう少しがんばります!

>>478
何が起こるか、よかったら見ていてください・・・

>>479
これから絡んでいきますので、楽しんでもらえたら嬉しいです。
482名無しより愛をこめて:2005/06/20(月) 02:05:01 ID:GJ2g3Ez5
Evergreenキター!毎週乙ですー!(特に今週はライダーに飢えてるし)

なんか実加ちゃんがまるでTV本編終盤の優衣ちゃん(モンスター軍団に睨み効かせてた)ぽいですな?
これならバズスティンガーにも食われなさそうだ。
483名無しより愛をこめて:2005/06/20(月) 09:37:23 ID:UL78CfDD
しかしこれ、エピローグというより第二部って感じだな…
面白いからもっと続いてくれた方がありがたいが。
484名無しより愛をこめて:2005/06/23(木) 07:48:31 ID:Iz/0QQu8
乙です。
展開の読めなさとテンポの良さに、毎回ドキドキさせてもらっています。
実加ちゃんまで出てきてこれから先が楽しみです。
485Evergreen(130):2005/06/26(日) 21:53:50 ID:pLvArgOT
「・・・ほう。またずいぶん派手な喧嘩だな」
「蓮、そんな方見なくていいから早く!バイクは論外として、
道路がこの状態じゃ車でも駄目そうだからせっかく
早く出たのに、予約の時間に遅れちゃうよ」
「別の日に変えてもらえばよかっんだ、よりによって
こんな日でなくでも・・・転びでもしたらどうする気だ?」
「だから、蓮に付き添ってもらってるんでしょ?
やっと授かった赤ちゃんなんだから、1回だって受診を
遅らせたくないの。それにあの先生は丁寧で親切だから
すごい人気で、次の予約を取るのだって大変なんだよ」
「わかった、わかった」
諦めたようにそう答え、男はまた雪の歩道を歩き始めた。
まだそれほど目立っていないとはいえ、妊婦である
妻の足もとや周囲に怠りなく気を配る姿はいかにも
新米パパらしい・・・はずなのだが。その眼光の鋭さや、
全身を黒のレザーコートに包んだ姿は、組長から身重の
姐御を預かってピリピリしている若頭といっても十分
通用するかもしれない。

若い夫婦の少し先では、赤いジャケットを着た青年−−
手塚海之が、空を見上げたまま立ち尽くしていた。
「また、一匹・・・」
不吉な光の膜をかけられたような瞳に映っているのは、
黒蛇の出現後、乱闘の続く幹線道路の上空に次々と
現れ始めた半透明の化け物たちだ。
蜃気楼のように佇む、巨大な角を持つ巨人のような影。
再び膠着状態に陥った無数の車のボディから次々と
湧き上がっては空へ跳ね上がる、やはり角のある小悪魔の
ような無数の人影。巨大なハサミを片腕に付けた人影。
空を滑るように旋回する、水鳥やエイのような形の影・・・
486485:2005/06/26(日) 21:55:23 ID:pLvArgOT
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

「こんな秋山蓮はいやだ!」
「こんな(オガワ)エリはいやだ!」
と思われた方々、いたらすみませぬ・・・(汗)
この2人の一番の幸せって何だろうと考えた結果、
よくあるパターンになりましたorz

>>482
ありがとうございます、皆さんのおかげで今週もupできました・・・
この話での実加ちゃんがちょっと怖い方々と
どういう縁を持っているか、よかったら見ていてください。

>>483
最後の場面も言葉ももう決まっているのですが、
そこまでの距離がなかなか埋まりません・・・orz
私も早く終点まで着きたいので、もうしばらく残りの道を
楽しんでお付き合いしていただけるようにがんばります。

>>484
どうもです。楽しみにしてもらっているのでしたら、本当に
こんなに嬉しいことはありません・・・最後の回まで期待して
楽しんでもらえるように、またがんばります。
487名無しより愛をこめて:2005/06/26(日) 22:29:10 ID:vvuh+VWM
千里の道も一歩から。歩けば確実に距離は縮まる…はずですw

乙です。
正直申し上げますと、この二人にも幸せになってほしかったんですよね。
ドラえもんのお話で、パラレルワールドでの災難から抜け出して、
自分たち二人だけが助かるという結果に対して「気が咎める」と
戻ってけじめをつけたのび太に感動した人間ですし、
少しずつ、何かの歯車が動いて噛み合わさっていく感じがとても
読んでいてワクワクします。
488名無しより愛をこめて:2005/06/27(月) 22:39:14 ID:xP989Ji0
蓮がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
489名無しより愛をこめて:2005/06/27(月) 22:56:30 ID:stDwoWT7
やつはきっと営業だな




















あとりの。
490Evergreen(131):2005/07/04(月) 01:02:35 ID:qV50Eq3S
「夢?」
「そう。もういつからか分からないくらいずっと
前から、毎晩のようにみるんです、同じ夢を」
「・・・そ、それでその夢が、今君がしていることと
どんな関係があるの?ていうかどんな夢なのそれ?」
「おい小僧、女神様に根掘り葉掘りテメエに何の
関わりもないことを聞いたりするんじゃねえ!」
「いいんです、この人記者さんなんですって」
「へ、へいっ、失礼いたしやした・・・」
やたらとでかい図体をどぎついデザインのシルバーアクセや
チェーンで飾り立てたチンピラ男にものすごい形相で凄まれたら、
怖くないわけがない。だけどその恐怖も、そんなすごい男が
浜崎実加みたいにか弱い女の子を「女神様」と呼び、
下僕のように言いつけに従っているという衝撃的な、
というより荒唐無稽な事実の前には吹っ飛んでしまった。
・・・気を取り直すと、俺は実加ちゃんがぽつりぽつりと
語り出した不思議な夢の話に耳を傾けた。歩みはゆるめずに。

「気がつくと、大きな船の中にたったひとりでいるんです。
海も空も真っ暗で、ものすごく怖くて心細くて・・・それに、
聞いてると頭が痛くなるような変な音が周りで鳴ってる。
ここにいちゃいけない、早く逃げなきゃっていつも思うけど
周りは海だからどこにも逃げられないし、ただ床に
縮こまって座ってることしかできない。そんな状態が
しばらく続いて、もう耐えられないと思った時・・・
いつも、あの人が現れるんです」
「あの人?」
「浅倉だよ。このあたりじゃ知らねえ奴はいねえ疫病神さ」
俺の後ろを歩いている、派手な色の髪を突っ立てた痩身の男が
「女神様」に代わって答えた。吐き棄てるように。
491490:2005/07/04(月) 01:13:09 ID:qV50Eq3S
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>487
ありがとうございます、一歩ずつでも歩みだけは
止めないようにしますね。ワクワク感もなんとかキープして
楽しんでもらえればな・・・と思っております。

>>488
はい、プレパパです(汗)

>>489
真面目な話、すごく魅力的な説ですね。
この世界の花鶏はもしかして、チェーン展開してるのでしょうか・・・
492名無しより愛をこめて:2005/07/06(水) 01:36:00 ID:xbE4vLAD
>Evergreen
私、TV本編の最終回後の世界でも浅倉と実加ちゃんは何か因縁があったと妄想したクチで、
今の展開は凄く楽しみです。バズスティンガーが転生したDQN三兄弟とかもいそうな希ガスw
493名無しより愛をこめて:2005/07/09(土) 21:43:39 ID:LcCNdB0j
保守
494Evergreen(132):2005/07/10(日) 23:15:24 ID:a3x8aPZQ
「その・・・浅倉って、どういう人なんですか?」
「けっ、知るかよ」
ますます険悪になった声にひるみながらも、俺は気づいていた。
そのチンピラの眼が、声とは裏腹にひどく怯えた色に
なりつつあるのを・・・何故だ?ますます好奇心が湧いたので、
勇気を振るって食い下がる。
「でも、疫病神って・・・」
「あいつがいったん暴れ出すと誰にも止められねえんだよ!
畜生、俺だって何度わけもなくあいつにボコられたか・・・」
声にまで怯えが混じり出した若者に代わって、アフロヘアに
革ジャン姿で、顔に傷のある男が話しはじめた。
「浅倉がいつからこの街に住みついたのかは、誰にも
わからない・・・どこから来たのか、今まで何をしていたのかもな。
俺たちに分かってるのは、あいつがどこの組の者でもなく、誰ともつるまず、
そして腹が減ったら何をするかわからないということだけだ。しかも時々、
何の前触れもなくいつもよりはるかに凶暴になって、行き会った奴を
誰彼構わずぶちのめしながらうろうろし始める。今日みたいにな」
「え?」
「そろそろ見えてきたな・・・あっちだ。今日は特に派手に暴れてるらしい。
こっそり後をつけた奴の話だと、あの野郎、ここの裏街だけじゃ
飽き足らずに渋滞中の車を襲ったって話だからな」
男に促されて行く手を見ると、繁華街の尽きるところに都内有数の
大きな幹線道路があった。だけど今日は雪のせいですごい渋滞だから、
見えるのは道路でなく車の列だけ・・・のはずなんだけど。
車道にあふれてるのは、車だけじゃなかった。人だ。人がいっぱいいる。
しかもみんなつかみ合い殴り合いをしてる、って−−どうなってんだよこれ!
「あのケンカしてる人たちの中心に、あの人がいるらしいんです」
「・・・え?」
「あの人を止められるのは、わたしだけなんです」
前を向いたまま、歩みを止めず、実加ちゃんが淡々とそう言った。
495494:2005/07/10(日) 23:16:34 ID:a3x8aPZQ
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>492
ありがとうございます、やはりこの2人の関係はすごく気になりますよね。
この世界ではどちらもテレビ版より幸せになれるかどうか、
よかったら見ていてください・・・

>バズスティンガーが転生したDQN三兄弟
赤青黄の揃いのシャツを着ていそうですねw

>>493
保守してくださって、ありがとうございます。
496名無しより愛をこめて:2005/07/11(月) 01:44:46 ID:l1/TCsw3
test
497名無しより愛をこめて:2005/07/11(月) 01:45:33 ID:l1/TCsw3
test
498名無しより愛をこめて:2005/07/16(土) 13:53:03 ID:cIWi9cRc
なんで人いないんだ?Evergreenクライマックスぽいし上げる。
ひょっとして別に龍騎SSスレ立ってたりするのか?

実加ちゃんが浅倉をどう制御するのか非常に気になる。
空腹で暴れる浅倉に実加がニッコリと差し出すトカゲ丸焼き、とか?
499Evergreen(133):2005/07/17(日) 23:11:32 ID:S1IvG+eH
「"私だけ"!? そ、それってどういう」
だんだんわけが分からなくなってきた俺に、
実加ちゃんがまたぽつりぽつりと語り始めた−−

実加ちゃんの話が終ったのは、幹線道路に出て
しばらく歩道を進んだ後だった。さらに少しして
実加ちゃんと、俺も含めた奇妙な一行の歩みも止まる。
道路脇でずっと見張りをしていたらしいヤクザが
走り寄ってきたからだ。
「あそこです、女神様!」
男が指差すのは道路の真中に近い、ひときわ
人だかりと騒乱の激しいところだった。
「おい・・・」
俺の後ろのヤクザたちが、互いに顔を見合わせる。
「どうするよ・・・」
「あのど真ん中に浅倉がいるんだぜ・・・」
「い、行くしかねえだろう・・・あんな中へ女神様を
ひとりで行かせるわけにいくかよ!」
「・・・・・・だめだ!俺にはできねえ」
「・・・」「・・・」「・・・」
みんな、浅倉とかいう男にはよっぽどひどい目に
あってるらしい。でも今実加ちゃんから聞いた話じゃ、
浅倉に近づかないことにはどうしようも−−
「あの男だ・・・あの男の飢えが、すべての争いの源だ・・・」
虚ろな声にぎょっとして前方を見直すと、赤い服を着た男が
俺たちと同じ方を見てそう呟いている。虚ろな眼をして。
「あんた、誰?」
「この場に引き寄せられた不穏な気のひとつだ・・・お前同様にな」
だめだこりゃ、イカレてる。関わらない方がいいな。
待てよ、どうしてこいつまで知ってるんだ、"飢え"のことを?
500499:2005/07/17(日) 23:16:11 ID:S1IvG+eH
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>498
保守と感想をありがとうございます、
予想が当たるかどうか、よかったら見ていてください・・・
501名無しより愛をこめて:2005/07/18(月) 12:51:07 ID:kG3bf7ia
Evergreen更新キター!

しかし赤い服の男って誰だっけ?
ベルデに筋肉ドライバー喰らった人ってのは分かるんだけど…


名前が思い出せない。
502名無しより愛をこめて:2005/07/18(月) 14:29:40 ID:7ie5TZmG
>>501
手塚海之。
しかし実加登場以降イマイチ展開が読めないな…
503名無しより愛をこめて:2005/07/19(火) 08:56:49 ID:fYuDDYi8
 変身してない場面が続くと、特撮魂がやきもきするが、
こういうシーンを通してからの変身は燃えるんですよねぇ〜。

 
物語がクライマックスに近づいているのでしょうか、作者さん頑張って下さい!
 
 
つーか、この勢いだと別に変身しなくて終わっても、何の不満もありません。
素敵な結末を期待しています。
504名無しより愛をこめて:2005/07/19(火) 09:40:29 ID:pANAnu1J
>503
てか、ライダーの戦い終わった世界だからもう変身しないんじゃね?
505名無しより愛をこめて:2005/07/19(火) 10:13:40 ID:fYuDDYi8
>>504
え、そうなの?

兄者が変身しそうな勢いがあったような…。
506名無しより愛をこめて:2005/07/19(火) 11:40:38 ID:yQ9LNzfp
>>505
TV最終回の世界で神崎士郎が変身してタイムベント使った結果がこの世界。
だから今の世界にライダーはいない…はず。
ベノブラッカーの存在があるからひょっとするとひょっとするけど。
507名無しより愛をこめて:2005/07/19(火) 12:12:40 ID:fYuDDYi8
>>506
?
508名無しより愛をこめて:2005/07/19(火) 13:52:25 ID:hAueW29K
長期連載のため訳分かんなくなっちゃった人は、
>370-373あたりを読み返しましょう。
509名無しより愛をこめて:2005/07/24(日) 23:06:00 ID:Y6tyJuxS
そろそろ更新…?
510Evergreen(134):2005/07/24(日) 23:30:55 ID:tqRol+nC
「分かってます」
俺の混乱をよそに、実加ちゃんが落ち着いた声で
そう言って決然とうなずく。ずっと胸に抱えている、
小さな包みをいっそう強く抱きしめながら。
「だから、私が来ました。あの人のおなかをいっぱいに
できるのは私だけです。早く行かないと」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
そのまま乱闘の現場へ向って歩きだそうとする
実加ちゃんを、俺はあわてて止めた。
「冗談じゃない、君みたいな女の子があんなところへ
行ったらどうなると思って・・・」
「止めないで。他に方法はないんです」
「その子の言う通りだ・・・」
再び赤い服の男が世迷い言を呟き始める。
「あの男の飢えを鎮め、戦いがこれ以上の惨事に
拡大しないように・・・そして、俺たちが無限の戦いの
宿命に再び巻き込まれないようにするには・・・
この子の力を頼るほかはない」
「あんた、ほんっとに頭おかしいみたいだな?
何が俺たち−−あ、実加ちゃんてば!」

実加ちゃんがたったひとりで乱闘のど真ん中に
行くのを黙って見てるなんて、とてもできない。

−−なら、あと俺にできることはひとつしかないよな。

しょうがないや。どうせ俺は、祭りの取材に行ったら
いつのまにかみこしを担いじまうような性分だからさ。
だけど担いだみこしは祭りが終るまで絶対おろさない。
実加ちゃんは絶対守ってみせる。たとえ俺がどうなっても。
511Evergreen(135):2005/07/24(日) 23:38:41 ID:tqRol+nC
いったんそう決めたら、あとは早かった。
制止を振り切って道路に出た実加ちゃんを追い、
俺は歩道を蹴って走り出した。


「くだらん。何を騒いでるのかと思ったが・・・」
少し離れた所で、赤い服の男と中学生と青いジャケットの男の
奇妙なやりとりを聞いていた秋山蓮が、面白くもなさそうに呟く。
ヤクザらしい男どもが大挙して前方から来たので警戒し、
妻を後ろにかばいながら様子を見ていたのだ。
「行くぞ」
青ジャケットが走り出したのを見届け、そう声をかけて
また歩き始める。が、恵里は動かない。
「どうした?気分でも悪く・・・」
一瞬心配そうになりかけた顔が、すぐ不審げになる。
恵里がにこにこと、そして意味ありげに自分を
見つめながら、こう切り出したからだ。
「ねえ蓮。このごろ全然ケンカしてないよね?」
「当然だろう。お前が口を開くごとに "パパになるんでしょ?
危ないことはもう金輪際しないよね!"と言うんだからな」
「ちょっとなら、してもいいよ?」
「・・・何が言いたいんだ?」
「見たいよねー?パパが人助けするところ」
夫でなく自分のおなかを見ながらそう言ったきり、
恵里はにこにこしたまま答えない。

数秒後、あきらめたように蓮がぼそっと言った。
「わかったよ・・・あの女の子と、それにあのバカな
青ジャケットのボディガードをしてやればいいんだな?」
512509:2005/07/24(日) 23:49:12 ID:Y6tyJuxS
ありゃま、更新2発キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!! 乙ですー!

小さな包みが何かは大体想像つくけど、手塚の反応が大真面目なのが気になる。
黒ベノも満足してくれるんだろうか?
513510,511:2005/07/25(月) 00:07:13 ID:EUzQyV6E
Evergreenの続きをupしました。(今週は2コできました)
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>501
赤服の男は、502さんのお答えの通りです・・・
私も、映像でははっきり覚えているのに
名前が思い出せないことが結構あります(汗)

>>502
本当はジェットコースター的に進んだ方が
いいところなのですが、1レスずつなので
分かりにくくなってるかもしれませんね・・・

>>503, >>504, >>506, >>507
ありがとうございます、みなさんのおかげで
クライマックスに辿り着けそうです。
結末もぜひ楽しんでもらえるようにがんばりますね。
変身については、"ベノブラッカー"の存在も含めて、
どうなるかもう少し見ていてくださいませ・・・

>>505
混乱させてすみません、兄さんの変身は506さんの
書いている通り、今の世界が始まる直前でした・・・

>>508
誘導してくださって、どうもありがとうございます。

>>509
はい、おかげさまで今週も更新できました。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
514513:2005/07/25(月) 00:17:49 ID:EUzQyV6E
>>512
ageにきたら即レスで嬉しいです, ありがとうございます・・・
(手塚君は少々大げさ過ぎる狂言回しになってるかもしれませんね(汗))
よかったら続きも見ていてください。
515名無しより愛をこめて:2005/07/26(火) 01:26:18 ID:K54wIuRf
包みの中は、カップ焼きそばが…




なんてな…  ハハハハハ
516名無しより愛をこめて:2005/07/26(火) 02:48:04 ID:1nmi0qca
スレ二年目突入オメです。
517名無しより愛をこめて:2005/07/28(木) 05:15:48 ID:1CH2oDAu
誰も訊かないから漏れが訊くよ
Evergreen(129)はどこに?
518名無しより愛をこめて:2005/07/28(木) 08:44:03 ID:NVAmfJAL
>>517
それは勝ち残ったライダーだけが知ればいいことだ
519Evergreen(135):2005/07/31(日) 23:58:58 ID:2at3r2ip
幹線道路は今や戦場以外のなにものでもなかった。
「この野郎!」
「これでも食らえ!!」
何のためにこんなところで殴り合いをしているのか、
もはや誰にも分かっていない。ただ湧きあがる苛立ちと
怒りにまかせて、自分の前に現れる人間すべてに
躍りかかっているだけだ。
そう。あの男がずっとそうしてきたように・・・

「ぐおおわあああっ!!」
意味不明の戦いを引き起こす原因となり、そして
この瞬間に至るまでその中心から凶暴なエネルギーを
周囲に供給し続けている浅倉のパワーは、
衰えるどころではなかった。
ヤクザだろうが黒服だろうが一般人だろうが
当たるを幸い殴り飛ばし、蹴り倒しながら、
さらに苛立ちと怒りを募らせていく。
まるで、渇きを癒すために海水を呑み続けてでもいるように・・・

だが今、浅倉に不気味な変化が起こりつつあった。
浅倉にというよりは、浅倉の影にといった方がいい。

一旦は動き始めながら乱闘のせいでまた止められ、
あるいは持ち主が乱闘に出たせいで乗り捨てられた
哀れな自動車たち。そのボディやミラーが、暴れ回る
浅倉の姿を様々な角度から映し出している。
その鏡の中の姿が、ゆっくりと変貌し始めていた。
まだ雪の歩道を歩いている時、水溜りに一瞬映ったのと同じ、
実像よりはるかに凶暴で邪悪なオーラを発散させている
あの虚像の浅倉の姿へと・・・
520519:2005/08/01(月) 00:03:59 ID:mHtV1EYo
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>515
「浅倉にカップ焼き蕎麦を差し出す実加タソ
お湯がないので乾麺をバリバリ食う浅倉
(もちろん袋ごと)」

かつての浅倉嫌スレ風にしてみました・・・

>>516
ありがとうございます。ここまで続けさせてもらえたのも、
スレが落ちるたびに多大な労力と時間をさいて
立て直してくださった1さんと、読んでくださった皆さんの
おかげですよね・・・

>>517
orz orz orz orz orz orz orz orz orz orz orz orz orz orz orz
指摘してもらうまで全然気がつきませんですた・・・
ありがとうございます、そしてすみませんです>517さん& all

ということで、連番を以下のように訂正させてください。
>>485 Evergreen(130)→(129)
>>490 Evergreen(131)→(130)
>>494 Evergreen(132)→(131)
>>499 Evergreen(133)→(132)
>>510 Evergreen(134)→(133)
>>511 Evergreen(135)→(134)
そして先週と同じNo.になってしまいますが、今日が(135)です。

>>518
1コでも、やはりずれてると分かると落ち着かないですね・・・(汗)
521名無しより愛をこめて:2005/08/01(月) 01:03:14 ID:74B5wfzB
浅倉ここへきて、ヘシン!?
522名無しより愛をこめて:2005/08/01(月) 06:56:50 ID:5jlZtJj0
ケータイ文庫ならぬ、2ちゃん文庫発行キボン
523名無しより愛をこめて:2005/08/07(日) 22:31:10 ID:MVC8q6aJ
そろそろ…?
524名無しより愛をこめて:2005/08/07(日) 22:31:50 ID:7mtnpXhU
373 名前: /名無しさん[1-30].jpg 投稿日: 2005/08/07(日) 21:39:00 ID:qN2Z1tZW
見ると痛い目に会うそうなんですがオナガイします。

http://www.2chan.net/test/read.cgi?bbs=hakagi&key=1092264737&st=838&to=844
525Evergreen(136):2005/08/07(日) 23:22:19 ID:czbuX+C+
ごつい男2人が取っ組み合いをしている脇を
小走りで通り抜けていく実加ちゃん。その小さな
後ろ姿にやっと追いつきかけたまさにその時、
一方の男の振り上げた脚を相手が避けた。
空を切った回し蹴りがそのまま唸りをあげて突き進む。
避けた男の真後ろを通り過ぎようとする女の子めがけて。
「あぶないっ!」
俺が彼女の前に飛び出すと同時にいやな音が響いた。
靴の先がめり込んでたてた音だ。実加ちゃんでなく俺の
脇腹に−−のはずだったが、そうじゃなかった。
「・・・・・・あんた、どうして?」
あの赤服のイカレ男が、脇腹を押さえて道路にうずくまっている。
俺の後から来て、実加ちゃんをかばった俺をさらにかばったらしい。
「あの子を止めるわけにはいかない・・・そんなことになれば、
俺にもお前にも、それ以外の者にも救いはないからな・・・ごふ」
「・・・もう、さっきから何いってんだかさっぱりわかんないけど、
大丈夫か?おかげで助かったけど−−おい、しっかりしろったら!」
「俺に構うな・・・それよりあの子を・・・」
そう言ったきり気絶しちまった。気にはなったが、今は
こいつのいう通りにするしかない。再び実加ちゃんの後に
ついて走りだそうとした俺の前に、いきなり黒い影が立った。
「ケンカ慣れしてない奴等は危なっかしくて見ていられんな−−俺が行く」
「・・・誰だよ、あんた?」
赤ジャケットの男の後からさらに俺と実加ちゃんを
追ってきたらしいそいつは、左頬を歪めるようにして笑った。
「女房に頭が上がらない宿六だ。わかったらこいつの介抱でもしてろ」
「・・・なんだよ勝手に決めんなよ、俺も行くって!」
小ばかにしたような口調にむっとして言い返す俺に答えず、
やたら長い黒のレザーコートをひらひらさせながら、
そいつはもう実加ちゃんを追って身を翻していた。
526525:2005/08/07(日) 23:43:03 ID:czbuX+C+
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>521
・・・して仮面ライダーオウガ(別のライダー?)やコクジャ(黒蛇w)
等になるかどうか、よかったらみていてください・・・

>>522
いろいろな権利とか、実際問題としてどうなるんでしょうね・・・?

>>523
お待たせしました、どうぞ・・・
527名無しより愛をこめて:2005/08/08(月) 21:03:09 ID:LVBA1TMg
ライアまた龍騎を庇って…いや命に別状ないよな?なっ?
食らったの浅倉キックじゃないんだから。
528名無しより愛をこめて:2005/08/11(木) 12:59:00 ID:m6W9SGs4
>女房に頭が上がらない宿六だ

女房に頭が上がらないと自覚してる蓮…。
529名無しより愛をこめて:2005/08/11(木) 13:27:49 ID:Y6lJmLv7
>>528
平和そうで何よりじゃないか…。
530Evergreen(137):2005/08/14(日) 23:47:03 ID:lNOD0ToK
走り続ける実加ちゃんのおさげが急に揺れるのをやめた。
前方でかたまって殴り合いをしている多数の男たちに気づき、
さすがに立ち止まったのだ。周囲も乱闘だらけとあっては
迂回するわけにもいかない。でも、だからってまさか・・・
「やめ・・・」
「通してください!」
懸命に追いつこうとする俺の制止が届く間もあらばこそ、
実加ちゃんが何の躊躇もなく声を張り上げる。
その場に似合わぬ高く澄んだ叫びに、荒くれ男たちが
殴り合いをやめて一斉に向き直った。まずい。
「そこを通してください。急いでるんです」
「んだとお・・・?」「ガキだからって容赦しねえぞこのぉ!」
恐れた通り男たち全員の殺気の矛先が、弱そうな外見に
似合わず大胆な闖入者に向けられつつある。ほんとにまずい・・・!
そのとき。
「ザコばかりだが我慢してやる」
実加ちゃんの後ろから追いついたあのいけすかない男が、
嘲るような声とともに眼にも止まらぬ速さで拳を繰り出した。
「ぐわっ!」
一番手前の男が自分の前歯と一緒に吹っ飛ぶと同時に、
黒いレザーコートが投網のように乱闘者達の上にかぶさる。
「来い。車の上から行くぞ」
コートを払いのけようともがいている男どもにはもう構わず、
軽々と手近の車の屋根に飛び乗ると、奴はそう言った。
片膝をついて自分に手を差し出した男を見上げ、嬉しそうに
頷いて近寄ろうとする実加ちゃん。だが、その手をつかんで
引っ張り上げるはずの手は届かなかった。
「こなくそおっっ!」
いち早くコートの下から抜け出したチンピラが奴めがけて
躍りかかり、渾身の力で引きずり降ろしにかかったのだ。
531530:2005/08/15(月) 00:00:58 ID:lNOD0ToK
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>527
放置プレイを食らってしまったところを見ると、
たぶん気絶してるだけ・・・のはずです(汗)

>>528, >>529
ライダーバトルがあってもなくても、蓮の世界はいつも
恵里中心に回っている・・・のかもしれませんね(汗)
532名無しより愛をこめて:2005/08/18(木) 00:04:54 ID:vqLNaXg4
更新キテタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!
つか浅倉までの数メートルが長いよ…頑張れ実加ちゃん。
533Evergreen(138):2005/08/21(日) 23:00:08 ID:scSLH/D8
「貴様・・・!」
何とかルーフの上に踏みとどまって相手を蹴り落とそうと
する黒レザー。だが下から脚に組み付かれた上に全体重を
かけてぶらさがられては持ちこたえられず、ついにバランスを・・・
「ぎゃあああ!」
・・・崩しかける寸前に組み付いた相手が絶叫し、黒レザーの
脚が自由になる。俺がチンピラの背中に後ろから飛びついて、
腕に思いきり噛みついてやったからだ。
「離せえこのぉ!」
目標を黒レザーから俺に切り替えて必死で振り落とそうとする
奴の背中を思いきり踏みつけ、俺は一気にルーフに駆け上がった。
「さ、実加ちゃん!」
さっそうと手を出すが、
「横から割り込むとはいい度胸だな」
黒レザーが下の男を蹴り飛ばしざま、ぐいと俺を押しのける。
「なんだよその言い草は!俺がいなきゃお前・・・」
「助けてくれと頼んだ覚えはない」
しれっとそう言い放つと実加ちゃんをルーフに引き上げ、
「手を放すなよ」
再び黒い疾風となって一気に隣りの車へ飛び移った。
「おい蓮!待てったら!」
俺もあわてて後から飛び移る。


(あいつ・・・)
実加を支えて車の上を次々に飛び移りながら、秋山蓮は
後ろからしぶとくついてくる青ジャケットのことを
ほんの少し気にかけ始めていた。
(俺の名前を呼んだような気がしたが・・・気のせいか)
534Evergreen(139):2005/08/21(日) 23:08:36 ID:scSLH/D8
さっき顔を合わせるまでは一面識もなかった赤の他人だ。
自分の名前など知っているはずがない。自分があの男の
名前を知らないのと同様に。知りたいとも思わなかったが。
と、ロングコートに守られながら懸命に蓮と歩調を合わせて
危なっかしい足場を選んでいた実加が前方を見て叫んだ。
「あそこです!」
道路の真中に近いその一角では、無数の黒服や革ジャンや
セーター等がものすごい勢いで回転していた−−まるで
巨大な洗濯機の中で回ってでもいるかのように。
あまりに乱闘が激しいために、そんな風にしか見えない。
そしてその中心では・・・
鱗の一つ一つからどぎづいほどの鮮やかさを放ちながら、
蛇柄のジャケットが凶暴にはためいていた。


「飛び込んでいいのか、あそこへ?」
「はい!」
「待て、よ!!」
実加ちゃんと一緒に最後のルーフから飛び降りようとしている
あいつに再度追いつき、そう言って俺は実加ちゃんの脇に立った。
「邪魔だ、お前はさがってろ!」
「俺こっちで、あんたそっち。その方が実加ちゃん安全だろ?」
「・・・好きにしろ」
短く言ってすぐ、あいつが叫んだ。
「行くぞ、城戸!」
「おう!」

(なんて答えちゃったけど・・・こいつ、どうして俺の名前を?)
実加ちゃんをはさんで奴と一緒に跳躍する俺の頭に、
一瞬だけそんな疑問が明滅した。
535534:2005/08/21(日) 23:12:20 ID:scSLH/D8
Evergreenの続きをupしました。
読んで下さった方々、ありがとうございます。

>>532
ありがとうございます、おかげでやっとこさ浅倉に辿りつけそうです・・・
536名無しより愛をこめて:2005/08/23(火) 23:00:48 ID:Nj9j12O0
2話キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
毎週乙かれさまです
浅倉登場ですな…
537名無しより愛をこめて:2005/08/24(水) 12:18:47 ID:3CDHSEkR
これ、ラストまで行ったらオンデマンド製本でいいから販売しようぜ。
538名無しより愛をこめて:2005/08/24(水) 12:34:42 ID:nBU7VweQ
>>537
漫画化!漫画化!


MEI(ry
539名無しより愛をこめて:2005/08/24(水) 12:45:07 ID:fNldNC4+
しかしラストがいつになるかなあ。
ここの所ちょっと展開が間延びしてる。
540名無しより愛をこめて:2005/08/25(木) 00:06:18 ID:DTP6Zwv+
>>539
うるさい黙れ。
541名無しより愛をこめて:2005/08/25(木) 08:53:23 ID:xVtobhlS
>>540
いいんでない?色んな読者の声は大事だよ。
542名無しより愛をこめて:2005/08/25(木) 23:17:37 ID:c/navnn9
あのライダー達の激闘が前段に過ぎなかったとは…!
543Evergreen(140):2005/08/29(月) 00:43:59 ID:3IzTKnmq
次の瞬間だった。
凄まじい勢いで回転していた世界が止まったのは。
そして、無数の鏡面の中で黒い板のようなものを
取り出してかざそうとしていた浅倉の幻影が
ひとつ残らず消滅したのは・・・

浅倉の幻影ばかりではない。
実体の浅倉の頭上で次第に存在感を濃くしつつあった
奇妙な動物たち、そしてあの黒い大蛇までが、
その一瞬ですべて雲散霧消してしまったのだ。

「間に合ったか・・・」
路上に倒れた赤ジャケットの青年が微かに眼を開け、
急に明るくなったように見える空を見てそう呟いた。
そのまま、また眼を閉じてしまったが。


「いてて・・・」
最後のダイブで蛇柄服の男のそばに落ちる直前に、
乱闘の渦中にいた誰かの拳を頭にしたたか食らって
気を失ってしまったらしい。
ずきずきするこめかみを押さえながら上体を起こすとすぐ、
奇妙な雰囲気に気づく。まさか−−いや、やっぱりそうだ。
あんなに激しかった乱闘が、完全に止んでいるじゃないか!
いったい、どうして・・・
「殺気が消えたな」
俺の横で、やはり路上にのびていて今気がついたらしい
黒レザーのあいつが呟いた。何かを見つめながら。
つられて俺もそっちを見る。
自分の口がぽかんと開くのがわかった。
544Evergreen(141):2005/08/29(月) 00:45:34 ID:3IzTKnmq
あれだけ暴れまくっていた男たちが、誰も彼も呆けたような表情で
倒れたり、座り込んだりしている。電源を切られでもしたように。
そして、乱闘の中心だった場所には−−
たった2人がいるだけだった。

蛇柄ジャケットの背中を丸めて座り込み、手にした弁当箱の
中身を鷲掴みにして口に押し込んでいる金髪の男。
がつがつとしか形容しようのない食い方だったが、
不思議と貪欲さは感じられない。むしろ男の表情は、
おやつを頬張っている子供のように満ちたりているようにも見える。

男の向い側には、実加ちゃんが正座していた。
男よりもさらに幸せそうな表情をして。
初恋の人に手料理を食べてもらっている女の子だけにできる、
あの至福の微笑みを浮かべて・・・

「み。実加ちゃ、ん・・・・・・」
そりゃちゃんと知ってたさ。こうなるだろうってことは。
ここまで来る途中に、実加ちゃん本人から聞いたんだから。
だけど実際に見たとたん、頭が着信拒否を起こしちまった。

「あの人を止められるのは、わたしだけなんです」
「"私だけ"!? そ、それってどういう」
あのとき、俺に答えて実加ちゃんがぽつりぽつりと
語り始めたのは、今からそう遠くないある午後の出来事だった。
その日も浅倉は暴れていたという。しかも、いつもよりひどいイラつき方で。
そこへ、下校途中の実加ちゃんが通りかかったのだ。
そしてヤクザどもを殴り倒しまくる浅倉の顔と蛇柄のジャケットを
見た瞬間に気づいた−−ついに、自分が巡り会えたことに。
その朝も見たあの不思議な夢の中に出てくる「あの人」と。
545544:2005/08/29(月) 01:26:33 ID:3IzTKnmq
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>536
読んでくださってありがとうございます、幸い今週も2話持ってこられました…

>>537
せ、せいぜい気に入った方にログを取っておいてもらうくらいが
いろいろ面倒がなくていいかと(汗)

>>538
今からでもマンガオリジナルの龍騎とか、描いてくれないでしょうかね?

>>539
いつも読んでくださって嬉しいです。とりあえず、今回で乱闘の
クライマックスは過ぎたので、あとは戦後処理を少し書いて
ラストに行くつもりです。なのでもうちょいお待ちくださると嬉しいです・・・
(160前後で終るとは思うのですがorz)

>>540
やはり、いつも読んでくださって嬉しいです・・・ラストまで
楽しんでもらえるようにがんばりますね。

>>541
たしかに、読んでいる方からの意見をダイレクトにいただけるのが
2chのいいところですものね・・・

>>542
いえ、あれはメインディッシュだったのでそろそろ終りです。ほんとでつ(汗)
546名無しより愛をこめて:2005/08/29(月) 02:26:34 ID:h4uRLkw3
おお、更新また2本。乙彼です!ようやく到達したかw

ところでこの実加弁当って、自分の昼食分をあげちゃってる?
それとも浅倉用に毎朝1個余分に作ってるのかな?
いずれにしても実加ちゃんの労力と材料費が思いやられるw
547名無しより愛をこめて:2005/08/29(月) 09:36:53 ID:pTZ8n/dj
最終回ラストの浅倉は「人殺しをしていないチンピラ」っていうのは
そうか、彼女のお陰だったのか!
548名無しより愛をこめて:2005/08/30(火) 17:16:21 ID:MjHDF60w
また目を閉じて気絶モードに還ってゆく手塚にワラタ
549名無しより愛をこめて:2005/09/04(日) 17:44:05 ID:LQ7U2IqJ
新作乙です。
浅倉の飢えは肉体よりも心の方から来る物でしたか。
550Evergreen(142):2005/09/04(日) 23:59:12 ID:i1bvwwbX
気づいた瞬間、実加ちゃんは駆け出したという。
浅倉に向ってまっしぐらに。
「なにやってんのみかーーっ!」「戻りなってばあーっ!!」
一緒にいた友達の上げる悲鳴も耳に入れずに。
その日家庭科の授業で作り、余ったので持ちかえる
つもりだった焼蕎麦を詰めたタッパーを手提げから
取りだし、フタを開けながら。

そして−−浅倉に一方的に殴られ、道路に昏倒していた
ヤクザたちが我に返って最初に目に入ったのが、
今と同じ光景だったというわけだ。

「ど、どうしてあいつの腹が減ってるって分かったの?」
度肝を抜かれた俺の質問に、実加ちゃんは困ったような顔をした。
「・・・よくわからないんです、私にも。ただ、暴れてるあのひとが
すご辛そうに見えたから、何とか救ってあげたい・・・夢の中で
いつも、怯えている私を救ってくれたあのひとを、今度は私が。
それだけを考えていたような気がします」
「・・・・・・」

ともかくその日から、実加ちゃんは街の「女神様」になった。
なにしろ、今まで誰もなだめられなかった街のケタはずれな
乱暴者を、1食分の焼蕎麦だけで鎮めてみせたのだ。
ヤクザどもが実加ちゃんと実加ちゃんの作る焼蕎麦に寄せる
信頼と尊敬の念は確かに宗教的としか言いようがなかったし、
実加ちゃんの「霊験」も決して彼等の尊崇を裏切ることはなかった。
なぜならそれ以来、浅倉が特にひどく暴れ出すと、ヤクザたちは
必ず実加ちゃんに助けを求めて事無きを得るようになったからだ。
551Evergreen(143):2005/09/05(月) 00:01:14 ID:+7mTsEkN
「お願いですセンセイ方っ、ほんの少しの間女神様にご迷惑を
おかけしねえと街があぶねえんです、だからどうかどおお〜か・・・
あ、少ねえですがこちらも取っておいておくんなせえ。迷惑料で」
焼蕎麦用の食材一式、そしてあろうことかトランク一杯の現金を
持参して授業中に学校に乗り込み、土下座して頼み込む
ヤクザたちに初めて対応した中学校の教員たちの困惑と恐慌は
想像して余りある。が、街の平和のためという崇高な目的、そして
大きな声では言えないものの札束の力の前に、とるべき道はひとつだった。

一、「きわめて特殊な非常事態」が起きた場合、本校は
   街の「困っている方々」に協力すべく、本校生徒である浜崎実加が
   非常事態の現場に急行することを特別に許可する。
一、上記許可に伴い、「街の平和への貢献」の一環として、
   家庭科室を浜崎実加と「困っている方々」に開放する。

校長室の金庫にはこの二条を記した紙が、「困っている方々」との
契約書、兼「裏校則」として厳重に保管されている・・・らしい。
実加ちゃんの友達から実加ちゃん自身に伝わったうわさでは。

*** *** ***

城戸真司は、知らなかった。
彼の隣りの秋山蓮も。

「ああ・・・私はなんという悪徳警官に成り下がって・・・」
ズタボロになった制服姿でよろよろと歩道へ戻りかけながら、
虚ろに呟く須藤雅史も。無理もなかった。
乱闘を制止しようと道路へ出たものの、あっという間に
その乱闘に巻き込まれてしまい、制止するどころか自分の身を
守るために一般人をさんざん殴りつけてしまったとあっては。
552551:2005/09/05(月) 00:15:15 ID:+7mTsEkN
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>546
ありがとうございます、おかげでやっと着きました。
ヤキソバの費用については、今回の通りですw
(でも実加ちゃんの労力は確かにかかりますね)

>>547
TV版の最終回でも、浅倉は結構幸せそうな顔してましたよね。
実はやはり実加ちゃんが絡んでるという設定が・・・あるのかな?(汗)

>>548
だんだん狂言回しというより、お笑い要員にしてしまってるようで
申し訳ない気がします(大汗)好きなキャラの割に・・・


>>549
ありがとうございます。お察しの通り、いつもより浅倉がひどく
暴れるのは心の飢えが主な原因ということにしてます・・・
553名無しより愛をこめて:2005/09/05(月) 07:30:56 ID:inCk4PfW
>「なんという悪徳警官に成り下がって・・・」
乱闘に参入しただけなのにね須藤・・・・・
554名無しより愛をこめて:2005/09/06(火) 09:47:12 ID:PJxkdAWJ
龍騎と言うと劇場版の悲劇があたまをはなれない美穂(ファム)の死に方が
残酷すぎる。美穂が可愛かっただけに大ショックをうけた。でも龍騎の劇場版
て暗かったな。
555名無しより愛をこめて:2005/09/06(火) 11:03:37 ID:kfD6+goA
>>554
「でも」の使い方がおかしかないか?
556名無しより愛をこめて:2005/09/07(水) 22:30:44 ID:wh9QAk6n
Evergreen本編の雰囲気と馴染みすぎww
こんだけ自然にシーンが浮かぶSS初めてかも
観た気になる

次回のupまで間があるのでそれまで
不肖のSS置いとく

TV版最終回のナイトxオーディン戦が不満だったんでその話
557名無しより愛をこめて:2005/09/07(水) 22:33:15 ID:wh9QAk6n
死んだのか・・・城戸。

オマエ、俺に生きろといったな。
そうするさ。
生きていたい・・なんか悪かったな、最期まで。

しかし
城戸、俺は闘う。
ライダーとして。恵理のために。
・・・それに散っていった友のために。そう思っていいか?

さよならだ城戸。
或るいは、すぐに会うかもしれんが。

■金と蒼〜ナイトVSオーディン最終戦〜■

558名無しより愛をこめて:2005/09/07(水) 22:35:34 ID:wh9QAk6n
林の中に二人の騎士がいる。
「サバイブ」
凄まじい竜巻が一瞬で収束し、そこに降り立つは闇の輝きを放つ蒼き騎士、
仮面ライダーナイトサバイブが四度目の対峙になる、最後の敵にダークブレードを構える。
対峙する黄金の装飾を施した仮面ライダーオーディン、その感情は読めない。いや、ないのだろう。
何もしなければ永遠にそこに在るのだろうか?

しかし、時空を裂く金属音が響くと、ゴルトセイバーがオーディンの手に収まる。
いない
瞬間移動。無論ナイトは予想済み。蝙蝠のライダー、舐めるなレーダーには優れt・・
「ぐわわっ!!」
太い、鋭いモノ。
冷たいモノ。
それが背を抜けた。
「ぬぐっ!?」
いや、正面か?のけ反りたいのを無視し、横薙ぎにダークブレード・・いない。
ぎいん
叫ぶ間もなく、刃が斬りつけ、鎧砕ける、激痛の雨。
右?いない前?いない後ろ?いない左?いない上?いない下?いないどこだ?
ぎいんぎいんぎいんぎいんぎいんぎいんぎいんぎいんぎいんぎいん
浅倉よりむかつくいてぇ
559名無しより愛をこめて:2005/09/07(水) 22:40:15 ID:wh9QAk6n
「ブラストベント」
びょうっ!
ダークトルネードの怒涛の竜巻が林を突き抜ける。
ナイトはオーディンがそれをかわす一瞬を狙う。が、オーディンは速い。まえか
がきっ!
刹那、ゴルトセイバーの直撃を胸に食らう。息が止まる
撥ね跳んだ一瞬、意識が白くなる
が踏み止まる。そこは憶えていない

オーディンの猛撃は再開。さながら機関銃のように絶え間なくナイトを打ちつけ、その身を焦がす。
パチンコ玉のように、はねては打たれる。わけが分からない
まだ一分もたっていない。ナイトは今までの喧嘩の報復が来たのではないかと、
一瞬疑いたくなる。そう考える余裕さえ欲しい。何も見えず、ただ痛い
それでも致命傷を避けたのは、一年に及ぶ死闘が、無意識に身をかわす術を刷り込んだから。
560名無しより愛をこめて:2005/09/07(水) 22:50:29 ID:wh9QAk6n
がきっ!
木を背にし、ナイトはダークシールドでオーディンの猛撃を一瞬だけ止める。
間を置かず、一連の動作でダークブレードで斬りつける。離れるオーディン。逃がすかバカ
「ナイトウィング!」
ぶわっ!
ナイトは背後の木を折れるほど蹴りつけ、空中高く舞い上がる。オーディンが見えた!

「ファイナルベント」
疾風断ではない、飛翔斬を打ち込む。一度はこうして倒した。まして今はサバイブ
「ガードベント」
ずずんっ!
直撃、爆音、しかしゴルトシールドに防がれた。ナイトは弾かれるが、オーディンも衝撃を抑えきれない。
転がり木に打ちつけられるオーディン。金色の盾は砕けた。まだだ
「シュートベント」
隙を逃さずナイトはダークアローを撃ち込む。オーディンのいた場所が吹き飛ぶ。
同時、オーディンはナイトの背後。ゴルトセイバーで突・・
「ナスティベント」
561名無しより愛をこめて:2005/09/07(水) 23:17:52 ID:wh9QAk6n
「keeeeeeeeeeeeeeeeeeeen!!」
ソニックブレイカー。ナイトは予めシールドとブレードの双方にカードを挿していた!
ダークレイダーの超絶響音が辺りを裂き、たまらずオーディンは剣を落とし悶える。今だ!
振り返るのも煩わしく、ナイトは咄嗟に後ろ蹴りを放つ。
めきっ!
屈みこんだオーディンの頭部に炸裂、ヒット、ぶっ飛ばした。
ひぃっ!これはナイトの歓声。コンマの間に喜ぶ自身を抑えて、
「アドベント」

消え去ろうとするオーディンの刹那、ダークレイダーの巨体が突撃し、
ごきんっ!
オーディンの胴に噛み付くと、地面から垂直に上空へ、天も貫かんと駆け上る。
ごぉぉぉっっっっ!
ナイトもダークレイダーの背につかまる。風圧がマスクを叩くが気にならない。
562名無しより愛をこめて:2005/09/08(木) 00:08:34 ID:lzV+HF6d
上昇しながら、ダークレイダーは疾風の刃を身動きできないオーディンにゼロ距離から撃ち込みまくる。
「オオオおおおおおおっっっっ!!!」
オーディンの無機質な絶叫。黄金の絢爛な装甲はもはやボロキレと化していた。
「ダークレイダー!」
ナイトが呼びかけるとダークレイダーは、勢いつけて朽ち果てたライダーを放る。
もはや糸の切れた人形であった。さぁとどめ・・
Shuuuuuuuuuuuuuuuu・・・・・・・・・
直後、空中で霧散するオーディン。さっきのは断末魔の叫びだったのか・・・

地上に立つと同時に膝をつくナイト。
息も荒い、感覚も鈍い、が安堵する。なんとか・・・
「ファイナルベントを出される前に倒せたか」

ぞくりっ
凍りついた。今のは俺の声ではない。
「量産型だといったな仮面ライダーナイト」
傷一つない金色の騎士がいた。感情のみえない声でナイトに言った。感情などないのだ、心などないのだ
しかしナイトを戦慄させたのは眼前の存在ではなかった。辺り一面から放たれる輝きだった。

「おい、9人でオーディンは終わりか?」
とりあえずそういってみた。
563名無しより愛をこめて:2005/09/08(木) 07:00:37 ID:kqcTyyv2
一気で読みました。「9人で終わり」に参った・・・・
確かに、”全裸の自爆”じゃあ・・・・・
最終回、1時間スペシャルで、オーディン戦にもこれだけ時間を割いてほしかったですね。
ありがとうです!
564名無しより愛をこめて:2005/09/08(木) 09:52:29 ID:lzV+HF6d
つづくって書いとかないと終わったと思われてしまうww

金と蒼、まだ終わりじゃないぞよ
もうちっとだけ続くんじゃ

ナイトウィングはナイトサバイブのマント、念のため
あと、映画でダークレイダーが撃った衝撃波、
あちこち探したんだが技名分からず終い
565金と蒼7:2005/09/08(木) 10:32:53 ID:lzV+HF6d
多い。オオイ。数が多い。カズガオオイ。
ナイトは強欲な金貸しが金を確かめるように、一秒にも満たぬ間に何度も数えた。ピカピカ目にわるい
切り替えろ。ここからは消耗戦、俺が圧倒的に不利、ならば知れ
敵は9人。オーディンが9人。トリックベントでないとセンサーが告げる。9対1これ現実。

「13人目はまだいない」
「我々もオーディンではない」
「オーディンは誰でもないライダー」
「だが誰か」
「選ばれし者」
「最後のライダー」
「闘い続け、生き残った者」
「オーディンは器」
「神崎優衣を救うための」
金色の9人はいった。ナイトは悟る。オーディンは誰か
566金と蒼8:2005/09/08(木) 11:36:23 ID:lzV+HF6d
「72秒前、おまえを残し全てのライダーが倒れた」
「仮面ライダーは完成する」
「残る一人を最期に」
「儀式は完成する」
9人の声が揃う。
「「「「今こそ最強のライダーの命を!」」」」」
「「「「仮面ライダーナイトを仮面ライダーオーディンに!」」」」」
「「「「新たなる命に!」」」」」
化け物め。オーディンの肉体は死んだライダーたちを復元したのか。・・・死して、まだ闘わせるために。
この闘いで、俺の命を、全てのライダーの命を結晶化させる、それが新しい命。
・・・ モンスターが人間を喰らうように、生命という花は直接奪うことでのみ、得られる

「ソードベント」
18本のゴルトセイバー。その剛剣がぬらりと、ナイトをじっとみつめる。絶命絶対 ───
些末なこと。今のナイトに状況だの、数だの、力だの、体力だのと───アホラシイ?
死者さえも扱う、許しがたい、命を弄ぶ神崎士郎、憎い。ニクイ。何が憎い?ナイトの魂は憎悪で溢れだ・・
「おきゃあああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
溢れ出した。
567金と蒼9:2005/09/08(木) 12:33:52 ID:lzV+HF6d
「ソードベント」
ナイトサバイブが巨大槍ウィングランサーを召還。同時、ナイトウィングを広げ、
地上から低滑空。オーディンの頭上をすり抜ける。静観する9人
「トリックベント」
シャドーイリュージョン。林間を飛びながら分身を繰り返す。5,10,20,40,80,,,,,,
各々が変則的な動きをしながら、オーディン9人に渦を巻いて近づいていく。

9人のオーディンが消える。構うかそのために数で囲んだ。相打ち覚悟のうち。来い



ふわっ
金色の羽が一面視界を埋め尽くす。蝶の大群か?と思う豪華なシャワー。
瞼の裏まで焼くといわんばかりに強烈な閃光。金キラキラキラ金ぴかぴか金テカテカ金──────
ばちぃぃぃっっ!!
爆ぜた。
空中を舞う金の羽は飛び回る大勢のナイトを一斉に爆ぜまくった。
まるで花火。目も眩む火花の開花が、林一帯を凄まじい花火会場に変える。
爆音は自らを称えるように喚声を上げ、相殺し、音の波はもはや静寂の域に達しているか。
568名無しより愛をこめて:2005/09/08(木) 13:26:45 ID:BSfQ7Jl4
お、新連載!?
文体にスピード感あるのと、あの最終戦の真相という盲点を突いてるのが良いですなー。
たしかにTV本編のアレじゃ蓮が勝算ゼロの自暴自棄で挑戦したようにしか見えんかった。

あと“9人”というのは蓮、オーディン、北岡(病死)、リュウガ(パラレルワールド)を除いた人数なのかな?
569名無しより愛をこめて:2005/09/08(木) 16:07:43 ID:2C48jFET
本編35話で一体、49話で一体、この小説の6で一体の合計3体倒してる。
で、13人目はいないから残り九体ってことじゃないかな。

しかしどっかでみたような文体で繰り広げられるライダーバトルが面白すぎる。
570金蒼作者:2005/09/08(木) 18:21:09 ID:lzV+HF6d
レスを返したいが連載中に
余計なこというと適わんのでコメント控えるぜ

疑問点はバシバシ突いてくれるといい
作中でフォローしていけたら嬉しいものだ
571名無しより愛をこめて:2005/09/08(木) 19:54:31 ID:Rzl5WF3s
>>570
>疑問点はバシバシ突いてくれるといい

よし。言いたい事は

・相変わらずの悪い癖だな、書きながら張るな。

・読んだ人に章の終わりを知らせる為に、区切りのよい所で『続く』とか『終』とか入れろ。

・ある程度書き溜めたり書いた文がどのくらいのレス量で終わるかあらかじめ判ってるなら
 (5/8)とか題の隅にでも入れて、読む人に負担をかけるな。

・内容の感想については、お前がまたファビョりそうなので書かない。

以上だ。
572名無しより愛をこめて:2005/09/09(金) 09:05:14 ID:24GFh1j+
>>570
貼るなら謙虚にな。
573名無しより愛をこめて:2005/09/09(金) 11:42:34 ID:Spyk8MjQ
金蒼さんって既出の誰かと同一人物なのか?

文体から察せられなくもないが、もし私の推測が正しいならば
素直に「よくぞ腕を上げた!感動した!」と言ってやりたい希ガス。
574金蒼作者:2005/09/09(金) 14:16:15 ID:aYg/eQoS
必ず云われるとは考えていたが・・・こんなに多いとはorz
みんなレクイエムさんか、願いさんだと思ってるねぃ?
おいおいオイラァ別人だぜみんなよぉ  

悔しいねぇ、しかし混同されるのは個性が薄い証だぜコンチクショウ
精進して認めさせてやる!期待してなぁ!

別人だと分かった暁には
リュウガの台詞言わせてもらうぜぇw

>>571
ご指摘感謝だい 内容の感想もいっていって

もちろん感想いってくれたみんなもホントーにアリガトー────!!
そこにレス返さんのはホント失礼でしたー!
めちゃくちゃ嬉しかったんだよー・・・
・・・もとい、すこぶる嬉しいじゃねぇかい



575金と蒼10:2005/09/09(金) 14:36:59 ID:aYg/eQoS
叫乱。混沌。核爆発。
ミラーワールドの旧神崎邸前の林は灼熱と疾風がミキサーの如く
混ざり、溶け、弾け、発生しては掻き消える。
ナイトサバイブの分身はさながら巣に群れる蜜蜂の様相で、
───今ドコを飛んでる?
瞬間移動を繰り返すオーディンに延々とまぐれ当たりを狙う。
絶え間ない熱と光で視界はおろか、感覚も薄れていく。
それでも・・・
ダークブレードを振るい、ウィングランランサーで叩き、ダークアローを撃つ。
中には樹や地面に攻撃を繰り返す分身もいる始末。
しかし、神々しいばかりの金の羽の舞
やまず。ただやまず。いささかもやまず。フンやってやるさ


十秒───
長い時が過ぎ──────────
十一秒─────
まだ終わらないのか。最中か。
全く、どうもあと一年だ、十年だ、て話じゃないな。ばか
とんでもないことになってきたな。
凄いだろう?
ああ。
そういえばみんな死んだのか。
十二秒─────
576金と蒼11:2005/09/09(金) 14:49:31 ID:aYg/eQoS
「既にミラーワールドに時間制限はない」
いわれてみれば痛みとは別に、
エネルギーが尽きる気配はない。

オーディンの輝く声が語る。
「死んだライダーはオーディンの素体として再利用されるが」
「そのオーディンを既に3体下しているナイト」
「おまえにもその3体分の生命エネルギーは供給されている」
「人の命をモンスターへ、その力をライダーへ」
「そしてライダーを戦わせ、全てを最後の一人へと結集させる」
「その循環の過程で新たなる命は完成するだろう」
「それこそがライダーバトルという儀式」

成る程、神崎士郎の狙いは最後の一人をオーディンにすることで、
最強の魂、優衣にそれを送る、そういうことか。ならば恵理─
「最後の仮面ライダーオーディンは秋山蓮、おまえだ」
わめくな。

577金と蒼12:2005/09/10(土) 00:59:50 ID:LV7DeK/6
「仮面ライダーシザースだったオーディン」
「仮面ライダーガイだったオーディン」
「仮面ライダーライアだったオーディン
「そのエネルギーはナイト、おまえに送られた」
「仮面ライダーナイトが死に」
「オーディンとして復活したならば」
「最強のライダーになるだろう」
金色の9人が無機的に笑う。気味がわるいぞ

爆ぜる。
・・・糞、最強などくだらん。が、それなら俺は──
「俺は
最後のそして最強の騎士

仮面ライダーナイト」
ふと、城戸が傍にいるような──



爆音で掻き消えた。
578金と蒼13:2005/09/10(土) 01:13:05 ID:LV7DeK/6
───風がやんだ。

膨大な火花の黒煙が去ると、ナイトサバイブはを消え・・・・・・・
見渡せば、林だったその場所。
しばしまえの影さえ残らず、焼き消えていた。
焼け野原か、いや、砂漠だ。
9人のオーディンが辺りを仰ぐ。皆、無傷無言無感動。

「ファイナルベント」
静寂を破り、地平線の彼方からダークレイダー・バイクモードが降臨、
動きを封じるハイビームが一線閃く!
「くぬぅっ?」
「くおぁっ?」
「きぇぁっ?」
撃ち込まれた黄金のライダーが叫ぶ。

何と・・・・、オーディンはまるで整列するように、ハイビーム直線上にいた。
シャドーイリュージョンの総攻撃はこの一瞬の配置、そのための芝居!
所詮は人形貴様は死ぬまで何度でも油断するそこがアキレス腱殺しうる毒

ナイトサバイブの紋章がオーディンを刺すっ貫くっ駆け抜けるっ。
「ぇぇぇぇ・・・」
ナイトの裡から獣が啼く。
「ケェぇぇぇぇぇぇっっっ!」


579金と蒼14:2005/09/10(土) 01:15:02 ID:LV7DeK/6
そして・・・、
9人のオーディン、ついにその全てを完全に固定。

「ずわわっ!」
もはやオーディンはかろうじて叫び。
息さえ許さぬ速度で、疾風のダークレイダーは今や漆黒のミサイルと化し、
猛然と焦土を滑るぅー─────────


DOOOOOOOOOOOOOOOONN!!!



               吹き飛んだ。
580金と蒼15:2005/09/10(土) 02:01:39 ID:LV7DeK/6
全力だ。
これ以上はあるまいという全身全霊、体力と精神の臨界点、
そこにさらに
雑巾を破るほど絞る如く、力を出す。出す。出す。出す。出す。出す。
出た。
これ以上は・・・笑うしか
ははは・・・ふふふふふふふふふ
ひはひあひひひひひひひひひひひひひ

フゥッ。

いいかげん終わればか

Keeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeen
耳障りな吃音が木霊すると、やはりそこにはいた。
オーディンがいた。
せめてもの救いは、奴が最後の一体というべきか。やれやれ
581金と蒼16:2005/09/10(土) 02:07:04 ID:LV7DeK/6
「一つ教えてくれないか?」
気にかかる。単純な疑問。しかし解けない。
「おまえはかつて自分が、オーディンが13人目のライダーといったな」
乾いた声が返す。声色にダメージはない。
「そうだ。そしてオーディンはライダーの最後の一人を指す」
「俺を13人目の、完全なオーディンにしたい。
つまりオーディンもライダーの数同様13人、そういったな」
「そうだ」
「しかし最初に示されたライダーが13人。おまえを除けば12人。
オーディンの13人には1人足りないぞ?」

そうだ。城戸が頭をよぎった時、疑問の糸はあらわれた。
まぁ直接聞く位なら、解決したくはなかったがな
「最初のオーディン、最初の仮面ライダーは誰か?
それを知りたいか」
なんだ。案外、いい違えただけかと勘繰ったんだがな

「いいだろう。最後の仮面ライダー、私を見ろ」
オーディンはベルトからデッキを抜く。
Gakin.
正直、その隙に斬りかかりたかった。が、感覚はとうに消えていた。
Pakiiiiin.

ナイトはその顔を見た。

*********************

ゴルトセイバー直撃。吹き飛ぶナイトサバイブ。死ぬ・・・俺はここで死ぬ・・・
仮面ライダーオーディンがカードを読み込む。
「ファイナルベント」
582金と蒼17:2005/09/10(土) 02:12:33 ID:LV7DeK/6
闘わなければ生き残れない

          
────────────────金と蒼END────────────────
583金と蒼あとがき:2005/09/10(土) 02:29:40 ID:LV7DeK/6
えらく半端な終わり方だとお怒りでしょうか

エターナルカオス、オーディンの正体
全てを描ききったとはとてもとても思えませんね
というか半分にも達してないな

しかし、もうナイトがもうボロボロなんで
あとは間延びするだけだと思うんだ
あとオーディン強すぎ・・・


ここまで読んでくれてありがとうございました

もう寝ますね
584名無しより愛をこめて:2005/09/10(土) 06:51:28 ID:fRGPBj/4
おはようございます。
先日はどうも、お話の途中でレスしちゃったようですみません。
何度も書きますがテレビ版は時間制限あって仕方ないと思うのですが
士郎の自爆でいいの?こんな勝ち方でいいの?とは思ったので、
結果的に蓮は最後のオーディンに手をかけていないわけで。
49話・50話のディレクターズカット版の1シーンかもと思いつつ読みました。
ありがとうです。
585名無しより愛をこめて:2005/09/10(土) 11:17:48 ID:LV7DeK/6
>>584さんは>>563さん?
最初のレスなのですんごく励みになりましたよ
おかげで幾分落ち着けました

‘金と蒼‘はご想像通り最終話の補足を想定しています

>>568
自分は中編書きかな
週一作upできればいいかな(あくまで希望的観測だよ!)

>>569
大先生のでかさをつくづく思い知ります

>>571->>573
>余計なこというと適わんのでコメント控えるぜ
は作品については作品内でのみ語りたいって意味だったんですが
誤解されたようですな。オイラは最近来たばっかです
とはいえ真っ当なご指摘は感謝
心配してくれる人間がいなきゃ獅子舞だとマンガで読みました

現在SS書きが自分を含めても2人、
目指せ13人!
586名無しより愛をこめて:2005/09/10(土) 11:33:39 ID:9niY+4qW
おもしろい基地害スレ発見
そこはまさに脱毛スレ乱立戦国時代
他の脱毛スレ群に宣伝工作するオキャ魔池沼とその腐れ一味が吠えまくる。
スレちがいだったことに・・・
騙されつづけるホモ・オカマの脱毛愚民たちの嘆きがとびかうことでしょう。


今こそ闘え、オキャ魔池沼スレに聖なる鉄槌を・・・がテーマでぇーす
とりあえずこのスレをいじって野次ってあげて
ください。オキャ魔池沼は、本当はかまってちゃんな
いじられるのが好きな超Mですからぁ。
野次が広がれば、余裕かましたオキャ魔池沼もムキになり
はじめるでしょう。それが笑えるはずです。清き鉄槌を夜露死苦!

おっそこの煽り叩きの鏡の君たち、衰退してたらだめだよ、はぁーい
皆さん、オキャ魔池沼をはじめとするスレ叩きに参加しましょう。
いまがいちばんやりがいがあって面白い。ルールは、オキャ魔池沼の自演や
オキャ魔の悪魔のささやきに一切真にうけることはなかれです。
管理側にも見放されたスレだから、無法地帯です。やりたい放題楽しいよ。
では、アスキーアート貼り付けしまくり、スレやオキャ魔に対する
芸術的煽り叩き、歓迎gogogo!!!


■Gay Only■ゲイが語るレーザー脱毛■
http://love3.2ch.net/test/read.cgi/gaysaloon/1123485145/
587名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 19:51:19 ID:aX5eQceG
夢枕獏ですか?
588名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 01:27:55 ID:1EvZVetm
Evergreenイカスー! こんなスレがあったとは・・・一気読みしちまったぜ
本性あらわしまくりの高見沢総帥にバカウケ。もうちょい気取って話すときとの落差があればいいかも
589日本ランド:2005/09/11(日) 13:42:34 ID:lvBwv6rd
新作upいくよ〜!

時系列としてはTVSP→映画→TVという説を参考に作っとります。

TVSPその後のお話
そんなに長くないよ
590時黒:2005/09/11(日) 13:49:11 ID:lvBwv6rd
■時の行方、暗黒の希望〜TVSPその後〜■


城戸真司が成るナイトサバイブを7人のライダーが囲む。
挿されるカード。応える奇音。
「「「「ファイナルベント」」」」」
ダークブレードとダークシールドだけを武器に向かう真司。
俺は、闘う。蓮の意思を継いで!死ねないんだあっ
「あああああああああああああああああああああああああああ」

地下駐車場は轟音で揺れに揺れた。
ナイトサバイブ───城戸真司は倒れた。
そして


彼の傍らには影が起っていた。
仮面ライダーリュウガ。

突然、リュウガのドラゴンライダーキックが
オーディンに叩きこまれ吹っ飛ばしたのだ。
城戸真司は強烈な爆風で地に叩きつけられた。
だが闇の鎧を纏うライダーが彼を救ったのは明白であった。
591時黒2:2005/09/11(日) 13:52:01 ID:lvBwv6rd
予想だにしない展開に場の空気が揺らぐ。
その隙を突き、ドラグブラッカーが稲妻のように他のライダーに猛威を振るう。
弾き飛ばされるライダー達。
「おいおい、話が違うんじゃない?」
「ハァ〜ッ・・・楽しくなってきたな」
余裕のゾルダ、恍惚の王蛇。

だが他のライダーは激しい混乱に襲われる。
もともと浅い結束が、唐突に崩壊したのだ。疑念、不審、恐怖、さらに

「ちょっとぉ、なんでモンスターが!?」
前後から、左右から、はては天井を這うモンスターの大群。
地下駐車場をモンスターが溢れる、なだれ込む、埋め尽くす。
周囲を飛び交う奇声。
gigigi,gaga,vuuu,zozooo──────────────
コアミラーの危機を察知し、
今やミラーワールドとコアミラー双方から怪物の波が押し寄せてきていた。
「何なんだよ、一体ぃ!」
「僕の邪魔をしないでよ・・・」
592時黒3:2005/09/11(日) 13:58:25 ID:lvBwv6rd
一方、
地下駐車場を襲ったモンスター群をなぎ倒しながら現実に脱出した真司。
鏡の向こうにリュウガが見える。

「おまえ、一体何なんだ?どうして俺を助けんだ?てゆうか誰なんだよ?」
リュウガがぶっきらぼうに答える。
「今はまだだ。まだ何者でもない、・・・鏡の中の幻だ」
「え?」
辺りを仰ぐリュウガ。考えたのち、
「この時間はリセットされるな。神埼士郎の望む展開とは異なってきてる」
「えぇ!?誰だよ?」

「聴け。
鏡に映る自分、それを作る光、それは複雑な角度、様々な形、多くの色から生まれている。
時間もまた同じ」
よく分かんねー・・・、てかリセットって何よ?
「時間を戻されても、起こした事実は運命となり、再び未来に影響を与える。
すでにかつてのライダーの戦いでゾルダと王蛇は
'永遠の命'と'永遠の闘い'を叶えている。時間を繰り返すことによってだがな」
時間を?とにかくライダーの戦いは長いってことか・・・
「おまえが今度の戦いを制すれば、いずれ再びライダーとなり、秋山蓮を救うこと、
大切なものを守ること、ひいてはライダーの戦いを終わらせることさえ可能だろう」
593時黒4:2005/09/11(日) 14:02:26 ID:lvBwv6rd
話の内容は半分も理解できなかったが、希望があるのは分かった。
「ほ、本当かよソレ!
蓮も、ライダーもみんな助けられるのか!」
「あくまでおまえ次第だ。
とにかく、今は勝つこと・・・来たか」
リュウガが笑う。真司はその態度が気にかかるが、自分を身構える。

ミラーワールドのリュウガの前にはタイガ、インペラー、そしてファムがいた。
正確には不意打ちを狙っていたが、リュウガが察知したために姿を現したのだ。
「変身!」
真司も仮面ライダーナイトになると、リュウガの隣に立つ。

「おまえらぁっ!今ならまだ許してやるぞっ」
真司が勇んだ数秒のち、3人は蓮のことと気づく。が、大した反応もない。
「別に許されなくてもいいんだけどな」
「な〜んか甘いね、あんた」
「ライダーを馬鹿にしてるの?」
真司の期待した反応はなかった。少し落ち込む。

「いいか城戸真司。おまえは白い剣士を倒せ。
情けは無用だ。秋山蓮を忘れるなよ」
リュウガが動く。真司の心もまた蓮への思いで沸き立つ。
「おまえは死ぬなよ!・・・ぇ〜と、ライダーブラック!」
リュウガが笑う。
「クク・・真司、いい名だな」
遠くから爆音が響く。向こうでも始まったか
594時黒5:2005/09/11(日) 14:06:54 ID:lvBwv6rd
「ウおおおおおおおああああああああああああああ───────────────」
王蛇のファイナルベント、
べノクラッシュがゾルダを猛スピードで強襲する。
が、ゾルダは冷静に敵を見据えると、
ギガシュートを構え空中の王蛇にぶっ放した!!

GOOOOOOOOOOOONN

はじき返された王蛇は、一瞬前に見た景色を逆送りで見る。
それが最後に見───
そのままベノスネーカーの口中に頭から突っ込んだ王蛇は、
激烈な強酸で全身をチーズのように溶かすと、敢え無い最後を遂げた。
ベノスネーカーも頭蓋を砕いて爆発する。


「はぁ、今日はこのくらいでいっか。帰ったら吾郎ちゃんになんかうまいモン
・・ぅぅっっ!!」
ゾルダは強烈な目眩に襲われると、その場に崩れ落ちる。
アスファルトの硬さを感じながら、最後に見たのは自分に迫る大量のモンスター群だった・・・。
595名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 22:32:25 ID:V7Jc5Mv0
>>589
乙ですGJです!!
確かにリュウガならオリジナルの真司を助けても可笑しくは無いですね。
続き待ってますorz
596名無しより愛をこめて:2005/09/12(月) 00:10:11 ID:pJV8+2eK
とにかくこの書き手が忠告を全然理解してない奴なのは判った。
今回の場合は「時黒(1/5)〜(5/5)」とスレタイに付けるべきだった。

途中ならなおさら(4/10)とか入れておかないと、
レスのどこまでが終わりか判らず
勝手な割り込みになる事に気をつかってレスが控えられたり
感想も別なレスへのレスも付けにくくなる。

つまり
実質スレが「終わり」の文字が来るまで
この書き手に占有されスレの流れが止まる事になるわけだ。


今回も話の途中臭いので
感想を入れた人は作品が終わった後で
作者の一人語りで「割り込み」した事にされて気まずい思いをするだろう。

この作者は、自分が語る事ばかり考えて
読む人間やスレ全体への気遣いができてない。

自己中心的な奴だという事はよく判った。
597Evergreen(144):2005/09/12(月) 00:27:49 ID:A0jE2Nwf
「・・・事件や事故のひとつやふたつ起こる恐れが
あることくらい、私にも予測できたはずです。なのに私は・・・
ただただ暇を持て余して退屈だとしか考えていなかった。
同僚や上司に相談して警備と交通整理のさらなる強化を
図ることもできたはずなのに。だからいざ非常事態となった時に
動転してしまい、自分の勝手な判断で現場に乗り込み、
あまつさえ乱闘の当事者に・・・もう警官として終りです、私は。
これから本庁に出向いてすべてを報告し、しかるべき
処分を待たなくては・・・・・・」
「おい、そこのおまわりさんよ」
「・・・はい?」

知らなかった。
幽霊のような表情で歩いている過剰に生真面目そうな
警官に向って横柄に声をかけた、高見沢逸郎も。
かつては高級スーツだったらしいボロをまとい、
べこべこになった巨大なリムジンのドアによりかかって
尊大そうに胡座をかいたまま、顎をしゃくってみせる。
「まあ、一本取れや。ちょっと形は崩れたが中身は問題ねえ」
歪んだ葉巻入れからつぶれた高級葉巻を取りだし、相手に渡す。
半ば反射的に葉巻を受け取りながら、相手をぼんやり見る須藤。
「あなたは・・・たしか、高見沢グループの」
「おう、やっぱり俺の知名度ってなたいしたもんじゃねえか」
からからと笑って今度はアンティークのダンヒルを点火し、
相手の葉巻に火をつけてやりながら、いきなりこう聞いた。
「あんた、何人ボコってやった?」
「はあ・・・10人ほど」
須藤が馬鹿正直に答えるのへ、また豪快に笑ってみせる高見沢。
「ほお、若造でもやっぱりおまわりさんだな。だが俺の方は15人以上だ。
久々に自分の力でやるケンカも悪くなかったな。スッキリしたぜ」
598日本ランド:2005/09/12(月) 00:52:58 ID:6Ne2/w3M
>>596
そーいうもんすか?

書くんだから読む人への気遣いは神経質になる位するさ
オイラはそんなに神経太くない

とはいえ(1/2)とかはけっこう無理だよ
早くても一作3日はかかる
終わるまで発表しないんじゃテンション下がる

が、仰るとおり遠慮してレスしてない方いるんなら
オイラがマジでバカ、超ドジのうっかりハチベエだと認めます
失礼しました

レス来ないな〜とか何度も巡回してたから

>>596さんの痛烈なレスはクラクラするけど
ありがと 自己〜は堪えるっす

‘暫し続く‘って書いとけばばいーい?
599日本ランド:2005/09/12(月) 01:02:08 ID:6Ne2/w3M
レスかいてる間に
Evergreen降臨すか・・・

悪気はなかったんです気づかなかったんす知らなかったんす

一週間心待ちにしていたみなさん
ココロよりお詫びします

ごめんなさい

本当にごめんなさい

重ね重ねごめんなさい

Evergreenさんまじでごめんなさい
ss書きとして恥ずかしいです
あと相変わらず面白いっすね
600596:2005/09/12(月) 01:03:24 ID:A0jE2Nwf
Evergreenの続きをupしました。(今回はまたひとつになりました・・・)
読んでくださった方々、ありがとうございます。


>>553
これまでの世界での性格の反動かどうか、実は
今度のカニさんは異常に真面目なのかもしれませんw

>>554, >>555
たしかに劇場版の美穂の最後は胸が締めつけられますよね。

>>556 「金と蒼」作者様
ありがとうございます。私も眼に浮かんだシーンを文章に
しながら描いていますので、そういっていただけると嬉しいです。

新作「金と蒼」乙です・・・
9人のオーディンとナイトサバイブの闘いというのが
やはり絵的に想像するととても魅力的でした。またいい作品をお願いします。
>>「最初のオーディン、最初の仮面ライダーは誰か?
これをぜひとも知りたかったです・・・ナイトがどうやって顔を見たのかも。

>>588
ありがとうございます、嬉しいです。
しかし、今回の高見沢も結局本性丸出しのまんまですよねorz

>>590 「時黒」作者様
こちらも新作乙です。SP版の闘うVer.の終り方も気を揉ませるものだったので、
その後の意外なフォローがとても楽しみです。龍騎、いやナイトが襲うのは
やはりファムなのでしょうか・・・
601日本ランド:2005/09/12(月) 01:14:23 ID:6Ne2/w3M
>>600
あ、あ、あ、ありがとうごさいますっ!

あなたに感動して龍騎SS書いたんで光栄っす!

あと本当の本気の本心で
みんなごめんなさい

孔子先生の教え守れなかったっす
すいません

とか夢中になってまたスレ汚してますね・・・orz
オイラマナー悪い
もう寝ます
602名無しより愛をこめて:2005/09/12(月) 09:31:51 ID:BmP/E3tN
やっぱりみんなそれぞれ龍騎の世界観を持っているんですね。
603名無しより愛をこめて:2005/09/12(月) 17:18:10 ID:askVz1/H
>日本ランド氏
一日にカキコする分はまずメモ帳にでも書いてみて、
いくつ分のレスを使うか調べてから(1/2)←こういうのをつけてみたらいかがでしょうか?
604名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 00:05:35 ID:Ak6SU/x5
>Evergreen
新作乙です。

13riders版を思わせる真面目須藤の真面目ゆえの苦悩が
高見沢の豪快ないい加減さに救われている所が良いですね。
二人のやり取りが物語の前半部分での戦闘時の名(迷)コンビぶりにも重なっているのも
うまい構成だと思いました。
605日本ランド:2005/09/13(火) 00:19:37 ID:+ojP3Xij
時黒の続きいくぞー

つか尺の調整と推敲はぎりぎりラストまで
するんで(〜)はキツイんすけど

んで題名に(続く)と
区切りのつくとこで、それらしい奴いれとく
生で観たひとは分かると思う





606時黒6(リュウガvs虎鹿:2005/09/13(火) 00:24:09 ID:+ojP3Xij
何だよコイツ!?
インペラーは毒づいた。
先刻からリュウガを前後で挟み、インペラーは双頭の角ガゼルスタッブを、
タイガは鋼の爪デストクローで切りつけるが、一太刀も届かない。

「ファイナルベント」
業を煮やしたタイガがデストバイザーを鳴らす。
Gahuuuuuuuuuuuuu!
咆哮とともにデストワイルダーがリュウガの背後に迫る。
が、リュウガはその腕、肩を踏み台に巨大な白虎の頭上に飛び上がる。

「ファイナルベント」
天空に待機していたドラグブラッカーから黒炎が吐かれると、
一直線にデストワイルダー、タイガ、インペラーに向かい
電光石火の勢いでドラゴンライダーキックが迫る───

嘘だろぉ・・・
607時黒7(リュウガvs虎鹿:2005/09/13(火) 00:28:21 ID:+ojP3Xij
デストワイルダーは四散し、タイガは昏倒。
インペラーもしたたかにその身を打ち、
イモムシのようにノロノロと這いずる。

「終わりか?」
「ひいぃえ!?そ、そんな・・!」
逃げようとしていたインペラーだが、
リュウガの足が見えたとたん、
とび上がって尻餅をつきながら後ずさる。

「すいませんっ!すいません!許してください!ごめんなさいぃぃ!」
咄嗟に土下座すると、
泣き声で喚きたてる仮面ライダー。
死にたくないこんなとこで死ねないこんな形で死ねない嫌だ死ぬのはどうして死ぬ俺が俺は何も死ぬことは──────────────

608時黒8(リュウガvs虎鹿:2005/09/13(火) 00:38:58 ID:+ojP3Xij
「な、何でもやりますいうことキキマスお役に立ちます!」

リュウガは昏倒したタイガを見ながら尋ねる。
「何でも?」
・・・1秒・・・2秒。はたとインペラーの顔に光が灯る。

「はいっ!すぐにやりますっ!」
インペラーが立ち上がると、仰向けに倒れるタイガの傍に立つ。
「悪いけどさ・・」
悪くなさそうにつぶやくと、
瞬時に踵落としでタイガの首の骨を破壊した。

友達だったけど仕方ないよね



CM
予告
スポンサー
オジャマジョドレミドッカ〜ン!コノアトスグ!
609日本ランド:2005/09/13(火) 00:44:26 ID:+ojP3Xij
今日はここまで

毎日更新できりゃ理想っすね

数分前に書いたことと
やること違ってるね
思いついたらやるのがSSのいいとこ

サブタイがついてる間は更新終わりませんのでかしこ

予告(ryが入ったらひとまず終了
そんなとこかな

もう寝ます
610名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 01:57:49 ID:fBf0IHqs
>>609日本ランド氏
佐野のキャラが良く出てたと思いますw
でもまさか佐野が東條やるとは・・来世でリベンジ喰らってますがw
次も頑張ってください!!
611接点(1/2):2005/09/13(火) 02:19:49 ID:+CSe6p7l
街なかをズーマーで走っている最中に、真司は見た。
歩道を歩いていた3つの人影がそろって大蜘蛛のモンスターに捕まり、
ビルの窓へと引きずり込まれるのを。
そこへ接近音を聞いた蓮もバイクで駆けつける。
2人で変身し、鏡の中へ。

ミラーワールドへ飛び込んだ瞬間、先にひきずりこまれた3人が
銀灰色の化け物に変じ、蜘蛛と戦い始めるのを目の当たりにする龍騎とナイト。
「おい蓮!あ、あいつら・・・人間じゃなかったのか?」
「モンスターだとしたら今まで見たことのないタイプだな」
驚きながらも2人は3人と協力し、なんとかモンスターを倒す。

「急げ。ここは生物の住む世界じゃない」
鏡の外に3人を連れ出し、人間の姿に戻る真司と蓮。
が、そこへラッキークローバーのオルフェノク達が現れる。
裏切り者を倒し、人間を襲おうとする彼らから真司と蓮を守って
懸命に戦うが、劣勢をかくせない勇治、結花、海堂。

だが形勢は急に逆転した。
「うわあああーーーっ、化物だああーーーーっ!!」
自分の姿も省みずそう喚きながら、琢磨が真っ先に逃げ出す。
「ア、アツイ・・・!」
「悔しいけどこんなのに勝てるのは北崎君か村上君・・・
あるいは王くらいかも、ね」
ジェイと冴子も、たまらず遂に退散する。
真司がドラグレッダーを召喚し、敵に向って炎を浴びせさせたのだ。
612接点(2/2):2005/09/13(火) 02:24:10 ID:+CSe6p7l
闘いが終り、改めて互いを検分するライダー達とオルフェノク達。
「どうやらお互い、普通の人間とはちょっと違うらしいな」
「あ、あの化物はいったいなんなんだよ?」
言ってから、ばつが悪そうに顔を伏せる真司。
3人もあの敵たちと同じ姿を取れることを思い出したからだ。
「・・・ごめん、助けてもらったのに俺、何てこと」
「いいんだよ、最初に助けてもらったのは僕達だし」
安心させるように勇治が笑う。
「あいつらにとって、僕達は裏切り者なんだ。人間を襲わないから・・・」
「なんだって?」
「そういうお前らこそなんなんだよ、え?」
むっときたらしい海堂が言うと、蓮が言い返す。
「俺はお前達の正体なぞ興味がない。
俺たちのことも構わないでおいてもらおうか」
「んだとくらぁ?」
「海堂さん、やめてください」

「人間を襲わないから裏切り者、か・・・
俺は戦いを止めようとするから裏切り者ってとこかな、はは」
「城戸、余計なことをしゃべるな」
「うまくいえないけど、人間を襲わないあんた達が好きだな、俺は」
にっこりする勇治。
「ありがとう。よくわからないけど、僕も君の信じてることが好きになれると思うよ」

そしてまた別れていく、オルフェノク達とライダー達。
それぞれの戦いへと。

END
613611:2005/09/13(火) 02:35:11 ID:+CSe6p7l
こんばんは。「接点」作者です。(いつもはEvergreenを書いております)

月曜の夜ですが、思うところあって、
もう使わないつもりでいた龍騎&ファイズネタを引っ張り出しました。
ご覧の通りあらすじに少し手を加えただけのものなので恐縮ですが、
少しでも楽しんでもらえたらいいなと思っております。

すみませんが、Evergreenにいただいた感想のレスは
また次の日曜にupさせてください・・・
614名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 02:44:37 ID:fBf0IHqs
>>613
GJですw
木場君達と真司達の共闘とは面白いですねw
「Evergreen」今週から見たのですがとても面白くて
2時間近くで全部読みました次作品も頑張って下さい!!
615名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 13:06:53 ID:+ojP3Xij
>>613
555も龍騎もW大好きな
オイラにはたまらん話

真司と城戸のラストの台詞だけで
懐かしくなっちゃう

オイラのssにもそんなやりとりができたらなー、
と羨ましいっす

>>610
一応名は伏せてますが
いろいろ来世の伏線を想定してあります
だから狙い通りの感想が返ってくるとね・・・エヘヘw

よーしがんばっちゃうぞー!

616名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 13:10:21 ID:cgfF3veB
真司と城戸
617名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 13:14:14 ID:cgfF3veB
>>613
大事なEvergreenの途中にわりこんでんじゃねーとか思って
読んでみたら、なかなか良くって、誰が書いたのかと思ったら
Evergreenの人だったw

他にもネタがありますか?
618名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 13:39:29 ID:+ojP3Xij
>>616
指摘が速いっす!

おいらのSSにも
ちょいと気になる箇所があっても
秘密にしてね(オイ

619名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 16:16:49 ID:8vEGL0FM
>>613
無愛想同士でぶつかり合う、蓮と巧
なぜか意気投合する、真司とKタロ
英雄になれなかったひねくれ者対決、913vsタイガ
最凶バトル、北崎vs浅倉
インテリ(?)対決、琢磨vs北岡(各セコンドに海老姐・ゴロちゃん)
夢の競演、島田とスマレ

とか読んでみたいなぁ・・・
と、夢が広がっちゃいますよw

気が向いたらまた書いて下さい。ヨロスコ!!
620名無しより愛をこめて:2005/09/13(火) 23:59:00 ID:K7/adZky
>Evergreen
TV版のあのままの声が聞こえてきそうな二人の会話が良いですな。

>接点
作者様の描く、初代スレでの龍騎世界とファイズ世界の邂逅や
別スレでのファイズの小品が好きだったので、この共演は嬉しいです。
(Evergreenでもスマブレや社長達がさりげに出てきてニヤリとさせられました)
続きを期待しています。
621名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 00:02:05 ID:ds6r/W4H
>日本ランド

テンションが下がるから、書きながら張りますだ?

自分の都合をスレに押しつけるな。不愉快だ。
作品をみなさんに見てもらおうと言う姿勢じゃないだろう。
622名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 02:02:30 ID:Ca3U6HeO
このスレはSS書くひとをSS書かかなければ
たっぷりといじめられるスレか

作品じゃねーよそもそも報酬もないのに
長文レスしてるだけだい

大体1作5分でできるとおもってんのか
構想、作成、直し、調整、推敲
3時間とかざらだぞ

みなさんてそもそも誰じゃいオイラも含めてみなさんだい
何で1ランク下に置かれるかね読者さまですかい対等じゃないの
オイラの書きかたはそんなにヒトを傷つけた?

具体的報酬もないのに
もともとないものをまともな形に作成しうるだけの
精神の体力がどんだけ必要か
知るわけねぇよな書くはずもねぇ

オイラは鏡のなかの幻だったよ

何を弱気になってんだかと思うだろーけど
レスすんのと文つくんのは全然違うから
力が出ない〜のだ

ああ長いからこの文誰もよまねーよ直す気にもなんね

623名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 02:05:56 ID:Ca3U6HeO
このスレで
SS書きが育たないのは
どうしてか

ss書くと叩かれるからだ
怖い恐いこわいコワいコワイ
624名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 06:29:03 ID:T9bnoZuu
>>622
>オイラの書きかたはそんなにヒトを傷つけた?
なんかそんな感じ。そこまでいかんけど、どこか
不愉快さが漂う。たぶん、謙虚じゃないからだと思う。
625Evergreeh(145):2005/09/14(水) 09:46:33 ID:Ca3U6HeO
「はははははっは」
快心の笑い、幸福なひと時。
ずっ
突然背に雷が走ったかと思った。
高見沢の高級スーツの背から腹を通り
胸から何かが生えている。
彼の臓器と糞を巻きつけながら光るそれは
ズ太いアーミーナイフだった。
高見沢は今朝の豪勢な朝食といっしょに
赤黒い血をバケツ2杯はあろうかというほど撒き散らす。

須藤刑事はそれを台風の日の豪雨のように
全身に浴びたが、本人がそれに気づくことは永遠にない。
彼の頭部にはさっきまで彼が装備していた
チタン製の特殊警棒が深く沈みこみ
変りに脳しょうを外気にさらしていた。
しかし痛みがないせいか
「ウポアポうぅぅううううううぅひひ」
言葉とも呻きともいえない歌をうたう。
噴水のように須藤刑事の頭から赤い水柱がたつと
その圧力で彼の左目が飛び出した。

626Evergreeh(146):2005/09/14(水) 10:00:21 ID:Ca3U6HeO
高見沢は全身をハンマーで殴られたような激痛と
内臓を破壊されたことによる吐き気、
しかし中身がないので急速な空腹に襲われていた。
しかもさっきからゴミ収集車が香水と思えるほど
臭くて臭くてたまらない。なんの匂いだ?
「けぇぇげええええ・・・」
叫びさえも飛び出していく。
彼は自身の血液と汚物の混ざった腐臭を
ダイレクトに浴びながらも手が痺れて鼻をふさぐ
ことさえできなかった。

誰か助けろ誰でもいいおれをたすけてくれ
テレパシーができるのではないかと思うほど強くおもう。
そうだ
これほど何かを強く望んだのはいつだったか。
借金で住みかを転々とした少年時代、まだ高見沢ではない頃。
飲んだくれの父親が母とまだ年端もいかない姉を取立人に売り渡し、
わざと自分とまだ幼い弟の眼前で
中年の太った男複数でその味を存分に楽しんでいたときのことだった。
悪夢などという言葉の表現では到底表せない賛辞を目の当たりにし
虫さえ殺せない優しい弟は発狂してしまったけ。
今年で30になる弟、加藤治朗はいまだに施設で
地獄の記憶に苛まれながら生き続けている。
627名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 10:11:19 ID:G09LRSCn
>>625
あなたの年齢は?ご職業は?
どうして他人を不愉快にさせるような事を
平気でできるのですか?

自由だからといってなんでもしていいとは
限らないでしょう?その場の雰囲気や
状況をよく理解して、謙虚な姿勢で
書き込んでください。
628Evergreeh(147):2005/09/14(水) 10:15:29 ID:Ca3U6HeO
走馬灯というやつか・・・
秀才と容姿を買われ、富豪に養子入りした日、
高見沢逸郎が世間に生まれた日以来、
封印していた暗黒の記憶がひっきりなしに溢れ出す。
「あぁあああああああああああぁぁ」
高見沢の涙、赤い涙が頬を伝い視界を染める。

まだ当事者しか気づき得ないが・・・
底なしの悪意が、天井知らずの絶望が辺り全体に波及し始める。
腐敗した波動、醜悪なオーラ・・・。
誰もが、手塚でさえようやく安堵の息を漏らした直後、
不安が開放されたそのときこそが、無間地獄の扉が開く時だった。

「いってぇ!なっなんだよ?」
真司が突然の耳鳴りに頭を抱える。
「どうした、二日酔いか?」
秋山なりが彼なりのジョークで身を案じてみる。
しかし真司は別のものを見ていた。鏡、そこに映っていたのは・・・
629名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 10:28:19 ID:deUySDOo
>>622
SS書きは連作であっても何度でも全体の構想から見直したり、個々の話のつながりを考えたりしますし、
一回で終わるSSであっても書き上げてから寝かせて、見直したり、誤字脱字をなくしたり。つまり、やることは多いです。
作品じゃなく長文レスならそれは単なる妄想の域から出ません。読む人のことを想定していますか?
報酬がないのは当たり前で読んでもらい、もし感想レスがあれば良しぐらいに考えていた方がいいと思います。
とにかく書いてあげているとかそういう意識はすぐに捨てた方がいいかと。

後、他人の書いたSSの続きを勝手に書くなどマナー以前の問題です。
SSを読んでもらいたいのではなく、ただ単に注目されたいだけの荒しだと思われても仕方ありません。
自戒と自制を強く求めます。
630Evergreeh(148):2005/09/14(水) 10:54:37 ID:Ca3U6HeO
いつの間にやら嵐の劇は去り、弛緩した空気を読んだ吾郎が
お疲れの北岡を仰ぐ。ネクタイを外し上着を脱いでクールビズな北岡。
「ギャラリーも増えちゃいましたね」
「いいよいいよ、何か治まったみたいだし
それより吾郎ちゃん、これって凄い宣伝だよね」
「・・・はい」
「オレ当事者だし、こいつらみんな弁護したら
スーパーならぬギガ弁護士かな?」
「先生?・・・素敵です」

安心すると、喉が干からびていると思う2人。
もはやいてもたってもいられない。
「先生、コーヒー買ってきます」
「エメラルドだよ、ヨーロピアじゃないからね吾郎ちゃん」
どこに出しても誇れる優秀な秘書だが、
ことコーヒー嫌いゆえかそれの選択に限っては
間違いを繰り返す吾郎、無駄と思いつ釘を刺す北岡。
なんだかなぁ・・・今日はあんみつじゃなきゃいいけど

苦い笑顔が浮かぼうとした時だった。
北岡が首の周辺に張るような・・・痛みを感じたのは。
631Evergreeh(149):2005/09/14(水) 11:14:07 ID:Ca3U6HeO
「あふふひええおおむんんんんん」
以前としてかわいいピンク色の脳しょうを
頭から帽子でも被るように露出させている
須藤雅史刑事は軽快で音程の外れた歌をくちずさむ。
それは助けをただ誰かを呼ぶ声だったのだが・・・
不思議なのは大勢いるであろう周囲がそれに
全く無関心なことだったが、当事者にはもはや
自分らの身を終わりなく襲う現実を把握する
余裕などなかった、全く。

奇怪で哀れな行動を続ける須藤刑事だったが、
飛び出す頭の中は本人も驚くほど正常だった。
そして、正常ゆえに彼は取り乱したいほど恐怖していた。
早く誰かきづいてくださいどうしてみんなこちらを見ないんです?
私が死んじゃう暗くなってしまう消えてしまうんです
助けて答えてなんで?あなたたちは私が必死で
助けようと青春を友達を死んじゃう酒を助けて犠牲にして
夢を諦めた暗い彼女も捨てて冷たい



632Evergreeh(150):2005/09/14(水) 11:40:40 ID:Ca3U6HeO
匂いに敏感な高見沢はここにきて尚、
痛烈な異臭が増したのに気づき絶望する。
さきほどから─1分程か1時間になるか延々と
糸の狂った人形のようにのそのそと踊る須藤刑事からだ。
もっとも、高見沢は冬の日のように震えが止まらない腕を使って、
蛇口を開きっぱなしにしたように流れる出血を抑えようと
俯いているので、足しか見えない。
自らの血だまりが鏡となって、須藤刑事の姿を見るに
至ったわけだが、別にその悲惨さ醜態を哀れんでいるわけではない。
思考を、魂を埋め尽くす‘死‘の一文字を打ち消すために、
先ほど短いながら確かに友情を結んだ男を
嘲っているのだ、そしてどうしてそれが楽しいのだ。
ハハハ高みから嘲笑うのは楽しいじゃねぇか
死ぬんじゃねぇぞ死にたいほど苛まれろ

肝心の異臭の元はといえば、須藤刑事の
ズボンの臀部にやわらかくて生あったかいものが重い。
股間のあたりからは湯気がたち湿っている。足元には黄金色の池。
ズボンの裾からは糞だ。うんこだ。文字通りのくそったれる刑事さん。
脱糞、失禁。公衆の面前での恥の極地。
633名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 12:14:38 ID:Ca3U6HeO
おもしれぇじゃねぇかおまわりさん
どうして最近はいい子ねんねこしてたかわかんねーけど
頑張ったり気遣ったりかったりぃ
俺ぁ一等てめぇら貧相な豚とは違うんだ
努力も実践も挑戦もせず
生半可な覚悟で幸福になろうとする豚
自力では何一つ前へ進めないくせに
権利だ無礼だ正しくないのと
口ばかりが1人前の
グズっころども

高見沢の澱んだ精神からまちわびたように目を覚ました、
小さなけれど強い憎しみの芽。それは
急速な速度で、高見沢のココロを焼けるように侵しながら
巨大になり彼の頭も、脳も、舌も、眼も、鼻も、
口も、歯も、喉も、肩も、胸も、腹も、心臓も、
胃も、背骨も、腸も、腰も、きんたまも、足も、
膝も、脛も、踝も、踵も、どろどろとした粘っこい憎しみの塊にする。

前にいるおまわり、髪の長い女、赤い優男、
調子のいい御曹司、自惚れた弁護士、柄の悪い金髪、
そいつにヌレテイルであろう青いガキ、頭の足りない若者に、
その隣の貧相無愛想なツリ目、車、花、やきそば、スーツ、ライター、
いや世界だ光から影の端々に至るまで汚されろ!
そうだここに映っている俺も・・・ヶ・・ガレ・・・・・テ・・・救ヮ・・レ・・ル・・・・・・・・・・・ナ

百年は続いたかと思う理不尽な苦痛が彼の死で終わったかと思ったとき
634Evergreeh(151):2005/09/14(水) 12:16:03 ID:Ca3U6HeO
おもしれぇじゃねぇかおまわりさん
どうして最近はいい子ねんねこしてたかわかんねーけど
頑張ったり気遣ったりかったりぃ
俺ぁ一等てめぇら貧相な豚とは違うんだ
努力も実践も挑戦もせず
生半可な覚悟で幸福になろうとする豚
自力では何一つ前へ進めないくせに
権利だ無礼だ正しくないのと
口ばかりが1人前の
グズっころども

高見沢の澱んだ精神からまちわびたように目を覚ました、
小さなけれど強い憎しみの芽。それは
急速な速度で、高見沢のココロを焼けるように侵しながら
巨大になり彼の頭も、脳も、舌も、眼も、鼻も、
口も、歯も、喉も、肩も、胸も、腹も、心臓も、
胃も、背骨も、腸も、腰も、きんたまも、足も、
膝も、脛も、踝も、踵も、どろどろとした粘っこい憎しみの塊にする。

前にいるおまわり、髪の長い女、赤い優男、
調子のいい御曹司、自惚れた弁護士、柄の悪い金髪、
そいつにヌレテイルであろう青いガキ、頭の足りない若者に、
その隣の貧相無愛想なツリ目、車、花、やきそば、スーツ、ライター、
いや世界だ光から影の端々に至るまで汚されろ!
そうだここに映っている俺も・・・ヶ・・ガレ・・・・・テ・・・救ヮ・・レ・・ル・・・・・・・・・・・ナ

百年は続いたかと思う理不尽な苦痛が彼の死で終わったかと思ったとき
635名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 13:30:50 ID:G09LRSCn
こういうのがいるから初心者が書き込んでも
叩かれるような場所になってしまう。
このせいで確実に、ここを訪れる人も
減りそうで鬱…_| ̄|○

書いた文章にちゃんとチェックを入れて
”やるべき事をやって”ちゃんと書き込めば、
ココの人はそれなりに感想を書いてくれる。

>>631は後進の道をも断ち切ってまで
何をしたいんだろうか?
636名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 13:43:38 ID:EAEKA+Yk
なんだコイツ…
人の作品の続き書いて無茶苦茶にして…
しかもクライマックスに向かっていってるとこで…
637名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 13:44:47 ID:G09LRSCn
>>636
漏れ始めてあぼーん機能を使ったよ。
638名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 13:50:43 ID:R2Ic+eWT
>>629,635,636

誰もこれがEvergreenの正当な続きだなんて思わないから安心していいよ。
ID:Ca3U6HeOを無視すればいいだけの事。

本当の続きはまた週末に書かれると思うから
それまでゆっくり待ちましょう。
639名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 14:04:52 ID:G09LRSCn
>>638
そうだね。
640名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 20:39:45 ID:kdpp38ma
人をここまで許せないと思ったのは久々です・・。
641名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 23:27:53 ID:wyJb+YBV
2行も読めば偽ライダーだとわかるから無問題。しかし平日の昼間から何やってんだこいつw
642名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 23:49:45 ID:kdpp38ma
>>641
多分働いてない人かと。
643625:2005/09/14(水) 23:56:14 ID:Ca3U6HeO
>>627
不愉快と感じたなら、あなたの感性に相容れないだけではないですか。
攻撃的、悲劇的な表現は元来仮面ライダーのテーマの一つであり、
龍騎も多様な価値観と、衝突する人間性を描く作品でした。

>>635
初心者が叩かれることと、私のSSを結びつけるのは不当です。
このスレには>>625以前からEvergreen以外殆どSSがなく、
以降初心者のSS叩きもないのに、私のせいにするのは不合理です。

‘やるべきこと‘とは>>1以降明確には明記されていません。
あとココの人には私も含まれています。
それなりの感想もなく叩くばかりでは悪意としか
受け取れません。

後進がどう育つかは、比較的懐の深い環境であって
気に入らないものを叩く場所ではないかと思います。

644名無しより愛をこめて:2005/09/14(水) 23:59:31 ID:EFdyhvkg
>日本ランド

レスの張り方を注意しただけで荒らしに回るとはな。
誰一人、お前の作品の内容を貶しても馬鹿にしても居ないのに
  >523
  >ss書くと叩かれるからだ
  >怖い恐いこわいコワいコワイ
勝手に「いじめられた!うきー!」って騒ぎまくって、あげくに荒らし行為。
なんなんだお前?

何人もの人がお前に対して直接や遠まわしに
「(スレの占有になるので)張るレスにはレス番を付けた方が良いですよ」
「書きながら張るより、何個かまとめて張った方が良いですよ」と言ってるのに
それに対して
  >598
  >終わるまで発表しないんじゃテンション下がる
こう言い張って、スレの占有宣言をしてレス番無視でだらだら張る。

それに対して621で苦言を入れたらこのありさまか。


一回に張るレスが3つだったら、その回は題の横に(1/3)〜(3/3)と付ければ良いだけの話。
続きの話しの貼るレスが6つならその回は(1/6)〜(6/6)とやればいい。

ただそれだけの事がなぜ出来ないのか?
645名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 00:06:19 ID:jiR0wSyY
>>643
貴方が叩かれるのは人様の作品を勝手に改悪してるからでは無いのかと。
そこに対して皆さん気分悪くしてらっしゃるんですよ?
大体「Evergreen」を書いてらっしゃる本当の作者様に悪いと思わないんですか?
646625:2005/09/15(木) 00:11:33 ID:hB4WHZGf
>>636
題名をもう一度よく読んでもらえませんか?
>人の作品の続き
仮面ライダー龍騎は石森プロ、東映、テレビ朝日の作品であり
その続きがEvergreenかと思われます。
また>>1にも、不満があれば自分ならこうすると前むきに書くことが奨励されています。

多種多様なSSがあり、互いに刺激することでその中から名作が生まれるのではないでしょうか。

SSを書くスレでありながら一人の書き手にのみ委ね
自分たちは1行のSSも作成せず、個人スレと化させる。
そのなかで例も示さずに声を荒げてもスレの活性とは無縁です。

私のSSに怒りを感じたなら>>1にある通り
俺ならこうする!俺のが面白い!と
SSの健全な実力でねじ伏せ、みなさん自らの手でスレを発展させていく
いい機会であり、私の鼻を最も明かす真っ当な手段です。

ありふれた誹謗・中傷では見た人はスレが荒れているとしか思えません。
647名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 00:16:30 ID:AO+2SuQi
>日本ランド

  >643
  >初心者が叩かれることと、私のSSを結びつけるのは不当です。


621までは誰も「初心者だから」なんて理由で文句を言ってない。
<ながら張り>というレスの張り方が良くないからそれに対しての意見しか出ていない。

改善の意見を「テンションが下がる」という理由で却下し
  >605
  >つか尺の調整と推敲はぎりぎりラストまで
  >するんで(〜)はキツイんすけど
  >
  >んで題名に(続く)と
  >区切りのつくとこで、それらしい奴いれとく
  >生で観たひとは分かると思う
こう言ってスレの占有を正当化するから、自己中心的だと言ったんだよ。


そのやり方だと「(続く)」が何レス後に来るのか書き手ない人間には判らなくて
「(続く)」が来るまで結局スレの占有になる。

なんでそれが判らないのか?
648625:2005/09/15(木) 00:19:23 ID:hB4WHZGf
私を敵にしてみんなで一致団結して
面白い仮面ライダー龍騎SSをたくさんたくさん書いて
今一度、特撮板に龍騎の名を広めましょう。

私を汚濁と断ずるなら浄化する最高の手段です。

助けて、Evergreenの作者さ〜ん!
また彼がなんとかしてくれる
彼さえいりゃ別にいいや

あらら〜ひょっとしておたく見掛け倒し?
になっちゃいますよ
649名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 00:51:03 ID:DSbOw1DA
わかったわかった
がんがって『我輩は錨である』でも『カラマーゾフの兄第』でも何でも書いて発表してくれや
おまいさんの親の財産が尽きるまで、な
650名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 00:56:58 ID:LF63c/xf
>>643
>不愉快と感じたなら、あなたの感性に相容れないだけではないですか。
 感性の相容れない相手が作者や読者だとした場合、あなたはどうしますか?

>攻撃的、悲劇的な表現は元来仮面ライダーのテーマの一つであり、
>龍騎も多様な価値観と、衝突する人間性を描く作品でした。
 それは作品内で表現すればいいんだと思います。あなたもそれを当然としているでしょう?

 そこで一つ聞きたいのですが、なんでわざわざ他人の作品の名前と勘違いするような名前をつけて
さも続きのように書いたのですか?もしあなたがそんなことをされたらどう思いますか?
もしされた側の人間が嫌だと感じていたとしたら、あなたはそれを平気でし続けるのですか?

>初心者が叩かれることと、私のSSを結びつけるのは不当です。
 あなたのように人の意見を参考にもせずにマイペースで書き続けることは、それだけで
このスレッドに作品を書き込ませることを妨害しているのも同然です。初心者ならなおさら
書き込みづらくなるのは当然でしょう。


>‘やるべきこと‘とは>>1以降明確には明記されていません。
それは書くまでもなく、”まっとうに生きてきた人”には当然のことです。
ましてや作品を人に見てもらうような人なら、最低限のマナーは
なにかしら感じ取るべきです。


>後進がどう育つかは、比較的懐の深い環境であって
>気に入らないものを叩く場所ではないかと思います。
 あなたの言うことは正しい。その通りだ。だったら、
叩く人だけがいるわけでなく、中にはあなたにアドバイスを
している人もいる。落ち着いて、考えてください。
651名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 01:05:39 ID:tybG9IYe
素で疑問に思ったので蛇足ながら問う

>622
>大体1作5分でできるとおもってんのか
>構想、作成、直し、調整、推敲
>3時間とかざらだぞ

それをなぜメモ帳で気張って書かずに何が何でも即レスにこだわる?
一息ついたとこまで完成したら満足の余韻とともに連張りすりゃいいジャマイカ
で、連張りの場合は(1/3)とか(6/6)とか付けると割り込みレスの危険も減って
書く側も読む側もハッピーだぞ、って話だろさ

それだけの話なのになぜ勝手に自爆してファビョって
あげく全然関係無い他人のSS土足で踏みにじるような真似してんだ?
自分がされたら嫌なことは他人にするな、って親に教わらなかったか?

今さら藻前さんのやった事は取り返しつかないけど一応説教してみる、よく考えれ
そんな漏れは通りすがりのROM者でつ
652名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 01:10:13 ID:AO+2SuQi
>日本ランド

スレの占有の注意が、どう言う解釈で
  >622
  >大体1作5分でできるとおもってんのか
  >構想、作成、直し、調整、推敲
  >3時間とかざらだぞ
  >
  >みなさんてそもそも誰じゃいオイラも含めてみなさんだい
  >何で1ランク下に置かれるかね読者さまですかい対等じゃないの
  >オイラの書きかたはそんなにヒトを傷つけた?
こういう反応になり、更に荒らし行為に走るのかさっぱり理解できない。


三時間で書いたなら書いた分に、
今回は何レスで終わるか判るように番号を振って張れば良いだけの話しだ。

タイトルにこだわりがあって番号を振りたくないなら
<ながら張り>せずに書いた文を一度に張ればスレの占有にはならない。

たったそれだけの事がなぜできないのか?
653名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 08:35:25 ID:hMcKq0wC
速攻でNGに入れて以降無視することにした俺としては、
あんなアホに親切に忠告してやる人がこれだけいた事が驚きだ…
654名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 08:50:25 ID:VaO6FdW9
>>653
やっぱりよい作品を書いて欲しいし、
よい作品を書いているのを邪魔されたくないんだよ。

ここまで注意したりする人がいるのは希だろうね。
そこで反省しないのがほとんどだがw
655名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 12:11:09 ID:hB4WHZGf
ククク・・・

つくづく 期待を裏切らないみなさんだな

怒りのレス多数 しかし 実例を示すSS無し  gooooooooood!

ねーねー、そんな酷くありふれた注意文が響くと、本気で思ってないよねー?

まぁ、効能はみんなで憂さ晴らしして気持ちよくなる・・だけか

‘気持ちは届かなかったけど、いいたいこといえたから満足‘的な、いわゆる一人ごと
頑張ったで賞 レスで語ってもスレを作らず

けっこうけっこう 
まっ永遠の傍観者、書き手が読み手なれど逆はなし 無理いっちゃったね

しかし─ 或いは真っ当な実力で説き伏せる猛者がいるかも、
と少〜しは考えたんだが・・・結局毎度お決まり、ありふれたパターン
こうあるべき理想をクドクド・・・しかも実例も示さず皆無の信憑性

童貞が性講義かよw

自分で書けば全て丸く収まるだけなのに・・・まぁ勇気も挑戦もなく

レスは増えてもSSは増えず、ささ、ど〜ぞこれもオレのせいに          減る前からいないわけだが

>>1にあることを住人が指くわえて待ってるスレでしたな

ではでは期待と予想を裏切らない、凡百のしょーもないレスたくさんありがとーw

それなりに楽しめたよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
656名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 12:14:34 ID:VaO6FdW9
>>655
うんじゃあねばいばい。
657名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 15:51:23 ID:VaO6FdW9
ココって、龍騎が入ってないと駄目なの?
658名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 16:21:55 ID:DSbOw1DA
>657
そりゃ…だよなあ。スレタイから言っても。
逆に他作品のSSスレって見たことないが。
659名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 17:09:14 ID:VaO6FdW9
>>658
龍騎って戦闘が鏡の中じゃん?他との共闘が難しいよね

あ、ミラクルワールドがあるか!w
660名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 19:24:55 ID:jiR0wSyY
やっと荒らし消えたか?
>>659
ミラクルワールドで平成主人公勢揃いも面白いかもデスねww
661名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:51:30 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(1)はツマンナ杉、日本語嫁。

662名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:52:07 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(2)はツマンナ杉、空気嫁。
663名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:52:43 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(3)はツマンナ杉、不愉快だ。
664名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:53:29 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(4)はツマンナ杉、自己中。
665名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:54:20 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(5)はツマンナ杉、失礼だ。
666名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:56:43 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(5)はツマンナ杉、底が浅い。
667名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:57:43 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(6)はツマンナ杉、意味不明。
668名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:58:47 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(7)はツマンナ杉、キモい。
669名無しより愛をこめて:2005/09/15(木) 23:59:45 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(8)はツマンナ杉、うざ杉。
670名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:01:32 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(9)はツマンナ杉、もっと本嫁。
671名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:02:56 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(10)はツマンナ杉、井戸の中の蛙。
672名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:03:43 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(11)はツマンナ杉、欝になる。
673名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:04:50 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(12)はツマンナ杉、イタイ。
674名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:05:43 ID:hB4WHZGf
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(13)はツマンナ杉、厨。
675名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:06:28 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(14)はツマンナ杉、スレの私有化。
676名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:07:38 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(15)はツマンナ杉、ユーモアに欠ける。
677名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:08:38 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(15)はツマンナ杉、表現が単調。
678名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:09:24 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(16)はツマンナ杉、工夫がない。
679名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:10:35 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(17)はツマンナ杉、台詞に味がない。
680名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:12:20 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(18)はツマンナ杉、ココロがない。
681名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:14:00 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(19)はツマンナ杉、誠意がない。
682名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:15:29 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(20)はツマンナ杉、キャラがシンデル。
683名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:16:30 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(21)はツマンナ杉、展開がチープ。
684名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:18:22 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(22)はツマンナ杉、うそ臭い。
685名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:19:21 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(23)はツマンナ杉、捻りに欠ける。
686名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:19:47 ID:f1j05KNV
なんでこいつこんなに必死なの?
さっき負け惜しみ言って居なくなったのに?
つか連投規制は?
687名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:20:40 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(24)はツマンナ杉、描写が不鮮明。
688名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:21:22 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(25)はツマンナ杉、行間が読めない。
689名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:22:27 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(26)はツマンナ杉、自分語りか。
690名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:23:23 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(27)はツマンナ杉、発想が狭い。
691名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:24:37 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(28)はツマンナ杉、個性が絶無。
692名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:25:42 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(29)はツマンナ杉、凡才の極み。
693名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:27:11 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(30)はツマンナ杉、ニーズがわかってない。
694名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:28:11 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(31)はツマンナ杉、中身が薄い。
695名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:29:11 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(32)はツマンナ杉、ウィットに欠けている。
696名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:30:42 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(33)はツマンナ杉、発展してない。
697名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:31:26 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(34)はツマンナ杉、広がりがない。
698名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:32:15 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(35)はツマンナ杉、予想を超えない。
699名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:33:23 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(36)はツマンナ杉、流れが汚い。
700名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:35:12 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(37)はツマンナ杉、必要な情報量がない。
701名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:36:21 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(38)はツマンナ杉、愛情がない。
702名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:37:21 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(39)はツマンナ杉、リアリティな演出ができてない。
703名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:38:49 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(40)はツマンナ杉、想像力がない。
704名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:40:23 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(41)はツマンナ杉、斜め上をいけない。
705名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:41:32 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(42)はツマンナ杉、文章全体が稚拙。
706名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:42:32 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(43)はツマンナ杉、統一感がない進行。
707名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:43:31 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(44)はツマンナ杉、テンポが悪い。
708名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:44:22 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(45)はツマンナ杉、惰性がチラつく。
709名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:45:04 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(46)はツマンナ杉、本編への冒涜。
710名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:46:31 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(47)はツマンナ杉、謙虚さが小数点以下。
711名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:47:22 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(48)はツマンナ杉、傲慢さが滲み出ている。
712名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:47:59 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(48)はツマンナ杉、マンネリの上塗り。
713名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:49:09 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(49)はツマンナ杉、わざとらしさが丸見え。
714名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:50:18 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(50)はツマンナ杉、情緒に欠ける。
715名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:51:45 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(51)はツマンナ杉、魅力が感じられない。
716名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:53:26 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(52)はツマンナ杉、設定が陳腐。
717名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:55:03 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(53)はツマンナ杉、単一的で眠くなる。
718名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:56:42 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(54)はツマンナ杉、話にまとまりがない。
719名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:57:21 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(55)はツマンナ杉、考えが浅はか杉。
720名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 00:58:45 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(56)はツマンナ杉、ネタに冒険がない。
721名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:00:00 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(57)はツマンナ杉、矛盾多杉。
722名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:00:47 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(58)はツマンナ杉、構想が空虚。
723名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:03:34 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(59)はツマンナ杉、貧弱な描写。
724名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:04:47 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(58)はツマンナ杉、考察が低俗。
725名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:05:55 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(59)はツマンナ杉、認識が甘い。
726名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:07:44 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(60)はツマンナ杉、現実味がない。
727名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:08:29 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(61)はツマンナ杉、ファンタジー性もない。
728名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:09:36 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(62)はツマンナ杉、温もりもない。
729名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:10:27 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(63)はツマンナ杉、お洒落さもない。
730名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:11:22 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(64)はツマンナ杉、謎もない。
731名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:13:10 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(65)はツマンナ杉、明るさもない。
732名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:15:04 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(66)はツマンナ杉、閉鎖的。
733名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:17:33 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(67)はツマンナ杉、思考の醜態。
734名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:19:01 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(68)はツマンナ杉、キャラの痛みが伝わらない。
735名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:21:05 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(69)はツマンナ杉、驕り杉。
736名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:24:11 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(70)はツマンナ杉、不毛な内容。
737名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:25:54 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(71)はツマンナ杉、よみにくく汚い。
738名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:27:57 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(72)はツマンナ杉、爽快感がない。
739名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:31:16 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(73)はツマンナ杉、展開が矮小。
740名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:32:18 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(75)はツマンナ杉、キャラがぎこちない。
741名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:34:37 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(76)はツマンナ杉、流れが不自然。
742名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:38:03 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(77)はツマンナ杉、レベルが低い。
743名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:38:58 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(78)はツマンナ杉、SSの恥さらし。
744名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:39:39 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(79)はツマンナ杉、哀しみがない。
745名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:40:40 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(80)はツマンナ杉、喜びがない。
746名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:41:14 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(81)はツマンナ杉、興奮がない。
747名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:42:14 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(82)はツマンナ杉、楽しくなさ杉w
748名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:43:14 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(83)はツマンナ杉、惰性で引き伸ばしw
749名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:44:13 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(84)はツマンナ杉、無駄に長杉w
750名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:45:35 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(85)はツマンナ杉、読者少な杉w
751名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:46:18 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(86)はツマンナ杉、筆が遅すぎw
752名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:47:11 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(87)はツマンナ杉、改行しなさ杉w
753名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:49:08 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(88)はツマンナ杉、緩急なさ杉w
754名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:50:09 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(88)はツマンナ杉、間が足りなすぎw
755名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:51:18 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(89)はツマンナ杉、知性が感じられな杉w
756名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:54:39 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(90)はツマンナ杉、伏線なさ杉w
757名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:56:35 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(91)はツマンナ杉、お決まり杉w
758名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:58:19 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(92)はツマンナ杉、読者に流され杉w
759名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 01:59:32 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(93)はツマンナ杉、ツクリが半端杉w
760名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:01:10 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(94)はツマンナ杉,夢見心地杉w
761名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:02:53 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(95)はツマンナ杉、駄作っぷり濃厚杉w
762名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:04:15 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(96)はツマンナ杉、救えなさ杉w
763名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:06:11 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(97)はツマンナ杉、進むにつれて内容が朽ち杉w
764名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:07:45 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(98)はツマンナ杉、読者に甘ったれ杉w
765名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:09:26 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(99)はツマンナ杉、読みが泥沼杉w
766名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:12:14 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(100)はツマンナ杉、話の水準が破滅杉w
767名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:14:15 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(101)はツマンナ杉、中身が破綻し杉w
768名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:14:20 ID:f1j05KNV
あぼ〜んしか無いスレも珍しいな?
例の袋に合ったゴミ男君が泣きながら打ってンのかな?
769名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:16:01 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(102)はツマンナ杉、気紛れで進み杉w
770名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:17:43 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(103)はツマンナ杉,寄り道し杉w
771名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:19:10 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(104)はツマンナ杉、キャラを変え杉w
772名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:20:45 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(105)はツマンナ杉、終わりを決められな杉w
773名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:23:22 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(106)はツマンナ杉、煙に巻き杉w
774名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:24:34 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

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Evergreen(107)はツマンナ杉、自己陶酔し杉w
775名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:26:16 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(108)はツマンナ杉,考えなさ杉w
776名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:27:19 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(109)はツマンナ杉、怠け杉w
777名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 02:28:53 ID:1XF6xCWa
>>9-612 Evergreen 、そして  >>611-612接点

の、作者

Evergreen(110)はツマンナ杉、ひたむきさがなさ杉w
778晩夏の客(1/4):2005/09/16(金) 03:11:07 ID:WWhzLJCg
真司がその男に会ったのは、
まさにモンスターがガラス窓から躍り出た瞬間だった。
最前から響き始めた接近音を追って街中を走ってきたが、
バイクを乗り捨てるのが一瞬遅かった。
脚よりも長い金属質の腕に男の胴が捉えられる。
やばい、早くカードデッキを!

だが取り出したデッキが構えられることはなかった。
その必要がなくなったからだ。
「てやああっ!」
化物に捉えられながらも右手をいっぱいに開いて
突き出しながら、初老の男が裂帛の気合をかける。
同時に塵のようなものが四方に弾け飛んだ。
クモサル型モンスターの長い腕や脚、それに
針のようにびっしり生えた白い毛などだった。

真司が我に返った時、その男の姿はどこにもなかった。

「だだだから蓮!少しは聞けったら!」
「当番に遅れた上にヨタ話か。偉くなったもんだな」
「だから言ってるだろ、見たんだよ俺、普通の人が
モンスターを素手で倒すのを!うわ、あぶね!」
くしゃくしゃのエプロンを何とか体に着けようと
無駄な努力をしつつ、ギャルソン姿の蓮を追いながら
降りていた階段からつんのめりそうになりながらも、
真司の興奮はおさまらない。
「そんな有様で仕事して客に紅茶でもぶっかけてみろ。
張り倒してつまみだすぞ」
「これが落ち着いてられるかってんだよ!ライダーでもない
どっかのおじさんがモンスターを一撃で・・・」
779晩夏の客(2/4):2005/09/16(金) 03:12:29 ID:WWhzLJCg
沙奈子の声が下の店から響いた。
「真ちゃん、蓮ちゃん、早くしてちょうだい!混んできたわよ」
「あ、はいはいただいま!」
こうして忙しさにまぎれ、その話はうやむやになってしまった。
そしてあれほど驚いた真司も忘れかけていた頃−−
突然その男がやってきたのだ。花鶏に。
モンスターを消滅させた時と同じ、古風な羽織袴姿で。

「突然お伺いして申し訳ございません。わたくしは、郊外の
さる小さな神社の禰宜を務めております者で、手塚と申します」
「・・・・・・手塚」
たまたま他に客は一人もなく、客席に男を座らせて応対していた
真司と蓮が茫然と呟く。優衣もカウンターの向こうで動作を止めた。
「では・・・ご存知なのですね?海之のことを?もしや、
今あの子がどこにいるかもご存知なのではありますまいか?
お願いです、そうならばぜひともお教えてください、どうか!
あの子が私どもの元を去ってからずっと、乏しい情報をたよりに
方々手を尽くして探したのですが一向に成果がなく、こちらに
あの子が身を寄せていたという情報をやっとつかんだ時も
あまり期待を寄せる気にはなれなかったのです。だが今度こそ・・・」
突然の狂おしい期待に輝いた人品賎しからぬ紳士の表情は、
だがまた突然、深い翳りに包まれた。そう。真司と蓮が知っていた
手塚がいつも顔に浮かべていた、あの翳りと同じものに。
「・・・・・・あの子は、もうこの世にはいないのですね。
あなた方のご様子を見れば分かります。私には」
「すみません・・・俺たち、手塚・・・君のご親戚のこととか、
何も知らなくて・・・だから・・・だからお知らせも・・・」
「・・・・・・」
うつむいたままの蓮。嗚咽をこらえ切れなくなった真司。
カウンターの裏にうずくまって肩を震わせる優衣。
780晩夏の客(3/4):2005/09/16(金) 03:13:55 ID:WWhzLJCg
その様子を見て、紳士−−手塚が慰めるように言う。
「何もおっしゃいますな。そして、どうかもう嘆かれぬよう・・・
あの子はここで、とてもよくしていただいた。そしてあなた方と
出会ったことは、あの子にとってとても幸せで意味のある
ことだった−−そうやってあの子のことを嘆いてくださる
あなた方を見るだけで、おのずとわかることです。
ほんとうに、お礼の言葉もございません」
「そんな・・・」
また嗚咽しそうになりながらも、真司にはどうしても聞かなければ
ならないことがあった。
「手塚さん・・・実は俺、あなたが怪物を素手で倒すところを、
この間偶然見ていたんです。あのサルみたいなやつ。
でもあんなことは、いやあいつを見ることさえ、これを持っている
人にしかできないはずなんです」
「城戸、よせ!」
蓮が鋭く制止するのも構わず、竜のデッキを出してテーブルに置く真司。
「・・・手塚も、これを持っていたんです。俺たちも持ってます。
だから怪物を見ることもできるし、闘って倒すこともできる。
でもあなたは普通の人なのに、どうしてあいつを倒せたんですか」
「ああ。あの怪物ですか・・・それに、その板・・・」
なぜか、とても遠くを見るような眼で独り言のように呟いた後、
手塚という男はにっこりして真司の顔を見つめた。
「どこまでお答えになるか分かりませんが、お話してみましょう。
海之について、あなた方がご存知なかったであろうことも含めて・・・。

あの怪物は私の見るところ、哀しみの塊です。人間の哀しみのね。
あんなに深い哀しみを、私は知らない。
だからあいつに襲われた時、すぐさま浄化したのです。
穢れを祓い、負の感情を清める。
それが神官としての手塚一族の、代々の務めですから。
781晩夏の客(4/4):2005/09/16(金) 03:15:37 ID:WWhzLJCg
私は海之の叔父です。だが親がわりといってもいいでしょう。
あの子がまだ小さい頃から、あの子に神職としての天性が
あることが私には分かりました。それに、予言の能力も。
それでぜひとも子供のいない私の後継者にしたいと思い、
我が家に引きとって面倒を見ていたのです。
海之も、私の後継者になることを望んでいました。
「ぼくの未来を見る力と、浄化の力で、悩んでる人や
悲しんでいる人をいっぱい助けたいんだ」
よくそう話してくれたものです。だが、あの子は変わりました。
もともと一人で考え込むことの多い子でしたが、
一番の親友が失踪してからは私にさえほとんど口をきくことも
なく、張り詰めた悲しみをいっぱいに浮かべた顔で
黙っていることの方が多くなりました。
そしてとうとうある日、私に別れを告げにきたのです。
あなたが持っていらっしゃる板と似た赤い板を持ってね。
そしてこれだけ言って、出ていきました。
「叔父さん、ごめんなさい。俺、叔父さんの跡を継ぎたかった。
でもどうしてもやらなければならないことができてしまったんです」

しばらく沈黙が続いた後、また手塚の叔父が口を切った。
「あの子は・・・やりとげたのでしょうかね。
どうしてもやらなければいけないことを」
「やりとげました。半分は」
真司がまっすぐに手塚の叔父の目を見てそう言った。
「あとの半分は、俺に託されました。
俺は手塚のためにも、必ずそれをやりとげてみせます」

羽織袴の影を長く後ろに曳きながら帰っていく手塚の叔父を
花鶏の入り口で見送る真司、蓮、優衣。
都内には珍しく、ヒグラシがどこかで鳴いていた。 (END)
782781:2005/09/16(金) 03:25:31 ID:WWhzLJCg
こんばんは。晩夏の客の作者です。(普段はEvergreen担当です)

レスをくださった方々、ありがとうございます。
お待たせしてすみませんが、まとめて日曜日にレスさせていただきますね・・・
そして色々貴重な意見を述べてくださっている方々も、ありがとうございます。

晩夏の客は、頭の中に転がってたちいさなネタをふくらませてできました。
オリキャラが出てくる上に手塚の過去を突っ込んで書きすぎてるかなと
思って心配ですが、これも、もしかして少しでも楽しんでいただければ
本当に嬉しいです・・・
783名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 03:42:33 ID:f1j05KNV
>>782
どうもです変な奴は気にしないで頑張って下さいw
もしかして作者様は手塚のファンですか?
(この質問は当然良い意味です)
784名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 06:49:37 ID:PRVkjz0F
>>782
トリップをおつけになっては・・・・・
785名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 08:53:51 ID:jLghNNcE
>>782
どこかにまとめて取っておいていいですか?>E.G
786名無しより愛をこめて:2005/09/16(金) 09:38:50 ID:++WlE7d+
そう言えばまとめサイトってないんだよな。
787 ◆LEONok996s :2005/09/16(金) 09:59:15 ID:iAsR3eAW
>晩夏の客
手塚の家系は代々の超能力者という解釈が面白いです。
(神職と言う事で、手塚と甘味処の鬼さん方面が絡む展開を想像してみたり)
一族に伝わる力を持っていたなら、雄一の事が無くてもいずれ
手塚はMMから人々を守る為に神崎と対決したかもしれませんね。



追伸。Evergreen作者様。

現在更新休止中のネタスレ保管サイトの者ですが、
リンク集でこちらのスレの紹介している縁もあり、
うちのサイトでEGその他SSの保管をしてもよろしいでしょうか?
788781:2005/09/16(金) 22:24:34 ID:AO85sXIj
こんばんは。晩夏の客を書いた者です。先ほど帰って
レスを読ませていただきました。みなさん、ありがとうございます・・・
すみませんが、取り急ぎ、下のレスをさせてください。

>>784
アドバイスありがとうございます、トリップの件承知しました。
次回来るときには付けるようにしますね・・・

>>785
お申し出をありがとうございます。もし、下の787さんのサイトに
保管していただけることになりましたら、それで構いませんか?

>>787
お申し出ありがとうございます。もしご迷惑にならないのでしたら、
そうしていただければどんなに助かるかわかりませんし、
こんな嬉しいことはないです。お手数かけて申し訳ありませんが、
ぜひお願いしたいです・・・
789785:2005/09/16(金) 22:35:16 ID:lNag23ta
>>788
補完サイトの中の人に補完してもらえるなら
これほど安全なものはないと思います。

今後も作品を愉しみにしてます。

子供の頃、火曜日のジャンプが楽しみだったのを
思い出しましたw
790 ◆E1fbVEzwrk :2005/09/17(土) 00:09:00 ID:itOpnlrk
>>788です。トリップつけてみました。

>>789
了解しました、ありがとうございます・・・
作品の方も、引き続きがんばりますね。

それでは、またupとレスに来ます。
791名無しより愛をこめて:2005/09/17(土) 18:26:14 ID:xCbSBV34
皆はさー…どんなネタがある?


漏れは、編集長が物語の確信に迫る話。
比較的初期の方で、榊原と一緒に問題に
迫ってゆくの。結末は生きるか死ぬか
考えてないけど、以降の物語では
根幹からは外される。榊原は、幾度か
タイムベントに巻き込まれてゆくけど、
少しずつタイムベントに耐えられるようになり、
自分は嫌気が指してSP→本編の間で
引きこもりみたいな感じで…

しかし、タイムベントが繰り返されるにつれ、
戦いに巻き込まれてゆく一人の青年に
注目して、やがて彼に託すことに…。

とか。

編集長や令子が殺されないのはなんか
理由がある(あった)のかなぁと。
792名無しより愛をこめて:2005/09/18(日) 00:04:55 ID:Vo0TNU1e
たとえばドラグブラッカーのデッキの前に、別のデッキがあって、それが壊れたからドラグブラッカーのデッキが入った。
つまりまったく別のデッキを持っているオリジナルライダーが、どれかのタイムベントの回で真司らとからむお話って、OKですか?
793名無しより愛をこめて:2005/09/18(日) 00:25:13 ID:bzu29Fhe
>>792
そいつから裏真司がデッキ奪ったから一人だけミラーワールドの戦士とかは?
794Evergreen(145):2005/09/18(日) 22:56:24 ID:gnPxXdtS
知らなかった。
須藤に方へてこてこと歩いてくる、学生風の青年も。
あの大乱闘の中でも傷ひとつ負わなかったとみえる。
「あ、やっと見つけた!ねえおまわりさん、
はやく捕まえてったら、この自転車泥棒さ!」
知らなかった。
彼のあとから憂鬱そうに、しかしその割にはやたらと
でかい声でぼやきながらぶらぶら歩いてくる、長身の青年も。
身のこなしが軽いのが幸いしたか、顔や腕に軽い擦り傷が
ある程度で、それほど乱闘には深入りしなかったらしい。
さすがに、ぴかぴかだったスーツは哀れな有様になっていたが。
「やだなあ、まだ言ってるよ・・・結局自転車乗らなかったんだし、
いいじゃない。あ、だから俺のあげた1万円返してよ、あんたこそ泥棒じゃん!
あ〜あ、ったくついてないよな今日は・・・結局うちの車みつからなかったし、
今からみつかったってこんなに遅れてしかもこんな格好じゃ、
百合絵さんに嫌われるだけじゃんか・・・はぁ〜・・・・・・」
知らなかった。
2人のあとからずかずかと歩いてくる、これも長身の青年も。
こちらはさらに大きな声で怒りをぶちまけていた。乱闘の中で
かなり奮戦したらしく、着ているシャツやズボンはあちこち破れ、
顔も手足も打撲傷だらけの姿で。憤懣の矛先は学生風の青年だった。
「東條・・・貴様ってやつは疫病神と同じだ!俺が追いついて
あいつらをずっと防いでいてやらなかったら今ごろ自分が
どうなってたか、少しでも分かってるのか!おい!!」
知らなかった。
乱闘のドサクサに紛れて強盗を働くチンピラに殴られ金品を強奪され、
右目の周りに大きな黒アザを作って車の車の間に長々とのびている
小柄な青年も。気だるそうにこう呟いている。
「・・・俺って、思ったより強くなかったのな・・・ちぇ。退屈よりは
マシかと思ったのに、なんか余計嫌な気分になったじゃん・・・」
795794 ◆E1fbVEzwrk :2005/09/18(日) 23:06:13 ID:gnPxXdtS
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

以下、先週以降いただいたレスです。お待たせしてすみませんでした。

>>602
それができるところが、龍騎という物語の特別な魅力ですよね・・・
無限にお話が考えられてしまいそうで。

>>604
ありがとうございます、なぜかこの2人の組み合わせには
病み付きになってしまい、結局最後も書いてしまいました・・・
読んで楽しいものになっていたらとても嬉しいです。

>>614
ありがとうございます。龍騎もファイズも、ヒーローと悪役の境が
はっきりしない、というか無いも同然の作品なので
可能になった組み合わせかもしれませんね。
Evergreenもがんばりますので、良かったらみていてください。

>>617
ありがとうございます。ろくに練っていないネタですが、
面白いと思ってもらえたのでしたら、出してみた甲斐があるので
とても嬉しいです。しかし他は・・・残念ながら、下の「晩夏の客」くらいですorz 

>>619
ありがとうございます。ネタ提供嬉しいです。
しかし、私にまだ書けますかどうか・・・orz
(何かこのネタで浮かんだ方、いたらよろしくupお願いします)
796レス続きです ◆E1fbVEzwrk :2005/09/18(日) 23:07:50 ID:gnPxXdtS
>>620
>Evergreen 感想へのレス
ありがとうございます。たぶん、須藤や高見沢は
あの強烈な個性の口調そのものがネタになるのでしょうね・・・

>接点 感想へのレス
もしかして、ファイズが終了する前後に別のSSスレを立ててくださった
方なのですね・・・あのときも場を提供してくださって本当にありがとうございます。
(あちらで書いた作品も、覚えていてくださって嬉しいですm(__)m)
また619さんのネタで何か書けるといいのですが・・・どうなりますか

>>783
ありがとうございます&はい、確かに手塚君は大好きですw
今までのSSに登場させた回数も多いですし、Evergreenではどうかすると
主役より目立ってますし、やはりバレバレですね・・・orz

>>786
もし787さんの所で保管していただけると嬉しいですよね・・・

>>787
>晩夏の客 感想レス
ありがとうございます。どうして"宿無し"なのかも含めて、手塚には
神秘的で不可解な点がいくつもあるので、それもあっていろいろ
妄想のしがいがあるのかもしれませんね・・・

>(神職と言う事で、手塚と甘味処の鬼さん方面が絡む展開を想像してみたり)
実は、「浄化」という言葉を使ったことにupの後気づいて
「今年のライダーさんと被ったかな」と思っておりました(汗)
797レス続きです2 ◆E1fbVEzwrk :2005/09/18(日) 23:11:36 ID:gnPxXdtS
>>791, >>792, >>793
新しいネタでのSSがありましたら、どうぞupよろしくお願いします。
楽しみです・・・
798名無しより愛をこめて:2005/09/19(月) 13:30:26 ID:NTiY+Ua6
坊ちゃんライダーズ、ヨワスwww

でも擬似2号は流石に私の見込んだ男だけはある
TVでの容赦ない(東條の偽悪とは対照的な)復讐鬼っぷりが思い出される

神主の家系の手塚は良いですな。オカ板の“ことりばこ”思い出してしまったよ
799名無しより愛をこめて:2005/09/21(水) 14:31:02 ID:FILhlxxk
あー終盤だなって展開になってきたなあ。
これなくなっちゃうとつまんないからまた長編描いて欲しいなー
なんて無責任なこと言ってみるテスト。

>798
やーめーてーくーれーーー >>ことりばこ
思い出しちゃったよw
800奏でる想い:2005/09/22(木) 10:42:26 ID:ZFLeT/Fi
…そんなに気にするなよ。仕方がなかったんだ。

俺は、誰かを犠牲してまで
自分のやりたいことなんて、したくなかったんだ…。


でも本当は、そこで自分まで犠牲にしちゃいけなかったんだな…。

そこだけは後悔しているよ。本当にごめんな…。


でも、何もお前が戦うことなんてないじゃないか!
どうしてだよ! …馬鹿だよお前。本当に…。


もうあいつの…神崎士郎の指揮する騒乱曲に乗ってしまった。
後戻りはできないぞ。



せめて、お前がこの戦いを生きて終えられるように祈っている。



お前の願いが叶うことを…。


(一発ものですまそ)
801800:2005/09/22(木) 16:51:27 ID:ZFLeT/Fi
すみません、雄一っぽく書いてみました。
802名無しより愛をこめて:2005/09/23(金) 16:27:01 ID:bVgHFslZ
>>800氏へお疲れ様でしたorz
>神崎士郎の指揮する騒乱曲
何か良いフレーズですね音楽家らしいですw
この思いを手塚が知らずに逝ったと思うと何か切ないです・・。
803800:2005/09/24(土) 08:24:41 ID:xQeyq4FT
>>802
ありがとうございます。
龍騎って城戸が主役ですけど、
誰が主役でも全然おかしくないと
思うので、スポットを浴びることの
あまりない(様な気がする)斉藤雄一
なんかが主役の物語があっても
いいなって思いました。
804名無しより愛をこめて:2005/09/24(土) 09:10:01 ID:hjJ/ZANd
そこで「仮面ライダーブレイド」ですよ。
オルタ02でも可。
805Evergreen(146):2005/09/25(日) 22:40:00 ID:Ow1/zPyx
あるいはこの男なら何かを知っていたかもしれない。
だが少なくとも、もうそれを自覚していないことは確かだった。
「本当にもう歩けるの?肋骨が1本折れてるんだよ?」
「・・・平気です、これからどうしても行かなければらない
ところがあるんで。じゃ、ありがとうございました」
やっと現場に到着した救急隊員に怪我の応急処置を
してもらい、よろよろと立ちあがった手塚も。

だがこの娘は間違いなく知らなかったろう。
「ちょっと、そこのインチキ占い師!」
携帯片手に乱闘現場の中心の方からすたすたと歩いて来て、
手塚を見つけるなり声を張り上げた霧島美穂は。
乱闘の中を駆け回りながら女の身でかすり傷ひとつ
負っていないのは奇跡としかいいようがなかった。
「男なら今さっきうんざりするほど見て写真撮ったけど、
どいつもこいつもヤーさんとか胡散臭い奴ばっかじゃん。
な〜にが運命の男との出会いだよ、金返せっての!」
悪口雑言を叩きつけるとぷいと後ろを向き、足早に歩道へ
向っていく。まだ携帯の画面を見てぶつぶつ言いながら。
「あ〜あ、マスコミ受けしそうなの全然ないじゃん。
ほんっとついてないよな今日は・・・」
だが、これも美穂は知らなかった。
今画面に映った、ヤクザに殴られている青ジャケットの
青年がいなかったら、自分がそのヤクザに襲われていたで
あろうことを。そう、実加を守って飛び降りた直後、もうひとりの
娘が無謀にも携帯を持ってすぐそばをうろうろしているのに
気づいた真司がいなかったら・・・

美穂の背中を見送りながら、手塚が悠然と呟いた。
「俺の占いは当たる」
806805 ◆E1fbVEzwrk :2005/09/25(日) 22:43:08 ID:Ow1/zPyx
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>798
ありがとうございます、
やはり仲村君が喧嘩強くないとしまりませんよねw

ことりばこは知らなかったので、オカ板に行って
まとめサイト見つけて読んだら・・・確かに怖すぎorz
でも、神主の家系の青年が大活躍でどきどきしました。

>>799
ありがとうございます、しかし短編もネタ切れですし、まして
もう長篇はとてもむりぽorz(どなたか別の方が書いてくれると
いいのですが)

>>800, >>801
新作乙です。雄一の知られざる心情が窺える作品ですね・・・
また次もあったらよろしくお願いします。
807名無しより愛をこめて:2005/09/26(月) 00:26:20 ID:uHgKy6f4
>>805
真司と美穂、今度はハッピーエンドになるといいな(´・ω・`)
808名無しより愛をこめて:2005/09/28(水) 09:55:03 ID:AiShWF0t
>>805
乙ですw
俺も真司と美穂のハッピーエンドみたいです
でも貴方なりのやり方で頑張って下さい!!
809名無しより愛をこめて:2005/09/28(水) 13:58:12 ID:Ar2XBvp8
だれか、「こちら北岡法律事務所」を書いてくれないかなぁw
810Evergreen(147):2005/10/02(日) 22:48:26 ID:UsQOz/Vo
この男たちも知らなかった。
「ちょっとゴロちゃん・・・今携帯見たら令子さんから
返事があって、イブは仕事が入ってて駄目だってさ・・・
ほんっと最悪だよ、今日は」
外車改め廃車の外れかけたドアにもたれかかり、
吾郎が仕事先の夜食にと用意しておいたサンドイッチを
もそもそとかじりながら、携帯をチェックしている北岡も。
「・・・また来年があるじゃないですか、先生。
来年のイブに令子さんを落とせばいいんですよ」
へこんだ車の屋根に腰をかけ、サンドイッチを
頬張りながら答えた吾郎も。数え切れないほどの
黒服やら暴徒やらを相手にした後でも、多少服が
破れている以外のダメージがないのはさすがだった。
「え〜来年?そんなこといってたら俺、じいさんになっちゃうじゃん。
今年は遂に三十路に突入し・・・」
ぼやいていた北岡がぎょっとして顔を上げる。
「お、おい!なんだよお前!」

理不尽ではあったが、この男も知らない。
にたりと笑って、北岡の膝の上から残りのサンドイッチを
片手でひっさらい、またもやがつがつと食らいはじめた浅倉も。
焼蕎麦で腹がくちくなるが早いか、ただただ幸せそうな
実加に見送られ、さっさと乱闘の中心現場を離れたのだった。
後はねぐらに帰って、石の上でひなたぼっこする蛇のごとく
昼寝を楽しむばかりだったのだが−−その途中、あの焼蕎麦に
負けず劣らずうまそうな匂いが漂ってくるのに気づいてしまったのだ。
「おおーーーーーーっ」
突然現れて食事の邪魔をした異様な風体の男に続き、
男の背後からあがったどよめきが、北岡と吾郎の度肝を抜いた。
どよめきの元は、男の後をこっそりつけてきたヤクザの一団らしい。
811810 ◆E1fbVEzwrk :2005/10/02(日) 22:54:42 ID:UsQOz/Vo
Evergreenの続きをupしました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。

>>807, >>808
ありがとうございます、敢えてここで詳しくは書きませんでしたが
私も2人には今度こそ幸せになって欲しいと思っております・・・
(たぶんまたどこかできっと会うような気が)
812名無しより愛をこめて:2005/10/09(日) 14:57:58 ID:g+vAlaDB
乙です。

北岡を見てヤクザがどよめきそうな事と言うと、
重い罪を軽くしてもらった恩があるとか、
依頼先だけど横領された事があったとか、
裁判に関連して知ってはいけないことをいっぱい知ってしまったので追ってるとか、
ろくなことが思いつきません。

ひょっとすると土下座ベント発動ですか?
813811 ◆E1fbVEzwrk :2005/10/09(日) 15:42:11 ID:socIyLV0
こんにちは、Evergreen作者です。
Evergreenがやっと完成したのでこれからupします。

その前にまず、>>1さん始め、Evergreenを今まで読んで
くださった方々に、心からお礼を言わせていただきたいと思います。
本当に本当に本当に、ありがとうございました!!
文字通りの意味で、みなさんがいなかったらとてもここまでこれませんでした。

そしてもちろん、
>>812さんにも。
読んでくださって、ありがとうございます!
ヤクザさんたちのどよめきについては「このあとすぐ!」ですw
814Evergreen(148):2005/10/09(日) 15:43:11 ID:socIyLV0
「おい・・・確かにさっきはあんたのおかげで命拾いしたけどさ、
ひとが食ってる物を横取りするってどうなのよ」
蛇柄男が自分の命の恩人であることを思い出したものの、
とりあえず当然の苦情を呈してみる北岡。
ごくりと最後の切れ端を呑み込むと、浅倉が口を開いた。
「お前が作ったのか?」
「・・・いや」
首を振った時にはもう、相手の関心は吾郎に移っている。
「お前か?」
「・・・・・・」
ルーフから飛び降りて身構えつつ、無言でうなずく吾郎に
向って、子供のように無邪気な笑顔がはじけた。
「また食わせろよ。期待してるぜ」
「おおおおおーーーーーっ!!!」
そのまま背を向け、飄々と去っていく浅倉を見送りながら、
ヤクザどものギャラリーがさらに感嘆と畏怖のどよめきをあげる。
「・・・さっきから何なのよ、あんたたち」
「今日から兄貴と呼ばせてくだせえ!」
「俺ら全員あんたに命預けるぜ!」
荒くれ男たちが次々と走り寄り、仁義を切ったり土下座を
したりし始める。面食らう北岡でなく、吾郎の前で。
「女神様の料理以外の食い物を浅倉があそこまで
気に入ったなんて、今までなかったことなんで!」
「女神様が学校の試験やなんかで忙しいときもあるし、
これからはぜひ兄貴にもこの街を守ってもらいてえんです」
「お願いです!金でも腕力でも、お礼は何でだって
いくらでも差し上げますんで・・・」
815Evergreen(149):2005/10/09(日) 15:43:58 ID:socIyLV0
「ちょ、ちょっと!・・・・・・先生、どうしましょう」
突如として大勢の舎弟を持つ身に祭り上げられ、困惑顔で
自分の方を見る吾郎に向って、北岡が考え深げに答えた。
「あの蛇柄、あんなに強いんだもんな・・・ゴロちゃんの料理で
手なずけておけば今日みたいな場合に頼りになるかも。
それにヤクザのお抱え弁護士でなく、ヤクザを束ねる秘書の
ついてるスーパー弁護士ってのも悪くないよな、うん。
というわけでゴロちゃん、期待してるからさ−−俺も」
「そんな!殺生っす!」


そう。みんな知らなかった。
今日という日が、終ったはずの永遠の戦いがまたも
再開される日になるかもしれなかったということを。
今日という、どちらかといえばついていない一日こそ
彼等にとって人生最高と言える日だったのだということを。

そして、彼等が今までの世界であれほど求めながら
決して得られなかった幸福を空気のように満喫している
この世界の存亡が、ただ一人の少女−−いやこれからは
ただ一人の少女とただ一人の青年にかかっているのだと
いうことに・・・


「なにぃ?立て篭もりの取材に行ってケンカに巻き込まれただぁ?」
「す、すいません・・・あ、でもちゃんと取材はしたんすよ、
浜崎実加ちゃん本人に。いろいろ差し障りがあるから記事には
するなって怖いお兄さんたちにクギさされちゃいましたけどね、はは」
「何がハハだよ、いいからとっとと戻ってこいこのバカ真司!」
「あ、はいはい、じゃ」
816Evergreen(150):2005/10/09(日) 15:44:34 ID:socIyLV0
携帯の向うから編集長にどやされて首をすくめる真司の脇を、
蓮が通り過ぎて行く。恵里と話しながら。
「蓮、どこかケガしてない?」
「ああ。お前こそ足が冷たくなったんじゃないか?」
「平気だよ、ねえユイ?」
「・・・誰に話してる?」
「決まってるでしょ。秋山家の長女よ」
「・・・・・・性別は生まれるまで聞かないと、お前がこの前自分で
決めたんじゃないのか。しかも俺に相談もなく名前までいつの間に」
「あたしには分かるの。さ、もう喧嘩も終ったし、病院よ病院」
「・・・ああ。そうだな」

溜息をつくと、蓮が振り向く。
携帯を耳から離すと、真司も振り向く。

一瞬だけ視線を合わせた後、そのまま歩み去る二人。
別々の方向へと。

*** *** ***

ある者たちにとって最低で最高の一日がようやく
暮れようとする頃、一人の男が街に現れた。
降り始めた夕闇と、古びたコートが長身を包んでいる。
「・・・この辺りだったはずだな」
口調がややぎこちないのは長らく母国語を使っていなかった
ためかもしれない。今は離れて暮らす養父母と話す時
以外、使う機会もなかったのだ。まだ少年だった頃以来。
例のない豪雪の残りが凍てつき始めている住宅街の路上を
影のように歩みながら、男はある場所を探していた−−
遠い昔に別れた妹との、数少ない幸福な思い出の残る場所を。
817Evergreen(151):2005/10/09(日) 15:45:17 ID:socIyLV0
幸い、その場所はほどなく見つかった。
「TEA 花鶏」という看板でそれと分かったのだ。

「し・・・ 士郎!士郎でしょあんた、ね、そうでしょ?」
店のドアの開く音に応じてカウンターの向こうから姿を現した
女性が、叫びと同時に男に駆け寄る。涙とともに。
「・・・・・・お久しぶりです、沙奈子おばさん」
「こんなに大きくなって・・・ずっと前にもらった高見さんからの
手紙で、あんたがニューヨークで画家をやってるってことは
知ってたけど、まあ・・・こっちへ来るなら来るって、なんで
前もって知らせてくれなかったのよ?」
「すみません。急に思い立ったものですから」

ほどなく閉店時間を迎えた後も、花鶏の灯は消えなかった。
客用テーブルのひとつにティーセットとホームメイドのケーキを
並べ、叔母が十数年ぶりに会う甥を精一杯もてなしている。
「思い出すよ・・・あんたと優衣がここへ来た時は、ちょうど
今頃からこんな風にテーブルに陣取って、夜遅くまで
絵を描いていたっけねえ。あんなことになると知ってたら
兄さんたちが迎えにきても帰すんじゃなかったって、
何度思ったことか・・・あ、ごめんよ、嫌な事を思い出させて」
あわてる沙奈子に、士郎の黒い眼が微笑む。
「いいんですよ・・・実を言うと、俺が今日ここへ来たのは
優衣の話をしたかったからなんです。叔母さんには、
俺も優衣も本当に可愛がってもらってたから」
「え?」
「会ったんですよ、ついこの間。大きくなった優衣に」
818Evergreen(152):2005/10/09(日) 15:45:56 ID:socIyLV0
−−優衣にもらった不思議な板でポワカに変身した
高見士郎が我に返った時、もうその優衣の姿はなかった。
何故だ。優衣、お前は生き返るはずじゃなかったのか。
いったい、何が変わったというんだ?
そう叫びながら、士郎は夜通し壁際に座ったまま号泣し続けた。
明け方、腫れあがった眼でぼんやりと周囲を見まわして、
部屋の隅におかれた小さなクリスマスツリーに気づいた。
この間訪ねてきた友人が置いていったものだ。

ああそうか。もうすぐクリスマスなんだな。
なにげなくそう思った瞬間、画家としての士郎を
稲妻のように鮮やかなイメージが貫いた。
画材のある部屋へ描け込むと、彼は作品にとりかかった。
もう悲しみはなかった。その時はじめて分かったからだ。
妹がどこへも行ってなどいなかったことが。
彼がこの国で悲しんでいる間中、ずっと一緒に
いてくれたのだということが・・・
"大好きだよ。いつも見てるからね、お兄ちゃんのこと"

十数年前にこの国へ渡って以来、初めて母国へ帰る前に
どうしても立ち寄らなければならないところがあった。
子供の頃に彼が連れていってもらって先住民のシャーマンに
会った、あの砂漠と岩山の中の観光地だ。

多少心配したが、探し当ててみるとあのシャーマンは
とても元気でいた。もう現役は引退して仮面を脱いでいたが。
金色の羽根で飾られ、細い切れ込みのような両眼のついた
その仮面は、泥レンガの家の奥でひっそり輝いていた。
819Evergreen(153):2005/10/09(日) 15:48:16 ID:socIyLV0
「なるほど。どうやらポワカの呪縛から完全に解放されたようだな」
士郎をみるなり、褐色に日焼けした元呪術師はそう言って笑った。
十数年前に予言を授けた少年だと、すぐに分かったらしい。
「はい。妹が本当に俺に望んでいたことが、やっとわかりました」
神妙に答える彼に、老人は意外なことを告げた。
「前の世界には、ポワカとしてのお前の力に負けなかった
者たちもいたはずだ。お前に命を奪われながらも、お前の支配に
ことごとく逆らった者たちが。この世では、その者たちがお前を
救ってくれたようだな・・・そして今度こそ、お前の妹も」

「・・・そうかい。不思議な話だねえ」
甥の話を聞き終わってしみじみと言う沙奈子の前へ、
士郎が色紙大の平たい包みを置いた。
「俺が会った、大きくなった優衣を思い出して描いた水彩です。
もし叔母さんさえよかったら、この店の隅にでも飾ってくれませんか?
そうすればきっと優衣も喜ぶと思うから」
「本当かい?そんな、こちらこそ願ってもないことだよ・・・!
これであたしも、いつも優衣と一緒にいられるからねえ。
それじゃ、あそこのカウンターの隅にでも置かしてもらおうかしら。
お前たちが小さい頃の写真をずっと飾ってあるから、それと一緒にね」

沙奈子が士郎を案内して二階へ引き取った後の店内。
暗がりの中で、カウンターの隅に新しく置かれた絵だけが
不思議に柔らかい光を放っている。
淡い色彩でそこに描かれた、クリスマスツリーの前に立つ若い娘
−−神崎優衣の笑顔があまりにも清らかなせいかもしれない。
そして優衣の足元にペンで走り書きされている言葉は−−
この絵のタイトルらしかった。
"Evergreen"(常緑樹)
                                END
820819 ◆E1fbVEzwrk :2005/10/09(日) 15:57:58 ID:socIyLV0
Evergreenの続きと最終回をupしました。
読んでくださった方々・・・
       ありがとうございます!!!!!!!

まさか2年近く連載することになるとは思ってもみませんでした。
繰り返しになってしまいますが、みなさんが読んでくれて、いろいろな形で
応援してくれて、>>1さんが多大な労力を払ってスレを何度も
立て直してくれなければ、到底できなかったことです。
だから、この作品が最後まで楽しんでいただけるものになっていることを
望んでやみません。

もう、なんとかの1つ覚えのようにありがとうございますしか言えなくて
すみませんが、ほんとうにありがとうございます・・・・・
821名無しより愛をこめて:2005/10/09(日) 17:54:34 ID:O6Sh1sa7
>Evergreen作者様
完結おめでとうございます。
長い間一緒に楽しませて頂きました。

非常に読み応えがあり、毎週楽しみにしていました。
最終的に神崎兄妹の心に平安が訪れたよいラストでした。
ライダーバトルで北岡に何も出来なかったと悔やんでいた吾郎と
浅倉をただ一人慕っていた実加ちゃんが
最終的に悲劇の連鎖を押さえた、というのもよかったです。

お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
気が向いたらまた何か書いて下さいね。
822名無しより愛をこめて:2005/10/09(日) 20:57:18 ID:TY893HqL
>>820
乙彼さまでした。

最後の最後でうるうるっと来ました。最高です!!



だれか書籍化するとか漫画にするとかしてくれ!!!
823名無しより愛をこめて:2005/10/09(日) 23:38:26 ID:3rfCQpoP
クソスレ立て乙
824名無しより愛をこめて:2005/10/10(月) 02:13:20 ID:dxkNNUXk
クソSS決定
825名無しより愛をこめて:2005/10/10(月) 03:40:43 ID:oJMn01bT
>Evergreen作者様

完結おめでとうございます。
長い間、本当にお疲れ様でした。
この話が最後まで読むことが出来て嬉しかったです。

素敵な話をありがとうございました。

826名無しより愛をこめて:2005/10/10(月) 07:34:36 ID:XaEV+jZG
月曜朝の楽しみが・・・・・・・

いつかまた、新しいお話でお会いしたいですね。
救いの物語を、ありがとう。
827名無しより愛をこめて:2005/10/10(月) 15:08:29 ID:7UzXmYpG
>>820
Evergreen完結、おめでとうございます。そして、
おつかれさまでした。

2年にもわたる長期連載のラストを飾るにふさわしい、
印象的で暖かな最終回でしたね。
ハッピーエンド、本当によかったです。

今まで毎週毎週楽しませていただき、どうもありがとう
ございました。
次回作も楽しみにしていますね。
828819 ◆E1fbVEzwrk :2005/10/10(月) 22:18:44 ID:iU30P9Iz
こんばんは。Evergreen作者です。
レスをいただいたみなさん、ありがとうございます・・・!

>>821
ありがとうございます。毎週楽しんでいただけたという言葉が
どれだけありがたいか、2年近く同じ作品を書かせてもらって
初めて本当の意味で分かったような気がします・・・

>>822
ありがとうございます。やっと辿り着いたラストなので、
やはり楽しんでいただけたのでしたら本当に嬉しいです。
書籍化・・・はしなくとも、ログでもとっておいてくださいませ(汗)

>>825
ありがとうございます。長くなってしまったにもかかわらず
無事に作品を完成させることができて、なおかつ楽しんで
もらえるなんて、私こそ本当に幸せ者だと思っております・・・

>>826
ありがとうございます。私にとっても毎週書いてupするのは
とても楽しかったので、それを楽しんでもらえてたのでしたら
本当にこれ以上の喜びはありません・・・

>>827
ありがとうございます。最後の花鶏のカウンターと絵がかなり
前から見えていたにもかかわらず、そこへたどりつくまでに
なんでこんなにかかったか・・・orzなので、喜んでもらえて
本当によかったです。
829名無しより愛をこめて:2005/10/11(火) 00:22:58 ID:YL4gq173
なんか感動気取ってるようだが、
冷静にスレを見渡せば、
多くの住人が飽きと呆れで離れていった原因の迷惑ものが終わっただけだろう。

書き手一人、週に良くても10レス超えず、住人片手指未満のスレを2年って・・・自サイト作ってそこでやれよ。

まぁおつかれさま、存分に幸福に浸るといーが、
周囲に対する惨憺たる結果には眼を逸らし馴れ合って酔っているだけでした。





おしまい
830名無しより愛をこめて:2005/10/11(火) 01:48:49 ID:1MpBy058
>>829
おまえー、そんなことを書くために生きてんの?w

そんなのを書くんだったら自分も何か書けば良いんだよ。


できないなら一生ロムるといい。お薦めだ
831名無しより愛をこめて:2005/10/16(日) 11:46:45 ID:wYOFGNgm0
hoshu
832名無しより愛をこめて:2005/10/16(日) 11:50:59 ID:6Nk6/UJS0
長編だったなあ。
まとめサイトって、結局出来たの?
833名無しより愛をこめて:2005/10/17(月) 12:07:21 ID:/6F7rDYE0
そっか、今日はもう更新ないのか・・・(´・ω・`)ショボーン
834名無しより愛をこめて:2005/10/20(木) 15:55:00 ID:1IKUB1r0O
ブラプレゼント
835名無しより愛をこめて:2005/10/23(日) 08:07:07 ID:NicWYSjG0
もうすぐだから待ってて。
836名無しより愛をこめて:2005/10/25(火) 07:56:54 ID:832Knfub0
作業が遅くてすまぬ。
837名無しより愛をこめて:2005/10/25(火) 11:43:22 ID:u+Q6wTQG0
今更分かったのだが
>385,836 は、>832 へのレスなんだね。

焦らなくていいからがんばってほしい。期待して待ってる。
838名無しより愛をこめて:2005/10/27(木) 22:56:10 ID:Y7lBCe220
829>同感。独りよがりの駄作が終わって有り難いよな。
839名無しより愛をこめて:2005/10/28(金) 08:25:39 ID:6M1ikKdU0
日本ランド氏復活してくれ―――w
Evergreen作者の話は糞つまらん。

ま、此処はEvergreen作者の下の下のSSごときを
名作という馬鹿しかいないからなぁ?
840名無しより愛をこめて:2005/10/28(金) 10:22:38 ID:lX9KJYsW0
可哀想な方が一人いらっしゃいますね。
841名無しより愛をこめて:2005/10/28(金) 10:28:17 ID:E/T/SMFT0
>>840
確実に独りでやってるっぽい感じが
哀れなんだよな(w
842 ◆LEONok996s :2005/10/29(土) 19:16:47 ID:PsboAHU70
787で言った、スレ作品の保管庫が出来ました。
このスレと前スレとドラマじゃない龍騎スレの作品を収めてます。
(宣言から1ヶ月半…。遅くなってすみません)

ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/9968/hokan001.html
843 ◆E1fbVEzwrk :2005/10/30(日) 02:56:49 ID:JqQVrFHH0
>>842
お疲れ様です・・・本当に本当に、ありがとうございます。
844名無しより愛をこめて:2005/10/30(日) 09:20:20 ID:x1Fno5F90
>842
おお、今まで書かれていた短編もすべてあるんですね。
超お疲れ様でした。GJ!!
書いた職人さん達もGJ!!
845名無しより愛をこめて:2005/10/30(日) 09:56:30 ID:ORPMpGtn0
「北岡が最後のライダーだった場合の最終回」

>「こいつを、何とかしてくれ」
>「そんな望みでいいのか」

開いた口がふさがりませんでしたwww
846名無しより愛をこめて
純粋な靖子ライダーは蟹刑事と仲村君だけだったな。
そして純粋な井上ライダーはファムとリュウガと高見沢とサノマン。
残りのライダーは二人のコラボから様々な色合いが生まれた。

補完スレのSSは更に別な視点での彼らを描いているのでまた違った色が見えて面白かった。