1 :
774RR:
2 :
774RR:2006/01/16(月) 22:37:29 ID:MJbX7H9H0
3 :
774RR:2006/01/16(月) 22:38:27 ID:MJbX7H9H0
4 :
774RR:2006/01/16(月) 22:39:08 ID:MJbX7H9H0
【スレのお約束】
1 基本的にsage進行でお願いします。
2 作品投稿のage・sageは、作者の判断にお任せします。
3 作品には感想をお願いします。感想についての批判は作者・読者ともに控えましょう。
「感想・意見・批評」と「誹謗中傷」は異なります。
よけいな争いごとを持ち込まぬよう、表現にはくれぐれも気をつけましょう。
4 煽り・荒らしは放置、反応なしでお願いします。
【マナー。その他】
1 連続投稿数は5〜10レスを目安にしましょう。
2 作品投稿は間隔に気をつけてください。場合に応じて間隔をあけましょう。
投稿前と投稿後に宣言すると、スレの流れがスムーズになります。
3 自分の意見に返事を期待する作者は、トリップを付けたほうがいいでしょう。
4 個人攻撃、的外れな批難の類は流したほうが無難です。
5 496KBで警告メッセージが出力されます。
512KBでスレッドが終了なので、950からか450KBを過ぎた時点で新スレッドへの
移行を話し合いしましょう。
スレ立て乙です!
作者の皆さん、携帯カチカチしながら楽しみに待ってます!
6 :
774RR:2006/01/16(月) 22:40:24 ID:MJbX7H9H0
1です。何時までたっても書き込みが無いので保守しようとしたら、
容量一杯を知りました。僭越ながら勝手に立てました。
7 :
まこしろ:2006/01/17(火) 12:56:32 ID:VBNX0MHG0
774RRさん
スレ立て乙です。
私も気になっていましたが、何せ、仕事が忙しい上に転居が重なり、暇がありませんでした。
未だ、自宅ではネット接続環境にないので、整いしだい、続きを書きたいと思います。
前スレでの完結を目指していたのですが・・・orz
新スレ乙
と学校のトイレから書き込んでみる
立てようと思って確認したらもう出来ていましたか…よかった
ともかく
>>1氏乙です!
保守
星
「…とうとう俺一人だけになっちまった…容子ちゃん苦しんでたけど、助けてやれなかった
俺って駄目なやつだ…本当に何もしてやれなかった」
「せっかく純平が自分を犠牲にここまで逃がしてくれたのに」
容子ちゃんの遺体を前にして一人呟く
俺達は純平の働きもあり、隠れ家に逃げ込むことが出来た
しかし、容子ちゃんはゾンビに噛まれた傷が元で死んでしまった…
「容子ちゃん、俺ゾンビになった容子ちゃんに噛まれたるから許してくれ…」
純平は俺の中学時代からの友人で、共にバスケ部に入り汗を流した仲だ
そして容子ちゃんに惚れてた俺を気遣って、色々と手を回してくれた最高の友人だった
それでも結局は駄目だったけどな
「女のアソコって苺の香りがするらしいぞ」
中学時代の純平の口癖を思い出す
「でもな、洗わずに入れると糞が付くらしいぞ」
ここまで思い出し思わず苦笑いをする
性知識のなかった中学時代だから、純平のやつ色々ごっちゃになってたんだろうなぁ
「…でもなぁ、純平…俺さ、未だに童貞だから苺かどうかわかんねぇんだ…
純平、お前は現実を知って逝けたか?それとも童貞だったか?」
自分の言葉で純平を思いだし涙が止まらなくなり泣き続けた
「やるなら今しかねぇ!やるなら今しかねぇ!」
二時間ほど泣き続けていると、純平の声がきこえた気がした
「…純平?」
「やるなら今しかないよ!やるなら今しかないよ!」
容子ちゃんの声も純平の声に合わさる
これは幻聴?…いや違う!あの二人のことだから俺を不憫に思い、神様に頼んで声を聞かせてくれてるんだ
俺は普段、信じない神に感謝した
「そうだよなぁ純平…最後の人類かも知れない俺が、惚れた女の香りをたしなんで人類の歴史に
終止符を打つのも、おつなもんだよな」
俺は喋りながら決意を固めた
「容子ちゃん奇麗だ…」
俺の前に生まれたままの姿になった容子ちゃんがいる
「胸が小さいから恥ずかしいの」
容子ちゃんの声がきこえた気がする
「俺は控えめなのが好きだから、容子ちゃんの性格に似て控えめで可愛いよ」
優しく甘い台詞で容子ちゃんの緊張をほぐしてやりつつ、容子ちゃんの足下に移動する
容子ちゃんの香りで肺を満たすため、深呼吸をし息を整える
「よし!純平!俺に力を貸してくれ…容子ちゃんイクよ!」
ス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ
容子ちゃんの香りで肺が満たs
「救命阿ッッッ!!!」
完
>>13 ん、、、ま、乙w
こういうのあってもいいでしょ。
尻切れになったまま経過報告もしてこないのよりはw
超最低w
ある意味天才だなw
9
同日、5時26分。
嗅ぎ慣れぬ男性の匂い。
見慣れぬ天井と、うっとうしい己の髪。
激しい雨音が、耳元で響いていた。
萩原彩は、静かに目を開ける。
薄く開けたその先で、幾つもの雨粒が窓ガラスにぶつかり、そして、消えてゆく。
―――昨日眠るのが早すぎたせいで、起きるのもかなり早くなってしまったようだ。
体の痛みは、数時間の睡眠で消えてくれたようだし、起きたくなくなるようないつもの低血圧の兆候もない。
枕もとにあるライトを灯らせ、ベッドから起ると畳んでおいたブレザーに着替える。
最後にネクタイを首元までしっかり締めると、彩はカーテンの合間から外を伺った。
まだ外は暗く、朝日さえ昇っていないようだ。
加え、暴風雨でも直撃したかのような雨が、窓下のトタン屋根に強く打ち付けられている。
その窓外から連中の姿が見えないことに不安を感じ、日が昇るまで待とうかとも思ったが、止めた。
冷静に考えて暗闇の方が大通りを歩いても連中に見つかりにくいかもしれないし、もしかしたら雨音が足音さえ消してくれるかもしれないと、そう思ったのだ。
バッグに荷物をまとめ、使った物だけ綺麗に元通りにすると、彩は手早く部屋を出た。
人の気配を警戒しながら、暗い階段を一段ずつ下ってゆく。
そのたびに強まるような、雨の日の妙な湿気と、木造住宅独特の木の匂い。
両方とも昨日には気付かなかった物である。
それだけ、己の警戒心が敏感になっているのか、単純に神経質になっているのか、それはわからなかったが。
一階に降り、真っ直ぐ玄関に向かう。
スニーカーの紐を改めて結び、しっかりと荷物を肩に掛ける。
守ってくれる筈の警察組織も、助けを求める通信手段もない。
自分の置かれている状況も理解していたが、だがしかし彩は不思議と酷い絶望感を持つことはなかった。
昨夜見た、一筋の光。その先に居るはずの彼。彩はその希望を信じて疑わなかったのだ。
ラックから中で一番安そうなビニール傘だけ拝借し、彩は内側の閂を外し、玄関を開けた。
冷たい空気が、据えたような匂いの住宅に入り込む。
どうやら雨こそひどいものの、風は無風に近く、移動はしやすいようだ。少しばかりまともになった暗さは、数十メートルほどは見渡せる程度らしい。
いるかもわからない連中の様子を隠れながら伺うには、絶好の視界であった。ここからデパートまでは、歩いて二時間もかからないだろう。
彩は、大雨の元に身を乗り出した。もちろん、住宅の持ち主への感謝の言葉も忘れずに心中で念じながら。
住宅の連なる路地を抜け、昨日歩いてきた大通りへ出る。
相変わらず人の姿も、街灯も、車一台さえ見当たらない状況であったが、今ではむしろその方が都合がよい。
見れば、遠くの光はまだ輝いていた。
ひたすらに、来た道を戻る。
本来なら警察署に辿り付いた際に拾ったチラシの避難場所にでも行くべきなのだろうが、デパートの他になんら明かりの灯った場所などなかったし、
連中を見すぎたせいか、なんとなくだが他人の多くいる場所はすべてが危険な気さえした。
数十分を経て昨日の空家のある通りに面する交差点へと戻ると、そこから直角に右に曲がる。
最早左右を確認する必要もない大通りを越えると、その先の道路沿いにもやはりどこにでもあるような小中規模の量販店が、両脇に所狭しと立ち並んでいた。
昨日見たときはほとんど直線に続いていたようなその通りも、この状況では数メートル先を見通すことさえ難しいようだ。
まるで闇の底へと続くような、そんな今までとは少し違うその様相に彩は進む事を一瞬躊躇いもしたが、それよりももっと大切な目的があることを思い出し、
先へと踏み進む。
どちらかと言えば小規模の小売り店が多いその通りはアーケードでこそないものの一般に商店街と呼べる類のそれで、
彼女の歩く歩道の左手側には、透明なガラス製の自動ドアやショウウインドウがあり幾つかの店舗は中の様子を察する事ができる様であった。
警戒ついでに中を覗けるものは全て一瞥する程度に覗き込んでみるも、どこも人の気配は無い。
だが、その限りでも大通りの店舗群とは違い、その幾つかでは何か酷い混乱があったように取れた。
書店ならば狭い玄関に置かれた、入荷したての本が入っていたであろうダンボール箱が乱雑に崩れ、
パン屋ならば、床のあちこちにトングやトレーが散乱し、買い物途中であったのだろうパンも同様に転がっていた。
ただ、パチンコ店だけは自動ドアに貼られた紙に休業とあったので特に異常は無かったが。
加えて、煉瓦で舗装された眼下の歩道も注視すれば警察署で見たビラや、地区独自に製作したのであろう「避難のお知らせ」チラシなど、乱雑なそれが散在しているようだ。
もっとも、そのほとんどが昨夜から続く暴風雨によって吹き飛ばされ、商店や住居のあちこちに張り付いているふうではあったが。
ふと足元にあった一枚、ピンク色のザラ紙に刷られた「市役所からの通知」を拾い上げる。
携帯のほのかな照明を頼りにその内容を伺えば、その中の重要な避難先などの情報は、すべてが警察署のそれと同じようであった。
―――一応の中心区であるらしいこの通りの様子を伺えば伺うほど、彩はこの街で何があったのか、その全体像が曖昧になっていくのを感じた。
確かに状況から見ればおそらくは連中、そうでなくともとにかくそういった暴徒の襲撃があった事を示唆させる体があったことは理解できたが、
では何故この地に連中の影も形もない事には疑念が残る。
少なくとも数歩おきに前後も左右も慎重に見回していた筈だが、連中をはじめまともな人間は愚か、動物のただの一匹も見つからないのだ。
いまさっき通り過ぎた食堂の窓になかばこびり付いたような血痕があった他には、己やクラスメイト達が遭ってきたような暴徒による人間の殺傷の跡も見つからない。
この暴風雨に半日晒されればそれもおかしくは無いのかもしれないが特に、連中の一人もいない、と言う事については今の彩には憶測の余地すらなかった。
握ったビニール傘が不意に、ぎしと音を立てる。
交差点からおおよそ200メートルほど進んだ時点で更なる曲がり角が眼前に見えると、左手側が二十メートル四方ほどの、立地にしては大き目の駐車場へと変わる。
その奥を見れば、今まで店舗群の陰になって見えなかった位置に屋上駐車場式のスーパーがあるのが見えた。
眼前に立てられた看板には「ヨークベニマル西棟越(にしむねこし)店お客様第二駐車場」と表されており、どうやら奥にあるスーパーの専用駐車場のようであった。
乗用車もまばらに止まっている事から、念押しするならばそれが無断駐車で無ければ、ではあるが、そこから察すればおそらくスーパーの客も数人程度は
「事の発端」より前にはいつもどおり買い物をしていた事になる。とどのつまり、連中の存在は日常ではなかったのだろう。
この期に至ってはもはや風前の灯となった「常識」で考えるならば当然そんな事があるわけは無いのだが。
唐突に左手が、軽くなった。
彩は刹那の間に何があったか理解できなかったが―――頭上に降り注ぐ冷たい雨に、それを理解する。
今までより更に強まった暴風が、彩の持ったビニール傘を吹き飛ばしたのだ。
ただ、時すでに遅く、気付いたときには傘は虚空へ舞い上がったかと思うと、駐車場のフェンスの後ろ、店舗のスロープ下との合間に、眼前から消えた。
無視してこのまま進もうかとも思ったが、一応は「借り物」と言う名目上の義理も手伝って仕方なく彩はそれを取りに行く事にする。
正方形の駐車場の中央を真っ直ぐ抜け、間を隔てるフェンスまで近づく。
その向こう、スロープの下は店の管理が行き届いていないらしく深い草むらで、恐らく運転手達によって幾つか投棄されたゴミ袋も見受けられた。
逐一フェンスを越えるのも、この格好でそれを行う事にも抵抗があったが、傘はフェンスのすぐ側に落ちており、
それも金網の一部がほつれて広がっていたのでそこから手を伸ばせば難なく取り出せるようだ。
ただ、バッグが邪魔だったのでそれを一応雨のかかりにくいであろう近くの車間に置いてから、フェンスの穴から傘に向かって手を伸ばす。
相当に丈の長い草むらの下から連中が手を伸ばしてくるのではないかとも思って少し緊張もしたが、向こうで傘を閉じ、取り出すというプロセスが
つつがなく進んだ事に彩の心配は杞憂に終わったが、だが安心して急いで手を戻そうとしたとき、右手の甲ををフェンスの針金の先端に思い切り引っ掛けてしまう。
「痛っ………!」慌て見れば、指の付け根から手首にいたる五、六センチに渡り一直線の切り傷が出来ていた。
刹那の間を置いて、露出したピンク色の筋の合間から溢れ出す鮮血。彩が今までに見たことも無い勢いのそれは、瞬く間に五本の指から滴り落ちて足元の水溜りに赤いまだら模様を形成してゆく。
運悪く、深く切ってしまったらしい。それを悟った彩は空いた手で何とかポケットからハンカチを取り出して手に巻きつけると、左手でそれを力強く押さえる。
彩は、己の拍動が不快なまでに急に高まるのを、上がる息の中でふと感じた。
無意識に道路側から見えないよう車の陰に改めて位置取ってから、彩は次に取るべき行動を考えることにする。
左手で、携帯を取り出す。午前六時五十三分だった。朝住宅を出てから、ここに至る迄約50分の道程だ。出発の際に推測した時間は、ほぼ正しかったらしい。
距離にしても見る限り半分ほどは進んでいるようだったし、多少のハプニングはあったものの連中の姿は見ていない。
他に何かトラブルにさえ遭わなければどんなに遅くとも8時過ぎにはデパートへ辿り付けるだろう。
出血はブラックのハンカチの上からでもわかるまでに酷いようだが、それを気にしている暇も今の彼女には無かった。
拍動が多少落ち着いた事だけを確認し、ショルダーバッグを持ち上げる。雨に濡れたそれは、先程よりもいくらか重かった。
もう一度傘を広げると歩道まで戻り、そこから左折してスーパー正面沿いへ続く分岐路より一つ奥にある突き当たりのL字路を曲がる。
だが、この通りを過ぎればもうすぐ到着する。そんな彩のささやかな希望は、刹那にして押し崩された。
眼前の脅威に、彩は目を見開く。
「え………?」それこそ心臓をもぎ取られるような眼前の衝撃に、彼女の口を突いて出るのは小さな呻きに尽きる。
―――連中だった。人間の群れ、否、いつかニュースで見た某国のデモ隊を彷彿とさせる規模の人数が、通りを丸々一本閉鎖していたのだ。
しかし、それと違う点は、案山子を連想させるような、白濁とした虚ろな両の目と、黄ばんだ肌。そのどれもが立ちはだかる人間が皆、持ち合わせているものであった。
「う………そ」そう、生存者ではない―――最悪の形での、鉢合わせである。
彼女の慄きと連中の咆哮は同時。彩は踵を返し、脱兎の如く駆け出した。
背後で、耳を突くような地を揺るがすような連中の足音。
姿勢を低く、短距離走の風体で彩はスピードを上げ、連中との間を引き離す。
道路の中心を駆け抜け、商店街沿いの通りへ戻った刹那に耳元で何かが爆ぜる。
側にあったコンビニの、店員の格好をした連中の一人が、ショウウインドウの硝子を叩き割ったのだ。
再び、どこかで硝子が爆ぜ、彩は立ち止まる。
妙に調和した時間差で、連中が商店街のあちこちの建物の内側からそれを素手で叩き割っていた。
先ほど通り過ぎ、覗き込んだ場所にさえその姿はなかったはずなのにも関わらず、である。
連中が中から這い出てくるのは時間の問題、否、既に正面からは四、五人程はこちらへ向かってきていた。
別な逃げ道を探すべくスーパーへ続く左側の道路を見ても、どこから嗅ぎつけたのか連中の一群がその通路の一本も塞いでいる。
豪雨の中、彩は立ち尽くす。左右を見回すも、入り込めそうな合間も、硝子張りにされた建物ばかりで、逃げ込めそうなそれもない。
大きな打撃音。
すぐ左側、至近距離の洋裁店から、中年ほどの女性が顔を窓ガラスに押し付け、必死に硝子を叩いているのだ。
驚いて視線を逸らした折、あるものが目に入る―――傘を取りに戻った駐車場だ。そして、その先にあるフェンス。
彩は閃く。そして、再び駆けた。
駐車場を全速で横断し、フェンスの際へと辿り付く。
そして、力一杯にバッグをその向こうへ投げ飛ばす―――フェンスを越え、逃げるのだ。
運良く一度で荷物は向こうへ綺麗な放射状の弧を描き、湿った音と共に草むらに着地する。
続け、フェンスに手を掛けると、不覚にも背後まで迫ってきていた連中の一人に掴みかかられる。
先程の、コンビニの店員だった。妙に明るいオレンジと緑を基調にした制服は汚泥か何かに薄汚く汚れ、その上に赤い斑模様が幾つも散っていた。
己に喰らいつかんとばかりに大きく口を開くその男を両手で近づけまいとしながら、押し付けられたフェンスの反発性を利用して、それに体当たりする。
彩の渾身の一撃に男は予想以上、半ば大袈裟に吹き飛ぶ。
おおよそ人間の物とは思えない妙な不快なまでの柔らかい湿った感触がブレザー越しの肩に残るも、気にする暇はない。
もう一度彩はフェンスを掴み、それを登り始める。
背後で、三地点からの暴徒の連中が合流し、残り少ないインターバルを一気に詰めてきた。
一方の彩は手の怪我のせいもあり、上手く登る事が出来ずにいる。針金の一つ一つを掴むたび、右手に激痛が走るのだ。
身長の2倍ほどあるそれの中程まで至ったとき、いち早く到達した一人が彩の足を掴む。
「放して!」頭を半分ほど無くしたその作業員風の男を、彩は振りほどいた靴の底で思い切り蹴り飛ばした。
それと同時に、ようやく左手がフェンスの上端を掴み、そのまま半ば勢い任せに右足からそれを跨いだ所で、フェンスに暴徒の波が押し寄せてくる。
「ひゃあ………っ!?」彩はその衝撃から来る凄まじい揺れに投げ出され、草むらに叩き落された。
だが、雨のせいか湿地帯と化していた地面のお陰でダメージはそれほど高くなく、消費する体力に肩で息をしながらもすぐさまに起き上がり
ショルダーバッグを掴むと、彩はフェンス越しの暴徒群を一瞥した。
虚ろな目をした、元人間―――昨晩しばらくの間考えていたが、やはり、行き着く答えはその他にはなかった。
彼らの各々の性別、体格、着用している衣服、そして彼らの異様な風体。それらを交えて推測すればどこからか沸いて出てきたとは考えにくいのだ。
圧倒的な数差。ここまで増えた原因はわからないし、現状には思考の余裕さえなかった。
連中の数人がフェンスを登り出す。残りの一群は、すぐ眼前の餌を捕食しようと躍起になってフェンスを揺らす。
長くここにはいられない。そう悟った彩は、また走り出した。
デパートのスロープ下を過ぎ、スーパーの裏を抜ける。
すぐ背後、彩が逃げてきた通りを境にスーパーより奥の一帯は、住宅街になっているようだ。
細かい通りに入ったほうが逃亡するにはたやすいだろうが、だがしかしそこへ行ってしまえば来た道を逆戻りする事になる。
店舗裏から、正面駐車場を覗く。先程の連中の一部はこの通りから現れたようだが、不思議とそれらの他には一人の姿も見当たらない。
―――寒い。不意に、身震いが彩の体を震わす。
どうやら、上手く追跡を巻く事が出来たようであったが、心に多少の余裕が出来て初めて彩は豪雨の存在を再認識する。
いつのまにか、傘はなくなってしまっていたし、泥の上に落ちた事もあいまって彩の体はバケツ一杯の水を被ったかのように酷く濡れていた。
振り向いてみれば、相変わらずフェンスによじ登ろうとする輩はあるものの、その誰もが乗り越える事に成功してはいない。
正面へと回る。その少し広めの駐車場には、店舗から45メートル離れた位置に運動会のときに使うような簡易テントが幾つも並べられていた。
はじめは何かイベントでもあったのだろうと思ったが、どうやら違うらしい。
―――『食糧配給所』。テントの正面、その下の長机には、マジックでそう書かれた画用紙が貼られていた。
机の側に乱雑に積み上げられたダンボールには、コマーシャルで見た記憶のある缶詰会社の名が印刷されている。
そして、やはりその足元には例のチラシが落ちている事を考えると、避難令が下ってからの配給だったようだ。
連中が初めてめて人を襲うようになったときから、この町は一体どれだけ経ったのだろうか。そんな疑問が脳裏を掠めるが、
それに答えてくれるこれ以上の新たな手掛かりはこの場には無い。
テントの陰に隠れながら、店舗を見る。
マジックガラスになっている正面から遠巻きには中の様子を伺うことはできなかったが、外観は余り荒れた様子も無い。
彩は、取り敢えず存分に水を吸って重くなった枷から解放されたかったし、右手の出血が酷くなっていく様子もあったので
とにかく誰もいない、落ち着ける場所で少しだけ休息を取りたかった。
住宅街の一つに一時的に陣取る手もあるが、この異常事態の中、住人が誰一人いなくなっていてもやはり悪い気もするし、
残り香のような生活感のあるあの環境が、自分自身改めて苦手だとも思った。
商店街にも、今の状況では戻る事は出来ない―――となると、都合のいい場所はここしかないだろう。
それから数分、正面の自動ドアを取り敢えずこじ開ける努力はしてみたものの、非力である上に怪我もあいまって上手くはいかなかった。
仕方なく、裏に戻る。「青果保管庫」や「搬入口」といった大小様々な扉を開けていくもどれもが当然のことながら開かない。
食料配給のテントはそのままでも、逃げ出すときはしっかりと施錠だけは欠かさなかった様である。
結局、逃げてきたフェンス沿いのドアまで戻り、足元にあった大き目の石でガラスを破り、内側から開錠する。
第三者的な観点から見れば相当に乱暴な行為ではあったがとにかく、トラブル続きでひどく狼狽している彩の思考は
無意識の内にも安息の場所を求めたのである。
低い天井の部屋を見回すと、これも不思議と荒れた様子は無い。
これでも隠れて様子を伺いながら休むくらいは出来そうであったが、外のフェンスを叩く連中がいやでも目に入ってしまうし、
部屋の二辺が硝子張りであることを加味すれば、ここにいる己を見つけて連中がそれを破らない保証も無い。
一つ奥の部屋へのドアを開く。
照明が無かったのでよくは見えなかったが、どうやら従業員用の通路らしい。
壁面の左右はダンボールやロッカーなどが所狭しに置かれており、ただでさえ狭い通路がこれでは人の擦れ違いすら容易ではなかっただろう。
突き当りまで進んだところでふと、眼前のドアの向こうから、何か物音がする事に気付く。
一度限りでは耳の錯覚である可能性も否定できないが、その音―――何か物を引き摺るような音は二度、三度と続き、彩の聴覚に確信を持たせる。
「何だろ………」合板のドアに耳を近づけてドアの向こうの様子を伺おうとした瞬間、急にドアから真逆の重力が働き、彩の動きを拘束する。
そして、押さえられた口元に訪れる妙な温もり。
「お、お願いだから、騒がないでくれよ………俺らは別に泥棒でもないし、強盗でもないッ………」
そして、恫喝するような低い声。
「うッ………あ」彩は答えようにも口が押さえられていて、上がるのは赤子のなん語のような喘ぎのみ。
「いいな、放すぞ………」
全身が圧力から解き放たれる。だが、彩の離れようとする勢い余ってそのまま直線状のドアにぶつかり、
体当たりでドアを突き破る映画の主人公よろしく、だがバランスは保たぬままに奥の部屋へと押し飛ばされてしまう。
頬にぶつかる、冷たい床。その感触に浸る暇も無く彩は咄嗟に体制を立て直し、背後に立つ何者かを睨めつけた。
「何!?」封鎖されていた気道に押し寄せる酸素に咳込みながらも、彩は大声で視界の向こうの人間―――肌や目つきを見る限り連中の仲間ではないらしい男を怒鳴りつけた。
「わ、悪い!あいつらかと思ってさ………どうしようかと思ったんだ。こっちに武藤さんもいたし」少し面長の男は、彩の剣幕に慄いたのか、急に萎縮する。
―――武藤。その名を聞き、彩は再び背後へと目を向けた。
「………生きてる奴なんて珍しいな。こんなとこまでどうやって?」
すぐ背後に立っていたらしい。
武藤と呼ばれた男は感心したような顔で言う。
見た目に20代ほどの彩を押さえつけた男とは違い、こちらの男は顔面に深い皺を刻まれている壮年、おおよそ50代半ばといったくらいであろうか。
目深に被ったオリーブグリーンのニット帽と被り、多少ふくよかな体格に青い薄手のジャンパーと、その内側には上下作業用のツナギを着ている。
足は、黒のゴム長靴だった。その格好だけ見ればいくら都心で目にする機会が無いとはいえ、彩にも農業従事者のような印象を持たせた。
対照的に背後の若い男は袖を捲り上げ、ネクタイを締めたYシャツとスラックスという、どこにでもいそうな典型的なホワイトカラーのような格好である。
このどうも怪しい取り合わせに妙な胡散臭さを感じた彩は口を紡いだまま、黙って武藤を見るに尽きた。
武藤は答えをまるで待つかのようにすぐそばにあったひっくり返して置かれた酒ケースに腰掛ける。
その傍らには、幾つものワンカップのガラス瓶が転がっており、恐らくは売り場から持ってきて飲んでいたのだろう。
「なあだから―――」「さっきおめえがなんかしたからこの子も黙りこくってんだろう!」
30秒も経たないうちに無理やり沈黙を破ろうとした若い男を、武藤が大声で諌める。
「なあ姉ちゃん………こんなおかしな状況で困ってんのは解るけどよ、俺たちもあんたと同じくらい困ってんだ。
話せる範囲でいい。ここの来るまでの事を話しちゃくれねえかな」
一転し、穏やかな口調で武藤は彩を宥めた。
本当は嫌な記憶を逐一思い出して口に出す事も絶対にしたくはなかったが、今この状況で何も話さないことは、ようやく出会った生存者と関係を悪くする引き金になりかねない。
彩は刹那の内にそう悟り、修学旅行のバスの担任の豹変から今に至るまでを、できる限り事細かに武藤へと話した。
勿論、デパートへ向かう目的は伏せてだが。
その間彼は自分でも驚くくらいになんら脈絡も感情の起伏も無いただ事実だけの話を黙って聞き続け、時折彩の話に黙って相槌を打つのみだった。
五分ほどで、彩は己の身の上を話し終える。武藤はそれを確認すると、ゆっくり口を開く。
「そりゃあ………大変だったな」「いえ………」
「道理でそんな制服の学生なんざこの辺りでは見かけねえ訳だ」
武藤は腰をさすりながら立ち上がると、彩に向き直る。
「悪いな、なんか勝手に尋問してるみたいで。………俺は武藤、武藤秀治だ。そっちのワイシャツが、大江行雄。
姉ちゃんは?」
「………彩です。萩原、彩」
「そっか、よろしくな」手を差し出す武藤。彩も取り敢えず手を差し出して、軽い握手を交わす。
「こっちにはあと二人いるんだが………おい、おーい!」
武藤が大声でどこかにいるらしいその二人に呼びかけるも、狭い廊下特有の奇妙な反響がついただけに終わる。
「今近くにはいないみたいだ。帰ってきたら紹介するよ」武藤はそう言うと、再び酒ケースの上に座る。
彩は視線を移すついでに周囲を見れば、二階に続く階段と男女トイレが武藤のすぐ背後に見えた。
自分達のいる廊下の形や、綺麗に整列されたカートがあることから推測すると、奥の角を曲がった先は、そのまま売り場らしい。
「………ここにはどれくらいいたんですか」彩は武藤に問う。
「そうだな………かれこれ、一週間くらいか?行雄」
「え?ああ、そうですね………連中の騒ぎが一番大きくなったのが27日からだから………ちょうどそのくらいです」
唐突に話を振られた行雄は、戸惑いながらも日付を逆算し、彩に伝える。
「一週間………そんなに経ってるの!?」
「おっと、そうだった………姉ちゃん東京から来たって行ってたな。そっちじゃあなんも伝わってなかったのかい?」
これほどの異常な出来事なら当然、彼らの言う七日前に放送されていてもいいようなものであったが、
生憎にもそのような話は昨日に至る迄見聞きした事はない。
彩が首を横に振ると、武藤の表情が少し陰る。
「そうか………まあ、バスの運転手もわかってたらんなことはしないだろうしな」
「それより………これは何かの病気なの?あいつらは一体なんのつもりで………人間を殺そうと?」
「さあな、そりゃあ俺たちにもわからねえ。ただ、あいつらが俺たちの知り合いも家族も、みんな喰っちまったってことは事実だ」
先程の己のように、妙に脈絡も無いような口調で武藤は言う。その返事に、彩は突き込んで古傷を抉ることを聞くのはやめておくことにする。
「あら―――誰?」そのとき、不意に頭上から声がした。
見上げれば、階段の踊り場に、若い女性が立っている。
「おじさん、スロープのとこ、車動かしてゾンビが入れないように押さえて置いたよ。
だけどあいつら………しばらくいなくなってくれてたのにいきなり出てくるもんだから驚いちゃった。そっちは終わった?」
「こっちはあと正面の自動ドアを塞いでお終いだ」武藤が彼女に答えた。
女性は、右肩を回しながら階段を下ってくると、茶髪のパーマがかった濡れ髪をかきあげて彩を見る。
「この子は………昨日からここにいたわけじゃないでしょ?………今更生きてる人が出てくるなんて、意外だね」
「彩って言うんだと。東京から修学旅行に行く途中だったらしい」
「へえ………あ、私は永野香奈子。仕事は………えっと、水商売ってやつかな………よく言えば、だけど。
とにかく今じゃこのざま。まぁ………よろしくね」
黒のプルオーバーとロングスカートを着た香奈子と名乗る女性は、彩にこんな状況下でも朗らかな笑みを向ける。
独断かもしれないが、何となく幼い印象を持たせる垂れた目つきや、目の下の泣き黒子、
ウェーブのかかった茶色の長髪を見ると彩が好きな刑事もののテレビドラマに出るそれによく似通っていて、確かにそう見えなくも無かった。
「あ………はい」同姓である事も手伝ってか、自然と手を差し出す彩。
「おい!俺だけ置いていくんじゃねえよ!」
そのとき、再びに二階から怒鳴り声がする。もう一度上を見上げれば、踊り場には誰かが、否、男性が立っていた。
「ったくよ………これだから………」髪を短く切りそろえた、一見して体格のしっかりした男性だった。
彼が武藤の言う他の二人の内の残り一人だろう。
男は階段を駆け下りるも、彩には一瞥もくれずに独り言を呟きながらそのまま廊下を素通りしていってしまったので、彩は少しばかり面食らった。
「ごめんなさい、あいつ、見てのとおりの性格でね」永野が彩に申し訳なさそうな曖昧な風の誤魔化した笑みで言う。
「そうだ、おじさん。雨………酷くなっていってる。近くの排水溝がちょっと溢れ出してたよ」
「………止みそうか?」「ううん、この調子じゃあ、多分ね。天気予報、何かで聞ければいいんだけど………朝いじったけど、どの局も駄目みたいだし」
永野は肩に掛けていたタオルで髪を拭きながら、ふと彩に目を移す。
「彩ちゃんもびしょぬれだね………ちょっと待ってて、タオル持ってきてあげるよ」
「え、あ、いや、いいですよ」
初対面の人間の唐突な気遣いに驚いて遠慮しようとする彩を尻目に、永野は待ってて、とだけ言うと、すぐさまに小走りで廊下を行ってしまった。
その跡には、少しばかりの静寂と、永野から点々と滴り落ちた水だけがベージュ色の廊下にてらてらと輝き、彼女の移動の軌跡を描き出していた。
「なあに、そんなに遠慮する事もねえって。………俺らのやってる事を批判する連中もいなけりゃ、警察もいない。
少しは楽にしな、でないといざというときにどうにもなんねえぞ」武藤が、笑い、それから足元のワンカップを集め出した。
「そうそう、さっきの奴は三原ってんだ。七日前から一緒にここまで逃げてきた仲間。尤も今まで生き残ってる仲間の一人、って意味だけどな。
昨日ここにくる迄に、二人死んだよ」背を向けた武藤の表情を窺い知る術は無いが、最後の言葉を紡ぎ出す辺りで語調が暗くなった事を見ると、
彼にも少し気負うべきことがあったのかもしれない。
―――休憩と着替えの場所だけ、と思っていたが、どうやら少しだけ出発が遅れそうだ。
誰にも聞こえないくらいの小さな溜息をつき、それから、彩はひとつ大きなくしゃみをした。
話だけで15レスとか…すいません
まとめは次回からも前回の話をその都度追加していきますので、話の流れを掴む際にご活用くださいね。
楽しんでいただければ、嬉しいです。
いや、久々に読み応えありましたよ。乙です。いや、甲です。
無理しなくていいから次回早めによろ!!
...6
横田の滑走路に続く長ぇトンネルを、オレ達は用心しながら進んでいった。
後方の武器保管庫の隔壁扉を閉鎖したから、ゾンビ野郎に後ろから襲われる心配は無くなったが、行く先に腹黒伊東が仕掛けた手榴弾のトラップが有るかも知れねぇ。
だからオレ達は、一歩一歩確実に進んで行ったんだ。
ゾンビ化が進行して、言うことをきかねぇ、てめぇの右足を引き摺りながら歩き続けると、滑走路側のエレベーター室に辿り着いた。
螺旋の階段にマグライトを向けた南の奴は、C国製の自動小銃から、三十連マガジンを外して、残った弾をロン毛野郎に渡してる。
どうやら残りの小銃弾は、ワンマガジンも無ぇらしい。
5・8ミリのマガジンを受け取った桐山を先頭に、オレ達は重い足取りで、鋼鉄製の階段を上り始めた。
空になっちまったQBZ小銃を、床に捨てた南の野郎は、オレが手渡したサブマシンガンを構えながら、ロン毛の後に続いて行った。
嫌がる中村のアホを蹴飛ばしながら、こっちも鉄製の階段をぐるぐる昇っていくと、薄っ暗い天井にハッチの扉が見えてきた。
死んじまった平岡の奴が、ゾンビ野郎に襲われた場所だから、上には間違いなく腐れ野郎が居るはずよ。
ハッチの手前で隊列を止めたオレ達は、脱出の手筈を確認した。
右足が不自由でも、何とか運転だけは出来そうなオレが、軍用トラックのエンジンを始動するまで、ロン毛とメガネ猿、それに南の野郎が、ゾンビどもから防衛戦を展開するって寸法だ。
ゴクリと生唾を飲み込んだ桐山の奴が、扉のロックレバーを力一杯押し上げる。
…死人野郎独特の、声にならねぇ唸り声と、腐った臭いが立ちこめる格納庫に、お定まりのアサルトライフルの連射音が響き渡った。
真っ暗な地下から、朝日が燦々と降り注ぐ、地上の格納庫に出たモンで、一瞬目が眩んじまったが、こっちも命がけよ。
先を行く、南の奴に遅れねぇように、バックパック姿の背中を追いかけたんだ。
…そのうち正面に、見覚えのある六輪駆動が見えてきた。
...7
ホッとしたのは良いんだが、そいつと、俺たちの間にゃ、オリーブグリーンの作業服着た、アメちゃんゾンビの二人組が、「通せんぼ」してやがる。
この状況で、自動小銃をぶっ放したら、流れ弾が軍用トラックに当たっちまう。
…けど考えてる暇なんか有りゃしねぇ。
舌なめずりするゾンビ野郎が、飛び掛かって来たモンで、焦った中村のアホは、M16から一連射しやがったのよ。
二匹の死人の頭蓋を突き抜けた、フルメタルジャケット強化弾は、軍用トラックの荷台の鉄板に当たって、派手な火花をあげやがる。
…こうなりゃ、メガネ猿の「まぐれ当たり」が無ぇことを、祈るだけよ。
オレは、賺さず軍用トラックの運転席に飛び乗ると、左ハンドルのダッシュボードに差し込まれた、エンジンキーを捻ったぜ。
五トンの六輪駆動が、咳き込むように身震いして、ジーゼルの騒々しいエンジン音を奏でる頃にゃ、ロン毛やメガネ猿も、どうにかこうにか荷台の上に収まって、南の野郎を引っ張り上げてた。
新手のお客さん方が、格納庫の正面扉に現れる前に、何とかギアをリバースにぶち込んで、蹴飛ばすようにアクセルペダルを踏んづけたんだ。
…一瞬だけ回転の下がったエンジンは、次の瞬間、轟音立てて吹け上がり、トラックのボディが西部劇の暴れ馬みてぇに、荒々しく飛び出した。
ゾンビになっちまった右足だから、微妙なアクセル加減の調整なんかは出来やしねぇ。
格納庫の正面扉を走り出ると、真っ赤に燃える春のお日様がポカポカと降り注いでたが、唸りを上げたジーゼルエンジンの回転計の針も、真っ赤なゾーンに達してた。
オレは、騒ぎを聞き付けて寄ってきた、何匹かの死人野郎を後輪タイヤで轢き殺しながら、ギアを前進に切り替えようと、誘導路の中央付近で急ブレーキを掛けたのよ。
六輪から煙を吐きながら、急停止したオンボロ軍用トラックに、数十匹ものゾンビ野郎が、四方八方から躙り寄る…。
車体が、まだ停止しきらねぇうちに、ギアを「D」に切り替えようとしたモンで、渋るミッションが、悲鳴のような金切り音を上げてるぜ…。
...8
オレが、力任せにセレクターレバーを操作していると、そのうち助手席の窓から、何かが飛び込んで来やがった。
…ゾンビ野郎かと思って、ブン殴ろうとしたんだが、よく見ると桐山の兄ちゃんじゃねぇか。
「…無茶苦茶な運転だな!。」って、叫んでやがるが、こっちだって必死だぜ。「タクシーじゃ無ぇんだから我慢しろ。」って怒鳴ってやったのよ。
…ゾンビ野郎が群がる前に、やっとの思いで軍用トラックを発車させ、どうにかこうにか横田の滑走路を走り出した。
だけどよ。巡航ミサイルを積んで、先に行っちまった腹黒伊東の行方が判らなきゃ、オレ達だってどうしようも無ぇだろう。
それで、オレは「どこに行きゃいいんだ?。」って聞いたのよ。
桐山の奴は、トラックの助手席の下辺りを、何やらモゾモゾとやってたが、受信機らしい小型の装置を取り出した。
何でも、オレ達に支給されたバックパックには、発信器が仕掛けられてて、位置が特定できるらしい。
ロン毛野郎は、そいつの信号を頼りに、相模原の補給廠までオレ達を追いかけて来たんだが、腹黒伊東に気付かれるのを恐れて、軍用トラックのシートの下に、受信機だけを隠して置いたんだと。
オレ達から戦利品代わりに、バックパックを奪いやがった腹黒伊東の奴は、知らぬ間にテメェの居場所を、発信してるって訳だ。
…桐山の奴が、地下の貨物エレベーターから脱出するとき、オレ達の装備全部を持ち出さなかったのにも、そういう理由があったのよ。
受信機のスイッチを操作していた桐山は、「奴等のトラックは南に向かってる。」って呟いた。
どうやら方向的には、八王子から相模原方面に向かってるみてぇだが、オレ達の方が三、四十分遅れてる。
オレは、ロン毛の指示に従って、国道16号に乗り入れると、南に向かって走り出した。
トラックのエンジン音を聞きつけた、腐れ野郎の馬鹿どもが、相変わらずの特攻攻撃を仕掛けてくるが、突進中の五トン軍用トラックに、敵う者などあるものか。
そんなこんなで、オレ達を乗せた六輪駆動車は、奴等の破片を振りまきながら、福生の街を後にしたんだ。
..第9章
...1
横田の基地から掻っ払われた、核弾頭装備の巡航ミサイルを追いかけて、オレ達は相模原市街を南下した。
ミサイルを持ち逃げした、裏切り者の腹黒伊東と南の国の一行は、奴等が知らねぇ間に、こっちの発信器を背負い込んじまったから、どこに逃げたって位置は判る。
軍用六輪駆動車の助手席に収まったロン毛野郎が、追跡用受信機を操作しながら、数分毎に奴等のトラックの位置を調べてる。
…受信機のデータが正しけりゃ、南の国の奴等を乗せたトラックは、ミサイル共々、どうやら東名高速に乗っかって、西に向かったらしいのよ。
桐山の話じゃ、昨日の輸送船攻撃の騒ぎから引き続き、オレ達を雇った北政府が、C国製潜水艦の哨戒活動をやってるから、武装した日本人民国の奴等だって、湘南辺りで船積みなんか出来やしねぇ。
そんな状況だから、どうしたって静岡や、名古屋辺りまで逃げなきゃならねぇって訳よ。
…政府の奴等、そこまで躍起になるんなら、オレ達に援軍ぐらい送ってくれても良いだろうが、そう簡単に行かねぇのが、今の国際情勢って奴らしい。
兎にも角にも、奴等のトラックに追い付いて、ミサイルを奪い返さなきゃ、そのうち札幌辺りにキノコ雲が立ちのぼる。
それでオレは、相模原の補給廠から持ち出した軍用六輪駆動車を、八王子街道に進めたんだが、奴等との差がどうにも縮まらねぇ。
歯痒い思いで、横転車両を跳ね飛ばし、ゾンビの死骸を踏んづけながら129号国道を南下していくと、メーターパネルの片隅に、嫌なモンが見えちまった。
…「FULL」って書いてあるメーターの針が、左端スレスレになっちまってるんだ。
オレは、元がダンプの運転手だから、燃料計とサイドミラーにゃ気を遣ってる…。
横田の滑走路で、きっちり確認したときにゃ、そいつの針は真ん中辺りにあったから、燃料パイプのどこかが壊れちまったんだろう。
…きっと中村のアホの流れ弾が、タンクに孔でも開けたに違いねぇ。
オレは、罵り声を上げながら、ロン毛野郎に状況を説明したのよ。
…奴は、チットばかし、考え込んでいたが、「このまま行っても追い着けねぇから、厚木の基地に向かってくれ。」って言いやがる。
とりあえず、4話投下。
前の書き込みから、1ヶ月以上過ぎちまったから、
覚えている奴も少ねぇだろうなぁ…。
どうにか終わりまでのプロットは出来たが、文書力の無ぇオレじゃ
ちっとも筆が進まねぇ。って、筆なんか使って書いちゃいねぇがよ…。
じゃまたな。
やっぱおやじさんのは面白いな。
続き、楽しみにしてます。
うん、スレイブさんとおやじさんはやっぱり読み応えがあるねぇ。
どっちも今後の展開が楽しみです。
あと…ゴミ文さん降臨キボンヌ
おやじ乙
いやがうえにも高まるクライマックスの予感、
メリハリのある文章なので自分を謙遜しなくても
おもそろい文章だから大丈夫!!
やはり年季が違うな。
揚げ
48 :
46:2006/01/22(日) 08:58:20 ID:5DQIcg/10
いや、オチそうになってたから。
ならば保守
あげてもいいかい?
sageでもおちねーよ
52 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/22(日) 21:56:43 ID:CG73dB2tO
揚げちまいナ
あわわわおちるおちる
54 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火) 16:33:57 ID:MNHudWZeO
むむむ
55 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/25(水) 13:36:32 ID:BINslk1N0
age
下げ
57 :
あげ:2006/01/25(水) 21:53:42 ID:8+sPMY5oO
あげ
58 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/25(水) 21:56:01 ID:aME1kR+bO
さげ
寒いなぁ
噛まれた・・・
お大事に
62 :
ゴミ文:2006/01/26(木) 08:43:16 ID:B50Jsp9Z0
くっそ〜
俺は気が狂いそうだった・・・
俺の大切なプリッキュアが汚い道路に仲良く並んだままなのだ
なんとかして救出しなければとあせるものの
最近ゾンビどもが家の前に集結してて外に出られない。
町の人間はあらかた食われてしまって、この家しかなくなったのだろうか・・・
いや、今はそんな事はどうでもいい、とにかくプリッキュアだ! (`ω´)
俺はそーっと外を窺うと、幸い動いているゾンビは無く全部倒れているようだ。
今がチャンスだ!(;・`ω・´)
俺はバリケードを登り危険地帯にそっと降りた。
∧∧
∧∧・ω・)
∧∧・ω・)/(___
∧∧・ω・)/(____/
∧∧・ω・)/(____/~
∧∧・ω・)/(____/~
( ・ω・)/(____/~
_| ⊃/(____/~
/ └-(____/~
うはwwwww一斉に起きたwwwwwwwwwwwwwwww
俺は慌ててバリケードの内側に逃げ込む。
危ねえ(;・`ω・´)危うく食われちまう所だった。
と、その時一匹のゾンビが地面のプリッキュアに気が付いたようだ。
そのゾンビは白と黒を掴み上げた。
ううー汚い手で触るなよ('A`) いやしかし!これはチャンスだ!(`・ω・´)シャキーン
63 :
ゴミ文:2006/01/26(木) 08:46:12 ID:B50Jsp9Z0
あのゾンビをこっちにおびき寄せればいいじゃん!!
俺はバリケードの上によじ登り叫んだ
「おーいそこの(゚3゚)!お前の欲しいお肉がこっちにあるぞ!」
ゾンビどもがゆらゆらとバリケードに集まってくる。
(・3・)(・3・)(・3・)(・3・)(・3・)ウラアアアアアァア
くっそーどうせパンツ見えた!とかマンコ見えた!とか言ってるんだろうな
o(`ω´*)o俺が言いたいのに!
白黒を持ったゾンビも俺に気が付いたようだ
( ゚д゚ )
こっち見んなwwww
いやしかし見てもらわんとまずいか
俺はスカートをバサバサして白黒(゚3゚)を誘った
真下のゾンビどもがかぶりつきで見てやがるwwwwwwwww
(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)<`∀´>(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)
ちょwww一匹ニダーさんが混じってないか?wwwww
(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(・c_・`)(゚∀゚)(゚∀゚)
ちょw待てwwwww一匹微妙って顔してるヤツがwwwムカツクwwwwwww
(゚∀゚)(゚∀゚)(´・(エ)・`)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
そうこうしてるうちに白黒(゚3゚)が動き出した。
キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!!!
64 :
ゴミ文:2006/01/26(木) 08:50:34 ID:B50Jsp9Z0
しかし白黒は何を思ったのか道路の端まで行くと、プリッキュアをそこに置いてしまった。
● ○
違う!置くんじゃなくてこっちに持ってこい!
(・∀・)〜〜〜 キエエエエエ
俺はありったけの念波を送った
( ゚д゚ )
白黒はジーっと俺を見て何かを考えているようだ(そんな脳みそがあればだがwww)
そして地面に置いたプリッキュアに手を伸ばす!
(;・`ω・´)ごくり
●○
しかし、きちんと並び直しただけだった。
違うwwwwwwwwwwwwちゃんと並べるんじゃなくてwwwwww
( ゚д゚ )
またプリッキュアを手に持つ
(;・`ω・´)そうだ来い!
○●
今度は並び順を変えただけだ・・・・・orz
( ゚д゚ )
●
○
上に乗せなくていいからwwwwwwwwwwwww
大満足したのか、ヤツはゆっくりと去っていった。
くっそー、どうせなら黒の上に白を乗せて欲しかったww
俺はガカーリと肩を落としながらバリケードを降りた・・・・
65 :
ゴミ文:2006/01/26(木) 08:56:35 ID:B50Jsp9Z0
と、その時、一匹のゾンビがプリッキュアに近づいて行く。
そのゾンビは野球のユニフォームを着ている。
彼は近所に住んでいた野球少年だった。
生前はよく「僕も将来イチロー選手みたいな大投手になる!」
とよくわからない事を言っていた少年だった。
ヤツにかけるしかない!
俺はとっさに家に飛び込み、キャッチャーミットを手にするとバリケード越しに構えた。
(゚ρ゚)・・・
野球ゾンビはこっちを見ていたがイマイチイメージが掴めないようだ。
仕方が無いので、俺はかわいい妹に金属バットを持たせるとバッターボックスに立たせてみる。
(゚∀゚)
どうやらイメージが固まったようだ!
(;・`ω・´)さあ!お前の青春をこのミットの中に叩き付けるんだ!
野球ゾンビはプリッキュアを拾い上げると・・・・・
●○
キチンと並べて置いた。
ヽ(・ω・)/ ズコー
\(\ ノ
やっぱり置くんかいwwwwwwwwwwwwwwwww
つづく
66 :
ゴミ文:2006/01/26(木) 08:58:04 ID:B50Jsp9Z0
もうスカーリ存在を忘れられてるかも知れませんが
朝っぱらの誰もいない時に久しぶりの第9話投下。
そして初めての続き物です。
まとめて投下しても良かったんですけど
続く次の第10話は主人公が変りますので、一旦ここで切ります。
他の方の邪魔をしないように頃合を見て投下の予定です。
ドーモスンマセン (;´Д`)
じゃ股 ノシ
ごみ文さん朝から乙!通勤電車内でわらわせていただきました!
68 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/26(木) 17:46:40 ID:FSr7iwvUO
来るのがおせぇ。
いいよ〜いいよ〜ゴミ文いいよ〜
はじめて書いてみた。投稿よかですか?
カモ〜ン!
遠慮するな!全てをぶつけてこい!
俺は文才がないから見てるだけだが、応援は出来るぞ。
作者のみんな頑張って〜。
・・・それは、突然のことだった。はっきりとした理由はわからない。 しかし「彼ら」は蘇った。
「それ」は瞬く間に、世界中を飲み込んだ。経済は混乱し、事実上、世界は崩壊した。
生き残った人々は、ある者は仲間をつくり、独自の社会を形成した。またある者は略奪の限りを尽くしていた。
1、崩壊の予兆
とある小さな島国、ここに一人の男がいた。彼は名を佐々木という。彼はいつもひとりだった。
毎朝、日の出前に起き、「買い物」に出かけた。街は彼が住んでいる港の近くの倉庫から10キロほど離れていた。
彼は、軽い朝食をとると、白いバンに乗り込み、街に出かけていった。
街には「人」がいた。しかし、「彼ら」はおしゃべりもしなければ、気の利いたジョークも言わない。
毎日よだれを垂れ流し、内臓を引きずりながらさ迷い歩いていた。 彼らが求めるもの、それは人のぬくもり・・
このスレをいつでも見たいから、
携帯買いました。んで職場の
トイレ(個室)でこっそり見て
「おっ、続きが来てる!」と興奮し、
思わず携帯を便器に落とし、
何とかレスキューしたものの
落としたショックのせいか
キーが反応しなくなった。
その後日当たりの良い場所に
干しておいたら、正常に
動く様になりました。
そんなゾンビっぽい携帯で
申し訳ありませんが、作者の
皆様、がんばって下さい!。
これからはちゃんと感想も書きますので。
失礼しました。
その日も平和な朝だった。少なくとも起きた時はそう思った。
(ry
テレビをつけると画面には大混乱の街が映りアナウンサーが「暴動(ry
(ry
逃げ込んだ先はデパートだった。そこには数名の男女が避難(ry
(ry
一人倒れ(ry また倒れ(ry
(ry
ソンビだらけのデパートから脱出(ry
(ry
トラックの燃料がなくなりかけ(ry
(ry
(ry
最後に俺だけが生き残った。
end
それに、彼らは「音」に反応するので、安易に近寄ることはできない。
佐々木は目的地の近くに車を止め、荷台から自転車を出した。ここからはこれが足になる。
周りをうかがいながらペダルをこぐ。5分もすれば、スーパーが見えてくる。佐々木は自転車を降り、警戒しながら建物内に入っていく。
手には鉈がしっかりと握られている。
スーパーの中はほとんどの物がなくなっているが、佐々木は迷わず、倉庫に向かう。 と、気配がする。嗅ぎ慣れた腐敗臭。
息を殺して、物陰から確認する。 一体。 ・・・やれる。
佐々木は物陰から飛び出した。向こうも気づいたようだ。が、相手は鈍い。一体ならさほど脅威にはならない。
相手が噛み付こうとした瞬間、鉈を振り下ろす。 ドシャリ・・鈍い音がした。胴体を離れた頭部は口をぱくぱくさせている。
・・・ドシャリ もう一度、鉈を振り下ろす。 今度は大丈夫なようだ。
佐々木は暗がりに目を凝らし、床を見ながら何かを探していた。 あった。 以前床下に隠しておいた食糧。
佐々木はそれらをリュックに入れる。 もうここに戻る必要はない。
76 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 03:06:23 ID:zDIjjGIO0
つづき投下しますが、もういいんかな?
では行きます。
77 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 03:12:47 ID:zDIjjGIO0
街中・・・・いや国中・・・・いや世界中がゾンビで溢れかえってしまっていた。
どうしてこんな事になってしまったんだろう・・・・・・
少年は深い絶望の中にいた。
彼の父も母も、外に様子を見に行ったまま帰って来なかった。
もはや両親の事は諦めた・・・しかし彼には諦め切れない事があった。
「あの子どうしてるかな・・・」
彼は学校はあまり好きでは無かった、しかし、それでも毎日登校していたのには理由があった。
少年の通う学校には、彼が密かに想っている少女がいたのだ。
長い黒髪、白い肌・・・切りそろえられた前髪の下には大きく透き通った瞳、小さな鼻、小さな口
まるで人形のような少女だった。
彼女は少年にとって神聖不可侵、絶対領域な存在だった。
口数も少なく、いつもおっとりとした少女だったが、絶えず微笑みを絶やさず学校でもかなりの人気があった。
学校内でも1位2位を争う美少女だったのだ・・・・(というか、2位だったのだが)。
友達も少なく、どちらかというと女子からはキモイとか言われていた自分だったが
彼女だけは自分に微笑んでくれた・・・普通に接してくれた。
いつだったか自分がアヌメイトで買った、プリキュアの下敷きとノートを持って行った時
女子どもはキャキャー騒いで、散々キモイとかヲタク氏ねとか陰口を叩いたが
彼女だけはそのプリキュアを見て嫌な顔をしなかった。
いや、むしろ「かわいいね」と満面の笑顔を見せてくれたのだ。
その瞬間から少年は少女の崇拝者になった。
少年にとって彼女の笑顔を見ることが生きる希望だった。
ゾンビが徘徊する世界・・・・こうなってしまった為に学校が無くなった事が恨めしかった。
「あの子どうしてるかな・・・」
少年はまた呟く・・・・・。
華奢な身体だった少女・・・こんな世界ではとても生きてはいられないだろう。
しかし、少年は少女に会いたくて会いたくてしょうがなかった。
78 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 03:18:12 ID:zDIjjGIO0
もしかして生きているかも知れない!
あんな心も外見も美しい子を神様が見捨てるわけが無い!
もし彼女がゾンビに囲まれて苦しんでいるとしたら!
助けに行こう!(`・ω・´)
そうだ!俺はまだ生きている!絶望なんかしていられない
彼女を助けるんだ!(`・ω・´)
自分が彼女の役に立つ人間に成れるかもしれない
少年は生まれて初めて自分が生きている喜びを知った気がした。
少女の家は以前に住所は調べて知っている、隣町だ。
よし行くぞ!
少年は躍動感、そして使命感に溢れていた!
勢いよく外に飛び出した!
と同時にゾンビに組み付かれた!('A`)
尻に激痛が走る
ゾンビが少年の尻に思いっきり噛み付いたのだ
ウホッ じゃないイタッ
少年の女神救出劇はいきなり頓挫したのである。
チクショウ!
少年が玄関にあった鉢植えで思いっきり殴るとゾンビは沈黙。
噛まれた!噛まれた!噛まれた!!!
ゾンビに噛まれると1時間ほどでゾンビになる事は報道を見て知っていた。
落ち込んでる暇は無い、ゾンビになる前に彼女の所に行かなくては!
せめて一目だけでもあの子を見てから死にたい
少年はフラフラと歩き始めた。
少年を見つけたゾンビどもが群がって来る。
「喰われてたまるか!」
79 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 13:53:43 ID:WkMWt2W30
ゾンビの間をすり抜けようとするが、一匹目のゾンビに捕まってしまったw
ゾンビは少年のズボンに手をかけ、自分の方に引き寄せようとする。
負けじと少年は逃げようとするが、その時ズボンとパンツが同時に脱げてしまった!
その反動で少年の身体は地面に腹ばいに倒れる。
ゾンビに尻を向けた状態だ。
「あああ〜喰われる!」少年は次にくるであろう激痛に身がすくむ。
しかし、ゾンビはじーっと少年の尻を見ている
?(゚Д゚( * ) ウホッ?
最初は分からなかったが、どうやらさっきゾンビにかじられた部分を見ているようだ。
そう、自分はいまやゾンビになりかけの人間、半分仲間なのだ!
( )
ノ( * ) うおりゃああああ
ノωヽ
少年は思いっきりゾンビに尻を見せ付けてやると、ゾンビはたじろぐ。
他のゾンビも集まって来るが、そいつらにも尻を向ける
( )
ノ( * ) くくっ
ノωヽ
ゾンビは手出しができない!
少年はケツを出したまま歩き始めた、目指すは女神の家!
少年が歩いていると事情を知らないゾンビどもが群がってくる。
しかし、彼にはもはや怖いものがなかった、切り札を手にしたのだ。
コレでも食らえ!!!
(・∀・ )
(⊃⌒*⌒⊂) (´Д`;)、 (´Д`;)、
/__ノωヽ__) ノノZ乙 ノノZ乙
ゾンビどもが平伏す。
それはまるで水戸黄門の印籠のように効果絶大だった!
彼は今、肛門様に進化したのだ。
80 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 13:54:34 ID:WkMWt2W30
野球ゾンビが去った後、俺はもう諦めの境地にいた・・・・
プリッキュアを助け出せない・゜・(つД⊂)・゜・
向こうから新たなゾンビの一団が近づいてくる。
よく見ると一人の少年の後ろをゾンビが付いて来るのだ。
少年は顔色が良くないが、まだ生きている人間のようだ。
まずい、このままじゃアイツ喰われちゃうよ!なんとか出来ないのか!
俺は慌てるが、その時信じられない光景を見た
∧__∧
(´∀` )
(⊃⌒*⌒⊂)
/__ノωヽ__)
うはwwwwwwなんだアイツはwwwwwwwwwwwww
∧__∧
(⊃⌒*⌒⊂) (´Д`;)、 (´Д`;)、
/__ノωヽ__) ノノZ乙 ノノZ乙
ちょwwwwwゾンビが平伏してるwwwwwwwwwwwwwww
( ゚д゚ )
(⊃⌒*⌒⊂)
/__ノωヽ__)
こっち見んなwwwwwwwwwwwww
どうやらそいつは俺に気が付いたようだ。
何か睨み付けるような目で俺を見てる。
この目・・・そう、この目には見覚えがある。
いつもこんな目で俺を見てたヤツがいたっけか
いつも俺に喧嘩売ってんのか?と思っていた男だ。
81 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 13:55:59 ID:WkMWt2W30
「何?何?」とかわいい妹がその方向を見ようとする。
さっきバッターボックスに立たせてから、まだ家に入れてなかったww
まずい!純真な少女にあんなモンを見せるわけにはいかん!
させるかああああああ
俺はかわいい妹の視界をさえぎるべく行動を開始した!
┏━━━━⊂(´Д`;)サッ
(゚Д゚( ● )
┏━━━━Σ(´Д`;)
●
(゚Д゚( * )
ササッ (゚Д゚( ● )
(;´Д`)つ━━━┛
● (゚Д゚( * )
Σ(;´Д`)つ━━━┛
チョロチョロ動くなwwwwwwwwwwwwwwヽ(`Д´)ノ
ヤツとの距離がありすぎて直接隠せないのが痛い
仕方が無い、俺はかわいい妹の目の方を防ぐ事にした。
(;´Д`)つ●-● これをかけろ
(゚∀゚) オコトワリダ !
(;´Д`)つ●-● とにかくかけてくれ
(゚∀゚) ダンココトワル !
ええーいこんな所でゼイリブごっこしてる場合じゃねえええwwwww
ん?少年の動きが止まった、どした?
そのまま少年はばったりと倒れてしまった。
名前は思い出せないが、こいつはゾンビになりかけなのがわかった。
82 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 13:57:29 ID:WkMWt2W30
少年は嬉しかった。
少女が生きていた!以前と同じように美しい姿を保っていた!
少々やつれている様子が、元々華奢な彼女だけに痛々しかった。
少年は崇拝するような目を少女に向けた。
ここに到達するまでに、いちいちゾンビに尻を見せながら来たから
結構な時間を要してしまった。
意識が段段と薄れてきている・・・・・・
しかし、少年は彼女の姿を見れただけで満足だった。
ん?
その時、少女が何かを自分に訴えてる事に気が付く。
愁いを帯びた彼女の瞳が向けるその先を見ると、そこには2体のフィギュアが置いてある。
プリキュアだ!
彼女の物か?いや、その隣に妹らしいのが、その子の物か、そうに違いない。
とにかく彼女がアレを取って欲しいことだけは分かった。
少年は薄れ行く意識の中、最後の気力を振り絞った。
ずるずると身体を引きずりながら、プリキュアに近づいて行く・・・・
俺の使命はあのプリキュアを彼女に届ける事
自分の生まれてきた意味をそこに見出すのだ!
最期に彼女の役に立てる!
少年の目から涙があふれた。
83 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 13:58:39 ID:WkMWt2W30
━━━━⊂⌒⊂( ´∀`)っ ずるずる〜ずるずる〜
ちょwwwwあいつ笑顔で泣きながら這ってるwwwwwwwwww
ワカランwwヤツの考えてる事がワカランwwwwwwwww
しかしヤツの這って行く方向にはプリッキュアが!
まさか!俺の思いが通じたのか!(;・`ω・´)
いつも俺を睨んで喧嘩を売ってきたヤツだが、プリッキュアを取ってくれるというのか!
・゜・(ノД`)・゜・。 感動した!
━━━━⊂⌒⊂( ´∀`)っ ずるずる〜ずるずる〜
ガンバレガンバレ!
━━━━⊂⌒⊂( ´∀`)っ ずるずる〜ずるずる〜
ガンバレガンバレ!ガンバレガンバレ!
プリッキュアまでもう少しだ!!!!
(;・`ω・´) いける!
━━━━⊂⌒⊂( ´∀`)っ ずるずる〜ずるずる〜
(´∀`)つ●○
ついに手にした━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!!!!!!!!!!!!!
(゚3゚)つ●○
と思ったらゾンビになった━━━━(゚Д゚)━━━━━!!!!!!!!!!!!!!!!!
ついに力尽きたかwwwwwwwwwwwww
しかしそいつは俺の方を見るとコクンと頷いた。
そう、生前に強い意思や習慣があると、ゾンビになってもその行動を忘れないのだ!
ヤツには死ぬ直前にやっていた事がゾンビ化した後でも鮮明に残っているのだ!
ゾンビはプリッキュアを手にすると
○● 静かに地面に並べて置いた。
やっぱり置くんかいwwwwwwwwwwwwwwwww
お前の生前の行動をちゃんと示せよwwwwwwwwww
( ゚д゚ )
ゾンビは思い出したようだ!
∧__∧
(⊃⌒*⌒⊂)
/__ノωヽ__)
そっちかいwwwwwwwwwwwwwwwwwww
84 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 14:05:41 ID:WkMWt2W30
第10話投下。
AAを使わない最初の数レスを読み飛ばされる可能性も・・・・・
しかも投下中に鯖ダウンw
約10時間も鯖ダウンしてました。
うp完了まで氏ねないと、がんがったよ・・・('A`) ウン
とにかくうp完了できて良かったです、復旧の方ご苦労様です。
この話、11月の時点で出来上がっていたのに、なんか忙しくて
テキスト化する時間が無くて年越えてしまいました。ドーモスンマセン (;´Д`)
今日、TVチャンピオンで「絶対領域」と言う言葉を覚えましたw
でも使い方間違ってたらスンマセン。
佐々木さん
なんか途中で食い込んじゃった気もするんですが、大丈夫でしたでしょうか・・?
ではまた ノ
85 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 14:07:38 ID:WkMWt2W30
TVチャンピオン昨日だった・・・・疲れてるな('A`)
>>ゴミ文様 乙です。
アプ中の鯖落ちは不幸でしたね。
あと、サーバダウン(鯖落ち)報告スレの書き込みも拝見しました。
87 :
ゴミ文:2006/01/27(金) 14:36:44 ID:WkMWt2W30
>>86 74 名前:動け動けウゴウゴ2ちゃんねる 投稿日:2006/01/27(金) 03:33:09 ID:9l3gnYS40
ゾンビ小説うpしてたから落ちた (´・ω・`)
これですかwwwwwww
このたった1行を見られてたとはw (/ω\)
俺も見てたぞw
ゼ…ゼイリブごっこッッ!
かなりツボ。
ゴミ文さんやっぱサイコー!!
「僕も将来イチロー選手みたいな大投手になる」ワラタw
( ゚д゚ )
ゾンビは思い出したようだ!
∧__∧
(⊃⌒*⌒⊂)
/__ノωヽ__)
そっちかいwwwwwwwwwwwwwwwwwww
死ぬほどワラタw
なんでこんなに面白く出来るのかと小一時間(ry
彼は急いで自転車のペダルを漕ぐ。一刻も早くここから離れたい。 車が見えてきた。 しかし、周りには「彼ら」が集まってきている。
数は20ほど。ひとりではかなり危険だ。 彼はポケットから小さな箱をとりだした。「SONY」と書いてあるその箱には小型のスピーカーが
ついている。 早速、電源をいれる。箱からは人の話し声が流れ始めた。それを車とは反対方向に投げ入れる。「彼ら」は音に気づき、
車から離れていく。 ・・今だ・・ 意を決して車に駆け込み、キーをまわす。 しかし か か ら な い。
急げ急げいそげイソゲisoge・・・ 焦りだけが先走りする。 大丈夫 落ち着いて もう一度・・・かかった。
乱暴にアクセルを踏む。死人たちが遠のく。 助かった。
彼は胸をなでおろす。 これが彼の日常だった。
>佐々木
投下→投下終了の宣言あるといいと思うよ
他の職人さんと投下がかぶったり、感想レス自粛しちゃったりするからさ
まぁガンガレ
了解しました。
とりあえず、少しずつしか投稿出来ませんが、頑張ります
頑張れ応援してるぞ
続きいきやす。
車は街の中心部を離れ、港に戻っていく。しかし、まだ帰るわけではない。「情報収集」だ。車は船着場に止まる。佐々木は車から
ゴムボートを出し、空気を入れる。これから沖にある「文明社会」に向かうのだ。ボートに荷物を積み込み、エンジンをかける。
勢いよくスクリューが回転し、ボートは港を離れていく。
10分ほどすると、沖合いに巨大な客船が見えてきた。あれが我等の「文明社会様」だ。
客船の甲板には人影。佐々木と同じ「つまらない人々」だ。船員の一人が佐々木に声をかける。
「よう。まだ生きてたか。おまえも不幸者だな。今引き上げてやる。 陸はどうだ?」
「 まぁまぁだな。」
佐々木が面倒臭そうに応える。
そうこうしているうちに、佐々木の乗っているボートが引き上げられる。 甲板に着くと数人の船員たちの中から、一人の男が佐々木に
手を差し出して言った。
「また会えてうれしいよ。」
彼の名前は「田中」。この船の「守備隊」のリーダーであり、佐々木の友人である。
「俺もだ。 奥さんは元気か?」
佐々木は田中の手をしっかりと握り、しかし無愛想に応えた。
「 あぁ。 後で見に来てくれ。」
田中は笑いながら応え、二人は船内に入っていった。
一旦きります
ごみ文さん&佐々木さん乙です。
ごみ文さんさすがですね!。
絵文字のない辺りの文章は
「あれ?芸風ちがう?シリアスな展開でいくのかな?」
なんて思いっちゃいましたが、
すぐにいつものごみ文節に
なったので楽しく読ませていただきました!。
佐々木さんのも今まで船を
絡めたストーリーは無かった
(と思う)ので、とても楽しみです!。
お忙しいとは思いますが
これからも頑張って下さい!。
(。ц゜)
・・ウウ・・ア・ァアウァ-
(。ч`) (・μ。) ゾ ン ビ ガ ン バ レ
(°щ・)
ランドオブ、ゾンビがカッコ良過ぎてつまらなくは無いがゾンビものとしては今ひとつ。
何と言うかこう、「高慢な人間たちよ、ゾンビの意地を見せてやる!」ってな感じの映画。
ラピュタの巨神兵ってゾンビ?
>>100 ゾンビが主人公だと監督も言っとります。
>>102 しかもロメロ監督・・・次回はゾンビが主役のホラーミュージカルだとか。
(;^_^)y-~~マジデス・・・
ゴミ文さん、最高でございますw
>>101 もまいが言いたいのはもしかして、
ナ ウ シ カ の 方
じゃまいか?
腐女子の特徴が見事に現れたレス
109 :
本当にあった怖い名無し:2006/01/31(火) 17:45:46 ID:2fZAZ9XTO
ごめ
sage忘れた↓
>>106 いや、溶けてたから。デカイ人が腐ったのかなって
>>107 ナウシカだったか。。。
あれゾンビじゃなくてゴーレムなの?
>>111 巨神兵が腐ってたのは、べつにゾンビだからじゃなくて、卵から孵らせるのが早すぎたから。
つまりは超未熟児。
巨神兵が腐ったのは
単にあの段階でどういうキャラ立てさせるか
監督も考え中だったから。
その後、原作では放射能漏れ起こすわ、空は飛ぶは
挙句の果てはナウシカをママと呼んで見事な玉砕を遂げたわけですが。
「ゾンビパニックの裏に潜む巨大な悪意と真実と私」
20**年 *月*日 [日本]
突如発生したゾンビにより世界は混沌の渦に巻き込まれていた。
日本も例外ではなく、自衛隊は壊滅、もはや国としての機能は停止していた。
何故こんな事態になったのか?
・・君がただの興味本位で読んでいるのであればこれ以上は読むべきではない。狡猾な{奴ら}に悟られる前に・・・・
単刀直入に言う。今回のゾンビパニック、その原因は地獄よりの使者、そう、
[地底人]の仕業だ。
ゾンビパニックが発生するちょうど半年前、世界中でmagnitude[1]の地震が起きた。
小さな地震の為、君は気付かなかっただろうが、
現代科学は誤魔化せない。もちろん調査が行われたが原因不明で終わった。
だが私は知っている。あの地震が起こった時、世界中の地底人が地上に現れたのだ!!
ここで君は地底人?ハァ?と思うだろうが、私は何度も彼らと遭遇しているし、君もキミもきみも必ず見たことがあるはずだ。
奴らの姿は身長25p、体重3s、と人間と比べると非常に小柄である。しかしそこが奴らの恐ろしいところで奴らは生き物に寄生し自由に操ることが出来るのである。
ここまで言えば理解してくれただろう。
そう、奴らはあの地
震があった時、地上に現れ、人間に寄生したのだ。キミのfamilyも地底人に寄生されているかもしれない。
そして地底人は私の元にも現れた。
私は勇敢に戦った。血で血を洗う激しい戦いの中、私の手刀が遂に奴を捉えた。
地底人を捕らえた私は奴から目的を聞き出すことに成功した。
奴らは世界中で既に100万人に寄生し、ある目的の為に潜伏しているというのだ!!
その目的を奴に尋ねた!そして奴は恐るべき計画を語り出した!!
地底人は人間の体内に共食いウイルスを仕掛けている!!!そして人類が滅びた後、地上を制圧する!!と奴は語った。
恐ろしさの余りに私は愕然と立ち尽くした。何て事だ。
私はふと我に返り、地底人に止めさせるよう呼びかけたが、奴は奇妙な笑みを浮かべ死んでいた。
その後、私は必死に国に訴えたが相手にされず、人々は私を蔑んだ。
それから半年、つまり現在、ゾンビパニックが発生し世界は地底人の策略により壊滅的なdamageを受けている。
もしこのゾンビcrisisを乗り越えた時、
初めて人々は気付くのだ。真の敵の存在に。
財前 五郎 助教授
世界の平和を祈って。
次回予告
財前
私は戦う、地底人の思い通りにはさせない!!
東
財前くん 目覚めるのです
里見
ざ・・財前ーーーー!!!
柳原
だから君は甘いのだよ。
つづく!!
地底人ってののちゃんのあれ?
乙です。
地底人www
まぁ、仮に地底人が居るとしてだ
マグマ原人が地底人を侵略したりはしまいか
そしてマグマ原人を虎視眈々と狙うマントル帝国も居たりする訳だよ。
>>114を読んでいて、「モルスァ」のファービーを想像した。俺は逝ってよしですか?
121 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/02(木) 23:06:15 ID:4btGb+ypO
↑名探偵
ピンポンパンポーン♪
財 前 教 授 の 総 回 診 で す
>>116 ののちゃんは知らんが地底人には気を付けたまえ。
>>117 いえ、私は真実を語ったまでだ。地底人には気をつけたまえ。
>>118 magma原人とは何だね?私は自分の目で見たものしか信じないよ。しかし地底人には気をつけたまえ。
>>119 ファー・・ブルスコ・・ファー・・・モルスァ!!
・・キミも好きだなww私も好きだよw
>>120>>121 ええ、見てますとも。名探偵さんww
と、まぁ
調子に乗ってレスを返してみたわけだが。それはそうと今、続きを書いているのだが、このまま続けて良いのか許可を貰いたくてね、どうだろう?
ワクワクテカテカo(^-^)o♪
1
やばいやばい!何がやばいって?ゾンビですよゾ ン ビ !
走って逃げて掴みかかられて殴って…え?説明が滅茶苦茶?
うるせぇよゴルァ!こっちも混乱してるんだYO!
大体、なんなんだよあのゾンビ共は!ゾンビってのはあれだろ!?
動きが鈍くて、ウ〜だのア〜だの言いながら寄ってくる。
それがゾンビってもんだろうがッ!
なのにあいつらときたら走ってきやがったぞ!?
思わず、ドーンゾンビキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!とか叫んじまったじゃねぇか!
お前等、頭部を破損しない限り死なない(もう死んでるケドネ)なんて能力あるんだから、せめて歩けYO!
「ゾンビなんてトロイなま物から逃げるなんて楽勝だぜ。(´_ゝ`)プ」
とか言って家から出てきた俺が馬鹿みたいじゃねぇか!
あああああああああああどうしようどうしよう喰われる喰われちまう
待て俺落ち着け俺。深呼吸、深呼吸……スーハー…スーハー…よし落ち着いた。
とりあえずこんな道路のど真ん中は危険だよな。どっか安全そうな建物に…って、
ここは美代んチのすぐそばじゃんか!あいつんとこにかくまってもらおう!
2
「で、うちに来たと。」
「おう、中入れろ。」
二階から何かをこらえる様な顔で見下ろす美代、胸張って答える俺。
こいつとは只の学友だが、さすがに見捨てたりは……
「ぎゃははははははは _(__)ノ彡☆ばんばん!」
]彡サッ
……OK。冷静に判断しよう。俺は事情を説明した。窮地に陥ってる状況も当然伝えた。
で、答えが笑うだけ笑って引っ込んだ。入れてくれる様子無し。
………………………おおおおのれええええぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇ!!!!!!
「ゴルァ!!クソアマ出て来い!学友がピンチだってのに見捨てる気か!」
しばらくギャイギャイ騒いでると、めんどくさそうな表情して窓に出てきやがった。
「うるっさいなぁ、十分面白かったからもぉ帰っていいよ。」
こ、このアマ…
「アホンダラァ!事情は説明したろ!どこをどお聞いたら笑えるんだよ!
お前は鬼か!?はよ中入れろ、死んじゃうだろ!」
俺が必死に頼んだらあのアマ、驚いた顔してこう言いやがった。
「笑わせに来たんじゃないの?」
この台詞で、俺は生まれて初めて体調不良以外で目まいがした。
「こんなギャグをかます奴がそうそういるわけないだろ!俺はゴミ文さんかッ!?」
3
って、何を口走ってるんだ俺は!?えぇい、これ以上待ってられるか!
強引に中に入…っ……て………
Σ(゚∀゚)………………バアさんがいる。通りの角、100mくらいのとこに。
やべぇ、すっげぇやな予感がする。見るからに年くってそうなバアさんだ。
多分ゾンビだな、後ろ姿を見ただけの推測だけど。なんで分かるかって?
この状況であんなシャキシャキと元気に歩く老人がいたら、誰 だ っ て 怪 し む わ 。
咄嗟に電柱の影に隠れる。
気付くなよ〜気付くなよ〜、こっちは武器すら持ってない学生なんだからな〜、気付くなよ〜。
よ〜しよし、そのまま行っちまえ。(*゚Д゚)ムホホ
「あんた何電柱の影でニヤニヤしてんの…?」
4
うぉい!隠れてんのに話しかけんなよ!気付かれるだろボケェ!
| | ソ〜…
|_|ω・`) バレタカナ…
|柱|⊂ ノ
| ̄|-u'
( ゚Д゚)キョロ
(゚Д゚ )キョロ
(゚Д゚)ジー…
ヽ(`Д´)ノフォ━━━━━━!
バレタ━━━━━━(;゚∀゚)━━━━━━ !!
即座にバアさん、いや、ゾンビと正反対の方向に走り出す俺。
足も千切れよとばかりに走る。…が、ちらりと振り返ると明らかに縮まっていく距離。
ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!!
ちょっと待て!俺は元だが陸上部のエースだぞ!?キングオブチキンハートと呼ばれたくらい
見事な逃げ足してるんだぞ!?なんで追いつける!?
ターボ機能でも付いてんのか、あのバアさんには!うおお!喰われてたまるかあぁぁぁぁぁ!
……これがドーンゾンビを超える、ターボバアさんゾンビとの戦いの幕開けだった……
新作お疲れ様です。
いつも通勤電車内で読んでいるのですが、
ごみ文さんといい↑の作者さんといい読んでいて思わず吹き出してしまいます!
。きっと車内ではキモがられてるかもしれませんが(・ω・;)。
「俺はごみ文さんかッ!?」wwwww
132 :
125:2006/02/03(金) 23:33:33 ID:Xw0hbq720
>>129 ス、スミマセヌ…
>>130 感想どうもです。書けたらまた投下しますんでよろしく…
(`・ω・´)ガンガリマス
その内、スーパーチャージャダブルニトロツインカムターボばあさんってのも登場しそうな勢い。
最高速は340km。
頭文字Zかよw
ゾンビタソハァハァ
頭の中にアルディメオラ「スペイン高速悪魔との死闘」が流れてきた。
え、
>>125さんってゴミ文さんじゃないのか・・・
顔文字多用の見た目、っつーより文章のリズム感が似てたもんでw
とにかく頑張ってください
137 :
沈黙な世界:2006/02/05(日) 03:35:51 ID:khseOvyv0
世界がこんな風に終わりを迎えるなんて思ってもいなかったよな?
それもゾンビだって・・・こんなふざけた終焉ってありか?ギャグだぜ。
しかし、俺は心の奥底ではそれを願っていたのかもしれない。
人間の社会が少しづつ壊れていくのに知らず知らず、快感を覚えていた。
・・・・
月が水面に綺麗な姿を称え、星空満点の夜空の海辺に来た。
なんでここに来たんだっけな、あ、俺が来たいっていったんだっけ。
この空間に身を置くと今の世が嘘みたいだ。
彼女が隣で微笑んでいる・・・よく見えないが
もしかしたら幻かもしれない、もうそれでもいい。
最後に君を感じられたら、それでいい
彼女がふと冷たい両手で俺の顔を包み、無表情な顔を近づけた。
なにか言いたそうだった。
俺は、ポケットから銃を取り出しこめかみに押しつけ、
彼女に笑顔を振りまくと引き金を引いた。
つづく・・・んですよね?。新作お疲れ様です。
シリアス展開物はドキドキしますね!、また楽しみが増えました♪。
電車内でカチカチしながら待ってます!。
139 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/05(日) 21:03:11 ID:rG+CoM8wO
ケツわりそうな悪寒。
まこしろもケツわりそうな悪寒。
そうだね〜最近まこしろさんが来ない…
寂しいね〜。
俺も書いてみたいんだけど、構想の段階でギブアップ。
うん、終わる見込みもないのにうpし始めるのはやめてくれ。
誰も催促しないからゆっくりいいもの書いてくれ。
まこしろさんは転居してネット環境が整ってないから
しばらく待ってと上の方でレスしてるよ
今日やっと家にADSLが来ましたよ。
もうすぐまた開始します。
そうですよ。
147 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/07(火) 11:32:12 ID:W4YVmhxrO
すげーな
148 :
まこしろ:2006/02/07(火) 17:29:32 ID:ybRwcOeS0
みなさん、ご無沙汰しております。
転居後、ネットの移転手続きに手間取ってしまい、まだかかるみたいです。
接続でき次第、再開したいと思いますので、もうしばらく待ってください。
必ず完結まで続けます!
と、宣言したからには続きを書き溜めておかなきゃ・・・
150 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/08(水) 00:07:03 ID:8GP57E0w0
まこしろさん
待ってます!
ましころさんだ!(*^_^*)
お引っ越しご苦労様です。ずっと前から楽しみにしています。
今日は通勤電車内ではないですが(終電逃がしました)
いつでもカチカチしながら待ってます!。ラストまで頑張って下さい!。
>>151は、俺の中で通勤電車男という名前になっている。
プリキュアの新シリーズが始まって、
最早白黒ではないのだが、
どうする、ゴミ文さん!?
154 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/10(金) 02:00:40 ID:BbhWcagF0
ヴゥー
ガァー
155 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/10(金) 02:12:34 ID:1SMySkLXO
イビキ?
つ[いびき止めまくら]
157 :
暇人:2006/02/10(金) 12:33:46 ID:F2QM3MANO
……寒い
体が……心が凍てつく。
もう手足の感覚も無く、ほんの僅かな動作もできない。
思考回路もどこか破損したのか、何かを思うことも難しい。
あぁ、僕という存在はもう消えてしまう。そして、抜け殻となった体は
残り少なくなった生者を求め、さ迷い続けるのだろう。
だけど、後悔はしない。
たとえ動く屍となったとはいえ、愛する君をこの手にかけずに済んだのだから……
158 :
暇人:2006/02/10(金) 12:37:28 ID:F2QM3MANO
誰もいない時間に駄文を投下。
携帯からなんで改行変かもしれません。
ん、乙。
新作ご苦労様です!。もの悲しい雰囲気に引き込まれました!。
この登場人物にはどんなドラマが・・・
と考えていたら電車降りすごしてしまいました(・ω・;)。
161 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/11(土) 00:49:30 ID:rfP19Ymc0
おわりかよ・・・
162 :
ゴミ文:2006/02/11(土) 16:06:30 ID:T1Td9M2T0
>>153 いつの間にかプリキュア終わってましたね
白黒は存在しない世界なのか、セラムンみたいな仲間なのか
よくわからないところです
ゴミ文さんへ
つ[お邪まじょドレミ]
どう?
165 :
籠もり男:2006/02/12(日) 10:36:12 ID:bX9ysDCd0
やばい・・。交番に籠もってもう3日目。
いいかげん、限界になってきた。武器も食料も少ねぇ。
ロッカーに厳重保管されてたショットガン2丁に
ハンドガン一丁、工具箱に入っていた武器と呼べるかもわからない
釘打ち器に、殺虫剤とライターで作ったショボイ火炎放射器。
とパンツ一丁('A`) くらいしかねぇ。
冷蔵庫に入ってた食い物はたいした事ないし・・・・。
やばいって・・・。だれか、助けにきてくんない?
つ【シカゴタイプライター&無限ロケラン】
有り難く使え。弾は無限だ。
つ【無限ナイフ】
無限だぞ
168 :
ゴミ文:2006/02/12(日) 20:53:58 ID:fQbCEnFX0
つ【プリッキュアの白黒】
これは夢幻
>>164 クレヨン王国を(・∀・)カエセ!
>>165 1.靴を脱ぐ
2.ショットガンの引き金に、足の親指をかける。
3.銃口を咥える。
4.引き金を引く。
5.目出度く三途の川を、強襲渡河出来ます。
ハンドガンで十分ではないかと。
172 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:24:33 ID:0CPyVOvL0
時刻 0:00
「こちら第二護衛艦隊旗艦『くらま』所属、対潜ヘリSH−60機長、大津一等海尉。陸自戦闘ヘリ団、管制、応答願います。」
「ザ・・・こちら陸自・木更津管制。現在位置を送られたし。どうぞ。ザ・・・」
「現在位置、東京湾上空、到着まであと20分。」
「了解。ザ・・・」
大津はヘリの向う先を見つめた。
どこまでも闇が続き、月の明かりが海面に反射している。
自分が向っている先は本当に世界有数の大都市圏なのだろうか・・・そんな錯覚すら覚える光景である。
陸から届く光はない。人々が生きている証である「光」が見えない・・・
それはすでに自分の向う先が「生者」のいない世界であることを感じさせた。
「大津より全機へ。全機に告ぐ。到着後、操縦者は速やかに陸自機の始動準備にかかれ。民間人の誘導は陸自が行ってくれる。以上。」
ただ、命令だけを事務的に告げると、大津は腰に下げた拳銃になんとなく手をやった。
173 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:26:15 ID:0CPyVOvL0
時刻 0:00(同時刻)
「うわぁぁああ―――――!!」
明らかに他の「モノ」とは違うその動き。一直線に自分に向って突進してくるその姿に小松は思わず声を上げた。
ガァァァアアアアア―――――!!
飛び掛かってくる異質の「敵」に対して、小松は反射的に小銃を「盾」にした。
「敵」の力は想像以上であった。小松とて、屈強な自衛隊員である。一般人に比べはるかに腕力はあるはずだった。
しかし、「敵」はその小松をいとも軽々と押し倒すと、その首筋に噛み付こうとした。
たった一丁の自動小銃を挟んで、自分の命を奪おうとするその凶悪な「牙」と自分とがある。
「くっ・・・くっ・・・そ・・・」
頼みの武田は反対側に回っている上に、階下の「敵」に集中しているため、こちらの様子に気付いていない。
小銃を押し上げて少しでも「敵」を自分と遠ざけようとする。しかし、それも長くはもたないだろう・・・
小松はもうダメだと思いながらも、それでも、むざむざと「敵」に敗北することを潔しとはしなかった。
「むぅぅううう・・・・・・」
持ちうるすべての力を振り絞って「敵」の上体を起こそうとする。
しかし、このままではこちらの力が尽きるのは時間の問題だ・・・
174 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:26:50 ID:0CPyVOvL0
パ―――ン!
その瞬間に小松の腕に加わっていた力がフッと抜けた。
「敵」はのけぞるように後に倒れる。
「一曹!大丈夫ですか!」
「中澤!助かった!」
中澤と横田が小松の方へ駆け寄ってくる姿が見えた。
「上にまで侵入されているんですか!?」
「いや。今の『ヤツ』だけだ。あれは他とは動きが違った。・・・救援は?」
「こちらにヘリが向っています。間もなく到着と無線が入りました。佐竹一尉が来ます!」
「そうか。撤退するぞ。防火扉を閉めよう。武田三曹!撤退だ!早く来い!」
その声に気付いた武田は左腕を上げて応えた。
175 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:28:27 ID:0CPyVOvL0
時刻 0:21
「攻撃隊、発進準備ヨシ。離陸許可あり次第、発進せよ。攻撃目標の座標を確認せよ。」
日高の冷静な指示が各機のパイロットに告げられる。
すでに何回、出撃をしただろうか・・・
集団の進行速度は思いもしなかった「敵」の行動により、極端に落ちていた。
「管制より攻撃隊各機へ。海自のヘリが間もなく到着する。そのまま待機せよ。」
その報告を聞いた日高は、おそらく海自ヘリが向ってくるであろう方角を眺めて言った。
「橋本が言っていた、民間人を移送するってヤツだな?これで少しは安心できるか・・・どうせ、到着までは離陸できんな。
各機に告ぐ。海自ヘリ到着まで待機せよ。繰り返す。海自ヘリ到着まで、現状にて待機せよ。以上。」
命令を告げると間もなく、暗闇の中に赤く光る航空灯が見えてきた。
「お?あれか?思ったより早かったな・・・」
日高は腕時計に視線を落とすと、近づいてくる「光」を見つめた。
海自のヘリが到着し、パイロットさえ揃えば、基地に避難している民間人の移送は可能だ。
迫り来る「敵」を排除し、なおかつ基地内の民間人の安全を確保する。その二つ事柄の両立は
日高たちにとって極めて困難なことであった。
その「重荷」の一つが解消されれば、あとは攻撃に専念するのみ。自分たちの生存する率も上がるだろう。
そう漠然と考えていた。
しかし、神は気まぐれであった・・・・・・
最も恐れていた「悪夢」が静かに忍び寄っていた・・・・・・
176 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:29:31 ID:0CPyVOvL0
時刻 0:24
「見えたぞ。あそこだな?佐竹、下の様子は見えるか?」
「暗くて見えん・・・もっと近づけば店の明かりで周りの様子はわかると思うが・・・」
「中はまだ無事だろうな・・・?久米さんたちは・・・?」
「無線には応答したからまだ無事なはずだ。とにかく急ごう。」
間もなくショッピングセンターの上空に到着すると、ヘリは旋回をしながら高度を下げた。
「オイ!高井!あそこだ!『奴ら』がいる!」
「窓を破ったのか・・・!?どんどん集まってきてる!」
「早く救出しよう!着陸しろ!」
「わかってるが・・・素人には、そう、うまくはイカンのだよ・・・!こな・・・クソッ!」
高井は慎重にヘリを操り、屋上へ着陸させた。着陸と同時に佐竹が飛び降りる。
「連れてくる!乗ったらすぐに出るぞ!」
佐竹は振り向きざまにそう叫ぶとショッピングセンターの中へ入っていった。
177 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:30:28 ID:0CPyVOvL0
時刻 0:40
「大津一尉より入電。陸自基地に到着しました。これより発進準備が整い次第、民間人の搬送を開始します。」
「そうか。順調に済めばよいが・・・」
「くらま」の戦闘指揮所にまずは安堵のため息が漏れた。
しかし、それは束の間のことであった。わずかに見えた光明は突然にかき消された。
「米艦隊より入電!米艦隊より入電!」
通信士の大声が響く。
「入電内容は?」
「そ、それが・・・」
「どうした!?」
「はい。読み上げます・・・『米、太平洋艦隊司令官より通達。合衆国海軍、太平洋艦隊は米大統領の命令により、日本国内の米軍基地及び
その人員の安全を確保するために、周辺域に対する攻撃を行う。使用する弾頭は通常弾頭にあらず。繰り返す、通常弾頭にあらず。
攻撃対象地区に現存する人員は只今より6時間以内に安全区域まで退避されたし。攻撃開始時刻は、予定、0630。予定は0630。』以上です!」
「なんだと!?何かの間違いじゃないのか?!」
「2回受信しました。確認のために返信しましたが、応答ありません。」
「冗談じゃない!通信を続けるんだ!」
林は受け入れ難い一方的な通達に対して激しい憤りを覚えた。
178 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:32:13 ID:0CPyVOvL0
時刻 0:45
「小松!福島!いるか!」
佐竹の呼び声が店内に響く。
タン!タン!
「銃声!?」
佐竹は銃の持ちなおすと階段を駆け下りた。
階段から店内に出るところにある防火扉は閉ざされている。佐竹は扉に駆け寄ると、
まず扉に耳を押し当てて中の様子を窺った。
扉の外側は特に危険はないようだ。佐竹は扉を押し開け、店内の通路へと出た。
上空から「敵」が侵入してくる位置は確認してある。居住用に確保していた一画とは
ちょうど反対サイドになるのが幸いだったと佐竹は思った。
通路の先に目をやると、階下に銃を向ける隊員の姿があった。
「こっちだ!早く来い!」
横田と久米はその声に気づき、駆け寄ってきた。
「小松達は?」
「今、こちらに来ます!」
「どれくらい侵入してきている?外はかなりの数がいるぞ!」
「確認したところでは3〜40です。一気に侵入されました・・・」
「とにかくここは脱出だ。そこから屋上へ上がれ。高井がヘリで待ってる。」
「一尉は?」
「俺は小松達を迎えに行く!急げ!」
そう言うと佐竹は銃声のした方へ向かって走り出した。
途中、通路から身を乗り出すようにして奥の方を除くと、1階の通路に10あまりの「敵」の姿が確認できる。
179 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:33:07 ID:0CPyVOvL0
「佐竹一尉!」
「小松!こっちだ!早く来い!」
こちらに向かって走ってくる小松達の後を見た佐竹は驚愕した。
小松達が下ろしたのであろう防火扉をまさにこじ開けようとする「敵」の姿が目に入ったのだ。
遠目に見てもその力は常人のものとは明らかに違う。凄まじい力であることがはっきりとわかった。
「来ているぞ!急げ!」
佐竹が叫んだと同時であった。
ガシャン!!
鉄の扉がついにこじ開けられたのだ。防火扉は大きな扉と小さな扉の二重構造になっており、
外枠に当たる大きな扉に対して、中についている小扉はそれほど頑丈な作りではないようだった。
50cm角ほどの扉をくぐりぬけようと「敵」の先陣が上半身を乗り出した。
その音に気づいた武田は扉の方へ向き直り叫んだ。
「先に行って下さい!」
そう言うと銃を構えながら扉の方へと向かった。
180 :
まこしろ:2006/02/13(月) 16:49:53 ID:0CPyVOvL0
久しぶりの投稿です。
ようやくネット環境も整いましたが、悲しいかな、貧乏暇なし状態でなかなか思うように
続きが書けません。
ぼちぼちながらも完結に向けてがんばりますので、お付き合いお願いします。
キタキター
まこしろさん乙です!
まってました!!!
まこしろさん乙です。
ましころさんお疲れ様です!。
毎回がクライマックスの様な展開に大興奮しています!。
そして三回続けて読みなおし電車を二本見送る事に(・ω・;)。
もうすぐラストだと思いますが、それまで頑張って下さい!。
184 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/13(月) 21:53:43 ID:tmwNMHLW0
まこしろさん!
待ってました!!いつも楽しませてもらってます。
ありがとうございます!お忙しいと思いますが
続き、待ってます!
まこしろ様乙です。
相変わらず手に汗握る読ませる文章に脱帽です。
Siren2やりながら続きを楽しみに待っていますw
>>185 トラックで屍人をひき殺すんだ!
まこしろタン乙!最高の文章ありがとう。
ネタ投下
見た聞いた感じた、こんな変ゾンビ
○内臓が取り出され、代わりに石油や火薬を詰め込まれたゾンビ。
一種の時限爆弾。人間が攻撃した際、その衝撃で着火、爆発する。
誰が何のためにこのような事をしたのかは不明。ゾンビも人間も死んでしまえ、ということか?
○体中にカビやキノコが生えているゾンビ。
湿気の多いところにいたせいだろう。水に浸かっていたゾンビはミズゴケが体毛のように絡みついていた。
○下あごや両手を欠損したゾンビ。
‘時限爆弾ゾンビ’同様、人為的なものと思われる。このゾンビは男女関係無く、下半身は裸。肛門は裂け、血や直腸が垂れている固体もある。
人間の業の深さ、異常さを思い知らされる。
○猿ぐつわをかまされたゾンビ、首輪をしているゾンビ
これらのゾンビに共通しているのは、番号がふられたカードを点けていたり、体にペイントで印をつけられていること。
どこかの研究施設から逃げ出した個体かもしれない。ゾンビ発生の初期には、ゾンビ化の原因を一種の伝染病に求めた説もあったらしい。真意は不明だが。
...2
厚木ってのは、アメちゃんの航空基地で、綾瀬市に有るらしいんだが…、そこで戦闘機を掻っ払うつもりなら、到底無理ってモンだろう。
何しろ、半年以上放って置いたんだから、機体が残ってたって、動かせる訳は無ぇはずよ。
…そしたら奴は、「ゾンビの国に潜入するため、自分が乗ってきた軽飛行機が、基地の滑走路に有る。」って言うじゃねぇか。
どうやらロン毛野郎は、オレ達の後を追いかけて、北海道から軽飛行で単身乗り込んできたみてぇだぜ。
南の国の奴等に捕まっちまのを恐れて、横田じゃなく厚木の基地に着陸したらしいが、オレ達と合流するために、そこから相模原に来たんだと。
奴の話じゃ、小型機だから航続距離も知れたもので、片道限りの特攻機らしいが、「タンクにゃ、幾らか燃料が残ってるから、二、三百キロは飛べるだろう。」って話なんだ。
…馬鹿野郎!。それを早く言わねぇか。
オレは奴の指示に従って、綾瀬方面に軍用トラックのハンドルを向けたのよ。
燃料が尽きて、トラックのエンジンが止まる前に、基地まで行けりゃいいんだが…
桐山の野郎は、手持ちの無線を使って、行く先が変更になったことを、荷台の奴等に伝えてる。
飛行機の話を耳にした途端、中村のアホが、「脱出だ。脱出だ。」って、トラックの後部ガラスをぶっ叩きながら騒ぎ出した。
「中村よぅ。お前の脳みそ…、ほじくり出してやろうか?。」
例えゾンビの国を脱出したって、帰る先が放射能だらけになってたら、オレたちゃ死んだも同然なんだぜ。
そんなメガネ猿の遠吠えを無視したオレは、ロン毛の指示に従って、トラックを進めたんだ…。
六輪駆動の轟音を聞きつけて、道路に飛び出してくるゾンビ野郎を挽肉ミンチに替えながら、R246の立体交差を左折すると、新相模大橋が見えてきた。
…追突事故で火災にでもなったんだろう。橋の上にゃ五、六台の乗用車が、焼けただれた赤錆姿を晒してる。
車線を邪魔するワンボックスの乗用車を、六輪駆動のバンパーで跳ね飛ばすと、割れたリアゲートの窓ガラスから、白骨化した頭蓋骨が飛び出した。
蒸し焼きになった怨念か。トラックのボンネットの上に落ちたそいつは、恨めしそうに、暫くこっちを睨んでた。
...3
小田急の陸橋を渡って座間の市街に入る頃にゃ、燃料系の針がいよいよヤバくなってきた。
こいつはジーゼルだから、燃料ポンプが空気を吸ったら、エンジンはいきなり止まるのよ。
「何とか保ってくれよ…。」オレは必死で祈ったんだが、神様はどうやら、ソッポを向いてたみてぇだ。
…ついに六輪駆動は、「がるん」と唸ったきりエンジンの回転を止めやがった。
クラッチを切れば、惰性で数十メートルは走れるが、ゾンビ野郎の姿が見え隠れしてるから、まごまごしてもいられねぇ。
とっとと飛び降りた桐山の後を追って、オレも自分の装備をひっ掴むと、トラックのドアを蹴り開けた。
中村メガネ猿や南の野郎も、オレに続いて飛び降りる。
運転する者の居ねぇ軍用トラックは、のろのろとスピードを落としながら、中央分離帯に乗り上げて、遂に息の根を止めちまった。
オレ達は、そいつを横目で見ながら、厚木バイパスの上を走り出したのよ。
オレと南の野郎は、二人して足が不自由だから、ロン毛やメガネ猿からは遅れがちになっちまう。
それでも必死こいて走ってるんだが、横を行く南の野郎はバックパックの他に、何やら荷物を担いでる。
MP5のサブマシンガンはオレが渡した「獲物」だが、一緒に背負う「円筒形の細長い筒」は、どうやらロケット弾みてぇだぜ。
…ありがたいことに、相模原の補給廠で手に入れた「ブツ」が、未使用のまんま、トラックの荷台に放り出して有ったらしいのよ。
M72LAWって名前の携帯型対戦車ロケット弾は、たった一発しか無ぇから、めったやたらと撃てねぇが、それでも、南の国の奴等と、対等に渡り合える武器が有るってのは、嬉しいモンだ。
裏切り者の伊東の野郎に、そいつで一泡吹かせてやるまで、何が何でも追い詰めてやる…。
バイパスの車道を、必死に逃げながら、オレは、そんなことを考えていたが、それより先に、追いかけてくる死人野郎を、どうにかしなけりゃならねぇぜ。
中村メガネ猿が振り返りながら、小銃の引き金に指を掛ける…。
そいつを見ていた桐山は、咄嗟に「銃声を響かせると、そこら中から、ゾンビ野郎が湧き出してくる。」って怒鳴りやがった。
辺りは座間の市街地だから、奴の言うとおり腐れゾンビの巣窟よ。騒音立てたら、逃げ場を失うのは確実だろう。
...4
「どうすりゃ良いんだ。」って仏頂面で怒鳴り返した中村に、ロン毛の奴は「兎に角、付いて来い!。」って言い捨てると、息を荒げながら走り出した。
追いかけてくる死人野郎は、最初のうちは十匹ほどの小集団だったが、奴等の唸り声が仲間を引き付けるのか、あちこちからボロ屑を纏った腐れ野郎が合流して来やがるぜ。
二十匹程に膨れあがったゾンビ軍団に追われながら、バイパスの車道を必死に逃げる桐山は、「こっちだ。」って叫びながらガードロープを乗り越えて、側道の斜面を転がり降りた。
奴の目指す先は、バイパスの両側に広がり始めた、雑木林の奥なのよ。
市街地に突然現れた緑地帯は、「市民の森」って奴だろう。…鬱蒼とした雑木林は、かなりの広さが有るらしい。
オレ達は、パイプのフェンスを乗り越えて、春の日差しに、若葉が萌え出した、樫の林に走り込んだ。
「奴等は、犬みてぇに鼻が利くから、落ち葉や雑草を擦り付けて、こっちの臭いを紛らすんだ。」ロン毛野郎が、小声で呟きながら、テメェの迷彩服に、土や落ち葉を叩き付け、林の奥に進んでく。
桐山の真似をしながら、オレ達もそそくさと木々の間に身を隠したのよ。
何匹かのゾンビ野郎が、オレ達の後を追って、林の中に入り込んだみてぇだけど、雑木林や枯れ草の下生えで、どんな状況かは判らねぇ。
桐山の話じゃ、このまま林伝いに南に進めば、厚木の飛行場に辿り着くらしいから、市街地を突っ切るよりは、ゾンビ野郎にお目に掛かる機会も少ねぇだろう。
それでオレ達は、なるたけ樹木や障害物の多そうな木陰を、足音忍ばせ移動した。
公園から流れ下る川沿いに、南に向かいながら枯れ草の下生えの中を進んでいくと、杉の木立の向こう側に、死人が二匹居やがった。
腐れ野郎は、こっちに気付かねぇらしいが、どうしたモンか、オレ達の方に向かって、フラフラ歩いて来やがるのよ。
オレ達は咄嗟に、近くの木陰に身を伏せたんだが、動物並みに鼻が利くゾンビ野郎は、「何か違う」と感じたらしい。
鼻をひくつかせながら十メートルほどに、近づいてくる。
…ボロボロのスカートと、泥で汚れたGパンのアベックゾンビ二人組が、白く濁った四つのお目々で、周りを伺っていやがるぜ。
...5
この距離なら、自動小銃や拳銃で、「カタ」を付けるのは難しくは無ぇが、静かに殺らなきゃ、後々面倒なことになっちまうだろ。
…そう思った瞬間、オレの横で、カシャ・カシャ・カシャとカメラのシャッター音が鳴り響いた。
そいつは、南の野郎が構えるサイレンサー付きサブマシンガンの作動音よ…。
九ミリ口径のMP5だから、オレ達が腰に付けたハンドガンの弾薬が使えるんだ…。
銃口から薄い硝煙を靡かせながら、MP5マシンガンを小脇に抱えて、南の野郎が立ち上がる。
額を撃ち抜かれたゾンビ野郎は、赤松の大木の根本に、大の字になって折り重なったが、衝撃で目玉が吹き飛んだ眼窩から、ドロッとした液体を滲ませてやがるから、そいつ等は二度と、立ち上がらねぇだろう。
けどよ。…サイレンサーから漏れた音が、そこらに響いちまっただろ。
それでオレ達は、物音立てねぇように、素早く場所を移動した。
チョッとでも物音がしようモンなら、即座に地面に這い蹲って、落ち葉の中に身を隠したぜ。
…それが功を奏したんだろう、東名高速の高架の下を潜り抜け、相鉄の線路の鉄橋までは、どうにか無事に辿り着いた。
目の前に、厚木街道の土手が見える辺りまでやって来ると、オレも少しはホッとした。その先に、広々とした厚木の飛行場が見えてたからよ…。
厚木街道の道路の上にゃ、乗用車やトラックの残骸が、数珠繋ぎになって止まってる。
オレ達は、そんな車両の陰を利用しながら、厚木の滑走路に近づいていった。
フェンスで囲まれた基地の敷地は、厚木街道の土手の下、目と鼻の先よ。…百メートルほど南側の、エスケープゾーンの草っ原に、セスナの飛行機が見えてるぜ。
あれが、ロン毛野郎の乗ってきたヤツだろう。
「滑走路の真ん中に、ぶっ壊れたトラックが鎮座してやがるから、離陸距離はギリギリだぜ。」って、他人事みてぇに桐山の野郎が言いやがる。
それに、機体が滑走路を外れて、エスケープゾーンに突っ込んじまってるから、コンクリートの路面まで、人間様の力で押し出さなきゃならねぇらしい。
昨日からまったく、力仕事ばかりだが、「うだうだ」言っても仕方がねぇか…。
またまた、4話投下。
書いてるうちに、どんどん枝葉がくっ付いちまって、なかなか本筋が進まねぇ。
そのうえ、詰まらねぇPART3のアイデアまで浮かんじまった…。
じゃまたな。
おやじ乙!
おやじさん乙です!
おやじさんお待ちしてました!
今後の展開ももちろん楽しみですが、
パート3のアイデアが浮かんだというその一言が
終電に乗り遅れ徒歩で帰る私に気力を与えてくれました(^з^)!。
ゾンビに追いかけられた気分で走って帰ります!!。
196 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/16(木) 09:22:06 ID:tJ0n0EjFO
197 :
ぞんび:2006/02/16(木) 11:27:43 ID:FnOX23dP0
熱い・・・体が熱い・・・そしてどうしようもないこの飢え・・・飢えが俺に抑えきれない衝動を与えた。
喰いたい、腹いっぱい、何でもいい、そうだ、肉がいいィィ、そうだ肉だ肉肉肉肉肉 肉以外はダメダ、肉以外は考えられない!
俺も周りの連中も全員同じ、食いたい、腹いっぱい、肉を 喰わせろ! 引き裂かせろ!
哀れな(肉)が半狂乱になりながら叫んだ。
「うわあああ!やめろ 来るな!化け物!来るんじゃねェ!こっちに来るなああああ!」
(肉)がギャアギャアと喚きながら、鉈で俺の腹を斬り付けた、重みと分厚い刃が筋肉と脂肪層を同時に引き裂き
なんだかくすぐったい様な感触と共に、俺の腹から赤黒いドロっとした、まるで泥水か
タールのような液体がブクブクと泡を吐いて噴出した。同時に腹圧によって飛び出した巨大蚯蚓のような俺の臓腑がヌラリと顔を覗かせ、
だらしなく垂れ下がりビタビタと俺の足に当たり湿った飛沫を撒き散らした。
コレが俺の血、俺の肉・・・
現実感が無い、まったく痛みを感じないからだ、俺ははみ出した腸の一部を引き千切り(肉)の顔面に全力で叩き付けた
狙いは違わず、べチャア!という下品な音とともに奴の顔面が俺の血で一面赤黒く染まった、ザマアミヤガレ!
「ヒイイ! 目が! 目が見えない! 目がああああああああああああ!」
奴は倒れ込み持っていた鉈を地面に落とし、情けない金切り声を上げた。
198 :
ぞんび:2006/02/16(木) 12:15:48 ID:FnOX23dP0
俺は(肉)に飛び掛り、掴んだ奴の腕に噛み付いた、メキョッ!という歯ごたえ・・・俺は全力で噛み千切った。
「ひぎゃああああああああああああああああああああああ!」肉が凄まじい悲鳴を上げた、それは獣の咆哮にも似ていた。
奴の腕の一部が円形状に抉れて完全に消滅していた、奴は白目を剥いてガクガクと痙攣していた
俺は食い千切った肉塊を味わった、噛めば噛むほど果汁が溢れ出し、口の中に酸味とも甘みとも付かないいい
とてつもなくジューシーだァゼ、こんなうまい物は無いァァ
鼻腔をくすぐるこのの臭いィおお・・・うまいウマイイい い 幾ら でも グェリュるう! うう!
周りの連中も一斉に(肉)に襲い掛かった、(肉)に悲鳴が2オクターブほど跳ね上がった。
押し寄せる凶暴な殺戮マシーン達がその叫びさえ一瞬で掻き消した。腕がヒシャゲ、首も足もあらぬ方向に折れ曲がり、
噛み砕かれ、赤黒い飛沫が飛び散り食欲を誘う甘い香りが漂った。
大腿骨と肋骨が同時に粉砕され、引きずり出した臓物の奪い合いが始まった
強靭な顎と馬鹿力によって一瞬にしてズタズタに引き裂かれ、奴はミンチと化した。
「なんてこった! 殺しやがった! この腐れ畜生どもが!かまわん!ぶっ殺せ!」
ショットガンと自動小銃で武装した(肉)が叫んだ、幾つもの怒号する銃声が重なり合い、周りの連中がぼろ雑巾みたいに
千切れとんだ、俺の右足に衝撃が伝わり脚が吹っ飛んで俺は倒れこんだ、間髪入れず俺の腕が赤黒い飛沫になって
粉々に吹き飛び、地面に指の残骸がパラポロと散らばった。
俺の口に一匹の(肉)が散弾銃の銃口を突っ込んだ、奴は満面の笑みを浮かべて吐き捨てた。
肉「FUCK HEAD!」
俺の世界が轟音と共に彼方に吹き飛び、俺の意識は途絶えた。
完
化け物が街にやって来てほんの数時間後。
様子は一変して地獄絵図となっいた。
肉片や血液が辺りにぶちまけられ、泣き叫ぶ声や
断末魔の悲鳴が街中から聞こえてくる。
薄暗い所に青年が座りこんでいた。
右腕を押さえ、時々痙攣して何かを呻くように呟いている。
この青年が何かの病気に侵されているのは誰の目にも明らかだろう。
青年は、仲間と街のメインストリートを散歩していた。
そして、運悪く化け物の一人に右腕を噛まれたのだった。
仲間とはぐれながらも逃げ続けて、自分がもはや安全では無い事、
死期が近いことを他人事のように感じていた。
意識がぼんやりしてくる間隔が、だんだんと狭まってきている。
短くなる間隔に青年は恐怖し、なんとか延ばそうと音楽を聴き始めた。
最初は気付かれないよう最小で、しかしそれの意味が
だんだんと無くなっていることに気付くと音量を上げてイヤフォンを付けた。
しかし、それはついに来てしまった。
青年はひときわ大きな痙攣をすると、血を吐いて倒れた。
ヘッドフォンは耳からはずれ、運良く首にかかり
場違いに明るい音楽を流し続けた。
暫くして、あの青年は起き上がった。
だが、虚ろな目に光は無く、動作は驚くほどぎこちなく緩慢だった。
青年は怪物の仲間となったのだろう。と、呻きながら歩みだした。
青年だったモノは、道をふらふらと歩いていく。
後ろに、音に引き寄せられた怪物たちを引き連れて。
その中には色々な部分を欠落させた、青年の仲間だったモノが混じっていた。
ある意味、彼らの友情は不滅であろう。
-終-
201 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/16(木) 22:07:23 ID:MzESqZv70
>ぞんび さん
よく出来てると思うが君が自分で書いたことを実践しそうで心配だ。
もう経験済みなのかも知れんが・・・
202 :
ぞんび:2006/02/16(木) 22:18:15 ID:8QtJio0l0
>>201 大丈夫ですよw
スプラッタ映画観すぎた影響ですw
ぞんび さん&?さんショート作品お疲れ様です!。
ゾンビ視点とゾンビになるまで。どちらも自分がそうなったら
どんなだろうと電車に揺られながら読まさせていただきました。
ありがとうございました!。
204 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/17(金) 09:51:12 ID:zD1hW3lY0
俺はこのスレの電車男が今日もちゃんと家に帰れるか心配だ。
電車男さんのこれからを案じつつ、久々に駄作投下、っと。
『ベトナムの憂鬱』
渡辺真利子から、小包が届いた。
真利子は、3つ年上の兄の高校時代の友人である。著述業をしていて、今は一年の大半をアメリカで暮らしている。
私もフリーのジャーナリストをやっているので、しばしばアメリカの書籍や資料を探してもらっている。3つ年上とはいえ、
幼馴染みなので、「真利子」と呼び捨てにできる仲である。
いろんな書籍に混じって、一冊の雑誌が入っていた。手紙には、追伸に「アンタの好きそうな雑誌を見つけたから、一
緒に入れておくわね」と書いてある。雑誌は、オカルトものの、いかにも三流といった感じの毒々しい表紙に、大きな活字
で様々な文句が並んでいる。
内容は、ミステリースポットを紹介したり、体験談が載っていたり、UFOの写真が載っていたりで日本のオカルト雑誌と
さして変わらなかったが、「イケメンの幽霊に関係を迫って撃退したハードゲイ」といった記事がのっているのはなるほど
アメリカらしいテイストだな、と思った。
そんな中で、ふと“ZOMBIE”の文字が目にとまった。辞書を片手に読んでみると、どうやらベトナム戦争の頃の話のよ
うだ。米軍が、ポンビパエットという村に攻め入ってみると、そこはゾンビだらけの、ゾンビに乗っ取られた村で、奮闘の末
ゾンビを皆殺しにしたという。当時の米兵の証言かと思ったら、証言した米兵は酒と精神安定剤に溺れて、10年程前に
肝臓を患って死んだらしく、彼の話を聞いた研究家が雑誌に寄稿したらしかった。その記事によると…
「私(米兵)は、軍の特務班の一員として、ポンビパエット村の手前に潜んでいた。ポンビパエット村はその後の作戦に
おいて重要な拠点になるというので、完全に制圧する必要があった。私たちは、密林に身を潜ませながら、強行偵察に
行ったベンとジミーを待っていた。ある明け方、ジミーが左腕に仮包帯を巻いて、転げるように私たちの陣地に戻ってき
た。私はジミーから直接話は聞いていないが、隊長の話によれば、村は化け物の巣窟と化していたという。化け物は、
銃で撃っても死なず、ベンは化け物に食い殺されたという。ジミーも腕を噛まれたらしく、かなり苦しそうにしているとの
ことだった。ただ、ひとつ分かったことがあった。ジミーが化け物の頭を撃ち抜くと、化け物は死んだという。その翌日、
ジミーは後方の部隊へと後送された。
隊長は、私たちを集め、命令した。たとえ女子供といえども、一人残らず、頭を撃ち抜け。絶対にためらうな、と。私た
ちは、夕刻を待って、村を急襲した。私たちは訳のわからない声を上げて、ひたすら銃を撃った。頭を撃ち抜くことだけを
考えて、必死だった。やがて銃声は止み、私たちは死体を集め、村に火を放った。村は、そこにあった何物も残らないほ
ど、完全に焼き払われた。村の跡には、米軍のキャンプが設営され、その後の進攻の拠点になった…」
普通なら信用するに値しないヨタ話なのだが、なぜか妙に興味をそそられた。
そういえば、しばらく真利子にも会っていないし、会うのはいつも真利子が帰国したときばかりだった。たまにはこっち
から押しかけてみるか、という気がふっと沸いた。オカルトのヨタ話を信用してはるばるアメリカまで行ったとなれば真利
子に大笑いされるのは目に見えているが…観光を兼ねて、少し真利子に世話になってみるか――。
いざアメリカに行ってみると、真利子は大笑いするどころか、心底呆れ返ったという感じで迎えてくれた。コーディネー
ターの斡旋から、通訳までお願いしたとなればなおさらで、アメリカ滞在中は真利子の部屋に転がり込むというおまけ付
きである。日本からは真利子の好きな和菓子を買って持っていった。「一人でこんなに食べきれるわけないじゃない」とな
じったが、口元の緩みは隠せないようで、それだけが救いだった。
今回わざわざアメリカに渡ったのは、何人かの当時の関係者に会えそうだったから、というのもあった。真利子は通訳
は買って出るが、相手はベトナム帰還兵だ。歳はとっているとはいえ、女性通訳と喧嘩に勝ったこともないルポライター
だけでは危険もあるというので、現地のコーディネーターを雇うことになった。そのコーディネーターから、何人かインタ
ビューに応じるらしいという答えをもらっていたのだった。
コーディネーターのワトソンは、まず私たちをあの記事を寄稿した研究家、マイケル・ヤオイの元へと連れて行ってくれ
た。ヤオイ氏は日系人で、会話は日本語で事足りた。証言の真偽について問いただしたところ、ヤオイ氏はカセットテー
プを持ち出してきて、私たちに聞かせてくれた。酒に溺れていたというだけあって、喋り方は怪しかったが、真利子に訊く
と、記事の内容には間違いが無いようだった。米兵とどのようにしてコンタクトを取ったのか尋ねると、どうやらヤオイ氏は
ベトナム戦争中のUFO目撃談を収集しているうちに、とある人から「面白い話を知っている奴がいる」と教えられたのが、
かの米兵だったらしい。ではなぜインタビューから10年以上も経っているというこの時期に、あの記事を発表したのかと
尋ねると、ハハハと力なく、自嘲するように笑った。そして一言、「君もライターなら、わかるだろう?」と言った。…どうや
らネタ切れだったらしい。
ワトソンは翌日、当時の特務班の班長、マックラクラン氏のもとに連れて行ってくれた。いきなり核心を突くのか、と思っ
たが、スケジュールはワトソン任せだ。仕方がない。
マックラクラン氏は、かつて特務班の隊長をやっていたとは思えないくらい、穏やかな風体で私たちを迎えた。でっぷり
と太って、額が禿げ上がっていて、眼鏡をちょこんと鼻に載せるようにして掛けていた。私はまず、あの記事のことを知っ
ているか、と尋ねた。マックラクラン氏は、眼鏡のレンズの上から私たちを覗き込むようにしてから、「そんな低俗な雑誌
は聞いたこともないし、読んだこともないね」と言った。記事の内容を伝えて、それが事実かどうか尋ねたが、やはり「君
たちはそんな馬鹿げた話を信じているのかね? 君たちは正気か?」とつれない答えだった。
マックラクラン氏からはこれ以上何も引き出せそうになかったので、早々に立ち去ることにした。真利子は、「何の収穫
もなかったわね」とため息を吐いたが、私は「そうでもないよ」と反論した。
「マックラクランは“そんな低俗な雑誌は聞いたこともない”と言ったよ」
「それがどうだって言うのよ。現に低俗な雑誌じゃない」
「あの雑誌のタイトルを覚えてる?」
「え…確か、『ミステリーマンション』じゃなかったかしら」
「和訳すれば『ミステリーの館』ってところだろ? タイトルだけ聞けば、ミステリー小説を集めた雑誌かもしれないじゃな
いか。しかし、マックラクランは低俗な雑誌だということを知っていた。つまり、彼はあの雑誌、あの記事を読んでいる。間
違いない」
「なるほどねぇ…」
それから、私たちは何人かの帰還兵にインタビューしたが、結果は芳しくはなかった。ベイカーという男は、私たちの話
に適当に頷きながら、「ああ…、そんなこともあったかもしれないな…」とまるで心ここにあらず、という感じで、それ以上
は何も語ろうとはしなかった。他の帰還兵がきっぱりと否定する中で、ちょっと気にかかった。
それ以上に気になったのは、スマイスという帰還兵にインタビューしたときだった。スマイスは私たちが話し掛けるなり、
烈火の如く怒り出した。
「おめえら、あんなヨッパライ野郎のヨタ話、信じてやがるのか!? さっさと帰りやがれ! さもないとてめえの○○に俺
の○○をぶちこんでやるぞ!ええ?」
私たちはスマイスの家からたたき出された。「もう、何だって言うのよ」と真利子はうんざりしたようだったが、私は手応
えをつかんでいた。
「聞いたか? 真利子」
「何が」
「俺たちはあの米兵の名前は出していないし、米兵がどんな人間だったかも話していない。第一、ヤオイ氏が家族への
配慮ということで名前は教えてくれなかった。それなのに、スマイスは米兵のことをヨッパライ――酒と薬に溺れた人間
だと知っていたよ。スマイスは記事の元になった米兵のことを知っている。おそらく、記事も読んでいるはずだ」
「それで?」
「おそらく、あんな態度に出たのも、何か訳があるに違いない」
〔つづく〕
211 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/18(土) 11:37:57 ID:lOGwHjDj0
>ビロビロリンさん 乙
いいぞ、いいぞ、思わず惹き込まれた、、、
最後のレス読むまで主人公♀だと思ってた
バルビローリさん、本当に久々の新作お疲れ様です!。
ただゾンビに追いかけられるのではなく、むしろこちらから追って行く。
サスペンス風の緊張感がたまりません!。
また、>204様>205様にはなんだか心配していただき、大変恐縮しております(・ω・;)。
ありがとうございました!。
214 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/18(土) 19:44:53 ID:PEIuYciM0
スプラッタ系の展開を望む方には、あらかじめお詫びを申し上げつつ、駄作の続きを投下させていただきます。
アメリカでの日程も半分を過ぎた。このまま収穫なしでは帰れないと思った私は、もう一度マックラクラン氏を訪ねた。
「単刀直入にお聞きします。あなたは、あの記事を読んでいますね」
マックラクランは何も答えなかった。私は、マックラクランとの最初の会見で感じたことを、そのまま伝えた。マックラク
ランは、ふむ、と息を吐いて、再び瞑目した。私は一か八か、思い切って賭けに出た。
「あなたは…、ある命令を下した。そうですね? そして、それが正しかったのかどうか、今でも迷っている。いや、何か、
罪悪感のようなものを抱えているんじゃないですか? 違いますか」
マックラクランの喉仏が、わずかに動いた。
「私の祖父は、太平洋戦争を戦いました。大陸で。それは恐ろしかったと、私に語ってくれたものです。便衣兵といって、
一般市民の格好をした兵隊が、すれ違いざまに撃ってくる、そんな戦場を戦ってきたそうです。確かに、私の祖父は人を
殺しました。戦争に負けて、私の祖父はただの人殺しになってしまった。しかし、私の祖父は常に家族のことを考えて戦っ
て、生き抜いた。私は祖父を誇りに思う。家族のために、いや、日本人のためにどんなに恐ろしい思いをしながらも、勇敢
に戦った祖父をね」
マックラクランのこめかみを、脂汗が伝う。もう一押しだ、と思った。
「あなたもそうだったんじゃないですか? あなたは確かに恐ろしい命令を下した。しかしそれは、愛する人を守るため、
あなたの家族も、部下の家族も、すべてを守るために、その決断をしたんじゃないですか!」
マックラクランは、ゆっくりと眼鏡を外しながら、ふぅ、とため息を吐いた。
「もう時効だろう。君は全てを見通しているようだね。わかった。全てを話そう」
「あれ――ポンビパエット村の攻略――は、1971年の春ころだったと思う。ソンミ村の虐殺の話は知っているね? あの
事件は、それ以降私たちの立場を決定的に悪くした。私たちは地獄のような戦場に身を置きながら、祖国からも冷たい目
を浴びせられた。私たちには何とも言えない空しさがあった。君のおじいさんも私たちと同じような戦場を経験した。しかし、
あの地獄のような光景は実際に経験した者にしかわからないだろう。どこにいるともわからない敵。落とし穴に落ちて、何
十本という竹槍に串刺しにされた部下も見た。村人は何も知らないような顔をして、しっかり地雷を避けて歩いている。一
見平穏そうに見える村全体が、地雷原だった…。
そんな中で、私たちにはポンビパエット村の攻略を命ぜられた。あの村は、その後の進攻のためには絶対に落とさなけ
ればならない、重要な戦略上の鍵だったんだ。私は、村の完全なる壊滅を命ぜられたのだよ。一人でも村人を残せば、
そこに敵が潜む。下手をすれば補給路を分断されてしまう。だから完全に破壊せよ、とね。
しかし、兵の心も荒んでいた。私は部下が私の命令に従わないことを恐れた。部下が心を乱して、作戦が不完全に終
わることをね。そこで私は、リビングデッドという存在を考えた。村人はみんなリビングデッドという化け物だ。化け物は人
間ではない。化け物なら殺しても構わない。そのために、私は2人の強行偵察要員に、演技をさせた。1人はキャンプに
は戻らず、死んだことにした。1人はケガを装って、村の惨状を伝えさせた――もちろん、部下に伝えたのは私だ。1人は
ケガを装ってキャンプに戻って来さえすればよかった。その2人は、その後で後続部隊に後送した。
あとは、君たちの言うとおりだよ…。リビングデッドという存在をでっち上げて、私たちは大量殺戮をやったのさ。部下は、
私の言うことをよく信じてくれたよ…」
「結局、ゾンビ村なんて存在しなかったのね」
「そうだな…ところで、もう一度スマイスに会えないかな? 兵士の立場から、話を聞いてみたい」
「また、あの○○野郎のところに行くの? 本気?」
真利子は相当嫌がっている様子だったが、ワトソンに頼み込んで再びスマイスのもとを訪れることにした。今度はマック
ラクランの証言がある。
例のようにスマイスはものすごい剣幕で私たちを追い出そうとしたが、私がマックラクランから本当の話を聞いたと必死
で食い下がったところ、スマイスは急に態度を変えた。
「何だよ…マックが喋っちまったのかい…じゃあ仕方がねぇな。わかったよ」
そう言うと、今までとはうって変わって静かに語り始めた。
「俺たちは、ポンビパエット村の攻略をするのに、キャンプに詰めていた。俺たちは、敵には不意討ちを食らい、本国か
らは冷たい視線を浴びせ掛けられて、ずっと重い気持ちで戦っていたんだ。その時に聞いたのがリビングデッドの話だっ
た。…もちろん、俺たちはそんな話は信じていなかったさ。嘘だってのはみんなが知っていたんだ。しかし、マックの嘘を
笑う者はいなかった。みんなでマックの嘘を信じきって、自分たちがこれから殺す相手はリビングデッドだと自分たちに言
い聞かせたんだ。殺戮を正当化するために。そうでもしなければ、俺たちは…俺たちは…戦えなかったんだ。あれ以上
は…」
私は、ひどく気分が暗澹となるのを感じた。真利子も押し黙っている。マックラクランの嘘は、ある意味で子供じみた、
滑稽な嘘だ。それを信じて死んだ名もなき米兵もまた、滑稽だ。そして、スマイスは――おそらく部下の大半も――嘘を
嘘とわかっていて、それを本当だと信じ込まなければ自分を保てない、そんな苦しみを抱えて今まで生きてきたのだろう。
その対比が、ますます私を暗い気持ちにさせた。
「記事にするの?」
そう真利子に聞かれたとき、私はヤオイ氏のことを思い浮かべていた。ヤオイ氏が、10年以上もこのネタを暖めていた
その真の理由がわかった気がしたからだった。おそらく、ヤオイ氏も本当のことを知っていたのではないか? 本当のこ
とを知っているが故の10年以上のブランク、オカルト話として発表せざるを得なかったのは、その長い間の葛藤から逃れ
るために、そうするしかなかったからではないのか…。そう考えると、私もただ黙っているしかなかった。
私のアメリカの旅も終わりに差し掛かったとき、コーディネーターのワトソンは、強行偵察の2人を受け入れたという部
隊の隊長・タフトを紹介してくれた。タフトは、私たちを快く迎えてくれた。後は事実関係の確認だけだ。
私が質問をぶつけると、タフトは目を丸くした。
「確かに、私の部隊は、マックラクランの部隊が切り開いた道に従って、速やかにポンビパエット村に陣地を構築する任
務を帯びていましたし、あの一帯には私と、マックラクランの部隊しかいなかったのも事実です。マックラクランが私たち
の安全を確保し、私たちが陣地を構築して守備し、さらに後発の部隊が速やかにその先へと進出できるようにすることが、
私たちに与えられた任務だったのです。しかし、私はマックラクランの部隊から兵士を迎え入れたことはありませんし、実
際現地では彼の部隊とは接触すらしていないのですから…。ベンとジミーというのは偽名かもしれませんが、そうした人
間を受け入れたことはありませんよ。私は嘘をついてはいません。嘘をつく理由もありませんから…」
「じゃあ、そのベンとジミーはどこへ行ったのでしょう?」
「さあ、それは知りません。マックラクランに聞いてください」
「一体どういうこと?」
真利子は私に訊いたが、私にもさっぱりわからなかった。もうマックラクランのもとに出向く暇もなかったので、急いで電
話で確認したが、マックラクランも「そんなはずはない、確かに後送した」と言い張るばかりだった。
何か引っ掛かるものを感じながら、アメリカを発つ日が来た。その朝、ワトソンがある書類をファックスで送ってきた。そ
れは日本で言うところの「戦死公報」だった。ベンとジミーという名前ではないが、マックラクランの部隊員で、1人はポンビ
パエット村攻略の日の朝に、1人はその前日に、戦死したことになっていたのだ。私は大急ぎでマックラクランに確認の電
話を入れた。マックラクランは、村の手前にキャンプを設営してから、村の攻略まで、1人の戦死者も出していないという
のだ。攻略そのものでは、何名か戦死者は出したが、それ以前には断じてない、信じてくれと言った。私はその公報を読
み上げると、マックラクランは電話口で、何てこった、そんなはずはない…、といって絶句してしまった。
私は帰りの飛行機の中で、何が本当で何が嘘なのか、ずっと考えていた。ずっと考えていたが、結局答えは出なかっ
た。重い、もやもやしたものが心を覆って、それが晴れることはなかった。
私は重い足取りで、家路についた。家に着くと、ソファー代わりにしているベッドに腰を下ろした。その時、荷物が机の上
に乱雑に積んであった資料やいろんなものに触れて、ひどい音を立ててそれらを床にぶちまけてしまった。その中に「謎」
と大きく書いた箱があって、その箱から一本のカセットテープが飛び出して足下に転がった。そのカセットには、「1997年、
山岡健一、エンバーミング」と書き込んであった。何か妙な予感がして、思わず私はそのカセットを手に取ると、デッキに
流し込み、再生ボタンを押していた。
「私はベトナム戦争当時、米軍基地で働いていました。エンバーミングといって、当時は日本では非常に珍しい仕事でし
てね、死体の修復です。ベトナムから、戦死した兵士の遺体が空輸されてきて、それに防腐処理を施し、きれいに修復し
て、遺族の手に渡すのが仕事でした。まあ、手の込んだ死に化粧、とでも言いましょうかね…。当時としては、かなりの高
給だったと思いますよ」
私は、10年近く前の山岡氏のインタビューを思い出しつつあった。思い出しながら、絡み合った糸が一本にほどけていく
ように、謎が解けていくように思えた。インタビューの時には何のことかわからなかったことが、今、一本の線でつながっ
ていくように…。何てことだ、と独りごちながら、テープをぼんやりと聞いた。心を覆ったもやが晴れることは決してなく、逆
に暗く色を変えていくのを感じて――。
「あれは確か1971年の春ころだったと思いますがね、一時期、パタッと遺体の空輸が止まりましてね。しばらくは仕事が
ありませんでした。それでも毎週給料がきっちり出ていましたけれど。それが、空輸が再開されると、ひどい状況でした。
腐敗の進んだ遺体ばかりで…ずいぶん日にちの経った遺体が運ばれるようになりました。どうしてかは分かりませんが、
空輸が止まっていた間、遺体を現地に一旦安置していたんだと思います。それにもっと分からないことがありましてね。
どの遺体も、こめかみに銃創があるんですよ。ええ、ひとつ残らずね。これがきちっと脳幹に向けて撃ってあるんです。
ある日、米軍の担当者に聞いてみました。そうするとえらい剣幕でしてねえ。銃創を指差して言うんですよ。『どこに銃創
なんかがあるんだ? 俺には何にも見えんぞ! 何にもな!』ってね。ああ、これは触れてはいけないことなんだな、と
思ったわけでね。あれだけは今になっても何の意味があったのか、分かりませんねえ…」
〔終〕
夜遅くに乙華麗。成程、こう言う終わり方も有りか・・・・・・・・。
ベトナムと聞いて、「地獄の謝肉祭」を想像しちゃった。
バルバローイさん乙 てか甲
すっげえおもしろかった・・・
こういうの好き
バルビローリさんお疲れ様です!。直接的なゾンビ描写をせず、
それでもゾンビを感じ?させる。そんな熟達した表現手法の前では
電車が事故で遅れてると言う辛い現実すら、最早ささいな事として受け止められそうです(>_<)!。
ありがとうございました!!。
>>225 相変わらずだなぁw
まぁ
>>225のせいじゃないけど、よくよく電車と相性が悪いらしいねぇ。
>ベロベロさん
乙です。面白かった〜。
それにしても、ヤオイ氏って…w
今回のオチはアメリカ人同士殺しあったが真相は解らずじまいということで宜しいのでしょうか?w
やっぱり入り口が死んでると、書き込みは携帯のみか。
2ch鯖監視所から
(´・ω・`)ショボーン www.2ch.net
レスを付けてくださった皆様方に心から感謝いたします。
投下するときにこれほど心臓がドキドキしたのは初めてだったので(はっきり言って後半を投下しないで逃げようかと
思っていました)、皆様の暖かいレスにホッともし、また感動してもおります。本当にありがとうございました。
さて、私の名前のバリエーションが不気味に増殖しつつあるのは気のせいでしょうか…
(そんなことも嬉しく思っています。実は)
>>228様
作者が解釈に口出しするのもアレなので、ここではあえて触れないでおこうと思うのですが、いかがでしょうか?
電車男さんの行く末を(心から)心配しつつ、失礼します。多謝!
バルビさん乙です。是非、また投下してください!
ビロビロビーン様。
>>228ですが了解しました。
いつも楽しい作品をありがとうございます。
いいいよーいいいよー
234 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 02:57:01 ID:o8LNa5xOO
あひー
初投稿です。
いたらない点や読みづらいかもしれませんがよろしくお願いします。
「空を見上げて」
「…俺はもう長くないだろう…」
俺はゾンビに噛まれた腕を押さえながら最愛の妻に言った。
妻は俺の悪い癖のせいで精神を患いもう四年たつ。
そんな妻を残して逝く自分の運命を呪わずにいられない。
妻は何も言わない。ただ空を眺めている。
幸いここのマンションはセキキュリティがしっかりしているし住民が一丸となってバリケードや見張りをしているため安全だ。
俺は最後に妻に何が出来るか考えそしてある決意を固めるとソッと妻に口付けをし部屋を後にした。
門番をしている隣人に妻を頼むと言いバリケードの一部をはずし外に出る。
隣人は泣いていた…挨拶程度の付き合いだったがまだ意識があるのに殺すのは忍びないと皆を説得してくれ、
自分から出て行くのなら手は出させないと俺をかばってくれたんだっけ…。
妻との最後の別れまでさせてくれた心優しい隣人。
彼になら安心して妻をまかせられる。
私は状況につかわしくない程軽快に歩く。
ゾンビ共は俺を見るが襲っては来ない。
その様子はなんだか滑稽で俺は大声で笑った。
涙が出ないよう妻が見ていた空を見
上げながら…。
そのうち意識が薄れる中、ようやく目的の家に辿り着いた。
懐かしいような憎らしいようなそそんな感情を思い出しながら一歩また一歩と外付けの階段を上る。
コンコン…ノックをする。
誰も出ない。
もしかしたら避難をしたのかも知れないと焦りが出てくる。
もしも避難していたら最後の最後まで妻に何も出来ないで終わってしまう。
不意に俺の名前を呼ぶ懐かしい声が家の中から聞こえた。
俺は腕を噛まれてる事を悟られないように中にいる彼女に話しかける。
彼女は一人避難しそこなり家で救援を待っていたらしい。
とても心ぼそかったらしくすんなり部屋へ招きいれてくれた。
それからどれくらい時間がたったのだろう。彼女が俺に抱きつき何かを話してる…が、
俺にはもう何も聞こえない。
ただ愛する妻の笑顔を思い出し祈っていた。
"最愛なる妻よ…俺と彼女が追い詰めたせいで君の人生を狂わせてしまった…願わくば生きてくれ。生き抜いてくれ…俺と彼女は君を苦しめた罰を受けるよ…"
意識が途絶える瞬間に彼女の叫び声と妻の笑い声を聞いた気がしたが…妻は喜んでくれたのであろうか?
END
皆さんゾンビ描写ほとんどないじゃん!と、怒らないでください(_ _)お願いします。
駄文&携帯からで読みづらかったらごめんなさい。
皆さんに触発されてつい投下してしまいました。
239 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/25(土) 12:22:41 ID:VJ1iX5doO
>>239 いえいえw
浮気とかないですよ^_^
旦那とかいないですしただの思い付きでこういう話もいいかな?
何て思って書きました。
駄文読んで頂いてありがとうございます!
7wumDPXzQcさん、お疲れ様です!。
救われない男の暗い情念を垣間見てしまった・・・。
そんな苦い気持ちでふと顔を上げ電車内を見回すと
幸せそうな夫婦がチラホラと。この旦那さんももしかして・・・(;・ω・)・・・。
新作ショート作品ありがとうございました!!。
>>241 わぁ〜!電車に乗ってたんですか?
もしかしたら…て考えると楽しいですよねw
駄文読んで下さって嬉しいです。
ありがとうございます!
...6
厚木街道の土手の斜面から眺めると、航空基地の駐機場にゃ、ケシ粒みてぇなゴミ屑が、フラフラと動き回っていやがるぜ。
どこもかしこも、腐れ野郎だらけだが、奴等が滑走路のこっち端まで来る頃にゃ、軽飛行機は雲の上って寸法よ。
それでオレ達は、五十メートルほど先に見える、金網フェンスの破れ目に向かって前進した。
セスナで強行着陸した桐山の野郎が、ここを脱出するとき、手榴弾で吹き飛ばした場所だが、そいつは地面に直径1メートルほどの大穴を開けていやがるぜ。
幸い近くにゾンビ野郎の姿は見えねぇから、オレ達はそそくさと穴ボコを越えて、腰の高さほどの枯れた雑草が生い茂る、基地の敷地に踏み込んだ。
腰を屈めながら、オレの先を進むロン毛野郎は、ミサイルを乗せたトラックの行方を確認しようと追跡装置を操作してる。
…奴が舌打ちしたところを見ると、発信器はどうやら探知圏外になっちまったらしい。
「東名に乗ったのは間違いねぇから、高速沿いに飛べば奴等に追い着けるはずだ。」って呟いてる。
腹黒伊東の逃げ道は、限られちゃいるが、こっちが道草食ってるうちに、どんどん先に行っちまう。
それでオレ達は、急いで軽飛行機の側に走り寄ったのよ。
逃げることしか考えてねぇ中村メガネ猿が「脱出だ。脱出だ。」って、またまた騒ぎ出しやがる。
つべこべ言わずに、とっととセスナを押さねぇか。
オレは二、三日前の雨で、泥に埋まっちまったセスナの主脚を引っ張りながら、中村のアホを怒鳴りつけたのよ…。
桐山の奴が、素早くコックピットに乗り込んで、エンジンの始動準備を始めたが、途端に、機体の反対側で、主翼の支柱を押していた南の野郎が叫び声を上げやがる。
奴が指差す方向の、西側の兵舎から走り寄る、幽霊みてぇな人影は、ゾンビ野郎に間違いねぇ。
焦ったオレは、タイヤカバーが半分ほど埋まった、セスナを引く手に力を込めた。
オレの右足と左手は、ソンビ症候群を発症してるから、他人様より多少はパワーも有るんだが、それでも泥に足を取られちまって、思うように機体を動かせねぇ。
たった三十メートルを押せば、コンクリートの路面だが、のろのろしちまったモンで、死人どもの歓喜の声が、直ぐそこに聞こえて来た…。
...7
パン…パン…パン…と、耳元で響くリボルバーの銃声は、セスナのドアから身を乗り出した、ロン毛野郎の援護射撃よ…。
桐山の奴は、「早くしろ。」って叫んでるが、オレ達が軽飛行機のボディーを押しているから、滑走路に出るまでエンジンを始動出来ねぇらしい。
それでも、押し寄せるゾンビの先陣隊が撃ち倒されて、どうにか余裕が出来たオレは、機体に体を押し付けて、滑走路までの最後の数メートルを力の限り押したのよ…。
コンクリの路面に泥跡残し、セスナの機体が後退る。
平たい路面に乗り出せば、取りあえずはこっちのモンなんだが、呻き声上げる死人野郎の軍団が、見る見る近づいて来やがるから、生きた心地もしねぇぜ。
次の瞬間、軽いスターター音を響かせて、セスナのプロペラが回り始めた。
メガネ猿が、一目散にコパイロット側のドアに飛び付くのと、機首の下側のマフラーから、ホワイトスモークが吐き出されるのが、ほとんど一緒だったな。
オレは、力強いエンジン音に、小躍りしながら、軽自動車並に狭い、セスナの後部座席に南の野郎を押し上げた。
リアのシートは、それで一杯になっちまったから、ロン毛野郎が、ツードアの車みてぇに折りたたまれた、前席のシートを元に戻してオレの座席を確保してる。
バックパックを背負っている上に、日本刀の白鞘みてぇな長物が手荷物だから、乗り込んだ座席はキチキチ状態よ。
その上、ハンドルやレバーが、目の前の計器板から突き出してやがるから、大柄のおれじゃ、うっかり「伸び」も出来やしねぇ…。
スロットルレバーを操作していた桐山は、ゾンビの少ねぇ方に機首を向けながら滑走を始めたが、二匹の腐れ野郎が行く手を遮るように立ち塞がる。
ラダーペダルの操作で何とか一匹は躱せたが、次の野郎がまっ正面に来てやがる。
…高速回転するプロペラに、吹き飛ばされたゾンビ野郎の片腕が、ゴリッと言う衝撃と共に、フロントスクリーンにぶち当たった。
プロペラはどうやら大丈夫みてぇだが、やたらに草刈り機みてぇなことを続けてると、シャフトが折れちまうだろう…。
罵声を上げた桐山が、更にスロットルを開いて機体を加速させていったが、向かってくるゾンビの動きを予測しながら、方向を修正するのは大変だぜ。
...8
それに、整備されてねぇ滑走路上にゃ、吹き飛ばされてきたゴミ屑や、機体だか車両だか判らねぇ、機械の部品も転がっていやがるから、なおさら操縦が難しい。
おまけに正面を見ると、焼けただれた垂直尾翼の残骸に、赤い色が、どす黒く変色した、消防車両の鉄屑が、座り込みしてやがるし、車両の脇を走り抜けようにも、ゾンビ小隊が邪魔してる。
そんな中、フルスロットルのセスナは、滑走路のゴミ屑にバウンドしながら、消防車の残骸に突っ込むように、加速を付けて行きやがる。
オレは、目の前に迫ってくる、赤茶けたポンプ車を睨み付けながら、「おうおうおうおう。」って無意識に叫んでた。
…『突っ込む』と、思った瞬間、「すぅっ」と機首が上を向き、ケツの下辺りに、ふわりとした感覚と、ゴツンと響く衝撃音が伝わってきた。
滑走路のコンクリートが、斜めになって遠ざかり、空冷四気筒のエンジン音だけが響き渡るコックピットに、オレたち四人の、でけぇ溜め息が木霊した。
そんなこんなで、離陸寸前ポンコツ車両に接触しながらも、軽飛行機は何とか空に舞い上がったのよ。
綺麗なトラフィックパターンで、上空を旋回するセスナの窓からは、綾瀬の市街地や、西に延びる東名高速の六車線道路が見えてたぜ。
きっと地上じゃ、恨めしそうな死人野郎が、汚ねぇ面して、こっちを見上げてるんだろう。
オレは、そんな光景をまじまじと考えていたんだが、ふと思い出しちまった…。
『どう考えてもここは、ダンプの運転席より高ぇ』ってことをよ…。
てめぇのケツの穴が「ぎゅっ」と縮まって、そのうち、膝が勝手に笑いやがる。
情けねぇ。…オレは、ニョロニョロした長げぇモンと高けぇ所が、大嫌いなのよ。
そんなオレのことは、お構いなしに、桐山の野郎が機体をバンクさせながら、機首を西に向けやがる。
高度は三百メートル程だから、眼下に見える風景は、箱庭みてぇに綺麗だが、こっちはそんな余裕なんぞは有りゃしねぇ。
正面向いたまま、口を「へ」の字に結ぶだけよ。
…コックピットの騒音で、何を言ってるのか判らねぇが、後部座席の中村メガネ猿は、ブツブツと愚痴をこぼし始めた頃、セスナは足柄の丘陵地帯に差し掛かった。
3話投下。
通勤電車男。
ツマらねぇ通勤時間の合間にでも、ちっとは喜んでもらえりゃ、オレも嬉しいぜ。
それに、おまえ…、良いキャラしてるから、次のシリーズじゃ、どっかに登場してくるかも知れねぇよ。
じゃまたな。
おやじよかったぜ!
おやじに認められる電車男って一体…ッッッ
おやじさんお疲れ様です!。
「・・・俺達4人の、でけぇ溜め息が木霊した。」
私の安堵の溜息も車両内に木霊したのか、正面に座ってる
お姉さんに怪訝な視線をいただきました(T_T)。
また、次シリーズには私を登場させて頂ける(かも)との事!。
とても嬉しく、またとても光栄に思います!。
なぜか喰われてる姿しか想像できませんが(;・ω・)。
今シリーズでのおやじさんの活躍を楽しみにしております!。
ありがとうございました!!。
電車でゾンビを引き殺す夢を見ながら山手線で眠りこけ、一周してしまった漏れは負け組
or2
250 :
本当にあった怖い名無し:2006/02/28(火) 00:30:50 ID:AtMQI53u0
眠ってたんじゃな、、、読み耽っての降り忘れじゃないと電車男にはなれないw
251 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/01(水) 00:34:54 ID:jE5b/u2qO
《007 ゾンビイズネバーダイ》小説が出来たんで投下Ok?
252 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/01(水) 01:44:11 ID:hah2o7AK0
ゾンビは単数形は複数形か疑問が残るが桶
ゾンビワーム:新種、新江ノ島水族館で公開 /神奈川
クジラの骨に生息し世界に3例しか報告されていないゴカイに似た生物オセダックス(通称・ゾンビワーム)
の新種が見つかり、新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸)で公開されている。
ゾンビワームは一昨年、米・カリフォルニア沖のクジラの骨から初めて発見され、これまでに3種が報告され
ている。クジラの脂肪分を分解する細菌を体内に住ませ、いずれもクジラの死がいから発見されていることから
“ゾンビ”の名が付けられた。
新種は、海洋研究開発機構(横須賀市夏島町)の無人探査機が相模湾で先月、水深900メートルに沈められ
たマッコウクジラから発見。体長約2センチ、赤い色の生物がろっ骨に大量に付着していた。これまでの3例と
形態的、遺伝子的に違うことから新種である可能性が極めて高い。同水族館は「ゾンビワームは図鑑にも載って
いない超希少種。可能な限り長期間生息させ、生態などを解明したい」と話している。【金沢盛栄】
毎日新聞 2006年2月28日
ソース:
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kanagawa/news/20060228ddlk14040142000c.html 関連:
新江ノ島水族館
http://www.enosui.com/
>>253 こええええw
MADな人があーしてこーしてそーしたら怖いぜ
ゾンビワームをネタに小説書いてみるか。
257 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/03(金) 01:59:35 ID:VaEfNXel0
テロリストが豪華客船を乗っ取ったら実は既に古代巨大ミミズに占拠されていた、
って映画あったな。人間喰われまくり。なかなか面白かったw
さぁて、お次は何だ?
>>257 正体は、人食い巨大タコの触手だったんだよね。典型的B級で楽しめるよ。
ジョジョ第一部のラストもそうだったけど、客船が舞台ってやはり画になる。
261 :
???:2006/03/03(金) 12:40:29 ID:ReahSuAdO
昨夜、右手人差し指の先を切った
絆創膏数枚でグルグル巻きにして取りあえず止血
今朝、痛みで目が覚める→我慢
昼、どんどん痛み増す→我慢出来ずに絆創膏を外してみる
止血したはずなのに血が数滴滴る→指先なんだか紫。傷口には血がうっすらと滲んでいる
俺の指、ゾンビ化だ(。ρ゚)v
262 :
まこしろ:2006/03/03(金) 12:58:59 ID:cuAHElLC0
時刻 0:57
日高の操縦するUH-60が「敵」集団の上空に到達した。
今やその歩みは完全に止まっているようだ。ひしめく合う「死者」達は、誰彼構わず、
まさに手当たり次第に「獲物」に食らいついている。
その光景は地獄絵図そのものだった。
「いったい、どうなっているんだか・・・」
日高はそうつぶやくとヘリを旋回させ、攻撃位置を取った。
「各機に告ぐ。『敵』は完全に移動をやめている。今がチャンスだ!片っ端から掃射しろ!
位置に着きしだい、各個、攻撃開始せよ!」
命令とともにヘリが左右へ展開する。
ヘリは体勢を整えると、下方の「敵」へ向けて銃撃が開始された。
ヴォォォォォォ――――
ガトリングガンの発射音が鳴り響く。
20ミリの銃弾の威力は半端ではない。一発でも命中すれば、人間の肉体はバラバラになってしまう。
曳光弾の赤い光が「敵」に吸いこまれていく。同時に血吹雪が舞い、「敵」の肉体が四散する。
「残虐な行為だよな・・・相手が相手とは言え・・・」
誰ともなくそう感じていたことだろう。しかし、発射ボタンを押す指は緩めない。
自分たちの生存をかけているのだ。
休むことなく続けられる掃射で、すでに銃弾は切れかけていた。
「日高二尉、弾切れです!」
「こちらもです。」
次々に無線に声が入る。
「よし、ここは本機が監視行動を行う。各機は基地へ帰投し、補給を行え。」
他の機が機首の向きを変え飛び去るのを確認すると、日高は「敵」集団の最後尾の方へヘリを向かわせた。
悪魔の集団は確実にその数を減らしている。
ただ、ここにいるだけが全てではない・・・全てでは・・・そして「敵」は「彼ら」だけではない。
しかし、その事実を日高はすでに忘れかけていた・・・
263 :
まこしろ:2006/03/03(金) 12:59:41 ID:cuAHElLC0
時刻 1:00
武田は既に半身を乗り出している「敵」の頭部に狙いを定めると躊躇なく引鉄を引いた。
タタン!
短い銃声が響く。
ドサッと倒れ伏す「敵」
「扉を閉めなければ・・・!」
武田はただそれだけを考えていた。
せっかく救援が来たのに、「奴ら」に邪魔をされてなるものか。久米さんが作り出した抗ウィルス剤をなんとしてでも届けなければ・・・!
「武田三曹!早く来い!」
「すぐに追いつきます!一匹でも入られたら厄介です!別の扉を下ろしたらすぐに行きます!」
声を張り上げると、防火扉の操作盤に飛びついた。
盤面にはいくつかのボタンがあるが、スイッチが入っているのは一箇所だけだった。シャッターの位置とスイッチの配置は同じらしい。
武田は盤面を見た瞬間に、どのスイッチを入れればよいかを理解した。
スイッチを入れると、ガガーと音を立てながら間近のシャッターが下り始めた。
「これでよし!」
武田はすぐに小松達の後を追うべく振り返った。
264 :
まこしろ:2006/03/03(金) 13:01:05 ID:cuAHElLC0
ガァァアア――――!!
一瞬のことであった。振り返った武田に「敵」が襲いかかる。
武田は「第一種」の能力を知らないわけではなかった。
しかし、壁をつたって2階へ上りきるだけの運動能力と知能を備えているとは思いはしなかった。
「!!!」
声を上げる間もなく床に叩き付けられる。
その勢いで手にしていた小銃は投げ出され、手の届かぬ場所へ落ちた。
「敵」は武田の顔面に容赦なくその牙を立てる。
メリッ・・・ぶちっ・・・
「うあああ―――!!」
頬から耳にかけての肉を食いちぎられ、その激痛に叫び声を上げる。
別の「敵」が足に食らいつく。もはや、その痛みは感じない。
武田は薄れいく意識の中で、腰につけてある手榴弾に手を伸ばした。
そして最後の力を振り絞ってピンを引き抜くと、コトンという小さな音を立てて手榴弾は床に落ちた・・・
265 :
まこしろ:2006/03/03(金) 13:02:45 ID:cuAHElLC0
時刻 1:07
「司令!米艦隊より返信がありました!」
「何と言ってきた?」
「はい・・・読み上げます。『当艦隊は合衆国政府の決定に従い、攻撃を行うものであり、作戦の中止に関しては合衆国大統領より発せられる
中止符号(アボートコード)によってのみ決定される。コードは6桁のアルファベットである。』以上です。」
「なんだ?それは?!中止符号を当ててみろとでも言いたいのか・・・!?」
林は不可解な内容の通信文に困惑を隠せなかった。
「司令・・・」
「なんだ?」
「妙じゃないですか・・・?中止符号が6桁のアルファベットであるって知らせてくるなんて・・・」
「バカにしておるんだ!出来るものなら当ててみろと言うことだろ!?」
「しかし、作戦の根幹に関わる重要事項ですよ?それを知らせてくるということは・・・」
「何が言いたい?」
「もしかしたら、米艦隊も作戦を遂行したくないのでは?だから、正式に中止の手続きが取れる中止符号の情報を流した。」
「だが、それを見つけ出すのは不可能だ。3億通り以上あるんだぞ!」
「だから・・・です。何かの手がかりを見つけ出すことが出来れば・・・」
266 :
まこしろ:2006/03/03(金) 13:05:28 ID:cuAHElLC0
「どうやって見つける?何か手段があるのか?」
「米艦隊は『日本国内の米軍基地・施設および人員の安全を確保する』ことを目的と言ってきました。
『通常弾頭による攻撃ではない』とも。
それに『通常弾頭ではない』ということは、考えられるのはNBC兵器しかありませんが、
そんなのを使用すれば、少なからず米軍基地にも被害が及びます。
この通信はオープンバンドでした。と言うことは我々だけではなく、現存していればという仮定になりますが、
米軍基地でも傍受しているはずです。」
「この周辺での米軍基地というのは・・・」
「横須賀の海軍と横田の空軍です。
しかし、被害状況から考えると内陸部にある横田基地が無事である可能性は極めて低いかと・・・
横須賀ならば、艦船に避難している可能性が十分に考えられます。」
「横須賀へは通信を試みたが返信はなかったぞ。」
「それは我々からの通信だったから返信をしなかったのかもしれません。
米国内では非常事態宣言が出され、実質的な戒厳令下に入っています。そうなった場合、
軍は作戦行動のみに専念するために、他からの通信に対して反応をしないというのは十分に考えられる行動です。」
「なるほど・・・偵察ヘリを出した時には横須賀は確認しなかったのか?」
「確認しましたが、生存者ありの報告はありませんでした。
ただ、艦船は多数確認されており、その中までは確認しておりません。」
「そうか・・・もう一度ヘリを出してみるか・・・?どうだ?」
「それがよろしいかと。」
「よかろう。急ぎ、状況を確認せよ。」
267 :
まこしろ:2006/03/03(金) 13:06:24 ID:cuAHElLC0
時刻 1:16
日高は「敵」の上空を旋回しながら監視を続けた。
パイロットたちはかなり疲れている・・・攻撃を開始して以来、どれだけの時間飛びつづけただろうか。
他のパイロットもそうだが、日高自身がもっとも疲労の度合いが激しかった。
橋本らと合流してからというもの、幾多の死線をくぐり抜け、死と隣り合わせになりながらもようやく生き延びてきた。
今も、かろうじて操縦をしている・・・そんな状態であった。
肉体的にも精神的にも限界に近い状況で、日高の集中力は落ちていたのだろう。
レーダーに反応があることに彼はまったく気づいていなかった。
「日高二尉・・・ザ・・・高・・・尉・・・ザ・・・『鳥』が・・・・・・ってきます・・・ザ・・・」
突然の無線に半分、朦朧としていた状態から我に返る。
「『鳥』・・・?まさか・・・あの『鳥』か・・・!?」
日高は他の機の位置を確認しようとレーダーに視線を落とした。
すると、そこには信じられない映像が映し出されていたのだ。
「なんてことだ・・・・・・!」
レーダーには僚機を表すドットの他に、巨大な影が映し出されていた。
「上昇しろ!上昇して全速で退避するんだ!」
必死に呼びかけるが応答がない。
「しまった・・・!」
レーダーに映る巨大な「影」は小さなドットを飲みこんだ・・・
268 :
まこしろ:2006/03/03(金) 13:07:21 ID:cuAHElLC0
時刻 1:28
「やれやれ、やっと落ち着ける場所に来たと思ったら、今度はお船の上か・・・まあ、フェリーに乗ると思えばいいか。」
ポンさんはヘリに乗りこむ民間人の列にいた。
「おい、アオ!どうした?気分でも悪いんか?おめえは船酔いすんだっけか!?」
さっきから「アオ」こと青塚の様子がおかしい。
下をうつむきかげんで黙りこんでいる。
寒気でもするのか、少し震えているようだった。
ポンさんは、その様子からただならぬ事態であることを悟った。
「オイ!誰か!誰か!コイツの様子がおかしい!」
ポンさんの呼び声に気づいた隊員が駆け寄る。
「どうかしましたか?」
「コイツの様子がおかしいんだ。見ての通りだよ。どうすりゃいい?」
「民間人の方は東京湾に展開中の海自艦艇に搬送せよとの命令ですが・・・」
「んなこと言っても、この様子じゃヘリなんかに乗せられねえだろ!?」
「ひとまず医務室へ連れて行きましょう。医務官の指示に従って下さい。」
「オイ、アオ。そういうワケだ。医務室へ行くぞ!お・・・?どうした・・・?」
肩を叩かれた青塚は、そのまま力なく、その場に崩れ落ちた。
「オイ!大丈夫か!?しっかりしろ!肩に掴まれ。オイ、アンタも手伝ってくれ!」
ポンさんに言われ、誘導にあたっていた自衛官の一人が近づいてきた。
「意識がないようですね…自分が背負いましょう。」
「そうか…悪いな……ほれ!アオ!しっかりしやがれ!」
青塚は完全に意識がなくなっており、ぐったりとしていた。
ポンさんは、昔からの知り合いである青塚の様子を心配するのと同時に、その様子に妙な違和感を感じていた。
この様子からすると、普通、高熱でもありそうなものだが、青塚の手は冷たくなっている。
生気がないのだ…まるで、死人のように…
269 :
まこしろ:2006/03/03(金) 13:12:19 ID:cuAHElLC0
完結に向けていろいろなことを盛りこもうとしすぎですかね…
なんか、ごちゃごちゃになってきたような気が…orz
スイマセン
>>253 「ゾンビワーム」のニュース、漏れも激しく反応してましたww
鯨の死骸からしか発見されてないっていうのが…ぞぞぞぉぉ
まこしろタン乙です。
アオって人の様子がどうみてもゾンビになりそうなのに、この状況で背負う自衛官・・・
なんか映画見てて登場人物に、気がつけ!気がつけ!って必死に突っ込んでる気分だw
ゾンビワームは自分も写真を探して見てみました
キモイー
まこしろさん乙です!。
>>261さん病院行った方がいいです。
ましころさんお疲れ様です!。
いったいどこからドキドキしていいのやら!大興奮です(*^_^*)!。
各場所の緊迫した状況が伝わったのかお腹痛くなってきました・・・(〃_ _)σ‖。
降りる駅まであと3つ!。色んな意味で手に汗にぎる展開に期待しております!!。
ありがとうございました!!。
273 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/04(土) 15:06:51 ID:idjfgtuS0
>まこしろさん 乙!!
>>272 無事帰れたようだな おめ!!
お前もそろそろハンドル固定しろ。
IDの末尾がゼロって、PCからの書き込みでないの?
>>274 よく分からんけど、ウィルコムだと0になるような…。
少なくともzero3使うと0になる。
どれ、試しに…
auのpcサイトビューワーで書き込んでもなるな
278 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/06(月) 00:18:42 ID:ypKWiWoVO
パソコンは0
携帯はOダゾ
京ポンとかかな
なんか、携帯・PHS板みたいだな。
282 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/07(火) 18:16:58 ID:X219MOzKO
♪〜(○ε○ )
283 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/09(木) 04:14:08 ID:ZSr8aO94O
あげ
...9
軽飛行機でも、時速は二百キロ以上出るんだぜ。厚木から足柄までなら、「あっ」と言う間に飛んじまう。
そのうち、山の斜面に沿って機体を上昇させながら、ロン毛野郎がポツリと一言呟いた。どうやらセスナの燃料は、保っても残り三、四十分の飛行が限度らしい…。
燃料計を気にしながら、ミミズの這い跡みてぇに蛇行する東名高速に沿って、足柄丘陵の山の上空を跳び続けていると、揺れる機体に悪態をつきながら、後部座席の南の野郎が話しかけて来た。
奴は「飛び上がったのは良いが、着陸はどうするんだ?。」って気にしてやがる…。
腹黒伊東と南の国のトラックに、追い付いたは良いが、近場に飛行場が無けりゃ、あっさりと逃げられちまうだろ。
そしたら桐山の奴の言い種が、「道路に降りたって構わねぇ…。ついでだが、こいつに乗っちまったのが、運の尽きだから、おっさん方には、地獄まで付き合ってもらうぜ。」だとさ…。
まったく野郎は、いいタマだぜ…。
飛行を続けるセスナの正面にゃ、雲一つ無ぇ綺麗な富士山が、くっきり写っていやがるが、オレはコクピットの中で、生きた心地もせずに、嫌な汗を額に滲ませてた…。
「…居た!。」
眼下に足柄のサービスエリアが写り始めた頃、片手で追跡装置を操作していた桐山が、ホッと一息つくように呟いた。
どうやら南の国のトラックが、探知圏内に入ったらしい。
怖々、サイドウインドウの下を覗き込んだオレは、上りの車線まで埋め尽くした乗用車や大型バスが、数珠繋ぎになって西を向いたまま、朽ちかけている光景が目に入った。
半年前のゾンビ騒動で、首都圏を脱出した奴等の放置車両だが、良く見ると、そんな渋滞の間にも、押し出されたり踏み潰されたりした車両の跡が造る、通路らしき物が見えたのよ。
サルベージが目当てで、ゾンビの国にやって来たヤクザ野郎の仕業だろうが、腹黒伊東達を乗せたトラックは、そいつを辿って西に向かっているんだろう。
そのうち、ロン毛野郎が、南の国の軍用トラックを確認しようと、操縦桿のハンドルを押し込んで、セスナを降下させたのよ。
…山の裾野の森林が、目の前に迫って来て、機体が真っ逆さまに落っこちるみてぇで、オレは思わず目を瞑っちまったっけ。
...10
暫くして水平に戻ったセスナは、地上から五十メートル程の高度を保って、追跡装置が示す方向に、真っ直ぐ突き進んで行ったのよ。
この高さだと放棄車両の間から、オレ達を見上げるゾンビ野郎の姿まではっきり見える。
…丁度、軽飛行機が、御殿場インターの上空を通り過ぎた辺りだった。
「トラックだ…。見えたぜ!」
ロン毛野郎が、顎で前方を指しながら、上擦った声で話しかける。
オレは軽飛行機の計器板に身を乗り出して、そいつを確認しようとした。
…その時よ。
ガン・ガン・ガンと、機体に何かがブチ当たり、オレの側のサイドウインドウが、ビシッと音を立てて弾け飛んだ。
畜生め。…南の国の連中が、いきなりブッ放した小銃弾の洗礼を、まともに浴びちまったのよ。
焦った桐山は、セスナを急旋回させたんだが、その間にも、更に何発かの銃弾が、機体のジュラルミンに食い込む音が響いてた。
軽飛行機は攻撃を避けるため、急激に高度を落としながら、右へ旋回を始めたんだが、こっちはシートベルトも締めてねぇ不安定な体勢だろ…。
急降下の煽りを食らって、割れたウインドウのドアに、てめぇの体をしたたか打ち付けちまった。
その上どうやら、さっきの小銃弾攻撃で、ドアのロック機構が破壊されていたんだろう。…気が付いたときオレは、機体の外で主脚のタイヤに、しがみ付いてたんだ。
…フッ飛ばされて、機外に放り出されたオレは、轟々と叩きつけてくる風に、体を煽られながら、強化プラスチック製のタイヤカバーを、必死で抱え込んでいたって訳よ。
咄嗟の急機動で、飛行コースを替えたから、銃撃される恐れは無くなったが、死に物狂いで右の主脚にぶら下がるオレの顔に、そのうち何やら、ぬめっとした熱いモンが飛び散って来やがった。
…口の中にまで飛び込んできたそいつは、機首のフェアリングの隙間から、ダラダラと滲み出してくるエンジンオイルだぜ。
どうやらさっきの流れ弾が、エンジンの何処かに当たったらしい。
漏れ出したオイルが、水平対向四気筒のマフラーに飛び散って、焦げ臭い臭いと、ブルースモークまで吐き出してるんだ。
オレは、このまま墜落しちまうんじゃねぇかと、嫌な想像しちまって、こっちを助け上げようと、半開きのドアから身を乗り出してる南の声さえ聞こえなかった。
..第10章
...1
南の国の銃撃を受けて、不調になったエンジンが、バラつき始めやがった…。
エンジンの異変に気が付いた桐山は、何やらでかい声で喚いてる。
「このままじゃ、奴等に逃げられちまう。…一か八か、バズーカでトラックの運転席を吹き飛ばせ。」って、南の野郎に命令してるのよ…。
奴は、その声に促されるように叫び声を上げながら、ロック機構が『馬鹿』になっちまったドアの向こうに姿を消した。
次の瞬間、軽飛行機は逆方向へバンクを始め、オレはセスナの主脚を抱える腕にぐっと力を込めたのよ。
まるで、けん玉の「タマ」みてぇに、体が左右に揺すられて、焦げたオイルが熱湯みてぇに飛び散って来やがる。
熱さに顔をしかめたオレは、てめぇの体に降り掛かる、オイルの雨粒をカバーしようと、ゾンビ化した左の腕で、顔を必死に覆ってた。
「おやじさん。…こいつで、トラックをフッ飛ばしたら、すぐに引き上げてやるから、それまで辛抱しててくれ。」
割れちまったサイドウインドウから、細長いモン抱えながら、南の野郎が顔を出す。
野郎はそう言いながら、M72LAW携帯型対戦車ロケット弾の発射筒を延ばしていやがる。
『…頼んだぜ。…南。』
ブルースモークの煙を後方に引き摺るセスナは、高度スレスレで、雑木林を掠めながら、東名高速の上を交差して、左から大旋回を開始した。
桐山の野郎、…チキンレースのつもりか知らねぇが、原爆積んだトラックの、真っ正面から突入するみてぇだぜ。
後部座席の中村メガネ猿が、悲鳴のような声を上げてやがる。オレも、ちっとは心配になったが、こんな状況じゃどうにもならねぇ。…黙って成り行きを見守るだけよ。
百八十度ターンしたセスナは、焼き付きかけたエンジンから、妙なガラガラ音を響かせながら、東名の廃車の群れの上にコースを戻した。
南の野郎、機体の安定を確認する間もなく、壊れたドアと割れたサイドウインドを使いながら、苦しそうな姿勢で、ロケットランチャーを構え始めた。
猛スピードで流れる地上の風景に、恐怖の感覚が麻痺しちまったオレには、不思議と前方や周りの状況がよく見えたぜ。
あの倉庫で見覚えのある、軍用六輪駆動のトラックが、フラフラ飛び出してきた死人野郎を跳ね飛ばしながら、猛スピードで向かって来やがる。
...2
正面からやって来る、南の国の六輪駆動車が、三百メートル程に近づいたとき、トラックの荷台で何かが光った。
…二度あることは三度ある。…そいつは、『日本人民国』お得意のロケット弾攻撃だが、今度はこっちだって負けちゃいねぇ。
風切り音を劈くように、こっちの対戦車ロケット弾も発射されて、軽飛行機の右サイドが発射煙に包まれる。
…白い炎のロケット噴射が、大地を振るわせ交差した。
お互いの着弾まで、コンマ何秒かだったが、それでも桐山の野郎は、素早く機体を捻って、向かってくるロケット弾を避けようとしたのよ。
…急機動に振り回されたオレの鼻先を、南の国の榴弾が轟音立てて抜けていく。
赤外線追尾の対空ミサイルだったら、ひとたまりもなく吹き飛ばされていただろうが、奴等の使っていたのがRPG−7らしき、撃ちっ放しの対戦車榴弾よ。
そう言うヤツは、よほど巧くやらねぇと、移動物体にゃ当たらねぇ。
だけどよ。…こっちロケット弾だって同じ様なモンだから、装甲トラックの運転席を狙ったつもりが的は外れて、上り車線の乗用車と何匹かのゾンビ野郎を、ふっ飛ばしただけよ。
『ど畜生!。…外れた!。』そう思ったとき、ガツンと、何やら嫌な衝撃が響いてきた。
…斜めになったセスナの左翼の先端が、腐りかけた大型バスの屋根に接触して、その衝撃で機体の部品が弾け飛んだのよ。
ロン毛野郎が、何とかセスナを立て直そうと、操縦桿を操作したらしいが、補助翼の部品が逝かれちまったんじゃ、どうにも安定が保てねぇ。
おまけに、百メートル程に近づいて来た、南の国の装甲トラックから、自動小銃が乱射され、地上スレスレを飛ぶ機体は、右にフラフラ、左にフラフラ、糸の切れた凧状態になっちまった。
セスナの状況がそんなだから、こっちを心配している南の野郎も、おちおち助け船を出せやしねぇ。コパイロット席のシートに掴まりながら、オレの名前を呼ぶだけよ。
そのうち何発かの小銃弾が、オレの体を掠め飛び、擦過の衝撃で迷彩服に新しい綻びと、…その下の皮膚に、抉れたようなミミズ腫れを刻んでいく。
腹黒伊東に、一泡吹かせてやりてぇが、このままじゃ、どうやら『お終い』みてぇだな。
オレは、南の奴に『最後の挨拶』をするつもりで、ふっと上を見上げた。
4話投下。
なかなか進まなくって、すまねぇ。
こんな時間にUPしちまったから、通勤電車男の奴…
また、乗り過ごすんじゃねぇかな?。
じゃまたな。
おやじさんお疲れ様です!。
主脚にぶらさがるおやじに弾が掠めるシーンでは思わず身を捩ってしまいました!。
ふっ、と上を見上げたおやじが何を見たのか今からドキドキです!。
また、終電のご心配をお掛けしてしまい恐縮しております。
何とか間に合いました!。・・・傘忘れた(T_T)。
今後の展開、楽しみにしております!。ありがとうございました!!。
>273様。作者様でもない私がコテ使うと言うのは
なんだか気が引けるのですがどんなものでしょうかf^_^;。
>277様。私もPCサイトビューワー使ってます(^-^)!。
おやじ乙!
>>289 おやじさん、乙です。
まさに手に汗握る展開で、続きが待ち遠しいです。
>>290 通勤電車男さん、相変わらずいいキャラしてますねw
傘が手元に戻るよう、お祈りしてます。
おやじさん乙!。
>>284ワラタ。
違和感ないよ。
>>284ゾンビ対デルタフォース
携帯からは無理だった
295 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/13(月) 00:46:57 ID:T4Qxm0hH0
>>290 >作者様でもない私がコテ使うと言うのはなんだか気が引ける
気にすんな。
お前はキン肉マンにでてくる「女房を質に入れて」観客みたいなもんだ。
まあこのスレの一部として機能してるなw
書かないなら書かないでいいから愛される読み専であり続けてくれ。
>>295 アデランスの中野ですな。闘将ラーメンマンでは、悪者に何回も殺されていた…
あ、sageて行きましょう。
以前、女性の方が投下されてましたけど、新人さんのああいう短篇も良いですね。とにかく、作者の皆さんお疲れさまです。
>>297 いや、みどりさんじゃなく、名無しで投稿していた方いませんでした?
299 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/14(火) 01:11:30 ID:THxxRb+10
>>296 コテ推奨してるやつは初心者だろうしsageくらい大目に見てやれよ!
通勤電車男とageタンはコテでヨロ♪
300 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/14(火) 01:48:54 ID:g4FyiwFG0
オイこそが 300へとー
301 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/14(火) 23:37:35 ID:VXIWaW+N0
>>299 いや、大目に見ない! お前こそsageろw
sageてねーじゃねーかwwwww
303 :
sage:2006/03/15(水) 20:19:46 ID:3YDT+gjnO
sageろよ
なめてるとイタイ目にあうぞ
wktk
>>299の文章は自分が初心者だっていう自己紹介だよな?
おまいらモチツケw
無意味にageてるやつは初心者
308 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/17(金) 08:44:29 ID:uNCkNUd2O
あげ
309 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/17(金) 10:21:45 ID:f5V4XMdc0
他人をやたら初心者呼ばわりするのは初級者
あげ
おまいら!
テンプレ嫁wwwwww
このスレでは久々のage荒らしですな。
>>314 お犬様は面白かった。
保守を兼ねてカキコ。
>>314 過去の出来事がフラッシュバックして、泣いた。
317 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/21(火) 21:43:22 ID:jFmoVkGC0
あげます
書き込むスレ間違えた…
ごめんなさい
さげます
書き込むスレ間違えた…
ごめんなさい
保守
ほっしゅ
おやじさんって、リアルでは営業職だっけ?
年度末で禿げしく忙しいんだろうな。
保守を兼ねて待ってます。
325 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/27(月) 12:16:47 ID:lyxfjmRY0
326 :
本当にあった怖い名無し:2006/03/28(火) 15:23:13 ID:Murf7qDN0
下から2枚目の写真、赤トレーナー女の左手、テロップと重なって
チョン女っぽい顔に見える
>>324 韓国の人の反応が、結局の所俺らと同じで笑えたw
ゾンビ好きに国境はないぜ。
ホッシュ
保守
さらにホッシュ
もうそろそろ1ヶ月投稿なしかw
あと一週間作品うpなかったら廃スレな
332 :
:2006/04/02(日) 18:58:01 ID:JaqK7Daf0
あぁ、一旦廃スレにしてお前さんみたいなのが
一切消えたら、仕切り直しが検討されるだろうな。
333 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/02(日) 21:41:17 ID:9etPC4IO0
保守ついでに…
一度ageてみてはどうだろうか?
新しい人とかたくさん人が来るかも。
sageのつもりがageてしまった。スマソ
335 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/03(月) 01:14:10 ID:g1bMAQwT0
春厨すらこないのかよw
ほんとに来ないな・・・というわけでage
337 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/03(月) 16:22:40 ID:/CEhAa1JO
目が覚めるとそこは違う世界だった。
あまりの痒さで目が覚める。
周りを見渡して見ると廃墟、廃墟、廃墟。
しかし、痒い。
ふと、その廃墟の中に一人、
こちらに背を向けた人がいた。
近付いて声を掛けようとしたが
その人の様子がなにかおかしい事に気がついた。
まるで何かにとり付かれたような、そんな感じが
>>337 多分、イヌガミつきぢゃ!!
大事なトコロ、、かぢられちゃうよ・・・・・・・
339 :
通勤電車男:2006/04/04(火) 00:46:15 ID:0nvOXnZd0
新作お疲れ様です!。
目が覚めたら違う世界。ある意味逃げ場無し的な出だしにドキドキです!。
私も疲れて電車内でうとうとしてました。気付いたら全く降りた事のない駅で終点。
ある意味別世界が目の前に広がっております(T_T)。
今後の展開を楽しみにしております。ありがとうございました!
それと「通勤電車男」と呼んでいただいておりましたので
これを期にコテとして使わせていただこうかと思います。
何分初めての事なので緊張しておりますが、何卒よろしくお願い致します!。m(_ _)m
>>通勤電車男
やっとコテをつけたか。
俺はおまいにも期待してるぞ!
>>通勤電車男
とりあえず常連orまともな新作がうpされるまで日記つけてろや。
下手な尻切れよりよっぽど面白そうだw
>>341どうして貴方はそんなに偉そうな言い方しか出来ないのですか?w
343 :
あげまげ:2006/04/04(火) 21:02:20 ID:G74Zdfrb0
mage
344 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/04(火) 22:13:00 ID:xCtZ6t450
>>342 どうして貴方はつまらない投稿にいちいち絡むのですか?
345 :
蟹ぱっくん ◆ip4Oh/Y62Q :2006/04/04(火) 23:42:21 ID:9tyUt/TNO
――くそったれ…何なんだこれは…一体何が起きてるんだ…?
俺が助けに行くまでどうか無事で居てくれ、ユキ…!――
…その日はいつもと変わらない、春の陽気に包まれた気持ちのいい朝だった。
隣りで眠る俺の彼女、ユキの顔も、とても穏やかそうで俺はこの幸せに一人微笑んでいた。
今年、大学に無事合格した事もあり、晴れて一人暮らしをする事になった俺は、両親に隠れユキと同棲を始めていた。
(まあ挨拶済みだし、仮にバレても大事にゃならんだろw)
そんな事を考えながらコーヒーを沸かしていると、突然ズズンッ…と軽い地響きがした。
346 :
蟹ぱっくん ◆ip4Oh/Y62Q :2006/04/04(火) 23:45:09 ID:9tyUt/TNO
「なんだ?こんな朝っぱらから地震か?」
急いでTVを付ける、数分待つと速報のテロップが流れ【M6.0の地震。震源地はT県…】と出た。
「またT県か、可哀相に…ここ数年地震が無かったと思ったらいきなりだもんなぁ。やっぱいるのか?懐中電灯とか非常食とか…」
大分デカイ声でブツブツ独り言を言ってたのだろう。
後ろから「んー…そんなに心配なら、今日タケオが講義終わった後に買い物に行こうよ。東急ハンズなら一通り揃ってると思うし。ね?」
驚いて振り向くと、ユキがベッドの上にぺたんと座り、まだ眠そうにあくびをしていた。
347 :
蟹ぱっくん ◆ip4Oh/Y62Q :2006/04/04(火) 23:46:17 ID:9tyUt/TNO
「お、おぉ…おはよう。起こしたみたいで悪いな」
ユキはちょっとむっとした顔をしながらもTVを見、こう呟いた。
「T県ってさ、確か2年前にも地震で人いっぱい死んじゃって、しかもその死体が地中深く埋もれたまんまなんだよね?今の地震、結構大きかったから、腐ってる死体が出てきたりして…えへへっw」
ユキは結構なネクロフィリアってやつで、たまーにこういう縁起でもない話を嬉しそうにする。
この悪趣味さえ無ければ、今ごろモテまくりだろうに…外見が良いだけにこいつは大きな損をしていると思う。
348 :
蟹ぱっくん ◆ip4Oh/Y62Q :2006/04/04(火) 23:49:11 ID:9tyUt/TNO
「おいおい、飯も食う前からそんな生臭い話をするなよw
それに死体が出てきたら、ちゃんと葬式をして火葬して墓をたててやるだけだろう…それで済むハナシだ」
だがここで俺は気付くべきだった。気付けないとしても、一刻も早くユキを連れてT県よりなるべく遠くへ逃げれば良かった。
この地震が、後にあいつら…そう、ゾンビと呼ばれる異形の者を復活させるきっかけとなることに、俺は随分後から身をもって知る事となる。
突如思い付いた事を書いてみました。
駄文ですまんです。
また明日、続きを投下するつもりですが良いでしょうか?
ギャァァァァ!すいません全くsageてませんでした…(´・ω・`)
350 :
通勤電車男:2006/04/05(水) 00:19:58 ID:yDy4zkEc0
蟹ぱっくん様。新作お疲れ様です!。
次に地震が来たらこの作品を思い出して無駄にガクブルしそうなプロローグに興奮中です!。
電車は揺れてあたりまえですが、なんと言うか今は揺れないで。こわいから(;_;)。
明日の投稿、楽しみにしております!。ありがとうございました!。
>蟹ぱっくんさん 乙です。
ちょい目先の変わったスタート、地震からゾンビ出現にどう屁理屈づけるか見ものw
いや、難しく考えずに気楽に書いてください。
さてT県とは・・・w
<通勤電車男さん
もうね、あんたが電車乗り過ごすかどうかが面白さのバロメーターなんだから
しっかり頼むぜ!!
みんなも通勤さんを家に帰さないように頑張ろう!!
>>蟹ぱっくん氏
乙。これは面白そうだ。
隔離区域〜プロローグ
死人が・・・いや、ゾンビと言っておこう。
ゾンビが街を徘徊するようになってからどれくらい経っただろうか?
最初の街の様子はまるで、テレビに出てくる中東地域の戦場のようなひどい有様だった。
特に人口の集中している東京では、ほとんどの区に避難命令が出るぐらいにもなった程だ。
なので、ゾンビの徘徊する当時の東京はまさにゴーストタウンと呼べる状態でした。
もちろん5年以上たった現在でも立入禁止区域となっているけど、実際にはゾンビを隔離するための収容所扱い。
他にも、九州や北海道にも同じような隔離区域がある。
そして、現在の首都は関西に移転し、今でも国会でこのゾンビ騒動について議論している。
まぁ、僕にとってそんなことは些細な問題でしかない。
僕は数週間前まで隔離区域で傭兵として生きていた。
これから語るのは隔離区域での体験についてだ。
‐つづく‐
どうも、駄文失礼します。
前に考えていた話をベースに書いてみました。
視点が一人称なのはおやじさんの影響を受けてます。
続きをまた投下してもよろしいでしょうか?
>>354 乙!
つづき楽しみにしています(´ー`)
356 :
俺もコテ:2006/04/05(水) 04:33:47 ID:ULclVU/h0
作家様達頑張れ〜
>>344 上げてまでいう事じゃないだろ?
スルーしろや。
作者さん達、良いですよーッッ。頑張ってください。
蟹ぱっくんさん、物語り形式なら、笑いの表現にWは無いほうが…いや、失礼しましたっ
地震が起き、地中から這い出てくるゾンビ達。墓場から出てくるよりずっと恐いです。
359 :
通勤電車男:2006/04/05(水) 10:57:00 ID:NrJxn8M10
零式様、新作お疲れ様です!。
ゾンビ騒動が一段落したあとの、傭兵さんの回想もの。
激しい展開や同業者との絡みが期待できそうですね!。
私も今思えば朝から新作が読める事に少々浮かれていた様で、
乗り込んだ電車が各駅停車ではなく通勤快速だった為、
下車予定駅がまるで走馬灯の様に流れていくのをみつめる他なかった事を回想し、
ちょっぴりせつない気持ちになっております(T_T)。
続編の投稿をお待ちしております!。ありがとうございました!。
ゾンビ。
きっとそれは「死んだ人」という価値観で見られているのだろう。実際、そうではある。
'死んだ人が動いて'いるというのが一般的なゾンビの定義であり、これは他の動物にも当てはまる。
そして、もう一つの定義が「食う」という欲望のみに侵されているという事だ。
だが、実際にはそれらは違う。
何故ならゾンビは「死んで」もいない。「食う」という欲望にも飲まれていない。
その根拠は、生物が生きる理由は「子孫を残す為」と言われている所だ。
何が言いたいか。
つまりゾンビは「食う」欲求ではなく「子孫を残す」という理由のもとに生きていると考えられないだろうか。
もうそれは「死人」ではなく完全な「生物」ではないだろうか。
彼等は煩悩を捨て、ただ子孫を増やす為だけに生きている。
もしかしたら人間より優れたる生き物なのかもしれない。
私はそう思うが、どうかね?ふふふ・・・。
なんの予告も無しに駄作を投下してすみまそん。
拙者、この場で腹切りて責務を果たす!
グハッ
>>360 信者の頭の中で生存し、布教によって繁殖する神のがゾンビより繁殖方法が洗練されてる
>>361 そんなことをおっしゃらずに頑張ってくださいよ!
ワクテカして待っています。
>>360 子孫を増やすという目的があるかはわからんが
戦争したり仲間内で殺しあったりしない
ケンカしたり罵りあったりしない
騙したり盗んだりしない、たとえされても気にしない
他の生態系を侵さない
地球を汚さない
資源を浪費しない
点で人間よりマシかと思うな。
365 :
通勤電車男:2006/04/06(木) 23:29:11 ID:LwGKx/oE0
ある男の見解様、新作お疲れ様です!。
ゾンビの研究をしているマッドサイエンティストの独白といった風情で、
何故この様な見解を持つに至ったのか?。その辺りに大変興味がそそられます!。
私も昨日は個人的事情により会社に遅刻してしまい(^_^;)、
上司にその辺の事情に関しておかしな見解を(「子作りか?」 by上司)されて困っております(>_<)。
新作ショート作品ありがとうございました!。
通勤テラオモシロスwwwwwwwww
で書いてみた、面白くなかったらスマソ
現代日本の家のモデルはどこかの国の炭鉱夫達の家がモデルと聞いたことがある
働く夫、家政婦兼慰安婦の妻、そして未来の妻、夫である子供
要はこの法則に従って税金払えば政府はアナタを保護しますよ、ということらしい
まったくくだらない
せっかく納めた税金を自分のために使う政治家など信用できるか?
答えはNOに違いない
だが逆らえない
いっそ誰か潰してくれ
誰もが思うだろう
今、虫を見るような目で睨み、電車を降りて行った女子高生も
となりではしゃぐ同級生も
オタク丸出しな、2ちゃんねるでは「ピザでも食ってろ」と言われそうな僕も
誰も逆らえない
誰か 潰せ
話したこともないクラスメイト達と電車を降りて、ホームに向かった
僕は誰かに当たって自分の鞄を落とさない用に抱えこみ、背中を丸めて階段を上がる
体格通り体力のない僕は途中でみんなに追い抜かれてゆく
いつものこと
そうだ、いつものこと
いつものことのように僕は定期を取り出そうとして隣りの人とぶつかった
「あっ、すみません」
僕は小言で謝る
ぶつかったのは髪を金髪に染めたちょっとギャル系の女の子
女の子はぶつかったヤツを確認すると「うへぇ……」とあからさまに嫌悪を示し、足早に進んでゆく
そうだ、昨日買ったモンスターハンター大丈夫かな
僕は鞄を開けて確認する。よかった無事だ
鞄を閉めると定期を取り出し、改札にかざす
電子音がして改札を抜ける
そこから、全てが一変した
とりあえずここまで
369 :
通勤電車男:2006/04/07(金) 23:58:59 ID:0fB5crdv0
対ゾンビ戦で一番こわいのは人間だと思う 様、新作お疲れ様です!。
鬱積した想いを抱えた主人公がこれから訪れる修羅場をどの様に潜り抜けていくのか、
あるいは普段からの不満を爆発させていくのか、どちらにしてもとても楽しみです!。
ちなみに私は今日、切らしていた名刺を経理より受け取り、
新規の取引先の方と打ち合わせをする事になっていたのですが、
移動中の電車内で名刺を上司の物と取り違えていた事が発覚Σ( ̄○ ̄;)。
取り換えるにも時間が無いので上司に相談の上、一日部長という事に(^。^;)。
なんと言うか、全てが一変した一日でした。
続編の投稿をお待ちしております!。ありがとうございました!。
>>369ワロタwwwwwwwwww
やっぱり通勤テラオモシロスwwww
ちなみに「対ゾンビ戦で一番恐いのは人間だと思う」は仮名
これから0sameで書く
初心者ですがよろしく投下
駅の出口まできたところで僕は足を止めた
警官が出口の前に立ち、メガホン片手に封鎖している
何かあったのだろうがこからじゃどよめきが酷くて聞き取れない
僕は分厚いメガネをずりあげて聞く
「な……何か……あった……の?」
ボソボソと頼りなさげにしゃべる僕にクラスメイトの一人が気付く
「チッ
ここ豚も使ってんのかよ。キッメェ」
豚
僕の唯一のあだ名
「テメェで聞いてさっさと牧場へ帰れ、臭いんだよデブッ!!」
相手にしてくれない
仕方がなく僕はクラスメイトから離れた場所で警官のメガホンに耳を傾ける
「えー○○署の者です
ここ○○駅付近で昨夜未明、殺人事件があった為一時的に封鎖しております
みなさまにはご迷惑をおかけしますがもうしばらくお待ち下さい」
371 :
0same:2006/04/08(土) 01:32:34 ID:sUXwa2TTO
おかしい
たかが殺人事件程度で町を丸ごと封鎖なんて普通するだろうか
でもその犯人に目星がついてて、そいつがとてつもなくヤバいヤツだったらあるかもしれない
学校……遅刻しそうだな……
まぁいいや
学校行ってもつまらないし、カツアゲされないだけましかな
解除されるまで待とう
僕はそう思い、列から外れようと警官達に背を向けようとしたその時
「ふざけるな!!!!」
痩せた中年のサラリーマンが怒鳴り声を上げた
僕はその声に驚き、サラリーマンを見る
「今日は大事な会議があるんだ!! 貴様らはたった一人のために俺の仕事を潰すのか!!?
これを落とせば俺の昇進は絶望的だ!!!!
俺には家族がいるんだぞ!!!!!!
どうしてくれる!!!!!!!!」
サラリーマンは神経質そうな声を張り上げ抗議する
自分のことしか考えてない発言
だがその場の一般人を納得させるには十分な言葉だった
周囲が沸き上がり、次々と罵倒の言葉が聞こえてくる
そうだそうだ お前らは市民の生活を壊すのが目的か 誰のおかげで食っていけてると思ってる
警官達はそれら全てに対応しきれず、ただ「申し訳ありません」や「もうすぐですから」と叫ぶのみ
372 :
0same:2006/04/08(土) 02:01:51 ID:sUXwa2TTO
突然、一人のサラリーマンが警官の間から飛び出した
さっき会議があると言った神経質そうなサラリーマンだ
警官はそのサラリーマンの袖を掴み、引きずり倒す
その瞬間、その場に溜まっていた百人余りの人間が一斉に飛び出した
あのサラリーマンを助けろ 警官を引き剥がせ 仕事に 学校に遅れるな
一つの意思を持った肉塊はあっという間に警官を飲み込む
肉塊の中で警官達は一人でも捕まえようとしたが数に叶わない
押し倒され、踏みつけられ、骨を砕かれ
絶命する
封鎖を突破した人たちはそれぞれの仕事場へ走る
時間は既に九時
会社員は会社に、学生は学校についてなければいけない時間だ
その中で不健康なまでに太った少年はうずくまっていた
「う……うぅ……」
彼もまた、人の波に飲み込まれた者の一人だが、あの塊の後ろにいたためそれほど踏まれはしなかった
メガネも、昨日買ったモンスターハンターも無事だったのは運がいいとしか言えない
ブタと呼ばれた少年はメガネをかけなおし、辺りを見回す
酷い光景だ
警官の四肢はありえない方向に曲がり、顔の辺りにドス黒い物を吐いて絶命している
その中にサラリーマンが一人混じっていた
神経質そうなサラリーマンが
大事な会議のあるサラリーマンが
373 :
0same:2006/04/08(土) 02:17:53 ID:sUXwa2TTO
「どうしよ……」
ブタはそのサラリーマンの前でもう一度辺りを見回す
誰か人はいないのか
いや、いるにはいるだろう。この駅には他にも出口がある
ただ、安置にそこへ向かい助けを求めたとして先の大行進の二の舞がオチだ
誰か……誰かいないのか?
いた
駅の目の前にある交差点の先からゆっくりとこちらに戻ってくる人がいる
助かった
ブタはメガネの奥を歓喜にきらめかせ合図として手を振る
そしてある程度まで近づいてきて、解った
人間じゃない
近づいてくる「そいつ」は右足のすねの辺りから直角に曲がり、ゆらゆらと近づいてくる
人間なら片方の足が折れた状態で歩ける者などいない
化け物
化け物ばけものバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノ
バケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノ
ブタは感覚で理解した
「逃げろ」と
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
374 :
0same:2006/04/08(土) 02:19:19 ID:sUXwa2TTO
とりあえず今日は糸冬
通勤よ、終点まで行くがよい
/\___/ヽ ヽ ⌒⌒
/ ::::::::::::::::\ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ ^^
| 、_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::
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:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: ∧_∧ ビクッ
:::::::::::::::::::::::::::: Σ( ::;;;;;;;;:)
:::::::::::: /⌒`'''''''''''^ヽ
/⌒ヾ/ / .,;;;;;;:/.:;|
-―'――ー'''‐'ー'''―‐'―''''\,./ / .::;;;;;;:/‐'| :;|'''ー'-''――'`'
,, '''' `、 `´'、、, '''_ソ / `:;;::::ノ,,, | :;| ''' 、、,
,,, '' ,, ''''' ξ_ノ丶ー'ー< ,ゝ__> ''''' ,,,,
,, ,,,, ''' , ::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: ,,
,,,,,,, :::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;::::::::: '
0sameに期待
それはただ酷く恐ろしいだけの事だった。
非科学的で、存在するわけないと思っていた。だけどそれは存在していた。
たった数時間前の平和は何処へやら。俺は幼馴染みと一緒にあいつらから逃げていた。
―――AM7:24 千葉県某所
「ふぁ〜・・・」
なんつう眩しい日差しだ。俺はそう思いながら俺は学校への道を歩いていた。
季節は冬。ほとんど晴れが続くこの季節は天敵だ。ただ、四季の中では一番好きだ。
理由は春みたいに虫
俺の名前は村神悠吏。名前が珍しいとよく言われる。それ以外特徴は無い。
ただ、まわりの奴から言わせると俺はかなり愚鈍というマイナスの特徴があるらしい。
「ふぁ〜・・・暇だな」
異常な眠気だ。俺の体は冬の寒さより冬の日差しに対する感度が強いのかもしれない。
とんとんっ。
「ん?」
「おはよう〜!」
眠気のせいだろう。俺は毎朝いつも小さいこいつの声が信じられないほどうるさく感じる。
いや、違う。こいつは毎朝、、おはようだけがむかつくぐらいうるさいのだ。
「あぁ、おはよう皐月」
寺村皐月。俺の幼馴染みだ。どの時間に俺が家を出ようが必ず特定の場所で遭遇する。
特徴はいつも寝癖あり、目は眠そうに半開きな事。
そして朝のおはよう以外は物凄い声が小さい事だ。恐らくは内気な性格ゆえだろう。
「太陽が眩しいねぇ。今って夏だっけ?」
いや、皐月独特の天然ボケのせいか。
0same乙。もう少し状況を練りこめばもっと良くなる季ガス。
微妙にエラそうなのはツンデレだからなのか?
ある男の見解乙。とてもイイスタートだが、とりあえずテンプレにあるが
投下前と投下後に一言あるといいんジャマイカ?、レス付けにくいぞ。
通勤電車男乙。お前さんの感想レスは「ゾンビ小説を読む男の日常」
ってゆー作品っほくてGJ!。
新作作者さん、とにかく大塚礼!!
>>377 ありがトン
状況を練りこめというのはどこらへん見てそう思った?
自分ではわからないため詳しく説明頼む
こういう感想レスって書き手にとってありがたい
ちなみにエラそうなのは性根が軽いため、ネタバレしそうだからやってたんだが不快感与えたならやめる
380 :
377:2006/04/08(土) 16:26:16 ID:5SEgCIpq0
>0same
んと、
「誰か人はいないのか
いや、いるにはいるだろう。この駅には他にも出口がある
ただ、安置にそこへ向かい助けを求めたとして先の大行進の二の舞がオチだ
誰か……誰かいないのか?
いた
駅の目の前にある交差点の先からゆっくりとこちらに戻ってくる人がいる」
朝9時の駅、これだけの事が起きてれば(人が踏み潰される)嫌でも人だかりが出来る気が。
次の電車からも人は流れて来るし。足止めされてた人がそれ程の人数なら
辺りを見回すまでもなく誰か居ると思う。文面からだと主役の近くには誰も
居ないようにみえてしまう。・・・俺だけか('A`)。
この主役の性格からして自分から何か行動を起こす様には見えないから
この位でちょうどイイのか。何書いてんのか自分も混乱してきた。
自分もなんかエラソだな。スマンかった。
>>377 すまぬ。拙者、この場で腹切りて責務を果た(ry
とりあえず以後ちょくちょく文章型空爆投下するのでよろしくお願いしです。
382 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/09(日) 17:08:09 ID:b+dU+6k40
―――AM8:30
HRの時間。いつもならそのはずだがまだ担任の鈴木は居ない。
学校内に侵入してきたという不審者の対処をしているとか。
まぁ、ここの担任のあの先生の事だからどうせ抜け出してくるだろう。
俺がそう思った時だ。教室のドアが開いたのは。
「お前らの為に抜け出してきたぞ〜。不審者相手に時間使ってらんねぇし」
ほらね。鈴木大五郎はそういう教師なのだ。
名前を聞くとゴツく感じるが実際は全く違う。ってか教師って感じではない。
金髪にピアス。授業中にベランダでタバコ。ちなみに教科は理科だ。
こんなんでも凄く教え方が上手いのだ。しかも、心が寛大だ。
「おい、鈴木」
「なんだ、村神」
タメ口でも怒らない。ただ、これ程鈴木になれなれしいのは俺ぐらいだろう。
「HRやらねぇのか?」
「やらん。面倒くせぇから適当に遊んで良いぜ。俺はタバコ吸うから」
鈴木はベランダに出るとタバコに火を着けた。本当、凄い教師だ。
ベランダから見える校庭には不審者相手にあたふたする教師の姿が見える。
「鈴木先生は先生って感じしないよね」
皐月が話し掛けてくる。
「だな。こんなの居ると他の先生が大変だねぇ」
不審者のふらふらしている歩き方にゾンビを連想しながら俺は呑気に呟いた。
―――AM8:40
一限目開始時間。不審者騒動のせいで当然授業は始まらない。
「皐月、お前は今日昼飯どこで食べるんだ?」
皐月は読んでいた本から視線をこっちに動かす。
眠そうな目に赤い厚縁メガネが掛るせいでかなり馬鹿に見える。
そんな皐月だが実際は学年一位取れるぐらいの秀才だったりする。
毎回下から数えた方が早い俺とは大違いだ。頭の構造を見てみたいものだ。
「今日は教室で弁当食べるよ」
少し抑えめの声で答える。朝のうるささが信じられない声量だ。
「そうか。なら、今日は一緒に食べないか?」
「うん。良いよ」
これで連続昼飯一人記録の更新は防げた。俺は下らない事を考えていた。
ベランダに出て鈴木の隣に立つ。十分経つのにまだ一本目だ。遅い。
「不審者は?」
「なんか学校内に入ってきた」
教師は何やっていたのだろう。命がけで止めろよバカ、と心で叫んだ。っつか
「教師なら安全確保を急げよ」
俺は隣でタバコをのろのろ吸う鈴木を見た。
「面倒くせぇからやなこった。お前も生徒なら先生の為に働け」
・・・目が俺を脅していた。
「はいはい。見に行ってくるよ、まったく・・・」
俺は暇潰しも兼ねて廊下に出た。
「あっ、どこか行くなら私も行くよ」
ひょこひょこと皐月がついてきた。追い返そうかと思ったがやめた。
まぁ、おかげですぐ後に助かるのだが。
今のところ此処まで。録画したシャル・ウィ・ダンス見終ったらまた続き書く。
モツカレーです。
>ある男の見解。さん
いいねえ
ところで睾月ってなんて読むんだ?
388 :
通勤電車男:2006/04/09(日) 23:22:55 ID:wBhwPSFH0
0same様・ある男の見解様、お疲れ様です!。
0same様、駅が舞台ですね!。明日出勤するのが辛くなりそうです(^_^;)。
主人公がモンスターハンターで遊ぶ日は来るのでしょうか!。
むしろモンスターハンターに成るのでしょうか!?。
ある男の見解様、私の高校時代の担任も鈴木でしたので驚いております!。
こんなに頼もしい感じの先生ではありませんでしたが(^。^;)。
さて、今日は電車に乗り損ねる事も無く無事家に帰れると思っていたのですが、
ふらふらと歩く不審な人が私の家の前にいるんですが・・・(T_T)。
そういえばどこだかで地震があったとニュースでやってたし(ToT)。
続編の投稿を楽しみにしております!。
まこしろさんの投下と
マルイ89式の発売を
ワクテカしながら待ってますw
━━━AM8:47 校舎エントランス
「これ、なんだろう・・・」
「血だな」
エントランスには血が少しだけ垂れて、床を赤く色付けていた。
その血は点々と図書室がある方向に続いていた。
「・・・」
不安色に顔を変える皐月。
「皐月、怖いなら教室戻っても良いぞ?」
「ううん。大丈夫、かな」
・・・曖昧だ。
「・・・まぁ、良いけどな。ほら行くぞ」
「うん」
図書室に進む歩み。
ふと窓の外を見る。気付かないうちに空はどっと曇り、雪が降っていた。
そんな事で呆けているといつの間にか図書室の前に来ていた。
「入るぞ?」
「・・・うん」
皐月の返事を確認し、図書室の扉を開ける。同時に鉄錆の匂いが鼻を突く。
「・・・」
図書室は薄暗い。そして、酷く静かだ。耳を済ませば静寂のみ聞こえる。
「皐月、電気付けて」
「うん」
かちっ。
スイッチを入れる音がした途端、部屋がぱっと明るくなる。
血は図書室の奥に続いていた。皐月の方を見て、確認を取る。
「うん。大丈夫」
俺達は血の道を辿る。そして、そこにそれは居た。
一見、体の悪い先生を別の先生が介抱しているように見える。
だが、明らかに介抱している側が変だった。あの不審者以外の何者でも無いからだ。
ふと不審者が俺達に気付いたのかゆっくりとこちらに振り向く。
口に血を塗りだくった状態で。
支援
394 :
???:2006/04/13(木) 09:35:20 ID:nGi4QIAfO
>>384の
>「あっ、どこか行くなら私も行くよ」
と
>>389の皐月はさつきと読む事を知って、皐月は女では?と思い始めた俺
難しい漢字には初回だけでも読み仮名つけてくれると、無知な俺は助かります
皆さん、最後までガンガレー
395 :
↑:2006/04/13(木) 13:04:59 ID:UT1Y68gIO
おれも皐月は女と思う
皐月くらいなら常識の範囲だと思うのですが…
それに、女性かどうかはすぐに分かったと思いますよ。
>>396 いちいちそんな突っ込み入れるのも常識ですか?
398 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/13(木) 20:50:37 ID:domRRcUK0
皐月なんて字が読めるのは人生の敗北者たる競馬ヲタだけ
399 :
通勤電車男:2006/04/14(金) 00:01:24 ID:TBfqsiJy0
ある男の見解様、お疲れ様です!。
遂にゾンビとご対面!、判っていても不審者が振り向くシーンでは緊張してしまいました!。
対応に当たった先生のご冥福を祈りますが、しばらくしたら逆に元気に動き回って困るののでしょうね(^_^;)。
私も元気に動き回りたいのですが、先日より胃痛の為胃薬を服用しております。
ですが「使用上の注意」を甘く見ており、短時間の間に飲んだ為か鼻血が大量に出てしまいました(;_;)。
続編の投稿に興奮気味でしたし(^з^)。
私事で恐縮ですが周囲に居た乗客の方、驚かしてスミマセンでしたm(_ _)m。
でも写メで撮るのは勘弁して下さい(〃_ _)σ‖。
続編の投稿、楽しみにしております!。ありがとうございました!。
鼻血南無
もしかしたら何処かに誤爆ってレスしたかもしれない。
書いたはずの続きが反映されてないし
あらためて続きプリーズ
403 :
いんちき散文:2006/04/15(土) 22:45:35 ID:8hbjbTo9O
世界は酷く美しかった。薄墨色の空、湿った庭、揺れる稲穂の波。
畦道でゆっくりと首を振る白黒斑の子牛。
彼方を行く極彩色の葬列。
荷車の轍に溜った水に溺れていた単色の蛾。
幼い少女は小さなお団子に結った髪と、
真新しいシャツを揺らして飛び回っていました。
遠くに霞むのは、慈しみ深い父と母でしょう。
404 :
いんちき散文:2006/04/15(土) 22:53:40 ID:8hbjbTo9O
さて私は幾度、終焉の夏の甘美さに溺れる死者を見送ったことでしょう。
世界は長い長い一夜のうちに始まり終わった。
焦がれればきっと訃報の届く戸口、
苛立てば必ず忘れる恋人の忌日に、
あの滅びの夏は降り注ぐ。
405 :
いんちき散文:2006/04/15(土) 22:59:08 ID:8hbjbTo9O
儚い虫達は、一夏の生を済ませてすぐに土に還り、
翌年新たな命を宿して飛来する。
変わらぬ花の密を求め草の露を探し他の虫の肉を貪りに。
しかし、人はそうはいかない。
406 :
いんちき散文:2006/04/15(土) 23:04:53 ID:8hbjbTo9O
恨みと恋情と悲しみと貪欲な明日を抱く人は、
土に埋めてもすぐには土に還れないのです。
例え化け物に成り果てようと、地上が灰塵にまみれていようと、知った者すべてに疎まれようと、
意地汚くも蘇ろうと足掻く。
407 :
いんちき散文:2006/04/15(土) 23:15:16 ID:8hbjbTo9O
静かな安らぎを得る為に、
夏を越さずに死ぬ虫と復活の日を待たずに塵に還る人。
しかし足掻く人々にあるのは、微睡む暁でも熟睡の深夜でもなく、
光踊り熱が身体を焼く正午なのです。
白日夢さえも清楚に輝く真昼なのです。
408 :
いんちき散文:2006/04/15(土) 23:22:13 ID:8hbjbTo9O
あの夏、必滅の楽園は獣に占拠され死神の玩具にされ、
辱めを受けたい、誹謗されつつ舐め回される視線も欲しい、
飢えて後の甘露を含みたい。
そう望む者達でこの世が溢れた。
その暑い日は終わる事なく、今も続く。
409 :
通勤電車男:2006/04/16(日) 00:32:43 ID:3XDmAbNZ0
いんちき散文様、新作お疲れ様です!。
詩と言うか詞と言うか「文学」風と言うか、とても不思議な読後感があって、静かに興奮しております!
ちなみにこの作品はここでENDなのでしょうか(^_^;)。
今日はどこぞの駅が大規模工事との事でやけに電車が混んでおり、
平日の朝ラッシュ並のすし詰め状態ですが、まさか隣りで神妙な顔して
携帯を見ている男がゾンビ小説を読んでいるとは思わないのでしょうねf^_^;。
最近は新作ラッシュで幸せを感じているので、横にいるおじさんがずっと私の足を踏んでいるのも気になりません(T_T)!。
家に着けば「飢えて後の甘露(ビールですが)」もあるので、頑張れそうです!。
新作投稿、ありがとうございました!。
410 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/16(日) 06:57:29 ID:T/PvgkolO
>>398 如月、師走
↑これ読める?
皐月なんて厨房の国語のお勉強レベルだろ
小学生も2chにくるらしいし、まぁいいんでないの?
ゆとりの弊害デス
きさらぎ
しわす
もの凄く痛い
>>411さんがいらっしゃるのはこちらのスレですか?
月の異名しらんほうが敗北者ぽい
417 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/17(月) 09:32:05 ID:j1mA25TDO
月の異名だという事すらしらなそう
418 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/17(月) 09:33:58 ID:j1mA25TDO
━━━AM8:51
男の顔に皐月は顔を真っ青にしていた。
「男の人が口紅してる・・・!」
「んなわけねぇだろ!」
こんな状況下でも天然を発動させる皐月に思わずツッコミをいれた。
首から血を垂らす確か国語担当の安西先生(34歳独身)の死体。
それと口を中まで真っ赤に染めた不審者。もうその状況だけで断言出来る。
不審者は先生の体を貪っている、と。もはや、それはゾンビに相違ない。
不審者は虚ろな双眸で俺達を睨み、ゆっくりと立ち上がった。
ぞくり。
背筋が凍る。俺はこの不審者の放つ冷たく熱い視線を知っている。
欲望と冷静。狩りをしようとする動物の目だ。俺達を食おうとしている。
不審者はのろのろと歩いている。真っ直ぐこちらに向かって。
次に取るべき行動は既に解っている。
「皐月、逃げるぞ」
「う、うん!」
俺は皐月の手を掴むと図書室を出た。
だから知らなかった。安西先生の死体がぴくりと動いた事を。
「早く鈴木に伝えねぇと」
自分達の教室へ走っている。後ろからは何もない。が、何かが近くに居る。
何処に潜んでいるかはまったく解らない。と
「ゆーちゃん、止まって!」
皐月が叫んだ。俺はすぐに立ち止まる。
「ゆーちゃんはやめろ。で、何だ?」
「そ、そこ」
青ざめた皐月は何処かへある場所を指を差す。その指の向く方向を見る。
420 :
ウォーターカッターサンド:2006/04/17(月) 23:56:35 ID:S6ATneUS0
ある男の対ゾンビ日記
6月七日
世界は崩壊したらしい、傘だかなんだか知らないがどこかの企業が日本に
細菌ウイルスをばら撒きやがった、直撃した広島は一日で崩壊。
人は・・・死んだわけではなく生きる屍となったらしい・・ウイルスは風に吹かれて
日本全国にまわった、オレは東京の被害がでかくなる前に青森へと逃げたが
逃げたときはすでに遅かったらしい、青森も半分以上が屍になっていやがった
オレは生き残り達と倉庫へ逃げることに成功した・・・まではよかったが
窓を見れば屍ドモがうじゃうじゃうろついて逃げることもできない、食糧倉庫だったのが不幸中の幸いだろうか
しかし良も少なくて長くてもあと一ヶ月持つか持たないか、死活問題だ
これからどうなるかはわからない、でも成功するなら港に出て北海道まで逃げるつもりだ
まだウイルスが行き届いていないとのことだ、なんとか逃げ切れることを祈る
六月九日
クソデブが深夜、食料を食ってやがった。
それを見た奴らが奴をリンチし始めやがった。まったくもっと冷静になれよ
朝起きるとわらに巻かれたデブの半死体が横たわってた、気持ち悪い
もう息もしていなかったので、ソノ日のうちにゾンビへと投げ込んでやった
それもできるだけ遠くに、まぁ飯食うだけのとりえのない豚がゾンビの気を引くために消えていったんだから
それはそれでよかったのだろう、正当化してしまおう。
疲れた
421 :
通勤電車男:2006/04/18(火) 00:03:55 ID:YQy6ErFq0
ある男の見解様、お疲れ様です!。
安西先生!?Σ( ̄○ ̄;)。先日お亡くなりになった鈴木先生は私の高校時代の担任でしたが、
安西先生という先生も同じ学校にいました!(>_<)。なんだかやけにリアルな想像をしてしまい
電車内でガクブルしつつ、何故素敵な幼馴染みが私には居ないのか?(・ω・;)。居たらきっと
「○○○ちゃん、止まって!」
と言ってゆり○もめが不通だった先日も、わざわざ早起き&遠回りせずに
取引先へ行けたものを・・・(T_T)。などとちょっぴり黄昏てみたりしております!。
続編の投稿、お待ちしております!。ありがとうございました!。
422 :
通勤電車男:2006/04/18(火) 00:06:13 ID:s/+nfYK30
割り込んでしまいました!。申し訳ありませんm(_ _)m!!!。
初めと終わりをきちんと宣言して欲しかったり。
424 :
空中ぶらんこ:2006/04/18(火) 02:06:50 ID:AleTCYp0O
ジョン・ケリーは屋根に横たわっていた。
そのままの姿勢で3日目になる。
食糧が無くなって一週間目。
視線を地上に向ける。
生きる屍、〔ゾンビ〕が彼を喰おうと無数の手を空へと伸ばしていた。
さながらロックスターのコンサートに集まった熱狂的ファンのようである。
「腹減ったな。甥っ子のメアリーの作ったハンバーガーが食いたい。パンの倍以上の大きさの牛肉を挟んだやつだ。嗚呼、そうだった。メアリーはもういないんだ。俺が撃ち殺した。ゾンビになったから俺が。親父もお袋も弟も。みんな俺が。それにしても脚が痛い。」
そういいながらゾンビとなったメアリーに噛まれた足をさすった。
ガンショップを営んでたジョン・ケリーが店に家族と立て篭もったのが6ヶ月前。
街はゾンビに喰い尽くされ頼みの救援も今だ到着しない。
家族も次々とゾンビと化した。
この付近で生き残ってるのは彼だけのようだった。
いや、世界で彼だけかもしれない。
突如巨大な影が上空を横切る。
迷彩に塗られた巨体には〔US ARMY〕の文字が。アメリカ陸軍の超長距離侵攻ヘリ、スーパースタリオン。
瀕死のジョン・ケリーにその姿は神も同然だった。
「助かった。」
彼方へと消えるヘリを見送りながら彼は確信した。
助けは来る。
ヘリは戻って来る筈だ。
「やっと この地獄から脱出だ。長かった。腹減ったな メアリーのハンバーガーが食いたいな。足の痛み なくなってキタな
腹減った
メアリー
ヲ喰いたい 。」
ジョン・ケリーの元へとへリが戻る事も神が舞い降りる事もなかった。
425 :
空中ぶらんこ:2006/04/18(火) 02:09:16 ID:AleTCYp0O
以上です。
短文駄文投下させて頂きましたw
お約束のくだんs(ry
>空中ぶらんこさん
乙。これからも投下よろしく。
ただね、「甥」が「メアリー」なのが妙に引っかかるんだがw
良いですよー、皆さん。空中ぶらんこさん、ベタな雰囲気を巧く洒落にしてて良いッッ
あ、甥→姪の間違いですよね?
通勤電車男さん、腕上げてますね…
429 :
空中ぶらんこ:2006/04/18(火) 18:25:02 ID:AleTCYp0O
ご指摘どうり姪でございます。
やらかしました。
すみません。
読んで頂いた方々、有難うございましたw
430 :
通勤電車男:2006/04/19(水) 00:02:55 ID:0AjS5mG80
ウォーターカッターサンド様&空中ブランコ様、新作お疲れ様です!。
極限の状況であるにもかかわらず、非常に淡々とした主人公。
このまま淡々と脱出しそうですね、ちゃんと日記を付けながら(^_^;)。
「甥っ子のメアリーの作ったハンバーガーが食いたい」と人間味のある主人公が、
「メアリーヲ喰いたい」とゾンビ味(?)溢れる主人公に!。
ハンバーガーはメアリー味?ゾンビ風味!?なのでしょうか(>_<)。
ある男の見解様、鈴木先生はまだお亡くなりにはなってませんでしたね!。失礼致しました!。
>428様、並びにレスを付けていただいた皆様、ありがとうございます!。感想を書込む励みとさせていただいております!!。
では、そろそろ終電なので失礼致します。
新作の投稿、ありがとうございました!。
431 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/04/19(水) 00:17:11 ID:ZRHlsSNb0
6月11日
まったく、ジョークの域を超えてやがる。
あのクソデブが屍になって倉庫の壁をぶち破りやがった。
同時に周りにいたゾンビも突撃、冗談じゃねぇ
オレは奥の食料をたくさんバッグに詰めて窓から逃亡
警官の死体から分捕っておいたニューナンブでデブに数発喰らわせてやったぜ
ゾンビが倉庫に集まってくれたおかげで脱出成功・・・と思ったら街はもっとあふれかえってやがった。
なんとか裏口からホームセンターに逃げ込むことは成功したが・・・ここでもまた難民の無能(難民についてはオレも人のこと言えないが)
が群れ作って生活してやがった、オレのバッグを見るなりまたリーダー格らしき人物が
ここに居たければ、食料を分配しろだとw笑わせんなバーカ・・とニューナンブで打ち抜くのもいいが
ここはとことん利用してやることにした、人数多いほうが脱出のときの盾も増えるんでね。
6月15日
久々の日記、しばらくはそんな事件がなかったんでな、書くことは特になかったんだが
昨日の深夜ちょっと一人でここを探検してみることにした、俺たちの住居は二階、家具がある場所だ
一階はまだ見ていないらしいがどうやらすう匹のゾンビが潜伏しているようだ、ここの案内板を見てみれば
なんと一階は日曜大工品からなんと百円ショップまであるらしい、手をつけていないならこれこそチャンスだ
一階フロアの電気をつければあちゃーゾンビが五〜六匹、とりあえずオレは一番近くのゾンビの頭をニューナンブで撃った
音に反応したゾンビが集まってきたがちょうどそこはチェーンソーがある場所
あっという間にゾンビ達は真っ二つ、あとはじっくり物色の時間だ。
オレはとりあえず電動工具のところからドリル、チェーンソー、発電機などなどもてるだけ持っていく
流石に重いな。
次にヘルメット、軍手、懐中電灯、あとはクレ550とライター
次に飯だ、栽培されていたトマトを拝借、自販機の鍵を開けて飲み物確保
さらに百円ショップからお菓子、おにぎり、パンなどもいただいておいた
ついでに事業用のパソコンも引っ張り出しとりあえず今日は帰宅した
オレはバッグに詰め込み自分のベッドへと戻った。
432 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/04/19(水) 00:38:29 ID:ZRHlsSNb0
6月16日
一階を占拠したと盾たちに伝えた、あいつらは一回にイクや否や
百円ショップへと向かっていった、俺がとり切れなかったり賞味期限切れだった奴しか残ってないのだが
まったく、冷静になればいいのに。オレは脱出への次の作業へと移ることにした
一回で騒いでいる間オレは監視室へと行くことにした、鍵を開けて監視カメラのひとつの画面に注目した
それは駐車場である、運がいいことに室内駐車場のため一階一階あがるごとに防火用のシャッターが閉められるようになっている
さらに駐車場に入るための入り口はすでにふさがれていたためゾンビの侵食はない
じっくりと駐車場を見れば車がどっさり!!これはあさってにでも脱出だなやっふぅ
6月17日
前夜ということでオラわくわくしてきたぞ。
作戦はというと、すでに脱出用のワゴン車に荷物を詰めたオレは
早朝、ロックされている一階の鍵をあける、ついでに防火用のサイレンもならす
全部PCの遠隔操作だ、ホームセンターにゾンビどもが突撃してあの盾たちが
くだらない防衛対策を始めている最中に俺はさらっと逃亡。
実行まであと三十分、じっくりと車の中でラジオでも聞くさ
北海道のなwww
6月18日
脱出作戦は成功・・したがひとつ誤算が生まれた
なんとあの盾たちが自分の車でオレに着いて来やがった
オレも運転している最中にハッ・・・{あいつらが駐車場を見ていないはずはない・・・}
誤算だった、しかしおまけが付いてきても逃げることに変わりはない、このまま港まで行っちまおう。
・・・なんだ?今日の運勢は最悪か?港には船なし!!
冗談じゃない、しかもゾンビ十匹のオマケつき!!頭にキタから
クレ550とライターの火炎放射コンボで皆殺しにしてやったぜ。
港は安全になったためとりあえず今日はここで一泊することにしたのだが
PCで2chを見ればな・・なんととんでもない情報が
青 森 に 行 っ た 自 衛 隊 が 帰 っ て コ ナ ス ・ ・ ・
ktkr!!自衛隊のところならヘリでもエンジンつきゴムボートでもなんでもあるだろう
盾どもに感づかれないためにもオレは深夜のうちに港を出て自衛隊の拠点があると書いてあった方角へと車を走らせた
433 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/04/19(水) 00:50:18 ID:ZRHlsSNb0
6月20日
今オレは北海道に行く途中の海の上だ、そう、見事脱出が成功したのだ、盾のオマケつきだが
盾はオレを完全にマークしていたらしい、携帯から俺の位置をつかんで俺が飯食ってる間に
着いて来やがった。このクソストーカーめが・・・
拠点がある西の海岸へと行く途中そらぁ自衛隊のゾンビだらけだったわぁ。
しかし距離をとって確実に殺していけばいい、ついでに武器のおまけつき
オレはコノ日だけで手榴弾とマシンガンを入手、もう無敵といっていいだろう
盾たちはというと、数人食われたがゾンビになる前にオレが成仏させてやった。
数人の盾は生き残った、しかたがない、最後までオレの盾として働かせてやろう。
重火器装備のオレと盾は拠点へ到着、つくや否やゾンビがお出迎え
歓迎祝いにチェーンソーでバラバラにしてやった。
あとは打ち上げられいた船でおさらばバイバイ、明日からは
ばら色の生活が待ってるぜ
続く・・たぶん
434 :
まこしろ:2006/04/20(木) 00:30:58 ID:xjUKNAIK0
皆さん、本当にご無沙汰してすいません。
実は4月になって、突然、会社から退職勧奨、つまりクビを宣告されてしまい、
現在、求職活動中です。
コレ、マジなんです。
というわけで、落ち着くまでまた間が空いてしまうかもしれません。
本当にすいません。
まあ、開き直って続きを書くもヨシ、とか思いましたが、子供がもうすぐ1歳に
なろうかって時なんで、やっぱり職探しを優先しなきゃ・・・
なんか違う板のような話になってしまたので、この辺で。
早く腰を落ち着けて、続きが書けるようにします!
>434
実生活がなにより大事だからそんなに気にしないでおk
436 :
ヒーロー厨:2006/04/20(木) 02:50:15 ID:UldCSCAe0
『たすけてパパ』
中学校に避難している娘からのSOSメールに、田中始氏(49歳)は自室に駆け込む。
学生時代からの趣味のモデルガン・コレクションが収めてあるクローゼットを開け、一番奥の引き出しを箱ごと引き抜く。
中には安っぽい銀メッキの施されたトカレフ自動拳銃3丁。
一見すれば他のと同じプラ製の玩具に見えるが、これはれっきとした実銃。
銀メッキはチープさを演出する偽装であり、クローゼット内面に飾られたコレクションも『本物』を隠すカモフラージュも兼ねてる。
本当はコルトかルガーが好みだが、己の力量ではこのレベルが精一杯。それでもコレそのものはかなりのお気に入り。
知り合いのヤクザに大枚はたいて数丁入手した、別名「黒星」と呼ばれる粗悪な中国製コピー品から、状態良好なパーツのみ抜き出したり、
またはソレを見本に、ヤスリと自らの手だけを道具に代替パーツを削り出したりと、そうやって集めた部品を元に一から組み上げた、
ある意味『タナカ・カスタム』。黒星拳銃には無い安全装置も後付けした、機能的耐久的に見ても実戦に耐えうるモノに仕上げた愛銃である。
437 :
ヒーロー厨:2006/04/20(木) 02:50:49 ID:UldCSCAe0
田中氏は手馴れた手つきで銃を点検すると、別の引き出しに細工しといた二重隠し底から実弾の箱を取り出し、予備も含めた全ての弾倉に弾を詰める。
『待ってろヨーコ。今、お父さんが・・・「正義の味方」が助けに行くからな』
娘の身を案じつつ、クローゼット奥から取り出す『魂』のコスチューム。
完全再現された『正義』の象徴・・・純白の上下を身に纏い、背にたなびく純白のマント。
顔下半分を絹の白マフラーでマスク状に覆い、目元にはゴーグル型のグラサン。ターバン状の白布で覆われた防護ヘルメットの額には『月』を象徴するエンブレムが輝く。
ピッカピカの黒革のブーツを履き、腰に二丁拳銃のガンベルトを締めると、身も心もあの「少年の日に憧れた正義のヒーロー」へと変貌する。
「ゾンビ共め・・・大事な一人娘に指一本触れてみろ・・・その腐った脳天に正義の銃弾を叩き込んでやるぞ!」
左脇のショルダーホルスターにもトカレフ、右脇には束ねた予備弾倉を吊るし、後腰には伸縮式特殊警棒・・・と、完全武装の田中氏はガレージに飛び込むと、
愛車“旧ドリーム号”と“新ドリーム号”のどちらで出動すべきか?一瞬悩むが、やはり性能第一と新しい方のスクーターに跨る。
ブロン・・・ブロロロロロォォォン!!。
狭いガレージに響く250ccエンジンの駆動音・・・耳をつんざかんばかりの排気ノイズだが、変身以後はあの有名なテーマが脳内エンドレスのタレ流しな田中氏には気にならない。
「・・・逝くぞ!」
現代に甦った『なつかしの昭和のヒーロー』は、ガレージから疾風の様に飛び出した!。
438 :
ヒーロー厨:2006/04/20(木) 02:58:40 ID:UldCSCAe0
まこしろ氏乙・・・実は私も今月からプーでして・・・。
他人事じゃ有りませんわw。とにかくプライベート優先で・・・そしてあせらずゆっくりお過ごしください。
>>421 珍しい偶然もあるものですね。
本当、世の中って狭いようで広く、広いようで狭いですよね。
考えると結構不可思議で面白い広さです。
>>434 残念です。まこしろさんの小説大好きですから早期復帰を願います。
>ヒーロー厨さん
いいよ、いいよワクテカ、、いいんだけどさ、もう終わりなの?
>まこしろさん
ノシ 俺も昨秋からw
そういやそれまでは時々駄文ageてたけどその頃から書いてないな。
今を「あの頃がいい転機だった」と懐かしく思えるような将来がきますように。
くちゃ。
水々しい音。その音は、すぐ近くで聞こえた。
皐月の指差す方向。
見ると名前は知らないが見た事のある先生が女子生徒の首に顔を埋めていた。
口をもごもご動かす。その度に聞こえる水の散る音。いや、水じゃない。
ねちゃ。くちゃ。
水にしてはやや音に粘着性がある気がした。
女子生徒の体がたまにピクピクしている。痙攣だ。
教師の動きがピタリと止まった。そして、此方へゆっくり振り向く。
不審者のように。ゆっくり。不審者のように。口を赤く染めて。
「男の人がくちべ━━━」
「違うっつうの」
ツッコミつつよく見るとその教師の肩は抉られ血がごぽりと溢れている。
大した怪我なのに相手は、気にしてない。今、双眸は此方を凝視している。
もはや不審者のように、ではない。不審者そのものだ。
一刻でも早く去った方が良いと頭が叫ぶ。だが廊下に立ち塞がる狂人が邪魔だった。
だが狂人は目の前のそれだけではない。
━━━邪魔だ。邪魔するならドカシちまエ。無理矢理ドカせば良インダ。
━━━ソウダ・・・コロシチマエ。
俺を支配する謎の感覚。俺はこの感覚について記憶に無い。
だが、変だ。体が、ウズいて止まらないのだ。殺したい、と。
「何を考えてるんだ、俺は」
皐月が居る手前、俺は首を振り、なんとかその衝動を抑えた。
442 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/04/20(木) 18:37:34 ID:tVzoFFRV0
6月25日
北海道は最高だった、今日コノ日までは・・・。
空気感染する最悪のウイルス、俺は東京にいたときに
自衛隊が配ったワクチンでなんとか空気感染だけは免れたが・・
北海道にワクチンは行き渡っていなかった、青森脱出までにあれだけ時間がかかった
もう北海道も空気感染していても間違いはないだろう。
それにおびえながらも俺は北海道の民家を占拠して暮らしていたが・・・
今日の朝騒がしいと見てみれば家の周りゾンビだらけww
アッヒャヒャ、もう逃げるとこねぇじゃねーかと・・・地図を見ていたら
次の逃亡場所を見つけることができた、択捉島・・
さらに北にある日本最北の島・・ここならまだ・・・まだ安全だろう
早速準備に取り掛かると、家の周りのゾンビに手榴弾をお見舞いしてやった
ざまーみろ、そのまま船を停泊してる場所へ行けば盾どもが脱出準備してるじゃねーか
すばやく船に乗り込んでギリギリ間に合った俺は盾達に次の目標を伝えると・・・
あいつら背いて勝手に東京へ向かい始めやがった、俺も抵抗したが後ろから鈍器で・・ドン・・・
目を覚ませばあら、お台場・・・俺のバッグは取られていて持ち物は手榴弾とニューナンブ
隠しておいたマシンガンだけ、食料品は全部持ってかれた。
許さん、絶対にゆるさんぞ!!
第一章 日本脱出編「完」
第二章 お台場制圧編が始まります
また日記ですが
>>434 まこしろさん
まさか、そんなことになっていたとは、本当に大変だろうと思います。
今は小説よりも、ご自分とご家族を大事になさってください。
まこしろさんの小説は、その丁寧な描写と意外な展開に引き込まれ、
投稿されるたびにいつもドキドキしながら読んでました。
続きはいつまでも楽しみに待ってますので、落ち着かれてから
ゆっくり再開してください。
普段ROMってましたが、どうしても感謝と応援の念を伝えたくて
書き込ませていただきました。がんばってください!!
支援
まこしろ様乙です。
今は自分と家族にとって一番大切な事に時間を使って下さい。
準備完全、用意万全になったらまた戻って来て下さいね。
いつまでもお待ちしてますよ。
今まで本当にありがとうございましたw
446 :
通勤電車男:2006/04/21(金) 00:42:29 ID:5FtF0aMHO
ウォーターカッターサンドパニーニ様&ヒーロー厨様&ある男の見解様、続編・新作お疲れ様です!。
“ウォーター〜”様、ちょっと見ないうちにサクッと脱出Σ( ̄○ ̄;)!。怒濤の展開に驚いております!。
ある男の見解様、主人公に何やらおかしなスイッチがある様で( ̄ー+ ̄)。
ONにした時を想像して今からドキドキです!。
ヒーロー厨様、娘を助ける為、純白のコスチュームに身を包み颯爽と出撃!。
激しく燃えてきました!!。正義の銃弾の供給元がヤクザからと言う辺りが
このお父さんをより魅力的に感じさせてくれます!。
ましころさん・・・(T_T)。御家族を守る為の戦いへ赴かれるのですね。
ましころ家を守れるのはましころさんだけ。月並みな事しか言えませんが、頑張って下さい!。
そしていつの日か、復活なさって下さい!。大量のゾンビを引き連れて!!。
その時には私も終電の時間なんぞ気にせずに読みまくります(>_<)!!。
と言うか既に今日も終電ありません(ToT)!!。
新作&続編の投稿、お待ちしております!。ありがとうこざいました!。
まこしろ氏
まさかそんな大変なことになっていたとは!
小さなお子様もいるのに…心中お察しします。
皆さんも書き込まれていますが、再就職先を一日も早く見つけられ、
仕事・家庭とも充実させられることを心からお祈りします。
そして、いつの日かまたここに戻って来られることを願っています。
このスレは、
まこしろ氏の仕事さがしを応援するヌレとなりました。
新職:ゾンビ
450 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/21(金) 03:28:05 ID:thPmyyeQO
451 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/21(金) 03:35:01 ID:Eck6UB23O
旧来のゾンビならノンビリ出来そうだが、新種なら飛んだり跳ねたり
駆け回ったりとハードな職場になるな、ゾンビ職。
453 :
まこしろ:2006/04/21(金) 10:30:02 ID:F6K/mRa/O
今日は職探しの合間に携帯から失礼します。
みなさんからの温かいお言葉に感激しています。
みなさんの励ましに支えられて頑張りたいと思います。
本当にありがとうございます!
早く落ち着いて続き書くぞー!
つ「自衛隊」
陸自なら初任給月15万くらい。
ごめんなさい。
ずいぶん久しぶりになっちまったが
>>288 からの続きだぜ。
...3
墜落しそうな軽飛行機の足に、必死の思いでしがみ付くようにぶら下がる…。
…そんなオレの目に映ったのは、銃撃でロック機構が破壊され、ガタガタになっちまったセスナのドアの隙間から、お気に入りの日本刀が、ズルズルと滑り墜ちて来るところよ。
白鞘の日本刀じゃ、トラックにゃ敵わねぇかも知れねぇが、「蜂の一刺し」って言葉も有るんだぜ…。
それでオレはゾンビ化した左手を、ちょっとずつ伸ばして刀の鞘を握りしめ、次の瞬間、一気に引っ張り出してやったのよ。
引き抜いた時の衝撃で、鞘が風に吹き飛ばされて、オレの手に残ったのは、白銀に輝く抜き身の方だけだったが、それでも構わねぇ。
墜っこちるときは、奴等のトラックに、そいつを体ごと叩き付けてやろうじゃねぇか…。
エンジン不調の上に、機体の部品が吹き飛んで、操縦不能に陥ったセスナは上昇も旋回も出来やしねぇ。
…丁度いい具合に、機首を真っ直ぐ、トラックのキャビンに向けて行く。
ソンビ除けの、金網鉄筋を溶接された軍用トラックの運転席が、あっと言う間に間近に迫って来やがった…。
左ハンドルのC国製軍用トラックに収まった、運転手らしい兵隊が、悲鳴を上げながら急ブレーキを踏むのが判ったぜ…。
その横じゃ、日本人民国の上官野郎が、罵るように大口開けてやがる。
助手席側のトラックの窓から身を乗り出して、ハンドガン片手に、こっちを銃撃しようとした伊東のクソ野郎の顔が、チラリと見えたが、もうその時にゃ、奴らとの距離は十メートルも有りゃしねぇ。
トラックが、投棄車両のポンコツ乗用車を掠めながら、つんのめるようにスリップした。
…次の瞬間、セスナの機体がグラリと右に揺れて、進行方向がトラックの運転席と平行になったのよ…
正面に回ってきた軍用トラックの助手席側じゃ、バランスを崩して落っこちそうになってる腹黒伊藤の背中が、大写しに見えてたぜ…。
…オレはそんな伊藤の野郎に向けて、ゾンビの左手に握った日本刀を、無我夢中で思いっきり叩き付けてやったんだ…。
…セスナのスピードと、トラックの対向速度、それにゾンビ腕の馬鹿力が加わったら、軍用トラックの鉄板だって、ぶった切るのは楽勝だぜ。
...4
…まるでチーズを切るみてぇに、軍用トラックのAピラーを真っ二つにした日本刀は、アミ鉄筋が取り付けられたフロントウインドウまで、横一文字に切り裂いて反対側へ抜けたのよ。
刀の柄から伝わる衝撃に、こっちも振り落とされそうになったが、悪運の強いオレのことだから、体の方はトラックの車体に触れることもなく、どうにかこうにか擦り抜けたぜ。
…けど、まずいことにセスナの水平尾翼が、トラックのキャビンに接触したらしい。
ガツンという衝撃と共に、金属音が響き渡って、目の前にゃ、高速道路の防音壁が迫ってきた。
コンクリートの防音壁と、日本刀じゃ勝負にならねぇ。
オレは咄嗟に、左手の刀を捨てると、ゾンビパワーを利用してセスナのタイヤカバーに這い上がりながら、壁との体当たりを避けようとしたのよ。
…浮いてくれ。…浮いてくれ。…浮いてくれ。
オレの叫びが、天国の神様に通じたんだろう。最後の力を振り絞るように、セスナの機体が上を向く…。
防音壁のコンクリートに、左の後輪を擦り付けながら、機体はギリギリで上昇した。
「助かった?。」と思ったが、もうその後は続かねぇ…。
失速状態になったセスナは、機首を斜め四十五度に向けたまま、側道の向こうに見える、杉の雑木林に突っ込んだのよ。
…衝撃で、ふっ飛ばされたオレは、木々の梢で顔や体を引っ叩かれながら、二十メートルもスーパーマンみてぇに空を飛んだ。
…次の瞬間、斜面に叩き付けられて、「うっ」と息が止まっちまったが、落ちたところが、運良く小枝や落ち葉の吹き溜まりよ。
体の方は、異常は無ぇが、どこに引っ掛けたか、右の脹ら脛を突き破って、ニョッキリと木の枝が生えてやがった。
そいつはゾンビ化した脚の方だから、痛くも痒くも有りゃしねけど、反対の脚だったら、助かったかどうかも、怪しいモンだ…。
…それでも、一息ついてる暇なんか、有りゃしねぇぜ。
杉の喬木をへし折りながら、バラバラになったセスナの機体が、こっちに向かって飛んで来る!。
立ち上がりかけたオレは、咄嗟の横っ飛びで機体の破片を避けたのよ。
機首と胴体が、まっ二つに千切れたセスナは、ジュラルミンの破片を振りまきながら、オレが飛ばされてきた吹き溜まりの斜面に、突っ込んでいった。
...5
…両翼が吹き飛んで、キャビンだけが辛うじて原型を留めているセスナは、燃料がゼロに近かったからだろう、炎上もせずに青い機体を制止させた。
オレは、ゾンビの足に刺さったまんまの、杉の若木を引き抜きながら、ボロボロになっちまったセスナの機体に走り寄った。
…中から、呻き声が聞こえてくる。
泣くような悲鳴を上げてやがるのは、中村のアホだ。
パイロット席のドアからヨロヨロと、額から血を流しながら転がり出たのは桐山の野郎だぜ。
セスナのフロントガラス越しにゃ、首を振る南の奴の姿も見えている。
どうやら全員無事らしいから、オレもひとまずホッとしたぜ…。
それでオレは、ロン毛の額に出来た傷の様子を見てやりながら、奴に声をかけたのよ。
「かすり傷だ。…大したことは無ぇ。…それより、急がねぇと奴らのトラックが、走り出しちまうぜ。」
桐山の肩に手を貸しながら、オレは雑木林の斜面を、急ぎ足で登っていった。
南や中村メガネ猿も、機体からどうにか脱出すると、呻き声を上げながら、オレ達の後に続いてきた。
軽い脳震盪でも起こしたのか、覚束ねぇ足取りの桐山だが、野郎はオレに、「すまねぇ…。」って言いながらも、腰のベルトから、リボルバーを引き抜くのだけは忘れなかった。
それでオレも、てめぇの九ミリピストルを抜き出すと、安全装置を外したのよ。
中村のM16や南の野郎のサブマシンガンも、タマ切れだろうから、手持ちの武器は四丁の銀玉鉄砲しか無ぇンだよ。
ゾンビの大群に囲まれたら一溜まりも有りゃしねぇが、こうなったら「生きて帰ろう。」なんて、これっぽっちも思っちゃいねぇ。
せめて、腹黒伊藤や南の国の兵隊を、「イヤ」と言うほどぶん殴ってやりゃあ、気も晴れるってモンだぜ。
それでオレたちは、薙ぎ倒された杉の木に、軽飛行機の部品が散らばる雑木林の斜面を這い上がって、アスファルトの側道に走り出た。
高さ三メートルほどの防音壁に遮られた高速道路の内側じゃ、ジーゼルのセルモーターの音と、C国の言葉で怒鳴り合う声が響いてる。
そのうち、何発かの小銃音も聞こえてきたが、そいつはどうやらオレたちに向けられたものじゃなく、高速道路を迫り来る死人を狙ったものらしい。
まこしろはんも大変だろうが、焦らずにいい職を見つけてくれや。
オレの方は、4月から転勤の辞令を貰っちまって、新しい職場で
忙しいんだか暇なんだか、訳もわからねぇ状況よ。
じゃ、またな。
460 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/04/21(金) 21:55:49 ID:G6IyuA+S0
6月26日
もう、逃げられないなら・・・おれが・・・国を作る
お台場はちょうどいいところだ、敷地もあまり広くない
制圧してしまえばレジャーランドも温泉も使い放題
こりゃあ・・・わくわくしてきたぜ。
お台場はすでにゾンビの巣となっていた。
船に降りればすぐゾンビがお出迎え・・・よく見たら盾の一人だった。
おお、俺を裏切るからこうなるんだ。せめて安らかに眠れ
と思いっきり蹴って海に落とした。二分ほどもがいていたけどニューナンブで一発
そのまま海の藻屑となった。
制圧第一の場所は大江戸温泉物語、まだ行ったことないしちょうどいいや。
早速突撃!!、運がいいことに中のゾンビは二十匹程度、脱衣場のゾンビをぶっ飛ばし
幸い風呂の中にゾンビはいなかった。あっというまに一階制圧。
さっそく二階の作業に取り掛かろうと扉を開けたら・・・な・・なんと台場の生き残りが
ベッドルームで生活してやがった、なんでもちゃんとした宿泊施設の方はゾンビがいて手が出せないそうだ
ここにいられても迷惑だから俺は宿泊施設に突撃、五分で制圧・・・・これで完全にここは俺の城になった。
隠れていた奴らと飯を食べ、風呂に入り、宴会を始めた
どうしてかこいつらのことは盾とは思えない・・・なんでもおれを慕ってくるからな。
さてと、明日はジョイポリス制圧と行くか!!
モツカレ。
イイヨイイヨーーーー
463 :
通勤電車男:2006/04/22(土) 00:29:37 ID:f36S2A4QO
おやじさん&ウォーターカッターサンドパニーニ様、続編の投稿お疲れ様です!。
「・・・咄嗟の横っ飛びで機体の破片を避けたのよ」
私にもそれだけの運動神経があれば、電車からホームに降りた直後に広がる
「焼く前のお好み焼き状のアレ」を華麗に回避出来たのかもしれません(T_T)。
移動手段を失いロクな武器もないこの状況を、どの様に切り抜けるのか!?。とても楽しみです!。
“〜パニーニ”様、ほんとに展開早いですね。そして何やら
「この春はこれで決まり☆ゾンビと逝く有名レジャーランド巡り♪」
的なテイストになってきた様な(^_^;)。生存者の方々のハートをがっちりキャッチするのでしょうか!?。
続編の投稿、お待ちしております!。ありがとうこざいました!。
464 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/04/22(土) 02:15:05 ID:GG4SMicQ0
6月30日
なんでジョイポリスにしたかって?遊びたいからさw
デックお台場の中はたいした被害はなかったが
台場一丁目商店街でばたばた人が死んでいるのはちょっとリアリティーだった
そんなに時間もかからず制圧、デックは簡単に手に入れることができた。
だから今日は明るい日記を書こう。
制圧した後は台場商店街でゼビウスを三十分ほど、あとはジョイポリスで暴れた
操作もマニュアルを見ればすぐに理解できたし、風呂「江戸物語で見つけたので」たち
と共に一日中遊んだ、帰りは無料バスをパクってゾンビをひき殺しまくりながら
江戸温泉へ帰った。
お台場がオレのものになるのも夢じゃないなハッハッハ!!
>>463 オマイ京浜東北沿線住人だろ?
T駅のあれか?
無理だろ。年齢制限で
例え職は無くしても、家族だけは無くすなよ
もう年齢制限で無理だろw
でもさ
職はなくしても家族は無くすなよ
もう年齢制限で無理だろw
でもさ
職はなくしても家族は無くすなよ
469 :
通勤電車男:2006/04/23(日) 01:01:00 ID:SM7B/X8sO
ウォーターカッターサンドパニーニ様、続編お疲れ様です。
このまま全国各地のレジャースポットを巡っていれば、いつの間にか日本は救われそうですね(^_^;)。
>465様、仕事や稀に通勤で使いますが沿線ではないですね。
などと書込みつつふと先日のお好み焼きポイントを見ると、今日もあるΣ( ̄○ ̄;)!。
具は違う様ですが・・・、おじーちゃん気が付かずそのまま突撃って、避けた!(・_・;)。
私の運動神経はおじーちゃん以下、ゾンビ並って事ですか・・・(ToT)。
続編の投稿お待ちしております・・・(T_T)。
>>469 そうか、違ったか。
にしても、せめてトイレで吐いて欲しいねぇ。お陰で俺の学ランと革靴が黄色っぽく染まったぜ!
グスングスン
作者さんたち、乙枯!!
みなさん、いい味だしてるんだけど、、、、、
通勤電車男さんが一番いいねwwww
観客代表としてこれからも頑張って家に帰ってください。
>観客代表としてこれからも頑張って家に帰ってください。
読者代表なんてならない事を望む。
473 :
話題提供:2006/04/26(水) 19:21:28 ID:YmCdbB9sO
★人食いチンパンジー追跡=怪力で惨殺・シエラレオネ
・アフリカ西部シエラレオネのタクガマ動物保護区域に住んでいるオスのチンパンジーが
素手でむごたらしく人を殺害、顔面を食べて逃走した。当局が捜索の網を広げて追跡
しているが、まだ捕まっていない。
この殺人チンパンジーは「ブルーノ」。保護区域管理当局によれば、米国人らを乗せた
車を襲い、こぶしで車のフロントガラスを叩き割った。シエラレオネ人の運転手は必死に
逃げようとしたが、車は保護区域の建物に激突、身動きが取れなくなった。ブルーノは
運転手を車から引きずり出し、首根っこを押さえつけて地面に叩きつけ、両手両足の
爪をはがした上に、顔をむさぼって食べて殺したという。
地元メディアによれば、この際、同乗していた米国人3人も負傷した。
ブルーノは生後数カ月の時に、保護区域のマネージャーに引き取られ、マイク・タイソンとも
戦った英国のヘビー級ボクサー、フランク・ブルーノにちなんで名付けられた。ブルーノは
その時から、怪力ぶりで注目を集めていたが、気に入らない人間を見ると、石を投げつける
など、次第に問題行動が目に付き始めていたという。
タクガマ動物保護区域管理組織の代表は「この保護区域の歴史で、チンパンジーが人を
襲った話は初めてだ」とショックを受けている。
http://www.ocn.ne.jp/news/data/20060426/a060425162313.g21anjmy.html
ずっと草食だと思ってたのに、つい最近NHKの特集で生きたアルマジロをボリボリ食ってるの見て
初めて彼らが雑食だと知ったけど、まさか車に乗ってる人まで襲うとは。
475 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/27(木) 07:33:29 ID:bS6vCDKLO
mjsk
チンパンジーは他種の小さい猿を捕まえて食うよ。
捕まえた小猿を集団で奪い合い、バラバラになった手足にかぶりつくチンパンの姿は正にロメロ。
シエラレオネってやばそうだなw
ゾ「・・・・・・・・・」
チ「・・・・・・・・・」
ゾ「・・・・・・・・・・・・・暇だね・・・・・・・・・・・・・」
チ「・・・・・・・・・」
ゾ「・・・俺、猿喰う趣味ないから・・・・・・」
チ「・・・・・・・・・ジュル」
ゾ「・・・・・・・・・・なんだよ、そのジュルってのは? ・・・・・」
チ「・・・・・」(何故か逆立ちを始める)
ゾ「・・・・・・・・・・・・・・・・ん、腹減ったの?俺、腐ってるから喰えないよ」
チ「・・・・・・・・・」(何故か手を叩き出す)
ゾ「お前さ、人間喰ったことある?」
チ「・・・・・・・・・・・・・・」(何故か飛び跳ね回る)
ゾ「・・・・・普通ないよな・・・・俺もないけど・・・・・」
書いてて退屈だしあんまりくだらないんでやっぱやめますorz
正直面白かった。笑えるゾンビもいいもんだ。
481 :
通勤電車男:2006/04/28(金) 00:15:35 ID:Drxu0idfO
ゾンビとチンパンジ―を同じ部屋に閉じ込めてみた様、新作?お疲れ様です!。
新米ゾンビの「まぁ、チンパンジ―に言ってもしょうがないんだけどさー」的な気怠さと
チンパンジ―の噛み合ってないリアクションの“間”の様なものが
一種独特な雰囲気を醸し出していて、とても楽しく読めました!。
独特と言えば私も今日はかなりのものだったかもしれません。
先に上がった女性社員の人が私の傘を誤って持ち帰ったらしく、
傘置きに唯一残ってる傘はピンク(花柄付)のみ(T_T)。この時間になり
また雨が降りだした為止むおえず使わせてもらったのですが、
傘のストッパーが甘かった様で電車内で突然展開Σ( ̄○ ̄;)。
時ならぬ花畑の出現&それを持ってるのが全く似合わない男なもので、
車内は沈黙の中に笑いを含んだ微妙な雰囲気に(〃_ _)σ‖。これを差して家まで帰るのか・・・(ToT)。
気が向いたらでかまいませんので、また投稿していただけるとうれしいです!。
ありがとうございました!。
>479
おもしろい。
483 :
本当にあった怖い名無し:2006/04/28(金) 08:38:50 ID:u7RoagGUO
「次は、、、、、どうした?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「おい!!」
「いや、すまん、、、ちょっと見とれてて、ほら、あの男」
「ん、どれどれ」
「いや、そっち、、、傘持った男」
「あの花柄か、、、なんであんな傘持ってるんだ?」
「さあね、趣味だろ」
「まさか、自分の傘盗まれたんじゃね?」
「でもわざわざ女物借りて間に合わせるか?」
「人生いろいろあんだろ、ま、俺も死んでまで笑われたくないな」
「日頃から間抜けな格好はすんなってこった」
「じゃ、決まりだな、、、アンディ! カバちゃん!!」
ドキューーーーン!!!!
(*^ー゚)b
(・∀・)GJ!!
>電車男さん&482さん
お褒めいただきありがとうございます。
ただの思いつきで書いたもののオチもつけられず投げましたorz
今続編を考案中です。
調子に乗ってまた思いつきで書きましたがモデルはいませんから。
怒らないで、ね。
486 :
通勤電車男:2006/04/28(金) 23:54:33 ID:Drxu0idfO
ゾンビとチン〜様、どこかで聞いた気のする(^_^;)お話、お疲れ様です!。
続編を考案中との事!。ある種のシュールさを感じさせてくれる出だしでしたので
やはりこの路線なのでしょうかo(^-^)o、ワクテカしながらお待ちしております!。
私も昨日借りた傘を返さねばならず、晴れた日にもかかわらずピンク(花柄)の傘を持ち出勤。
相当シュールだった様で私の周りだけ微妙に車内が空いておりました(T_T)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
俺はいつまでも待ってる!!!
488 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/01(月) 22:28:07 ID:9nPfFdtx0
489 :
空中ぶらんこ:2006/05/02(火) 02:24:48 ID:2OD236QdO
「夢と魔法の為
ゲストに最高のShowを提供する為この際やむを得ない。」
某巨大テーマパークの本社ビルで重役達によってある決断が下された。
この巨大テーマパーク成功の理由は他に類をみないアトラクションがあるからではない。
愛らしいキャラクターによる趣向を凝らしたShowやパレードにある。
それ目当てに何回も足を運ぶリピーターがいるからだ。
しかしテーマパークを増設した辺りからある問題が浮き彫りになってきた。
キャラクターの成り手不足である。
候補者は多い。
しかし規準をパス出来る者は一握りであった。
キャラクターに成り切った動作。
被り物である事を感じさせない動き。
強靭な持久力。
そしてなによりも重要なのは夢を壊さない為、家族にもキャラクターをやってる事を喋らない強い意思。
しかし現実問題として守秘義務は守られなかった。
仕事帰りの居酒屋でゲストがいるにも拘わらず正体を暴露してしまうキャラクターの成り手達。
夢と魔法の王国は崩壊寸前だった。
アメリカの親会社からある提案があった。
ゾンビを使ってみては?
というものであった。
以前からアメリカでは牛肉の特定部位を食べた事が原因と思われる奇病が発生していた。
脳死状態ではあるが身体は生きた人間の肉を求め動き続ける。
いわゆるゾンビ化であった。
ことがアメリカの食肉業界の根本に関わることであるから事態は極秘理に処理されてきた。
しかし研究を重ねた結果、ゾンビ達は高度な学習能力を有することが判明した。
訓練をほどこされ戦場へ派遣されるゾンビ兵。
一部は犯罪組織に流れ銀行強盗の実行犯にさるものもいた。
警察の銃弾を何発受けても歩み続ける模様は、弱点の頭に撃ち込まれるまでテレビで実況中継された。
アメリカ政府とも深い繋がりのある親会社はその学習能力に目を付けたのだ。
490 :
空中ぶらんこ:2006/05/02(火) 02:26:55 ID:2OD236QdO
早速ゾンビがアメリカから日本に輸入され、キャストでさえ立ち入り禁止のパレードビル内で訓練が開始された。
着ぐるみはゾンビ用に様々な改修が施された。
ゾンビの力を抑制する拘束機能。
腐敗を遅らせる機能(それでも夏時期は腐敗臭を抑える意味でもパレードやShowは短縮された)等。
ゾンビ演じるキャラクター達はゲストから好評だった。
疲れ知らずに演じ続け、人間離れした動き。
人間を食べようとゲストに抱き着く姿もじゃれあってるようにしか見えなかった。
その後ろでは万が一に備え、無線機を持ったキャストが目を光らせているのだが。
それでも時々事故は起こった。
特殊な薬物を混ぜた動物の肉を与えることでゾンビの食人欲を抑えてはいたが本能に目覚める時があり
ゲストが食べられることもあった。
この前も修学旅行の学生がふざけてアヒルのキャラクターの頭を叩いたら丸呑みにされた。
当然事件は秘密理に処理され、人さらい等の都市説程度にしか世間には認識されず仕舞いである。
テーマパークは見事に持ち直した。
結果に重役達は満足だった。
「夢と魔法の王国
しかし現実は童話の類いのように残酷なものだ。」
ゴミ清掃車に偽装したコンテナで運ばれるゾンビ達をみながら重役の一人がそう呟いた。
491 :
空中ぶらんこ:2006/05/02(火) 02:29:37 ID:2OD236QdO
以上です。
読み辛い文ですみません。
駄文駄作投下させて頂きましたw
お、リアルタイムで読んだw
倫理的に非常に問題あると思うけど、いいセンス、よかったです。
今後もよろ!!
とりあえず思いついたものを書き並べます。
もし「自作のSSに一部使いたい」という酔狂な方がいましたら、ご自由にお使いください。
場所:どこかの海沿いの街。海岸線と切り立った崖に挟まれた僅かな敷地にへばりつくように小さい街がある。
外部へ続く道は「のぼり」「くだり」と称される二本のトンネルと、街の中央部から崖の真ん中を突っ切る一本の山道のみ。
他の部分は崖が急すぎるので車両での移動は不可。徒歩でやっと移動できるほどの傾斜。
崖一面には、廃材で作られた壁。トンネルにはコンテナや廃車でバリケードあり。バリケードを照らすライトや街の住居に電気を供給する発電機の燃料は軽油。
海岸線には数隻の漁船。漁船は養殖用の小型船なので外洋までは行けない。燃料は重油。
港には小さい水産加工工場。漁船が採取した僅かな魚介類を住人全員に行き渡るように、すり身やかまぼこに加工する。ボイラーの燃料は重油。
市街地は十数件の民家、数件の店舗(雑貨屋、薬屋、スナック、金物屋)。公民館。
二軒あるガソリンスタンドのうち、一軒は完全に空。もう一軒も残り僅か。住人達はそれぞれの民家や倉庫などに住み着いている(100人弱)。
一部は丘で野菜を栽培している。
住人
◎市民 ・主人公。性別は男または女。特徴のない、ごく普通の性格。
・口のきけない男。本人は口がきけないだけだが、周りの人間は耳も聞こえないと勝手に思い込んでいる。
そのため、彼のいる場所で街の内情や企みも平気で話してしまう。彼自身はその話を聞いてもどうするわけでもなく、ただ聞いているだけ。
・住職。街外れの寺に住む坊主。背中一面に鬼子母神が彫られていることや、銃の扱いに慣れていることが、彼が生粋の坊主ではないことを物語る。
・スナックのママ。街にあるただ一軒のスナックのママ。立場上、街の男達の裏事情を良く知る。その場その場でもっとも強い力を持つグループに従う性格。
・大口叩き。二人一組のチンピラ。口ばかり達者で実際はなにもできない。機会があれば街を逃げ出そうと思っている。
◎「政治家」 ・‘村長’。男。元は村役場の平の職員。村長の立場を利用して食料や金品を実質的に独り占めしている。
・‘助役’。男。村長同様、元は平の役場職員。村長の腰ぎんちゃく。
・‘防衛大臣’。男。元は街の駐在。異常な現状に精神が疲れきっている。
・‘産業大臣’。女。元はガソリンスタンドの店主。現在は僅かに残る石油燃料の管理、配分を担当している。
◎「漁師」 ・漁師のリーダー。街の食糧供給を支えているのは自分達だという、自負心が強い。燃料の配分を巡ってハンターグループと対立。
・水産加工工場社長。数人の従業員とともに、漁師達が獲ってきた魚介類を加工している。立場上、漁師側にいる。
◎「ハンター」 ・ハンターのリーダー。猟銃所持者で構成されたハンターグループのリーダー。街の防衛ラインを維持しているため、自分達こそが街の支配者であるという考えを持っている。
燃料の配分を巡って漁師たちとは対立。また、政治家グループに対しても従っているのは表面的な面のみ。ちなみに、銃の扱いは意外と下手。
◎街を取り囲むゾンビ
・少女A・・・外見7〜8歳の、金髪にフリフリのドレスを着た、フランス人形のような風貌のゾンビ。
青白い肌を除いてはゾンビには見えない。知能は高く、他のゾンビを取りまとめたり危険を察知して回避したりする。
・メイド・・・メイド喫茶の店員のゾンビ。蓋の取れたケトル片手に、ご主人様という名の獲物を求める。
・ザップ・・・ヘルメットにニッカボッカといういでたちの、林業作業員のゾンビ。伐採用のノコギリを持つ。
・首吊り男・・・首吊り自殺者のゾンビ。腐敗のため、両手足がグローブのように肥大、眼球も半分以上飛び出ている。
・女子バレー選手・・・実業団バレーチームの選手だったゾンビ。ブルマから伸びた太ももにはヒョウ柄のように無数の死斑が浮いている。
・バーベQ・・・腹に鉄パイプが串刺しになっている青年のゾンビ。
・ヘドロゾンビ・・・海中にいる、腐敗が極端に進んだゾンビ。入水自殺者か遭難者のなれの果てで、潮の流れに乗って漂流している。
・マッドマン・・・精神病院の患者のゾンビ。さるぐつわを噛まされ、拘束着に身を包む。
秋葉から田舎の村まで歩いてきたのか?>メイド
ゴメン
ありきたり過ぎてつまんないや。
498 :
通勤電車男:2006/05/02(火) 22:40:16 ID:QTH9FZ4fO
空中ぶらんこ様、新作お疲れ様です!。
数年前某ネズミ国へ行った時、有名キャラに抱き付かれた事がありました。
夏場という事もあり微妙に強めのスメルが漂ってきて
「あぁ、中の人も大変だなぁ(^_^;)」と、今思えば呑気な事を考えておりました。
アレはじゃれて来たのではなく、喰いにきていたのですね・・・危なかった(・ω・;)。
GWどこ行こうか迷いましたが、ネズミ国じゃなく温泉に来て正解だったかも。
露天風呂に浸かり右手にビール左手には携帯、見てるのは2ちゃんねる(^。^;)。
ダメな大人まっしぐらですが、夜空に浮かぶ月を酒の肴にゾンビ小説を読むのも
なかなかです!悪酔い必至ですが(^。^;)。
新作ショート作品ありがとうございました!。
通勤電車男さん、面白いなw
500 :
バジルチキン:2006/05/03(水) 23:15:11 ID:/t0UbCAo0
さあ、みなさん、お待たせしました。
2006年度2ちゃんカップ「デスレース」いよいよスタートの時間となりました。
本日の出走はゼッケン1番「少女A」、以降順に「メイド」「ザップ」「首吊り男」「女子バレー選手」
「バーべQ」「ヘドロゾンビ」「マッドマン」の8選手となっております。
初めてこのレースをご覧の方にあらためてゲームを紹介しますと、このスタジアムの閉ざされたコースを
80周、生身の人間であるペースメーカーが走って逃げ、それをゾンビが追いかけるものです。
ペースメーカーが完走した後、最初にゴールしたゾンビ、あるいは途中でペースメーカーを捕まえたゾンビが
優勝という非常に簡単なものです。
そしてペースメーカーを務めるのは前大会同様通勤電車男さんです。この方は自他共に認める
ゾンビフリークで前回は頼りなくもしぶとい走りでゾンビたちの追撃を振り切りました。
その前のペースメーカーのゾンビとチン〜氏は残念ながら途中でゾンビに捕まり非業の最期を
遂げられたのですが、この通勤電車男氏は懲りずに再度の参加、どういうつもりなんでしょうね、
解説のおやじさん?
「物好きなこったね。何考えてんだか、当の電車男に聞いて見なけりゃわかんねえってことよ」
ありがとうございます。パドックのゴミ文さん、ナマゾンビは初めてだそうでそちらの様子はどうでしょう?
「ゾンビイタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜ー」
どうやら大分興奮しているようですね。
さあ、出走の鐘がなりました。ペースメーカー氏がゆっくりと走り出します。
そして、100m離されたところで今、ゾンビ達のゲートが開きました。デスレース始まりました!!
先頭に踊り出たのは「女子バレー選手」、少し離れて「マッドマン」、やはり腐敗が進んだ選手は
思ったように走れないようですね、そして物を持っていたり身体に物が刺さっている選手も不利なようです。
どうでしょう、おやじさん?
「バレーのねえちゃん、大したもんだな。それから松戸って野郎、走るのはいいが電車男を捕まえた時に
あんな拘束具や猿轡じゃ手も足もでねえってことよ、、、おう、ヘドロ野郎もうバラバラじゃねえか」
501 :
バジルチキン:2006/05/03(水) 23:16:59 ID:/t0UbCAo0
以上、、、関心を持たれた方はご自身でレース展開やオチを想像してくださいなorz
それと勝手に登場させた住民のみなさん、ごめんなさいです。
502 :
通勤電車男:2006/05/04(木) 00:09:08 ID:6kyWLfTHO
バジルチキン様、新作お疲れ様です!。
追われてるΣ( ̄○ ̄;)!?。私温泉とかのんびり浸かってる場合じゃないんですね!?。
あぁ、せめてスタート前にごみ文さんとおやじさんにサインを(^。^;)。
いろいろな作者様が登場していてGWらしくとても賑やかですね!。
できれば途中のレース展開もみてみたいです!、と言うか餌にならない様頑張ります(>_<)!!
さて、スタジアムを80周・・・一周400mとして400×80=32000m。
32`Σ(>_<)!。・・・うゎー、通勤距離よりながーい・・・(T_T)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
503 :
カレー羊羹:2006/05/04(木) 01:24:02 ID:6ZXPphYm0
第1話 ヒーロー登場w
やあ、俺の名はゾンビマンA。
ゾンビの星からやってきた宇宙人だ。
俺の星は地球とほぼ同じような環境で地球人とほぼ同じ組成、意識からなる人々が
平和に暮らしていたんだ。
しかし不老不死を研究していたある研究所の公務員が新型試料を家に持ち帰った際、
誤ってデータをオンライン物質交換機「ny」に流してしまったorz
そして瞬く間に人々がゾンビ化して俺の星は死者の星になってしまったんだ。
俺はやっとのことで母星から一人脱出することに成功したんだがその時、既に感染していた、、、
俺も不用意に「ny」にアクセスして感染した愚か者の一人だったのさw
なんとかこの地球にたどり着いた時には全身ゾンビ化していたのさ。
さて私もこの星でたった一人で生きていかなければならない。
調べた結果、どうやらこの星の人たちの考え方、特に善悪観は私達と同じようだ。
ならばこの星で誰もが「悪」だと思う輩を私が食料にしても問題はあるまい。
巨悪だとさすがに世の中に与える影響が大きすぎて私の存在が露見する恐れがあるが、
いてもいなくても変わらないような、君たちのいうDQNって小悪党?なら喰っても問題ないだろ。
君たちが忌み嫌うDQNとやらも少しは減るわけだ。
もちろん死体が増殖しないよう配慮はする。善き人達に危害を加えるつもりもない。
だから夜、外を歩いていて、いかにもゾンビって風体の男が彷徨っていても気にしないでくれ。
504 :
カレー羊羹:2006/05/04(木) 01:27:25 ID:6ZXPphYm0
第2話 ??謎の大佐??
そんなわけで俺の地球での生活が始まった。
すでに10人ほど、俺の食料にさせてもらった。
強姦魔、オレオレ詐欺、幼児虐待親、2ちゃんねらー、放火魔、サヨク新聞記者、
そして俺が最も憎む、俺を今の俺にしてしまった原因と同類のデータ流出公務員、、、
昼間はアキハバラとかいう街の近くの廃ビルの中に潜んでいる。
万が一見つかっても地球人の言う「コスプレヲタの危ない香具師」と思われてそれで済む。
さて、今日も食料調達だ。
夜の街に繰り出す。
アキハバラに出るなり、いきなり変な格好の男に出くわした。
シャア・アズナブル大佐!!
俺が調べたところ地球で大人気のアニメのキャラクターだ。
大方、いわゆるアニオタ、コスプレイヤーの類だろう。いなくなったところで誰も困らないだろうな。
根城のそばでの食料調達は足が着く恐れも高いので気が進まなかったが今日は疲れてたので
今夜のディナーはこいつに決めた。
後から接近する。
ん、、足取りがおぼつかないな、、、酔ってるのか?
大佐が振り返る、、、俺の顔を見ても無関心、驚く気配もない、、、、、、、、、、
いや、そんなことより待てよ、こいつ、、、俺と同類、、、ゾンビじゃないか、、、
なんで俺以外にゾンビがいるんだ、、、
505 :
カレー羊羹:2006/05/04(木) 01:34:34 ID:6ZXPphYm0
さーて新作投下です。
今まで、推敲を重ねてうpした中編よりも思いつきで適当に書いた
短編の方がマシな評判のorzな私がまんをじして行き当たりばったりで
書いていく所存でございます。
続けざまに電車さんを登場させて無礼を働きましたが今回は登場しないよう
計らいますので御容赦のほどを(あくまで予定)
不評の嵐になったり途中で飽きたらやめますので御勘弁を。
506 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 08:44:58 ID:qqC3sm6oO
ここを見ていると、本当にゾンビって奥が深い。作者の皆様、住人の皆様にとって楽しいGWになるように祈っております。それにしても、チンパンウッキーの恐ろしいこと・・・。ゾンビの原因、発生場所はシェラレオネで決定ですな。
以前、ここかどこかのゾンビスレでシエラレオネが出てくる話しを書いてた人がいたようなw
508 :
通勤電車男:2006/05/05(金) 00:25:29 ID:2mY+Hb/TO
カレー羊羹様、新作お疲れ様です!。
春らしく爽やかなスタート!、ゾンビの口から「やあ、」ってセリフがでるとはf^_^;。
そして獲物はシャア大佐!。通常の三倍何かが早いのでしょうか!?、とりあえず
「足なんて飾りです!」な展開が期待できそうですねo(^-^)o!。
私もそんなセリフをつい今しがた一緒に温泉に行った同僚にぶつけた所です。
まさかの帰りの車が途中で謎のエンジントラブルΣ( ̄○ ̄;)。足があっても動きゃしません。
助けて!ゾンビマンA!。早く来てJAFさん(^_^;)!!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
>>通勤電車男さん
脚なんて飾りは赤の人が言ったんではなく
メカニックの人が言ったんですよ。
どーでもいいですけどね。
あえて突っ込んでみました。
通勤は「足なんて飾りです!」な展開を求めてるだけで
シャアが言ったとは書いてない罠
ゾンビは腕なし足なし当たり前やからそれと掛けたかったん
ジャマイカ?
511 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/05(金) 19:58:59 ID:4KzwtzZw0
通勤ちょっと出過ぎでうざい。
たいしてオモロないし。
>>511みたいなのって必ずいるね。
ゾンビ映画でいえば「生きたまま内臓貪られ」系
>>511仲間見捨てて逃げてゾンビに喰われちゃう系w
514 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/05(金) 21:15:59 ID:U6rl6D8qO
通電車男さん、私は好きだ。作者さんの良い部分をちゃんと見てると思う。読者代表として、どんどんコメントしてほしい!と、私は高評価してますが。
515 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/05(金) 22:23:42 ID:4KzwtzZw0
>>512,513
偽善ぶって結局ゾンビに喰われちゃう系ww
例えるならゾンビに噛まれた仲間を助けようとして、でも結局
その仲間に喰われちゃって、痛い思いしながら「助けなきゃよかった〜」
なんて後悔してるようなww
>>514 感想を書くのは別にいいけど、お前の日常なんかきいてねーよってカンジ。
しかもネタくさいし。
516 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/05(金) 22:40:13 ID:I3fPDUfX0
>>493 鹿児島にその地形そっくりの漁港町、存在しますよ。
山側には風力発電の大型風車もあるから、篭城に最適な場所です。
それでわ駄文投下。厳密な意味でのゾンビSSじゃあないですが。
虹色の光のトンネルを抜けると、そこはMMOゲーム『センチュリー・オブ・ザ・デッド』の世界・・・一面に広がる朽ちかけた街並みのフィールド、
遠くからは他のプレイヤーとおぼしき銃声。
さてまず最初に所持品のチェックと装備・・・と言っても、初期装備に“銃”を選んだオイラに与えられたアイテムは少ない。
『38口径5連発リボルバー・ニューナンブ』『専用ガン・ベルト』『38sp弾30発』『スピードローダー1個』のこれだけ。
他の初期装備“バット”や“木刀”等の打撃系に付属する防具や回復アイテム『作業服一式』や『食料』『医薬品』
または“アーチェリー”“クロスボウ”と言った同じ飛び道具系でさえもオマケとして付いてくる『ナイフ』や『ライター』等の道具さえも無し。
ゲームバランス上の措置とは言え、わびしい限り・・・まぁ、フィールド上で必要なアイテムをゲットしていくのも、
こういったサバイバルゲームの醍醐味でもある訳なんだけど。
銃とスピードローダーに弾を込め、ホルスターに収めると、さぁゲームスタートじゃ!街の中心めざしてひび割れたアスファルトの道を進む。
途中、道端に落ちてるコブシ大のコンクリ片を拾ってみようとするが、そのモノには触れる事は出来るのだが、
いざ持ち運ぼうと掴んで渾身の力で引っ張ってみてもピクリともしない・・・どうやら背景の一部となっている様だ。
む〜ん。せめて弾節約の打撃武器の代わりにならんか?と思った故の行動だったのだが・・・。
それでも道端の目に付く物をかたっぱしから触ってると、動かせない物と動かせる物の区別が付くようになって来た。
・・・どうもアイテム化出来るモノは、表面から微かに発光してる物に限られる様だ。
唯一拾う事の出来た1m弱の角材を手に進むと、路地の壁向こうからゾンビ系ゲームでおなじみの濡れた足音と呻き声が・・・来たかゾンビタン。
角材を地面に置き腰からニューナンブを引き抜き安全装置解除・・・しぱらくすると目前の角から痩せこけたオッサンがフラフラと出現。
オイラに気付き、歯を剥き出して迫る。
銃口をヤシに向ける・・・ここで狙った的が射程距離内だと、銃口から一直線にレーザービーム状の赤い線『照準ポイント』が疾り、
それに合わせて引鉄を引けばほぼ百発百中になるワケだが、その射程距離は銃の性能とプレイヤーのレベル補正との兼ね合いがある訳で・・・
ぶっちゃけ今現在のオイラのレベルではよっぽど近寄せらないと赤いの出ません。
そんぐらい近づくんだったら殴った方が早い。ここは光線銃を使ったシューティングゲームみたく、銃に付いてる照星照準による目視射撃・・・パン!
5mくらい前のゾンビ目掛け1発!お、胸に命中、だけどちょっとよろけたくらいでゾンビタン、ノーダメージ・・・くそっ、今度こそ。
両手で構え、撃鉄を上げ、大きく息を吸い、良く狙いを定めて引鉄を・・・弾く!
弾丸は今度こそヤシの顔面ど真ん中に命中!霧状の血飛沫が舞う・・・ここらへんのグラフィックス、リアルやなぁ。
大の字ノックダウンのゾンビタン、そしてとりあえず10秒間待機のオイラ・・・これは某ゲーム関連板で仕入れた情報だけど、
通常死んだソンビは10秒後にはフィールド上から消滅する運命。消えないゾンビは死んでないか、なんらかのアイテムを所持してると言う話。
う〜ん、確実に死んでるはずだけどそう思って油断した所でガブリ!て言うのがありきたりな展開やし、
本来はここでもう1発ブチこんでトドメ刺すのが安全なんだろうけど弾もったいないし・・・そうだ!。
角材を拾いヤシの足をツンツン・・・無反応。今度は手を叩いてみた・・・また無反応。
よしトドメ!とばかし、ゾンビのドタマを思いっきりどついてみた・・・ゾンビまたまた無反応、しかし角材折れてもうた・・・うわっモロ杉。
こりゃ、実際の戦闘じゃ使えん。やはり拾い物はアカンのか?。
とにかく角材クンの尊い犠牲により、ゾンビタン完全にくたばってるの確認。それでわ所持品検査♪所持品検査♪・・・おおぉグロいキモい。
流石R−18指定、これで匂いとか認識できたら触る所の話じゃなかったよ。
ヤシのボロボロ服まさぐってると胸ポケットから9mm弾の空薬莢一個発見。なんでも某所に逝けば空薬莢10個で実弾一個と交換出来るそうな。
それまで大事に取っとこ。
アイテム回収したらすぐにゾンビタン消滅。周りの路上に飛び散ってた血痕とかも跡形も無く消えた。
ふむ・・・なんとなくだけど“掴めた”ぞ。こういう感じで進んでいくんやね。
だとしたら、今さっきみたいにゾンビ一匹に2発使用なんて贅沢杉、マジに節約せんと。拳銃は最後の武器じゃけぇの。
ニューナンブのレンコン弾倉から使った分の空薬莢を抜き、実弾を込める。勿論、空薬莢は捨てないで取っとく。
さて、まずはゾンビどついても壊れない道具探さないと。やっぱりホームセンターあたりにでも逝ってみるか。
リアルタイムで乙華麗!
空想の妄想垂れ流し・・・某SSの影響過多でげす。
sageてくださいな。
すんまそん。
続きまだーチンチン(AAry
525 :
通勤電車男:2006/05/06(土) 00:42:43 ID:JSzHOpG3O
オンラインゲーム厨様、新作お疲れ様です!。
ネット対応某有名ゾンビゲームな感じ・・・と言ってよいのでしょうか(プレイした事ないので)。
様々なスキルと背景を持ったキャラとの絡み&操作してるプレーヤーの寝不足との戦い(^_^;)!
いろいろ想像して今からとても楽しみです!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
>電車
お前、大人だなww
応援してる、懲りずに感想うpし続けろな
先日MXでやってたレッツゴー番長デッドオアアライブ2005版がいたく気に入った。
むしろ作家が邪魔になってきたw
電車メインでツマラン作家は黙ってろって感じだ、電車ファンも多い品
電車氏乙〜とは言いつつ、ちょっとif的続きなバッドエンド投下。
ムムムム・・・予定が狂っちまったぞ。
ビギナープレイヤーの訓練フィールドを兼ねる、この「ビギナーズタウン」で出来る限りの回復アイテムや防具をゲットするつもりが、
対ゾンビ戦闘や他プレイヤーとのアイテムの奪い合いでライフゲージがレッドゾーンまで減っちまったよ〜。
しかも銃の弾も残り僅か、肝心の回復アイテムもゲット出来ず。そんでもって現在ゾンビの群れに囲まれてドツボ状態。
・・・こうなったら予定を大幅変更するしかないか。
よし特攻!隠れてた路地裏の物陰からダッシュ!ゾンビ目掛けて最後の弾を乱射する。
オイラに迫るゾンビ軍団。ウヒャ〜ションベンちびりそうな恐怖感。
3匹程倒して見事レベル5にレベルアップ、だけど弾無くなりました。そして路地の奥は行き止まりで逃げ場所ありません。
ゾンビ軍団に空いた隙間を抜いて強行突破!だけどすり抜けようとした瞬間、
横からタックル!?げっアンタは一番最初にオイラがPKした元プレイヤ-『ヘリ某屋』
ニューナンブのグリップで殴ろうとしたら、同じく元プレイヤーのゾンビ『錆ー菜』に押さえつけられた。残りのゾンビがのしかかって来る・・・
ウギャ痛い痛い!そんな所噛むな、ああ〜ヘソに指突っ込むナァ腸引き出さないで〜おぉぉぉやめろォォォジョッカァァァァ〜・・・・・・
・・・・・一旦、ブラックアウトしてた視界が甦る。
見るとオイラに群がって死肉喰らってたゾンビタン達が満足して散らばってく所だった。
あ〜あ、やられちゃった。もう少し『人間』として楽しみたかったんだけどナァ。
目前の赤字の選択ポイント『このままゲームを終わりますか?それとも“ゾンビ”として甦りゲームを続けますか? YES or NO 』
のYESを選択。
おどろおどろしいBGMと共に、新たなライフゲージが立ち上がる・・・よっしゃ復活!。
去らずに待ってたとおぼしき『ヘリ某屋』と『錆ー菜』が片手を上げる。
【やぁ、お肉まいう〜】【おかげでレベル3にレベルアップしちゃった♪】
【いやぁ〜こんなに早くやられちゃうとは〜】
【まぁこれからはゾンビライフを楽しみましょう同志】【ていうか、元々俺達“ゾンビ”志願だし】
【あ〜、どおりで銃持ってるオイラに正面から向かってきたんだぁ】
【で、どうする?いっしょに行動する?】
【そうですねぇ〜しばらく居させて下さい。ただチームを組むかどうかは後日判断という事でOK?】
【OK、OK。ヨロシク】【ヨロ〜】
【コチラこそヨロシク〜】
【でわ新たなエモノを目指して移動しましょう】【見て見て〜レベルアップして“早歩き”習得〜】
【おおぅ〜〜〜オイラ出来ね・・・そう言えば道具使える様になるのはレベル10から?】
【いやレベル15から。10は“忍び歩き”で足音消音】【新人には、どっちにしろ遠き道程】
【う〜早くレベルアップすべぇ〜おなかすいたぞ〜】
【肉〜人肉〜♪】【脳味噌よこせ〜】
【出来れば美少女の胸肉きぼんぬ】
【ぴんくの乳首モレのもの〜】【うひゃひゃひゃひゃ】
【美幼女でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ん〜まぁ乙
電車早く来いw
>>529 何こいつ?そんなに電車が好きなら専用スレつくって
ここから出てけよ。そんなこと言ったら作品投稿しにくくなるだろが。
電車も電車派もホント邪魔。スレ違いもいいとこ。
作家様、気にせず投稿して下さいね!
535 :
↑の頭の中:2006/05/06(土) 18:36:10 ID:6aviW4270
電車=くだん
電車叩くようなやつが良質作家をおいやったんだろうなぁ・・・
電車も作家さんも投下楽しみにしてます!!
携帯片手に朝晩このスレ見るの楽しみにしてマス!!
>>535,536
俺はくだん氏の作品好きだったぞ。
それに作家様に対する文句も書いたことない。
ただ作品も書かずに、頻繁に現れては
下らない日常生活をさも面白いことのように語る電車と、
そんなスレ違いを支持する奴らがウザイだけ。
そんな電車を叩いてるお前もウザイわけよ。
そんな無意味な書き込みでもスレ容量減ってくんだからw
>>539だったら作家様が作品投下したらちゃんと感想も投下しなさい。
電車さんの素晴らしいところはどんな作品でも一つ一つ丁寧的確な感想を寄せてるとこだ。
折角作家さん達が投下した作品もなんの感想もなくスルーされる事も多かったが、電車さんがレスを寄せてからそんな事もなくなった。
電車さんは作家さん達とゾンビさん達と同じ位このスレに必要だw
同意。電車はこのスレに必要なのだよ
>>540 お前らの「電車さん面白〜い」っていう下らないレスの方がウザイし、
無意味で無駄なスレ消費なんだよ。それに感想を書くのはかまわない、と
俺は前にもいったぞ。ただネタくさいつまらない日常生活がうざい、
といってるだけ。このスレは作家様の作品と、それに対する感想で成り立つ
べきもの。そんなに電車の日常に興味あるなら、専用スレたてて、そこ行け。
アンチも信者もきめえwwwwwwww
もちつけ
そう、落ち着け。
オンラインゲーム厨乙。
543 オメーが515で書いた意見を聞き入れたのか、通勤は前回のカキコは感想だけだったじゃん。叩く根拠無くね?連休残り少ないからってイラつくなよ。
それにな?511でいきなり叩き出したのはお前だろ。お前自分で「このスレは作家様の作品と、それに対する感想で成り立つべきもの」
なんて言っといて自分からうざくなる種撒いてんじゃね〜か?
541が言った通り感想位つけろや。それに確かに通勤がレス付ける様になってからは新作多くなったろ?
作者投下→通勤感想レスって流れでいいじゃねーのよ。あとテンプレと空気は読んどけな。
あと通勤、お前もしばらくはおとなしくしとけ。今来ても荒れるだけだ。
俺も無駄に容量つかっちまった。すまん。あたまひやしてくる。
しがない駄文垂れ流しの意見ですが、漏れみたいな存在に対しても律儀に感想してくれる方はありがたいッスよ。
こうですか?わかりません(>_<)
/\⌒ヽペタン
/ /⌒)ノ ペタン
∧_∧\ (( ∧_∧
(´Д`)) ))(・∀・;)
`/ ⌒ノ (⌒ヽ⊂⌒ヽ
(O ノ ) ̄ ̄()__ )
`)_)_) (;;;;;;)(_(
お前ら、くだらない喧嘩なんかすんな
・感想に対する感想レスなんかつけんな
・SS書かない奴がコテつけんな
でいいだろ
>>529みたいな本末転倒なヤローに頭に血が昇ってたんじゃない?。
でも通勤さんが消えるとこのスレは確実に
過疎るw
552 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/07(日) 01:11:36 ID:MUsppM7W0
>>553 俺が消えろって言ってんのは信者にですが?
SSスレでSS書かない奴にコテはずせってのは当たり前だろ?
なるべく信者にレスなんか返さないで馴れ合わない様にしてたのに何で叩かれたと思う?
なんで信者は、一番迷惑かけちゃいけない人に迷惑かけて平気でいられるの?
555 :
かしわ餅:2006/05/07(日) 02:02:50 ID:MSXRms8/0
「やべっ!終電ギリギリだ、、、早く帰って2ちゃんチェックしないと」
セーフ、なんとか間に合った。これで今夜も電車を叩ける。
突然電車が停まった。
「・・・お急ぎのところ申し訳ありません。ただいま線路内にお客様が立ち入ったため・・・」
なんだよ、ちくしょう。酔っ払いか?
車内を見回すとここにも酔っ払いが大勢いる。青白い顔して身なりも薄汚れている。
「ギャーーーー」
女性の悲鳴、、、酔っ払いの一人が隣の女性に抱きついたようだ。
おいおい、、、なんだよ、、、
女性血まみれだよ、、、、
これが引き金になったのか車内のあちこちで同じような光景が繰り広げられはじめた。
逃げまどう人々、電車のドアを開けて車外へと逃げて行く。
「ひぃぃーーーーーー」
自分でも情けない声をあげながら、俺も電車から飛び降りた。
もうね、何が何だかわからない、、、
556 :
かしわ餅:2006/05/07(日) 02:03:47 ID:MSXRms8/0
「こっちだ!」
何人かが逃げる方向へと続く。
柵を乗り越え、街へと戻った。あらためて気がついたが街は赤色灯だらけだ。
救急車、消防車、パトカー、あらゆる緊急車両が走り回っている。
「これはきっとゾンビですよ」
一緒に逃げている男が突然言い出した。
(はぁ、何いってんの?こいつ、、、)
とは思ったものの否定する要因も思いつかない。俺もゾンビSSマニアだ。
まさか現実になるとは思ってもいなかったが多分そうなのだろう。
「とにかくどこかに避難しないと、パトカーのそばに行けば、、あっ!」
誰かが俺に抱きついてきた。血生臭い匂い、やべっ、、、
すると今喋っていた男が俺の背後に突進した。
身体が自由になった。
「ギャッ!!」
557 :
かしわ餅:2006/05/07(日) 02:06:22 ID:MSXRms8/0
男が噛まれたようだ。噛まれながらも持っていた棒のような者でゾンビを打ち倒す。
「ありがとう、しっかりしてください」
男を抱き起こすが首を噛まれたようで瀕死の状態だ、、、
「いえ、僕はもう駄目です、、、貴方だけでも助かってください、、、」
「そんなことはない、しっかり!」
「僕だってこういうことに詳しいんです。もう駄目です。
ゾンビになるのは嫌だから僕が死んだら頭を潰してください、、、
こんなことになるならいつもみたくゾンビSSを読み耽って電車に乗り損ねてれば、」
男は息絶えた。花柄の傘を握りしめながら、、、
「まさか、、ね、、」
俺は傍らにあった岩を持ち上げた。彼の頭を狙う。
「どうもありがとう電車、そしてサヨウナラ。こうしてくれる!!」
という夢をみました。
かしわ餅タイムリー乙。
通勤がコテ名乗るか迷ってた時に一言注意してあげればよかったのに。
本人がコテ初めてだって言ってたし。
なんか通勤も板挟みで気の毒になってきたよ。
作者さんも通勤さんも、決して誰かを攻撃するようなことはしていないのだから、今までどおりマイペースに続けるべき。
気に食わない作品やレスは、誰にとってもあると思う。だが、それを理由に攻撃しちゃいかん。
561 :
552:2006/05/07(日) 16:06:27 ID:MUsppM7W0
安価を間違えてた…すまん。
電車がいると過疎の心配はなくなるからいてほしい。
>>547 最初にスレ違いのことをやり始めたのは電車の方だろ!
一、二度位の書き込みとか、感想だけの書き込みとか、
そういうのだったら最初から文句言わん。
うざくなる種まいたのは電車と、電車をやたら褒め称えて調子のらせた
奴らだろ!スレ違いを指摘してるのに、よくそんなこと言えるな!
黙ってss読んどけ。議論したって平行線なんだから意味ないし。
かしわ乙。
なんか必ず一度は荒れるね
過疎
↓
何かの弾みで作家さん達の作品投下が増加
↓
読者様達が贅沢になって、作品いらねー!気に入らねー!とかアレやコレや難癖が発生。読者様同士のいざこざも発生
↓
一気に過疎
↓
昔を懐かしむ読者様達
↓
いやいや、昔は週一で保守するぐらいだったからよー
とか言って慰め合いながら作家さんを待つ読者様様達
↓
上に戻る
PS.かしわ様乙ですw
ま、562さんよ。テンプレ読めって。511ではageた上にいきなりウザイって書き込んだろ?。
そりゃ反発招いてスレも荒れるわ。
それ以前とそれ以降では板の流れが変わったろ。ここで通勤を援護する書き込みをした人達は、
実際はお前の書き込みに反発を覚えたんじゃね〜か?。
少なくとも俺はそうだが。スレ違いを指摘したけりゃ約束事は守れってこったな。
まあ、俺達が消えれば何事もなかった様にスレ進行しそうな気配だけどな。
もうね、電車叩きの人は放置。
どうせ「何人も」いるんだからやらせとけって。
擁護派、どっちでもいい派は余計なレスしないでね。
なんか、作品投下しにくい雰囲気ですねぇ・・・
まーな。でもいままで通り作品落としてりゃ奴もつられて感想つけに戻ってくんだろ・・・
日常話をやめろとは言わんが程々にしときゃ文句も言われんだろし・・・
そーすりゃここも元通り・・・。それまでは・・・まあ・・・ぼちぼちといくべぇ・・・
570 :
569:2006/05/08(月) 02:50:20 ID:qtz2FcvoO
NGIDとかの活用を何故しないのか疑問である。
と、そんな僕は今までROMオンリー('∀`)
>>566 ごめん書きたくなった
572 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/08(月) 21:01:19 ID:aXDvjL8y0
スレ違いのやつらがよく俺を責めることができるな!
先にルール違反したのはお前らだろ!何べんも言うけど、
そんなに電車が好きなら別スレたててこっから出てけ!
特に565!先にルール違反した奴が約束事守れなんて
偉そうにいうな!今までスレ違いをスルーして、それを俺が
スレ違いでうざいって言ったら、自分は電車派なもんだから、
さも俺が一番悪いように叩きやがって!お前みたいな自己満足の
正義感振りかざすやつが一番腹立つんだよ!
自分の意見を言うのは良いけど、とりあえずアゲるなよ。
574 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/08(月) 21:15:50 ID:MdRqDHTVO
_, ,_ パーン
( ‘д‘){ウルセーよ
⊂彡☆))Д´)←
>>572
_, ,_ パーン
( ‘д‘){クセーよ
⊂彡☆))Д´)←
>>572
576 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/08(月) 21:24:46 ID:INM6+YLzO
572調子のんなよ 市ねよニート
先にルール違反した人に意見する時は、自らにはそのルールは適用されないと?。
自己満足の正義感振りかざすヤツが嫌いなら、まずは客観的にものを見れる人になりなさいな。
お前さんが自治房よろしく「スレ違いースレ違い〜」言う度に、通勤援護&お前を叩くレスが付いて
頭に血がのぼるのはよく分かるが、お前さんが
>>571の提案した通りNG指定して
通勤をスルーすればいいんじゃないか?。俺だってNGにしてるやつ居るぞ?、
別に珍しい事でも面倒な事でもないし。それにこのままだとこのスレはお前を叩くスレになって
「別スレ立てろ!」って言われかねないぞ。通勤の日常話が嫌いなのはよく分かったが、
ここはお前の不満をうpするスレでも、俺の意見をうpするスレでもないやな。
そろそろお互い消えてSSの投下を待とうよ?。
>>572 電車なんて気に入らなかったら放置すればいいのに、
何度も何度もぶり返してお前の方が邪魔なのww
>>572さん、あなたが通勤さんを嫌いに思うと同時に、通勤さんを好きな人もいるというだけの事。
コテ付けて感想書くのはルール違反?そうではないはず。あなたはまず、通勤さんをスルーすれば良い。
自分が気に食わないレスがあると突っ掛かる。それでは思春期の子供と同じ。
せっかくの貴重なレスだから、落ち着いて作者さんの投下を待ちましょう。
>>580 うむ、スマン。引き続き作者さん宜しくお願いします。
俺は電車男じゃないんだが、、、
昨日、都心で飲んでて9時半頃に解散して銀座線、、、渋谷で車掌に起された。
井の頭線に乗って5分くらいの駅なんだが気がついたら吉祥寺にいた。
そのまま乗り続けていて気がついたら井の頭公園駅の下り線に乗ってた。
また吉祥寺に戻って折り返したら次は渋谷だったorz
もう寝過ごせないから立った。
井の頭線に2時間以上乗ってた気がする、、、
つまり、くだんさんの話が懐かしいな、と。駅員さんの世話にはならなかったけど。
長机とかでゾンビが路線に侵入するのを防いでたシーンか。あれは熱かったな。
それを写メで撮ってる乗客ってのもなんかありそうで良かった・・・。
歩って帰ればいいのにw
585 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/05/10(水) 22:33:24 ID:sJR8C2J00
七月一日
今日はとんでもないことがおこった、今までにないゾンビだ。
観覧車周辺を征圧しようと仲間達と突撃、軽くゾンビに鉛の玉を食らわせていたら
一匹だけ色が赤いゾンビが現れた、なんとそいつは共食いをしていたのだ。
こっちの銃声に気づいたのか恐ろしいほどのスピードで追いかけてきた、間一髪で俺の投げた手榴弾が奴にHIT
もう死んだと思っていたら・・それは違っていた、奴は腕を一本吹っ飛ばされて頭も半分なくなった状態なのに
まだ生きている
流石にマズイと感知したオレはパレットタウンへと逃げ込んだ。
これで安全・・いいえ・・違います、今度は奴は怪力でドアをこじ開けやがった。
こっからはオレとゾンビの知能戦だ、奴をうまいこと外へ追い出す。
一人が遠距離から銃を撃ち奴を誘い込んだ場所、それは・・ガソリンの海だ。
タバコを投げつければあたりは火の海、ゾンビはそのまま燃え尽きた。
今回は本当にやばかった。生きているのが不思議なくらい、しかしおかげでパレットタウンをてに入れることができた
ケーキやらなんやらが沢山合ったので俺たちはとにかく食べた、やはり食べることは生きていることを実感させてくれる
お台場全域は制圧したといっていいだろう、あとはビックサイトだ!!
ゾンビと知能戦やって負けたら嫌だなあ、、、、ウォさん、乙!!
乙です!面白いw
お疲れさまッス!…あ、ガソリンはタバコの火の温度じゃ着火しないんですよね…って、スマンです。
ウォーさん乙です
シャー専用ゾンビですか?
なんかニュータイプ的な直感で襲ってきそうで恐いッスw
>>588 吸い込み時で900℃、灰皿に置いてある状態でも600℃位あんぞ?
>>590 ガソリンは、爆発力が強い変わりに燃えにくいんです。実験でも、タバコの火が消えてました。たしか450度くらいかな?
吸い込み時の温度なら着火するかもしれませんが、死んじゃいますね…
>>591 はて?燃えにくいつっても、500度くらいで燃えるんだが?それどこの実験結果?
それと今回のssだと、ガソリンが気化してる可能性が高い為、着火温度は
あまり関係ないと思われる。
>>592 確かにガソリンは500度強くらいで着火します。しかし、タバコって吸ってないときは意外と低いんですよ。500度まで達することはまず無い。
ガソリンは非常に気化しやすい燃料ですが、SSの様に開けた場所では着火しにくいようです。
実験は、以前テレビでやってました。『映画でよくある、ガソリンにタバコで火を点けるシーン。アレは間違い』みたいな企画でした。
ただ、静電気で着火したりと、気化ガソリンの事故も結構ありますから、とても試せないですね。
それに推測ですが、タバコが常に低温とは限らないので、このスレで話題に出したのが間違いですね。スマンです。
>>593 ・ガソリンの引火点(口火があれば引火する温度)は、
−40℃だから常温のガソリンならマッチで引火する
灯油とか天麩羅油(引火点が高い為、引火せずに消える)と勘違いしてる???
・ガソリンの発火点(火元なしで自然発火する温度)は約300℃
それかこれと↑勘違いしてない???
要約すると、「−40℃以上」の「ガソリン」に「火種」を落とせば燃える筈なんですが???
ほとんど脱線してるがついでにスマン。
車のスパークプラグの火花ってどうよ?
昔バイクいじっててプラグコード持ちながらキックペダル押したら
ビリビリ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!
しばらくorzのまま動けなかったorz
>>594凄い知識だな。まさか放火(ry
次からのssではガソリンネタは要注意か…
やってみたら煙草消えた
ぐぐってみたwwwうはwwwwwすまんこ>
>>593 消防庁の実験によると、煙草では容易に引火しないみたいだな。。。
逆にライターの火なら確実に引火する模様
なんで簡単に燃える物質なのに煙草じゃだめなんだろ?('A`)
>>598 いえ、脱線させてスンマセン。
タバコの火が予想以上に低いんですね。300度で点火するなら、280度程度なんでしょうか?紙は250度で燃えるはずだし…
引火可能温度-40度以上なんですね。やはり、発火には300度が条件でしょうから、ガソリンが-40度以上の条件下で300度以上の熱が必要ってことですね。勉強になります。
スレ違いだからもうやめるが
>>599 >ガソリンがー40度以上の条件下で300度の熱が必要
引火と発火の認識が少し違う。端的に言うと
可燃物が引火点の温度+炎→燃え
可燃物が発火点の温度→勝手に燃え
(引火の例:ストーブに間違ってガソリン投入…灯油の引火点は確か50℃位だから
タンクに燃え広がらないが、ガソリンだと火だるまになる
因みにストーブがすぐに付かないのは灯油を引火点まで暖めないと引火しないから
(発火の例:天麩羅火災…鍋の油が発火点まで加熱されて発火→鍋の中が火事になる
コンロの火は鍋を加熱してるだけで、油に引火して火の手があがる訳ではない
(発火の例2:虫眼鏡大作戦…そのまんま
なんか危険物取扱乙四の試験を思い出したw
資格取ったのか?
ええなー
>>600 スンマせん、スレ違いと知りながらムズムズ…作者さん投下までの間。
引火点以上なら、300度以下の燃焼物を投下しても着火する、という事ですか?
いや、ホントスレ違いで…
久々。たしか441の続きからだったような気がするから441から
だが衝動を振り払った所で気持ちは変わらない。確実に目の前のそれは邪魔。
なら、どかす以外方法が無い。横を通り過ぎるのは危険だ。
全力で横を駆け抜ける場合横が無防備だ。
かと言って防御体制のまま駆け抜けるのは速度が微妙に欠ける。
ならこれを撃破し、突破するしかない。危険でも。
「ゆーちゃん?」
俺の気配を察したのか皐月が不安そうに俺を見た。だが、気にしない。
狙う箇所を定める。・・・よし。俺は足で思いっ切り廊下の床を蹴る。
集中するは、ただ一点。俺は全体重を掛けた蹴りを放った。
グボッ。 そんな、感触のあと。
ボキッ。と、狙った的の体内で何かが折れた感触が伝わる。
障害物は体をくの字に曲げ、壁に吹っ飛び、鈍い音とともにその場に倒れた。
「よし。教室にとっとと行くぞ」
「うん」
俺と皐月は教室へ走る。
━━━今から七年前。
「私は、君を死なせたくない。だが、どうしたら良い?医学では限界がある」
・・・・・・・。
「出来た・・・出来たぞ!死を無くす鍵が!これで、これでお前は死なん!
愛しい君よ。さぁ、これを受けとるのだ。あはははははは!」
・・・・・・・。
「あぐぁ・・・体が・・・あ゙ぁぁ!意識が薄レテテテテイググゥゥゥ。
愛しい君よ。何故、何故、何故、何故何故何故何故ナゼナゼナゼナゼェェ!」
さてはて・・・続きはまた出来たら投下するのでヨロシクです。
乙です!!!
607 :
通勤電車男:2006/05/14(日) 23:33:01 ID:tmopilzNO
通勤電車男です。
まず最初にお詫びを。
このスレの作者様・読者様、私を発端としてこのスレが荒れてしまい
大変ご迷惑をおかけ致しました。深くお詫び申し上げます。
また御指摘に有った様に、感想よりも雑談が多い時もあり、大変不快感を感じたという方に深謝致します。
本来ならこの様なレスそのものが御目汚しかと存じますが、
一言このスレをご覧になられている方々にお詫び申し上げたく、レスを致しました。
何卒御容赦下さいます様、お願い申し上げます。
と、それだけでは作者様方に失礼だと思いますので感想をば。
608 :
通勤電車男:2006/05/14(日) 23:34:41 ID:tmopilzNO
オンラインゲーム厨様&かしわ餅様&ウォーター〜様&ある男の見解様、続編・新作お疲れ様です!。
オンライン〜様、この陽気なゾンビ三匹の大活躍も見て見たいです!。「やめろオオオジョッカアアアア・・・〜」吹きましたw。
かしわ餅様、こんな漢気溢れる行動をしてみたいです!。無理だとは思いますが(^_^;)。
ウォーター〜様、地獄へ飛び込む豪胆さと、その後にちゃんと日記を付ける細やかさ。
お台場制圧の秘訣はこの辺りにあるのでしょうか!?。
ビックサイト攻略、頑張って下さい!。
ある男の見解様、謎の人物の回想。ひょっとして一番最初に投下された作品の「ある男」
に関係しているのでしょうか!?。深読みだったらスミマセン。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
609 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/15(月) 00:13:31 ID:tHXcjdTFO
ある男氏乙ですた。
それと電車へ。
オマイは特に謝る必要はない。むしろ謝るな。
悪い事をしてないのに謝るやつは嫌いだったり。。。。。
卑屈にならんで、これからもスレを盛り上げていただければ有難い。
>ある男さん
乙です。なかなかの急展開、続きよろ!
>電車さん
久々の登場、安心しました。
だいたいどこの板でもコテは叩かれるのがデフォなので気にせずに。
うpする側としてはたった一言でも感想をいただけると嬉しいものです。
匿名が売りの掲示板ですがコテハンを決して「使うな」というものではありません。
作者が名乗っていいなら読者だって名乗りたきゃ名乗っていいもんだと思います。
それと、花柄傘、しつこく使ってごめんなさいです。悪気はありませんので。
ネタにされやすいのもコテの宿命ですな。また出てもらうかもしれませんがよろ。
>アンチ電車の方へ
人が集まれば必ず自分の気に入らない人がいるものです。
私は当初から電車さんを歓迎してきたほうですが、そういう取り巻きも含めて
電車一派をウザいと思う人の気持ちもわからないではありません。
その辺、やりすぎた面があるというのでしたら反省します。
ただスレの雰囲気を乱してまで電車さんを批判するのもどんなもんでしょうか。
そこまで否定するほどのものじゃあないと思いますがw
電車さんの投稿は作品とは無関係なものもあるものの、決して他の人を罵倒したり
批判したりするようなものではありません。
ちょっとくらい気に入らなくても生暖かい目で放置してくださいよ、とお願いします。
これは書き逃げ、返信不要。(∩ ゚д゚)アーアー、キコエナーイ
611 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/15(月) 10:52:45 ID:V2X91WYAO
糞レス入れるな言ってんのに
マンセーしたきゃ自己紹介板でも言って馴れ合ってこい
電車が感想投下して叩かれてるんじゃなくて、信者が空気嫁ないせいで電車が叩かれたのがまだわかんないのか?
>>610さん
激しく同意です。
>>609さん
気持ちは痛い程よーく分かるけどもう
>>611さんには何言ってもダメだと思います。
>>611さん
大変言いにくいのですが、あなたは既にこのスレで[荒らし]となりつつあるかと。
スルー出来ずこのようなレスをしてしまい申し訳ありませんでした。
613 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/15(月) 12:00:41 ID:+ez/lFHE0
>>610 ちょっと人間性を疑う。
電車男については
すくなくとも悪いことはしていない、と
誰もが思ってる。
賛否両論はあるだろがな。
>>609の言うとおり。
問題になってるのは、おまえの
>反省します
と言いながら、長々と詭弁と欺瞞を
書き連ねる嫌らしい態度だろうが。
いい加減空気嫁よ。
ショーンに出てくるメガネ野郎みたいな奴だ。
あまりに
>>610の物言いが気持ち悪かったので
SS以外で初めて書き込んじまった。
>>611に同意。
614 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/15(月) 12:02:44 ID:+ez/lFHE0
>>612←どうやら本物のようでしたorz
もう何を言っても無駄なことがやっとわかったw
スルーするしかないやつっているもんだね
「皆は・・・どうしたんだ?」
教室についた俺達は、その惨状に唖然とした。
沈黙に伏す教室。散らばった筆記用具。ガタガタの机と椅子。
「・・・どう、なってるの?」
皐月の声が聞こえた。声は震えていた。目は校庭を見ている。
「どうした?」
俺もつられて、視線を追う。そして、知った。
校庭には生徒が溢れていた。皆、校門にすがり、でも敷地から出られない。
理由は簡単だ。学校は、何故か封鎖されていたからだ。
敷地は異様に高い塀で囲まれている。泥棒対策らしい。
校門を閉鎖したら泥棒はそう易々とは入れない。同時に中からも出られない。
「どうして校門が閉まってるの?」
「中から閉める以外の方法は無い筈。これでは外に出られない」
俺は校門にすがる生徒の後ろからふらふら歩く奴らが居るのを見た。
あれだけの生徒が束になると襲われた際に逃げ遅れる者が必ず出る。
その際、逃げる群れの中の誰かが襲われるのも時間の問題だろう。
不審者問題から時間が一時間経たずして学校はもう混乱の中。
「中と外、どちらが安全なんだろうな」
「ん〜。どっちだろうね」
どちらも同じだ。学校が封鎖している限りは変わらず同じだ。
敷地内なのだから。
「まず、校門を開けないとな。何処で開けるんだっけ?」
「確か本館4階のどっかだったと思うけど」
「曖昧だな」
俺達はとりあえず校門を開ける為に皐月の曖昧な記憶を頼り、本館四階へ行くことにした。
もしかしたらまだ不審者が学校内にいるかもしれない。
俺はその可能性に身を緊張させ、
「学校探検隊なり〜」
「・・・」
すぐに脱力した。
>>613 信者相手に30分以上もかけてマジレスすんな
せめてリロ汁w
>>614 >>612は文盲だから相手すんな
>ある男
読んでないけど乙ガンガレ
┓(´Д`)┏ だめだこりゃ
「これは二律背反か。あの子を助ける為に自ら禁忌を、忌物に手を出した私への。
消えいく命は生き長らえさせ、生きる命を喪わせ、命を定義に矛盾を生む。
あれは自我を消し、私に人を殺めさせ、そして人を食べさせる。
自分が自分でなくなるのも時間の問題、自我を繋ぐの理性は沫緒同然だ。
それは雪消で出来た澪の性質に似て、儚くとも変わらず、やがて途絶える。
私は、自らを消失せんとするこれの因果を調べる必要がある。
同時にこれを打ち消す対抗策を探求する必要がある。
もしかしたら他の人に移り人を蝕む存在になりうるかもしれない。
私は医者であり、探究者であり、願望を叶うことに存在の意義がある。
さもなくば、この身は片端に相違ないのだから」
━━━二日前
「出来た・・・が遅い・・・蝕まレテいく・・・もハヤ駄目・・・体・・・
'ユウリ'・・・生カシた・・・死ヌ・・・構ワナイ・・・
七年・・・経ッタ・・・私・・・自我・・・長ク生キタ・・・
アア・・・世界ヨリ・・・私・・・自我・・・消エル・・・
'ユウリ'・・・抗体・・・私・・・違ウ・・・私・・・止メテ・・・
弥勒ノ世・・・相反ス・・・天命・・・相反サズ・・・
美味シソウ・・・アノ人・・・食べタイ・・・」
619 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/05/15(月) 23:57:53 ID:D/3FKTk20
強化版
七月一日
今日はとんでもないことがおこった、今までにないゾンビだ。
観覧車周辺を征圧しようと仲間達と突撃、軽くゾンビに鉛の玉を食らわせていたら
一匹だけ色が赤いゾンビが現れた、なんとそいつは共食いをしていたのだ。
こっちの銃声に気づいたのか恐ろしいほどのスピードで追いかけてきた、間一髪で俺の投げた手榴弾が奴にHIT
もう死んだと思っていたら・・それは違っていた、奴は腕を一本吹っ飛ばされて頭も半分なくなった状態なのに
まだ生きている
流石にマズイと感知したオレはパレットタウンへと逃げ込んだ。
これで安全・・いいえ・・違います、今度は奴は怪力でドアをこじ開けやがった。
こっからはオレとゾンビの知能戦だ、奴をうまいこと外へ追い出す。
一人が遠距離から銃を撃ち奴を誘い込んだ場所、それは・・ガソリンの海だ。
そこで俺たちは車を撃ちまくりついに車は炎上、そのまま当たりは火の海、さらにおまけだ、集まってきたゾンビも殲滅させるため
そこに手榴弾を投げ込んだ!!!あんなにきれいな爆発は見たことがないくらいきれいだった、ちょっと泣いた。
今回は本当にやばかった。生きているのが不思議なくらい、しかしおかげでパレットタウンをてに入れることができた
ケーキやらなんやらが沢山合ったので俺たちはとにかく食べた、やはり食べることは生きていることを実感させてくれる
お台場全域は制圧したといっていいだろう、あとはビックサイトだ!!
七月二日
ビッグサイト、そこはもう人の住処ではなくゾンビの集会場となっていた。
冗談じゃねぇ、コレだけの相手をしてやれると思うか?だからオレはビックサイトをこの世から消し去ることにした
ありったけのガソリンをあたりにばら撒きあとはありったけの手榴弾を投げ込んだ
ボンッッッ!!!!と耳を敗れるような大爆発の音がしたと思って目をあければビッグサイトは炎上
数分後、消防車を分捕って消火活動、消すのに二時間かかったwww。
こげて原形をとどめていないビッグサイトを見てから俺たちは本当の勝利を確信した。・・そのとき
死んだはずのあいつがやってきた、いまいましい・・・レッドゾンビが!!
620 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/05/15(月) 23:58:28 ID:D/3FKTk20
七月三日
勝利!!!けが人零!!!今日はこれから宴だ
レッドゾンビの思わぬ登場、流石にこれはビビッタ。
ほかのやつらは先に非難させてオレ一人でこいつを殺すことにした、無謀すぎる。
オレはサブマシンガンを撃ちまくり奴の動きをしばらく止めバスに乗り込んだ
後ろから追ってくるレッドゾンビ、おれはしばらく狙っていたんだ、奴が海を背にする瞬間を・・・
作戦は成功だ、アクセル踏みっぱなしのバスに押されたレッドゾンビはそのまま海へとアボン
あぶくをたてながら沈んでいった。
完全勝利を伝え、ついにお台場は俺たちのものへとなった。
さぁ、さいしょにも書いたがこれから宴だ、アバヨ!!
七月五日
ハァハァ・・・どうやら・・ぞんび・・に・・やられた・・きづ・・で
おれ・・が・・ぞんび・・にな・・る・・みたいだ・・・
にっき・・さいごになる・・・でも・・もう・・いい・・
この・・まま・・うみ・・で・・し・・ぬ・・なかま・・めいわく・・かけられない
ゼヒッ・・・さよなら・・ありがとう・・ばいばい・・・
なんて言うと思ったかバーカwwwwwwwwww
お台場はいいところだ、食料も困らない、最高の場所だ
しかし・・次の地域がほしくなってきた・・・次は・・・つづく
┓(-Д-)┏本日のところはここまで
622 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/05/15(月) 23:59:49 ID:D/3FKTk20
七月三日
勝利!!!けが人零!!!今日はこれから宴だ
レッドゾンビの思わぬ登場、流石にこれはビビッタ。
ほかのやつらは先に非難させてオレ一人でこいつを殺すことにした、無謀すぎる。
オレはサブマシンガンを撃ちまくり奴の動きをしばらく止めバスに乗り込んだ
後ろから追ってくるレッドゾンビ、おれはしばらく狙っていたんだ、奴が海を背にする瞬間を・・・
作戦は成功だ、アクセル踏みっぱなしのバスに押されたレッドゾンビはそのまま海へとアボン
あぶくをたてながら沈んでいった。
完全勝利を伝え、ついにお台場は俺たちのものへとなった。
さぁ、さいしょにも書いたがこれから宴だ、アバヨ!!
七月五日
ハァハァ・・・どうやら・・ぞんび・・に・・やられた・・きづ・・で
おれ・・が・・ぞんび・・にな・・る・・みたいだ・・・
にっき・・さいごになる・・・でも・・もう・・いい・・
この・・まま・・うみ・・で・・し・・ぬ・・なかま・・めいわく・・かけられない
ゼヒッ・・・さよなら・・ありがとう・・ばいばい・・・
なんて言うと思ったかバーカwwwwwwwwww
お台場はいいところだ、食料も困らない、最高の場所だ
しかし・・次の地域がほしくなってきた・・・次は・・・つづく
623 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/05/16(火) 00:00:23 ID:D/3FKTk20
二度登校スマス
郵袋離脱しながら寝ます
624 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:32:48 ID:JGp0q/4c0
時刻 1:18
ドン!
階下から激しい爆発音が響く。
「手榴弾!?武田三曹…?」
横田は階段から下を見つめた。
「どうした!今の音は?」
「小松一曹、自分が見てきます!先に行って下さい!」
「俺も行く!気をつけろ!」
二人は階段を駆け下り、店内に入る入り口の付近までやってきた。
「一曹・・・あれを・・・!」
横田が目にしたものは、フロアに四散した「敵」と武田の遺体だった・・・
「ダメか・・・行くぞ・・・!」
「遺体は・・・」
「バカもの!これ以上、ヘリを待たせるわけにはいかん!三曹は死んだ・・・奴は立派に戦って死んだんだ。奴の死を無駄にするな!」
小松は立ち尽くす横田の肩に手をかけて引っ張った。
横田は何度も後ろを振り返りながら階段を上っていった。
「どうした?武田はどうした?」
「二尉・・・三曹は・・・」
言葉に詰まる横田の心情を察してか、橋本はそれ以上に問わなかった。
「そうか・・・乗れ。我々は生きて戻らなければならん。いいな。」
ヘリはゆっくりと舞い上がり、闇の中へ溶け込んでいった。
625 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:36:56 ID:JGp0q/4c0
時刻 1:32
「アオ!しっかりしろよ!」
隊員に背負われ、ぐったりとしている青塚に声をかける。
返事をする様子はまったくない。両腕が隊員の肩の上から力なくだらりとぶら下がっていた。
ヘリポートへ向かう民間人の流れとは逆方向に向かうポンさんたちを人々は不思議そうな面持ちで一瞥した。
やがて、列の最後尾を通り過ぎると、建物の周辺には数名の隊員が忙しそうに動き回っている以外に人の姿はなかった。
「大にぎわいで引越しだな。まあ、ここにいるよか「お船」の方が安全だもんな。それにしても、なんだかなあ・・・」
ポンさんは妙な胸騒ぎを感じていた。
「ウゥゥ・・・」
「・・・?アオ・・・?どうした?気がついたか?・・・アオ!聞こえてるか!?」
「ウゥゥ・・・ゥゥァァアア・・・」
ポンさんが声をかけたのとほぼ同時であった。
「ウアアア―!」
突然、響く隊員の悲鳴。アオは自分を背負っている隊員の首筋に食らいついた。
「オイ!アオ!何やってんだ!!」
そう叫んだポンさんであったが、倒れた隊員の背に乗りかかっている青塚の姿を見た瞬間に、すべてを理解した。
「アオ・・・?お前・・・!」
悲鳴を聞いて、建物の方から数名の隊員が駆け寄ってきた。
「どうした・・・!?・・・うっ・・・!化け物!」
隊員の一人が銃を構える。
「ちょ、ちょっと待て!」
ポンさんは慌てて隊員を制止した。
「何をする!?コイツは感染者だぞ!早く撃て!」
「わかってら!そんなコト!コイツは俺のダチなんだ・・・だから・・・」
ポンさんは方に掛けていた散弾銃を手に取るとゆっくりと構えた。
「だから・・・せめて・・・な・・・」
パーン!
人の姿もまばらな基地に銃声が鳴り響いた。
626 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:38:16 ID:JGp0q/4c0
時刻 2:00
「こちら海上自衛隊第二護衛艦隊旗艦『くらま』所属、哨戒ヘリ・海鳥3号。応答願います。」
ザ・・・・
「ダメですね、機長。応答ありません。」
「続けろ。周波数帯を変えてみろ。米軍はいくつかのバンドを使っているはずだ。」
「わかりました。β帯に切り替えてみます。」
「こちら海上自衛隊・・・」
ザ・・・ピ・・・ピ‐
「こちら合衆国海軍、太平洋艦隊・横須賀基地ブルックナー大佐。自衛隊機、応答せよ。」
「機長!応答がありました!生存者がいます!こちら海上自衛隊、哨戒ヘリ!貴官の現在位置を知らされたし。」
「現在、横須賀より北西20マイル地点に停泊中。準備揚陸艦だ。基地は死者・負傷者多数のため放棄した。」
「現在の生存者数は?ただちに救助に向かう。」
「生存者は私を含め38名。当初は100名以上残るはずだったが、負傷していたために『化け』た。」
627 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:38:56 ID:JGp0q/4c0
「(『残るはず』・・・?) 現在、負傷者は?」
「負傷者?いたら、我々はとっくの昔に全滅だ。今、残っている連中はピンピンしている。」
「了解。貴艦へのヘリの着艦は可能か?」
「可能も何も、艦ごと移動したって構わない。自衛隊艦隊は無事なのか?」
「当艦隊は無事です。旗艦『くらま』以下、全艦、現存しています。」
「そうか・・・ツイてやがるな・・・・・我々は現在、行動待機指令を受けている。ここからは動けん。待機する分には物資は十分にある。我々のことは放っておいてくれ。・・・・・・プツン」
「大佐?・・・ブルックナー大佐!応答願います!応答を!・・・ダメです・・・」
「松井、大佐は『行動待機命令』を受けていると言ったな?核攻撃が行われることを知っているのか?」
「植木三尉はどう感じられましたか」
「知っている・・・だろうな・・・『ツイてやがる』というのが引っ掛かるな。」
「どうしますか?司令には何と報告を?」
「現状をありのままに伝えるしかなかろう。あとは『上』が判断するさ。」
ヘリは180度方向転換すると、母艦へ向けて飛んでいった。
628 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:42:01 ID:JGp0q/4c0
時刻 2:25
ショッピングセンターから高井の操縦するヘリが基地に戻って間もなく、日高のヘリも帰投した。
ほんの数時間、別行動をとっただけであるが、彼らにとってはそれが数日間、数週間のように感じられた。
高井たちと日高は顔を合わせると、まるで数十年ぶりに出会った者同士のように再会を喜んだ。
「他のヘリはどうした?指揮官のお前だけが戻ってきたのか?」
橋本は駐機場にいるはずのヘリが少ないのに気づいて言った。
「墜ちた。やられたよ。」
「何!?『奴ら』に墜とされたのか?」
「違う。そんなワケないだろ!『鳥』だよ。『鳥』が出た・・・」
「何だって?あの『鳥』か?貴様はよく無事だったな!」
「レーダーに反応があったからな。高度を上げて迂回して何とか戻れたよ。他の者は知らなかった。
だから、そのまま突っ込んでしまったらしい・・・俺が伝えていれば・・・」
「俺達だってすっかり『鳥』なんてモンは忘れてたよ。日高さん、あんたのせいじゃないだろ?」
「しかし、高井さん・・・指揮を任された以上は部下の安全を考えて、想定しうる事態を伝えておくべきだった・・・」
「これ以上の犠牲が出ないように最善を尽くすことだけを考えろ。」
「はい・・・」
佐竹は沈む日高の肩にポンと手を置いた。
629 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:44:10 ID:JGp0q/4c0
パン!パン!パパン!
突然、乾いた銃声が基地のどこからか鳴り響いた。
「銃声!?どこだ!?」
一瞬にして全員の顔に緊張の色が走る。
タタタ・・・パン!・・・パパン!
銃声は鳴り続ける。
高井達は無意識に銃を握り直すと装弾されていることを確認した。
「行くぞ!気をつけろ!」
佐竹は全員の顔を見ると声をかけ、真っ先に音の方向へ向かって駆け出した。
銃声はちょうど高井達のいた側とは反対の側から聞こえていた。
その方向に近づくにつれ、数名の者が叫ぶ声が聞こえてきた。
やがて、銃声の場に辿り着いた高井達は、信じられない光景を目にする。
「こっちもだ!!コイツはもうダメだ!」
「お前は向こうの『ヤツ』を撃ち殺せ!」
「そいつは『化けそこない』だ!頭をブチ抜け!」
建物の反対側で数名の隊員が銃撃を行っている。しかし、その相手が問題だ。
構えた銃の先にいるのは明らかに民間人。基地内に保護されていたであろう人々であった・・・。
630 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:45:35 ID:JGp0q/4c0
「何をしている!?気でもおかしくなったか?やめろ!やめるんだ!」
佐竹が思わず叫ぶ。しかし、隊員たちはまったく聞く耳を持たない。
「やめろと言っているんだ!」
「離せ!・・・あ、一尉・・・!」
佐竹に肩を掴まれた隊員が驚いた表情で見つめる。
「何をしている!?どうして民間人を撃つんだ!民間人の保護が我々の最優先事項だぞ!」
「あれは『感染者』です!保護していた民間人の中に感染者が出たんです!」
「何!?どういうことだ!?説明しろ!オイ!射撃をやめろ!ヤメロ!」
佐竹の怒声に隊員たちは銃を下ろした。数明の民間人が彼らの目前でしゃがみこんでいる。
彼らは明らかに正常な状態ではないようだ。意識が遠のいているのか、体を動かすことなく、呆然としている。
「佐竹!アレはヤバイぞ・・・」
「『ヤバイ』ってどういうことだ!?高井?こいつらが何をしでかしたか分かっているのか!?」
「分かっているが、当然の判断だ・・・オイ!見ろ・・・!」
佐竹は思わず振り返る。
すると、しゃがみこんでいた「民間人」の一人がゆっくりと立ち上がり、佐竹達の方へとゆっくりと歩み寄ってきた。
その目にはすでに生気はない・・・まさに「死人」の目である。
しかし、その体は意志とは関係なく、目の前の「獲物」を求めて動き出していた。
「なんて・・・ことだ・・・」
佐竹はつぶやくと、銃を構えた他の隊員を制止して自らの銃を構えた。
そして素早く照準すると、一瞬、引鉄を引くのを躊躇したが、それでも気を取り直すように狙いを定め、指に力を込めた。
631 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:46:25 ID:JGp0q/4c0
パン!
乾いた銃声が響き渡る。同時に、目の前の「人の形をしたモノ」は動きを止めた。
橋本が先の隊員に話しかける。
「どれくらい感染者がいるんだ?ここに集められているので全部なのか?」
「わかりません。ただ、すでに海自艦艇に搬送された民間人もいますので、もしかすると・・・」
「搬送された中に感染者がいる可能性がある・・・!?」
「可能性は・・・発病するのにはしばらく時間がかかるようなので。」
「ちょっと待て!じゃあ、ここにいる感染者はどうやって見つけ出したんだ?見分ける方法でもあるのか?」
「確かに高井さんの言う通りだ。発病していない感染者をどうやって見極めた?」
「感染者は発病前に高熱が出るんです。突然、高熱が出始めて、数時間で熱が冷めます。
ただ、その後は体を動かすことも困難な状態になりますが・・・」
「それから『発病』する?」
「その通りです。」
「オイオイ。噛まれてもいないのにどうして感染する?変だろ?」
高井が声を荒げる。その言葉に続けて橋本はぽつりとつぶやいた。
「『空気感染』だ・・・なんてことだ・・・」
632 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:48:19 ID:JGp0q/4c0
時刻 3:00
「くらま」ではヘリからの無線連絡を受け、横須賀米軍の協力が得られないことを知っていた。
そして、米軍の「攻撃」への対処を模索しているところであった。
「米軍艦艇からの攻撃は巡航ミサイルか?それとも航空機か?」
「巡航ミサイルなら『こんごう』と『ちょうかい』の2隻で十分に対応可能です。
同時に数百発を発射するわけではないでしょうから。」
「航空機なら?」
「航空機の場合、撃墜は可能ですが、反撃される可能性があります。
それ以前に米軍による威嚇攻撃があるかもしれません。」
「日本の国土防衛を最優先に考えたとして、最も有効な手段は何と考えるかね?」
「・・・先制攻撃。米艦艇を撃沈することでしょう・・・しかし・・・」
「しかし、向こうも黙ってはいない。」
「・・・はい。単純に考えて、戦力は向こうの方が上です。我々には航空戦力がないですから。」
「護衛艦隊全艦による無差別飽和攻撃を行った場合は?」
「それでも五分五分といったところです。わが方にも相当の被害が出ます。」
「やはり中止暗号を見つけ出すことが一番か・・・」
会話が途切れたところで、横須賀から帰還したヘリの機長である植木がやって来た。
「植木三尉、出頭いたしました。」
「ご苦労。報告は聞いたが、三尉自信の意見を聞きたい。」
「は・・・意見と言いますと・・・?」
「横須賀のブルックナー大佐の協力は得られそうになかったか?」
植木は少し考えこむように床を見つめた。そして、ひとつひとつの言葉を選ぶように話し始めた。
633 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:49:18 ID:JGp0q/4c0
「自分の意見を言わせていただきますと、ブルックナー大佐は『何か』を知っているような口ぶりだったように思います。」
「『何か』とはなんだ?」
「どう言ったらいいかわかりませんが・・・なにか、大佐はこの事態が起こることをすべて知っていたのではないか・・・そんな感じです。」
「どういうことかね?」
「通信が途切れる間際に、我々が現存していることを伝えたのですが、『ツイてやがる』とつぶやきました。聞き間違いではないと思います。
確かに“You’re all lucky.”と言いました。」
「他には?」
「それからもっと気になったのは、生存者数を聞いたところ、『100名以上残るはずだった』という言い方をしたのが非常に気になりました。」
「・・・?それは確かに妙な発言だな・・・。」
「司令、これは自分の推測でしかありませんが、大佐はこの事態が起こることを知っていたのではないでしょうか。」
「というと?」
「横須賀に準備揚陸艦が展開していること事態が妙です。そもそも準備揚陸艦は戦闘が行われると予想される地域にしか派遣されないはずです。
インド洋に展開しているのは聞いたことがありますが、日本の近海に展開しているなんて例がありません。」
「対北朝鮮ではないのかね?」
「司令、植木三尉の言うことはもっともです。対北朝鮮であれば、在日米軍基地を拠点とすれば済みます。
米軍艦艇の入港記録のデータを確認してみましょう。」
「わかった。調べてくれ。」
634 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:51:06 ID:JGp0q/4c0
時刻 3:22
多くの民間人を乗せ、木更津の基地を飛び立ったヘリの一団が護衛艦隊の上空に到着した。
空母を持たない自衛艦艇では、一度に多数のヘリを着艦させることができない。
上空で待機をしながら、順次、ヘリ甲板を持つ艦艇に着艦し、民間人を収容した。
ヘリは民間人を下ろすと再び木更津の基地へ向かって飛び立つ。
「体の調子が悪い方はいませんか?熱っぽいという方がいらしたら、すぐに申し出てください!」
甲板で隊員の声が響く。
すでに陸自基地を出る際に、数名が体調不良を訴え、「処置する」ことを理由に基地に取り残されていることは誰もが知っていた。
隊員の説明では、「艦艇に設置されている医務室では対処できない可能性があるため」とされていたが、中には「処置」について疑いを持つ者もいた。
「自分も乗せてください。」
飛び立とうとする1機のヘリの操縦席に向かって田村が叫んだ。
「乗せてもいいが、今更、基地に戻ってどうする?それに貴様、負傷しているんじゃないのか?」
「自分は大丈夫です。自分の上官がまだ基地にいます。そちらに合流したいんです。」
「入れ違いでこっちに来る可能性もあるぞ?いいのか?」
「自分の上官の橋本二尉は基地を離脱するとすれば最後になると思います。そういう人ですから。」
「わかった。乗れ。すぐ出るぞ!」
田村は小銃と予備弾薬の詰まったバッグをヘリの中に投げ入れると、転がりこむように乗りこんだ。
ヘリは甲板を離れると機首の向きを変え、一路、木更津へと向かって飛んでいった。
635 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:51:56 ID:JGp0q/4c0
時刻 3:30
基地には「感染者」の監視にあたっていた数名の隊員と橋本達の他にはほとんど残っている者はいない。
そのわずかな残留組の中に宮本と久米がいた。
二人は基地の医務室で、久米がショッピングセンターの薬局で作り出した抗ウィルス剤を前にしていた。
外では何度となく銃声が鳴り響いていた。その音が聞こえてくる度に、久米はやがて「その時」が近づいていることを感じていた。
「それで、久米さん。抗ウィルス剤の効果はどれくらいありそうですか?」
「薬局の調薬室で見たところでは、ウィルスを完全に死滅させられるようです。」
「量的にはどれくらい必要ですか?」
「サンプル実験では20:0.1の割合で効果が出ていますが、実際にはもっと少量でも効くのではないでしょうか。」
「それはどうして?」
「このウィルスは『菌』の類というよりは『微生物』に近いと思うんです。ウィルスが我々に感染し、そこから更に感染を拡大していくのと同じで、
抗ウィルス剤に『感染』したウィルスが次々に別のウィルスに『感染』して、連鎖反応的に死滅すると思います。」
「確かに。ウィルスの感染スピードが速いだけに、自滅するのも早いんでしょう。それで、抗ウィルス剤は培養可能ですか?」
「単純な血清と変わりませんから大丈夫だと思います。ここでは無理ですが・・・」
久米は室内にある器具に目を向けて言った。
「海自の艦艇には簡単な手術ができるくらいの医務室があるようだが、それでは間に合わないかな?」
「そうですね・・・血清のベースはありますから、あとは生理食塩水と純水、それから撹拌機、煮沸機あたりがあればどうにか・・・」
「それくらいはあるだろう。我々も海自艦に行ってみましょう。いずれにしろ、ここはもう使えない。」
「わかりました。そうしましょう。」
久米と宮本は貴重なサンプルをしまうと、慎重にそれを抱え、部屋の外へと出た。
636 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:54:05 ID:JGp0q/4c0
時刻 3:41
混乱の中、これまで超人的とも言える激務をこなしてきた橋本達も、さすがに疲れの色を隠せなかった。
ヘリポートの脇にある格納庫の中で、うつらうつらと仮眠を取っていた。
一方、佐竹と高井は基地の中にある武器庫の中を調べていた。
この基地は間もなく放棄される。となれば、火器や弾薬を残しておいてもしょうがない。後々のために少しでも多く確保しておきたいと思ったのだ。
高井は、閉ざされた搬入口のシャッター脇に積まれた箱に目を止めた。
状態から想像するに、搬入されたはいいものの、この事態が起こったために手付かずの状態で放置されたらしい。
箱の外書きには「甲型特殊戦闘服」と書かれている。
「『特殊戦闘服』?なんだそりゃ?」
「どうした?高井。何か見つけたか?」
「『特殊戦闘服』ってなんだ?そんなもん使ってるのか?」
「『特殊戦闘服』?聞いたことないな・・・少なくとも俺は知らんぞ。」
「開けてみるか!」
二人は早速、箱の一つを床に下ろし、中を開けてみた。
637 :
まこしろ:2006/05/16(火) 00:55:04 ID:JGp0q/4c0
梱包材を取り払うと、かなり大きな箱にもかかわらず、その中にあったのはたった一着であった。
それもそのはず。それは「戦闘服」というには、あまりにも奇妙な格好をしていた。
「戦闘服」というよりはバイクの「革ツナギ」のような感じである。
服は上下が一体化されたワンピース形状で、素材は、表面がケブラー繊維で、5mm以上も厚さのある皮革を覆っていた。
インナーは通気性のよさそうなメッシュとなっている。
しかし、「革ツナギ」を連想させる原因は素材ではなく、各所に取りつけられたパッドとプロテクターのためであった。
箱の中には服以外にヘルメットとグローブ、ブーツも同梱されていた。
ヘルメットはバイク用のジェットヘルメットのような形をしているが、後側に革製の「垂れ」のようなものがついており、
頚部を覆うようになっていた。
強化アクリル製と思われるシールドには暗視装置を取りつけるためのブラケットもある。
「一体、何のために使うんだ?高井、お前は見たことないか?」
「これが『戦闘服』って言うなら初めて見るな・・・。重装備の割に防弾性はなさそうだし・・・」
「でも、この服なら『奴ら』のど真ん中にいても助かるかもな。食いちぎられんだろ?」
「確かにこれだけ丈夫にできてりゃ・・・・・・あ!そうだ!それだよ!」
「どうした?」
「この形状、素材・・・そうとしか思えん!これは「そのため」のものだ!」
複雑に絡み合い、分厚い覆いとなって隠されていた「悪夢の世界」を作り出した原因が、少しずつその姿を現してきた・・・
638 :
まこしろ:2006/05/16(火) 01:01:45 ID:JGp0q/4c0
みなさん、ご無沙汰しております。
おかげさまで何とか仕事も決まり、就職ゾンビとならずに済みました。
ただ、今度の職場は通勤が片道が車で1時間半以上!という場所なんで、家に着くとすでにゾンビww
これからは仕事の合間にコソーリと書いていくしかなさそうです。
励ましのお言葉をくださった皆さんにあらためてお礼を言わせていただきます。
本当にありがとうございました。
ラストに向けてがんばりますので、お付き合いのほど、よろしくお願いします!
ウオッハァーイ!
就職オメ&乙ですた。
電車で一時間ですか・・・・・・・・・大分遠いようですが、頑張って下され。
それでは祝砲を・・・・・
つ-===二`¬/二二|
ノノ`^ノ|
>ある男さん
ちょっと展開が複雑になってきましたかね。続きよろ。
>ウォーターさん
ビッグサイトを破壊する時は直前までコミケやってたって設定あqswでfrgthyじゅ
>まこしろさん
活動再開おめでとうございます。
いろいろ大変でしょうが負担にならない程度に頑張って続けてください。
しかし今回はいままで溜めた鬱憤を晴らすかのような量w
読み応えありました。これからもよろしく。
>>639 つ-===二`¬/二二|
....ノノ`^ノ|
ズレちまった・・・・・・orz
ちょっと練炭と七輪買ってくる。
学校は異様な静寂を湛える柩と化していた。
俺は皐月と四階の案内番を見て思案していた。
「ん〜・・・」
四階はこの期に及んでやっと気付いたが明らかに異常だった。
バラバラの教室、変にいりくんだ廊下、そして隅に存在するコントロール室。
コントロール室の手前には通称・開かずの部屋と言われる名の無い部屋がある。
ここの中は誰も知らず、俺の学校内では七不思議の一つに数えられて・・・
ん?七不思議?待てよ。確か・・・。
一つ目、コントロール室の手前の部屋には入ると二度と出られない。
二つ目、この学校の敷地には生きる死人が居る。
三つ目、学校は町に影響を与えていて、学校に異常が起きると町にも起きる。
四つ目、学校は意思を持っていて、まれに自ら閉鎖する。
五つ目、学校が閉鎖した際に、中に居る生徒は死ぬ。
六つ目、この学校には誰も知らない地下室が存在する。
符合する。二つ目、四つ目、五つ目にかなり符合する点が多い。
まさか、そんな筈はない。だってこの学校は、ただの私立校でしかない。
いや、それは思い込みなのかもしれない。あれ?そう言えば・・・
「皐月、七不思議の七つ目覚えてるか?」
「欠番とされてるけどじつは学校の教師は知ってるって話だったと思うけど」
ん?教師?っ!?なんで気付かなかったんだ!
「皐月、校門にすがる生徒の中に先生は誰か居たか?」
「ん〜・・・あれ?見た記憶がないよ」
最悪だ。
「・・・っ」
先生達はすでに逃げているのたろう。
不審者に殺された安西先生はおそらく逃げ遅れた結果。
「教師は皆知っていたのか・・・」
思わず呟いた。
「アホか」
その時、そんな声が後ろから聞こえた。
お〜っ、まこしろさん。就職おめでとうございます。作品お疲れ様です。
644 :
通勤電車男:2006/05/16(火) 23:56:35 ID:EYzY4iIAO
ある男の見解様、ウォーター〜様、まこしろ様、続編お疲れ様です!。
ある男の見解様、謎の人物は主人公のお父さん!?。
マイペースな幼馴染みとの七不思議探検、藤○弘探検隊並に楽しみです!。
ウォーター〜様、ビッグサイト爆砕を僅か数行!。主人公の日記帳は硝煙の香りがしそうですね(^_^;)。
まこしろ様、空気感染・・・(T_T)。黒幕はア○リカ!。タイムリミットが近付く中、
特殊戦闘服装備による佐竹&高井組の活躍は見られるのでしょうか!?。
それと、改めておかえりなさいませ!。まこしろさん!!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
ウォーさん
相変わらずスピーディーな展開ですね。
読んでて気持ちがいいです。
ある男さん
なんだかおどろおどろしい展開になってきましたね。
続きが非常に気になります。
まこしろさん
おかえりなさいまし。
待ってました。
無理せずまこしろさんのペースで投下して頂ければ結構ですんで。
とかいいながら続きを早く読みたいです。
作者のみなさん、いつも良作を投下して頂いて本当ありがとうございますw
ウォーターさん…相変わらず破天荒な主人公。パンクな展開がいいっすね!もしゾンビ禍が起こったら敵に回したくないですな。
まこしろさん…目が離せません!最後はいったい…?気が早いですが、次回作の構想もおありなのかな?
ある男さん…普通の学園ものかと思いきや、ゾンビ以上にオカルトな感じに…楽しみです。
保守
まこしろさんか復活してるヽ(゚∀゚) ノ
649 :
ウォーターカッターサンドパニーニ:2006/05/20(土) 01:00:36 ID:HDb64taW0
時は戦国時代、武将が血を流し自分の領地を増やして天下を目指していた時代
そして今まさに、一人の男がその生涯を終えようとしてた
名を織田信長、数々の戦歴を挙げついに天下と思っていた矢先、家来の明智光秀に裏切られ
絶体絶命の中、彼はしずかに小刀を取った
「わが覇道もここまで・・か」
その時であった!!!本能寺のドアを破り一匹の道の生物が進入してきた!!
「何奴!?」信長は刀を構える、しかしその人間のような生き物は動じることなく進んでいく
そして第三十五歩目に入った瞬間、その生物の頭に日本刀がサックリと入った。
「この無礼者!!我を誰と心得る!!」刀を抜く、血の噴水がきれいに噴出した、奴は絶命しただろう・・・・人間だったらの話だが
あたまをザックリやられたはずの生物はゆっくりと起き上がった、そして再びじわじわと、ゆっくり、織田信長に向かい歩き出した。
「うわwwwちょwwwwおまwwwwくるなwwwwww」織田信長もとうとう死を覚悟したのだろうか
その場に座り込み再び切腹をしようとしたその時!!!
そしてそんな波乱万丈な寺とはかけ離れた場所
一人の農民が日本刀を構えて立っていた
名を「五作」、彼は最近キレぎみである
ここ数日自分の田畑をあらす愚か者がいる、だから今日こそはたたききってやろうと身構えていたところだ。
そしてついに犯人が姿を現した!!
「オラの田んぼを荒らすとはいい度胸だ!!この世から消してやろう」
五作はその犯人に向かって思いっきり日本刀を振りかざした、どこぞの武将とは違いからだが真っ二つ
犯人は二つに割れて、この世から消え去った。
ああ続くのか!?
650 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 05:39:57 ID:wwlrBeGq0
「予兆」
夢を見た・・・・
それは凄惨でとても直視に耐えない夢・・・・・
しかし、俺は解っていた・・・・
これが夢であると言うことを・・・・そして・・・現実に起こる事なのだと・・・・
・・・た・・・・なた・・・・あなた・・・・アナタ!
「あなた!大丈夫!?」
・・・・・・・・
目を開けるとそこに心配顔の妻が、俺を揺り起こしていた。
「う・・・・ああ・・・・だい・・・じょうぶだよ・・・・」
妻はホッとしたように息を吐くと隣へ倒れ込む。
「もう!心配させないでよね!すごくうなされてたから心筋梗塞でも起こしたのかと思ったわ!」
そう言うと右肘立ててこっちの顔をながめる。
俺は上半身を起こすとベット横の机からタバコを取り火を付ける。
しばらく、タバコの先端を見つめ深く煙を肺に入れる。
まだ、手と言わず体全体が微かに震えている・・・
いまだに夢の中の様子が生々しく残っている。ふとしたら血臭が漂ってきそうな程・・・
妻はそんな様子を黙って見つめている。
「悪い夢を見たんだ・・・とても・・・恐ろしく・・・地獄のような・・・・」
タバコを持つ手がまだ震えている・・・妻はその手からタバコを取り灰皿へとねじ消すとそっと、俺の頭を抱き寄せ自分の胸に抱きかかえた。
「アナタは疲れているのよ・・・ここのところずっと新薬の研究で徹夜してたから・・・」俺の頭をまるで赤ん坊をあやすように優しく撫でる・・・
妻の鼓動を聞いていくうちに不思議と震えが収まっていくのが解った。
「ああ、そうだね・・・ごめんよ?起こしちゃって・・・」
妻は首を横に振る。
「いいのよ・・・けど、無理はしないでね?」
俺は胸の中で小さくうなずく。
(そうだ、疲れていたんだ。あんな事が現実に起こりうるはずがない・・・でも・・・
もし、現実になったとしても妻だけは、俺が守ってみせる!)
651 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 05:41:16 ID:wwlrBeGq0
そう誓うと妻の体からそっと離れた。
「もう大丈夫!愛してるよ・・・奈美・・・」
笑顔でそう言うと妻は頬を赤く染め「何言ってるのよ!」と照れた笑みを返してくれた。
そんな妻をさらに愛しく思いながら、再度、机のタバコに手を伸ばす。
そして、中身を取り出そうとしたが生憎とカラだ。仕方なくベットから降りる。
「どうしたの?」と問う彼女にカラになったタバコの箱を見せる。その箱を丸めゴミ箱に投げ捨てると「無くなったから買いに行ってくるよ。」
妻は自分も、とベットを降りようとしたが、俺が制した。
「いいよ。コンビニはすぐそこだし、君も明日は仕事だろう?寝なくちゃ・・・・それに・・・俺はどうも寝付けそうに無いから散歩がてらに、ね?」
服を着替えながらそう言うと妻は「うん・・・わかった・・・」っと少しつまらなそうな顔をしてベットの中に潜り直す。
俺は財布と携帯をポケットの中に入れ寝室を「おやすみ」といって後にした。
靴を履き玄関を出るとコンビニの方へ少し早歩きしつつ携帯電話をかけながら向かう。
2回・・・3回・・・とコールを鳴らすが一向に出ない。
(出てくれ!!頼む!)
そう祈りながら再度電話をかけると今度はワンコール鳴る前に相手が出た。
652 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 05:45:32 ID:wwlrBeGq0
「はい!もしも〜し、桂木ですが・・・・」
受話器の向こうから少し怒気を孕んだ野太い声が聞こえてきた。
「やあ!啓吾!俺、シュウだ。夜分遅くにすまん!!」
受話器の向こうから深いため息が聞こえてきた。
「なんだ。シュウか・・・なんだよ、こんな時間に・・・・うわっ、まだ4時じゃねーか!」眠たげな声に少し罪悪感を覚える。
「・・・・・」
何と言っていいか言葉が見つからず黙っていると・・・・
「なんだよ?電話してきといて黙りか?何があった?いい知らせか?悪い知らせか?」
俺は意を決して口を開いた。
「たぶん、悪い知らせだ・・・・夢をみた・・・・」
受話器の向こうから何かが割れる音が聞こえてくる。
「おい!大丈夫か!?」
そう声をかけると意外と冷静な声が帰ってきた。
「大丈夫だ・・・・酒の瓶が割れただけだから・・・・それよりも夢を見たって言ったな?」
いつもは朗らかな声の持ち主だが、感情を押し殺した。今日のこの声は背筋に冷たいものが走る。
黙っていると「例の夢か?」と聞いてきた。
「ああ・・・間違いであって欲しいと思ったけど、間違いない・・・・15年ぶりの予知夢だ・・・・」
それから俺は夢の中の出来事を啓吾に全て話した。おぞましく地獄の世界の様子を・・・
いつもはROM専なんですが皆さんの作品を読んでいるうちにムクムクっと何かが沸き起こりつい書いちゃいました。
また、続きは近々書かせていただきます。せめて主人公が死ぬまで、日本語変でスマソ・・・
653 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 05:47:45 ID:wwlrBeGq0
書き込んで見たらかなりよみにくかったり・・・・orz
以後、気をつけます・・・
>>ゾンビ主夫さん
乙です!とても面白いので、これからもお願いしますね!。
>>653 おもしろそうなお話になりそうですね。
そんなに読みにくいとは思いませんでしたが、
もう少し改行を入れると、もっと読みやすくなると思いますよ。
ウォーター様乙です。
いきなり戦国時代。
いつもながら吹っ切れた破天荒振りが素敵です。
主夫様初投稿お疲れ様です。
どのように悪夢が現実になるのか続きが非常に気になります。
皆様ありがとうございました。
657 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 23:48:37 ID:wwlrBeGq0
この力に目覚めたのは5歳の時だった。
祖父が死ぬ夢を見て大泣きしたのをよく覚えている。
次の日、祖父が死んだ・・・・夢の通りに・・・・
2度目は12歳の時、両親が車で事故死する夢を見た。
俺は子供ながらに両親に話したが両親に信じてもらえず、車で親戚の法要に出かけた。
次の日、電話が掛かってきて祖母が出た。俺にはそれが何の電話か解っていた。
3度目は二十歳の時、大学で知り合って意気投合した。桂木啓吾の家が爆発する夢をみた。それを俺は啓吾に話したが両親と同じく信じて貰えなかった。
しかし、俺は未来は変えられると信じて必死に説得を続けた。
俺の必死な態度に何かを感じたのだろう。啓吾は次の日に両親と旅行に出かけてくれた。夢は現実となり、啓吾の家は爆発した。原因はガス管の亀裂によるガス漏れ、そこに運悪く漏電が重なり爆発したらしい。
だが、幸いにも家族は旅行中で無事だった。
帰ってきた啓吾は家の様子を見て呆然としていたが、俺の家に来て大笑いしてた。
その後、ひどく感謝されたが・・・
658 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 23:49:20 ID:wwlrBeGq0
どの夢にも共通点がいくつかあった。
まず、とてもリアルで目が覚めた後もはっきりと覚えていること。
夢の中にあって夢だと判断出来ること。
そして、最大の共通点は夢を見た後、手の甲に変な形のアザが浮かび上がること。
アザは三角形をいびつにしたような形をしており、夢が現実になったとき消えるのだ。
今この時も手の甲を見るとそのアザがはっきりと浮かび上がっている・・・・
「おい!聞いてるのか?返事をしろ!」
受話器の向こうで、啓吾がガナリ立てている。
「あ?ああ!きいてるけど・・・なんだっけ?」
大きなため息をついている啓吾が想像できるようだ。
「だから、さっきからいってるだろう!明日・・・正確には今日だが会えないか?さらに詳しい話と対策を練りたい!」
俺は「ああ!」と返事を返すと明日の9時に会う約束をすると電話を切った。
明日から始まるであろう事を思い、空を見上げると不気味に輝く赤い満月が見下ろしていた。
659 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 23:50:12 ID:wwlrBeGq0
「暴動」
翌朝、俺は一睡もしないまま、朝を迎えていた。
寝室のドアがガチャッと音を立て開く。
反射的にそっちへと振り向くと、まだ、眠たげな妻の姿があった。
「おふぁよう・・・・」
あくびをしながら朝の挨拶を交わす。
「あれからずっと起きてたの?」
非難の目を向ける。俺はその目が苦手だった。
しかし、今はそんなことを言ってはられない。
妻はキッチンへコーヒーを入れてくると言ってリビングを出た。
その時、玄関のチャイムが鳴らされる。
9時ジャストだ。相変わらず時間には正確な男だ。
「はーい!」と声を上げ、キッチンから出てきた妻に俺は「俺の友人だから、」といって代わりに俺が出た。
覗き窓から外の様子を見るとプロレスラーかと見間違いる程の体躯をした、人物が何に使うんだと言わんばかりの大きな荷物を持って立っていた。
玄関の鍵を開け、その人物、啓吾を家へと招き入れた。
「よう!久しぶりだな!?去年のキャンプ以来か?」
そう言いながらおじゃましますの一言も無しに家へ上げる。
そんな啓吾を見て(相変わらずだな)っと苦笑して、リビングへと戻る。
啓吾が歩く度ガチャガチャと鳴る荷物が気にはなったが・・・・
660 :
ゾンビ主夫:2006/05/20(土) 23:54:15 ID:wwlrBeGq0
「キャンプ?あれが?」
この男と行くと必ずキャンプでも海水浴でも全てがサバイバルなのだ。
海ではボートで小さな無人島に・・・・キャンプに至っては持って行くものはテントとナイフ、斧と言った器具類のみだ。
冬なのにやや日焼けした顔をニヤッと歪める。
「ああ、キャンプさ!」と笑い声を上げた。
啓吾と一緒ならどんな時でも何とかなると思えてしまう。
色んな事で悶々っとしていた。自分が馬鹿らしく思えてしまう。
キッチンからカップを二つもって妻が出てきた。
(そうだった・・・妻に全てを打ち明けなければならないんだ。)
そう思うとまた気分が落ち込んできた。
「おじゃましてます。奈美さん。朝っぱらからすんません。」
「いえいえ、ごゆっくり。」と笑顔で言って、朝食を作ろうとキッチンに戻ろうする。妻を引き留めた。
「話があるんだ・・・真剣な・・・」
きょとんとした顔を返すと、俺の横に座った。
しかし、下を向き、言い出せずにいると見えない様に啓吾が軽く蹴ってきた。
それに後押しされるように意を決して口を開いた。
今日はここまでです。
また、明日か明後日にでも、投下させていただきます。
皆さん、感想ありがとうございます!
感想・・・・快感・・・・・w
なんてwゾンビが出てくるまであと少し!明後日までに出したいなっと思っております。
では、また・・・
661 :
通勤電車男:2006/05/20(土) 23:57:50 ID:qH4U08rDO
ウォーター〜様・ゾンビ主夫様、新作お疲れ様です!。
ウォーター〜様、「ちょwwwおまwww」と動揺する信長にこちらも
「ちょwww信長wwww軽wwwww!」となりました(^_^;)。
ゾンビ主夫様、予知夢によって予め災厄を知り得た主人公が
どんな行動を取るのか、ワクテカしております!。
新作投稿ありがとうございます。続編の投稿お待ちしております!。
まこしろさんキター(゚∀゚) 夫人ガンガレ
ゾンビ夫人様乙です
続きが非常に気になります。
全然読みにくくないです。
寧ろ手慣れた感じがするテンポよい文章だと思いますよ。
明日投下される続きを楽しみに待ってます。
夫人(♀)×
主夫(♂)〇
665 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 07:12:31 ID:SSVe0jpc0
今日は眠れなかったので、少し早いけど投下します。
まぁ、寝覚めに呼んでくださいまし、
「落ち着いて聞いて欲しい・・・・」
淡々と感情がなるべく表に出ないように、妻に話した。
予知夢の事・・・アザの事・・・そして、昨日の夢の内容まで・・・・
俺は最後に手の甲のアザを見せると妻はマジマジとそれを見つめた。
「ふぅ・・・にわかには信じられない・・・」
「奈美さん本当なんだ!俺も最初は信じられなかったけど、こいつに押されて、んで、救 われた・・・」
黙ったまま、しばらく妻の顔を見つめると「俺だって信じられない・・・」と言ってコーヒーで唇を濡らす。
「間違いだったらそれの方がいい、でも、もし本当に夢の通りになったら?」
コーヒーを最後まで飲み干し、
「信じなくていい!でも、今日と明日は俺の言う通りにして欲しい!」
普段は温厚な俺がここまで言うのは初めての事だろう。しかし、妻を死なせたくは無かった。もし、予知夢が外れたら3人で笑いあえばいい、そう思った。
「わかったわ。それで、私は何をすればいいのかしら?」
小さく笑うと、俺の膝に手を置いた。
「とりあえずは・・・・朝ご飯かな?二人前余分にね?」
「はいはい」と苦笑しつつ、キッチンへ向かう妻の後ろ姿を見送る。
「相変わらずいい奥さんじゃねーか?おい。」
からかうように俺の顔を覗き込む。啓吾から顔を背ける。
きっと今の俺の顔は真っ赤だろう。
「そ・・・それよりも何だよ?その大きな荷物は?」
666 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 07:13:12 ID:SSVe0jpc0
話をそらそうと啓吾の荷物に手を伸ばし持ち上げようとしたが、まるで床とくっついてるかの様にビクともしない。
「おいおい、勝手に人の荷物に触るなよ。危ないだろうが。」と苦笑しながら片手で軽々と持ち上げテーブルの上に乗せる。
ギシィと強化ガラスのテーブルが悲鳴を上げる。
「なんだよ。中身は?まるで鉄のかたまりでも入ってるみたいだぞ!」
啓吾は少し焦らすようにチャックをゆっくり開けていく。
「福袋は開けてのお楽しみってな?」
こんな時の啓吾はまるでいたずらっ子だ。
開いた荷物の中身を見て、俺は初めて驚愕と感情がどんなものか知った!
荷物の中身は銃だったのだ。確かに啓吾の家は銃砲店だが、素人の俺が見ても明らかに違法の物まで、その数6丁の銃器がテーブルの上に並べられた。
「な、な・・・なんだよ!?これ!」
啓吾はあらかじめ俺が驚くのを期待していたのだろう。俺があわてている姿を見てニヤついている。
「何って、見りゃ解るだろう?俺の自慢のコレクションさ。」
そこに大声に驚いた妻がキッチンから出てきた。
しかし、目の前の光景に信じられない物をしているかのように固まった。
俺はすぐに立ち上がるとリビングのカーテンを急いでしめる。こんな所を見られたら間違いなく警察沙汰だ!
667 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 07:13:59 ID:SSVe0jpc0
「これはどうしたんだよ?ハンドガンまであるじゃないか?」
少し声を潜めつつ、そう問いかける。
「俺が自衛隊にいたのは知ってるよな?俺は自衛隊の兵役期間が過ぎた後、5年間傭兵になって世界中の戦場を飛び交っていたんだ。」
淡々と語りながら銃に触れる。
俺も妻も黙って啓吾の話に耳を傾ける。
「ボスニア、イラン、アフガン、レバノン、色んな国の紛争に関わってきた。、まぁ、親父が死んで、銃砲店を継がなきゃならんから傭兵家業は辞めたんだが・・・・その時の土産物だ。」
「でも、なんで?」と口を挟むと啓吾はそんな俺を見つめる。
そのまっすぐな視線に耐えられず目の前の銃に視線を移す。
「夢の内容だがまるで映画のゾンビみたいだったんだろう?」
ああ、とうなずく、それに啓吾は手に持っていたハンドガンをスライドさせて動作確認をしてトリガーを引いて答えた。
「だったら、どうやって戦う気だ?逃げるにしたって戦う瞬間は必ずくる!そんな時に武器が無かったら単なる餌だ。どうやって、奈美さんを守る気だったんだ?」
一気にまくし立てられ、俺は近くに合ったハンドガンを手に取った。
予想よりも軽く、俺でも扱えそうだと感じた。
「俺にも使えるのか?」
銃を手にして手の中の物をじっと眺める。
「誰に物をいってんだ?一時期は傭兵学校のインストラクターもしたんだぜ?」
俺は覚悟を決めたつもりだったが自分がまだ甘かったことを痛感した。
手の中の凶器は冷たく、そして力強く感じた。
668 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 07:15:01 ID:SSVe0jpc0
それから俺たちは時間との勝負だった。
今までの予知夢の経験から時間的猶予は24時間を切っていたからだ。
啓吾は銃を置いて、奥さんと子供を迎えに帰ってしまった。
妻と俺は手分けして用意を進めた。
まず、銀行に全額おろしに行き、その後、車でホームセンターやスーパーに買い出し、必要と思われる物は全て買いそろえるつもりだった。
時間は着々と流れ既に夕方に差し掛かっていた。
一通りの準備は終わったものの普段から運動しない、俺は家に帰ってぐったりとしていた。
その時、チャイムの音が鳴る。
俺と妻はビクッとして、玄関に近づく手には基礎をある程度教えてもらったハンドガンが握られている。
覗き穴からそっと外を伺うと啓吾と奥さん、そして、奥さんに抱きかかえられている、今年5歳になる。啓吾の男の子がいた。
俺は玄関を開けると啓吾達があわてて家の中に入ってきた。
「シュウ!テレビを付けろ!」
有無を言わせず、啓吾は俺にそう言うと家で唯一テレビのあるリビングへと向かった。
テレビを付けるとアナウンサーがしどろもどろになりながらニュースを伝えていた。
『今日未明、日本全国で暴動が発生しました!暴動の原因、首謀者等は不明ですが多数の死傷者出ている様子です!』
『もう一度伝えます!今日未明に日本の各地で暴動が発生!住民の皆さんは決して外にでないでください!大変危険です!』
いつもはすまし顔のアナウンサーが表情を歪まし、その表情が事態の深刻さを物語っていた。
「始まったようだな?予知夢が現実になるのが・・・・」
珍しく神妙な顔をしながらそう言った。しかし、俺は信じられなかった。
「馬鹿な!早すぎる!少なくとも後、10時間は余裕があるはずなんだ!」
テレビから伝わってくる情報は曖昧ながらも予知夢が現実になりつつ、あることを示している。
669 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 07:25:14 ID:SSVe0jpc0
今回の投下はここまでです。
明日か今日の夜にでもゾンビマンが現れてくれる・・・はず・・・・
既に構想の時点でかなりの長編になると思っているのでかなりポテンシャルをあげて書いて行こうと思いますのでなにとぞおつきあいの程を・・・
今日のNG「俺にも使えるのか?」
「無理だ!」
「・・・・・・・・・」
なんてねw
乙
何か面白そうだから夜か明日の投下の後に一気読みしてみるよ
面白かったらいくらでも読むから最後まで完結させてくれよ
どうでもいいが、IDは毎日変わる→今日のNG=今日のNGIDだな
yokuyome
ゾンビ主夫さんいいぜぇぇぇ!ぜひ完結するまで続けてくだされっ。
あ、自衛隊は兵役とは言わないかな…んなこたぁどうでもいいっ、応援するぜぇ
すげえよゾンビ主夫さん!期待持たせるのうますぎwwww
細かい間違いなんか気にならないくらい没頭した!次が楽しみです!!
674 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 18:46:52 ID:SSVe0jpc0
色んなご意見有り難うございます!
誤字脱字・・・・投下した後に気付いてリアルにorzしていましたw
少し、早いですが投下させていただきます。
つっこみどころはドンドン突っ込んでくださいまし。
呆然とテレビを眺めていてもアナウンサーは同じ事しか言わない。他の番組も似たり寄ったりである。
最後の番組至っては、『他国の侵略だ!』とわめいているコメンテイターが映っていたが、啓吾が鼻で笑った。
「これからどうする?ここに籠もるのか?」
俺は立ち上がってテレビを消した。ろくな情報も手に入らないならテレビを付けておく必要はない。むしろ無用に不安をかき立てる分質が悪い。
そして、ソファーに身体を預けると、啓吾も俺の隣に腰掛ける。
「このまま、ここにいてもいいんだが生憎とここは住宅街の一戸建て、集団に囲まれたらとてもじゃねぇが防ぎようがねぇ。」
話を聞いていた妻と啓吾の奥さんは血相を変えて雨戸を閉め始める。
その姿を横目に啓吾は話を続ける。
「俺に心当たりがある。飯高山を知ってるか?」
啓吾の言葉に、俺は思い出してみたが登山の趣味はなくしらなかった。それを肩をすくめて表現する。
「だろうな。隣の県だが、死んだ親父がそこに狩猟用の山小屋を持ってる。山小屋と言っても親父と俺で建てた結構立派なログハウスだ。」
「そこは安全なのか?」そんな問いに啓吾は近くの壁をコンコンっと叩く。
「少なくともここよりは安全だ。人里と結構な距離があるために奴らは少ないだろう。それにあそこは俺の庭みたいな物だからな?地の利はこっちに働く!」
銃をヒップホルダーから抜くとカラだったマガジンを実弾入りのと変える。
「そうと決まったらすぐに移動を始めよう!下手に混乱に巻き込まれたりしたら厄介だ。」俺も肩掛け用のホルダーを付けるとずっと手に持ったままだった。銃をホルダーへと納める。
俺たちは行動は早かった。まず、今日買い込んだ物を啓吾の軍払い下げのハマーに積み込み始めた。
食料品に飲料水、生理用品、生活用品といった必需品だ。
意外と食料品が多く、意外と手間取る。あと少しで積み込む終わると言うところで、それは起きた。
675 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 18:47:34 ID:SSVe0jpc0
通りの向こうから一人の女性がこっちに向かって必死の形相を浮かべ、走ってきたのだ。
しかも俺たちの姿を認めるとこっちに走り寄ってきた。
「!?」
みんなに緊張が走る!俺はとっさにホルダーから銃を取り出し、女性へと向けようとした瞬間、啓吾が俺を手で制す。
俺は疑問の目を啓吾に向けると「あれは生きた人間だ。目を見れば解る。」
そういって、走ってきた女性を抱き留めると俺の方へと渡した。
その後、車の後部座席から狩猟用のライフルを取り出すと、女性が走ってきた方へ構える。
「何匹に追われた?相手はどんなヤツだ!?」
女性には一瞥もせず、そう聞いてくる。
予想以上に取り乱している女性は、とてもじゃないが答えられそうにない。
そんな女性に啓吾は舌打ちをして、通りの向こうに集中する。
すると、通りの角をヨタヨタとした足取りでこっちに向かってくる。陰からして男性だろうか?それが二つ・・・・
光源が街灯しかないため、その姿をはっきりとは見えなかったが酔っ払いだと言われたらそう思えたかもしれない。
しかし、近付いてくるにつれその姿の異常さが誰にでも見て取れた。
まず、一人は腕が皮一枚で繋がっている状態だ。もう一人はお腹の肉が抉られ本来、胃や腸があるべき場所には何もない空洞が覗いていた。
そんな姿に流石の啓吾も眉をひそめる。
咄嗟に女性を妻に渡すと家の中へと入る様に促す。
俺も銃を抜き、異形の敵を狙う。だが、銃も撃ったこともなく夢の光景が蘇り、無様にも体の震えが止まらなかった。
そんな俺を横目にみた啓吾は、銃を持つ手に自分の手を置いて首を横に振った。
「無理をするな・・・シュウは俺のサポートだ。それに銃を使うのはマズい銃声で他のもよって来かねない・・・それに・・・」
距離にして百メートル程になった時、奴ら・・・ゾンビもこちらに気付いたのか不格好な走りでこっちに来た!
676 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 18:50:43 ID:SSVe0jpc0
俺は体が石になったように動かない!ふと気を抜けば大声を上げて逃げ出してしまいそうになる。
啓吾は?っと見てみると啓吾はライフルを車に立てかけると、信じられない事にゾンビへ向かって走り出したのだ!
みるみる内に距離が縮まってゆく。啓吾からゾンビはもう目の前のはずだ。
しかし、啓吾は全くスピードを落とす事無くまず先頭の空洞ゾンビに跳び蹴りを放つ。
ゾンビは胸に強烈な一撃を受け、もんどり打って後ろへ吹き飛ぶ。
華麗に着地して相手に一瞥だけするともう一匹?の方へ、今度はゆっくりと近づくゾンビも啓吾に向き直り片手を前に出して掴もうとする。
その姿はまるっきり映画の中の光景だ。
啓吾を見てみると、信じられないことに笑っていた。
その目は今までに見たこともないほど、爛々と輝いている。
ゾンビの手が啓吾の体に触れるか触れないかの瞬間!
「せい!」っと言う声と共にゾンビの腕を掴み、逆関節を極めると膝を横から踏みつける!
さらにそのまま極めていた腕も、そのまま相手を押し倒すようにして折った。
ボキィっと嫌な音が、俺の所まで届いた!
そこまでやられても尚、ゾンビは啓吾に噛み付こうと這いずり寄る。
そのゾンビに容赦なくジャングルブーツで頭を踏み抜く!
頭を失ったゾンビはやっと沈黙する。
啓吾は先ほど吹き飛ばしたゾンビに向き直ると、ゾンビはヨタヨタと不格好に起き上がった所だった。
「痛みは感じない・・・か?」
そう呟くと啓吾はジャブでけん制しながら後ろに回り込み頭と顎に手を掛け、そのまま首を折る。
そのゾンビも頭を踏みつぶし、まるで散策から帰ってきたかのような軽い足取りで帰ってきた。
この間、数時間にも感じられたが5分も経っていないだろう。
677 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 18:56:06 ID:SSVe0jpc0
その間全く動けずにいた。サポートといえば聞こえはいいが、実際は体がすくんで動けなかったのだ。ともすれば、腰砕けで座り込みそうだ・・・
「俺一人で十分だ。」と行く前に行った台詞の続きを言って満面の笑みを浮かべた。
俺は何故かその笑みにうすら寒いものを感じた。
「全く、啓吾だけは敵に回したくないよ・・・・」
心からの言葉をぶつけると啓吾はいつもの笑い声を上げた。
ここまでです。
次は早ければ今日の深夜か明け方、遅くとも明日の夕方までに投下させていただきますね?
今日のNG「そこは安全なのか?」そんな問いに啓吾は近くの壁をコンコンと叩き。
家が崩壊した!
「ここより、危険なところはない!!!」
乙です!軍隊式格闘術ですか。流石エリート傭兵ですなw
こんなに早く続きが読めて嬉しかったですっ。
679 :
ゾンビ主夫:2006/05/21(日) 19:58:49 ID:SSVe0jpc0
ツゥワァァァァァ!また誤字ありまくりらだ!
脳内変化でお楽しみください・・・・・
俺も脳の腐敗しているみたいだ・・・・吊ってくる・・・
乙ですた。
ただ、!の使い方がアレな感じがしましたなあ。
なんか安っぽい感じが・・・・・・
本来のおもしろさが減ってます。。。。。
ゾンビ主夫さん乙です。
なんで準備段階の話しってこんなにワクワクするんだろ。
無理なさらなくていいので続きお願いします!!。
682 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:28:28 ID:ywwN4UiV0
時刻 4:05
木更津を発つヘリに宮本と久米が乗りこんだ。
護衛として佐竹の部下である小松と福島、中沢が同行し、東京湾上の護衛艦隊へと向かった。
宮本達を乗せたヘリと入れ違うように1機のヘリが基地に降り立った。
すでに基地内には橋本たちの他に残る隊員はほとんどいない。日高はヘリの誘導を行うためにヘリポートへと出た。
「日高二尉!ご無事でしたか!」
ヘリの後席から声がする。
「田村一曹!大丈夫なのか!?」
「大丈夫です。橋本二尉はどちらですか?」
「ハンガーで仮眠をとってるよ。さすがに疲れたんだろ。」
「ありがとうございます。行ってみます!」
シャッターが開いたままのハンガーの片隅に置かれた資材をベッド代わりにして,橋本は横になっていた。
田村が声をかけに近づこうとしたとき,武器庫から戻ってきた高井が田村の姿を見つけた。
「田村さん!いつ戻ってきたの!?ケガは大丈夫なの?」
「高井さん!ご無事で・・・!さっき,海自のヘリに乗せてもらって戻ったんです。」
二人の会話に橋本が目を覚ます。
「おお!田村か!よく戻って来たな!」
「田村一曹,ただいま戻りました!」
田村は大袈裟に敬礼をしてみせた。橋本は最も信頼のできる部下が戻ってきたことに嬉しさを隠せないようであった。
683 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:29:42 ID:ywwN4UiV0
高井「そうそう橋本さん。武器庫に変わったモンがあったんだよ。」
橋本「『変わったもの』?なんですか?」
佐竹「橋本,お前の隊には『特殊戦闘服』ってヤツは搬入されなかったか?」
橋本「『特殊戦闘服』・・・?聞いたことがありません。」
高井「それがここにあるんだけど・・・」
橋本「どうしました?」
佐竹「高井の推測では,『対感染者』用なんじゃないかって。」
橋本「どういうことです?」
高井「どう考えても、『このため』に作られたとしか思えない形をしてるんだな。
もしかして、こういう事態をあらかじめ想定していたんじゃないかな?」
橋本「自衛隊が・・・?ですか?」
高井「そうとは限らないけど、間違いなくこれは『そのため』に作られたものだと思うよ。
まあ、俺達以外に使う人間はいないだろうけど。」
佐竹「とにかく、ここは放棄される。武器を残しておいてもしょうがないし、我々が使えるだけのモンは持ち出そう。」
橋本達は武器保管庫に向かうことにした。
そこに田村を乗せてきたヘリのパイロットが駆けより声をかける。
「我々が予定では最後のヘリです。乗らないのですか?」
「ああ、大丈夫。パイロットはいるから残った者を乗せて行ってくれ。我々は自力で行く。」
「わかりました、一尉。お気をつけて。」
684 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:30:22 ID:ywwN4UiV0
「ちょっと待った!何か新しい情報とかはないか?」
「情報と言っても・・・あ、そうそう。横須賀の米軍基地に偵察に出たヘリが、米海軍の生き残りと無線連絡できたって話です。」
「本当か!?それで?」
「それが・・・自衛隊には協力しないと突っぱねられたそうです・・・」
「なに!?どういうことだ?」
「一尉達はご存じでは?米海軍が日本国内に向けて核攻撃を行う可能性があると・・・」
「なんだと!?まだ生存している者もたくさんいるんだぞ!それを核攻撃だ!?」
「『核』とは断言していないのですが、『通常弾頭ではない』攻撃を行うという通達がありました。
中止には6ケタの中止コードが必要だと・・・」
「佐竹、米軍は基本的に6から8ケタの暗号を使っているはずだ。でも、なんで6ケタってわかってるんだ?」
「米軍側がそう伝えてきたんです。」
「はあ?なんだ?そりゃ?作戦の根幹に関わることを伝えてきたって言うのか?」
「そのようです。ですから、実は米軍側も攻撃はしたくないんじゃないかと。本国からの命令だから仕方なく攻撃をしなければならない。
けど、正式な中止コードさえあれば攻撃を回避できる。だから、我々に伝えてきたってもっぱらの噂です。」
「なるほど・・・自分たちが中止コードを調べたりすれば反逆罪に問われかねないからな。こっちに探せって言うわけだ。」
「そういうことになるんでしょうか。」
「在日米軍の幹部は頭がカタイのが多いからな!」
「それだけではないようですが・・・とにかく、ブルックナー大佐とか言う人物が取り合わないって話でした。」
「ブルックナー!?」
「なんだ、高井。知ってるのか?」
「いや、ただの同姓かもしれんが・・・ちょっと気になる名前だから・・・まあ、後で話すよ。」
高井は言葉を濁したままそれ以上には語ろうとしなかった。
685 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:31:17 ID:ywwN4UiV0
時刻 4:22
護衛艦隊の艦艇に久米と宮本を乗せたヘリが到着した。
二人は許可を得て、艦内の医務室に入ると早速、抗ウィルス剤の複製に取りかかった。
すでにヘリから無線で必要となる器材などは運びこまれており、複製作業自体はそれほど大変ではなかった。
問題は、はたしてこれがどれだけの効果を発揮できるか、ということである。
「サンプル実験ではうまくいきましたけどね・・・」
久米は複製された抗ウィルス剤を見つめながらつぶやいた。
その頃、同じ艦上では木更津から移送されてきた民間人の一部が休んでいた。
その中にはポンさんの姿もあった。
ポンさんは自分の手でアオこと青塚を撃ち殺したことが忘れられなかった。
休もうと目を閉じると、あの引鉄を引いた瞬間の映像が思い返される。
「ちっくしょう!眠れやしねえ!潮風にでもあたるか。」
そう言うと、一人、甲板へと上って行った。
その時、ポンさんは自分の体に異変が起きていることに気がついた。
それまでは全く自覚がなかったが、なんだか体がふらつくのである。
意識ははっきりしているし、体調が悪いという感覚はない。しかし、手足の関節がだるく、思うように動かない感じがした。
「っかしいな・・・オレとしたことが疲れがたまったかな・・・」
ふらつきながらもタラップを上ろうとする。しかし、足が一向に言うことを聞かない。
警備にあたっていた隊員がその様子に気づき、声をかけてきた。
「どうしました?具合でも悪いですか?」
「ちょっと、気分がよくねえから上に行こうかと思ったんだけど、なんか、体がダルくてよ・・・」
「顔色がよくないですよ。医務室に行きましょう。」
「そうかい?そう言うなら行くことにするか・・・」
ポンさんは隊員に案内されて医務室へと向かった。
686 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:31:59 ID:ywwN4UiV0
隊員はポンさんを医務室に案内すると、中で抗ウィルス剤の複製を行っている久米と宮本にポンさんの状況を話し、部屋を出て行った。
「どうです?熱があるようですが、いつ頃からですか?」
宮本はポンさんの正面に座ってたずねた。
「さあ・・・ちょっと前からだな。なんか、手足がダルくて・・・」
「宮本二佐、これは・・・!」
久米はポンさんの様子を見て思わず声を上げた。
「かもしれん・・・とすると、もう時間がない。」
「オイオイ!どうしたってんだよ?なんかヤバイことになってるのか?」
「血液を取らせてください。すぐに検査しますので。」
久米はすぐに注射器を取り出し、ポンさんの腕から採血をすると、隣の部屋へ行った。
間もなく久米は戻ってきたが、その表情はとても緊張しているようだった。
「宮本さん、思った通りです。」
「そうですか・・・」
「何だっていうんだよ?かなりヤバイのか?」
「申し上げにくいのですが、あなたは『感染』しています。」
「『感染』・・・?何に感染してるんだ?」
「『ウィルス』に・・・です。」
「『ウィルス』?ウィルスって、あの『化け物』になる・・・!?」
ポンさんは基地でのアオのことを思い返した。確かにアオは「化ける」直前、とてもダルそうにしていた。
自分も同じことになるのか・・・
「冗談じゃねえぜ!化けるくらいならここで殺してくれ!」
「落ち着いてください。可能性は残されてます。ただ、うまくいくかはわかりませんが、やってみます。」
「何するってんだい?・・・まあ、どうでもいいや・・・!どうせ死ぬんなら好きにしてくれ!」
ポンさんは半ばヤケ気味であったが、宮本と久米は落ち着いていた。
「万が一のことを考えて、体を拘束させてもらいますが、勘弁してください。こちらに・・・」
そう言うと隣接する部屋のベッドにポンさんを案内した。
687 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:34:12 ID:ywwN4UiV0
時刻 4:25
武器庫でめぼしい火器類を一通り確認した佐竹らは、これからの行動について話し合っていた。
「結局、こういうことだ。『感染者』は全世界にいて、その感染を食い止める術はない。
これ以上の感染を防ぐためにアメリカは日本国内に対して攻撃をする、と。」
「けれど、その攻撃命令は符丁さえ分かれば回避できる。そのカギは横須賀の米海軍基地にある。そんなところか。」
「ところで高井、ブルックナーって何者だ?知っているのか?」
「傭兵ってさ、生き残るために仲間意識が強いんだよ。だから無事に生きてシャバに戻れると、余計に連帯感が強くなってさ。
ちょくちょく連絡を取り合ったりするわけだ。で、そうした情報が一種のネットワークになっていて、例えばテロ対策なんかに役立つんだけどね。」
「それが何の関係があるんだよ?」
「まあ、慌てるなよ。セルビアで知り合った仲間で、元米軍の男がいたんだけど、何年か前にそいつから『ブルックナー』の名前を聞いたことがある。」
「どんなことをですか?」
「何でも、えれえ日本嫌い、アジア人嫌いの士官がいて、そいつが自分から希望を出して横須賀に行くことになったって。
普通はそんな話は話題にもならないんだけど、そいつの口癖が『ジャップをのさばらせておくな』で、
日本に敢えて来ることになったのは『ウラ』があるんじゃないかって。
まあ笑い話程度だったんだけど、実際に米軍内でも要注意人物としてマークされてたらしい。そいつが・・・」
「ブルックナー?」
「そう。確か、ブルックナー・・・大佐だったと思う。」
「米軍内ではどういうふうに『マーク』されてたんですか?」
「詳しくはわからないな・・・ただ、もの凄い愛国主義者で、アメリカが世界を統制する唯一の国家だと信じて疑わなかったらしい。
アメリカが強大な国家となるためには現状の体勢を崩壊させて、中央集権的国家を作り出すべきだと主張してたみたいだ。」
688 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:35:34 ID:ywwN4UiV0
「それで、我々はこれからどうしますか?海自艦艇に向かうべきなのかどうか。」
「横須賀に行くか?」
「はい。さっきの海自のパイロットの話では、攻撃開始は0630。もう二時間もありません。まだ国内には多数の生存者がいます。
中止させる手段があるならそれに賭けてみては・・・?」
「ブルックナーってヤツはコードを知っているのか?」
「さあ、おそらく知ってるだろう。だから基地を放棄して洋上待機しているんだろ。それに横須賀には俺の友達がいるんだ。
生きているかどうかは知らないけど・・・」
「ところで準備要陸艦ってのは?」
「お前ら自衛隊には考えられない船だよ。海兵隊が緊急に作戦を展開しなければならない場合に備えて、
一個師団が1ヶ月、戦闘ができる物資が積まれた船だよ。」
「物資?」
「武器・弾薬・食料から衣服、衣料品、さらには車両や重砲まで積載されているらしい。」
「なんで、そんな船が横須賀に?」
「だから不信なんだよ。この戦闘服だってそう。こんなモンがあるってのが変でしょ?オレは思うんだけど、
ここまで来たらさ・・・とことん行ってやろうって。」
「そうだな。こうなったら行くしかなかろう!橋本、お前はどうする?部下の意見も聞かないと。」
「自分はもちろん行きます。日高二尉は?」
「ここまで来て仲間ハズレにするなよ!」
「田村。」
「自分はそのためにここに来たんです。ご一諸します。」
「横田。」
「自分も連れて行ってください!」
「今村。」
「行きます!置いてかないでください!」
「よっしゃ!じゃあ、決まりだ!行こうか!」
689 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:36:26 ID:ywwN4UiV0
時刻 4:30
「では、いいですか。今からあなたに抗ウィルス剤を投与します。効果が出れば、すぐによくなるはずです。」
「効果がなかったら・・・?」
「・・・・・・」
「まあいいや。聞かないことにするワ。」
「効果があると信じています。しかし、効果がなかった場合、どうなるかは私達にも分からないんです。すいません・・・」
「いいさ。どっちにしろこのままじゃ長くねえんだろ?なら、ダメ元でどうにかしてもらった方が悔いが残らなくていいや。」
「万が一に備えて、体を拘束させてもらいます。しばらくの辛抱です。」
「だよな・・・オレが『化け』ちまってアンタらを襲うかもしれねえしな。縛ってくれや。あ!別に縛られるの趣味じゃねえからな!念のため!」
ポンさんの冗談に緊張気味の宮本と久米の表情が少し緩んだ。
宮本は拘束用のバンドを取り出すと、ポンさんの体をベッドに縛り付けた。
「やっぱ、あんまりいい気分じゃねえな・・・」
「すいません。では、これを注射します。血清の精製方法で作り出した抗ウィルス剤です。実験では・・・」
「能書きはいいって!とっととやってくれ!なあに、ダメでもアンタらを恨みゃしないよ。」
「わかりました。」
宮本はポンさんの右腕に注射の針を刺した。
抗ウィルス剤がゆっくりと体内へ注入されていく・・・・・・
690 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:37:55 ID:ywwN4UiV0
時刻 4:49
横須賀に向かうことを決めた高井達は「特殊戦闘服」に身を包んだ。
武器庫内に残されていた火器類の中からそれぞれが適当と思われるものを選択していく。
横田と今村は装弾数の多いミニミを、小銃には不慣れな日高は以前に橋本から受け取った9ミリ機関拳銃をそのまま使うことにし、
予備弾薬を持った。その他の者は使いなれた89式自動小銃をチョイス。手馴れた手つきで予備弾薬を弾倉に装填していく。
高井は武器庫横の事務室からガムテープを見つけ出して持ってくると、二本の弾倉をさかさまにつなぎ合わせた。
そして、残った弾倉の底の部分にもテープを貼って「ベロ」を作ってからポーチへしまっていった。
「高井さん、なんでそんなとこにテープを貼るんですか?」
「こうするとポーチから取り出す時に引っ張り出しやすくなるでしょ。戦場ではリロードの時間を1秒でも短くすることが大事だからね。」
「なるほど・・・俺もやります!」
今村と横田も高井に倣い「ベロ」付きマガジンをポーチへ収めていった。
こうして準備をした高井達はヘリポートへと向かった。
「日高さん、俺はヒューイしか操縦できないよ。」
「大丈夫ですよ。電装・兵装関係の配置が多少異なるだけで、飛ばすだけなら同じです。」
「そうか・・・こっちの方が性能はいいんだから、こっちで行こう!」
各人が装備を積み込みヘリに乗り込む。
「ここも戻ることはないな・・・」
日高は感慨深げにつぶやいた。長年、勤務しきた基地は、今、自分を最後に放棄されようとしている。
スタートスイッチを入れるとローターがゆっくりと回り出した。
「よし!出るぞ!」
轟音とともにヘリが宙に上がり始める。
691 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:38:41 ID:ywwN4UiV0
「あれ!二尉!あそこに!」
横田が何かを見つけ叫び声を上げた。全員の目が横田の示す方に向く。
そこにはヘリの方へ向かってくるいくつかの人影が・・・
「まだ誰かいたのか!?俺達だけが残っていたんじゃないのか?」
「下ろせ!日高!下ろせ!」
「了解!」
日高はヘリを再び着陸させようとした。
「待った!下ろしちゃダメだ!」
日高の操作を副操縦席に座った高井が制する。
「高井さん、どうしたんです!?残してはいけません!」
「違う。よく見ろ!あれは『生存者』じゃない!」
「なんだって!?」
思いもよらぬ言葉。佐竹は近づいて来る人影を目を凝らして見た。
近づいて来る人影は・・・走っている!こちらに向かって一直線に走ってきていた。その様子は見覚えがあった。
忘れもしない・・・恐怖の記憶が橋本の脳裏によみがえる。
「『第1種』!こんなところに!」
橋本は銃を構えた。
「橋本さん、撃っても無駄だよ!飛び上がっちまえばこっちのモンだから、無駄弾を使う必要ない!」
高井の言葉に橋本は冷静さを取り戻し、銃を下ろした。
ヘリは高度を上げながら向かってくる「敵」の頭上を飛び越える。地上の「モノ」はヘリに飛びつこうと無駄な努力をしている。
あと数十秒、発見が遅れたら・・・高井が瞬時に判断をしていなかったら・・・
「どうしてこんなところに・・・?」
「『集団』の中には『第一種』もいたんだろ。『ヤツら』の疲れを知らない速力と最後に確認した距離から考えたら、一部がここに着いてもおかしくない。
それに『集団』以外の『敵』がいたっておかしくない。今まで襲ってこなかったことの方が不思議なんだよ。きっと・・・」
「高井、どうしてお前は『ヤツら』だと気づいた?」
「さあ・・・なんとなくだよ・・・カンだよカン。」
ヘリはすでに「生者」がいなくなった基地を後にした。
その姿が彼方に消えた時、緑の芝生に覆われた広大な基地の敷地の中を「死者」たちが闊歩していた・・・
692 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/22(月) 00:49:25 ID:2ziLe+uq0
693 :
まこしろ:2006/05/22(月) 00:49:51 ID:ywwN4UiV0
みなさん乙です。
仕事が落ち着いてきたんで、今回はあまり間を空けないで投下できました。
よくよく考えたら、自分の作品って、ゾンビが全然出てきてないですよね・・・orz
もうすぐラストの予定ですんで、最後の最後にどばあ―――っと出したいと思っとりやす。
っつうか、皆さんに納得していただけるようなラストができるかなあ・・・ガンバロ!っと
>>ゾンビ主夫さん
かなりツボのストーリーです。投下ペースも早いので、毎日が楽しみです!
まこしろさん乙です。
リアルタイムで読まして頂きました。
どーでもいいですが、今度89式のエアガンが発売されるそうなので購入したアカツキにはマガジンに「ベロ」を付けたいと思いますw
>>まこしろさん
乙です。いつも楽しみに読ませていただいてます。
遅くなりましたが再就職おめでとうございます。
終盤戦も期待しております。
696 :
ゾンビ主夫:2006/05/22(月) 07:53:09 ID:WsS6sJvL0
皆さんおはようございます。今回は少し書き方を変えてみました。
もしも、変なら元に戻すつもりですが、読みやすくなっていたら幸いです。
その後しばらく二人で、辺りを警戒をするがどうやらこの付近には2体しかいなかったのか現れる事は無かった。
二人して安堵の溜息をつくと、俺は残りの荷物を運ぶため家に戻り、啓吾は万が一に備え引き続き周辺の警戒を続ける。
家の中に入ると玄関でへたり込み泣きじゃくっている。女性とそれを抱きしめている妻の姿があった。
おそらく、俺達の事が心配だったのだろう。
妻は俺の姿を認めると「大丈夫なの!?」と心配そうに声を掛けてくる。
「俺の出る幕は無かったよ。」っと苦笑の笑みを浮かべ肩を竦めてみせる。
ホッと胸をなで下ろした妻は、女性を抱きかかえたまま、ゆっくりとだが啓吾の奥さんがいるリビングへと向かう。
俺はその後ろ姿を見送り、玄関の脇に残されている荷物を車へと運ぶ。
最後の荷物を車に運び終え、リビングに妻達を呼びに行くと後ろから啓吾が声を掛けてきた。
「荷物は運び負えたなら、さっさと移動を始めようぜ。さっきから嫌な空気になってきた。」
その声に振り向き黙って頷くと二人してリビングへと戻る。
そこには子供を抱っこしておびえた目をこっちに向ける啓吾の奥さんと、女性に寄り添う妻、そして・・・先ほどまで取り乱していた女性がやっと落ち着いたのか紅茶を両手で持ちすすっていた。
妻と奥さんは、俺達が入ってくるなり立ち上がり駆け寄ってきた。
697 :
ゾンビ主夫:2006/05/22(月) 07:54:21 ID:WsS6sJvL0
その後ろにおずおずとついてくる女性。
「た・・・助けてくださって有り難うございました。」
今時の若い子には珍しい丁寧なお礼に育ちの良さが感じられた。
「まぁ、半分は行きがかり上ってのもあったし、そんなに改まらなくていいよ。」
その後、女性は軽く自己紹介をする。女性の名前は【藤崎 綾】と言って友人宅に遊びに来て帰ろうと駅に向かう途中、お食事中のゾンビに出会ったのだという。
「所で、藤崎さんはこれからどうするの?」
「俺達はこれから町を脱出するつもりなんだが、アンタはどうする?」
啓吾と俺の言葉が重なる。
「え?そうなんですか?私は・・・・」
急に口ごもる藤崎さんに構わず、啓吾はこう続けた。
「俺達と一緒に来るか?一緒に来ないならここでお別れだが?」
何故か啓吾の口調が冷たく感じるのは、俺の気のせいでは無いだろう。
「私は・・・両親が家にいるはずなので一緒に行けません。でも・・・」
ふっと俺は彼女の気持ちが解った様な気がした。彼女は怖いのだ。外に出るのが・・・
無理も無いだろう。俺だって一人であんなのに出会った後ならば外に出るのが怖くて仕方がない。
そんな彼女に俺が「だったら、家まで・・・・」と言ったところで、啓吾に脇腹を突かれて黙る。
「確かに怖いのは解る。家まで送ってやりたい所だが、俺達も予想以上に時間が無いんだ。悪いがアンタを送ってやることは出来ない。」
その言葉に啓吾と藤崎さんを除いた。みんなの顔に驚きの表情が浮かぶ。
藤崎さんは啓吾の言葉に下を向いて黙っている。おそらく、少しは期待していたのだろう。
啓吾はそんな藤崎さんの姿を見つめると頭をボリボリ掻きむしる。
「こんな事は言いたくはねぇんだが、アンタ家に電話するなりして迎えに来てもらっちゃどうだ?」
ぶっきらぼうな啓吾の言葉に藤崎さんはやっと顔を上げ、「はい」っと頷く。
「ただ、すまないが本当に時間がない。俺達はすぐにでも出発する。」
そう告げると啓吾は奥さんと子供を連れて玄関に向かう。俺と妻はその後を追おうと立ち上がると、藤崎さんがこっちに不安そうな視線を向ける。
698 :
ゾンビ主夫:2006/05/22(月) 07:58:13 ID:WsS6sJvL0
「本当にごめんね?だけど、本当はいいヤツなんだよ。でも、君も見て知っていると思うだろうけど、今、日本のあちこちであの化け物がいるらしい。だから、啓吾のヤツも家族を守るために必死なんだ。」
そう、啓吾は啓吾なりに必死なのだろう。人に情けを掛けるのは簡単だ。しかし、その為には家族を危険に晒すことを、啓吾は知っているのだ。
(それが戦場で培われたものかは知らないけど・・・)
「これは家の鍵と万が一の時に車の鍵、車の免許は持ってる?」
鍵束を藤崎に渡して、聞くと藤崎は申し訳なさそうに受け取り頷いた。
「戸締まりはしっかりしてね?それと車はガレージに入ってるから・・・ああ、それに車は返さなくていいから、もう、使わないだろうし・・・・」
それだけ言うと藤崎の返事を待たずして、俺は妻を連れて家を出た。
外に出ると啓吾はイライラした様子で車のハンドルを指で小突いている。
俺達が姿を見せると啓吾は窓を開けて、「早く来い!」と急かして来た。
俺は妻を後部座席に乗せると自分は空いていた助手席のドアを手を掛ける。
車に乗り込む前にもう二度と戻ってくることは無いであろう。まだ、新築の自宅を眺め心の中で別れを告げると車に乗り込む。
「行こう!生き延びる為に!」
その一言に啓吾はアクセルを踏み車を発車させた。
いかがだったでしょうか?
これからも少しでもいいものを書きたいのでドンドン改良していきたいと思いますので
意見があれば遠慮無くおっしゃってくださいな。
699 :
ゾンビ主夫:2006/05/22(月) 08:07:44 ID:WsS6sJvL0
>>680 貴重なご意見有り難うございます。改めて、意識して呼んでみたら確かに・・・
以後、気をつけますです!
>>まこしろさん
何をおっしゃいますやら、こちらこそ、まこしろさんに触発されて書かされたようなものですww
責任取ってね?(はーと)
ふた足程早い最終局面!wktkしながら楽しみにしてます!!
作者の皆さん、乙です。
>まこしろさん
安心して読める定番っていうか、いい具合に枯れてきましたな。
もちろん続きへの期待メーターは振り切ったままですww
>主夫さん
同じ元傭兵とはいえ「高井」さんとはまた別の味のある人ですね。
高井さんのような普通のオッサンもいいですが、こういうギラギラした人もいいです。
内容がいいのは言うまでもなく話を切るタイミングや投稿間隔に好感をもちます。
>ウォさん
大作のヨカン・・・って前のは完結してたのか・・・
>>696 ゾンビ主夫さん、乙です。
毎回ドキドキしながら読ませていただいてます。
今回はNGシーンがなくて、ちょっと残念w
重箱の隅をつつくようですいませんが、
「苦笑の笑みを浮かべ」っていう表現は
「馬から落ちて落馬した」みたいで、違和感が…
肩を竦めてみせる。
> ホッと胸をなで下ろした妻は、女性を抱きかかえたまま、ゆっくりとだが啓吾の奥さんがいるリビングへと向かう。
>
> 俺はその後ろ姿を見送り、玄関の脇に残されている荷物を車へと運ぶ。
> 最後の荷物を車に運び終え、リビングに妻達を呼びに行くと後ろから啓吾が声を掛けてきた。
> 「荷物は運び負えたなら、さっさと移動を始めようぜ。さっきから嫌な空気になってきた。」
> その声に振り向き黙って頷くと二人してリビングへと戻る。
> そこには子供を抱っこしておびえた目をこっちに向ける啓吾の奥さんと、女性に寄り添う妻、そして・・・先ほどまで取り乱していた女性がやっと落ち着いたのか紅茶を両手で持ちすすっていた。
> 妻と奥さんは、俺達が入ってくるなり立ち上がり駆け寄ってきた。
702 :
701:2006/05/22(月) 19:56:42 ID:Oo7vsZS30
ごねんなさい! ごめんなさい!
コピペの後半、削除し忘れました orz
>ごねんなさい
落ち着けwwwwwww
704 :
ゾンビ主夫:2006/05/22(月) 22:18:43 ID:2icIfchiO
>>701さん
本当だw
>馬から落ちて落馬した。
ナイスな喩えですw
NGシーンは誰も見てないかな?っと、止めたんですが期待して頂いていたとは……
がんばります。
705 :
通勤電車男:2006/05/22(月) 22:32:41 ID:ZpMZJT2nO
まこしろ様・ゾンビ主夫様、続編の投稿お疲れ様です!。
まこしろ様、各地で行動していた方々も合流し、木更津基地編も一段落。
新たな舞台での登場人物達が繰り広げるアツイ展開と、ポンさんの回復を期待&お祈りしています!!。
ゾンビ主夫様、踏んだ場数と潜った修羅場が物を言う世界では
最高の友人を持つ事こそが、生き残る為の条件なのかもしれませんね。
啓吾さん、頼もしいです!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
706 :
ゾンビ主夫:2006/05/23(火) 20:56:00 ID:sFpTPMrrO
すいません。
一日一回投下しようと思っていたんですが、ギックリ腰で座る所か立ち上がる事もままなりませぬ……
ですので、次の投下は明日の夕方くらいになるかと……
主夫さん
腰お大切に〜(´ー`)ノ
主夫さん乙
すごい期待させる作品ですね。
NGも楽しみにしています。
ジャッキー映画を思い出すw
まこしろさんも乙
クライマックスでwktkするけど、終りが近いのを感じると悲しくなる…
二人ともお体を大切に、大事にすれば一生使えますよ。
大事にしなくても
「一生」
は使える罠
彗星激突、人類滅亡、、、、orz
ゾンビの出る幕ねーじゃねーか
俺が今までリアルに溜め込んできた食料・装備どうなるよ?
彗星激突、ゾンビ発生、地球滅亡だと思う。
蓄えと装備は役立つぞw
712 :
ゾンビ主夫:2006/05/24(水) 20:52:12 ID:yHcTXdsi0
少し遅れましたが投下いたします。
家を出て2時間、町の中心は避けグルッと迂回する形で隣の飯高山を目指す。
もし、逃げる人の列に巻き込まれたら身動きが取れなくなるからだ。
高速道路も同様の理由から使えない。
つまりは、今走っているルートが遠回りになるが一番安全なのだ。
「あと、どれぐらいかかる?」
最初は緊張のせいで退屈を感じる事は無かったが、いざ走り出してみると町は静寂に包まれ、ゾンビの存在は全く感じられなかった。
「この調子なら3時間ってとこか?」
「そうか。」と返すと、俺は後ろの座席を振り向く。余程疲れていたのだろう、妻達は静かに寝息を立てていた。
時折、遠くに緊急車両のサイレンが聞こえてくる。
窓から外をボーッと眺めていると中央区の方から黒煙が上がっているのが見えた。
「どうやらこっちの道から来て、正解だな。」
「ああ、もしも町を突っ切っていたら、もっと時間が掛かってただろう。」
まるで人ごとのように呟いたとき、鋭い電子音と共にノイズ混じりの無線が車内が流れてきた。
その音に起こされた妻達が後ろから声をかけてくる。
「どうしたの?何かあったの?」
「いや、なんでもないよ。」と言うと、啓吾の顔を見る、啓吾は黙って車を止めると、俺と運転を交代した。
『ザー・・・ザッ・・・えます・・・ザッ、ザー・・・ちら、ジュウジカの・・・・』
助手席に移った啓吾は足下に吊ってあった無線機のマイクを手に取り、ダッシュボードを開けて、少しいじる。
713 :
ゾンビ主夫:2006/05/24(水) 20:53:04 ID:yHcTXdsi0
「CQ、CQ!こちらランドタートル!聞こえるか?こちらランドタートル!」
さっきよりもクリアになった音声で興奮した声がすぐに返ってきた。
『聞こえます!こちらシースワロー!また隊長の声が聞けて良かったです!』
啓吾はその声に満面の笑みを浮かべると膝を叩いて喜んだ。
俺には全く理解出来ない会話が繰り広げられる。
「俺の方こそ声が聞けて嬉しいぞ!そっちの状況はどうだ?」
『かなり状況は悪いです。マンションから外を確認したんですが周りの家々は阿鼻叫喚の様相ですよ。隊長は大丈夫なんですか?』
「ああ、今は飯高山の山荘に向かっているところだ。」
『確か、先月ゲームをしたとこですよね?もし良かったら・・・僕も言っていいですか?』 その言葉に啓吾は俺の意見を求めるように視線を送ってくる。
俺は黙って頷く。
「構わんが大丈夫なのか?足は?」
『多分、大丈夫です。俺のバイクはオフロードなんで何とか行ってみます。それに・・・』
しばらく、沈黙の後『このままじゃジリ貧ですから』と続ける。
「わかった。くれぐれも無理はするな、それとハンディ無線は忘れるな。」
『解りました!』っと元気の良い返事の後、「交信終わる。」と言って無線を切る。
俺は車を止めると啓吾と再度運転を交代する。
正直言ってサンデードライバーの、俺にはこの車を運転するだけでも疲れるのだ。
「さっきの無線の相手は誰だったんだ?」
助手席に乗り込むと啓吾はギアを入れ、発車させる。
啓吾の顔を見ると気持ち悪いくらいニコニコしている。今にも鼻歌でも歌いそうだ。
「俺の趣味は知ってるだろう?それの趣味仲間さ。」
「趣味?ガンマニアか?」
そう言うと正面を向きながら脇腹に軽く拳を入れてくる。
「俺はウォーマニアだ。さっきのは俺が作ったサバゲーの仲間なんだ。シュウの家に行く前にも呼びかけたりしてたんだが応答がなかったから半分諦めてたんだがなぁ。」
ハンドルをリズミカルに指で叩きながら車を加速させる。
(本当にご機嫌だな。余程嬉しかったんだ。)
流石に人が少ない郊外を選んだだけあって人々の混乱もなく道程は順調に進んでいった。
まあ、余談だがその道の途中にはふらふらと歩く人影はあったのだが・・・
714 :
ゾンビ主夫:2006/05/24(水) 21:02:10 ID:yHcTXdsi0
今日はここまでです。
話は最後まで既に考え着いていますので、後は書くだけ。
途中で彗星が地球に落ちないこと流れ星にでもお願いしときます。
今日のNG「どうしたの?何かあったの?」
「え!?」
そこには絡みあっている啓吾とシュウの姿が・・・・
「うほ!やらないか?」
主夫さん、おつかれ!!
身体のほうもお大事に。
ところで、、、「CQ」って不特定多数をを呼び出すための符号、
「誰でもいいから返事しろゴルァ」です。
間違ってはいませんが、あの状況だと相手を特定して
呼びかけてたみたいなんでww
主夫さん乙です。完結まで楽しみです!
隕石が落ちない事を祈ってますw
今日のNG吹いた
投下いたします。
ああするしかなかったのかな。他に方法があったかも知れない。
もしかしたら助けられたかもしれないのに…。
それともその希望は最初から潰れてたんだろうか。
あの時のあたしは確かに平常心じゃなかった。ただ自分の命だけが大事だったんだ。
『このままじゃ死んじゃう、殺されちゃう!』
恐慌をきたしたあたしの頭にはそれしか浮かばなかった。だから貴方を殺してしまった。
ただ自分が助かりたいが為だけに。
貴方の最期の言葉を自分への免罪符にして…。
何故こうなってしまったのか。あたしは過去(といってもほんの4日前だけど)を振り返る。
だけどあまりにも世界の変化がめまぐるしすぎて、今の状況に落ち着いた経緯がうまく思い出せない。
多分憶えておくより、まず『生きる』事を優先して行動してきたからだろう。
始まりはしっかりと記憶に焼き付いているのに。
そう。4日前からあたしの周りは、ううん、世界かな。まさに一変してしまった。
それが起きた時、あたしは予備校で授業を受けてる最中だった。
その場に講師の一人が慌てて飛び込んで来た時は、退屈な時間が少し潰れると思って内心喜んでたっけ。
実際は少しどころか即授業中止を伝えられて、喜び半分、戸惑い半分てとこだったけど。
「皆さん、授業は中止です。直ぐに帰宅して下さい。追って連絡をします」
講師はなんだかそわそわしてて、直ぐにもこの場を去りたいみたいに後ろをチラチラ見てた。
まあ特に用事もなかったから、真っ直ぐに家に帰ってみた。
ホントはあまり帰りたくはなかったけど、そこら中をパトカーが走り回ってたし、警官からも家にすぐ帰りなさいって言われたから。
流石になんだか危なそうって感じて言われた通りにした。
この時は、まだ危機感なんてなかった。誰だってそうだろう。
家に着いたら母が慌ただしく迎えに出てきて
「ああよかった、無事だったのね真奈美!!」
なんだろう?何をそんなに心配してたの?
「どうしたのお母さん?パトカーも沢山走ってたけど…何かあったの?」
「ニュースでね、なんだか暴動?みたいのがあったらしくて…。巻き込まれてないかと心配したわ」
「ああ、それでか。納得したわ。香奈美は?」
「気分が悪いらしくて寝てるわ。」
「ふ〜ん。まあいつもの事じゃん。あたしも部屋で休むから。」
そう言ってあたしはその場を後にした。
あたしの日常が崩壊したのはこの日の夜だった。
今日は以上です。読みづらい点、気になる点はご指摘お願いします。
能力の及ぶ限り直します。続きは近日中に落としたいと思いますので。
ではノシ
724 :
通勤電車男:2006/05/24(水) 23:52:23 ID:baIeJp13O
ゾンビ主夫様・我流様、続編&新作お疲れ様です。
ゾンビ主夫様、郊外への脱出は非常にスムーズでしたね!。
これは嵐の前の静けさと言うやつなのでしょうか!?。
我流様、女性が主人公だった作品は今迄あまり多くなかった分、
とてもワクテカしております!。...香奈美さん...もしや...(・_・;)。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
2話投下。昨日からの続きでエピローグといったところでしょうか。
香奈美。あたしの双子の妹。陰陽って言葉がある通り、あの子は陽であたしは陰かも。
双子の片方だけはできがいいなんてよく聞く話だ。遺伝子の不思議。それとも神様の気まぐれだろうか?
香奈美は人当たりもよかったし聞き上手で話上手。誰だって羨んでしまうような、そんな優しい性格の持ち主だった。
大学だってあたしと違って現役合格だったし。両親も香奈美には期待しているようだった。
ただ人より少し体調を崩しやすかったから、それも周りからちやほやされる理由だった。それともこれはあたしの嫉妬からきた思い込みだったのかな。
あたし?性格は真逆だし、浪人してるところで推して知ってほしい。
香奈美が羨ましく、それと同じくらい憎くもあった。
とりあえず様子を見ようと思って香奈美の部屋へ足を運び、ドアをノックした。
「香奈美?入るよ」返事がなかったので勝手に入る。
「あんた具合悪いんだってね。また暑い中無理したんじゃないの」
香奈美はモゾモゾと布団のなかで動き、不意にムクリと上半身を持ち上げた。
あたしは一瞬、その動きの唐突さに驚き、踏み出した足を無意識に止めた。
「あ…真奈ちゃんお帰り…。何だか身体がだるくてさ…暑いなかの散歩がまずかったのかなぁ…。」
そういう香奈美の言葉は弱々しく、顔色は血の気が引いて真っ青…ううん、真っ白だった。
投下完了。今日の夜にゾンビを出せるかもしれません。
序盤が長く申し訳ありませんがお付き合い下さいm(_)m
電車様。コメントどうも!香奈美ですか?それはやっぱり…ねえ?
ではノシ
我流さん乙、ほぼリアルタイムw wktk!!
我流さんお疲れさまです。期待してます。
あ、エピローグではなくプロローグでは…?
夜前にさらに投下。
「ちょっと…ホントに大丈夫なの?相当顔色悪いよあんた」
「え…そうかな?ただダルいだけだから…ちょっと早い夏バテかなぁ。長時間日に当たったのがまずかったかも」
「いつもは散歩30分くらいじゃない。長時間なんて何かあった?」
「うん。道端にしゃがんでる女の人がいてね、歩くのも辛そうだったから肩を貸して病院まで一緒に行ったの」
そう言って自分の細い腕を撫でた。そこに視線を向けたのに気付いたのか
「ああ、これ?その人がよろめいた時に支えたらひっかかれちゃった」と、バツが悪そうに苦笑を浮かべた。
その時はたいして気にもとめなかった。もし気付いてたとしても何もできなかったのだけれど。
夕食の時間にニュースをつけてみると、暴動の件がトップだった。
どうやら私たちの住んでいる市はまだ危険は少ないようで、暴動の中心は隣の市にあるようだった。
「やだわ、物騒ねぇ〜」妙にま伸びした語尾。ちっとも深刻さが感じられない声で母が言った。
「お父さんは平気かしら…。隣の市は勤務先だしね…」
そうだ、父は隣市の科学研究所で警備の仕事をしていた。いつもならもう帰ってきている時間だ。
「電話あった?遅くなる時は夕飯いらないって連絡よこすじゃん」
「そうね、変よねぇ…。連絡できないくらい大変なのかしら」
やっと事の重大さに気付いたみたい。
その時香奈美が居間に入ってきた。
「お母さん…」今にも消えてしまいそうなか細い声で言った。
とりあえずここまでです。コマゴマ投下ですいません。
いい感じのプロローグですね。期待が膨らみます。
寝ている香奈美が、布団から唐突に上半身を起こした事で真奈美が足を止めるシーンなんか、何気ない演出ですが凄く不気味さを感じます。間接的にこれからの恐怖を予感させるというか…
父親が研究員でなく、警備というのも身近で良いですね!
ゾンビ主夫さんといい、期待大の新作が多く楽しませてもらってます。
投下チャンス。
「どうしたの香奈美。もう起きても平気なの?」
母は心底心配そうに言った。あたしが風邪をひいた時は「寝てれば治るわよぉ〜」と笑ってたのに。
また胸の奥がチリチリする。そんなあたしの心なんかおかまいなしに二人で会話を進めた。
「胃腸薬なんかない…?薬飲んで寝たいの…」
「あら、確かきらしてたわ。ちょっと買ってくるわね」
母はごく簡単に言ってのけたので、あたしは慌てて止めようとした。
「お母さん!?外は暴動で危ないじゃない!!香奈美、我慢できないの?!」
「あ…お母さん、どうしてもって程じゃないから…。ないならいいの。このまま寝るね」
その台詞をきいてほっとした反面、『またいい子ぶってる。我慢できないならそう言えばいいのに』と、
舌の根も乾かぬうちに、さっき香奈美に言ったのとは逆の事を思ってしまった…。ああ自己嫌悪。
「こら真奈美、香奈美は身体が弱いんだから無理させないの!待ってなさい、今買ってくるから。パパッと行ってパパッと戻ってくるわ」
そう言うが早いか、サンダルを履いて止める間もなく行ってしまった。疾き事風の如し、かな?なんてくだらない事を考えてしまった。
「あ…あの、ごめんね?真奈ちゃん。」香奈美がおずおずと言う。
「なんであたしに謝んのよ。お母さんはあんたの事が心配でたまんないんだね」
言った瞬間後悔した。香奈美の顔が哀しみに歪んだから。
気まずくて顔をそらしたのはあたし。やっちゃった。これは謝ろう。うん、いくぞ!
「あ、あのね香奈美…」
まさにその時、タイミングがいいのか悪いのか、電話がいきなり鳴って二人で肩を震わせた。
「あ、あたしが出るから香奈美は座って休んでなよ」半ばほっとしてそう告げると、いそいそと電話に出る。
相手は父だった。
父は珍しく狼狽しているようだった。普段冷静なだけに、電話越しでもそれがわかる。
「香奈美か。今から父さんの言う事をよく聞きなさい。時間がない。
すぐにM県のおばあちゃんの家に向かいなさい。荷物は最小限…いや、通帳と現金だけでいいか。
運転はお前しか出来ないから、母さんと香奈美を頼むぞ。」
「え!?お、お父さん、ちょっと待ってよ!なんでいきなりおばあちゃんちに行かなきゃなんないの?意味わかん…」
「時間がないんだ!黙って言う事聞け!!」
父の怒鳴り声にビクッとなり、俄かに不安が沸き起こる。
「なによ…怒鳴らないでよ!わかんないよ!何が起きてるの?暴動じゃないの?」
「暴動だと?クソッあいつら…。ああ、すまん。父さんも詳しくは知らないが、暴動じゃない。怒鳴って悪かった。
とにかくすぐにそこを離れろ。途中誰に会っても無視しろ。車にも乗せるな。そいつが怪我をしてたら急いで離れるんだ。いいな?」
父の言う言葉が非常に重要な意味を持つと感じたあたしは、それを頭に叩きこんだ。
「あ!でもお母さんが薬を買いに出ちゃったよ!どうしよう…」
「何だと!?あいつは全く…。準備をしたら車で薬局まで行け。歩行者も同じ道を使う。いいな?さっき言った事を忘れるな」
なんだろう。父は自分がどう行動するかは言わない。こちらに指示するだけだ。
「お父さんは?一緒には無理でも後で合流するんでしょ!?」
必死になっていると、自分でわかる。なぜだか父には二度と会えない気がしたから。
「ああ…父さんはやる事があってな。それが済んだらおばあちゃんちに行くよ」
その時電話の向こうから叫び声が聴こえた。『福永主任!やつら来ました!!』
「もうか…では3班は駄目か…。香奈美、母さんと真奈美に伝えてくれ。身体を大事にしろ、お前達と暮らせて幸せだったとな。
それからな、香奈美。お前はこんな事言ったら怒るかも知れんが…父さんも母さんもお前を愛してるよ」
それは別れの言葉。二度と会えない人達へ告げる遺言だった。
父は気付いていたのだ。あたしが両親から愛されてないと思っていた事を。一瞬言葉につまる。言わなきゃ、言わなきゃ…
「お父さん!約束してよ、絶対、また、あ・会えるって…!」
涙が溢れる。うまく言えない。ああ、もっと何か言わなくちゃ。お父さん。お父さん!!
「ああ香奈美、約束だ、必ず会えるよ。またお前達と一緒に朝飯を食べるのが楽しみだ」
「待ってるからね。味噌汁はあたしが作って、真奈美が目玉焼き。お母さんは得意のサラダパスタ。絶対一緒に食べようね」
「ハハッ、和洋折衷だな。楽しみにし……プッ…プッ…プ――――」
突然電話が切れた。
「お父さん?お父さん!!お父さん!お…父さ…ん」
私は思う。あの時父は死を覚悟していた。それでも私達家族を自分自身より優先したのだ。
会えないとわかっていても、あたしの我が侭に付き合ってくれた優しい父。
あの瞬間、父はいつものような、はにかんだ笑みを浮かべていたのだろうか。
完了です。予想外に序章が長くなりましたが、もうそろそろ終わりです。
次は1章。まあ、【別れ道】とでも題します。
では夕食後にノシ
>我流さん
携帯から乙です!
しかし香と真、読み分けにくいw作者さんも間違えてるしww失礼
では続き楽しみにしてます
>>741ホントだwwww推敲したはずなのにwwwww
え〜と、メインが真奈美で、妹が香奈美ですね。
今気付いたけど、双子のマナカナですねこれ…。以後気をつけますOTL
投下しま〜す。序章ラスト。
あたしは涙を流したまま電話の前に立ちつくしていた。どうしようどうしよう。
そればかりが頭の中をかけまわっていた。
「今の…お父さんだよね…?何があったの?お父さんは無事なの?」
香奈美が隣に立っていた。気配もなく。あたしは意味もわからずに後ずさろうとした。
「お父さん…あたし達におばあちゃんちに行けって…。今すぐ車で。」
それを伝えるのが精一杯だった。動かなきゃ、説明しなきゃならないのに、体も脳もあたしのものではないように自由が利かない。
「どういう事?暴動のせいなの?お父さんは一緒に行けないの?お母さんも帰って来ないし…ねえ真奈ちゃ…」
「うるさいな!あたしに訊かれたってわかんないわよ!何が起きてるのかあたしが知りたいよ!!」
感情のままに叫び、苛立ちを香奈美にぶつけた。
「ご、ごめんなさい…」香奈美は首をすくめ、涙目で謝った。
そうだ。お父さんと約束したんだ。あたしはハッと思い直し、気持ちを落ち着けた。今は言われた事を行動にうつさなきゃ。
二人を、まかされたんだ。あたしが。
なるべく優しい声音で話しかける。
「ごめんね香奈美。動転してた。とにかく香奈美は動きやすい服に着替えて。あたしは荷物まとめるから」
「え、でも…」「いいから早く」
有無を言わせずに部屋へ送り出す。とにかく現金、通帳を揃え、保険証や必要になりそうなものを細々とまとめた。
「準備したけど…」
驚きと共に振り返ると、また気配もなく香奈美が後ろに立っていた。『この子こんなに気配が薄かったっけ?』
内心の疑問と驚きを取り繕い、返事を返す。
「あ、うん。じゃあ薬局まで行くよ。車に乗ろう。後ろに座ってて。お母さんを見過ごさないように気をつけて」
「うん、わかった…」ますます元気がないみたいだ。
家の鍵を掛けた時、ふともうこの家のドアを開くことはない気がした。『そんな訳ない。また戻ってこれる。お父さんだってきっと…』
また涙を流しそうになり、慌てて首をふりその考えを打ち消した。
薬局までは2kmくらい。普段から歩いて買い物に行く母にはなんでもない距離。その筈なのに…。
「お母さんいなかったよね。真奈ちゃんどう?」
そう。車ならほんの数分。しかもゆっくり走ってきたのだから見過ごすわけない。裏道なんてないし。
それにもう母が家を出てから1時間もたっている。何か変。
「ねえ…誰もいなかったよね。せめて一人は見掛けてもいいのに」
さっきから香奈美も不審がっている。こっちも不安が最高潮になってるから余計な口は開かない。
薬局が見えて来た。5、6人が集まってる。何だろあの人だかり。皆しゃがんで一人を囲んでいるけど…。
その人が倒れている場所にみえるあれは…あの赤い色は…
とてつもなく嫌な予感がした。今までにないくらい。
序章終了です。長くてすいません…。
ゾンビの影がちらついたところで、次は1章に入ろうと思います。
ゾンビ活躍できるかなぁ〜。
ではお風呂ですノシ
一応続きが出来てるんですが…こんなに連投してもいいんすかね?
明日まで待つのが無難でしょうか…。
>>747 読みたいとは思うがその次まで間があくならまた明日w
最後まで全部一気に流すか一定間隔でバランスよく、が理想。
そやね。他の作家さんも投下のタイミング計ってるかもだし、
感想付ける人もどこで書くか気ぃ使うしな。まぁ続きはスゲー気になるがw
おはようございます
>>748-749そうですね。では間を置いて今日の昼か夕方にでも落とします。アドバイスありがとうございます!
ではノシ
751 :
ゾンビ主夫:2006/05/26(金) 08:10:49 ID:A9HmGQD90
少し遅れながらも昨日(今日)の投下です。
車は意外な程、スムーズに進み。予定通り山小屋に着いた。
唯一、予想外だったのは山小屋の入り口が開いており、その入り口には猟銃をこちらに構えている人物がいたことだろう。
男はこちらを睨み付ける。そして、銃口を軽く左右に振る。
どうやら車から降りろと言っているようだ。
男からは見えない様に注意しつつ、ドアボードに仕舞っていたシグを手にする。啓吾
「あの人は知り合い?」小声で聞くと啓吾は男を睨み付けたまま、首を振った。
「おそらくはうちの山荘を不法占拠したんだろう。覚えておけよ?どんな時でも最大の敵は人間だ。」
俺は啓吾に任せようか?と思ったが、啓吾を止める。
いい考えが浮かんだのだ。だが、俺にする勇気があるかどうかだが・・・・
訝しげに、俺をみる啓吾に頷く。
「ここは俺に任せてくれ。」そう言うとゆっくりとドアを開ける。
男にハマーが外車という知識が無ければ、これで運転者が出てきたと思うだろう。
外に出ると足から力が抜けそうになったがぐっと我慢する。
手を上げ、男に近づいて行くと「止まれ!」
男から視線を外さずにその場に立ち止まる。
「な・・・何の用だ!何しに来た!」
「怪しい者じゃありません!化け物に追われて山に逃げ込んで来たんです。」
嘘は言っない本当の事も言ってないが、それでも男は銃口をこっちに向けたままだ。
男はチラッと車に目を向けると「お前一人か?」と聞いてきた。
俺はおびえた振り(実際ビビっていたんだが)で頷くと「助けてください!」と付け加える。普通なら少なくとも銃を降ろしてくれるはずである。
しかし、男は銃口を外すどころかトリガーに指を掛けた。
(まずったか?)一瞬、死を覚悟する。
「今すぐここから失せろ!ここは俺の山小屋だ!」
頭ごなしに怒鳴りつけてくる男を見ると少し震えているようだ。
それを見た瞬間、(いける)と確信した。
俺は敢えて引き下がらずにこう続ける。
752 :
ゾンビ主夫:2006/05/26(金) 08:11:49 ID:A9HmGQD90
「食料なら沢山あるんです。ここを追い出されたら、俺は行く所も無いですし・・・
何でもしますから助けてください。」
我ながら必死の演技である。一つ選択肢を誤れば、それは死に直結するだろう。
だが、不思議と心は落ち着いていた。車の中で啓吾が控えてくれていると言うのもあるだろう。
(乗ってこい。)ある種の賭ではあった。
男は少しの躊躇いの後、心細さもあったのだろう。銃口を外す。
「わかった!で・・・でも、あくまで主人は俺だ!」
その言葉を聞いた時、俺は心の中で歓声を上げた。
「あ・・・ありがとうございます。お酒もあるんですよ?」と続ける。
そして、ゆっくりと男に近づき左手を差し出し握手を求める。
男もついつられて左手を銃から離した瞬間、俺はライフルを左手でライフルを掴み、遅れて右手もライフルを掴むと銃口を空へと向ける。
「今だ!!」と、俺が叫ぶが早いか運転席から啓吾が飛び出し、こちらへと駆け寄ってくる。
「離せ!こら!だましやがったな!」と叫びながら、俺を引きはがそうと力任せに暴れる。 しかし、必死に離すまいとしがみつくが元々非力な、俺はついに引きはがされた。
倒れゆく視界の中で啓吾が猛然と走り寄って来るのが見えた。
男は直ぐさま、ライフルを握り直し、啓吾に向けた。
俺は倒れた衝撃で痛みを感じるよりも早く起き上がろうと上半身を起こすと、そこにはライフルの銃口に指を突っ込み、男の胸にシグを突きつけている啓吾の姿があった。
「どうする。このまんま撃ち合うかい?指一本と命を引き替えにする勇気がアンタにあればの話だが?」
「それはどうせオ・・・オモチャだろ!」
男は啓吾の顔色をうかがうようにそう言うが、啓吾は変わらず冷たい視線を男にぶつけたまま「そう思いたければそう思えばいい。」と呟く。
その言葉に男は黙ったまま、ライフルを放さない。
しかし、啓吾が追い打ちを掛けるように撃鉄をあげると観念した男はゆっくりと銃を地面へ放って、その場にへたり込む。
753 :
ゾンビ主夫:2006/05/26(金) 08:25:02 ID:A9HmGQD90
「そこに座ってる英雄さん。この銃を取って貰えませんかな?」
男からは一瞬たりとも目を離さずに、変な口調でそう言ってくる。
俺は我に返りすぐにライフルを手に取る。
啓吾はそれを見て、やっと男から銃口を外すと、男の足下に向けて発砲する。
「信じてよかったな?」とだけ呟き、俺の所まで歩いてくると拳骨を頭に打ち下ろす。
「いっつぅ〜!」頭に衝撃が走り星が舞うどころか一瞬落ちてくる彗星が見えたような気がした。
「無茶すんな!車の中で奈美さんが失神してるかもしれんぞ。」
その言葉を聞いていたかのように車のドアが開く音が聞こえてきた。
振り返ろうにも愛する妻の怖さは誰より、俺が知っていた。
さっきまで銃を突きつけられていても落ち着いていた心は恐怖に縛り付けられた。
(今、振り向く位なら銃を突きつけられていた方がましだ・・・)と思ってはいても振り向かざるを得ないのは近づいてくる足音が物語っていた。
なるべくゆっくりと振り向くとやはりというべきか無表情に近づいて来る妻の姿があった。
俺はその妻の姿が迫り来るゾンビよりもさらには死を覚悟した銃口より恐ろしかった。
今回はここまでです。今回もゾンビは出ず仕舞い・・・彼女にこの小説見せたら「ちょwwwwおまwwww
これなんてハードボイルド?」言われたのは秘密ですw
もう少ししたらゾンビとの楽しい競演が待っているかも?
多分・・・・いや、きっと・・・だったらいいな・・・
今日のNG 「離せ!こら!だましやがったな!」と叫びながら、俺を引きはがそうと力任せに暴れる。
「qあwせdrftgyふじこlp;@」
俺は男を指さし・・・・
「ドキュソ逝てよし!」
>>我流様
おんにゃのこが主人公の小説、しかも、主人公はツンデレとお見受けします!
かなり萌なんですが?なにか?
お互いがんばってこのスレ盛り立てていきませう!
投下開始します。
何故倒れているのか、何故血が流れているのか、周りの人達はなぜしゃがんでいるのか。 疑問は次々と浮かんでくる。
あの手に持っているヒモは何?横顔が見えた。なんで口の周りが赤黒いの?
「な…によ、あれ…何してるのよ…」
10m程手前で車を停め、彼らの様子をマジマジと観察していたら自然と口をついて出てきた言葉。
「え?真奈ちゃんどうしたの?お母さんいたの?」
後ろから香奈美が顔をヒョイと突き出してきた。
「あれ。あの人達何してるんだろ。赤い色…ってあれ血じゃないの!?」
「うん…だよね…。でも様子が変だよ。助けてる様には見えないし」
と、香奈美を見やると、様子が変わっている。頬は軽く上気したように赤く、だけど唇は真っ青だった。
目をみるとなんだか黒目が濁っているような…?
「香奈美、あんた体調は平気なの?唇青いよ」
「え?ああ、なんだかすっきりしてきたよ。なんでだろう。体も軽い感じ」
そういう彼女はホントに元気そうで、さっきまでグッタリしてた人間とは思えなかった。
とにかくもっと近付かなきゃ詳しい様子がわからない。父の言ってた言葉を思い出すと、迂濶に近づくのは避けたいけど…。
「ちょっとドアロックするよ。窓も閉めるから。絶対ドアを開けないでね」
そう念を押してからゆっくりと近づく。見えてきたもの、それは。あのサンダル…服は
「いや…嘘だよ…いやだイヤだイヤダ…。おか…お母さん…」
そんな筈はないと思いつつも、目の前の光景は現実を嫌でも見せつけてきた。
その人は 倒れていたのは 母 だった。
「いやああぁぁぁァアアアァ!!」「キャアアアアアァァァァァ!!」
二人共叫ぶしかできなかった。動くこともできななくて、ただ壊れた機械の様に叫んだ。
彼らは、あいつらは、母を食べていたんだから。ヒモに見えたのは内蔵、口の周りが赤黒かったのは母にむしゃぶりついていたからだった。
そんな凄惨な光景は人から理性を奪うんだ。あたしは初めて自分が自分ではない感覚に陥るのを感じながら、ただ叫んだ。
「何よあれ、何なのよ!?お母さんが食べられ…た、助けなきゃ、お母さんを…助け…」
ドアを開けて外に出ようとするが、ドアが開かない。
「何よこれ!開いてよ!畜生!!」動転しすぎて、ロックしたことすら忘れてた。
今思えば、それがあたしの命を救ったんだ。目の前で母が食われていたのにショックを受けて、冷静な判断力を失っていた。
ドン!いきなり窓を叩かれ、香奈美が更に叫んだ。
「ま、真奈ちゃん!この人…!!」
泣きながら振り向くと、後部の窓を叩いている中年男性が一人。明らかに様子がおかしい。
黒目はほとんどなく、白眼の中心に点のように残っているだけ。唇は白いのに頬が赤黒くて、そのコントラストは不気味の一言に尽きた。
ドンドン!!「いやぁ!やめて!!」香奈美が叫び、あたしは呆然とそれを見つめるだけだった。
母の方に怖々と目を向けると、さっきのやつらがこちらを睨み、立ち上がったところだった。
『もうどうしたらいいのかわからない。何も考えたくない。こんな事はあり得ない。これはきっと夢。早く目を覚ましてよ!現実のあたし!!』
思考を放棄してしまおうとしたその時、パキッと音がして後部の窓にヒビが入った。
「真奈ちゃん!窓が割れちゃうよ!この人何なのよ!!」
香奈美も半狂乱だった。髪を振り乱し涙をボロボロ流してわめいている。
あたしはその様子を見て幾分冷静さを取り戻した。駄目だ。悔しいけど、あたし達じゃどうにもできない。警察…そうだ、警察署に行けば母をなんとかしてもらえる…。
そう考えたあたしは車のギアをDに入れてこの場所を一旦離れようとした。
ガッ!ガシャッン!!
窓が割られて男の手が車内の香奈美に伸びたのは、まさにその瞬間だった。
他の奴らはもう車を囲んでいる。
「香奈美!しっかりつかまってなよ!」
あたしは車を急発進させた。何人かぶつかったみたいだけど、そんなのは気にしていられなかった。
あいつら、お母さんを…お母さんを食べたんだ。あんなのは人じゃない!
完了。
主夫様、続編待ってました!感想ありがたいです。
ツンデレですか?自分では意識してませんでした。ツンデレ好きが無意識に作品に出たのかとwwww
ではまたノシ
>主夫さん
おつです。何だね、この人は?
敵か味方か、はてさてヤラレキャラか・・・
>我流さん
うんうん、いい調子、いいテンポ、いい投下タイミングw
お二方ともいい感じでうpしてくれるのでこのスレにくるのが楽しみです。サンクス。
今日投下するか明日にするか迷っています。しっかり推敲して、前回のような大ボケを回避したいw
>>759楽しんで頂けると幸いです。みなさんからの厳しい意見も欲しいと思います。参考にしたいので。
愚作ですが今後もよろしくお願いしますm(_)m
ではノシ
すいませんが、明日は忙しくて暇がなさそうなので、今日投下させて下さい。ご免なさい!
『早く、早く警察署まで行って助けを呼ばなくちゃお母さんが死んじゃう!誰か助けてよ!』
心は助けを求めていた。あたしは必死で車を走らせる。
でも母は既に死んでいた。その時は脳がそれを認めるのを拒否していたんだ。携帯の存在すら頭の中から忘れ去られていた。
「ちょっと真奈ちゃん、お母さんはどうするの!?早く助けなきゃ死んじゃうよ!」
座席にしがみつきながら精神をいくらか持ち直したのか、香奈美が叫ぶ。この子も現実を認めていなかった。「あたし達だけじゃ無理よ!見たでしょ?あいつらおかしいよ、あんなの普通じゃない…!警察連れてこなきゃ…」
「そうだけど、でも…。ねぇ、もう一回戻ってよ。すぐ車に連れ込めばきっと大丈夫だよ!」
香奈美はそれくらいなら簡単だよ、というくらいに意気込んで言う。あの異常な奴らを見て何故大丈夫なんて言えるのか?
あたしは恐ろしくて、そして香奈美の言葉が『母を見捨てる気なのか』と言外に責めているように聞こえて、なかなか返事ができなかった。
「そうかもしれないけど…でも…」歯切れ悪く答える。
何を迷ってるの?お母さんを助けたくないの?そんな目で見つめてきている。後ろを確認しなくてもわかる。
「わかった。いい?お母さんの隣に車停めるから一気に中に引っ張り込むよ?」
視線に耐えられなくて、覚悟も決まらぬままに返事をした。
そんなことできるだろうか。もしあいつらが母のそばにまだ居たら。さっきの動きは明らかにあたし達を襲おうとしていた。
あの時の尋常ではない顔つきを思い出して身震いした。あの人達は正気を完全に失っているようだった…。
「うんわかった。後ろに乗せていいよね?」そう答え、右側に香奈美が移動した。
なんでだろう。香奈美はついさっきまでの恐慌状態など嘘のように落ち着いている。むしろ喜んでいるようにもみえた。
車をUターンさせた時にチラッと彼女の方をミラーで見ると、腕が目に入った。
『ひっかかれちゃった』そう言って撫でていた傷口は線の様に裂けて、どす黒く変色していた。
あえてその傷の事については触れなかった。顔つきも目の色も、さっきよりもあいつらに近づいているように感じた。
そんな筈がない。香奈美があんなふうになるわけない。不安を感じながらも、強く自分に言い聞かせる。
だけど一度その考えに囚われてしまうと、振り払うのは困難だった。
「どうしたの、真奈ちゃん?結構遠くまで逃げてきたから急いで戻ろうよ!」
「え…あ、うん、そうだね…うん…」
曖昧な返事。嫌な考えが離れない。もしそうだったら…どうする?あたしはどうしたらいいの、お父さん?
父がこの場にいないのが悔やまれる。どうか無事でいて…。父ならどうしただろう?それともこれは決断を人に委ねようとする逃げだろうか。
今はあたししかいないのだから、判断は一人で下すしかない。ただ疑心暗鬼になってるだけで、本当は何も異常はないかもしれないじゃない。
とにかく優先すべきは母の身を保護する事だ。あたしは無理矢理思考をねじまげた。 アクセルを踏む力を強くして、母の元へ急いだ。
車は薬局の前に戻って来た。幸い奴らは姿を消していたけど、いつまた姿を現すか知れない。
「行くよ香奈美、準備して!」「うん、いいよ!」
流石は双子というべきか、息はぴったりだった。車を停め、ロックを解除して同時にドアから飛び出し、母の脇に立つ。
そして二人で立ち尽くした。言葉もなく、ただ母の姿を見つめた。
「……………………」「……………………」
あたし達は互いに目を合わさず、ただ眼下の状況を眺めるだけという無防備極まりない状態で自身を喪失していた。
無惨すぎる。見た瞬間に理解した、母は既に絶命している事を。内蔵が腹部の周りに飛び出し、顔面は半分も原型を留めていない。腕や脚も衣類毎噛み千切られた跡があった。
こんな状態では生きているはずがない。もしかしたら、最初の時点で既に殺されていたの?
凄惨な遺体を目の前にして、混乱するよりも逆に冷静さが戻ってきたみたいだった。人体の不思議。
「お母さん…死んでるよね。これ、食べられた跡だよね?」
不意に香奈美が口を開いた。その声は悲しみも驚きも感じられず、ううん、一切の感情が感じられなかった。
現実逃避でもしたのかと思いそちらに顔を向けると、香奈美は微かに笑みのようなものを浮かべていた。
目を見ると、瞳孔が開いたり閉じたりを繰り返し、とても普通の人の眼球とは思えなかった。
そしてあたしは耳を疑う。彼女が言った一言に戦慄を覚えた。
「食べたい…」
ここまでで終了です。間が悪くて申し訳ないです(TдT)
続きは近日中に落としたいです。ではノシ
オオオオォヲヲヲォヲヲオオオ香奈美ーーーーーーー!!!!
乙です。これからもずっと、楽しみにしております!!!
これから先がものすごく気になる………
766 :
まこしろ:2006/05/26(金) 23:11:40 ID:cDCRs7FXO
>ゾンビ主夫さん、我流さん
お二人とも毎日、きちんと投下されるのには頭が下がります。
wktkしながら、通勤途中に携帯で見てます!
お二人に触発されて続きを書きましたんで、本日、帰宅しましたら
投下の予定です!
ただ、何せ通勤が車で1時間半ですので、1時過ぎかな…orz
帰宅途中の車から携帯で失礼しました。
事故らんよにしよ……!
767 :
通勤電車男:2006/05/26(金) 23:46:29 ID:J/J2r7PrO
ここ数日でえらい投下量ですねΣ( ̄○ ̄;)。まこしろさんの投稿予告まで!。
...1時過ぎかぁ...終電ナイナ〜、アルイテカエルカ〜(^_^;)。投稿お待ちしてます!!
我流様・ゾンビ主夫様、続編の投稿お疲れ様です。
我流様、香奈美さん...(;_;)。母親の屍体を見て「食べたい...」の一言はインパクトありました!。
ゾンビ主夫様、主人公大ピンチですね(^。^;)。啓吾さんの戦闘能力も
ここでは無力でしょうし...。ガンバレ( ̄ー+ ̄)!。
続編の投稿お待ちしております。ありがとうございました!。
768 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:12:15 ID:qZlX+BVi0
時刻 5:00
ブルックナー大佐は少し落ち着かない様子で士官室の椅子に腰掛けていた。
部屋の中には別の士官がいる。階級は大尉。
「大佐でも緊張なさるんですね。」
「そのように見えるか?緊張しているつもりはないがね・・・」
そう言うと机の上のコーヒーを飲み干した。大尉が空になったカップを手に取り、コーヒーを注ぐ。
「ありがとう。」
ブルックナーはカップを自分の手元に引き寄せながら言った。
「もうすぐだな・・・」
「はい。・・・ところで大佐、今後の作戦行動ですが、人員の不足をどう埋めるかが問題になります。」
「だろうな。予定では150名は人員を確保するはずだったが・・・あの感染速度は予想外だった。」
「それと『感染者』ですが、本当にあと数週間でいなくなるんですか?」
「ウィルスは時限性だ。実験では何度も確認済みだから大丈夫だろう。仮に残っていたとしても大した数ではないさ。」
「太平洋艦隊の方は?」
「攻撃開始後の0700に各艦にいる『協力者』が艦を掌握する予定は変わらん。まあ、抵抗はあるだろうが、空母を押さえればこっちのものだ。」
ブルックナーは再びカップを手に取りコーヒーを口にした。そして壁の時計を一瞥して言った。
「我々が作り出した『ジャッジメントデイ』がもうすぐ完結する。」
769 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:13:13 ID:qZlX+BVi0
時刻 5:05
抗ウィルス剤を投与されたポンさんは、注射から数分後に眠りについた。
眠りというよりは意識を失ったと言った方が正確かもしれない。
宮本と久米は抗ウィルス剤の複製を進める一方で、ポンさんの様子に気を配っていた。
「・・・ゥゥゥ・・・・・・」
低い唸り声が聞こえてくる。久米と宮本は緊張した面持ちでベッドの方を見た。
ポンさんはベッドの上で体をゆっくりと動かしているようだった。その様子は拘束具を取り外そうとしているかのようにも見えた。
「ゥゥゥ・・・・・・」
唸り声は続いた。久米がベッドに近寄ろうとすると宮本がそれを制した。
そしてカバンの中から拳銃を取り出して安全装置を外した。
「万が一に備えて・・・だよ。」
久米は無言で頷く。
恐る恐る、ポンさんの顔を覗き込むように上から見る。
ポンさんは眉間に皺をよせて苦しそうにしていた。
「ダメだったか・・・」
宮本は一言つぶやくと拳銃をポンさんの頭に向けた。
「・・・ゥゥゥ・・・ゥゥゥ・・・・・・」
ゆっくりと引鉄に指をかける。あとはこの指に力を込めるだけ・・・
「・・・・・・ゥゥ・・・み・・・ず・・・・・・」
ポンさんの言葉を聞いた宮本は銃を下ろして安全装置をかけた。久米はすぐにコップに水を汲んできた。
ベッドを少し起こしてみるが、ポンさんはまだ小さく唸り声を上げながら苦しそうな表情をしている。
「水を持ってきましたよ・・・」
久米がコップを口元に持っていこうとしたその時・・・ポンさんが目を見開いた・・・
770 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:16:45 ID:qZlX+BVi0
時刻 5:06
ブルックナーのいる部屋の前に数名の兵が立っている。その中の一人がドアをノックした。
「ピーターセン中尉です。入ってもよろしいでしょうか。」
大佐は少し驚いた表情を見せると、大尉に目配せをした。
大尉は無言のままうなづいてホルスターから拳銃を引き抜き、安全装置をはずすと、机の下に隠した。
「入れ。」
長身の黒人士官が部屋に入ってきた。
「大佐、お話があります。」
「ピーター、あらたまってどうした?まあ、座りたまえ。」
ブルックナーがそう言うと、大尉は腰を動かして席を空けた。
「いえ、ここで結構です。」
中尉は扉の脇に立ったまま話を続けた。
「大佐。攻撃命令について質問があります。」
「質問?命令は絶対だ。質問をしたところで何の意味がある?」
「攻撃命令は合衆国大統領からの直接命令ということですが、それは事実ですか?」
ブルックナーはいきなりの核心を突く質問に焦りを覚えた。しかし、それを悟られぬように冷静を装って言葉を返す。
「何が言いたい?」
「はい。合衆国全軍に対して攻撃命令が出されたということになっています。
しかし、実際は太平洋艦隊のみに命令が出ていることがわかりました。」
中尉の口調は極めて冷静で事務的であった
771 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:18:27 ID:qZlX+BVi0
「それが何か問題が?」
「問題ありです。命令の伝達をシステム上でリチェックしました。しかし、本国からの命令は出ておりません。この命令は大統領からではない。」
「バカを言うな。命令は本物だぞ。では、誰が命令をしたと言うんだ?」
少尉は座っている大尉を牽制するように目を向けてから口を開いた。
「大佐。あなたです。あなたが軍の統制システムに入りこんで偽の命令を出した。そうではないのですか?」
「何を根拠にそんな馬鹿げたことを言っているんだ。私がどうして太平洋艦隊に命令を下せる?」
ピーターセンは深呼吸を一つすると、確認するように話し始めた。
「全軍に対する命令は衛星回線を通じて各艦の管制システムに直接、行われます。もちろん、命令システムに侵入することは難しいと思います。
しかし、このような混乱した状況下であれば、部分的にでもセキュリティが機能していない可能性もある。専門家なら十分に考えられる。」
「見事な創作だな中尉。君は推理作家になりたいのか?それとも軍法会議にかけられたいのかね?」
「軍法会議行きになるのはあなたです。大佐。この部屋での会話はすべてモニターして録音してあります。」
冷静を装っていた大佐もさすがに同様の色を見せ始める。その様子は中尉の発言を裏付けるものであった。
772 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:20:09 ID:qZlX+BVi0
時刻 5:10
水を欲しがるポンさんに久米が近づく。宮本はその様子をじっと見守っていた。
ポンさんの目が開く。
そして腕をゆっくりと上げながら、口を大きく開けた。
宮本は緊張した。―――― まさか ――――
慌てて銃の安全装置をはずし、ポンさんの頭部に狙いをつけた。
・・・・ふわぁぁあああ――――
ポンさんは両腕を上げて大あくびをした。
「オイオイ!まさかオレにぶっ放そうってんじゃねえよな!?」
その声を聞き、宮本はようやく安心した。今までの極限まで達した緊張が解け、体全体から力が抜けた気分だった。
「よかった。安心しましたよ。効いたみたいですね!」
「オレ、眠ってたか?どれくらい?」
「そうですね・・・十分ちょっとくらいでしょう。」
「そっか・・・なんか、丸一日、爆睡してた気分だよ。ちょっと頭がぼーっとすら。」
「少し意識が朦朧とするかもしれませんが、大丈夫なようです。もう一度、血液検査をしてみましょう。」
宮本と久米は安堵した。そして、いつ以来のことかわからないが、心の底から笑いがこみ上げてきて、
声を上げて笑った。
773 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:22:40 ID:qZlX+BVi0
時刻 5:11
「ほう・・・それでどうするつもりかね?」
しばらくの沈黙の後、大佐が口を開いた。
「あなたの命令に従おうとしていた18名はすでに拘束しました。あなた達の身柄も拘束させていただきます。」
「できるのか?」
大尉が机の下の拳銃に手を伸ばそうとする。ピーターセンはそれを見逃さないで、先に銃を引き抜いて構えた。
「手を離しなさい!ローズ大尉!」
その言葉と同時に部屋の中へ小銃を持った4名の兵士が入ってきた。
「あなたの企ては失敗した。ただ、あなたは取り返しのつかないことをしてしまったのは確かだ。
今、あなたがしなければならないことは攻撃中止命令を出し、これ以上、無用の血を流させないようにすることです。
中止コードを教えてください!」
大佐は椅子に深く腰かけなおし、ピーターセン中尉に向き直った。
「君の行動力は大したものだ。賞賛に値するよ。」
「大佐・・・」
ピーターセンは大佐をじっと見つめた。ブルックナーは先ほどとはうって変わり、落ち着いた様子で話し始めた。
774 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:29:21 ID:qZlX+BVi0
「私には3人の息子がいる。一人はペンタゴンに、一人は陸軍の防疫研究所、そしてもう一人はコンピューターの専門家だ。」
ペンタゴン、防疫研究所、コンピューター・・・ピーターセンはその3つが意味するものを悟った。
「息子達は私の意思に従ってくれたよ。親孝行な息子達だ・・・」
「あなたの息子たちがこの事態を引き起こした・・・?」
「長男はペンタゴンで防衛システムの開発責任者をしている。長男からその情報を得た三男が直接、
命令システムに侵入する方法を開発した。次男は、防疫研究所でかつて共同研究をしていた日本の
研究者からウィルスの存在を聞いた。一度は破棄された研究だったが、次男と一部の研究者の間で
開発が進められた・・・そして、ついに完成したのだ。」
「大佐、どうしてこんなことを・・・?」
「中尉、君の父上は軍人だったな。」
「そうです。今は退役しましたが。」
「私の父も海軍の軍人だった。ただ、私は父とは会ったこともないが。君はインディアナポリス号を知っているかね?」
「もちろんです。1945年7月、サイパン・テニアン島に原爆の部品となるウランを運んだ巡洋艦です。
その帰路、日本の潜水艦の雷撃により沈んでいます。」
「撃沈された後のことは?」
「・・・乗員1196名中、艦と共に約300名が海中に没し、数日の漂流の後、生還した者がわずか316名。
残りは溺死、もしくは鮫の襲撃により死亡・・・」
「その通りだ。生還者と共に88名分の遺体が回収されたが、そのすべてが手足、胴体を食いちぎられていた。」
「それと何の関係が・・・まさか・・・」
「察しの通りだよ、中尉。私の父はインディアナポリスに乗艦していた。そして、帰らなかった・・・」
「だから、復讐をしようとした・・・?」
「私の父はジャップに殺されたんだ。ジャップが艦を沈め、父は鮫に体を食いちぎられ、苦しみのうちに死んで行った。
それと同じ恐怖と苦しみに満ちた死をジャップに味あわせてやったのだ。
君の推測通り、私がこの状況を作り出してやったんだ!」
775 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:33:54 ID:qZlX+BVi0
「それでは全世界にウィルスが感染したのはどうしてです?本国でも多くの人々が死んでいる。それはどうしてです?」
「インディアナポリスはジャップの攻撃を受けた時に救難信号を発していた。しかし、それは偽電として無視された。なぜだかわかるか?
海軍は制海権、制空権があるにもかかわらず、日本軍の攻撃を恐れて救助隊を出さなかったのだ。救助隊を出すことで、テニアン島周辺の警備が
手薄になることを恐れた。そう、インディアナポリスは原爆のために見捨てられたのだよ。」
「あなたにとって復讐の対象は合衆国も同じ・・・」
「その通りだ。腐りきった政府を倒し、新しいアメリカを作り出す必要がある。『新合衆国』が世界を統一国家とする!それが究極の国家だ!
私はその一端を担ってやっただけだ!」
「そんな勝手は許されない!第一、国中を埋め尽くしている『死者』達はどうするつもりなんですか!?『彼ら』がいる限り、我々には国土すらない!」
「あのウィルスは時限性なんだよ。『時』が来れば、いずれ消滅する・・・」
「どういうことですか?」
「よかろう。話してやろう。あのウィルスは生物兵器の一種で、敵地で感染させることによって味方同士で殺し合いをさせる。
我々は手をかける必要はない。そして感染から1ヶ月ほどで感染者は『自己淘汰』を始める。感染者同士が殺し合うんだ。
その後、『生き残った』者も、2ヶ月ほどで死に絶える。もっとも、『生き残る』とか『死に絶える』という表現はおかしなことだがな。」
大佐は自嘲的な笑みを浮べた。
「なぜ『死に絶える』のですか?」
「ウィルス自体がそれしか活動できないんだ。言ってみれば『寿命』が尽きるワケだ。」
「では、今はあの『感染者』達は・・・?」
「そろそろ『自己淘汰』が始まったことだろう。ただ、その中で『生き残った』連中は手強いだろうな・・・
そう・・・『彼ら』は『サバイバー』だからな。」
ピーターセンはあらためて大佐の顔を見つめた。そこにはすべてを悟りきったような大佐の表情があった。
776 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:34:32 ID:qZlX+BVi0
「私の人生の目的の大半は成った。もう少しで『完結』する・・・もう中止することは不可能だ。」
「そんなことはありません。あなたがコードを言えばいい。」
「教えると思うか?私が・・・?」
「何としてでも教えていただきます。」
「それは無理だな・・・私から聞き出すのは諦めたまえ!」
ブルックナーは隠し持っていった拳銃を取り出すと自分のアゴの下に銃口を押し当てた。
「大佐!」
パ――――ン!!
ピーターセン中尉が叫んだと同時に艦内に一発の銃声が鳴り響いた・・・
777 :
まこしろ:2006/05/27(土) 01:37:41 ID:qZlX+BVi0
やっぱり1時をすぎてしまいました・・・すいません。
相変わらず、ゾンビが出てこないなあと思いつつ話が続いていますが、次回は
ラストに向けて、ゾンビちゃん大量出演!の予定です!
最後はハッピーエンドにするか、あぼーんにするか迷い中・・・
まこしろタン乙華麗
779 :
まこしろ:2006/05/27(土) 03:02:07 ID:qZlX+BVi0
寝る前にふと読み直したら、>771 に間違いハケ−−−ン!
>少尉は座っている大尉を牽制するように目を向けてから口を開いた。
少尉→中尉が正解!スンマセン・・・スンマセン・・・
780 :
本当にあった怖い名無し:2006/05/27(土) 12:10:39 ID:9ejtFFVQO
>>765-767感想有難うございます。
電車さんは香奈美がお気に入りでした?可愛いオナノコになら食べられてもいい、とか?w
まこしろさん、続編乙です!ピーターセンかっこいいっす!!クライマックスは楽しみですが、終るのは寂しいですね…。
続きは明日には投下できるかもです。おつきあいお願いします。ではノシ
↑本当に申し訳ない・・・吊ってきます・・・
我流さん乙!
どんまいオムライス!!
783 :
ゾンビ主夫:2006/05/27(土) 18:23:27 ID:xmvkETAH0
皆さんに残念なお知らせがあります。
私、しばらく入院が決定してしまいました。
病名は椎間板ヘルニアです(::)
腰の痛みが引かず、今日病院に行ってきますた・・・・
本当に申し訳ないんですがしばらくの間、続きがうP出来ません・・・
退院したらまた会いませう・・・・
>まこしろさん
ん〜クライマックス前夜祭ってとこですか。
ピーさんはてっきり大佐に殺されるもんだとばっかww
わくてか
>主夫さん
それはそれは、お大事に。
養生してください。せいぜいお話を練っていてください。
では、続き待ってます、お早い回復を。
今日は。お昼の投下を致します。
肌が粟立つ。何?この子今なんて言ったの?『食べたい』だって?
母の遺体を前にして発した台詞としてはあまりに異質な、そして、彼女がどういう状態になってしまったかを理解するには、十分な一言だった。
それでもあたしは一縷の希望を抱き、なんとかこちらの世界へ彼女を引き戻そうとする。
「か…香奈美!あんたどうしたのよ!自分が 何言ったかわかってるの!?しっかりしなさい!!」
「え?だってこんなにも赤くてオ…イしそう…ナ…」
呂律がまわらなくなってる。また信じられない事を言った。
どうなってるの一体。なんでこんな事になっちゃったの?
香奈美から体を遠ざけようとする意思を抑え、恐怖を飲み込み妹の肩を掴んだ。
「しっかりしてよ香奈美…お願いだからそんな変な事を言わないで…ね?早くお母さんを車に載せて逃げようよ…」
「あ…オォ・母さん…?お母さん・・・・・」
目を見つめて必死に説得した。その時香奈美の瞳孔の動きはゆっくりになり、やがて治まった。
あたしは肩から手を離し、今度こそ後ずさった。これ以上耐えられなかったんだ。ついに香奈美がおかしくなってしまったと思ったから。
「あ…あ、真奈ちゃん?あたし…今何て言った…?お母さんを見てたら急に意識が真っ赤になった感じがして…
ただ食べたくて堪らなくて、美味しそうってそれしか考えられなくて…」
ホッと胸を撫でおろす。どうやら普通の状態、とは言えないが、なんとか意識を保ったみたい。
「香奈美…心配したよ。あんたが急に変な事言い出すから。あいつらみたいになっちゃうのかと…」
全てを言い終えることはできなかった。また香奈美に異常が起きたから。
「ウッ!ウェッ!ゲヴォッ!!…ハァハァ。ゴヴぉぇッ!」
いきなり吐瀉物を撒き散らし、苦しそうにあえいだ。地面に手を着き、まだ吐き続けている。
「大丈夫香奈美!?しっかりして!」慌てて駆けよって背中をさすってやろうとする。
香奈美はこちらをむこうとしたのだろうが、その首の動きが自らの腕の前で止まった。
「なにこれ…」傷口を見つめて顔を歪ませた。
「なんでこんな風になっちゃってるの。わたしいったいドウしちゃったの…?真奈ちゃん…わたしどうなるの!!」
最後のそれは絶叫。
あたしは足を止め、何も言えずにただ傷口を見つめて立ち尽くした。
「真奈ちゃんサッキなんか言いかけてたよね。アイツラみたいって…。わたしもあの人達みたいに…お母さんを食べてたやつらみたいになっちゃうの?そうなの?」
答えられず、重苦しい沈黙があたし達を包んだ。
あたしには何も解らない。香奈美があいつらみたいになるのかどうかなんて。それとも聞いた事もないような珍しい病気にかかっているのかもしれない。
でもあたしの中の天秤は前者の方に大きく傾いてた。本能も危険を知らせているかのように、気付けば冷や汗で握り締めた手がじっとりと濡れていた。
香奈美はなおもあたしを問い詰める。
「ねえ、答えテヨ真奈ちゃん!わたしどうなっちゃうノ!?」
そう叫んで頭を抱えた。だけども腕は力なくすぐに垂れ下がり、その手には大量の髪の毛が握られていた。
フワフワのウェーブがかかった、香奈美のチャームポイントだった髪が。
呆然とその手を見つめ、不意に腕の傷を引っ掻いた彼女は、今度は笑いだした。
傷口からは血が少し滲んだくらいだった。それはあまりに少ない出血量。肉がグヂュリとむけ落ちたというのに。
「フフ…フフフフフ。アハハははハハはハハ!」
香奈美の異常に大きな笑い声だけが辺りに響いた。耳を塞ぎたい気持を我慢して声をかける。
「香奈美…きっと大丈夫だよ。病院で診てもらえばすぐなおるって!ね?病院に一緒に行こうよ」
気休めに過ぎないと自分でもわかっていた。けれどもそう言わずにはいられなかった。
香奈美はゆっくりとこちらを振り向き、微笑みを残した口元のままに言った。
「フフ…真奈ちゃんホントにそう思う?これをみてそう思うの?見てよ。血が全然出ないんだよ、こんなに…骨が見えそうなくらいの傷なのに。
髪の毛だってなんでこんな…。それにサッキカラ頭の中で声がするの。『食ベロ、ソイツヲ食ベロ』って」
そいつ。それを理解出来る程には思考力を取り戻していた。それに彼女はこちらをしっかりと見て言ったのだから。
そいつとはあたしの事だ。
「頑張ってその声を拒んでるの。だけどどんどん声は大きくなって、今も必死で我慢してる。すごくお腹が空いてる」
香奈美はとても辛そうに、哀しそうにそう言った。
動けない、喋れない。何かの呪縛にかかったかのようにあたしは身体の自由を失った。
「そんなのしたくない。出来るわけナイ。ねえお願い真奈ちゃん、わたしをココに置いて逃げて。まだわたしの理性があるうちニ…」
怒りが沸き起こり、一気に身体の自由を取り戻す。まさか置いていくなんて!
「ふざけないで、そんな事できるわけないでしょ!?大事な妹ほっぽいて一人で逃げろって言うの!?」
あたしの怒りの叫びに香奈美は思わずビクッと目を見開き、口を開こうとした。
その時あたしは香奈美の後方に人影を見つけ、会話はそこで中断せざるを得なかった。
と、こんな感じです。
主夫様 ヘルニアですか!?友人もそれで手術をしました。無理をしてしまうと悪化してしまうのでゆっくり養生して下さい!
続きをじっくりと待ってますw
>我流さん
なかなか盛り上がってきましたな
人とゾンビを行ったりきたり、中途半端な状態の描写とは斬新ですね。
続きにwktk
>>我流さん
乙です!!毎日楽しみに読ませていただいてます。
これからも頑張ってくださいね。
>>ゾンビ主夫さん
ゆっくり休んでくださいね。またの投稿を
ワクテカして待っています!。
792 :
通勤電車男:2006/05/28(日) 22:48:57 ID:WwNx6dPVO
まこしろ様・我流様、続編の投稿お疲れ様です。
まこしろ様、黒幕登場!速攻死亡!?。自己淘汰を潜り抜けた「サバイバー」の存在等、絶望的な状況の中、
「ふあぁぁ〜」と呑気なあくび一つで復活したポンさんに
とても心魅かれております!。
我流様、あぁぁ〜香奈美さんが・・・onz。判っていても辛い展開・・・。
でもそれがゾンビものの醍醐味なのでしょうね(^_^;)。
背後に現れた人影がストーリーをどの様に掻き回すのか!、とても楽しみです!。
ゾンビ主夫様、今は無理せず養生なさって下さい。
そして啓吾さん並の肉体にまで回復したら(^。^;)バンバン投下して下さい。
楽しみにしてます!。
続編の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
明日、明後日と早朝から深夜まで忙しいので投下不能と思われます。なので今日残りを…
あたしの視線の方向を辿り、香奈美が振り向く。彼女もそれの姿を認めたようだ。
「あの人は…もしかして…」呟きながら視線を固定してる。
「何、知ってる人なの?とにかく車にお母さん載せて逃げるよ!」
あたしは行動を開始しようとした。だけど香奈美は動かない。その人はまだこちらには気づいてないから、今しかチャンスはないのに!
「何してんのよ、早く!」急かしても動こうとしない。そのかわりに信じられないといった口調で言った。
「やっぱり…あの人、病院まで一緒に行った女の人だ……」
香奈美が助けたという女性のことだろうか。そして彼女の腕をひっかいたといってた…?
この傷が香奈美がおかしくなってしまった原因だとしたら、あの女性も同じ症状がでてる筈。
一瞬でそう計算したあたしの脳内は、恐怖で塗り固められた。ぐずぐずしてられない。
「急いで!もう時間がない!」
香奈美もやっと重い腰を上げて行動を開始したけど、既に遅きに失した。
女性はあたしたちを見つけ、その場に棒立ちになったと思ったのも束の間、真っ直ぐにこちらに向かって来た。
その人は腕を前に持ち上げて、何かを求めるかのようにあたしたちへ迫って来る。
距離は100mをきり、なおも近づいている。 心臓がドクン、と鳴った。ヤバい、あの動きはまるでさっきのあいつらのそれだ。頭の中で警鐘が激しく鳴り響く。
「駄目だ…。香奈美!お母さん載せてる時間ないよ!とにかくあたし達だけで先に逃げよう!警察に任せればなんとかなるから!!」
必死に叫び、自分の行動を正当化しようとした。
香奈美は既に立ち上がり、こちらに目線で返事をした、ような気がした。
車は隣に停めてあるから、エンジンをかけてすぐにここを離れられる。その筈だった。 あたしは運転席へ急いだ。エンジンをかけようとしてふと前をみると、香奈美は全く動いていない。
この非常時になにボケッと突っ立ってるの!?焦燥感をそのままに声をかける。
「何してるの、早く乗ってよ!時間ないんだよ?!」
「言ったでしょ?お願いだカラ一人で逃げて」
哀しみを湛えた笑みでそう答えた香奈美。あたしは声を失い、その微笑みに魅了されていた。
人はこんなにも美しく、哀しそうな笑みを浮かべられるものなのかと、事態の緊急さも忘れ、ただ見とれた。
「早く行って。ワタシは一緒には行けないよ。きっと我慢できなくて、真奈ちゃんを傷つけちゃう。もう自分を抑えきれナイもの…」
辛そうに、それでも気丈にも笑みを浮かべたまま言う。
「そんな…無理よ…。あたしだけ逃げるなんて出来ない…。ねえ、香奈美、お願いだから車に乗って」
「駄目。死にたいの?わたしに真奈ちゃんを殺させないで。食べられタクないでしょう?」
泣きだしそうなあたしに香奈美は毅然と言い放つ。恐ろしい、確実にそうなるであろう予告を。
それを否定できずにいるあたしの耳には、さっきの女性が近づいてくる音が届いた。
顔を向けると、口を大きく開きながら迫っている。
「あ"・・ヴォォォ・・・」人の喉から出せるとは思えない声。
どうしようもできずにその女性(だった者)と、香奈美の顔を交互に見る。
距離はもう20mをきった。あっという間にたどり着けるぐらいだ。
「香奈美…どうしてそんな…早く乗って!!」
運転席から駆け寄り、手を掴んで車に無理矢理乗せようとしたけど「触らないで!」との叫びに手をとめた。
「触らないで…わたしに触ったらきっと真奈ちゃんモコウなっちゃう…。だから行って」
可能性が無いとはいえなかったから、伸ばしかけた手を引っ込めてしまった。
自己の保身。自分はそうなりたくないないという本心が行動に表れてしまった。
「ね…?だから…」香奈美はそれを見ても微笑んだまま。
もう助からない自分より、あたしの身を案じたんだ。
もう顔つきもあいつらと同じ。肌は赤黒く変わり、唇も真っ白。目はかろうじて意志を保っているようだった。
そんな状態になってもあたしを心配してくれる。その心の強さに素直に感嘆を覚えると同時に、自らの弱さを恥じた。
何かを言わなきゃならないとはわかっていたけど、あいつはもう十数秒で手が届くまでに近づいていた。
また脳が思考を放棄しようとしていた。
瞬間、香奈美の目から意志の光が消えたと思うと、口を開きこちらに向かって来ようとした。
覚えずに悲鳴が洩れる。「ヒッ…!」
「あ…まな…ちゃん・・・バ…ヤク・・」
「ヴァアアアァァア!!」
香奈美の必死の懇願とあいつの絶叫が重なる。あたしはついに度重なる恐怖に負けて車に飛び乗った。
間一髪でロックをし、彼女達の方に目を向けると、あいつは香奈美を無視して真っ直ぐにあたしを目指して突っ込んで来た。
フロントガラスに手を叩き付け、何度も何度も、窓を割ろうして拳を力の限りぶつけてきた。
『やめて、やめてやめて助けて!!』
腕は骨折し、鞭のようにしなりながらも窓を叩き続ける。拳は原型を留めない程の肉塊と変していた。
フロントガラスは衝撃に耐えられずにヒビが入りはじめて、真っ赤に染まりながらへこんでいく。
もう叫ぶ事もできず、ただ車内で震えて目を瞑り、最期の瞬間を待つしかなかった。
あたしの窮地を救ったのは香奈美。彼女がいなかったらあたしは生きていなかっただろう。
最後の力を振り絞ってあたしを助け、そしてあたしに殺されたんだ。
妹の命を犠牲にして、あたしは今も生きている。
完了です。
>>792電車様 まあ、ストーリー上仕方ないですよね…。尊い犠牲です。
次回が一章クライマックスとなりそうです。
>>790-791楽しんで頂けて嬉しいです。頑張ってちゃいますw
ではノシ
間違いハケーン
>>796 >そうなりたくないない→そうなりたくない です。やっちまった…orz
因みに、フロントガラスの描写で『へこむ』がありますが、間違いではないっす。これは意図してます。
実際割れるよりヒビが入りへこんでたので。
今度こそノシ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ こんなスレもあったのね?
/;;;;;;;;;;;;;ノ ノ)ノ) ・・・ううん、ただの宣伝・・・、メリーさんも宜しくね・・・。
丿;;;;;;;;ィヤ) 夊く ト
;;;;ノ;;;;;;;;;;;;)ヽ /´ | \
ノ;;;;;;;;ノ;;リ ;;)⌒ヽ | ;;|
;;;;(;;; ;;;ノ);;ヽ ゝ | ;;|
リ;;) イ イ \ / ;;|
ヽ __ \ 丿ヽ //| ;;|
)爻 `` 丿 ゝ \ ヤ ´ イ ;;/
/_爻____ /| \ ゞ兮´ / ::/
ん ヽ 於 ィ `ソ´ / ::/
仆 ゝ 〆ィ''イ´
l ゝ ノ
入 ィ ^ ヽ
_ ゝんヘ〜一″ \
>>800 なんて出来の悪いAAなんだwwwwww
作者陣乙だります。
最近、投下数が非常に多くて嬉しいです。
健康に気をつけて毎日を過ごしてください。
チラシの裏
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1137418562/4 の【マナー。その他】から抜粋
5 496KBで警告メッセージが出力されます。
512KBでスレッドが終了なので、950からか450KBを過ぎた時点で新スレッドへの
移行を話し合いしましょう。
現状443KBなので、もう少ししたら新スレ移行ですね。
前回は埋め切られたのに気付いた774RRさんが立てたので、何とか前スレが
落ちる前に新スレが立ちました。今回は誘導も出きるようにしましょう。
では作者様投稿の程宜しくお願いします。
チラシの裏終了
↑もういい?まだやめとく?
作品は長いから、意外と容量を喰う。
そろそろ危ないのだったら、難民が出ないうちに新スレ立てれば?
携帯から立てれないので、勇者を求む。
もう次スレの季節かぁ、速いなぁ(´∀`)
新スレ移行ですか?容量勿体無いし、投下がないようなので落とします。
筆休めで書きました。
その日ある学校にゾンビの群れが現れた。原因は不明だがとにかく生徒は避難を開始。
しかし全員パニクッていたので訓練など意味をなさない。バラバラに逃げている。
AとBは途中まで一緒に避難し、友人達も行動を共にしていた。
問題発生。彼らの前には二つの選択肢。
1、非常階段・出口はすぐそこ
2、普通の階段・出口は遠い
貴方ならどちらを?
Aは非常階段を利用、Bは普通の階段を利用して逃げようとした。
AがBに言う。「なんだ、わざわざ遠回りすんのか?早く逃げるならこっちだろ。なあおまえら?」
Aは学校内でも喧嘩が強い事で有名だった。彼についていけばゾンビを倒してくれるだろう。そう考えた者はAについていく。
一方B。「急がば回れというでしょう。嫌な予感がするので僕はこちらから失礼します」
彼は校内1の秀才で、この期に及んでも冷静だった。
Aと一緒に行く事を躊躇った者は、秀才のBなら脱出方法も計算済みだろうと考え、Bについて行く。
「わかったよビビリ野郎。さっさと食われちまいな。じゃあなwwww」
Aはそう言い残し階段を降っていった。
「あなたがたは僕と来るんですね?では行きましょうか」 Bは残りを連れて階段を降る。
まもなく悲鳴が聴こえた。Aの声で間違いないようだ。一同の足が止まる。
「おい…今の…」「ああ…Aの声だよな」「じゃああいつら殺られたのか?一緒に行かなくてよかった〜www」
周りの者はクラスメイトが死んだにも関わらず、自らの生存に喜悦を浮かべた。
やはり喧嘩の強さなど、化物に対しては意味がないのだ。
「なあB、なんであっちが危ないってわかったんだ?」疑問をぶつける友人の一人。
「非常階段は確かに早く逃げれます。しかし一方向しかありませんので、前方から奴らが現れた場合逃げづらいのです。
それに奴らは校庭から侵入しました。非常階段は校庭につながっています。わかりますね?」
Bは事も無げに言う。「僕達は確かに遠回りですが、校舎内は複雑なので逃げ道の確保がしやすいのです」ニヤリッと笑った。
そこまで冷静に計算していたBに改めてついていこうと思う一同。
何故BがAに忠告をしなかったのか疑問を抱く者は皆無だった。
『それにA達が犠牲になり悲鳴をあげれば、あちらに注意がいきますからね…フフフw』
Bは全て計算づくで何も言わなかったのだ。恐ろしい確信犯。
「お前の頭の良さは助かるなぁ。もしかしてビビリも役に立ってたりwww」
彼の何気ない一言にBの怒りが沸き起こり、『次の囮はこいつにケテーイ…』心の中で審判が下った。
「さあ、〇〇君、僕の後ろについて来てください。早く脱出しましょう!」
なんという爽やかな笑顔で言うのか。輝く白い歯は芸能人!まさにポリデント……おっとそれはおじいちゃんだ。
窮地にあってこの余裕。それをみて彼の計算を疑う者が果たしていただろうか!?
実は全員を犠牲にして最期まで生き残る算段をつけていたB。
彼についていった者は例外なく、さりげない演技と緻密な計算により、Bが生き残る為の犠牲となって散っていった…。
こうしてA組は全滅、B組は主格のBのみ生き残った。
しかしどちらにも属さず、自らの意志で行動した者達数人、C組は全員生き残った。
彼等は互いに協力しあい、時に意見をぶつけながらも道を切り開く事ができたのだ。
彼等は皆、他人にただ頼る事を嫌い、可能なかぎり自分自身で問題を解決しようとする剛の者達。
こうして三者三様の結果がでたのだった。
結論・力を至上とする者と行動する時はまず君が先見を持て。
頭脳明晰な者と行動する時は彼の心理に気をつけろ。笑顔に騙されずその瞳の奥を覗け。
一番に自らを信じて行動せよ。
今回もいいデータが採れた…。次は何処へゾンビ達を放とうかね…ククク…wktkする…
以上です。簡単なお話ですが楽しめて貰えたでしょうか?
真奈美の方は数日中に落としたいと思ういます。余裕ができたので。
では新スレ楽しみにしてます。立てられる方何卒お願いしますm(_)m
ノシ
つまらん、実につまらん、でも楽しめた、乙だw
自分ならどうするか、考えちまったよ、、
多分途中までBそのもので最後までやりとおせるか、だな。
本編のほうもよろしくwktk
>>808や、どうもw30分程時間があったんで思い付くままかきました。
ちょっとしたくだらなさを演出したかったんでそれは成功ですかね?www
オチは単純ですが、だからこそ真理なのかな、とも思います。自分はBについて行きますがw
本編頑張りますノシ
ありがとう
ありがとう、情報よ。
TVやラジオは直ぐに放送されなくなったが、「彼ら」の情報を分け与えてくれた。
「彼ら」の情報を得た事で対処法が判明した。
ありがとう、隣人達よ。
「彼ら」の侵入を防ぐ手伝いをしてくれて。
「彼ら」の排除を手伝ってくれて。
ありがとう、家族達よ。
「彼ら」に襲われそうな事態なのに私の心配をしてくれて。
直ぐ助けに行く、と頼もしい言葉をくれて。
ありがとう、愛しい人よ。
いつもどんな時でも一緒にいてくれて。
あなたは変わっても、緩慢にではあるけれどあなたと「一緒」にしてくれて。
811 :
通勤電車男:2006/05/31(水) 23:14:11 ID:JNrpMqrWO
我流様・思いつき様、続編&新作お疲れ様です。
我流様、父は消息不明・母は貪り喰われ妹も目の前で変り果ててゆく...。
濃密な描写と漲る絶望感で、読んでるこちらにまで血臭が漂ってくる様ですね!。
次が第一章のラストとの事。楽しみです!!。
ショート作品の方もBの狡猾さが素敵に最悪で(^_^;)、とても楽しめました!。
思いつき様、溢れる程の感謝の言葉、その陰に潜んだ僅かな狂気。
愛しい人と同じになれたこの人は、狂喜の内に逝けたのでしょうか...。
続編・新作ショート作品の投稿ありがとうございました!。またの投稿お待ちしております!。
ラストが出来上がりました。投下します。
容量は大丈夫なようですし。
不意にフロントガラスを叩く音が止んだ。恐る恐る顔を上げ前を見ると、あいつがいない。
何が起きたのかと、ひび割れ真っ白になったガラス越しに辺りを見回し、電柱の方へ目をやる。
なんとなく人が動いているシルエットはわかったけど、よく見えない。サイドウィンドウから見直してあたしはまたも絶句した。
あの女に組みつき、電柱に押し付けて動きを封じている香奈美の姿がそこにあった。
あの子のどこにそんな力があったのだろうか。相手も女性とはいえ、車の窓を叩き割る程の筋力があるというのに?
あたしが疑問を抱えて戸惑っていると、女を押さえ付けたままの姿勢で香奈美がこちらを振り向いた。何かを伝えようとその口が動いたが、女の激しい抵抗の叫びに遮られる。
女は腕を押さえられている為、唯一動くのは首から上。その口が香奈美の首筋に噛みついた。
歯が肉に食い込み、今にも食いちぎられそうなのが見える。
それでも香奈美はそれを気にする風もなく、あたしへ必死に何かを伝えようとしている。
「聞こえないよ香奈美…何て言ってるの…。わかんないよ…」
ハンドルにしがみつき、涙を流してそう呟くしかできないあたし。
車を降りて近付けば聞き取れたかもしれない。だけどあたしはそんな勇気を持っていなかった。
あたしが首を横に振り否定の意を示すと、香奈美はさらに口を開こうとした。
だけどその瞬間彼女の体が感電したように痙攣し、その場に力なくくずおれた。
自由を取り戻した女はまたもこちらに突進してきて、今度はサイドウィンドウに腕を叩きつける。
あたしの頭はもう自分が助かる事しか考えず、一人で逃げ出してしまおうと車のキーに手を伸ばしエンジンをかけた。
卑怯にもあたしを救おうとした妹を置き去りにして逃げようとしたんだ。
そのエンジン音が聴こえたせいかはわからないけど、香奈美は意識を取り戻したのか、スッと立ち上がり車にゆっくりとした足取りで近付いて来た。
ああ、もう駄目だ。あたしは妹に殺され、食われる。
現実感を喪失した脳内に、これも現実感のない絶望を覚える。
香奈美の外見は完璧にあいつらと同じ状態になり、掌をあたしに向け正面から迫って来る。
すぐにでも窓は突き破られ、あたしは外に引きずり出され生きたまま食われるだろう。
これは罰だ。人望のある妹への嫉妬から、彼女に冷たい仕打ちを幾度となく行なったあたしへの。見当違いの憶測から両親を憎んだあたしへの。
悔恨が脳裏をよぎったが、全てがどうでもよくなり、ただ呆けたまま目前の光景をながめる。
だけどこの子は諦めていなかった。あたしを生かす事を。
姿はあいつらと同じでも、心には人間の部分を残していた。
その手は車の窓ではなく女を掴み、互いにもつれあいながら正面まで移動してきて、香奈美は女をボンネットに組み伏せた。
「お・・真奈ぢゃん…殺しデ・・・あダシを…一緒に…」
今度は聞こえた。とても恐ろしい嘆願が。
『殺して?殺す?あたしが誰を?そいつを?香奈美を?』
疑問が果てなく渦巻くが、香奈美は構わず繰り返す。
「おネガ・・・いだカラ…早くわダしをゴロ…して…。わたしヲ…助けて…お姉ちゃん…苦…ジイ・・人をタベタグ・・ない…お姉ヂャンヲ・・・たべたくない…!!」
『お姉ちゃん』そう呼ばれたのは何年振りだろうか。双子のあたしたちには大して意味をなさないかもしれないけど、それでも小さい頃あたしが姉だと言い張ったっけ。
香奈美はその頃から既に優しくて、あたしの言い分をすんなり受け入れた。姉らしい事なんてほとんどしてこなかったけど。
妹は今求めている。『姉』であるあたしに救いを求めている。殺される事で…死ぬ事で得られる安寧を。
だけどできない。人を殺すなんて…それも実の妹を。到底できるわけなかった。普通の生活をしていれば。
今、その普通の生活は脆くも崩れ去り、異常な世界があたしの前に広がっている。
「お願…い・・ォネエ・・ぢゃん…ワダシを…。最後に…お姉ちゃんノ・・・オムライス…タベダがった…」
それが香奈美の最期に発した言葉だった。
仰向けに押さえ付けられていた女が香奈美の腕を振りほどき、ボンネットを這って窓にとりつく。
1、2度叩かれただけで窓は穴があき、そこから手が侵入し目の前10cmであたしを掴もうと宙をかく。
容量なくて書き込み不能でした!誰かスレをお願いします!(;Α;)ごめんなさい!
816 :
E-774:2006/06/01(木) 23:38:57 ID:yPTiu5og0
817 :
E-774:2006/06/01(木) 23:42:06 ID:yPTiu5og0
お。
石頭のサンダーヘッド様のご登場ですかいw
ウォードック、ラジャー!!
もう終わり?早過ぎのような
820 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/02(金) 17:06:07 ID:D5f31NKBO
ちゃんと使ってよ!
もったいないお化けがでるよ!
容量不足で書き込めないなら、仕方ないような気が・・・
だって書けてるじゃん。
容量制限では無くて、連投制限に抵触したんじゃないか?
容量って500k過ぎてからだったと思われ。
まぁ、お茶ドゾー つ旦
もしや俺の勘違いか?ただの規制くらっただけ?
だとしたらかなりの迷惑をかけたよね…どうしようorz
埋め合わせというか、責任持って消化するためにSS投下していいすか?
いっちまいます!お怒りの方まじごめんなさい! 埋めます…SS1
もう頑張らなくていい。君は十分にやれるだけの事をしたよ。
もう僕を守らなくていいんだ。仲間は皆食われてしまった。残ったのは君と僕だけ。
だけど僕の足は奴らに食い付かれ、もう動く事ができない。足手まといの僕なんか置いて行きなよ。
君だけなら逃げきれるさ。クラス一脚の速かった君ならね。僕は脚が遅かったから、こうなることはわかってただろ?
今なら僕が囮になれる。いつも助けられていた僕が唯一できる恩返し。僕のヒーローである君へしてあげられる、最初で最後のね。
ほら、急がないと囲まれてしまうよ。僕をかばってやつらを叩きのめす君の背中。そのたくましい背をいつも見ていたよ。
さあ、僕は力を振り絞らなきゃ。君の為に立ち上がろう。今度こそ君を守ろう。
君の背に手を乗せ、早く行けと送り出そう。
ん?なぜそんな顔をするんだい?何故僕に武器を向けるんだい?
ああそうか。既に僕もそうなんだね。だから君がとてもおいしそうに見えたんだね?
ありがとう。滴る血と温もりのある肉を。
これで君も苦しまなくてすむんだね。元友人を殺さなくてもすむんだね。
僕は君に恩返しができたわけだ。
SS2
「必殺田中ヘッドバーッド!!」彼は叫びながら必殺技をかます。なんのことはない只の頭突きなわけだが。
しかしそれをくらったゾンビ君の頭は粉々に砕け散った。なぜだ?田中の頭が格別硬いわけはないだろう。
答えはゾンビの欠片を見れば明らかであった。まさに砕け散っていた。血や肉といった柔らかな物はなく、ただ固体として。
そう。彼らは凍りついていたのだ。ここは厳冬の地、真冬の北海道北端。生きた人間ですら夜間に出歩けば凍死して氷の彫刻となる。
体温のないゾンビ君達には過酷な環境であった。昼に動きが鈍り、夜にはカチコチゾンビアイスの出来上がり。
住人はここぞとばかりに夜間に襲撃。各々得物をもち、あるものはバットでホームラン、別の者はボーリングの玉でストライクをゲットした。稀にターキー。
田中はあえて己の肉体のみ。なぜか頭突きオンリーだが。
駆除が終了し、皆がアジトに引き返す。秋から籠ってはや2ヶ月。生き残りは100人にも満たないが、春までにはゾンビを全て駆除できそうだった。
その時田中に異変が!ゾンビ君となり周りを襲いだしたのだ!
頭突きでやつを砕いた時に、破片が口の中に入っていたのだ。田中の体温で欠片は溶け、田中感染。
生き残りは次々ゾンビ君となり、ついにアジトの人間は全滅した。
全ては田中の頭のために…。
終わり。
やばい、ネタが尽きました…すいません…
827 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/02(金) 22:02:19 ID:pyZJaxU2O
作家さん方、乙でやんす。作品は甲の成績。通勤電車男様同様に仕事の合間、通勤の間に、創作の世界にどっぷりと浸かっております。作家さん方、ありがとうm(__)m携帯から失礼しやした!
旧スレは使い切るまで雑談。
新スレは作品の投稿。
使い分けませんか?
830 :
通勤電車男:2006/06/03(土) 00:03:18 ID:O1lblwy3O
我流様、続編の投稿お疲れ様です!。
第一章の完投お疲れ様でした!。家族を喪った真奈美さんがこの後、
どの様な地獄を見、末世を生きて行くのか、とても楽しみです!。
実生活もあるので大変だとは思いますが、楽しみにしております(*^_^*)!!。
そして神IDおめでとうございます(^_^;)。
新章の投稿お待ちしております!。ありがとうございました!。
832 :
通勤電車男:2006/06/03(土) 00:35:03 ID:FJ7V+LkEO
あっ、あれ!?
前スレに誤爆かと思ったらこっちであってたのでしょうか(^。^;)。
せっかくですので感想をば。
我流様、スレ埋めショート作品お疲れ様です!。
守りたい人を守るがゆえの悲劇。
こうして緩やかに人は滅んで逝くのかもしれませんね...。
そして田中君、「頭突きってぶっちゃけどうよ?」と
止めてあげればこんな事には...f^_^;。
とても楽しく読めました!。ありがとうございました!。
俺の勘違いからこんな事になって申し訳ない…。
>>828さんの提案に甘えてもいいでしょうか?
>>782さん、事後承諾となってしまいましたが、オムライスパクらせていただきましたm(_)mなんか感動したので。
>>All感想ありがとうございました。ではまたノシ
>>833 気にする必要も無いんじゃないかな。
いずれにせよ、当スレは近々埋まるのだし。
作品の投下中に埋まるよりは、遥かにましでしょ。
スレ住人の誘導は終わっているのだから。
>
>>782さん、事後承諾となってしまいましたが、オムライスパクらせていただきましたm(_)mなんか感動したので。
”パクル”という表現はしない方がいいと思います。
異常に粘着するのがいますから。
835 :
我流:2006/06/04(日) 04:50:12 ID:5SuLxisrO
>>834おk 失言だったね。気をつける。
主夫さんも復活したことだし、2章のネタ詰めがんばろ(*´∀`)
保守
保守
保守
840 :
???:2006/06/08(木) 13:25:11 ID:1sk87tQZO
保守で埋める気?w
841 :
保守:2006/06/08(木) 13:26:24 ID:1sk87tQZO
保守
843 :
hoshu:2006/06/08(木) 20:28:36 ID:1sk87tQZO
hoshu
こっちは雑談おkなんだっけ?。
>>844 桶でしょ。最大512KBだそうだから、もう少しだよ。
よーし! あと少しでも「保守」じゃさみしいから、なんか書き込むか〜(`・ω・)=3
んじゃあね、みんなのゾンビとの馴初めとかどうよ?。
ちなみに俺は日テレでむかーし放送してたロメロのゾンビだった(当時小学生)。
うわっ、自分で書いてても何かイヤな小学生だなオイ。
俺も小さいころ深夜にやってたロメロのゾンビを見たのが馴れ初めであった。
私は、電気店の店頭で見て以来虜になった。
両親が、あの系統の映画が嫌いで、家では一切見れなかった。
電気店の店頭で見たのが始めて。
最初のアルバイトの給料で、ビデオとテレビ買ってビデオを借りて、
思う存分見たよ。
ゲームの「バイオハザード」。
2をクリアした辺りから、vsゾンビの映画が見たくなって
かなりの本数借りた。でも、襲われて逃げる内容じゃなく
派手に戦う内容を期待して借りてたから、結構ハズレが
多かったな。そうでなくてもハズレが多いのに。
「ロメロのゾンビ」の3部作もその頃に見た。
「死霊のえじき」は、見た後とても虚しい気持ちになった。
みんなはゾンビもののどんなとこがスキなの〜?
おいらは...絶望感かなぁ。どんなに頑張っても、
もう平穏な世界には戻れない。どこにも存在しない。
そんなとこがもう辛抱タマラン。
日常から非日常に変化する様にわくわくする。
その中で自分たちが得たベストが自分たちのせいで崩壊する様は痛快だ。
小学生の時に「バタリアン」を見たのがトラウマ。
それから「死人が生き返る系」が全くダメだったんだけど
大学生になって友人達とやってた「バイオハザード」でトラウマ解消。
最近家を新築したんだけど「もしも」に備えて屋根裏に避難場所作ったww
853 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/10(土) 12:27:06 ID:pimajJEQ0
>>852 家族のうち誰かが噛まれてて(ry
天井裏に恋人と一緒に隠れてて、その恋人がゾンビ化した映画ってなんだっけか?
確かそれがゾンビ映画との馴れ初め。
>>853 バタリアンでは?
恋人と一緒に隠れたんじゃなくて、天井裏に隠れた女の子をゾンビ化した彼氏が何とかして食べようとするシーンはある。
地下に逃げ込んだらそこにもバタリアン、てシーンは怖かった。
>>856確かそんな名前。トロトロになってたやつだよね。
「ブレイ〜ン」しか言わん奴
なんで人間を食べるの?。教えてゾンビ先生!。
バタリアン・リターンズでは、極度の空腹からと言ってた。
脳みそ食べると痛みが減るって上半身のみのババアが言ってたような…
>>854 サンクス。覚えているつもりでも結構記憶はあやふやになってるね。
近くの量販店にバタリアンが売っていたような気がするので、お布施でもしてきます。
バタリアンでは
「ウオ〜頭がいて〜。ものすごくいてえ」
「あ、だけど少しわかった気がする。」
「脳みそを食べると、少し痛みが和らぐんだ。だから脳みそくれ〜」
ってやってた。
864 :
ゾン太:2006/06/15(木) 07:22:39 ID:AdIL2KoBO
みんなショーンオブザ、デッドって知ってる??少しパロディなゾンビ映画らしいんだけど知ってる人居ますかぁ??見たことなくて気になる(>_<)情報ヨロシクです。
>>864 パロディだけど、良質と言っていいゾンビ映画。
ところどころに小ねたが入っていて笑えた。
見ても損は無いと思う。
ドーン・オブ・ザ・デッドのぱパロか?
ゾンビ自衛隊見ました・・・・・・・・・・・
ショーンも他のゾンビスレで結構話題にのぼったよ。
869 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/16(金) 02:07:26 ID:xZbopwmqO
ゾンビ夢にでてきた恐かった…。定期的にみちゃう…(´;ω;`)
ヒィーあげちやった…
871 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/16(金) 11:47:55 ID:0OIyXBrvO
わざとなくせにw
人間はうまいのではなくて、狩りやすい。
と熊は言っていますが・・
東京オブザデッドはどうなんだろう?
875 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/18(日) 21:10:32 ID:kO8K8dSxO
東京ゾンビだよ・・・。ハゲとアフロ
>>874 「最低」のコメントしか見たことないけど。学芸会並みらしい。
検索してもなかなか出てこないし。
877 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/19(月) 17:33:47 ID:DSOmlfdmO
あんまり書き込みがないな
うん。話のネタ落とさないとなかなか埋まらないね。
そいじゃね、ゾンビが人間じゃなく別の何かのみ襲うとしたら何がいい?あるいはイヤ?。
俺はぬこばかり襲うゾンビとか出たらスゲー闘う予定。ニャー
「STACY」の世界。
自分に年頃の娘がいなかったら危ない人間になってしまいそう。
ステーシーって大槻ケンヂのやつ?
そう。
映画は駄作。「ゾンビ自衛隊」と監督は同じ。
原作者(大槻ケンヂ)もヘコんでるみたい。
ゾンビ自衛隊・・・・
なんであんな学芸会以下の代物が撮れるのだろうか。
普通に
「ゾンビ」「極限状態」「サバイバル」
を組み合わせたら普通に面白い映画が撮れる気がするのだが、何故みなやらぬっっ!!
バイオハザードか?
そのうち仲間の頭がおかしくなってきたり…
ほんとに面白そうだw
ガッ
パニック映画ものとゾンビとのかけ合わせのような作品?
デモンズ的な感覚かな?
ゾンビ自衛隊 どんなのか書いてもいいけど文才ないから謎な物語になるよw
素材は良かったのに、二流以下のSF作家がストーリー構成考えずにそのまま書き綴ったような作品です。
見た後で、やり場のない怒りをどこにぶつければ良いのか判らなくなった。
すぐさま、ショーンを見て心を落ち着けた・・・。
誰かが大元のネタを出して、それをさらに誰かが小説化するとかあり?
こういう話を読みたいという原案提示→文章化みたいな
それは面白いな。
>>890 デモンズみたいな閉鎖された絶望的状況が好きなので、
そういう小説を読んでみたい。
豪華客船とか、南極基地とか、宇宙船とか。
ポセイドンアドベンチャー+ゾンビとかいいよね
仲間と力を合わせてゾンビと戦っているうち、徐々に仲間が
おかしくなってしまい、その元仲間たちとも戦うことになってしまう…
とか。ありふれてるか。
良い案がぞくぞくと出てるなぁ。
誰か書いてくれないかな?
ジェイソンXみたいになる?死者を蘇らせる実験を、秘密裡に宇宙ステーションで実施。
実験体は見事に生き返るが、徐々に異変が生じる。研究員が気付いた時には手遅れ。
基地職員は次々ゾンビ化していき、残った人間はなんとか生き残りを賭けて奮闘開始。
流れはこんなでどうかな?
宇宙空間でゾンビって活動出来るのかな??
という素朴な疑問。
>900
ゾンビがいること自体謎だからきっと宇宙でも生きていてくれるだろう。
902 :
本当にあった怖い名無し:2006/06/25(日) 20:52:32 ID:Fxxx427J0
宇宙船なら「エイリアン2」みたいなカンジがいいな〜。あと、
バトルロワイアルとゾンビを組み合わせた小説書こうと思ったけど、
文才がないので、全然できない...。大まかなあらすじとしては、
孤島でのプログラムの途中にゾンビ出現→何らかの原因で外部と
接触不可→生徒のほとんど、一部の兵士がゾンビに→残った生徒と
兵士達が協力する(幸い武器はあるので)が、いろんな葛藤が生まれる、
てなカンジ。
>903
禿しく同意
うーんとこんな感じはどうかな。
とある観光地で大地震発生。
津波が島を襲い船はすべて壊れる。
災害で死んだ島民や観光客がゾンビ化し大パニックが起きる。
しかも津波流されているのでいろんなところから発生する。
崩壊は医療インフラから起き、次に役場関係が崩壊する。
船が来るのが2週間後、逃げ惑う観光客と島民。
そこに被害を受け沈没寸前の巡視艇が漂着する。
海上保安庁の隊員達の葛藤と状況への順応。
生き残りを集める作業を開始しなんとかホテルを防衛線にする。
食料・水不足、不衛生な環境、外から昼夜関係なく集まってくるゾンビの恐怖で次第に疲弊してくる。
観光客の馬鹿な行動により疲弊から来た不満が爆発する。
ゾンビ過の発生を観光客と島民がお互いの所為にする。
崩壊する防衛線。
その混乱の中、最後の生き残りをかけての脱出作戦を行う。
って感じの物語はどうかな?
>>905巡視船なら機銃座があるし、それが武器になるとか。
発生原因は深海探査船が引き揚げた、古代の微生物とかウイルスはどうだろう。
たまたま島に停泊してた船が津波で岸壁に座礁、ウイルスに感染した船員が上陸し感染拡大。
>>906 なるほど、そういう手もあったか。気がつかんかった。
俺的には発生理由は細菌でも呪いでも天国がいっぱいになったでも構わない。
むしろどの理由でもいいようなあいまいさで試行錯誤していくほうがいい。
理由がはっきりするとバイオハザードみたくなるしかないからね。
でもやっぱり最終的に解決できる方が良くない?
ただゾンビを倒すのでは本当の解決にはならないわけで。
試行錯誤していくうちにやっとゾンビ化の原因突き止める、とか。
原因はやっぱりテポドンだろ
現実的でいいかもな。
>>908 遅くなりました。
俺は破滅型のシナリオが好きなので解決しなくてもいいんだよね。
ハッピーエンドでも一時的な安全地帯への退避くらいがいい。
ファントムって小説を読んだ時、途中まで面白かったんだけど退治方法が判った後の展開がショボーンって感じで読んでいた記憶があるので解決することには拘らないのですよ。
これはあくまで個人の意見です。
もっと単純に身近な人々がどう逃げ回るのかを見てみたい。
コギャルが109に立てこもり、とか
スクランブル交差点をゾンビの群れが行き交う、とか。
大沢在昌のパンドラアイランドだっけ。ゾンビではないけど、孤島でのパニック小説だったような。
914 :
908:2006/06/28(水) 22:03:53 ID:XUK/UWTN0
>>911 なるほど、問題解決の方法が見つかったとたん、なーんか
それまでの緊張感がなくなっちゃうっていうのがあるよね。
そこで安心感が漂うと面白くなくなってくる。
俺はちょっとしたハッピーエンドがいいかも、ゾンビを
倒したのはいいけれどこれからどうしよう、みたいなの。
915 :
911:2006/06/28(水) 22:12:57 ID:/NKtJ9790
>>908 そうそう、そんな感じなんですよ。
ちょっとしたハッピーエンド
そういうのなら俺もOK
絶望の中の小さな希望なら私も好きです。
ゾンビが大量発生した世界観を扱う場合、物語のラストにいたっても根本的な解決はされないってのはある意味様式美だよな。
917 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 02:02:17 ID:Kb+nYdil0
なまじハッピーエンドにしちゃうと、ロメロゾンビ冒涜しとる様に感じちゃう。
そういえばロメロな話題じゃないけどバタリアンの4が公開されるそうな
ゾンビ物の漫画ってあるのかな?
ヘルシングに出てくる雑魚は?
DAWN OF THE DEAD は公開時に漫画化してた様な?
弐瓶あたりがゾンビのあふれた世界を読み切りで書いていたね。
次スレが立って一ヶ月になるわけだが
あー
あー
あー
あー
929 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/09(日) 18:21:29 ID:ZoRcOI3PO
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
930 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/09(日) 18:24:29 ID:ZoRcOI3PO
あああ・・・・・・あー
931 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/09(日) 18:43:40 ID:ZoRcOI3PO
うううー
多分、このスレ1000行くぞ!
933 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/09(日) 20:16:55 ID:ZoRcOI3PO
うううー・・・・あー
本スレはVipperと叩きと上げ荒らししか居なくなってるね
余所のスレに遊びに行こっと
忘れ去られてるのさ・・・・・
936 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/11(火) 19:50:39 ID:pZjQmE3x0
こんにちは!
ゾンビ自衛隊面白いですよね。
本当の豚の腸とか、使ってあって
めちゃくちゃリアルで・・・。
ほかの映画でも、そういうの使ってるんでしょうか・・・。
ゾンビとか、グロいの好きです♪
ここ、やっぱり埋めたほうがいいような気がしてきた…
938 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/12(水) 18:19:21 ID:ZG+YzO5TO
なんでココは埋めてないの?
俺の勘違いのせいでスマン。
『作品は新スレに投稿して、こっちは雑談にしよう』という言葉に甘えました。
だから雑談でいいじゃん。
一行レス中心だから、埋まりが遅いんだよ。
作品だったら、とっくに埋まっているよ。
スレの約束にある、危険値に近づいていたのは確かなんだから。
「うぅぅうぅぅ…」
夫の唸り声で目が覚めた。時計に目をやると、午前4時を少し過ぎたところ。
眠い目を擦りながら、夫の肩に手をおき、
「ねえ、どうしたの?具合悪いの?」
聞いても返事は無く、唸り続けてる。
顔色も悪く、とても苦しそうなので、救急車を呼んだ。
「何か悪い病気なんですか?」
と、搬送先の病院の医師に尋ねると、
「いえ、まだ検査の結果が出ていないので、はっきりとは言えないのですが、たぶん、ウィルスか何かによる腸炎かと思うのですが…。」
研修医のような、まだ幼さの残る若い医師がそう答えた直後に、
「キャァァァーッ!」
悲鳴とともに、看護師が右耳から血を流しながら走って来た…
wktk
右耳に手をあて、涙目で看護師が、
「先生!今搬送されて来た患者さんの様子が変です!いきなり、私の耳を…耳を噛み切ったんです!」
医師と共に慌てて処置室に入ると…
夫が…夫が…
隣のベッドで点滴を受けていた、4、5歳位の男の子の首筋を…、
た・喰べて…る?
足元には、その子の母親らしき人が首筋から血を大量に流し、痙攣しながら横たわっている…。
室内はパニック状態で、他の点滴を受けていた患者達が、自ら針を取り除き、慌てて逃げ出したり、
身動きの取れない患者には看護師が付き添い部屋を後にしていた。
医師が、「猪上さん、猪上 彰さん!」
声を掛けたものの、怯えているのがわかった。
私は、何が起こっているのか、訳がわからなく、ただ、
呆然と夫がこちらを向くのを見ていた…。
ジリジリジリジリジリジリ……!
けたたましい防災ベルの音が鳴り響いた。
夫はゆっくりとこちらに歩みよって来た。
「い・猪上さん…、ひっ、お、奥さん、ヤバイですよ…、に、逃げましょう!」
医師に強引に腕をつかまれ、走ってその場を離れた。
病院内は、来たときとは打って変わって、騒然としていた。
防災ベルと共に、患者の怒号や叫び声などが入り交じり、皆、我先にと出口から逃げて行った。
「キャー!」悲鳴のする方に目を向けると、
「!」
先程、耳に怪我を負った看護師が同僚の看護師に噛み付いていた。
夫と同じように、首筋に…
945 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/13(木) 22:17:26 ID:dDP8qK5VO
なんでこっちに?
だって、いつまでたっても埋まらないから〜。
雑談も無いし…。
勿体ないかな〜?なんてさ〜。
はっ!
気が付くと…その後ろの角から、夫と、
先程、床に倒れていた女性に、男の子までが一緒に!!!!
え?何?何故?
みんな同じ顔つきに、同じ動作…。
本能なのだろうか…、
「ここにいてはいけない!」
そう思い、私も急いで病院を出た…。
救急病院の外に出ると、病院から出て来た人達が慌てて車に乗り込んでいた。
私も急いで病院を離れなければ!
目の前の大通りの向こう側にタクシーが停まった!
急いで駆け寄り、乗車した。
「どちらまでですか?」
「あ…、清田方面に…」
車は大きくUターンをして妹のいる清田まで走り始めた…。
彰さん……
何故…、どうして…、
でも…、さっき見たのは…、
あれは、彰さんじゃない!
一体、どうして?
顔色は悪かったけど、ただそれだけで…、
…あれは…病気なの?
昨日までは、いつもと変わらなかった…
まって!…そう!昨日、帰って来てから…、
………………!
…お土産!あのお菓子…!?
会社の人が海外旅行に行って、そのお土産にって、頂いた…
彰さんは、あれを食べていたわ!
私は、何だか珍し過ぎて、食べる気にならなかったんだわ!
そうよ!あれを食べてから様子が変だった!
具合が悪くなって、夜中に何度も吐いたんだわ!
…でも、食中毒や腸炎で、あんなふうになんて、考えられないわ…
考えても、考えても、頭の中がパニックになるばかりで、頭が痛かった…。
「お姉ちゃんっ?ちょっと、ニュース見て!」
妹の弘子が驚いた声で叫んだ。
「…!あ、彰さん!」
ニュースの画面には、全身が血だらけになっている、彰さん達の姿が映し出されていた…。
「我流さん」「ゾンビ主夫さん」「登場人物佐々木さん」などのお話は面白い!
物語って、書くの楽しいけど、時間が無いと書き続けるのって難しいね。
私の書いてるのは、誰にでも想像がつくような駄作だねぇ。
この先の展開はもう決まっているけど、まぁ、ゾンビの一番最初の発生元を書いたので、後は皆さんで色々と考えて見てください。
って、このスレ見てる人あんまりいなさそ〜w
見ていますよ。楽しみにしながら見ていますw
>>647 >「あ…、清田方面に…」
札幌の?俺んちも清田。
違ってもなんだかうれしい。
>>950同じく楽しみながら見ていますw
楽しんでくれて有り難うございます。
ちなみに自分が作品を創る過程ですが、確かに時間がないので仕事しながら脳内で創造。休憩中に携帯に書き込み保存。
これ以上保存出来ないとなったらうpしています。
……いやまあどうでもよかったスね、失礼…
wktkして待ってるぞ!
955 :
通勤電車男:2006/07/14(金) 23:09:05 ID:5Ung8ABdO
感想付けてもよろしいでしょうか(^_^;)。
941様、新作の投稿お疲れ様です!。
発生元がはっきりしてる作品はあまりなかったので、
とても新鮮(ゾンビもので新鮮って..orz)です!
続きもとても気になります。興が乗った時でかまいませんので、
また投下してほしいです!。
新作の投稿ありがとうございました!。
「1日目」
奇妙な夢を見た。
天国と地獄の夢。
最初に見た天国は、様々な木や花が生い茂り、小さな動物から肉食動物まで、様々な動物たちが共存していた。
小動物は肉食動物に食べられていたが、まるで痛みを感じていないかのように静かに食べられていた。
その後、どこか違う場所で、食べられた小動物がまた別の生き物として生まれ変わっていた。
少し離れた場所に大きな門と小さな集落があり、十人少々の人と1頭の奇妙な犬が住んでいた。
その門が開くと、そこから何匹かの動物たちが奥から現れた。
そして、出てきた動物たちは森へと消えていった。
何かわからないが大きな安心と幸せを感じた。
「ここが天国か。」
次に見た地獄は先に見た天国とは一変して、辺り一面コンクリートのビルや道路で覆われていた。
動物や植物の姿は無く、あまりにも多くの人間がそこに居た。
地面が見えないほどに道路を埋め尽くし、建物の中には座るスペースすら無いくらいに人が詰め込まれていた。
なぜか空高くに大きな門があり、そこから人が落ちてくる。
落ちた人は下に居た人間を巻き添えにしながら倒れ、動かなくなった。
そして、それを何も気にしないかのように上に人が立ち、死体はすぐに見えなくなった。
しばらくすると、死体に死体が重なり、その上に人が乗り、いつしか建物は死体で埋まり、空高くにあったはずの門に人の手が届くようになった。
そして、また門が開いて人が落ちてきた。
殺伐とした世界、溢れる苦しみや憎しみを感じた。
「ここが地獄か。」
ふと門を見ると門から落ちてきた人を押しのけ、何人かが門をくぐりその先へ行ってしまった。
門は静かに、くぐろうとしていた人間の一部を引き千切りながら閉まった。
妙な寒気と同時に目を覚ました。
全身に鳥肌がたち、冷や汗で全身びしょ濡れだ。
現実とはほど遠い夢なのに、なぜかとても身近に感じる恐怖だった。
「やれやれ」
自分が自分であることを確かめるかのように口癖と同時にため息する。
悪夢はよく見るがここまでひどい冷や汗は初めてだ。
狭くて散らかった部屋でとりあえずテレビを点ける。 色々なニュースが流れるが、まだ意識がはっきりしていなく、アナウンサーのセリフが右から左へ頭を通過していくのを感じる。
時計に目をやるとまだ7時だ。
大学の講義は9時から。
目覚ましは8時にセットしてある。
もう一度寝よう。
僕は再び目を閉じた。
次に目を覚ましたのは8時30分だった。
目覚ましはいつの間にか止まっている。
「やれやれ」
急いで着替えて寝癖を直し、すぐに家を出る。
大学に着いたのは9時ジャスト。
しかし、なぜか普段と違い人がまばらにしかいない。
その中で友人、田中一也を見つけ、挨拶をする。
「おはよう」
「おう、おはよう」
「なんだか今日はやけに人が少ないな。 もしかしてこの講義休講か?」
「いや、俺もよくわからんが掲示板とかには何も連絡されてなかったよ?」
テストは7月の後半から。 今は7月14日、かなり大事な時期だからそんなにサボるやつが多いとは思えない。
「電車が止まってんじゃない?」
「ああ、なるほど。」
おそらくそんなところだろう。
間も無く大学の人が来て、電車が遅れて講師も遅れ、講義が遅れることを伝えた。
「当たりだったな」
「お〜」
「どうした?」
「これを見てくれ。」
そういって一也は携帯を見せた。
携帯のモニターには「RJ浜横線で大規模な喧嘩が起こり18名が負傷」と書かれていた。
「なるほど。 これで止まってるのか。」
「18人って、そうとうでかい喧嘩だよな ある意味すごいね。」
「確かに。 どれだけ血の気の多いやつが乗ってたんだか。」
講義は約1時間遅れて始まり、その日はそれ以外何事もなく過ぎていった。
主人公がゾンビ化して、なんとか元に戻る方法を探すのは
このスレ的にはよろしいでしょうか?
ファンタジーですな(笑)
投下して下さい♪
夜遅いので明日投下します。
よろしくお願いします!
午前四時。悪夢にうなされていた僕はやっとその夢から解放された。
とても怖い夢だった。でも、内容は思い出せない。
「…ふぅ」と、思わずため息をついた。
まだ五月なのに汗でびしょびしょだ。
「まだこんな時間か。まだ誰も起きてないだろうし、
着替えて散歩でもするか。」
そう呟き、汗をぬぐい着替えを始める。
パンツまでびしょびしょだ。言っておくが、
おねしょをしたわけじゃないぞ。寝汗だからな!
っと、話がかなりそれたか…
着替えを済ませ、パジャマを洗濯機に放り込む。
その途中、親の様子を見たが寝ているようだ。
鍵を持ち家を出た。
もう春だけどさすがにこの時間は少し寒い。
ついさっきまであんなに汗だくだったのが嘘のようだ。
薄暗い中歩いてゆくと、いつの間にか知らない場所にいた。
「近所でこんなところがあったんだ…」
と、感心しつつ嫌な予感がしたので引き返すことにした。
そうして振り返ると、街頭の下に男が照らし出されていた。
ジャージ姿で笑顔で僕を見ている。
…ヤバイ人だろうか。
「やあ!き…」
男が突然口を開いたので逃げた。
逃げ足には自信がある。体力はないけど。
が、男は予想以上に速い。あっさりと捕まってしまった。
「捕まえたぞ。とにかく、僕の話を聞いてくれたまえ。」
一体何なんだこいつは。とりあえずこの場から逃れよう。
「あの、そういう新興宗教なら結構です。」
と、対応をしたのがまずかったのか
男はしかめっ面でこちらを見ている。
しかし、すぐに元の笑顔に戻り
「君もすぐに分かるよ。死なないことの素晴らしさが!!」
何を言っているのか理解できなかった。
いや、理解する前に目の前に火花が飛び散り
真っ白になった。僕にはその場で起こったことが
何もかも理解できないまま…たおれ…た
wktk
967 :
通勤電車男:2006/07/18(火) 19:41:50 ID:CV7cmjDWO
956様・963様、新作の投稿お疲れ様です!。
えーっと、この2作品は別の方のお話ですよね(^_^;)。
どちらも夢から始まっている&お名前が無いので...。
っと、そろそろ埋まりそうなので手短にしますね。
956様、良く有りそうなニュースが崩壊の第一報だった(>_<)。wktkです!。
963様、ジャージ姿で満面の笑みを浮かべた男がダッシュしてくる!。
もうこれだけで恐怖しております(ToT)!。
新作の投稿お疲れ様でした。続編の投稿お待ちしております!。
再び、意識が戻ったときは視界は真っ白だった。
真っ白な空間にいるのか、目が眩んでいるのか
分からないが何も見えないことは確かだ。
しばらくたって少しだけまわりが見えるようになった。
しかし、ぼやけていて何も見えない。目の前には電気がある。
何故か全身が動かない。首をもたげる事も無理っぽい。
なんとか目だけ動かして辺りを見ると、なんか動いてる。
「……。」「………?」「…」「!!」
なに言ってるのか分からないけど、話しをしているから
人みたいだ。病院かな?
だいぶ意識がはっきりしてきた。
そのことに気付いたらしく
「気分はどうかな?」
誰かが聞いてきたので答えようとしたが
「あ…ヴ。」
口の中が粘ついて喋れない。気持ち悪い
「君。」そう言って何か持ってこさせたみたいだ。
電動歯ブラシだ。歯医者に来たんだっけ?
ああもう!何がなんだか分からない!
そのままお口の掃除を済ませてうがいをさせられる。
スッキリした。そう思って口の水を吐くと…
どす黒い液体が出てきた。
970 :
963:2006/07/18(火) 23:45:14 ID:PeNr/82I0
感想レスありがとうございます!
こういう文を書くのは初めてなので
かなり不安です…
変な箇所があったらすみません。
wktkしてもらってうれしいっす
これからも頑張ります!
乙!!
972 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 12:46:27 ID:IyaDqe9OO
|∀・)
(・∀・)
(=∀=)
975 :
通勤電車男:
968様、続編の投稿お疲れ様です!。
これは...ゾンビに「電動ハブラシ」!!。スミマセン。吹きましたw。
いや、シリアスな展開になっていくんだろなーっとは思うのですが
ゾンビと電動ハブラシのコラボが全く予想外だったもので(^_^;)。
続編の投稿お待ちしております!。