【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その5

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1PIP ◆dve/1Ebaqs
PART1:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】
http://curry.2ch.net/occult/kako/1030/10304/1030468085.html
PART2:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その2
http://curry.2ch.net/occult/kako/1034/10343/1034309472.html
PART3:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その3
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1036704369/
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その4
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1047896148/

このスレは、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』三部作に オマージュを捧げる小説スレです。
もしくは、『ゾンビ』好きの人が小説をうpするスレです。

小説のお約束
・基本的にsage進行。
・スレタイに「ホームセンター」と入っているが、とりあえずこだわらない。
 (PART1スレの1氏への感謝と検索し易さを考えてつけました)

・ゾンビの設定は、一応、映画『Dawn Of The Dead:ゾンビ』を使用。
 あくまで一応ですので、こだわらず書いていただければ思ってます。
・舞台は日本。できるだけ身近な場所をモチーフにするとよいかと思われます。
・主人公は、できるだけ普通の人にとどめておいたほうが無難の模様です。
その他
・496KBで警告メッセージが出力され。512KBでスレッドが終了します。
 なので、450KBを過ぎた時点で新スレッドへの移行の話し合いを開始すると良さそうです。
今のところは、こんな感じです。
お気づきの点がございましたら、付け加えのほどをお願いいたします。
2あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/04 23:59
はふっ
3工藤 ◆Ci058K96mk :03/05/04 23:59
げっとーやったー2かなー3かなーそれとも4かなー気になるなー
わくわくするなー

うんこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
4PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/05 00:01
このスレは皆さんの感想が食料です。
新しい作品の為にも、感想お待ちしております。

PIPはすぐには新しい投稿ができませんので、皆さんお先にどーぞ。
5あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/05 00:58
終了
再開
PIP様 新スレ立て乙かれ様です(w

ストーリーの書き換え終了致しましたので、これより投下始めます。
前スレ 698様 是非お願いいたします。
安田の人物像が非常に興味有りますので・・・・

前スレ 678を書いたのは安田です・・・
     ですから名無しなんですけれどね♪

それでは いっきま〜す♪
「49」

念願の銃(サブマシンガン)が手に入り、浮かれていたのもつかの間で、安田の頭の中にはこれをどう運用すべきか判断しかねていた。
確かにとてつもなく頼りになる代物ではあったが、きちんと扱えてこそである。
練習すればいいのだろうが、入手した弾薬にも限りがある、かといって練習もせずに携帯したところでそれはただの荷物でしかない。
言葉に表すことが出来ないジレンマに陥っていた。
例のマニアから、ライセンス生産の関係上、性能も生産国によってかなり差が出ることを聞いていた。
今回入手したのは本国ドイツ製である、製造国刻印とセレクターマークの鮮明さがそれを物語っていた。
一丁はマンションに保管し、残る二丁を常備する予定であった、つまり相互予備の考えである。
重量そのものは2kg程度なので、非力な有希でも所持することは可能だろう。
拳銃と違い、腰だめ撃ちならば初心者でも使えるかもしれない。
もっとも安田自体もこの銃をゾンビに使用する気はさらさら無く、どちらかと言えば
武力で強奪を計る連中を倒せれば良いと思っていたのである。
脳の部位を打ち抜くほどの腕前になるには弾薬数も整備技術も無いのだから。
だだ、弾薬に関しては警察署内の武器保管庫に残されているかもしれないが・・・

人目に付けばいらぬ衝突を産むかもしれない、塩害による作動不良も怖い
安田はアウトドアショップを見つけると、PVC製の完全防水バックを見つけその中に
乾燥剤と予備のマシンガンと弾薬を収納した。
使われることが無いことを祈って・・・・

「50」

とりあえずの目的は果たせた、来たときとは違う視点で帰路につく。
驚いたのは畑を耕している人たちがいたことである、もちろんフェンスで囲われ内部での作業の安全は確保されているだろうが、それを作るまでにどれだけの犠牲が出たのだろう。都市でひたすら救助が来ることだけを求め、みにくい勢力争いに明け暮れる人たち。
例え、自分は倒れようとも子供や次の世代のために足がかりを残そうとする人たち。
前者はいずれ淘汰されてゆくだろう、だが今回の騒動はいったい何だったのだろう。
世界レベルでの同時発症、知恵を絞れば十分対応できる死に神たちの群れ。
増えすぎた人間を間引くために地球が選んだ道なのだろうか・・・
いろいろな場所を見るたびに哲学的になってゆく自分がおかしかった。

有希を襲った連中や、ホームセンターで利権をむさぼろうとする連中、自分の意見を持たず流される人、甘えや油断から最愛の人を亡くす人。
放棄されたモノを回収するのではなく、生産されるモノを奪おうとする人たち。
これらは総て次世代には必要が無い人たちなのかもしれない。

『希望』この願いを踏みにじろうとする者たちとは戦わなければならなくなるのだろう。
帰路に使用している道は沿岸部では無かった、むしろ積極的に都市部を通過した。
もちろんすんなりとは通過出来ないことは分かっていたが、そのための4WD車である。
牽引や押し出すことにより道を切り開いた。
今までならばためらっていた行為だが、後に通行することが有るやもしれない人の助けになればと思えばである。
只、突然の暴徒の襲来だけには気をつかった、一目でゾンビ対応型の装備を施した車である事は見て取れる、奪おうとする奴らがいつ現れるかしれない。
変な話だがゾンビの個体数が少ないところほど警戒した、有希もマシンガンを手に傍で警戒してくれていた。

「51」

帰ることに決めてから早4日目、かなり回り道というか寄り道してるので、公園までは遠い。
途中ルートも温泉地を経由出来る様に選んでいるのでなかなかだ、燃料は軽油なので随分助かっている、これがガソリンなら今頃は徒歩だったろう。
ガソリンというモノは腐ると言うか劣化する、このことを知らない人は結構多い。
問題が起きて約半年少々、大型タンクならイザ知らず路上に置き去りの車などのタンク内に残されているモノは怪しい。
事実それが原因で放棄されたモノが圧倒的なのだ、更に最近というかほぼ9割以上の車がハイオクや電子燃料噴射装置によって燃焼している以上わずかな劣化でも命取りになる。
つまりは昔ながらの自動車の方が逆境に強いのである。
安田もこの探索に自分の車を使っていなかった、折角最新式の新車を調達していたが、
例のマニアの車と交換したのであった。
トヨタランドクルーザー70系と呼ばれる質実剛健型である、年式こそ古いが金属製のぶつけてOKバンパー、トルク重視のギヤ比、ちょっとやそっとじゃ壊れないエンジンとミッション。
有希はぶーぶー文句炸裂で、なだめすかすのが大変だった、もっともマニアの方は大喜びであったが・・・・
内装こそ味気ないモノだが(有希はそれが不満らしい、前の車はオーディオ、dvd、冷蔵庫まで搭載していたのだから)足回りや整備は完璧であった。


「52」

「もう食べていいでしょ〜」助手席の有希が子供のようにせがむ。
「ああ、もうそろそろいいかな」
「やった〜 ん〜っ あま〜い、おにいちゃんも食べてごらん」
一口かじったイチジクを差し出す、目の前に出されたそれを囓ると懐かしい甘みが
口の中に広がった。
「でも、すぐ食べちゃいけないなんて初めて知ったよ〜」
そう、イチジクはもいですぐに食べるとかぶれるのである、白い樹液が原因なのだが・・だからもぐときも素手ではいけない、なすびと同じである。
「おにいちゃんてなんでもよく知ってるね〜」3つ目を囓りながら笑う。
引きこもり人生だけど、知識は得るようにしていた。
毎日同じ掲示板で書き込みなどと言う不毛な事はしなかったのが良かったのだろう。
人のアラを探し、難癖付けるのは得意でも雑学はからっきしなのが多いのだ。
引きこもりでも、生き残り組と、死に組に別れた気がする。
体力なんていい加減なもので、外の生活が増えるとかってに付いてくる、しかし知識は積み重ねだし、それをどう利用出来るか?このことに尽きる。
安田自身も引きこもりで、人と話すのは苦手であった、実際最初のホームセンターでも浮いていたわけだし・・・ ところが今ではどうだろう、積極的に行動し意見を言い、物怖じしない自分が居る、総て有希のおかげだ。
彼女がいなければ、いつまでも一人でゾンビと同じようにふらついているだけだったろう。満足そうな横顔をみて、妙に嬉しくなった・・・・・
「あっ!あそこ、なにかなぁ〜」
この辺は農家が多かったせいか、放棄された畑が多い。
少しずつ頂いているが、もう車の中も天井も満載である、それでも有希はお構いなしだった。
何処かのホームセンターに寄るときには手みやげになるから良いかと、安田は進路を変えていった。

「53」

生鮮野菜の中には、物々交換で貰ったモノもある、貨幣が意味をなさないが喜ばれるモノがある、それは嗜好品、つまりは酒やタバコのたぐいである。
タバコは場所も取らず、小出しで渡せるため重宝した、安田本人は吸わないので気にしていなかったのだが、禁断症状は恐ろしいらしくイラつきの原因にもなる。
タバコの不足が原因で、喧嘩が起き放棄することになったホームセンタも有るとのこと。全くの笑い話にもならなかった。

程なくゆくと郊外型のホームセンターが見えてきた、遠目にも人が居そうなことが分かる入り口付近に人影が見えたので車を近づける。
自衛隊員のようである、独特の迷彩柄なのですぐに分かった。
近くにゾンビが居ないのは、彼らが排除しているからだろう。
安田は拡声器で、『移動中だが一夜の宿を提供して欲しい』と申し出るとフェンスは開けられた。
搭載されている物資にかなり興味を示して居るようだったが、気にせず車を止めリーダーらしき人に挨拶にゆく、もちろんタバコの手みやげも忘れずにだが・・・
どうやら此処には付近住民たちが非難しているらしいが、地元の知り合いが多いらしいので上手く行っているようである。
只、最近例の自衛隊員がやって来てからはゾンビの掃討こそ任せられるモノの命令口調が多くなり不安を感じているらしかった。
安田本人も有希を見つめる目に、一抹の不安を感じたのだが気にしすぎと思うようにしていた。
彼らは5人いて、今現在は3人が物資の補給に出かけて居るとのことだった。
本体が全滅し、帰るよりも住民を護るとの事らしかったのだが・・・
安田は日持ちのしなさそうな野菜を此処に残すことにした、彼らも喜んでくれて欲しいモノは無いかと尋ねられたので、野菜の種を貰うことにした。

「54−1」

安田は貰った種を、車に積むとき隙をみてマシンガンと予備マガジンをこっそり鞄に隠し持った。
先ほどの有希の言葉が気になったのである。
「あのね〜おにいちゃん、さっき此処のおねーちゃんが教えてくれたんだけど、一人になっちゃ駄目だって ゾンビも居ないのに変だよね?」
言われてみれば、自衛隊員が横を通ると緊張する女性が居ることに気がつく。
男たちも見て見ぬふりのような・・・

夜のことだった、ふと目を覚ますと有希の姿がない、トイレかと思ったがイヤな予感がして起きあがる。
トイレは一度屋外に出る必要がある、安田は頬を叩き気を引き締めてそっと出た。
電気は無いモノの月明かりで十分外は明るい、トイレに行くが有希の姿はない。
胸騒ぎがする!安田はマシンガンを取り出し、予備マガジンを取り出しやすいようにポケットに入れると辺りの気配を探った。
『コトッ!』何かモノが当たる音がした、足音を立てぬように近づく。
屋外倉庫のすみで何か声が聞こえる・・・
「おじょうちゃん、かわいらしいね〜 おじさんがかわいがってあげちゃうよ」
「お兄さんには内緒にした方がいいよ〜 まぁ別に話しちゃっても良いけど、このライフルで殺しちゃうからね〜」
安田は耳を疑った、目をこらすと有希が押さえつけられている。
トイレに出かけようとしたところをさらわれたらしい、気配を殺し近づく。
「少尉殿、自分は上を担当します」 「だめだ神崎上等兵、可愛いお口は私のモノだ、
この前の少女は譲っただろう?」
少尉?上等兵? 自衛隊ではそんな呼称はしない・・・まさか?
羽交い締めにされた有希が、「自衛隊のくせにそんな事して良いと思ってるの?」と、
静かに食ってかかるが、一人はズボンを降ろすと逸物をむき出しせせら笑ってる。
「ウルサいお口にはこれで塞いでやる」
その瞬間安田は「有希伏せろ!」そうさけんで踊り出していた、神崎と呼ばれていた男が振り返り銃を取る! チャンバーに装填してこちらに構える前に『タン!タン!タン!』と安田の銃口が火を噴いた。
「54−2」

64式の弾がむなしく夜空に発射される、予備動作の違いが勝負を決めた。
少尉と呼ばれていた男はズボンが引っかかり尻餅を付いている、安田はすかさず立てかけてあった銃を蹴飛ばし銃口をそいつに向け発砲した、躊躇はない。
「おにいちゃん!」有希がすがり付いてきた「怖かったよぅ怖かったよう・・・」
安田は優しく頭を撫でて有希を抱きしめた。
振り返ると銃声を聞きつけた人たちがあっけにとられて2人を見守っていた。
安田の銃を見て驚いていたが、「自衛隊員を撃つなんて」と口を開く、
「いいや、こいつらは偽物だ!オタクが素性を偽ってやがった・・・」
それを聞いた女性の一人がまだ息のある一人に蹴りを入れ唾をはきかけて叫ぶ。
「よくも今までおもちゃにしてくれたわね!、いい気味だわ覚悟しなさい」
それを聞いていた男たちの顔が険しくなった。

安田はすかさず64式のマガジンを抜き取った、どさくさに紛れて権力を握る奴が出るのを防ぐためである。
やはりここでも女性が犠牲になっていたようで、銃で身内を殺すと脅し、いいようにもてあそんでいたらしい。
まだ3人残っているが、後の処置は彼らに任せることにして2人はすぐにホームセンターを後にした。
ただ、64式は残してきた、彼らが奴の口を割り予備マガジンを装填すれば十分戦える。油断と2丁の銃があれば後は彼らの作戦次第なのだから・・・・
後の戦いまで参加する気は安田の頭には無かった。
15PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/05 02:29
ふごっ

作品集のアドレス貼り忘れとりマスタ!

過去の作品をまとめていただいた名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDIさんに感謝しつつ
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4265/
過去の作品群はこちらにてまとめられています。

次回はこんなこと無いようにテンプレ作らないとだめですね。
「55」

夜間の走行は久しぶりである、本当は日が昇るのを待ちたかったのであるが奴らの仲間が戻ってきたら厄介だ。
なぜなら、あの状況を見ても意見がまとまろうとしないのだ。
徹底抗戦をしようと提案する人たち(主に被害に遭った女性の身内だが)と、やれ人を撃つなんてとか、勝ち目は無いとか、逃げ腰の連中に別れたのである。
本来なら真っ先に、奴の口を割り武装を始めるべきなのに・・・・
現実を目の前に突きつけられても行動出来ない・・この時期が来ていながらいまだ似非平和主義者がいたことに腹が立っていた。
しかしながら、この銃が無ければどうなっていただろう?
言い様のない不安を感じていた。
普通、人に銃口を向けることが出来る人は少ない、死人であるゾンビを撃つのとは訳が違う。
ほとんどが引き金を引くまでに能書きを垂れるものだが・・・・
奴らは躊躇無く自分を撃とうとした、銃で武装していると想像もしていなかったにもかかわらず・・・つまりは今までにも何人も殺している証拠だ。
安田が撃てたのは、自己暗示に寄るところが大きい、普段から『有希が危険なら撃て!』そう言い聞かせてきたのだ。
自分でも驚いていた、後で震えが来たくらいなのだから・・・
「腕に覚えの有る奴の方が撃たないモンさ、非力な奴が銃を持つと怖いんだぜ・・」
マニアの言葉が頭の中に思い出されていた。
「56」

2時間ほどで少し開けた町中に来た、障害物に注意しながら車を進める。
派出所が見えたので、そこで休もうかと思ったが駐車場をみてギョッとした、自衛隊のトラックが止めてあるのである。
たぶん奴らの仲間のモノで有る公算は高い、派出所は結構堅牢な建物だ。
屋上にも簡単に上がることが出来るうえ扉も丈夫なので此処で休んでいるのだろう。
車を素通りさせて道路からは見えない位置に車を止めた。
有希が心配そうな顔を見せ「あの車・・・」と呟く、安田は黙って頷いた。
どうするか・・・
考えられる総てのパターンを予想する、奴らの現状、武装、思考・・・・
アレは73式大型トラックだった、兵員輸送なら高機動車を使うはずである、つまり何らかの事情で置き去りにされていた輸送車を奴らが見つけ中の装備を横領したのだろう。
ならば服装や銃器を持っていたことも理解出来る。
しかし、武器も沢山積んでいたはずであると考えてふと気が付いた。
残存装備を隠すには持ってこいではないか!留置用の檻もある。カモフラージュして隠せばこれほど安全な場所はない。
89式を使わずに64式を使用しているのもうなずける、口径が大きい故ゾンビに対して有効なのだ、重量は89式の方が軽量だが 5.56mmと7.62mmでは破壊力に違いがある、つまりはゾンビ掃討用に割り切ってるのだろう。
「とりあえず今は寝ておこう」、有希にそう言ってシートを倒した・・・。
「57」

山鳩の鳴き声で目が覚める、辺りはうっすらと白み始めていた。
さすがに隠れ家の付近だ、暗くて気が付かなかったがあちこちにゾンビが倒れている。
練習がてら撃ちまくったのだろう。
車の窓を開け、物音が聞こえやすいようにする、程なく車のエンジンが響いてきた。
例のトラックだろう、しばらく響いていたがそれは段々と小さくなって行った。
10分ほど待ち、戻ってきそうな気配が無いことを確認の上安田は車を走らせた。

派出所に着くと有希を警戒に残し、辺りを確認してゆく。
自分が奴らならどうするか?一種のプロファイリングである。
入り口には目もくれず裏手に回る、細引きが風に揺れているのが見えた、見上げると屋上からだ・・・
安田は注意しながら引っ張ると、軽い抵抗のあと縄ばしごが落ちてきた。
有希に一声かけて昇って行く、やはりここから入っていたのだなとほくそ笑む。
つまりは入り口には罠が有ると言うことだろう。
扉を開けて階下に降りると、其処には生活の痕跡があった。
誰か飛び出してくるか分からないので緊張するも、人の気配は無かった。
レトルトや缶詰も結構おいてある、もっとも自衛隊のレーションだが・・・
一階に降り窓や入り口を確認すると案の定罠が仕掛けてあった、それも対人指向性地雷である、
安田は作動用ワイヤーを切断し安全を確保してから扉を開けた。
有希が安心したような顔を見せる。
これから少し発砲すると言ってから、留置所の鍵に向け引き金を引いた。
中に入り掛けてある毛布をめくって驚いた、木箱に収められた89式が10丁、同30発弾倉が100個、
指向性地雷が27個(トラップを含めると30だが)なのである。
さすがに64式の弾倉は無かった、すべて持ち歩いているのだろう。

急いで野菜を下ろし、銃と弾薬を車に積み込むと、代わりに野菜を入れておいた。
そしてはしごを引き上げ、罠の地雷を屋上の入り口に仕掛けたあと大急ぎで車を走らせる。
思いがけない収穫に2人は顔を見合わせて笑った。
ぬあ?
なんか今日は来客少ないですねぇ(w
え〜と補足ですが 対人指向性地雷って言うのは別名クレイモアって言いまして
小さな弁当箱みたいなものでつ、中には鉄球がごっそり入ってまして、一方向に向け
どば〜っと発射する最悪品です。
ちなみに日本は世界有数の地雷生産国でして、こんな有事の際は重要施設の回りには
地雷をバコバコ埋めちゃうんでしょうね〜
93式地雷敷設装置使えばなんと自動で一時間に300個埋めちゃいますし・゚・(ノД`)・゚・

これで安田もトリガーハッピーになるかな?
>>20
日本って、地雷禁止の国際条約に署名してませんでしたっけ?
>>21
その辺がよく分からんのでつ。
一度その辺知り合いの自衛官に聞いたら、地雷無しに上陸阻止できるかアフォ!と・・
>>21 >>22
お話の中の日本では、そんな条約も無いし、条約も無いから加盟もしない。
これで、いきましょう。
全てが同じじゃなくてもいいじゃんね
25FD/R ◆6N371.108E :03/05/05 21:18
>>20
日本は表面上は平和国家だけど裏ではアジア屈指の軍事大国だそうな。。。
賛否両論あると思うけど有事の際は頼りになりそう。
でも『宣戦布告』とか『亡国のイージス』みたいになると。。。
263-620:03/05/05 23:25
ゾンビ事件が発生してはや1週間。ホームセンターにたてこもったものの
食料が尽きてしまい、残された時間も後僅か。私は決断を迫られていた。

「もうこのままではどうしようもない。ここはリーダーである西之首さんに任せます」
「西之首さんだったら何とかしてくれるでしょう」
「頼みますよ、西之首さん」

皆が私に責任を押し付けてくる。最初にホームセンターに立てこもるように提案したのも
私であったし、食料調達やゾンビとの戦闘も全て私が担当してきた。
こいつらは自分から何かしようというつもりはないのだろうか?

「西之首さん、はやく決断して下さいよ。皆待ってますから」

・・・この野郎。人が懸命に考えているのにはやくしろだと?喧嘩を売ってるのか。
私は怒りに耐えつつ、この馬鹿者に返答した。

「ああ、分かったから。もう少し待ってくれませんか」

「はい。分かりました。では、また後で・・・」

男が去っていくのを確認すると、私は頭脳をフル回転させた。
どうすればこの状況を打破できるのかを。


・・・!!


しばらく考えた後、私は素晴らしいアイディアを思いついた。
この危機的状況を一発で覆す、最高の方法を。
早速、下にいる皆に対し、それを披露することにした。
273-620:03/05/05 23:26
下にいる者達はアホ面を下げて私の登場を待っていた。
どいつもこいつもこれから起きることなど考えてもおるまい。

「あ、西之首さんだ」
「西之首さん、これからどうするんですか?」
「教えて下さい、西之首さん」

さっきから同じことしか言わないな、こいつらは。西之首西之首五月蝿いわ。
まあいい。人の言うことを聞くしか能のないやつは私の言うことを実践すればいい。

「皆、よく聞いてくれ。我々は今、大変な危機に直面している。
 センター内の収容人数が多すぎるせいで、食料の確保が非常に困難になっているのだ」

会場からざわめきが聞こえてきた。今初めて聞いたかの如く驚きを隠せない様子だ。
アホどもめ。こんなに数がいたら食い物なんぞすぐになくなるに決まってるだろ。

「静粛に、静粛に!私はこの現状を打破するために画期的な方法を思いついた!
 これから私が言うことをよく聞いて欲しい。

 ・・・これからの食事はゾンビを食うことにする。何か異論は?」

周りから怒号が聞こえてきた。悲鳴や嗚咽が混じったものまである。
西之首を殺せとかいう叫びまで耳に入る。

「西之首さん、あんた気でも狂ったか!ゾンビを食うなんて・・・」
「人の所業じゃないわ!もっとよく考えてよ!!」
「死ね、西之首!!食うならお前だけ食え!」

予想どおりの反応だ。自分達は何もしてこなかったくせに
いざ人が何か言うとすぐ反論する。全くもってけしからん。
283-620:03/05/05 23:26
「皆が驚くのも無理はない。だが、よく考えて欲しい。このままでは
 いずれ食料が尽き、餓死や共食いが発生するだろう。
 それくらいならば、ゾンビを食ってでも生き延びる方がまだマシではないか!?
 他に代案があるならば遠慮なく言って欲しい。なるだけ努力する」

しかし、彼等の中から具体的な代案は聞けなかった。
感情で動いても実際問題、死んでしまってはどうしようもないと判断したのだろう。
・・・本当にアホな連中だ。ゾンビなんぞ食ったら自分もゾンビになることくらい
少し考えれば容易に分かるだろうに。


かくして、私を筆頭としたゾンビ調理隊が結成された。



「・・・で、これが本日、捕獲してきた食材です」

隊員の一人が首から上のない死体を床の放り投げた。腐肉があたりに散らばる。
我々はその死体を食べやすいサイズに切っていった。
調理は軽く火を通し、油で揚げて揚げ物にしたり胡椒をつけて臭いを消したりして
なんとか見た目だけは喰えるようにした。

「で、誰が食うかなんですけど・・・」

皆が一斉に私を見た。まさかこんなことまで私に頼らないといかんのか?
少なくともこんなものを喰う気にはなれない。私は適当に誤魔化して他の者に試食させた。

「西之首さん・・・本当に大丈夫なんでしょうね」

「安心しろ。ゾンビが人を噛むから噛まれた人がゾンビになるんだ。
 じゃあ、人がゾンビを噛んだらゾンビは人間に戻るかもしれないじゃないか」
293-620:03/05/05 23:27
我ながら苦しい言い訳だと思ったが、それでも彼等はその肉を食った。
・・・意外にうまそうだ。最近ろくなものを食べてない私は思わず唾を飲んだ。


彼等が肉を食ってまる一日が過ぎたが、特に変化もなかったため
皆がゾンビの肉に群がった。相当美味なのか女子供も美味しそうに食べる。

「・・・本当に大丈夫なのか?腹が痛くなったりとかしてないかい?」

「いや、美味しいですよゾンビの肉。まるで鶏肉のようです」
「ああ、うまいわ。こんなもの久しぶりに食べたわ」
「ママー、もっとちょうだい」

・・・冗談抜きで美味そうだ。皆至福の表情で頬張っている。
そんな美味しそうな顔をしているとこっちも食べたくなってくるじゃないか。

「・・・どれ、私にも一口食わせてもらおうかな」

「いいですよ、どうぞ」

私は一切れもらうと口の中に入れた。ゆっくりと噛む。
口内にまろやかな香りが伝わって・・・こない。
いや、むしろネバネバした感触が口を支配する。
一刻もはやくこの感触を排除したい、そんな気分だ。

「く・・・こんなものが本当に美味いのか、君たちは!?」

「そんなわけないでしょう。もの凄く不味いですよ」

「何だと?何でそれを美味いなんて言ってたんだ!?」
303-620:03/05/05 23:28
男は私の問いに答えようとはしない。

「おい、何でだ。答えろ!!」

「・・・どうせ、私達が不味いなんて言ったらあんた、食わんだろ?
 まさかゾンビの肉が安全だなんて本気で考えていたわけないでしょうに」

・・・なんということだ。よりによってこの間抜けどもにはめられるなど。
ということは私の身体はゾンビになってしまうのか!?

「西之首さん。昨日の彼等が挨拶にきましたがどうしましょう?」

他の奴がニヤニヤしながら訪ねる。扉が開かれるとそこには
確かに昨日までは人間だった彼等がいた。

「馬鹿な・・・こんな馬鹿な・・・」

「あんたの部屋で見つけたものなんですけど、アホだの馬鹿だのと好き勝手書いてるね」
「前々からこんなこと思っていたわけだ」
「おいおい、何か脱出方法とか書かれているぞ」
「こいつ、一人で逃げ出すつもりだったのか?」

皆の視線が突き刺さる。この馬鹿どもにこんな屈辱を味わされるとは。

「これからどうするつもりだ。私を殺すのか?」

「そんなことしませんよ。もう皆肉食っちまったんだ。仲良くゾンビになりましょうや」

私は床に突っ伏して泣いた。こんなところで自分よりも劣る者にハメられた
己の不甲斐なさを嘆いた。もはやなす術もないこの状況を。
313-620:03/05/05 23:33
>>PIP様
スレ立て乙です。

しかし、最近全然書き込みできない。自分の作品もだんだん面白くなくなってきてるし。
そろそろROMに戻るべきなのかしらん(;´Д`)
>>2
「地雷撤廃条約(オタワ条約)」に調印した日本もクレイモアを地雷とみなさない国のひとつであり
作れるし、使えるそうです。
ってことで、はずかしいけれどさん、安心して使ってくださいw
3332:03/05/06 00:39
>>32
2じゃなくて21にレスです。
すいません。。。
>>32
調査有難う御座います(w
それではお言葉に甘えて・・・
とんでもない使い方を考えておりまして
今後の安田は89式をメインウエポンにする予定です。
しっかし 全長が長いライフルは屋内で取り回ししんどいんですよね〜
屋内戦は辛かったでつ
総合火力演習やお祭りにはよく行くのですが、やっぱ64式は重いですね
89式を構えると違いがよく分かります。
武装が充実してきましたな。
ところで正式な自衛官の呼称はなんですか?
>>35
まず基本的に 陸、海、空の文字が付くのですが
陸自で表現すると
1等陸佐>2等陸佐>3等陸佐・・・・・・大佐、中佐、少佐に該当します。
1等陸尉>2等陸尉>3等陸尉>准陸尉・・・・・大尉、中尉、少尉ですね。
陸曹長>1等陸曹〜〜〜3等陸曹
陸士長>1等陸士〜〜〜3等陸士

このような感じになります。
海上自衛隊なら 1等海佐ってゆう表現になるんです。
>>36
ご丁寧に有難う御座います。
結構ややこしいので、混乱するかも(w
う〜む なにげに興味持たれてるんでしょうか(w
ちょっと専門的なんですが、私自身小道具にこだわる方でして・・・
7つぐらいホントのこと書けば、後の3つはごまかしがきくかな〜なんてねぇ
逆に不明点有れば聞いて頂けると、作中で表現するかもです。
急遽変更したストーリーなので、ちょっと頼りないかもしれませんがお許しの程願います。
作品集のbbs荒れてる。
錆取りさんの好意が無になりそう。
反応しないことです。
串刺そうが結局はISPまではつかめますから。
ここにも書き込まないことです。
そういう反応は荒らしを助長させるだけです。
今後荒らし、それに悪い意味で関わる発言は削除依頼だしときます。
おくればせながら、
>>PIP殿、新スレ立て乙カレーさまです。

個人的には、これを機にさらに新作者さまが参入することキポンヌです。


>>はずかしいけれど殿
安田さん、化けましたね〜。
ヒッキ―からヒーローへ!
得てして駄目なひと程なにかをきっかけに大きく化けたり、成長したりなんて
よくあることですよね。
装備が整ったところで、できればあとナイフも登場させてくれると嬉すぃです。
バックマスターあたりが個人的には希望でつ。


>>3−620殿
Σ(´D`")= ションナーーーーーーーー!
そんなこと言わずもっと書いてくだされ〜。


>>40殿
>>41殿に禿げ同です。
荒らし、煽りはこっちが反応すればどんどんエスカレートしてくるのでPIP殿の
おっしゃるように、とにかく完全無視でいきましょう。
反応しなければ、すぐ飽きて他にいきますよ。
『171』

最後の夕食が終わった後、俺は屋上に出た。

風が心地いい。

ここには本当に何度も来た。。。

だが、明日で最後だ。
明日ここに来るとき。。。それはここを立ち去るとき。。。

二度とここに戻ることはない。。。

。。。生か、死か。。。その結果がどうであれ。。。。

俺は屋上の片隅に移動した。

「・・・香澄・・・知沙・・・明日、ここを出るよ・・・
うまくみんなで脱出できるよう見守っていてくれ・・・・」

「・・・藤田さん」
ふいに背後から声をかけられた。

振り向くと、そこには亜弥の姿た。
彼女の黒髪が風にやわらかく舞っていた。

「亜弥ちゃん・・・」
「ごめんなさい、お邪魔でした?」
「いや、かまわないよ」
『172』

「いよいよ・・・ですね・・・」
「ああ」

「そう思ったら、なんだか最後にみんなにお別れをしておきたくて・・・」
そう言って亜弥は片隅の墓標代わりの黒い小山。。。無数の炭の塊の山の前に膝をつき両手を
合わせた。

少しすると亜弥の肩が震えた。
「わたし・・・子供たちになにもしてあげられなかった・・・」
「そんなことはない」
「でも・・・みんな死なせてしまった・・・
それなのに・・・それなのに・・・わたしはまだ生きてる・・・」
亜弥の目から涙が零れ落ちた。

この娘も俺と同じ。。。。
目の前を通り過ぎていった命の数と、自らの生の重さに苦しんでいる。。。

「それは俺も同じだ・・・」
「でも、藤田さんはすごいです・・・
・・・わたしなんてなにも・・・
なんの役にも立てなくて・・・」

亜弥は俺の顔をまっすぐに見詰めた。
「だから、わたし、せめて真由ちゃんだけは絶対に護るって決めたんです。
明日はどんなことがあってもあの子だけは・・・たとえ死んだって護るって決めたんです・・・!」
「ああ、そうだな。
その意気は大事だ」
「はい」
『173』

「でも、君はひとつ勘違いしてる」
「・・・え?」
「君は役立たずなんかじゃない。
君や美貴ちゃんがいなければ、ここはとっくに内部崩壊していたよ、間違いなく・・・ね」

「それと、もうひとつ。
俺が・・・
君たちは俺がこの手で護る・・・・
絶対に、もう誰も死なせない・・・絶対に・・・・
みんなで生きてここを脱出するんだ、必ず・・・」

そう、この娘が命をかける必要など無い。
それは俺の役目だ。。。
命を懸けるのは俺ひとりで十分だ。。。。

「・・・藤田さん・・・ありがとう・・・・
そうですよね、死ぬことなんて考えちゃダメですよね。
みんなで無事に脱出するんですよね」
「ああ、みんなで生き延びるんだ、絶対に!」
「はい!」

亜弥は大きく頷き、そして微笑んだ。
俺にはまぶしい笑顔だった。

無事脱出して、もう一度この笑顔を見よう。。。

そうだ、絶対にみんなで無事に脱出するんだ。。。。
てことで続きます。

次はたぶん週末くらいに投下の予定です。
この調子ならその頃にはひょっとすると100超えてるかな???
みなさん、がんがってくだされ。
さんげりあ様
ぬぁぁぁぁ〜 まさに、朝のNHKドラマのような短編投下!
もっと、もっと 沢山投下して下され〜〜〜
精神安定上悪いです。(w

会話を主としたストーリーの展開は、まねが出来ません・゚・(ノД`)・゚・
羨ましいです。

3−620 様
さんげりあ様もおっしゃってますように、投下こそが総てです!
私は短編が不得手なので、期待してますよ!

気分転換にチャレンジしてみても良いかな?
これより、投下開始します、しばらく静観お願いいたします。
「58」

しかしながら濡れ手に粟というか、できすぎのストーリーに頬をつねりたくなる。
取り回しという点ではいささか不便では有ろうが、装弾数や残弾の予備から考えても
常備するのは89式の方がよいことは明白である。
有希を救ったときは予備動作が致命傷になったのであって、もし装填されていれば相打ちになったかもしれないのだから・・・
それと、あの時はマガジンをポケットに入れていたが、今後はやはり専用ポーチが欲しいなと感じていた。
ガンショップに行けばその手合いは問題なく手に入るであろうと思い、雑誌の広告から
最寄りの店に向かっていた。

その街は驚いたことにゾンビの個体数が多い!最近は少なめの地域に慣れていたので少し驚いた。
自警団というか、独自にゾンビを減らそうとする人がいないためだろうか?
何より電気が生きているので、水道も出る様だ。
即ち、個人単位での籠城が圧倒的なのであろう、それならゾンビを掃討出来ないのも十分うなずけるのだから。
お目当ての店にたどり着く、貸倉庫のような建物に大きな看板が掛けられている。
付近にはゾンビの死体?が倒れている・・・・
シャッターは当然堅く閉じられているモノの、どうしたものかと思案していると、空き缶が車に当たる。
驚いて見上げると、店の二階の窓から顔を覗かせている人がいる。
若い男女の様だ、従業員ドアを指さしておいでおいでと手招く、先刻のホームセンターの事件が不安だが、意を決して入ることにした。
念のため安田は89式、有希はMP5を携える、中に入って最初の一言は
「やぁいらっしゃい、電動ガンで武装ですか?」そう言って笑われた。

「59」

安田も電動ガンだと思われているならちょうど良いと思い、軽く笑ってやり過ごす。
彼は脇坂と名乗り、連れの少女は瑠璃と言うらしい。
安田たちも自己紹介をする、お互い年の離れた女の子と一緒にいる、どちらも兄弟ではなさそうな2人組・・・・なにか奇妙な巡り合わせを感じた。
何故呼んだのかと尋ねると、同じようなコンビで車の装備からも共感出来ると判断したかららしい。
彼らも同じような車で移動していたのだが、ガソリンの関係で此処に足止めを食らっているらしいのだ。
もっとも軽自動車の悲しさか、道を切り開く際にぶつけていたことが原因でかなり不調で有ったこともあるのだが・・
結局此処で足止めというわけである、只この地域は電気と水道が生きているのでなんとかしのいでいたらしいのだが、それが裏目でゾンビも多く車の調達が出来ないらしかった。

少しの会話で、お互い何故か意気投合した。
同じように少女を連れ頑張っていることや、判断基準が似通ってることもあるせいか・・有希たちも同世代であるためか上手くうち解けているようで、見ていてほほえましい。
安田の車には一目で物資が積んであることが見て取れる、あまり置き去りにするのはよくないとお互い意見が一致し、店内を片付け車を中に入れる。
基本的にガレージを店舗に使っているようなものだ、作業そのものはすぐに済んだ。
素っ気ない造りの店舗に安田は不思議に感じたが、脇坂は、
「オタクはそんな事気にしない、ゲームが済んだその足で店に来るんだ、土間なんてコンクリートの方が返って都合がいいのさ」
そう言って肩をすくめた。
脇坂は安田の搭載してる物資よりもむしろ車の装備に着目していた。
「気になるかい?」と、尋ねるとにっこり笑い「趣味が似てるよ」と答えた。
その日の夕食はとても楽しいモノになった、脇坂も安田も物資の出し惜しみをしなかったのである、ホントに子供の頃からの知り合いのような気がした。

「60」

食後のコーヒータイムに2人は情報の交換を始めた、彼らの主要武器がサンポールの水鉄砲による目つぶしで此処まではやってきたらしいのだが、ここ最近は通じないらしい。
確かに初期に比べ、目が既に腐敗している連中もいる。だが音は?
だが、追いつめられている人は見かけるとのことだった。
「自分は比較的早い状況から逃げ始めてるんだ、だからゾンビの行動変化がよく分かる。
 確かに初期ゾンビ、こう呼ばせて貰うけれど、こいつらは比較的新しい体だった。
つまり、襲われた傷などからゾンビになった連中で鮮度が良い奴らだ、だから目や耳からの情報で襲っていたんだと思う。
だけどどうだ?さいきん徘徊してる奴はどちらかというと月日が経ち、目も白濁したり
腐り落ちているものや、耳さえ爛れ落ちてる奴がほとんどだ、なのに襲って来る」
「捕食手段が変化したと?・・・」安田が尋ねる。
「否定は出来ないというか、むしろそう言ったほうが良いのかもしれない」
安田はヘルメットの事には触れず、人の恐怖や痛みの感情に引き寄せられている気がすると答えた。
そう言いながらも、自分が最初ふらついたとき襲われなかったのは何故だろうと思った
あの時は未だ見えるゾンビがいてもおかしくなかったのに・・・・
その事もすぐに付け足し話す。
脇坂は少し考え込んでいたようだが、ゆっくりと話し始めた。
「これは仮説だよ、ゾンビマニアの自分の考えが根底から崩れるんだけれど・・・」
彼の話はつまりこうである、確かにゾンビ菌?というかそれによる被害が各地で起きた。
しかしながら広がり方やゾンビたちの鮮度は異なっていたはずである、それ故何処かの地域では古いゾンビが多数を占めたのだろう、その時超自然的な何かが働き捕食手段の変更が起きたのでは無いのだろうかと言うことであった。

「61」

「つまり、見る聞くと言う手段の破棄・・・・」 瑠璃が呟く。
「とすれば、今後も変化する可能性があると見た方が良いのかもしれない、この瞬間にも」
安田の発言に有希が不安げな顔を見せる。
「なぁ脇坂さん、今の仮説だけど当たってるような気がするんだ、それと・・・」
「それと何だって?」
「いや、最近気が付いた・・というかこの街に来て思ったんだけどね・・」
安田はコーヒーを飲み干し、言葉を探しながら話す。
「ゾンビの集団化なんだ、今までは確かに集団で囲まれたりもした、でもそれは単に
個体単位での集合でしか無かった、しかしこの町では小さなグループというか群れで動いてる気がするんだ・・」
「おにいちゃんもそう思ってたんだ・・・」有希が相づちを打つ。
「人の感情を察知出来るなら、群れてもおかしくはないか・・・」
下手すれば、簡単なフェンスなんか 押しくらまんじゅうのように押し倒されるかもしれない・・・・
脇坂は意を決したかの様な顔で頷いた後、隣の部屋から鞄を取ってきて、広げて見せた。其処には、散弾銃、弾薬、小型の拳銃が入っている。
「僕たちの最終兵器だ、君たちにも譲ろう・・・」そう答えた。
安田は嬉しかった、今まではどちらかというと自分が与える側だった気がする。
無償で、しかも本当の意味での稀少品を譲ると言うのだ・・・・・
気持ちを無に出来ない、其処にあるグロックとマガジン数本を譲り受けた。
弾薬を見て驚く、9mm×19mm! MP5と同じではないか!
「この弾薬は補給可能なのかな?」安田は尋ねた。
「今の手持ちはそれほどではないが、補給可能だよ」
その答えを聞いて、安田は「こちらも贈り物が有るけれど受け取って欲しい」
そう言って車に誘う、有希と瑠璃ちゃんも後に付いてきた。


「62」

「まず、これを・・」そう言って安田はMP5を差し出す。
「電動ガンじゃ・・」気まずそうに手にした瞬間表情が変わった!
「ま、まさか・・」マガジンを抜きリジェクトする。チャンバーからは弾が排出された。
「そ、それじゃさっきの89式小銃も・・・」
安田と有希は にっこり微笑んだ。
「君たちはいったい何者なんだ?」
「ヒッキーですぅ」「恋人ですぅ」 2人の返答に、彼らは言葉を無くしていた。

安田は彼らに MP5を1丁とマガジン4本、89式を2丁と予備マガジン20本を渡し、代わりにグロック26を2丁、マガジン6本、ナイフを貰った。
お互いが、貰った銃を触りながらニヤニヤしているのを尻目に、有希たちはあきれ顔で
おやつをパクついていた。 

え〜前作の 瑠璃ちゃんたちが登場です。
お互いのゾンビの設定を合わせる方法について悩んだのですが
こじつけに近いながら良い感じになったと思います。
これからのゾンビは手強くなります、生半可な形で籠城していると生きて行けません
人に流され、頑張らない人はどんどん死んで行きます。

鬱になる展開を書かねばならなくなりそうで、ちょっと不安です。
55 ◆590pmBHwDI :03/05/06 21:46
>>1 :PIP ◆dve/1Ebaqs
スレ立て 乙カレーです。

作品集。PART4全部と本スレの45迄を対象としてまとました。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4265/

56 ◆590pmBHwDI :03/05/06 21:47
↑ 敬称忘れた。すみませぬ。
57PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/06 21:59
>>56錆取りさん、別に気になさらずにトリップ抜かしてPIPでいいですよ。
あと、漏れが今まで書いた文をまとめてどこかにあげたほうがいいですか?
そのほうが編集しやすいのならそうしますがいかがでしょうか。

でも漏れのコテハンの由来分かる人どれだけいるのかなー。
ドラゴンファンタジー?でいいの?
>58
いや、宇宙人の方じゃないのか
エレキバンだと思っててん
錆取りさん。
作品集作るだけで無く、作品もギボン。
作品集見たけど、〇年×月△日投稿分でなくて、
題名とか付かないのかな。
こんな事は、向こうのbbsで書くぺきでしょうか。
鉄砲イパーイ(・∀・)イイ
>>62
bbsは、作者専用でしょ?
>>31
総ての投稿作品読ませて頂きましたが総て救いがないですね(泣
短編だから仕方ないのかもしれませんが一度生き抜く主人公キボン
新たな境地が開けるんじゃないでしょうか
663-620:03/05/07 22:43
>>さんげりあ様
とうとう170番の大台に・・・連続テレビ小説で放映しても
困らないくらい増えましたな。しかも今度は第二部みたいな展開に。
一度ネタにして小話を書いてみたい気がします。

>>はずかしいけれど様
安田タン、ゾンビの強化に伴いレベルアップしまくりですな。
こちらは気合入れればパソコンで創れそうな感じになってきました。
漏れの知っていたあの哀愁漂うヘルメット男は何処へ逝ったのだ・・・。

>>65
そうか・・・確かにほとんど皆殺しにしてきたような気がする。

分かりました。たまには生き残る主人公書いて見ます。
【番外編・史郎ちゃんの呟き】

俺の名は、山岡史郎 82式指揮通信車の操縦士だ。
同姓同名の漫画の主人公のせいで付いたあだ名が「究極のメニュー」、呼ぶのには不便だろう思うが回りはお構いなしだ。
今日も無能な指揮官のもと、偵察の為、通信車を走らせる。
この上官がやな奴で、民家に押し入っては盗人まがいの行為にいそしんでやがる。
だいたい狙ってるのが、金や宝石類だった。
貴金属は時代が証明しているように、時期が来れば必ず価値が出る、紙切れとは
違う所だな。
何処の世界も同じで、戦いの無かった平和な世界ではキャリア連中が幅をきかせる。
俺に言わせりゃ「無能、下品、変態」の三拍子。
真っ先に食われてくれないかなといつも願うが、神様は不公平だ。
撃ち殺してやりたいが、子飼いの部下も一緒、ついてないぜ。
人員不足でいつも3名乗車だ、実際は8名まで乗れるんだが民間人保護しなきゃなんない。

ヘリで探せば手間もかからず良いんだが、当初の救出劇で大事なパイロットが死にまくったからしょーがない。
偵察ヘリだって積載重量や航続距離の関係で一度に運べる人員なんてたかがしれてる。
輸送ヘリが着陸できるように、場所を確保するとかすりゃー良いのに、その気概もありゃしない。
なんとか着陸すりゃ、我先にしがみついてきて離陸できず、パイロットもアボーン!
おまえらの命よりヘリのパイロットの方が遙かに重いんだよ。
飛ばすのにどれだけ訓練したと思ってやがる。
普段は自衛隊員を軍国主義の固まりのような目で見ておきながら手のひら返しやがって、胸くそ悪い。
それからは、通信車や輸送車での救出にシフトしたわけだ。
ところがなんちゅーか、最初に助けた連中は駄目だねぇ、精神も脆弱、規律は守れない
幾ら子供や、恋人が死んだからって、わがまま三昧!
ゾンビになるから処分するって言っても、渡そうとしない。
周りの人間も「それでもあんた人の心があるのか!」言ってくれちゃうね。
で、よみがえって折角命がけで救った人たちも隊員まで巻き添え。

基地司令、怒っちゃって救出は取りやめ宣言!
ひたすら、基地周辺の防護に萌えちゃって、正規のルート以外はバリケード強化しちゃうし、地面掘り返して、地雷埋めちゃうんだもんね。
「ここからの侵入は危険です、死にます」なんて看板が立てられてるのに
無理矢理入ろうとして ちゅどーん!
おまえらバカか?日本語も読めんのかと小一時間問いつめたいけどむりね(笑

で、半年たった今・・・バカはどんどん死んでるだろーという希望的観測から、
まとも(この時代でね)な人だけを救出するはずだったのに、
火事場泥棒の巡業中・・・情けないねぇ。
まじでタイミング見て殺してやろう、そうでなきゃいつまで経っても生存者はいない事になっちまうからなぁ・・・
≫錆取りさん、

作品集楽しませていただきました。
ありがとうございました。
それと、作者様専用BBSなのにイラストがどうこうと、
思い切り場違い!!のメッセージなど入れてしまって、
大変申し訳ありませんでした;m(__)m
パソコンの調子がおかしい?のか、何故かこちらに
入れなかったもので(あ、でもウイルスではないようです。
ノートン先生も「ちがうよ、君がへぼいだけ」と言って
くれてますし。。。(;;))

お仕事お忙しいご様子ですが、お体気をつけて。
作品集の管理もあってなかなか手が空かないとは思いますが、
もしお手が空く時がありましたら、錆取りさんの新作も読ま
せていただけっると、嬉しいです。
>>69
イラスト見れなかった、再度うpきぼん
71PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/08 20:56
実をいうと私も見れなかったんです。
もしよろしければ再ウプお願いできますか?
来客少ないね
作者の皆さんネタ切れでつか
7469:03/05/09 00:46
PIPさん、ど下手ですみませんっ;
雪香さんのイメージで描いてみましたー。。。

ttp://cgi.2chan.net/up2/src/f1636.jpg


あと、お客さまが少ないことについてですが、かちゅーしゃでこちらを
見ようとすると、【ゾンビ】ホームセンター攻防編は3,4,5、
いずれも「Error:削除かアボーンでログが詰まったようです」と出て
何故か入れないので、そのせいかも知れません。
ちなみに、エクスプローラで普通に掲示板経由でならちゃんとこうして
来られるようです。一体何故なのかしら。。。???
>>74
それは鯖の大移動が有ったせいです。
その程度で此処に来れない人が多いとは考えにくいのですが
>>74
こ、怖い。
77PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/09 00:54
>>69
めちゃ幻想的ですね。
ありがとうございます。
まさか胎児食って(゚д゚)ウマーとか言ってるのか、とか思って画像クリックして表示されるまでどきどきしてマスタ

ログは一度ゴミ箱クリックして(新鯖の分を)再取得すれば大丈夫です。

漏れは仕事忙しくて続きがかけません。
なに書くか決まってるのにな。
          _,,. -‐‐‐- 、_
         , ´        ` ヽ、
        /  /      ,     ヽ
      /  / /     / 、  、  ヾ、
       ,' | | |  | l | / ハ  ハ  |i  i |i
     i | l| |  | | |i ハ!| i. | l l i| i |. |l
     i | l| | _」,,!-H,! !l |l |_」 l l | l l |l
     | l |」 | l !  |,!  ヾ|リ´|「|`i | | !|
     l l (| | !, ___,、   、_ __」 | i | !ト、
     | | l ト! l` ̄´    ` ̄`| | l | l|`ヽ
     ヾ!_| l|` |、' ' '   '  ' ' 'ノ! l | | iリ  }i
       ` | i |`ヽ、 ` ´ . イハ| |ノ! レ'   リ
         ! l |  j ` ー 'i´ ´`ソ/ l |   ´
       ,..-┤l !- '    `ー- //,_ //
     /ヾ;、ヾl !       〃 「}`ヽ
      i    {i} ヾ、        {!}   }
     !  _r<ハノソル_n()!'^うハ,r;ti;ァ  !
     l  ゝ-< (どr;'"´`゙';;-<'〜'}  l
       !  { ,  てじリじづ-´ i  } |
      !  ト i    _∠ハ\`ヽ、 ,j  l
      |  ヽ、 ソ´ンヾヽト、` ,ト イ   !
      l  {レ' {-/iヾヽソヽ__,  \  }
      | /  レ-;一 '||  \   ` !
      { ´    /   ||   |ヽ    /
      ヽ、___,.イ    || i  | , ` T´
       // |  |    || l  | i  , |,
        / i  |  l   || |  l |  i ,!!
     /  |  l  l    || |  | |  | l l
      /  l   |  |   lj  ! | ! .! | l,
     /    !  !  !      ! | |  | l l
 >69様
  有希のイメージはこれで宜しくです。
「63」

翌日脇坂と安田は、近くの市営団地の給水塔に登っていた。
付近の状況を確認するためである、脇坂たちが立てこもっていた地域はどちらかというと古い世代の町並みのため、すこし高いところに登れば結句見渡せるはずだった。
同じ登るのなら高圧線の鉄塔が良いのではと聞いたが、余所から丸見えになるので
あまり宜しくないとのこと。
確かにこの地域には結構たくさんの人がいるらしいんだっけ・・・
ついでに射撃訓練も兼ねるつもりなので、足場の良さも必要だった。
有希たちとは無線機ですぐに連絡も取れるし、瑠璃ちゃんもいる。
彼女は銃も有る程度撃てるので問題ないし、有希も対人程度の標的なら当てる事も出来るくらいには練習してる。
さすがに脇坂は混乱初期から生き抜いて来ているため、沈着冷静な行動を行う。
反面安田は運命の悪戯によって此処までこれたせいか少し大胆らしい?
階段を上りながら、脇坂は気さくに話しかけてくれていた。

給水塔は全長30mぐらいだろうか、採光用の窓が5m毎に儲けられている。
屋上に至る扉は南京錠でロックされていたが、脇坂はいとも簡単に開ける。
「こんな裏技が・・・」
「驚いたかい?覚えておいた方がいいよ」笑いながら扉をあけた。
突風に煽られるかと思ったが、凪に近い、季節のせいだろうか?
「今日は運がいいな、絶好の練習日和じゃないか」脇坂も感心している。
町並みを見下ろしながら、以前いたマンションからの風景を思い出す。
「随分違うものだな・・・」ぽつりと呟いた。
「さぁ、まずは射撃訓練だ」そう言って脇坂は背中の銃を降ろす、安田もそれに倣った。
「適当な獲物はいると良いんだが、ああ、アレがいいな。」指さす先には太めのゾンビがゆらゆらしていた。
脇坂が狙いをつけトリガーを引く、少しはずれたようだ、足下の砂が少し舞う。
彼は照準器を少しいじると、再度撃つ。今度は反対側に反れたようだ。
同じ作業を繰り返しながら呟く。
「良いかい、左右の調整が一番大事なんだ、これさえきちんとしておけば上下方向は経験で分かるようになるからね・・・君もやってごらん」
安田は黙って頷き銃を構えた、照準をのぞき込むが、何か違和感を感じ左右調整をいじる「おいおい、撃つ前からか?」脇坂の声より自分の直感を信じたかった。
80PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/09 00:59
>>78
の、のーすりーぶぅ。
このえっちずきぃ。
「64」

目標を捉え呼吸を整える、右、左、右、左、ゾンビのゆれに自分を合わせる。
そしてゆっくり引き金を絞った。
肩に衝撃が襲ったが、目標は見据えたままだ、奴は一瞬硬直し力無く崩れた。
「おお!すごいな、ビギナーズラックかぁ」脇坂が羨ましそうに話しかけてくる。
安田はにっこり笑って、今度はそいつの近くの家の扉を叩いて奴を狙う。
右、左、右、左・・・発射音の後、そいつも地面に崩れた。
安田自身も信じられなかった、付近の奴を順番に狙って行く、弾倉が空になるときには
25体のゾンビが地面に横たわっていた。
一方脇坂と言えば30発中2体しかもうち一体は蜂の巣にされたものだが・・・
「狙撃手の才能があるな・・・」羨ましそうな目で肩を叩かれた。
給水塔から出るとき突然物陰からゾンビが一体現れた、安田は慣れていたせいで動じなかったが、次の瞬間脇坂の右手が挙がったかと思うと銃声と共に奴は崩れ落ちた。
「ぼけっとしていちゃ死ぬぜ、至近距離なら俺の勝ちかな?」そう言うと、ホルスターに銃を納めて笑った。
店に帰って、今日の報告を2人に話す、今の段階では群れていても5〜6名単位だが、これが数十人になるのにはさほど時間はかからないだろう。
いずれにせよ脱出の段取りはしておくべきだろう、脇坂の車は残念だが放棄し、代わりに
安田の車に便乗することになった。
運べる物資は少なくなるが戦力は倍増だ、今後のゾンビと戦う為には当然の成り行きとも
思えた。
車の荷物の積み替えを完了し二階に上がると、宮坂は窓からパチンコを撃っていた。
『スリングショット』と呼ばれているものだ、強力なゴムは鉛玉を比類無きパワーで打ち出す、雑誌では見たことがあったが本物は初めて見た。
「良いところにやって来たな」そう言うと手招きをする、近づいて窓を見下ろすと傍の道路にゾンビたちがいた。
「暇が有れば、これも練習しておいた方が良い」そう言って撃ち込む。
「銃はあくまでも遠距離や、緊急用だ 弾薬のこともあるしね、だけどこれなら弾切れの心配はない、パチンコ屋に行けば幾らでもあるし、
第一ウルサくないのが良い、自分の位置を第三者に感づかれない利点もある、
自分が安全な位置にいられるのならこれほど便利な武器はないね」話し終わる頃にはゾンビはいなくなっていた。

「65」

何時ここから出て行くか?、この問題について皆で話し合った。
日持ちのしない食糧は未だ少しある、安田たちが持ち込んだものだ。
それを残して出かけるのは未練が有った、貴重な生鮮食料類なのだから・・・
結局ゾンビへの射撃練習(パチンコが主となったが)もかねてもう少し様子を見てからと意見は一致した。
瑠璃ちゃんも89式の練習をした、さすがに立って構えるのは辛そうだが、
腰だめ撃ちや窓辺に支持させての射撃は問題なさそうである。
遠距離では脇坂より上手いくらいだったので彼女専用銃にスコープを付ける。
貴重なバックUP要員の誕生だった。

それから数日過ぎた頃、異変が始まった。
きな臭い匂いで夜中に目が覚める、外の異変を逃さぬ為に窓を開けてあったのだが、
外を見ると火の手が上がっている。
確か向こうには大型ホームセンターがあったはずだ、給水塔から俯瞰していたので覚えている。
胸騒ぎがした、隣にいる有希も同じように感じたのだろう、シャツのすそを掴んでくる。
「まもなく夜が明けるから、状況も分かるだろう」脇坂はそう言いながら、銃を自分の傍に引き寄せ考え込んでいた。
83あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/09 08:24
鯖移転ついでにスレも廃止
復活
>>84 復活って、ゾンビから人への復活なんてのは無いのかな。
>>84
復活って、ゾンビから人への復活なんてのは無いのかな。
>>84
INUYAで原田がそんなラブコメやってたような・・・。
>>3−620殿
ネタで使っていただいても別に構いませんよ〜。
設定でもキャラでもお好きにどうぞ。

>>はずかしいけれど殿
スリングショットも出てきましたね。
あれって実はゴムが相当キツイんですよね。
軽々引けるひとが羨ますぃとか思います。
『174』

そして、ついに。。。運命の朝が来た。。。。

朝食を済ませ、俺たちは脱出の準備にとりかかった。
全員が各々の荷物を背にする。

いよいよだ。。。

まずは前回病院に向かったときと同じように、東側にある保安室の窓から姿を見せて声を出し、ゾンビ
を誘導する。
この日に備えて普段から窓側にゾンビが集まるようにしていただけあって、あっという間に大量のゾン
ビが窓下に押し寄せてきた。

しばらく待ち、少し離れた位置にいるゾンビどもも集まるまで様子を見る。

とにかく一体でも多くゾンビをこの窓の下に集める必要がある。
そうすればその分、他の場所、特に正反対の位置にある非常階段側はゾンビは少なくなり、当然危険
も少なくなる。

「よし、亜弥ちゃん、行ってくれ」
俺は頃合いを見計らって合図した。
「はい。
さ、真由ちゃん、行きますよ」
「は〜い」
俺の言葉に頷き、亜弥が真由美を連れて先に屋上に上がる。

亜弥たちが窓から姿を消してもゾンビはあいかわらずのままだ。
窓下から離れるモノはない。
それだけでなく、かなり遠くにいた奴らも徐々にこっちに近づいて来ている。

。。。いいぞ。。。。
『175』

「よし、次は美貴ちゃんだ」
「はい、藤田さん。
さぁ、加奈さん・・・」
今度は美貴が加奈さんを連れて屋上に向かう。

正直、壊れてしまった加奈さんがヘタをすれば騒ぎ出すのではないかと少し心配もしていたのだが、
加奈さんはおとなしく美貴に連れられて屋上に行った。

「神崎先生、行ってください」
しばらくゾンビの動きを見てから、俺は先生を促した。
「うむ、わかった。
上で待っとるよ」
そして、神崎先生も保安室を後にした。

ここまでは本当にうまくいっている。

今頃、屋上では亜弥たちがゾンビどもに姿を見せないよう注意し、目立たない場所で俺の到着を待っ
ているはずだ。

あとは俺がこの窓から姿を消して、餌を見失ったゾンビがこの辺りを離れるよりも早く屋上に向かい、
そこから一気に階段を駆け下りる。
そしてもちろん車を手に入れ、ここから脱出する。

車にさえ乗ってしまえばもう安全だ。。。少なくとも、ひとまずは。。。。
『176』

俺は腰に手をやり、ベルトに差し込んである金槌の存在を確かめた。
ひんやりとした金属の感触が指先に伝わってくる。
合計で八本。
朝から。。。いや、昨夜から何度も何度も確認した。
絶対に間違いはない。
だが、緊張からつい確認せずにはいられなかった。

よし、問題ない。

。。。。。

ほんの数メートル下で大量のゾンビどもが低い呻き声をあげ、うらめしそうに俺の方に向かって
両手を差し出している。

そろそろだな。。。。

俺は壁に立てかけておいたバットに手を伸ばした。

グリップを掴む手に思わず力がはいる。

よし! いくぞ!!

俺は背を向け、その場を離れた。
一気に走る。

早く。。。一秒でも早く屋上に。。。!
つづきまつ。

できるだけ明日ウプします。
でも、体調が悪くてゾンビ化しそうな程でつ。
遅れた場合はスマソよ。
>>92
そうでつ、スリングショットのとうじょうです。
アレは結構引きにくいし、かなり練習しないと当たらないんですよね。
ところが類似品(進化品?)に、レーザーショットというのが有りまして、射手に合わせて
ゴムの固定ポイントの変更が出来る上、滑車を利用してるので引きも軽いです。
グリップを握り、肘まで伸びるプレートをベルクロで固定し射出します。
(つまり、緊急時グリップを離しても落ちることがないので、返す手でバットを振れます)
ゴムの帰りによる腕への「ぴしぴし!」がありませんから良いですよ〜
10m圏なら間違いなくゾンビの頭を打ち抜けます(w
もし、ゾンビが現れたら私はこれもって逃げます。
すげーおもろい!
しかし職人さんたちはいつ作品を書いてるんだろう。
触発されて書きたくても時間が・・・ああぅ
95PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/10 00:38
ホントすごいですよねー。
え?漏れ?
決ってるじゃないですか。

電波を受信したときにです!

電波、電波ーぁッ!
誰も運命からは逃げられねぇんだよぉー、ひぃゃはぁははははははぁッ!
96むにむ:03/05/10 00:39
>>95
ペルソナ?

俺も電波が来た時・・・最近は圏外みたいでつ・゜・(ノД`)・゜・
97PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/10 01:30
>>96
バイキンマンデツ。

ちなみに漏れのコテハンの由来は一部の方が正解したように
JHブレナン作ドラゴンファンタジーシリーズの主人公の
「い、イヤ、それだけは!他のことは何でもするから、お願い!14だけはヽ(;゚ー゚)ノヤメテェ」
なPIPからとりました。

歳が微妙にばれそうですねぇ。
>>94
思いついたとき、書きたくなった時がチャンスです。
私の場合投下量にもよりますが、だいたい3時間前後の構想です。
最初から大風呂敷広げるより、短編から始められては如何でしょう。
その際、終わらせるのではなく、先が続きそうな感じにまとめるのも手です。

銃などは想像の域でしか扱えませんが、身の回りのことは実際経験したことを
モチーフにされるのがよいかも?

よく推理漫画でも、名探偵コナンと探偵学園Qでは、購読層がきっちり別れますね。
アプローチが全然違うんです。
可能と思わせるコナンと、まさに机上の空論にしか見えないQの差と言いましょうか。
自分のスタイルを確認する事も出来ますよぅ。
私がドラゴンファンタジーと言ったものですが。
やはりそうでしたか。”14へ行け”は懐かしいネタです。
今でもブレナン節というべき語り口は記憶に残ってます。
私はおそらくあなたと同年代なんでしょうな。20後半
であろうと推測できます。
そういやゾンビ塔の秘宝とかいうタイトルもあったな。
ちなみにエレキバンといったのは漏れです
10げとしつつ、作者のみなさまがたに

おはよう&感謝& 続きわくわく お待ちしてます!!コールーーー
101ってタイプしたつもりが。。。(;;)
保守
ごるぁ〜誰も投下しとらんやんけ〜(怒
なんて、わめき散らした後。

投下かいししまつ、しばらく静観あれ。
「66」

朝がやって来た、立てこもっている部屋からでは、あまり見通しがよくないが、漂う焦臭さが火事の大きさを物語っていた。
消防車による消火作業が望めない今は、風向き一つで大火災になる。
肉の焼ける匂いも混ざっている気がしたが、それが人のモノかゾンビのモノかは分からない。
この場所はそう言う点において不適切であるとしか言い様が無かった。
「潮時かな」脇坂が聞いてくる、安田も同意見だが、闇雲に逃げる訳にはゆかない
火災に巻き込まれるのはゴメンだ、今回は急を有するので傍に建っている高圧線の鉄塔に登ることにした。
火災そのものはホームセンターではなく、近辺の住宅地や工場が燃えていたらしい事と、ゾンビの集団化が顕著になっていることが見て取れた。
早急に此処を出て行くことに決まった 、一階のシャッターの強度では十数体のゾンビの体当たりには長く持ち堪えられそうにないことと、
付近の情報を得にくいことが最大の理由なのだ。
とりあえず車を出す、目的地は脇坂メモの秘密基地だ。
彼らが以前知り合った、尚也なる人物がくれた物らしい、かなりの凄腕だったらしく
保有している武器も彼からの贈り物と聞いている。
なんにしろ目的地が決まっていることは良いことだ、其処までの道は何度も地図で確認してあるので問題はないが、
ホームセンターの傍の国道を通る必要があった。

「67」

迂回できるならそれに越したことはないのだが、大都会とは違い必ずしも平行する道が有るわけでもなく、放棄された車両に道をふさがれたり、一歩間違えば袋小路に侵入する恐れもある。
火災が発生している今は少しでも道幅が広い方が良いはずだ。
付近の住宅も慌ただしそうな気配を感じる、1階はバリケードで覆われていても二階の窓は開放して様子をうかがっている。
「俺たちも乗せろ!」とか「連れてってくれ」なんて声が聞こえるが無視を決め込む。
以前通過した街と同じだった、脇坂の表情を伺う、2人とも知らん顔をしていたが 安田の視線に気がつくとぽつりと言った。
「生身の人間を撃った事があるか?」
安田は、「2人・・」そう答えながら、その時の状況を思い出していた。
「それなら良いが、躊躇うなよ 隙を見せればやられるからな・・・・」
車内に緊張が走るのが感じ取れた。
ふと気がつくと、後ろに追従する車が見て取れる、どうやら同じように危険を予知したか、それとも偶然かは分からないが少し間隔を取りつつも進路は同じだ。
「厄介だな、3台ほど居る。」脇坂はそう言いながらリアウインド越しに乗員の様子をうかがう。
「どうする、速度を上げようか?」そう話しかけたが、「いや、このままで良い、ホームセンターに行くつもりかもしれないからな・・・」後ろを向いたまま答えた。

前方にホームセンターが見えてきた、確かに付近の住宅などが今尚燃えている。
辺りには集団化したゾンビの燃えかすも点在しているようだ。
しかしセンターそばに来て驚いた、・・見事なくらいゾンビの大群衆に取り囲まれている。
「・・・・・!?」皆言葉を飲む「アレに囲まれたらひとたまりもない、逃げよう」
その時 、後続の車両が急に速度を上げて抜いて行く。
「アレを見たら仕方が無いかもしれんが、あわてると死ぬぞ・・・」脇坂が抑揚のない声で呟く。
2台が走り去り、後ろには赤いセダンが残るのみとなった。
猛スピードで走り去る車は、標識に従い交差点を曲がる、姿が消えるのと大きな衝突音が聞こえたのがほぼ同時であった。
「やったな・・・」「まずいなぁ」お互い声が出る。
交差点までは未だ100m以上は有るだろう、車を止め予備ルートを探す。
「アレより二つ先の交差点なら迂回できそう」有希が地図で確認して答える。
「68」

「ヘルメットを頼む」そう言って後部座席から受け取り被る、少々荒っぽくなりそうだ。
トランスファが4Hになっていることを確認の上車を走らせる。
後続の車もこちらに合わせ止まって居たようだが、話しかけてくる様子はなかった。
典型的な日和見タイプだろう、もっともイヤなタイプだ。
もし助かりたいなら、声を掛けるなり相談して来るなり方法が有るはずである。
ホームセンターのゾンビ群とは未だ距離もあるし、この車を見れば場慣れしていることも
分かりそうだが、いや、分かって居るからこそさっきの車に続かずに停車してるのだろうが・・・。
こちらにとってはむしろよかったかもしれない、もし話しかけてきて、それが良い感じの人なら救ってやらねばならない場面も当然出てくるだろうし、
放置すれば後味も悪い。
だが、それをしないと言うことは自分の身は自分で守ることの表れだと認識できるのだから。
本来の交差点を過ぎる時横目で見たが悲惨なものだった。
最初の車両が曲がった瞬間見たものはゾンビの群れだったのだろう、あわててハンドルを切り路肩に乗り上げたようだ。
後続車は難を逃れ、方向転換しようとする間に囲まれたようだ、まだ生存者は居そうだが救助は無理だろう。
「此処を右折よ」有希の声が響く、ゆっくりと旋回して行くがその先には20体ほどの群れがのろのろ歩いてる、
距離にして50mぐらいか?車を止めて有希を見る。
「他の迂回路は?」「だめ、此処を行かないと他の道も選べないよぅ」即答だ。
有希のナビ能力は高い、下手なGPS以上だ、もっともこの車は24vだし装着も出来ない、
衛星の精度も今はわざと落とされているので大まかな場所は分かっても詳細位置は心許ない。
それが原因で脇坂も迷い込んで往生したらしいのだから。

やり過ごすか・・方向的にはさっきの事故現場に向かっているようだが・・・
だが、今は後ろにお荷物が居る・・・恐怖におびえた人間が・・・・
「69」

不安は的中した、一団のセンサーはこちらを捉えたようだ、向きを変えてくる。
さすがに20体の強行突破は難しいが、距離は未だあるうえ傍には奴らは居なさそうだ。
「殲滅!」そう叫ぶと同時に車を飛び出す、瑠璃ちゃんの手には89式が握られている。
ボンネットを支持台代わりに発砲を始める、横の移動ではなくこちらへの縦の移動だ、
照準はしやすい、時間はかかるものの確実に崩れ落ちる。
安田も脇坂から89を受け取り撃ち出す、「タン、タン、タン、タン」的確に数を減らすが、更に20m先に10体ほどを確認したのでそれに目標を変える。
いまだ後続車両は誰も出ようとはしない、恐怖におびえてるせいかもしれないが、
付近の警戒ぐらいしても良さそうなのに。
脇坂が、「ちっ」と舌打ちをしながらスリングショットを撃ち出した。
路地に5体ほどの奴らを確認したようだ、近距離は任せてあるので不安はない、5分ほどで戦闘は終了した。
警戒しつつ再度乗車してゆく、安田は乗り込むとき後続の車を見つめた、乗っているのは男3人のようだが彼らは目線をそらせる。
「なんて奴らだ」吐き捨てるように 運転席に乗り込むと、発進させる。
ゾンビの体を踏みつけながら走って行く、後の掃除が大変だが仕方がない。
腐りかけた体は車のトラクションを奪おうと最後の足掻きを見せるが、この車重と四駆の前には無駄な足掻きだった。
続いて、例の車も乗り越えようとしたらしいが普通の乗用車、上手く行か無いようだ。
安田は一度停車させた、「どけなきゃ無理さ、助けるかい?」脇坂が皮肉っぽく言う。
「まさか、冗談だろ」安田が答えると「合格! そうでなきゃな、奴らは2度の交渉チャンスを自分で蹴ったんだ、
この場合でもすぐに降りて手でどけるという即断力もない、仮に助けても瑠璃たちを狙い出すに決まってるからな。」
そう言い終わる頃になっても未だ誰も降りようとしない、中で口論しているのが分かる、どうせ誰が降りてどけるか言い争って居るのだろう。
「おやおや、新手の登場だ」すぐ後ろに8名ほどの集団が見える。
奴らが初めて降りた、しかしその口から出た言葉は・・・
「おまえら!俺たちも乗せろ!」
安田はその言葉を聞いた瞬間アクセルを踏み込んだ 、バカに付ける薬は無いなと思いながら・・・・。
109PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/11 01:33
終わったかな?
はずかしいけれどさん大量投稿美味しく頂戴シマスタ。

いざと言う時決断できない人間には困りもんです。
通常時に災害や事故のことを考えてない人間は非常時に大抵パニックに陥るものです。
無論熟孝することも大切でようはバランスですが、なかなか難しいんですよね。


漏れの続きは一生懸命妄想しとります。
なかなか気に入った文が書けなくて進みが遅いですが、明後日ぐらいには多少はここにあげられると思います。
んでは。
>>109
いえいえお粗末でした、スターウォーズ見てたのでちょっと少ないですが(笑

そうですね、緊急時に体が動くかどうかというのは微妙ですね。
これは喧嘩とはまたちがいますね。
以前建築現場で作業中、サンダーを軍手に巻き込ませた職人さんがいたのです。
目撃したのは、私ともう一人喧嘩っぱやい左官屋さんでしたが、声だけでした。

わたしは、見たときには既にからだが飛んでいて、コンセントを引き抜いていました。
あと1秒遅ければ指は飛んでいたみたいでしたが。 こわ〜っ
足場が崩れる瞬間に飛び退いた事もあります(笑

でも、喧嘩弱いです(笑
しかし躊躇無く人撃てます(ガスガン
どちらかと言うと安田タイプです、ロリータ スケベですから。
1113-620:03/05/11 02:07
>>はずかしいけれど様
安田タンクールになってるなぁ・・・(・∀・)イイ!!
こちらもネタに作ってみたくなりました。
というか漏れ、脇坂タンの名前をどこかで朴ってないか(;´Д`)

>>PIP様
がんがって下さい。明後日を楽しみに待ってます。
はやく続きを読ませてほしいニダ。


とりあえず一つ投下します。
1123-620:03/05/11 02:08
小生屍鬼なり。未だ真理は掴めず。
骸となりし身体にて感情のみならず思考を巡らし言葉を発す。
他の同胞にあらざる性質、不可思議なり。
何故、他の同胞と異なるか。同じ屍鬼にあらずか。
問いに答える者、生者死者ともに一人もおらず。
故に小生、旅に出る。己が存在意義を求むるが故。


小生、勇んで旅路に出るも天に恵まれず。たちまち雨に追わるる。
目前に古寺見えたり。戸を塞ぎし像を退け、雨を凌ぎ暖をとるるも先客、それを許さず。

「面妖な・・・そこな屍鬼よ、如何なる用件で参った」

見れば法衣を纏いし骸が一つ、奥の間にて居座れり。
柿色に染まりし頭蓋が小生の目を見据え対峙せり。

「小生、争う気は微塵もなし。一夜の宿を借りるのみ。
 願わくば一晩、暖をいただきたし」

「名も名乗らず、無断で入り込み仏尊を汚すが礼儀か。
 不信心者を聖域に入れるわけには往かぬ。即刻立ち去れい」

「否。小生、名乗る名もなし。仏尊たるは何ぞや?」

「悲しきものよ。己が名前すら分からぬか。
 今からでも功徳を改めねば成仏すること適わぬぞ。
 手始めに拙僧の餌食になるというのは如何か?」

骸、小生に敵意を隠すこと無し。己が敵に手にかけること躊躇無し。

「ひと言物申す。何故、小生を排せんとするか。答えられたし」
1133-620:03/05/11 02:09
「愚問に答えさせるか。屍鬼など仏法の敵。
 かような者が我が寺を蹂躙するなどもってのほか。
 私がいる限り怪生の者を入れさせはせぬ。去ぬがよい」


骸の眼光鋭く光り、小生瞬く間に外へ弾き出されり。
止む無く一夜を外にて過ごす。されど眠ることもできず。
本堂より発せらるる読経、小生の身を縛れり。苦痛なり。

「屍鬼よ、未だ我が寺に居座るか。邪なる者が聖域にて
 活動できる所以もあるまいに。ただの物の怪ではないな」

「小生、多くの屍鬼の内の一つに過ぎず。もはや境内にて
 我が同胞が闊歩せり。小生の如き者も有り難き者にあらず。
 然るにそのほう、速やかに中に入れぬなれば皆、大挙せり。如何致す」

思い浮かぶ虚言、あるだけ口に出せり。さすれば中より嘆く声聞こえり。

「なんと・・・もはや現世は人のものにあらずか。
 思えば仏尊を拝せし者もおらず、仏の威光、霞むばかりであった。
 既に常世と成り果てていたとは、即身仏になることばかりを考え
 世を省みぬ我が身の不覚であった。いやさ常世にて目覚めて
しまったのも私が即身仏となったのではなく、凶皇仏へと堕ちた
ことを暗に示していたのではないか。もはや浄土へも往けぬ。無念」

本堂にて骸の身、崩れ去り灰塵に帰す。
後に残るは法衣のみ。生まれ出ずる時を違えしは哀れなり。


小生屍鬼なり。いずれ骸の後を追わん。朽ち果てるのは何時の日か。
114PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/11 02:57
>>3-620さん短編(゚д゚)ウマー
ひたすら自己を救うという本来の仏教の味が出てますね。

実際ゾンビが出た時の各宗教宗派の対応はねたになりやすいですね。
転生やらを否定しているキリスト教だと「悪魔の仕業」で日本仏教だと「餓鬼」。
イースラム圏内にはグールという伝承があるし。
ゾンビに食い殺されるいんちき宗教家なんてのも。

む、ネタが湧いた!
明日起きて忘れてなければ短編書けそうっす。
 3−620 様
投下分拝見致しました。
神仏関係は上手く扱えないです・゚・(ノД`)・゚・
いつも感心いたしますでつ、ハイ!

PIP様 
確かに、各宗派においての対応は難しいでしょうね、経文や秘法によりて対応しようとする人も
必ず出るかと思われます。
中国の様にキョンシーとして扱うか? 微妙ですが(笑
かの弘法大師空海ならばどう対応したでしょうか?非常に興味在りますね・・
キリスト教なら・・・・

ただ宗教関係で扱うと、中途半端な荒らしでは済まなくなりそうなので辞退いたします。

安田も脇坂もクールですが、根っこは違います。
脇坂は合理的で、義理がたく、 安田は情けが深いんです。
だからこそ、最後でも車を止めました。
しかし、高圧的な態度や、さげすみには耐えることが出来ません、クールじゃなくて 臆病なんでしょう
初めてまっすぐ見つめてくれた人、瞳の奥にウソがない人。
彼にとっては有希こそが心の支えであり、宝なのです。
何よりも彼女を護ることが優先されます、例え世界を敵に回すことになっても・・・・
史郎ちゃん 続編・・・・

【その2】

最近思うんだけど、なんかゾンビ連中群れてない?
なんかいや〜んな感じなんだよね、まぁ俺はこっから出ないから関係ないし、仮に幾ら囲まれようが問題は無いから良いんだけれどね。
なにしろ13t以上のこの車体、ゾンビ100人でもびくともしないし、パワーで踏みつぶすのみ(笑)
ホントなら指揮官殿がこのことを部下に言わなきゃなんないのに、目ぇついてるのか疑わしいね。
「むぅ。。史郎、車を止めろ」 へいへい、オマイは海原遊山かっちゅ〜の?
オマエは付近に注意しろ、行くぞ富井! 「へへ〜っ!、山岡寝てるんじゃないぞ」
嫌みなキンキン声で後に続いて行く、まったくなんだろねぇ あの副部長とおんなじ、やな野郎だぜホント!!
ここは、元々シティモールとか言われてたに違いないんだろうなぁ、オシャレな造りの店舗が並んでる。
さすがに直前まで乗り付けられないから、徒歩で出て行きやがった。
これ幸いに体を車上に乗り出す、クーラーが無いのは悲惨だよ、まだまだこれから熱くなるしなぁ・・・日本ぐらいだよホントに、クーラー一つ無いなんてさ(泣
ありゃりゃ・・・ゾンビ一行様のお出ましだ、っとぉ〜モールの中に入って行くよ〜
連絡を・・・やーめた、見なかった事にしちゃおう、うん、それが良いね。
「や、山岡ぁ〜! ゾンビの群れに囲まれた、直ちに突入、機関砲でなぎ倒せ!」
何か言ってるけど、無視無視っと。
「早くせんか バカものぉ!! 富井がやられた、何をしている!」
な〜んも聞こえましぇんね〜っと。
「うわぁぁぁぁぁぁ〜」
やっと静かになったかぁ、さてと通信通信っ・・・
「こちら第7探索隊、○○駐屯地連絡願います・・・・当部隊はゾンビの集団に襲われし住民を救助活動するも、通信機破損、今やっと修理完了にて最後の送信す、
全員ゾンビによる裂傷を負って居るため、基地への帰投は断念します。残る弾薬にて最後の瞬間まで奴らを殲滅します。」
「こちら○○駐屯地、了解・・・・・健闘を祈る・・・それしか言えないが・・・」
「分かってますよ、気にしないで下さい・・それでは通信終わります。」
さて、これで俺は自由だ、あの隊長のおかげで弾薬は山ほど在るし何処にいこうかな?
とりあえず、このクソ熱い服装を着替えなくちゃなっと。
なにか格好いい名前考えないといけないな♪
ただ、一人は何かと不便だから、良い仲間をみつけなきゃ・・・・ね
                  __,. -‐--- 、,,,,__
               _,. ''"´    _ ,,,,.r‐r‐┬- 、_
             /    _,.-'"_,L_/`´ー ' ̄ ̄`ヽ、
            /    _,.-,.-'"´    ヽ 丶  、 `ー-、
           /   l  l 7/  / /  l li  ヽ、ヽ ヾ 、ヽ`ヽ
          ,イ  i |l  l/  / /  /| iト ヾ、 l lヽ、!|ヾ、ヽ
          l l  | l ! l|  ,イ /! /-l l |l lト、l lハヽl ! lハ! 
           ! |   ! l l !| ハl/_」_/  l リ l l|)ハノニヾ})ノ
         li l| i | lヽ、|l/ ,l!-‐-、` '´ lノリ ,イ;;;;;l 〉ト、}、
         |l |l | l lヽヽヽイ;;;;;;;;;;」 `      '!::::=! ,'ト、丶ヽ、
         l!/ //, !lヽ \ト;:;:;:;;;フ      ヾ;,;,ノ !l ハ ト、ヽ\
         〃 // / lj ∧ヽヾ;ー‐'        丶 `´ } l| { l! !i }
        / / { i / / ハ } ト、       _     / リヽl| 〃 /
        { {l l l / イl/ l //lト ヽ     (_/   イl | ハ ヽ!/,イ
        ヽヾ、 l / {l'ヾ{// リくヽ}      ,. イハリi/ }ヽ、 `ー´ノ
         ∧ l}ノ {  ヾぐハノ! l /`ヽl ̄ ´「ハ/_ノl〃 ハノ ̄ ´
          _>'"´|`ー'ー'ー'ー'ー'ーァ-‐ゝ  `    'ー´
       __,.-'"    l,;=;, ,;=;, ,;/   `゙'ヽ、
       { |        | ''i='' '/  ,.     _,r、_>、
      ハ l      l,;=l;, ,;/   l , _,.-'"j_,.r-、ソ、
      /''ゝl      ヾ !''='/  l レ'_,.r'ー'j='l' 'ハノ
      /,;=;,'l       ヾ,;/   l / ,;=;, ,;=;, /'´
     ハ='' '!、 ,      〉    /''='' ''='' ''/
    /,;=l;, ,;] _,/L_rj_,. O'/、 i ,ソ / ,;=;, ,;=;, ,イ
   /''='' lヽ='j ノ  `⌒フ/`冖ー-/'='' ''='' /=!
  ,l ,;=;, !,;=!'/  ,.  //   、`/,;=;, ,;=;, ';=ノ

       振り向き有希タン・・・
119 ◆590pmBHwDI :03/05/11 09:38
作品集。本スレの117迄を対象としてまとました。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4265/

>>69
>作品集楽しませていただきました。
>ありがとうございました。
>それと、作者様専用BBSなのにイラストがどうこうと、
>思い切り場違い!!のメッセージなど入れてしまって、
いえいえ気にしておりません。
但し、作者様への感想はこちらでお願いします。

>もしお手が空く時がありましたら、錆取りさんの新作も読ま
>せていただけっると、嬉しいです。
私も、このごろは電波の圏外表示が出てるようなのでなかなか
思いつきません。




>はずかしいけれど殿
乙カレーです。
史郎タンの新しい名前は「阿字世死 妖平」
仲間は「亜痔 尾鵜」がいいと思いまつ。
合言葉は「ウマ― ゾ〜」
。。。。
。。。。
。。。。スマソ。
 

風邪ひいてしまいますたよ。
みなさんは気をつけてください。
『177』

ゾンビが窓の下から離れる前に。。。こちらの動きに気づくその前に車に辿り着く!

一秒でも早ければ早い程、みんなが無事に脱出できる確率が上がる。
俺は階段を全速力で駆け上がった。

だが、予想外のことが起こった。
足音だ。
足音が聞こえる。
足音は上からこちらに、下に近づいて来ている。

つまり、誰かが階段を駆け下りてきている。。。

なぜだ!?
全員、屋上にいるはずだ。
下りてくる必要など無い。
そんなことは予定外だ。

なにか起きたのか!?


そして突然、階段の踊場に人影が現れた。

「美貴ちゃん!?」
それは美貴の姿だった。

どうしてここに!?

「た、大変です! 藤田さん!」
美貴が悲鳴に近い声で叫んだ。
『178』

「なにかあったのか!?」
「と、とにかく来てください!
はやく!」

俺は美貴とともに屋上へと急いだ。
美貴はすっかり興奮して、「はやく、はやく」を連発するばかりで、俺の質問に答えない。

一体なにが。。。なにがあったんだ。。。

いてもたってもいられず俺は美貴を追い越し、階段を駆け上がった。

屋上への入り口をくぐる。
強い日差しが俺の目に差し込んだ。

「藤田くん!」
「藤田さん!」
「あ、おぢさん!」

亜弥たちが俺の姿を見て叫ぶ。
「あれじゃ!」
「あれです!!」
「おぢさん、あれだよ! 
あれみて、あれぇ!!」

みな必死でひとつの方向に指を向けている。

みんなが指差す方にあったもの。。。それは。。。。
『179』

。。。あれは。。。。

。。。ヘリだ!!

間違いない!

しかもこっちに近づいてくる!!


「そうなんです、藤田さん!
ヘリコプターなんです!!」
遅れて追いついて来た美貴が荒い息で叫んだ。
「わたし達、助かるんです!」

「藤田さんがずっと送っていた合図に気づいてくれたんですよ!」
亜弥が嬉しそうに声をあげた。

無駄と思いつつも、ずっと俺があげ続けていた狼煙に気づいてくれたのか?

「やったぞ、藤田くん!」
神崎先生が俺に笑顔を向ける。

「おぢさん!
まゆたち、もうだいじょーぶなんだよね!!」

「・・・・・・・あ・・・ああ・・・そうだ!
助かるんだ!!」
俺は真由美に笑顔で答えた。
つづく。

ちなみにまだ先はあるとだけ言っておきまつ。
易々「はぴーえんど」にはならんのでつ。
さんげりあ様 
う〜む、「阿字世死 妖平」 でつか・・・
怖すぎでつねぇ(w

もっと、もっと書き込んでおくれやす、小説家足るもの例え風邪を引こうとも・・・
此処まで、悲しい話の連続ならば最後ぐらいは はぴーで行ってほしいです。
自分の作品が、ご都合主義なのでね〜(w
私の作品にはヘリは出ません、その辺は史郎ちゃんが説明してくれていますのでね〜
藤田さんたちはどうなるのでしょう?
さぁ書け!書くんだぁ!!!
史郎ちゃんストーリーではパイロットの不足となって居るのですが、
現実面から行くと航続距離が問題なんです。
ほとんどの機種が400Km余り(行動半径200km)しかなく、補給部隊が無い状況では
使い物にならないと言うのが本音です。
双発の輸送ヘリでさえ航続距離は1000Km・・・・
映画では果てしなく飛んで行くようですが(笑
まさに幾らでも撃てる機関銃と同じですね。
補足事項・UH−60JAという機種は増槽タンクを装着すれば航続距離は1000Kmまで伸びます。
パイロット+15名が搭乗可能です。
良く災害救助時に飛んでる奴です、ご参考までに。
ミスター味っ子か・・・
なつかすぃな
ぶらっくほーくだう〜ん!( ;´Д`)
あーるぴぃーじー!!
(σ゚д゚)σクラエッ
129〜131
何が言いたいの?
作品集みました。
職人様達のゾンビに対する思い入れが感じられ楽しく拝見させて
いただきました。

>> ◆590pmBHwDIさん
作品が並んでいる順番って何の順番で並んでいるのですか。
多分、ローマ字化した時の順番かな?なんて思っているのですが、
先頭に『◆/mVzI6b6様』があるので、違うのかなとも思えて。
スレ汚しスマソ
このスレ書き手を奮起させる書き込み少なすぎ。
寝る。
作者同士が感想を述べあってるだけですなぁ
寝りゅ。
有希と寝る。
>>134
前からそうなんだけど。PART2の荒れた時も、職人様達はまっとうな感想は欲しいと言っていた。過去ログ見れば分かる。
寝るとか言ってんのは感想がなさすぎてやる気がなくなりそうな作者様でつか?
スレが伸びるも過疎化するのも総て読者様次第でつ。
自己満足の投下とはいえやはり感想は欲しいものでつ。
最近良い発想が湧きにくいのも事実でつ。

だから 寝りゅ。 おやしゅみ。
140あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/11 23:02
みんなで寝るのぢゃー

寝る寝る寝るぢぇら
寝る寝る寝るぢぇら




ぶるまがまぶすぃCMだた

      (; ´Д`)
 140→ /(ヘ ω⊂(・∀・)ニーギニーギ
          ゙ "
そのころ米国はどうなってるんだろう・・・
鉄砲多いけど土葬死体多いからヘビーなのかなぁ・・・
>>142
そう思うなら自分で書くよろし。
そのころアメリカはnotldの世界・・・終了(マテ
あっ!
しばらくこられないでいるうちに、ログがいっぱい、うれしいなあ!!

はずかしいけれどさん、まさに油が乗った状態?続ききになるーー!
うわあい、3-620さんの屍鬼サマの新作も!!
さんげりあさん、まだまだぐいぐいひっぱりますか、ヘリ!
たすけてあげてよおお!!
PIPさん、ううう、はやく、はやくつづきをおおおお!!

はう。なんか中毒化しますね、このスレ。。。

ンでも、あったかくなったとはいえ、まだまだ明け方なんかは冷えます。
皆様、くれぐれもお気をつけてー。
147あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/12 07:57
読者の感想が無いので本スレは、これをもって終了します。
-------------------再開--------------------
なんだ、もう終わりか。ネタ切れだろうな。
もう一度がんばろうか。
スレずっと続いていくような感じだったのにね。
最後はあっけなかったな。
152あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/12 15:41
>>151
作品集はあるし、いつスレが落ちてもいいね。
線香花火の最後のように、燃え尽きてしまったようですね。

糸冬 糸冬 糸冬
153PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 15:59
とりあえず一つ投下。
続きは今かいてますので、ちょっと待っててね。
154PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 15:59
 白。思い出の色。白い色は好きだ。彼女を思わせる色だから。
 視界に広がる一面の白。吐く息も同じく白い。そして君の着ている紅いジャケット。
 君は紅い花が好きだった。そう言えば初めて渡した花も赤い色だった。
 ――色。紅い色。白い世界に広がる色。
 笑い声。彼女の声。明るい声。いつまでも聞いていたい音。
 立ち上がっては少し滑って、また転ぶ。元の位置に残る二本のストック。
 笑いすぎて転んだ君を見て、俺も声を出して笑った。
 ――音。雫の音。静寂に混じる小さな音。
 そのとき見つけた花。雪椿。雪の中に咲く紅い命。泊まった部屋に一輪生けてもらった。 部屋に椿の香りが漂って、君の香りに混じった。
 ――匂い。錆の匂い。鉄の匂い。血の臭い。
 ふと左手に感じた温かさに、夜中目を覚ました。眠っていたはずの君が、俺の左手を両手で包んでいた。
 瞳が合うと、君は恥ずかしそうに微笑んだ。腕枕。左手に感じる重みが心地よかった。
 ――右手に痛み。左手に重み。ひどく重い。罪の重さ。支えきれ無い、永劫の重さ。
 花。赤い椿。君の好きだった花。
 血。生命の色。君の流れていく命。
 紅く染まる白い肌。首筋から流れ出す命。俺の右手のガラス。鋭く鋭利な凶器。
 倒れこんだ君。支える俺の左腕。振りぬかれた俺の右腕。振り下ろされることのなかった君の爪。
 
 愕然とする俺の顔が、君の瞳に映る。悲しそうな顔をしてそして、君は微笑んだ。
 彼女はいつも微笑んでいた。俺のために。笑う事を忘れていた俺のために。
 頬を撫でる君の指に絡む、涙。それを君はとても優しくぬぐってくれる。
 
「……泣かないで、尚也。生きて。私たちの、分まで。――愛してる」
 最後の言葉。責めることも、悲しむことも無く。ただ微笑みと愛を残した言葉。
 愛してる。愛してる。愛してる。あいしてる。あいしてる。あいしてる。アイシテル。アイシテル。アイシテル。アイシテル。アイシテル。アイシテル。アイシテル。アイシテル。アイシテル。
 涙とともにようやく微笑を返した時。彼女の息はすでに止まっていた。
 どこかとおくで、なにかが、こわれる、おとがした。
155PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 16:46
「こいつはひでぇな。腹が引き裂かれてる」
 眼鏡の東洋系の男が、廊下で絶命した良人の遺体を調べ終わると呟いた。
 廊下にいるのは他に二人。同じく東洋系の茶髪男とサングラスをつけた白人。三人とも都市迷彩に身を包み武装している。
「仕方ない。目的をサンプルと遺産の回収に変更する」
 どうやらリーダーらしい白人の男が指示を下す。
「奥に足跡が続いている。たぶん、あいつが持っていったんだろう」
 茶髪が奥の扉を指差す。そこへは紅く染まった道が続いている。
 注意深く観察すればその道の所々が裸足の形に薄くなっているのがわかった。
 彼らは研究所の警備を担当する表向きは民間の警備会社社員だ。もっとも研究所の誰もが、彼らの所属する本来の組織が何なのか知っていた。
 茶髪が先行し、眼鏡と白人はやや離れた位置で援護の態勢をとる。
 尚也によって開錠されていた扉を、茶髪がわずかに開けて内部の様子を窺う。
 ――サンプル発見。そばにあいつがいるだけだ。緊急性は無い。
 茶髪はサインで後ろの二人に状況を伝えると、扉を開けて内部に入り左右を確認する。
 部屋はところどころが破損し、中央に血溜まりが出来ているがそのほかの問題は無いようだった。
 すぐに三人は銃を構えながら、壁にもたれかかった青年に膝枕をされているサンプルに近づいていく。
 サンプルは白い全裸を朱に染め、特に首からの出血は明らかに致命傷と知れた。
「おい、尚也」
 茶髪が声をかけるが、この三ヶ月間彼らの訓練に耐えてきた青年は俯いたままだ。
 茶髪は銃口を尚也の額に押し当て、顔を持ち上げる。
 何の抵抗も見せず持ち上げられた顔には、一切の表情が無かった。
 その瞳は虚ろにぼやけてどこにも焦点をあわせていない。
「どうやら狂ったか。手間が省ける。さっさとこの女を連れていくとするか」
 茶髪は後ろを振り向き、リーダーに問いかける。
「ああ、そうするか。しかしこいつもかわいそうにな。まさか女の方が実験体だったとは思わなかったろうな」
「それも売ったのが親友だからな」
156あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/12 17:03
不発弾が残っていたようだな。
いずれにせよ処理終了。

糸冬 糸冬 糸冬 糸冬
157PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 17:29
 床にボディバッグを広げサンプルである雪香を運ぼうとした時、初めて尚也が反応を見せた。
 といっても、わずかに顔をあげただけで彼らはその変化には気づかなかった。
「損傷なし。内部からの出血も収まっている。ほら、見てみろ。一度犯っておけばよかったな」
 眼鏡が雪香の両足を広げて損傷を確かめながら仲間に軽口を叩く。
 ……ナニヲシテイル。コイツラ。
「ほら、こんな良い形してる。そこらの女子高生よりよほど締まりがよさそうだ」
 白人も仕方の無い奴だといわんばかりの表情をしながらも、眼鏡と入れ替わり雪香の朱に染まった秘部を覗き込む。
「おい、どうだったよ具合は。この色男」
 ……ウルサイナ。
「ほら、色男。ここに何回突っ込んだんだ」
 茶髪が尚也の髪を掴み、足を割り広げられた雪香の方へと向けさせる。
 三ヶ月間、市外に増えつつあるゾンビへの対処と民間人への訓練を担当してきたことでたまったストレスが、三人に馬鹿な行動を取らせていた。
 もともとこの任務自体が保険のような優先順位の低いもので、だからこそ日頃の素行に問題のある彼らが割り当てられていたのだ。
 ……ジャマスルナ。モウスコシデデレルノニ、コイツヲオコスナ。
 尚也の手がのろのろと上がり、茶髪の迷彩服を掴む。
 さすがに気づいた茶髪が手を振り払うと、尚也は無様に床に倒れこむ。
 その様子を見て安堵の息を漏らす三人だったが、四足で這いながら近づいてくる尚也の様子に視線を交わす。
「どうする、始末しておくか」
 茶髪が銃口を尚也の頭部へと向けて、後ろの白人に問いかける。
「待て、一応こいつの血液も採取しておけ。上には抵抗したと言っておけばいい」
 白人の言葉に眼鏡が採取用具を取り出し、茶髪へと差し出す。
 場が白けたのか、茶髪もそれ以上軽口を叩くことなく尚也に歩み寄り、眼鏡もボディバックに雪香を収め始めた。
「何やってるんだ?おい、さっさと済ませろ」
 眼鏡が雪香をボディバックに入れ終えたのに、まだ作業を終わらせていない茶髪に、白人が声をかける。
158PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 18:15
 返事をしない部下に苛立った白人は、尚也のそばで屈んだままの茶髪の肩を掴み振り向かた。
 がちゃっ。
 肩を引かれたままの勢いで、茶髪が床に仰向けに倒れる。その喉にはアーミーナイフが突き刺さり、茶髪は絶命していた。
 返り血に染まった腕を見るまでも無く、誰の仕業かは明白だった。
 まるで獣のように四つ這いの姿勢を取ったまま、尚也は何の反応も見せない。
 わずかに肩が揺れているだけだ。
「糞ッ!死ね!」
「オ前ガナ」
 帰ってくるとは予想もしていなかった返事の、その声の響きに皮膚を粟立たせながら引き金を引く。
 銃口が火花を吐き出し、弾丸が床に穴を穿ち、室内の埃を銃声が震わせる。
 それだけだった。
 忽然と視界から尚也は消失していた。まるで尚也のいない風景を撮影して、先ほどまでの風景に繋いだかのような、奇怪な現象だった。
「どこ行きやがった!ちぃ、探せ!」
 あたりに散乱する実験台の下に隠れたとでも判断したのか、リーダーは眼鏡に指示を下す。
 眼鏡は茶髪の持っていたショットガンを拾うと、ゆっくりと実験台一つ一つを確かめ始めた。
(何なんだ、あの野郎。いきなり消えやがって、どんなインチキ使いやがった。畜生ゆるさねえ。ゾンビの餌にしてやる!)
 怒りに血走った目で眼鏡が探っている周辺の実験台の様子を窺う。
 半数程度の机を調べ終わったがまだ尚也は見つかっていない。
 まさか逃げ出したのかと開けておいた扉へと視線をそらし、また眼鏡の方へと視線を戻した時だった。
 彼は室内に自分しかいないことに気づいた。
 先ほどまで索敵をしていたはずの眼鏡は視界から霞のように消えうせ、部屋には自分以外に人の姿は無い。
「お、おい!どこ入った。返事しろ!」
 声を張り上げるが、返事は無い。
 自分の言葉が生み出した木魂が消えると、室内にはまた静寂が広がっていく。
 その静けさのもたらす恐怖に耐えかねて、銃を乱射しようとした時だった。
 リーダーは実験台の方から、わずかにか細い声が漏れているのに気がついた。
 それは紛れも無く助けを求める部下の声だった。
終了とか言ってんのは全部名無し。
感想ないなら書かないとか寝るとか言ったのははずかしいけれど氏と名無し(一部は自演ぽく見える)だけ。
他の作者は誰もなんも言ってない。
現にPIP氏は投下している。
結論から言ってスレは存続。
はずかしいけれど氏の発言に煽りと釣りとが便乗して荒らしてるだけ。
てことで継続。
160PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 18:59
 無論慌てて駆け寄るようなことはしなかった。
 銃を構えなおし、ゆっくりと近づいていく。いざとなれば部下もろとも撃ち殺すつもりだった。
 近づくにつれて、見覚えのある迷彩柄と紅く染まった床が目に入り始める。
 そこにいたのは、肋骨の間からナイフの柄を生やした眼鏡の姿だった。
 断末魔の痙攣を繰り返し、喉に刺さったガラス片で呼吸と発声を阻害されている。
 明らかにわざと止めを刺していない。
 そのことに気づいたリーダーは、直感の命じるまま背後の茶髪の方を振り向き、茶髪の喉からナイフを回収し終えた尚也を見つけた。
 網膜に映った像を脳が認識し引き金を引けとの指令が出るまでのタイムラグは、尚也がナイフを投擲するのに十分すぎる時間だった。
 鋼の切っ先が眼球を貫通し眼底を突き破って脳に届くまで一瞬、リーダーは尚也に戦闘訓練をしたことを後悔し、また奇妙に誇らしく思った。
 
 室内にいる自分以外の生命活動が停止したことを確認すると、尚也はどこを見ているか分からない表情のまま、廊下の方へと一歩踏み出してそこで動きを止めた。
 いや、筋肉は動こうとしている。
 ただ、外に出ようとする指令と中に残ろうとする相反する指令が同時に出されて、体が反応できないだけだ。
「……ジャマダ」
 呟き強引に体を進めようとする。が抵抗に遭いなかなか脚は言うことを聞かない。
「オンナカ」
 反転し、ボディバックに入った雪香の遺体を担ぎ上げる。まるで単なる荷物かのように肩に担ぎ、そのまま廊下へと進む。
 今度は何の問題も無く足は動き、そのまま良人の脇を一瞥もくれずに通り過ぎる。
 しばらく歩き、目的の部屋の前で立ち止まる。
 途中すれ違った研究員は全て縊り殺した。
 目的の部屋、良人の資質に入り込み、ベッドに雪香の遺体を放り捨てて置いてあるPCを起動させた。
 起動後自動的に動画ファイルが再生される。そこに映っているのはもちろん良人と、そして全裸でくくりつけられた雪香の姿だった。
161PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 19:29
「尚也、これを君が見ている時に、もうボクは生きていないだろう。たぶん彼女に殺されるだろう。どうせなら君の手で殺して欲しいけど、それは我慢する」
 分娩台に酷似した寝台にくくりつけられた雪香はただ呼吸を繰り返すだけだ。
「これから君の体に投与するワクチンの材料を取り出し生成する。そう、ワクチンは不完全だけど出来上がったんだ。とはいっても君個人にしか効き目が無いだろう」
 良人は画面の方をまったく見ず、雪香と手元の資料を見ながら話し続けている。
「ゾンビ化すると塩基配列が壊れていくのは説明したね。そこでワクチンに逆に人として出来上がっていく過程を利用することにした。つまりは受精と細胞分裂さ。
「そして君に投与するからには君の遺伝情報を組み込んでないといけない。つまり彼女の中の胎児を利用させてもらうことにしたよ。気づいてなかったようだね。彼女が妊娠しているのに。ボクはすぐ気づいたよ。……気が狂うかと思った。
「君が気づいてくれてれば、僕はこんなことをしなかったかもね。でももう遅い。彼女の中の胎児は君の子供だから、君と同様ウィルスに対する強い耐性がある。でもこの女はダメだろうね。仕方ない、君に抱かれて子供まで宿したんだ。これ以上は望まないだろう」
 良人の声はかすかに震えている。まるで――泣いているかのようだ。
「ああ、それから米軍の馬鹿たちには気をつけなよ。彼らには彼女自身がサンプルといってあるから、君が邪魔するとたぶん殺される。とは言っても、実験通りに行けば君が殺されるはず無いけどね
「さて、そろそろ処理をしよう。映像はここまでだ。この先はいくら君でも耐えられないからね。ああ、大丈夫。彼女を犯したりはしないよ。彼女は君のものだからね」
「残りの資料は机のそばのトランクにまとめてある。そこにゾンビウィルスの検知キットも用意しておいた。もしかしたら感染者の中に対抗をもっているものがいるかもしれないしね」
 そこで画像は途切れ、ただ音声のみが流れる。
「尚也。ボクの親友。ボクの……ボクの……一番の、親友」
 そしてそれ以上再生される音声も、画像も無かった。
162PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/12 19:38
今日はこれまで。
明日には残りをあげて、研究所篇から日向の拠点入りを書いたところで本編は一度切ります。
ンで新たな登場人物の番外編を書いて、そしてまた本編に移ります。

ちなみに補足しておくと、尚也にワクチンが投与されたことは事実です。
それと彼の体が抗体を持っていることも事実です。
ただ、その抗体がどこまで有効なのかは未知数なんです。
その辺りは良人が知っていたでしょうけど、彼は全てを語らず、また真実のみを語ることも無く退場していきました。

さて、もうしばらくでこの鬱はいるとこも終わります。
こんな重いと感想は書きにくいかな?
でも出来れば作者さん以外の感想も欲しいですので、よろしくです。
作者さんの感想ももちろん欲しいのでお待ちしております。では。
>>PIP殿
乙カレーでつ。
わらくしとしてはこういう「へびぃ〜」なストーリーは大隙です。
そして謎がはっきり明かされないところがミソですな。
謎と秘密が多い方が想像と興味をかきたてられますものね。

また少々荒れとるようですが、気にせず逝くのです。
『180』

ほんの数分でヘリは俺たちのいるホームセンターに到着した。
今、上空でホバーリングしている。
かなり小さめのヘリだ。

少ししてヘリからロープが降りてきた。
ロープの先には筒がついている。
『中を見てくれ』
とメモが貼り付けてあった。

筒の中には手紙が入っていた。
それによると彼らは自衛隊と警察の生き残りを中心にして結成された、臨時基地を拠点とするチーム
とのことだった。
こちらの生存者の数、負傷者の有無とその人数などを記入するチェックシートも一緒に入っていた。
まずはそれに記入して筒に入れて欲しいとある。
どうやら混乱を避けるため、このような面倒な形式にしているらしく、そのことに関しての謝罪の言葉
もあった。

たしかにいきなり着陸しては切羽詰った人間達が相手ではなにをしでかすかわかったものではない。
まともな話し合いや説明を聞かずにただ助けろと縋りつく者も多いからだろう。
結果、溺れている人間の救助と同じで、引きずり込まれて一緒に溺れるような事態を避ける必要が
あるというわけだ。

それにしても救助活動が行われていたのは正直驚きだ。
俺が最後にネットで得た情報では、警察はもちろん自衛隊も壊滅に近い状態だったからだ。
無能な役人どもは『現に動いている以上は死人と認識することはできない』などとぬかし、ゾンビの逮
捕・拘束しか認めなかった。
そのため被害は瞬く間に広がり、取り返しがつかなくなった。
ただでさえ、もともと日本全土の主要都市における同時発生だった。
わずかな決断の遅れでも問題だというのに、ずるずると決断を先延ばしにしたのはまさに致命的だっ
た。
『181』

結局、政府からの公式な発表も対応もないまま、なし崩し的に最悪の事態に陥った。
それが、今のこの現状だ。

ゾンビが日本全土を喰い尽くしていってしまった。
まるでイナゴの群れのように。。。

食料をはじめ物資の輸入も、生産活動は初期の段階でストップしていた。
経済そのものが死んでしまったのだ。
今ではそれどころか、もはや電気もガスも水道も、もちろん電話も、ライフラインのすべてが完全に停
止してしまっている。

いったい他の国はどうなっているのだろう?
少なくとも。。。日本はもう。。。
日本はもう事実上、壊滅している。。。。
これで果たして復旧などできるのだろうか?

あの日、あの事件から、もっと迅速な対応がなされていれば、日本はこんなことにはならなかったか
もしれないのに。。。。
こんなにも犠牲者は出ないで済んだかもしれないのに。。。。

いまさら考えても仕方のないことなのはわかっている。

そう、人生に『もし』はない。

あるのは『今』だけだ。

生き存えている以上は『今』を精一杯生きるだけだ。。。

それがどんなに辛く厳しい道だとしても。。。。
『182』

数回に渡る面倒なやりとりの末、結論が知らされた。

まず、今すぐに全員の救助はできないということだった。
小型ヘリのためこれ以上ひとを乗せられるスペースがないらしい。

ということは、このヘリは救助用ではなく偵察用ということか?
それとも、避難者ではない『何か』を探していたのだろうか?
よくわからない。。。

また、あいにくなことにちょうど現在、大型ヘリは別の地区の避難民の救助に向かってしまっている
ため、本日中にここに救助には来れないらしい。

だがなんにせよ、明日の昼に救助用のヘリをよこしてくれることになった。
そのときに6人全員を運んでくれる。
本当は子供ひとりならなんとかならなくもないと言われたが、肝心の本人の真由美がみんなと一緒
でなければ嫌だとぐずったため、明日全員での救助を待つことにした。
ただ、このホームセンターは屋上はプレイランドになっていて着陸スペースが無いため、縄梯子での
救助になるということだった。

それにしても、こちらにちょうどあと一日分の食料が残っていて幸いだった。
あと少しヘリの到着が遅れていたら。。。あと少し早く自力脱出を決行していたら。。。。
まさにすれすれのタイミングだ。

明日の昼になれば、全員無事に脱出できる。
しかも、なんの危険も犠牲もなくだ。

しばらくするとヘリは東の空に消えていった。
みな、いつまでも手を振ってその姿を見送っていた。

。。。明日。。。明日だ。。。。
次回はたぶん週末でつ。
もし可能ならそれまでに投下します。
それまであでぃおす。
ちょっと、ホットしてみたりするw
169あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/12 21:04
PIPさま
新キャラの話も気になるけど尚也と日向がどうなっていくのかが禿しく気になります。
あと回想終わったら尚也たちの残弾数とか知りたいとこです。


さんげりあさま
あいかわらず先の展開が読めません。
よくまあこんなの考えれる。
すごいです。
こんなゾンビは嫌だスレを見て、アイディアが浮かんだので創作中w
みんな、寝てマテ(エ?
あー、名前の関係上、舞台が日本じゃなくなってしまった(^^;
ゴメンネ
173ゲイヲハザード:03/05/12 23:08
今、私は、あの街から遠く離れた土地で暮らし、この文章を書いている。

建物の中は、静まり返っていた。
「くそっ、なにがどうなってるんだっっっ!?」
「・・・・・・班長」
「・・・いや、すまない、落ち着かないとな。ありがとう、シルビア」
「・・・・・・はい」
シルビアが頷くと、金糸の様な柔らかな髪が「さらり」と動く。
(美しいな)
こんな時に、そんな感想が出てくるなら、少しは落ち着いてきたのだろう。
「班長、総員8名。全員異常ありません」
冷静な声で、ジャックが報告する。
「OK、3人ずつのチームで行動する。ジャック、キム、ケンプファー、サラが組め。
パウロ、シルビア、オリバーは、俺を援護しろ。8人で行動するぞ。
なんといっても、敵は、撃っても死なない化け物だからな」
茶化すように言おうとしたが、どうしても声が硬くなる。
174ゲイヲハザード2:03/05/12 23:08
状況は不明だった。
今から1時間前。麻薬取締り班が、この建物に突入
「ゾンビーと交戦中。至急応援をっ!」
と言い残し、続く悲鳴の後、交信を絶った。
最初は署内の全員が、冗談だと思った。当然だ。
しかし交信が途絶えたままとなると、話が違ってくる。
彼らは優秀な捜査官達だ。強制捜査中に、本部に冗談など言うはずが無い。
すぐにSWATの我々の小隊に出動命令が下った。

目標に到着すると、隊長は小隊を2班分け、建物の表と裏に分かれた。
後衛が、すぐに建物を走査し、内部の音を拾うが、会話等は聞こえてこないらしい。
しかし、複数の足音と、女性らしき啜り泣きが聞こえると言う。
突入した麻薬班には、女性捜査官も1人所属していたはずだ。
報告では、足音から見て、敵は5名ほど。しかし油断は出来ない。
優秀な捜査班が全滅したのには、何か理由があるはず。
隊長からの通信でわなの可能性が指摘される。静音性の罠の可能性がある。

そして準備が整い、突入した我々の前に待っていたのは、悪夢だった。
175ゲイヲハザード2:03/05/12 23:10
目の前に、信じられない物が現れた。
黒光りした肌を持つ、筋骨隆々の全裸の男が一人。
消音された銃弾をものともせず、体をバラバラにされるまで動き続けていた。
我々の報告を聞いて、正面から突入した班も、敵に遭遇した様だ。
「8人で行動するぞ。なんといっても敵は、撃っても死なない化け物だからな」
茶化すように言おうとしたが、どうしても声が硬くなる。

慎重に建物1階の奥へと進む。我が班の目的は、泣いていた、女性と思われる人物の救出。
救出したその後は、隊長班の援護にまわる事になる。
敵に遭遇することもなく、建物の最深部へと辿り着いた。
正面には、両開きの扉が見える。救助者はあの中だ。
扉の形状から考えるに、おそらく、中は広いのだろう。
我々は、スタンBOMと、ガス弾を打ち込むと突入を開始した。
今思えば、これが決定的な誤りだった。敵はゾンビだったのだ。
あの作戦において、私達は、非常識な相手に、対人戦術を取り続けてしまった。

部屋の中には5〜6体の全裸の男が、広いテーブルを囲むように立っていた。
広い、食堂を思わせる部屋の壁には、複数の扉。
そして、巨大なテーブルの上には、衣服の乱れた女性が、すすり泣きながら座り込んでいた。
「確保っ!」
命令と同時に、ジャックたちのチームが動いた。
黒光りする敵を排除しつつ目標に迫り、サラが目標を確保。
パウロとオリバーも、サラに駆け寄る。
その時、突然部屋の全ての扉が開き、敵がなだれ込んできた。
176ゲイヲハザード2:03/05/12 23:10
部屋を埋め尽くすほどの、大量の黒光りするマッチョゾンビー。
そして異様な事に、全てのゾンビーが全裸で、体格が良いのだ。
連中は、一斉にサラ達に向かって駆け寄って行くと、
女性とサラを突き飛ばし、パウロたちに襲い掛かった。
彼らは、銃で応戦するが、数が多すぎる。
突き飛ばされた女性達は、転がるように出口へと逃げてきた。
助けに行った隊員4名が敵に囲まれ、飲み込まれていく。
敵の中にいる為、我々も援護射撃は不可能だった。

「うわぁぁぁぁぁぁ」
「ちくしょうっ、ちくしょうっっっ!!」
「班長、班長ー!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

出口まで逃げてきた2人と、私とシルビアは、4名の隊員が、
やつらと交戦しているのを、ただ見ている事しか出来なかった。
ゾンビー達に抱え上げられ、テーブルへと運ばれるジャック達。
何時の間にか、装備を盗られ、半裸で運ばれていく。
そして、更なる悪夢が目の前で繰り広げられたのである。

テーブルに押さえつけられた彼らに、襲い掛かるゾンビー。
その時、保護された女性がささやく様に言った。
「・・・やつらは・・・・・・男性を襲います」
彼女に視線を向けた時、テーブルから一斉に悲鳴が上がった。

「や、やめろ。うわぁぁぁぁぁーーーー」
「ぎゃあーーー、ぐあぁぁぁぁぁぁぁー」
「オォォォーー、サンタマリーアッッ!」
「ぐあっっ、殺せ。殺してくれー。班長」
177ゲイヲハザード2:03/05/12 23:11
おお、なんということか、神よ。

その後は、あまりの恐怖に、断片的にしか覚えていない。

一人、また一人と、隊員に挑みかかる、マッチョなゾンビ達
血に染まる、4つの下半身。
悲鳴、うめき、そして、黒の中にうごめく白い姿と、女性のささやき

「やつらは、男だけ襲います」

1匹のゾンビが私に気が付き、ポーズを決めながら、歩み寄って来た時、
私は、彼女達の手を掴むと、後ろも見ず、悲鳴を上げながら逃げ出した。

署に着くと、報告書と辞表を出し、そのまま私は泣きながら街を去った。
部下を失ったショックで錯乱する私に、シルビアは付いてきてくれた。

その後、瞬く間に広がった被害は、街中におよび、
人口の半数近くがゾンビーとなる、大惨事となった。
あの街は、今では封鎖され、出入りが厳重に検査されている。

そしてあの街は、世界で一番、女性に安全な街として有名になった。

そして今、私は、あの街から遠く離れた土地で暮らし、この文章を書いている。
心に負った大きな傷と、我妻シルビアと共に・・・。
いやー!
おとこはいやー!

せめて同意が無くちゃ。
179173:03/05/12 23:21
着手から1時間半で、見直しも不足してるから、文章今ひとつ。
>>178
いやね、こういうのもアリかな?と(^^;
>>178
同意があれば君はオーケーなのか。
181173:03/05/12 23:42
あ、しまった。
{8(隊員)+1(女性)}9−4{3女性陣+私}=5
男性隊員が、もう一人居る・・・被害隊員は5人だったよ(T_T
ワロタ
こういうの好き。
>>181
爆笑させていただきました。
こういう作品もいいですね!
きっと残りひとりの隊員は、喜んで?犠牲になった
隠れゲイの方だったのでしょう。。。
184あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/13 23:29
>>173-177
10/100点
185PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/14 01:18
ttp://f12.aaacafe.ne.jp/~itatisa/phpup/img/139.lzh
ひとまずまとめてみました。
186PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/14 01:20
 研究所をどう出て、どうやってここまで来たのか、その記憶は無かった。
 覚えているのは雪香の最後の言葉までで、気がつくとここにいてそばには雪香が横たわっていた。
 周囲を見渡すと高機動車が停めてあり、轍の跡を見るまでも無くそれに乗ってきたということは推測できた。
 研究所の敷地から少し離れた、緑と木々の生い茂る場所。
 背後には轟音をあげて燃え続ける研究所がある。
 そんなことはどうでも良かった。あそこに生きているものは残っていない。そんな確信があった。
 裸のままの彼女がかわいそうで、何とはなしに車を覗き込むと、助手席に彼女の服と愛用していたバックが置いてあった。
 よく分からなかったが、自分はここで彼女を休ませようとしたのは間違いないらしい。
 そう判断して、麻痺した感情の命じるまま、体を動かした。
 研究所の一角からあがったらしい火は見る間に膨れ上がり、貪欲に触れるもの全てを喰らい尽くしている。
 その明かりを背に、尚也はもくもくと穴を掘り続ける。
 掘り終えた穴に自分と雪香の私物と共に、微笑を浮かべた彼女を横たわらせる。
 彼女の一番好きだった服を着せて、たどたどしい手つきで化粧も済ませた。
 彼女がしていたようには到底できなくて、失敗するたびに謝りそれでもどうにか綺麗にしてあげることができた。
 まるでただ眠っているような彼女にキスをし、髪を撫でる。
 彼女の唇は冷たかった。それも自分にはふさわしい。そう思った。
 白いシーツをかぶせた彼女の体に土をかけていく。
 少しずつその輪郭が土に覆われていく。
 埋葬を終え祈りを唱えようとして、葬送の祈りの言葉を知らないことに気づいた。
 二人のために覚えている祈りはひとつしかなかった。
 自分の命惜しさに最愛のものすら殺した自分には、その祈りを、永遠の誓いを、口になどできるはずもなかった。
 最後に種をまいた。
 花の種。
 彼女の好きだった、赤い花を咲かせてくれる種を。
 それが尚也にできる、せめてもの祈りだった。
いくつかの語られぬ謎を残したまま、研究所篇の終了です。
次からはまたあの拠点に向かう途中のシーンに戻ります。
絶対的な狂気を発現させる尚也。
圧倒的な生物種としての力の差の前になすすべも無い日向。
はたして二人はどうなるのか。
ようやく出てくるはずのライバルはどんな扱いになるのか。
尚也は日向もモノにしてしまうのか。
何よりpipの筆の遅さは改善されるのか。

こうご期待。
「70」

それからは、目的地に向かい黙々と車を走らせた。
途中、寄ってみたい建物があちこちに在ったが見合わせる、なぜなら今は必要以上の武器を搭載しているせいだった。
途中障害らしい障害にも遭遇せず、と言ってもこれは安田の車だからだからであって言えることだが・・・とにかく車を走らせた。

その甲斐あって三日目の昼過ぎには目指す場所に辿り着いた、進入路にこしらえてある車止めのチェーン等の準備からもみて
 尚也と呼ばれる人物の注意深さが伺えた。
建物そのものは、何処かの観測所かと思われるようなまさに殺風景な建物である。
回りはコンクリートの高い塀に閉ざされ、正門ゲートとみられる入り口も中途半端なフェンスなどでなく車輪のついた重厚な門扉であった。
一瞬本当に人が住めるのかと思った位である。
とにかく車を侵入させ、先行者が居ないことを確かめる、何処からの供給か分からないが屋内の電気は生きていたし一安心出来そうであった。
まず、予備の銃や弾薬を隠し、不足分は補充する、何より大切なことである。
それが済むと、とりあえず眠ることにした、さすがに風呂は無かったが小さなシャワールームが在ったことが嬉しい。
節約の意味も込めて2人ずつ入る、久しぶりに見る有希の体を洗いながら思わず笑ってしまう自分が気恥ずかしい。
その夜は久しぶりに有希の重さを感じながら眠った。
目が覚めたのは次の日の昼前だったろうか、かなり眠って居たようだった、何しろ此処に来るまでほとんど睡眠らしい睡眠は取った記憶がない。
眠い目を擦りながら、有希たちを探そうと部屋を出ようとして慌てて戻る、グロックだ。
いかなる時も携帯する様に言われた事を思い出したのだ。
扉を開けるのと、有希が来たのとがほぼ同じで2人は鉢合わせした。
「きゃん! あ、おはようおにいちゃん」明るい声が響く。
「ご飯の用意が出来たから呼びに来たんだよ 、早く早くぅ♪」
シャツの裾を引っ張られながら後につづいた。
「71」

久しぶりの暖かい食事だった、移動中はどうしても火が使えないためだ。
安田たちが逃げるタイミングでさえ、偶然とはいえ他に3台も重なったのだ、
追いついてくる人たちが居るかもしれない、いやその可能性は非常に高いのだ、幹線道路上に位置する街である以上逃げる方向も限られてくるし、
誰かに追いつかれ、一緒に逃げることになれば厄介だ。
当然此処にはこれないだろうし、今以上神経をすり減らすことになる・・それだけは避けたかった。
「よく眠れたかい」脇坂が屈託の無い笑顔で話しかけてくる。
「君が寝ている間に、此処の事は調べてみたけど、何かの観測施設みたいだね、泊まりがけで調べる事もあるみたいだ、
だからこそシャワーや宿直室みたいな部屋があったんだろうが。
「生活は出来そうだけど、ちょっと殺風景過ぎるわ」瑠璃ちゃんが不服そうに呟く。
安田は黙ってスープを口に運ぶ、黙っては居たが同じ意見である、コンクリートの壁に囲まれた部屋は殺風景この上ない、壁紙やソファーを持ち込めばもう少しらしくなりそうだが無理だろう。
なんども此処までの道を走れば、当然発見されやすくなる、ゾンビにではなく人にだ。
だが、今すぐ結論を急ぐこともない、時間は十分あるのだから。
食後、安田は敷地を散歩し最後に屋上に上がった、工場のたぐいが操業を停止していたので町中でも空気は澄んでいたが、此処は山岳地に近いせいか自然の香りがする。
壁にもたれかかりながら膝を組んで景色を眺める、麓には町並みが見え、その先には大きな湖が見える・・対岸まで何キロあるだろうか?
ふと見上げると有希が居た、膝を割り座り込んでくる。
肩に軽くあごをのせ抱きしめる、この姿勢を取るのは久しぶりだ・・・
お互い力を抜いて体温を感じる、とても安らいで行く自分が居た。
最近は道具ばかりに頼る生き方をしていたような気がする、だけど・・・・
必要なのは、知恵と心のゆとり・・・
「有希、また旅に出ようか・・・」「うん」
以前より危険かもしれないけど、とは言えなかった。
「72」

蝉の声が耳に心地いい・・・・・・・
アスファルトの隙間を抜け、地上に出てこれた数少ないモノたち・・・
この子らの子孫は普通に出てこれるのだろうか・・・
果たしてその時世界は・・・・・
季節は初夏から既に夏の終わりへと向かっていた、大きな入道雲、夕立、空にかかる大きな虹・・・・
そして穏やかに暮れてゆく夕日・・
「おにいちゃん、おにいちゃん」ゆさゆさと肩を揺すられ我に返る。
「スイカ冷えてるよぅ ほら早くぅ!」
栗の大木にもたれて休んでいた安田は、汚れたズボンをはたき立ち上がった、クワをその場に残し有希について行く。
「お疲れさん、さ、こっちにお座り」 縁側で老夫婦が手招く。
有希は縁側で足をぶらぶらさせながらスイカにかぶりつく、種を機関銃のように吹き出しては、またかぶりついている。
「孫が生きてれば、この子ぐらいかのぉ・・・」
日に焼けて皺だらけの顔をほころばせて有希を見つめている。
安田はスイカを一切れ取ると、塩をふりかけ頬張った・・・・
「73」

幸運、運命、偶然・・・・どれも簡単な単語、だが意味はとても深い。
今2人は瀬戸内海に浮かぶ小島の一つに滞在していた、小島と言ってもピンキリだが
大きさ的には中程だろうか?
島に至る手段は海上のみ、漁船か定期便がこの島の生活を支えていた。
この島も例に漏れず過疎化の波が押し寄せ、住人は高齢者が大半であるが、海辺の年寄りというのは得てして元気なものである、体力的にも都会の人の10〜15年は若いだろう。ただ、こことてゾンビの影響を多少なりとは受けたが、近隣は総て顔見知りであるため
昔ながらの連携というか、団結により事なきを得ていた。
だからといって此処の暮らしが天国というわけではない、生活物資をフェリーに頼って居たため不足するモノは確かに出てきた、が、生きてゆくと言うことに限れば、都会よりは遙かに恵まれていたと言えるだろう。
基本となる産業はミカンの栽培であるが、当然自給用の畑などもあり、魚と合わせれば
十分であった。
しかしながら、やはり不足するモノは出てくる。
誰かが本土に物資を調達に出る以外手だてはなかった、最初は比較的若い人たちが出かけたが、当然の成り行きというか帰ってくる者は減って行った。
そのため、今では年配の者が手頃な漁船で細々と調達している有様である。
此処の夫婦もその中の一組だった、沿岸部に船を止め市内でモノを探しているところを
ゾンビに襲われていたのである。
よくある光景だったが、有希は助けたいと言った。
若者ではなく年配者だったせいだろうか?後で聞くと田舎のおじいさんにダブったらしい。
彼らを助けたことが結果として、此処での生活に繋がって居るのである。
有希が助けると言い出さなかったら、今は何処にいるだろうか?
幸運なのは、自分ではなく有希なのだろう、最近ではそう思う様になっていた。
突然、有希タン島国編です(w
脇坂たちとは別れています、その辺はまた後日書く予定ですが
安田達は生活感の無いところを異様に嫌がる傾向があります
これから季節は秋から冬へと移り変わり、事件が起きてから 1年の歳月が流れます。
193あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/14 14:46
昨日はじめてこのスレを知り、読み進めていったのですが、今みたらdat落ちしてしまったようで…。作品をまとめたサイトのアドレスをメモしておかなかったのが悔やまれます。 どなたかご存じの方いましたら貼って頂けないでしょうか。お願いしますっ
194PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/14 16:23
>>193
補完サイトのアドレスはこのスレに乗ってますよ。
作品集で検索かけていけばすぐに見つかります。
>>193
作品集のサイトはゾンビに喰われて壊滅しました。
196FD/R:03/05/14 18:46
強いて言うとしたらここです。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4265/
197FD/R:03/05/14 18:49
ぎゃー
すいませんageてしまいました!!
198あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/14 19:07
>>193
感想書けよ
199あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/14 19:18
>>198
そういう、おまえこそ感想書け
では、私から・・・
>>198-199
感想書けよ(w
201あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/14 20:21
では、書いてやる。

 つ  ま  ら  な  い

 サ  ー  バ  ー  の  無  駄  遣  い

よって、スレ終了
202PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/14 20:54
さんげりあさん>>164-166まで読みました。
ヘリですか。
発着可能な場所、燃料、運転できる人物がいるということ。
どれも希望を持たせるはずなのに、どうも暗い予感がしてなりません。

ゾンビに囲まれた場所に篭城している集団。
客観的に外部から見た場合、その持つ意味は何かと考えてしまいます。

はずかしいけれどさん>>188-191まで読みました。
瀬戸内海の島にての穏やかな日々。海と土と風に生かしてもらう日々。
他に生きている方もいるようで、久方ぶりに穏やかな時間を過ごしているようですね。
物資の欠乏等がどのように話に絡むのか、今後を楽しみにしています。

しかしゾンビが出て、何とか島や過疎化した村落に逃げ込めたとして、トイレットペーパーが無かった場合はどうするんでしょう。
食料や水はみなが最優先で確保すると思うんです。そのためには命をかけることも認められるでしょう。
ですが、必要性がそこから一つ落ちたものはどうなるのか。
神戸の震災の時は食料や水よりウェットティッシュと下着、生理用品が貴重だったそうです。
トイレも大変な状態で、お湯も使えない。
贅沢な話かもしれませんが、特に女性にとっては大変でしょう。

というわけで、ゾンビが出たあとで重宝される技能に紙漉きと糸紡ぎを加えておきます。
つまりお年よりは大切にしろってことですな。
2033-620:03/05/14 21:03
真夏の日差しが強い7月。福山老人は近くの料亭にいた。
知り合いの誘いで釣りに行き、釣った魚をそこで料理してもらっているのだ。

「福さん流石だね。あんだけ大量の鯖を一気に釣り上げちまうんだから」

福山の腕を褒めているのは王。かつて高砂義勇兵として
供にフィリピン戦線を生き延びた仲だ。

「確かに。あんな山ほど釣れたの見たことないねぇ、うんうん」

それに相槌をうつのは塩塚。家が代々警察関係者で彼自身、戦前から定年まで
警官をやっていた。今年孫が近所の交番に配属された。

「よせやい、照れるじゃねえか。それより飯くるぞ」

福山が奥を見やると、厨房から女将が料理を手にこちらに
向かって来るのが見えた。


「おまちどおさま、ご注文はこれで全部でしたかしら?」
「おうよ」
「呼んだ?」
「いや、おめえの名前じゃねえ。まあいい、さっさと飯食って帰るか」
「ホント福さん、せっかちだな」

言うが早いか福山は刺身に箸をつけた。口の中まで持っていき、ゆっくりと噛む。
わさびと刺身の脂が口の中で混ざり合い旨みが広がる。福山は恍惚の笑みを浮かべた。
つられて他の二人も料理に手をつける。
2043-620:03/05/14 21:04
「うまい!」
「絶品だ!!」
「大将、いい仕事してるねえ」

三人が口々に賛辞を浴びせると厨房から料理人が照れくさそうにお辞儀をした。

「こんな美味いもん喰えるとは、生きててよかったなぁ」

「人間、長生きはするもんだ」

「いや、全く。ところで塩よ、あの事件まだ解決してねえのかい」

突然の話の切り替えに塩塚はあっけにとられた。
福山には場の雰囲気を気にしないという悪い癖がある。

「おいおい福さん、飯時にあの話はないだろ。
 せっかく楽しいお昼だってのに、飯が不味くなる」

「あの話って何だ?ちょっと私にも教えてくれよ」

王まで興味本位で耳を傾ける。こうなってはこの二人は梃子でも動かない。
塩塚は根負けして事件の話をすることになった。



「分かった分かった、話すよ。但し、内容が内容なだけに大きな声
じゃ言えないからな。飯喰えなくなってもわしゃ責任とらんけんね」

「いいからもったいぶらねえで話しゃあがれ」
2053-620:03/05/14 21:05
「俺の昔の部下が担当してる事件なんだけどね、前に外人墓地をアジトに
 活動していた強盗団がいただろ?ほら、家の近所のあそこだよ。
 そこの墓地に見回りに行った警備員が殺されたんだよな。ただ、その死体が
 妙でな、体に残っていたのが腕の噛み傷だったんだと」

「ほう、野犬にでも喰われたか?穏やかな話じゃねえな。
 外人墓地に出没する殺人鬼ってか。おい王、おめえ何か知らねえか?」

「いやいや、何で私に話しを振るんだ福さん。大陸の人間に知り合いはいないよ」

強盗関連で話を振られて王は機嫌を損ねた。前々から福山には
外国人犯罪のことでからかわれている。

「福さんやめなさいって。話を続けるよ。その遺体は検死に送られることに
 なったんだが、そこでも奇妙なことがあったそうでね。
 噛み傷はあったんだけど直接の死因は脳挫傷みたいで頭を開いたそうだ。
 そしたらなんと凄い光景が・・・」

そう言うと塩塚は刺身の乗った皿を箸で指した。

「・・・なんのこっちゃ。あの皿が何なんだよ」

「皿を指してるわけじゃないよ。皿の上の惨状を見なさいよ」

「ほう、刺身と大根の千切りが見事に混ざり合ってやがるな。で、これが何か?」

「だから、丁度こんな感じだったらしい。刺身が脳だとすると
 この千切りがその奇妙なものなんだって」

「だからその奇妙なものは何なんだってんだ。おめえ、昔から
 話の進めかたが下手くそだな」
2063-620:03/05/14 21:06
下手くそと言われて塩塚はムッとした。

「・・・別に俺が直接見たわけじゃないから詳しいことは分からんが
 あいつは寄生虫の一種じゃないかって言ってたな。後もう一つおかしな
 ことがあるんだが、死亡推定時刻が死因と合わないらしい」

「一体どういうことで?仏さんは頭を打って死んだんでしょう?」

「活動を停止したのはね。でも、身体はそれ以前から死んでいたということだ。
 ・・・多分、噛み傷から何かに感染したんじゃないかな」

「するってぇと何かい、そいつは死後もそこら中動き回ってたのか?
 この暑い中はた迷惑な野郎だな、おい」

この真夏の中を死体が歩き回る様は想像するだけで胸焼けがしてくる。
腐っているのなら臭いと相まって尚更遠慮したい光景だ。

「もっと怖いのはそんな事件があちこちで頻発してることだよ。
 この前も東京あたりで集団発生したらしい。
 今の衛生環境の整った日本でこんなことが起きるなんてねえ・・・」

「そいつもこの千切りの仕業かい?」

福山は箸で大根の千切りをつついた。

「断定じゃないけど恐らくは。ところで王さんは何処行ったんだ?」

何時の間にか王は姿を消していた。トイレにでも行ったのだろうか。

「福さんがいらんことでからかうからだよ。
 王さん、腹かいて帰っちまったんじゃないの?」
2073-620:03/05/14 21:07
「何でそれがわしのせいになるんだ。あれくらいで腹立てるタマかよ。
 大方腹こわしたんじゃねえのか?あいつは結構、胃腸が弱いから」

「ご名答〜」

後ろのほうから声がした。王が腹を抱えて座敷に上がる。

「おう、おめえ大丈夫かい。マラリアでも再発したか?」

「そんなんじゃないって。腹だよ腹。どうにも食中りを起こしちゃったみたいで
・・・う、また来た。行ってくる」

王は再びトイレに駆け込んだ。刺身にでもあたったのだろうか。
福山は他の客の注文をとってる女将を呼びつけた。

「おう、女将。こりゃ一体どういうこった?
 この店じゃあ、客に腹下しさせるようなもんを出すのか!?」

「あ、いえ、そんな滅相もない・・・。ただ、今回の食材はお客様が
 提供してくださったものなので一概には・・・」

「何い!あんたは客であるわしらが悪いっていうのか!?
 ちょっと勘弁ならねえな」

「福さん、落ち着きなさいってば。女将さんが捌いたわけじゃあるまいに」

「言われて見りゃそうだ!大将はどこだ!?でできゃあが・・・う!!」

突如、謎の腹痛が福山を襲った。通常の腹痛とは違い、何かがのた打ち回ってる
感じだ。胃がキリキリと痛む。とてもではないが老体に耐えられるものではない。
2083-620:03/05/14 21:08
「ま・・・まさか、アニサキス!?」

その言葉に周りがざわめく。客が続々と帰っていく。
狼狽する女将をよそに福山はトイレに向かった。

「おい、王!まだかあ〜!!」

「すまん、福さん。どうにも普通の腹痛とはわけが違うようだ。
 何か・・・変な生き物が入り込んだような感じで・・・おう!?」

「しっかりしろ、王!おめえが無事に出てこねえとわしが用を足せねえだろ!」

「ホントに御免。こいつひり出すのにまだ時間がかかりそうだ。
 悪いけど外でやってきてくれないか」

王の言葉を最後まで聞くことなく、福山は外に駆け出していた。
近所の公園まで行くとそこの公衆便所に入り、鍵をかける。

「よ〜し、さっさと出て行きやがれ・・・むん!

・・・

・・・・

・・・・・

・・・・・・


・・・・・・・ふう〜、やっとでたか。どれ、どんな奴か面拝ませて・・・
ひえええぇぇぇぇええ!!!な、な、なんじゃこりゃああ!!?」
2093-620:03/05/14 21:08
福山が驚いたのも無理はなかった。そこにはついさっき食べたばかりの
刺身が這いずり廻っていたのだから。時折千切りした大根を露出させながら。

「ば、ば、ば、化け物だあああぁぁああ!!」

福山は一目散に逃げ出した。このことを料亭にいる仲間に知らせなければ。
全力疾走でたどり着くと塩塚のもとへ駆け寄る。

「た、大変だ!刺身が・・・刺身が!!」

「大変なのはこっちもだよ。見てくれ、この有り様を」

塩塚の言う通り、店はとんでもないことになっていた。
料理や捌いている途中であった食材が消え、もぬけの殻と化していたのだ。

「な、何があったんだ。どうして何もいねえんだ」

「それはだね、福さん。・・・魚が蘇ったんだよ」

トイレから現れた王が疑問に答える。心なしかさっきより
げっそりしている感じがする。

「全くもって信じられないね。まさか刺身の状態でも動くだなんて」

「ってこたあ、おめえも見たのか!あれを」

「ああ、見たよ。死体が蘇るなんて単なるホラ話に過ぎないと思ってたけど
 まさか食べ物がなあ・・・よく考えれば刺身も魚の死体なんだよね」

「ところでここにいた連中はどうした?魚どもは!?」
2103-620:03/05/14 21:09
福山は一気にまくし立てる。言いたいことは半分も伝わってなかったかも知れない。
全てを静観していた塩塚が口を開く。

「皆トイレだよ。そして魚達は・・・川だ」

「川ぁ〜?」

「あるべき場所に戻ったんだな」

何かを悟ったかのような答えを返す。二人とも目は遠くの方を見ていた。

「福さん、見てみろよ。向かいの焼き肉屋、牛肉が踊ってるぞ」

言われたとおり、蓮向かいの焼き肉屋から煙が吹いていた。
湯気で曇ったガラスの彼方此方に焼けた肉の跡が見える。

「焼かれてるから相当熱いんだろうな。だから暴れてるんだろう」

「焼き肉の中にも大根の千切りがあったのか?」
「知らないよ」

「野菜食えってことなのか?」
「知らないさ」

「世紀末ってこったな。・・・わしゃ疲れたよ。今日はもう、お開きだな」

「晩飯に肉や魚をださないように言っておけよ」

「おう。おめえらも食いものには気をつけろよ」

福山は二人と別れた。今日から大好きな釣りができなくなると思うと虚しくなった。
彼が心不全で死亡する3日前に出来事であった。
2113-620:03/05/14 21:21
>>ゲイヲハザード様
そっち系のネタは・・・漏れは襲われませんように
といか死んでもその趣味が残ってるのはかなりいやズラ。

>>はずかしいけれど様
安田タン・・・羨ましいやつめ。
島国の新展開はどうなるのか?ていうか島にもいるのね、ゾンビは。


それにしても最近意外性を狙ってはずすこと多いな。
魚のゾンビってのは失敗したかもしれない。
212193:03/05/14 22:13
>>194 >>196
ご親切にありがとうございます。さっそく堪能してまいります。
個々の感想はまた後ほど(っていうか最初から通してみてないので)

どの投稿もへたな小説やドラマよりも「引き込む力」があるように感じられます。
まったく先が読めないですしっw
今日も一日中仕事が手につきませんでした。これからもがんばってくださいね。
魚が切り身になってゾンビになるのは、怖い。
そんなこと言ったら、缶詰の牛肉の大和煮なんか駄目じゃないですか。
自衛隊の缶食の鳥もつ野菜煮も駄目だ。
缶切で開けた瞬間に飛び跳ねてきたら怖い。
214FD/R:03/05/14 22:58
ガクガク
かつおぶしとかが蘇ったら。。。
ヒラヒラ
衣食住の食を否定する作品は、話が続かなくなる
短編の気軽さは、否定形に繋がる作品多し
伏線や展望をふまえた作品キボン
  /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(゜)_,:  _(゜)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ  
217PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/15 00:24
そろそろローカルルールもはっきりと決めて明記しておきませんか?
削除依頼も通りやすくなります。
また荒らしにはアンカーつけず、とにかくスルーで。
反応しているとそのうち、まったく削除されずにスルーされるようになってしまいます。
基本的に削除人は削除しませんし、2chは荒らしに有利に出来てますから。
218PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/15 00:25
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その3
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1036704369/
まずここで話し合いませんか。
「74」

「安坊、ちょい取り舵」じっさまの声が響く、注意しておかなければ冬の寒風に声は
かき消されてしまう。
2人は今冬の瀬戸内海を移動していた、目的地は神戸、大阪方面である。
左右には3隻の漁船が併走している、目的は同じ。
マリーナに停泊されている中で良いモノがあれば頂く予定だ、そのために安田は、じっさまから操船を習い、今ではそこそこの事は出来るようになっていた。
何、操船そのものは難しいものではないが、潮の流れや天候などはやはり漁師であるじっさまから学ぶことは多かった。
移り住んでから、本土への物資調達は幾度も繰り返していたが、所詮消費生活の悲しさか、状況は悪くなるばかりであった。
海賊の出現である、本土から物資を回収した漁船を襲う連中がいたのだ。
命こそ奪わないモノの積み荷を根こそぎ奪うという非道な連中である。
安田は以前手に入れたクレイモアを使い、既に10隻ほど海の藻屑に変えてやったが、
油断は出来ない状況だった。
呉方面は自衛隊の駐屯人数も多く、米軍の弾薬保管施設もあったせいで、唯一文化が残されており、海上も安全に近かったが付近の島には移住できなかったのである。
本島そのものは道路にて繋がっており、居住資格は自力でやってくる、これだけだった。海により孤立している島には自治権が発足しており、知人、友人、家族以外の人口の増加を認めなかった、
元々大きい土地な訳もなく受け入れてゆけば必ず自滅するのは分かり切っていたのだから。

ただ例外として、無人に近い島は移住の制限は無かったので、本土から逃れた人は其処に住むようになったのだが、結果として生きてゆくために海賊のまねごとをしている次第だ。
同じ生きるならゾンビと戦えばいいのに、人を襲う・・・・
安田は容赦しなかった、沈没し生き残りがいても無視して船を進めたのだった。
結果として、身の安全を図るために中型の高速クルーザーが欲しくなったのである。
神戸方面のマリーナなら結構掘り出し物があると踏んでいたのだ。

「75」

予想したとおり船はあった、高級廷が目白押しなのだ。
金持ちが所有する船は普段はドッグに納めてある、老朽化を防ぐためだ。
おかげで技術や知識のない者が奪うことは不可能で現在まで手つかずだった訳だ。
今回の作戦は島をあげての計画である、安田は例によって銃器による護衛だ。
基本的にドッグ施設は外部からの侵入を防ぐ造りなので、内部に紛れているゾンビをかたづけるのみである。
みんなは目を輝かせ一丸となり作業を進める(笑)、レーダーを装備した高級高速艇が次々と進水してゆく・・・
誰がどれとか争いは起きない、総て共同の資産になるのだから。
そして乗ってきた漁船に燃料も詰めるだけ積み込み曳航して帰る段取りなのだ。
安田達が使う予定の一隻を残し皆は、大漁旗を掲げ帰ってゆく・・・
隣ではじっさまが「ええんじゃろか・・」と呟いていた、感覚が麻痺していない証拠だった、盗むことを当たり前としない考えに安田は安心していた。
その後安田達は、知り合うきっかけとなった漁港に着いていた、置き去りにしていた車に戻る・・民家の納屋に隠しておいたのが良かった様だ、
少しさびは浮いてはいるモノの問題なさそうだ。
「やっぱり行くのかのぅ・・」じっさまが寂しげに呟く。
「やはり必要だと思うから」何度も繰り返された会話だった、そう以前脇坂達と別れた砦に帰るのだ、武器の補充のために・・・
1週間もあれば戻れるはずだ、本格的な雪の季節になる前には・・・・
「船は残しておくからのぅ・・・無事に帰って来ておくれ」
後ろ髪を引かれる思いで安田は其処を後にした。
「76」

5ヶ月ぶりの本土は酷い有様だった。
騒ぎが起きてほぼ1年経つが、過去の繁栄が復活するどころか世紀末の様相さえ呈しているようだ。
あちこちで火災の後が見え、焦げた人型が無数に見える。
夏の間繁殖した雑草がその姿の侭枯れ落ち、生きている人の気配は無かった。
ただ、ときおりゾンビの群れだけが目の前を横切ってゆく・・・
用品店やコンビニには物資は残っていなかった、命がけでの回収が行われたのだろう。
逆に車の中にそれらのモノは残されていることが多かった。
とりあえず車には積み込んだ、これは?と思うものであっても・・・
脇坂達は今でもあそこに籠城しているのだろうか、それは考えにくい。
暖房に関して不安があるし、冬場はかなりの積雪に覆われるだろう、今回思い切って行く理由もそこにあるのだから・・・・
あちこちでホームセンターを見かけるたびに近寄ったが、人の気配は無かった。
あるのは白骨とバリケードと焼けて炭となった人型たち。
生きてる人たちは何処に行ったのだろうか、救助されたのか、自滅したのか。
はたまた新天地に向かい脱出したのか、答えは分からなかった。
3日間走りずめでようやく、隠れ家のある街にやって来た。
記憶をたどり山道を昇って行くが、入り口のチェーンが切れている?
ロックを切断した形跡があるのだ、銃のセフティーを解除して地面を調べる。
車が最近通過した気配はない、落ち葉がこんもりと積み重なっていることでも分かる。
注意しながら車を走らせて行くと見覚えのある建物が見えた、門扉は破られ壊れた車が突っ込んでいた。
安田は銃を構え、建物にはいって行く・・
ゾンビも人の気配もない・・が、至る所に血痕が残されていた。
食糧保存庫も空、衣類もナシ、燃料、電池、総てが無くなっていた。
唯一、隠されていた銃と弾薬だけは・・・・・
89式2丁、マガジン30箱 9mmパラが180発、グロック1丁
それが総てだった。
一緒にはいっていたメモを見る、なぶり書きで急いでた様子が感じられる・・・
「たぶんこれを読んでいるのは安田、君だろう。 事態は芳しくない、君たちが出ていって一月過ぎた頃だろうか、
この町にも自警団なる連中がやって来て物資の回収にやっきになっている、此処も近いうちに嗅ぎ疲れるかもしれないので、
食料庫に89式の中古とマガジン3本だけ残しておく、そうすれば此処まで嗅ぎ着かれないだろう。
言ってる台詞とは裏腹に残忍な奴らだ、合うことが有っても油断するなよ。」
二枚目には、彼らの特徴や武装形態が書き連ねてあった。
彼らの安否が気になったが、どうすることも出来ない自分が恨めしかった。
「彼らなら大丈夫だ」そう気を取り直し装備を車へと運ぶ、次は無事に帰る事だ。
胸ポケットに収めてある有希の写真を見つめ、気持ちを引き締めた。
223あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/15 09:43
>>217
PIP仕切るんじゃねえよ。
うざい。このボケが。
>>はずかしいけれど様へ
毎回楽しみにさせていただいてます。

ゾンビって1年以上も保つ物なのでしょうか?

・死んでいて腐敗が始まる。
・体を動かす筋肉の腐敗も同時進行
・神経も腐敗。
いずれ動かなくなるのでは?
225あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/15 12:22
所詮ご都合主義なんだから気にすんな。
ただでさえメット被れば襲って来ないしフナムシごときに一瞬で食い尽くされちまうゾンビなんだから
なんかとりえがないとな。
しかし、十年近くもゾンビが制圧してると思うと怖い。
白骨が道歩いていたりして。
人間の敵はやはり人間か・・・
改めて思うが、人間てホント危険だな。
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