『読みました』報告・海外編(書斎厳禁)Part.5
1 :
名無しのオプ:
2 :
名無しのオプ:2010/06/04(金) 23:00:22 ID:OHocy0gB
3 :
名無しのオプ:2010/06/04(金) 23:00:51 ID:OHocy0gB
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
「危険な匂いのする男」テリー・ケイ(扶桑社)
山間の田舎町にやってきた謎の男マイケル。
家に泊めてくれた若夫婦から近くの牧場の隠し金のことを聞いた
マイケルは2人を殺し、牧場へと向かう。
そこには夫を失った妻と娘が住んでいた。
マイケルは巧みに女たちの心の中に入り込んでゆく。
ピカレスク・ロマンですね。
掛け値なしの悪が町の人々に取り入り罪を重ねながら
目的に近づいていく様を楽しむと。
でも、終盤の展開は予想を下回りました。
それから登場人物の一人である猟師は良いキャラクターですが、
描写不足の観が否めませんでした。
「死神を葬れ」ジョシュ・バゼル(新潮社)
研修医として毎日殺人的な激務をこなしているピーター。
ある時診察に向かったベッドの患者にこう言われる。
「うわっ、ベアクローじゃないか!」と。
実はピーターは元マフィアの殺し屋で今は証人保護を受けている身だったのだ。
その患者は自分が死んだら正体をバラすと言う。
何とか彼を助けようとするピーターだったが、
敵に嗅ぎつけられるのは時間の問題だった。
医療アクション小説。
どこか喜劇的な現代パートと、どこか悲劇的な回想パートとの
カットバックで進行していく。
明快なストーリーに引き込まれ、皮肉とユーモアたっぷりの注釈に
ニヤリとさせられる。
更にクライマックスには驚愕の展開が待っている。
これは一種の凶器(狂気)トリックであり、寡聞にして先例を知らない。
映画化した際には凄いシーンになりそうだ。
裏表紙にある衝撃の結末と言うのは上記の展開を指すのだと思うが、
記述者には国語の問題があるのではないか。
唯一169ページの暴言が残念だが、続編も読みたい。
>>1 乙
6 :
名無しのオプ:2010/06/05(土) 11:32:43 ID:Ut4rju1S
また性懲りもなくスレタイに入れる馬鹿が
>>3一番反応してるくせに何言ってんだよ
7 :
名無しのオプ:2010/06/05(土) 11:35:24 ID:IyI9rHyk
とわざわざ反応しているバカ。
「勝手に来やがれ」ジャネット・イヴァノヴィッチ(集英社)
保釈逃亡人の女性をを捜すステフの前に再びあのディーゼルが現れた!
彼はビーナーという男を捜していて、ビーナーが狙っている
アニーを匿っているという。
ステフはアニーを引き渡して貰う代わりに彼女の仕事を引き継ぐことに。
それは何と恋のキューピッドだった!
番外編第2弾はバレンタインに合わせて出た由。
しかし恋人モレリが出てこないのは寂しいなあ。
筋立てはミステリーというよりラブコメちっくで、
これはこれで良いのだけれど、珍妙な能力者を出してくる
SF設定はスラップスティックな作風には蛇足に思えた。
「ベヴァリー・クラブ」ピーター・アントニイ(原書房)
所属しているクラブの仲間から未解決事件の調査を依頼された探偵ヴェリティ。
事件の被害者は自邸の居間で血だらけで倒れているのを目撃されたが、
警察が来た時には死体は庭に移動していたという。
そして犯人と見做された男には確固たるアリバイがあった。
更にその男は真犯人を突き止めた直後に事故死してしまう。
現地に向かったヴェリティは関係者達から次々に動機を炙り出して行くが……。
「衣装戸棚の女」「スルース」の作者ということで、
ユーモアやらメタやらしか書けないのではと一抹の不安があった。
でもまともな本格だったんで一安心。ハルとは違うんだね。
ただ、真っ当過ぎて地味な印象はイナメナイ。
それでもメイントリックは凝っていて良い。
後から考えるとそうだよなって思うけど、中々気付きにくいことだね。
さてモンク。
・64ページと75ページの矛盾
・足跡の真相
10 :
名無しのオプ:2010/06/06(日) 16:58:51 ID:4Deyhlml
『虚偽街頭漂流記』読んだ(アジア圏もスレ違いじゃないよね?
台湾ミステリなんて初めてだったが意外と違和感なくすんなり読めた
ヴァーチャル世界と殺人って設定は森博嗣っぽい
一方でそこはかとなくクイーンのライツヴィル物っぽい空気感もある
各章のタイトルが「フーダニット」「ハウダニット」「ホワイダニット」なのも面白いな
和訳も秀逸だし、何より覚えにくい中国の人名・地名にはちゃんとページごとにフリガナが書かれているのは凄く好感が持てる
「あれ、こいつの名前なんて読むんだっけ……」ってページバックする煩わしさがないのは、変な人名を使いまくる日本の小説も見習って欲しいレベルw
これを読むと第二回の島田荘司推理小説賞が楽しみになるな
「勇気の季節」ロバート・B・パーカー(早川書房)
テリーは恋とボクシングに夢中なハイスクール生。
ある日、同級生のジェイソンが海岸で死体となって発見された。
警察は薬物の過剰摂取による自殺と判断したが、そんなはずはない。
テリーは恋人アビーや仲間達と共に真相究明に乗り出す。
パーカーのYAは初めて読む。
主人公が中々Cまで進めないと聞いて、もしや15歳にして
パーカー・ヒロインに開眼した女が観れるのかとマゾっ気を出したが、
そんなことはなく女にしても男にしても割合子供らしい子供であった。
流石のパーカーもYAでKYにはならなかったようだ。
というか、そもそもパーカー・ヒロインならCを拒んだりしないか。
ミステリーとしては極めて単純で別に観るべきところはない。
これはYAだから手抜きをした訳じゃなくてもう練れないんでしょう。
見所はケツにタトゥーした脚線美熟女のセックスシーンくらいか。
「コフィン・ダンサー」ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋)
武器密売及び殺人の嫌疑がかかっている大物の裁判の証人たちを
消すために雇われたという凄腕の殺し屋“コフィン・ダンサー”。
半身不随の元捜査官リンカーン・ライムと彼の相棒アメリア・サックスは
この殺し屋を捕まえるために全力で臨むのだが……。
都筑道夫が最後に愛した作家、とでも申しましょうか、初ディーヴァー。
この人と道尾は何となく避けて来たのだが(次々出すから乗り遅れ6:天邪鬼4)、
流石に無視するのも限界かと思い手を付けた次第。
1作目は映画観たからいっかってな訳で。
最初からドンデンかましてくるのは驚いたね。これが職人たる所以か。
以降もちょこちょこ小ネタを仕掛けてくる。
読みながら、巧いけどこの程度でこの長さはなあと若干冷めていると、
終盤に中々のドンデン爆撃が来てほほーと。この類のドンデンは
特に海外ではあんまりないと思う。その辺りの連中の価値観は
大分硬直してるからね。そこから脱却出来ている時点がもう他と差。
(承前)
それからライムの捜査方法というのは現場に残された粉だの粒だのを
一切合切持ってこさせて片端から分析してその結果から推理していく
という言わばソーンダイク方式。最近でこそCSIとかあるけど、
発表当時は古典を知らない読者には真新しく映ったのだろう。
しかし、ライムの推理は着実に見えて案外当て推量が多いと思う。
現場の残留物から得られるのはあくまで選択肢に過ぎないから。
目撃証言とかベテランの勘とかを信頼しない割に自分はどうなのよっていう。
あと気になった点。
・上腕に特殊な刺青なんてするかあ?
・290ページのは単なる勘か?
・(メル欄)爆弾の回避方法が不明瞭じゃね?
・2作目で早くもホニャララなのね
・「汚れた街のシンデレラ」と全然違うなあ(レベルアップというより別人)
道尾もはよ読まんとな。
「バッド・デザイアギャリー・デヴォン」(文藝春秋)
殺し屋は狙いを定めていた。
見つめる先には見目麗しい少女の姿があった。
彼女は余りに美しかった。
それ故男を狂わせるのだ。
市長のヘンリーとて例外ではなかった。
かくして悪夢の幕は上がる――。
「サイコミステリー・ベスト100」からのセレクト。
最初は結末の見えている退屈な心理サスペンスかと思って中々読み進められなかったが、
「てい」と一気読みしてみると中々面白かった。
ありがちな流れの向こう側を見せてくれたというかね。
ただ、ストーリーを転がす上で主人公のキャラクターが弄ばれてる印象はある。
いくつもの方向性が生まれ出てきてこれ収束出来ないだろと思いつつ繰っていると、
ラストに「え!?」って言うよ。
この捕らわれてない感は買う。
最後に、あとがきを読む限り訳者はラストの意味を誤読してると思う。
そんな甘いもんじゃないでしょ、これ。
「ロープとリングの事件」レオ・ブルース(国書刊行会)
名門校で起きた生徒の自殺事件に興味を抱いたビーフ巡査部長は
友人ライオネルと共に現地に乗り込んだ。
門番として事件の捜査をすることになったビーフはチャイムを遅らせたり
生徒達にダーツを教えたり酒にうつつを抜かしたりと事件に関係ないことばかりして
ライオネルを苛立たせるが、そうこうする内に第2の自殺事件が……。
まず評価したいのは繰りやすさだね、ページの。
特にストーリー性に優れている訳でもなく、事件の捜査とそれに関する
よしなし事を書き作っているだけなのだが、飽きない。
物語に淫せず本格ミステリとしての個性で読者を惹き付けておけるのは
結構凄いと思う。
しかし、プロットは然程難解ではない。
伏線も割とあからさま。
真相は当時としては斬新だったのかなと思う。
意外ではあるものの、驚きは少ない。
あと解説でも指摘されているように致命的とも言える欠陥があるのが残念。
これで残る未読邦訳長編は「ジャックは絞首台に!」だけになった。
暫定1位は「三人の名探偵のための事件」、次点は「結末のない事件」。