1 :
名無しのオプ:
2 :
名無しのオプ:2007/01/27(土) 13:17:09 ID:kN7mxa89
・書く人へ
冒頭に作品のあらすじは不要です。
どうしても書くのでしたら、せめて本文(感想)よりは短くしましょう。
3 :
1:2007/01/27(土) 13:22:51 ID:BgfVgGNL
なお、『読みました』報告の形式は自由です。
4 :
名無しのオプ:2007/01/27(土) 14:58:58 ID:R7KgJPSs
皆様へ。
あらすじがいらないと毎回指摘するキチガイがいますが、スルーしてください。
5 :
名無しのオプ:2007/01/27(土) 18:03:12 ID:F02ONUVw
6 :
名無しのオプ:2007/01/27(土) 19:13:36 ID:u3a7ZWzm
7 :
名無しのオプ:2007/01/27(土) 20:09:56 ID:IAEYbtLs
NGワード・あぼーんのススメ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■書斎魔神 ◆qGkOQLdVas とは?
かつて発狂コテにも認定された、横溝スレに住みつく
NGワードの指定対象人物。
ネタバレを含めた持論を主張し続け、また、
議論においても他者の意見を受け入れようとしない傲慢な態度から、
他の住人からは忌み嫌われることに。
前スレでのアホアホ発言を一部抜粋。
『 乱歩賞受賞作「暗黒予知」を読み返していた。 』(そんな作品はない)
誹謗中傷当たり前、間違いを認めない、自作自演当たり前と、
三拍子揃った厄介物。
彼の発言に反応してしまうとスレが荒れる一方だが、
反応さえしなければ独り言を言い続けるだけなので、
余程のことがなければ、NGワードに指定してのスルーが推奨される。
どうしても我慢できない・反論したい場合は、下記スレにて
↓
書斎魔神・アホアホ語録格納庫 その13
http://tmp6.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1168348134/l50 ■NGワード・あぼーんについて
2ちゃんねる専用ブラウザのオプションのひとつ。
設定することで、任意のレスを消すことができる。
2ちゃんねる専用ブラウザに関するサイトはこちら。
↓
http://www.monazilla.org/
8 :
名無しのオプ:2007/01/27(土) 20:10:46 ID:IAEYbtLs
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
9 :
あらすじごめん:2007/01/28(日) 00:25:04 ID:J00sD3LJ
深谷忠記『阿蘇・雲仙逆転の殺人』(光文社文庫)【6点】
伊良湖岬ほか太平洋岸で発見された女の切断死体。
捜査過程で浮かんだ容疑者の男には鉄壁のアリバイがあった。
本当に男の犯行なのか?また遺体に結び付けられていた紐の意味は?
九州・本州を股にかけるアリバイ・トリックといえば聞こえはいいが、
真相は(メール@)。真犯人の(A)を考えてもあのトリックはどうかなあ。
あんなことしなくてももっと安全かつ確実に殺せたのでは。
・・・という疑問はあるが、意表をついたトリックであることは確か。
壮と美緒の探偵シリーズはバカミスっぽいのが多いなあ(深谷は全部そう?)。
楽しめるか投げ捨てるかは読者によって分かれそう。
10 :
名無しのオプ:2007/01/28(日) 00:28:17 ID:I8WO4agq
伊良湖岬 〜 紐の意味は?
(´・ω・`) いらんがな
11 :
名無しのオプ:2007/01/28(日) 00:31:05 ID:0jtiX0zF
>>9 あらすじごめんって書かなくていいと思うよ
謝るようなことじゃないんだから
12 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 09:03:51 ID:8lfdpPwh
あらすじよりメル欄のネタバレが必要ない
わざわざ書く意味がわからん
13 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 13:30:25 ID:eRZMyfS/
ネタバレはメル欄にはこの板のローカルルールです
14 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 16:30:16 ID:PDnMNOeM
初期の壮・美緒シリーズのトリックは意表をついたものが多いですね
深谷には初期のようなバカミスすれすれの物をまた書いて欲しいなぁ
>>2、
>>10、
>>12は一生ROMってろ。または2ちゃんに来るな
15 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 17:11:43 ID:8lfdpPwh
味噌糞一緒にすんなアホが
誰それがどこに行ってそこから展開されるミステリー、って紹介するのはいいんだよ
その本でアリバイトリックがどうとか、あんなことして殺すとか、そんなこと書く必要はないんだよ
ローカルルールは、どうしても書くならってことで
本の紹介のスレでは書く必要がないってことがわからんかな
16 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 18:33:54 ID:H1fNFd6A
17 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 18:50:05 ID:H91woW3J
山田正紀「愛しても、獣」(双葉社)
1993年の「ハードボイルド」風というか、「社会派」風のミステリ。
連続レイプ殺人犯として起訴されたが、証拠不十分で無罪となった青年。だがマスコミの「灰色無罪」なる表現で、
世間の冷たい仕打ちを受ける家族。父親は息子を信じたいのだが、息子は失踪してしまう・・・。
題名にあるとおり、非常にヘビーなテーマですが、ミステリの「仕掛け」として評価すれば、「被害者の爪が剥が
されていたのは何故か」という部分が面白い。後年の「女囮捜査官」シリーズにも通じるトリッキーな捻りかなあと。
でもそれ以外には、これという華がなくて残念。
文章は、どこか熱に魘されたような感じだし、どこか埋立地の匂いのする独特の雰囲気など、これまた「女囮捜査官」
の先駆とも言えます。
あと結城昌治「幻の殺意」にも似てますが、あれとは全く違う結論を父親から引き出した所は流石。
18 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 20:59:38 ID:ae88O/Hu
京極 「邪魅の雫」読了。自分の中では京極のベスト3に入れます。
最後の榎津の一言で呪が解けるシーンに感動。
読後感も爽快だった。
19 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 21:11:27 ID:DT1MBmY9
20 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 22:40:28 ID:wVWD65PE
1993年の から 息子は失踪してしまう・・・。
不要。
無駄なパケット垂れ流すな。
21 :
名無しのオプ:2007/01/29(月) 22:54:40 ID:cBxEIGZA
22 :
名無しのオプ:2007/01/30(火) 01:51:56 ID:Osi/boYy
あらすじはいると思うけどなぁ。だって、ここみて買う本検討してるし。
23 :
名無しのオプ:2007/01/30(火) 02:05:38 ID:JrvGamLg
ま、気違いはスルーで
24 :
あらすじごめん:2007/01/30(火) 19:44:56 ID:ZgcOjF0t
麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』(講談社ノベルス)【7.5点】
女優「和音」を崇拝し過去に孤島で一年間の共同生活を送ったという面々が、
20年ぶりに島に集う。取材のため同行した如月烏有と助手の女子高生桐璃だが、
真夏に雪が降ったある朝に、「密室状態」で頚部のない死体が発見され・・・
毀誉褒貶激しい作品だとは分かっていたので避けていたが『鴉』とか『蛍』で
のけぞり、おそるおそる挑戦。真相とか唖然としたけど、こちらの理解力が
足りないのかすっきりできない(そこがイイという人もいるんだろうけど)。
展開がゆるやかで中盤〜後半の薀蓄もまだ読ませる技術がなくてつらかった。
そこはマイナス。
25 :
あらすじごめん:2007/01/30(火) 19:54:46 ID:ZgcOjF0t
麻耶雄嵩『?』(講談社ノベルス)【7点】
『夏と冬の奏鳴曲』を先に読んでからどうぞ。
文章はだいぶ読みやすくなってる。実は『木製の王子』先に読んでるんだが、
まさかこういう延長上の話だったとは・・・
これで麻耶の長篇は全部読みましたが、個人ベスト3は『鴉』『蛍』『木製』。
感想:たいもん・・・゚・(ノД`)・゚・。
一応「あらすじ」は本のカバーに書いてある程度+αですましてますが、
(アリバイものとか明記してある場合とか)自戒をこめてこのコテで
いきます。
26 :
名無しのオプ:2007/01/30(火) 19:57:14 ID:V3KdqTxC
27 :
あらすじごめん:2007/02/02(金) 00:51:10 ID:nzojp2DD
歌野晶午『家守』(光文社カッパノベルス)【8点】
広義・狭義の「家」をモチーフにした短篇集。
本格志向からサスペンス風まで取り揃えており、満足。
イチオシは、あるフリーターが妙なアルバイトを依頼される「埴生の宿」。
某本格派作家の某作品が思い出され(執筆時期重なるかな)、
長篇にして名探偵に解決させたほうがより事件の不可解さ・解決のサプライズが
あるような気がした。休筆・復活時期以降の歌野って、ひょっとして駄作なしかな。
28 :
名無しのオプ:2007/02/03(土) 20:21:36 ID:365CFmP/
麻耶タソの真価を理解できてないやつは稲。
29 :
名無しのオプ:2007/02/03(土) 20:33:21 ID:b9JB7Aui
貴志祐介『硝子のハンマー』
2005年推理作家協会賞を取った作品。
事件の数は極めて少ないが、ハードカバーで450頁を超える分量を
一気に読ませる勢いがあった。「よく書けている」ミステリだと思う。
しかし、いっちゃなんだが、トリックとしてはたいしたことないように
思える。見せ方の問題かもしれないが、周辺情報が多いため、
トリックのインパクトが弱い。
貴志祐介は既存の作品群をよく研究してはいるが、「青の炎」や
「クリムゾン」もそうだったように、本作品にも斬新さはあまりないように思える。
30 :
名無しのオプ:2007/02/03(土) 20:40:14 ID:b9JB7Aui
歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
これは、設定ありきのミステリだと感じた。
ネットと現実の融合という点で、歌野らしい設定を作り上げている。
個々の事件については、それぞれ連作短編といえるくらいの
クオリティを持っていると思う。
また、抜群のリーダビリティも持っている。出だしの文章で少し引っかかったが
その後は、ぐんぐんと読者を引っ張っていく力があった。
しかし、最後がどーにも蛇足っぽい。綺麗にオチがつけば・・・と感じてしまった。
31 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/02/03(土) 23:43:26 ID:Z5KHaM9p
木彬光「人形はなぜ殺される」の光文社文庫新装版を読んだ。
ベストセラーを連発した時期もあったこの作者の作品も、
光文社文庫のコレクションぐらいでしか読めない時代となってしまった。
本作は、作者の代表作のひとつであり、本格ミステリでありながらも保全経済界事件等
(近年のライブドア事件で話題となった投資事業組合の一件を想起させて面白い)の
経済事件ネタが取り入れられているのは、「白昼の死角」「人蟻」等、
社会派ミステリ的素材の作も書いた作者らしいものを感じさせるが、
清張作品が社会的な時事ネタをあくまで背景のひとつとしてあっさりと書いているのに
比較して、くどく記し過ぎているのが難ではある。
作品の肝となる謎解き部分に関しては、今読むと強引な展開が目立ち過ぎる感が強い。
(余談ながら、シマソウ作品は彼氏が敬慕する鮎作品よりも、
作風的には探偵の造型(神津と御手洗)も含めて木作品の影響の方が強いやに思う。
トリックを成立させるための強引なまでのストーリー展開は、両作家の魅力でもあり
弱点でもあると言い得る)
32 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/02/03(土) 23:44:28 ID:Z5KHaM9p
特に、本作の売りである列車トリックにおける「月光」が停車しなかった場合の想定は、
あまりに大雑把過ぎるし、そもそもこれは短篇使用で光る程度のトリックかと思う。
また、怪奇探偵小説好きには、冒頭に登場する「ガラスの塔」のマジックが本筋に
絡んで来ないのは、がっかりさせられるところでもある。
客観的に見た場合、併録されている禿人のエッセイ(「彬とカー」)における本作への
絶賛は、あまりに度を過ぎたものに思える。
なお、併録された「罪なき罪人」「蛇の環」の2短篇は、木君がある程度のボリューム
がないと力が発揮出来ない長編向きの作家あることをあらためて実感させる
「逝ってよし作品」である。
33 :
名無しのオプ:2007/02/03(土) 23:57:28 ID:365CFmP/
逝ってよし
34 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 00:16:14 ID:ZxA2ot6V
逝ってよし
35 :
あらすじごめん:2007/02/04(日) 00:29:12 ID:ysND/NZZ
山村正夫『鬼ガ島地獄絵殺人』(角川文庫)【5点】
大学の史学科助手・滝連太郎の事件簿。
「あまめはぎ」「丑刻参り」「屍臘」「地獄絵」など、
民俗学的な小道具を軸にした殺人事件の短篇集。
トリックは小粒でとくに工夫らしき工夫もなく用いられており、
その点では評価できない。文章は確かで雰囲気もまあまあなのだが、
短篇なのに読み進めるのが億劫だった。
この作者の文体とは相性悪いのだろうか。
36 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 00:57:01 ID:wyc+lBa3
37 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 01:41:17 ID:XSNPMQ5U
コテハン叩きがひどいな。最悪行けやアホ。
38 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 01:55:20 ID:omxear/E
>>37 なら、あなたが”あらすじごめん”氏の名で最悪板に立てて下さい。
他のコテハンが来てもあぼーんなんで誰だか分からないしw
39 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 09:01:43 ID:CZxuW/2+
>>31-32 社会人なら一日二冊も読めるほど暇じゃないと思うがなあ。
40 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 13:38:25 ID:wyc+lBa3
41 :
あらすじごめん:2007/02/04(日) 13:53:49 ID:ysND/NZZ
深谷忠記『倉敷・博多殺人ライン』(光文社文庫)【5.5点】
ある作家の盗作を告発する手紙が編集部に届き、編集部長が
なぜか倉敷で死体で発見される。謎めく編集部長の過去と、
盗作事件との関係は? 壮&美緒シリーズ(初版は1992)。
このシリーズの特徴である「観光案内」風描写が前面に出すぎており、
肝心の刑事の聞き込みや壮の調査があっさりしすぎている。事件の真相も、
必要以上に人物を登場させたせいで分かりにくくなっており、解明時の
カタルシスがない。前半部分で「〜だった」とされた部分がラスト否定されたり、
ちょっとアンフェアな書き方がこの作者にはあるようで、ここも不満。
42 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 14:02:57 ID:wyc+lBa3
43 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:33:13 ID:gcEQeQsJ
>>40 同意。
いちいち他人の読書状況を揶揄するなんて同じ読書人ならやるはずないんだがなあ。
44 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:43:14 ID:s0rnKQki
>>43 >いちいち他人の読書状況を揶揄するなんて同じ読書人ならやるはずないんだがなあ。
それをやるから馬は嫌われるんだよな
45 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:44:41 ID:gcEQeQsJ
>>44 逆でしょ。
書斎を叩く連中があれこれと根も葉もない嘘を書き散らしている。
これ、明らかにルール違反のコテハン叩きなんだよね。
46 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:50:00 ID:yGXq9Iw4
>>39 別にそれは人の勝手だろ
そうやって無理に叩こうとするからおかしくなる
黙ってスルーすればいいんだよ
47 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:53:22 ID:s0rnKQki
ちょっと自治スレ見てきた。
>>39は例によって書斎支持者のコピペだそうだ
>>45 どうやらあんたは書斎支持者らしいね
コピペがルール違反のコテハン叩きであるという共通見解ができてなによりだ
48 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:55:39 ID:gcEQeQsJ
>>47 書斎支持とか不支持とかではなく、コテハン叩きがルール違反だといいたいだけ。
コピペは2ちゃんガイドラインのどこを見てもルール違反には当たらないでしょ。
49 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 18:59:33 ID:s0rnKQki
>>48 そのルール違反のレスをわざわざコピペしているんだから書斎支持者は荒らしということだよね
これ以上はスレが荒れるから俺は自治スレへ行くよ
50 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 19:03:43 ID:w+N8+vZk
>書斎を叩く連中があれこれと根も葉もない嘘を書き散らしている
「根も葉もない嘘」って、例えばどんな?
以下のような事柄は明白な事実だよね。
・書斎は名無しとハンドルを使い分ける偽コテハンである
・書斎は読んでもいない本の感想・ランキングを平気で書く
・書斎のレスには固有名詞や事実関係の間違いが異様に多い
・それを指摘されても絶対に訂正・謝罪はしない
・書斎の発言の「論拠」とされるデータは大半が捏造である
・書斎は他の住人に対する暴言の常習犯。注意されても改めない
・書斎は他のコテハンを平気で罵倒する。注意されると「ジョークだ」と言い逃れる
51 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 20:54:42 ID:HKqffYEZ
お ま い ら い い か げ ん に し ろ !
52 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 21:51:28 ID:gcEQeQsJ
>>50 ・書斎は名無しとハンドルを使い分ける偽コテハンである
そのコテハン定義は独善的であり、ごく普通に考えてトリップ付きで長く書き込みを続けている書斎は
立派なコテハンだと考える人もいる。
・書斎は読んでもいない本の感想・ランキングを平気で書く
読んでいないことを証明せよ。証明できないなら出鱈目を書き込むな。
・書斎のレスには固有名詞や事実関係の間違いが異様に多い
落書きに丁寧な校正は必要なし。
・それを指摘されても絶対に訂正・謝罪はしない
同上の理由による。
・書斎の発言の「論拠」とされるデータは大半が捏造である
足で歩いて調べたデータであることは、書斎のレスから簡単に読み取れる。
過去ログを参照のこと。
・書斎は他の住人に対する暴言の常習犯。注意されても改めない
軽口を暴言と受け取るかどうかは、個々人の問題。いやならスルーすべし。
・書斎は他のコテハンを平気で罵倒する。注意されると「ジョークだ」と言い逃れる
同上。
53 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 22:29:17 ID:PTH/8OqS
久々にきたけどまだ書斎いたのか・・・
病気だろさすがに・・・
54 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 23:19:44 ID:ABjPn5YO
気に入らない書き込みがあってもスルーすりゃいいだけの話さ
55 :
名無しのオプ:2007/02/04(日) 23:30:30 ID:CPv5qa1y
スレが荒れるのは
相手にする奴との共同作業なんだからな。
56 :
読後感:2007/02/05(月) 00:10:24 ID:aGMsiqhI
「大庭武年探偵小説選T」(論創社)
今まで何作か読んだ結果この叢書はウン……資料的価値しかないと
思っていたのですが21発目にして漸く実弾が発射された模様です。
どれもトリッキーで楽しめました。一番は「牧師服の男」かな。
無理はあるけど形が綺麗なので。
他には島荘的バカミス「旅客機事件」が印象に残りました。
Uも読みたいです。
57 :
名無しのオプ:2007/02/05(月) 12:09:00 ID:/8wY2hPW
神津慶次朗「鬼に捧げる夜想曲」(東京創元社)
弱冠19歳にしての鮎川哲也賞受賞作。
大分県沖合の満月島。戦友の結婚式に招かれた乙文は、戦友と花嫁の惨殺事件に遭う。現場は密室状況で、
被害者はメッタ刺しとなっていた。戦友の家と対立する旧家の連中の仕業か?だが第二の殺人が・・・。
ここまで横溝正史エピゴーネンだと、いっそ清々しいですw。妙な意味の無い修飾など文章の下手さ加減
には敢えて眼を瞑りましょう。棺の謎とメッタ刺しの真相には驚きました。ちょっと類例のないトリック。
しかもそれを・・・・してしまうとは末恐ろしい。結末の名探偵のヘンな行動に疑問がないでもなく、また
終戦直後とは全く思えない描写力の貧困さもあるが、本格ミステリとしては十分合格点でしょう。でも最後の
一章は要らないのでは?作者の「照れ」みたいなものが出た感じ。
58 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 07:23:16 ID:9tKmbVcD
『マレー鉄道の謎』 有栖川有栖
全体的に消化不良な感じがした。
あのトリックは、短編で使ったほうがいいように思う。500Pも引っ張るほどじゃない。
火村やアリスの悪についての語りは正直イタイ。むやみに火村をかっこよくさせようとするのも…。
電話した人物は内容としては、事実を言ったのだから別に問題ないのでは?
なんでアリスが不愉快なのか意味不明。
アリスのわからんヒューマニズムイラネ。
↑の部分をはずして短編ならいいかも。文章が読みやすかったのは○
59 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 12:13:29 ID:FOb3GHbX
吉行淳之介「出口・廃墟の眺め」(講談社文庫)
文学的な評価は分かりませんので、専ら「奇妙な味」として読んだ感想。主に1960年代の短編を収録。
表題作の一つ「出口」は、どことも知れない町で見張りの男と暮らす主人公がウナギ屋に行く。だが
その店は固く鎖されており、出前しか応じないという。また店の主人は妹と近親相姦の噂が。主人公は
或る旅館に行って、そこからウナギの出前を頼むのだが・・・。説明し難いのですが、何ともイヤーな
気分になり、その後の惨劇すら予想される話。そもそも「見張りの男」という存在が、何かカフカっぽく
て薄気味悪い。傑作中の傑作。
「皿の苺」は総入れ歯同士のカップルが、苺の粒が歯茎と入れ歯の間に挟まるという話をするうち、ホテル
に行って入れ歯を外して・・・。これまたエロティックでありながら、何とも気味の悪い話。
「手品師」は手品師志望の青年が恋人の前で水槽から脱出する奇術に挑むが・・・。
傑作「子供の領分」も、谷崎潤一郎の名作「小さな王国」ほどではないが、子供の不気味さを上手く描いて
います。
「雙生」は、夫が朝寝していると、隣の部屋から妻とその双生児の妹が歌う声が聞こえてくる・・・。
「埋葬」は病院に入院中の男から女性が子猫を貰うが、男は自殺。その晩、女は・・・。これまたイヤな気分
になる話。
「曲った背中」はヘミングウェイ「殺人者」に言及し、終戦直後の闇市で、あの作品の主人公を連想させる
男と出会う話。その男は空襲で発狂した女のことを話すのだが・・・。
巻末の「廃墟の眺め」は終戦時の満州で起きた話。これは今ひとつ良く分からない話でした。
別のアンソロジーに採られた「追跡者」や「あいびき」で気になっていたが、やはりこの作家は「奇妙な味」
の名手だと思う。
60 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 19:09:43 ID:FImTkWiA
61 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 19:39:17 ID:YgKpFXkD
清涼院流水「コズミック」
最悪・・・マジつまらなかった。
ゲームだったらディスク叩き割ってるレベル。
お金と時間返してよ!!
62 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 22:08:04 ID:rRgQzolk
ちょっとしたセレブ気どりか怪力自慢だな
63 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 22:21:55 ID:zZ59Zpd0
一口コメントとか要らんから
報告をしろ報告を
64 :
名無しのオプ:2007/02/06(火) 23:11:09 ID:FImTkWiA
あらすじとかも要らんから
報告をしろ報告を
65 :
名無しのオプ:2007/02/07(水) 19:02:40 ID:Od5wxydk
笹沢左保「死人狩り」(徳間文庫)
1965年の長編。
西伊豆で路線バスが転落、乗員乗客が全員死亡した。だがバスは転落直前に何者かに散弾銃で撃たれて
おり、警察は乗客の誰かに恨みを持つ者の犯行と断定、静岡県警の浦上と伊集院刑事は被害者一人一人の
背景を捜査する。妻子をこの事故で失った浦上の執念の捜査により、浮かび上がってくる被害者たちの
秘密。だが犯行に結びつく手掛かりは発見されない・・・。
たまたま乗り合わせた乗客たちがみな、これほど意外な秘密を持っている訳ないだろ、とも思いますし、
狙われていた被害者と真犯人だって、「多分アレだろ?」と容易に推測できるもの。或る証拠品に関する
推理も、まあまあだけど、何故、それが発見された時点で疑わないのかなあ、と。凡作。
なお本作は30年ほどまえにテレビドラマ化され、全26回で、・・・・・・・だと被害者は25人だから、最終回
は、・・・・・・・・なんだろう、と視聴者に先にバレてしまったそうです。
66 :
名無しのオプ:2007/02/07(水) 19:08:49 ID:sG+94Z54
67 :
名無しのオプ:2007/02/07(水) 19:43:24 ID:CkD2i75J
いい加減しつこいなこのバカも。
皆さん、こいつがいくらあらすじいらんと喚き立てても無視ですよ。
何千回何万回繰り返そうが間違いは間違い。何も変わらない。
動じないで報告して下さいね。
68 :
名無しのオプ:2007/02/07(水) 19:47:38 ID:NwPQMjfY
井上夢人「メドゥサ、鏡をごらん」
SFホラーですた。
69 :
名無しのオプ:2007/02/07(水) 23:16:04 ID:20JBOJaW
「タルドンネ」岩井志麻子
ストーリー全体が何となく、夢の中のできごとみたいに書かれていて、
現実の事件を参考にしているわりには、
現実味が今ひとつ。
だから、ものすごい怖いってかんじでもない。
適度に怖くてエロかった。
タルドンネ自体の描写がもっとほしかった。
高村薫かヤン・ソギル、桐野夏生あたりが書けばもっと面白くなるのでは?と思った。
島田荘司でも良いかも。
作者自身を思わせる登場人物の存在は面白かった。
全体的には、けっこう満足した作品でした。
70 :
あらすじごめん:2007/02/09(金) 01:41:26 ID:iGFjTlYB
東野圭吾『使命と魂のリミット』(新潮社、2006)【7.5点】
研修医夕紀が師事する外科医西園は、かつて夕紀の父親の執刀医だった。
その手術にわだかまりを持つ夕紀は、ある日勤務先の大学病院に対する
脅迫状を発見する。犯人の目的は。そしてあの日、手術室で何があったのか?
東野初の医療サスペンス(風)。上手く書いてあるんだけど、
東野も不案内な世界のせいか、犯人像や動機・計画にやや既視感あり。
つまらなくはないが東野にはもっと期待してしまう・・
タイトルはシンプルに「使命」の方がよかったんじゃないかなあ。
ご母堂のご冥福をお祈りいたします。 (´-ω-`)
71 :
名無しのオプ:2007/02/09(金) 12:27:08 ID:D0aqMQ8J
新章文子「女の顔」(講談社文庫)
1962年の長編。
・・・感想を一言で言えば、「行き当たりばったり」の一言。登場人物の行動もそうなら、作者のプロット
の組み立てもそう。
ヒロインは女優だが仕事を続ける意思を失い、己の美貌を恨んでおり、その挙句に取った行動はというと、
これがどうにも無鉄砲なもの。その恋人の心理もまた変で、一体どうしたいのか良く分かりません。しかも
ラストでは、唐突な人物が唐突に仕出かした行動で終幕。
まあ、実際の人間や人生なんてこんなものさ、と作者は言いたいのかも知れませんが、小説として面白いか
どうかは別問題だと思いますが・・・。サスペンスですらない、ただの犯罪を題材にした小説、としか評価
できませんでした。
72 :
名無しのオプ:2007/02/09(金) 20:35:10 ID:tyRYQkiw
73 :
名無しのオプ:2007/02/09(金) 20:41:50 ID:zZEED2TG
74 :
名無しのオプ:2007/02/12(月) 03:37:10 ID:jeA7tzsV
魍魎のハコ 京極夏彦
姑獲鳥の夏より読後に色々と考えさせられた部分が多かった。
京極堂のわき道に反れた独演を削れば、もう少し薄い本になるんだけどな、本を持つ手が疲れます。
かなりの傑作であることは疑う余地なし・・・・お試しあれ。
75 :
名無しのオプ:2007/02/12(月) 15:18:33 ID:+MtAXlXd
あれが京極らしさなんだからしかたない。
76 :
あらすじごめん:2007/02/12(月) 23:47:42 ID:ejV/itaU
東野圭吾『たぶん最後の御挨拶』(文藝春秋社、2007)【―】
年譜+自作解説エッセイ集。
この人結構いろいろなこと根に持ってそうだ。
『あの頃ぼくらはアホでした』みたいな抱腹絶倒エッセイではないが、
東野作品をそこそこ読んでる人は自作解説が面白いと思う。
お姉さんがいることは知っていたが、サプライズは(メール)だったこと。
エッセイ読む限りかなりアホ姉さんだと思っていた。
77 :
名無しのオプ:2007/02/13(火) 18:14:39 ID:B+R2q5tv
横山秀夫「影踏み」(祥伝社文庫)
深夜の寝静まった住宅専門に泥棒を働く、ノビカベこと真壁を主人公にした連作集。相変わらず、地方都市の
どこか寂れた独特の雰囲気描写と、確かな人物設定、ストーリーが魅力的で、もはや職人芸の域ですね。
秀作は巻頭の「消息」、泣けるクリスマス・ストーリー「使徒」(でも、「子供の手紙」を出して泣かせるのは
反則だよなあ。どんな大人だって子供の手紙にはジーンと来る)、巻末の、双生児が絡んでくる「行方」の3作
でしょうか。何気ない伏線の描き方と独特の結末のヒネり具合は、やはりスゴい。
深谷忠記「伊良湖・犬山殺人ライン」(光文社文庫)
1991年の壮・美緒物の長編。
東京のホテルで殺された県会議員。捜査で浮かび上がった名古屋の女性もまた愛知県の伊良湖岬で殺される。ここで
一人の容疑者が浮上するも、彼もまた何者かに殺される。残る関係者には鉄壁のアリバイが・・・。
このアリバイトリックは途中で見破れました。例の×××のアリバイ工作ですね。そこにもう一つのトリックが絡んで
くるところが工夫でしょうか。壮の推理は例によって例のパターンですが、相変わらず手堅いところを見せます。でも
水準を満たしてはいますが、更にもう一発、上を目指すヒネりが欲しいところ。でもこのシリーズでは無理かなあ・・・。
78 :
読後感:2007/02/14(水) 02:34:43 ID:gWNZjAWG
「四月は霧の00密室」霧舎巧(講談社)
転校初日に遅刻した羽月琴葉は体育館へ向かう途中、
霧の立ち込める噴水の側で転んでしまい、通りかかった男子と
偶然キスしてしまい偶然胸を掴まれてしまい偶然抱きついてしまう。
焦ったのも束の間、琴葉は二人のすぐ近くに血を流して横たわる
死体を見つける。しかし、現場は逆密室とも言うべき状況で――。
「ライバルは金田一少年」と標榜し、冒頭にそのセリフを引用する
という正しく売国奴の書いたミステリーです。まあそれ以前に
ラノベなんて高校(ry。つーかラノベのキモであるイラストに
まるでノー魅力。キャラ造形が地味でバラエティに乏しい。
その上紹介ページも質が悪いし。誰が描いてるんだと見たら……納得。
ラブコメ部分もやっつけ出来レースで不自然。
ただミステリーとしてはそこそこ形になってるとは思う。
不備もあるけどラノベなら許される範囲だろう。有能なライバルを
設定している所も良い。でも五月をすぐ読む気にならないのは話が
面白くないから。
79 :
名無しのオプ:2007/02/14(水) 21:05:09 ID:W3edRWJt
80 :
名無しのオプ:2007/02/14(水) 21:30:22 ID:7ZC9886G
>>79 あらすじの意味わかってるか?
アホは死んでねマジで
81 :
名無しのオプ:2007/02/14(水) 22:22:45 ID:W3edRWJt
>>80 じゃ、アホにもわかるように説明してください。
あと、「読みました」報告に、なぜあらすじがいるのかも。
82 :
名無しのオプ:2007/02/14(水) 23:00:11 ID:2ckAZsjw
>>81 まずお前がここまで粘着してあらすじを拒絶してる理由を説明しろよw
83 :
名無しのオプ:2007/02/14(水) 23:09:10 ID:nFulim35
次の報告どうぞー
84 :
あらすじごめん:2007/02/14(水) 23:51:50 ID:ALLd5szk
原リョウ『さらば長き眠り』(ハヤカワ文庫、1995→2000)【8点】
400日ぶりに東京に戻った探偵沢崎は、ホームレスの男の仲介で、
元高校球児の男から11年前の姉の自殺の真相を探ってほしいと頼まれる。
過去の事件をめぐる刑事・ヤクザたちの妨害を受けながら、
沢崎の辿りついた真相とは。シリーズ第三弾。
脇筋の過去の事件やホームレスの男との交流なんかをはさみながら、
自殺事件の真相がじわじわあぶりだされていく過程はおもしろかった。
あまりハードボイルド読まないんだが、沢崎ってカンが良すぎる気がする。
某上流階級の一家がいきなり出てきたりやや展開が唐突な気もしたが、
あれだけ登場人物を出してそれぞれくくっきりした印象を読後に残すのはさすが。
巻末に文庫書下ろしの掌篇あり。
85 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 03:53:28 ID:I6aqNDTZ
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午
ワンアイディアで書いた感じ。文章にセンスがない。
そもそも謎という謎も提出されなく、ミステリを期待して読むなら微妙。
トリックというより騙すために書かれたものなので、推理したい人は読まなくてもいいと思う。
正直あまりにもつまらない作品。トリックもなく、驚きもなかった。
何かあるはずと我慢して読了したが、何もなかった。
86 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 04:47:03 ID:bprwuvPM
いまどき、ものすごく狭い意味で
「ミステリ」という言葉使ってるんですね。
87 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 08:59:55 ID:S6jl321J
>>81のアホへ
プロローグ(序章って意味だけどわかる?)〜大まかなあらすじは人に「報告」する上で必要
ただし、85のようなネタバレするような書き方は全然ダメ
85はどこがネタバレと言われてるかさえわからないだろうけど
88 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 09:51:44 ID:bFGbDCXN
俺も
>>85はどこがネタバレなのかよく分からんかった
今時叙述を匂わすぐらいでネタバレも何もないし……
あらすじ魔神は論外だけど
89 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 10:43:08 ID:S6jl321J
叙述は今も昔も匂わしただけで終わりだろが
読み手の入り方が全く違う
90 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 11:51:52 ID:bFGbDCXN
え〜それはもう古い考えだと思うが
それに叙述だと知っていたら面白くない本なんて結局大したことないよ
91 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 12:07:41 ID:1zMMz8NM
芦辺拓「グラン・ギニョール城」(創元推理文庫)
弁護士・森江は南海特急車内で謎の毒殺事件に遭遇。被害者が残したメッセージ「グラン・・・ギニョール・・・
なぞを・・・とけ」の秘密を探るうち、かのE・クイーン創刊の幻の探偵小説誌「ミステリー・リーグ」に
掲載された謎の作家による中絶作「グラン・ギニョール城」なる作品に行き当たる。そして、いつしか森江も、
その作品世界をなぞる事件に巻き込まれてゆく・・・。
実際の事件の進行と、作中作「グラン・ギニョール城」が並行して進むうち、やがて交差して混じり合う構成で、
あちこちにマニアをニヤリとさせる薀蓄やらが仕掛けられていて、面白いことは面白いです。
しかし凝った設定に拘る余り、本格ミステリ本来のトリックそのものに工夫が見られていないのが残念。どうも
この作家が考えたトリックには、トリックそれ自体だけを取り出して鑑賞に堪えるものが少ないように感じます。
小説の設定やディテールに凝れば凝るほど、その傾向が強いようで、作者はきっと良い人でサービス精神旺盛なの
でしょうが、その過剰ぶりに、相手が「もう良いよ」と引いてしまっても気付かないでいるタイプのような気が
します。そこが今ひとつブレイクできない理由のような。
92 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 15:20:20 ID:n98Uv82H
>>90 じゃあネタバレしても問題ないってことだな
93 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 16:15:46 ID:Mj4PtQUv
>>90 古いもくそもないだろ。立派なネタバレだろうね。
まあ
>>85はこのジャンルに対して無知なだけなんだろうが。
94 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 16:37:24 ID:duKR04sE
95 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 17:13:23 ID:O6ZDpgHA
>>91 いまどき、「観賞に堪えるトリック」を求めるのはどうかと思うぞ
あと、芦辺はプチブレイクしてるからいいやんw
96 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 19:32:30 ID:bFGbDCXN
>>92 ただ叙述だの密室だのと言うこととトリックを詳細に明かすことの
区別もつかないのか?
今までもあの程度の書き込みは散々あったし何も言われてなかったぞ
97 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 19:48:46 ID:ONTi+2+M
>>90 たいしたことあろうがなかろうが関係ない
叙述トリックと言うのがネタバレだと感じる人が結構いるのは事実なんだから
避けたほうが無難
98 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 19:53:37 ID:VDE6ENno
バラしてもいいのは折原だけだ
99 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 20:02:25 ID:uCjN7o+V
100 :
80:2007/02/15(木) 20:50:48 ID:rBe7X0wv
>>82 自分から振っておいて、質問返しとは。
あらすじは 読まなくてもわかるもの。
読みました なんだから 本を読んだ感想などを書くべきと考えるので、否定しているのです。
では、私の
>>81の質問にお答えいただきましょうか。
>>84 くたばれ
101 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 21:30:09 ID:uCjN7o+V
> あらすじは 読まなくてもわかるもの
国語の勉強をしなおせ
> 読みました なんだから 本を読んだ感想などを書くべきと考えるので、否定しているのです
俺定義の押し付けかよw
DQNはスルーしろ、と自分にツッコミ入れておく
あ、俺は
>>82ではないからな
102 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 21:39:49 ID:rBe7X0wv
>>101 しなおせ って言うだけじゃなく説明してみてくださいよ。
物語の概要とか、大まかな流れではないのですか?
それなら、読まなくても出版社のサイトや紹介広告でわかりますよってこと。
辞書、国語の勉強、DQN
まともに答えられない人の常套文句ですね。
ワタシが間違っているというなら、ちゃんと説明したらどうですか?
103 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 21:58:33 ID:bFGbDCXN
>>97 思わない人もいるからこれまで通りでいいよ
ネタバレだと思う人は自分が書かなければ良い
104 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 22:10:10 ID:gDeIvkTW
書く必要ないんだから書かなくていいんじゃね
105 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:13:10 ID:uCjN7o+V
>>102 > あらすじは 読まなくてもわかるもの
なんて書いてたから、てっきり日本語のできない人だと思ってたよ
すまん、謝る
> 読まなくても出版社のサイトや紹介広告でわかりますよってこと
最近の作品に関してはたしかにそうだが、
>>9、
>>17、
>>35、
>>59、
>>65に興味を持った場合、
あらすじがないとどういう話なのかわからんだろ
106 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:27:28 ID:TS6kBx0k
>>103 そんなお前しか考えてないような意見を押しつけるなよ
叙述を叙述とバラしていいなんてお前ぐらいだっての
最初から叙述だとバラされていいなんてアホだろ
107 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:42:36 ID:bFGbDCXN
>>106 今時帯や背表紙にも叙述とかそれを匂わす文言が使われてたり
するってのに
>>85程度のことでネタバレと騒ぐのはおかしい
人数に関することを言うなら今までスルーされてた事実が
物語ってるんじゃないか
「○○が犯人」とかそのものズバリがネタバレなのは共通認識な
わけだからそれはいいとしてそれ以上は意見が別れるから
各々が判断すればいいと言ったの
それをネタバレと思う人がいるからって制限するのは窮屈だよ
108 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:48:28 ID:J5bNkqH7
>>100 80じゃないけど
>>81について
確かにこのスレにあらすじは必要ない。
でも特別、あっても困るというほどの事でもない。
ここにあるあらすじなんて本のカバーに書いてある程度の事でしょ?
その程度の事を書いたところで別に何の迷惑でもないと思うんだが。
むしろあらすじがどうこう言ってるこの流れの方が余程このスレに不要。
それより、たまにはあなたも報告すれば?つまらない茶々ばかり入れてないでさ。
109 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:50:02 ID:5KiweKcb
メル欄にでもかけばいいじゃん
110 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:50:38 ID:x1or+SU/
>>107 叙述トリックであることに言及するのはいいけど、どういうタイプの
作品かまで書いてしまうのはネタバレだろう。
>>85の(メ欄)連発は
明らかにアウトでしょ。そこがキモの作品なんだから。
111 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:51:01 ID:5KiweKcb
112 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:54:49 ID:VDE6ENno
いっその事きちっとスレのルール決めた方がいいのかね
113 :
名無しのオプ:2007/02/15(木) 23:56:12 ID:bFGbDCXN
114 :
名無しのオプ:2007/02/16(金) 00:13:53 ID:jg7iiVSH
でもたまに、感想より、あらすじのほうが長いって人がいるよね。
そういうのは、ちょっと…と思うが。
115 :
名無しのオプ:2007/02/16(金) 00:19:05 ID:AY3z62rw
bFGbDCXNがでしゃばらなければ荒れなかった
116 :
名無しのオプ:2007/02/16(金) 00:21:07 ID:ZTh0CQHD
もう片が付いたんだから後ろから撃つような真似するな
117 :
名無しのオプ:2007/02/16(金) 02:16:28 ID:iqyCxCwI
とりあえず
>>85はどうするの、このまま放置する?
118 :
名無しのオプ:2007/02/16(金) 09:03:32 ID:/cGVjMpy
帯に叙述トリックを匂わすようなことが書いてあるのと、ここで叙述と言い切るのは違うということさえわからんか?
ここでそんなの許してたら際限なくなるの目に見えてる
最初から叙述とわかってたら、その作品の魅力がゼロになる本ってたくさんあるだろ
119 :
名無しのオプ:2007/02/16(金) 10:49:01 ID:ZTh0CQHD
自治スレでやってくれ
120 :
102:2007/02/16(金) 20:26:18 ID:jg7iiVSH
>>105 理解した。
もう止めます。これまでのこともすいませんでした。
ただ、あらすじ<感想でお願いしますわ。
121 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/02/17(土) 20:55:20 ID:fqxiO94r
村上龍「半島を出よ」を読破した。
冒険小説あるいはエスピオナージと位置付け、この板で語ることも可能な作では
あるが、フォーサイス等を読み慣れた目には、国際政治・経済情勢を踏まえた
状況設定の粗さが目立ち萎えさせられるものもある。
(最後まで偽装北朝鮮叛乱軍が福岡を占拠する国際政治面から見た場合の
リアルな説得力は感じさせず、また、落日傾向とはいえ日本経済の不振による
国際経済面の他国へのカウンター的影響力もほとんど無視されているのが気にかかる)
ただし、受賞当時最年少の芥川賞受賞者であった村上氏が書きたかったのは、
リアルなシュミレーション小説ではなくして、他国による占領という場に直面
した国であり国民(=日本人)の「あり方」であったに違いない。
こういった面から見れば、作者あとがきにも記されているとおり、
当初本作が「昭和歌謡大全集」の後日談として構想されていたことからもわかるが、
人間の生き様を描くための村上作品らしい純文学的ダークなメルヘン世界の構築に
過ぎないとも言い得る。
122 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/02/17(土) 20:56:24 ID:fqxiO94r
すなわち、本作においては、状況設定は「脇」に過ぎず、「シテ」はあくまで物語中に
息づく人間たちということになるのである。
この点が、ミスヲタをはじめとした糞エンタメ好き野郎には、いかに受容されたかは、
いささか(注 伊佐坂先生ではない(w )興味深くもある。
北鮮の侵略に立ち向かうのが、国でも一般国民でなく、一般社会からは変質・変態・偏執として排除された少年たちの集団であるのは、デビュー当時からのこの作者ならではの
シニカルな展開で面白く、少年たちを統括(?)するリーダーの中年男にイシハラという
ネーミング(しかも、女性的でキャラが壊れた人物である)は、まさに悪い冗談そのもので笑える。
123 :
名無しのオプ:2007/02/17(土) 23:45:07 ID:jRysPTGI
さむっ
124 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 02:24:00 ID:bOtTJV21
さて、
>>121の文章には明らかな事実誤認があります。
40字以内で答えなさい。
125 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 03:25:51 ID:AC094iO2
というか、報告を2レス使うのもどうかと思うよ
126 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 03:38:04 ID:BYnSSybH
127 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 03:47:44 ID:mgERYi88
擁護する気になれないのは何故だろう
128 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 04:44:05 ID:kWR13vye
>>124 『乱歩賞受賞作「暗黒予知」』事件wに較べれば、かわいい間違いだね。
129 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 07:21:37 ID:CcdiKCI4
130 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 10:07:28 ID:983/XeMP
以上スルー出来ないバカどものレス浪費でした。
131 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 18:04:32 ID:AMxlOYYG
132 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 18:46:13 ID:983/XeMP
スルー出来ない奴は同類
おかしいか?
133 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 18:58:36 ID:AMxlOYYG
何を持って同類というのかわからんが、スレを無駄に使う、雰囲気を悪くするという意味ならお前も同類だな。
134 :
名無しのオプ:2007/02/18(日) 19:29:28 ID:983/XeMP
ならもう書かせないでくれ
荒らしはスルー
これ常識
135 :
名無しのオプ:2007/02/19(月) 08:48:59 ID:VCbWX525
>130-134
ミニコント乙
加藤元浩『Q.E.D 証明終了』(講談社コミックス、2007)【6.5点】
@「夏のタイムカプセル」A「共犯者」の2本収録。
@佳奈の小三時代のタイムカプセルから見つかった野球の硬球をめぐっての
推理はなかなかの出来。おぼろげな記憶が手掛かりという点がやや弱いが、
伏線もさりげなく張られている佳作。
Aフレンチレストランでの密室殺人。うーん、可もなく不可もなく。
137 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 12:14:06 ID:8QdSGepY
高野和明「13階段」(講談社文庫)
2001年の江戸川乱歩賞受賞作。
傷害致死罪で服役した三上は仮釈放となるが、刑務官の南郷の依頼で、死刑執行間近の囚人の事件を
再調査する弁護士事務所の手伝いをすることに。死刑囚は記憶喪失だったが、事件当時に覚えていた
唯一の手掛かり「階段」をもとに調査を進める二人は、強盗殺人事件の真相へと肉薄してゆく。だが
死刑執行のタイムリミットも刻々と近付いてくる・・・。
最初の捜査で警察は何をしていたのかなあ。それに偶然が重なりすぎるし、死刑執行のタイムリミット
によるサスペンスの盛り上げも陳腐。三上の過去の或る事件と、それに対する葛藤なども、もうちょっ
と伏線を匂わせておく方が良いし、「階段」の件が明らかになる部分の盛り上がりも不発。あの死刑囚は
「階段」より××××を強烈に記憶するのが普通じゃないの?とも思いますが、それじゃタイトルになら
ないしなあ。
それでも、グイグイと読者を引っ張ってゆく力量はどこから来るのだろう?「サザエさん」みたいに、マン
ネリの題材でも面白いものは面白いということか、或いは「死刑執行」というのは、いつまでも読者を惹き
付け続ける、切り札のテーマということか。
なお、例の依頼人については上手いと思いました。実現性には問題あるけど、或る小道具について伏線も
張られているし。あと、ラストの南郷のセリフも余韻を残して良い感じ。
138 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 13:32:17 ID:GfKBslS0
139 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 17:22:29 ID:ZmXAeohL
140 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 17:33:19 ID:GfKBslS0
調子にのるなハゲ
141 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 21:02:53 ID:YGw/GQgi
142 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 21:41:21 ID:JWpf9qU2
すまなかった。俺が悪かった。
143 :
名無しのオプ:2007/02/21(水) 23:01:21 ID:vtRGnwy0
いったいなんだこのスレ・・・
144 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 14:18:05 ID:81ydfA/t
>>138 >>137は少し踏み込み過ぎにも思えるがネタバレしていない。
>>138が「13階段」を読んでいるのなら、ネタバレではないこと
ぐらい気付くから、「読んでない人のことも少しは考えろバカ」
などとは言わない。
従って
>>138は「13階段」を読んでおらず、読んでいない人への
代弁ではなく、自分が読もうとする興味を殺がれたことに対する
私憤として書き込んだのは明白。
Q.E.D
・・・語るに落ちるとはこのことだなw
深谷忠記『横浜・修善寺0の交差』(光文社文庫、1994→2005)【6点】
大学教授服部の依頼で肖像画を描いた画家市倉は、絵に死相が現れている
ことを知り「修善寺物語」伝説に自らをなぞらえる。そしてその直後、
服部の秘書が水死体で発見。さらに服部の娘も密室状態の浴槽で変死体に・・
壮&美緒シリーズ。これを安定標準作とみるか、マンネリを超越した億ネリと
みるかは読者次第。密室の変死体が事故か殺人かであいまいのまま進むので、
事件の緊迫感が薄く中盤まではややタイクツ。だが最後の2割で一応意外性の
ある解決が提示される。2時間ドラマの原作にちょうどいいようなタイトルや
展開は、割り切って楽しむべし。もうちょっと突き抜けてほしかったが・・・
146 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 15:06:45 ID:WsEAUWCY
>>144 アホか、とっくに読んでるわ
自己弁護してんじゃねーよ
あらすじを書く書かないで荒れたのに、読書感想文並にあらすじ書いてんじゃねーよハゲ
147 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 15:08:01 ID:bhAPPwL0
なんだまた例のあらすじ気違いか
148 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 16:10:23 ID:lCsrrqkU
あらすじ書くか書かないかはどうでもいいけど、
>>137は読んでない人のことを考えていないのは確か。
いい書評はその本を読んでみようという気にさせるものだと思う。
>>137はその点で最低の書評だろう。
149 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 16:35:02 ID:NKeVUxuk
あらすじを書く書かないで荒れたというより書くなという人が
他人に対する罵倒を繰り返したから荒れたのでは?
>>137に関しても明確なネタバレをしていない限り他人が
どうこうすることは出来ないと思います。ましてバカ呼ばわりは……。
ここは報告スレなのだから批判だけをするよりも、自分の信念に
沿った報告をしていくことで妥当性を証明する方が良いのでは
と思います。
150 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 19:09:34 ID:g7jmdqc6
あらすじなんてあってもなくてもいいじゃないか
あんまけちつけんなよ もっとのんびりいこうぜ
151 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 19:46:05 ID:IB28twQZ
152 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 21:15:17 ID:Hiz1wqGN
報告をする上であらすじは必要ない
>1にもそんなことは書いていない
ただ報告する上でおおまかなあらすじを書くのは自由だと思う
(キモになることは決して書かず、アマゾンの紹介文のようなもの)
>>137は明確なネタバレしていないなんて言う人がいるが、論外
そういう人は「あらすじスレ」でも作ればいい
153 :
名無しのオプ:2007/02/22(木) 21:26:44 ID:IB28twQZ
あらすじネタは解決済み。
終わったことをゴチャゴチャ言うな。
154 :
名無しのオプ:2007/02/23(金) 09:50:26 ID:eAnr+5kj
>>153 解決したあとに必要以上にあらすじを書くひとがでたからだろ
お前が出てくんな
155 :
名無しのオプ:2007/02/23(金) 11:36:28 ID:/AfgE9+f
あらすじ魔神は改心したと見せかけて結局変わらぬDQNだったんだな
156 :
名無しのオプ:2007/02/23(金) 23:24:01 ID:6ikZZihe
>アホか、とっくに読んでるわ
>自己弁護してんじゃねーよ
何一つマトモに出来なかったダメな人間の上等文哀れ
前問に答えられないクズ
157 :
名無しのオプ:2007/02/24(土) 00:53:04 ID:stp/qU11
>>148 >いい書評はその本を読んでみようという気にさせるものだと思う。
書評!?「重鎮」(笑)でもあるまいし、2ちゃんで書評とは恐れ入り
ました。
ここに印象だけの「感想文」程度の駄文を越えるものが書かれるとは
思ってもいなかった。
ともかくも、その伝でゆくと、読んでガッカリした作品については、
ここに書いてはいけないのかなあ。駄作を駄作と言えない感想文のスレ
って一体!?
浅暮三文『石の中の蜘蛛』(集英社文庫、2002→2005)【7点】
楽器の修復を生業とする立花は、引越し先の部屋で「音のなる石」を見つける。
先住者の物らしいが、その直後にひき逃げされ入院し、聴覚に異常をきたす。
音が視覚的に認識できるようになった立花は、先住者の「音の痕跡」から
その女性を探し出しだそうとするが、周辺に怪しい男が出没し・・・・
物語の展開は「失踪者」探しなのだが、その方法が異常聴覚をつかった方法。
立花が部屋の床をスプーンで叩いてその反響音で先住者の女性の体格や声質を
把握していくのが楽しい。とくに電話に刻まれた「音」を復元してある目的地を
捜し出すシーンは秀逸。
ただ、物語の性質上、凝った表現や独特の言い回しが多く、ちょっと読みにくかった。
じっくり読書したいときにはいいかもしれないが、そこがマイナス。
159 :
名無しのオプ:2007/02/24(土) 21:13:08 ID:VUx5Ssf1
160 :
名無しのオプ:2007/02/24(土) 23:58:44 ID:KoVetbm4
とりあえず156は、いまごろ13階段でぐだぐだ騒がないでね
騒ぐときは友達にでも言ってね
ここではアホみたいにあらすじ書かないでいいから
161 :
読後感:2007/02/25(日) 02:31:57 ID:BEEi+yk6
「凶鳥の如き忌むもの」三津田信三(講談社)
小説家・刀城言哉は取材のため瀬戸内のとある漁村へやって来る。
そこで18年ぶりに行われる“鳥人の儀”に立会人として参加した
刀城だったが、当日拝殿に篭っていた巫女が消えてしまう。
異常を感じ拝殿に乱入した刀城が見たのは飛び去っていく巨大な
鳥の姿であった。そして18年前にも同じように巫女が消失して
いたのだ! そして巫女を捜す刀城達にも何物かの魔の手が……。
前作からの期待にたがわぬ出来だった。ただ本作は全体に渡って
怪奇的な装飾を施すというより怪奇性を帯びた事件を起こして
それについてロジカルに検討していくという組み立てになっており
前作とはやや毛色が違う。真相も手抜きなしの意外さで見事。
ただ意地でも見取図を付けないのが腹立つ。
あと終盤の(メル欄)の意味が解らんかった。
それに犯人のプライオリティとかもちょっと?かな。
これからもこの濃度で書き続けてくれるなら読みたいが
マンネリ化しそうで心配。
162 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/02/25(日) 11:32:54 ID:YWG+YrTq
加藤幸子「家のロマンス」を読んだ。
地味ながら芥川賞、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞等に
輝く純文学の実力派ヴェテラン作家の新作である。
ミステリと言い得る作は書いておらず、純文学不得手なミスオタは
この作者のキャリアを見て褌一丁の姿で逃げ出すやもしれぬ(w
ただし、本作に関しては多少ホラー風な部分(その合理的解釈も可能だが)
もあるゆえ、あえてこの板で紹介する次第である。
ミステリは、時間・空間・登場人物数のいずれかに大きな制約を受けるのが通例であり、
そこに読み捨て本としての物足りなさが生じるわけであるが、
これらの制約を脱した魅力を持つのが、いわゆる大河小説と言われるものである。
(「百年の孤独」「ブッテンブローク家の人びと」「エデンの東」「夜明け前」等々)
これらの作には、ちんけなミステリを読むことでは決して味わうことが出来ない
小説を読む醍醐味を味合うことが可能である。
本作は、「家」というものに対する人々の「思い」を、祖母ミヤと作者の分身と思われる
その孫娘ヨシノを中心に置いて描いた2部構成の作品、
筆者は最近、本書と同様に家族の系譜を描いた作として、原田康子「海霧」、
津島佑子「火の山 山猿記」等を読んだが、いずれも上・下巻に及ぶ大部なものと
なっているが、本作の場合は、わずか180頁強(活字2段組でもない)という
ボリュームでありながら、上記作品等に劣らない読む醍醐味を堪能出来る実に無駄がない佳作であると言い得る。
各人、慎んで読め!
163 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 12:49:12 ID:lhka+ybP
三津田はもう少し、もう少しでいいから文章が讀み易ければ……
164 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 12:49:32 ID:hv37G32e
>>161はいつもの通りクソ、
>>162はミステリしか読まないバカには理解されないだろうが、相当な教養が背景にあると感じさせるなあ。
165 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 13:13:27 ID:gt328UWs
166 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 14:03:40 ID:BnyA/GIy
294 名前:ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日:2006/01/08(日) 14:50:39
「エデンの東」は未読。
読むのであれば、ハヤカワ文庫版と大阪教育図書の全集と、どちらがベターか?
ただし、一般教養としてのスタインベック作品読破としては、この評判芳しからざる
長大な作を読むか否か、悩むところではある。
298 名前:ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日:2006/01/08(日) 19:57:19
自分はスタインベックヲタではないので、信頼出来るプロの評価を参考に
出来栄えが良い面白い作品は落とさずに読んでおきたいということだ。
167 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 14:12:38 ID:hv37G32e
>>166 このコピペ荒らしは報告対象にはならないんだよなあw
168 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 17:06:07 ID:6SyhF2m4
>>164 相当な教養が背景にある人が「味合う」って書くかバカ
169 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 17:35:23 ID:hv37G32e
>>168 2ちゃんの書き込みごときでいちいち推敲なんかしないよ。
つまらんことにこだわるなアホ。
170 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 17:49:38 ID:cr9C486V
推敲どうこうより、言葉が違っているからねぇ
あじわう なのに あじあう ってタイピングしてるわけだから。
171 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 17:57:16 ID:puoyERpM
172 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 19:53:05 ID:/+ri9Hp5
いちいち、つまんねえことで突っかかるな。たかが2ちゃんだ。
173 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 21:37:19 ID:kaomQhWN
って書くと、そんなことで突っかかるなって書くなって書かれるよw
174 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 23:02:56 ID:MXbRjrVV
ここは他人の感想にいちいち難癖をつけないと
気が済まない人がいるスレですか?
175 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 23:20:02 ID:Tz6DDimY
1,2行くらいで言いたいことサラッといいきれよ。
スノッブ気取りたかったらブログでも開いて勝手に晒せばいい。
176 :
名無しのオプ:2007/02/25(日) 23:41:41 ID:hv37G32e
177 :
名無しのオプ:2007/02/27(火) 23:33:20 ID:9HDwZaOG
今までにブックオフ等で集めてあったけど、ずっとほったらかしだった島田の御手洗シリーズ等三十三冊、今日から一気に読むことにします
読みおわったらまたカキコします
とりあえず星占術からいくぜ
178 :
名無しのオプ:2007/02/27(火) 23:41:43 ID:4oHsfWHU
いきなりなにかちがっているような
179 :
名無しのオプ:2007/02/27(火) 23:51:18 ID:lZt/xcqP
180 :
名無しのオプ:2007/03/01(木) 21:40:12 ID:RuDrrIjg
試しに変換
星戦術
181 :
名無しのオプ:2007/03/07(水) 17:28:14 ID:PLntUhxt
陳舜臣『神戸異人館事件帖』(徳間文庫1979→1986)【5.5点】
一見普通の事件だがその真相にはこういうウラがあったんだよ、
というのを老人になったオキゲン・ヤン
オキゲンさん、ヤンさんの日中コンビの短篇集。
昭和初期の神戸を舞台に起こった大小の事件の真相とは。
一見普通の事件だがその真相にはこういうウラがあったんだよ、
というのを老人になったオキゲン・ヤンが絵解きをするというもの。
ただ、本格推理とみるには伏線があまり張られていなく、意外性も希薄。
戦前の背景として軍部やスパイも出てくるが、ミステリとしてはうーむ。
182 :
名無しのオプ:2007/03/07(水) 19:48:12 ID:ZdJj7swY
183 :
読後感:2007/03/07(水) 22:10:19 ID:cjcPi1n7
「奈良―紀州殺人周遊ルート」高柳芳夫(徳間書店)
自作の映画化作品の撮影現場を見学していた推理作家・朝見。
彼の目の前で女優が小道具の短剣を身体に突き刺した。
しかしそれは本物だった! 一体誰が摩り替えたのか?
この事件を皮切りに関係者が次々と謎の死を遂げていく。
怪我をした女優に頼られた朝見は連続殺人が起きていると睨むが――。
久々某スレからのセレクト。やっぱ装丁画と言えば辰巳より村山だよね。
面白かったです。伏線もバッチリでどんでん返しもハマってます。
新本格の只中でキオミスもやるもんだろ、と見せ付けた感じ。
人間消失トリックは容易に見当がつくけど密室トリックは中々
シンプルイズベストを表せていたと思います。
ただ(メル欄)についての説明が無かったのが残念。
あとこのタイトルで映画化はないだろーと。
それから日ソ作家同盟って本当にあったの?
今はどうなってるんでしょうか。
184 :
読後感:2007/03/10(土) 02:37:45 ID:igxoBoW7
「もう一人の乗客」草野唯雄(光文社)
男は死んでいた。女はその場から逃げ去った。雨の中拾った
タクシーは見知らぬ男との相乗り。しかもその後事故を起こし
新聞沙汰になってしまう。お陰で婚約は破談となり更に殺人容疑
まで……。女の姉は疑いを晴らすため相乗りの相手を捜そうとする。
某スレからのセレクト。掴みは抜群なのだがそこがピークだったな。
「女相続人」でも思ったがこの人は話を引き延ばし過ぎ。
仕込みが少な過ぎとも言えるが。このネタだけで長編は支えられないよ。
解明シーンもダメダメ。唯一評価出来るのはロマンスがあるとこか?
185 :
名無しのオプ:2007/03/10(土) 15:57:58 ID:lGl17zF6
『夏の夜会』 西澤保彦 光文社文庫
冒頭から何回も繰り返されるように
この作品中では記憶は不確実で不明瞭
そして恣意性を持っているという設定。
出てくるデータは全て嘘ではないものの
100%信用する事は出来ない。
そんな中で読者が真相を推理するのは恐らく無理であろう。
だが提出された情報と、作中の雰囲気・流れから
最終的な着地を経験・直感で何となく予想は出来てしまうかも。
これは少し残念である。
どうせならもう少しアンフェアに
もう少し描写を省いて最後の衝撃が欲しかった。
(提出の仕方とその精度を考えれば
フェアプレイを目指す(事の出来る)作品でないように思う)
その場合物語的盛り上がりを少し失うかもしれんが
それでも最後の衝撃が欲しいと思うのは
まぁ新本格好きの悪い所かもしれません。
季刊誌で4回連載されていたらしい。
1話の引きは見事。2話の小技とどんでん返しも見事。
3話のベロベロに酔った登場人物も見事。
最終話の筆の置き方も見事。
この作品最大の弱点は登場人物の名前。
解説の人はそれすら褒めていたが、そこは同意できんなぁ。
普通の名前をですね、お願いしたいです。
おすすめします。
186 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/03/10(土) 16:49:25 ID:qVBKgUKO
笹沢左保「どんでん返し」を読んだ。
あとがきによれば、意図されたもではないとのことだが、地の文は一切無し会話体のみで
構成された異色ミステリ集である。
格別に面白い作はなく、「木枯し紋次郎」「無宿人御子神の丈吉」等の股旅もので
その情景描写の巧みさをもって知られる作者にとっては、みずから得意手のひとつを
封じてしまったやにも思えるが、
さすがに稀代のストーリーテラーだけあって、登場人物の会話の中に情景がおのずから
浮かび上がって来るかのような展開に関しては見事である。
「影の訪問者」の深夜のマンション、「霧」の湖畔の情景等々…
80年代初頭、幼稚なミスオタが続々と乱入する以前、ミステリが大人の読物で
あった時代の刊行であった。
187 :
名無しのオプ:2007/03/14(水) 00:17:56 ID:e96xUo1F
都築道夫『七十五羽の烏』(1972→1980、角川文庫)【6点】
いい加減な理由で探偵事務所を営む物部太郎の元に若い女性の依頼人。
目撃すると不幸が起こるという滝夜叉姫の怨霊を伯父が見たというのだが・・
茨城の旧家を舞台に起こる殺人事件の顛末。
都築の筆致のせいか道具立ての割にはおどろおどろしさもなく、
伏線とかフェアプレイではあるのだが、真相は正直物足りない。
事件の展開も平板で、評判が高い割には楽しめなかった。
都築とか佐野洋とか、「スマートな推理小説」とは相性悪いのかしらん。
188 :
名無しのオプ:2007/03/14(水) 01:10:31 ID:5hVp17w7
>都築とか佐野洋とか、「スマートな推理小説」とは相性悪いのかしらん。
たしかに“都筑”とは相性悪そうだなw
189 :
名無しのオプ:2007/03/14(水) 01:24:03 ID:e96xUo1F
都筑先生ごめんなさい。
190 :
名無しのオプ:2007/03/14(水) 02:41:22 ID:w4hPycN7
ユルス
191 :
読後感:2007/03/15(木) 18:00:27 ID:vHBsHjEw
「異郷の帆」多岐川恭(講談社)
長崎出島でオランダ商人が殺された。現場は彼の部屋で、
事件当時は多数の訪問者が推定されており、その中にはハーフの
美女お幸も含まれていた。彼女に思いを寄せる青年通詞浦恒助は
同僚や出島の顔役が絡む痴情のもつれや密輸に関係しているのでは
と睨むが……。
「出島を密室に仕立てた」とかで期待して読んだけどイマイチ。
印象的な謎が提示されないし解明部もダメダメ。真相に関する
伏線はもっと大胆なものが欲しかったと思う。
ただ時代小説としては良いと思う。ラストも心地よい。
昔長崎に住んでいたことがあるけど懐かしさは感じられず。
出島は原形を止めてないしなぁ。
192 :
あらすじごめん:2007/03/17(土) 19:32:30 ID:0zI6z7Mm
三津田信三 『厭魅の如き憑くもの』(原書房、2006)【7点】
小説家刀城は、憑き物筋と祓い家との対立が残る、神々櫛村に赴く。
村のあちこちに祀られる「カカシ様」。祓ったモノを流す暗い川。
神隠しの言い伝えの残る村に起こる連続殺人事件!
都筑のあっさり系が物足りず、こってり系に挑戦。
第二弾の『凶鳥〜』読んでいたんである程度は覚悟していたが、
読みにくいことおびただしい。見取り図がなく人物関係が難解なのも一因だが、
要するに文章がドヘタなのである。正直何回も投げ出しそうになった。
文章自体のレベルで言えば加賀美雅之以下だが、最後まで読んで評価一変。
前例のある仕掛けだが、これはスゴイ。ただ総合的に評価すると、
やはり読みにくすぎるのは大きなマイナス。
真相【9点】文章【3点】雰囲気【7.5点】というところか。
193 :
名無しのオプ:2007/03/18(日) 10:36:30 ID:vNlYcaxG
自治スレで、最近多発している、書斎に対して最悪板、あり板からコピペしてレスする荒らしを、
運営側に報告することを検討しています
コピペを迷惑だと思う人は参加してください
194 :
名無しのオプ:2007/03/18(日) 15:10:21 ID:ymgDl8ik
>>192 三津田は小説の文章がとにかく下手なんだよなあ……
編集者、企画人としては優秀なんだが。
195 :
名無しのオプ:2007/03/18(日) 16:29:20 ID:8daxtPgz
三津田って編集者なの?
正直、あの文章力で他の作家の校正が出来るのか心配・・・
196 :
名無しのオプ:2007/03/18(日) 19:42:14 ID:QISMAr3I
校正はそれで専門家がやるもの
197 :
名無しのオプ:2007/03/18(日) 21:30:56 ID:gmoEiKbc
校正は誤字脱字、慣用句の使い方の間違い、記述された事実の正否などを
チェックするので、言葉の誤用のほかは文章そのものを直すことはふつうありません。
198 :
195:2007/03/18(日) 21:47:10 ID:8daxtPgz
ああ、そうなんだ。ども。
でも編集者って、担当の作家の原稿読んでおかしいとこは
指摘したりしないのかな。
二階堂とかの小説読むと明らかにおかしいのにそのままってことは、
編集者もあえて指摘しないんですかね。
199 :
名無しのオプ:2007/03/19(月) 00:09:11 ID:ha1ENZLQ
晩餐は「檻」の中で
っていう作品呼んだ方いますか?
200 :
名無しのオプ:2007/03/19(月) 02:49:09 ID:JjrifmWg
関田涙のスレに行ったほうがいいのでは・・・
201 :
名無しのオプ:2007/03/19(月) 08:04:45 ID:Yu0h0bpu
>>198 三津田は編集者というより企画人。これに関しては確かに優れる。
あと、他人の文章の粗が良く見える=本人の文章が上手い、ではない。
ついでに二階堂の場合は編集者がどうこう言うとそれに文句言いそう。
道尾秀介『片目の猿』(新潮社、2007)【8点】
特技の盗み聴きを活かし、探偵事務所ファントムを経営する三梨。
ある楽器メーカーから産業スパイ調査の依頼を受ける。そして調査中、
対象企業での殺人を聴いてしまう。一方、新たにスカウトしたサングラスの女性が、
どうにも不審な行動をとり始め・・・・
絶好調の道尾秀介の長篇ミステリ。ケータイ配信という媒体もあってか語り口は
軽妙で、登場人物もこれまでになくキテレツ。オビには「大技・小技炸裂」とあるが、
小技をいくつも積み重ねて読者を幻惑する。全部見破るのは確かに困難。
『シャドウ』などに較べると騙され快感度は低いが、リーダビリティの高さと、
巧みな伏線を評価したい。
(メール)に関するある真相は不要な気もするが、まあ本筋から目をそらすための
レッドヘリング的なものか。道尾版『めぞん一刻』(違うか)。
203 :
名無しのオプ:2007/03/19(月) 19:01:55 ID:lEeRisUS
>>202 あらすじと感想の長さがほぼ同じってどうなのよ
二階堂黎人編『新・本格推理07 Qの悲劇』(光文社文庫、2007)【7点】
おなじみの公募形式本格推理短篇集。
本作は9本収録+二階堂選評。SF物や異世界物、歴史物までなかなか
バラエティに富んでおり、拙いものもあるが値段分は十分楽しめる。
印象に残ったのは「くるまれて」「ホワットダニットパズル」「イルクの秋」。
ただ「本格なのでトリック重視で採用」とか明言しておいて、
「トリックが凡庸」と評する作品を採用するなど、首尾一貫しない
採用基準は健在。このほかにも二階堂氏の選評は「お前が言うな」と
突っ込みたくなるものが多いが、そこはお約束としてスルーすべきか。
逢坂剛『禿鷹の夜』(2000→2003、文春文庫)【7.5点】
神宮署生活安全課の悪徳警部補・禿富鷹秋(禿鷹)は、渋六興業と癒着するうちに
南米マフィアのヒットマンに命を狙われることになる。追いつ追われつの
騙し合い・殺し合いの果てに禿鷹をまつ運命とは。シリーズ第一弾。
とりあえず容赦のない性格の禿鷹をはじめ、渋六興業のヤクザたちの
キャラクターがいい。いまどき珍しいほど任侠肌の組長、唯一大学卒の野田、
役所浩司似の水間、ファッションセンス最悪の組長の娘などが、禿鷹の毒を
薄めてくれている。ストーリーはシンプルであり、逢坂剛お得意のサプライズも
やや控え目。だがそれだけに読後の禿鷹の印象は強い。
それにしても禿鷹以上に容赦がないのは逢坂剛・・・
206 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/03/24(土) 20:05:22 ID:CGoXEoTv
氏家幹人「かたき討ち」を読んだ。
期待以上に面白かった新書新刊であった。
仇討ちものは、冒険・サスペンス(巻き込まれ型の一変種と言い得る)の要素がある
うえに、ミステリ的な予想外の展開を遂げるものも多く、
私自身、池波正太郎、菊池寛、直木三十五等の仇討ち小説を読み耽った時期があるが、
正直言うて、本書に収録されたエピソードには、上記した小説の手練たちの作以上の
面白さに富むものが多く一読巻を置かせぬほどである。
先妻が後妻を襲撃する「うわなり打」、
自分が腹を切ることにより敵をも切腹に追い込む「さし腹」、
遺族への特権であった「太刀取」、そしてこれぞ物語の宝庫とも言い得る「衆道敵討」、
「おんな敵討」等々…
時代性の違いがあるとはいえ、美少年との性的交渉を要求してその親のもとにまで
押し掛ける武家の少年たちのエピ(これが後の騒動の起因となる)に、
元祖2ちゃんねらーとも称すべきDQNぶりを見るのは、ひとり私だけではないはずである。
仇討ちという凄惨な面があるテーマにもかかわらず、飄々とした著者の語りは暗さを
感じさせないのも読物としてはグッド。
207 :
名無しのオプ:2007/03/25(日) 12:43:34 ID:fvbcJd8X
>>206 相変わらず全ての本がミステリーに見えるんだね。
文学というものを全く理解していない証拠だよ。
『小説すばる』4月号<総力!今どきのミステリー特集>【7点】
道尾秀介「隠れ鬼」【7点】 この作家、どんどん上手くなるなあ。
逢坂 剛「おれたちの街」【6点】 ユーモアもの。ネタは平凡だが読んでて楽しい
井上夢人「あした絵」【5.5点】 これはミステリーなのかなあ
泡坂妻夫「五節句」【5点】 ベテラン作家の小ネタ
麻耶雄嵩「こうもり」【8点】 マヤは短篇でも手を抜かない
田中啓文「あくびの稽古」【7点】あるロジックを評価して
西村 健「鉄砲玉哀歌」【6点】ダジャレかよ!
伊岡 瞬「十二歳の冤罪」【7点】ありきたりだがラストの余韻を買って
門井慶喜「架空の風景」【6点】シャレかよ!
鏑木 蓮「雲へ歩む」【6.5点】文章は読みやすくなったがネタを詰め込みすぎ
総じて新鋭の作品がおもしろかった。あと、東野・黒川対談、大沢・福井・亀山鼎談、
北村・法月対談など、どれも楽しめる。馳の短篇は某兄妹事件を見て思いついたのか。
盛りだくさんの内容で、870円というお値段分は楽しめました。
高田崇史『QED 鬼の城伝説』(講談社ノベルス、2005)【6点】
岡山の旧家鬼之辺家には、鳴ると当主が不幸になるという釜がある。
先々代・先代の死に続き、三度なる釜。そして言い伝えどおり、
首を切断された当主の死体が密室状態の土蔵で発見され・・・
タタル&ナナのシリーズ。初期は歴史ネタにも力をいれていたが、
最近は薄味で物足りない。その代わり文章がよみやすくなり、
無理に殺人事件と結びつけないある意味開き直った姿勢が、
テンポよく物語を読ませる。しかし二人の仲がまったく進展しとらん。
ただ、以前の作中で述べた歴史薀蓄は簡単に流されており、
シリーズ順に読んだ方がよいようだ。
210 :
名無しのオプ:2007/03/28(水) 10:40:51 ID:oRGFZpUU
友達から薦められて綾辻行人「十角館の殺人」を読みました。
推理小説は初めてなのですが一気に読んでしまいました。
皆さんは読むとき人物相関図みたいなものを書きながら読むのでしょうか?
読んでるうちに「このひと、どんなひとだったけ」ってなって戻ったりしてしまいます。
それとも何冊か読んでるうちに慣れていくのでしょうか?
211 :
名無しのオプ:2007/03/28(水) 11:09:14 ID:tRgaWxUc
212 :
名無しのオプ:2007/03/29(木) 10:26:09 ID:7MSSg8jd
桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』 読了。
面白いなぁ。と思った部分もあるが、
ミステリが読みたいと思って読んでいたので
ちょっとどうにもなかなか・・・
と言うのも最後30%くらいまでミステリの匂いはほぼしないのだ。
謎は被害者探しという面白いものであるが
解決に至る一点を隠すために二段組200頁以上使って
伏線とダミーをばら撒くってのは何か不毛に思える。(そして真相はかなり地味なのだ)
勿論別にそういうためだけに200頁尽くしたわけではないだろう。
しかしそうなると最後に振って沸いたように出てくる
ミステリ要素は必要だったのか?浮いてないかな?
こういうの読むと自分は貧しい読者だなぁと少し落ち込む。
装丁は内容に実にマッチしていて美しい。
いい本なのだとは思うけど、
嘘臭いゲーム的な登場人物が駒のように扱われる本格が
大好きな俺が読む本ではなかったように思います。
213 :
名無しのオプ:2007/03/29(木) 16:42:09 ID:JV5H6iLP
>>212 そうなんか。
二階堂黎人が絶賛してたから、コテコテ本格(旧家とか伝説とか密室)の
本だと思ってた。
214 :
名無しのオプ:2007/03/29(木) 17:30:04 ID:wtmpQosQ
>>213 >旧家とか伝説
この二つはばっちり。
ただ、カー的な密室や驚愕の叙述トリックがあるわけではない。
215 :
名無しのオプ:2007/03/29(木) 18:20:18 ID:AMJnz1vX
まあもともとミステリ作家じゃないしね。
216 :
名無しのオプ:2007/03/29(木) 19:06:50 ID:81W+MQzZ
>>213 別に二階堂もコテコテの本格とは言ってなかったぞ
むしろ文学として褒めてた
217 :
名無しのオプ:2007/03/29(木) 19:10:18 ID:D08znYCJ
218 :
名無しのオプ:2007/03/30(金) 12:04:06 ID:KnDbW0VS
日本ミステリー大賞新人賞「海のパッサカリア」・・・
つまらないし、文章絶賛されてるけどかなり読みずらい。
場面転換とか時系列の整理が下手なので、すごく読むほうが
頭を使わされる感じ。裏稼業の描写がゴルゴやシティーハンターを
超えてないし・・・
219 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/03/31(土) 14:36:30 ID:EVa8w31t
黒木亮「巨大投資銀行 バルジブラケット」を読んだ。
「再生巨流」に関する論考でも指摘しておいたことだが、
現代における冒険小説の「形」は本書のような専門知識に裏打ちされた
経済冒険小説とでも称すべきものしかないのではなかろうかと思う。
最早、大海原や険峻な山岳といった大自然を背景にした作品は、
オールドファッションとした感があり、また、ソ連を中心とした共産圏の解体、
戦争のハイテク化等により、従来の戦争冒険小説やスパイ小説は成立し難く
なって来ているのは良く知られたところである。
本作は、通俗的な経済小説にありがちな色事(なにしろ女性に関する詳細な描写さえ
ない)や陰謀といった創りものめいた要素は一切捨象され、本筋の80年代バブル期
から90年代平成不況の金融情勢をビビッドに描くと共に、そこに生きるディーリングに賭ける3人の男たちの日々の冒険、
これに伴う挫折と再生を描いたリーマン・ロマンとでも言えるものである。
作者がこれでもかこれでもかと書き込んで来る金融取引の専門知識は、
エンタメとして見た場合は、いささか辟易とさせられぬでもないが、
(金融業界志望の大学生にテキスト的に読まれているとも聞く)
先日逝去された城山三郎先生が本格的に開拓された経済小説の久々の本流とも
言い得る作である。
この板には、本書で書かれている金融に関する知識を十分に理解出来る者は存在
しないが、前半部分のポイントを成すアービトラージ(裁定取引)くらいは、
しっかりと理解しておきたいものである。
220 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/03/31(土) 14:37:16 ID:EVa8w31t
面白いのは、メーンキャラ3人中では、一番地味なコース(東海銀行ならぬ東都銀行から
モルガン・スタンレーならぬモルガン・スペンサー、以後もリーマンとしての金融マンの
道を歩む)桂木英一の人生に大きく頁数が割かれ、主人公となっていることである。
作家によっては、外資トレーディング部門のヘッドで資産形成しスピンオフ、
独立へとひた走る時代の風雲児的存在である竜神宗一や同じく外資系証券会社の
資本市場部ディレクターを経て独立、悠々自適の道を進む藤崎清治といった
キャラ立ちし易い人物を主に持って来たいところであろうが、
彼らはあくまで桂木との対比で描かれているに過ぎない。
このあたりは金融界での実務経験が長い作者の人間観が覗えるようでいて面白いものが
ある。
221 :
名無しのオプ:2007/03/31(土) 15:24:13 ID:eM43TPU4
>>216 二階堂は頭だけじゃなくて文学にも明るいからね
222 :
名無しのオプ:2007/03/31(土) 16:24:05 ID:kuZ1aQ3r
二階堂はミステリ以外に言及すると結構良いこと書くよ
223 :
名無しのオプ:2007/03/31(土) 18:21:45 ID:F4wRv7DJ
ミステリよりも海外SFと文学全集に入ってる主流文学を読んでるほうがずっと好きな人だから
224 :
名無しのオプ:2007/03/31(土) 19:26:51 ID:zFaFwPLy
>>219 突っ込みどころが多すぎて…
まあ一言で言えば、
今頃この程度の認識なのかよ
225 :
名無しのオプ:2007/04/01(日) 12:23:49 ID:s5bkmefy
ネジ式ザゼツキー読みオワタ
面白かった!
しかもなぜか途中でジーンときた。良いね。
226 :
名無しのオプ:2007/04/06(金) 22:48:45 ID:qd8Sh8b1
高橋克彦『写楽殺人事件』(講談社文庫、1983→1986)【8.5点】
謎の浮世絵師写楽を研究する津田良平は、古書市で入手した画集に、
「東洲斎写楽改近松昌栄」という落款を見て驚愕する。知人の冴子と
秋田に赴き近松の調査をする津田だが、学会の派閥抗争に巻き込まれ・・・
乱歩賞受賞作。
ふたたび「写楽=阿波能役者斉藤十郎兵衛」説が固まった現在、
「写楽=秋田蘭画絵師」説をキモとする本書を再読。大勢出てくる研究者や
美術商の書き分けが弱いとか、殺人事件がつけたしっぽいのはマイナスだが、
津田の写楽別人説は、やっぱりスリリングでおもしろい。
今後の津田の運命を思うと泣けてくる・・・・゚・(ノД`)・゚・。
227 :
名無しのオプ:2007/04/07(土) 00:34:22 ID:8EKkWXh+
惨いよな…>今後の津田
228 :
名無しのオプ:2007/04/07(土) 01:38:29 ID:ujyES7e4
高橋克彦『北斎殺人事件』(講談社文庫、1986→1990)【9点】
著名画廊の依頼で「北斎=幕府隠密」説に取り組む津田良平。
フェノロサ・岡倉天心の箱書をもつ北斎の埋もれた大作が発見され、
一方ボストンでは日本人の貧乏老画家の遺体が発見される。
果たして北斎の作品は真作なのか? ボストンの殺人事件との関係は?
日本推理作家協会賞受賞作。
北斎隠密説の論証は実に手に汗握る。北斎の経済状況やその家系、人脈の解明など、
本当に北斎は隠密だったのではないかと錯覚するほど。ボストンの
殺人事件もうまく北斎の謎と結びついており、またキャラクターもうまく立っている。
ラストがちょいとセンチメンタルに過ぎるが、これは傑作。
中学日本史ていどの幕末の人名・事件の知識があれば、誰もが楽しめるはず。
>>227 しかし嗚呼、津田・・・・゚・(ノД`)・゚・。
229 :
名無しのオプ:2007/04/07(土) 19:38:27 ID:oZFOOD+O
> 749 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 投稿日:2006/11/04(土) 20:40:34 ID:TVo8a471
> 尾崎紅葉「金色夜叉」を読んだ。
> 芝居や映画でおなじみ寛一&お宮のストーリーだが、
> 原作は先の展開が読めないサスペンス小説として読むことが可能。
> 土曜の晩に「たったひとつの恋」とか見ながら、「身分違いの恋キター!」とか喜んでいる
> アホなミスヲタ連中にこそ読ませたい大衆文学の古典的作品と言い得よう。
ミス板でこの本を取り上げ、ミステリーとして読めると主張するからには、
ミステリーとして評価しなければ何の意味もないのにそれができない。
これが論点を定められないという論者として致命的な欠点だということに気付いていないのかな?
あともう一つ。親方は
「プロの読み手が推薦する本だけを読む」それ以外の作品を読むような奴はヲタと呼ばれる恥ずべき人間だ」
というのが持論の筈なのに、
よりによって『金色夜叉』を読むとは傑作だw
識者wの意見は
「尾崎紅葉の読むべき作品は他にある。『金色夜叉』はミーハーの読むもの」
なのにw
230 :
名無しのオプ:2007/04/07(土) 20:11:19 ID:y0WC5yiA
231 :
名無しのオプ:2007/04/08(日) 00:11:25 ID:uprUNzN8
ミステリーランド 上遠野浩平「酸素は鏡に映らない」読了。
ミステリーとしてはすごい伏線があるわけでもなく、普通の冒険ものでした。
つーか、ミステリーランドシリーズは乙一と上遠野しか読んでないが、
子供向けということもあって、ミステリー成分は薄めなのかな?
話としては、主人公の少年とその姉と俳優くずれのご近所探索を主軸にして、
・作中作のヒーローアニメ「無限戦士ゼロサンダー」
・主人公と酸素さんとの公園での会話
がところどころに挿入され、ストーリーを盛り上げたり補完したりする。
大きな話の一部を切り取ったという感じで、
メインの物語自体は、少年の成長、挫折からの復活を持って完結するが、
全体の話としては未解決の伏線を多々残して終了する。
あとの話はブギーシリーズなどでやるみたい。
上遠野節とブギーの世界を理解した人でないとほとんど理解できない内容になっ
てるので、ミステリーランド的にどうなんだろう。
ちなみにミスヲタだけどラノベ読みな私は、p221の
「君と、とりとめのない話をして、なんとなく楽しかった……それだけだ。」
で、パンドラ以来久々に上遠野節にうるっとなってしまった。
とりあえずp126,127の酸素さんとぬこに萌えるであります。
232 :
名無しのオプ:2007/04/08(日) 02:37:15 ID:Zvrkvxan
高橋克彦『広重殺人事件』(講談社文庫、1989→1992)【9点】
東北の天童市で発見された“天童広重”と、浮世絵師広重の絵日記。
謎に包まれる広重の東北行は、何を目的としたものだったのか。
津田良平・塔馬双太郎が広重の死に挑む。シリーズ三部作完結篇。
写楽・北斎に較べると扱う歴史的事件も若干マイナーとなるが、
ロジックの冴えは相変わらず。しかし本書の中心は、冒頭で津田に
降りかかるあるショッキングな事件、およびこれまで学界の旧弊や
美術商の贋作に振り回されてきた津田が行ったある行動であり、
人間ドラマとしても秀逸。とくに三部作を順に読んできた読者は、
涙なくしては読めない。高橋克彦の「甘ちゃん気質」が成功した稀有な例。
シリーズとしての評価は【10点】。歴史ミステリー好き必読の三部作。
津田、もういい。もういいんだよ・・・・゚・(ノД`)・゚・。
233 :
名無しのオプ:2007/04/08(日) 02:47:31 ID:JdMwcNiB
>>231 >つーか、ミステリーランドシリーズは乙一と上遠野しか読んでないが、
>子供向けということもあって、ミステリー成分は薄めなのかな?
2冊しか読んでないのに物凄く勝手な思い込みだな。
ミステリーランド何冊刊行されているか知ってる?
とはいえね、本格っぽいのは確かに少ない。
でも読んで楽しい作品が多いから、まずはもっと読んでみてください。
かつて子供だったあなたと少年少女のためのー
234 :
231:2007/04/08(日) 03:18:07 ID:uprUNzN8
>2冊しか読んでないのに物凄く勝手な思い込みだな。
>
疑問形の意味、知ってるか?
2冊だけ読んで断言するほど馬鹿じゃないさ。
>本格っぽいのは確かに少ない。
>
>でも読んで楽しい作品が多いから、まずはもっと読んでみてください。
>
そうなのか。参考になった。
小野不由美やら殊能将之やら、読みたいのはたんまりある。
もうちょい安ければ、買いまくりたいぐらいだ。
とりあえず次は麻耶たんの「神様ゲーム」にチャレンジしてみるよ。
235 :
名無しのオプ:2007/04/08(日) 03:25:02 ID:JdMwcNiB
神様ゲームは危険だぞ。
まあ麻耶たんのファンなら問題無いが。というかお勧めなのだが。
ジョブナイルでこれはなあ〜という麻耶たんらしい毒にまみれた作品だ。
楽しんでくれぃ!
236 :
名無しのオプ:2007/04/08(日) 05:47:54 ID:L8+i5Glc
>>232 あかん、思い出し泣きしそう…自分も久々に再読しよっかな…
237 :
名無しのオプ:2007/04/10(火) 13:55:46 ID:/msGhZDS
ちょっと前に流行った「泣けるフラッシュ」の、
「ウォーキング(?)」だっけ。
あれ思い出す。誰か貼ってくれ。
高田崇史『QED ventus 御霊将門』(講談社ノベルス、2006)【4.5点】
桑原・奈々・沙織の将門ツアー。
せっかくおいしい素材を用いながら、単なる観光ツアー展開で終わっているのが
残念。直前に高橋克彦の浮世絵三部作読んでいただけに、
高田の「セリフによる歴史事象の説明」の拙さに辟易。
ミステリ的要素も一応あるが、まったく本筋とは無関係。
萩原浩『噂』(2002→2007、新潮文庫)【8点】
渋谷の女子高生の間で流行る都市伝説、女の足首を切断する“レイン・マン”。
香水の新ブランドの販売作戦のひとつだったはずだが、それをなぞるかのような殺人事件が・・・
レイン・マンの正体は誰なのか?
荻原のは『オロロ畑』しか読んでいないんだが、これはおもしろかった。
やもめ+女子高生の父親である刑事木暮のキャラほか、キャラの設定は
ありがちなんだが、女警部補との捜査はコミカルかつ軽妙で、ぐいぐい読める。
オビにある「(メール)」は余計だったなあ。あれで展開が読めてしまった。
あぼーん
高橋克彦『北斎の罪』(1990→1993、講談社文庫)【7.5点】
トンデモ・ホラー・浮世絵・本格がごちゃまぜになった短篇集。
『竜の柩』のプロローグ的短篇も収録されており、ある意味、
高橋克彦のすべてが味わえる。飛び抜けた傑作はないが、どれも楽しめる。
ただし、トンデモ系は好き嫌い分かれるだろうなあ。自分は大好きなんだけど。
佐藤正午『Y』(1998→2001、ハルキ文庫)【7点】
ある日、「私」にかかってきた電話。相手は親友だというが覚えはない。
そしてその男から渡された莫大な金額の預金通帳とフロッピー。
そのフロッピーには時間遡行をしたという男の不思議な物語が記されていた。
タイムトラベル+恋愛もの。
物語の雰囲気は東野圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』に似ているが、
人物関係が多少ねじまがっていて筋が複雑である。しかも要のヒロインが
あまり魅力的でなく、「こんな女のために・・」と何度も思ってしまった。
(リアルといえばリアルだが)。文章自体はすっきりしていて読みやすく、表現も上手い。
243 :
名無しのオプ:2007/04/17(火) 22:43:49 ID:UF8YpvCS
鯨統一郎「マグレと都市伝説」
こんなに大笑いしたミステリは初めてだ。
毎度のどんでんもポイント高し。
垣根涼介『ワイルド・ソウル』(幻冬舎、2003)【8.5点】
戦後の日本政府の無謀な国策により未開の南米に送られた棄民たち。
地獄のような経験を経て生き延びた4人が、現代日本に復讐する。
第一章の衛藤ら棄民たちの苦難は実に重いテーマであるが、第二章以降の
「計画」のパートは実にスピーディーかつスリリング。中心人物ケイの
キャラが、物語を爽快なものとしており、暗いテーマを扱いながらも
基本はエンターテインメント。最後の2割くらいで文章が雑というかちょっと
違和感のある文体になるが、そこがちょいと残念。
あと、もうちょっと「復讐」をスケールの大きいものにしたほうが良かったような気もするが、
一気読みの快作。
245 :
名無しのオプ:2007/04/19(木) 09:17:51 ID:QMoZS+C8
「ソウルケイジ」誉田哲也 読了
「ストロベリーナイト」でシリーズ物にしたいのだろうなと、予測はできていた。
しかし、この内容なら全くシリーズ物にする意味がわからん。
主人公と、その仲間が同じというだけで、どこにも生かされていない。
物語も主人公だけでなく登場人物の視点で描かれていくため、それぞれが事件を勝手に説明していき、
謎が、まったく謎でも何でもない状態になっている。
ただ淡々と物語が進んでいくのである。
ミステリー、警察物を読んでいく上での楽しさ、ドキドキワクワク感がない。
これは致命的。
「ストロベリーナイト」でもオチに行くまでの課程がミエミエだったが、それはそれである程度読ませたし、評判になったが
これは話題にも上がらないだろうね。
野沢尚『リミット』(1998→2001、講談社文庫)【7点】
頻発する幼児連続誘拐事件。特殊捜査班の有働公子は被害者宅で
誘拐犯らと折衝するかたわら、自らも誘拐事件に巻き込まれる。
身内のはずの警察組織も敵に回し、息子を助けるために公子がとった手段とは。
作者が脚本家という先入観をのぞいても、あまりに「ドラマチック」な展開。
「絵になる」舞台・シーンを念頭において執筆してるなあと思う。
犯人グループに誰一人同情すべき人間がおらず、また後味が悪い。
読者に嫌悪感を催させるという作者の筆致はさすがだが、
重い中にも爽快感のあった『ワイルド・ソウル』とは逆。
有働公子が超人すぎるという気もするが、まあ「母性」のなせるわざと納得。
ただ、ラストの「あれ」はリアリティとしてどうなんだろうなあ。
247 :
名無しのオプ:2007/04/19(木) 16:32:39 ID:QMoZS+C8
何でワイルド・ソウルが出てくるのか不明
ごめん、直前に読んだから。
確かに較べる意味はないよね。
249 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/04/21(土) 22:37:12 ID:lZCiCDwJ
里見ク「極楽とんぼ他一篇」を読んだ。
志賀直哉、武者小路実篤、実兄の有島武郎ら他の白樺派の作家と比較すれば、
娯楽性がある大衆小説的な書き手として知られる作者であるが、
「多情仏心」と並ぶ代表作とされている表題作は、
同窓で主人公の義弟でもある安藤可阿児の発狂の謎、これに関連する安藤姉弟の母の死
(なんとその名は「安藤みき」(w )、総領息子謙一に対するテロ…
ミステリな事件が続出しながら、痛快なまでにスルーされてゆくのが面白く、
極楽とんぼと称された吉井市蔵の生涯を描き切ってしまう。
(ここが「文学」の凄味である)
密室とか怪事件とか言うて喜んでいるミスオタに、まさに突き付けて読ませたい作
であり、本作を一読したオタはミステリ如きに耽溺している自己のむなしい人生に
ついて一考するやもしれぬ。
作者は、作中に記す。(謙一テロに関して)
「迷宮入りの推理を得手とする作家もあることゆえ、そのうち週刊雑誌でお目にかかる折
もあろうか。筆者にはさらに興味がないし、事実これ以上のことは知らない。」と。
併録された「かね」は、これもまた里見氏でなければ書き得ないと言うてよい飄々とした
クライムノベル・ピカレスクロマン(?)である。
「一生の間に、何かひと仕事し残さなくては駄目だ。死ぬ前に、ああ、俺も、
あれだけのことをしたんだからと思えば、ほんとうに、にッこり笑って死ねる。
残念ながら、俺には、それがないのだ…」
父が今際の際に残したこの言葉を胸に奉公先での拐帯行為を繰り返す他吉…
小品ながら、読み応え十分なものがある。
250 :
名無しのオプ:2007/04/21(土) 23:07:32 ID:OK73C0Qo
>>249 > 里見ク「極楽とんぼ他一篇」を読んだ。
俺は里見クは好きだからとっくの昔に読んでいるのだが、
『極楽とんぼ』のどこがミステリーなんだ?
何でもかんでもミステリー見えてしまう重度のミスヲタには困ったもんだ。
> ミステリ如きに耽溺している自己のむなしい人生
ミステリー板ばっかりに粘着している己の人生を見つめてみれば?
文学板にはちょこっと顔出したと思ったらすぐ消えるが、
ミス板は長期間過疎ったスレでも誰かがレスするとすぐさま飛んでくるくらい
毎日毎日徹底的にチェックしているほどの重症の ミ ス ヲ タ 人生をさ。
251 :
名無しのオプ:2007/04/22(日) 02:00:59 ID:IIEMVyzT
東野圭吾『手紙』(2003→2006、文春文庫)【8点】
強盗殺人で服役中の兄を持つ直貴。恋愛、音楽、就職、結婚・・・・
人生の様々な場面でその現実を突きつけられた彼が最後にとった手段とは。
加害者の家族を正面から描いた作品だが、シンプルというか真っ正直な展開に
ちょっと意外な思いがした。兄貴からの暢気な手紙にいらだつ直貴の感情や、
周囲の反応もよく解る。救いのあるようなないような終盤の展開も含め、
東野のいつもの技量が冴える佳作。
252 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/04/22(日) 21:23:40 ID:IxkkfcXh
黒木亮「アジアの隼」を読んだ。
前に紹介した「巨大投資銀行」以上に経済冒険小説の色彩が濃い作、
本作で描かれた金融ディール、巨大プロジェクト受注合戦等は、
まさに「現代の冒険」と呼ぶにふさわしいものがあるやに思う。
メーンな舞台は、ドイモイ政策による投資ブームに沸く90年代前半のベトナム、
関連して触れられるマレーシアのマハティール首相と巨大ヘッジファンドの
頭首ジョージ・ソロスとの通貨防衛を巡る対立等は、
今でも記憶に新しいところではあるが、既に5年前の作であり、全体的に見ると時代背景が古くなっているのはこのジャンルの作の避け得ないものであろう。
日本長期債券銀行(無論、モデルは長信銀の方)ベトナム支社長の真理戸、
香港の新興証券会社ペレグリンの債券部長リー(韓国系アメリカ人)、
米大手銀行ハノーバー・トラストのシン(ポートピープルだったベトナム人)、
キャリアが異なるこの3人のアジア人がメーンキャラとなるが、
いずれも挫折への道を辿るのが異色な展開か。
(ただし、人間ドラマとしての基本線は勧善懲悪、ハッピーエンドで締められているが)
ただし、ベトナムを中心とした風俗描写は作品に厚みを与えるものとなっている
ものの、後の「巨大投資銀行」では極力抑制されるラブフェアに筆を割き過ぎなのは
難である。この辺は、まだ従来の通俗的な企業ものの域を脱していなかったという感が
ある。
253 :
名無しのオプ:2007/04/23(月) 21:14:22 ID:dB0J8GNk
「火蛾」古泉迦十
第十七回のメフィスト賞受賞作品を今さら読了。
イスラム教を絡めたミステリというのが新鮮で面白かったです。
密室殺人の部分が全体から浮いていて、むしろ不必要じゃないかという
気はしましたけど、奇怪な事件を綺麗に収束させていて感心しました。
早く第二作を出してほしいんだけど・・・もう無理なのかな・・・。
254 :
名無しのオプ:2007/04/24(火) 22:45:10 ID:5LV/mpEB
大阪圭吉『とむらい機関車』(2001、創元文庫)【8点】
1930年代に発表された短篇9篇+随想。
アレ系真相のはしりであろう「とむらい機関車」、
陰鬱な鉱山での密室状況での殺人事件の顛末を描いた「坑鬼」が双璧。
寝る前に一篇づつじっくり味わって読むべき短篇集。
255 :
名無しのオプ:2007/04/26(木) 21:22:26 ID:P0JeKPSd
「くらのかみ」小野不由美
ミステリーランドの一作。
子供向けだと思ってナメてかかったら、かなり複雑なパズラーで面食らう。
いっぺんに容疑者が登場して混乱するし、細かいタイムスケジュールと
にらめっこしながら読む羽目になるとは思わなかった・・・。
児童文学な雰囲気や、可愛げのない主人公の子供たちが良い感じ。
欲を言えば、もう少し”お蔵様”が目立ってほしかったかな。
256 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/04/30(月) 14:49:03 ID:93/+5Y2O
石川淳「至福千年」を読んだ。
乞食・非人を決起させ、江戸に千年王国を実現せんとするカルト集団の暗躍を
メーンとした伝奇時代冒険小説であり、
その内容もあって岩波とは思えぬ差別用語満載な娯楽性も強い作である。
まあ、評価し難い作ではあるが、読んでみろ。
257 :
名無しのオプ:2007/04/30(月) 16:09:32 ID:Rt/WnRbI
真保裕一『ダイスをころがせ!』(上下、2002→2005、新潮文庫)【8.5点】
失職し妻子と別居する健一郎は、高校時代の友人天知から衆院選出馬の
手助けを依頼される。健一郎は、自分の失職と市の不正の関連に気づき、
天知の秘書として奮戦する。34歳中途半端男の再チャレンジ青春小説。
選挙戦の戦略とか、建設業界の不正とかも重要な要素だが、読みどころは
34歳というある程度先の見通しがつく年齢で、人生のやり残しを模索する
健一郎たちのドラマ。まるで高校時代の「文化祭」のように同級生の選挙を
手助けするスタッフの友情がいい。
物語の締めくくりも、ああいう風にするしかなかったのであろうが、
サキという女性の描き方に若干の不満はある。
それでも読後に爽快感と、自分ももうちょっとがんばろうかなと思わせる快作。
258 :
名無しのオプ:2007/05/01(火) 20:38:05 ID:CDbx0ErX
「北列車連殺行」阿井渉介
とある有名な題材に見立てた連続殺人事件。
テレビドラマの脚本家という前歴のためか文章がかなり無機質。ドラマの脚本でも
読んでる気分になる。
連続殺人で見立てた題材、動機などでユニークだと思える点はあるものの、無理を
しすぎていて全体が破綻している。なんだかジョー・スタンプみたいな感じ。
ついでに登場人物がどいつもこいつも攻撃的で、あまり親近感が持てなかったのも
個人的にはきつかった。
259 :
名無しのオプ:2007/05/03(木) 20:46:14 ID:MesBlbIA
「結婚って何さ」笹沢左保
笹沢左保の初期長編。
いきなり殺人事件に巻き込まれた女主人公が、身の潔白を証明する
ために真相を究明する・・・というお話。
ちょっと都合よく話が進みすぎる気がするけど、サスペンスフルな
展開で読ませる内容だし、密室状態の部屋に死体が出現するという
謎の真相も面白かった。
260 :
名無しのオプ:2007/05/04(金) 23:30:26 ID:9pKhxBq0
荒山徹『十兵衛両断』(2003→2005、新潮文庫)【7.5点】
柳生一門と朝鮮からの刺客との対決を描いた連作中篇集。
表題作は、朝鮮の陰陽師の妖術ノッカラノウムによって、肉体を韓人に
奪われた十兵衛三厳の苦難の物語(正直これが一番出来がよくない)。
続く「柳生外道剣」「陰陽師坂崎出羽守」「太閤呪殺陣」はいずれも
妖術は馬鹿馬鹿しいが、これはおもしろい。
秀吉の朝鮮出兵を絡めた朝鮮と柳生との対決は、鉱脈を掘り当てた気がする。
(隆慶一郎+山田風太郎)÷3といったところか。ただ、隆の小説のように
すがすがしい男が一人もいないのは残念。すべてが「恨」のキャラなのはいかがか。
「侠」のキャラも見たい。あるいは柳生友景がそういう位置づけなのかな。
続篇に大いに期待。
261 :
名無しのオプ:2007/05/05(土) 20:08:31 ID:VP3T5l+c
北森鴻『緋友禅 旗師・冬狐堂』(2003→2006、文春文庫)【7点】
旗師冬狐堂こと宇佐美陶子の連作集。
短篇の名手である作者お得意の古物系美術品ミステリ。
個人的には本格推理として読める「永久笑み」の少女がおもしろかった。
262 :
名無しのオプ:2007/05/08(火) 20:26:52 ID:/8whgHHe
「真昼に別れるのはいや」笹沢左保
兄の死に異変を感じ、妹が事件の真相究明の乗り出す・・・という話。
いわゆるアリバイ物なんですが、容疑者からのアリバイ提出方法がかなりユニークで
自分は類例を知りません。少なくとも、ここだけは一読の価値があると思います。
あと動機も面白い。とある伏線から、こういう風に繋げるものかと感心しました。
残念なのは、それらに比べてアリバイトリックが貧弱すぎることでしょうか。
263 :
名無しのオプ:2007/05/09(水) 20:41:32 ID:E6rz/udM
「六色金神殺人事件」藤岡真
雪で閉ざされた東北の田舎を舞台に、古史「六色金神伝紀」に見立てた
連続殺人事件が発生する・・・という話。
文章がゴタゴタしてますし、解決編でも整理が中途半端なまま突き進んで
いくので少し読みにくい作品だったのですが、ページを繰りなおしてみると
各所にダブルミーニングやミスディレクションが仕掛けられているのだと
わかって、その巧みさに驚きました。
ただ、アレがアレでしたというところだけがスッキリしない感じ。
きっちり落とし前をつけてくれていたら大傑作になんですけど・・・。
264 :
名無しのオプ:2007/05/10(木) 10:59:13 ID:E4v3AplR
「探偵実話」(1957年4月特別号)
「愛欲情炎実話特集号」と銘打ってあった故か、エロ本の棚に100円で
紛れ込んでいた(エロ本を探していて見つけた訳には非ずw)。まあ
目次を見ても、「娘を姦殺される凶悪漢」「売春婦・克子の反抗」「スカ
ートをはいたお巡りさん−生理休暇の巻」といった調子ですから・・・。
で、どうしてこんな雑誌に、鮎川哲也「りら荘事件」が連載されたのだ
ろう?本号では、管理人の奥さんが殺され、彼女が持っていた紙片に
書かれた電話番号を探るべく、由木刑事が東京に向かっている頃、りら
荘に新しいキザな客が現れて・・・、という辺りが掲載されていました。
この新しいキザな客って、星影龍三でしたっけ?もう十数年も前に読ん
だきりだから忘れてしまった・・・。
あと、鷲尾三郎の短編「影を持つ女」があって期待したけど三流スリラー。
社長夫人の過去を知る脅迫者が現れて、という良くあるパターン。ピス
トルのすり替えに、ちょっとトリッキーな味があっただけ。その他、朝山
蜻一「夜の扮装」はゲイの三角関係の殺人だが駄作、牧竜介「少女の眼」
は特異な視力を持つ少女が暗闇の中、父親殺しの犯人を目撃する話。後味
悪いことこの上なし。須田京子「川底」は犯罪実話で三流週刊誌ネタ。
黒岩姫太郎「贋者綺譚」は俳優が旅行先で自分を名乗るニセ者に遭って
・・・。オチは読めた。
むしろ、ストリッパーの巡業一座の愛欲にまみれた復讐を描いた、永田
政雄「窖地獄」が、俗悪極まる内容だけど、物凄い迫力があり面白かった。
265 :
名無しのオプ:2007/05/10(木) 22:38:46 ID:kr11Ejiu
北山猛邦のギロチン城殺人事件読みました
この作家の本は初めてだったんだけど、トリック一本勝負って感じだね
犯人とか動機とかどうでもいいという姿勢なのかなと思った
その肝心のパズル的トリックはなかなかよかったし、登場人物など記号だと言わんばかりの安易なネーミングも潔くていい
ただ探偵がどうやってトリックを解いたか等々一読しただけでは理解しにくい点も多々あった
266 :
名無しのオプ:2007/05/10(木) 22:52:56 ID:8yKl/ZNZ
267 :
名無しのオプ:2007/05/10(木) 23:09:18 ID:cWc9MsQV
>>260 スレ違い
荒山スレで思う存分感想を語ってくれ
268 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/05/12(土) 14:57:36 ID:Xpw0m/FF
>エロ本を探していて見つけた訳には非ずw
なんかしょうもない奴が紛れ込んでいるな(w
黒木亮「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て」を読んだ。
私がこの著者の作品を手にするのは、
先に紹介した「巨大投資銀行」「アジアの隼」に続いて3冊目となるが、
本作がデビュー作である。
既に金融経済情報満載ではあるが、後の「巨大投資銀行」あたりと比較すると、
登場人物たちの恋愛、情事、家庭事情等に筆が割かれており、通俗的な経済小説と
しての面が強く出ているのはデビュー作ゆえの「小説」としての配慮であろうか。
ゆえに、終盤の今西夫妻と龍花の恋人道子との偶然の出会いといった臭過ぎるシーン
まであったりするわけである。
物語は、トルコ・トミタ自動車(どう見てもトヨタだが)の巨大融資を巡る主幹事
(これがタイトルの「トップ・レフト」である)獲得を目指す邦銀と米投資銀行の
攻防を描いたものであり、ここに金融界のM&A、ヘッジファンドの投機等が
絡んで来る。
今、読んでもそれなりに読み応えがある経済冒険小説と言うてよいが、
NYのツインタワーの登場、最終章で簡単に触れられている邦銀のグループ化の状況等
を見ると、刊行当時(2000年末)には最新の情報読物でもあったであろう本書に
描かれた世界にも隔世の感がある。
269 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/05/12(土) 14:59:25 ID:Xpw0m/FF
興味がある者も多いかと思うので、ここで私のGW中の読書記録とでもいったものを紹介
しておく。
・黒木亮「トップ・レフト」 前記
・ 石川淳「至福千年」 紹介済み。格別面白くもないが奇妙な感がある作であった。
・ 江藤淳・松浦玲編「勝海舟 氷川清話」 何度読んでも面白い勝翁の正に『清話』。
・ 薄田泣菫「茶話」 気軽に読める実話小噺集といった趣の作なのが良し。
・ 里見ク「多情仏心」 前述した「極楽とんぼ」と並ぶ里見長編の代表作だが、
やや冗長な面があるのが難か。
なお、海外作品に関しては別スレを熟読のこと。心して読め!
270 :
名無しのオプ:2007/05/12(土) 15:32:35 ID:JWHr4caL
逢坂剛『配達される女』(2000→2004、集英社文庫)【7点】
御茶ノ水署生活安全課の斉木&梢田コンビの短篇集第二弾。
解説にあるように「軽ハードボイルド」と呼べばいいのかな、
とりあえずオッサン二人の軽妙な掛け合いや、行き当たりばったりの
捜査が楽しい。「才媛」こと五本松のキャラもいい。ミステリ的ひねりは
少ないが、表題作の意表をついた展開など、
逢坂らしい展開が随所にみられて飽きない。第一弾は読んでないけど面白かった。
271 :
名無しのオプ:2007/05/12(土) 16:59:27 ID:JWHr4caL
逢坂剛『無防備都市 禿鷹の夜U』(2002→2005、文春文庫)【8点】
神宮署生活安全課の警部補禿富鷹秋の長篇第二弾。渋谷を縄張りとする
南米マフィア系・悪徳警官とハゲタカとの対決を描く。
前作と異なり、ヒットマンよりも悪徳警官との対決がメインとなるが、
ストーリー的には同じ構造。しかし暴力シーンはやはり手に汗握る。
前作より少し大人し目になったような気もするが、まだまだ冷酷無比な
ハゲタカの非道ぶりが痛快。ハゲタカに降り回される渋六興業の面々の方が
よほど善人に見える。水間&野田コンビも相変わらずいい味出してる。
272 :
名無しのオプ:2007/05/15(火) 18:56:37 ID:tyT5Sv6Q
歌野晶午 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
連作短編集みたいな趣であった。面白かった。
特にQ3、Q5、Q7が面白かった。
しかしタイトルはもう少し何とかならなかったのかね。
273 :
名無しのオプ:2007/05/16(水) 17:09:05 ID:2QN13c4z
麻耶雄嵩「蛍」
まんまと騙されました
「翼ある闇」は駄作だったがこれは素晴らしい
文章力も確実に上がっている
同じ作家の本を2冊は読んでから評価を下す、というポリシーを持ってて良かった
こんな名作と出会えたんだから
274 :
名無しのオプ:2007/05/16(水) 18:36:13 ID:uy55rgJQ
>269
>興味がある者も多いかと思うので、ここで私のGW中の読書記録とでもいったものを紹介しておく。
興味なんかあるか
キモいんだよ無職ジジイ
275 :
名無しのオプ:2007/05/16(水) 18:51:02 ID:oVkAxTRt
276 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/05/19(土) 12:20:43 ID:ObHT19p9
野村胡堂探偵小説全集を読んだ。
短編23作(内ジュブナイル6作)、評論・エッセイ等11篇を収録したものであるが、
特筆すべき著作は見当たらず、読み上げるのが辛いものがあった。
所詮、あらえびすは現代ミステリで名を成した人ではなく、捕物帳等の時代小説の人
であったのだという点を、あらためて痛感させられる結果となったのが残念である。
あえて本書の価値を見出すとすれば、資料的な観点からのみということになろう。
縄田一男氏が、本書をGWに推す作品の1冊に挙げていたが、確かに部厚いし、
まったりと休暇中に読むには最適やもしれぬ。
ただし、これは相当に気の長い暇人であろう(w
277 :
名無しのオプ:2007/05/19(土) 14:13:35 ID:5C0F5Sjr
書斎は暇人なのか?
278 :
名無しのオプ:2007/05/19(土) 14:38:18 ID:6ti0YYS+
ハ,,ハ
('(゚∀゚∩_ おいらをどこかのスレに送って!
/ヽ 〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
/| ̄ ̄ ̄|.\/
| .モツ煮..|/
 ̄ ̄ ̄
現在の所持品:たばこ・ライター・コーヒー・ブラックブラック・枕・ケータイ電話・睡眠薬・聖教新聞・ダッチワイフ
外付けSCSI340MHDD・ネットランナー4月号・TYG02・小嶋進社長・ゲルトモ・ディプスファンタジア・抵抗1kΩ(黄紫橙金)
媚薬・バーボン・リップクリーム・セガサターン バールのような物・バイブ・50インチ液晶TV・ボンカレー(甘口)
ジローラモ ・ブロント・リサ ステッグマイヤー・オナホール・桜蘭高校ホスト部・鳥肌実・国沢光宏・ニップレス・コニタム
聖教新聞・ザビー・ゼクター・ブロント・コスモクリーナー・フラゲしたファミ通・単一宇宙全能能力・ヨミ
ショルダー式携帯電話・焼きそばパン・ 触手・テレビ石・ユグドラユニオン・ヾ(゚゚ω゚゚ω゚゚)ノ゙ ・一浩二・ 暴走庵
スプー・ふしぎ星の☆ふたご姫・バカ・こいつの持ち物7+8並に少なくね?・スマブラX・例のアレ・シレン・ゴリラ
ライター・コーヒー・ブラックブラック・枕・ケータイ電話エダのガム・ダッチのグラサン・外付けSCSI340MHDD
ネットランナー4月号TYG02・小嶋進社長・ゲルトモ・ディプスファンタジア・張さんの22LRバーボン・セガサターン
ベニーの秘蔵ファイル・バイブ・■e・リサ ステッグマイヤー・姉御の化粧10kg・ 桜蘭高校ホスト部・鳥肌実・末期少女手鏡
毬藻・死兆星・ソードカトラス・ジャギ様の仮面 南海8200系・ロベルタの若様・クリムゾン・苺柄のコップ・801穴
米製12.7cm38口径両用砲・ハルヒ・トーラスPT92・空鍋・月厨・カンフーファイタードラゴン藤浪(ツンデレver)
イーゼルボンバー・山田オルタ・麻枝・DDO・C鯖・ナカノ5+ニゼルsh→シャワフリ・胸パッド・日本酒・眉毛・包皮
オーストリー・北村ひとみ・辻野・幹事・デイジーコラージュ・草なぎ剛・バリカン・YAMAHAシネマステーション
GEOBIT・孫策・NIKON羊羹・風子・あっぴ・SD-W2002・0.6mmのほうのWiiストラップ・炊飯器・犬養毅・立花ァ千代
パームリフト・野村胡堂探偵小説全集
279 :
名無しのオプ:2007/05/20(日) 09:10:31 ID:hkkTqpp7
280 :
名無しのオプ:2007/05/20(日) 21:42:15 ID:EExIGFJM
野沢尚『魔笛』(2002→2004、講談社文庫)【6.5点】
新興宗教の教祖の死刑判決が下りた瞬間、渋谷で起きた無差別テロ。
刑事鳴尾は僅かな手掛かりからその実行犯の照屋礼子にたどり着くが、
なぜか公安はその情報を握りつぶす。照屋礼子とは一体何者なのか?
照屋礼子の手記という体裁をとっているため、あちこちに「私」が出てきて
物語に入りにくい。ふつうに三人称多視点で良かったと思う。
乱歩賞最終候補作の改訂だと思うが、もっと大胆に構成を変えたほうがよかった。
女が夫に殺されかかったり、刑事が獄中のその女と結婚したりというパートは
果たして必要だったのだろうか。緊張感あるドラマチックな展開はさすがだが、
ちょっと物語自体は消化不良の感じがする。
281 :
名無しのオプ:2007/05/22(火) 03:35:18 ID:HsjYOdYT
垣根涼介『ヒートアイランド』(2001→2004、文春文庫)【8点】
渋谷でファイト・クラブを主宰するアキとカオル。
あるメンバーが喧嘩の結果強奪したバッグには大金が詰め込まれていた。
ヤクザ・プロの犯罪者に追われるアキたちが打った一か八かの大博打。
ストーリー自体はありふれているのだが、これはおもしろい。
とくに「計画」が動き出す後半三分の一のスリルとアクションは一気読み。
アキとカオル以外のメンバーの書き分けが若干弱いのと、チンピラの
リュウイチが見せ場らしい見せ場もなく退場するのはもったいない気がするが、
つづく「ワイルド・ソウル」に共通する爽快感と疾走感にあふれた物語。
282 :
名無しのオプ:2007/05/25(金) 16:16:01 ID:pQqRqoxT
『三年坂 火の夢』 早瀬乱
行方不明の父を探し、「三年坂で転んだ」という謎の言葉を残して死んだ帝大生の兄
「兄に何があったのか?そして三年坂とは?」
一高入学を目指して上京し、兄の痕跡を追う弟、実之
雑誌編集者から奇妙な依頼を受ける予備校講師メッキ。東京には発火点が何ヶ所かあるという
そしてその発火点に同時に火をつければ東京は炎上するという
同僚の講師、立原とともに発火点を探すメッキ
この2人のストーリーが交互に語られ、「三年坂」の謎が徐々に明かになっていく
明治維新後の東京を舞台にした変わったミステリーという感じ
東京で三年坂を探しながらもだんだん挫折していく受験生実之の苦悩とか、青春ものの要素もある
また、読んでいて島田荘司の火刑都市あたりの江戸・東京論とかを思い出した
今後、メッキを探偵役にした続編を書いていく予定があるのかもしれない
下宿の女中トキの「ごじゃります」に萌えた
283 :
読後感:2007/05/26(土) 18:30:06 ID:iU/2ZjmB
「そして犯人もいなくなった」司城志朗(立風書房)
死体が歩いた!?
死亡推定現場の歩道から数メートル離れた反対側の歩道に横たわる
死体の謎。それ以降に断続的に起こる奇妙な変死事件の数々……。
それらの裏側に隠れているものとは――?
久々某スレからのセレクト。戦後から新本格以前までのベスト3に
入る傑作らしいと聞き楽しみに読んだが……イマイチ期待外れ。
中盤で明らかになる大きなネタを前半で中途半端に開示しているから
台無し。もっと巧くぼかせるのに不手際だとしか思えない。
まあ、その後どんでん返しがあったりして飽きることは無かったけれども。
284 :
読後感:2007/05/26(土) 18:49:26 ID:iU/2ZjmB
「The unseen 見えない精霊」林泰広(光文社)
伝説の大シャーマンをカメラに収めるべくインドの奥地へ向かった
「僕」は、現地で凄腕の同業者ウィザードの姿を目撃する。
しかし、その直後に出会った老婆は彼は死んだと言う。
そして老婆によって呼び出されたウィザードの霊は摩訶不思議な
物語を語り始める……。
一時期局地的盛り上がりを見せた本作も読んでみれば余りパッとせず
当時知らなかったのもむべなるかなといった感じ。
全ては一つのトリックのために存在しており、そのための展開の
持って行き方が強引で不自然だしインドの雰囲気も皆無に近い。
そこは推薦人である泡坂妻夫と同じくマジシャン作家の特徴と思って
割り切ればいいんだけど、このトリックがまた切れ味が鈍いの。
一応伏線もあるし様々な謎が一発で解ける快感は担保してるけど
どうしても非現実的に思われて仕方がない。
「塀の角で転校生とぶつかる」みたいに良く聞くが有り得ない類のもの。
やるなら短編までかなぁ。
285 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/05/26(土) 22:33:08 ID:mtsLK7Na
野上弥生子「海神丸」を読んだ。
野上作品の代表作にして、日本文学史上に残るドキュメント・ノヴェルの佳作、
漂流文学の傑作であり、鬼気迫る海洋冒険小説として読むことが可能な作でもある。
くだらない密室ネタやライト・ノヴェルで盛り上がっているミスオタにこそ突き付けて
読ませたい1作であり、ふやけた精神に火箸を当てられたような覚醒効果があるかと思う。
本編と付録である『海神丸』後日談を読み比べて1番面白く思うたのは、
救助船に発見された時に、海神丸の船員たちは本編では普段着とされているのに対して、
事実は、後生着(正確にはgo shore着であるが、場にいっそ適した言葉として
あえて残す旨を記した作者のカッコ書きが挿入されている)なる一張羅の銘仙を着込んで
いたこと、まさに「事実は小説よりも奇なり」の小さなひとつの例として面白いものがある。
286 :
名無しのオプ:2007/05/28(月) 01:39:38 ID:tKPqyJm1
重松清『流星ワゴン』(2002→2005、講談社文庫)【8.5点】
自分はリストラで退職、息子は家庭内暴力、妻は不倫、父親は危篤。
駅前のベンチで「もう死んでもいいかな」と中年男「僕」の前に現れたワゴンには、
交通事故で死んだ橋本さん親子が乗っていた。3人の深夜のドライブの結末は。
初重松。時間旅行+家族の絆をテーマにしたよくあるストーリーと思いきや、
何気ない描写や小道具の使い方が達者で、物語に没頭した。とくにチュウさんと
「僕」の会話や意地の張り合いは、読んでいて何度もうんうんと頷き、笑った。
読み終わって元気が出る。今さらだろうが、かなりよい物語。
287 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/03(日) 14:48:05 ID:hBypIYhd
新田次郎「蒼氷・神々の岸壁」を読んだ。
俺は、新潮文庫と文春文庫でこの作者の作品集を読み漁った時期
(現在よりも刊行点数が多かった)があるが、
HMCの識者のひとり曰く「新田氏は山上の松本清張である」という評は
まさに言い得て妙である。
4作を収録した本作品集は、表題作は、前者は冨士山頂の気象観測所をメーンな舞台とし、
後者はロッククライマーを主人公とした、いずれもリアルな描写が光る冒険小説として
読める作に仕上がっている。
「疲労凍死」は遭難死を巡る山岳ミステリ、「怪獣」はホラータッチの作である。
いずれも恋愛絡み(「怪獣」は相当過去のエピであるが)、この点が俺の新田文学渉猟期と
でも称すべき時期に本作品集をオミットし、今日まで未読であった因である。
ストイックに徹した「強力伝」(直木賞受賞作)から新田作品に親しんだ者としては、
山岳小説に下界の俗、かつ、甘過ぎる要素を物語のメーンに持ち込んで欲しくないと
いう個人的気分が強いのである。
288 :
名無しのオプ:2007/06/04(月) 08:12:03 ID:2JnJxbCZ
>>287 またもやホモマゾクラブとやらを持ち出す。下品だなあ。
289 :
名無しのオプ:2007/06/05(火) 17:25:29 ID:TGIv71RJ
>>283 読後感さま、某スレの>3です。
その作品を紹介しましたが、ご期待に添えず残念です。が、
>戦後から新本格以前までのベスト3に
>入る傑作らしい
は勘違いですよ。某スレで色々紹介した後に、本作を未紹介の
うちでは切り札、隠し玉になる傑作、として紹介しただけで、
確か評価は★★★★☆でしたっけ?
当然、★5つの満点の作品は他に幾つもあるので、ベスト3と
いうことはないです。
290 :
読後感:2007/06/08(金) 11:03:27 ID:fV9Gqgno
291 :
名無しのオプ:2007/06/14(木) 20:20:51 ID:ZiLd84wP
タイムカプセル 折原一
ブコフで300円だったんで購入した。なるほど、300円だ。
いろんな意味でがっかりした一冊。この人は、もっと人を喰った様な話が書ける人だと思ってただけに残念。
292 :
名無しのオプ:2007/06/14(木) 22:53:00 ID:SIp77U1O
小杉健治『裁かれる判事 越後出雲崎の女』
(1987→1992、集英社文庫)【7点】
堅物の判事である義兄が、被告人の妻の殺した容疑で逮捕。
杉原早紀は義兄を救うべく、アリバイを証明してくれるはずの赤いコートの
女を捜し出そうとするが、容易にその存在は見つからず・・・
某スレよりのセレクト。
2時間サスペンスのような内容だが、適度にあっさりとした文章で読みやすい。
分厚い人間ドラマを期待する人にはおすすめできないが、肩のこらない読書、
適度なサプライズが効いている。個人的には作者の熱意が空回りしていた
『土俵を走る殺意』よりも楽しめた。
293 :
名無しのオプ:2007/06/14(木) 22:58:56 ID:SIp77U1O
小川勝己『彼岸の奴隷』(2001→2004、角川文庫)【7.5点】
誰一人まともなキャラが出てこないミステリー小説。
スゴイことはスゴイが読んでていやーな気分になった。
おもしろかったけど。
294 :
読後感:2007/06/17(日) 10:30:56 ID:2618Aeqw
「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹(東京創元社)
製鉄で財を成した山陰地方の旧家・赤朽葉家の女性たちを
三代に渡って描く年代記。
「とてつもない傑作」(北上次郎)とか推協賞受賞とか聞いて
あのラノベ作家がどんな傑作をものしたのかと期待に股間を
膨らませて読んだ。……が、期待外れだったよぅ。なんつーか、
浅いというか嘘臭いというか……。
赤黒の対比、出目金との関係、ニートの捜査など安っぽくて
非現実的な要素が多く、年代記という重厚なスタイルにそぐわない。
「初期の代表作を」ということで書かれたらしいがそれがまず
無理があったと思う。代表作かどうかなんて後にならんと判らんし。
器は事前に用意出来ても中身はそうは行かないからね。
殊に酷いのは第二部の母親の生き様。全て嘘臭い。こりゃ何だ。
舐めてんのか?ファミ通じゃねえぞ。特に職業とか笑うしかない。
笑えないけど。「ラノベ脳全開でお送りしております」とテロップでも
流しとけ。
あと腹立つのは詰まらんオリジナル設定。ぶくぷく茶とか字を見る度
軽くイラっと来る。
何だこの狸が化けたみたいなネーミングは?
北杜夫からパクったのか?
創作するにしてももっと表意的な名前にしろよと。
他にも燃やしたら供養しに来る草とか。もう名前も思い出せんわ。
久城君でも立ち読みしながら舌打ちするだろうよ。
「確かに推理小説では初めて読んだよ。ただしラノベでは嫌と
言うほど読んだことがある。ラノベなんて低俗な小説を読んだ
ことのない評論家は騙せるかも知れないが俺は騙されねえよ。
GOSICKを毎巻読んでたからな」
295 :
読後感:2007/06/17(日) 10:33:45 ID:2618Aeqw
ろよと。
他にも燃やしたら供養しに来る草とか。もう名前も思い出せんわ。
久城君でも立ち読みしながら舌打ちするだろうよ。
「確かに推理小説では初めて読んだよ。ただしラノベでは嫌と
言うほど読んだことがある。ラノベなんて低俗な小説を読んだ
ことのない評論家は騙せるかも知れないが俺は騙されねえよ。
GOSICKを毎巻読んでたからな」
296 :
読後感:2007/06/17(日) 10:34:51 ID:2618Aeqw
二重投稿失礼しました。
297 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 10:39:33 ID:LxnJc5J7
落ち着けw
余程合わなかったのか。
良い点も書いて欲しかったな。
298 :
読後感:2007/06/17(日) 10:43:22 ID:2618Aeqw
良い点は読み進め易い点でしょうか。
299 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 10:48:19 ID:/M0DmyGc
>何だこの狸が化けたみたいなネーミングは?
>北杜夫からパクったのか?
これは酷い・・・
気に入らなかったら気に入らなかったで、もっと冷静に感想書けよ
下品な批判だけの、ヒステリックな感想なんて参考にも何にもならない
300 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 11:27:49 ID:QbpW1rAH
最後のはシュノーせんせのパロかw
301 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 15:12:21 ID:e5CHniYW
もう読後感は書斎と同レベルだな……何様だよこいつ
302 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 15:21:25 ID:3/vvbt5Z
ほっとけ
俺は読んだ作品に一々文句付けだしたあたりからNGにしてる
303 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 17:58:46 ID:2CgLSVH4
>>301 読まずに感想書いてる書斎と一緒にしたら可愛そうだろw
304 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/17(日) 21:35:55 ID:UoYJ4+oK
田中貴子「検定絶対不合格教科書古文」を読んだ。
あとがきに、この著者がミステリ好きである旨がさらっと記されているが、
さもありなん、教科書に採用されることが多い古文を文学的に読み解いた
第1部「教科書を読み直す」は、まさにミステリの「謎解き」そのものである。
「宇治拾遺物語」の「児のそら寝」に僧と児の性愛関係を読み取り、
「平家物語」の「木曾の最期」の義仲と今井四郎に「うほっ」を見る等々。
また、明治時代の子規の「仰臥漫録」から古代まで遡って古文を読んでゆく
第2部「教科書には載らない古文を読む」も非常に面白い趣向であった。
惜しまれるのは、およそ「教科書」の名にふさわしくない著者の現行教科書批判等が
展開されている第3部「論説編―国語教科書の古文、ここがヘン!」である。
いかにも本書版元(朝日新聞社)らしいものがあり、著者が最も書きたかった部分でも
あろうかと思うが、1部、2部と比較した場合の内容的違和感は大きい。
2部までの280頁でもボリューム的には十分であるし、3部の内容はあとがき等で
軽く論及する程度にして欲しかったものである。
また、こうした方が古文の楽しさを伝えるいう著者の意図には、
より沿う形と成り得たのではなかろうかと思う。
305 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/17(日) 21:39:00 ID:UoYJ4+oK
稲垣恭子「女学生と女学校」を読んだ。
女学校という存在そのものが、現代ではまさに「ミステリ」と言い得る面があるが、
明治時代に端を発する旧制高等女学校は、現代の女子校とは異質に見えて、
そこに現代の女子学生の諸形態の原型を見ることが出来るのが面白い。
腐女子(第1章「文学少女」)、百合(第2章「女学生の手紙の世界」)
ヤリマン等(第3章「堕落女学生・不良少女・モダンガ−ル」)、
お嬢(第4章「ミッション女学生」)、そして現代の多数の女子校や短大にも
見て取れるであろう現象(終章 「軽薄な知」の系譜)。
元祖JKに対する興味本位ではなくして、現代歴史書として手に取ってみるべき書と
言い得る。
野上弥生子「大石良雄」を読んだ。
表題作は、大石内蔵助こと大石良雄(「よしたか」と読む)が、
句や庭を愛する風流人として生きることが許されず、
吉良邸討ち入り決行へと追い詰められてゆく過程が、
妻子(妻の名が「くり」となっている)や同志等周囲の人々との絡みで描かれてゆく
心理サスペンス・ミステリ風の作であり、短い作ながら読み応え十分。
併録された作者晩年の作「笛」は、母子家庭を材にし、戦後の庶民生活を活写した
アットホームな市井小説と見えながら、ショッキングなラストを迎える。
タイトルが効いて来る締めの淡々とした一文も印象的な作。
「人間」というものが何ら描けていないくだらない新書・文庫ミステリに耽溺している
ミスオタよ、悔い改め、心して読め!
306 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 22:32:14 ID:xDuC1ANM
>>301 何でもミステリにしちゃう書斎と一緒にしたら可愛そうだろw
307 :
名無しのオプ:2007/06/17(日) 22:44:17 ID:GngvvmCb
>>306 何でもミステリにしてるかどうかともかく、感想の内容はもう完全に同レベルだよ
308 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 00:03:59 ID:AC6Fe8LO
>>304-305 こいつは謎解きやらサスペンスやらがあれば「ミステリ」と思い込むんだろうけどさ、
こういう何でもミステリーに見える重度のミスヲタって、傍から見てるとキモいよなw
309 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 00:08:19 ID:AC6Fe8LO
スレッド絞込み遊びその1: 感想スレを「読み応え」で絞り込んでみよう
310 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 02:22:51 ID:hKfWUWqk
小杉健治『崖』(1989→1992、講談社文庫)【7.5点】
数年前に行方不明となった男の白骨死体が発見された直後、
被害者の妻の現夫が自宅で焼死した。刑事たちは妻の周辺を洗うが、
証拠は見つからない。謎めく妻の過去。そして事件の真相とは・・・
登場人物の性格が途中で変わったりするなど、人物設定がイイカゲンなのは
いただけないが、事件の真相はちょっと予想外で驚いた。
簡潔かつ場面転換の早い文章を、テンポがいいと評価するか書き込みが浅いと
するかは評価の分かれるところだが、個人的には楽しい読書だった。
89年だと大長篇は無理な時代かもしれないが、もうちょっと書き込んだら
かなりおもしろい作品になったはず。ブッコフの100円コーナーででよく見かける。
311 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 02:32:48 ID:hKfWUWqk
大沢在昌『氷の森』(1989→1992、講談社文庫)【7点】
私立探偵緒方は政治家の依頼で、行方不明になった女子大生を捜索。
女子大生と一緒にいた若者に殴り込みをかけられるが、事件は殺人事件に一転。
緒方はヤクザの追跡をかわしつつ、背後に見え隠れする謎の存在に立ち向かうが・・・
『新宿鮫』の原点として評価が高いらしいが、やはりサメには及ばない。
真相が明らかになり、事件に一本線が通ったときの爽快感にやや欠けるというか。
キャラクターもいまひとつ型どおりで印象に残る人物がいないのも残念だが、
文章の妙な迫力と泥臭さは、最近の大沢にはない魅力。
312 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 05:49:49 ID:9Q7deA0J
鯨統一郎『北京原人の日』
5点
銀座の通りのど真ん中に落下してきた軍服姿の老人のポケットには
北京原人の化石の一部が入っていた。
たまたま落下地点に居合わせた主人公の経済的に困窮しているカメラマンの青年は
この事件をスクープにして名を売ろうと考えるが事件は思い掛けない展開へ。。。
太平洋戦争直前の北京原人の化石紛失という実話をもとにした歴史ミステリーの
一種かと思って期待すると肩透かしを食わされる。
以下、気になった点。
・北京原人そのものの謎は前半でちょっと触れられるだけで、
それが主要テーマではないせいか後半では言及されなくなってしまう点。
面白い仮説を出しておいてミスディレクションの積もりだったのだろうか。
・北京原人の化石紛失の謎が現代の事件の背景にあるのだが、その紛失の
理由(事件の動機)は太平洋戦争の謎にも関わるのだが、荒唐無稽過ぎ。
・登場人物の描写が雑なので誰にも感情移入できないし、
初めは各々打算で結びついていた主人公達にいつの間にか本当の仲間意識が
芽生える辺りの展開が安易。
・主人公が絶体絶命のピンチに陥ると決まって助けが入るご都合主義。
・文章(地の文・会話文とも)が雑。これは主人公の人格が軽薄なので
わざとなのかもね。
とにかく作者がテーマをうまく料理できず消化不良を起こしている感がある。
313 :
312:2007/06/18(月) 10:12:34 ID:9Q7deA0J
ちょっと訂正
登場人物の描写が雑なので→登場人物の造形が雑なので
314 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 10:19:44 ID:9Q7deA0J
>>294 ブクブク茶というのは沖縄の伝統的な茶として実在するんだが。
315 :
名無しのオプ:2007/06/18(月) 11:07:07 ID:6nHSQFsp
本ではぷくぷく茶じゃなかったっけ?モデルには違いないだろうけど。
316 :
読後感:2007/06/18(月) 17:59:19 ID:Aq1G6tuX
「水車館の殺人」綾辻行人(講談社)
人里離れた山奥に立つ異形の館・水車館。そこに住むのは
白いマスクで顔を隠した男と一歩も外を出ずに育った彼の若い妻。
そして今年もあの日がやって来る。唯一館に客人を迎える日が。
去年は忌まわしい連続殺人が起こった。そして今年もまた……。
やられたなあ。何で解んなかったんだろ。本当オーソドックスな
仕掛けだったのに。ここんとこ本格を読んでないから鈍ったのかしら?
いやだわ。
追伸 由良三郎っていいやつ!
317 :
名無しのオプ:2007/06/21(木) 11:10:38 ID:7AoIWtUT
>鈍ったのかしら?
何言ってるのこいつ。
確かに書斎レベルになったな。
318 :
名無しのオプ:2007/06/21(木) 15:04:16 ID:NG/Glba6
もう触るな。
こうなったら治らない。
319 :
名無しのオプ:2007/06/21(木) 15:32:40 ID:zxXJKuKV
叩かれてこそ読後感て感じ
今まで寂しかったぜw
320 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/23(土) 12:06:20 ID:6mjQZZRr
原武史「鉄道ひとつばなし2」を読んだ。
著者のどこか文学的筆致が良、好評だった前作も同様だが、
本書もトラベル・ミステリファンには必読な鉄道ネタが満載である。
特に第七章(「鉄道の明日を思う」)にある「一分の盲点」は、正に「鮎の世界」そのもの。
著者は、マニアックな鉄オタにあらず、「鉄道」という交通機関を通して「文化」
を洞察するというスタンスなのが、私のような一般的な読書人にも面白く読めるもの
となっている因であろう。
今では歴史ミステリの素材足り得る第一章「天皇と東京」は、
鉄道を通して官と民の問題を取り上げており、著者の専攻が活かされた読み応えが
ある作となっている。
321 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/23(土) 12:07:25 ID:6mjQZZRr
武藤康史「旧制中学入試問題集」を読んだ。
一見、ミステリとは無縁、著者もミステリ関係の著作は皆無な慶應出身(マスター)
の評論家であるが、入手困難なものが多い旧制中学入試問題の徹底した紹介・分析
により浮かび上がって来るのは、時代の影、国家の意思といったものである。
(天皇に関する一連の国語の問題、算術の問題に頻出する戦争ネタ等々
この点には明解な記述はないものの、示唆する記述は散見される)
この辺の展開は、歴史ミステリそのものと言い得る。
なお、過去問を見ていて思うのは、合格・高得点狙いには、教科書(「尋常小学読本」等)
の熟読(教科書記載の漢字、文章からの出題が圧倒的に多い)、
過去問研究(繰り返し出題される頻出問題が多い)等が必須という受験の基本は、
今でも不変なものがあるのは、面白くもあると共に、ペーパーテストという制度の限界
をかいま見る気もした。
322 :
名無しのオプ:2007/06/23(土) 12:30:28 ID:o+Sdz+6N
普通に板違いだな
削除依頼出したら通る予感
323 :
名無しのオプ:2007/06/23(土) 23:02:43 ID:IbeEm7/V
324 :
名無しのオプ:2007/06/23(土) 23:04:14 ID:IbeEm7/V
また「読み応え」w
本の評価これしかないのか
325 :
名無しのオプ:2007/06/24(日) 08:59:27 ID:UgLeLVMs
なんだかかわいそうになってくるよなw
326 :
名無しのオプ:2007/06/24(日) 16:32:48 ID:r0sUjV6K
>>324 言い回しで叩くのは止めたが良いよ
じゃあ他の人がそれ使ったら荒らしなのかってことになる
327 :
名無しのオプ:2007/06/24(日) 17:12:30 ID:5g5MDMWu
コピペ元で反論したらいいじゃん。
それ誰がコピペしたやつだぜ。本人に言いたければ最悪板でやって。
ってかそもそも「荒らし」ということを324は言ってないんだがなw
328 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/24(日) 21:33:13 ID:TdYWdYY2
久々に森博嗣「すべてがFになる」を読んだ。
95年の執筆という点を考慮すると、バーチャル・リアリティに対する洞察や
ウィルスの問題等のいまだに難題となって事項にも言及されているのは、
作者のキャリアが活かされており、今読んでもさすがという感はある。
ただし、携帯電話が普及していない(登場人物の台詞には出て来る)等、
時代の変遷を感じさせるものはあり、現在では本作のクローズド・サークルは成立
し得ないものとなっている。
また、ミステリという観点からは、タイトルに関する謎解きが非常にわかり難いもの
であり大衆向き読物としては問題があること、機械的なトリックのスケール感と奇抜さは
ある程度評価し得るとしても、人的なトリックに関しては、
見て・調べてわからないはずがないものであり、この犯人キャラが、
なぜこんな雑な犯罪が成立し得ると考えたのか疑問を残すものとなっている。
第1作ということもあって、後にアホなミスオタを熱狂させることになる、
ワトスン役萌絵の露出は色々な面でやや抑え気味。
329 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/24(日) 21:35:52 ID:TdYWdYY2
木彬光「死美人劇場」を読んだ。8篇を収録。
大好評な収録作品全話講評いってみよう!!
「血ぬられた薔薇」
収録作品中で一番のボリュームながら、内容は都会スリラーといった類の作であり、
見るべきものはない。
「原子病患者」
ちょっとヤバいネタではあるが、時事(第五福竜丸事件)に絡めたトリックが巧く
決まっている。オチも妙にリアルで見事。
「恐しき馬鹿」
タイトルは2ちゃんねらーのことにあらず(w、
探偵小説に多用されるエイプリルネタである。
死体発見時の混乱した状況をもっと丁寧に描かないと説得力を持たない展開と言い得る。
「魔笛」
差別用語濫発、今ならこのままでは到底無理ぽな作。
耳なし芳一(なぜか「保一」と表記されている)風の怪談仕立てながら
殺人トリックは「刑事コロンボ」でも使用されていた近代的なものである。
ただし、笛に関するトリックはオールド・ファッション、かつ、展開そのものに無理有り過ぎである。
330 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/06/24(日) 21:37:08 ID:TdYWdYY2
「盲目の奇蹟」
今もあるマネービルネタ、神津探偵談には珍しい経済ネタでもある。
殺人(狙撃)トリックは、最早、「名探偵コナン」ちゅーか、「探偵学園Q」ちゅーか、
トンデモ過ぎる漫画レベルである。
「目撃者」
熱海の住宅街の夜から始まる語りは惹き込むものがあるだけに、
その後、ストーリーの肝心な部分を偶然性に頼り白けさせるのが惜しまれる。
「冥府の使者」
これも探偵小説にはありがちなアムネジアネタ。
謎の女を巡るミステリアスな出だしながら、御都合主義な展開で特に見るべきもの無し。
「死美人劇場」
表題作でありながら、出来はいまイチ感が強い。
トリックは、鮎・清張先生風だが、短編ゆえか細かくは書き込まずあっさりと
流されている。
本作も戦後の廃墟化した映画館を舞台にした怪奇探偵小説風の出だしはおもろいだけに、
その後の適当な展開が残念。
331 :
名無しのオプ:2007/06/24(日) 22:55:37 ID:OHTONs+Z
今野敏『隠蔽捜査』(新潮社、2005)【8点】
都内で起こる連続殺人事件の被害者は、過去の少年犯罪者たち。
保身第一の上層部・マスコミ対策に神経をすり減らす警察庁のキャリア竜崎。
しかし家庭内でも問題が起こり、しかも現場でささやかれる被疑者の身元が・・
警察庁総務課の課長という、これまでにないキャリアを主人公に据え、
警察庁の上司や警視庁刑事局との熾烈な駆け引きを描くのがおもしろい。
焦点も「変人」竜崎の手腕の発揮ぶりと家庭問題に限定し、
連続殺人事件はあくまで材料にすぎないが、実に緊迫したストーリー展開。
続篇も出たようなので楽しみ。
332 :
名無しのオプ:2007/06/25(月) 08:57:48 ID:nkcduJch
「F」って、出たのは最初だけど四作目じゃなかったっけ。
333 :
名無しのオプ:2007/06/25(月) 10:44:21 ID:Ru/AybyB
確かに携帯電話がこれほど普及すると、それ以前の過去の推理小説を読むと、
「その当時の」と念頭に置いとかないと違和感はある。
昭和三十年代の推理小説で、電話そのものが、下宿人とか中流以下の家庭には
また普及していなかったのを、昭和五十年代以降に読んだ時のような。
334 :
名無しのオプ:2007/06/25(月) 21:05:26 ID:alWYpwvj
高橋克彦『パンドラ・ケース よみがえる殺人』
(1988→1991、文春文庫)【8点】
最初に死んだ大学サークルのメンバーの13回忌にあわせ、集まったメンバーたち。
開かれたタイムカプセルには、干乾びた指とある事件を告発するような新聞記事が。
雪深い民宿でひとり、またひとりメンバーが殺されていく。犯人は誰なのか。
いわゆる「吹雪の山荘モノ」だが、メインは70年代に青春を送った男女の
回顧物語。たぶん作者の70年代に対する強烈な印象が原点だろう。
塔馬双太郎・チョーサク・アリサという作者のレギュラーキャラがメンバーの
中にいるので、これ以降の作品を読んだことのある読者は真相にたどりつきやすいかも。
犯行がやや綱渡り的なのと粗いのが不満だが、物悲しい終盤も含めて、水準以上の良作。
昭和は遠くなりにけり。
335 :
名無しのオプ:2007/06/26(火) 03:23:19 ID:peR1r62/
多島斗志之『龍の議定書』(1985→1988、講談社文庫)【7.5点】
中華人民共和国と台湾とを和解させようとする「S2キャンペーン」。
華僑劉偉南から話しを持ち込まれた大手広告代理店の塔原は、孫文を題材に
着々と計画を進めるが、孫文狂言誘拐説やフリーメーソン暗躍説など、
次第に国際謀略に巻き込まれていく。果たして事件の真相は?
とりあえず孫文の死にまつわる仮説は興味深く読んだ。どこまでオリジナルなのかは
分からないが、作者の独創だとしたらこれは大したものだと思う。
素っ気無い文体と深みのないキャラは、このデビュー作ではややマシな方だが、
物足りなさも覚えるのは確か。また『密約幻書』や『バード・ウォーズ』のような
どんでん返しが弱いのも確かだが、まずまずの佳作。
336 :
名無しのオプ:2007/06/29(金) 05:03:48 ID:Trri0FNu
>>331のレビューが面白そうだったんで読んでみたけど、
こりゃもはやミステリーじゃないな。警察小説とも言いがたい。
ある種のサスペンスはあるけど、一種の「サラリーマン小説」か、
また、若者を題材にしたのが「青春小説」なら、これは「中年小説」。
中年世代の人生というのがこの作品のメインテーマ。
337 :
名無しのオプ:2007/06/29(金) 09:02:57 ID:nSlTmY91
最近のミステリを読んだことないんだろうな
338 :
名無しのオプ:2007/06/29(金) 09:50:52 ID:WigZGm33
>>336の中ではミステリーという言葉が、かなり狭い範囲の作品を指すものなのでは
339 :
336:2007/06/29(金) 18:34:52 ID:LtjDc+Sv
作品自体はそれなりに面白かったよ。
文章がこなれてないのと人物造形が単純なのが弱点かな。
>>331の人も言ってるように事件は単なる小道具でしかない。
主題はあくまで人間ドラマ。
社会派っぽさやサスペンスの展開は松本清張あたりを思わせないでもない。
上で警察小説とも言い難いと書いたけど、まあ現代型警察小説なのかも知れない。
340 :
名無しのオプ:2007/06/29(金) 21:10:19 ID:jYEyRGv0
話題になった本で、なにを今さら
341 :
名無しのオプ:2007/06/30(土) 11:09:24 ID:39Av0ymQ
お前ら人の感想にあーだこーだいちゃもん付ける暇があったら
自分の感想書けよ
342 :
名無しのオプ:2007/06/30(土) 11:28:44 ID:JROSqj8e
高橋克彦『聖豹紀 バンドネオンの豹』
(1996→2000、講談社文庫)【5点】
地球征服を狙う魔人サーベル・タイガーは、アガルタの古代機械を
手に入れるためトルファンに。アガルタの戦士ジャガー、ネモらは
それを阻止しようとトルファンに集結するが、そこには恐ろしい敵が。
冒険小説「バンドネオンの豹」の続篇。
まあ、少年向けと作者が言い切っているだけあって、正義対悪の対決パターン。
それでも前作はナチスとか地底王国アガルタとか伝奇要素だけは楽しめたが、
今回はサイキックな戦闘がメインで少々退屈。いかにも少年少女向けの
ロマンスらしきものもあるが、現代の少年少女はどういう感想をもつのだろう。
343 :
名無しのオプ :2007/06/30(土) 17:37:57 ID:FT5+1l5J
最近のミステリーがそんなに凄いのか?
344 :
名無しのオプ:2007/07/01(日) 11:29:25 ID:4ERKdwCn
本多孝好『MISSING』(1999→2001、双葉文庫)【7.5点】
小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか、死にまつわる「喪失」を
テーマとした短篇集。いわゆる「推理小説」とみた場合は物足りなく、
きわめて普通小説に近いが、広義の意味でなら、
まあミステリー小説の範疇(「瑠璃」以外)。
個人的には、老人ホームの老人が女子高生を尾行させるのはなぜか、
という「蝉の証」がいちばんおもしろかった。
345 :
名無しのオプ:2007/07/02(月) 02:02:50 ID:kzqDk+Z7
海渡英祐『積木の壁』(1981→1985、徳間文庫)【6点】
経営コンサルタントを名乗り企業の調査を行う調査員岩岡。
自らの独立のきっかけとなった、ある企業の合併問題に調査を進めるうち、
恋人の紀子が何者かに殺害される。現場のマンションに残されたマッチ箱の
中のキーは? そして手帳に記された「he」「she」は何の符牒なのか?
思ったよりは古臭くないが、いかにも地味な社会派推理小説。
展開は逢坂剛の岡策モノのような感じだが、けれんはほとんどない。
トランプのクイーンやマッチ箱のキー、手帳の符牒など思わせぶりな要素は
若干あるものの、真相はきわめて拍子抜け。真犯人も予想の範囲内にとどまる。
ただ文章は読みやすく確かであるから、地に足の着いた堅実な推理小説ではある。
もっとも出てくる女がすべて主人公に好意を持つというのはいかがなものか。
346 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/07/07(土) 23:39:13 ID:YNTMW1dj
蘇部健一「六とん2」を読んだ。
最近「3」も刊行されたが、なぜか積読にしてしまっていた作品集。
蘇部先生らしいバカミスモードは相変わらず全開とはいえ、
「六枚のとんかつ」「動かぬ証拠」と比較すれば、展開やオチのパワーダウンは
否めないものがある。
グループA
「最後の事件」「三色パンの秘密」「甘い罠」
この3作はバカミスとしてそれなりに面白い。
最初の作はあまりにバカバカし過ぎる絵オチが笑える。
グループB
「午前一時のシンデレラ」「行列のできるパン屋さん」「姿なき目撃者」「読めない局面」
半下石シリーズの三篇だが、どれも出来は今ひとつである。
そもそも古畑風のダンディな半下石は、意外にまともな長編ミステリ向きのキャラ
なのである。
グループC
「誓いのホームラン」
モデルは元巨人の河合。泣かせる美談と見せて…ラストがなかなか効いている。
「地球最後の日?」
このラスト(絵オチ)?
「叶わぬ想い」
ビターな絵オチは良いのだが、するとそれ以前に問題が出て来る。
フェアプレー厳守とまで言わぬまでも、もう少しぼかして書く必要があるのではないか?
「きみがくれたメロディ」
正直に書くが、蘇部先生がこういうものを書いては駄目である。
347 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 00:43:21 ID:18mnzNc2
久間防衛大臣の辞任問題が新聞紙上を賑わしている。しかし、ここまで愚かな内閣だとは思わなかった。
そもそも総理の実力もなく人選ミスばかりしている安倍首相。松岡農水相の自殺も腑に落ちないが、今回の「しょうがない」発言も国民を馬鹿にしているとしか言いようが無い。
辞任は当然であろう。
そもそも世界で唯一の核被爆国であり、核の悲惨さを訴えなければならない国の立場にあるべき防衛大臣が、なんたる無責任発言をしてしまうのだろうか。こいつも大臣の器ではないなあ。
どうみても落とした側のアメリカ側に立って物を言っているとしか思えない。アメリカは戦争を仕掛けたのは日本であり、戦争終結を早めるのには核爆弾が効果的だったと、考えているかもしれないが、
アメリカ国民は、核の悲惨さを何処まで認識しているかも疑わしく、20世紀の偉大なる発明の一つに核爆弾をリストアップしているほどだ。
またアメリカの識者までが、原子爆弾を日本に投下したことにより、戦争の犠牲者をこれ以上出すのを食い止められたと、トンチンカンなことを言っているのだ。だから日本が中心になって、
核廃絶を訴えたところでアメリカは、何処まで核問題に真剣になっているか疑問符がつくのである。
んな中で、防衛大臣という要職につく人が、被爆者遺族を逆なでするようなことを平然と言って、けして許されるものでは無いだろう。
本当に安倍内閣は瀕死の重傷と言ってしまってもいい状態である。
ところで、防衛庁が何時の間にか、ドサクサにまぎれて防衛省に昇格して、長官が大臣になってしまった。
これでますます憲法第九条の改憲が現実味をおびてきそうだが、なんか気づかない間に、どんどんときな臭くて保守的な国家になっていく。それで、まさか宮内庁までが宮内省にならないだろうなあ・・・・・。
ああ、コワ! 主権在民は何処へいく!
348 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 09:12:50 ID:GFoUElmI
志水辰夫『行きずりの街』(1990→1990、新潮文庫)【0点】
読み中。読み続けるべきか思案中。
私(主人公)は40代の塾講師。十数年前、東京の名門女子校を
女生徒との交際が発覚し、退職を余儀なくされた。十数年ぶりに
かつての学校を訪れた私は、十数年前の事件の裏とともに、
事件に巻き込まれていく(はずだ)。
・・と、ここまで読んで0点。
(はずだ)と書いたのは、だいたい四分の一読んでるのに
まだ事件が起きていない。主人公は何が目的なのかよくわからないが
東京の街やら、かつて勤めていた女子校やらを歩き回っているだけ。
とにかく全然盛り上がらない。
この小説は某書店で、店員お勧めの小説として平積みになっていたし
1990年の「このミス」で1位にもなったミステリーらしいが、
本当かよ! と思うほどつまらない。
「このミス」、1990年はよっぽど不作の年だったんだろうな。
349 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 09:20:41 ID:gjrJ7Ijs
ページめくってすぐ死体が転がってないと駄作認定か
そもそも読みおわってないなら書き込むなよ
チラシの裏にでも書いてろカス
350 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 09:20:56 ID:GFoUElmI
現代ミステリーのお約束の構成。つまり早く事件を起こして
読者を引き込んでいく、というストーリーになっていない。
それに名門女子校を舞台にしたミステリーならば、たとえば
学園を巻き込んだ大スキャンダルが背景に・・とか、
女子校生とのエロチックな濡れ場とかを期待するが、
そんなもの全然ない。
誰を面白がらせようとしているのか、読者に対するサービス
精神がまったく感じられないんだ。
主人公は魅力の感じられないうらぶれた40男で
そいつが靴をすり減らして、東京の街を歩き回っている、
というストーリーがここまで延々続いている。
綾辻行人が「うらぶれた刑事が、靴をすりへらして歩きまわり
しょぼくれた事件の真相を明らかにしていく。・・こんな
ミステリーは読みたくない。」
といった趣旨のことを言ってミステリー批判をしていたが、
この小説は綾辻の批判にぴったり当てはまる。
ものすごくつまらない。
351 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 09:23:07 ID:GFoUElmI
>>349 そういうのは、ふつう駄作だろう。
映画でも開始5分で観客の心をがっちりつかみ、
盛り上がらせられなければ駄作、というのはお約束だぞ。
352 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 09:35:43 ID:DhwEgtia
GOTHで一貫して登場してるのは神山樹と森野夕でおk?
何か最後の話で気になる表現(乙一特有の詰めの甘さ)があった。
353 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 09:50:18 ID:Fb/0eHQq
現代ミステリーのお約束の構成
エロチックな濡れ場を期待
サービス精神
綾辻
映画でもお約束
釣りかなんかだと思ったらただの馬鹿だったか
354 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 09:55:11 ID:hgE125M7
>>348 少なくとも全部読めよ。
『読みました』報告・国内編Part.4、だぜ。
355 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 09:55:31 ID:gjrJ7Ijs
356 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 11:20:29 ID:2XtCTL47
>女子校生とのエロチックな濡れ場とかを期待するが
ねーよw
357 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 11:28:51 ID:7Sl2Rh7I
つまらんのだけは同意だな
358 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 16:51:28 ID:rfznVRZL
そう言われたので、もう少しだけ読んでみた。
その感想は・・
↓
ヘドが出そうなくらいつまらん。
こんなものを1位にするとは「このミス」も落ちたものだ。
359 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 17:09:33 ID:SHQsGtVZ
>>358 >こんなものを1位にするとは「このミス」も落ちたものだ
って、「行きずりの街」が1位取ったのは「このミス」4年目のことだぞw
おまえ、ひっこんでたほうがいいな。
360 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 17:10:40 ID:aWAcjcN1
361 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 18:14:14 ID:FeVnDuku
ひっこんでいるべきは沁みた痛のほうだろう
フッフッフッ
362 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 18:19:43 ID:g1m5k64T
>>361 もうわかったよ。あらすじだけにしておけばいいものをw
363 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 18:24:39 ID:Mf6rIgCb
>>361 なんだ、「あらすじごめん」くんかあw
>ひっこんでいるべきは沁みた痛
解説してくれw
364 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 18:29:42 ID:FeVnDuku
ならば説明してやろう。
主人公に魅力全く無し。さえない四十男でこいつがどうなろうが
知ったことではない、という気にさせる。
事件が起きない。もう四分の一読んでるのに誰も死なない。
このまま誰も死なないんじゃないか?
主人公もただ歩き回っているだけ。その理由もわからない。
まあ、こんな四十男の理由なんか知りたくもないがw
365 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 18:32:26 ID:H9lzcOS2
小説読むの向いてないってだけだな
女子校が舞台というだけで濡れ場期待してミステリ読むようなアホだし
366 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 18:32:45 ID:7Sl2Rh7I
367 :
いまのところ0点:2007/07/08(日) 18:56:05 ID:FeVnDuku
↑フッフッフッ
ID入れ替えのトリックを見破れないおまいは、ミス板から
去るがよい。
368 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 19:04:05 ID:f5vEOsUj
まあ、沁みた痛み、ならわかるがなw
369 :
名無しのオプ:2007/07/08(日) 20:15:11 ID:nFlJ3NBY
今年の横溝賞作品、だれか読んだ人いたら、コメント頼みます。綾辻先生が
激賞したとかで、気になるんだが
370 :
名無しのオプ:2007/07/11(水) 18:07:27 ID:CXE64tVv
>>369 週刊文春で千街がレビュー書いてた。首挽はあんまり評価高くなかったな…
371 :
読後感:2007/07/12(木) 20:27:56 ID:8aRcyThm
「寝台特急『出雲』+−の交叉」深谷忠記(勁文社)
健康食品を騙った詐欺事件が発覚し、推薦文を書いた美緒の父親の
同僚の大学教授に非難が及ぶ。そんな中被害者達の急先鋒だった
女性が殺害された。警察はこの大学教授を容疑者とみたが、
彼もまた死体となって見付かるのだった。果たして真犯人は一体――。
久々に某スレからのセレクト。
読殺まで大分かかった。トラミスは肌に合わんのかなぁ。
アリバイ崩しかと見せかけてフーダニットかと見せかけてやっぱり
アリバイ崩しだった。トリックは良く出来ていたし解明の過程も
ミステリーの定石に則った形で手堅い造りであった。
でもイマイチカタルシスを感じられないんだよなぁ。
若輩者にはまだトラミスは敷居が高いのかも。
372 :
名無しのオプ:2007/07/14(土) 00:54:57 ID:Tl9BmzRW
湊かなえ「聖職者」(短篇、2007)【8点】
第29回小説推理新人賞受賞作。
ある中学教員(女)の「語り」形式の短篇。
学期末のホームルームで女教師が淡々と語りだし、徐々にある事件の
顛末が明らかになるという趣向。選評でもいわれているとおり、
文章が安定していて伏線の張り方もなかなか上手い。
ここ10年の同賞受賞作の中では疑いなくトップクラス。
すでに先輩の永井するみよりも力はあると思う。長篇を読んでみたい。
>>348 そこまで読んでおもしろくないなら、シミタツとは相性悪いのでは?
無理に読まないほうが。
>>369 現在読んでます。東北の寒村、マタギ、五百羅漢、生き埋めの伝説など
道具立ては、ばっちり。逆さまの死体も出てきます。
373 :
名無しのオプ:2007/07/14(土) 00:59:27 ID:629Fw3oo
374 :
名無しのオプ:2007/07/14(土) 01:17:29 ID:eY0VWBn6
375 :
名無しのオプ:2007/07/14(土) 01:39:03 ID:629Fw3oo
376 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/07/14(土) 23:00:22 ID:ef5V60/r
新田次郎「アルプスの谷 アルプスの村」を読んだ。
山岳小説のマエストロの軽い紀行エッセイという先入観に囚われて
今までノーマークな作であったが、60年代初頭におけるヨーロッパアルプス旅行は
正に「冒険談」そのもの、現代ほどに都市化・俗化が進行していない時代でもあり、
観光地とはいえ、状況によってはそこは死と隣り合わせの世界なのであるということが
わかる。
同行者が語呂から「異端者の谷」と称したエタンソンの谷踏査シーンなどは、
山岳冒険小説のワンシーンのまんまである。
一流の小説家らしい風景描写の美麗さは読む者を魅了して離さないが、
適宜、気象に関する客観的なコメントが挿入されるのは、いかにも気象庁勤務者で
あったこの作者らしく、良きコントラストを成しているのが、かえって面白い。
また、人や風物に対する所感が驚くほどストレートに綴られており、
この作者、意外に「難しい人」なのかと思わす部分も多い。
小説に関しては、「ユーモアが無い」「女性に関する描写が弱い」等の批判がある作者
ではあるが、本作に関しては、一部例外(チューリッヒ行きの列車で乗り合わせたピザな
シシリー女等)を除いて女性(特に若い女性)に対する優しい眼差しの数々が印象に
残るものがある(例えば、作者にサインをせがむショートパンツ姿のベルギーの
ガールスカウトたちとの出会い等)、
大氷河(メールドグラース)でのエピ。
『・・真紅のキルティングコートを着た女に出会った。二人は霧の中で言葉を交わした。
「どっちへ行ったらいいでしょうか」女が心細そうに私に訊いた。
「私の後へついて来るがいい」
もう心配のないところに来ていた。ちょっとした下り斜面があり、そこで女の手を
取ってやった。その青い眼の女の手はひどくやわらかで、つめたかった』
「私の後へついて来るがいい」って、イエスか?(w
このくだりは、新田先生は笑いを狙ったところであろうか?
377 :
名無しのオプ:2007/07/14(土) 23:15:43 ID:a+WsLb/c
読後感の迷走ぶりを見るに付け、書斎さんの偉大さが浮かび上がるなぁ。
378 :
名無しのオプ:2007/07/15(日) 16:54:53 ID:oDBRtVbF
大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店)【6.5点】
友人杉の死の真相を調べるため、岩手の無医村に赴任した医師滝本。
過酷な間引きの伝承が残り、「おつかいさま」の儀式を続ける寒村。
やがて雪中で逆さに埋まった死体が発見され、さらに凶暴な赤熊も出没。
閉鎖的な東北寒村に、伝承をなぞるかのような連続殺人事件が横行する!
第27回横溝正史賞受賞作。
完全なクローズド・サークルではなく、外界との行き来も自由で警察が捜査。
現代的な高齢化問題や町村合併・産業廃棄物問題も絡めており、単なる
山村モノにはしていない。作者が岩手県滝沢村在住ということで、東北山村の
生活やマダギの習俗などはなかなか詳しくリアリティがあり、読み応えがある。
しかしこうした舞台設定であれば当然期待される血族のドロドロや、過去の
因習などの要素が連続殺人事件の真相と乖離しており、肩透かしをくらう。
犯人像や動機もなんだかなあ。(メール欄)カワイソス。 (´・ω・`)
379 :
読後感:2007/07/15(日) 17:51:11 ID:OOluksoE
6年目にして初めて騙られました。
以後トリップ付けます。
訂正。
もうやり方も忘れていました。
382 :
名無しのオプ:2007/07/15(日) 19:19:37 ID:bC7T6StZ
>>372 そこまでするだけの存在感もないし、もう消えてもらってもいいんだけどねえ。
383 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/07/15(日) 23:14:35 ID:LVTnCUbt
半村良「雨やどり」を読んだ。
新宿の盛り場を舞台にした独自の哀愁に富んだ連作集。
冒頭に意外やSFミステリ的展開となる「おさせ伝説」が収録されている。
(ゆえに本作は、新宿という地の日常に足が着いた感じで書かれた他の収録作品と
比較して異色であるとは言える。SFも書く作者であること、
そもそも当初から連作を意図したものではなく、各編がばらばらに雑誌に掲載された
故であろう)
直木賞受賞作である表題作「雨やどり」は、ラストに来てこの「タイトル」が効いて来る
佳作であるが、新宿人生物語とでも称すべき「新宿の名人」と
「新宿の男」(本作には「雨やどり」の主人公であり、連作のメーンキャラである仙田
という人物がなぜか登場しない)
シリーズメーンキャラ集合による「昔ごっこ」(雑誌掲載時の「新宿西部劇」という
タイトルの方が内容に沿う感がある)もそれぞれに独自の哀感があって面白く読める
ものとなっている。
昨今では、こういった大人の読物をとんと見かけなくなったのは残念至極である。
384 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/07/15(日) 23:16:15 ID:LVTnCUbt
蘇部健一「届かぬ想い」を読んだ。
これもタイトルと表紙(手を繋いだ美少女と若い父親と思われるイラスト)で
敬遠していた作なのだが、良い意味で裏切られた。
さすが蘇部先生ダークなねたをしっかりとかましてくれるものである。
ただし、新書上下2段組200頁にも届かない作ではあるが、メーンストーリー上は
無駄な描写も多いやに見える。
出版上の問題であろうが、誤解して投げ出される恐れがあるし、作品的にはもっと
刈り込んで書いて欲しかったものである。
メーンなねたは、タイムパラドックスというSFねたながら、奥底にある作品テーマは
父娘の愛と言え、これが正にキーになって来るわけである。
ウンコー!(゚∀゚)!
386 :
名無しのオプ:2007/07/16(月) 00:23:34 ID:s3uD/Rou
まんまと引っかかった感じ?
387 :
名無しのオプ:2007/07/16(月) 00:34:44 ID:os65anWH
森雅裕『あした、カルメン通りで』(1989→1993、講談社文庫)【6点】
マリア・カラスの札幌公演より15年後、タルガ・パルフェッタを
プリマとする「カルメン」が再演された。そして、カラスゆかりの
十字架が盗まれた。カラスの晩年にまつわる秘密とは?
鮎村尋深シリーズ第2弾。前作は読んでいないが、視点人物の美術講師との
掛け合いは楽しい。ただ、登場人物の誰も彼もが警句を吐いたり、凝った言い回しを
するので、若干鼻につく。推理小説としては「会話」による謎解きがメインなので、
謎が明らかにされていく、という過程のおもしろさは薄い。
また森氏のオペラに関する凝り性が、物語のおもしろさに直結しているとは
言いがたいのが残念だが、ココは読者によって大きく評価の分かれるところか。
388 :
名無しのオプ:2007/07/16(月) 11:00:29 ID:JirC2U4f
389 :
名無しのオプ:2007/07/17(火) 03:05:23 ID:+Zaytgm9
三津田信三『首無の如き祟るもの』(2007、原書房)【8.5点】
戦中の奥多摩。ある旧家の儀式の最中、深夜の井戸から死体が発見。
そして戦後、次期当主の花嫁選びの儀式でまたも首無し死体の女性が。
村の伝承の首無しが跋扈しているのか?「如き」シリーズ第三弾。
まず「マジモノ」「マガドリ」に比べ、文章はずいぶん読みやすい。
(それでも普通からすれば読みにくいが・・・)そして、おなじみの
旧家の確執・血族・土俗要素・密室など本格要素のオンパレードで、
好きな人にはもうたまらない。ただ、「マジモノ」のあの真相が炸裂した
瞬間に較べれば、「うまくつくってあるな」とは感じるものの、
一歩及ばない。大小の技を組み合わせ、読者を幻惑させるという印象。
もっとも文章が読みやすくなった分、「マジモノ」よりも読書としての満足度
は高い。伏線もカンのいい読者は気づくだろうが、それが何を意味している
かはなかなか分からないだろう。若干「つくりこみすぎ」かもしれないが。
話からすると「マジモノ」「マガドリ」よりも前の話のようだが、本書よりも
先に「マジモノ」は絶対に読んでいた方がよい。
390 :
名無しのオプ:2007/07/18(水) 18:56:45 ID:TuI4UEMW
さとうふみや/天樹征丸『金田一少年の事件簿 雪霊伝説殺人事件』
(2007、講談社コミックス)【7点】
雪霊タカハシの伝説がある雪山に集められたはじめたち。
数日間をそこで過ごせば資産家の遺産が贈与されるというが・・
吹雪の山荘に死体がひとつ、またひとつ!
いつもの金田一少年。ただ、こういうCCモノであの手を使うと
それだけで評価は低くなる。もちろん、いくつもの小技を用いて
独自性を出そうとしているが・・。密室状態からの死体の出現は
個人的にはおもしろいと思った。
391 :
名無しのオプ:2007/07/18(水) 23:39:28 ID:TuI4UEMW
高橋克彦『おこう紅絵暦』(2003→2006、文春文庫)【6.5点】
同心を夫にもつおこうを主人公とする短篇集。
ミステリーとしては小粒な話ばかりであるが、安心して読める。
もっとも『だましゑ歌麿』のような殺伐さはないので、
物足りなさも覚えるかもしれない。
392 :
名無しのオプ:2007/07/19(木) 13:23:19 ID:jxniaunG
加治将一『幕末維新の暗号』(2007年 祥伝社) 6点
歴史作家望月のところに送られてきた古写真、
それは通称「フルベッキ写真」と呼ばれる、
明治維新の立役者達が一堂に会しているといわれる集合写真で、
送り主はアマチュア歴史研究家で、彼によると、
この写真に明治維新の秘密が隠されているという。
そして自分はこの件で狙われているという。
望月はその送り主のアマチュア歴史研究家の老人に会うが、
のち、その老人は失踪し死体となる。
望月は弟子のユカとともに写真に潜む明治維新の謎の解明に
とり掛かるが、現れてきたのは驚くべき「真相」だった・・・
この国の成り立ちを根底から揺るがしかねない「陰謀」があったのだ・・・
(評)このネタ自体はわりと有名なので知っている人にとっては
どうということもない。また小説自体の作りもあまり上手くはなく、
歴史エッセイをただ小説形式にしただけという感じだ。
元ネタを全然知らない人にとってはちょっとびっくりするかもしれない。
393 :
名無しのオプ:2007/07/19(木) 23:15:01 ID:YVkh+/gh
加藤元浩『Q.E.Dー証明終了ー(27)』
(2007、講談社コミック)【6.5点】
最近はコマも大きくなり話もネタもパワーダウンしていたが、
今回はやや復調傾向か。陪審員制度を扱った模擬裁判は
展開がおもしろい。最後の主人公の台詞もかっこいい。
394 :
名無しのオプ:2007/07/21(土) 05:02:53 ID:jn4ptl49
青木知己『偽りの学舎』(2007、小学館)【7点】
元警察官僚の来生は、大手進学塾の依頼で講師として潜り込み、
脅迫状事件の調査を開始する。脅迫状の差出人は前教務部長深山。
しかし深山は2年前の社員旅行で焼身自殺を遂げていた・・・
携帯配信ということもあってか、文章は簡潔で読みやすく、テンポも速い。
ミステリとしては4分の3くらいまではかなり地味な展開で、残り4分の1で
ようやくエンジンがかかりだすといった印象。
ただ、トリック自体は小粒であるが、全篇に散りばめられた伏線が張り方は
念入りであり、きわめてフェアである。青木氏の短篇は数本読んでいるが、
今後も手堅い本格ミステリ作家として期待できそう。
もっとも本書に限れば複数の登場人物の言動に少なからぬ違和感を感じた。
とくに元キャリアで現在はペンションを営むという設定の来生は、
その人物設定と言動とがかなり乖離しており、最後まで馴染めない。
また青木氏の職歴に関係する進学塾という舞台も地味であり、展開的に読者を
牽引する力が弱い。短篇を読んでいなかったら、自分はおそらく序盤で読むのを
やめていたと思う。
395 :
名無しのオプ:2007/07/22(日) 10:50:57 ID:KF9MrRuL
蘇部健一『木乃伊男』
「ああ…」
「なんということだ…」
「かわいそうに…」
396 :
名無しのオプ:2007/07/22(日) 22:21:40 ID:UZW2eJ26
柳広司『はじまりの島』(2002→2006、創元文庫)【7.5点】
ビーグル号の航海に博物学者として乗り込んだダーウィン。
ガラパゴス諸島に上陸中、宣教師が絞殺死体で発見され、乗員たちも
次々と殺傷される。犯人は島に徘徊するというスペイン人の銛打ちなのか?
これまで読んだ中では、最も不自然でない舞台設定の孤島ミステリー。
連続する殺傷事件も、舞台装置と深く関係しており評価高し。
(ただその分真相にはたどり着きやすいかもしれない)
また孤島での事件が、ダーウィン理論のある謎と関連していた、
という理解もおもしろい。文章も安定しており読みやすく、
よく出来た孤島+フーダニットの佳作。
397 :
名無しのオプ:2007/07/24(火) 01:18:15 ID:52x/qz/A
逢坂剛『牙をむく都会』(2003→2006、講談社文庫)【7点】
大手広告会社・新聞社の依頼で「クラシック映画祭」「スペイン内戦60周年」の
企画を担当することとなった岡坂神策。その過程で岡坂は、終戦時の日本と
ソ連との密約の存在をめぐり、戦後史の謎に巻き込まれていく・・・
逢坂お得意のスペイン内戦史に関してはとくに目新しくはないが、
連載媒体がオッサン向け週刊誌であったため、昔のハリウッド映画の薀蓄が
てんこ盛り。とくに前半はその傾向が強く、映画に興味がない人は結構タイクツ。
(自分は知らない人なりに楽しく読んだが・・)
うさんくさい横山や、自己中な阿久津老人、小森のおばちゃまなど登場人物と
岡坂の掛け合いは楽しいが、やはり逢坂モノとしては若干散漫な印象を受ける。
小説としてのバランスを無視しても作者が薀蓄を語りたかったのだろう。
それでも終盤の展開は逢坂ならではのツイストが見られ、読後感もよい。
ところで最後まで読んでもタイトルの意味がよくわからないのですが。
398 :
名無しのオプ:2007/07/24(火) 13:34:58 ID:52x/qz/A
東野圭吾『夜明けの街で』(2007、角川書店)【7.5点】
派遣社員秋葉に惹かれ、不倫関係をもつに至った渡部。
徐々に深みにはまっていくが、秋葉の過去には殺人事件の影がちらつく。
「男」ではなく「夫」や「父親」になった中年サラリーマンの選んだ道は?
ミステリー小説ではあるが、過去の事件はあくまで脇筋。
読みどころは主人公渡部がどんどん秋葉に引かれていく葛藤。
「中年リーマンが過去にワケアリの派遣社員と不倫する」といった
シンプルな物語をここまで読ませるのは、さすがに東野。
秋葉の造形が、いかにも中年のオッサンが好きそうなところもよい。
ただ、本篇終了後の「番外篇」は物語の余韻を損ないはしないだろうか。
アレによって読後のもやもやを払拭させるのが狙いかもしれないが。
推理小説を期待してはいけないが、物語として愉しめた。
399 :
名無しのオプ:2007/07/26(木) 10:17:19 ID:k+64fi7K
大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店) <92点>
まさに現代に蘇った横溝正史の作品。
しかしながら現代的テーマを古典的舞台に巧みに織り込んだ作風は、
ある意味では横溝を越えています。
選考担当の鮎川氏も絶賛したという新人の傑作です。
採点は100点満点で92点。−8点は、もっともっと厚くしてほしかったから。
第2作が久しぶりに待ち遠しい。
400 :
名無しのオプ:2007/07/26(木) 19:52:42 ID:O7fhWNW9
突っ込みどころが多過ぎて困る
401 :
名無しのオプ:2007/07/26(木) 21:37:14 ID:TNYlsEH3
すべての行に突っ込みたいと鮎川先生もおっしゃっています。
402 :
399:2007/07/26(木) 23:56:45 ID:k+64fi7K
間違えました。
綾辻氏でした。
ハズカシー
でも『首挽村の殺人』がおもしろいのは本当ですよ。
403 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 02:15:30 ID:tqfLuAH6
選評読んだけど、別に綾辻絶賛してなかったぞ?
404 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 02:46:24 ID:ZXwRwqS3
なんという浮いたレス
工作員といわれてもしかたが無い寒さ
405 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 06:36:53 ID:7vMKV7bD
工作員と言うより本人じゃあるまいかと
406 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 10:24:34 ID:eWXjnGXp
他人の感想にグダグダ言う奴らは何なの?
たかが個人の主観なんだから放っとけよ
報告もせんとレスの無駄遣いして荒らしと変わらん
407 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 10:44:05 ID:7vMKV7bD
はいはい、正義の味方でちゅか
408 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 11:35:55 ID:/FwYRZBV
ボケたらツッコムのはむしろ礼儀だと思います
409 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 13:47:40 ID:HCZsb7Zg
410 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 13:56:10 ID:eWXjnGXp
人によって評価が変わるのは当然のことじゃん
411 :
名無しのオプ:2007/07/27(金) 21:06:21 ID:HCZsb7Zg
>>403 創作版によればこういう意見も。
815 :名無し物書き@推敲中?:2007/07/23(月) 20:21:10
北村は「『首挽村』はないな。横溝のパクリだし」と思って選考会に臨んだ。
しかし、綾辻が猛烈にプッシュし、大賞受賞。
412 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/07/28(土) 20:09:44 ID:3VA4mKZg
久々に織田作之助の作品集「夫婦善哉」(6篇を収録)を読んだ。
相変わらずの面白さであった。
ミステリ的には収録作品中の「世相」に注目、あの阿部定事件をネタに
作者がマジで創作を意図していたことがわかるが、早逝もあって実現しなかったのが
惜しまれる。作者の優れたストーリーテリングを以ってすれば、
正に稀代のクライム・ノヴェル足り得たのではなかろうか…
また、ミスオタには夫婦のなんともいえない腐れ縁を情緒豊かに描き上げて間断
するところがない表題作「夫婦善哉」、故郷大阪の上町にまつわる想い出をリリック
に綴った「木の都」等を熟読し、是非、ミステリに耽溺している己の身の虚しさを
省みるきっかけとして欲しいものである。
読み捨てな「ミステリ」の類とは異なり、ここには「人生」=人間の生き様が描かれて
おり、短編ながら長編に匹敵するボリューム感を以って読む者に迫って来るのである。
各人、心して読め!
413 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:45:21 ID:jqLTru8I
乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(2004→2007、文春文庫)【8点】
僕こと「たっくん」と「マユ」の恋愛物語。
すでにアレ系ミステリーということはよく知られているが、
読後の気分は、
(´・ω・`)?→ (゚д゚)! →((((゚Д゚ ;)))ガクブル
自分は気持ちよく騙されて再読とあいなりました。
アレ系?
415 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 17:23:11 ID:GTXpntZe
『生きいそぎ』志水辰夫の短篇集。ラストの作品にグッときた
416 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/07/29(日) 22:17:23 ID:+FyRraIQ
逢坂剛「禿鷹の夜」を読んだ。
神宮署の悪徳刑事、禿富鷹秋(通称ハゲタカ)シリーズの第一弾である。
一部で人気があるシリーズながら、大藪春彦作品を読み慣れた目には、
はじけ方が足らず物足りないものがある。
また、解説にあるとおりハメットの世界を逢坂流に描くことを意図したもの
であるとすれば、視点が定まらない点が印象に残るだけであり、到底、成功しているとは
言い難いものがあり、もっと禿富の行動のみに焦点を絞って書き込んでゆけば、
東京人であり作品の舞台となる東京を描く筆致には定評がある作者だけあって、
臨場感があり、迫力溢れる作に仕上がったのではないかと思われるのが残念だ。
個性的ではあるものの、渋六興業のメンツもアウトローにしては優し過ぎで、
こちらはキャラ面から迫力不足、これが日本のヤクザと南米マフィア(マスダ)
との対決に悪徳刑事が絡むという本来は緊迫感ある物語を間延びした印象にしてしま
っている感がある。
417 :
てつや:2007/07/30(月) 19:44:52 ID:Ha/LIpw3
三津田信三「首無の如き祟るもの」 ・・・かなり面白かった
北村薫「秋の花」 ・・・まあまあ面白かった
山口雅也「play」 ・・・普通
東野圭吾「放課後」 ・・・まあまあ面白かった
歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 ・・・普通
大沢在昌「天使の牙」 ・・・面白くなかった
竹本健治「闇のなかの赤い馬」 ・・・普通
418 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/04(土) 16:42:46 ID:4keRLVJ6
桂望実「県庁の星」を読んだ。
かなり売れ、大幅に脚色されたとはいえ映画化もされた作品である。
県庁職員が地元スーパーに派遣されるという設定とその後の展開は、
まさに現代において成立し得る冒険でありファンタジーである。
ただし、映画で柴咲コウが演じた若きヒロイン(パートタイマー)は、
原作では40半ばのバツいち、成人の子有りというロマンの欠片も無い設定、
(ただし、映画でも気が強くしっかり者だが、性根は優しいという内面のキャラは
しっかりと活かされていたやに思う)
映画には登場しないあいちゃんという女性キャラが絡み、映画版以上に詳細に
役所と民間の発想の相異を細かく書き込んだ前半は非常に面白く読めるのだが、
県庁さんの活躍により、まさに現代のファンタジー化してしまう後半は、
県議会シーン等を取り入れ、やや辛口のラストへと脚色した映画の方が優れているやに
思う。
また、主語を省略した独自の文体に読み辛い部分があるのは難である。
419 :
名無しのオプ:2007/08/04(土) 17:38:02 ID:UFm6mGwq
とりあえず読んだ本をミステリ板に書き込んでしまう書斎さんの
ずうずうしさには頭が下がります。
これからもがんばってください。
420 :
名無しのオプ:2007/08/04(土) 19:28:48 ID:H0SFYKr1
大きな口をきくのは、書斎以上の読後感を書いてからだ。
421 :
名無しのオプ:2007/08/04(土) 19:40:00 ID:6xayODUB
>>420 ピントがずれた書き込みの上を行くのはかなり難しいやに思う。
422 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/05(日) 15:57:49 ID:BZ/vfDND
蘇部健一「六とん3」を読んだ。
今風なんだろうが、幼女のイラストの表紙がなんとも…
内容にも全く無関係なのもどうかと思う。
大好評につき全話講評いってみよう!
「もうひとつの証言」
絵によるオチが効いている。刑事捜査としては問題有りなのだろうが、
コロンボ警部あたりが使いそうな手である。
「アリバイの死角」
作者あとがきには、あまりに下品という理由でラストの絵がカットされてしまった
とあるが、その分、オチのインパクト(?)が薄れてしまった感があるのが残念。
文章による謎解きではなく絵で落して欲しいネタであった。
「生涯最良の日」
占いブームネタをシニカルに書いた作だが、既にミステリの枠外の作となってしまって
いるのが残念。
「×××殺人事件」
作者らしいバカミスだが、それ以上のものではないという感じの作。
「殺ったのはだれだ!?」
和洋双方の典型的名探偵ものの文体模写が巧く、趣向は活きているかと思う。
「瞳の中の殺人者」
最後の絵を見るまでもなくオチが読めた。ミステリとしてもっと工夫が必要だった作
である。
423 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/05(日) 15:59:25 ID:BZ/vfDND
「死ぬ」
まさにシニカルの極致。黒パンの「生きる」の世界の対極に位置する世界だ。
「嘘と真実」
前作「死ぬ」も同様であるが、蘇部健一=単なるバカミス作家と思っていると、
良い意味で裏切られる作だ。
ミステリか否かはともかくとして、世相を巧く斬った問題小説と言い得る。
本作を読んでいて、ふと思うたのだが、蘇部先生は年甲斐も無く長澤まさみのファンなの
であろうか?
「栄光へのステップ」
少し面白くし過ぎようとしているきらいもあるが、絵オチが巧く活きたバカミス
としては楽しめる。
「秘めた想い」
作者あとがきによれば、「届かぬ想い」「叶わぬ想い」に続く想いシリーズの掉尾を飾る
作品(?)とのこと、いずれもタイム・パラドックス・ネタで面白く読ませ。
ビターなオチが効いた良作に仕上がっている。
「赤い糸」
作者あとがきによれば、「六とん2」の収録作品中では「きみがくれたメロディ」が
一番人気だったそうであり、本作のような作に対する需要は存在し、書かざるを得ない
という面もあるのだろうが、やはり蘇部先生にはこの手のものを書いて欲しくはない。
作品集の最後は、やはり十八番のバカミスで締めて欲しかったものである。
424 :
名無しのオプ:2007/08/05(日) 17:39:10 ID:na2qkFMa
書斎さんの鋭い視点、さすがです。
ぜひ読まなきゃならない気になりました、その本。
425 :
名無しのオプ:2007/08/05(日) 18:20:39 ID:K6yWCbVe
大好評の全話講評、ご苦労様です。
で、過去ログ読んでも「大好評」とはどこにも出てこないのですが、
見落としがあるやも知れません。どのあたりを探せばよろしいでしょうか?
426 :
名無しのオプ:2007/08/06(月) 02:26:58 ID:dl2kNOYU
野沢尚『呼人』(1999→2000、講談社文庫)【6点】
ひと夏の冒険を共有した呼人・潤・厚介・小春の4人。
親友たちが大人になっていくなか、ひとり12歳で成長の止まった呼人。
出生の謎をめぐり行方不明になっている母親の手掛かりを求めるが・・・
設定的には東野圭吾っぽいところもあるが、時代は近未来まで、舞台は
世界を股にかけるなど、かなりスケールは大きい。ただその分、各パートの
書き込みが浅く、登場人物の言動にも説得力を欠き、違和感を感じることが多い。
ただ、ラストはよかった。
「水源探し」は野沢脚本ドラマ「川、いつか海へ」でも踏襲されているから、
野沢氏のお気に入りのテーマなのかな。小説ではちょっと無理があったが・・・
427 :
名無しのオプ:2007/08/06(月) 16:35:21 ID:8knlScwf
428 :
427:2007/08/07(火) 00:46:40 ID:uF8+JeUE
分かり易く言えば書斎の妄想
429 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 00:53:42 ID:+0DOosEs
過疎板でトリップ付けてる書斎とかいうカスって
なんなの?(笑)
430 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 01:31:56 ID:HXKxiguX
431 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 03:11:33 ID:95uSfh0j
>>430 コピペだとか言い訳すんじゃね?
相手する奴も同等のカスってこった
432 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 20:41:47 ID:Dz7JjVLa
三津田信三『禍家』(光文社文庫、2007)【7点】
祖母とともにある町に越してきた少年貢太郎。なぜか町並にデジャヴを感じ、
怪しい老人には「おかえり、ぼうず・・」と声を掛けられる。
近所の暗い森、幽霊屋敷、そして何かが徘徊する我が家・・。文庫書き下ろしホラー。
終盤までは【5.5点】ぐらいかな、と思うほど平凡な展開だった。
「如きシリーズ」とは異なり読者を引き付ける強烈な謎がないため、
三津田の素人くさい文章がより一層ひっかかるのである。
しかし、終盤で「おおっ!」と大幅に評価アップ。それまでご都合主義と
思っていた展開が伏線だったとわかり膝を打つ。しかし初めてこの作者の
小説を読む人は途中で投げ出すんじゃあるまいか。たまに引き込まれる
ホラー描写もあるが、基本的に文章が拙劣なのは、「ホラー」を銘打った
小説としては致命的だろう。600円という安価も勘案して【7点】。
433 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 20:55:39 ID:MDJbh0aM
なんか、その感想文だけでトリック(ネタ)がおおよそ分かっちゃったな。
多分アレ系のネタだ。
434 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 21:14:17 ID:95uSfh0j
自分は未読だがまさかまた叙述がネタバレとか言って騒ぐ厨が出たか
435 :
名無しのオプ:2007/08/07(火) 21:23:44 ID:Dz7JjVLa
>>433 えーと、たぶん当たってないと思うので安心して読んでみてください。
(でも期待せず読むのが吉)
たぶん「如きシリーズ」に手を出しかねてる人向きの、三津田入門篇。
436 :
名無しのオプ:2007/08/08(水) 03:20:25 ID:tFxmGPBP
あれを事前情報無しで見破れた人がいたら
たいしたもんです
437 :
名無しのオプ:2007/08/08(水) 03:20:29 ID:nnpkQLEt
西澤保彦『殺意の集う夜』(1996→1999、講談社文庫)【8点】
友人の園子に連れられて高原の別荘に赴いた万理。折りしも外は嵐、
別荘に次々と駆け込んでくる一癖ありそうな男女。ひょんなことから
彼らを殺害してしまった万理だが、寝室では園子も何者かに殺害されていた。
いわゆる山荘モノだが、下界では別に刑事がホステス殺害事件を追っており、
交互に物語が展開する。文体が軽妙なこともあってサクサク読めるが、
そこに秘められた作者のたくらみは周到かつ大胆(というか無謀)。
すべての真相が明らかになったあと、タイトルを見て笑うか呆れるか。
自分は大いに楽しみ、そして巧みな伏線の横溢に満足しました。
「中村雅楽探偵全集1 團十郎切腹事件」戸板康二(東京創元社)
老歌舞伎役者中村雅楽が探偵役の連作ミステリ。
いまひとつでございました。ミステリとしてやや弱い印象の話が多く、
楽しめたとは言えませんでした。短編ならば何か強烈なトリックなり
どんでん返しが欲しい所ですがそれが見当たりませんで、結局、
焼き直しが多かったりしたのが残念でございました。以前週刊文春に
ミステリを読まないが本書は買ったという様なエッセイがありましたが
おそらく歌舞伎との絡みを読むのが正しいのでございましょう。
何か選ぶとすれば、「不当な解雇」の奇妙な味、「奈落殺人事件」の締め、
そして表題作の意外性辺りになりましょうか。それから
「ある絵解き」はもう少し煮詰めていただきとうございました。
439 :
名無しのオプ:2007/08/09(木) 18:40:39 ID:SjWm5oSq
道尾秀介『ソロモンの犬』(文藝春秋社、2007)【7.5点】
大学生秋内静(せい)は、自転車便のバイト中、知り合いの少年の事故死に
遭遇する。その直前、なぜか少年の飼い犬が突然走り出したためだった。
後日静は、その場に居合わせた友人京也・ひろ子・智佳にこう切り出す。
「この中に人殺しがいるのかいないのか――」
ちょいと妄想癖のある、オクテな秋内静のドキドキ大学生活恋愛篇。
正直読んでて恥ずかしかったが、作者はさりげなく伏線を張っている。
従来の道尾作品に較べれば、ややその騙しの技巧があざといような
気もするが、物語のおもしろさは及第点。奇人風の大学助(准)教授は
笑ったが、真相において(@)が重要な位置を占めていることは、
伏線や説明が充分なされているとはいえ、やや評価が分かれるところか。
ところで(A)に関しては・・・・
オヤジな道尾に完敗もとい乾杯! 「ぶつぞう!(ノ∀`) アチャー 」
とはいえ、こういう物語も書けるんだなあ、とさらに評価アップ。
ただ、サプライズに関しては「シャドウ」「片目の猿」よりは下か。
440 :
名無しのオプ:2007/08/10(金) 01:25:21 ID:blu5MLxb
同じ土俗的本格に分類されるのに、三津田信三が評価高くて
大村友貴美が低評価なのはなんでだろ〜
441 :
名無しのオプ:2007/08/10(金) 06:32:59 ID:LNQHT07I
トリック◎ 文章微妙な三津田
その逆の大村。
ミステリ板なら三津田>大村になるだろう。
442 :
名無しのオプ:2007/08/10(金) 18:11:28 ID:blu5MLxb
三津田信三ってそもそも文章むちゃくちゃ下手じゃん。
微妙とかじゃなくてさ。
いくらトリックがすごくても小説として読めないならクイズと一緒。
ここでの三津田の評価が【8.5】とか【7】とか疑問すぎ。
443 :
名無しのオプ:2007/08/10(金) 18:23:56 ID:blu5MLxb
「厭魅の如き・・・」<32点>文章超最悪、トリック前例あり
「凶鳥の如き・・・」<44点>文章最悪、トリック不成立、下調べ不足
「首無の如き・・・」<56点>文章最悪、複雑すぎる、メタじゃなくて下手
少なくとも読んでいて面白い本ではない。
最新の「禍家」は読んでないけど、まあ想像はつく。
西尾は本屋でパラ見したけど、妙に伊坂を意識した作風が好きではない。
「骸」とか、京極風味のシリーズも二番煎じでは。
444 :
名無しのオプ:2007/08/10(金) 18:26:08 ID:W/TT39NF
一冊一冊の具体的な感想書いてくれよ
そういうスレなんだからさ
445 :
名無しのオプ:2007/08/10(金) 23:37:07 ID:EuLMlk+L
>>442 だから各人の主観なんだから文句付けたって仕方がないだろうが
気に入らないんならお前はお前で【2.5】【3】とかの感想書いてろよ
446 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 00:19:45 ID:QAFCQ+6a
西尾維新って伊坂を意識した作風かなあ
読みもしないで想像がつく
>>443は二階堂黎人先生ですか?w
447 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 00:20:50 ID:YEhkeBle
>>442 お前が三津田嫌いなのは分かったからさ、とりあえずもっと詳しく感想書いてみ?
そしたらこっちも反応しようがあるし。
あとここは読んだ本の感想を書くスレなのね。
読んでない本に対するお前の印象書かれても困るわけ。
スレが盛り上がるようなレスしましょうぜ?子供じゃあるまいし
448 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 02:33:51 ID:dpUU9ib0
松本清張『張込み 傑作短編集5』(1965→2001改、新潮文庫)【8点】
表題作ほか「顔」「声」「地方紙を買う女」など全8篇を収録。
いわずと知れた有名作ぞろいだが、ミステリー的仕掛けという点では
シンプル。しかし犯行にいたる過程や動機をていねい(ある意味執拗)に
描き、清張独特の暗く陰湿なトーンで貫いた物語は読み応えあり。
個人的には「顔」「鬼畜」が双璧。
>>442 個人的には「ラストで驚かせてくれたら評価高し」なので、三津田とか道尾は
好きな作家なのですが・・・あ、
>>443の西尾ってのは道尾秀介の間違い?
449 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 03:00:20 ID:iTFi6dvV
夏ですね。
450 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/11(土) 11:24:43 ID:RpGAittE
篠田鉱造「明治百話」を読んだ。
歴史・時代ミステリのネタ満載の書と言い得る。
文明開化の時代柄ゆえか、この種の聞きが語り集にしては怪談話は
ひとつも無いのが目を惹く、」
とかく怪談絡みで語られることが多い山田朝右衛門家のエピ(「首斬朝右衛門」)
が冒頭に収録されているが、八世朝右衛門(高橋お伝、雲井竜雄等の処刑を担当)
によれば怪談めいた話は一切無いそうな。
他のエピでは、「加波山事件の捕物」「実話花井お梅」「海軍ヶ原人殺し探偵書」
「巡査の昔話」「殺人犯中川吉之助」「破獄中川大八」等々、
読み応えがある探偵・犯罪実話が収録されている。
また、三越デパートの発起人ネタ「デパートの日比さん」にある三越小僧読本は、
現代の商法にも通じるものが多くあって興味深い。
「基本」というものは時代を経ても不変ということであろう。
451 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/11(土) 11:25:52 ID:RpGAittE
島尾敏雄「死の棘」を読んだ。
夫(作家)の浮気をきっかけに精神的に崩壊してゆく妻、
そして夫の精神もじょじょに変調を来たしてゆく…
私小説として評判を呼んだ作ではあるが、鬼気迫るサイコ・サスペンス・ミステリと
して読める作でもある。
しかし、さすがにこの夫婦間の凄まじいまでの相克を文庫本600頁強も読まされるのは
きついものがある。間にはさまれた子供たちが可哀想過ぎだし…
そして救いともいえないラストの顛末は悲愴としか言いようがないものがある。
小説の夫妻の名前もトシオとミホとなっており、島尾夫妻を想起させはするものの、
フィクション中の記号としての意味のみであり、現実は快癒しハッピーエンド
だったというのが救いか。
こういった意味では、「現実」が「小説世界」の救いとなるという面白い逆転現象も
見られる作でもある。
452 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 12:45:00 ID:A5N7TSor
「塗仏の宴」京極夏彦
「宴の支度」
ここまでの上中下巻3冊がまったくのプロローグに過ぎないことを知って、愕然とした。
「宴の始末」
ここまでの3冊+3冊が今後の京極堂シリーズのプロローグに過ぎないことを知って呆然とした。
「おんもらきの瑕」京極夏彦
前回の6冊が伏線にもなんにもなっていなかったことを知って、失望した。(3冊)
ちなみに、この作品では序盤の数ページでどんな話なのかわかってしまい、
残り1000ページが非常に辛いものとなった。
453 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 14:08:45 ID:V0YZ396k
純文までカバーするとは流石書斎さんだ。
454 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 14:47:26 ID:JDBfMVpA
何でもミステリw
455 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 14:54:00 ID:17gmRnM4
子供が新しいおもちゃを自慢するのと同じだな。
456 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 21:31:19 ID:FobZROLq
東山彰良「逃亡作法」
リトル舞城という感じ
十点満点で7点
457 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 22:27:16 ID:emwb0R8P
川村義夫 「イタリア野郎の別居殺人」
最初の20ページでガツンとやられた。作者の思惑に見事に嵌められた感じか。
中盤にかけて心地よいサプライズが次々と展開し、まったく飽きさせない。
しかしそれらも全てはラストへの伏線。ミステリー史上に残るといってもいい
終盤のトリックは衝撃的。これぞ本格派!
そして何よりストーリーそのものが心に残る。受賞だけのことはある。
村田さんの気持ちになってみたいと心から願う一冊。超お奨め!
458 :
名無しのオプ:2007/08/11(土) 23:11:02 ID:BTOGkR0/
「コズミック」 清涼院流水
酷い酷いと言われてる割にはそこまででもなかったような。
とりあえず投げつけたくなるほどじゃなかった。
かといって面白かったか、次も読みたいかと言われると…
もういいや、というのが本音。
感想は「世の中にはこんな本もあるんだな」の一言に尽きる
暇だったから読んだけど、忙しい合間を縫って読んでたとしたら、
時間を返せ!と嘆いていたかもしれない
図書館で借りて読んだけど、買って読んでたとしたら、
金返せ!と叫んでいたかもしれない
余談だけど、被害者たちの中に明らかに森博嗣を意識した名前があった上、
さらに「猛邦」という名前(漢字も同じ)があったのは
予言めいてるなあ、と思った。それだけ。
459 :
名無しのオプ:2007/08/12(日) 00:22:39 ID:ad1Mt9UO
460 :
名無しのオプ:2007/08/12(日) 00:29:58 ID:zpgapTbs
「夜の蝉」 北村 薫
殺人がない推理小説で新鮮味を感じた。
名前と文体から100%女流作家と思っていたが、男性作家だったんだ・・・
同じ薫でも高村薫さんは男性顔負けのハードボイルドなのに、全く対照的なのには驚かされた。
ミステリー夏バテ気味の時の癒し系。
461 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/12(日) 14:33:52 ID:X+cRaQDC
「明治百話」を非常に興味深く読めたゆえ、続いて同じ著者(篠田鉱造)の
「幕末百話」を読んだ。
これも面白く、やはり歴史・時代ミステリのネタ多数あり。
(巻末の尾崎秀樹氏の解説によれば、新刊当時は一般的には話題にならなかった
ものの、時代小説家の虎の巻として読み継がれて来たそうな)
まず冒頭におかれたエピ「江戸の佐竹の岡部さん」が凄い、
タイトルから想起するのはのんびりまったりした懐旧談なのだが、
生涯に81人を斬った佐竹家の家臣岡部菊外という物騒な人物のホラーまがいの
逸話が語られる。
ただし、幕末に関する聞き語りであり、「明治百話」よりも時代を遡るとはいえ、
怪談めいた話は皆無、著者の志向もあるやもしれぬが、時代が怪談を許さないほどの
殺伐とした動乱期(1番恐いのは人間)という時代性ゆえであろうか。
(「正月の夜江戸の物騒」というエピには、『夜寝ていても女が「助けてェ」と泣叫ぶのを往々聞きました』とある)
ミステリねたとしては、本所五百羅漢の金貸し殺しの顛末を描いた「因縁探偵羅漢の殺人」、
日本橋の意気な町医者が実は盗賊だったという池波ワールドまがいの「探偵実話強盗医者」、
時代警察小説とでも称すべき作を著す際には参考になりそうな「昔の刑事の話」等が
面白い。
余談ながら、「幕末百話の後に題す」の著者が期待していたという
隅田沿岸に関する雄編が遂に著されずに終わったのは、誠に残念至極なものがある。
462 :
名無しのオプ:2007/08/12(日) 16:08:05 ID:e8TWwyaG
書斎さんの濫読ぶりには驚嘆しますね。
463 :
名無しのオプ:2007/08/12(日) 16:36:57 ID:tVC+dF9Y
「ミステリ」って言葉が一つでも入っていればいいのねw
464 :
名無しのオプ:2007/08/12(日) 22:11:07 ID:7iU+C4KJ
>西尾は本屋でパラ見したけど、妙に伊坂を意識した作風が好きではない。
え?
465 :
名無しのオプ:2007/08/13(月) 00:09:00 ID:Rcf5CV8y
三浦明博『滅びのモノクローム』(2002→2005、講談社文庫)【7点】
骨董市で若い女から、貴重なリールの入った柳行李を安価で購入した日下。
スチール缶のフィルムを再現してみると、そこにはある人物と風景が。
やがて女から「返してほしい」と連絡が入り、日下の身辺で失踪事件が発生。
フィルムに秘められた謎とは? 第48回江戸川乱歩賞受賞作。
評判サイアクな割にはそこそこおもしろく読んだ。文章も下手ではないし、
冒頭のつかみ→事件の展開などはなかなか引き込まれた。ただ、550枚の
制限のせいか後半の展開が駆け足気味で、敵方の複数の人物の書き込みが薄い。
テーマが手垢がついているのは措くとしても、それ以外の新鮮味がほしかった。
惜しいのはフィルムの内容が「アレ」だったのなら、実は黒幕が・・・という
意外性を狙ってもよかったのでは。ところで文庫解説者が、文春ベスト10では
3位だが「このミス」にかすりもしなかったのは若い世代の戦争に関する意識が
どーのこーのという箇所は、どうかと思う。書評家なら文春のアレが乱歩賞に
甘いことぐらい知っているだろうに。
466 :
名無しのオプ:2007/08/13(月) 13:45:57 ID:Z1pdFBi8
>463
文学板で女コテハンにふられて追い出されて泣く泣くこっちに書いてるんだよ
ほっといてやれ
467 :
名無しのオプ:2007/08/13(月) 15:48:27 ID:f4/d/j73
それなりに情けない理由があるのねw
468 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/13(月) 22:18:29 ID:js7soalB
有栖川有栖「月光ゲーム」を読んだ。
平成元年1月に刊行された本作は文庫化もされ、既にクラシックと言うても
よいかもしれぬが、全体的に若書きが目立つ作ではある。
解説でやんわりと指摘されている点のダイイングメッセージ解釈は無理有り過ぎ、
動機の掘り下げも説得力を欠き、売りであるはずの噴火によるクローズドサークル形成
(携帯もPCも皆無の時代性を感じさせる)によるサスペンスも学生が多数登場する
軽い青春小説風の展開とはミスマッチで、今ひとつ盛り上がらないまま終わる。
ミステリとして見るべきものは、マッチ箱に関する推理という小ネタ程度ではないか。
個人的には、火村助教授と作家有栖コンビのシリーズの方がアダルトな作風で好みな
こともあるが、学生有栖シリーズ作品中でも、後の「双頭の悪魔」の方が、
謎解きミステリとしては質両共に読み応えがあるとは言える。
だが、今読むと、学生が主人公の豊島ミホの青春小説あたりが好きな者には、
1番抵抗感無く読めるミステリの類ではないかと思う。
内輪のサークルの駄弁り、他大学生とのキャンプ活動等の描写は活き活きとしたものが
感じられ、この作者のこの方面の筆力を確認させるものである。
469 :
名無しのオプ:2007/08/13(月) 22:50:13 ID:+6yiIaNN
おお、ちゃんと書けるじゃん。
いつ読んだか知らんけどw
470 :
名無しのオプ:2007/08/13(月) 23:21:08 ID:Cc5VRsaP
当たり前だよ。
書斎の実力を舐めたらいけない。
471 :
名無しのオプ:2007/08/13(月) 23:35:02 ID:Xh3nfeAi
直球は棒球、変化球はすっぽ抜けw
472 :
名無しのオプ:2007/08/14(火) 19:16:12 ID:4+D8T16N
473 :
名無しのオプ:2007/08/14(火) 19:55:07 ID:2IkL63dI
どくごかんカムバック
474 :
名無しのオプ:2007/08/14(火) 22:59:02 ID:MqBnUYYy
『しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術』
泡坂妻夫 新潮文庫
話の中身は行き当たりばったりでB級映画を見ているような感じ。
だが最大の仕掛けは見事としか言いようがない。
これより後に出された他の作者の本で
似たような仕掛けを事前に味わっていたにも関わらず
読み終えると、本当に感心した。
475 :
名無しのオプ:2007/08/15(水) 00:15:54 ID:GvYek9GX
奥田英朗『イン・ザ・プール』(2002→2006、文春文庫)【8点】
伊良部総合病院の地下にある神経科。デブオタ医師伊良部一郎のもとに
訪れる、さまざまな患者たちのケッタイな物語。
初奥田。ミステリーとは言いがたいが、何も考えずに笑って楽しめる。
エンターテインメントの短篇集としてはかなり上出来。
個人的には「フレンド」が好き。
伊良部=田口浩正に変換して読んでいたが、すでに映像化されてたのね。
続篇読むのが楽しみ。
476 :
名無しのオプ:2007/08/16(木) 03:06:31 ID:XaVOoVF1
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
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アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
477 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/18(土) 11:52:19 ID:HAwtwyui
半額で入手した新潮新書2冊を一気読みした。
河内孝著「新聞社 破綻したビジネスモデル」
著者は、元毎日新聞常務取締役、現場の編集・営業両面に渡るキャリアが豊富であり、
新聞の現状と将来に関するレポと提言は一読に値する。
身近でありながら、新聞業界のことを書いた書籍でも今まであまり触れられて来なかった
新聞販売店の実態、折込広告の意義等をミステリを読むが如く謎解きした
第2章が特に興味深いものがあった。
著者の提言は、近年は協調傾向にある朝日・讀賣の2大連合に対し、毎日、産経、中日に
よる新聞製作体勢全般に及ぶ広範な業務協力実現であるようだが、
これなら最終章である第5章で予想されているIT社会化における電子瓦版時代
にも形を変えながら対応出来ようかと思う。
郷原信郎著「『法令遵守』が日本を滅ぼす」
著者は私立大のロースクールに出向中の検察官、東大理学部卒という理科系出身の法曹
のせいもあってか、現実の事件を素材にしたクールな現状分析に基づく「法令遵守」
というものに対する考え方
(コンプライアンスは形式的な法令の遵守ではなく、組織の社会的要請に対する適応
とする。まず時代に即した立法趣旨を考えよということか)は、十分に傾聴に値するものがあるやに思う。
現実の事件(ライブドア、村上ファンド、耐震強度偽装、パロマ等近年の著名な事件が
主として取り上げられているものの、鉄道用保守作業車不正車検事件というのは初耳で
あった)を著者独自のコンプライアンスの概念から読み解いてゆく展開は、
ミステリの謎解きの興趣を凌駕する知的刺激に溢れたものとなっている。
しかし、本書中で著者が公判の行方を懸念していたライブドア事件、村上ファンド事件が
共に意外にあっさりと一審有罪判決が出たのは意外であった。
478 :
名無しのオプ:2007/08/18(土) 13:06:15 ID:jt+6rUzz
「ミステリ」が1箇所ずつw
479 :
名無しのオプ:2007/08/18(土) 13:12:48 ID:IKn97093
相変わらず書斎さんの濫読ぶりは流石ですね。
ミステリーしか読まなければ、ミステリーのことさえ分かりませんからね。
480 :
名無しのオプ:2007/08/21(火) 00:23:55 ID:8F1y0Itb
西澤保彦『麦酒の家の冒険』(1996→2000、講談社文庫)【6点】
高原旅行の帰り、ひょんなことから車を乗り捨て、見知らぬ家にたどり着いた
タックら4人。ベッド以外何もない家で、疲労の極地にある彼らが見たのは、
きんきんに冷えた膨大なエビスビールと、ジョッキだった・・・。
「九マイルは遠すぎる」風ミステリの長篇版を狙ったもの、らしい。
立てては否定される4人の仮説、掛け合いはそれなりにおもしろいものの、
肝腎のビールとジョッキの謎の真相がいただけない。とくに96本、13個
という数字に関する解釈などが残念。もっとも、それ以外で進行している
事象に関しての伏線バラマキは手馴れたもので感心した。
ちょこちょこ言及される「例の事件」はシリーズ物を強調するためであろうが、
本書と無関係とわかっていつつも純粋な読書を妨げる。
481 :
名無しのオプ:2007/08/24(金) 00:52:22 ID:ZpJR7elD
歌野晶午『放浪探偵と七つの殺人』(1999→2002、講談社文庫)【8点】
放浪探偵信濃譲二が活躍する短篇集。
過剰な趣向や怪奇趣味はないが、ほぼ水準以上の好短篇集。
年末の下宿で起きた殺人の倒叙モノ「ドア⇔ドア」、
単純トリックと見せかけてひとひねりした「烏勧請」、
正統派フーダニット+αの「有罪としての不在」、
シンプルだが上手い「水難の夜」などがとくに印象深い。
482 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/25(土) 17:52:13 ID:xSiSc9Cf
増田俊成「シャトゥーン ヒグマの森」を読んだ。
シャトゥーンとは、穴持たずの意、冬眠に失敗し徘徊するヒグマのことだそうである。
体高3メートル弱、体重350キロにも達し強力な破壊力とスピードも持つ
「怪獣」とでも称すべきヒグマが棲む携帯電話も圏域外の山中に孤立した
人々(プロのハンターは皆無)のサバイバルを描いた冒険小説である。
(あとがきで大森望氏は、一種のモンスター小説でもあると評している)
ブンヤ出身の作家だけあって、グロ、アクション等の即物的シーンは詳細、かつ、
的確で迫力に富んではいるのだが、
本書中にも記されている故吉村昭先生の傑作「羆嵐」と比較すると、極限状態
(特に他者の死に遭遇したシーン)に置かれた人間心理の描写が薄く、
説得力を欠くものとなっている。
「羆嵐」が現実の事件(三毛別事件)を材としたドキュメントノベルということもあるが、
小説として評価した場合、結局、人間が描けているか否かという根本問題が、
両作品の出来栄えの差となって如実に顕在化していると言わざるを得ない。
(余談ながら、フィクションで本作中で確認出来る犠牲者は7名、
三毛別事件は8名であり、この点では現実がフィクションを上回っている凄まじさ
なのである)
しかしながら、全体的に見れば予想外に楽しめたのも事実であり、
映画「エイリアン」のヒロイン、リプリーを想起させるようなタフで優しい
長身の美形ジャーナリストのヒロイン(子有り、30代後半)の大奮戦を描いた
エンタメとして気軽に読み流せば、前記したことは過重な期待ということにもなろうか。
作者の作家歴はまだ浅く、しかも、「このミス」大賞優秀賞受賞作品というエンタメに過ぎないのであるから。
483 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/08/25(土) 17:55:00 ID:xSiSc9Cf
半藤一利「日本のいちばん長い日」を読んだ。
最近もNHKBSでオンエアされていたが、今回、決定版で再読し、
あらためて国産ポリティカル・スリラーの最高峰は本作であると確信した。
昭和20年8月14日正午から翌15日正午の天皇の玉音放送オンエアに
至るまでの、いわゆる「日本のいちばん長い日」に繰り広げられた宮城占拠、
録音盤争奪を巡る陸軍内部の抗争、
そして周辺で発生する終戦反対行動(厚木基地叛乱、佐々木大尉による襲撃等)
詳細な調査による事実のみが持ち得る強烈なサスペンスは、
萌え狙いの新書ミステリに耽溺するミスオタあたりがうっかり手に取れば失禁状態に
なってしまうのではないか(w
映画版では、阿南陸相の「米内を斬れ」の言がカットされていること、
原作のエピローグにその後が描かれていながら映画では触れられていない人物がいること。
(なんと映画版で天本英世氏が演じた佐々木大尉は、14年間潜伏後、社会復帰、
存命中であった首相秘書鈴木一氏に謝罪にゆき、逆に慰められたそうである)
484 :
名無しのオプ:2007/08/25(土) 20:55:48 ID:dV1gJlBX
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|∵ | __|__ | < うるせー馬鹿!
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_.. -‐''フ|フヽr-‐ ''''フ./´ /(_.人 ヽ._ ヽ
. ‐ '7 く/|〉-rへ. / ./ l ゝ. \ /
/ /|/ L / | ,( \ ノハ
485 :
名無しのオプ:2007/08/26(日) 22:21:26 ID:ofSLlhAf
川村義夫 「イタリア野郎の別居殺人」
最初の20ページでガツンとやられた。作者の思惑に見事に嵌められた感じか。
中盤にかけて心地よいサプライズが次々と展開し、まったく飽きさせない。
しかしそれらも全てはラストへの伏線。ミステリー史上に残るといってもいい
終盤のトリックは衝撃的。これぞ本格派!
そして何よりストーリーそのものが心に残る。受賞だけのことはある。
村田さんの気持ちになってみたいと心から願う一冊。超お奨め!
486 :
名無しのオプ:2007/08/27(月) 17:05:20 ID:9QgM1TZ0
>>485 聞いたこともない作品だがそんなにおもしろいのか・・・
487 :
名無しのオプ:2007/08/27(月) 17:14:00 ID:Uc/xgZ2W
って云うか、このスレの「感想文」のもじりなんだろうけど、さほど意味はないな。
488 :
名無しのオプ:2007/08/27(月) 18:43:10 ID:FFTfjQrs
ショヒョックスを使って書いたんだろう
489 :
名無しのオプ:2007/08/27(月) 21:59:03 ID:eVqXRhrV
書斎魔神 投稿日: 2001/06/21(木) 14:44
平成13年6月21日
厨房板 御中
ミステリ板住人
書斎魔神
ミステリ板壊滅作戦について
沈滞したミステリ板に厨房板の先生方の正義の一撃を
加えてください。
「鷹丘城悲恋 私の胸には蝮が宿り」長坂秀佳(角川書店)
取材の為冬の青森を訪れた作家城は弘前城で知り合った美女
千織に誘われ彼女の家族が住む大豪邸へと赴く。そこには何と
今回の取材を提案したプロデューサー十詩もいた。広い邸内には
他にも多くの客人がおり城は彼らの奇妙な関係に目を見張る。
しかし奇妙な出来事はそれだけではなかった。翌日城を囲む凍った
堀の下から十詩の死体が発見されたのだ。現場は氷の密室であった。
そういや子連れ狼に榊原るみが出てたよ。作者久々の本格作品。
しかしまあ文章の酷いこと。冒頭の数ページで読む気の萎える
フレーズが山と出てきて閉口した。「静電気が走った」
「『一目惚れスイッチ』が入って」「ママちゃま」等々……。
もうね、人生の大先輩ながら面と向かって「お前、大丈夫か」と
声をかけたくなったよ。30年一昔になってんだろうな、きっと。
巻末で名前挙げられてる連中は何してたんだ?
爺の暴走を止めないと駄目だろ。文章なんてそんなの関係ねぇ!
とずっと思っていたが物事には須くこれ限度というものがある。
ただ、3つある密室のトリックは割と面白い。だからトリックだけ
考えて文章は他の作家に任せりゃいいと思う。市川森一にでもw。
作中でこれからは本格で行くみたいなこと言ってるけどこれではなぁ。
491 :
名無しのオプ:2007/08/31(金) 22:36:11 ID:YaVua/SX
長坂、まだ小説かいてたのかw
492 :
名無しのオプ:2007/09/01(土) 16:16:31 ID:9n20ikXl
阿井渉介『列車消失』(1990→1995、講談社文庫)【6点】
大井川鉄道井川線。走行中の七輌編成の列車から6号車のみが姿を消し、
直後にJRに乗員35人の身代金を要求する連絡が入る。身代金を運ぶ
寝台列車では怪奇現象続出。二度死ぬ自殺者、車内を徘徊する胴体死体・・
本格鉄道ミステリー・牛深刑事の「列車シリーズ」。
今度ノベルスで復刊されるということで阿井に初挑戦。舞台設定といい、
破天荒な怪奇現象といい、著者もいうとおり島田荘司に影響を受けているが、
島田の小説が確かな「筆力」に支えられていたのに対し、阿井は格段に劣る。
そのため、犯行過程・動機にいくつかの疑問符がついてしまい、首をかしげた。
大勢出てくる警察関係者・JR関係者の書き分けも不十分で、「これは誰だっけ」
と前ページに戻ることも再三。また列車消失のトリックや密室殺人の真相は、
いくらなんでも警察が調べれば・・・と思う。でも楽しめる人は楽しめるだろう。
ちなみに文庫の解説は、あの大森望。
「払い戻した恋人」赤川次郎(集英社)
美人だが筋金入りのケチなOL冴子は映画館で出会った男伏見から
一目惚れしたから自分の濡衣を晴らす手伝いをしてくれと頼まれる。
高額な報酬に惹かれて頼みを引き受けた冴子だったが、
調査を妨害するように第2、第3の殺人が起こってしまう――。
ありがちな巻き込まれ型ロマンティック・サスペンスかと思いきや、
伏見は序盤で(ほぼ)退場してしまう。では代わりに誰がというと、
中年の刑事が出てくるw
別にトラミスでもないしおっさんに媚びる必要ないと思うんだがなぁ。
別にトリックとかはなく、フーダニットだけ。特に巧くもないけど
暇つぶしにはなるな。
494 :
名無しのオプ:2007/09/03(月) 01:25:09 ID:A58wabnB
この文章じゃ泡沫ライターにもなれないな、書斎
495 :
名無しのオプ:2007/09/03(月) 21:51:14 ID:ZSIEBNCY
鯨統一郎『ふたりのシンデレラ』(原書房 2002) 【6点】
「私はこの事件の証人です。同時に、犯人です。そして、犠牲者でもあります。
それどころか、探偵役でもあります。加えて、ワトソン役も努めます。
もちろん記述者でもあります。
さらに、濡れ衣を着せられる容疑者でもあります。
最後に共犯者でもあります。」
キャッチコピーから。
個人所有の無人島に、芝居の稽古のため合宿している小劇団員9名、
ヒロインを二人いる看板女優のうちどちらにするか?でピリピリした
雰囲気が皆の間に漂っている。
数日後、島の建物の一つで火事があり、その女優1名死亡、1名重症を負い記憶喪失、
犯人と目される、女優の夫は島外へ失踪してしまう。
一種のクローズドサークルものともとれるが、
登場人物達は事件後すぐ街へかえって来てしまうので、一種のフーダニットか。
キャッチコピーから予想されるような叙述ものではない。
メインのネタはありげな(メ欄*1)であるが、そこに(メ欄*2)を絡めたところが新味か。
が、(メ欄*2)の手術を施された直後の人間が、
本人&救急隊が全くそれを気付かないなんて事がありうるのだろうか?
そして、小説としては文章が生硬、官能場面が妙に多い。あたりも気になるところ。
496 :
名無しのオプ:2007/09/03(月) 23:28:46 ID:Y/eTs7Vc
>>492 >ちなみに文庫の解説は、あの大森望。
地雷本か。
「煙の殺意」泡坂妻夫(東京創元社)
短編集だが、僕はこの中の一編「紳士の園」を読んだきり、
ずっと中断させていた。理由はただ一つ、これ以上のものは
この中にはないと思ったからだ。他の作品の質如何ではこの傑作に
打ち震えている心が冷めてしまわないか危惧したのだ。
僕は大鯛の皮を食べて他は捨てるという、貴人の境地に到達していた。
そのつもりだったのだが、矢張時間が経つと気になり始め、
再開してしまった。結果からいうと僕の予想は当たった。どの作品も
読んでつまらないというものではないが、「紳士の園」が持つ
ディープ・インパクトには及ばなかった。次点を挙げるとすれば
数々の小ネタが楽しい「狐の面」だろうか。「閏の花嫁」の
ドキドキ感も中々良いもの。
ただ、印象面で言えば一つが突出していたが故の不運である。
498 :
名無しのオプ:2007/09/05(水) 21:22:34 ID:4O8hB2dM
「紳士の園」を一番最後に読めば問題なしって事ですね。
499 :
名無しのオプ:2007/09/06(木) 00:18:17 ID:1TtUC9PD
この、読後感 ◆VkkhTVc0Ug 氏は、書斎魔神の新しいペンネームか?
ぶっ壊れた文章はそっくりなのだが?
500 :
名無しのオプ:2007/09/06(木) 07:44:16 ID:uDBretMV
このミスとかで上位に来てる海外ものをたまーに読む程度の俺が僭越ながら
この板に来て知った有名作を2冊
「星降り山荘の殺人」
過剰に伏線張って最後に女々しい辻褄合わせ。ハイハイとつきあうしかなかった。
ラスト数ページはマジで鼻で笑った
「ハサミ男」
これって変装と並ぶ禁じ手じゃないの?
気取った文体も気持ち悪い
どちらも新本格なるものの底の浅さを感じた
やっぱミステリといえども文学作品として優れてないとね
MARK8−5
502 :
名無しのオプ:2007/09/06(木) 13:37:46 ID:MIKWkdHC
>>499 最初はわりとまともに「読みました」報告をしていたのだが、そのうちに勘違いして批評家様になってしまったアホ。
NG推奨。
503 :
名無しのオプ:2007/09/06(木) 14:05:24 ID:Rw7PngV8
最初からあんな感じだった気もするがw
まああんまり真面目に読まん方がいいよw
504 :
名無しのオプ:2007/09/06(木) 14:23:10 ID:PzTZSbXn
魔神2世ですね。
505 :
名無しのオプ:2007/09/07(金) 00:07:08 ID:0gGleilV
川村義夫 「イタリア物語」
20年以上前の作品とは思えない斬新なアイデア。
遠藤が当時ベタ褒めしてた。
東野あたりが今出しても違和感ないのでは・・・。
とにかく読み始めたら止まらない。
以下ネタバレ少しあり
無関係と思われる3つのストーリー(岩田村編、後藤田編、池編)が
平行して展開し、途中からに思わぬ形でリンクしてくるんだけど、リンクする前の
それぞれのストーリーが恐ろしく練りこまれて、これだけで3冊の傑作中篇小説が
成立している。特に後藤田編は深い。それにあの専務怖すぎ・・・。まあそれはともかく
あの結末を予測できる読者はいないのではないだろうか。あれは到底叙情などという
安っぽい言葉では括れないだろう。今でこそ模倣的手法を使った作品がいくつか
出ているがいずれもオリジナルには遠く及ばない。傑作中の傑作。
506 :
名無しのオプ:2007/09/07(金) 00:26:01 ID:lfVxLARc
重松清『疾走』(2003→2005、角川文庫)【8.5点】
瀬戸内海沿いの田舎町で両親・兄と暮らすシュウジ。
「浜」と「沖」の対立、リゾート計画、イジメ、家庭内暴力。
放火事件、ヤクザ、離散。数々の試練を経たシュウジを待つ運命とは。
直前に読んでいた『カカシの夏休み』もおもしろかったが、
その印象をすべて吹き飛ばす表紙にまずびっくり。重苦しい展開には
ちょっと読んでいてヘコむが、とうとう上下巻を一気読みしてしまった。
この迫力はただものではない。「おまえ」という二人称視点も効果を
あげている。ラストもよい。まさに青春時代を「疾走」した少年の物語。
507 :
名無しのオプ:2007/09/07(金) 02:33:13 ID:24JQxGaY
224参上! ハロー書斎
508 :
名無しのオプ:2007/09/07(金) 12:39:01 ID:ScIjkbOY
ようやくメフィスト9月号を読み終えたけど、
ネイルアートっていう真梨幸子の作品が一番印象に残った。
フェチにまつわるホラーをテーマにしたものなんだけど。
タイトル通り、爪にまつわるホラーなんだが。
もちろんホラーなんだけどミステリでもあって、おもしろかったな
509 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 04:49:16 ID:AuMV7/P4
ホームページ! ホームページ!
アドレス!アドレス!
教えて!教えて!教えて!!!!!!!!!!!!書斎さんw
510 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 08:22:14 ID:hzyKPK0e
遂に読後感まで叩かれだしたか。
とにかくミステリ板のアホどもはコテハンなら誰彼構わず叩くからなあ。
それで去っていった名コテハンの多いことよ。
511 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 08:49:34 ID:BJOV/Q3I
叩いてたのはお前ら書斎シンパだろうがw
512 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 13:26:25 ID:6aVznhBA
読後感氏を最初に叩き始め
それを未だに延々と続けているのは書斎信者だよなw
513 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 13:47:45 ID:pdGCyPQ/
読後感、最初のうちは普通にいい感想だと思ってたが
だんだん偉そうになっていって残念だった
トリップつけだしてからはただ偉そうなだけになったのでもう読んでない
514 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 14:22:18 ID:ySgQcdxG
別に傲慢でもいいが、感想の中身まで傲慢なのが
515 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 15:09:08 ID:Y9ANsjUX
>>512 あんな感想を書く奴を叩いたからって馬一派と一緒にするな
本気で言ってるのならあなたの思考回路の単純さは
書斎信者とやらと変わらないレベルだよ
516 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 16:06:31 ID:BJOV/Q3I
全員ではないにしろ書斎信者が混じってたのは事実
つか、基本他人の感想を叩くスレじゃないんでね
517 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 19:26:43 ID:WgebSQ7u
518 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/08(土) 20:40:42 ID:7q26NhUj
田中森一「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」を読んだ。
売れているのが納得出来る著作。とにかく面白い。
撚糸工連事件、平和相互銀行事件、イトマン事件等々、バブル時代に世間を騒がせた
経済事件の裏(裏の裏か)が、今、ミステリも顔負けに謎解きされる。
(ただし、著者の命運を左右したとも言える「石橋産業事件」ってのは私の記憶には
ないのだが)
もし、本書に書かれた内容が、田中先生(?)から俺に「ネタ」として提供されていたと
したなら、リーガル・サスペンス風のピカレスク・ロマンとして仕上がっていたかと思う。
従って、内容的にはこの板で紹介する不自然さはないと言い得る。
元特捜検事、いわゆるヤメ検の弁護士がバブル時代の闇社会の実態をビビッドに語った作
であるが、著者自身も実刑判決(2審)を受けている状態にありながらも、
タッチは暗くなく、その赤裸々な語りは爽快ささえ感じさせるものがある。
法律家としては後暗いところはないと語る著者だが、
検事時代に自衛隊のヘリで里帰りしたり(故郷に錦を飾るのはいいが、明らかに公費の
無駄使いである)、許永中、高橋治則等いわゆるバブル紳士たちや山口組幹部との絡み
による巨額な報酬と豪華な便宜、これによる豪遊の様は、
時代の特殊性があったとはいえ、唖然とせざるを得ないものがあるのだが、
むしろ、新幹線車中で1000万円入りのバッグを盗まれたが、
バッグの中にあった弁護士バッジや裁判資料の紛失の方に慌てたとか、
株取引の資金として事務所の机の下に1億円入りのゴルフバッグを置きっぱなしに
していた等の細かいエピにその金銭感覚の異常性を感じさせるものがあると共に、
副題にもある闇社会の守護神(本書の最後には、こう呼ばれた著者自身の術懐がある)
という凄味がある呼称ながら、たまらぬ人間臭さを感じさせる部分でもあるのだ。
519 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 20:48:57 ID:pRS2AcAc
書斎魔神、最悪版から逃亡し、読みにくい感想文を書いて、また逃走、
もう死ね!
520 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 22:58:55 ID:eJuCP7hi
>>505 素晴らしい本に巡り合えた。貴方のおかげです。ありがとう。
521 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 22:59:32 ID:hzyKPK0e
いや週末は書斎の論評が掲載されていないと話しにならないでしょ。
522 :
名無しのオプ:2007/09/08(土) 23:12:01 ID:dykOxaYe
>>281 で面白そうだったので「ヒートアイランド」読んだ。
これ映画化するのね。
523 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 01:16:46 ID:u4PJUumO
佐藤雅美『影帳 半次捕物控』(1992→1995、講談社文庫)【6.5点】
相模屋で雪駄を盗んで捕まった仙八。出入りの岡っ引半次は事を調整しようと
奔走するが、事件の裏に潜む「何か」を敏感に感じ取る。そんなさなか、
元手下の常吉が水死体で発見された・・半次捕物帖第一弾。
佐藤の特徴である「江戸の経済」「町人の生活」知識が織り込まれており、
正直「書き込みすぎ」と思わないでもないが、その知識を生かした事件は
他の作家にはなかなか書けないだろう。とりあえず豆知識はおもしろい。
ただ半次のキャラにまだ深みがないのと、黒幕として大物を出してたせいか、
事件の解決が尻つぼみな感じがするのが残念。八州廻りの桑山十兵衛の名前が
出てきたのはご愛嬌。第二弾『揚羽の蝶』は既読だがおもしろかった。
524 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 01:18:50 ID:u4PJUumO
>>522 有名だからいまさらですけど『ワイルド・ソウル』もよかったですよ。
525 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 04:57:12 ID:Lbep5eTB
三津田信三『作者不詳』(2002 講談社)【6.5点】
怪しい手製本『迷宮草子』を古本屋で勧められて購入した主人公(語り手)の親友。
それは現実の事件を元にして書いた手記集という体裁の作品集であったが、
ただし解決編のない尻切れトンボのものばかりだった。
この本を手に入れて読み始めると主人公と親友の周囲では怪異現象が起こる。
一話読むごとに発生する怪異は、作品の解決を付けてやる(主に主人公の親友の推理で)
ことで消え去るが、次の作品を読むとまた別の怪異が……
作中作ネタであるがミステリーというよりホラー。
作中作とそれを推理するという過程は面白いが、最後にカタルシス、『迷宮草子』
その物の秘密も、ホラーとしてであってもきっちり解明されるのかと思ったが、
そうでもなく、なんだか混乱のままに終ってしまう。
だからミステリーとしては読めないな。
所で『迷宮草子』の最後でこの短編集の作者の「本名」が記されているのも唐突だし、
変な字面のペンネームと本名の関連づけまではされていない。
ここは非常に意味あり気なんだけど読者がそれを解けってことなのか?
526 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 12:07:24 ID:nX1fS4bp
522
>>524 サンクス。
明日「ワイルド・ソウル」を買ってみる。
作家名は知っていたけどカタカナ題名は内容が想像しにくくて今まで未読でした。
森福都『吃逆』(1998→2002、講談社文庫)【7点】
「吃逆(しゃっくり)」をすると不思議な能力が発動する陸文挙。
宋のみやこ開封で就職活動をしながら、市井の話題を扱う「間話小報」で
「偵探」をつとめるが、さまざまな怪奇事件に巻き込まれ・・・
中国宋を舞台にした本格ミステリ中篇集。ラノベっぽい人物設定もあるが、
作者は松本清張賞出身ということもあり、文章は堅実で本格度も低くない。
宋代の官僚制や政治の知識の扱いがまだこなれておらず、中国史に興味のない
読者は若干読みにくいかもしれないが、当時の社会状況とつながる犯罪事件は、
なかなか読み応えがある。中国史好きに特におすすめ。
>>244 一応『ワイルド・ソウル』の自分の感想です。
528 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 17:11:01 ID:feKB6M7B
いい加減そのコテ止めたら?
佐藤雅美『疑惑 半次捕物控』(2003→2006、講談社文庫)【6点】
材木町の岡っ引き半次を主人公とする連作短篇集。半次モノの第四弾。
大小の事件に、ヒール蟋蟀三郎とのからみと、半次の女房の不審な行動が
ところどころ描写され、それがラストで解決されるという結構。
『影帳』と比較するとずいぶんスカスカになったのは否めないが、逆に
肩のこらない読書としてはこっちのほうが楽しい。ただ著者の得意分野である
経済ネタ・判例ネタまでがずいぶん小ネタになったのが残念。
>>528 一応
>>244と同一人物だよ〜という意味で、久々に名乗ってみました。
530 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 22:39:56 ID:erpEwY07
コテに過剰反応するやつウザい
531 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 23:16:25 ID:qRxoYTa6
>>505のイタリア物語は本当に名作。読めた人は幸せもの。
532 :
名無しのオプ:2007/09/09(日) 23:24:28 ID:feKB6M7B
>>530 だって「あらすじごめん」は以前いた荒らしを気遣ったネーミングだもん
言わば荒らしを容認しているも同然
ただのコテとは違う
(´・ω・`) 何か自分怒られてる・・・ごめんね。
読書日記としても使っているから、
抽出のために識別標識つけるけど、ほんとにごめんね。
534 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 02:30:40 ID:13lks9br
535 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 07:21:57 ID:ItevEPSF
>>533 もうコテもトリップもやめとけ。荒れる原因になっているのがわからないのか?
「首無の如く祟るもの」三津田信三(原書房)
奥多摩の山村媛首村の旧家秘守家に付きまとう怪異。
次期当主の双子の兄妹は井戸に落とされて死に、その十年後には
見合い相手の女性が殺され、犯人と目された男もすぐに死体で
発見される。二体とも首が切り取らた姿で。
当時必死に捜査を行なっていた巡査の妻で今は作家となった
高屋敷妙元はこの事件を元にした小説を書き真実に迫ろうとするが――。
「僕僕先生」が思いの外つまらなかったので早々に切り上げ、
取っておいた本書を読むことに。3作目だが相変わらず引き込まれる。
頑として見取図を付けない変なこだわりや厨臭いネーミングも
相変わらずだけど。
閑話休題。大きなトリックがあるわけじゃないが、とにかく謎が
噴出して読み手を飽きさせない。解明部はあっけないものだし
終盤の二転三転する真相もがっちり付強されてるというわけじゃないが、
とにかくインパクトがある。甲子園の審判と同じく実技以上に
見せ方が巧いと評価されるものだ。
このクオリティがいつまで続くのか楽しみだ。
ただ、毎回神様と化物がニコイチなのは何故だろう。
祟りを含んでるんだから神様だけで良いと思うんだ。
訂正
×如く
○如き
538 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 22:24:31 ID:ItevEPSF
読後感もいい加減消えろや。
539 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 22:34:25 ID:8ubusH89
540 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 22:56:51 ID:e/HNoWvN
両方消えてくれ
541 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 23:01:10 ID:m+L/MnQ6
コテ叩き、いい加減ウザイんですけど。
542 :
名無しのオプ:2007/09/10(月) 23:47:30 ID:EXOaHrHw
>「僕僕先生」が思いの外つまらなかったので早々に切り上げ、
>取っておいた本書を読むことに。
これ書く必要ないよな。ここはお前の日記帳じゃねえんだよ
543 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 01:51:18 ID:MC803vGj
だわな。しかも「僕僕」はミステリでもなんでもないし
関係ないのにわざわざ書く必要はゼロ
まさに傲慢以外の何物でもない
544 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 02:13:59 ID:u1Mcebly
お前の日記帳でもないから
グダグダ文句書くより何か報告してレスを使ってくれ
545 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 02:34:18 ID:FPMPgM5Z
感想スレにアホな感想書いたらスレで批判されるのは当然ではないかと
一応言っとくけどオレは某気違いの信者じゃないからなw
546 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 02:40:43 ID:u1Mcebly
だからここは叩くスレじゃないって
気にくわないならスルーすれば良い
グダグダ言ったってどうにもならんし無駄な神経とレスを消費するだけ
547 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 02:45:35 ID:FPMPgM5Z
ここ以外言う場所ないし
叩くつーか、感想に対する感想みたいなもんでしょ
「その本読みたくなった」とかと同じ事で
548 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 08:08:17 ID:eI97Zp4t
感想を発表する以上、いろいろ言われるのは覚悟の上だわな。
それがないならコテハン名乗って書き込むべからずだよ。
549 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 08:09:54 ID:SZzGzzXL
読後感にレスするときはアンカーつけてくれ
そうすればそれらのレスも透明アボーンできるから
550 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 08:47:45 ID:WTwWBHVe
読後感も要注意コテだよな。
551 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 21:17:51 ID:I10cNgZH
読後感叩いてる馬鹿は自分で感想アップしてから叩けよ塵屑が
552 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 21:19:42 ID:I10cNgZH
読後感叩いてる馬鹿は自分で感想アップしてから叩けよ塵屑が
553 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 22:16:03 ID:eI97Zp4t
それなら書斎叩きに対しても同様の注意を喚起しろよ。
554 :
名無しのオプ:2007/09/11(火) 22:40:16 ID:u1Mcebly
俺は書斎に対してもスルーを呼びかけてるよ
聞きゃしないけど
555 :
名無しのオプ:2007/09/12(水) 18:26:37 ID:4ElP10EP
//
ヘ,(◎◎)y'^ 書斎叩きにも同様の・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
Vy V'
ヨコハマクズウンチクゼミ
556 :
名無しのオプ:2007/09/12(水) 23:28:15 ID:5oPBPgpo
「キマイアの新しい城」殊能将之
この人の小説はハサミ男が最高傑作で徐々に劣化
してる気が…。
もう殊能の本は読まないかも。
トリックは平凡だし道中は退屈。
「黒い仏」の時も批判が噴出したが、及第点をあげれるのは
ハサミと「美濃牛」のみ。
557 :
名無しのオプ:2007/09/12(水) 23:37:51 ID:T3wp7ic4
トリックはしょぼいけど道中に関しては一番楽しいだろ
558 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 00:08:23 ID:o7SILb8t
//
ヘ,(◎◎)y'^ 書斎叩きにも同様の・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
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|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
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ヨコハマクズウンチクゼミ
559 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 00:11:58 ID:DEixOUcf
このスレで絶賛されまくってる「川村義夫」って誰?
検索してもまったく出てこないんだけど…
560 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 00:17:02 ID:1zH7tN3A
ハサミは面白かったけど、美濃牛はつまらなかったな。
最初に出てきたのが誰なのかわくわくしてたけど、普通だし
どんだけ恐ろしい目にあったのかとわくわくしてたけど、別にたいしたことないし。
まあ、自分が勝手に意味ありげだと思い込んで期待しちゃったのが悪いんだな、きっと。
561 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 00:21:00 ID:OErQ6lBD
シュノーは結構作品によって評価分かれるよね。
美濃牛絶賛する人もいるし、キマイラを酷評する人もいる。
その逆もある。
562 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 00:32:06 ID:Ar2q1Iud
>>559 かなり古い作家なので検索しても出てこないかもしれないね。
でもミステリー作家として一流なのは確か。
563 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 00:42:44 ID:iF4MkqUz
kudaranai
564 :
559:2007/09/13(木) 17:53:41 ID:DEixOUcf
>562
あれからさらに調べたけど、国会図書館にも蔵書なさそうです…
どうやったら読めるんですか?
565 :
名無しのオプ:2007/09/13(木) 18:00:03 ID:EAiQ4jgh
他人の脳内の妄想を読めるテレパシーのような能力がないと無理だよ。
566 :
559:2007/09/13(木) 18:33:18 ID:DEixOUcf
もしかしてネタだったってこと?
そうだよな…ググったって、たった7件しか出てこないし、
国会図書館にすらないわけだし…
まんまと踊らされてたわけか…orz
567 :
名無しのオプ:2007/09/14(金) 21:46:15 ID:F5yWtI2F
568 :
名無しのオプ:2007/09/14(金) 21:50:03 ID:De1AkdhH
kudaranai
569 :
名無しのオプ:2007/09/15(土) 03:13:53 ID:VmPrVzUE
>>566 この与太話を超好意的に解釈してやると、同人誌か自費出版という線も考えられ、
なら図書館に無いのも当然だが、それほどの傑作なら商業出版から声がかかりそうなものなので、
デマ確定。
こういうこと書くと同人誌だったとか設定変更されるかも知れないが。
570 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/15(土) 11:47:46 ID:moZivBgC
屋宮久光「南の島のたったひとりの会計士」を読んだ。
慶應経済卒の公認会計士(大学受験で2浪、会計士2次試験合格まで3年を経てはいるが)
大手監査法人勤務経験有り(福岡事務所)の著者による故郷(奄美大島)の町おこしの
顛末を綴ったノンフィクションだが、数々の苦難にめげず、自己流で故郷に錦を飾る
結果となったひとりの男の冒険の半生を描いたドラマとしても読み得る
当初、都会のテンポと価値観に馴れた著者の帰郷そのものが、カルチャーギャップを生じ
「冒険」と化してしまう序盤の展開が皮肉である。
しかし、「反転」(著者の田中氏も長崎の平戸の漁村という地方出身者である)
を読んだ後だと、同様に難関資格に合格しキャリアを積みながらも、故郷を顧みること
なく(平戸に家だけ建てている)都会でバブリーな世界に身を投じてゆく田中氏、
専門職を辞し故郷で開業、町おこしに身を投じてゆく屋宮氏…
あまりに対照的な生き方にある種の感慨を抱かざるを得ないものがある。
松本清張『或る「小倉日記伝」 傑作短編集(一)』
(1965→2004改、新潮文庫)【8点】
清張の非推理小説に分類される短篇を収録したものだが、
「火の記憶」をはじめ、ミステリー要素が強いものも多い。
それ以外の短篇も、本当ならこれ以降で事件が起きるんだが、という
状況で小説が終わっているものもある。
巧みではないが、雰囲気があり暗いイメージを喚起する筆致はさすが。
気づくと全篇を一気読みしていた。
表題作、「断碑」、「父系の指」、「石の骨」などがとくに印象深い。
572 :
名無しのオプ:2007/09/15(土) 22:33:41 ID:pFTt4I6M
川村義夫をネタ扱いすんなやボケ!知らんなら黙っとけ!
573 :
名無しのオプ:2007/09/15(土) 23:48:27 ID:KCfRmO0s
>>566 あ、あんな面白いミステリは読んだことがない。とても話せない・・・・・
574 :
名無しのオプ:2007/09/16(日) 00:11:11 ID:VBW41HX1
もし川村義夫なるミステリー作家がいて、
そのイタリアなんとやらという作品をものしているなら
それを実証してくれたら、いかなる金品の支払いにも応ずるよ。
ただし無名の同人誌作家だったとかいうのはダメ。プロに限る。
その代わり実在の証拠を示すことができねばそちらは同じくこちらの要求通りの
金品を支払う、
この賭けに乗るものはいるかい?
575 :
名無しのオプ:2007/09/16(日) 00:35:22 ID:+crWCl7T
>>574 逆に聞くが、そこまで川村義夫をなきものにしようとする理由があるのか?
確かに古い時代の作家ではある。大衆かもされていなかった。
残存資料は少ないかもしれない。しかし少し調べれば分かるはずだ。
俺は文学を賭け事の材料にするような真似は許さない。
576 :
名無しのオプ:2007/09/16(日) 00:45:39 ID:mBf9MyFu
少し調べればそんな作家いないことぐらい、すぐに分るよ。
賭けなんかするまでもない。
何が「残存資料は少ないかもしれない」だ。ふざけるな。
577 :
名無しのオプ:2007/09/16(日) 00:56:42 ID:VBW41HX1
「賭け」という言い方で気に入らないなら「読者への挑戦」でもいいよ。
もっともこの場合、読者が「作者」(川村実在論者)へ挑戦してるという稀な
ケースのミステリーだね。だから「作者への挑戦」だ。
578 :
名無しのオプ:2007/09/16(日) 01:08:13 ID:UAZPkgqi
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
579 :
名無しのオプ:2007/09/16(日) 03:43:33 ID:w7hTDqNO
何度か必死こいてageで書いてるの見てたけどね
初めて反応しちゃったのが
>>559なんだな。
580 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/16(日) 11:10:18 ID:7+OBymel
小鷹信光「私のハードボイルド 固茹で玉子の戦後史」を読んだ。
ハードボイルド・ミステリ翻訳のマエストロの手になる著作。
研究篇と資料はマニア向き過ぎるものがあるが、
3分の2程度のボリュームを占める私的ハードボイルド史は、コメントと突っ込み(以下に*で記した)を入れながら読んでゆくと非常に面白い。
「…(60年)「アラモ」「許されざる者」「バファロー大隊」など爽快感に欠ける大作風の
つまらない西部劇映画が顕著に増えはじめた。(39頁)」
* そりゃあないぜノブちゃん(注 「ラブコン」に出て来る子ではない(w )
自分はそれぞれに特色があるテーストのウェスタンとして3本共面白く見た。
「アラモ」のスケールある悲壮感に魅せられし、
「バファロー大隊」は内容は意外にハード、フーダニット+リーガル・サスペンスとして面白い。
「…私にとって読んで一番おもしろかったのはガードナーのペリィ・メイスン・シリーズ
だった。一番というのは、ハメットやチャンドラーやスピレインよりも上という意味で
ある。(85〜86頁)」
* 学生時代には翻訳まで試みたとも記されているが、これは意外。
小鷹氏にはハメットオタ、スピレインも結構好きというイメージがあったのだが…
まさかガードナーとは。
ただし、後における氏の広範な活躍を見ると(特に「探偵物語」)、
リーガル・サスペンスという要素もありながら軽妙なタッチのアール作品を好んだのは
わからぬでもないが。
581 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/16(日) 11:15:20 ID:7+OBymel
「私が知るかぎり、「ハードボイルド」をヘミングウェイ文学の全容を読み解くキーワード
として論を展開させた評論家は海外には存在しない。
…私自身は、短篇「殺人者たち」「五万ドル」および長篇「持つと持たざると」
(映画「脱出」の原作)ぐらいにしかヘミングウェイのハードボイルド性を認めない。
(108頁)」
* なるほど感がある。日本ではハードボイルドの代名詞のように言われるヘミングウェイ
だが、「殺し屋」以外のニック・アダムズもの、デガダンな感がある「日はまた昇る」等
の代表作を見ると、ハードボイルドの作家と言うに違和感大。
ただし、文体のみでなく、作品の背後に存するその精神性に着目した場合「老人と海」は、
西部小説の伝統下にある海洋ハードボイルド作品と解する余地はあろうかと思う。
(70年代の洋画公開作品を概観して)
「…粒よりの名作、傑作、快作が並んでいる。
今にして思えば、こんな10年間は二度とないといえるだろう。(243頁)」
* 同感。60年代が名画の時代と言われることが多いようだが、
今見ても面白い作はむしろ70年代に多いように思う。
最後に、著者が下戸だというのも意外中の意外だった。
面識まであるクラムリーとの親交が今ひとつ深まらない要因のひとつは、
やっぱりこの点にあるんじゃ?
582 :
名無しのオプ:2007/09/17(月) 02:17:38 ID:kQuOFXVE
そうなんだ?
西澤保彦『彼女が死んだ夜 匠千暁第一の事件』
(角川ノベルス、1996)【7.5点】
アメリカ行きの前日、帰宅すると自宅の床に転がっていた見知らぬ女。
友人を呼び出して始末させようとする女子大生浜口美緒だったが・・・
タック・シリーズ第一弾。既読の『麦酒の家』で言及された「例の事件」が
気になって読んでみた。ボアン先輩やタカチとの会話による推理は、
最初は若干スベってるような気もするが慣れると実に楽しい。彼らの
ディスカッションが気に入るか否かでこのシリーズの評価は分かれそう。
ミステリーとしてはオーソドックスな展開だが、作者の大胆な企みはまずまず
成功しているといえる。ただ、脇筋の「紛失したサイフ」の推理はちょっと。
天網恢恢祖にして漏らさず。
584 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/17(月) 13:33:33 ID:P+zHFLOC
2ちゃんには「横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件・二輪馬車の秘密」に
関する論考を挙げておかなかったようなので、ここに記しておく。
横溝オタ以外にはとても薦められるシロモノでなく、手軽に入手出来る資料としての
価値は別として、ミステリとしての面白さは全く期待出来るものではない。
「鍾乳洞殺人事件」は、出来が悪いジョン作品(特に無理過ぎるメーントリックが顕著、
このネタを一番自然、かつ、、有効に使用したのは「時間の習俗」かと思う)といった趣
であり、時代を考えると豪州の有閑階級の宵っ張りぶりに驚かされる「二輪馬車の秘密」に至っては、
ハーレクイン・ロマンスのミステリバージョンといった風、
ミステリファンからすれば、謎解きの展開が見え見えといった感がある作である。
後者に関しては、付録として横溝改作バージョンが収録されているが、
こちらの方が省略が効いた切れ味の良さをがあり、改めて御大が稀代のストーリーテラー
であったことを実感させる。
小鷹信光氏の著作を読んだ後のせいもあって、「です・ます調」と「である調」が混交した
読み難い解説も頂けないものがある。
585 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/17(月) 13:36:33 ID:P+zHFLOC
竹本健治「狂い壁 狂い窓」を読んだ。
バブル前にはまだ東京に存在したやもしれぬ老朽化したアパート(元は医院)を
舞台にした怪奇探偵小説
この著者独自の形容詞多用の文体に馴れれば、それなりに面白く読める作には仕上がってはいるものの、果して復刊(昭和58年刊行)するほどの作かどうかは疑問である。
トリック等に特筆すべきものはなく、ひたすら雰囲気で読ませる方向の作、
古い作にしては、いかにも大乱歩の愛読者らしいショタ傾向を覗わせる点が面白い程度か。
586 :
名無しのオプ:2007/09/17(月) 13:55:26 ID:2KmFq6aH
論考? 落書きの間違い、だろw
587 :
名無しのオプ:2007/09/17(月) 14:03:50 ID:IMFVfsld
ショタって言うか美少年趣味。(結局おんなじか)
『匣の中の〜』にもそんなのが出てきたし、
『狂い壁〜』のは別の作品の主人公の将棋指しだったか碁打ちの少年だったっけ。
588 :
名無しのオプ:2007/09/17(月) 19:37:50 ID:2ZnkL9q5
川村義夫「リトルイタリー事件」
最高
589 :
名無しのオプ:2007/09/17(月) 22:00:57 ID:vY+ddhEq
横溝正史『三つ首塔』(1972→2002改、角川文庫)【7点】
伯母夫婦の下で平穏に暮らす音禰に、突然告げられた莫大な遺産相続。
しかしある男との結婚が条件として挙げられており、遺産に群がる
佐竹一族の妖しい面々が、次々と殺害される。謎の三首塔はどこにある?
事件に巻き込まれ謎の男との逃避行を続ける音禰視点で物語は展開し、
金田一の出番はかなり少ない。頽廃的な軽いエログロ風の味付けは、
なかなか興味深く読ませる。
ただ三つ首塔での因縁や舞台装置をもう少し事件に絡めてほしかった。
本格推理的手続きも、もうちょっとていねいに伏線張ってほしいが、
物語そのものは快調で、予想以上に楽しんだ。
591 :
名無しのオプ:2007/09/19(水) 21:58:02 ID:++CrP1mh
「招かれざる客たちのビュッフェ」読了。
後半はなんとなく勢いが衰えてしまったような・・・
西澤保彦『仔羊たちの聖夜』(1997→2001、角川文庫)【7点】
イヴの夜、マンションの最上階から墜落死した女性。その現場では、
数年前にも男子高校生が自殺していた。偶然現場に居合わせたタックたちは、
女性の遺品と思しいプレゼントを手掛かりに真相にせまろうとするが・・・
匠千暁シリーズ第三弾。キャラクター小説としては相変わらず楽しめるが、
推理小説的結構としてはやや平凡。三番目の事件の真相・動機も見当は
つけやすい。ただ女性の墜死事件の真相は、なかなか印象深く、評価高し。
それにしてもここの大学&学生たちって・・・
593 :
名無しのオプ:2007/09/20(木) 11:01:28 ID:/GlbvOcq
タックでたーーーーーーーーー
クダラネーーーーーーーーーーーーーー!!!!
中町信『奥只見温泉郷殺人事件』(1985→1991、徳間文庫)【7.5点】
奥只見温泉で発生したバス転落事故。事故死体に混ざって発見された
女の扼殺死体。容疑者としてマークされた編集者牛久保は、
容疑を晴らすため関係者への聞き込みを開始するが、連続殺人が・・・
いつもの中町信。お得意のアレ系トリックは律儀な伏線のせいで若干
分かりやすいが、いくつもの小技を組み合わせて完成度を高めている。
著者の作品のなかでは上位に位置する出来だが、昨今のすれからしの
読者にはうけないかもしれない。個人的には中町だいすきだが。
595 :
名無しのオプ:2007/09/23(日) 22:44:04 ID:zNr5q/cU
1989年 天安門事件
1996年 台湾総統選挙恫喝、台湾沖にミサイル攻撃
1997年 日本の尖閣諸島の領有を宣言
2003年 スーダンのダルフール大虐殺を強力支援
2005年 日本EEZ内のガス資源を盗掘
-----------------------------------------------------------------
2007年現在でも、非漢族に対する大虐殺、婦女子を強制連行・中絶・不妊手術、
まさしく民族浄化を継続中である。
侵略と虐殺の限りを尽くすナチより凶悪・残虐な中国共産党。
そんな奴らにシンパシーを感じる馬鹿サヨ連中はキチガイとしか言いようがない(`・ω・´)。
596 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/24(月) 14:48:35 ID:WEdzxBLF
豊島ミホ「神田川デイズ」を読んだ。
どう見ても早稲田大学がモデルの連作青春小説集。
ただし、メーンキャラは各話ごとに異なっている。
今でいうところのFラン大学、正反対の東大等はフィクションの舞台になりやすいのだが、
近年では意外に一流私大を舞台にした小説が少ないように思われる。
本書は、一流私大(夜間部生も多く登場するが、早稲田の場合は二文もまずまずの難関と
言えなくもない。ちなみに作者は二文OB)
の学生の意外に知られていないビビッドな意識をユーモアをまじえて描いたものとして
面白く読めるものとなっている。
登場する学生の情熱(?)の対象は、学内お笑いライブ、サークル活動、恋、映画製作、就職活動、小説、そして自分探し…と様々であるが、エリート国立大生ほど気負いはなく、
真から浮ついたところも無く、本質的にはひたむきで真面目な気質の持主たちである。
見事に活写されるキャンパスの四季の移り変わりと共に彼ら彼女らの織り成す物語は、
一読、あなたを捉えて離さないものがあるであろう。
源氏鶏太「家庭の事情」を読んだ。
父子家庭である三沢家の当主平太郎(定年退職者)と五人の娘たち、
平太郎が退職金を娘たちに分配したことから起こる数々の顛末はいかに…
今は死語となった家庭小説(テレビのホームドラマに相当)のテースト満載の一編。
しかし、善悪のはっきりし過ぎた人物設定(この点は、松本清張作品と比較して解説でも
指摘されている)はこの作者の持ち味、意図どおりだとしても、
後半の超御都合主義は、今読むと、到底、大人の鑑賞に耐え得るものではない。
597 :
名無しのオプ:2007/09/24(月) 15:47:40 ID:4snRIyfX
598 :
名無しのオプ:2007/09/25(火) 08:36:26 ID:/fBFKR6z
横溝正史「八つ墓村」
横溝先生の作品は初めて読んだが…
前半〜中盤の展開は見事。よく練られた構想に引き込まれた。
後半は想像どおりというか、つじつま合わせに終始してる感じで謎解きのカタルシスはなかった。
金田一の活躍を期待したが、まったく存在感ない。毛利小五郎程度にしか役に立たない。
女性がみんな、こんな女いねーだろって感じの理想像。だからか、ドロドロした話のはずなのにあんまり生々しくない。
今のミステリーにない大掛かりな仕掛けとか、読んでて江戸川乱歩を思い出した。
さすが巨匠、完成度の高いミステリーでした。読んで損はなし。
599 :
名無しのオプ:2007/09/25(火) 20:57:20 ID:Xgkov9Rd
「夜明けの街で」東野圭吾
いやー、怖かった。
普通のホラー小説より、よっぽど。
自分も主人公と同じ30代後半で、家庭持ちだったから、
こういう状況にあったら…と読んでて、そればっかり気になった。
家庭内がうまくいっている人間にとって、
それが壊れることほどのホラーはない、って気がした。
正直、謎解きはどうでも良かった。
600 :
名無しのオプ:2007/09/26(水) 02:53:37 ID:6dio7g02
601 :
名無しのオプ:2007/09/27(木) 01:18:50 ID:A3DgBOoG
>>599 気持ちは分かる
妻子もちには背筋が寒くなるものがある。
602 :
名無しのオプ:2007/09/27(木) 13:14:26 ID:Jq8IOH9P
147 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/26(水) 22:05:44 ID:loWIESfZ
評価という問題で思い出すのは、清張先生のキャノン機関に関する記述。
これは過大評価とする声が多い。
清張説に従えば「ミッション・インパサブル」まがいの凄い謀略機関なのだがw
148 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:12:00 ID:a9L6xwK7
>>147 あーあ、またお得意のw
149 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:30:59 ID:lZ76rrUG
ミッション:インポッシブル Mission:Impossible (スパイ大作戦)ですよ
書斎のだんな
603 :
名無しのオプ:2007/09/27(木) 14:01:42 ID:QEWpH8jZ
何でもいいから書斎に絡めて荒らしたい奴がいるようだな。
604 :
名無しのオプ:2007/09/27(木) 17:29:37 ID:9SXT8eqm
どうせ「書斎アンチが荒らしてる」と言うための自演だろ。
いいから無視しようぜ。
605 :
名無しのオプ:2007/09/27(木) 20:07:37 ID:v9K00C3E
606 :
名無しのオプ:2007/09/28(金) 15:05:52 ID:ugJs7288
uraaaaaa!
,,,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]
ミ゚Д゚,,彡
┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
 ̄ ̄ ̄ i==|=[]j
/_/ヽ___i
し' \)
シベリア自警団
607 :
名無しのオプ:2007/09/28(金) 17:09:13 ID:L434RTYC
保坂正康『昭和史の謎』『昭和史の謎パート2』(2003・2004講談社文庫)
文字通り昭和史の謎の考察のノンフィクション。
というか今まであまり謎と認識されていなかった事柄にもスポットを当てている。
章立て通りではないが以下のようなテーマが扱われている。
515事件〜266事件にかけて日本人が如何に国際感覚を放棄しおかしくなっていったか?
太平洋戦争を始めた軍部はいかなる状態をこの戦争の勝利と考えていたのか?
戦後日本の半分がソ連に占領されていたら?
(これに絡めて、終戦近く、満州に政府を遷しソ連の庇護下で社会主義化されて構わないから米英と
戦争を続ける、という案が軍部の一部にあったという話にはびっくり)
組織立った反GHQ活動が起こらなかったのはなぜか?
大本営発表の内幕。
陸軍中の学校の謎。
田中角栄は社会主義者?
昭和天皇の戦争責任や東京裁判といったテーマは珍しくないが
この本では視点を変えて考察している。
松本清張の『昭和史発掘』『日本の黒い霧』の現代版といったところか。
この手の本は妙に著者のイデオロギーが出がちで読んで白けるものが多いがこれは安心して読める。
パート1パート2とも巻末に天皇をテーマにした対談が付録についていて、
皇太子は皇室改革を目指しているのだろうが、秋篠宮の第三子に男が生まれれば、
女帝論議も何もかもひっくるめておじゃんになるだろう、とあったが、
本が出たあと、それは現実のものとなった。
608 :
名無しのオプ:2007/09/28(金) 17:22:31 ID:L434RTYC
↑
著者名訂正
保阪正康 です。
609 :
名無しのオプ:2007/09/28(金) 19:37:13 ID:L434RTYC
↑
↑
タイトルも違ってた。
『昭和史七つの謎』
が正しい。たびたび済まん。
↑
↑
↑
ジャンルも違ってた。
この本はミステリーでもなんでもなかった。
たびたびたび済まん。
611 :
名無しのオプ:2007/09/28(金) 20:38:05 ID:Nao4cTS3
↑
↑
↑
↑
陸軍中の学校の謎、中の学校とは何か? 中野学校なら知ってるが、
と言う謎を解明する本であるw なんちて
たびたびたびたび済まん。
uraaaaaa!
,,,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]
ミ゚Д゚,,彡
┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
 ̄ ̄ ̄ i==|=[]j
/_/ヽ___i
し' \)
シベリア自警団 書斎魔神 監視所
612 :
607:2007/09/29(土) 01:29:22 ID:Zjnt6V6/
まあ誤字脱字はご愛嬌と思ってくれ。
陳腐な言い方だが、事実は小説より奇なり、と思って、
こういうノンフィクションを紹介してみたのだから。
連城三紀彦『美女』(1997→2000、集英社文庫)【8.5点】
男と女+秘めた愛憎をテーマとした短篇集を再読。
文章の上手さはあらためていうまでもないが、トリッキーな趣向も
冴えている。「超絶技巧」と謳うコピーにも偽りはなし。
ただ、一番読み応えがあったのはそういう趣向は控えめな表題作で、
凝ったつくりの「喜劇女優」よりもすき。
小杉健治『殺意の川』(1994→1998、集英社文庫)【6点】
「人間派」弁護士水木・検事桐生の短篇集(『緋の法廷』改題)。
サクサク読めるのはこの作者のいいところであるが、展開上ご都合主義な
悪癖もまま見られるのは残念。この短篇集に限っていえば悪癖の方が
まさっており、とくに本書の半ばを占める中篇「真実の川」に顕著。
下手に「感動するイイ話」にもっていこうとするのも気になるところで、
ミステリーとしての意外性やヒネリをもっと意識したら、本格好きにも
人気が出ると思うのですが。
615 :
名無しのオプ:2007/10/02(火) 01:20:13 ID:rk/+UI+K
『ぼくのミステリな日常』 若竹七海
連作短編集という奴である。
全体を通しての謎解きは自分にはちと難解。
丁寧に作りあげたんだろうなぁって印象は受けるがインパクトは余り感じない。
それぞれの短編はミステリーではないと言うか
読者の側から推理していくのはまず難しいようなものや
これはホラーかなというものも含んでいる。
高い前評判ほどは楽しめなかった一冊。
しかし『バレンタイン・バレンタイン』という一編のトリックは素晴らしかった。
もう少し見せ方を工夫すればかなり強烈な短編に仕上がるであろうに
連作短編集の一つとして使ってしまうのは勿体無く感じた。
616 :
名無しのオプ:2007/10/03(水) 10:52:45 ID:wy2fNabW
上甲宣之「そのケータイはXXで」
普段はほとんど翻訳物しか読まないのだが映画の予告編を観て興味を引かれたので読んでみた。
新人賞応募作なので当然なのかもしれないが、冒頭から文章の素人臭さにちょっと引いた。
”・・・・・・。”の多用や過剰な擬音など、ここ数年で読んだ最も若い日本人作家は福井晴敏、
という自分にとってはちょっとしたカルチャーショックだった。
ジェットコースターノベルとしては楽しめるものの(コーナリングはかなり危なっかしいが)
愛子の言葉遣いや、緊迫した状況下で交わされる説明ゼリフなどとも相まって、
途中で冷めて読書を中断したこともしばしば。
女子大生の一人称、という語り口を敢えて選択した意欲は買いたいが、
語り手の性格と作者の文章の癖に乖離が見られる場面も多い。
とはいえ、文章力については措いておくとしても、前述のようにハッタリの
効いた娯楽小説としては十分楽しめた。ただ、こんだけ無茶をやっている
小説なのだからもっと破壊的なオチを期待していた自分としては、
落とし所がきれい過ぎてちょっと肩透かしの感もあった。
617 :
名無しのオプ:2007/10/03(水) 18:48:21 ID:h82cp7UF
ところで誰ぞ有栖川の「女王国の城」を読了した奴は居らんかい?
618 :
名無しのオプ:2007/10/05(金) 09:30:45 ID:ejdASM/p
Kawamura Yoshio
619 :
名無しのオプ:2007/10/05(金) 18:37:58 ID:D9zVtsTG
620 :
名無しのオプ:2007/10/05(金) 20:57:19 ID:livi/0Xg
>>619 一応覗いてみたんですが、矢張りというか当然というか有栖川ファンばかりの為
いまいち公平に評価されてないような気がするのです。
ロジックは甘いがシリーズの登場人物に再会できただけで嬉しいみたいな。
自分は本格ミステリは余り得意じゃなく、作者のファンでもなんでもない
のですが前作の「双頭の悪魔」は面白く読めました。
遡って同シリーズ前二作を読んでそこそこ、他のシリーズ?は正直感心
しませんでした。
果してシリーズの新作は期待していいものかどうか・・・
621 :
名無しのオプ:2007/10/05(金) 21:08:46 ID:Nb3iufHj
なんだこいつ……
622 :
名無しのオプ:2007/10/05(金) 21:13:49 ID:/t4WFJTf
ってか読まなきゃいいんじゃねえの、もう?
そんなことばかり考えてるならさ。
623 :
名無しのオプ:2007/10/05(金) 21:22:21 ID:DDVZB4D+
読むか読まないかの情報収集にあてた時間で結構読めたりするよね。
佐野洋『高すぎた代償』(1959→1980、徳間文庫)【6.5点】
連れ込み宿の女将のヒモとして宿に居候する久世は、客室の情事を
録音して小金を稼いでいた。ある日会社役員とOLらしい会話で
気になる話題を耳にした久世は、探偵社を立ち上げて調べ始めるが・・・
「某スレ」よりのセレクト。労働争議とか組合長とか古びた話題が
時代を感じさせる。淡々とすすむ展開にやや退屈さを覚える。
ラストの真相も、当時はともかく現代のミステリーでは驚けない。
ただ、平凡な道具立てでも最後までそこそこ楽しめたのは、
さすがに佐野洋の腕でしょうか。
加藤元浩『Q.E.D 証明終了(28)』(講談社コミックス)【7点】
榊森羅もチョイ役登場の「ファラオの呪い」「人間花火」2篇収録。
考古学者の友人に頼まれ新たに発見された墓の「正体」を探る前者は
タイトルほどはおどろおどろしくない(あの絵柄だし)。
むしろ人間の深層心理をテーマとした後者の方がぞくりとした。
有栖川有栖『女王国の城』(2007、東京創元社)【8.5点】
江神の跡を追い、岐阜と長野の境にある神倉に赴いたアリスら4人。
そこは宇宙神ペリパリを信奉する人類協会の「宗教都市」だった。
協会本部に足止めされた彼らを襲う連続殺人事件!シリーズ第四弾。
フーダニットとしての犯人の絞込みには、一段階の上の切れ味が
欲しかったところだが、ラストの展開もよく、1300枚という
ボリュームも含めてミステリーの読書としては十分に満足。
最初は展開にノれなかったが、後半は一気読みでした。
ただ『双頭の悪魔』がページ数と謎解きの密度がバランスが
とれていたのに対し、新作はちょっとアンバランスかな、とは思った。
シリーズ最終作に大いに期待。
627 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/10/06(土) 20:24:58 ID:h6RGAOu4
石原千秋「秘伝 大学受験の国語力」を読んだ。
大学受験問題、特に国語、とりわけ現代文の解法は、その長文化の傾向もあって、
作られた謎(=ミステリ)解きというにふさわしいものがある。
受験経験がある者はわかるだろうが、上智は相変らず難解で読み難い文章がセレクト
されている(英語試験問題のボリュームや多様性が話題になることが多い大学だが、
意外に国語が難物でもある)、そして早稲田は学部の特性に沿った読み応えがある骨太な
文章(本書では法学部の問題が掲載されている)である。
国立大の東大、東北大、広島大の問題は、それぞれに難易度差は見られるものの、
相当程度の記述力を要するものであり、私大卒が多い2ちゃんねらーには
厳しいところか(w
本全体の「創り」としては、受験本なのか、大学受験入試問題を素材とした国語教育を
論じたものなのか、やや焦点が定まらないところがあるのが難か。
例えば、私大入試問題の解法のテク(謎解きのツールと言い換えてもよい)
として、二項対立整理能力を挙げているが、問題はこのテクをいかに修得するかかが肝要であるにもかかわらず、この点に関する言及は、ほとんど無いに等しい。
628 :
名無しのオプ:2007/10/06(土) 21:36:19 ID:1AhfUgdE
高校中退の書斎さんは、司法浪人で、正式採用の就職は、出来なかったんですよね?W
629 :
名無しのオプ:2007/10/06(土) 21:40:17 ID:1AhfUgdE
上智より難解で読み難い書斎さんの文章W
あとさあ、IPアドレスと、メールアドレスが、見えるんですけど?
630 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 14:30:47 ID:Jf1w/1i/
629のも見えてるね。
何でも丸見えになるように、2ちゃんの仕様が変わったのかな?
631 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 14:57:45 ID:rSeDDMKT
あれ?知らなかったの?
2ちゃんの入り口に
「今月の上旬から、荒らし対策の為に、各板の設定が順に変更されて、
IPアドレス等が表示されるようになります。」
ってアナウンスがあったじゃん。
「ただし当分の間は、「壷」を導入するか、
「2ちゃん専用ブラウザ」を導入するかしないと表示されません。」
とも書かれていたね。
632 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 15:44:20 ID:eY6me883
>>631 書斎はバカだから知らなかったんだろうねW
633 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:05:23 ID:7hgdeIpO
書斎! ナニ自演してんだよ! ID見てみなW
>>631 は、本当だぜ、ミス住よ、いつまでフリチンで歩いてるんだ? お前?
ほんとだ。出たぞ。
不思議だなあ。
635 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:39:09 ID:7hgdeIpO
なに遊んでんだか、壷とプラウザ入れねーと見えね−の、
633で書き込んだ解析が早かったろ?
前ならIDNo検索していかないと、わからなかったけど、
プラウザだと、リモホもIPも一発でわかるからな(だいたい、ずらっと並んで、出ている)
ただ、注意書きに、荒らしのリモホやIPが、判明しても、
表の掲示板に書き込むと、運行側としては、書き込んだ者も、荒らしと見なすと
記載されてるので、みんなそれを守ってるだけ、あとメールアドレスが、
見えるってぇのは、デマ、
お前、自分のメールBOXに、ファンレターらしきメールが、入ってきてないんで、
安心してのこのこ出てきたんだろう、壷とプラウザ入れて、料金支払わなきゃ
見えるわけないじゃん! お前みたいな奴をフリチン大王・はだかの王様って
言うんだよW
出るもんは出るんだから仕方ないな。
俺のはマックだからかなぁ?
とにかく不可思議だ。
637 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:47:00 ID:7hgdeIpO
お前が、自分を安心させるために、どう判断しても、お前の勝手だけどなw
「メールBOXに、あやしいメールは、入ってきてないでちゅ、
掲示板もかわったようすは、ないでちゅ、へんな電話もないでちゅ
郵便もOKでちゅ、誰もボクチンの家にこないでちゅ・・・・・
なあーんだ、デマでちゅ、はったりでちゅ、安心したでちゅ、ほっ! 」
なんて、考えてんだろ? あまい・あまいw
638 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:51:21 ID:7hgdeIpO
ID:eY6me883=ゴキブリAA
支持者とやらのしわざか? ミス住本体の解析ももうじき終わる、
今後は、早いぞ
639 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:53:00 ID:JQkyMSp/
プラウザ
640 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:55:36 ID:7hgdeIpO
プラウザの使い方が、わからないミス住さんw
641 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:58:11 ID:7hgdeIpO
どうした? へタレのミス住
でてこいよ
642 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 16:59:49 ID:7hgdeIpO
ミス住く〜ん!
どうしたの〜?
643 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 17:03:55 ID:7hgdeIpO
お〜い! へたれ〜! 逃げてんじゃぁねえよ〜っ!
それでも男か〜?
おおっ! 失礼、きみは、棒無し、玉無しの ホ・モ だったな ゲラゲラ
644 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 17:46:07 ID:7hgdeIpO
プルプルふるえながら、ROMってる書斎さんw
あまいねぇ
645 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 18:24:35 ID:mqLeIHXM
病的だな……
633 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:05:23 ID: 7hgdeIpO
635 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:39:09 ID: 7hgdeIpO
637 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:47:00 ID: 7hgdeIpO
638 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:51:21 ID: 7hgdeIpO
640 名前: 名無しのオプ Mail: ageさらしあげ 投稿日: 07/10/07(日) 16:55:36 ID: 7hgdeIpO
641 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:58:11 ID: 7hgdeIpO
642 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:59:49 ID: 7hgdeIpO
643 名前: 名無しのオプ Mail: ageはだかの王様 投稿日: 07/10/07(日) 17:03:55 ID: 7hgdeIpO
644 名前: 名無しのオプ Mail: ageはだかの王様 投稿日: 07/10/07(日) 17:46:07 ID: 7hgdeIpO
こんなことよりもスレタイ通りの読書報告書けよ。
646 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 18:47:23 ID:JQkyMSp/
browser
647 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 19:46:27 ID:WwnKRN61
>>645 アンチがいかに荒らしであるかを証明しているね。
648 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 20:06:20 ID:3y0+8IGC
>>647 それでも、プラウザーの話は本物だぜ、書斎ちゃんよ
>>645 いや、別に正体かくして投稿してるわけじゃないので、わざわざまとめてもらわんでも
けっこうですよ、
ただ、ププププ・ブラウザで、ミス住の動きは、今まで以上に把握できる、
まあ、フリチンでうろうろしてろ、
お前が、自分を安心させるために、どう判断しても、お前の勝手だけどなw
「メールBOXに、あやしいメールは、入ってきてないでちゅ、
掲示板もかわったようすは、ないでちゅ、へんな電話もないでちゅ
郵便もOKでちゅ、誰もボクチンの家にこないでちゅ・・・・・
なあーんだ、デマでちゅ、はったりでちゅ、安心したでちゅ、ほっ! 」
なんて、考えてんだろ? あまい・あまいw
650 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 21:43:45 ID:76rqPJWY
ときどき書斎のことマジでぶっ殺したくなる
651 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 21:47:04 ID:iNkPnbaU
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652 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 21:54:37 ID:76rqPJWY
278 :最低人類0号:2007/10/01(月) 23:21:54 ID:i00OsVco
>>277 私にはネット上で
「私は頭良いんだ」
「俺は最強だ」
「余は崇高じゃ!!ゲラゲラ!!」
とか自分では言いたくないなぁ。
「ネタ」ではなく「素」で言ってるとなるとちょっと引くです…。
まあ私は全て「ネタ」として受け取っているけど。
だから代わりに平然と汚い言葉も送っちゃったりしますw
某神とかに「氏ね」とかw
653 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 21:56:38 ID:76rqPJWY
書斎の首をへし折ったら、スカッとするだろうな・・・殺ってみてえな
654 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 21:58:51 ID:76rqPJWY
書斎の頚動脈をバヨネットで、かき切ったら、気持ちいいだろうな、
本当にぶっ殺してやりてえな・・・
655 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 22:00:45 ID:76rqPJWY
近所の溶鉱炉に突き落とすのもいいよな、最高の気分だろうな、なんか
ワクワクしてきた
656 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 22:02:02 ID:76rqPJWY
書斎にコンクリの下駄はかせて、沈めるのもいいなあ、ゾクゾクするぜ
657 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 22:02:51 ID:76rqPJWY
ヘヘヘヘヘっ
658 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 22:07:23 ID:76rqPJWY
オラ、書斎! 出てこいや! こちとらまだ、人をぶっ殺しても
大丈夫な年齢なんだよ! 殺してやるぜ! 豚ヤロウ!
659 :
名無しのオプ:2007/10/07(日) 22:08:45 ID:76rqPJWY
じゃましたり、ちくったやつも、同罪だ! ぶっ殺してやらあ!
はーすっきりした、冗談だよ!
今のところ
661 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 00:57:07 ID:KnrZSTu2
恨み
662 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 00:58:25 ID:VoQCv2Ea
キチガイ モ タイヘン ダ
663 :
661:2007/10/08(月) 00:59:12 ID:KnrZSTu2
まちがい・まちがい
恨みは深い、
書斎! お前恨まれすぎ
664 :
661:2007/10/08(月) 01:00:31 ID:KnrZSTu2
665 :
661:2007/10/08(月) 01:02:20 ID:KnrZSTu2
666 :
661:2007/10/08(月) 01:04:02 ID:KnrZSTu2
667 :
661:2007/10/08(月) 01:06:22 ID:KnrZSTu2
>>662 勘違いかな? もう行っちゃったらしいや
668 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 10:05:18 ID:WdbvyL+j
「小説の匠 吉村昭5」の住人でございます。
おたくのミステリ板住人がこちらに来て迷惑しております。
お願いですから、はやく連れ帰ってそちらで管理して下さい。
669 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 11:56:53 ID:hUHTiIKa
ミス住なら、殺しちゃっていいですよ!
670 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 11:58:39 ID:hUHTiIKa
射殺してください
671 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 14:19:04 ID:fzWXdJNG
この有り様じゃまともに感想投下なんて馬鹿らしくてやりたくないな。
ここも廃スレと化したか。。。
672 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 16:16:08 ID:ew/NtEdd
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団
673 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 16:17:30 ID:ew/NtEdd
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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674 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 16:21:30 ID:ew/NtEdd
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団
675 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 16:48:34 ID:xpnD/trQ
ミス住、変なAA貼るな!
676 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 22:49:18 ID:XwREWPkF
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団
677 :
名無しのオプ:2007/10/08(月) 22:57:42 ID:XwREWPkF
あさましい書斎アンチどもは、こんな自作自演で書斎シンパに
罪をなすりつけたつもりなのかね
678 :
名無しのオプ:2007/10/09(火) 18:14:23 ID:rB3vyWjO
支持者が自演失敗したふりしたアンチのふりした支持者のふりしたアンチ
という少々ややこしいがつまらんトリックだな。
いい加減にしとけ。
679 :
名無しのオプ:2007/10/09(火) 18:31:21 ID:eyi1MIA/
680 :
名無しのオプ:2007/10/10(水) 03:54:54 ID:oNp8TCIW
『バイバイ、エンジェル』 笠井潔
笠井潔、初読み。
何か難解そう。というイメージがあって敬遠してた。
ミステリとしての造りは堅実。
細かく配置した伏線を丁寧に説明していくのは◎。
メインの謎は首切りの理由なのだろうが、これは意外に地味とも言えるかも。
探偵役でない登場人物が発表する推理を否定する場面が素晴らしかった。
メル欄だったら何でもできるわ。って気になったのは少しマイナスポイントか。
探偵の造詣はとてもヘン。
つうか怖い、こんなに怖い探偵初めてだ。
そして直観推理という独特の推理方法。
真相が明かされた後に動機の動機とでも呼ぶような部分がある。
それほどの分量ではないのだが、ここが凄い。気合入ってる。
言葉のチョイスが一々怖い。場面を想像すると更に怖い。
探偵がとてもヘンな堅実な造りのミステリ。
最後が悪魔的(ミステリ的にではない)。
そんなには長くはないし、おすすめ。
逢坂剛『しのびよる月』(1997→2001、集英社文庫)【7点】
御茶ノ水署生活安全課の斉木警部補&梢田巡査長シリーズ第一弾。
小学校時代の同級生の二人によるイイカゲン捜査の短篇集。
適度なヒネリと、意表をつくストーリー展開が楽しい。
肩のこらない読書ってのも、いいなあ。
682 :
名無しのオプ:2007/10/12(金) 04:28:26 ID:4kyog7Es
840 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 19:58 ID:XwSn+BQ5
仕事を辞めて無職になった直後は非常に居心地がいいのだが、
やがて無職であることに焦りを覚えはじめ、禁断症状に近い
苦しみが押し寄せてくる。毎日同じことの繰り返し、
家族の目も怖い、何にも無いことにまで気を使うようになってしまう…
全く無関係の板に延々とゴミ屑を撒き散らして
正常なコミュニケーションを妨害するこういうダニをいつになったら駆除するのかね? > 管理者
お仕事御苦労様です。御迷惑をおかけしてすいません。了解しますた。
スレを入れる気持ち良さ、これは射精と同じものがあり病みつきになってしまったです。
もしかしたら、ぼくは病気なのかもれないですがきっとそうです。
スレの人も削除人さんもぼくの話しを聞いてくれませんか
ぼくはだめんぼ、だめおくん ありゃあれいてん とっちゃった そして共に語るにゃ(w
846 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 20:15 ID:XwSn+BQ5
スーパーのバイトは慣れるまでが大変だぞ。
私も裏事情板にスレが立つ某大手スーパーで働いたことが
あったが、疲労と忍耐の3年間だった。
65 名前:ミステリ板住人 :03/09/07 01:05 ID:3bJhnVU1
今後の人生についてナンニモ考えたことの無いDQNがw
ここの連中に多い傾向だが、今後の人生について考え過ぎるだけ
お前たちも、何かに向かって必死になってみろよ。
今のお前たちは、県内随一の馬鹿の高校を卒業したやつよりも下だぞ。
予備校に行って、10ヶ月集中して勉強すれば、有名大学には入れる。
まして、私立文科系は3科目ないしは2科目である。
俺様のフィアンセこなたタンに見せたら感動のあまり泣き出しそうだな。
「サイコーだよ〜、ありがとう、ありがとう、こんないいものを見せてくれて〜」
「わかるか、こなたタンもわかってくれるのか!」
泣きながら、抱き合う俺様とこなたタンの姿が目に浮かぶ
こんな糞スレでリーダー気取ってる場合じゃないかな。
愚民諸君、心しておけ!
683 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/10/13(土) 14:27:30 ID:Q+v3vek5
山崎豊子「沈まぬ太陽 アフリカ篇」を読んだ。
平成11年刊行ではあるが、もっかのところこの作者の新刊小説である。
「大藪春彦か!」と思わせるようなハンティングシーンからスタート。
一流大学(明らかに東大がモデル)を卒業し、航空会社(明らかに日航がモデル)
に入社したエリートが労組委員長を引き受け、その信念を曲げなかったばかりに
パキスタン、イラン、ケニアと僻地勤務を強いられるが、その苦難を乗り越えて
ゆくという、言わばリーマン版現代冒険小説としても読める作であった。
しかし、この事は、ストーリーのエンタメ性は十分以上としても、
類型的な登場人物(主人公恩地と社内で彼と敵対することになる同期の行天、
副社長の堂本、労務課長の八馬等の善悪の構図が現代小説にしては明確過ぎる)
ばかりなのが残念、もう少し各登場人物のキャラに光と影の部分を持たせたらなら、
より読み応えがある作となったかと思う。
(経済小説プロパーの江波戸哲夫、高任和夫等の作は、さすがにこの辺が良く書けている
ように思う)
ただし、この構図の判り易さが、長大な物語を読み易くし、
「華麗なる一族」「白い巨塔」等の他の代表作の例に見て取れるように、
結果的にロングセラーとして読み継がれ、繰り返し映像化される因と
なっているのであろう。
684 :
名無しのオプ:2007/10/13(土) 16:01:35 ID:TJWt+nDZ
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
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アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
685 :
名無しのオプ:2007/10/13(土) 16:12:37 ID:h6QT0iDO
そんなにつまらんかったんか、アトポス
なんかすげえなw
686 :
ミステリ板住人:2007/10/14(日) 00:15:50 ID:FpYrhv5r
幼女!幼女!!幼女〜!!!
白倉Pが俺様のためにキャスティングしてくれたのだろう。
これからも感謝しながら鑑賞しよう。
687 :
名無しのオプ:2007/10/15(月) 21:09:41 ID:5qUnDRjQ
>>685 いや、あれは全くメル欄患者に対する差別だろ。
発禁にならないのが不思議だ。
沢村浩輔「夜の床屋」(2007)【6.5点】
道に迷った男2人が、線路伝いにたどり着いた無人駅。
なぜか真夜中に明りが灯る駅前の床屋の秘密は?
ミステリーズ!新人賞受賞作。
とりあえず冒頭の「真夜中に営業する床屋」の謎は魅力的。
「インディアン・サマー騒動記」が改題されたのも納得。
60枚に満たない短篇なのですぐに読み終えたが、解決は微妙・・
あの状況ならあの探偵役が真相解明せるをえないのかもしれないが、
主人公らがモーニングをぱくついていると、テレビにあの人が!?の
展開→謎解き、のほうがおもしろかったような。立ち読みなら【7点】
だったが、この短篇だけのために1200円出すのはちょっと。
689 :
名無しのオプ:2007/10/19(金) 21:14:38 ID:N1gD1jk3
井上夢人『風が吹いたら桶屋がもうかる』
(1997→2000、集英社文庫)【6.5点】
まったく役に立たない「低能力者」ヨーノスケ、理屈っぽいイッカク、
バイトのシュンペイら3人の同居する棲家に相談に訪れる女性たち。
役立たずの3人ながら、なぜか相談者の悩み事は解決してしまう短篇集。
とりあえず普通の本格ミステリ的なイッカクの推理が外れまくるのが、
名探偵を揶揄するようで楽しい。ヨーノスケの中途半端超能力者キャラが
ワンパターンなストーリー展開を適度に和ませているが、さすがに後半の
数篇は飽きがくる。
690 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/10/20(土) 13:32:10 ID:7kZ4aNO6
新田次郎「八甲田山死の彷徨」を読んだ。
新田長編作品中ではわりと短い作ながら、大ヒットした映画でもおなじみな史実に
もとづく八甲田山行軍演習における遭難談、緊迫感溢れるドキュメンタルな冒険小説
として読める作である。くだらない謎解きミステリに読み耽る者が多いこの板の
住人にこそ突き付けて読ませたい一編と言い得る。
新田氏のこの作なくして、明治時代のこの惨劇が長く記憶されることはなかったのでは
なかろうか。壊滅状態となる青森第5連隊の神田大尉の映画でもおなじみの台詞
(157頁)が強く耳に残るものがある。
登場する軍人たちを英雄視せず、その非情な面をクールに描いているのは良、
ただし、後の惨劇を予感させる序章の火事のシーン、演習に夫を送り出す神田大尉の
妻の反応等の、やや創り過ぎた部分が目立つのは残念か。
691 :
名無しのオプ:2007/10/21(日) 06:24:40 ID:5BHq1be7
『思い上がりのエピローグ』 斉藤肇
思い三部作の三つ目、つまりは完結編。
なのだが、文庫落ちしてなくて涙目な一品。
一種独特の名探偵論がぶち上げられてる。そこは興味深い。
だがミステリとしてどうかっつうと、脱力しかない。
作者自身が「ミステリでさえないのかも」と言うのも納得。
先鋭的ではあったのかもしれんが・・・。
もし読むのならエンドマーク、アンコール、本作と一息に読むといいかも。
しかしこんな作品を書いた後に一体どんなミステリを書いたんだ?
と本格ミステリ大賞候補にもなった『たったひとつの』への期待は高まるばかり。
西澤保彦『収穫祭』(幻冬舎、2007)【7点】
1982年台風の夜、過疎の進む「首尾木村」で発生した14人殺害事件。
凶器は鎌。容疑者の外国人講師は死亡し、教師・中学生3人が生き残った。
そして9年後、生存者の周辺で鎌で行われた殺人事件が再現・・・
「惨劇の夜」の第一部はおもしろかったが、第二部以降の展開が難。
とくにときおり顔を出す「軽いトーンの文章・セリフ」がかなり違和感。
スポーツ新聞のエロ小説めいた描写も成功しているとは言いがたい。
第四部の「私」視点のパートの真相は意表をつかれたが、
期待値の高さ・ハードカバー2100円という値段を考えると若干評価は辛目。
693 :
名無しのオプ:2007/10/21(日) 20:24:20 ID:wQfjXdxe
今、ログを読み終えたけど、「手紙」「インザプール」「ヒートアイランド」とかって?
ミステリー? 確かにどれも読んで面白いかったけど・・・ミステリーじゃないよね。
大辞泉より・・・ミステリー【mystery】
1 神秘的なこと。不可思議。謎。怪奇。「だれがやったか、それは今も―なのです」2 推理小説。3 秘跡劇。聖史劇。
694 :
名無しのオプ:2007/10/21(日) 20:57:51 ID:nGmB4U4E
霞流一『スティームタイガーの死走』(2001→2004、角川文庫)【6点】
大手玩具メーカーの会長の肝いりで造られた「蒸気機関車C63・虎徹号」。
総理も臨席するお披露目会の最中に死体が発見され、虎徹号でも
乗取り事件+ある事件が! 犯人の目的は一体何なのか・・・?
ラスト近くで次々と明かされる「秘密」にはなかなか引き込まれたが、
それまでの道行きがタイクツだった。スピーディーに話を進めようと
したせいだと思うが、ネタや小道具はいいがそれを上手く料理できなかった
印象。「このミス」4位ということで期待しすぎたせいだろうか。
>>693 ('A`) 3作とも自分の・・。ま、広義のミステリーということで。
「月ぞ悪魔」香山滋(出版芸術社)
短編集。
以前「生きる屍の死」を読んだとき、外国が舞台なのが
気に入らなかったけど、この人の場合はそれが気にならなかった。
その理由はよりテーマが明確で必然性があるからだろうか。
話の作りとしてはストーリーはミステリーでもプロットは違う感じ。
謎はあるけど流れで明かされるパターンが多い。
海野十三と比べてもミステリーぽさは薄いかな。一番良いのは
「処女水」。SFミステリーぽくまとまってて○。
後「蜥蜴の島」も印象深かった。オラン・ペンデク3部作並びに
海鰻荘2部作は期待値の割に今一つであった。人見ものは既読なので除外。
「UNKNOWN」古処誠二(講談社)
自衛隊の基地内で盗聴器が発見された。しかも取り付けられていた場所は
何と隊長室の電話の中。犯人はオートロックの室内に如何にして
侵入し仕掛けを施したのか?
予習のためデビュー作を読む。青臭いユーモアはご愛嬌か。
相棒みたいに上司と部下のコンビが事件に挑むわけですが、
事件そのものははっきり言って小粒。まとまりは良いと思うけども。
情報小説という側面もプラスしてのメフィスト受賞なのかな?
あと、P57の論理が解らなかった。まあ金払ってまで読みたい
代物じゃなかった。でも推理作家って大概とん平だと思ってたから
ちょと意外。恒星日誌を検索してみようっと。
「林不忘探偵小説選」林不忘(論創社)
二つの捕物帳を収録した短編集。
この叢書にしちゃ珍しく読める味。しかし! 翻案ですから〜 残念!
若き日の洋行でさぞかし感性を磨いていたのかと思いきや
パクるネタを漁ってたという。そのせいかどの話もどこか雑然とした
印象を受けた。ネタを消化しきれてないというか。
おまけにオリジナルっぽい2つ目のシリーズは途端にショボくなってる。
それでも松本泰なんかよりずっとましだし、翻案でも読めるものなら
いいという考えもあるけどやっぱり元ネタを読みたいから
ちょっと損した気になった。
これってほど突出した作品は無し。
699 :
名無しのオプ:2007/10/25(木) 05:48:09 ID:swhkdGCX
『片眼の猿』 道尾秀介
うーん、面白かった。
だがもう少し殺人事件の扱いが何とかならなかったのか。
それとメル欄の知識ってのはそんなに一般的なものかな。とも思う。
この作者の力ならもっとスマートに
このアイデアを提出できたのではないかと残念。
骸、シャドウ、片眼。凄い作家だなぁ。
(向日葵は理解できんかったorz)
向井路琉「白い鬼」(2007、文藝春秋社)【6点】
第46回にして最後のオール讀物推理小説新人賞受賞作。
江戸の産科医を主人公とした短篇で「ミステリ」の部分は
選評にもあるとおり早々と予測可能だが、無理はない。
ただ、産科医父子の親子関係や、お家騒動の顛末などがどうにも
現代的価値観が前面に出ており違和感がある。
固有名詞や職業だけが江戸風という印象。
高橋克彦は何も触れていなかったが・・・
701 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/10/27(土) 11:21:50 ID:afQ8lDN7
坂口義弘「もの書き貧乏物語」を読んだ。
志ん生の自伝(聞き語り)「びんぼう自慢」をヒントに書かれたという作
(「あとがき」より)。
小説家以外のいわゆる「もの書き」=「ライター」の実像は案外知られておらず、
ミステリアスとも言い得るが、本書を一読するとその現況(公私に渡る日常生活)が
かいま見え、興味深いものがある。
著者は既に単行本80冊程を上梓しているなかなかパワフルなライターだが、
(「体力のこと」の章でのMの件でもこのことががわかる?(w )
相当な読書人である私であってもこれらの著作を目にした記憶は無い。
この事実からもわかるとおり、2ちゃんに乱入している自称ライター・評論家という輩の
怪しさ、いかがわしさが推察出来るというものである(w
702 :
名無しのオプ:2007/10/27(土) 15:21:10 ID:StmAj+ei
沖ファンとか某三流とか、いかがわしさ全開だもんなあ。
703 :
名無しのオプ:2007/10/27(土) 15:26:49 ID:AD7UYVIh
そのいかがわしい連中の足元にも及ばない
2ちゃんねるのカキコライターを名乗る発狂紳士がいるよなあ。
704 :
名無しのオプ:2007/10/27(土) 15:40:26 ID:eOgtRXNP
書斎は本のセレクトがいいね。どこから探し出してくるのか。
膨大な蔵書は予想されるが。
705 :
名無しのオプ:2007/10/27(土) 15:49:13 ID:8Jah9h/J
自演しつこいぞ馬
706 :
名無しのオプ:2007/10/27(土) 18:54:56 ID:bg6BdO9O
>>705 同感。あらゆる本がミステリーに見えるようじゃただのアホだな。
セレクトがいいどころか単に鑑識眼がないだけで、
自演でいくら自分を褒めてもそれは更に傷口を広げるだけであることに気付いていないのがね。
707 :
名無しのオプ:2007/10/27(土) 20:58:28 ID:w6BnBQBt
自演のレベルが低すぎだな
さすが過疎板
708 :
名無しのオプ:2007/10/28(日) 09:22:17 ID:rDk9M1t0
あらゆる本がミステリーに見える、じゃなく、ミステリーとして読んでみるという試み、だろ。
そこを押さえておかないと「論考」理解は難しい。
709 :
名無しのオプ:2007/10/28(日) 09:44:37 ID:ciAD5U5G
>>708 魔神が言うならわかるがなw
まあ同じことか。
710 :
名無しのオプ:2007/10/28(日) 10:44:29 ID:rakUaLR4
また自演かよ
誰も信じないっての
何年経ったら気づくんだよアホ
711 :
名無しのオプ:2007/10/28(日) 16:46:03 ID:hBccYyzO
>>709 “あれ”は本をミステリーとして読んでいるわけでもなければ
ミステリーとして評価しているわけでもないしな。
「ミステリアス」だからミステリー
「サスペンス」があるからミステリーというレベルの
薄っぺらい見方しかしていないしw
712 :
名無しのオプ:2007/10/28(日) 19:28:59 ID:YBodR8Gt
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
山口芳宏『雲上都市の大冒険』(2007、東京創元社)【6点】
二十数年前から地下牢に幽閉され脱獄・復讐を予言していた座吾朗。
彼が密室状態の牢獄から消失し、東北の鉱山都市に連続殺人事件が。
現場に残された血染めの文字の意味は? 第17回鮎川哲也賞受賞作。
探偵役が2人出てくるが、義手探偵の奇矯キャラは定型だがまずまず
成功しており、彼の出てくるパートは楽しい。冒頭のわらしべ部分は
笑った。しかしもう一人の探偵のパートになると展開も退屈になる。
出版に当たって大幅に削ったらしいが、それでも冗長と感じる。
去年の受賞作に較べれば本格ミステリではあるが、小説としての
面白さは一歩も二歩も譲る。ただ、消失トリック・ロジックは
捨て推理を含めて及第点。開き直ったエピローグはいっそすがすがしい。
もっとも2300円という値段分の価値があるとは残念ながら言えないが・・
714 :
名無しのオプ:2007/11/01(木) 16:16:35 ID:k52zSl6U
西澤保彦『スコッチ・ゲーム』(1998→2002、角川文庫)【7点】
名門高校の寮で発生した連続女子高生殺人事件。事件の渦中で
目撃された謎の人物はウィスキーを川に流し、空瓶を洗浄して
その場を立ち去った。その行動の意味は? そして犯人は誰なのか?
匠千暁シリーズ第四弾。タカチが高校時代の事件を追憶し、それを
解決しようとする結構。ミステリ的な大技はないが、あいかわらず大小の
伏線の張り方は巧みかつ周到。ただ、頻出する「人間論」みたいなのは
シリーズ読者以外は楽しめなさそう。
もっとも文庫版解説者のようなミーハー的文章は、いくらシリーズ読者でも
辟易。……と思うのは自分がオッサンだからでしょうか。
715 :
名無しのオプ:2007/11/01(木) 17:42:25 ID:u+Fum8pC
>>714 > ただ、頻出する「人間論」みたいなのはシリーズ読者以外は楽しめなさそう。
シリーズ読者だけど楽しめないよ。
男の幼児性以外ないのか!?(それ以外も出てくるけどw)と言いたい。
あとタカチに対する過剰なマンセーも引く。
篠田節子『夏の災厄』(1995→1998、文春文庫)【7点】
都心より50キロ離れた埼玉県昭川市。夏を迎えようとする時期に、
一部区域だけに突如として日本脳炎らしき患者が頻発した。緩やかに
広がる被害。原因らしき原因も不明のまま、本格的な夏が近づいていた・・
登場人物の多くは、小市民的公務員ばかりで、できることには限界がある。
その制約の中で新型脳炎の原因を探り、保身を考えながらも奮闘する姿は
読み応えがある(海外のアレはどうかと思うが)。多分作者の経歴とも
関係するのかもしれない。
ただ意図的に「ヒーロー」を造らなかったせいか、同じトーンで物語が
進んでいき、起伏に若干乏しいのが残念。オカモノアラガイとか
気色悪い生物の描写も印象的で、ラストもなかなか。
>>715 うーん、自分はまだ我慢できる、かな。
717 :
名無しのオプ:2007/11/03(土) 06:41:23 ID:pH1N6M/9
『ハッピーエンドにさよならを』 歌野晶午
本格ミステリではない(と思われる)短編集。
タイトルに相応しいのは掌編3つ。
こういう掌編を集めて1冊にしたらもっとよかった。
いや飽きるか。
ベストは「玉川上死」見え見えとか言うなw
次点に狂った動機が見所の「防疫」
押し付けがましい善意の気持悪さが見事な「尊厳、死」
ホームレスとか学歴社会とか教育ママとか
そういう嫌な題材を嫌な感じに、時に滑稽に。
上手に書くなぁ。
718 :
名無しのオプ:2007/11/05(月) 13:51:19 ID:rfGV9SbA
『消失!』 中西智明 文庫
再読。前に読んだのは4年前くらい。
メル欄って作品としか記憶してなかったが
それを意識しながら文章を拾っていくととてもにやにやできた。
これは凄いわ。
新作頼みますよ、まじで。
719 :
名無しのオプ:2007/11/09(金) 19:52:08 ID:NDTlOWO5
詠坂雄二「リロ・グラ・シスタ」カッパノべルズ
綾辻行人が推薦文でかなり褒めてるんだけど俺は途中で仕掛けがわかってし
まった。ミステリーを読み慣れてる人ならたいてい分かると思うぞ。
まあ死体を屋上に移動させた理由などはそれなりに考えられているので読ん
で損したという気はしないので、ニ作目に期待だな。
高野和明『K・Nの悲劇』(2003→2006、講談社文庫)【8点】
新妻である果波の妊娠に戸惑う売れっ子ライター夏樹修平。
一度は堕胎を決心するが、それ以来妻にはもうひとつの人格が宿った。
精神障害なのか超常現象なのか戸惑う修平は、その「人格」の正体を
突き止めるために、医師磯貝とともに調査を開始するが・・・
道具立ては決して新奇でも派手でもないが、うるさくない程度の薀蓄と
確かな筆致とが、物語をサスペンス豊かなものとしており、何気ない
ホラー風描写にぞくぞくさせられる。物語がどのように着地するのかは
なかなか底を見せないが、ラストの展開は個人的には不満。
女性に堕胎させたことのある男性は怖くて読めないような・・・
721 :
名無しのオプ:2007/11/09(金) 22:12:00 ID:4V5ExSn8
>>719 理由ってなんだっけ。事件の動機はおぼえてるんだけど。
722 :
名無しのオプ:2007/11/10(土) 00:34:50 ID:tTSxgX4z
藤原伊織スレが落ちてしまった‥。
『名残り火』読了。
「てのひら〜」からしばらく経っているんだけど、こんなに凶暴な男だったかとビックリ。
今まではあまり気にせずに読んできたんだけど、『遊戯』と今作と割と続けて読んだせいか、「おじさんのファンタジー」みたいなのをかなり強く感じました。
新たに発生する人間関係が、「釣りバカ」みたいな世界観と大して変わらない気がして、何となくそういうとこが残念だった。
まぁ暴力的に暴走する感じは好きな方だけど、他がね‥。
おかしいなぁ、私は藤原伊織大好きだったハズなのに。
私が変わったのか、藤原伊織が変わったのか。
でもこれで本当にお別れかと思うと寂しいです、くすん。
723 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/11/10(土) 17:02:19 ID:IjTaK5jq
明野照葉『骨肉』を読んだ。
ミステリ作家による普通小説は、その人物描写等に薄さを感じさせるものが多いが、
本作は例外中の例外。
早期退職した父と3人の娘、ここに妹と称される女の子が現れて大騒動となる。
正直言うて、ストーリーに新奇なものはないが、悪人と言えるキャラは皆無であるにも
かかわらず(善人と言えるキャラもいないが)、家族の和解へという安易な展開にしない
ビターなストーリーが面白い。
昼ドラか深夜ドラマの素材として好適かと思う。
あぼーん
725 :
名無しのオプ:2007/11/10(土) 23:24:42 ID:/cRr7yvS
「椿姫を見ませんか」森雅裕(講談社)
ヒロインとしてオペラ公演を間近に控えた芸大生が毒殺された。
その場に居合わせた同級生の音彦は生前被害者から頼られて
いたこともあり事件に興味を持つようになる。さらに彼女の葬式で
知り合った少年を親友尋深と共に匿ったことから彼らは
事件の元凶となった幻の名画を巡る因縁に巻き込まれて行く――。
えへへへ、僕こういうの好きぃ。
主役コンビは「悪い金田一と美雪」って感じで、憧れるなあこういう関係。
同期の東野も学園もの書いてるけど、彼にはにはこういう
イーブンな男女関係は描けないでしょうね。例えるなら
ひがしのりは「スミス夫妻」で森雅裕は「新婚道中記」って感じ。
ミステリーとしてはいわゆる「崩した本格」というタイプかな。
ぶっちゃけプロットは大したことないけど伏線の張り方が自然で巧い。
森雅裕……癖になるかも!?
あぼーん
728 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 13:39:27 ID:Svrypuwj
727、お前w
729 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 13:43:01 ID:5KoG9PWx
叙述だ、だけじゃネタバレにはならんよ。
叙述専門に書く某作家がいるだろう。当然その作品は叙述だと心得て読むわけよ。
730 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 13:47:09 ID:PwUlHL88
それって凄い特殊な例じゃん
普通は叙述ってわかるだけで充分ネタバレだろ
731 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 13:51:58 ID:5KoG9PWx
新本格以降、広い意味で叙述に入る・叙述的要素がある、そういう作品がむしろ主流ともいえるので、
現在のミステリーを読む時は叙述ではないかと疑って読む心構えもいるしね。
732 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 13:57:28 ID:PwUlHL88
だからさ、叙述だって知ったらその心構えも糞もなくなるだろ
推理の幅もかなり狭まるわけだし
733 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 14:17:22 ID:U9GV6qpH
>>727 小説の楽しみ方を知らないだけだ>多分そう言われるだろうと予想してた。
でもね、今回はミステリを楽しもうと思って読んだんだ。
>>731のような経緯は
知らなかったんだ。
私の立ち位置から言わせてもらえば、叙述トリックのミステリは「推理小説の雰囲気がする小説」だ。
まあ、こっちが勝手にミステリに対して、思い違いをしてただけといわれればそのとおりだし、
こんな言い分はとっくに、盛んにしてるんだと想像するけど。
ネタバレはスマン。
本格推理とやらを捜してみるは。
734 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 15:56:46 ID:SwYz59Fm
>>733 じゃ、削除依頼だしてね。ネタバレはNG行為だから。
735 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/11/11(日) 16:52:21 ID:jBcSaRMq
山崎豊子『華麗なる一族』を再読。
物語展開のキーとなる鉄平出生の秘密というミステリ性も加味された
刊行当時は大ベストセラー、映画化もされ、最近ではキムタコ主演のテレビドラマが
ヒットした言わずと知れたとでも称すべき作であるが、
官庁再編により大蔵省が財務省と金融検査庁に分割され、3大メガバンク誕生で
金融再編が終着点を迎えたかに見える現在からみれば、当時は斬新な発想だったと
しても小が大を食う銀行間競争も金融昔話と化した感はあり、風俗等の時代設定の
古さも目立つ。
執拗に描かれる万俵大介の妻妾同居・同衾生活は、今読んでも言い知れぬおぞましさが
あり、この点につき普遍性が感じられるのは面白いものがある。
736 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 18:17:34 ID:5KoG9PWx
昔の小説の風俗描写が古いって、そんなこと言ってもしょうもないじゃないか。
逆に昔の風俗が活写されていて興味深いと受け止めるべきだろう。
あぼーん
738 :
名無しのオプ:2007/11/11(日) 21:12:20 ID:1Mc3foiq
「星降り山荘の殺人」倉地淳
犯人には驚かされし楽しめた。
だけどネタ晴らしのあとの展開がつまらない火サスみたいだったのが残念。
739 :
名無しのオプ:2007/11/12(月) 02:57:39 ID:yS49OpCa
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」
単行本 原書房(2004)/文庫 文春(2007)
中途で「あ、アレなんだろうな」と気付いた。
文庫で読んだんだが、帯がいかんわ。
740 :
名無しのオプ:2007/11/12(月) 11:21:06 ID:EJpiP4qq
イニシエーションと聞くとどうも違うことを思い出す……
741 :
名無しのオプ:2007/11/14(水) 16:11:46 ID:jWdwSp/3
中野順一「セカンド・サイト」(文春文庫)
デビュー作。
ミスフロから出る新作と主人公が同じみたいなのと、粗筋が気になったんで買ってみた。
どうも音楽やってる主人公、ってものに弱いんだよなあと再確認。
超能力の類がちょっとだけ(飽くまでちょっと)絡むってのも好きみたいだ。
文章も読み易かったし楽しめたので、新作も買うことにした。
しかし、たった一行読み飛ばしただけで主人公の年が辻褄合わなくなってしまって
ちょっと混乱してしまった。
我ながら間抜けだ…
742 :
書斎魔神:2007/11/17(土) 22:09:34 ID:sa5qlxNN
立花隆『ぼくの血となり肉となった500冊そして血にも肉にもならなかった100冊』
久我勝利『読んでから死ね!名著名作』の読書本2冊を一気読みしてみた。
前者は、雑誌連載をまとめたものということもあって、少し古いものが多いせいか
筆者が読みたいと思うような本はほとんど紹介されておらず、
(笠原和夫『映画はやくざなり』、西成活裕『渋滞学』ぐらいか)
後者に関しても、『それから』『幽霊』『白痴』『金閣寺』『嵐が丘』『渋江抽斎』
『黒死館殺人事件』等を二回以上読んだという著者とは気が合いそうもない。
(ブログに詳しいが、上記作品はいずれも私が読むのに難渋したか、
評価していない作なのである)
しかしながら、同じ読書人同士(同志か(w )、お互いに合い通じるものはあろう、
タカシ、クーちゃん、書斎氏と呼び合いながら、一献の機会を持ちたい気はしている。
743 :
名無しのオプ:2007/11/17(土) 22:12:32 ID:AjFN64lx
叙述トリックというのがどんなものなのか分からないので教えてください。
744 :
名無しのオプ:2007/11/17(土) 22:55:00 ID:VAdzMZbE
745 :
名無しのオプ:2007/11/17(土) 23:06:28 ID:AjFN64lx
>>744 いわゆる映像化不可能といわれてる奴と考えていいですか。
746 :
名無しのオプ:2007/11/17(土) 23:15:54 ID:m3WY95oJ
作者が読者に対して仕掛けるトリック。
人物の性別誤認とか。
中町信・折原一とか。ほかにもいっぱいいるけど、
叙述とばらしていいのはこの二人の作品だけ。
747 :
名無しのオプ:2007/11/17(土) 23:18:57 ID:AjFN64lx
>>746 ありがとうございます!
ところで、どうしてその二人のはばらしてもいいのかな?もっとすごい
仕掛けがあるからとか?
748 :
名無しのオプ:2007/11/17(土) 23:19:16 ID:c71W7R8E
海外作家だけどクリスティも叙述トリックが多いな。
749 :
名無しのオプ:2007/11/18(日) 00:14:26 ID:ZSwIIzat
>>747 叙述トリックの説明に関しては746の通りだが、誰の作品なら
バラして良いか悪いかなんてのは全くの主観だから鵜呑みにしないように。
西澤保彦『依存』(2000→2003、幻冬舎)【7点】
タック&タカチのシリーズ第五弾。いつものメンバーで大学教授の
自宅に遊びに行ったタックは、教授の後妻が母の美弥子であることを
知り驚愕する。美弥子の真意とは?
これまでのシリーズでは影の薄いウサコ視点で、正直前半は文体が合わない。
飲み仲間の周囲で起こる「奇妙な出来事」に関するいつものディスカッショッン
推理も真相も正直感心できない。シリーズ読者だから物語の展開は気になったが、
ミステリとしては【6点】くらい。本作だけ読んでもあまり楽しめない。
西澤保彦『謎亭論処 匠千暁の事件簿』(祥伝社、2001)【6.5点】
タック&タカチのシリーズ短篇集。大学生時代・社会人時代のボアン、
タック、タカチ、ウサコが登場するのでシリーズ読者としては愉しんだが、
ミステリのネタとしては【6点】。いつも以上のこじつけが目につく。
一番驚いたのはウサコの現在。『メフィスト』掲載時に読んだことを
思い出したが、シリーズ読者でもなかったあのころは、
「なんじゃ、このミステリは」と思ったことであるよ。
752 :
名無しのオプ:2007/11/18(日) 15:46:37 ID:qoSH99Wp
我孫子武丸「殺戮にいたる病」
単行本 講談社(1992)/文庫 講談社(1996)
グロテスクとされる描写は別に気にならなかった。
まあキッチリ騙されたけど。
とりあえず初心者の私としては、『マジで「やられた!」ミステリ』スレの
テンプレ作品を順次あたってみようと思っているんだけれど、
全部読んだらある程度は「耐性」がついてひっかかりにくくなるのかな?
753 :
名無しのオプ:2007/11/18(日) 15:52:39 ID:u4XMUYQy
そりゃそうだ
754 :
名無しのオプ:2007/11/18(日) 15:54:45 ID:KNkTD+Dx
>>752 ひっかかりにくくなるというよりは、その手の作品に食傷気味になりくだらなく思えてくる。
個人的偏見だがw
755 :
名無しのオプ:2007/11/18(日) 18:03:40 ID:JVO70YXk
やられた!スレと初心者スレのテンプレ作品を交互に読むべし
重複してるのもあるがな・・・
756 :
書斎魔神:2007/11/18(日) 21:36:41 ID:2s1YAiVL
『岡本綺堂随筆集』を読んだ。
『半七捕物帳』や怪奇小説、『修善寺物語』『番町皿屋敷』等の戯曲を読んだイメージ
では、淡々としてクールな感さえ受ける作者だが、意外にウエットでエモーショナルな
面が感じられる随筆が多く収められており意外であった。
(左足の1本を失った蟹に対する自身の共感を綴った「蟹」、仏における戦場見学を
通して現地の人々への作者の思いを描く『ランス紀行』、亡き甥への想いを句に託した
『叔父と甥と』等々)
句を嗜む著者の随筆だけあって花鳥風月に関する文章も多く、私事に関するものも
あるが、やはり筆の冴えを見せるのは、怪談・奇談を語るエピにおいてかと思う。
何か裏がありそうだが奇談のままに終わる『狐妖』(随筆『二階から』の一編)、
小品ながらリアルな恐怖感が溢れ、綺堂怪談中でも屈指と推す声もある
『怪談』(『御堀端三題』より)、そして『温泉雑記』にある厠の怪談、
作者の見聞である心中があった部屋の怪異談等々、
非常に短いながらも日支の妖怪比較論考『妖怪漫談』も面白い。
そして、最早『奇談』の段階に達しているとも言い得る『拷問の話』は、
江戸牢内における拷問の実態もわかる迫力満点の読物である。
757 :
名無しのオプ:2007/11/19(月) 22:46:03 ID:8RCooSGy
ドグラマグラを多感な時期に、読み終わったら精神障害になるという
帯の文句につられてドキドキしながら読んだが、全然頭に残ってない。
残ってないことが、障害を受けたということなのか。ノルウェイの森が爆発的に
ヒットしてるときに読んだときと全く同じ反応なのだ。どうも、自分は
心の病に頼るお話が苦手みたいだ。
758 :
名無しのオプ:2007/11/20(火) 11:55:25 ID:I8KMm0f8
759 :
名無しのオプ:2007/11/21(水) 00:32:25 ID:zxeKPekF
■■■書斎ミス住警報発令中■■■
書斎は現在、全ての書き込みに対して
挑発的なレスを返してくる模様です。
ミス住の目的は、皆さんの感情を弄び、
板を機能不全に陥れて自己満足に浸る事にあります。
書斎の煽りに乗ってはいけません。
ミス住にマトモな返答を期待してはいけません。
■ただひたすらに無視し続けて下さい■
ひとりでも反応すれば、書斎は大喜びで更に挑発してきます。
煽り耐性の無い方は、当分の間書き込みを控えて下さい。
ミス住撃退には、皆さんのチームワークが、何よりも大切です。
ご協力よろしくお願い致します。
★★★基本に戻ろう★★★
★ 書斎は、放置されるのが一番キライ!
→ ウザイと思ったらそのまま放置!
★ 放置されたミス住は寂しくなって、煽りや自作自演であなたのレスを誘います!
→ 釣られてレスしたらその時点であなたの負け!
★ 反撃は書斎の滋養にして栄養であり、ミス住が最も喜ぶことです!
→ 書斎にエサを与えないで下さい
★そんなミス住を見かけたら、
→ 同情と哀れみの気持ちを込めて華麗に放置スルーしてあげましょう。
「警官の血」佐々木譲(新潮社)
昭和二十三年春、安城清二は警官になった。生活の安定、ただ
それだけのために。やがて彼は駐在警官となりある事件に遭遇する。
その事件こそが、始まりだった――。
普段ならまず手に取らない様なものをこのミス1位らしいというだけで
読みました。そんな自分が好きなんです。
そういや昔「アトレイデスの血」(未読)という小説がありましたな。
閑話休題。最初は単に日常を追ってるだけっていう感じで、
起こる事件も並列的で処理に至るプロセスも半ば流れ作業化しており
入り込めませんでした。中学生を標的にしているかの様な文章も
マイナスで。
ただ二部以降からは大分躍動感がまして少しずつ楽しくなりました。
でもラストで明かされる真相は引っ張り過ぎだし、半分後付けめいた
要素もあり違和感が残りました。
結局大河小説、年代記としての面白さ以上のものは読み取れず、
求めて読む程のものでは無いとの感想に至りました。
最小公倍数的な1位ということかな。まあ去年よりはマシですが。
761 :
名無しのオプ:2007/11/22(木) 16:01:14 ID:o8//+U4s
このミスが出た最初の頃はガイドブックとして良かったんだけど
今はあれや類書はミステリーをつまらなくさせてる元凶だね
少なくともあれらに影響される国産ミステリーはもうダメ
762 :
名無しのオプ:2007/11/22(木) 16:32:41 ID:i2TuaOTf
たいしたミステリ理解者だ……
西澤保彦『解体諸因』(1995→1997、講談社文庫)【7点】
タック&タカチのシリーズ。死体の解体をテーマとした連作短篇集。
作者のデビュー作ということもあり、推理「小説」という点では
ぎこちないが、ロジック&トリックは豪快。
現在の作者にリライトしてほしいようなネタも多い。
登場人物の設定がけっこう変わっているが、まあご愛嬌。
最終章がもう少していねいに説明・解体されていればと、
ちょっと惜しい気がする。
西澤保彦『黒の貴婦人』(2003→2005、幻冬舎文庫)【7点】
タック&タカチのシリーズ短篇集。短篇4+中篇1。
ミステリ小説としての出来は、正直普通。
「まあ、そういう解釈もできるけどね」というのが感想。
だけどキャラクター小説としては続きがおおいに気になる。
そういう意味では『依存』に続く長篇に期待したい。
これでシリーズの既刊分は全部読んだことになるが、
実に楽しい読書だった。
高木彬光『人形はなぜ殺される(新装版)』
(1955→2006、光文社文庫)【7点】
説明無用の古典的名作を初読み。
すでにメイントリックについては後発某作家の某作品を読んでいたので、
その点での驚きはなかった。大仰な言い回しは鼻につくものの、
解説を寄せている二階堂黎人などに較べると、物語の展開は速い。
古きよき時代の本格物で、こういう雰囲気は好き。
併録の短篇「罪なき罪人」「蛇の環」は標準作。
766 :
書斎魔神:2007/11/24(土) 10:43:33 ID:Ay2RLgCU
十河進(そごうすすむ)『映画がなければ生きていけない1999−2002』を
読んだ。
メルマガの連載を収録した上下2段組・600頁近いエッセイ集である。
ミステリ(取り上げる作品を見ると著者はハードボイルド、冒険小説好き)、
映画、軽音楽(ジャズ中心)等の話題が満載で、著者の主観に走り過ぎたような記述も
多いのが気にはかかるものの、大部のわりには気軽読めるものに仕上がっている。
しかし、私自身はスーパー・サスペンスとして評価する『天国と地獄』を低評価、
弱者蔑視の観点があると断定する著者とは個人的には仲良くなれそうもなさそうである。
(あの作は、山崎努の犯人、仲代達矢の警部等、若き日の名優たちの極端に走ったキャラ
が魅力なのである)
しかしながら、単なる作品評等にとどまらない『私』を起点とした書き口は、
美化されたように感じる部分があるものの、面白くもある。
(一例を挙げれば、『クージョ』の原作にも映画にも論考せず、
ジョギング中に犬に襲撃されたエピを語る等)
767 :
名無しのオプ:2007/11/24(土) 11:17:39 ID:ObDr/b+Z
真性包茎w早く病院で剥いてもらえw
『密室殺人事件』(1994、角川文庫)【7.5点】
広い意味での密室をテーマとしたアンソロジー。阿刀田高・折原一・
栗本薫・黒崎緑・清水義範・法月綸太郎・羽場博行・連城三紀彦の
短篇を収録するが、バラエティに富んでいておもしろい。
馬鹿馬鹿しい清水「モルグ街の殺人」、
設定はおもしろいが硬質な文章で損してる羽場「虚像の殺意」、
大胆な真相で意表をつく阿刀田「天国に一番近いプール」が印象深い。
769 :
名無しのオプ:2007/11/26(月) 13:33:47 ID:/NUSnem3
『スノーバウンド@札幌連続殺人事件』 平石貴樹
はてなの感想を一通り回ってみたら
地味言われすぎでワロタw
僕の感想も同じだ。地味なのだ。
色々とやっているんだけど、地味な印象は拭えない。
メル欄とかもう少し見せ方変えれば華になるのに。
奥付見ると、06年11月15日になってるので
本ミス08の対象なんだよね。
ギリギリ20位以内に滑り込む事はありそう。
本格好きなら地味とか言いつつも嫌いになれない作品かと思う。
あぼーん
「桜子は帰ってきたか」麗羅(文藝春秋)
弁護士の久能真人は東北へ巡礼に出た祖父が自殺を遂げたとの
知らせを受ける。当初は何の疑いも抱かなかった真人だったが、
十三回忌法要にやって来た朝鮮人呉の話を聞いたことから
祖父は殺害されたのではないかと思い始める……。
久々某スレからのセレクト。
中国から出稼ぎに来て歌舞伎町で働きながら書きました。嘘です。
つまりそれぐらい期待外れでした。しょっばなは中々良い感じ
だったのですが、事件が発生した後は何やら類型的な流れに
陥った臭いがしまして「こりゃ危ないぞ。ああなるかも」
と思っていたら何と、「ああ」までも到達せずに終りました。
本作は本格と言うより私立探偵小説(ハードじゃないハードボイルド
みたいなもの)ですが、それはまだしも無駄な道具立てもあったりして
どうもわざわざ読む価値は無かった様です。
真保裕一『発火点』(2002→2005、講談社文庫)【7.5点】
父を殺害した沼田が仮出所したことを知る杉本。9年前の事件以来、
はじめて故郷の西伊豆に帰り真相を探ろうとする。被害者の息子として
生きてきた21歳の杉本が知る沼田の動機とは?
真保作品の中では評価の低い本作。序盤〜中盤の杉本のダメっぷりは
いちどに一章読み進めるのがせいぜいだが、中盤以降はかなり読ませる。
展開は地味で、爽快感とは無縁のストーリーだが、これも作風か。
ラストに賛否はあるだろうが、個人的には「ほっ」とした。
「シオンの娘に告げよ」典厩五郎(立風書房)
戦後間もないGHQ支配下の日本。
石川県で起きた老人の不審死を追う刑事黒崎はその裏に
国家権力の影を見て独自に調査を進める。
所変わって東京では映画会社に勤めている木暮が社長と共に
莫大な融資を約した相手と面会していた。その正体に驚いたのも束の間、
彼から巨大なダイアモンドを預かり鑑定に持ち込んだ木暮は
逮捕されてしまう。
騒動の背後に見え隠れするM資金の謎とは?
某スレからのセレクト。面白かった〜。エンタメ読んだって感じ。
こんなの独力じゃまず行き着かない。大元帥に敬礼! テンキュー。
荒唐無稽に過ぎず、かと言って地味でもなく、プロットも錯綜しているが
読みやすく、骨の髄までまでサプライズが施されている。
加えて、主人公のサイドストーリーも盛り込み内容十分。
日本に大したものがないと言った「沈底魚」の作者はこれを読んで
いなかったのではないか。当時の評価が気になる。ベストテン入り
してもおかしくないと思う。
追伸 この作者は以前真田幸村の何とかってトンデモIF小説を
読んだ切りだったがこんな作品があれならもっと読んでみよう!
……とはならないのが小生の賢いところ。一期一会で満足しとかないと
不幸になる予感がする。
774 :
名無しのオプ:2007/12/01(土) 11:50:11 ID:lY64CtB6
北山猛邦 『クロック城』殺人事件
十一人委員会やSEEMは全く出てくる必要がない。終焉の世界やら、ゲシュタルトの設定が活かされていない。
人物像や背景が描ききれていない。消化不良のトリックなど不満は多いが、頭部を持ち去った理由で救われたかな。
775 :
書斎魔神:2007/12/01(土) 15:03:42 ID:8zQbFAKw
ミステリファンなら読み落とせないと思われる手練れの書き手によるエッセイ集を
2冊読んだ。
『田中小実昌エッセイ・コレクション3 映画』と
『小説は電車で読もう 植草甚一スクラップ・ブック32』である
前者は、昭和の荷風(?)とでも称すべき筆者(一応、直木賞作家だし)が
東京の町を筆頭に、滞在先の海外でも映画を見まくりまくる、映画放浪記的作。
自己の感覚で話題の大作(当時)や名作を、あっさりと『いも』と断定してゆく
筆致が面白い。
ただし、内容的には映画評ではなくして、私的映画&映画館(今は亡きもの多数)所感
といった風のものであり、これが肩が凝らずまた良し。
後者は、70年代の粋な趣味人による今や死語と化した中間小説評を纏めたものであり、
池波正太郎、松本清張、山田風太郎、新田次郎、筒井康隆、小松左京、笹沢左保、
鮎川哲也、都筑道夫、結城昌治等々、このメンツが毎月小説雑誌にがんがん新作を発表
していた70年代前半の時代の凄さをあらためて感じさせるものがある。
岡本吉古、河野典生等の当時はメジャーでありながら、今では全くと言ってよいくらい
読まれなくなってしまった作家の名が見られるのもある意味で感慨深い。
(知名度は健在だが、藤本義一や野坂昭如も同様か、とにかく70年代はがんがん
書いている)
思うに、J・Jはホームビデオが普及する80年代さえ見ずして逝き、
コミさんも21世紀の本格的なネット時代を知らずして逝った・・・
この2人の著作を見ると、今は粋な仕事人&趣味人が死滅した時代という感を強く抱いた。
余談ながら、
永嶺重敏『東大生はどんな本を読んできたか 本郷・駒場の読書生活130年』も読んだ。
本書中のミステリ関連の話題で面白いのは、東大の学生生活実態調査における好きな作家
の項目で、80年代にJDが調査対象(JDのみ、あるいは男女)になった年度には、
アガサ・クリスティーの名が挙がっており、
そして、2000年の調査ではアガサの名が消え、宮部みゆきが登場していることで
ある。90年代にみゆきが世界的なミステリの女王であるアガサに取って代わったという
事実が読み取れる。
これは東大生に限らない一般的な傾向ではなかろうか。
西澤保彦『完全無欠の名探偵』(1995→1998、講談社文庫)【6点】
他人の深層心理に働きかけ、饒舌にさせる特殊能力を持つ山吹みはる。
大富豪の依頼を受けて孫娘りんのお目付け役として短大の事務員となる。
りんが高知で就職したのはなぜなのか。またその周辺の事件の真相は?
みはるが出会う人物の周辺の「小さな事件」がどんどん積み重なって、
ひとつの事象を描き出す構成だが、必要以上に人物を登場させたため、
複雑すぎる内容となっている。まだまだ習作の域を出ていない。
やりたかったことはわかるんだけど・・・
「銃とチョコレート」乙一(講談社)
貧しい移民の息子リンツは父と買い物をしたついでに聖書を手に入れる。
家に帰ってから、本の中に地図が挟まっているのを見付けたリンツは
ふとしたことからそれが世間を騒がせ続けている怪盗の物だと悟り、
怪盗を追う探偵ロイズに知らせるのだが……。
叢書一売れたとか。ラノベオタが半分アニオタが半分か。しかし
気持悪い絵だ。全員イッてる。
ストーリーは読ませた。年末のベスト予想でグリフィンと比較され
のりりんシンパの気があった自分はペッって感じだったけど
読後の感想は児童書としては本作が上かなと思った。全体のバランスが
良く、主人公に感情移入しやすいから。グリフィンの方は
単一な意味でのストーリー性がおざなりかな。
その代わりミステリーとしてはグリフィンが上。本作には狭義の
謎や謎解きがほとんど無いから。それにキャラクターがやや雑な印象。
追伸 残りでは菊地秀行が楽しみだなぁ。もし本作が菊地作なら
きっと彼女はあのシーンであいつに……ウヒヒ。
778 :
書斎魔神:2007/12/02(日) 12:07:03 ID:HQ+ylbHI
松本清張『野盗伝奇』を読んだ。
主君の命による暗殺に成功しながらも冷遇された信州高島藩士秋月伊助は野盗の群へ身を
投じ大暴れ。
主人公伊助はイケメンではあるものの、時代小説にありがちな爽やかな正義感ではなく、
野心的で斜に構えたところもある癖があるキャラ設定にしたのは面白かったのだが、
後半は単純なヒーロー化してしまうのが残念だし、それ以上に御都合主義連発の展開は
しょうもない。
野盗に関する歴史的考察、甲州の山岳地帯を舞台にしているため丁寧な情景描写等の
作品の装飾部分は読ませるものがあるだけに、肝心のストーリーの短絡さが惜しまれる。
779 :
名無しのオプ:2007/12/02(日) 12:14:12 ID:e+Vdi8O8
>>778 あれは深く考えず男装の美少女藤乃に萌えるのが、現代における正しい読み方。
780 :
書斎魔神:2007/12/03(月) 19:38:14 ID:p64dJF70
小林信彦「袋小路の休日」を読んだ。
ミステリにも縁が深い著者の作品集である。純文学苦手なミスヲタにもお薦め。
収録作品中では、博文館の伝説の編集者を描いた「隅の老人」はミステリファンなら
必読だ。
「根岸映画村」の松竹からATGへ移った不遇な映画監督(うるさ方の会長というのは
城戸四郎だろうが)、「自由業者」のDJ出身の放送作家兼タレントとは、それぞれ
誰がモデルか推理してみるのも一興かと思う。
781 :
支 :2007/12/03(月) 20:15:28 ID:rA5khDTJ
ミス板の住人が読まないような本を推す、書斎さんの慧眼には頭が下がります。
なるべく他人から突っ込まれないようにするには、このようなセレクトになるのですね。
さすがです。書斎さん。
782 :
名無しのオプ:2007/12/03(月) 21:18:35 ID:MHpl3Qtq
他人から突っ込まれるのが、怖くてしょうがない、童貞書斎(しかも包茎)w
783 :
名無しのオプ:2007/12/03(月) 22:46:46 ID:H3cuuEWU
結局「だから?」というレス内容だしw
784 :
名無しのオプ:2007/12/03(月) 23:32:18 ID:WO9Vy5As
書斎は感想文を書き込むより、まず日本語を勉強しましょうw
785 :
名無しのオプ:2007/12/04(火) 09:47:50 ID:5XFnPVeC
『たったひとつの』 斎藤肇
第2回本格ミステリ大賞の候補となった作品。
8つからなる連作短編集。と言ってしまっていいのかな。
ひねくれてた。とてもひねくれてた。
7つ目の短編のノリで自作解説を200頁くらい書いて
文庫化してほしい。
786 :
名無しのオプ:2007/12/04(火) 10:34:08 ID:tg4l3oF9
鯨統一郎『まんだら探偵空海 いろは歌に暗号(かくしごと)』 祥伝社 2004年
タイトルだと、弘法大師空海が作ったとの伝説がある「いろは歌」の秘密を解く話のようにとれるが、
内容は「薬子の変」の一部始終を描いた歴史小説風ミステリー。
空海がこの事件に巻き込まれつつ、その真相を解き意外な首謀者を指摘する。
といっても特に驚くほどのものでもない。
最大のトリックは山を消し去るというものだが、これも種明かしされれば
ああそうなの、って感じ。
で、この著者のいつものように文章が生硬、性描写が妙に露骨。
空海の人物像も、異能の持ち主だがもっさりした田舎坊主というキャラクターで、
個人的には空海=スタイリストというイメージがあるので、すごく違和感を感じた。
まあ暇がある人は読んでみたらいい。
「隠蔽捜査」今野敏(新潮社)
相次ぐ殺人事件の対応に追われていた警察庁のエリート官僚竜崎は、
浪人生の息子が自室でヘロインを吸っているのを発見する。
自身のキャリアや家族の将来に及ぼす影響を思い動揺する竜崎。
そんな中、浮かび上がって来た殺人事件の容疑者は警察全体を
揺るがしかねない人物だった……。
「警官の血」以来警察小説は不安だったが、さくさく読めた。
こっちのがエンタメ度高いみたい。権力者が主役だから
話が動き安いというかね。主人公の造形も気に入った。こういう
ヒーローは今リアルで必要だよね。某防衛省OBを重ね合わせて
みたりしたw
ただ、終盤に入るにつれ少しあざとさを感じる様になった。
御用小説というと言い過ぎだけど金シール貼ってても違和感ない感じ。
続編も読む予定だが主人公が変わらないか心配。
「果断 隠蔽捜査2」今野敏(新潮社)
竜崎の署の管内で強盗事件が発生し、その後逮捕を免れた犯人の一人が
人質を取って立て篭ったとの情報が入って来る。竜崎は現場に向かい
ある判断を下すが、それが思わぬ事態を招くことになる。
本当さくさく読めるわ。これはキャラ萌え小説だね。今回は
本格ミステリー的な要素もあるがやっぱり本質は主人公の人間性に
ニラニラすることにあると思う。ただ、少しオールマイティー化してるかも。
懇談会での発言とか現場主義的な心情とか。
ともあれキャラクターに対する愛着が感じられるのは良い点だと思う。
決して浅いまま使い捨てしない所が気に入った。
某時代作家みたいじゃなくて。
追伸 邦彦はもう止めとかんとヤブヘビになりそう
曖昧でばってん でもプリっと小堺キンキン
790 :
名無しのオプ:2007/12/06(木) 17:10:24 ID:cmmOkTBW
君とは逆に
>>787の作品は主人公始め登場人物のだれにも感情移入できない嫌な人間ばかりで
読み通すのが辛かったよ。
791 :
名無しのオプ:2007/12/07(金) 04:18:57 ID:r7lAOdBO
『乱鴉の島』 有栖川有栖
本ミス07国内1位作品。
うん、1位はどうかと思うけど面白かった。
1位とったせいで不当に評価されてる気がするw
メル欄の理由はよかった。そこから始まる言葉遊びも。
ロジックもよい。が小粒と感じられるかもしれない。
のでもっと衒学趣味抑えて、早く事件起こして欲しかった。
あとがきで作者が言ってる核としたアイデアは面白いと思うが
この方法で提出するのがベストだったのか?という気がする。
このアイデアを隠しながら物語は進むのだが
明かされた時に感心するかと言うと・・・。
なくても別に1冊引っ張れたと思うんだよな、ロジック周りで。
バランス悪くしてるように思える。
792 :
書斎魔神:2007/12/08(土) 17:06:40 ID:+HFCcWyf
『田中小実昌エッセイ・コレクション5 コトバ』を読んだ。
前記した『コレクション3 映画』が案外と面白かったので手にしてみた。
ミステリの翻訳も多い著者だけに、気軽に読める私流翻訳談義や裏話が多く
収録されているものの、コトバというテーマ、本の話題になると映画の話題の時以上に
東大哲学科中退のコミさんのインテリ(御本人はこの呼称を厭うだろうが)らしい一面
がかいま見えて来る。
コトバは単なる伝達手段にあらず、というのがコミさんの基本スタンスであり、
ここから翻訳不可能論という持論にも繋がって来たわけであろう。
しかし、カーター・ブラウン、A・A・フェア、ハドリー・チェイス等々、
コミさんが翻訳し、愛した作家の作品群がほとんど絶版・品切れ状態なのには、
時代の流れを痛切に感じさせるものがある。
「あした、カルメン通りで」森雅裕(講談社)
無事に大学を卒業し、北海道で講師をする音彦はオペラ歌手として
3年振りに凱旋帰国を果たした尋深と再会する。彼女は札幌での
公演のためマリア・カラスの再来と言われる歌手らと共に同地に
やって来たのだったが、本番中の楽屋で盗難事件が発生しカラスの
所有物であったという金の十字架が奪われてしまう。二人は
十字架に纏わる因縁を巡るゴタゴタに巻き込まれてゆく。
僕前作はかなり熱狂してたはずなんですけど、今回少し冷めました。
キャラクターのテンション自体は変わってないんですけど、
彼ら成長しちゃったんですね。もう学生じゃないんです。
それなのにあの上から目線と型に嵌った様なメディア・体制批判は
ちょっと頂けません。加えてミステリー分も薄まっている様です。
動機の面で弱いですし、前提が偶然に頼っていますし。
3作目はあまり期待せずに読もう。
794 :
名無しのオプ:2007/12/08(土) 20:18:18 ID:avOAEhnY
『きみとぼくの壊れた世界』 西尾維新
初西尾維新。
これは本格ミステリを意識して書かれた作品らしいので読んでみた。
(当方は本格好きー)
ミステリとはあまり関係ない部分での語りを
鬱陶しく感じたり面白く感じたり…。
自分は全体的には楽しめたので幸い。
推理の前提の話し合いが面白い。
これはもしかしたらラノベからのお客様
ミステリにあまり慣れてない人への説明も兼ねていたんだろうか?
後期クイーン問題に触れながら、探偵の役割は法的に犯罪を立証することと定義することで
操られてる奴なんてしったことかと嘯くのは笑ったし見事だ。うわあ……。
トリックは偶然にも予想がついたけど
伏線はしっかり張られてたように思う。
探偵・病院坂はキャラが立っていてよかった。
イラストはどうなんだろうなぁ。プラスに作用してるんだろうか・・・。
妹は必要だったのかな?
きっと作者は僕みたい中途半端なにわかミステリ読みより
ずっとしっかり系統的にミステリも読んできてる人間。
だが、あとがきであるように、飽きてしまった口なんだろう。
そう言わずに年に1作くらいでも本格ミステリにも作品出して欲しい。
同じシリーズの『不気味で素朴な囲われた世界』に期待が高まる。
あとデビュー作にも。
795 :
名無しのオプ:2007/12/09(日) 00:05:03 ID:C0GQOESF
読後感うぜー。
796 :
名無しのオプ:2007/12/09(日) 00:17:41 ID:FpYrdVHo
読後感よりその上のパクリ野郎がもっとうぜー
797 :
名無しのオプ:2007/12/09(日) 00:18:40 ID:gua4/QAz
どっちもうざい
798 :
書斎魔神:2007/12/09(日) 13:54:32 ID:B+KBu3xU
中込重明著「落語の種あかし」(岩波書店)を読む。
「落語」そのものを謎解きの対象とした、凡百なミステリよりもはるかに面白い著作
である。
落語には、シナや本邦の民話、読本等を素材にしているものが多いことは良く知られて
いるが、欧州の小説となると「えっ!」とならざるを得ない。
さらには、「怪談乳房榎」のように素になった故事来歴があったとばかり思っていた話が
実は…という次第。
そして、ピカレスク・ストーリーの傑作「黄金餅」に、因果応報となる後篇が
あったのではという話(速記は未発見)も見落せないものがある。
読み易く面白いが、若くして世を去った研究家の豊富で幅広い読書力をベースにした
力作かつ労作であり、私のような落語という大衆文化に興味を持つ知識人には必須の
読物と言い得る。ただし、大量に刊行されている新書ミステリを読む耽ったうえ、
「なんとも凄まじいまでの美少女探偵の推理、最終章で遂にキタ―!」とか、ブックオフで
絶叫しているドキュソなミスヲタには無縁な一書とは言えようかと思う。
799 :
名無しのオプ:2007/12/09(日) 14:35:28 ID:v8G2xf9Q
世の中には落語ヲタとでも言うべき連中がいる。
小中学生のころから寿限無を唱え大学の「落研」のようなところに入ってしまう手合だ。
俺はなんか知らんがそういう奴等が嫌いだ。
800 :
書斎魔神:2007/12/09(日) 15:37:59 ID:7vONORbQ
三好徹『砂漠と花と銃弾−自選傑作集』を読んだ。
時代性を感じさせる古い刊行物であり、内容的にも特筆すべき点はないが、
自選傑作集と題されてはいるが、セレクト時点で単行本未収録作品に限定したと
記されており、直木賞受賞作品『聖少女』も天使シリーズ(テレビドラマ化もされた
ヒット作)の傑作『汚れた天使』等も収録されていないが、推せる作品が無いわけでもない。
情勢変化があったとはいえ、今も変わらぬ中東の町の緊張感が伝わって来る表題作
『砂漠と花と銃弾』、初期大藪春彦短編を想起させる雰囲気の『荒野と死と』
(大藪作品ならクライマックスは警官隊と大銃撃戦の流れだろうが、間抜けなラストが
悲し過ぎる・・・)
『作者としては、トリックよりもむしろ気味悪さを狙った』とあり、
これが十分に成功している『煮る』。
この辺の作は面白い。
ただし、横溝御大の『扉の影の女』と同様な脱力感がある『重い悪の荷』、
アイリッシュ風のサスペンスフルな状況設定ながら、ダイヤル式固定電話ネタが
古さを感じさせてしまう『沈黙の証言』は問題無しとは言い得ない。
801 :
名無しのオプ:2007/12/09(日) 17:10:55 ID:rTe9uefi
802 :
書斎魔神:2007/12/15(土) 13:43:55 ID:TaMPCJbC
遠藤周作『侍』を読んだ。
刊行当時から高く評価されベストセラーにもなった『沈黙』『深い河』と並ぶ
遠藤文学の代表作である。
藩主の命を帯び、宣教師に伴われて陸奥の侍たちが海を渡り、遠くローマへまで苦難の
の旅をしてゆく・・・
時代背景を考えればスケールが大きい冒険小説としても読める作である。
(ただし、解説者=カリフォルニア大のゲッセル助教授はこうした読み方のみは
的外れだと苦言を呈している)
いずれにしろ、遠藤文学のメインテーマである人間と信仰の問題を深く抉った作であり、
信仰は個人の心・あり方にその根源を求める作者の思想が鋭く呈示されており、
こういった読み応えあり、かつ、面白い『文学』を手に取ると、
いたずらにミステリを読み耽っている者が痴呆同然に見えて来てしまうのは致し方ない
ことであろうか。
各人、心して読め!
803 :
名無しのオプ:2007/12/15(土) 14:37:01 ID:80FRuaqz
>>802 盗用元のURLを記しておいてください。よろしくお願いします。
804 :
名無しのオプ:2007/12/15(土) 16:08:01 ID:xIbBNgSV
どうせアマゾンのカスタマーレビューから切り貼りしたんだろ
805 :
書斎魔神:2007/12/15(土) 17:55:35 ID:vrDGVSbh
馬鹿野郎!!!!!!!!!!!!!!
806 :
名無しのオプ:2007/12/16(日) 19:14:07 ID:RwNThmGk BE:1362242096-2BP(1)
今更ながらに藤原伊織のテロリストのパラソル読んだ。
泣いた。
作者のご冥福お祈りします…。
変な話だけど、この本を読む前に訃報聞かなくて良かった。
すごくショック受けたと思う。
関田涙『七人の迷える騎士』(2003、講談社ノベルス)【6点】
学園祭のミスコン当日に発生した連続殺人事件。圧死・刺殺・毒殺・
撲殺された七人の高校生たち。暗躍するスノウ・ホワイトの正体は。
美少女探偵ヴィッキー&弟の誠くんの兄妹が活躍する第二弾。
うーん、初期の新本格の学園物みたい。ミステリーとしてはアンフェアな
気がするし、登場人物もありきたり。ただ、前作の犯行動機にも見られた
ある種の「後味の悪さ」「悪意」は本作でも健在で、結構強い印象を残す。
前作にもあった、不自然な漢語の使用はやめたほうがいいと思う。
聞けば三部作全体に仕掛けがあるらしいので、第三作も読んでみよう。
「少年たちの密室」古処誠二(講談社)
東海地方を突如襲った大地震。半壊したマンションの地下駐車場に
閉じ込められた7人の高校生と教師。救助を待つ彼等の間には
深刻な亀裂があった。そして一人が暗闇の中で瓦礫に頭を潰されてしまう。
果たして事故か殺人か――。
評判良かったんで期待して読んだけどイマイチだったなぁ。
骨子に対する肉付けが甘いというか、プロットを補強するべき
ロジックが緻密さを欠いている印象。例えば作中でAだからB
という場合にも、ABの関係が必要十分条件足り得ていない様に
感じた。一ヶ所二ヶ所なら珍しくないが全体的にそんなムードが
漂っている様でどうも馴染め無かった。
ドラマ的に見ても登場する高校生達が良く言えば純粋悪く言えば
排他的否定的選民的で感情移入出来ないので“心ふるえる”感動は
味わえ無かった。
この作者現在は本格から離れている様で、それが良いのかも知れない。
逢坂剛『猿曳遁兵衛 重蔵始末(三)』
(2004→2007、講談社文庫)【7.5点】
時は寛政、火付盗賊改方の与力・近藤重蔵の連作短篇集第三弾。
表題作は猿遣いが絡んだ武家殺人事件に関連し、10年前に姿を消した
同じ猿遣いの遁兵衛の事件が意外な展開を見せる佳作。
逢坂剛にしては凡作かと思っていたこのシリーズだが、登場人物が
出揃ったこともあり、第三弾でようやく面白くなってきた。ミステリー的な
謎を中心に事件を組み立て、なかなかのツイストを盛り込む作者の腕は流石。
長崎が舞台だという続篇が楽しみ。
810 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 03:31:06 ID:RURdW85o
魍魎のはこ読みました
うぶめは正直駄作だったけど、此はよい
ミステリ要素抜きに見ても読み物として面白い
「消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿」翔田寛(東京創元社)
明治の横浜を舞台に実在の英国人新聞記者チャールズ・ワーグマンの
探偵として活躍させた連作ミステリ。
どれも発端の不可解性と終盤の論理性の配置が良くで
正に本格短編のモデルといった感じ。時代設定から言って
“ライヴァルたち”に加えてみたい。謎が解決でしぼまり過ぎる
様に思うのもそれっぽいしw
一番は「坂の上のゴースト」かなあ。東西2種類の幽霊の目撃譚と
時代遅れの仇討ちが絡むお話。片方の幽霊がやっつけ臭いけど。
あと「ウェンズデーの悪魔」の証拠指摘シーンも印象的だった。
もっとも事件の真相は一番気付き安いと思うけど。
812 :
書斎魔神:2007/12/20(木) 17:53:19 ID:2mDgZfXQ
五味川純平「人間の條件」を読んだ。
馬鹿でかい虫眼鏡を携帯して名探偵気取りの奴、
ハイライトを横ぐわえしてハードボイルドを気取っている奴等々
こういった精神が弛緩したミスヲタに突きつけて読ませたいのが本書である。
鉱山を舞台にした第1部と第2部、軍隊を舞台にした第3部と第4部は
板違いかもしれぬが、満州を舞台にした戦闘と逃亡がメーンとなる
第5部と第6部の前半は冒険小説そのものである。
(そもそも主人公梶は気骨がある冒険小説の主人公そのものであると言える)
全部読破して欲しいが、第5部と第6部だけでも読んでみること。
激烈な戦闘シーンに続く地獄巡りを思わせるような逃亡シーンは、一読巻を置かせぬ
ものがある。心して読め!
「雪は無心に舞い続け、降り積り、やがて、人の寝た形の、低い小さな丘を作った」
この最後の一文を読み終えたとき、累積したミステリの文庫本、カッパノノベルス、
講談社ノベルス等々を静かに野辺の送りにしたくなる者も多かろう。
813 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 18:24:16 ID:kmFQDxFO
悔しかったんですね
814 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 20:05:49 ID:Yu1EKopH
>精神が弛緩したミスヲタに突きつけて読ませたい
ここ初めて見たんだけど、
なんでこんな嫌な言い方するの?(´・ω・)
815 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 20:55:04 ID:WH5+xTSe
ここはまともな人が来るスレじゃないよ
書斎と読後感というミステリ板の二大汚物以外はほとんど感想書いてないし
816 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 21:16:34 ID:go033mXw
読後感はまだましだよ。ミステリを読んでいるから。
書斎魔神は他の板でも汚物を垂れ流しているからね。
書いてある感想はパクリだらけ。
ミステリ、というか小説なんかまともに読んでいない。
自分が考えて書いたことは、底の浅すぎる小学生未満の文章。
おまけに名無しでも荒らしている卑怯者ですから。
494 名前: 名無しのオプ 投稿日: 2007/12/20(木) 14:04:58 ID:2mDgZfXQ
大学の非常勤講師だぞ、ミス住は。
497 名前: 名無しのオプ 投稿日: 2007/12/20(木) 16:01:02 ID:2mDgZfXQ
英米比較文学論と憲法学(日本国憲法)
504 名前: 名無しのオプ 投稿日: 2007/12/20(木) 17:50:50 ID:2mDgZfXQ
黙れ・・・
817 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 21:20:05 ID:WH5+xTSe
感想のレベルは目糞鼻糞だろう
818 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 21:25:41 ID:SxA2sx7m
それじゃあパクリ元の人に失礼だぞw
819 :
名無しのオプ:2007/12/20(木) 22:10:25 ID:ZbhOVkwt
書斎魔神は、ミステリー板と海外テレビ板の刑事コロンボスレに粘着して荒らしていたが、
住民に粉砕され敗北・追放されたのが悔しくて、コロンボスレの住人のいない
ここで、負け惜しみを言ってる(幼稚園児みたいなやつだ)
だから、ミステリー愛好家の事を口汚くののしっている、
人間の条件を読んだ(人生50歳にしてw)とかほざいてるが、
この小説を語る上で最も重要な視点が抜け落ちている、
中学生の感想文よりお粗末だ。
「首鳴き鬼の島」石崎幸二(東京創元社)
相模湾に浮かぶ小島・頸木島。ここに伝わるという鬼の取材を
するため意中の女性と共に島へやって来た記者・稲口は伝説を
なぞったかの様な残虐な連続殺人に巻き込まれる。
評判良くて読んでみたら面白かった。特に終盤のあのどんでん返しは
凄いね。2つの転回。久々の衝撃だった。推理の進め方も独特で興味深い。
これが理系ミステリか。読んでて良かった公文式。
ただ、いくつか気になることもあってね、いやいや文章とか
緊張感じゃなくて―そんなん今更気にしない……正直文章は
下手だなと思ったけど―気になったのは見立てに関する見解と(メル欄)。
前者はキャラクター設定から考えて違和感があるし、後者は
初めて言及された時点で幾ばくかの胡散臭さが漂ってた。
伏線なのかも知れないけど、それにしても真相に直結する“あの場面”は
もう少し巧く処理すべきだったかなとも思う。代替案は見つからないけど。
とまれ本格好きなら読んでも損はない一冊だった。
821 :
名無しのオプ:2007/12/21(金) 01:41:23 ID:233G+REd
822 :
名無しのオプ:2007/12/22(土) 04:06:54 ID:BKRtvBPO
『林真紅郎と五つの謎』 乾くるみ 光文社文庫 約300頁
「いちばん奥の個室」
とても普通。本格関係ないけど、最後の姪の事を思う主人公が何か好きさ。
「陽炎のように」
次の短編と合わせ、この短編集の双璧。
幻想的な描写があるんだけど、その扱いはgood。
「過去からきた暗号」
自分で作ったが時の流れが風化させた暗号を
自分で解読するって構図がまず面白い。
その後はひたすら暗号解読。本格の範疇なのかな?
解読してく際の過去のふわふわとした記憶からの
条件がちょっとどうかなと思わなくもないが、面白い。
この暗号製作、相当結構労力かかってんじゃないのかなぁ、
「雪とボウガンのパズル」
ちょっと後半駆け足な感がする。
ちゃんと拾えた自信はないが、相当しっかり伏線を配置してるのでは?と思える。
主人公が地味なくせに魅力的で、次回また1冊にまとまったなら読んでみたいね。
ただしシンクロシンクロってのは推すほどには発揮できてない印象は確かに受ける。(決め台詞も滑り気味)
↑と矛盾する気がしないでもないが、諸岡の解説もよかった。
余談だが光文社文庫のカバーの手触りはいいなぁ。すべすべ。一番好きな文庫かも。
823 :
名無しのオプ:2007/12/22(土) 10:09:37 ID:BQ53Vv2J
>>820 そんな数十年(ひょっとしたら100年)も前の作品のような設定自体でまず読む気起きないな。
当たり前の現代の話が読みたいよ。
824 :
名無しのオプ:2007/12/22(土) 13:32:50 ID:VnRT0D4Y
>>822 確かに光文社文庫のすべすべ感はいいね。
825 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/12/22(土) 16:54:42 ID:hIphPIKf
会田雄次『アーロン収容所』を読んだ。
単なる戦記(捕虜収容所記である)を超えた日本人をはじめ、
各民族(英国人、グルカ、インド人、ビルマ人)本質を鋭く突いた名著として
読んでおくべき作である。
英国軍の捕虜収容所での日々は、細かな冒険の連続(特に日本軍捕虜による盗難行為)
とでも言い得る。
捕虜収容所の記録と言うと、シベリアの俘虜や日系人の収容所を想起してしまい
暗く凄惨な内容を思い浮かべる向きもあるやもしれぬが、本書は作者あとがきに
『・・・当時の収容所仲間の批評の総計は、収容所生活をすこし楽しげに書き過ぎた・・・』
とあるように、死体処理、糞尿処理、屠畜等々、収容所生活に伴う悲惨・凄惨な描写も
多いわりには、その筆致は明るく時にはユーモアさえ漂うものがあり、
特に英軍の物資を巡る日本人捕虜たちの巧緻を尽くした盗みは、
『大脱走』『第十七捕虜収容所』といった米映画のテーストに似た軽快さえ感じさせる。
ただし、気鋭の歴史学者の手になる本論は、あくまで前記した民族論であり、
後にジャーナリズムで繰り返し引用されることになる、牧畜民が捕虜の管理に長けているという論(逆に農耕民は不得手ゆえ、意図せずして捕虜を虐待する結果になり得る場合
がある)の元ネタは、まさに本書にあったことがわかる。
安いウィスキーや焼酎をひっかけながら、ガリレオ最終回を見て、録画したコナンの
ドラマスペシャルを見呆けてるいるようなアホなミスオタには、久々に突き付けて
読ませたい一書と言い得る。
心して読め!
826 :
名無しのオプ:2007/12/22(土) 18:38:29 ID:UiciBV3u
読みもしないで感想だけパクる自分が読めば?
827 :
名無しのオプ:2007/12/22(土) 23:25:23 ID:OmMQTC5Z
書斎は3行以上の文章は読めないよ
828 :
名無しのオプ:2007/12/24(月) 17:16:18 ID:pQOa+t1l
<いないいないバーカ>
北森鴻『支那そば館の謎 裏京都ミステリー』
(2003→2006、光文社文庫)【7点】
元広域窃盗犯の現寺男の「僕」こと有馬次郎を主人公とする連作短篇集。
主人公が寺男をつとめてる「大悲閣千光寺」の住職ほか、地元新聞社の
折原記者や、「税金泥棒」碇矢警部・作家ムンちゃんなどの掛け合いは
楽しい。
突出した傑作はないが、京都の小ネタを(無理やり)盛り込んで
ミステリに仕立て上げる作者の腕はさすが。そりゃないだろ的な真相もあるが。
井沢元彦『信玄の呪縛』(1995→2000、角川文庫)【4点】
大学の歴史研究サークルの面々に届いたメンバーからの招待状。
諏訪湖畔の別荘に赴いたメンバーだが、主催者からビデオが届く。
武者姿の主催者は殺人を予告し、その通りに死体が発見され・・・
久しぶりに「うーんw」なミステリーを読んだ。
文章はスカスカで、「信玄の墓はどこにあるのか」という伝承も、
せいぜい歴史ミステリーと銘打ちたいがためのいろどりでしかない。
「逆説の日本史」で2頁くらいで語りつくせる薀蓄程度。
せめて舞台を長野に限定して観光ミステリにすればいいのだが。
東京から長野行きの新幹線の片道分の時間で読めてしまいそう。
大河『武田信玄』がやたら文中で言及されたのはおもしろかった。
小杉健治『絆』(1987→1990、集英社文庫)【8点】
夫である会社社長殺害の罪で裁判にかけられた被告弓岡奈緒子。
罪を認める奈緒子だが、原島弁護士だけは執拗に被告の無罪を主張する。
奈緒子が秘めたある事情とは何か、そして事件の真相は?
日本推理作家協会賞受賞作の本作。裁判を傍聴する記者「私」視点で展開し、
原島弁護士の調査や検察の証拠固めは、あくまで「結果」として「私」の前に
差し出される。近年のリーガル物なら、原島弁護士の調査もみっちり描かれる
ところ。その過程が省かれる分、裁判の展開はスピーディーでコンパクト。
真相も、意外性を減らした分、くっきりテーマが浮かび上がる。
ただ、原島弁護士の正義感というか使命感がどうにもひとりよがりっぽくて
ちょっと鼻白む。脇筋の「私」物語とのリンクも、ややご都合主義か。
そこがちょっと個人的にはマイナスだが、良作。
832 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/12/30(日) 22:17:43 ID:0WZeLTMy
島村英紀『私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。』を読んだ。
この板的に定義すれば、事実にもとづくリーガル・サスペンス・エッセイとでも評すべき作.。
講談社文庫には、うっかりしていると読み逃してしまいそうなこの手の一読巻を置かせない
ノンフィクション、ルポルタージュ等の小品が収録されることがあるので油断ならない。
(過去には桝田武宗『いちど尾行してみたかった』『いちど変装してみたかった』等が記憶に残る)
しかも、本作は文庫書き下ろし、著名な科学者(地震学者)らしい実体験による拘置所レポートがクール、かつ、ユーモア含みで綴られると共に、刑事訴訟に関する解説・実態も簡潔・明瞭に
記されており、その内容は濃く、ハードカバーで出版しても良かったのではないかと思わせる出色の出来栄えとなっている。
特に著者は読み飛ばしても結構と書いているものの、収監された札幌拘置所のメニュー
を執拗なまでに記してゆく節(『記憶に残った食事』)は、軽い鬼気さえ感じさせ、
読ませどころのひとつかと思う。
他にも官本に大藪春彦があってびっくりしたこと(船乗りにも愛読されているエピも紹介されて
いる)、野球中継が多いNHKラジオ批判等々、拘置所ライフに絡んだ面白いエピが満載。
学歴・キャリアのわりには権力的でなく、大学の事務職や刑務官等の現場の公務員に
注ぐ眼差しは好意的ですらある著者ではあるが、
解説(安部譲二という適任者)でも取り上げられている部分だが、
『私のような突然の逮捕ならしょうがないだろうが、強盗など、時期を自分である程度選べる犯罪
を企てるのなら、歯や身体の悪いところを治しておいたほうがいいだろう』という記述などには、
ジョーク半分かもしれぬが、アナーキーなキャラの一面(これが魅力)をかいま見る感もある。
833 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2007/12/30(日) 22:18:24 ID:0WZeLTMy
本書に記された著者プロファイルを抜粋してみると、
41年東京生まれ。東大理学部卒。
北大地震火山研究観測センター長を経て、2004年〜2005年国立極地研究所所長。
海底地震計開発・地震活動解明につとめる。
著書 『地震をさぐる』(国土社・日本科学読物賞受賞)
『地球の腹と胸の内』(情報センター出版局・講談社科学出版賞受賞)
『地震と火山の島国』(岩波書店・産経児童出版文化賞受賞)ほか
これほどの実績がある知識人が出鱈目(まえがきにあるが、収監・裁判に至る事件の内容は
本書ではほとんど書かれていないため、著者のHP等を参照する必要がある)をやるか否か、
考えてみれば答えは自明のように思える。
実際、著者が本書の最後の節で事件の因となったのではないかと推測している
地震予知批判の件(つまり政府批判となる)を見ても、公でも困難という見解が表明されて
来ている次第である。
834 :
よう:2007/12/31(月) 02:26:04 ID:zRNj2V9u
「ミステリーズ」 山口雅也
なかなかどうして、ユーモアも織り込んだ傑作短編集・・・・
ミステリー通には当然読まれている一冊というところでしょうか?
結構レベル高し。
835 :
名無しのオプ:2007/12/31(月) 16:40:05 ID:tHB2L1BB
桜庭一樹「私の男」
うーん、いまいち。
ずっと平坦で波がないし、読後感もあんまよくない。
ミステリ要素が中途半端に盛りこまれてるけど、
全部いらないのでは?
836 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/02(水) 19:59:23 ID:mLA4FooI
会田雄次『アーロン収容所再訪』を読んだ。
『アーロン収容所』に心打たれた者としては、手に取らずにはおれない書であるが、
構成は戦記ルポの体裁であった前作とは異なり、戦後のビルマ再訪によるエッセイという感じの
ものである。
著名な歴史学者の手になるものだけあって、センチメンタルな戦地再訪記ではなく、
当時のビルマ及びビルマ人論として読めるものとなっており、いまだに民族対立が根深く存し、
強力な軍政を敷く現代ミャンマーを予想し得ている慧眼はさすがである。
スーチー女史の幽閉は解けず、民主化の道は見えないままに、
日本人ジャーナリストの犠牲者も出た政情不安なミャンマー・・・
会田先生のコメントを聞きたかったものである。
837 :
名無しのオプ:2008/01/02(水) 21:34:17 ID:b9ytbZJM
パクリ感想乙
838 :
名無しのオプ:2008/01/03(木) 05:57:11 ID:EEYeyEt5
「インシテミル」
なかなか良かった。
歌野あたりが書きそうな設定だったが。
しかし、こんなに金を払って元が取れるのかなー。
839 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/03(木) 22:07:06 ID:5fsUfHqf
浜尾四郎『博士邸の怪事件他一編』を読んだ。
ラジオドラマの脚本を小説化したものであり、読み易いが出来もそれなり、
前説(まえがき)と講説(あとがき)を山前譲氏が担当しているが、
表題作の出来栄えに言及しないように苦労して筆を執っているのがわかる。
相続ネタに着眼した点(本作に描かれたような件は、旧民法では戸主制度等が存するため
現行法よりも複雑なケースであったらしい)は、いかにもこの作者らしいものはあるが、
戦前の長編本格ミステリの一大収穫とも言い得る『殺人鬼』ぐらい書けていればともかくとして、
犯行現場であざとい偶然性が連続、トリックもトンデモ科学まがいの展開では、怪奇やファースの
装飾を施さないこの作者の作風ではエンタメとして苦しいものがある。
しかし、今更ながらではあるが、一高・東大法卒、検事任官後に弁護士へ転身、
養家は枢密院議長で子爵、生家は医家というスーパーエリートな著者が
戦前においてミステリなどに手を染めていたとは驚かざるを得ないものはある。
840 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/03(木) 22:08:55 ID:5fsUfHqf
鮎川哲也『殺人歌劇<第一幕> 自選傑作ミステリー』を読んだ。
全7編を収録。
最初に収録された4作は、このマエストロのイメージからは意外感が大きいが、
非常に面白くも興味深いと同時に、
マエストロ鮎は、人間が描けない単なるパズラーやトリックメーカーにあらず、
優れた小説家でもあったことを再認識させられるものとなっている。
では、今年も大好評な収録作品全話講評いってみよう!
『絵のない絵本』
タイトルからもわかるとおりアンデルセンねた。
しかし、メルヘンちっく、スプラッターというこのマエストロの作風からは想像し難い内容が
展開される意外性に富んだ異色中の異色作であり、なんとも面白い。
『マガーロフ氏の日記』
本書収録の作者の手になる『作品のノート』に、
『推理小説のジャンルに「秘境物」がある。(中略)海外作品でいえばジュール・ヴェルヌの
<地底旅行>やコナン・ドイルの<失われた世界>も「秘境物」に分類されるだろう』
と記されているが、概念規定・例示共に疑問を感じるものの、作品そのものは面白い。
マモントの遺骸が残るシベリア奥地の村を舞台にした神秘とエロティックな要素もある奇談、
これもこのマエストロの作として異色であるが、日記形式の語りが効果を発揮、
全編に漂うサスペンスは秀逸である。
『ああ世は夢か』
明治東京情緒が横溢、これもまた異色の一編で、この作者には珍しい猟奇犯罪が描かれている。どこかせつないラストが印象的な作でもある。
『人買い伊平治』
『マガーロフ・・・』や本作は、横溝御大の戦前の短編と言われても信じてしまいそうな作風である。
実話をネタにした奇談に近い南洋犯罪談である。
作者があえて脇に配したという女郎屋の主人伊平治のキャラは面白く、幕切れも『ああ世は・・』
とは異なる感慨に富んでいる。
841 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/03(木) 22:09:39 ID:5fsUfHqf
『小さな孔』
本作以下3作は鮎作品らしいミステリである。
本作に関しては、オチが地味なうえに特殊過ぎるきらいあり、出来は今ひとつと言い得る。
『かみきり虫』
偽装が問題視された今日では面白く読める一編で、表題となったかみきり虫ネタも楽しいもの
がある。
東北の山峡の温泉が舞台であり、どこか松本清張作品にもありそうな作でもある。
『水の中の目』
刑事コロンボの『ハッサンサラーの反逆』を想起させる部分もあるが、無論、本作が先行している。
まさに綱渡りの計画犯罪であり、いささか(注 いささか先生ではない(w )創り過ぎの感も無くは
ないが、ミスオタが読んで楽しめるものには仕上がってはいる。
締めで鬼貫&丹那を使っても面白い一編だったのではと思われ。
小杉健治『宿敵』(1994→1998改、集英社文庫)【7点】
全日本弁護士連合会の会長選挙が近づくなか、有力候補の中央弁の河合が
謹慎中の弁護士川田に刺されるという不祥事が起こった。選挙対策委員の
北見は、ボスの河合を当選させるため法曹界の派閥抗争に挑む。
主要な視点人物が弁護士の北見と商社マンの相原に分かれており、両パートが
中盤で合流するという構成であるが、そのため北見の「宿敵」である法務省の
若宮との対立が、中途半端になってしまっている。
複雑な派閥を上手く説明しており、「会長選挙」をめぐる派閥の思惑、立場・
主張の相違などは興味深く読んだが、複数の要素に均等にページを割きすぎて、
いよいよこれからというところで終わっているような気がする(続篇あり?)。
西澤保彦『パズラー 謎と論理のエンタテイメント』
(2004→2007、集英社文庫)【8点】
ノンシリーズの6篇の本格推理を集めた短篇集。
舞台も主人公もバラバラだが、どれもなかなかの佳作揃い。
「退職刑事」シリーズのパスティーシュ「贋作退職刑事」が有名らしいが、
個人的にはアメリカを舞台とした「卵が割れた後で」「チープ・トリック」が
印象深い。
844 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/05(土) 22:06:05 ID:SND6ZtuN
鮎川哲也『殺人歌劇<第二幕> 自選傑作ミステリー』を読んだ。
前集とは異なり、典型的な鮎中・短編ミステリ5編を収録。
正直言うて、自選でこの程度という感のものばかりである。
また、前集のようなバラェティ感を欠くのも残念。
『皮肉な運命』
クラシックオタな鮎らしい一編だが、『作品ノート』のある2曲に関する記述、
『・・・したがって一方がハ短調で一方が二短調で・・・といったことも、多くの読者は先刻
ご承知の筈だ』、これはオタらしい思い込みが強過ぎる感がある。
ミステリファンとクラシックファンが必ず被るとは限らないし、より広範な読者を視野に置いた場合
には暴論と言われても致し方あるまい。
余談ながら、作者は、はしだのりひことシューベルツというネーミングに反感を持っているらしい。
(『風』は名曲)
『まだらの犬』
収録作品中最長の作。
鬼貫&丹那も登場し、丹念な捜査活動により容疑者が絞り込まれてゆく過程は警察小説として
の興趣もある作で、物語の締めは名無しの婦人警官がつとめ、一番おいしいところを持ってゆく。
鬼貫ファンには不満もあろうが、名探偵の活躍に拘らず、鬼貫の透明性を理想としたこの作者
らしくもある。
845 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/05(土) 22:06:48 ID:SND6ZtuN
『首』
『作品ノート』に記された、顔が無い屍体よりも首の無い死体の方が残酷さを感じないという作者
の感覚には『?』という感はある。
『わたしなどはかのニューギニアの首狩り族諸君の写真を見たりすると、なんとなく親しみを感じる
ほどである』という記述に至っては、ジョークまじりではあろうが、『おい、おい・・・』という感じ。
作品的には、ポイントとなる家賃の件が不自然過ぎて頂けない。
いくらなんでも「そう」は思わないのが普通かと思う。
『首』
同一タイトルな別作品。
両作品共に『首』というタイトルが最も適切である、と記されているが、作品タイトルに拘らない
この作者らしい。この姿勢はこれで良いのだが、内容的には極端な偶然性に頼ったオチが
頂けないものがあり、刑事コロンボの出来が悪い作といった感がある。
『霧の湖』
本作も偽装表示が世間を騒がす昨今では、意図せずタイムリーになってしまうような作である。
刑事コロンボの『権力の墓穴』を想起させる部分がある小品ながらなかなか読ませる作に
仕上がっている。
846 :
名無しのオプ:2008/01/05(土) 23:24:23 ID:JbByseaW
またパクリか。
荒山徹『柳生雨月抄』(2006、新潮社)【7.5点】
柳生石舟斎の甥にして陰陽師の柳生友景。崇徳院の庇護の下、
魔衆を駆使して、朝鮮妖術師の魔の手から日本を護る! の連作短篇集。
前半3篇は日本、後半3篇は朝鮮が舞台。
隆慶一郎+山田風太郎÷3に、東映特撮怪獣シリーズを加えた剣法大活劇。
ちょいと「民明書房」風トンデモ歴史薀蓄も盛り込まれ、荒山伝奇炸裂。
先行柳生作品へのパロディほか、「モスラ」「オスカル」まどのお遊びも。
時空を超越して高句麗・百済・新羅などの半島史もぶち込んだ奇想には
圧倒されたが、友景が強すぎて、ピンチらしいピンチがないのは残念。
今野敏『果断 隠蔽捜査2』(2007、新潮社)【8.5点】
都内大森署署長に左遷された、元警察庁総務課長の「変人」キャリア竜崎。
管内で発生した強盗事件に絡み、犯人が立てこもったと思しき料理屋前で
本庁・所轄、Sat・SITの対立を捌きながら、現場指揮をとることに・・・
『隠蔽捜査』の続篇で、重なる登場人物も多く、つねに原則・合理主義の
竜崎のキャラは相変わらず。今回は終盤の急展開も含めてノンストップで
読了。その分、小説としての重厚さや濃密さは薄いが、「おもしろかった!」
と満足できる、エンターテインメントの王道。いい意味で「水戸黄門的」。
前作同様、竜崎の家庭問題も平行して描かれるが、○○○○に感動したり、
竜崎の人間っぽいところも。続篇あるのかなあ。あってほしい。
東野圭吾『ダイイング・アイ』(光文社、2007)【8点】
バーテンの雨森慎介は終業後、不審な客に鈍器で殴られ重傷を負う。
犯人は、深夜の交通事故で愛妻を失った岸中という男だった。
警察はその事故の加害者側である雨森が岸中に復讐されたと見なすが、
一方で雨森の勤務先に謎めいた喪服の女性客が訪れるようになり・・・・
雨森の同棲する成美が姿を消す辺りで「またあの真相か」と早合点したが、
後半はアレアレという意外な方向に話は展開していく。
多少ご都合主義的な点もあるが、ホラーめいた要素も含め、読者の関心を
そらさない。一気読みしたが、読了後の感想は「いつもの東野の佳作」。
最近の九州の某事件を思い出した。そっちの方がコワイ。
850 :
名無しのオプ:2008/01/10(木) 09:22:34 ID:Ppoi2QK7
ダイイングアイに8点付けるようじゃダメだよチミ
851 :
名無しのオプ:2008/01/10(木) 15:16:05 ID:rb9F/S5l
>隆慶一郎+山田風太郎÷3
何故、3で割る?
852 :
名無しのオプ:2008/01/10(木) 15:45:16 ID:2/AWTFz5
853 :
名無しのオプ:2008/01/10(木) 21:44:40 ID:ccQ804os
ただのミスだろ
「離れた家 山沢晴雄傑作集」山沢晴雄(日本評論社)
故・天城一の初公刊3作の成功の流れで初の短編集とて、表題作は
既読のため割愛。
アリバイ崩しが約半分を占めているが、時刻表トリックは無いので
ご安心(?)を。ここから『砧最初の事件』を選ぶ。
いくつもの奇妙な出来事が織りなす真相は見事。
プロットをこねくり回す面白さに飽いてきた所で『神技』を。
上記の様な批判でも受けたのかこれでもかという程演繹的推理を
突き付けられてスッキリ。
ただ読み終ってやはり余技作家だなという印象。
アンソロでチロチロ読むのが最適でせう。
855 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/12(土) 23:56:18 ID:eQrnhWzj
鮎川哲也初期コレクション1『楡の木荘の殺人』を読んだ。
初期作品集ではあるが、正月に読んだ自選集に収録された初期作品が面白かったゆえ、
手にしてみたが、残念ながら着目すべき作品は無いと言わざるを得ない。
『月魄』
記念すべきマエストロ鮎のデビュー作だが、今となっては「それだけ」の意味しかない作とも
言い得る怪談。作者の思い入れ深い満州情緒満載ながら、やはりこの手ものは似合わない。
『地虫』
これは戦後東京談。幻想ファンタジーだが、これも作者の「柄」ではないという感じ。
『楡の木荘の殺人』
満州時代の鬼貫事件簿のひとつ。
既に後に作者が好み繰り返し使用する犯行トリックが見られるものの、特筆すべき点は皆無と
言い得る。
『雪姫』
大乱歩風の怪奇ファンタジー(「人でなしの恋」を想起させる雰囲気もある)。
それなりに読ませるが、やはり大乱歩の語りの巧さには及ばず。
作者の淡々とした筆致(『マガーロフ氏の日記』はこれが効果を上げているが)は、
この手の作には不似合いか。
『ジュピター殺人事件』
3部構成の中間部分(発展篇)のみを担当。
果たして厳密な意味で鮎作品と言うてよいかどうか。
発端篇(藤雪夫)が、作者が最も忌避する顔が無い屍体テーマなのが皮肉で、
ここからストーリーを発展させるのは苦渋もあったのではと思う。
解決篇(狩久)も鮎作品では考えられないメロドラマおちとなっている。
書き手が変わることによる作風の変化、主要キャラ(特にヒロイン)の変貌が目立ち過ぎ
統一感を欠く作となっているため連作としては失敗作と言い得よう。
『影法師』
戦前の横溝御大の短編にでもありそうな小品。
だが、本作も「それだけ」という感じである。
856 :
名無しのオプ:2008/01/13(日) 12:34:09 ID:WphuI1iw
読後感は相変わらずウザイな。
857 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/14(月) 21:39:45 ID:4i8H78Ne
『戸田巽探偵小説選1』を読んだ。
東京(『新青年』文化と称してもよい)以外でも同時代に探偵小説創作活動が続けられていたこと
を示す意味合いは感じられ、「出世殺人」「相沢氏の不思議な宿望工作」「南の幻」など当時の
作品としては勧善懲悪に拘泥しないテーストは多少は面白いものの、
自費出版や部数限定出版ならともかく、
21世紀の今、普通に出版する意義があるのか大いに疑問に思える作ばかりである。
858 :
名無しのオプ:2008/01/14(月) 22:59:18 ID:qjr5hJpJ
なんかつまらない書評ばかりやね。
あ、単なる報告スレか、すまぬw
859 :
名無しのオプ:2008/01/15(火) 00:44:41 ID:rP4VVuK4
貴志祐介の黒い家。
めちゃくちゃ恐いと評判だったのでさっそく買って読んだ。
感想は・・・まったく恐くなかったです。
もう少しいろんな意味で追い詰めてほしかったかな。
でも面白かったです。
860 :
名無しのオプ:2008/01/15(火) 07:10:08 ID:cKU7oOXB
黒い家は最後の○ごっこで萎える
お前ら小学生かと
861 :
名無しのオプ:2008/01/15(火) 17:20:52 ID:3KE3g+bR
「見えない精霊」
面白かったが最後のオチはいらない。あんな安い教訓は勘弁……
それにしても発売元を間違えた作品だな。講談社ノベルズあたりなら若い読者層の食いつきも良かったろうに。
862 :
名無しのオプ:2008/01/15(火) 18:23:20 ID:s+fzc8KB
『ネジ式ザゼツキー』
本格好きなんだけど島荘はあんまり読んでないんだよな。と読んでみた。
よく言われる豪腕ってのに妙に納得。うん、確かに豪腕。
しかしこれどういう製作過程を経ての作品なんだろ。
まず最初にどの部分があって作ったのか気になるわ。
「宿命は待つことができる」天城一(日本評論社)
表題長編+短編集の2部構成。
まず表題作は密室状態のホテルでの殺人を扱ったものだが、
トリックは綱渡りであるがシンプルなネタで良い。しかし長編を
支えるとなると力不足でそのせいか本作は社会派的な要素も色濃く、
それがまた読んでて飽きると言うか……。どうせなら拷問を詳述して
寿行的新境地を、ってそれは冗談だが。
短編集の方はネタの頃合いが良いが、他方でそもそも何のトリックも
無い話もあったりして拍子抜けした場面も。あと動機が逆説的で
首を傾げたこともいくつか。一番は最長の「落葉松の林をすぎて」。
トランクを預けた当人の死体がトランクに入っていたという
魅力的な謎に加え多方面からアプローチすることで話を引き立てている。
全体的に酔える程ロジカルでないことが残念だった。
80過ぎても意外とはっきりしてるもんなんだなァ。
864 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/19(土) 14:00:56 ID:rbKU2/9L
石上三登志『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割』を読んだ。
「ミステリは理性追求の文学ゆえ、戦争とは対極にある」といった、
言わば探偵「小説」マンセーな私論に向けて、黄金期のミステリに関して語りまくり、
それなりに読み物としては面白いものに仕上がってはいる。
ただし、「緋色の研究」後半は西部小説、ハードボイルド・ミステリは西部小説の後裔、
クロフツ作品は冒険小説・警察小説として読めること等々、
見たまま、既にネットではおなじみの指摘等も多く、
目新しい主張というのは、さほど見当たらない感はある。
また、2ちゃんに書いたら突っ込まれそうな記述も散見され、
例えばジョン論の『「ポオ」になろうとした男』の章における、
他のマエストロと比べて、ジョンの作家デビューが24歳と若かった点を指摘したくだりにおける、
『・・・例外がクイーンで、ダネイもリーも共に23歳なのだが、しかし「二人で一人」なのだから、
足すと46歳。』
冗談含みだろうか?
エルもジョン同様に若いミステリ作家であったという事実を確認しておくべきであり、
ジョークを飛ばすところではなかろう。
865 :
名無しのオプ:2008/01/19(土) 14:03:24 ID:lJvUxGYY
放置
866 :
名無しのオプ:2008/01/19(土) 17:20:29 ID:gl2G9C9K
>>862 シマソウが未読だなんて、ものすごくうらやましい・・・
自分の記憶消去したい。
867 :
名無しのオプ:2008/01/19(土) 19:31:50 ID:IeJOy/if
868 :
名無しのオプ:2008/01/19(土) 23:11:58 ID:gl2G9C9K
ネジ式は確か核になる中編があって、
それを「21世紀本格」にあうようにリライトしたような。
赤井三尋『翳りゆく夏』(2003→2006、講談社文庫)【7点】
東西新聞の新入社員に内定した学生は、20年前の新生児誘拐事件の
犯人の娘だった。この事実に揺れる新聞社上層部は、窓際記者の梶に
事件の再調査を命じる。果たして誘拐事件の真相は?
第49回江戸川乱歩賞受賞作。評価が低いので全く期待せずに読んだが、
作者の経歴を生かした事件モノとして安心して読める。
確かに新しさは感じないが、伏線の張り方・真相もポイントは高い。
ただ、視点人物を若干多くしすぎた気がする。
「古臭い」人生訓めいた語りが醸し出す雰囲気は、まあ好き嫌い分かれるかも。
逢坂剛『幻のマドリード通信』(1983→1987、講談社文庫)【7.5点】
スペイン内乱期を舞台とした初期短篇集。
当時の政情を織り込みつつ、大使館員やスパイ、刑事らを主要人物に
物語を進めるのだが、逢坂らしいヒネリは各短篇に共通。
とくにカディスを舞台とした2篇は秀逸。
似たような舞台・テーマが続きながらも飽きさせない。
871 :
うざいと思いますが最終日なので宣伝させてください:2008/01/20(日) 04:06:13 ID:uiTOqtHV
2007年のベストミステリを投票で決める「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」スレ
本日投票最終日です。まだ未投票の方は、ぜひ参加してください。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1166286465/ 【以下のルールを守ってください】
・投票スレの
>>1-3は無視してください。
・対象作品は奥付表記で2006年11月〜2007年10月の期限内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はない。1作のみでも投票可とするが、上記に書いてるように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点〜6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)
・宝島社の作品は対象内
テンプレです
1位,
2位,
3位,
4位,
5位,
6位,
<総評>
872 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/20(日) 14:36:53 ID:E4nWr3D2
梶山季之『せどり男爵数奇譚』を読んだ。
本作を「ミステリ」と読む輩も多いが、うーん、だな。
ミステリ仕立ての古本屋奇談集と評するのが的確、
格別面白くもないが、トップ屋出身の作者の軽妙な語りで気軽に読める連作集に仕上がっている。
「ミスター・セドリー」こと「せどり男爵」こと笠井菊哉が主人公、
韓国を舞台にし、冒頭に国際情勢認識が披露される異色の第3話以外は、
作者を想起させる語り部により綴られている。童貞主義の笠井氏、春画を覗き見た少年時代、
古本の売主である未亡人に迫られ童貞喪失、下宿先の歳の離れた大家夫婦の色事を
見せつけられた等のこの作者らしいお色気エピも多いが、第5話まではさらっと流されてゆく。
そして最終話である第6話で人皮装丁という猟奇的談話で溜めていたものが一気(w、
というか強烈なエロが炸裂してゆく。
以後の週刊誌で培った梶山節の展開や如何、と期待されたところで作者逝去となったのか。
873 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/20(日) 14:37:50 ID:E4nWr3D2
『青いエチュード 鮎川哲也初期コレクション2』を読んだ。
シリーズキャラである星影、鬼貫の初期作が収録された作品集。
大好評につき収録作品全話講評いってみよう!
「山荘の一夜」
登場人物は全て外国人という翻訳気取りな一編だが、雰囲気は淡白な鮎作品そのものなのが
面白い。
非常に短い作ながら、犯人の必然性はばっちし決まっているが、偶然性に頼ったものなのが
惜しい。
「黄色い悪魔」
トリックは「ノックスかお・・・」な一編だが、星影のキャラが活き面白く読める作。
ストリッパーならぬストリップティザーがガイシャ(?)となる作だが、
全く色気も猟奇も感じさせないのが、いかにもこの作者らしいかと思う。
「朝めしご用心」
名探偵アンビル先生が登場するコント仕立てのバカミスとして楽しめ、オチはまるで落とし噺で
ある。
後年における本格のマエストロの姿を知る者には、若き鮎がこんな作を書いていたとは、
やはり意外感大ではある。
「甌」
ストイックで淡白な鮎作品には異色中の異色である艶笑コント。
このマエストロが自作中に「一物」とか書くとは・・・
ラストの下ねたは、これが鮎作品かと絶句状態になるかモナー。
874 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/20(日) 14:38:39 ID:E4nWr3D2
「白昼の悪魔」
鬼貫&丹那談。
飛行機によるビラ配りが健在だった懐かしい昭和30年代の東京情緒溢れる作だが、
(なぜか人気の「三丁目の夕日」にはこのエピは登場しない)
この犯人キャラにしては、犯行に手落ちが多く、従って謎解きは今ひとつ物足りないものがある。
ラストに鮎の女性観を見る気がするのは面白い。
「青いエチュード」
鬼貫のみ登場。後半、完全犯罪を意図する犯人の男女をコロンボOR古畑スタイルの粘着ぶりで
追い詰めてゆく。この辺は読ませるものの、本作に関しては長編に登場する彼氏のキャラとの
ギャップを大きく感じてまう。やはり偶然性に頼った解決がひっかかる。
あの場でそこまで我慢出来ないか?
「五つの時計」
これも鬼貫のみ登場談。
五つの時計がキーポイントになる謎解きミステリ、ミスオタには納得の面白さと言い得る。
蕎麦屋絡みのトリックが特に面白い。
疵を言えば、「20〜30分ならばともかく・・」という点、
人間心理からみて、やや説得力を欠く感がある。
875 :
名無しのオプ:2008/01/23(水) 12:31:09 ID:mtr12pIT
宮部みゆき著
「名もなき毒」
ブックオフで500円
宮部さんは好きで大体読みます
いつも思うことは頭で書いているな〜ということ
時代物はそうでもないが現代物は特に感じる
ニュース等で感じる時代の空気が反映された作品というのが感想
逢坂剛『銀弾の森 禿鷹V』(2003→2006、文春文庫)【7点】
渋六興業・敷島組・南米マフィアが喰い合う渋谷の裏世界。
敷島組の若頭諸橋が渋六興業のバーで死体で発見され、一触即発の事態に。
三者を操り、事件の裏で暗躍する神宮署刑事“ハゲタカ”の真意は?
シリーズ三作目にしてちょっと趣向が変化。ヒットマンは出てこないものの
代わりにハゲタカが怪しく動きまくる。2作目では若干影を潜めていたハゲタカの
冷酷さがアップした分、バイオレンス要素が強くなっている。
前作・前々作に較べると、ややマンネリのような気もするが、十分に面白い。
もはや渋六の水間と野田は気のいい兄ちゃんにしか見えない・・・・
ラストはなんか、ほんわかしててイイ。
877 :
名無しのオプ:2008/01/26(土) 14:35:29 ID:oiPbHs7/
赤川次郎「幽霊電車殺人事件」を読んだ。
これほど緻密に計算しつくされたトリックは初めて読んだ。
正直鳥肌が立った。
全般的にダークな雰囲気を漂わしながらもすご読みやすい。
ストーリー展開も最初から最後までハラハラドキドキで
ページをめくる手が止まらない。ラストは不覚にも泣いた。
まさに稀代の傑作。こんなミステリーはなかなか出会えない。
878 :
名無しのオプ:2008/01/26(土) 21:23:17 ID:AJFJQVwn
mjd
879 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/26(土) 22:06:17 ID:C5R8q2+3
熊田忠雄(クマエリではない(w )『そこに日本人がいた! 海を渡ったご先祖様たち』を読んだ。
行間・余白の多い著作が多い昨今だが、本書は260頁程度のボリュームとはいえ、
ぎっしり書き込まれたドキュメントであり、
いまだ書かれざる歴史・冒険小説のネタが満載(野村萬斎ではない(w )な好読物、
まさに一読巻を置かせぬ面白さであり、
「四姉妹探偵団」のドラマを見ながら、夏帆に合わせて「カイケーツ!」とかポーズをつけている
軟弱なミスオタにこそ突きつけて読ませたい書である。
江戸時代末期から明治、大正にかけて海外各地へと雄飛していった先人たちの記録である。
ボーア戦争時にケープタウンで商店を開業、後に大成功する古谷駒平、
新田次郎「アラスカ物語」(過去ログにある私の論考を参照のこと)の主人公フランク安田こと
安田恭輔と同時期に金鉱を掘り当てる等波乱の生涯を送った極北のジプシー、ワダジュー
こと和田重次郎、シチリアで活躍した女流画家ラグーザ玉こと清原玉、
ラオスに潜入する偽僧侶岩本千綱、日本人初の回教徒としてメッカ巡礼に挑む山岡光太郎、
パナマ運河建設に関わった日本人技師青山士(後に荒川放水路建設工事も担当というのが
面白い。閘門繋がりかも)・・・
他にも、記録・資料不足のためもあるかもしれぬが、小説にもノンフィクションにも取り上げ
られていない魅力ある人物多数。
だが、真に書かれるべき存在は、本書で取り上げられた地域だけ見ても西アフリカを除いて
まさに世界を股に駆けている感がある名も無きじゃぱゆきさんたち、
(山崎朋子「サンダカン八番娼館」があるが、もっと書かれてもよいかと思う)
男性肉体労働者たちやもしれぬ。
880 :
名無しのオプ:2008/01/27(日) 00:00:08 ID:JwDlQor2
>879
世界を股にかけるじゃぱゆきさんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
からゆきさんと区別もつかんのかこのばかは
881 :
名無しのオプ:2008/01/27(日) 00:34:57 ID:FelPRz/5
882 :
名無しのオプ:2008/01/27(日) 00:37:05 ID:qbj8j5yH
>>879 熊田忠雄(クマエリではない(w )
熊しか合ってないし、
全然おもしろくない。
センス悪すぎ。
883 :
名無しのオプ:2008/01/27(日) 14:33:00 ID:O1YWk8ac
まさに世界を股に駆けている感がある名も無きじゃぱゆきさんたち
まさに世界を股に駆けている感がある名も無きじゃぱゆきさんたち
まさに世界を股に駆けている感がある名も無きじゃぱゆきさんたち
884 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/27(日) 22:56:56 ID:aoD230QD
『戸田巽探偵小説選U』を読んだ。
この第2集は収穫あり。
ミステリには珍しい伝統芸能ねた(日本舞踊)の『踊る悪魔』が面白い。
短い枚数ながら徹底したピカレスク・ロマンが展開され間断するところがない。
読む価値あり。他には特筆すべき作はないものの、第1集よりも時代が下ったせいか、
作者の物語創りに関する技巧の上達を感じさせるもの多数。
ミステリ以外の作の収録も多く、「幻視」「深夜の光線」「人形師」は怪奇小説、
「朝顔競進会」は恋愛絡みのユーモア小説、「色眼鏡」は非ミステリのSS、
創作篇の掉尾を飾る「運の神」「続運の神」は戦後の山陰の農村を舞台にした普通小説である。
885 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/01/27(日) 22:57:36 ID:aoD230QD
浜尾四郎「鉄鎖殺人事件」を読んだ。
古書店で本書を手にした俺はアホなミスオタの如く思わず勝利の雄叫びを上げた、
「ゲーーーーーーーーーーーーーット!」と。
しかし、好評が多い作ながら、一読、思わずガクーリという感がある。
とにかく探偵しか知らない事実というのが多過ぎ、作者はS・Sを信奉しているとのことだが、
犯人像もS・Sが定立したルールに照らしても、二重の意味でかなり問題有りである。
第一級の知識人である浜尾氏は、一体、本作のどこがフェアな本格探偵小説と思うていた
のであろうか?
ゆえに、好評も納得がいかないものがあるが、戦前の日本の本格ミステリではこの程度で
良しとすべしということなのか。
いっそのこと、猟奇的なタイトルに合わせて、コテコテの怪奇探偵小説、因縁噺の強調の方向で
行けば、それなりに楽しめる読物となったであろうが、理知的・都会的な本格ミステリの表装を取る
だけに始末に悪いものがある。
886 :
名無しのオプ:2008/01/27(日) 23:29:51 ID:P5/BeYdh
まさに世界を股に駆けている感がある名も無きじゃぱゆきさんたち
古書店で本書を手にした俺は「ゲーーーーーーーーーーーーーット!」と勝利の雄叫びを上げた
物を知らないうえに精神の病をお持ちのようでw
法月綸太郎『犯罪ホロスコープT 六人の女王の問題』
(光文社カッパノベルス、2008)【7.5点】
12星座と神話をモチーフとした法月親子の短篇集第一弾。
牡羊座〜獅子座の6篇を収録する。
最初の2篇が「うーん」な出来だったのでいきなり心配したが、
後は概ね良作が並ぶ。個人的には「双子座」「蟹座」が良い出来。
星座の縛りがあるため、適度に趣向を変えているが、
やはり続けて読むと、強引さと同工異曲の傾向を感じてしまう。
印象としては、有栖川の火村モノっぽいような気が・・・・
あと、最近のニュースから題材を得るのはいいとしても、
「モー娘。」「ビリーズ・ブート・キャンプ」「ブログ炎上」ほか、
近年の流行が文中で言及されると、ちょっと違和感がある。
888 :
名無しのオプ:2008/01/28(月) 16:29:52 ID:hef7OgyS
889 :
名無しのオプ:2008/01/28(月) 19:24:08 ID:QnovlAvm
やめろ!!!!!!!!!!
890 :
書斎魔神 ◆vVXVsEKCZ. :2008/01/28(月) 22:12:51 ID:Wy9r2Dg7
>>888には笑うを通り越して呆れた。これに便乗する
>>889もアホそのもの(w
そもそも「鉄鎖殺人事件」に関する評価そのものが、私の論考とリンク先では正反対なのである。
(私の論考では本格ミステリとしては低評価、リンク先はある程度は評価)
また、同一作品を論じる以上、着眼点が一致する場合があるのも当然である。
書斎魔神の論考対象作品をネット上で検索する
↓
書評等があれば内容的検討はせず(そもそもレス作成者自身が未読のため出来ない(w )
即、パクリと騒ぎ立てる。
このパターンの荒らし行為を繰り返しているようだが、今後はこういった甘えは一切許さないので
心しておけ!
作品を読み解き、正確な引用等による批判であればいつでも相手になってやる。
891 :
名無しのオプ:2008/01/28(月) 22:25:23 ID:1Fq96kDX
放置しませう
892 :
名無しのオプ:2008/01/28(月) 22:42:23 ID:o423z070
わざわざ噛みついてきたということは図星だったんだなw
893 :
名無しのオプ:2008/01/28(月) 22:52:48 ID:5yxgRIXb
盗用元と正反対の結論っぽいことを書きつつ、よくよく読むと
言い回し変えただけで盗用元で言ってることと同じことを書くのは
このひとの常套だからね
要するに言葉だけもらってつなぎ方変えてるのが「論考」の正体
今回なら盗用元の最終段落と「いっそのこと」以下を読めば明白。
そしてその部分についてはなぜかなにも言及しない。笑いもしなければ
呆れもしていないんだな
894 :
名無しのオプ:2008/01/29(火) 01:07:28 ID:62VmYXIs
>パクり元のサイトの結びの文章
これはむしろスッキリ理知本格であることの弱点で、例えばヴァンダインだったら少々
(あるいは多々)意味無し情景でも(僧正の見立てとかねえ)雰囲気にごまかされて
しまうところがあるし、エログロバリバリの探偵小説だったとしても猟奇趣味の一環
として問題にもならないだろう。だが、そう、論理的本格推理ならば、何か、ただの
扇情的な描写以上の、ぐっとくる理由付けが欲しかったところだ。本当に綺麗な作品
だけに、その点非常に惜しまれるところではあったのだ――。
>未読魔人の「論考」の結びの文章
いっそのこと、猟奇的なタイトルに合わせて、コテコテの怪奇探偵小説、因縁噺の強調の方向で
行けば、それなりに楽しめる読物となったであろうが、理知的・都会的な本格ミステリの表装を取る
だけに始末に悪いものがある。
ホントだ。ちょっと言い回しを変えただけwwwwwwwwwwww
895 :
名無しのオプ:2008/01/29(火) 01:55:03 ID:nySA4H38
お前らはただ単にスルーするというアホみたいに簡単なことが
何故出来ないんですか?
毎度毎度4つも5つも6つもレス付けやがって厨房の巣窟かよ
896 :
名無しのオプ:2008/01/29(火) 07:24:45 ID:4beWsWPL
書斎がまともに本を読んでないなんて住人全員知ってる。
今更指摘するまでもない。
基地外は放置よろ。
897 :
名無しのオプ:2008/01/29(火) 20:50:30 ID:Y+l9HMSM
同意。
書斎は自分が2回も読んだと主張する乱歩賞受賞作のタイトルを間違えるような低レベルな奴なんだから
相手にするだけ無駄というものだ。
898 :
書斎魔神 ◆vVXVsEKCZ. :2008/01/29(火) 23:49:41 ID:ZbOyBBvv
1度指導してやれば、少しはまともになるかと思ったが、やっぱり駄目だな(w
肝心要の結論が正反対な論考をパクリと強弁したうえ、
都合が悪いので、
>同一作品を論じる以上、着眼点が一致する場合があるのも当然である。
の部分はスルー。
(現代ではネット上に先行する書評等が存在しない作品は、ほぼ有り得ない)
「俺は『鉄鎖殺人事件』をこう読んだが・・・」というレスは皆無、
>>896-897で逃げに入るというパターン。
荒らしのお里が知れるというものである(w
899 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 06:10:27 ID:AI1eHAif
>>894 あの生き物はそのままのコピペか言い回しをちょっと変えただけの改竄コピペでなければバレない
と考えているフシがあるね。
ちょっと似ていてもそれは「誰が読んでも同じような感想になる」なんていえば
それで言い逃れられると思っているんだろうけど
だったら未読君の珍考なんてそこいらで読める感想文と同じだということ。
珍考だの住民への死導だのと威張りくさっていられるようなモノじゃないってこったw
つまり未読魔珍なんか相手にする価値もないということだねw
俺も放置するわw
900 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 07:09:46 ID:AeN/53pB
>同一作品を論じる以上、着眼点が一致する場合があるのも当然である。
目新しいことは何もない二番煎じ論考宣言ですかw
>「俺は『鉄鎖殺人事件』をこう読んだが・・・」というレスは皆無、
それがお前の二番煎じ論考だろw
901 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 07:36:03 ID:QS3cnm7A
>898
俺様の「論考」はとっくの昔に誰かが書いた感想と大差ないんだ!、と自ら宣言しておりますw
バカすぎるw腹イテーw
902 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 07:36:47 ID:QS3cnm7A
>898
必死で毎週「論考」書いてますが、誰かが書いたものと大差ありませんでしたってか
そっちのがパクリよりも情けねえじゃんw
903 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 09:14:51 ID:UT/Fe1K7
>898
>「俺は『鉄鎖殺人事件』をこう読んだが・・・」というレスは皆無、
無くて当たり前じゃん
「読みました」スレなんだから
書かれるはずの無い物が無いから
>
>>896-897で逃げに入るというパターン。
>荒らしのお里が知れるというものである(w
と言いがかりをつけ逃げに入るというパターン
荒らし書斎のお里が知れるなw
904 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 09:19:14 ID:UT/Fe1K7
最悪板のクズどもが乱入して荒らしているな
905 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 09:23:09 ID:UT/Fe1K7
アンチの印象操作に乗せられる住人どもにも問題がありますよねえ。
906 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 09:24:36 ID:UT/Fe1K7
同意。書斎は何も悪くない。
907 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 11:44:32 ID:ML3I+cet
しかもこれ、
「俺はネットの書評しかチェックしてない」って
言ってるようなもんだよね。
仮にも「書斎魔神」を名乗るなら、不用意すぎる書き方だろw
908 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 12:56:10 ID:05d6dDq9
他人の感想と大差ないなら論考なんて自称すんなバカw
909 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 17:57:57 ID:TMepQiKh
910 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 18:18:49 ID:cAW2UX3Q
コピペと自演荒らしか
よほどパクリがバレたのが悔しいんだねw
911 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 18:42:45 ID:y8v1bEMq
どっかのサイトに誰かが書いたような論考なんてクソの役にも立たんな
二番煎じ論考はチラシの裏にでも書いとけやw
912 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 18:52:16 ID:6thw337w
なんでイタイ奴って、基本ageなんだろう
913 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 19:04:01 ID:05jpTH0B
書斎は全く悪くないな。
アンチが難癖つけて荒らしているだけ。
914 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 19:12:45 ID:euzBLThU
そのアンチのレスをわざわざコピペしておいて何抜かすか
915 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 19:32:40 ID:05jpTH0B
大方アンチが書斎派に罪をなすりつけようとしてやっているんだろ。
いかにも卑劣なアンチのやりそうなことよ。
916 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 19:37:31 ID:euzBLThU
何が「書斎派」だよバカw
917 :
名無しのオプ:2008/01/30(水) 23:29:50 ID:TMepQiKh
道尾秀介『ラットマン』(光文社、2008)【8点】
過去の事件で姉を亡くしている姫川亮。彼がギターをつとめるバンドの
練習中、亮の交際相手の死体が発見された。過去・現在の事件に悩む亮。
それにともないバンドのメンバーたちとの関係もぎこちなくなってゆく・・・
動物シリーズ「ネズミ」。読後の印象は『シャドウ』+『ソロモンの犬』÷2.
帯にある「最高傑作」という文言は、少なくとも道尾全作読了の自分には、
やや誇大に思える。まあ、この作者に対するハードルが高くなっているせいも
あるけれど。作者自身、昔バンド組んでたらしくて仲間たちとのやりとりの
描写は上手く、青春モノとしても楽しめる。
終盤の展開は、若干のクドさとあざとさを感じてしまったが、技巧的にも
この作者がずいぶん達者であることを再確認。ただ、真相が明らかになって
一気に伏線が脳裡で「はじける」のではなく、再読して「なるほど」と、
確認作業するタイプの技巧ではある。良作。
919 :
名無しのオプ:2008/02/01(金) 06:31:03 ID:J9NCWY5X
親書斎の住人が複数いることがまだわからないのか。
920 :
名無しのオプ:2008/02/01(金) 09:06:07 ID:SEvbolcI
たまにリクエストなんてどう?
貴志の「新世界より」誰かお願いします
貴志スレ見たけど、あそこじゃまったく参考にならない感じw
921 :
名無しのオプ:2008/02/01(金) 12:50:28 ID:BdfwupGw
SF板のが反応良いとおも
宮部みゆき『誰か Somebody』(2003→2005、光文社カッパノベルス)【7点】
自転車事故で何者かに轢殺された運転手梶田。遺された娘2人は、亡父の伝記を
出版しようとする。梶田の雇用者であるコンツェルン会長の義父の依頼により、
娘2人と協力して調査を進める「私」は、梶田の過去にある謎を発見する・・・
指折ってみればおよそ5年ぶりくらいの宮部みゆき。こんな文章だったっけ?
とくに前半は無駄な語りが多いように感じ、なかなかノれなかったが、
梶田夫妻・長女の過去の事件が明らかになる辺りからは引き込まれた。
かなり地味な話ではあるが、読後の印象は・・・
あのラストはしばらくいやーな気分に陥りそうだ・・・
続篇らしい『名もなき毒』もタイトルからして同傾向なんだろうなー
923 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 06:37:29 ID:8z9odBXv
SF板はミス住をきちんと評価するからねぇ。
ミス板も見習うべき。
924 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 07:02:14 ID:ej2muMbo
>919
自演を親書斎、書斎派と呼ぶのはお前の勝手だなw
925 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 09:56:55 ID:jD8cL8nM
>923
あっちでも基地外認定されてますが?w
926 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 12:09:18 ID:lFweRXEQ
927 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 15:02:41 ID:H9h+ujCK
八流書斎クンはここ何日か湧いてこないけど
今日あたりまた読んだフリしてパクリ感想文を投下するんでしょうなw
928 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 15:15:34 ID:b52mu17b
>>927 どうでもいいからたまには感想書き込めよ
書き込まないなら来るなカスが
929 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 17:38:02 ID:Om/LFp03
ヒント コピペ
930 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 18:48:01 ID:qFcBzVtm
書斎が紹介してる本はアンチは未読だからな。
931 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 18:57:01 ID:djPRVf2z
書斎自身が未読じゃん
932 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 20:02:03 ID:SlPGuO3Y
最悪板からコピペしているのは書斎派だったね。
そして元のレスに「書斎」と書き加えているのに「八流」を削っていない。
つまり書斎派も書斎が八流だと認めているということでいいんだなw
933 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 20:14:12 ID:/tx6i69a
>>930は最悪板での書斎の書き込みのコピペ。
いつも書斎がやってることをやられてるw
934 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 20:17:18 ID:SlPGuO3Y
>>933 本人が間を置いて同じ文章を投稿しただけだろ。
935 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 20:56:47 ID:8z9odBXv
八流も評価のうち。書斎派はフェアなんだよ。
936 :
書斎魔神 ◆vVXVsEKCZ. :2008/02/02(土) 21:07:12 ID:q4TTE16e
>>903を書いた奴はマジでアホ(w
>無くて当たり前じゃん
>「読みました」スレなんだから
>書かれるはずの無い物が無いから
「読みました」スレだからこそ、読んでいなくてどうこう言えるはずがないのである。
結局、「鉄鎖殺人事件」を読んでいないで荒らしたい奴多過ぎ。
937 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 21:15:24 ID:SlPGuO3Y
>>935 アホやキチガイも評価だろ、きちんとコピペしろよアホw
で、他人を荒らし扱いするくせに
その荒らしに絡み続ける書斎盗人というパクリ野郎は
当然荒らしだということでいいんだよねw
938 :
名無しのオプ:2008/02/02(土) 23:27:54 ID:F4OT0myL
939 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 00:18:08 ID:QVB4TVF2
カースレでもそうだけど書斎ってちょっと批判されるといちいち噛み付いてくるよね
そうして相手を荒らしだ荒らしだと騒ぎたてるけどさ
荒らしをいちいち構う奴は荒らしだという原則からすれば当然書斎は荒らしだってことになる
そのことを理解しているのかな書斎は
結局ただの通ぶった厨房なんだよな書斎って
940 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 00:44:32 ID:xvUlieQv
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
941 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 10:21:15 ID:Sf97zWaP
>>939 書斎と一緒にしたら厨房に失礼
書斎は消防以下
942 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 18:50:05 ID:t6ZLeqBB
書斎の論考でもっているスレなんだが。
943 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 19:02:21 ID:qkgSrD32
無視してスルーしませうw
944 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 19:03:06 ID:TodwW1Ba
>>941 消防ならたとえ面白かった詰まらなかったの一言感想でも自分の意見を自分の言葉で書くものな。
他人の文を適当に書き換えて感想をデッチ上げるアホ馬は確かに消防以下だね。
945 :
名無しのオプ:2008/02/03(日) 19:03:42 ID:TodwW1Ba
「激アルバイター美波の事件簿 天使が開けた密室」谷原秋桜子(富士見書房)
訳あってバイトに精を出している女子高生美波はひょんなことから
とんでもないバイトを引き受けることになり、しかもその仕事中に
不可解な密室殺人事件に巻き込まれてしまう。
自身にかけられた疑いを晴らそうとクラスメートらと
解明を試みる美波だが……。
プロフィールにカチンと来る。某女性翻訳家のHP眺めた時に感じたの
と同種のムカつき。閑話休題。
内容は厚さとバランスが取れてたと思う。密室トリックは
半ば当然ながら前例のあるものだが捻りを効かせてあって良い。
ストーリーもちゃんと作ってある。中心となる二人の絡みが
不足気味に感じるのは一作目ゆえ仕方がないか。
947 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 11:52:22 ID:A/LF6JK0
これは論考のレベルではないな。
948 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 13:49:36 ID:Jzgm91Fh
論考=パクリという意味なら確かに論考じゃないな
949 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 17:54:52 ID:A/LF6JK0
単なる感想文でしかないということ。
950 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 18:03:58 ID:pHY2g2WV
感想を書くスレなんだから当たり前じゃん
バカかお前?w
951 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 18:30:54 ID:PI59RenZ
既にどこかのサイトで発表されているのと同じ内容の下手な文章を
「論考」などと称して悦に入っている狂人はスルーで。
自分できちんと読んだ本の「単なる感想文」の方がずっとマシ。
952 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 18:31:35 ID:8Ulm/tqC
バカの相手はそのへんにしておこうやw
953 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 18:34:37 ID:Puf0AZyL
いやもうバカを通り越して完全に狂ってるよw
954 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 23:29:25 ID:SSET/IE2
西澤保彦「収穫祭」を読みました。
今まで西澤作品はほとんど読んでます。
割と好きな作家です。
色々いわれていますが、やはり1章はすごく面白かったです。
成立するかどうかはともかく、謎解きも良かったです。
だけど、それまでが・・・
童貞の妄想みたいなエロが多くいので、
折原一の叙述トリックじゃないか?と思いながら読んでたら、
そういうわけでもなくって。
うーん。
一気読みはできたけど、他の人にオススメする気にはなりません。
955 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 23:30:46 ID:oM8s345l
読後感と違って何も残らない感想
956 :
名無しのオプ:2008/02/04(月) 23:46:19 ID:kCSGCPND
ぶっちゃけ読後感もあんま変わらん
957 :
名無しのオプ:2008/02/05(火) 06:23:03 ID:RSyCg1x6
書斎よりは数段マシ
958 :
名無しのオプ:2008/02/06(水) 09:17:54 ID:dlu1cvrp
読んでないヤツと一緒にしたらさすがに読後感に気の毒だろw
959 :
名無しのオプ:2008/02/06(水) 21:46:25 ID:5POVA235
kawamura Yoshio
「殺意の設計」西村京太郎(廣済堂出版)
匿名の手紙で夫の不貞を知った麻里子はその現場も目撃し、
旧友の井関に相談する。夫を許せと奨める井関に反して麻里子の
夫への不信感は募り、一方で彼女は井関への思いを深めて行く。
そして3人で最後の晩餐のつもりで集まった時、事件は起こった……。
久々某スレからのセレクト。「殺しの双曲線」以来かな。
ヒロインのモノローグで綴る前半は退屈。作中ヒロインが観た
映画の感想まんま。まあそれが事件の伏線になるわけだが……。
プロットはともかく肉付けが古典レベルなのが−。
事件の発端から逆算すると犯人の計画に無理が生じているし。
動機やアレをアソコにアアした理由もリスクと引換になる物ではないし。
別に読まなくても良いかな。
「鎌倉XYZの悲劇」梶龍雄(光文社)
ここは天国。死に立てホヤホヤの塩見は自分が殺されたことを
知らされる。ショックを受ける塩見に探偵を選んで事件を
調査させる権利が与えられ、早速彼は古今東西の探偵ファイルを繰る。
処変わって下界では一人の貧乏探偵が寂しく読書の真っ最中。
折しも開いたページから紙片が舞い落ち、拾って見るとそこには
「ZXY」の文字が踊っていた……。
某スレからのセレクト。
ご当地ミステリかと思いきやSFだったかという。
天国で下界の事件捜査をVTR形式で眺めるという
「正直しんどい」スタイル。
構成は凝っていて良いのだが、某有名作品とそっくりの展開があり、
そのせいで真相の見当が付いてしまうのが残念。というかそれを
未読でもわかりそうw
後使われたトリックの一つは後出しチックの上かなりリアリティ不足。
プロット自体は良いし肉付けも丁寧な印象だから読んでも良いと思う。
事件以外にちょっとした驚きがあるのも○。
962 :
名無しのオプ:2008/02/07(木) 10:55:01 ID:F2e+aCW2
963 :
名無しのオプ:2008/02/07(木) 15:19:00 ID:zZP2aQKG
一部でメタメタに言われている『人形館の殺人』読みました
エピローグの意味がさっぱりわからん
誰かメ欄で教えてくれ
964 :
書斎魔神 ◆vVXVsEKCZ. :2008/02/09(土) 18:23:01 ID:3125sX7L
有栖川有栖『ブラジル蝶の謎』を読んだ。
「無理に国名シリーズにすることもないが・・・」という疑問大な作品集だが、
暇つぶしなら十分に楽しめる程度の出来とはなっている。
大好評な全話講評いってみよう!
・「ブラジル蝶の謎」
火村の最後の呟きが印象に残る一編。
ストーリーは蝶に関する薀蓄がうるさ過ぎるきらいがあるが、携帯電話ねた、
ちょいビッグボウを想起させる早業等、創りもの要素が濃い謎解きミステリとしては
まずまず楽しめた。
・「妄想日記」
サイコ・ミステリ風のムードは良し。いきなりなラフカディオ作品ねたで無理やりエンドだが
作者はこれが書きたかったのであろう。
・「彼女か彼か」
現代風なねたではある。オカマの語りという手法がそれなりに効果を上げているような。
・「鍵」
事件の真相そのものは単純なのだが、唐突な十字軍ねたでのオチは笑える。
「これが」というよりは「これだけ」が書きたかったがための作かと思われ。
・「人喰いの滝」
収録作品中最長、この作者には珍しい怪奇探偵小説風である。
ジョン風の足跡トリックが笑えるものがある。
本作などを読むと、デビュー時からエルマンセーを繰り返しているアリスではあるが、
作風的にはジョン的方向性がその持ち味を発揮出来るやに思う。
・「蝶々がはばたく」
いわゆるバタフライ効果ねたなのだが、関西人である作者がひとりの人間(というか住民)として
拘りを持つのはわかるのだが、あっさりと真相解明して落とした方がミステリとして読んだ場合には
スマートに仕上がったと思われる作。
965 :
名無しのオプ:2008/02/09(土) 20:44:14 ID:ESug+71a
書斎はさすがだな。
的確な論考が光るね。
岡嶋二人『殺人! ザ・東京ドーム』(1988→1991、光文社文庫)【6.5点】
職場での鬱屈を抱える敏彦は、伊豆で偶然「クラーレの毒」を手に入れる。
思いを寄せる女性が阪神巨人戦を嫌っていることを知った敏彦は、毒矢で
無差別殺人を開始。しかし何者かから、敏彦を脅迫する写真と手紙が・・・
56,000人の衆人環視の中、野球場で無差別殺人が起きるという設定はおもしろい。
本来なら球場側の葛藤とか駆け引きとか描かれるんだろうけど、80年代のノベルス
ということで描写はあっさりでちょっと物足りない。文章は岡嶋らしくクセもなく、
適度なサスペンスの長篇であることは間違いなく、2時間以内で読み終えた。
肩の凝らない読書だったが、なぜか某系統のミステリーだと思い込んでいたので、
ラストはあれ?という感じだった。
北森鴻『桜宵』(2003→2006、講談社文庫)【7点】
ビア・バー香菜里屋を舞台とした短篇集第二弾。
客が体験した不思議な経験を、マスターの工藤が解き明かすという結構。
おいしそうな料理をからめた工藤と客のやりとりは心温まる。
表題作「桜宵」は、1年前に妻を亡くした夫が、妻の遺した手紙により
バーを訪れ、ある事件に関する思いもよらぬ真相が明らかにされるという内容。
個人的には「こんな回りくどい不自然なコトする人いるかな??」という感想。
むしろちょっと趣向の異なる「約束」という短篇の方が印象深い。
個人的に北森鴻は好きな作家。
968 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 10:20:47 ID:9LrM4UrS
アホが調子に乗ってトリップ付けるなボケ。
このスレで名乗る価値のある論考を書いているのは書斎だけなんだよ。
969 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 10:50:42 ID:Y3JRjZVd
コテハン叩きはやめろやパクリ書斎w
970 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 11:21:38 ID:9LrM4UrS
おまいこそコテハン叩きはやめろや。
971 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 13:24:56 ID:wBxXqzZ3
自分が書斎であることを否定しない ID:9LrM4UrS
972 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 17:59:59 ID:pgVrlfCo
いかさま師 「柳原 慧」 宝島社 単行本
30年前に自殺した画家が残した絵画にまつわる相続のトラブル。
母宛の遺言書を発見した37歳♀の主人公が、遺言で残された絵画の中に、
億単位の価値のあるラ・トゥールの名画が紛れている可能性が高いことを知る。
だが、そもそも、30年前に自殺したのであれば、遺言はもう執行不可能であろう。
所有権は時効取得されているだろうし、相続回復は最大20年と民法で規定されている。
現行法上、ありえない設定であり、いかにもご都合主義的にストーリーは進行する。
他にも民法の条文を曲解している部分があり、作者は小説内リアリティーさえあれば、
法律の規定など無視しても構わないという考え方ではないか、という疑いを持ってしまう。
読み捨てミステリーだったら、これでもいいのか? 大いに不満を覚えた。
973 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 18:21:00 ID:pgVrlfCo
「隠蔽捜査」今野敏 新潮社 単行本 吉川英治新人文学賞受賞作
東大卒のエリート官僚である、警察庁長官官房の総務課長が主人公。
序盤は家族や官僚仲間からも変人扱いされる主人公のエリート臭に辟易させられる。
しかし、警察の不祥事や息子の問題に対して、エリート意識の裏返しとなる
責任感の強さを発揮するため、さわやかな読後感、小説的なカタルシスが得られる。
横山秀夫の警察の管理部門に着目した警察小説の流れを汲むといえるが、
決して二番煎じとは思わない。ミステリーとして期待して読むと、
当てがはずれることになるが、小説として十分に楽しめる内容だと思った。
続作の「果断」を現在、読書中。
974 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 18:32:59 ID:osKR4MIH
誰も反応しないのに自分で“大好評”と書ける神経はすごいと思う。
975 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/02/10(日) 20:38:33 ID:90wUJtbk
中町信『模倣の殺意』を読んだ。
大きな賞も受賞せず、ベストセラーを連発するわけでもなく、ミステリ史に残るような傑作が
あるわけでもないが、長きに渡って活躍し、ミステリでも読み飛ばすかという気分の時に
コンスタントに50〜60点の満足感を与えてくれる作家がいる。
70年代から書き続けている中町氏もそんな作家のひとりである。
本作は、ミステリにありがちな偶然性が目につく部分も多いものの、
叙述ミステリ(おなじみの「アレ」ではない)としてなかなか楽しめる趣向となっている作、
70年代に書かれた作だけあって、最近のスカスカな新書ミステリの類とは異なり、
風景描写も丁寧になされており臨場感があるし、無理な笑いや萌えを狙った浮ついた面も無く、
まだミステリがオトナの読物であった時代の落ち着きと安心感があるのも良い。
ただし、解説(「『模倣の殺意』の変遷)を見ると、謎解きミステリとしての興趣は双葉社版の方が
あったのではないかという気がする。
976 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 22:58:33 ID:j3wEfiO6
あれ、書斎魔人って二種類いるのか
トリップvvxvとahysと
977 :
名無しのオプ:2008/02/10(日) 23:03:03 ID:pgVrlfCo
「果断」今野敏 新潮社 単行本
「隠蔽捜査2」という副題がついているように、前作の続編であり、主人公は大森署の署長に転勤している。
昨年のこのミス4位の作品であり、報告するまでもないだろうが、前作よりもミステリ的な楽しみも増えた。
ともかく安心して読めるところがいい。さすがはベテランという印象。続作が出たら、是非読みたい。
興味は日本推理作家協会賞を受賞するかどうか。このミス3位までの作家が受賞経験者であるため、
候補には間違いなくなるだろうし、最有力の候補といえるだろう。
次は、警察小説の流れで、「制服捜査」佐々木譲の予定。
では、お休みなさい。
978 :
名無しのオプ:2008/02/11(月) 02:30:54 ID:Q/BKR9FX
>>976 このスレの中では、2種類どころか4種類もいるよw
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas … >31 〜 >596
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w … >627 〜 >735
書斎魔神 … >742 〜 >812
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w … >825 〜 >885
書斎魔神 ◆vVXVsEKCZ … >890 〜 >964
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w … >975
現時点でこれだけ↑いる。◆AhysOwpt/wを使うのは3回目だよw
979 :
名無しのオプ:2008/02/11(月) 02:35:33 ID:8DfNI0v1
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は〜い、先生。
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
980 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2008/02/11(月) 21:30:06 ID:DYzpno8K
有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』を読んだ。
記念すべき(?)アリス版国名シリーズ第1弾。
大好評なおなじみ全話講評いってみよう!
・「動物園の暗号」
夜の動物園というミステリとして魅力的な犯行舞台とちまちました暗号ネタがアンマッチなのが
惜しい一編。この舞台設定ならジョンやクレイトン風の不可能犯罪ものを書いて欲しかったもの
である。ダイイングメッセージの解読も強引過ぎ。
・「屋根裏の散歩者」
ガイシャが散歩者という設定。「叶」の謎解きは漫画ちっく過ぎるものの、「太」の謎解きにはワロタ。
大乱歩に対するオマージュと共に実は作者はこれが一番書きたかったのではないか。
・「赤い稲妻」
雷雨の中、高級マンションからの外人モデル転落死、
怪奇・猟奇性が無い都会的な本格ミステリ短編で、
極端な偶然性無しには成立し得ない事件ではあるが、無駄がないサスペンスフルな展開で
読ませるものがある。
・「ルーンの導き」
謎のルーン文字ネタ。物珍しさは感じられるものの、
ネタが特殊過ぎて十分に楽しめない作ではある。
・「ロシア紅茶の謎」
ウィンナ・カフェならぬロシア紅茶(ジャム入り、火村に言わせると「あれはうまい」そうだ)という
ドリンクを初めて知った。
トリックはジョン風の小技、面白いが、本作のシチュエーションでは無理が感じられるのが難か。
リリカルな作風を意図した学生アリス・シリーズではないのだから、締めはもっとあっさりで良い
かと思う。(犯人指摘でエンドとか)
・「八角形の罠」
本作もジョン風のトリックを面白く思ったのだが、
作者あとがきで現実性が無い旨が明かされている。
それはともかくとして、暗闇での工作の見せ方が困難ゆえ映像化は困難な作であろう。
981 :
名無しのオプ:2008/02/12(火) 01:19:15 ID:beKVAh29
このスレでは121作。
西澤保彦のタックシリーズ、今野敏の隠蔽捜査シリーズが印象深いなあ。
983 :
名無しのオプ:
1年ちょっとで121冊か
すげー読んでるなぁ。