『読みました』報告・海外編Part.2

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790書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
スレタイに沿った話題である以上、どこに書かれたものであるか、
誰が書いたものであるかは問題とはなりません。
叩くべきものは叩くとしましょう。

>>788は、あまりにもレベル低過ぎである。
「魔術師が多すぎる」は、ダブルデイ社から
ダブルデイ・サイエンス・フィクション・シリーズの1冊として刊行されたものであり、
解説を担当したミッチーと早川書房の認識は、SFと本格ミステリを組み合せた作という
ことである。つまりSFミステリなのである。内容的にもこれに相異ない。
いまだに、788のような具体的な論証を伴わない甘ったれた言説が垂れ流されるのは
不快としか言いようがないものがある。
791名無しのオプ:2005/11/13(日) 11:43:30 ID:TP35kNF8
>>789
というより反応レスつけるのは、当のコピペ犯だけだろ。
元の板で反論できないという甘ったれた根性の持ち主じゃないと、
コピペに反論なんて恥ずかしくも情けない真似はできないよ。
792名無しのオプ:2005/11/13(日) 12:20:04 ID:1xnN990l
>>791
そうでもないと思う。コピペするのは議論を喚起するためなんだろうし、スレタイに沿った内容であれば議論をするのは責められることではない。
793名無しのオプ:2005/11/13(日) 12:30:49 ID:TP35kNF8
>>792
コピペ厨&反応厨、自演乙w
そんなに議論したけりゃ引用元行ってやってこいや。
コピペで真の発言者の意見を捻じ曲げなけりゃ論破とやらもできないんだろw
甘ったれるな。
794名無しのオプ:2005/11/13(日) 13:03:46 ID:1xnN990l
>>793
スレタイに沿っているというのが重要なんだよ。誰かが間違って違うスレに誤爆したのかもしれないしな。それをしかるべきスレに誘導してやっていると考えることはできないかな。或いは同様の措置が取られたとかね。
スレタイに沿った話しをしている以上誰も責められることはないんだよ。
795名無しのオプ:2005/11/13(日) 13:34:35 ID:/xDV/6cb
>>794
どうやったら全く違う板のスレの書き込みをわざわざコピペしてこっちへ貼るなんて「誤爆」が
出来るんだ?
君もミステリー板住人なら君の推理を聞かせてくれないかね?
796名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:00:13 ID:DrzjezE/
>>794
>誰かが間違って違うスレに誤爆したのかもしれないしな。

そう思ったのなら、まずあのレス(>>788)が書かれていたスレで
そのレスのオリジナルを書いた人に、誤爆かどうかを確認するべきでは?

そして、誤爆であることが確認されたら、そのレスのオリジナルを書いた人に、
本来のスレに書いてもらうように言えばそれで良いのでは?

そのオリジナルのレスが誤爆ではなかった場合のことを考慮するべきだろ。

ひょっとしたら、そのレスのオリジナルを書いた人は、こっちのスレには
書きたくなかったのかもしれないではないか?
その場合、書いた人の意思を無視したことになるわけで、
いくらスレタイに沿った話をしているからといっても、
それは責められて当然のことだよ。
797名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:05:09 ID:/xDV/6cb
>>796
同意。
それも本人が書き込んだ板と全く違う板で「叩く」なんて卑劣極まりない。
書斎は今までも数々の不快な書き込みで住民から非難されてるのに、まだ分からないのかな。
まともにコミュニケーションをとる能力が完全に欠落しているのか、又は故意に荒らしているとしか思えないな。
798名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:23:29 ID:1xnN990l
書いたものの思惑はともかく、あの内容ならばスレタイに沿った書き込みとしてこちらで話題にするのは大いにありだと思うが。逆に別の板でここでやるべき話題をするのがスレ違いだとは考えないのかな。
799名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:31:05 ID:VeaQvzh/
誘導
ミステリー板自治スレ その4
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1101199828/l50

荒らしに加担したい人はどうぞこのままお続けください
そうでない方は誘導先で有意義な議論をどうぞ
800名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:33:50 ID:/xDV/6cb
>>798

>>795については回答不能ですか?
801名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:41:47 ID:1xnN990l
>>800
単なるミスリードなんで。レスをよく読まない人には返事が出来まへん。
802名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:42:18 ID:j8iu+hWK
だからここでやるなって
803名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:51:21 ID:1xnN990l
>>802
すんなりとスレタイに沿った議論を続ければいいんだけどね。見当違いな難癖なやめてね。具体的には書斎のように淡々と書き込めばいいと思うよ。
804名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:54:32 ID:3gndGm0r
mis・lead
━━ vt. 誤って導く; 邪道に引き入れる; 判断を誤らす, 迷わす; 欺いてさせる
805名無しのオプ:2005/11/13(日) 14:56:47 ID:tbUL1NDH
構うとホモが感染する、スルーしろ
806名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:00:30 ID:1xnN990l
>>790
>>>788は、あまりにもレベル低過ぎである。
>「魔術師が多すぎる」は、ダブルデイ社から
>ダブルデイ・サイエンス・フィクション・シリーズの1冊として刊行されたものであり、
>解説を担当したミッチーと早川書房の認識は、SFと本格ミステリを組み合せた作という
>ことである。つまりSFミステリなのである。内容的にもこれに相異ない。
ここで都筑道夫本人の解説を引用しよう。
「したがって、このToo Many Magiciasは、ダブルデイ・サイエンス・フィクションの一冊
として出たわけだが、クライム・クラブから出るべきだった、ともいえる。
舞台はサイエンス・フィクションものだけれど、
そこに展開される物語は、完全な推理小説、それも近ごろのアメリカには珍しい、
論理によって謎をとく本格推理小説だからだ」以上引用終わり。
で、どこが
>そして、最大の問題点は、最終的な謎解き(密室殺人)をSFミステリゆえの逃げ
なんだ?
807名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:01:09 ID:1xnN990l
>>806の続き

それとダブルデイ社から出版されたのは1967年。
で、現在のこの小説に対する評価は、
「かつて日本ではSFミステリと目されていたが、欧米では
オカルト・ミステリの代表格として認識されている作品」
(ミステリ・マガジン2003年8月号23ページより引用)

まあ、1970年代に書かれた解説をそのまま鵜呑みにするヴァカには
SFに読めるかもしれないな。

ついでに正しい読み方の例も示しといてやろう。
ttp://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/darcy2.html
これで林梅毒(仮名)がカーター・ディクスンの読みも薄味だったのが
はからずも露呈かつ証明されたな。
808名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:27:24 ID:uR0zf2V1
>>806,807
文句のつけようない反論だが、レス乞食のSが正当な反論に対して承服したことがあったか?
よけいに暴論を振り回し、結果スレが荒れ、最悪廃墟になった例も少なくない
よってどのスレでも「反論はしてはいけない、したいのなら別なスレで」という注意書きがある
同じ土俵(スレ)で勝負するという行為は、いかなる正当な意見であれ“荒らし”もしくは“荒らしに加担”となる
まず貴方はそれを理解するべきだ
809名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:28:36 ID:3gndGm0r
810名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:52:29 ID:uR0zf2V1
>>809
住人の皆様、すみませんでした・・・。
811名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:09:35 ID:/xDV/6cb
何だID:1xnN990lがコピペ荒らしか。
812名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:16:13 ID:1xnN990l
>>811
荒らしている意識は微塵もありませんよ。スレタイに沿ってしかるべき誘導をしたまでのことです。これが批判の対象になるのであればスレタイに沿った書き込みがいけないということになると思いますが如何?
813名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:45:25 ID:0j7aNYm4
>812
何で非難されてるのか理解できなきゃ、
スレタイを声に出して百回読んでみな
814名無しのオプ:2005/11/13(日) 16:47:43 ID:/xDV/6cb
>>812は最悪板の荒らしだな。
相手にするにを止めよう。
815書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/13(日) 17:00:33 ID:ft4d51sK
「魔術師が多すぎる」のミッチーの解説を、自己の都合が良いように部分的に引用して
いる奴がいるが、そもそも、この解説のタイトルが「SF本格推理小説」であり、
>>806で引用された部分の後には、アシモフやアンダースンの例を挙げて、SFミステリ
の系譜が述べられているのを見ればわかるとおり、本作を「SFミステリ」と把握して
差し支えないと考えていたことが読み取れるものである。
逆に、その内容を見れば、オカルト・ミステリという把握にこそ疑問が呈されてしかる
べきであろう。
816名無しのオプ:2005/11/13(日) 17:04:46 ID:0j7aNYm4
スレタイの読めない荒らしの元凶がきたな
817名無しのオプ:2005/11/13(日) 17:04:58 ID:1xnN990l
>>813
スレタイを読んだのですが特に問題なしと改めて判断した次第です。
818名無しのオプ:2005/11/13(日) 17:07:22 ID:tbUL1NDH
>>816
ホモはほっておきなさい。
時期にコピペも出来なくなって自滅するから
819あぼーん:あぼーん
あぼーん
820名無しのオプ:2005/11/13(日) 20:20:51 ID:1xnN990l
>>819
著作権に関しては2ちゃんねる内でのこのケースでは問題ないでしょう。ためにする議論はやめたらどうですか?
821読後感:2005/11/14(月) 02:17:28 ID:rC2js+HL
「夜の闇のように」ハーバート・ブリーン(早川書房)

写真記者フレイムはとある新聞記事を見て愕然とする。
そこには彼の昔の女友達の叔父が飛び降りたと書かれていたのだ!
フレイムは彼女の力になるべく活動を始めるが、
被害者の旅行には二つの目的があった。そしてそれらに基づく
複雑な人間関係がフレイムを悩ませる。
謎の行動をとる催眠術にかかった女、フレイムを脅すギャング、
そして遂に警察も彼を疑い始める…

前作「ワイルダー一家の失踪」で首尾良く人様の婚約者を奪った
フレイムは一足先に都会に戻り恋人の帰りを待っている。
そこに降って沸いた事件というわけで、恋人は最後の方にならないと
出てこない。前作からしてなまなかな後日談じゃ承知しないぞと
思っていたのに肩透かし。しようがないからミステリ部分について書く。

まず作中では催眠術の効果を認めている。これは疑う余地がない。
その上で展開していくが、ハードボイルド的な素地を
設けつつ本格をで肉付けするというこの時代にありがちなタイプ。
話の引きはなかなかで読んでる内はそれなりにモチベーションを
維持できる。読後の印象はあまり強くないけど。
あと(メル欄)の件は不自然だと思った。
ロマンス面に関して幾莫かの興味はまだあるので続編も読もうか。
822名無しのオプ:2005/11/14(月) 02:40:27 ID:wOX4IaZk
ブリーンは『真実の問題』という長篇が面白いよ。まだ読んでなければ、ぜひ。
823名無しのオプ:2005/11/14(月) 06:20:01 ID:dWKB39IG
削除人も余計なことをしたね。スルーできないDQS削除人には困ったものだ。
824名無しのオプ:2005/11/14(月) 13:32:16 ID:UlQvwz5d
先々まで問題が残るだろうなあ。
825名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:16:41 ID:UlQvwz5d
今回はコピペと引用を取り違えたかな。
削除人はもっとしっかりして欲しいよ。
826名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:25:49 ID:wOX4IaZk
他人の文章を改竄して貼り付けただけの>>819は、引用かね? コピペかね?
せっかくコピペしたのが削除されて、そんなに悔しいのかね?

いんよう 0 【引用】
古人の言や他人の文章、また他人の説や事例などを自分の文章の中に引いて説明に用いること。
「古典の例を―する」
827名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:32:36 ID:Jg04c/U/
>>826
引用なんじゃないかな。スレの流れ全体から見て意味があるレスだからね。
流れを遮断する無意味な文字列ではないものね。
828名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:50:51 ID:7eGCnb6U
「原文ママ」であり出典元を証してこその引用。
発表者の原文を一部削ったりて書き直したり、
どこにあった文かをクローズドにするのは引用とは言わない。
小説系の板に常駐する者にとっては、これ常識。
829名無しのオプ:2005/11/14(月) 16:57:56 ID:Jg04c/U/
>>828
言いたいことはわかるけど、ここは2ちゃんねるだからねえ。
830名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:04:57 ID:NTvN88JQ
その2ちゃんねるを運営する立場の削除人さんが「コピペ」として
削除した以上、意味ある引用なんかではなく「コピペ」なわけですよ。
たかが一利用者がどうこう言えることではないわけでね。
嫌なら2ちゃんを出て、外で好きなだけ「引用」して反論するか、
削除議論板でも行けばよろしい。
831名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:06:51 ID:7eGCnb6U
>>829
「2ちゃんねるだからねえ」でブツ切りにしないで
最後まで書くべし。

「2ちゃんねるだから」なに?
832名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:19:24 ID:UlQvwz5d
今回の削除判断には無理があった。それだけのことなんだがなあ。
833名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:28:29 ID:NTvN88JQ
>>832
ここで何書いても削除人さんには伝わらないので、異議があるのなら
こちらでどうぞ。

http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sakud/1082884751/l50
834名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:31:41 ID:2hqkUXrN
>>832 の ID:UlQvwz5d さん および この人にレスを付けている皆さんへ

・まず、このスレはスレタイやスレの>>1にあるように、
 『海外ミステリーの読了報告、感想など』を書く為のスレです。
 今あなた方が話題にされていることがらは、スレ違いになります。

・よって、最低でも『ミステリー板自治スレ その4』
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1101199828/
 に移動してください。
 その話題の議論を続けるのは、移動してからにしてください。

・ID:UlQvwz5d さんへ
 削除人が行った削除の判断に問題があるというのでしたら、
 完全に板違いの話題になります。
 削除議論板などの、議論をするのに相応しい板に移動してから
 議論を行ってください。
835名無しのオプ:2005/11/14(月) 18:30:58 ID:UlQvwz5d
何を企もうが書斎のレスは削除されないから。なにしろスレタイに沿った書き込みだからねえ。
836名無しのオプ:2005/11/14(月) 21:26:17 ID:+NDdXKcz
「死者はよみがえる」 ディクスン・カー(創元推理文庫)
ビール会社の御曹司クリストファー・ケントは、ヨハネスブルクからロンドンまで
無銭旅行ができるかどうかという賭けを知人と行った。それから10週間後、苦労の末
ロンドンに辿り着いたクリストファーは、空腹のあまりホテルで無銭飲食を企んだ。
ところが、そのホテルで従兄弟の妻の死体を発見してしまい…。

かなり無茶している不可能犯罪。
この内容ではアンフェアと感じる人が多いのではないかしら。
カーらしいと言えばらしいのだけど、ちょっとやりすぎのような気がします。
それでも、読了直後は壁に投げつけてやろうかと思ったくらいだったのに、時間を
おくにつれて愛すべき作品と思えるようになってきたのは不思議。
837名無しのオプ:2005/11/14(月) 22:27:59 ID:UlQvwz5d
カーか・・。カー研究の第一任者書斎さんのコメントが楽しみだなあ。
838読後感:2005/11/15(火) 00:52:43 ID:G+bvrUgy
「五つの箱の死」カーター・ディクスン(早川書房)

深夜に家路についたサンダース博士は、途中街灯の光の中に佇む
若い女性に出会う。彼女は目の前のビルの一室に
一緒に入って欲しいという。その部屋でサンダースは
座ったままで身動き一つしない4人の男女に出くわす。
どうやら毒を飲まされたらしい。しかもその内の一人は
背中を刺されて絶命していた…。

しょっぱなからカーらしさ全開です。何が起こってるのか
さっぱりわからないw 被害者達の奇妙な所持品の数々、それぞれの名前が書かれた
五つの箱の秘密、神出鬼没の謎の男と道具立てはバッチリ。
瀬戸川猛資にネタバレ食らって心配だったけど、取り越し苦労でした。
というのも自分はクリスティの(メル欄)みたいなものかと
思っていたので。そうじゃなくてちゃんと「いる」んですよね。
しかしラストの意味が良く分からなかったな。
839名無しのオプ:2005/11/15(火) 05:16:45 ID:AMLP29jX
>>838
書斎さんのレスを読み直してみな。自分の書いたことが恥ずかしくなること請け合いだから。
840名無しのオプ:2005/11/15(火) 06:15:13 ID:WLdavdwZ
その意味なら書斎に聞いてみなよ。彼がカーの権威だからさ。
841名無しのオプ:2005/11/15(火) 10:50:09 ID:WLdavdwZ
一部の人間が騒いでいるが、スレタイに沿った雑談がどうして荒らしになるかなあ。理解に苦しむよ。
842名無しのオプ:2005/11/15(火) 11:46:33 ID:WLdavdwZ
よそのスレでいちいち書き込みに難癖をつける方がよほど荒らしだと思うがなあ。
843名無しのオプ:2005/11/15(火) 12:34:06 ID:8Njnlfbt
朝から繰り返し、なんでそんなに必死なのさw
844名無しのオプ:2005/11/15(火) 15:16:02 ID:WLdavdwZ
普通の書き込みを荒らし扱いする連中がいるからね。スレ活性化と平和のためならしょうがない。
845読後感:2005/11/15(火) 17:28:13 ID:G+bvrUgy
「クライム・マシン」ジャック・リッチー(晶文社)

奇妙な味の短編集。晶文社は相変わらずいい仕事してくれる。
ちなみに表題作は既読だが忘れていた。
すごく短い話が多くて実に読みやすかった。まずは「歳はいくつだ」の爽やかさに乾杯。似たような映画が
あったけれども、こちらの方がずっと共感できる。
それからすらりと無駄のない「殺人哲学者」や「旅は道連れ」は
ショートショートのお手本のよう。
「日当22セント」「エミリーがいない」「デヴローの怪物」といった
ひねた味わいのある話も新鮮で良い。というか本来こうなるのが
自然、という気もするが。連作ものではアウターな「縛首の木」と
理想的な本格ミステリ「カーデュラ救助に行く」を挙げておく。
読むべし。
846名無しのオプ:2005/11/15(火) 17:50:51 ID:efmpreQl
自治スレにも書きましたが、自治スレをご覧になっていないかたの為に、
こちらにも一応書いておきます。

最近こちらのスレに、荒らしと思われる人の書き込みが見られます。
その書き込みに対しては、全て無視して一切レスをつけないでください。

もしも、荒らし行為について何か書きたい場合には、自治スレに移動して、
そちらに書くようにして、こちらのスレには書かないようにしてください。

こちらのスレには、スレの趣旨に沿った話題だけを書くようにしましょう。

よろしくお願い申し上げます。
847名無しのオプ:2005/11/15(火) 17:58:14 ID:TQKJw2Mi
「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎」 アントニイ・バークリー(晶文社)
シェリンガムはクーリア紙の編集長からラドマスで発生した墜死事件の調査を頼まれた。
従弟と現地に向かったシェリンガムは、事故死と判断されていた事件に対し他殺の疑いを
持ち始める。
やがて、事件を再調査していたヤードの名警部モーズビーも登場して…。

シェリンガムシリーズの第三弾。
ミスディレクションが上手く機能していなくてミステリとしてはイマイチな作品でしたが、
それよりもシェリンガムのヘッポコ迷走っぷりを楽しむべき作品なのでしょう。
モーズビー警部が口にするラストの一言はミステリ史上に残る名台詞じゃないかと思います。
こんなこと言われたら、どうすればいいのやら。
848名無しのオプ:2005/11/15(火) 20:05:50 ID:AMLP29jX
>>846
荒らしではないという見解が出たんだがね。
スレには流れというものがある以上な。
おまえのような書き込みのほうがこの場合よほどスレの流れを断ち切る荒らしだと思い知るべき。
849名無しのオプ:2005/11/16(水) 15:50:26 ID:suZTev5M
しかし読後感もひまなんだなあ。
2ちゃんと読書に入り浸り。どんな実人生なんだろうねえ。。
850名無しのオプ:2005/11/16(水) 17:02:30 ID:306CcT2+
そんなこと言ったら新刊紹介スレの1なんて…
851名無しのオプ:2005/11/16(水) 19:17:22 ID:TWkUoBwC
>>850
荒らしはほっとけ
852名無しのオプ:2005/11/16(水) 21:27:43 ID:0mulmoa4
「マネキン人形殺害事件」 S・A・ステーマン(角川文庫)
その事件は小さな田舎町で起きた。洋服屋から盗まれた人形が線路に置かれていたのだ。
しかも人形は手足を切られ、原形を留めないほどに顔をメッタ刺しにされていた。
偶然居合わせたマレイズ警部は事件の裏に大きな悪意を見て取り、捜査に乗り出した…。

設定から「人形はなぜ殺される」を想起しましたけど、関連性はなし。
鮎川センセイが絶賛していたというので大いに期待して読んでみました。
…しかし…困った。どこがいいのか、さっぱり分かんない。
具体的な裏づけなしに主人公・マレイズ警部が妄想だけで突き進んでいくので納得しにくい。
これがモース警部のような遊びのある思考なら受け入れられるのですが…。
余談。ウエンセスラス・ヴォロヴェチックの存在が星影龍三とダブってしかたないです。
853名無しのオプ:2005/11/18(金) 12:45:41 ID:S8Ga0Htg
「ギデオン 神の怒り」ラッセル・アンドルース(講談社文庫)
をブックオフで105円でゲット。

主人公カールは作家志望の青年。アメリカ最大手の出版社から、
さる大物の回顧録のゴーストライターの仕事が舞い込む。大物の
名前は「ギデオン」としか教えられていない。だが与えられた
資料には「ギデオン」が自ら犯した殺人の事実が綴られていた。
・・これは回顧録などではない。暴露本なのだ。そして
「ギデオン」とは何者なのか。
やがてカールの周囲で起こる連続殺人事件。カールはその犯人と
して、警察と殺し屋から追われる身となるが・・。
854853:2005/11/18(金) 12:52:20 ID:S8Ga0Htg
よくある「逃亡もの」。主人公が陰謀に巻き込まれ、
必死に逃亡しつつ真実を暴露する、というストーリーだ。
まあ、「神の怒り」っていうほどすごい内容じゃないが、
逃亡ものとしてはよくできている。
ストーリーの中では、黒幕らしい人物も、殺し屋も複数
出てきて、殺し屋同士で殺し合いしたりするので、読者は
なかなか真相がよめない。
そして、アメリカのサスペンス・スリラーにお約束の
どんでん返しだ。・・ううん、この手で来たか、と思わせて
くれる効果的などんでん返しが、最後に用意されている。
105円はトクだったと思わせる小説だよw
855書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/19(土) 20:32:42 ID:LOu7MsuZ
ジョン・スタインベック「怒りの葡萄」を冒険小説として再読してみた。
資本家により土地を追われ、新天地カリフォルニアを目指すオーキー、ジョード一家の
流転が、文豪の重厚かつビビッドな筆使いにより綴られてゆく名作中の名作だが、
リアリティ重視の真の「冒険」とは何かを痛感させる作でもある。
生活のため、生きるための真の冒険には、派手なアクションなど皆無、辛く厳しい
日々の行程が続くのみなのである。
ジョード一家の旅立ちまでには、10章(文庫本で200頁以上)が費やされて
いるが、この巨大とも言える「前振り」が後半効いて来るのである。
キャラが立ちまくりなジョード家の爺さん、婆さんが前半部分であぼーんになってしまう
のが非常に残念だが、メーンキャラに限らず、短編の名手でもあるジョンだけあって、
傍にも個性的で印象的なキャラが続出し、これが読みどころでもある。
856書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/19(土) 20:34:08 ID:LOu7MsuZ
第2章に登場し、トム・ジョードと絡むトラックドライバーに始まり、
死ぬときまで墓場の老いぼれ幽霊を自称し、ただひとり故郷の農場跡に残る農夫
ミューリー・グレーブス、途中ジョード一家と同行することになる親切なアイビーと
セリーのウィルソン夫妻、そして第16章中盤にほんのチョイ役で登場する
サービス・ステーションの片目の男等々
特に第15章は、国道沿いの軽食堂に集う人々(コック、メイド、客であるトラックドライバーたち)の視点で、移住者の姿を客観的に描いた独立した短編としても鑑賞に
耐える出来栄えの作で、からっとしたアメリカ版人情噺の感がある仕上がりとなっている。
そしてこれらの人間群像から浮き彫りとなって来る30年代の大不況という時代、
今さらながら、見事な筆力と構成力と言わざるを得ないものがあり、
同じジョンでもカーとは大違いである。
モーゼの出エジプト記に喩えられることが多い作品だが、バイブルとの関連を見ると、
神の恩寵を受けたノアに見捨てられた人々の物語(ジョード家の長男ノアは中盤で物語からひとり離脱してしまう)、ジョード家のおっ母と長女ローザシャーン等による聖母物語
(特にラストにこの印象を強く受ける)とも読み得るのではなかろうか。
美少女探偵、黒マントの怪人、奇怪な密室、謎の美女、マルボーロライトを横ぐわえした
タフガイ等々、くだらない絵空事に耽溺しているミスヲタ連中には、
これほど躊躇無く、この言葉を投げかけたい1作はない「心して読め!」と。
857名無しのオプ:2005/11/19(土) 21:29:06 ID:B4qVUMLU
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○糞レスする奴は常に誰かの反応を待っている。構って欲しくてしょうがない。
|| ○複数回線で複数IDを使って自演をしているから要注意。
|| ○ウザイと思ったらとにかく放置。完全無視。脳内あぼーん。存在抹消。
|| ○糞レスにレスするやつも荒らし。ノセられてレスしたらその時点でお前も荒らし。
|| ○「糞レスウザイ」と書いた時点で糞レスをしたのと同等とみなす。  
||  糞レスを無視するとは、あたかもそこに糞レスが存在しないかのように振る舞い
||  糞レスに関する一切のレスをしないことを意味する。    
|| ○それでも糞レスに我慢できないという人は        
|| そもそも2ちゃんを使うのに向いていない。逝ってよし。      ∧ ∧
|| ○ここはお前の妄想を書き散らかす場所ではない。.    \(`・ω・´) キホンダゾ!
|| そういうことは広告の裏にでも書いて一人で楽しんでろ。   ⊂ ⊂ |
||___

糞レスは徹底放置でよろ
858暇後感:2005/11/20(日) 17:06:29 ID:zNC2CedV
「密室殺人コレクション」二階堂黎人・森英俊共編(原書房)

海外アンソロジー。
およそ半分を占める「つなわたりの密室」(J・T・ロジャース)は
心配した通りの弩アンフェア。何なんだろうね、
こういうのを評価する風潮って。死ねばいいのに。
他はそれぞれ面白かった。
1、「カスタネット、カナリア、それと殺人」(ジョゼフ・カミングス)
2、「インドダイヤの謎」(アーサー・ポージズ)
3、「ガラスの橋」(ロバート・アーサー)
1はほんと快哉もの。酔ったね魅力に。2は簡単で巧い。
3も頑張ってる。世界初の「足跡のない殺人」もの
「飛んできた死」(S・H・アダムズ)も良質なバカミスで満足。
「四つ辻にて」や「これが密室だ!」も読もう。いつかきっと。
859暇後感:2005/11/21(月) 13:39:45 ID:ha2AZfBN
「アプルビイズ・エンド」マイケル・イネス(論創社)

出張の途中、汽車の中で知り合った男の家に泊まることになった
アプルビイ警部。奇しくも降り立った駅の名はアプルビイズ・エンド。
一風変わったレイヴン家の人々に戸惑うアプルビイはそこで
宿命の女ジュディスに出会う。思わぬことから彼女と二人で
見知らぬ土地をさ迷うことになった彼は、
レイヴン家の召使いの死体を発見するのだった。
頻発する奇妙な出来事の陰に隠されたつながりとは?

典型的な英国ユーモアミステリー。牛が彫刻に変わったり、
少年が蝋人形に変わったり、自分の名前を刻んだ墓石が
送られてきたりとサービス満点。最後の一撃まで用意してある豪華さ。

最初は、警察官探偵が巻き込まれてどうする、と思ったがそこは
きちんと処理してあって安心。

これで残るはアレンアガサだな。ナイジェルやキャンピオンも
気にはなるけど。
860暇後感:2005/11/22(火) 15:04:28 ID:c2xEVhJl
「生きている痕跡」ハーバート・ブリーン(早川書房)

雑誌記者ディーコンはある夜同級生だったアーチーと再会する。
彼はディーコンにある男の話をした。その男が確かに死んだことを
自分は知っている。しかし、最近彼に会ったという人が何人もいる
というのだ。最初は相手にしなかったディーコンだったが、
次第にアーチーの話を信じ始める。そして調査を進めるうち、
事件は解決に向かうかに見えたが――。

「真実の問題」も読む予定だから心配しないでね☆
中盤で一度片を付けてからひっくり返すという二重構造に
なっている。本格だけどアクションもあってそこは60年代への
適応性が見られて良い。ラストの解決も勇み足のようでその実
伏線もありそれをしっかり回収している。
まあ水準作といったところか。
犯人が手紙の文面をどうやって知ったかが気になるけど。
861名無しのオプ:2005/11/22(火) 18:21:33 ID:F0vW5ddZ
ここはコテハンスレじゃないんだから、読後感はいい加減にすべき。
862名無しのオプ:2005/11/22(火) 19:09:40 ID:Jpvjd90H
「思考機械の事件簿I」 ジャック・フットレル(創元推理文庫)

日本で独自に編集された思考機械の短編集。
思考機械ドゥーゼン博士が事あるごとに「論理」と言うわりに論理性は低く、フェアプレイ
クソ食らえという感じ。冒険小説的な立ち回りが見られるのは、書かれた時代が時代だから、
ということなのでしょう。
全体的に科学知識をベースにしたトリックが多いのも特徴。
中にはちょっと無茶じゃないかと思えるトリックがあり、「謎の凶器」とか「水晶占い師」
あたりになるとバカミスと呼ばれかねないような気もします…。
863書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/23(水) 12:50:23 ID:Tx5EAlja
フレッド・カサック「殺人交叉点」(新訳)を読んだ。
記述が肝となる作だが、評価に賛否はあれどAほどのインパクトは無い。
本作を読んで喜んでいるのは、月曜7時の「名探偵コナン」をビデオ録りし、
「今晩もなんとも神がかりな推理キター!」とか叫びながら、
夜中に再生して欠かさず見ているようなレベルの連中であろうかと思う。
そもそも、仏語という言語(というか、同様な特性を持つ言語、独語はOKだが英語は
駄目)の特性のひとつを巧みにクリアしたところにこそ、本作のトリックの面白さが
活きて来るのだが、これを日本語訳しては興醒めである。
併録されている「連鎖反応」という作も、フランス人らしいシニカルな仕上がりの作では
あるが、ブラックユーモアをまぶしたコントとして評価するのであればともかく、
ミステリとしては動機の説得力が無く、極端な偶然性に頼った展開も白けることこの上
ないものがあった。
864名無しのオプ:2005/11/23(水) 13:15:07 ID:zP6xsmok
なるほどね。参考になるなあ。いつもさんくすこです。
865名無しのオプ:2005/11/23(水) 16:21:50 ID:qF5yCckM
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○糞レスする奴は常に誰かの反応を待っている。構って欲しくてしょうがない。
|| ○複数回線で複数IDを使って自演をしているから要注意。
|| ○ウザイと思ったらとにかく放置。完全無視。脳内あぼーん。存在抹消。
|| ○荒らしコピペにレスするやつも荒らし。ノセられてレスしたらその時点でお前も荒らし。
|| ○「糞レスウザイ」と書いた時点で糞レスをしたのと同等とみなす。  
||  糞レスを無視するとは、あたかもそこに糞レスが存在しないかのように振る舞い
||  糞レスに関する一切のレスをしないことを意味する。    
|| ○それでも糞レスに我慢できないという人は        
|| そもそも2ちゃんを使うのに向いていない。逝ってよし。      ∧ ∧
|| ○ここはお前の妄想を書き散らかす場所ではない。    \(`・ω・´) キホンダゾ!
|| そういうことは広告の裏にでも書いて一人で楽しんでろ。   ⊂ ⊂ |
||___

糞レスは徹底放置でよろ
866名無しのオプ:2005/11/25(金) 22:09:20 ID:OzSNGo6U
>>865
糞コテ=暇後感でオケでつね?
867名無しのオプ:2005/11/25(金) 22:09:28 ID:OzSNGo6U
>>865
糞コテ=暇後感でオケでつね?
868名無しのオプ:2005/11/25(金) 22:48:16 ID:rtCuG24V
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1108992664/302
>302 :名無しの汚物 :05/11/25 22:45 HOST:61-22-119-2.rev.home.ne.jp<8080><3128><8000><1080>
>削除対象アドレス: http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1072265453/861
>http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1072265453/866-867
> 削除理由・詳細・その他: ・コテハン叩き
>・議論を妨げる煽り、第三者を不快にする暴言
>
>よろしくお願いします。
869読後感:2005/11/30(水) 15:03:41 ID:3UdKssAV
「疑惑の影」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)

敏腕弁護士バトラーは毒殺容疑の掛けられた娘を見事無罪にする。
しかしそれとほぼ同時に被害者の義理の甥も毒殺されてしまった。
バトラーは美しい未亡人に翻弄されながらも真相にたどり着こうと
試みるが…。

以前読んだ乱歩のエッセイで「予告殺人」「ダブル・ダブル」
「疑惑の影」とほぼ同時期に出た巨匠達の作品を取り上げて
後ろ二つは凡作と言ってたもんだからあまり期待してなかったけど、
犯人はわかりませんでした!そうきたか!と。
巧い心理&アリバイトリックですね。
特に難解な部分もなく読みやすいのでカーの入門書に
良いのではないでしょうか。
870書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/03(土) 14:25:40 ID:tHjcUff6
久々にフレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」を再読した。
フォーサイスの初期3作はどれも面白く、今読んでも一読巻を置かせないものがあるが、
本作はデビュー作ということもあって、ストーリーテリングの問題として事件の背景に
関する説明がくど過ぎる感があること、殺し屋ジャッカルによるドゴール大統領暗殺
計画失敗という結末は見えているというスリラーとしての構成上の弱さが内包されていること、クライマックスのルベル警視とジャッカルの対決はお約束過ぎて無理に作った感
が否めないこと等々、
(まさにフランス版コロンボの趣があるルベルはこの大立ち回り以前に静かに退場し、
傍観者としてラストに登場するという展開にして欲しかった。これ以前の捜査に関する
記述がリアルで迫真性に富むものだけに落差が残念だ)
不満点・欠点は、いくつも挙げることが出来るが、第2作「オデッサファイル」に
登場するナチス戦犯の逃亡組織オデッサ(実際は、小説に描かれたほど強大・強力な
組織ではないそうな)や第3作「戦争の犬たち」に登場する傭兵という職業が、
衆知のところとなり、ネタとしての斬新さを失った今となっては、
かえって歴史ミステリに分類しても差し支えない時代設定の本作が、
かえってその古さに抵抗を感じさせず、他の2作よりも、より面白く読めるものと
なっている。
本筋には関係しない細かい点だが、自白することを「歌う」と警察の隠語で訳すのは、
この当時からあったのだと、今回気付いた。
871読後感:2005/12/03(土) 17:27:17 ID:uZtBjFyJ
「怪奇礼讃」中野善夫・吉村満美子編訳(東京創元社)

怪奇小説のアンソロジー。短いものばかりで読みやすい。
が、どうもあまり自分には合わなかったようである。
ただ「死は素敵な別れ」(ベアリング=グールド)は非常に
ユーモラスな怪異譚であり気に入った。他に
「オリウァー・カーマイクル氏」(ノースコート)も爽やかな印象。
「跫音」(ベンスン)は八雲の有名な短編に似た落ちが興味深く、
「髪」(アラン)「溺れた婦人」(アリントン)等は
そのはっきりとしたプロットが幼稚な自分の好みに合っていた
ようである。ちなみに後者は笹沢の短編に似たものがあった。
872名無しのオプ:2005/12/03(土) 20:04:36 ID:wQn8Q65j
読後感よ、書斎さんへのライバル意識剥き出しで必死だなww
873名無しのオプ:2005/12/04(日) 00:20:23 ID:d1bfmlAZ
「ストリート・キッズ」ドン・ウィンズロウ

積んでいたのをなんとなく思い立って読んでみたら凄く良かった。
今まで放っておいたのを後悔。
「心臓の鼓動が聞こえる場所」の静かで切ない情景とか、素晴らしい。
874名無しのオプ:2005/12/04(日) 17:47:00 ID:jEtybISs
P.ボアロー『殺人者なき六つの殺人』(講談社文庫)

パリのアパルトマンで銀行家夫婦が狙撃される、という事件を筆頭に、タイトル通り6つの殺人事件が起こる。
真相が暴かれてみると、因果関係が連鎖しているので、6つもある殺人はすべて必然であることがわかる。
ただし、全体で250Pしかないため、次から次へ事件が起こって慌しい。
ひとつの事件を反芻する時間がないので、不可能性の強調も足りていない。
一番いけないのは、形として容疑者が存在しないことだ。
犯人の可能性があるのは一人しかなく、読者にとっては簡単に先が読めてしまう。
殺人の因果関係については、よく練られていると思うだけに惜しい。
小説としての面白みはほとんどないが、古典本格マニアであれば読む価値はあるのではないか。
875書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/05(月) 22:37:42 ID:oQZtutPb
フレデリック・フォーサイス「戦士たちの挽歌」(表題作他2篇を収録)を読んだ。
「シェパード」「帝王」等への収録作品を読めばわかるとおり、長編スリラーのみならず、かっては中・短編の名手でもあったフォーサイスの衰えを如実に感じさせる作品集である。
表題作は、英米の裁判制度に興味がある者や「裁判所法」あたりを履修し興味を持った者には比較法学的に面白く読めるかもしれぬが、英国の裁判制度に関する説明がうるさ
過ぎて本筋への興味を殺ぐ結果になっている作、つまり薀蓄がメーンのネタを邪魔する
結果となっているのである。(本来、作品における薀蓄はメーンのネタを惹き立てるもので
なければならないのだが)
事件や登場人物には工夫が凝らされており、書き方によっては87分署シリーズのような
警察小説的面白さを狙えた作品になったかもしれないのに残念である。
「競売者のゲーム」は、長編でじっくり書き込めば印象も違ったのであろうが。
誰か読んでも「巧く行き過ぎだろ」と思うであろうご都合主義で筆を急ぎ過ぎた感が
ある作。大規模な絵画オークションという、これもまた日本人には馴染みが薄いネタが
ストーリーへの没頭を阻害しているのも難だ。
「奇蹟の値段」は、3篇の中で一番短く、軽い作だが、へンリイ・スレッサーのような
オチは、フォーサイスらしからぬものがあり、今ひとつ評価し難い。
短編でも、初期のような骨太なものを書いて欲しい気が強くしてしまうのである。
876名無しのオプ:2005/12/06(火) 06:42:51 ID:8NfXZCuS
書斎の読書ペースはすごいなあ。読み込みも深いし、読後感なんてお呼びでないよなあ。
877名無しのオプ:2005/12/06(火) 07:18:37 ID:MCqTfRbS
読後感氏の読書ペースはすごいなあ。読み込みも深いし、書斎なんてお呼びでないよなあ。
878名無しのオプ:2005/12/06(火) 09:43:33 ID:PjB/zs4J
どっちもお呼びでない。
879名無しのオプ:2005/12/06(火) 14:59:17 ID:IMleLryt
880読後感:2005/12/06(火) 17:54:47 ID:TEdXregz
「もう生きてはいまい」ハーバート・ブリーン(早川書房)

婚約者と結婚するため彼女の親戚の許を訪れたフレイムは、
故あって曰くのある館に宿泊を余儀なくされ、そこで彼は
神出鬼没のランプや謎の足音に悩まされる。その部屋では
独立戦争時ある将校が死んでいた。さらについ数週間前には
同じ部屋に逗留していた青年が謎の逃亡をしたというのだ。
そして間もなくフレイムはその男とおぼしき死体を発見してしまう。
果たして彼は無事事件を解決して結婚することが出来るのか?

略奪愛の仕上げにかかる我等が新聞記者君ですが、
今回の事件もまた盛りだくさんでその道は容易ではありません。
犯人の目星は着き安いもののメイントリックには驚かされた。
伏線もあるし。
その他足音のトリックも感心した。
881名無しのオプ:2005/12/07(水) 21:12:29 ID:GlKmznHM
書斎さん、もう少しだけ改行してもいいんじゃね?
882名無しのオプ:2005/12/07(水) 21:31:04 ID:1i1sJlyU
改行以前の問題だろ、書斎は。
883名無しのオプ:2005/12/10(土) 00:22:51 ID:c22AFE7O
「千尋の闇」ロバート・コダード 創元推理文庫
ブックオフで160円でゲットォーー!
105円のやつ2分冊で210円のところを、
ポイント使って50円オフ。安いねぇ。これじゃ
新刊売れなくなるのも解るわな。

私(主人公)はクビになった元歴史教師。無為に過ごして
いたところを、友人の招きでリゾート地、マデイラ島に
滞在することに。そこで知り合った富豪に、二十世紀初頭に
失脚したある政治家の未発表回顧録を見せられる。私は富豪に
依頼されその回顧録を読み始めた。回顧録のなかでその政治家は
女性スキャンダルに巻き込まれて失脚したわが身の無念を
綴っていたるのだが・・。私は奇妙なことに気づいた。
その女性スキャンダルの当人は、実は私の妻の祖母なのだ。
これは偶然なのか・・・。
陰謀の影を見ながらも、好奇心にかられた私は自ら渦中に
飛び込んで行くのだが。
884883:2005/12/10(土) 00:29:36 ID:c22AFE7O
なにをいまさらのロバート・コダード。
コダードスレでは最高傑作と評価の高いこの小説は、
彼の処女作でもある。

この前に、最新訳の「悠久の窓」を読んでいるが、
むしろ「悠久の窓」のほうが描写も洗練されていて、
作品の円熟味が増しているような気がする。
でも、コダードスレでは評価低いんだよな。
この小説は処女作というだけあって、設定が1970年代
でもあり、俺としてはいささか違和感があったりで・・。
まあコダード最大の魅力、迷路のようなプロットは
この処女作から全開ではあるが。
885名無しのオプ:2005/12/10(土) 01:00:13 ID:Q4LxU7fc
ゴダードなんじゃないかな。
886書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/10(土) 19:37:53 ID:qpAkvARm
フレデリック・フォーサイス「アヴェンジャー」を読んだ。
ボスニア紛争中にNGOのアメリカ青年を惨殺したゲリラのリーダー拉致を依頼
された元ヴェトナム戦争帰還兵(今はローヤー)は、単身、ターゲットが潜む
南米へと向かった。そして、ちらつくCIAの影…
このように書くと、興を惹くものがあるが、
短編ほどの衰えは感じないものの、初期作品に比較して劇画調で御都合主義に過ぎる
展開は大人の読物、知識人のエンタメとしてはいかがなものかと思う。
主人公の名はキャル・デクスター、若い頃はジェームス・ディーンに似ていると言われた
ことがあるというエピなど、映画「エデンの東」でディーンが演じた主人公の名前が
キャルであることを知っていれば、「ニヤリ」とするところであり、
ヴェトナムの激戦地を称した「ダンテの地獄篇」という兵隊の言葉を、キャルが
「どこか他の部隊の奴のことか」と思う場面等、細かいお遊びは面白くなくはないのだが、
フォーサイスに期待するのは、スリリングで巻を置かせぬ本筋のスリラーなのだが…
887名無しのオプ:2005/12/10(土) 21:50:17 ID:QbXrEgk+
そうか、良かったな
888名無しのオプ:2005/12/11(日) 14:33:50 ID:7iug/d0/
647 名前:悩めるリア厨 投稿日:2005/12/06(火) 17:04:38 ID:iy16e2ra
「ドグラ・マグラ」と異名をとる文豪・夢野先生のファンです。夢野先生の代表作を系統的に読んでみたいので要領のいい読書プランを教えてください。

649 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 18:15:27 ID:Exy2jwOG
ファンなのにどの本を読めばいいのか教えてほしいの?
それってファンとは言わないんじゃないですかぁ

650 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/12/06(火) 19:10:01 ID:+7d35+Eo
649は口汚い荒しか。「優雅」を名乗る他板コテハンの自演可能性あり。

651 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/12/06(火) 19:30:53 ID:+7d35+Eo
>>>647
右翼の大物杉山茂丸翁の一子として九州地方に誕生したのが我らが異端作家・夢久。
ウヨ嫌いの2ちゃんねらーには「何とも反時代的なウヨ作家キター!キター!コレ」と著書も読まずに焚書せんとする慌て者ブサヨも多かろうが、
その作風は反動ウヨとは無縁の異端にして幻想的なもの。
ペンネームの由来にもなっている「夢のような事ばかりほざくな!」と一喝した厳父への反発が、
後に創作への道を歩ませたのだから当然である。
総称してドグラ・マグラと称される一大叙事詩の趣がある作品群は、どこから読んでも
一貫した世界観を協賛しておりバルザック「人間喜劇」に匹敵する東洋の精華である。
どこから読んでも構わないがまずはデビュー作「あやかしの堤」から入るのが初学者には相応しい。
889名無しのオプ:2005/12/11(日) 14:34:15 ID:7iug/d0/
652 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/12/06(火) 19:37:12 ID:+7d35+Eo
書斎さんのレスはためになります。どこかの偽コテハンとは大違い。

653 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 20:10:36 ID:ZFfzn8xu
>>652
どれが「書斎さんのレス」なんだよ?

654 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 21:04:22 ID:JmelPQ8e
ID:+7d35+Eoは病棟からレスしてます
意味不明なのは許してあげて下さい

655 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 21:17:13 ID:X6EDvifI
久作スレにリアル狂人キター!キター!コレ

656 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/06(火) 23:03:56 ID:MkSvIvPX
>>650-652
おい、ID変えるの失敗しとるぞ

658 名前:名無しのオプ メェル:sage 投稿日:2005/12/07(水) 00:40:24 ID:msIudbK4
これが狂人の解放治療か
890書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/11(日) 20:15:33 ID:TK7N0NYw
ハリイ・ホイッティントン「殺しの代償」を読んだ。
ペーパーバックミステリ(原書)と百円均一台の相性の良さを感じさせる作で、
その共通するチープさに、「内容」と「場」がマッチしたという感がある。
まさに、均一台で売り飛ばし、2時間で読み捨てにするに相応しい作である。
ストーリーは、敏腕弁護士の妻殺しというありふれたものだが、広大な米大陸ならではの
体力勝負の犯罪計画とシニカルな陥穽がスピーディに描かれ、一応、面白く読ませる
(エンタメの場合これが肝要)。
しかし、この犯罪計画、大雑把に見えながらも、犯罪数が激増し捜査もラフにならざる
を得なかった70年代以降であれば、現実だったら十分に迷宮入りになったのでは
ないだろうか。
891名無しのオプ:2005/12/11(日) 21:49:16 ID:23S4Y9h+
久坂部羊「廃用身」読了。
892名無しのオプ:2005/12/11(日) 21:50:26 ID:23S4Y9h+
失礼。
893名無しのオプ:2005/12/12(月) 10:01:42 ID:SCDFrchY
マイケル・スレイド『ヘッド・ハンター』(創元文庫・上下)読了。【7点】

ちまたで評判のスレイド。せっかくなので第一作からチャレンジ。
連続殺人鬼ヘッド・ハンターを追うカナダの騎馬警察のお話。
読みにくいし本筋も脇筋もごちゃまぜのストーリー展開だが、
ラストには仰天した。で、読み返すと確かに伏線らしきものがある。
残された伏線が回収されるという『斬首人の復讐』が楽しみ。
暫定【7点】だがどこまでアップするか。
894名無しのオプ:2005/12/12(月) 14:36:14 ID:buiN1f0P
ほお。
そんなに仰天のどんでん返しが用意されている?
俺、そういうラスト仰天系のやつが好きなので、
読んでみようかな。
895名無しのオプ:2005/12/12(月) 14:57:27 ID:QtERA+iH
>>894
斬首人の復讐を読むとヘッドハンターのオチまで書いてある
896名無しのオプ:2005/12/12(月) 22:44:00 ID:SCDFrchY
>>894
道行が難渋するけど。
正直ウワサになっていなかったら途中で挫折したかと。
いや、上下で1800円だから読んだかな。
897つちのこ :2005/12/14(水) 14:32:00 ID:CMfi/2oE
今年は新刊せいぜい頑張って追いかけてみたけど、
新刊追いって気力と体力とそれに金力もいるんだあー。息切れ。

「屍肉の聖餐」ユベール・コルバン

サイコサスペンスの王道的ストーリー展開で、
570Pの長さでもサクサク読めました。
全仏大ヒットのフレンチミステリなんだそうだけど、
読み終えてしまうと読後感もアメリカンな薄味の感じなのは
舞台がサンフランシスコで
登場人物もサンフランシスコ警察刑事やFBI支局員という
アメリカンなミステリーであるせいだけじゃないと思う・・・・・・。

ところで、このトリック(と言っていいのかなあ?)
使ってる長編ミステリいつか読みたいと前々から願ってました。
だから検死局元局長モウブレイ氏とほぼ同じにピンと来ましたねーっ。
(つうかミステリ読みならたいていの人が、
たぶんピンと来るはずなんじゃないかなぁ。)
898読後感:2005/12/14(水) 15:10:24 ID:zALf7M0m
「死の扉」レオ・ブルース(東京創元社)

夜間パトロールをしていた若い警官が殺された。
どうやら居直り強盗によるものらしいと判断されたが、
事件調査に乗り出した素人探偵ディーンは何か釈然としないものを
感じ始め…

ブルース二冊目。ビーフ巡査部長はどちらかというと天才型に
属するように見えたが、歴史教師であるディーンは足を使って
捜査をするタイプのようだ。肩書きとは逆の感じで面白い。
真相は私のように下衆の勘繰りを好む者には見当がつくはず。
899読後感:2005/12/14(水) 18:09:45 ID:zALf7M0m
「骨と髪」レオ・ブルース(原書房)

今回ディーンが受けた依頼は失踪した女性の行方を
突き止めるというもの。夫によると彼女は突然去っていったという。
しかし依頼人の話では、住んでいた町の人から聞く彼女の描写が
依頼人が知っているそれと一致していないらしい。
調査を進めるディーンは当該夫婦が前の住所でもその前の住所でも
同様の騒ぎを繰り返していたことを知る。しかも聞き込みによる
妻の人となりも全て違っているのだ! 果たして彼女は何者なのか?

鈴木京香脱いでねーじゃねーか!!
本ミス1位になったそうで。真相に至る筋道は割りと早く見えて
くるんですが、実際明かされた内容はさらに上を行きます。
特にいっち番最後の真実。これを受け入れられるかどうかで
古典属性があるかわかるかと。大まかなネタはサプライズ本格の
王道で私の大好物でした。
900名無しのオプ:2005/12/15(木) 21:19:47 ID:kuozbQTm
>>387-388>>411
スカーペッタシリーズ
Traceを原書で2/3のところまで読んだ
相変わらず女好きのルーシー
(あの彼女は前作のあの人なのか?唐突でわかりにくい。子供とじいさんはどうなった)
そして敵がキモ過ぎ
マリーノは相変わらず大きな悪ガキみたい、おいたもしてるし

あと、全編に言えることだが、スカーペッタとベントンの恋愛って不倫だから心情的にまーったく毛ほども応援できないんだが?
だから悩んでるシーンとかもどうでもいいというか…せめて独身のナイスミドル同士なら素直に応援できたのに…。
そのへんはこのシリーズの読者は平気なんだろうか。
自分は平気じゃないぞ。

つねにスカーペッタマンセー的なナル臭もあるし、ハマーのほうが明るくて好きだな…
ベントンもマンセー気味だし、よってベントンの章はあと何ページで終わってくれるかとイライラしながら読むw

>>682 なんかワロタw
901名無しのオプ:2005/12/15(木) 21:23:10 ID:kuozbQTm
おっ900getだった!♥
902読後感:2005/12/16(金) 22:46:02 ID:2Tr1NpFI
「刑事くずれ/ヒッピー殺し」タッカー・コウ(早川書房)

相棒を死なせて馘になった元刑事のミッチの元に従姉妹のロビンが
訪ねてくる。彼女は仲間と開いた喫茶店が刑事の嫌がらせを受けて
困っていた。ミッチは妻の勧めで嫌々話をつけてやることに。
しかし、ロビンの住まいを訪ねたミッチが見たものは
血まみれでナイフを持ったロビンの姿だった――。

ウェストレイクの別名義シリーズ2作目。密室を扱った珍しい
ハードボイルド。ただトリックは至ってシンプルで大雑把。
作者もそれを心得ているようであまり密室に言及してない。
キャラ立ちも今ひとつで記憶に残りにくい作品だった。
903読後感:2005/12/16(金) 23:12:36 ID:2Tr1NpFI
「九つの答」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)

弁護士事務所の待合室で先客の話を盗み聞きしたビル。
その内容は遺産相続人に指定されるために伯父の元に行かねばならない
というものだった。しかし伯父に数々の嫌がらせを受けたラリーは
それを渋っていた。その後ラリーとその恋人ジョイと知り合った
ビルは、彼から頼まれて替え玉になることを引き受ける。
かくして苦い思い出の残るイギリスに戻ることになったビルだが
ラリーは知り合った夜に毒を飲まされて倒れ、ビルは凶悪な伯父との
恐るべきゲームに巻き込まれることになる。

分厚いポケミス。しかし凝ったプロットに珍しく良いヒロインの
キャラ立ちと読み応えのあるミステリでした。途中に挟まれる作者に
よる道標も面白く、フェアプレイに徹した本格という印象。
九つの注釈と解明が完全に対応してればもっと凄かったけど
流石にそれは贅沢か。ちょっと気になった箇所も漏れなく
回収されており、初期の頃とは一味違う円熟したカーを
楽しめる一冊だと思います。
904書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/17(土) 17:04:31 ID:8LoV/sfr
「フィッツジェラルド短篇集」を読んだ。
板違いとは思いきや、さにあらず、
冒頭を飾る収録作品「リッツ・ホテルほどもある超特大のダイヤモンド」は、
ミステリあり、冒険ありのこれがフィッツジェラルド?というトンデモな展開
を見せる作品である。
冒頭は、名家出身の青年が大学の友人の帰郷(「西部にある」実家。物語上、
これがクセモノなのだ)に同行する場面でスタート、フィッツらしい地方上流階級
の心情的屈折を描いた作かと思いきや…以後の展開の急転直下は凄い。
ただし、物語の最後の最後に来て、「どんな人間の青春も夢なんだ。化学反応によって
生まれる狂気なんだ」等のいかにもフィッツらしい諦観を表す台詞も登場し、
深い印象を残す。
他にも5篇が収録されているが、ミステリ、冒険色を有するものはない。
ただし、もし、ミスヲタにも人らしい心があるのであれば、名作「バビロン再訪」だけ
でも読み、アル中上がりの父親(フィッツの自画像が反映)の、なんともやるせない
娘萌えの心情に涙して欲しいものである。
905名無しのオプ:2005/12/17(土) 18:42:25 ID:IjAU0RQK
>板違いとは思いきや、さにあらず

いまさら何言ってるの?
906名無しのオプ:2005/12/17(土) 19:25:37 ID:Lgi5Nxm5
>>904

もうにげられない

 
907名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:14:47 ID:1L44qYM1
>>904
読んで無いけど、馬鹿じゃねーの?
908名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:36:55 ID:K0VgCoRH
読んだうえで言う。


あれをミステリーと思うような奴は最低のミスヲタ。
909名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:46:55 ID:1vKBv6Ta
お前らがスルーできないせいで5スレも無駄にしたわけだが
910名無しのオプ:2005/12/17(土) 21:17:07 ID:Lgi5Nxm5
>>909

もうじきいなくなるから。

 
911名無しのオプ:2005/12/18(日) 12:48:13 ID:9gf7D73s
3年ぶりのシリーズ続刊を前にまとめ読み
「氷の天使」「アマンダの影」「死のオブジェ」キャロル・オコンネル



ツンデレ。
912名無しのオプ:2005/12/18(日) 18:52:06 ID:3pXx+f+j
俺も天使の帰郷だけ再読しようかな
913名無しのオプ:2005/12/18(日) 20:27:52 ID:bTGmuPqA
>ただし、もし、ミスヲタにも人らしい心があるのであれば、名作「バビロン再訪」だけ
>でも読み、アル中上がりの父親(フィッツの自画像が反映)の、なんともやるせない
>娘萌えの心情に涙して欲しいものである。


どうでもいいが子に対する親の想いを「娘萌え」とかほざくなといいたい
「萌え」じゃないだろ全然
意味をわかって使ってんのか
こいつには人らしい心とまともな言語感覚がないんだな
914読後感:2005/12/20(火) 13:19:25 ID:TK6woAml
「サムシング・ブルー」シャーロット・アームストロング(東京創元社)

帰郷したジョニーを待っていたのはガールフレンドナンの
突然の婚約だった。ショックを受けるジョニーだが、
悲劇はそれだけではなかった。ナンの叔母によれば婚約者ディックは
ナンの母を殺し父に罪を着せた張本人だと言うのだ! ジョニーは
心の傷も癒えぬままナンのために過去の事件の真相を暴こうと
奔走するが、ナンのディックに対する盲目的な愛情が最大の障害と
なることを彼は知る由もなかった…。

ナンうぜえええええええええええ!!!!!塩沢地の女もそうだが
可哀想な点もある方がなおのことムカつくのはなぜだろう。
閑話休題。これは巧い! 魔女のストーリーテリングにぐいぐい
引き込まれた。特にナンの哀れさ愚かしさが実に良く
書き込まれていて、それが相対的にジョニーの悲しさも表現する
という…そして終盤のドンデン返しから急展開に次ぐ急展開。
完全に魔法にかかって掌でダンス状態。300超とページ数も手頃。

ミラーやハイスミスやレンデル等と違って船長は小説に
ハッピーエンドという制約を課している。その上で見事な
サスペンスを完成させてしまうんだからすごい。嘘だと思うなら
中編「あほうどり」を読んでみればいい(勿論本書も)。
アウターゾーンの作者も言っていたがバッドエンドにする方が
ある意味簡単なのだ。露伴風に言うとバッドエンドを
抒情的でイイ!とかぬかす坊っちゃん達はロリポップグミベア
チョコレートなのだ。
915名無しのオプ:2005/12/20(火) 16:10:13 ID:axORkLgM
「ストップ・プレス」読了
ついてゆけなかったorz
喜劇風味で物語を進めているはずなのに、訳が(正確ゆえに?)堅いせいか
笑うような雰囲気も文章から出てこないしちょっと長すぎ…
「詩人〜」は読み終わっているので
「アプルビイズ・エンド」で再挑戦してみます
916名無しのオプ:2005/12/29(木) 05:54:40 ID:Ps57GuZk
>>904
禿同。フィッツジェラルド、ミステリー
として読めますよ。特定のジャンルに
囚われずに、心を少しだけ大きく広げれば。
917名無しのオプ:2005/12/29(木) 10:13:14 ID:nAlpIHUF
「闇に浮かぶ絵」ロバート・ゴダード 文春文庫
またまたブックオフで160円でゲットォー!!
こんなおもしろい小説が160円で手に入ることを喜ぶべきなのか。
この値段でも作者・訳者には1円も入らないことを、出版界の
ために嘆ずるべきなのか。

時代は19世紀末。資産家のダヴェノール准男爵家に、自殺したと
されていた子息、ジェイムズが突然現れた。思わぬ事態に混乱する
准男爵家の家族たち。とまどう元婚約者。なかでも彼が息子である
ことを頑強に否定する母親には、たんなる「母の感覚」以上の理由
がありそうだ。・・混乱のなか、資産家ダヴェノール家の血の秘密
が、しだいに明らかになっていく。
918917:2005/12/29(木) 10:23:08 ID:nAlpIHUF
ゴダードの3作目。作家として軌道にのりはじめた頃の
作品だけに、構成も手馴れた感じがある。
まず、いいミステリーを書くコツは、早く事件を起こすことだ
と言われるが、この小説では2ページ目から早速事件発生だ。
それから全900ページ。伏線が次々と炸裂し、ストーリー
トラップが読者を意外性の罠にはめまくる。そしてラスト
は・・、これを予想できる読者はほとんどいないだろう。
まさに稀代のストーリーテラー、ゴダード節全開といった
ところだ。

難癖をつけるとすれば、19世紀イギリスが舞台で、しかも
登場人物のほとんどが一族という設定なので、似たような
聞きなれない名前がたくさん出てきて、慣れるまでちと時間
がかかることかな。
919書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/30(金) 16:05:01 ID:g/2YaeMD
フランク・グルーバー「フランス鍵の秘密」を読んだ。
エルの国名シリーズを想起させるかのような邦題だが、
軽ハードボイルドと形容するにふさわしい内容、書籍セールスが本業の
ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグのコンビによるシリーズ第1作である。
カーター・ブラウンからお色気の濃さを抜いた感じといったところか。
(訳者である仁賀克雄氏(早稲田大学商学部卒)のあとがきによれば、
ペリイ・メイスン・シリーズを参考に書かれたシリーズとのことだが、
かってはE・S作品もハードボイルド・ミステリの系譜で語られていたものである。
ただし、グルーバー作品のテーストは、同じE・S作品でもラム&クール・シリーズの
方により近い軽妙さがあるように思う)
2人が泊まっているホテルの宿のベッドに男の死体が…、死んだ男の手に握られていた
金貨に隠された秘密は何か…、
コンビの掛け合いを中心に、金(きん)絡みの経済ネタ、古銭に関する薀蓄、
西部小説の著作も多い作者の持味が発揮されたネヴァダ州の金山調査シーン等
種々の要素を手際良くまじえながら、事件の関係者一同に会した謎解きシーン
に到るまで一気に読ませる手練はさすがで、ラストは当代のアニメ風の軽妙さも
感じられる。
このシリーズは、創元推理文庫に「コルト拳銃の謎」「ゴースト・タウンの謎」
というこれも西部小説家でもあるグルーバーらしいネタの2作が収録されており、
筆者も愛読したものである。
ゆえに、今回のシリーズ第1作の初訳は嬉しくも懐かしいという感はあるのだが、
本作は、かってジュブナイル化された作が刊行されていなかったであろうか?
古銭を巡るネタに薄っすらと記憶があるのだが…
920名無しのオプ:2005/12/30(金) 17:46:08 ID:OSjB68ez
ミス板で書いていいのかどうか解らんが、ハヤカワなので一応。
食わず嫌いしていた冒険小説を読もうと思い、古典的名作と聞いた「ナヴァロンの要塞」を読む。
……いや、食わず嫌いしていてご免なさい。反省してます。クソ忙しい年末に一気に読んでしまいました。
危機、危機、また危機という展開が実に手に汗握る。男臭すぎるキャラクター陣も魅力的。
いい読み物でした。

でもさ、これアンドレアさん超人すぎね?
921名無しのオプ:2006/01/02(月) 11:08:35 ID:fVW0IF4F
新年一発目GET!
「魔術師の夜」上下 キャロル・オコンネル 東京創元社

本国では7作まで出版されている、キャシー”氷の天使”マロリーシリーズ 第5作。
主人公は、フリーキッシュなまでの美貌と天才的ハッキング能力を持つが、心は社会的疾病者のNY市警巡査部長。
前作「天使の帰郷」までの4作で、自らの過去の重大事件に決着をつけた彼女は、
大戦中のパリに端を発する、マジシャンたちの世界の連続殺人事件に遭遇する。

このシリーズ、3作目まではミステリとして十分に楽しめるストーリーテリングを備えていたのはもちろんなのだが、
それ以上にキャラクター小説としての、あざとすぎる魅力でひっぱってきた。
4作目「天使の帰郷」になると、もはやミステリの範疇を超え、活劇小説となる。
主人公もスーパーヒロイン化してしまって、今後の方向性が懸念された。
で、迎えた本作で作者がうった手は、主人公以上の能力を持つ敵役を登場させるという、ジャンプ方式だった。
本作でマロリーは戦い、恋し、折れる。
このシリーズや『クリスマスに少女は還る』で散見された、「言葉による暴力」の描写がますますさえわたり、
なまじのバイオレンス小説より、サディズムが横溢している。
あいかわらずの、奇をてらった舞台・キャラクター設定と重いテーマ、というアンバランスさも健在。
永劫回帰ではないシリーズ作品として、今後も期待大。
922書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/02(月) 17:18:03 ID:fwdxwalg
コーネル・ウールリッチ傑作短篇集1「砂糖とダイヤモンド」を読む。
創元推理文庫のアイリッシュ短編集を愛読した者には懐かしいものがある。
年代順に編纂されており、第1巻は初期作品が収録されているため、
全般的に、ウールリッチ節とも言われる濃い哀切なムードが薄いか、感じられないのは
やや残念な感がある。
「診察室の罠」
ウールリッチの初のミステリ短篇。
探偵役の犯人へのアプローチの仕方があまりに捨身過ぎないか疑問が残るところだ。
もう少し他の方法があり得るように思うのだが。
まだ、後年の哀愁に富んだウールリッチ節は皆無、その分、明るく軽快なテンポが
楽しめる作ではある。
「死体をはこぶ若者」
終始、御都合主義な展開が目に付き過ぎるが、ここを一気に読ませてしまうのが
ウールリッチならではのストーリーテリングであろうか。
悲劇性が強まる中期以降の作品であれば、果してこの結末だったかどうか…
「踊りつづける死」
若き日のジェーン・フォンダ主演の映画「ひとりぼっちの青春」でも知られる
マラソンダンスネタ。あまりに御都合主義・不自然な展開だが、
ラストに後のウールリッチ作品らしい哀切な悲劇性が姿を見せ始める。
「モントリオールの一夜」
追われる者の焦燥感というウールリッチ十八番の展開だが、初期作ゆえか、
まだまだ明るい冒険談という色合いが強く感じられる。
923書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/02(月) 17:19:36 ID:fwdxwalg
「七人目のアリバイ」
ギャングを主人公としたノワール風のウールリッチにしては異色作。
特筆すべき点はない。
「夜はあばく」
訳者あとがきによれば、当時の評価が高かった文芸誌に掲載されたものとの
ことだが、火災をネタにした力が入ったサスペンスフルな作品に仕上がっている。
これも文学の力がなさせる業か。
「高架鉄道の殺人」
小品ながらも、今は無き高架鉄道等、スリルとユーモアをまじえて、
30年代のNY風俗がたっぷりと書き込まれた探偵談。
かって創元の短編集で読んだが、何度読んでも楽しめる職人ウールリッチの
面目躍如な作と言える。
「砂糖とダイヤモンド」
短い作ながら、追われる者の焦燥感が余すところなく描かれたいかにもウールリッチ
らしい作品である。傑作「爪」と共通するような状況設定だが、
初期作だけあって雰囲気は明るい。
「深夜の約束」
現代のジュクやブクロの深夜でもありそうな話だが、ウールリッチ描くところのNYの
夜の冒険談は粋の一言に尽きる。
924名無しのオプ:2006/01/21(土) 02:52:21 ID:Nd8kPN67
ジョイス・ポーター『ドーヴァー4 切断』

夫人と旅行中のドーヴァー警部は、若い警官が岸壁から身を投げるのを目撃してしまう。
前途ある若者――地元署長の甥が、なぜ自殺なんかしたのか?
彼は生前、町の悪党の死体が切断されていた事件を調べていたのだが……

本格好きに評判のいい作品だが、トリックやロジックがすごいというわけではない。
(死体が切断された理由はけっこう弱い)
しかし、強烈な後味が尾を引く。
落語で例えると、ゲラゲラ笑ってしまうのではなく、座布団を一枚あげたくなるような見事さだ。
伏線もひじょうに丁寧でよい。

ただ「その人物がその技術を持っている」という伏線は欲しかったかも。
925書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/21(土) 18:11:09 ID:t078UhB1
ヴァン・ダインの後期作品を再読し、その評価を決してみたく思っている。
第7作「ドラゴン殺人事件」は、S・Sには珍しい怪奇探偵小説で、
ミステリとしての欠陥は数々あれど、ファイロの竜に関する薀蓄も楽しく、
まずまず楽しめるものであった。(過去ログに論考あり)
第9作「ガーデン殺人事件」を読んだ。
ガーデン家と殺人の舞台となる屋上庭園を掛詞にしたタイトルである。
ミステリの肝となる2発の銃声のトリックが、あまりにお粗末かつ御都合主義に
過ぎるが、登場人物の証言を丁寧に読み込めば、ストレートに犯人を指摘出来る
構成は一応評価出来るレベルである。
探偵の恋愛という要素が投入されているが、ファイロほど恋愛が似合わないタイプの
名探偵はいないかに思う。全然盛り上がらずにストーリーの不純物にしかなっていない。
犯人をあぶり出すためとはいえ、柄にも無いファイロのアクロバットも「?」感が強い。
さすがに、第9作ともなると、S・Sは新趣向を盛り込んでみたのだろうが、
傑作グリーン家、僧正等の重厚なイメージを抱く読者には、いずれも違和感大なものと
なっている。
926名無しのオプ:2006/01/23(月) 17:43:11 ID:UazsQysP
P・A・ケリー「幽霊に怯えた男」「金庫のなかのピエロ」「超能力者が多すぎる」(創元推理文庫)

パッとしないドサ回りの奇術師コルダーウッドが探偵役となるシリーズ3作。
創元の「帽子おじさん」マークだし、奇術師が探偵だから、ロースンばりの
本格かと思って読んでみましたが・・・。
まあ、謎解きもあるにはありますが、あっさりしたもの。
全体にユーモアに溢れ、1980年代の不況に喘ぐ米国の地方都市の状況が上手く
描写されているのが収穫か。
とにかく読みやすい作品群で、本格に拘らなければ、面白く読めました。
927名無しのオプ:2006/01/24(火) 15:39:48 ID:4inOBI6m
アクロイド殺人事件

気にはなってたが、ようやく読めた。
やっぱクリスティは最初のうちに読んでおくもんだと思いつつ
犯人分かっても十分解決編面白かった。
でも犯人に○○をさせようとする(それとなくするめる)探偵は好きじゃないな…
928名無しのオプ:2006/01/25(水) 02:18:07 ID:nmO3kllE
>>926
「幽霊に怯えた男」だけ読んだ。続き読んでないと言えばどういう
感想持ったか分かるはず。

ところでニーリィの「心ひき裂かれて」は何となくモーツァルトのオペラ
(メール欄)思い出した。
929名無しのオプ:2006/01/25(水) 04:16:43 ID:0yoEARIp
>>927
そうするのはクリスティが女性作家だからじゃないのかな。
登場人物の女性の一人(ネタバレ禁止なのでここまで)に
気を使っているんだと思うけど。
930名無しのオプ:2006/01/25(水) 21:36:37 ID:UoismgjI
クリスティのスタイルズ荘の怪事件

既にポワロとヘイスが顔見知り状態だったのは意外だった…
話自体は、行違いなロマンスや犯人の計算違いの出来事とか
クリスティおなじみの展開ばかりで新鮮味はナシ。
最初に読むべきだったかな
931名無しのオプ:2006/01/26(木) 15:38:31 ID:lrzPAvSs
スタイルズ荘は法律がらみのあれじゃないのでしたか。
クイーンの遺作シノプシスは出たのですか?
読んだ人????
932名無しのオプ:2006/01/27(金) 03:52:03 ID:+vVYzekr
『読みました』報告・国内編Part.3
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1138283365/l50

こっちと掛け持ちしてる人が居るかもしれないので報告。
933書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/28(土) 13:25:18 ID:LHNzg9mK
ヴァン・ダイン「誘拐殺人事件」を読んだ。
前作「ガーデン殺人事件」も初期作と比較して異色な面が目立つ作であったが、
ファイロ・ヴァンス・シリーズ第10作となる本作では、よりその面が強まっている。
クライマックスのガンファイトは、いかに新趣向を狙ったものとはいえ、
本格ミステリとしてはやり過ぎという感が強い。
梯子に関するファイロの推理等は、論理的でなかなか面白いのだが、全体を通して見ると、
この事件ならハードボイルド・ミステリに登場する探偵で十分、かつ、その方が適役
という感がある。
原書の責めに帰すべきものではないが、
「ばかのこっちょう」「けろりかんとして」「風馬牛のよう」等々、
奇妙な語が散見されるのは井上勇訳のご愛敬といったところか。
934書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/29(日) 19:56:54 ID:d+KPkpDM
ヴァン・ダイン「カシノ殺人事件」を読んだ。
既に論考済みの「ガーデン殺人事件」の前作、ファイロ・ヴァンス・シリーズ第8作だが、
ミステリとしては毒殺事件というメーンストーリーは単純ながら、
先が読めない(読ませない)展開で最後まで読ませるし、
特にファイロ&ヴァンによる工場潜入シーン到るストーリーは、トンデモSFを読むかの
ような楽しさに溢れている。
華やかなカシノの描写ひとつとっても、まだまだ筆の冴えた走りを感じさせるものがある。
しかし、クライマックスには、本作あたりからどうもハードボイルド・ミステリ風の
アクションが顔を出し始めており、この辺は評価が分れるところであろう。
おなじみ検死医ドアマスが外科医を称した「骨木挽き」の訳は面白いが、
「…ひょっくり帰って来ました…」「…あの男は鼻汁もひっかけなかったでしょうな…」
「…思い切った、最後的な手段に出ようとは予期していなかった。それで最初はとまどい
したのだ。…」等々、相変わらずな奇妙な井上節も全編に渡って炸裂している。
935名無しのオプ:2006/01/30(月) 10:38:57 ID:uwxGGmsk
ノーマン・ベロウ「魔王の足跡」(国書刊行会)

この本が出るのを首を長くして待っていました。
欠点を先に言うと、登場人物の描き方が薄っぺら。探偵役にも全く魅力なし。
長所は、第一の殺人に至るまでの盛り上げ方の上手さと、足跡トリックが
面白くて、やや力技ながらも納得がいった点。
真犯人の肝心な部分に、アンフェアな箇所があったような気がするが、何気
ない伏線が効いているので帳消しにしようかと。
J・D・カーのA級作品にも劣らないと思う。
936名無しのオプ:2006/01/31(火) 19:28:04 ID:ai24Hen0
Yの悲劇

メル欄という煽りから、あの人物が犯人かと考えてた。
こっちのことか…。
なんていうか、時代の違いを感じる。
面白かったけど
937書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/04(土) 16:02:50 ID:lFJFX1vC
「マルセル・エメ傑作短編集」を読んだ。
俺のようなハイブラウなミステリファンには非常に面白い、
いわゆる「奇妙な味」の類に属する作品集である。
収録作品に関し簡単に紹介しておくこととする。
「こびと」
突然、サーカスのこびとが成長しだした…
人間の「存在」というものを考えさせる幕切れが深い余韻を残す。
謎解きのみに耽溺するアホなミスヲタに突きつけて読ませたい文学的な一編である。
「エヴァンジル通り」
執筆当時のフランスにおけるイスラム系住民の生態を描いて間断するところがない
迫力に富む作だが、ミステリ性は無い。
「クールな男」
ジョゼ・ジョヴァンニを想起させるようなハードボイルドタッチのノワール。
短めの作だが強烈な印象を残す。
「パリ横断」
2次大戦ドイツ占領下のパリ、密売用の豚肉運搬をユーモアもまじえてスリリング
に描いたノワールの佳作として読み得る。
「ぶりかえし」
もし、子供に戻ってしまったら…
ありがちな寓話だが、フランス人作家らしい軽い艶笑も散りばめて面白く読ませる。
「われらが人生の犬たち」
これも短めの作だが、どこかE・D・ホックのサム・ホーソーンものを想起させる
まったりとした語りが良い。
「後退」
収録作品中では一番の小品ながら、シニカルな味わいの逸品。
階級社会化へと進めつつある現代日本で読むと面白いものがあるやに思う。
938名無しのオプ:2006/02/04(土) 16:09:42 ID:KcM8W04n
>>936
今だったら(メ欄)なのが怖いよね。
939名無しのオプ:2006/02/05(日) 01:21:47 ID:u4xNMnWN
>俺のようなハイブラウなミステリファン
額が広いの?禿げはじめたの?
940書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/05(日) 21:53:50 ID:uO2FM4Yy
ジム・トンプソン「ゲッタウェイ」を読んだ。
サム・ペキンパー監督、スティーブ・マックイーン主演、
今や古典となったアクション映画の原作である。
主人公のドク・マッコイは、今でも精悍なマックイーンのイメージが
鮮明にあるため、原作の設定「白いものがまじりかけている砂色の髪は、
てっぺんがかなり薄くなっていた」、つまり白髪混じりの脳天禿な四十男には意外な感が
を受けるが、このルックスゆえ若い妻との心理的葛藤も腑に落ちるものがあるのだ。
映画とは大きく異なる最終章(14章)のエル・レイの王国を描いたくだりは、
資本主義社会を諷刺した寓話とも読め、それまでの典型的なノワール、クライムノヴェル
の展開からの一転には驚かされる、ある意味トンデモなストーリーである。
コンパクトにまとまっており、ツイストも効いた作であり、数年前のさざ波のような
ジム・トンプソンを筆頭にしたノワール・ブームの時、あるいはリメーク版映画の公開時に、なぜ再刊されなかったのかが不可思議になる良い出来栄えの作である。
941名無しのオプ:2006/02/06(月) 01:37:26 ID:2eVjZuEY
マイクル・コナリー「シティー・オブ・ボーンズ」読んだ。

タイトルの意味は、骨の街。
20年前に埋められた子供の骨が見つかり、骨には、40箇所以上
の虐待の痕跡が残っていた。怒りに燃えて捜査にとりかかる刑事たち
に降りかかる災難や上司からの妨害。

主役は、ボッシュ刑事で、この人をはじめとして登場人物が、かなり
感情的な人ばかり。すぐに、泣くし、叫ぶし。
ネオ・ハードボイルドにありがちな事だけど、主役の恋愛や組織内
での葛藤を描きすぎ。
事件そのものは、意外に地道に、足で稼ぐ捜査方法で解決する。
う〜ん。少し過激な主人公の警察小説と言ったほうがいいのでは?
クロフツ的な匂いもします。
942名無しのオプ:2006/02/08(水) 15:09:10 ID:YLMY2UbZ
クリフォード・ウィッティング「同窓会にて死す」(論創社)

本国イギリスでは高い評価がなされているのに、我が国では未紹介だった。
伝統のイギリスのミステリならではの香気漂う名作で、
どうして今まで無視されていたのか不思議な気さえした。

最近刊行された中では、ノーマン・ベロウの「魔王の足跡」が、
禿人のようなトリック”だけ”を好む読者に受けそうなのに対して、
このウィッティングの「同窓会にて死す」はより一般的なミステリ・ファン向き。

禿人のHPの日記を見ると、ベロウはすでに読んだみたいだが、
おそらくウィッティングは読む気が無いだろう。
あいつはこういうタイプの話は嫌いだろうから。
同じ論創社のでもスカーレットの「ローリング邸」には熱を入れてたが、
スカーレットにベロウと、いかにも禿人が好きそうなタイプだし。
943名無しのオプ:2006/02/09(木) 22:42:32 ID:QkgtcQj+
「死の蔵書」ジョンダニング
途中だれたが読了。
おもろかったす。
本好きは楽しめるよ。
944名無しのオプ:2006/02/10(金) 01:43:25 ID:svCbUDH9
ABC殺人事件 なんか金田一で見たことあるような気がした
945名無しのオプ:2006/02/10(金) 03:24:48 ID:RnuIyQtS
>>944
金田一少年はほとんどパクリだお
笹沢左保とかもパクってたお
金田一少年ファンはご愁傷さまだお
946名無しのオプ:2006/02/10(金) 22:04:57 ID:PDGrgT7m
トリックをパクるのは著作権違反にならんのかね
947名無しのオプ:2006/02/11(土) 12:49:42 ID:lGH2aYvS
>>946
なるわけねえw
そんなことできたら新刊なんてなくなる
948名無しのオプ:2006/02/11(土) 13:01:58 ID:feqW9ZoP
>>947
それは極論すぎ
949名無しのオプ:2006/02/11(土) 14:19:02 ID:Ldf/44mq
>>946
著作物の定義は、「思想又は感情を創作的に表現したもの(以下略)」(著作権法2条1項1号)であって、
思想そのものではないから、パクってもならないわな。
(トリックを思想と言えるかという論点自体もあるが、まあ分類するとしたら思想だろうということで)
950書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/11(土) 16:13:57 ID:XdWdgz+U
ヴァン・ダイン「グレイシー・アレン殺人事件」を読んだ。
ファイロ・ヴァンス・シリーズ最終作(12作)目前の第11作であり、
いかにミステリのネタが尽きたとはいえ、およそ有り得ない偶然性に頼った謎解き
(殺害方法)、ミステリの禁じ手を使用した密室トリック等は頂けないものがある。
そもそも、タイトルに反してグレイシー・アレンは殺されないのである。
事件全体もS・Sの後期作品に共通することだが、
ギャング絡みのハードボイルド・ミステリの方が適した素材であり、
ファイロの事件としては違和感が大きいものがある。
グレイシー・アレンという萌えキャラ投入が、新書ミステリを読み狂っているような
アホなミスヲタにどの程度受けるかが、評価を左右する可能性はあろう。
「ぼくは、まったく、とまどいしてしまって、…」等、井上節は相変わらず。
「名詮自姓」なる読者無視とも思える訳も登場。
951名無しのオプ:2006/02/11(土) 20:49:13 ID:rz5Fby3w
トリックは思想というよりは技術だろ
ということで特許申請
そのトリックを一部利用改変して自著書で使用する場合は原著者に利用料を払う
952名無しのオプ:2006/02/11(土) 21:26:15 ID:Mu63nX7c
特許法
>第2条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
>2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。

無理だな。
953名無しのオプ:2006/02/11(土) 22:29:05 ID:0zdNx4uP
ピーター・ラヴゼイ『暗い迷宮』(ハヤカワ文庫)読了。【7.5点】

ダイヤモンド警視シリーズの1作。
記憶喪失の女性のパートと農夫の死亡事件をめぐる物語。
話としては地味だがあいかわらず構成が上手いなあと感じる。
女ホームレスのエイダのキャラがいい味出してる。
954書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/12(日) 21:18:29 ID:HqYl4r2g
ヴァン・ダイン「ウインター殺人事件」を読んだ。
フィギュアスケートが上手な萌えキャラが登場、
最近のアホなミスヲタは「キター!!!…」で大満足なのだろうが(w
俺のようなハードなミステリファンには、構成、トリック共に納得が
いかない短小な凡作と言い得る。
舞台は郊外の大邸宅、登場人物も個性的なメンツなのだが、
なにせ文庫本150頁強の中編のボリュームでは「館もの」の面白さも発揮出来ない
ままに終わっている。
ファイロ・シリーズ最終話なのだが、管轄外のため、おなじみヒース部長刑事も
ドアマス医師も登場せず、盟友マーカム検事も冒頭部分のみの登場と非常に寂しい
幕切れとなってしまった。
955名無しのオプ:2006/02/13(月) 18:23:11 ID:CLBwY4VF
ピーター・ラヴゼイ『地下墓地』(ハヤカワ文庫)読了。【8点】

ダイヤモンド警視シリーズの第6作。
メアリ・シェリーが『フランケンシュタイン』を執筆した
地所から発見された人骨と、シェリーの遺品をめぐって起こる殺人。
最後にぴたりと収まる構成が相変わらず見事。
新作の文庫落ちが待ち遠しい。
956読後感:2006/02/13(月) 21:55:57 ID:PLHxdcqD
「十二の秘密指令」ブライアン・フリーマントル(新潮社)

組織内に裏切り者がいる!
本部長ベルは二重スパイを探り出すため部下に
試験を組み込んだ任務を遂行させ「もぐら」を焙りだそうとするが…。

なぜつまらないのか今から説明します。これ連作短編集なんですね。
そんで目的はもぐら探し。ということはつまり失敗11連発ってことで、
ラストと、ま、せいぜい最初の1話でも読んどきゃ事足りるわけよ。
これで一つ一つの話に独自のオチでもありゃ問題ないんだけど
戦前産まれの悲しさでそんなハイカラな機能はついてない。
読まずに死ねるわ!
957読後感:2006/02/14(火) 22:26:55 ID:1x5usmg0
「火の玉イモジェーヌ」シャルル・エクスブライヤ(早川書房)

英国の情報局のタイピストイモジェーヌは生粋のスコットランド人で
他地方に対する敵慨心が頗る強いオールドミス。
その彼女が久方ぶりの里帰りをしたはいいが、終始付きまとう男の影。
何らかの陰謀と見た彼女は敵の尻尾を掴むべく同僚と連携して
悪事を暴こうと決意する。

このネーミングセンスいいよなぁ。これが
「夜明けのメイジー」に受け継がれているわけだな。
内容はスパイ+ユーモアミステリて感じで、まあ大したことはない。
ま、でもかなりの多作家らしいんで質に波があるのは仕方ない。
他にも読んでみようと思ふ。
958書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/18(土) 15:02:55 ID:iT/uMvCX
ジョルジュ・シムノン「雪は汚れていた」を読んだ。
ミステリファンには、メグレ警部もので知られる作者の純文学の代表作、
第2次大戦ドイツ占領下、娼婦の家に生まれた青年の行き場が無い屈折した心理を描いた
作品だが、メーンストーリーには複数の殺人事件が絡むため、クライムノヴェルとして
読むことも可能である。大衆向きの娯楽作であるメグレ警部シリーズでは、
やや簡略化されている感がある心理・情景描写が丁寧になされており、
中盤まではフランス文学らしいムーディなタッチで読ませるものがあるが、
終盤はややだれ気味、冗長な感さえ受けるのが惜しまれる。
この板は純文学嫌いの連中が大半を占めるが、本作あたりを手にしてみたら良い
かと思う。
人生は思いの外短いのである、漫画のような謎解き小説にばかり耽溺していてよい
はずがないのである。こうった点、十二分に心しておけ。
959書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/19(日) 21:02:58 ID:CvV1GO21
前述したとおり、俺の個人的な嗜好にマッチする「ドラゴン殺人事件」はともかくと
して、ヴァン・ダインの後期6作を読んでいると、やはりがっかりとさせられる面が
多い。S・Sってこんな程度の作家だったのかと。
そこで、口直しと言うか、名作の誉れ高い「グリーン家殺人事件」を再読。
あらためて後続のエル作品との類似性を感じたが、第三の殺人のトリックゆえ、
アンフェアになっている点が惜しいものがある。
960名無しのオプ:2006/02/20(月) 11:29:19 ID:RSH6kGSr
S・Sはそんな程度の作家です。今はアメリカ本国でも大して評価されていません。
クイーンは別格として、今でもアメリカ国民に好まれるそのその頃の作家と言うと
レックス・スタウトみたいな作風の作家です。
961名無しのオプ:2006/02/21(火) 22:52:54 ID:2+kku84y
「天国の発見」
読んだ奴、誰か俺に解説してくれ・・・・
962読後感:2006/02/21(火) 23:06:18 ID:tPL+C9pe
「帰ってきたイモジェーヌ」シャルル・エクスブライヤ(早川書房)

情報局を退職し故郷に戻ったイモジェーヌ。
しかし厄介事が彼女を放っておくはずもなく、
今度はペンバートン校の教師の殺人事件を調査することになる。
コネを使って教師に成り済ましたイモジェーヌは同僚や生徒と
トラブルを引き起こしながらも犯人を突き止めようとするが…。

チャ〜ンチャラッチャッチャ〜ン(パ〜)
いやあ前作でゼットンに殺された時はどうなるかと思いましたが
無事帰ってこれてよかったですね。
今回は一作目と違って本格風味のユーモアもの。
伏線もあまりないし推理による解決もないので本格とは言えませんが
読みやすくて良い。ツンデレのかほりもするしw
つかこれ3作目なんですよね。何で2作目飛ばすんだ!
主人公の私生活に関するイベントも含まれていた様なのに。
こういうのはほんと迷惑だね。
963読後感:2006/02/23(木) 16:45:27 ID:uALqvs1w
「笑うきつね」フランク・グルーバー(早川書房)

二人組の小悪党ジョニーとサムが流れついた田舎町では
家畜共進会を間近に控えどこもかしこも賑わっていた。
酒場に行った二人はそこで泊まる所がなくて困っている男に出会い
相部屋を提案する。しばらくして部屋に戻ったサムとジョニーは
そこで先程の男が殺されているのを発見する。容疑者扱いを受けた
二人は事件解決に乗り出すが―。

小悪党というと語弊がありそうに感じるがここではあくまでも
ちょこっとした悪事(賭事など)に携わってる輩という意味。

一つの殺人から町に集まっていた養狐業者達の秘密が
明らかになっていき再び殺人が…という風な展開に
ユーモアが交じってずんずん読ませる。
好みのトリックもあって好印象。
解決にロマンスを絡ませているのもマル。
「フランス鍵の秘密」も読みたくなった。
964読後感:2006/02/23(木) 17:28:11 ID:uALqvs1w
「闇のアンティーク」サルヴァトーレ・ウォーカー(扶桑社)

美貌の骨董商スーザンはメイヤーと名乗る客から絵画の手付金を
渡される。ところがその後メイヤーは彼女に会うことはなく、
メイヤーに商品を売った彼女の同業者が殺された。
そして彼女もまた執拗に後を付け狙われることに。
事件を担当したFBIの警部補ダナヴァンは本件と
別口の娼婦の惨殺事件との間につながりを見い出すが…。

作者は有名な骨董商の変名だとか。骨董に関するうんちくや裏事情が
語られており興味深いが、警察に関する記述が劇画調というか
大袈裟なのは門外漢ならでは。
二つの事件から明らかになる真相は
やや不格好だがまあ意外ではあったかな。
ハーレクイン地味たロマンスは評価するw
965書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/23(木) 22:35:56 ID:lTOtbvD9
>>963
>「フランス鍵の秘密」も読みたくなった。
まずまず面白いし、都会をメーンな舞台にした本作の方がこのシリーズの持ち味が
良く発揮されているという感もある。
俺が書いた論考等を参考にしながら読んでみろ。
966名無しのオプ:2006/02/24(金) 06:41:54 ID:AbDk2NWi
>>954
ウィンターって膨らませる前に作者死んじゃったんじゃなかったっけ。
まあ完全版があったとして、後期のヴァンダインだから期待はできないが・・・
あほなミスオタ的にはグリーン家の犯人以外はあんま来なかったけどね。




このコテってレス返していいんだっけ?
967名無しのオプ:2006/02/24(金) 07:06:36 ID:CMolorjI
そいつにはスルーでお願いします。
968名無しのオプ:2006/02/24(金) 08:30:14 ID:k5vPX1uo
>966
上の書き込み見ればどーいう種類の人間か分かるだろ
969書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/02/25(土) 17:01:04 ID:u3KsJB+j
ジム・トンプスン「おれの中の殺し屋」を読んだ。
うーん、数年前に話題になった「ポップ1280」を読んだ時と同様なイマイチ感がある。
テキサスの田舎町、逝っちゃてる男ルー・フォード(保安官助手)による悪行の日々、
トンプスンは筆力がある作家ゆえ、最後まで読ませることは読ませるのだが、
なにしろ逝っちゃてる男の犯罪だけあって、良く見りゃ穴だらけ。
いかに謎解き主眼のミステリではないとはいえ、ミステリ的面白さがないがしろに
され過ぎているという感を強く受けた。
巻末のS・キングの解説中には、「モービー・ディック」「ハックルベリー・フィンの冒険」
「日はまた昇る」等に比肩する作とあるが、いくらセールストークとは言え、いい加減に
しろという感が強い。「喪前はおとなしくお化けの本でも書いていろ!」とまで言いたく
なってしまうのであった。
やはり、トンプスン作品で絶賛に値する作は、このスレで前に紹介した「ゲッタウェイ」
であろう。(この作は軽くJ・M・ケイン作品あたりは凌駕する哲学的な示唆をも含む佳作
と言い得る)
970名無しのオプ:2006/02/25(土) 21:35:23 ID:VsbikT3P
「Mr.クイン」ジェイマス・スミス

麻薬王のプレーンとして完璧な犯罪計画を立てる―俺にとって犯罪はビジネスだ。計画を売るだけ
、実行はしない。今度の仕事は大物だった。裕福な不動産業者の一家を事故に見せかけて殺し
全財産を乗っ取るのだ。
全ては順調だった。新聞記者に尻尾をつかまれそうになるまでは・・・・・
究極のアンチ・ヒーロー

悪者目線の一人称
胸糞悪い。人が死にすぎ。ただ、読みやすいし、計画は緻密でよく練りこんである。
気分が落ち込んでる時に読まないほうが吉
971名無しのオプ:2006/02/26(日) 13:38:00 ID:TFvFRZ1i
「弁護」D・W・バッファ 文春文庫

裁判では負け知らず、どんな被告をも無罪にして来た辣腕弁護士が、ひょんな事から引き受けた
継父による少女レイプ事件の裁判。
誰が見ても有罪な父親の弁護をしたことから、事件をめぐる人々を巻き込む巧妙な犯罪計画が
動き出した――
法と正義という重厚なテーマに挑んだ第一級のリーガルサスペンス

法廷物と言うと、スコット・トゥローの推定無罪を思い浮かべながら読んだ。
法廷物の醍醐味と言えば、弁護士と検察などの駆け引きや、裁判中の新たな証拠発見だと
思っていたのに、これは法廷などおざなりに書いてあるだけ。10年間の月日の流れの中で起こる
事件を取り扱ってるんだけど、どの事件も出来事もぼやけてる。
この本の中に正義はない。
972名無しのオプ:2006/02/28(火) 12:43:47 ID:HUSSFvwN
「探偵になりたい」パーネル・ホール

おもろい。弁護士代行調査員が、麻薬取引の殺人に巻き込まれちゃう話。
主人公が普通の人。普通の人なりに頭脳働かせて、本人の活躍は地味のまま事件が解決する
ユーモアミステリ。
これ有名だよね。
973名無しのオプ:2006/02/28(火) 22:40:28 ID:Z3Wk1MyB
「最後の一瓶」スタンリイ・エリン

ビッグネームの割にこのミスでの順位も大したことなかった
(といっても10位だが)のでそれほど期待しないで読んだが、こりゃとんでもない。
これまで読んだ短編集の中でもベスト3にはいる出来。
同じ作家の代表作とも言われる「特別料理」とくらべても遜色無い出来といえるだろう。
今年のこのミスでは、ある意味同じような立ち位置にあったといえる「クライム・マシン」
も確かに良かったが、俺的にはこちらの方が遥かによいと思ったが、どうだろう。
974973:2006/03/01(水) 06:43:02 ID:hnS+kFtO
あ、正しくは「最後の一壜」
でしたね。スマソ
975名無しのオプ:2006/03/02(木) 22:16:31 ID:N/Hbpv6k
ポール・アルテ 『第四の扉』

凄い凄いと言われてるので楽しみにしてて読んでみた。
確かに派手な謎がバンバン出ると面白いんだが
全体的に退屈だな、と読み進めていった。
しかし第三部の場面転換で一気に物語全体に興味が出て
そっからの盛り上がりは素晴らしい。
最終的な結末もいいけど、とにかく第三部がよかった。

これだけのものがたったの200頁ってのも凄いよね。



タイトルはあんまり相応しくないように思った。
976ロム者:2006/03/03(金) 13:35:32 ID:aJjJCCOG
「逸脱者」  グレッグ・ルッカ著/講談社文庫

○世界的に著名な用心を救ったとで注目を集めたアティカス・コディアックは
 再び同じ人物の警護を依頼される。
 狂信的ストーカーが危険人物として浮かび上がるが、実は・・・・

いやぁ、面白い!!
もともとアティカスシリーズは好きで読んでたんだけど、その全てがこの上下巻に集約されてる感じ。
いわゆるハリウッド的な面白さなので、そういうノリが嫌な人は駄目かも
まあ作者が31歳ってのが一番驚いたけど

予断だけど、読書後には必ずダイエットをはじめたくなるはず
977名無しのオプ:2006/03/06(月) 13:07:49 ID:F2K7qeTb
クリスティ「アクロイド殺人事件」(新潮文庫)

・・・子供の頃、乱歩と藤原×太郎にネタバレされ、「記憶から消えたら読もう」
と思って、かれこれ30年が経ちました。
でもこの作品の犯人が誰か、忘れることができないまま、限界に達し、読みました。
・・・・・なるほど、犯人を知った上で読むのも、まあ面白いか。意外と、伏線の
数が多くないのですね。30年前の子供の頃にネタバレを知らずに読んでいたら、
驚天動地の結末だったのに・・・・、乱歩と宰×郎を恨みます。
978名無しのオプ:2006/03/07(火) 09:31:46 ID:fAWgTCAe
>>977
評論「アクロイドを殺したのはだれか」によれば、犯人は別にいるとの
ことなので、そこを念頭に置いて自分も再読してみようと思ってます。
979名無しのオプ:2006/03/07(火) 13:12:53 ID:3qXvgMrt
ジョン・コリア「炎の中の絵」

「死者の悪口を言うな」秀逸
980名無しのオプ:2006/03/08(水) 17:44:29 ID:r40mCOlw
(゚д゚)ウマー
981名無しのオプ
|∀・)