自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第65章

このエントリーをはてなブックマークに追加
1創る名無しに見る名無し
ハイテク兵器 vs 剣と魔法。
内容はガイドラインを参照。

・sage厳守。
・書きこむ前にリロードを。マナーとして。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。分断防止のため。
・SS投下中の発言は控えてください。
・支援は50レスに1回。
・嵐、煽り、気に食わないコテは徹底放置。自然現象として脳内あぼーんしましょう。
・品性に欠けるレスはなるべく付けませんよう。
・気に食わないレスを、気に食わないコテハンまたは気に食わない人間のものと根拠無く認定するなかれ。
 ループ禁止。対策としての『萌え』などには書き手も読み手も極端な反応をしないこと。
 そんなことより海産物の話でもしよーぜ。
・以上を守らないものはぬるぽと見做し、鉄槌制裁( ・∀・)つ=■彡☆))`Д´)されます。

前スレ
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第64章
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235983300/

保存庫
http://www26.atwiki.jp/jfsdf/
ttp://shizuoka.cool.ne.jp/fantasure/
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/
ttp://pixus.iinaa.net/jfs.htm

分家
http://jbbs.livedoor.jp/movie/4152/fjieitai.html


2創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:16:32 ID:TZ+S+AJ9
基本的な注意点 〜新世界で生き残るために〜

1. 職人・コテは信者やアンチを装った荒らしにのせられないように。
2. 特定の職人・コテへのマンセーはチラシの裏にでも書いててください。
3. 荒らしはスルー。我慢できない人は削除依頼をしましょう。
4. SS作者は、抽出がしやすいように、また騙り防止の為に、トリップ装着を推奨。ただしレスごとに変わる捨てハンは禁止。
5. 感想書き込む人も節度や口調を考えるべし。勿論、感想を書かれた作家も。
  作品が気に食わないなら透明あぼーんで。 それでも気になるなら、このスレのルールが届かぬ場所で。
6. レスはまとめて書きましょう。
  思いつきでこまごまとしたレスをしてスレを消費するのは迷惑です。

3創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:18:15 ID:TZ+S+AJ9
新暫定ガイドライン
0. 現代科学であれ男塾理論であれ異次元科学であれ議論であれ、第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。
1. 「自衛隊がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「現代の日本国自衛隊」が主に関わる話であること。
2. 自衛隊の組織・装備はあくまで現用もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  核兵器・旧東側諸国製兵器・未来兵器・巨大人型兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
3. 軍事力の背景となる社会構造の考証、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘は、作中の設定で説明できないものは避けること。
4. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来る。
  ただし、「超兵器・超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  また、オーバーテクノロジーの扱いは慎重に。
5. ファンタジー側の人間もきちんと描写する方が好ましい。
  自衛官主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
6. 萌えだけ、エロだけ、グロだけを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。
4創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:20:01 ID:TZ+S+AJ9
参考資料

自衛隊公式サイト
http://www.mod.go.jp/
戦略、戦術について
ttp://www.d1.dion.ne.jp/~r_dom/lans_index.htm
自衛隊の装備について
ttp://www.military-powers.com/

戦術の世界史
ttp://www.k2.dion.ne.jp/~tactic/

京大RPG研究会
ttp://www.ku-rpg.org/
ttp://www.ku-rpg.org/trpg/population.html 中世の人口

Dragon's Lair by Water Dragon
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse.htm 中世とF世界の食事
ttp://wdragon.fc2web.com/fg/index.html 中世ヨーロッパの装い(下着含む)

Wiki
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?%BB%F1%CE%C1 資料

小説の書き方参考
ttp://www.feel-stylia.com/rc/creative/ ←【重要】
5創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:21:11 ID:TZ+S+AJ9
■今までこのスレで討議された議題

・ファンタジー世界の市場規模についての考察
・麻薬による世界支配は許されるか
・江戸時代とファンタジー世界の類似性について
・大陸国家VS海洋国家戦略、その長短について
・マッチとメラ、着火手段としてどちらが優れているか
・F世界での日本経済再生と交易について
・ドラゴン…契約方法と空軍戦力としての有効性を考える
・自衛隊的ダンジョン攻略法
・対人地雷と魔法の罠。
・F世界における神の影響力について。
・F世界的陣地攻略法
・熊に見るモンスターの手強さ
・巨大昆虫対策〜界面活性剤から核弾頭まで
・決闘における非致死性制圧法(殺さずにいたぶる百の方法)
・F世界の街道、交通路における運搬手段が道に与える負担うんぬん
・銃弾を受け付けない素材を武具の材料に用いれるか
6創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:22:12 ID:TZ+S+AJ9
■さんざんガイシュツの話題
・シーレーン確保における脅威の排除(海賊、海の怪物対策)
・日本が傭兵を雇用することは可能か?
・萌えは是か否か。
・議論は是か否か。
・魔法・怪物の設定(最終的には作者に一存という結論)
・補給が断たれた場合、弾薬を何とか確保可能か?不可能な場合はどうなるか?
・球形以外の世界。
・食糧対策・餓死者の局限−魔物を喰らうモノ−
・在日外国人・異世界住人対策。政治思想の殴り合いは勘弁
・資源・エネルギー問題。
・外交方針について。
・人間と亜人の共生について。

ガイシュツだが、再考察とかは特に禁止されてない
SFは禁止だと言うことです
7創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:23:08 ID:TZ+S+AJ9
関連サイト
「帝國召喚」(作:くろべえ/分家皇軍スレ)
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/index.html

「輸送戦記」(作:Call50/本家)
ttp://homepage2.nifty.com/Call50/

分家まとめサイト
ttp://www.geocities.jp/wimsigma/

SSの書き方
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan01.html
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan02.html
8創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 15:24:33 ID:TZ+S+AJ9
9創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 21:33:35 ID:/48Hak+/
>>1
容量オーバーか
10創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 01:29:05 ID:8+oNv4Ml
スレ建て乙
一レス当たりの容量が大きいからなぁw
11創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 06:58:11 ID:23IxhsJA
次からテンプレに次スレに関する事を加えた方がいいな
500Kで容量一杯だから480か490K位で立てるようにしたほうがいいと思う
12創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 17:49:54 ID:MyyWF4YV
前スレ>>897
誤字指摘
基地司令→駐屯地司令(陸自なら)
参謀長→幕僚長?
13創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 20:05:13 ID:/DeI1LXL
>>1乙。

>>11
450Kあたりでスレ立て宣言した方が良いと思う。
そうしないと某種クロスSSスレみたいに重複してスレが立つ危険がある。
14とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/23(土) 11:30:49 ID:ozM6U/Ec
「で、議事堂になんの用なん?宇宙人が攻めて来たから作戦会議か」
「あっ、ああ似たようなものだね。偉い人に呼ばれてる」

 田中は誰か誤魔化す時に偉い人といった単語を使う。
この場合、田中が使う偉い人の意味は国防長官か総理を指しているんだろう。付き合いが長いから判る。
ちなみに鈴木は、田中が“偉い人”と話す相手との会話で敬意を払っているのを見たことがない。
彼が偉いのか、それとも無神経なのか。ちゃんと公の場にて敬語を使える奴であるのは確かだ。
 鈴木が誤魔化したということはこれ以上話したくないという意思表示だ。
こうなったらコイツは梃子でも動かない。追求するだけ無駄である。この話題は終わりだ。
田中は追い詰められると口は軽いが、大量の嘘も混ぜ、“どうとも取れる言い方”をする。
それも大量の嘘と共に一部の本物を入れる厄介なタイプだ。
どうせ追い詰められてバレルなら、本物を言うついでに適当に思いついたことを全部混ぜておけ。
執拗な追求など耐えられるはずもない、だったら追い詰められる前に答えた方がマシ。
調べる側は全ての情報に裏づけを取らなくてはならない、だから手間を増やしてやれという考えらしい。

「お待たせ致しました。どうぞお通り下さい」

 フロントガラスの横に立っていた隊員が耳元のイヤホンに手を当て、手を上げる身振りをすると
バスを扉代わりにした壁が動く。片面に鉄板が張られたバスがゆっくりと動き、
車は議事堂の前、黒光した高級車がずらりと並んだ広場へ出た。

「んー?会議が終わったみたいだ。付いてくるかい?」
「ちょっとかんべんしてくれ。上司の上司のそのまた上司の相手なんざ胃袋が4つあっても足りない」
「いーじゃない。立ってるだけさ。牛だって胃潰瘍になるときはなるんだからしょうがないって」
「前にそう言われて宮内庁の人と二人っきりにさせられたのは、冷や汗もんだった」
「ずっと漫画の話してただけじゃないか。やんごとなきお嬢様がエグイエロ漫画描いてるって話題だろ。
 つれないなあ。兎は寂しくなると死ぬんだよ?」
「そいつは迷信だ。兎は草食で普段ほとんど誰も泣き声を聞いたことがないぐらい、大人しい動物だが
 交尾の時は激しく動き回り、滅多に鳴かない声を上げる、それはもうアグレッシブな躍動感に溢れた生き物だぞ」

 兎は温厚な生き物だなんて幻想だ。
挙句の果てに女を争って、鋭い二本の出っ歯で噛み付き合う。
小学校の兎小屋では連続兎殺し事件があった。
該者は真っ白なふわふわした可愛い兎のタンメン、歯型と傷跡が一致した。

「まあまあ、今度おごるから」
「黙って後ろに居るだけならいい」

 臆病な振りして、田中は平然と議事堂内の廊下を歩いてゆく。
ピカピカに磨かれた高そうな大理石、床にひかれた赤い絨毯の上を
勝手知ったる人の家といった感覚で全く迷わず真っ直ぐに進む。
マスコミが見たら官僚と議員が談合だと書かれそうだ。
(議事堂の中なんて始めて入ったわ…)
3階分もありそうな高い天井、光を受けて煌くクリスタルガラス、
柱や壁の装飾には本物の金が使われているらしい。
椅子やテーブルはどれも時代を感じさせ、重そうだ。
きっと良いものは長く持つのだろう。年季が入っていて丈夫そうだった。
15とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/23(土) 11:31:36 ID:ozM6U/Ec
鈴木はウチの駐屯地の団長や幕僚長あたりがうろついてやしないかと田中の後ろをおそるおそる付いてゆく。
普段の議事堂の様子は知らないが、この日の様子は異常と言えた。
TVで一度は見たことのある有名議員達が勢揃いし、メモと携帯を持った秘書達が議員宿舎へ向かう。
何人かの議員達は集まり、ひそひそ囁き合う。
玄関にはSP達と迷彩姿の自衛官。高級車がずらりと並び、次々と発車してゆく。
不思議とカメラや録音機材を持ったマスコミは居ない。
それと野党議員も。議員以外に省庁関連の人種も混ざっている気がする。
襟に桜が四つ付いた礼服やお付きの桜が三つのお偉い人々が居た。
首筋がちりちりする。触ってみると鳥肌だった。

「時間ピッタリだな。茂人」

 椅子と机以外に目立った家具がない簡素な部屋で彼は待っていた。
 田中に話しかけるゆったりとした高そうな古い革張りのソファーに腰掛けた男。
武原秀雄(たけはらひでお)、現在の内閣総理大臣だ。
麻生太郎のような皮肉気に曲がった口元と、村山富一に似た筆眉が特徴的な50代。
アイドルならともかく、偉い人とはいえおっさんに会ってもちっとも嬉しくない。

「国会後はマスコミの記者会見があるのでは?」

 田中は挨拶も抜きに本題へ入った。

「これは議員同士の非公式な話し合いだ。本格的な会見は後日になる」
「用件は竹島付近に現れた“アレ”の対応ですか」
「そうだ。後ろに居る彼は誰かね?」

 嫌な予感が的中してしまった。

「鈴木亮、自衛官です。身元は私が保証します」

 田中の言葉に武原首相は満足そうに頷くと、此方へ来いと手招きをする。
非常に怪しい空気だが断れそうもない。
魔王からは逃げられないのだ。
16とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/23(土) 11:32:22 ID:ozM6U/Ec
「君も聞いてゆくといい。知ってるだろうが覚悟してくれ。
 3日前から、日本は異世界軍と戦闘状態に入った」

 異世界?軍?戦闘状態?不穏な言葉が並べられる。
外部からの通信途絶と魔法に竜騎士、ガレー船、異形の人類。
海外で一体なにが起こっているのか。
ただ一つはっきりしているのは……。

 戦争の始まり――――

「そこでだ、茂人。君に日本と異世界の橋渡しを頼みたい。
 他の異世界国も含めた総括的な意味での対応だ」

 田中は俯き震えていた。その表情は恐れているのか笑っているのか。

「総理、私には重すぎます。わざわざ私だけを呼び出さずとも、
 もっと他の…経済局なり国際協力局の方が…」
「かくいう君は外交政策局だろう。それにな、君に戦争をしろと思ってはいない。
 外交、貿易、安全保障、全てやれるとは考えていないしそこまで期待してもいない。
 それぞれの仕事に合った人材も居る」
「しかしっ……」
「だがね、皆が“変わってしまった世界”を受け入れられると思うか?
 空飛ぶドラゴンに火を噴く魔法使い、剣と弓の国、モンスター。
 全く持ってファンタジーな、馬鹿げた世界だ。
 石油はどうする?食料は?行き場のなくなった機械部品は?怪物への対応は?」

 不穏な発言。日本の周囲では想像を超える事態が起こっているらしい。

「………………」
「それらに理解のある柔軟な対応が出来る人材が要る。
 魔法を使うなら特性を理解し応用する。モンスターの特徴を考え逆手にとれる。
 怪物や異形の人類に対して受け入れの素養がある、だけならそこらの創作作家やゲーマーでも呼べばいい。
 だがね、これは現実でもあるのだよ。外交には知識やノウハウが必要だ。
 彼らに代わりはできんのだよ」
「ゲームや漫画が好きで要職に携わる者ならいくらも居ますが…」

 田中は困惑していた。
一手に仕事を任せようと呼んだわけではないし、他の誰でも出来そうな仕事であるわけだ。
ならば呼ぶ意味は。
17とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/23(土) 11:33:08 ID:ozM6U/Ec
「いくらでも居るが、君ほどの知識を備えた者も少ないだろう。
 外交に関係ないケルト語や考古学の博士号を持っているのは君ぐらいだ。
 多くの言語に精通し様々な分野の友人も多い。6ヶ国語を喋れるのは君ぐらいの物だ。
 プライベートで魔術とか怪しいものを調べてるんだったかな?」
「それぞれの儀式手順比較と共通点です」
「ぶうううっ!」

 答えた田中に向かって、武原が飲みかけていた茶を噴出した。
そりゃあ真顔で魔術の研究してますと答えたら噴き出すわな。
適当に誤魔化すか、プライベートだと突っぱねるのが常だろう。
長い付き合いの中で、田中がこんな真面目な顔をしているのは始めて見る。

「失礼。組織とは誰かが率いなければいけない。株主が増えても社長や取締役が要るのだよ。
 民主主義にも大統領や総理が要る。無論共産主義もだ。誰かが籤を引かなければいけない」
「私に貧乏籤を引けと?」
「ああそうだ。そしてこれは政治的問題でもある。幸い、君なら文句を言う敵も少ない。
 なんといっても天下りの受け皿が後ろに居るからな。反対も出来まい。
 異世界への理解と政治力、官僚としての実務能力…ようはたまたま条件が揃っているのは君だった」
「期間は?」
「3年だ、3年持ちさえすれば一応の安定を日本は得ることが出来る。
 出来なければ君の好きな漫画やアニメは全滅してしまうぞ?それも会社ごと。
 TVも見れなくなるし、PCネットワークも維持できない。今と同じ生活は望めないな」

 田中は少し考えた後、言った。

「確かに……わかりました。橋渡し、お引き受けしましょう」

「さて、そこの君。重大な機密を覗いてしまった訳だが……」

 ああ、やっぱり。ついて来なきゃよかった。
18とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/23(土) 11:35:49 ID:ozM6U/Ec
投下終了
('A`) マエスレ ヨウリョウ オーバー
    マエカイタノハ シテンガコロコロ カワルノデ アマリスキジャナカッタ
    シュジンコウハ スズキサン ノママデスヨ
19創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 17:21:23 ID:uU2rh5X1
とある戦記の人乙です。
20創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 18:59:52 ID:hFYuubG9
もつにこみ
21創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 19:01:17 ID:B/obz9bL
>>15
"駐屯地の団長"ってなんか可笑しくね?
団長を使うなら、師団・旅団・混成団のどれかだし。
22創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 19:05:31 ID:B/obz9bL
あと
>>14の国防長官も可笑しい。今は防衛大臣
書いた年が分からないけど、それでも防衛長官だし……
23創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 19:20:27 ID:hFYuubG9
国防庁になったのかも!

格下げなのか格上げなのかわからんなw
24創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 21:41:07 ID:gK9bX5Ji
>>18
おつかれいしょん!
ガンガンすすめたってくだしあ。
25創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 11:35:32 ID:iOI22bsG
誰もまとめサイトをまとめてねえwww
26創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 12:09:03 ID:E0OGGNoN
投下乙
ヒラコー画になるかゆうきまさみ画になるかこれからの展開にwktk
27とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/24(日) 15:59:06 ID:1D+ox0Rz
「首相。茂人に仕事は勤まるのでしょうか」

 田中達の背中を見送った後、秘書の原が言った。
彼は初当選以前からの付き合いで、裏も表も知っている武原の腹心である。

「見た目は唯のオタクだが、一筋縄でいかない曲者だよ。
 特に目立った立案や企画をするわけではないが“妙なところ”で機転が利く」
「会議中、彼がニ、三修正を加えるだけで何事もなく話し合いが進むと一部では有名だ。
 罵声や暴言なしにだ。不思議な男だよ」
「人徳がある、ですか」

 武原は軽く首を振る。

「いいや。彼の顔は広いが、それは特定の趣味を持った仲間内だけのことだ。
 仲間内で特に信頼されているとか一目置かれているわけでない。
 ただ、交友関係がやたらと広い。流石6ヶ国語を話せるというとこか」
「事前に関係者に近い部署と話を詰めている……ですか。
 外務関係以外の部署にも顔が広いと聞きましたが」
「オタクの集まりだがな。知られたくない趣味は誰でも持っている」

 本棚から罪と罰と書かれたハードカバーが付いた本を引き出し開く。
カバーに反して、中には少女マンガ雑誌なかよくで連載している鉄乙女(アイアンメイデン)の漫画。
開かれたページは、ゴシックロリータの服を着た主人公の少女が敵の臓物をぶちまけるシーンであった。

「そういうものですか」
「茂人は人畜無害な振りして、なかなか悪辣だよ。
 ダークネスの掛かった二刀流ナイフで、真っ暗闇の中。センス・オーラを使い敵を知覚。
 白昼に敵を暗闇の中で暗殺。
 ウインドボイスで増幅された呪歌、ダンスを敵の攻撃不可能な場所から延々と飛ばしつづける。
 MTGで常に使う色は青と黒。えげつない手を使う」
「???」
「ようは、予想の斜め上45度を錐もみ滑空で駆け抜ける男だ」

 武原は最近、かつらにしようかどうしようか迷っている頭を抱えた。
自分で話しておいて心配になり出したのである。
ドラゴン、海竜、魔法使いにガレー船。人類の空想であった世界。
食料、資源、紛争、外交、エネルギー、その他もろもろ問題は山積みである。

「無事に任期を終えられると思ったんだがなあ……」

はあ……と武原は溜息をついた。
28とある人達の戦記録 ◆8b20lCD.o. :2009/05/24(日) 16:00:08 ID:1D+ox0Rz
投下終了
('A`) MTGト ソードワールドネタ
    コンカイノ ハナシハジエイタイ カンケーネー
    ジカイハ バトルシーンヨー
29創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 16:11:32 ID:lxhe/bBF
投下乙であります。
青黒より青茶単のほうが凶悪だ!
MoMa最高!
30創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 16:12:52 ID:Q87azQbC
怒り狂うゴブリンがやたら並んだ鳥取
31創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 21:02:29 ID:iOI22bsG
短い
32創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 21:24:41 ID:SXkndmOo
The Islands Warは次回で終了か
できれば次は外伝でなく正当な続編かホットペッパーの続きが読みたいかったんだが、本土航空戦か
33創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 01:37:05 ID:CJFhvrQa
あれの敵は50年代以前のレベルだからファンタジーとはいえないよーな
34創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 10:15:10 ID:xUvgk6GG
いや、あれは如何考えてもファンタジーだろ、……敵の頭の中がw
35創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 13:42:12 ID:OS308Wc6
ファンタジーというより明らかにキ○ガイですけどね。
日本だからあの程度で済んだものの、アメリカやロシア、中国に同じ事してたらどうなった事やら。
激甘の日本とは次元の違う徹底的な戦闘、降り注ぐ報復の核。
想像してみたら……やべえ。オラ、ワクワクしてきたぞ!
36創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 14:14:29 ID:3HXWsi3p
外伝はブラックホークダウンのほぼ丸パクリでおもしろくなかったなぁ。
本土航空戦のほうがおもしろかったのでむしろそっちの新作に期待。
37創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 14:19:36 ID:62WZ0FXQ
過激そうな日本といえばガングリフォンの日本だな
9条を合法的に無視して戦争可能な日本外人部隊(但し国籍を停止した自衛官も多数在籍)があるし
こいつらは核は持ってないが燃料気化爆弾等も所有してる
なによりブレイズの世界では戦争に負けた上食料危機で日本国民の三割が餓死してるという
とんでもない設定だからファンタジー世界に転移したら喜んで略奪を始めるだろうなw

38創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 14:37:29 ID:CJFhvrQa
日本人「ヒャッハー! 汚物は気化爆弾で消毒だぁ」
F世界人「日本人の略奪だぁー」


>>35
世界正義の名の下に残虐非道な野蛮人に対する報復として第7艦隊が敵艦隊を一掃
F-22とF-15の大編隊が空を埋め尽くして
敵地上軍がB-52の猛爆撃で消し飛んだ後
輸送機からワラワラ、ストライカー師団が湧いてくる。
その後に「ちょっとシスコまで来い糞ボケ」

・・・うむ、何か文章にすると敵と同じ事やってる気がするぞw
39創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 15:12:51 ID:Wq2WZpOG
まぁ、残虐非道な野蛮人ってのは全く間違ってないな。極一部にだけまともな人はいたが。
それからA-10神を忘れてもらっちゃ困るぜ!
A-10の大編隊がローリダの地上部隊を完膚無きまで叩き潰し殲滅する様を思い浮かべると、絶頂すら感じる。
40創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 15:34:41 ID:CJFhvrQa
>>39
A-10神は前線基地作ってから使うものだから
米国式電撃戦だと出番が・・・
41創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 15:39:12 ID:bM22U3G0
>>38
ステッキーすぎるw
本土爆撃も追加でwwww
42創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 15:51:34 ID:62WZ0FXQ
>>38
あの世界は日本は戦争に負けるわ富士山噴火して食料危機になるわ
アメリカと中国無茶要求されるわとほんと酷い目にあってるからな
転移したら混乱どころか大喜びなのは間違いないw
まず示威もかねて徹底的に周りの国を叩き潰してありったけの物資を略奪するのは間違いないw
43創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 16:24:10 ID:CJFhvrQa
>>42
アメリカ中国も欧州も全部無茶苦茶になってたじゃんw
あの世界無茶振りすぐる
44創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 21:07:22 ID:KgdT56QW
>>39
A-10始祖神「ロリータと聞いて」
45創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 21:31:32 ID:CJFhvrQa
A-10J    ITAサンダーボルトU
異世界に転移した日本人が作ったA-10。
30mmバルカンで城砦すら粉砕するその威力と、対空魔法どころか攻城戦用バリスタすら受け付けない防御力から空の魔王と恐れられた。
通常、戦意高揚を目的として特殊塗装が施されているが、戦後回収した敵国の資料によれば、この塗装は何らかの宗教的なものと認識されていたようだ。
46日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:25:17 ID:nag7GSk4
某年 某月某日 水曜日

 魔法センサ改良のアドバイザーとして、ロキが会社にやってきた。
昼食を共にしながら、資料にあった魔法センサの試験について幾つか質問してみる。
地上での試験で探知目標になったのは彼の他にも数人いて、やはりダークエルフだという。
自然の少ない都市で活動でき、ある程度の魔法が使え、我が国に組織立って協力しているという
条件が重なっているため、我が国における魔法研究には欠かせない存在になりつつあるのだそうだ。

 今日の仕事、午前中は外装の組み立て作業を手伝う。班長の岸部という人物が変わっている。
言葉の調子こそ柔らかいが、顔の表情や目の感じに笑いというものが無い。そんな顔で次々と
仕事を回してくるものだから、そのうち恐怖を覚えてきた。部下からは慕われているようだし
分からない所を質問すると丁寧に教えてくれるのだが、どうも怖い。外装は野戦や行軍などの厳しい環境から
内部の電子部品を保護する必要があるだけに、充分すぎるほどの耐久性と精密な工作が要求される。
それが製作者にも反映されて、まるで鉄の面のような不気味さを醸し出すようになったのだろうか。

 午後には会議があって、早ければ明日の午後にもセンサの簡単な試験があると聞かされた。
現在製作中のものは、前のものよりも「魔力場」と「術場」、それに「精霊場」の情報量が増えているという。
この研究の基礎にある「魔法場の統一理論」というのは実に複雑というか、科学の体系には
収まり難いようなものに思える。たぶん設計部の人間にも理解できていないんじゃないだろうか。
要は得られたアウトプットを電子情報として利用できれば良い訳で、必ずしも理論を理解する必要はないのだ。
試験のため、大試験室に丸太の壁と天井を築く作業があった。

 夕方のニュース、昨日起こった農地襲撃事件の詳細。
投石器による攻撃で民間人2名が死亡、6名が重傷、3名が軽傷。重傷者が多い。建物の下敷きにでもなったか。
その後の戦闘で敵はほぼ全滅、自衛隊員3名が軽傷を負った。これは敵兵の刀によるものだそうだ。
敵勢力の掃討作戦は現在検討中との事。敵の策源地を探索中なのだろう。見つかり次第進攻するはずだ。

 釧路の海岸に迷い込んだ海竜の子供は、すっかり人気者になったそうだ。
「毛生えクッシー」という呼び名が一般的だが、「くーちゃん」や「クシラ」という呼び名も存在するらしい。
地元商店街の有志は早速ぬいぐるみを作って売り出す計画を立て始め、頭髪が気になり始めた
男性諸氏や、かわいいもの好きの婦女子に需要があると当て込んでいるそうだ。
この物資不足の世の中で、どう考えても不要不急の商品である。

 東京は物価が高くて閉口する。大分にいた頃の感覚で食材を確保しようとすると、必ず足が出る。
入江あたりに買い方を習いながらコツを掴んでいくか。松本先輩とは仕事の話こそするが、生活の話などは
何故か出てこない。仕事での面倒見は良い先輩なんだが、生活の話をしにくい雰囲気でもあるのだろうか。
 ロキには統一理論に関する資料を頼んでおいた。
利用さえできれば問題ないとはいえ、やはり基礎理論の詳細が頭にあるのと無いのでは大違いである。
船内で受けた授業だけでは、新島で垣間見たようなデータの洪水の中から問題点を拾い上げるのは難しい。
可能な限り、暇を見つけては勉強していきたい。
47日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:26:52 ID:nag7GSk4
某年 某月某日 木曜日

 朝4時に起床、夜明け空を眺め、仕事の資料に目を通し、食堂が開く5時に朝食。
どうやらこのパターンが新しい習慣になっている。移動中はどこかに公安の陰が感じられるのもいつもの事だ。
あれも護衛だと考えれば安心できるだろう、というのは田中のセリフだったか……

 大試験室の「内装工事」は昼過ぎまで続いた。
照明器具を外し、壁には丸太を縄で縛って固定、明り取りの穴を作った。天井からは竹のすだれを吊り下げる。
床にはござが敷かれた。そして部屋の中央にセンサの台を設置。その後打ち合わせを行い、試験準備は整った。
確かに人工物は隠れたが、後ろにはそのまま存在している訳だ。影響が出そうに思える。この部屋に比べれば
かなり狭いが、庭に同じものを作った方が良いのではないだろうか。保安上の関係だろうか。
それとも魔法の場というのは、後ろにあるものは見えないものなのだろうか。

 午後もだいぶ過ぎてからセンサの試験があり、立ち会う事になった。
ロキが魔石を持ってセンサから少し離れて立つ。アウトプットに変化が見られた。
何か呪文を唱えた。掌に光の球が浮かび上がった。部屋の中が明るくなる。一部のアウトプットが強くなった。
立ち位置を変えて同じ事をする。そのたびに部屋は明るくなり、そして暗くなって、データが溜まる。
30分ほどこんな事を繰り返して、今日の試験は終了。明日は対象の移動を検出する試験だそうだ。
 このセンサの材料には魔石が含まれているという。元は択捉襲撃の際に撃沈した船から回収したもので、
同じ石が誘導弾の試験に使ったセンサにも使われていたらしい。
松本先輩によると技研の今の見解としては、魔石の使用量をケチった事が新島での迷走の一因なのだそうだ。
電磁場の変動で魔法の検知をしようとすると、現れる影響がまちまちで方向の特定に至らないのだという。

 夕方のニュース、新しい野菜工場が稼動開始。ついに根菜類の生産が可能になった。
生産品目はサトイモ、カブ、ショウガ、ダイコン、セロリなど。計画通りの収量が確保できる事を祈る。
香辛料を工場で栽培する研究は、未だ道半ばのようである。輸入は不安定だし実用化が切望されているのだが。
 通称「毛生えクッシー」は今日も釧路沿岸をうろつき、時折海に潜って餌を摂るような仕草を見せている。
漁業従事者からは害獣として駆除すべきとの声も挙がりはじめ、殺すのはかわいそうだという一部の地元住民、
生態を観察したい動物学者との三つ巴で、激しい議論になりそうな気配だという。

 自分も入江もラッシュを避けて始業30分前には出社してくるので、始業前にはよく話をする。
今日はスカートなど穿いて出てきたので、公安とデートでもするのかとからかってみた。
三十路直前の女性には少々きわどい冗談だったろうか。それに対する反応が、ニッコリ笑いながら
「八木さんとデートするよりは賢明な選択だと思うわ」。なかなか手厳しい反撃のようで。
夕食のために食堂へ行く前には、買い物に同行して食材の買い方を教わった。
やはりジャガイモは偉大である。というか、近所にこんなに安い店があるとは知らなかった。
 それにしても人と出会って1週間も経たずに、ここまで打ち解けたのは初めてだ。
監視付きで生活する者同士、どこか共感する所でもあるのだろうか。
48日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:28:26 ID:nag7GSk4
某年 某月某日 金曜日

 昨日に引き続きセンサの試験を行なった。
ロキが魔法を使いながら歩き回り、センサからの情報も目まぐるしく変化していく。
変化する情報を記録して分析する事で、目標の位置を特定するためのプログラムを組む事ができる。
きっと月曜日からはプログラミングの手伝いか、さもなくばセンサの試験の続きだろう。

 3日前の農地襲撃事件、自衛隊撮影の映像が公開された。
仮設の建物がめちゃめちゃに壊れている。林の中から岩が飛んできて、地面に落ちて砕けた。
飛び散った破片は鋭い刃物のようだ。向こうの地面には砕けた岩と、その近くに血の染みのような黒い跡。
緑色の装甲兵員輸送車が数台現れた。その中から迷彩服姿の自衛隊員が4〜50人、林の中に消えていった。
上空を飛ぶのは「OH-1改2型」だろうか。細くて丸く、棒状のものが突き出している。

 空からの映像に切り替わった。林の木々が画面を滑り、急に開けた場所に出た。横向きに車輪の付いた
投石器が設置されている。周りには人影が20ほど。次の瞬間、画面両脇から黒い筋が敵に吸い込まれていく。
ミニガンの掃射だ。敵は逃げ惑い、逃げ遅れた奴が数人、被弾して倒れた。
今度は画面下から赤い筋。20mm機関砲の射撃が始まった。投石器が木っ端微塵になっていく。
射撃が止まり、次の獲物を求めて林の木々が画面を滑り始めた。

 再び地上からの映像。林の中を隊員たちが身を隠しながら進んでいく。
日の差し込む空き地に投石器、その周りに作業する人影。刀を持って周辺を警戒している敵兵も見える。
不明瞭な声。通信を行なっているようだ。内容は聞き取れない。そこへ上空から、特徴的な空気を叩くような音。
敵がヘリの音に反応して空を見上げる。隙ができた。そこへ隊員たちが射撃を始めた。敵は次々と倒れていく。
反撃しようとする敵もすぐに崩れ落ちる。銃声が止み、不明瞭な声。どこか遠くで小さな発砲音が続いている。

 1時間程度の戦闘で敵勢力の移動式投石器6基を破壊、敵兵193人を殺害した。
一方的な勝利だ。敵地への侵攻作戦をやっても相手を圧倒できるんじゃないかと思える。
しかし補給の事や不意打ちを受ける可能性を考えると、やはり地道に武力を背景にした外交交渉、
襲撃を受けた際の防衛活動、それに続く外交交渉、と勢力を拡大していった方が効率が良いのだろうか。

 ロキに頼んでおいた資料が会社の資料室に届いた。「魔法場の統一理論」。
この5年間で得られた(ロキ曰く、”こんな短期間でどうにか取り繕った”)魔法に関する知見が詰まっているらしい。
一応、防衛秘密の扱いになっているので、会社の敷地から持ち出す事はできないとの事。
 いくら関係者とはいえ、こんな下っ端にこれほどの情報を与える必要性があるのか、問題になりそうだが
「センサの問題点を洗い出して実用化するには、理論を理解した人間が一人でも多いほうが良い」という事で
持ち出してくれたそうだ。感謝する。
 これからは休日出勤して、会社の研究資料と一緒に読んでいく事になるだろう。
公安もぶらぶら出歩く監視対象の後をつけずに済むし、こちらも勉強できて両者満足、というわけだ。
49日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:30:03 ID:nag7GSk4
某年 某月某日 土曜日

 4時に起床、5時に朝食。
7時に出社して、さっそく会社の資料室に篭る。今日は部長が出勤していたので手続きが楽だった。
昼食のため食堂に行く以外には、会社の外へ出ずに過ごした。帰宅したのは16時半。

 「魔法場の統一理論」の読破に挑戦して初日の感想、「日本語でおk」。
「術場」とか「定常精霊」とか、なんとなく意味が読み取れるものは良い。「マナ」とか「使い魔」とか、
田中が話していたようなファンタジーの定番用語も、まあ辛うじて理解できないことは無い。
しかし「ミボルを」「エフィドで」「ポズデクする」って、何だ?適切な訳語すら存在しないようなモノなのか?
文脈で判断しろと言われたって専門用語だらけで、つながる先の単語の意味すら分からないんだが。
そんなこんなで、昼食のために部屋を出たのは12時半になってしまった。

 いつも行く食堂の屋号は「林亭」という。先代の主人が昔、音楽グループをやっていたらしい。
この食堂で使っている多くの食器には、沈金で松の葉が描かれている。と言っても希少資源の金ではなく
色漆を使ってるのだが。漆器は数ある伝統工芸の中でも、商業的に生き残ることが出来た数少ない事例である。
軽量にして堅牢、生産の際に希少な化石資源を消費しない。もっとも漆の生産量には限りがあるから、
それに伴って生産量もそれほど大きくはない。かつて木を枯らすような漆の取り方をしていたのが恨めしい。
漆の硬化にも時間がかかるから尚の事、大量生産は難しい。

 それと対照的なのが陶磁器とガラスである。
どちらも原料には困っていないし、工程も短くて済む。しかし燃料資源の大量消費という問題は避けられず、
熱源に大量のガスや電気を使うため、製造にかかるコストが極めて大きくなってしまった。
少しでも製造コストを引き下げようとして、陶磁器は薪窯を使い、ガラスは灰が混入しないように
改良型の木炭反射炉を使ったりしている。しかしこれらの方法は手間がかかるし、木材資源にも限りがある。
どちらも工業的な大量生産が可能な段階には至っていない。
 結局、大量生産しやすいものは熱源不足で、燃料資源を消費しないものは大量生産が利かない。
世の中上手くいかないものだ。まあ割りさえしなければ長持ちする物だし、大切に使いましょうという事なのか。

 昨日、釧路沿岸から姿を消した通称「毛生えクッシー」は、今朝になって知床沿岸に現れた。海に潜ったり
泳ぎ回るなどして元気な様子である。ただ、頭の毛が少し短くなったように見えるらしい。ある生物学者によると、
頭部の毛は子供の時にだけ見られる特徴で、大人になるにつれて短くなるか抜け落ちるかするのではないか、
との事。ぬいぐるみで地域活性化を図ろうとしていた釧路の商店街有志は落胆しているそうだ。
漁業従事者は厄介者がいなくなって胸を撫で下ろし、動物学者たちは後を追って知床の研究施設に移動した。

 こうやって浮世の事情に思いを馳せるのはどんなに楽な事か、思い知った。
自分がこれからやろうとしている事は、全くの別世界に飛び込んで暮らしていくような事なのだ。
明日も、シートベルトを締めて手摺をしっかり握り両の眼を見開いて、新しい世界へ出発進行だ。
もう一度現世に戻って来れるように祈ろう。
50日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:31:38 ID:nag7GSk4
某年 某月某日 日曜日

 今日も一日、「魔法場の統一理論」を読んで過ごした。
昨日に引き続いて、見慣れない単語のオンパレードである。会社の開発資料と比較しながら読み進める。
 文脈で意味がなんとなく分かる箇所もある。「検知する」という意味合いの単語が複数種類あるようだ。
どうやら魔法を使う際に、その要素をいろいろな感覚で感知する必要があり、それぞれに単語が必要らしい。
船内で受けた授業でも「力を借りる存在との対話」というのが魔法を使う上での鍵だと言っていたっけ。
分かる所と分からない所を分けて書きとめ、今度ロキに会った時に質問する事にする。

 我が社の資料室は2つの部屋に分かれており、普段使う部屋の奥に、監視カメラと赤外線センサと
2重の認証扉によって隔てられた「特別資料室」がある。
ここに入るには上司の許可と、利用者の氏名や目的を利用者名簿に記入する事が必要になる。
今日は部長が出勤していなかったので、資料室担当の仲元さんに確認の電話を掛けさせる事になってしまった。
考えてみれば、もう一人の資料室担当と共に、仲元さんも大変である。幾らすぐ近くに住んでいるとは言っても、
こんな社員がいるのでは簡単に休みが取れまい。つくづく頭が下がる思いである。

 昼食後に会社で一休みしていたら、驚いた事に入江が会社にやってきた。
新しいプログラムのアイデアを試してみたいのだと言う。そのためコンピュータに電気を奪われて、
資料室の照明を半分以上も落とす破目になった。
よりにもよって、電力の少ない日曜日に試さなくても良さそうなものなのだが……
 ウチは特別協力企業だから余計に電力を回してもらう事も出来るが、手続きが複雑だし
その分の時間で勉強できそうだったので我慢した。入江には今度、何か一品奢ってもらおうか。

 通称「毛生えクッシー」は知床沿岸を元気に泳ぎ回っているが、頭部の毛がだいぶ少なくなっている。
釧路から知床入りした生物学者たちは、貴重な記録を残そうと張り切っているそうだ。その中の一人が
インタビューに対して嬉しそうな顔をして答えていた。あらぬ誤解を招くんじゃないかと、他人事ながら
気になってしまった。あの生物学者、中年だと思うんだが頭も髭もフサフサだ。

 夕食のために出かけた際に、公安とは違う怪しい人影を見たような気がした。
強い視線のような感覚。あの感覚には覚えがある。捕獲される前の日だったかに、すれ違った奴だ。
田中の言っていた「誰か」というのはあの人影なのだろうか。
 何者かは知らないが、九州から消えてから1週間と少し。その短い期間で自分の居場所を
突き止めたのだとしたら大した追跡能力だ。昔ならばテレビの捜索番組あたりでも引っ張りだこだったろう。
明日からは周りに気をつけて通勤する事にしよう。別に公安は護衛ではないが、もし監視対象の身に
危険が迫ったならば、彼らとて放ってはおくまい。
51日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:33:15 ID:nag7GSk4
某年 某月某日 月曜日

 朝、3時半に目が覚めた。思考能力が3割増しになった分、同じ時間が長く感じられる。
それに合わせて体内時計も速く進むらしい。昨日は頭をフル回転させたから、その分早く目が覚めたのだろう。
こんな事になる前は、頭を使って疲れた翌日は寝坊する事が良くあったのだが。

 新しいセンサの特性試験が行なわれる事になった。
その場所というのが、山を掘り抜いた試験施設だという。できるだけ外部からの影響が無い環境で
センサの試験を行なう必要があるのだろう。で、その試験に自分も参加する事に。
試験施設へセンサを移動するため、センサと計測機器を厳重に梱包するなど、準備作業を行なった。
施設の場所は秘密であり、会社の人間にも知らされていない。目隠し状態で移動する事になるのだそうだ。
移動開始は今日の18時半。予定では明日の昼頃には目的地に着いているらしい。

 夕方のニュース、自衛隊は先週の農地襲撃事件における首謀グループを特定し、その策源地を攻撃。
空からは攻撃ヘリが2機で火力支援を行ない、地上から普通科1コ大隊が突入。これにより敵を殲滅した。
その後行なわれた調査によって、敵は新たな襲撃計画を立てていた事が判明した。
小型の移動式カタパルト3基、矢631本と毒矢217本と長弓15本、刀56本などが見つかり、もしもこの計画が
実行されていれば再び民間人に犠牲者が出ていた事が予想される。
数日もすれば、この作戦の映像も公開されるだろう。

 その次のニュース、紋別市の海岸に外国のものと思われる木造船が漂着。
乗員の姿は無く、船籍を特定できるような遺留品も無し。フジツボの付着具合や木材の腐朽など、
船体の状態から推定すると、2ヶ月以内に嵐で遭難した沖合用漁船と思われるとの事。
推定30人乗りで、前方部分は獲れた魚の貯蔵などに使うと思われる。網の上げ下ろしのためと思われるが、
船尾部分の高さが少し低くなっている。甲板の中央部には屋根があり、風雨を避けてオールを漕げるようだ。

 通称「毛生えクッシー」の頭部は、日を追うごとに悲しい状態が加速しつつあり、このままでは
あと3日もしない内に毛が無くなってしまうのではないかと騒がれている。
「世の中は澄むと濁るの違いにて刷毛に毛があり禿に毛が無し」なんて狂歌があるくらいだし、
毛が無くなっただけで世間の風当たりが強くなってしまうのは昔からなのだろうか。

 これを書き終わったらすぐに荷物を持って会社に集合だ。テレビを消して、窓の施錠も確認した。
PCの電源を落として、玄関の戸締りをすれば、あとは自転車に乗って一路会社へ。
52日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/25(月) 22:34:55 ID:nag7GSk4
投下終了です。容量オーバーと気付かず、ここに辿り着くのに時間がかかってしまった……
53創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 22:42:08 ID:0HB9gxgq
>>28
投下乙です。
もっと、もっとだ!もっと!
濃すぎずしかしおおらかに!

>>52
投下乙です。
加速男、充実してるなあ・・・
早死にしそうw
54創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 23:51:58 ID:tgaK8rMn
乙です〜!
55創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 00:53:25 ID:kZ3c9JJI
                 ___
                ヽ=☆== /
               ∩(・ω・ )∩     某帝國陸軍主力戦車
           =tニr=== rtニ;======;ニ;=
             `_,, 、-'‐゙―゙゙―'‐,"  
       lニニニニ:i:i   i:       ',iニニニ ' 「最大」装甲厚25mm
           ̄ ̄i,i   i_____',_
           ,'´/ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヘ ̄i`ii ̄ii゙゙illlllllliiiiiiiiiiiiュ
     ,r‐=r:==r:'====;―:――――― :‐==::===::===::==―'-、
    ,. = 、=‐-‐r=ャ:‐--------‐,:=、:‐--------‐r=ャ‐--,,、‐=:、
   i'   :!  ._ ゞ''  ,r;‐l::二二 ゞi' 二二::l=:ュ  ゞ'' _  i゙ o ゙:
   ヾ ‐ ' :'´ `: . :'´ `: . :'´ `: . :'´ `: . :'´ `: . :'´ `:ヽ、,,_,ノ
     `''‐ ヾ,._,,ソ,、ヾ,._,,ソ,、ヾ,._,,ソ,、ヾ,._,,ソ,、ヾ,._,,ソ,、ヾ,._,,ソ-''"
       `~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~´
56創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 00:56:18 ID:kZ3c9JJI
誤爆スマソ
57創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 01:05:24 ID:Qgfm1fnG
チハたん ∩(・ω・)∩ ばんじゃーい
58創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 22:47:59 ID:HOa45vvk
最近の本家はかなり賑わってるなー
軍板の時は作品投下も少なくなってたし、なんかギスギスした雰囲気だったし移転は正解かも
逆に分家のほうは以前と比べてさみしくなってる…
59創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 01:58:24 ID:dS8PJQ/t
お父さん、チハさんをぼくにください><
60創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 21:24:16 ID:Kbakba7H
小国の苦悩 第一話
注 ただし第二話以降はない

「ミツビシより発売! 陸上兵器の決定版! 安心の帝國ブランド!」
「陸上の王者 チハの登場!」
「これを買えば明日から貴国は陸軍大国!」
「隣国との国境紛争に!蛮族の討伐に!」
「導入訓練は帝國陸軍の精鋭がサポート致します!」

そんな見出しが躍るパンフレットを眺めながらゴンザレス5世は悩んでいた。
「税収が3万ダルで1台辺りの導入価格が1万ダル・・・」
「何を悩んでおられるんです!隣国のボンジュール公爵は既に10台も導入したのですぞ!」
騎士団長のピエール男爵が大騒ぎする。
ゴンザレス王国は小国だった。大国なら数百台揃えられる物も買う事自体至難の業だ。
「何を言うか! 昨年も貴殿が大騒ぎしてアリサカ銃とナンブ銃を買ったばかりではないか!」
財務担当のロエニー男爵が切れる。
「あれは歩兵装備だ! 対抗上導入せねば周辺国に・・・」
「戦争で滅ぶ前に財政で滅ぶわ!」
「しかし買わないわけにもいかん!」
「治水はどうするんだ!?」
農業担当のエリック子爵が噛み付く。
「・・・・いっその事、帝國に併合申し込もうか? 楽だし」
ゴンザレス5世がボソっと言った一言に全員が固まる。
「それでは120年の歴史を誇るわが国の誇りはどうなるのですか!」
「大体国王陛下は主君としての誇りがかけている!」
「やはり甥のボンザレス公爵を国王にしたほうが良かったのでは?」
「だが、このままでは周辺国に遅れをとることに・・・」
「誇りを失って何が貴族か!」
「現実を無視しては・・・」
議場は大騒ぎになる。

「ちょっと待って頂きたい!」
外交担当のドルニエ男爵が声を張り上げる。
「なんだねドルニエ男爵?」

「そもそも帝國が我が国の様な小国を併合してくれるとは思えませんが」
「・・・・」
無駄な議論をしていた事に気づいた閣僚達は黙り込んだ。
「で、チハをどうするかだ」
話は完全に振り出しに戻るのだった。
61創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 21:26:00 ID:Kbakba7H
なんとなく思いついて衝動的に書いた
62創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 21:40:34 ID:OHHCgkZw
ちょwwwwwwww
投下乙w
63創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 21:41:22 ID:ZyjkmRuX
兵器の輸出か
打つ手としてはどうなんだろ、脅威度が上がる気もするけれど、どんなものかわかってる分戦術は立てやすいのか?
使い古し廃棄寸前の旧式でもかなりの高値で売れるような気がするが
中世レベルのGNPだとこのSSみたいに戦車一台購入するだけで大騒ぎだろうな

とりあえずGJ
64創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 22:00:46 ID:AuL5UV6m
そもそも中世レベルの軍事力なら戦中の戦車も十分戦える。
で、今の技術力で製造したチハタソを妄想したw
65創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 22:13:18 ID:dS8PJQ/t
ゴンザレスの甥ボンザレスてwwww
66創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 22:15:56 ID:dS8PJQ/t
高信頼性エンジン・錆びない・軽量・ハイテクC3I・でも最大装甲厚25mmのチハたんか
最高ですね
67創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 22:50:36 ID:aEj7YcpS
チハタンだって・・・チハタンだってなあ!
状況と相手によれば活躍してたんだぞ!

連合国の戦車が相手だったのがいけないんだー
68創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 23:02:06 ID:MNoDUwk9
チハは対歩兵用の戦車だから、対F世界用としては案外イケるかもしれん。
69創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 00:05:35 ID:2ElxDYL0
少なくとも歩兵より足が遅い…というか、
エンジントラブルが解消されるだけでも結構化けると思うんだ。
装甲も25mmもあれば十分なはずだwww
70創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 00:14:03 ID:PCgASG9o
チハたんの57_用にもフレシェット弾やキャニスター弾を用意してあげれば万全
71創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 02:18:21 ID:wRYBYsyG
小国の苦悩 第二話

「ミツビシより発売! 陸上兵器の決定版! 安心の帝國ブランド!」
「陸上の王者 チハ-90A3の登場!」
「あらゆる戦車を撃破可能な90mm砲!」注 帝國主力戦車を除く
「弾種は帝國で使用されている脱落式装弾筒付翼安定徹甲弾もご用意いたしました」
「強化された最大40mmの装甲は全周囲で30mm弾の直撃も防ぎます!」注 複合装甲の場合 ただし上面装甲は除く
「追加された自己爆発装甲により対戦車噴進弾の攻撃をカット!」注 完全に防げるとは限りません
「700馬力の高出力であらゆる地形を踏破!」
「高精度の自動標準システムと砲塔自動制御により瞬時に攻撃可能!」
「オプションで師団間統合指揮システムも!」
「既存のチハからのアップデートプランもご用意!」
「歩兵支援に! 対戦車任務に!」
「導入訓練は帝國陸軍の精鋭がサポート致します!」

そんな見出しが躍るパンフレットを眺めながらゴンザレス8世は悩んでいた。
「税収が3億帝國円で1台辺りの改修価格が3000万帝國円・・・」
「何を悩んでおられるんです!隣国のボンジュール侯爵は既に100台も導入したのですぞ!」
陸軍大臣のピエール伯爵が大騒ぎする。
ゴンザレス王国は中小国だった。大国なら数万台揃えられる物も買う事自体至難の業だ。
「何を言うか! 昨年も貴殿が大騒ぎしてアリサカ-24式とナンブ62式を買ったばかりではないか!」
財務大臣のロエニー男爵が切れる。
「あれは歩兵装備だ! 対抗上導入せねば周辺国に・・・」
「戦争で滅ぶ前に財政で滅ぶわ!」
「しかし買わないわけにもいかん!」
「ダムはどうするんだ!?」
農水大臣のエリック男爵が噛み付く。
「・・・・いっその事、やめようか改修 誰も攻めてこないし」
ゴンザレス8世がボソっと言った一言に全員が固まる。
「それでは180年の歴史を誇るわが国の誇りはどうなるのですか!」
「大体国王陛下は主君としての誇りがかけている!」
「やはり甥のトンザレス公爵を国王にしたほうが良かったのでは?」
「だが、このままでは周辺国に遅れをとることに・・・」
「誇りを失って何が貴族か!」
「現実を無視しては・・・」
議場は大騒ぎになる。

「ちょっと待って頂きたい!」
外務大臣のドルニエ伯爵が声を張り上げる。
「なんだねドルニエ伯爵?」

「そもそも帝國が販売を許可するかどうか」
「・・・」
無駄な議論をしていた事に気づいた閣僚達は黙り込んだ。
「で、チハの改修をどうするかだ」
話は完全に振り出しに戻るのだった。
72創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 02:20:05 ID:wRYBYsyG
断じて手抜きではないっ!
何か見たことがある気がするのは錯覚だ!
73創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 03:47:58 ID:hHtS8LCe
微妙に時代がすすんどるww
74創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 04:03:57 ID:0Fmqgmbl
120mmでないあたり、良心的……なのか?
75創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 04:24:54 ID:PCgASG9o
トwンwザwレwスwww
76創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 07:54:30 ID:GbCwJbCH
もうねぇ……合併して貰えよ ゴ ン ザ レ ス wwwwww
77501隊大尉:2009/05/28(木) 13:07:11 ID:ZCEeyqVS
帝国=アメリカ
90式=F22
チハ=F14
公国=日本
王国=民国


侵略されてないんだから歩兵装備だけでよくないか?

何気に南部と有坂は買ってるし
78創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 14:19:02 ID:PHtP23E7
ttp://u6.getuploader.com/sousaku/download/41/tiha.png
チハ90A3 97式中戦車新砲塔90mm砲搭載改3型
武装
南部工業   45口径90mm砲
有坂工廠   22式改2 7.7mm軽機関銃

主機
三菱      冥王星99型(航空機用改造) 700hp
         W型10気筒
最高時速   65km/h
価格      新規購入  1億帝國円
         改装     表121参考

近年の戦車の急速な重装甲・大火力化にお悩みの国々に朗報です!
帝國トップメーカー三菱重工は世界で最も普及し、歴史あるチハを近代化した「チハ90シリーズ」の最新型、チハ90A3を発売いたしました。
重戦車と同等の火力を提供する90mm砲!(オプションで自動装填装置をご用意)
最大40mmの複合装甲(セット内容によります)は対戦車ヘリの30mm機関砲を上面以外の全周囲でガード!
オプションの自己爆発装甲でRPGからあなたの大切な戦車を守ります。
また、機関出力も700hpと大幅UP!!
帝國主力戦車で採用された自動照準・砲塔自動制御連動機構を搭載!
近隣諸国の軍備増強に困ってる・・・でも軍事予算が・・・
隣の国の最新重戦車にできるだけ安く対抗したい・・・
という方のためにバリューセットもご用意しました!

今なら帝國製地対空誘導噴進弾1セットが当たる当店のみのキャンペーン中!
ご購入はぜひ、我がトルネコ商会まで!
79創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 16:45:34 ID:hHtS8LCe
>>対戦車ヘリの30mm機関砲を上面以外の全周囲でガード!
テラ帝国クオリティww意味ねー!wwww上面も防げww
80創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 19:10:49 ID:z89ctWS/
バロタwwwww
「最強の鎧。ただし背面はマッパ」みたいなwwwww
81創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:17:08 ID:wRYBYsyG
落ち着いて考えるんだ

上から狙われても弾が当たるのは上面だけじゃないし
30mm機関砲を搭載した歩兵戦闘車もいる
82創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:17:58 ID:1Kqiftl8
全周で現代の対戦車ヘリの30mm防げりゃ技術レベルを鑑みるに充分な気もする

………よく兵器の輸出は話題にあがるが、中世レベルの世界に売るなら
弾薬・燃料・代替部品と運用・戦闘のノウハウを教えられる人材もつけなきゃ成立しない気がする
それ考えると、傭兵やった方がよくないかしら
敵の規模と期間と距離に応じて金額上げ下げして
83創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:29:48 ID:tpt+ylyV
いくら複合装甲とはいえ、最大40mm厚で30mm弾を全周防御できるのかな?

あとチハ改修型は、K1A1と同じ臭いがする。
84創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 00:31:33 ID:zNqn8FmY
>>83
K1どころじゃねぇよw
>>78の画像見ると分かるように砲塔リングが明らかに足りない

一般に防げる口径=装甲厚と言われてるから側面35mm、後面31mm位ならなんとか防げると思われ
同じ所に2発当たると抜かれるだろうけど
85創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 01:13:18 ID:pU0UJRyJ
ありゃー、30mmってそんなに強いんだ?
戦車の装甲って大砲の弾防ぐためのものだしさー
てっきり機関砲なんて戦車にとって豆鉄砲みたいなもんだとオモテタヨ
86創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 01:45:27 ID:SUIhIqiw
>>85
30mmの薬莢は牛乳瓶くらいある代物だからな
車載重機関銃でふつーにあるので12mm
それでもトレーラー粉砕するには威力有りすぎ
87創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 02:02:49 ID:2ECodv0f
A-10の搭載機関砲 GAU-8 30mmガトリングをビートルと比べてみたよの図
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:GAU-8_avenger.jpg

台車に乗ってゲタはいてるにしても、この巨大さ・・・

距離1000mで38ミリ貫通

88創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 03:16:36 ID:lWyiDc0N
どこかにアヴェンジャー誤射の動画があったけどまるで爆撃のようだったな
あんなの喰らったら蜂の巣どころか木っ端微塵だ
89創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 04:14:50 ID:11zhpxw1
もうどっかの紺碧みたく一式下部にアヴェンジャーを斜め機銃としてつければいいと思うよ
翼の燃料タンクを防御して本体を超超超超ジュラルミンで作れば…なんか翼は堅いが矢が機銃手の目の前に床貫通して刺さったりしそうだな
翼固いとか言っててゴーレムに頭部ラリアットかます一式を想像した俺に乾杯
とりあえずスーパーチラシの裏はどこだ、こんな汚い妄想はそこに書くしかない
90創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 05:35:12 ID:bvh164gj
機体が頑強じゃないと分解しそうw

……キ109のアヴェンジャー版という電波が降りてきた
91創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 10:02:02 ID:PCIN37Jk
素直にA-10神にお祈りを捧げとけよ
92創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 11:44:03 ID:SUIhIqiw
映画とはいえM134ミニガンを手持ち武器改造して撃つアメリカと
セーラー服に機関銃がせいぜいの日本のメンタリティーの違いが有るからな
輸送機改造して文字通りの大砲(105mm)積んだ機体(AC-130)も作っちゃうし
93創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 12:48:15 ID:3PMABwiF
×セーラー服に機関銃
○セーラー服に短機関銃

セーラー服に105mm積もうぜ!
94創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:07:38 ID:LoHkL6tj
機関銃と聞いてM60を思い浮かべたが、女子高生にはきつかろうと考えてUZIに切り替えて
しかし実際見たときグリースガンだったこの落胆。
95創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 21:19:06 ID:zNqn8FmY
セーラー服と機関銃・・・
異世界に転移した女子高生がMG3を乱射しながら蛮族の死体の山を築いて城を守る話だったな!
96創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 01:07:08 ID:uIusvvgh
セーラー服に擲弾筒・・・

ちょっと逝ってくる
97創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 01:41:33 ID:6WorP2F8
もういっそ、セーラー服と自動擲弾銃で
Mk19グレネードマシンガン方面

クライマックスは、怒りに燃える女学生が蛮族の城砦に乗り込むシーン。

堀を飛び越え、城門を蹴破り、本丸まで押し通り、屋根の上から
両腕に構えた2門の自動擲弾銃を乱射、城全体を面的制圧して
火と黒煙を背景に「快感じゃ」と高笑い・・・



98創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 03:08:21 ID:6M+1LlAR
続編
メイド服と機関銃


ん?
99創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 03:26:30 ID:S4xX0/BM
MP7構えた萌えっ子メイドかステンガン抱えたビクトリアンメイドかで俺の燃えは分かれる
100創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 05:22:47 ID:XGaQsm2G
PPSh構えた公務員メイドも捨てがたいのうメイドスキー
101日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/30(土) 09:26:52 ID:lPkUB4II
某年 某月某日 火曜日

 昨日の19時前に車に乗り込んだ。ミニバンサイズの太陽電池付きハイブリッド車が3台。
センサと計測機器を車に積み込む。計測要員は荷物と別の車に乗り込む。自分も一緒に乗り込もうとしたら、
荷物の番をするためとかで、一人だけ荷物を積んだ車に乗せられた。窓が塞がっていて外が見えない。
 携帯端末の電波は車内には届かない。電波遮蔽材を使っているらしい。走行ルートの一部は擬装だろう。
延々と走り続けて、睡眠も食事も車内である。用を足す時だけ、どこかの地下駐車場のような所に止まった。

 12時半頃に目的地に到着した。やはり地下の駐車場で、場所が全く分からない。
荷物を降ろして試験場に運び込む。驚いた。実に広い。53m四方の床と、最大24mの高さを持っているそうだ。
照明車が8台、壁際に貼り付いていて明るさを提供している。この照明車、試験時にはセンサへの影響を
避けるため、試験場の外へ出るそうだ。という事は試験時は真っ暗闇なのか?

 試験場の真ん中、高さ1m程の石の台にセンサ装置を据え付け、別の部屋に設置した計測機器と繋ぐ。
ケーブル類は床に刻まれた溝に収めて、石の蓋をする。センサの台にもケーブルを通す穴があり
そのまま外まで溝の中を通っているので、外からは石の床とセンサの載った石の台以外のものは見えない。
角錐の塔の上にトゲの生えた物体。そういえば昔、外国にこんな格好の軍艦があったような覚えがある。

 試験の準備は整った。明朝、7時半から試験開始だそうだ。
夕食の前に風呂に入ったが、窓が無く薄暗い地下室で温泉に浸かるというのは妙な気分だった。
 今回の試験に参加するのは、会社から6人、技研から15人。それから探知対象になる異世界の住人が1人で、
合わせて22人。それに護衛やら車の運転手やら色々な雑務やらで、総勢80人を超えるようだ。
これだけの大人数が一度に移動したら目立って仕方ない。きっと分散して移動したのだろう。
移動に半日と少しかかるという事は、擬装ルートを半分とすれば、東北から中部にかけてのどこかだろうか。
102日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/30(土) 09:28:34 ID:lPkUB4II
某年 某月某日 水曜日

 7時半、予定通り試験を行なう。
「緑川・アンナ・フィッシャー」というダークエルフの女性が探知対象である。外見は60歳前後の婦人といった
感じだろうか。人間換算の実年齢はその3〜4倍程度が目安だから、180〜240歳の間か。
上品な顔立ちと銀髪の調和が取れている。昔の映画には、こんな雰囲気の名女優がいたような気がする。
以下、敬意を表して「刀自」と表記する事にする。

 照明車が順番に外へ出て行き、照明は数本の松明のみとなった。換気はしているが、息苦しい気がする。
計測要員は別室に向かうが、自分だけ試験場に残された。ビデオカメラを使う事でセンサに影響が出るのでは
という意見があり、目視で探知対象である刀自の座標を確認、記録する必要があったからだ。

 最初は刀自が光球を掌に浮かび上がらせて、それを探知する。黒い石の床には白墨で線が引いてあり、
どのグリッドに入ったかを自分が記録用のプリントに鉛筆で記入していく。その後、移動する目標を
探知する試験。記録をとるのが一苦労だった。午後からはセンサの設定を変更して同じ事をした。
最初の試験で記録したプリントを見ながら、移動の指示を出す。試験終了が15時半。
以後、自分の記録した移動情報と突き合わせてデータの解析を行なった。

 夕食時、「毛生えクッシー」の頭がツルっ禿げになったぞ、と自衛隊の職員が楽しそうに話していた。
遂に「毛生え」ではなくなってしまったか。その話を聞いて、横にいた松本先輩がそわそわしていた。
あのままあの辺りに居付いたら、どんな名前で呼ばれるのだろうか。どうでもいい事ながら、実に気になる。
まあそんな心配をしなくても、そのうち害獣として駆除されそうだが。生物学者の観察と計算によると、
1日で500kg以上の魚介類を平らげる事が判明したらしい。鉄砲を担いだおじさんたちが来る前に彼か彼女か
それ以外かもしれないが、とにかく外洋へ旅立ってくれれば後腐れが無くて良いのだが。

 明日も設定を変えた状態で同じ試験をして、センサの特性を確認するそうだ。
比較試験という事は、今日と同じ動きをさせるということなのだろうか。
103日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/30(土) 09:30:07 ID:lPkUB4II
某年 某月某日 木曜日

 試験2日目。センサの設定を変更するのに手間取り、試験開始は8時半。
昨日と同じように試験場に残された。そして昨日と同じように
あとは延々と時間が流れ、試験終了が16時だった。その後、昨日と同じようにデータの解析。

 試験終了後、今回の試験で探知対象となった緑川・アンナ・フィッシャー刀自と話をする機会を持った。
いくら簡単な魔法とはいえ一日中使い続けていたので、さすがに疲れた様子だった。
人間換算年齢で220歳。ダークエルフは女性の方が長生きなのだそうだ。400歳以上のダークエルフも
知り合いに数人いるらしい。こんなに魔法を使っていたら彼女たちに叱られるわ、と笑っていた。
以後「リカ」と呼んでほしい、と言われたが畏れ多い感じがして、どうも気軽に愛称で呼べそうな感じがしない。

 夕食には鯉の煮付けが出た。女性の体力作りに良い、とは言うが……
そういえば最近、水郷地域の地価が上がっているのはコイを簡単に自宅で飼えるからだとも聞く。
ひと頃、鶏を家庭で飼育するのが流行った事があったが、それと同じような感覚なのだろうか。

 2日間の試験で確認された、新しいセンサの特性。
目標から約12m以上離れると、急速に探知の精度が落ちるというか、ぼんやりとしか目標を捉えられない。
また目標が移動している場合センサ内部での処理が追いつかず、やはり目標を捉えきれない。
試験最終日の明日はプログラムを修正して、移動する目標を捉える能力を向上させる予定だそうだ。
104日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/30(土) 09:31:43 ID:lPkUB4II
某年 某月某日 金曜日

 4時前に目が覚めた。夢の中で誰かが自分に話しかけていたような気がする。
朝食は5時。ジャガイモのポタージュという凝った物が出てきた。ニンジンとグリーンピースの彩りが美しい。
牛乳を使った料理を食べたのは何ヶ月振りだろうか。皆、目を輝かせていた。

 移動目標の探知能力を上げるため、プログラマーの泉さんがプログラムを手直しした。
この人は完璧主義者で、プログラムのチェックにえらく時間がかかる。仕事に打ち込む態度は
何かに追われているようで、どこか暗い感じがする。この人にも、何か変わった過去でもあるのだろうか。

 今日は同じルートを速度を変えて動いてもらう事になった。ゆっくり歩く、普通に歩く、早歩き、小走り。
掌の光球に照らし出された刀自の顔が無表情で、少し怒っているような気がした。
昼過ぎに試験終了。一定の成果が得られたようで、早歩き程度までなら目標を捉えられるようになったらしい。
また、自分が座って指示を出していたあたりにも、複数の反応があったらしい。「精霊場」の反応が強いそうで、
地中の精霊だか何だかが自分の周りを取り巻いていたのではないか、との事。

 昼食時に刀自に話を聞いたら、今もあなたの周りを岩の精霊が飛び回ってるわよ、と言われた。
自分には何も見えない。刀自が言うには、その精霊は自分の事を気に入ったらしい。そんな迷惑な。
東京まで付いてくるつもりなのだろうか。刀自は「あなたを護ってくれる存在になるから」と言っていたが……
だいいち、自分の周りを岩や石がぐるぐる飛び回ってるなんて、土星か何かじゃあるまいし。

 午後一杯使って機材を撤収。早めの夕食を摂って17時半、帰途につく。
東京へは明日の11時頃に到着する予定だそうだ。今週はほとんど会社で仕事をしていない。
ここ3日間、試験場で緊張状態が続いたせいか分からないが、疲れた感じがする。
明日は勉強もお休みにして、ゆっくり心身を休めたい気分だ。
105日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/30(土) 09:33:28 ID:lPkUB4II
某年 某月某日 土曜日

 会社へは11時半に到着した。
皆で手分けして車から荷物を降ろし、昼食後には中身をきちんと片付けた。月曜日からは通常の業務だそうだ。
松本先輩は報告書の作成で忙しくなるだろう。下っ端はこんな時、さほど悩まずに済むという意味では楽である。
ただし事態の全容が見えにくいし、独自の判断をできるだけの余地も小さい。

 14時に家へ帰り着いた。しばらく昼寝などして体を休める。
プランターのサツマイモは大家さんに世話を頼んでおいたので、順調な生育状態だ。
 夕食前には買い物に出かけて、買ってきた3日分の食材を林亭と井上食堂に預けた。
どちらの食堂も預かった食材をフルに利用してくれるので、実に信頼できる。ニュースや噂話では
客から預かった食材に難癖をつけたり横流ししたりと、悪質なケースを時折聞く事がある。

 林亭で夕食を摂っていたら、夕方のニュースが始まった。
紋別市の海岸に遺体が漂着したそうだ。損傷が激しいが、おそらく死後1ヶ月以内と見られるとの事。
服装や所持品から判断して、月曜日のニュースで報道していた漂着船の乗組員らしい。
万が一のゾンビ化を防ぐため、頭部を分離した後で司法解剖に回されたそうだ。
4年前の「国後ゾンビ事件」の教訓である。敵にしてみれば、数人の魔導師と幾つかの死体と何艘かの小舟が
あれば敵国を大混乱に陥れることが可能だった訳で、こちらとしては高い授業料だったとも言える。

通称「毛が無くなった毛生えクッシー」は、昨日の朝以来姿を見せていないらしい。
最後に姿を見せた際には研究者たちが認識タグを打ち込んだそうだ。かつてのGPS発信機のように
移動ルートがすぐに判明するようなものではないが、個体識別の役には立つ。この個体がいつか
発見されれば、いろいろと論文のタネになるのだろう。

 頭を使わずに過ごしたので、疲れが多少は取れたような気がする。明日は資料室で勉強する事にした。
この仕事を理解するには、とにかく知識を身に付ける事が重要だろう。自分の事が気に入ったとかいう
精霊についても調べてみたいが、あの資料に載っているか疑わしい。また田中にでも尋ねてみるしか
ないのだろうか。それよりも今度ロキに会った際に聞いてみた方が確実かもしれない。
 精霊がどうのこうのと思い悩んでいると、なんだか自分が霊感商法にでも引っ掛かったような気がしてくる。
まあ自分には見えない存在のようだし、気にさえしなければ何の問題もないのだと考える事にする。
106日記より ◆im0Hwg82eM :2009/05/30(土) 09:35:30 ID:lPkUB4II
投下終了です。次回投下分は動くかも
107創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 09:47:13 ID:F6Vzp+6O
乙です
108創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 11:56:42 ID:S4xX0/BM
投下乙です。
主人公だんだんと魔術師に近づきつつあるw
109創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 17:23:39 ID:V+84E1BW
>>98
1だおー氏が書いてたなw
あれ、違ったっけ
110創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 17:24:34 ID:V+84E1BW
おっと
>>106投下乙
111創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 20:59:53 ID:42uLkB2C
女子高生と62式言うこと聞かん銃
112創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 21:11:45 ID:rXE6+1xs
誤字
技研→技本
113創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 21:13:34 ID:S4xX0/BM
俺もそう思ったけどいいじゃないか。
ぎほんだと変換出ないし。
114創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 04:29:03 ID:qTJLRRmr
The Islands War外伝 本編は終わったけど 敵さんが携帯電話使用って・・・独自の情報インフラ構築して使ってるんだろうか
便利だからそのまま使ってるとすれば今後「傍受し放題で楽だったぜアホが」って事になりそう 
まあそれもこれも日本が「頭お花畑」でなければの話だけど
115創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 13:26:44 ID:+4d3K5zt
>>114
発信源の特定や通話相手を突き止めるならともかく、
「通話内容」までつつぬけなのか?
そもそもアジトをつきとめて通話記録からいくつかの発信元を割り出すならともかく
不特定の携帯−携帯間のリアル会話をいつでも探知できるんかい
116創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 13:51:31 ID:XLAIw5kp
>>114
というかこれTの前の話だろ?
こんだけ裏で暗躍しといて、Tでは日本の実力まるで知らないっておかしくね
117創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 13:55:23 ID:kwbHOqJD
いや、あいつら宗教狂いのキチガイだから報告しても信じなかったんじゃね?
118創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 14:21:44 ID:XLAIw5kp
あ〜ありそうだなw
「われら選ばれしキズサラの民に匹敵しうる脅威などあるはずがない!そのような下らぬ妄言を報告するな!」
って中間管理職辺りで止まってそうだw
119創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 16:23:42 ID:qTJLRRmr
>>115
いや、携帯電話の使用場所が明らかに「何でここで?」な場所だから
騒乱状態の国で持ち主不明の携帯が使用されるって事でマークされそう 基本的に自衛隊は無線だから

と言うか電話代払ってないだろうし、良く停止されてないな やっぱり既に公安などにマーク済み?
120創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 17:56:49 ID:+4d3K5zt
>>119
衛星回線携帯でもない限り中継局無い場所じゃ「圏外です」で終わり
機種が日本製じゃなく欧州や米国産だと日本の警察でも手を出せるかどうか
121創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 18:21:42 ID:WrfJueOT
そもそも会社はどこ?
122創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 23:26:20 ID:6qB1NhIS
他所の戦記ssの感想は下記スレでどうぞ

【架空戦記】ネット仮想戦記を語ろう2【火葬戦記】
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1230210684/l50
123創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 00:05:26 ID:TodGRKYj
通常の仮想戦記の分類じゃないし、何より「他所の戦記SSの感想を書いてはいけない」なんてテンプレには無いわけだが
124創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 00:38:33 ID:coofdgst
>通常の仮想戦記の分類じゃないし
かと言ってスレの主旨に合っているわけでもあるまい
>>122のスレでは全然気にしていないようだし。
>テンプレには無いわけだが
テンプレに載せるまでも無いことじゃねえの?
ss投下スレで、投下されている話を差し置いてスレチの他所の小説話でスレを埋めていく方がはおかしい話じゃない?
なんならテンプレ追加すれば?
125創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 00:59:54 ID:CzirLoLA
>>116
作者が深く考えてないだけでしょ。
詳しくは覚えてないけど、ありえない速度でミサイルが飛んでたりもした気がするし。
126創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 00:59:54 ID:TodGRKYj
勝手な想像で載せるまでも無いとか言われてもな
第一、SS投下の間に雑談でもしてないと過疎って、作者まで居なくなるぞ?
そうやって自治厨が滅ぼしたスレ幾つあるよ
127創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:12:18 ID:a7egT7P4
>>126
>勝手な想像で載せるまでも無いとか言われてもな
スレチな話は適当なスレに移動してください、なんてどこもそうじゃん
>第一、SS投下の間に雑談でもしてないと過疎って、作者まで居なくなるぞ?
つまり雑談ならどんな話題でのおkなのかい?
今日の晩御飯からOMGの講釈までさ。
128創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:37:53 ID:VRbu6qhc
629 名前: [´・ω・`] softbank218142232090.bbtec.net[sage] 投稿日:2009/06/03(水) 01:10:10 ID:S+t/6MEP
連続になりますが、よろしくお願いします

【*板名】創作発表
【*スレ名】自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第65章
【*スレのURL】http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1242886494/l50
【名前欄】
【メール欄】 sage
【*本文】
>>126
>勝手な想像で載せるまでも無いとか言われてもな
スレチな話は適当なスレに移動してください、なんてどこもそうじゃん
>第一、SS投下の間に雑談でもしてないと過疎って、作者まで居なくなるぞ?
つまり雑談ならどんな話題でのおkなのかい?
今日の晩御飯からOMGの講釈までさ。



129創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:38:43 ID:5enLRoWd
>>127
他所の戦記=スレチでもないだろ
それを晩御飯と同列に語るほうがおかしいんじゃね?

それにこのTIWは軍板の頃からたびたび話題に出てるじゃん
130創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:47:51 ID:SCylNxrQ
だからこのスレに関係のない他所様のサイトの作品まで持ってきて紹介以上のことをするな、と。
いつからここはネヲチとか批評スレの類になったんだよ。
131創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:52:55 ID:DukoPFD8
>作者まで居なくなるぞ?
それを言うなら、折角作品を投稿しても二、三回くらい乙って返ってくるだけで
後は他所の話で盛り上がっている方がよっぽど作者のモチベーションに悪いと思うが
>>129
>他所の戦記=スレチでもないだろ
少なくともスレの主旨とは違うでしょうに。ファンタジーでもなんでもないじゃん。
それに>>130の言うようにネットウォッチスレでも批評スレでもないんだから。
>それにこのTIWは軍板の頃からたびたび話題に出てるじゃん
分家で話題になって、管理人から「他所でやれ!」と一喝されてたね

じゃあ、俺は寝るんでオヤスミ
132創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:59:00 ID:WX7snMO0
自治厨乙
133創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 02:08:19 ID:5enLRoWd
>>131
ここ本家
分家でそこの管理人が怒ってたからって何なんだよw
134創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 04:41:10 ID:TodGRKYj
もし、ひろゆきが言うなら従うがなぁw
大体SS投稿が本来のスレの目的とか言いつつ、どこにもそんな事書かれていなわ
それ指摘されるとjkとか言い出すわ
反論にはぶっ飛んだ極論を飛ばすだけ
ひたすら根拠レスの自説を強弁するだけ
言いたくないが、自治厨その物だぞ
135創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 07:14:22 ID:DdpzlE61
2ch規約と運用は昔とくらべると容赦、ためらいがなくなってるからなー
ほどほどにな
136創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 09:34:34 ID:39bnCOHk
アルカディアや本人のブログにコメすりゃいいのに、更新がある度にわざわざ出張ってきて感想書いてる奴がうざい。
引き合いに出して貶める奴もいたが、どうせ同一人物だろうよ。
137創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 10:29:22 ID:YJrvdKTW
おいおいなんか荒れてきたな
そんなんだから住民や作者がいなくなるんだぞ
138創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 13:20:58 ID:jBZL2iPa
粂八さんの「フソウ戦記(仮)」や
作者名失念したが「ゲートアウト」の続きが読みてー
139創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 16:04:11 ID:TodGRKYj
>>136
俺にとってはお前がウザイわ
スルーすりゃ良いものを煽ってスレ荒らすなカス



・・・と思われてる事もあるんだぜ?
140創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 16:47:42 ID:DcQNlIJc
スレチな話は他所でやれ、って言うだけで自治厨呼ばわりですか
書いてないから何でもアリだ、の方がよっぽど強弁だと思いますがね
>>133
その通り、分家の話は関係ないね。
だから分家でTIWが話題になったからと言って本スレには関係無い。分家でも「トラブルの原因になる」と窘められたが
軍板時代に本スレでTIWの考察やら批評やらでスレを長々と消費した事なんてあるかい?俺には記憶にないね。
紹介で名前が出たことくらいはあるだろうけどさ。ファンタジーじゃないと一蹴されたよ?
そもそもTIWに限らず軍板時代に本スレが他所のssの批評スレに成ってた事なんてあったかね?
俺の記憶には無い。
141創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 17:04:06 ID:5enLRoWd
>>140
>軍板時代に本スレでTIWの考察やら批評やらでスレを長々と消費した事なんてあるかい?俺には記憶にないね。

俺もないよ、ないからこそ問題にならない。
別に延々何十もレス消費したわけでもない、わずか数レスの雑談まがいの話題に、いちいち噛み付くから自治厨呼ばわりされるだけだろ。
後ファンタジーの定義なんて人それぞれ。
いきなり異世界に飛ばされて、そこで他の飛ばされてきた世界と戦争ってだけで、俺には十分ファンタジーだわw
142創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 17:32:58 ID:DcQNlIJc
>>141
>俺もないよ、ないからこそ問題にならない
じゃあ、「過去に度々話題になって」って何よ?
>わずか数レスの雑談まがいの話題に
このスレのレスの1割以上がTIWの話題で占められているのだが。わずか数レス?
そりゃ1、2レスくらいなら誰だって受け流すが、更新の度にやられれば嫌がる人だっているだろうに
「他所のss批評は批評スレでやれ」なにか問題あって?
>後ファンタジーの定義なんて人それぞれ。
そうですね。
「頭の中がファンタジーだから」とか「ファンタジーというよりキチガイ」とか
ここでTIWを語ってる連中はファンタジーものとして見てはいないようだけど
143創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 17:49:15 ID:5RjsJABB
>>140
だから二度と来ないでね
144創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 18:01:05 ID:TodGRKYj
これだけ周りから叩かれて、それでも自分は正しいと言い張れるのも凄いな
自分の行動自体がスレ違いだと気づいてないのか?
145創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 18:11:35 ID:5enLRoWd
>>142
>じゃあ、「過去に度々話題になって」って何よ?

読解力がないのかワザとずれた事を言っているのか……
過去度々話題には出てるが、その話がスレの中心になってしまった事はないし、問題も起きていない、って言ってるんだよ。
今回のTIWの話題にしても何もなければこのまま2,3レス付いてまたいつもの流れに戻ってたろうよ。
146創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 18:38:41 ID:DcQNlIJc
>>145
こっちだって>>122だけで済んだ話なんだがね
いちいち噛み付いた?こっちは「そういう話題は他に適当なスレがあるからそちらでどうぞ」って一回言っただけなんだけどね
「特殊な戦記だからここでもいい」とか「ヲチ禁止とは書いてない」とか誰かさんが強弁して噛み付いてきたからこの様だけど
147創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 18:39:47 ID:PlYpRngx
お前らホントに付き合いがいいな。
だけど、態々ここで空気読んでない自治厨気取りに釣られて無駄レス重ねることもねーだろ。
148創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 18:47:52 ID:WX7snMO0
はあ〜
まだやってたのか。もういいよ。スレの空気読まない自治厨の相手は。
149創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:13:32 ID:jBZL2iPa
>>147
>>148
おまいらも給油活動は自重汁w
150小官 ◆qG4oodN0QY :2009/06/03(水) 19:41:41 ID:oKj/fgqn
お、古参の振りして語る馬鹿な子はどいつだ? 説教ならかますぞ?
設定語りで惑星の軌道やらを語ってた子に注意したら噛み付かれたりもした小官だ。
軍事は全てを内包するが、面白いと思う人間だけが特定の話題を繰り返すのは迷惑そのもの。
まるっきり、オタクの感性しか持たんコミュニケーション不全の、社会的死人だろう。

そんなちっこい、ジャンル外の馬の骨なSSなんぞ語られても迷惑なだけとワカラン子は放って置くが吉。

と、狂犬ぶりの健在をアッピールする。
151創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:54:22 ID:XqTstbuK
まぁまぁ仲良くやろうぜ
152小官 ◆qG4oodN0QY :2009/06/03(水) 20:02:27 ID:oKj/fgqn
>>151 愉しくやりたいがために軍板から移動したくせに、これではいけないだろうしなぁ。皆、仲良くが一番だ。

次に古参やら昔はとか抜かす奴がいたら、定期巡回を再開して小官が常駐するから覚悟しろ、と言い残して退却。
153創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 22:54:38 ID:XLW6zwrs
俺は一切の噛みあいを見ず投下を待ち望む。
あとダークエルフ。
154創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 23:53:20 ID:39bnCOHk
小官や愚者が名無しで張りこんでんのかと思うと、なんか面白い。
155創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 00:42:52 ID:nXTIMzl3
小国の苦悩 第三話

騎士団長ピエール男爵は、立ち止まり、廊下の窓から中庭で訓練中の騎士団を難しい顔で見つめていた。
「どうされました騎士団長?」
騎士長の一人が話しかけてくる。
「・・・帝國軍を現有の戦力では抑えきれん」
「・・・戦争になるのですか?」
騎士長の眉が歪む。
「わからん」
男爵は頭を振った。
周辺諸国の戦力を結集し、帝國軍を迎え撃つと言う案はかなり前からあった。
しかし周辺諸国同士の関係は非常に悪く話は全く進展していなかった。
「城の防衛力が決定的に不足しておる」
男爵は廊下を歩き始めた。
「先日の王城防衛用バリスタ調達は予算が結局付かなかった」
財務担当のロエニー男爵は城の防衛強化の予算を全て拒否した。
「この城では篭城してもたかが知れてる」
小国であるゴンザレス王国の王城は立派な砦レベルのものであった。
「しかもチハ騎兵は一撃で城を粉砕するらしい」
帝國による攻城戦の様子を激しく語った商人の姿を思い出した。
「チハ騎兵は列強の騎士団すら手におえないとか・・・」
副騎士団長のシュマイザー子爵が鎮痛な面持ちで呟く様に言った。
「チハと言う連中が使ってるのはどの様な馬なのでしょう」
「一部隊で三国通しを成し遂げた程だ。ドラゴンかも知れんな」
「本物の竜騎士か・・・」
帝國軍は機甲戦術により各国を短時間で次々に攻略して行く様子は、「草」だけではなく商人や旅人などを通じて大陸中に伝えられた。
中でも中原の軍事国家三国を三日で全て降伏に追い込んだ『三国通し』は各国を振るえ上がらせていた。
「・・・何とかしなくてはなるまいっ」
男爵は御前会議の扉を押し開けた。


「・・・・いっその事、帝國に降伏申し込もうか? 楽だし」
国王ゴンザレス5世がボソっと言った一言に全員が固まる。
「それでは110年の歴史を誇るわが国の誇りはどうなるのですか!」
「大体国王陛下は主君としての誇りがかけている!」
「やはり甥のトンザレス公爵を国王にしたほうが良かったのでは?」
「だが、このままでは外交的に遅れをとることに・・・」
「誇りを失って何が貴族か!」
「現実を無視しては・・・」
議場は大騒ぎになる。

そして男爵は扉を押し開けたまま固まっていた。
「騎士団長? 大丈夫ですか?」
156創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 00:43:38 ID:nXTIMzl3
スレの不陰気を払う為、ギャグ短編なら俺でも書けるとド素人三度参上!
157創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 01:35:22 ID:0uBnI2XU
超超乙!
俺こういう短編シリーズけっこうすきだな
158創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 01:43:19 ID:vX/rt5p2
>>「それでは110年の歴史を誇るわが国の誇りはどうなるのですか!」

そういやヨーロッパの王国なんて興こっては亡くなってばかりで、本当に長い伝統のある国
って案外少ないんだよな
日本の歴史教えたら案外簡単に降伏しそうだw
159創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 06:13:24 ID:/5tiVL70
>>156
何処の低脳がケチつけてるかと思ったらご本人様でしたwww
サーセンwww
殺伐としたスレに救世主が…なノリで今後ともお願いします。
160とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:39:41 ID:UMBJhZaK
('A`) リハビリト イキヌキニ テキトウニ ハナシカイテミルネ
   ◆im0Hwg82eM サン タナカサン ダシテクレテタネ ウレシイネー
   小国サンモ オツネー 
161とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:40:44 ID:UMBJhZaK
魔力を使わず非常に大きな破壊力を出せるのも“しぐ”の利点で、
場合によっては国家魔導師が使うファイヤボールを凌ぐ殺傷能力を発揮する。
連射速度は魔法を使うよりずっと速いし、まがじんやだんそうと呼ばれる
特殊な構造によって弾が尽きた後の交換も楽だ。
破壊力も申し分ない。騎士の鎧を正面から貫通できる性能を有している。
問題は破壊できる面積が指先一つの穴だけで非常に少ない点だが、これも問題ないと私は思っている。

 相手を殺すのに全身を大火傷させる必要も、氷の槍で貫く必要もない。
必要なのはただ一点、急所を破壊するだけで足りる。
郡体であるスライムやブロブ、ミストやヒトクイソウなどに効果は少ないだろうが、
ゴブリンやジャイアントなど魔物の大半に対して威力は大いにある。

 この武器の利点は非常に破壊力の大きい武器であるにも関わらず誰でも使えるのだ。
通常、共通魔法であるファイヤボールを満足に使えるようになるには3年の月日が必要である。
戦闘で使えるようになるには5年だ。ちなみにこれは魔道の素質がある者に限った話で、
魔法が使える者は100人に1人もいない。

 最も数の多い人間族でもそうであるのだから他の種族も推して知るべしである。
唯一エルフだけは例外であるが、全体として魔法を使えるものは殆どいないだろう。

 全く無力な魔法が使えない種族や訓練をせずとも女子供でも、しぐがあれば狼や魔物に対抗できる。
夜に城門を閉めずともいいし、旅商人は安全を約束される。

 バッサンから独立したてで軍事力を必要としていて、貿易が主たる我がエルブ国にとって価値は計り知れない。
今はニホン国のジェダイが軍事面で我々の後ろ盾に立ってくれていてくれるが、
いつ手のひらを返すとも知れず、全くの異世界人相手では気も抜けない。独立した力が欲しい。
近年では国境沿いのバッサン帝国軍とライバー連合の動きが活発化しつつあり早急な強化が必要であった。
黒エルフ達がニホンの魔法杖を欲しがったのも理解できる。
エルブ国はニホンからの“銃”研究にかなりの金を使うようだ。
 銃研究の代償として東に広がる腐臭漂う呪われた土地を売り、その土地の川沿いに街を造るのを許可した。
銃の独占研究と購入権を得て、魔法研究の協力を申し出たのだ。

 たった一種の魔法杖の製造法と広大な土地の交換、本来ならありえない選択である。
だが渡すのは“呪われた”水が黒く汚染され、沼地だらけの草木も育たない腐臭漂う不毛の大地。
しかもバッサンとの国境沿いである。くれてやるのは要らない土地。
国際情勢が微妙なこの時期にあわよくばニホン国を防波堤にしようと考えているのだろう。

 魔法研究についてもエルブには大した魔法技術はない、民間で使われる程度の技術と
極めて使用困難なエルフ達の精霊魔法しかない。
前者は幾らでも手に入るもので渡しても問題はない。後者は基本的に黒エルフ達しか使えないものである。
エルフの精霊魔法を解読させられるニホン国の技術者に同情する。
黒エルフの考えはいつもながら黒い。
162とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:41:31 ID:UMBJhZaK
△月△日

 精霊魔法(彼女達曰く、精霊とは異なるものだが通称として呼ぶ)は解読困難だ。
『「ミボルを」「エフィドで」「ポズデクする」』などエルフ独自の専門用語が多い。
しかも翻訳出来たところでメイジ魔法(人間達の使う魔法)とは違い、使えるまでに苦労するのは間違いない。
メイジ魔法は順序だてて魔術を行使するのに対し、精霊魔法は過程を飛ばして結果が来る。

 例えば魔法で火を出すとする。
 メイジ魔法なら万物の根源はマナであると定義していて、マナが震えることで熱さが出ると考えている。
火を出すには一定周期のマナを震わせる必要であったり、一定の濃さが必須であったりして
様々な条件が必要だ。しかし最終的にはマナを震わせる条件に行き着く。

 精霊魔法はメイジ魔法と根本が違うとされている。
 条件が極めてあいまいだ。精霊魔法は歌で世界を直接書き換える。
翻訳できても使用するのは不可能だと考えられている理由の一つだ。
条件は使い手の言葉に左右され、火を出す際にホムラや炎、火炎、焔、などの言葉を詩に組み入れ
歌い終わると指定した場所に火が付く。もちろん指定する箇所も歌詞に組み入れなければならない。
鍵となる言葉の定義は極めてあいまいで、全て結果は同じである。
更に違う人物が同じ歌を歌っても違う結果になる場合も多く、結果は必ずしも一定しない。
精霊魔法には魔力や力の条件や制約といったものは個人によるものと考えられていて、
マナに代わる表現がない。力の根源が何か使っている彼女ら自身も把握していないのだろう。
一部の歌詞は伝わっているものを使っているらしいが殆どが即興だ。
前に黒エルフにどうして魔法を使えるのかと聞いたら「頭の中に聞こえてきた詩を歌った」と話した。
何処から歌詞が出るのか、どうして紡がれるのか彼女達も判っていない。
その上、音程や術者の資質、心なども魔法の行使に大きく関わって来るのだ。
ましてや、精霊魔法を他の種族が発音するのは非常に困難だ。
一人で三重奏五重奏できる腕が必要になる。
無論、そんなことが出来る種族はエルフ以外にはいない。

 「彼女らの魔法言語はぷろぐらむ的文法でかつ詩的曖昧さを併せ持つ」
まるでヒュムノスだと視察に来たニホン人の偉いさん、田中が嬉しそうに話していた。
彼らの世界にも似た魔法があるのだろうか?
きっとこれだけ素晴らしい魔法の杖を造れるのだからあるのだろうな。
ジェダイの桑井の話では、ニホンは魔法使いに頼らずに暮してゆけるのだという。
ゴーレムより遥かに効率の良いアーティファクトや
魔法を超える魔法を使わない機械がたくさんあるらしい。
海の向こう、まだ見ぬニホンの姿に興味は尽きない。
無理難題を押し付けられたニホン人の健闘を祈る。
163とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:42:19 ID:UMBJhZaK
△月□日

 実験用に捕獲しておいたイービルアイを使って、早速日本式魔道杖の威力を見物する機会が来た。
イービルアイは危険な魔物である。
形はだ円状、大きさは馬と同じ位。
体の半分もある巨大な口とドワーフの握り拳程の目が体中に付いた、浮遊する目玉の魔物だ。

 前文明、古代王国期に造られた偵察用の魔物で軍事目的に使われていたもので、
現在は野生化し、人々を脅かしている。
成人男性のドワーフほどもある大きさの岩を動かす念力と、牙の生えた巨大な口による噛み付き。
3〜5体で群れる習性と体に無数に生えた眼による視覚のなさもあいまって恐ろしい魔物である。
出現の際は街の警備部隊が一丸となって退治に乗り出し、魔道師までが出る。

 実験に使うイービルアイは幼生で、大きさはドワーフの子供程度。
事前に餌として馬を与えておいたおかげで動きは活発だ。好ましい。
鎖に繋がれたイービルアイがギーギーと金属をすり合わせた耳に付く声で鳴いている。

「念力対策は大丈夫なのか?この刻印拘束は信頼できるのか」

 壁際の出口に立つジェダイ達、その代表である桑井が疑い深そうに聞いてくる。
彼らはしぐの上位に当たる杖を持っており、逃げた際の保険だ。
イービルアイを捕まえたのも彼らジェダイで、150人の兵士が必要なところを僅か30人で鎮圧した。
無敵を誇るジェダイでもイービルアイは恐ろしいようだ。
 今回は訓練に来ているらしい。
黒エルフの対魔物戦術を参考に訓練を施したニホン式対魔部隊なのだとか。

「問題ありません。クラス2までの魔道師でも十分な拘束力があります」
「こんな刻印で封じれるなんて信じられん」

 ニホンから来た人々は疑い深い。
特に刻印と魔術に関しては誰もが信じられないといった風である。

「我々の間で長く使われてきた術式で効果は実証されています」
「信じるしか……ないか。だが我々でも対策は取らせてもらう」
「どうぞ。お好きなように。では、始めます」

 ゆっくりと拘束刻印の光が弱くなり、力を取り戻した5体の幼生イービルアイがふらふらと宙に浮かび上がる。
164とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:43:12 ID:UMBJhZaK
「訓練を開始する、今回の課題は室内における魔物との近接戦闘だ。
 的は魔物だ、人間じゃない。遠慮せずに撃て。
 内容は事前の打ち合わせどおり、武器弾薬は好きに使っていいと許可が出ている。
 あとは適当にやれ。以上」


 桑井の声に部下のジェダイ達は整然と動く。
国旗と聖剣、不死鳥とオリーブの葉が合わさった紋章を付けた兵達14名は
箱に似たニホン人風家屋を模した建物の中、イービルアイを殲滅した。
手振りだけで連絡を取り合い、常に視覚を補い合う動きは練度の高さを感じさせる。
素早い動きはまるで噂に聞く西洋のカゲだ。

 彼らは僅か開始6分で5体のイービルアイの幼生を屠り、
後に投入された成体を接触後5分で殺してしまったらしい。
らしいというのは人づてに聞いたからである。
少し眼を離している間に戦闘は終わってしまっていた。
馬鹿な、イービルアイは弱い部類に入るが古代王国期の魔物だぞ!?
彼らはどんな魔術を使ったのだろうか。
改めてニホンの技術力に脅威を感じる。

 ジェダイは恐ろしい。
遠距離から一撃で倒すことが出来る武器もだが、
戦闘人形のごとく無言で淡々と仕事をこなす姿を見ると寒気がした。
彼らが敵に回らなくて本当に良かった。
165とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:45:28 ID:UMBJhZaK
投下終了

練習に来てるのは特殊作戦郡の方々っぽい
166とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:48:14 ID:UMBJhZaK
>>161
△月◎日

 先日、ニホン国より評価試験用に譲り受け、黒エルフを通して
我々ドワーフに貸与された魔法の杖“しぐ・ぴー220”を調べてみる。
“しぐ”とは対人攻撃用に開発された武器で、大きさはジャイアントの握り拳程。
僅か300人でバッサン兵3万名からランゲルハンス島を守りきり、
1万名もの死傷者を出した“異世界の武器”である。

 ブーメラン型の金属塊で、片手剣並みに重い。我々が使う魔法の杖とは全く異なる。
発破する秘薬によって押し出された弾が目標を破壊するという非常に単純な原理で出来た物だ。
秘薬の製造法は不明。薬に詳しい黒エルフ達が話すのだからそうなのだろう。
簡単な原理に対して造りは複雑で難解だ。

 壊れないよう慎重に解体するだけで一週間も要した。
同僚のゴラムやフロドが無理に部品を外そうとするせいで、5丁の内3丁が壊されてしまった。
残るは見本用に解体せずとってある一丁と、現在私が解体しているものだけである。
最初の取引では設計図が付いてくる予定だったのだが、
ニホンの外交官が最後まで渋ったせいで自力で解体することになった。
技術の不明な点については、三日に一度開かれる技術交流交換会で互いに話し合うことになっている。

 螺旋状に曲げられた金属の棒“螺子”を外す際にとても苦労した。
まさか外すのに部品の一部を差し込んで回転させるなんて思ってもみなかった。
ニホン製のアーティファクトの大半には螺子が使われているらしい。
はめ込みと融接以外の新しい接着法である。
自在に取り外せて付けるのも容易、釘と違い再利用も簡単。素晴らしい技術である。

 内部構造が判明してからは驚きの連続である。
髪の毛一つの狂いさえない全く同じ形の部品や金属棒の中に刻まれた螺旋状の溝。
どうやって彫りぬいたのか、一つの金属塊で出来ている小さな部品。
我々でも再現は難しいだろう細工の数々。

 特に興味を惹いたのは螺旋状に曲げられた“バネ”(と向こうでは呼ぶらしい)だ。
これは力を入れられるともとの形に戻ろうとする部品である。
時計に使われている巻貝型の物とは違い縦長である。
応用すれば現在のバリスタの大きさを半分に縮められる素晴らしいものだった。
167とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/04(木) 18:49:12 ID:UMBJhZaK
ジュンバンマチガエタ・・・
168創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 19:07:10 ID:nXTIMzl3


ところで中世でも板ばねならあるんで内海?
弓もバネの一種だし
169創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 19:07:13 ID:n3fLGRJE
どんまいw
170創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 19:19:17 ID:vX/rt5p2
ところで新しいwiki全然編集されねーけど
勝手にやっちまっていいのか?
編集されてからまとめて読もうと思ってたんだが、なかなか編集されないし
171創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 20:12:51 ID:c/sVzHDQ
投下乙でしたw
物理攻撃の効く相手ならそりゃ特戦の敵じゃあないわなw
問題は効かない相手か・・・
172創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 20:36:42 ID:ElCCMQCY
>>170
いいんでねーかい?
173創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 20:53:02 ID:e0npvvFN
>>170
別の板だが職人愚痴スレで作品がまとめwikiに登録されない(´・ω・`)ショボーンってしてた人がいるからやってあげた
174創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 21:15:54 ID:W+A7ucwW
投下乙です。

>バネ
>バリスタ
F世界版PIAT誕生か?w
175日本が国ごと召喚:2009/06/04(木) 22:27:54 ID:6LGc86To
初心者ですが、投下開始します
176創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:28:45 ID:c/sVzHDQ
ばっち来い!
177日本が国ごと召喚:2009/06/04(木) 22:31:48 ID:6LGc86To
「さて、会議を始めようか」

ファルデア大陸で最大の版図を誇るユグドラ帝国皇帝ルクツァ一世は居並ぶ諸侯を前に静かにそう宣言した。
彼と共にテーブルにつくのはリディア王国国王、ノーザン公、サザーン侯、エステン伯を始めとする
そうそうたる面々、何れも大陸で指折りの貴族である。
円形に配置された巨大なテーブルには、大陸の行方を左右する首脳達が残らず揃っていた。
歴史的に複雑な利害関係によって離合集散を繰り返し、
今でも領地や名誉をめぐって対立中の諸侯が集う理由は、一つしかなかった。

「異邦人『日本』についての会議を」

日本、その言葉がルクツァの口から出ると、諸侯らは例外なく緊張した。一瞬、沈黙が場を支配する。

「幸いな事に彼らは我々と同じ、話せば通じる人間です。
圧倒的な軍事力に物を言わせる気は今のところ、ないと見ました
我々同士の争いに介入する気もまた、ないと思われます」

大陸側の代表として日本と交渉を続けていたアンシャム伯が口火を切った。
彼は大陸で最も弱体な独立諸侯であるが、古代に栄えた大帝国の後継者であり、
そのために貴族たちで何か話し合いをする際には中立性を見込まれて仲立ちに立つのが常であった。
ゆえに今回の騒動でも彼が代表として出向き、この場でも司会をしている。

「彼らも混乱しているようですが、この上は我々と末永い友好関係を築きたいとの言葉に、嘘はないと思います」

その言葉に諸侯は一斉に安堵の息を漏らした。それはルクツァとて同様である。
『日本』に交渉のために行った時の恐怖は今でも忘れない。天を衝く巨大な建築物に、網の目の如く張り巡らされた高架道路、
充実した上下水道に、清潔な町並み、美味い食事。ひとつとて大陸には真似できまい。
そしてそれ以上に驚き、また恐怖したのが、その軍隊である。
鋼鉄の装甲に鎧われた大砲。信じがたい事に自ら人間を越える速度で動くという。
大陸にある如何な攻城砲とてあれを貫徹することは敵わないのではないか?
それが視界いっぱいに広がり、砲を高々と翳す姿にルクツァが腰を抜かさなかったのは、
彼の矜持が並外れていたからに過ぎない。
その脅威が当面振るわれることがないと思えば、安堵も当然だった。
178日本が国ごと召喚:2009/06/04(木) 22:34:33 ID:6LGc86To

「だが彼らの軍事力は圧倒的だ。彼らがその気になれば我々などすぐに踏み潰されよう」

諸侯は一斉に頷いた。彼らの軍隊の最新兵器はここ500年変化していない。
即ち1分に3発撃てれば御の字のマスケットだ。
1分に6000発の弾丸をばら撒く武器を持つという日本軍に勝てるわけがない。
そもそも何故そんな桁外れに強力な兵器が必要なのかすらわからなかった。

「やはり彼らと取引し、技術供与を受けては?」

ノーザン公が発言する。

「互いの技術格差が近くなれば、より正常な外交も望めましょう。
また、彼らもそれを望んでいる節があります」

ノーザン公の考えはこの場の大半の人間の考えを代弁していた。
軍事力こそ脅威だが、その技術力には憧憬を覚える。同じ人間同士なのだから、地下資源などで取引を行い、
一足飛びに発展するいい機会ではないかと。それがわかっていたから、ルクツァは言下に否定した。

「それは真に正論だが、問題がある」
「問題と申しますと?」
「彼らの道具は、大陸に争乱を招きかねない」

諸侯はわけがわからない、というように顔を見合わせた。

「わからないか。道具を採用するのならばシステムごとの採用が必要だ。
彼らが上に王を置かず、全て議会とやらで決議する商人の国ということを忘れたのか?」

民主主義。彼らにとっては異質すぎる体制。
貴族も王も置かず、数年ごと、或いは数ヶ月ごとに国家方針が変化し、多種多様な意見がまかり通る。
絶対主義に慣れた彼らにしてみれば、それは恐怖だった。

「彼らの体制は我々の支配を危うくする。いや、それだけではない。
我々の戦争など可愛く思える程の戦争が大陸に巻き起こる可能性がある。
技術の導入には慎重になったほうがいいと私は考える」
「では、無視するべきでしょうか」
「わたしとしてはそうしたいと考えるが」

そうもいかない相手だろう、と続けると、誰もが目を伏せた。
無視するにしては魅力がありすぎる。協調するには危険が多すぎる。
厄介者、と日本は言われていた。
179日本が国ごと召喚:2009/06/04(木) 22:37:11 ID:6LGc86To
「その件に関してですが」

アンシャムが口を開く。

「彼らから、申し出がありました。至急を要するため、返事はなるべく早くにと」
「なんだ、その申し出とは」
「食料です」
「食料?」

諸侯は再びざわついた。

「可及的速やかに貿易を開始し、食料だけでも供給して欲しいとのことです」
「あれほどの大国が、食料ひとつ自侭にできないのか?」

諸侯にとっては意外だった。彼らの国はどこでも、完全に自給自足できている。

「我々の国の民全てを合わせたのとほぼ同じだけの人間があの狭い国内に生活しているそうです。
また、その国土の半数は都市で、民の半数以上が商人です」
「馬鹿な」

ノーザンが呻く。

「それでは餓死者が毎年出よう……そんな無計画な指導者に支配されているのか?」
「これも民主主義ということだろう、ノーザン公。我々とは全く異質なのだよ、彼らは」

ルクツァは顎に手をやってしばし沈思すると、再び口を開いた。

「帝国は彼らとの制限貿易を行おうと思う。さし当たっては彼らが主張する食料だ。
代わりに我々は農業技術について学ばせてもらう。諸君はどうする」

諸侯にも否はなかった。それが一番無難に見えたからだ。
解散していく諸侯はその表情に何れも不安の色を浮かべつつ、帰路についた。
180日本が国ごと召喚:2009/06/04(木) 22:38:58 ID:6LGc86To
投下終了です。次は日本サイドの対応を書こうと思います。

……好評なら。
181創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:48:30 ID:iLrpuHPP
>>161

腐臭の黒泉...ありがたや ありがたや
ドワーフ族の人 やさしいな
182創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:56:03 ID:W+A7ucwW
おお、新作が来た!
投下乙です。
183創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:56:14 ID:vX/rt5p2
>>180
投下乙
なんかこれだと普通に抜け駆けする国とか出てきそう
184創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 23:09:06 ID:nXTIMzl3
小国の苦悩 第四話
「アテンション!」
その場にいた兵士達が固まる。
「私が諸君らを教育する事になった帝國陸軍第二特別教導団のロジャー大尉であるっ!」
後手を組んでウロウロしながら怒鳴る。
「私の任務は! 貴様らを誇るべき大英帝国のソルジャーにする事であるっ!」
「大尉、帝国は帝国でも大日本帝國です」
「それと彼らはゴンザレス王国の兵士です」
帝國人の少尉と中尉がツッコミを入れる。
ロジャー中尉は2人を睨みつける。
「ふん! 私は英国軍人だ! 例え本国に帰れなくてもな!」
強がっているが、顔が赤い。
「これから貴様らには! このPIAT・・・三式対竜擲弾筒の扱い方を教えるっ」
ロジャー大尉が筒状の物を取り出した。
「この三式は名前の通り、竜を討ち取れる優れものだ!」
兵士の間から響めきが広がる。
「大陸同盟の主力竜を一撃で葬る威力を持っている!」
反帝國陣営は帝國のチハに対抗するため、鉄をも溶かすと言われる史上最強の生命体ドラゴンの実戦投入を図った。
結局、成功したのは下位も良いところの火も吐けないトカゲだったが、歩兵にとっては十分に驚異であった。
「使い方は簡単!」
ロジャーは肩に担いでいた三式を地面に下ろす。
「まず圧縮レバーを立てる!」
筒の側面が割れ、そのまま大型のレバー状になる。
「次にレバーを最後まで引きロックする!」
レバーを引く事で内部のスプリングが圧縮され、最後に金具でロックされるガチャンという音が響いた。
「次に弾を装填する!」
筒の端から、対竜擲弾が装填される。
「敵に向けて発射レバーを引く!」
遠くの的に向けられた筒からガキョ! と言う音とともに弾頭が飛び出し・・・ゆっくりと着弾爆発した。
兵士達は再び響めいた。
「有効射程は50帝國メートルだ! 接近して撃て!」
ロジャーは三式を脇にいた帝國兵に渡すと
「これから貴様らにはこの武器の使用訓練を行ってもらう!」
「全員!駆け足! 向こうの軍曹から三式と訓練弾を受け取れ!」
少尉が声を張り上げた。
兵士達は慌てて向こうに向けて走り出していった。

「訓練がなっとらん!」
ロジャーが怒鳴る。
「大陸の兵士は基本的に常備軍ではありませんから仕方ないでしょう」
中尉の一人が弁解するように言った。
「あれではドイツ軍に勝てんぞ!」
「大尉、ドイツはここには居ません」
ロジャーはまた生意気な2人を睨み付ける。
「わかっておる! 少尉! ティータイムだ!」
「はっ!」
すでに用意されていた紅茶が差し出される。
「・・・うむ・・・そう言えば疑問があるのだが・・・」
「は?」
「なぜ帝國の戦車には湯沸かし器が付いていないのだ! お茶が出来んではないか」
「は?」
帝國人にとって彼の思考は理解不能だった。
185創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 23:09:49 ID:nXTIMzl3
PIAT見て衝動的に書いた。
今は反省して米国製兵器を導入してる。
186創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 23:11:56 ID:c/sVzHDQ
>>180
ここまで書いておいて続きを書かないのは生殺しなんだぜ。
もちろん続編希望。
投下乙でした!
187創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 23:13:41 ID:c/sVzHDQ
>>184
大英帝国www
こんなところでも英国、お茶を欠かさない痺れる憧れるゥ!
188創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 23:17:42 ID:uUtaOjhN
なんだこの投下ラッシュw
189創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 00:08:04 ID:Vwxl0KPc
つか誰がどの話の作者か解らんからちゃん鳥位付けろや
190創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 00:45:47 ID:XaPRuxz0
>>176
なんで投下宣言後にレスするん?
191創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 01:05:48 ID:Os7KaDY7
>>189
なんで偉そうなん?
192創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 01:09:02 ID:wtcQfDU7
>>190
少しでも連投規制に掛かりにくくなるようにと思ってね。
5レス続いたら次の支援をしようと思っていたが無用だったようだ。
193創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 01:28:07 ID:SW1ntxjx
天皇が公選首相を任命してるんだから、
政治に殆ど関わっては居ないが、王が居ないわけじゃないだろ。
194創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 01:50:35 ID:3n/s69EP
それはそうだが彼等がそれを知っているかどうかは別問題だ。
195創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 02:08:49 ID:lg9JL3mG
まあ、日本の事まるで知らない人間に、日本の政治体制を教えるなら
立憲君主制が云々ってとこから教えるより、単純に民主主義の部分だけ
伝えた方が早いだろうな。
つか皇帝(王)がいるのに政治には関与しない、けど承認は必要、だけど
傀儡政権ではない、とか言っても理解できんのじゃないか?
むしろ連中にとっては危険思想もいいところだろうから、あえて教えてないとか
196創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 03:19:32 ID:Os7KaDY7
皇帝(王)が実際の政務は行わず、判子だけ押すってのは成熟期の国家に良く見られる特徴で然程疑問に思われないんじゃないかな?
中世以前に民主主義の原型である共和制を布いていたローマ帝国というものもあるからそこまで拒絶されないと思われ。

食料自給率が50%切ってるのは・・・理解されないだろうなw
197創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 13:21:01 ID:vsRRDxfr
>>196
>>食量自給率が50%未満

独立国じゃなく広大な国の「一部」が転移してきた、と無理矢理納得するとかな
工業と商業に特化した地域ならF世界でもあり得る
198創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:37:43 ID:wRvo0pen
>>177
当たり前なのかもしれんが、F世界側がかなりまともというか、随分と冷静だ。
最大の問題の食料もちゃんと輸出するみたいだし、日本がF世界側と戦う光景が全く思い浮かばない。元からそういう物語?
そういう展開も面白いかもしれないな。
199創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:48:57 ID:Os7KaDY7
もしこの世界の中世に転移したら阿鼻叫喚だろうな。
現実路線で日本と同盟を組む国、パニックを起こした挙句宗教に走る国
ローマ教皇が自体の収集に慌てそうだ
200創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 16:55:53 ID:czoMAXsW
>>198
飢えた国民を宥めるのに国家がどういう行動をとるか
それを分かってるんだろうね
201創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 18:41:06 ID:T4q+lX3g
>>199

アメリカや豪州にはインディアンやアボリジニーが居なくてドワーフやDAが居たら面白いな

史実の魔女狩り=エルフ狩り

タンカー型の赤十字船を見たら十字軍は驚くだろうな

ハワイ向かう練習艦隊がアメリカに向かうコロンブスに遭遇して日本に向かう事で
史実のアメリカ発見がジパング発見になる。

日本にある鉄屑やレアメタルを求めて訪れる白人国家軍
史実のゴールドラッシュはボルトラッシュになる

一番の問題は転移時にバチカン教皇とイラク・イスラエル首相が来日してる時だと
ややこしい事になる
202日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:01:08 ID:ObByNp01
ある程度書いたので投下開始しまっす。
203日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:03:16 ID:ObByNp01

海上自衛隊二尉、青谷勇はリンゴをひと齧りして、そう呟いた。唇をリンゴから離し、
息を吐くと白くなった息が待機に溶け込んで、消えた。これでまだ秋だというのだ、この世界は酷く寒い。
商船団の護衛という立場上『輸入物』のリンゴを真っ先に味わう機会に恵まれたのだが、
日本のものとは比べ物にならなかった。品種改良は殆どされておるまい。酸味ばかりで、甘味は僅かだ。

「だが、馴れなくては」

ここはもう別の世界だ。戻れるかどうか怪しいのだから。
そう思えば、護衛艦『ひえい』から見下ろす海の色まで違って見える。

日本が見も知らぬ異世界に転移して一月、青谷たち自衛官にとっては忙しい日々が続いた。
ある日前触れもなくこの世界――この世界の人間はヴェルデと呼んでいる――に日本が転移した事は、当たり前だが
向こうにもこちらにも多くの混乱をもたらした。

「あの日――」

気象衛星からの映像は消えうせ、水平線の向こうの景色は変化し、
温度は急激に低下、周囲の海には霧まで出ていた。
混乱した政府は一時、機能停止状態に陥りかけたが、
それまでどちらかといえば低い評価しかされてこなかった吉田首相が
強力なリーダーシップを発揮し、何はともあれ状況を把握することだ、と民間船舶・旅客機の航行を禁止し、
海上自衛隊と航空自衛隊に周囲の偵察を命じた。無論、領海・領空には十分な注意を払って。
青谷もまたその日、護衛艦『ひえい』に乗り込み、状況把握のための探索の任についていた。
しかし西に派遣された航空自衛隊はいけどもいけどもユーラシア大陸の姿は見ることはなく、思い切って領空を越えて
引き返せるギリギリまで飛んでみたものの、広がる海にただ唖然とし、
代わりに東に派遣された海自艦隊はすぐにユーラシア級の大陸を発見した。

一体これは何の冗談だ。

あの時の騒動は今でも青谷の記憶に新しい。鍛え上げられた海自隊員達が一様に呆然としたのだ、自分も含めて。
本国と通信を繰り返すも、当の本国が半ばパニック状態なのだから始末に終えない。上陸すべきか、いや、
何がいるかわからないから一旦引き返し、
陸海空総出で探索に当たるべきだと本国も海自艦隊も大騒ぎをしていたその時、
大陸側から数多の木造船舶が現れ、海自艦隊を包囲した。逃げることも当然、海自艦隊には容易かったが、
砲門は向けども発砲はしない様子に交渉の余地ありと判断し、そのまま包囲されるに任せたのだ。
互いに砲を向け合い、にらみ合うことしばし、
大陸から現れた艦隊から一艘のボートが下ろされ、青い旗を掲げつつ海自の護衛艦に
近づく。後で聞いたところ、青はこちらの世界での白旗に当たるらしい。
ボートを漕ぐ人間と比べて豪華な衣装から艦長はこれを使節と判断し、
警戒は保たれたままにこちらの世界の人間とのファーストコンタクトが始まった。
それが、一月前の話である。
204日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:04:52 ID:ObByNp01
なぜ最初の一文が抜けたんだ……

上のなしです、修正……
205日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:05:45 ID:ObByNp01
「不味い」

海上自衛隊二尉、青谷勇はリンゴをひと齧りして、そう呟いた。唇をリンゴから離し、
息を吐くと白くなった息が待機に溶け込んで、消えた。これでまだ秋だというのだ、この世界は酷く寒い。
商船団の護衛という立場上『輸入物』のリンゴを真っ先に味わう機会に恵まれたのだが、
日本のものとは比べ物にならなかった。品種改良は殆どされておるまい。酸味ばかりで、甘味は僅かだ。

「だが、馴れなくては」

ここはもう別の世界だ。戻れるかどうか怪しいのだから。
そう思えば、護衛艦『ひえい』から見下ろす海の色まで違って見える。

日本が見も知らぬ異世界に転移して一月、青谷たち自衛官にとっては忙しい日々が続いた。
ある日前触れもなくこの世界――この世界の人間はヴェルデと呼んでいる――に日本が転移した事は、当たり前だが
向こうにもこちらにも多くの混乱をもたらした。

「あの日――」

気象衛星からの映像は消えうせ、水平線の向こうの景色は変化し、
温度は急激に低下、周囲の海には霧まで出ていた。
混乱した政府は一時、機能停止状態に陥りかけたが、
それまでどちらかといえば低い評価しかされてこなかった吉田首相が
強力なリーダーシップを発揮し、何はともあれ状況を把握することだ、と民間船舶・旅客機の航行を禁止し、
海上自衛隊と航空自衛隊に周囲の偵察を命じた。無論、領海・領空には十分な注意を払って。
青谷もまたその日、護衛艦『ひえい』に乗り込み、状況把握のための探索の任についていた。
しかし西に派遣された航空自衛隊はいけどもいけどもユーラシア大陸の姿は見ることはなく、思い切って領空を越えて
引き返せるギリギリまで飛んでみたものの、広がる海にただ唖然とし、
代わりに東に派遣された海自艦隊はすぐにユーラシア級の大陸を発見した。

一体これは何の冗談だ。

あの時の騒動は今でも青谷の記憶に新しい。鍛え上げられた海自隊員達が一様に呆然としたのだ、自分も含めて。
本国と通信を繰り返すも、当の本国が半ばパニック状態なのだから始末に終えない。上陸すべきか、いや、
何がいるかわからないから一旦引き返し、
陸海空総出で探索に当たるべきだと本国も海自艦隊も大騒ぎをしていたその時、
大陸側から数多の木造船舶が現れ、海自艦隊を包囲した。逃げることも当然、海自艦隊には容易かったが、
砲門は向けども発砲はしない様子に交渉の余地ありと判断し、そのまま包囲されるに任せたのだ。
互いに砲を向け合い、にらみ合うことしばし、
大陸から現れた艦隊から一艘のボートが下ろされ、青い旗を掲げつつ海自の護衛艦に
近づく。後で聞いたところ、青はこちらの世界での白旗に当たるらしい。
ボートを漕ぐ人間と比べて豪華な衣装から艦長はこれを使節と判断し、
警戒は保たれたままにこちらの世界の人間とのファーストコンタクトが始まった。
それが、一月前の話である。
206日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:07:04 ID:ObByNp01
「青谷二尉か」

物思いに耽りながら手元のリンゴを見つめていた青谷に声がかけられる。

「如何かな、帝国のリンゴのお味は」

見れば、赤と白の瀟洒な衣装に身を包み、腰には細剣(レイピア)とマインゴーシュを下げた、
三銃士の世界から抜け出てきたような女がそこにいた。
波打つ金髪はこちらの翳る太陽に比べれば地球の太陽のように輝かしく、
白皙の美貌は衣装と相まって見るものに強い印象を与える。

「ロゼッタ中尉」

ロゼッタ・ランダース中尉は、青谷同様ファーストコンタクトの場に居合わせた人間だ。
女ながらユグドラ帝国近衛隊の旗手を務めており、
軍人の他、外交官、領主、狩猟長官など様々な肩書きを持つ、絵に描いたような名門貴族だという。
突如として現れた鋼鉄の艦隊(要するに海自だ)にボート一隻で接近し、使者の役割を果たしたのも彼女だ。
使者として艦長ら高級将校とも言葉を交わしたが、艦の案内と、世話係を担当した青谷とは比較的親しい間柄である。
無論比較的であって、男女の仲に発展したわけではない。
単に艦長らと接するときは公人としての性格が強くなるだけで、
そうでない時は、彼女は誰と仲良くするのにも躊躇しないだけだ。

「正直に申し上げますと、酸味がきつい」

「だろうな、貴公は正直だ」

ロゼッタはリンゴを青谷から奪い去ると、自らも口に含んだ。

「このフネで饗応を受けたときの衝撃は忘れんよ。海軍の食い物ときたら例え貴人用であれ、
不味いのが相場と踏んでいたのに、宮廷で出されたどの料理よりも美味いのだからな」

だがその美味い食事もいつまで出せるのだろう、と青谷は思う。
気候が違いすぎる。言うまでもなく今年も来年も不作だろう。そのまた次の年も。
というより今までと同じ作物は最早取れまい。これからはこの気候に合わせた作物を品種改良して
作ることになろうが、さて、何年かかることやら。まずかろうがなんだろうが食料の輸入は目下の急務である。

「にしても見れば見るほど立派なものだな、このゴエイカンというのは」

ロゼッタが憧れるように『ひえい』の艦橋を見上げる。

「図体だけなら我が方も似たようなものは作れるが、とても敵わん。威風が船から滲み出るようだ」

『ひえい』はどちらかといえば旧式である。それを知っている青谷は半ば誇りに思う一方で苦笑せざるをえないが、
それでもナポレオン時代ぐらいの戦列艦しか知らないロゼッタにはオーバーテクノロジーもいいところだろう。
『ひえい』は日本の代表として、帝国側の軍艦と共同で商船の護衛についている。
たかが商戦の護衛……とはいえ、お互いに信頼関係もなく、そもそも国交もない。更に海賊が出没するという話も
あれば、このように物々しい警備も当然といえた。ロゼッタは無論帝国側の人間だが、外交官としての特権を
活かしてこちらに潜り込み、視察という名の日本見物を楽しむ気だという。名門貴族の割には、いや、だからこそと
言うべきだろうか、彼女は優秀な反面無邪気なところがある。
207日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:07:48 ID:ObByNp01
「にしても、大したものですね。この世界の人たちは」

「ん、何がだ?」

飽きずに『ひえい』を見つめていたロゼッタが首を傾げる。

「我々への対応です。正直、もっと混乱したものを予想していました。
ですが蓋を開けてみれば、使節団を派遣してから列国を召集しての会議、その後で合同で我々と交渉に乗り出し
僅か一月で制限つきとは言え貿易にこぎつけています。普通は、こうも足並みは揃いません」

「ふむ、貴公の世界ではそうだったのか」

ロゼッタが誇らしげに胸を反らす。

「これも皇帝陛下のご威光のお陰、と言いたいところだが実は違う。この世界の支配層は
貴族が殆どだが、貴族たちは一千年以上の政略結婚で殆どが親戚同士になっていて、言わば領土や国家を超越している。
勿論お互いで戦争や陰謀も起すが、大きなことが起こった場合はスムースに全員が協議できる体制にあるのだ」

宮廷外交という奴か、と青谷は見当をつけた。国益よりも親戚づきあい。個人個人の繋がりが優先される、
17世紀から19世紀ヨーロッパのお家芸とも言える外交である。
共通の階級意識、価値観、文化的基盤を持つからこそ成り立つ絶対主義時代の国際外交手段だが、
国民国家の時代には最早時代にそぐわないものとして退けられ。しかし今回はそれが幸いしたらしい。
大陸内の陰謀に日本が巻き込まれたりしては目も当てられないのだ。
もっとも日本はその輪から外れた位置にあるわけであり、青谷は今後の外交に若干の困難を感じた。

「さてと」

ロゼッタが興味深そうな目で青谷を見る。

「硬い話はここまでだ。わたしに艦内を案内しろ。色々と興味深いことがありすぎる。
日本につくまで退屈しそうにないな」
208日本が国ごと召喚:2009/06/05(金) 19:09:01 ID:ObByNp01
以上で投下を終了します。更に日本編続きます。今度は政治家と本土。
説明くさいかな?かなり説明くさいと本人も自覚してますが、よろしければ応援の程を。
209創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 19:44:08 ID:T4q+lX3g

>>貴族が殆どだが、貴族たちは一千年以上の政略結婚で殆どが親戚同士になっていて、言わば領土や国家を超越している。

なんだか感動するな、2600年も続いて未だに憎み合う地域が沢山ある日本と比べると

まぁ、日露米戦争とか見ると共通の敵に対しては一億総攻撃状態に突入するからな

「ひえい」は武装やレーダーは古いが5050tという大型駆逐艦だからな
逆に巨大な飛龍群とかがいなければイージスよりDEやLCSの開発に力を入れた方がいいよな
210創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 19:53:13 ID:yZoOZW1y
まとめwiki、余計なページを2ページも作っちまった・・・吊ってくる orz

管理人氏、見てたら削除おながいします
211創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 20:17:13 ID:Os7KaDY7
>>209
いがみ合う地域なんてあった?
212創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 20:32:02 ID:FfLroYd3
>>208
乙ー
しかし寒くなると日本の主食である米も大打撃ですなー
小麦やジャガイモに転換する必要に迫られるのか
213創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 20:54:08 ID:bPgrTpF+
>>199
メジャーな物だと豊田有恒の『タイムスリップ大戦争』なんかがその類だな。
時間的地滑りにあって日本列島ごとタイムスリップする話。
別の時空に列島ごと飛ばされることをテーマにしたはしりみたいな作品だし。
214創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 22:12:21 ID:RCdU5DVD
>>211
信州人ですが信州南北戦争でぐぐると・・・今でも対抗意識ありますよ。
まぁ、北は青森県の旧南部領と津軽領で、西は長州藩と岩国領とか、色々ありますな。
215創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 22:55:55 ID:wtcQfDU7
>>208
投下乙です、しかしできればトリップをお願いしたいところ!
続きにwktk
216日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/05(金) 23:40:08 ID:CXm34lTS
某年 某月某日 日曜日

 目が覚めたら、夜が明けていた。昨日頭を使わなかったせいか、5時前まで寝ていたようだ。
急いで顔を洗って井上食堂に駆けつけたが、先客の顔を見る事になってしまった。
食材は持ち込みだし食事の量や質に差が出る訳ではないのだが、何となく悔しい思いがする。

 出社して資料室への入室手続きをしていたら、記入欄のすぐ上に知った名前を見つけた。
また先客がいるらしいと思って特別資料室に入ると、確かに入江が座っていた。
涼しい顔をしてペンを走らせている。そして、その手許には「魔法場の統一理論」があった。
話を聞くと、偵察用機材に使う新しいプログラムを任されたので、その参考にするのだという。
仕方が無いので関係ありそうな開発資料などを読んで本が空くのを待つ事になった。

 1時間後、やっと「魔法場の統一理論」に向かう。
一緒に読んでいた開発資料の欄外に書き込み。特徴的で見覚えのある、微妙に縦長の文字。清水の筆跡だ。
奴の専門は回路の設計だったから、本に纏まる前の統一理論を研究していたのかもしれない。
書き込みの内容が統一理論の理解を助けてくれた。天上の清水に感謝する。

 昼食は林亭で。入江も一緒だった。先週の日曜日にも入江に貸しを作っているので
一品奢ってもらう事にした。しかし後で言われたのが「出張手当が入ったら、お返しに2品ほど宜しく」の一言。
何か言い返そうかとも思ったのだが、あの場で反論していたら大人気無かったろう。何も言えなかった。
 午後からは入江がそのままプログラミングに入り、松本先輩も会社に現れたので電力が不足した。
そのため送電量を増やしてもらったが、手続きに1時間近くかかってしまった。

 勉強が進むにつれ、魔法場というものが何となく理解できそうな物に思えてきた。
魔法を使う者にしか理解できないであろう事柄もあるが、魔法を使えば周辺に様々な影響が出る事は確かだ。
 センサに使われているという、魔石の特徴というのも何となく掴めてきた。水晶に近い特性を持っていて
圧力や振動ではなく、魔法の影響を受けると電流を発生するようなのだ。開発中の魔法センサはおそらく、
影響を受ける魔法によって魔石の挙動が違うという特性を利用しているのだろう。
 本来の使用方法は魔力を封じ込めておいて、様々な魔法の力を増幅させるというものらしい。
生成には高温高圧と長い時間と継続した魔力が必要で、人工的に合成するには厳しい条件が
揃っているようだ。水晶に似た鉱物だというから、圧力容器に魔力を送り込む事で合成できそうな気も
するのだが、自分が思いつく位なのだから、技本の誰かが思いつかない筈が無い。
おそらくそう簡単にはいかないのだろう。あるいは今頃、合成の実験でもやっているのかもしれない。
217日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/05(金) 23:41:50 ID:CXm34lTS
某年 某月某日 月曜日

 今日の仕事はプログラミングの手伝いだった。昨日、入江が話していたプログラムらしい。
PC上の仮想環境で動かしてみる。魔法による影響を想定した外乱を送り込むと、動作が一瞬乱れた。
引き続いて他の外乱を加えると、動作が停止して「装置の不具合発生により任務に遅延発生」と判定された。
この状態から外乱に強いプログラムに練り上げていくのだという。

 自衛隊撮影による、敵の策源地攻撃の映像が公開されていた。公開されたのは金曜日だ。
センサ試験の後片付けでニュースも見れず、その後もばたばたしていたので気付くのが遅れてしまったようだ。

 滑走路へ進んでいく迷彩模様の機体。RF-4EJが飛び立っていった。画面が切り替わった。
航空写真が映り、拡大される。森の中に開けた場所があった。草葺き屋根らしい円形が数十戸。

 空に星が輝き、暗い森の中を進む自衛隊員たち。草が激しく擦れる音がして、急に映像が横へ流れた。
カメラの動きが収まり、映し出されたのは顔に迷彩を施した隊員と、その足元で粗末な服を着て横たわる
欧米風の顔をした男。敵の歩哨だろうか、傍らには鈍く光る刀が落ちていた。映像が切り替わり、
柵で囲まれた広場のような場所が映し出された。奥には建物も見える。これが敵の策源地らしい。

 空が白み始めている。そこへ力強く空気を叩く音が響いた。AH-64DJ改の登場だ。
空からの映像に切り替わった。白黒画面でやや粗い映像だが、むしろそれが新鮮に思えた。
ロケット弾が打ち込まれ、建物が白い光に包まれる。音に驚いて飛び出してきたらしい不運な奴が
30mm機関砲を浴びて、それほど明るくもない飛沫になった。勇敢にも、弓矢と思われるもので
応戦しようとする敵がいた。数秒後、それは原形を留めていなかった。ヘリからの射撃は止まったが
空からの目で見る限り、敵兵は次々と倒れていく。どうやら地上の部隊から射撃が行なわれているらしい。
木製らしい柵は、既に銃撃でバラバラになっているようだ。あちこちで薄明るい飛沫が飛び散っている。
こういうのはあまり鮮明な映像では見たくない気がする。

 森の中へ逃げ込もうとした敵には周辺警戒を行なう自衛隊員からの銃撃が待っている。
木の陰に隠れて、周囲の様子を窺う隊員たち。周り中から断続的に発砲音が聞こえてくる。
遠くから誰かが画面に向かってきた。画面横に棒状のものが見え、破裂音と共に彼は地面に転がった。
戦闘帽にものものしい装備を装着した隊員が何かに気付き、合図をした。
それを受けて樹の上に向けて銃撃が行なわれると、湿った音を立てて大きな物体が落下した。
 ヘリの音が遠ざかって行きカメラが向きを変えると、突入する隊員たちの姿が映った。
軽機関銃のものと思われる発砲音も聞こえる。ヘリからの映像で見た射撃の主はこれだったのだろうか。

 日が昇り始めた頃、カメラは焼け残った建物に踏み込んだ。後に敵の武器庫と判明した建物だそうだ。
映し出されたのは、投石器だったと思われる大きな消し炭。近くには焼けた岩も幾つか転がっていた。

 今回の映像は少し生々しかった。再生する前に確認画面が出たのも無理はない。
テレビでは戦闘時の映像は流さず、ショッキングな映像が含まれる旨も告知されていたようだ。
 この作戦で殺害した敵の数は386名。これは意外と少ないらしい。前回討ち漏らしたと見られる負傷者もいた。
たぶん敵方は前回の戦闘で、かなり消耗していたのだろう。そして態勢が整う前に殲滅されたと思われる。
我が方にも負傷者が出ている。木の上に潜む敵に襲われて、隊員2名が重傷を負ったそうだ。
死者が出なかったのは幸いだった。負傷した隊員も、治療すれば現役復帰できる程度の怪我で済んだらしい。

 まあ何にせよこの戦果なら、今後の交渉も非常に有利に進むだろう。
上手くすれば、緩衝地帯の森の向こうに広がる草原を手に入れられるかもしれない。
そうなれば適性作物の調査を行なって、来年か再来年には大陸からの食料が増えて、国内での
食料価格も安定する事になるだろう。ついでに鶏肉の値段も少しは下がってくれると嬉しいのだが。
218日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/05(金) 23:43:33 ID:CXm34lTS
某年 某月某日 火曜日

 以前提案した、グライダーによる移動計測試験を行なう事が決定した。
この案の他には、センサを馬に乗せて走らせて計測する試験や、ロケットで加速した後に小型の
木製グライダーを分離させる計測試験などが採用されたそうだ。試験の日程などは追って通達が来るとの事。
 こうやって見ると、馬に乗せる方法は60km/h以下、羽布グライダーはおそらく300km/h以下、そして
ロケットで加速するグライダーはそれ以上の速度で試験を行なえる。たぶん速度の違う3種類の方法を
比較するという意味合いがあるのだろう。
なお、会社で提案した空挺投下による試験は引き続き検討を続ける事になったそうだ。

 で、試験を行なう予定の場所というのが……矢臼別演習場。北海道だ。
確かに、周囲に人工物が無くて平坦な地面がある環境など、なかなか国内にあるものではない。
東富士演習場も候補に挙がったらしいが、機密保持の観点から矢臼別演習場に決定したそうだ。
 という事は、である。近いうちに北海道に出張という事になるのだろうか。
この試験は自分が言いだしっぺなのだから、やはり自分が参加することは確実なのだろう。
北海道まで船を使って1日ちょっと。試験に5日間。帰りは親潮に乗って1日弱。丸1週間は
見ておかねばなるまい。ひょっとして東京で過ごしている時間の方が短いんじゃないか?

 夕方のニュース、太平洋を航行中の自衛艦「しんげつ」が外国船を拿捕した。
試験運用を兼ねて周辺警戒中だった新型艦載ヘリ「SH-60L」が、不審な航跡を発見したため接近した所
弓矢および火球魔法による攻撃を受けた。この攻撃による損害は無く、これを受けて「SH-60L」は
直ちに搭載機銃による反撃を開始。敵方に死傷者を出した。この際、海上に数名が落下するところを
ヘリの搭乗員が目撃したそうだ。その後「しんげつ」乗員が乗り移って船内を制圧、乗員を拘束した。
当該船舶は「しんげつ」に曳航されて最寄の沖縄基地に向かっているそうだ。

 当該船舶は黒潮に乗っており、拿捕されていなければ2日程度で九州から四国、3日から4日もあれば
房総半島の沿岸部まで到達していた可能性があったらしい。
 当該船舶に搭乗していたと思われる魔法の術者は行方不明。周辺の捜索が行なわれたが、
海上にそれらしきものは確認されなかったという。たぶん溺れて海中に沈んだかしたのだろう。
しかし国内に潜入する可能性も捨てきれないため、警察や自衛隊は警戒態勢を強化したそうだ。

 このところ外国船に関するニュースが多いような気がする。
「毛の無くなった毛生えクッシー」に関する情報はすっかり影を潜めてしまった。まあ、話題の主が
姿を消してしまったので仕方の無い事ではあるのだが。今頃、釧路の商店街はどうなっているのやら。
219日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/05(金) 23:45:19 ID:CXm34lTS
某年 某月某日 水曜日

 4時前に起床、5時に朝食。このところ雨続きで、夜明け空が見えない。
もう梅雨入りなのだろうか。天気予報の精度はまだ高くない。気象衛星の6機体制が整うのはまだ先の話だ。

 入江の作ったプログラムは、ひとまず形になったそうだ。
そんな訳で、それを実装した機材の試験に取り掛かった。かなり大掛かりな機材で、試験項目も多い。
今日だけでは終わらせることが出来ず、明日に持ち越しとなった。今のところ動作に問題は無さそうではある。
しかし明日は外乱を大きくした状態での試験だ。泉さん謹製の外乱てんこ盛りに、どこまで耐えられるやら。

 昼過ぎに技本から車が来ていた。何か会議が行なわれていたが、自分には何の通達も無かった。
矢臼別での試験に関するものではなかったという事なのだろうか。初夏とは言え、北海道は寒そうだ。
まだ東京の気候に慣れ始めたばかりの自分にしてみると、出来れば夏になってからとかにして欲しい。
まあもうすぐ梅雨だからその間じめじめしない北海道で過ごすのも悪くない、という気もしないではないのだが。

 高校の元同級生で、神主の伊東が夕方のニュースで紹介されていた。
毎年、神社の畑で収穫した野菜を氏子たちに分け与えているそうだ。インタビューに答える顔は
幸せそうというか、妙に微笑んでいた。どうもあの手の表情は好きじゃない。なんとなく、後ろにある
感情や考えを隠しているような気がしてしまう。単に自分が宗教嫌いだという事もあるのかもしれないが。

 得体の知れない怪物が、かつてフィリピンがあった辺りに存在するドンゴワナ諸島付近の海上に
出没しており、退治するために護衛艦2隻が出動したそうだ。あわよくば捕獲して持ち帰るために、
「第6図南丸」と「第170日東丸」が同行しているという。怪物退治のために自衛隊が出動するという事案は
年に数回あるが、その度に巨大な烏賊や蛸だったり、凶暴な鯨や海竜だったり、様々な怪物が現れる。
 今回の出動は友好関係にある現地住民の要望を受けてのもので、現地住民の証言によると
なんとも気味の悪い怪物だとの事。現地の言葉では「プス・サイギツム」と呼ばれているそうだ。
いったい、どんな化け物が出てくるのやら。まさか「毛の無くなった毛生えクッシー」じゃないだろうな……

 ネットサーフィンしていたら、さっそく「プス・サイギツム」の正体についての様々な考察が飛び交っていた。
海竜派と巨大軟体動物派が真っ向から対立して、賑やかな事この上ない。
やっぱり皆、ナマモノ話が大好きである。これから察するに毛生えクッシー騒動の時はどんな状態だったか、
大方の見当がつく。気になる人にはちょっと見せたくないものだったろう。
30分程度だったが、楽しませてもらった。19時を回ったので切り上げて、日記を書いて寝る事にする。
220日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/05(金) 23:47:05 ID:CXm34lTS
某年 某月某日 木曜日

 昨日に引き続き試験を行なう。プログラムの練り直しとなりそうだ。
入江に結果を伝え、データを渡した。午後からは部内会議があった。

 18時、薄暮の公園へ風呂上りの散歩に出かけた。梅雨に入る前の貴重な晴れ間だと考えたからだ。
それにその公園にいれば周囲は自然な光景で、落ち着いて過ごせるという事もあった。
自転車を自宅に置いて公園を散歩していると、外人が通りかかった。会釈してすれ違おうとしたのだが、
その見覚えのある外人に話しかけられた。だから足を止めて話を聞こうとした。

 彼は近所で見かける、在日ドイツ人のはずだった。その彼が突然、異様な気配を漂わせ始めた。
あの気配には覚えがある。九州にいた頃にすれ違い、そして10日ほど前の日曜日にも見かけた奴だ。
もう一度その顔を見ると、そいつは違う顔をしていた。目つきも、口元も、顔の輪郭も、そして髪の色も。
自分が何か叫んだかは覚えていない。公安が5〜6人駆けつけてきて、そいつの周りを取り囲んだ。

 そいつは不敵な笑みを浮かべて言った。
「我が名はジャック・キール・ブラウン。以後、お見知り置きを……もしも可能であるならば」
次の瞬間、その姿が突然消えた。向こう側でそいつを取り囲んでいた公安が一人、宙を舞った。
あれはおそらく隠蔽魔法だろう。姿を隠しておいて、囲みを破ったに違いない。

 その後は大騒ぎだった。人通りも落ち着き始めた時間帯で、一般人には気付かれていなかっただろうが
静かな公園と住宅地が緊張した雰囲気に包まれていた。発砲音や叫び声こそ聞こえなかったが、
車が辺りを走り回ったり公安が盛んに連絡を取り合ったりしていた。

 新島まで付いてきていた公安が自分を家まで送ってくれた。
その際、部屋で幾つか状況を聞かれた。出来るだけ正確に答えたつもりだが、どこまで正確に伝わったか
自信が持てない。その後で、明日はいつも通りに出勤するように、と言われた。
 むろん今日の騒ぎについては口外無用である。そして何かあった時にはここに連絡するように、と
電話番号とメールアドレスを書いた紙を渡されたので、携帯端末に登録しておいた。

 あの異世界の男は一般人になりすまして潜伏していたのだろうか。
しかし、だとしたら何故あの男に一般在留許可が出されていたのだろうか。パスポートの提示や
大使館の記録との照合、身辺調査も行なわれるから、怪しい人物はそこで引っ掛かったはずである。
ひょっとして、許可された人物と入れ替わったりでもしたのだろうか。だとしたら、本来許可された人物は
どこに消えたのだろうか。考え始めるときりがなくなってくる。

 とにかく今は、山本と名乗ったあの公安の言った通りにするしかない。
今の自分にできるのは、深く考え過ぎずに普段どおりの生活を送る事だけなのだろう。
221日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/05(金) 23:49:00 ID:CXm34lTS
投下終了です。
保存庫に収められているネタを一部拝借しました。「仮題◆7ekwL0V8mo」氏に感謝します。

まとめサイトに掲載されると、何かこそばゆい感じがするものですね……まとめ人さんに感謝です。
222創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 00:29:33 ID:0Ixx1jmR
投下乙です。
これ明らかに入られてるじゃないですかァー!
223創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 01:12:57 ID:Qwciasp7
投下乙
淡々とした日常描写にかいま見られる非日常の怪異が
ゾクゾクとした肌の粟立つ新鮮なホラー小説を読んでる感じでバッチグーです
224創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 01:38:57 ID:SBRoORPu
えらい投下ラッシュだなw
取り合えずまとめられたみたいだからこれから読んでくる
職人さんと編集した人と乙
225創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 03:01:54 ID:1SAv8qus
とりあえず日記氏、本日投下分までまとめ完了。
◆8b20lCD.o.氏は現在書き直しされてるようなので、しばし様子見しております。
他の職人様方も暇ができたら順次まとめて行く所存。
載せるの待って!って職人様は書き込んで下さると助かります。


マジで無駄ページ+リンク不備すまんかった・・・orz
226創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 06:11:08 ID:ojPG/Ena
>>208
乙でした。
しっかし、温室栽培と寒冷地用作物を甘く見過ぎですな
収量は兎も角、味は問題有りますまい
>>219静止軌道だから、気象衛星は一機で十分の筈ですよ。
問題はデータの蓄積かと
227日記より ◆im0Hwg82eM :2009/06/06(土) 07:47:44 ID:csZ45C/f
>>226
より多くの観測データを集めるのには全球観測が望ましいので、そのためには常用3機、
予備機含めて6機体制。という意味だったんです。
まあその場合リレー衛星なんかも必要になってきますが。
ちょっと言葉足らずでしたね……申し訳ない
228創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 12:31:52 ID:Qwciasp7
赤道上空三万六千キロに三機は欲しいとこだな、宇宙分野の予算次第だが
いままで「いざとなればアメリカ頼り」でけちってたつけが先ほどの「ひまわり騒動」だった

食料安全保障の観点からすれば海流、海水温のデーター収集の地球観測衛星も欲しいとこだが
229日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/06(土) 23:03:39 ID:fiR9Li4/
ビニールハウスを忘れていた罠。
そしてリンゴは寧ろ寒冷地で育つ罠。輸入しなくていいね!
書くごとに現実との齟齬が出ますが、もう書いちゃったものはしょうがない、
開き直って書いていきますので、生暖かく応援をお願いします。

薦めに従ってトリ付けてみました。ちゃんとつけられているかな?
とりあえず本日の投下ー、超ウザい世界観説明。
230日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/06(土) 23:08:20 ID:fiR9Li4/
日本は、奇跡的に平穏を保っていた。
元より諸国の中でもとりわけ高い治安を誇る国である。
国民は何か事があろうとも、基本的には政府を信頼している。
加えて転移直後に政府が積極的に周囲の状況を把握しようと努め、
極めて早期に大陸諸国と国交を結んだことが幸いした。
『我々は孤立していない。海一つ隔てた向こうには人がいる』
日々テレビやラジオ、インターネットを通して行われる政府の宣伝に、
国民はパニックに陥る前に落ち着きを取り戻した。
こうして、多少の例外を別にすれば、このような異常事態を経たにもかかわらず、日本は平穏だった。



「さて、会議を始めようか」

日本国内閣総理大臣、吉田一郎は細長い机に居並ぶ閣僚たちを前に不機嫌そうな顔で宣言した。
奇しくも大陸を代表する国家の長であるルクツァが同じ台詞で会議を始めたことを彼は当然知らない。
彼の前に居並ぶのは各省庁の長たち。この日本を動かす頭脳たちだ。
だが彼らは一人の例外もなく青ざめた顔をしていた。

「食料の生産状況はどうなんだ」

指名を受けた農林水産大臣が起立して報告する。

「絶望です」

閣僚たちの間にざわめきが広がりかけるのを、吉田は視線一つで制した。

「従来から生産している農産物はほぼ壊滅です。
季節のリズムが大きく狂ったのも最悪です。
転移する前は初夏だったのが、こちらでは我々の世界の冬に相当する秋。
これから冬になると思えば、背筋が凍る思いです。
品種改良を進めていますが、従来の作物は以後、
ビニールハウスなどでの少量生産に止まる覚悟をしたほうがいいと思われます」

「備蓄は?」

「もって、三ヶ月かと……このような事態、完全に想定外です」

想定できる人間などおるまい。神ならざる人であれば。だが。

「予測していなかったで済まされないのが政治家ってものだ。大陸諸国との輸入を更に進めろ」

吉田は政治家の家系に生まれた、正に政治家のエリートである。
であればこそ、彼は国民に対して一切の言い訳はしない。
全ての餓死者、全ての暴動の責任は明確に自分にあると思えばこそ、
このような事態にも冷静に対処できるのだ。
231日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/06(土) 23:09:09 ID:fiR9Li4/
「次、警察庁長官。国内状況は?」

「表面的には平穏無事です。連日の報道が功を奏しています」

閣僚たちが胸を撫で下ろす。暴動こそは命取りだ。

「ですが、内心は不安を押し隠していると思われます。
やはり食料についての不安は消え去らないようで、
各所の商店から食料が消えています」

「念のために聞くが略奪か?」

「いえ、正当な売買によるものです」

とはいえ、空になった棚は人心を不安にする。
いつ食べ物が買えるかわからない、と思えば誰しも不安になろう。

「食料備蓄はまだ十分だ。買う側から山ほど陳列すれば、いずれ国民も安心する。
警察はこの機に乗じて略奪や暴動を起そうとする動きを絶対に許すな。法の健在を示せ」

はっ、と応えて長官が着席する。
実のところこの一月で犯罪件数が激増していた。元が少ないゆえに大きな騒ぎにはならず、
日ごとに減少の傾向にあるものの、何か火種があればすぐに表面化しよう。彼の責任は重い。

「外務大臣、各国首脳との交渉は?」

「今のところは順調です。おぼろげながら大陸の国際関係も見えてきました」

よろしければ、と前置きして外務大臣は地図を指す。吉田は軽く頷いた。外務大臣はそれを受け、
テーブルに地図を広げる。大陸の地図ということはすぐにわかった。だがかなり簡略化された印象を受ける。

「測量技術の未発達と軍事的な機密のために詳細な地図を調達することはできませんでした。
現段階においてはこの地図が最も詳細な大陸の地図です。無論彼らから提供されたものです」

詳細な地図を手渡せば軍事侵攻の材料となる。当然の警戒だった。
232日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/06(土) 23:09:53 ID:fiR9Li4/
「このファルデア大陸には大きく分けて3つの国が存在します。
まず、大陸の最西端に存在し、最大の版図と歴史を誇る
ユグドラ帝国。次にその隣に位置するリディア王国。最後に最も東に位置するラウジッツ連合王国。
我々と最初に接触したのはユグドラ帝国で、その名の通り皇帝を頂点とする帝政国家です」

地図に赤線で国境線を書き込みつつ、外務大臣が説明を続ける。

「ただしユグドラ帝国は我々の歴史における神聖ローマ帝国に相当する国で、
内実は中央の皇帝領と、ユグドラ四天王と呼ばれる東西南北の4貴族領に分かれています。
同国内とはいえ小競り合いは頻発しており、事実上5つの国がこの地域の中に
存在していると見ていいと思われます」

「他の二国は?」

「リディアは強固な絶対王政を保っている模様です。総体としての国力はユグドラに及びませんが、
ユグドラが統制の取れない諸権力の集合体であることも思えば、実力はこちらが上でしょう。
ラウジッツは逆です。百とも二百とも言われる群小貴族が内部で絶えず争いあい、
外部からの脅威にのみ対応する状態です。
我々の出現にも我関せずといった態度で内部抗争に明け暮れており、使節も出してきません」

「上出来だ、ありがとう外務大臣」

貴族ばかりだな、この世界は、と吉田は思った。
このような世界では民主主義は危険思想にも程がある。
彼らが貿易や国民の出入国に枷を嵌めたがるのも当然だ。
元の世界のどこぞの国なら民主主義の輸出を始めるのだろうが、吉田にはそんな積もりはない。
互いに必要最低限な部分だけを補い合い、後は無視する。
そんな関係が互いにとって上等だろうと吉田は考えていた。

(それに、交渉をする上では相手が貴族のほうが便利だ)

伝統によって聖別された王侯達は強い批判や、引き摺り下ろそうとする動きに晒されることがないため、
場合によっては暴走し、戦争と恐怖を撒き散らすが、
一度方針を決めれば、長期にわたってその方針が堅持される。またその視野もまた遥かに長期的である。
個人の好悪に左右されるという欠点もあるが、懐に入れば交渉はしやすい。

「最後に、防衛大臣」

立ち上がる防衛大臣に、吉田は一息置いて質問した。

「国防について見解を聞かせてくれ」

「それに関しては自身を持って可能とお答えすることができます。
ですが、この先エネルギーの供給が細ることを思うと、
時を経るごとに防衛戦力は減少すると思われます。
また劣化した武器弾薬の更新も、資源の調達が望めない現状では厳しいといわざるをえません」

つまり日本の戦力は彼らが思うほどに絶対的ではない、ということか。吉田は頭痛がした。
現状、彼らが交渉に応じてくれているのは自衛隊の圧倒的な戦力があればこそだ。
そうでなければこちらの言い分などまともに取り上げまい。
ところが自衛隊の攻撃力は今すぐ発揮したとしても一過性の台風のようなもので、
更に日毎に減少するのだ。ハイテク兵器は補給を絶たれると弱い。

「もっとも、更に1年2年が、いえ、10年が経過したとしても国防そのものには自信が持てます」

「では、例えば」

吉田は少し躊躇したが、吐き出すように言った。

「今すぐ打って出たとして、彼らを支配下に置くことは、可能か?」
233日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/06(土) 23:12:20 ID:fiR9Li4/
以上で本日の投下を終了します。
説明くせー!
というか自衛隊は何処に?
そんな批判を受けつつ、お話は続きます。
234創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 23:16:27 ID:/L6+14YZ
乙ー
有能な日本も好きよ
235創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 00:32:58 ID:jI5+lfYl
>>229
果樹はしっかり養分やら無いといけんくてね、あと病虫害の管理とかあるから難しいんよ。
吉田首相って言葉でもうあの人しか思い浮かばん。
ともあれ投下乙でした。
最初typoってとうま乙と書いた、インデックスに本の栞にされてきます・・・
236創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 00:38:40 ID:jr7Oc8PS
うってでたとしても自衛隊は広範囲の地域を維持する為の兵員足りないですからね
攻撃や狭い範囲の防御には向くけど広い範囲の防御には向かない こっちから吹っかけるのは無謀でしょ

でもそれだと戦いが起きず「読者が喜ばない」って事で何らかの形であるとは思いますが 敵がゲリラ戦やってきたら怖いですね
237創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 00:42:02 ID:B+D8VbAn
そこで徴兵制復活ですよ。
>>227
ぶっちゃけ、今の精度をだすなら一機体制で十分です。
地球シミュレータ級の何年後の気温予想とかなら兎も角、
短期の予報は衛星一機(予備なし)で十分こと足ります。
現在の技術では日本上空以外の衛星のデータなんぞ
取得できても、日本への影響は予想できません。
>>229
概出の植物工場が出ないのはどうかと思いました。
238創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 01:05:41 ID:jI5+lfYl
野菜工場が本格的に稼働する前の話じゃね?
239創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 06:06:40 ID:uuuq9Fwd
数年後、その種の技術を持った企業の株を所有していた投資家が、ハイパーウハウハタイムでこの世の春を謳歌しちゃうのですね。<野菜工場とか省エネ技術とか
240創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 06:14:58 ID:jInrmmkt
転移後の食料難の中、全く新しい方法で食料生産の確保をしようとした中小企業があったー(BGM地上の星
241創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 08:58:28 ID:tZyacsw2
徴兵したってまともに使えるようになるまで時間が掛かるだろが。
使えるようになるまで金も掛かるし。
242創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 09:50:50 ID:q/20Rmtf
精鋭にするんじゃなければ使い道はあるんでね
243創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 10:54:52 ID:jInrmmkt
後方の警備に使うなら徴兵でもなんとか
244創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 11:36:00 ID:GaIIlqPo
異世界との戦力差がどこまでかにもよるが

最新ハイテク兵器でなくWW2直後のローテク兵器レベルにまで主力兵器を落としても
十分戦えそうだけどな

あぁもちろん現代技術でリファインしているという前提だが
245創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 11:48:51 ID:WlrSxj8N
資源の確保をしないとスペックダウンもままならんぞ。
246創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 12:31:42 ID:jInrmmkt
資源なら国内にアホみたいに転がってるから何とか
石油さえ何とかなるなら国内資源で10年位は持つと思われ
247創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 12:44:19 ID:ksx3wdlt
神と霊魂・死後の世界  カトリック教会の奇跡
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/psy/1227016089/54
248創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 13:20:24 ID:q/20Rmtf
レアメタルの再利用が本格的になりそう
249創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 13:23:42 ID:rBooJPaq
仮に徴兵制が復活するとすれば、戦力確保よりもむしろ雇用の確保と失業者による治安悪化の防止が大きな理由になるだろうね。
250創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 13:24:33 ID:CQyXtVA9
>>246
完全に自給できるのはセメントくらいじゃ
それとも石油不足で動かない民間車を回収・分解して弾にするとか?
251創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 13:43:16 ID:A+F/sww5
>>250
破砕物埋め立て所をあさればかなりのレアメタルが確保できると聞いた。
252とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:43:36 ID:V70BFzQc
('A`)Q:ナゼ作中ニ適当ナ名前ガ多イカ

  A1:ソレッポイ名前ヲ考エルノガメンドウ
   2:モデルトナルモノガアレバ読ミ手ガイメージシヤスイ
   3:ネタデアル
   4:ゼンブアリ得ナイ名前ニシテオケバ 後テ名前ノ付ケ方ガ ゙アリエナイト文句ヲ言ワレナイ
   5:異世界デアル   
             ・・・ノドレカ  
253とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:44:23 ID:V70BFzQc
△月×日

 しぐをバラし、部品の組み合わせと加工の意味を考えているだけで、いつの間にか昼になってしまっていた。
昼食は鮭の塩焼きと味噌汁、醤油で煮たジャガイモの煮付けと葉物を使ったサラダにチーズ。
塩と醤油をたっぷり使ったニホン風料理。
此処の工匠はニホン軍の基地内なので出てくる食べ物は皆ニホン流になっている。
料理は魚が中心で、味噌や醤油を使うなど西側料理に近い。
朝から晩まで醤油醤油塩塩塩。
塩が主要な輸出品のニホンであるが、限度を知ってほしい。
幾ら、国の一つや二つ余裕で支えるだけの塩があるからといって使いすぎは良くないと思う。
たまには肉を食いたい。

 ニホン人は一度に沢山の食品を買い付ける割りに食生活は意外と質素である。
彼らの料理を食べて驚いたのが、畑に撒く雑魚を食べるということだ。
エルブは貿易港の他に優秀な漁港があり、毎日多くの魚が水揚げされる。
通常、マグロやカシオ、アキアジなどは食用。
イワツなどの腐りやすい魚や小さな魚は纏めて肥料にされている。
肥料に出来る魚は大量に取れる代わりに腐りやすい。
ニホンが来る前までは集めて天日干しにして砕き、高級肥料として畑に撒いていた。
彼らはそれを買い取った。大量の塩にものをいわせて店ごと市場ごと。
沢山買い取って腐りやしないだろうか?
焼いたものを出してくれているがイワツを食べるのは心配だな。
254とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:45:09 ID:V70BFzQc
△月◎日

 今日は休日だ。
久々に工匠から出て外の空気を吸おう。
頭が詰まった時は気分転換に限る。
外にはニホンの面白いものが沢山転がっているだろうし、新たな発見を得られるかもしれない。

 基地の中はニホン人だらけである。
黒エルフやドワーフの姿は要所に少し見えるだけで、
殆どが茶や緑のモザイク服と白衣を着た人種で占められている。

 この基地はニホンの自治する街であり、
ギルドが許可した一部の商人と軍人、研究者以外は出入りが制限されている。
特に魔道関係の検査は厳しく、手形の提示とニホン人が使うアーティファクトの検査を抜けた後、
黒エルフの身体検査とドワーフ族の物品検査を通らなくてはならず、人と物の出入りは別だ。
大抵の魔道道具の持込は許可されるが、予め申請していない道具を持って入ろうとすると酷い目にあう。
前に同行していた黒エルフが飼っていた使い魔が不申請なだけで
ゲート前に許可が出るまで待たされた。丸半日もだ!
まったく!ロイの奴、面倒掛けてくれる。

 研究棟の集まった食堂街を抜けると
白い四角い建物の群れの向こうに、四六時中頂上から火を噴く銀色のパイプが絡まりあった塔が見える。
呪われた地から毒を吸い出すそうで、黒エルフやドワーフ達も二つ返事で許可したニホン主導の大事業だ。
読売板(よみうりいた)によると黒エルフ派閥であるアカマル派とドワーフ族のユーミル派が
主導で行っていて、新たな利権が絡んでいるそうな。

 なんでも、ニホン製の高品質な金属をどちらが手に入れるかで揉めているらしく、
黒エルフはニホンと強力なパイプを持っていて鉄の利権を言い張り、
ドワーフ族は古来からの慣例通り鉄やアーティファクトは我らが仕切ると主張し対立している。
今回の発端は大幹部であったアカマルがバッサン軍から無事脱出し凱旋帰国、
大国ニホンとの友好条約を締結した件で黒エルフ族の発言力が増し、ドワーフ利権に手を出したようだ。
それにしたって、エルフもドワーフも景気がいいものだと空高く伸びる塔を見て思った。
255とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:46:06 ID:V70BFzQc
△月◎Ш日

 今日も休みだ。ジェダイの桑井雁路(くわいがんじ、以下雁路)に聞いたら、太陽の日だから休みだとか。
ドワーフ職人に休みはない。エルフや人間とは違うのだ。
仕事が出来ないと思った日には仕事は進まないし、仕事を進んでしないと良い作品は出来ない。
思ったときには休日で仕事日だ。
職人は期日までに依頼を仕上げればいい。
だから明確な休日を決められるとドワーフは暇を持て余す。
そうだ。市場へ行こう。ニホン族の市場が開いているはずだ。

 研究者や職人が集まる長屋から十数メール歩くと小さな広場に出る。
屋根といくつかの椅子が置かれた待合室の横にはレールと動力付きトロッコ、
“鉄道”が置いてあり、これで街の各所へ向かえるようになっている。

 歩いて行っても良いのだが付くまで片道1時間以上は掛かる。
市場で商品を買い込んで、長屋へ帰るには少し遠い。
たった1時間歩くのを長いと感じるのはニホンの感覚に慣れたからだろうか。
いや、鉄道が便利すぎるせいだな。
鉄道を使うと歩くのが馬鹿らしくなる。
鉄道は乗合馬車に似た行き先が決まっている交通機関で、馬並の速度が出る。
しかも荷物は積み放題、途中で通行人に邪魔されないし目的地まで最短距離で行ける。
人込みの中を走るゴーレム力車より遥かに速く、私は街の住民であるため金も掛からない。

 それにしても、トロッコ一台一台に動力を付けるのは無駄ではなかろうか。
ゴーレム一体に荷運びや列車引きを任せれば楽であろうに。
ゴーレム力車やゴーレム飛脚はちょっとした街ならどこでもあるのに。
ニホン人は妙なところで面倒だ。

 ガタンゴトンと揺れるトロッコに乗って舗装された外を眺めた。
ジェダイの住む草木の色をしたテントに混ざって、
薄い茶色の金属板で覆われた金属の箱や、白い滑らかな表面をした壁の店が立ち並ぶ。
大小様々な色の家が建ち、雑多な印象を受ける。
256とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:46:52 ID:V70BFzQc
 ニホン街には変わったものが数ある。
金属で出来た箱型の建物も名物の一つだ。
しかし特色は何と言っても、道が綺麗で清潔なことであろう。
道路は白い家と同じく漆喰に似た黒い素材で塗り固められており、滑らかで石一つ雑草一本生えてない。
どの道も大きく、最も大きい道などは幅の広さで有名なバッサン帝都のゲンサク通り、その倍以上はある。
面白いのは、それほど大きな通りに関わらず糞や塵が一個も落ちていないことである。
なぜなら馬や牛が一匹も歩いていないからだ。
では代わりに何が走っているか?
“鋼の馬”油で走るオートマタ、自動車が走る。油とは明かりに使うアレだ。
当然、機械は竜や魔物と違って糞をしない。だから道は綺麗なのだ。
自動車とはゴーレムの一種で、人型ではない。形は牛や馬が引く台車に似ている。
これも鉄道と同じく個別に動力が付いていて魔力がなくても使える。
このようにニホンのものは殆どが魔力なしで動いていて、
物造りに携わるドワーフとしてはとても興味深い。

 いくつかの小さな駅を過ぎると広場に出る。ジオダイクン城前にある青の広場ぐらい大きい。
昼になるといつも人でごったがえしていて、気をつけないと人込みで迷子になる。
背丈が低いドワーフにとって人間の人込みに混ざるのは大変だ。
買い物袋を持って歩くのは面倒なので背負い袋を持っていくのをオススメしたい。
箱型の自動車や鉄道、飛竜の乗り換えが出来る竜屋が集まっている。

 広場から少し奥に行くとオオサカ名物オルドロス焼き(小麦粉で出来た丸い焼き物、足が入っている)や
トンカツ(豚に小麦を付け揚げた物)などの食べ物屋が軒を連ね、
カイナッツオ鍋の店は連日、非番のジェダイや研究者達が行列を作っている。

 商店街を通るとやっと市場だ。
手前が街人向けの市場で最奥が商人用市場と港。
エルブの市場から直接、鉄道を通して運ばれた荷物を降ろすクレーン。
山と積まれた木箱や積み下ろし作業に従事するゴーレム、上も見えないほど積まれた金属の箱。
道にニホンの不可思議な自動車が忙しく行き交う。
257とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:47:38 ID:V70BFzQc
 ふらふらと歩いている内に商人用の市場まで来てしまった。

 市場では妙な光景が繰り広げられている。
黒エルフ達とニホン人が激しく競り合っている、と思いきや
黒エルフがニ、三言話しただけでニホン人は頷き取引が終わってしまう。
同じ光景は他の場所でも起こっていて、市場の競り場にしては静か過ぎた。

 チェス板状に区切られた道と吊るされた看板、水の満たされた箱に入ったカイナッツオや
ルビカンテ製の魔法具、バルバシリアから取れた鉱石、所々に置かれた見本用の品々。
目立つ場所にはガラスケースが置かれ、スーツ姿のニホン人や
露出が多い礼服を着た黒エルフ達が互いの商品を売り込みあっている。
彼らは皆仕立ての良い服を着ていて、私服で来た私はどうにも居心地が悪い。

 そろそろ帰ろうかと思ったら帰り道が判らない。
ああ困った。広すぎなんだよここの市場は!

 さて、どうしたものか。
道を聞こうにも壁際に立つジェダイに話しかけるのはちょっと怖い。
彼らは見た目こそただの人間と変わりないが、一人で飛竜を屠る猛者達なのだ。

「はい。買取は以上で?二級品でも三級品でもあるだけ欲しいと?はは、判ってますよ。今後ともごひいきに」
聞き覚えのある声。ロイだった。
今日の取引が終わったらしく、書類を秘書に渡して帰ろうとしていた。
「おおおっ。ロイ!ちょうど良いところに!案内板がなくて困ってたんだ!」

無事に帰れた。
彼曰く、案内板は頭上にあって背の低い私は気づかなかったらしい。
とんだ恥をかいた。
目安箱にドワーフ用の低い案内板も設置して欲しいと書いた手紙を入れた。
258とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/07(日) 14:51:22 ID:V70BFzQc
投下終了

保管庫の方。書き直す前の文も入れてくだすってもよかですよ。
前に書いていたのは現在の叩き台でもありますので。
259創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 17:22:41 ID:jI5+lfYl
投下乙です。
いつ読んでも異人の目線の日本には妙にナゴナゴしてしまうw
元ネタはアカマルだけわからなかったよ続きwktk
260創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 17:24:32 ID:UkEAaHo2
投下乙!

それにしてもジェダイってwwライトセーバーと作り始めそうだw
261創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 17:31:38 ID:q/20Rmtf
熟練の技術者はミクロン単位の誤差を感じることができるというがドワーフはどうなんだろう
ナノ単位くらいは感知できるんだろうか
262創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 18:11:30 ID:jInrmmkt
多分マイクロ止まりだと思われ
剣作るのにミクロン精度必要ないし
263創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 19:24:32 ID:KHbbRlL7

太陽の日だから休みだとか。
ドワーフ職人に休みはない。エルフや人間とは違うのだ。

ドワーフって昔の日本人(キリストに関心ない)みたいだな

すっかり日付や結婚式場とかキリスト式になってしまった

異世界にも大安吉日や盆帰りとかあるのだろうか?

 広場から少し奥に行くとオオサカ名物オルドロス焼き

タコはオルドロスと呼ぶのですか。
264創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 19:25:53 ID:aLkd3O8V
カブあたりでもエンジン分解させたら熱中するだろな
265創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 21:22:10 ID:D08FFYJy
◆8b20lCD.o.氏、改訂前分編集完了。

どうもスマートに編集できない・・・
更新履歴は華麗にスルーして下さると助かります('A`)・・・
266日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:12:43 ID:X8qF8L+z
野菜工場の存在そのものを知らなかったよ!
書くんじゃなかった。無知が恥ずかしい。
これからも無知を晒すことになると思いますが、生暖かい目で優しくスルーをお願いします。
「この世界ではこうなんだ」フィルターを通してみてくださいまし……

なお、気付いたかもしれませんが米軍は存在しません。扱うとややこしいからです。
よってこの日本に存在する軍事力は自衛隊だけです。ご承知の程を。

では、投下開始。
267日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:14:14 ID:X8qF8L+z
「ほうほう、これがテレビというものか」

興味深げに右から左からテレビカメラを眺め回すのはロゼッタだ。カメラマンが困惑した表情を浮かべている。

「中尉、それはカメラです。テレビに映すための道具です」

「なんと、ではわたしは今お茶の間にこの姿を晒しているという事か」

解説を入れる青谷。上陸以来何度こうやって解説したかわからない。
ちなみに使節は彼女一人ではない。というよりかなり大規模である。無駄に多いと言い換えていい。
大陸に存在するラウジッツ以外の主な国家は元より、
星の数ほど存在する小領邦が片っ端から使節を送り込んで来たのだ。
その中でもロゼッタの好奇心たるや凄まじいものがあり、
日本に上陸してからは嵐のような勢いで説明をぶつけてくる。付き合う青谷はへとへとだ。

『使節としての仕事はどうしましたか』

と皮肉を言えば、

『大使がいるぞ!』

と元気に返された。
じゃあ一体貴女の役割は何なのかと青谷は問い詰めたかったが、ハンバーガーを片手にコーラをがぶ飲みする
女三銃士を見ていると脱力の余りに何も言えなくなった。上陸一時間で馴染みすぎである。
もしやと思っていたが物見遊山が大きな目的だったらしい。
目立つ格好で自衛官を引き連れ、うろうろとその辺をぶらつく姿は容易に目立ち、
駆けつけてきたマスコミがカメラとマイクを突きつけるに至って、青谷はもうどうにでもしてくれという気分になった。

「初めまして! 日本人の諸君! わたしは帝国の使者ロゼッタだ!」

よく通る声でカメラに向かって語るロゼッタ。

「この世界へようこそ! 我々はあなた方を歓迎する。仲良くしよう!」

だが、国民向けの使者としてはこれ以上の適材はないかもな、と思い、青谷は苦笑した。
この分なら大陸との関係も楽観視していいのかもしれない。青谷も、テレビを見る人たちも皆そう思った。




吉田の戦場は行政の場だけではない。国会もまたそうだった。
転移という異常事態にも関わらず吉田率いる与党の動きは早く、これほどの事態にも関わらず国内の治安が保たれ、
外交的にも成功を収めているのは、外交下手を指摘されてきた日本政府としては異例なまでの優秀さといって
よかったが、それでも社会に歪みは出る。

貿易商社の類は大打撃を受けた。多国籍企業もまた壊滅的被害を蒙っている。
中小企業の多くは経営が立ち行かなくなった。
また、抱えていた外国資産が全て紙くずと化した衝撃は極めて大きく、
総じて経済界は大混乱である。首を括るものも多数出た。
それらに対する対処は、今のところ未定である。そして、何よりも食料への不安。
当然、野党は与党を攻撃した。
268日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:15:03 ID:X8qF8L+z
「総理! 総理はこの未曾有の大混乱の責任をどう取られるお積りですか!?」

ヒステリックに叫ぶのは野党連合第二席に位置する民社党の党主。きゃんきゃんと吼える姿は
躾けもされず、甘やかされ放題で育ったプードルやスピッツを思わせる。だが顔は遥かに醜悪だ。

「食料の備蓄はもう僅かしかないって言うじゃないですか! それにエネルギーも!
普段からキチンと蓄えておかなかった政府の責任じゃないですか!? えぇ!?
巷じゃ食料不安から暴動が起こったり犯罪が頻発したりして、国民は不安な夜を過ごしているんですよ!?」

殆どヤクザじみた口調にあわせ、そうだそうだ、責任を取れ。という怒号が沸き起こる。

(なら普段からお前らもそう主張しておけ)

責任を回避するつもりはない。だが事が起こってから鬼の首でも取ったように正義の味方気取りで
問題を指摘するのはどういう根性なのだろうか。大体テレビ中継もされている場で、食料不安だの
暴動だのとがなり立てて国民を不安にさせるのが吉田には腹立たしい。
内心の怒りを隠しながら答える。

「その件に関しましては全責任は我々にあると強く認識しております。
ゆえに、この問題の解決に全力を尽くし、大陸との貿易を強化することによって、
国民の皆様に変わらぬ日々を送っていただけるよう、尽力する次第で御座います」

責任をとれていない、詭弁だ、辞めちまえ。という野次の中、吉田は着席する。

「総理! それに自衛隊です! この世界の人たちは酷く遅れてるんでしょう!?
だったら自衛隊のような過剰な戦力は不要です! 不要! とっとと軍備を縮小したらどうですか!?
彼らに無用の脅威を抱かせる原因になります! それとも総理は大陸侵攻でも企てているのですか!?」

「そのような事実は一切存在しません。また自衛隊は大陸諸国との協議を経た後、
十分な信頼関係が醸成されたと判断されれば、段階的に必要なレベルまで縮小する予定であります」

やはり馬鹿だ。大陸侵攻を企てているのか、だと。
企てているに決まっている。ただし飽くまで可能性のひとつとして、だ。
突如として外交が完全に行き詰まり、食糧供給が止まって緊張が高まったならば、
1億2千万の人口を食わせることは不可能になる。もしそうなったなら吉田は悪名を被ろうと、
大陸に侵攻することをためらうつもりはなかった。
無論、吉田としては大陸との協調が最善と信じているが、
オプションの一つとして、その考えは常に頭に置いているのである。

(もっとも、防衛大臣の言によれば難しいようだが)

兵力が足りません。無理です。その一言につきた。自衛隊の兵力は25万。予備を併せても30万程度。
日本を防衛するにも若干の不足を感じるのに、増してや大陸に侵攻して土地を占領するなど夢物語だった。
もっとも大陸は自衛隊の戦力の実態を掴めず、過剰評価している。
現状では戦わないほうがブラフとして有効ゆえ、その意味でも戦争はありえなかった。
269日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:16:36 ID:X8qF8L+z
(しかし、野党がヒステリックなのはいつものことだが、ここのところは特に酷いな)

異常事態なのだから当然と言えば当然、と思う一方、やはり腹立たしくもある。
このような時なのだから批判を繰り返すだけでなく、何か建設的な意見を言うべきではないか。
今は与野党共に難局に立ち向かうべき時なのに。
へこましてやる。そう思いながら吉田はマイクの前に進み出た。

「ご批判を色々と頂戴いたしましたが、さて、では野党にお聞きしたい。
この危機を乗り切るため、野党としてはどのような案をお持ちでしょうか?」

「それはですね! 自衛隊を削減して! 憲法九条を死守して! 無駄遣いを減らして!」

「自衛隊の削減は現在検討中です。また無駄遣いとは何でしょうか? 具体的に仰って下さい。
そして憲法九条は本件には無関係と考えます」

醜悪なプードルが口をぱくぱくさせている。吉田は少し溜飲が下がった。

「政府としては食料の輸入のほか、野菜工場に品種改良など、多角的にこの問題に取り組んでおります。
エネルギー問題に関してはそもそも大陸側に我々にとって有益なエネルギー資源を採掘する技術がないため、
難航しておりますが、当面は電力供給の時間的制限などで乗り切り、
技術供与とその後の貿易で解決する予定であります。もっとも、同じ資源が存在すれば、ですが。
さて、野党としてはいかがお考えですか? 是非お聞かせ願いたい」

プードルは何も言い返せない。視線で殺してやると言わんばかりの顔で睨むばかりだ。
吉田は冷笑し、着席しようとして、

「案ならあります」

横合いからの声に引き止められた。

「民栄党の田中です。発言をさせていただきたい」

(野党連合のリーダーか)

厄介な奴が来たな、と思う一方、案があるのなら是非聞かせて欲しいと吉田は思った。
民社党のプードルとは違う。田中は実力ある政治家だ。
かなり強引な手も使うが、政治家としての手腕は吉田も評価している。

「首相、輸入だ何だといっても、それでは国民は安心しません」

「どういうことでしょうか?」

「国民は気付いてしまったのですよ。自分たちの国がいかに危うい基盤に載っているかを」

確かにそうだ。今まで何の心配もなく食料が手に入り、電気を無制限に使って何の疑問も覚えなかった
国民は、今回の一件で自分たちの国の欠陥を認識した。
この国だけでは、食料を供給できない。エネルギーもだ。国際社会とはそういうものだが、もうそれがない。
新たな世界で生活するに当たって、国民は自給自足を望むようになってきている。
だが現実問題としてそれが不可能だからこそ、吉田は大陸との協調を望んでいるのだ。

「仰る事は正しいと思いますが、では我々はどうすれば?」

「簡単なことです」

田中は自信満々といった様子で答えた。

「我々には自衛隊があるじゃないですか、アレを有効活用するのですよ」
270日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:18:14 ID:X8qF8L+z
アンシャム伯領は大陸でもっとも小さな独立国である。
その面積は日本で言う和歌山市の半分程度、人口は一万人にも届かず、これといった産業もない。
だが、その歴史は大陸でも最も古く、権威もまた皇帝家を越える程であり、外交交渉の地として幾度も選ばれてきた。
そのアンシャムはこの日、ひとりの客人を迎えていた。

「我が家の蔵書室はお気に召しましたか、皇帝陛下」

館の主人アンシャム伯爵が林立する本棚の森の中に佇む客人に挨拶をする。
ユグドラ帝国皇帝、ルクツァ一世がそこにいた。手元には数冊の本がある。

「ああ、帝都の図書館もこれほどのものはない。流石、古代帝国の末裔だけはある」

行政府で執務を行っていたアンシャムは不意の訪問を受けていた。事前の連絡もなければ、供回りも僅か、
お忍びであることは明らかである。相手が相手ゆえ、先に自分の城館で待って貰うよう伝えていたが、
行政府から駆けつけてみれば、何故か皇帝はたった一人で蔵書室にいた。

「それで、ご用向きはいかに? まさか我が家で本探しではありますまい」

「いや、そのまさかだ。わたしは望んでいた本を貴公の蔵書室から見つけたよ。これだ」

ルクツァが手元の本を示す。『トールボット物語』、『ファルデアの神話』と記された古めかしい本がそこにあった。

「貴公はこの本を知っているか?」

「はぁ、一応は。しかし荒唐無稽で、とても皇帝陛下のご興味をひくとは」

「少し読んでみろ」

気は進まなかったが、アンシャムは差し出された『トールボット物語』を開く。
ルクツァの示した二冊の本は何れも遥か太古にまとめられた神話や民話の類だ。
『トールボット物語』は英雄騎士物語。『ファルデアの神話』は古代に信仰されていた神々の話である。
中々面白いエピソードもあるが、総体として幼稚であり、
子供の寝物語には丁度いいが、立派な大人の読む本ではない。
だが、読み進めるうちにアンシャムは目を見開く。

「ご冗談を、これは新しく書き下ろされたものではないですか」

その本は見かけこそ古めかしいが、中身は彼の知る物語とは別物だった。
読み物として面白い。苦難、裏切り、友情、逆転、勝利。様々な困難に打ち勝ち、
勝利する英雄トールボットが活き活きと描かれている。
オリジナルがエピソードの集合体だったのに対して、こちらは海の向こうからやってきた
国ほどもある悪竜との対決という点で首尾一貫しているらしく、読み応えがありそうだ。
271日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:19:34 ID:X8qF8L+z
「その通り。こちらの本も少し目を通せ」

言われて『ファルデアの神話』をぱらぱらとめくる。

(やはり、違う)

意味不明で未整理、矛盾が多かった上にエピソードがそれぞれ独立していたオリジナルの神話より
遥かに読みやすく、体系的に整理されている。
何より、善なるファルデア神と悪なる海神との善悪二分論が旧来の神話との決定的な違いだ。

「皇帝陛下、こんなものが我が家で見つかるわけがありません」

「だろうな、だが、これは貴公の家で見つかったものなのだよ。貴公がその保障をしろ」

「仰る意味がわかりかねます。それでは神話伝説の捏造、歴史の捏造です」

「今まで誰も省みることのなかった過去だ。捏造して何が悪い」

ルクツァの怜悧な目がアンシャムを貫く。アンシャムの背に冷たい汗が流れた。
ルクツァは25歳。アンシャムより20程若い。だが、時折見せる視線は確かに皇帝のそれだ。

「詰まらなさの余りに図書室に放置された神話など不要だ。これから新しく古い神話を我々は研究する必要がある。
私はその二冊の本を始め、多くの『古い』本を国中、いや、大陸中の大学にばら撒き、いずれは農夫の子でも知る
程のものとする」

「何故、そのようなことをする必要が? こんな古い物語だというのに」

「転ばぬ先の杖という奴だ」

ルクツァは不機嫌そうに眉を寄せた。

「『この世界の人たちは酷く遅れてるんでしょう!?』か。舐めたことを言ってくれる。
だが我々が奴らに対抗するには、団結する必要がある。個別ではとても勝てない……」
272日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/07(日) 23:22:54 ID:X8qF8L+z
投下終了でっす。

にしても皆さんの先読みの力にはびっくり。
自分としては「自衛隊が今すぐ大陸に侵攻!?圧倒的じゃ」と思わせて、
「でも兵力的に占領が無理、自衛隊はそんなに圧倒的じゃない」と読者に悟らせる予定でしたが、
言われるまでもなく皆承知していたようで。

つーか書くごとに作者の無能が露呈?
ガラスの心臓なので書く度に批判がきたらどうしようかとびくびくしています。

では、本日の投下はこれにて。
273創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 23:37:49 ID:NTy2LQbX
乙でした

これからの展開に期待するぜ!
274創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 23:44:02 ID:q/20Rmtf
召喚したとき地殻変動が起こってて近くの海底に鉱床がありましたとかあったりして
275創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 23:57:47 ID:jI5+lfYl
投下乙でした。
さーてここからどう転がっていくかな〜?
wktk
276創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 00:39:32 ID:Bkd5sg2p
兵力的に無理と言うのも勿論だが、自衛隊は防衛戦力って言う性質上、兵站能力が貧弱だから
異世界に転移なんていう、物資が乏しい状態じゃまず戦い続けるということが出来ないだろうね
やるなら全てを一撃で決する戦いしなきゃ駄目だろうなあ
その準備にしてもかなり時間がかかるだろうし、地形の把握、敵拠点の割り出し、占領後の運営プラン
現実的なこと言い出したら限がないな
277創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 00:46:40 ID:LgPvdEka
情報戦略かー・・・日本に気付かれなきゃ良いけど
十分広まる前に気付かれたら同じ手使われて「もう駄目だー日本に勝てる訳ねー」になりかねないから

本を印刷する技術、本を運搬する技術は日本が断然上だし

問題は本を作る技術だけど「魔法などの超テクノロジー」もなく文化的に地球の過去の物とそんなに変わりが無ければ
文化人類学者など動員して作成は可能ですね
278創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 00:53:55 ID:LgPvdEka
ふと思った日本なら本に頼らなくても「映像」って手がある事を
相手が欧州の中世レベルなら義務教育無い以上、農民などの識字率低い訳だし

本バラ撒いても読めなきゃ意味無い まあ吟遊詩人とかで分かりやすく「語りで」教えるって手もありますが
279創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 02:13:01 ID:ANJwOD0N
思ったんだけど、中世並みの文明だとすると、余剰食糧はほとんど無いんじゃなかろうかw
1億を超える人口じゃ貿易したって焼け石に水というか。。。
近代に入る前の欧州の都市人口は首都であっても数十万人がいいとこで、100万を超える人口でさえなかなか養えなかったわけで。
穀物だけで年間3000万トン近く輸入してるから・・・大陸が飢餓状態になるほど輸出しても足りないんじゃなかろうかw
結局広大な土地で機械を大規模に入れてやらないとどーしようもない気がするw

まぁ急場しのぎの方法としては、戦時中みたいに公園でも学校の校庭でも土と言う土に芋を植えまくる
あとうまい具合に漁場が見つかれば、漁船フル稼働で底引き網で全部掻っ攫ってくるw
ここまでやってもたぶん飢えるかもしれないw

野菜工場もLEDを光源にするならエネルギーも何分の一とかになるらしいし、面積辺りの収穫量も全然高いらしい
穀物も栽培可能らしいけど、収穫まで時間がかかるからエネルギー効率悪すぎて採算が取れないらしい
まぁエネルギーが余るほどあれば解決するんだろうけど
280創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 04:42:34 ID:MREURaoX
チート設定思いついた

・転移の十数年前にまず東北某所に異世界とのゲートが開く
・異世界のダークエルフが巨大な群島の転移予兆を察知
・ダークエルフがゲートを突破、マナの状態から日本列島全体が転移対象と判断する。

・ダークエルフ、日本政府要人との接触に成功。政府は極秘裏に転移に備えを行うことを決断
 ・減反政策の緩和・休耕地の復活・農業技術者の大量育成といった自給率向上策
 ・老人医療縮小・不法残留外国人の取締り強化・在日特権の撤廃といった人口削減策
 ・資源リサイクル強化、レアメタル備蓄強化といった資源確保

・これらを10年かけて行っていく。転移数ヶ月前から日本国内で異常現象が多発し始め、日本は転移の日を迎える・・・。

とりあえず準備期間置いて諸問題を緩和させるという設定。ダークエルフの魔法使って国民を軽く洗脳しとくのも一考か?
陰謀ばっかりになって黒い話になりそうだけど。
281創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 10:18:57 ID:lAJdTqmx
>>280
突っ込みどころ満載だぞwww
282創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 12:00:28 ID:Tcb5SNJa
日本神話からほとんど消えた紙、月読尊は実は異世界に行っていた!
ダークエルフなど闇に住まう物をまとめた彼。
地球を襲う大カスタトロフを予想した彼は、その瞬間日本を転移させる。
そして転移した日本のあちこちにレアメタルなどの塊、自衛隊糧食2号などがどかどか
おかれていた・・・
そして月読尊の啓示を受けたダークエルフの長が日本へ・・・その頃今上天皇も啓示を受け取っていた
283創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 12:23:34 ID:nhdugHnp
>>280
石油の大量備蓄が抜けてる。
油がなきゃ食料自給率はどうやったって上がらんよ。
284創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 12:56:05 ID:MREURaoX
突っ込みどころ満載なのはわかってる。思いつきで箇条書きしただけだしねぇ。
石油の大量備蓄については真っ先にやるだろうとおもって書くの忘れてたw

情報察知から転移までだけでもひとつ作品が出来上がりそうだなぁ。
数年先に消える国とまともに外交しようなんて国は無く、多国籍企業は逃げ出す。
285創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:17:18 ID:U3KUd5MX
>>272
投下乙
ルクツァ皇帝が日本の野党第二党党首の発言を知って不快に思ってるてことは
まさか国会中継をF世界の人々が見てる状況で流しているのか?
だとしたら吉田首相も野党のお花畑状態を笑ってられる資格は無いな
286創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:28:24 ID:lAJdTqmx
まあそんな突っ込みどころ満載の日本無双ssも見てみたいな
287創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:38:40 ID:LgPvdEka
>>285
人づてだと思う 放映だったら「もう勝てる気しねーよやってらんねーよ」になりかねない
軍事技術で一番重要なのは兵器の性能より情報収集とその伝達手段の向上だから
288創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:57:05 ID:LVxuXKw1
>>279
>まぁ急場しのぎの方法としては、戦時中みたいに公園でも学校の校庭でも土と言う土に芋を植えまくる

北朝鮮軍みたいに農業始める自衛隊が浮かんだ
289創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 14:25:52 ID:Dc3aWCDB
>>280
情報が漏れたらえらいことになる。
レッドサンなんとかにそんな話がなかったかな?
日本列島が転移するならこれまでのお礼とばかりに攻撃するとかなんとか。
290創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 15:18:43 ID:k25GDBeX
どこの国がそんな暇な事やるんだ?
朝鮮人くらいしかんな無意味な事やりそうにないが
291創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:06:04 ID:Bkd5sg2p
まあな、いなくなる国に戦争吹っかけたからって、旨みがまるでないしな
つかあのゼロ魔SSは、キャラがウザい上にやたらと歴史や小説やらからの引用台詞があって萎えた
292創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:44:27 ID:mnlfUXqF
日本が消えたら大混乱なわけで戦争なんかしてる暇ないだろ
むしろ消えてから戦争が始まるのかもしれないが
293創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 17:45:51 ID:Dc3aWCDB
国外の在留邦人は国土が無くなった時点で無国籍状態となるのだろうか?
となると亡命したい国に行けないし何よりパスポートが証明されず国外にも出られないということか?
294創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 18:03:49 ID:LgPvdEka
そう言えば分家にアメリカが転移する奴 転移後もソ連対英主導の連合軍が戦争してると書いてあるけど
無理でしょ 北アメリカの大半が消えたら海流が滅茶苦茶になって気象の大変動が発生して戦争どころじゃない
295創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 18:26:17 ID:nhdugHnp
アメリカ転移は陸戦描写が出鱈目すぎて萎えた。
296創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 18:35:27 ID:8jFdPZx2
敵が剣と弓で戦ってたのにいきなり機関銃使ってくるのはかなりアレだけど、内容は面白いよ。
297創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 20:23:56 ID:k25GDBeX
AKなら刀鍛冶でも作れそうな気がしないでもない
298創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 20:25:55 ID:YMbJhW+j
>>294

北アメリカ大陸の合衆国部分自体が消えるのではなく

アメリカ合衆国の地下1000mが消える程度なら
巨大な窪んだ平地ができるだけで問題はないと思う

ただ転移した合衆国は地下資源が一部しか採れなくて困るがな

逆にアメリカが転移して喜ぶ国はあるのかな?
その場合、在日米軍基地はどうなるんだ?

在日米軍基地の範囲も含めて転移したら沖縄を含めた各国各地が涙目だわ
299創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 20:32:59 ID:U3KUd5MX
>>293
漂着民じゃあるまいし、旅行者にせよ出張中にせよ
国を出るときと相手国に入国するときに手続き踏んで居るわけだろ?
「母国の庇護を受けられなくなる」て意味合いは大きいが
近代国家に滞在してる限りでは移動と難民申請は出来るだろう

法治国家じゃなくミンチ国家にいたら悲劇だが
300創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 21:03:18 ID:/j7/y37+
>>272
中世を高く見過ぎかと。
常備軍20万居れば大陸落とすのも現実的な範囲かと。
占領維持も赤軍的に思想の流布で、貴族を徹底的に敵と教えて……
装備は小銃と小銃擲弾、カール君にM2が有れば十分でしょうね。
失業者が溢れるでしょうから、その吸収にも
301日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:45:49 ID:LdjNi4hd
これより投下開始します。
今回はいつも以上に突っ込みどころが多いと思いますが、フィルターのご用意を。
大陸側のスペックについて書く必要があるかな?簡単に。
公開するとフレキシブルに変形できないので自分の首を絞めるかもしれませんが。
302日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:47:06 ID:LdjNi4hd
ここのところは艦に乗ることが少なくなったな、と青谷は思う。
燃料節約のために艦艇の多くが出航を禁止され、ドッグ入りを余儀なくされている。
旧式の『ひえい』など真っ先にドッグ入りさせられた。
エネルギー調達の目処は二ヶ月が過ぎた今でも立たない。当然だ、大陸側は重油など使わないのだ。
しかし燃える水として認識してはいたようで、政府が必死に交渉を行っているらしい。
なるべく早く動かせるようになるといいが、と切に思う。お陰で海自も空自も腐ってきている。
別に暇というわけではなく、仕事はあるのだが海自も空自も極論すればフネと飛行機が全ての軍である。
フネや飛行機に乗らない人間も結局はそれらに関わるのが仕事である以上、
それらが動かなければ腐るのもしょうがなかった。

「青谷二尉、何を思い悩んでいる。」

そんな腐った日々にロゼッタを見ると思わず顔が綻びそうになる。慌てて青谷は表情を引き締めたが、
どうやら遅かったようだ。

「おや? いま少し顔が緩んだぞ。わたしに会えるのが嬉しかったか?」

「からかわないで頂きたい。大体、自分は貴女より6つも上ですよ」

「承知している。17と23だろう。ところでわが国では15で成人とみなされ、
20以上歳の離れた夫婦も貴族間ではそう珍しくはない」

「それは政略結婚でしょう」

「違いない」

そのまま微笑するロゼッタ。どきっとするほど魅力的だが、
青谷は謹厳実直な自衛官の振りをすることに今度は成功した。
好奇心旺盛で明るいロゼッタは妹のようにも見える。だが青谷とて男だ、女として彼女を時折見てしまう。
しかし会話の中で時に大きな断絶を感じることもあり、付き合うことは様々な意味でないだろうと思っていた。

「それで、業務の終了を見計らってわざわざ基地にきたのは何故ですか?」

青谷は既にロゼッタの世話役の任を解かれている。
実際のところ『ひえい』が動かないのだし、そのまま任についていてもよかったのだが、
いつまでも17歳の少女の後を追いかけているのは流石に彼の矜持が許さなかった。

「ああ、本国から召喚要請が届いた。今すぐというわけではないが、一月か二月中には戻る。
それを報告しに来たのだ。貴公には世話になったからな」

「それはまた律儀に」

一抹の寂しさを覚えないではなかったが、当然の事である。17歳とは言えロゼッタは貴族だ。
大陸を動かしているのが貴族である以上、彼女のような人間とていつまでも遊んでいるわけにはいるまい。
それに彼女は基本的に軍人だ、友好的とはいえ、大陸の軍隊は日本に備えなければならないはず。
恐らく大陸側では大幅な軍組織の改編が起こっているのではないだろうか?
ならば最精鋭である近衛隊がその最新モデルになることは疑いなく、
その旗手である彼女がここにいていいはずがない。

「礼には礼で報いるのが貴族というものだ。しかし、貴公の国は面白い国だな」

いつもどおり、明るく、そして心底不思議そうに彼女は言う。

「農奴が一人もいないのだからな。作物も機械で作れるのか?」
303日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:48:27 ID:LdjNi4hd
こういうとき、青谷は彼女との断絶を感じた。農奴、土地に束縛された農民。土地を持つことを許されず、
生産物の全てを賦役として取られる存在が、彼女の描く世界にはいて当然なのだ。疑問にも思わない。
貴族がいて、農奴がいる。両者が交わることはない。それは彼女にとって当然のことだが、
平等の精神が息づく民主主義国家で育った青谷にはひたすら異質だ。
とは言え、彼女を啓蒙しようという気にはならない。
彼女とて日本を面白がっても、この体制を否定したりはしない。

それはそれ、これはこれ。

例え相容れない存在だとしても相手を否定する行為に正義はない。
それを理解していればこそ、仲良くできるのだ。ただし、最後の溝は容易には埋まらない。

(いずれ、貿易が活発になれば彼らの世界も我々の来た道を辿るはず。
そう、鎖国を解かれた日本のように)

それがいつかはわからないが、それまで互いに敬意を持ち続ければ、きっといつかは溝も埋まる。
青谷はそれを信じて、ロゼッタとその日は別れた。




「冗談ではありません!」

経済産業大臣は、吉田の前で開口いちばんにそう言った。

「何もかもが異質すぎます! とても貿易相手にはなりません!」

「どういうことだね、大臣」

大臣には今後の貿易について当たらせていた。そろそろ経済界が市場を確保してくれと絶叫し始めている。
雇用はガタガタ、失業者は激増、力のあった企業ほど絶望が濃い。
なるべく早くに大陸の通貨と円の交換レートを設定し、限定的であれ彼らに市場を提供しなければ、
多くの企業が倒産し、日本の経済産業は壊滅、国内には失業者の群れが溢れ返る。
今は非常時ということで『とりあえず、政府がなんでも面倒を見る』ことで全てを停止させているが、
健全な状態ではないのは明らかなのだ。崖っぷちにも程がある。
304日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:49:32 ID:LdjNi4hd
「どうしたもこうしたも……首相、推定ですが、彼らの人口の9割は農民、農民で構成されています。
また農民のうち8割はまるで購買力のない農奴です。
彼らが食料の輸出に二つ返事で応えた理由がわかりましたよ。余裕があるんです、十分すぎるほど!
通貨にも余り価値がありません。彼らは農業経済主義をとってます。何せ鉄貨です。貨幣そのものにすら価値がない
彼らはトウモロコシとジャガイモと小麦を基本とした段階から脱却していません。取引は困難です」

聞いていて吉田は目が眩む思いだった。

「馬鹿な、では取引相手になるのは残りの一割だけなのか?」

「然様です。しかも都市生活者でも十分な購買力のある人間はごく一部です。
商人達は国家によって富の再投資を制限されており、狭い都市から出ることができず、
経済の発展は抑制されています。
廉価で大量に販売できる商品に関しては制限が加えられています。
この世界の富と権力は人口の1パーセントにも満たない貴族に完全に握られており、
我々は彼らへの高級嗜好品ぐらいしか、売れるものがないでしょう」

視界が、歪んだ。

「首相!?」

大臣が倒れる吉田を助け起そうとする。だが遅い。吉田は椅子から落ち、床に倒れ伏す。

「これが、絶対主義か……」

わかっていたつもりだが、甘かった。
一握りの貴族に全てが握られた社会で、有効需要は見込めない。
貴族がどれだけ金を持っていようと、彼らは少数であり、買うものの数も種類も限られている。
そもそも貨幣経済がどれほど浸透しているかすら怪しい。
これでは市場の形成など、夢のまた夢だ。

(それに、食料だ)

今のところは技術供与を種に食料を引き出しているが、いずれそれも尽きる。
教える種には困らないはずだが、多くの技術は向こうが欲さない可能性が高い。
その時に売るものがない日本はどうやって食糧を買い付ければいいのだ。通貨に兌換性もないのに。
赤字貿易どころではない。取引が成立しない。

(田中の言うとおりに……自衛隊を活用しろというのか)

田中は、圧倒的な攻撃力を誇る自衛隊を傭兵として有効活用するよう提言していた。

『大陸諸国は安定した状態とはいえ、歴史を見ればしばしば戦争を繰り返しています。
こういったところに自衛隊を派遣して平和維持に貢献し、土地を購いましょう。
土地でなくてもいい。金でも食料でもいいでしょう。
昔のスイス傭兵の手法ですな』

その場で怒鳴りつけてやった。あの時は激情を抑えられなかった。
田中は冷徹すぎる。自衛隊を生きた人間の集団ではなく、駒と見ている。
そんな人間が政治家をやっている不快感に吉田は耐えられなかったのだ。
だが、平和的に日本を救う道は閉ざされつつあるように見えた。

(戦争か……? いや、冗談ではない)

まだ手はある。あるはずだ。そんなことを考えながら吉田は医務室へ担ぎ込まれていった。
305日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:50:52 ID:LdjNi4hd
「予算不足のため、当楽団は本日を以って解散することと相成ります。今までご愛顧ありがとうございました。
今日が我々のラストコンサート、そして次の曲が最後の曲となります。
心を込めて演奏いたしますので、どうぞお聞きください。
それでは、ロッシーニ『泥棒かささぎ』より序曲です」

東京フィルハーモニー管弦楽団主席指揮者の言葉。異世界でのラストコンサートに際して。



日本が転移して三ヶ月が過ぎていた。寒い。季節はもう真冬だ。
日本の冬より遥かに寒いこの季節だが、日本人は変わらぬ日常を送っていた。
そしてこの日、ロゼッタがついに本国へ帰る事になり、青谷は見送りのために港まで来ていた。

「出発までは、まだ少しある」

ロゼッタが僅かに寂しさの残る表情で言う。

「共に歩かないか?最後の日本見物だ」

青谷に否のあるはずがない。『姫様の仰せのままに』とおどけて言うと、馬鹿め、本物の姫だぞと笑われた。
厳しい寒さだというのに、街はイルミネーションで飾られ、商店は安売りで客の目を引いている。

「大した騒ぎだ。何か特別な日なのか?」

「いえ、特には。ここのところは連日こうですね、気付きませんでしたか?」

「いつも人が多いからな、東京は。わたしには四六時中祭りをやってるように見える。
今日で見納めと思えば、急に冷静になって物が見えるのだ。しかし何でこんなに騒いでいる?」

「わかりません。或いは寒くなったからクリスマスとでも思っているのやも」

「クリスマス?」

「寒いときのお祭りですよ」

冗談を言いながらも、ここのところの妙な騒ぎを青谷もなんとなく不思議に思っていた。
青谷自身、いまのうちに騒げるだけ騒ぎ、楽しむだけ楽しんでいたほうがいいような、
そんな気がしてならないのだ。恐らく周囲の人たちもそうなのではないか?
行き交う人たちの笑顔はかげりがないように見えて、どこか引きつっている。そして青谷自身の表情も。

(おかしな話だ。全て、上手く行っているのに)

大丈夫、全て上手く行っている。不安もあるが、政府がきっと何とかしてくれる。
そう自分に言い聞かせていると、怪訝な顔のロゼッタに気付いた。

「ご無礼、姫君の前で」

「いやいい。しかし歩くだけというのも芸がないな。
ん、なんだあの音は」

ロゼッタが街の一角に視線を移す、見れば、この寒い中でオーケストラが音合わせをしていた。

「東京フィルですね。無料コンサートのようです。寄って行きますか?」

ロゼッタは一も二もなく頷いた。
306日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:51:42 ID:LdjNi4hd
首相官邸に吉田は一人、佇んでいた。
先ほど経済産業大臣が悲観の余りに首を括ったという知らせが届いたばかりだ。
市場開放、せめて一部の制限の撤廃を強く求めたものの、ついに容れられなかったのだ。

『それは、わが国の支配体制を揺るがす恐れがある。それだけは断じて受け入れるわけにはいかない』

というのが向こうの言い分だった。自由化に伴う競争による商工業者の発展に王侯達は酷く臆病だ。
また、廉価で優秀な日本製品の流入による既得権益の破壊を恐れた商人たちも猛反発したらしい。
八方塞がりとはこの事か。日本には売るものがない。あっても、売れない。共通の価値がある金銀で凌いでも、
いつか限界が来る。

ひとりにしてくれ、と言い残して官邸でテレビを眺める。ニュースでは今日も企業が倒産し、
自殺者と失業者が出たことを報じていた。いたたまれずチャンネルを変えると、野外コンサートの模様が映った。

『泥棒かささぎ』序曲。

小太鼓の連打が響き渡る。主人公のニネッタが死刑台に上るフレーズだ。
ニネッタはこの後、突如現れた召使によって無実を証明されてハッピーエンドとなる。

「……ごふっ」

吐血する。急いで吉田は洗面所に走った。このところ酷く体調が悪い。
眠れない日が続いているのだ。鏡に映る自分の顔は青ざめていた。

(人口を抑制し、自己完結的な国家に改造できるか。
無理だ。今更農業主体の国家体制に切り替えろなどと、
それぐらいなら)

戦争か。
頼まれもしないのに民主主義を輸出して強制的に農奴を解放させ、廉価な製品で大陸を席巻するか。
そのために戦争をするのか。

(いやだ)

そもそも、無理だ。戦争をやっても勝てる保証もない。
そんな戦争に日本を突入させた宰相として歴史に名を残したくない。

(もう手はないのか、何か妙手があるはずだ、何か)

だが何も思いつかない。またしても吉田は吐血する。もう立つことができない。
『泥棒かささぎ』が鳴り響く。吉田は最後まで聞くことなく逝った。
307日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:52:49 ID:LdjNi4hd
ユグドラ帝国皇帝領、サントラルは歴史ある都である。
ここは一千年の長きに渡って帝国の都として栄えており、その人口は20万を超える。
古き都は500年間ほとんど何の変化もしていない。
人口も、町並みも、システムも500年前とほぼ変わることなく今日まで続き、今日も明日も変化を拒んで
続いていく。サントラルは静止した大陸の縮図だった。
その生ける化石の如き都の中心、天を衝く高さの尖塔の中で、華やかな楽の音が鳴り響いている。

「それは?」

「ラジオというものだ。日本人から買い求めた嗜好品だ。
こうも小さいのに遥か彼方からの放送を受信できる。恐ろしいものだな。
我が方は伝書鳩か伝令だが、彼らは瞬時に通信できるというわけだ」

『泥棒かささぎ』が鳴り響く。ルクツァとアンシャムは暫く黙ってそれを聞いていた。

「よい曲ですね」

「ああ、よい曲だ。だが民族の代表者としてはこれから先、耳を傾けるわけにもいかん」

(民族の代表者か)

アンシャムは不満げに目をそらす。

(我々はひょっとして、取り返しのつかないことをしているのではないか)

このひと月で大陸中に大量のパンフレットや冊子がばら撒かれている。
そのうちの幾つかはアンシャムとルクツァが関与してばら撒いたものだが、
その多くは自発的に学生や貴族らが著し、ばら撒いたものだ。
いずれも大陸の共通文化を称揚し、誇張された歴史と神話に基づいて大陸人の優位を訴えたものだ。
最近は血統的な優越にまで話が及んでいるという。早くも事態はコントロール不能になりつつあるが、
ルクツァは気にせずもっと燃えろと言わんばかりに御用学者を動員し、各種冊子をばら撒く。

「無論、余とて自分が何をしているかはわかっている。これは伝統の破壊だ。
たとえ全てが成功したとしても、昨日までの我々ではいられまい。
全ては、勝つためだ」

「本当に戦争になるのですか?」

「その時に備えるのが我々の務めだろう。起こらぬに越したことはないが、
もし起こった場合はなるべく勝ちたい。
アンシャム、民主主義は大衆にとって王政よりも魅力的だよ。
従来の体制を敷く限り、我々は戦う前から負けている。
だからこそわたしは敢えて現体制を放棄する危険性を承知した上で、歴史と神話を捏造し、
下品なパンフレットをばら撒いたのだ」

ルクツァはそこまで語るとラジオを切り、立ち上がる。

「まだ曲の途中ですが」

「ふむ、民族的な音楽の創造も急がせねばな。これは兵器局に回すとしよう。
もっとも理解が及ぶとも思えないが」

扉を開くと、そこには彼の命令を待つ官僚たちが列を作っていた。

「民主主義に勝てるのは、民族主義だけだ」
308日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:54:17 ID:LdjNi4hd
「『泥棒かささぎ』か。陽気な曲だな」

「そうか? 私にはなんだか不安な曲に聞こえるぞ」

そう言われてみれば、と青谷は思う。確かに華やかで陽気な曲だが、どこか影のように後ろから
迫ってくるものを思い起こさせる曲ではないだろうか。
華やか過ぎる曲は、おどろおどろしい曲より余程不気味に聞こえるのかもしれない。
瞬間、視界の全てが色あせ、無価値なものへと変貌するような錯覚を青谷は覚える。
驚いて目を擦ると、全ては元通りになっていた。

「……いや、違う」

「おお、雪か! 雪が降って来たぞ、青谷!」

灰色の空から雪が降る。明日になれば積もっていることだろう。
ロゼッタは青谷の手を取ると、広場に駆け出す。

「どことなく不気味な曲だが、舞踊曲と思えば中々だ!
踊るぞ、青谷!」

「心得はありませんよ、お姫様」

「それでも海軍士官か、情けない。
まぁいい。今日で最後だ。わたしと踊る光栄を授けてやるぞ!」

泥棒かささぎがクライマックスに向かう。二人は雪の降る中を半ば出鱈目に踊る。
次に会えるのはいつの日か。そのときには大陸との間には更に緊密な関係が築かれているだろう。
そんなことを考えながら、青谷とロゼッタは曲が終わるまで踊っていた。
309日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/08(月) 21:58:17 ID:LdjNi4hd
以上で本日の投下を終了します。
事実上の第一部、完です。
ここまで書いたからにはちょっとぐらい不評でも最後まで書きたいところですね。
あんまり不評なら男坂を登りますが。

それと、毎日投稿も暫く打ち切りになるやもしれません。
期待してくださっている(いるのか?)読者の方々にはご迷惑をおかけしますが、
構想期間だと思って、生暖かく見守ってください。

そして今気付いたけど纏められてる!他の方の作品と並べられると
急に偉くなった気がしますね!(傲慢)
まとめてくださって感謝します。それでは続きをお楽しみにー……されてるのかな?
310創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 22:13:58 ID:YMbJhW+j

>>急に偉くなった気がしますね!(傲慢)

謙遜なさらず、アナタは充分偉い人です。

流石に野党(好戦派)の考え方は受け入れられないです。
それこそ野党が主張してきた「先の大戦」への逆戻りです。

一層の事 国号を大日本連邦皇国にして一部地域(無宗主)を大日本協栄圏にするとか?
311創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 22:14:39 ID:lAJdTqmx
投下乙
しかしただ転移して外交が0からのスタートになっただけでも
貿易立国の日本じゃ壊滅的だというに
気候の変動でただでさえ残り少ない農業が壊滅とは作者殿は鬼だなwww
312創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 22:27:28 ID:Bkd5sg2p
投下乙
なんか朝鮮みたいな国になりそうだなw
貿易がまともに成り立たないのは、まあ経済基盤が違いすぎるから仕方ないかもね
でもまあ物を売るんでなく、土木作業を引き受けるとか色々あると思うけどね
川の堤防だとか橋だとか、下水道だとか。
あとは加工業を一括して引き受けるとか。中世だと農機具、鍬だとか鎌でさえ木製とか普通にあるし
対価として土地と幾つかの利権を手に入れて、工場でも作って現地で人を雇いつつ、商業を発展させるとかかな?

313創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 22:28:27 ID:2/M7f17m
問題はそこまで国民が待てるかだな。
314とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:42:42 ID:umDWDU2H
('A`) ベルサイユ体制は歴史的偉業ではない

    もっとおぞましい何かだ
315とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:43:47 ID:umDWDU2H
△月ж日

 大まかな構造は理解したので、しぐの模造品を創る。
設計以前にいきなり躓いた。“銃”を使うには弾丸が必要である。
銃とは秘薬を衝撃で発破させ吹き飛ばしたものを破片を飛ばす兵器である。

 製作にあたって、魔方陣による魔力回路や伝導効率の良い素材の選定などを考えなくていい。
要は秘薬さえあれば我々でも同じものを造れる可能性が高い。
しかし、秘薬は我々には造れない。無論エルフにもだ。
ニホンの学者に聞いてもニヤニヤして答えてくれない。
予め技術を見せつけ、小出しにしようとの魂胆なのだろう。

ドワーフたるもの 部品を見れば
その機械がどのように造られたか おおよその察しはつく
ましてこれは武器・・・
だが部品を削っている者 整えている者の姿が全く見えん
(出来ておる喃 しぐとやらは・・・)

 そのため我々は二つの決断に迫られた。
一つは武器と弾をニホンから直接輸入する。
一つは独自開発である。
ちなみに買わぬ選択はありえない。
銃は画期的な武器で“訓練も積んでいない”“女子供に”“魔道師並の火力”を“手軽に”持たせられる。

 近年バッサンからの圧力が強まり、呼応してライバーからの圧力も強まってきた。
間にあるエルブとしては力、軍事力を持ちたい。
素早く確実に数に出来る戦力が欲しい。

 平和こそ我々ドワーフ、エルフや国内に住む多種族も含めた悲願であろう。
316とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:44:33 ID:umDWDU2H
 バッサンからの独立戦争以降、エルブは戦力の強化に努めてきた。
だが満足な軍備を整えるのは並大抵の苦労ではなく、
ライバーとバッサンからの政治干渉や物資統制を受けて戦力強化もままならない。
戦力の中核たる魔道師の入国数や訓練すら規制され、対魔物の戦力すら不安である。
両大国はエルブの独立も軍事力強化も望んでいない。
現在の平和は剣の上でシーソーをしているのと同じで、
簡単に崩れ去ってしまうとエルブ国民は理解している。

 エルブ王国。海に面し、大国ライバーとバッサンを繋ぐ交通の要衝。
人口は100万人を超える大陸有数の大都市。
黒エルフが金を産み出し、ドワーフ族の住む金融と工業が発達した地域でもある。
近隣の海域には群島や主要な海路があり軍事的な意味も大きい。
緩衝国としての役割もある。エルブが力を持つと両国も同様に力を付けなくてはいけない。
軍備拡張で財政が厳しいライバー連合にとって頭の痛い話となるだろう。
押さえただけで十分な見返りがある場所。

 無視できるほど小さな国ではなく、かといって緩衝国なので軍も送れない。
結果、両国の代理戦争の場となり国は荒廃した。

 各国の工作員が入り乱れての暗闘。
大国の傀儡執政官達の着任。
両国に武器を給与された組織の内戦。国粋派の成立。
ルーデル教使節団の魔道力兵器査察と不法所持の濡れ衣。
英雄、デ・キッコ・ナイサの反乱、バッサン軍の再侵攻。
追放されていた赤井・マル・ポーロの帰還と反抗作戦。再度の独立。

 平和から遠い国。それがエルブである。
317創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 22:44:42 ID:k25GDBeX
そこで征服戦争ですよ!

いつの日も国内の不満を逸らすのは軍事手段!
目指すは大東亜共栄圏の確立!


となると脅して市場開かせるのが一番速いな。
軍事的圧力を適当な国にかけて経済植民地化が一番速かったり。
318とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:45:19 ID:umDWDU2H
◎月Θ日

 最終的にニホンから独占で銃を購入し、技術指導を受けつつ量産体制を整え、
独自開発を平行に進めていくことになった。
銃の製作は現在の我々の技術では生産するのは無理だからだ。

 ゴラムが「くやしぃ…でも…」
と部屋の隅で背中を丸めて指をちゅぱちゅぱしていた。
独身の内弟子であるゴラムが時折このような妄想にふけるのを
見て見ぬふりをする情けが私たちにも存在した。

 予定されていた案の両方を採用した結果。
食料輸出や鉱石輸出は既に行い、見返りの技術も相応する適当な交換がなかったため
国際関係に信用のないニホンに対する他国への仲介。口利きを図ったと黒エルフが話していた。
土地譲渡、食料市場の二級品優先販売権、大規模な資源輸出、他国との仲介、
魔法技術支援、魔法軍事技術指導、対魔法犯罪の指導・・・・などなど。
現時点で我々はかなりの譲歩を迫られ、議会では危ぶむ声もある。

 とはいえニホンとに支払った代償は、見返りを十分に満たすのも真実である。
悲願であった精強な自衛力の確保。
海上貿易路の保護と魔物の排除。
バッサン、ライバーを除く強力な第三国との防衛協定。
世界魔法条約に抵触しない兵器の入手と量産
(銃は魔法を使わない兵器である、魔道師を増やさない条件も満たす)
農業、工業、衛生面に渡る技術支援。
高品質の金属。周辺国を圧倒する量と品質の塩。

そして・・・
“世界魔法条約を今だ批准していない強力な国家との技術協力”。
これがとても大きい。銃の利益や技術力、工業生産力も並外れた利益である。
それより、パルクール体制の抜け穴を突ける協力的な大国があるのが素晴らしい。

 世界魔法条約とは大量破壊魔法兵器の所持を禁止する条約で、
ゾンビや超長距離儀式魔法、B級以上のキメラ製造等を監視するものだ。
大量破壊魔法兵器を持っている大国以外の所持を禁止する不平等条約だ。
加えて査察の際、大量破壊兵器を持っていないことを証明するため、
軍の構成や魔道師数、武器の数や種類を完全に公開しなければならない。
武器の数や種類を把握されるのは大国の操り人形になるのと同意である。
319とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:46:06 ID:umDWDU2H
「世界魔法処諸法度が定まった…」
「あれは辛い」
「剣をもたせてもらえぬ…」

査察を拒否すれば経済制裁や軍事力による鎮圧が待っている。
前はルーデル教査察団をエルブ国は拒否しただけでバッサン帝国の侵攻を受けた。

 バッサン軍に占領された際、無理矢理押し付けられたのがパルクール体制。
あらゆる兵器の所持を制限する条約である。
締め付けは厳しく、領国内の魔物討伐さえままならない。


条約を守らずに破ることができるのか。
常に査察を受ける国はごまかすことができるのか。
出来る。
出来るのだ。

 そこにニホンがやってきた。彼らは異世界の住人でまだ日が浅く、条約も批准していない。
バッサン帝国の侵攻を跳ね返す力を持ち、圧倒的な武器。銃を持っている。
ニホンならバッサンやライバーの邪魔はされない。
魔法技術を開発するに、とても都合の良い環境なのだ。

 しかも魔法の知識も乏しく、軍事魔法の技術を欲しがり、既にバッサンとは戦争状態である。
つまり我々が技術を持っていて、彼らは場所を持っている。

 ならば手を取り合おうじゃないか。
ニホンの自治都市で武器の生産や研究を行う。
条約を上回る武器は治外法権の自治都市に保管。
我々は此方の世界に来て日が浅いジェダイ達に対魔物や対魔法を指導し、自らも訓練する。
条約を超える数の魔道師はニホンに送り国籍を変更し“いなくなる”。
“これ”を知っているのは一握りの黒エルフと会議に直接参加していた技術屋ドワーフだけだ。

 奴らに一泡吹かせてやれると思うと心が躍る。
320とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:47:01 ID:umDWDU2H
    世乱れることから全ては始まる

    正気にては覇業ならず

    国家運営はシグルイなり
321とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/08(月) 22:48:04 ID:umDWDU2H
オーウ!ワスレテマシタ・・・投下終了
322創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 22:55:48 ID:mFg7dBYf
投下乙でした。
よろしい諸君、それでは戦争だ。
人間本当に困窮すると自殺も出来やしませんハイ。
323創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:00:03 ID:e9RoyAtN
投下乙
うーん、やはり交戦止む無し、という気がしますね。
大陸側は日本との貿易は必ずしも必要なものではなく、軍事力を恐れているだけ。
対して日本側は貿易が必須なのに、大陸にそれを強いるには軍事力をバックにするしかない。
しかも、その軍事力さえハッタリの度が強い、と。
だんだん暗雲が立ち込めていく様子がいい感じに書かれていて、微妙にぞくぞくしてきます。
先の展開が非常に楽しみです。
324創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:03:39 ID:mFg7dBYf
しまった、上は>>309氏へ。

とある日記さんも乙です。
エルブ王国、かなり立場微妙なんなあ・・・
325創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:12:35 ID:/j7/y37+
いざという時は核だな
ガンバレル式なら超簡単だし
投射手段は旅客機に載せて突っ込ませれば良いし
326創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:13:58 ID:/j7/y37+
ああ、>>309氏の作品への感想ね
327創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:40:09 ID:a8xLDjkz
六本指の異形のエルフ剣士が脳裏にちらついて離れないわけだが
328創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 00:24:41 ID:7PQBhXdT
民主主義と民族主義は対決する物ではないと思うけどな
329創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 00:27:40 ID:I2JmsasP
トウカ乙!

っていうか大量破壊兵器あるんだね、ひょっとしたらニホン大ピンチ?
330ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/09(火) 00:35:42 ID:p4AOmaQH
小国の苦悩 第五話

本土において戦車と呼ばれる物は、大陸ではチハと呼ばれる。
大陸戦争当時、帝國派遣軍の殆どがチハを装備していた為に戦車その物の名前がチハと呼ばれるようになった。
(実際には九五式軽戦車等も派遣された。また八九式中戦車は足回りの信頼性不足と機動性不足により本土の予備戦力とされた)
帝國暦2620年代に入り、冷戦時代に入ると帝國軍は元の世界に帰還した場合を考えた装備更新により旧式化した1式などのチハ系軽戦車(2611年に軽戦車に種別変更)を保護国及び同盟国に売却し防衛力の強化を行った。
帝國陣営の各国は大陸戦争において無敵の活躍をしたこのチハを競って購入した。
帝國陣営内の軍拡競争は、防衛と言う本来の目的を離れ、見栄の為に激化して行ったのである。
当時出来た言葉に一車百騎という物がある。
これはチハが100騎の騎兵に匹敵する戦力があり、また100騎の騎兵と同じだけの金が掛かるという意味である。
しかし権威を重視する各国の王にとって伝説の千年竜すら倒した竜殺しのチハは素晴らしく魅力的な兵器であった。
当時の戦車は言わば戦略兵器であり、権威の象徴であったのである。

ミツビシ製のトレーラの幌が外され、3台のチハが現れる。
ゴンザレス5世は感動すら覚えていた。
「素晴らしいな」
ゴンザレス王国騎士団の紋章が描かれたピカピカの戦車(中古品)を眺めながらそう呟いた。
騎士団長のピエール男爵と導入訓練の為に派遣された帝國軍将校が、事務的な会話を行っている横で、ゴンザレス5世は鉄の塊に触れた。
「これでわが国もチハ持ちですな!」
大貴族のアルフォンス伯爵がニコニコしながら胸を張った。
「うむ、これでボンザレスの奴に笑われんで済むな」
「まったくです」
当時の貴族や小国にとってチハ持ちと言うのは一種のステータスシンボルであった。
「これで竜でも狩りに行きますか!」
こちらに歩いてきたピエール男爵が声を張り上げる。
「ハハハ、良いなそれは!」

「却下ですな」
「ロ・・・ロエニー男爵!?」
財務担当のロエニー男爵がいつの間にか後に立っていた。
「一回の出撃で幾ら掛かるとお思いですか!」
「いや・・・ただの冗談話で・・・」
「大体、年割でもどれだけの財政負担になっているか理解されているのですか!」
「と・・・取り合えず落ち着いて・・・」
「これが落ち着いてられますか! 大体何時も何時も欲しがってばかりで子供ですか! 
何時も苦労を強いられるのは私で!
大体貴方方はボンジュール公爵に対抗意識を燃やすばかりでこの国の財政について理解しようともしない!
これが国王ですか! 騎士団長ですか!
貴方方が好き勝手やった結果我々がどれだけ苦労しているかそれを考えた事が一度でもあるのですか!
わが国の財政状況を把握してないでしょう!
毎年出す決算のたびに我々がどれだけ寿命を縮めているか考えた事がありますか!?
私はいまでは家族の所に帰る暇すらない! それもこれも全部あなたがたの浪費が・・・」

「騎士団長・・・逃げるぞ」
「ああ・・・陛下! お待ちください!」
ゴンザレス王国は今日も平和であった。
331ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/09(火) 00:37:54 ID:p4AOmaQH
名前付けろとか言う奴が居たので付けた。
今はマンセーしている。
332創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 00:39:07 ID:rHl/Llse
投下ラッシュ乙!
チハがんばりすぎだろw
333創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 00:39:50 ID:b//Zgta6
>>330
投下乙です!
貴作品のファンです。いやぁ和みますなァ。
しかし帝国軍に詐欺師の臭いが漂う。
きっとモンキーモンキーモンキーモンキーモデルぐらいの超デチェーンなんでしょうねぇw
334創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 02:18:17 ID:pClWv0NQ
>>307
その民族主義が絶対多数である「農奴」に何処まで効くか パンフレットや冊子読めないし
1〜2割りの富裕&知識層にしか効かないんじゃ意味が無い 優位主義が肥大化すればそのしわ寄せは農奴にかかり
最悪農奴反乱フラグ 結局日本みたいに王族は「象徴」になるのがオチかな

付け焼刃ですよね

やっぱ軍事に訴えるしか無いでしょ 旧日本軍的発想ですが「決戦」を敵に強いた上で大損害を与え後は外交で良い条約を纏める
長期戦は駄目ですが短期に出来うる限り広範囲に航空攻撃もくわえれば圧力としては十分です

決戦を強いるのも敵に分散してのゲリラ戦と言う思想があまりない中世レベルなら楽ですし
335創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 03:50:57 ID:Hkcy420I
とあるドワーフの日記
乙です。
国名見てるとしまいにゃドラゴンが貢物要求しそうな気がしてきました。
今後も投下をお願いします。
336創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 03:58:24 ID:I2JmsasP
投下チョー乙!

チハタンこんなにも皆からアイサレテよかったね(´;ω;`)
337創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 04:25:07 ID:7ip2G+9S
元から愛されてるじゃないか。ブリキ缶や役立たずと罵るのも愛の形なんだよ。
338創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 05:07:42 ID:DDf9QS4D
短期決戦で済むならいいけど、泥沼になるのが世の常だからな。
希望的観測にもと基づいて、国家を運営しちゃダメだろ。
339創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 06:13:39 ID:eyHCAGVI
十分勝算は有ると思うがね
時間は敵だし
340創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 06:48:21 ID:EEOVpp3Y
>小国の苦悩

う〜ん、前から気になってたんだけど、スレ違いじゃない?
ここは自衛隊がファンタジー世界に召喚されますたスレであって、大日本帝國軍が召喚とは違うからね。
分家に該当スレがあるので、今後も続けるならそっち行った方がいいと思うよ。
341創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 07:02:50 ID:n8yEf/16
ここで連載でも別にいいんじゃない?
そこまで厳密にやってたら「転移はダメ」とか「国軍昇格もダメ」とか変な縛りになるし。
342創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 08:36:35 ID:PHAtgESn
こまけぇこたぁ(ry
楽しめればそれでよし!
343創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 11:45:32 ID:zPw0tHOC
何でもかんでも規制するのは良くないと思うんだ
344創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 12:05:09 ID:pClWv0NQ
>>338
希望的どころか現実的で「政治的手段の一つとして大きな決断が必要」なレベルですからね
結局相手は日本を「なめてる」訳ですし、何らかの形で日本の実力を見せ付けるデモンストレーションが必要ですから

一番良いのはドラゴンとか魔物とか「倒しても文句言われない強大な存在」を倒してしまう事ですが・・・いないし

野党も「デッドライン」を見たらもう自らの生存の為にも手段選んでられないでしょうし
結局軍備縮小しろとか言うのは人気取りや某国から金貰うためであって決して自殺願望がある訳じゃ無いでしょう
もしあるんだったら無能を通り越して狂人ですよ

それに泥沼化する要因が良く考えれば大してないんですよね 多数派の農民は思想教育されてないから流動的です
衛生活動と農業技術支援行えばすぐ日本になびきそうですから
もしあるとすれば・・・日本の勢力範囲以外が騒乱状態になる ぐらいかな

中世レベルと言ってもピンからキリまでありますが 良くても100年戦争ぐらいだとして
一定範囲を確保後 陸自は防衛に専念で十分いけるかと
占領地を無駄に広げなくても空と海から恫喝くわえられますし
345創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 12:52:12 ID:Sl0ueIFW
>>340-343
新暫定ガイドラインに「主に自衛隊が関わる話」ってあるから、自衛隊分が少なすぎる感じはするけどね
346創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 13:05:35 ID:86NE0J3z
分家使わないのはもったいないと思うんだ
347創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 13:14:49 ID:zIdelkrc

日本に限らずイラクのムサンナ県とかソマリアの海域が転移するのはアリ?

例えばソマリアだったら

DDさざなみ・さみだれ 補給艦 P3哨戒機 ヘリ巡視船 日本商船(油、農産、レアメタルなど)だったら
348創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 13:57:08 ID:y+HkNfDo
なんだったらもう物語氏のように自衛隊が軍事政権をとればいいと思ったが
政治家がいる状態だと国民の反発すごいだろうなあ・・・
いっそのことウヨク議員と組んでサヨク議員の暗殺でもやるか?
349創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:18:12 ID:fdibuZft
>>344
思うんだけどこの世界って中世じゃなくて近世レベルじゃね?
マスケット銃とか、攻城砲とか、三銃士とか、絶対主義とか、
それを思わせる単語はいくつか出てるっぽい。
でも500年間静止とか書いてるし、モデルは江戸幕府かもね。

>>345
あまり規制すんのもどうかなー
萎縮して書かない人が出たら困る。
いいじゃんスレが盛り上がるならちょっとの違いぐらい。
350創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:22:01 ID:HePEJPVo
国民を飢えさせてなければそれは「地上の楽園」と言っても過言でない気がw>F世界大陸側

現時点で農奴は自己の境遇に比較対象無いが故の盲目であるわけで
彼等に「民主主義」を与えるのは啓蒙活動ではあるが
「多数決の原理」をどれだけ理解させられるかが問題
絶対王制を廃止させてもその先をどうするか、て問題がある
スレ内容見るに王侯貴族に取って代わって日本国が支配階級に収まれば良し、て流れだが
彼等(F世界の民衆)が「我らに主権有り」と主張されると弾圧できる冷徹さが日本国に有るか否かかと

対案を出すとするなら
日本国民を大陸に移住させて
そこで生産活動させて産物を日本国に売却する(主に食料品、のちのち鉱物・原材料も
移住受け入れ国は売却益の一部を税として国庫に入れる
その資金が(F世界の)基軸通貨として日本国産物(精密機器や贅沢品)の購入にあてられる
**貨幣制度が未熟どころか鉄貨が流通してるなんて国家間の取引はどうなってるかという疑問は有るが
**設定がそうならそれで仕方なし
351創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:32:41 ID:7LU/btOh
>>349
まあ過去作というか軍板時代もこのくらいには
自衛隊が直接関わってこない作品とかあったしね
352創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:19:53 ID:wfUHAoDJ
分家住人としては分家に来て欲しいかな
最近過疎りすぎで……
353創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:44:09 ID:7QjT01Zp
もういっその事、「近代軍が異世界に召喚されますた」スレにでも改名すればいいんじゃね?
F世界じゃなくておk、自衛隊じゃなくてもおkじゃスレタイが有名無実じゃん
354創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:09:44 ID:eyHCAGVI
対F世界で核の話はよく出るけど、毒ガスや生物兵器はあんま出ないな
生物兵器は効果が予想し難いからだとしても
毒ガスは、一宗教団体でも作れるほど簡単に作れて、効果的だし
355創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:29:27 ID:HePEJPVo
>>354
あんまし倫理観に欠ける戦争すっと
反生物兵器(アンデット)ぶちこまれっからw
356創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:01:46 ID:pClWv0NQ
>>348
さすがに国民も生きるか死ぬかの選択つきつけられたら生きる(武力行使)選ぶでしょ
それにこのまま小田原評定続けてたら 食料燃料問題により内戦状態になる か 強硬的な政権(実質軍事政権)になる
になりかねないですから

特に強硬的な政権になれば政治の柔軟性は失われ 外交能力を自ら喪失し延々と戦いを続ける可能性も


>>350
うーん、別に民主主義を率先して教えなくても良いんじゃ

教育は統治体制の日本への入れ替えから衛生、農業技術の支援を行い生産能力に余裕が出来てからの話しだし

でも比較対象(日本勢力範囲の農民)が出現すれば範囲外の周辺地域の農民からどんどん「より良い生活を望む声」が高まるかも
ついでに日本との緊張状態に各国がより重い税を課すようになれば、農民の不満は爆発し・・・

民主主義や共産主義は「より良い生活」を望む声により結果的に生まれたものですから
357創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:33:37 ID:wfUHAoDJ
つか野党とかが武力反対とか左翼的なことを言うのは政治信条でなく
そこに特アとの利権が絡んでるからだろうから、それらと切れた異世界だと
保身のためにあっさり意見翻しそうw
358創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:43:31 ID:pClWv0NQ
>>349
でも江戸幕府の方が商業や産業で優勢な予感
商人が大きな力を(商業的活動の結果)持っていますし 産業も農民の割合はもっと少ないです

まあ産業革命には乗り遅れましたが江戸を同時代のロンドンやパリ以上の大都市にするだけの実力はある訳で
359創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:53:09 ID:kYfpCQUl
>>357
きっと、必要のない戦いをしたがらない自衛官を臆病者とかののしるんですね。たぶん。
360創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:08:07 ID:thHJbW8h
>>357
でもさまだチャンとチョンは日本に残ってるんでどうかな アイツら骨の髄まで反日だから
361日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk :2009/06/09(火) 21:19:46 ID:McCO6eWJ
ロゼッタ「諸君! 傾注せよ!」

青谷「なんですか一体」

ロゼッタ「前日に約束したとおり、毎日投稿は暫くおやすみだ!」

青谷「正気ですか、読者が離れますよ。折角楽しんでもらえているのに。
   こういうのは絶え間なく続けないと人気は一過性のもので終わるという歴史的事実をご存知ないのでしょうか」

ロゼッタ「言うな、2尉。作者とて忙しいのだ」

青谷「さっき魔女っ子スレとガンダムスレ見てましたよ……そのままあっちへ行ったら戻ってこないやも」

ロゼッタ「戻ってこないのなら刀の錆にしてやる」

青谷「ああ、そういえばそれですよ」

ロゼッタ「む?」

青谷「刀です、刀。大陸の軍事レベルはどんなものなのでしょうか?
   今まで一度も言及されていませんから、読者も大陸の実力を測りかねています」

ロゼッタ「これも作者の怠慢のせいだな。よろしい、わたしが解説しよう」

まず、我々の主力武器は銃剣つきのマスケットだ。長槍はないと言えば、わかる人間にはどの程度の
軍事的レベルにあるかわかるのではないか?戦術は密集横隊による一斉射撃と銃剣突撃だ。
だが実際には距離50m程度で延々撃ち合いをやっているうちに片方が崩れて逃げ出すのが殆どだな。
砲は榴弾、榴散弾などもあるが、炸裂しないただの鉄の塊の弾が殆どだ。
射程は1kmほどあるが、命中はあまり期待できないな。歩いてくる敵軍の前面に砲撃して、散兵を蹴散らすのが主な役割だ。
とはいえこれだけで士気阻喪して崩れることもあるから、案外侮れない武器だと認識されているぞ。

青谷「ナポレオン時代くらいといったところですね。動員力はどうです?」

各国ばらつきがあるが、ユグドラ帝国の皇帝だと常備10万だな。
東西南北の貴族も似たようなもので、戦時はその3倍から4倍を動員可能だ。
平時に存在するのは各国とも近衛軍を中心とする常備軍だが、戦時には大量にその辺の
農奴や市民を雇用して促成訓練を施して傭兵軍に仕立て上げる。
基本的には自由意志による雇用だが、場合によっては人攫い同様につれてくることもあるぞ。
もっともこの500年間生きるか死ぬかの大戦争などないから、そこまで動員することもないがな。
大体は近衛と常備同士で干戈を交えた後、国際社会による調停を待つこととなる。
そもそも戦争そのものがそうそう起きないがな。その前に外交官がカタをつける。

山一つ越えたところにあるラウジッツの軍は特殊だ。
元々騎馬民族ということもあってか、歩兵より騎兵が多い。
広大な土地だが物凄い数の貴族が群雄割拠していて、各貴族は敵対勢力の力を
削ぐため、ただしその背後を別の貴族に衝かれないため、少数の騎兵による長躯侵入と一撃離脱を
主な戦術とし、堂々たる大決戦は余りやっていないらしい。兵站上の制約もあるようだな。

さて、今日はこんなところでいいか?わたしはお腹が空いた。

青谷「はいはい、今日はカレーですよ。海軍カレー」

ロゼッタ「うむ、楽しみだ」
362創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:44:42 ID:WEzCKcfK
投下乙解説乙です。
このままだと引き裂かれる二人、しかし別に好き合っている訳ではない様子。
wktk
363創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:04:07 ID:PYTRsAl8
乙です.絶望的なり日本国!
在日米軍無しでは戦力投射能力が…

こうなったらこの国全員でだな,アカくなっちまえばだな…
コウコクニホンでは,人民が,エルフを喰う

そういえばこの世界の航空戦力はどうなってるのかな.
あとは,魔法の有無についてと人外民族の有無については言及があったかな?
364創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:08:50 ID:eyHCAGVI
民衆が捕まえた貴族を確保に来た青木が見たものは
体中に白濁をまみれさせ、部屋の隅で人間に怯えるロゼッタだった
とか期待
365創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:11:18 ID:eyHCAGVI
>>364
ああ、間違えた
青木→青谷
366創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:15:23 ID:WEzCKcfK
>>364
こらこらw
ここはsenkaスレじゃありませんよw
367創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 23:09:46 ID:p4AOmaQH
>>366
同胞だらけだw
368創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 00:08:15 ID:UvzD1en1
>>351
後付けで自衛隊を絡ませたような作品もあったね。
369創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 06:55:22 ID:ZEltLokV
>>363
何処が絶望的?

結局ナポレオン時代並なら対空迎撃能力無し 蒸気機関無し 兵站極めて貧弱 大規模夜戦能力無し で

幾つもの手法を選択出来る自衛隊に勝ちは動かないかと もう少し中世の軍事史読むべきだと思います


特に促成兵員の錬度は致命的ですし・・・精兵を真っ先にぶつけて消耗し後は烏合の衆で無駄に包囲し補給不足で自滅しそう

または地図を読める人が多くない故に戦場への移動中に「迷子続出」とか
昔の軍が殆ど街道や街道沿いに大軍動かしてるのは迷子防止でもあります
小部隊ごとによる浸透突破なんて夢のまた夢ですし

給食部隊もレーションも無いから食事は基本硬く焼いたビスケット
火を熾して粥を炊こうとしたらそれを見た自衛隊がミサイルか砲弾が夜昼問わず落としてくる とかやられたら士気崩壊ですよ
まあナポレオン時代並の技術+日本の文化を見た影響で瓶詰め食品が誕生しそうですが・・あれは割れやすいので
370創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 07:19:08 ID:t+oDlIJm
ところで中世だとまともな常備軍がないから戦争は基本農閑期に行うもんだけど、そこを付けばわりとあっさり勝てそうな気はする。
371創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 07:54:29 ID:JllyJMq8
>>369の言っていることには同意するけど、ナポレオン時代を語るそこはいい加減「近世」と言って欲しいな。

まあ、それについては作者氏も盛大に勘違いしてそうだけど。
領邦国家からなる神聖ローマ帝国を引き合いに出して「絶対主義国家」というの甚だ違和感が拭えないし、
歴史講学上の時代区分や政治体制とのリンクを無視してこのF世界を「中世」と呼び続けるのももおかしい。
神聖ローマが絶対主義を確立するのは遅れに遅れて近代前夜と言っても過言じゃないし、ナポレオン時代
の兵制を採用している軍隊を中世国家の国力で支えられる訳がないはずなんだけどなあ。
372創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 08:35:52 ID:7sUNA/9S
>>369
なんでそんなに喧嘩腰なんだw
みんなプロの作品でもないいち作品にちと熱くなりすぎとらんかね。
もっと肩の力抜いて読もうよ。
この分じゃいざ開戦、となったときには物凄い勢いで、『それは現実的ではない』って
批判が出そうで、作者の筆を鈍らせそうで漏れは怖いよ。

フィクション、フィクション。
リアリティに文句があるならプロのを読もうぜ。
373創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 10:22:06 ID:HSvmicNL
>>369
絶望的なのは日本の食料事情とエネルギー事情とと兵站じゃないか?
弾が無限に出てくるわけでもないし資源が何所にあるかもわからない
攻め取って統治も前のレスに出たように難しいし
374創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 11:10:36 ID:Gw88gdFi
>>372
突っ込むのも自由だが、スルーするのも自由だ。
気にするころはないさ。
反映が面倒ならしなくてもいいのだ。
375創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 11:19:27 ID:UZU6gmtP
絶望的なのはなまじ混乱なく移転が完了して、侵略戦争に抵抗を覚えてしまう状況になっちまってるからかな?
この状況で国を維持するには満州国やらないことには
376創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 13:18:11 ID:sY0byVw3
ここで整理
いまんとこアクティブ投下なのは
1)日本が国ごと召喚
*大陸が中世から近世の設定、貨幣制度が未熟
2)日記
*日本人技術者の視点からの日記風描写、将来魔術師に進化か?
3)ドワーフ日記
*ドワーフの日記風描写、竹島戦闘の生き残りエルフの赤丸ちゃんのいる世界

こんな感じで各作品間の関連は無い、と理解してOK?
377創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 14:59:40 ID:ocA9U09Z
>>376
元々各作品間の関連があったのは軍板時代の
物語氏と元1だおー氏の作品の一部でぐらいだったと思う
あれは片方のプロットをもう片方がSSにしたという合作のはずで
両方の作品に同じキャラが出てきた
378創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 15:10:58 ID:SMZG6enm
>我々の国の民全てを合わせたのとほぼ同じだけの人間があの狭い国内に生活しているそうです

>各国ばらつきがあるが、ユグドラ帝国の皇帝だと常備10万だな。
東西南北の貴族も似たようなもので、戦時はその3倍から4倍を動員可能だ。


大陸総人口が日本と同じぐらいで、それを三カ国で割ってるとしたら、
この規模の軍を支えるには寧ろ人口が多すぎる印象を受けるかな。
379創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 17:52:20 ID:HSvmicNL
>>378
何人の農民が一人の兵を支えれるかがよくわからないんだが
日本人口=約1億2千万人
1億2千万人÷三ヶ国=一ヶ国の人口4千万人
4千万人が10万の兵を支えるから
40000000÷100000=400
つまり4百人の農民が1人の兵を支えているってことでおk?
んでその農民が多いってこと?
380創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 17:58:57 ID:ZEltLokV
>>373
統治は農民がまだ流動的ですからノウハウの確立に時間はかかると思いますがそんなに難しく無いかと
資源問題は既に幾つかは発見されているので

そして食料事情が問題で時間が無いから戦争が必要な訳で
まあ「良い条件で貿易協定を結ぶ」 それが出来れば戦争は必要無いですが
一番てっとり早いのが武力行使による恫喝ですから 手段を選ぶ時間さえあれば選択肢も増えるんですけどね

兵站に関しては「無定見な戦線の拡大」さえしなければ
補給能力と必要な土地の量から「占領範囲」を決め 交通の要所などに防御拠点を築くようにすれば防げるかと
土木能力に限界がある以上敵が大兵力を移動出来るルートは限られますから
第一次大戦に回帰したような塹壕防御でもナポレオン時代の軍には絶望的壁になりますし

後は空と海が何処まで恫喝に動けるかにかかってますね
出来る事なら開戦初期に敵が数万単位の兵力で決戦を挑んでくれれば弾薬の消耗も少しは避けられるんですが


>>375
確かに「軍事アレルギー」が日本の特徴ですからね 欧米だったら「もう武力行使してるよ」な状況ですから
381創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 18:07:07 ID:ZEltLokV
>>378
計算の式間違ってる

近衛10万+東西南北40万(大体)=50万で

40000000−500000=39500000 が兵士以外

さらに「大体9割が農民」だから 甘めに見て8割とすべきかもしれないけど今回は9割で

40000000×0.9=36000000

36000000÷500000=72

72人で一人の兵かな まあこれは総人口4千万の計算だけど実は5〜6千万かもしれないけど
382創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 19:36:57 ID:ocA9U09Z
軍と国民の比率そのものは(数字の上では)問題ないけど
何にせよ人口規模が大きく軍の規模もそれなりに大きいから
制度とか経済状態とか詳細がわからないと何ともいえない

でも国民の9割ぐらい農民ってのはちょっと偏りすぎだなあ…
物流経済とかどうなってんだろ?
(場合によってはこういう生産者偏重の国民比率って、どっかの地方だけ飢饉起きたりそれが暴動になってるけど
周辺地方には食料が有り余ってる、でもそれを動かす手段が無いって事を歴史上引き起こしてる例があるし)
383創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 20:17:52 ID:3eg9L0e9
お前等、俺が作者だったら『こうでなければいけない』この数字が適切である
なんて細かく決められたら書く気が失せる

一見妙に見える演出や文章は複線なのかもしれないから暖かく見守ってやれ
早漏は嫌われるぞ
384ルーデル:2009/06/10(水) 20:24:36 ID:NFdrccGT
小国の苦悩 第六話

『我が帝國陸海空軍はロストニア王国に対し宣戦を布告』
『宣戦布告と共に、我が精鋭軍は各地に進撃、これを制圧したのである!』

ヴァァァァァァアアアアン(サイレン付きの99式艦爆が急降下)

ズガガガガガ!(土嚢の上で九九式軽機関銃を乱射)

キュラキュラキュラキュラ(チハが崩れた城壁を乗り越える)

ズドーン! ズヴァーン!(艦隊が一斉射撃)

ジャンジャジャーン!
『我が強大なる帝國軍の前に、全ての抵抗は無意味なのである!』
キュィィィィン ズドーン(巨大な城が吹き飛ぶシーン)

「うちの城なら丸ごと吹き飛ぶな」
「瓦礫も残るかどうか・・・」
騎士団長ピエール男爵と側近がコソコソと話し合っている。

『我が帝國軍の進撃の前にロストニア兵士達は次々に投降するしかなかったのである!』(長々と続く捕虜の列と護送の帝國兵)

「物凄い捕虜ですな」
「地平線まで埋まってる・・・」
「あれだけ捕虜を採ると食費だけで国が傾きますな」
財務担当ロエニー男爵が冷静に分析する。
「そう言えば帝國がやたら食料を買ってたがひょっとして捕虜用か?」
ピエール男爵が納得したような顔をする。
「でしょうな、帝國通貨で支払いされた時は困りましたが」
帝國通貨は帝國陣営での共通通貨として流通し始めていた。
帝國政府は、帝國通貨の普及と各国の作物本位制から通貨本位への切り替えを図り、全ての支払いを帝國通貨に切り替え始めていたのである。
「だが帝國通貨なら帝國製品が買える! うむ素晴らしい!」
ゴンザレス5世は満面の笑みを浮かべながら髭を弄る。
「帝國槍や帝國刀、帝國鎧は是非とも揃えたい所・・・」
ピエール男爵が分厚いカタログ『03年度帝國同盟国兵器カタログ』をパラパラ捲りながら物欲しそうに眺めている。
武者鎧っぽい形状の西洋鎧の写真に大きく赤丸でチェックされているのでこれが欲しいらしい。
因みに最恵国待遇の場合なら『三八式帝國銃』まで購入できるが、ゴンザレス王国は当然最恵国ではない。
「お待ちください、先に農業効率改善の為、帝國鉄製の農具を・・・」
農業担当のエリック子爵が『03年度帝農商会カタログ』を振り回す。
「む、王妃へのプレゼントも買わなくては」
「この試製堂の香水とかでは?」
「電報設備もご検討を!」
「いや、先に乗り心地のいい帝國式馬車を・・・」
「押すなコラ!」
「何だと!? 貴様!」
「国王陛下、これなんかどうです?」
「何々? 帝國織ドレス・・・高くないか?」
「王妃様が喜ばれますよ」
「陛下! 刀買ってくだされ!」
「帝國製農具を買う事で効率性が10倍にも・・・」
「何かあった時のため貯蓄をすべきだ!!」

プロパガンダ映画上映の為、来ていた帝國外務省の役人はひたすら無表情を取り付くっていた。


大陸戦争初期、『帝國の威光を世界に知らしめ、今後の大陸運営の円滑化を図る』として帝國政府はプロパガンダ映画の製作、支配地域での上映を行った。
しかし帝國のプロパガンダという物にたいする理解、特に中世レベルの文明に対するプロパガンダへの理解が全くなかった為、こうしたプロパガンダはあまり効果をあげる事が出来なかった。
結局、帝國の威光を大きく広めたのは国内産業維持の為に、苦肉の策として行われた民間向けの優れた帝國製品だったのである。
注 ゴンザレス王国における反応は大陸においても特異なものです。
385ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/10(水) 20:25:36 ID:NFdrccGT
アクティブに入れてもらえなかったorz

なんか名前欄がおかしくなったorz
386創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 20:28:17 ID:sY0byVw3
「日本国ごと召喚」では農本位政策で商業は制限されてる模様
産物にもよるが「長期間備蓄が可能」ならば消費以上の過剰生産はどうだろ?
備蓄しても味の低下がそんなに無ければ生産しない考えもあるし
有っても困らないからどんどん生産、もあり得る
「生産過剰で値崩れして困る」てのは商業本位な政策ゆえだし

戦争するのは貴族の領地のいさかいが原因としても
長い間の政略結婚の結果、各国の支配者が親戚関係なら
徹底的に相手を滅ぼすのは我が世界の悪しき伝統なのかもしれない

マジで「バイストンウェルに日本国が転移した」みたいな
われわれ日本人が「楽園のヘビ」みたいな役割担わされるとかw
387創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 20:49:28 ID:ZEltLokV
いや、相手を滅ぼすのが伝統な訳ないし

まあ第一次大戦はそれまで「親戚関係でなあなあ」で済ませてたのが「民意」の登場で戦争へと激化した例だけど

今回は人種や宗教上の問題ではなく経済上の問題でぶつかってる訳だから 「買い手」や「働き手」の消滅はそれこそ最悪ですよ
388創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 21:57:23 ID:6/EugGeI
まあ、SSだからね。
でも俺は見てるよ。
389創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 22:30:39 ID:RJnhRRZB
投下乙
ゴンザレス王国は和むなあ。俺が外交官ならこういう国に赴任したいよ。
まああまりに小国だから、外交官が駐留してるか疑問だけどねw
390創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 22:33:43 ID:HSvmicNL
>>381
ゆとりですまん
吊ってくる
391創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 00:42:24 ID:YWnevtRF
>>379
真っ当な現代国家の常備軍総兵力が総人口の1%以内(1%はかなり多い方で普通は0.5%以下か)を推移するはずだから、
他の要素を全て捨象して純粋に人口比から考えれば、ユグドラ帝国とその傍系国家の常備兵力は最大で120万、最小で40万ぐらいになると思う。
そこに兵站の貧弱さ、(兵員の)教育システムの未熟さ、そもそもの財政規模等の中世的要素を加味すると最大でも40万、最小で10万割るんじゃないかな。
人口3000万のオスマン朝の動員可能兵力が10万(0.33%)だったから、それほど的外れな数値ではないと思うけど、ユグドラ帝国は商業を統制しまくってて
経済力は貧弱だし、人口構成も戦時に動員しても大した戦力にはならない無学な農奴が大多数じゃ、確かに40万はちょっと多いかもね。
それに、実際に40万以上の兵数を集められても、自衛隊の火力に晒されたら一撃で壊乱するような張子の虎になる可能性が高いと思う。
392創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 00:56:17 ID:O8+QWFG/
>>383
何とでも理屈をこねて無視すればいい。
何ならガン無視で突っ走ってもOK。
作者の特権だ。
393創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 01:21:39 ID:+vUFfo8+
「そう言う物理法則の世界です」
と言い切れば無問題

妥当かどうかの議論は否定しないけどちょっと続けすぎ
394創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 19:57:19 ID:sgiwJiz4
>>393
別に荒らそうとか思っているつもりは無いが
作者が投下するまで議論以外することが無いんだから仕方ない
感想もそんな長く続かないし
てか感想いってたら議論になる
だからといってレスを控えると過疎る恐れがある
だから暇つぶしに議論するしかない
395とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/11(木) 20:15:55 ID:ZSh4ZL9C
◎月Θ日

 我々とジェダイは模擬戦闘演習を行った。
昨日から来国していたジェダイの特殊部隊と、特戦部隊レッド・キャップズ(以下赤帽子)、一分隊。
双方12人の野外演習。戦闘時間は夜9時から12時までの三時間、戦闘場所は三階建てのニホン家屋。
ジェダイが防衛側、赤帽子が攻撃側となる。
勝利条件は攻撃側が司令部の旗を取るか破壊。
敗北条件は赤帽子の殲滅か時間までに旗を奪えないこと。

 状況はジェダイ側が奇襲を受け、防衛線を突破され後方の重要拠点を襲撃されたと想定している。
戦闘開始前にジェダイ側は10分の猶予が与えられる。
10分は戦線突破の報告後に部隊が急行したと想定されている。
双方地図は事前に配られる。但し、攻撃側は家屋内の詳細な図面は配られていない。
地雷や有刺鉄線、戦闘車両等事前持込不可。
武器の持込については、双方状況に適当であると判断した物を持ち込んでいる。

 当然だが、訓練はゴム弾、BB弾、ペイント弾を使用。
魔法も“対人は気絶させる程度”である。
ただ、特例として接近戦においては模擬刀又は相当品を使い(本来は触れるだけで死亡と判断らしい)
刃を相手の胸や手を突き戦闘不能に陥ちいった場合のみ死亡と判断される。
触れるだけで死亡の条件など腑抜け。
剣は抜いて、敵の急所を捉えるまでが勝負。
特例は我々、エルブ側の提案に合わせた条件である。

 まさか赤帽子を生きている間に見るとは。
黒エルフを中心に構成された商会直属の暗殺部隊。意志を代行する剣。
彼女らの帽子は、敵の溢れ出る返り血を用いて帽子を染め上げているとされている。
名前のみが知られ、実在を疑われつつも確固とした存在感がある謎の部隊。

 噂では赤帽子の姿を見ただけで軍全体が降伏した話もある。
彼女らを見た彼らがどうなったかは知る由もない。

 監視塔から演習場を見下ろすと、入り口側に赤帽子が待機しているのが見えた。
赤錆色のアンシーリーコート(呪鍛加工された雨避け状の防護服)を見に纏い。
肩に逆十字と杖と斧を組み合わせた紋章をつけている。
顔や武器はポンチョに隠れて見えない。
鉄の靴が黒いズボンから覗いていた。


 今回、彼女らが呼ばれたのはエルブの面子である。
エルブの兵士が“使える”のを示さねば、ニホンより“対魔術戦において優勢”である
外交的優位が揺らいでしまうからである。
ジェダイはバッサン軍との戦いや対イビルアイ掃討戦で結果を残しており、
今一度“我々が必要である”と示さなければならなかった。
396とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/11(木) 20:16:46 ID:ZSh4ZL9C
 ジェダイと我々の戦闘能力は隔絶している。
剣を抜く間に殺され、魔道師が呪文を唱える間に撃たれ、弓を構える間に頭を吹き飛ばされ、
魔法の撃ち合いになると、一人の兵士が魔道師の五倍十倍の魔法を放つ。

 というのも、前の演習では酷い目にあった。
以下は訓練に参加した兵士達の証言である。

黒エルフ、エインセルの証言。
「エインセルが日本のジェダイと戦ったとき、それはもう驚きました。
遠くで光ったと思ったら、血糊を吹いて周りの人達が一斉に倒れていきました。
エインセルは怖くて地面に伏せて隠れるのが精一杯でした。
接近戦に持ち込もうにも、自衛隊員の動きは速いし、重い鎧を着たままでは追いつけません。
なんとか接近戦に持ち込んでも、剣では短すぎ魔法では遅すぎて、遭遇すれば皆殺されます。
これは彼らの武器が魔法杖でかつ槍であり、個人で持ち運べるほど軽く強力で自在に用いているためです」

ドワーフ、ボギーの証言。
「日本の自衛隊は接近戦でも死角がない。 我々の兵士は自衛隊を見れば皆身がすくみ逃げ腰になる。
魔術戦に優れた自衛隊だが魔法だけではなく槍の扱いも我が剣兵と互角である。剣と槍は相性が悪い。
槍の扱いも民兵を上回る、その他あらゆる兵科と比べても不足が見つからない。
本当に日本人は殺戮者だ。その家には文字を読めぬものは無く、 子供の頃から錬金術を教えられ始め、
壮年にいたれば手に負えなくなる」

竜人、バッジ・ファーの証言。
「日本戦術は神秘的だ。前後の移動が見事で手出しができない。
そのためファランクス(槍による集団突撃戦法)を使っても毎回負けてしまう」

ドワーフ、ボッケルマンの証言。
 「日本人が全力で動く時風のように漂って動く。 常に寡兵で陣に入って来て、
大勢の兵士でも抵抗できない。 その魔法の使い方は、常に複数で守り合い、あえて止めを刺さない。
怪我人を増やし、助けに来た兵士を狙い、怪我人を運ぶ手間を増やす。
汚い手だが、合理主義の極みである」


 厄介なことにジェダイは集団戦になるとより手が付けられなくなり。
数が増えるほど強さは倍加する。

 それでも勝算はあった。
剣や槍を使った戦闘である。
ジェダイは魔法を使うのを優先して動く。
剣技や無手に関して我方に勝ち目はある。
もっとも、他の技能と比べて弱いと表しただけで、
民兵や徴兵された兵士に対して技術的優位にあるのは確かである。
強いが達人に届かない腕と評価するのが適切だろうか。

 短時間しか持たない魔法を最大限生かせ、接近戦を挑め、なおかつジェダイが連携しにくい環境。
条件を絞り込むと、狭い室内。少数精鋭の戦闘。深夜が最適と出た。
国の面子が掛かっている。彼女らは負けられないのだ。
397とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/11(木) 20:17:36 ID:ZSh4ZL9C
某所某日

『赤沢2等陸曹回想録』より

 今日は赤帽子との演習である。
私には赤帽子の隊長、メイと少なからず因縁があった。
それは後で書くとして私について書いておこう。

 海外派兵が始まる前、私は習志野で働いていた。
俗に言うSである。決してSMのSではない。
沖縄でグリンベレーと実戦訓練研修をしたり、イラクへ派兵されたりと。
仕事内容はむしろMに近い。
鍛えるのが趣味の変態と一部で呼ばれているようだが、大きく外れてはいないと思う。

 ××年の×月、私は“エルブ”海外現地共同体の警備要員として復興支援団に組み入れられた。
今までにも派兵や他国の特殊部隊との演習があったので、国外に行くのは別に特別ではなかった。
海外全面通信途絶による混乱がある程度落ち着き、マスコミが海外に眼を向け始めたころ、
外務省からお偉方がやって来て隊の個人面談が始まった。
彼らは海外に興味があるか、本は好きか、内容はどんなか、食べ物の好き嫌いはあるか、
幽霊を見たことがあるかなどの取りとめもない話の後、復興支援団に参加する気はあるかと聞いた。
私は全ての質問にはいと答えた。
情報が全く入ってこなくなった海外事情を知りたかったし、
質問中に不自然に紛れ込んでいたオカルト話に興味が湧いた。
幽霊を見たことがあるか、肝試しは好きか、適応能力は自分にあると思うか。
普通、こんな馬鹿らしい質問をしないのが常識ある社会人だ。
しかし質問しているお偉方の顔は大真面目である。
だからあえて逆を行った。
数日後、また呼び出され書類を貰った。
復興支援団の警備部隊所属宛を証明する紙であった。
398とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/11(木) 20:18:23 ID:ZSh4ZL9C
 こうして私はエルブ基地へ所属する身となった。
僅かな私物をまとめ、残りの私物管理を信頼できる友人に託し、家族に電話で連絡してバスに乗った。
護送されたバスが正面ゲートから出ると基地外は気違いで一杯だった。
紅い旗を振り回した平和団体が派兵反対九条賛成と叫び、反対側は別の団体が復興支援賛成九条改憲と叫ぶ。
両団体がぶつかり合い、押し合いへしあい乱闘騒ぎ。
新型の透明盾とジュラルミンシールドを持った機動隊は手を出さず、遠巻きに紅旗の団体を包囲していた。
背後には救急車と消防車。制服を着た代表が「暴動はやめなさーい」とスピーカーで話していた。
誰も聞いてない。

 基地の港に入ってからは静かなものだった(デモの騒音と比べてであるが)
華々しい式典はしなかった。中国四川大地震に似た海外の“緊急”援助だからだ。
大佐級の高級仕官が一言二言話して終わり。あっけない。
既に船のコンテナは積み終わっていて、後は自分達が乗り込むだけなのだそうだ。
私が乗った船については詳しくは覚えていない。
元々船に興味がなかった。
飯が美味かったのは覚えている。
陸より海のが美味しいとは本当らしい。
まあ、まだ戦争になっていないからな。
それよりも大陸の現状はどれほど悲惨なのか考えていた。
あらゆる通信が全滅する事態、大規模なEPMでも炸裂したのだろうか。

 陸地が見えたそうなので甲板に上がって驚いた。
 降りてもっと驚いた。

 海から見えたのは江戸時代の日本と中国の唐時代を混ぜ合わせたような街並み。
外国人が考える『間違った日本のイメージそのまま』の姿。
ヨーロッパ辺りに行き先を間違ったのだろうか?だとしたらデカイ遊園地か何処か?
一ヶ月も二ヶ月も船に乗っていないのは確かだ。
海岸や五重塔に似た建物の上にずらりと並んだ人達が此方の船を見つめている。

 海外から通信が途絶して、謎の生命体が襲ってきて、決死の覚悟で海外情勢を調べに行ったら
ディズニーランドみたいなファンタジーな住居で現地住人が旗持って歓迎ムード。

 訳が判らない。頭がどうにかなりそうだ。
日本全体を巻き込んだ壮大なドッキリか。迷惑な。
399とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/11(木) 20:19:11 ID:ZSh4ZL9C
 現地入りして数日は大変だった。
「いよぅ、おつかれ」
「おはよう。今朝は冷えるな、えぇ?」
「ああ、何を!ああっここで動かしちゃ駄目ですよ!待て!止まれ!うぁあああ・・・」
「レッド聞こえるか。頭のイカれた小男達がいる。ひとりでは手に負えん」
「よぉしすぐ行く。カッコイイとこ見せましょ♪」
「容疑者は男性、髭面、130cm、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」

 特に機械に興味を持ったドワーフ族相手に苦労した。
ところで奴ら一体なんなのよ!車は盗もうとする!シートは引っぺがす!
後で元通りにして返すからちょっと触らせてくれって!
ちょっと!私の時に騒ぎを起こすな!

「一口では言えん、とにかく俺を信じろ」
「無理だそんなの、知り合ってまだ5分と経ってない」

 非番に知り合った黒エルフ族娘に至っては、私をさらう!

「おたくみてえないい男はもっと遊ばなきゃだめだよぉ」
「私は公僕だ。かまわないでくれ」
「アタシの言う通りにしろ」
「駄目だ。7時半に射撃の練習がある。付き合えない」
「今日は休め!」

 娘を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す!
かと思ったら人を撃ちあい(銃器は使ってない、手から弾が出た不思議だ)
に巻き込んで大勢怪我人はだす!

「ぶっ飛べ!」
「おいおいおいちょっと待て待て!あち!あちち!ああっ!
 くそっ!息子がやけどしちまったじゃねえか!ちっくしょうもう!バッカ野郎!」

 挙句は電話ボックスを持ち上げる! あんたら人間なの!?
お次はターザンときたわ!警備があんたらを撃とうとしたんで助けたわ!
そしたら私まで追われる身だ!

 もちろん、警備には半日かけて謝った。死ぬほど疲れた。
来て早々営倉行き。
自分だけピンポイントで狙ったかの余りの理不尽ぶりに切れて、田中(外務省筋の役人)に抗議に行った。

「“あの日”海外で一体なにがあったのか教えて頂戴!」
「駄目だ」
「駄目ぇ?そんなぁ」


 驚きと不条理に満ちた数週間。
異文化接触、剣と鎧を持った兵士との演習、耳の長い美女達の化け物に対する講義、
化け物との初遭遇、魔法使いと西洋風の鎧を持った兵士達との訓練。
人生で此処まで密度が濃かった時間はない。
まとめれば映画のひとつも出来そうだ。

 どれもこれも理不尽な黒エルフ、メイのせいであった。
私と彼女の腐れ縁は船から陸に上がり、部屋割りと荷物運びが終わり、
事務手続きもろもろが終わった上陸二日目にまで遡る。
400とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/11(木) 20:28:13 ID:ZSh4ZL9C
投下終了

('A`) シュワ映画ハ言イ回シガ洒落テテオモスレー
    国名ニツイテハ>>337ノ予想通り
    巣作りマイスタードラゴンクルセイダース2
    ガモトネタデス アト、キャラ ノゲームカライクツカ パロッタモノヲツカッテイマス ライバー共和国→ライバー連合 エルブワード王国→エルブ ハッサン王国→バッサン帝国
    ヨクワカリマシタネ・・・マイナーナネタナンデ誰ニモ判ラナイト思ッテマシタ
401創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 21:02:35 ID:TFx2NAsn
投下乙です。
格闘訓練に渋川剛毅でも呼んだら楽しい事になりそうだな・・・
黒エルフのそのお嬢さんとの話をもっと詳しく出来れば中篇SSでお願いします、って冗談冗談。
402創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 21:03:52 ID:Bd93oFOC
投下乙です!

>>基地外は気違いで一杯だった
ワロタww

403創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 04:53:54 ID:tuSge0mm

投下ありがとうございます。

>>本当に日本人は殺戮者だ。その家には文字を読めぬものは無く、 子供の頃から錬金術を教えられ始

まぁ文字に関しては江戸時代からなんだがな

>>ファランクス(槍による集団突撃戦法)を使っても毎回負けてしまう」

コッチだとファランクスは海上で使う機関砲だが
この世界では民間船にも使える魔鎗なのかな?

>>海外派兵が始まる

派兵ではなく派遣では?
404創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 06:01:23 ID:f3OwVtkY
>>403
>ファランクス(古典ギリシア語:φ?λαγξ, phalanx)は、古代ギリシアにおいて用いられた重装歩兵による密集陣形。
>集団が一丸となって攻撃するファランクスは会戦において威力を発揮した

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

集団で纏まったら逆に火力で圧倒している自衛隊の餌食だな。
405創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 06:02:32 ID:ky+y0dh2
ファランクスに蹴散らされるファランクス


なんちて
406創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 06:10:30 ID:IU1gOgZ/
>>405
人にファランクスなんて鬼畜過ぎる。
効果は高いが……

ところで、不老不死の魔王が敵の話を考えているが、
ファンタジーで不老不死なのはどれくらいいたっけ?
407創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 06:51:45 ID:feESyfXI
>>406
ものによるが結構いるだろ
エルフが殺されない限り実質不老不死であることもあるし、ドラゴンも不老不死設定がつくこことも多い
トレントとか植物由来もそう言うのが多いな
精霊とか妖精とかも
ものによっては巨人にも不老不死設定がつく
408創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 07:08:17 ID:kyjiFjvZ
あとは一度死んでるアンデット系とかヴァンパイア系とかもかな。
409創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 07:16:12 ID:3hml4EXN
ただ不死と言ってもピンからキリまで

首と胴を分けて殺せば死ぬ程度
弱点以外は攻撃されても大丈夫だけど弱点を突かれればあっさり死ぬ程度
粉砕すれば死んでは無いけど無力になる程度
すぐ再生するから死なないって程度
複数体が同じ命を共有し同時に倒さないとすぐ復活する程度
肉体は消滅しても魂は生き続け肉体を再生したり他者の肉体を乗っ取るとか・・・色々ありますね
410創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 08:58:42 ID:uM25Z5CR
>>400
習志野(空挺だろ)に女は無いと思う
411創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 09:08:53 ID:nkSAgVCR
女とは書いてないだろ
410の頭の中で主人公は黒人女客室乗務員に変換されてしまうらしい
412創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 12:12:02 ID:Mx4RB89P
普通にオネエ言葉の奴かと思ってた
413創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 12:16:58 ID:a4HwTSoM
男って書いてるね
414創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 12:57:11 ID:EcwvcTHR
>>406
>>409
バビル二世の「ヨミ」程度の不死身具合でいいと思う。
もっともあれはファンタジーではないが……
415創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 19:18:20 ID:lQNgxUhy
ようやく復旧したか
416創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 19:31:37 ID:hu01k4sw
>>406
お金持ちもそうですね
417創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 19:52:30 ID:4M+hJt3X
>>406だけど、個人的に、自分で知ってるもので近いのは……
NARUTOの暁の飛段だと思う。うん。
それ+自己再生能力が自分のイメージです。

ところで、基本的に自分のイメージだと自衛隊と互角(もしくはそれ以上)に戦えると思うけど。
逆に倒す方法がわからなくなりました……
@核で消滅させる。
A不老不死でなくさせる(そして殺す)。
B永久に拘束する。
……どれが一番リアリティーある?
418創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 20:00:13 ID:pmXBCZJt
>>400
大規模なEPMでも炸裂したのだろうか。ってEMPの間違いでは?

>>410
空挺じゃない、Sってはっきり書いてある
419創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 20:05:04 ID:hu01k4sw
>>417
大抵のファンタジーに出てくる敵役の不老不死なら種類毎に弱点はあるよ。
ファンタジー世界の勇者が対応できるレベルの。
420創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 20:55:26 ID:0yqlHIng
>>419
ジークフリートなんかもそうだな
421創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 21:01:09 ID:9VyqT44m
なにがはじまるんです?
422創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 21:07:04 ID:9VyqT44m
ごめん誤爆した
423創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 21:28:53 ID:0yqlHIng
ここはコマンドースレじゃないからな
424創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 23:56:38 ID:Rt/ovqza
ジムコマンドがファンタジー世ry
425創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 01:00:45 ID:qGs9CyHS
>>417
D毒で殺す。または半死半生の状態にする。

例え不死者でも、猛毒を瞬時に無毒化できる能力を持ち合わせない限り、毒の効果で苦しみつづける事になる。
特に、遺伝子に対して作用する(癌化、奇形化を引き起こす)ダイオキシンなどの毒物は
再生能力を持つ生物にとっては死んだ方がマシな位の深刻なダメージを与える事が出来る

その他に脳や神経などにダメージを与えるタイプの毒物(高濃度の覚醒剤など)も不死者にとっては有効と言える
特に魔法などを使うタイプにとっては毒物による脳のダメージは致命傷(不死に致命傷と言うのもおかしいが)と言える
折角の魔法も呪文が思い出せなかったり呪文を行使する部位が上手く機能しなければ使えないのも同然だからだ

そう言えば、某警察ロボット漫画で不死身に近い13番目の生物を殺したのもある種の毒と言えば毒と言えるなぁ……
426創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 02:29:02 ID:BNOS/PrM
特車2課がF世ry
427創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 02:38:34 ID:/teMb2H0
>>425
ただ 再生能力が「遺伝子由来」ではなく「魂由来」だった場合はダイオキシンによるダメージすら再生するかも
428創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 02:56:52 ID:8mb/1xti
>>427
月姫の復元呪詛とか、時間を戻すとかでない限り
癌化で次第に筋力が奪われると思う
429創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 03:05:37 ID:chBNmxa6
>>427
「魂由来」ですか、では乙女ロードから物資を補給して腐に・・・
430創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 07:31:36 ID:/teMb2H0
>>428
そう言えばマイナーなアニメだけど「ベターマン」(実は勇者王と同世界観)だと
「癌細胞的細胞によって構成された不死身の敵」ってのがいたね

あれは実に良かった「科学も進みすぎるとオカルト行くね」な作品だったから
431創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 10:55:30 ID:BNOS/PrM
良くある設定じゃ?
432創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:28:50 ID:+yCgvXI/
過去数百年間で食った・吸った人間の命を自分の物として取り込んでいるので
その数十万人分の回数殺さないと死にません、な伝説的吸血鬼の旦那のようなパターンも
433創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 00:20:02 ID:jS9TTM77
それだったら「OK全火力を持って粉砕しよう」で済む

まあ敵のサイズが人間大なら「周囲の被害が・・・割にあわん」になりそうですが
434創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 00:34:40 ID:yz6FSw/i
魔神ぶうには犬
435創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 15:27:04 ID:ROgPqA5u
数十万位なら核で余裕

     byヤンキー
436創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 23:24:04 ID:3W/CBYAy
作品の…と、投下はまだか…まだか…っ!

437とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/16(火) 23:54:18 ID:xV671lgL
('A`) 黒エルフノ嬢サントノ話 腐レ縁編
438とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/16(火) 23:55:29 ID:xV671lgL
 その日、しらね型護衛艦がエルブ基地へ入港した。
甲板からは3機のコブラに護衛されたSH-60Jが飛び立ち、厳重な警戒態勢の下、“城”の中庭へと着陸した。
遠く離れた異国、日本からの客人である。
簡素なスーツとネクタイ、来ている人物も同じく地味な顔をしている男――――――と彼に手を引かれて降りてきた
耳の長い銀髪の小学校高学年ほどの少女、こちらは黒の落ち着いたドレスを着ている。
彼らの周囲を取り巻く体格の良い、スーツに身を固めた男達。

 物々しい警戒の中、一人居る年端も行かない少女は異質であった。
スーツの一団と彼らを迎える腰に剣を下げた集団。
中心に立つ少女の足取りは故郷の土を踏むがごとく軽い。

「赤井・マル・ポーロ。只今、帰還した」

 出迎えの集団の中からプラチナブロンドの女性が進み出、抱きしめる。
銀髪の少女が人懐っこい笑みを浮かべて

「ようやく帰ってこれた。彼らのお陰だ」

と言った。落ち着いた声に
感動の対面を果たしているプラチナブロンドの50代女性――――――の横に居た金髪の女性は
少女から眼を離し、襟を正した。
数歩離れたところで護衛達はスーツの男達を警戒している。

 少女の手を引いていた男が頷いた。

「“日本国”から来ました。外交官の田中茂人です。
 我々は彼女を保護し、此処エルブまでやって来ました」
「エルブ国、ギュンスカー商会会長、ガンダルヴをやっている」
「田中よ。感謝する」

 金髪の女が田中の手を握り感謝の意を示す。
暖かく柔らかい手。
“突然現れた異国”の魔族は血も涙もない化け物だと聞いていたが、
ガンダルヴは思っていたより日本人が普通だったことに驚いた。

 田中は視線を抱きしめあっている会長達に向け、
「彼女達はしばらく積もる話があるでしょうから、私たちもお茶しませんか?
 保護した経緯についても話したいですし」
「ミゼットです。宜しく、田中さん。ええ、お願いするわ」
439とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/16(火) 23:56:20 ID:xV671lgL
 さあ、これからが本番だ。
まだ抱き合っている二人を見つめミゼットは気を引き締めなおした。
中庭に下りている4体の鉄で出来た魔物。
見知らぬ国からの来客。
彼らの対処は話してから決めるとしよう。

 二人の後に従ってスーツ達と近衛兵の人波がわらわらと動く。
バッサン兵を皆殺しにした魔族とはいえ警戒が過ぎると思った。
田中が感情を読み取ったのか
「警備は邪魔ですか?」
「引かせて貰うと助かる。彼らは君達を恐れている」
「了解しました。では、帰らせましょう。
お互いにぴりぴりしているのは良くない。
此方は警備に四人残しますが宜しいか?」
「はい、頼みます。我々も兵を引きましょう」

 田中が手元の箱に何か呟くと人波は静かに中庭へと移動していった。
統制の取れた護衛だ。腕利きらしい。良い兵士なのだろう。
残ったのは護衛のモザイク服を着た3人の巨漢と、小さな鞄を持った男であった。

「ん?」

 応接室へ歩き出すと首筋に違和感を感じた。
視線?
振り向くと鎧を着た護衛兵だった。

「何か問題でも?」
 緊張で神経が過敏になり過ぎているのかも知れない。
悪い兆候だ。
「気のせいだ。行こう」

 先行する護衛がドアを開けたとたん、
戸の向こうから手にナイフを持った人影が廊下へ飛び込んできた。
ミゼットの盾となった兵士は鎧の隙間、
脇と腕の間から胸を指され口から血を吐いて倒れた。

「ブルータス!お前か!」
「国のためだ。悪く思うな」
 護衛兵を一瞬で刺殺した男が、ナイフを手にミゼットへ迫った。
440とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/16(火) 23:57:13 ID:xV671lgL





 めきり、と鈍い音。
 視界に割り込む灰色の迷彩色。

 男は横から飛び込んできた男に蹴り飛ばされた。
護衛に参加していた特殊作戦郡の隊員であった。

 ブルータスはくぐもった声を上げつつ、体をくの字に曲げ四つんばいになる。
張って逃げようとしているのを見ると、隊員は胸を蹴りあげた。
ブルータスは口から血と胃液と肺に溜まっていた空気を吐き出し、痙攣し、それ以上逃げようとしなくなった。
手を使わず、足を使って蹴り上げうつぶせに倒れ体を仰向けにする。
男の手を踏み、手にしたH&K USPを頭に突き付け動きを封じる。

「お怪我はありませんか」

 顔を青くしている田中達とブルータスの間に割り込んだ赤沢が、二人に聞いた。

「大丈夫です。怪我はありません」
「私も無事です。しかし、今日の会談は終わりにした方が良さそうですね」
「ええ、そう思います。ところで狙われる心当たりでも?」

 田中のミゼットへの質問に、胃液が混ざった血を吐くブルータスが足元で弱弱しく答えた。

「君は、エルブの、置かれた状況が、理解できておらぬのだ。
 エルブには、大国に配慮で、きる、リーダーが、必要だ」
「このゲス野郎!拷問でどれだけの人が殺されたか…
 お前等はやり過ぎたんだ!」

 床に組み伏せられたブルータスにミゼットが怒鳴る。

「成功、には犠牲、が必要だ」
「配慮した結果が両国政治介入の“放置”か!?
 武器と犯罪者が流れ込み、田畑は荒れ果て、政界は専横と大国の操り人形だ!」
「皆が、君のような、人物なら」

 最期の言葉を言い終えぬ内にブルータスは一際大きく痙攣し、動かなくなった。

「死んだのか?」
441とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/16(火) 23:58:17 ID:xV671lgL
 素早く脈を取る赤沢に、耳のヘッドホンを押さえていた工藤が聞いた。
半田と及川(おいかわ)は増援要請と戸口の警戒をしている。

「ああ。脈も呼吸もしてない。胸を蹴ったとき、心臓が揺れたみたいだな」
「みたいだって・・・レッド隊長が蹴ったんだろ」

 工藤はやり過ぎだろと眼で訴え、ブルータスの胸元のボタンを千切る赤沢を見て眼をそらした。

「だから心肺蘇生をしている。それにまだ死んでない。衛生は?」

 話しながら、固い地面の上に仰向けに寝かせ、片方の手で額を押さえ、
もう片方の人差し指と中指で顎を上に持ち上げる。
男にキスするのかよと軽い吐き気を催しつつ、生暖かいぬるついた口に齧り付き、
鼻を押さえ、胸部がふくらむよう息を吹き込む。

「今呼んでる」
「・・・・・ちょ、ええっ!?」
「別の場所でも襲撃があったらしい。部隊をおくってない場所で詳しい情報は不明だそうだ」

 胸と胸を結んだ線上で身体の中心に手の付け根を置き、圧迫する。
生憎、電気ショックなんて便利なものはヘリの中だ。
ぶぶぶぅと音がする。
焦ると口に息が上手く入らない。
チクショウ、人工呼吸の訓練をもっと真面目に受けときゃよかった。

「1、2、3、4、5・・・・・」

 息を吹き込み、胸を圧迫するサイクルを五回繰り返した後、ブルータスは息を吹き返した。
持っていたテープで手足を捕縛し、ブルータスの服を漁っているとやっと衛生と警備が到着した。
近衛兵との交渉で手間取ったらしい。
到着した後続に処理を任せ、襲撃地点へ急ぐことにした。

「襲撃される場所もしくは人物の心当たりはあるか?」
 館の地理に詳しそうなミゼットへ聞く。

 彼女は悲鳴を上げた。
「この状況では…カイ様!」
 あの場違いだった少女か。
 今回の会談は襲撃者には絶好の機会だった。
 日本とエルブの要人を捕らえられれば旧革新派の有利に話は進む。
 新世界に来て、数少ない友好国との関係悪化は日本にとっても手痛い問題となる。
442とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/16(火) 23:59:27 ID:xV671lgL
「案内して欲しい。場所は判るだろうか?」
「はぃ。会長の寝室は西館3階の突き当たりです」
 再開の後、寝室へ向かったらしい。
 個人的な面談なのだろう。

『此方23。此れより、ゲリラからアカマル救出に向かう。送れ』
『此方08。了解。現地人の許可が欲しい。取れ次第許可する。送れ』

 無線機でニ、三状況を連絡する。
現地人、エルブ側の許可が必要だと言ってきた。
この城はエルブ国の領域かつ大使館でもある。
他国大使館で武力行使はたとえ正当な理由があってでも慎まなくてはならない。
将来に禍根を残すことに成りえるからだ。

「我々も彼女の救出に向かいたい。
 彼女は我々にとっても掛け替えのない人材であります。
 宜しいでしょうか?」 

 田中がスッと会話へ入ってきた。
空気を読む奴だ。
こういった問題は外務筋から言って貰ったほうがいい。
自衛官の口から話すと後日、マスコミが騒ぐ。

「事態は一刻を争います。外務大臣、貴女の許可があれば私達は速やかに動き、事態を収集できます」
「戦闘許可を」
「・・・・・・許可します」
『此方23。通信は傍受していたな。許可が出た。
 エルブ国外務大臣直々の命令だ。現場に居た外務省員の許可もある。
 我々は要請に従い最寄の階段から寝室へ向かう。送れ』
『此方08。現在移動中。ゲリラへの発砲を許可する。
 屋根と窓から部隊がアタックを掛ける。誤射に注意しろ。終わり』

 館中央の螺旋階段を駆け上る。
木造の天井からはゴツゴツと降りる音と、ヘリの羽音が聞こえてきた。

『此方23。廊下からの突入は其方が近い、突入にはフラッシュを使え。送れ』
『此方08。タイミングはどちらに合わせるか?送れ』
『外からでは中の様子が確認できん。君達に任せる。送れ』
『了解。送れ』
『了解。終わり』
443とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/17(水) 00:00:21 ID:xV671lgL

『此方23、これより突入する』
(突入準備)
無言でドアに指を刺す。
ドアの左右に立ち、ドアノブをゆっくり廻す。
ノブは少し動いた後、かちりと止まった。
(駄目です)
「ノブを撃ち抜く、フラグ用意」
H&K USPを構え、工藤と半田が閃光手榴弾を取り出す。
この手榴弾は現地での暴徒鎮圧に持たされたものだ。
竹島戦での件で新たに“ゲリラ”対策に自衛隊員へ携行許可が出た非殺傷武器である。
領土で300人の犠牲(他国の兵士である)が出たにも拘らず、
未だ自衛隊には破砕手榴弾や焼夷手榴弾は許可されていない。
(突入!)
ノブを撃ち抜き、ドアを開ける。
「フラグ投下」

バンッと大きな音がした後、キィーンと耳鳴りがする。
『目標4!窓際正面2、ソファー裏2、人質なし』
『此方08、突入する』
工藤と半田がフラグを投げ、爆発を確認してからH&K USPを構え突入する。
爆発直後、ステンドグラスが砕け散り、防弾装備に身を固めた特戦隊員が飛び込んできた。
音と閃光で棒立ちになっていたテロリストは一瞬で殲滅された。

『此方08、敵影なし』
「此方23、敵影なし」
『此方09、警戒態勢解除。
 ゲリラは撤退した。人質は無事、エルブ軍が救出した。作戦は成功だ』

エルブ国大使館で行われた救出作戦は無事、終了した。
444とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/17(水) 00:01:18 ID:xV671lgL




「うわー疲れた」
「ふぅ。やっと一服できるぜ」

 工藤と半田はやっと肩の荷が下りたと防弾チョッキを脱いでいた。
自衛隊の持つ装備の中で重いのが、小銃とチョッキである。

 小銃は3キロは下らないし、マガジンや背嚢と違って服に取り付けたり外したり出来ず、
いつも手に持っていなければならない。
 チョッキは本体の重量が3.8kg、これにセラミックプレート2枚挿入するとは7.4kg、
プレートを前後に挿入した場合の重量は約12kg。
スーパーで売っている米袋を10kgと考えるといかに重いか判る。

 任務を終えたばかりの彼らの体は汗だくで、湯気が上がっていた。

「結局、残党処理に使われただけの気がするな。まるで道化だ」

 顔に付いた汗を拭いつつ工藤が言った。
着任早々、ゲリラの襲撃と人質の救出。
新世界は厳しい世界なのかもしれない。

「政治的決断って奴だろうさ。
 いきなり外の国からやってきた軍隊に人質救出されちゃあ、面目丸つぶれだろ」
「確かに。違いない。あの後、安否確認に行ったら面会謝絶だってね。
 案外、救出失敗してたりしてな」
「はは。そうなってないことを祈るよ」
「任務おつかれさん。ほい、差し入れだ。隊長からだよ」

 需品科の武雄(たけお)さんが冷えた缶を渡してくれた。
体を動かした後のジュースは美味い。

 需品科―――――――。
需品科とは衣食住を担当する自衛隊の“嫁”である。
輸送科は飯を運ぶ、需品科は飯を作る。
炊事、洗濯、風呂、裁縫など日常生活に最も関係の深い隊である。

 武雄さんはキッチンの冷蔵庫番で時々俺達に良くしてくれるいい人である。
ちなみに男だ。

「どもっす」
「レッド隊長に礼言っといてください」
「ははは。直接言えよ」
「だってねえ?あの人怖いっすよ?昨日なんか、キックでテロリスト殺りかけてましたし」
「ちょ。トマトジュースかよ。ビールくれ」
「おいおい、俺たちは公務員だぞ。非番の日まで我慢しろ。それに隊のビールは不味いぞ」
「飲んでもちっとも酔えやしねぇ」
「まあな。アルコールが抜いてある特別性だからな」
「そんな特別いらねぇ!」

まったく半田、おまえって奴は・・・
445とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/17(水) 00:03:21 ID:xV671lgL
投下終了

赤沢=レッド 念ノ為
あかざわREDトハナンノ関係モナイ
446創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 00:40:14 ID:4bxy1X+y
もつ
447創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 02:00:49 ID:PN90vvNf
キタ━(゚∀゚)━!!

投下乙です!

蹴り一発で心肺停止とかwなんという化物ww
448創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 07:22:33 ID:Kd4hZwsP
レッドと聞くと某変身ヒーローを思い出す。
449創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 10:12:18 ID:tniOfwWU
こうステゴロ強いレッドて聞くとサンレッドやねと思う
450創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 12:28:58 ID:nSEnIVbh
ブルータスはファウンデーションからかなw
451創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 17:51:54 ID:rtKPUbsa
ブルータスは歴史からじゃないの?普通に考えて
452創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 18:17:09 ID:C38RDxNo
カエサルも落ちぶれたものだな
453創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 22:15:32 ID:6mFnq0RR
ただ単にフラグてっ書かれるとフラググレネード〈破片手榴弾〉のことだと思うな……
454創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 22:45:58 ID:iuHdDFYI
>>445
投下乙でした。
エルフっ子は無事か、無事なのか!?
あかざわREDwwwwwwwww
455とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 01:31:10 ID:8E7MHiLp
「おつかれさまです」
「よう、非番かい?ええなあ。ええなあ」

 警備の谷中さんに挨拶する。
午前6時、朝日が昇りつつある頃。
私は基地の外へ散歩に出かけていた。
戦闘行為を行ったので休暇が出たのだ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)
を防ぐうんたらかんたら制度のおかげである。

 IDカードを提示し、有刺鉄線と二重の車両止めが置かれた道を跨ぎ、
上に監視カメラが設置された分厚いコンクリの壁を抜け、外へ出る。
日本各地から派遣されている自衛隊の中でも、習志野組み、空挺出身者の警備は内と外に対して厳しい。
教導隊としての側面と対テロをはじめとする、
各種特殊任務を実際に遂行する必要性から情報管理は厳しいのだ。
帰化外国人が10年以上にわたってスパイ行為を働いていた某海上本部とは違う・・・と思う。

「おはよう。レッド、今朝は冷えるな、えぇ?」

 朝の冷たい空気が身に染みる。
日が昇る前が寒いのは異国であるエルブでも変わらない。

「ああ、何を!ああっここで動かしちゃ駄目ですよ!待て!止まれ!うぁあああ・・・」
『レッド聞こえるか。頭のイカれた小男達がいる。ひとりでは手に負えん』

 許可証を見せ二度目のチェックを受けていると、ゲートの向こうから男の情けない悲鳴が聞こえた。
朝っぱらから平和団体の殴り込みだろうか?
相手に苦労している、手を貸した方がいいだろう。
詰め所の無線に答えた。

『よぉしすぐ行く。カッコイイとこ見せましょ♪』
『容疑者は男性、髭面、130cm、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ』

 ―――――――ゲートを抜けると、そこは男祭りだった。
456とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 01:31:57 ID:8E7MHiLp
 セダンに群がる、バイキングみたいな帽子を被った、髭顔、丸鼻、オーバーオールの小男達。
チョビ髭、マッチョの群れは無限1機UPで増殖した任天堂の配管工を連想させた。

「のう!のう!ちょっとぐらい機械弄らせてもらってもいいじゃろ?」
「ちゃんと元に戻して返すからのう?」
「そうじゃ!そうじゃ!」
「困りますよ!この車、公用車なんですよ。税金から出てるんです!壊したら弁償なんですっ!」

 ビジネススーツを着た乗客が必死に説得している。
女性だ。民間人だろうか。
小男達はやんややんやと車へ詰め掛け、車はクラクションを鳴らしワイパーを動かして抵抗している。
現地住民とトラブっているようだ。

「ちょ、困りますよぉ!シート外そうとしないでくださぃ!あああ!それも駄目です」

 警備達はボンネットに乗ろうとするちょび髭を降ろすのに精一杯。 
乗客は困りすぎて車内半泣きになっている。
可哀そうなので声を掛けた。

「てこずっているようだな、手を貸そう」
「リーダーは居るか?」

 一斉に小男達の視線が私に集まる。
胸を張る。
これぐらいの視線で動じていては分隊長など務まらない。

「居ないのか?」
「俺じゃ。ゲルニカじゃ、ゲドと呼ばれておる」
「赤沢です。レッドと呼んでください」

 髭もじゃもじゃのバイキングみたいな小男が進み出た。
ボスの証なのか、ゲドだけ服装が豪華で、派手に刺繍がされた羽織を着て
指に金銀宝石の付いた指輪をメリケンサックみたく付けていた。
時代劇で見る一昔前のヤクザの大親分である。
457とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 01:32:42 ID:8E7MHiLp

「日本人の自動車とやらに興味が出たんじゃ。少し、いじらせて貰えないかの」
「自動車については輸送科か機甲科に問い合わせてください。
 正当な理由があっても、これでは強盗と変わりませんよ」

 やんわりと諭した。現地人との関係は大事だ。

「一口では言えん、とにかく俺を信じろ」

 いきなり信じろ、と来た。
もしかして理屈が通じない種類の人間か? 

「無理だそんなの、知り合ってまだ5分と経ってない」
「何所も宮仕えの役人は頭が固いのう。そこで、いい話があるんじゃ」

 ゲドは小袖を探ると、小指の先ほどの金塊を握っていた。
ごつい皮の手を開き見せる。

「役人はトロトロしてて面倒でのお、これで手続きが短くならんかの?
 これひとつで馬が5頭買えるぞい?」

 門の真正面で買収するとは、肝の据わったじじいである。

「お断りします。私は公僕です」

 きっぱり断る。
日本ではあいまいは美徳である。
海外ではそうはいかない。
前にインドで旅行した時、言葉を濁して断ったらえらい目にあった。
何がニポンジンカネバライヨイネーだ。
木彫りの民族工芸をボッた値段で買わされてしまった。

「断ったぞ」
「断った」
「ほう?あれをのう?」

 良くない雰囲気だ。
バイキングマリオ達がざわめいている。
え?ちょ、選択を間違えたのか?
458とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 01:33:29 ID:8E7MHiLp

「いい度胸だな。気に入った。街であったら一緒に酒を飲むとしよう」

 ゲドは豪快に笑い飛ばすと、からころと足音を響かせ
取り巻きを引き連れ去っていった。

「あ、ありがとうございます」

 車の窓から眼鏡を掛けた民間人の女性が頭を下げていた。
髪の長い吹けば飛びそうな女だった。

「いや、あんたも悪いんだぞ。
もし、車を乗り入れたのがベトナムの貧民街だったら五分でフレームだけになっちまう。
基地の周囲なら警備隊が廻ってるし、治安も良いが日本とは違う。
余り見せびらかさない方がいい」

 わざと言葉を汚くして言った。
まったく、海外派遣で観光気分で来る国会議員の警護にどれだけ私達の手間と危険が増すか、
接待の準備と警護ルートを変更するのがどんだけ大変か、
来るのは落語家とアイドルだけでいいんだよ・・・ぶつぶつ。
459とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 01:34:29 ID:8E7MHiLp
投下終了
460創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:56:20 ID:FVqrShWb
>>459
投下乙です。
ドワーフwwwww
用廃になったジープでもみせるしかw
461創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 02:36:48 ID:Ayg6KXRW
ドワーフは工場見学させればいいと思うよ
あと、投下乙
462創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 08:02:26 ID:djc1zBl5
投下乙
尻を貸そう
463創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 08:42:21 ID:Ek+X8cvP
>>447
心臓震盪は偶にある事だよ。
キャッチャーの胸にボールが当たって心停止とか。
蹴りの威力よりも、当たったタイミングが悪いだけだね。
464創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 11:57:02 ID:edqjLxr2
原付バイクを手配して「資料」として渡せば良いんだよ
ホンダのモンキーとかゴリラな
ドワーフの背丈ならぴったしかと
465創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 12:01:02 ID:7eDI09wk
ファンタジーの技術者として名高いドワーフならコピーもしてくれる
と思う
ミスリルエンジンとか作りそうだし
466創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 12:28:17 ID:ssUtX6EH
投下乙です!

ドワーフに車とかいじらせるとアッというまに近代技術手にいれそうで怖いなw
467創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:32:36 ID:sjI1N2zU
ドワーフ「同じものを作ったのに動かない! なぜじゃ!!!!! むがぁぁぁぁぁ!」
日本人「燃料入れ忘れてるぞ」



プラグだのなんだのは作れないから無理じゃないかなぁ?
468創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 16:02:30 ID:yDskUWHJ
いくらドワーフが技術関係に優れているといっても、簡単にコピー出来るような甘い代物じゃないだろ、近代技術は。
実物のエンジンと設計図があってもデッドコピーすら造れなかったり。
469創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 18:14:19 ID:9v8Dn+O2
「だめじゃ! この部品はどうやっても作れん! 材料が何でできとるのかわからん!」

「…いや、律儀に樹脂やプラスチック部品まで再現しなくてもいいのでは」

470創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 18:15:03 ID:sjI1N2zU
プロジェクトエーッフ!

日本製のエンジンを模倣してみたー
動かなかった
何故動かないのかドワーフたちは頭を捻った
精度の問題か
悩み続け半年がたった時、視察にきた日本人が言った

「燃料入ってない」
ドワーフは愕然とした。

燃料を入れてみた。
しかし、動かなかった。

「酒じゃ駄目か」
ドワーフ達は苦悩した。
「もったいない事をした・・・飲めばよかった」
471創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 18:15:21 ID:edqjLxr2
チェーンメイルやスケイルメイルをつくれるなら「自転車」は可能だろうな
動力と伝達系のクランクやチェーンは手先の器用さで大量生産は無理でも手工業でなんとか
石畳を走るのにチューブレスタイヤだとちょっち苦痛だが
472創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 18:42:28 ID:5OhalowU
初期の輪を直接足で動かすのならあっという間じゃね?
473創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 19:52:31 ID:N9YvReaw
自動車とかバイクってアレで案外電子部品の固まり。
工業化するならまず初期の蒸気機関から学習させるべきでしょう。
自転車のチェーンはアレで工業規格の上に成り立ってる「工業製品」。
だから「規格化」の概念がないと恐らく量産は無理。
>>412がいうように直接軸にクランクとペダルが付いているタイプを辛うじて作れるかどうか
そんなところじゃないかな。
474創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 20:36:04 ID:J/Nes8gr
>>473
戦後くらいのバイクや自動車は電子部品とかそんな使ってない
なにも現代のを作らせなくたっていいだろう
475創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 20:46:45 ID:lixDWrlC
ドワーフにとっては日本の機械系の高校や大学で普通に使われている機械工学の教科書でも、
それこそ大量の黄金、宝石にも換え難い技術的な宝の山なんだろうな。
まあ、日本語を理解できたならの話だけど。

もし、理解できたならもう寝食を忘れて読み耽るんだろうか?
476創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 20:50:53 ID:J/Nes8gr
>>475
いやむしろ、理解するために寝食を忘れて日本語辞書片手に読みふけると思う
477創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:22:18 ID:3lHMZ/Bi
>>474
戦前のエンジンでも難しいと思う
鋳造技術追いついてないだろうし
造るとしたら蒸気機関からが妥当かと
若しくは終戦直後に走ってたという電気自動車か?w
478創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:24:05 ID:7eDI09wk
テクノロジーの未熟さをファンタジー金属のチート性能で乗り切るところが見たかったがそれを考慮しても無理か
479創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:25:13 ID:J/Nes8gr
>>477
一応蒸気機関車が走ってる時代にもガソリンエンジンの自動車はあったぞ
もっともそんなものの設計図が今の日本に…まあ探せばあるかもしれないけど…
480創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:30:18 ID:J/Nes8gr
てか蒸気機関もエンジンの設計図とかあるのか不安になってきた
昔の硬式飛行船のエンジンとか蒸気機関な事もあるから
資料探せば、どこかに実用レベルのを見つけて渡せるだろうけど
そうでない場合、どこかの大学でファンタジー世界さん向けに実験レベルで可能なものを作ってから
向こうの人たちに「頑張って技術習得してここから発展させてください」っていうのか
481創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:30:40 ID:FVqrShWb
産業革命の歴史を辿らせるか、難しいもんだな。
482創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:36:29 ID:ssUtX6EH
ニホンの場合、幕末の時点で蒸気機関のコピーはできてたみたいだし
ドワーフでもそれくらいはできそうだな、つまり俺が何をいいたいかというと
霊子甲冑とダークエルフによる美少女華撃団くぁwせdrftgyふじこlp
483創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:40:17 ID:J/Nes8gr
>>482
可能であれば日本に現存している貴重な蒸気機関車(1台か2台可動状態なのがあったはず)
を向こうに引き渡す&鉄道を開設するか…
そうだな、幕末の日本と同じ事をさせればいいんだもんな
反射炉とかも作らせて…
484創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:42:31 ID:7eDI09wk
>>480
プロフェッサーやドクターよりも学生がやりそうだな
485創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:45:45 ID:FVqrShWb
>>483
それをわたすなんてとんでもない!
486創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:50:51 ID:myDrjsWD
反射炉レベルじゃなぁ。
錬鉄鉄道までは何とかなるだろうが、鋼鉄以降は作らせようと思ったら設備一式渡して、教育施していかないと
どうしようもない。
それから化学薬品もふんだんにつかうことになるからそっちの方の教育も必要か。


莫迦みたいに高い鋼鉄製品がほんの少し、とか産業としてなりたたんだろ。
487創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:54:09 ID:SgoRZz9b
ドワーフとしてはとりあえず手工業レベルでも複雑なもん造れれば満足なんじゃねとも思うw
488創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:56:51 ID:43Nwujlq
そもそも、そんな技術を導入して採算とれるのかな?
F世界には需要がどれくらいあるんだろう。
489創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 21:58:48 ID:otex2GzB
F世界のゴレーム技術で動力の代用は出来るか?
まあ、彼らはそんなこと望んでないだろうが
490創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 22:01:29 ID:J/Nes8gr
やっぱ最初は殆ど日本で作った製品を買わせて、同時に技術を教えて発展もさせ、
適度に工業化が出来た所で中国や東南アジアにある下請け工場みたいなのを作らせるって
数年〜十数年がかりでやっていかないとならないだろうね
491創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 22:29:30 ID:N9YvReaw
恐らく一国で「現代文明」を維持するのは不可能になってくる。
少なからず相互補完があって現代文明は成り立っている。
だからこそ友好国にも或る程度の工業力を付けさせなければならない。
それもなるべく早急に。

それと蒸気機関だけなら模型でも学べる。
人乗せて牽引できる模型の機関車でも燃料が違うだけで基礎構造は一緒だから。
あと戦前のディーゼルエンジンなら自衛隊が持ってる「三式中戦車」。
あれをコピーした物を進呈すれば教材には成るけどどうだろ。
ただ、プラグとか作れるんだろうか……
492創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 22:41:50 ID:edqjLxr2
焼き玉エンジンならまだ設計図と製作経験者はいるかな?
493とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 22:44:48 ID:8E7MHiLp
投下ヨーソロ?
494501隊大尉:2009/06/18(木) 22:46:00 ID:JJaUGpGn

ヨーソロ
495とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 22:47:04 ID:8E7MHiLp
 エルブ国首都イクバール。中央通り、瑠璃色キャベツ亭。

「ジェダイの兄ちゃんの度胸を祝して!」
「「「「乾ー杯!」」」」

 口にビールの泡を付けた小男達がぐびりとタルで出来たコップを飲み干す。
ごくごくと喉が鳴り、腰を当てて一息に飲んだ。
良い飲みっぷりだ。

「兄ちゃんも遠慮してないで飲め!飲め!」
酒を飲んで赤ら顔のゲドがさあ!さあ!さあ!と急かした。


 門前での件の後、非番なので適当に街を観光しようと思っていたら、
「酒を飲むと約束してたのう」
「さっきあったばかりじゃないですか」
「では皆、いこうかの」
ばったりゲドと再開してしまい、あれよあれよという間に酒場へ連れ込まれてしまった。
異様にテンションが高い小男達に席に着かされ、酒を勧められている。
逃げようにも周囲を既に囲まれているし、下戸ですと断ろうにも、
盛り上がりすぎて断れる雰囲気ではない。
仕方がないので開き直り飲むことにした。
現時住民との任務以外の過剰接触、真昼間から基地外での飲酒、赴任早々の不祥事。

 ああああ、始末書ものだ。
496とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 22:47:59 ID:8E7MHiLp

 逃げられないなら、ええい!ままよ!

「一気!一気!一気!一気!」
泡立つビールを流し込む。
「・・・!・・・・・!・・・ふはぁ」
きゅーっと飲み干し一息付いた。

「兄ちゃん。いい飲みっぷりだねぇ。ジェダイの騎士ってのは酒にも強いのかい?」
ん?スターウォーズか?
「ジェダイ?自衛隊?」
「海の向こうじゃ、300人でバッサン兵3万人を追い払ったそうじゃないか。痛快だねぇ」
「ん?あれはただの警備隊だが。本隊とは違うぞ」
「なんと!ジェダイはもっと強いのか!いやあ愉快じゃのう」
 自国領を他国に軍事占領され、放置してあった韓国軍が勝手に戦闘開始して
自滅しただなんて格好悪くて言えない。
一応、占領していたのは軍隊並みの装備を持つ自称警備隊である。

「それにアカマル様をバッサンの魔手から助けたそうじゃないか。いやー凄いわ」
会談の時居たあの子だな。
場違いだと思ったら、姫か皇女に相当するVIPなのか。

「さっ!今日の主役は兄ちゃんなんだから、飲んだ!飲んだ!」
小男達の飲むペースが速い。
これでは早々に酔い潰されてしまうだろう。
なんとかしなくては。
私は脱出の機会をうかがい始めた。
497とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 22:48:46 ID:8E7MHiLp

「おおっ。このピザ美味いな。酒にぴったりだ」
飲まされ続けるのは避けたい。
とりあえず話題を酒から食べ物に切り替える。
「だろ?マスターのサーダナが作るピザは絶品なんだよ」
「特にチーズが美味い。もしかして自家製か?ピザは手打ち?」
冷食と既製品ばかりの私にとって、此処のピザはおいしく感じた。
ピザ生地がもちもちして小麦の味がする。

「此処のチーズは街でも評判がよくってね。兄ちゃんも気に入ったか。
 なあ、手打ちじゃないピザってあるのか?」
「ウチの国じゃみんな冷食だ」
「冷食?なんだそりゃ?」
冷凍食品ぐらい誰だって知ってるだろうに。
もしやエルブは貧しい国なのか。
「スーパーで売ってる大量生産品だよ」
「スーパー?何が凄いんだ」
「ところで、トイレは何処かな?」
延々質問が続きそうだったので話題を切り上げた。

「そこの角を曲がって左だ」
「おお、ありがと」
さて、どうやって逃げようか。

「・・・・・ふう」
用を足し終わり、落ち着いて店内を見回す。

 煙草が煙ぶる薄暗い店内。
木で出来た椅子やテーブルがランタンで照らされている。
カウンターの上には酒瓶と小ダルで出来たコップが置かれ、
蝋燭で照らされたグラスが妖しく光る。
冷蔵庫の類は目に付く場所になく、会計はレジを通さず直接手でやる。
徹底したレトロ指向の良い店だ。
498とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 22:49:33 ID:8E7MHiLp
 真昼間から酒を飲む客は少ない。
広い店内には私達と他、3、4組のグループ、4人ほどの一人で来ている客が居るだけである。
平日の昼にしては十分な入り。
部屋の中央のテーブルには彼らが派手に酒盛りしており、出口は後ろ。
狭い店内で見つからないよう脱出するのは無理だな。
トイレの窓からこっそり出るのも善意で招いてくれた彼らに悪い気がする。

 さあ、どうしたもんかと思っていると、カウンターに酒を嗜んでいる美女が居た。
酒を飲んで肌をほんのり上気させ、長い睫毛を物悲しそうに伏せている。
細長い眉毛、手入れされたさらさらの銀髪、長く繊細な指。
見惚れていると、やがてその長く切れた二重瞼の間にある瞳が向いた。

「何か?」

 ティンと来た。これは使える。

「ちょっと話したいことがあるんだが、耳を貸してくれるかな?」
 小声で話すと彼女は長い耳を傾けた。
「酒の席から逃げ出したいんだが、手伝ってくれるか?
 私と君は意気投合して二人だけで別の店に行くことになった、として欲しい。
 別に付き合わなくてもいい。店の外に出られればいい」
「報酬は?」
「生憎、持ち合わせがない。でもきっと埋め合わせはする」
 彼女は少し、手を細い顎に当てて考え、答えた。
「いいよ」
 
 脱出作戦は決行された。
499創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 22:51:28 ID:edqjLxr2
支援
ドワーフの次は黒エルフのねーちゃんか
500とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/18(木) 22:52:17 ID:8E7MHiLp
投下終了

('A`)ドワーフ酒強ソウ
   ファンタジー世界ニ冷凍食品ハナイ・・・タブン
   パンハ 手打チ
501創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 23:00:52 ID:N9YvReaw
とある日記の人乙。
エルフのねーちゃんにwktk!
502創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 23:05:04 ID:FVqrShWb
いいところでー!
投下乙でした。
503創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 23:53:32 ID:il3qvx2J
 こうゆう世界でのトイレとか風呂について考察するのはやっぱ無粋なんだろうな
504創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 00:12:54 ID:phZfUw05
キャブレーターやディストリビューターを使ってる車やバイクなら再現可能…かな?
あとスパークプラグが作れるか否かで、エンジンがガソリンかディーゼルになるのかが決まるか…

やべぇ…よもやこのスレで仕事の話が出来るとは思ってもみなかったわwww
505創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 00:48:12 ID:aN2PoKGA
>>503
穴掘りドワーフが掘った穴を利用して下水道完備のF世界とかw
506創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 01:07:13 ID:hrF2PHEW
>>503
水洗ならローマ式を想像すれば大体合ってると思う
ぼっとん式なら・・・お察しください
507創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 01:12:29 ID:acNwaLxO
作者乙
>>505
ローマ帝国時代にはすでに下水道あったから下水道完備してるF世界あっても不思議じゃないな
そういやかなり前だけど首都だけだが下水道完備してる王国が出てくる作品あったよね
何処だっけか
分家か?
508創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 01:37:21 ID:045cywQV
>>492
焼玉エンジンなら、まだ実物は残ってるし、
今でも稼動可能なものもわりとある。
(たまにイベント等で実演してるらしい)

ただし、そのほとんどは博物館入りか、
でなければマニアの所有物だな。
509ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/19(金) 02:52:04 ID:+kmjIXdq
小国の苦悩 第七話

2人の男達を複数の村人が取り囲んでいる。
「国王など要らない! 貴族など俺達の育てた作物を搾取するだけの無用な存在だ!」
「貴族共を追放し、平等な社会を実現しよう!」
2人の男が腕を振り上げ騒いでいる。

「国王様が居るからワシらは畑作ってるだけですむんだべ」
「んだんだ。ワシらだけでどうやって用水路つくんべ」
「隣の国が攻めてきたら誰が守ってくれるんだべ」
「それは人民から選ばれた指導者が・・・」
「それが王だべ?」
「専制主義的王などとは違う! 人民の・・・」
「なーに意味わがんねこと言ってるだお前?」
「コイツらアレでねーか? お触れにあったキョウサンシュギシャとか言う邪教徒・・・」
「おい! 誰か衛兵呼んでくるだ!」
「糞!」
逃げ出す男達。
「衛兵さん! あいつ等じゃぁ!」
「そこの男! まて!」
槍を持った兵隊達がワラワラと現れる。
「待たんかコラぁ!」
「うるせぇ! 帝国主義者共め!!!!」
「人民解放の日まで断固戦い続けるぞぉ!」


「恐ろしいだべなぁッ邪教徒ってのは」
「んだんだ」
夕日に走る男達は次第に小さくなっていった。


 帝國本土において弾圧された共産党系活動家のは大陸に密入国し、共産主義の啓蒙を行った。
しかし、帝國の大陸進出に伴い帝國陸軍大陸特設憲兵隊は共産主義者の浸透を懸念、反共宣撫活動を行っており、多くは「邪教」「農民を騙して国王に成り代わりたいだけの詐欺師」「反逆者」として捕らえられた。
神が実在する大陸に置いて、無神論というのは妄想でしかなかった。
そして50%60%成長が叫ばれる爆発的な大陸景気の中、帝國本土でも大陸でも共産主義は求心力を持てなかったのである。
こうして共産主義は次第に先鋭化・過激化し、官憲との激しい闘争を繰り広げた後、2632年の立てこもり事件を境に急速に収束していく事になる。


「きょうさんしゅぎ ってなに?」
「閣下・・・帝國からの資料読んでおいて下さいって言ったでしょ・・・」
510ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/19(金) 02:54:57 ID:+kmjIXdq
ふと近代政治思想を中世に持ち込んだらどういう扱いを受けるかと思ってSS書きますた。
戦前の理想主義的共産主義者と、戦後の暴走的共産主義者の対比でもやってみようかとか思ったけど能力的にむりぽ。
511創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 03:08:53 ID:2QzL8nfT
    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     _________
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 .!-'   /
    |┃     |    ='"     |    <   話は全部聞かせて貰ったぞ!
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     \  世界同時革命だ!
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     \
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    ガラッ
512創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 05:07:26 ID:1gJdNDa2
>>482
蒸気機関車の模型を作ったのは佐賀藩精錬方
佐賀藩精錬方は蘭学書等で最新技術を学んでた科学者集団
蒸気機関の原理的な物を日本人が独力で真似たわけじゃない
>>483そんなに希少じゃないよ
大都市の鉄道なら、どこかの操車場に一、二輌はあると思う。
513創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 05:10:23 ID:Z3iLuAOs
問題点はそれを理解できる素養、教養があるかどうかであって、独力がどうとかじゃないと思うんだが…
鍛冶やってれば空気の動き方とか知ってるんだから少し学べばいけると思うが
514創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 06:03:56 ID:1gJdNDa2
蘭学という知識の集積が無いのに理解できるわきゃないよ
初歩的な物理学から教えていかなきゃ
日本には有った、数学の教育が無ければそれからだな
515創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 06:14:47 ID:Q9M022e0
日本は基礎がしっかりしてたんだろうね
それはそうとドワーフ達なら現段階で現代日本の製品の中で何が作れるだろうか
516創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 07:09:21 ID:qbdHsjr4
包丁とか
517創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 08:02:30 ID:1ni+mWbH
蒸気機関だって初期は爆発していたんだから、そんなに簡単に出来るものじゃないぞ。
518創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 09:13:36 ID:aN2PoKGA
>>510
F世界に原始共産制が溢れる予感。
ポル・ポトとか毛沢東の世界にしかならんだろう。
レーニン主義は難しいです。

先ずは市場経済の導入から始めないと。
519創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 09:28:37 ID:1vSgADyZ
共産主義が邪教ってのは間違ってないしむしろそのまんま。

テッサ先生の補習授業その4
ttp://maa999999.hp.infoseek.co.jp/ruri/Sekaisi_04.html
520創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 13:44:31 ID:Zz4ATcZZ
アメリカの一部に実在するアーミッシュはどんなんだろうねぇ
あれは共産主義ではなく宗教に基づく集団生活であるが

共産主義→官僚型と独裁型
宗教型集団生活→当初は創始者のカリスマでまとまるが、後々は神官が牛耳る
神か貴族かの違いにしかならねーかも
521創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 21:00:38 ID:qiofXNdV
>>505>>507
TESシリーズのオブリビオンってファンタジーFPSゲームの首都も地下の水道がある
(MODでは水道橋も追加)
あとカードワースってフリーゲームも冒険者達が拠点にしてるルーンって都市が
古代の上下水道を完備した遺跡の上に建設されたんで、珍しく水道が整ってるって設定だったな

今は衰退しちゃったけど大昔の文明時代の残ってる遺物を利用ってネタはファンタジー物で結構見るよね
522創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 00:38:55 ID:qCqNEBjK
下水道ダンジョンはRPGの基本だろ
ガルの下水道とか
523創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 00:44:18 ID:U/MI/zdl
やはりここは原点に立ち返り、便壷の中身はヨーロッパ中世式に窓から道へ
524創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 03:02:05 ID:uCV/uB4r
魔法は尻から出る
525とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:00:47 ID:00VaGF1H
('A`) ザンネンダッタナア、エンジンハツクラネェヨ、代ワリニ■■■■■ツクルヨ
    エルブハ下水道ニアタルモノハナイガ 工業用ノ排水溝ナラアルンヨ

    シュワVS複製コマンドー見逃シタ・・・ ドンパチニギヤカ・・・
526とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:01:41 ID:00VaGF1H
「よう。兄ちゃん戻ったか」

ゲドが酒瓶を突き出した。
飲め、というサイン。

「あー、ちょっと悪いんだが向こうで意気投合してね。二人で飲もうと思う」
「やるねぇ、兄さん。黒エルフの女を引っ掛けるなんて普通できないぜ!」
「運が良かっただけさ」
「姉さんも一緒にのまねぇか」

すっかり出来上がった様子のゲドが震える手でコップを掴む。
私も椅子にあのまま座っていたらべろべろに酔っていたに違いない。

「バカヤロー。人の恋路を邪魔すんじゃねぇ」
「そうかい、そうかい!んじゃ、二人で楽しんできなっ!」

 芝居を打ってやっと酒場から出られた。
酒はゲドのおごりだそうなので金の心配はない。
もっとも、払えと言われてもエルブ国の通貨は持っていないのだが。
適当に礼を言って彼女と別れ、街の観光を楽しむことにした。
527とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:02:28 ID:00VaGF1H
 エルブ、自衛隊駐屯地、イクバール基地から河を挟んで少しはなれた場所にある都市。
エルブ国首都インジル。“あの日”の後、初めて海外と接触があった国。
7月のあの日、突如日本は未曾有のテロに襲われた。
海外からの有線無線を問わない無差別通信切断、謎の生物の襲来。
アメリカ、中国、ロシアなどあらゆる国家との関係は断絶した(今だ通信は回復しない)、
大規模破壊兵器でも使用されたのか、周辺各国の地形は劇的な変化が発生しており、
各国復旧の目処は立っていないとされている。
政府は破壊を謎の生物郡と大規模破壊兵器が原因にあると推測、現在調査が行われている。

 日本政府は非常事態宣言を発令した。
竹島駐留韓国軍が謎の生命体による“一兵たりとも残さない”徹底的な襲撃。
未確認生物による報道ヘリ撃墜、自衛隊が発砲許可を得ておらず見殺しにした夕日事件。
その際明らかになった有事制法の不備の露呈と、総理の「国家は人あってのものである」
との発言に端を発した、超法規的措置による自衛隊国内展開。「異形との戦い」宣言。
他国と通信が付かなくなったことによる輸入物資の欠乏の危惧、物資統制令の開始。

 そうした事態が急変する中で決定されたのが
“自衛隊による対外調査”と“早急な物資確保のための復興支援事業”。
エルブは復興支援に選ばれた、現地で接触した地方自治体の一つである。

 地方自治体とされているのは、旧来国家の消滅。
つまりはインドやイラク、パキスタンなどあらゆる国が消滅していたと現地調査後判明したからで、
彼ら現地自治体がエルブ国と名乗っているからである。
交易の都合上、日本としては都市国家エルブを公的に国と認めている。

 現在日本は国外情報は極端に少ない。
そして私は自衛隊海外派遣に志願し此処に居る。
528とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:03:19 ID:00VaGF1H
「・・・・・なんつーか。汚い街だな」

 薬と蒸気と鉄の街。
それがエルブに対する印象である。
黒や金、白の髪をした多彩な人種が、ゆったりとした着物に似た風通しの良い
ベドウィン(砂漠の遊牧民)に似た外套を羽織い、背中に多くの荷物を担ぎ行き交う。
背嚢を担いだ姿はまるで登山客のようで、履き古した靴はくたびれている。
皆剣を携帯しており、皮鎧や鉄鎧、防護効果が不明のビキニ鎧など様々で見るものを飽きさせない。
雑多な人間が行き交い、中にはネコミミや犬耳をした人間?、緑や青のありえない髪や
鎧を着た人型トカゲが人影に混じる。

 トラックが一台通るのがやっとな石畳の街路には、馬やロバが通り、糞を撒き散らし
横丁では赤や黄色に光る妖しい飲み薬を売る耳の長い美女達が目立つ。
街のあちこちにある民家からは、色の付いた蒸気の煙が立ち上り、
排水溝には極彩色の液が流れている。トンテンカンテン聞こえる工房の配管からは
湯気が湧き出し、噴出す水が色を洗い流した。

 木造家屋と石製家屋、日本風の家屋に古代中国風のアレンジを加えた妙な家が並んでいて、
道は細く曲がりくねり混沌とした町並みである。

 先ほど見た小男と同じ人種が店先で鎌(かま)や鍬(くわ)の陰干しをしていた。
まるでファンタジー世界のドワーフだなと思いつつ街の様子を聞いた。

「いい品ですね。叩いたら響きそうだ。エルブは鍛冶が多いんですか?」

 ドワーフは店の縁側に胡坐をかき、剣の手入れをしていた。
鞘から剣の刃を上にしてゆっくり鞘から抜きつつ答える。

「旅人さんかの?ああ、この街は市場の他にもドワーフ鍛冶と黒エルフの薬が有名でね、
 大陸以外からも物が集まるのじゃ。
 ウチは修理と刃物だから土産になる細工物は置いてないよ」

 抜いた刀を左手で持ち刀の棟に拭い紙をあて、そして下から上に向かって刀を拭いた。
手元を一切見ずに離しながら手入れをする様は慣れを感じさせる。
下から上に向かってゆっくりと、丁寧に丁寧に拭っていた。

「仕事の関係で、最近この辺りに越してきてから街を廻っているとこです。
 皆剣を腰に付けているようですが、この辺りの治安は悪いのですか?」

 白い粉の付いた鳥の毛玉で刀身を軽く叩く、
粉は刀身の両面に満遍なく付け、新しい紙で拭き取り、動作を繰り返した。

「治安を気にするってーとおめえさん、兵隊か何かか。
 商人にゃあ見えないな。剣を打つのと修理なら受け付けてるよ」
「まあそんなものです」

 また折りたたんだ和紙にある粉を剣にかけて拭う。
何度もしているうちに刀身にぼんやりと顔が映り始めた。

「アヤカシは最近また出てくるようになったからなあ、外は必要だね。
 中は・・・・・自警団ががんばっていてくれるがなあ、備えは必要だな。
 前の執政官で甘い汁吸ってたリアスってえ野郎がまだ捕まってなくてな、
 独立当初は治安が良かったんだが、奴らのせいでまた治安が悪くなってきてるねえ」

 刀身が鏡のようになると、また懐から新しい和紙を取り出し磨く。

「お宅、剣は持ってるかい?異国の剣ってのは色々工夫が感じられて、見るのが楽しくての」
「私物ですが」
529とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:04:06 ID:00VaGF1H
 身に付けているナイフを見せる。
小銃や手りゅう弾の携帯は許されていないものの、
駐屯地でのナイフと拳銃程度は個人使用は許されている。
あの日以来、日本の外は得体の知れない土地となったのだ。
海外での携帯に関しては、現地住民が剣を携帯し得体の知れない生物が
発生していることから自衛隊の携帯基準は緩い。

「ふむ、シースナイフ(鞘付きナイフ)か。
 使い込まれておるな。艶消しに凹凸・・・・ソードブレイカー。
 先端部はバッサン系の刺突重視型・・・・先端だけが諸刃か・・ほほう、ほうほう」

 ドワーフはナイフを嘗め回すように見て、しきりに頷いたり爪で弾いて音を聞いていた。
興味津々といった感じだ。

「どうやったかは知らんが・・・・柄は刃と一体化しておるのか。
 鋳造か?ありえんな、精度が高すぎる。
 金属の柄に刻みを入れて掴みやすく・・・・・
 バランスも悪くない・・・柄は長めで投げるのにも使えると」

 たっぷり検分した後、ドワーフの親方は真剣な目で聞いた。

「こいつはなんて素材じゃ」
「カーボンと鉄が混ざった合金です」
「合金?ふーーーむ。青銅みたいなものか」

 いつの間にか、剣の手入れは済んでいた。

「面白いものを見せてもらった。
 どれ?ナイフじゃ身を守るのに心もとないじゃろ。
 ウチの剣を見てくかい?」

 ドワーフ親方はどっこいしょと胡坐をかいていた腰を持ち上げ、
店の奥へと案内した。

 店の中は剣だらけだった。
劣化を防ぐためなのか薄暗く狭い乾燥した店内には
刀やクレイモア、フランベルジュ、槍、長巻(ながまき)といった派手なものから
 剣のグリップ、鍔(つば)、鞘の見本、手入れ用の油や紙まで揃っている。
見本用なのか広く取られた床には人の丈ほどもある大剣が抜き身で
置かれており、存在感があった。
530とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:04:52 ID:00VaGF1H

 営業に入ったドワーフ親方のセールストークは凄い。 

「ドワーフ刀の製法は我々の地で生まれました。
 西側の発明品じゃありません。我が国のオリジナルです。
 しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です」
「剣は好きだ」
「剣がお好き? 結構。ではますます気になりますよ。さあさどうぞ」

 カウンターの奥から金銀で豪華に装飾されたサーベルを持って来た。
鞘から剣を抜き、身を見せる。

 すらり。

「大業物のドワーフ刀です」

 カチン

 ほんの一瞬見せただけで刀を鞘に戻す。
しっかりと見るためにはもう一度自分から触らねばならない。
なかなか商売上手だ。

「美しいでしょう?んああ仰らないで。値段は高いし、切れ味が最高でも
 見かけだけで少し斬っただけで血糊が付いて切れなくなるわ、油が付くわ、ろくな事はない。
 剣身もたっぷりしなりますよ、どんな強力な打撃でも大丈夫。
 どうぞ持ってみて下さい、いい重さでしょう。余裕の長さだ、使い心地が違いますよ 」
「一番気に入ってるのは・・・」
「何です?」



「値段だ」


531とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:05:46 ID:00VaGF1H
 追い出されてしまった・・・
今、金を持ってきてないと言うとそのナイフと交換はどうだと言われた。
愛用の品だからいいと話すと客以外に用はないさあ!帰ったと背中を押されてしまった。
金のないものに厳しいのは何処の国でも同じらしい。

 ・・・・・・・・

 やばい、非常にやばい。

 完全に迷った。

 夕方が近い。基地の門限が迫る。
人に聞こうとしても・・・・いねえ。
夕方には店じまいしている。電気が通ってないんじゃ仕方がないか。

 やっと人を見つけた。
手に布で包まれた傘ほどの箱を持っている男だ、
彼は待ち合わせに遅れた様子で剣士風の男二人に荷物を差し出していた。

「おーい待ってくれ!・・・ふぅ、行ったかと思ったよ」

 声を掛けようとすると横から出た細い女の手に陰へ引きずり込まれた。
指を手に当てて静かにしろとの動作。
密着する柔らかい体、息が届きそうな距離にある琥珀色の澄んだ瞳に股座がいきり立つ。
昼間、店で助けてくれた女だった。

「追い剥ぎか」
「私に借りがあるだろ。お前にあの男を追うのを手伝って欲しい」
「駄目だ」
「私の言う通りにしろ」
「駄目だ。7時半に射撃の練習がある。付き合えない」
「今日は休め」

 この街の人間は強引だ。
ゲドといい、女といい、借りはその日のうちに返さなきゃならない法律でもあるんだろうか。

「とんでもねえ、待ってたんだ」

 剣士の片方が言葉と共に剣を振り上げ、遅れてきた男を撫で斬りにした。
悲鳴も上げられず男は斬り殺され、血飛沫を上げる。
剣士は布に包まれた箱を拾い、泣き別れになった胴体の心臓に剣を刺し、
血に濡れたマントをくるんで歩き去った。

 私は陰で悲鳴を噛み殺していた。
職業柄、海外派遣で何度も死体は目にしている。
頭を狙撃で割られた者、近距離からアサルトライフルでずたずたにされた者、
地雷を踏んで足からの出血多量で死んだ者。
それでも、どの死体も今見ている死体よりはまともだった。
原型を留めていた。

 剣で切られた死体は惨い。
二つに別れた胴体からは鮮やかな血が湧き出し、ショッキングピンクの腸がはみ出している。
死んで間もないせいか、死体はピクピク痙攣し
体の中央から噴出す血は石畳を紅く染め石の隙間へと入り込み、血の池が出来ていた。
心臓を突き刺され、縦に割られた上半身からは赤とピンクと濃い赤の内臓が見え、
喫煙者だったのか赤い毛細血管に包まれたピンクの肺は、黒と灰色とピンクのまだらになっている。
鉄臭が鼻に付いた。苦い唾が口に広がった。


 クソッ!妙なのに巻き込まれちまった!
532とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/20(土) 14:06:34 ID:00VaGF1H
投下終了
533創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 16:38:39 ID:6lVObzof

日本製の工業品とF世界の逸物を交換すればいい商売になるな
534創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 18:05:10 ID:1JSPjYTN
投下乙でした。
股座がいきり立つ某旦那w
こりゃあ始末書どころじゃすまんかもなあ。
535創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 21:27:51 ID:L9k2JBe9
>「カーボンと鉄が混ざった合金です」
 素直に鋼って言った方が良いんじゃないかと思ったが
「ただの鋼じゃないだろ」とか突っ込まれて
「専門家じゃないんだからそんなのわかんねえよ!!」
と逆切れする羽目になりそうだからこれで良いのか。

とりあえず「刃物 鋼材」でググッたら出てきたページ
ttp://www.la-gunshop.com/knives/info.html
536創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 23:34:13 ID:qQzFNyE+
>>535
世界によっては鋼が無い可能性も・・・w

ハイカーボンステンレスなら、「錆びない鋼」と紹介した方が驚かれるかもね
537創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 05:51:53 ID:i+2/xATB
そう言えば、今の日本刀は実用刀じゃないんだってな
刀剣協会だか、銃刀法だかに、日本伝統のって文言が入っちゃって
たたら以外の鋼材が使えないし、本来は刀身素材として硬すぎた
玉鋼を使う為の複合構造でないとダメとか
538創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 11:01:27 ID:UbMMTLpD
戦国時代以前の古刀の作り方は失われてるけどな
539創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 13:31:53 ID:qsT+snML
もうちょっと今より作り方自体は原始的らしい
540創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 13:36:51 ID:gVRaGzcM
伝統ばっかで刀工としてのあり方を見失ってるよな
541創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 14:43:19 ID:4aOvMLFQ
でも現代は美術品以外の目的で刀剣作れないからな
殆どの日本刀は美術品としてのみ所持を許されてるし
現代技術で作った刀は、「日本刀」と見なせないし
あくまで日本刀を模造した、観賞用の刀剣って扱い
542創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 17:22:44 ID:E0cmN0gh
実用的なのは鉈や山刀の方に行ってたりな
543とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 20:46:17 ID:NBQe8Oh5
 ピンク、赤、ピンク、ピンク、赤黒、ぴんく、赤、赤
うえっ、ピンク気持ち悪りい。こりゃあしばらくハム喰えないな。

「・・・・・・・」

 遅れてきた男を殺した剣士達は手慣れていた。
『とんでもねえ、待ってたんだ』
予め決められていたかのように剣で袈裟懸けにした後、一瞥もせず歩き去った。
剣なんて野蛮なものを使っている狂人だ。



 それよりもっと根本的な疑問があった。
どうしてこの国の住人は皆、剣を使っている?
銃を使った方が手軽で簡単だ。
返り血で服も汚さないし、持ち運びも楽だ。
剣は銃に手も足も出ない。近づく前に殺されるからだ。
現代の戦争は、剣をもって殺しあうのはほとんどない。

 いくら世界大戦や大規模災害文明が崩壊したとはいえ、銃や電子機器の製造技術はなくなるのか?
カラシニコフ程度なら町工場でも出来るし、
ライフリングにこだわらないなら模造銃ぐらい多少知識のある素人でも出来る。
唯一、弾の生産は工場で行わなくてはならないだろうが。
最悪でも、カーパッション式のリボルバーなら生産できる。
人類が滅ぶ直前まで銃は人と共にあるだろう。

 道に車の代わりに馬やロバが走っているのは文明が崩壊したせい。
奇病や薬品によって異形の人やモノが産まれた。
日本を襲撃した異常な生命体は敵の兵器。
兵器や災害による地形の変化。
大規模災害で通信機器が全滅したと発表されている。
544とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 20:47:04 ID:NBQe8Oh5
 私はこれまで、災害によって壊滅的被害にあった地域へ
復興のために派遣されると聞いて自衛隊の支援に参加した。

 この街は異常だ。
剣を持つ人々、ネコミミや犬耳をした人間、緑や青のありえない髪の人々、鎧を着た人型トカゲ。
ただのナイフを見て驚く、昔ながらの製法を守った鍛冶屋。

 たとえ人の遺伝子に異常が産まれても、それが目に見える異常になるのは時間が掛かる。
災害で被害を受けた街を復興するのにも時が必要だ。それを支える特異文化な文化も。
戦争であちこち壊れたらしき町並みを見つけたものの、街は綺麗過ぎた。
そして隣に居る耳の長い美女。

 あの日、日本の“外は何が起こっていたんだ?”

 果たして此処は中国なのか?
いや、そもそも地球なのか?
信じているものが足元から崩れていく気がして足が震える。

 ある日突然、変わってしまったとでも?
思索を深めていく内に恐ろしい考えに突き当たって、頭を叩いた。

 馬鹿か私は。

「何処へ行く?」
「帰る。私は何も見なかった」

 私は何も聞いていないし知らない。
もちろん、事件は警備課に報告するつもりだけどな。

「動くな」
「くっ!」

 首筋に尖った固い感触。
この女も刃物キチガイか。
現代、日本においてはナイフなど美術品以上の価値は皆無である。
持っていたら捕まる。大げさに新聞にまで載る。日用品としての携帯すら許されていない。
エアーガンやバット、カッターナイフでさえ銃刀法違反で逮捕されちゃうぞ。
昔の漫画であった、婦警が私物のロッカーに大量のエアーガンを隠し持っている光景は
今では考えられなくなってしまった。

「さあ歩け」
「だが動くなと」
「行くんだ、あの男を尾行しろ」
「チッ!」
545とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 20:47:50 ID:NBQe8Oh5
中断
546創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 21:13:11 ID:qsT+snML
あうあう
547創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 21:57:43 ID:E0cmN0gh
内容に作品タイトルが合わなくなってきたな
「日本が〜召喚されました」の仕切り直しだっけ?>ドワーフ日記
548創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 22:07:25 ID:pYWeJijr
そうじゃない?                                                チラ裏だがドワーフが必死になるのが良かったよ
549とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 22:44:55 ID:NBQe8Oh5
投下再開

内臓ッテ 綺麗ナ色シテル モノナノヨ 特ニピンクガ鮮ヤカ

途中デ 自衛官ノ赤沢ガ出テキタノハ 自衛隊ヲ 絡マセナキャイカンナト 思ッテノモノ
話シ全体ノ流トシテハ ドワーフ日記デ出テキタ 特戦ト赤帽子対決ノ とある人物ハ 因縁云々アルヨナお話

『とある戦記』ノ 仕切リ直シノ 『ドワーフ日記』ノ『赤沢2等陸曹回想録』ガ正解
550とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 22:46:22 ID:NBQe8Oh5
 命令に慣れている口調。
美人と係わり合いになるとロクなことがない。
銀髪を動きやすくポニーテールに縛った女が柳眉を吊り上げた。
よれよれのマントの下から見えた、新しい長袖とズボンときっちりと止められたベルトは
着ている主の実直そうな性格を感じさせる。
上から覗くと、シャツを着た扁平な胸が見えた。
体のラインから察するにブラはつけてないらしい。


「わたしの言うとおりにしろ」
「さっさといけ」
「はあ・・・そう来ると思った」
「用が終わったら後で私を殺すつもりか?」
「いいや」
「殺すって言うわけないな」
「本当だ。信じろ」

 女が耳元で話す。綺麗なだけにやたら迫力があった。
刃物を突きつけられた状態で信じられるか。否か。
先ほどの剣士と比べるとまだマシと前向きに判断した。

「ちっ、つけるんだろ?付いて来い」

 さっさと終わらせて帰ろう。
寮の門限を破るのは確実だ。 
減俸が心配だな。

「音を立てるな」

 息を潜め剣士達を尾行する。
私が尾行を先導し、後に女を付かせる。
大剣を持っている女や尾行対象の剣士は大きな金物を持っているせいか、
下に鎧でも着込んでいるのか、足音を潜めても
歩くたびに剣が金具にぶつかってかちかち小さな音がする。
お世辞にも尾行に向いた格好ではない。
これでよくも尾行が続けられたものだ。

「私が先に行く」

 エルブの街は複雑怪奇だ。
真っ直ぐな道で行き止まりかと思ったら、奥から人が歩いてきて曲がり角だと判ったり
建物の陰になる位置に小道やトンネルがあったりと非常に歩きづらく、
道は細く、太く、幅は一定しない。
商会本部へ行く道は街を大回りしなければならず、直通の道はない。
坂や階段は多く、反面見通しの聞く場所が多い。
都市戦闘の訓練を受けていなかったら見失っていたところだった。
無駄技能だと思っていた追跡の訓練が役に立つとは。

「そろそろ事情を説明してくれても良くないか。いや、やっぱいい。やめろ」

 事情を知って引き返せなくなっても困る。
551とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 22:47:08 ID:NBQe8Oh5
「わたしはメイだ」
「赤沢だ」
「ああ、知ってる。赤Mal様に付いていた日本の自衛兵。
 近衛だから精鋭だな。赤沢レッドだったか?」
「酒場の話を盗み聞きか。ろ、ロリコンちゃうわ。あだ名と苗字を混ぜないでくれ。
 それと自衛隊は軍じゃないから兵と呼ぶのもやめてくれ」

 海外派遣で米兵と話したら、HAHAHAナイスジョォークと言われたけどな。
陸に居る隊員はともかく、国外に行ったことがある自衛官は兵士と隊の区別は薄いと思う。

「兵じゃない?」
「お国の事情だ」

 あの時、出迎えに来ていた一人か。
エルブ政府と日本の本格的な接触交渉は伏せられている。
話が付いてから電撃的に発表したいという思惑があるのだろう。
政治とはパフォーマンスの場である。

「私だけ知られているのは不公平だ。所属と階級」
「レッドキャップズに居た。階級は大佐。君は?」
「盗み聞きしてたペナルティだ。教えてやらない」

 メイが私を知っているということはそれなりの立場だということ。
赤帽子とは部隊名だろう。近衛兵は精鋭だからグリンベレーみたいなものかもしれない
大佐とは大物だった。
私は二等陸曹だから、曹、尉、佐、7階級も上。
平社員が本部付きの幹部に会ったようなものだった。

「今日は尾行の訓練教官か?」
「そうだ」
「令状はあるのか」
「キツイジョークだ」

 お堅い女に見えて冗談も出来るらしい。
大佐が一人で尾行だなんて、一体あいつら何者なんだ?
552とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 22:48:12 ID:NBQe8Oh5

 尾行対象がモーテルに入った。
モーテル、ホテルは安宿を表していて、
日本語の豪華リゾートとは逆の意味が本来の使い方だ。
海外ではホテルとマンションは逆だから注意しないといけない。

「モーテルに入ったな」
「もういいだろ。帰らせてくれ」
「まだだ」
「訳を話す。娘が誘拐された。あの男が唯一の手掛かりなんだ。
 これはエルブの、日本の問題でもある。
 わたしの姿を見られると娘が殺される。
 此処は顔の割れてない君に頼むしかない」

 国際問題!?
いよいよきな臭くなって来た。
だとしたらなおさら他の手を借りるべきだ。

「奴を甘い言葉でつれてきて此処へつれてくる。あとは私がやる。
 それで君は自由だ。いいね」
「応援を呼ぶべきだ」
「敵に魔道師が居る。通信魔法は傍受される。
 私の部下は優秀だ、指示がなくても既に動いているだろう」

 魔法?聞き間違いだよな。
『私の部下は優秀だ』ってキリッとした顔で一生に一度でいいから言ってみたい。憧れる。
腕のいい部下揃ってるんだろうな・・・

「シット!ついてねえ!なんだって俺が!いいさやってやる
 でも、相手は男だぞ」

 つい、地が出てしまった。
畜生!誘き出す役なんてやったら後で言い訳出来ねぇ!畜生!




 メイは真面目だった。

「問題ない、あいつは男色だ」




「今日は厄日だわ」



553とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/21(日) 22:49:21 ID:NBQe8Oh5
投下終了

マー、私達ハ 神ノ視点ヲ持ッテルカラ 日本ガ異世界ニ 召喚サレタノヲ 知ッテルンデスガ
普通人ノ 反応トシテハコレガ 妥当カナト
ムシロ嬉々トシテ 外交ニ挑ム 田中ガ異常ナ存在 デスネ
554創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 23:09:02 ID:i+2/xATB
投下乙
>>544逮捕か、懐かしいな
俺は頼子でめがねッ娘スキーになった
555創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 00:23:15 ID:RMBM8sdq
誰が何を言っているのかわかりにくいかもしれないけど投下乙でした!
556501隊大尉:2009/06/22(月) 06:12:00 ID:v6l5AD5o
>>554

「逮捕しちゃうぞ」だったけ? 俺は、こち亀かと思った
557創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 07:10:46 ID:qYSrrXLC
誰も言わないから敢えて言う
カーパッションじゃねぇパーカッションだ
558創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 18:22:09 ID:3VPeyqhc
食料、燃料、鉱物資源の買い付けは
商社に仕事を割り振って調達をやらせる方向になると思うんだが
559創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 19:12:21 ID:CYWhTJSO
国交の無い国とは無理じゃねーかな
560創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 19:25:45 ID:RYP9LjVd
国交のない、社会制度のない国に民間人送れるわけがない
仮に冤罪逮捕でもされたらそれだけで一気に難しくなるっての
561創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 19:26:45 ID:RYP9LjVd
×社会制度のない国
○社会制度の違う国
562創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 20:17:33 ID:EXrJiA42
F世界が中世っぽいところだとするなら、国交とか言うほど国が国らしくはないんじゃない?
国境が敷かれていてそれを越えると入国、みたいなかんがえかたは至極近代的なもんじゃないかしら
563とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/22(月) 20:25:55 ID:W9dDDu0Y
 素直に偵察を行うことにした。
男娼の真似事なんて馬鹿げているにも程がある。

「お前は?」
「ルームサービスです♪」
って引きつった笑顔で私に言えというのか。
第一、ばれたら逃げ場がない。
発砲は最後の手段にしたい。

「待機」
 握り拳を振り上げて待機のハンドサインを出す。

 メイには隠密の概念が無さそうだし、足手まといになる。
偵察は単独で行うほうが良さそうだ。

 午後7時を廻ったばかり。
周囲は暗くなっており、幸いまだカーテンは閉められていない。
ランプで照らされた室内は外から容易に覗けた。
逆に中から外は光量差があって見えにくい。

 小さな安宿には店主を含め、7人が居た。全員帯剣している。
入り口から入ってすぐのカウンターに店主が一人と客が二人。
部屋はロビー、店主の部屋、客部屋3つ、一本の廊下で繋がっている。
正面入り口は帯剣した見張りが二人、一番奥の部屋には先ほどの剣士が二人。
残り2部屋は空きである。

 安宿の入り口にわざわざ見張りを付けるとは、念が入っている。
こりゃ、中の客も危ない。ご丁寧に同じ姿で全員武装していた。黒と見たほうがいい。

「かくかくしかじか」
「まるまるうまうま」
「と、言うことだ。この先どうなるかはあんた次第だ。OK?」
「OK!」




 メイは親指を立てて力強い笑みを浮かべると、走っていった。

 もちろん、正面玄関から。

「突撃して行ったぞ、あの馬鹿」


564とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/22(月) 20:26:42 ID:W9dDDu0Y

  ・・・・・・・

「ミンチよりひでぇや」

 メイに遅れてモーテルへ入ると、既に戦闘は終わっていた。
背中の大剣で惨殺されたバラバラの死体があるのかと思いきや、
ボコボコに整形された半死半生の撲殺死体がたくさん転がっている。
彼女のガントレットからは血が滴っていた。

「こ、拳で…」
「カカシ相手に表道具は用いませぬ」

 部屋の奥には禿げた50代の男が椅子に座っていた。

「娘はどこだ?」
「まぁ落ち付け。剣を突き付けられてはビビって話もできやしねぇ。
 娘は無事だ大佐、少なくとも今の所はな。メッセージがある」

 男は胸ポケットからコンパクトを取り出すと開いた。

「アタシを覚えているかね大佐?」
「リアス!貴様ぁ!」

 コンパクトのミラーから軍服を着た女性の映像が浮かび上がった。
年齢は20代後半。メイやカイと同じ銀髪耳長だ。髪は肩まで伸ばし、瞳はコバルトブルー。
襟には星6つの階級章が付いていた。

「誰が忘れるものか、このゲス野郎!内戦でどれだけの人が殺されたか・・・」
「君はエルブの状況を判っておらんのだ。エルブには強力で統制できるリーダーが必要だ」
565とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/22(月) 20:28:01 ID:W9dDDu0Y
 彼女らの間ではシリアスな会話が成されていた。
ちなみに私はガン無視である。
画面に割り込む別の毛が背中まで伸びている女。
階級章には銀色二本のライン。

「ベネット!死んだはずじゃ?」
「残念だったなぁ、トリックでやんすよ」
 
 こいつは大脱出でもしたのか?密室殺人なのか?

「君にエルブ商会の会長、ガンダルヴを暗殺して欲しい。
 メイ君は救国の英雄だ。我々ではガンダルヴの元へ近づけん」
「ベネットも同じ部隊に居ただろう?」
「一方、ベネット大尉は国外追放を受けた身だ」
「ああ、楽しんで人を殺したからな」
「殺しを教えたのはおめぇでやんす」

 ゲドにメイにベネット。 
なんでどうして、エルブの人間ってのは色物が多いんだろうか。

「幾らでリアスに買われた?」
「100万パール、ポンッと帝国金貨でくれたでやんすよ」
「裏切り者め」

「アタシはメイ君を使ってガンダルブを殺し、クーデターを起こす。
 一ヶ月後、アタシは会長だ」
「カイだ!カイを出せ!」
「ふむ。いいだろう。つれて来い」
「いやっ!離して!離せっ!」

 画面の向こうに暴れている幼女が居た。
あれは…日本から護衛の後、エルブ側へ引き渡した子供だ。
面会謝絶の裏事情だな。
566とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/22(月) 20:28:47 ID:W9dDDu0Y

「君に拒否権はない。我々に」

 通信が切れた。メイがコンパクトを殴り飛ばしたからである。

「この先どうなるかはあんた次第だ。無事取り戻したければ・・・俺たちに協力しろ」
「メイ、コレの処理はどうする」

「ああ、忘れておった」

パキィ

 トリック・メイスが禿げ男に支払ったものは
鉄拳であった。
禿げは脳を揺らされ倒れ付す。

「協力しろと申したか」

メイを嘲笑うことなど不可能であった。
567とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o. :2009/06/22(月) 20:29:36 ID:W9dDDu0Y
投下終了

('A`) メイ ノビジュアルハ 境界線上のコマンドーノ 拙者、御座ルノ 語尾濃イ目ヲ 想像シテ欲シイ
568創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 21:11:15 ID:oBxcx08H
>>562
春愁戦国時代の中国ですら既に国境の概念はあるというのに…
関所の概念もあったぞ
569創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 21:32:09 ID:RMBM8sdq
>>562
精密な実測地図と組み合わさった記号としての国境は近代からだけど、流石に国境の概念は昔からある。
荒野はともかく、毎年アガリがある農地とその支配を国の条件とするならばそれの及ぶ範囲の境が国境だ。
川や山だって事実上のそれだしな。

>>567
投下乙でした。
こいよベネット!
570創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 21:44:55 ID:6AAl6WTP
コマンドーのパクリか
571創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 21:54:50 ID:QAGW4V0O
語尾から考えてコマンドーよりマイナーな方のベネットだと思う
572創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 22:04:08 ID:t+E81War
ドワーフのまとめ終了。番号振り間違えた・・・09が抜けてます。
08→10になります。直し方わかる人修正よろ・・・orz

◆8b20lCD.o.氏、申し訳ない・・・
573創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 22:12:37 ID:4dA68D3K
三下のほうのベネットだよなw
574創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 00:08:25 ID:WYuXPoos
どっちもわからん漏れはまちがいなくニワカ
ともあれ毎度投下乙です!

575創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 00:39:12 ID:N3o1os3w
>>568、569
んー、書きかたが悪かったのかな
国境で区切られた国土/領土を統治するしっかりした「国家」というものは、中世的世界にはないだろうということだよ
だから>>558のように商社等が交易を行うにも、「国」とか「国交」を可否の条件として考えるのはピンとこないな
576創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 04:42:11 ID:CzUSvcV+
>>575
中世ぐらいにもなればそのぐらいはあるぞ
というか、それが無いっていうのはどのぐらい昔の時代遡るんだよ
紀元前数千年前の話なのかそれは?

8世紀ぐらいまでのブリテンでも国境線や領土の取り決めぐらい存在してる
(地図上の測量された国境というより山とか川とか人工的に作った長城とかだが)
577創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 04:46:46 ID:CzUSvcV+
ていうか、近世以降の様な整った国家制度ってのは無かっただろうけど
それは単なる支配体制とか法整備とかの違いでしかない
古代中国とかローマ帝国とかも、自分らの領土が何処までで、
この地方には何人の農民がいて耕作面積がどのくらいで
年間の収穫数は、どのくらい税金が取れるのか、とかをしっかり管理している

でもってその時代で国同士で普通に経済流通も外交もやっておりますがな
578創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 07:45:34 ID:N3o1os3w
そうね、ちょっと長文で説明するのは気がすすまないが書いてみる

「国」としての制度は古代のがむしろ整ってたでしょ
そんなのは常識的な話で、中世云々の話題で出すべきものともおもわれない
古代でさえそんなに進んでいたのだからまして中世は、といういいかたはおかしいということ
まさに中世にこそ“ない”んだよ、統治する機構としての「国家」は

とはいえ律令など例に挙げるまでもなく、古代の制度がどれほど実体を伴っていたかはよくわからんけどね?

それはさておき中世だ
中世イングランドにしろフランスにしろ、土地を統治してたのは「国」じゃあないわけで、
領主はたとえばイングランド貴族でありかつフランス王に忠誠を誓ったりするのが常態だっただろうって話
これは聖界領主なら王とは別系統の権威で統治してるわけだからなおさらだ
そしてその領土というのも都市や村落と周辺の生産地を指すのであって、封土というのに近いものだよね?

だから中世の封建下では、繰り返しになるけど「国」同士の国交とかいうのは重きをなさないだろってこと
日本の中世もこれはそんなもんだよね
元寇とか足利将軍の「日本国王」みたいな教科書レベルの話題だけ追っていけばさも「国家」が外交してるように見えるが、
交流(暴力的なものも含めて)の担い手はいわゆる倭寇であったり悪党であったりするわけだ
中世ヨーロッパならバイキングやらフランドル商人やらイタリア商人やら
そうした場で各国中央政権の役割は権威や大領主としての武力をバックにした調停であって、ちっとも主役じゃないよね
579創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 10:05:42 ID:Jf4koo6y
国の仕組みを中央集権にするのか封建制にするのかは、作者が自由に設定するもんだ
必ず封建制度にしなきゃいけないわけでもないし、ましてや>>578が気にすることではない
作者が「この国は中央が各地方へ代官を派遣してます」と言えばそれで終わり
作者が封建制と設定してるなら、まあそうね、って話
580創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 10:17:28 ID:N3o1os3w
そりゃそうだわ
F世界に国交とかいう考えを当てはめるのが一般論としておかしくみえるかそうでないか、
ってのを中世封建社会を例に挙げて語っただけでね

作者が自由に設定、おおいにけっこう
といことはつまり、国交の無い国とは民間交易ができない、民間人送れない、
などとは常識に照らしてみて一概にいえないよね?
それが確認できれば問題ない
581創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 10:59:30 ID:Jf4koo6y
>>580
いやいやいや、常識って一概に言うものだから。
だから読者の想像で一概に言わせないように作者がその世界の常識の説明をだね…
と言いたかったのだが。
その世界の常識がわからないと、リアルかよく知ってる似たような話の常識に当てはめて
想像するに決まってる。
582創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 11:17:04 ID:CzUSvcV+
>だから中世の封建下では、繰り返しになるけど「国」同士の国交とかいうのは重きをなさないだろってこと

そりゃあ「国王」の「宮廷」が決めた事に貴族が従わないで勝手に隣国との戦端を開くとか
相手側に付くとかそういう事はあったけど
国王ってのは国の代表の様なものであり、王権というのはそれなりに尊重されるもの
自国の御輿にかついでいる王様を蔑ろにして、その貴族が領土と地位を成り立たせるものでも無い

百年戦争とかでフランス南部のフランス貴族がイギリス側に付いてるのだって、
その貴族とイングランド王との外交取引もあることながら
イングランド王にフランスの王位継承権があり、当時のフランス王よりも継承権が正統だったから
というからで、そういう背景無しに「王を置き去りにして貴族が他国と手を結ぶ」なんてものは成立しないし
名分も無いので非難される


仮に、封建領主の勢力が大きく、王が単なるお飾りで、実際には
A国の内部に貴族の支配する小王国が内包されているって状態でも
それはそれで、貴族ごとの小王国を「国家」とみなして直接外交すればいいのであって
別に何の問題も発生しないだろうが…

日本がドイツからハムやソーセージを輸入するのだって、別にEUの許可が無ければ
取引が出来ないなんて事は無いってのと同じ
583創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 11:18:12 ID:CzUSvcV+
>百年戦争とかでフランス南部のフランス貴族がイギリス側に付いてるのだって
訂正
×南部
○北部
584創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 11:40:52 ID:CzUSvcV+
ていうか、書いた後で思ったけど、相手の国の制度がどうであろうと

こっち側が相手を国家として認めれば普通に外交も貿易も成立しないか?
別に国家と認めなくても「現地の有力勢力」とみなして交渉もできるわけだし
その国の支配制度と、日本がその国と外交関係を持つ事は直接関係ないでしょ

重要なのは「誰が」外交決定権を持っていて、こちらと交渉する準備や能力があるかであって
国王にその決定権が無いなら、決定権のある有力人物とその幕僚や行政府と手を結べばいいでしょ?
585創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 11:50:57 ID:N3o1os3w
まあ待て
話があさってのほうに飛んじゃってるけども、

・商社などの民間企業がF世界の国に分け入って物資調達が可能か?(国交とか関係なしに)

って問いと>>582-584はどんな関係があるんだw
586メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 12:39:59 ID:tURu9Kxv
此れまで書いたのをまとめてみる

世界観
“現代日本より少し未来”の日本がファンタジー世界に召喚される
偵察衛星で観測された地球は、魔物亜人が闊歩する中世風の魔法世界であった

技術力
日本:現代より2〜3年程未来
F世界:14世紀頃っぽい 長距離航海可能なガレー船 火薬技術無し
    魔法で船や保存法の能力など技術力に比して性能は底上げされている
    飛竜や魔法など正体不明の技術を使う

大まかな話の流れ

1、日本以外の通信が遮断
2、異常な生物を率いた中世風軍隊(バッサン軍)が攻めてくる、竹島駐留韓国警備隊全滅
3、非常事態宣言で自衛隊が動く、エルブ国要人救助
4、友好的なエルブと国交を結ぶ、自衛隊派遣
5、限定的な交易開始、エルブを通して情報収集と他国へのアプローチ開始
6、エルブ要人さらわれる←今ここ

時系列順の話

1〜3まで・・・とある人達の戦闘記録(改訂前)
4、5・・・・・とあるドワーフの日記
5・・・・・・・とある人達の戦闘記録(改訂後)
6・・・・・・・とあるドワーフの日記の(赤沢2等陸曹回想録)←今ここ
遥か未来・・・・NHKにんげんドキュメント・補給仕官と向き合う
587メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 12:40:45 ID:tURu9Kxv
国際情勢

日本の北に出来た「オーリア大陸」(大きさ、面積共にオーストラリアと同程度)では
エルブ国(バッサン、ライバーの傀儡であったが自力で独立)を挟み
バッサン帝国(東に位置する人間主体の魔物排除主義)と
ライバー連合(西に位置する魔物連合)が冷戦していた
日本の出現とバッサン軍襲撃失敗によって均衡が破られつつあり第三次大戦だひゃっほう!

エルブ国

大国に挟まれた都市国家 人口100万人を超える大都市 陸路と海路の要衝(重要度はパナマのようなもの)
国家元首は黒エルフのガンダルヴ 鉾と銀の葉商工会長である
両大国の政治干渉により疲弊している(そこはかとなく中東っぽい、革命で独立)
政治干渉によりはっきりとした自衛力は保持していない 軍備制限有り
ドワーフ主体の金属加工と黒エルフ主体の薬品、金融がさかん 金持ち
食文化は西と東が混ざり合い東西の食物を食べる、エルフ文化の影響で米食(日本と食生活は似ている)

鉾と銀の葉旅団は高品質のドワーフ製品を不当に安く買い叩かれるのに対抗
しようとした組織が前身で商売と金融に強い黒エルフが組織している 
ドワーフ製品(特に武器関連)を販売し、世界各地で武器を売る
武器をばら撒く闇商人とバッサンから非難を受けている(イ○クと思いねぇ)
大量破壊兵器の不法所持で濡れ衣を着せられバッサンの侵攻で占領されていた時期がある

黒エルフは殆どが女性、長寿族、耳長銀髪で肌は黄色〜黒と幅広い
ドワーフは男女が揃い、背は小さい、手先が器用で技術担当
地理的な特性上亜人が多い
588メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 12:41:33 ID:tURu9Kxv
帰ってきたら人物のまとめ

>>570
そこはアリス探偵局のパクリと言って欲しかった
まるまるうまうま的に考えて
589創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 13:28:37 ID:wvk8P0O+
イメージ的に
バッサン→バビロニア
エルブ →ユダ王国
ライバー→エチオピアかエジプト   こんな風に読める

日本はペルシャみたいな役割かのぉ
590創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 14:17:12 ID:CzUSvcV+
>>585

そりゃ>> 562から派生した別の話になってるからな
591メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 19:36:01 ID:tURu9Kxv
陸上自衛隊
鈴木亮・・・・・・陸自の一尉、弾薬課、後に昇進
大西さん・・・・・鈴木の同僚
杉谷・・・・・・・鈴木の同僚
慎吾・・・・・・・陸曹、倉庫番
金田・・・・・・・普通科、アウム(現オーレフ)サリン事件にも出動したベテラン隊員
武雄さん・・・・・需品科

特殊作戦郡
赤沢・・・・・・・あだ名はレッド、赤沢レッドと呼ぶと殴られます
工藤・・・・・・・真面目な隊員、通信担当
半田・・・・・・・口調がリア十、分隊では新人(それでもベテランではある)
及川・・・・・・・半田の世話役、いつも貧乏籤

航空自衛隊
山下・・・・・・・竹島戦の観測要員
川田・・・・・・・竹島戦の観測要員


各省庁など
田中茂人・・・・・外務省所属の偉い人、幅の広いギーグ、5ヶ国語+αを話せる、
         ファンタジーに詳しい、ロリコンかもしれない、侮れない人脈を持つ
         実家が大富豪の坊ちゃん、鈴木とは幼馴染である

国会議員
『与党』
武原秀雄・・・・・内閣総理大臣、めかぶの昆布茶をこよなく愛する
原・・・・・・・・総理秘書、苦労人
浜口・・・・・・・防衛大臣
国木田・・・・・・外務大臣、激務で若干ノイローゼ気味
592メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 19:36:47 ID:tURu9Kxv
民心党『野党』
中谷・・・・・・・エネルギー庁長官、民心党の議員
飯石三副・・・・・予算委員会で漢字読み間違いについてかみついたアホな人物
独島水歩・・・・・竹島戦での自衛隊未介入に反対した人
矢鴨常春・・・・・自衛隊派遣は憲法9条に反するといった人 国会中に鶴を折った

広大党『与党である自心党と連立関係にある、党間関係は悪い』
    永年与党を自称する

心明党『永年野党』
太品代表・・・・・心明党首


マスコミ
長井・・・・・・・総理付き記者で新人 総理との仲は悪かったが独占スクープで関係修復
長谷川・・・・・・法華井道新聞記者(ほっけいどう)
糸田河・・・・・・夕日新聞記者


エルブ商国
アカイ=マル=ポーロ・・・・・エルブ商工会の大幹部 みためろりぃな11歳中身33歳の少女
アン、メイ=ドゥ、トロワ・・・マルの御付だったメイド達、
               1,2,3と数えてはいけない、爆死してミンチになる
デ=キッコ=ナイサ・・・・・・エルブ国が攻められ、占領される前に首領だった人、処刑
トリック=メイス・・・・・・・元赤帽子隊大佐、彼女の脳筋ぶりはシュワちゃんに近い
ベネット・・・・・・・・・・・元赤帽子隊大尉、下僕っぽい三下臭が漂う
リアス・・・・・・・・・・・・元エルブ国執政官、大統領を自称しクーデターを狙う
ゲド・・・・・・・・・・・・・技術屋ドワーフ、梃子摺っている人に手を貸すのが趣味、尻は貸さない
ミゼット・・・・・・・・・・・対外交渉部所属
ブルータス・・・・・・・・・・赤沢により逮捕される


バッサン帝国(王国)
ビル=ランゲルハンス将軍・・・バッサン帝国政治将校 遠征軍を牛耳っていた ヒップのU
とある人物A氏・・・・・・・・司令部所属 彼の部下 ランゲルハンスを良く思っていない
シャルル・・・・・・・・・・・A氏部下 船上甲板で頭を狙撃され死亡、スイカ頭になる
ヴォルギン千人長・・・・・・・A氏部下 船上甲板で対戦車火気に吹き飛ばされハンバーグになる


その他
黒桐中人・・・・・・・・・・・怪しい研究主任 女性
593メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 19:37:33 ID:tURu9Kxv
呼称表記の注意
エイジア大陸・・・・・・・・・オーリアの西にある大陸、まだ詳しく書いてない
アビア湾(日本海)・・・・・・彼らの世界で言う日本がある地域の海
ランゲルハンス島(竹島)・・・島を発見したランゲルハンス氏が命名

時系列順の話(修正)
1〜3まで・・・・・・・・・・とある人達の戦闘記録『武原秀雄回顧録』『南方見聞録』
4、5・・・・・・・・・・・・とあるドワーフの日記
5・・・・・・・・・・・・・・とある人達の戦闘記録(改訂後)
6・・・・・・・・・・・・・・とあるドワーフの日記の(赤沢2等陸曹回想録)←今ここ
遥か未来・・・・・・・・・・・NHKにんげんドキュメント・補給仕官と向き合う
594メモ書き ◆8b20lCD.o. :2009/06/23(火) 19:41:07 ID:tURu9Kxv
('A`) 今回ハ投下ナシ
    我ナガラ ズイブン 続ケタ 物ダト 思ッタ 
    グダグダ長文 書クンダッタラ 自分デ 納得デキル SSヤレバイイジャナイ
595創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 21:04:50 ID:ADbJHg+b
まとめも乙。
596 ◆8b20lCD.o. :2009/06/24(水) 00:10:26 ID:vCpRq0QR
('A`) シバラク 投下 ヤスミマス
597創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 13:59:05 ID:RPe1T+Rj
こういう歴史や軍事関連の書き物が対象の場合、自分の知識を絶対基準にして
他人にもその認識を押し付けようとする人ってのはどこにでもいるから、
まともに相手するだけ無駄だと思うんだがねぇ。

まあお疲れ様。
598創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 22:20:52 ID:it04pzBe
とはいえ考証がショボければ叩かれやすいジャンルだからな
単に相対化すりゃいいってもんでもない
599創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 00:40:08 ID:iypwcUpd
>>585
てめぇが話の本筋ねじ曲げといてその言い草は何だっ!?
誰かこいつマジで叩き殺してくれねぇかな?
600創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 00:51:43 ID:RY7NFWrh
カルシウム不足かw
601ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/25(木) 01:45:05 ID:wFasceoa
小国の苦悩 第八話

『大陸王国連合バラーニ王国を中心に疫病発生』
23日、帝国政府は大陸王国連合で大規模な疫病が発生しているとの発表を行った。
バラーニ王国は、連合軍の中核をなす王国の一つで疫病により戦争遂行に大きな影響が出るだろうと帝國陸軍筋は伝えている。
                  ―帝國諸侯新聞

『死者100万に到達か? すでに王都は死の都』
バラーニの疫病は既に死者100万に達し、バラーニ王都は既に死の都と化したと帝國軍の報道官が発表した。
被害は既に周辺国まで拡大しており、拡大の一途を辿っている模様。
領国政府からは既に疫病の伝染を恐れて医師団の派遣等の要請が行われており、ワクチン受注を見込んで医薬品各社の株が2割跳ね上がった。
                  ―大陸経済新聞

「100万・・・って、わが国何個分だ?」
ゴンザレス王国国王ゴンザレス5世は、帝國から上流階級向けに販売されている『週間新聞』を眺めながら呟いた。
「1000個分ですな」
ゴンザレス5世は、桁違いの数に固まった。
一方、エリック男爵は最新の流行である帝國茶を飲みながらさらりと言った。
「わが国は大丈夫なのか?」
「帝國から通達によれば、衛生管理の徹底と薬で対応できると」
「衛生管理?」
「例としては道端に糞尿を捨てない、腐った死体を放置しない等ですね」
ゴンザレス5世は目を丸くする。
「・・・そんな事する奴おらんだろ」
「西方の大国では都市部で普通に行われているようです」
「それでこの有様か・・・大国というのも案外遅れているものだな」
「国の規模に都市整備が追いついていないのです。わが国もこのままでは同じ状態になりますぞ」
ここ5年でゴンザレス王国の人口と経済は右肩上がりを続け、総人口1000人の大台を突破(王国人口調査所調べ)、王都は増築に次ぐ増築を繰り返していた。・・・・それでも大きな城レベルだが。
あまりに短期間での拡張は、ゴミ問題や防災対策等の面で問題を引き起こしつつある。
「取り合えず、帝國からの指示により廃棄物不法投棄禁止法と病死体火葬義務法を明日の御前会議で決定してください」
エリック男爵は2枚の紙を示す。
「火葬か・・・教会が騒ぎそうだのう」
「既に帝國が法王迎下に火葬を容認させたとの事です」
「帝國は神より偉大というわけか・・・」
一昔前なら教会から王位を剥奪されかねない事を言うゴンザレス5世にエリックは眉をひそめた。
エリック男爵は中央の大国出身なので、辺境のゴンザレス王国と違って教会への畏敬が強いのである。
「・・・まぁ、帝國の権威は絶大です。教会と言えど逆らえないでしょう」
かつて教会は神の名の下に王位を授ける事で絶対的権威を誇った。
法王は気に入らない王を廃位する事すら可能だったのである。
しかし絶対権威を持った事で教会は腐敗。
内外からの批判を受けていた所に帝國が出現した。
帝國は属領とした王国の王を次々に『天照大神と天皇陛下の名の下に』王位に叙勲した。
独自の宗教を持つ帝國は、教会を解さず王位を授ける事が可能だったのである。
それまで栄華を誇った教会は急速に没落、改革派は『欲望から神への回帰』で求心力を維持しようと躍起である。
ちなみにゴンザレス王国は属領ではなく、同盟国なので教会から王権を授けられている。
602ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/25(木) 01:46:48 ID:wFasceoa
「大都市では病院の設置が義務付けられました」
「ああ、何とか騎士団が始めたとかいう」
「たしか・・・聖マルス騎士団でしたか・・・」
「わが国も作るか、病院」
「財源はどうするので?」
「帝國銃購入予算を半分にする」
国王は予算明細の束を叩きながら言った。
「それは・・・また騎士団長が大騒ぎしそうですな」
「どうせ戦争など起きんのだ。疫病対策と投資に回すべきだろう」
「では交易路の拡張を前倒しにされるのですか?」
「あれは予算がかかり過ぎるよ、1年や2年では終わらない」
「交易路が無くては収入の拡大が遅れますが・・・」
「帝國軍を誘致する」
エリック男爵は目を丸くした。
「帝國軍を・・・ですか?」
「そうだ、帝國軍がわが国に駐屯するとなれば街道は整備され、帝國目当ての商人がどっと増える!」
「おお!」
「これでわが国も小国位にはなれる!」
「おおお!」
「わが国万歳!」
「ゴンザレス5世万歳!」
「ゴンザレス王国に栄光あれ!」
「王国に勝利を!」
「国王陛下万歳!」

「・・・帝國軍をどうやってこんな田舎に誘致するんだ?」
ロエニー男爵はその光景を見ながらぼそっと呟いた。
603ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/25(木) 01:49:03 ID:wFasceoa
ちょっと前のヨーロッパ中世式便所の話を見て思いついた。

田舎の国のが清潔という・・・
604創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 01:53:44 ID:pHupwK++
あれ、今回の国王陛下はずいぶん聡明じゃねw
gj
605創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 01:53:52 ID:RY7NFWrh
>総人口1000人の大台を突破
ちょwwwwゴンザレス王国そこまでちいさかったのかwwww
606創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 02:07:58 ID:vWazDYG5
そんな国で近代兵器購入とか財政的に死亡フラグじゃw
607創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 02:23:28 ID:4+2pcAxE

>>「例としては道端に糞尿を捨てない、腐った死体を放置しない等ですね」
ゴンザレス5世は目を丸くする。
「・・・そんな事する奴おらんだろ」
「西方の大国では都市部で普通に行われているようです」
「それでこの有様か・・・大国というのも案外遅れているものだな」


常識はあるんだな
608創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 02:59:50 ID:hGIth9lH
投下乙です

人口千人てwwそんなんでセンシャほしがってたのかw竹ヤリでがまんしとけww
609創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 07:35:28 ID:smM87BFR
人口千人吹いたw
つかその程度の人口じゃ国家予算使っても戦車かえんだろw
610創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 09:07:26 ID:THikAE01
>>603
田舎の国…で清潔ってことは後温泉さえあれば帝國軍向けの保養地になれるか?
保養地になれば帝國軍の誘致も夢ではないか!?
611創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 09:21:46 ID:4+HZCoyG
常備軍は騎士団長と副団長だけだったりするのかw
消防団www
612創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 09:23:11 ID:vWazDYG5
辺境警備思い出すわw
613創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 11:53:21 ID:TD48epcr
>>609
某マリネラ王国のようにダイヤモンドなどの宝石・貴金属が取れるなら小国家でもOK
614創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 12:06:42 ID:pHupwK++
地質学者の調査でチタン鉱脈の存在が・・・とか
615創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 12:22:26 ID:k58065rX
上流階級に今人気の保養地!
とか
転移に巻き込まれた欧州の軍人さんをターゲットにするとか
頭ひねらないと難しい
616創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 12:39:03 ID:8Uj5aV4/
ちゅるやさん乙
ゴンザレス都市国家だったのかwww
617創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 12:49:21 ID:nTQ3QREZ
総人口1000人って・・・10000人の打ち間違いじゃなくて、マジで1000人なのか?

1000人なら王国の税収って幾らだ!w
それと王侯貴族の総数に王国軍の総数、国土面積がヒッジョーに気になるww
618創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 13:21:09 ID:ovNCKsUE
逆にそのくらいの総人口だと国民皆兵も別に不自然じゃなくなってくるな
戦争になったら老人も女も槍や弓をとって城に立て篭もりそうだ
619創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 14:10:05 ID:k58065rX
>>617
片手で予算が掴める程には金がない

てかよく100年持ったなw
620創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 14:29:19 ID:vWazDYG5
中世の農村で人口1000なら成人男性せいぜい200人くらいしかいないんじゃw
621創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 14:40:05 ID:4+2pcAxE

最初の方で「やはり弟の...」があるが

頭の良い弟達は逃げ出して、どっかの大国の政治家でもしてんじゃないのか?

だから政治家として手を回して母国を守りながら兄に同情してたりして


622創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 14:41:38 ID:RY7NFWrh
国王と大臣たち→村長と役場のお歴々
戦車買ってどうこうというのも農協でトラクター共同購入レベルの話にみえてきたw
623創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 17:03:29 ID:4+HZCoyG
弟……都会の大学にいってそのまま現地で就職
「村に帰れと言われてもコマル」
624創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 20:17:13 ID:EeiSODXw
戦車だと思ったらトラクターだったでござるの巻き
625創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 20:47:29 ID:wDG0f+Un
>>155 3話(110年の歴史)
>>384 6話(???)
>>60  1話(120年の歴史)
>>330 5話(???)
>>184 4話(???)
>>601 8話(???)
>>509 7話(???)
>>71  2話(180年の歴史)

時系列はこんなとこか?
626ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/25(木) 22:53:48 ID:wFasceoa
イメージ的にはこんな感じです。

ゴンザレス王国年表

西暦
1939年頃(110年の歴史)    >>155 3話 帝國軍ゴンザレス王国に接近
1940年代初頭(???)     >>509 7話 共産主義者による大陸での活動激化(主に満鉄系だが7話登場はただの過激派)
1945年中盤(???)      >>601 8話 バラーニ王国疫病100万死亡(ちなみに黒死病とコレラ)
1945年後半(???)      >>384 6話 帝國ロストニア王国占領プロパガンダ映画上映
1950年代中盤(120年の歴史) >>60  1話 チハ属領・同盟国に販売開始ゴンザレス導入検討
1950年代後半(???)    >>184 4話 ゴンザレス王国PIAT改導入
1960年代中盤(???)    >>330 5話 ゴンザレス王国中古チハリース契約
2009年中盤(180年の歴史)   >>71 2話 ゴンザレス王国チハ改修計画(この時点で既に何回か行っている)

ゴンザレス王国はド辺境のド田舎の村が、いつの間にか王国になってたレベルの国なので発展した上で農業人口まで合わせて1000人です。
ゴンザレス王国の成り立ち、軍備体制については今度ネタにしておきますw
627創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 00:17:31 ID:6UBMarEe

かつて台湾・半島合わせて一億の人口を誇った帝国

この世界に台湾諸島があるかは知らんが

史実の日本単独の人口8000万以下が今は13000万以上
台湾・半島を合わせると21500万以上

日本の繁殖力は70年で1.6〜2倍
中国は5億が13億だから

王国の人口2000〜3000人そこらかな?
628創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 00:32:10 ID:oHf4uWE/
食糧生産力に余力ないと人口は増えないぞ
中世の農村にそこまで爆発的な拡大が出来るのかどうか
まあ、日本が知識譲ってれば別だが
629創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 00:58:24 ID:IPzM9sto
やや出し渋ってるだろうな
ひと昔前のなら出すところには出してるだろうがまだいきわたってないと思う
630創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 01:42:04 ID:I+JiYZWK
中国は毛沢東の馬鹿野郎が考えなしに産めよ増やせよ政策なんて取っちまってるからあんまり当てにならん。
631創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 15:22:10 ID:6UBMarEe

それを日本で社会党やミキ内閣辺りが行っていたら?
632創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 19:59:12 ID:+MaITkw3
>>628
ある文明が他の文明と接触した時点でパラダイムシフトが生じて
人口増加もそれまでのペースが続くとは限らない
マイナスベクトルなら滅亡だが
プラス方向に振れれば100年に倍増どころか三倍・四倍もあり得る
(まぁ、これは自然増加分じゃなく移入人口も入れての事だけどな
633創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 20:14:12 ID:VJQp6sM+
人口の増減といえば…
中国なんかの歴史でちらほらあるけど、戦乱期のある時期に人口が急増って現象が起こるんだが
これは戦争で流民になった人々が戸籍を把握できなくなるため帳簿上の人口が減ったように見えるかららしい

例えばA地域の住人30万人のうち、戦争から非難するため20万人が土地を捨てて逃げ惑う
その流民がA地域内に留まってウロウロしてる(食料はさ迷いながら探す)間、その地域で
戸籍上で把握してる「土地を耕してる人間」は10万人しかいなくなる

これが、戦争が沈静して安定すると土地に戻ってくるのでまた戸籍に登録される
そうすると、一見人口が倍増したかのように見える、というわけ
634創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 20:29:53 ID:pZIm1DKs
なんつーか……ゴンザレス王国って名前といい規模といい
お気楽さ加減といい、ほとんど迷宮キングダムの世界だのお
635創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 21:34:39 ID:kr+IaZxS
>>633
それでも、内戦前後で百万の単位で人が減ってた記憶があるが>中国
636創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 21:55:29 ID:5C3cW2Ym
トーキョーN◎VAみたくもっと殺伐としてくれ
637創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 00:38:18 ID:/zkbxo2j
なんか理想郷の自衛隊が書籍化目指しはじめたみたいだな
638創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 00:45:38 ID:Kjrikf4y
理想郷の話は理想郷でやれ
此処に持ち込むな
639創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 01:00:14 ID:Fg+sNSds
また自治厨か
640創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 03:10:46 ID:bNfcw8CP
ネットに上げた物を本にしてそれで儲かるか?
次を狙って知名度上げたいんならそれでいいと思うけど。
641ファリス:2009/06/27(土) 03:19:51 ID:K7yDjg1D
小国の苦悩 第弐億参千壱百四拾弐萬参千弐百参拾壱話 超番外編

ニューロンFCSで制御されたナンブ・ラプターSMGが4.7mm弾を軽快にバラ撒く。
1秒間に10発発射された弾丸は全て"5匹の"ゴブリンの頭に叩きこまれ、頭がブチ割れたスイカと化す。
「これで最後か?」
フルボーグ(全身をサイボーグ化した人間)の男がアカギモータの駆動音をさせながら、撃ちつくしたラプターをマグチェンジした。
「ああ、動体反応も赤外線反応もマナ反応もない」
耳の尖った黒い男が、実戦用の機械的なサイバーアイで周囲を走査した後つまらなそうに言う
ゴブリンの持っていた粗末な突撃銃を全て踏み潰したフルボーグの男は、首を鳴らす。
「ん?」
キュラキュラキュラキュラ
目の前の森を押し倒し大型戦車が現れた。
「何んじゃこりゃぁ!?」

帝國暦2789年 ゴンザレス王国領 ゴンザレスGIGAS市

「なぁに簡単な仕事です」
自称某企業の非合法要員(クロフク)が、帝國本土人特有のアルカイックスマイルを貼り付けたまま、いつも通りの台詞を吐く。
ここはゴンザレスGIGASスラム街近くのバーだ。
「古代王国主義者のアジトを一つ潰して欲しいだけですよ」
古代王国主義者とは、古代にあった魔法だけの偉大な文明を再建し、カガクで汚染されたこの地上を浄化しようと主張する魔術師共(ローガイ)の事だ。環境派テロ組織と結びついて、街中やテレビの中で糞を撒き散らしている。
「この前の依頼じゃ、ローエン機甲騎士団の戦車に追い回されたが、その時も簡単だって言わなかったか?」
フルボーグが噛み付く。
「ローエス共が演習に来ていたのは不確定事項ですよ」
「あの後、ローエンはミツビシの戦車を慌てて買ってたな」
「たった1人の重装歩兵にボコボコにされ、国産戦車のポンコツ具合をやっと自覚したんでしょう。まぁ私には関係ありませんが」
黒耳(ダークエルフ)が咳払いをして話に入り込む。
「・・・で報酬は?」
「こんなもので」
男は黒耳のニューロリンク上に直接提示した。
「100万帝國円じゃ安い・・・120万」
「決算前でしてね、これ以上は」
フルボーグが割り込む。
「ローエンの件だけじゃないよな? 黙ってたのは」
「不確定事項はこちらの責任ではありませんよ」
フルボーグがジョッキを勢いよくテーブルに叩きつける。
「こう不確定事項が続くとは情報甘いんじゃないかい?・・・130万」
「高くなってませんか?」
「どうも誠意というものが見えないんでね」
「困りましたね・・・105万」
「130万」
「工作費用というものの上限もありまして・・・110万」
「125万・・・信頼関係って大切だよな?」
フルボーグはニヤリと笑う。
「111万」
「135万」
「・・・なぜ上がるのですか?」
「1万区切りとかやると機嫌が悪くなるのさ」
「ふむ・・・110万+常識的な範囲内での必要経費」
「120万+だな」
「そこは115万で勘弁してください」
「あの件で俺の気に入ってたソニーのレーザライフルが壊れてなぁ・・・」
「110万+弾薬費+ミツビシテクノの発表前の最新型粒子ビームライフル」
「実戦テストってか? まぁいいだろ。それで手を打とうか」
フルボーグが肩をすくめる。
黒耳も異議はない様子だ。
「ありがとうございます。それではよろしくお願いいたします・・・」
「分かった、ライフルはいつもの酒場に」
「分かりました・・・それでは失礼します」
アルカイックスマイルを最後まで崩さずクロフクは酒場を出て行った。
642ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/27(土) 03:20:48 ID:K7yDjg1D
「畜生! 150万でも安すぎる!」
フルボーグの頭の上を極太の粒子ビームが通過する。
「ねぇよ! トヨタの新型戦車とか!!!」
使い終わった対戦車ロケット・ミネベア99式を放り投げつつ叫ぶ。
ランチャーは見事随伴歩兵の騎士の一人に命中し、騎士は昏倒した。
トヨタアームズ最新鋭戦車『クラウン2500』
4つのパーツに分かれた履帯部を、まるで脚の様に動かし、森をなぎ払いながら進む、大型重戦車だ。
砲塔上の軽火器マウントポッドから13mm重機関銃が乱射され、フルボーグの周りに着弾する。
「クラックできねぇのかよ!」
「無理だな・・・防壁も最新鋭、帝國公安並みの腕が必要だ」
全速力で走りながら、2人は会話する。
どちらも心肺系を機械化か生体強化してるので、息苦しさと言う物は無い。
「糞ったれ! ボンザレスめ!地方領主の癖になんで機甲師団なんて持ってる!」
歩兵用の粒子ビームの射線が追いかけてくる。
「その前に、なぜボンザレスの手のものがここにいるかだ」
2人とも心当たりがあった。
「昔、娘浚われたの恨みとは言え・・・どっから情報を・・・」
「依頼主だろうな」
「また裏切りやがったか!」
『裏切ったとは人聞きが悪いですねぇ』
どこから短距離通信が入る。
「貴様! どこから!」
『いえ、お渡ししたライフルにちょっと細工を』
「何の!つもりだ!」
『いえ、本当に申し訳ないんですが・・・スパイが出ましてね』
2人の脳内に人物データが表示される。
『ボンザレスの鼠が我が社に入り込んでた様で・・・』
「それでか!」
『お詫びと言っては難ですが15km先に自走精密狙撃砲を待機させてます』
「すぐアイツを吹き飛ばしてくれ!」
後からワキャワキャと脚の様な履帯部を動かしながら迫る重戦車。
『いえ、わが社としては表立って介入するわけにも行かないので・・・』
「じゃあなんで自走砲持ってきた!!」
『ちょっとお願いがあるのですが・・・』


2人が隠れる辺りに向かって、戦車が砲門を向ける。
砲塔からスピーカーが迫り出しがなり始める
『侯爵様から伝言だ! 娘を返せば命だけは助けてやろうとのことだ』
(戦車砲散々ぶっ放してよく言うぜ)
『出てこない場合、火炎放射で辺り一体ごと焼き払う!』

【・・・我が名においてここに命ずる】

『なに!? 後だとっ!?』
戦車の後に黒耳が忽然とあわられる。
【・・・汝我に従い我らに逆らう愚者全てに滅びを与えるべし】

『ば・・・・馬鹿な!? 冒険者如きが一人で攻城魔法だとっ!?』
呪文の内容が、発動に多数の魔術師を必要とする不便さゆえに失われた要塞攻略級魔法である事に気づいたボンザレス装甲騎士団の戦車長は顔を真っ青にして砲塔を急旋回させる。
『テェ!!!』
至近距離からの粒子ビームが黒耳を焼く。
『・・・馬鹿な!?』
【汝の名は・・・ ペネストレイトッ!】
辺りが閃光に包まれた・・・・
643ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/27(土) 03:22:58 ID:K7yDjg1D


「おーおー逃げ足速いのな」
「私がやったのは幻術で影を見せて、閃光魔法を使っただけなのだがな」
2人の前には砲塔正面装甲を貫かれた重戦車が転がっている。
随伴歩兵は突然使われた大魔法におどろき逃げ出した。
「まぁ、あんだけ派手にやれば目の前の人間が撃ったと思うわな」

黒耳が閃光魔法を発動させた瞬間、15km彼方の狙撃砲から放たれた120mm砲弾は正面装甲を貫通、戦車を破壊した。
誰が見ても、目の前(幻術だが)のダークエルフが破壊したように見える。
『ご苦労様でした。報酬は倍額お支払いします』
「・・・妙に気前がいいな」
『こちらの不始末のお礼ですよ』
「・・・まあいい、仕事は終わりだ」
「迎えのヘリはここから3kmに待機している」
「よっしゃ帰るぞ!」
2人は粒子ビームで掘り返された森の中をとぼとぼと歩き始めた。


「どーですか、この威力!精度!」
「素晴らしい! 最新鋭戦車も一撃とは!」
監視衛星からの生中継は、正面装甲を貫通され沈黙した重戦車が映っている。
ゴンザレス13世は目を輝かせながら今だ主砲から煙を上げる「商品」に駆け寄った。
「しかし、他社製品とは言え最新鋭戦車を的にするとは・・・高かったのではないか?」
「いえいえ、ゴンザレス陛下との今後の関係の為と考えれば安いもの・・・」
「ほう・・・そこまで言われては買うしかないのぉ!」
「我がミツビシの誇る最新鋭次世代自走狙撃砲『無敵21型』ならば、あらゆる主力戦車をアウトレンジで撃破できます!」
クロフクはいつも通りのアルカイックスマイルを浮かべていた。
644ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/27(土) 03:23:57 ID:K7yDjg1D
みんな喧嘩しちゃらめぇ

という事でネタ話。
645創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 05:42:04 ID:aeRq6Dlx

ゴンザレスいいカモすぎる・・・
646創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 11:02:16 ID:9FdwzL64
投下乙です

なんという未来編…この時代ならきっとメイドロボもいるに違いない!
647創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 11:11:16 ID:/8mFVv1L
投下乙。
安部公房の「鉄砲屋」を思い出した
648創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 12:14:46 ID:BYLHJbuk
投下乙
コンバットマガジンに連載してた大野安之の漫画を思い出した(原案は大滝よしえもん
649創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 12:55:00 ID:Jy/Q2lqp
>>646

国内で英独仏伊露土希西蘭襖丁の派閥でメイドのデザイン争いをするわけか
650創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 14:16:07 ID:9KfcgtZi
>>644
投下乙でしたドラグス○イヴ
651創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 14:34:03 ID:tzkfIH7K
投下乙
と、言いたいところだがこれは流石にガイドラインに抵触しないか?
ビームやサイボーグは完全に未来兵器だろう…
652創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 17:49:57 ID:aeRq6Dlx
たまにはこういうのもいいと思うけど
あくまでたまにはだけどね
653創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 19:13:31 ID:k384kfIn
>>652

本来スレ違いの自衛隊関係ない帝國物を、「たまには〜」とか「一発ネタだから」いう理屈でお目こぼししてたら、何時の間にかシリーズ化してたでござるの巻。
この未来兵器も同じことにならなければいいけどね。
654創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 19:28:18 ID:tzkfIH7K
>>652
作者がかつてガイドラインを作るきっかけとなったACEみたいにならないことを祈るよ
655創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 19:46:34 ID:Xk3Vw7Ba
シリーズ化して続きそうなおもしろさなら巣別れさせればいいだけの事。
656ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/27(土) 20:01:22 ID:K7yDjg1D
N◎VAぽくと言われたんでやった一発ネタであって続けるつもりは無いです。
というか自衛隊と書きつつ実質近代軍隊がF世界にスレだと認識してたんですが違うんでしょうか・・・
657創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 20:04:36 ID:z8FiXa4d
第弐億参千壱百四拾弐萬参千弐百参拾壱話 超番外編

これが一発ネタじゃなかったら逆に驚く。

ちゅるや氏も、このスレには心配性が多いんだろうな、程度で気楽に構えた方が良いかと。
658創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 20:46:58 ID:/j2kaKZs
>>656
少なくとも俺はその認識だったな
659創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 21:40:48 ID:TGbacaLJ
>>628
食料生産能力だけでなく医療関係技術の向上も人口増加には必要なような
下水道など衛生関係の技術は江戸時代やローマ帝国では一定のレベルで実用化されてましたから
ただ、ヨーロッパはローマ帝国の技術を「宗教上の理由」でロストしましたが・・・道路舗装なんか19世紀までロストって何さ

医療技術に戻りますが特に出産関係の技術向上は出産後の母子の生存率が上がるわけで人口増加には必須です
死亡率が下がれば人口が増えるペースが上がるのも当然って訳で・・・人が他に流れて過疎化しなければ
660創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 21:48:56 ID:9zWvbqiT
中華やイスラムのように中世に文明退行がなかった地域もある(というかそっちが普通)から
文明レベルは発展していて知的素養もありました、で済ませても別にかまわないと思うよ
ローマの栄光を葬り去ってヨーロッパをユーラシアの後進地域にまでしたカトリックの罪は異常
661創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 23:46:17 ID:VqWKQxSa
>>660
中世に欧州全土を蒙古とオスマンが蹂躙するべきだったと思いますよ。
その場合でも遅かれ早かれ類似の近代文明が東洋発祥で起こるだけの話ですから。

662創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 01:46:23 ID:tZZxGrRO
>>661
それはない。
遊牧民は海に出ないし産業を興すようなこともしない。
収奪と交易はするが、それだけでは近代文明は起こらない。
起す必要もない。

オスマンで近代化もかなり難しい。
他に強力な近代国家がないのにイエニチェリを解体するわけがない。


中国が中小国乱立国家であればもしかすると近代文明を起してたかもしれんが、他はない。
663創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 04:05:21 ID:MTwc6AJm
>>656

>1. 「自衛隊がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「現代の日本国自衛隊」が主に関わる話であること。

こうガイドラインに書かれてる。
近代軍隊全般は分家の管轄だね。
664創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 07:22:19 ID:TP4Y2by1
分家は2chと違うんだから何でもかんでもおしつけるのはどうかね
665創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 07:30:51 ID:39bSveI+
>・支援は50レスに1回。

あきらかにこの板じゃ意味ないテンプレもまじってるなw
硬直的に捉えるんでなく変化も必要じゃね
666創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 10:16:41 ID:YMcCfc8b
――――第1話補足『王と貴族』――――
@「帝國召喚」世界において、王と貴族(大公爵以下)はどう違うのでしょうか?
領土の大小?
いいえ。確かに王の方が広大な領地を持っている場合が多いですが、
下手な王よりも広大な領地を持つ貴族もいれば、【中には千人程度の領民しかいない王もいます。】
王とは、『神』から王位を授けられた者です。
ですから王になるには、今の王から位を譲ってもらうか、
神から新たな王位を授けられるしかありません。
王は、大公爵以下の爵位を授けることができます。
貴族とは、王から貴族の位を授けられた者です。
ですから貴族になるには、今の貴族から位を譲ってもらう
(その場合でも一応、王の追認が必要です)か、
王から新たな貴族の位を授けられるしかありません。

Fこの世界の宗教観は?
この世界は多神教です。
ただし神々の格はそれぞれ異なりますし、その国々により崇める対象の神は異なります。
一応、『主神』とされるレべルの神々については、
それぞれ世界規模に展開する神殿によって祭られています。

ゴンザレスの先祖が出逢った主神が気になるな

俺的には帝国軍も自衛隊も似たようなモンだと思う

ただ自衛隊は憲法により軍事展開ができないが「帝国」の国防組織(守備・警備隊)であり
皇帝(祭祀皇)が象徴だけで元首と認められていないから普通の国防組織だが
国際的に日本の元首は「天皇」であり、
憲法改正によって自衛隊を帝国軍と呼ぶのもアリだと思う

某ラノベに転移した作品では自衛軍になっている
アレは指揮しとる日本が合衆国になっているからだと思う


何が言いたいかと言うと旧日本軍も陛下の指揮下ではなく内閣(軍閥)の指揮下だったから

旧日本軍も自衛隊も同じだと思う

これがアメリカとか警察とか民間の学生が主人公なら大問題だが。

軍板が離着したんだから次からはスレタイに(自衛隊ではなく日本)にしたら良いと思う

日本の国防組織がファンタジー世界に召喚されますた 第1章
667創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 12:08:23 ID:Hcyson/p
細かい差異が気になる人がいるからこそ分家が出来たのに
活用せんでどうするよ

>>旧日本軍も自衛隊も同じだと思う

いくらなんでも強引過ぎる、詭弁にもなってないよ
668創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 12:16:22 ID:xj2KBm9+
とりあえずトリップ付けてよ
669創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 13:28:38 ID:cRxnvAbm
>>666
>>日本の国防組織がファンタジー世界に召喚されますた 第1章

過去の軍板で論議されたタイトルだけど
*個人(自衛官)が召喚された場合→バロウズの火星シリーズの亜流に
*分隊規模              →F世界の渦に巻き込まれて消滅
*自衛隊のみ移転         →装備や人員が選択された理由の説明が必要(一般人はどうなったのか)
                      装備の補充の切れた近代軍は悲惨な目に
*国土ごと日本が召喚 ← げんざいココ
670創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 13:52:04 ID:/vohr1g2
>>664
分家にも活気が欲しいし、むしろ来てくれ
671創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 14:13:34 ID:39bSveI+
>>666
んー、旧軍の統帥権まわりに問題があったことは近現代史を語る上での基礎知識なんじゃないか
その意味では自衛隊とはむろん全然違うよ
無理筋っていうか、わざとかってぐらいおかしい理屈だw
672創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 14:17:36 ID:YCKxZygg
いっそのこと「近代軍が異世界に召喚されますた」にしちゃえば?
そうすれば場末の連中も堂々とThe Isladn Warの話題を楽しめるってもんだ。
673創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 14:48:23 ID:Hcyson/p
そうしても外部の話すんな!って連中がでてくるよ
現に>>638みたいなのがいるし
674創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 14:49:04 ID:+/FjYoX+
>>669
次は何になるだろうな
675創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 15:04:45 ID:TI7ZwwSJ
地球がガミラス星のとなりに召喚、イスカンダルと併せて三連星に
676創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 15:30:24 ID:s2vpYRvE
日本は地球にそのままの状態ながら、異世界との扉が開いて…
というのが次に相当すると思う
で、もう出てるな
677創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 15:33:49 ID:hAnqHNa7
>>669
>*国土ごと日本が召喚 ← げんざいココ
それだったら
「日本が国土ごとファンタジー世界に召喚されますた 第1章 」

ってことにならないか?
678創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 15:43:19 ID:s2vpYRvE
>>677
国土ごと召喚されて無い作品もあったから
679創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 15:51:26 ID:RDvZi2zH
あんまり締め付けるのはどうかと思う
あまりに逸脱しなければいいんじゃないか?
その為に分家があるんだし
680創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 19:08:53 ID:cRxnvAbm
>>676
「ゲートアウト(仮)」てのがそれかな
アメリカとロシアが嗅ぎ付けて「俺たちにもやらせろ」と関わる時点で中断
681創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 19:28:31 ID:MTwc6AJm
>>677

それ以外だと補給が続かなくなるので、長編書くなら国ごと召喚の話に成らざるを得ない。
様々な議論や作品の末、こういう結論に至っただけ。

別に個人や隊単位での召喚がダメだと言ってるわけじゃない。
ただし、そうした場合、設定を上手く練らないと最終的に飲み込まれる。
682創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 19:45:03 ID:VoWAumuP
飲み込まれてBad Endでも物語として筋が通ってたらそれでもいいし、
「俺たちの戦いはこれからだ」でも「なんか定住しちゃいました」でも別にかまわないだろう。
もちろん「帰る方法見つけました」でも。
683創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 20:26:21 ID:Yp47I4ug
初代の「戦国自衛隊」みたいに補給が無くなるまでに地歩確保しといて後は現地の武装、残るは知恵のみ
ってやつもあるが
684創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 20:33:11 ID:JBhstT/a
The Isladn Warの話題語りたいならここでやれよ

【架空戦記】ネット仮想戦記を語ろう2【火葬戦記】
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1230210684/l50x

SS作者への感想ほったらかしで延々と関係ない話続けるとは
投下なくなって過疎にもなるわ
685創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 21:09:21 ID:Hcyson/p
ほんとこの手のバカはすぐに沸いて出てくるからどうしようもないな
いい加減問題も出てきてるみたいだし、次回からテンプレいじった方がいいかもな
686創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 21:42:03 ID:Bgqw+IhP
>>それ以外だと補給が続かなくなるので、長編書くなら国ごと召喚の話に成らざるを得ない。
>>様々な議論や作品の末、こういう結論に至っただけ。

 「帝國召還」が「ゲームバランスの調整」を繰り返してる内に先に進め無くなった
のはソレが原因だと思う。かといって、F世界の「技術水準」を現実世界レベル(超
音速飛空艇だとか)にまで強化してしまっては、現実世界を舞台にした仮想戦記と変
らなくなる。むしろ、相手方に馴染みの兵器や人物を出せる分、読者の興味を引ける


 結局、「自衛隊」(皇軍でも紅軍でも良いが)には、典型的ラノベF世界で苦戦し
てしまうだけのハンデを負わせる必要がある・・・・、が、「長編書くなら国ごと召
喚」はその点の緊張感が・・・・。
687創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 21:58:46 ID:Hcyson/p
国ごと召喚でも、政治問題、食糧問題、エネルギー資源問題、経済問題
ハンデ負いまくりじゃないか?
戦争でも相手に魔法って言う下駄を履かせてやれば良い訳で。この辺りは作者の調整しだいだね。
ただ戦争の前段階に問題が多すぎるから、ストレスたまって、いざ戦争になったらTUEeeeeeeee!が見たくなるのは否めないから、緊張感を出すのが難しいのかもね。
688創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 22:00:58 ID:Yp47I4ug
日本tueeeeeeでいいじゃん。田中光二さんのグレイシリーズ大好き。
689創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 22:04:40 ID:WuteqxBo
たしかにたまには日本TUEEEEEEEEEEEE
日本国民KASIKEEEEEEEEEEE
なスカッとする奴は見たくなる時はあるw
690創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 00:36:07 ID:tx1ZPOXB
KASIKEEEEEEEEEEEEで爆笑してしまった。く、くやしい…
691創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 01:09:33 ID:6XQvPEaa
さすがに神の目視点を読者だけじゃなく作中人物にもたせるのはやりすぎw
692ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/29(月) 03:22:24 ID:Q/PTiVVP
小国の苦悩 第九話
ゴンザレス王国の建国は帝国勢力下に組み込まれた時点で110年という、この辺りの国家では最も古い歴史を誇る。
大陸統一暦1233年(西暦1820年頃、大陸統一暦は戦乱で年号の管理が怪しい為不確定)、アムドゥア第二帝国崩壊後の継承戦争で本国を失ったこの地方の当時の領主達は次々に独立した。
ゴンザレス1世もこの当時独立した地方領主の一人だった。
ゴンザレス1世、元の名をエルウィン・ブランツ・グラン・ゴンザレスは元々アムドゥア第二帝国で辣腕を振るった大将軍であった。
地方における蛮族討伐戦で戦功をあげ、王位継承権争いに伴う武力衝突で国王派の最高司令官として王弟派を打ち破り、名実共にアムドゥア第二帝国総大将軍となった。
しかし戦闘において類稀なる能力を持っていた一方で、彼の政治能力は『犬以下』だった。
統一後の政治抗争で中央を追い出された彼は、中心部から遠く離れたこの地の領主として都落ちする。
失脚したとは言え、大きな勲功のあった彼にはそれなりの領地が与えられた。現在のゴンザレス領の原型である。
大陸統一暦1230年、国政すら放置し政治闘争に明け暮れたアムドゥア第二帝国は、国王が若くして亡くなると、その後継をめぐって再び内部分裂した。最初は政治闘争であったものが、王女暗殺事件を経て武力衝突に発展する。
各勢力の思惑を孕み衝突は遂に諸侯が争う大戦争へと発展。
継承戦争の始まりであった。
王女を擁立していたガルム枢機卿を中心とする正統王権派は、王女を暗殺した(といわれる)ヴィンス侯爵率いる貴族派を次々に打ち破る。一方でヴィンス侯爵も諸国に援軍を要請し・・・

・・・・等という事は関係なく、中央の権力闘争にかかわりの無いこの地方は平和だった。
大陸統一暦1233年、次々の諸侯の離脱したアムドゥア第二帝国の崩壊が誰の目にも明らかになると、エルウィン・ゴンザレスはゴンザレス1世を僭称し、ゴンザレス王国を建国する。
この際に、多額の布施を教会に行って王位を授けられた辺り、多少は政治と言う物を学んだらしい。
同時期にボンザレス王国などの周辺諸国も次々に独立しているが、この地方でもっとも早く独立したのがゴンザレス王国だった。
その後、地域紛争や大国の圧力に耐えかねた国々が近隣の地域大国に次々に吸収されていったが、ゴンザレス王国は旧アムドゥア近衛騎士団の流れを汲む精鋭ゴンザレス騎士団を持ってそれら脅威に対抗した。
所詮地方領主の手勢と、都落ちしたとは言え超大国の近衛騎士団の流れを汲むゴンザレス騎士団では比べ物にならず、ゴンザレス王国は版図を拡大していった。
しかし1271年、ゴンザレス3世の治世になると、近隣のボンジュール王国が地域大国ロドニー王国に組み入れられる。
ボンジュール国王改めボンジュール伯爵はロドニー本国に援軍を依頼、一挙に劣勢に立たされたゴンザレス王国は殆どの領地を切り取られ、かろうじてロドニー王国の属国として存続を許される。
693創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:23:44 ID:Q/PTiVVP
そして大陸統一暦1342年(西暦1939年)・・・

「ローデリア王国東方騎士団は壊滅、すでに王都ローデムも陥落した模様です。西方騎士団は急遽取って返した様ですが・・・既に王都も王も帝國の手に落ちており、恭順も時間の問題だとの噂です」
ヴァエッサ伯爵が、沈痛な面持ちで報告する。
「ローデリアも時間の問題だな」
アルフォンス伯爵が目を閉じる。
「既に帝國の偵察隊と思しき部隊がわが国周辺に出没しています」
騎士団長ピエール男爵の代理として出席していたモルボルン副騎士団長補佐が報告する。
「現在の所、発見した場合でもこちらは後退しているため交戦には到っておりません」
「いい判断だ」
ロドニー男爵がため息をついた。
この御前会議には、20人もの貴族が参加している。
弱小国であるゴンザレス王国は常識では考えられないほど多くの貴族を抱えているが、
これは元々初代ゴンザレス時代には大領主であった事、ゴンザレス王国初期には領地を次々に拡大していた名残である。
全人口が500名(貴族含まず)程度で貴族が20人というのはどう考えても異常であるが、
弱小国に落ちぶれても貴族の整理案を誰も出せずに居た結果、人数が維持されてしまったのである。
幸か不幸か、ゴンザレス王国は比較的肥沃な土地である事もあり
500人で家族も含めた50名程度を十分に養えてしまったのである。
・・・ただし、10人も領民が居ればいい方で、自分で畑を耕している人間も多い。
この国に置いては、貴族=大地主または、役場の役人、駐在さん・・・と考えていいだろう。
「帝國軍は総兵力500万を号しており・・・」
モルボルンが紙を読み上げる。
「500万・・・」
エリック子爵が絶句する。
「さすがに・・・500万は、はったりだろう」
「実兵力は50万位じゃないかね?」
彼方此方から野次の様な声が上がる。
「この地方に展開している兵力だけで50万だそうです」
「50・・・万・・・」
野次をあげた貴族が絶句した。

ここで今まで黙っていた国王ゴンザレス5世が重々しく口を開いた。


「・・・・いっその事、帝國に降伏申し込もうか? 楽だし」
国王ゴンザレス5世がボソっと言った一言に全員が固まる。
「それでは110年の歴史を誇るわが国の誇りはどうなるのですか!」
「大体国王陛下は主君としての誇りがかけている!」
「やはり甥のトンザレス公爵を国王にしたほうが良かったのでは?」
「だが、このままでは外交的に遅れをとることに・・・」
「誇りを失って何が貴族か!」
「現実を無視しては・・・」
議場は大騒ぎになる。

(・・・勝てないのに降伏以外何をしろっちゅーんだ?)
ゴンザレス5世は眉をひそめながら、そんな事を考える。
ふと、扉の方を見ると奇妙な物が見えた。
騎士団長ピエール男爵は扉を押し開けたまま固まっている。
「・・・・なにあれ?」
ゴンザレス5世は首を捻った。
「さぁ・・・・?」
側近も首を捻った。

御前会議で帝國への降伏が決定したのはそれから1日後の事だった。
694ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/29(月) 03:28:48 ID:Q/PTiVVP
とりあえず新作
一応、なんでこんな貴族が多いんだとかその割りに国民が少人数なのかとか
理由はこんな感じです。
村レベルの場所に国王とか伯爵が居るという珍妙さにかなり無茶な理由をつけております。
695創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 10:34:45 ID:a3jacFO2
ちゅるや氏、深夜と言うか早朝と言うか投下乙です。

王国の成り立ちにはそんな経緯が有ったのかー。

んで、最後の「・・・・なにあれ」って・・・・なに?w
696創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 11:24:30 ID:F6ypyctt
戦車かトラックだろう
もちろん大群の
697創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 12:37:32 ID:6XQvPEaa
窓じゃなく扉の方を見ての感想だから
帝国の兵器じゃなく、固まったままの騎士団長を指してるんじゃね?>あれ

騎士団長が固まったのは「帝国軍500万」て数字で
698ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/29(月) 14:22:33 ID:Q/PTiVVP
第三話・・・(誰も気づかなかった><
699創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 16:42:53 ID:Q2uOisI7
>>470
遅レスだが
アルコールでも一応燃料にはなる(エタノールもアルコールの一種) ただしエンジンの腐食問題とか色々あるけど
まあ度数が相当高く無いと駄目だけど
700創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 20:43:34 ID:oWvJwVVE
>>699
ウォッカ動力は夢じゃないんだね!

次元の壁を超えて怒りに燃えるロシア軍(近代・現代・近未来まで一通り)が攻めてきました。
701創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:26:35 ID:83Na3cw6
いまふと思ったんだが日本では天皇が王で
総理大臣が宰相のような感じなのか?
702創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:27:33 ID:83Na3cw6
あ・・・
ageてすまん
703創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:29:27 ID:8eoOiVTV
天皇がお飾りで総理大臣もお飾りでおk
704創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:34:11 ID:x4hu/GG9
>>701
総理大臣のこと宰相とはよく言うよ
705創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:59:10 ID:tI+Se5Nh
>>701>>703
格的には「天皇」は「皇帝」だな。
wiki(英語)では「King of Japan」じゃくて「Emperor of Japan」だし。
もしくは「tenn?」。
このあたりを参照。
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Emperor_of_Japan
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9A%87%E5%B8%9D
706創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:08:19 ID:XlnHaZkd
天皇お飾り、総理お飾り、政治家お飾り
官僚が動かしてますみたいな感じかw

ところでゴンザレスって侵略価値あるんだろうか?
何らかの資源があるならともかく。
まあ一個中隊でも蹂躙できそうだから他国への進路上あったりしたらモノのついでで征服とかか?
707創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 23:20:12 ID:BjBaleKv
進路上にあるなら征服するか恭順させるしか無いようなというか
進路上にある(補給路でもある)ってのはそれだけで価値があるような
708創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:25:29 ID:fulYSXBW
ど田舎だから王都やらから離れてる可能性はあると思う
709創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 10:03:18 ID:55otm/05
>>701

天皇は神権持ちなので、王とは違うかな。
王位を授けることが可能な存在だからね。

征夷大将軍が王、筆頭家老が宰相、大名が貴族、旗本が騎士。
こんな感じかな?

総理大臣とかは王政と民主制の違いがあるので、はっきり当てはめるのはちょっと無理だと思う。
710創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 12:03:23 ID:ksfm8Rrk
>>709
明治維新の時イギリスの議会制政治を参考にしたんじゃね?>政府
天皇制はドイツの皇帝を参考にしたと思うが
711創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 14:00:19 ID:z8O+gDkX
「天皇制」という言葉は、あまり実態のない戦後のサヨク用語かもだ

明治憲法下でもその時々で天皇の位置づけの解釈は揺れていて、
大勢は天皇機関説だったのを軍部をバックにした勢力がひっくり返したりしてる
ただし明治/大正/昭和天皇は一貫して形式上の主権者の地位を自ら出ようとはしなかった、
てとこじゃね

しかし臣下から軽くリストラしようかと何度もおもわれてるゴンザレス歴代国王の立場が気になるw
712創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 17:46:51 ID:RcyYvc23
ていうか、天皇制とかいうよりも立憲君主制民主主義だよね日本って
713創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 18:28:46 ID:uI+FqfXl
>>712

何、「空気を吸わないと死にます」

みたいな常識的な事、言ってるんだ?
714創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 18:39:40 ID:OzXS5Ogg
戦前の問題はいろいろグチャグチャに混ぜすぎたことだろう。
権力が分散しすぎたせいで却って責任の所在が不明になるという。
内閣の統制すらできない総理大臣とか。
英国式の君主であろうとする天皇だが、体制はむしろドイツとかフランスを参考にしてる部分とか。
715ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/06/30(火) 21:26:25 ID:tEar/VRA
どうでもいいと言ったらどうでもいいのですが酔っ払って書いたら激しく名前間違ってるので
一応訂正を・・・

×同時期にボンザレス王国などの周辺諸国も次々に独立しているが
○同時期にボンジュール王国などの周辺諸国も次々に独立しているが

×ロドニー王国
○ローデリア王国

国名と人名がゴッチャゴチャになってました。


ついでに最後の部分が分かりにくかった様なので修正
3話の最後と時間軸をダブらせたんですが気づいて貰えませんでした・・・orz


(・・・勝てないのに降伏以外何をしろというのだ?)
ゴンザレス5世は眉をひそめながら、そんな事を考える。

ふと、扉の方を見ると召集に遅れてきた騎士団長ピエール男爵が扉を押し開けたまま、中に入りもせず固まっている。
「・・・・なにあれ?」
ゴンザレス5世は首を捻った。
「さぁ・・・・? ギックリ腰では?」
側近も首を捻った。
「結構な歳だからな。訓練で張り切りすぎたのか」

御前会議で帝國への降伏が決定したのはそれから1日後の事だった。
716創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 00:29:41 ID:g2fpREDD
6月も終わったわけだけど、日本が国ごと召喚 続き来ないかなー
717創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 00:58:16 ID:NZazRdv1
物語マダー
718創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 13:04:03 ID:0gfYaXR/
技師の目から見た変異(日記)の続きが読みたーい
719創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 15:21:30 ID:Jjz9ZSV3
そろそろこの手のスレも廃れてきたかな。
物語氏のシリーズとか面白かったんだけどな。
720創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 16:29:54 ID:xaEz74Su
自衛隊だけじゃなくて間口広くすればいいのに
721創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 16:42:27 ID:Ddy+fGE0
別スレあるよ
722創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 16:45:01 ID:NZazRdv1
自治厨が騒ぐから迂闊に雑談も出来んしな
723創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 17:08:42 ID:xaEz74Su
>>721
分家の事?分家の管理人の言うことにゃよそはよそ。

過疎ってきたら統合して間口広くして一つのスレにすればいいと思うけどね。
724創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 17:13:00 ID:Ddy+fGE0
そもそも過疎ってほど過疎ってるのか?
725創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 17:56:06 ID:0gfYaXR/
>>715
>> 3話の最後と時間軸をダブらせたんですが気づいて貰えませんでした・・・orz

アンカー入れんと探すのたいへんじゃないかw  *小国の苦悩 第三話>>155
それに>>697でだいたい合ってるじゃね?>「あれ」とは
726創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 19:26:40 ID:GxiFYY2Y
異世界召還・トリップスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219992281/l50
もうここと統合しちまおうぜ
制限が嫌なら、その方がいいだろう
727創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 19:32:42 ID:zfVkKc2I
あっちは個人、こっちは国とか軍隊で仮想戦記が主だから層違うと思うよ
テンプレの自衛隊を近代国家・軍隊に変えるだけでいいと思う。
728創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 19:39:29 ID:lV4f5lgj
間口広げるとアニメ板から出てきて欲しくないような変なの来るから困る。非常に困る。
729 ◆XdgIHnFrK. :2009/07/01(水) 19:44:41 ID:dAejA1sT
>>727
まあスレタイやテンプレ変える流れなら別にいいとは思うけれど
自衛隊以外の近代軍隊をどれだけちゃんと書けるかどうかで
また隆盛するかどうか影響あると思うけどね
単純に間口広げれば人が入ってくるってわけでもないし逆もある
分家は本スレの存在があったから人が流入したという要素があるし

>>726
そっちはそっちでかなり過疎ってるからどうだろ





それはそうと、8月ごろからしばらくネット環境離れるんで
その前にフソウ戦記(仮)とか休載中のをまた書いておきたいなあ
730創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 21:41:59 ID:zfVkKc2I
新ガイドライン
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 作品であれ議論であれ、住民が不快に思う事は避ける。第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。
3. 主に「近代軍隊」がファンタジー世界に関わる話であること。
4. 近代軍隊の組織・装備はあくまで実際に装備した物もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  未来兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
5. 社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
6. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来が、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  基本的には近代軍隊マンセーの方が好まれる。
7. エログロを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。

意味があるか微妙な項目抜いて、書き換えたけど
こんな感じでどうだい?
731創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 21:52:07 ID:gLpoNaVi
だいぶ前に書いてた側の意見から言わせてもらうと
あくまで自衛隊が主役の縛りがあるから
異世界軍側だけでの話投下するってのができないからつらい
あと投下したSSと関係ない知識のひけらかしを延々と続けられるのがウゼェってのもある

そろそろ自由に書けるエロパロ板辺りにでも引っ越すかな
732創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 21:57:30 ID:tIopgOHO
Senkaの匂いがする・・・
733 ◆XdgIHnFrK. :2009/07/01(水) 22:03:55 ID:dAejA1sT
>>731
>あくまで自衛隊が主役の縛りがあるから
>異世界軍側だけでの話投下するってのができないからつらい
そうだっけ?
自衛隊が敵役で、登場はするけど自衛官個人個人の心情描写はなく
異世界軍側の人物中心で展開する話とか軍板時代にあった気がするけど

734創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 22:04:51 ID:NZazRdv1
>>731
異世界側の軍視点のSSなら過去分家であったよ
つか面白かったり突っ込み所なりがあれば普通に感想なり議論なりがあるよ
それがなくてスルーされたって事はそう言う事なんだろ
735創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 22:07:23 ID:XHCc0+Gl
「帝国の戦争」ってのがF世界視点固定で面白かったんだが未完だ
736創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 22:22:00 ID:ZxbJ2Yya
>>735
小説 帝国の戦争で検索してみたんだが…も少しヒントください。
737創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 22:37:17 ID:g2fpREDD
確かに異世界軍視点の奴も幾つかあったな
個人的にはワイバーン乗りの人が主人公の奴が好きだった、一応完結したし

自衛隊が物資面の問題で積極的に動けないし、日本向けの輸出で備蓄物資が減ってお荷物とか言われたけど
動き出した時の圧倒的破壊力は凄かった
738創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 22:43:33 ID:KULPE0c9
>>736
作者別まとめ
http://pixus.iinaa.net/SS/ss.htm
22のS・Fさん
739創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 22:46:34 ID:aySqdcie
>>731
異世界側の話で、相手が自衛隊なら堂々とここに書いてもいいと思うがねえ。

>>732
さあヒャッハーされるまえに帰ろうか。
740創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:09:09 ID:RtxQeveq
ガイドラインの改定は概ね賛成。
でも、改定された後ならともかく、改定される前に「近代軍隊が召喚されたスレだと認識してる」とか、「自衛隊と帝國軍は同じような物だから別に問題ない」とか言って自衛隊関係ないのを投下するのはどうかと思う。
まだその時点ではスレ違いなんだから。
741創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:11:19 ID:hR91aXNx
そこまで杓子定規に運用しなくても・・・
742創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:14:47 ID:inyacx+n
改定するなら外部サイトの話題に関することも入れて欲しい、自治厨が五月蝿くてかなわないし。
個人的には容認の方向で。
あと次スレに関する案内もかな
743創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:16:55 ID:hR91aXNx
新ガイドライン
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 作品であれ議論であれ、住民が不快に思う事は避ける。第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。
3. 主に「近代軍隊」がファンタジー世界に関わる話であること。
4. 近代軍隊の組織・装備はあくまで実際に装備した物もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  未来兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
5. 社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
6. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来が、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  基本的には近代軍隊マンセーの方が好まれる。
7. スレ外の該当作品にかんする批評などの雑談は、ほどほどに。
8. エログロを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。

こんな感じで
744創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:25:41 ID:UDEwCSCZ
>>743
いいかんじじゃね
745創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:30:33 ID:inyacx+n
新ガイドライン
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 作品であれ議論であれ、住民が不快に思う事は避ける。第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。
3. 主に「近代軍隊」がファンタジー世界に関わる話であること。
4. 近代軍隊の組織・装備はあくまで実際に装備した物もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  未来兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
5. 社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
6. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来が、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  基本的には近代軍隊マンセーの方が好まれる。
7. スレ外の該当作品にかんする批評などの雑談は、ほどほどに。
8. エログロを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。
9. 次スレは>>980か480KBを踏んだ方が立ててください。

9を追加してみた
746創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:49:35 ID:LO5yDFhT
新ガイドライン
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 作品であれ議論であれ、住民が不快に思う事は避ける。第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。
3. 主に「近代軍隊」がファンタジー世界に関わる話であること。
4. 近代軍隊の組織・装備はあくまで実際に装備した物もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  未来兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
5. 社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
6. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来が、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  基本的には近代軍隊マンセーの方が好まれる。
7. スレ外の該当作品にかんする批評などの雑談は、ほどほどに。
8. エログロを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。
9. 次スレは>>980か480KBを踏んだ方が立ててください。
10. バナナは戦闘糧食には入りません


切りよく10にしてみた
747創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 03:21:39 ID:hR91aXNx
そういえばギコナビだと容量わかんないや
どうしよう
748創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 07:09:23 ID:wt0GtlBm
外部の話題はある程度厳しくしとかないとその内本当に無関係な雑談が始まったりするからなぁ
そこらへん扱いが難しい

ところで新ガイドラインの「神」って単語はどうかと
749創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 09:55:45 ID:1haFkAF6
>>737
kwsk
750創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 13:23:34 ID:87Lub3XI
>>748
曲がったらチェーンソーで殴られる程度w
751創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 19:02:47 ID:hR91aXNx
神はバラバラになった。
752日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:43:33 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 金曜日

 昨夜はなかなか寝付けなかった。気が付いたら朝4時、結局いつも通りの時間帯に起きていた事になる。
そしていつも通り、5時に朝食。外出の際には護衛というか同行者が付いてくるようになった。

 普段と同じように、6時に家を出て6時半には会社に着いた。
仕事内容はプログラミングの手伝いと動作の確認。いつもと同じような仕事内容だ。午後に入って、
松本先輩に「顔色が悪いようだが、何かあったか?」と尋ねられた。昨日食べた物が合わなかったようだと
ごまかしたが、腑に落ちないような顔をしていた。何か感付かれただろうか。

 夕食後に家へ帰り、家まで付いてきた公安の山本氏と話をした。
状況はどうなっているのかと尋ねると少し考えた後、これは口外無用だといって教えてくれた。
在日ドイツ人、ヴィンセント・シュミットなる人物の自宅に捜索が入ったそうだ。近隣住民の証言によると、
彼は昨日の朝から戻っていないという。部屋からは大量の血液反応が出たらしい。
どうやら自分が昨日見かけたのは本物のシュミット氏なのか、疑わしいようである。

 それよりも、あの男を取り囲んだ公安の全員がその際の状況を詳しく覚えていないのだという。
男が何を話したか、どんな顔をしていたか。騒ぎが起こったその日の内に聞き取りを行なったのに、である。
自分はある程度覚えていた……そう、覚えていたはずだったのだ。愕然とした。ほとんど何も覚えていない。
昨日の日記には、あの男が名乗った名前が書いてある。その時の状況も書いてある。
なのに今、その状況を思い出すことが出来ないのだ。
 公安内部での聞き取りを行なったというのは、自分が昨日の日記を書いていたのと同じ頃である。
理由は分からないが、他の人間に比べ記憶が無くなるまでに多少のタイムラグが存在したらしい。
山本氏に昨日の日記を見せると、「昨日の内に君への聞き取りをやっておけば良かった」と悔やんでいた。
「あの男が「もしも可能ならば」と言っていた」と書いてあったのは、この事だったのだろうか。

 驚いた事に、あの男の気配を感じた者は公安の中にはいないらしい。
あの気配ならば人ごみの中からでも探し出せそうで、他人に怪しまれずに生活できていたか疑わしい位だ。
自分にはあの感覚が忘れられそうにない。それにしても、何故自分が狙われているのだろう。
異世界の能力を持ったからか?自分に成り代わって潜伏するためか?
だが自分に白人の血が入っているとはいえ、4分の1である。いや、そもそも成り代わりというのは
推測に過ぎない。今の段階では分からない事が多すぎる。

 明日は会社で勉強したいが可能か、と尋ねると可能だと返ってきた。
会社ならば無断で敷地に入ってくる奴はすぐに分かるし、自宅に閉じこもっているよりは建設的である。
そして何より、それが普段どおりの生活なのだ。
753日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:44:43 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 土曜日

 4時起床。今日は雨のせいか、社員の姿がいつもの土曜日より少なかった。
資料室で「魔法場の統一理論」を読む。昼食をはさんで夕方近く、遂に最後まで読み終わった。
だからと言ってこの理論が飲み込めた訳ではない。今度は対応する項目を突き合わせて読み返したり、
ロキその他の専門家に質問したりして理解を深める必要がある。

 18時の特集番組で深海生物の映像を紹介していた。得体の知れない形状の生物がうじゃうじゃいる。
この映像を見た生物学者は大喜びしているのだろう。これぞ古き良き公共放送の番組という感じだった。
今回の撮影は、海底資源の探査という任務のサブミッションという位置づけだったからこそ出来た事らしい。
要するに有用生物を発見するための調査という名目で、カメラ等の機材を装備させたのだそうだ。

 それにしても、陸揚げしていた「しんかい2000」を整備改良した上で「しんかい1500」として運用するという
やり方は興味深かった。こんな番組で紹介されでもしないと、なかなか一般にはこの手の情報は届かない。
そんな意味で、生物学者と公共放送には心から拍手を送りたい気持ちである。
来週の放送は、2年前に大陸自由連邦が建国された際の舞台裏を紹介する番組だそうだ。
たぶん1ヶ月もすればドンゴワナ諸島の謎の怪物、「プス・サイギツム」の正体に迫る番組があるのだろう。

 火曜日に拿捕された外国船が自衛隊による調査を終え、報道陣に公開された。
夕方のニュースでも映像が紹介されていた。全長は15m程、マストは1本で、コグ船という形式らしい。
調べてみたが、古い形式で操縦性は良くないそうだ。甲板が張ってあり、その下は幾つかの部屋に
区切られている。船固有の武装はなく、弓矢は自衛用と思われる。船籍や乗員の国籍などは調査中との事。
 サツマイモの生育は今のところ順調だ。この時期は根腐れが怖い。こんな得体の知れない時でも、
いや、こんな時だからこそ、秋の収穫を見据えてこまめな世話を心掛けたい。
雨が降っていると、自転車に乗るのに面倒な事が多い。木製フレーム車の事故も雨の日が多いようだ。

 頭の中に、もやもやとした考えに至らないものが渦巻いている。もう少しで何かのアイデアが
纏まるような気がするのだが、まだそれが何なのかは見えてこないようだ。
 こんな感覚に囚われるのは珍しい事ではない。何かの名案を思いつくか、それともただの気の迷いなのか。
2〜3日もすれば結果が分かるだろう。あまり気にしすぎると気の迷いで終わってしまう事が多いようだ。
他の事で忙しくしているのが得策だろう。明日も会社で勉強を続ける事にする。
754日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:45:53 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 日曜日

 会社で「魔法場の統一理論」を読み返し、勉強を続けた。
読み込むにつれ、どうも魔法というのは理論で扱うべき存在ではないんじゃないかと思われてきた。
ある種の言語のような印象もあるし、詩吟のような印象もある。現段階での印象をまとめると、
理論を知る事で理解は妨げられないが、理論だけでは理解できない存在とでも表現すべきか。

 勉強を思い立った頃の「必ずしも理論を理解する必要は無い」という日記の一文が、今にして思えば
まさにその通りだったのかもしれない。えらい回り道であるが、それでも勉強したのは正解だったと思う。
少なくとも魔法という物の一つの側面が見えたのだと考える事にする。

 それは会社からの帰り道だった。夕食も済んで、自宅に向かう途中の出来事だった。
水溜りを車輪が横切り、波を立てる。顔に風が当たって、細かな雨粒は顔の表面を撫でるように飛び去る。

 昨日のもやもやの正体が分かった。これはセンサ改良の糸口になるかもしれない。
魔法場の中を移動した際に、周辺に波を立てるような現象が起こるのだろう。ならば船の球状艦首のように
センサの先に波を起こして、本体から発生した波と干渉させてノイズを打ち消す事は出来ないだろうか。

 そんな事を考えながら自転車を走らせていた。
視界の端、街並みの向こう側で何かが光ったような気がした。少しして、遠雷のような音が響いた。
そして少し違った調子でもう一度。今度は長く音が響いていた。護衛の様子が変わって、
どこかと連絡を取り合っている様子だった。自宅に帰るなり、戸締りに気をつけるようにと言われた。

 何かがあったと思い、テレビのニュースを確認したがどの局も放送していない。データ放送も入らない。
夜になってネットの情報で分かったのは、公共放送をはじめ放送局のアンテナ塔が破壊されたという事だった。
倒れてきたアンテナ塔の下敷きになって死傷者も出ているらしい。大規模な停電も起きているそうだ。
この混乱に乗じて敵帝国軍が上陸してきたという眉唾物の話もある。今はどんな情報を持ち出されても
反論が難しい時だ。この間の外国船拿捕のニュースあたりに触発された悪ふざけだとは思うのだが……

 某電子掲示板、某SNS、様々なブログ……ネット上はこの話題で持ちきりだ。
落雷でPCが壊れたという書き込みが幾つか見受けられる。携帯端末も繋がりにくい状態のようだ。
テレビもラジオも使えない中、政府の公報ページはアクセス集中のため接続できず、現段階では
何が真実で何がデマなのか判別できない。この区域でコミュニティ放送はやっていないし、
もし仮にやっていたとしても情報の信頼性という点に疑問がある。デマが入り込む余地は充分にあるはずだ。

 この事態はいったい何なのか。ネット上を流れる情報も、どこまでが真実なのか分からない。
考えられるのは敵が仕掛けた同時多発テロだろうか。しかし断言するには情報が少なすぎる。
というより情報は無いに等しいだろう。明日の新聞は、とりあえず確実な情報の第1号になるはずだ。
ひょっとしたら入江あたりが情報を持っているかもしれない。明日、会社で聞いてみる事にする。
755日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:47:02 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 月曜日

 外出時に付いてくる護衛の数が減ったような気がする。一人は必ず自分のすぐ近くにいるのだが、
物陰に感じる気配が少なくなったように感じるのだ。やはり昨日の事件の影響だろうか。

 再来週の月曜日から土曜日にかけて矢臼別演習場で、グライダーを使った試験が行なわれる。
会社からは、松本先輩と竹本と入江と泉さん、そして自分が参加する事になった。そう、そのはずだった。

 試験で会社側の取りまとめ役になるはずだった松本先輩が、昨日の事件に巻き込まれて
重傷を負ったらしい。落下物に足を挟まれて数時間後にやっと救出、病院に担ぎ込まれたとの事。
膝上のあたりから下を切断する事になったそうで、2週間以内に退院できる見込みはあまりない。
そんな訳で、代わりに泉さんが取りまとめ役となった。明日、皆で松本先輩の見舞いに行く事になった。
入江の情報によれば、一部の現場では事件の直後にゾンビが現れたらしい。
まかり間違えれば松本先輩もゾンビとして処理される可能性があったわけだ。

 現地までの行程。東京港まで車で向かい、定期輸送船団の貨物フェリーに便乗して苫小牧港へ。
そのまま車で演習場まで向かうそうだ。現地では野宿になるとの事で、入江には厳しそうだ。
出発は金曜日の15時、会社から。土曜の夜には現地に到着する予定である。

 政府のサイトは流石に対応が早い。公式な情報を集めると、判明しているのは以下の事態。
ほぼ同時刻に都内各所の放送局に大規模な落雷があり、アンテナ塔が倒壊したり大規模な損傷を受けた。
アンテナ塔が倒壊したのはテレビ日の出、TKBS、公共放送。
ニッポンテレビ、冨士テレビ、東京テレビのアンテナ塔は倒壊を免れ、中でも東京テレビの設備は既に
復旧作業が始まっているという。来週あたりになれば、アニメだけは見られるのかもしれない。
 落雷によると思われる被害は他にも出ていた。東京タワーに大規模な落雷があり、一部が破損した。
送電線の鉄塔が数箇所で倒壊したり損傷している。風力発電所では風車が何基か破壊された。
通信会社の中継局にも落雷があり、一部では設備が破壊された。携帯の通信障害はこれが原因か。

 短時間でこれほど多数の落雷被害が出るというのは、あまりに異常な事態だ。
それに落雷だけで頑丈な構造物が倒壊するだろうか。最初に雷が落ちるのは塔などの先端部分である。
塔が倒れたなら構造の下の方や途中の部分が損傷した訳で、その点が不可解である。

 今のところ政府の公式発表では「異常気象による落雷被害」という表現が使われている。
官房長官の記者会見の要旨が公表されていた。公式な見解ではないと前置きした上ではあったが、
「現段階では、この世界特有の異常気象という可能性もある」という発言があった。
また、テロの可能性については「現在、事実関係を確認中である」の一点張りだった。
これらの事から察すると、政府としては不必要に国民の不安を煽りたくないのだと思われる。

 自分にはやはり敵の仕掛けたテロという説が有力に思われるが、現段階で確たる証拠は無い。
お上には全力で調査や捜査を行なってもらいたいものだ。こんな時にこそ公権力の使い方が問われている。
……って、この感想、なんだか民放のワイドショーあたりで出てくる無責任コメンテーターの発言みたいだ。
あの男の一件もあるし、警察でも公安でも自衛隊でも、公権力を思う存分行使してもらいたい気分である。
756日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:48:11 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 火曜日

 矢臼別での試験に向けて、会社では各種試験機器の準備が進んでいる。
グライダーの設計図が届き、それに合わせて機体に装置を固定するためのマウントを製造し始めた。
明日は外装の設計ミーティングがあるという。そこで、班長の岸部にちょっとした仕掛けを頼んでみた。
断られるかと思っていたら意外にも、あっさりと引き受けてくれた。拍子抜けした感じだ。
グライダーの製作は演習場内の飛行場で行なわれているという。木製飛行機の製作に心得がある人材など
そうそう居る物ではなく、東京都近郊在住の航空技術者の協力を全面的に仰いだらしい。

 仕事を定時で切り上げて、皆で松本先輩の見舞いに行って来た。思ったよりも元気そうではあったが、
本来ならば布団が盛り上がっているはずの箇所が平らだというのは、いたたまれない気持ちになるものだ。
頭や腕にも絆創膏や包帯が見受けられ、それらの一つ一つが現場の惨状を想起させる。
さまざまな留意事項などを教えてもらい、1日も早い回復を祈って病院を後にした。

 病院からの帰り道、テレビ日の出の大アンテナ破壊現場に立ち寄ってみた。
警察の現場検証が行なわれているらしく、周辺の道路の一部で通行規制が行なわれていた。
現場周辺の街路樹はことごとく枯れていた。この事件、やはり雷なんかじゃないような気がする。

 新聞社などはサーバーを増設して、アクセス数の増加に対応しようとしている。
市場で流通しているサーバーの数など知れたもので、少ないサーバーを巡って争奪合戦になったらしい。
勝敗の見分け方は簡単だ。閲覧しやすいサイトは勝った新聞、負けた新聞のサイトには繋がらない。
 ある新聞社のサイトに、公共放送のアンテナ倒壊現場の写真と解説記事が掲載されていた。
倒れた塔に巻き込まれて多くのスタジオや建物が壊れた。復旧までどの位かかるのか見当も付かない。
瓦礫の撤去と並行して生存者の探索が進められているそうだ。ゾンビが発生したとしたら、ここだったろうか。
だとしたら恐ろしい話だ。職場からそれなりに近い場所である。

 海外ニュースのページに目を引く記事。ついに大陸パイプラインが開通した。
これまで大陸で生産した石油は港までタンクローリーで運ばれていた。これでは輸送量に限界があるし、
タンクローリー自身も石油を消費するから効率が悪くて仕方がない。だからパイプラインの建設は
急がれていた。着工から4年、テロ攻撃やドラゴンによる襲撃などで建設は遅れに遅れた。
しかしとうとう開通したのだ。実に喜ばしいニュースなのだが、日曜日の事件でかき消された感がある。
まあ何にせよ、これからは国内の様子もかなり変化するだろう。

 本土に石油化学工場が復活するかもしれない。多くの自動車を動かせるだけのエネルギーが確保される。
電気にせよディーゼルにせよ大型トラックが多く使えるようになるから、宅配便業界には福音だ。
ずっと休止状態だった鉄道の未電化区間が復活する可能性がある。地方活性化の救世主になるだろうか。
船舶の運行数も増えるだろうから、大陸産の食料が入手しやすくなるはずだ。大いに期待が高まる。
まさに石油パイプラインは我が国の生命線である。

しかしながら、パイプラインは破壊活動に弱いという問題がある。テロ攻撃を仕掛けられると
復旧するまで石油の輸送がストップしかねない。復旧するまでは国内の備蓄で凌げるとしても、
治安の維持がこれまで以上に重要になってくる。国内、それも首都であれほどの事件が起こるのだ。
大陸ではどんな状態になっているのやら。情報の統制は非常に厳しいという。
しかしフロンティアの希望を求めて大陸に渡る人は年々増加している。案外、平和なものなのかもしれない。
757日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:49:20 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 水曜日

 試験部でもミーティングがあった。矢臼別での試験では石室で特性を調べていたものが使われる。
しかし外装やマウントなどで場に与える影響が変わる可能性があるので、出発までに一定の試験を
行なうそうだ。という事は魔法の使い手が会社に来るという事だ。それがロキならばありがたい。
統一理論に関する質問などもできるかもしれない。

 日曜日の事件関連の新情報は無かった。被害の軽かった民放3社の復旧見通しくらいだ。
冨士テレビの復旧には1〜2ヶ月、ニッポンテレビは2ヶ月以上、東京テレビは2〜3週間かかるという。
という事は、北海道から帰ってくる頃には一応テレビが見られるようになっているわけだ。
被害の大きかった公共放送、テレビ日の出、TKBSの復旧見通しは未だ立っていない。

 先週話題になっていた「プス・サイギツム」。その驚愕の正体は……くらげだった。
それにしても直径100m以上のカツオノエボシとは、なんとも珍妙な光景だったろう。早速ネット上で
この話題が盛り上がりを見せている。そのあまりの正体に脱力したという反応が多く、とげとげしい雰囲気が
多少なりとも和らいだ感がある。ベトナム戦争中のアポロ11号みたいな……いやちょっと違うか。

 しかしながら新聞社のサイトによると、怪物退治は以外と手こずったらしい。
当初は生け捕りを考えたが、網で引っ張ろうにも大きすぎて網に収まらない。仮に網で引っ張れたとしても、
何かの拍子で網に切り刻まれかねない。組織を採集しようにも触手の海に突っ込むのは勇気が要る。
現に、電気クラゲに刺された事があるという漁船の乗員が一人、パニックに陥ったという。
短波無線で本国とも相談した挙句、最終的には銃砲撃で穴だらけにして「撃沈」したそうだ。
それでも一応、組織の採集は行なわれた。冷蔵保存してあり、1週間程度で本国に持って帰って来るらしい。
 なお、「撃沈」の様子は録画されており、その映像を現地住民に上映する事で現地住民と我が国との
信頼関係を強固にするのに役立ったという。ひょっとしたら海自のサイトあたりでも公開されるのだろうか。
海自のサイトも美味くて無駄の少ない料理のレシピだけじゃない。動画ギャラリーだって充実しているのだ。

 もし「プス・サイギツム」が何かの拍子にバラバラにでもなったら、と考えてみた。
カツオノエボシはクダクラゲの仲間で、群体生物だという。バラバラになった個体に再生能力があるのか
分からないが、再生した無数のプスが海流に乗って日本沿岸に漂着したら……などと考えるとぞっとする。
この世界の海は、元の世界よりも栄養が豊富である。そんな環境でプスの大増殖が起こったとしたら、
その海はさぞや愉快な光景になるだろう。……あたり一面ゼラチン質の海。冗談じゃない。

 今まで我が国が生き残ってこられたのは、この世界の豊かな海の幸のお蔭と言っても過言ではない。
それは豊富なプランクトンに裏打ちされた魚の多さであり、海の高位捕食者をも漁獲してきた結果である。
もしもそこへ再生能力に長けた食えない捕食者が多数現れたら、漁獲量は間違いなく激減する。
 この間の抜けた怪物の存在は、場合によっては我が国の存亡に関わるものになるかもしれない。
たかがくらげ、されどくらげ。油断のならない相手だ。今後の研究が待たれる。
758日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:50:31 ID:RA1OzUeM
某年 某月某日 木曜日

 昼食の最中に地震があった。震度は3か4程度だったと思う。東京に来て初めての地震だ。
手に持っていた蕎麦の汁がこぼれてしまった。窓を伝う雨を見ながら、実にもったいない事をしたと悔やむ。
その直後、店内が騒々しくなったので何事かと思い横を見ると、小さな髭もじゃの男が騒いでいた。
地震に驚いて店外に飛び出そうとした所を食い逃げ防止のために捕まったらしい。「建物が崩れる」などと
口走ってパニックに陥っていたようなので、とりあえず水を飲ませ、よく話して聞かせ、なんとか落ち着かせた。
良い大人があんな程度の揺れで、何たる醜態だ。

 農地襲撃事件で交渉を重ねていた「トラッシュボータム公爵領」は、西大陸自由連邦に参加する方向で
決着したそうだ。同国は今後、我が国の庇護の下で農業や行政の指導を受けつつ発展を目指す事になる。
要するに一定の自治権を保障された一種の属国化であり、我が国と他国との緩衝ゾーンとしての役割もある。
外交防衛権を奪うような保護国化は、我が国の防衛資源にとって好ましくないと判断されているらしい。
連邦を構成する各国には友好国として我が国のためにも役立ってもらう事になる、という訳だ。

 連邦の各国には技術指導員として数多くの日本人が定住している。
今の所は上手く行っているが、内戦や反乱が起こった場合には邦人保護など面倒な事が起こりかねない。
むろん考えられる限りの予防措置は取ってあるらしいが、詳しい内容は分からない。田中の話によると
反乱は人心を掌握する事で起こさず、内戦の危険は早期交渉と我が国の介在で抑えるのだという。
まあ、こういった所がお役人の腕の見せ所といった感じなのだろう。

 まあ当面は農業指導や医療環境の整備などで人心を引きつける事はできるだろう。
しかし貴族や大地主などの旧支配層をどうするか、現地に実情に応じた対応が求められる。
これまた田中の話によると、有能な人材は開発会議に参加させ、無能力者には○○監督官だとか
適当な役職を与えて、どうでもいい書類仕事をして頂くというパターンが多いという。

 寝る前にもう一度ニュースサイトを確認したら、穏やかでない速報記事が載っていた。


―― 自由連邦北西部で大規模戦闘 ト公爵領への干渉か ――
  ―― 自由連邦から我が国に対し援軍要請 ――
 トラッシュボータム公爵領の参加で領土を拡大した西大陸自由連邦の北西部で
○月○日の午前9時頃、大規模な戦闘が発生した。
ト公爵領の連邦参加を理由に、神聖バルク同盟軍が侵攻してきたものと見られる。
連邦軍はこれに対し防衛戦闘を行なっているものの、苦戦を強いられている模様。
 ○月◎日の午後3時、戦闘発生を察知した連邦は我が国との防衛協定に基づき
現地の領事館を通じて、我が国に対し自衛隊の出動を要請した。
同日午後5時、政府は臨時閣議を招集し、明日には出動を決定すると見られている。
彼我の兵力など詳細な情報に関しては、両国間で情報交換が行なわれている。


 連邦が自衛隊の出動を要請したという事は、邦人在住区から離れた場所で戦闘が起こっているのだろう。
現在は連邦軍が防衛に当たっているが、寄せ集めの軍隊では士気が低いのか、劣勢のようだ。
しかも戦闘発生の日時は昨日である。伝令が情報を持ってくるのに時間が掛かったらしい。
だが自衛隊による援軍が到着すれば、その近代火器の威力で敵を撃滅できるはずだ。
それまで持ちこたえていて欲しい。もし民間人にまで大きな被害が出るような事態になれば、彼らはその原因を
連邦への参加に求めるかもしれない。そうなれば我が国に対する感情だって害される事になるだろう。
759日記より ◆im0Hwg82eM :2009/07/02(木) 19:53:16 ID:RA1OzUeM
投下終了です。一応、完結までの大まかな道筋は決まりました。
エピローグにかまけてたら時間ばかり過ぎてましたorz
760創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 20:31:28 ID:hR91aXNx
もつ
761創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 21:03:19 ID:Ef9WIehS

盛り上がってまいりました
762創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 22:20:42 ID:7UoGMhRT
投下乙です。
続きに期待期待。
763創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 01:06:38 ID:zxUZfCUY
投下乙!
じわじわと侵食してきた非日常がついにやってきたな…
なんか二十世紀少年おもいだしたよ
764創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 01:48:38 ID:Hu4KV471
>紐糸日記
>Date: 2009/07/03 01:10
>「オリーシュはオリ主でなく固有名詞だと何度言えば! ええい許さん、チャーハンぶつけんぞ!」

これは例のアレへの皮肉か?
765創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 01:50:06 ID:Hu4KV471
誤爆スマン
766創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 03:20:50 ID:lHmSNKGf
>>765
ええい許さん、チャーハンぶつけんぞ!
767創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 08:07:50 ID:gsvoJFw7
>>759
たしか、東京のテレビ放送は全局東京タワーでしょ。
そして、鉄塔に雷がいくら落ちても倒壊は有り得ませんよ。
側雷でも、電気は鉄塔表面を伝って地面に逃げて終わりです。
ラジオ全滅も有り得ません。
文化放送は埼玉県川口、TBSは埼玉県戸田、ニッポン放送は千葉県の木更津
これ以外も、範囲の狭い雑多なFM局はかなり存在します。
768創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 08:15:02 ID:2M3fMFhE
雷が来たなら暴風雨が来たと考えればまだましか
769創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 08:19:10 ID:aSTtQeLs
>>767
そう、だから雷で倒れたのではない事を暗喩している。
つまり中に入ってきた人たちの魔法によるテロだとね。
770創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 12:19:13 ID:iGOX5n+U
投下乙
「インベーダー」「盗まれた街」のような
古き良き時代のアメリカ侵略テーマSFを彷彿とさせる雰囲気がgoodです
主人公の時間感覚の変異、謎の存在の記憶操作(?)
魔法理論は既存の科学体系とは違う、詩歌のインスピレーション(霊感)のような
「言葉には出来ないが、判る人には通じる」ような仄めかし

パズルのピースが全部そろったときの驚きを見せてくれることをwktkして舞ってます
771創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 13:27:16 ID:PTSBkgCI
暗喩は暗に言うや遠まわしに言うという意味ではなく
「〜だ」の形で断言した例えに近いんだが……
772創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 15:34:55 ID:gsvoJFw7
>>769
技術者なのに、電気の基礎的な知識も無いのが問題でしょ
773創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 17:03:36 ID:aSTtQeLs
>>771
そうかそれはすまんかった、訂正する。

>>772
何を言いたいのかわからない。
落雷による倒壊という公式発表に対して、>>755では疑問を呈している表現になっている。
作品読んでる?
774創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 20:36:02 ID:gsvoJFw7
>>773
お前こそ読んでるか?
雷程度で鉄塔が倒壊するのを認めてるんだよ。
775創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 20:59:15 ID:aSTtQeLs
>>774
えーと、>>755には
>  短時間でこれほど多数の落雷被害が出るというのは、あまりに異常な事態だ。
> それに落雷だけで頑丈な構造物が倒壊するだろうか。最初に雷が落ちるのは塔などの先端部分である。
> 塔が倒れたなら構造の下の方や途中の部分が損傷した訳で、その点が不可解である。

> 自分にはやはり敵の仕掛けたテロという説が有力に思われるが
とあるんだ。
これは雷程度では鉄塔は壊れないんじゃないかっていう意味なんだよ。
俺が読み間違っているならゴメンね。
776創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 21:09:48 ID:wIf29ASY
うぜえ
例外は作者のブラフかもしれないだろ
777創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 22:44:35 ID:gsvoJFw7
>>775
だから、鉄塔が側雷程度では倒壊なんぞせんって言ってるじゃん
鉄塔の倒壊自体に疑問を持たなきゃ可笑しいの
例えコンクリ建造物でも、倒壊する程のダメージは負わないしな
778創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 22:53:51 ID:aSTtQeLs
>>777
つまり鉄塔は雷で倒壊したのではなく、魔法で倒壊したと俺は読んだよ。
倒壊そのものに疑問を持つ必要はないからね。
779創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 23:00:39 ID:VQHaasHT
登場人物の思考に自然も不自然もありゃせんがな
780創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 23:07:59 ID:wIf29ASY
今振り返ってみればSSにずっと粘着してたのってID真っ赤にしてる上みたいな
一人?の書き込みだけだったんだよな

久しぶりに中断してたの再開でもしようかね
日記の人がんばれ
781創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 23:25:45 ID:K96cUnMu
> 塔が倒れたなら構造の下の方や途中の部分が損傷した訳で、その点が不可解である。
これを「雷で倒れるとしたら側雷なんだろうけど、普通は天辺に落ちるよね?変だね?」と書いてると見るか
「塔が倒れるなら基部が破壊されてないといけないけど、天辺に落ちるわけだし(側雷でも壊れるはずは無い)
つまり雷で壊れるなんてありえない」と書いてると見るかだが

正直どうでもいいと思う
「塔が雷で倒れる事はありえない」んだし、文章もどっちとも取れるんだから
>>777はもう必死に噛み付きすぎでそろそろウザい
782創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 00:08:50 ID:tNj6rNBH
>>781
お前が俺に食ってかかってるだけだろ。
主人公は雷で倒壊したと聞いて、それを疑問に思ってないよね。
天辺に落ちたら倒壊しなかった的な
雷程度では倒壊するわけがないのに
783創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 00:12:19 ID:w9V2CgKd
え。
784創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 00:13:05 ID:eIW5TJXa
お前は読み違えをしている
一行一行細かく読んでみろ
785創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 00:47:55 ID:n0nYCuUx
>>782
>>773

>天辺に落ちたら倒壊しなかった的な
そんなもの書いてねえよ、普通雷は塔の頂上に落ちるだろうとはあるがな
786創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 01:23:31 ID:MWJbxknd
雷魔法でアンテナ、電波塔が破壊されましたは
魔法tueeee的ではあるが十分アリだと思う。が
日本の放送局の震災対策を知っていれば
中継車や仮設機材で半日で放送再開する、と考えるだろ。常識的に。
787創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 01:35:58 ID:w9V2CgKd
資源不足で仮設機材を潤沢に用意できるような世相でもなさそうだがね。
よしんば機材があっても運べない、すえつける為の鉄塔が無いんじゃどうにもならん。
近傍のビルか何か借りるか?

しかし、本当に小説読むのに向いてない人いるなあ。
788創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 01:47:54 ID:MK7hM8fy
>主人公は雷で倒壊したと聞いて、それを疑問に思ってないよね
疑問も何も、倒壊したのは事実だからだろ
倒壊の仕方も倒壊することもおかしいから「敵の仕掛けたテロ」と思うって文章だろうに
789創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 01:48:35 ID:9s2h6uPm
久しぶりに見に来たけど、相変わらず荒れてるなぁ
790創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 02:58:37 ID:AMoXZ3VH
国語の成績が1だったようなやつの相手するなよ
791創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 03:51:52 ID:tNj6rNBH
面倒くさいけど、ちゃんと書いてやるよ。
>最初に雷が落ちるのは塔などの先端部分である。
>塔が倒れたなら構造の下の方や途中の部分が損傷した訳で、その点が不可解である。
>塔が倒れたなら
>塔が倒れたなら
>塔が倒れたなら
この考えが駄目なワケ
雷で鉄塔が倒れるなんて、有り得ないと考えなきゃ可笑しいのね。
わかった?
792創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 04:26:32 ID:ePriDlJw
SSの中では鉄塔が倒れたという事実が既にあるわけ。
そして原因は雷であるという公式発表がされたという事実も。
それを踏まえた上で、「雷で倒れたというのはおかしい」と疑問を呈してる文章になってる。

合ってるか間違ってるかは別として、実際に起こった事象を提示されてる状態。
そしてその事象に対して疑問を持った場合、まっとうな科学者・研究者ならば、「不可解だから調べてみよう、検証してみよう」というのが普通。
「〜はありえない」という結論ありきの思考はまずしない。

そういう結論ありきの考えは、研究や開発によって新しい理論や物を作る科学者や研究者ではなく、問題解いて点を貰う学生の考え方だね。
793創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 04:26:56 ID:fJ/hdDrI
投下マダー?
794ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/04(土) 04:35:54 ID:jjQSI5KC
小国の苦悩 第十話
「帝國について、分かっている事は多くありません」
外務担当のロスピエール伯爵はレジメをぺらぺらとめくる。
ゴンザレス王国王城ゴンザレス城の会議室には(農作業を中止して)複数の閣僚が集まっていた。
「商人からの曾孫聞きですが人口は1億」
「1億か・・・人口だけでも相当な大国だな」
ロドニー男爵はそう感想を述べる。
「そして」
ピエール男爵は続けた。
「帝國の皇帝家の治世は2600年以上に渡るそうです」
「2600年・・・と言うと古代魔道帝国より前か?」
「神話時代に食い込みますな」
「とんでもないな」
重鎮の何人かがコソコソと会話する。
「帝國の発表では、皇帝は神の血統だそうです」
「これはまた大きく出ましたな」
「2600年だとありえなくも無いですが」
「ゴホン」
ピエール男爵が咳払いをして再び話し始める。
「ご存知の通り帝國は強大な軍事力を持って大陸東海岸に上陸、各国を次々に制圧しております」
「帝國軍の発表では常備兵力500万、その内ローデリア攻略に50万の兵力を当てています」
大国ならば幻影魔法で、映像資料等が映されるのだろうが、極小国であるゴンザレスにはそもそも魔術師など居ない。
「うちの常備兵力は?」
国王ゴンザレス5世が隣に控えていた騎士団長ピエール男爵に尋ねる。
「・・・現行で騎士を除いて8人です」
ピエール男爵は言いずらそうに答えた。
そう、この世界の軍備には致命的な問題がある。
兵士というのは基本的に農民を戦時に徴兵して編成するものであり、常備兵力は極めて少ないのだ。
大国ですら10万も常備兵力が居れば軍事大国といわれる。
「まぁ、ウチみたいな小国と事を構える程暇でもなかろう。それで・・・」
ゴンザレス5世は楽観的に言った。
「アルフォンス伯爵、帝國の要求について頼む」
795ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/04(土) 04:36:42 ID:jjQSI5KC
「既に皆様方に報告されてると思いますが帝國は我が国に次の様な要求をしています」

1.帝國との通商条約締結
  基本的に帝國の要求する物の輸出を最優先とする。
2.帝國を盟主とする軍事同盟への参加
  大陸の恒久的平和の為、帝國が結成した『帝國世界連合』参加。
3.領内での帝國軍による軍事施設の建設と、軍事行動の容認
  帝國軍の作戦行動の円滑化のため、軍事施設と作戦行動の容認。
4.鉱山等の所有権の移行
  鉱山等の所有権は国営・民営を問わず一時的に帝國保有とし、必要と判断された場合は帝國が適正価格で買い上げる。それ以外の場合は返却する。

「帝國は勢力下の全ての王国にこの要求を行っています」
「まぁ妥当な所か」
ロエニー伯爵が呟く。
傲慢な要求だが、大国が小国に要求する物としては、貢物が無い分穏当とも言える。
「なぜ鉱山の条項が入っているんですかね?」
「鉄が足りないのかも?」
「帝國の船は全部鉄で出来てるらしいですからな」
「沈むんじゃないかそれ?」
「無知な奴だな、魔法だよ魔法」
「ゴホン」
ピエール男爵が咳払いをして再び話し始める。
「それと、非公式な話になりますが・・・」
「非公式?」
ロエニー伯爵が頭を捻る。
「はい、非公式にダークエルフの人権保護を求めています」
「ダァクエルフゥ?」
ピエール男爵は素っ頓狂な声を上げた。
「何でも、五族協和は僕らの理想とか言ってましたが・・・」
「なんじゃそりゃ?」
「人間、エルフ、ドワーフ、ダークエルフ・・・後一つなんだ?」
「さあ? リザードマンとか?」
「まぁ、どうせダークエルフが住み着くほど広くないし関係あるまい」
「えー、では議決に移りたいと思います。帝國との条約締結に賛成の方の挙手を・・・賛成多数で本案は可決されました」
全員で拍手。
「では本案について国王陛下からのご承認を」
「ほれ」
ゴンザレス5世は教会から授けられた国王印を書類に押す。
「これで全て成立いたしました!」
再び全員で拍手。
ここでピエール男爵が立ち上がる。
「さて次は騎士団の拡大の提案を」
「却下」
ロエニー伯爵がすぐさま切り捨てる。
「・・・騎士団を拡充しなくては・・・」
「どうせ周辺国全て帝國の属領ではないか」
「・・・」
ピエール男爵が目に見えてションボリする。
こうしていつも通り軍事費の増加は抑えられ、ゴンザレス王国は僅かながらも黒字経営を続けるのであった。
796ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/04(土) 04:37:37 ID:jjQSI5KC
gdgdなスレにgdgdなSS登場

どこかの借金大国と違ってゴンザレスは黒字経営!
797創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 04:59:57 ID:fJ/hdDrI

ピエールアキラメロン
798創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 05:36:05 ID:h+FQ5aQO
開き直ったような国家経営がステキだ
799創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 07:04:00 ID:C01TysH5

ちゅるや日本では白エルフも保護対象なのかな?

他には獣人 ホビット 人魚 魔人とかか?
800創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 08:42:46 ID:h4Qa3oti
>>791
マジキチきめぇwwww
801創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 11:15:01 ID:ERz834Jh
>>794
投下乙
外務担当が「ロスピエール伯爵」で
騎士団長が「ピエール男爵」でOK?
802創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 11:41:09 ID:w9V2CgKd
>>795
投下乙。
小国ゆえに堅実で冷静だw
803創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 14:28:43 ID:C01TysH5
>>794

8人なら戦車一台で充分じゃないか

むしろいらない自走砲か装甲車で充分
804創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 15:25:32 ID:5mEom9qe
>>803
4人乗り戦車で2台
5人乗り戦車だと3人余るな
805創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 16:04:28 ID:rMZ/C3Wi
>>791
すげぇ……マジもんは初めて見たぜ……
>塔が倒れたなら
その考えは後に書いてある、
>不可解である。
で否定されているのに日本語通じない人って本当にいるんだなあ
806創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:55:08 ID:i+4h4HII
ゴンザレス王国の規模って「風の谷」と同じくらいと考えればいいのか。
807創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 19:22:49 ID:4s6r8/vD
おまいらもう許してやれよwww
808創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 19:52:22 ID:4s6r8/vD
(´・ω・`)
とりあえず本日分までまとめ完了
漏れがあれば通報して下さい
809ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/04(土) 20:27:21 ID:jjQSI5KC
乙です
>>715で小国の苦悩9話の修正があるので、出来れば反映してください(ノゝω・`)~☆キラッ
810創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 20:29:24 ID:kUfHpeqF
    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 !-'   
    |┃     |    ='"     |    
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-    
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    ガラッ
811創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:30:08 ID:jjQSI5KC
スターリンがファンタジー世界に召喚されますた?
812創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:51:24 ID:id0ZCQs6
昔いたな
突発的にスターリンAA貼る人
813創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 02:57:36 ID:TxpYY9Py
「ぬぅ! ここはどこだ!?」
目が覚めると暗闇の中に居た。
ベットで寝ていたはずだが・・・。
「ベリヤ! ベリヤはおるか!」
辺りは静まり返っている。
「ぬぅ! 誰か! 明かりを持て!」
誰も答えるものは居ない。
「・・・フルシチョフが裏切ったのか・・・? いやベリヤが見逃すはずは・・・」
ここである結論にたどり着く。
(ベリヤとマレンコフ・ブルガーニン・フルシチョフ全員が裏切りワシを幽閉したというのか?)
なんとしてもここを脱出し、裏切り者共を抹殺しなくては!!
手探りで暗闇の中を進んで行く。
しかし終わりの無い闇がいつまでもあたりを包んでいた。
「どこなのだここは!」
モスクワ近郊にこんな広大な施設は無かったはずだ。
暗闇を当て所なくさ迷うが、出口らしきものは何時まで歩いても見えない。
悪態をつきながら歩き続ける。
ふと、小さな明かりが遥か向こうに見えた。
急いで駆け寄る。
出口だ! まるで闇の中にポッカリと口を開けるように光が見える。
(ベリヤめ!散々恩を受けておいて! ここを出たら拷問の末に殺してやる!)

外だ!
光の中に駆け込む。

「ぬう? ここはどこだ?」
洞窟を出ると、そこは森の中だった。
「はて? 3月だと言うのに雪が無い・・・」
どこだか分からない。
ロシアではないのか?
それとも8月頃まで意識がなかったのか?
なぜこんな所に?
様々な思考が頭を駆け巡る。
そして彼が歩いて行く先には小さな町があった。


魔王スターリン。
赤帝国を建国し、世界の半分を血と鉄で支配した魔王。
王国暦1121年に勇者1行に倒されるまでに1500万人もの人民を虐殺、8000万人を強制収容所送りにした恐怖の独裁者である。
後の世界史に多くの影響を残した人物ながら出身地や素性などは全く不明である。
一説によれば魔界から召喚された悪魔だとも言われるが、魔術師協会の調査により否定されている。
814創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 03:06:19 ID:TqtEGE+Y

AA貼った本人だけど、キラッの返しのつもりで貼った。後悔はしていない
815創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 03:14:32 ID:TxpYY9Py
    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,>,〈  ヒ''tュ_  i;;;;| 〜☆
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 !-'   
    |┃     |    ='"     |    
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-    
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    キラッ
816相手してやるじょ:2009/07/05(日) 06:37:09 ID:nRAZgOj4
>>792
既知の物理現象を否定して良いのは、追試を重ねて
それを確認した研究者と、無邪気な子供だけだよ。
"有り得ない"は結論じゃない、"別の何か"と考える切欠だ。

雷との発表が有って、それを雷ではない
別の何かと見なければ可笑しいと言ってるの分かる?
雷ではない、電気とは違うとね
817創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 09:58:57 ID:Yl25Mc+6
>>816
相手しなくていいから、とりあえず本文読んどけ、な。
818創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 10:07:51 ID:E+nFREyi
>>816
君、内申書に人の話を聞かない
または読解力に問題があると書かれたことあるんじゃない?
819創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 10:31:20 ID:k6kLMW5g
>>816
そう、つまり雷ではなく攻撃魔法によるテロだったんだよ!
わかってるじゃないか。
820創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 10:58:25 ID:0LY0W5U6
なんか「自分の言ったことは間違ってないと思い込んでるから意地でも反論し続ける」な状態になってるな
821創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 13:13:22 ID:TxpYY9Py
    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,>,〈  ヒ''tュ_  i;;;;| 〜☆
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{   いい加減スルーしないと
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}  シベリア送りだぞ♪
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 !-'   
    |┃     |    ='"     |    
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-    
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    キラッ

822創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 14:15:23 ID:M4qP2tX+
ど、同志スターリンウラー!
823創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 19:56:14 ID:9CZd0obi
そもそも雷だろうがテロだろうが此処は素人の妄想戦記を垂れ流す場所であって……
と、説教の1つでもしてやろうかと思ったらスターリンが来たwww
シベリアはマジ勘弁してくださいwww
824創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 03:45:00 ID:XGu45ODh
スルー推奨
でも>>823、すぐに素人の妄想って逃げるのはそもそも卑怯だし、
今それを言うのはちょっとずれてるよ。
825創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 09:15:26 ID:hRT9RY51
>>820
2chで顔を真っ赤にして
PCの前でエキサイトしている連中に
共通の症状だなw
826創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 13:29:07 ID:X48beVmC
子供の喧嘩だな
827創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 13:47:13 ID:9DguSL2i
喧嘩ってか一人で馬鹿さらしてるようにしか見えんがw
828創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 13:50:08 ID:fQWBkPdL
今頃>>791は顔真っ赤にしてるんだろうな
829創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 14:12:29 ID:X48beVmC
スルーできない時点で同罪
と言うわけでスルー汁
830創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 14:33:29 ID:9DguSL2i
>>826で煽っといてそんなこといわれてもなw
831創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 14:38:36 ID:X48beVmC
煽られたと感じるのは当事者だけだぜw
832創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 15:09:14 ID:9DguSL2i
スルーしろと言う割に本人がスルーしないのはなぜなんだぜ?
833創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 15:23:10 ID:X48beVmC
雷論争で騒いでるのをスルー知ると言っただけなんだぜ?
834創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 18:59:57 ID:2miv4cq+
    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     _________
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 .!-'   /
    |┃     |    ='"     |    <   うっとおしいので全員銃殺
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     \ 
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     \
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    ガラッ
835創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 19:56:28 ID:sNhTjfgg
こまけぇことはイイと同志が仰っている
836創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 22:00:37 ID:X48beVmC
同志がそこまで言うなら勘弁してやろう!
決して銃殺とかシベリアが怖いわけじゃないんだからね!
祖国への忠誠心なんだからね!
837創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 22:48:03 ID:fQWBkPdL
一人で何回も書き込んでいるのがいるよ
まさか上のと同一人物じゃ…うわぁ
838創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 23:03:43 ID:X48beVmC
>>837
どうしたね同志
書き込み回数位で今更何を驚いてるのかね?
839創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 01:32:17 ID:xEyNh6HB
投下マダー?
840創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 06:29:30 ID:PIzhI2La
なんか半端なく痛々しいやついたみたいだな
841創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 13:39:26 ID:vNtvxBSJ
なぜここまでgdgdに荒れてるんだね同志諸君?
悪質なサボタージュシベリア送りではすまないよ?
842501隊大尉:2009/07/07(火) 23:43:33 ID:qNzvvEt6
>>841

シベリアでかき氷喰う猛者もいるから

ウイグル送りが妥当では?
843創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 01:23:46 ID:Hw7DMfi4
            , -.―――--.、
           ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
          .i;}'       "ミ;;;;:}
          |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
          |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
          |  ー' | ` -     ト'{
         .「|   イ_i _ >、     }〉}
         `{| _.ノ;;/;;/,ゞ;ヽ、  .!-'
           |    ='"     |
            i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {
          丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ
.       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
   ,〜〜|    人民的に考えて     |
  / :::::::::::|  つまらない煽りをした奴は .|__
  / :::::::::::::|.                 rニ-─`、
. / : :::::::::::::|  東部戦線の最前線送り `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、                   |二ニ イ
. | ::/ .-─┬⊃ ただし銃は2人で一丁   |`iー"|
.レ ヘ.  .ニニ|_____________.|rー''"|
〈 :::::\_ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: /::::::::::::|
844創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 03:27:06 ID:qL7WQemY
もしくは徒手空拳で地雷原ピクニック
845創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 05:10:19 ID:dH+lhrzM
ネタが無いとスレが面白く無い・・・職人さんマダー?
846創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 21:09:18 ID:Hw7DMfi4
            , -.―――--.、
           ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
          .i;}'       "ミ;;;;:}
          |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
          |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
          |  ー' | ` -     ト'{
         .「|   イ_i _ >、     }〉}
         `{| _.ノ;;/;;/,ゞ;ヽ、  .!-'
           |    ='"     |
            i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {
          丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ
.       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
   ,〜〜|    人民的に考えて     |
  / :::::::::::|                   .|__
  / :::::::::::::|. 845を人民作者に任命するrニ-─`、
. / : :::::::::::::|                  `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、                   |二ニ イ
. | ::/ .-─┬⊃  と言うわけで書け     |`iー"|
.レ ヘ.  .ニニ|_____________.|rー''"|
〈 :::::\_ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: /::::::::::::|
847創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 11:45:40 ID:oodxooR0
ファンタジー世界で共産主義が広まる可能性・・・ゴンザレス王国では「国家規模が小さくあまり過酷な環境でなかったから」失敗したけど

ロシア革命や戦後中国のように広まった可能性もある訳で
特に農奴制とかやってる「日本が国ごと召喚」のユグドラ帝国は日本と衝突始まってからがやばい気がする

戦時になれば働き手を無理矢理動員し税が増えるってのは不満による反乱フラグだから
しかもその不満を緩和すべき宗教や思想が「新しく作ってる最中」みたいだし
そこに共産主義的思想を「噛み砕いて指導出来る存在」が現われたら・・・オワリ
ぶっちゃけ「革命に参加する全ての人間が共産主義を理解しなくてもいい」訳だし

でも最終的に国家を経営する為にはインテリが必要になる訳で・・・ここが大きな矛盾点になるんだよね
本当のインテリってのはリアリストじゃないとやっていけない訳だから
848創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 11:53:18 ID:thNMpR8o
>>847
平等的でない共産主義なら100年は体制持つかもよ
従来の貴族の地位に国家公務員(官僚)が座る
日本の近所にあるでしょ、あそこw
849創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 17:09:34 ID:f3LPPopx
>>848

日本の近所って変態ばっかだもんな

日本(東洋の英国)
北(地上の楽園という名の社会主義)
台湾(中国の傀儡自治国)
韓国(全体主義、半億人総右派)
露国(プー○ンの情報操作)
豪国(自慰映画で日本が悪役、鯨以外は食わずに殺す)


転移してもマトモな国がない(皮肉にも日本は自立した国に)
850創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 17:46:15 ID:DKpaKlt/
しかし日本も別方向で変態だというオチw
851創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 19:30:48 ID:CTqoNtUM
逆に『変態でない極普通の国家』ってのはどんなんだろう?
852創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 20:01:39 ID:oodxooR0
>>849
でも、小国の苦悩世界だと 半島と台湾は来てるっぽいよ
「一億」って本土だけでなく半島や台湾 それに満州も含めた数字だった筈

まあ「サバ読んだだけ」って可能性もあるけど
853ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/09(木) 21:31:40 ID:+wRJa+cb
思いっきり、鯖読んでます。
1億は転移前の人口ですね。
戦後に分割された海外領土は基本的に来てません。

海外領土を失い、本国民の数が増えたのに領土は減ったので帝國は空前の人口密度状態ですね。
新たに獲得した領土も技術漏洩を恐れて国が日本国民の国外移住を許可しないので資源採取のみです。
そのためバブル期を上回る再開発が国主導で行われてる真っ最中ですね。経済対策も兼ねて。
854501隊大尉:2009/07/09(木) 22:36:39 ID:f3LPPopx
>>851

それこそヘタリアに出てこなさそうなキャラのない国
例えばアルゼンチンとかデンマークとかニュージーランドとかモンゴルとかタイ
(反対運動で民間飛行場が無事なのは日本位)とか

くろべえ世界みたいにキャラのある国は大国か天然な小国位

キャラのない身をわきまえた国は日本と冊封を結ぶ筈

護衛艦は停泊してるだけで「鋼鉄の城ゴーエイカン」として歴史書に載せられる

意外と、ちゅるやワールドは現実味があります
軍事・技術大小国に囲まれすぎて感覚麻痺してるんですよ日本も韓国も

ゴンザレスさんはシーランド君を中年紳士化した感じかな?
855創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 00:05:27 ID:hFjgqFS0
ちゅるやさんワールドだと戦艦はどんな扱いなんだろ
分家の有名な奴だと「後生大事にしまいこんでます」だけど

海軍力が隔絶してる世界に転移した場合、戦艦は燃料問題で動かさなくなりそうですが
ぶっちゃけ外交カードは早めに切っておくべきかなと・・・維持問題もあるし
どうせ予算や資材、人員を他にまわさなきゃいけなくなるならさっさと使い潰した方が言い訳で
沿岸の国などに「表敬訪問(と言う名の圧力)」かけたり観艦式やって思いっきりぶっ放させた方が良い
(ファンとしては)沿岸要塞の一つや二つ粉砕してほしいですが・・・巡洋艦や艦爆、艦攻に出来る仕事っぽいですし


海軍力が隔絶してるから・・・燃料問題改善しても空母はともかく戦艦は無くても巡洋艦で十分って事になるでしょうし
本当は駆逐艦でも良いんだけど移動司令部としての機能を考えると巡洋艦は必須ですから



「ゴンザレス王が観艦式(または富士演習っぽいもの)行って来ました」とか見てみたいですが
国家としてのランクが「(少なくとも初期は)あってもなくてもどうでも良い」だから招待状とかもらえないだろうなー
軍事力を見せつけ政治を有利にする為に大国には招待状ばら撒きそうですが
856創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 01:25:45 ID:UbOAf0tk
とりあえず送るんじゃないか?
ほとんど民衆と変わらない席だろうが
857創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:41:53 ID:MQiNDuAJ
>>855

分家の有名なのって、くろべえ氏のか?
あれなら一応戦艦動いてるぞ
本編で1回、外伝で1回出てきてる
858創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 18:15:23 ID:wS8DySdJ
ええいお話の投下はまだか!
物語とか日記とか早く投下してくれー!
859創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 18:34:00 ID:hFjgqFS0
>>857
え、使ってたの・・・本編ってどの辺?
860創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 19:16:30 ID:r9TOtdvF
>>859

旧版の方で、ボルドー商人の会合に「比叡」が通りすがったやつですな。
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/01-syoukann/syoukann_4/04-01.htm

外伝では山城がカナ姫の所で反乱軍を吹っ飛ばしている。

他の作品では……
「帝国の竜神様」で扶桑がF世界に出張ったところでエターナル……onz
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1195181534/917-922
861創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 02:48:32 ID:rgeXYByQ
「自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」が書籍化だと……!?
862創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 06:58:17 ID:ytI7fvmj
ぶっちゃけ書籍化する程のクオリティとは思えんのだがなぁ
863創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 07:55:25 ID:kYBJa13B
同じくらいのできの作品は市販品にもよくあるだろ
864創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 09:18:17 ID:u4NCQvnp
>>862
結構上だと思うぞw
ぶっちゃけ、これでよく書籍化出来たなと思う作品がかなりある
865創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 12:54:18 ID:ytI7fvmj
mjsk
うーん、小説はSF位にしか手を出してないから最近の流行はなんともわからんが
世界設定も曖昧だし登場人物に感情移入できなかったし終わり方もしょぼいというかなんというか………

多分俺の頭が堅いだけなんだろうな
866創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 13:25:34 ID:nlSPmVla
挿絵がどうなるか気になるな、やはり
867創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 14:08:47 ID:f7ouCeck
>>865
俺も似たような感想だから安心しる
世界の描写少ないせいで凄く狭く感じるし、登場人物多すぎるせいで掘り下げもできない
クライマックスもないから前半はともかく後半はgdgdでカタルシスのかけらもない

ただ、リアル鬼ごっこほどではないにしても酷いのが結構出版されてるってのも本当
868創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 18:51:50 ID:b1ocep5g
軍事物自体がマイナーだしね。良し悪しはともかくとして売れるかなぁ。
869創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 19:03:21 ID:+SzZM6I0
仮想戦記物は9.11の頃までが最盛期だった希ガス
870創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 19:22:39 ID:l2Y/QO3c
仮想戦記って言ってもそこまでハードなモンじゃないし手軽に読めるから
後は出版社側がどの程度力を入れて宣伝するかじゃないか?
871創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 19:56:21 ID:GkPH8Z+k
そういえば、ここの利用者で実際に書いているのはどれくらいだ?
872創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:28:37 ID:ubswwtBN
ほい
873創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 21:29:54 ID:O7RoC0n4
このスレでは書いてないのでノー
874501隊大尉:2009/07/13(月) 21:36:45 ID:ikrWhkaD
>>871

メアド載せるなよ


分家の、くろべえさんの「帝国召還」の「特務砲術科物語」や「よもやま物語」や「ジャンク」とか

「帝国の竜神様」とか元1だおー、の「メイド戦記」とか

とにかく初代スレから全部読みなさい
875創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 21:50:22 ID:l2Y/QO3c
火葬戦記じゃないのなら書いてる

>>874
お前がなにを言いたいのかが分からない
876創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 22:35:34 ID:PXFy7zbA
ひと月ぶりに来たらもう一週間も投稿ないんか
新作よみてー投下マダー?
877創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 23:09:00 ID:aiCp3aLA
つい最近「斯く戦えり」を読んで仮想戦記モノに興味がわいた俺としては、
あれの評価が低いのは意外だ。
…まあたしかに、素人くさいというかSSくさいというか。
でもそれだけに初心者向けで読みやすいと思うのよ。
俺、軍の歴史とかまるでわからないど素人だし、悪い言い方だけど、ああいう「浅い」のは
ホント助かる。
てかきちんと完結してるだけでも最高すぎる。
保管庫読み漁ってみても、ほとんど未完なんだもんなー…。まあ、ネット小説なんだからしょうがないが…。
878創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 01:11:04 ID:PKPdykMs
「箱庭のメイド達」読んだー。
おもしろかったー。
現実の日本は、あそこまで愚かでないと信じたい。
879創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 01:30:32 ID:iUS6mM7O
安心しろ現実は小説の斜め上だ
880創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 04:12:15 ID:haDDnyZm
仮想戦記モノは「本家」読んでからこっち来たから
「Aくん17の戦争」とか、転移したのは主人公ぐらいだけどファンタジー世界での戦争を理解するには良いかも 未完だけど

後は内田 林 高貫 中岡 羅門かな・・・読んでみると「こんな手があったか」と発見が色々ある
881創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 04:58:42 ID:iUS6mM7O
A君今ちょうど読み返してる最中だったからなんかびびったw
そういやこれ御大の別名義なんじゃないかとか噂あるよな
実際のところどうなんだろ?
882創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 04:59:13 ID:B6lwI0Xv
>てかきちんと完結してるだけでも最高すぎる

完結するかどうかってけっこう重要だよね。
個人的には完結した駄作は完結しない良作に勝ると思ってる。
883創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 06:32:32 ID:H740JJEp
駄作なんてどうせ最後まで読まないんだから完結してないのと一緒だわ
つまらない24時間より面白い5分の方がずっと価値がある
884創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 10:54:40 ID:0x1LlXND
>>883
言ってることが矛盾してるぞ
五分で読めるなら「完結してる」に分類すべきだろ

面白くて続きが読みたいのに読めないのが煉獄
885創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 11:28:42 ID:H740JJEp
どこが矛盾してるのかさっぱり理解できないんだが…
おまいさんが完結してないと面白く感じないってことなのか?

つまらない完結済みより短かろうが途中で切れてようが面白いものの方がいいって話だが
886創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 11:34:34 ID:MsWWrXAW
>>880

羅門の列島大戦は神だと思う

途中から異世界のゲートができてもおかしくはない作り

ただ艦名の設定のセンスが悪いのはしかたがない
887877:2009/07/14(火) 17:47:30 ID:y1bLMMfU
あれだ、完結したかどーだかを面白いかどうかで語るから話がこじれるんだ。
てかむしろ面白ければ面白いほど未完だとムラムラするだよ。
「あー、未完かー。だったらあとは妄想しよっと」ってできる、妄想機関を体内に
内蔵してる人だと苦労はしないんだろうけどナー。
てなわけで帝国の竜神様の続きはまだですか?ムラムラ。
888創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 17:49:22 ID:oa3qMYF/
はっきり言うとつまらない24時間か面白い5分がいいかなんて人それぞれ
まあつまらない24時間なんて俺にとっては
時間の無駄以外の何者でもないが
889創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 18:51:54 ID:ulJAhOkU
じゃあお前の人生は全て無駄な訳だな。
890創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 19:14:29 ID:0x1LlXND
つまらないならどこかで切ればいいだろw
あと、長編小説の大団円とかじゃなくてもショートショートでオチつくのも完結

「おもしろい、でも  
いつ、続きが載るのか判らない」 てのがタチ悪いw
891創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 20:28:29 ID:uNib8cgV
そろそろこの話題もお開きにして投稿待ちに徹しようではないか諸君。
というわけで神(屮゚Д゚)屮 カモーン
892創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 22:20:02 ID:krlUmTJ0
ここまでの流れ

SSに粘着する奴が出る

それにつられる馬鹿が出る

スレがgdgdになる

スターリンAA荒らし

だれも書かなくなった
893創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 23:07:14 ID:AOmnZMqX
            , -.―――--.、
           ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
          .i;}'       "ミ;;;;:}
          |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
          |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
          |  ー' | ` -     ト'{
         .「|   イ_i _ >、     }〉}
         `{| _.ノ;;/;;/,ゞ;ヽ、  .!-'
           |    ='"     |
            i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {
          丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ
.       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
   ,〜〜|    人民的に考えて     |
  / :::::::::::|  つまらない煽りをした奴は .|__
  / :::::::::::::|.                 rニ-─`、
. / : :::::::::::::|  東部戦線の最前線送り `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、                   |二ニ イ
. | ::/ .-─┬⊃ ただし銃は2人で一丁   |`iー"|
.レ ヘ.  .ニニ|_____________.|rー''"|
〈 :::::\_ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: /::::::::::::|
894創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 09:20:22 ID:TFQA3Lfc
>>892

だいたいあってる


元1だおー氏の「自衛隊漂流戦記」がみたいんだが

だれか保存してませんか

895創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 18:24:34 ID:CUnKCyOa
インターネットアーカイブで見れるよ
896創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 18:36:30 ID:HJDo8CMs
ビクッ. ∧ ∧ ∧ ∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) < うおっ、なんかすげえ所に迷い込んじまったぞ、ゴルァ!
     ./ つ つ    \______________________
  〜(_⌒ヽ ドキドキ
     )ノ `Jззз
897501隊大尉:2009/07/15(水) 18:46:06 ID:TFQA3Lfc
>>895

ありがとうございます。

アーカイブは著作権の問題で話だけは聞いてましたが
これほど素晴らしい物とは知らんかった

理想郷のとどくさんのデータが消された後も見れるかも知れないが
お金に利用されたら嫌な気もするが

レンタル同様に個人で見る分にはよい気がする

ひとそれぞれだか
898創る名無しに見る名無し:2009/07/15(水) 23:39:14 ID:mrS1/uSF
投下マダー
899創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 00:20:37 ID:n0sia1Lr
分家の 303さんが連載してる奴 こっちで連載されてる日本が国ごと召喚に状況が似てる
F世界側の軍事レベルも(戦術と竜を除けば)同等みたいだし

でもこっち(日本が国ごと召喚)はチートな島が無い上に「戦わなきゃ現実に」って情勢なのに「戦うのはイヤ」だから
このまま国家が失血死するのを選ぶのかって状況なんだよね

303さんの所の皇国はあっさり「戦おう」ってなったけど
900創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 10:23:12 ID:840iduJN
>>899
まああれは大日本帝国がモデルですから
901創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 20:38:38 ID:n0sia1Lr
やっぱり自衛隊物は「戦力の優勢を政治の無能でイーブンかそれ以下になる」は避けられないんですかね
途中までは転移による混乱を上手く纏めて「有能じゃないかこの政治家」と思ってたのに
結局「打開策?んな物見付からないよー」で死んだのは

まあこの状況では一番穏便なのが「黒船と同じく力による恫喝」で一番危ないのが「武力侵攻」しか無い訳で
相手に「凄いかもしれないけど戦う気の無い腰抜け」と見くびられてる以上は武力侵攻やりそうですが

「軍事は政治の1手段である」とは昔の偉い人が言った言葉ですが・・・「政治あっての軍事」なんですよね

実際に衝突を考察しても
兵站による維持には問題ありますが・・・20万ぐらいの兵力潰すなら2個師団で十分ですから
何せ散兵戦術無いから横隊による突撃が基本で砲は迫撃砲にアウトレンジされるぐらい短射程
自衛隊とは火力の投射弾量の差・・・10:1で足りるかな

第一次大戦に回帰する事になりますが塹壕戦術や戦車を移動トーチカにすれば 絶望的な壁を構築する事は可能ですから
たとえ相手が数十万でも・・・突破は不可能でしょうね、弾切れしなきゃ
902創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 20:42:15 ID:BeSZ1pq4
どう考えても兵站持たないからそういう風になってるんだと思うが
903創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 20:43:15 ID:qpNDNOzB
中共の珍民解剖軍とかソ連の懲罰大隊並みに命が軽くて、
逃げても後ろから督戦隊が追い立てる、てことでもない限り数十万が全滅するまで押し寄せる、てのは考えにくいしな。
904創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 00:18:13 ID:w8Mpkd8V
>>902
一体何がどうなってもたないと? 弾薬備蓄だけで言うなら往年のソ連軍と戦う事を想定して弾薬備蓄してましたから
ミサイル系はともかく銃砲弾は少なくないですよ

実弾演習少ないのは昔から染み付いた貧乏性と演習場が狭いのが原因ですし

>>903
ま、確かに常備軍が正面に出てる間は全滅まで押し寄せるってのは無いかも
戦争が泥沼化して農奴の即席兵とか投入されるようになったら「弾より安い」って事でやらされそうですね
905創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 00:26:46 ID:j64yZSh4
>>904
まさかとは思うが兵站ってのが武器弾薬の補給の事だと思ってないよな、な!
906創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 00:36:38 ID:w8Mpkd8V
>>905
無定見に占領範囲を広げれば勝ちだと思っていれば・・・そりゃ兵站もたなくなるでしょう

でも結局目的は「こちらに有利な交渉のテーブルにつかせる事」なら占領地は必要最小限に済ませるでしょ
お互いに過度の流血は望んで無い訳だし

まさか「敵さんが焦土戦術やって地域住民に施ししなければいけなくなり」「実はそれ敵が自衛隊の備蓄すり減らす為の策でした」
何処の田中さんだよ、な策をとってきたら違うかもしれませんが
907創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 01:05:51 ID:A8cTS//q
まあ無理だろ
糧食の確保と輸送、占領地の鎮撫用の食料衣料医療品その他もろもろ
転移後にそんなもの捻出できるとは思えないね

まして、地図もないとこでゲリラやられると短期間に鎮圧なんてできる可能性低いからな
で、粘られるだけで継戦能力は消える
そんな危険な博打やる前にやることいくらでもあるはず

ちなみに、占領地用の食料やその他は何をどうやっても必要だぞ
中世レベルならなおさら
そして輸送の手間はうんざりするぐらいかかる
908創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 01:09:10 ID:j64yZSh4
>>906
あのな、兵站ってのは武器弾薬の貯蔵量のことじゃないの、戦争を動かすための後方支援活動全般の事なの
うんでな、自衛隊ってのはその性質上国土の防衛が任務だから基本的に海外での戦争を想定してないのよ
意味分かるか?
つまり兵站線が恐ろしく貧弱だという事、復興支援に自衛隊出すのとは根本的に違う。
戦争が泥沼化する場合だっていくらでもあるし、交渉ってのは長引く場合が往々にしてある
向こうに日本に時間がないことが悟られれば、引き伸ばし戦略もとってくるかもしれない
そして最低限度とはいえ占領地があるのならそこの住民に対する責任も出てくる
何もかもが足りない状況なのに、そんな負担を支えきれるのかってこと
909創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 02:12:25 ID:w8Mpkd8V
分かったつまり「日本は奴隷になるのがお似合いだ」と言いたいんですね
武力侵攻前にやることならいくらでもと言いますが 具体的にはどう言う?
何せ現状は「まともな貿易が(相手の国家戦略的な問題で)なりたちません」な状況ですから
貿易出来なきゃ日本は国家の経営が出来ないし食料も買えない農業国家に急遽転換しようにも環境の激変でただでさえ不作
耕作地の復活にも時間がかかり・・・やらなきゃ餓死者多数で騒乱ですね


取りあえずゲリラ戦は近世レベルの軍隊にそんな戦い出来る訳無いでしょ、意外に技術と教育が必要なんですよ
それに地図なら「空撮」で作れる日本の方が分があるかと
何せ国家戦略と言うか教育レベル的な問題で敵の兵員の大多数が地図は「読めなくて当然」な有様ですし

でも敗残兵が野盗化と言うなら・・・うわ、ありだ
しかし粘るのは難しいでしょうね、ゲリラ戦の基本である「現地住民の協力」を野盗化した連中が受けられるとは
むしろ野盗化した連中に幻滅し占領者である自衛隊に協力しそうです


一個師団辺りの後方支援部隊不足は・・・師団を再編し派遣部隊に居残り師団の支援部隊を纏めると言う手も
どうせ展開出来る師団は多くて4個、いや3個が良い所ですし

物資問題は無理矢理にでも捻出するしか無いですね 国家の破錠か生存かって以上は
910創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 02:33:29 ID:OOlqYMx9
お前さん小学校の通知表に人の話しをよく聞きましょうとか書かれてただろw
911創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 03:19:06 ID:1+00pZob
>自衛隊ってのはその性質上国土の防衛が任務だから基本的に海外での戦争を想定してないのよ
自衛隊の兵站線は基本的に国内活動前提での国内のインフラが機能してること前提だからね…
やろうと思えば食料や被服をコンビニとか大手スーパーマーケットとかから調達してくる事も出来るし
業者委託も可能だから、国内に篭って守る分には結構戦えるけど
他所に出張って行くための輸送能力が全く無い
(兵員を充分な数輸送すると、補給の輸送が出来なくなり、補給輸送すると兵員が…)


ていうか、自衛隊に師団単位で海外展開する能力無いよな
部隊編成はいくらでも国内で出来ても、その部隊を海外に「送る」力が無い
人間と装備と弾薬と燃料と食料と被服と…
おおすみ型3隻じゃ一度に運べるのが一個連隊未満
下手すると一個大隊相当しか送れない

それも、航空機輸送を可能にするためにまず送るべき「空港施設」を開設するための施設科と装備が最優先
+その警備・護衛…
そして派遣した部隊はずっと向こうで活動させるとか無理だから、定期的に交代して戻さないといけない
なので、向こうにピストン輸送して「送る」より「戻す」方にも手をとられる…


せめて国内だけで輸送するなら陸路も電車も海峡間フェリーも使えるから
2個師団ぐらいは移動できるだろうけどねえ
912創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 03:34:04 ID:1+00pZob
あと弾薬備蓄も、結構あるとか言いつつ
3ヶ月ぐらいしか持たない(標準使用量の場合 さらに全自衛隊が全力で戦うと一週間で使い切る)
しね…というのも、米軍の援軍が来るまで持ちこたえる最大期間がそのくらいだからだが
それ以上米軍が遅れるなら、米軍は来ないって事だし
戦争が始まってから急造しても間に合うようなものじゃないしね、特に現代戦は


結局乏しい補給線が維持できる間に、輸送できる少数を送り込んで、
一定の成果をあげることで最大の効果を生むしかないんだよ
チマチマ輸送して師団を全部送り終わってから動き出すようじゃ間に合わない
常にタイムリミットと戦う事になるわけで
913創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 09:43:30 ID:u5HVR9bi
モスクワに迫るドイツ軍並の過酷な状況で敵首都を落とせとな
914創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 12:36:21 ID:qKf2XGBA
>>あと弾薬備蓄も、結構あるとか言いつつ
>>3ヶ月ぐらいしか持たない(標準使用量の場合 さらに全自衛隊が全力で戦うと一週間で使い切る)

 確かに、11万tを1週間で使う事は出来る。が、どう考えても、中世レベルの防護装備しか持たない
敵に一人当たり100kg以上の弾薬は必要ないと思うぞ・・・・。

 110万人を殺すのに充分な弾薬があっる。いや、実際にはその数倍だろう。3年は持つね。
915創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 12:54:39 ID:1+00pZob
>>914
3年か…使い切るのと弾薬の更新期限がきはじめるのとちょっと重なるくらいかね
(まあ保存状態を良くしてれば10年は持つけど)

それより問題は燃料備蓄が半年〜1年(長く持たせても)で使い切りそうって事だな
現在のペースを維持するとだが
916創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 13:04:25 ID:qKf2XGBA
 予想される弾薬消費量は「治安維持レベル」だよ。せいぜいが日露戦争レベル
。奉天会戦の使用量が砲弾28万発(75mm野砲主体だから、約2500t)。小銃弾
2000万発(約400t)。合計約3000t、コレでロシア側死傷9万人。

 ガントリー付きの小型内航コンテナ船1隻で充分に運べちまう重量だ。ソレでも
、向こうではハシケが必要だろうが、自衛隊だってソレ位は持ってる。

 「誰も食わない余ってる食料が有る世界」なんて無いのだから、食糧問題の解
決は結局、「略奪」しかないよ。どう言い繕うとも国民に現実を突きつけて総選
挙すりゃ、自動的に主戦派が勝つ。
917創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 13:15:10 ID:qKf2XGBA
>>「誰も食わない余ってる食料が有る世界」なんて無いのだから

 マルサスの人口論は高校で教えるから、有権者の殆どは知ってる。そして、普通の
人間は「人間は毎日メシを食わなければならない」事を経験的に知っている。

 その状況で反戦運動なんか出来るのは余程の馬鹿だけだ。少なくとも国会議員には
居ない。
918創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 13:47:19 ID:1+00pZob
まあその食料が、目的とする場所にあるかどうかもまた問題なんだけどね
中世レベルの生産量では奪おうにも物が無いって事が多いし
よしんば物があってもまた、国内に輸送する手段が足りない


自衛隊が部隊を送れても、その部隊を維持するのに輸送する手段が足りない
送るものは弾薬だけじゃなく燃料も物品もだし、
陸路で輸送する車両も送らなきゃならない
またその輸送車両の燃料も

それらを充実させようとすると、今度は部隊を送る分が割かれる
結局、輸送・補給線で賄えるだけの規模の部隊しか送る事が出来ない
部隊規模が少なければ、戦線も広げようが無いし、奪うべき土地も確保できない
そして備蓄資源や食糧のタイムリミットがある以上、時間はかけられない
輸送インフラを確立するのを待ってる余裕は無い

相当厳しい戦いを強いられる事になるだろうね
919創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 13:52:13 ID:1+00pZob
例えて言うなら物は沢山あるのに、道が狭すぎるから物の行き来がすげー遅い
外地に送るべきものはあれもこれもで詰まってる状態だし
内地に送るべきものは待ってる間に腐っちゃう

港まで運んだはいいけど内陸まで送る手段が無くて、侵攻した部隊が現地徴発に苦労させられる…とかどっかの戦争にあったよね
920創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 13:52:53 ID:u5HVR9bi
まぁ、自らの懐が痛まなきゃ深くは考えないが
自らの懐が痛めば過剰反応するのは日本人の性質というかなんというか

カロリーで計算すれば、収穫直後の国産作物が一番多く国内に出回る時期でも確か半年が限界だったかな
半年以内に自活体制を整えるにはどうすりゃいいかな………
まぁ、ファンタジーなんだからポッと出た1億人を問題なく養えるトンデモ設定でもなにも問題は無いんだがな
921創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 14:32:51 ID:8DQeTx/L
あれか、訓練すれば霞を食べて生きていける体質になるのか
922創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 14:35:01 ID:TG5UypM7
>895
The Internet Archiveで自衛隊漂流戦記と入力したけど見れなかったぞ。
軍神山本も同じ方法でやったけど見つからなかったし。
923創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 14:46:42 ID:SuwMSNto
Googleで元々のアドレスを調べてそれをThe Internet Archiveに入力するんだ。
Internet Archiveのサーチは使えない駄目サーチ
924創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 14:57:18 ID:TG5UypM7
>923
ありがと!!懐かしさと嬉しさで涙出てきそうだった。
925創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 16:34:36 ID:6kCbmZrD
結局ぶっちゃけると現在の日本が異世界の、
しかも中世レベルの世界に転移なんて無理。
その世界に一億二千万人もの人間を支えれる食料があり
さらに日本を支えれるだけのエネルギー資源。
そしてそんなものがある世界は中世なんかじゃない。
皇軍スレの303氏の作品のように近くに資源が大量にあり
またそれに加え莫大な食料が転がってないと。
政治家もどうにかさせないといけないし現代日本を生き残らせるには
どうしても梃入れがいる。
まあ日本を生き残らせないなら話は別だが。
926創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 17:05:33 ID:Wr8ew49e
>>925
さらに追加して言えば、規模を縮小し、護衛艦や一駐屯地が転移しただけの場合。
戦国自衛隊のようにいつか燃料弾薬が尽きる事になる。
現在、日本の国土ごと転移するのは補給のためだが、この場合でも>>925の言うとおり、政治家と資源という問題がある。
要するに、日本ごととはさすがに規模が大きすぎる。
もっとも、戦国自衛隊のようなエンディングにするつもりなら、問題は無い。
927創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 17:09:39 ID:vkHOyvxy
923と924見て思うんだが、The Internet ArchiveとInternet Archiveのどっちで検索したんだ?
The Internet Archiveは駄目なのか?
928創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 17:17:46 ID:Wr8ew49e
さらにさらに追加して言うのなら、戦闘妖精雪風のように、日本にF世界につながるゲートが現れたら、
補給の問題はクリアされるが、政治家は転移以上に動かなくなる。
何らかの資源がある場合でも、日本は動きそうにないし、具体的に、例えばJAMのように具体的な脅威があったも、
少しだけやって後は、米軍に任せかねない。
アメリカなら、積極的に動きそうだし(資源があるのならなおさら)。
929創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 17:36:24 ID:quhq0uOm
>>928
いっそゲートが開いた上で、元の世界が滅亡とか消滅していくリミットに追われてる
って設定でないと動く理由が見つからないよね

超次元自衛隊(遙 士伸・コスモノベルズ)って作品がそれに近い
この作品では米中戦争による核兵器使用で日本が放射能汚染に晒されて
さらに隕石が地球に落ちた被害でにっちもさっちも行かなくなった所で
偶然過去へのタイムゲートが出現したので、「歴史を変えて今の最悪な現在を修正してやる」って作品
930創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 18:14:46 ID:lAFt7SBq
JAMってなに?
労働組合?
931創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 18:38:04 ID:8NIi+w1C
>>925

今の人口は13千万人だが外国人や不法滞在も合わせれば14〜15千万人も養わないといけない

932創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 18:48:00 ID:ENGl44ZC
国内インフラがズタズタに崩壊されず
ライフラインもそのまま使える状況での転移、なんて
何者かの意図無くしてあり得ないからな
ビューティフルドリーマーの夢邪鬼みたいな
933創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 20:55:27 ID:A8cTS//q
JAMは雪風の敵じゃね?
934創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 22:01:31 ID:6kCbmZrD
とりあえず日本が生き残るには皇軍スレの303氏の作品のようなような
資源いっぱい夢いっぱいな島。と、大量の食料。
そして物語氏のように政治家消滅。
これだけ梃入れすればよほどのことが無い限りは
多分生き残れるかもしれない。
935創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 22:04:53 ID:j64yZSh4
あるいは疾風に頸草を知るが如く、力を発揮する人間が出てくるのを祈るのみだな
936創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 22:09:27 ID:Y1lqevdQ
食料さえ確保できればなんとかなるんじゃないかな
戦前日本でも戦後日本でも

さあ略奪に行こう
937創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 00:30:34 ID:lTIKHwxE
転移することを国民全員が知っていて
何年か前から準備できたらいいんだけどな
938創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 00:41:28 ID:aF1NLGn0
ゼロ魔SSであったなそれ
内容がアレ過ぎてすぐに読むのやめたが
939創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 01:25:09 ID:moSC+2kN
>>934
あっちも(当時は重要な供給元だった)台湾失って食料問題では頭かかえてるよ
ただあっちは転移しても「大規模な気候変動」が無かったお陰で国内の農作物が不作にはなってないけど
940創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 09:18:04 ID:W3/jED2L
>>そして物語氏のように政治家消滅。

 そりゃ、問題ない。馬鹿な事を言ってる政治家も、馬鹿を騙すのに都合がいいから言ってるだけ
なんで、大概の場合は問題に成らない。「メシが足りません」って話を理解できない馬鹿は居ない


 「戒律を守って飢死」を主張する奴も居るだろうが・・・・。どう考えたって選挙で多数派になる
わけが無い。スーパーマーケットに人肉が並びかねない状況で、「殺すくらいなら死にましょう」な
んて選挙演説が出来るもんかい。
941創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 12:21:41 ID:ta9IIg4j
日本そのものが転移した場合、在日米軍の扱いはどうなるか。
そのまま日本の軍事力に組み込まれるか、
とりあえず静観するか(だが食料その他思いやり的に請求)
あえてフロンティアなスピリッツに乗っとり日本離脱、異世界切り取り放題で
「ニューアメリカ」でも建国するか。


それと自衛隊独自で補給するなら兵站の問題は出てくるが、民間船を徴収すれば
良いんじゃあ?とか素人は考えるわけだが。
942創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 12:37:45 ID:g2tkxND/
政治家消滅とか戦中日本かよw
官僚だけに任せた結果どんだけ非効率なことしてたか、少しは戦史でも調べて知っておけよ、とw
943創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 12:48:47 ID:KfNmjyyq
物語氏の場合は代わって政権の舵取りをすることになった自衛隊が
「自分に必要&国に必要」なことを半ば強制的にでも優先させて
足引っ張るやつとか現状を理解してない奴、認識が追いついて無い奴は
さっさと切り捨てて言ったけどな
少々ダーティな方法も使って軍事政権化していた
944創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 13:06:23 ID:g2tkxND/
>>943
ああ、戦前陸軍と同じことをやったわけですね。
国家の運営を兵営と同じようにやれる、という凄い勘違いをしてた東条内閣みたいになるのがオチですな、実際にやれば。
945創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 13:07:02 ID:fPzyqcd9
>>943
物語氏の作品には「転移をもたらした存在」と主人公が会話してたけどな
外部からの侵略が一段落した後
今度は日本が覇権国家の道取るかの誘惑に駆られてる>統幕本部長
946創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 13:13:13 ID:KfNmjyyq
>>944
まあ実際にどう違うのかは作品そのもの読んでから判断した方がいいと思うぞ
戦前陸軍は「俺らの好き勝手にやりたいようにやる」ためにそうしたけど
転移後日本は「必要なものを出してくれと要求するにも、用意する側が居なくなったから代わりにそいつらの仕事をする」のだし
947創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 13:21:35 ID:g2tkxND/
>>946
単純に技術論の問題として自営業に国家を運営するノウハウはないんだがなぁ。
特に日本みたいに軍隊以外の官僚組織が高度に発達している国だと、軍事政権である必要もないわけで。
政治家がいないってのはハンデにしかならんよ。
教条的九条信者とか政局しか頭にないバカとか権力奪取の為に偏向報道している連中とか消える分には
問題ないが。
948創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 14:02:25 ID:ZilQHVFk
>>941
どう考えてもヤマトに丸投げした方が効率がいいw
自前でやろうとか考えたら5年経ってもまともに出来んわw
949創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 14:24:33 ID:KfNmjyyq
>>947
逆に言えば、官僚機構が優秀だから
政府方針を決定して指示を出す奴さえ居れば、国の運営は出来るとも言える
そして、官僚に言う事を聞かせられるその背景にあるのが軍事力なら
それは手段として間違っちゃあいないし

歴史上、軍事政権だからといって官僚が居ない政府って限られてるわけでも無いしな
950創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 14:29:26 ID:KfNmjyyq
>>941
民間船だと浜辺に揚陸とかできないし
現地に現代の貨物船が入港できる程度の港湾整備がされてるかも怪しい

そんなこんなで現地側のインフラが整うまでは
どんなとこにも陸揚げできる装備機材を持った組織が、インフラを建設するための
機材を現地に持っていって港湾や空港を作る事から始めなきゃならんだろう
まあ仮設にでも出来上がってしまえば大分楽になるけどね
951創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 14:35:21 ID:ta9IIg4j
佐川や黒猫はOKってことかね?(民間船をなぜ自衛隊が運用せんといかんのだ?)
国内流通とかだいぶ抑えられるから、日本トラック協会とか海外に派遣しても
よいわけだ。
それとオーバーロードが自国民を選別転移しない限り、在日米軍は存在するから、
そちらが兵站協力しても良いわけだ。
少なくともアメリカさんは海外派兵前提の態勢なわけだから、自衛隊単独よりマシ。
その意味で自分は>>941みたいなことを書いたんだ(在日米軍について)。
何が何でも自衛隊だけでやる必要はないだろう?自国民が食い詰めるか否かの事態に。
それともこのスレ的にはそれが大前提なわけ?
952創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 14:41:24 ID:ta9IIg4j
>>950
ああ、と言うことは兵站に限界が来る前にインフラを作ってしまえば、
仮設でも後は民間に丸投げできるというわけだ。
953創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 14:41:29 ID:ZilQHVFk
>>951
あの文面でそう読めるのはさすがにエスパーだろ
954創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 15:14:20 ID:KfNmjyyq
>>952
そこに漕ぎ着けるまでがまた大変だし、全力でそれをやると
今度は兵力を展開できないから困り物
両方一緒にやれればいいんだが…


>>951
まあ第7艦隊の寄航中に転移したんなら
強襲揚陸艦とか空母とか、役に立つものを戦力込みで借りられるんだけどね

あと、在日米軍はあくまでアメリカの軍隊でしかない
食料や燃料の供給を交換条件に協力してもらう手は無いではない
でもそれは、日本政府と在日米軍司令官の交渉・調整しだい
彼らにも制度的立場、政治的立場ってのがあるし(いくら母国と切り離されてるって言ったて…)
最初っから全面協力してくれるなら話は早いけど、そうそう都合よくいくもんじゃない

「協力はするけどすげー高く売り込むよ?」とか言ってくるだろうし
彼らだって便利な使いっ走りの傭兵になんかなりたく無いだろうしね、安くは見られたくない
少なくとも日本と自衛隊が好きなだけ使えるタクシーではないよ

まあこのスレ的には、色々困難が付きまとうから(解決策を捻出するのが)こそ面白いって空気はあるだろうね
955創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 16:13:48 ID:aF1NLGn0
>>951
輸送戦記か懐かしいな
956創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 17:32:03 ID:OMUbskNS
>>922
こんな馬鹿初めて見たwwwwwwww
957ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/18(土) 18:31:30 ID:PTO6zawE
小国の苦悩 第十一話
バルミアス公国港町バズ・ラグーンは町を挙げての大祭となった。

『本日は、帝國軍大陸東方平定十周年記念艦観式にようこそいらっしゃいました』
帝國語と大陸共通語で同じ文言が繰り返される。
『ご参列の帝國属領及び同盟諸国、友好国の皆様方
 本日の参加者をご紹介いたします』
『ヴァンシュタイン帝国皇帝、ヨハン・ヴァルトラウス陛下』
意外な名前に、あちこちから驚きの声が聞こえる。
「反帝國同盟の・・・」
「どういうことだ・・・?」
「ヴァンシュタインは寝返るのか?」
皆が一様に一般席より10mは高く作られた特別席を見つめる。

驚き戸惑う、参加者を無視してナレーションは続く。
『帝國属領、ボローエン大公国大公シュヴァルツ・ハインラント陛下
 帝國属領、ザイーツェン王国国王ガイラス・ザイーツェン陛下
 ヴァシュタイン正教会最高司祭フランツ・ヴォーゲル閣下
 帝國同盟国、ハイド王国国王ランツ・ハイト陛下
 帝國保護国、ヴィアンツ王国女王レネ・ラティーレ陛下
 帝國属領、ガズ王国国王ガライ・フランツ5世陛下
              ・
              ・
              ・

以上、152ヶ国が参加されます』

20分も続いたアナウンスがやっと終了する。
貴族の参加者はこうした無駄に長い案内に慣れていたが、平民の招待客はかなりうんざりしていた。
『それでは開催宣言を帝國海軍連合艦隊長官山本大将よりお願いいたします』
『えー、本日はお日柄も良く、誠に・・・』
始まってしまったどうでもいい演説に平民招待客はさらにウンザリした。
『えー、それでは艦観式の開会を宣言するものであります!』
ジャーンジャンジャンジャカジャンジャンジャカジャカジャーン!
大音量で楽器ががなり立てられ、式典の始まりが告げられる。
958ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/18(土) 18:33:40 ID:PTO6zawE
ジャーンジャカジャカジャカジャーンジャカジャーン
『大陸方面艦隊第一防衛戦隊です。』
第一防衛戦隊旗艦、神通(二代目、大淀型)に率いられた16隻の駆逐艦が飛沫を上げて観艦式会場となった海面を疾走する。
その先には、大型の戦列艦の姿があった。
その船に気づいた、特に王国連合寄りの招待客の顔色が変わる。
ある商会の商人と言う肩書きで来ていた、大陸連合の高官は唖然とした。
(なぜ、アレがあそこにある!)
シュタインメッツ王国製最新鋭主力戦列艦ツァスタバ型。
大陸連合が、魔法技術の粋と要塞並の予算をかけて建造した新型艦である。
コスト度外視の魔法障壁は、攻城戦級魔法の直撃を物ともせず、超大型カタパルトは、帝國駆逐艦クラスなら打撃を与えられる威力がある。・・・筈だ。
結局の所、建造された3隻の前線配備は行われなかった。
余りに高すぎて、量産不可能な上、沈められるのが怖かったのである。
それが、ここにある。
存在しないはずの四隻目。

神通と駆逐艦群が発砲する。
神通から放たれた6発の15.5cm砲弾が戦列艦の上空で何か・・・魔力障壁に衝突し光る・・・
そして船自体が大爆発した。

黒煙が戦列艦のあった辺りを包み、何も見えない。
神通と駆逐艦は見事な一列縦隊を組み、ターンしていく。

「ほぉ〜、凄いですなぁ」
近くにいた豪華な衣装の男が話しかけてきた。
「・・・え・・・ええ」
(誰だコイツは!)
格好からして、おそらく帝国属国か同盟国のそれなりの貴族だろう。
・・・なぜか綿飴を食べているが
「貴殿はどこの国から?」
「・・・ライゼン王国の商業ギルドで交渉を担当しております」
「ほう、ライゼン王国はやはり帝國の様子が気になりますかな?」
「・・・ええまぁ。貴方様は何処の国の方でしょうか?」
「ほっほっほ、名乗る程の国でも有りませんよ」
思いっきり怪しい。

「ああ! こんな所に居たんですか!!!」
後から耳が痛いほどの大声が聞こえる。
「おや、。何を慌てておる」
「何をじゃありませんよ! 警護を置いて遊びに行かないでくださいと何度・・・」
「分かった!分かったから引っ張るな!」
・・・どこかの大貴族か・・・見覚えがないが・・・目を付けられたのは不味いな・・・
男は、冷静な顔を装ったまま、身を翻した。

黒煙が晴れた海面には木切れが浮かんでいた。
959ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/18(土) 18:34:23 ID:PTO6zawE
「あいつ、相当焦っていたのぅ」
ゴンザレス5世は腹を抱えて大笑いしていた。
「悪趣味ですな・・・、あれは確かシュタインメッツの軍務大臣だったと」
ピエール男爵は思い出すように言った。
「ほう、軍務大臣まで来るとは相当ビビっとるのぉ」
地域大国だった名残から、ゴンザレス王国には大国の大貴族の顔位なら覚えている人間も多い。
一方、極小国であるゴンザレス王国関係者の顔を覚えている人間などまず存在しなかった。
「それはそうでしょう・・・たった数年で大陸の半分を制圧したんですから」
「大国も大変じゃ・・・さて、タコヤキなる物を食いに行かねば!」
とても老人には見えぬ速度で走り出すゴンザレス5世。
「あ、お待ちください!」
慌ててピエール男爵はそれを追いかけて行った。
『続いては、第一大陸防空隊による・・・』

1週間後・・・
シュタインメッツ王国軍務大臣ガリアス公爵は自室で苦悩していた。
あの時、声を掛けてきたどこかの貴族らしき人物が、未だに誰だか分からないのである。
外務大臣にも貴族院にも諜報部にも問い合わせても誰だか分からない。
最初は大して気に留めていなかったが、こちらの内心を見透かす様な態度が気になった。
そして次第に様々な考えが浮かんでくる。
まさか帝國陣営の国の諜報関係者か?
ひょっとすると、未だに姿すら現さぬ帝國の諜報員か?
不安が不安を呼び、公爵は何かの陰謀に掛かっているのではないかという疑心暗鬼に苛まれていた。
「誰なのだ・・・奴は!」
ガリアス公爵は両手で机を叩いた。

「タミヤはこの辺りのディテールがいいのう」
自ら組み上げた1/700木製ウォーターライン帝國海軍高速戦艦コンゴウ(大陸上陸作戦時)を眺めながらご満悦のゴンザレス5世。
辺りには、"模型画像"などの帝國の模型誌と筆が乱雑に散乱している。
「ああ! また遊んでる!」
ピエール男爵が大声を上げる。
「王族たるもの美術品を愛するのは当然であろう! 見よこのディテール! ドワーフの技師が彫り上げた木造彫刻の素晴らしさが分からんか! それを組み上げ色を塗るときの達成感!」
突然豹変した国王にビビる騎士団長。
「は・・・はぁ・・・」
「次回の観艦式は来年かのぅ・・・」
青い空を見つめる国王。
ゴンザレス王国は今日も平和だった。
960ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/18(土) 18:36:08 ID:PTO6zawE


        *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    スレの進行が正常になーれ♪
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚
961創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 18:47:18 ID:aF1NLGn0
投下乙
そしてゴンザレス国王自重w
来賓紹介時にゴンザレスの名前がなぜか呼ばれなくて凹む国王とかオチを予想したけど流石にそれはなかったかw


ところで490K超えてるし次スレ立てようと思うのだが新テンプレは>>745でいいのか?
他に何かある?
962創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 19:27:50 ID:xJiGyRlY
>>960
投下乙です。
ゴンザレス王国は実に平和ですねまったくw

>>961
いいんじゃないでしょうか。
あとは保管庫が機能しているかどうかとかに気をつければ良いかと。
963創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 21:01:22 ID:aF1NLGn0
スマン、自分で言っといて新テンプレに差し替えるの忘れてたorz

一応貼っとく

新ガイドライン
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 作品であれ議論であれ、住民が不快に思う事は避ける。第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。
3. 主に「近代軍隊」がファンタジー世界に関わる話であること。
4. 近代軍隊の組織・装備はあくまで実際に装備した物もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
  未来兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
  現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
5. 社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
6. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来が、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
  基本的には近代軍隊マンセーの方が好まれる。
7. スレ外の該当作品にかんする批評などの雑談は、ほどほどに。
8. エログロを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。
9. 次スレは>>980か480KBを踏んだ方が立ててください。
964創る名無しに見る名無し:2009/07/18(土) 21:04:42 ID:aF1NLGn0
965 ◆dxXqzZbxPY :2009/07/18(土) 23:38:22 ID:OLBnlqEs
966創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 00:51:05 ID:14CdFi0N
>>964
ちゅるや氏も乙久々の投稿だー!
967創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 11:47:57 ID:WP481t/h
ちゅるや氏投下乙
出来れば「艦船模型はハセガワ」でやって欲しかったw
968ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/19(日) 12:56:25 ID:UWbGsJbo
>>967
ハセガワが艦船模型に参入したの1960年代っぽいんですよねぇ・・・
969創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 17:08:32 ID:WP481t/h
>>968
「ウォーターラインシリーズ」て企画は1971年静岡に本社のある模型会社四社の合同企画で誕生
田宮、長谷川、青島、フジミ、のちに(1992年)フジミが静岡模型教材共同組合から脱退して「シーウェイモデルシリーズ」と名乗った

フジミが脱退した穴を埋めるため三社が新製品の開発、旧版の再設計で好評を得た   らしい
970ちゅるや ◆lBYvnQu.8E :2009/07/21(火) 05:08:18 ID:8kS4YQfm
>>969
あやま、そっちでミスった・・・・
まぁ木製模型が普及してる時点で色々歴史が違うんで・・・・

なお
軍国主義教育の結果大量に養成された軍ヲタ用として、国が豊かになった事で余裕が生まれ軍事系の木製模型が大量生産されつつある設定です。
生産は本土ではとても追いつかないので、ほとんどドワーフに委託され、程度のいい物が工芸品として大陸にそのまま輸出されます。
帝國側の国家で貴族や裕福な階級の趣味として一部で普及しています。組み立て前の物は安いのでゴンザレスでも簡単に買えました。
軍や企業などに納入されるのは全て国内製です。(ドワーフ製は工芸品なので正確さの問題)
プラモデルが存在しなかったのと、本土人より低コストで高技能なドワーフが居た事で木製模型の大量生産という流れです。
因みにハセガワ、アオシマ、フジミはちゃんとあります。
もう少ししたらバンダイが(模型じゃないけど)玩具部門に参入する頃です。
971創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 02:48:54 ID:sgQq+BrM
>>964
972創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 17:37:51 ID:CMXnehCV
>>970
ゴーレムの製法が日本に伝わったらアニオタ狂喜乱舞、て図が目に浮かぶ
973創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 17:30:44 ID:Nw+8yf2A
>>972
二次嫁の三次元化ですね
高性能ダッチ
974創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 18:36:58 ID:ZLWd0A0L
村上隆がアップを始めました
975創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 19:17:51 ID:lJlWy0ir
魔法板

ゴーレムにハルヒ躍らせてみたwwwwww(982)
ゴーレムに萌えるスレその23(34)
【エローゲ】ゴーレムダッチ133【オナホ実装】(933)
美少女ゴーレムつくた(374)
【コンパイラ】ゴーレムをマイコン制御part45【SH2】
ゴーレムでガンダム作ろうぜwwww2(21)
軍用ゴーレムについて語るスレ(223)
リアル魔女っ子と知り合ったわけだがprat3(999)
【魔法はプラズマ】魔法とかツカエネ【科学バンジャイ】(459)
[速報]F-15Jに魔法処理、ステルスでミサイルを無効化(734)
976創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 10:03:04 ID:yrUkjqRX
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
977創る名無しに見る名無し
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め