ラノロワ・オルタレイション part1

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1創る名無しに見る名無し
ライトノベル作品系バトロワ企画「ラノロワ・オルタレイション」のスレです。
イベント板で連載、打ち切りとなった「ラノロワ オルタナティブ」の後続スレでもあります。


前スレ
ラノロワ オルタナティブ part4
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1216619355/l50


【関連ページ】
ラノロワ・オルタレイション@ウィキ(まとめ)
ttp://www24.atwiki.jp/ln_alter2/
ラノロワ・オルタレイション掲示板(避難所)
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/10390/

参加者、基本ルール等については>>2-10辺りを参照。
sage進行でお願いします。
2創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 21:44:21 ID:x5DW2fEK
≪現参加者一覧≫
6/6【涼宮ハルヒの憂鬱】
 ○キョン/○涼宮ハルヒ/○朝倉涼子/○朝比奈みくる/○古泉一樹/○長門有希
6/6【とある魔術の禁書目録】
 ○上条当麻/○インデックス/○白井黒子/○御坂美琴/○ステイル=マグヌス/○土御門元春
5/5【イリヤの空、UFOの夏】
 ○浅羽直之/○伊里野加奈/○榎本/○水前寺邦博/○須藤晶穂
5/5【フルメタル・パニック!】
 ○千鳥かなめ/○相良宗介/○ガウルン/○クルツ・ウェーバー/○テレサ・テスタロッサ
4/4【空の境界】
 ○両儀式/○黒桐幹也/○浅上藤乃/○黒桐鮮花
4/4【キノの旅-theBeautifulWorld-】
 ○キノ/○シズ/○師匠/○ティー
4/4【甲賀忍法帖】
 ○甲賀弦之介/○朧/○薬師寺天膳/○筑摩小四郎
4/4【灼眼のシャナ】
 ○坂井悠二/○シャナ/○吉田一美/○ヴィルヘルミナ・カルメル
4/4【とらドラ!】
 ○高須竜児/○逢坂大河/○櫛枝実乃梨/○川嶋亜美
4/4【リリアとトレイズ】
 ○リリアーヌ・アイカシア・コラソン・ウィッティングトン・シュルツ/○トレイズ/○トラヴァス/○アリソン・ウィッティングトン・シュルツ
2/2【戯言シリーズ】
 ○いーちゃん/○玖渚友
2/2【バカとテストと召喚獣】
 ○吉井明久/○姫路瑞希

【50/50】
※この名簿は暫定版です。後に書き手自由執筆枠で書かれた10名のキャラが追加されます。
3創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 21:45:11 ID:x5DW2fEK
【基本ルール】
以下、調整中です。
4創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 21:46:50 ID:x5DW2fEK
現在投下されているOP案。

OP1:ラノロワの国 -the opening-
執筆者:◆LxH6hCs9JU氏
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1216619355/849-868n

OP2:開演口上
執筆者:◆b8v2QbKrCM氏
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1216619355/900-913n

OP3:今からはじまる終焉――(今よりはじまる終演)
執筆者:◆EchanS1zhg氏
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1216619355/942-965n

OP4:無題
執筆者:◆DYeQxgMVjs
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1216619355/971-979n


OP投票スレ(暫定)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234614254/
※ 意見がまとまっていないため、上記スレでOP投票を行わない可能性もあります!
5創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:03:38 ID:x5DW2fEK
◆DYeQxgMVjs氏だけ>>4で敬称が抜けてた……すみません_no
暫定投票スレでは修正しております。
6創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:03:45 ID:UfO27K7o
スレ立て乙!
7創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:06:03 ID:A5LmVG8x
スレてて乙
8創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:31:26 ID:MXbvi4f4
あれ?リスタートするとは聞いてたけど板移転もするのかな
創作発表板にようこそ!
9創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:40:11 ID:wZ80roHH
スレ立て乙です!
さて、予定では0時から投票っぽいんだけ、投票していいのかな?
10創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 22:42:25 ID:uyOYQ1sX

               >:.´:.ヽ:. <_ノ)             {つ{  ヽ
                  /:. :. :. :. :. :. :ヽ:. :\           〉 >、_:}
            ノ:. :./:./:. :./:. :. };}:. :. ヘ\      _ /  ,イ l
             /イ:. :/:./:. :. ./:. :. ノ:.!'ヘ;. :ハ`ヽ   >':/ /    l
         ///:. :. :./:. 从レイ:./!:ノ ハ:.}ハ   / / /      }
          //:. :. :.从ハハ! ナメ ∠´ハ}/ /  / ´     i
            /7,ィ:. レナv`  `,>  、⊂つ´ /  /  /      l
         ノハ:. :\ ; ⊂つ、_, ィ ノ:ハ´  /: : ,"  ;'   /
           ´  ∧:ハ:.`:/ 、  (  //、:.ノ _. '´: : :    /    }
            〈 /ハ从く  ` ー`彡ハノ >´: : : :   "   ;'     }
           〉: : ,.   `\′ //: : : : : : : :     ;'     }
            /   `ヽ、  `yく: : : : : : : : :  "   ;'     l
           !       /  `〉::: : : :   . :  ,:′     :}
              !: : :  ヾ : :/   /   !:::::: : :  : : :   / : : :     i
            ∧:::::: : : :ノ  /   !::::::::: : : : : : :   : : ::: :   l
            〈  ` ー ´    /   l:::::::::::: : : : : : : : : : :::::: : : : : i
スレ立て乙ー!!!
11創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:19:23 ID:4lIH0zDy
空の境界いれてんの?
荒れの素じゃねえか。
12創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:22:43 ID:5Em3ebjm
>>11
お前のほうが荒れの素だよ、とっとと出てけ
13創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:25:14 ID:EBuB9ukv
ロワ大杉
潰れたネタなんかもってくんなよ
14創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:29:31 ID:4lIH0zDy
早速きのこ儲登場かよ。
始まる前から終わりすぎだよこのスレ。
15創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:31:04 ID:uyOYQ1sX
OP投票は0時からだっけ?
16創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:32:20 ID:uyOYQ1sX
っと確かめたらそうだったな
 
もっかい読み直すとするか
17創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:35:52 ID:XCgum4pm
0時からだけど、このスレで投票するかしたらばで投票するか、決まってないのかな>>4の発言見るに。
別にしたらばでもかまわんのだけど。
18創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:36:31 ID:0nA57wQC
せっかく投票スレ立ってるんだし、そっち使ったほうがいいかな?
19創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:37:51 ID:uyOYQ1sX
そだな
折角立ててくれたんだしそっち使った方がいいかな
20創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:40:08 ID:v1W2pv52
したらばで良いんじゃないの?
21創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:41:04 ID:EBuB9ukv
かつて方々で暴れまわった月厨が創発板になだれ込んでくるわけか
悪夢だな
22創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:54:04 ID:3uAjWZrD
スレたて乙です
23創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 00:04:11 ID:BGnjtjPt
投票完了ー
24創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 00:28:21 ID:QRxWoJuj
決めること決めてから来たのかよ・・
途中まで進んでいた企画ならわかるが、最初からくるつもりならなんで先に来なかったんだ?
板住人からすると気分悪いぞ
25創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 00:48:39 ID:6QQaVIiS
それにしても移転スレ見るたびに思うけど
創発住民騙りっていう荒らし方流行ってるのかな
実際に住人かどうかは見たら大体わかるのに

気にせずゆっくりしていってね!
26創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 00:58:17 ID:Y3IgWf1V
MAPのギミックを活かしたBが人気みたいだけど、この場合地図はどうなるんだ?
6×6の36マスだと前の地図は使えないし……ってか地図用意してる人いるのかな?
27創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:01:00 ID:QRxWoJuj
無視か・・

とりあえず、なんで最初から来なかったか教えてほしいのだけど
作品やキャラ決まってから来て、今から参加してもよそ者みたいじゃん
俺の好きなキャラが沢山いるから興味はあるけど
出来上がってる企画持って来て一緒にやりましょうじゃあ微妙に困る
創発板からは人を集める気がなく、ただの場所借りのつもりで来たの?
28創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:09:44 ID:6QQaVIiS
>>27
キャラ決めから参加したいなら
ロワ開始前総合スレにいくといいよ^^
創発ではパロロワ開始前の人集めは開始前総合スレでやるって自治スレで決まってるからね
29 ◆EchanS1zhg :2009/02/15(日) 01:09:57 ID:NzW9MyLT
>>26
もし、自分の案が通った場合は責任もって地図を用意させていただきます。
地図の作成については他のいくつかのロワで経験があるのでご安心を。
30創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:14:51 ID:Y3IgWf1V
>>29
なるほど、得心がいきましたw
期待して待っています!

……しかしOPから豪華なことになってるなw
31創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:28:04 ID:hxrQrVIM
>>27
元々リスタートしようと事で計画していてその際に移ろうかという話もあったけどスレを使いきってから移ろうという話だったんだ
それでスレを使い切ったから移ったという事
32創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:39:12 ID:QRxWoJuj
ロワ開始前総合スレから来たのなら文句一つないわけで・・
>>31の回答で納得はしたけど、余裕で無視してた住人はなんなの?
身内だけでやるなら、そのことをテンプレにでも載せてくれよ
逆にこの板で人を集めたいなら新規にこそ詳しく説明するべきじゃないのか?
ただの場所借りのつもりや身内だけの企画なら、また無視してもらって結構
33創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:42:18 ID:hxrQrVIM
……うーん返事が遅れたのは悪いけど1時間で遅れたぐらいで文句言われてもな……
こっちも経緯を調べなおしてたんだし
34創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 01:47:28 ID:6QQaVIiS
>>32
あのね、参加したいならそのまま参加したらいいと思うの
1から作りたいなら開始前総合、新企画スレにいけばいい

ぶっちゃけ最初からなにやるか決まってるスレが創発の主流だぜー
ただ文句つけるぐらいなら一緒に楽しんじゃえばみんな楽しい
35創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:01:07 ID:QRxWoJuj
>>29 >>30
はっきり言って、この2つのIDが無視したことに腹が立ってる
最初から31の回答がきたら、なるほどーすまんすまんで済んだ話だろ
パート1スレで全て決まってて印象もよくないところにトリ付きですら無視してくれて・・
トリ付きってことは企画の中心人物なわけだろ?
中心人物が新規を無視ってあり得ないだろ普通

まあ、これ以上絡むと荒らしと同等になるから大人しく去るわ
住人のなかにはいい奴もいるみたいだし
36創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:01:42 ID:/txk63Bc
>>32
新規住人の皆さんはいつでも大募集
皆で楽しくやるためにこっちに来たんだからね
 
あぁ…大丈夫
普通の人は君みたいに意味がわからない考え方はしないから
創発板は初めて?
もっと肩の力抜けよ
37創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:04:22 ID:PKE1qIZ8
>>36
終わってんだから、わざわざ煽るな
38創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:11:19 ID:eUruRwr6
>>35
>板住人からすると気分悪いぞ
最初にこんな主語の大きなレスをしてたら、荒らしかと思ってしばしスルーされるのは自然かと
あとロワでは書き手としての参加者は、1話だけ書く場合でも必ずトリップつけるから、
トリ付きだから中心人物っていう判断はできないんだ
39創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:17:00 ID:ZmWZrkB8
まあスルーだ
40創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:20:01 ID:BGnjtjPt
いつもの荒らしだからスルーで
41創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:28:59 ID:QRxWoJuj
去るって言ったのに・・
終わりにすればいいものを

どうしても、こっちが完全な悪で結論付けたいみたいだな、ここの住人は
それとも、そのいつもの荒らしとやらに煽られてるのかな?

俺たちは完全に正しい落ち目も一切ない、お前は完全な荒らし。それがここの結論か?
42創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:33:05 ID:6QQaVIiS
とりあえず相手してあげるからチラシの裏においで
荒らしになりたくないんでしょ?
43創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 02:34:51 ID:PKE1qIZ8
終わったのに煽り返すから…
とりあえずスルーで、煽った奴も荒らしということでヨロシク

耐えれないなら
ID:QRxWoJuj 
ID:BGnjtjPt
ID:/txk63Bc
この辺りをNGにぶっこめ
ついでに一連の流れを一切みたくないなら俺のID:PKE1qIZ8もぶっこめ
44創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 04:08:05 ID:JIoCMZ8s
質問だけど、一作品辺りの上限は何作品?
45創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 05:11:37 ID:eUruRwr6
具体的には決まってないと思うけど、6,7人ってとこじゃないかな
46創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 07:35:44 ID:9eQXUPa5
正直ハルヒ、フルメタはまたかという感が拭えない

>>21
月厨もそうだが西尾儲も怖い
素人が書く劣化西尾の文章は読むに耐えないからなあ
47創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 07:36:29 ID:K9NPr2cU
最大7人だったような。
2人しか出てない作品もあるので、少しだけでも優遇してもらいたいなあ。
48創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 07:43:26 ID:PdI2HlSG
いろいろ理由はあるが、とにかくこのロワはぶっ潰さないといけないな
49創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 07:54:07 ID:9885mEvN
> >1-5,6-10,11-15,16-20,21-25,26-30,31-35,36-40,41-45,46-50
> >51-55,56-60,61-65,66-70,71-75,76-80,81-85,86-90,91-95,96-100
> >101-105,106-110,111-115,116-120,121-125,126-130,131-135,136-140,141-145,146-150
> >151-155,156-160,161-165,166-170,171-175,176-180,181-185,186-190,191-195,196-200
> >200-205,206-210,211-215,216-220,221-225,226-230,231-235,236-240,241-245,246-250
> >251-255,256-260,261-265,266-270,271-275,276-280,281-285,286-290,291-295,296-300
> >301-305,306-310,311-315,316-320,321-325,326-330,331-335,336-340,341-345,346-350
> >351-355,356-360,361-365,366-370,371-375,376-380,381-385,386-390,391-395,396-400
> >401-405,406-410,411-415,416-420,421-425,426-430,431-435,436-440,441-445,446-450
> >451-455,456-460,461-465,466-470,471-475,476-480,481-485,486-490,491-495,496-500
> >501-505,506-510,511-515,516-520,521-525,526-530,531-535,536-540,541-545,546-550
> >551-555,556-560,561-565,566-570,571-575,576-580,581-585,586-590,591-595,596-600
> >601-605,606-610,611-615,616-620,621-625,626-630,631-635,636-640,641-645,646-650
> >651-655,656-660,661-665,666-670,671-675,676-680,681-685,686-690,691-695,696-700
> >701-705,706-710,711-715,716-720,721-725,726-730,731-735,736-740,741-745,746-750
> >751-755,756-760,761-765,766-770,771-775,776-780,781-785,786-790,791-795,796-800
> >801-805,806-810,811-815,816-820,821-825,826-830,831-835,836-840,841-845,846-850
> >851-855,856-860,861-865,866-870,871-875,876-880,881-885,886-890,891-895,896-900
> >901-905,906-910,911-915,916-920,921-925,926-930,931-935,936-940,941-945,946-950
> >951-955,956-960,961-965,966-970,971-975,976-980,981-985,986-990,991-995,996-1000
50創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 08:02:01 ID:16eNSr1c
>>46
読まなければいいじゃないw
まずいラーメン屋に足しげく通う変態さんなの?
51創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 10:20:38 ID:kOFTRDmM
かまってほしいんだよ。
そうする以外に人の興味を引く方法知らないくらい馬鹿だから。
52創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 11:40:15 ID:9eQXUPa5
俺の意見に不服の奴がいるが、荒らし扱いしたいわけ?
そう思うならなんでわざわざかまってくるちゃうのかな?
反論する奴も荒らしっていう基本的なことを理解しないお子様が2人もいるようだが

ちょっと否定的なこと言ったらこの扱いか
君たち2ch向いてないよ
53創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 11:51:29 ID:PKE1qIZ8
煽るなって何回言えばいいのやら

ID:QRxWoJuj 
ID:BGnjtjPt
ID:/txk63Bc
ID:9eQXUPa5
ID:kOFTRDmM
ID:16eNSr1c
ID:9885mEvN
ID:PdI2HlSG

NG追加ね、煽りも荒らしと同じ
最後にまだNGしてないなら、俺のID:PKE1qIZ8もぶっこめ
54創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 12:12:02 ID:aUcLyqnL
なんというか最初っからクライマックスな感じだな……
>>35
リロードしていなかったという可能性は考えましたか?
55創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 12:12:44 ID:ZmWZrkB8
粘着荒らし宣言してる人も居るし、構ってチャンを構う天然荒らしも多い。
だから、なるだけ本議論はしたらばでした方が良いんじゃないかな?
途中経過や決定事項をこっちに貼る感じにして。

とりあえず今日でOP投票なんだよな?
56創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 12:14:17 ID:RpNULcFl
では、したらばで
57創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 13:04:11 ID:K9NPr2cU
投票があまり進んでないようなので、流れぶった切ってOP感想。
ネガキャンに見えるようだったら先に謝っとく。


OP1:ラノロワの国 -the opening-
初見は、見せしめもなく、主催者も後続の書き手に任せられる、新しい
試みのオープニングという印象。けどルールの説明で気になる点が。
「ラノロワの参加者は旅人でなければならない」――この件をキノ以外の
参加者に当て嵌めるのは不可能ではないけれど、参加時期を縛ってしまう
可能性も出てくる。例えば、当てのない追跡の旅の途中だったり、学校の
強化合宿やバカンス、家族旅行といった時期など。
首輪代わりの「証」があり、それで脅すことも可能とはいえ、部屋から出て
スタート地点に立つまでに一波乱ありそうなキャラもいるので「覚悟が
お決まりになるまでは〜〜」と言わせるべきではなかったかもしれない。


2:開演口上
赤ザコさん主催側で驚愕。涼宮某ってどころじゃねえわw
この人も色々と迂闊なことが多いせいか、初っ端から「実験」と言って
しまっている辺りがなあ。スレ内でどなたかが仰ってたが、最初の
6時間を様子見・静観しそうなキャラが出てきそうな…やる気のある
参加者が引っ掻き回すことで、その不安は解消されるかも?
ダミーの人形を用意しそれを見せしめ代わりにした点はよかった。
蒼崎姉ほどではないが人形師としての腕前を披露できたので、もう
これで思い残すこともないだろう。
ボーナスの件は、どのタイミングでの支給なのかがわかり辛いですが、
前述の「手引き」を用い内容を確定してくれる書き手氏に期待。
58創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 13:07:48 ID:K9NPr2cU
3:今からはじまる終焉――(今よりはじまる終演)
旧作に引き続き狐さん再登場。みくる(メイド服)が聞き手であるのは、
間違いなく人類最悪の趣味に違いない。何て不気味で素朴な囲われた世界だ。
「2時間後とに外側より一升ずつ消失」する舞台。どういう地図になるか
想像もつかない。禁止エリアを用いた分断やトラップが行い辛くなり、
重要施設が真ん中に固まってしまうのではと心配になるけれど、地図の
作成は書き手氏がフォローしてくれるようであり、現時点で一番票が
入っているOPでもあるので、素直に期待。
…そういえばこのOPも見せしめがいない。そして「他を蹴落とせ」的な
ニュアンスは口にしているも、直接的な、物騒な台詞が全くないことに
今更気づく。参加者がこの椅子取りゲームをどう解釈するか見もの。


4:無題
オーソドックスなオープニング。荒耶宗蓮の目的も、らしいと言えば
らしい。そしてOP2での頑張り物語の反動なのか、哀れ赤ザコ。南無。
上条さんが初っ端から活躍してしまったため、このOPが一位に輝いた
場合、次の登場話を併せると「祝・一話脱落からの脱却!」という
事態になる。登場話数が増えるよ! やったねとーま!(AA略
地味に首輪の情報も出てはいるが、参戦決定している参加者には
色んな筋のエキスパートが既にいるので、そこから早々に首輪解析
に入られてしまう可能性もあるけど…俺の穿ち過ぎだな。


………残り11時間弱。どれに票を入れよう。悩む。
59創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 14:39:54 ID:Iu29O0A4
民度が低いところに来るのはどうかと思うけどとりあえず>>1
さて、OP投票どうしようかなあ。
上条さんの念願を叶えさせるべきかどうか……
60創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 16:23:32 ID:eUruRwr6
1は主催が面白いけど、逆に主催絡みの展開で困りそう
2,4はスタンダードだけどアルバの扱いが天と地w
3は今のところの1番人気でルールも新しいけど、
エリア消失の間隔がせわしないのとパターンが決定している点が問題になる恐れも?
61創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 17:02:06 ID:kAKXlv3s
牽制うざい
62創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 19:05:32 ID:Iu29O0A4
>>60
アルバさんはこのスレのアイドルになりそうな悪寒
63創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 20:02:10 ID:RpNULcFl
アルバはお前らの嫁!
64創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:15:20 ID:0/ZgvX/B
1時間切ったか・・・
65創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:22:19 ID:5Khl7KFo
まぁ無難に行きそうか
OP1なんかただキノっぽく書いただけで全然ロワらしくないし、後々書きにくいだけだもんな
66創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:25:30 ID:/txk63Bc
ロワらしいって何なんだろうな…
67創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:30:29 ID:eUruRwr6
残り約30分
ラストスパートはあるのか
68創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:44:55 ID:59oFNsC8
op決まったらすぐ予約していいの?
69創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:48:05 ID:eUruRwr6
そうなるのかな
集計作業があるだろうから、0時になったらすぐってわけにはいかないだろうけど
70創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:49:07 ID:NzW9MyLT
テンプレとか地図もまだだし、1作品中のキャラの上限とかもまだ未確定だから もう少し後かと。
71創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:49:29 ID:59oFNsC8
そうなのか・・・
72創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:50:34 ID:0/ZgvX/B
まあ、少なくとも2/17日以降じゃないかな>予約開始
73創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:09:21 ID:HT5094oQ
投票終了か。
3で決まりかな?
74創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:12:01 ID:fQ/gmo9e
特に変動がないなら3か
予約開始まだかなー
75 ◆iMRAgK0yqs :2009/02/16(月) 00:13:58 ID:Gx5hWKr/
お待たせ致しました。以下、結果です。

OP1:ラノロワの国 -the opening-
 2票

OP2:開演口上
 1票

OP3:今からはじまる終焉――(今よりはじまる終演)
 10票

OP4:無題
 7票 (>>22が携帯端末からの書き込みのため)
76創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:18:03 ID:HT5094oQ
>>75
集計乙!
3に決定か。

OPはこっちに転載した方がいいのかね?
77創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:23:38 ID:fQ/gmo9e
集計乙です
マップは作者氏が作ってくださるようなので、ひとまずお任せかな?

一作品辺りの上限人数については6人がいいのではないかと
「涼宮ハルヒの憂鬱」と「とある魔術の禁書目録」には追加できなくなるけど、
もともと12作品に対して10枠しか残ってないので

作品ごとに枠数を割り当てるってのもありといえばありなのかな?
78 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:30:56 ID:uXeFyjNo
集計乙です。そして自分のOP案を選んでいただきありがとうございます。

前スレも落ちましたので、この後改めてOPを投下させてもらいますね。
MAPに関しては現在作業中で、遅くとも火曜の晩には投下できると思います。
79創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:31:42 ID:Gx5hWKr/
>>76
折角だし転載した方がいいのでしょうが、作者の◆EchanS1zhg(いーちゃん?w)氏に
お任せしたい所です。もしかしたら誤字脱字等の修正があるかもしれませんし。

>>77
5人登場作品が2、4人登場作品が6、2人登場作品が2なので、数の上では合計10とは
なるけど…各々に一人ずつの枠だと、戯言とバカテスが寂しいことになるな(汗
2人登場作品に枠数を2つ付け、4人登場作品はそのままなら、綺麗な数にはなるか?
しかしそれだと5人登場作品が…(以下ループ
80創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:32:51 ID:Gx5hWKr/
と、早速来たw 支援待機。
81 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:34:27 ID:uXeFyjNo
 【0】


暗い――クライ――CRY――


紛れもない漆黒。一寸の光すら差し込まぬ真黒。嘘偽りのない暗闇。暗い其処――底。
これまでは久しく無音無意識。そして現在において有音有意義。それは未来において騒音無意味。
物語《ストーリー》の定義に従い、定理に則り、定格を守り、定規を逸せず、定句を連ね――


――世界は終演する為にその幕を明ける。


 【1】


吐息。寝息。規則正しく、そして乱れ、大きな吐息。浮かび上がる欠伸。吐き下ろされる溜息。
一人の少女は夢幻有色の微睡から目覚め、そして無限憂色の目論見の中で意識を覚醒させる。

不可視の闇の中に伝わる衣擦れの音。
少女は現状を把握しようと、恐る恐ると手を伸ばし、そしてすぐに突き当たる。
壁。手を沿わせるとまた壁。前後左右天地。囲われた、壁壁壁壁壁壁の六枚の壁。
両手を広げれば端と端が繋がるその箱。想像するなら檻のようなものは一辺が1メートル少しといったところか。
そして、前後左右の壁の内の一枚。それは窓なのか扉なのか、一枚はツルツルとした硝子の様な感触。
僅かながらでも情報が生まれれば理性がそれを解析しようとし僅かながらに冷静さが生まれてくる。

「……――あ……あの、……だ、誰か、いませんか……?」

少女――朝比奈みくるは声を出すことに成功し、そしてそれに少しだけ安堵した。
意識が生まれ、感触を得て、理性を取り戻し、意思を声と発する。人間一単位の小さな、しかし確固たる世界。

「誰もいませんか……?」

みくるはトントンと硝子の面を叩く。音は響かず、返ってくる感触はそれが思いのほか分厚いことを教えてくれた。
叩きながら、呼びかけながら、みくるは思考を巡らせる。
唐突ながら彼女は普通の人間ではない。突拍子もなく言えば彼女は”未来人”である。

「どうしよう。TPDDは使えないし……、これはやっぱり”彼女”の、それとも【禁則事項】の仕業なのかな……?」

誰にも伝わらぬ言葉で彼女は一人ごちる。
想像しうるケースは幾多にも存在し、そしてそれを確定させるための情報は残念ながら甚だ乏しい。
みくるが今わかることと言ったら、何らかの原因で拉致されたこと。そして、今メイド服を着ていることぐらいだろうか。

「どうしてメイド服なんでしょうか……?」

見えなくても、その着慣れた着心地はあのメイド服に違いなかった。
そして虚空に理由を問うも答えは返ってこず、ここで代わりに答えを出すとすればそれは物語の必然だからだろうか?
ともかくとして、メイド服姿の朝比奈みくるが真っ暗で小さな箱の中にいる。それが現状。


 【2】


トントンとみくるが硝子を叩き続けそろそろ手が痛いのでやめようかと思った頃、闇の中に光が射した。

「――きゃっ!」

白光は闇を凝視していたみくるの眼をも当たり前のように刺し貫き、彼女に悲鳴をあげさせる。
久しい刺激に瞳に涙が溢れ、零れ、拭い、みくるは恐る恐るとまた目蓋を開き光を、光源を、そこに立つものを見る。
82創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:35:35 ID:Gx5hWKr/
支援
83 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:35:40 ID:uXeFyjNo
「……っ」

見て、小さな悲鳴。
そこに立っているのは幽鬼の様な男だった。
長身痩躯。全身を死に装束の様な真っ白な着物に包み、顔には狐のお面。漂わせる気配は不穏。


『ようこそ、世界の果てへ――』


そして、始まらせる為の始まりが始まる。


 【3】


『いいや、世界の果てというよりかは、世界の端っこと言った方が的確か。
 まぁ、そんなことはどちらでも同じことだが』

言って、狐面の男は手にしたランタンをかざしながら周囲を見渡した。
流される光の中に浮かび上がる箱、箱、箱、箱……無数の箱。
それを見ていたみくるは自分と同じ境遇の者がその箱の数と同じだけいるのだろうと想像した。

『さて、一応ながらに自己紹介をしておくか。
 とはいえ最早俺はこの物語《ストーリー》の登場人物などという上等なものではありはしない。
 役以下の役割だけの舞台装置。
 だからこれは識別の為の固有名詞。
 そういう認識でお前達も覚えろ、いや覚える必要もない。どちらでも同じことなのだから』

人類最悪――と狐面の男は貫禄のある声で名乗った。
いや、彼の言を借りればそれは名乗ったとは言えず、呼称の為の単なる一単語にすぎないが。
字面の印象から、それは当たり前のことだが、みくるはそこに不安を生じさせる。

『俺のことは気にするな。所詮スピーカー代わりにすぎない。
 お前達をこんなところに連れてきたものでもなければ、それを知ってすらいないのだから。
 境遇としては箱の中のお前らと同じようなもの。
 いや、箱に囲まれた俺も箱に囲われているとするのならば、全くの同じか……』

残念なのか、無念なのか、そんな気配を漂わせ、そしてふんと鼻を小さくならすと狐面の男はまた話を続ける。

『さて、ただの舞台装置として俺はお前達に説明をせねばならん。
 まったくもって面倒だが、どうせここでしなくともいつかはしなくてはいけないこと。
 ならば面倒は先に片付けておいた方がいいだろう。
 面倒なので一度しか言わん。聞き逃しは自己責任だ。耳をすませておけよ』

みくるは硝子の面ににじりより耳を立てる。
狐面の男は全員がそうするのを待ったのか、いくらかの間を置きそして話を再開した。


 【4】


『お前達は今、世界の端っこにいる。
 どうしてや、どうやってとは思うな。俺もそれは知らないし、今は意味のないことだ。
 それよりも世界の――物語の最果てまでこれたという稀有な事態に喜ぶなり悲しむなりすればいい。

 一枚の折り紙をイメージしろ。
 正方形のその角。その隅の隅っこにお前達は連れてこられた。またはやって来てしまった。
 そして折り紙は切り取られ、断絶し、ここにあるのは元の折り紙よりも更に更に小さな一片でしかない。
84創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:36:19 ID:HT5094oQ
支援
85創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:36:25 ID:Gx5hWKr/
sien
86 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:37:06 ID:uXeFyjNo
 そう、一篇の物語でしかない。

 そして切り取られた世界は更に切り取られ縮小し、いつかは消え行く。
 これがお前達に与えられた舞台だ。
 演目は蜘蛛の糸。
 知っているか? それとも知らないか? どちらでも同じことだが、せっかくなので言い直すか。
 お前達がこの辺鄙な世界の最果て。只の不条理な一篇。一片の足場の上でしなけらばならないこと。

 それは、――生き残る。ということだ。

 何も難しいことじゃない。誰しもが生きているならそうしている。
 だが難しい。誰しもが生きているからこそにただひたすら難しい。
 社会が大きな椅子取りゲームだなどと比喩するまでもなく、生き残りは競争を生み、それを意味するからな。

 お前達はこれから世界の最果てに立つ。
 世界は時間とともに失われ、足場は少しずつ狭くなってゆく。
 その上に最後まで立っていた一人だけが生き残れる。唯の一人だけ。只の独り故にな。

 これに、そしてそこに意味があるのか。さて、それもどちらでも同じことだ。
 ただしかし、到達すればそいつはそこに最終焦点を見出すのかもしれない。

 ――ディングエピローグ。

 俺は、俺個人としてはそれがただ羨ましく、そして興味深い』


 【5】


『さて、競争である以上そこにルールが存在する。
 理と言ってもいいか、参加者である以上決して抗えぬ部分のことだ。
 例えば人間は重力に逆らえないとか、な。意志は自由に飛べても、身体は石と同じく飛べずということだ。

 まず、お前達はこの世界の端から逃げることはできない。
 試みることは自由だが、無駄だ。その労力は他に回せと俺は忠告しておく。
 困難への挑戦と、無意味な挑戦は似て異なる。俺にお前達を憐れだと思わせないでくれ。

 そして、生き残ることができるのは一人だけ。
 蜘蛛の糸の話を知っているものはその顛末も知っているよな?
 欲をかくなよ。一人だけという条件は絶対に覆らない。

 期限は72時間ジャスト。
 三十六の升目で区切られた世界は2時間後とに外側より一升ずつ消失してゆく。
 24時間1日で12マス。72時間3日で36マス。
 それまでに最後に一人になっていなければすべてが”おじゃん”だ。

 この物語の登場人物――生き残りを争う参加者は全部で60名。
 後で配られる名簿で確認しろ。知ってる名前もいくつか見つかるだろう。
 ただし、そこにある名前が恋人でも家族のものであろうとも今はお前の敵であるということを忘れるな。
 とはいえあくまで敵は敵でしかない。
 敵であろうと味方であろうと、そんなことはどちらでも同じ……という向きもあるだろう。

 そして俺にとっては面倒なことに、お前達の面倒事を増やすために6時間毎に放送を流してやる。
 脱落者の名前を読み上げてやろう。
 俺はただの舞台装置としてそれを読み上げる。そこに何を見出すかはお前らの勝手だ。

 そろそろお前達を喜ばせるか?
 お前達には生き延びるための道具が与えられる。俺は少し過保護がすぎると思うんだがな。
87創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:37:22 ID:Gx5hWKr/
しえん
88創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:37:52 ID:HT5094oQ
支援
89 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:38:37 ID:uXeFyjNo
 まずは鞄――所謂デイパックというものか、俺の趣味ではないが、これがお前達に与えられる。
 不可解なことにこの鞄にはいくらでも物が入るらしいが、そこは不理解を貫くが無難か。
 ドラえもんの四次元ポケットみたいなものだ。……まさか、知らないやつはここにいないよな?

 ……まぁいい。次は中身の説明をしてやろう。
 最初に地図。
 先程も言ったが、6×6の36マスに世界は区切られている。
 縦が「A」「B」「C」「D」「E」「F」。横が「1」「2」「3」「4」「5」「6」。
 世界は2時間毎に、「A-1」より時計回りに「A-2」「A-3」〜「A-7」「B-7」「C-7」と切り取られてゆく。
 ぼんくらしていると、自分毎切り取られてそこで終わるからな。せいぜい無様を曝さないよう気をつけろ。

 次に名簿。
 お前ら60人の……と、いやお前らに配られる名簿には50人分の名前しか記されてない。
 何故か、とは俺に問うなよ。俺もなんでかなんてことは知らないんだから。
 意味はお前らが勝手に推測し推理し推定すればいい。名前の載っている者も、載ってない者もそれぞれな。

 さて、いい加減面倒になってきたんだが……少し端折るぞ。
 地図と名簿の他に、筆記用具や方位磁石、腕時計、懐中電灯やら、お風呂歯磨きセット、応急手当キットやら色々。
 まぁ、ハイキングにしては大仰。山登りするには頼りないってぐらいのあれこれが入ってる。
 これはもう勝手に確認しろ。一々説明する必要も理由も意味もない。

 最後に、鞄の中には”武器”が入っている。
 武器……というよりも誰かを害する為の概念と言い直すべきか……。
 一見それと判る、例えば拳銃の様なものもあれば、鞄を開けた者が理解に苦しむものなどそれは様々だ。
 これだけは各自それぞれ別に大体1つから3つ入れられている。
 それが使えるものなのかそうでないのか、お前らが第一に己の運を計るいい指標になるだろうぜ。

 ……ようやくだが、これで説明を終える。
 もう一度俺が明かりを落とせばお前らは次の瞬間には世界の端のどこかだ。
 時計は零時を指しているだろう。そこから72時間が終わり行く世界の中で与えられた猶予。
 生き残りはすぐに始まる。終わりたくない者は己が生に執着しろ。終着を見たくば他を蹴落とせ。


 まぁ、精々……頑張って、生き残ることだ。じゃあ――』


 【6】


縁が合ったらまた会おう――そう言って、狐面の男はランタンの明かりを消した。

瞬間、朝比奈みくるは落ちた。
声を発する間もなく、狐面の男に問いをぶつける間もなく、状況を理解しきる間もなく落下した。
意識としても、物体としても、物語としても落ちて。今はこれで終わる。


始まらせる為の始まりは終わり、60名の登場人物による終わらせる為の始まりが、次に始まる。



暗転。舞台はフェードアウトする。




 【7】


暗転した暗闇の中で、一人残された狐面の男。
世界の終わりを見たがっている人類最悪の遊び人は一人ごちる。
90創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:39:06 ID:HT5094oQ
sien
91 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:39:39 ID:uXeFyjNo
『しかし、これは無粋極まるな。
 俺が見たかった物語《ストーリー》の終わりからは甚だ遠い。いや、異質すぎる。
 頁《ページ》を捲るのではなく、破いてそれを別の頁《ページ》へと継ぎ合わせるようなものだろうこれは。
 全くの整合性もなく、編纂集と言うには御粗末すぎる。
 縁が合ったというにはあまりにも牽強付会。

 だが、これも起こるべくして起こったことなのか。
 とすれば、まぁ今はどうでもいい。
 ジェイルオルタナティブ。バックノズル。これが俺の運命だというならどちらでも同じ。

 俺はこの物語《ストーリー》をただ読むだけだ。その最終焦点までな。
 読むだけ……ふん。違うな。読まされるだけか――……』


そして、今度こそ暗転。
語り部は口を閉ざし、舞台は次の登場人物を待ちただ静寂を守る。




【ラノロワ・オルタレイション 開幕】





【主催者】:不明
【進行役】:《人類最悪の遊び人》――西東天(さいとうたかし)@戯言シリーズ


【ルール】
 1:参加者60名をとある場所に放り込み、午前0時より状況を開始。
 2:とある場所は地図上で36マスに区切られており、2時間毎に左上から時計回りの順で消失してゆく。
   (72時間丁度でとある場所は完全に消失)
 3:最中は開始より6時間毎に放送を流し、そこで先の6時間で死亡した者の名前を読み上げる。
 4:参加者60名にはそれぞれ支給品が与えられる。内容は以下の通り。

  「デイパック」
   容量無限の黒い鞄。
  「基本支給品一式」
   地図、名簿、筆記用具、メモ帳、方位磁石、腕時計、懐中電灯、お風呂歯磨きセット、タオル数枚
   応急手当キット、成人男子1日分の食料、500mlのペットボトルの水4本
   (※名簿には60人中、50名の名前しか記されていません)
  「武器」
   一つの鞄につき、1つから3つまでの中で何か武器になるもの(?)が入っている。

 5:他の全員が死亡し、最後の一人になった者は消失する世界より逃れられる(?)
92創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:39:55 ID:HT5094oQ
支援
93 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 00:41:02 ID:uXeFyjNo
以上で投下終了です。支援感謝。
タイトルは変わらず、
今からはじまる終焉――(今よりはじまる終演)
です。

MAPの作成は順調に進んでいますので、今しばらくお待ちください。
94創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:47:43 ID:Gx5hWKr/
投下乙でした。
MAPの作成完了、お待ちしております。
95創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:50:20 ID:HT5094oQ
再投下乙。
MAPはこれで安心。

となると、問題は上限か
96創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:53:12 ID:Gx5hWKr/
戯言、バカテスだけは、下限1としておきたいなぁ。
残った8人の枠は、書き手方任せで。
97創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:58:13 ID:HT5094oQ
>>96
自分もそれでいいと思う。
98創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 01:04:26 ID:uXfwtqSR
>>96
異議なし

あまり細かく設定しちゃってもあれだしね
99創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 01:06:57 ID:fQ/gmo9e
>>96
それくらいの縛りがいいかな
100創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 01:29:33 ID:Gx5hWKr/
追記。書き手枠で出せる新規参加者は、一回の予約で一人まで、
というのは……こんな心配しなくても、皆様空気読みますよね(汗

あとはテンプレに記載する基本ルールの情報くらいかな?
ステータスに「制限」記述を入れるのは不評だった気がするので、
外しておくべきかも?
101 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 02:35:08 ID:uXeFyjNo
思いのほか、早く完成しました。

地図
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/80/085470c4d1291e7945d880529c499bc7.png
縮尺は1エリアの一辺が1km。上が北。
水色が海、河。灰色が市街。緑が草原など、色が濃くなっている場所は山。
中央の堀に囲まれた部分は城(和)となっています。
102創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 02:43:25 ID:+i7PJOom
>>100
それもだが、出来れば書き手枠キャラは予約後にどんなキャラかを質問された場合の軽いキャラ説明はしてほしい

誰得キャラが入るのは好ましくないし、こういうのは荒らしじゃなくても、無意識に予約する
可能性が結構あるから避けたい。

お幻@甲賀忍法長
とか予約して投下されても詳細不明すぎてリレーに困る
103創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 02:44:34 ID:yZYz5ZjZ
綺麗なわかりやすいマップだなー
104創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 03:18:13 ID:fQ/gmo9e
おお、マップがもう来るとは
これは乙と言わざるを得ない

ということは、書き手枠予約までに済ませることは、後何が残ってるんだろ

>>102
確かに軽いキャラ紹介はあったほうがいいかも
105創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 03:41:18 ID:Gx5hWKr/
書き手枠は全10名。内、戯言・バカテスは最低1名。
残りの8名はハルヒ・禁書以外の作品で振り分ける。

書き手枠キャラの予約は、一回の予約で1名のみとする。
枠キャラを一度に2名登場させる予約は自動的に破棄。
但し、既に登場している枠キャラは同伴させても可。

枠キャラ予約時は、キャラに関する説明を、三行程度で
構わないので記述。wikiや個人サイトの丸コピペはNG。

……と、こんな感じかな。
予約は、2/17の0時から?

>>101
地図乙です。ちょっとOPにツッコミなのですが。

>89
>世界は2時間毎に、「A-1」より時計回りに「A-2」「A-3」〜「A-7」「B-7」「C-7」と切り取られてゆく。
升目、多くありませんか?w

>>86
>三十六の升目で区切られた世界は2時間後とに外側より一升ずつ消失してゆく。
上の書式と併せて見ると、「2時間後と」→「2時間毎」かと。
細かくて申し訳ありません。
106創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 04:12:12 ID:+88mtyk2
うーん予約開始はもう3日ほどおいてもいいんじゃない?
流石に告知期間は必要だろう
107創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 05:44:13 ID:+i7PJOom
それと予約期間は何日?
最近は三日、五日、一週間と色々あるから確認したい
108創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 12:03:25 ID:/P9vCf/N
>>105>>106
早すぎるのもなんだが、あんまり間明けるのもどうかと。
2/18 0:00から、がいいと思う

>>107
個人的には3日希望
109創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 13:46:28 ID:Gx5hWKr/
>>106>>108
……2/17の0時は、流石に早いか。
2/18、2/19、どちらでも構わないです。

>>107
予約期間3日、延長申請でプラス2日、でしたね今までは。
日数が足りるなら、このままでいきますか。

前スレでは予約の荒らし出たので、規制で書き込めない
場合を除き、予約は必ず予約スレで、も付け加えたい。

決まり次第、避難所に新たな予約スレを作成します。
110創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 16:58:35 ID:g4yAeGpY
では2/18に一票
個人的には2/17でも一向に構わん!だけど

あとは投下→次の予約もインターバルなしにしてもらいたい
最初は勢い重視したいしね
自己リレーはもちろん自重する方向で

ないとは思うけど、予約合戦で時空が歪んだらスレ番優先でおk?
111創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 17:10:12 ID:+88mtyk2
インターバルは最低一時間ほど欲しいな。
もし矛盾点があったら即効予約だと指摘しにくいし
112創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 17:17:31 ID:gfjA1Gx9
>>111
荒らし乙
無理やり議論に持ち込もうとするな

>>110
スレ番優先でおk
113創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 17:52:24 ID:6I8EGgOg
じゃあ、インターバルなしならある作品が修正破棄くらったら、それをリレーした作品も破棄な。または分岐で。
それがいやなら6時間くらい空けようぜ、いくら序盤といってもさ。
114創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 17:58:47 ID:H/96roCC
インターバルなしってのはA,Bが登場する作品を投下した後すぐにC,Dで予約可能って意味じゃないの?

A,Bの続き書くのは一日くらい空けたほうがいいと思う。
115創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 18:02:56 ID:BGATfcLm
>>114
だと思う
116創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 18:04:33 ID:6I8EGgOg
ああ、書き手さんがって意味か。
勘違いすまーん。
117創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 19:30:14 ID:fQ/gmo9e
個人的には、予約開始は早い方がいいな
17日の0時なら嬉しいけど、どうしても早過ぎるっていうなら18日の0時で
19日は流石に先送りしすぎだと思う
118 ◆EchanS1zhg :2009/02/16(月) 19:43:31 ID:uXeFyjNo
>>105
はい、指摘の通りですw wiki収録後に訂正させてもらいます。


>>予約期間など
予約の書き込みから3日が基本。期間中に延長申請で2日までプラス。

作品を投下した後、すぐに別のパートを予約するのはあり。
ただし修正などが指摘された場合は、そちらの問題を解決することを優先する。

投下されたパートを別の人がすぐに予約するのはなし。
修正などが入る可能性があるので1日は時間を置く。

予約開始は18日の0時より。したらばの専用スレで行う。


……以上が私からの希望です。
119創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 21:29:50 ID:DXwjznqP
ところで首輪ってどうなってるの?
120創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 21:37:12 ID:HT5094oQ
>>119
無いんじゃない?
このルールだったら別にいらないと思うし
121創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 23:57:53 ID:fQ/gmo9e
予約開始は18日の0時でいいのかな
122創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 00:01:23 ID:W7QJbVMz
>>121
いいと思う
123創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 08:32:21 ID:5vYjQ0G4
そんな感じ
124創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 10:52:14 ID:J3hKDpWn
この内容で予約スレ作成予定。
駄目出しありましたら、19時くらいまでに突っ込んで下さい。

===+++===
書き手の方々が予約を行うためのスレです。
予約開始は「2009/2/18 0:00」から!


【予約について・前】
・このスレッドに書き込むことで予約が行えます。
 キャラが被った場合は、若いレス番号の予約が優先となります。
・予約の有効期間は書き込んだ時点から“三日後”までです。
 本スレで宣言することで“二日間の延長”ができます。
・トリップ無し、及び本スレでの予約は受け付けておりません。
 規制にて予約できない場合は、本スレにて報告して下さい。

【作品投下時の約束】
・作品を投下する際は本スレで投下宣言を行って下さい。
 ROMしている方の投下支援を受けることができます。

【予約について・後】
・投下パートの“続き”を予約する場合、最低でも投下から24時間インターバルを取ること。
 作品内での問題点が指摘された場合は、予約より問題解決が優先されます!
125追記:2009/02/17(火) 11:02:30 ID:J3hKDpWn
・自身の作品投下直後に、別のパートを予約することは構いません。
 但し投下した作品で問題点が指摘された場合は、問題解決を優先!
 問題発覚から24時間は、別パートの予約は保持されます。


……と、問題の発覚に対する救済措置を付け加えてみました(汗
126さらに追記:2009/02/17(火) 12:42:00 ID:J3hKDpWn
【書き手枠キャラについて】
・書き手枠は全10名。内、“戯言とバカテスは共に最低1名”。
 残りの8名は、“ハルヒと禁書以外の作品”で振り分ける。
・書き手枠キャラの予約は、一回の予約で1名のみとする。
 枠キャラを一度に2名登場させる予約は自動的に破棄。
 但し、他の投下作品で登場している枠キャラは同伴させても可。
・枠キャラ予約時はキャラに関する説明を、三行程度で記述。
 wikiや個人サイトの丸コピペはNG。


自分で書いておいて忘れるとか、ないわw 寝よう。
127創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 18:38:13 ID:gmm6hyrQ
“ハルヒと禁書以外で振り分ける”というよりは“各作品毎の参加人数が6人を越えないように振り分ける”のほうが良いんじゃないかな。
6人を超えた場合は早い者勝ちとかで。
128創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 19:45:46 ID:cabVjODv
賛成です
129創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 20:06:05 ID:cMBAYAIK
よく分からんけど、結局同じ意味ならそんなにこだわる事でもないような
130創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 20:13:42 ID:J3hKDpWn
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234868971/l50
寝過ごしました…2時間後から翌昼まで不在となります。
したらばで問題発生しましたら、早期に解決できるよう努力しますので。

…予約、楽しみだw
131創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 20:55:24 ID:t0tBg0lB
一つ気になったのだが、
>・枠キャラ予約時はキャラに関する説明を、三行程度で記述。
>wikiや個人サイトの丸コピペはNG。

個人サイトはともかく、wikiもNGなの?
132創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 21:07:16 ID:0G+vWZvI
そりゃ枠を使ってまで出したいキャラがいるのに説明丸写しじゃなぁ
3行程度なら簡単に書けるだろ
133創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 21:13:20 ID:jJjPSVp6
はげど
これがウン十行とかならキツいが…
三行程度なら、普通に把握してればかけるっしょ
134創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 21:16:07 ID:J3hKDpWn
>>131
「wiki」ではなく「wikipedia」と書いた方がよかったかな(汗
……論点はそこではないですよね。

他者の記述をコピペするという行為自体がNGではと思っております。
稀にですがwikipediaの内容を丸々写して論文として提出するといった
話も聞くことがありますし、wikipediaに書かれた誤情報を信じニュース
として報じてしまうメディアも存在しました。せめて「引用した」くらいは
記載してほしいし、是非にでも裏づけは自分の目で行ってほしい――
と、話がずれた。

>>132-133も仰ってますが、出したいキャラなら、三行の説明文くらい
余裕ではないかと…決して「今北産業」と言いたいわけでは、ええ。
135 ◆EchanS1zhg :2009/02/17(火) 21:49:11 ID:xrFQZk3L
今晩のスタートには参加できませんが、代わりにこれを。

ラノロワオルタレイションロゴ
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/f6/da1810e5d6ca5bf2e2d66ce18311462b.png
136創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 21:52:05 ID:J3hKDpWn
ざ、戯言のタイトルっぽいwww いーちゃん氏乙。

したらば、旧wikiのトップも変更。離席します。ノシ
137創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 23:18:48 ID:b+xKKv95
とりあえずハルヒ禁書に限らず参加人数6人になったら打ち止めってことかね?

>>134
前から思っていたけどあなたの頭の中はどこかずれているかとw
あとしたらばのトップ、ラノロワオルタ「ネ」イションになっていますよ?

>>135
乙wwwデザインまで戯言っぽいwww
138創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 23:59:41 ID:IPQXOd90
そろそろ時間かー
139創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 00:12:51 ID:+xgyAKlb
これはよいスタートダッシュ。
戯言、バカテスは、最低人数確保おめ。
140創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 00:13:45 ID:pbtjx62t
現在までに予約された書き手枠キャラ

狩人<tリアグネ@灼眼のシャナ
白純里緒@空の境界
如月左衛門@甲賀忍法帖
零崎人識@戯言シリーズ
島田美波@バカとテストと召喚獣

“戯言とバカテスは共に最低1名”はクリア済み
6人に達したのは【涼宮ハルヒの憂鬱】と【とある魔術の禁書目録】以外になし
141創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 01:24:24 ID:+xgyAKlb
上条さん生存フラグ、か?
142創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 12:43:34 ID:1XHan7r7
序盤でゴタゴタしましたが、始まって何よりです。
これでしたらばで行える作業もほぼ無くなったので、規制
解除依頼等の呼び出しがあるまで完全に潜伏します。
……予約スレ、時空が歪んでやがる。早過ぎたんだwww

>新wikiの人
近日、過去ログ保管庫を作成し、そこに旧スレと旧SS等の
圧縮ファイルを置かせて頂きます。まずはご報告まで。

>>137
>あとしたらばのトップ、ラノロワオルタ「ネ」イションになっていますよ?
ア゛ーーーッ!!!??? orz
すみません、素で気がつきませんでした。修正しました。
「ずれた」の点もご指摘感謝。脱線した話を修正もせずに、
「ま、いいか」と思考停止しそのまま書き込むのは悪い癖
なので今後は注意自重します。


移転直後のスレの流れについて戦犯として言い訳もあるの
ですが、また脱線しそうなのでこれで失礼。
143創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 12:54:47 ID:NLmvXjfO
消失長門とか蛇悠二とかはありなんだっけ
144創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 12:58:27 ID:MgNZnReK
おkおk
145 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:05:13 ID:rOR/TxcF
>>142
ごくろうさまです。

さて、人いるかな?
インデックス、ヴィルヘルミナ・カルメル、フリアグネを投下します。
146創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:06:54 ID:KKzb8GmG
支援
147盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:07:34 ID:rOR/TxcF
 人ならざる者たちが、この世の日に陰に跋扈している。

 自らを称して渦巻く伽藍=A古き詩人の命名を受けて紅世の徒≠ニいう、彼ら。

 この世の歩いてゆけない隣――紅世≠ゥら渡り来た彼ら徒≠ヘ、存在の力≠奪うという形で人を喰らう。

 それが世界の調和を崩す行いであるとも知らず、知っていたとしても、徒≠ヘ暴挙をやめなかった。

 やがて、強大な力を持つ徒≠スる紅世の王≠ヘ、事態を憂い、同胞を狩るという苦渋の決断を下した。

 名だたる王≠ェ武器、あるいは尖兵として選んだのは、徒≠ノ存在を滅ぼされた人間。

 復讐心に縛られた彼らは王≠ニ契約し、討滅者フレイムヘイズ≠ニなる。


 これは、とある少年とフレイムヘイズ≠フ少女が織り成す物語――の脱線部分。


 分岐を違えた一つの盤曲として、人類最悪の声を唱和し語られる。


 ◇ ◇ ◇


「――まるで凶界卵がごとき、趣味の悪い言葉遊びでありましたな」
「同感」

 一人にして二人の声が、ビルの群集からなる市街、閑散とした路上へと落とされる。
 丈長のワンピースに白いヘッドドレスとエプロンを纏った、奇妙な装い。
 編上げの長靴でコンクリートの路を踏み、端正な顔つきをあたりに散りばめる。
 評は、御崎市駅郊外よりも若干発展しているか――という曖昧なもの。

「辺りに気配は」

 一見してメイドとしか判別できない姿を取る女性は、『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル。

「若干名」

 ヴィルヘルミナに応答を返す、彼女のヘッドドレスから齎される声の主は、夢幻の冠帯<eィアマトー。

「解釈の幅は広く持つべきでありますが……些か情報が不足しているのであります」
「事態究明」

 彼女ら、二人にして一人の存在の総称をフレイムヘイズ=B
 最悪の声による最悪の説明の後、最悪の催事に巻き込まれた。
 実地へと立ち、ありとあらゆる考を巡らせ、足の先を揃える。

 ヴィルヘルミナの向く先、そこにはある意味では同郷の徒が、早速の暴挙に出ようとしていた。


 ◇ ◇ ◇

148創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:07:40 ID:1XHan7r7
sien
149盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:08:21 ID:rOR/TxcF
「うううぅぅぅ……」

 金切り声にも似た嗚咽が、路上の隅で小さく反響する。
 拾ってください、と書かれたダンボールでもあればそこに収まってしまいそうな、慈愛を求める少女の姿があった。
 白を基調とした修道服を纏い、なぜかそれを安全ピンで止めている少女、インデックスは酷く空腹だった。

「とーまぁ……うぅうぅ」

 立場的には飼い主にも等しい男の名を呼び、返答なくして虚しくまた唸る。
 この空腹具合はなんだろうか。昨日の晩餐の献立が思い出せない。もしかしたら絶食したのだろうか。
 傍らにあった黒い鞄を抱きかかえつつ、インデックスは誰かが優しく声をかけてくれるのを待っていた。

 ……というのは、か弱い少女としてのポーズにすぎない。

 10万3000冊の魔道書の内容を記憶している彼女は、捨て猫ではなく図書館……俗に言えば、完全記憶能力者である。
 人間を超越した知識を『貯蔵』している彼女は、空腹の端でずっと考え続けていた。
 己に降りかかった災厄とも呼べる異例事態。
 それらが保有する知識の中でカバーできうるものではないほどのイレギュラーケースであることを、既に悟りながら。

 あの狐面の男は何者だったのか――。
 この競争と銘打たれる催しの実態はなんなのか――。
 その催しを牛耳る主催者とも呼ぶべき存在の正体ははたして――。

(人類最悪、だなんて……あの人は直接口には出さなかったけど、生き残りをかけた椅子取りゲームってことは、つまり)

 該当例は存在しない。しかしインデックスは聡明なことに、答えに気づき始めていた。
 鞄の中身を探ってみて、発掘に成功した紙切れ……そこに記載された名前を見ても、得心がいくものではない。
 ただ、薄々。なんとなく、レベルで。もしかしたら、と一抹の不安を抱えながらも。

(神のご加護は届かず、この世は日常から、ううん、世界の枠から外れて……)

 狙われる立場にあったかつてのインデックス、それを基点とした事件では、ない。
 彼女もまた、巻き込まれた一人にすぎなかった。そう断定して、疑問は積み重なる。
 今、この地に立つどれだけの知恵者が躍らせていることだろうか。
 ある者は迷宮に直面し、ある者は雁字搦め、ある者は真相に気づけていることもあるのか。

 脳に酸素が回らないってことは、やっぱりごはんが必要なんだよね、と。
 インデックスは考察を打ち切り、いそいそと鞄の中を探り始めた。
 名簿の他に出てきた数々の物資、それらの中から目的のものを探し当てると、ピリッと包装紙を破く。
 支給された食料は、定価98円のメロンパンだった。

「いただきま――」

 と。
 人類最悪を名乗る狐面の言葉には混ざらなかった、決定的な単語。
 説明の不足が、危機感を削ぎ、理解はできても実感はできない、というある種異常で、ある種不幸な結果を齎した。

「こんにちは、おちびさん。逢魔が時に相応しい出会いだ」

 インデックスがメロンパンを口いっぱいにほうばろうとしたそのとき。
 メロンパンの奥の光景に、礼装の男性が銃を構え、にこやかに立っているのを見た。


 ◇ ◇ ◇

150創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:08:35 ID:KKzb8GmG
支援
151創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:08:36 ID:1XHan7r7
支援
152盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:09:23 ID:rOR/TxcF
 消音機を用いた銃声は、あたりには響かず。
 絶句したインデックスの手から、まだひと齧りもしていないメロンパンが地に落ちた。
 その眼前、一条のリボンが9mm程度の弾丸を受け止め、威力を殺している。
 弾丸はそのまま、メロンパンとまったく同じタイミングで地に落下。
 ポスッ、カラン、という弱い音が静寂に混じり、そしてインデックスは取り残された。


 ◇ ◇ ◇


「噂はかねがね。実際にお会いするのは初めてかな? 夢幻の冠帯=Aそして『万条の仕手』。
 もしくは、過去の功績に経緯を評して『戦技無双の舞踏姫』と呼んだほうがいいかな?」

 硝煙の上がる銃を持ちながら、純白のスーツを身に纏った男が言う。

「呼称への配慮など結構。しかし博識なところを見ると、確かに狩人<tリアグネ本人のようでありますな」

 一条のリボンを手足のように繰り、それで銃弾を弾き落として見せたメイド姿の女性と、

「存在証明」

 彼女のヘッドドレス型の神器ペルソナ≠ノ意思を表出させている紅世の王≠ェ敵意を添えて返す。

「……?」

 これから栄養分の補給に勤しもうとしていた修道女は、メイドの後方で硬直を余儀なくされた。

 純白のスーツに身を纏った、眉目秀麗な男性を、紅世の王=A狩人<tリアグネ。
 メイドの衣装を身に纏った、凛々しい美貌の女性を、フレイムヘイズ=A『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル。
 ヴィルヘルミナの頭にあるヘッドドレス、神器ペルソナ≠ノ宿る紅世の王≠、夢幻の冠帯<eィアマトー。
 状況から隔離された『必要悪の教会』所属のシスター、10万3000冊の魔道書を有するインデックス。

 四者遭遇の場で、各々が各々の思想を巡らせ、行動に移そうとしている。
 主導権を握るのはフリアグネとヴィルヘルミナの二人。インデックスは、固まったまま身動きが取れなかった。

「フレイムヘイズ殺しの名で知られる狩人≠ェ、抹消された十名の内の一人だったというわけでありますか」
「殺しの名で呼ばれるのは好きではないな。狩人≠フ真名は、本来宝具の収集家たる点を称したものでね」

 互いに、銃とリボン、それぞれが用いれば武器としては十分な道具を構えたまま、文言を交わす。

「私としては、こんなところで君のような高名すぎる討滅者に出会えたことを、喜ばしく思うよ」
「……矛を差し向ける、あるいは矛を収める前に、質問を呈したいのであります」
「ほう。私のような若輩者に、古き乱世を生き抜いたフレイムヘイズがなにを?」
「此度の異常なる事態、枠に入れられた紅世の王≠ニしてはどう見たものでありますか?」

 問いに、フリアグネは微笑を纏う。
 嘲弄にも似た笑みは掠れた声となって間を埋め、ややの後に答えを示した。
153盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:10:24 ID:rOR/TxcF
「どう見るもなにも、趣旨は先ほど説明されたばかりだろう? 生き残りの椅子を巡る。ただそれだけさ」
「ならば、人類最悪なる男の言葉に唯々諾々と従うと? 『都喰らい』を企てた狩人≠ヘ」
「……っ!?」

 ヴィルヘルミナの応答に、フリアグネは驚愕の意を示した。
 余裕に満ちていた表情は一変、重苦しく歪み、さらなる牽制を放る。

「なぜ、面識もない君がそれを知っているのか……教えてはもらえないかな?」
「事実として残されているからであります。そう、『炎髪灼眼の討ち手』によって討滅されたということも。まるで――」
「死者蘇生」

 ヴィルヘルミナは常の鉄面皮を、いつも以上に強張らせて事態を訝った。
 目の前の狩人<tリアグネは、『炎髪灼眼の討ち手』によって討滅された、いわば死者であるはずの存在だった。
 自身、『炎髪灼眼の討ち手』とも親交の深いヴィルヘルミナは、これが誤報などとは思わない。
 死んだ人間がトーチとしてこの世に再び顕現するならともかく、紅世の徒≠ェ復活するなど、ありえないのである。

「フフフ……フハハハハ! 炎髪灼眼のおちびちゃんか。私が彼女に討滅されたと? まったく、おかしなことを言う」

 ヴィルヘルミナの懐疑的な言動を、気狂いとでも見て取る哄笑のフリアグネ。
 笑い飛ばしての否定は、ヴィルヘルミナの捉える事態の深刻さ、考察の根深さをより重くしていく。

「だが、あながち戯言というわけでもないらしい。討滅の道具たる君が、すぐに攻勢に出ないのもそのためじゃないのかい?」
「否定はしないのであります。フレイムヘイズとしての任を果たすには、情報が決定的に不足しているのも事実」
「真相模索」
「此度の催しの趣旨、頭では理解できても、懸念は膨大なほどに残っているのであります。たとえば」
「……討ち滅ぼされたはずの私、とでも言うのかい?」

 ヴィルヘルミナが首肯する。

「この一件、人の世と紅世≠セけに留まる話ではないのかもしれない、というのが我らの見解なのであります」
「異常過多」

 回答を受け取り、フリアグネも一考する。
 しばらくして、銃を収めると同時に言葉を解き放った。

「確かに。封絶を始めとした一部の自在法が機能しないことは既に確認済みとは思うが、それはどう見る?」
「そういった自在法や宝具が存在しない、とは言い切れないのであります。しかし」
「……ここまでの大規模な力の発現、そして目的と手段。どれをとっても、不可解の枠に縛られるといったところか」
「なればこそ、事態の究明に当たりたいというのが方針の一つ。名だたる紅世の王≠ニて、その程度は――!?」

 ヴィルヘルミナが言う途中で、フリアグネが再び銃を抜いた。
 銃口の向きにぶれはなく、一点、ヴィルヘルミナの胸元のみを狙っている。

「常のフレイムヘイズならば、死を呼ぶには足りない武器だ。しかし、この場ではどうだろうか?」
「……どうでありましょうな。それは、そちらも同じでは?」
「回答困難」
154創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:10:36 ID:1XHan7r7
しえん
155盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:12:01 ID:rOR/TxcF
 言葉を詰まらせるヴィルヘルミナの手が、わずかに動く。
 風にたゆたうリボンが、さらなる躍動を求めるようにして、フリアグネを牽制した。
 緊張の時が流れ、しかし闘争には発展しない。
 互いに敵対の間柄にある、そしてなにより、実際に敵意を示し合っているという事実を噛み締めながら、動かないでいた。

「ヴィルヘルミナ・カルメル。君がフレイムヘイズとして言いたいことは、よくわかる。
 討滅の道具を作り出したる夢幻の冠帯=Aそれは君にも言えたことだ。
 だが理解はできても、私はそれを受諾することはできないな。説明は不要だろう?」

 ヴィルヘルミナは、雰囲気だけでしかめっ面を表現する。

「……やはり、動機の根幹は世の調和を崩さんとする紅世の徒=Aということでありますか?」
「愚者」
「悲しいね。やはり討滅の道具でしかない女丈夫の視点では、そうとしか受け取れないか」

 フリアグネはそれを笑って流し、再度銃口を下げた。
 その不可解な行動に、ヴィルヘルミナはより一層、警戒を強める。

「語らいは不要だろう。私は、言われたとおりに生き残りの椅子を巡るつもりだよ。
 とはいえ……今ここで君とやり合うのは好ましくない。それはそちらも同じはずだ。
 事態の究明などという回り道を辿る暇があるのか、今一度よく考えてみるべきと私は思うがね」

 フリアグネの助言をいらぬお節介と受け取り、ヴィルヘルミナもリボンを収めた。
 二人の間にあった緊張の空気は、紐解かれることなく既に雲散霧消している。

 敵を目の前にして、攻勢に出れないヴィルヘルミナは、わずかな時の中で懊悩していた。
 今となっては、紅世の徒≠ニて絶対の敵対者であるとは判断しきれない。
 フリアグネとて、自身と境遇は同じ。選択した方針は見過ごせないが、今は刃を交わすべき時でもない。
 仮にこの、一応の判断が不正解だったとしても、今のヴィルヘルミナにはこれしか選ぶことができなかった。

 因果孤立空間を作り出す絶対の自在法、封絶≠ェなぜか展開できない現状。
 抑制を感じるこの身で、近代では五指に入るとも言われた紅世の王≠フ本物と戦うのは、恐ろしい。
 それは感覚的な恐怖心ではなく、道を誤るという結果を提示される、それによって潰れうる未来を按じての恐怖だった。

「ではまた会おう。『万条の仕手』、それに夢幻の冠帯=B炎髪灼眼のおちびさんにも、そのうち会えるかもしれないね」

 不適な笑いを残し、狩人<tリアグネは中空へと消えていった。


 ◇ ◇ ◇

156創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:12:09 ID:1XHan7r7
支援。
157盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:13:04 ID:rOR/TxcF
「なんともいけ好かない男でありましたな」
「不愉快」

 フリアグネが去った後、ヴィルヘルミナが遭遇の感想を率直に零し、ティアマトーがそれに同調した。
 討滅され亡き者とったはずの紅世の王≠ニの邂逅は、得るものはあったがやはり釈然としない。
 謎は寸毫も解明されず、依然として真相を見失ったまま、ヴィルヘルミナは方針に悩んだ。
 そのとき、

 ぐきゅるるる〜

 といった腹の虫の鳴く音が、ヴィルヘルミナの耳に鮮明に届いてくる。
 振り向く背後、そこにはヴィルヘルミナとフリアグネの邂逅を目前にただ呆然としていただけの少女が、ぺたんと座り込んでいた。

「あっ……えっと……おなかが、空いたんだよ?」

 なぜか疑問系で語りかけてくる少女に、とりあえずの敵意はないと察すると、

「ふむ」

 ヴィルヘルミナは短く唸り、肩に提げていたデイパックを足元に落とした。
 ジッパーをずらし、中を探る。目的のものを掴み取ると、それを少女の前に提示した。

「なんとも間の抜けた話ではありますが……これが『武器』とは運のない」
「武装不要」
「もちろんであります。論じているのは、あくまでも籤運の話」

 ヴィルヘルミナ・カルメルは、宝具のような武器を必須として戦うフレイムヘイズではない。
 契約する王、ティアマトーの意思を表出させた神器ペルソナ≠ウえあれば、渡り歩くには十分だった。
 とはいえ、支給された物資、人類最悪の言葉を借りるならば武器が、こんなものとは……とも思ってしまう。

「あの、これは……?」
「空腹なのでありましょう?」

 幼きシスターに、ヴィルヘルミナは好意を振舞う。
 彼女からも引き出せる情報はある、と判断しての処置だった。

「ある種、生活必需品なのであります」
「即席麺」

 ヴィルヘルミナと少女の間に、カップラーメンが一箱挟まれていた。


 ◇ ◇ ◇

158創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:13:24 ID:1XHan7r7
sien
159盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:13:49 ID:rOR/TxcF
 市街上空を飛んでいたフリアグネは、ビル郡の中でも一際巨大なそれの屋上に降り立ち、夜景を眺める。
 いきなりの敵対者、フレイムヘイズとの邂逅は予想外ではあった。
 それでも、遭遇したのが慎重派で知られる『万条の仕手』であったのはせめてもの救いか。

(これが『弔詞の詠み手』のような戦闘狂だったらば、ゆっくり策を弄する暇も与えられなかっただろうな)

 フリアグネは疲れたため息をつき、先ほど名も知らぬ修道女に退場を願おうとした武器を、懐より抜き取る。
 支給されたワルサーP38は、銃器としてはさほど珍しい型でもない。
 しかしまさか、紅世の王≠ナある自身がこんなものを握る日がくるとは思ってもみなかった。

(敵が討滅の道具というのなら、レギュラーシャープのほうがずっと心強いものだがね。
 相手が人間ならば……こんなものでも重宝すると思っておいたほうがいいか)

 封絶の使用不可、一部の自在法も封じられており、トーチの精製すら怪しい。
 この先、どのようなものが生き残りの決定打となるかはわからないゆえ、不安も晴れる見通しではなかった。

 ヴィルヘルミナが言わんとしていた懸念は理解できるが、それもフリアグネとしては配慮するべき部分ではない。
 自身が『炎髪灼眼の討ち手』に討滅された、という情報の齟齬も、今は思索せず胸中に留めておく。

 支給された鞄、その中にあった名簿を辿ってみれば、フリアグネの名は記載されておらず、知った名が三つ。
 先ほどが初邂逅となる、紅世の徒≠フ間では有名人とも言えるフレイムヘイズ、『万条の仕手』。
 さらに、都喰らいの舞台として仕立てていたあの都市――御崎市で出会ったミステス≠フ少年、坂井悠二。
 そしてシャナという名も、坂井悠二が『炎髪灼眼の討ち手』のことをそう呼んでいた記憶がある。
 他、記載されていないらしい九名の中にも、紅世の徒≠窿tレイムヘイズが混ざっている可能性はある。

「……だからといって、私の指針にぶれはないさ」

 わざわざ声に出して、フリアグネは強く決意する。
 この企画の意味、最適解、裏道――考えられはすれど、考えるべきではない、と打ち消す。
 フリアグネの胸にあるたった一つの願いを叶えるためには、企画の趣旨に乗ってやるのが一番手っ取り早かった。

 つまり、生き残りを目指す、ということである。

 その理由など、『現世に残してきた最愛の彼女』……のワンフレーズで事足りる。

「ああ、愛しのマリアンヌ……すぐに帰ろう。君と私の願いを叶える、その、続きを――」

 愛を唱え、狩人<tリアグネは再び中空に消えた。
160盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:14:39 ID:rOR/TxcF
【C-4/ホテル近辺/一日目・深夜】
【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:空腹
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1〜3個所持)
[思考・状況]
1:おなかが空いたんだよ?


【ヴィルヘルミナ・カルメル@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、カップラーメン一箱(20個入り)
[思考・状況]
1:修道女に食事を与え、情報を聞き出す。
2:事態の究明に努める。
[備考]
※封絶使用不可能。


【C-5/百貨店屋上/一日目・深夜】
【フリアグネ@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:ワルサーP38(7/8、消音機付き)
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:『愛しのマリアンヌ』のため、生き残りを目指す。
[備考]
※坂井悠二を攫う直前より参加。
※封絶使用不可能。


【カップラーメン一箱(20個入り)@現実】
お湯を注いで三分待つだけですぐできる。
ダンボール詰めのお買い得品。しょうゆ味。


【ワルサーP38@現実】
全長:216o 重量:790g 口径:9o×19 装弾数:8+1
ルパン三世の愛銃として有名な自動拳銃。サイレンサー付き。
161 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:15:20 ID:rOR/TxcF
投下終了です。
支援ありがとうございました。
162創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:17:07 ID:KKzb8GmG
支援
163創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:34:32 ID:1XHan7r7
投下乙でした。
カルメルさん。齧れ、と? いや、インデックスなら可能かw

早々に交差する“因果の交差路”の面々。予約された時点で
wktkな面子であったため…初っ端から人死にが出そうな気が
して気が気じゃなかった。

シャナとアラストールがどうなるか。別の書き手に委ねられるかも
しれないため判りませんが、ティアマトーが共にいる分には、充分
に“当たり”ではないかなぁヴィルヘルミナ。

気になる点。意思有り支給品的な扱いとして、ティアマトーの説明
は必要かもしれないのですが、如何でしょうか?
164創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:56:25 ID:cU09SSyi
投下乙でした。
氏の作品は初めて読みましたが正直期待外れでした。
知名度だけで有名な書き手とされるのは大変ですね。
次回に期待させてもらいます。
165創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:59:48 ID:NLmvXjfO
投下乙です。
フリアグネはマーダー第一号となりましたね。一応、銃は扱えるし支給品も当たりですね。
インデックスは何かとヴィルヘルミナの足を引っ張りそう。

良く分からなかった点ですが、ティアマトーは支給品として引き当てた? それならかなり当たりのはず……。
それとも最初から所持で神器は没収対象外?
166 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/18(水) 13:59:57 ID:rOR/TxcF
>>163
神器は意思持ち支給品というよりは、神器も含めてそのキャラ一体、という認識でいました。
作中でも終始離れることはありませんし、作品把握の面で見てもこれが自然かと。
離れての活動ももちろんできますが、神器は契約者もしくは王のどちらかが望めば、
離れていても即座に契約者の下に神器を出現させる事もできる。といった代物ですし。
ちなみに、神器が手元になくても契約者と王は会話できてしまいます。とりあえず注釈をば。

【ペルソナ=落ワ眼のシャナ】
ヴィルヘルミナの契約する紅世の王=A無限の冠帯<eィアマトーの意思を表出させている神器。
普段はヘッドドレス型に偽装しているが、戦闘時は狐を模した仮面とリボンの鬣になる。
また、ペルソナ≠ヘあくまでもティアマトーの意思を表出させるための器物に過ぎず、
その本体はヴィルヘルミナの内に眠る、つまり一心同体である。
167創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 14:16:59 ID:1XHan7r7
>>166
>離れての活動ももちろんできますが、神器は契約者もしくは王のどちらかが望めば、
>離れていても即座に契約者の下に神器を出現させる事もできる。といった代物ですし。
こういう設定があるのですね…積みまくって読まずにいて申し訳ない(汗
注釈お疲れ様です。
168創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 15:41:24 ID:foCz94Mu
投下乙です。
ヴィルヘルミナ格好良いなぁ。
フリアグネはマーダーとして今後どう動くか期待。
そしてインデックスwww
考察できそうなキャラなのに今後一気にギャグキャラになりそうな匂いがw
169 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:14:48 ID:8tMpaFLk
如月左衛門@甲賀忍法帖

投下します
170忍者月影抄 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:15:31 ID:8tMpaFLk

この奇怪なる殺し合いの会場となった地において、
地図の上では「C-2」と呼称される場所に、
一つの古ぼけた神社がある。

月は雲で隠されているのか、
『人気の無い』神社の境内は、恐ろしく静かで、
音を発するものは時たま吹く風だけである。

この神社の境内には大きな御神木があった。
樹齢五百年以上はありそうな欅の木で、
長く数多い枝と、そこから伸びた葉が天に広がっている。
その下は影になって、ただでさえ暗い境内の中で、
もっとも暗い闇に包まれていた。

ふと、風が吹いた。
賽銭箱の上の鈴の緒がたなびき、
カラン、カランと乾いた金属音が響いた。

それに呼応した訳ではないだろうが、
月を隠していた雲が流れ、
月光が境内を照らし始めた。

神木の下の闇にも、月影が伸びてくる。
そうして闇が切り裂かれると、
はたして、一人の男の顔が照らしだされたのである。

男は、今出現したのではない。
最初から、この欅の木にもたれかかる様にして立っていたのだ。

神社には、今なお『人気は無い』。
そう感じさせるほどに、今その存在が明らかになった男は、
存在感が希薄であり、
もし他人が見れば男を幽霊と思ったかもしれない。

中肉中背の、やや丸みを帯びた、余りにも平凡な容姿をした男である。
もし、路上で彼とすれ違っても、恐らく十秒も経てば、
彼の顔を忘れてしまっているのではないか――
そう思われるほどに平々凡々な顔立ちであった。

男は額に皺を寄せて、腕を組んで考えるような仕草をしているが、
事実男は色々と考え込んでいた。

自分が今如何なる状況に置かれているのか、
それがとんと見当がつかないのである。

無人の境内で意識が覚醒する前の記憶、
あの奇怪なる光景と、狐面の怪人物の姿を脳内で反芻しながら、
男はううむと唸った。

男の名前は如月左衛門と言う。

171忍者月影抄 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:16:50 ID:8tMpaFLk


如月左衛門は、甲賀卍谷の住人にして、
甲賀弾正率いる甲賀卍谷衆に所属する忍びであり、
その腕は上位十指、甲賀組十人衆の一員として数えられるほどのベテランである。

近親婚を繰り返し、意図的に遺伝異常を引き起こすことで、
常軌を逸した「忍法」を操る異形の忍者を創り出すことを、
四百年もの長きに渡り繰り返してきた甲賀卍谷だが、
その上位十指ともなれば、もはや妖気すら感じさせる怪物の群れである。
同じ十人衆が一員、風待将監、地虫十兵衛などは、
最早容姿からして人間から逸脱している。

その中にあって一見尋常な、否、「尋常すぎる」容姿容貌を持つ左衛門だが、
彼もまたこのおぞましき血の地獄相の結晶たる存在であり、
常識外の忍法を駆る魔人の一角なのだが、
その「忍法」の実態について述べるのは別の機会にする。

今、この如月左衛門は実に奇妙な事態に置かれている。
殺し合いをしていたかと思えば、別の殺し合いに巻き込まれていたのである。

左衛門がこれまでしていた殺し合いとは、伊賀甲賀の忍法勝負に他ならぬ。

甲賀卍谷衆の四百年の宿敵、伊賀鍔隠れ衆…
今や全国の忍者の頭領となった服部半蔵の定めた不戦の約定により、
互いに憎しみ合いながら、刃を交わす事を禁じられていた両一族であったが、
慶長十九年四月の末、突如この約定は解かれ、
二つの人別帖に記されし甲賀伊賀各々十名が合い戦い、殺し合う運びとなったのだ。

左衛門は何故、このたび唐突に不戦の約定が解かれたのか、その理由を知らない。
訳もわからぬ内に、気が付けば、この恐るべき血みどろの忍法勝負は開始されていた。
しかし左衛門はその事実には喜びと殺意以外は何の感情も抱かない。
甲賀卍谷に生れし者、老若男女に至るまで、鍔隠れ憎しの一念を胸に、
その魔性の技を磨いてきたのである。
故に、理由など要らぬ。ただ伊賀者惨殺すべし!
先手を打たれた甲賀は、既に五人が討たれている。
人別帖から永遠に抹殺された名前の中には、左衛門の妹、お胡夷の名前もあった。
そんな中、なんとか体勢を立て直し、伊賀者への反撃をいざ開始せん、
そう喜び勇んだ矢先、晴天の霹靂、
左衛門は、この新たなる殺し合いの場に連れ去られたのである。



組んでいた腕を解いた左衛門は、足もとの黒い鞄を右手で掴み上げると、
木の下を離れて神社の拝殿の欄干に腰を下ろし、鞄を開いた。

この世の闇の世界にして、
人にして人に在らざる魑魅魍魎が跳梁跋扈する
驚くべき忍者の世界に身を置く左衛門にも、流石に理解を超えた『異常事態』である。

今、自分が如何なる状況にあるのか、それを考えるには余りにも情報が少ない。
故に、いったん考えるのを止めて、まずはこの黒い鞄の中身を見ることにした。

172忍者月影抄 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:17:46 ID:8tMpaFLk
左衛門は江戸時代の人間である。
故に、近代科学の産物たる懐中電灯など、使い方がよく解らない物に
おっかなびっくりしつつ、慎重に鞄の中身を確認していく。

(なるほど、この水入れの口には、種子島と同じ技術が使われておるのか…)
ペットボトルの口を開け閉めしながらそんな事を考える。

支給品の確認だけで三十分ほど時間を消費し、
一旦外に出した物を鞄に終い終わると、
鞄の外に出ている物は二つだけになった。

名簿と、武器と支給された“竹筒”である。
実際に武器なのは、この竹筒自体ではなくその中身である。
中に入っていたのは、左衛門にも馴染みの深い物であった。
マキビシである。
鉄製で、四方に棘が飛び出した、手裏剣のように投げたり、
地面に巻いて敵の足止めに使ったりするあれである。

ようやく見知った物が出てきて、
異国で知人に出会った異邦人のように、左衛門は安堵の溜息をついた。

が、その安堵も、名簿に眼を回すや眉間に皺に取って代わられる。

甲賀弦之介―――甲賀弾正の孫にして、甲賀組十人衆の頭領たる若君。
朧―――伊賀のお幻の孫娘にして、忌まわしき鍔隠れの姫君。
薬師寺天膳―――得体の知れない鍔隠れの重鎮にして、伊賀組十人衆の一人。
筑摩小四郎―――伊賀組十人衆の一人にして、天膳の腰巾着。

(よりにもよって弦之介様が・・・)
左衛門は歯ぎしりをする。
弦之介は卍谷の敬愛すべき若君して、十人衆の頭領、
そして、甲賀組勝利の為には決して欠くことの許されぬ逸材である。

自分、そして弦之介が抜けたとあれば、
“あちら”に残っているのは霞刑部、室賀豹馬、陽炎の三人。
何れも恐るべき魔人だが、伊賀組の三人を除いても“あちら”に残っているのは、
蓑念鬼、蛍火、雨夜陣五郎、朱絹の四人と、数では劣っている。

(しかし、俺の名がこの「人別帖」に記されて無い事を考えれば、
刑部、豹馬、陽炎が呼び出されている可能性もある・・・
そうなると厄介だが、伊賀組の人間ならばむしろ好都合か・・・)
173忍者月影抄 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:18:38 ID:8tMpaFLk

改めて、人別帖を見直し、伊賀組の名前に眼を向ける。
(朧、天膳、小四郎・・・この面子であったのは、実に運がいいな)
左衛門はサディスティクに笑う。
伊賀組もまた、しかもこの三人がこの殺し合いの場に呼び出されているのは幸運だ。
朧は現在の伊賀組の大将、天膳は副大将である。
この二人を討てば伊賀組への打撃は計り知れまい。

しかも、朧はあの「破幻の瞳」以外に何の忍法も身につけぬ素人同然の小娘。
筑摩小四郎は所詮小物にして、弦之介様の「瞳術」に顔面を割られた手負い。
薬師寺天膳はやや得体が知れず、不気味な相手ではあるが、自分の「忍法」ならば…

(人別帖に俺の名前が無かったのは、更なる幸いよ。奴には存在を気取られず接近できる!)

如月左衛門の忍法…
それは「変顔」、あるいは「泥の死仮面(デスマスク)」と呼称される。
この忍法は、泥で人の顔型を取り、
そこに自身の顔を押しつけることで他人の相貌に変身し、
その際、髪の毛や身長、体格まで変化させるという恐るべき変装術である。
これに声帯模写を合わせることで、完璧に他人になり済ますことが可能なのだ。

(小娘と手負いは忍法を使うまでも無い。天膳は他人になって仕留めればよい。
例え、誰か他に伊賀者が居たとしても、伊賀猿など何するものぞ、俺が仕留めてくれる)

それに…。
左衛門はさらに考える。

(朧を討てば、弦之介様にも踏ん切りが付くであろう)
突如、許婚と殺し合う事になった為か、
弦之介様は何処か忍法勝負に乗り気でなかった。
その原因はまず間違いなく、朧の存在だ。
だとすれば丁度いい、禍根は今のうちに断っておくに限る。

(伊賀組さえ確実に殺(と)ってしまえば、後は弦之介様さえ生き残らせればいい)
今自分が為すべき事は、伊賀組を確実に殺し、
弦之介様を一刻も早く、あの忍法勝負の場に戻す事である。
弦之介様さえ、生きていれば、自分の命などもはやどうでも良い。

左衛門は、一瞬の躊躇いも無しに、自分の死を勘定に入れている。
忍びの命は忍び自身の物ではない。
主、ひいては使命の所有物である。
そのためには忍びは、息を吸うように自分の命を捨てることが出来る。
174忍者月影抄 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:19:28 ID:8tMpaFLk
(方針が決まれば、一刻も早く行動に移らねばな…)
左衛門は名簿を鞄の中に、マキビシ入りの竹筒を懐に仕舞うと、
鞄を背負って、闇の中へ音も無く駆けだした。

(まずは誰か適当な奴の顔を貰うかな・・・)
あの人別帖には、自分の知ってる以外に四六の名前があったが、
中には南蛮人の如き名前もあった。
正直得体が知れず、気にかかると言えば気にかかるが…

(まあ、どうにでもなるわい)
左衛門は不敵に笑う。

卍谷に巣食う尋常の姿をした恐るべき魔人は、
音も無く、瞬く間に夜の闇に消えて行った。

【C-2/神社付近の森 /一日目・深夜】
【如月左衛門@甲賀忍法帖】
[状態]:健康、隠密行動中
[装備]:マキビシ(20/20)@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、支給品一式
[思考・状況]
基本:朧、小四郎、天膳を優先的に殺す。弦之介を一刻も早く生還させる。
1:情報収集しつつ、伊賀組を探す。
2:誰かの顔を奪うか?
[備考]
※「猫眼呪縛」の章、弦之介の目が塞がれる前から参戦。
175 ◆F0cKheEiqE :2009/02/18(水) 17:22:33 ID:8tMpaFLk
投下終了でごんす
176創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 17:23:09 ID:W5MNw2fv
投下乙です。
冒頭から「灼眼のシャナ」の匂いがプンプンする良い雰囲気だと思います。
177創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 17:24:38 ID:W5MNw2fv
失礼、リロードをし忘れて危うく飛び込むところでした。
>>175
投下乙です。
178創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 18:43:16 ID:rOR/TxcF
投下乙です
すげー、文章が時代小説っぽいw
非現代キャラならではのカルチャーギャップがいい感じに描写されてたと思います
主人優先で動こうとするあたりの考えはさすが忍者。「顔を奪う」の一文が不気味だw
179創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 19:23:29 ID:foCz94Mu
投下乙です。
変装&名簿に名前無しのコンボは凄いことになる予感。
180 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 21:52:40 ID:foCz94Mu
高須竜児と島田美波投下します。
181 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 21:53:14 ID:foCz94Mu
『縁があったらまた会おう』

そんな言葉と共に俺の意識はだんだんとフェードアウトしていき、気づけば校門の前に立っていた。
高熱で声も出なかったかったはずの体は何の不自由も無く動き、何も考えられなかった脳も現状に疑問を覚える程度には回復している。
唯一つ、心だけが失恋のショックから立ち直れていない。
あの男の言っていることは半分も理解できなかったけど、殺し合いをしろと命令された事だけは何とか理解することが出来た。
それでも、俺の心は何一つ動かなかった。
クリスマス前の、櫛枝に告白しようとする前の自分なら、日常へ戻る為に誰かを殺してでも生き残ろうとしたかもしれない。
あるいはみんなで団結してなんとかいきて帰るすべを模索したかもしれない。
でも、もういいのだ。
もう、太陽は昇らない。
こんな自分が誰かを殺してまで生き残るなんておこがましい。
こんな自分が誰かの為に動こうとするなんておこがましい。
だから、もういい。
そう思いつつも、体は勝手に荷物を確認していた。
本当に死ぬ気なら不必要な作業。
心の底から死ぬ気にはなれなかったのかもしれないし、あるいは何かを予感していたのかもしれない。
まず最初に目に付いたのは地図。
この地図によると学校がある現在地はE−2らしい。
漠然と、いっそもっと端なら早く死ねたのにと思いつつ次の品に目を移す。
次に目に付いたのは黒光りする鉄の塊。
手に持ってみるとずしりと思い。
いっそこれで頭を打ち抜けば楽になれる。
そう思ったものの実際に行動に移す勇気は無かった。
とりあえず保留して次にいこう。
そう思って次の道具を確認しようとした時に、ここまで平静を保っていた心臓が大きく跳ねた。
その道具は名簿。
死ぬつもりの自分には一切関係の無い品。
無視して次に行けばいい。
そんな思いとは裏腹に体は勝手にページを捲りだす。
こんな事に巻き込まれるのは自分だけでいい。
どうか俺の大切な人たちの名前は見つかりませんように。
そんな想いとは裏腹に次々と見知った名前が見つかってしまう。
唇から彼女たちの名前が零れ落ちていく。
腹の底から湧き上がってくる感情の重みが乗り移ったかのように、その名前は深く、重くその場に響いた。
182 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 21:54:03 ID:foCz94Mu
「───逢坂大河」

ひょんな事からお互いの恋を成就させる為に協力することになった小さな虎。
失敗しながらもずっと二人で頑張っているうちに、いつの間にかそばに居るのが当たり前になっていた。
北村が会長が好きだと分かって、その北村の告白が会長にいなされるのを目の当りにして、それでも北村の為に本気で会長に向かっていった大河。
実乃梨に振られて何一つする気力を失ってしまった俺とは雲泥の差だ。
そんな大河に、死んで欲しくないと思う。

「───川嶋亜美」

一学期にクラスに転入して来た北村の幼馴染。
櫛枝に振られて、何となく思ったことがある。
川嶋の毒舌には何か意味があったんじゃないかって。
夏の洞窟で、クリスマス前の体育倉庫で。
櫛枝の言う通り、『最後の救い』になろうとして懸命に俺たちが間違わないように導こうとしてくれてたんじゃないかって。
でも心の中にある太陽に目がくらんで、俺はあいつの言葉に耳を貸さなかった。
今でもあいつが何を考えてるのか理解できない。
でも、これだけは分かる。
あいつは、こんなところで死んでいいやつじゃない。

そして。
最後に。

「櫛枝───櫛枝実乃梨」

何で。
何で櫛枝が。
もう、感情が言葉にならない。
ただ。
ただひとつ。
死んで欲しくない。
例え自分の気持ちを受け入れて貰えなくても。
それどころか告白さえさせて貰えなくても。
死んでしまえ、とは思えない。
彼女には笑顔で生きていて欲しい。
183 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 21:54:54 ID:foCz94Mu
名簿の名前を全て確認し終えた後、竜児の口元には知らずに乾いた微笑が浮かんでいた。
最早笑うしかなかった。
なんだ。
なんなんだこの仕打ちは。
死のうと思ったのに。
もう、楽になろうと思っていたのに。
心残りができてしまった。
内なる声が俺に囁きかけてくる。
彼女を、彼女たちを見捨てても良いのか?
彼女たちがこの島に居るのに。
全てを無視して自分だけ楽になって、それで満足して死ねるのか?
違う。
違うだろう高須竜児。
どうせ死ぬなら、彼女たちの為に死ね。
最後に生き残るのは一人。
俺に彼女たち全員を救うことは出来ない。
それでも、彼女達の誰かが最後の一人になるために、出来ることがあるはずだろう。
気がつけばいつの間にか鞄から銃を取り出していた。


「殺そう」

俺が殺せば殺すほど、彼女達の誰かが最後の一人になれる確率が上がっていく。
だから、殺す。
殺して、殺して、懸命に殺して、俺が死ぬまで殺そう。
こんな事を考える自分はもう壊れてしまっているのかも知れない。
でも、いい
もういいんだ。。
だってもう、太陽は墜ちてしまったんだから。


【E-5/学校/深夜】
【高須竜児@とらドラ!】
[状態]:健康
[装備]:グロッグ26(11/11)
[道具]:デイパック、支給品一式、
[思考・状況]
1.逢坂大河、川嶋亜美、櫛枝実乃梨の誰か一人を最後の一人にするために他の人間を殺す。
[備考]原作7巻終了後入院中からの参戦です。
184 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 21:55:31 ID:foCz94Mu
竜児が覚悟を決めて歩き出すまで。
その一部始終を物陰に隠れて見ていた少女が居た。
その少女の名前は島田美波、竜児が立ち去るのを見届けた美波は脱力し、尻餅をついた。

「な、なんなのあいつ……」

そう呟いた彼女の体はいまだに震えていた。
余りにも鋭い眼光。
一つ一つの名前に込められた感情の重さ。
名前を呼び終えた後の口元に浮かんでいた微笑。
そして何よりも最後の『殺そう』という呟き。
それら全てが、竜児が立ち去った今でも美波に恐怖を与え続けていた。
もしこの島に誰も知り合いが居なければ、彼女は当分立ち上がれなかっただろう。
だが、ここに彼女の大切な親友と大好きな人が居た。
その二人に会いたいという想いが美波を強くしていた。

「急いでアキと瑞希を探さないと」

あの男より早く2人と合流しないと、そう思い気持ちを奮い立たせる。
自分一人じゃ何も出来なくても、自分より遥かに頭の良い瑞希や自分より遥かに頭が悪いけどいざという時には行動力のある明久。
この二人と合流すればこんな状況もなんとか出来ると信じていた。
幸いにも美波に支給された道具は半径1km内に居る人物の名前と位置を把握できるレーダー。
時間制限があるのが不安だが、人探しにはこれほど心強いものも無い。
決意を新たにし、竜児が立ち去った方向とは別のほうに向かって歩き出した。
あの男、高須竜児が居た方向に明久や瑞希が居たら───という考えも頭をよぎったものの、先ほどの竜児の眼光が脳裏に浮かんで、どうしても同じ方向には進めなかった。
逢坂大河、川嶋亜美、櫛枝実乃梨。
(高須竜児と三人の間に何があったのかは分からないけど、誰かに会ったら高須竜児が逢坂大河、川嶋亜美、櫛枝実乃梨の三人を狙っていたって伝えないと)
そう思いつつ美波の足は自然と速くなる。
出来るだけ危険人物から離れる為に。
そして出来るだけ早く大切な人たちに会うために。

【E-5/学校/深夜】
【島田美波@バカとテストと召喚獣】
[状態]:健康
[装備]:レーダー(電力消費小)
[道具]:デイパック、支給品一式、
[思考・状況]
1.吉井明久、姫路瑞希の二人に会いたい。
2.安全そうな人にあったら高須竜児が逢坂大河、川嶋亜美、櫛枝実乃梨の三人を狙っていた事を伝える。

[備考]原作5巻終了後からの参戦です。
    高須竜児が逢坂大河、川嶋亜美、櫛枝実乃梨の三人を狙っていると思い込みました。
    美波に支給されたレーダーには半径1km以内の人物の名前と位置が表示されます。稼働時間は6時間で再度起動するには充電が必要です。
185 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 21:56:55 ID:foCz94Mu
投下完了です。
タイトルは“彼と彼女の歩む道”でお願いします。
186創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 22:00:30 ID:MgNZnReK
>>145
投下乙です!!!
これはいいシャナだw
雰囲気が滲み出てるぜぇ…
ヴィルヘルミナとフリアグネとは、原作にもなかったif展開で予約時からwktkしてましたよもう!
 
そしてインデックスwww
カップ麺を齧らされるのかwwwww
 
 
>>175
こっちも投下乙!!!
確かに名簿に名前無し&変装のコンボは凄いことになりそう
疑心暗鬼巻き散らかしたり不意打ちだったり…今後が楽しみだ!
187創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 22:04:09 ID:MgNZnReK
危なかった…リロミスして割り込むとこだった…
 
改めて投下乙!!!
うわぁ…竜児が乗っちゃったか…
よりにもよってこの時期に連れてこられるとは
 
美波もそりゃあ誤解するよな
あの顔で殺すとか言ってたら絶対ビビるよw
188創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 22:11:49 ID:o95rO5ec
投下乙です
いつもの誤解が誤解じゃなくなってるw

あと指摘
美波のレーダーって、これなにに反応してるの?
首輪もないのに名前までわかっちゃうのはどうなんだろ

あと状態表、E-2がE-5になってますよ
189 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 22:19:06 ID:foCz94Mu
状態票の場所は完全に勘違いしてました。

レーダーに関してはOPの様子からも狐さんが何らかの手段でロワを傍観してるようですし、主催側の技術の一つということで。
190創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 22:21:14 ID:pbtjx62t
何かしらの処置がないと死亡者把握もできないだろうしね
2人の位置は学校のあるE-2が正解でいいのかな?
191 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 22:37:48 ID:OfjqczR8
E-2が正解ですお手数ですがwikiに載せるときは修正お願いします。
192 ◆bVLQ9jn0aM :2009/02/18(水) 23:20:49 ID:E9wXRsWX
上条さんと北村君を投下します。
193裸の出会いにご注意ください ◆bVLQ9jn0aM :2009/02/18(水) 23:22:40 ID:E9wXRsWX
上条当麻はぼんやりと立っていた。

(わたくしこと、上条当麻は現在非常にやっかいな事に巻き込まれています。
いつの間にか、自分が存在する世界は消え行く世界と変えられ、生き残るには自分ひとりになるしかない。
他を蹴落とせというサバイバルゲームのような物に参加させられる羽目になってしまったのです。
そのようなどこぞの映画のような事に巻き込まれてしまい、この上条当麻。人生最大の不幸を本気で実感しています)

「はあ、一体何をやれっつーんだよな。大体一人ってなんだ?俺が生き残りたいならビリビリやインデックスを蹴落とせ
って意味だろ。冗談じゃねーよ」

思わずため息が漏れ出る。
ネガティブな思考とどうしようもない混乱。
肩を落として、近くの岩に座り込む。

「はあ、どうするよ。まあ、多分本気で仲間を蹴落とそうとする奴は居ないだろうし、大丈夫だろ」

椅子に座りながら考える。
そして、デイバックの中に手を突っ込み、名簿以外の物を漁る。
すると、数枚の紙が出てきた。

「何だこれ?答案用紙か……『吉井明久』って誰だ?」

それはほとんどが赤い不正解マークが記されている答案だった。
某クイズ番組に出ればかなりの人気者になれそうなぐらいの珍回答に思わず上条は笑ってしまう。

「何だこれっ、マジで笑える」

思わず噴出す。
そうこうして笑っていると、この異常な世界に巻き込まれた不幸も自然と薄らいでいくのを感じた。

(ふう、笑うと落ち着くって本当なんだな。………よしっ、インデックスを探すか。ついでにビリビリと黒子も探して、
余裕があれば土御門とステイルも……この二人はいいか。ほっといても何とかするだろうし)

「よし!行くか!!」

上条は立ち上がる。
すると、突然目の前の戸が開き、全裸の男が現れた。
194創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:22:57 ID:vBO4g7fU
支援
195裸の出会いにご注意ください ◆bVLQ9jn0aM :2009/02/18(水) 23:23:56 ID:E9wXRsWX
「えっ!」
「おお、先客が居たのか。しかし着衣のままで入浴とは、変わった趣味だな」

ここで上条は気付いた。
ここが温泉で、自分が座っているのは、露天風呂の大きな岩だと。

「……………ってちょっと待て!何呑気に風呂入ってる?こういうのって、さっきまで笑っていた俺がいうのもなんだが……
普通はやっぱり、緊迫すべきですよね。違います!?」
「?いや、なにやら大事に巻き込まれたようだが、騒いだ所で始まらんだろ。それに今は夜だ。それに俺は今日はまだ
風呂に入ってからな。汗臭いままで歩き続けて、出会った人間を不快な気分にさせるのも不味いだろう」
「いやっ……ちょっと待ってくださいよ。えー、……俺がもし自分が生き残りたいから、他を蹴落とそうとする奴なら
どうするつもりだったんだ?」
「仮定の話をされても困る。それにお前がそういう男なら、既に俺を殺しているだろ。それに俺はこう見えても人を見る目は
あるつもりだ。だから、君が殺し合いに乗っていない事は察知出来る」

目の前の男の言葉が不思議な説得力を持っていることを上条は感じ取る。
そして、深くため息をついて体の力が抜けるのを感じる。

「はあ、俺だけですか。本気でどうするか考えているのは?」
「いや、俺も考えているつもりだ。少なくとも入浴を済ませたら考えるつもりだ」
「……分かった。じゃあ俺は外で待ってるよ」
「ああ、ところで名前は何だ?俺は北村祐作だが……」
「上条当麻ですよ。それじゃゆっくり入ってください。俺は気分じゃないんで」

こうして北村とすれ違って、上条は温泉を出て、脱衣所も抜けて男湯入り口手前に置いてある椅子に座り、北村が出るのを待つ。

(……何だか俺が馬鹿みたいですよ。何ですか?あの余裕ぶりは。普通はこう……強い決意を持ったり、少しは焦ったりする物
じゃないんですか?)
「……はあ、………俺って不幸だー」

少し愚痴交じりな思考を、一つの言葉にして吐き出す。
そして、その後十数分で北村は姿を見せる。

「いいお湯だったぞ。上条は入らないのか?」
「いや、俺はいいよ。………しかし、よくそんな余裕があるな」
「余裕?いや……信頼できる奴が居るからな。だから落ち着いていられるんだ」
「へえ、どんな奴なんだ?」
「高須竜児、逢坂大河、櫛枝実乃梨の三人だな。俺の幼なじみに川嶋亜美って奴がいるんだが、そいつが真っ直ぐに笑えるように
なったのもその三人のおかげなんだ。それに、何だかんだで行動力もあるし、頭も回るし、心の強さがある。特に凄い力が
あるわけじゃないんだが、全員で力を合わせれば何か方法が見つかると思うから」
「そうなのか。じゃあ、その三人と……川嶋亜美ってのも参加者だけどこの四人なら安心ってわけか」
「そうだな。そっちはどうだ?まさか知り合いぐらい参加してるだろ」
「ああ、インデックスとビっ、御坂美琴と白井黒子と土御門とステイルだな。まあステイルは少し危険だけど」
「ほお、ところで外見は…」

と、そして二人は互いの知人の外見も説明していく。
二人の声が温泉旅館の廊下に小さく響き渡る。
196創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:24:26 ID:vBO4g7fU
支援
197裸の出会いにご注意ください ◆bVLQ9jn0aM :2009/02/18(水) 23:24:32 ID:E9wXRsWX

【E-3/温泉/深夜】
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック 不明支給品1〜2 吉井明久の答案用紙数枚@バカとテストと召喚獣
[思考・状況]
1:このふざけた世界から全員で脱出する。殺しはしない
2:インデックスを最優先に御坂と黒子を探す。土御門とステイルは後回し

【北村祐作@とらドラ!】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック 不明支給品1〜3
[思考・状況]
1:高須竜児、逢坂大河、櫛枝実乃梨、川嶋亜美の四人を探す。
2:危険な人物に襲われた際の対処は特に考えてない。

【備考】
両者は互いの知人の外見の特徴を交換しました。
198 ◆bVLQ9jn0aM :2009/02/18(水) 23:25:32 ID:E9wXRsWX
投下完了です。
199創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:26:41 ID:afEmac9L
>>185

投下乙です。

ちょっと気になったのは、やはりレーダーの性能ですかね。
半径1キロというと、直径2キロの円。
1マスの1辺が1キロですから、そのエリアを完全に覆って、隣エリアの様子もかなり分かるレベルです。
で、この広さで、「名前も分かる」となると、微妙に強過ぎるのではないでしょうか。
特にこのロワでは、名前不明の参加者の枠もあることですし。
名前を察知できるアドバンテージは、相当大きなものがあります。
いち早く、名簿に載ってない参加者の名も含めて、相互干渉不可能な距離から一方的に知ってしまう。
これは、ちょっと、どうかと思います。
今後他の人物の手に渡る可能性まで考えると、後々大きな憂いになりかねません。

感知距離をもっと縮めるか、名前表示機能を削るか、せめてどちらかの修正を考えた方がいいのではないでしょうか。
この展開だと、少なくとも竜児の声が聞こえる範囲にはいたわけですし。
200 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/18(水) 23:33:15 ID:OfjqczR8
>>199
確かに若干広すぎるかもしれませんね。
レーダーの範囲は半径500mに変更します。
201創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:35:11 ID:OfjqczR8
投下乙です。
上条さん一話突破おめw
北村大先生は流石の余裕ぶり。
両者の今後に期待してます。
202創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:38:21 ID:pbtjx62t
投下乙

一話生存おめでとう!と素で思ってしまった
203創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:43:05 ID:Qk8ERAmR
皆様投下乙です。
上条さんが明久の答案をみつけたときに「誰だ?」と思うのは、
単純に知り合い以外の名前をちゃんと確認しなかったから、と解釈できますが
そのあと名簿で確認しないのは少し不自然に思いました。
まあ、余りのバカ解答に失念したとかでもいいような気もしますが、
できれば地の文でその辺りを補足しておいて貰いたいです。
204 ◆b8v2QbKrCM :2009/02/18(水) 23:46:23 ID:pbtjx62t
白純里緒@空の境界 投下します
205一文字違いの獅子 ◆b8v2QbKrCM :2009/02/18(水) 23:47:48 ID:pbtjx62t
「くく、く……」

路地裏に微かな音が響いている。
林立する中小規模のビルによって構成される、蜘蛛の巣のような細い路地。
街の住人――そんなものがいたとすればだが――でも存在すら知らないであろう、異界じみた空間。
奇怪な物音の発生源は、異界の最奥、三方を壁に囲まれた行き止まりだった。
表通りからは完全に死角となっていて、月明かりすらろくに差し込んでこない。
切り立ったビルの外壁は、密林に立ち並ぶ巨木のよう。
視界を遮り、光を遮り、風を遮る。
正常な循環を停止した空気は黴と埃の臭いに汚染され、呼吸すらも苦痛にさせる。

「あはは……」

だが、そんな吹き溜まりの中で、ソレは一人笑い続けていた。
まず目に付くのは、黒と赤。そして金色。
細い身体の輪郭を踝まで包んでいる、皮製の黒いスカート。
同様に厚い皮で繕われた、上半身を覆う鮮血色のジャンパー。
デタラメに切り揃えられた、肩口まで伸びた金髪。
極めて女性的なシルエットであったが、しかしソレは女性ではなかった。

「なんだ、良かった。両儀も幹也もいるじゃないか」

白純里緒という名の青年は笑うのを止めて呟いた。
大勢の名前が書かれた名簿を片手に、赤い瞳でただ二つの名前だけを凝視しながら。

    両儀式。

    黒桐幹也。

獰猛な笑みを湛えたまま、白純里緒は手にしていた名簿を握り潰した。
あの二人の存在さえ確認できたのなら、もう充分だった。
彼にとってはそれ以外の情報など意味がない。
他の名前など初めから見るつもりもなかったし、見たところで知らない名ばかりだろう。

「俺だけが飛ばされたんじゃないか、なんて杞憂だったな。
 それにここなら、流石の両儀も一線を越えてくれるだろ」
206一文字違いの獅子 ◆b8v2QbKrCM :2009/02/18(水) 23:48:59 ID:pbtjx62t
白純里緒は足元に放置していたデイパックを無造作に拾い、空を仰いだ。
ビルディングという密林によって、空は狭く区切られている。
だがここが密林だというのなら、そこに猛獣が潜むのもまた道理。
にやりとケモノの口元が歪む。
次の瞬間、路地裏から白純里緒の姿が掻き消えた。
路上に堆積した塵芥が舞い上がり、灰色の煙が真上へと棚引いていく。
白純里緒の取った行為は極めて単純明快だった。
路地裏を囲む壁に向けて跳躍し、デイパックを持つ片腕を除いた四肢を用いて、更に跳躍を繰り返す。
豹のように跳び上がり、蜘蛛のように壁を掴む。
完全に人間を逸脱した身体能力を以って、白純里緒はビルの屋上へと容易く上り詰めていった。

「まずは両儀と幹也を探さないとな。後は……いつもどおりだ」

がしゃん、と屋上の鉄柵を蹴り、白純里緒は登攀を停止した。
いつもどおり――殺したくなれば殺し、食らいたくなれば食らう。
普通の人間にしてみれば、殺人を強要されるこの状況は異常でしかないだろう。
しかし彼にとっては日常的に行ってきたことでしかない。
異常者が異常を行うのは当たり前のこと。
常人が日常を過ごすように、彼は異常を過ごしてきたのだ。
"食べる"という起源に目覚めた彼が、他者を殺し食らうことに何の疑問があるというのか。

起源――
それは、輪廻転生を逆巻きに辿り続けた先にある、始まりの『方向性』である。
世界の始まり、万物が生じる瞬間に、稲光のように発生する方向性。
"虚無" "禁忌" "無価値" "静止" "切断" "結合"――そして"食べる"
起源という無数の意味付けに従って物質は象られ、時間の流れと共に流転していく。
あるときは人間に、あるときは植物に、あるときは鉱物に。
例えどんな形になろうとも、予め定められた方向性からは逃れられない。
仮に禁忌を起源に持つモノであれば、如何なる存在に生まれようとも、群れの常識から外れてしまうのだ。
とはいえ、人格の全てを起源が定義するというわけではない。
通常は性格の枝葉末節に影響する程度だ。
例えば"禁忌"を起源に持つある少女は血の繋がった兄に恋をする。
例えば"切断"と"結合"の二つを起源に持つ魔術師は、僅かな狂いも許されない精密機械を修理できない。
しかし己の起源を自覚し、覚醒したモノは違う。
魔術の世界には、前世の人格を憑依させることで前世の能力を行使する術が存在するという。
それと同じように、起源覚醒者は存在の始まりから現在に至るまでに重ねてきた前世を手に入れる。
"食べる"という起源であれば、その前世は悉く捕食者の立場であっただろう。
即ち白純里緒は一人の人間ではなく、複数の獣ともいうべき能力を持つ殺人鬼なのだ。
207一文字違いの獅子 ◆b8v2QbKrCM :2009/02/18(水) 23:49:55 ID:pbtjx62t
「そうだな……両儀のために死体は少しくらい残しておこうか。
 刺激を受けて早めに誰か殺してくれるかもしれない」

白純里緒の意識は、既にこの地のどこかにいる同類へと向いていた。
殺人を嗜好しながらも、誰を殺すこともしていない両儀式へと。
彼は殺人鬼の仲間が欲しいのだ。
両儀式にも早く人を殺して貰わなければ困る。
金色の鬣を靡かせて、白純里緒というケモノは隣のビルへと飛び移る。
猛獣が木々に身を隠し獲物を探し当てるように、彼は目当ての相手を求めて街を駆けていく。

今、消失していく世界に一匹の殺人鬼が解き放たれた。



【E-4/雑居ビルの屋上/一日目・深夜】
【白純里緒@空の境界】

[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック、基本支給品(未確認支給品1〜3個所持。名簿は破棄)
[思考・状況]
1:両儀式と黒桐幹也を探す
2:それ以外は殺したくなったら殺し、多少残して食べる
[備考]
※殺人考察(後)時点、左腕を失う前からの参戦
※名簿の内容は両儀式と黒桐幹也の名前以外見ていません
208 ◆b8v2QbKrCM :2009/02/18(水) 23:51:00 ID:pbtjx62t
投下終了です

先の作品と位置が近いのはただの偶然
209創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 23:58:07 ID:MgNZnReK
お二方投下乙です!!!
上条ちゃん一話突破オメwww
210 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 00:18:17 ID:8O/rBabC
皆様投下乙!
竜児の行く末、上条さんの行く末、食人鬼の動向など、
気になること盛りだくさんです。

それと、筑摩小四郎@甲賀忍法帖 投下
211伊賀の散歩者 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 00:19:28 ID:8O/rBabC

人気の無い、夜の草原。
丈の低い草に覆われた野を、月影が照らす。

海に近いのか、浜に打ち寄せる波の音が響き、
潮の匂いが、風と共に通り過ぎた。

実に静かな夜の海辺の風景である。

「ぉぉぉおい…」
「ぉぉおおい…」
「ぉおおおい…」
「おおおおい…」

その静寂を破る一つの呼び声がある。
暫くして、声とともにフラフラと一つの影が出現した。

それは奇怪な影であった。

右肩に、一羽の鷹を乗せた、背の高い影である。
左手に、例の黒い鞄を引き摺っている。

濃紺色の忍び装束を着た、一人の男である。
奇怪なのは、首から上を、口と鼻を除き、
白布で全てぐるぐる巻きにしていることである。
その白布には、顔の目に当たる部分を中心に、
斑々とどす黒い干乾びた血痕が染み付いており、
より一層男を不気味に見せていた。

「おおおい、天膳様ぁ・・・・」

男は誰かを探しているようだった。
その声には、何処か悲痛な響きがある。

「何処に行かれたかぁ・・・・天膳様ぁ・・・・」

ここにはいない主を呼び求めるこの男は、
名を筑摩小四郎と言う。
212伊賀の散歩者 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 00:20:22 ID:8O/rBabC


伊賀鍔隠れ衆十人組が一員、筑摩小四郎は、
この殺し合いについて全く理解できていなかった。
ただでさえ「にわか盲」でまだ前後も覚束ないこの若者に、
この常軌を逸した事態を理解しろと言う方が酷であろう。

盲目のこの男には、名簿を読む事はおろか、
自分が今どこにいるのかすら確認する術がないのだ。

同じ盲目でも、甲賀組十人衆の生来の“めしい”で、
異常聴覚の持主たる室賀豹馬であれば、また違ったかもしれない。

しかし小四郎は、甲賀弦之介の「瞳術」により、
自らの忍法で顔面を破壊されたことにより盲目になって、
まだほんの数日しかたっていない。

顔面を割られる重傷で、しかも盲目になってしまったこの男が、
誰の先導も受けずにこうして歩きまわっている時点で十分に恐るべき事だが、
恐るべき鍔隠れの忍びの能力を持ってしてもそこが限界であろう。

しかも、ここに呼び出される直前までいた場所が悪かった。
彼がいたのは、ここと似たような風景をした、
池鯉鮒(ちりゅう)の東、駒場野と呼ばれる延々と広がる原野地帯のただ中であったのだ。

そこで、共に甲賀組に奇襲を行った、彼の主人たる薬師寺天膳とはぐれ、
彼を求めて夜の原野をあても無く彷徨っていた所を、
突如この殺し合いの場に呼び出されたのである。

駒場野にいた時の小四郎の状況と違う点があったとすれば二つ。
一つは、駒場野では感じるはずの無い磯の香りがする点、
もう一つは、彼が片手に握っていたはずの大鎌が無くなり、
気が付けば、代わりに得体の知れない黒い鞄を持っていた点だろう。
213伊賀の散歩者 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 00:20:57 ID:8O/rBabC
(一体何がどうなっとるんじゃ?鎌は何処に消えた?
この奇妙な袋はなんじゃ?何故磯の香りがする?
甲賀組は何処じゃ?天膳様は何処に行かれたのじゃ?)

主の姿を求め彷徨っていた時、突如感じた浮遊感。
気が付けば何やら狭い場所にいて、突如始まった謎の口上。
意味もわからず聞いていれば口上もすぐに終わり、
気が付けばまた何処とも知れぬ原野を彷徨っていた。

疑問が疑問を呼び、考えれば考えるほど訳が解らなくなる。

もとより十人衆に数えられる異能の忍者ではあっても、
本質的には純朴な田舎の若者に過ぎない筑摩小四郎は、
例え目が見えていたとしても自分の現状が理解できなかったろう。

ましてや目が見えぬ今の小四郎には…

彼が今できる事は唯一つ。

「何処にござるかぁ・・・天膳さまぁ・・・・」

ただ無心に見えぬ主の姿を求める事だけである。

「天膳さまぁ・・・・・」

盲目の忠臣は夜をあても無く乱歩する。

闇に消える後ろ姿は、飼い主を追い求める捨てられた子犬を思わせた。

【F-4/海辺の草原/一日目・深夜】

【筑摩小四郎@甲賀忍法帖】
[状態]:健康、盲目、混乱
[装備]:お幻の鷹@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、基本支給品(未確認支給品1個所持)
[思考・状況]
基本:何が何だか解らない。とにかく薬師寺天膳を探す。
1:何処にござるか、天膳様・・・・
【備考】
※目が見えません。
※現状を全く理解していません。
214 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 00:23:30 ID:8O/rBabC
投下終了。

小四郎は犬属性。
異論は認めない。
215創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 00:52:38 ID:J6QzMZdJ
投下乙です。
作品は知らないけど、なんというか可愛そうすぎる。
そして若干可愛いとも思ってしまった。
216 ◆bVLQ9jn0aM :2009/02/19(木) 01:12:38 ID:Lf1I9EpH
>>203
分かりました

>>193

>「何だこれ?答案用紙か……『吉井明久』って誰だ?」

>それはほとんどが赤い不正解マークが記されている答案だった。
>某クイズ番組に出ればかなりの人気者になれそうなぐらいの珍回答に思わず上条は笑ってしまう。



「何だこれ?答案用紙か……『吉井明久』って誰だ?」

名簿には書かれていたような気がしたが、上条とは面識の無い男の名前だった。
最もこのテストにより吉井明久が学生である事だけは確認出来るがそれだけだ。
そして答案の中身はといえば、ほとんどが赤い不正解マークで埋め尽くされていた。
某クイズ番組に出ればかなりの人気者になれそうなぐらいの珍回答に思わず上条は笑ってしまう。

に変更します。
217 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:28:56 ID:JFRue2Rb
シャナ、櫛枝実乃梨、木下秀吉投下します。
218紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:29:55 ID:JFRue2Rb
「ふむ。ではロボットやテープレコーダーの類ではないとな?」
「そ。いやはやなんといいますか、七面鳥くさいことに巻き込まれちゃったってわけさ」
「七面倒くさい、かのう?」
「そうそう、それ」
「しかしどうする? おぬし、一人では動けぬのじゃろう?」
「うん。できれば動かしてくれるとありがたい」
「それは無理じゃ。なにせ、ワシは乗ったことがない」
「じゃ、押して」
「どこまでじゃ?」
「う〜ん、そうだなぁ……どこまでも」
「やはり、このままここに置いていってしまってもよいかの?」
「冷たいなぁ」
「む」
「どうしたの?」
「人じゃ。ほれ、あそこを歩いておる」
「なんだかおっかない表情してるね。物騒なもの持ってるし」
「迂闊に声をかけるべきではないかもしれぬのう」
「どうする?」
「とりあえず……追ってみるとしようかの」


 ◇ ◇ ◇


 会場の南端。民家の屋根から海を眺める、奇異な格好の少女がいた。
 上着というよりは外套に近しい長さの、黒寂びた色のコートを纏う、小柄な体躯。
 灼熱の赤を点す、炎のように燃える――否、炎のごとく『燃えている』長髪。
 眼光に熱気を帯びた威圧感を持たせること可能とする、深く清い紅の双眸。
 並び称して、炎髪灼眼。

 フレイムヘイズ、『炎髪灼眼の討ち手』シャナは、その燃える瞳で海を見据えていた。

「飛んでいったら、どこにたどり着くと思う?」
「どこにもたどり着かない、というのが最もありうる正解であろうな」
「封絶とも違う。因果孤立空間を生み出すのに、別の自在式があるってこと」
「現段階ではなんとも言えん。仮にこの現象が封絶の上位種にあたるものだとしても、あの人類最悪≠ネる輩は」
「紛れもなく、人間だった。徒≠ナも、燐子≠ナも、ましてやミステス≠ネんかでもない……いったい、何者なんだろう」

 暗闇の空間で為された、一方的な宣誓。その進行役を務めた男の素性に、心当たりはない。
 フレイムヘイズとしては経験の浅いシャナ、そして彼女に異能を与える相棒にも。

「奴の正体は確かに気になる。が、なによりも不明瞭なのは、このような催しを企てる真意、目的だ」

 シャナの首にかけられたペンダント型の神器コキュートス≠ゥら、遠雷のような声が響き渡る。
 声の主こそ、紅世$^正の魔神とも恐れられる強大なる王=A天壌の劫火<Aラストールだった。
 幼き少女、古き魔神、二人にして一人のフレイムヘイズは、並び『炎髪灼眼の討ち手』と称される。
 そして今は、そういった称号的な真名に加えてもう一つ――ある少年から拝命した『シャナ』という名も。

「生き残れるのが一人。集まっているのは六十人。目的なんてハッキリしてる。つまり、他の五十九人は死ねってこと」

 少女らしからぬ冷徹な声、厳格な態度で事態を捉えるシャナ。
 幼き日にフレイムヘイズとしての誓いを交わし、『天道宮』で多くを学んできた彼女に、歳相応という言葉は意味を持たない。
 今が異常に塗れているともなれば、なおのこと妥協や油断は許されず、異能を知る存在の一人として、物事を捉える必要があった。
219創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 02:30:51 ID:87zz3U8x
 
220紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:30:52 ID:JFRue2Rb
「ならばどうする? 奴の言葉通りにたった一つの椅子を目指すか?」
「他が全部敵で、悠二や一美、ヴィルヘルミナがいなければ、それも考えた」
「だが、この地に彼女らはいる。未記載の十人に、御崎市や紅世♂盾フ人物が紛れているとも限らん」
「だから、まずは調べる。もし仮に、襲ってくるような奴らがいたら……」

 纏うコートの内側を探ろうとして、シャナの表情が寸秒、凍てつく。
 いつもなら易々と掴み得るであろう感触が、そこにない。
 盗難や紛失など絶対にありえないはずの得物が、知らぬ間になくなってしまっていた。

「……『夜笠』は問題なく顕現できる。しかしながら、『贄殿遮那』が奪われたとあっては、常のようにはいかんぞ」
「ちゃんと心得てる。どんな奴らがいるかはまだわからないけれど、人間とやり合うならこれでも十分なくらいだし」

 シャナが纏うコート――『夜笠』はアラストールの翼の皮膜の一部を顕現させたものゆえ、紛失のしようがない。
 しかし、シャナがかつて天目一個≠ゥら頂戴した大太刀、『贄殿遮那』は、鞘としていた『夜笠』の中より消えていた。
 もちろんシャナやアラストールに紛失、盗難の記憶などなく、いつの間にかの干渉、と受け取らざるを得なかった。
 ともなれば、なおのこと人類最悪≠ネる男、もしくは彼の背後に潜む存在の影が、大きく見えてくる。

「アラストール。もう一つ、気になることがあるの」
「む、なんだ?」

 懸念すべきは膨大、考察の道筋は数あれど、まずは実地を歩いてみるべき、と判断したシャナは、民家の屋根から路面に降り立つ。
 毅然とした足取りで道を行き、あてなき方角を目指しながら、純粋な疑問を声に出した。

「奴の言っていた……『ドラえもん』って、なんのことだと思う?」
「むぅ……我も認知しておらぬ名だ。おそらく、この鞄型の宝具を作り出した紅世の王≠ゥ――」

 と、
 アラストールが唐突に言葉を切り、シャナも足を止めた。
 民家も疎らな、崖も近い平坦な道。隠れ潜む場所にも困るそこで、気配は鮮明に訪れた。
 相手もそれを理解しようとしているのか、逃げ隠れするつもりはないらしい。
 シャナとアラストールは互いの合図もなしに、自然な動作で後ろを振り向いた。

 赤を基調としたブレザータイプの制服が、目に映る。
 風に靡くスカートは少女の証。歳はシャナの同級に近い、つまりは女子高生と窺える。
 手に握られているのは、金属製のバット。肩には、シャナも所持している黒の鞄が。

「なに、おまえ」

 フレイムヘイズの視点から見れば危機感の一つも植えつけるに値しないが、一応の武装を為してるその少女。
 不適に微笑み、シャナの灼眼にも臆すことなく、ぎゅっとバットを両手に持ち直した。

「あいにくと、名乗る名はねぇ」

 返答も一瞬、シャナには、次に彼女が取る行動の予測がついた。

「お命……頂戴!」

 古めかしい攻撃宣言の後、金属バットの少女が疾駆する。


 ◇ ◇ ◇

221創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 02:31:21 ID:87zz3U8x
 
222創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 02:32:08 ID:87zz3U8x
 
223紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:32:16 ID:JFRue2Rb
「はて、また別の女子が現れたのう」
「すごいねあの子。髪、燃えてるよ。熱くないのかな?」
「派手な髪じゃのう。外国の子なのじゃろうか」
「そういう君は、おじいさんみたいな喋り方をするね。君の住んでる国ではみんなそうなの?」
「いいや。そんなことはないぞ」
「ふーん。あ、なんか一触即発の空気だよ」
「ふうむ。やはり、皆考えることは同じなのかのう……」
「またまた。君はああいう野蛮なことしないでしょ」
「もちろんじゃ。というか、未だ夢でも見ている気分でのう」
「ああ、それはよくないね。早く夢から覚めたほうがいいよ。いつ茂みから撃たれるかわかったもんじゃないし」
「なんとも物騒な話じゃが……やはり、のう」
「おお、一触即発が弾けて大乱闘が生まれそうだ!」


 ◇ ◇ ◇


 勝負は一瞬、決着は瞬きの間についた。
 金属バットで殴りかかった少女は、シャナの殺し≠フ領域にまで足を踏み入れ、迎撃される。
 身に纏う『夜笠』、その奥から木刀を引き抜くこと一閃。
 刃を持たない木の刀身は、しかしシャナの豪速の振りによって威力を増し、バットを明後日の方向に弾き飛ばした。
 刹那の出来事に目を白黒させる少女は、急に痺れ出した両手を眺め、声を漏らす間もなく、

 ヒュン、

 とシャナの木刀を眼前に突きつけられ、絶体絶命に陥った。

「……あ」

 少女の声が、ようやくの反応として拙い抵抗を試みる。
 この突然の攻撃行為を、シャナは紛れもない敵対行動と見て取り、だからこそ躊躇もしない。
 ただし、猶予だけは与える。
 漫然と反射を繰り返し、我武者羅に他者を傷つけるだけがフレイムヘイズにあらず。
 だからこそ、少女の突進に敵意はあっても殺意はなかったことが、気にかかった。

「お……っ」

 眼光鋭く、木刀の切っ先と共に少女の出方を窺うシャナ。
 炎髪灼眼は揺るがず、いざというときの力の行使も視野に入れ、手を抜かない。
 相手に余計な判断材料を与えぬようにと、言葉を放ることすらせず、次なる反応を待つ。
 程なくして、少女は、

「お見それしやしたぁあああああ――っ!!」

 猛烈な勢いで、土下座を敢行した。


 ◇ ◇ ◇

224紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:32:52 ID:JFRue2Rb
「すんなり勝負がついたのう。それにしても、まったく見えんかった」
「ホント、気づいたらバットがどっかに飛んでいっちゃった、って感じ」
「ひょっとしたら、剣道の達人かなにかなのかもしれぬ」
「でもああいうのは、遠くからの狙撃に弱かったりもするよね」
「漫画だと、弾丸を剣で叩き斬ったりもするのじゃが」
「あ〜、そういうの、見たことある」
「本当か? すごいのう、おぬし」
「伊達に旅人の相方を務めているわけじゃないんでね」
「お、なにやら申し開きの機会を得たようじゃの」


 ◇ ◇ ◇


「あっし、姓を櫛枝、名を実乃梨と申す者でござんす! 失礼ながら先生の実力、試させていただきやしたっ!」

 深々と土下座をする、櫛枝実乃梨と名乗るその少女。
 シャナは木刀を構えたまま、彼女の奇異な行動に目を奪われ、その言動の節々を判断材料へと昇華していく。

「此度の無礼はなにとぞ、なにとぞご容赦いただきたく! 不肖この櫛枝に、どうかお力添えをしてはいただけないでしょうか!?」

 唐突すぎる助力の申し出に、シャナは眼光の鋭さを寸分も落とさず、言葉を交える。

「力を貸せ、って? なんのために?」
「みんなを……みんなを救うためだよ!」

 実乃梨は顔を上げず、額に土をつけたままの状態で猛々しく吼えた。
 表情は窺えずとも、声色から鬼気迫る内情が読み取れる。

(どう思う、アラストール?)
(なにやら訳ありのようではある、が)

 心中、身の内に存在を宿すアラストールと、実乃梨に対する印象を比しながら、慎重に言葉を選び取ろうとする。
 結論出ぬまま、実乃梨の文言が続く。

「先生は気づいてるかな……この、なんだかよくわからない競争の、意味」

 声は一転して、暗がりの行灯のように心許なく威勢を失う。

「あの狐みたいな仮面つけてた人、あの人は言わなかったけどさ……結局、これ、勝ちは一人なんでしょ?」

 疑問符を交えた言葉に、シャナは眼光以外の反応を見せようとはしなかった。

「他が消えなきゃ、ってことならさ、つまり、これってさ……殺し合い、って、そいうことなんじゃないかな!?」

 そのとおり、と現実を突きつけることは容易かった。が、そんなことをするまでもない、と判断する。
 彼女は既に、解を得ている。だからこその一連の凶行なのだろうと、シャナはあたりをつけた。

「私は……! そんなの嫌だ! 大河も、あーみんも、高須くんも、誰一人として失いたくない!」

 貪欲な言葉の裏にある意思は、友情か、博愛か、それとも単なるわがままなのか。
 人の世での暮らしが浅く、社交性に乏しいシャナでは、初対面の人間、それも年頃の女子の気持ちなどわかり切れない。
225紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:34:04 ID:JFRue2Rb
「私にだって夢がある。ここまでがんばってきたんだもん……こんなことに巻き込まれてご破算なんて、死んでもイヤ!」

 ただ、なんとなく、近いの、かも、と。
 同級生、吉田一美や緒方真竹から感じられるものと酷似した印象を、シャナは抱いた。
 切迫した想いは、いったい誰に向いているものなのか。シャナは数秒、考える。

(ヴィルヘルミナ)

 己にとっての母にも近しい、教育係――『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルは、大丈夫だろう。
 このような異例な事態に巻き込まれても、相応の対処をしうるはずである。そう思えるだけの、信頼があった。

(吉田一美)

 己を通して紅世≠フ存在に触れ、しかしなんの異能も持たない、恋敵にして親友は――大丈夫だろうか。
 誰かが企画の本質を暴き、この地で闘争を生むのは自明の理。そうなれば、彼女も巻き込まれる可能性が高い。

(……悠二)

 己が想いを寄せる――邪なものではなく、真に純粋な意味での『想い』を寄せる少年は、どうだろうか。
 日々の鍛錬が功を結ぶか、それともこの異常が努力を超えるか、いずれにしても、軽々しく心配などしたくはない。

(みんなは、きっと大丈夫。だって、あんなにも『強い』。だから、私は――)

 意を固めたシャナが、実乃梨に問う。

「つまり、おまえはどうしたいの?」
「みんなが助かる道を探す! そのために、仲間が欲しいんだよ!」

 矢庭に答えた実乃梨を、シャナはさらなる問いで推し量る。

「具体的な方策、もしくは指針でもあるの? 私の力を見たのは、用心棒をあてにして?」
「うっ……それは、その……ないとも言えないこともない、といいますか……」
「おまえの言っていることは、程度の低い理想よ。駄々をこねているのと、変わらない」

 シャナの辛辣な評に、実乃梨が顔を上げる。
 目尻には、涙が窺えた。

「それでも……私は、まだ最悪を選びたくない。だって、ひょっとしたら、って思うじゃん。
 こんなゲームみたいなの、まだ納得できてないから。知ったことかだよ。ルール違反上等だよっ!」

 今にも泣き喚かん勢いで、それでも一線を越えまいと踏みとどまる強さには、吉田一美の影を見た。
 だから、なのかもしれない。

(……状況が状況だ。異例の事態とはいえ、判断を見誤るなよ)
(……わかってる)

 シャナは実乃梨から視線をずらし、二、三歩ほど横へと移動する。
 実乃梨が訝る横で、シャナは屈み、落ちていた小石を拾った。
 そして、道の小脇、茂みのほうへとそれを投げ放った。
226創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 02:34:04 ID:87zz3U8x
 
227創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 02:34:49 ID:87zz3U8x
 
228紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:35:05 ID:JFRue2Rb
「いてっ!」

 直後に、男の子のような声が悲痛を訴える。
 先ほどから茂みの中に感じていた気配、小動物の類ではありえなかったそれに、シャナが続けて言葉を放った。

「そこにいるの。さっきから櫛枝実乃梨をつけてたでしょう? 隠れてないで出てきなさい」
「えっ?」

 まったく気づいていない様子だった実乃梨を尻目に、シャナは茂みのほうをじっと睨み据える。
 気配隠蔽の出来からして素人と判断した正体は、やはり人。
 顔立ちは女の子らしく、しかしどういうわけか、男子の学生服を身につけている。
 男装癖でもあるのか、とシャナが怪訝に思い、続いて彼が押す一台のオートバイに目がいった。

「痛いなぁ、まったく。いきなり石を投げつけるだなんて、いくらなんでも酷いんじゃないの?」

 オートバイが、男の子の声調で喋った。
 傍らの男装少女ではなく、オートバイが。
 一見して普通と取れるオートバイが、肉声を。

「……燐子=H」
「では、ないようだな」

 喋るオートバイ、というシンプルな珍事が、紅世≠フ常識で測れないと見て取るや、シャナとアラストールは短く唸った。

「ふむ、挨拶をしておくべきかのう」
「見つかっちゃったし、そうしたほうがいいかもね」

 男装少女とオートバイが声を揃えて、名乗りを上げる。

「ワシは木下秀吉じゃ。名簿には名が載っていなかったが、どうやら六十名の内の一人らしい。こちらはエルメス」
「よろしく。たぶん、秀吉と同じようなことを言うんだろうけど……バイクじゃなくてモトラドだかね」


 ◇ ◇ ◇


 それぞれの道筋を辿れば、なんということはない。敵意など混在しない、まったく平和な邂逅だったと言える。

 櫛枝実乃梨は、友達を誰一人欠かすことなく、元の暮らしに帰り着くことを願った。
 具体案はないにしても、そのためにはまず味方を得るべき、と考えたようである。
 そして目をつけたのが、奇妙な燃える髪に、民家の屋根から颯爽と跳び下りるほどの身体能力を見せた少女。
 挑みかかってみれば、木刀でバットを弾き飛ばすという荒業を見せる、頼るには十分な逸材だった。

 木下秀吉は、まず鞄の中身を確認したらしい。そうして出てきたのが、二輪車のエルメスだ。
 正確にはモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)という種らしいエルメスは、自我を持つ。
 名簿を検証してみたところ、キノという旅人の相棒、つまりは乗用車であるとの情報が得られた。
 秀吉のほうは、この時点で指針を固めておらず、とりあえず同級生と会って話し合いたいと願い出た。

 これら、大まかな情報の提示を路上で受け、シャナは熟考する。
 戦闘時に表出する炎髪灼眼は今は消え、黒髪黒眼の姿で、しばしの時を刻んだ。
 そして、
229紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:36:04 ID:JFRue2Rb
「……ふう」

 ため息をひとつ零し、提案する。

「とても路上でまとめられるような話じゃないみたい。そのへんの家を借りて、じっくりやりましょう」
「ということは、用心棒やってくれるんッスね、先生!」
「その呼び方、やめて」

 露骨な態度を取ってくる実乃梨には、嫌味が感じられない。
 笑顔は太陽のように眩しく、見ていて悪い気はしなかった。

「勝手に人様の家に上がるのは気が引けるのぉ」
「どうせ無人だ。気にかけることでもあるまい」

 まだどこか現実が実感し切れていない、といった風な秀吉も、特に害はないだろう。
 事態が事態、そしてなによりエルメスのような例もあるため、アラストールの存在も特別隠すことはしなかった。

「それにしてもすごいな、喋るペンダントとは」
「喋る自動二輪車に言われたくはないがな」
「自動二輪車じゃないよ、モトラドだよ」

 エルメスもどこか、緊張感が足りない。
 鞄の中から出てきた、ということは名簿に記されるべき六十名の参加者ではなく、配られるはずの『武器』に該当する存在なのだろう。

「あれ、そういや先生、大河に似てね? 声といい、目つきといい、ちんまい姿といい……」
「アラストール。やっぱり、こいつら放って先にいかない?」
「待て。この場はなによりもまず情報だ。こやつらとて、有益な情報を……」

 どうにも、話を聞くだけで気苦労が重なりそうだ。
 シャナが声なくして薄っすら思い、その中途で、保留にしていたある謎を思い出す。
 彼らならば、あるいは知っているのではないか。と思い至り、手始めとして問うた。

「そうだ。おまえたち、『ドラえもん』ってなんだか知ってる?」
「は?」

 三者にして五者の邂逅は、まだまだ続く……。
230創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 02:36:41 ID:87zz3U8x
 
231紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:37:26 ID:JFRue2Rb
【E-1/民家/一日目・深夜】
【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:逢坂大河の木刀@とらドラ!
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:櫛枝実乃梨と木下秀吉、ついでにエルメスから搾り取れるだけの情報を搾り取る。
2:みんなが少し心配。
[備考]
※封絶使用不可能。


【櫛枝実乃梨@とらドラ!】
[状態]:健康
[装備]:金属バット
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:シャナに用心棒を頼みたい。
2:みんなが助かる道を探す。そのために多くの仲間を集める。


【木下秀吉@バカとテストと召喚獣】
[状態]:健康
[装備]:エルメス@キノの旅
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:とりあえず情報提供。
2:吉井明久、姫路瑞希と合流したい。


【逢坂大河の木刀@とらドラ!】
逢坂大河が竜児の家を襲撃した際に用いた、ごく一般的な木刀。

【金属バット@現実】
ごく普通の金属バット。

【エルメス@キノの旅】
キノの相棒。言葉を話すモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)で、空を飛ぶことも自力で走ることもできない。
後部座席はキャリアに改造されているが、いつも積まれていた鞄や毛布は、一切撤去されてしまっている。
232 ◆LxH6hCs9JU :2009/02/19(木) 02:38:22 ID:JFRue2Rb
投下終了しました。
支援感謝です。
233創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 08:04:36 ID:N3MWNu/h
投下乙
面白くないけど話は進んだのでありがとうございます。
234創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 08:49:04 ID:Y3XOF1W4
面白いとかどうとかっていうか、これ実質5人居るのと同じじゃん。
この最序盤で。
あんた慣れた書き手なんだから、そこら辺にもうちょっと気を配ったらどうよ。
中盤ならいざ知らず、現段階ではまだみんな把握が万全でないだろうに。
後続の書き手の負担を考えて書いてる?
235創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 09:40:43 ID:4jQLWPIR
指摘というか少し
ヴィルヘルミナの時はカップ麺だけだったので言いませんでしたが
シャナにアラストール付けるのであれば支給品一つ削った方がよいかと
没収できなかった代わりということで
236創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 10:02:38 ID:0y5D3K/A
>盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU
インデックスさん空気なんだが、これは仕方ないか。
ヴィルヘルミナとフリアグネの邂逅という、原作ではありえない状況が
出てくるのが原因だな。自身が討滅されたという話を信じていない様子の
フリアグネが、どういう終わりを見せてくれるか今から楽しみ(早いよ

>忍者月影抄 ◆F0cKheEiqE
「汚いなさすが忍者きたない」www
既に感想で書かれてますが、名簿に名前が無いことと、他の人間に偽装
できることがコンボとして凶悪すぎる。危険度は既出作品内では一、二を
争うのではないだろうか。

>彼と彼女の歩む道 ◆oUz4tXTlQc
竜児切ねぇ。参戦時期がよりによって、あのイベント後か……。
顔のせいで美波に誤解されるわといいこともないし。誰か竜児を助けて
やってくれマジで。

>裸の出会いにご注意ください ◆bVLQ9jn0aM
きwたwむwらwww
暗い雰囲気が一掃されたのはいいことかもしれんが、当麻じゃなかったら
全裸で死亡という悲惨な死に方を遂げていたかもしれんな。
そして当麻、第1話死亡のジンクス脱却おめ。

>一文字違いの獅子 ◆b8v2QbKrCM
倒錯的ジャンキー・ストーカー白純里緒ktkr
外見上では式に似ているので、下手に行動させると式への誤解フラグが
立ってしまいそうだが……如月左衛門と同様、どれだけ周囲を引っ掻き
回してくれるやら。

>伊賀の散歩者 ◆F0cKheEiqE
散歩ってレベルじゃねーぞwww
犬とか腰巾着とか言われようも酷いが扱いも酷い。正直竜児と同じくらい
泣けるなぁ。あっさりと屠られないよう祈りたくもあるが、どうなることか。

>紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU
序盤の会話文だけ読んでると、片方は秀吉だとすぐにわかりましたが、
ここでエルメス登場か。そしてシャナ、アラストール、みのりんと、
数の上では大集団の結成。シャナの今後の行動方針によってはすぐに
分断となるかもしれないけど……。
あと、シャナが木刀持ってると、どうしても大河と姿が似てしまうのはw
237創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 10:55:00 ID:y42uDyw3
投下乙ですー
そういえば大河の声優も釘宮だったかw
キャラ一人一人がそのキャラらしくてよかったです


アラストールとシャナはほとんど一心同体みたいなものですし、このままでいいと思います
238創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 11:26:34 ID:J6QzMZdJ
シャナとみのりについては参戦時期を明記しておく必要があると思います。
前者はクリスマスより前というのは悠二に関する表記からわかりますが、
後者は竜二との関係が割と大きく関わってくると思うので。
239創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 11:36:13 ID:C9sbArWO
支給品にしても参戦時期にしても、後続の自由度が高いからこれでいいかと
制限含めて書き手の裁量任せなのに、外野にそんな縛られても困る
240創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 13:08:03 ID:vw7K2KQA
ですよね〜
別に参戦時期が違って、蛇悠二とご対面とかあってもいいわけだし。
式が子供を産んだ後の未来福音から来てたっていいじゃないか。
241創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 13:27:15 ID:J6QzMZdJ
いや、同一作品のキャラ同士で参戦時期が違うことはよくあることだとして、
あくまでシャナというキャラ単体が原作内でどの時点のものなのかが大事なんです。
文を読む限り蛇悠二になる前、吉田一美を名前で呼ぶようになった後、
っていう縛りがあることになるので、縛りがある以上は具体的にそれを示して欲しいということです。
242創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 13:28:41 ID:0y5D3K/A
>>240
未来福音は入手方法の問題があるから、そこから登場させると困る人もいるかと。
参考にする分には大丈夫かな?
243 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 13:58:02 ID:yrht/2A7
お待たせしました。逢坂大河、零崎人識これより投下します
244創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:04:10 ID:O9NQx2pI
感想はすぐかけないけど支援
245 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:04:27 ID:yrht/2A7
 ――当たり前の話ではあるのだが、素人が灯り一つない夜道、それも山道を歩こうとするのは無謀という他にない。
足元の視界さえおぼつかない中、それでも無理に夜の山道を進もうとするものがどうなるか、そんなものは最初から決まっている。

「……わあ!」
 ……ベしゃ。
 
 木の根か何かに足を取られたのか、一人の少女がバランスを崩して盛大にすっ転ぶ。
 ――少女の名前は逢坂大河。彼女の通う高校ではそれなりに名前の知れた有名人である。

 少女、いや大河が転んだのはもちろん当然の結果ではあるのだが、実のところ彼女に責められるだけの謂れはない。こんな夜道を彼女が無理にでも歩いていたのには理由がある。
 
 理由の一つは彼女が目覚めた位置だ。
 この舞台において彼女が最初に配置された位置はA-1、山頂。よりにもよって夜明けを待たずして消え去る場所である。
 ただし、逆にいうと彼女がいる場所が消えるまで最低二時間の猶予があるということでもある。だから、彼女が転倒する危険を冒してまで
夜道を歩いていたのはもう一つの理由が大きい。

 彼女が夜道を歩いていた最大の理由、それは参加者名簿に記されていた逢坂大河の知り合いたちの名前に他ならない。

「……いたた」
 すっ転んでからややあって、のろのろと大河は身を起こした。転んだ拍子にぶつけた膝がよっぽど痛かったのかそのままペタン、と腰をおろす。
「……まったく、落ち着いて考えてみればみのりんはともかく、この私があのばかちーや竜児のために慌てる必要なんてどこにもないじゃない」

 口に出してみることで自分でもその考えは間違っていないことのように思えてきた。

 彼女が気がついたのは今から十分ほど前のこと。すぐそばに立っていた看板のおかげですぐに自分の位置がわかったのは幸運だったが、
星明りの下、次に取り出した参加者名簿に高須竜児、櫛枝実乃梨、そして川島亜美。この三人の知り合いの名前を見つけた途端に駆け出したのは、今になっては少々慌てすぎだったと彼女は思う。

 少し落ち着いて考えれば実乃梨のようないい子を傷つけるような奴がいるわけはないし、川島亜美だって内面はともかく外面だけはいい。竜児だってまあなんとかやることだろう。
 そうなると逆に自分が必死になって走り回って怪我をしたりしていたら、彼女達と合流した時にいらぬ気遣いをさせることになる。そう考えて、逢坂大河は少しだけ落ち着きを取り戻す。
246創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:05:14 ID:8O/rBabC
支援
247創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:05:30 ID:0y5D3K/A
支援
248 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:06:31 ID:yrht/2A7

「……それにしても」
 しゃがみこんだ姿勢のまま大河はぽつりと
「みのりんはともかく何でばかちーや竜児がいるのに北村くんはいないのかしら。あの二人なんかより北村くんのほうがずっと頼りになるのに」
 彼女の片思いの相手にして、彼女の知り合いの中では最も頼りになる男性、北村祐作のことを口にした。
 
 ――そこへ不意に

「かはは、傑作だぜ」
 いつの間に近寄ってきたのか、一人の少年が大河のすぐそばにいて声をかけてきた。
 背はあまり高くない。染めて伸ばした髪は後ろで縛られており、覗いた耳には三連ピアス、携帯用ストラップなどが飾られている。
そしてそれより何より目を引くのは、その顔面に施された―禍々しい刺青だった。

「あんた、誰?」
 いつのまにか近くにこられていたことに驚きながらも大河は、それなりに彼女を知る者が見れば驚くほど静かに少年へと問い掛ける。

 だが、少年はその問いかけを無視して
「いや、あんたこういう場合はさあ、自分の知り合いがいないことを喜ぶべきであって、北村くんとやらがいないことを残念がるところじゃないだろ?」
 そう言うと「傑作だぜ」と少年は笑った。


 ――仮に逢坂大河の通う高校の生徒がこの光景を見たならば少年の無謀さに顔色を変えたことだろう。逢坂大河につけられたあだ名は「手乗りタイガー」。
 彼女は手乗りと称されるほど小柄な体に、虎と呼ばれる凶暴性を秘めているのだから。

 
「……そう、あんた今の私の独り言を聞いたんだ」
「何? あんた実はヤンデレとかいうやつ? 北村くんを殺したいほど愛してるとか? そういうのは俺――わあっと!」

 間一髪、唐突に身を起こした大河の突進を少年は横に飛ぶことでひらりとかわす。

「おいおい、なんだよあぶね―な」
「うるさーい! いいから今あんたが聞いたことは忘れろ! いや、この私が忘れさせてやる!」
「どうやってだよ」
249創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:07:02 ID:0y5D3K/A
A-1ktkr!sien
250創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:07:04 ID:O9NQx2pI
251創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:07:36 ID:8O/rBabC
支援
252 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:07:51 ID:yrht/2A7

 呆れたような口調の少年に大河はカバンから彼女に支給されていた武器、真っ黒なマラカスをじゃらん、と取り出すと少年へと突きつける。

「こいつでおまえの頭をぶん殴れば記憶ぐらいは吹っ飛ぶでしょうよ!」
 言うが早いが大河はマラカスを振りかざすと再び少年へ向けて襲い掛かる。

「!? おまえ、それ!」
「いいから! とっとと忘れて! 楽になれー!」
 二度、三度。じゃらん、じゃららんと顔を真っ赤にした大河が振り回すマラカスを避けた少年は大きく後ろに距離をとる。

「わーすーれーろ!」
「あ、わり。やりすぎちまった」
 少年に対して追撃をかけようとした大河に向けて少年が唐突に謝罪の言葉をつぶやく。
それを疑問に感じることもなく大河がマラカスを振り上げた瞬間。すっぽ抜けたマラカスは闇の中へと飛んでいった。
 ――それを握っていた大河の右手と共に。

「……え?」
「わりぃな。でもおまえがあんな物騒なもんで殴りかかってくるのが悪いんだぜ。ありゃどうみても罪口っていういかれたやつが作った……」
 少年が何か喋ってはいたが大河の耳には入らない。

「ああ……」
 恐怖と共に体が震える。
「けどまあ心配はすんなって。ちゃんと止血はしといてやったからよ」

 右手がなくなったというのに痛みはない。それどころか少年の言うとおり血だってほとんど流れてはいない。

「ああああ……」
――それが逆に途方もなく恐ろしい。目の前にいる相手は自分が気付く前に自分を殺すことができるということに大河は今気が付いた。

「おいおい、大丈夫かよ」
「……わああああ!」
253 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:08:51 ID:yrht/2A7
 じゃり、と少年が大河に一歩近付く。それが引き金となって大河は一心不乱に逃げ出した。

「夜道を走るとあぶねえぞー!」
 そんな言葉は聞こえない。

(みのり、りゅうじ、きたむらくん。助けて! 助けて! たすけて!)

 途中幾度か転倒しながらもひたすらにただただ自分を守ってくれるものの姿を求めて少女は闇をかけていく。


 ◇ ◇ ◇

「傑作だぜ」
 走り去っていく少女にはもう目もくれず少年、零崎人識はそれほど離れていない所に転がっていたマラカスを拾い上げるとじゃらんと一振りすると自らのカバンへと仕舞いこむ。
 見間違えようもない不吉な黒。罪口作の武器ともなればどのようなギミックが隠されていても不思議ではない。
「つーかこんな危ねえもんをほいほい配んなっーの」

 零崎人識、理由なく人を殺す殺人鬼、零崎一賊でありながら今の彼に他人を殺す意思はない。かつて己の鏡面存在に対して「呼吸するために人を殺す」
とさえ言い切った彼がその意思を持たないのはとある人類最強とかわしたある約束のためだ。

「傑作つーか戯言だよなあこりゃ。冗談じゃねえって。あの請負人緊急避難とか認めてくれんのかね?」
 ぶつくさとそんなことを呟きながら彼は何事もなかったかのように歩き出す。
 すでに先の少女のことは彼の頭には残っていない。きちんと糸、支給品であるワイヤーを使って止血もしてある以上、別の誰かにでも襲われない限り少女が死ぬことはない。
自分から彼女に関わる必要もない。
「……大体あいつ、背低すぎだっつーの。俺の好みじゃねーし。俺と行動しようって言うならやっぱ170はないと」

 そうして、とりあえず南に向かって歩きながら名簿に書かれていた知っている名前や自分の支給品のことを人識は考える。名簿にあった彼の知っている名前は幸か不幸か二つきり。
 彼が欠陥機械と呼ぶ戯言使い、逆反対にして同一の鏡の向こう側、いーちゃんと《死線の蒼》こと玖渚友。
 そして今、南へと向かっているのはその一人玖渚友を探してのことだ。

254創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:09:06 ID:0y5D3K/A
しえん
255 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:09:45 ID:yrht/2A7
「確か《蒼》は誰かについてもらわないと極端な上下運動できねえんだよな……。つーか見殺しにしたら大将が夢枕にでも立ちそうだ」
 ぶつくさとそんなことを呟きながら彼自身はほとんど知らない相手のことを探して手近な高所、天文台へと人識は向かう。玖渚友がそこにいない時は手がかりはないしそのまま街へと降りればいい。
「まあ、努力はしたってことで大将も勘弁してくれるだろ」

 ――それに。
 それに今もっとも玖渚友やいーちゃんより人識の興味をひくのは、彼のもつもう一つの支給品に記されていた名前だ。
 ワイヤー以外に人識に支給されていた武器はナイフが10本1セット。
 食器用のナイフなので切り合いには不向きだが、そのデザインは光ったり尖ったりしているものを集めるのが趣味で、刃物ならなんでもOKな人識をしてコレクションしておきたいと思わせる程素晴らしい。
 ちなみにその支給品の説明書にはこう書かれていた。

「礼園学園の食堂で使用されているパンきり用ナイフ。あの両儀式がコレクションに加え損ねた一品を特別に十本お付けします」

「両儀式ねえ、どんなやつかは知らねーがいいセンスしてるってとこは間違いないな」
 かはは、と人識は笑う。彼、もしくは彼女とであった時にどうするかは出会ってみてから決めればいい。

「さてと、それじゃ一丁、殺して解して並べて揃えて晒しにいくか」

 暗い夜道を少年は進む。恐れることなど何もない何故ならばこの闇の中でこの少年より危険なものなどないのだから。


【A-1/山頂地点近辺/一日目・深夜】

【逢坂大河@とらドラ!】
[状態]:恐慌状態、右手欠損(止血処置済み)、膝に擦り傷(行動には影響なし)
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:実乃梨、竜児助けて!
[備考]
※原作3〜4巻まだ北村>竜児の時期からの参戦です。
256 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:11:05 ID:yrht/2A7
※顔にマークのある人間(零崎人識)を危険だと思っています。
※人識の名前は知りません。
※彼女がどちらに向かったのかは次の書き手にお任せします。

【零崎人識@戯言シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、礼園のナイフ10本@空の境界、七閃用鋼糸6/7@とある魔術の禁書目録、少女趣味@戯言シリーズ
[思考・状況]
1:とりあえず《死線の蒼》(玖渚友)を探して天文台へ。
2:ぶらつきながら《死線の蒼》といーちゃんを探す。
3:両儀式に興味。
[備考]
※原作二巻以降のどこかの時間からの参戦です。西東天と面識がある(=ネコソギラジカル以降)かどうかは不明。
※とある約束のために自分から誰かを殺そうというつもりはありません。ただし相手から襲ってきた場合にまで約束を守るつもりはないようです。

【少女趣味@戯言シリーズ】
戯言シリーズ番外編、零崎曲識の人間人間より。曲識が最期の戦いに挑む直前製作してもらった真っ黒なマラカス。
制作者曰く、広く正確に音階に表現できるように制作された「ちょっとしたグランドピアノ並み」のマラカスであると同時に打撃武器としても使用可能なだけの頑丈さを併せ持つ。
ただし、楽器として使おうと思うならけた違いの音楽センスが必要となる。
257 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/19(木) 14:12:41 ID:yrht/2A7
投下完了です。なお、入れ忘れていたタイトルは「たいがーころしあむ」です
258創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:12:45 ID:0y5D3K/A
しえん。投下終了かな?
259創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 14:20:46 ID:0y5D3K/A
投下乙でした。
これは……大河への贔屓がある自分が読む分には、辛い。
零崎と関わって命があるだけマシなのかもしれないけど。
人識は、「大将」の副業を知っているタイミングがネコソギの
中巻から下巻の間くらいしか無い…ようにしか原作からは
読み取れないので、その辺りからの参戦っぽい印象だ。

七閃用鋼糸が消費されてるのは、止血で使ったからか。
一回使うたびに無くなるのかと勘違いしてたw
260 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 15:16:27 ID:8O/rBabC
投下乙!

大河…まさかツンデレのジンクスか?
正直死ぬかなぁ、と思ってたが、とりあえず生きてて良かった。

それと、夜叉丸@甲賀忍法帖 投下
261銀河忍法帖 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 15:17:04 ID:8O/rBabC

伊賀鍔隠れ衆の忍びにして、
元服前の若輩でありながら十人衆に名を連ねる少年、
夜叉丸は、焦燥により心臓が潰れそうであった。

夜叉丸は美少年である。
長く絹糸の様な髪、桜色の頬、さんさんと輝く黒い瞳と、
青春美の結晶と言っても過言ではない。

しかし、今、見慣れぬ夜のコンクリートの森を一人駆け抜ける夜叉丸の顔は、
頬はゲッソリとこけ、白面の阿修羅といった形相である。

これは、この殺し合いに連れてこられる前と、
つれてこられた後から今へと継続している夜叉丸の苦悩と狼狽によるものだった。

この場に連れてこられる前からして、夜叉丸は惨憺たる状況にあった。
甲賀伊賀の忍法勝負の開催を鍔隠れに伝えるべく、
頭領お幻から託された人別帖を携えて駿府から一路、
東海道を疾走していた夜叉丸だったが、
全行程の半ばまで来た所で、
決して無くしてはならぬ秘巻を紛失していた事実にようやく気が付いたのだ。

出立の際に、恐らく甲賀弾正に掠め取られたのだろう。
急いで駿府に舞い戻った夜叉丸だが、
どれだけ探せど、甲賀弾正の姿はおろか、
秘巻の人別帖、さらにはお幻の姿さえ見えない。

実は夜叉丸が駿府に舞い戻った時点で、
弾正とお幻は既に相討ち、両者の躯は駿河湾を漂っており、
盗まれた人別帖はお幻の鷹により甲賀方の伝令、
風待将監が卍谷に着くよりも早くに伊賀に届けられていたのだが、
そのような事実を夜叉丸が知るはずもない。

結局、夜叉丸は人別帖を取り返す事すらかなわず、
ようやく伊賀へと向けて再出発したものの、
速度において既に将監に一日遅れている。

文字通り決死の覚悟で、まるで弾丸のように東海道を西走していた夜叉丸だが、
殺し合いの場に呼び出されたのは、
よりにもよって東海道をようやく半ばまで来た所だった。
262銀河忍法帖 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 15:17:47 ID:8O/rBabC

F-3の診療所付近で覚醒した夜叉丸は茫然自失の状態だった。
東海道を必死に駆けていたかと思えば、突如眩暈がし、
気が付けば例の狐の男の口上、
さらに気が付けば見ず知らずの土地に一人放り出されていたのだ。

一瞬夢かと思って頬をつねってみたが、非常に痛い。
ではこの現実は一体何だ?

自失していた夜叉丸だが、
そんな彼が思い浮かべたのは恋人で許婚の可憐な少女、
蛍火の事だった。

先の忍法勝負の選手名簿には彼女の名前があった。
では、この殺し合いにおいてはどうなのか。

あわてて鞄を探り、急いで名簿を取り出し、
月光にかざして見る。

名簿を見た夜叉丸には安堵と衝撃が同時に襲ってきた。

安堵は、名簿に蛍火の名前が無かったからである。
自分の様に名簿に名前の無い参加者もいるようだが、
勘であろうか、何故か、彼女がいない事を確信できた。

しかし、名簿に、その名前を見つけた瞬間、
夜叉丸の安堵は吹き飛んだ。



(朧様がっ!)
何という事か!この愚にもつかぬ殺し合いの場に、まさか彼女が呼ばれていようとは。
朧様は、かの不可思議な「破幻の瞳」以外、
何の技も持ってはいない無力な少女だと言うのに!
263銀河忍法帖 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 15:18:39 ID:8O/rBabC

朧は、夜叉丸にとって、否、鍔隠れの全ての住人にとって、
決して唯の主の孫娘などでは無い。
純真無垢にして、絶対不可触の聖なる姫君にして、
鍔隠れの里の太陽であった。
決して何人にも侵すことの許されぬ神聖な偶像であった。

朧の愛らしい姿を思い浮かべ、
その命が誰かに摘み取られる可能性に思い至った時、
夜叉丸は全身の血が引く想いであった。

(朧様っ!)
居ても立ってもいられず、
鞄を背負うや、夜叉丸は、
長髪と、装束の長い袖を靡かせながら走りだした。

朧様は何処におられるのか。
あてなど存在しない。
だが、ここに動かずにはいれなかった。

夜叉丸の若い精神は、失態の連続で憔悴しきっていた。
例え、もし彼の手が届かぬ所で朧が誰かの魔手に掛ったとしても、
それは彼の責任ではないだろう。

しかし、夜叉丸は、
自分こそが朧を救わねばならぬという思いで埋め尽くされていた。

それは恐らく失態の連続を取り返さんとする焦りと、
朧に対する情愛が混じり合った結果であった。

(朧様っ!待っていてくだされ…夜叉丸が今、馳せ参じます!)

夜叉丸の長い袖の内側で、両の手が「それ」をぎっ、と掴んだ。

支給品が「これ」であったのは幸いであった。
「これ」は夜叉丸の忍法に必要不可欠な道具であるが、
これさえあれば、大概の相手には打ち勝つことができる、と夜叉丸は確信している。
それは必ずしも過信とは言えない。
若輩とは言え、柳生流の高弟五人を同時に相手して、
瞬く間に一方的に屠る夜叉丸の戦闘能力は伊達ではないのだ。

本来ならば戸惑うはずの未知なるビルの群れに意識すら向けず、
この伊賀の若き忍びは、一つの流星となって、夜の銀河を駆け抜ける。

その行く末にあるのは幸か不幸か。
今は誰も知らない。
264銀河忍法帖 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 15:22:09 ID:8O/rBabC
【F-3/市街地、F-3とE-3の境界付近/一日目・深夜】

【夜叉丸@甲賀忍法帖】
[状態]:健康、やや精神疲労
[装備]:黒縄×2@甲賀忍法帖、山刀@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考・状況]
基本:朧を探し、保護する。他の伊賀組、甲賀組は後廻し。
1:朧様は、俺が守るっ!

【黒縄(こくじょう)@甲賀忍法帖】
女の黒髪を独特の技術でよりあわせて、特殊の獣油をぬった縄。
縄と言うにはあまりに細く、力を加えればたちまち千切れそうに見えながら、
刃をたてても鋼線のように切れない。
類似品に、「伊賀忍法帖」「風来忍法帖」に登場する「風閂(かざかんぬき)」がある。
265 ◆F0cKheEiqE :2009/02/19(木) 15:24:20 ID:8O/rBabC
投下終了。

夜叉丸、霞刑部、風待将監の三人のうち誰を出すかでさんざん迷って、
結局夜叉丸を出す俺はやっぱり面食いなんだろうか?
266創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 15:37:18 ID:Y3XOF1W4
またまた同作の支給品って、ちょっと贔屓が過ぎないか?
267創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 15:57:29 ID:C9sbArWO
参戦時期についても支給品の比率についても、そこまで厳格にするならテンプレの段階で言っておけばよかったのに
一部、とりあえず書き手叩いておけばロワ潰れるだろ、ってヤツが嫌だわ

正式に修正要求したいならしたらばいけ
それ以外は聞く耳持たずでいいよ
268創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 16:13:59 ID:X7SUvAn3
この人甲賀忍法帖以外の作品一切書かないどころか支給品も全部忍法帖からなのか……。
まあ別にテンプレで同じ作品だけしか書いちゃいけないなんてものは無いけどテンプレ以前の問題だろ……。
269創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 16:19:29 ID:0y5D3K/A
投下乙でした。
伊賀組が4人、甲賀組が2人。人数的には伊賀の忍者が優勢だけど、
ここで行われる行為は伊賀甲賀の争いとは無縁のものなんだよな…。
キノやリリトレと同様、時代も文化も違う忍者達が、この先どう立ち回るか。


集団が作られやすいとか、支給品比率については、このロワの設定
自体が短期決戦っぽいので別にいいのでは? と思ってる。
首輪がないからそれに対する考察も省かれるし、舞台が36マスで
区切られてるから時間が経過するほど人が遭遇し易く、支給品だって
巡り巡るだろうし。
270創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 16:39:00 ID:IKeE5yMr
同じ書き手が甲賀キャラ単独&支給品三連続
しかもそのうち二人は書き手枠って……
271創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:00:34 ID:0y5D3K/A
>>270
把握してる人が予約した。書いた。当たり前のことじゃないでしょうか?
それに、時代が違う、文化が違うキャラがそれぞれ、ロケットランチャーや
マキビシを支給されても、用途がわからず右往左往するだけでしょうし。
…そういうギャップが好きでたまらないのなら、ご愁傷様としか言えません。
272創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:07:06 ID:X7SUvAn3
そりゃルール違反じゃないんんだよな。
ただ気分が悪いってだけで。諦めるしかない。
273創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:11:04 ID:d7Cs5D47
同じ書き手が甲賀キャラ単独&支給品三連続よりも最序盤で集団の方が個人的には困るけどな
どっちみち両方、悪印象なことに違いはないが
274創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:17:34 ID:xX+mfz4W

>紅蓮への懇願 ◆LxH6hCs9JU
みのりんwwww
先生じゃねぇよ先生じゃw
そして秀吉ktkr!!!

>たいがーころしあむ◆EA1tgeYbP.
おおぅ…人識が相変わらずわけわからん
いきなり手首切るとかどんだけだよw
275創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:29:25 ID:IKeE5yMr
まぁなんだ、シャナの専用装備強制支給といい贔屓が酷いロワだなぁと思っただけなんだ
すまない
276創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 17:30:42 ID:X7SUvAn3
集団の方はエルメスが余計だな。
アラストールに関してはシャナ書けてアラストール書けないって人も居ないだろうしシャナとセットでいいと思うけど。
277創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 18:00:17 ID:J6QzMZdJ
個人的にはルール違反ではない以上、面白ければいいじゃんって感じですけどね。

話は少し変わるけど、ただのナイフや銃以外の一つだけの支給品、
たとえばマインドレンデルとかは
話の中で確認したり登場したりするならば
予約との時に書いておいたほうがいいかもしれない。
278創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 18:14:17 ID:0y5D3K/A
>>277
支給品被り、比率の点で仰ってるのなら、予約時の支給品記載は
「必須」ではなく「任意」の方が。
先のわかる話も面白くはないというのもあるけど、あまり書き手さん達に
無理を重ねてほしくないし。
279創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 18:25:13 ID:X7SUvAn3
別に武器なら何でもいいから投下直前にまだ出てない参加者の武器から適当に決めるってのも結構あるしね。
反対にその支給品じゃないと話が成り立たない場合もあるし。
ということで「任意」に賛成。
280創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 18:41:07 ID:tsYxMoee
んなもん早い者勝ち以外の何物でもないと思うが>支給品
281創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 19:14:58 ID:C9sbArWO
というか先に毒吐き作ったら?
ほとんど某所経由のロワ潰しだろうけど、文句多すぎ
282 ◆hwBWaEuSDo :2009/02/19(木) 20:02:05 ID:Ws3BDHSM
投下します。
283The prince of darkness ◆hwBWaEuSDo :2009/02/19(木) 20:03:10 ID:Ws3BDHSM
 とある国に一人の王子さまがいました。
 
 彼のいた国は質素ながらも美しく、民も真面目に働く素晴らしい国でした。
 
 王さまも立派な人で、その国の平和はずっと続くかと思われていました。
 
 しかし、それはまちがいだったのです。
 
 ある時、王さまは殺されてしまいます。
 
 その犯人はなんと王子さまの実の父親でした。
 
 父親は前々から自他共に厳しかった王さまを疎ましく思っていて、犯行に及んだのです。
 
 王さまを殺した後、父親は自らが王となり国を治めることとなります。
 
 けれども、その政治は先代の立派な政治とは違いとてもひどい政治でした。
 
 その内その国は、民衆はなまけだし、土地は荒れ、自分勝手なルールの横行するとても汚い国になってしまいます。
  
 そこにかつての美しい国の面影はもはやありません。
 
 その惨状を目にした王子さまは一つのことを決意します。
 
 それは父への復讐でした。


    @


 暗い倉庫に黒髪の青年が居る。
 彼は緑色のジャケットと青いジーンズを服装でその顔立ちはとても端正だった。
 青年の名は、シズ。
 しん、と静まりかえった部屋の中で彼は一人佇んでいた。
284創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:03:40 ID:0y5D3K/A
sien
285The prince of darkness ◆hwBWaEuSDo :2009/02/19(木) 20:04:49 ID:Ws3BDHSM
「これは……どういうことだ?」
彼はしばらく黙って立っていたがその後、沈黙に耐えかねたように呟く。
 しかし、いつもはその言葉に反応してくれるであろう白い犬もここにはおらず、倉庫には再び沈黙が生まれた。

(……私は確かにあの国に向かっていた筈だ……それなのに何故だ?)
 その問いに答える者は当然そこにはいなかった。

(……どうやら私は面倒なことに巻き込まれたらしいな……しかし……生き残れ、か)
困惑しながらも先程の空間で言われたことについて彼は考える。
(あの奇妙な仮面を被った男の言った『他を蹴落としてでも生き残れ』という台詞はつまり……殺し合え、ということなのだろう……全くろくでもないことを考えるな)
恐らくこれはどこかの国の富豪の開いた悪趣味な催しなのだろう、と彼は推測した。

(確かに殺し合い自体は旅をしていれば別にそれ程珍しくことでもない)
だが、それらは全て生きるためのことであり、今回のような無意味な殺戮を繰り返すものではなかったと彼は思っている。

(あの場には自分の身も満足に守れないであろう子供たちまでいた……同じだな……あの悪趣味なコロシアムとまるで同じだ)

「許されることではないな……しかし……」
 彼はそこで言葉を切り、一つの懸案事項に対し思考を巡らせる。

(……殺し合いを止めさせて可能な限りの多人数でここから脱出する、などということが本当に可能なのか?)
シズの気掛かりはそれだった。
絶対に脱出できると考える程彼は楽天家ではなかった。
(難しいだろうな……。これ程の大舞台を準備できるような輩のことだ。何かしら手は打ってある筈だ)

「……とにかくまずは武器を手にするべきだな」
 一先ずは自分の身を守る術を得るべきだと彼は考え、隣に置いてあったデイパックに手を掛けた。
286創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:05:20 ID:0y5D3K/A
支援
287創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:07:00 ID:8O/rBabC
支援
288The prince of darkness ◆hwBWaEuSDo :2009/02/19(木) 20:07:02 ID:Ws3BDHSM
 デイパックを開くと多種多様なものが出てきた。
 その量は明らかにデイパックの容量をオーバーしていたが、このような技術もあるのだろうと当たりをつけてシズは特に気にしなかった。

(ふむ……食料などは一通りあるか……む、これは……)
中にあるものを確認していると、彼はあるものを発見した。
それは一本の刀だった。

(……これさえあればとりあえず自分の身を守ることは出来るな)
そう思い、彼は刀を以前と同じく腰に掛けた。
 次に彼は名簿を取り出したが、知っている名前は特になかったのでそのままデイパックにしまった。

(さて、私はどうするべきか……)
一通りデイパックの中身を確認し終わった彼は再び今後の動向に対して思考を巡らす。

(問題は時間制限だな。
あの男のいうことを信じるならば三日でこの場は崩壊するらしい。脱出法を見つけるのに手間取って時間切れということも十分にあり得る)

それだけは避けなければ、とシズは考える。

(とはいえあの男が約束を守る保障もない。だから……一先ずは脱出方法を探そう) 
 そう方針を決めてシズは行動を開始した
 ただ、シズはもう一つ方針を追加することにした。

(だが、私は絶対に復讐を成し遂げなければならない……だから、もしも脱出が不可能な時は……私は……殺し合いに乗ろう) 


 @

 彼がもう少し未来か呼ばれていれば、迷わずこの地獄の椅子取りゲームを打破しようとしただろう。
だが、この場の彼はまだ父へと復讐に囚われていた。
故に彼はこのような選択をすることとなった。
 血塗られた王子さまは果たしてこの場でどう動くのだろうか?
289創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:08:14 ID:0y5D3K/A
支援
290The prince of darkness ◆hwBWaEuSDo :2009/02/19(木) 20:08:19 ID:Ws3BDHSM



【C-4のどこかの倉庫・未明】

【シズ@キノの旅―the beautiful world―】
【状態】健康
【装備】贄殿遮那@灼眼のシャナ
【道具】デイパック、支給品一式、不明支給品(0~2個)
【思考】
0、 生き残る。
1、 一先ずは脱出を目指す。
2、 それが不可能ならば殺し合いに乗る。
〔備考〕
※ 参戦時期は6巻『祝福のつもり』より前です。
※ 殺し合いをどこかの国の富豪の開いた悪趣味な催しだと考えています。


【贄殿遮那@灼眼のシャナ】
 シャナが所持する大太刀型の宝具。自在法も含め、刀に直接加えられる敵意によるあらゆる力の干渉を受け付けない最高に頑丈な刀。


291 ◆hwBWaEuSDo :2009/02/19(木) 20:10:15 ID:Ws3BDHSM
投下終了です。
292創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:14:11 ID:8O/rBabC
投下乙!

例の臓器売買の国に行く前の話か。
と言う事はキノとは見ず知らずの関係か。
ま、どの道キノはシズの事覚えて無かったけどwwww

所で、この時期のシズの一人称って「俺」じゃなかったっけ?
勘違いかもしれないけど。
293創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:15:01 ID:0y5D3K/A
投下乙でした。
一応読んだことはあるのだけど、手元に原作本が無い上に、作中内の
時系列が常にバラバラなので、サブタイトル書かれてもわかりにくいw
コロシアムの前からということは、ティファナ涙目な予感。その上妙な
フラグも立っているし…。
294創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:35:49 ID:Fhg2gjUV
剣士に剣支給とか……なんか全体的に安直な構成の話が多いな
295創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 20:57:28 ID:J6QzMZdJ
黒幕が意図的に配ったと考えてもいいんだけどね。
流石にキャラ専用武器の黒縄は普通の縄ぐらいにしておいた方がいいような気もしたけど。
296創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 21:15:15 ID:zpGsR7kO


> 彼がもう少し未来か呼ばれていれば、

今流行りの「ら抜き 言葉」ってやつか?
297創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 21:31:40 ID:xX+mfz4W
投下乙です!!!
不穏なスタンスだなぁ…
そう簡単には脱出できそうにはないが一体どうなるやら
今後にwktk
298創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 21:46:53 ID:/Wn8L843
専用武器支給多すぎワロタ
299創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 21:51:14 ID:Pnvbslf5
全員贔屓すれば逆に平等になる
300創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 22:41:12 ID:0y5D3K/A
昼から何作も投下されている中、感想を書かず文句ばかりの
単発IDが多いですね…IP変えてまで書き込んでいるのか、
作品を斜め読みしてるだけの複数員なのかはわからないけど、
それだけの元気があるなら自分たちでロワスレ建てればいいのに。
301創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:04:18 ID:/Wn8L843



302創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:12:44 ID:Ru1zo1C/
>>300
あんたのその言いぐさも酷いもんだと思うが。
303創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:13:49 ID:dJwKH16A
自演擁護乙
304創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:24:43 ID:yKiGEuhT
>>300
書き手擁護と見せかけて実はスレの空気悪化に貢献しちゃってる君は何なワケ?
本当は君が荒らしなんじゃないのwwwwww
305創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:26:46 ID:Pnvbslf5
>>300
平日の昼間から張り付いてるお前の暇人っぷりにもビックリだわ
それだけの元気があるなら自分の足でハロワに行けばいいのに
306創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:43:42 ID:4rMZFb1b


某所で「ラノロワオルタに粘着して荒らしてやる」って言ってた荒らしも居る中で、
本編に無関係な煽り合いが始まるってのは、やっぱ意図的なものでしょう。
残念ながら、粘着荒らしが居るのは明白。

ということで、以降雑談はしたらばでしましょ。
本スレはSS投下のみのアニロワ2ndスタイルで。
粘着荒らしに対応するには、とりあえずそのほうがベターでしょう。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234719214/l50


そして「したらば撤退は嫌だな」と言いだす鳥無しの単発IDが出るに100ペソ!
307創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 23:48:39 ID:y42uDyw3
皆さん投下乙ですー

>たいがーころしあむ
大河……なんと運の悪い。いや、殺人鬼と遭遇して生き残ったなら運はいいのかな?
しかしこんな場所でも相変わらずマイペースだな人識は

上の方でも出てましたが、大将と友の関係を人識が知ったのはネコソギラジカル内なので、
最後の補足だけは削るか直した方がいいかもしれませんね

>銀河忍法帖
夜叉丸ktkr!
朧が死んだらどうなるか楽しみだー
夜叉丸に限らないけど、忍法帳キャラが違う文化圏のキャラに会ったらどうなるやら……

>The prince of darkness
まだ父親への復讐を目的にしてた頃のシズとは……
キノやティーのことは勿論知らないし、これまた一波乱ありそうな


>>300
荒らしはスルーが一番さー
構ってやってもいい事なんてこれっぽっちもないんだから、雑談でもして流すのが吉
308創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 00:10:47 ID:GPhR6l+Q
指摘したら全部荒らしって空気を作るのもいかがなものかと。
こういっちゃあなんだが序盤で同じ作品を3作品書いて同じ世界出展のアイテム支給することも、意思あり支給品含めて5人の集団を作ることも問題になっても仕方ないと思う。
特に前者の場合SSにほとんど影響ないんだからさっさと支給品代えればここまで問題大きくならなかっただろうに。
耳に痛い意見全部荒らし扱いしてちゃ本当に議論が必要なときに議論できなくなる。
309創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 00:13:50 ID:GPhR6l+Q
ちょっと日本語おかしかったな。
>序盤で同じ作品を3作品書いて同じ世界出展のアイテム支給することも
序盤で同じ作品のキャラを3連続で書いて同じ世界出展のアイテム支給することも

に脳内保管しといてくれ。
310創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 00:18:10 ID:96itRT14
同作品出展だけど他人が使ってたものが支給品、というのはともかく、
愛用の道具を最初から支給されてるのは流石にどうだろうとは思うな
311創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 00:24:11 ID:zvxBZWOM
ま、その手の贔屓を受けたキャラは早死にするのがロワの常だ
書き手もそこらへんわかっててやってるんだろうし、黙って見守ろうぜ
312 ◆F0cKheEiqE :2009/02/20(金) 02:10:27 ID:d2k+ZgRh
色々考えた結果、「銀河忍法帖」は破棄させてもらいます。
お騒がせして申し訳ありませんでした。
313創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 09:25:56 ID:1DddMmEA
なんでそんな簡単に破棄できるの?
一度投下したんだから企画の為にも修正して通そうとするのが筋でしょ
そういう責任感がないからああいうSSが書けるのかな?
314創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 09:29:22 ID:U/2an36L
別に破棄する必要は無いと思いますが……
支給品辺りを変更すれば、文句も無くなるでしょうし
このままだと、荒らしがごねて破棄させたようで気分が悪いです
315創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 10:27:28 ID:znYYNdK4
住人は引き留めたのに破棄されたと持っていきたいわけですね、わかります。

どうみても、住人が追い込んだ結果だろ
まあ破棄ありがとうございますよりマシだが
316創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 10:38:05 ID:poyoBSHB
>>314
自分の気分が悪いって理由で書き手さんに修正要求するとかふざけてるとしか思えない。
317創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 10:49:59 ID:x7HU+Xgx
ともかく、書き手さんはこれからも頑張って欲しいところ。
確かに同作品キャラ同作品支給品単発3連発書き手枠2使用やったのは不味かったけど、これから挽回できるんだしね。



――(切り取り線)―――

チラ裏

まさか、登場話だけ書いてそのままさよならする気じゃないよな?
書き手枠使ってキャラ出して、キャラのスタンス決めて、支給品出して、登場話だけ書いて読み手化とかふざけたことは言わないよな?
それ相応のことやったんだからその部分きっちり企画に貢献してくれるんでしょ? 
もしも、これ書いたきりさよならする気なら流石に最後に全部破棄して言って欲しいわ。きちんと書いてくれる人に書き手枠回せよ。
無責任なことだけするな。
318創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 12:13:51 ID:skxzJzB8
>>317
――(切り取り線)―――

とかやるくらいなら書かなきゃ良いのにw
319創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 12:34:12 ID:g92qHbhV
現在、剣客ロワで集団を予約中な所を見ると、本当にここでの一作に力入れてるようには見えない。
ロワ掛け持ちはよくあることだが、予約掛け持ちとなると時間一杯全力出すのはかなり難しいように思う。
まずは向こうをキッチリ仕上げて、その後こちらに参加としたほうが、双方で全力のSSを書けると思うけどね。
320創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 12:34:13 ID:5nnGP0t8
序盤からgdgdやねw
321創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 12:55:53 ID:x7HU+Xgx
>>319
……ちょっと待て、よそで予約しておいてその予約も消化せずにこっちであんだけ立て続けに予約→投下したのか?
しかも同作品キャラ同作品支給品単発3連発書き手枠2使用SSを。


……そりゃ、明確にルール違反じゃないけど、その行動どうなのよ。2つ同時にマルチタスクでモノ書いて投下を3連発?
SSの内容といい、その行動といい、明文化されてなかったらににやっても言いわけじゃないだろうに。……マナー最悪だな。
322創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:12:06 ID:poyoBSHB
ようは他の書き手を信用できないんだろ
勝手に書き手把握率低いとか決め付けてるし

申し訳程度に他作キャラを付け加えてるけど
これだけ色眼鏡で見られてる状況で予約してるキャラはまた甲賀キャラだし

他の人が自分の好きな作品を書くのがガマンできないようにしか見えない
323 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:20:08 ID:rWYFllXN
とりあえず投下に関係ない雑談毒吐きはしたらばでやろうぜ。

そして明久、テッサを今から投下します。
が、その前に上二箇所で指摘があった拙作たいがーころしあむから人識の参戦時期に関する
備考は削ってください。
324吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:22:03 ID:rWYFllXN
〔質問〕あなたが殺し合いに巻き込まれてしまった際、生き残るために一番大事だと思うことは何ですか?

 S田さん(女子)の回答
「アキや瑞希のような信頼できる仲間達」

 人類最悪のコメント
「ふん。信頼できる仲間達か。そいつらがくたばってしまったらお前もゲームオーバーにでもなる気か?」

 T須さん(男子)の回答
「……俺みたいなのが生き残ろうなんて思っちゃいない。それよりも俺が他のやつらを殺すことで俺の知り合い達が生き残ってくれることのほうが嬉しい」

 人類最悪のコメント
「ふん。生き残る気はないか。下手に希望をもつよりよほど賢明な選択ではあるが、ふん。
そこまで知り合いどもが大事だと言うのならそいつらの名前を聞く前に死んでおくことを勧めておくぞ」

 Fさん(男性)のコメント
「ああ、愛しのマリアンヌ。君さえいれば私は……」

 人類最悪のコメント
「質問にはきちんと答えろ」

 Iさん(女子)の回答
「とーま、おなかがすいたんだよ」
 
 人類最悪のコメント
「……とりあえず支給品に食い物があるからそいつを食って飢えをしのげ。あと俺はとーまじゃねえ」

 Y井さん(男子)の回答
「動き回れるだけのカロリー」

 人類最悪のコメント
「どういう食生活を送っているんだ貴様らはっ!?」

 K下さん(秀吉)の回答
「待て! どうしてわしの回答だけ性別がおかしなことになっておるのじゃ!?」

 人類最悪のコメント
「知るか」
325吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:23:50 ID:rWYFllXN


 ◇ ◇ ◇


「ぼ、僕のカロリーがああ!?」
 闇の中、エリアB-3の森と草原に大声が響き渡る。 
 殺し合いの舞台においては致命的とも言える不特定多数に自分の居場所を知らせるといううっかり。
別名死亡フラグを立てていることも気にせずに吉井明久は大声を上げていた。

 あの狐面の男の言うことは半分近く理解できなかったにせよ、自分がこれまでに経験したことのないような厄介ごとに巻き込まれたことだけは何とか理解した明久はまずは腹ごしらえと、
いつのまにか持っていたデイパックから食料品を取り出した。

 デイパックから出て来たのは
 ダイエットコーラ
 こんにゃくゼリー
 もずく
 それらがたくさん入っていただけであった。

 いずれも劣らぬノンカロリー食品。それを前に明久はがっくりと膝をつく。

「そ、そうだ! 美波や雄二がいるなら何か分けてくれるかも!」
 そう、気を取り直した明久は慌てて参加者名簿を見、そこに在ってはならない名前を見つける。

(……な、何で姫路さんが!?)
 自分や雄二、美波といったメンバーならばはともかく、姫路瑞希や木下秀吉はこんな厄介事に巻き込まれてはいけないか弱い存在だ。
幸運なことに秀吉の名前はなかったが、不幸なことに雄二や美波の名前もない。
 つまり、この舞台において彼女を守れるのは自分ひとりだけ。

(……僕が頑張らないと)

 そう明久が決意を固めたそのとき。
326創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:24:49 ID:NrFY3aJB
sien
327吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:25:05 ID:rWYFllXN

「――あの、誰かいるんですか?」

 突然にかけられた声に明久は身を固くして、手近な木陰に身を隠す。
 木の陰から様子をうかがうと、一人の少女がこちらに向かって歩いてきているのが見えた。

「……うわあ」
 そんな感想しか出てこないぐらいの可憐な美少女だった。明久の周りには色々なタイプの美少女がいるが彼女はそれとはまた違ったタイプ。ふらふらと出て行きそうになるが、危ういところで明久は自重する。

(……いや待て、明久! 姫路さんを守れるのは僕しかいないんだ。あの女の子が殺し合いに乗っていたらどうする? 僕に何かあったら姫路さんを一人きりでこの場所に残すことになるんだぞ。亜、でもあの子が殺し合いを否定する立場だったらどうしよう?
 ……そうだ! 聞いてみたらいいんだ! あんな可愛い子が嘘をつくはずはないしね! あ、でもあの子どう見ても外人さんだよね? 英語で話し掛けないとダメだよね)

 明久は考え込む。
 無論、冷静になって考えれば先の問いかけは日本語だったのだから彼女は日本語が話せるということに気が付いてもよさそうなものだが明久は気付かない。

(……えーっと、「あなたは殺し合いに乗っているのですか」を英語にすると殺すは……、うん! Killだ、間違いない。それであなたはYou。乗っているはわからないけど殺すあなたを疑問形で聞いたらきっと推測してくれるよね! 
英文を疑問形にするには確かひっくり返せばいいんだから……よし、これで完璧だ!)
 明久は意気揚々と木の陰から飛び出し、少女にはっきりとした声で質問する。

 

 ◇ ◇ ◇
328創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:25:29 ID:NrFY3aJB
sien
329吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:26:01 ID:rWYFllXN

 少し前、気が付くと一人、草原の真ん中に立ち尽くしていたテレサ・テスタロッサは参加者名簿を見て顔色を変えていた。
(サガラさん、ウェーバーさん、かなめさん!)
 片思いの相手にして、頼りになる部下でもある今は離れ離れになっていた少年とその相棒。
そして少年にとって最も大事な、今は敵の手に落ちているはずの少女。彼らもこの舞台に呼ばれているのか。
 そしてそうした親しい者たちの名前以上に目をひくある名前が彼女の背筋を凍らせる。

(――ガウルン)
 ミスリルがたった一人の男のためにあそこまでの危機に陥ったのは、あれが初めてのことだった。
 この男が殺し合いの舞台においてトップクラスに危険な存在であることは疑いようもない。

 ――だが、それは不可思議なことでもある。
 何故ならばあの男は間違いなく死んだはずなのだから。
 間違いなく搭乗していた機体もろとも、相良宗介の手によって荒れ狂う海の只中に放り出されて、海の藻屑となったはずなのだから。

(……同名の別人? でも……)
 別人なのだとしたら、この名前から感じる言いようのない不安は何なのだろう?

 テッサは不安をごまかすように彼女に支給されたアイテムが何なのか調べにかかる。

「……これは」
 そして出て来たのは一丁の銃だった。その名もS&W M500。破壊力だけに限っていうならば世界最強の拳銃だ。
 当たり武器といえるだろうが正直、自分に使いこなせる自信はない。
これは宗介やウェーバーといった頼りになる相手に渡したほうがいいだろう。

 他には何が。テッサがデイパックを探ろうとしたそのときだった。

「――ああぁ!」
330創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:26:15 ID:NrFY3aJB
支援
331吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:27:17 ID:rWYFllXN
 
 遠くから聞こえてきた叫び声にテッサはびくりと震える。
 今の声は何だろうか、もう誰かが襲われたのだろうか?
 声が聞こえてきたほうに行くべきだろうか? 行ったところで自分が役に立つのか?

 しばしの迷いを見せた後、テッサは声の聞こえてきたほうに向かうことにした。
 万が一、知り合いが襲われていたのだとしたら、そんな不安もあったし、それに自分ひとりで生き残れるとはテッサには思えなかった。
 こんな肉体的には貧弱な自分が生き残ろうと思うなら、それは誰かと助け合っていくしかない。
 ならば今、自分が誰かを助けに行くことは当然だ。
  
 そして声が聞こえてきたと思しきほうへと進みテッサは不安交じりの小さな声で問い掛ける。

「――あの、誰かいるんですか?」

 しばらく待ってみても問いかけに答えるものはいない。 
 もしかしてこの場で起きていた争いは完全に終わってしまった後なのか?
 テッサがそう思ったそのとき一人の少年がテッサから少しはなれた木の陰から飛び出してきて彼女へ向けて言い放った。

「KILL、YOU!」
 『KILL YOU』、直訳すると『あなたを殺す』
 ……それは聞き間違えようもないほどにシンプルな殺人宣言だった。
332創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:27:37 ID:dsoO+edy
支援
333吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:27:40 ID:rWYFllXN
【B-3/一日目・深夜】


[状態]:健康
[装備]:S&W M500 残弾数5/5
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:目の前の殺し合いに乗っている少年に対処する。
2:宗介、かなめ、ウェーバーとの合流。
3:ガウルンにたいして強い警戒。
[備考]
※ミスリル壊滅から宗介と合流する前のどこから時間帯から呼ばれています。

【吉井明久@バカとテストと召喚獣】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1〜3個所持)
[思考・状況]
1:この女の子は殺し合いに乗ってなんかいないよね?
2:姫路さんは僕が守る!
[備考]
※西東天の言ったルールを一部理解していません。少なくとも名簿に名前が載っていない参加者がいることは覚えていません。
※「KILLYOU」の意味が「あなたは殺し合いに乗っているか?」で正しいと思ってしまいました。
334創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:28:40 ID:x7HU+Xgx
 
335創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:28:44 ID:NrFY3aJB
乙。感想は後ほど避難所で。
336吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/20(金) 13:29:18 ID:rWYFllXN
投下完了。
はじめのバカテストはまあこれぐらいのお遊びは許されるかなあと。
ダメだったらこの部分は削ってくれても構いません。
337創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:32:36 ID:6LsPvvu1
流石明久w馬鹿にもほどがあるwww
338創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:33:50 ID:x7HU+Xgx
投下GJ!
ちょwwwいきなり誤解フラグw
というかいくらなんでもKILL YOUはwテッサは日本語でおkなのにw
バカとテストと召喚獣買って読んでみようかな。なんかみてると面白そうだ。




>>322
そんなことマジで言ったの?
しかもまた忍法帖で予約してるし……予約別所でいれてるんじゃないのか?
始まって数日の間に何回同作品キャラ予約するの? 度し難い阿呆だな……いくらなんでもこれ故意にやってるのか?
339創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:39:27 ID:iRANZGO9
特定の作品を贔屓するくらいなら、書き手が一人いなくなったっていいよ
特定の作品にしか力を注ぎこめない書き手は害悪にしかならない、キャプテンとかね

それはそうとして投下乙
340創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:40:05 ID:NrFY3aJB
>吉井明久の間違いやすい英語講座 ◆EA1tgeYbP.
明久オワタwww これはいきなり発砲されても仕方のないレベル。
テッサがどう切り返すかで今後が別れるが…ロワにおいての誤解フラグは
なかなか解消されんからなw

wiki転載時に修正できるレベルの抜けですが、状態表、テッサの名前が
抜けております。
341創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:41:08 ID:NrFY3aJB
誤爆…感想だしいいか。
342創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:47:16 ID:x7HU+Xgx
>>339
把握度が低いから自分で率先して書こうは度を越えてなければ賞賛すべきものだけど、

 把 握 度 が み ん な 低 そ う と思ってるのに書き手枠2つも使ってマキシマム6人出そうとするって理解できない。

というか言ってることと真逆じゃないか。どう見ても自分がその作品のキャラの行動全て決定したいだけです本当にありがとうございましたなんだが 
343創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:52:59 ID:cJ3UglEu
4779 名前:やってられない名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/20(金) 13:49:30 ID:???0
誤爆

別に厨支給品をしたわけでもなし。
責任もとったし、何でここまで言われなあかん?
ひょっとしると口実つけて文句いいたいだけなのか?
まあ煽り屋も何人か混じってるだろうけど。

4780 名前:やってられない名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/20(金) 13:51:52 ID:???0
誤爆

他に予約する人間がいないから比率が上がるだけの話だろうが
他ロワとかけもちとか連続で同じ作品のキャラ予約とか難癖つけてガタガタ抜かすな
344創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:54:17 ID:aA6tRC/l
なんかいい空気じゃないな
このせいでの報復殺しは勘弁してくれよ


投下乙
いくら何でもkill youはwww
テッサどう動くか?
345創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 13:56:06 ID:dsoO+edy
>>342
それの何が悪いんだ?
いやなら君が書いたら?
346創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:08:34 ID:x7HU+Xgx
>>342
悪いとは言ってないが言ってることとやってることが真逆だろ
把握してる人の低なそうな作品なら人は減らすべき、と思考が流れるのは理解できるけど
把握が少ない作品を、たった10枠しかない、しかも2つは作品も決まってる事実上
8枠の書き手枠の四分の一である2名分をさらに追加でいれるって思いっきり矛盾してないか?

これが何を示してるのか考えただけ
347創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:10:36 ID:dsoO+edy
>>346
もう1枠に戻ったんだから終わったことグダグダ言うなよ。
所で最後の一枠だれが来るのかなぁ
348創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:15:38 ID:x7HU+Xgx
>>347
グダグダ言うも何もそっちが言ったから言い返したのにそれはないだろうw
自分から言っといて言い返されたらそのリアクションは詭弁のガイドラインまんまじゃないかwww

残り人枠が楽しみなのは同意。残り一枠、6人一杯まで埋まってないのはあと何作品だっけ?
349創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:15:37 ID:poyoBSHB
特定作品も書くってんなら何の問題もない
けど、この書き手は特定作品しか書かないから反発がおきてるんだよ
このスタンスはクロスオーバーものとしては問題外だろ

しかもまた、昨日の今日で予約してるし
少しでも空気が読めるならこの状況では自重する、少なくとも甲賀キャラは避ける普通はね
それができてないってことはリレー小説書き手としては致命的なくらいに空気読むスキルがない

この有様でクロスオーバーもののリレー小説であるロワで書く上で問題ないとはとても思えないんだが?

というかさあ、いちいち誤爆で自己弁論するからややこしくなんだよ
擁護するやつも掘り起こすなよ、こっちとしても目に付かなきゃわざわざ触れないから
350 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:21:02 ID:6zjga+pO
師匠、朝倉涼子、投下します。
351創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:21:18 ID:x7HU+Xgx
 
352龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:22:19 ID:6zjga+pO
名簿は確認した。武器も確認した。最初に言われた事は何も間違っていない。
ここが殺し合いの場所である事も、自分がこんな場所にいること自体のおかげで掴めている。
だが、そんな事はどうでもいい。今起こっている事が現実ならば、それでいい。
今最重要視すべきな事実。それは涼宮ハルヒがこの時空間に存在しているという事だ。


朝倉涼子の結論、ここまで。


さて、ではそんな中自分はどうすればいいのか。
過去の行動の何が間違っていたのだろうかと反省会を執り行う事か。違う。
自分よりも強い存在の長門有希が名簿に存在しているという事実を悲観する事か。違う。
では何か。答えは単純、いたってシンプル。"観測対象である涼宮ハルヒの死亡を回避するよう動くだけ"である。
彼女は人類の進化の可能性を一心に担った身。情報統合思念体は涼宮ハルヒの死を望んではいない。
しかしながら当然、あの存在が生き延びる事が出来るという絶対の保障はないだろう。
この生存競争の中で、他人を淘汰する存在は自分の他にも現れるのは間違いない。

しつこいが、情報統合思念体は涼宮ハルヒの死を望んではいない。
そうなれば涼宮ハルヒの死の可能性を極限まで押さえ込むしかない、というのが当然の流れ。
しかしここは自分が作成した情報制御空間では無い為、多少の苦労はするだろう。
この空間では、"物体の情報を改竄させて武器として振るう"という自分の能力も、大きくその力を制限されているらしい。
対象を"手の届く範囲までにある支給品以外の物体"というルールに縛られるという不可解な現象が起こっている。

だが、それでも、やらねばなるまい。決めた。今この瞬間から、自分は涼宮ハルヒ以外の全ての存在を刈り取る。
武器は既に確認している。シズとかいう人間が使っていたらしき刀に、あと二種類のモノ。大丈夫、やれる。


朝倉涼子の決意、ここまで。


       ◇       ◇       ◇


さて、ここまで考えて朝倉涼子はどこに行くべきかと思案していた。
涼宮ハルヒの行くべき場所というものが、正直全くつかめない。SOS団と名乗る集団に混じっていなかったのを多少後悔。
長門有希のバックアップであり、クラスメイト上の付き合いという視点であった彼女にとって
涼宮ハルヒに関する推測は困難であった。こういった部分においてはやはり長門有希が一歩リード、と言ったところか。

では現在地はどうだろう。自分は今、地図によれば水族館にいるとのことだった。
自身が立っている受付らしき席から体を乗り出して見れば、巨大な水槽がその存在を主張している。
今いるこの部屋は休憩用や待合のスペースなのか、小さな椅子や長椅子にテーブル等が規則正しく設置されていた。
かなり巨大な施設だ。自分が飛ばされたのが入り口近くの受付で助かったと思う。奥に入っていたら少々もたついていた。
話が少々脇道に反れた。そもかくこの場所は娯楽施設として十分過ぎるレベルだ。
長門有希からの情報による、"涼宮ハルヒは楽しい事が好き"という性格からして、可能性はある。
だがやはりこれ以上の推測は不可能だ。うまく立ち回ってさっさと終わらせなければ――――

突如、出入り口付近から殺気を感じた。

思考を止め、その方向に振り向くと自動ドアがその口を開いていく。
そしてそれが閉じていくのを見る暇も与えぬ程のスピードで、謎の女性が茶色い髪を激しく靡かせながら突撃してきた。
その腕には特殊な形状の物体が納められている。素人が見れば変な玩具に見えるだろうが、幸運にもその正体は知っている。
あれは突撃銃の威力を持ったまま小型化された、特殊部隊専用の物騒なマシンガンだ。名は"FN P90"というもので、1980年代末に開発さ

朝倉の脳が、自身への解説を止めて回避を選択した。
353創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:22:42 ID:dsoO+edy
支援
354創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:23:14 ID:CgdvYN+Z
 
355創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:25:08 ID:CgdvYN+Z
 
356龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:26:42 ID:6zjga+pO
受付のテーブルに伏せ、銃口の先から姿を消す事に勤めた刹那に轟音が響く。
後ろを振り返ると、丁度頭があった位置に幾つもの弾痕が出現していた。
あのまま回避を選択していなければ、あっという間に消滅させられていた。
銃声は消えている。相手は対策を練っているのか動きはない。よし、まず第一波は避けた。
だがこのまま伏せていても同じだ。やられる前にやる、を実践するためにデイパックから刀を取り出す。
進行方向を右に設定し、隠れ家にしていた机から脱出した。だがそれを見逃さずに敵の放つ銃弾が襲い掛かってきた。
銃口はぶれずにこちらを向いている。走る速度は並の人間レベルではない筈の自分が、P90の照準内に納められてしまっている。
並の人間ならこのままお陀仏だ。体を穿つ小さな穴が体中に出現し、あっという間に死へと誘われるであろう。
だが自分はそんな脆弱な存在ではない。ただの有機生命体とは訳が違う事は一番よく理解している。
走行時の瞬発力のみで、死を運ぶ銃弾共をどうにか回避し方向転換。リロード中を狙って肉薄し刀で袈裟斬りを叩き込む!
相手はその一連の流れと速度に少しだけ驚いた顔をしていたが、予め持っていたであろうナイフでそれを受け止めて見せた。
だが勢いばかりは殺しきれない。怪我こそ負わせられなかったが、その体は衝撃で少し後ろに下がる。
破った。均衡状態を破る事が少しでも出来た。朝倉は自分に運が向いてきた事をじわじわと感じ取り始めていた。

朝倉涼子は、人間ではない。普通なのは見た目だけであり、その体は人間離れした能力を秘めている。
それはひとえに地球外で作られた存在である故の事なのだが、それはまた一旦脇に置いておこう。
朝倉涼子が人間ではないのは説明した通り。だが、相手の女はそうであろうか。
答えは否。先程の一瞬の鍔迫り合いなどから察するに、敵はただの人間だ。自分と同じ存在ではない。
長門有希の介入が無かった状態での"彼"との戦闘を思わせる、種族差での圧倒的有利。それを確かに噛み締めていた。

だがそれと同時に、その高慢さと油断を抱いたままでは敗北も必至である事も感じ取っていた。
種族差による有利は先程感じたとおり。だがそれ以上をひっくり返す何かを相手が持っている事は確実なのだ。
まず、最初の時点でかなり危うかった。奇襲をかけられたことを相手の殺気によってようやく気付かされた。
次に、受付の机から走って脱出する際に、この自分が"どうにか避ける"という選択肢しか選べなかった。
最後、これが最も解せぬ事実だが……これ程までに人間離れな筈の自分の力を見せておきながら――女は全く動じていない。
P90というマシンガンが人間工学に基づいて造られた良品であると言えど、ここまで使いこなせるものか。
最初の奇襲で確実にヘッドショットを決めようとし、走る自分を捉えるばかりか回避しか選択できぬ状況にまで追い込む緻密な動作。
そう、ただ自分は人間ではないから有利であると言うだけ。戦闘の力量に関しては敵の方が少しばかり上回っている。
種族差をいとも簡単に埋めるその銃の腕前。相手の行動に対する瞬時の判断。力押しだけでは勝てぬ相手だ。
異常なまでの身体能力と情報改竄の力を持ち、弾幕を創り波状攻撃を行う自分が所謂"パワータイプ"であるとするならば
相手はこの極限まで磨き上げた戦闘技術と戦略に戦術、環境適応能力で相手から勝利をもぎ取っていく"テクニックタイプ"だ。
今の自分は度し難い程のテクニックを持つ相手を仕留める事が出来ず、相手は理解し難い程のパワーを持つ自分を仕留める事が出来ない。

何が"均衡を破った"だ、馬鹿らしい。勝負はこれからであり、そのこれからが大事かつ難儀ではないか。
自分は刀を右手だけで正眼に構えて動けない。だが相手もP90を構えたまま動かない。
戦闘に使える支給品は刀がひとつ。けれど相手にはまだ腰に挿したナイフがある。
武具に関する有利不利は明らかになった。さて、ならばどうする――――簡単だ、武器を増やせば良い。
朝倉は空いた左手を、近くにあった休憩用の小さな椅子に掲げた。そして、念じる。
最初に確認した通りにやれば良い。自分の制御空間ではないものの、それでも近くの物質ならば!
片手を掲げられた椅子が瞬時にその形を歪め、遂に原形を留めぬ槍と化す。
椅子という物体の持つ質量はそのままに、生物一体は難なく貫ける凶暴な獲物が姿を現す。
冷静な女もこればかりは面食らったようで、目を見開く。だがそんな事をする時間は彼女にとって致命的であった。
その間に近くにある椅子の情報を次々に改竄。近くにあった椅子の四台全てが同じ形の槍へと変化を遂げる。
計五本の槍を宙に浮かせ、朝倉涼子はにっこりと微笑んだ。
357創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:27:09 ID:x7HU+Xgx
 
358創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:27:11 ID:rWYFllXN
しえん
359龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:27:27 ID:6zjga+pO
「じゃあね♪」

別れの言葉。それは死への合図。
同時に五本の槍が一斉に敵へと刃を向け、超スピードで飛び掛った!
狙いは四肢と頭。一本ずつでそれぞれの部位を使えなくしてやる!

「……!」

ガン! という大きな音を立てながら、女は近くにあった長椅子を蹴り飛ばした。
現在は槍と変化を遂げている小さい椅子よりも大きな質量を持つそれは、前二本の足でバランスをとりながら倒れこむ。
計算された力具合によって即席のバリケードと化したテーブルが、女の代わりに二本の槍の犠牲となる。
だが無理矢理に脚を護った女にはまだ三本の槍が襲い掛かっている。頭、右腕、左腕。銃を構えた女はこのどれかが潰されるはずだった。
けれど、されど、それでも女には当たらない! 瞬時に低い姿勢へと体勢を変え、残りの三本すらも回避したのだ!

相手越しに自動ドアの割れる音が響く。テーブルに、そしてガラス製の扉に刺さったままの槍。これは"異能が敗北した"証だ。
だがまだ諦めない。こうなれば至近距離ででも……と構えを治そうとするが、今度は女がそうはさせまいとこちらに飛び掛る!
その姿、まるで雌豹。

「なんなの……!?」

跳躍によって懐に入ってきた相手は、舌打ちする朝倉の首をナイフで掻き切ろうとする。
朝倉は再び防御か回避のみの選択しか許されぬ状況を強いられ、仕方なく刀の腹で受け止める。
だがこれは拙い、やられた。このままでは相手を斬る事も適わない。とにかく懐にいる相手の体を剥がさなければ。
ここまで追い詰めてくる宿敵の体を痛めつけてやろうと朝倉は中段蹴りを、しかも所謂ヤクザキックを放つ。
腹部に決まるはずだったそれは両腕でガードされ、お返しにとハイキックが朝倉に襲い掛かってきた。
目前に迫らんとする靴底は目視出来た。避けなければ、と体を仰け反らせて回避するが、その動きは一瞬遅くなってし

痛い。顔を蹴られたのは初めてだ。一瞬だけだが思考が止まった。
あの時長門有希に蹴られた"彼"もこうだったのだろうか。あれは膝蹴りだったが、差があるとは思えない。
彼が吹っ飛ばされて暫く呻いていたのを思い出す。あれはきっと動く気も失せる様な当たりだっただろう。
だがしかし自分は違う。こんな蹴り一つを喰らった程度で決定的な隙を生み出す様なか弱い存在ではない。

浴びせられたクリーンヒットを耐え、すぐさまお返しにと腕を振り上げる。
女の方もまさかすぐに反撃されるとは思わなかったのだろう。放った拳はその右頬に無事到着した。
衝撃の所為で回転するように空中でこちらに背を向ける。だがそれでも見事に受身を取り、こちらに顔を向けた。
女の左頬は赤くなっていた。笑ってあげたいところだが、それは出来ない。きっと自分の顔も妙な事になっているだろうから。
相手は自分の顔が壊れていない事を確認すると、再びP90を構える。隙を伺っているのか、攻撃を仕掛けようとしない。
こちらも鼻血が出ていない事を確認して再び刀を構え、負けじと相手の隙を伺う。

また、拮抗状態なんだろうな。朝倉はここまでで理解し……大きく息を吐いた。

突然とんでもない相手と出会ってしまった。まさかこんな人間がいるとは。
まさか自分が知らないだけで、他にも彼女と同等の力を持つ者がいるのだろうか。これは計算外だ。

だが、チャンスでもある。

ロビーは酷い有様。まるで敵同士の軍人が何往復もしたかと錯覚する有様だ。
そんな修羅場の中で、互いに一撃喰らいながらも女は立っている。自分はともかく、"ただの有機生命体も立っている"。
なんだこの女は。はっきり言ってオニだ。まさか人間にここまで"してやられる"とは。きっと長門有希でも容易くは行かないはず。
この力、利用したい。この力と自分の身一つさえあれば容易く自分の目的を達成させられる。

――――交渉、してみよう。きっと相手も、同じ事を考えているだろうから。
360創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:27:39 ID:x7HU+Xgx
 
361創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:28:11 ID:x7HU+Xgx
 
362創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:28:14 ID:CgdvYN+Z
   
363龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:28:18 ID:6zjga+pO
「ねぇ、あなた。私のことをどう思う?」

まずは軽く質問だ。
内容に少々アバウトの気があるが、滑らかな対話を望むならばこれくらいが丁度良い。

「強い、と思いますよ。会うのは初めてですからね……私を殴る人とは」

乗った、乗ってくれた。その回答は実力を買っているという内容だ。
それが確認出来た朝倉は、嬉しそうに「私もそう思うわ……同じ理由で」と返す。
さぁ、ここからが勝負だ。どうにか味方に引き入れなければ……。

「そう、あなたと私は今のところは互角。そう思わない?」
「そうですね」

もう一度確認。やはり考える事は同じだ。ここまでは。

「だからここは一つ……」
「手を組まないか、というご相談ですか?」
「話が早いわ」

やはり来た。だがまさか相手から仕掛けてくるなんて。やはりこのオニ女、ただのメスゴリラではない。
強かに敵を狩り、戦場に生き続ける雌豹なのだ。と朝倉は再確認し、同時に再評価する。
この雌豹が地球外生命体に好かれているのを見れば、涼宮ハルヒは羨ましがるだろうか。
まぁそんな事はどうでも良い。話の続きだ。

「私はね、涼宮ハルヒという存在を生かす為にここに居座る事を決めたわ。
 彼女は進化の可能性を秘めた大事な生命体。ここで死という概念に飲み込まれるのは惜しいの」
「そうですか。だからこんな変哲もないロビーで殺気を放っていたと」
「あら、漏れ出てた?」
「ええ。あなたが私と近しい人種であるとは理解出来ました。思想や、方法はまさにそうでしょう?
 そして、だからこそ今こうして相談を持ちかけたのだということも解りました。"真意は見え見えです"が」

話に乗ってきたおかげか、相手はやっと自ら口を開き始めた。

「私の力を利用する為……互いに協力しないかとでも言うのでしょうが、それは無理です。
 私は自分自身の為に戦っている。私自身が生き残りたいから戦っている。残念ながら"それだけ"です。
 誰かを生かそうとかいう考えの一切などは持ち合わせていませんから、その場凌ぎの交渉は無駄ですよ」

銃を構えたまま、交渉は全否定された。やはり上手くは行かないか。
「うん、自分だけが生き残りたいからそれ無理♪」という旨の回答は、決して予測していなかったわけではない。
だがこちらは生存させるべき存在を持つ身であり、こうもきっぱりと言われてしまうと少々厳しい。

「別に私を利用しても良いのよ? ミッション内容は、互いに利用し合って涼宮さんと互いを残せばいいだけ。
 そして最後に涼宮ハルヒの命を賭けて決闘をするだけで良い。私を殺せたなら涼宮ハルヒの処遇も自由。
 問題は最後にあなたが勝利を手にする事が出来るかどうか……その一点だけ。とてもシンプルだと思わない?」
「シンプルだとは思いますが、それでは私へのメリットがほぼ皆無です。恩恵は費やす時間の短縮だけとは何事ですか?
 背中を狙われながら行動する事への報酬としては少なすぎます。ここでこの私を動かしたければ、何か金品を用意しなさい」

自分の背中を近しい者に狙われながら行動する。そんな緊張状態が起こるから嫌だ、というのは確かにそうだ。
もう少しそれらしいものを用意すべきだ、というのも納得が行く。ああ、これでは普通は交渉は無理だ。
だがその言い分を納得したからこそ、朝倉涼子は微笑んだ。デイパックに片手を突っ込む。
二つ目の支給品を取り出す為に。
364龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:29:21 ID:6zjga+pO
「じゃじゃーん……ふふ、これ何か解る?」
「……なるほど、よく解っているじゃないですか。よこしなさい」
「まぁまぁ、焦らないで。今から説明が始」
「よこしなさい」
「だからちょっと待っ」
「よこしなさい」
「……」
「よこしなさい」

取り出した二つ目の支給品。それはずっしりとした金の延棒だった。
しかも一つきりではない。贅沢な事にそれが十本で一セットで支給されていたのだ。
一本に付き日本円にして十万円をも超えるといったところか。それが十本。しつこいが、十本で一セット。
その内の半分を受付専用のデスクにそっと置く。そして残り五本は自分のデイパックに。
きらきらと光る黄金色の棒がそこにはある。この魔性の輝きは、人の欲望を増幅させるものだ。
そして幸運にも女は欲望に忠実だった。P90を構えたまま受付へと早足で歩み寄り、デイパックへ素早くしまう。
正直ちょっとヒく朝倉。だがとにかく受け取ったという事は、つまり。

「……それが前金よ。残りは最後、私との決闘に勝利してからって事で」
「了承しました。ですが私が今……いえ、これからの三日間の間にあなたを裏切って奪い取ろうとするかもしれませんよ?」
「それは大丈夫。私を相手にして"それを簡単に出来るとは自分でも思ってない"でしょ?」
「逆にあなたが逃げないという保証もありませんが」
「"それが簡単に出来ない事も私は知ってる"わ」
「……なるほど。確かにそうです、そうでしょうね」

互いの力関係は既にはっきりしている。だからこそ、関係は揺るぎ難くなる。
こんな拮抗状態の中でトラブルを起こせば、互いの為にならなくなってしまうだろうからだ。
別に朝倉は相手のことが好きで信用しているわけではない。相手の力が欲しいだけだ。
しかしそれはお互い様。自分もそう思われているし、力関係についても理解している。

「やっぱり、下手に生温い信頼関係で結ばれるよりも……」
「互いに手出しし難い敵同士の方が遥かに良い……という事ですか」

二人は同時に武器をデイパックにしまいこんだ。同盟締結と試合終了の合図だ。

「さて、と。これだけ派手に暴れても誰も来なかったわけだし……移動するべきかな。どこに行く?」
「医薬品が調達出来そうですし、診療所に行きましょう。少し遠いので難儀ですが……」
「ああ、それなら大丈夫よ。良いものがあるから」


       ◇       ◇       ◇


「どう? 私と組んで助かったでしょ?」
「まぁまぁです」

朝倉涼子と女は、水族館の出入り口からあるものに乗って疾走してきた。
それはただの民間用でもない頑丈な軍用サイドカー。朝倉に支給された最後の品である。
迷惑な事にヘルメットはついていなかったが、そんな事は一切構わず二人は既に発進中。
運転席には腰に刀を差した朝倉が、側車に女がP90を持ったまま乗り込んでいる形だ。
因みに朝倉は蒼い髪を、女は茶色い髪をそれぞれポニーテールにしている。風でぐしゃぐしゃになるのを抑えるための策だ。
軍用サイドカーを運転する美少女と同伴する美女。髪型が同じである事も相まって、傍目には仲の良い姉妹か何かに見えるだろう。
本来はそんな平和な関係ではないのだが。
365創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:29:23 ID:x7HU+Xgx
 
366創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:30:04 ID:x7HU+Xgx
 
367龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:30:22 ID:6zjga+pO
「ところで、師匠」
「なんですか?」

師匠、と呼ばれた女が振り向いてきた。綺麗な顔立ちと大きな瞳がこちらを見てくる。
"師匠"という言葉に正直馴染みが無く、慣れないが仕方ない。水族館を出る前に「私のことは師匠と呼びなさい」と言われたのだ。
何故師匠なのかわからなかったが、いくら問い詰めても「どこかで悪用されては困りますから」と頑なに本名を名乗ろうとしない。
改めて名簿を確認してみれば、確かに"師匠"という名前で記載されており、もうそう呼ぶしかなくなってしまったのだ。
敬語を使わないのがせめてもの抵抗か。

「診療所に行った後はどうするの? 何か当てはある?」
「温泉に行きましょう。それなりの娯楽施設でしょうし、人が集まる可能性は期待出来る筈です」
「なるほど、一理あるわね。それからは辺りを回っていけば良いか……」
「そうですね……ああ、それと一つお訊ねしたい事が」

そうした簡単な会話だけでしばらくの指針をも決定すると、今度は師匠の方から話しかけてきた。
取り出したナイフを眺めながら「あなた、"両儀式"という人間を知っていますか?」と朝倉に問う。
朝倉が「ううん、全然。何かあったの?」と問うと、師匠は「このナイフの持ち主だそうです」と答えた。
まるで宿敵同士とは思えぬ程、会話のキャッチボールは進んでいく。
最終的に殺し合う運命だというのに、二人の姿は至って自然。そして普通だ。


そう、本当に"普通"。
故に二人は"ごく普通に人を殺す"のだろう。
近い未来、獲物が現れたその瞬間に。

普通に、さも当然の様に。



【F-5/水族館付近/一日目・深夜】


【師匠@キノの旅】
[状態]:健康・ポニーテール・サイドカー乗車中
[装備]:FN P90+予備弾薬(弾数残り98%)、両儀 式のナイフ@空の境界
[道具]:デイパック、支給品一式、金の延棒×5
[思考・状況]
基本:朝倉涼子と協力して皆殺し。朝倉涼子と涼宮ハルヒも最後に殺す。
1:まずは診療所に行き、それから温泉へ向かう。
2:残りの五本もよこしなさい、朝倉涼子。

【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康・ポニーテール・サイドカー運転中
[装備]:シズの刀@キノの旅
[道具]:デイパック、支給品一式、金の延棒×5、軍用サイドカー
[思考・状況]
基本:師匠と協力して涼宮ハルヒ以外を皆殺し。師匠も最後に殺す。
1:まずは診療所に行き、それから温泉へ向かう。
2:ちゃんと仕事してからね、師匠。
368創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:30:34 ID:x7HU+Xgx
 
369創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:31:16 ID:CgdvYN+Z
 
370龍虎の拳 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 14:31:26 ID:6zjga+pO
投下終了。支援感謝です。
そこらじゅうで派手にやったる。

「本文が長すぎる」警告が出たので、無理矢理開業を詰めた部分があります。
見苦しくなっているのでWiki収録時に治しておこうと思います、失礼致しました。
371創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 14:32:03 ID:x7HU+Xgx
超GJ!
いいなあ、こういうナチュラルマーダータッグw
かなり強い人間も多いしこういう強力タッグは見てて凄く面白い
372 ◆MjBTB/MO3I :2009/02/20(金) 17:42:19 ID:6zjga+pO
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234718913/

したらば内の上記スレにて>>356の原文を投下させていただきました。
拙作「龍虎の拳」をまとめWikiに収録する際にはこちらの文章で、という事でひとつ。
それでは、失礼致しました。
373 ◆O1Af7pV8lA :2009/02/20(金) 18:36:33 ID:0RyxjMfx
トレイズと川嶋亜美を投下します
トレイズ・ベイン16歳。
イクス王国王女の息子であり、公にはされていないが正真正銘の王子様である。
その王子であるトレイズ・ベインは現在教会の中にある長椅子に座っていた。

「どういうことだ。何で明かりが消えたと思ったら急にここに……まあいい。参加者は……」

トレイズはバッグを開き、名簿を確認する。
参加者は大半が余り見た事の無い文字なので、自分の名前はすぐに発見出来る。
そして他の名前も。

「ちっ、アリソンさんにリリアにトラヴァス少佐か。親子で一人だけしか生き残れないとか有りえないだろ。
それに……残り10人は誰だ?まさか父さんか母さんやメリエルが………落ち着け。そんな事考えてもしょうがない。
それにまだ時間はある。72時間、つまり三日か。その間に何か方法を考えろ。ヒントはあの狐男の言葉だ。思い出せ」

トレイズは名簿を戻すと、記憶の糸を手繰り寄せる。
少し前のことなので、記憶力が悪くないトレイズにはほぼ正確に思い出す事が出来る。

(そうだ。消える世界で最後に一人だけ生き残る……ならあいつはどうする。舞台装置とか言っていたが、
現実にあいつは生きている。それに一人だけ元の世界に戻す。どうやって?あいつが隠れていて、どこかで見張っている?
………いや、それじゃ60人全員の動きは把握出来ない。どこかに監視装置……ならどこで見ている?この世界のどこか……
外か?世界の端から逃げれないと言っていたが、本当か?いや……試す価値はあるな)

トレイズは鞄から武器を取り出す。
愛用の物ではないが銃が入っていたのでそれをホルスターに差し、もう一つの銃はポケットに入れて天文台の外へと走る。


***********



川嶋亜美。
女優の母を持ち、自らもモデルとして活躍している高校二年生。
そんな彼女は現在、この非常識な世界にいつもの冷静さを失いつつあった。

「どういうこと……一人しか生き残れないって………なら亜美ちゃんしかいないよね。でも………いや、考えちゃ駄目。
だって亜美ちゃんだもん。あたしは生き残らないと。それにあんな一瞬で人を移動させるような奴だよ。抵抗なんて無駄じゃん。
あたし……絶対に生き残ってやるんだから」

川嶋亜美はこうと決めたら行動は早い。
支給されたナイフを長袖の中に仕込んで歩きだす。

(大丈夫。絶対にあたしは生き残るんだから。こんな所で消滅するなんて……亜美ちゃんにはそんな未来相応しくない。
あたしは………絶対に)


***********
「ここか。世界の果てだけあってやけに暗い……というか真っ黒だな」

トレイズは目の前にある漆黒の壁のような物を見る。
そして近くにあった道路わきに植えてある植物から小枝を一本折って、黒い世界へ向ける。

「世界は切り取られるとか言ってたが………実際はどうなんだ?」

トレイズは枝の先を黒の向こうへと突き出す。
枝は普通に入り特に行き止まりは感じられない。
トレイズはすぐに枝を抜く。

「うん。別に消滅するわけでもないのか。なら安心だな。一度試すか」

トレイズは特に勢い良く顔を入れて黒い世界の奥を見る。
だが……

(なんだ?真っ黒で何も見えない。もう少し奥に……っ!!)

トレイズは嫌な寒気を感じてすぐに顔を出す。
そして顔を触り異常が無いのを確認すると安堵の息をつく。

(今一瞬存在が気迫になったような………まさか全身を入れると存在が消滅?……………試すにはリスクが高いな)

トレイズは現時点でのこれ以上の調査を断念し、今までと反対の方向へと足を向ける。

(世界が消えるとか言っていたが……どんな風に消えるんだ?今からだと明るくなってからB-6かC-6の消滅が確認出来るな)

トレイズは地図と時間を確認してから、目的地への歩を進める。
そこで、一つの声が届いた。

「あの……始めまして………かな?」
「えっ!?」

トレイズは声の方に慌てて振り返る。
慌てた理由は声が女性の物だったからだ。
そしてその声の主を見て、トレイズはしばし声を失う。

「…………」

その女性が余りに可愛く、美しかったからだ。
すらりと伸びた足。引き締まったウエスト。小さな頭にどこか守ってあげたいと思わせる目つき。
トレイズの想い人のリリアとは少し違った雰囲気の魅力が目の前の女性にはあった。
「ねえ、名前……何?あたしはね。川嶋亜美。亜美ちゃんって呼んでねっ」
「あっ……俺は………トレイズ。トレイズって呼んでくれていいから」
「そう、じゃあトレイズ君。亜美ね。……怖いの。とっても怖いの。だってね。あの狐のお面の人蹴落とせって
いうんだよ。亜美はそんなの出来るわけないのに。酷いよね〜」
「ああ、それなら大丈夫だ。俺が守ってやるから。それにさ。この世界だってどうにか出来るはずさ。少なくとも可能性は
充分にある。それは保障する。不可能じゃない。それに………亜美さんも俺が守ってやるから」
「本当。すごーい。亜美尊敬しちゃう」

亜美の言葉に思わずトレイズも照れてしまう。
男を完全に手玉に取る話術の前に、トレイズは完全に警戒が取れていた。


***********

そして数分が経つ。
トレイズは川嶋亜美と会話を楽しみながら目的地へと歩く。
そして時間の経過と共に、川嶋亜美が仕掛ける時間も迫っている。

「ねえ、ところでトレイズ君は好きな人とか居ないの?」
「えっ、急に」
「いいじゃない、ねえ、教えてよ〜」

亜美の甘えてくるような言葉にトレイズは答えを窮してしまう。
そしてトレイズは顔を赤らめながら俯いた時。
亜美は凶行へと走り出した。

「ごめんなさい!」
「えっ!?」

亜美の謝罪を聞いた瞬間、トレイズの頭は真っ白に染まった。
眼前にナイフが迫っていた。

「ぐっ!」

咄嗟に身を捻って直撃を避ける。腰をかすめて軽い痛みを感じるが傷は深くない。
偶然にも亜美はナイフを袖から出すのに一瞬手間取り、僅かに初動が遅れた為に、トレイズに
致命傷を与えるに至らなかった。
その為にトレイズはすぐに体勢を立て直すと亜美のナイフの握られた右腕を押さえつける。

「きゃあっ」
「放すんだ!」

トレイズは強引に膝蹴りを右腕に放ちナイフを落とさせると、それを足で踏み、更に亜美を手前の建物に
もたれさせるように押さえつけて握った銃を向ける。
「何のつもりだ!自分さえ生き残ればそれでいいのかっ!」
「だっ、……だって仕方ねーじゃん。一人だけなんでしょ。亜美ちゃんはこんなに可愛いんだから、
生き残らなくちゃ。あたしより可愛い子なんてどうせいないんでしょ。それなら、やっぱあたしが生き残るのが一番……」
「ふざけるなっ!!」
「ヒッ……」
「ふざけるなよ。俺の好きな子は………お前よりずっと可愛いよ。そりゃ気が強いし我が侭だし傍若無人だけどさ。
それでも優しいところがあるし、それに…………お前みたいな人を平気で殺すような真似はしないっ!!」
「…………はあ、ふざけないでよ。のろけ〜。亜美ちゃんそんなの興味ないんですけど〜。そんな子いるわけないじゃん。
どうせ亜美ちゃんと一緒でどこかで人を殺して回ってるんじゃない。それとも、もう。死んでるとかアハハ、ウケル〜」

トレイズの低めに放った声と、亜美のあえて煽るようにしゃべる高い声が反発するように不協和音を奏でた。
そして、しばし亜美の笑い声が響くと、トレイズは怖い顔で呟いた。

「俺はさ。守らなくちゃならないんだよ。俺は王子だからさ。勝手に皆殺しで最後に一人になるわけにもいかないし、
かといって死ぬ事も許されないんだ。それに……お前は拘束して連れ歩くには邪魔だし、放置したらリリアやアリソンさんを
傷付ける。だから………分かるよな」
「はあ、本気?あんたみたいな甘そうな男が本気で引き金を弾けるわけ……」
「弾けるさ。そうしなければリリア達を守れないなら、俺は躊躇無く引き金を弾く」
「えっ、………ちょ」

トレイズは銃口を亜美の額の真ん中に押し付け、引き金に指をかける。
銃口の感触を直に感じて、ようやく亜美にも死の実感を湧き上がる。
そして、

「待って、タイム!ねっ、亜美ちゃんはちょっと悪ふざけが……」
「終わりだ」

亜美の願いも空しく、今までで一番低い声をトレイズが発したと同時、一つの引き金が引かれた。


***********

トレイズは亜美の前に立っていた。
目の前の亜美は顔を水で濡らしていた。

(やりすぎたか?水鉄砲とはいえ、形状は本物そっくりだからな)

目の前で呆けている亜美を見ながらトレイズは心の中で考えた。
この出来事のからくりは簡単である。
トレイズの支給品。
実は一つは実銃で、もう一つは水鉄砲だったのだ。
そしてトレイズは最初からホルスターの銃には一切手をつけず、ポケットの水鉄砲を撃っただけだ。

「おーい……いつまで呆けてるつもりだ。置いていくぞ」
「……え………………はっ、えっ、何これ?どうして……あたし」
「水鉄砲だ。本気でお前を殺す気は無かったから」
「………どうして?あたしはあんたを殺そうとしたのよ。どうして?」
「謝ってただろ」
「はあっ!?」
「いや、最初に『ごめんなさい!』ってさ。だからそれで。わざわざこれから殺す奴に謝るんだ。根っからの殺人狂でも
無けりゃ、どうしようもない自分勝手な奴でもない。それにこの状況なら誰でも魔がさすからな。それで一々殺す気は無い」

トレイズは先ほどとは違う優しい口調で話す。
それに思わず先ほどの緊迫感は亜美からも薄れていた。

「それで……どうする。俺はこの先に用がある。亜美さんはどうする」
「………いいわ。行ってあげるわよ。どうせ一人じゃ上手く行かないのも分かったから」
「OK。じゃあ行くか。立てる?」
「馬鹿にしないでよ。それぐらい………っ!?」
「どうした?」
「なっ、なんでもないっ!後ろ向いてて!」
「ん?」

亜美のなにやら切羽詰った声に押され、やむなくトレイズは亜美に背中を向けて少し離れた距離まで歩く。
そして亜美の方はなにやら本気で焦っていた。
それをトレイズは知る由は当然無い。

***********

(ちょっ、亜美ちゃんこれってまさか……)

亜美は青ざめた表情でスカートを捲る。
無論トレイズが振り返る気配が無いのを察してからだ。
すると白いショーツは股間部分が黄色に変色している。

(あの野郎!亜美ちゃんにこんな恥を………後で殴る!!ってその前に下着……どうしよう)

怒りと羞恥の混じった表情で川嶋亜美はうな垂れた。
【E-1 市街地 一日目 深夜】

【トレイズ@リリアとトレイズ】
【状態】腰に浅い切り傷
【装備】コルトガバメント(8/7+1)@フルメタルパニック 銃型水鉄砲 コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:この世界からの脱出方法の検討と西東天と所在を突き止める
1:B-5かC-5に向かいB-6かC-6の消滅の瞬間を確認する
2:リリア、アリソンと早期合流、トラヴァスとも出来れば
3:弱い人は全力で守る

【備考】
マップ端の境界線より先は真っ黒ですが物が一部超えても、超えた部分は消滅しない。
人間も短時間ならマップ端を越えても影響は有りません(長時間では不明)
以上二つの情報をトレイズは確認済

【川嶋亜美@とらドラ!】
【状態】健康 顔が水で濡れている 右腕に軽度の打撲
【装備】濡れた下着
【所持品】支給品一式 確認済支給品0〜2(ナイフ以上の武器ではない)
【思考】
1:早く下着を見つけないと、でもトレイズにばれないように
2:後で一回トレイズを殴る。でも一応は信用しても良い
380 ◆O1Af7pV8lA :2009/02/20(金) 18:44:23 ID:0RyxjMfx
投下完了です。
マップ境界線の状態について、決めるのが時期尚早であるなら、そこをカットした
バージョンを投下しなおします。
381創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 19:06:28 ID:6zjga+pO
投下GJ! トレイズ死ぬかとオモタw
ふむ、トレイズめ。ちゃっかり女の子ゲットしおって。
だがその相手は一度錯乱した身……爆弾、なのか?
揺らぎが素晴らしいと思いました。
382創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 19:24:15 ID:iRANZGO9
投下乙

転載厨は死ねばいいと思うよ
383 ◆hwBWaEuSDo :2009/02/20(金) 20:03:07 ID:62Fl543l
投下乙です!
トレイズはきれいな対主催だなぁ
しかし、揺らぎのある亜美を抱えて少し危ないかもしれないな

昨日、私が投下した『The prince of darkness』なのですが、シズの一人称が間違っていたので『私』を『俺』に修正しました。
また、時刻が未明となっていましたが深夜の間違いだったのでこれも修正しました。
384創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 20:58:32 ID:5nnGP0t8
転載厨ってどういうこと?
385創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 21:35:13 ID:BB5OaAK7
投下乙です。
亜美はとりあえず落ち着いて名簿を見たほうがいいと思うんだ。
……見たほうが錯乱するかな?
386 ◆F0cKheEiqE :2009/02/20(金) 22:51:50 ID:d2k+ZgRh
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234718913/

こちらに仮投下しました。
問題が無いようなら再度本スレに投下します
387創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 23:08:09 ID:BB5OaAK7
>>386
えーと、指摘したいことはこっちに書いていいのかな?
……一応仮投下スレのほうに書いておきます。
388創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 23:41:34 ID:Gbvsh+fQ
投下乙。
おお、何という極悪マーダーコンビw
話には聞いていたけどこれが師匠かw 殺し合いの最中で金品に目がくらむ奴とか初めて見たww
地の文とか何と言う気合の入れようw
朝倉のほうもそれらしさが出ていてニヤリとしてしまうw なんとも面白そうなコンビですねw

こちらも投下乙w
トレイズさん、綺麗だw
ごめんなさい、の一言だけで許してしまうという展開も初めて見たかもw
それにしても爆弾持ちといわざるを得ないw
389創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 07:27:45 ID:uR4f6vhH
15 :名無しさん@九周年:2009/02/17(火) 00:22:56 ID:X8kwXsMN0
          ,      /〃ハヾ  / ∧∨〃、ヾ} l| :}ミ;l\
        /〃// / 〃l lヽ∨,〈ヾ、メ〈 }} ;l リ ハ l`!ヽ.
          //' /,'  ,' 〃 l l川/,ヘ丶\;;ヽ/:'/〃∧ l ト、:l !
         〃,'/ ;  ,l ,'' ,l| レ'/A、.`、\;;ヽ∨〃/,仆|│l }. |、
         i' ,'' l| ,l ' l. !| l∠ニ_‐\ヽ;\,//,イ| l | l ト/ λ!   、
.        l ;  :|| ,'i:/ l| |:|: |``'^‐`ヾ∨`゙//|斗,l ! | ,タ /l.| l  三__|__
       l ' l |」,' l' lハ |'Ν    ̄´ /` ,|l_=ミ|! ly' ,〈 :|| |  口 |
        |l .l H|i: l | ゙、| l        _.::: ,!: l厂`刈/ /!} :l|    ‐┬‐
        |! :l |)!| ! |  ヽ      '´ ’/'_,.   ノイ.〃/|!    │田│
        l|l |l 「゙|l |`{             ..   _   |}/,ハ l     ̄ ̄  
       |!l |l、| !l :|.      ‘ー-‐==ニ=:、__j:)  l'|/|l リ    、 マ
ヽ ̄ニ‐、__.」乢!L!lヱL」__           ー、 `'''´   从「 /     了 用 
 \ `ヽ\      /l |       / ̄´     //        '"`ー‐
.  ,、  l  ゙、    / ' |、      {        /l/         ,
   '}  l  ゙,    /   |:::\      }     ,.イ/          レ |  
   l  l   l  ,.イ   l:::::::::\__   `'-‐::"// |′          ノ
   l   !   K ヽ,、 \「`''''''''"´:::::::;;:" //          
.    l   l   ト、\( _.... ヽ  .:.::::::::;;″ /'       _    
\   |  l|  八、ヽi´    | .:.:::::::::::::i' .:/'"´ ̄ ̄ ̄ ,.へ\

497 :名無しさん@九周年:2009/02/20(金) 16:18:12 ID:KT2PQTtN0
>>490 街に帰ってくる可能性ありありだからこわいね

この20年で人を殺して無期懲役判決を受けたのに、その後出所し再び人を殺した人たち

横田謙二 殺人・死体遺棄(バラバラ殺人)、無期懲役の前科(強盗殺人)
萬谷義幸 強盗殺人、無期懲役の前科(強盗殺人)
牧野正 殺人、無期懲役の前科(強盗殺人)
高田勝利 強盗殺人、無期懲役の前科(強盗殺人)
佐藤真志 幼女に対する強制わいせつ・殺人、無期懲役の前科(強姦殺人)
島津新治 強盗殺人、無期懲役の前科(強盗殺人)
武安幸久 強盗殺人、無期懲役の前科(強盗殺人)

498 :名無しさん@九周年:2009/02/20(金) 16:18:36 ID:VTvPRHvg0
>>477>>480
前スレで「お馬鹿」なんて言ってる僕が言うのもなんだけど、
一応検察も「強姦の可能性」については追求しようとしてるよ。
でも星嶋に「AVみてました」って言われて逃げられている。
 
公判内容読めば読むほど「こいつは本当に反省してる??」って疑問が沸いてくる。
AV云々だって、もし床から体液反応出た場合の伏線にしか思えないし、
解体だって、死刑判決が出た場合「精神鑑定」に逃げる伏線にしか思えない・・・。
 
前スレに煽って「神」なって書いた人が居たけど、僕には「悪魔」が微笑んでるようにしか思えない><

499 :名無しさん@九周年:2009/02/20(金) 16:19:38 ID:qYacy/2RO
>>493
それを聞き出せない検察ってなんなのって感じなんだが。
感情煽りに走りすぎて肝心の足元を固めてないとかあまりに稚拙だ。

500 :名無しさん@九周年:2009/02/20(金) 16:19:46 ID:Cxh9yofq0
どうせ控訴あるんだから意味ない判決。
ってか裁判官はアホなのかと

501 :名無しさん@九周年:2009/02/20(金) 16:20:09 ID:Yowtie1A0
390 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:29:35 ID:M+ibYK5s
修正しました。

薬師寺天膳、キノ 投下します
391人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:30:49 ID:M+ibYK5s

(朧に小四郎、よりにもよってこの二人か・・・)
薬師寺天膳は名簿を見ながら軽く呻いた。

伊賀鍔隠れ衆の重鎮、薬師寺天膳は、
色白でのっぺりとした肌、切れ長の目をした、
女のように柔らかな線の見えるやや太りかげんの身体の男である。

年齢は三十前後であろうか、
髪は黒々とした総髪だが、
その反面肌にはまるで艶が無く、唇も紫で、
ひどく老人めいた印象を人に与える。

兎に角、年齢がいまいち解らない不気味な雰囲気の男であった。

天膳がいまいるのは、A-3地区の森の何処かだが、
周りが背の高い木ばかりで、
天膳にはこの地図の北西部にいることぐらいしか解らない。

夜空に眼を向けるが、星の運行配置がまるで出鱈目で、
時刻、方角すら知ることが出来なかった。

天膳は、良く効く忍者の夜目で、
明かりも無い闇の中で名簿に眼を戻した。

名簿にある名前は五十。
記されて無い名前がさらに十あると言う。

この中で見知った名前は三つ。
甲賀弦之介、朧、筑摩小四郎の三人。

内、朧と小四郎は同じ鍔隠れ衆の者、言わば味方なのだが…

(朧は足手まとい、小四郎は手負い、か。
まあ小四郎は、あれはあれで役に立つから良いとして朧は…)

筑摩小四郎の「忍法」は、目が潰れていようともその驚くべき殺傷力を失わない。
しかし朧は、「破幻の瞳」が開いていたならばまだ役にも立ちようが、
「七夜盲の秘薬」によりその瞳すら塞がれいる今となっては…
392人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:31:17 ID:M+ibYK5s

(あの狐面、生き残れるのは一人だけなどとぬかしておったが…
真実ならば朧一人を何とか生き残らせねばならぬと言う事か)

正直、この主を主と思わぬ謀反人は、
自分の命を捨ててまで朧を救おうなどと言う気持はさらさら無い。

(だが、あの小娘自体がどうなろうが知ったことではないが、
あ奴の持つ血、お幻の血統は何としても守らねばならぬからなぁ)

朧自体に恋着は無いとは言わぬが、命をかけるほどの女とは思わない。
が、伊賀の旗印として、
またいずれ自分がなるであろう鍔隠れの頭領の地位を正統化する為の錦の御旗として、
朧には生き残ってもらった方が彼には非常に都合がいいのだ。

(暫くは朧、小四郎を連れて何とかここから抜け出せる方法を探るのも手か?
兎に角、まずはこの山を抜けねばな)

名簿を鞄にしまい、支給品の刀を腰に差す。
「九字兼定」と言う銘の業物らしいが、
なるほど、確かにいい刀である。

(やれやれ、面倒な姫君よ。とりあえずわしが行くまで生きておれば良いが…
まあ死んだら死んだ時であろう。小四郎の方はしばらく放っておいても問題あるまい。
甲賀弦之介は…)

憎っくき甲賀の若き頭領。
八つ裂きにしても飽き足らぬ奴だが…

(奴もまた目は塞がれていたはず。
目の見えぬ「瞳術」使いなど塵芥に等しい。
放っておいても勝手に死ぬじゃろう。
出来ればわしの手で朧様の眼前で弄り殺しにしてやりたかったが…
ちと、そんな余裕はないわい)

そんな事を考えつつ、山を降りるべく歩き出したその時であった。
天膳の優れた感覚が、背後に出現した気配を捉えた。

「・・・・・・誰じゃ?何か用か?」
兼定の鯉口を切りながら背後の気配に声を掛けた。

「ゆっくりと両手を挙げてから振り返ってもらえますか?」
「いやじゃ・・・・と、言うたら?」
「おかしな動きをしたら撃ちますよ」

若い声だ。少年の様にも聞こえるが、
恐らく少女であろうことを天膳は見抜いた。
393人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:32:18 ID:M+ibYK5s

「撃つ、と言うたが、と言う事は手に持っているのは短筒か何かか?
その割には火縄の臭いがせんようだが?」
「“タンヅツ”?・・・・もしかしてハンドパースエイダーの事ですか?
だとすれば、これはやや古い回転式ですけど、
火縄なんて使うほど古臭いモノじゃありませんよ」
「何?“はんどぱーすえいだぁ”?」
(何を言っておるんじゃこいつは?ひょっとすると南蛮人か何かか?)

聞き慣れぬ単語に、頭に疑問符を浮かべる天膳だったが、

(ええい、まだるっこしい!気配からすればさして体も大きくない小娘、
なんぞ恐れることがある。力押しでよかろう。
人を脅したお礼に、体に色々聞いてくれよう)

天膳は背後の少女と問答をするのが面倒になり、
強引な手段に出ようとしていた。
少し嫌な予感がしないでも無かったが、
背後にいるのが小娘だと解って天膳は相手を侮った。
銃器に関する知識が十七世紀当時のものしかない事が、
それを後押していた。

故に抜き打ちに振り返りながら相手の懐に飛び込まんと…
「小娘ぇ!なめるな!」
独楽の如く身体を捻らせた。
それ自体は恐るべき速さであったが、

ぱん

豆を炒る様な乾いた音が響き、

「ぬっ?!」
「警告はしましたよ」

天膳は胸を撃ち抜かれ、
大の字を描きながら地面に仰向けに倒れ込んだ。

忍者の反応速度を上回る見事な射撃。
銃弾は一発で天膳の心臓を貫いていた。



天膳が確かに『死んだ』事を確認すると、
死体から刀を剥ぎとり、自分の腰のベルトに差した。

余り背の高くない小柄な少女である。
年のころは十の半ばを越えたぐらいか?
顔立ちは可愛らしいが、髪を短く切っている事もあって、
一見少年のように見えない事も無い。

ゴーグルを付けた耳当て付きの帽子に、
茶色のくすんだコートを着ている。
その下に動きやすそうな黒い装束を着ている。
良く見ないと解らないが、胸に膨らみが微かだが確かにある。
394人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:32:53 ID:M+ibYK5s

ベルトにはホルスターが付けられ、
中には天膳を射殺したリボルバーが入っていた。

エンフィールドNo2。
かつて英国陸軍で使用されていたリボルバーの一種で、
三八口経、装弾数6の中折れ式である。

この殺し合いに参加している
トラヴァス少佐の故国(本当は違うが)である
スー・ベー・イル軍制式採用銃に形が似ているが、
単なる偶然だろう。

(ひょっとするとパースエイダーの無い国のひとだったのかもしれない)
少女、旅人キノは天膳の死体を見ながらそんな事を考えた。

見なれない格好だが、彼の国の民族衣装であろうか?

色々な国を旅してきたが、
中にはほとんど原始時代と同じような生活を送る人々もいなかったわけでは無い。
そういう国の出身者だったのかもしれない。

「エルメスもこっちにいるのかな」
天膳の鞄の中身を、自身の鞄に移し換えながら、
良く喋る旅の相棒を思い浮かべた。
が、考えたのも一瞬、
目と思考は天膳の遺品に戻っている。

どうやら武器の支給品はこの刀だけらしい。
本当はナイフの方が使いなれているからそっちの方が良かったが、
まあ贅沢は言えまい。

(弾の数もそんなに多くないし、パースエイダーが欲しかったんだけど)
鞄の中身を移し替え終わると、
天膳の死体に一瞥もせずにキノはその場所から立ち去った。

山族に襲われたり、
亡国のかつての英雄達の部隊に襲われたりと、
旅の途中の障害は多い。

この殺し合いも、そんな障害の一つなのだろう。

最後の一人になるか、
あるいは逃げ出す方法を見つけるのか、
何れにせよ兎に角生き残って。
またいつもの旅路に戻るだけである。

彼女に殺人嗜好はないが、
殺人を忌避する事も無い。

さっきの男も妙な真似をしなければ、
べつに殺すほどの事でもなかったのだ。
まあ、殺されたのは、不用意に動いたあの男が悪いのだ。
395人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:33:29 ID:M+ibYK5s

「国」と「国」の間は基本的に無法地帯だ、
躊躇っていれば死ぬのは自分である。
他人を躊躇い無く殺すのは、言わば生活の知恵である。

これからもそうやってきたし、
きっとこれからも死ぬまでそうやって生きて行くのだろう。

ふと、名簿に「師匠」と言う文字があったのを思い出したが、
「でも、あの人、「師匠」は名前じゃないって言ってたし、
たぶん別の誰かなんだろうなぁ…」

と、一人の老婆を思い浮かべると、
すぐに脳裏から消して、キノは歩き始めた。

ちなみに、名簿にあったシズという名前の人物、
かつてさる国のコロシアムで戦い、
キノがその父上を盛大にぶっ殺した喋る犬を連れた刀使いの事を、
完全に忘却していた。

【薬師寺天膳@甲賀忍法帖 死亡】

【A-3/森の何処か /一日目・深夜】

【キノ@キノの旅】
[状態]:健康
[装備]:エンフィールドNo2(5/6)@現実、九字兼定@空の境界
[道具]:デイパック、支給品一式×2
[思考・状況]
基本:生き残る 。手段は問わない。
1:エルメスの奴、一応探してあげようかな?
[備考]
※参戦時期は不詳ですが、少なくとも五巻以降です。
※「師匠」の事を、自分の「師匠」の事だとは思っていません。
※シズの事は覚えていません。

※キノがどちらに向かったかは、次の書き手にお任せします。
396人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:34:07 ID:M+ibYK5s








――――――キノが森から去ってから、一時間あまりして、
ただ死と闇の静寂ばかり残っているはずの森の中で、かすかな物音がした。

虫であろうか、否。
獣であろうか、否。
風であろうか、否。

確かにそれは、

「あァあ!」

眠りから覚めた人間の、あくびの様な声であった。

ぬっと、突如闇の中に出現した影がある。
それは、誰であろう。

それは、ほんの一時間前、キノが確かに射殺したはずの
薬師寺天膳ではなかったか!

天膳は、頭を二、三度振ると、ニヤッと笑った。

「いやあ、油断した。見事に『殺されてしもうた』」

なんたる奇跡、天膳は死の淵から蘇ったのである。

しかし、これはどういう現象か。
実に不可思議ではあるが、有り得ぬことでもないのだ。
397人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:34:34 ID:M+ibYK5s

蟹の鋏はもがれてもまた生じ、蜥蜴の尾はきられてもまたはえる。
ミミズは両断されてもふたたび原形に復帰し、
ヒドラは細断されても、その断片の一つずつがそれぞれ一匹のヒドラになる――――

下等動物にはしばしばみられるこの再生現象は、人間にも部分的にはみられる。
表皮、毛髪、子宮、腸、その他の粘膜、血球などがそうで、
とくに胎児時代はきわめて強い再生力をもっている。

薬師寺天膳は、下等動物の生命力をもっているのか、
それとも胎芽をなお肉のなかに保っているのか…
彼は、再生力のまったくないといわれる心筋や神経細胞ですら、
見事再生させ復活したのである。

彼を完全にあの世に送るには、首を刎ねるか、
重火器などを用いて頭部を完全に吹き飛ばすか、
爆薬で粉微塵にしてしまうか――――
いずれの方法を採るにせよ、彼の肉体を壊滅的なまでに破壊しなくてならないだろう。

「あの小娘め、俺の物を全部持って行きおったな…次あったらタダでおかぬ」

天膳は憎々しげに呟いた。

【薬師寺天膳@甲賀忍法帖 蘇生確認】
398人間臨終図巻 ◆F0cKheEiqE :2009/02/21(土) 11:36:19 ID:M+ibYK5s

【A-3/森の何処か /一日目・深夜(一時間経過)】

【薬師寺天膳@甲賀忍法帖】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:生き残りを優先するが、出来るなら朧を助けて脱出したい。
1:朧を探しつつ、情報収集。
2:あの小娘、今度会ったら!
[備考]
※室賀豹馬に『殺害』される前後よりの参戦。
※キノの名前を知りません。

以上です。
ですが、天膳の「蘇生能力」には制限などの議論の是非があるかと思うので、
自分なりにまとめてみました。

【薬師寺天膳の蘇生能力】
天膳の「忍法」。
肉体に壊滅的な打撃を受けない限り、何度でも肉体を再生し、蘇生する。
天膳はこの能力を用い、最低150年以上の時を生きてきた。
完全に殺すには、
・首を刎ねた状態で放置(繋ぐと復活する)
・重火器などで頭部を跡形も無く粉砕
・爆薬などで全身吹き飛ばす
など、徹底した人体破壊が必須。
死亡から蘇生にかかるまでの時間だが、
・心臓の刺傷→1時間
・絞殺→数分
・胴体の深い裂傷+頸部裂傷→1〜3時間
・毒殺→数十分〜1時間
とかなりばらつきがある。
原作では5回死亡、蘇生を繰り返し、6回目に地獄に落ちた。
399創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 13:00:02 ID:pxILPrDw
投下乙
蘇生はどうかと思うよ、また甲賀忍法帖か! とか思う人間もいるだろうし。
400創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 13:15:13 ID:eI+0lioX
投下乙
また天膳様が死んでおられる

>>399
天膳から蘇生とったらウッカリしか残らないんだが
蘇生での混乱を狙って票入ってんだろうし
それに原作じゃなかったからあれだが、大口径の銃弾で頭撃たれて脳漿ぶちまけたりすれば
死ぬと思う。跡形もなくとまでやらんでも
原作が破損の少ない死に方しかしてないし、殆どが失血性のものだし
401創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 13:51:01 ID:4XxQUqJp
投下乙!
さすがキノ! 忍法帖のキャラ程度では相手になりませんね
余裕の勝利と言った所でしょうか


蘇生についてはそんなに細かくなくても、
・普通の人間が死ぬような状態になったら死ぬ
・蘇生時間はその時の書き手任せ
これでいいよ
402創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 13:52:32 ID:BnLfeiwN
>>400
あとは無駄に有り余る性欲ぐらいだよな
一度殺した相手に姿を見せ驚かせて不気味さを演出させるキャラだから
個性を消してまで無くす能力でもないんじゃね?
403創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 13:58:42 ID:eI+0lioX
ぶっちゃけ天膳って甲賀忍法帖の中では然程強くないしな
盲なりたての弦の字に剣法で負けるし
出所が分かってるとはいえ、地虫さまの槍を防ぐぐらいだから並以上では
あるんだろうが
404創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:03:54 ID:jDYEQvmP
死ぬ→健康まで回復するのもなぁ。
405創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:10:13 ID:R75RSIsw
ラノベのロワ的な視点で見ればバッカーノという先例があるだろう
アレの不死者に比べれば天膳の能力は不便極まりないぜ
頭潰せばいいんだし
406創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:15:14 ID:7GitutFx
まあ好きにすればいいんじゃない?
どうせそんなに蘇生能力使う機会があるとも思えないし。
407創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:18:13 ID:BnLfeiwN
あと天膳を蘇らせているのは身に潜むもう一つの命だから
それに気づいて殺害すれば蘇生不能になるんだよな
という事は天膳にとって式は天敵っぽい存在か?
408創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:21:25 ID:2QwnpOyi
首落とせば死ぬンだし、そんなにチートな能力でもない
復活までしばらく活動不能なんだしな
409創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:24:51 ID:zN7CMlVu
他のキャラの能力との相性を考えると、幻想殺しは効くのか効かないのか、ってのもある。

で、蘇生能力っていうのは死ななきゃ発動しないのか?
生き返ることはできるけど、死に至らない傷は普通にしか回復しないとか。
あと、一時間で蘇生っていうのは五十分後だとどうなっているんだ?
動けるの動けないの?
410創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:26:08 ID:2QwnpOyi
>>407
それはバジリスクの設定
原作はプラナリアみたいな異常再生能力だったはず
411創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:36:50 ID:uZO0UUaH
>>409
甲賀忍法帖はよく知らないけどいわゆる魔術だの超能力だのとは違って
これに関しては突然変異した生物的な能力っぽくない?

というか幻想殺しってどこまで効くのかの判断難しいよな
原作中でも未だはっきりしてないし
412創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 14:45:59 ID:4XxQUqJp
普通の人間に習得不能なら異能扱いなのでは?
413創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 16:16:43 ID:SjWzca3l
結論の出ない議論をこれ以上続けても不毛ですよっと。
つか>>401で結論出てるし。
>蘇生についてはそんなに細かくなくても、
>・普通の人間が死ぬような状態になったら死ぬ
>・蘇生時間はその時の書き手任せ
>これでいいよ

これ以上の議論したいならしたらばへ
以降、誘導無視して本スレで不毛な議論続けたがる人はスルー
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234719214/l50
414創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 16:22:41 ID:M+ibYK5s
>>411
>>412
原作での天膳の死因が、

『斬られた首を繋いでる途中に、
あらゆる忍法を見るだけで無効化する朧の「破幻の瞳」に見られ、
再生を強制中断されてそのまま死亡』

だし「幻想殺し」は効くと思う。
415創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 17:29:10 ID:3w2J2iI+
ま、再生は制限加えるくらいでいいだろうな

確実に式辺りは天敵だが
416創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 18:09:20 ID:5bLl8VF9
◆O1Af7pV8lA

↑こいつどう見たってキャプテンじゃねーか。
417創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 18:47:28 ID:7GitutFx
なんの根拠があるのか知らないけどSS自体に問題はないし別にキャプテンでも良いんじゃね?
418創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 18:54:23 ID:EwwO2tUS
むしろ俺は◆F0cKheEiqE にキャプテンの臭いを感じるな。
まあ本人ではないんだろうけど、キャプテンの好きな作品が甲賀忍法帖だったらってIFケースを見ている感覚。
誤爆スレで文句言ってた時なんかはほんといつの時代も馬鹿は変わらないなぁと懐かしくなった。
419創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 18:55:48 ID:SjWzca3l
おお、よく見りゃキャプテンっぽいな、確かに。まだ生きてたんだなあC。
まあしたらばでIP抑えてるから放置でも別に良いけど。
420創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 19:17:27 ID:o46JvNJZ
何故かロワルールがここではテンプレ化してないみたいだけど
「死亡」の表示が出たらどんなことがあっても蘇生は認めないってのがロワの一番重要かつ基本的なルールのはず

蘇生自体を否定する気はないけど、蘇生させるなら途中にある死亡表示を外してくれ
形式的なものだけど、守るもんは守らないとグダグダになるぞ
421創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 19:26:04 ID:ddDNRxV+
てか川嶋亜美のキャラ全然違う。
恐怖のあまりに、とかいうなら心理描写しっかり書け
422創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 20:08:25 ID:OmfV3+uM
>>420
そんなルールあったか?
漫画やkskで死亡表示出たけど実は生きてたってのが結構見た気がするんだが
423創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 20:12:04 ID:cBOi3LMW
>>420
そんなルールあんまり無いぞw
アニ2やらGR2でも表記でても生きていたと言うのはあるし
>>421
そこまで酷くないと思うが
424創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 20:22:07 ID:zN7CMlVu
若干亜美ちゃん利己的すぎるなあとは思ったけど、
・状況が状況だから錯乱状態
・知り合いが参加していることを知らず、名簿も見ていない
っていうことを考慮したら最悪そうなることもあると解釈することにした。

まあ、オチはそれっぽいとは思うけど。
425 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:50:18 ID:J/M2Clil
クルツと土御門投下します。
426 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:50:44 ID:J/M2Clil
「生き残るのはただ一人だけ、ね」

狐面の男の言っていた内容を整理しながらひとり呟く。
どうも自分はこの島で行われるふざけた殺し合いに巻き込まれたらしい。
深海に潜む潜水艦に居たはずの自分を拉致した手段は一切不明。
最初にルールを説明した部屋から一瞬で今の位置まワープさせた手段も不明。
明らかに容量をオーバーしている荷物を収納できるこの黒い鞄の原理も不明。
ついでに言えば最後の一人は無事に帰れるなんて口約束が無事に守られるかも不明、と。
現状で把握できたことといえば宗助とテッサ、かなめちゃんついでにもこの島に居るらしいということと、どうやら俺は運が悪いらしいという事だ。
俺に支給されたのは地図や筆記用具、食料等とても殺し合いの役には立たなさそうなものばかり。
大量に出てくる缶ジュースに本気で落ち込みかけてきたころにやっと掴んだやけに軽い銃はエアガンだった時には泣きそうになった。
ご丁寧に予備の弾も数袋分ついていたがBB弾では何発打っても人は殺せない。
正直この装備で宗介やガルウン(そういやこいつ死んだんじゃなかったのか?)等の猛者が居るこの島で生き残れるとはとても思えないし、テッサやかなめちゃんを殺して生き残るのも寝覚めが悪い。
誰も知り合いが居なくて、狙撃銃の一つでも支給されてれば殺し合いに乗るのもやぶさかでは無かったんだが、流石にこの状況で殺し合いに乗る気にはなれない。
当面の方針としては、か弱い女の子を護衛するかわりに支給品を譲ってもらうか適当な男を殺して武器を奪い取るってところか。
今は殺し合いに乗る気は無いが知り合いが全員死んでしまった場合等には最後の一人を目指すという選択肢もあるだろうし、人数を減らしておくのも悪くない。
何て事を考えれながら身を潜めていると都合良く神を金色に染めたチンピラ風の男がこちらに向かって歩いてくる。
それなりに鍛えている様子は見て取れるものの、何か武器を持っている様子も無ければしこちらに気づいているような様子も無い。
これは行けるか?
そう思いつつ、あの男に向かって缶ジュースを投げる準備をする。
こいつを後頭部にぶち当ててその隙に近づいて首をへし折る。
それでジ・エンドだ。
恨むならこんな所に連れてきやがったあの狐面の男と俺の目の前に現れた自分の不運を恨んでくれ。
そう思いながら投擲のタイミングを見計らう。




ゼロッ

□□□
427 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:51:45 ID:J/M2Clil
クルツの前を通りかかった金髪のチンピラ風の男こと土御門元春がクルツの奇襲に反応できたのは全くの偶然だった。
ある時はイギリス清教の<<必要悪の教会>>の一員として、またある時は学園都市の裏組織<<スクール>>の一員として様々な立場で危険な任務をこなしてきた経験がその偶然を呼び込んだのか。
飛んでくる缶に対しギリギリのタイミングで首をひねり後頭部に直撃するはずだったそれを額で受け止めダメージを受け流すことに成功していた。
無論、額で受けてもそれなりのダメージはあるが後頭部で受けるよりはダメージは小さい。
また予想外の結果にクルツ・ウェーバーが一瞬固まってしまった事も土御門に利を与えていた。
向かってくる相手に対し、役にも立たない超能力を得た代償においそれと使えなくなった陰陽術の代わりと必死に鍛えた体術が自然と反応し、相手の後頭部を狙う。
<<ブレインシェイカー>>
奇しくも狙いは先ほどの相手と同じ後頭部。
だが相手もウルズ6のコードネームを与えられた歴戦の傭兵。
致命傷を避けるべく必死にガードし腕一本を代償に後頭部を守りつつ後ろに下がり、両者の間に距離が出来る。
相手もそれなりに出来るようだが今の一瞬で格付けは済んだ。
純粋な格闘能力なら自分の方が上。
そう判断した土御門元春は再度攻撃に移ろうとする。
次はブレインシェイカーをフェイクに胸部を狙う。
おそらくはそれで終了。
そう思い攻撃に移ろうとした刹那、相手の構えた銃が土御門の動きを止める。
なぜ銃があるなら最初から使わない?
そう訝しんだ瞬間、相手はさらに予想外の行動に出た。

「まいった。降参だ降参!」

そういいつつも手にした銃を両者の手の届かないところに放り投げたのだ。
さらにその上に自分にも支給された黒い鞄も投げつけて両手を上げる。

「軽い冗談だって。そんなムキになるなよ。な?」

先ほど殺し合いを演じた相手に向けてて居るとは思えないほどフランクな態度でこちらに接してくる。
それに対して無言を続けているこちらに焦ったのか男は更に言葉を続ける。

「この島には俺の知り合いも何人か連れてこられてるみたいだしさ。誰がこんな糞ったれた殺し合いなんかに乗るかよ」

男の言葉の内容を咀嚼し、自分と照らし合わせてみる。
恐らくその言葉の真意は───

「運悪く知り合いが全滅すれば生き残りを目指すという選択肢を選ぶこともあり得るし、そうでなくとも武器は必要。とりあえず人数を減らしつつ武器を集めるって所か?」

そう言葉を返した時の男の表情が“あなたの言葉は全て正解です”と雄弁に語っていた。

□□□
428 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:52:43 ID:J/M2Clil
適当に襲いかかった相手に返り討ちにあいかけるとは思わなかった。
やっぱり俺は狙撃専門、肉弾戦なんて野蛮なことは宗介にでも任せておけばよかったんだ。
相手が予想以上に、というよりこれ以上無いくらいに話の分かるやつで助かったが、最悪あっさり殺されていた可能性もある。
俺が放りなけた銃に何の反応もせずにこちらを殺しにこられたら正直逃げ切れた自身は無い。
ともかく、一か八かの交渉はうまく行き俺は土御門と同盟を組むことになった。
俺の思惑があっさり見抜かれた理由はどうやらあいつも同じようなことを考えていたかららしい。
結果として俺達の交渉はすんなりまとまった。
方針としては、俺と土御門の知り合いとの合流を優先。
その過程で可愛い女の子に会えば保護。
使える男に会えば仲間に引き入れる。
その他の人間に会えば殺し合いの人数を減らしつつ装備を充実させる、と言った所だ。
お互いの仲間の情報も交換した。
土御門の話ではインデックスというやつは何らかの情報を持っている可能性があり、ステイルという男はそのインデックスを守るために殺し合いに乗っている可能性もあるらしい。
その話を聞いてかなめちゃんやテッサを守るために宗介が無茶をしている可能性に思い当たり少し頭が痛くなった。
それと土御門の話を聞いてまた一つ狐面の男の謎が増えた。
あいつの居た場所にはASなんて兵器も無く、その代わりに魔術師や超能力者が存在しているらしい。
土御門は魔術師兼超能力者らしいので試しに魔術を使ってみろと言えば『超能力者になってしまったせいで魔術を使うと下手したら死ぬから出来るだけ使いたくないぜよ』とほざき、
なら超能力の方を使ってみろと言ってみれば『俺の能力はレベル0の肉体回復だから目に見えるような効果はほとんどないにゃー』などと言ってきたので正直眉唾物ではないかとも思うが、少なくともASを知らないと言った土御門の様子に不自然な点は無かった。
まあ正直土御門は真顔で嘘がつけそうな男ではあるんだが、こんな意味の無い嘘はつかないだろう。

ともかく、支給品に関する運は最悪だったものの全体としてはそれほど運が悪いって分けでもなかったらしい。
なぜか語尾ににゃーなどと付ける点と完全に信用出来るわけでは無い点に目を瞑ればこの殺し合いの場において最高の相棒だろう。
こいつと殺しあわないで済むためにもお前ら無事で居ろよ。
心の中でそう思いつつ、俺達は歩き出した。


【D-5 1日目深夜】
【クルツ・ウェーバー@フルメタル・パニック!】
【状態】左腕に若干のダメージ
【装備】エアガン(12/12)
【道具】デイパック、支給品一式、缶ジュース×20(学園都市製)@とある魔術の禁書目録、BB弾3袋。
【思考】1.宗介、かなめ、テッサ、当麻、インデックス、ステイルとの合流を目指す。
    2.可愛いい女の子か使える人間と会えば仲間に引き入れる
    3.その他の人間と会えば殺して装備を奪う
    4.知り合いが全滅すれば優勝を目指すという選択肢もあり。

〔備考〕土御門と情報交換を行い“とある魔術の禁書目録”の世界についてある程度情報を得ました。
429 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:53:06 ID:J/M2Clil
実の所俺はクルツが最後に見せた銃がほぼ間違いなくフェイクであることも見破っていた。
あいつの殺気は本物だったし、銃器が支給されていたのなら最初に使わない理由は全く無い。
それでも敢えてあいつの交渉に乗った理由は一つ。
少しでも俺の生存確率を上げるためだ。
生き残るのはただ一人というルールがある以上、複数で行動している人間はそれだけで殺し合いに乗っていると判断されにくい。
それならば恐らくたいした武器を持っていないクルツと戦うよりは仲間にしておいたほうが得策、というわけだ。
とはいえ俺とクルツの二人ではどうしても玄人臭さがにじみ出てしまい怪しまれてしまう可能性も高い。
(ま、そこらへんは早いとこ可愛い女の子が仲間になってくれることを祈るしかないにゃー)
仲間が増えれば増えるほどこちらの信用力は増えるし、いざという時に盾にして逃げることも出来る。
土御門の中で一番の優先事項は己の生存、その為に他人を使い捨てることに躊躇は無かったし、恐らく相方のクルツも同じ考えだろう。
この殺し合いで一番重要な事は生き残ることだ。
正直な所この状況で主催者に歯向かった所で勝ち目は全く無い、というよりもそもそも反抗する手段の見当がつかない。
確かに禁書目録の知識があればこの状況についての何らかの仮説は立てられるかも知れない。
主催者がどんな異能の力を用いた所でそれが異能の力である限りかみやんの右手があれば打ち消すことは可能だろう。
だが、その二人をこの殺し合いの場に連れてきたのもまたあの狐面の男とその背後にいる黒幕なのだ。
もしその二人にこの殺し合いを打破しうる要素があるとして、そんな二人をわざわざ連れて来るだろうか?
答えはNOだ。
少なくともかみやんや禁書目録単体では主催者に対抗しうる可能性は皆無だろう。
当面のところは主催を打ち破る、などといった発想はただの幻想と捉えておく方が賢明だろう。
かといって最後の一人になれば無事に帰れるというのも眉唾物だ。
結局のところ現状で取れる選択肢はとりあえず生き残る、というなんとも消極的なものしか残らない。
元より盤面の駒がどのように動いたところで盤面の外に居る主催者に影響を及ぼすことは不可能に近い。
可能性があるとすれば、主催者と同じく盤面の外から居るものによる救援。
上条当麻が巻き込まれている以上アレイスターも何らかの動きを見せるだろうし、禁書目録がここに居る以上イギリス清教が傍観しているわけも無い。
仮に学園都市とイギリス清教が同盟を組んでこの殺し合いを仕組んだのだとしても、こんどはローマ正教が黙っていないだろう。
仮にそれら全てが協力して居るとしても、一枚岩の集団にはなり得ない。
それぞれの思惑が絡み合い不和が発生することはほぼ間違いないだろう。
主催者に対して唯一勝ち目が発生するとしたらそういった盤面の外の出来事が盤面の中に影響を及ぼした瞬間。
だからこそ今は何よりも保身。
どんな手段を使ってでも生き残り盤面に変化が起きるのを待つしかない。
それでも盤面に何ら変化が起こらなかった場合、その時は。
(嘘つき村の住人、背中刺す刃こと土御門さんの本領を発揮するしかないかもにゃー)
それまでに築き上げた集団を利用して人数を減らしながら最後のひとりになって後は出たとこ勝負、といった最悪の選択しかないだろう。

「どんな手段を使っても生き残らなきゃなんないってのが帰りを待つ義妹をもつ義兄ちゃんのつらいところだにゃー」
「あ?」

突然の独り言に対してクルツが不思議そうな顔をしたが無視しておく。
そう、最悪かみやんやステイルを殺してでも生き残らなければならないってのが辛い所だ。

【D-5 1日目深夜】
【土御門元春 @とある魔術の禁書目録】
【状態】額が少し痛い
【装備】
【道具】デイパック、不明支給品1〜3
【思考】1.生き残りを優先する。
    2.宗介、かなめ、テッサ、当麻、インデックス、ステイルとの合流を目指す。
    3.可愛いい女の子か使える人間と会えば仲間に引き入れる
    4.その他の人間と会えば殺して装備を奪う
    5.最悪最後の一人になるのを目指すことも考慮しておく。
【備考】クルツと情報交換を行い“フルメタル・パニック!”の世界についてある程度情報を得ました。
430 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:53:37 ID:J/M2Clil
投下完了です。
タイトルは“二人の選択”せお願いします。
431 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 20:58:33 ID:J/M2Clil
頭の悪いタイプミスorz
タイトルは“二人の選択”せお願いします。→タイトルは“二人の選択”でお願いします
432創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 20:58:44 ID:R3WIDLGc
投下乙
絶対どっちか死ぬ組み合わせと思ったが二組目の危険なコンビ誕生か
433創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 21:03:14 ID:3w2J2iI+
投下乙

なんかこのロワ危険人物多くねw
434創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 21:03:28 ID:zN7CMlVu
投下乙ですが、二つほど指摘します。
・土御門は「スクール」ではなく「グループ」
・直接の面識はないが、スパイという立場上レベル5の御坂について知らないはずはない
ぶっちゃけ二つ目は推測ですけど。
435 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 21:09:27 ID:J/M2Clil
>>434
>土御門は「スクール」ではなく「グループ」
すいません完全に覚え間違いしていました。お手数ですがwiki登録時に修正お願いします。

>・直接の面識はないが、スパイという立場上レベル5の御坂について知らないはずはない
四巻で当麻が絶対能力進化計画に巻き込まれているのを知ってて何もしなかった的な発言もあり、情報としては知っていたと思いますが面識は無いので合流しようとまでは考えなかったということで。
436創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 21:09:55 ID:uy7Bl1BA
土御門は、レディオノイズの事件は「知ってる」と明記されてるね。
だからビリビリのことを知らないはずはないと思う。
437創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 21:19:08 ID:zN7CMlVu
>>435
いや、「合流しようと考えなかった」ことは問題ないと思いますが、
最悪生き残りをかけて戦うことになる強敵である御坂についての思考がないのは不自然ではないかと。
少なくとも土御門が知る限りでは、単純な戦闘能力としては最強の参加者のはずですから。
438 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 21:25:48 ID:J/M2Clil
>>437
確かに御坂についての思考は必要かもしれませんね。
幸い予約期限も残っていますし、期限内には修正します。
439創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 21:54:06 ID:hZj2hZb1
投下乙ですよー
修正頑張って下さい!!
440 ◆oUz4tXTlQc :2009/02/21(土) 23:02:30 ID:J/M2Clil
修正スレに土御門の御坂に関しての思考を追加した部分を投下しました。
ご確認ください。
441創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 23:50:27 ID:hZj2hZb1
問題ないと思いますよー
442創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 00:04:39 ID:uNIndYSf
スマートな修正乙です。あれで問題ないと思います。
443 ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:18:39 ID:9y//e10J
長門有希、紫木一姫 投下します。
444栞――(死因)  ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:19:13 ID:9y//e10J
 【0】


名前が無いこと。存在が嘘であること。
生きていることを証明できるのはどちらなのだろう。それとも、それは不可能なことなのだろうか。


 【1】


情報の小路。または思索の遊歩道。もしくは発見の迷路。はたまた英知の集積回路などと例えるべきか。
そんな場所に一人の少女の姿があった。

水色の襟が大きめのセーラー服の上に紺のカーディガン。
体躯は小柄で、襟と同色のスカートの裾からのぞく足は積もったばかりの雪の様に白い。
色素の薄い髪の毛はボブカット……より少し長め。オシャレで、というよりかは無頓着ゆえにといった感じ。
目も鼻も唇も小さく、しかし整っていて人形の様に、もしくは人間ではないかの様にも見える。
胸には小さな手で抱いた分厚いハードカバーの本。顔には決して伊達ではない大きめの眼鏡。

簡単に言い表せば、地味系の文学少女。そういう雰囲気と印象を持った少女。
その少女の名前は長門有希と言った。

長門有希は恐る恐るといった感じに、一歩一歩と薄闇の中を静かに静かに歩いている。
彼女の左右には乱雑に本が積み込まれた天井まで届く高い本棚が立ち、空気の中には埃と僅かな黴の匂い。
明かりは頼りない非常灯のみで、通路の隅に本を積み上げられた台車などを見ればここは書庫かと思われた。

彼女にとって本とは何よりも馴染みが深い。
学内唯一の文芸部部員で、放課後は部室で本を読み、時には図書館に足を運び本を読んだり借りたり。
ともかくとして本に囲まれるのは慣れっこだ。平時であればここは彼女にとってなんら恐れを抱く場所ではなかった。

だがしかし、眼鏡の中の瞳は潤み、唇は僅かに振るえ、足取りはフラフラと頼りない。
”只の文学少女”でしかなく、人よりいっそう気弱で臆病な彼女にとって、現状は極めて不安を煽る最悪の環境だった。
決して頭は悪くない。だから狐面の男が言ったことの意味を彼女は正しく把握している。
ゆえに、”何の取り得もない”自分がここでどのような結末を迎えるのか、そんなことも容易に想像できた。

何時、暗がりの中から何者かが出てきて自分に暴力を振るい、そして殺して、しまうのか。
それが怖くて、怖くて、怖くて、怖くて、怖くて怖すぎて、そして怖くて、どうしようも怖くて仕方がない。
硬い床に足音を立てる度に心臓が跳ね上がり、角を一つ曲がるたびに不安で心臓が押し潰されそうになる。

しかし彼女は塞ぎ込むことはせず、ゆっくりで危なっかしくであったが一歩一歩と薄闇の中を進んでゆく。
少しの後、キィと音を立てて彼女は書庫より脱し、長くはない廊下をまたおっかなびっくりと進み、また扉を潜った。

そこは広々とした図書館のフロア。
相変わらず明かりは非常灯だけであったが、大きな窓から月明かりが差し込んでいて比べれば随分と明るい。
柔らかい絨毯の上を何歩か踏み、広さと明るさに幾分か安堵を覚えると彼女はほっと小さく、本当に小さく溜息をついた。

そして先ほどまでよりかは軽い足取りでもう少し明るい場所に出ようとした時――


 プリーズ・フリーズ   ホールドアップ
「動 か な い で、 手 を 挙 げ る」


――本棚の影より現れた彼女より更に小さな少女に、銃を、銃口を突きつけられた。
445栞――(死因)  ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:19:49 ID:9y//e10J
 【2】


突然現れた少女の手には年式の古そうな一丁の拳銃が握られ、それは長門有希へと向けられている。
小さな、小学生かもしくは中学生かぐらいにしか見えない子供がそれを構える姿は酷くアンバランスだったが、
あどけなさの残る顔が浮かべているのは真剣のそれで、長門有希は彼女の言葉が、態度が嘘だとは思わなかった。

「……ひぁ、……ひ、ひ――」
「勝手に喋っても撃ちますから」

言葉が耳に届き脳がそれを理解する。
けれども身体に言うことを聞かせるには時間が足らず、喉が震え、悲鳴が漏れ――と、長門有希は咄嗟に口に手を当てて塞ぐ。
悲鳴を上げずには済んだ。なので撃たれずに済んだ。……けど、両手をそれに使ったから抱いていた本が、落ちていた。

トンと軽い音を立てて絨毯の上で跳ね、ぱららと空中で頁を捲り、もう一度跳ねて銃を持った少女の足元へ。

「あ、……あ!」

何を思ったのか、長門有希は転がる本を追った。
撃たれることよりも、何よりもそれが大事と言った風に、まるで本に引っ張られているかの様に前のめりに走る。

「……え? ちょ、ちょっと……!」

逆に、銃を構えていた少女は本を避けた。
まるでそれが爆弾か何かだと思ったのか、ゴキブリが走りこんできた時みたいな風に慌てて飛び退る。

「うきゃあっ!」

両者ともに、慌てすぎていて、運動神経はよくもなく、ゆえに細い足は縺れ、たたらを踏んで、無様に――転倒。
長門有希は頭から本棚に突っ込み、もう一方の少女は雑誌が詰まったラックを巻き添えに盛大にこける。
図書館ではお静かに。そんな注意書きを一切無視して、静寂だった空間に派手な音が響いた。

一拍子遅れて、最後にカラカラとそんな音。
長門有希の目の前に転がってきた、少女の持っていた銃は、銃は銃でもただの水鉄砲だった。


 【3】


「……どうも、ごめんなさいでした」
「う、うん……」

シリアスから”一転”。
緊張の糸はぶっつりと音を立てて切れ、二人の少女は暗がりから明かりを点けたカウンターの中へと場所を移していた。

「姫ちゃんは、紫木一姫というです。呼ぶ時は、姫ちゃんって呼んでほしいですよ」

名前を聞いて、長門有希は名簿の上を視線でなぞる。
しかし二度三度と繰り返してもそこに紫木一姫という名前は発見できなかった。

「そうなのですよね。どうしてかはわかりませんが、姫ちゃんの名前はそこには載っていません……」

でもでも嘘なんかついてませんからね! と、紫木一姫はパタパタと手を振る。
その姿がずいぶんと愛らしく、長門有希も特に疑ったりはしない。
ただ、名簿に載っていない参加者の意味は自分達で考えろという、狐面の男の言葉を思い出していた。

「ゆきりんさんは、鞄の中にどんな武器が入ってたですか?」

いつの間にかにあだ名がついている。
それに少し戸惑い、またなんだか嬉しく思いながら長門有希はずっと抱いていた一冊の本をカウンターの上に置いた。
446栞――(死因)  ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:20:25 ID:9y//e10J
「……”これ”ですか?」
「うん」

ちょっと角が傷んでいるその本は一見すればただのSF小説でしかなく、よーく見てもその通りでしかなかった。
ハードカバーなので、それで叩けば最低限鈍器の役割を果たしてくれそうではあるが武器としてははずれの部類だろう。
しかも、彼女に与えられていたのはその一冊限りだった。鞄を検めなおしても他に武器っぽいものは無い。

「姫ちゃんからひとつ質問です。
 どうしてその本。そんなに大事そうにしてますか? 本でよければここにいくらでもあるのに」

言って、紫木一姫はぐるりと周りを見渡す。
そこにはまさに、本・本・本だ。図書館なのだから当たり前だが、簡単には数え切れないほどの本がずらりと揃っている。
同じ本でも武器にするならもっと有用そうな重そうなのも棚の中には並んでいた。

「あれなんか頭にぶつければガツーンと痛いと思うんですけれどもねー。
 姫ちゃんの場合。本を読んだだけでも頭がガツンガツンと痛むんで、触りたくもありませんが」

よほど本を読むのが苦手なのか紫木一姫は首をふるふると振る。
長門有希にとって本を読むことはもはや生活の一部であって苦痛などはそこに存在しなかったが、
しかしそんなことをここで話しても仕方が無いので、彼女は与えられた本を大事にしていた理由を素直に明らかにした。

「”私”の本だから……」
「……? ……えーと、それは元々ゆきりんさんが持っていた本だった、ということですか?」

長門有希は小さく頷いてそれを肯定する。
正確に言えば、それは彼女の所属する文芸部の本棚にあった本なのだが、彼女は口下手ゆえにそこまでは語らない。

「どーして、わかります? 同じ本でも別の人のかもかもですよ?」
「私の”栞”が挟まっていた、から」

言って、長門有希は一枚の栞を本の中から抜き出す。
ファンシーな花柄の、いかにも少女趣味といった感じのかわいらしい栞だ。

「……まぁいいですけど。ところで姫ちゃんは、さっきの水鉄砲とこれが入ってました」

自分の本が鞄に入っていたという偶然(?)には特に疑問がないのか、紫木一姫はその話題を打ち切り
今度は自分の鞄の中に入っていた武器を長門有希へと見せた。
それ――彼女の小さな手に握られるナイフを見て、長門有希は息を飲む。

「こっちは本物です。
 しかも、このグリップの部分に秘密があってですね……ここを押すと、刃の脇から銃弾が飛び出すんですよ。
 鉄砲とナイフの”シェルブリット”ですね」

それを言うなら”ハイブリット”じゃないかなと、長門有希は心の中だけで思う。
無口系文学少女(眼鏡付)の彼女にツッコミ属性は備わっていない。故にそれが心の中だけで止まるのは仕方ない。
しかし、思い浮かんだ疑問に関しては彼女は素直にそれを尋ねてみた。

「どうして、そっちを使わなかったの?」
「え? ……ああ、それは脅かすだけだったらナイフより銃じゃないですか。
 姫ちゃん元々殺す気はありませんでしたし、そもそも刃物も銃も上手じゃないですから一緒なのですよ」

なるほどと長門有希は頷く。確かに見せかけだけならば拳銃の方が効果的だろう。
紫木一姫の小さな体躯のことを考えればナイフを持っていたとしても、さして脅威には思えないかもしれない。
少なくとも、逃げるという選択肢は浮かんでくるはずだ。
447栞――(死因)  ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:21:00 ID:9y//e10J
「あの、先ほどのこと怒ってますか?
 姫ちゃん見ての通りおちこぼれですし、もうああやって”生き物狂い”にでもならないとって……」

”死に物狂い”と心の中で訂正しつつ長門有希はゆるゆると首を振る。
ついさっきまでは彼女も恐怖で心を一杯にしていたのだ。
もし武器があったならば、目の前でしゅんとうなだれる子の様に自分が生き残る為にそれを振りかざしていた可能性もある。

「ありがとうございます! ゆきりんさんの心は”梅”のように広いですね!」

沈んだ表情から一転、紫木一姫はぱぁっと明るく笑う。
その無垢で花の様な笑顔につられて長門有希も表情を崩し、互いに優しく微笑みあい場がふわりと和んだ。
ついでに、”梅”は”海”の間違いだった。音も字も似ているけれども、意味は全然違う。

「それでですね。姫ちゃんは情報収集しようとしていたんですよ」
「……情報?」
「はい。突発的な緊急事態に陥ったらまずは状況を把握するために情報収集しろってのは耳に”梢”でしたので」

随分と器用な間違え方(○蛸 ×梢)に、もしかしてわざとなのだろうかと長門有希は思う。
それはさておき、情報収集をするというのはその通りだと彼女も同意した。
それを脅し取ろうというのは常時なら許されるものではないが、この状況なら仕方が無いとも思える。

「姫ちゃんは”師匠”のために行動したいのですけれども、ゆきりんさんはどうなんです?」
「……”師匠”?」
「あ。違います。師匠は師匠でも師匠違いです。名簿に師匠って載ってる方じゃなくて、こっち」

と言って、紫木一姫は長門有希が広げていた名簿の”いーちゃん”と記された部分を指差した。

「姫ちゃんの師匠なので師匠なのです。こっちの師匠は知らない人なので師匠違いの師匠ですね。
 ちなみに姫ちゃんは今何回”師匠”って言ったでしょうか?」
「11回」
「………………ごめんなさい。姫ちゃん自分で数えていませんでした。
 と、ともかくですね。ゆきりんさんはそういう大切な人っていたりしませんか?」

そう問われ、今度は長門有希が名簿の一点を指す。
そこに記されていたのは”朝倉涼子”という名前で、長門有希は彼女のことを少しだけ紫木一姫に話した。

「ふーん。同じマンションに住んでるお友達ですか。姫ちゃんと師匠も同じアパートに住んでるですよ。
 じゃあゆきりんさんは、その”朝から旅行”さんの為に何をするんです?」

え? と、長門有希の口から声が漏れた。
それは親友の名前を間違われたことに対するリアクションではなく、質問そのものが予想外のものだったからだ。
何かをする。なんてことは全然考えていなかった。むしろ何もせずに死んでしまうだろうと思っていたぐらいだ。

「姫ちゃんは師匠のためになんでもする覚悟ですよ?
 人間を殺さない方がいい。それはわかっていますけど、非常事態ですから仕方ありません。
 師匠の命に比べたら、たかだか59人程度の命は姫ちゃんにとってはどうでもいいものなのですよ。
 姫ちゃん自身も一度は死んだも同然の身なのです。だとすれば恩返しのために命を差し出すことすら惜しくは無いです」

目の前の自分よりも幼く見える少女が捲くし立てる様に長門有希は気圧され硬直する。
これがただの子供っぽいオーバーな表現であれば苦笑する程度だが、しかし彼女の眼に浮かぶ闇がそれを否定していた。
できるかできないかは不明だが、この子は本気だと長門有希は確信する。

「最後の最後は椅子の取り合いですけれども、目的が近ければ途中までは協力できると思うのですよ。
 こうして打ち解けたのも”緑”なのですし……姫ちゃんとご一緒しませんか?」

”縁”と”緑”の字は確かに似ている。だが、今はそんなことはどうでもいい。
長門有希は考える。自分に何ができるのか。朝倉涼子の為に何ができるのか。文芸部に戻るために何ができるのか。
そして、まだ名前も知らない”彼”にもう一度会うには何をすればいいのか。
448栞――(死因)  ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:21:35 ID:9y//e10J
「………………………………………………ここから、逃げる、方法を探せば」
「0点です。
 おちこぼれの姫ちゃんでもわかるですよ。それって全然答えになってないです。
 ただの保留。いえ、保留以下の停滞です。停滞以下の思考放棄です。生きることの放棄です。
 できもしないことを、自分でもできもしないって思ったまま言うのは詐欺以下です。非道い裏切り行為です」

失望しました。と言って紫木一姫は”ソレ”を手に取った。
鉄砲が仕込んであるピストルナイフ――ではなく、カウンターの上のテープ台にはまっていた”セロテープ”を。
長門有希にはそれがどういった使われ方をするのは想像できなかった。
しかし――

「とりあえず、死んでおいてください。生きていて師匠の足手まといなんかになられたら困りますから」

――殺されてしまうということだけは、はっきりとどうしようもないぐらいに確信していた。


そして、それは一瞬。
ビュルゥビュルゥと、空気を引っ掻くような音が鳴り響いたと思った次の瞬間にガクンと吊り上げられるような衝撃。
そして気付けば宙を待っていた――いや、自分の首が飛んだのだと、床の上でバラバラになる自分の身体を見て理解し、
最期に、カウンターの上に置かれたままのあの本を見て、何かを思い、そして、意識は、途絶えた――……


 【4】


「……とりあえずは一人。ですか」

”セロテープで長門有希を輪切りにした”紫木一姫は先ほどまでとは真逆の暗鬱な表情でぽつりと零した。
血塗れのテープを捨て、そして床に零れた血を踏まないように気をつけながらそこをそっと離れてゆく。

明かりから離れ、再び闇の中を行く紫木一姫。
17歳という年齢からは信じられないほどの小さな体躯。幼いままの顔。ツーテールには大きな黄色いリボン。
彼女が纏うは、名門女子進学校にして上流階級専門学校――澄百合学園指定の漆黒のセーラー服。

その実態は、四神一鏡専属傭兵養成学校――通称、首吊高校(クビツリハイスクール)
そしてかつてはそこに所属し、高等部2年でありながらすでに断トツの戦闘力を有し、”ジグザグ”と呼ばれたのが彼女である。
彼女の有する戦闘技術。端的に言えばそれは”糸使い”。その技術の名前を”曲絃糸(きょくげんし)”という。

「名簿に名前がないってことは、師匠は姫ちゃんがいることにまだ気付いてませんよね。
 じゃあ、見つかって怒られる前にいっぱいいっぱい殺しておくですよ」

世界最強に届くその技術を彼女は恋する男性のために、少女の心で少女の様に、繊細に精密に秘密裏に振るう。

「とりあえずは”糸”を探さないとですね。”糸”がないと姫ちゃんただの子供ですし」



ジグザク遣いの曲絃師。もう終わっている彼女の、闇雲なジグザグの物語が今から始まる――……





【D-2/図書館/一日目・深夜】
449栞――(死因)  ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:22:14 ID:9y//e10J
【紫木一姫@戯言シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:澄百合学園の制服@戯言シリーズ
[道具]:デイパック、支給品一式、シュヴァルツの水鉄砲@キノの旅、ナイフピストル@キノの旅(4/4発)
[思考・状況]
 1:いーちゃんを生き残りにするため、他の参加者を殺してゆく。
 2:糸。または糸状のものを探す。
[備考]
 登場時期はヒトクイマジカル開始直前より。 


【澄百合学園の制服@戯言シリーズ】
澄百合学園指定の漆黒のセーラー服。
上はダブルボタン。下はプリーツスカート。大きめのタイは黄色。足元は黒のハイソックスに同色のローファー。

【シュヴァルツの水鉄砲@キノの旅】
シュバルツという男性が鉄砲ごっこの時に使っていた水鉄砲。                               ぬ?

【ナイフピストル@キノの旅】
キノが所持しているナイフの一つ。刃渡り15センチほどで全長26センチ。
円筒形のグリップの中に鉄砲が仕込まれており、鍔の所にあるトリガーを引くことで4発まで発射できる。
レーザーポインタ付。モデルとなっているのは”87式ナイフピストル”。





 【5】


貸し出しカウンターの上に置かれたままとなった一冊のSF小説。
その脇からのぞく一枚の栞。その片面には明朝体で以下のような言葉が記されていた。


  『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』


これが、この物語の中で意味を持つ伏線《フラグ》なのか、それとも無意味な冗句《ユーモア》なのか、それは不明である。





【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡】



長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱の登場時期は涼宮ハルヒの消失よりでした。

図書館の貸し出しカウンターのそばに長門有希のバラバラ死体と彼女の荷物が残されています。
デイパック、支給品一式、ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱、長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱


【ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱】
キョンが始めて文芸部部室に入った時、長門有希が読んでいた本。
またその後、彼女が彼に貸した本でもある。

【長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱】
ハイペリオン(小説)に挟んである長門有希の栞。
ファンシーな花柄模様で片面には彼女からキョンに向けてのメッセージが記されている。
450 ◆EchanS1zhg :2009/02/22(日) 01:22:42 ID:9y//e10J
以上。投下終了しました。
451創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 01:28:48 ID:s2MRRwlv
投下乙。

……消失長門、だと……!? それは……勝てない、勝てるわけが……。
姫ちゃん怖いなぁ。シャレになってないよほんと。うわぁ。
452創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 01:41:59 ID:IQ6gpJog
乙です!
まさか長門が一人目になるとは…
人識にアレ取られちゃったし、武器がどうなるのかと思ってたけど流石姫ちゃんだぜ
453創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 02:02:16 ID:uXCueThO
戯言勢である人識と姫ちゃんは、奇しくも行動が旧作と似通っているなw
長門は・・・これは勝てんわ。南無。
乙でーす。
454創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 02:09:32 ID:hmfJbApG
投下乙です。
姫ちゃんいい味出してるなぁ……。俺もこのくらい書けるようになりたい。
455創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 02:19:06 ID:6JuzOag5
消失のほうか
その考え方はなかったので、素直に驚き
456 ◆UcWYhusQhw :2009/02/22(日) 03:36:33 ID:r7g1bB2k
お待たせしました。
キョン、マオとうかします。
457酔っ払いの話 ◆UcWYhusQhw :2009/02/22(日) 03:37:36 ID:r7g1bB2k
妙な声による生き残れというなんやらよくわからん事を言われたのもつかの間俺は落ちた。何か色々と。
気が付いたら目の前には見事な金のしゃちほこ、おお立派だ。
いや、何でだ。
兎も角、そんな事はどうでもいい。いやどうでもよくないが。
さて……まぁほぼハルヒの仕業だろう。
また、何かに影響されてそうなったに違いない。
その何かが思いつかないが難点だが。

しかしそれもまた取り敢えずはおいておこう。
先程見た名簿にはきっちりと俺の名前が書かれていた『キョン』と。
いや、キョンかよ。
そーなるのか、やっぱり。
はあ……まあいいか。
他にはSOS団の仲間、涼宮ハルヒ、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹と雁首揃えて全員集合だ。
消えたはずの朝倉の名前が何故かあったが……警戒だけしておこう。
他にも一人だけやたら長い名前やら輝かしいしゃちほこの似合う名前などがあった。
だが、それもいまはいい。
他にもなにやら、色々な道具があったがいまはそんなこったーどうでもいい。

今、疑問に思い解決すべき事はひとつ。
そこに居るのは真っ白い犬。
なんというか血統書がついてる金持ちがもってそうな犬。
まぁ変哲もない犬だ。
どうやら俺の支給された武器らしい。
いや、犬でどう戦うよ。
だが、その犬が行った行動に耳を疑ったね。

「どうしたんですか? キョンさん。黙りこくって」

何で犬が喋るんだ……?
いや普通は喋らん。
それが普遍だ。
なのに喋ってる。
よーわからん。

どうして俺にばっかこんな奇怪なものが

はぁ……




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




私の名前は陸、犬だ。
白くて長い、ふさふさの毛を持っている。いつも楽しくて笑っているような顔をしているが、別にいつも楽しくて笑っているわけではない。生まれつきだ。
シズ様が、私のご主人様だ。いつも緑のセーターを着た青年で、複雑な経緯で故郷を失い、バギーで旅をしている。
そして今、私はシズ様と離れている。
変わりに今傍にいるのは

「お前……犬なのか」
「犬です」
「そうか……いや、断定されても困るんだが、常識で考えると犬は喋らんぞ」
「そうなんですか?」
「……いや、何でもない、俺が悪かった……」
458酔っ払いの話 ◆UcWYhusQhw :2009/02/22(日) 03:38:20 ID:r7g1bB2k
頭を抱える少年、キョン。
本来の名前ではないようですが、『そう呼んでくれ……』と嘆かわしく言ったのでそう呼ぶことにする。
私はこの茶髪の一見平凡な少年に武器として支給されたらしい。
武器とかいわれても困るのですが。
兎も角、彼の支給品扱いが私らしい。
彼に現状を聞くと生き残れと言われたらしい。
それに付随するルールも簡単に聞かせてもらった。
何やら良く解らなかったがとりあえずは生き残りのレースなのだろう。
この少年はまったく乗る気は無いらしく仲間との合流を果たしたいらしい。
少年にせかすようにシズ様の名前があるか聞くとあると答えた。
つまりはシズ様も巻き込まれているようだ。

取り敢えずはシズ様との合流。そう私は結論付けた。
シズ様がこの場所からの脱出を狙っているのならそれに従い、優勝を狙っているのならそれ従うのみ。
参加者でない私はさっきから頭を抱えている少年に従おう。
最も武器として動きはさらさらないですが。

しかし当座の所はまず『アレ』に対応しければなりません。
先程から放置していましたがしつこいです。
害意はないようですが。

キョンさんも対応を放棄していたようですが取りあえず対応しなければなりません。


『アレ』に。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





喋る犬、陸と会話して取り敢えずは納得する。
いや、納得できんしというかアレを犬と認めるのは犬の皆さんに失礼だと思うが。
しかし、世の中には妥協しなければならないといけない事が大いにあって多分これがひとつだ。
と言う事で大方ハルヒの仕業だろう、と言うかそれしか考えられないしそうする。
多分そのうち慣れるだろう。そして気が付けばああ、犬は喋る動物なんだって理解できるね。
……いや、それは勘弁したい。
帰ったら犬に挨拶など余りしたくは無い。真剣に。
兎も角はハルヒ、朝比奈さん、長門、古泉と合流すべきか。
長門、古泉辺りがもう動いてるだろうしな。
任せよう、俺が考えても無駄だ。
しかしまぁ見事なしゃちほこだ。全く先のことなど考えたくも無いね。
ああ、考えたく……

「いや〜キョン君! あたーし無視して何犬と喋ってんの〜?」

……はぁ。
馬鹿陽気な声で喋るおばさん、いや、お姉さん。もとい素晴らしいぐらいの酔っ払い。
素晴らしいしゃちほこを確認し真っ先に出会った酔っ払い。
取りあえず相手にするのも面倒なので、というか絡まれたくないので武器を確認したら喋る犬。
そして、更にかまって来るので尽くスルーして陸と色々話す。
だが、天命は俺にそろそろこの理不尽な酔っ払いの相手をしろというらしい。
いや、相手をしたくない。と言うか何故この人はそんなに酔っている。
というよりいい加減酔いを醒ませ。
459酔っ払いの話 ◆UcWYhusQhw :2009/02/22(日) 03:39:06 ID:r7g1bB2k

「あ、キョン君、今、人の事おばさんと思ったでしょ?」
「いや、そんな事ありません、マオさん」

エスパーかこの人。いや、既にエスパーの前例はいた。憎たらしい笑みを浮かべている。
が、まぁちがうだろう。おばさん恐るべきという事だ。
しかしこのメリッサ・マオさんは酔っ払っている割にはしっかりしている。
タンクトップに下は迷彩のズボン。本人曰く軍人と似たようなもののだと。
いや、軍人が酔っ払っていいのかよ、この非常事態に。
こんな軍人が国を守れるのだろうか? 少なくとも俺は守って欲しくないね。

「だいじょ〜〜〜ぶ。あたしが守ってやるからさ。坊や心配しなくてもいいんだよ」
「酔っ払って言われても困るんですが」
「心配するなって! そこの犬君も!」

マオさんはバシンバシンと俺の背をはたく。
いや、もろ酔っ払いがしている行動して何を言ってんだか。
顔も赤いしキョロキョロと。
しばらくこりゃ酔いは醒めないね……
はぁ……喋る犬と酔っ払い軍人か。
どうして俺の周りはこんなんばっかり……
いや、愚痴をいっても始まらんが。
いや、だがかな。
それでもそれが何故俺の所ばかり……




……………………………………はぁ。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






キョン君の盛大な溜め息の元、私はマオさんをみていた。
最初はただの酔っ払いかと思ったがなるほど軍人は伊達ではないらしい。
あれだけ騒ぎながらしっかり当たりを警戒している。
ただしそれでも酔っ払って居るようだが。
マオさんはキョン君を守るようだ。
それが軍人と言うものだろうか。
マオさんは、同僚である、『宗介』『テッサ』『クルツ』そして『かなめ』と言う人物を探しているらしい。
最もそれを冗談交じりでキョン君に聞いていたが。
ああ、キョン君が盛大に絡まれている。
あれはキョン君を不安にさせない為にマオさんがわざとやっているのだろう。
観察していてそう私は結論づけた。
軍人ゆえもしくは彼女の性格ゆえだろうか。
俗に言う姉御肌なのだろう。
しかしキョン君は本当に嫌そうだが。
私はそれをただ見守るだけだ。
460酔っ払いの話 ◆UcWYhusQhw :2009/02/22(日) 03:39:58 ID:r7g1bB2k

それにしても気になる事がある。
何故かマオさんの名前が配られた名簿に無いのだ。
マオさんは何故自分が書かれてないのか不思議に思っているらしい。
何か特別な意味があるのだろうか……と絡みながらそれとなくキョン君に聞いている。
果たしてどういう意味なのだろうか。
私にも分からない。

とりあえずはマオさんが平常になるのを待とう。
私は彼女たちを笑顔で見守った。

勿論、私は笑顔にしているつもりはないが。


【C-3/天守閣前/一日目・深夜】
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康、やや 憂鬱
[装備]: 陸@キノの旅
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品1〜2個所持)
[思考・状況]
1:マオの対処。
2:SOS団との合流。
[備考]
※陸の思考
1:キョンたちについていく。
2:シズとの合流




【メリッサ・マオ@フルメタルパニック!】
[状態]:健康、やや酒によっている
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品1〜3個所持)
[思考・状況]
1:キョンを守る
2:仲間達と合流
3:自身の名前が無い事に疑問



【陸@キノの旅】
シズの愛犬。真っ白で何時も笑っているようにみえる。
人語を喋り、人語を理解できる。



461 ◆UcWYhusQhw :2009/02/22(日) 03:40:39 ID:r7g1bB2k
投下終了しました。
462創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 12:01:29 ID:uXCueThO
マオ姉さん何やってるんすかw
けど物珍しそうに天守閣についてあれこれ言わないのは空気をよんでいる・・・か?

ど真ん中なんで立て篭もるにはいい位置なんだが、エリア崩壊から逃れようと
いろんなキャラが寄ってきそうな位置でもある。
変なフラグ立てなきゃいいが。

夜間の投下乙ー。
463創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 12:51:11 ID:pBCq/Imk
投下乙ですー
マオ姉さんwww
キョンは相変わらず苦労人だなw
まあ優秀な軍人だからいざと言うときは頼りになるだろうが
464 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:52:46 ID:pBCq/Imk
そして緒事情で遅れてしまって申し訳ありません
こちらも古泉、いーちゃん投下します
465学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:53:34 ID:pBCq/Imk
「――誰かを救うために、誰かを殺すことの是非について、貴方はどう思われますか?」

あまりに、唐突に。
とある校舎の屋上にて、給水塔にもたれ掛かるよう座して名簿を眺めていた僕の前に現れた青年は、
名乗りもせずにそんな物騒な問いを投げ掛けてきたのだった。

「…………………………とりあえず、一概に言えることでは無いのは間違い無いね」

少しの時間黙した後、そんな風に返してみる。
別に嘘でも何でもなく、一応はこれが僕の本音である。
最適解なんて、存在しない。置かれている状況で、答えはいくらでも変化するのだから。

「その通りですね。テンプレートな回答、ありがとうございます」

質問してきた青年――制服を着ているところをみると、断定はできないけど恐らくは高校生なのだろう――も、
特に僕の答えに気分を害した様子も無く、整ったマスクに笑みを浮かべている。

「では、今僕たちが――おっと、別に大した話ではありませんので、そのままの姿勢で聞いてもらって構いませんよ」

質問だけでは話は終わらなそうだったので、
ひとまず広げていた名簿をディパックに戻そうとしたのだけれど、そう言われてはしかたがない。
かと言って再び開くのも憚られるので、とりあえず折衷して膝の上にでも置いてみる。

「…………」

しかし、『大した話ではない』。
そんなことを述べておきながら大した話を持ってきた人間は今まで何人いただろうか。
そんな僕の心を知ってか知らずか、再び高校生は言葉を紡ぎ始める。

「ではもう一度最初から。今僕たちが陥っている状況において、救うための殺人についての是非はどうなるでしょうか?」
「つまりそれは――誰かを生き残らせるために、他の誰かを殺す、と。そういうことかな?」

疑問文に疑問文で返してみた。
哀川さん辺りにすれば礼儀に反すると怒られそうな行為だけれど、別に高校生の笑顔が崩れることは無い。
もしかしたらだが、高校生にもなって読んでいないのかもしれない。だとしたら、実に嘆かわしいことである。

うん、戯言戯言。

まあ、わざわざ確認するまでも無く、この状況においての救うための殺人なんてそれしかないのは重々承知之助なのだけれど。

「ええ、そう思って頂いて問題ありませんよ」

予想した通りに、頷く高校生。
しかしというか、なんというか。
さっきから思っていたけれど、実に嘘っぽい笑顔である。
まるで、作り物みたいな。
まるで、誰かさんみたいな。

「僕の立場から言わせてもらえば、非としか言えないかな。
 君が誰かを生き残らせたいと思うのは自由だけど、その過程で僕が死んでしまうのはごめんなんでね」
「そうですか……」

僕の言葉に、ややオーバーリアクション気味にがっくりと肩を落とす。
その態度が、実に嘘っぽい。
ますますもって、誰かさんみたいだ。

466学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:54:42 ID:pBCq/Imk
「それに、その方法じゃどうせ君も死ぬんじゃないか。
 生き残れるのは一人だけ。あの趣味の悪い仮面を被った実は何も考えていない人類最悪男も言っていたことだろう?
 他の参加者を皆殺して、最後の二人になったら自分は自殺して、そこまでしてその『誰か』を生き残らせても、
 生き残った『誰か』は今度は近しい人間を失った状態で、今度は現実と言う新たな生き残りゲームに挑むことになる。
 それでも『誰か』が生きていてくれれば満足かい? 安っぽいヒロイズムは大概にしといた方が身のためじゃないかな?」
「……まるであの狐面の男と知り合いのような口振りですが、まあいいでしょう。
 ――それより、誰が一人だけを救うなんて言いましたか?」
「え?」

我ながら、間抜けな返事だったと思う。
けれど、それも致し方ない事だろう。
『生き残れるのは一名のみ』。そのルールを目の前の高校生の発言は完全に無視していたのだから。

「どういう……ことかな?」
「おや、興味を持っていただけましたか? 詳細を説明する前に、今更ですが名乗っておきましょう。
 僕の名前は古泉一樹。SOS団副団長にして――」

古泉一樹。
さて、そんな名前は名簿にはあっただろうか? まだ軽く見てみただけなのでイマイチ自信が無い。
『SOS団』なるワードにはそれなりに興味を惹かれないことも無いのだけれど、
まあ、今の所は彼の話に耳を傾けるのが先決か、と思い直したところで。

「――超能力者です。以後、御見知りおきを」

赤い光球を、掲げた左手の上に浮かべながら、一樹君は言ったのだった。

時間が停止した――気がした。





467学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:55:42 ID:pBCq/Imk
◆ ◆ ◆ ◆ ◆





あまりにショッキングな突然の告白。
だがしかし、呆気に取られる暇も与えられずに一樹君の話が始まってしまったために、
やむなく僕は彼の話に意識を集中させる。

「まずは、名簿を見てください。涼宮ハルヒという名前が表記されているでしょう。
 彼女が僕の学友にして、SOS団団長。これから説明する計画の、鍵となる存在です」

膝の上に乗せてあった名簿を開き、右上から順に名前を確認していく。
程無くして、その名前は見つけることができた。

「涼宮ハルヒ、彼女は一見普通の少女に――多少夢見がちなだけの、普通の少女に見えますが、
 その実態は、恐るべき力を秘めた【神】と呼んでも差し支え無い存在です。
 いまだ自分の力に気付いていない……ね」

神。紙でも髪でも無く、神。
いきなり出てきた単語に思わず一樹君の顔を見るが、本人はいたって真剣な表情で、とても冗談を言っているようには見えない。
なんとなく嫌な予感がしてきたが、今から逃げる算段を立てておくべきだろうか?
しかし、この場所から校舎内へ入るための直線上に一樹君が陣取っているため、それは難しい。

「彼女が持っている力とは、世界を改変する力。彼女が望む通りに、世界を作り替える力。
 世界を壊すのも、新たに作るのも、彼女の気分次第なのです。
 そして、力の暴走によって発生する世界の崩壊を止めるために日々奮闘している機関の超能力者、それが僕なんですよ」
「機関――玖渚機関?」
「はい?」
「いや、なんでもないよ。続けて」

聞き覚えのある単語が出てきたのでつい反応してしまったけれど、どうやら無関係らしい。
まあ、当たり前か。そうそう都合良く事が運ぶはずもない。

「何はともあれ、僕は涼宮さんに接触しました。――正確には逆で、接触してきたのは涼宮さんの方なのですがね。
 そして、SOS団――まあ、部活のようなものと認識してください。に所属して、影ながら色々やっていたんですが」
「やっていたんだ」
「ある日突然、世界は崩壊寸前まで追い込まれました。無論、涼宮さんの力によってです」
「…………一体、何が?」

世界の崩壊。
狐さんの目的、世界の終わりにもよく似たフレーズ。
そんな事を一樹君と同年代であろう少女が望むとは、何があったのだろうか。
世界の崩壊を望んでしまうほどの事件が、涼宮ハルヒの身に降りかかったのだろうか?

「説明すればそれなりの長さになってしまうのですが、一言で言えば若さゆえの過ち、と言ったところでしょうか」
「若さゆえの過ちで世界を滅ぼされてたまるか」
「まあ、何はともあれ崩壊はギリギリのところで止められて、ひとまずはこれにて一件落着。
 めでたしめでたしとはいかずとも、再び平穏な日々が戻ってくるはずでした」

でした、か。
つまりは、そうそううまくはいかなかったわけだ。

468学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:56:15 ID:pBCq/Imk
「ええ。その後も色々とありまして。そして、今回僕を待っていたのが、この生き残りゲームへの強制参加だったわけです。
 まったく、少しは休ませてほしいものです」
「…………今の状況も、一樹君の言うところの『涼宮ハルヒの力』が引き起こしている?」

無論、別に一樹君の説明を一から十まで信じているわけでは無いけれど。
涼宮ハルヒが彼の説明したような力を実際に持っているのであれば。

「いえ、それはありえません」

しかし、一樹君の口から出たのは否定の言葉だった。
すぐさま、そう言い切れるだけの根拠を問う。

「涼宮さんの力が原因なら――僕ら、団員が巻き込まれているのはおかしいのです。
 一人しか生き残れないゲームに、大切な存在――これは僕の自惚れかも知れませんが――を、参加させるとは思えないですからね。
 さらに言えば、自由奔放で天馬行空な彼女ではありますが、こんな狂ったゲームを好むような人間ではありませんし」

人間の感情なんて、そう当てになるものじゃない。
経験上そうは思ったけれど、言葉せずに心の内に留めておく。
代わりに、本日何度目かの質問。まだ、肝心要の部分を話してもらっていない。

「――『救うための殺人』の具体的な方法ですね?」

無言の視線で、肯定する。

「ではお話しましょう。先に述べた通り、涼宮ハルヒには、無自覚ながら自らの願望を実現する力があります。
 ですから、涼宮さんが『このゲームから解放されたい。傷ついた人、死んだ人も元通りになってほしい』とさえ望めば、
 そこでゲームセット。僕らは無事に脱出し、死んだ人間も生き返る。完全無欠のハッピーエンドですよ」
「そんな、うまい話があるのかな」

まだ話は続くようだが、無礼を承知で口を挟む。

「一樹君の理論が正しければ――僕らはもう、こんな所にいないんじゃないか?
 彼女が脱出を望みさえすれば、それでいいんだろう?」
「ええ。涼宮さんが本気でそれを望めば、すぐにでも。先日のような新世界を作り出すのか、
 ワームホールでも作り出して脱出するのかは知りませんがね。
 しかしながら涼宮さんの性格を考えるに、このような場所へ連れて来られれば、勝るのは恐怖心では無く――好奇心」
「……好奇心」

反芻、する。

「彼女は、誰よりも不思議を求めているのです――同時に、誰よりも不思議な存在でもありますが。
 それでいて、すぐそばの不思議、僕の正体のような肝心なことには気が付かずに、不思議を探して町中を練り歩いたりする。
 ですから、彼女は恐怖こそ少なからず感じているでしょうが――その恐怖からの解放は、望んでいない。
 彼女は今、長年探し求めて来た、未知への扉の内へ踏み込んでいるのですからね。
 では、ここまで言えば貴方にも予想がつくでしょう? 僕が、何をしようとしているのか」

相変わらずの、嘘臭い笑顔のままで一樹君は僕に問う。
答えが僕の考えている通りであれば、とてもそんな表情で言えることでは無いだろうに。

僕は――答える。

「涼宮ハルヒを絶望させる」

そして、この空間からの解放を、望ませる。
絶望させて――望ませる。

469学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:56:46 ID:pBCq/Imk
「その通りですよ。涼宮ハルヒを心の底から絶望させる。不思議への未練が湧かないほど、徹底的に。
 そのためになら、僕はいくらでも悲劇を演出しましょう。
 同じ釜の飯を食べた団員を殺すもよし、涼宮さんの目の前で誰かを殺してみるもよし。
 最悪、僕自身の命を投げ出すことになるとしても、彼女さえ生きていればどうにでもなりますしね」
「……どうして」
「はい?」

どうして。どうして。どうして。

「どうして僕に、そんな話を? 初対面の僕に、何故……」

僕に、そんな話をするメリットは、彼には一切無いはずなのに。
古泉一樹は、朗らかに笑いながら、その質問に対する解を、告げた。

「貴方もまた、誰かのために人を殺そうとする人間だからですよ」

「――――ッ」

反射的に、上着の裏ポケットに手を伸ばす。
見抜かれて、いた?

「上着の上からでも、結構形が出るものなんですよね、銃って。
 ああ、勘違いしないでください。別に、貴方をここで殺す気は無いんです。
 涼宮ハルヒさえ、殺さないと約束してくれれば、貴方が何をしようと構わない。
 貴方も惨劇を起こすための大事な一人ですからね」

完全に、してやられた。
隙を見て、背後から弾を撃ち込んで終わりにするはずだったのに。
今から銃を出して撃ったとしても、それより先にあの左手の上の赤い光球が、僕に牙を剥くだけだろう。
自分が超能力者であることを示すための、パフォーマンスだと思っていたけれど。
最初から、僕の銃を封じる牽制として出していたのか――

「他の参加者を皆殺しにして自殺? 安っぽいヒロイズム? 何を言っているんですか」
「…………」

「それは全部、貴方のことじゃないですか」

そうだ。
他の参加者を皆殺しにした後に自殺しようとしたのも。
安っぽいヒロイズムも、僕のことだ。

人を殺したことが無い、そんな僕を辛うじて繋ぎ留めていた安っぽい矜恃も棄てて。
僕は、殺人鬼になろうとした。
一人残らず、殺して並べて解して揃えて晒そうとした。

誰のために?
友のために。

だってしょうがないじゃないか。
今まで、僕が生きてきた十九年。
僕の周りで、何人死んだ?
僕のせいで、何人死んだ?
そこに五十八人加わるだけだろう?

あまりに――今更じゃないか。


470学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:57:14 ID:pBCq/Imk
「名簿の玖渚友と言う名前……さっきの発言からして、貴方の知り合いですよね?」

一樹君の発言に、背筋が凍る。
さっきの発言……? 玖渚機関か。馬鹿か僕は。友の名前がある以上、安易に機関の名前を出すべきじゃなかったんだ。

「その反応を見るに、彼、もしくは彼女が、貴方にとっての『誰か』みたいですね。
 もし、涼宮さんが殺されたなら――僕は玖渚さんを殺しましょう。涼宮さんを殺したのが、貴方であってもなくてもです」

待ってくれ。
友は、関係無いじゃないか。

「涼宮さんさえ無事なら、別に何も手出しはしませんよ。玖渚さんから手を出してくれば別ですがね……」

そんな。
やめてくれ。それだけは、それだけはやめてくれ。

「では、ここらで僕は失礼しましょう。精々、頑張って参加者を一人でも減らしてください」

そう言い残して、屋内に通じるドアへと歩いていく一樹君。
今ならば、もしかして――

「無駄ですよ」

ドアまであと数歩といったところで、一樹君は歩みを止めて振り返る。
それを見て、僕は銃にかけた左手を、静かに放す。

「最後に忠告しておきますが――その懐中電灯の光、結構目立ちますよ?
 僕が飛ばされたのはそこなんですが、その光が無ければ多分貴方には気付きませんでしたから」

そう言った彼の指先が示すのは、隣の校舎の屋上だった。
成程、人が来ないと思ってセレクトした屋上に、彼が来たのはそういうわけか。

「……御忠告、感謝するよ」

辛うじて、そう言葉を発した時。
すでに一樹君は、ドアを閉めていた。

「…………畜生」


【E-2 学校屋上 1日目深夜】

【いーちゃん@戯言シリーズ】
【状態】健康
【装備】森の人@キノの旅
【道具】デイパック、不明支給品0〜2
【思考】1.友を生き残らせるため、他の参加者は殺す(涼宮ハルヒは除く?)

471学校の会談 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:58:36 ID:pBCq/Imk

◆ ◆ ◆ ◆ ◆





「ふう……ようやく肩の力が抜けますね」

左手に浮かべていた光球をようやく窓の外に投げ捨てて、少年はふっと息を吐く。
直後に爆発が起こるが、それは少年が知るものとは違い、とてもとても小さなもの。

「能力が使えると思ったら制限……ですか。余計なことをしてくれたものですね」

これから、たくさん殺さなくてはならないと言うのに。と、付け加える。

そう、たくさん殺さなくてはならない。
朝比奈みくるも、長門有希も、『彼』も。
できれば他の誰かに殺してもらいたいが――他の誰かに殺されるぐらいなら、『仲間』は自分で殺したくもある。
そんな、矛盾した感情が、古泉の中で渦巻いていた。

「まあ、今の爆発に気付いた人もいるかもしれませんし。考え事は後にして、ひとまずここを出ますか」

とりあえずそう結論したところで、古泉一樹は思い出す。
先程会った、男のことを。

「しっかりと言いましたし、彼が涼宮さんを殺すことは無いでしょうが……」

もし、涼宮さんが殺されたらどうしましょうか。と、そう続けようとして、寸前で止める。

それは、あってはならないことだから。
涼宮ハルヒの死亡は、全ての終焉を意味する。

その事実を再認識して、古泉一樹は再び歩み始める。



全ては、生き残るために。

全ては、大切な仲間のために。

愛しき彼女に、絶望を。


【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】健康
【装備】
【道具】デイパック、不明支給品1〜3
【思考】1.涼宮ハルヒを絶望させ、彼女の力を作動させる。手段は問わない。
※能力は使えますが、威力が大分抑えられているようです


【森の人@キノの旅】
キノの愛銃。
左利き用で、レーザーサイトが付属しており、命中制度は高い。
472 ◆mk2mfhdVi2 :2009/02/22(日) 12:59:54 ID:pBCq/Imk
投下終了ー
指摘等ありましたらお願いします
473創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 14:43:13 ID:uXCueThO
投下乙でしたー。
いーちゃん、古泉共にマーダー化。けど前者は行動にブレが出そうだ。
姫ちゃんにしろ、人類最強の名が名簿にあればいーちゃんも
修羅の道を走らずに済みそうなんだけど。
他ロワでは意外と活躍してる古泉。今回はどこまで活躍するやら。
474創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 14:45:31 ID:Mwgyl9ap
投下乙!
古泉は何となくこういうスタンスとりそうだと思ってたけど、
いーちゃんもか・・・・

にしてもマーダー多いねwwww
475創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 17:54:02 ID:H/SxhnDU
レベル低い書き手はいらない
476創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 18:09:31 ID:87ymLy+/
どうやらレベルの高い>>475氏が予約するようですよ。
477創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 18:30:11 ID:ZIIFSmud
また自称スーパー荒らし(笑)か?
478創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 20:32:39 ID:6JuzOag5
えーっと、今出てるキャラのうち何人がマーダーだw
479創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 20:49:24 ID:uNIndYSf
>>476>>477
むしろその反応は足元掬われるような。具体的に誰ともいっていないし。
現実として
・台本形式でしか書けない
・キャラの思考や口調、原作の世界観を把握できていない
・基本的に日本語の文章ができていない
・一行に二、三個誤字脱字がある
なんていうのを平気で書く人はいるわけで、こういった条件を一つでも満たす人を
「レベル低い書き手」と定義するならば、>>475の主張を支持することを私は厭わない。
480創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 21:08:04 ID:+mY77vcK
あと俺の気に入らない展開を書く奴も許さない
481創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 21:24:43 ID:pBCq/Imk
せっかくなので現在位置を表にしてみました。何かの参考になれば幸い


A-1 大河、人識(危険人物)
A-3 キノ(危険人物)、天膳
B-3 明久&テッサ
C-2 如月左衛門(マーダー)
C-3 キョン&マオ
C-4 インデックス&ヴィルヘルミナ、シズ
C-5 フリアグネ(マーダー)
D-2 一姫(マーダー)、長門(死体)
D-5 クルツ(マーダー)&土御門(マーダー)
E-1 シャナ&実乃梨&秀吉、トレイズ&亜美
E-2 美波、竜児(マーダー)、いーちゃん(マーダー)、古泉(マーダー)
E-3 上条&北村
E-4 白純(マーダー)
F-4 小四郎
F-5 朝倉(マーダー)&師匠(マーダー)


ついでにマーダー、危険人物などの表記もしてみましたが、分類は完全な主観なのであしからず
ミスがあれば指摘お願いしますー
482創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 21:46:58 ID:ShjU8Hmf
こうしてみると上条さん囲まれてない?
483創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 22:12:51 ID:6JuzOag5
しかもマーダーの殆どが肉体資本だから、幻想殺しが役に立たないんだぜ……?
484創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 22:14:07 ID:aNGMWrXH
指摘してみる。
本文を見る限りだと人識のスタンスはやや過剰反応気味のマーダーキラーじゃね?
実際タイガーの手を切り飛ばしたのもタイガーの持ってた武器が(実際は違うが)罪口の
拷問機具だと思ったからだし。その後一応止血もしているし
485創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 22:21:19 ID:uNIndYSf
>>483
というか幻想殺しが有効な能力を持ったキャラ自体割りと少ない。
486創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 22:22:38 ID:uNIndYSf
すまん、なぜか知らんがsageになってなかった。
487創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:01:00 ID:Mwgyl9ap
>>485
「幻想殺し」が効きそうなのって、
・禁書勢
・らっきょ勢
・忍法帖勢
・シャナ勢
・バカテス勢

って意外と多いな。
488創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:03:06 ID:pBCq/Imk
>>484
手首吹っ飛ばしたことだしとりあえず危険人物と表記してみたのですが、
たしかにその通りですし次回以降は消しておきます
489創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:05:09 ID:6JuzOag5
>>487
らっきょは有用そうなキャラが出てない
490創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:14:13 ID:Mwgyl9ap
>>489
あ、確かにそうだ。
今のところ鮮花ぐらいか>らっきょ

残りの1枠で赤ザコが参戦すれば違うかも知れんが
491創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:18:17 ID:t/FAbhII
大河以外のとらドラ勢固まりすぎワロタw
492創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:20:34 ID:ShjU8Hmf
しかしシャナや忍法帖キャラに幻想殺し効くとして
こいつらに勝てるかどうかは割と別だよな
493創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:22:20 ID:pBCq/Imk
言われて気付いた、大河以外は同一ライン上かw
まあこのロワは比較的会場が狭めだからこんなこともあるさ
494創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 00:48:49 ID:LRdUlxjC
上条さんの強さの本質は幻想殺しよりもむしろ打たれ強さw
まあロワで発揮できるかはかなり微妙だが。
495創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 00:56:55 ID:QTH7dbX8
機転が利くとか喧嘩慣れしてるとかいう設定もあるよね
まあ一般人より多少強く本職よりは十分に弱い程度だろうけど
496創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 00:57:51 ID:oH4hmqqg
とりあえず天ちゃんを撲殺できるよ
497創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 01:02:50 ID:Al4lue2A
天ちゃんって絶対に式か上条さんのどっちかにやられるような気がするwww
498創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 01:21:33 ID:q8Id98+1
まあ、強力な再生能力もちは能力無効とか即死とかでやられるもんだしね
そういえば、原作でもそうだったっけ?
499創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 01:27:58 ID:Al4lue2A
>>498
うん。斬られた首を繋いでる最中に朧の「破幻の瞳」に見られてそのままアボン

あと
>強力な再生能力もちは能力無効とか即死とかでやられるもんだしね
それもあるけど、
それ以上に天ちゃんは「うっかり」+「自分の不死性に慢心」のダブルコンボ
500創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 02:30:32 ID:k969BHUI
>>495
でも一方通行を圧倒できるぐらいの喧嘩の強さはあるし、一般不良よりは強くないか?
大体
町のチンピラ、不良、ヤクザ>曙>上条さん>プロ格等家
ぐらいの強さじゃない?
ロワ内では正直微妙な位置
501創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 02:35:46 ID:Ht4zrJGG
>>500
不等号おかしい。
502創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 05:25:06 ID:kUeGx/gU
一方通行はベクトル無しで喧嘩強いの?
小学生並の運動神経しかない、もやしじゃないの?
503創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 05:53:19 ID:88Wag8eG
そういう状況がまずないが、超能力を完全に抜いて考えるなら脅威のもやしっ子だな
504バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 14:55:09 ID:WyD0vI9a
誰かいるかな?
これより投下します。
505バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 14:56:26 ID:WyD0vI9a
 常人ならば黒い影としか見えぬ速度で一人の男が星明りの下、草原をを駆け抜けていく。
 男の名前は甲賀弦之介。
 服部半蔵が配下の忍、甲賀卍谷衆の次期首領にして、このたび長年の宿敵怨敵であった伊賀鍔隠れ衆が首領お幻の孫たる朧との祝言を挙げる男である。

 あの奇怪なる場所にて、狐面の男の言質より自らが殺し合いなどという悪質なる催しに巻き込まれたことを弦之介は理解し、
今この無意味なる殺し合いを終結させるために弦之介は駆けて行く。

 本来、忍びにとっては己の命とて使い捨ての道具に過ぎぬ。すなわち、弦之介の命は弦之介の物に非ず。
 彼の命は服部半蔵の、その主君たる徳川家のために使い捨てるべきものだ。他の者がどうなろうとも一切係わり合いにならず、速やかに主君の下へと帰るのが忍びとしての本道。
 だが敢えて今、弦之介はその本道を無視しひた走る。

 無論、弦之介とて甲賀の里では十指に数えられる忍びである。一時の感情に流されてかような決断を下したわけではない。
 ――実際、目覚めた当初の弦之介はただ己一人が脱出できれば良い、そのような心積もりであった。
 その方針が切り替わるのは気が付いてから二、三十分。
 風呂敷とはまるで様式の異なる「でいぱっく」とやらに四苦八苦したあげく、何とかこじ開けたそれの中身を見た後のことである。
 彼に支給された武器は白金の腕輪なる代物だけであった。
 付記された紙に書かれていることが真ならば「阿上君(あうえくん)」なる輩に願いをささげ獣を使役するための道具らしい。
 最も彼がその輩を呼んではみても何事も起こらなかった為に彼はそれを専用の使い手が必要な道具のたぐいと判断した。

(……これは一先ず身につけておくか)

 この道具の使い手の気性が知れない以上それが最善の手段と判断する。
 信頼できる相手が使い手ならば後で渡せばいいことだ。

 次に彼は参加者の名が記された絵巻を取り出す。
 そこに記されていた中に甲賀の仲間の名はなかったが、代わりに伊賀者の名前が3つ。そのうち一つの名前を見た途端、弦之介の思考は己一人の脱出からこの殺し合いから朧の身を守りきることへと変化した。

(……朧どの!)
506バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 14:57:35 ID:WyD0vI9a
 彼と同じく、この悪趣味なる遊戯に巻き込まれた祝言を挙げる愛しき相手のことを弦之介は思う。我が身と彼の人の命は今はただの道具に非ず。
 甲賀卍谷衆、伊賀鍔隠れ衆。この二つの一族の争いを終結させし掛け橋となる命。
 断じてこのような場所で失われて良いものではない。
 仮にこの地でいずれかの命が失われるようなことにならば、2つの里の争いは未来永劫止まる事などありえなくなる。かような悪夢、想像するもおぞましい。

(……だが)
 そう、だがしかしと弦之介は考える。

 いかなる最悪の状況にあってもそれを好機に変えるもまた忍び。
 その点で言えば弦之介の忍びとしての資質は超一流。この状況さえ弦之介にとっては好機と変わりうる。

 甲賀卍谷、伊賀鍔隠れ。この二つの里にとってお互いは源平以来の怨敵だ。仮に両者の次期首領同士が祝言を挙げようと、先祖代々心の中に溜められ続けた相手への恨みはそう容易く消えるものではない。
 だが、仮に両者が、いや両者のみならず伊賀の重鎮までもが手と手を取り合い力を合わせてこのような悪趣味極まる催しを叩き潰したともなれば里の者達はどう思うであろうか?
 実際に合い争ってきた年寄り達ならばともかく、親や師よりの教えのみで相手を怨む若者達なれば、これを機としてきっと変わっていけるはず。弦之介はそう信じる。

 だからこそ今弦之介は争いを止めに走る。
 今気がかりなのは朧の安否それ一つ、己の身に関しての不安なぞ、どこにもあろう筈がない。
 無論、慢心などとは無縁、彼にあるのは己が術への確たる信頼。

 愛しき相手の姿を求めてただ一人、弦之介は夜闇の中を駆けて行く。

 (……む?)
 そうしてしばらく駆けた後、この地に送られてより初めて弦之介は人影を見つけた。
 見慣れぬ奇妙な形の衣服を身につけた人形のような少女。

「そこの者、少し待て!」
 弦之介の呼びかけにふらふらと歩いていた少女は足を止め、こちらのほうへと視線を向ける。 

 ――瞬間、奇妙な寒気が弦之介の背中を走り抜けた。

(……!?)
 慌てて当たりの気配を探っても殺気はおろか、目の前の少女以外の物の気配は感じ取れない。
507創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 14:58:01 ID:Al4lue2A
支援
508バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 14:58:51 ID:WyD0vI9a
 その少女にしても殺気も無しにただ弦之介を見ているのみだ。

(過敏になりすぎておるか?)
 胸中で彼はそっと苦笑する。

「……あの? 何か御用でしょうか?」
 呼びかけるのみで話を続けることもない、そんな彼を奇妙に思ったのか少女のほうから弦之介へと話し掛ける。
 まるで人形のような少女であった。
 その整った容姿も、恐ろしいほどの静かな気配、生気のなさもその印象を裏付ける。

「あ、いや済まぬ。少々気になることがあってな。それより御主これまでに朧という女子と出会ってはおらぬか?」
 そう問いかけ目の前の少女に向かって弦之介は朧の容姿を伝える。

 もちろんこの少女が朧に害を成しうることはないと判断してのことである。
 忍びや侍のごとき、鍛え上げ研ぎ澄まされた手足ではない。
 また仮に鍛えておらぬが少女の罠で、何らかの術を用いる可能性もあるが、その場合もいかなる忍術・妖術であろうと打ち破る「破幻の瞳」をもつ朧には無意味。

「……いえ、知らないです。私が最初に会ったのがあなたですから」
 少女の返答に弦之介はやや落胆する。

 とはいえまあ、それほど都合よく物事が上手くいくはずもない。
 そう気を取り直す弦之介に今度は少女が問い掛ける。

「……啓太さん、湊啓太さんをご存知ないでしょうか?」
「……湊啓太?」 
 この殺し合いに巻き込まれ、名簿にその名が記されしは50人。その中にそのような名前はない。
 先の少女の言葉を信じればこの地で最初に少女と会ったのはこの自分。故に名簿外のものを少女が知りうる道理はない。
 つまりはそう、彼女の言動はすぐわかるほどに破綻している。

(……気狂いか。哀れなものよ)
 目の前の少女に対し、弦之介はそう判断を下す。
 元々か、あるいは殺し合いという壷毒の中に巻きこまれたという重圧のせいかこの少女の内に正気はすでに残ってはいまい。

509創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 14:59:25 ID:59RriwB3
http://www.youtube.com/watch?v=5imHkP7IyGI
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5874263
職務質問は任意である。拒まれた以上、継続することはできない。 なぜなら、令状がない(憲法35条)からである。にもかかわらず、この連中は継続し、
国民の自由を侵害している。

まず第一に、拳銃を持っている最初の女は「どういう関係の方?(警察の上層部の方?)」というニュアンスで聞いている。あたかも、一般の国民が警察に
抗弁するのはおかしいとでも言う感じである。しかし、国民主権国家である以上、警察は国民の奉仕者(憲法15条)であり、この拳銃を持っている馬
鹿女の勘違いは憲法違反である。

次に、名前をしつこく聞き、強要行為を行っている。「私たちは名乗っているから、あなたも名乗りなさい」というが、警察官は権力を行使する以上、そ
の真正を証明・担保するためにも名乗る必要があるのに対し、一般人には何らその義務はない。にもかかわらず、強要行為(刑法193条 公
務員職権濫用)を行っている。

また、拳銃を持っている村上は「肖像権がある」などといって、投稿者の撮影行為という正当な権利の行使を侵害している。なぜなら、かかる不利益
処分・即時強制等が法に違反する恐れがあるとき、それを裁判で明らかにしなければならないが、これは映像の証拠があって初めてその裁判作用が
正確になせる。したがって、投稿者の撮影行為は裁判資料のための正当業務といえ、これを「肖像権」(そもそも、何の法にも判例にも明示されていな
い)なるものをもって、撮影者の行為を手でふさぎ、やめさせようとするのは、 職権濫用(刑法193条 公務員職権濫用)に該当する。撮影されるのが嫌
なら、警察官を辞めろ。

拳銃を持っている村上は感情的になり、「ゴルァ」と投稿者を脅迫(刑法195条 特別公務員陵虐)している。拳銃を持っている者に感情的にな
られたら、これほど恐ろしいことはない。

卑しくも司法警察職員なら、法治国家である以上、やりすぎというくらいに(少なくとも率先して)法律を遵守しなければならないだろう。にもかかわらず、この
連中は法律を無視するどころか、犯罪行為を働いている。

抗議先 兵庫県さわやか提案箱
http://web.pref.hyogo.jp/about_pref.html
510創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 14:59:40 ID:Al4lue2A
支援
511バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 14:59:48 ID:WyD0vI9a

 ――その判断は真に正しい物だった。

(捨て置くしかないな)
 目の前の少女に対しての決断を弦之介は下す。
 哀れではあるが、一刻も早く朧の身を探さねばならぬ彼にとって今この少女を連れて行くことはできない。
 
「……無事を祈る」
 後々仲間が増えた後、きっとおぬしを迎えに来よう。
 そういい残し弦之介はこの場を去る。
 ……いや、去る「はず」であった。

「――答えて、くれないんですね」
 やっぱり、と少女は去り行く弦之介に視線を向ける。

 ――殺気はない。
 ――気配もない。
 
 ――――ゆえに気づく道理もない。

 正しい意味での彼女の「狂気」に気が付かなかった弦之介は奇妙な事態に遭遇する。
 地を駆けようとした己の足が、勝手に動く。関節が骨ごと捻れる。捻れ狂う。
 ――そして終に捻じ切れる。

「!?」
 ちぎれた足とともに転倒する。
 勢いのまま大地へと倒れ、何とか姿勢を整えるも

「ぐわあああぁああぁああ!?」
 一拍遅れて襲い来た激痛に絶叫を迸らせる。痛みをこらえ周囲を見回し、弦之介は己の不覚を自覚する。

 ……人形のような容姿にだまされた。
 ……物静かな気配に油断した。
 ……気狂いと思って侮った。

 ――どうして最初に出会ったとき、いや今の今まで気が付かなかった。
 アレの中身は魑魅魍魎の類なり!
512バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 15:00:41 ID:WyD0vI9a
 弦之介はそう断じる。

 アレはこの場で討ち果たさなければならぬ悪鬼。
 そして不幸中の幸いに、自分と同じく彼の者も油断した。
 おそらくは自分を逃がさぬため、そしてこれから自分を弄るため、足を奪うに留めたのであろうがそれこそが最大の失策と心得よ!
 
 ……そして弦之介は己が忍術を発現させる。

 ――彼の忍術。それはいかなる術も攻撃をも其の相手へと跳ね返す必殺の瞳術である。彼の瞳を見た敵はそのまま敵意を跳ね返されて攻撃の対象、己の敵意を向ける相手を弦之介から自分へ変える。
 この術を破ろうとするならば彼の瞳を見ないこと、己の眼を潰すよりない。

 ――まさしく一瞬、刹那の間に弦之介は見た。
 この星明りの下にあってもなお、爛、と螺旋を灯す彼女の瞳を。

 ――そう、それはまさしく一瞬のことだった。

  ごきり、と

 ただそれだけ。

 其の一瞬で決着はついた。

(……みな、すまぬ……)
 ――最期に、星空の中に愛しい女子や家族たる里のものを幻視し、弦之介の体から力が抜ける。
 二つの里の融和を夢見た若者の理想はここに潰え去る。
 近い将来訪れていたはずの二つの里の殺し合いを彼が知らずに死にいくは、あるいはせめてもの慈悲であったかも知れぬ。
 
 とさ、と弦之介の体が地に伏せる。
 一体どのような力が加えられたというのか、その首は捻子繰れ、前のめりに倒れたというのに顔は空を見上げている。

 ……弦之介の瞳術は其の瞳に相手の瞳を映さなくてはならない。
 
513バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 15:01:17 ID:WyD0vI9a
――相手を見るだけで捻じ切れる少女のまえにしたそのとき、お互いが視線を交わさなければ発現しえないその力はただ、致命的に遅かったというだけのこと。

 ◇ ◇ ◇


 倒れ付す男の遺体を前に少女は呟く。

「――凶れ」
 彼女の友人は言っていた。繰り返す言葉は呪いとなると。

 そして呟きに答えるように男の腕が捻れ捻じ切れ、ぶちりと、本体からはなれどさりと、落ちる。
 その衝撃でびくりと、男の死体が動く。

 その光景をみつめる少女の口から「ああ」と、小さな呟きが漏れる。
 少女の名を浅上藤乃という。

 「ああ」
 もう一度、目の前の死体を見つめながら藤乃はもう一度呟く。
 なんて事をしているのだろう、自分は。そんな強い自己嫌悪さえ感じる。
 でも、きっとこうするより他になかったんだとも彼女は思う。
 だってここは殺し合いの場所なんだから。この人だってきっと自分を殺すつもりだったんだ。だからこれはお互いが殺しあったというただそれだけの話。
 ただ、この人と浅上藤乃とではその能力に違いがありすぎただけ。

「ごめんなさい、わたしこうしないといけないから」
 これはただの遠回りな復讐だ。 
 ずきりと痛む腹を藤乃は押さえる。
 きっと自分は自分をさした男達、その最後の一人である湊啓太を殺すまでは止まれない。
 藤乃はそう確信する。

「ごめんなさい」
 最期にもう一度だけ自分が殺した男に謝ると藤乃はふらふらと歩き出す。
 一歩を踏み出すたびにお腹が痛む。
 この痛みはきっと彼を殺すまで治らない。だから嫌だけど、仕方がないから殺そう。
 殺人という行為そのものとそれをなす自分に強い不快感を感じながら藤乃は歩く。
 

 ……星明りに照らされた夜の中、藤乃の口ははっきりと笑みの形に歪んでいた。
514バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 15:02:31 ID:WyD0vI9a
【D-1/一日目・深夜】
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:腹部に強い痛み
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:湊啓太への復讐を
2:そのために他の参加者から彼の行方を聞き出す。そのため街の方へ行く。
3:後のことは復讐を終えたそのときに
[備考]
※腹部の痛みは刺されたものによるのではなく病気のせいです。
※「歪曲」の力は痛みのある間しか使えず、不定期に無痛症の状態に戻ってしまいます。
※そもそも参加者名簿を見ていないために他の参加者が誰なのか知りません。
※「痛覚残留」の途中、喫茶店で鮮花と別れたあたりからの参戦です。
※「痛覚残留」ラストで使用した千里眼は使用できません。


【甲賀弦之介@甲賀忍法帖  死亡】

※D-1エリア中央にそこそこ離れた地点一つずつデイパックが放置してあります。
※うち、死体のそばのデイパックには基本支給品のみ。離れたほうにはランダム支給品1〜3個が入っています。
※死体のそばに白金の腕輪が落ちています。

【歪曲@空の境界】
藤乃が生まれもった異能。手をふれずして物を曲げることができる。しかも曲げる際に物体の硬度は関係なし。作中では鉄橋さえ捻じ曲げている。
最も対象をきちんと見ていなければ曲げることはできない。
例え物陰に敵がいるとわかっていてもその目で相手を見るまでは相手を曲げることは不可能。
【白金の腕輪@バカとテストと召還獣】
「起動(アウェイクン)」の宣言とともに使用者の周囲に召還獣を召還することができるフィールドを発生させることができる装置。
ただし召還教科を選ぶことはできないし、フィールドの起動にも点数を消費する。
また使用者の成績が良すぎても暴走するために最低でも姫路瑞希は使用不可。
515バロール ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 15:03:15 ID:WyD0vI9a
投下完了。支援乙
516創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 15:14:15 ID:Al4lue2A
投下乙!

弦の字、まさかの一話退場か。
まあ、相性が悪かった。
天膳は狂喜だろうがwwww

しかしふじのんって改めてチートだよな。
朧さまのリベンジに期待・・・できないなぁwwww
517創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 15:46:44 ID:1Aew7zyZ
投下乙!

でも気になった点を一つ。
ふじのんの曲げる力って、
「対象を認識」→「回転軸の作成」→「凶がれ」
でしょ、それに対して弦の字の瞳術って、
「発動」→「対象を視認、あるいは対象が視認」→「殺意を返す」
だし、
「回転軸の作成」の段階で弦之介が瞳術発動させたらやっぱり弦の字が速いんじゃない?

いや、内容自体は忍法帖ぽくって実によかったんだけど。
518創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 16:03:51 ID:tw5AeVay
投下乙!
ふじのんの力はチート過ぎて困る。
これからどこまで暴れまわるのか期待してます。

>>517
別作品の能力でどっちが早いどれが強いって言い合っても仕方ないし、明らかにおかしい場合を除いて書き手の裁量に任せるべきだと思う。
519創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 17:34:46 ID:88Wag8eG
投下乙

なんというナチュラルボーンステルスマーダーw
520創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 18:07:24 ID:Ht4zrJGG
乙です。
なんかチートじみた能力だなあw
贄殿遮那みたいな特性として「曲がらない」ものにも効くのかな。
521創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 18:45:28 ID:kUeGx/gU
これで千里眼が覚醒したら
もう人間じゃねぇw
522創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 21:45:15 ID:XJi91XJa
投下乙!
これぞ能力バトルって感じで面白いな。
気がついたら上条ちゃん超頑張らないと殺しきれないくらい異能だらけw
523 ◆EA1tgeYbP. :2009/02/23(月) 22:33:26 ID:WyD0vI9a
皆様感想ありがとうございます。
517氏が疑問に思われたふじのんと弦の字の速度差に関して弁解を

あのシーンに関しては弦の字が能力を発動させる前にふじのんが回転軸を作り終えて
おり、彼がふじのんの瞳を見たのは能力完全発動後。
彼の首が折れ、後ろを向く直前のことでした。

まさしく一瞬、刹那の間とはそういう意味で能力発動のタイミングで完全に負けていた。
というのが私の設定でした。
筆力不足ですみません。
524創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 22:38:02 ID:1Aew7zyZ
>>523
わざわざ返答ありがとう御座います。

まあ弦の字も油断したのが悪いな。
どんな厨忍者も死ぬときはゴミのように死ぬのが山風クオリィティ
525創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 22:51:54 ID:Si7MKp4O
本当にゴミのように殺したな
報復殺しが流行りそうな予感
526創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:02:16 ID:vWg+CjPN
投下乙!
ちょ…強いww
千里眼が覚醒したらと思うと怖いわw
527創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:16:31 ID:oH4hmqqg
まあ、スペックだけなら式やあらやんよりも上だしな

ふじのんの弱点を挙げておくならば
戦闘経験がないため動きが素人
概念も殺せる式と違って概念は曲げられない
物質の硬度に関係なく曲げられるが、ふじのん自身が曲げられないと思ったものは曲げられない

ちなみに藤乃は幹也にほの字なので幹也は曲げられない
528創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:27:42 ID:Twr8cKHl
相手を見ないと発動出来ない能力なら目潰し等で視界を遮れば非能力者でも勝てるんじゃね?
529創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:31:37 ID:88Wag8eG
まず能力の仕組みに気付く前にコキャじゃないか?
530創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:35:03 ID:1Aew7zyZ
「七夜盲の秘薬」の出番ですねわかります
531創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 00:01:58 ID:Man0m+pA
誰も触れてないけど白金の腕輪が出てるのな、この先話に触れるかどうか微妙だけど。
原作内の基準で言えば姫路さんは当然アウトだとして、他作品だとどうなるんだろ。
純粋に点数を比較すれば、百点満点のテストでは文月学園の平均点以下になるはずだけど、
そこまで単純ではないか。一番簡単なのは文月学園の生徒じゃないと発動できない、だけど。
尤も発動できたところで意味があるのは明久だけか。
532創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 00:03:49 ID:Man0m+pA
sage忘れた、申し訳ない。
533創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 02:27:31 ID:QHg7sOP4
>>531
白金の腕輪の前に召喚獣って他作品キャラも召喚できたっけ?
甲賀忍法帖とかキノの旅のキャラはそもそもテスト無いから不可能な気がする。
もしくは明久より弱い最弱の召喚獣なら召喚できる?
534創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 02:33:38 ID:P8pe/De8
逆に考えるんだ
これからテストを受ければいいと考えるんだ
535創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 02:36:27 ID:qF3ivw5K
コラボで多作品キャラが召喚してたな、そーいや。
536創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 02:53:20 ID:INDzFdzy
>>534
学校に行くか支給品「答案用紙」ですね、わかります
537創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 08:27:25 ID:yGmJAgqD
誰かキャラの名前が配置された地図作ってる?
538創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 13:28:17 ID:qMM+EaZm
白金の腕輪というかバカテスの召還獣に関してだけど、アレって基本見ることはできるけどお互いに
触ることはできないよね?
……明久以外の召還獣ってふじのんの天敵じゃね?
539創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 14:41:32 ID:DIu1Cu4q
>>527
あとは能力にムラがあるのと、本人が病気で自爆寸前ってのがあるな。
真正面から行くとかなり厳しいけど、時を待てば一般人でも殺せる相手ってことになる。
540創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 15:52:35 ID:h2XnUtKR
>>539
つまり一度PS2を止めて内蔵時計を一週間進めると再開時に死んでるってことだな
541創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 16:14:20 ID:Rr+P09jQ
>>540
それなんてジ・エンド?
542創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:22:33 ID:gWEJRXJl
地図に名前をおいてみました。赤は危険な人。灰色は死んだ人です。

ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/a4/e07fc94d26e644bcc9f4cd49601836af.png
543 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:47:00 ID:oBydk0Oq
ふむ、ギリギリに成ってしまいましたが投下いたします。
544 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:47:59 ID:oBydk0Oq
『どこにでもある、普通の出会い』


日本刀とは、美しい。

極彩と染め上げられた飾り紐や、緻密な刻みを入れた金属のなどの装飾はもちろんの事であるが、何よりも目を引くのはその刀身であろう。
鋳るのでは無く、打つという形式によって叩き出される、反りの入ったその刀身。
それが水平線を連想させる直刃であれ、陽炎のごとき揺らぎを見出させる乱刃であれ、その刃が日の、あるいは月の光を受けて煌いている様など、全ての人の目を引き寄せる輝きを生む。
そこには、無論人を害する為に生み出された道具としての本能的な恐怖も含まれる。
だが、それを含めて尚、人に美しい、という感慨を抱かせる、『美しさ』を持っている。

そして何よりも、その刀身を収める鞘の存在を忘れてはいけない。
緻密な飾りの施された鞘という物はもちろん存在してはいるが、それでも大多数の鞘は素朴な作りをしている。
何の飾り気の無い白木の鞘や、柄に合わせて塗られた黒塗りのそれなど、何れも単体では目を引くほどの物ではない。
だが、それが刀と合わさった時、その飾り気の無さが相反する美しさを生み出すのだ。
凶器である刀と、武器である刀、
剥き出しの刀身と、収められた刃、
全くの同質の物体によって生み出されるその異なる特性は、生物が本能的に求める生と死を同時に体現し、それに惹かれる事となる。
そうしてそれは、日本刀の美しさの本質とはつまるところ、『刃』の一点のみに集約されるという表れでもある。
元より、柄に飾りを施すようになったのも、鍔に掘り込みが成されるようになったのも、鞘に美しさを求めるようになったのも、日本刀が武器としてではなく、武士階級の権威の象徴になった後の話だ。
日本刀の本質とはなんら関わりの無いそれは、無論刀本来の機能には何の影響も及ぼさない。
言ってしまえば装飾とは単なる余分であり、刀の美しさとは最初から最後まで、武器としての機能そのものにあるのだ。
何一つ飾る必要の無い剥き出しの白刃の輝きが、その表れなのだろう。

さて、長くなったけど、そう踏まえて考えるなら、今僕の手の中にある日本刀は、なるほどとても美しい。
まるで飾り気の無い、黒塗りの鞘。
その色に合わせたのか、黒地に編み上げられた柄。
そして、そもそも存在すらしない鍔。
ただ、その中にあって、軽く引き抜いてみた直刃の刀身は、月明かりのを写し青白く輝いている。
まるでその無味乾燥さが、逆にその美しさを対比するかのように。
なるほど確かにこの刀は美しい。
ただ、残念かな。
僕という存在は刀その物よりも、それ以上に刀を持つ『彼女』の姿をこそ美しいと思っている。
わかりやすく言うならば、僕は刀自体にはそんなに興味は無い、無論その価値を否定したりはしないが。

……つまるところ、僕は、刀なんて持った事くらいしか無い。

「さて……」
リュックの中には、武器が入っているという。
なるほど、確かに刀とは武器だ。
545創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:48:08 ID:YVhj89kX
支援
546 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:49:04 ID:oBydk0Oq
だけど彼女……『式』と違い、ごく普通の一般人であるこの僕『黒桐幹也』には、正しく無用の長物でしかない。
何時だったか試しに聞いてみた事があるけれど、刀の扱いというのは難しいらしい。
詳しい内容はどうでもいいけれど、斬る、という動作ならば僕は鋏を使った方が良く切れるという話だ。
刃物を用いた事が無い人間なら、ナイフとか包丁の方が小回りが効いて便利とか。
良くドラマとか街の路地裏とかで見かける、腰だめに構えて命取ったり取られたりするアレだ。
そう考えるなら、日本刀という凶器も役に立つかもしれない。
実際の所刀も、現役で使用された当時は、斬るよりも突くほうが多かったという統計もあるとか。
但し、
「少し、長すぎるんじゃないかな…?」
持てるなら、の話だ。

いい加減腕も疲れてきたので、引き抜いていた刀身を収める。
切っ先まで抜けなかったので、澄んだ音を立てながらいとも容易く刀身は収まり、反射されていた月光は消える。
そう『引き抜けなかった』、引き抜かなったでは無く……要するに長すぎるのだ、この刀は。
何しろ鞘に包まれた部分だけで、僕の身長よりも長い。
最初は模造刀とも思ったけれど、手にかかる重みは紛れも無い金属のソレで、その重量を裏切らず引き抜いたその刀身は本物だ。
本物の日本刀は何度か目にしているけども、こんな馬鹿みたいに長いのは初めてお目にかかる。
式が愛用している九字兼定が、大体『太刀』と呼ばれる主流の日本刀の平均的な長さで、刀身の長さは二尺二〜三寸、70センチメートルくらいのはず。
その倍以上の長さを持つこの刀は、素人の僕は勿論、そもそも人間に扱えるのかすら疑わしい。
以前何かで調べた記憶だと、中国地方の花岡八幡宮に奉納されているという、国内最長の日本刀が刃渡り3・5メートルらしいので、一応それよりは短い。
ただその刀は当然、実際に武器として使用されるのではなくて、儀式などで使われる刀の神『令刀』に分類される。

ところが、この刀は、詳しい来歴などはわからないけれど、どうも実際に使用された、いや、多分現在でも使用されている。
人の手で振るわれる武器、としての美しさを余すことなく放っている。
武器、そう武器だ。
美しく鍛え上げられた刀身は、人か、はたまた別のモノかを血に染めるが故の輝きを放っている。
この刀を当たり前の様に振るえるモノが、あるいは存在しているのだろうか。
そう、例えば、

巌の如き硬度にまで鍛え抜かれた鉛色の肌を持ち、
鉄の瘤と見間違えるほど高質化した筋肉に覆われ、
敵対するものを容赦なく屠る凶暴さと、相反する高い技量を併せ持ち、
その腕は人など簡単に握り潰し、その雄叫びはあらゆる存在を震わせる、
腕周りだけで常人の胴体ほどもある、2メートルを越える鋼の巨人が、
「■■■■■■■■■■■■!!!!」
人の物ではない雄叫びを上げ…………

――目眩がした、欠けた夢を見ていたようだ。

547創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:49:20 ID:YVhj89kX
支援
548 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:49:55 ID:oBydk0Oq
「ふぅ……」
鞘に納まった刀を鞄に収める。 当面使い道など無いのだから。
明らかに納まるはずの無い刀が飲み込まれて行く手品のような光景を見て、便利な仕組みだなと思う。
普通に対応出来る程度には、現実離れした光景を目にしてきている。
こういう技術はもっと世の中に普及してくれれば……いや、それはそれで手荷物検査などの手間は掛かるし、運送会社の人たちも職を失ってしまう。
何より危険物を持ち歩くのが容易くなってしまう事を考えると、今のままでいいのかもしれない。
……閑話休題

当面の目的としては、
「……出て、きてくれないかな?」
極力、普通に話しかける。 円滑な会話を進める上で必要な事だ。
問いかけた対象は幽霊でも座敷童でも無く、真っ当に生きている筈の相手。
決して上手く、は無いけれど一生懸命に隠れているつもりらしいその身体を、大きく震わせる。
気付かれていないと思っていたのか、それともようやく気付かれたという驚きなのか。
「…………」
返事は、無い。
ただ僅かに発せられた驚きの声と、乱れた呼吸の音が彼女――僅かに見える影は少女のものだ――の驚きを示している。
自分でいう事でも無いけれど、僕は基本的に害があるような外見はしていない。
多分、最も目を引くのは、首に巻かれている銀色の首輪になるだろうか。
適当に切り揃えられた平凡な黒髪に、中肉中背な身体。
黒く揃えられたという以外に取り立てて特徴の無い、シャツに一枚羽織った服装に、最近では珍しいかもしれない黒縁眼鏡と、その奥の黒い瞳。
決して町で振り返られる事は無い程度に整った顔に、今は一応微笑みを浮かべている。
こんな状況下で強張らない程度には非日常に慣れている事に、今更溜息も出ない。
そんな、何処にでもいる青年が、何処にでもありそうな多目的ホールのロビーの椅子に座り込んでいる。
柱の影に隠れている少女からしても、普通ならば警戒する必要は無い筈。
或いは、最初にこのホールに入って来た時、彼女に声を掛けずに荷物を調べたのが最大の失敗かもしれない。
いきなり声を掛ければ逃げ出すかもしれないと思い、警戒を薄れさせようとしたのだけれど、刀という凶器がそこにあってしまった以上は警戒するのも止む無しか。
「え、と……」
「あの…………」
掛けようとした声が、重なる。
安心したのか、恐怖したのか、彼女はその姿を僕に晒す。
染めているという訳では無く、元から少し薄めなのだろう茶の髪と、同じ色の大きめの瞳。
枯緑色の襟とスカートのセーラー服に包まれたその肢体は、明らかに僕よりも年下のそれだ。
目を引く鮮やかさこそ無いけれど、控えめではあるけど整った、柔らかな容姿。
少女から大人への過渡期にある中で、平均以上のものを持つ、胸。
一番にはなり得ずとも、同年代の異性ならば一度は目に留めるだろう、可愛く、そして、普通の少女。
外見的な普通が真に普通である事とはイコールでは無いけれど、それでも彼女から放たれるのは、一般的な学生の持つ雰囲気だ。……ごく一部を除いて、ではあるけれど。
「こんばんは、僕は、黒桐幹也。 黒い、植物の桐に、その幹、也。
 君の名前、聞いてもいいかな?」
「吉田…一美です」
549 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:50:32 ID:oBydk0Oq
「そう、良い名前、だね」
初めて出会った少女に名前を聞いて、それを無難に褒める。
これは、よく考えなくてもナンパのような物でしかない。
「日本刀なんて物を持っているけれど、一応ごく普通の大学生かな、僕は。
 吉田さん?一美さん?は、どうかな?」
「あ、その吉田で……えと、私は……」
今この場所は、殺し合いの舞台らしい。
だから、出会った相手は全て、椅子取りゲームの対戦相手でしか無い。
でも、その中で出会った相手に、ナンパ紛いの自己紹介をしている。
けれど、それも仕方が無い。
僕は元々、人を殺せるようには出来ていないのだから。

「えーと、じゃあ吉田さんは、どうしたい?」
「え……?」
「僕は両義式と、黒桐鮮花の二人を捜したい、かな」
会話の筋道として、此方から話を振る。知り合いの、話を。
もう一人、浅上藤乃という名前の少女にも心当たりはある。
ただ、積極的に捜すべき相手では無い、出会ったのなら再会を確認するくらい。
「え、あの……その?」
「鮮花は聞いての通り僕の妹。 式は……恋人かな、一応」
「えと、私は……坂井君と、シャナちゃんと。
 あ、えと坂井君は……その……同級生で……シャナちゃんは友達で……」
恋人、という単語に顔を赤らめながらも、吉田さんはしっかりと意思の篭った声で答えてくる。
坂井君……という名前にわずかに秘められた感情は、おそらくは恋心なのかもしれない。
恋人、という言葉で思わず意識してしまう、そんなどこにでもある、甘い想い。
美しくて、悲しくもある思春期を過ごす、普通の少女。
そして、何処か普通では無い、でもその程度の違いしか抱えていない、少女。
「そう、それじゃあ、後で一緒に探そうか」




「黒桐さんは……」
どうして、同行したいのか、殺し合いと言われてどう思うのか。
聞きたいことは沢山あるだろうけど、それらを意図的に無視して共に行くことを決める。
話だしてしまえば納得は生まれ無い、だからまず形を作る。
「別に、ただ一人で歩くよりは心細く無いって、それだけの事」
別に正義の味方でも何でもないけれど、出会った女の子に死なれるのはイヤだから。
かといって、彼女を守る理由は無いし、僕の手は守れるほどに長くは無いのだから。
だからこれは、それだけの話。
550創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:50:48 ID:YVhj89kX
支援
551 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:51:04 ID:oBydk0Oq
普通の青年が、普通の少女と出会い、会話して、少しの時間を共にする。
或いはコレは、それだけの話。
普通の青年は、いきなりヒーローには成れないし、
普通の少女も、ただ自分に出来る範囲の行動しか出来ない。
危機に応じてあり得ない能力が目覚めるでもなく、
危機の中で、普段とは異なる恋に目覚めたりもしない、唯々普通の話。
その少女とはそれっきりになるか、或いは後々まで顔見知りを続けられるかは、この後の運次第。
末永いお付き合いは人間関係を円滑にするかもしれない程度のもの。

ただ……
(式……)
この位の出来事で、君の事を手放す気なんて、毛頭無い。
だから、君と会う為に、君とあり続ける為に、出来る事をする。
その程度の、偶然に本当を手に入れるよりも、よくある話。


【D-4 ホールのロビー/一日目・深夜】

【黒桐幹也@空の境界】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック、支給品一式、七天七刀@とある魔術の禁書目録
[思考・状況]
基本:式、鮮花を探す。
1:吉田さんと共に居る、出来るなら最後まで。
2:浅上藤乃は……現状では保留。

【吉田一美@灼眼のシャナ】
[状態]:健康、不安
[装備]:無し
[道具]:デイパック、支給品一式、不明支給品1〜3個
[思考・状況]
基本:坂井くんとシャナちゃんに会いたい。
1:黒桐さんと一緒にいる?


【七天七刀@とある魔術の禁書目録】
神裂火織の使用する二メートルを越える長さの日本刀
552 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/25(水) 00:51:54 ID:oBydk0Oq
と、以上です。
支援どうもありがとうございました。
誤字、脱字展開におかしな点など指摘お願いします。
553創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 01:02:47 ID:YVhj89kX
投下乙!
コクトー君がらしくていいですね。
一瞬、別の物語の電波を受信してたけどwww

ただ指摘するなら、このロワに首輪はありませんよ。
554創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 02:04:25 ID:Mw2o2CFz
投下乙

平穏そうな組み合わせだけど……すぐ南にやばいのがあぁぁ
555創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 02:15:17 ID:Lt7OKo6b
投下乙
556創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 09:48:21 ID:Q/udX/fl
投下&地図乙
黒桐・吉田コンビはこのロワでも屈指の穏やかな組み合わせ。
無事に過ごして欲しいけどすぐ南に黒桐狙いのマーダーがwww

そして地図によって気が付いたがマーダー多すぎ&E-1の2チームがマーダーに包囲済みでオワタwww
557創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 11:21:37 ID:z2Sz8B2s
>>542 現在位置表示お疲れ様でした。改めて見るとE1〜3位の密集具合がすごいことにw

>>544 投下お疲れ様です。戦闘能力が余り高くない組み合わせだけにうまく動かないと危なそう。
558創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 12:34:38 ID:KkynTCWv
投下そして地図乙です!
地図見て思ったがマーダー多いなw
その中にあってこのコンビは…うん、心配だ
559 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 14:54:38 ID:IIAj1EYQ
黒桐鮮花、朧、投下します
560女怪 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 14:55:30 ID:IIAj1EYQ

彼女、黒桐鮮花がこの殺し合いに乗ったのは、
非常に意外性を帯びていながら、同時に限りなく必然であった。

彼女は非常に負けず嫌いだ。
何せ、明らかに堅気で無い恋敵に対抗するために、
魔術という闇の世界に自ら飛びん込んでいくぐらいだ。
だから、普段の彼女ならば、毅然と真っ向から立ち向かっただろう。
まだ半年とはいえ、確かに境界の向こう側の世界に足を踏み入れた彼女ですら、
「異常」と断じる事が出来る悪趣味な遊戯、正体不明の「人類最悪」…
だがそんな「異常」も、彼女を止める足枷にはならなかったはずだ。
彼女はそう言う人間なのだ。

故に、本来、彼女はこの殺し合いに乗る筈など無かったのだ。

もし名簿にその名前が無かったなら。

黒桐幹也

彼のたった一人の、唯一無二の愛しい兄の名前。
自分の全てを投げ打っても、救わねばならない人。

その名前を見た瞬間、彼女は殺し合いに乗る事を決意した。
それは彼女にとっての必然だった。

一瞬、彼女の脳裏に過った一つの人影がある。
男みたいな恰好をした、いけすかない泥棒猫の事。
一瞬、全身に煮えたぎった鉛を流し込まれるような悪寒を、鮮花は確かに感じた。

眼をとじ、頭を振って、無理やりその女の影を脳裏より追放する。
『あの女の事は、会ってから考えればいい』、そう彼女は自分に言い聞かせた。

何故、あの女の事を気にかけるのか、鮮花自身にも判然としなかった。



ここに黒桐鮮花、第一の不幸がある。
もし彼女が殺し合いに乗っていなかったなら、
ひょっとすると彼女の名前がこの忌まわしき選手名簿から、
永遠に抹殺される事だけは避け得たかもしれなかった。
561女怪 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 14:56:15 ID:IIAj1EYQ



彼女が今いる場所は、地図の上では「E-5」と呼ばれる市街地のど真ん中である。
すぐ東側には大きな川が流れ、対岸には月を貫く魔天楼が屹立している。

「Azolto―」
彼女がそう呟くと、右手に持った紙片はズブズブを煙をあげながらただの灰になった。

長い髪、引き締まった知性を感じさせる美貌の、
修道服のような礼園女学院の制服に身を包み、
両手に黒い手袋―火トカゲの皮手袋―をはめた鮮花は、
不敵に微笑んだ。

支給品とやら、コレだったのは幸運だろう。
魔術も問題なく作動している。

この時彼女は、彼女すぐ背後、路地裏へと続く、
ビルとビルの合間を縫うように走る真っ暗な小道から、一つの影が現れたのに、
その瞬間は気が付かなかった。



これが、彼女の第二の不幸。
彼女の武器ともいえる、火トカゲの皮手袋が、すんなりと彼女に支給されてしまった事。
そして、彼女自慢の魔術が、何の問題も無く作用してしまった事。

もし、支給品が別の、もっと役に立たない物だったなら、
あるいは魔術の作動に、なんらかの異常があったなら、
彼女はもっと用心深く動けていたに違いないのだ。

二つの幸運が、彼女の心に僅かながらも余裕を与えてしまった。
その事が、刹那の、しかし絶対的な隙を産んでしまったのだ。



不意に、全身の毛が逆立つような悪寒を背骨に覚えて、
鮮花はハッとして振り返った。
果たして、いつの間に出現したのか、一人の女が立っている。

髪を乱し、小袖を着た、自分とそう年齢が変わらないであろう少女。
顔のつくり自体は、非常に可憐な印象を相手に与える物であったが、

右手には白刃を下げ、その双眸には異様なまでの殺気が籠っているのを、
鮮花は瞬時に認識した。

半身分、体を後方に瞬時に逸らすと、

「Azolto−!」

必殺の意思を込めた言霊が、彼女の口より迸った。
562女怪 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 14:56:56 ID:IIAj1EYQ



ここに彼女第三の不幸がある。
彼女は魔術では無くて、体術でこの少女に挑むべきだった。
この時相対していたのは、肉体的には華奢な少女、
即座に踏み込んで、組み伏せば、彼女の勝利は確実だった。

しかし彼女はこの殺し合いに乗っていた。
故に、必殺の魔術を使う事を選んだ。

鮮花にとって、この少女に対峙した時、
真に認識すべきだったモノは、右手の白刃でも、その目に籠った殺気でもなかった。
殺気が籠ったその双眸自体を、闇夜にあってなお、炯々と蒼く輝くその瞳自体を、
さらに言えば、その両眼から迸る恐るべき太陽風を!


「なっ!?」
魔術は発動しなかった。
つい先ほど、確かに作動した必殺の炎は、今や火花すら上がらなかったのだ。

ここで彼女が驚愕し、一瞬動きを止めてしまった事を誰が責められよう。
しかし、眼前の女殺人鬼は、その隙を見逃してはくれない。

ダッと、素早く鮮花に向けて踏み込むと、
右手の秋水は、逆袈裟に、ビィッーっと、闇を裂きながら鮮花に向けて放たれた。

ここで、身をひねって初撃を避けただけでも鮮花は褒められてしかるべきだろう。
しかし、いきなりの回避行動は、無理な体勢を生み、足を縺れさせて彼女は地に倒れた。

咄嗟に起き上がって、体術で反撃しようとしたがもう遅い、
何時の間に持ち替えたか、両の逆手で刀を握った女殺人鬼は、
体ごと覆いかぶさるようにして鮮花の体に向けて白刃を…

最後に鮮花は見た。
漆黒の殺意に燃える、蒼く光る恐るべき魔眼を。
563女怪 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 14:57:39 ID:IIAj1EYQ



「魔術」とは、「魔ノ術」である。
「魔」とは「闇」の物である。
「神秘」の闇に覆われている限り、魔術は術として意味をなす。

そして、如何なる闇であろうとも、
太陽の光には雲散霧消する。

魔術とはフィルムに印された陰画の如きもの。
神秘の闇をはがし、白日に晒せばその力を失う。
故にそれが如何なる妙技であろうとも、それが闇の世界の技である限り、
この人の形をした太陽を前にすれば、紙の如く破れるほかない。

黒桐鮮花にとっての最大の不幸、それは、
この太陽のごとき伊賀の聖女が、
愛するただ一人以外を悉く焼き尽くす黒い太陽に変貌していた事…



伊賀鍔隠れの姫君、朧は、
地に倒れ伏した少女より血刀を引き抜いた。

アスファルトの上に血の池を作りながら、
虚ろな瞳で天を仰ぐ少女の死体へは、もはや一顧だにしない。

朧は本来、深い影を落とす睫毛、愛くるしい小鼻、やわらかな薔薇の唇、
白くくくれたあごの世にも稀な美少女であり、
幼女の如き天真爛漫さを持った鍔隠れの麗しき姫君であった。

しかし、今の朧にその面影は無い。

髪留めより解けた美しい髪は、風にばさと棚引き、
顔面は蒼白で頬は心なしかこけて見えさえする。
それでいて、目にだけは異様な精気があり、
その恐るべき蒼い光の中に、名状しがたい妄執が渦を巻いている。

右手に提げた忍者刀には血がべったりと付き、
それは彼女の身にまとった振袖にも同様であった。
564女怪 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 14:58:16 ID:IIAj1EYQ

(私が…)
朧は心の中で独白する。

(私がちゃんと死んだのに…)
思い起こすは、慶長十九年五月七日の夕暮れ。

(弦之介さま…)
思い浮かべるは、自分の命と引き換えにした愛しの甲賀の主の姿。

(あなたを今度こそ…)
助けなくてはならない。あの愛おしい人の命だけは。
そのためには、わが身を八つ裂きにしてもいい。
他の誰もを犠牲にしてでも、彼だけは助けなければいけない。

(そう、私は愛する伊賀者を手にかけることだって構わない)
天膳、小四郎…
確かに死んだ二人の伊賀者。
今の私は彼らだって殺せる。

(そして最後は…)
朧は、フラフラと夢遊病者の様に、化け物の様なビルの立ち並ぶ、
夜の街へと一人歩きだす。

(あの人に斬られるのだ…)
愛しい人の手にかかる事を夢想するこの堕ちた伊賀の聖女の微笑みは、
ある種の妖艶な淫靡さすら感じさせた。

彼女は知らない。
彼女が全てを犠牲にしてまで生かそうとする愛しの若君は、
すでに冷たい躯になっているという事を。

彼女はまだ知らない。

【黒桐鮮花@空の境界 死亡】
565女怪 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 15:00:03 ID:IIAj1EYQ
【E-5/川の西岸/一日目・深夜】

【朧@甲賀忍法帖】
[状態]:健康、精神錯乱?
[装備]:弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖
[道具]: デイパック、支給品一式
[思考・状況]
基本:弦之介以外皆殺し
1:獲物を探す。
[備考]
※死亡後からの参戦

※E-5の川の左岸の何処かに、黒桐鮮花のデイパックが放置されています。

【破幻の瞳】
見るだけで如何なる忍法、妖術の効果をも破る瞳。
他人に化ける忍者は正体を暴から、不死の忍者はその再生力を失う。
如何なる忍法をも修めることが出来なかった朧唯一の武器。
原作においては、弦之介の瞳術を真っ向から打ち破れる唯一の存在であると言われる。
「忍法」ではなく、ある種の特異体質。
完全に無意識に発動しており、敵味方関係なく、見るだけで無差別に忍法を無効化する。
早い話が、効果範囲がべらぼうに広い反面、対象を限定できない「幻想殺し」。
566 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 15:01:57 ID:IIAj1EYQ
投下終了

「破幻の瞳」=「幻想殺し」のつもりで書いたけど大丈夫でしょうか。
567創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 15:09:57 ID:Mw2o2CFz
投下乙ですが、鮮花の魔術が違うような

鮮花が作中で使った魔術は、ルーン文字を書き込んで燃やす魔術と、
ボディーブローを叩き込んだ上で燃やす魔術の2つで、離れたものを燃やしたことはないはず
あと細かい点で、呪文は「AzoLto」でエルが大文字
568 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 15:29:51 ID:IIAj1EYQ
>>567
…改めて該当箇所読み返して見ましたが確かにそうでしたorz
なんて初歩的ミス!今日中に修正版を修正スレに投下します。
569創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 15:36:44 ID:Mw2o2CFz
>>568
体術で挑まなかったことが前提のSSだったから、プロットそのものから影響ありそうな……
鮮花ってそこそこ運動能力高いみたいだし
修正がんばって
570 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/25(水) 16:25:04 ID:IIAj1EYQ
571創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 17:04:28 ID:5qwFsEhS
修正乙です。
ですが朧が殺し合いに乗るのがやや理解できないのですが。
原作では最後まで博愛主義を貫いた彼女が死亡後とはいっても乗るとは思えないのですが
572創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 17:08:57 ID:bDNM+5cg
博愛というより日和ってただけじゃね?
573創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 17:18:34 ID:l2WUCeko
>>571
バジリスクでは間違いなくそうだけど、原作だとそうでもない。

原作の朧様って、
・陣五郎を縁側から蹴落とし、その上で殺意をこめた視線で睨む。
・天膳を明確に自分の意志で殺す。
とか結構アグレッシブだし、何よりヤンデレっぽい言動も多い。

>>571、いざとなればおなごは怖い、おなごは怖いぞ…」
574創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 17:24:10 ID:31s1Uj86
天膳を自分の意志で殺したのはバジリスクでもあった気が
575創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 17:31:48 ID:3OSSJgr8
投下乙
甲賀忍法帖勢、全員危険人物かw
バジでは美化されてたが、朧の本質じゃこれが
離縁じゃ離縁じゃw
576創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 19:11:49 ID:cHi90g6+
山風キャラは全般的におなごのほうが怖いからなw
伊賀か弦之介、どちらか一方を取る奉仕マーダーでもおかしくないと思っておった
投下乙。期待通りっすw
577創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 22:39:30 ID:Q/udX/fl
投下乙
それにしてもらっきょと甲賀は「目」が武器のキャラがお互いを殺しあったわけか。
なんというお互い様www

>>575
何を言うか。
危なくない甲賀キャラとしては海岸を一人さまよっている忠犬がいるじゃないか
578創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 04:13:14 ID:rPlGJLqY
朧の目って、術者を見ていれば、術が発動するポイントそのものが見えてなくても無効化できるのか?
修正版だと「こちらを見ている」ってあるから、腹にめり込んでる拳は見てないっぽいけど
579創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 04:22:21 ID:rPlGJLqY
あと、わき腹から右肩まで貫通するほどの刃渡りだと50〜60cmだが、
胸倉を掴まれたくらいの距離からだと、切っ先を相手に当てることも難しいような
右腕の関節がもう一つ増えないと致命傷になるくらい刺すのは無理じゃね?
580創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 09:36:50 ID:X+syfgwe
そう言えば優勝しても褒美は無いんだよな。
どう考えても放送後の朧の自殺は避けられんか。
確か、現世で一緒になれないならせめてあの世で一緒に、とか言ってたような気がするし。
581 ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:50:46 ID:dI0EOceE
いーちゃん@戯言シリーズ 涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱 を投下します。
582Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:51:23 ID:dI0EOceE
 【0】


謎々みたいに地球儀を解き明かしたら――


 【1】


あなたは神を信じますか?

もしそんな問いを受けたのならばこの不肖戯言使いことぼく(いーちゃん)はこう言い返すことだろう。
そんなことを人に問う人間は信用できない、と。
まぁ、それはさておくとして最初の問いに答えるならばまず神とは何かと定義しなくてはならない。
神。超越者。人智を超えた存在。人間如きじゃあ正しく認知することすらできない巨大な存在。埒外の存在。
そんなもの。解ることすらできないものを何を持って人類は神と認定するかというと、一言で言うなら《奇跡》だ。
《奇跡》を起こせば神。もしくはそれに連なるものと認定。わかり易い。某最大手の宗教団体の基準でもある。

さてしかし、奇跡なんてものは結局は言葉でしかない。そこに言葉を当てはめたにしかすぎない。
そしてそれは何かと言うと結果でしかない。
物事には因果というものがある。原因があって結果が生じる。これは神様にだって破れない不変の法則だ。
奇跡は結果だ……と、思われがちだがしかし実は違う。
この場合、奇跡は原因にかかる。《奇跡》が作用したから、奇跡的な結果が生まれたのだと。

しかし。しかし、だ。
その起こった奇跡的な出来事が奇跡に因ずるとして、さてどうやってそれを証明するというのだろうか?
実験の方法は難しくない。神様とやらにコンタクトして奇跡を起こすと宣言してもらいそしてその後に実行してもればいい。
だがそれは神が神であるが故に不可能だ。神は人が理解できうる範疇を越えている。神を正しく認識できない。
なので仕方なく神を奉ずる人々はなんらかの結果を見て、これは神様の仕業だ。と逆説的に”解釈”しているわけなのだが、
悲しいかなやはり人間は神を理解しきれない故にそこに取り違いがある可能性を排除しきれない。
つまりは、ただの《希少》を《奇跡》と勘違いしているというケース。

そして結局のところ。人間が不完全という大前提のもとに、だからこそ神は姿を現さない。見えないのだから仕方がない。
それをアカシックレコードや運命。物語……なんて言い換えてもそれは同じ。
認知。把握できない以上、あってもなくても同じことなのだ。
なので、その問いに答えを出すとするならば、――神は”信用”できない。これが模範的な解答ではないだろうか?

「なんて、戯言だけどね」

いや、戯言でもなんでもなくあるいは常識。もしくは子供じみた言い逃れかもしれない。
まぁそれはどうでもいいことなのだけれども、どうしてぼくがこんな思索で暇を潰しているかというとそれは先程の、
あの仮面の様な笑みを顔に貼り付けた高校生――古泉一樹くんから持ちかけられた”取引き”に起因する。

”涼宮ハルヒを絶望させる――”

自称、ではなく、他称”神”。
己がそうとも知らず、また周囲から奉り立てられていることにも気付いてないその少女を、絶望、させる。
彼女こと涼宮ハルヒがこの場所、状況を極めて不愉快だと断じ、世界の更新を望めば晴れて何もかもが救われるという。
ピンチにならないと力を発揮しない。それはまるでなんだか”正義の味方”みたいな気もするが、
その正義の味方を呼び出すためにわざわざ悲劇を演出するなんてとんだマッチポンプだ。非道いやらせである。

「絶望。絶望か……絶望した、なんて言っても”あの人”は飛んできてはくれないよな」

あの”赤い人”の仕事は後片付けだ。故に出番はピンチが終わりきった後。最低限の危機は自分で乗り越えないといけない。
それはさておき、問題は”信用”できるか、だ。
先程の彼の話。涼宮ハルヒの話。どのレヴェルまで信じられるかで、これから先のぼくの身の振り方も変わってくる。
あくまで過程の問題でしかないが。ぼくが玖渚友の為に全霊を全力で消費するという結果には断固として変わりは”ありえない”。
583Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:52:27 ID:dI0EOceE
まず、全然に信用しないとした場合はどうなるだろうか。古泉くんの発言を全て妄言、虚言と断じてしまう場合。
ぼくは自由の身となる。だがしかし、その嘘にいかなる理由があったかは想像しなくてはならないだろう。
考えられるパターンは2つ。涼宮ハルヒを生き残らせる為。もしくは古泉くん自身が生き残る為。

先のパターンは所謂ロマンティックなヒロイズムに起因する。
この世界の果ては割りと広い。60人で使うにはあまりにも、ぎりぎりなほどに広い。
その中で彼は彼女を探そうと一度は思うだろう。誰だってそうするぼくだって玖渚友をどうすれば発見できるのかを考えた。
答えは――ない。当てがないのだ。当て所ないのだ。この世界は密室だがヒントはない。ミステリーは成立しえない。
となると、方法として浮かび上がってくるのが出会った人間に対象となる人物を殺させないよう吹き込むことだろう。
歩いていれば誰かに会うとして、当たりを引く可能性は1/59。
もし、自分以外の誰か(今の場合はぼくだが)を作り出せれば、それぞれを分母から引き、1/58+1/58=1/29。
古泉くんの口ぶりからすれば他にもSOS団の仲間とやらはいるようだし、
それぞれが2連鎖か3連鎖もすれば涼宮ハルヒの生存はかなり保障されることになる。
もっともこれは相手が話しの通じる相手で、しかも信用を得るというのが大前提ではあるが、その理想が叶うならば策としては悪くない。
古泉くんは殺し合いも推奨していたことだし、策通りに事が運べば涼宮ハルヒだけが残って他が全滅なんて結果も夢幻じゃあないだろう。

後のパターンはロマンティックよりかは遥かに真逆のリアリズムに起因する。
神の話は方便で、ようは”その気”になっている人間を増やすというのがその策の目的。
この生き残り。そう、生き残りである故に途中経過は一切意味をなさない。
だったら、最後の二人になるまではそっちにがんばってもらおう。自分は楽をしよう。そんな現実主義者の発想。
どちらかと言えば、こっちの方が自分に正直な分、良い考えだと思える。嫌悪の対象ではあるが。

では、古泉くんの話は本当だった。でも、涼宮ハルヒは神なんかじゃないというパターンを想像しよう。
これは……最悪である。男と女がいて、男だけがその気になってるなんてはたから見たら残酷そのものだ。
彼が憐れというだけでなく、それに巻き込まれる者達までもが最悪。これはよく知ってる。思い知らされているというべきか。
とにかく。この場合、妄言に付き合って全員が等しく損をする。止める術もなく皆一緒に奈落落ちだ。本当の絶望。
うーん……これは、こうでないことを期待するしかないだろうか。しかしこれが一番ありそうなのがぼくの人生なのだよな。

……気を取り直して、全てが真実だとした場合。ぼくは、ぼくはさてどう動くのが最適解なのだろうか?
言われた通りに古泉くんの策の為の道具と殉じればいいのか。それとも別の解答を独自に模索するべきなのか……。

「そもそもが、策と言うには杜撰すぎるんだよな……」

あの髪の毛が綺麗な策士ならばこんな不確実で不正確で不誠実な策は選びはしなかったろう。
想像したどのパターンにおいても成功率は高いとは言えず、何よりフォローが効かなさ過ぎる。
彼はぼくの言葉から玖渚友を人質にすると宣言した。しかし、それが”どうだって言うんだ?”
ばくが涼宮ハルヒに会える確率が1/59なら、彼が玖渚友に会える確率も等しく1/59なのである。
何があっても、みたいな言い方をしていたがそれはあまりに無為無意味な労力の消費だ。割りに合わないなんてものじゃない。

「となれば、やっぱり楽をしたいだけの現実主義なのかな」

それが一番ありえる……いや、無難だと”ぼく”が安心できるパターンか。
やっぱりこの状況。友の命がかかっているだけあってぼくは冷静じゃあいられないようだ。
自然とそうであったらいいなという方向へと思考が傾いてしまっている。希望に縋るのは絶望を掴むのと同義だと知っているのに。

「やれやれ、事ここにいたって戯言しかでてこないなんて。
 そりゃあぼくは戯言使いだけれども、どうにか危機感ってものが足りないように思える」

解っているのか? ぼくは。友がこんなことに、こんな形で、人類最悪の企みに組み込まれていることに。
いや、解っているのか。”そうではないことに”。これが人類最悪――あの狐面の男の悪巧みではないことに。
584Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:52:55 ID:dI0EOceE
「巻き込まれたっていうなら、後付けなのはぼく達のほうか?
 全く、あの人類最悪。なんだってあんなポジションにいるんだ。また《失敗》したってことなのか?
 そのツケをぼく達をまるまる巻き込んで清算しようっていうならとんだ傍迷惑だ」

もっとも、あの人類最悪は「そんなのはどちらでも同じことだ」なんてそれで諦めてしまうのだろうが。
なんでもすぐに諦めてしまう人生失敗の権化とも言うべき存在のくせに、でも性懲りもなく諦めきらないのが全く最悪だ。
最悪するぎる。なんであの時殺さなかったのか。あの時ならば、銃弾も一発でお安くすんだのに。

「ロマンティックもヒロイズムも博愛主義も幸福主義も世界主義もぼくには相応しくなかった……ってことなのか」

あれで、《物語》が終わらないなんて、エピローグに続かないなんて、それはなんて最悪。


 【2】


ぼくは歩く。
当て所なく――なんてハードボイルドは似合わないので明確な目的を持って、その場所を目指してぼくは歩く。
今は先程いた学校を離れ、北に。城の中を突っ切って北へとただただ邁進している。
城といってもあくまで城の敷地内。
最早戦国時代のそれではなく、一つの観光。あるいは憩いの場として整えられた城の敷地内を、だ。
歩道の脇に敷き詰められた玉砂利や遠くに見える天守閣。石垣。それっぽいものを除けば大きめの公園といった風情。
天上には満月。だから歩く分には月明かりも十分でぼくは懐中電灯をつけずに歩道に沿って道なりに北へと向かう。

「か、懐中電灯を使わないのは忠告されたからじゃなくて、ただ必要ないからなんだからねっ!」

あまりの寒さに気温が氷点下まで下がった。ツンデレの真似がツンドラを呼ぶなんて、いやこれも寒い。凍死しそうだ。
実際には気温は下がってないが、しかしひらけた場所は随分と風通しがいいので上着の襟をよせる。
そして、その中に仕舞ってある一丁の拳銃を意識した。

「ぼくっていくじなしだよな。本当に。掛け値なしの真実に。絶望できないくらいに嘘偽りでなく」

あの時。古泉くんが超能力者だとかそうでないとか関係なく、ぼくは撃つべきだった。覚悟に殉じるならそうするべきだったのだ。
それで殺せなかったとしても、殺すという意思を世界に、物語に刻むべきだった。なのにこの体たらくである。
殺人はぼくにとって禁忌だ。最悪以下の最悪だ。それでもあえて、なのに、……うん。格好がつかないなぁ、全く。

「出夢(いずむ)くんにも言われたっけ。ぼくは――人を、殺せない」

溜息が漏れる。
溜息は幸せを逃すというが、このぼくからまだ逃れえるだけの幸せがあるというのだろうか。
だとするならば一つ実験してみようか。溜息。溜息。溜息。溜息。溜息。溜息。さぁ、ぼくはどれくらい――


「止まりなさい! 動くと容赦なく撃つわよっ!」


――不幸になるのでしょう、か? ねぇ、神様?


 【3】


「ゆっくりよ。ゆっくり振り向きなさい……怪しい真似したら怪我をするわよ」

突如後ろからかけられた女の子の声。
相手が男だったら、なんて仮定はさておきぼくはそのはっきりとした声に従い、ゆっくりと、スロゥリィに振り向いた。
すると、えらい美人がそこにいた。
585Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:53:23 ID:dI0EOceE
「これからいくつか命令するわ。大人しく従った方があんたの身の為だってこと覚えておきなさい」

肩の辺りで切り揃えられた黒髪にそれを押さえつけるリボンつきのカチューシャ。
鼻筋は通っていて顎も細く可愛い系よりも美人系に属し、そしてそのまま美人だと言えるその顔。
何よりも印象的なのはその眼だ。大きくはっきりとしているのに鋭い。一文字で表すなら”凛”とした眼差し。

「……ちゃんと聞いてるんでしょうね?」
「ああ。聞こえているともさ」

全く危ないところだ。うっかりと一目惚れしそうになってしまった。
だがしかし、ぼくの中に年下趣味は全くの皆無。どれだけ見た目が大人っぽい人でも設定年齢がぼく以下なのはNG。
逆に言えばどれだけ見た目がロリィであっても設定年齢が以下省略なのだけれども。
露悪趣味はないので性癖に関しては置くとして、目の前の彼女はセーラー服を着ていた。おそらくは高校。つまりは年下。

「念を押しておくけれども、”これ”はオモチャなんかじゃないからね」

言って、彼女は両手にかまえたクロスボウをこちらへと照準する。
かなり大型。しかもなんだか高そうだ。当たり前だが矢が番えられている。もし刺されば生易しいことにはならないだろう。
それで彼女はぼくを威嚇する。距離は5メートルといったところ……か。ふむ。

「鞄と、武器を捨てなさい」

ぼくは言われたままに肩から提げていたデイパックを地面へと落とした。
でもって、懐からオートマチックの拳銃を取り出し、それも地面へと落とす。
そしてもう一つ。上着のポケットから折りたたんだバタフライナイフを取り出し、その刃を開き、彼女に向かい、構えた。

「ちょっと、あんたわかってないのっ!? 変なことしたら撃つってのは嘘じゃないわよ!」
「ぼくはわかっているよ。わかっていないというのなら、むしろ君の方だぜ。美少女ちゃん」

クロスボウは確かにぼくを正確に狙っている。このまま彼女がトリガーを引けばぼくは致命的な傷を負うだろう。
しかし彼女がそれをできないであろうことはその動揺すらも余すことなく表す眼を見ればよく解る。
姿勢や体つきを見れば運動神経があり格闘なんかも不得意でないことは容易に察することができる。が、
”殺し合い”――致命傷を狙うことに関しては相当にビクついていることもよぉくわかる。彼女にはそういう”経験”がない。
もしも、支給された武器がバットやなんかだったならば、彼女はぼくごときが振るうナイフなんてものにはビビらなかっただろう。
すぐにでもぼくは打ち据えられ、さんざ痛めつけられたあげくに地面へと転がされていたはずだ。
しかし、実際にはクロスボウ。相手を殺しかねない武器。その強すぎる威力が彼女を闘わせない。殺傷力がありすぎる故に。

「そもそも忠告しておくと、クロスボウってのはこのレンジで使う武器じゃない。
 本来は離れた場所。少なくとも30メートル以上。できれば壁の上とか一方的に攻撃できる場所からが本来だ」
「……だから、なんだって言うのよ」
「確かに近づけば命中率はあがるさ。けど、外したらそれはもうただの錘だろう?
 熟練していても次の矢を番えるのに数秒のロスがある。素人なら1分はかかるかな。
 まぁ、仮に君がクロスボウの名人だとしてもこの距離。たった1秒の距離じゃあ二の矢はないよね」

彼女はジリと後退る。そしてぼくはその分距離を詰める。
例えこれだけの近距離だとしても、所詮矢は点の攻撃にすぎない故にその機さえ察すれば回避は可能だ。
そしてそれに成功すれば立場は容易に逆転する。
いわばこの時点で王手に近い。後はいかに投了を宣言させるかだけだ。なので、ぼくはナイフを地面に捨てた。

「……なっ!?」
「どうして驚くのかな? 武器を捨てろって言ったのは君だよ。
 ぼくは言われた通りに従った。そこに不満があるとしたら君はずいぶんと不条理な性格をしているんだね」
「そうじゃなくて、だって……」
「うん。さっきの状況ではぼくが勝っていた。それを君が納得してくれていればいいんだ。
 投了するのはぼく。試合に負けて、勝負に勝った……なんてね。
 ぼくとしても無益な争いは避けたいところだし、君も”それ”を警戒させる道具止まりにしてたってことは交渉の余地はあるんだろう?」
586Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:53:52 ID:dI0EOceE
いくらか逡巡。しかしその時間は決して長くはなかった。彼女は構えていたクロスボウを下ろし、あらためてぼくと相対した。
互いに交渉……というほど材料があるわけでもないので情報を持ち合いってところか、それをこれから始めるという姿勢だ。
そして彼女は名乗った。


「涼宮ハルヒよ。あんたの名前も教えて」


 【4】


「いーちゃんね。どうあっても本名は名乗らないってわけ?」
「名簿にそう載っている限り、それがぼくのここでの名前。あの狐面の男風に言うなら役名ってことでいいじゃないか。
 それにぼくは生まれてこのかた自分の名前を3人にしか名乗ってないことが――」
「そういうキザっぽいの、あんたには似合ってないわよ」
「……………………」

目の前の少女――涼宮ハルヒは物怖じしない子でもあった。さすがは”神”ってことなのかな?
まぁ、僕の風貌はおせじにも大人っぽいとは言えないし、そもそも19歳でしかないわけで彼女がぼくのことを
同学年か年下だって勘違いしている線が濃厚ではあったけど。そしてそれを是正しないぼく。
もうMだってことは自覚していますから。

まぁ、とりあえずは互いに知っていること、持っている情報というものを曝しあった。
具体的には名簿の中で自分が知っている名前についてということになる。
僕から出たのが玖渚友で、彼女から出てきたのは、キョン、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹、朝倉涼子の5人。
最後の一人を除いてSOS団団員であるとも。これで一応、古泉くんの話が全くのデタラメではないと判明したわけだ。
ちなみに僕は人類最悪のことも、古泉くんとの取引きのことも話してはいない。
どちらの情報も場をいたずらに乱すだけで、今のところ一切のメリットはない。デメリットはあったが些細なので無視だ。

「まぁ、事態が掴めないってのはお互い様よね。じゃあ、ちょっと聞いてくれる?」
「なにかな?」
「”ここ”――日本のどこだか、あんたわかる?」

といってハルヒちゃんは辺りを見回した。
つられてぼくもそうするがしかし知らない土地だ。元々物覚えもよくないしせいぜい見覚えがないくらいの感想しかない。

「私。ここに来てからすぐにそこらじゅうの標識とか地図とかを確認したわ」
「それで、ここはどこなの? 城があるってことは有名なところなのかな」
「全然。ここは日本のどこでもない。私の知っている日本地図にはこんな場所ない……」

まるで怪談話のオチのような、もしくはアウターワルドかトワイライトゾーンか、そんな風にハルヒちゃんは言う。
そもそもぼくとしてはここがどこか、なんてことには意識がいっていなかったわけだけれども、これもまた一つの問題だ。

「つまり、ここは用意された場所ってことになるのかな。映画村みたく丸々セットという意味で」
「多分そうなる……わね。それしちゃあ随分と生活感があるってのがちょっと気にかかるけれども……」
「なんか、歯切れが悪いね。もしかして心当たりがあるのかい?」
「突拍子もないってことは私自身もわかってる……けど」
「けど?」
「ここは、日本どころか、”別の世界”なのかもしれない」

好奇心旺盛で夢見る少女。古泉くんが言ったキャッチフレーズが頭をよぎる。
なるほど。本人も確かに”それ”っぽくはあるわけなんだ。
とは言え、その発想。ぼくからしても一蹴することは容易ではなかった。
理不尽な瞬間移動(としか思えないもの)を体験してしまっている身としては、
今回。理解を超える何かがあってもおかしくないと思ってはいる。
587Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:54:22 ID:dI0EOceE
「違うって言えば違うんだけど、以前にもこんなことがあった……のよ。その時は夢だったって思ったんだけれども」

それが古泉くんの言っていた”世界が終わりかけた”っていう事件のことだろうか。
ふぅん。もし事実だとするならばこれがあの人類最悪の新しいアプローチ……いや、今回はあいつも巻き込まれたんだっけ?
まさかぼくや友も因果から追放されて、そのせいでこんな目にあっているとか、そんなんじゃあないよな。

「まぁ、ともかくとして歩かない? じっとしてるってのも気が滅入るし考えも澱む」
「いいけど、どっか当てはあるの?」
「うん。ちょっと世界の端ってのに興味があってね」
「世界の……端?」

そもそも北へと、正確に言うとA-2とA-3のエリアの境界線へと向かってぼくはただひたすらに北上していたのだった。
この場所へと放り込まれてからすでに2時間ほど。すでにA-1エリアは”消失”しているはずだ。言われた通りならば。
その消失した状態ってのをまず確認したかった。ここが”密室”だとするならなその密室性を確認するのが第一。
いずれここから脱出するにしても、それを諦めるためにしてもその確認だけは怠れない。

「ふーん……、あんた見た目がへちょいわりには頭が回るのね」
「君は少し言葉が余分だけどね。
 できれば、そのエリアが消失する瞬間ってのも見たいし、元々の端がどうなっているかも確認したい。
 だからA-3エリアの北西の角が観測地点としては最適かな。ちょっと時間的には厳しいんでA-4で妥協してもいいけど」
「だったら善は急げよ。少し走りましょ!」

どこに敵がいるともしれない場所で不用意な体力の消耗は……と、忠告する間もなくハルヒちゃんは駆け出した。
やれやら、なんだかこの強引さは妙に心地よい。
それはぼくがMってことを差し引いてもそうで、つまりは彼女は少しあの赤い人っぽいっていうかそんな印象。

「あの人の家系っていうなら、”神”ってのも納得しちゃうんだけども……まぁ、それこそ――」


――戯言だよね。





【D-3/路上/1日目・黎明】

【いーちゃん@戯言シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:森の人(10/10発)@キノの旅、バタフライナイフ@現実
[道具]:デイパック、基本支給品、22LR弾x20発
[思考・状況]
 基本:玖渚友の生存を最優先。いざとなれば……?
 1:世界の端を確認しに行く。
 2:涼宮ハルヒを観察。
[備考]
 登場時期は「ネコソギラジカル(下) 第二十三幕――物語の終わり」より後。


【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康
[装備]:クロスボウ@現実、クロスボウの矢x20本、不明支給品x0-1
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考・状況]
 基本:この世界よりの生還。
 1:世界の端を確認しに行く。
 2:SOS団のみんなを探す。
[備考]
 登場時期は未定。
588Parallel daze――(平衡幻覚)  ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:54:43 ID:dI0EOceE
【バタフライナイフ@現実】
二つに開くグリップの中に刃を収納できる折りたたみ式のナイフ。
刃渡りは10センチ足らずで、強度も武器としてはそれほどでもない。

【クロスボウ@現実】
一般的にはボウガンと呼ばれるもの。
グリップと一体化した台に弓矢をつけたもので、矢を番えたあと銃のようにトリガーを引くことで発射できる。

【森の人@キノの旅】
(補足)
モデルとなっているのはコルト社の”ウッズマン”という自動拳銃。
全長:231mm 重量:1034g 口径:22LR弾 装弾数:10+1発
元々競技用であり、また使用する弾が軽い22LR弾であることから取り扱いやすく命中精度も高い。
589 ◆EchanS1zhg :2009/02/26(木) 15:55:07 ID:dI0EOceE
以上で投下終了です。
590創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 16:09:34 ID:MqCpcpdq
支援出来なかったorz
 
と、それはさておき投下乙です!!!
うん、まぁ神とか言われても信用できないよね
と言うかいーちゃんは相変わらずいーちゃんだなぁ…
M自覚してる辺りちょっとヤバげな人にしか思えないけどもw

ハルヒも相変わらずな感じだし
ツンデレの真似がツンドラを〜には盛大に笑わせていただきましたwww
GJでした!!!
591創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 16:37:10 ID:Eh3Wm/AF
投下乙
なんて見事な戯言テイスト。その才能には嫉妬します。
何気にマーダーない―ちゃんとそれに気がついていないハルヒ。
彼らが向かうA-1方面にはいーちゃんの鏡の向こうの同一存在、人間失格もいる。
これからの動向に期待です。
592創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 17:41:38 ID:m6J5SYil
GJです。
内容も然る事ながら、キャラソンを使用したタイトルと出だしが激しく好みです。
593創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 20:07:55 ID:CoBGNItJ
前作から一転というか、落ち着いた感じがするないーちゃんは。
そしてあっという間にハルヒと接触。
無為式もあるし、今後にどう影響するか。
投下乙でした。
594創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 21:38:27 ID:tDTAkWR/
>>589
Eちゃん乙。
らしさ全開で最後まで読まされた。
595創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 21:53:34 ID:m6J5SYil
>>594
そういえばトリもEchanになっているんだよな。
596 ◆NQqS4.WNKQ :2009/02/26(木) 22:18:21 ID:Dc4/v9bs
皆様感想ありがとうございます。
>>553
おや、これは大変失礼しました。
該当箇所を後ほど削除するということでお願いします。

>>570
投下&修正乙です。
おお、鮮花が死んだか……。
判りやすく纏まっている戦闘が読みやすかったです。

>>589
投下乙です。
とても上手く人物が動いていて面白かったです。
歌詞を使用した場面ごとの纏まりも見事でした。
597創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 23:40:10 ID:Dc4/v9bs
と、wiki編集していたのですが、急にPCの調子が悪くなったので変なところで中断します。
どなたかお手すきでしたら……
598創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 23:50:57 ID:MqCpcpdq
むう…手伝いたいがwikiはようわからんのだよなぁ…
599創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 00:06:32 ID:OFHHoUd5
暇があったらやってみようかね
ロワのwikiは弄ったことないが、他のならあるから

ところで、>>570は疑問点が幾つか尋ねられてるけど、その辺大丈夫?
自分も読んでて、体勢とか身体のサイズ的に少々無理のある殺し方じゃないかなーとは思ったが
江戸時代の女性にすると腕の長さより長いかもしれない得物だし
600創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 00:27:46 ID:Rc5rGGxR
wiki、SS転載してきたよー。
多分あれでいいと思うが、駄目だったら修正してくれ。
601創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 00:31:51 ID:OFHHoUd5
編集乙

だけど、「女怪」は返事を待ってからの方が良かったかも
特に能力関連の質問について
602創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 00:38:06 ID:Rc5rGGxR
>>601
_no

未転載のSSを転載した後で思い出したが、以前どっかで、
SSの転載は投下後一日は待つとかって話を聞いた覚えが・・・。
となると「Parallel daze」を載せたのも早まったような気がしていかん。
603創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 00:40:13 ID:OFHHoUd5
>>602
何かと思えばorzの亜種かw
……だよね?

確かに、投下即編集ってのは良くないか
ルールでは決まってないかもだけど
604創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 01:42:38 ID:j6QJ5Aao
>>601
ぶっちゃけ結論出ないと思うよ>朧の「破幻の瞳」

原作でも使用回数自体は5回とそれなりにあるけど、
具体的になメカニズムが一切説明されてないしね。

山風スレでは、
『忍法の発動に必要な体質自体にジャミングを行う』って解釈だったが。
まあ、書き手の裁量でいいんじゃないかな?
鮮花に関しても魔術回路自体に干渉したと解釈すれば成り立つわけで
605創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 02:06:12 ID:OFHHoUd5
>>604
細かく設定されてるわけではないのか

書き手の裁量といっても、後続の話はそれまでの話と矛盾しないように書かないといけないから、
今回ので「術の発動する箇所以外を見ても効果がある」となってしまうと、後々の話にも影響がある
バランス取りの観点から、設定とかから明確に分かる部分に書き手の裁量でマイナス補正を加えるとかならともかく、
はっきりと分からない部分を裁量で決めてプラス補正にするってのは、ちょっとどうだろう
606創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 02:09:14 ID:OFHHoUd5
ちょっと追記

他のパロロワと同じように、このロワにも特殊能力持ちとかが沢山いるから、
そういうのを無効にしたりする能力については少し慎重なくらいで丁度いいかと
607創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 02:23:31 ID:j6QJ5Aao
でも朧の場合本体が一般人とそんな変わらないしね。
鮮花もそのまま格闘でボコリ続けたら勝ってただろうし、
ぶっちゃけ竜児でも殺せるだろうから、「破幻の瞳」ぐらいは大目に見てもいいような

個人的には、
「破幻の瞳」は「異能者の異能の根源たる体質に作用する能力」でいいと思うがどうだろう?
つまりマジックアイテムの類いは無効化できない、で。

型月世界の魔術って全面的に術者の「体質」に依存してたよな?
608創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 02:30:34 ID:OFHHoUd5
>>607
正真正銘の一般人に比べれば莫大なアドバンテージでは?
幻想殺し持ってる上条だって一般人と大して変わらないし、近付く必要がない分、
能力持ちに対しては比較にならないほど有利
これ以上優遇する必要性はないと思う
609創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 02:35:43 ID:j6QJ5Aao
>>607
あーたしかにそうだな。
スマン、朧以外は悉く心身ともに化け物ばかりの原作を基準に話をしてた。
610創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 03:03:41 ID:ySzJ7JXb
とりあえずどちらになるにしろ作者さんの意見もそろそろほしい所
611 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/02/27(金) 07:35:13 ID:HK8alJYO
自分としては、
「破幻の瞳」=「相手を見ることで、異能者の異能の根源たる体質そのものに作用し、その機能を阻害する能力」
で、統一したいと思いますが、どうでしょうか?

何故、これを支持するかと言うと、原作で小四郎の忍法を妨害するシーンなどを鑑みるに、
これが一番納得がいく説明だと思うからです。
612創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 09:15:48 ID:aF9QcFwN
それでおkだと思います
613創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 09:46:55 ID:0o4Nbyr5
ってことは
上条さん 右手のみだけど魔術や超能力それらを利用したアイテム何でもおk
朧様   見るだけでいいけど道具に頼った異能の類は妨害できない
がファイナルアンサー?
614創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 09:59:33 ID:j6QJ5Aao
>>613
ファイナルアンサー
615創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 10:17:25 ID:aF9QcFwN
>>613
ファイナルアンサー
616創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 13:31:42 ID:hp0MiVG2
みのもんたのタメが入ります
617創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 15:55:55 ID:OFHHoUd5
能力は良しとして、後は戦いの中身への疑問点?

ほんとに疑問点なのかと、試しにメジャーで見立ててやってみたら、
上手くできなかった上に肩が外れそうになった
618創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:25:05 ID:1O3JpVph
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619創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:26:15 ID:1O3JpVph
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620創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:26:44 ID:1O3JpVph
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622創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:27:51 ID:1O3JpVph
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623創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:28:11 ID:1O3JpVph
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624創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:28:46 ID:1O3JpVph
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627創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 16:59:53 ID:ipwHVjVS
628創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:12:13 ID:1O3JpVph
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629創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:12:58 ID:Ofe36ual
他スレに渡ってコピペ荒らしとかアク禁になっても文句言えないレベルだね
乙でした
630創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:13:46 ID:1O3JpVph
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631創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:14:40 ID:1O3JpVph
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632創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:15:31 ID:1O3JpVph
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633創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:18:33 ID:1O3JpVph
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634創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:19:28 ID:Mj64T5Oi
自分のところが荒らされているから他を荒らすなんて素晴らしい○住人さんですね尊敬します
635創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 17:31:27 ID:1O3JpVph
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636創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 22:20:04 ID:Rc5rGGxR
ケータイで読み込まなくてよかった。
637創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 00:12:42 ID:JHNeoV0P
投下された作品に疑問点や質問したい点があるなら、早いうちに聞いておくのが吉だね
というわけで幾つかまとめて

「人間臨終図巻」で、天膳のデイパックがキノの所持品にも天膳の所持品にも入ってないのは、その辺に落ちてると考えていいのかな

「Parallel daze――(平衡幻覚)」のハルヒの状態表で、不明支給品x0-1が[道具]ではなく[装備]に書かれてるのはミス?
これだとハルヒが不明支給品を既に装備してる書き方になるけど

あと個人的な嗜好のレベルかもしれないけど、「女怪」の朧が一般人女性にしては身体能力が高すぎる気がした
ボディーブローの直撃を受けて肋骨と内臓にダメージを受けた上で、自分の腕くらいに長い得物で、至近距離にいる相手を片腕の力だけで刺し殺すってのは地味に超人染みてる印象
多少のダメージを与えるくらいならともかく、片腕であそこまで串刺しにするには凄い腕力が必要そうだし
638創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 00:18:18 ID:hjcki7kj
AAとすら言えない荒らしのせいもあるが、もう400KB越えか。
そろそろテンプレまとめた方がよくないかな?
639創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 20:26:40 ID:iZUsPrFE
仮投下スレへの仮投下乙

拡声器をうまく使ったが、どうなるかな
640創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 20:55:24 ID:eYiRrHq1
おお、いつのまにか仮投下されてる。
罠におびき寄せる手段としての拡声器ってかなり珍しい使い方じゃないか?
641創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 21:25:43 ID:ro8tVPSc
鮮花の魔術は魔術を使う超能力なんだよな
642 ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 21:57:43 ID:PmQm8ybX
予約していた分、投下します。
643ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 21:58:48 ID:PmQm8ybX

海が近いのか、遠いさざなみの音に混じって潮の匂いがしていた。
大きな川の、三角州。
ひときわ目を惹く摩天楼を中心に、背の高いビルが並ぶビジネス街。
これだけの重量ある建物を支える地盤の改良、そして氾濫を繰り返したであろう川を押さえ従わせる治水技術。
地味にこのエリア一帯の技術レベルは、相当に高いものであるらしかった。

そんな、コンクリートとガラスに囲まれた街の中に、1人の少女が佇んでいた。
長い髪を頭の両脇でリボンで結わえ、どこかの制服のような服を着て。肩には似合わぬデイパックを提げ。
そして、不釣合いな印象を与えるものを、それぞれの手に構えていた。

右手に提げていたのは、見るからに凶悪な装飾の成された刺々しいナイフ。
左手に提げていたのは、槍の穂先を途中から折り取ってきたかのような、手槍にも似た刃物。
彼女は小さく溜息をつくと、そして手近なビルの壁面に向き直った。

瞬間――
彼女からおよそ5メートル先。
傍らのビルの壁面に、そのナイフが、音もなく深々と突き刺さっていた。

投げたわけではない。彼女は1ミリだってその手を動かしてはいない。
そして、投げて刺さるような標的でもない。何せ鉄筋コンクリート造りの建物である。
投擲に向かぬ形状のナイフを、ただ投げてここまで突き刺すことができるとしたら、それはそれで十分な異能だ。
そしてこのツインテールの少女は、そんな怪力とは全く異質な異能を、その身に備えている。

ふむ。突き刺さったナイフを確認した彼女は、何か確認するように小さく頷く。
続いて彼女の左手からも、手槍のような武器が音もなく「消え」、ナイフと並んで壁面に「突き刺さる」。
やがて軽く2呼吸ほどの間を置いて、彼女自身の姿も掻き消えて……
ビルのすぐ傍、手を伸ばせばナイフと手槍に届く位置に、出現した。
突き刺さったままの2本の凶器に軽く触れると、それは次の瞬間、向きを変えて彼女の手の内に納まる。

「能力は、問題なく使えますわね……ただちょっと、普段より計算が『重い』ですかしら?
 この状況下、ストレスを感じていないと言ったら嘘になりますけれど……さて……」

少女は、小さく呟く。
『能力』。
そう、彼女には特殊な能力が備わっている。
超能力開発機関『学園都市』でも五本の指に入る名門・常盤台中学に属する、『大能力者(レベル4)』。
使い手もレアな11次元特殊計算式応用分野、『空間移動(テレポート)』使い。
学園都市治安維持機関『風紀委員(ジャッジメント)』所属。
白井黒子、だった。


 ◇
644創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:00:17 ID:PmQm8ybX

白井黒子は考える。
この残酷な「椅子取りゲーム」のことを、考える。
最多でも1人しか生き残れない、最長でも3日間で終わることが確定しているという、生き残りのゲーム。
そして、こうして支給された2つの品。
『グリフォン・ハードカスタム』という名のナイフと、『地虫十兵衛』という人物が使っていたという槍。
最初の説明に拠れば、自分だけではなく他の参加者にも「武器」がランダムに支給されているという。
あの狐面の男は明言こそしなかったが、この状況を作った者の意図は明らかだった。


   ――殺し合え。

   最後の1人が決まるまで、互いに武器を取って、殺し合え。


「……ほんと、分かりやすいですわね。思わず反吐が出そうなほどに」

お嬢様学校の生徒には似合わぬ汚い言葉をあえて選び、白井黒子は吐き捨てる。
殺し合い、傷つけあって、「最後の1人」を選べ。「優勝者」を選び出せ。
自分たちの、手によって。
なんともシンプルな話だ。そしておそらく、この場では既存の法など役に立たないのだろう。
警察も、『警備員(アンチスキル)』も、『風紀委員(ジャッジメント)』も機能しない空間。
いや、仮にこの場で行われる行為が法の裁きを受けるとしても、きっと「優勝者」は罪に問われない。
裁かれるのは、この催しを仕組んだ者たちだけだ。
優勝者自身は「緊急避難」として無罪放免だろう。なにせこの状況、典型的な『カルネアデスの板』なのだから。
これでは、多くの者が殺し合いに乗ってしまうはずだ。
容易に、乗ってしまうはずだ。

「問題は、その『たった1枚の板』を誰に回すか、なのですけれども」

この状況設定がいやらしいのは、自分が「最後の1人」になる気のない者でさえ、殺し合いに乗りかねないことだ。
名簿をザッと見渡せば、同じ姓を持つ名が2組、すぐに目につく。
『黒桐』が2人、『ウィッティングトン・シュルツ』が2名。
親子か、兄弟姉妹か、それとも夫婦か。従兄弟やら孫やら、もっと遠い親族の可能性もあるけれど。
もしこのうち1名でも、「自分はどうなってもいいから大事な家族を生き残らせたい」と考えたとしたら、どうなるか。
……決まっている。殺し合いに、乗るのだ。
他の参加者を減らし、「大事な家族」を保護し、そして可能であれば「最後の2人」になって、自決する。
そうすれば、晴れてその「大事な家族」は「優勝者」だ。狐面の男の言葉を信じるのなら、生還が約束される。

いや、これは別に「家族」に限った話ではない。
愛する恋人。将来を誓った許婚。命を投げ出すに足るほどの主君。
名簿で名前を見ただけでは判断のつかないこれらの関係によっても、人は自らを犠牲にしうる。
自分自身を犠牲にし、見も知らぬ人々を犠牲にし、「最後の1人」の座を「誰か」に譲ろうとする可能性がある。

そして――こんな考察をしている白井黒子にもまた、大切な人が。

「お姉様……」

御坂美琴。
白井黒子が敬愛して止まぬ、偉大なる先輩にしてルームメイト。この世で最も大事な存在。
何とも忌まわしいことに、彼女の名もまた、名簿に載っていたのだった。

彼女のことを想うと、胸が熱くなる。
彼女のためなら、何でもできる。
彼女にとって何かプラスになるのなら、自分自身が報われなくたっていい。
だから、そう、彼女が生き残るためなら、この手を汚すことだって……!
645創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:01:00 ID:MZHz5jFk
支援
646創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:01:11 ID:iZUsPrFE
支援
647創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:01:12 ID:yL+HKaRj
648ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:01:45 ID:PmQm8ybX

「……って、それはありえませんわよ。
 もしもあの『狐のお面』の『上』にいる奴がそれを期待しているのなら、『クソ喰らえ』って言って差し上げますわ」

一瞬湧き上がってしまった妄念を次の瞬間には蹴倒して、白井黒子は心の中で中指を立ててみせる。
ありえない。
それは、ありえないのだ。
御坂美琴を「最後の1人」にするために、白井黒子が積極的に殺し合いに乗る……そんな展開は、ありえない。

まず、その想い人たる御坂美琴そのものが、白井黒子に大人しく守られているような存在ではない。
常盤台中学のエースにして、学園都市全体でもたった7人しか居ない『超能力(レベル5)』。
最高レベルの電撃使いであり、ついた異名は『超電磁砲(レールガン)』。
磁力を操り、何の変哲もないコインを音速の3倍で撃ち出す大技の名でもある。
とてもではないが、白井黒子が「守る」などと大見得を切れる相手ではないのだ。

しかし、そんなこと以上に――
御坂美琴という人物は、誰かの犠牲をよしとはしない高潔な精神の持ち主である。

白井黒子は思い出す。「あの長い1日」を。
戦い、傷つき、敗北し、全てが終わった後でも事情は僅かにしか垣間見えなかった、あの日。
『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の『残骸(レムナント)』に関わったあの夜、白井黒子は思い知ったのだ。
御坂美琴という人間を。
そして、御坂美琴が見ている世界を。
何より、自らが到達したいと願っている世界の姿を。

御坂美琴は、誰かが犠牲になって終わる展開を、決して望まない。
彼女ならきっと、加害者も被害者もまとめて全部救おうとする。
彼女ならきっと、こんな馬鹿げた椅子取りゲームそのものを否定する。
彼女ならきっと、あの狐面の男が「無駄」と断定した「最後の1人になる以外の方法」を、ギリギリまで模索する。

ならば――白井黒子の取るべき道も、また同じ。
最後まで諦めず、この残酷なゲームを否定する道を探す。
御坂美琴と白井黒子では、持っている能力も才能も異なるから、全く同じというわけには行かないが。
殺し合いに積極的な者がいたら、『風紀委員(ジャッジメント)』の流儀で死なない程度に叩きのめし。
殺し合いの犠牲になりそうな者がいたら、『風紀委員(ジャッジメント)』の責務として保護する。
そして同時に、御坂美琴と白井黒子が手を取り合ってこの箱庭を脱出する方法を見つけ出す……!
どう考えても容易ならざる道だが、やるしかない。

「たった1人しか生き残れないなんて……そんな幻想、ブチ壊して差し上げますわ」

決意のための誓い。
自分で口にしながら、ふと何か引っ掛かりを覚えたが、まあいいやと軽く首を振る。
本音を言えば、何とかして御坂美琴と合流し、協力体制を取りたくはある。
あまり気は進まないが、御坂美琴が惚れているらしい「あの殿方」も助けにはなるだろう。
しかし、差し当たっては――

「差し当たっては、そう……貴方への対応をどうするか、ですわね」

白井黒子は軽く溜息をついて振り返る。
学園都市全体の治安に携わる『風紀委員(ジャッジメント)』なんて仕事をしていた関係で、身に覚えのある感覚。
敵意以上、殺意未満。やや困惑と怯えの色も混じった視線。
予知能力(ファービジョン)系の『能力』が無くとも分かる、その気配。独り言の途中から感じていた息遣い。
果たして、向き直ったその先には。

白い髪をした、小柄な幼い少女が、緑の瞳を見開いて、無表情に白井黒子を見つめていた。
……膝立ちの姿勢のまま、その肩にRPG−7を構えた格好で。
649創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:03:00 ID:iZUsPrFE
支援
650ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:03:30 ID:PmQm8ybX

 ◇


RPG−7。
旧ソビエト連邦で開発された、個人携行用の対戦車榴弾発射装置だ。
乱暴な話、「戦車さえも倒せる威力の、巨大な単発グレネードランチャー」。
簡便な構造や使い勝手の良さから、広く長く世界で利用されていた代物だ。

もちろん、「外部とは2、30年は技術レベルが異なる」学園都市では見る機会のない、旧世紀の遺物。
白井黒子とて、類似の兵器を資料の上で見たことがあるだけだ。
しかし、それでも分かる。
こんなものをまともに喰らったら、まあ生きてはいられないだろう、ということくらいは。

「それでも、わたくしにとっては、大した脅威ではないのですけれど」
「…………」
「荒っぽい手段に訴える前に、一応聞いておきますわよ。
 その物騒なものを、下ろして頂けませんこと?」

幼い少女の僅かな動きも見逃さないよう注視しながら、白井黒子は警告を発する。
かく言う白井黒子も、左右の手にそれぞれ刃物を提げている。
妙な動きをすれば、すぐにでもそれらが「空間移動(テレポート)」で少女に襲い掛かる構えだ。
標的は少女の構える武器そのもの。
狙いは相手の武器破壊。
空間自体に割り込む転移攻撃なのだ。鉄だろうがコンクリートだろうが簡単に切り裂き突き刺すことが出来る。
ぶっちゃけてしまえば、転移させるのは刃物である必要すらないのだ。
標的の堅さを問わずに貫く、見てから避けたのでは絶対に間に合わない、必殺の攻撃――
しかし、それだけの攻撃力を持ってなお、白井黒子は少し躊躇った。

「うーん……でも、それだと暴発が怖いですわね」
「…………?」
「ここはいっそ、手っ取り早く済ませた方がいいですかしら。こんな風に」

逡巡は1秒。
次の瞬間、白井黒子の姿は掻き消える。
消失と同時に、驚いた様子で口をぽかんと開ける少女の、すぐ隣に出現。
少女の視線が転移した彼女を捕らえる前に、す、と手を伸ばしRPGに触れ……
次の瞬間には、少女の肩の上から重みが消失する。
がしゃん。
小さな音を立てて、離れた場所にRPGが落下。大した高さではなく、この程度なら暴発の心配もない。
ほんのまばたき2つほどの間に、完全な武装解除に成功する。

白井黒子の能力、『空間移動(テレポート)』。
転移させられる対象は、彼女の肌に触れている物体、あるいは彼女自身。
限界飛距離81.5メートル、限界重量130.7キログラム。
ただし精神状態の乱れによってその性能は大きく低下するのだが……
この程度の『敵』の無力化など、実に容易いものだった。
『能力』を理解していない様子の少女にも分かりやすいよう、ナイフを突きつけた上で降伏を勧告する。
651創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:04:16 ID:iZUsPrFE
支援
652創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:04:36 ID:yL+HKaRj
653ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:04:40 ID:PmQm8ybX

「まだ、やられますか?」
「…………」
「なんのおつもりで、あんな物騒なモノを向けられたのか分かりませんが……」
「…………」
「貴方がまだ殺し合いに乗るというのなら、次は少し痛い目に会って頂くことに……」
「…………」
「……あの、わたくしの声、聞こえてます? 言葉、通じてますかしら? まさか……喋れない、とか?」
「…………わかる」
「…………」
「…………」

RPGを取り上げられ、その場にへたり込んだ格好のまま、しかし感情の読めない表情で見上げる少女。
白井黒子は、軽い頭痛を覚える。
言語が通じないわけではない。喋れないわけでも、聞こえていないわけでもない。
なのに少女は、いくら待っても口を開く様子がない……。

「これは、どうしたものですかしらね……」
「…………」
「誰か翻訳して下さる方はいらっしゃらないですかしら。
 わたくし、『読心能力(サイコメトリー)』の心得はないのですけど」
「…………」
「この子の考えそのものでなくても、代わりに会話して下さるだけでも助かるのですけれど」
「ならば私で良いのだろうか」
「誰でもいいですわ、このお地蔵さんみたいな子と喋ってるぐらいなら……って、え?」

反射的に言葉を返して、そして、白井黒子の思考は停止する。
驚きの原因は、2つ。
1つは、その声がさっき僅かに聞こえた少女の声ではありえない、妙に貫禄ある男の声だったこと。
もう1つは……その、声の放たれた源が。

「どうしたのかね。会話を望んだのはキミだったはずだ」
「い、いや、そうですけれど……え? 何? これ、腹話術か何かですの?」
「……ちがう。ねこ」
「その通り。私は猫だ。私が喋ることに何かおかしな点でもあるのかね。
 私にはキミが先ほど見せた不可思議な移動の方がよほど理解できないのだが」

白井黒子は今度こそ眩暈を感じ、額に手を当てた。
目の前の少女は無表情なまま、少し不思議そうな様子で彼女を見上げる。
そう……白い髪の少女に代わって発言した、朗々たるバリトンの声の主は。

少女の傍らに置かれたデイパック。
その口から半身を乗り出すように顔を出した、1匹の、三毛猫だった。
654創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:05:21 ID:yL+HKaRj
655ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:05:51 ID:PmQm8ybX




白い髪の少女の名は、『ティー』。
喋る三毛猫(珍しいことにオスだった)は、『シャミセン』。
シャミセンの方は『参加者』ではなく、ティーの『支給品』という扱いらしい。
どちらもシャミセンに質問を浴びせかけ、ようやく引き出せた情報だった。

ちなみにティーはその間、無言でシャミセンを抱きかかえたまま、物欲しそうな視線でRPG−7を眺めていた。
それを白井黒子に向けて構えていたのも、敵意や殺意に拠るものではなかったらしい。
ただ純粋に「それが炸裂する様を見てみたい」というだけの、ある意味、酷く傍迷惑な好奇心であったらしい。
何とも危うい、ティーの感性。
白井黒子は本格的な頭痛がしてきたこめかみを押さえ、何度目かも分からぬ溜息をつく。

「それにしても……何で猫が喋ったりするんですの? 常識的に考えてありえませんでしょうっ!?」
「私には何故キミが自分の常識こそ絶対だと思えるのかが分からない。
 キミと接触する前、こちらの少女から聞いた話では、彼女も『言葉を喋る犬』と日常的に接していたという。
 変革を迫られるべきなのは私の存在ではなくキミの常識の方ではないのか?」

妙に観念的なことを言う猫だった。やけに良い声をしているのがさらに苛立ちを誘う。
一事が万事こんな感じで、饒舌ではあるのだが会話は脱線してばかりだ。
ティーは相変わらず無言を貫き、しかし、この状況では少女を放置もできない。
白井黒子の悩みは、どうにも尽きることがないようだ。

それにしても……と、白井黒子は思う。
シャミセンが今言ったことは、あながち外れていないのかもしれない、と。

一例を挙げれば、こうして「猫が喋っている」という状況。
白井黒子の知識で強引に説明するとすれば……
例えば『念話能力(テレパス)』系あたりの能力者なら、似た現象を再現できるかもしれない。
実際に喋っている能力者はどこか別の場所に居て、この三毛猫を能力発揮の『足場』にでもすれば……。

しかし、そうやって強引に説明をつけようとすること自体が、かなり危険なのかもしれないのだ。
あの狐面の男の説明を受けた、あの最初の状況。
あそこから今いる現在地まで「飛ばされた」方法は、『空間移動(テレポート)』ではない。
少なくとも白井黒子の知る限り、能力者の使う『空間移動(テレポート)』系能力ではない。
白井黒子の能力では、同系統の能力者を転移させることは出来ないのだ。
そして、逆もまたしかり。
つまりあれは――「能力のように見えて能力に拠らない現象」、としか言いようがない。
となれば、「能力以外に基づく不思議な現象」が起こりうる可能性を、頭の片隅にでも留めておく必要があるだろう。
そう、それこそ……人語を喋る猫、のような存在も。

「常識を疑え、ね……。
 なんで猫なんかの言葉に感心しそうになってるのか、自分でも分かりませんけれど。
 確かにこの場では、先入観は抜きにした方が良さそうですわね。でないと、咄嗟の判断を誤るかもしれません」
「キミが私の言葉から何を得ようと私の知ったことではない。
 それはキミの判断であって私の判断ではないのだから」
「戯言はもう結構ですわ。それより、これからのことですけれども」

無駄に喋り続けるシャミセンを無視して、白井黒子はティーに向き直る。
無口な彼女に発言を求めても無駄だということは、この短時間で既に身に染みて理解している。
なので、あえて言葉での発言は求めない。
発言せずに意思が伝えられるよう、名簿を広げてティーの方に向けてやる。
656創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:05:52 ID:yL+HKaRj
657創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:05:52 ID:MZHz5jFk
支援
658創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:05:54 ID:iZUsPrFE
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659ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:06:59 ID:PmQm8ybX

「どなたか、貴方の知り合いはいらっしゃいません? その『喋る犬』とかいうのとは別に」
「…………」

沈黙。そして少しの思案。
やがてティーの指が、名簿の上の1つの名を指して止まる。

「『シズ』さん、ですか。この方お1人ですわね?」
「…………」
「貴方にとって、大切な方なんですね?」
「…………」

迷子の子供に1つ1つ確認するかのように、白井黒子は問う。
ティーは無言のまま、微かに頷く。
そして、

「では……貴方はこの方のために、御自分の命を投げ出すつもりはおありですか?」
「…………」

ティーと向き合う前に考えていた懸念。誰かに奉仕するかのように殺し合いにのる可能性を問い。
少しだけ考え込んだ様子のティーは、これも小さく、微かに首を振った。
ようやく安堵の溜息をついて、白井黒子は緊張を解く。

「それでは……当面は、そのシズさんとの合流を目指すことにしましょう。
 『喋る犬』の方も、そこの小生意気な猫のように『支給品』になっているかもしれませんしね。
 とは言っても、アテもありませんから、しばらくは適当に動き回ることになりそうですけれど」
「…………」
「了解した。それで私はどうすれば良いのだろう」
「デイパックにでも入って大人しくして下さいませ。余計な口出しされると五月蝿いだけですわ」
「……まあ、よかろう」

横柄な言葉と共に、シャミセンは素直にティーのデイパックに納まった。言葉とは裏腹に、物分りはいいようだ。
続いてティーが落ちていたRPGを拾い、これもまたデイパックに収める。
白井黒子も少し眉を寄せるだけで、とりたてて咎めたりはしない。
この先何があるか分からないのだ。無闇に濫用されるのはマズいが、武器はあるに越したことはない。

「さて、まずは……見晴らしの良い所に行きましょうかしら。あの大きなビルなど、良さそうですわね」
「…………」
「では、行きますわよ」

そして白井黒子は、ティーと共に虚空に消えた。
2人まとめての連続転移で、地図上に『摩天楼』と記された一際大きなビルを目指し、「駆け出した」。
ティーを保護する。シズや喋る犬を探してやる。御坂美琴や上条当麻も探す。殺し合い以外の解決策も探す。
容易な道ではない。が、しかしだからこそ、後ろを振り返っている余裕などないのだ――。





――再び無人となった深夜のビジネス街に、遠いさざなみの音が響く。
壁面に刻まれた、2本の刃物の傷。
たったそれだけの痕跡をその場に残して去っていった白井黒子は……しかし、気づいているのだろうか?
自らが「保護」した、その少女の心の内を。
別にティーは白井黒子に嘘をついていたわけではない、偽っていたわけではない。ただ、彼女は、純粋に……。
660創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:07:13 ID:yL+HKaRj
661ネコの話 ―― Girl meets Girl ―― ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:07:48 ID:PmQm8ybX

【E-6/ビジネス街/一日目・深夜】
【白井黒子@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[装備]:グリフォン・ハードカスタム@戯言シリーズ、地虫十兵衛の槍@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、不明支給品0〜1、
[思考]
 基本:ギリギリまで「殺し合い以外の道」を模索する。
 1.当面、ティー(とシャミセン)を保護する。可能ならば、シズか(もし居るなら)陸と会わせてやりたい。
 2.可能ならば、御坂美琴か、(気は進まないが)上条当麻とも合流したい。
 3.とりあえず見晴らしの良い所(E−5の摩天楼)にでも行ってみる
[備考]:
 『空間移動(テレポート)』の能力が少し制限されている可能性があります。
 現時点では、彼女自身にもストレスによる能力低下かそうでないのか判断がついていません。

【ティー@キノの旅】
【状態】健康。RPG−7を使いたくて、うずうず。
【装備】RPG−7(1発装填済み)@現実
【道具】デイパック、RPG−7の弾頭×2、シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱、不明支給品0〜1
【思考】
 基本:??? (とにかく手榴弾やグレネードランチャーやRPG−7を使いたい?)
 1.RPG−7を使ってみたい。
 2.とにかくRPG−7を撃ってみたい。
 3.機会があったらすぐにでもRPG−7をブッ放してみたい。
 4.白井黒子に怒られるかもしれないがチャンスがあったらRPG−7を炸裂させてみたい。
 5.RPG−7でなくとも、手榴弾やグレネードランチャー、爆弾の類でも可。むしろ色々手に入れて試したい。
 6.シズか(もし居るなら)陸と合流したい。そのためにも当面、白井黒子と行動を共にしてみる。
[備考]:
 ティーは、キノの名前を素で忘れていたか、あるいは、素で気づかなかったようです。
 シャミセンは用事がない限りティーのデイパックの中で大人しくしているつもりのようです。


【グリフォン・ハードカスタム@戯言シリーズ】
澄百合学園の一年生、西条玉藻が愛用する得物の1つ。
見るからに派手で凶悪なナイフ。

【地虫十兵衛の槍@甲賀忍法帖】
甲賀卍谷衆が1人、地虫十兵衛の愛用の得物。槍の穂先の部分。
手も足も無い地虫十兵衛はこれを己の食道に隠し、最後の切り札として口から発射する形で使っていた。

【RPG−7@現実】
旧ソ連が開発した歩兵携帯用の対戦車榴弾発射兵器。構造が簡単で世界的に広まった。
今回、予備の弾頭が2つセットで支給されている(合計3発撃てる)。

【シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱】
 キョンの家で飼われている元・野良猫。非常に珍しいオスの三毛猫。
 猫にしてはやけに大人しい性格で、人の言うことをよく聞く。三大欲求の中で睡眠欲が突出している。
 参戦時期は2巻目に当たる『涼宮ハルヒの溜息』の途中から。
 ハルヒの『力』の影響で、人の言葉を喋れるようになった模様。妙に観念的な発言をする。
662創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:07:49 ID:yL+HKaRj
663創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:07:58 ID:iZUsPrFE
支援
664 ◆76I1qTEuZw :2009/02/28(土) 22:08:25 ID:PmQm8ybX

以上、投下完了。支援感謝です。
何か問題等ありましたら指摘よろしくお願いします。
665創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:10:14 ID:iZUsPrFE
投下乙

ちょwwwww
ティーの思考欄wwww
666創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 22:35:35 ID:p3lf+RBZ
投下乙です!!!
ティーの思考が危なすぎるwww
なんなんだこいつはw
667創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:15:47 ID:kbQgeLuU
ティーどんだけだよww
RPG−7そんなに撃ちたいのかw
668創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:20:57 ID:HfEssqtf
投下乙。
駄目だこの幼女はやくなんとかしないとwww
669創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:30:23 ID:s6G6qJd1
それにしても、いつからティーはこんなことに……


……あ、原作初登場話で武器庫から手榴弾パチってるね、うんw
使い方が劇的だったから忘れがちだったけど
670創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:37:11 ID:jro5dovc
こちらにもお知らせしておきますねー

荒らしの駆除完了しました

★090228 創作発表板 「○●◎」容量潰し報告
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1235755946/
671創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:44:36 ID:ek8SZWs4
投下乙
なるほど、ティーに思考付けるとこうなるのかwww
それにしてもシャミは予想外ww
672創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 04:26:43 ID:ymp+m3bE
つかティーってどんなキャラなんだ?
凄い興味沸いた
673魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:17:08 ID:Bispw1OZ
駆除完了とのことなので
ステイル=マグヌス本投下します
674魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:18:24 ID:Bispw1OZ
 禁書目録ことインデックス、上条当麻、そして土御門元春。
 以上が参加者名簿に載っている彼、ステイル=マグヌスの知人達だった。

「……さて、どうするかな」
 何気なく呟いてしまった言葉に思わず苦笑する。

 ステイル=マグヌスはイギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会』に所属する魔術師であり、そうである前に一人の少女、インデックスに全てをささげた身でもある。
本来、いや少し前の彼ならばこの状況下においても自らの行動をどうしようか、などと迷うことはなかっただろう。
彼の魔法名である『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』の通りこの場にいる者全てを自らの魔術をもって焼き殺し、彼女に勝利をささげ自らはその命を絶つ。
 それだけの行為を成し遂げるだけの力を彼は身につけたのだから。
 では、どうして今彼は迷っているのか。

「……どうにも毒されているね、僕も」
 無意識に懐を探り、身につけていたタバコさえ没収されていたことに苛立ちつつも、「彼」のことを考える。今現在のインデックスのパートナー。ステイル自身は二度と立つことができない場所に
これからずっと立ち続けるであろう少年上条当麻。
 
 仮に先の考えのままインデックス一人を生き残らせたところでその途中で彼が失われたことをインデックスが知ればどうなるか。そのときの彼女の心境など二重の意味で考えたくはない。
 ……そんな考えが浮かんでくること自体、とある少年と関わって以来の「毒されている」ということに他ならないのだが。

 ――では、ステイル=マグヌスとしてはこの場所においていかなる行動をとるべきなのだろうか。
 彼は考える。
 先の皆殺し案は確かに乱暴な手段ではあるが同時にこれ以上ないほどにこの舞台のルールに則したベストとはいかなくともベターな案であることも事実だ。
その案が今のところは使用できない以上、ステイルはどのようにするのがベストなのだろうか?

 選択肢その一、今すぐにこの舞台でインデックスを探し出し、守る。

(……論外だな)
 この案を彼は即座に切って捨てる。ただでさえステイルは若さに似合わぬ強大な魔術を身につけることと引き換えにして
自身から戦闘のプロとは思えぬほどに体力・格闘能力を失っている。
 それに引き換えインデックスの逃走技術は極めて高い。
675魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:19:03 ID:Bispw1OZ
 一切の記憶を無くした状況下にあっても彼や神裂火織といったネセサリウスでも屈指の使い手たちの追撃を数ヶ月にわたって逃れつづけたという実績がある。
 仮に彼がインデックスの姿を探したこの舞台中を追いかけたところで、彼女からこちらに接触してくれる気になるまで彼女に会うことは敵うまい。

 選択肢そのニ、この舞台から脱出しようとする集団を作る、もしくはそのような集団にもぐりこみ数の力を持ってインデックスとの接触を図る。

(……愚策にも程がある)
 この案にも価値はない。
 確かに先の案に比べると、この案はインデックスと合流できる可能性は高い。しかし、それはあくまでも集めたメンバー全員が純粋に脱出を目指す場合の話だ。
一人でも集団にまぎれて優勝を目指す暗殺者が混じってしまえばメンバー間の疑心暗鬼によって集団は崩壊し、残された結果は危険人物に彼女の情報が渡ってしまうというだけとなる。

 選択肢その三、ひとまず彼女のそばで彼女の身を守ることを諦める。

(……やはり腹は立つけど現状ではこれがベストなのだろうね)
 ステイルは自嘲する。そう、今となっては彼女のすぐそばで彼女を守るナイトの役目を請け負っていいのはただ一人。彼にはできなかった本当の意味で彼女を守りきった一人の少年だけの栄誉だ。
 ステイルに許されるのは彼女に害が降りかからないように、彼女の目に止まる前に彼女に害成す全てを殺す。
 そう考えるならばと、ステイルは彼に支給された「武器」を見た。そう、好みに彼女の敵を全てひきつけることを目的とするのならばこれは大当たりの分類に入るだろう。

 それは武器というにはあまりに異質。
 そもそもが人に害成す為の使い方なぞ想定されていない。

 あまりに日常的なその「武器」の名前は拡声機という。

「……これを使えば」
 確実に彼の居場所を他の参加者に知らせることができるし、積極的に優勝を狙うたぐいの危険な参加者を集めることにもなるだろう。
「それが、どうした」
 迷うことすらない、なぜなら彼は全てを彼女にささげるとそう決めたのだから。
 そして彼は拡声機をもって会場へと語りかける。
676魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:19:58 ID:Bispw1OZ
『――この舞台に呼ばれた者達よ、聞こえるか? 我が名は『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』とでも記憶しておけ。
 この声が聞こえた者もそうでない者も関係無しに僕は貴様達に対して宣言する。貴様達のような愚かな者たちにその名を聞かせるのも憚られる為に、あえて名前までは伝えることはしないが、この僕が命に代えても守り抜くべき存在もこの舞台へと呼ばれている。
 よって僕はここに宣言する! 万が一この先彼女の名前が呼ばれるようなことがあれば僕は貴様達を一人残らず地獄へと叩き落そうと!

 脱出を願う多少は賢明なる者達よ、貴様達の奮闘を僕は期待しよう。貴様達が一刻も早くそして一人でも多くこの舞台から脱出できる方法を見つけ出せることを。
 タイムリミットはかの存在の命が尽きるまで、貴様達が戦う意思があろうとなかろうと関係ない。そのときがきたのなら僕は貴様達が無抵抗であろうがなかろうが、区別無しに殺す。
 そしてあの男程度の口車に乗せられて殺し合いを肯定してしまった愚劣極まりない矮小な微生物にも劣る存在たちよ。正直この瞬間にも貴様達と同じ空気を吸っていると思うことすら耐えがたい。
 すぐにここに来い! 僕のこの言葉が身の程知らずな大言壮語ではないことを、貴様達の苦痛と絶叫と死をもって証明してやろう。
 僕の所在地はD-4のホールだ。
 繰り返…いや、貴様達のような愚か者は先の言葉全ては覚えきれないか。簡潔に伝えてやろう。
優勝したいと願うような愚か者はエリアD-4ホールへ来て己が愚劣さをあの世で後悔せよ!』



 ◇ ◇ ◇


677魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:21:06 ID:Bispw1OZ


 拡声器をおろしてステイルはふう、と息をついた。
 これを聞いた彼の知人達がどう動くであろうか考える。

 ――インデックスにとって今の自分はあくまでも「上条当麻と一緒に動いたことがある魔術師」でしかない。あの放送をする前ならともかく、今となっては上条当麻と合流でもしない限りはこちらに近付こうとさえ思わないだろう。それでいい、と彼は思う。
 では上条当麻はどうだろう。あの少年がゲームに乗るところなどステイルには想像さえできない。まあ、もし仮に万が一そのような事態が起きているとするならば。

(遠慮なく、いつもの君のようにその間違った考えは叩き直させてもらおうじゃないか。まあ、僕は拳ではなく魔術を使わしてもらうがね)
 こちらの暴挙を止めるためにここへ来るかもしれない少年のことは草々に頭から追い出す。万が一インデックスよりこちらを優先させてここにくるようなら口先三寸、適当な理由をつけて追い払うつもりだ。彼には彼の仕事がある。
 そして最後の一人、土御門元春。
 荒事という点に関しては彼が最も信頼できるが、人格的には最も信用できない。そんな彼に対して、ステイルが下す判断とは……。

(ま、放っておけばいいさ)
 それだけであった。確かに人格的に裏切りさえ平気でおかすダブルスパイな彼は信頼するには値しない。
だが、リアリストな彼の知性に関しては信用してもいい。
 今は学園都市、上条当麻の保護下に置かれているとはいえ、インデックスが魔術の世界における超VIPであることに変わりはない。
 それを傷つける心配は今のところしなくていい。ならば今のところは彼は泳がしておくが一番だ。

 ――そして最期に彼、ステイル=マグヌス自身の今後に関して。
 
「さて、来るならこいよ愚か者達」
 拡声器を使わずホールの中で一人きり彼は再び宣言する。
 ここホールに飛ばされたのはルーン魔術を扱うステイルにとっては最高の幸運だった。何せ筆記用具や印刷機具には事欠かない。
 すでにホール内のいたるところにはルーンを刻んだ紙があるいはばら撒かれ、あるいは貼られている。
 ここはすでに彼が裁きを下す処刑場。のこのこ飛び込んでくる愚か者達にはその愚かさに対する報いを与えよう。

「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ(MTWOTFFTOIIGOIIOF)
それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり(IIBOLAIIAOE)
それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり(IIMHAIIBOD)
その名は炎、その役は剣(IINFIIMS)
顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ(ICRMMBGP)」
 
 ――彼の宣言とともに魔女狩りの王が顕現する。

 紅蓮に燃える処刑場、王を従えし魔術師は焔の剣を携えて愚かな獲物を待ち受ける。
678魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:23:23 ID:Bispw1OZ
【D-4/一日目・深夜】
【ステイル=マグヌス @とある魔術の禁書目録】
[状態] 健康
[装備] ルーンを刻んだ紙を多数。筆記具少々
[道具] デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1個所持ただし武器ではない) 、拡声器
[思考・状況]
1、インデックスの名前が呼ばれるまでしばらく(崩壊が3、4エリアあたりに迫るくらい)待ちつづける。
2、インデックスがここに来たら即座に保護。上条当麻、土御門元春ならば適当に追い返す(怪我等で休息が必要ならそれくらいは許す)
3、その他の参加者が来たら問答無用で殺す。
4、万が一インデックスの名前が呼ばれたら優勝狙いに切り替える。

【魔女狩りの王(イノケンティウス)】
魔術師ステイル=マグヌスが使用する魔術のひとつ、その意味は『必ず殺す』。
形状は炎の巨人を象る重油の人型で、
真紅に燃え盛る炎の中に重油のような黒くドロドロした人間のカタチをしたモノが芯になっている。
この炎の塊自体を攻撃しても意味は無く周囲に刻んであるルーンの刻印を消さない限り何度でも蘇る。
教皇級の魔術であり3000℃の炎の塊が突撃するその威力は凄まじいの一言。
強力さに相応の、結構な規模の下準備が必要であるのが欠点といえば欠点。

【炎剣】
ステイルがルーンのカードを設置した範囲内でのみ使用できる術式。
彼の主武装の一つで3000度の炎の剣を生み出す魔術。
ある程度形状を変化させる事もでき、これで斬りつけた物は白い灰か黒い炭と化す。
さらに炎剣そのものを爆発させ、広範囲を吹っ飛ばすことも可能。

679魔女狩りの王 ◆EA1tgeYbP. :2009/03/01(日) 18:24:11 ID:Bispw1OZ
投下完了。
仮投下したとはいえ、本投下が遅れたことはお詫びします。
680創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 18:48:12 ID:kbQgeLuU
投下乙なのです!!!
おぉ…拡声器をこんなふうに使うのか…
とことん不器用な男だな…ステイル
 
つか、上条ちゃんが聞いたら絶対止めにくるなw
681創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 19:14:41 ID:lIPT1MXv
投下乙
ステイルはステイルらしく行動してますね。
彼は防戦のエキスパートなので、バトルが楽しみです。
682創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 19:16:38 ID:Aof6k0hV
イノケンティウスが足を止めての戦いが得意だから、自分の得意領域に引きずり込んで戦うならステイルはこの戦法がベストだよな
投下GJ! 原作通り本当にインデックスに全て捧げるつもりだなあ、こいつw
683創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 19:17:54 ID:OVW7WMLI
投下乙。
D-4ホール……コクトーと吉田さんピンチ?w
位置的にもステイルに有利な状況となるが、突破するものが出てくるかどうか。
684創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 20:09:50 ID:ip0JlLHH
D-4ホールかぁ
周囲1マスに聞こえるとしたら
土御門、クルツ、フリアグネ、インデックス、ヴィルヘルミナ
白純、上条、北村、キョン、マオ、黒桐、吉田に聞こえるのか
波乱の予感wwww
685創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 20:49:37 ID:Aof6k0hV
というかいきなりかみじょーさんと禁書に聞こえるのかwwwステイル不遇w
686創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 21:05:40 ID:8idw1OiZ
投下乙です!
うん、自分のフィールドに引きずり込もうとしつつ謹書を守ろうとする
流石ステイルだな
ただ…いきなり当麻と禁書に聞こえるとはwwwww
687創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 22:25:07 ID:OVW7WMLI
書き手枠予約ktkr……って、おまえかwww
確かにスキルはロワ向きなので誰かが出すと思った。
そして一緒に登場するキャラの今の服装で波乱必死。
688創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 00:51:42 ID:h6Spotxa
あのムッツリが『最後の参加者』となるわけか(ちょっとかっこよく言ってみた)
自分も誰も出ないならカー元少佐か坂本にしようと思ってたけど、ムッツリを書ける人がいるなら
俺が出してたよりずっとか良い感じにしてくれそうだぜ。
期待して待ってる
689創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 01:15:04 ID:Gnv+Jhai
まさかのムッツリーニくるかw
690 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/02(月) 10:46:31 ID:79jD63ev
仮投下スレに、
「女怪」の改稿版、投下しました。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10390/1234718913/l50
691創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 14:45:19 ID:CVG+93eM
改定乙です

内容的な問題はないかと
ロワ的には無傷のマーダーが2人生まれたことになるので、またも波乱の予感
692 ◆EchanS1zhg :2009/03/02(月) 15:08:27 ID:nmqsowJi
玖渚友@戯言シリーズ 投下します。
693死線の寝室――(Dead room)  ◆EchanS1zhg :2009/03/02(月) 15:09:06 ID:nmqsowJi
 【0】


《 You just watch, 『DEAD BLUE』!! 》


 【1】


月に立ち向かい、天を剣の様に穿ち、超然と屹然と悍然と傑然と、そして一目瞭然とそこに存在する摩天楼。
孤高であるその頂点の周りには何も無く、光は聞こえず、風は見えず、天を見下ろせず、地を見上げることもできない。
虚無の空間。皆無の空間。絶無の空間は、全てを持ち合わせしかし何をも得てはいない王の為の孤独な空間。

何処とも繋がらない闇色の世界。そこに屹立とする漆黒の石塔。暴君の為の其処に、彼女の為の部屋が用意されていた。

白い――白い白い白い白い白い、外の世界とは真逆の真っ白の部屋。
潔癖と言うよりなお漂白されたと言う方が正しいような、異様で美しく不自然な白ばかりの空間。
床に敷かれた毛足の長いふかふかの絨毯は雪の様に白い。その上に並べられた家具のどれもが白く、
壁紙も全て白ければ勿論そこにかけられた時計や額縁なんかも一つの例外もなく全て真っ白だった。
部屋の中を照らす蛍光灯も病的なまでに白で、この部屋で白で無い部分があるとしたらそれは窓とその外側だけだった。

そんな白い部屋の中に彼女が――玖渚友が存在する。

蒼色の少女。完璧な少女。完璧で少女ではなく、少女として完璧な、欠ける所も余るところもなく完成された少女。
人間としては著しく不完全で不均等で不自然。故に、彼女は理の内を越えたところにある美しさを体現していた。
小さく華奢で白く儚げな肢体。
美少女などと言う言葉が陳腐に感じるほどの少女らしい、それが最上表現であり、でしかない整った可愛らしい顔。
そして、彼女の中で一際目を惹きそして彼女たらしめている――青色。
両の瞳と、足元まで流れる髪が天色。ありえないからこそ綺麗だと思える透き通るようなシアン。三原色の一端。

物語の中で最重要にして不必要。そんな青色の”点”が黒色の”面”の中の白色の”立体”の中に落とされていた。


 【2】


「うにー」

白い部屋の中に青い玖渚友。そしてその周りに散乱したノイズの様なあれやこれら。
それは句点の様に置かれたデイパックの中から彼女がぶちまけた、その中身――支給品の数々だった。

「四次元ポケット……なんて言ってたけれども、どちらかというとロッカーカッターの概念だよね、これ」

彼女にとって一番の関心事であった四次元デイパック。
零時より十数分程。構い格闘し実験して理解すると、ブラブラと振り回してそして彼女はそれを絨毯の上に放った。
それから、ふーんと納得するように息を漏らしながら散乱した他のあれこれを透がつ眺めつうろうろとし始める。
ひとつひとつを見て記憶し、触れて理解し、才能と称される脳の中へと情報を書き込んでゆく。

「わ。けっこう重い」

そして一つのスーツケースに彼女は興味を示す。一人の技術者として、独りの暴君として。
通常のものより一回り小さめなその紺色の四角い箱には、ただ”五号”とだけ名前がつけられていた。
付属していた説明書によると、この箱は核兵器――水素爆弾が内臓されているらしい。
694死線の寝室――(Dead room)  ◆EchanS1zhg :2009/03/02(月) 15:09:30 ID:nmqsowJi
「……分解は、できないか。ほーしゃせんの危険が危ないし、ね」

もっとも、その為の道具もなかったが玖渚友はそれをいたずらに分解することを諦めた。
通常は少なくとも数トンの重量とそれだけの体積を必要とする水素爆弾がスーツケース大に収まっているのは興味深いが、
しかし如何せんどうしようもない。内容が確認できなければこれはもう信じるか信じないかの問題でしかない。
そして確認する為には実際に爆発させてみるしか方法はない。
だが、もし本物の爆弾ならばこの6キロメートル四方の広さしかない世界の端は、それこそ”跡形も無く木っ端微塵”になるだろう。

「信じない理屈は存在しないけれどもね。うにー……っと」

そう言うと、玖渚友は立ち上がり壁一面を使った窓の方へとてとてとと歩いてゆく。
四次元デイパックという超空間を利用したものが実在する以上、必要な質量なんてものはもう存在しないも同義だからだ。
信じても信じなくてもいいことがあるなら取りあえずは信じておく。それが彼女のスタンスでありパターンでもある。

「こっちは東向きで、あの海の上に見える黒い壁が端っこかな。
 だとすればここまでの距離は1333メートル丁度と。ふぅん、鎌倉幕府が滅亡した年と同じだね、うん」

ガラスにぴたりとおでこをつけ、見下ろす夜景から得た情報で二次元の地図を三次元のものへと彼女は更新してゆく。
窓は東側にしかないので情報はそこから見えるだけの分しか得られないが、しかし現在地を割り出すのには問題はなかった。

「ここはE-5の摩天楼。だから消失までには後、53時間と41分26秒か……。
 いーちゃんが僕様ちゃんを見つけ出すのは十分の百倍はあるね。安心、安心」

ふふふ――と笑うと、玖渚友は振り返り外界へと繋がる唯一の、これもまた真っ白な扉を見つめる。
彼女の中には自身がその扉を開くなどという考えは毛一本ほども存在しない。面倒だし、不可能。そしてなにより、いーちゃんを信じているから。
扉はもとより、この状況。この異変。この事態が、自分といーちゃんの間を阻めるなどとは、それこそ原子一個分だって思っていない。

「予測の時間です。いーちゃんはあの扉を開いて開口一番なんて言う? 回答者僕様ちゃん」



  A 『 ――友! 大丈夫か、助けにきたぞ。一緒にぼくたちの家に帰ろう 』

  B 『 ――友! お前だけは生き残れ、ぼくはここで朽ちる。でも、お前の中からは消えない』

  C 『 ――友! この世界はもうお終いだ。二人で一緒に死のう。最後の最後に本当に宇宙を破壊してやろう』

  D 『 ――友! 結婚しよう! ぼくたちは史上最後のアダムとイブだ。世界の終わりまでえっちぃことばっかしようぜ』



じたばたじたばた。玖渚友は純白のシーツの上でにやにやにまにま、じたばたじたばたと悶えている。純粋な少女の様に――
695死線の寝室――(Dead room)  ◆EchanS1zhg :2009/03/02(月) 15:09:51 ID:nmqsowJi
 【3】


…………

……………………

………………………………

まどろみの中で青色の彼女は蒼色に思考する。少女ではなく”暴君”の一面。死線として、ほんの僅かに。



人類最悪――最悪の機械師――砂漠の狐(デザートフォックス)。

三度立ち塞がるか。

一度目は一年前。
いーちゃんの代替品であった《チーム》が解散に追いやられた――が、これはどうでもいいこと。
所詮は戯れ。対決以下の試し合いでしかなかったのだから。暇を潰せる程度としては悪くはなかった。

二度目はその半年後。
いーちゃんと敵対した。その結果は――ざまぁ見ろ。
”本物”と敵対してアレが勝てる道理があるだろう訳がない。いーちゃんの完全勝利に幕は下りた。

三度目は今。
幕は下りたというのに、今またしても――……………………。
それは三度目の正直? 二度あることは三度ある? 仏の顔も三度まで? ――無理は三度?

世界の終わり”ごとき”が、”私”と”彼”とを同時に相手取ろうとは片腹痛い。



歩く逆鱗と呼ばれる彼女。死線の先にいる彼女は待つ。己が寝室――立ち位置にて、何者かの到来を、世界の終わりが始まるのを。

………………………………

……………………

…………

zzz...



今は、ただ眠る。夢見る少女の様に――……





【E-5/摩天楼・頂上階/1日目・深夜】
696死線の寝室――(Dead room)  ◆EchanS1zhg :2009/03/02(月) 15:10:15 ID:nmqsowJi
【玖渚友@戯言シリーズ】
[状態]:健康、睡眠中
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、五号@キノの旅
[思考・状況]
 基本:いーちゃんらぶ♪ はやくおうちに帰りたいんだよ。
 1:いーちゃんが来るまで寝る。ぐーぐー。
[備考]
 登場時期は「ネコソギラジカル(下) 第二十三幕――物語の終わり」より後。




【五号@キノの旅】
一見すると紺色のスーツケースにしか見えないが、実際は水素爆弾を内臓した熱核兵器。
バックルの代わりにスイッチがついておりそれで起爆させることができる。
おまけの時限信管を使えば、起爆までの時間を3秒から100日までの間で調整可能。
697 ◆EchanS1zhg :2009/03/02(月) 15:10:36 ID:nmqsowJi
投下終了しました。
698創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 15:46:19 ID:4joinTUW
水素爆弾かw
参加者の命運は尽きたなw
699創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 18:19:51 ID:UR9Lpqme
投下乙。
地球破壊爆d……でなく会場破壊爆弾www なんてもの仕込みやがるww
青色サヴァンと暴君、二面性が上手いな〜
700創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 21:06:30 ID:4fCsIRjH
投下乙ですー
まさかの五号支給w
下手な真似したら参加者全員終わるなww
701創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:31:22 ID:OSgqFyan
Eちゃん乙。
バランスどころか天秤ごと吹き飛ばすような厄介なものをw
702創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 23:03:47 ID:37ewgqLu
投下乙!!!
ちょ…水素爆弾とか危険すぎるw
というかやっぱうにーな玖渚は可愛いな…
暴君モードもそれはそれで良いけどw
703創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 23:31:02 ID:Gnv+Jhai
投下乙です
いやいやいやいやww
水素爆弾とかハンパないw
しかも持ってるのが玖渚だからなー
周りの人も含めて今後が楽しみと言うか…怖いw
704 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:19:02 ID:YfsYWvaF
質問です。
「女怪」を改稿した結果、
当初と違い鮮花が生存するなど、内容が結構かわってしまったので、
こちらにも投下するべきでしょうか?
705創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 00:23:15 ID:yyGNKT9J
それなら此方にも投下したほうが良いと思われます
706創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 00:30:41 ID:s/1yXGZS
一応そっちの方がいいんじゃない?
707 ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:31:17 ID:YfsYWvaF
了解、では改めてこちらに投下します
708女怪(改稿版) ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:34:44 ID:YfsYWvaF
地図上で「E-5」と呼称されるエリアには、
背の高いビルがまるで林の様に乱立している。

このエリアは、エリアの中央部を北から南へ流れる一本の川により
東西に分断されていたが、果たして、
東側のエリアには文字通り天を突く一つの摩天楼が立っていた。

この摩天楼の内部、
地上から遠く離れた、頂上の奇怪な個室の階下の展望室に、
一人の少女が屹立している。

長い髪、引き締まった知性を感じさせる美貌の、
10代後半と思しき少女だ。
修道女を連想させる黒い装束に身を包んでいるが、
これは彼女が通う礼園女学院の制服である。

少女はしばらく思いつめた表情で、
窓から覗く下界の景色を眺めていたが、
不意に天上の月を見上げ、キッとそれを睨みつけると、
パッ、と翻るように踵を返す。

そして、この展望室の中央にあるエレベーターの前に立つと、
鉄の箱がここまで上がって来るまでの合間に、
右手に握っていた茶色の革手袋―火蜥蜴の革手袋―を、
キュッ、キュキュッと左右に着ける。

厚い鉄の扉が開き、鉄の密室の内部が晒される。
そこに確かに誰もいない事を確認するや否や、
彼女は即座に中へと入り込む。

鉄の扉は閉じられ、
彼女の背中はすぐに見えなくなった。



下へと移動する密室の中で少女、
黒桐鮮花は考える。

まずは守衛室に向かおう、と。
見たところ、このビルにはあちこちに監視カメラがあるが、
それを管理をしているのは恐らく守衛室だろう。
このビルに誰か他にいるのか、それとも自分一人だけなのか…
先ずそれを確認すればなるまい。

黒桐鮮花は考える。

支給品が火蜥蜴の革手袋だったのは幸運だった、と。
彼女の魔術の行使には、これは必要不可欠なのだ。
これから『戦場』に赴くのだから、
武器は使いなれた物の方がいいに決まってる。

『戦場』…
彼女はこの悪趣味なゲームの会場を戦場と呼んだが、
彼女にとってはここは戦場以外の何物でもない。
自分と『兄』以外、全て『敵』の戦場だ。

彼女は殺し合いに乗っていた。
709女怪(改稿版) ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:35:23 ID:YfsYWvaF


彼女、黒桐鮮花がこの殺し合いに乗ったのは、
非常に意外性を帯びていながら、同時に限りなく必然であった。

彼女は非常に負けず嫌いだ。
何せ、明らかに堅気で無い恋敵に対抗するために、
魔術という闇の世界に自ら飛びん込んでいくぐらいだ。
だから、普段の彼女ならば、毅然と真っ向から立ち向かっただろう。
まだ半年とはいえ、確かに境界の向こう側の世界に足を踏み入れた彼女ですら、
「異常」と断じる事が出来る悪趣味な遊戯、正体不明の「人類最悪」…
だがそんな「異常」も、彼女を止める足枷にはならなかったはずだ。
彼女はそう言う人間なのだ。

故に、本来、彼女はこの殺し合いに乗る筈など無かったのだ。

もし名簿にその名前が無かったなら。

黒桐幹也

ああ、彼が、兄が、幹也が、
自分が殺し合いに乗ってしまったと知れば、
どれほど悲しむか。
それを考えると鮮花は心が潰れそうになる。

(ああ…)
彼女は思うのだ。
(だって、しょうがないじゃない…)

彼のたった一人の、唯一無二の愛しい兄の名前。
自分の全てを投げ打っても、救わねばならない人。

その名前を見た瞬間、彼女は殺し合いに乗る事を決意した。
例え、鬼畜外道と蔑まれようとも、
それは彼女にとっての必然だった。

ふと、彼女の脳裏に過った一つの人影がある。
男みたいな恰好をした、いけすかない泥棒猫の事。
全身に煮えたぎった鉛を流し込まれるような悪寒を、鮮花は確かに感じた。

眼をとじ、頭を振って、無理やりその女の影を脳裏より追放する。
『あの女の事は、会ってから考えればいい』、そう彼女は自分に言い聞かせた。

何故、あの女の事を気にかけるのか、鮮花自身にも判然としなかった。
710女怪(改稿版) ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:36:01 ID:YfsYWvaF



黒桐鮮花がエレベーターに乗り込んだのと、ちょうど同じ頃、
一人の少女が摩天楼の正面玄関から外へと踏み出した。

本来ならば、彼女が奇怪と気にかけるであろう自動ドアにも、
今の彼女は一顧だにしない。

鮮花とそう変わらない年齢だと思しき少女である。
殺気のこもった眼は闇夜にあって燦々と輝き、
右手に閃く白刃が月影を照らす。

伊賀鍔隠れ衆頭領、お幻が孫娘、朧である。

朧は本来、深い影を落とす睫毛、愛くるしい小鼻、やわらかな薔薇の唇、
白くくくれたあごの世にも稀な美少女であり、
幼女の如き天真爛漫さを持った鍔隠れの麗しき姫君であった。

しかし、今の朧にその面影は無い。

髪留めより解けた美しい髪は、風にばさと棚引き、
顔面は蒼白で頬は心なしかこけて見えさえする。
それでいて、目にだけは異様な精気があり、
その恐るべき蒼い光の中に、名状しがたい妄執が渦を巻いている。

(私が…)
朧は心の中で独白する。

(私がちゃんと死んだのに…)
思い起こすは、慶長十九年五月七日の夕暮れ。

(弦之介さま…)
思い浮かべるは、自分の命と引き換えにした愛しの甲賀の主の姿。

(あなたを今度こそ…)
助けなくてはならない。あの愛おしい人の命だけは。
そのためには、わが身を八つ裂きにしてもいい。
他の誰もを犠牲にしてでも、彼だけは助けなければいけない。

(そう、私は愛する伊賀者を手にかけることだって構わない)
天膳、小四郎…
確かに死んだ二人の伊賀者。
今の私は彼らだって殺せる。

朧は、フラフラと夢遊病者の様に、化け物の様なビルの立ち並ぶ、
夜の街へと一人歩きだす。

(あの人に斬られるのだ…)
愛しい人の手にかかる事を夢想するこの堕ちた伊賀の聖女の微笑みは、
ある種の妖艶な淫靡さすら感じさせた。

ああ、哀れなるかな伊賀の姫君。
汝の愛する若君は、既に冷たい躯になっていると言うのに。
彼女は知らず、愛しの男の為に、一人夜を行く。
711女怪(改稿版) ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:36:35 ID:YfsYWvaF


月下の摩天楼に、二人の女殺人鬼が生まれた。

ああ、情深き女の執念よ。
気をつけよ世の男ども。
多殺一生是非も無し。
女は怖いぞ、女は怖いぞ…


【E-5/摩天楼のエレベーター内部/一日目・深夜】

【黒桐鮮花@空の境界】
[状態]:健康
[装備]:火蜥蜴の革手袋@空の境界
[道具]: デイパック、支給品一式
[思考・状況]
基本:黒桐幹也以外皆殺し
1:守衛室に向かう。
2:両儀式については会ってから考える。
[備考]
※「忘却録音」終了後からの参戦


【E-5/摩天楼のすぐ傍の道路/一日目・深夜】

【朧@甲賀忍法帖】
[状態]:健康、精神錯乱?
[装備]:弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖
[道具]: デイパック、支給品一式
[思考・状況]
基本:弦之介以外皆殺し
1:獲物を探す。
[備考]
※死亡後からの参戦

【破幻の瞳】
見るだけで如何なる忍法、妖術の効果をも破る瞳。
他人に化ける忍者は正体を暴かれ、不死の忍者はその再生力を失う。
妖術、忍法の効果自体を打ち消すのではなく、
その発生源たる術者の体質を、常人と同じ位置に引きずり落とす能力。
如何なる忍法をも修めることが出来なかった朧唯一の武器。
原作においては、弦之介の瞳術を真っ向から打ち破れる唯一の存在であると言われる。
「忍法」ではなく、ある種の特異体質。
完全に無意識に発動しており、敵味方関係なく、見るだけで無差別に忍法を無効化する。
712女怪(改稿版) ◆h3Q.DfHKtQ :2009/03/03(火) 00:38:12 ID:YfsYWvaF
以上です。
713創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 00:42:08 ID:s/1yXGZS
投下乙です
改めてこのエリア危険すぎるw
一体どうなるのやらwww
714創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 01:13:00 ID:sIiZOMty
これでマーダー何人目だろw
過半数いったか?
715創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 01:36:30 ID:ThxbOgkd
地図のスキルが無いせいで文字でしかお役に立てませんが、再び現在位置表です

A-1 大河、人識
A-3 キノ(危険人物)、天膳
B-3 明久&テッサ
C-2 如月左衛門(マーダー)
C-3 キョン&マオ
C-4 インデックス&ヴィルヘルミナ、シズ
C-5 フリアグネ(マーダー)
D-1 藤乃(危険人物)、弦之助(死体)
D-2 一姫(マーダー)、長門(死体)
D-3 ハルヒ&いーちゃん(マーダー)
D-4 コクトー&吉田、ステイル(マーダー)
D-5 クルツ(マーダー)&土御門(マーダー)
E-1 シャナ&実乃梨&秀吉、トレイズ&亜美
E-2 美波、竜児(マーダー)、古泉(マーダー)
E-3 上条&北村
E-4 白純(マーダー)
E-5 友、鮮花(マーダー)、朧(マーダー)
E-6 黒子&ティー
F-4 小四郎
F-5 朝倉(マーダー)&師匠(マーダー)

危険人物とマーダーは相変わらず完全に主観
ミスがあれば指摘お願いしますー
716創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 16:04:57 ID:yyGNKT9J
まとめ乙〜
相変わらず危険人物多いなw
717創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 16:18:30 ID:kuVgkNlU
先生! バナナはおやつに入るんですか? あと姫路さんの料理は武器に入るんですか?
718創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 17:25:08 ID:07hesX7X
>>717
姫路さんの料理は強引に相手の口に流し込めば拷問道具に出来ます。
なお、一食分間食させれば相手の体が強くなければ死ぬ事もありえます。
場合によってはフレイムヘイズやレベル5の超能力者でも殺せる恐ろしい武器です。
719創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 17:40:52 ID:EX164wlT
灯台の悲劇が素で起こせるという逸材だな
720創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 19:00:51 ID:s/1yXGZS
当たってるだけに笑えんな
721創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 09:46:33 ID:dCQM030E
姫路瑞希はおそらく登場話死亡だろうな。
流れ的にもポジション的にも。
722創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 10:02:29 ID:CmWRK9Xd
上条さんが生きてるロワでなに言ってんだお前?
723創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 10:31:53 ID:dCQM030E
上条とか関係なく誰かが死なんとロワにならんでしょーが。
朧が殺し損ねた分、他の忍法帖キャラで即殺せるし
ムッツリが増えたバカテス勢は一人減っても大丈夫!
724創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 10:52:11 ID:brQfLaKd
お前大丈夫か?
725創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 11:06:23 ID:YUK6c/Qu
書き手は基本ひねくれものだからねー。
こういえば逆に殺しにくいとか思うのだろう。
だが待てよ、ここはその逆を読んで殺せと言うメッセージなのかもしれん。
間を取って皆殺しというのはどうだろうか?
726創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 11:19:11 ID:dCQM030E
それはない。
727創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 11:27:54 ID:wYi+4Isx
好きな作品だが甲賀忍法帖は小説と呼ばれるイメージがあるから
ラノベと呼ばれるのに違和感を感じざるを得ない
728創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 12:57:10 ID:dCQM030E
忍法帖はいいがイリヤはいらないな。
成田作品がなぜ入らなかったか。
729創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 13:09:03 ID:+IW4JmP4
そんなもん人それぞれだっつーの
730創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 16:14:47 ID:76SfTZi0
投票されなかったからだよ。
731創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 16:26:10 ID:sGZnSZb6
しかしイリヤ勢未だに予約ゼロは由々しき問題でもある
まあ破棄はされたけど一度予約した人はいるし、まだ慌てるような時間でもないか
732創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 16:42:18 ID:li1D/U4j
イリヤは2回予約されて2回とも破棄されてるからなぁw
733創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 18:08:26 ID:9NboveYa
5/5のままで他作品のキャラは1〜2か。
予約破棄の影響で自重しあってるのか?
あと、残り3KB切ったからスレ建てんと。
自分はPC規制で建てられん。
734創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 20:00:12 ID:+22G1hAy
イリヤ勢はマジで誰か書かんと洒落にならない
他作品完売でイリヤだけ5人残りとかなるともう動かしようが無くなる
735創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 20:36:52 ID:li1D/U4j
新スレ立てました。
テンプレは避難所にある物を使用しました。感謝します。
ラノロワ・オルタレイション part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1236166355/
736創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 20:42:59 ID:Rc9QRlTu
スレ立て乙ー
737創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 21:43:51 ID:Ay/tS4rF

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        _,. -‐-`' ``'‐、,.‐'"´,. =ニ`
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     !  ,.-、 r' =。=== _  ,=。===,! ←クールな切れ長の目
     /   { ‐、!|  ` ー-‐' ''  \--‐' !
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   /.  ,、 ゙ー'|!、  ,..-‐───; 7゙│
  /_,./ l    │\ `ー-----‐'´/!\i
  ̄ .!  1    l  ヽ、   ー一 ./ ←強調された厚めの下唇
    |    i、   l.    ヽ、    / |  .|   `'‐、
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・作者のポエムで1ページ使用がザラ
・ほとんどが男性キャラ
738創る名無しに見る名無し:2009/03/05(木) 23:52:35 ID:0pEdeY5v
埋め
739創る名無しに見る名無し:2009/03/05(木) 23:53:08 ID:0pEdeY5v
うめ
740創る名無しに見る名無し:2009/03/05(木) 23:54:02 ID:0pEdeY5v
うめーーーーーーー
741創る名無しに見る名無し:2009/03/05(木) 23:55:36 ID:0pEdeY5v
埋め埋め
742創る名無しに見る名無し:2009/03/06(金) 00:21:43 ID:x9qq97Py


うめ
743創る名無しに見る名無し

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.    /    !( r||.        r __  \./| ←日本人離れした高い鼻
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・ほとんどが男性キャラ