今日読んだ本を報告するスレッド 第2刷

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1名無しさん@魚好き
前スレ
「今日読んだ本を報告するスレッド」
http://human.2ch.net/test/read.cgi/middle/1014978614/l50
2タク:03/02/28 20:49 ID:4Ai2qFB8
ここしばらく、仕事の資料を眺めているので、何も報告できない。

ワクワクするような物語が読みたい。
3タク:03/02/28 20:50 ID:4Ai2qFB8
しまった2ゲットでした・・
4名無しさん@魚好き:03/03/07 11:33 ID:ftgC8LFR
一応、保守します。
5名無しさん@魚好き:03/03/09 18:20 ID:iLDQ78kj
新潮文庫『蜘蛛の糸・杜子春』(芥川龍之介)より
「蜜柑」「魔術」「犬と笛」「猿蟹合戦」「トロッコ」など

文学板のおもしろそうなスレなどを読んでいて、いわゆる名作とされる
作品などをできる限り読んでおきたい気になり、とりあえずブックオフに行って、
文庫の100円コーナーにある名作とされるもののうち、未読のものや
自分で本を持っていないものなど10冊ほどを買ってきました。

「蜜柑」は、30年近く前に読んだはずなのですが、その後、
一度も読んでおらず、内容の記憶がないので、また読んでみました。
「魔術」は、途中のセリフ「オバアサン、オバアサン・・・」で、
オチを思い出しました。
「トロッコ」を最初に読んだのは、学研の科学・学習の夏休みの
読み物特集号だったと思います。この作品は、よく憶えているので
ところどころを拾い読みしただけですが、いつ読んでも、
心の動きを実にうまく表現した小説だと感心します。
6タク:03/03/10 10:16 ID:DrHCgnGp
白州正子『日本のたくみ』モノをつくるだけで満足できる瞬間ってたしかに
あるよなぁと思うしその境地に早くなりたい、
と同時にそれだけで食っていけるのはめったに無い幸せだよとも思う。
贅沢は言わない、喰えて、多少本を読む時間さえあればそれで充分。
7名無しさん@魚好き:03/03/10 17:33 ID:XsRBWZnn
ヘミングウェイ『老人と海』(新潮文庫、福田恆存・訳)
ほぼ前半部分(大魚が姿を見せるあたりまで)

ストーリーその他、読んでなくてもよく知っている人は多いでしょう。
私も、20年以上前にテレビのロードショーで映画を見たことは
ありましたが、原作を読んだことはなかったので、ブックオフで他の
いろんな100円文庫と一緒に買ったのを機会に読んでみることにしました。
大魚がかかってからの描写は、さすがにぐいぐい読ませるものがあります。
8名無しさん@魚好き:03/03/11 19:21 ID:1pibOZPj
『老人と海』
昨日の残り。

期待した割には、なにか物足りない感じも。
想像していたより軽く読めてしまったせいなのかどうか・・・
9195 ◆IyApGKf56Q :03/03/12 11:05 ID:w/y3wOS/
昨日寝る前に
『拝啓 マッカーサー元帥様』第二部まで

10タク:03/03/12 11:37 ID:ErFHgNXA
吉岡幸雄『のしめ』
格子柄を眺めているうちに眠ってしまった。読書とは言えない。
11大人の名無しさん:03/03/12 17:05 ID:+FfrT9/z
「ヤクザに学ぶ圧倒的交渉術」
まだ3分の1くらいしか読めてないけど
交渉ばかりしている仕事ならともかく、
実際カタギの仕事に役立つかというとどうだろう・・・
12山崎渉:03/03/13 11:54 ID:PeuSWTxZ
(^^)
13名無しさん@魚好き:03/03/13 17:23 ID:s4afX1KC
昨日、いったんは『有事法制批判』(憲法再生フォーラム/編)という
岩波新書の先月の新刊を読み始めたのですが、書店に行ってみたら、
話題の『戦争中毒 アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由』が
あったので買って、こちらを読み始めてしまいました。
今日は、中身をまとめる時間があまりないので、続きを読んでから
まとめて報告しようと思いますが、
アメリカの政治経済や外交政策(というより他国への介入か)などが
いかに軍需関連産業の支配下にあるかということを、マンガという
きわめて楽に読める表現方法でまとめた本です。
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=31044557
新聞やネット上で見た表紙のイメージから軽い内容の本かと思って
いましたが、想像した以上に中身の濃い、まじめな本なのです。
14大人の名無しさん:03/03/14 12:13 ID:KPsKFSa4
急にまた本が読みたくなって、近所で買ってきました。
面白半分で「マーフィー」でも読んで見ようかと。
しかし結局買ったのは
「人生は論語に窮まる」
「話を聞かない男、地図が読めない女」
「墜落遺体」
の3冊。

とりあえず、論語から読んでます。
原版は文章が難しくて時間が掛かるが、これならいけるはず。
15ななちタン@魚ちゅき:03/03/14 16:47 ID:nGPWmYcn
『戦争中毒 アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由』合同出版
ジョエル・アンドレアス:著、きくちゆみ:監訳
関連サイト
http://www.peace2001.org/
http://www.addictedtowar.com/

簡単にまとめようとしたのですが、ついつい長文になってしまったので、
長文の苦手な人は、ここだけでも読んでください。
この本は、今、地球上のすべての人、特に、日本を含む軍事大国の
国民にとって必読書です。
今、地球上から戦争やテロがなくならない理由(の重要な一つ)が
はっきりと書かれています。
16ななちタン@魚ちゅき:03/03/14 16:47 ID:nGPWmYcn
15万人のイラク人(その圧倒的大多数は非武装の民間人)が
死亡したと推定されている1991年の湾岸戦争について、
著者は、「だれが勝者だったか?」ということを考察しています。
まず挙げられるのが石油会社。投機と価格操作でガソリン価格を
つり上げ
莫大な利益を得た上に中東の石油供給を以前より強く掌握できるようになりました。
それから銀行家たち。約9兆ドルの中東石油の売買による収益が
アメリカやヨーロッパ、日本の銀行を潤しています。
それに建設請負業者。クウェート再建のための1000億ドルにのぼる
受注契約のほとんどは、ベクテル、ハリバートン、AT&T、モトローラ、
キャタピラーなどのアメリカの巨大企業が独占しました。
それから直接の軍需産業、すなわち、ゼネラル・ダイナミックス、
ゼネラル・エレクトリックス(GE)、ボーイングその他の経営者たち。
まあ、言ってしまえば「死の商人」たちですね。かれらにとっては、
ミサイルや弾薬がイラクにふりそそぐこと、つまり兵器の消費は、
すなわち自分たちの儲けがどんどん増えることを意味しているわけです。
さらに、外国でのアメリカの武器の売上高は、1989年の80億ドルから
91年には400億ドルにはね上がりました。
17ななちタン@魚ちゅき:03/03/14 16:48 ID:nGPWmYcn
マイケル・ムーアの『アホでマヌケなアメリカ白人』にも書かれていましたが、
アメリカでは今、教育関係の予算の不足から、学校にトイレットペーパーを
備えるためにPTAがバザーをしなければならないような状況で、
数百万人が薬物中毒やアルコール中毒に冒され、ホームレスは増え、
地域社会が荒廃しています。その一方で、空母の維持費としては1隻あたり
年間10億ドルもが国家予算からつぎこまれているわけです。
この10億ドルという予算があれば、1万7000軒の家が建てられます。
また160万人の妊婦を無料で定期検診して数千人の赤ちゃんを救うことが
できます。薬物中毒などの集中治療を30万人以上の人に施すこともできるし、
栄養失調の児童50万人に1年間毎日3食の食事を与えることもできるのです。
しかし、実際に政府が金をつぎ込むのは、多くの人の福祉などのためではなく、
ごく一部の人の利益のためなのです。
その他、テレビなどのマスコミが大企業に所有されていて、いかに都合のいい
報道がされているかといったことも指摘されており、「戦争で儲かるのは
だれなのか」ということを多くの人が考えないようになっているのも
無理のないこと(しかし、そのままでは困ること)とうなずけます。
18ななちタン@魚ちゅき:03/03/14 16:48 ID:nGPWmYcn
本の終わり近く、著者は、読者に対して問いかけています。
「この戦争中毒が、アメリカ国民、そして全世界の人びとをいったい、
どんな目にあわせているのか?」
「いったい、それはいくらかかるのか?」(1分間に100万ドル)
「もうけるのはだれだ?」
「支払うのはだれだ?」
「そして、死んでいくのはだれだ?」
「そのことを考えてみよう。そして、あなたも何かできることをしよう。」
と著者は言います。
最後のコマで「戦争中毒患者を追っ払っちゃえ!」というセリフに対し、
登場人物の子どもが「でも、どうやって?」と問いかけ、母親が
「それはこれからいっしょに考えていきましょ!」と言って、この本は終わっています。
確かに、「戦争が何者の利益のために行われているのか」を理解することは
できても、どうやってその者たちを「追っ払う」かは簡単なことではありません。
それでも、このような本を読み、そこに書かれていることを理解する人が
一人でも増えることが、戦争で自分や身近な人の命を失ったり
家や大切な財産を奪われたりする人のより少ない世界を実現していくことに
つながるはずだと私は考えます。
19大人の名無しさん:03/03/14 20:46 ID:YEXY2MO0
こうそつの30だいです。さいきんぼくもほんをたくさんよみます 。
今日はぱうろなんとかという人のアルケミスという本をよんでいます。
20タク:03/03/14 21:14 ID:WvRIJ5PD
歯科で「あと一時間は食べないで下さい」と言われ、治療が終ったのが11時50分。
空腹を意識しないためには、本屋に限ると古書店直行。

岩波新書の『江戸時代技術史』の上下購入。そばの棚に『家族・私有財産・国家の起源』
岩波、国民文庫、大月と3冊揃っているのを発見。あなどれないなぁこの本屋と
岩波を購入。
家で連合いが『・・・国家の起源』に「カッコつけてない?」とするどい指摘。
「内容殆ど忘れてるし・・今読まないと、もう読まないかも・・ゴニョゴニョ・・」

21タク:03/03/14 21:55 ID:oI5LYLVJ
>>19
読書に学歴は関係なし。私の読書指南役の年若い友人も確か学校は高校まで。
「公教育には全く期待できません」とすごい勢いで読書し続けています。
知識の量は全くかないません。
『アルケミス』無事読み終わりましたら、ご紹介下さい。
22大人の名無しさん:03/03/15 20:06 ID:0U9aIuI2
立花隆著「田中角栄研究」

昔読んだ本だが、読み返してみた。
23大人の名無しさん:03/03/15 21:45 ID:Xl02HUwe
奇遇ですね。
私は今日立花さんの「精神と物質」を読みました。
同じく、昔読んだ本を読み返しました。

これは毛利さんがノーベル賞をもらった時のインタビュー中心です。
24大人の名無しさん:03/03/15 21:59 ID:42MxvInV
肌に合わない本てないですか?期待して読み始めてみたがなんか違うとか。
そんなとき最後まで読みますかそれともやめちゃいます?
25大人の名無しさん:03/03/16 00:35 ID:h2jGMm1c
ムリして最後まで読みます。
しかし、二度は読まないな。
26タク:03/03/16 11:13 ID:0wbiSchQ
>>24
もちろんありますよ。合わないものの方が量的には多い。
選んで買った中にもそんなのばっかり。無理は、購入代金の無駄の上に
時間の無駄を上塗りしているようなものです。
そんなあなたに孫紹介ですが
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1046777032/l50

と、云うわけでということではないのですが
『家族・私有財産・国家の起源』をブツブツ云いながら読んでいると
連れ合いが岡本太郎の『今日の芸術』を勧める。
岡本太郎はオブジェはいいものがあるけれど、あの絵の前で「爆発だぁ」といわれると
なんだか怪しいオヤジですが、文章は旨い。多分絵よりも。
『今日の芸術』といっても40年以上前に書かれているけれど
「自己疎外」という問題から、義務づけられた社会生活(労働)の中で
遊ぶと言うことを生命の輝く全身的な充実感と生きがいの感じられるものに
しなければならないと説く。他者の価値観でなく、自己の発露である芸術(楽しむ
瞬間)の必要性と楽しみ方が書かれている。

自己疎外の説明は、エンゲルスよりも今日的で面白い。
こっちを先に読もう(笑
27名無しさん@魚好き:03/03/16 17:56 ID:IyinYNKD
前スレの最後で、芥川龍之介が自殺した頃の社会的背景について調べた際、
古書チェーン店の棚に、中央公論社の『日本の歴史 23 大正デモクラシー』を
見つけ、その本の中で、芥川龍之介の死についても項目を立てて書かれていたので、
100円(!)だったこともあり、買ってみたのでした。
興味のおもむくままにところどころ拾い読みなどしていますが、
デモクラシーや社会主義の思想が盛んになり、労働運動などが高揚する
この時代については、学ぶべきことが少なくないようです。
買った後で知ったのですが、この中央公論社版の『日本の歴史』第23巻の
著者である今井清一氏は、あの岩波新書の『昭和史』を著した三人のうちの一人で、
つまり、この本は、『昭和史』の冒頭部分を詳述したものにあたるのでした。

これまでに読んだ部分で興味深かったのは、関東大震災後に混乱に乗じて
社会主義者や朝鮮人が井戸に毒を入れたり暴動を計画したりしているという
流言が広まり、かれらが不当に弾圧され虐殺された事件についての記述です。
>冷静に考えてみれば、荒唐無稽な話である。震災の混乱のなかで、朝鮮人
>だけが連絡をとって暴動を起こせるはずはない。寺田寅彦も述べているよ
>うに、かりに市中の井戸の一割に毒を入れ、いちど飲んだだけで人を殺す
>かひどい目にあわせるだけの濃度にするとしたら、はたしてどれだけの分
>量の毒薬がいるか、市中のめぼしい建物に片っぱしから爆弾をなげこむと
>したら、どれほどの爆弾と運搬の人手がいるか。それだけの爆弾や毒薬を、
>震災がおこった瞬間にどうして調達できるのか。

しかし、当時は、この流言を利用した警察の行動もあって、多くの
人がこれを信じ込み、朝鮮人に対する迫害・暴行に走ったのでした。
不確かな情報の氾濫と冷静さを失った民衆のヒステリックな反応という点で、
この事件は、現在でも忘れてはならない教訓を残しているように思います。
28名無しさん@魚好き:03/03/16 17:56 ID:IyinYNKD
>>24
私は、「これは会わないなぁ」と思った本の場合には、無理せずに
読むのを中断して、他の本に移ることが多いです。(ただし、そんなふうに
感じる本を読み始めてしまうことは、そう多くはありませんが。)
なにしろ、読むつもりで買ってあるけれど、まだ1行も読んでいない
なんていう本もたくさんありますから。(笑

>>26
>岡本太郎の『今日の芸術』

amazonの紹介文も読んで見ましたが、実におもしろそうな本ですね。

>前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、
>うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあ
>ってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常
>に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失わ
>れた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければな
>らない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。

>絵!!画の世界でよくある「机の上においてある傾いたリンゴ」や「豪
>華なシーツに寝転がっている女性の裸体」なども、典型的なパターン
>ですが、日常の生活の中でこんなふうにわざとらしくリンゴをおいた
>り、ましてや女性が素っ裸でよこたわることなどあり得ないわけです。
>彼は、ヨーロッパやギリシャの肉体賛美の伝統がその根底にあり、そ
>の時代には意味があったが、日本には襖や障子もふっとあけられて、
>すぐに「のぞき見」されてしまう。したがって、日本人がそういうも
>のをみて感激するのはブランド信仰に他ならないと..
29大人の名無しさん:03/03/16 17:59 ID:lHHtKbnA
吉田戦車の「殴るぞ」
30大人の名無しさん:03/03/16 18:16 ID:B+4myXp6
マンガもあり?
ならば 中川いさみ「カラブキ」
31名無しさん@魚好き:03/03/17 18:31 ID:PO8v8ana
岩波新書『有事法制批判』(憲法再生フォーラム編)を少しずつ読んでいます。

カバーの折り返しの言葉によれば、以下のような本です。
>「備えあれば憂いなし」の掛け声のもと、立法化が進む有
>事法制。これは、本当に私たちの安全を守るものなのか。
>立憲主義の精神はどうなってしまうのか。日本国憲法の価
>値を擁護し発展させる活動を続けるフォーラムが、有事法
>制の背景・しくみ・問題点を徹底検証。有事法制を根底か
>ら批判し、平和主義を生かす道とは何かを提示する。
32大人の名無しさん:03/03/19 01:30 ID:dqhgrI3H
久しぶりに本の板に行ったら「竜馬がゆく」関連のスレ発見。
今までは、夫が持っている小説は小バカにして読まなかったけど
見事にはまってしまいました。
面白いね、この小説。
33名無しさん@魚好き:03/03/19 19:43 ID:jU4ivLnn
フランソワ・ボワイエ『禁じられた遊び』(角川文庫)を読み始めました。

ルネ・クレマン監督の映画(およびその主題曲)であまりに有名な名作です。
http://homepage2.nifty.com/cs-vision/products/cinema/cinema02.html
今朝、選んだ時には意識していなかったのですが、フランスの文学です。
で、そのことに特に意味を持たせるつもりはなくて、一緒に買った
ドルトン・トランボの『ジョニーは戦場へ行った』の方(こちらは
アメリカ文学)を先に読み始めてもよかったのですが、たまたま
何冊か重ねて置いたままにしていた100円の古本のうちの
上の方にあったものを選んだのでした。
34名無しさん@魚好き:03/03/20 19:36 ID:ZxTAflZg
『禁じられた遊び』のつづき

「牛乳コーヒー」というのは、もしかしてカフェオレのことか?
などと思いつつ読み進めています。
35大人の名無しさん:03/03/21 14:09 ID:KYAtyQFd
吉田戦車 『いじめてくん』
36名無しさん@魚好き:03/03/21 18:47 ID:5q8xrFAq
『禁じられた遊び』を読了。

映画はテレビで2度ほど見た気がするのですが、いずれも10年以上
(へたをすると20年くらい)前のことなので、場面の印象が強く
ストーリー自体はよくおぼえていませんでした。
背景にあるキリスト教文化についての理解があるとまた印象も
違ってくるのかもしれません。
明日から『ジョニーは戦場へ行った』を読むことにします。
37大人の名無しさん:03/03/21 22:33 ID:p/OOSaPs
竜馬がゆく2巻突入しました。
38大人の名無しさん:03/03/22 17:40 ID:R8FHerez
「ニホン語日記(2)」井上ひさし著

外来語風の和製英語を連発して喜んでいる三馬鹿は、お役所と旧国鉄、それに軽薄な企業と
昔から相場が決まっているが、(中略)
とりわけ日本語では、助詞をつけさえすれば、どのような単語であれ、それぞれその場所に
ゆったりと落ち着く。どんな単語が入ってこようと助詞のおかげで文法は崩れない。たとえ
妙チクリンな外来語風の和製英語でも、日本文はやすやすと受け入れるのである。(中略)
たとえば、ニーズがそうだ。なぜ、必要や要求や需要ではいけないのだろうか。少し長ったらしい
にしても、「消費者の需要」で悪いのか。ポリシーも「政策」でいい。あるいは、「原則」「方針」
でよろしい。国際ハブは国際拠点で、ミニマム・アクセスは最低輸入量で、リゾートは保養地で、
なぜいけないのだろう。農業センサス・工業センサスなども、全数調査、変動調査でよいではないか。
(中略)
グリーン車だの、シルバーシートだのといった、自分勝手な外来語風の和製英語が多いから閉口する。
さきほどのグリーン・ツーリズムにしても、少なくとも筆者の所有する英和辞典や英英辞典には載っていない。
つまり、わたしたち日本人は、どこかで通用するかのような幻想を抱きながら、どこにも通用しない
カタカナ語(=和製英語)に悩まされている国民ということになる。

以上、「ハローワークって何」の項。

普段、思っていることが、そのまま書かれていて、力強く思いました。
39名無しさん@魚好き:03/03/22 19:41 ID:JCvrYhvE
ドルトン・トランボ『ジョニーは戦場へ行った』
(角川文庫、信太英男/訳)を読み始めました。

出版社の内容紹介は、以下のとおりです。
>戦場で砲弾にあたり、目、鼻、口、耳をそぎとられ、両脚、両腕ま
>で切断された青年ジョニーが過去から現在、現在から未来へとめぐ
>らす想念…。発禁にあいながら反戦の想いをこめて版を重ねた問題作。

第一次世界大戦を受けて第二次世界大戦の直前にアメリカで発表され、
アメリカが戦争をするたびに発禁になり、戦後に再版されるということを
繰り返した本なのです。

>>38
関連しつつ思った私見なのですが、横文字をそのままカタカナの
用語として使うのは、「その言葉を日本の言葉でどう表現するか」
という努力の放棄であり、思考の手抜きという面があるんじゃないでしょうか。
近頃は日本で公開する洋画の題名でも、原題をカタカナ化したそのままのものが
受けがいいからという理由で増えているという報道がありますが、
誰もが感心するような見事な邦題を付ける努力もお願いしたいものです。
40大人の名無しさん:03/03/22 21:39 ID:rlUPv7Yl
竜馬がゆく3巻目突入。
戦争関連ニュースをほったらかして読んでます。
41名無しさん@魚好き:03/03/23 19:07 ID:YQAAjMnp
『ジョニーは戦場へ行った』
67ページまで

普通のあたりまえの生活の回想と重症を負った現在とが交互に描かれていきます。
42大人の名無しさん:03/03/24 21:42 ID:pMrejw8/
ちっと詳しく書いたほうがいいのかな?
竜馬がゆく4巻目に入りました(8巻のうちの半分ですね)。
やっと竜馬が本腰をあげて維新に向かい活動し始めました。
このまま一気に最後まで読みたいと思います。
一日一冊であと4日。
イラク×英米戦争終了とどちらが早いかしら。

皆さん読む本はどうやって選んでますか?
私は現在は2ちゃん読書スレで。
以前はダ・ヴィンチでした。

43大人の名無しさん:03/03/24 21:45 ID:pMrejw8/
ちなみに、選んだ本は手帳に書いて
図書館で探しています。
2ちゃんに来てから読む本のジャンルが増えました。
44大人の名無しさん:03/03/24 22:24 ID:L55an2vX
SRR速読教室
http://www.office-srr.com/
↑これで1年ほど独学したけど1000文字/分にしかならなかった…(;´Д`)
理解力がついていかない・・・

石坂浩二は速読の知識なしで1000文字/分だったらしい。
45名無しさん@魚好き:03/03/25 18:32 ID:sYAcNKr4
『ジョニーは戦場へ行った』
104ページまで

いよいよ病院のベッド(?)の上の主人公の今の現実の姿が
本人に自覚されてゆく描写になってきます。

>>42
>ちっと詳しく書いたほうがいいのかな?

単に本のタイトルを書くだけのレスでも全然かまわないと思います。
その上で、ちょっと書いてみたらどうかと思うような内容のことが
書かれるのも、さらにいいと思います。
読んだことのない本のことを他の人のレスで知ったり、
読んだ本について他の人のレスで自分にはない角度からの
見方などを知るのもおもしろいものです。

>皆さん読む本はどうやって選んでますか?

私は、新聞などの書評欄でよさそうだと思った本を読んだり、
いわゆる名作で読んでおいた方がよさそうに思うものを読むことが多いです。
このスレで紹介された本を読むこともありますね。
46大人の名無しさん:03/03/25 19:37 ID:0sXJdicR
「趣都の誕生: 萌える都市アキハバラ」(森川嘉一郎著、幻冬舎)。
秋葉原電気街がオタクの街に変貌した過程を分析した本。
オタク論というより、オタクを題材にした日本人論になっていて、
かなり面白かった。書き方も立体的で見渡しが良い。
47名無しさん@魚好き:03/03/27 18:23 ID:4HFid/Ij
『ジョニーは戦場へ行った』
157ページまで

アメリカが戦争をするたびにこの本が発禁になったということの
直接の理由と思われる記述が出てきます。
つまり、民主主義のため、自由のため、祖国のためなどと理由を付けても、
そのために喜んで死んでいく者などいるわけがない、戦争での死に
尊厳などというものはない、ということが赤裸々な言葉で書かれているのです。

>>39の訂正
>第二次世界大戦の直前にアメリカで発表され

正しくは、「第二次世界大戦の直前にアメリカで執筆され、
第二次世界大戦の勃発から2日後に出版され」でした。

余談ながら、この角川文庫版の訳は、正直言ってあまりいいと思えません。
私でも、おそらく誤訳なのだろうと想像できてしまう個所があります。
「彼を産む直前三日間、母親は働きずくめだった」
「産んだ後も10時間仕事をしていた」といったような訳は、
おそらく labor という単語の意味を取り違えているのでは。
(実際どうかわかりませんが、この本の訳では意味不明です。)
48名無しさん@魚好き:03/03/28 19:53 ID:r+DNQLUY
『ジョニーは戦場へ行った』
200ページまで
49大人の名無しさん:03/03/28 21:41 ID:CMkMblNU
竜馬5巻目。
西郷どんと会いました。
この後二人は親友に?
50名無しさん@魚好き:03/03/29 19:23 ID:HYXfqdxb
『ジョニーは戦場へ行った』
240ページまで

この本が今もなお読み継がれ、感動を与えているのは、
これが単に戦争反対を訴えるだけの小説に留まらず、
絶望的な状況でも決して絶望してしまわずに、
ごくわずかな可能性のために全力を尽くす主人公の姿勢に
よるのだろうと思うのです。
ようやくのことで看護婦とのコミュニケーションに
成功するところは実に感動的です。
51大人の名無しさん:03/03/29 21:34 ID:PrTSkIaq
「晴子情歌」(高村薫)下巻
108ページまで
晴子がいよいよ、いい年頃になり、
これからが楽しみです。
52タク:03/03/29 23:33 ID:i2lFhOst
山下悦子『きもの歳時記』平凡社ライブラリー
洋服が当たり前の生活と、和服で過ごす日々の情感の差を感じた。
言葉にしても、振袖は『袖ぶりのある着物』からきていて、『たすきは人助け』
解決の糸口の『糸口は繭から生糸を巻き取る時の始めの部分を上手にとることにより
あとがスムースに取れてくること』。
ものがなくなると言葉がやせてくる、と作者は書いているが、誰でもが
日々の生活の中で承知していたことが、いつのまにか見知らぬことになっている。

そう云う我が家も畳の無い生活なので、小学生の子供は、
手をついてする挨拶や障子の明け方も知らない・・・
53大人の名無しさん:03/03/30 21:08 ID:yyjbQ/TB
竜馬7巻目。
あっという間にあと2巻を残すのみとなりました。
今になってお慶というイイ女が竜馬の前に現れました。
どうなることやら。
54名無しさん@魚好き:03/03/31 19:25 ID:/7MmE/SL
『ジョニーは戦場へ行った』読了。

最後の主人公の訴えは、絶望なのか、皮肉なのか、狂気なのか・・・
「戦争に行かせようとする者に対して銃を取る」という意味に
理解したいところですが。
その後の歴史は、おおぜいのジョニーを生み出しながらも、
戦争を推進するためには、ジョニーを表に出させない方がよい
ということを学習してしまったように思えます。
55ななちタン@魚ちゅき:03/04/04 17:44 ID:sP9j950P
モーパッサン『脂肪の塊』(岩波文庫)
だいたい前半くらいを読みました。

人のいい太った女性が主人公の話ということは、ずっと昔に
なにかで読んで知っていたのですが、その人が娼婦だということは
今回、本の表紙の内容紹介を読んで初めて知りました。
舞台は普仏戦争中のフランス。
同じ馬車に乗り合わせた主人公と商人や貴族たちの関わり合いが描かれます。

ほとんど関係ないのですが、私は、中学生くらいの頃に『毎日新聞』掲載の
東海林さだおの四コママンガで読んだ、食べているハムの中に「脂肪の塊」を
見つけた男が食後に書棚から『脂肪の塊』を手にして読み始めるという、
なんともナンセンスな作品の記憶が、いつも頭の片隅から離れずにあったのでした。
56大人の名無しさん:03/04/05 02:05 ID:QEjpaxW8
竜馬がゆく読了。

最後まで急いで読んで損だったかも知れないです。
もっとじっくり腰を据えれは良かった。
非常に面白い本であった。

57大人の名無しさん:03/04/05 04:53 ID:odidhqrq
「風神の門」
「城塞」読み終わったんでその流れで読み始めました。
58名無しさん@魚好き:03/04/05 18:15 ID:aSdXhmpE
『脂肪の塊』読了。
文庫で90ページほどの短編です。
馬車の中で同乗者たちみんなに親切にした「脂肪の塊」が
その後、みんなのエゴの犠牲にされてしまいます。
人間の身勝手さを描くとともに、この頃の読者にとっては、
相当に風刺の利いた物語として絶賛されたのだろうと想像します。
同乗者たちは、商人、工場主、貴族、尼僧、「民主主義者」です。
59893:03/04/06 16:13 ID:S6xJl9lY
久〜しぶりに、

中公新書「日本の歴史・第26巻―よみがえる日本―」(蝋山政道著)
P126まで。
60名無しさん@魚好き:03/04/07 17:31 ID:voHqiudj
新潮文庫『ヘミングウェイ短編集(一)』から
「インディアン部落」
61名無しさん@魚好き:03/04/07 17:31 ID:voHqiudj
うっかりsageのまま送信してしまいました。
62タク:03/04/08 10:56 ID:8NDzbnbf
急にいろいろなことが忙しくなり、時間が取れない・・・
『カニバリズム論』 中野美代子 途中まで。
渋沢龍彦の前書きで、動物は進化の過程で同じ種を一撃で倒す能力が削がれている、
それを維持しているのは人間だけとあった。進化に逆らってまで殺戮を繰り返す
のは、悲劇なのか喜劇なのか・・人間の知恵もたいしたことは無い。

生後一年が食べ頃とあったが、確かに子どもが1歳頃は
可愛いという意味でも、歯ごたえ(!?)の面でも、食べてしまいたいという
感覚はあったなぁ(笑
63名無しさん@魚好き:03/04/09 18:40 ID:9exc6aJt
新潮文庫『ヘミングウェイ短編集(一)』から
「医師とその妻」
64かおりん祭り:03/04/09 18:41 ID:IF6TP+H8
http://www.saitama.gasuki.com/kaorin/

  〜oノノハヽo〜
     ( ^▽^)/⌒\                       , −-
     ((ニ[二=(  こんなのがございま−−==≡≡す♪  ))
   /∧=:||  \_/                       `ー‐‐'
     じ/___/
65大人の名無しさん:03/04/11 17:00 ID:KlvRwGhx
井上ひさし
「文学強盗の最後の仕事」
66大人の名無しさん:03/04/11 17:06 ID:Z9S+cu0t
―――復讐○仕返し○特殊探偵○悩み事相談○駆込み寺―――
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
●復讐・貴方に代って恨み晴らします!★★★別れ工作★★★
騙された・捨てられた・弄ばれた・相手に誠意がない・債権トラブル・
不倫疑惑・妊娠中絶問題・素行調査・★★★仕返し代行★★★悩み事相談
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◆復讐・不倫の修羅場24時◆危険◆
67名無しさん@魚好き:03/04/12 08:58 ID:1JrrKZ4h
書き込みできなかった昨日の分です。

大西巨人の短編集『五里霧』(講談社)より
「連絡船 一九四一年十二月」

召集され入隊を前にした新聞社の社員が、学問への志を持つ少女のため、
「精神の、魂の、連絡船」とすべく彼女が女学校に通い続けることが
できるよう金銭面の便宜を図る話。
公務員や大会社の正社員は召集されている間も給料が出たが、
小自営業者や農民など元々貧しい者にはなんの保障もなく、
親が召集されたために学業を続けられなくなることが
珍しくなかったという当時の実情を背景としています。

最初に少女が読んでいた本が、
・前田晁・訳『キイランド短編集』(岩波文庫)
・北原白秋自選歌集『花樫』(改造文庫)
社員が少女に渡した本が、
・岡本かの子『母子叙情』
・中野重治『歌のわかれ』
・『中野重治随筆抄』
・五島美代子ほか著『歌集/新風十人』
・北原白秋歌集『桐の花』
少女が古本屋で買った本が、
・『有島武郎集/有島生馬集』(『或る女』『カインの末裔』『生れいづる悩み』所収)
・『新興藝術派文学集』(十一谷義三郎『唐人お吉』、川端康成『浅草紅団』所収)
・若山牧水自選歌集『野原の郭公』
・前田夕暮歌集『生くる日に』
68名無しさん@魚好き:03/04/12 18:30 ID:6mgy3Pn4
で、今日の分。

大西巨人『五里霧』より
「縹(はなだ)富士 一九九二年一月」
69名無しさん@魚好き:03/04/13 19:05 ID:BV+XQzrg
大西巨人『五里霧』より
「雪の日 一九八四年二月」

この短編集は、発売当時(8年程前)に一度通読していたのですが、
去年、同じ著者の『神聖喜劇』を二度目に読んでみて
内容の理解をいくらか深めることができたように思えたので、
この本も、もう一度読んでみることにしたのでした。
「コノばかメ! ツギノ戦争ノセイダヨ!」という『神聖喜劇』でも
引用されていた詩の一節がこの「雪の日」でも引用され、
戦後をまた戦前にしてはならないというテーマが
打ち出されている作品のようです。
70ななちタン@魚ちゅき:03/04/14 19:27 ID:9Xu63wk2
大西巨人『五里霧』より
「方言考 一九五六年三月」
71大人の名無しさん:03/04/15 17:40 ID:XgKRpV8M
松沢哲郎「進化の隣人-ヒトとチンパンジ−-」(岩波新書)

先日、NHKスペシャルで放送された、道具を使うチンパンジー、アイとアユム親子を
中心とした番組の活字版のような内容。その中で、チンパンジーが道具をどう使うのか
アイとアユムに教え、観察しながら、物事の教授法を著者である松沢教授自身が語っている。

(1)直後のフィードバック。
(2)その基準がふらつかない、安定した基準。
(3)正の強化によって維持する。
(中略)
 ただし、もし長期間にわたる学習をするのであれば、「叱る」というのは賢明な方法ではありません。ほめて
くれる人は好まれます。ほめられる。リンゴがもらえる。ほめられる。一緒に遊んでもらえる。このような積み重ね
でそのきずながどんどん深まっていきますね。そういう人がいなくなるということは大きな損失になります。いつも
ほめてくれる先生役というその人の存在は、重要なものになります。
 ところが、これが叱る先生、「違う、違う」と言う先生だと、もしその人がいないと、とってもほっとします。間違っても
「違う」と言われないわけですから、あの人さえいなければもっと安穏な生活ができるのに、と思っても不思議ではありません。
人間でたとえていえば、その先生とは、夜道を歩くときに、だれかが後ろからバットで殴りかかってきたりしないか、
常に注意をはらっていないといけないでしょう。なぜなら、その先生がいなくなれば、生徒の側は非常に安穏な生活ができるわけ
ですから。

 なんだか、人間生活の指南書なのか、チンパンジーについての観察から導き出された教育法なのかわからないが、
かなり該当する部分があると思いました。
72山崎渉:03/04/17 10:25 ID:SBKZMixa
(^^)
73名無しさん@魚好き:03/04/17 19:38 ID:RDd/5OK2
大西巨人『五里霧』より
「老母草(おもと) 一九八一年四月」

ちょうど今の時季にふさわしく花見の話。
(うちの近所では、今が七分咲き〜満開といったところです。)
ただし、花見が主題ではなく、花見に出かけた文芸部員の大学生らが
たまたま見つけた見事な桜の木のある家で花見をさせてもらうが、
ただの老婆と思い、態度には出さないまでも不遜な考えを持ったりもした
相手の家人が実は・・・という話。
実におもしろく読めましたが、それと同時に、文芸に限らず
あらゆることについて、他人を甘く見るべきではない、
常にできる限り相手を尊重すべき(やや言葉のニュアンスが適切で
ない気がするけれど)ということをつくづく思わせ、
冷や汗の出るような気分にもさせてくれます。
74大人の名無しさん:03/04/17 19:43 ID:M8ioAh46
これから読みます。

「メディア・コントロール」 ノーム・チョムスキー著 集英社新書
「優しい経済学」 高橋伸彰著 ちくま新書
7574:03/04/18 18:56 ID:Lu0OPeWA
「優しい経済学」P168まで。

これまで疑問を抱いていた、小泉内閣の目指す「構造改革」の本質がどんなものなのか、
よくわかったし、「構造改革」推進の立場でも、これまでのような成長一本槍ではない、
新しい社会を目指した真の意味の「構造改革」が、どんなものなのか、腑に落ちた。
76大人の名無しさん:03/04/19 19:30 ID:lruxwjHC
ノーム・チョムスキー著「メディア・コントロール」

日本の新聞やテレビからは伝わって来ない、アメリカ政府のマスコミ操作が
手にとるようによくわかったし、理解できたように思います。ベトナム戦争
の頃は、消防の低学年でしたが、当時のアメリカでの反戦運動が、今以上に
盛り上がっていなかったという背景は、新しい発見でした。
77山崎渉:03/04/20 05:00 ID:aoltBWWq
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
78山崎渉:03/04/20 05:04 ID:aoltBWWq
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
79名無しさん@魚好き:03/04/20 18:45 ID:LHAJfRwv
大西巨人『五里霧』より
「同窓会 一九四六年五月」

世間一般的な序列(出世の度合い)による差別意識丸出しの者がいる同窓会。
世の中には、そういう場面は往々にしてありそうですが、
私自身は、そんな場面に立ち会ったことは不思議とありません。
それは、すでにそういう世界からははじき出されたせいなのかどうか・・・
80ななちタン@魚ちゅき:03/04/24 17:41 ID:GOgKCGza
大西巨人『五里霧』より
「胃がん 一九八二年六月」

「人はクリエイティブ・パワーを持続しつつ、長生きすべきである」
ということには大いに同意します。
しかし、それだけの物語でもないようで・・・
81名無しさん@魚好き:03/04/25 19:43 ID:MsU8w4Ou
大西巨人『五里霧』より
「立冬紀 一九三七年七月」

蘆溝橋事件により日中戦争が開始された直後の列車の中での
ちょっとした偶然のめぐりあわせ。
82大人の名無しさん:03/04/26 12:14 ID:sUwYJIG1
みんな渋いの読んでるね〜

私は「吾輩は猫である」を読んでます。
83名無しさん@魚好き:03/04/26 20:38 ID:dvazqDIO
大西巨人『五里霧』より
「五里霧 一九九〇年八月」

「一般に女性は陰茎の長大な男性を好む」とか
「強姦に対して積極的に抵抗しない女性は同意している(和姦である)」
といった男の側の神話というか伝説というか迷信のようなものにまつわる話。

どうでもいいのですが、「いんけい」で一発変換できませんね。
それじゃぁと、「いんしん」で変換してみたら、一発で「陰唇」が
出てきたので、そこから「陰」の字をコピペしました。
84大人の名無しさん:03/04/26 23:18 ID:aGxKIH3E
藤沢周平「市塵」
江戸時代の儒学者兼幕僚新井白石の生涯を描いたもの。
藤沢さんの本でなければ新井白石の生涯なんて興味も湧かず、
一生知ることもなかっただろうと思う。

どうでもいいけど「いんけい」で一発変換できたよ。
魚好きってのはどこの板なんでしょう。
85名無しさん@魚好き:03/04/28 19:45 ID:kFQtvMc1
スリムな人でしたよね。大西巨人『五里霧』より
「底付き 一九三一年九月」

>>84
>魚好きってのはどこの板なんでしょう。

こんにちは、和食板の名無しさんです。
86   :03/04/28 20:34 ID:n6FnzmoF
先週号のフライデー
87大人の名無しさん:03/04/28 21:47 ID:x1X8G8lH
漏れも先週号のフライデー読んだ。歯医者で。
88大人の名無しさん:03/04/28 22:43 ID:qkZ/tKsh
ええー? 和食板ってどこにあるの??
89大人の名無しさん:03/04/28 23:28 ID:QwywqqlV
90名無しさん@魚好き:03/04/29 09:27 ID:vPMZNq1H
>>89
激しくブラクラですね。
クリックしてはいけません。
91大人の名無しさん:03/04/29 15:55 ID:cmtlMkqu
ノーム・チョムスキー著 「メディア・コントロール」

アメリカにおける政府の手法が、なるほどな、とよくわかりました。同時に日本政府と小泉内閣の
政治手法にも十分当てはまるなと思いました。

 1991年のいま、アメリカではきわめて典型的な事態の展開がある。これを経験する
のは、アメリカが世界で初めてではない。国内の社会問題や経済問題が深刻化し、大混乱を
引き起こしかねない状態になっているのだ。権力につらなる者のうち、これに対処しようと
する者はいない。過去10年の政権の国内政策を―民主党の反対も含めて―見てみるがいい。
 医療、教育、ホームレス、失業、犯罪、犯罪人口の激増、投獄率、スラム地区の治安の悪
化など、これら数々の深刻な問題に、真摯な対策は何一つ講じられていない。こうした状況
は誰でも知っているのだが、状況は悪くなる一方だ。
 ジョージ・W/ブッシュ政権(1989―93年)下の最初の二年間だけでも、貧困線
以下の暮らしを余儀なくされる子供は三〇〇万人増え、債務はふくらみ、教育水準は低下し、
国民の多くの実質賃金は1950年代末と同じ程度に下落している。それなのに、誰も対策
を講じようとしない。
92大人の名無しさん:03/04/29 15:55 ID:cmtlMkqu
 こうした状況にあっては、とまどえる群れの注意を、何とかして別のところへそらす必要
がある。彼らがこれに気づきはじめれば、不満が噴出するかもしれない。これによって苦し
むのは彼ら自身だからだ。ただスーパーボウルやホームコメディをあてがっておくだけでは
十分でないかもしれない。ここはひとつ、敵に対する恐怖心をかきたててやる必要がある。
 1930年代に、ヒトラーは国民を扇動してユダヤ人やジプシーへの恐怖心をかきたてた。
自分を守るためには敵を叩きつぶさなければならないというわけだ。同じように、私たちに
も私たちのやり方がある。この10年、1年か2年ごとに、ある種の強力な怪物がつくられ
つづけた。
 いつでも都合よくつくりだせる怪物は、かつてロシア人だった。ロシア人なら、つねに自
らを守る必要のある敵に仕立てることができた。ところが昨今、ロシア人は敵としての魅力
を失いつつある。ロシア人を利用するのは日を追って難しくなっている。そこで、何か新し
い怪物を呼びださなければならなくなった。実際、人びとはまったく見当ちがいの批判をジ
ヨージ・ブッシュに浴びせてきた。(中略)。
 しかし、ブッシュにはもうそのてが使えず、新しいものをこしらえなければならなかった。
ちょうどレーガン政権の広報機関が80年代にやったように。
 そこで、国際テロリストや麻薬密売組織、アラブの狂信者、新手のヒトラーたるサダム・
フセインなどの、世界政府国乗りださせることになった。そうした輩を次から次へと出現さ
せなければならないのである。国民を怯えさせ、恐怖におとしいれ、臆病にさせて、怖くて
旅行もできない、家にじっとちぢこまっているしかない状態にさせる。
93大人の名無しさん:03/04/29 15:56 ID:cmtlMkqu
そうやって、グレナダやパナマなど直接対峙せずに叩きつぶせる無防備な第三世界の軍隊
に大勝利をおさめる―それが現実だった。やっと一安心。われわれは土壇場で救われたわ
けだ。そう思わせることで、とまどえる群れの注意を周囲の現実へ向けさせず、うまく気を
そらさせたまま操作することができるのだ。
(ノーム・チョムスキー著「メディア・コントロール」より)
94名無しさん@魚好き:03/04/30 19:47 ID:/C/8AFHr
大西巨人『五里霧』より
「エイズ 一九八七年十月」

結婚とはどうあるべきかに関する一断面。

>>85
>スリムな人でしたよね。
これは、コピペのミスでした。

>>91-93
チョムスキーは、現在のアメリカにあっては、非常に貴重な存在ですね。
95名無しさん@魚好き:03/05/01 18:26 ID:MrLFcMzh
大西巨人『五里霧』より
「牛返せ 一九四九年十一月」

悪税の取立てに対するきわめて大衆的な抗議デモの描写。
制定後数年の日本国憲法に規定された「言論の自由」というものの
あるべき現れ方を示しているようにも読めます。

最終章の「連絡船 一九四一年十二月」を最初に読んでから
第一章に戻って読み進めたので、ここまでで全体を読了。
さまざまな年のある月、ある時の個別の状況を書きながら
現代の問題に対する鋭い問題提起をしているように思えます。
96名無しさん@魚好き:03/05/05 20:34 ID:4L0t6yeR
『大西巨人文選1 新生』(みすず書房)より
「俗情との結託」

本当は4巻まであるこの文選の各巻末の対談、すなわち、
現在に一番近いものをまずひととおり読んでみるつもりでしたが、
ついこの有名なエッセイを読んでしまいました。
97195 ◆IyApGKf56Q :03/05/06 22:54 ID:LwKhP5QI
今日は日記で書いた本のほかにこれも買ってきたのだった。
http://img33.ac.yahoo.co.jp/users/0/2/9/3/rtsuyoshi-img450x600-1050474715p1010030.jpg
大草原の小さな家の料理の本

インガルス家であの日色ともゑ声のお母さんが作ってた料理レシピ全集だ。
なんかいつも美味そうだったあの料理レシピが私の手元にあるのだ。
なんとうれしい事よ。
98大人の名無しさん:03/05/11 23:52 ID:qGFpRtq/
ここのスレの皆さんは「新ゴーマニズム宣言」読んだことありますか?
今日文庫本で初めて読みましたが、非常に疲れました
99195 ◆IyApGKf56Q :03/05/12 00:40 ID:7oaz0fLh
>>98
読んだ読んだ。つまんねえ本だ。ありゃ、漫画家がルサンチマンむきだしで書いてる
ただのアジビラだ。呉や浅羽があるところまでは褒めてたがね。
竹田&橋爪&小林よしのりの対談集ってのがあるから読んでみるといい。
竹田橋爪の対談集として最高の出来だ。小林の名前は売るための人寄せパンダよ。
で、小林よしのり、当該書籍でなんの役目も果たさず、自分がいかに○新聞に批判されたか、
いかにエイズ団体から指弾されたか、そんな繰言ばっかりよ。
100大人の名無しさん:03/05/13 01:13 ID:eiXo7iBi
100人の地球村
101名無しさん@魚好き:03/05/15 17:58 ID:BEYi2AVk
『大西巨人文選1 新生』(みすず書房)より
巻末対話「虚無に向きあう精神」(柄谷行人、大西巨人)

>>98
「新」でない初期の頃のは、『SPA!』(だったか?)を
読む機会がある時には読んでいましたが、その後のものは
「読んだ」と言えるような読み方はしていません。
また、積極的に読もうという意思もありません。
102195 ◆IyApGKf56Q :03/05/16 11:20 ID:DcGWbX2P
昨日寝る前に読んだ本『「歴史の終わり」と世紀末の世界』浅田彰
冷戦後の世界はどこへ行くのか!フクヤマ、ジジェク、サイード、リピエッツ、ボードリヤール、
バラード、ヴィリリオ、ギュンター、ロトランジェ、リオタールそして柄谷行人
−日本の若き知性が、いま世界で最も刺激的な議論を展開する11人の多彩な論客と語り合った初の対論集。

フランシスフクヤマの部分だけ。
103大人の名無しさん:03/05/16 11:48 ID:pfjgpqB4
「続婚のすすめ」「60歳のラブレター」「妻の大往生」
・・・まだ結婚前なのに・・・。
現在「宮尾本 平家物語3」注文中。
華やかさにちとかける。
104195 ◆IyApGKf56Q :03/05/16 21:09 ID:TgEbdp0m
能條純一『翔丸』全三巻
絶版

小林よしのりが異常天才を書くのが一流、と呉がいっていたが私には異論がある。
こいつの描く異常天才はとんでもなく憧れる異常天才ばかりである。

絶版なのが非常に惜しまれる。
105タク:03/05/20 16:34 ID:dmcfXnGT
ル・グィン著ゲド戦記のD『アースシーの風』を終了。
前作までの緊張感が欠けていた。今回のテーマは異民族異文化との融和。

これとあわせて丸山真男『日本の思想』を読んでいて、これは私にとっては
非常に難儀で、引用だけしか出来ないんだけれど、いろいろに引っかかっていた
大正時代に数万人といわれたマルクス主義者が、その後の弾圧で
すっかりファシズムに取り込まれてしまったのはどういうことなんだろうという疑問
の糸口などが見えてきそうで、回らない頭をひねりながら、なんとか最後まで
読もうとしています。

で、ゲド戦記Dなんだけど、たぶん『日本の思想』に気持ちがひかれながら
読んだためだと思うけど、
アメリカという国が、自国の独自文化の確立といものがあるのだろうか。極端な言い方だけど
歴史が新しい分、文化が浅い。
そのために、異文化・異民族との共生が出来たとしても、理解が
いまいちできていないんじゃないかと思った。
異文化の理解と言うものがそもそも抜け落ちていて、「癒合」ということが異文化と共生する
ということだけに終始しているのはがっかりした。
ル・グィンは好きな作家で前作まではワクワクしながら読んでいたのに、
このことがテーマとなったときに、そのバックボーンのアメリカ文化の浅さが
仇となったのだろう。

それとも、アメリカの「異文化との融合」は「理解」とは全く別の問題と考えるべきなのかも
しれないとも思った。
106山崎渉:03/05/22 01:14 ID:Xs41nPw7
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
107名無しさん@魚好き:03/05/22 18:03 ID:Sv6UOjoA
『大西巨人文選 2 途上』より
巻末対話「共産党との関わり・その他」(武藤康史、大西巨人)

かつて日本共産党の党員であった大西巨人の党での活動や党との関わりを話題にした部分で以下のような対話があります。

>武藤 共産党にはいるということは、将来、共産党が政権を握っ
>  たときのための用心であるというような、出世を狙ってるか
>  らなんだというような説を読んだことがありますが、いかが
>  でしょうか。
>大西 それは誰が言っているのですか。
>武藤 矢沢永一です。
>大西 そういう人もいたでしょうね。人間の集まりだから。
>武藤 そんなお気持ちは……?

ここまで読んで、「おいっ、『神聖喜劇』の作者を目の前にして、
よくそんなとんでもない質問をしてしまえるもんだな」と思い、
読み進めると・・・

>大西 全然ない。そんな気持ちの少しでもある人間は、『神聖喜
>  劇』のような小説を書くことはできない。

とはっきり答えていて、実に見事なものです。
108大人の名無しさん:03/05/22 19:51 ID:1dX0XUAG
「斜め屋敷の犯罪」島田壮司

最近の本格ミステリのなかでは群を抜いてイイ!と勧められて読んだけど
ちょと無理がありすぎと思った
109大人の名無しさん:03/05/22 20:44 ID:xnriIcxA
マリーアントワネット.
いわゆるひとつのマリーさん周辺の感情が反転し雪崩をおこしそうな
あたりまで読みました。どこにでもありそうな話だけど・・
110ななちタン@魚ちゅき:03/05/24 09:23 ID:HpInZ5wg
書き忘れていた昨日の分

『大西巨人文選 3 錯節』より
巻末対話「倫理の根拠をめぐって」(花崎皋平、大西巨人)
111ななちタン@魚ちゅき:03/05/24 20:18 ID:HpInZ5wg
今日の分

『大西巨人文選 4 遼遠』より
巻末対話「個の自立について」(鎌田慧、大西巨人)
112大人の名無しさん:03/05/25 14:58 ID:O1zvL5rO
「日本の歴史・24・ファシズムへの道」大内 力著 中央公論社
P200まで。

 繰り返しになるが、今の世相と酷似している。これで、首都圏直下型大地震が
起こったらどうなるんだろう、などと考えてしまいました。また、

「現内閣を組織してゐる田中首相及びその閣僚は、彼等自身ではそのやってゐることが何であ
るかを知らぬであらう。しかし我々は恐れる。彼等の行為は、過去五十年にわたって日本人が
努力して築きあげて来た立憲政治に一つの区切りをつけ、日本の政治的発展に方向転換をなさ
しめるものではないかと。我々は自由な明い政治を持つ方法として、議会の発達に希望をつな
いできた。然るに普通選挙の実施を一段階として、現在の政府は反動政治の幕を切って落とした。
明い政治は暗い政治に方向転換をした。我々はこれより、もっとも陰鬱にして危険なる、絶望
的にして不愉快なる時代を経過せねばならぬかの予感におそはれてゐる」
(『政界人物風景』政治評論家 馬場恒吾 昭和三年発行 より)

の部分、現内閣にそのまま該当するのでは、と思いました。
113名無しさん@魚好き:03/05/26 19:45 ID:R8G9RO84
医者の待合室で読むために文庫本を持っていきました。

新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(三)から
「天窓のある部屋」「ブラックジャックの売渡し人」「伯爵と婚礼の客」

一巻本の旺文社文庫版に収録されていなかった作品を
まとめて読んでいるわけですが、やはり、厳選するとなると
はずされてしまうのもしかたないか、といえる作品です。
「伯爵と婚礼の客」などは、どちらかというと好きなストーリーですが、
やや深みに欠けるかという気はします。
114大人の名無しさん:03/05/26 20:16 ID:7qmaAGRn
透析中の読書用に・・「ナインスゲート」集英社文庫
           アルトゥーロ・ヘレス・レベルテ。
 思い切り衒学的そんでもって難解だけど面白いかな?
 今度フランドルの呪絵も読了したいと思いました。
 映画から入ったもので・・この作品。
  
115あぼーん:あぼーん
あぼーん
116名無しさん@魚好き:03/05/30 19:10 ID:pxbgLJ8B
松本清張『危険な斜面』(光文社・カッパノベルズ)より
『ニ階』

とある印刷物で、この短編の内容紹介(書評ではない)を読み、
おもしろそうなので読んでみました。
病気療養中の夫に看護婦を付き添わせて二人だけで二階にいさせて
階下で印刷屋を経営する妻の不安な心理を描いています。
当時としては意外な展開だったかもしれませんが今となっては
ありきたりの展開・・・と思って読み進めると、今でも、やはり、
意外と言えそうな結末を迎えます。
117195 ◆IyApGKf56Q :03/06/01 11:02 ID:Ky3CtxGO
押井守『西武新宿戦線異状なし』

大友の『気分はもう戦争』のほうがずーっと面白いのだなぁ。
118名無しさん@魚好き:03/06/03 20:35 ID:b1gGFy8M
朝から
『大西巨人文選1 新生』(みすず書房)
を読み始めました。
敗戦後まもない1946年の評論から始まっています。

それから、病院の待合室で
『ブラック・ジャック「90.0%」の苦悩』(豊福きこう・著、秋田文庫)
をざっと通読しました。
この本については、↓こちらのスレに書き込みました。
http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1054432466/l50
119名無しさん@魚好き:03/06/03 20:38 ID:b1gGFy8M
うっかりsageのまま書き込んだので、上げます。
120タク:03/06/09 15:19 ID:YStcMFbv
高島俊男『お言葉ですが・・』
民という文字は「民は冥なり」「何もわからない連中」と言う意味があったんだぁ。
妙に納得させられた瞬間です。
ニヤニヤしながら読んでいるうちに、私だってこれくらいの間違いは日々やっているぞ
と青くなったりもします。
121195 ◆IyApGKf56Q :03/06/09 18:35 ID:nibO1cnH
>>120
その人さ、めちゃめちゃ喧嘩っぱやくて、それで東大やめてダラダラ文筆活動して、
で、またどっかの教授になったんだけど、本当に『山月記』の冒頭、
『性、狷介、自ら恃むところすこぶる厚く』って人で、でも面白い。
支那非差別語説を呉よりもきっちり文献学的に立証したのはこの人。

今日買った本
大西巨人『二十一世紀前夜祭』を二十一世紀になってから買った。
122名無しさん@魚好き:03/06/09 20:33 ID:993sI9eu
『大西巨人文選1 新生』
1947〜48年の時評。
虚無からの再生という『神聖喜劇』に通じる記述あり。

>>121
>大西巨人『二十一世紀前夜祭』

それも、かなりおもしろいです。
123タク:03/06/11 15:37 ID:rV4/3YLv
夕べNHK『クローズアップ現代』で有事法制の特集をやっていた。
侵略者が上陸してきたら、それを阻止する戦いのための遮蔽物や壕をほるのに
個人の家屋や土地を接収する法的な問題について等いっていたけど、
考えて見れば、侵略者が日本に向かっている情報をキャッチしてから
住人をどかして家屋を取り壊してそれらの遮蔽物をつくるのに少なくても
2日は掛かる。その前に上陸を妨げることのほうが先でしょ。
1日たたないうちに、沖縄からも、フィリピンからも、ハワイからも、グアムからも
米軍が出動して上陸前に食い止めることができる。
だってそのための日米安保だし、
沖縄県民(民とは何もわからない連中という意味だそうです)の永年の苦労でしょ。
上陸戦にそなえての法律とはなんとクラッシックな戦争を想定しているんだろう。
核をミサイルに搭載したら、遮蔽物や壕ではなくて地下シェルターが必要になる。
と疑問に思いながらその後、読んだのが
高島俊男『お言葉ですが・・』の「昔観兵、今演習」。
『「観」には、自分が「見る」の意味と、相手に「見せる」の意味とがあるが
このばあい「見せる』のほう。訓読では「兵を観す」とよむ。「兵」は武力。
・・・「観兵」はあくまで仮想敵(著者は「暇」が人偏になった文字を使用)に
対する恣意行動です。』
とあった。
なんだ、実際にあまり有意義とは思えない法律を今慌てて設定したのは
この意味だったのね。仮想敵と国民(ひつこいけど「民とは何もわからない連中という意味だそうです」)
にたいする恣意行動ね。
124名無しさん@魚好き:03/06/12 19:49 ID:WS6Vs4WE
午前3時頃、目覚めてしまい、195が『二十一世紀前夜祭』を買ったことを思い出し、
書棚から出して、気の向くままに拾い読みしてみました。
短編集であり、特に短い作品は、1ページにも満たない分量で
それでいながら実におもしろいのです。
ちなみに、この本の内容は、↓このページで全て読めます。
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/21th.htm
『血気』は、時間のない人にお薦め。
それだけでなく、内容的にも私のお気に入りです。
このような姿勢で生きていきたいものです。
『凡夫』などは、195が喜びそうな作品に思えます。

>>123
あれは、ひとたび「有事」と認定してしまえば、国民生活に対する
統制を可能にするための条項がふんだんに盛り込まれた法制ですね。
125タク:03/06/13 10:18 ID:QyMPPINa
おお、ネットで読めるのですね。ありがとうございます。
でも、本で縦書きの字組で読むのとちょっと感じが違ってしまいますよね。
年のせいで頭が固くなっているためかもしれませんが、長文はタテの方が
すんなり読めます。

沖縄だけの問題なのか、近所でも前の戦争で接収された土地が今だに変換されていなくて
耕作するのに地代を国に払っているなどというおかしな状態を数多く聞いているので
胡散臭さを強く感じます。
126名無しさん@魚好き:03/06/16 19:20 ID:9gRumsfN
『大西巨人文選1 新生』
1949年の『文芸における「私怨」』まで。

私にはやや難解な文章でしたが、志賀直哉の作家としての姿勢を
批評する中で、大西巨人自身の考える作家としてあるべき姿勢や
文学作品を公表する者と社会との関わり方などが語られ、
大変に興味深いです。
127195 ◆IyApGKf56Q :03/06/17 13:29 ID:zW6B19Zd
勢古 浩爾 『まれに見るバカ』
目次
第1章 バカはなぜ罪なのか
第2章 バカ本を読む
第3章 現代バカ著名人列伝
第4章 現代無名バカ列伝
第5章 わたしの嫌いな10のバカ言葉
第6章 「あとがき日付」一言バカの諸君
終章 バカを寿ぐ

128195 ◆IyApGKf56Q :03/06/17 13:34 ID:zW6B19Zd
渡辺昇一という、本当のバカがいる。『知的生活の方法』(講談社現代新書)なんて書いてる。
読むと馬鹿になるから読まないほうがいい。
その渡辺昇一が大西巨人攻撃を、子供の血友病への揶揄をしながらやっている。
その部分を読み、愚劣なバカはどうしようもねぇ、と思いながら、上記書籍を読んだ。

大西巨人への悪口(批判でもなんでもないただの悪口)をナベショーがしたこと、
上記で引用されてではじめて知った。
129名無しさん@魚好き:03/06/26 20:29 ID:ShiTCVxQ
『大西巨人文選1 新生』より
『運命の賭け』など。

さらに、
古田足日『月の上のガラスの町』(童心社)より「アンドロイド・アキコ」
これは、私が9歳前後の頃に小学校の図書室で何度も借りて
繰り返し読んだお話なのです。
内容については、↓このページに詳しく書かれています。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/6204/text/Akiko.html
今、読み返してみると、9歳の自分が愛読していたことが
意外に思えるような、あからさまなラブストーリーです。
一応、児童文学ではありますが、元々は、17〜18歳の女性を
読者に想定して書かれたものだったということを今回読んで知りました。
現在の私にとっては、アキコの
「わたし、あなたを愛しているわ」というささやきに対して、
「テレビのまねは、いやだよ。アキコさん」というハルオに好感が持てます。
(おそらく9歳の自分は、そこらへんは意味不明であったろうと思いつつ。)

『月の上のガラスの町』は、実は、最寄の図書館に行って
中島信子の『薫は少女』(岩崎書店の岩崎少年文庫)を借りた歳に
気まぐれに検索してみて蔵書されていることを知り、あわせて借りたのでした。
『薫は少女』については、たぶん、次回に報告できると思います。
130大人の名無しさん:03/06/27 20:28 ID:5e2NNRPC
おまいらの書く毒素感想文より、
いーひといないのか? ってーほうが気になる。
131大人の名無しさん:03/06/27 20:31 ID:5e2NNRPC
21世紀にもなってしょーいちのことを書いているヤシがいたので
130を書いてシマッタ、気がいたします。
132名無しさん@魚好き:03/06/27 20:43 ID:4gVVVPdI
中島信子『薫は少女』(岩崎少年文庫)

こんな素晴らしい児童文学があったのか!
と感激してしまいました。
大学受験を目前にして亡くなった主人公の薫の生涯を
4歳年上の姉の目を通して描いた回想です。
もっと詳しく書きたいのですが、今日は時間が
なくなってしまったので、また改めて書きます。
133大人の名無しさん:03/06/27 20:50 ID:GCHefA2S
山本文緒『ブルーもしくはブルー』

最近NHKでドラマもやってます。
134大人の名無しさん:03/06/27 20:50 ID:5e2NNRPC

時間がなくなってしまった!

135大人の名無しさん:03/06/27 21:25 ID:DImrmzR0
子供の頃に、山口百恵・三浦友和主演の映画を見て以来だ
谷崎潤一郎「春琴抄」
136タク :03/06/28 13:33 ID:KQuWizOq
中島信子『薫は少女』(岩崎少年文庫)

まだ、お祭りのところ。自分の子供時代より10年さかのぼる。
空腹感がちがうけれど、それをこんなに楽しく書いている。
137タク:03/06/28 13:44 ID:KQuWizOq
>>131
しょーいち? 
9歳を「しょーいち」といっているなら小4のマチガイだよ。
たまには児童文学読み直してみるのもいいよ。
138名無しさん@魚好き:03/06/28 18:45 ID:J9zZNbzg
時間をつくってしまった!

古田足日『月の上のガラスの町』より第1章「西からのぼる太陽」

バカボンではありません。
月の上では日が沈むのがゆっくりなので、沈む太陽を追いかけて
走って行くと、このタイトルのようになるということなのです。

他に『薫は少女』をもう一度、とことどころ拾い読み。
全体のラスト近く、主人公の薫が亡くなってしまうところの描写以外では、
結婚することになる二人は赤い糸でつながっているということを
姉から聞かされた時の薫の言葉が感動的です。
「じゃあ、薫の相手の人も、どっかにいるのかもしれないね。死んでいなければ。
じゃあ、薫もめったに死ねないね。赤い糸の相手が一生独身じゃかわいそうだもん」

>>137
文面から想像するに、>>131を書いた人は、
きっと渡辺昇一氏の親しい知人なのでしょう。
139195 ◆IyApGKf56Q :03/06/28 21:04 ID:7PHOjAvi
さ、ここでも書いちまおう。
今日私は、本当に運良く、こんなめぐり合わせはあるのか、と思うくらいなのだが、
『薫は少女』を見つけたのだった。

その後食事をしに店に入った。
我慢できずに読み出した。食事が出来上がるのが早く感じるくらい、その本を読んでいたのだった。
この作家の作品はもう一つ持っている。まだもったいなくて読んでないのだ。
薫が終わりしだい読むことになると思うのだ。
>>130-131
なにいってるんだぁ?ナベショーを読んだ、なんぞ誰もかいてないぞ、馬鹿め(w
140タク:03/06/29 08:05 ID:sVPvJ+l+
『薫は少女』終了。
児童文学は子供がいるのでいつも家の中にはころがっているのに
手にとることもなかった。
てらいのない簡潔な文章なので、まっすぐに気持ちに入ってくる。
死や貧困は遠ざかったふりをしているけれど
1世代上の人たちには身近だったことを強く感じ、
遠ざかったこととして意識しない生活の不遜さを考えこんでしまった。

141195 ◆IyApGKf56Q :03/06/29 10:26 ID:mboyFd+S
私も朝の4時頃まで、眠さも感じないでそのまま読了。
私立中学の入試試験に使われていたのは後半の猫の部分で、もう10年以上前になる。
ガキどもが講義のあとに職員室まで来て、
『ねぇ、あのお話は本当なのか?』だの『誰が書いてどこで売ってるのか?』だの
泣きそうな顔しながら寄ってきて、いた、それが女の子だけじゃなく男の子も一緒になって
おぉ、ゲームの話しかしない子供らも、捨てたもんじゃぁねぇ、なんて思った。
『死んだらいなくなるんじゃなくて、人の心に戻ってくるってことなんだね』ってのはいい言葉だ。
本当にそのとおりだ、と思った。
142名無しさん@魚好き:03/06/29 18:20 ID:rCGZ0C/H
古田足日『月の上のガラスの町』より
第2章「あくまのしっぱい」
第4章「十二さいではいれる大学」
(「アンドロイド・アキコ」は第3章)

「あくまのしっぱい」で悪魔が
「たましいを持っている人間がいなくなってしまった」
と嘆くところがおもしろいです。
つまり、「テレビや週刊誌の言いなりになってしまって
自分のたましいを持っていない」ということなのです。
これは、児童文学ではありますが、少なくとも当時はまだ
マスコミの流す一方的な情報に対して批判的な見方が
こんなところにも存在していたということがわかります。

『薫は少女』でも、印象的だったのは、おそらくテレビを見ると
いうことが今ほど「あたりまえのこと」ではなかった頃、
父親と娘が夜遅くまで政治や戦争について語り合っているということです。
>>129で書いた「アンドロイド・アキコ」の中でハルオが言う
「テレビのまねは、いやだよ。アキコさん」という言葉にも通じることなのですが、
今のようにテレビからの受け売りがあたりまえのことになってしまって
いるのではない、もっと活き活きとした人間の姿があるように思えるのです。
143名無しさん@魚好き:03/06/29 18:21 ID:rCGZ0C/H
ところで、この『薫は少女』を収録していた岩崎少年文庫というのは、今からでも
復刊して、多くの子どもに読んでほしいような素晴らしい本を集めていたようです。
カバー折り返し部分より「岩崎少年文庫」のタイトルと紹介文を再録します。

1『ぼくのだいすきなパパ』
 子どもの心でとらえた戦争。ソビエトの現代児童文学
2『こしぬけ左門』
 左門は刀は人を切るためのものでないことを悟る。
3『太一じぞう』
 勤勉な百姓の太一が戦争で息子をなくしてからは……
4『消えた国旗』
 日本に占領された朝鮮の人びとの悲しみや抵抗を描く。
5『嵐をゆく勝海舟』
 幕末の動乱期、勝海舟は何をなしとげたか?
6『縄文・弥生時代の日本人』
 新石器時代から縄文時代の古代日本人の文化をさぐる。
7『日本の国はいつできたか』
 日本の国家が成立していく古墳時代の民衆の生活を描く。
8『自由への長い旅』
 ナチスの支配下のドイツの裏町の子どもたちの運命は……
9『広島の姉妹』
 広島の原爆の悲劇の、姉妹の思い出を通して描く。
10『二十八年めの卒業式』
 学童として東京大空襲にあった母の反戦の訴え。
11『まけるな一茶』
 多くの俳句を通し、小林一茶の生涯と人物像を描く。
12『真田十勇士』
 戦国時代に大活躍した真田十勇士を軽妙な筆致で描く。
13『薫は少女』
 姉が回想する若くして死んだやんちゃな妹のすがたは……
14『山の英雄ヤーノシク』
 チェコスロバキアに伝わる英雄の闘いを描いた物語詩。
144タク:03/06/30 11:37 ID:+lz3QQOc
>『死んだらいなくなるんじゃなくて、人の心に戻ってくるってことなんだね』
確かに戻ってくるけれど、不在を受け入れないと戻ってこないんだよね。
不在を受け入れるまでの葛藤の積み重ねが、自分が死ぬことを受け入れる準備
になるのだと最近は思う。
スレに関係なくてごめん。
145大人の名無しさん:03/06/30 13:20 ID:aK8XHviy
『冷静と情熱のあいだ』
読み終わってから、もう一冊あると知りました。
146名無しさん@魚好き:03/07/03 17:24 ID:t+lBPsaw
グレッグ・パラストの『金で買えるアメリカ民主主義』
(角川書店)を読み始めました。
いきなり第4章「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ――
グローバリゼーションと不満」から。
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=31119499
アメリカ政府がやっていることをどう評価するかという本は、
今、ある程度「流行」と言っていい状況になっていると思いますが、
この本は、アメリカ政府(およびその同盟国)が
いったい何をしているかという事実を、それもマスメディアが
決して伝えないことをはっきりと文字にした本なのです。
Yahooのページの内容紹介などは、やや扇情的に、興味本意かと
思わせるような書き方をしていますが、実際に書かれている「内容」は、
いたってまじめで、深刻な事柄です。
147大人の名無しさん:03/07/04 12:21 ID:03aOwU+1
「バカの壁」
話せば分かるはウソと分かりました。
148大人の名無しさん:03/07/04 13:13 ID:8BZ7zoab
橋本 治訳

「桃尻語訳枕草子 (上)」

訳の中で、ナウいだとかヤング等の言葉が多用されていたが、それすら
死語になるのではなどと思いながら読みました。
149ななちタン@魚ちゅき:03/07/04 19:11 ID:ErGgzTyD
『金で買えるアメリカ民主主義』
第4章「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ――
グローバリゼーションと不満」読了。

例えば、アメリカ主導のイラク侵略は、マスメディアでもある程度報道されていて、
多くの人に認識されていて(その認識がどのようなものであるかはさておいて)、
大企業にとってぼろ儲けのネタであり、それがイラク侵略を含む
アメリカの外交政策の要因(少なくともその一つ)であるということを
知っている人は、少なくないと思われます。
ところが、それと同様の要因からIMF(国際通貨基金)や世界銀行を通じて
ラテンアメリカなどの発展途上国でどのようなとんでもないことが
行われているかということになると、メディアが無視しているために、
おそらくそれを知っている人も、桁違いに少ないはずです。
この章では、そうした「事実」が書かれています。

著者のグレッグ・パラストは、自分のサイトからも情報を発信しています。
http://www.gregpalast.com/index.cfm
150195 ◆IyApGKf56Q :03/07/05 11:23 ID:H7s5Z6Nn
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093893241/ref=pd_sim_dp_4/249-4273534-1961930
ホントの話―誰も語らなかった現代社会学 全十八講
呉 智英 (著)

4時までおきて読んでた。とまんねぇ(w
面白かったところ
産経新聞のオカルト礼賛記事がいかに多いかを論証した箇所。ESPで子供を育てろ、だのの
記者が大真面目で書き込んでいる多数生地を引用しながら、
『おまえら、そういう雰囲気を醸成してきたくせにオウム批判なんぞ出来るとおもってるのか?』
というくだり。あとは、学歴社会を批判する朝日と産経、どうだ、おまえらの会社の社員全員の
出身大学一覧載せてみろよ、ってところ。朝日はそれで記事の欺瞞がわかるし、産経はうじゃじゃけた
劣等感でのキャンペーンじゃねーか?、と。
その他、人権馬鹿と支那・朝鮮差別語馬鹿を徹底的に論証した名文の数々。
近刊はこれhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575295248/qid=1057371324/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-4273534-1961930
まだ買ってなーい
151名無しさん@魚好き:03/07/07 21:44 ID:1Mo4fUyz
『金で買えるアメリカ民主主義』
第5章「アメリカ株式会社の内幕」
152大人の名無しさん:03/07/11 23:37 ID:iFVc3wO/
コージ苑
昔は爆笑してたのに・・・
153山崎 渉:03/07/12 16:38 ID:jKsPwC95

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
154大人の名無しさん:03/07/12 16:55 ID:0q2sPXek
ここ最近の流れ

●乃南アサ『風紋』上下巻
●乃南アサ『晩鐘』上下巻
●高村薫『マークスの山』上下巻
●高村薫『照柿』
●高村薫『レディ・ジョーカー』上下巻
●ドストエフスキー『貧しき人々〜地下室の手記』 ※『罪と罰』は途中で断念
●ジム・トンプソン『死ぬほどいい女』
●松本清張『逃亡』上下巻
●マイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』上下巻
155名無しさん@魚好き:03/07/13 22:17 ID:B50sUyaY
『金で買えるアメリカ民主主義』
第2章「金で買える民主主義」

例えば、9.11事件について、事前に得られていた情報に基づく
FBIなどの調査について、ブッシュ政権がストップをかけていたことを
指摘する者は、なぜか「9.11事件=ブッシュの陰謀説」を唱える
「トンデモ」な奴というレッテルを貼られることが多いように思えるのですが、
実際のところ、あの事件がそのような陰謀であったかどうか以前の問題として、
ブッシュ家とビンラディン家がビジネス上の重要なパートナーであった
という事実は厳然として存在するわけです。
ま、それはそれとして、この章で書かれていることの全体は、
資本主義社会においては「世の中、金だ」というのが
真実になってしまっているという実例です。
156名無しさん@魚好き:03/07/13 22:17 ID:B50sUyaY
さらに、大西巨人の『三位一体の神話』が光文社文庫から
上下2巻で出たので買ってきて、とりあえず、下巻巻末の
鎌田哲哉による解説を読みました。
この本は、カッパ・ノベルズ版で一度通読していたのですが、
文庫の解説を読むと、まったく通り一遍の読み方しかしていなかった
ということを思い知らされます。
>>126で書いた『文芸における「私怨」』で書かれていたこと
(今から54年前の批評です)がそのまま貫かれているのです。
推理小説としてもおもしろく読める上に、文学とはいかなるもので
あるべきかということも考えさせられる「総合小説」です。

余談
この時期、書店に行くと、「新潮文庫の100冊」など、
夏休みの時期の需要をあてこんだ本が目立つように平積みされています。
私なんかは、「ああ、これも、あれも、まだ読んでいない。
いい加減、自分の想定余命から逆算して、読めるような時間を
作らなければ、読まずには死ねないような本を相当に残したままの
人生になってしまうなぁ」などと考えてしまうのです。
157ななちタン@魚ちゅき:03/07/14 20:42 ID:oR0eQbSX
『金で買えるアメリカ民主主義』
第3章 「カリフォルニア・怒リーミング  電力自由化と電力海賊」

ご存知のカリフォルニア州におけるいわゆる電力危機と電気料金の高騰の
内幕が詳細に書かれています。
日本の電力会社も、どんな利害関係に基づいていかがわしいことを
しているかどうかわかったもんじゃないとも思うのです。
158山崎 渉:03/07/15 12:11 ID:+HnOsi9V

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
159名無しさん@魚好き:03/07/16 22:16 ID:HOdAmBy9
そんなわけで、とりあえず、「これは読んでおかなきゃ」というのを
できるだけ読んでおくことにしました。まずは、

太宰治『斜陽』(新潮文庫)

3か月ほど前に読み始めてみようと思って、ちょっと読んで
そのままになっていたんですが、改めて読み始めてみました。
今日は38ページまでです。
160195 ◆IyApGKf56Q :03/07/17 22:33 ID:6YpIj8r9
好村冨士彦『真昼の決闘』(晶文社)

歴戦の批評家・花田清輝vs若き批判者・吉本隆明―1956年から60年にかけて、
この2人のあいだで激しい論争が展開された。文学者の戦争責任論に端を発し、
政治と芸術運動をめぐってなされたその応酬は、最後には吉本の勝利を強く
引象づけるような、花田の撤退とともに終結した。
161195 ◆IyApGKf56Q :03/07/17 22:37 ID:6YpIj8r9
第一章 誰が勝者か
ルカーチVSブロッホだって、あの時はルカーチ優位だが、今はブロッホ評価だろうよ、とか
いや、それは好村がブロッホ研究家だからじゃねーか?とか思いながら、でも、そんときの
勝ち負けの結果からみたら、ルカーチの旗色は今は悪いよなぁ、とか思ったりする。
花田VS吉本論争の行事を引き受けたのが埴谷、花田世代の自己批判ともとれる
自虐的評価で吉本の勝ち、物言いはつかずに花田は負け、と決まっちまった。
第二章 戦争責任論の提起 まで
戦後すぐの新日本文学派と人民文学派、かなり面白い。
で、私は呉経由でこの結末を知ってるのだ。もったいない(w
さて、埴谷は死ぬ前に吉本に喧嘩売ってたんだがぁ、ギャルソンきてananに
でてるんじゃねーよ、的な批判を読んだ時には、あー、埴谷、もうすぐ死ぬなぁ、
とか思ったのだった。

162大人の名無しさん:03/07/18 00:50 ID:3HF1yqG2
中村元の「龍樹」 講談社学術文庫
中觀思想理解しようと思って読んでるけど、難しい・・・
三枝氏の著したレグルス文庫の「中論」は青目の注釈書「中論」使ってるのに対して
中村氏はチャンドラキールティの注釈書「プラサンナパダー」を主軸にしてる。

判るまで何度でも読みかえそう。。。。
163名無しさん@魚好き:03/07/18 22:25 ID:5zLgFmCB
『斜陽』(新潮文庫)
81ページまで。

参考までに、『大西巨人文選1 新生』収録の「『二十世紀旗手』の死」
(『夕刊フクニチ』1948年6月17日号)で大西巨人は、
太宰治を「一生まともに物を言おうとしなかった(あるいは一生
まともに物を言うことができなかった)この作家、おのれの言行の
一つ一つに註釈を附せずにはいられなかったこの「二十世紀旗手』」
と表現しています。
164名無しさん@魚好き:03/07/19 21:46 ID:C00XSYLo
『斜陽』(新潮文庫)
100ページまで。

実は、チェーホフの『桜の園』をまだ読んだことがないので、
なるべく近いうちに読んでおかねば、と思っているのです。

ところで、姉妹スレを立てました。
「今日読んだわけではない本について語るスレッド」
http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1058610000/l50
165名無しさん@魚好き:03/07/21 09:35 ID:6GtqVxN/
『斜陽』(新潮文庫)
130ページまで。

と夕べ書いたはずなんですが・・・・・
166名無しさん@魚好き:03/07/21 20:55 ID:IgPeG7Xz
『斜陽』(新潮文庫)172ページまで。
これでこの本を読了。
さらに、奥野健男と柄谷行人のそれぞれによる解説も読みました。
『人間失格』ほど強い印象はありませんが、それでもやはり、
読むものをひきつける作品です。
167大人の名無しさん:03/07/21 21:42 ID:gvCQmiOg
スプレー号世界周航記  中公文庫

この手の本は子供向きが面白い。
168大人の名無しさん:03/07/21 22:30 ID:oLww+9L7
鹿島茂、「悪女入門」
あとがきが大爆笑。
169なまえをいれてください:03/07/22 12:53 ID:hm7GV3Gu
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
170名無しさん@魚好き:03/07/22 20:48 ID:Du8NJ6DI
『別冊・本とコンピュータ5 読書は変わったか?』
加藤典洋・編集 トランスアート

書店で見つけて、あまり積極的に読む気もなく目次をながめてみたのですが、
そこに大西巨人の名前を見つけました。
徳永康元、矢川澄子との座談会が収録されているのです。
座談会のタイトルは「本を読むにも気力と体力がいるぞ」。
若い人の本離れは本当かとか、若いうちによい本をたくさん読んでおく意義
などが話題となっていて、けっこうおもしろいです。
この座談会の部分だけをとりあえず読んでみました。
その中の大西巨人の以下の発言には、思わず吹き出してしまいました。
>電車の中で、背広を着た青年がおもむろにアタッシュケースから
>マンガ雑誌を取り出して読んでいる。マンガ一般を低く言うわけ
>じゃないけれども、多分、電車の中ではマンガを読んでいるが、
>家に帰ったら『戦争と平和』を読むというわけじゃないと思う。(笑)

いやあ、私は、30過ぎてから、コンビニで少年ジャンプを立ち読みして
帰宅し、『神聖喜劇』を読んだりしたこともあるわけですが。
171名無しさん@魚好き:03/07/24 21:36 ID:emzWbJyH
チェーホフ『三人姉妹』(岩波文庫、湯浅芳子・訳)
35ページまで(第一幕)

昨日、古書店で集英社版世界文学全集の『三人姉妹/桜の園 他』を
買ったわけですが、その前に既にこの『三人姉妹』を読み始めていたので、
まずこちらを読んでしまうことにしました。
戯曲です。

http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1058610000/15
↑こちらで、『三人姉妹』をモチーフにしたバレエの筋書きが
よくわからなかったという指摘がありますが、確かに、原作の
第一幕を読んだ限りでは、登場人物が多い上に、それぞれの
性格分けなども十分に把握し切れなくて、話がどう展開するのか
これからに期待といったところです。
172名無しさん@魚好き:03/07/25 22:26 ID:FXhAacNw
チェーホフ『三人姉妹』63ページまで(第三幕)

太宰治が好んだというセリフが出てきます。
「意味……ほら雪がふっています。どんな意味があります?」
173195 ◆IyApGKf56Q :03/07/26 10:05 ID:cVgkdGpu
昨日は久しぶりに仕事がらみで読書したのであります。
例えば、古典籍は必要な部分しか読まない、という悪しき習慣が大学時代についてしまって、
通読はなかなかできなかったのであります。ひょんなことから、これを通読する事になったのですが
これがまた、面白くてしょうがないことに、いまさらながら気付いたのであります。

『大鏡』【講談社学術】及び【岩波全集】
174195 ◆IyApGKf56Q :03/07/26 10:10 ID:cVgkdGpu
例えばこれ
藤原某兄弟の話。
兄は人望もなく、世間的に評判も悪い。弟は人望才能評判、すこぶるよい。
中納言の座が空席になった時の事である
兄は弟のところに行き『俺が中納言申請するからおまえはするな』という。弟は、
『兄者がするのなら私は遠慮する』という。
道長が弟に会った時に
『おまえは中納言申請しないのか?
『兄がなる、と言ってますので』としぶしぶ答える。
道長『おまえの兄か?ありゃ無理だ。おまえが出なきゃ、別の奴がなるぞ』
弟『あ、それなら私も中納言申請します』
道長『じゃ、おまえに決まりだ。他の奴なんぞなれないわい』
175195 ◆IyApGKf56Q :03/07/26 10:14 ID:cVgkdGpu
兄はそれを聞き『道長と弟が私を騙したのだな?呪ってやる』と、非常に怒る。
任官式の当日から頭に血が上ってそのまま寝込み、数日で兄は死んでしまう。
悔しさと恨みで手をぎゅっと握り締めていたまま兄は死んでいった。
その悔しさたるや、握った手の甲から指が突き出てしまうほどだった、と。

栄華物語がきっと女手によるものであろうが、大鏡、男手の平安文学の最高峰である。
源氏と並ぶすばらしい書物であることを再確認したのでありました。
176名無しさん@魚好き:03/07/26 21:31 ID:85zr/uHn
チェーホフ『三人姉妹』86ページまで(第三幕)

>>172で、うっかり「第三幕」と書いてしまいましたが、
あれは、本当は第二幕で、今日読んだ分が第三幕です。
この作品は全部で第四幕まであるのですが、どうやら起承転結という
展開になっているらしく、第三幕でいきなり火事になりました。
(といっても主人公たちの家が焼けるわけではありません。)
んー・・・火事・・・は、最近読んだ中にあったなぁ・・・
と思ったら、『斜陽』でも火事(というよりボヤ)騒ぎがあったのでした。
177名無しさん@魚好き:03/07/27 21:28 ID:jcMiegnB
チェーホフ『三人姉妹』112ページまで(第四幕)
これでこの本を読了。

が、正直言って、予備知識なしにこれだけを読んでも、
なかなかよくわかりません。
他の作品なども読んでみた上で、いずれまた読み直してみたいです。
178あぼーん:あぼーん
あぼーん
179名無しさん@魚好き:03/07/29 21:35 ID:4Lo9XMGa
ゴーゴリ『外套・鼻』(岩波文庫、平井肇・訳)から
「外套」25ページまで

これは、読みやすくて、おもしろい物語です。
他の人には価値があるとは思えないような職務に打ち込んでいる
みすぼらしい低級官吏の主人公が、外套を新調しなければ
ならないことになります。
ロシア文学にありがちな、時としてワン・センテンスが非常に
長くなる文章なのですが、それでも読みやすいのは、おそらく
翻訳がうまいせいもあるのでしょう。
180名無しさん@魚好き:03/07/30 19:01 ID:jg4PIltj
ゴーゴリ『外套・鼻』57ページまで。
『外套』を読了。

それまで職場で人から相手にされることもなかった主人公が
なけなしの金で外套を新調したことにより一躍脚光を浴びますが、
あっというまに奈落の底に突き落とされてしまいます。
短い小説ですが、楽しめました。
取るに足りない人物の些細な日常の中に、人間の深遠さ、不可思議さ、
くだらなさ、喜び、哀しみ、といったものがぎゅっと詰め込まれている
内容の濃い短編と感じました。
ドストエフスキーは、「われわれは皆ゴーゴリの『外套』の中から
生まれたのだ!」と言ったそうですが、なるほど、その後のいろんな
小説のエッセンスがここにあるのかもしれません。
181195 ◆IyApGKf56Q :03/07/31 21:24 ID:07AbzMHe
さて、PC離れてると山ほど読書が進むので、このままPCは最小限におさえようかしらねぇ。
あんな分厚い『大鏡』30過ぎて読了しそうだ。

もう、藤原氏後代である。
精神に障害があった天皇の事跡なんぞ、おもしろくてしょうがねぇ。
182名無しさん@魚好き:03/08/02 21:58 ID:cTidHPif
ゴーゴリ『鼻』を読了。
183タク:03/08/06 20:32 ID:Qv5fsBjV
夜暑くて寝苦しいので、そのへんにあったカズオ・イシグロの『女たちの遠い夏』
を読み始めたら、最後まで一気に読んでしまった。
場面は戦後の長崎、直接被爆に関する場面はかかれていないけれど、
立ち直ろうとしている人たちの気持ちと幻滅が悲しげに表現されていた。
184195 ◆IyApGKf56Q :03/08/07 22:46 ID:R+EXEds+
さて、10日かかったが『大鏡』読了だぁ。
10代後半のほんの十日をこの本に当てれば、私のそれ以降の進路は変わってたんだろうなぁ、
高校時代に読む本ってのぁ、大事なんだねぇ。

さて、次は何にしようかねぇ。
185195 ◆IyApGKf56Q :03/08/12 11:59 ID:p8XZ4hEi
昨夜、一時過ぎから読み出してとうとう朝になっちまった。
北海道水滸伝 山平 重樹 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575506982/ref=sr_aps_b_1/250-8123839-0549860
枯木のバラ
http://www.ichigo.sakura.ne.jp/~saeka/meigen_hist/meigenn_10.htm
186大人の名無しさん:03/08/12 12:06 ID:DXZ7ou8i
「二十歳の原点」 高野悦子
古本屋でみかけてなんとなく買ってきた。学生の頃読んだときとはだいぶ
感じかたが違うな。
187タク:03/08/13 20:02 ID:BsLqavvf
まだまだ暑さは続くのだけれど、ガツンと来るのが読みたくなって
『罪と罰』いよいよ殺人を敢行する直前まで、もったいないので続きは
あす病院の待合室でまとめて読むつもり。
何故『カラマーゾフ』じゃなかったかって?
ブックオフで見つけたのが『カラマーゾフ』の中下と『罪と罰』の上下。
上は定価で買えば良いのに、いいのだ、両方読むんだからね。

188FTR ◆FTRxR/SO6E :03/08/15 20:17 ID:wmZwWmRK
『龍01-02時』(リュウジ)  野沢 尚  文芸春秋

なんとなく野沢でも・・・・・という感じで手を出してみました。
善くも悪くも、この人は映像系の作家なのだなという感じです。
他の野沢作品に比べれば、だいぶライトタッチです。

おすすめパターン
サッカー好きのあなた!
疲れているけどTVじゃなく本が読みたい!そんなときにどうぞ。
189あぼーん:あぼーん
あぼーん
190FTR ◆FTRxR/SO6E :03/08/17 20:41 ID:L8ncvq8n
『マリアプロジェクト』  楡 周平  角川書店

楡周平といえば『朝倉恭介』というくらい、
朝倉シリーズのイメージが強い作家ですが
今回は全然別でございました。
全体的に面白い作品でしたが、
朝倉シリーズに比べると如何せんキャラクターが
弱いのは致し方ないところでしょうか。

おすすめパターン
クライムものに飽きた方
たまには(・∀・)イイ!人ばかりの(とりあえず敵はいますが)
ハードボイルドでもいかがでしょうか?
191FTR ◆FTRxR/SO6E :03/08/19 16:17 ID:NauLiF8q
『うつくしい子ども』  石田衣良  文芸春秋

直木賞受賞記念という事で、とりあえず読んでみました。
モチーフが酒鬼薔薇事件という事で、長崎の事件もあり
良くも悪くもタイムリーな一冊でした。
以外に読書感はさわやかです。

おすすめパターン
中高生よ、いっぺん読んでみてくれ!
(つーかここは三十路以上なのね・・・・)
192大人の名無しさん:03/08/19 16:27 ID:twXlA/T5
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193195 ◆IyApGKf56Q :03/08/20 10:48 ID:aCiAypBt
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寝る前に読んだのは↑

えーとね、教養論はま、浅羽の今までの自論だからそりゃ取り立てて新しいモノなどないが、
様々な引用文献のほうが読書欲をそそる。
江戸期になぜ高等数学が発展したのか、家をつぶしてまで算術の武者修行にでる一般人が山ほどいた、だの、
一斉講義の形式は明治以降であり、今の学校のように前方真ん中に教師がいて
生徒が教師の方をみんな見てる、などと言う寺子屋ははなかっただの、
そういう引用書が面白そうでしょうがない。見つけたら買っちゃうぞアヒャ
194名無しさん@魚好き:03/08/21 16:13 ID:Ya8D0DAP
マーク・ピーターセンの『英語の壁』(文春新書)
第1章「不思議なアメリカ、謎のニッポン」
195大人の名無しさん:03/08/21 18:07 ID:6zDmk+mx
196ななちタン@魚ちゅき:03/08/24 21:56 ID:/ElDyUOy
新聞かなにかのコラムで、今度千円札の肖像画になるという
樋口一葉について書かれているのを読み、読んでおこうと
思ったことを、別件で書店に行った際に思い出し、
岩波文庫の日本文学の棚を探して、『にごりえ・たけくらべ』と一緒に
『外科室・海城発電』(泉鏡花)と『布団・一兵卒』(田山花袋)を
買ってきました。(いずれも岩波文庫)
で、夕べ、夜中に目が覚めたついでに読み始めて、短編ということもあって、
最後まで読んでしまったのが泉鏡花の『外科室』です。
なぜこれを読んでみようと思ったのかというと、
大西巨人の『神聖喜劇』の最初の光文社版の「奥書き」で、
その「小解」のことが触れられていたから。
読んでみて「ははぁ、なるほど」と思ったのは、「手術のために麻酔を
使った際に秘密にしていたことをしゃべってしまう」ということについて。
それが事実であるのかどうかは、私にはわからないし、
結局、『外科室』の中でもその真否がわかるような展開にはならないのですが、
大西巨人の単行本『五里霧』中の短編『胃がん』でも
主人公が手術に際してあらぬことをしゃべってしまわないか
気にする描写があり、あれのいわば「元ネタ」は
ここらへんにあったのかと思い至った次第です。
197タク:03/08/25 11:34 ID:kWVNonAI
あ、『胃がん』と『外科室』両方読んでいたのに、結び付けてなかったですよ。>>196
『胃がん』は私自信が全身麻酔も半身麻酔も経験したことがあるので
ちょっと違うなという感想です。
周囲のスタッフは意識が朦朧としているという扱いをしますが、
私の場合はすごくクリアで全部分っている。ただ分っているという意思表示が
出来ないもどかしさがあります。医師同士の会話もすっかり聞けるしそれに関して
質問などをしたいのに、声がでない。呼びかけに対しても返事ができない。
返事が出来ない状況になると、麻酔医は麻酔が効いたと判断していますが
意識がなくなった訳ではなく、痛みなどの皮膚感覚がないだけで意識はすごく明瞭です。
手術の全ての流れが分る。出血が多くなって周囲があたふたしても、鎮静剤を打たれているので
結構落ち着いて観察していたりできる。
あらぬことをじゃべるなんてありえない、必要なことさえ言えないんだからね。
これは皆がそうなのかは分らないけれど、私の場合は二度ともそうでした。

7月はバタバタ忙しい上にメインに使用しているPCも故障したりで
ここも読み飛ばし状態でしたが、今日読み返して見ると
晶文社『真昼の決闘』とか大西巨人の『三位一体の神話』が文庫ででたなど
興味深い情報が書き込まれていました。読まなくちゃ。どうもありがとう。
198名無しさん@魚好き:03/08/28 22:50 ID:GT+RcenR
『英語の壁』マーク・ピーターセン
第2章「あやしい英語とまがいものの日本語」

アマゾンの書評などを読んでみて、この本(および同じ著者の
岩波新書の本など)を英語学習のための本としてどうかという
観点からとらえている人がいることに驚かされるのですが、
もちろん、そういう面から得られるものもあるにしても、
基本的にこの人の本は、語学学習の糧にするためのものというより、
英語で考え表現している人たちのものの考え方や文化について、
日本人(あるいは日本語を使う人)との違いや共通する点について
具体的に知ることができ、楽しめる本なのだと思うのです。
もちろん、画一的な学校教育ではわからなかった英語について知り、
目から鱗が落ちたような気になれる部分も大きいのですが、
それだけのためにこれを読むというのではもったいないのです。

>>197
やっぱりそうですよね。
私は、手術のために部分的でない麻酔をした経験がないのですが、
あれは、フィクション(登場人物による誤解?)ですよね。
199名無しさん@魚好き:03/08/29 21:38 ID:4lZtJRWD
『英語の壁』マーク・ピーターセン
第3章「英語と日本語のあいだに」
200大人の名無しさん:03/08/29 21:44 ID:tPzanL/J
「トムと真夜中の庭で」を読み終えた。
とても評判がいい児童文学なので読んでみたけど、時間ファンタジーは苦手だ。
ハリポタのストーリーになじめず完読できなかったのを考えればしかたなしかな…。
201大人の名無しさん:03/08/29 22:46 ID:u+1DUmDN
「動機」「陰の季節」
この著者の他の本も読みたくなった。
202タク:03/08/30 07:49 ID:QhX1IJR6
>>200
ハリポタは一巻だけ読んで、それ以上読むことはないなと放り出しました。
子供は続きを楽しみに読んでいますが・・・
『トムは』は近々読むつもりで持っていますが、そうでしたか?
時間ファンタジーといえば『夏への扉』などはかなり楽しめましたが、読まれたでしょうか?

>>198
皆が同じか分からないのですよ>麻酔
周囲の医師やスタッフの態度が、患者が意識があると認識しているにしては
あまりにも不用意な言動もあって、もしかして私だけなのかなと思うふしも無きにしも非ず。
物と思わなければ腹を切り開いたり、縫合したりはしにくいのかなとも
思いますがね。
203200:03/08/30 10:46 ID:gRldDyr+
『トムは…』は、とても楽しい児童文学らしいです。
でも、私はなじめませんでした。(たぶん私が変なのかも)
ハリポタは1巻もまともに読んだことないんですよ(w
5回ぐらい挑戦しているんだけど面白さがわからず挫折してしまいます。
映画も見たけど…。
『夏への扉』はまだ読んだことがないので読んでみますね。
今、『秘密の花園』を借りてきたので、これを読んでみます。

スレ違い&児童文学ネタで申し訳ないんですが、
『ゲド戦記』を今でも小さい頃でも読まれた方いたら感想を教えてください。
204ホニアラ ◆OmmP3XWjMg :03/08/31 02:22 ID:mrI0UMjp
200&203のカキコは私でした。
今日からバーネット作『秘密の花園』を読んでます。
これは『トムは真夜中の庭で』より読みやすいです。
少女向きの児童文学なので、
(女性の私にとっては)なじみやすいし面白いです。
205タク:03/09/01 10:59 ID:gc4hBYyA
>ホニアラさん
『ゲド戦記』は小さい頃でなくてつい最近といってももしかしたら昨年かもしれない
けど、夢中で読みました。ここにも書き込んだ記憶がありますが探せません。
1巻から4巻っまでは一気に読んで5巻が今年、4月にでたのかな?
5巻は少しトーンが違っていて、私としては期待はずれでしたが、
4巻までは文句なしにお勧めです。

『指輪物語』の次に読んだのですが、『指輪』は権力を捨てに行く物語だったのに対して
『ゲド戦記』は特別な力を失ってしまったらというのが大きなテーマでした。

『秘密の花園』から連想したタイトルで
チェコスロバキアのイジー・トルンカというアニメ作家の書いた『ふしぎな庭』
という美しい絵本を図書館で借りて、読んだのを思い出し、検索を賭けたのでしたが
復刊ドット・コムに行き当たりました。その後図書館では紛失し読むことができません。
チェコの反体制のアニメ作家ですが、5人の少年たちの登場する物語で
精神の自由についてがテーマでした。
どこかで手にすることがあったら是非お勧めします。

『トム』は近いうちに読んでみますね。
206うどんこプップのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/01 12:02 ID:jn2uL9zB
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788700638/qid=1061343832/sr=1-13/ref=sr_1_0_13/250-4370649-8905800
寝る前に読んだのは↑

もうすぐ読み終わりそうだ。
これね、めちゃめちゃ面白い。私が言うのだから間違いない。
引用文献もめちゃ面白い。私が小学校の低学年時代に読んですきだったSFの、題名もわからなかった奴が
こいつも高い評価しててなんか嬉しい、そのうえ、作家の名前と作品名までわかって
めちゃ嬉しい。
エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』(検索すればあらかたのスジはわかる)
浅羽は短編SFの最高傑作だ、といってた。30年前に読んで、今でも鮮明に私の記憶に
残ってるくらいなのだから、やっぱり最高傑作なのだろう。小学生の私は、
『なんとまぁ、怖い話だこと』って思って、それでも何回も読んでたのだった。
207タク:03/09/01 14:57 ID:ay8x7yq2
うどんこププのすけって、お好み焼きでも食べ過ぎてお腹をこわしたんでしょうか?

『フェッセンデンの宇宙』これも復刊ドットコムのアイテムですね。残念。
208すいか:03/09/01 16:57 ID:93Plt838
「トムと真夜中の庭で」はちょっと微妙な児童文学ですね。
私は学生時代に読みましたが(私がファンタジー嫌いの
SFファンだったせいか)、ちょっと中途半端な印象でした。
「ゲド戦記」は図書館で何度も手にとってみるものの
(そしてこの間は借りてまでみたのに)結局まだ読んでいません。
評判はいいですよね。どうして読めないんだろう……。

先週読んだ本は「渋松対談Z」(渋谷陽一・松村雄策、ロッキング・オン)、
今日読んでいる本は「世界はもっと豊だし、人はもっと優しい」(森達也、晶文社)。
渋松対談はロックオヤジ達のバカ話が面白かったけど
森達也の本は愚痴が多くてちょっと閉口。

>>207
でも一応「復刊交渉中」ですね。
209名無しさん@魚好き:03/09/01 20:37 ID:h4bEtR14
『日朝関係の克服』姜尚中(カン・サンジュン)集英社新書
序章 なぜ国交正常化交渉が必要なのか
第一章 敗戦と解放の逆説――1945〜48年
  一 敗戦と解放の明暗――なぜ朝鮮は南北に分断されたのか
まで。

朝鮮半島で現実に戦争が起こった場合に周辺地域全体に
どのような惨禍がもたらされるかを冷静に考えることもなく、
北朝鮮を敵視し現体制の打倒をも喧伝する多くのマスメディアこそ
「平和ボケ」と呼ぶにふさわしいとの指摘は、まさにそのとおりです。

>>202
『夏への扉』って、猫が出てくるハインラインのですよね。
あれは、私もいいと思います。
日本のマンガをたくさん読んで育ったせいか、ブラッドベリなどを読んでも
あまりおもしろいと思えず、字で書いたSFのおもしろさを知らなかった私が
読んで初めて気に入ったSF小説です。
210ホニアラ ◆OmmP3XWjMg :03/09/01 20:49 ID:kOLSxUox
うわぁ!皆さんからレスをいただけて嬉しいです。

>>205 タクさん
『ゲド戦記』の感想ありがとうございます。この歳で読んでも十分楽しめるようですね。
『秘密の花園』は、順調に読んでいます。
ちょうどメアリが秘密の花園のドアの鍵を見つけたところです。
こちらを読み終えてから『ゲド…』を読もうと思ってます。

>>208 すいかさん
私もファンタジーはダメなんです。だから『トム…』になじめないのかな。
文学作品も好みがありますからね。ってことは『ゲド…』もやばいかな…(汗

『秘密の花園』の次は『ゲド戦記』。その後は『夏への扉』を読んでみることにします!
211転勤族:03/09/01 21:19 ID:qnGavZ4t
トルーマン・カポーティ
「叶えられた祈り」
35歳の、芸術家崩れが主人公。
貧しい生まれのせいで、卑屈で日和見的な性格というところが、なんだか自分のようでいい。
212すいか:03/09/03 11:16 ID:RwWP5roW
>>210
どうなんでしょうねぇ。私も「ゲド」はいつかチャレンジしてみたいとずっと
思っているんですよ。でもグインは学生時代に読んだ「闇の左手」以来になるかも。
あと、ファンタジーでも小野不由美の十二国記にははまりました。

今日読んでいるのは宮部みゆきの「ドリームバスター」。
昨日図書館からリクエスト図書「14」(石田衣良)が届いたという連絡が
きたので、これも読むのが楽しみです。石田衣良の作品は読後感がいいです。
213タク:03/09/03 15:05 ID:EH+pZo/W
>>212
「闇の左手」実は持っているんですけれど、最後までよんでいない。
短編のためか何故か途中で他へ移っているんですよね。
ちょっと屈折していますよねグインの短編は、もっと「ゲド」ではシンプルになっています。
小野不由実は『十二国記』はまだですが、『屍鬼』をドキドキしながら読みました。
214大人の名無しさん:03/09/06 11:35 ID:rL117fbr
>>201
最新作『クライマーズ・ハイ』面白かったです。
売れているようです。
215名無しさん@魚好き:03/09/06 21:56 ID:FW2GuON5
『日朝関係の克服』
第一章 敗戦と解放の逆説――1945〜48年
  二 解放を抱きしめて
  三 朝鮮戦争とその影
216大人の名無しさん:03/09/06 22:01 ID:VCUA/6Um
井上史雄『日本語は年速1キロで動く』講談社現代新書
米原謙『徳富蘇峰 日本ナショナリズムの軌跡』中公新書

今日は仕事の合間にこの2冊
217名無しさん@魚好き:03/09/09 22:26 ID:8QRyC4CD
『日朝関係の克服』
第二章 日韓関係と日朝関係――1950年代〜60年代
  一 アメリカの冷戦戦略と日韓会談
  二 日朝を結ぶ在日韓国・朝鮮人の「帰還」

帰還運動について、今現在のマスメディアでは、「地上の楽園」といった
宣伝に乗せられてしまった(騙されてしまった)かのような面だけが
強調されているのですが、実際には、当時の日本政府や
産経新聞のような新聞までもが帰還運動の推進を訴えていたわけですし、
実際のところ、在日の人びとは、日本での生活苦に加えて
差別と偏見、失業と劣悪な生活環境などに苦しんでいたという面は、
もっと強調されてしかるべきと思われます。
218コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/09 22:28 ID:t2a8zv1r
>>216
『徳富蘇峰 日本ナショナリズムの軌跡』の読後感と価格評価をお願いします。
219名無しさん@魚好き:03/09/15 09:51 ID:TKgEu4dC
マーク・ハッドンの『夜中に犬に起こった奇妙な事件』を読み始めました。
と、昨日書き込もうとしたら、サーバが落ちていてできませんでした。

本の詳細は、↓こちらをどうぞ。
http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1058610000/43-44n
220名無しさん@魚好き:03/09/16 20:46 ID:kBWguU3W
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』155ページまで。

これは、自閉症の少年が近所で夜中に起こった犬殺し事件の謎を
自分で調べてゆき、その経過を少年自身が記録したものです。
このクリフトファー少年は、数学と物理学は非常によくでき、
この本の中でも「モンティ・ホール問題」というものを引用しています。
モンティ・ホール問題とは何かをここに書こうとするとかなりの
長文になるので、だいたいの説明をしてくれているページを紹介します。
http://www7.plala.or.jp/yshiozawa/fukuzatsukei/monti_hall.html
実は、このクイズ、この板のクイズ雑学王決定戦スレでも、だいぶ前に
出題されたことがあったのですが、論理的に考えていけば
正しい解答を導き出せるはずなのに、直感で答えようとすると
誤ってしまうということが、その時にもはっきり表れていたことを
思い出して、なんだかおもしろかったです。
(モンティ・ホール問題という有名なクイズであることは
今回初めて知ることができました。)
221名無しさん@魚好き:03/09/19 21:36 ID:EDIHbtiT
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』213ページまで。

当初の「謎」のいくつかがいきなり明かされてしまいましたが、
まだまだページは三分の一以上残っています。
これからおそらく、「謎」をめぐる事情の説明と
少年の心の成長が描かれることになるのでしょう。
222大人の名無しさん:03/09/19 22:01 ID:4twHsL/P
ちょっとした気の迷いで「世界音痴」r/b穂村弘を読んだ

みみっちいいじましさについ共感してしまい、そんな自分にご立腹
223ダイナマイト関西:03/09/19 23:04 ID:MwLU3Zxw
anan 恋に効くセックス
224コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/20 11:42 ID:cDh9UhUH
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896911857/ref=sr_aps_b_/250-2528164-0218636
第四章に『正しい「植民者」になるためには − 呉智英』があったから買った。
で、この第四章だけで本体価格の価値がある。そこまで読んだ。

残念ながらもう絶版だ。
225大人の名無しさん:03/09/21 09:53 ID:BxxmCM2T
樹村みのり 「母親の娘たち」
 久し振りに樹村みのり読む
 ちょっとぼんやりする
古屋兎間 「マリイの奏でる音楽」
 これまた久し振りに兎丸よむ
 πは流石に読む気がおきないなあ

朝からマンガw とゆかここマンガNGだったらごめん
226名無しさん@魚好き:03/09/21 21:58 ID:62dLjj/S
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』277ページまで。

いよいよ主人公が一人で大冒険といったところです。
まだ読んでいる途中なんですが、この本を読んでいて思うのは、
「こういう時には、こうするもんだ」という一般的な人の常識を
実行できるのがよい子だとする傾向が少なくとも今の日本社会には
あるように思えるのですが、そんなことは、無理に型にはめる必要は
ないんじゃないのかなぁ(なかったんじゃないのかなぁ)ということです。
(これだけ書いても意味不明かもしれませんが。)
227名無しさん@魚好き:03/09/21 21:59 ID:62dLjj/S
>>225
sageだったんで気がつかなくて、今読んでびっくりしました。
私も、「母親の娘たち」を読んだばかりなのです。
ヘルスワーク協会発行の『樹村みのり作品集 女性編』で読んだのですが。
↓これです。
http://www.iff.co.jp/book/allbook/bk_114.html
この作品集は、他に、「少女編」「子ども編」「菜の花畑編」とあり、
私は、最近書店に注文して購入したのですが、残念ながら「子ども編」は
版元品切れで入手できませんでした。
他には、ブロンズ社の『菜の花畑のむこうとこちら』と
秋田書店の『ふたりが出会えば』を持っています。
樹村みのりさんの作品は、もっと入手しやすい状態になってほしいものです。
このスレは、特に「マンガNG」とはなっていませんが、私自身は、
マンガのことまで報告すると、マンガ以外の本についての報告が
このスレで占める割合がすごく小さくなってしまうだろうと思って
これまでは遠慮していたのでした。
もしあなたが樹村みのりさんのマンガを大好きならば、
http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1053779270/l50
↑このスレに思い切り書いてしまうというのはどうでしょう。
それとも、私が樹村みのりさんのスレでも立ててしまいましょうか?
(どうも2ちゃんにも彼女のスレはないようです。)
228コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/22 20:18 ID:urgg8StV
おしゃべりな映画館
淀川 長治 (著), 杉浦 孝昭 (著)

杉浦だとわからん人も多い。『おすぎ』である。
某所で淀川の三人対談本が話題にのぼって、その関連でおすぎと淀川の対談を読んだ。
おっそろしく鋭い淀川の映画と文化の切り口は、まるで某批評家の気持ちのいい啖呵を
聞いているようで、面白くてしょうがない。呉智英がわざわざ取り上げて書評でベタ褒めする
理由もわかる。同じ人種である。
取り上げられてる映画も一般的にヒットした物が多い。
ウーピーゴールドバーグ主演『カラーパープル』に、こんな見方があったのか、だの、
ストレンジャーザンパラダイス、カイロ紫のバラ、ジンジャーとフレッドその他。

第一巻を読んだ。第一巻第二巻は絶版品切れ、第三巻第四巻は現行本。
229転勤族:03/09/22 21:34 ID:sNwjfdmZ
いま3冊同時並行で読んでる。みんな半分くらい。
「ある異常体験者の偏見」山本七平 文春文庫
「二葉亭四迷の明治41年」関川夏央 同
「わたしの「うつ」撃退法60年」谷沢永一 講談社+α文庫
この4連休のあいだに読み終えるか心配
230タク:03/09/24 12:31 ID:5zE3Nb1F
>>228
カラーパープル、ストレンジャーザンパラダイス、カイロの紫のバラ って好きな
映画ばかりですが、なんと絶版品切れ!
第3巻と4巻はちなみにどんな映画でしょ?
231ななちタン@魚ちゅき:03/09/24 18:26 ID:cN3vcxIH
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』読了。

おもしろかったです。
ラスト近くは一気に読み進みました。
が、本の帯で「『アルジャーノンに花束を』をしのぐ衝撃と感動」と謳い、
アルジャーノンと比較・対応させようとすることには疑問を感じます。
いや、この言葉、帯だけかと思ったら、カバーにも書かれているんですよね。
232大人の名無しさん:03/09/24 18:38 ID:eQc+O5Zm
『オール読物』
年寄りくさいと家族に言われながら毎月読んでます
233コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/24 20:19 ID:Sheo+s1C
>>230
来週あたり送り届けますのでお楽しみにどうぞ。

朝まで読んでた本
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769821468/qid=1064402158/sr=1-3/ref=sr_1_0_3/250-2528164-0218636
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769821549/qid=1064402158/sr=1-4/ref=sr_1_0_4/250-2528164-0218636
兵隊やくざ―貴三郎一代
続・兵隊やくざ―続・貴三郎一代
全2巻
勝新太郎主演で話題を呼んだ痛快な兵隊映画の原作―軍律や階級や組織さえも怖れず、
ケタ外れの行動力をもつ大宮とインテリやくざの上等兵の名コンビが、
大戦末期の中国大陸を舞台にくりひろげる奇想天外のドラマ。
軍隊を脱走した二人と彼らを追う憲兵伍長との対決を軸に生々しい迫力で時代を描く感動の物語。
勝新太郎主演で話題を呼んだ痛快な兵隊物語―ビンタも、階級も、軍律も通じない一等兵・大宮貴三郎が、
満州の荒野にくりひろげるユニークで、無頼の軍隊生活。戦争にゆがめられながらも、
なお人間性を失わない人々の姿を活写する。三年有余にわたる直木賞作家みずからの
軍隊体験に裏打ちされた感動の代表作。


234コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/24 20:26 ID:Sheo+s1C
兵隊やくざ―貴三郎一代
続・兵隊やくざ―続・貴三郎一代
神聖喜劇の東堂をそのまま肉体派に置き換えた主人公大宮貴三郎、殴ったやつの方が
怪我をするほどの強壮無比の肉体。もう、そのまま第一巻は面白く読める。
本当に、この小説は一巻だけでよかったのに・・・・。
という『続・兵隊やくざ―続・貴三郎一代 』を最後まで読んじまっての感想。
こりゃ人それぞれだからアレだが第二巻いらないよなぁ、と私は思った。
235タク:03/09/24 21:08 ID:2rqck8H4
>>233
オロオロ・・何と言ったらいいか・・
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/music/1143/1039424355/813
ちょっと待っててくださいね。って、完全に首閉めてる(笑

夕べ読んだ本
『唯幻論論』岸田秀対談集の「老いと若さ」
木村利人と立川昭二との対談で
岸田が「未来に希望をもたず、これ以上歳をとりたくないという老人の特徴を
もった、若さに執着した若者ほど老人臭い」というフレーズがでてきた。
20代より30代のほうが楽しいし、40代も更に面白い。
50になるのが楽しみだというスタイルの方がいいねぇとつくづく思う。

考えてみれば読んだ本が次の本を連れて来て、聴いた音楽が次の音楽を聞く耳を作る。
経験をつんだほど見えてくるものがあるんだから
歳を取った方が楽しみのも増えるってことだよね。


236コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/24 21:37 ID:Sheo+s1C
>>235
では誰かにとられちゃったら私が送ることにしましょう。
同じようなことを私はRPG経験値システムで考えてました。
そうそう、あの映画評にはコクーンもあったはずだ。
かっこいい老人ってのはいいね。スリーパーズ(ブラッドピット主演)にでてくる
暗黒街の取り仕切りのおじいちゃんなんていいね。
ブエナビスタのコンパイ・セグンドは95歳まで生きて今年死んだけど、ああいうかっこよさって
いいもんだねぇ。
237タク:03/09/24 21:45 ID:M+L7H7zf
保険のかかったオークションていうのは心強いものです。
よろしくお願いします。>>236

RPG経験値システムとは何でしょう?
238コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/24 21:58 ID:Sheo+s1C
例えばね、どんな楽しい事もつらい事も苦しい事も楽な事も、ぜーんぶ経験値でやんしょ?
それの積み重ねが人間の深みだと思ってるから、学生にはそういう風に教えてるし、
それで学生達はうんうん、と納得してるから(外見上は(w)、あ、こんなんで
ええんかな、と。現実、私が受けてきたし、これから受けるであろう出来事の積み重ねが
人生の深みちゃうんかな、と。そう考えるようになってからは困難もそれほど困難じゃなくなった気がするわぁ。
『パックマン家の人々』でおばあちゃんが『私はジェットコースターが好きだわ』とメリーゴーラウンドの
人生をつまんねぇ、と一蹴する場面で、おお、カッコいいなぁ、とか思うのでありました。
私のジェットコースターはボルトが二三本外れたままなのでスリル満点だ、はっはっは。
239タク:03/09/25 16:34 ID:+eFqAg3K
うん、うん、困難も楽しい。
まさにそう、この前の台風も真っ暗闇で窓ガラスの破片だらけになって風と雨が
なだれ込んで来るし、物は飛んで行くし、
もう、パニックそのものだったけど、すぎてしまえば、当日何かで
この島にいなかった人には「あんた、損したねあんな経験そうできるもんじゃないよ」
と自慢している。
 
メリーゴーランドなんか乗らないけど、
でもジェットコースターもあんまり好きじゃぁないなぁ・・
自分の意思に反して振り回されすぎる。
なぁんて怖いだけだけどさ。
240コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/09/25 22:28 ID:7NirSAz5
>>239
そういうの、ぜーんぶが深みだと思うんだよねぇ。

今朝まで読んでた本
『頑張れ新左翼』(鈴木邦男@一水会首領)
あー、民族派新右翼の限界。新左翼の後ろを追っかけても何もならんだろうになぁ。
買う必要はない、駄本。100円出したことももったいない。
『腹々時計と狼』はルポのようで面白かったが、政治的主張するとこれほどまでにダメになるものか。
太田龍に関する考察は面白かったが、呉の孫引きだから取り立てて面白くも何ともない。
立花隆『中核VS革マル』(講談社文庫絶版)のほうが初期太田龍を知るには有用である。
241名無しさん@魚好き:03/09/27 20:34 ID:Rr+8POBJ
『日朝関係の克服』姜尚中(カン・サンジュン)集英社新書
第三章 激変する朝鮮半島と日朝関係――1970年代〜90年代前半
  一 敵対的共存と、強権化する南北朝鮮
  二 激変する南北の体制

94年の米朝合意枠組みに言及しているからには、この後の
94年以降についての記述で、アメリカが合意枠組みに対して
とってきた態度についてどう踏み込んでいるかという点が
非常に興味深いところです。
242みががまギルー:03/09/29 15:57 ID:ZIG6Qllg
夕べ『トムは真夜中の庭で』を読み終えた。
夜中に読むにはふさわしいものだったし、私はかなり気に入りました。
たしかに、
小さな少女のハティと娘時代のハティがいきなり最後に偏屈で嫌われている老女のに
なって現れるのは、日本人の普通の感覚からすると、ちょっとピンと来ないかもしれない。

個人的な体験で、私自身が20代後半の時にかなり進んだ痴呆の祖母の面倒を
介護疲れした両親に代わって一時期看たというか付き合ったことがあって、
この経験がこの本を読むのを助けたと思う。
祖母はすっかり子供に戻ってしまって、「お家に帰る」と言って徘徊を繰り返し、
文字通り味噌も糞も一緒くたになってしまったけれど、
頭の中は完全に若い時のある時期に戻っていて、アルバムを見ても自分の写真を
親戚のおばあさん、息子をみて親戚のオジサン、テレビをみてもあれは
魚屋のだれそれ、と全く違った過去の人と取り違える。

両親はいちいちこれを否定し、帰るところはここだと説得するから
祖母は怯えて、ますます徘徊をくりかえすけど、私は否定する根気はないから
つきあっちゃう。これ結構面白くて、これはだれ?どんな人?を繰り返すと何時間でも
祖母も昔のある時期にもどって、おとなしく話している。

私自身はもう大人だったから、安易な介護の方法としてこれをやっていたけれど、
この『トムは真夜中の庭で』を読んで、当時の私の目の前のボケた老女の中には
本当にリアルに少女がいたんだと思い、もっと私が子供だったら、本気で
祖母の少女時代を共有できたかもしれないと切なくなった。

そして、ボケていなくても全ての老人の中に、昨日のことのように子供の頃のこと
若い時のことってあるんだよね。ってこの歳になってわかる。
243名無しさん@魚好き:03/09/29 21:44 ID:rK4fM2fQ
『日朝関係の克服』
第四章 日朝関係の「克服」に向けて――1994年の危機以降
  一 「いまそこにある危機」とは何か
  二 単独主義と選択的協調主義
  三 破綻する経済と「先軍政治」のゆくえ

この本のことを知った時は、私は、非理性的な北朝鮮敵視の風潮に対して
冷静な理性的判断を対置する書なのかと期待もしていたのですが、
(で、実際、そういう点で、かなりましな本だとも思うのですが)
筆者は、今の日本の風潮に相当に遠慮しながら書いているようです。
94年の合意の枠組みをアメリカ政府が履行しなかったことについて、
「北朝鮮からすれば、それは、合意の不履行に映った。」などと書いていますが、
それは、第三者から見ても、歴然たる合意の不履行に他なりません。

>>242
岩波の児童書には、いいものがたくさんあるようですね。
私の親戚で、子ども(私の従兄弟たち)のために岩波の児童書を
たくさん買い与えている家があったのですが、その家を訪ねるたびに
うらやましく思っていたものです。
244すいか:03/09/30 11:19 ID:KUFIr9dp
>>242
おばあさまのお話、ある意味、「スキップ」(北村薫)といえなくもなさそうですね。
(え?違う?)

>>243
岩波の児童書は結構昔から出ているものも今でも発行されてていいんですが
学研の児童書は、昔読んだ本が今ではあまり出てなくてちょっと淋しいところです。
今でもたまに「小さい魔女」とか「いたずらこおに」とか「小さい水の精」とか
ふと読んでみたくなるんですが、区立図書館の児童室にもないんですよね。

今日は山田詠美の「PAY DAY!!!」を読んでいます(←ミーハー)。
245みががまギルー:03/09/30 11:50 ID:rwQ1T8co
>>244
ごめんなさい。「スキップ」読んでないんですよ。
話のあらすじは、兄弟の病気のためにアパート住まいの親戚に預けられた退屈な少年と
孤独な少女時代をすごした老女の思い出が真夜中にリンクしてしまうというものです。

岩波の児童書は私の子供の頃はこんなに充実していなかった・・昭和40年代ですが
「小さい魔女」や「いたずらこおに」「小さい水の精」これらは
子供に読み聞かせるので読みました。
田舎の島の図書館にでもあったので、区立図書館なら取り寄せしてくれるのでは??
リクエストで購入してもらうという手もありますよね。
246すいか:03/09/30 13:15 ID:KUFIr9dp
>>345
えっと……、みががまギルーさんのおばあさまのお話を「スキップ」なんて
適当なこと言って、ごめんなさい〜〜。
「スキップ」のほうは17歳の少女がある日目覚めたら42歳の自分になっていた、
という話です。
「トム…」の方は、昔読んだ時には今ひとつ私にはフィットしなかったんですが、
もしかすると今読むと違った感想があるかもしれないですね。

子どもの頃に読んだ漫画で「赤ん坊少女」(楳図かずお)っていうのがあって
それはそれはこわ〜〜い話だったんですが、何年か前に文庫本で出たのを読んでみたら
実はすごく悲しいお話だったんですよ。
子どもの頃は妖怪みたいな少女タマミちゃんがそりゃもう怖かったですが、
大人になってから見ると、愛されなかった少女タマミちゃんがとても哀しかったです。
当たり前っちゃあ当たり前ですが、同じ本でも子どもの頃と今じゃ全然
感想が違うものが結構あるでしょうね。全く関係ない話でスマソ。

図書館に児童書のリクエストを出してみようかな。
247みががまギルー:03/09/30 15:25 ID:h438nJ8D
>>246
「赤ん坊少女」をリアルタイムで読んでいるとすると、割合ちかい年齢かもしれないですね(笑
あれは悲しい話だったんですね。それ以来読んでいないので読みたくなったぞ。

そうですね、「トム・・」は特に今の子供たちには「若い」ということの価値感が
違うので違和感があるでしょうね。
歳をとる事を日本やアメリカのように否定的に考えない文化で書かれた物語です。
248名無しさん@魚好き:03/09/30 22:35 ID:1T+pZTpq
『日朝関係の克服』
第四章 日朝関係の「克服」に向けて――1994年の危機以降
  四 韓国の「新しい風」と脱冷戦
  五 日朝国交交渉と「克服」の連鎖

>>246
その「スキップ」というのは、もしかして、2、3年前に
NHKで放送していた松坂慶子主演のドラマの原作でしょうか。
ドラマそのものは見ていないのですが、予告編がそういう
感じだったように憶えています。
249エミ子の長いつきあい ◆IyApGKf56Q :03/09/30 23:37 ID:Yimxzmi1
今朝、読み終えた書籍
http://images-jp.amazon.com/images/P/4797423560.09.LZZZZZZZ.jpg
日本の差法―対談ビートたけし×ホーキング青山(品切れ)
レビュー&カスタマーレビュー、ともにダメ。差別論でも障害者論でもない。
普通の芸人論。
父親の違う兄弟4人のうちの一人の、刺青を背負った男から生まれ、子供の頃から
最下層の人間として差別されながら暮らしていたビートたけしと四肢が不自由なホーキング青山との
芸人論。内容がないので1時間ちょいで読了。
面白かったところ・・・ホーキング青山が生まれたとき、医者が『育てますか?死産にしますか?』と
言った場面、某地方自治体の障害者雇用の採用人数のところに8人なのに7,5人、と
書いてあったという実話。
もう一冊はこれ。http://images-jp.amazon.com/images/P/4480021876.09.LZZZZZZZ.jpg
どうかね?ちくまが文庫化することもない本だなぁ。
250クリ−ミィ狸穴:03/10/01 09:00 ID:76J8CnPb
さっき、読み終えた本
「バカの壁」です。はいっ
251すいか:03/10/01 11:03 ID:5Aboo0Np
>>248
そうそう、NHKで放映していたようです。私も予告編だけ見ました。
原作を先に読んでて自分なりのイメージを持ってたものをドラマ化されると
んーーーー、見る気がおきない場合が結構ありますね。
「池袋ウェストゲートパーク」(石田衣良、ドラマ化は2000年)みたいに
ほとんど違うキャラの味付けされると、それはそれ(別世界の話というか)、と思いますが。

今朝「PAY DAY!!!」(山田詠美)を読み終えて、
今は「儂は舞い降りた」(不肖・宮嶋茂樹)を読み始めています。
252名無しさん@魚好き:03/10/01 11:19 ID:hvNmY9+K
『日朝関係の克服』
終章 日朝関係の「克服」と「北東アジア共同の家」

この本を読了。
この本にも書かれているとおり、歴史的経過とグローバルな状況を見れば、
「拉致問題を解決するためにも、できるだけ早く国交を正常化し、
人的交流と往来の自由を確保することに、外交の主眼をおくべき」
ということは自明のことなのですが、今の日本のマスメディアでは、
残念ながら、短絡的で非理性的な言説が主流となっていて、
暗澹たる思いにさせられます。
この本を必読書とまでは思いませんが、この本に書かれている程度の事実認識は、
少なくとも日本にいる者が共有しておくべきことだと思います。

月が改まって、切りがいいので、今日から私も新しい本を読み始めようと思っています。
それと、今日読んだわけでない本については、↓こちらのスレもどうぞ。
http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1058610000/l50
あまり厳密な使い分けを押し付ける気はないのですが、
あちらも盛り上がってほしいと思っていますので。
253大人の名無しさん:03/10/01 12:28 ID:32E48pNW
九州自動車マップと観光案内
254浜っ娘:03/10/01 23:25 ID:cC5tAUE4
じゃらんとるるぶ。東京1週間
255名無しさん@魚好き:03/10/02 14:29 ID:WjcAeHoy
『戦争と平和』トルストイ
集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也

昨日から読み始めました。
昨日は12ページまで、今日は30ページまで。
(第一部、第一編の5まで)
全4巻の新潮文庫か岩波文庫で読む人が多いようですが、
この集英社版は全3巻です。
各巻およそ500ページほどなので、毎日15〜20ページ
もしくはそれ以上に読めば、今年中に読み終えることができそうです。

物語は、フランス革命後ナポレオンが皇帝となった翌年の1805年、
ロシアの貴族たちの夜会から始まります。
256名無しさん@魚好き:03/10/03 14:31 ID:2b1DAkcv
『戦争と平和』第1巻
46ページ(第一部、第一編の9)まで。

この本には559人の人物が登場するのだそうですが、
ここまでのところだけでも、さまざまな特徴を持つ人物が
何人も登場し、場面も転換していきます。
「男はなぜ戦争をせずに生きていけないのか」とか
「結婚など絶対にするものではない」といった、
かなり大きなテーマの断片らしきものが、
登場人物の口から語られます。
257ななちタン@魚ちゅき:03/10/04 21:25 ID:M1x5OZJE
『戦争と平和』第1巻
65ページ(第一部、第一編の14)まで。

全篇を通してのヒロインらしき少女が
実に魅力的に登場します。
258名無しさん@魚好き:03/10/05 20:32 ID:MkwtHZNv
『戦争と平和』第1巻
84ページ(第一部、第一編の18)まで。

こっちの家でおおぜいで飲んだり食ったりしていたかと思うと、
夜中に酔って乱痴気騒ぎをしたり、またまた別の家で何人も招かれて
晩餐会があったりと、場面の転換が多く、会話もにぎやかです。
よくドストエフスキーと比較されるらしいトルストイですが、
『カラマーゾフの兄弟』などと比べると、一人で延々と考え込んだり
長々としゃべりまくったりしない分、読みやすい(とっつきやすい)のですが、
うっかりしていると、今どこで何者と何者が会話しているのか
ということを見失ってしまいそうにもなります。
259みががまギルー:03/10/06 11:18 ID:KsqclfIz
>>258
順調に進んでいるようですね。
最初に読んだのが、高校生の頃だったので、ほとんど思い出せないのですが、
登場人物の名前で苦労した記憶は鮮明です。

そろそろ『カラマーゾフ・・』を読み始めて誰かさんを出し抜いて
年内に終了を目論んでいましたが、『おしゃべりな映画館』に溺れています。
この頃はフランス映画、わりあい見ていたので、たまりませんね。
260コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/06 21:52 ID:2aHx0UMJ
>>259
あの本、淀川の『声』がちゃんと出てくるでしょ?読みながらあの『声』が出てくるでしょ?
巻末のおすぎに対する言葉も、飾ってなくていいでしょ?

というわけで、アク禁の間に読み終わった本。
・『上海から上海へ』
http://ucgi.sekifusha.com/cgi-bin/herodb/heroskin.cgi?table=data2
この出版社、倒産したらまた埋もれちゃうよ。もっと大手が廉価版で出したっていいくらいの書物だ。
南京事件の左右両派からの全く逆の両者フレームアップはどちらもウソっぱちであることとか、
カメラ屋に中国兵を斬っている写真の原像を求めにくる兵隊の山ほどいたことその他も、
左右両派、自分の都合のいいように引用してキャンペーン張ってるだけじゃねーか、ってのが
よーくわかる。さすが、高島俊男が書評を書くだけのことはある。
だから、書評、及び書評家ってたいせつだあねぇ。
もう一つ、スペインの本、私はスペイン語がまったくわからないが、わからなくてもたのしめたのが
『スペインの終の棲家』(勝手に私が翻訳した、そんな感じの書名)
スペインの著名人の墓所のデザインを写真と設計図を併せてのせた写真集。
スペインにある日本人の某氏(名前失念)の墓も載ってた。
261コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/06 21:58 ID:2aHx0UMJ
その他は
『易聖・高島嘉右衛門の生涯』(高木彬光)
高木が高島易創始者の伝記を書き上げたもの。そりゃ、あの筆だから読んでても
そこそこ面白いんだが、ネタ本が全部高島家から出てる。
占いをやってそれがことごとく当たる。西郷を占えば『首、胴から離れる』だの
そんなのばっかりだ。んなわきゃねぇ(w
262名無しさん@魚好き:03/10/07 13:43 ID:g48z/Ac6
『戦争と平和』第1巻
106ページ(第一部、第一編の22)まで。

遺産相続問題発生(か?)
というわけで、このあたりまで読んで思うに、
この小説は、それ一つだけでも一本の小説のテーマになりうる話題を
いくつもいくつもてんこ盛りにしてあるのかもしれません。

>>259
おお! すでに読んでいましたか。
登場人物の名前は、いきなり再出しても、瞬間的に思い出せませんねえ。
この集英社版世界文学全集は、もともと主要な登場人物を紹介した
栞(のようなもの)が付いていて、幸い、それがちゃんと挿まれている状態で
古書として売られているのを見つけたのですが、やはり、
その紹介文に頼りながら読みすすめることになってしまいます。

(という書き込みを夕べ送信しようとしたのですが、
アクセス規制に引っ掛かっていました。)
263みががまギルー:03/10/07 15:02 ID:smB/iCKd
>>262
映画も2バージョンあって両方見ているのですが、読んだのも、映画をみたのも
昔過ぎてはるかに霞んでいます。
スジを追うのは面白かったと思うんですが、どこに心惹かれたとか感動したとか
そのあたりがまったく記憶に残っていません。
たぶん早すぎたのでしょう。
魚好きさんの書きこみ次第ではまた読みたくなる可能性大です。
忘れちゃうなんて、情けないねぇ・・
264名無しさん@魚好き:03/10/07 22:15 ID:P7QkjEvO
で、>>262は昨日の分で、今日は、
『戦争と平和』第1巻
127ページ(第一部、第一編の25)まで。

(以下ネタバレあり)

無作法な太っちょの男に莫大な遺産が転がり込んで、
女の子にモテモテになりました。
(いや、ほんとに・・・)

>>263
中学・高校くらいでちょっと背伸びをして読んでみたものって、
今となってはほとんど中身をおぼえていないなんてこともありますよね。
私は、ドストエフスキーの『罪と罰』のスヴィドリガイロフの記憶がほとんどない
(要するに、手塚治虫のマンガ版の記憶に染められている)ので、
いずれもう一度読み直してみたいと思っています。
265名無しさん@魚好き:03/10/08 09:31 ID:U53vbfcC
『戦争と平和』第1巻
148ページ(第一部、第一編の28)まで。

ここまで第一編が終了です。
主役の一人であるアンドレイは、身重の妻を残して
自ら進んで軍務に就くことになりました。
266みががまギルー:03/10/08 11:03 ID:yd74Jecq
>>265
あらすじを書いてもらうと、そうそうそんなことがあったなぁ
と思い出せます。
確か同時にいくつかの話が同時進行しているんですよね。
同じ時期に「チボー家の人々」を読んでいたので、混同しているかもしれないんですけど・・
この「チボー家・・」も最近知人が読んで、かなり受けていたのですが、
すっかり忘れている(笑

子供の頃って(あ、中高校生を子ども扱いしてゴメン)情報量も今よりもはるかに少なかったし
本に使えるお金も少ないので、教科書で推薦されている名作や図書館にあるものを
ガーッと読んじゃうけど、どれを読んでも「ふーんそんなものか」
谷崎読んでも、三島読んでも「そんなこともあるかもね」で、スルーしている
部分があって、切なさや不条理が切実でなかったとつくづく思う今日この頃です。
読み直すと楽しいでしょうねぇ・・
267名無しさん@魚好き:03/10/09 14:48 ID:MsPcYcjE
『戦争と平和』第1巻
168ページ(第一部、第二編の3)まで。

ここからは軍が部隊で、アンドレイを中心に描かれるようですが、
アンドレイ以外の人たち(連隊長、下士官、兵卒ら)は、
かなりドタバタしております。

近くの銀行のロビーには、お客に貸し出す備え付けの図書があり、
その中にこの『戦争と平和』を子供向けにダイジェストした本もあるのですが、
私がこれまで読んだ部分が、なんとたったの6ページで書かれていました。

>>266
私が当時読んだ本の中で「ふーんそんなもんか」の王様は、
『異邦人』と『変身』ですねぇ。
268みががまギルー:03/10/10 07:51 ID:yXbIt7Gw
>>267
『変身』は、さすがに「ゲゲッー、気持ち悪〜」でした。
269名無しさん@魚好き:03/10/11 21:57 ID:56XdYwq+
『戦争と平和』第1巻
189ページ(第一部、第二編の7)まで。
270名無しさん@魚好き:03/10/12 21:35 ID:VuF1/+wx
『戦争と平和』第1巻
216ページ(第一部、第二編の12)まで。

第二編では、ずっと戦場が部隊になっていますが、
戦闘の場面よりむしろ、将校らのいい加減な様子が主に描かれています。
岩波文庫の『読書案内』の中で、著者のウィリアム・サマセット・モームは、
『戦争と平和』を「壮大なすばらしい小説」「天才の小説」と薦めつつ、
「戦争の場面」は「とばしてよめばよい」などと書いていますが、
今のところは、とばす必要もなく読めております。
271コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/13 13:33 ID:fvn2lmhU
昨日買った本で読んだ。すぐ終わった。40分程度で読める。
http://images-jp.amazon.com/images/P/4796631925.09.LZZZZZZZ.jpg
この本に魚好きとアナ番とtomo@暇人が載ってた。

なんか羨ましくて悔しかった。

この板のショッカースレなんてみたこともなかったから書き込めなかったんだよー!
272コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/13 13:48 ID:fvn2lmhU
もう一冊
『昭和性相史・全3巻揃』
戦前編昭和元年〜20年まで。
・某高等女学校の学生の60%が援助交際をしていて摘発される
・こづかい稼ぎに陰毛を一本50銭で売っていた14歳が摘発される。
・その他、学生の下着の売買、キスだけの援助交際その他。

いかにも現代的な風潮だ、として批判されているものは、確実に過去にもある。
能天気な青少年保護マニアのバカにはそこらへんがわからんらしい。
ハードが如何に変わろうと、ソフトは連綿と続いている。歴史を学ぶ大切さである。
273コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/13 13:50 ID:fvn2lmhU
補遺
上記書籍の作者
http://www.hanmoto.com/bd/ISBN4-8265-0166-8.html
という、誠に面白い書籍も出している
274名無しさん@魚好き:03/10/13 15:03 ID:2dluczZW
『戦争と平和』第1巻
237ページ(第一部、第二編の17)まで。

ロシア軍は相変わらずドタバタしていて、
ナポレオンのフランス軍が迫ってきています。
こういうことに関して正確な知識を持っているわけではありませんが、
このあたりの描写からは、戦闘の勝敗が武器や人員といった
客観的な軍事力の差のみによって決まってしまうのではなく、
司令官による作戦のよしあしによって大きく左右される
時代であることが感じられます。

>>271
それは、確か、1年以上前に出ている本ですよね。
私も、店頭でその部分だけを読んだことがあります。
275コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/13 15:05 ID:fvn2lmhU
>>274
そうなの?昨日、100円で買ったのだった。
276大人の名無しさん:03/10/13 15:36 ID:9hyEbPah
ナボコフみたいな、舐めるように小説を読む人でも、
実際はとばし読みするらしいからね。
僕はナボコフの「ヨーロッパ文学講義」をサブテキストにして、
「アンナ・カレーニナ」は読んだんだけど。
277大人の名無しさん:03/10/13 21:48 ID:cbv1PwKn
橋爪大三郎『人間にとって法とは何か』PHP新書
著者から貰ったので読んだ。
いつもながら初学者向けに要領よくまとめるのに長けたお人だ
278ななちタン@魚ちゅき:03/10/14 22:29 ID:a7KPJWJA
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第1巻259ページ(第一部、第二編の21)まで。
これで第二編を読了。

死傷者が出るような戦闘にまで進んでいます。
どんな動因に衝き動かされてここまで来たのかは読み取れませんが
(そこまで詳しくは書かれていない?)、
主役たちは、空しい思いをしているようです。

今日は、ブックオフで河出書房新社版の世界文学全集『戦争と平和』全三巻
(中村白葉・訳)を見つけ、買ってきました。(各100円)
今読んでいるのがあるのに、なぜさらにこれを買ってきたのかというと、
各章ごとの内容が簡単にまとめて書かれているのと、
主要登場人物の家系図および「人物の愛情関係の図式」なんていう
表題の図が載っていて、内容の理解を助けてくれるからです。

>>276
>「アンナ・カレーニナ」は読んだんだけど。

すごいですね。
私も、来年か再来年には『アンナ・カレーニナ』を読もうと
思っているので、その時には、できればまたお付き合い願います。
279名無しさん@魚好き:03/10/15 20:37 ID:5NotNhCM
『戦争と平和』第1巻
278ページ(第一部、第三編の2)まで。

舞台は替わって貴族たちの平穏な暮らしです。
例の莫大な遺産を相続してモテモテになった男が
あれよあれよというまに絶世の美女と結婚することになりましたが、
んー、こりゃ、うまくいかないんだろうと誰もが思うような展開です。

切りのいいところで、少なくともこの『戦争と平和』を読み終えるまでは
このスレでの報告を続けることにしようと思っています。
280大人の名無しさん:03/10/15 21:15 ID:9AL86bkh
西尾幹二の新刊を読みました
インターネット日録の奴。
281名無しさん@魚好き:03/10/16 22:01 ID:Q+rhusMJ
『戦争と平和』第1巻
301ページ(第一部、第三編の5)まで。

また、別の一組の結婚話の方はというと・・・・・
(ネタバレにつき割愛。でも、違う展開の可能性も。)
ま、少なくとも、遺産相続男と美女の結婚よりこちらの方が
微妙な気持ちの動きも含めて、読み物としておもしろいのです。
282みががまギルー:03/10/16 23:21 ID:fGtrjfKn
>>279
引越しも考えていらっしゃるということですね。
どちらでも大差は無いかとも思うのですが、せっかくなのでこれは
ここで居座り、新たな切り口をお考えいただければ、楽しさ倍増ではないでしょうか?
283名無しさん@魚好き:03/10/17 21:46 ID:wrWMKKMk
『戦争と平和』第1巻
321ページ(第一部、第三編の8)まで。

>>282
どちらでもいいようなものでもあるんですが、
どちらかを選ぶとしたら、書き込みが多い方がいい
ということもあるんですよね。
284大人の名無しさん:03/10/17 21:57 ID:FnKdkz6v
相見英咲『倭国の謎』講談社選書メチエ
新聞広告で関心を覚えて買ってみたが、ほとんど「トンデモ」本だなこりゃ
285名無しさん@魚好き:03/10/18 15:25 ID:boktsS0Z
『戦争と平和』第1巻
341ページ(第一部、第三編の12)まで。

昨日読んだ部分からの引用――戦地にいる青年将校から
家族に届いた手紙をみんなで読んでいるところです。

>・・・なお彼がつねに変わらず愛しつづけている懐かしいソーニャには、
>自分に代わって接吻してもらいたいと頼んであった。それを聞くと、
>ソーニャは、ぱっと火のように真っ赤になった。涙がにじみ出るほどだった。
>そして彼女は、自分の上に集中される一同の視線がたまらなくなって、
>ぱたぱたと広間のほうへ駆けだした。彼女は広間のなかをやたらに歩きまわったが、
>やがてふわりとスカートを風船のようにふくらませ、満面に紅葉を散らして
>ほほえみながら、床の上へべたりと坐った。

この少女がスカートをふくらませて座り込む描写がとてもいいです。
こんなのは、現代の少女漫画か映画で発明された表現かと思っていましたが、
当時すでにあったということなんですね。
もちろん、実際にそういう振る舞いをする人は、もっと昔から
いたのかもしれませんが、それを作品として表現しているのがいいわけです。
286大人の名無しさん:03/10/18 16:03 ID:0ftoklWQ
今更 戦争と平和って・・・
ここ30板だよねえ・・・
287名無しさん@魚好き:03/10/19 08:38 ID:vVynfDnO
『戦争と平和』第1巻
356ページ(第一部、第三編の15)まで。

ロシア、オーストリアとフランスの皇帝が参加したアウステルリッツの
三帝会戦の戦闘にいたる描写が続いています。
部隊の配置の様子など、かなり詳しくかかれているものの、
さすがにこのあたりは、スムーズに頭に入ってはくれません。
はっきり記憶に残っていないような人物名も次々に現れます。
主役たちがどこでどうしているのかを把握するので精一杯です。

>>286
いや、ほんと、いまさらで申し訳ないです。
よかったら、あなたが読んだときの感想なども
書き込んでもらえるとうれしいです。
288コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/10/19 11:27 ID:MHScjan7
http://www.interq.or.jp/green/sojodo/blue.html
さて、岩波新書、600〜800番台は名著揃いなわけだ。
『日本の新興宗教』
新興宗教に労働運動、左翼運動がなぜ引けを取ったのか、その他、PLの前身、
『ひとのみち教団』の変遷、生長の家の谷口雅春の赤尾敏との共通性その他、
かなり面白い、かなり面白いのだが絶版だ。
谷口雅春、戦時中、『信じていれば日本は絶対負けない』として信者獲得、戦後、負けたじゃないか、
という多数の信者から抗議が起こり、一時は沈黙を守っていたが、あるとき、
『君子は豹変す』という声明を発表し、『アメリカ軍を信頼、尊宗しましょう』というところなど
腹を抱えて笑った。所詮そんなもんだ、生長の家なんぞは(w
でも、ブックオフで谷口の絶版を見つけたら買っておきなさいね。高値になるから。
289名無しさん@魚好き:03/10/20 13:59 ID:LRyYIYqg
『戦争と平和』第1巻
376ページ(第一部、第三編の19)まで。
これで第1巻の第一部を読了。
4巻本の文庫で言うと、第1巻を読み終えたというところです。

アウステルリッツの会戦でロシア・オーストリア軍が
ナポレオンのフランス軍に壊滅的な敗北を喫します。
(これは史実なのでネタバレということもない・・・はず)
このあたりの描写は臨場感にあふれ、飽きさせません。
主役の一人アンドレイ公爵の前に現れた皇帝ナポレオンは、
余裕たっぷりの英雄です。
290大人の名無しさん:03/10/20 16:14 ID:3RrK4wXc
皆さん難しい本読んでますね

私なんかがカキコしていいものやら…

西原理恵子著 「恨ミッシュラン」本棚から久しぶりに出して読みました

291名無しさん@魚好き:03/10/22 14:59 ID:31xPQVYX
私は、だいたい朝早く起きて、1時間くらい本を読むことにしているのですが、
一昨日の晩、夜中の1時過ぎまで飲んでいたので、
昨日は本を読まずに寝てました。

今日は、
『戦争と平和』第1巻
397ページ(第二部、第一編の3)まで。

休暇を取ってモスクワの家に帰ったニコライ(>>285の青年将校)の
家族との平和で楽しい交流、そして、ニコライの父ロストフ伯爵主催の
エリート貴族たちによる晩餐会。
292名無しさん@魚好き:03/10/23 14:13 ID:OcWWOJ+A
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第1巻417ページ(第二部、第一編の8)まで。

この本は、これから読もうという人がそう多くいるとは思えないし、
ストーリーはある程度知られていて、なおかつ、版によっては、
巻頭の人物紹介を読んだだけで主な展開がわかってしまったりもするので、
あえてネタバレを恐れずに書いてしまうことにします。
(決してネタバレしたからといって読む価値がなくなるような
本ではないということもあります。)

莫大な遺産を相続してとんでもない美女と結婚した青年の方は、
なんだか早々と奥さんと別れることになってしまうし、
戦死したかのように思われていた青年将校は、実は生きていて
もう家に帰ってきてしまいました。
この展開になることは人物紹介などから見え見えだったのですが、
全体の分量から考えて、まだまだ先のことだろうと思っていたのです。
分量が膨大なのでじっくり書かれているのかと思っていましたが、
意外にストーリー展開は早いのです。
もっとも、1812年のモスクワ炎上までは続くはずの物語なので、
この先がまだ何年分もあるわけです。
293クリ−ミィ狸穴:03/10/23 14:32 ID:muzpFRu6
『モモ』ミヒャエル・エンデ作

子供に少しずつ読んでやっていた本ですが、昨夜やっと読み終えました♪

294ななちタン@魚ちゅき:03/10/24 20:41 ID:HJIS3XFz
『戦争と平和』第1巻
443ページ(第二部、第一編の16)まで。
これで第一編を読了。

ニコライがよりによって賭けトランプで大負けして
父親に泣きつくことになるとは・・・・・

>>293
あぁ、そういうの、いいですね。
お子さんは、いくつですか?
目を輝かせて本を読んでもらうのを楽しみにしてくれますか?
295名無しさん@魚好き:03/10/25 14:16 ID:7IPlclkA
『戦争と平和』第1巻
464ページ(第二部、第二編の4)まで。

唐突な展開で、秘密結社のフリーメーソンに入会するピエール
>>292の遺産を相続して美女と結婚・離婚した青年)・・・・・
いったい、どんなことになるんだか・・・
296名無しさん@魚好き:03/10/26 14:00 ID:X1zvaLvl
『戦争と平和』第1巻
481ページ(第二部、第二編の9)まで。
297幻@全スレ制覇:03/10/27 12:16 ID:bisLrBq9
本読むと眠くなる
足跡だけつけさせてくれ
298名無しさん@魚好き:03/10/27 14:55 ID:WoxdtDpl
『戦争と平和』第1巻
503ページ(第二部、第二編の14)まで。

モームは『読書案内』の中で「フリーメーソンに加わったピエールの経験は、
退屈なことこの上もない」と書いていますが、そこまでうんざりするほどの
ことではないようです。(少なくともここまででは。)
299名無しさん@魚好き:03/10/28 21:52 ID:o2PUEZ+2
『戦争と平和』第1巻
516ページ(第二部、第二編の17)まで。

舞台は戦地に戻り、負傷者のいる病院をニコライが訪れます。
300名無しさん@魚好き:03/10/29 10:37 ID:p9dHeSp8
『戦争と平和』第1巻
530ページ(第二部、第二編の21)まで。
これで第二部の第二編を読了。
あわせてこの全3巻(集英社版世界文学全集)の第1巻を読了。
301クリ−ミィ狸穴:03/10/29 11:47 ID:2Q7kcZXb
『青春の門・筑豊篇』五木寛之
全6巻です。先は長い。。。

>>294
子供は四歳なんですよん。
本が好きみたいで、一歳になる前から絵本を さかさまにして(笑)見てました。
やんちゃですが本を読んでやるとおとなしくなります。
解説を交えて聴かせるものですから一冊読み終えるまでに時間がかかりますわ。。


302名無しさん@魚好き:03/10/30 22:27 ID:58LrXcGn
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第2巻17ページ(第二部、第三編の4)まで。

2年程経過して、1809年秋、アンドレイは、
歩兵操典に関する改革案を持ってペテルブルクに赴きます。
「おれの生活がみんなのものに反映して、あの連中がみんな
おれと呼吸を一にする。――こうこなくちゃならない!」
という思いを抱きつつ。

>>301
そういうのは、本当にいいと思います。
本を読むことに親しむ子どもがいることを知るだけでも、
まだまだ世の中大丈夫に違いないという気になれるのです。
(やや大げさですが。)
303ホニアラ ◆OmmP3XWjMg :03/10/31 20:23 ID:SqqRZ1ro
『ホタル帰る』赤羽礼子 石井宏

本日読み終えました。
第二次世界大戦末期、鹿児島県知覧町に陸軍特攻隊基地ができ、
特攻隊員から母と慕われた鳥浜トメさんと隊員たちの本当の姿を
トメさんの娘礼子さんが初めて語った話。
涙・涙・涙でした。
304名無しさん@魚好き:03/10/31 22:11 ID:K8OaCl9Y
『戦争と平和』第2巻
35ページ(第二部、第三編の9)まで。

>>392で書いたとおり、美女と結婚したピエールは奥さんと
別れたのかと思っていましたが、単に別居していただけのようで、
その後また同居することになりましたが、なんともつまらなそうな
夫婦生活になっております。
305名無しさん@魚好き:03/11/01 14:22 ID:0TQv4Nza
『戦争と平和』第2巻
59ページ(第二部、第三編の15)まで。

16歳になったナターシャが初めて大舞踏会に出る、
その初々しい様子が描かれます。
306風眠:03/11/01 16:05 ID:ke28BW7b
はじめましてでお邪魔します。
先日読み終えた本を報告させていただきます。

佐藤賢一氏の「OCCITANIAオクシタニア」をなんとか読了しました。
書評で見て気になったので本屋へ行ったら、あまりの分厚さに躊躇しましたが購入。
読み始めるも、1ページごとに眠気を催し最初の20ページで2週間ほど
うろうろしました。(苦笑

佐藤賢一氏の本ははじめて読みましたが、西洋史を舞台にした人間ドラマ
がたんねんに描かれているな、という印象を受けました。

カトリックにおける異端と正統を問う、というような書評だったのですが、
実際には宗教が政治に深く食い込んでいる世界で、
異端か正統かという宗教論争を政治に持ち込み勢力争いをする・・・・
という図式が語られていました。

宗教論そのものは非常にわかりやすく解説されていて、カトリックの教義に
疎くても興味がもてます。ただ、最後近くになってくると、「ヲイヲイそれは仏教思想(w」
という展開に・・・・。

とっつきは悪かったのですが、満足の一冊でした。




307名無しさん@魚好き:03/11/02 14:02 ID:83Westq0
『戦争と平和』第2巻
78ページ(第二部、第三編の21)まで。

ナターシャを中心に動き出す物語。
はっきり言って、非常にとっつきやすい展開です。
308ななちタン@魚ちゅき:03/11/04 21:43 ID:56xQBwJ5
『戦争と平和』第2巻
100ページ(第二部、第三編の26)まで。

ナターシャがアンドレイと婚約しました。
しかし、結婚は一年後です。
で、どうなるかは、主要人物紹介を読んでしまうと
最初からわかっているのです。
309大人の名無しさん:03/11/04 21:50 ID:xa7K2HeZ
怒りの葡萄/スタインベック

上巻40ページ読んだ
310大人の名無しさん:03/11/04 22:14 ID:tS2mm1g9
溥傑自伝
やっと幼少期を読了。
311大人の名無しさん:03/11/05 17:04 ID:Q7Cc4vTd
初参加よろ

『ユダヤ流逆転の発想』/前島誠
P.84まで。
312名無しさん@魚好き:03/11/06 14:06 ID:VqMJ2ua6
『戦争と平和』第2巻
121ページ(第二部、第四編の5)まで。

帰郷したニコライと家族たちの狩猟――狐狩りです。
貴族による狩猟の是非はともかくとして、
かなり詳しく迫真の描写が続きます。


このスレの参加者が増えてきているようで、よいことです。
313大人の名無しさん:03/11/06 14:46 ID:jyQN9es2
お得な最新のリードメールを随時紹介していますので宜しくお願いします。
その他下記のような特別情報、必需品ツールも準備しています。

・CashFiestaの裏技教えます。ネットにつないでいるだけでどんどん稼げます!
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・ヤフ−オ−クションで売買された種々の情報ネタもご希望の方に公開します。

http://www.ab.cyberhome.ne.jp/~shoji/ReadMail.htm

10日で7000アクセス超え、登録も行って貰っています。有り難うございます。
314名無しさん@魚好き:03/11/07 14:13 ID:hfWw08bS
『戦争と平和』第2巻
145ページ(第二部、第四編の9)まで。

許嫁(いいなずけ)のアンドレイを待ちわびるナターシャ、
暴走し始めているようです。
315大人の名無しさん:03/11/07 16:05 ID:i9ULlzv+
「なじみの店」池内紀

みすず書房の本は高い。これはブックオフで新品を発見した。
316大人の名無しさん:03/11/08 16:46 ID:x49gIKdT
『ユダヤ流逆転の発想』読了。
ユダヤ教の律法を引用して物事の常識を逆に考察する発想法が面白かった。
引き続き同著『ユダヤ人最高の知恵』を読み始める。
P.67まで。
317大人の名無しさん:03/11/08 16:48 ID:yaBYA+dM
『伊豆海岸殺人ルート』西村京太郎。
一気に読みました。
318て ◆TETEGcvoTg :03/11/08 22:54 ID:bjf1oW47
「テースト・オブ・苦虫I」
町田康
図書館で借りてきました。
319名無しさん@魚好き:03/11/09 08:40 ID:qo8PDb8v
『戦争と平和』第2巻
166ページ(第二部、第四編の13)まで。
これで、第二部の第四編を読了。

ロストフ家のクリスマス。
若者たちの仮装。
ソーニャとの結婚を決意するニコライ。
320豊鋤入姫 ◆HIME/lFswo :03/11/09 08:53 ID:A6QyJRru
昨夜、ものすごく久しぶりにドナン・コイルのシャーロックホームズを
読みました。

321大人の名無しさん:03/11/09 21:03 ID:jlzoCEu4
『ユダヤ人最高の知恵』P.144まで。

実はこの本10年前に発行され、再読するのは当時23才以来である。
人の常識をユダヤのタルムード流に別の視点から切り込むのが話の大本で、
当時はその考え方について、自分は読むにつれ「目から鱗」状態だったのだが、
さすが10年も時を隔てると、その考え方も少し斜に構えて仕舞うモノらしい。
筆者の思惑に対して「その考え方では今の社会には逆に通用しないよ」と、
一々ツッコミを入れる自分が居たりして(w
あぁ。10年前から比べると、自分も少しは成長したのかな?と、
僅かにほくそ笑むような自分を 改めて確認することが出来ました。

読了まで、P.100前後。
今度は気分を変えて小説でも読んでみよう。

322かねごん ◆TJ9qoWuqvA :03/11/09 21:05 ID:DEgN2G5k
|  | ∧
|_|▽`)<今日はカーセンサーを読みました。
|¥|⊂)
| ̄|∧|
323て ◆TETEGcvoTg :03/11/09 21:48 ID:dS9h3cym
「中国怪食紀行」
「アジア怪食紀行」
ともに 小泉武夫

作者は発酵、醸造、食文化の専門家。
著作は堅い(専門的な)ものから柔らかいものまで多数あるようです。
この2冊は、柔らかい方です。
とにかく、なんでもかんでも喰ってます。虫とか(w
324大人の名無しさん:03/11/09 22:14 ID:sQ5ycCYP
「燃えよ剣」司馬遼太郎

むかーし読んだけどお薦め

325名無しさん@魚好き:03/11/10 20:56 ID:sFSAV81F
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第2巻188ページ(第二部、第五編の5)まで。

全く金が目的でしかない結婚を決意する男が一人。
それとは別に、これまで離れ離れだったためにしょっちゅう文通していた友人が
会ってみたら特に価値のない人であったとわかってしまった上に
毎週会えるので手紙を書くこともなくなり非常につまらないことになって
しまったというエピソードは、なんとなしにおもしろいです。
326て ◆TETEGcvoTg :03/11/10 23:21 ID:JVP1snhX
危険な眠気「睡眠時無呼吸症候群」
塩見利明 著  二見書房

一時期話題になったSASについて、その専門医が著した本です。
SAS自体のこと、日本や米国での取り組みのこと、などがわかりやすく記載されています。
ただ、同じトピックスや解説が、何度も出現するところが、ちょっと。。。という感じでした。
327大人の名無しさん:03/11/10 23:27 ID:43F3Ik3a
ローマ人の物語 Y パックスロマーナ
初代皇帝アウグストゥスの話がメイン

戦争の平和は十数年前に読んだけど、あまり内容は覚えてないな・・

ドナンコイルではなくてコナンドイルでしょう?
328大人の名無しさん:03/11/11 01:28 ID:6WMNQRyW
スタインベック「怒りの葡萄」
上巻90ページまで読了。

ローマ人の物語は全てハードカバーで
買っているが1冊も読んでない。
シリーズが始まってもうすぐ一〇年か・・・
あの頃村山総理が夏休みに読む本の中に入れてたのを思い出す。
もっと早く読んでれば毒饅頭食べなくてすんだかもしれないなあ。。
329サンダル ◆rSfblDToqc :03/11/11 08:03 ID:4M9O4HYy
『ユダヤ人最高の知恵』読了。
次は気分を変えて小説でも、と思ってたけど、
先月買ったまま放置してた本を発見したので、これを読むことにする。

『ゆっくり走れば速くなる-マラソン(秘)トレーニング-』/佐々木功。
P.19まで。
330名無しさん@魚好き:03/11/11 22:52 ID:akqY4IoE
『戦争と平和』第2巻
204ページ(第二部、第五編の9)まで。

>>327
確かに、(今のところ)特に忘れられないというほどの盛り上がりはなく、
いろいろとエピソードはあるものの、どんどん物語が先へ進んでいくという
そんな印象はあります。
331サンダル ◆rSfblDToqc :03/11/12 08:10 ID:OeqyXln2
『ゆっくり走れば速くなる-マラソン(秘)トレーニング-』
P.44まで。

筋・肝臓内のグリコーゲン枯渇状態から完全回復に至るまでの時間は48時間。
応用すれば3日に1回の運動で、効率の良いダイエット効果を期待することが可能らしい。
( ・∀・)つ〃∩へぇ〜へぇ〜へぇ〜。
332名無しさん@魚好き:03/11/13 14:29 ID:seP6KQin
『戦争と平和』第2巻
229ページ(第二部、第五編の15)まで。

なんと、>>330のようなことを書いたそばから物語が盛り上がりを見せております。
アンドレイと婚約中のナターシャが別の男、それも明らかに上辺だけで
誠意がないと思われる男に夢中になり婚約を解消して駆け落ちへ・・・
333大人の名無しさん:03/11/13 20:41 ID:PKY9EI0t
『指揮官と参謀』 半藤一利著 文春文庫

目次を見て、目についたコンビから順不同で読んだ。
かなり手厳しいコメント満載だけど
「終わってからなら何とでも言える」と思った。
334大人の名無しさん:03/11/13 21:49 ID:p/4nTag/
「模倣犯」宮部みゆき
もうちっと短くてもよかったんでは?
335名無しさん@魚好き:03/11/14 14:20 ID:8jB3h6R+
『戦争と平和』第2巻
255ページ(第二部、第五編の22)まで。
これで第二部を読了。
文庫版で言うと全4巻のうち第2巻の最後まで。
というわけで、ほぼ当初の予定通り、年内に読み終えるペースを
保っているわけです。
それにしても、さまざまな人物像が念入りに描かれているものです。
336大人の名無しさん:03/11/14 19:08 ID:CYesDrHR
>>335
結局なんの話かわからないことはないですか?
337名無しさん@魚好き:03/11/15 15:04 ID:9yRGseZ/
『戦争と平和』第2巻
281ページ(第三部、第一編の6)まで。

いよいよナポレオンのフランス軍によるロシア侵入が開始されます。

>>336
確かに、あまりに多くの人々のことをいくつもの場面転換の中で
詳細に記述しているので、例えば、ある一人の主人公を中心として
物語が進行するような小説と比べると、おおもとの筋は
いったいどの部分なのだろうと思わせられるということはありますね。
しかし、どうもこの小説は、個々の登場人物を描きながら
歴史の大きな流れをパノラマのように描いて見せるもので
あるのかもしれません。
338名無しさん@魚好き:03/11/16 21:38 ID:eF7JDdhE
『戦争と平和』第2巻
305ページ(第三部、第一編の11)まで。

皇帝を含むロシア軍の作戦会議・・・ですが・・・・・
339大人の名無しさん:03/11/16 23:41 ID:YMgEsPJ+
「戦争と平和の本当の主人公はナポレオンかもしれない」という
きざな解説がありました。そんな感じはしますか?
自分が読んだ感想は(詳細はあまり記憶はないのですが)、
貴族の青年たちの青春群像という感じでした。
340名無しさん@魚好き:03/11/17 22:39 ID:vSjAzDHr
『戦争と平和』第2巻
329ページ(第三部、第一編の18)まで。

駆け落ち未遂事件後病床に伏していたナターシャがようやく回復してきます。

>>339
>「戦争と平和の本当の主人公はナポレオンかもしれない」

それは・・・どうでしょうね?
歴史的に、当時のヨーロッパにおける主人公が誰かといえば、
それは当然ナポレオンと言って差し支えないのでしょうけれど、
少なくとも、ここまで読んだ限りでは、ナポレオンは、
主役として振舞っているわけではありません。
この先、フランス軍がモスクワまで攻め込んで退却する(史実)
ことになるわけですから、物語の中でナポレオンが果たす役割も
大きなものになっていく可能性はあるわけですが、
問題は、やはり、大きな歴史の流れの中で
いかなる役割を果たすかということになってくると思います。
つまり、エピローグの中で語られているらしいトルストイ自身の
歴史観に照らして、歴史の中で積極的な役割を果たしたのは誰か
という問題になってくるのではないかと、
まだ読んでいないながらも私は想像しているのです。
341名無しさん@魚好き:03/11/18 21:45 ID:fxh3YUSZ
『戦争と平和』第2巻
351ページ(第三部、第一編の23)まで。

フランスによるロシア侵略という事態に、
ロシア皇帝のためになんでも捧げるという人々。

ところで、これまでその存在を知らずにいたのですが、
一昨日の晩のNHK教育テレビの番組で
チャイコフスキーの序曲「1812年」のことを知り、
今日、CDを買ってきました。
まだ聴いていないのですが、明日にでも聴いてみるつもりです。
342名無しさん@魚好き:03/11/20 21:51 ID:eEpWNpL1
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第2巻375ページ(第三部、第二編の4)まで。

ナポレオンのフランス軍の進攻に混乱するロシアの人々。
これが実に臨場感を伴って描かれているのです。
さまざまな人々の行動や心の動きが複雑に絡み合いながら
記述された結果、ひとつの広がりのある世界が構築され、
この小説を読んでいる時間がすばらしく楽しいものになっています。
343名無しさん@魚好き:03/11/21 14:25 ID:jSlxH8Ip
『戦争と平和』第2巻
397ページ(第三部、第二編の8)まで。

中公文庫の『世界の歴史10 フランス革命とナポレオン』でも
引用されていたロシアの農民兵とナポレオンの会話の場面。
ただし、中公文庫の引用と原作にはだいぶ違いがありますが。
そして、アンドレイの父の老公爵の死。
344名無しさん@魚好き:03/11/22 08:39 ID:Z1VBtDtR
『戦争と平和』第2巻
422ページ(第三部、第二編の14)まで。

フランス軍の進攻に伴い、物語は大きく動き続けています。
ナターシャの兄ニコライ・ロストフとアンドレイの妹マリヤの出会い。
345名無しさん@魚好き:03/11/23 14:20 ID:Tzapsw2w
『戦争と平和』第2巻
446ページ(第三部、第二編の19)まで。

ボロジノの戦いについての作者自身(トルストイ)の考察。

前半では、個々の登場人物の間のつながりがそう感じられないために
ばらばらないくつかの話が進行しているような印象もありましたが、
主要な人物の関係が複雑にクロスする一方で、
フランス軍がロシアに深く進攻し、この非常事態に
登場人物たちがなにを考え、どう行動したかという点で物語がまとまり、
ひとつの巨大な絵巻を見ているかの感があります。
346市 ◆TtnA8GBgr6 :03/11/23 15:36 ID:eE+gekEK
岸田 秀 「心はなぜ苦しむのか」
Orson Scott Card 「消えた少年たち」
347ななちタン@魚ちゅき:03/11/24 18:38 ID:+k9CO6tc
『戦争と平和』第2巻
470ページ(第三部、第二編の25)まで。

ボロジノの戦いの前夜。
アンドレイの語る戦争論。
「戦争の目的は殺戮だ。戦争の方法は、スパイ、欺瞞、その奨励、
地方住民の蹂躙、軍隊を維持するための窃盗や強奪、
軍略と称するところの詐欺と虚言、こういったものだ。・・・」
そして、ナターシャとの恋の回想。
348市 ◆TtnA8GBgr6 :03/11/24 21:01 ID:bWh+o6kD
>>346
同じ
349大人の名無しさん:03/11/24 22:46 ID:1PKIW86C
中公の世界の歴史は昔読んだけど、
今にしてみるとほんと感覚が古いよ。
350名無しさん@魚好き:03/11/25 14:23 ID:jzRj1hln
『戦争と平和』第2巻
494ページ(第三部、第二編の32)まで。

ボロジノの会戦の開始。
のんきにも戦場を訪れた貴族のピエール。
351大人の名無しさん:03/11/25 19:31 ID:ojcA/rfJ
高卒の溶接工です。はずかしながら最近本を読むことにめばえました。
読むといっても話題の本とか人気作家の本ですが・・・。
僕のようなものでもこのスレに書き込んでよろしいでしょうか?
352名無しさん@魚好き:03/11/25 19:33 ID:jzRj1hln
>>351
どうぞ、どうぞ。
遠慮なく書き込んでください。
353大人の名無しさん:03/11/25 19:37 ID:ojcA/rfJ
>>352
あっ!スレ主さんですね。ありがとうございます。
では今後ともよろしくお願いします。
354名無しさん@魚好き:03/11/25 19:45 ID:jzRj1hln
>>353
あんまりスレ主という意識はなくて、自分の報告ばかりして
スレのケアはたいしてしていませんが、どうぞ気軽に書き込んでください。
355市 ◆TtnA8GBgr6 :03/11/25 21:22 ID:Z34p3SCM
>>354
はじめまして。よろしくお願いします。
>>348
同じ
356大人の名無しさん:03/11/25 23:10 ID:mlKAqFzR
今、重松清さんの「かかしの夏休み」(ライオン先生込み)読み終えました。
以前に重松さんの「ナイフ」を読んでおもしろかったなぁと思ってたところ
日テレでやっているライオン先生なるドラマの原作が重松さんと知り読みたくなったわけです。
357大人の名無しさん:03/11/26 00:43 ID:dlj18PL9
戦争と平和を読んでたのはスレヌシだったのか。
知らんかったw
358名無しさん@魚好き:03/11/26 18:00 ID:DiRWT1/K
『別冊 本とコンピュータ 5 読書は変わったか?』
(トランスアート・発売)収録の徳永康元、大西巨人、矢川澄子の
座談会「本を読むにも気力と体力がいるぞ」

以前に一度通読していたのですが、2ちゃんの他板のスレで、
この座談会についての情報を求める書き込みにレスしたことから
概容の紹介を請われて、読み直してみたのでした。
徳永康元氏は、太平洋戦争中に『戦争と平和』を2回通読し、
終戦時、満州から逃げ帰る途中で赤痢にかかり草原に寝かされて、
『戦争と平和』の中のアウステルリッツの戦場の場面を思い出したそうです。

>>357
スレ立てをした者という意味ならスレ主に違いないのですが、
一参加者という以上にスレを仕切ったりするつもりはないので、
気楽にどうぞ。
359大人の名無しさん:03/11/26 18:49 ID:4EYQ23mi
佐藤正 の『燃えるお兄さん6』読了。
障害のある兄に対して献身的な妹に感動。
360て ◆TETEGcvoTg :03/11/26 21:11 ID:m8X7B7vp
>>323 に続きまた小泉武夫氏の本。
「地球を肴に飲む男」
これも、食い物と酒のエッセー。
布団に入って寝る前に読むのに最適だと思います。
前に読んだのはアジアの食い物でしたが、今回はタイトルの通り世界中の食い物がネタになっています。
361名無しさん@魚好き:03/11/27 14:25 ID:8ctO1+Cg
大手古書チェーン店で小学館の「完訳・日本の古典」シリーズから4冊、
『枕草子』1・2
『和泉式部日記/紫式部日記/更級日記』
『堤中納言物語/無名草子』
を買い、
『枕草子』から「うつくしきもの」
『更級日記』から源氏を得て読みふける件(くだり)
『堤中納言物語』から「虫めづる姫君」
を通読しました。(それぞれ何度か読んでいます。)
『枕草子』の全文を手元に置くことになるのは、これが初めてです。
362市 ◆TtnA8GBgr6 :03/11/27 15:16 ID:lSFE5jB3
美術館目録
Orson Scott Card 「消えた少年たち」
363大人の名無しさん:03/11/28 01:31 ID:GyAqB1ax
本というより小冊子?
「ビッグイシュー日本版」

若者たちの中にも、しっかりした考え方の人たちが多いということを
再確認した。もともとこの冊子は、日本でもホームレスの人たちの自立
支援を目的として創刊されたものらしい。新宿の「直営店」で購入
しました。
364名無しさん@魚好き:03/11/28 14:01 ID:h5nSWeAZ
『戦争と平和』第2巻
518ページ(第三部、第二編の39)まで。
これで第三部の第二編を(そして、この第2巻を)読了。

ボロジノの会戦で双方に何万という死傷者が。
重症を負ったアンドレイが救護所でアナトーリ(ナターシャを誘惑した男)と再会。

いよいよ明日から最終巻(第3巻)を読み始めます。
365195 ◆IyApGKf56Q :03/11/28 14:17 ID:fAdLMmlx
>>364
枕草子、全集本で買ったんだね?ブックオフはいいね。あれが100円だもんね。

私の昨日仕事で読んだ本『雨月物語』と綾足の旅日記

寝る前に根本敬・村崎百郎『電波系』再読。
『トリコ仕掛のあけくれ』を全文引用した貴重な書籍だが絶版だ。
三井理峯様の選挙公報もそのまま掲載されている。
366市 ◆TtnA8GBgr6 :03/11/28 20:16 ID:9AnzMZBU
>>362
同じ
367大人の名無しさん:03/11/29 00:28 ID:1v2tCbsW
山本一力
「大川わたり」
まあまあかな。個人的にはあかね雲の方がよかった。
368大人の名無しさん:03/11/29 00:51 ID:SrKyoEB8
竜馬がゆく

江戸に来て、地震に会ったとこ。
369名無しさん@魚好き:03/11/29 14:45 ID:7LAUM7XI
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第3巻28ページ(第三部、第三編の7)まで。

フランス軍に対してロシアがモスクワを明け渡すかどうかと
いうところまで戦闘は展開しました。
たまたま居合わせた6歳の女の子の目を通して見た
ロシア軍最高司令部の作戦会議。

>>365
そうです。
どれもみな、1冊100円でした。
100円の豪華本のコーナーは、もっとスペースを広げて
充実させてほしいものです。
370大人の名無しさん:03/11/29 14:53 ID:ShxZU2uo
朝日の土曜版の日本法人マイクロソフトの古川のいんたびゅー
見た
辞めようと辞表だそうとしたらゲイツがきてやめんといて、シアトル本社きて
いわれて、シアトル行ったら、みんな好き勝手放題やってるのみて
辞めるの辞めたと書いてあった

ふーん、で?って感じ
好き勝手できるなら誰も苦労しねえよバカ
くだらないことぐだぐだしゃべってんじゃねええよ
この腐れ外道
371大人の名無しさん:03/11/29 21:38 ID:cJTcvhei
竜馬がゆく

地元高知に帰って、女と話してるとこ。
372大人の名無しさん:03/11/29 22:43 ID:bJFYi/nE
「黒い家」読んでる。もうちょいで終わる。おっかない。
373大人の名無しさん:03/11/30 08:08 ID:IEHq/xkM
>>372
ホラーなの?
374大人の名無しさん:03/11/30 12:44 ID:zFtFr8AF
なかなか評判のよいホラー。映画にもなってる。
375大人の名無しさん:03/11/30 12:51 ID:IEHq/xkM
>>374
黒い雨だったら知ってるが。
376名無しさん@魚好き:03/11/30 14:33 ID:d3HwLkC/
『戦争と平和』第3巻
50ページ(第三部、第三編の14)まで。

フランス軍のモスクワ侵入が迫り、避難のため右往左往する人々。
傷病兵への対応や避難の荷造りに活躍するナターシャ。
と、そこに運び込まれてくる負傷したアンドレイ。
377大人の名無しさん:03/11/30 14:50 ID:8Soze/eG
レンタルで『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』を借りてきて
装丁にある“読者モニターの感想”を読んだw
378大人の名無しさん:03/11/30 14:55 ID:1M9epQNn
>>376
面白い?
379大人の名無しさん:03/11/30 19:18 ID:VKppYnox
真・女神転生if公式ガイドブック、を1ページ

ゲームの攻略本、以外に読むのが難しい。
380名無しさん@魚好き:03/12/01 15:12 ID:SNmoDrs/
『戦争と平和』第3巻
73ページ(第三部、第三編の20)まで。

モスクワ「最後」の日、いったん馬車に積んだ荷物を下ろして
代わりにおおぜいの負傷兵たちを乗せてやるナターシャたち。
そして、いよいよモスクワを目の前にしたナポレオンの感銘と失意。
たまたま今日読んだ部分は、
「モスクワの最後の日がやってきた。」
で始まり、
「芝居の大詰は不成功に終わったのだ。」
で終わっています。

>>378
かなり面白いですよ。
前のログでも書きましたが、ナポレオンのロシア進攻という
歴史の大きな流れの中で、非常に多くの登場人物の行動を
生き生きと、詳しく描写しているので、その「世界」に
引き込まれる思いがします。
最初のうちは、登場人物があまりに多い上に、ばらばらに存在しているようで
全体的な把握がやや難しかったのですが、途中から、
大きな時代背景の中で複雑に係わり合いを持ちながら
一つの歴史を形作っている無数の人々という感覚を持つことができ、
読むことそのものを楽しむことができています。
381大人の名無しさん:03/12/01 19:57 ID:kRV795dt
>>380
歴史も好きなのですか?
トルストイの三大長編とされるうちのあと二つ、「復活」と「アンナカレーニナ」
は読みましたか?
382大人の名無しさん:03/12/01 20:07 ID:9jktKWB4
エリーのアトリエ公式ガイドブックが面白かった。
入手困難。と思う。

昔、ドルアーガの塔の攻略本がベストセラーになったことあり。
八重洲ブックセンターとかで。
383大人の名無しさん:03/12/01 20:31 ID:qy6bX+yw
宮脇俊三 / 最長片道切符の旅
384大人の名無しさん:03/12/01 21:31 ID:R/ItwIQf
いま、一般書籍板で評判のよかた宮部みゆきの「火車」読んでます。
おれは、あれだな。じぶんで本を選べないんだよ。ましてや買うだなんてなると。
だから人の評価を聞いて読む本選んでる。    ごめんなさい。
385大人の名無しさん:03/12/01 21:33 ID:0duT6EXf
あ、じゃあ、海辺の過負荷」とか
386大人の名無しさん:03/12/01 21:39 ID:R/ItwIQf
ブックオフで100円で売ってたら読む
387大人の名無しさん:03/12/01 23:04 ID:tfFDgmB+
佐藤正午の「ジャンプ」を読み終えた。
388名無しさん@魚好き:03/12/02 14:07 ID:tqMZ6tO9
『戦争と平和』第3巻
95ページ(第三部、第三編の25)まで。

モスクワ総督ラストプチン総督の異様な行動。

>>381
もともと学校の授業の世界史は好きで、特に
フランス革命やロシア革命の記述にはわくわくしたものです。
『復活』と『アンナ・カレーニナ』は、まだ読んではいませんが、
いつか読みたいと思って、本は買ってあります。
なぜか、もっと若い頃にトルストイの長編を読もうと思うような
きっかけが全然なかったんですよね。
長すぎるという印象のせいかもしれません。

>>384
『火車』は私も読みましたが、いいですよね。
このスレの前スレでも、何人もの人が薦めていました。
389市 ◆TtnA8GBgr6 :03/12/02 20:57 ID:QYVg4owR
ジェラルド・カーシュ「壜の中の手記」
390大人の名無しさん:03/12/03 00:14 ID:dcYU73WW
宮部みゆき「誰か」

もうね、最高につまらん!
文句無しに宮部作品のワーストだわ
書き下ろしだから期待したのに・・・
さんざん引っ張った謎の結末が姉妹○○って何だよ

あまりの腹立たしさに初カキコ
391ななちタン@魚ちゅき:03/12/04 21:40 ID:AjMwfI9L
『戦争と平和』第3巻
117ページ(第三部、第三編の29)まで。

ナポレオン暗殺を用意するピエールが
モスクワに入ってきたフランス軍の大尉と対話。
モスクワ市内に発生した火事。
392大人の名無しさん:03/12/04 22:21 ID:0kV9oC0k
すごい。
戦争と平和を着実に読んでますね。
近いうちに俺も挑戦しよう。

「怒りの葡萄」やっと上巻250ページ。
夢のカリフォルニアはまだ遠い。
393名無しさん@魚好き:03/12/05 21:16 ID:y0DaaUZ6
『戦争と平和』第3巻
139ページ(第三部、第三編の34)まで。
これで第三部(全4巻の文庫の第3巻)まで読了。

戦闘で瀕死の重症を負い、極限的な精神状態の中で
「せめてもう一度ナターシャに会えたら・・・」と思う
アンドレイ公爵の目の前に、そのナターシャが登場!
お約束とも言えそうな展開ですが、
世界文学史上に残る名場面の一つのようにも思えます。

>>392
「怒りの葡萄」も、いずれ読んでみたいと思っています。
少しずつでも、読んだら報告してもらえると、うれしいです。
394大人の名無しさん:03/12/05 23:54 ID:tp2TVAjj
竜馬、土佐へ帰るための貧乏旅行。
395市 ◆TtnA8GBgr6 :03/12/06 08:57 ID:++TtE0LO
>>389
同じ
396名無しさん@魚好き:03/12/06 20:05 ID:97Hhf6tu
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第3巻163ページ(第四部、第一編の6)まで。

ペテルブルクの上流社会の夜会における華やかではあるけれど
くだらないようにも思える会話。
実際のところ、この小説全体の冒頭部分も同様の夜会から始まっていて、
正直な感想を述べると、読み始めの部分は、あまり面白いと
思えなかったのですが、それも今にして思えば、実際、
上流貴族たちの「くだらない」会話の部分だったからなのかもしれません。

一方、アンドレイ公爵の妹マリヤと
ニコライ・ロストフの仲が急接近します。
397大人の名無しさん:03/12/06 23:20 ID:k3C5PF7Y
竜馬、京へ着く。
398名無しさん@魚好き:03/12/07 09:06 ID:yfsYoUF2
『戦争と平和』第3巻
181ページ(第四部、第一編の11)まで。

ニコライのために婚約破棄を申し出るソーニャ。
ナポレオン暗殺を実行しようとしながらも本人に近づくこともできないまま
フランス軍に捕らえられ、モスクワ放火の嫌疑であわや銃殺という
目に会うピエール。
399コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/07 10:55 ID:mOo8GTis
ここで大威張りでかけるのはうれしいね。ちゃんと読んだぞ、寝る前に。
http://images-jp.amazon.com/images/P/4575295248.09.LZZZZZZZ.jpg
犬儒派だもの 呉 智英 (著)

昨日、『檄を飛ばす』に関して日記で触れたが、同じことが指摘されててちょっとうれしい。
水木しげるとの付き合いを書いた部分はマジで笑ってしまった。ふっふっふ、と
本を読んでるのに笑うのは珍しい。
水木しげる、自伝で腕白だったときのことを書く。いじめっ子であったときのことを
いろいろ書く。水木がいじめていた朝鮮人の少年、戦後でかい会社の社長になった。編集者と呉は
「あ、こういう話は単にいじめてただけよりは大衆受けするから」といって水木に頼む。
『こういう逸話はないですか?加筆してくださいよー(編集者)』
『ああ、こんなはなしならいっぱいあるよ。』
送られてきた加筆原稿にはこうあった。
『同じクラスの○は朝鮮人だった。隣の町の×も朝鮮人だった。二年上の△も朝鮮人だった。
□も朝鮮人だった。後輩の☆も・・・・・』
この部分で声を出して笑ってしまった。悪意なんぞではない。天然である。
呉は水木を『あたまのいい山下清』と言ってた。これも面白い。
揶揄してるわけではなく、敬意を込めた天才の逸話である。
400大人の名無しさん:03/12/07 21:36 ID:NZOOL5TY
宮嶋茂樹
写真集『ANYTIME ANYWHERE
―イツデモ・ドコデモ・ダレトデモ―』
『不肖・宮嶋、踊る大取材線』
もう4〜5年くらい「不肖・宮嶋」が気にはなってたけれど、
読む機会がなかった。
文体はすっごく軽いけれども、実際やって・見て・撮ったから
こそ言えるというのはビシビシ伝わってきた。
あと、彼の主張は賛否はともかく、というか賛否を唱えられるくらい
とても解りやすく書いてあってよいなと。
このままいくと彼の著作を全部買ってしまいそうなのと、誉め言葉が
『シブイ!』に既になっている自分が居る。
401て ◆TETEGcvoTg :03/12/08 00:17 ID:qv4Wo7jo
七つの廃線跡  /宮脇俊三

廃線跡探訪ブームの火付け役となった宮脇氏が、独特の文体で、7つの廃線跡を巡る様子を書いています。
北は北海道から南は南大東島まで。
宮脇氏ももう亡くなってしまい、新たな著作を読むことができないのが残念です。
>>383 名無しさんが書かれた「片道最長切符の旅」も良いですね)
402て ◆TETEGcvoTg :03/12/08 00:18 ID:qv4Wo7jo
東京コンフィデンシャル−いままで語られなかった、都市の光と影  /高瀬 毅

都内のいろいろな街について、現在の風景や歴史、人などを、クールな語り口で記述しています。
1つ1つの節が短いので、どこからでも、短時間でも読めるのがうれしいです。
某スレで私が出題した高層マンションのネタは、この本から得ました。
403大人の名無しさん:03/12/08 01:26 ID:vfMZ4DnI
>>363
私も買いました。
これがもっと広まっていくと良いと思います。
404名無しさん@魚好き:03/12/08 14:25 ID:wspd9/2D
『戦争と平和』第3巻
205ページ(第四部、第一編の16)まで。

老農民兵プラトン・カラターエフとピエールの出会い。
元婚約者ナターシャと妹マリヤに見守られながら死ぬアンドレイ。

なんとなくBGMにチャイコフスキーの序曲「1812年」。
405コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/08 14:30 ID:9J8DkeAV
>>404
それ、本格の場合、最後の太鼓部分、本当の大砲つかうぜ。
いいBGMで聞いてらっしゃる。
406名無しさん@魚好き:03/12/08 14:32 ID:wspd9/2D
>>405
という解説をNHK教育の番組で聞いて、
そういうのを探してみたんですが、
残念ながら大砲を使ってる録音ではないのです。
407コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/08 14:39 ID:9J8DkeAV
http://www.asahi-net.or.jp/~eh6k-ymgs/orch/tchaiko-orch.htm
例えば、聞き比べもいいもんです。
小澤の奴は聞きましたよ。派手でしたわ。

今日の予定。
ジャニスの伝記を読む。
408大人の名無しさん:03/12/09 00:18 ID:uc2gcOIO
本多勝一・著 「戦場の村」
409大人の名無しさん:03/12/09 00:22 ID:8X0baECe
美しい女が二人、自分を見下ろし優しく笑いかけている。
410名無しさん@魚好き:03/12/09 09:11 ID:NMa6ZvCJ
『戦争と平和』第3巻
230ページ(第四部、第二編の10)まで。

モスクワを占領したフランス軍とその指導部の動静。
トルストイの筆は、時として恐ろしく痛烈です。
>すべてこれらの運動の指導者と思われているナポレオンは
>(野蛮人が船の舳(へさき)に刻まれている彫り物を見て、
>船を指導する力のように思うのと同じように)、その時分の
>活動全体からいって、馬車の内部に結びつけられている紐に
>つかまり、自分は馬車を馭しているのだと想像する、幼い
>子供そっくりであった。
411名無しさん@魚好き:03/12/10 10:48 ID:va1m2m2l
『戦争と平和』第3巻
255ページ(第四部、第二編の19)まで。
これで、第四部の第二編まで読了。

ナポレオンのフランス軍がモスクワからの退却を開始。
ロシア軍による焦土作戦の的中と冬将軍の到来によって
さしものナポレオンも退却を余儀なくされた、などと書けば
読み物としてはおもしろいのかもしれませんが、
トルストイは、そのようには書かず、これを、
目先の利害やつまらない功名心にとらわれる者も含めた
無数の人々の全体的な運動の帰結として描き出すのです。
412大人の名無しさん:03/12/10 15:10 ID:UVsxGHM+
「あしたの発想学」
いかにして痛くない注射針はできたのか

町工場ってスゴイんだね。。。
413大人の名無しさん:03/12/10 21:32 ID:fwszUGf7
「憲法第9条」
414大人の名無しさん:03/12/10 23:18 ID:ywY5mjxh
竜馬、土佐勤王党に参加。
415大人の名無しさん:03/12/11 13:07 ID:ScRtBihx
ローマ人の物語[を読み終えたよ。
今日は2週間ぶりの休日なのでゆっくり本を読む。
416名無しさん@魚好き:03/12/11 14:47 ID:hy++FF9J
『戦争と平和』第3巻
273ページ(第四部、第三編の6)まで。

1812年の戦役についての著者自身の考察。
ロシア軍のパルチザン隊の行動。
417大人の名無しさん:03/12/11 15:03 ID:zYvjCWx3
週刊文春・週刊モーニング・夜のフロスト

あ〜、それにしても、オイラも市役所に就職したい‥‥。
418大人の名無しさん:03/12/11 20:29 ID:WKZqOmQE
>>416
もうラスト?
419名無しさん@魚好き:03/12/12 21:37 ID:ACEzZaZZ
『戦争と平和』第3巻
289ページ(第四部、第三編の11)まで。

ニコライ・ロストフの弟のまだ若いペーチャが
戦場での生き生きとした描写の後に、あっけなく
冷酷とも思えるような描かれ方で死んでしまいます。

>>418
まだまだです。
この最終巻の第3巻が482ページまで続いています。
第四部の第四編が374ページまで、
その後に、けっして短くはないエピローグが続いているのです。
420大人の名無しさん:03/12/12 23:53 ID:OlswoF7d
スタインベック「怒りの葡萄」上巻読了。下巻38ページまで。
貧困ってつらい。無名のマルティチュードが蠢き出す予感。
421大人の名無しさん:03/12/13 00:02 ID:j3A2dboz
竜馬、丸亀藩に入る。
422高卒:03/12/13 00:02 ID:h8c1lpnc
きのうから宮部みゆきの「蒲生邸事件」読んでます。厚いから1ヶ月くらいかかるかなぁ
423名無しさん@魚好き:03/12/13 14:36 ID:74eEi51y
『戦争と平和』第3巻
308ページ(第四部、第三編の19)まで。
これで第四部の第三編まで読了。

農民兵カラターエフが語る、自分の一生をだいなしにした犯罪者の
罪を許しすべてを神にゆだねる老人の話。
そして、全く自然に死を受け入れるカラターエフ。
その後、ピエールらロシア人捕虜は、パルチザンによって
フランス軍から解放されます。
ナポレオン軍の敗退に関する著者のトルストイ自身の考察を読むと、
この敗退が、歴史家が説くような個人の失敗(あるいは好判断)の
結果ではなく、全体として、なるべくしてなった結果だということには
うなづけます。
424ななちタン@魚ちゅき:03/12/14 14:54 ID:tADeXCmX
『戦争と平和』第3巻
329ページ(第四部、第四編の7)まで。

次男ペーチャの戦死の報に動揺するロストフ家。
この1812年のフランス軍との戦争において
ロシアの総司令官クトゥーゾフ将軍が果たした役割に関する
おおかたの歴史家の評価と、対照的な著者自身の評価。
実際、ナポレオンの侵略に対して、実際に行われた以上に
抵抗したり、総攻撃に打って出たりしていれば、
ロシア軍の被害が大きくなっただけで、
全然いいことはなかったはずなのです。
425大人の名無しさん:03/12/14 16:15 ID:n/5V3qsI
>>424
あんた女?
426名無しさん@魚好き:03/12/15 09:05 ID:bISB1WDs
『戦争と平和』第3巻
352ページ(第四部、第四編の14)まで。

俘虜生活から解放されたピエールの人間性の回復。

>「ときに、これからどうなるのだ? おれはこれからどういう
>ことをするのだろう?」が、彼はすぐに自答するのだった。
>「何でもない。生きてゆくだけのことだ。ああ、あ、じつに素敵だ!」

>>425
男ですよ。
427j:03/12/15 21:51 ID:Cl/XL2hj
どうも初めまして。
「無言館への坂道」 窪島誠一郎
長野県上田市に5年前に開館した戦没画学生の作品を展示する
美術館建設にまつわる話。
窪島氏が館長なのだが、反戦活動家というわけではなくけっこう
ミーハーな人だとわかって面白かった。
しかしいろんなところへ寄稿した文の寄せ集めなのか、内容が
重複してうんざりする。
他にも無言館関係の書籍は出ているようだからそちらを読むほうが
いいかもしれない。
428大人の名無しさん:03/12/15 21:57 ID:GoJEefwK
竜馬脱藩しちゃった。
429コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/15 22:02 ID:g3kFicLN
反町茂雄『一古書肆の思い出』を読みながら寝る。
第一巻目、ほぼ読了。この面白さ、すごい。
どう面白いのか。古書店修業時代の話しか出てこないが古書に興味が無くても面白い。
伊藤整の『日本文壇史』に匹敵する面白さである。
池田亀鑑が、書誌学の長澤が、筑土鈴寛が眼前で古書を探しながらうろうろ歩いているようだ。当時の学者が古書をめぐり、さまざまな駆け引きをしながら売ったり買ったりしてる。
ダニングの古書小説?はっはっは、あんなもの、足元にも及ばない。こっちはドキュメンタリーだ。その上、登場するのが当時一流の学者であり文化人であり、古書を売るのが九条家であり正親町家であり、歌舞伎座創始者だ、面白くないわけがない。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582762441/qid=1071447691/sr=1-7/ref=sr_1_0_7/250-1861351-8104266
一冊、たったの1300円である。
内容で考えようか?数千円分はあるわ。
430大人の名無しさん:03/12/16 00:28 ID:ivdQjjRb
スタインベック 怒りの葡萄 下巻198ページ

イイ感じのキャンプに到着。
しかし不穏な気配が忍び寄る。むむ。



>>429

お買い物リストに入れました。
431大人の名無しさん:03/12/16 02:40 ID:n7PXz35C
( ´∀`)岡本太郎「今日の芸術」 読みやすいよ〜
432名無しさん@魚好き:03/12/16 09:03 ID:c6sKPtXl
『戦争と平和』第3巻
374ページ(第四部、第四編の20)まで。

荒廃したモスクワでのピエールとナターシャの出会い。
愛なき妻エレンの亡くなったことを知ったピエールが
ナターシャとの結婚を考え、夢中になる様子が
これまでにないような弾んだ調子で描かれます。
この部分が実にいいのは、長く続いた戦乱の末に
多くの人との出会いと別れ(死別)を経て
ようやくここに至っているからに違いありません。

これで第四部の第四編まで読了。
あとは、エピローグを残すのみですが、
この重要なエピローグだけで100ページ以上あるのです。

>>431
>岡本太郎「今日の芸術」 

このスレで今年の3月頃に話題になって、それからずっと
気にはなっていたのですが、特に注文もせず、そのままになっていました。
その後、アマゾンの書評もいくつも書き込まれ、
その書評を読んでも、やはり、読んでおきたい本のようです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334727891/ref=sr_aps_b_/250-5870198-2721055
433て ◆TETEGcvoTg :03/12/16 21:27 ID:8A8MH8KC
冒険投資家 ジム・ロジャーズ 世界大発見
ジム・ロジャーズ  林康史・望月衛 訳

アメリカの投資家 ジム・ロジャーズが、改造ベンツで世界一周する旅行記。
3年間に渡る旅行であるが、それだけの内容を1冊の本にまとめたせいか、記述がとびとびになっているきらいがある。
しかし、投資家の目から見た旅行記は、今まで読んだことがなかったので、それなりに楽しめた。
随所に見られるNGO批判と、最後の方のアメリカの政策(特に経済政策)批判の部分が、特に面白かった。
434大人の名無しさん:03/12/16 22:11 ID:T3NHpkKy
>>432
次は何読むの?
435大人の名無しさん:03/12/17 01:32 ID:0UUB2LzC
スタインベック 怒りの葡萄 下巻p215

仕事見つからず。就職活動のためキャンプを離れ北へ。
436名無しさん@魚好き:03/12/18 09:12 ID:ViVnoBHn
『戦争と平和』トルストイ(集英社版世界文学全集、訳=原久一郎・原卓也)
第3巻398ページ(エピローグ、第一編の7)まで。

歴史の推進力と個人の役割に関する著者の考察。
ナターシャとピエールの結婚後のロストフ家の窮状。
結局マリヤと結婚したニコライは、
農奴たちを使った農場経営に手腕を発揮することになります。

>>434
中央公論社の『日本の歴史』の第23巻「大正デモクラシー」と
第24巻「ファシズムへの道」を続けて読むつもりでいたのですが、
マイケル・ムーアの新刊『おい、ブッシュ、世界を返せ!』が出たので、
とりあえず、こちらを先に読んでおこうと思っています。
その他には、ネット連載が完結した大西巨人の『深淵』や
ガルシア・マルケスの作品なども読もうと思っています。
437大人の名無しさん:03/12/18 18:18 ID:Aq1R/82v
スタインベック 怒りの葡萄 上下巻読了

最後のシーンは遠藤周作が深い河で描いた
全ての不幸を背負いながら微笑むヒンドゥーの
聖母像を彷彿とさせる。

次は

ロマン・ローラン(著)豊島与志雄(訳)『ジャン・クリストフ』全4巻

今年中に読みきりたいなあ..
438大人の名無しさん:03/12/18 21:34 ID:xeXJWbG3
みんな読むの速いな。
439名無しさん@魚好き:03/12/19 09:38 ID:WH9XopbB
『戦争と平和』第3巻
420ページ(エピローグ、第一編の12)まで。

1820年12月、ロストフ家の客として滞在しているピエール一家。
ニコライとマリヤ、ピエールとナターシャ、二組の夫婦と
子どもたちの幸福な生活。
特に、これまでの苦悩と思索、派手な冒険からは考えられなかったような
ピエールのよき父親ぶり(4人の子の親!)が印象的です。

いよいよこの物語も、本当に終わりに近づいてきました。

>>437
『ジャン・クリストフ』は、私も読んでみたい作品の一つです。
できるだけ詳しい報告を期待します。
ところで、今年中に読みきるとは、読むのがずいぶん早いですね。
440コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/19 11:25 ID:2PcvOYmB
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582762557/qid=1071800446/sr=1-21/ref=sr_1_0_21/250-1861351-8104266
順調に『一古書肆の思い出賈(かいひと)を待つ者』 第二巻の途中まで。

反町クンの本は二冊目、まだまだ面白い。なんでこんなに面白いんだろう。
例えば、東大の横に琳琅閣書店という、中国書籍の専門書店がある。明治八年創業である。
私が学生時代も今も、一番お世話になっている書店である。
http://www.rinrokaku.jp/index.html
この書店もちゃーんと出てくる。あそこのカウンターに座ってたおじいちゃんはああ、この人の子どもなんだ、とか、そういうのは本当に面白い。八木書店が出てくる。田中文求堂が出てくる。
田中文求堂主人、言わずと知れたあの名著、『支那文を読むための漢字典』だ。その上、狩野直喜は出てくる、川瀬一馬がかなり頑固でイケズな野郎だったこともわかる。

で、私がこれだけいろんな方々に薦めるのは珍しい。
明版の唐本、いまじゃめったに出てこない。古書目録に出てきても一冊で百万以上だったりする。
その他、伝定家筆の○○だの、いまじゃ美術館にはいってる書籍がどんどんでてくる。
それを眼前で見ているような思いにさせるのはひとえに反町のてらいのない文章の効果である。
終わらせるのがもったいない書籍であーる。
441大人の名無しさん:03/12/20 00:22 ID:iAC8ECsO
ロマン・ローラン『ジャン・クリストフ』第1巻 曙 p32

古くからの音楽家の家系に生まれ、才能はあるが放蕩な宮廷バイオリニスト
メルキオル・クラフトと冴えない女中のルイザ。
メルキオルの父ジャン・ミッシェルの反対を押しきり結婚したものの
今や夫婦仲は冷え切っている。
そんな2人の間に生まれた『醜い奴』、ジャン・クリストフ。

まだ赤ちゃんかよ・・・

>>438>>439

今年ってあと10日くらいしかないのね。
かな〜り希望的観測でしたw
442名無しさん@魚好き:03/12/20 09:53 ID:Xjst4xkO
『戦争と平和』第3巻
440ページ(エピローグ、第一編の16)まで。
これでエピローグの第一編を読了。
あとはエピローグの第二編(歴史についてのトルストイの考察)を
残すのみで、物語そのものはこれで終わりのようです。

貴族の母親が自分で授乳しないことが当たり前だった時代に
「乳母を雇うことは不自然で有害だ」というルソーの説を
ピエールから聞かされたナターシャが、周り中のあらゆる人が
(ルソーの説を話して聞かせたピエール自身さえもが)
反対するのを押し切って、子どもに自分で授乳するという展開が
非常にいいです。
そして、ピエールは、やはり、単に幸福な家庭に埋没してしまうのではなく、
ロシアと全世界の人類の幸福を思索して、秘密結社での活動へと
進んで行くのでした。
そのピエールに理解を示すナターシャと、ピエールに憧れ
共に行動する夢を見るアンドレイの遺児ニコーレンカ。
物語は、ここで終わってしまうのがもったいないようなところで
打ち切られますが、幸福な生活の中に、よりよい世界を求めることを
感じさせる気持ちのいい終わり方です。
できれば、この先の物語――ピエールやニコーレンカがその後の歴史の中で
どのような行動をとるのかというところまで読ませてもらいたいという
気持ちになるのですが、よく考えてみれば、ピエールやニコーレンカの
名前は出てきませんが、その後の展開は、歴史上の事実として
――デカブリストの蜂起、アレクサンドル皇帝暗殺事件、血の日曜日事件、
戦艦ポチョムキンの蜂起、そしてロシア革命として、
ちゃんと記録されているのでした。
443名無しさん@魚好き:03/12/21 14:51 ID:Nwk3vUqH
『戦争と平和』第3巻
459ページ(エピローグ、第二編の5)まで。

国民の総意と歴史上の事件の関係についての著者トルストイの考察。

明日には全巻を読み終えることができそうです。
444名無しさん@魚好き:03/12/22 09:07 ID:M3OWs4Tc
『戦争と平和』第3巻
482ページ(エピローグ、第二編の12)まで。

これで全巻読了です。
最後の歴史についてのトルストイの考察は、ややとっつきにくく、
また、人間に知ることのできないことが強調されすぎているようにも
感じられますが、その一方で、単なる英雄個人の気まぐれによって
歴史が動かされているのではないとしている点など、当時としては、
画期的で進歩的な見解であったのか?とも思わされます。

とにかくこの歴史上の大きな動きの中で、非常に多くの人々が
個性豊かに、さまざまな考えをもって行動するさまを描いて
ひとつの壮大な世界を創り出してみせたという点で、
この作品が世界文学の最高峰、あるいはそのひとつであることには
全く異論がありません。
ぜひとも読むべきと人に薦めるには、あまりに長い小説ですが、
これを読めば、他のことでは得がたい、精神的に栄養を与えられるような
そんな経験をできる本です。
445コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/22 21:57 ID:aNQupd3j
『一古書肆の思い出』第三巻まで読了。平行して吉本の予習。
あと二冊で『一古書肆の思い出』は終わってしまう。本当にいい本だ。紀田順一郎が気合
を入れた書評を書いたのもうなづける。
呉智英の『犬儒派だもの』の冒頭の文をもう一度読む。
女子高生のバカ言葉に法則性があることを論証した名文である。
どうでもいいコギャルがどうでもいいプレゼントをもらって、友人に
『わー、チョーうれしい、チョーありがとう』というくだり。
呉はこのコギャルにかなり期待している。さ、いうぞ、いうぞ、と。
『さよなら』
ここで呉の期待は見事にすかされる。彼女たちは
『チョーさよなら』とはいわなかったのであった。あれだけ親密だったんだから『チョー
さよなら』じゃなきゃおかしいじゃないか。
呉の論証にはこう続く。
『千語程度の語彙ですべての世界があらわされるような世界に彼女たちは生きているが、
そんな彼女たちの中でも「チョー」はどの言葉の上に使うのか、という規則性・法則性は
確実にある。』
ま、これはただの枕なのだが、結構面白かったので。
446大人の名無しさん:03/12/22 23:00 ID:70zPaQSF
ロマン・ローラン『ジャン・クリストフ』第1巻 曙1 p57

幼少時代のジャン・クリストフ。
好奇心旺盛で空想好きで時にしたたか、
一瞬を永遠に感じることも出来る感受性の豊かな普通の少年。
おじいちゃん子の模様。
447大人の名無しさん:03/12/23 00:56 ID:+ABRjRyx
竜馬、勝海舟に感化され、倒幕の決意固める。
448みががまギルー:03/12/23 10:29 ID:tt/fOEGi
>魚好きさん
「戦争と平和」の書き込み楽しめました。ありがとうございます。
学生の頃読んだので、大方忘れていましたが、印象的な部分は
記憶のかなたから呼び戻せました。

その頃、岩波文庫で「デカブリストの妻」ネクラーソフ著という
長編詩集をあわせて読んだことを思い出しました。
ロシア貴族の苦悩は続くのです。そのときは大変悲しい印象でしたが
おそらく絶版なので、もし入手できたらかなりお勧めです。
私のは友人に貸したままになってしまい、これまた手元にありません。
449名無しさん@魚好き:03/12/24 11:55 ID:Sp5g5lsu
12月23日から新しく読み始めた本は、
『おい、ブッシュ、世界を返せ!』
(マイケル・ムーア 著、黒原敏行訳)です。

今日までに、
第1章 アラビアのジョージへ七つの質問――ビン・ラディンとブッシュの危険な関係
第2章 大ボラ(ワッパー)製造所――悪いのはイラクじゃない!
を読みました。

著者のマイケル・ムーアは、みなさんご存知のように
アメリカ国民が一丸となってイラク人の大量殺戮に協力すべき時に
アカデミー賞の授賞式で「ブッシュ、恥を知れ!」と
本当のことを言ってしまった気違いです。
この本の中でも、イラクが大量破壊兵器を持っていて
おまけにテロ組織のアルカイダとつながりがあるという
深く考えるまでもない当たり前のこと(ですよね、アメリカの皆さん!)に対して、
ネットのウェブサイトで閲覧できるような政府関係のものも含む
あてにできないようないいかげんな情報を駆使して
とても反論する気になれない(「できない」じゃないはず)ような言いがかりをつけ、
いかにアメリカのやっていることがでたらめであるかということを
明らかにするというお馬鹿なことにチャレンジしています。
イラクの石油を分捕るための国際的な「有志連合」のリーダーが
実は猿だということをさりげなく暴露してしまっているので、
おそらく彼は、国家機密漏洩罪かなにかで、とっつかまってしまうことでしょう。

と、ムーア流の書き方で批評してみましたが、あまりいいできとは
思えないので、気が向いた人はぜひ読んでみてください。
450名無しさん@魚好き:03/12/24 11:56 ID:Sp5g5lsu
>>448
よその板のスレでも書いたんですが、『戦争と平和』は、
何度か繰り返して読むたびに、新しい発見ができそうな本ですね。
私は、この先、自分に残された時間と、これから読んでおきたい本の量を考えると、
『戦争と平和』は、もっと早く読んでおくべき本であったと痛切に思うのです。

ですから、ここを読んでいる、もっと若い人には、
「『戦争と平和』をいずれ読む気があるのなら、
とにかく早く読み始めた方がいいですよ」と言いたいです。

いや、それにしても、『戦争と平和』を読まない生活というものを
たった一日過ごしただけで、なにか味気ないような気分にまで
なってしまうとは思いませんでした。
451名無しさん@魚好き:03/12/25 08:59 ID:Th79ooGU
『おい、ブッシュ、世界を返せ!』
第3章 石油(オイル)よければすべてよし――戦争の理由はいつも石油
第4章 お化けだぞ!とおどかすブッシュ――テロなんてそう簡単には起こらない

第3章は、100歳になったマイケル・ムーアのところにひ孫が訪ねてきて
まだ石油があった時代のことなどを聞くという、
『クリスマス・キャロル』のスクルージが見たような未来の夢の記述。
笑えるんですが、笑ってばかりもいられない内容です。

第4章は、9・11後、いかにアメリカ国民がテロの脅威を実際以上に
差し迫ったものとして、市民的自由を放棄してもかまわないくらいに
思い込まされてしまうような状態に置かれたのかが察せられる内容になっています。
452コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/25 22:41 ID:O9tNnWUR
買った本『小室直樹の宗教原論』現在絶版
下記でレビュアーが論争してるのが誠に面白い。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198611688/qid%3D1072358896/249-2545912-2483550

『一古書肆の思い出』第四巻中ほど。
森銑三なんていう、とんでもない学者が戦後から入院し亡くなるまでずっと反町の元で
書誌の手伝いをしてたなんぞ、この本ではじめて知った。戦後に旧華族系からどんどん国宝が出て、
市場に流れる様子は臨場感あふるるばかり。そこに取り上げられている書籍、ほとんどが現在
国宝重文級である。反町が見つけなきゃクズ屋経由で燃えてたものも多い。
こういう専門家の自伝ってのはかなりいいもんだ。
453名無しさん@魚好き:03/12/26 14:10 ID:jeuMq+Me
『おい、ブッシュ、世界を返せ!』
第5章 テロを防ぐには、テロをやめること!――ぼくたちが安全に暮らす確実な方法
第6章 神は怒っておるぞ――ブッシュは最悪の創造物

第5章・・・書かれている内容は、かなり「まとも」なことです。
(いや、ムーアの言うことは、いつだって、まともなんですけどね。)
つまりアメリカ企業の儲けになるような独裁政権の支援とか、
イラクで民間人を6000人以上も殺していることを
「予想外の結果」で済ましてしまうこととか、
他国に大量破壊兵器の破棄を迫る国が実は世界最悪の保有国であることとか、
そういう馬鹿げたことをやめようという当たり前のことが書かれています。

第6章は傑作・・・ムーアの本に神が割り込んできて、発言してくれます。
454コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/27 14:16 ID:lhjU0/h5
『一古書肆の思い出』第四巻終盤

もうね、ここらへんまでくるとどんな重文がきても国宝がきても驚かない。

私の個人的な経験でも、かなり有名古書店の外の平積み均一本の中にとんでもないものが
入ってることがある。
寛政の和本『左伝附注』が5冊2000円で売ってたことがある。わけもわからず購入したが、
神保町の山本書店で8万円で売ってたのを見た時にゃ驚いた。
455名無しさん@魚好き:03/12/27 14:48 ID:SAqjq1gH
『おい、ブッシュ、世界を返せ!』
第7章 ホレイショー・アルジャー死すべし――金持ち神話はもうおしまいだ!
第8章 ヤッホー! 税金が減った!――44兆の赤字なんか、なんでもないぞ
第9章 リベラル派の楽園――「アメリカは保守化した」というデマにだまされるな!

第7章のホレイショー・アルジャーとは、19世紀後半の人気作家で、
貧しい家庭に生まれ育った主人公がアメリカンドリームを実現する
物語を書いた人・・・ということで、そんな夢を見ていたって、
いまのアメリカでは、絶対に大金持ちになんかなれっこない
という現実があるわけです。
ここらへん、日本の大企業の利益になることが「国益」であるとして、
まるで自分の利益にもなるかのように考える人のものの考え方に
つながるものがあるのか?と考えさせられます。

第9章・・・実は、非常にリベラルな考えを持っている人が
主流を占めているアメリカ国民の実態。
456名無しさん@魚好き:03/12/28 14:41 ID:0lphWTDC
『おい、ブッシュ、世界を返せ!』
第10章 保守的な義兄との会話のしかた
      ――軟弱なリベラル派からのささやかな抵抗
第11章 藪(ブッシュ)を刈り払って庭をきれいにしよう
      ――あの男を追いだせるのは、この人たちだ!

訳者があとがきでも触れているのですが、第10章などを読んで
強く思うのは、ムーアが多くの人に受け入れられているのは、
価値観の異なる他者の価値観を否定しようとするのではなく、
共通認識として共有できるところから話をしているからだということです。
愉快に読めるような書き方をしていながら、書かれている内容は
非常にまじめで、事実に基づいた実証的なものであり、
しかも情熱を込めて書かれています。
第11章の最後などは、胸に迫ってくるものがあります。

これで、この『おい、ブッシュ、世界を返せ!』は読了、
明日から岡本太郎の『今日の芸術』(光文社 知恵の森文庫)を読む予定です。
457KDS@大阪 ◆GkR4opec42 :03/12/28 14:43 ID:i0S7Vgr7
>>450
そんなにすごい本なら俺も読んでみよう
458大人の名無しさん:03/12/28 18:24 ID:q+Tt2CLf
>>457
長いよ。
459大人の名無しさん:03/12/28 20:21 ID:UjArHOoB
「バカの壁」を読もうとしました。
あまりの荒唐無稽ぶりに馬鹿らしくて途中で辞めてしまいました。
こんな駄本が今年のベストセラー??
さすがは新潮社と思いました。
460大人の名無しさん:03/12/28 20:26 ID:W6XT/9Rr
>>459
そんなにヒドいの?
461大人の名無しさん:03/12/28 20:33 ID:UjArHOoB
>>460
ヒドイなんてものじゃない。
論理の「飛躍」ならまだいいけど、
論理の「メビウスの帯」を三回ぐらい廻って
帰納法と演繹法をグルグル制覇して、
「めちゃイケ」の学力テストで60点をとるぐらい。
462コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/28 21:05 ID:f8uGnniz
463コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :03/12/28 21:11 ID:f8uGnniz
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896916018/qid=1072613232/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/249-8033073-0725123
まれに見るバカ 新書y
勢古 浩爾 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/457571075X/qid=1072613331/sr=1-7/ref=sr_1_2_7/249-8033073-0725123
バカにつける薬 双葉文庫
呉 智英 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422930036/qid%3D1072613443/249-8033073-0725123
馬鹿について―人間-この愚かなるもの
ホルスト・ガイヤー (著), 満田 久敏 (翻訳), 泰井 俊三 (翻訳)

さ、馬鹿論はこの三冊に限る。
464大人の名無しさん:03/12/29 09:21 ID:J5m/rPdi
そんな評判悪い本がなんであんなに売れるんだろう?
465名無しさん@魚好き:03/12/29 14:14 ID:JYZNvEja
『今日の芸術 時代を創造するものは誰か』
岡本太郎:著(光文社 知恵の森文庫)

今から50年ほど前に発表され、当時ベストセラーになったという本です。
第1章 なぜ、芸術があるのか
第2章 わからないということ
第3章 新しいということは、何か

芸術とはどういうものであるべきかということが
ごく普通の言葉で大胆かつ率直に語られており、
日本の普通の生活でありえないような裸婦の絵といった
実際の生活に根ざしていない芸術をありがたがることが
いかにバカバカしいことであるかという指摘など、よくうなずけます。

>>457
確かに非常に長い小説ですし、場面によっておもしろく感じられるところと
そうでもないところがあるだろうと思います。
どこをおもしろく感じられないかは、読む人によってまちまちなようですが、
そういうところは、無理に理解しようとしないで、
初めて読む際には字面を追うだけでもいいだろうと思います。
>>396でも書いたように、私は、冒頭の貴族の夜会の部分の会話の
ほとんどをおもしろく思えなくて、とまどったものですが、
そこは、実際のところ、くだらない会話をしているのだということが
後からわかってきました。
466大人の名無しさん:03/12/29 15:16 ID:nCvV72r8
自分も「バカの壁」はハァ?って感じだった。

>464
バカ売れするもんってそういうもんかも。
「世界の中心で愛を叫ぶ」とかもバカ売れしてるし。 歌ならあゆとかも。
467大人の名無しさん:03/12/29 15:41 ID:JHGK6pMt
あゆはバカじゃない!
468大人の名無しさん:03/12/30 00:32 ID:BQhLbqkc
村上春樹『海辺のカフカ』 上巻238pまで
図書館で借りた本。
相変わらずの文体だが読んでしまう。10代20代くらいが適かもしれん。
読後感想は別途。
469大人の名無しさん:03/12/30 09:03 ID:TUdvKrZs
竜馬、勝海舟と海軍操練所をつくる。
470名無しさん@魚好き:03/12/30 09:08 ID:8QxbExHO
『今日の芸術』
第3章のつづきと
第4章 芸術の価値転換

今日の芸術は、
うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。

という宣言。

ついでに、
一昨日まで読んでいた『おい、ブッシュ、世界を返せ!』の著者
マイケル・ムーアのサイトです。
http://www.michaelmoore.com/
で、こちらは日本版です。
http://www.michaelmoorejapan.com/
471名無しさん@魚好き:03/12/31 14:31 ID:nVkcHJnP
『今日の芸術』岡本太郎・著
第5章 絵はすべての人の創るもの

どのようなものが芸術として社会に受け入れられるかということも、
社会の階級構成によって規定されるという趣旨の記述に得心。

私は、小学校に入る前は、絵を描くのがかなり好きで、
気の向くままに、いろんなものを好き勝手に描いたりしていたのですが、
小学校に入って、「×××を描きなさい」と描くものを指定されたり、
他人と比べて「こういうのがうまい絵」といった固定観念ができることによって
好きで絵を描くということがほとんどできなくなってしまったのですが、
この本を読んでいると、たとえ専門の芸術家ではない小学校の先生でも、
図工の指導をするからには、この岡本太郎の本くらいは読んでおいて
ほしかったと強く思うのです。
472名無しさん@魚好き:04/01/01 10:53 ID:AlNkAL/6
『今日の芸術』
第5章のつづき

昨日は第5章の途中まで読んだ時点で>>471を書いたのですが、
その後にちゃんと、図画教育の問題点について書かれていました。
うまく言葉で表現するのが難しいのですが、この本には、
芸術というものがいわゆる芸術家だけの問題ではなく、
あらゆる人の生き方に関わる問題だということが書かれているのです。
473468:04/01/01 15:30 ID:1uINdlur
『海辺のカフカ』読了
肌に合わなかったので感想書くのをやめます。過去作品の方がぜんぜん好きだった。
474大人の名無しさん:04/01/01 21:54 ID:/zL0TaCo
>>472
なんで語尾が「〜のです。」なの?
475大人の名無しさん:04/01/02 14:06 ID:Ylhdl5sj
『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』 
 ジョセフ・E・スティグリッツ 署
 第一章
  国際通貨基金と世界銀行の官僚主義について書いてあった。
  IMFに対する拒否権を持つのはアメリカだけだと知って、驚愕した。
  国連も実質おなじようなもんだしね。。。
  
476名無しさん@魚好き:04/01/02 14:40 ID:2kBgn7SW
『今日の芸術』
第6章 われわれの土台はどうか

これでこの本を読了。
「まちがった伝統意識を切りすて、自分たちの責任において
新しい文化を創りあげてゆかなければなりません」
という岡本太郎の言葉に激しく同意しつつも、
この本が発表され、ベストセラーになって多くの人が読み
強い影響を受けた人が少なくないはずなのに、
50年後の今の日本の状況は、いったいどういうことなのか
とも思ってしまいます。

それはさておき、やはりこの本も、読む者の生き方を変えるか
そこまで行かなくても何らかの影響を与えずにはおかない本です。
当たり前のように思っていたことが実はいかにくだらないことであるかを
意識しながら生きてゆくこと、そうした自由な精神のありようが
あることを教えてくれる本です。
そして、それは、教えられたと思っているだけではだめで、
既成の常識に立ち向かっていかなければならないのです。

>>474
うーん・・・また「〜のです。」と書いてしまいました。
特に意識してはいないのですが、癖みたいなものでしょうね。
たぶん「〜です」「〜です」と続くと文章が単調になるので、
「〜です」「〜なのです」と変化をもたせた書き方になるのでしょう。
477大人の名無しさん:04/01/02 14:49 ID:2RzgIXLM
どうなんでしょう?岡本太郎は優れた芸術家なのでしょうか?
最初からアブストラクトしかできなかったですし、パフォーマーとしては面白いですが、芸術家としては?が残ります。
478名無しさん@魚好き:04/01/02 15:00 ID:2kBgn7SW
>>477
『今日の芸術』を実際に読んでもらうのが一番手っ取り早いのですが、
あなたの言う「優れた芸術家」とはいったいなんなのかが問題でしょうね。
「これまで優れた芸術家とされていた人から優れた芸術家と認められた人」とか
「多くの人が上手いと感じる絵を描く人」とか
「作品が高値で売買される人」とかだったとしたら、
岡本太郎は、そのような「優れた芸術家」になろうとした人で
ないことだけは確かなようです。
逆に私は、この本一冊を著したということ(およびそこに書いたことを
実践したこと)だけをとっても、岡本太郎は優れた芸術家であったに
違いないと言い切れるように思います。
479大人の名無しさん:04/01/02 18:21 ID:/4YYAtEs
「集団的自衛権と日本国憲法」

なるほど、日本政府のアメリカ追従ぶりの根拠がよくわかる。それにしても小泉内閣の
何も考えない軽挙妄動のアメリカ追従は危険以外の何者でもないことがよくわかりました。
480名無しさん@魚好き:04/01/03 14:39 ID:SrTpPX6W
『ニッポニアニッポン』阿部和重(発行・新潮社、2001年)
とりあえず42ページまで。(本文総ページ数160弱)

親元を離れ東京で引きこもりに近い生活をしている17歳の少年が
トキに関心を持ち、佐渡のトキを解放するか殺すかしてしまおうと
インターネットを活用して準備を進めます。
どうやら、この小説でのトキは、なにかを暗示しているようです。

なぜこの阿部和重という作家の作品を読む気になったかというと、
ネットや雑誌の書評で最新作の『シンセミア』(未読)がかなり
よい評価を得ているということもありますが、なによりも、
大西巨人の『神聖喜劇』光文社文庫版第2巻の解説を書き、
『神聖喜劇』を「日本文学史上の最高傑作の一つ」と絶賛し、
それに留まらず、自身もまた「大西巨人の記した多種多様な言葉
(呼び掛け)によって『教育』を受け、新たに声を上げた者の一人だ」
と書いている作家であることによります。
481大人の名無しさん:04/01/03 14:49 ID:IFs2LEZx
40代@2ch掲示板もあるよ.
http://bubble.2ch.net/middle40/index.html
482ななちタン@魚ちゅき:04/01/04 14:08 ID:8+euXE8s
『ニッポニアニッポン』
81ページまで。

主人公の鴇谷春生が高校を中退して親元を離れ一人暮らしを
始めるようになるいきさつが最初のうちは読者に伏せられているのですが、
そのことが少しずつ明らかにされていきます。
そして「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」に向けた動きが
しだいに具体化されてゆき、読む者を惹きつけるのです。
483大人の名無しさん:04/01/04 18:05 ID:Rd+hA81o
The Crisis of Reason European Thought 1848-1814 J.W.Burrow
Sylvia Beach and the Lost Generation Noel Fitch
彼岸先生 島田雅彦
484名無しさん@魚好き:04/01/05 14:27 ID:rrf5VZMk
『ニッポニアニッポン』
120ページまで。

いよいよ計画を実行に移すべく、新幹線とジェットフォイルで
佐渡へと向かう鴇谷春生。
高校を中退した事情も明らかにされますが、それは、
異常な行動でありながらも、十分にあり得ると思えることでした。
事件に大きく関わりを持つことになりそうな少女も登場します。

時分のパソコンでインターネットにアクセスできる環境にいる
現在の高校生(特に男子)などがこれを読んだら、
相当に「はまって」しまうのではないかなどとも思えます。
485名無しさん@魚好き:04/01/06 14:48 ID:rhikKZbu
『ニッポニアニッポン』(阿部和重)を読了。

おもしろかったです。
もう少し物語を続けてもらってもよかったのにと思ったくらいです。
特に平易な言葉ばかりを使っているというわけでもないのですが、
読み易くて、なおかつリアリティのあるていねいな書き方をしています。
問題なのは、この作品で作者がなにを言おうとしているのかということですが、
私は、この日本社会にある欺瞞というか、多くの人が許容もしくは
積極的に受け入れてすらいる不正に対して批判的な態度をとることの
必要性を訴えているのか、いや、そこまでいかなくても、
そういった欺瞞ないし不正を見抜く者がいるのだということを
言いたいのであろうか、と、そんなふうなことを思いました。
以下雑感です。
ネット上の批評者の中には、「トキ=天皇」ということを
言い切っている人もいますが、それは違うのではないか、
天皇も含めたさまざまな欺瞞や不正の象徴としてトキが
使われているように受け止めた方が自然なのではないかと私は思います。
ラスト近くのフレディ・マーキュリーの「ボヘミアン・ラプソディ」は、
歌を知っていれば、またなにか独特の受け止め方があるのかもしれませんが、
残念ながら、私は、その歌を知らないため、この30代板の看板候補だった
例の画像を思い浮かべてしまいました。

うーん・・・阿部和重は、唐沢なをきの「からまん」は読んだのでしょうか?
(「からまん」は、日本で最後のトキが何度も何度も何度も死ぬマンガです。)
486名無しさん@魚好き:04/01/07 09:32 ID:WxkX9Htc
『インディヴィジュアル・プロジェクション』阿部和重
(発行・新潮社、1997年)
文庫化もされているようですが、ハードカバー版です。
とりあえず48ページまで。(本文総ページ数約190ページ)

なぜか非常にケンカ慣れしている渋谷の二番館の映写技師が主人公。
伏せられた過去に秘密があるらしく、今現在の事件が進行していきながら、
過去の秘密がしだいに明らかにされていきます。
タイトルの individual projection は、そのまま訳せば
「個人投影」とでもなるのか・・・心理学関係の用語として
あるのかどうかわかりませんが、主人公が映写技師であることから、
おそらくそのことに関連させた言葉なのだろうと想像されます。
( projection には、「映写」の意味もあり、映写技師は projectionist )

ネットで検索して、ネタバレを避けつついくつかのページを読んでみたところ、
文庫版の解説の中で、この小説全体についての謎解きが書かれているようです。
ハードカバー版には解説がないので、そこらへんの謎解きも楽しめるかもしれません。
カバー写真に下着姿の若い女性を使っている理由も、
読み進むうちにわかってくるのかもしれません。
487名無しさん@魚好き:04/01/08 09:09 ID:/pIP/MZj
『インディヴィジュアル・プロジェクション』
98ページまで。

主人公オヌマの仲間たちの事故死をきっかけに明らかにされる
過去のオヌマたちのスパイ塾での生活。

私は、作者がこの小説に仕掛けたという「謎」を見つけたかもしれません。
それは、つまり、スパイ塾の塾生の人数がある数字に近いこと、
および塾の指導者が官憲に逮捕されること、そして、それを
裏切り者によることのように見る者がいることなどから推測されます。
と、こう書いてしまうと、これを読んだだけの人にも
「ああ、こういうことか」とわかってしまってネタバレかもしれませんし、
実際、私自身、このように気づいたのは「謎」があるということを
意識しながら読んだせいのようにも思えます。
しかし、よくよく考えてみれば、塾生たちが継続派と脱退派に割れたり、
事故死する者の人数が示されたりして、必然的に塾生の人数を
意識させるような書き方がされているので、おそらく、
(実際、これが「謎」の正体だとしたら)作者自身、そういう謎かけをして
読者にわかってもらえることを前提として書いているのだろうと思います。
(ちょうど文庫版の方も入手したので、全部読んだあとで確認できます。)
488名無しさん@魚好き:04/01/08 09:11 ID:/pIP/MZj
この『インディヴィジュアル・プロジェクション』は、
作者の阿部和重が映画学校の出身ということとも関係あるのでしょうけれど、
映画的な場面や映画を連想させるような展開が多く、
そのことも読者を楽しませてくれます。
前半部分から思いつくままに挙げていけば、
・映写技師が上映中の観客を覗き見して楽しむこと
・スパイ塾で撮影して唯一残されたフィルムになにか秘密があるらしいこと
・ヤクザからプルトニウム239を奪い、それが重要な小道具のひとつに
なるらしいこと(沢田研二主演の映画『太陽を盗んだ男』を連想)

物語は、主人公オヌマの日記のようにして書かれているのですが、
オヌマの記憶や精神状態にあいまいさや不確かさがあり、
最後に、実は、すべては、・・・・・だった、なんていう
どんでん返しが待っていても不思議はないような期待も持たせます。
489大人の名無しさん:04/01/08 10:05 ID:jBacQdqV
三十代でも阿部和重読む人いるんですね。
インディビジュアルとアメリカの夜?読んだ事あるよーな。
文学界?かなんかの雑誌でハスミと対談してたよーな。
本屋で表紙見ただけだけど…。

おいらは正月休みは村上龍の「昭和歌謡大全集」を読んだ。
それと杉浦ヒナコの「1日江戸人」。
で、昆布を敷いた上に大根を醤油で煮るだけで、
酒だの砂糖は入れないっつう江戸の料理が
美味そうに思えて、やったけど、大根がまずかったのか
醤油が腐ってた?のか、昆布が悪かったのに、
まずーい。ショックだった。大根、なべの中でまだ真っ黒に
なって沈んでるよー。捨てなきゃ…。
490名無しさん@魚好き:04/01/09 09:10 ID:2Oib+nED
『インディヴィジュアル・プロジェクション』
152ページまで。

さらに決定的な事件に巻き込まれ、緊迫していくオヌマの身辺。
事態がテンポよく展開するので非常に読みやすく、先が気になります。
バラバラに起きているはずのさまざまな事件がオヌマに結び付いて
いきますが、
それを日記として記述しているオヌマが冷静なのか疑わせるようなところがあり、
なにか大きな謀(はかりごと)があるか、あるいは、
・・・・・なんじゃないかという疑いも深まります。

>>488に追加
・切れたフィルムをつなぐ際に別のフィルムをわずか数コマだけ
(普通に見ている者には気づかれない程度に、いわゆるサブリミナル的に)
挿入しておくということ

なにか映画か小説かで「子どもが観る映画にポルノの映像を
ほんの一瞬だけ挟み込んでおく」というものがあったような気が
するのですが、なんだったのか思い出せません。

>>489
私は、>>480で引き合いに出した『神聖喜劇』の解説を読むまで
阿部和重という名前を意識したこともなかったのですが、
私が思っていた以上によく読まれている作家のようですね。
「三十代でも」というのは、「読者の中心はもっと若い層だけれど、
30過ぎても読む人がいるのか」という意味でしょうか?
その大根料理は、私も挑戦してみようと思います。
491名無しさん@魚好き:04/01/10 09:14 ID:e6yo42Gg
『インディヴィジュアル・プロジェクション』を読了。

主人公オヌマの精神状態は、ますます不安定になってゆき、
そして、最後にどんでん返しは・・・ありました。
(どんでん返しがあること自体は、ネタバレにならないと思われます。)
まず書いておかなければならないのは、私が>>487で指摘した「謎」は、
作者が隠しておいた謎そのものではないということです。
もっと大きな、「結局、この話はなんだったんだろう?」という謎が
読者に明示されないままで残る結末なのです。
そういうわけなので、明記してしまいますが、
スパイ塾の指導者と13人の塾生がキリストと12使徒を
模しているらしいというのは、作者の用意した謎を解くヒントでは
ありえても、謎そのものではないということです。
(12使徒は、裏切り者のユダが抜けた後に一人加わっているので、
「のべ」では13人になるようです。)

私は、今、文庫版の解説を読まないままで、この文章を書いています。
読者にとって容易に推測できること(ゆえにネタバレにはならないだろうと
思われること)を書いてしまいますが、物語の記述の中で
オヌマが他人と自分を混同したり、一人芝居であることが示唆されたり
することから、オヌマが多重人格の持ち主であることが推測され、
そこから、登場人物の何人か(もしくは、おおぜい、ないしは大多数)が
オヌマの別人格であり、事件のいくつか(もしくは、いくつも、
あるいはほとんど)がオヌマの脳内事件であるのではないかという
疑いももたれます。
492名無しさん@魚好き:04/01/10 09:14 ID:e6yo42Gg
物語の最初から気になっているのは、登場人物の名前がすべて
カタカナで表記されているということ。
最初のうちは、オヌマの職場での希薄な人間関係(相手の名を読みでだけ
認識していて、その名がどんな字であるか無関心ということ)を
表しているのかとも思いましたが、学校の友人たちまでカタカナだし、
そもそも自分の名前まで「オヌマ」と表記しているのです。
うーん・・・登場人物の名を全部書き出してみると、
なにか出てくるのでしょうか・・・
(私は、フィルムの暗号にはすっかり騙されて、真剣に3文字を
解読してしまいました。)

解説を読んでしまう前にもう一度読み返してみようか、それとも、
いきなり解説の謎解きを読んでしまおうか、と思案中です。
493大人の名無しさん:04/01/10 10:19 ID:y619C14O
↑真面目に読みすぎじゃないかなあ?

それはともかく、年末年始の江戸ブーム、
なんかの陰謀じゃないかと思う今日この頃。

おいらは、一昨日小豆を煮て田舎汁粉を作った。
3日がかりで完食。美味いんだけど、
どれだけ砂糖を入れてるか自分で知ってるから怖いよ。
(小豆は砂糖を入れないと黒くならないんだってさ。赤いまま。)
次はぜんざい屋みたいに塩コンブとほうじ茶を買っておこう。

494名無しさん@魚好き:04/01/11 09:09 ID:xLl0SNMw
>真面目に読みすぎじゃないかなあ?
という指摘を受けて、とりあえず、新潮文庫版の
『インディヴィジュアル・プロジェクション』巻末の
東浩紀による解説を読んでしまいました。
私は、ネット上のページで見かけた批評者の言葉によって、
この解説によって作者が明示していない謎解きが行われているものと
期待していたのですが、結論から言ってしまうと、
こう理解するのが正しいと言えるような明確な解釈は提示されていません。
解説者自身、時間の経過とともに変化した二通りの解釈を提示して、
どちらが「正しい」のかは判断できないと書いています。

こうなってくると、スパイ塾の成員がキリストと12使徒を模して
いるようであることも、不必要な深読みのしすぎ、もしくは、
作者によって読者にしかけられた「罠」であるような気すらしてきます。

今朝は、さらに、同じ阿部和重の作品集『無情の世界』(新潮文庫)から
表題作『無情の世界』を読みました。(20ページほどの短編です。)
公園で見かけたシャブをやる中学生らしき者たちが実は花火をする
親子連れであったり、深夜のベンチに一人座っている半裸の痴女に
見えたものが実は・・・・・だったり、ここまで読んできた
阿部和重の作品には、共通して「勘違い」「思い違い」「妄想」
といったものが描かれているようです。
これを、「現実社会は、あなたが受け止めているようなものでは
ないんですよ」という作家のメッセージと解釈するのは穿ち過ぎでしょうか。
495大人の名無しさん:04/01/11 10:01 ID:NqlPVEuN
>>494
深読みもいいと思うよ。
さかなさん自身の世界を展開していってくださいよ。
それで思い出したんだけど、
「戦争と平和」にも、ピエールが自分の生年月日の数字をいろいろいじって、
意味ありげに解釈する場面ありませんでした?
あそこはトルストイが神秘主義的な考え方を揶揄しているような意味合いでしたが。
496名無しさん@魚好き:04/01/11 14:58 ID:cwRkA1sv
>>495
どうもありがとう。
『戦争と平和』のその部分、おぼえていますよ。
確か、ピエールが自分がナポレオンを暗殺することの必然性を
感じるというような場面でしたよね。
似たようなことで、ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公
ラスコリニコフの名前に隠された謎解きをロシア文学者の
江川卓氏が著書の中でしていたことを連想しました。
かなりこじつけっぽい気もするのですが、
ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコリニコフのイニシャルを
ロシア語のアルファベットで書くとΡΡΡ(正確にロシア語のアルファベットで
どれになるかわからないので、便宜的にギリシャ文字のローを使っています)
になるわけだが、そもそもロシアの人名でイニシャルがΡになるのは
珍しく、それが三つも並ぶのはきわめてまれなことであり、
ひっくり返すと「666」と見えないこともないので、
(映画『オーメン』でおなじみの)黙示録の「獣の数字」のことを
ドストエフスキーは念頭に置いていたのではないか、
といったようなものだったと記憶しています。
497名無しさん@魚好き:04/01/11 14:59 ID:cwRkA1sv
さて、引き続き、現時点で私が阿部和重の小説から読み取り得ると
思われる作者の意図についてもう少し書いてみます。
『インディヴィジュアル・プロジェクション』(以下、IPと略します)は、
単にエンターテインメントとして読んでも楽しめる筋立てなのですが、
そのように読み進めてゆくと、最後のどんでん返しで
非常にいらいらさせられることになります。
これは、いったいなにかというと、つまり、深く考えずに与えられた
情報を鵜呑みにして世界を理解した気になることへの警鐘とまで
言い切ってしまうとやや牽強付会(こじつけ)になってしまうでしょうか。

また、IPの理解について、すべてを主人公の狂気のせいということで
片付けてしまえば、読者は非常に楽な気持ちになれるでしょう。
(もっとも、それでは説明しきれない部分も出てくるが。)
しかし、見方を変えれば、主人公が経験した異常な事件というのは、
・核兵器の所有をめぐる確執
・ヤクザの抗争、脅し
・いともあっさりとした情け容赦ない殺人
などなどであり、これらは、実は、今、現実の世界で
国家レベルで堂々と行われていることでもあるわけです。
そう考えると、狂人の妄想の中の異常なできごとであるはずのことが
今、自分たちの周りで素面で行われているという、いったい
どっちが狂っているのかというようなことになってくるのかもしれません。
(念のため、IPが発表されたのは1997年ですが、当時の状況に
照らしても、このことは言い得ると思います。)
498名無しさん@魚好き:04/01/12 15:02 ID:OpdgCkwH
阿部和重の作品集『無情の世界』(新潮文庫)から
『トライアングル』の前半。

これもまた報告文の形式の物語――今回は、小学6年生が父親の
愛人である若い女性に宛てた非常に長い手紙かメールかです。
描かれているのは、その彼女にストーカーとしてつきまとう青年
(小学生の家庭教師でもある)の行動です。
この作品も、最後にどんでん返しがありそうな気配が濃厚です。

発表された順番から行くと、
『インディヴィジュアル・プロジェクション』97年
『無情の世界』99年
『ニッポニアニッポン』01年
で、『無情の世界』の中でも、登場人物の名前はカタカナで表記されています。
『ニッポニアニッポン』では、主人公が自分の姓に鴇の字が入っている
ことからトキに関心を持つようになるので、そのために
名前を漢字で表記する必要があったのか、と思い当たりました。
499名無しさん@魚好き:04/01/12 18:31 ID:mGfHy7Vn
あ、そうそう。
『トライアングルズ』(『トライアングル』は誤記でした)の書き出しは、
ちょっと、太宰治の小説の書き出しを思わせるものでした。
500名無しさん@魚好き:04/01/13 14:38 ID:+NkJSY8O
『トライアングルズ』を読了。

小学6年生によって書かれた手紙の形式で事件が綴られていきますが、
おそらく読む人の半数以上は、読みながら、「これは実は、・・・・・
なんじゃないか」と気づくだろうと思います。
で、案の定、最後の記述に至って、「やはり、そうなんだろうな」と
思わせるようなことが書かれています。
(ちなみに、文庫版の巻末の解説において、文芸評論家の肩書きの
加藤典洋は、上記の「実は、・・・・・」ということについて、
「そうではないだろう」と書き、その理由(?)として
「そう見ると、この作品の魅力はなくなる」と書いています。
「魅力がなくなるから、・・・・・であっては欲しくない」とか
言うのならまだしもですが、客観的な根拠と言えそうなことも提示せずに
ある解釈を断定的に否定するのは、一部外者が無責任に感想を
述べるのならともかくとして、文芸評論家が解説に書く書き方としては
かなり不適切なのではないかと私は考えます。
実際、加藤の解釈が正しいかもしれないし、そうでないかもしれない。
また、いずれが正しいとも言えないのかもしれません。
作者には作者の意図があるだろうし、解釈する側がどれを採るかは
各自の自由ですが、断定するのであれば、せめて明確な根拠を
述べてほしいものです。)
閑話休題、この作品でも、やはり、「思い込み」や「思い違い」が描かれ、
読者の理解を裏切る展開が用意されています。
相手に対する興味・関心から始まったはずのストーカー行為なのに、
やがてそのストーカー行為自体が目的化してしまうという「本末転倒」には、
そこになにかこの作家の狙いの重要な一つがあるのではとも感じさせられます。
501名無しさん@魚好き:04/01/13 14:40 ID:+NkJSY8O
付記

>>499の「太宰治の小説の書き出しを思わせるもの」とは、つまり、
読む者に直接訴えかけるような書き方ということです。
502みががまギルー:04/01/13 16:27 ID:aWZTqu33
>>477
10日以上遅れた書き込みですが、岡本太郎は芸術家としてどうかという
問題提議ですが、
私は「今日の芸術」ともうひとつ失念しましたが沖縄を旅行記を読んで
岡本太郎の芸術とは何かという理解度の高さに気づきました。
ただね、彼の絵画はあまり力を持っていないと感じます。
これは著書を読んだ後でも変わらない私の感想。
オブジェは「爆発だ」と言葉に出すだけの説得力はあるものがある。
これはもうどうしようもないものだと思います。
芸術とは何かを語らせたら第一人者ですね。
岡本太郎を読むと、絵をみたり、音楽を聴いたりすることが楽しくなります。
503大人の名無しさん:04/01/14 09:26 ID:7eS12UDl
スパイゾルゲを再読
504ギルー:04/01/14 11:20 ID:TA9Wv1S7
なぜ安部和重なんだろうどこで気になりだしたのかなぁとウロウロして、>>480に行き当たりました。
文庫版を見ていなかったんで知りませんでした。
探しに行ってきます。
505コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :04/01/15 08:49 ID:nLqTkhXm
数日前から吉本隆明『共同幻想論』

あのね、いまさら『共同幻想論』、などというなかれ。
いまだに吉本基礎文献とかいわれてながら、まっとうな解釈本すら見当たらない、
そんな本を初読から二十年経ち、あらためて読み直してみるのだから。

という読書会、某所で行っております。ご興味のある方はご一緒にどうぞ。
506名無しさん@魚好き:04/01/15 09:12 ID:QlrBTrUO
阿部和重の作品集『無情の世界』(新潮文庫)から
『鏖(みなごろし)』の前半。

比喩的な当て字などではなく、皆殺しという意味と音を持つ
「鏖」という字が存在するのだということを初めて知りました。
物語は、店の商品や売上金を横領したことが発覚して店長らに追われる
輸入雑貨衣料店のアルバイト店員オオタタツユキが、
妻と浮気相手の密会の現場を捉えようと自宅に隠しカメラを設置した
サラリーマンらしき男と出会います。
薬物使用者でもあるオオタタツユキの言動にも不確かなところがあるようで、
隠しカメラの男の妻が浮気をしているということも、妄想ではないかと
疑われる点があります。
気になるのは、登場人物の名がカタカナで表記されている中で
オオタタツユキの付き合っている女性(夫あり)の名だけが
「瞳」と漢字で書かれていることです。
507名無しさん@魚好き:04/01/16 14:14 ID:5VplO0U4
『鏖(みなごろし)』を読了。

ま、簡単に言ってしまえば、タイトルのような展開になってゆくわけです。
で、他のいくつかの作品と同様に、ずっと主人公を中心に見ていた
物語の視点が、別の人に移って結末を迎えます。
惨劇の中で主人公がファミレスのBGMの美しいメロディと歌声に
浸ろうとするのは、狂気が横行する現実社会に目をそむけて
見せかけだけの安逸な生活に浸る現代人を風刺してみせているのか、
それとも、そんな陳腐な解釈では済まないような何かを表現しようと
しているのか、断定的に捉えることは簡単ではありません。
中学生の野球部員が金属バットを使う場面の描写などは、
吹き出してしまいそうなほどユーモラスに書かれていますが、
それも、まともではないこと(=狂気)の横行を他人事のようにしか
捉えられないことを象徴するものであるのかもしれません。

最新作の『シンセミア』を読むのが、ますます楽しみになってきました。
508名無しさん@魚好き:04/01/17 15:00 ID:YGKZkDNK
『日本の歴史 22 大日本帝国の試煉』(中央公論社)
「日韓合併」(ママ)および「大逆事件」の章を拾い読み。

この他に同じシリーズの「23 大正デモクラシー」
「24 ファシズムへの道」「25 太平洋戦争」「26 よみがえる日本」と
大型古書チェーンで揃え、23から読み始めてみたのですが、
日本が韓国を併合した後の1912年頃からの記述で始まっているので、
前の巻の該当部分をざっと読むことにして読み始め、
その次の章まで拾い読みしたのでした。
韓国併合については、一昨年、岩波新書の『韓国併合』(海野福寿)を
読んでいたわけですが、中央公論社の「日韓合併」(ママ)は、
安重根が伊藤博文を暗殺するところから記述が始まっています。

小説などと違って歴史を追った本なので、断続的に、
場合によっては部分を飛ばしながら読み進める予定です。
509名無しさん@魚好き:04/01/18 14:28 ID:25JJr95l
『日本の歴史 23 大正デモクラシー』から
「閥族打破の叫び」
1912年の西園寺内閣総辞職のあたりです。
510名無しさん@魚好き:04/01/19 19:18 ID:UgV7n6ia
『日本の歴史 23 大正デモクラシー』から
「閥族打破の叫び」のつづき。
511名無しさん@魚好き:04/01/21 11:21 ID:78JtnKtU
『日本の歴史 23 大正デモクラシー』から
「第一次世界大戦の勃発」

1913年、軍部・大陸浪人らが中国への武力干渉を訴える中で
日比谷公園に3万人の民衆を集めて開かれた国民大会についての記述。
>未組織の民衆は、それが自分たちの生活にどうかかわるのか
>深くつきとめることもなしに、中国をこらすため政府に出兵を
>勧告するという決議に和して、気勢をあげた。
512名無しさん@魚好き:04/01/22 09:02 ID:S7Z/SN9Q
『日本の歴史 23 大正デモクラシー』から
「第一次世界大戦の勃発」のつづき
513名無しさん@魚好き:04/01/23 09:13 ID:09Zc2UCX
大西巨人の新刊『深淵』(上・下、光文社)を購入して、昨日から読み始めました。
この小説は、1997年からインターネット上の作者のサイトで逐次発表され、
昨年完結していたものです。
私自身は、「そのうち読もう」と思いながらも、ネットのモニター上では
読みたいときにいつでも読むというわけにもいかず、
プリントして読むには既に大部になっていたこともあって、
ほとんど全く読まないままでいました。

今日は、上巻の第一篇「序曲(プレリュード)」60ページまで。
1985年に28歳で失踪し、1997年に病院のベッドで目覚めてみると
それまでの12年間の記憶を失っていた男(主人公であるらしい)が登場。
この12年間に、大きな変化で言えば、「昭和」が「平成」になり、
ソ連がなくなりロシアになり、国鉄が分割・民営化されてJRになっています。
また、相対的に小さなものとしては、
東京の市内局番が3桁から4桁になるなどたくさんの変化があります。
514ななちタン@魚ちゅき:04/01/24 14:38 ID:ydPKcQFB
『深淵』(上)第一篇「序曲(プレリュード)」のつづき
100ページまで。

麻田布満(あさだのぶみつ)は、妻には社用で北海道へ行くと言って
実際には西海地方(九州地方に相当するらしい)へ向かったらしく、
その翌日から失踪して、その後の記憶を失っているわけですが、
なぜそのように偽ったかという事情がいくらか明らかになります。
すなわち、「マスコミ権力にたいする抵抗・防衛」ということに関連して
姿をくらましていた知人の高杜公明(たかもりきみあき)と
秘密のうちに会うという目的があってのことらしいのでした。
麻田布満が小説や批評を書く際のペンネーム冬間素満(ふゆまもとみつ)は、
トーマス・マンをもじったものと思われます。
大西巨人らしい厳密な描写が続きますが、
読みやすく、展開はスピーディです。
515名無しさん@魚好き:04/01/25 14:46 ID:ME7q0DG5
『深淵』(上)第一篇「序曲」のつづきと第二篇「生々流転
141ページまで。

この本の帯には
「俗情との結託を排する思考、厳格な文章が到達した世界」
という言葉が書かれているのですが、その「俗情との結託を排する思考」の
一端を象徴的に示すとともに、おそらくこの小説全体のテーマとも
大きく関わると思われるひとつのエピソードが語られます。
作中登場人物の大庭宗昔(おおばむねとき、作者の大西巨人自身を
プロトタイプ=原型としているらしい)が語る松川事件についての
「むかし話」です。
冤罪として公正な裁判を求める運動に関わる者が、仮に不動の証拠の
出現により被疑者が有罪になったらどう考えるかと問われて、
「被疑者から裏切られたと思うだろう」と答えたのに対し、
以下の言葉が語られます。(この言葉に私も同意します。)
>「君の思いは、てんでまちがっている。君は、そのように思うべきではない。
>われわれの運動は、公正裁判を要求しているのであり、現在までの
>一審判決および二審判決は、不公正な審理・疑わしい証拠によって行なわれた。
>したがって二十名全員は、無罪――『〈法律上〉無罪』――だ≠ニいうのが、
>われわれの主張である。もしも新たに明白な不動の証拠が見つかり、
>為に二十名全員が有罪になったとしたら、それは、取りも直さず
>公正裁判の実現を指示するから、われわれの運動は、随分有意義な仕事だった。
>むろんわれわれは、誰からも裏切られはしなかったのだ。」
516名無しさん@魚好き:04/01/26 14:08 ID:lbijG0Lo
『深淵』(上)第二篇「生々流転」のつづき
141ページまで。
517大人の名無しさん:04/01/26 19:14 ID:M0zZ78qA
『日本の歴史 25 太平洋戦争』から

『粛軍の名のもとに』『宣戦なき戦争』『国家総動員』、『大日本帝国の崩壊』
と『おわりに』を拾い読み。

昭和史は小中学生の頃に、学校教科書ではない本で読んだ記憶があったが、改めて
資料をたんねんに積み重ねた『生き字引』的な著述を呼んでみると、忘れていたこと、
学ぶべきこと、歴史の繰り返し等々あるんだなぁ、と納得しながら、熟読のちょっと前
くらいの程度で読みました。
518名無しさん@魚好き:04/01/27 14:27 ID:QJ6FIlDV
『深淵』(上)第二篇「生々流転」のつづき
219ページまで。
(昨日は180ページまで。コピペミスでした。)

12年ぶりに妻と再会した主人公がその晩、夫婦の交合を行う様子が
割合にていねいに(赤裸々かつ上品に)描写されていたのですが、
その理由(のひとつ)が明らかになります。
すなわち、12年間の記憶(あるいは生活)が完全に失われたわけではなく、
無意識のうちにその12年の間に新たに身につけた習慣が出現していたのでした。
俗な言い方をすると、
「以前はバックからもしていたのに、再会後はしなくなった」
ということなのですが、実際の文章は、例えば、
>布満の「失踪」以前、麻田夫妻は、房事一過程の本番冒頭において
>時には「男上膝肘背位(だんじょうしっちゅうはいい)を
>過渡的にとった。
といった具合です。
ここらへんの生真面目な表現が、「巧まざるユーモア」なのか
「意図的なユーモア」なのか、あるいは一切ユーモアではないのか
今の私には、よくわかりません。
519名無しさん@魚好き:04/01/27 14:31 ID:QJ6FIlDV
>>517
「歴史の繰り返し等々」について、私は、かつての経緯をどこかで
食い止められなかったのはどうしてなのか、簡単に言ってしまうと
「みすみす繰り返しているわけにはいかないだろう」という観点から、
太平洋戦争にいたるもう少し前の時期のところから読み始めてみたのでした。
520アナバナナ ◆TcFEAMQJmk :04/01/27 18:25 ID:aARo8Im2
なるほどビチ(`3´) ルン♪
521ギルー:04/01/28 10:36 ID:CcEbAMwE
阿部和重「アメリカの夜」終了。
最後の方で大西巨人の「神聖喜劇」を読むシーンがあり
虚無を生きるということについての考察があったけど、
感覚的にちょっと違う。これは、年代の差かもしれないし
地域差かもしれないし、私が演劇にそれほど興味を持っていないということ
が原因かもしれないけれど、今回は駄目でした。
これと一緒に図書館から「ニッポニアニッポン」を借りていたのですが
期限もきているし、ひとまず返すことにします。
522名無しさん@魚好き:04/01/28 18:11 ID:is6mR3aj
『深淵』(上)第三篇「世路(せいろ)の起伏」
267ページまで。

主人公らが「再審を求める有志の会」として関わっている
冤罪事件の経緯が語られます。

>>521
渡部直己という文芸評論家の『現代文学の読み方・書かれ方』という本があって、
その中で阿部和重が「インディヴィジュアル・プロジェクション」について
「かなり決定的な種明かし」をしているらしいのです。
それを読むと阿部和重が小説を書くことによって何をしようとしているのかが
ある程度わかりそうなので、いずれ読んでみようと思っています。
523大人の名無しさん:04/01/28 21:18 ID:coDp7kH+
『日本の歴史 25 太平洋戦争』

『変転する内外の情勢』『新体制運動』
524大人の名無しさん:04/01/28 21:43 ID:8cqJHHea
「ベトナム帰還兵の証言」陸井三郎
岩波新書(青版)864
525名無しさん@魚好き:04/01/29 14:32 ID:+sTTnTqg
『深淵』(上)第三篇「世路(せいろ)の起伏」のつづき
316ページまで。(上巻を読了)

主人公らの尽力により「なにものにも有無を言わせぬアリバイ」が見つかり、
ひとつの冤罪事件については、無事に再審無罪判決が勝ち取られます。
その過程で弁護士によって語られる「はたを露骨に刺戟する類の
病的潔癖」に関わる話も実に教訓的です。
他板の書き込みによると、1月26日付『朝日新聞』にこの『深淵』の
広告が掲載され、そこに以下のような手書きの作者メッセージが載ったとのことです。
> 「おもしろくもあり値打ちもあるのが、小説の理想的な姿と信ぜられる。
>その至難事達成は、現在ますます必要である。
> 『深淵』に、作者は、達成のたしかな手ごたえを覚える。
>濡れ衣と言われる二つの殺人事件を通じ、人々は、社会・人間の
>有るべき様相を興趣ゆたかに読み取るにちがいない。」
半分ほど読み終えた段階ですが、ここまでのところで、この小説は、
確かに「おもしろくもあり値打ちもある」ものとなっています。
526ボルシチョフ ◆0qy.qEMsFo :04/01/29 21:10 ID:AYZ4RyZM
シャーロックホームズ大全集。電話帳なみの厚みと文字数!しかも一部の話が未掲載。
全集って本当は全部載ってない事が多い。
527名無しさん@魚好き:04/01/30 13:45 ID:WM2M3PrK
『深淵』(下)第四篇「転変兆(てんぺんちょう)」
39ページまで。

麻田布満の失われた12年間が明らかにされる偶然の出会い。
528大人の名無しさん:04/01/31 01:18 ID:UX6DTVKU
はだしのゲン一巻読了。
すでに泣きそうです。
529大人の名無しさん:04/01/31 01:23 ID:RfbBA7X4
簡単に大金稼ぐ方法見つけたよ〜。
これよさそうよ!!
http://www.rimnesia.net/home/mamemoyasi
530名無しさん@魚好き:04/01/31 14:48 ID:NF4e2xrV
『深淵』(下)第四篇「転変兆」のつづき
73ページまで。

ある新たな殺人事件のアリバイの証人として、麻田が出頭しなければ
ならない事情が生じ、12年間生活を送った地を麻田が訪れ、
失われた12年間にただならぬ仲であったのではと思わせる
魅力的な女性とも再会します。
カフカの『城』などが引き合いに出されますが、残念ながら
私自身は、まだ読んでいません。
531大人の名無しさん:04/01/31 16:10 ID:F3SyDHj0
「榊原康政」菊池道人
ブックオフで買ったのでなんとなく。
家康の家臣。有名な武将ではなく、マイナーな武将の視点から戦国時代
を語っている。最近、マニアックな人物の歴史小説が結構ある。
信長の野望をやりたくなってきた。
532名無しさん@魚好き:04/02/02 14:44 ID:0/TIcZrY
『深淵』(下)第五篇「皆既蝕の部分」
121ページまで。

「歴史偽造の罪」を犯さぬため、過去12年間の記憶の蘇生実現に
務める決意をする麻田。
この「歴史偽造の罪」というのは、作中登場人物大庭宗昔による
同タイトルのエッセイからの言葉であり、この「人倫にたいする背反」の
大罪を人は故意ではなしに犯し得るが、「故意犯」と「過失犯」の差はなく、
人は極力「歴史偽造の罪」を犯すことのないように務めねばならない
とされています。
533大人の名無しさん:04/02/03 01:51 ID:+PXPM+ib
続いて「はだしのげん」5巻まで読了。
結構時間が掛かるね。
そして、気分が重くなる・・・。

でも後で「はだしのげんゲーム」をネットで見つけて爆笑。鬱ダ。
534名無しさん@魚好き:04/02/03 21:19 ID:a1BQs8Eo
『深淵』(下)第五篇「皆既蝕の部分」のつづき
159ページまで。
535大人の名無しさん:04/02/03 21:42 ID:7KmfUDUn
      It's  Λ_Λ new taste!
      __  _( ´Д` )
  煤@ ( .|/, ー ー⌒ヽ、
    / ニ)ノ |  人 /:\ )
    | ニ)  |  キ \:/
    ー'          ,vwVVVWVVVwv、
   ベストソーダ   < しびれるうまさ!>
               ^VwvWWwvVwV^


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536ななちタン@魚ちゅき:04/02/04 11:57 ID:5Edgzfdj
『深淵』(下)大西巨人
第五篇「皆既蝕の部分」のつづきと第六篇「まわり灯籠種々相」
196ページまで。

>>515で引用した松川事件をめぐる「ものの考え方」は、
どうやら、この小説で作者が言わんとすることの
根幹に関わることであるらしい様子です。
新たな殺人事件に関する「公正な裁判を要求する市民の会」などとの
対応をめぐり、「運動に資するためなら、その過程に
事実に反する偽造があっても、些細な問題だ」といった考え方の
誤りが指摘されます。
これに関する麻田の考察の中で引用されるレーニンの『帝国主義論』の
文言(に表された基本的な論理)は、現在でも、人間として持つべき
ものの考え方の基本であると思われます。
すなわち、(私の言葉で要約すると)「アメリカによるフィリピン併合を
非難する日本人は、同時に、日本による朝鮮の併合に反対し、
日本からの分離の権利を朝鮮のために要求する場合にのみ、
誠実にして政治的に公正と一般に見なされ得る」ということです。

そして、あることをきっかけに、いよいよ麻田の12年間の記憶が
蘇ることになります。
537名無しさん@魚好き:04/02/05 08:59 ID:bov+q8Rz
『深淵』(下)第六篇「まわり灯籠種々相」のつづき
273ページまで。

麻田の記憶回復後、殺人事件関連の「アリバイ崩し」が
いくらかの紆余曲折を経ながら進展していきます。
そして、その過程で、物語の進行上の必然性を伴って、
読者にとって有意義な(と思われる)いくつもの文学作品および
関連諸事象類が紹介されます。
そのごく一部を挙げれば、
『女の決闘』太宰治
『続 晴れたり曇ったり』中野重治
『犬を連れた奥さん』チェーホフ
「名告(なの)り読み」
といったところです。
(この部分に限らず、小説全体で多くの文学作品や批評への
言及がなされています。)
538名無しさん@魚好き:04/02/06 14:36 ID:/KJz7ETo
『深淵』(下)大西巨人
第六篇「まわり灯籠種々相」のつづきと
第七編「未完結(ウンフォレンデーテ)ジンフォニー」
この本を読了。

「生の根源的問題」に関する解決を見ないまま、物語は、
目次の表題からほぼ予測される展開を経て、
チェーホフの『犬を連れた奥さん』の一説を引用して終わります。
自分自身についての過去の記憶があろうとなかろうと、
その時点で「歴史偽造の罪」を犯さぬよう最善を尽くすという
麻田の生き方・行き方に、積極的な意味で考えさせられました。
チェーホフの引用と併せて、先行きが非常に暗いものに思える今、
どのような精神の持ちようでいかに生きてゆくかということが問われ、
それに対する回答のひとつが示されていると感じます。
539大人の名無しさん:04/02/06 14:58 ID:cI88ENVM
今日松屋逝ったんだけど
すげーデブの客からチケット渡された店員が奥に向かって「ブタ一丁」と叫んだ時
店内客全員が笑いをグッとこらえる重苦しい雰囲気に包まれたのを感じて
口の中の牛めしを吹き出しそうになってしまった
http://www.nobodyhere.com/gfx/neus.swf

540名無しさん@魚好き:04/02/07 14:37 ID:q2ChP1Pi
チェーホフ『かわいい女・犬を連れた奥さん』(新潮文庫)より
『犬を連れた奥さん』
541子供の名無しさん:04/02/07 15:02 ID:4VPy8ScU
機動戦士ガンダム第08MS小隊の「中編」を読んだ。
542大人の名無しさん:04/02/07 17:24 ID:hUoEvQ68
       A A
      (´Д`) 山崎パンでも食うか
    /⌒   ⌒\
  (∋⌒ヽ   /⌒∈)
   │ ゚< ≡ >゚ │  バリッ
  ⊂|  < ≡ >  |つ
   (_). ≡ (_)
http://www.freshsensation.com/samorost.swf
543子供の名無しさん ◆/Pbzx9FKd2 :04/02/07 22:32 ID:EVmC6xcR
ヤメテクレ…
544名無しさん@魚好き:04/02/08 09:07 ID:se8Dsecf
阿部和重『アメリカの夜』(講談社文庫)
43ページまで。

思索の内容のすべて、あるいは大半をそのまま文字にしたかのような、
冗長で回りくどく感じられる文章ですが、おそらく意図的なものなのでしょう。
545ずらぷま xx  :04/02/13 00:28 ID:v+E0YVvb
今日も読んでない『コヒマ』がそのままある。
546名無しさん@魚好き:04/02/13 22:37 ID:jucbBo30
新幹線の車内とビジネスホテルの室内で改めて『アメリカの夜』を
最初から読み直し、今朝までに読了。
冗長で、話題があちこちに飛んでいるかのように感じられる文章ですが、
不思議と読みづらいということはなく、スムーズに読み進めることができました。
含意ないし「仕掛け」のようなものがあるらしいのですが、よくわかりません。
『ドン・キホーテ』と『神聖喜劇』が重要なモチーフになっているようです。

さらに、帰りの新幹線で同じ阿部和重の
『ABC戦争』(新潮文庫)のうち表題作を途中まで。
こちらも、文体は、『アメリカの夜』に近いものですが、
どうやら、地方の高校生が抗争に巻き込まれてゆく過程を扱いながら
憲法第9条と日米安保に関わることがらを描いている
(そのようにこれから展開する?)ように思われます。
547大人の名無しさん:04/02/15 00:52 ID:GGSZuox5
漫画の「魔界転生」を読んだ、作画はとみ新蔵
面白かった、大満足
548名無しさん@魚好き:04/02/15 09:07 ID:5bQBxF3M
『ABC戦争』のつづき
116ページまで。

「戦争」の経過らしきものが次第に明らかになりますが、
実は、その後に別の事件が起こることが読者に知らされます。
549ギルー:04/02/16 16:05 ID:BkMSV/iv
『証言構成『ポパイ』の時代―ある雑誌の奇妙な航海』赤田 祐一 (著)
なんとなく手にとって、あの創刊から一年の熱の出たよう頃を思い出しました。
カタログ雑誌のように思われているけれど、良くも悪くもあの時代を反映していたし、
サブカルチャーの一番成熟した部分でもあったんだとつくづく感じましたね。

あと『カラマーゾフの兄弟』上の真ん中あたり、オヤジが次男に殴られるところ。

550て ◆TETEGcvoTg :04/02/16 21:09 ID:l/m7ZnkX
「生と死の接点」河合隼雄

タイトルは「生と死の接点」ですが、内容はその話だけではなくて、今まで河合氏が
あちらこちらに掲載した文章を集めたかたちになっており、昔話についての考察等、
とっつきやすいものも多くあります。

「死」あるいは「殺」というものが、自己(無意識)の中で、象徴的に何を示しているのか、神話や昔話とのつながり、ライフサイクルにおける人生の各ステップにおける役割、などなど興味深い話がいっぱいでした。
551名無しさん@魚好き:04/02/17 19:51 ID:rcHrB5U3
『ABC戦争』を読了。

この後は、同じ新潮文庫版『ABC戦争』に収録されている
『公爵夫人邸の午後のパーティー』『ヴェロニカ・ハートの幻影』を
読んでから『シンセミア』を読む予定。
552大人の名無しさん:04/02/19 18:57 ID:S5/8ftKO
我妻との闘争
553名無しさん@魚好き:04/02/23 09:08 ID:rWp8eTgG
阿部和重の『ABC戦争』(新潮文庫)から
『公爵夫人邸の午後のパーティー』

「お楽しみ」付きの仮装パーティーに飛び入り参加した若い奥さんと
中年男に連れられて邸に来た女子高生の描写が並行して続きます。
554名無しさん@魚好き:04/02/24 08:56 ID:8ORoLb/6
『公爵夫人邸の午後のパーティー』を読了。

いったいどんな関係があるのかはっきりとはわからないままに、
セーラームーンの仮装をした奥さんの参加するパーティーの描写は進行し、
それと並行して、セーラー服の女子高生は、
邸を訪れた銀行強盗の一団らに巻き込まれていきます。
関係なさそうな二つの展開ですが、外の強い風と邸の停電など
二つが同じ邸で同時に進行しているのではと思わせるようなところもあり、
邸の外に出てからのラストで二つの展開がひとつにつながりますが、
筆者の意図するところは、読者にとってわかりやすいものではありません。
一方に本物の女子高生、他方にセーラームーンの仮装の奥さん、
ということで、本物と偽者の区別があいまいになっている状況を
提示しようということなのかという気もしますが、確信は持てません。
555ギルー:04/02/24 15:08 ID:TD0KBqrh
『カラマーゾフの兄弟』後ほんの少しで上が終わるのですが
すぐ眠りに落ちてしまい進みません。

>>554の書き込みを見ていて、おせっかいですが
『百年の孤独』ガルシア・マルケスを勧めたくなりました。
まだでしたら、是非読んでください。
書評です↓
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0765.html
556名無しさん@魚好き:04/02/26 09:01 ID:MbLyX6vX
阿部和重の『ABC戦争』(新潮文庫)から
『ヴェロニカ・ハートの幻影』

>>555
どうもありがとう。
『百年の孤独』は、いずれ読もうと思います。
557大人の名無しさん:04/02/26 09:28 ID:UNN42LaT
杉本 章子「東京新大橋雨中図」(新人物往来社)

武士制度がなくなる時代
主人公の夢だった絵描きへの転身を追いつつ
江戸から東京へと変わりゆく時代の雰囲気が良い感じで伝わります。

古い本ですが初読でした素直に楽しめた一冊。
558名無しさん@魚好き:04/02/28 09:06 ID:huOWOJIh
『ベネズエラ革命――ウーゴ・チャベス大統領の戦い』
(伊高浩昭:翻訳・解説、VIENT:発行)

ベネズエラの現大統領ウーゴ・チャベスの演説集
詳細は↓こちら
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-8881-1.htm
559名無しさん@魚好き:04/03/01 14:25 ID:631bhqHz
『ベネズエラ革命』のつづき
560大人の名無しさん:04/03/01 16:12 ID:o68xUODA
『日本の歴史・25・太平洋戦争』

「新体制運動」〜「翼賛政治」

―検閲と自主規制―

 番組の検閲は、情報局の指導のもとに所轄の逓信局(東京発の番組は東京逓信局)が担当したが、
情報局編集の部外秘のパンフレット「大東亜戦争放送しるべ」(のち「大東亜戦争放送指針彙報」と改題)
によると、ニュースの検閲記事としてつぎの四点があがっている。

一、現在国民に対し、放送適当なりや否や
 これは、ニュースのみならず、凡て検閲上、第一に考慮さるべき問題である。・・・・・言うまでもなくニュースには国民に知らせて
 良いものと悪いものがある。この取捨をまず第一に国家的見地から判断しなければならない。
二、日本的枢軸的観点ありや否や
 いやしくも日本放送協会の採上げるニュースは先ず第一に日本的観点に立つものであることは勿論であるが、又日本と手を携えて共同の
 敵に当っている独伊に対して不利なものも亦排撃されなければならない。・・・・・〔第三国的ニュースは〕これに適切な我方の主観的
 註釈を附与し、表面は飽くまで客観的ニュースのごとく装い、以て国民輿論指導上有益ならしめなければいけない。
三、政府に協力的なりや否や
 国民の輿論決定の上に多大の力を持つニュースは飽くまで政府に協力的・推進的でなければならない。
四、敵に利用される虞なきや否や
 的は我対外放送を聴取するの外、東亜送りの国内放送を聴取し、ことごとく之を録音している形跡が充分ある。であるから我に不利なニュースは勿論、
 敵の好んで逆用するところとなるようなニュースは絶対に避けなければならない。
561大人の名無しさん:04/03/01 16:13 ID:o68xUODA
―異端者狩り―
 言論報国会に入っていない者は今後、新聞や雑誌に執筆が許されなくなる、という噂がまことしやかに流布され、
非会員の評論家のあいだに大きな動揺がおこった。
(中略)
 噂が信じ込まれたのも無理はない。かなり前から当局では好ましからざる評論家のブラック・リストをつくって、
かれらを新聞や雑誌になるべく執筆させないように指導していたのである。
 たとえば、すでに十六年二月、中央公論社は情報局との懇談会でそのリストを内示されたが、それには矢内原忠雄・
横田喜三郎・馬場恒吾・清沢例・田中耕太郎らの名があった。
(中略)
 このように言論機関に非公式の要望というかたちで働きかけ、事実上執筆禁止と同じ効果をあげていくというのは、
当局がしばしば用いた常套手段であった。
(中略)
 言論界内部からの「異端者狩り」もすでにはじまっていた。言論報国会には調査部が設けられ、評論家の思想・
言動調査が行なわれていた。とくに、。かねてから自由主義的色彩が 濃いとみなされていた『改造』『日本評論』
『中央公論』などの総合雑誌や岩波書店が言論内外からの攻撃にさらされた。 陸軍報道部は『改造』の十七年八月号・
九月号に発表された細川嘉六の「世界史の動向と日本」を取り上げ、こうきめつけた。
「この論文は、日本の指導的立場を全面的に否定する反戦主義の鼓吹であり、戦時下巧妙なる共産主義の煽動である」

をはじめとして、今と同じではないかと頷くことが多かった。
562ななちタン@魚ちゅき:04/03/04 14:35 ID:/t6LQb1M
『ベネズエラ革命』のつづき
H「七七カ国グループ議長引き渡し式での演説」
I「年次施政報告演説」
など
563ボルシチョフ ◆RmNH.4SGLY :04/03/04 15:57 ID:prvH5Gfj
孫子の兵法。
ポートの開き方。
インターネット悪のマニュアル。
564大人の名無しさん :04/03/04 23:10 ID:c7jxG9CD
「中年シングル生活」関川夏央
最近文庫化されました。
565名無しさん@魚好き:04/03/06 14:22 ID:5xlNMoKt
『ベネズエラ革命――ウーゴ・チャベス大統領の戦い』のつづき
K「人民集会での演説」
L「世界社会フォーラムでの記者会見発言」
566名無しさん@魚好き:04/03/08 21:26 ID:7LqJ5EVR
『ベネズエラ革命』のつづき
M「世界社会フォーラム時のボリバリアーナ革命連帯集会での演説」
567名無しさん@魚好き:04/03/09 14:11 ID:E0s/FGXj
『ベネズエラ革命――ウーゴ・チャベス大統領の戦い』
(伊高浩昭:翻訳・解説、VIENT:発行)
N「キューバ外務省声明」および翻訳者による解説
この本を読了。

この本は、南米のベネズエラの現大統領ウーゴ・チャベスが
2002年12月から2003年1月にかけて行なった
主要な演説を収録したものです。
中南米の多くの国では、アメリカ政府および大資本と結び付いた
一部の特権階級が政治経済を支配して、大多数の国民は
貧困状態での暮らしを強いられているわけですが、
そのような状況を改革し、貧困を廃絶していこうという動きも
いくつもの国で見られるようになってきています。
特にベネズエラでは、99年2月のチャベス大統領就任と
翌年の新憲法公布以降そうした動きが顕著になっており、
それに対し、アメリカの支援の下に、02年4月にはクーデターが
同年12月には石油産業のサボタージュが行なわれていますが、
チャベス政権はそれらを克服して、ベネズエラとラテンアメリカの
多くの人びとにとって望ましい政策の推進に力を入れています。
と、まあ、背景を書くだけでかなりの長文になってしまいましたが、
この本に収録された演説は、ちょうど石油産業のサボタージュによる
影響を受け、そこから脱しつつある時期のもので、
大群衆を前にした、聴衆とのやり取りも含む率直な演説から
チャベス政権のめざすものとそれが多くの人から支持されている
ということがよくわかるし、また、この大統領が非常に教養ある
人だということも伝わってきて興味深いのです。
圧倒的な軍事力を背景にしたアメリカの一極支配が進んでいるかの
ように見えなくもない今の状況で、決してそうではない動きが
進行しており、しかもそれがラテンアメリカ各地に広がりつつある
ということにまず注目しておきたいのです。
568大人の名無しさん:04/03/09 15:35 ID:b9Hp4eQM
http://www.myprofile.ne.jp/yuki_sarasara

楽しい、カワイイ、ちょっとえっち。
569大人の名無しさん:04/03/10 15:43 ID:vLPqqw+s
てす
570大人の名無しさん:04/03/10 23:28 ID:UueD/ROx
ああ、こんなスレが・・・
今日は中学生の時に大好きだったヘッセの本を電車の中で再読。
「シッダールタ」
また違った発見があった。よかった。
571名無しさん@魚好き:04/03/11 08:54 ID:joggGqzc
阿部和重『シンセミア』(発行:朝日新聞社)
上巻47ページまで

冒頭に、第二次世界大戦後の日本におけるパン食の普及が
主としてアメリカの穀物政策によるものであるとの背景説明。
そして物語は、地方の自衛隊基地のある神町で、
1999年7月に起こった一つの殺人事件と一つの「自殺」事件と一つの「事故死」事件で始まります。

>>570
いらっしゃい。
なにか読んだら遠慮なく報告をお願いします。
572名無しさん@魚好き:04/03/12 09:06 ID:Heyaozyk
『シンセミア』上巻79ページまで

>>571の「1999年」というのは、「2000年」の誤りです。
「7月」に引きずられて思い違いをしていました。

当番勤務の警官がトマトソースのパスタを作る様子が詳しく書かれているので、
おいしそうで、同じように作って食べてみたくなります。
結局、行方不明者の届出の来訪者の応対のため、
その警官は、作り立てを食べることができなくなり、
冷めたものを食べることになってしまうのですが。
573名無しさん@魚好き:04/03/15 21:16 ID:AC57RHJA
『シンセミア』上巻178ページまで

一昨日からさっきまでアクセス規制で書き込みができませんでした。

100ページほど読んだわけで物語はかなり進展しているのですが、
簡単に書いてしまうと、
主要な登場人物の一人の妹である女子高生がネットで日記を公開していて、
その日記で、阿部和重の『インディヴィジュアル・プロジェクション』を
読んだ感想(「イマイチだ」とか)を書いていたり、
モルヒネをやっている人がいたり、青年団と称する盗撮サークルがあったり、
パスタを作っていた警官が女子中学生とシックスナインをしたり、
パン屋の仮面夫婦の嫁さんがコカインをやったりと、
まあ、だいたいそんなふうです。
「んでもよ、それでも戦争はずっと続いでっからな。武器ば作る人だぢが
いっからよ。戦争すっど、どえらぐ儲がるんだど。」といった言葉が
戦争体験を持つ者から幼児に語られます。
574名無しさん@魚好き:04/03/17 18:15 ID:7Ltxd8Ne
『シンセミア』上巻261ページまで

物語は、さまざまな登場人物が関わるさまざまな急展開を見せ、
文字通り、目が離せなくなっています。
そんな中、女子高生の公開日記を読んだ阿部和重(作者自身)が
その女子高生にメールを送り、「ぜひ会いたい」とは・・・。
自分のマンガに頻繁に登場していた手塚治虫を思わせる手法ですが、
この作中の作家阿部和重は、実際、『シンセミア』という小説を
執筆中であったりするのです。
575名無しさん@魚好き:04/03/19 20:10 ID:F09hVLHN
『シンセミア』上巻303ページまで

物語が進行する中で、この社会のありように関わるさまざまな事実、
例えば、「警官の主要な任務が住民の思想調査であること」
「警官の職務が点数稼ぎを主たる動因としていること」
「コンビニやスーパーで売られているパンが添加物まみれであること」
「通信傍受法は国家権力による『盗聴』を公認するものであること」
「戦争を望み推進する主要な要素として大企業の利潤追求があること」
などを示唆する言葉が(作者によって)語られます。
非常におもしろく、読者をひきつけるストーリー展開の中で、
それらにも作者からの重要なメッセージがあるのでは?
などと思えなくもありません。
576大人の名無しさん:04/03/19 20:33 ID:VIqMLYDH
「疲れ知らずの簡単な方法」
ブックオフで350円で購入。
栄養ドリンクは寝る前に飲むのがいいんだって。


577名無しさん@魚好き:04/03/20 19:48 ID:tKcBBd88
『シンセミア』上巻336ページまで

それにしても、たくさんの事件が続けざまに起こるおかげで、
飽きることなく読み続けることができるのですが、
展開を簡潔にまとめるというのは容易ではありません。
おおぜいの登場人物の関わるいくつもの事件が
いずれ関連し合って、結び付いた結末を迎えることになるらしいです。
578名無しさん@魚好き:04/03/21 14:12 ID:qKpI8BkI
阿部和重『シンセミア』(発行:朝日新聞社)
上巻384ページまで

女子高生にメールを送ってきた「阿部和重」は、女子高生の携帯に
イタズラ電話をかけてきたりして、作者である作家の阿部和重本人なのか
かなりあやしくなってきます。
おそらくこの物語の舞台となっている神町に作者は、
今の日本を象徴させようとしているのではとも思えます。
579名無しさん@魚好き:04/03/23 14:21 ID:HKrATJsz
『シンセミア』上巻を読了
下巻80ページまで

なにか破局的な結末に向けて事態はスピードを上げて展開しています。
「何者かによって個人情報が管理された社会」というものを
問うているようにも思われます。

別板の関連スレによると、『小説トリッパー』最新号に大西巨人が
『シンセミア』の書評を掲載、<「本年度最大の収穫作」とすることに、
俯仰天地に愧じず同意する。>と賛辞を送っているらしいです。
580名無しさん@魚好き:04/03/25 19:28 ID:nj0ke/Vy
『シンセミア』下巻166ページまで
581コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :04/03/25 19:54 ID:i/XGiMJ7
こうやって、毎日シンセミアシンセミアって目にするので、買ってしまったシンセミア
上下巻それぞれ100円で買ってしまったシンセミア

いつ読むのかシンセミア もしかしたらそのまま売るのかシンセミア
文庫になる前に売ってしまおうシンセミア(織田信長)
582コロッケ5えんのすけ ◆IyApGKf56Q :04/03/25 20:08 ID:i/XGiMJ7
で、売りに出したので、売れる前に何とか読んでしまおうシンセミア

アマゾンのレビュアーには酷評されてるシンセミア
583大人の名無しさん:04/03/26 20:35 ID:wUIILmHX
幻冬舎アウトロー文庫
「ヤクザ大全」
山平重樹

このヤクザシリーズはおもしろい!
「ヤクザに学ぶ交渉術」
「ヤクザに学ぶ指導力」
584名無しさん@魚好き:04/03/27 09:29 ID:yR4TPxTs
夕べまでの分
『シンセミア』下巻322ページまで

いくつもの事件が絡み合いながら新たな事件の発生を伴いつつ
謎とされていたものが次第に解けてゆき、その展開にひきこまれるように
夢中になって読み耽ってしまいます。
この勢いで最後まで読んでしまうと、いきなり読後感を書いてしまう
ことになるので、その前におおまかな物語の展開を書いておこうと
思っていたのですが、比較的うまく(自分で書くとしてもおおよそ
そのように書くと思われるような形に)まとまっている書評があったので、
それを転記することで物語の紹介に代えます。

http://www.mainichi.co.jp/life/dokusho/2003/1109/01.html
毎日「今週の本棚」より沼野充義による『シンセミア』評

>>582
『シンセミア』の登場人物の一人は、どこかの場面で、
学生時代に読んだ本に書かれていた「偸安と怯懦と卑屈」という言葉を
思い出したりもしていますよ。
アマゾンの書評の動向にも、ちょっとおもしろい考察が可能なように思えますが、
それについては、また改めて書くことにします。
585トロイの木馬 ◆ccqXAQxUxI :04/03/27 10:09 ID:3Z2Td995
【社会】教え子にわいせつ、元小学校教諭に実刑―東京
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080014406/l50
【また教師】「エッチまだなんだ」「(スカートの中を)のぞいてやる」教諭が女子高生と同せい−懲戒免職、神奈川県教委
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080039823/l50
【社会】「小さい女の子の裸が見たかった」 79歳ロリコン男を逮捕…埼玉
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1079464477/l50
【社会】「西新井はどっち」 道尋ね男、女子中学生に抱きつきまくろうとする…東京
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080191605/l50
【社会】中2女子に車で追突、縛って車に監禁した男逮捕…埼玉
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1079981021/l50
【社会】小1女児に強制わいせつ=35歳男を逮捕−東京都八王子
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080017005/l50
【また教師】女子生徒にわいせつ行為 都立高校教諭を免職―都教委
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080251742/l50
【社会】小1女児に強制わいせつ=35歳男を逮捕−東京都八王子
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080017005/l50
【また教師】女子生徒にわいせつ行為 都立高校教諭を免職―都教委
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080251742/l50
【社会】小1女児に強制わいせつ=35歳男を逮捕−東京都八王子
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080017005/l50
【また教師】女子生徒にわいせつ行為 都立高校教諭を免職―都教委
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080251742/l50
【社会】教え子にわいせつ、元小学校教諭に実刑―東京
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080014406/l50
【また教師】「エッチまだなんだ」「(スカートの中を)のぞいてやる」教諭が女子高生と同せい−懲戒免職、神奈川県教委
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1080039823/l50
【社会】「小さい女の子の裸が見たかった」 79歳ロリコン男を逮捕…埼玉
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1079464477/l50
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1079464477/l50
http://news5.2ch.net
586名無しさん@魚好き:04/03/27 22:12 ID:nUivuNum
『シンセミア』下巻355ページまで

あと60ページ足らずで読み終わってしまいます。
作者の出身地として実在する山形県東根市神町を舞台に繰り広げられる
この禍々しい出来事の数々がどのような結末を迎えるのか。
いずれにしろ、読者がカタルシスを得られるようなものではなさそうです。

>>585
『シンセミア』の登場人物の一人である中山正は、
女子中学生との淫行に耽りつつ、小学五年生女子と関係を持つことに
執念を燃やす、相対的に異常とは言えなそうな警察官です。
587名無しさん@魚好き:04/03/29 14:22 ID:O65wU+Ts
昨日までに『シンセミア』上下全巻を読了。

非常に多くの登場人物と事件が絡み合い、しかもそれらが
細かな伏線にいたるまで結び付いていて、破綻らしい破綻もなく
まとめられているというのが、まずすごいです。
それから、現在の事が歴史の流れから切り離されて存在しているのではなく、
ちゃんと歴史的な因果関係の結果として描かれていることがよいと思います。
なにか希望を託せるものを提示して終わるのではなく、
徹底して破滅的な結末を迎えるわけですが、それもまた
現実の反映として、意図的に描かれた結果なのでしょう。
すべての関連が明らかになったところで、もう一度最初から
読み直してみたいと思わせられる小説でした。

気が向いたら、↓こちらのスレにもう少し何か書きます。
http://bubble.2ch.net/test/read.cgi/middle/1058610000/l50
588名無しさん@魚好き:04/03/30 14:36 ID:gzSV4Qzu
今日から保坂和志の『カンバセイション・ピース』(新潮社)を読み始めました。
とりあえず、猫が3匹登場しています。
589JON ◆wPdVCEUDgM :04/03/30 15:43 ID:y6YH2UHD
芥川の本
590大人の名無しさん:04/03/30 22:01 ID:vPLvBpnQ
読書家ですね
591名無しさん@魚好き:04/04/01 14:28 ID:eZ7rwYT8
『カンバセイション・ピース』96ページまで

小さい頃に同居したことのあった伯父の家に住むことになった
作家の「私」とその妻と、同居する猫3匹と、
同じ家の中の部屋に事務所を構えた会社の3人の社員らの
なにげない日常が綴られていきます。
今のところ特に事件らしい事件が起こるわけではありませんが、
ちょっとした物事の見方や追想などに「あぁ、そういうことってある」
と共感を覚えることのできる小説です。
592名無しさん@魚好き:04/04/02 20:52 ID:Jtzdm8+W
『カンバセイション・ピース』129ページまで
593名無しさん@魚好き:04/04/03 21:07 ID:GzdCH0/4
『カンバセイション・ピース』164ページまで

太った猫のジョジョが歩く様子を表す擬態語の
「とってんとってん」というのが、なんともそれらしく、
うまい感じでよいのです。
それでいながら、「猫派」「犬派」などと単純に
二分化する考え方に否定的なところも好感が持てます。
気楽に読めるが、意外に深く考えさせられるところもある小説です。
594大人の名無しさん:04/04/03 23:41 ID:edP7xWXu
大正時代 発行の 少女小説 三半勝吉 というのを読んだ。
なんか江戸時代の話だった。
595ななちタン@魚ちゅき:04/04/04 21:31 ID:JqNsrwuB
『カンバセイション・ピース』198ページまで

「私」の思索の中で言われる
「テレビに出演した一回程度の機会にスプーンを曲げられ
なかったからといって、『超能力がない』ということにはならない」
(念のため、「超能力はある」と言っているわけではない)
ということは、論理的には全く正しいことです。
596大人の名無しさん:04/04/04 21:51 ID:TDPBrMo6
世に棲む日日 3巻 高杉晋作が野山獄に入っているところ 
597名無しさん@魚好き:04/04/05 21:53 ID:CCQZ7hhU
『カンバセイション・ピース』234ページまで

この本の帯の文章で、関川夏央氏は、こう書いています。
「どこがおもしろいのか、と問われてもうまくいえない。
しかしおもしろいのである。日常は平和なままにスリリングに
えがかれ得る。小津安二郎の映画のように。」
確かにおもしろいのですが、なにがおもしろいのかをきちんと
言葉で表現しようとすると、なかなか難しいのです。
どうってことのない日常の中で、「私」の考える、その考え方が
「紋切り型」を排していておもしろい、と言えば言えそうです。
598大人の名無しさん:04/04/06 01:04 ID:qUuTg3Xj
みんな難しいの読んでますね。
今さらながら「ノルウェイの森」読了。
なぜなら好きな人に薦められたから。
でも結構熟読しました。
599名無しさん@魚好き:04/04/07 21:56 ID:DEevgANo
『カンバセイション・ピース』280ページまで
600大人の名無しさん:04/04/07 22:08 ID:ApbfOBdx
「天声人語」1945〜1949
何か、今と余り変わらない。
601名無しさん@魚好き:04/04/08 20:33 ID:VLAg7vMD
『カンバセイション・ピース』313ページまで
602名無しさん@魚好き:04/04/09 21:05 ID:VwEX02CZ
『カンバセイション・ピース』348ページまで

しきりに猫の動作に関する描写が出てくるので、
実物の猫を見たくなり、ペットショップに行って見てきました。
私は、小さい頃は家に猫がいて、しょっちゅうじゃれあっていたのです。
ペットショップには、ちょうどチンチラの子猫が2匹いて、
このぬいぐるみみたいなのが動いている様子が
かわいいのなんのって、つい見とれてしまいましたが、
値札の貼られた檻に入れられているのがなんとも興ざめです。
603大人の名無しさん:04/04/09 21:07 ID:5sFHKRKb
クリームを少々。
604名無しさん@魚好き:04/04/10 21:43 ID:Hcwdgtld
『カンバセイション・ピース』348ページまで

作品中で「私」の本を借りて読んだ妻が心を動かされたページを
「私」もやはり折っていたといった記述があるのですが、
ページを折るとか鉛筆で線を引いておくというような
本を本当に私物として扱うようなことが私には抵抗があります。
完全に自分だけのものとして「使い切る」つもりのごく一部の本を除いては、
自分で買った自分の本であっても、なぜかあたかも次の人に
気持ちよく読んでもらおうと思っているかのように、
買った時のままで、挟み込まれていた小冊子もそのままで、
きれいなままの状態で保管しようとしてしまうのです。
たとえ自分のものであっても、本というものが
人類の共有財産であるような意識があるのかもしれません。

>>602の記述は、本に書いてあったことではなく、私自身の行動です。
念のため。
605名無しさん@魚好き:04/04/10 21:44 ID:Hcwdgtld
>>604
コピペでミスしました。
『カンバセイション・ピース』380ページまでです。
606大人の名無しさん:04/04/11 14:29 ID:fWjmxtPO
『日本の思想』丸山真男 W「である」ことと「する」こと

高校のときの現代国語の説明文読解の教材として読んだ記憶がある。高校生の時には
、ともかく著者の考えや主張を追っかけるのに必死だったが、この年になって読み返して
みると、なるほどなぁと、年をとっただけ理解を実感する。
607大人の名無しさん:04/04/11 17:46 ID:Dpl2raQo
『運転教本』『学科教本』
今日、仮免試験だったんだよ・・・。
608名無しさん@魚好き:04/04/11 21:14 ID:fE1JP9c6
保坂和志『カンバセイション・ピース』(新潮社)を読了。

月並な言い方になってしまいますが、なにげない日常の中で
目に触れるもの、耳に聞こえることなどから思索する記述から
つい自分の経験したことに思いを馳せてしまい、気がつくと
字面だけ追いながら頭では思い出させられた自分の経験のことを
考えているということが読んでいる間に幾度もあった本でした。
ま、それはそれとして、猫のいる生活もいいなぁと思わせられました。
609大人の名無しさん:04/04/11 21:19 ID:iIYZuN9C
『竜馬がゆく』2巻目
610大人の名無しさん:04/04/11 21:24 ID:iguorLum
最近、アガサクリスティのポアロにはまってる。
すごいわ、やっぱ。
今まで古臭そうなイメージで敬遠してて損した。
611大人の名無しさん:04/04/11 21:37 ID:lisCxE0z
真保裕一。
連鎖、取引、震源、盗聴、奪取。
ディック・フランシスとは迂闊だった。
612大人の名無しさん:04/04/12 19:01 ID:Js6y/zLM
植草一秀の「現代日本経済政策論」
二一世紀に入っても立ち直りの契機を見いだせぬまま、ますます混迷の度を深める
日本経済。何が問題で、いかにしたら立ち直ることができるのか。
本書は、バブルの絶頂期に誰よりも早く日本経済の崩壊を予見し、その後も不況の
長期化と深刻化に警鐘を鳴らし続けてきた著者による本格的な経済政策論。金融政
策、財政構造問題、年金制度、税制、分権化、労働市場、新産業の育成、規制緩和、
政策決定メカニズムなど、根幹的な個々の課題を緻密なデータ分析に基づいて論じ
つつ、経済再生の条件をトータルに究明し、バラバラの対症療法ではない全体とし
て首尾一貫した分析と対策を提示する。


せっかく、がんばって読んだのに。変な事件を起こすなよ。
613大人の名無しさん:04/04/12 19:04 ID:Js6y/zLM
↑ちなみに出版社は岩波書店。
良識の岩波も、まさか破廉恥事件の犯人に専門書を書かすことになるとは思わなかっただろうな。
614名無しさん@魚好き:04/04/12 22:30 ID:UVvHQQ6n
厳密には本ではなく雑誌なんですが、
『文藝』夏号(河出書房新社)の阿部和重特集の記事を拾い読み。

つくづく思うんですが、インタビュアーが
「結局なにが言いたいんだよ?」という質問を避けているのは、
何が言いたいのかわかっているのか、
それとも、わかったふりをしているのかが
なんだかよくわかりません。
615夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/04/15 13:29 ID:os9lK7oz
アーシュラ・K・ル・グィン
「闇の左手」
あまり感情移入できない。男の主人公と両性具有者のからみというのが
いまいち俺の萌え心をくすぐらないのか?壮大な異世界の設定だが、
「この状況でこのような社会が安定なのか」と疑問を持ってしまう。
理系ってやだね。
ル・グィンと言えば「ゲド戦記」だが俺はまだ未読。読むのを楽しみに
していたのだが、どうかなあ。教えてエロい人。
616ギルー:04/04/26 15:20 ID:iMT3f8Di
>>615
エロくないけど・・
『ゲド戦記』は是非是非読んでください。X以外は面白かった。
ちょっとジェンダーの影響が前面に出すぎといえなくもないけど
その頃のアメリカ女性のテーマだから仕方が無い。
指輪物語とは違った意味で権力を捨てるがテーマです。
『闇の左手』はその後再挑戦してみましたが、未だに放置です。
「理系ってやだね」そう、まさにそんな感じです。

今日ここへ来たのは今朝読んだ
「シュウシュウの季節」(角川文庫)嚴歌苓著 短編集の最初の話。
中国の知識人は文革でどれだけ傷ついたかを書かずに入られないんだね
とは思いますが
風景描写と心象描写が悲しく美しかった。
617野郎 ◆GNYjzf1L3A :04/04/28 22:23 ID:cd4qo33y
>>616
ギルーさんありがとう。「闇の左手」が面白くなくても「ゲド戦記」は読める
んだね。楽しみが無くならなくて良かった。

これだけでは何なので、読んだ本の報告を(今日読んだわけではないが、数日
前に読んだ)。
A. デュマ「モンテ・クリスト伯」全7巻(岩波文庫)
「厳窟王」で知られる無実の男の復讐物語。むかーし子供向け文学全集で読んだ
のだが、完訳を読みたくなったので。長い話だが、息もつかせず一気に読めた。
色々突っ込みたくなる所もあるが(ダンテスに都合良く復讐進みすぎ、とか)、
そんなことを気に留めなくさせるだけの力強さが名作の名作たる所以であろう。

何でもできる財産と能力を手に入れたダンテスが、「自分の復讐は神の摂理なのだ」
というようなことを度々述べており、また、「モンテ・クリスト(=キリストの山)」
」という名も、ダンテスが自分自身の立場を神になぞらえていることが暗示してい
る。ただのサスペンスとしても十分楽しめるのだが、「神は法を超越するのか」
という問いもテーマになっているように思える。キリスト教徒ではない俺には神の存在
をどのように感じればよいのか分からないが。

蛇足ながら、適当に翻案して昼の帯ドラマでやったら受けるんじゃないだろうか。
二時間ドラマでもいいけど、ちょっと時間が足りないからね。
618大人の名無しさん:04/05/02 19:32 ID:wrcE5k2Z
「憲法を考える本」光文社文庫

憲法記念日を前に、読んでみました。
619夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/05/25 07:17 ID:xAdSIi8N
「数学を創った人々」全三巻
E. T. ベル(田中勇、銀林浩 訳)
1930年代初版の古さは感じるが、数学苦手な俺でもなんとなく
偉い数学者の業績が分かった気になる。前書きで「この本は数学の
通史ではない」と書いていながら、最終章ではこれまでの数学の総
括と今後の展望を熱く語っていて、志が高いと思う。良い本。

試しにage
620MM:04/05/29 00:01 ID:D2ZqY0RC
「赤後家の殺人」
「夜歩く」 
↑共にディクスン・カー
感想はミステリ板のカースレに書いてしまった。

「超・魔道物語3 ばとる おぶ ぷよぷよ だんじょん」(山本剛)
ぷよぷよのキャラクターが大暴れする話。完結編

ミカ・ワルタリの『エジプト人』を探し中。
古本屋をあたろう。

621野郎 ◆GNYjzf1L3A :04/05/30 12:03 ID:QAzjvBZg
「インパール作戦従軍記」丸山静雄
悪名高いインパール作戦に従軍記者として参加した人の記録。
岩波新書の黄版だから結構昔(83年)の本。
この作戦の戦記では必ずぼろくそに言われる牟田口中将だが、
意外にもそれほどぼろくそに書かれていない。(決して良く
書かれているわけではないが)

2chでは評判の悪い朝日の記者だし、書いた時代のせいもある
と思うが、「反戦、平和」が結論になるのは安易なように見え
るかも知れない。しかし、ほとんど一兵士と同じ立場で負け戦
の悲惨な退却を実体験として持っている人の結論を、安易である
からといって否定できるわけではない。

俺の文章悪文だな・・・
622夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/07 13:55 ID:oAqd57SB
「幕末日本探訪記」ロバート・フォーチュン
英国人プラントハンターの日本体験。
商売柄、植物の名前がてんこもり。当時の農業に関する
記述も多い。私にはツボにはまった本。

「長い間鎖国を続けてきた日本は、今後も全て自給自足
できるだろう」という予測は、今となっては皮肉だな。

美しかった日本の風景を回顧したい人にもお勧め。
623ギルー ◆GombRx.83I :04/06/07 15:55 ID:RKi/c0S8
「インパール作戦従軍記」以前読みました。
戦争の実体験を書いた本を読みすぎたので(父がマニアだった)
肯定的に書かれたものでさえも、終結までの歴史の流れを知っているので
どれも悲惨な物語、安易であってもなんとののしられようとも
避ける手段があるうちは避けなければならないとの認識になってしまいました。
翻弄されるのは普通の生活をしている人たちなのに・・

おととい読み終わったのが
幸田文の「きもの」
日本のものをあまり読まなかったけれどこれは
チョッと前までの日本人の生活感覚がこんなにも違ってしまったのか
と感慨深かった。
幸田文これっきりにしてしまうのが惜しくて
ブックオフで買い足してしまった。
624大人の名無しさん:04/06/14 18:03 ID:e0pjOVGu
マルクーゼ エロス的文明
読み始めました。心理学の古典です。
625夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/16 13:12 ID:6lZl90zv
>>623
遅レスだが、外交政策の一つのオプションとして、
軍事力を国家が保持することは正当であると俺は考えている。
しかし、軍事力を実際に行使せざるを得なくなるような
状況になってしまうのは、外交政策の失敗に他ならないとも
思っているので、時の政策責任者には何らかの形で処罰を及ぼす
べきであるとも思う。たとえ戦争に勝ってもね。

戦争というのは情報不足や感情に流された判断ミスによって
生じる物だと思います。軍事力を行使できる立場の人は、よく
考えてから行使して欲しい物です。

とまあスレ違いの話題はこれぐらいにして、今日読んだ本は
「パラノイア創造史」荒俣宏
精神病者の妄想や奇行が、時代的背景とどのように結びついているのか、
というようなことを書いてあるのかと期待して買ったが、ただの衒学的な
奇人変人列伝だった。奇人変人列伝なら、もっとおもしろおかしく書け
ばいいのにね。はずれの本。

蛇足ながら、このおっさんがトリビアの泉で「へー」をあんなに出すの
はおかしいと思う。絶対それぐらいのこと知ってるやろ。

>>624
読了したら感想お願い。面倒ならいいけど。
626夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/19 12:01 ID:iUYtzydE
「医学の歴史」 梶田昭
文庫にもかかわらず、古今東西の医学の発展について書いている
大変な本。古きは、ヒト以前から、東西は、西洋、アラビア、
インド、中国にいたるまで。まあ西洋が主だけど。

医学の発展は遅々たる物であるという印象を受ける。今世紀まで
盲腸炎や結核は死に至る病だったわけだからね。

著者の博覧強記ぶりには感嘆するが、いかんせん紙数の制限のせいか、
著名な医学者の羅列に終わっている感がある。取り上げる人物をもう少し
減らして、医学史の文脈をもっとくっきりと浮き出した方が私には
読みやすかったと思う。
627夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/24 13:21 ID:GSD+NQdy
「性の民俗誌」池田弥三郎
性的なことにまつわる民俗学的な小論集。取り上げられているトピックは
「一夜妻」、「初夜の権利」、「赤不浄」等々。雑学集としては面白いが、
何でも日本神道的神様の観念と結びつけて解釈されるのは、あまり納得
いかない。

民俗学っていうのは一体何が究極の目的なんだろうねえ。日本古来の風習
や伝統を記載するっていうところまでは分かるんだけど、集めた事実の
解釈はどのぐらい客観的な批判に耐えうる物なのだろうか。
こんなことを考える俺は西洋合理主義に骨の髄まで犯されているのかな。
628ギルー ◆GombRx.83I :04/06/29 12:33 ID:TAfAreGc
>>625
ご免なさい、ここ来るの忘れてた・・
掟破りの質問を許していただければ、吉田満の引用されました?
あれも、非常に難渋しながら昔読んだきり手元に無いので俄かに読み直してみたくなり
アマゾンで購入しました。子供心にも鮮烈な記憶です。


民俗学をどう読むかですか。
これは個人的なことですが、西洋合理主義だと感じていても
電気が止まり闇夜にアスファルトをほじくり返してみれば
ほんの少し前までの精神構造はこんな物だったと・・(笑

自分の歴史の中で排斥している思考方法にも実は影響されている
ことってありますよね。
性的と云うことであれば
日本的な貞操観念、祖母や母の時代の物には確実に良くも悪くも
潜在的に強く影響されていると考えます。
タブーになればなるほど影響が強い。
その再認識かなぁ

629ギルー ◆GombRx.83I :04/06/29 12:43 ID:TAfAreGc
>>627
あと、日本神道的神様というより
それ以前のアニミズムにはここ数年興味が向いているのですが
まだまだ序の口にも至らない。
630夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/30 06:50 ID:NMP48PbK
>>628ギルー様
「戦艦大和ノ最後」かな。俺はへたれなので旧仮名遣いに
負けて全部読んでいません。でもあちこちに引用してあるから
断片は見ているけどね。>>625で意識的に引用したつもりは
無いけど、いつかどこかで頭の中に入っていたのかも。
631夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/30 07:06 ID:NMP48PbK
>>628続き
そうか。民俗学は伝統、風習を通じて精神構造を読んでいるのか。
そう言う見方で読めばいいのかな。今度から少し気をつけよう。俺はつい
「こういう風習はこのような利益があるからで・・・」という
読み方をしてしまうからな。ここら辺の損得勘定の見地から物を
判断してしまうのが合理主義。
632夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/06/30 07:23 ID:NMP48PbK
これだけでは何なので、昨日読み終わった本
「可愛いエミリー」
「エミリーはのぼる」
「エミリーの求めるもの」モンゴメリ三部作

恥ずかしながら、「赤毛のアン」シリーズが大好きで、新潮文庫
の10冊は全部読んだ。10代の頃ね。この三冊は頭を使いたく
無いときにブックオフで見かけたので買ってしまったのだ。

主人公エミリーは、モンゴメリの分身とも言える作家志望の11
才の女の子。この子が24才になり、作家としての成功と恋愛を
成就するまでのお話。

30過ぎのおっさんになってこれが読めるか?と少し危ぶんだが、
ちゃんと面白く読めるね。ハッピーエンドの物語は心温まるので
良いです。御都合主義の部分は目をつぶるのが大人の読書という
もの。

でも、10代の時に読んだ成功物語には希望を感じた物だけど、30代
になると心が痛いのは何故・・・
633#:04/06/30 11:53 ID:x/t0uR6t
>夜郎さん
『戦艦大和〜』は今週中に届くはずです。
漢文や古文が日常だった頃なので読めたかも・・とかなり
心配しているのですよ(笑
集中が続くと良いのですが、読めたら報告します。

『カラマーゾフ〜』も「中」で足踏みしている・・

『赤毛のアン』これはシリーズで読んでいないのですよ。
その昔一部上場企業に入社した時に30代の係長が「これは面白い」と勧めていた・・
この人は多分これしか読んだことが無いんじゃないかと思われる人だっだし(笑
その時は引いたけど読んでみようかな。

>30代になると心が痛いのは何故・・
今、梶井基次郎の短編集『檸檬』を読んでいるのだけれど
これ、ベタベタの私小説ちょっと重くなりつつあるのですが・・
20代後半までは、自分が何者かわからなくて
30を越した頃からなんとなくそれが見えてくる、
これは呉智房(多分『猿の正義』だった)の孫引きですが
このわからなさ加減の不安定を私小説にしたのが『檸檬』。

心の痛さは「成功という夢を見ることが出来た頃」
への郷愁かなぁとも思うのですが、
40も過ぎると、成功を夢見た頃などには絶対に戻りたくない(笑
今ある時間とどう折り合いをつけるか、この後何が出来るか・・かな。
などと私なりに考えてみました。



634ギルー ◆mhLE8sR8Uk :04/06/30 11:57 ID:x/t0uR6t
すみません。他所でアホな書き込みをしたあとなので
HNが無くなってしまいました。
635ギルー ◆GombRx.83I :04/06/30 11:59 ID:x/t0uR6t
あらら、テスト
636ギルー ◆GombRx.83I :04/06/30 14:16 ID:x/t0uR6t
意味不明のことを書いたと気がついて戻ってきましたよ(笑

自分が何者かがわからなかった頃と
『成功』という完全無欠のものがあると思い込んでいた頃が
私の場合重なっているからの、>>633でした。
で、今は?
目の前のことを丁寧にこなすのみかな・・
637夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/04 13:38 ID:tsej86yV
「中国古代の科学」 藪内 清
タイトルのごとく、昔の中国(唐以前)の科学について、特に
その独自性について。

現在の科学は西洋科学の系譜を継ぐ物だが、よく知られているように
中世以前の西洋科学は他地域の物と比較しても、特に優れた物では無かっ
た。本書では、中国の冶金技術(青銅器とかね)や実用的な発明(紙、
火薬、羅針盤、印刷術は全て中国が源流である)における中国科学
の独自な発達について述べてある。

古代ギリシャの自然哲学は、中国では老荘思想に相当するという
観点は面白い。

しかし、科学史としては「なぜ中国科学は西洋科学に押されてしまった
のか」という問いにきっちり答えて欲しかったところだ。もっともそれ
は著者ではなく、編集者の責任に帰する所だろう。
638夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/04 13:50 ID:tsej86yV
>>633
#さん(w
「戦艦大和〜」の感想楽しみにしている(プレッシャー)。ちなみに俺も
カラマーゾフは高校の時に挫折した。新潮文庫の下まではいったんだけど
ねえ。ああいうのは一気にいかないと駄目だな。もう今となっては読み切
るだけのパワーがない。

「アン」のシリーズは、一作目(赤毛のアン)が面白いと思えるかどうか
だね。あれを読んで続きを読みたいと思えないのなら、読む必要は無いと
思う。二作目以降はだれちゃってるからな。でも好き。

>心の痛さは「成功という夢を見ることが出来た頃」
>への郷愁かなぁとも思うのですが、

いいこと言うねえ。そうそう、って感じ。確かに日本の私小説ってそこら
へんの所得意そうだね。あまり手が出ないけど。
639ギル- ◆GombRx.83I :04/07/04 18:27 ID:qTLMYuYX
ブックオフで『赤毛のアン』購入。
一気に読んだ、面白かった。
でも何故かすんなり感情移入したのはアンよりマリラ叔母さん(笑
子供の頃読んだのはダイジャスト版だったのでかなり損をしていたのに気付いた。

娘がアンと同い年なので勧めたけど「フ〜ン」で済まされた。
赤川次郎とか小野不由実あたりが面白いらしい、ヤレヤレ

カラマーゾフはいつ頃読むのが良いんだろう。
高校生ではちょっと無理だと思う。みんなその頃手にするんだけどね
トルストイあたりは何とかなるかもしれないけれど・・
640ギルー ◆v5JDLHgaHc :04/07/05 16:18 ID:B2kKF67q
『戦艦大和ノ最期』を読み始める。
文語調の文体は思っていたより楽に読める、改行が多いせいかな。
2chの読みにくいレスよりどんなに良いか(笑

まだ始めの20ページ、
数行に凝縮された内容、留学で召集された二世のことや
読み終わることがないと思われるのに読み始めた小説などの
ほんの数文字にこめられた思いが強烈に伝わってくるのがすごい。
641夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/07 13:25 ID:TbC+h8NR
「渚にて」 ネビル・シュート
核戦争語の世界の滅びを描いた名作SF。
北半球で生じた全面核戦争のために、放射能汚染がじわじわと
南半球に拡散していき、それに伴って人類は死滅していく。

主な舞台となるメルボルン近郊は全く直接的なダメージを
受けず、何でもない日常が(多少不便になっても)淡々と
綴られているが、数ヶ月語に確実にやってくる放射能汚染
によって、人々の心や生活は微妙なきしみを生じる。

一種の特殊な極限状態を設定して、どのように人は死を受容し、
残された生を生きるのか、という普遍的な問題がさりげなく
提出されている。俺は切なくなりました。

切ない話を書くときには淡々とするべきだね。古いSFなので
色々突っ込みどころはあるのだが、それが気にならずに読める
のが良いSFの所以。
642夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/07 13:38 ID:TbC+h8NR
>>639 ギルー様
「赤毛のアン」面白かったんだ。良かった。マリラおばさんに
感情移入するところはやはり年の(ry。まあアンは(特に一作目では)
異常者だからねえ。魅力のある主人公だけど、少女でも感情移入でき
ないんじゃないかなあ。少女のことは良くわかんないけど。

>娘がアンと同い年なので勧めたけど「フ〜ン」で済まされた。
>赤川次郎とか小野不由実あたりが面白いらしい、ヤレヤレ

活字好きなら、いずれ親の本棚の本を勝手に読むんじゃない。
放置推奨。でも赤川次郎はマジですごいな。彼はティーンエイジャー
の活字離れの防止にかなり貢献しているのではないだろうか。

>カラマーゾフはいつ頃読むのが良いんだろう。
>高校生ではちょっと無理だと思う。みんなその頃手にするんだけどね

そうだねー。でも背伸びがしたい年頃だったのよん。まあ読みたい
時が読み頃なんじゃないの。芸のない答えだけど。

「戦艦大和〜」読み応えがありそうだね。俺も今度探してみようかな。
643ギル- ◆GombRx.83I :04/07/07 21:14 ID:WIN7fQo1
丸二日間アクセス規制で書き込めませんでした。

一昨日『戦艦大和ノ最期』終了。
それほど長くないし、すごい緊張感で本を置くことが出来ず最後まで
一気に読んでしまった。
文体は慣れると全く問題なく読めます。

「君国のために死ぬ」教育がどうであれ、本当に当時の人たちは
納得して勝ち目の無い戦争に行っていたのだろうか?
決してそうではなくて例の引用
「敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ
日本ガスクワレルカ、今目覚メズシテイツ救ワレルカ 俺タチハソノ先導ニ
ナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」

につながるのだけれど、それでもまだ本望としなければ
納得できないのだろうという思いもある。
行間に20代前半で死ぬことを納得しなければならなかった
痛々しさが溢れている。

是非読んでみてください。
644ギル- ◆GombRx.83I :04/07/07 21:32 ID:WIN7fQo1
『渚にて』はたしか50年代終わりごろの映画でもありましたよね。
原作は読んでないです。
SFは好きなのですが、昔読んだものを覚えていない。
カートボネガットもまとまって持っているのですが、何故か全然覚えていない(笑
面白かったという記憶だけです。
以前は読んだ本は端から処分していたのですが、
覚えていないぞということに気が付いてからは置いておく。情けないねぇ・・

>活字好きなら、いずれ親の本棚の本を勝手に読むんじゃない
確かに、『戦艦大和〜』も親の本棚、ハードカバーで白黒の写真が
載っていたはず、
親の本棚を盗み読みしたものの方が良くも悪くも影響をうけているかもしれない。
と云う事は、ちょっと自分の本棚見直そうかな(笑
645夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/11 12:51 ID:V1M9oJoU
「世界史とヨーロッパ」 岡崎勝世 講談社現代新書
一言で言えば、「世界史の歴史」について。特に、ヨーロッパ人
による世界史観が、どのような変遷を遂げてきたか、ということを
書いている。

内容を簡単にまとめると、
1)ヨーロッパ古代:歴史は繰り返す(全く同じ事象が遠い将来繰り
返される)という円環史観
2)キリスト教後の中世:聖書の記述を元にして、天地創造に始まり、
最後の審判で終末がくる普遍史
3)啓蒙主義の時代:キリスト教の影響を脱し、時間軸は過去と
未来に無限にのびる。同時代のヨーロッパを最先端においた進歩史観
4)19世紀:マルクス史観と、ロマン主義から生まれた歴史主義。
いずれも質的に異なる発展段階を踏んで歴史は発達するとする。考古
学の誕生による先史時代の発見。
という感じ。
以上のいずれにおいても、アジアやアフリカは存在すら認識されてい
ないか、「停滞」の一言で片づけられている。まあヨーロッパ人の
考えることなんかそんなもんだろ。

世界観とか歴史観について書くと、わけのわからない用語や文体が
だらだらと出てきそうだが、著者は極めて平易に(しかもですます調で)
書いており、わかりやすい。重要語句がゴチックになっていたり、
ボックスで補足知識をまとめているのは、ちょっと高校の学参を思い出
してしまった。

現在の我々の思考様式にも、これらの古い世界観が影響していることを
時々発見する。現在は過去の積み重ねの上にあるから、当たり前といえば
そうなのかも知れないけど、ヒトの考え方って言うのは自分で思って
いる以上に制限されているのかもしれないね。
646夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/14 14:38 ID:oWAxa9ug
「現代民話考(1)ー河童・天狗・神かくし」
松谷みよ子 ちくま文庫

「現代に生まれてきつつある民話」を記録するシリーズ。
全12巻のうちの1巻目。江戸末期〜昭和中期までの、河童・天狗・
神かくしの話を集めた物。中心は明治から大正にかけてかな。

河童・天狗・神かくしはもちろん架空の概念であり、実際に
起きたであろう現象を、これらの概念によって解釈した物
に過ぎないだろう。個人的には明治以降日本人は民俗学的な世界解釈を
捨て去っていたと考えていたので、昭和に入っても自然現象を
河童などに託して解釈していた場合があることに驚く。

古い年代の話ほど、物語としての完成度が高くなっている傾向が
ある。まさに、民話が生まれて来つつあるんだろうね。
647夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/16 11:01 ID:dyMWw68X
「現代民話考(2)ー軍隊」
松谷みよ子 ちくま文庫

前巻とは一変して、生々しい体験談の収録が多い。徴兵検査を逃れようと
したり、古兵にいじめられたり、人を殺したり、飢えたり、要領よく
立ち回ったり。「悪人しか戦争を語ることはない。善人は皆死んでしまった」

もちろん、「戦争なのにこんなのんきでええんかいな」っていう
ような話もあるんだけどね。

軍隊は巨大な組織だったし、作戦地域も広大であった15年戦争では、
戦争体験の受け止め方は一人一人異なるだろう。そこから生まれて
きた話が、大多数の日本人の心性を表現する
「民話」となるには、まだ時間がかかるように思う。
648夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/19 00:29 ID:oBPPVeFX

「現代アラブの社会思想」 池内恵 講談社現代新書

ここでいう「社会思想」とは、時代の雰囲気のようなものであると
私は解釈する。全共闘の時代には、世界革命マンセーとか、反米
主義とか、そんな風潮があったらしいが、それと同じ意味での雰囲気。

1963年の第三次中東戦争の敗戦は、アラブ世界に大きな衝撃を
与えた。その後もパレスチナ情勢の悪化や湾岸戦争により、アラブ
人民は閉塞感を募らせていく。その結果流布したのが、次の両極端の
思想である。

・民族的マルクス主義。プロレタリア革命により、問題の解決を図る。
が、過激さが政権当局の反発を生み、問題解決能力も無かったため、衰退する。
・イスラム主義。コーランの教えに乗っ取れば、社会問題は解決する、
というが、コーランの中には社会制度の詳細な規定はないため、各人
の理想を単に投影した物になりがち。

後者のイスラム主義と密接に関連するのが、
・終末思想。イスラム教の定める最後の審判が近いと主張し、審判の
前兆としてアメリカやイスラエルが偽救世主としてなぞらえられている。
現在のアラブの苦境はアメリカやユダヤの陰謀である、という陰謀論
も伴う。

読んでいて頭がくらくらした。以上のような思想がどの程度アラブ人に
共有されているのか、私には判断できない。しかし、著者の言うとおり
ならば、このような問題解決に役立たない(むしろ有害な)思想が信じ
られていることが信じられない。中東問題の解決に対して絶望的な気分に
なる。

著者の文章は明晰でわかりやすい。
649ギルー ◆GombRx.83I :04/07/19 16:10 ID:ltwC/Duy
進まないけれどずっと読んでいるのが『カラマーゾフの兄弟』中、
で、買った本が小松和彦『憑霊例信仰論』
小松左京『果てしなき流れの果てに』
幸田文『おとうと』『父』。

>>648
ほんの少しだけ全共闘をかじった世代なので実感としてあるんだけど・・
宗教を含めた「イデオロギー」には限界があって、
イデオロギーに強く影響されたムードが変わってくると
(これは経済や情報流入等の諸条件で必ず変わる)大多数はその呪縛から
逃れられるとは思う。

読んでないのに失礼。

650夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/21 07:08 ID:JzaUI2wP
「参謀本部と陸軍大学校」 黒野耐 講談社現代新書

明治以来、大東亜戦争までの戦争指導組織を失敗とみなし、失敗の源は
陸軍大学校による幹部養成教育に帰すると主張したいらしい。しかし、
陸大による教育が戦争指導者の養成の失敗とどのように結びついているのか、
という肝心の点について、考察が薄いように感じる。「陸大では戦術
の学習に偏り、高等戦略に必要な人文、社会科学の教育はなされなかった」
結果、政戦両略を大局的にとらえるような世界観や歴史観がはぐくまれる
ことはなかった、ということが、大東亜戦争における近視眼的な戦争指導
をもたらした、ということらしい。

しかし、世界観や歴史観などを考える習慣は、おそらく10代から20代
前半にかけて身に付く物であろう。むしろ、10代から始まる陸軍幼年学校
→陸軍士官学校という軍人エリート教育のほうが有害だったのでは無いだろ
うか。まあ素人考えだけどね。

結局、陸大についても参謀本部についても、事実の羅列に終わっている感が
ある。本書を読む限りでは、日本的な組織のなわばり体質と、井の中の権力
闘争の結果が大東亜戦争の開戦につながったように思われる。著者の狙いと
は違う方向だが。

年号が、全て元号表記であり、しかも「明治」や「大正」を略してある
ことが多いので、わかりにくい。まあ著者のポリシーなんだろうな。
651夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/21 07:25 ID:JzaUI2wP
ギルーさんお久しぶり
カラマーゾフしぶとく読んでますねえ。俺だったらもうあきらめちゃうよ。
三日で通読できない本は読めないな。根気無し。

>宗教を含めた「イデオロギー」には限界があって、
>イデオロギーに強く影響されたムードが変わってくると
>(これは経済や情報流入等の諸条件で必ず変わる)大多数はその呪縛から
>逃れられるとは思う。

御意。でも俺待てないんだよね。すぐあきらめちゃう。よろしくないねえ。
652ギルー ◆GombRx.83I :04/07/21 12:31 ID:K7mF9n52
>>651
カラマーゾフは投げ出そうかと思うと、なんか引っかかる部分が出てきて
投げ出しきれないんだよね(笑
多分最期まで読むと思うよ

どちらかというと、長編好き、
気に入った物語は終わって欲しくない、というタイプ。
指輪物語りも終わりが見えて来たら悲しかった(笑

飽きることはあってもあきらめるということはないかなぁ
面白かったり、気になることは投げ出せない。
毎晩眺めている本は
吉岡幸雄の「のしめ」京都書院アーツコレクション
仕事関連だけどね。
653ギルー ◆GombRx.83I :04/07/21 12:36 ID:K7mF9n52
>三日で通読できない本は読めないな。根気無し。

でも、夜郎さん読むの早いよね。
車通勤になったら、本を広げるのが眠る前のしばらくと
夜中に目が覚めたときだけになって、なかなかはかどらない。
買った小松和彦もすごく気になっていて、歯医者の待ち時間とか
持ち歩いて拾い読みしているんだけど進まない。
654夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/22 07:15 ID:asAXODRK
「現代民話考(3)−偽汽車・船・自動車の笑いと怪談
松谷みよ子 ちくま文庫

第三巻は乗り物にまつわる話である。道具立てが新しいので、収録
されている話も、比較的新しい話が多い。

偽汽車とは、走ってくるはずのない汽車が前方からやって来る
という現象である。えいやとそのまま突っ走ると、偽汽車は
消えてしまって、後には狸やキツネの死体があった、というオチ。
場所が異なるだけで、ほとんど同じ構成である。

船幽霊、難破の知らせなどの話も多いが、これも極めて似通った
話が多い。物語の完成度はかなり高い。極めつけはタクシーの怪談
である。誰もいない夜道で若い女を一人乗せると、いつのまにか女は
消えていてシートはびしょぬれだった、という話が延々と続く。

対照的に、笑い話の方はバリエーションに富んでいる。でも、民話
というよりも雑誌の投稿欄みたいだ(実際に週刊誌の投稿が集録され
ている)。しかし、怪談に比べると絶対数は圧倒的に少ない。

多くの人は自然の力や、暗闇に対する畏怖の心を共有しているので、
それをうまく表現してくれる話に対する食いつきがいいのではないか、
と私は思う。その関心の強さによって、もっともらしく人々が
納得できる話、というのが淘汰、洗練されていくのだろう。その結果
が集録されている話の類似性と完成度の高さの原因ではないだろうか。
655夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/22 07:31 ID:asAXODRK
ギルー様

>どちらかというと、長編好き、
>気に入った物語は終わって欲しくない、というタイプ。
>指輪物語りも終わりが見えて来たら悲しかった(笑

あー。その気持ち分かる。あんまり長いとだれちゃってイヤン、と
思う気持ちとの葛藤があるよ。ちなみに、俺がもっと続いて欲しい、
と思ったのは、「チボー家の人々」です。指輪物語は、最終巻で
潮が引くように終わっていくのが気持ちよかったな。

>でも、夜郎さん読むの早いよね。

うん。早いよ。いらちだから、どんどん先を読みたくなっちゃう。
それこそ昼夜逆転させても一気に読む。今仕事を真面目にしてない
から、やたら時間があるしね。自慢にならないけど。

まあ、あんまり真面目に読書してないよね。ギルーさんみたく
じっくり読んでみたい気もするけど、これも生まれ持った性格
だからねえ。もうこれはこれでいいやと開き直っている。

でも小説なんか読むときには、情景描写なんかあまりまともに
読んでないから、作者から見たら嫌な読者だろうな。その代わり、
気に入った本は何度も読むから許して。
656ギル- ◆GombRx.83I :04/07/23 17:48 ID:zsRSz4rp
>夜郎さん
「チボー家の人々」、面白かったという記憶だけしか残っていないんだよね。
少し前、友人が面白いという話をしていて、大まかな筋も曖昧になっているので
読み返そうかと思って、でも文庫じゃないので重いなぁとか面倒臭がっているうちに
機会を逃してしまった、で又今回、やはり読み返してみろということだろうなぁ・・

>うん。早いよ。いらちだから、どんどん先を読みたくなっちゃう。
「いらち」ってどういう意味ですか?ごめん、聞いた事があるような気がするけど
分からない、どこの地方の言葉?
「せっかち」と考えていいのかなぁ?
面白いと先を急ぐってのは絶対にそうだよね、でも、終りたくないんだよね。

まじめに読んでいるかと言えば全くそんな事は無い、テレビをみるとか
映画を見るとかと同じ感覚かな、画像がない分、自分のファンタジーで
遊べるから制限が無くて楽しい。基本的に物語読みなんだよね。
本で学んでない(笑
ただの悪癖だと思ってる。
そのむかし試験勉強の時間をどれだけ小説読んで消費したか、
これ読んじゃってから勉強しよう、が無限に続く(笑

情景描写は知っているところだと急にリアルになる。
高村薫の「マークスの山」の亀有とか金町第一病院が実際に住んでいた事のある
周辺で、病院の裏口の描写なんかドキドキするくらいリアルだった。
知っている情景以上にもちろん緊迫しているからね。

想像がつかないところだとダメ、
J・Pホーガンの「星を継ぐもの」とか好きなんだけど
地球外の情景描写は「????」許容範囲の狭さを思い知らされます。
657夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/26 12:55 ID:2PC0qADI
「高橋是清自伝(上・下)」 高橋是清 
上塚司 編 中公文庫

高橋是清の52才(日銀副総裁)までの自伝。出生から、日露戦争の戦
費を賄うために、欧米で日本公債を売りさばくのに成功するところまで。
この後、各内閣で大蔵大臣など閣僚を歴任し、226事件の時83才で
殺されている。

だいたい自伝という物は自分に都合の悪いことは書かない物なので、
眉につばをつけながら読んだのだが、波瀾万丈にもほどがある、って
感じの人生だねえ。上巻だけでも(出生→渡米して騙されて奴隷に→
こっそり帰国→教員→芸者遊びのため辞職→唐津でまた教員→大蔵省
→文部省→相場師→農商務省→鉱山開発のためペルーへ→失敗)
(一部省略)で、これでまだ37才だよ。

こんなに色々仕事を変えるにあたっては、「この時、〜に知り合った
○○君からの紹介で・・・」という記述が多い。また、会食などで
同席した人の名前は克明に記してある。人のつながり(要はコネ)は
大事ってことだね。それを考えるとちょっと興ざめ。しかし、これだけ
沈んだり浮かんだりできるのは、コネを生かせるだけの才能があったの
だろう。

何だかんだ言ったが、大変面白い。日本史や経済に強ければ、もっと
面白く読めるだろう。
658夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/26 13:08 ID:2PC0qADI
ギルー様

「チボー家の人々」今は白水社から新書版で出てるよ。巻数を増やして
一冊を薄くしてあるから手軽。俺は昔の黄色い本が好きだけど。高野文子
の漫画を読んでとても懐かしかった。でも今日日の若者は「チボー家の人々」
なんか読まないんだろうなあ。

ちなみに、「いらち」というのは推測通り「せっかち」といった意味です。
関西の方言。

「本で学ぶ」というのは俺はどうでもいいことだと思っている。学べる人は
学べばよいし、楽しく読む人はそれでよし。教科書じゃないからね。読書は
娯楽でしょう。楽しみ方は、哲学的な思索にふけったり、読んでどきどきし
たり、カタルシスを得たり、色々あると思うけど。

情景描写から何を想像するか、というのは、個人差が大きそうだね。ホーガン
の三部作だったら、俺はアポロとかボイジャーの画像から借りてきたような
イメージしか想像できない。でもきっとテキストから情景を作り出すセンスが
ある人、っていうのはこの世に存在するだろうな。

すいません。前聞こうとして忘れてたんだけど、「のしめ」ってなんですか。
659ギル- ◆GombRx.83I :04/07/27 07:26 ID:YAGt84uU
『高橋是清自伝』面白そうだね。

日銀総裁はじめ金持ち関連には絶対になれない方向にしか動きがないけれど
バイト以外だけを数えても職歴の多さはちょいと普通以上なんだ。
一度にいくつかやっているということもあって、興味の広がりで気が付くと
それで少々は稼いでいる(笑

思い返せば、人間関係で増えていっている、
「アイツにこれ勧めたら面白がるだろう」のような感じ。
私の場合はどんどんマイナーな方へ向いていくけど(笑
奴隷から日銀総裁まで上り詰めるってことは強烈な個性の人だったんだろうね。

あらら、チボー家、高野文子繋がりですか。
前出の知人も関西在住で高野文子から入ったみたい(笑
でも高野文子の何からなのかが分からないのですよ。
その時『絶対安全剃刀』を貸してくれて、面白かったんだけど
チボー家に関することがあったかどうかを探すのを忘れている(笑
あと、『るきさん』も読んでいるのだけれどこれも違いますよね?

今時の人読まないのかなぁ?トルストイが読まれるなら
これも面白いと思いますが・・

挫折中の長編では昔の若者が読んだ『静かなドン』というのがあって
ロシアのもので、戦争を繰り返すロシアの歴史を背景にした物語。
気にはなっているんだけどね。
これもハードカバー2段組が障害になっています。厚いし・・

660ギル- ◆GombRx.83I :04/07/27 07:35 ID:YAGt84uU
『のしめ』漢字で書くと「熨斗目」。
武家や能狂言の衣装で室町時代に発生して後には武士の衣装、
袴の下に着る着物、上下が無地で中央に段替わりで格子や絣・縞の柄が入っている。
袴をはくとこの柄の部分はほとんど見えないけれど
美しい柄で現代の柄のベースにもなっており、その種類が多彩。
この柄の部分だけを集めた図柄集です。
661夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/28 07:28 ID:mO/4BSbX
「アメリカNIHの生命科学戦略」 掛札堅 講談社ブルーバックス

NIHと言えば、研究所を持っていたり、グラント(研究助成金ね)を出したり
する、有名なアメリカの組織である。生命科学分野では、アメリカは世界的に
圧倒的な強さを誇っている。その仕組みが科学行政の観点から見て、どのよう
に説明されているのか、興味があって買った。

しかし、はずれです。NIHの組織や研究費配分方式についても書いてあるのだ
が、全体の三分の一ぐらいで、書かれている内容も特に目新しい物ではない。
残りの三分の二は、著者が専攻するガン関係の研究の紹介に費やされている。
これも、もっと上手にまとめている啓蒙書があるだろう。

著者は、44年間アメリカで研究生活を送っている人だが、科学ジャーナリスト
としての才能は無いようである。日本人の科学ジャーナリストの不在はよく
言われていることだが、アメリカに長くいても関係ないのかな。

ブルーバックスの本を買ったのは久しぶりだが、ちょっと大丈夫かな、と
心配になってしまった。若者の理系教養のために、もっと頑張ってください。
662夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/28 07:35 ID:mO/4BSbX
ギルー様

社会は色々組織を作っているけど、究極の所は人と人とのつながりで
持っているんだよね。若い頃は「コネでつながる身分なんぞけしからん」
と思っていたけど(今でも思っているけど)、だんだんコネの実用性
や、重要性も認められるようになってきたよ。でも年寄りになった気が
して嫌だね。

高野文子は、その名も「黄色い本」という、チボー家を読む少女を主人公
にした単行本を書いています。高野文子もチボー家もどちらも好きな人に
は大変お勧めです。

「のしめ」の情報ありがとう。「ノシメトンボ」というトンボがいるんだ
けど、名前の由来がようやく解けたよ。風雅な由来があったんだな。ギルー
さんは織物とか、デザインとか、そう言う関係の人なのかな。
663ギルー ◆GombRx.83I :04/07/28 12:23 ID:RZOpE7f4
「物語が読みたい!!(カラマーゾフ以外の)」という強烈な思いに取り付かれ
夕べから小松左京の「果てしなき流れの果て」に取り掛かる。
が、十数ページで夢の中・・

>>661
講談社ブルーバックスを買った記憶がない(笑
NIHという略語も分からないし、生命科学も・・苦手の分野ですねん。
高校2年で科学・物理・数学・生物の選択を死ぬ思いで何とか終了し
3年の一学期のテストの平均値が学年で一番上がったという実績の持ち主。
理系教養欠落しているのが、コンプレックスです。

高野文子の「黄色い本」はチボー家を指していたんだ。
探してみます。ありがとう。

この島で機織と2chをしている人と訪ねれば私がわかるかも(笑
ここに来て、この修行を始めてから、人のつながりについての認識が変わったとも
言えます。
一口にコネと言うのとは少し違うけれど、
信頼関係が構築されないと教えてもらえない技術がある世界です。
で、その技術の存在も、一代ではなく何代もの工夫の積み重ねの前には
個々人の努力や功績なんてわずかだと言うことが分かった。

のしめとんぼ
http://oppori-photogallery.net/circlegallery/view36.cgi?mode=photo&cno=20&sel=10&sum=14
羽の先の色から来る名前かなぁ?はじめて見ました。
664夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/30 14:19 ID:XlEB+FFo
「現代民話考(4)−夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂」
松谷みよ子 ちくま文庫

死と密接に関係した話が続く。代表的なパターンは、・遠くの知人が
死んだときに夢に現れる、・死に際に火の玉が現れる、・知人を見かけ
たが、その知人は死んでいた、というようなもの。誰もがこれまでに
一度は聞いたことがあるような怪談だが、細部のバリエーションが豊富
である。江戸時代から平成まで、このような話のタネは尽きない。

火の玉と死との結びつきは当然といえば当然だが、夢や離魂と死との
関わりは必ずしも自明ではない。吉事を知らせる夢や、楽しい魂抜け
の話があっても良さそうな物だが、あまり多くない。

・人には魂と肉体がある、という二元論的なとらえ方、及び、
・魂は夢に作用し、凶事を伝える、ということを納得する傾向が
何に由来するのか、興味深い。

数万年前のヒトも葬式の儀礼を尽くしていたことから、人類は一般
的、かつ根源的に魂の存在を信じているのだろう。魂は自意識を説明
するための概念だろうね。多分。さらに、実際には存在しない「魂」
というものが、現実と幻の境界線ぐらいに位置づけされる「夢」に
現れる、と考えることによって、人は不条理な「死」を受け入れや
すくなるのかなあ、と与太話を考えてみました。
665夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/07/30 14:33 ID:exulh60E
ギルー様

小松左京は読んだこと無いなあ。一冊ぐらいならあるかな?
でも忘れてたら同じことだな。俺はフィクション欲求は漫画
ですませちゃうから、あまり最近は小説を読まないんだよね。
「果てしなき流れの果て」というのは眠りにつくのにふさわしい
タイトルだな。

理系学問なんてたいしたもんじゃないよ。大概の分野は、いい先生
に説明してもらえれば、中学生でも分かるようにできている。

伝統工芸の世界は全く未知の世界だ。師匠の家の前に正座して、「入門
よろしくお願いします」と雨の日も風の日も土下座すること
数ヶ月、ようやく門の中に入ることを許されるような、そんなイメージ。
我ながらアホっぽいな。

ノシメトンボはとてもよく見るトンボです。絶対に見たことがあるはず。
でも虫に興味がない人にとっては、トンボは全部トンボだからねえ。
無念。
666ギル- ◆GombRx.83I :04/07/31 08:22 ID:Iwjnqdi/
>師匠の家の前に正座して、「入門
よろしくお願いします」と雨の日も風の日も土下座すること

う〜ん、文章で書くと極端だけど、似たようなものかもしれない
「アンタには教えてもいい」と思われないと肝心な事は教われない世界です。

「果てしなき流の果てに」ごめんなさい、に がついていました。
ほとんどマンガの世界かな、でも面白いよ。
漫画も読み始めるとはまるけど、絵がついている分ファンタジーが限定される
という意味では文字だけの方がいいと思い込んでいます。
なんてね、漫画はすぐ終っちゃうでしょ一冊が、あれがイヤなんだよね。
ようするにしみったれているの私が(笑

小松左京は二冊目。
はじめは「くだんのはは」これは短編集だったけど
かなり面白かった。
で面白かったと40代か50代の読書スレッドにかきこんだら
これを勧められたというわけです。

超常現象はね、軽いものは体験しているの(笑
あるものとしての認識が
最初からある。自分で書いていても間抜けな女子学生みたいだけど(笑
で社会学的な検地から検証してみたいなということで
小松和彦なんだけどまだ手がまわらない・・


667夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/03 07:18 ID:VSa6Vs8Z
「現代民話考(5)−死の知らせ・あの世に行った話」
松谷みよ子 ちくま文庫

前巻に続き、怪談が続く。ちょっとお腹いっぱい。いわゆる
臨死体験(死にかけたら花いっぱいの野原があって、川が流れて
いた、云々)、死の知らせ(知人が死んだときに普段と違う何か
があった)、幽霊の体験談、生まれ変わりの話など。個人的には
「ぼた餅地獄」の話がツボに入った。どんどんぼた餅が出てくるって
いうそれだけの話なんだけど、シュールで良い。

意外に日本人の来世観は古風なのだと認識。特に、人が死ぬと
檀家寺に何か異変が起きるという話が多いのが意外である。私
は特定の寺、もしくは宗教には何の関心もないが、話題提供者
は高度成長期以前に生まれた人が多いからそうなっているのかな。
現在の都市住民が死ぬときにはどんな話になっているのか、興味
深い。

私は来世なんぞない方が良いと願っている。死んでまで色々考えたくは
ないし、何も考えなくて幸福感に浸るだけなのなら、ヤク中にでも
なるが良かろう。
668夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/03 07:32 ID:VSa6Vs8Z
ギルー様

>「アンタには教えてもいい」と思われないと肝心な事は教われない世界です。
ふーん。何でかな。自分が持っている物を世間に広く知らしめたいとか、
思わないのかな。

>なんてね、漫画はすぐ終っちゃうでしょ一冊が、あれがイヤなんだよね。
そうだねー。でも漫画は発行部数が多いから単価は安いよ。でもブックオフ
で立ち読みできるときには立ち読みですませてしまうな。10巻ぐらい
だったらすぐ読めるから。漫画家の皆さんすいません。

じゃあ今度頭を使うのが嫌になったら小松左京でも読んでみるかな。

私はがちがちの合理主義者として、超常現象が無くても心理学、脳科学、
確率論などで世界を解釈できると思っているので、超常現象の存在を
信じようとは思わない。自分自身霊感みたいな物は全くないからね。
でもいわゆる「見える」という人のことを否定する気は無いよ。私には
感じられない、ていう、それだけ。
669ギルー ◆GombRx.83I :04/08/03 16:14 ID:lSv6oFt7
>ふーん。何でかな。自分が持っている物を世間に広く知らしめたいとか、
思わないのかな。

理屈ではそうだね。
その上、自分の技術は自分で獲得した物より、過去からの伝承発展だということも
それを自分の代で終わらせてはいけないとも思っている。
多分、世間一般では受け入れられないというか、
真摯に興味を持つ人がそう沢山いるとは思えないんだろうね。
流通価格はだいたい決まっていて丁寧な仕事をすればするほど
時間当たりの賃金が下がってしまうからね。
消費者の手に渡る価格はかなり高価でも自給に直すと200円くらいになる(笑
丁寧にやれば良いものが出来るんだけど
パチものでも用が足りる、手作業の重要性は少ないので偏屈になっているん
だよね。
でもね、どうでもいいとも言えることなんだけど
風格の違いは確かにある。

霊感というと大げさだけど
たとえば、動物が地震が来るのをわかるでしょ
あれは、さまざまな周囲の変化からこれから来る異変を感じる能力だよね
あれに近いんじゃないかな。認識方法が違う。
飼っている犬が笑っているって言う時に
犬の顔が笑い顔になるんじゃなくて体全体の様子で笑っていると
飼い主はわかる、そんな感じ。
動物に近いといえばそうかもしれないね。

>何も考えなくて幸福感に浸るだけなのなら、ヤク中にでも
なるが良かろう

これには笑った。
だいたい何も考えない状態で幸福と感じるのはどういうことなんだろう?
日々すごく考えているわけではないが死んでも退屈はイヤだなぁ
670ギルー ◆GombRx.83I :04/08/03 16:15 ID:lSv6oFt7
「果てしなき流れの果てに」まだ読んでるよ、
太陽が爆発消滅することになって、人類の種の保存をかけて選ばれた人が
地球外へ脱出し火星に基地を作る、
そこへ人類より高い知能と歴史をもった生物が助けに来たと告げて
人類の叡智をかけた種の保存計画は用を成さないから
一緒に来るようにと助言する。
誇りを傷つけられながらも、生き残りを選択しようとする
という場面、これからどうなるのか、多分大きな山場にさしかかっている・・

途中だから書いちゃったけどネタバレじゃぁありませんように。
671夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/07 06:44 ID:QX2zmnZ1
「くだんのはは」 小松左京 ハルキ文庫

頭を使いたくないので読んでみた。小松左京短編集。私にはいまいち。物語
としてはあまり意外感のないオチが多い。かと言って、何か余韻のような物
が残るかというと、そう言うわけでもない。特に「女」シリーズでは何か
おっさん臭さが鼻についた。聞いてもないのに蘊蓄をひけらかす、
いやらしいおっさん。

折角勧めてくれた本をけなすのは申し訳ないが、正直に書いてみました。
すいません。ギルーさん。

SF板の小松左京スレでは表題作「くだんのはは」は絶賛されているんだけ
どなあ。私もこの短編集の中では良い方だと思ったが、主人公がお屋敷に
行ったところで、だいたいオチが見えてしまった。二段オチも、こんなの
よくあるよねー、という感じだし。くだんを知らない人には意外なのかな。

昔「エスパイ」を読んでいたことを思い出したが、それも特に印象に残って
いない(エロシーンを除く)。多分そんなに小松左京と合わないのだろう。
672夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/07 06:45 ID:QX2zmnZ1
「現代民話考(6)−銃後・思想弾圧・空襲・沖縄戦」
松谷みよ子 ちくま文庫

二巻は兵隊の話だったが、これは兵隊に行かなかった人の戦争体験。
悲しくて嫌な話がてんこもり。十五年戦争が全く無茶な戦争だった
ことを思い知らされる。ぬるま湯生活に首まで浸かっている私は、
とても空襲や引き揚げの混乱を生き抜けないだろう。

思想統制や、隣組の話を読むと、無茶な戦争のために無茶な内政を
しなければならなかったということがよく分かる。しかし、実のと
ころ為政者が意図する以上の働きを大衆が補完してしまう、という
日本人の気質によって無茶な戦争の実行が可能になったのだろう。
昭和天皇が死んだ時の、めでたいことは何をやってもならぬ、という
異様な雰囲気は、隅から隅まで政府が指導したことではなく、
必要以上に自主規制を行った結果生じた物であった。

全体的に女性の体験談の方が印象的である。まあ銃後だからね。数も
多いのかも。ぎゅうぎゅうの汽車で買い出しに行ったり、子供をつれて
一生懸命逃げたり。母は強し、と思います。

気になるのは、話題の元に「赤旗」とか「朝日新聞」はあっても、
「文藝春秋」や「産経新聞」は無い、ということだ。戦争は悲惨な
ものであることは間違いない。しかし、悲惨さを強調した記録は、
悲惨さを無視した記録と同様に有害であると思う。
673夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/07 07:02 ID:QX2zmnZ1
二連投の後で一休み。

>>669
むー。そうか。伝統工芸の世界も大変だな。本物はとても手が出ないような
値段だから、生産者が潤っているかというと、そうでもないんだね。まあ
俺も用の足りるパチ物で満足しちゃうからなあ。風格の違いっていうのは
確かにあるんだろうけど、多くの消費者がそこまでの審美眼を持っていない、
という所で鬱屈しちゃうのかな。

俺に限ってはネタバレの心配無用。すぐに忘れるから。小松左京スレでは
「果てしなき流れの果てに」は名作第一位の評判高いから、きっと面白い
んだろうね。でも俺はしばらく手を出さないです。
674ギルー ◆GombRx.83I :04/08/09 16:26 ID:9ESKFck8
『果てしなき流れの果てに』読み終わったんだけどね・・
後半ダメだったよ、
「くだんのはは」の短編集は私にとっては京都のお金持ちオヤジ感覚は
エスニックでそれはそれで興味深かったんだけど

時空に関するものが苦手というのがまずあるけれど
時空間移動が必要以上に多くて、流れが雑になっている
あと、オチがそんな旨くいくかよと突っ込みたくなる。
で、「くだんのはは」で目をつぶったオヤジ感覚が底の浅さとして
表れている。
構想が壮大なんだけど、だからどうなのよの詰めがちょっと甘い。

これ読まなくて結構。
SF板に小松左京スレあるんだ、覗いて見ようかな。
でも、もうこの人のはよほどでない限り読まない。

675ギルー ◆GombRx.83I :04/08/09 16:34 ID:9ESKFck8
気分転換で読んだ『山の郵便配達』彭見明著
う〜ん、これも私はダメだった。

表現が直接的で感傷に流れすぎ、翻訳がまずいのかもしれない。
676夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/15 14:59 ID:G0ZJPz1J
「現代民話考(7)−学校・笑いと怪談・学童疎開」
松谷みよ子 ちくま文庫

学校におなじみの怪談話を多数収録。誰もいないのに音がするピアノ、
上りと下りで段数が違う怪談、動く肖像、手が出てくる便所、等々。
私自身は自分の学校にまつわる怪談を聞いたことが無いので、怪談の
ある学校が少し羨ましい気がする。

一方、笑い話の方は、先生のあだ名や失敗、生徒のいたずら、昔話の
パロディ等。しかし、2chのネタスレよりも面白くないと思う。他の
巻と同様に、笑い話の方がバリエーションが多い。

笑い話、怪談共に、時代を感じさせる。簡単に言うと、全体的に古くさ
い感じがする。私が小学生の時に口裂け女の噂話が流行した(らしい。
私自身の手の届く範囲では噂を聞かなかった)が、この巻に集録されて
いる話はそこら辺が最前線である。私が生徒であった頃には、学校と
子供の結びつきは、以前よりも弱くなっていたのではなかろうか。現在
学校でどのような話が流布しているのか、興味深い。

学童疎開の話は、前巻「銃後」と重なる内容であるので、省略。
677夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/15 15:01 ID:G0ZJPz1J
「現代民話考(8)−ラジオ・テレビ局の笑いと怪談」
松谷みよ子 ちくま文庫

これまで読んできたこのシリーズの中では、最も気楽に読める巻。また、
マスコミ関係者が多いので、文章が読みやすいものが多い。方言をその
まま聞き書きされると、味はあるけどやっぱり読みにくいからね。

日本でのラジオ・テレビにまつわるこぼれ話集。内容はたわいもないもの
が多いが、ラジオやテレビが最初に導入されたときの人の反応には、普遍
性を感じる。新しいテクノロジーが導入されるたびに類話を生み出されて
いくのだろう。現在も高齢者のパソコン教室では定番の失敗話などあると
聞く。

怪談は、特にラジオ・テレビ局に特有の物を感じない。また、数も少ない。

主題とは関係ないが、この巻は松谷みよ子氏自身の回想が多い。氏は初期の
テレビ人形劇の脚本を書いていた関係で、マスコミと関係があったようだ。
松谷みよ子氏の履歴に関心がある人には少し役に立つかも知れない。
678夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/15 15:09 ID:G0ZJPz1J
また二連投の後で一休み。一週間ぶりのカキコだな。日本は今お盆か。

>>674
そうか。ハズレでしたか。面白い小説っていうのは、ちょっとぐらい
(場合によってはかなり)展開に無理があっても、何か引き込まれて
しまって突っ込もうと思わないよね。「果てしなき〜」にはそういう
力は無かったんだな。

>>675
ハズレ二連発は悲しいね。俺は外国物の方が好きだったので、流麗な
文章よりも、少しごつごつした翻訳の文体の方がなじみがあるよ。ギルー
さんは中国文学好きなのですか。前も読んでたような気がするけど。
679ギルー ◆GombRx.83I :04/08/16 11:47 ID:J1Etqx1e
中国文学といっても80年代、天安門事件あたりに限定ですが面白いです。
古いちゃんとしたのは読んでいません。
とにかく熱い。

残雪のHPです。ちょっと覗いてみて下さい。
http://webclub.kcom.ne.jp/vc/kondo-n/eturan2.htm
ラテンアメリカもののような熱さと不思議さが気に入っています。
私も圧倒的に翻訳物が多いし好きです。
70年代は米文学一辺倒、その後からエスニックですね。
『やし酒のみ』にしびれてからでしょうか(笑

と、ここまで書いて
今年の夏ののりの悪さはエスニックもの読んでないからだ、と気付きました(笑
この島の夏のクラクラ来る暑さには幻想的なシーンが最適なのに・・

今読んでいるのは幸田文の『父』
文体は昭和前半の江戸便でもの言いも美しいのですが父親を看取るという場面
が主で(露伴と自分の父親を重ねるのもなんだかですが)
父親の危篤の状態がよみがえって、胸苦しい気分です。
680ギル- ◆GombRx.83I :04/08/20 07:58 ID:2RXYSy4G
「江戸便」なんて書いたら露伴先生目をむくな・・

幸田文、気に入ってこの夏は何冊か手にしたけれど、この人が面白いのは
やはり露伴あっての事でした。
『幻談・観画談』耳で聞くように文章が流れている。翻訳物は映画を見ている感じかな、
対極なんだけど日本語の単語の豊富さとその流れが心地好い。

幸田露伴に行きつけたのは今年の夏の収穫です。
681夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/21 06:46 ID:9YDvoXdd
「現代民話考(9)−木霊・蛇」 松谷みよ子 ちくま文庫
大木に精霊が宿る話、木のたたり、木を守る話、木にまつわる風習、
等が木霊の話。大蛇、つちのこの話、蛇のたたり、蛇と人との婚姻
の話などが蛇の話。日本人が自然に関わる姿勢が反映された巻。少し
古めの(昭和初期ぐらいまで)話が多い。

温暖多湿な日本では、森林は人々の生活に身近な物であり、生活の
場でもあり、また人の力の及ばぬ場所として恐怖の対象でもあった。
神木やたたりの話が多いの理由は、近代化以前には森林を制御できない
物としてとらえていたことの現れだろう。人の技術への信頼が増すと
ともに、森林は畏れの対象ではなく、守る対象になっていったように
思える。

一方、蛇がなぜこれほどまでに人々の注意を集めていたのか、よく
分からない。大蛇やつちのこに出会った話というのは事実では無い
と思う。それほど大きい脊椎動物がこれまで日本本土で発見されて
いないということは考えにくいからね。しかし、大蛇に出会ったり、
蛇に害を及ぼしたりした者は高熱を発して死ぬ、という話がほとんど
であることから、何か犯してはいけないものの象徴であるように
思うのだが。

どちらにしても、木や蛇にまつわる話は今後の日本では多く生まれない
だろう。日本人と自然との関わりはすっかり薄れてしまった。それが
いいことか悪いことか分からないけどね。
682夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/21 06:47 ID:9YDvoXdd
「現代民話考(10)−狼・山犬・猫」 松谷みよ子 ちくま文庫
送り狼、狼の恩返し、狼にまつわる風習、猫に化かされた話、猫踊りを
見た話、猫のほのぼのエピソード、等。松谷みよ子氏の猫好きが反映さ
れた巻。

狼と山犬の区別は曖昧だが、野良犬は人里から離れないと思われるので
山犬=狼ととってよいだろう。周知の通りニホンオオカミは明治末期に
絶滅してしまったので、それ以前の話が集録されている。日本人は狼に
対してそれほど悪いイメージは持っていなかったようで、狼は頭が良く、
律儀であるという印象を受ける。また、日本人はニホンオオカミの習性
を詳細に観察していたことが、各話から見て取れる。

山猫に化かされた話が多いのは以外であった。イエネコもやはり人里
からあまり離れないと思うのだが、昔の日本にはネコ科の野生動物がいた
のだろうか。特に、山猫に化かされた話は隠岐に多いのが面白い。ツシ
マヤマネコやイリオモテヤマネコのように、オキヤマネコというのが
いたのかな。猫話の半分ぐらいは、家の猫ののろけ話である。私は猫
好きなので面白く読んだが、猫が嫌いな人にはどうでもいいだろうな。

狼は獣とは思えないほど頭がよいが、超能力みたいなものはあまり
感じさせないのに対し、猫は妖怪になったり、人語を話したり、たたっ
たりしておどろおどろしい。そのくせ日本人は古くから猫を可愛がって
いる。「謎が多いが可愛い」という感覚は、現代の猫好きにも受け継
がれていると思う。
683夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/08/21 07:00 ID:9YDvoXdd
また二連投の後で一休み。最近このペースが定着しつつあるな。

>>679
残雪のホームページ一通り目を通しました。俺は文芸批評には詳しく
ないけれども、この人はすごく情熱的に文学と向き合っているように
思えた。現在の日本の文芸批評は、こんなに情熱的ではなく、もっと
冷めた視線を持っているんじゃないかな。実態は知らんけど。でも
小説自体は淡々としている印象だね。もちろん俺は文革なぞ体験して
いないわけだが、何となく郷愁を感じた。

現在住んでいる所はヒスパニックが多いのだが、彼らを見ていると
毎日道ばたでおしゃべりして楽しそうだ。彼らと文学のイメージは
あまり結びつかないなあ。まあヒスパニックと言っても南米と中米、
中米の中でもカリブ海とメキシコは全然違うそうだから、ひとくく
りにはできないけど。

>『幻談・観画談』耳で聞くように文章が流れている。翻訳物は映画
>を見ている感じかな、

いい感じの例えだね。なるほど。
684ギル- ◆GombRx.83I :04/08/21 08:28 ID:aTjfi/2/
蛇はこの辺りでも特殊ですね。よく見るし、家の中でも2回見た事がある。
家に何かあると蛇が現れると今でも信じている。
逆に蛇を見たと言うと注意するように言われる。
実際にハブがいる島では
もっと神経を使っているようです。

>何となく郷愁を感じた

そうそう、これ不思議だけど私もそう。
台湾の侯孝賢の映画など行った事の無い風景が自分の思い出のように
あわられる。風土感覚が近いのだろうか。
すごく近いんだけど、淡々とした中に日本人にはなかなか見られない熱さがあるよね。

ヒスパニックも文学はあるよ(笑
全く違う風土だけどそこで培われた物語の奇想天外さはイイ。
月並みだけど、ガルシアマルケスの『百年の孤独』
もしまだならこれだけは読んでおいた方がいい。
できれば熱い夏にお勧めです。
685ギルー ◆GombRx.83I :04/09/01 11:10 ID:T6Sp2zTV
ブックオフでまとめて買ってしまったので
また幸田文の『おとうと』表紙が着物の柄というのがまず気に入っています。
内容は切ない。
体力的にも精神的にも弱い弟&息子の物語。
父親が偉大だと息子は大変だよねという典型、
最期のあたり「気持ちの中の嫌な物を全部出してきれいになって死ぬ」
という部分、看取りの辛さと覚悟が身につまされた。
686夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/03 14:33 ID:zZGGr7aW
「現代民話考(11)ー狸・むじな」 松谷みよ子 ちくま文庫
タイトルの通り、狸とむじなの話を集録。むじなはアナグマであるという
分類になっているが、地方によってはタヌキをむじなと呼ぶ場合もあり、
本書内では区別していない。狸と並ぶ狐の話は、他の出版社から出してい
るらしく、このシリーズには収めていないとのこと。

狸火を灯したり、怪音を立てたり、人を迷わせたり、女に化けたり、幻
を見せたり、狸もなかなか芸風が広い。しかし、こんなに色々やってい
る割には、どこか憎めない風情で、木、蛇、猫のように、人をたたり殺
したりするようなことはしない。深刻ではない怪異の何でも屋ですね。
狸の人徳(獣徳?)である。

ほとんど戦前の話である。複数の話者が「昔の狸はよく人を化かして
いたが、最近の狸は芸がない」というような話をしている所を見ると、
もう怪異を狸の仕業とするような曖昧な畏れや暗闇が、明治以降の人
と自然の関わりから無くなっていったのだろう。
687夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/03 14:35 ID:zZGGr7aW
「現代民話考(12)ー写真の怪・文明開化」
松谷みよ子 ちくま文庫

ふう。ようやく最終巻だ。写真の怪は、いわゆる心霊写真の話。文明開化
は、明治以降に西洋から導入された新技術に出くわした人々の話。二つの
話題に関連性は感じられない。余ったから二つまとめました、という印象。

私が小学生の頃、心霊写真のブームがあった。午後のワイドショーなんか
で霊能者と称する人が視聴者からの投稿写真を鑑定していたものだ。この
巻の話はそれとほとんど同じ類の物である。時代も最も新しく、ほとんど
が昭和五十年代以降。霊感がある人の心霊写真体験談が続く。個人的には
このシリーズの中で最もつまらなかった。

一方、文明開化の話は、単純な笑い話として面白い。日本人が新しい物
に出会ったときのとまどいが、「あー、こういうのありそうだよね。わか
るわかる。」と素直に共感できる。扱われている事物は、苗字・ざんぎり
頭・郵便・電報・電気・水道など。笑い話の元になった実話はあると思う
が、伝聞を経ていくうちに話として洗練されていったように見える。
688夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/03 14:36 ID:zZGGr7aW
「現代民話考」総評
折角十二巻全て読んだので、最後に独り言を。

・現代民話について
結局、「現代民話」というのは、何なのだろうか。松谷みよ子氏は明確に
定義していないようなので、読み進めればわかるだろう、と思って通読
してみたが、やはりよく分からなかった。私のイメージでは、民話とは
「実体験や錯覚を元にした物語が、伝聞によりある程度の数の人々に共有
されたもの」というものではないかと思っていた。従って、直接の体験談
は民話ではないと思っていた。そうじゃなければ、私達が日々語る体験談、
噂話、愚痴など、全て民話になってしまう。話が「民話」となるためには、
その話が語られっぱなしではなく、多くの人々の心に残って語り継がれて
いなければならないのではないか。

しかし、「現代民話考」に集録されている話は、家族レベル、村レベル
で共有されている話ばかりではなく、全くの個人的な体験を多く含んで
いる。特に、戦争関係の話にそれが多い。個人的な体験も民話である、
ということならそれでも良いが、その場合歴史上に現れなかった大衆
の心象の反映が民話になっているわけではない。体験談が語り継がれる
のは、当時の人々の心に何か訴えかける物があったからであろう。しかし、
語り継がれなかった個人的な体験は、その個人の心象を表しているに
過ぎない。強いて言えば、その話を取り上げた松谷みよ子氏の心象に
かなった物である。そのような話を「民話」と銘打って一般化して語る
ことには、違和感を感じる。
689夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/03 14:38 ID:zZGGr7aW
「現代民話考」総評 続き
・資料性について
「現代民話考」には、膨大な聞き書きが収められており、これだけの
話を収集した松谷みよ子氏は尊敬に値する。話者、地名と年号が多く
の話に付記されているのは、私にとっては面白かった。明治〜昭和に
かけて、「このような話が存在した」という貴重な資料になるのでは。

ただ、残念なことに調査方法についてあまり詳しく書かれていない。
(四巻の後書きに少し触れてある)あまり体系的な意図を持って収集
したわけではなく、松谷氏の知り合いや、日本民話の会の会員を通じ
て話を集めたようである。しかし、そのことによって、集録された話は
ランダムなサンプルではなく、偏りのあるサンプルになっているように
見える。例えば、ざっと見た感じでは東北、関東、長野、高知の話は
充実しているが、山陰や九州各県から収集された話はあまり多くない
ようである。これでは、あるモチーフの地域的な広がりといったような
ことはあまりよく分からない。もう少し話の収集源を多く取っていて
欲しかった。
690夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/03 14:39 ID:zZGGr7aW
「現代民話考」総評 まだ続き
・世界観の鏡としての物語
物語としては単純な話が多いのだが、小ネタ好きの私には読んでいて
面白かった(私は2chのネタスレが大好きである)。特に、妖怪や
動物(河童、樹木、狸、狼、猫など)の話からは、日本人が比較的
最近まで自然をどのように捉えていたのか、ということがうかがえて、
興味深い。明治維新から戦争、高度成長を経て急速に日本人の自然観
が変わってきたことが分かる。交通手段、電気、水道などの発達に
より、人は自然に翻弄される物ではなく、支配する物という認識に
なっていったのだろう。

一方、魂や幽霊の話に代表される、日本人の死生観は激動の時代を
経ても以外に変わっていないように思える。もちろん時代によって
道具立ては異なるが、死後の世界を漠然と信じており、生者と同じ
ように死者の魂は人格を持っている。人が死ぬ定めである限り、生
者の思う死生観はあまり変化しないのかも知れない。医学がもっと
発達して、不老不死が実現したら、その時には死生観に関わる民話
は大変化をするのだろう。まあ実現しそうにないが。
691夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/03 14:53 ID:zZGGr7aW
ふう。久しぶりに書いたら5連投もしちゃったよ。全部長いし。
もう少し短くまとめるように心がけよう。

>>684
>蛇はこの辺りでも特殊ですね。
南西諸島もそうなんだ。蛇神信仰は結構普遍的なのかなあ。
確かに家屋の近くにいることが多いし、ネズミなんかを食べてくれる
けど、それならイタチでもいいじゃん、と思う。

>月並みだけど、ガルシアマルケスの『百年の孤独』
>もしまだならこれだけは読んでおいた方がいい。

百年の孤独は、気になる本リストのなかに常に入っているんだけど、
まだ手が出てない。今度純文学気分が到来したら読んでみよう。もう
暑くなくなっちゃうけど。

>>685
ギルーさん最近幸田家の思うつぼにはまってるな。でも面白そうだ。
日本文学気分というのはなかなか来ないけど、気になる本リストに
追加。人の書評を見るのは楽しいね。

もう民話は二十年分ぐらい読んだ。しばらくいいや。また頭使わない
本を読もう。
692ギル- ◆GombRx.83I :04/09/05 13:47 ID:JrDqtJAX
個人的な体験の蓄積が同時代の民話に転化していくんだろうね。

そう、幸田家の思う壺にはまってる(笑
昨日読み終わったのが幸田文の『流れる』芸者置屋ではたらく素人の女性の物語。
身のこなしとか話し方などにも玄人臭がありこれがめずらしいという立場から
書いているんだけど、
これが珍しいという素人としての立場すら興味深い。

買いだめてあるので
引き続き『月の塵』幸田文、これはエッセイ集。

そうそう、時々車に轢かれて伸びているマングースも見るよ。
黍を食い荒らすネズミ対策で何処からか持ち込んだものが繁殖したらしい。
蛇よりひょうきん者の顔をしている。


693夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/06 13:59 ID:rmFGabOo
「宇宙の戦士」 ハインライン R. A. ハヤカワ文庫
内容を一言で要約すれば「宇宙二等兵物語」(解説より)というこ
とに尽きる。何となく軍隊に志願した若者が、鬼軍曹によって鍛え
られ、一人前の兵隊になる話。このように書くと実もふたもないが、
私は面白く読んだ。まあ普遍的な成長物語だね。

この本の特徴は、巻末の熱い解説(群)である。ハインラインはこ
の小説で、愛国心と軍隊賛美を強く打ち出している。それが色々な
人の心を刺激したらしい。私は、ハインラインは軍隊にいい思い出
があるのだろうな、としか思わなかったが。

ハインラインの主張は、あまりにも無邪気すぎて特に反感を感じる
ほどではない。これはある種の軍隊ユートピアが描かれているだけ
で、ハインラインの底抜けの楽観主義の産物である。まあ中学生ぐ
らいの子が本気に受け取ったら嫌だが、成長したらそれで済むん
じゃないのかな。この小説の面白さは、軍隊ユートピアには汚さや
疑問が一切存在しないので、カタルシスを得やすい所にあるのだろう。
694夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/06 14:15 ID:rmFGabOo
>>692
>個人的な体験の蓄積が同時代の民話に転化していくんだろうね。
うーん。そうかな。個人的な体験は無数にあるけど(今日の行動を
詳細に記述するだけでも膨大な量になるだろう)無数にある体験
からいくつかの物が取捨選択、編集されて、人口に膾炙していく
わけだよね。世間で語られるためには、そういう何らかのふるいに
かけられなければいけないわけで、そのふるいが、その時代
の人々の心性であると思うのですよ。ただ蓄積されるだけではなく、
ふるいにかかったかどうかが重要。
俺が現代民話考を無条件で褒めない最大の理由は、話の「ふるい」
が人々の心性なのか、松谷氏の個人的な好みなのか、はっきりしない
所だ。
695夜郎 ◆GNYjzf1L3A :04/09/06 14:25 ID:rmFGabOo
くそったれ。また長々書いちまったよ。

>>692続き
>これが珍しいという素人としての立場すら興味深い。
そうなのか。まあ俺の両親ぐらいの年であっても、俺から見たら
「これぐらいの世代の人はこういう風に考えるんだねー」
と思うことがあるぐらいだからな。日本人は明治維新と戦争という
二大激変期を経て変わってきたわけだが、将来俺の孫の世代の人は、
やはり同じように思うのかな。何となく今のままの生活が後百年ぐらい
続きそうな気がするけど。

マングースねえ・・・彼らには罪はないが、南西諸島で繁殖するのは
勘弁して欲しかったよ。でもハブがいない島にもマングースは導入
されたんだな。
696ギルー ◆GombRx.83I :04/09/08 11:42 ID:J0rzkNDR
>>694
まったくそのとおり。無条件に蓄積していくわけではありませんね。

ハインラインは『夏への扉』と後もう一つ読んだことがある。
確かに文句のつけようのあるストーリー展開とも言えるけど、
気楽に漫画を読むような楽しいひと時でもあるんだよね。

>何となく今のままの生活が後百年ぐらい
続きそうな気がするけど

変化ということですよね。
人生そのものが中断してしまうような激変は政治や外交が
ある程度成熟してくると無いかもしれないけど、
認識形態の変化というか、情報の変化による影響はもろに受けているよね。

パソコンや携帯の普及のことを言っているんだけど
これが無かった頃というのが20代半ばまであったんだけど、今と全く違っていた。
特にコミュニケーションにおいて。

別スレでドストや露伴・漱石クラスの人はもう現れないかということに触れたんだけど
この情報量の多さによって個人の中に蓄積される情念みたいなものが
違ってきているのかもしれないとも思うんだよね。
表現するに至るまでのパワーの蓄積が薄まってしまう。

個々が決定的に変わってしまうような大きな変化に晒されることは
あると思うよ。
それをたいした変化ではないと言う事もできなくはないが・・
697ギルー ◆GombRx.83I :04/09/13 15:40:48 ID:m0/O0OnV
売ろうと思って整理していて読みふけってしまったのが
上野千鶴子『ミッドナイト・コール』
新聞に連載していたので本では読んでいなかった。

父の物を移した時に入っていたもの。考えて見れば上野千鶴子のもの
4.5冊は父の本で読んでいる。確かにそれらを父が読んだ形跡もある。
「支配的・暴力的な男性性を問い直す」ということを父がどれだけ理解していたのか
母との関係を見ても、骨壷取り出して灰に向かってでも聞いてみたい。
同年代ではごくまれにいる、30代20代では時々いる、でも父の世代、
教育勅語で育った人たちは、絶対にわからなかったと思う。
698大人の名無しさん:04/09/26 12:36:23 ID:HEJ7bffA
毛沢東語録

領導我イ門事業核心力量是…
699ギルー ◆hUJpn0lEjk :04/09/28 10:05:27 ID:4poDVrff
幸田文『月の塵』
没後に編纂されたエッセイ集。鋭い考察もあるけれど
全体として緊張感に欠ける。
それとも食傷気味になったこちらのせいかな。軽めの随筆なのに
読むのに時間がかかってしまった。
幸田文まだ一冊買ってあるけど、佐多稲子の『私の東京地図』
を読み始めた。
700ギルー ◆GombRx.83I :04/10/06 15:39:44 ID:OOYRruDQ
佐多稲子の『私の東京地図』読み終わる。
プロレタリア文学というより、大正時代(子供時代)の上野・浅草の
祖父母の話にしか聞けない町の雰囲気が面白かった。
貧しさからくる侘しさと時代の侘しさがあいまって独特の
町の匂いがした。
後半の市谷以降は前半のみずみずしさが失せているように思える。
701大人の名無しさん:04/10/10 17:27:07 ID:oTqfDd4X
塩野七生『ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以降[下]』
文庫でフォローしているので単行本ではまだ5冊目なんだが、
結構面白い。今月末に出た後は単行本に手を出すか…
702大人の名無しさん:04/10/11 03:06:26 ID:q9U8Fhks
ここしばらくナニを思ったのか横溝正史にハマってしまってずっと読み込んでた。
先日いまさらながら「八つ墓村」を読了したら友人から「面白いのがあるよ〜」とメール。

というわけで

岩井志麻子「夜啼きの森」(角川ホラー文庫)を読了。

夜に読む本じゃないよ…これ…。
岩井志麻子が岡山の人なんで岡山弁は見事でしたが。
読了後、ちょっとぞっとした。
703ギルー ◆hUJpn0lEjk :04/10/12 14:38:48 ID:OY0nk3KV
>>701>>702
書き込みホッとしました。これからも宜しくお願いします。

今格闘中『カラマーゾフの兄弟』中巻
ドミートリィが父親殺しの容疑で取り調べを受けるところまで。
まだまだ先は長いぞ。
納期に追われて極端にトーンダウンしています。

年上の知人からの課題図書(ほ〜く少年風味)
『神々の戦争』も2ヶ月持ち歩いたまま・・
704ほ〜く少年 ◆YeHoOrKBOY :04/10/12 23:23:31 ID:z8EjqD1m
召喚されますた。
きょう読んだ本ではありませんが、ご報告を。

ドロシー・L・セイヤーズの『ナイン・テイラーズ』。
イギリス黄金期の代表的ミステリーであるにもかかわらず、
なぜか長らく翻訳がなかったという「伝説的」代物。
創元推理文庫で刊行後6年にして初めて目を通しました。

“殺人の”トリック自体は、子供向けの「探偵小説入門」といった類の書物には
まあ間違いなく収録されているほど非常に有名であります。
が、How done it?のネタバレを差し引いても、
じゃあいったい誰にそれができたのか、だけで十分に楽しめます。

ぼくは充分すぎるほどそのトリックを知っていたにもかかわらず、
それが序盤で既に実行され、ストーリーがとっくに進んでいることに
しばらく気づかなかった、という有様。いやはや。
ただ、教会だあ、鐘だあ、つーのにアレルギーがあると読みづらいでしょうが・・・

さて、次なる課題図書。
綾辻行人『暗黒館の殺人(上・下)』、2冊あわせて1300ページ。
挫折することはないと思うけれど、年内に読みきれるかしらん?
705ギルー ◆hUJpn0lEjk :04/10/13 20:57:32 ID:/wVOl0B4
>>704
早速ありがとうございます。

綾辻行人、面白ければ1000や2000は一瞬です(ほんとかよぉ?)
頑張ってください。
706ギルー ◆hUJpn0lEjk :04/10/17 00:16:26 ID:LW84fuao
『神々の戦争』大高未貴、終了。
中東問題、政治的イデオロギーの違いと利害関係、宗教の違い、貧困のための低い識字率など
が複雑にあいまって、解決の糸口が見つからない現状をルポしている。
入国するだけでも困難な地域でかつ危険をともなう旅ではあるが、
どこか、「行った・見た・話を聞いた」だけの安易さを感じる。
話し言葉に近い文体のせいだけではないよう気もするが・・ 


707ほ〜く少年 ◆YeHoOrKBOY :04/10/17 18:23:06 ID:n8J/C7Qw
ちょっと本屋で立ち読みしてみた。

『花緑の落語江戸ものがたり 〜師匠小さんの思い出をたどる』。
去年の発行だけれど、落語にそれほど興味のない人にもオススメ。

綾辻は、ようやくきょう読み始めますた。まだ100ページほど。
それが終わったら柳家花緑の本を買って読むことにする。
こんなふうに課題図書は増えて行くわけである。やれやれ。
708ギルー ◆hUJpn0lEjk
深夜『カラマーゾフの兄弟』中巻終了。
買ってあった下巻を求めて家捜し、どこに置いたかすっかり忘れているw

探索中に中野美代子編の『中国怪談集』を手に取り
魯迅の「薬」を読む。
その後キッチンのレシピ本のあたりで『カラマーゾフ〜』下巻発見。
魯迅から移行するとカラマーゾフ、翻訳が荒く感じる。
流れは上巻よりスムーズなのでこのまま進むけど。