2 :
タク:03/02/28 20:49 ID:4Ai2qFB8
ここしばらく、仕事の資料を眺めているので、何も報告できない。
ワクワクするような物語が読みたい。
3 :
タク:03/02/28 20:50 ID:4Ai2qFB8
しまった2ゲットでした・・
一応、保守します。
新潮文庫『蜘蛛の糸・杜子春』(芥川龍之介)より
「蜜柑」「魔術」「犬と笛」「猿蟹合戦」「トロッコ」など
文学板のおもしろそうなスレなどを読んでいて、いわゆる名作とされる
作品などをできる限り読んでおきたい気になり、とりあえずブックオフに行って、
文庫の100円コーナーにある名作とされるもののうち、未読のものや
自分で本を持っていないものなど10冊ほどを買ってきました。
「蜜柑」は、30年近く前に読んだはずなのですが、その後、
一度も読んでおらず、内容の記憶がないので、また読んでみました。
「魔術」は、途中のセリフ「オバアサン、オバアサン・・・」で、
オチを思い出しました。
「トロッコ」を最初に読んだのは、学研の科学・学習の夏休みの
読み物特集号だったと思います。この作品は、よく憶えているので
ところどころを拾い読みしただけですが、いつ読んでも、
心の動きを実にうまく表現した小説だと感心します。
6 :
タク:03/03/10 10:16 ID:DrHCgnGp
白州正子『日本のたくみ』モノをつくるだけで満足できる瞬間ってたしかに
あるよなぁと思うしその境地に早くなりたい、
と同時にそれだけで食っていけるのはめったに無い幸せだよとも思う。
贅沢は言わない、喰えて、多少本を読む時間さえあればそれで充分。
ヘミングウェイ『老人と海』(新潮文庫、福田恆存・訳)
ほぼ前半部分(大魚が姿を見せるあたりまで)
ストーリーその他、読んでなくてもよく知っている人は多いでしょう。
私も、20年以上前にテレビのロードショーで映画を見たことは
ありましたが、原作を読んだことはなかったので、ブックオフで他の
いろんな100円文庫と一緒に買ったのを機会に読んでみることにしました。
大魚がかかってからの描写は、さすがにぐいぐい読ませるものがあります。
『老人と海』
昨日の残り。
期待した割には、なにか物足りない感じも。
想像していたより軽く読めてしまったせいなのかどうか・・・
昨日寝る前に
『拝啓 マッカーサー元帥様』第二部まで
10 :
タク:03/03/12 11:37 ID:ErFHgNXA
吉岡幸雄『のしめ』
格子柄を眺めているうちに眠ってしまった。読書とは言えない。
11 :
大人の名無しさん:03/03/12 17:05 ID:+FfrT9/z
「ヤクザに学ぶ圧倒的交渉術」
まだ3分の1くらいしか読めてないけど
交渉ばかりしている仕事ならともかく、
実際カタギの仕事に役立つかというとどうだろう・・・
12 :
山崎渉:03/03/13 11:54 ID:PeuSWTxZ
(^^)
昨日、いったんは『有事法制批判』(憲法再生フォーラム/編)という
岩波新書の先月の新刊を読み始めたのですが、書店に行ってみたら、
話題の『戦争中毒 アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由』が
あったので買って、こちらを読み始めてしまいました。
今日は、中身をまとめる時間があまりないので、続きを読んでから
まとめて報告しようと思いますが、
アメリカの政治経済や外交政策(というより他国への介入か)などが
いかに軍需関連産業の支配下にあるかということを、マンガという
きわめて楽に読める表現方法でまとめた本です。
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=31044557 新聞やネット上で見た表紙のイメージから軽い内容の本かと思って
いましたが、想像した以上に中身の濃い、まじめな本なのです。
14 :
大人の名無しさん:03/03/14 12:13 ID:KPsKFSa4
急にまた本が読みたくなって、近所で買ってきました。
面白半分で「マーフィー」でも読んで見ようかと。
しかし結局買ったのは
「人生は論語に窮まる」
「話を聞かない男、地図が読めない女」
「墜落遺体」
の3冊。
とりあえず、論語から読んでます。
原版は文章が難しくて時間が掛かるが、これならいけるはず。
15万人のイラク人(その圧倒的大多数は非武装の民間人)が
死亡したと推定されている1991年の湾岸戦争について、
著者は、「だれが勝者だったか?」ということを考察しています。
まず挙げられるのが石油会社。投機と価格操作でガソリン価格を
つり上げ
莫大な利益を得た上に中東の石油供給を以前より強く掌握できるようになりました。
それから銀行家たち。約9兆ドルの中東石油の売買による収益が
アメリカやヨーロッパ、日本の銀行を潤しています。
それに建設請負業者。クウェート再建のための1000億ドルにのぼる
受注契約のほとんどは、ベクテル、ハリバートン、AT&T、モトローラ、
キャタピラーなどのアメリカの巨大企業が独占しました。
それから直接の軍需産業、すなわち、ゼネラル・ダイナミックス、
ゼネラル・エレクトリックス(GE)、ボーイングその他の経営者たち。
まあ、言ってしまえば「死の商人」たちですね。かれらにとっては、
ミサイルや弾薬がイラクにふりそそぐこと、つまり兵器の消費は、
すなわち自分たちの儲けがどんどん増えることを意味しているわけです。
さらに、外国でのアメリカの武器の売上高は、1989年の80億ドルから
91年には400億ドルにはね上がりました。
マイケル・ムーアの『アホでマヌケなアメリカ白人』にも書かれていましたが、
アメリカでは今、教育関係の予算の不足から、学校にトイレットペーパーを
備えるためにPTAがバザーをしなければならないような状況で、
数百万人が薬物中毒やアルコール中毒に冒され、ホームレスは増え、
地域社会が荒廃しています。その一方で、空母の維持費としては1隻あたり
年間10億ドルもが国家予算からつぎこまれているわけです。
この10億ドルという予算があれば、1万7000軒の家が建てられます。
また160万人の妊婦を無料で定期検診して数千人の赤ちゃんを救うことが
できます。薬物中毒などの集中治療を30万人以上の人に施すこともできるし、
栄養失調の児童50万人に1年間毎日3食の食事を与えることもできるのです。
しかし、実際に政府が金をつぎ込むのは、多くの人の福祉などのためではなく、
ごく一部の人の利益のためなのです。
その他、テレビなどのマスコミが大企業に所有されていて、いかに都合のいい
報道がされているかといったことも指摘されており、「戦争で儲かるのは
だれなのか」ということを多くの人が考えないようになっているのも
無理のないこと(しかし、そのままでは困ること)とうなずけます。
本の終わり近く、著者は、読者に対して問いかけています。
「この戦争中毒が、アメリカ国民、そして全世界の人びとをいったい、
どんな目にあわせているのか?」
「いったい、それはいくらかかるのか?」(1分間に100万ドル)
「もうけるのはだれだ?」
「支払うのはだれだ?」
「そして、死んでいくのはだれだ?」
「そのことを考えてみよう。そして、あなたも何かできることをしよう。」
と著者は言います。
最後のコマで「戦争中毒患者を追っ払っちゃえ!」というセリフに対し、
登場人物の子どもが「でも、どうやって?」と問いかけ、母親が
「それはこれからいっしょに考えていきましょ!」と言って、この本は終わっています。
確かに、「戦争が何者の利益のために行われているのか」を理解することは
できても、どうやってその者たちを「追っ払う」かは簡単なことではありません。
それでも、このような本を読み、そこに書かれていることを理解する人が
一人でも増えることが、戦争で自分や身近な人の命を失ったり
家や大切な財産を奪われたりする人のより少ない世界を実現していくことに
つながるはずだと私は考えます。
こうそつの30だいです。さいきんぼくもほんをたくさんよみます 。
今日はぱうろなんとかという人のアルケミスという本をよんでいます。
20 :
タク:03/03/14 21:14 ID:WvRIJ5PD
歯科で「あと一時間は食べないで下さい」と言われ、治療が終ったのが11時50分。
空腹を意識しないためには、本屋に限ると古書店直行。
岩波新書の『江戸時代技術史』の上下購入。そばの棚に『家族・私有財産・国家の起源』
岩波、国民文庫、大月と3冊揃っているのを発見。あなどれないなぁこの本屋と
岩波を購入。
家で連合いが『・・・国家の起源』に「カッコつけてない?」とするどい指摘。
「内容殆ど忘れてるし・・今読まないと、もう読まないかも・・ゴニョゴニョ・・」
21 :
タク:03/03/14 21:55 ID:oI5LYLVJ
>>19 読書に学歴は関係なし。私の読書指南役の年若い友人も確か学校は高校まで。
「公教育には全く期待できません」とすごい勢いで読書し続けています。
知識の量は全くかないません。
『アルケミス』無事読み終わりましたら、ご紹介下さい。
22 :
大人の名無しさん:03/03/15 20:06 ID:0U9aIuI2
立花隆著「田中角栄研究」
昔読んだ本だが、読み返してみた。
23 :
大人の名無しさん:03/03/15 21:45 ID:Xl02HUwe
奇遇ですね。
私は今日立花さんの「精神と物質」を読みました。
同じく、昔読んだ本を読み返しました。
これは毛利さんがノーベル賞をもらった時のインタビュー中心です。
肌に合わない本てないですか?期待して読み始めてみたがなんか違うとか。
そんなとき最後まで読みますかそれともやめちゃいます?
25 :
大人の名無しさん:03/03/16 00:35 ID:h2jGMm1c
ムリして最後まで読みます。
しかし、二度は読まないな。
26 :
タク:03/03/16 11:13 ID:0wbiSchQ
>>24 もちろんありますよ。合わないものの方が量的には多い。
選んで買った中にもそんなのばっかり。無理は、購入代金の無駄の上に
時間の無駄を上塗りしているようなものです。
そんなあなたに孫紹介ですが
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1046777032/l50 と、云うわけでということではないのですが
『家族・私有財産・国家の起源』をブツブツ云いながら読んでいると
連れ合いが岡本太郎の『今日の芸術』を勧める。
岡本太郎はオブジェはいいものがあるけれど、あの絵の前で「爆発だぁ」といわれると
なんだか怪しいオヤジですが、文章は旨い。多分絵よりも。
『今日の芸術』といっても40年以上前に書かれているけれど
「自己疎外」という問題から、義務づけられた社会生活(労働)の中で
遊ぶと言うことを生命の輝く全身的な充実感と生きがいの感じられるものに
しなければならないと説く。他者の価値観でなく、自己の発露である芸術(楽しむ
瞬間)の必要性と楽しみ方が書かれている。
自己疎外の説明は、エンゲルスよりも今日的で面白い。
こっちを先に読もう(笑
前スレの最後で、芥川龍之介が自殺した頃の社会的背景について調べた際、
古書チェーン店の棚に、中央公論社の『日本の歴史 23 大正デモクラシー』を
見つけ、その本の中で、芥川龍之介の死についても項目を立てて書かれていたので、
100円(!)だったこともあり、買ってみたのでした。
興味のおもむくままにところどころ拾い読みなどしていますが、
デモクラシーや社会主義の思想が盛んになり、労働運動などが高揚する
この時代については、学ぶべきことが少なくないようです。
買った後で知ったのですが、この中央公論社版の『日本の歴史』第23巻の
著者である今井清一氏は、あの岩波新書の『昭和史』を著した三人のうちの一人で、
つまり、この本は、『昭和史』の冒頭部分を詳述したものにあたるのでした。
これまでに読んだ部分で興味深かったのは、関東大震災後に混乱に乗じて
社会主義者や朝鮮人が井戸に毒を入れたり暴動を計画したりしているという
流言が広まり、かれらが不当に弾圧され虐殺された事件についての記述です。
>冷静に考えてみれば、荒唐無稽な話である。震災の混乱のなかで、朝鮮人
>だけが連絡をとって暴動を起こせるはずはない。寺田寅彦も述べているよ
>うに、かりに市中の井戸の一割に毒を入れ、いちど飲んだだけで人を殺す
>かひどい目にあわせるだけの濃度にするとしたら、はたしてどれだけの分
>量の毒薬がいるか、市中のめぼしい建物に片っぱしから爆弾をなげこむと
>したら、どれほどの爆弾と運搬の人手がいるか。それだけの爆弾や毒薬を、
>震災がおこった瞬間にどうして調達できるのか。
しかし、当時は、この流言を利用した警察の行動もあって、多くの
人がこれを信じ込み、朝鮮人に対する迫害・暴行に走ったのでした。
不確かな情報の氾濫と冷静さを失った民衆のヒステリックな反応という点で、
この事件は、現在でも忘れてはならない教訓を残しているように思います。
>>24 私は、「これは会わないなぁ」と思った本の場合には、無理せずに
読むのを中断して、他の本に移ることが多いです。(ただし、そんなふうに
感じる本を読み始めてしまうことは、そう多くはありませんが。)
なにしろ、読むつもりで買ってあるけれど、まだ1行も読んでいない
なんていう本もたくさんありますから。(笑
>>26 >岡本太郎の『今日の芸術』
amazonの紹介文も読んで見ましたが、実におもしろそうな本ですね。
>前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、
>うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあ
>ってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常
>に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失わ
>れた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければな
>らない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。
>絵!!画の世界でよくある「机の上においてある傾いたリンゴ」や「豪
>華なシーツに寝転がっている女性の裸体」なども、典型的なパターン
>ですが、日常の生活の中でこんなふうにわざとらしくリンゴをおいた
>り、ましてや女性が素っ裸でよこたわることなどあり得ないわけです。
>彼は、ヨーロッパやギリシャの肉体賛美の伝統がその根底にあり、そ
>の時代には意味があったが、日本には襖や障子もふっとあけられて、
>すぐに「のぞき見」されてしまう。したがって、日本人がそういうも
>のをみて感激するのはブランド信仰に他ならないと..
29 :
大人の名無しさん:03/03/16 17:59 ID:lHHtKbnA
吉田戦車の「殴るぞ」
30 :
大人の名無しさん:03/03/16 18:16 ID:B+4myXp6
マンガもあり?
ならば 中川いさみ「カラブキ」
岩波新書『有事法制批判』(憲法再生フォーラム編)を少しずつ読んでいます。
カバーの折り返しの言葉によれば、以下のような本です。
>「備えあれば憂いなし」の掛け声のもと、立法化が進む有
>事法制。これは、本当に私たちの安全を守るものなのか。
>立憲主義の精神はどうなってしまうのか。日本国憲法の価
>値を擁護し発展させる活動を続けるフォーラムが、有事法
>制の背景・しくみ・問題点を徹底検証。有事法制を根底か
>ら批判し、平和主義を生かす道とは何かを提示する。
32 :
大人の名無しさん:03/03/19 01:30 ID:dqhgrI3H
久しぶりに本の板に行ったら「竜馬がゆく」関連のスレ発見。
今までは、夫が持っている小説は小バカにして読まなかったけど
見事にはまってしまいました。
面白いね、この小説。
『禁じられた遊び』のつづき
「牛乳コーヒー」というのは、もしかしてカフェオレのことか?
などと思いつつ読み進めています。
35 :
大人の名無しさん:03/03/21 14:09 ID:KYAtyQFd
吉田戦車 『いじめてくん』
『禁じられた遊び』を読了。
映画はテレビで2度ほど見た気がするのですが、いずれも10年以上
(へたをすると20年くらい)前のことなので、場面の印象が強く
ストーリー自体はよくおぼえていませんでした。
背景にあるキリスト教文化についての理解があるとまた印象も
違ってくるのかもしれません。
明日から『ジョニーは戦場へ行った』を読むことにします。
37 :
大人の名無しさん:03/03/21 22:33 ID:p/OOSaPs
竜馬がゆく2巻突入しました。
38 :
大人の名無しさん:03/03/22 17:40 ID:R8FHerez
「ニホン語日記(2)」井上ひさし著
外来語風の和製英語を連発して喜んでいる三馬鹿は、お役所と旧国鉄、それに軽薄な企業と
昔から相場が決まっているが、(中略)
とりわけ日本語では、助詞をつけさえすれば、どのような単語であれ、それぞれその場所に
ゆったりと落ち着く。どんな単語が入ってこようと助詞のおかげで文法は崩れない。たとえ
妙チクリンな外来語風の和製英語でも、日本文はやすやすと受け入れるのである。(中略)
たとえば、ニーズがそうだ。なぜ、必要や要求や需要ではいけないのだろうか。少し長ったらしい
にしても、「消費者の需要」で悪いのか。ポリシーも「政策」でいい。あるいは、「原則」「方針」
でよろしい。国際ハブは国際拠点で、ミニマム・アクセスは最低輸入量で、リゾートは保養地で、
なぜいけないのだろう。農業センサス・工業センサスなども、全数調査、変動調査でよいではないか。
(中略)
グリーン車だの、シルバーシートだのといった、自分勝手な外来語風の和製英語が多いから閉口する。
さきほどのグリーン・ツーリズムにしても、少なくとも筆者の所有する英和辞典や英英辞典には載っていない。
つまり、わたしたち日本人は、どこかで通用するかのような幻想を抱きながら、どこにも通用しない
カタカナ語(=和製英語)に悩まされている国民ということになる。
以上、「ハローワークって何」の項。
普段、思っていることが、そのまま書かれていて、力強く思いました。
ドルトン・トランボ『ジョニーは戦場へ行った』
(角川文庫、信太英男/訳)を読み始めました。
出版社の内容紹介は、以下のとおりです。
>戦場で砲弾にあたり、目、鼻、口、耳をそぎとられ、両脚、両腕ま
>で切断された青年ジョニーが過去から現在、現在から未来へとめぐ
>らす想念…。発禁にあいながら反戦の想いをこめて版を重ねた問題作。
第一次世界大戦を受けて第二次世界大戦の直前にアメリカで発表され、
アメリカが戦争をするたびに発禁になり、戦後に再版されるということを
繰り返した本なのです。
>>38 関連しつつ思った私見なのですが、横文字をそのままカタカナの
用語として使うのは、「その言葉を日本の言葉でどう表現するか」
という努力の放棄であり、思考の手抜きという面があるんじゃないでしょうか。
近頃は日本で公開する洋画の題名でも、原題をカタカナ化したそのままのものが
受けがいいからという理由で増えているという報道がありますが、
誰もが感心するような見事な邦題を付ける努力もお願いしたいものです。
40 :
大人の名無しさん:03/03/22 21:39 ID:rlUPv7Yl
竜馬がゆく3巻目突入。
戦争関連ニュースをほったらかして読んでます。
『ジョニーは戦場へ行った』
67ページまで
普通のあたりまえの生活の回想と重症を負った現在とが交互に描かれていきます。
42 :
大人の名無しさん:03/03/24 21:42 ID:pMrejw8/
ちっと詳しく書いたほうがいいのかな?
竜馬がゆく4巻目に入りました(8巻のうちの半分ですね)。
やっと竜馬が本腰をあげて維新に向かい活動し始めました。
このまま一気に最後まで読みたいと思います。
一日一冊であと4日。
イラク×英米戦争終了とどちらが早いかしら。
皆さん読む本はどうやって選んでますか?
私は現在は2ちゃん読書スレで。
以前はダ・ヴィンチでした。
43 :
大人の名無しさん:03/03/24 21:45 ID:pMrejw8/
ちなみに、選んだ本は手帳に書いて
図書館で探しています。
2ちゃんに来てから読む本のジャンルが増えました。
『ジョニーは戦場へ行った』
104ページまで
いよいよ病院のベッド(?)の上の主人公の今の現実の姿が
本人に自覚されてゆく描写になってきます。
>>42 >ちっと詳しく書いたほうがいいのかな?
単に本のタイトルを書くだけのレスでも全然かまわないと思います。
その上で、ちょっと書いてみたらどうかと思うような内容のことが
書かれるのも、さらにいいと思います。
読んだことのない本のことを他の人のレスで知ったり、
読んだ本について他の人のレスで自分にはない角度からの
見方などを知るのもおもしろいものです。
>皆さん読む本はどうやって選んでますか?
私は、新聞などの書評欄でよさそうだと思った本を読んだり、
いわゆる名作で読んでおいた方がよさそうに思うものを読むことが多いです。
このスレで紹介された本を読むこともありますね。
「趣都の誕生: 萌える都市アキハバラ」(森川嘉一郎著、幻冬舎)。
秋葉原電気街がオタクの街に変貌した過程を分析した本。
オタク論というより、オタクを題材にした日本人論になっていて、
かなり面白かった。書き方も立体的で見渡しが良い。
『ジョニーは戦場へ行った』
157ページまで
アメリカが戦争をするたびにこの本が発禁になったということの
直接の理由と思われる記述が出てきます。
つまり、民主主義のため、自由のため、祖国のためなどと理由を付けても、
そのために喜んで死んでいく者などいるわけがない、戦争での死に
尊厳などというものはない、ということが赤裸々な言葉で書かれているのです。
>>39の訂正
>第二次世界大戦の直前にアメリカで発表され
正しくは、「第二次世界大戦の直前にアメリカで執筆され、
第二次世界大戦の勃発から2日後に出版され」でした。
余談ながら、この角川文庫版の訳は、正直言ってあまりいいと思えません。
私でも、おそらく誤訳なのだろうと想像できてしまう個所があります。
「彼を産む直前三日間、母親は働きずくめだった」
「産んだ後も10時間仕事をしていた」といったような訳は、
おそらく labor という単語の意味を取り違えているのでは。
(実際どうかわかりませんが、この本の訳では意味不明です。)
『ジョニーは戦場へ行った』
200ページまで
49 :
大人の名無しさん:03/03/28 21:41 ID:CMkMblNU
竜馬5巻目。
西郷どんと会いました。
この後二人は親友に?
『ジョニーは戦場へ行った』
240ページまで
この本が今もなお読み継がれ、感動を与えているのは、
これが単に戦争反対を訴えるだけの小説に留まらず、
絶望的な状況でも決して絶望してしまわずに、
ごくわずかな可能性のために全力を尽くす主人公の姿勢に
よるのだろうと思うのです。
ようやくのことで看護婦とのコミュニケーションに
成功するところは実に感動的です。
「晴子情歌」(高村薫)下巻
108ページまで
晴子がいよいよ、いい年頃になり、
これからが楽しみです。
52 :
タク:03/03/29 23:33 ID:i2lFhOst
山下悦子『きもの歳時記』平凡社ライブラリー
洋服が当たり前の生活と、和服で過ごす日々の情感の差を感じた。
言葉にしても、振袖は『袖ぶりのある着物』からきていて、『たすきは人助け』
解決の糸口の『糸口は繭から生糸を巻き取る時の始めの部分を上手にとることにより
あとがスムースに取れてくること』。
ものがなくなると言葉がやせてくる、と作者は書いているが、誰でもが
日々の生活の中で承知していたことが、いつのまにか見知らぬことになっている。
そう云う我が家も畳の無い生活なので、小学生の子供は、
手をついてする挨拶や障子の明け方も知らない・・・
53 :
大人の名無しさん:03/03/30 21:08 ID:yyjbQ/TB
竜馬7巻目。
あっという間にあと2巻を残すのみとなりました。
今になってお慶というイイ女が竜馬の前に現れました。
どうなることやら。
『ジョニーは戦場へ行った』読了。
最後の主人公の訴えは、絶望なのか、皮肉なのか、狂気なのか・・・
「戦争に行かせようとする者に対して銃を取る」という意味に
理解したいところですが。
その後の歴史は、おおぜいのジョニーを生み出しながらも、
戦争を推進するためには、ジョニーを表に出させない方がよい
ということを学習してしまったように思えます。
モーパッサン『脂肪の塊』(岩波文庫)
だいたい前半くらいを読みました。
人のいい太った女性が主人公の話ということは、ずっと昔に
なにかで読んで知っていたのですが、その人が娼婦だということは
今回、本の表紙の内容紹介を読んで初めて知りました。
舞台は普仏戦争中のフランス。
同じ馬車に乗り合わせた主人公と商人や貴族たちの関わり合いが描かれます。
ほとんど関係ないのですが、私は、中学生くらいの頃に『毎日新聞』掲載の
東海林さだおの四コママンガで読んだ、食べているハムの中に「脂肪の塊」を
見つけた男が食後に書棚から『脂肪の塊』を手にして読み始めるという、
なんともナンセンスな作品の記憶が、いつも頭の片隅から離れずにあったのでした。
56 :
大人の名無しさん:03/04/05 02:05 ID:QEjpaxW8
竜馬がゆく読了。
最後まで急いで読んで損だったかも知れないです。
もっとじっくり腰を据えれは良かった。
非常に面白い本であった。
57 :
大人の名無しさん:03/04/05 04:53 ID:odidhqrq
「風神の門」
「城塞」読み終わったんでその流れで読み始めました。
『脂肪の塊』読了。
文庫で90ページほどの短編です。
馬車の中で同乗者たちみんなに親切にした「脂肪の塊」が
その後、みんなのエゴの犠牲にされてしまいます。
人間の身勝手さを描くとともに、この頃の読者にとっては、
相当に風刺の利いた物語として絶賛されたのだろうと想像します。
同乗者たちは、商人、工場主、貴族、尼僧、「民主主義者」です。
59 :
893:03/04/06 16:13 ID:S6xJl9lY
久〜しぶりに、
中公新書「日本の歴史・第26巻―よみがえる日本―」(蝋山政道著)
P126まで。
新潮文庫『ヘミングウェイ短編集(一)』から
「インディアン部落」
うっかりsageのまま送信してしまいました。
62 :
タク:03/04/08 10:56 ID:8NDzbnbf
急にいろいろなことが忙しくなり、時間が取れない・・・
『カニバリズム論』 中野美代子 途中まで。
渋沢龍彦の前書きで、動物は進化の過程で同じ種を一撃で倒す能力が削がれている、
それを維持しているのは人間だけとあった。進化に逆らってまで殺戮を繰り返す
のは、悲劇なのか喜劇なのか・・人間の知恵もたいしたことは無い。
生後一年が食べ頃とあったが、確かに子どもが1歳頃は
可愛いという意味でも、歯ごたえ(!?)の面でも、食べてしまいたいという
感覚はあったなぁ(笑
新潮文庫『ヘミングウェイ短編集(一)』から
「医師とその妻」
65 :
大人の名無しさん:03/04/11 17:00 ID:KlvRwGhx
井上ひさし
「文学強盗の最後の仕事」
66 :
大人の名無しさん:03/04/11 17:06 ID:Z9S+cu0t
―――復讐○仕返し○特殊探偵○悩み事相談○駆込み寺―――
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
●復讐・貴方に代って恨み晴らします!★★★別れ工作★★★
騙された・捨てられた・弄ばれた・相手に誠意がない・債権トラブル・
不倫疑惑・妊娠中絶問題・素行調査・★★★仕返し代行★★★悩み事相談
----------復讐代行◆別れ工作◆復縁心理作戦---------
●電話番号から住所調査・転居先追跡・等など★何でも気軽に相談OK!
確実に貴方の悩みや困り事、トラブル等を迅速に解決致します。
●記載のURLがジャンプしない場合には・コピ−してファイルから開いて下さい!
http://www.blacklist.jp/i (緊急情報)必ずご覧下さい★復讐の実態★★★
●女性秘密工作員・募集中!高収入確実!!!
http://www.blacklist.jp/ リンク・衝撃の現場>
http://www.123456789.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
◆復讐・不倫の修羅場24時◆危険◆
書き込みできなかった昨日の分です。
大西巨人の短編集『五里霧』(講談社)より
「連絡船 一九四一年十二月」
召集され入隊を前にした新聞社の社員が、学問への志を持つ少女のため、
「精神の、魂の、連絡船」とすべく彼女が女学校に通い続けることが
できるよう金銭面の便宜を図る話。
公務員や大会社の正社員は召集されている間も給料が出たが、
小自営業者や農民など元々貧しい者にはなんの保障もなく、
親が召集されたために学業を続けられなくなることが
珍しくなかったという当時の実情を背景としています。
最初に少女が読んでいた本が、
・前田晁・訳『キイランド短編集』(岩波文庫)
・北原白秋自選歌集『花樫』(改造文庫)
社員が少女に渡した本が、
・岡本かの子『母子叙情』
・中野重治『歌のわかれ』
・『中野重治随筆抄』
・五島美代子ほか著『歌集/新風十人』
・北原白秋歌集『桐の花』
少女が古本屋で買った本が、
・『有島武郎集/有島生馬集』(『或る女』『カインの末裔』『生れいづる悩み』所収)
・『新興藝術派文学集』(十一谷義三郎『唐人お吉』、川端康成『浅草紅団』所収)
・若山牧水自選歌集『野原の郭公』
・前田夕暮歌集『生くる日に』
で、今日の分。
大西巨人『五里霧』より
「縹(はなだ)富士 一九九二年一月」
大西巨人『五里霧』より
「雪の日 一九八四年二月」
この短編集は、発売当時(8年程前)に一度通読していたのですが、
去年、同じ著者の『神聖喜劇』を二度目に読んでみて
内容の理解をいくらか深めることができたように思えたので、
この本も、もう一度読んでみることにしたのでした。
「コノばかメ! ツギノ戦争ノセイダヨ!」という『神聖喜劇』でも
引用されていた詩の一節がこの「雪の日」でも引用され、
戦後をまた戦前にしてはならないというテーマが
打ち出されている作品のようです。
大西巨人『五里霧』より
「方言考 一九五六年三月」
71 :
大人の名無しさん:03/04/15 17:40 ID:XgKRpV8M
松沢哲郎「進化の隣人-ヒトとチンパンジ−-」(岩波新書)
先日、NHKスペシャルで放送された、道具を使うチンパンジー、アイとアユム親子を
中心とした番組の活字版のような内容。その中で、チンパンジーが道具をどう使うのか
アイとアユムに教え、観察しながら、物事の教授法を著者である松沢教授自身が語っている。
(1)直後のフィードバック。
(2)その基準がふらつかない、安定した基準。
(3)正の強化によって維持する。
(中略)
ただし、もし長期間にわたる学習をするのであれば、「叱る」というのは賢明な方法ではありません。ほめて
くれる人は好まれます。ほめられる。リンゴがもらえる。ほめられる。一緒に遊んでもらえる。このような積み重ね
でそのきずながどんどん深まっていきますね。そういう人がいなくなるということは大きな損失になります。いつも
ほめてくれる先生役というその人の存在は、重要なものになります。
ところが、これが叱る先生、「違う、違う」と言う先生だと、もしその人がいないと、とってもほっとします。間違っても
「違う」と言われないわけですから、あの人さえいなければもっと安穏な生活ができるのに、と思っても不思議ではありません。
人間でたとえていえば、その先生とは、夜道を歩くときに、だれかが後ろからバットで殴りかかってきたりしないか、
常に注意をはらっていないといけないでしょう。なぜなら、その先生がいなくなれば、生徒の側は非常に安穏な生活ができるわけ
ですから。
なんだか、人間生活の指南書なのか、チンパンジーについての観察から導き出された教育法なのかわからないが、
かなり該当する部分があると思いました。
72 :
山崎渉:03/04/17 10:25 ID:SBKZMixa
(^^)
大西巨人『五里霧』より
「老母草(おもと) 一九八一年四月」
ちょうど今の時季にふさわしく花見の話。
(うちの近所では、今が七分咲き〜満開といったところです。)
ただし、花見が主題ではなく、花見に出かけた文芸部員の大学生らが
たまたま見つけた見事な桜の木のある家で花見をさせてもらうが、
ただの老婆と思い、態度には出さないまでも不遜な考えを持ったりもした
相手の家人が実は・・・という話。
実におもしろく読めましたが、それと同時に、文芸に限らず
あらゆることについて、他人を甘く見るべきではない、
常にできる限り相手を尊重すべき(やや言葉のニュアンスが適切で
ない気がするけれど)ということをつくづく思わせ、
冷や汗の出るような気分にもさせてくれます。
74 :
大人の名無しさん:03/04/17 19:43 ID:M8ioAh46
これから読みます。
「メディア・コントロール」 ノーム・チョムスキー著 集英社新書
「優しい経済学」 高橋伸彰著 ちくま新書
75 :
74:03/04/18 18:56 ID:Lu0OPeWA
「優しい経済学」P168まで。
これまで疑問を抱いていた、小泉内閣の目指す「構造改革」の本質がどんなものなのか、
よくわかったし、「構造改革」推進の立場でも、これまでのような成長一本槍ではない、
新しい社会を目指した真の意味の「構造改革」が、どんなものなのか、腑に落ちた。
76 :
大人の名無しさん:03/04/19 19:30 ID:lruxwjHC
ノーム・チョムスキー著「メディア・コントロール」
日本の新聞やテレビからは伝わって来ない、アメリカ政府のマスコミ操作が
手にとるようによくわかったし、理解できたように思います。ベトナム戦争
の頃は、消防の低学年でしたが、当時のアメリカでの反戦運動が、今以上に
盛り上がっていなかったという背景は、新しい発見でした。
77 :
山崎渉:03/04/20 05:00 ID:aoltBWWq
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
78 :
山崎渉:03/04/20 05:04 ID:aoltBWWq
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
大西巨人『五里霧』より
「同窓会 一九四六年五月」
世間一般的な序列(出世の度合い)による差別意識丸出しの者がいる同窓会。
世の中には、そういう場面は往々にしてありそうですが、
私自身は、そんな場面に立ち会ったことは不思議とありません。
それは、すでにそういう世界からははじき出されたせいなのかどうか・・・
大西巨人『五里霧』より
「胃がん 一九八二年六月」
「人はクリエイティブ・パワーを持続しつつ、長生きすべきである」
ということには大いに同意します。
しかし、それだけの物語でもないようで・・・
大西巨人『五里霧』より
「立冬紀 一九三七年七月」
蘆溝橋事件により日中戦争が開始された直後の列車の中での
ちょっとした偶然のめぐりあわせ。
82 :
大人の名無しさん:03/04/26 12:14 ID:sUwYJIG1
みんな渋いの読んでるね〜
私は「吾輩は猫である」を読んでます。
大西巨人『五里霧』より
「五里霧 一九九〇年八月」
「一般に女性は陰茎の長大な男性を好む」とか
「強姦に対して積極的に抵抗しない女性は同意している(和姦である)」
といった男の側の神話というか伝説というか迷信のようなものにまつわる話。
どうでもいいのですが、「いんけい」で一発変換できませんね。
それじゃぁと、「いんしん」で変換してみたら、一発で「陰唇」が
出てきたので、そこから「陰」の字をコピペしました。
藤沢周平「市塵」
江戸時代の儒学者兼幕僚新井白石の生涯を描いたもの。
藤沢さんの本でなければ新井白石の生涯なんて興味も湧かず、
一生知ることもなかっただろうと思う。
どうでもいいけど「いんけい」で一発変換できたよ。
魚好きってのはどこの板なんでしょう。
スリムな人でしたよね。大西巨人『五里霧』より
「底付き 一九三一年九月」
>>84 >魚好きってのはどこの板なんでしょう。
こんにちは、和食板の名無しさんです。
86 :
:03/04/28 20:34 ID:n6FnzmoF
先週号のフライデー
87 :
大人の名無しさん:03/04/28 21:47 ID:x1X8G8lH
漏れも先週号のフライデー読んだ。歯医者で。
ええー? 和食板ってどこにあるの??
89 :
大人の名無しさん:03/04/28 23:28 ID:QwywqqlV
>>89 激しくブラクラですね。
クリックしてはいけません。
ノーム・チョムスキー著 「メディア・コントロール」
アメリカにおける政府の手法が、なるほどな、とよくわかりました。同時に日本政府と小泉内閣の
政治手法にも十分当てはまるなと思いました。
1991年のいま、アメリカではきわめて典型的な事態の展開がある。これを経験する
のは、アメリカが世界で初めてではない。国内の社会問題や経済問題が深刻化し、大混乱を
引き起こしかねない状態になっているのだ。権力につらなる者のうち、これに対処しようと
する者はいない。過去10年の政権の国内政策を―民主党の反対も含めて―見てみるがいい。
医療、教育、ホームレス、失業、犯罪、犯罪人口の激増、投獄率、スラム地区の治安の悪
化など、これら数々の深刻な問題に、真摯な対策は何一つ講じられていない。こうした状況
は誰でも知っているのだが、状況は悪くなる一方だ。
ジョージ・W/ブッシュ政権(1989―93年)下の最初の二年間だけでも、貧困線
以下の暮らしを余儀なくされる子供は三〇〇万人増え、債務はふくらみ、教育水準は低下し、
国民の多くの実質賃金は1950年代末と同じ程度に下落している。それなのに、誰も対策
を講じようとしない。
こうした状況にあっては、とまどえる群れの注意を、何とかして別のところへそらす必要
がある。彼らがこれに気づきはじめれば、不満が噴出するかもしれない。これによって苦し
むのは彼ら自身だからだ。ただスーパーボウルやホームコメディをあてがっておくだけでは
十分でないかもしれない。ここはひとつ、敵に対する恐怖心をかきたててやる必要がある。
1930年代に、ヒトラーは国民を扇動してユダヤ人やジプシーへの恐怖心をかきたてた。
自分を守るためには敵を叩きつぶさなければならないというわけだ。同じように、私たちに
も私たちのやり方がある。この10年、1年か2年ごとに、ある種の強力な怪物がつくられ
つづけた。
いつでも都合よくつくりだせる怪物は、かつてロシア人だった。ロシア人なら、つねに自
らを守る必要のある敵に仕立てることができた。ところが昨今、ロシア人は敵としての魅力
を失いつつある。ロシア人を利用するのは日を追って難しくなっている。そこで、何か新し
い怪物を呼びださなければならなくなった。実際、人びとはまったく見当ちがいの批判をジ
ヨージ・ブッシュに浴びせてきた。(中略)。
しかし、ブッシュにはもうそのてが使えず、新しいものをこしらえなければならなかった。
ちょうどレーガン政権の広報機関が80年代にやったように。
そこで、国際テロリストや麻薬密売組織、アラブの狂信者、新手のヒトラーたるサダム・
フセインなどの、世界政府国乗りださせることになった。そうした輩を次から次へと出現さ
せなければならないのである。国民を怯えさせ、恐怖におとしいれ、臆病にさせて、怖くて
旅行もできない、家にじっとちぢこまっているしかない状態にさせる。
そうやって、グレナダやパナマなど直接対峙せずに叩きつぶせる無防備な第三世界の軍隊
に大勝利をおさめる―それが現実だった。やっと一安心。われわれは土壇場で救われたわ
けだ。そう思わせることで、とまどえる群れの注意を周囲の現実へ向けさせず、うまく気を
そらさせたまま操作することができるのだ。
(ノーム・チョムスキー著「メディア・コントロール」より)
大西巨人『五里霧』より
「エイズ 一九八七年十月」
結婚とはどうあるべきかに関する一断面。
>>85 >スリムな人でしたよね。
これは、コピペのミスでした。
>>91-93 チョムスキーは、現在のアメリカにあっては、非常に貴重な存在ですね。
大西巨人『五里霧』より
「牛返せ 一九四九年十一月」
悪税の取立てに対するきわめて大衆的な抗議デモの描写。
制定後数年の日本国憲法に規定された「言論の自由」というものの
あるべき現れ方を示しているようにも読めます。
最終章の「連絡船 一九四一年十二月」を最初に読んでから
第一章に戻って読み進めたので、ここまでで全体を読了。
さまざまな年のある月、ある時の個別の状況を書きながら
現代の問題に対する鋭い問題提起をしているように思えます。
『大西巨人文選1 新生』(みすず書房)より
「俗情との結託」
本当は4巻まであるこの文選の各巻末の対談、すなわち、
現在に一番近いものをまずひととおり読んでみるつもりでしたが、
ついこの有名なエッセイを読んでしまいました。
98 :
大人の名無しさん:03/05/11 23:52 ID:qGFpRtq/
ここのスレの皆さんは「新ゴーマニズム宣言」読んだことありますか?
今日文庫本で初めて読みましたが、非常に疲れました
>>98 読んだ読んだ。つまんねえ本だ。ありゃ、漫画家がルサンチマンむきだしで書いてる
ただのアジビラだ。呉や浅羽があるところまでは褒めてたがね。
竹田&橋爪&小林よしのりの対談集ってのがあるから読んでみるといい。
竹田橋爪の対談集として最高の出来だ。小林の名前は売るための人寄せパンダよ。
で、小林よしのり、当該書籍でなんの役目も果たさず、自分がいかに○新聞に批判されたか、
いかにエイズ団体から指弾されたか、そんな繰言ばっかりよ。
100 :
大人の名無しさん:03/05/13 01:13 ID:eiXo7iBi
100人の地球村
『大西巨人文選1 新生』(みすず書房)より
巻末対話「虚無に向きあう精神」(柄谷行人、大西巨人)
>>98 「新」でない初期の頃のは、『SPA!』(だったか?)を
読む機会がある時には読んでいましたが、その後のものは
「読んだ」と言えるような読み方はしていません。
また、積極的に読もうという意思もありません。
昨日寝る前に読んだ本『「歴史の終わり」と世紀末の世界』浅田彰
冷戦後の世界はどこへ行くのか!フクヤマ、ジジェク、サイード、リピエッツ、ボードリヤール、
バラード、ヴィリリオ、ギュンター、ロトランジェ、リオタールそして柄谷行人
−日本の若き知性が、いま世界で最も刺激的な議論を展開する11人の多彩な論客と語り合った初の対論集。
フランシスフクヤマの部分だけ。
「続婚のすすめ」「60歳のラブレター」「妻の大往生」
・・・まだ結婚前なのに・・・。
現在「宮尾本 平家物語3」注文中。
華やかさにちとかける。
能條純一『翔丸』全三巻
絶版
小林よしのりが異常天才を書くのが一流、と呉がいっていたが私には異論がある。
こいつの描く異常天才はとんでもなく憧れる異常天才ばかりである。
絶版なのが非常に惜しまれる。
105 :
タク:03/05/20 16:34 ID:dmcfXnGT
ル・グィン著ゲド戦記のD『アースシーの風』を終了。
前作までの緊張感が欠けていた。今回のテーマは異民族異文化との融和。
これとあわせて丸山真男『日本の思想』を読んでいて、これは私にとっては
非常に難儀で、引用だけしか出来ないんだけれど、いろいろに引っかかっていた
大正時代に数万人といわれたマルクス主義者が、その後の弾圧で
すっかりファシズムに取り込まれてしまったのはどういうことなんだろうという疑問
の糸口などが見えてきそうで、回らない頭をひねりながら、なんとか最後まで
読もうとしています。
で、ゲド戦記Dなんだけど、たぶん『日本の思想』に気持ちがひかれながら
読んだためだと思うけど、
アメリカという国が、自国の独自文化の確立といものがあるのだろうか。極端な言い方だけど
歴史が新しい分、文化が浅い。
そのために、異文化・異民族との共生が出来たとしても、理解が
いまいちできていないんじゃないかと思った。
異文化の理解と言うものがそもそも抜け落ちていて、「癒合」ということが異文化と共生する
ということだけに終始しているのはがっかりした。
ル・グィンは好きな作家で前作まではワクワクしながら読んでいたのに、
このことがテーマとなったときに、そのバックボーンのアメリカ文化の浅さが
仇となったのだろう。
それとも、アメリカの「異文化との融合」は「理解」とは全く別の問題と考えるべきなのかも
しれないとも思った。
106 :
山崎渉:03/05/22 01:14 ID:Xs41nPw7
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
『大西巨人文選 2 途上』より
巻末対話「共産党との関わり・その他」(武藤康史、大西巨人)
かつて日本共産党の党員であった大西巨人の党での活動や党との関わりを話題にした部分で以下のような対話があります。
>武藤 共産党にはいるということは、将来、共産党が政権を握っ
> たときのための用心であるというような、出世を狙ってるか
> らなんだというような説を読んだことがありますが、いかが
> でしょうか。
>大西 それは誰が言っているのですか。
>武藤 矢沢永一です。
>大西 そういう人もいたでしょうね。人間の集まりだから。
>武藤 そんなお気持ちは……?
ここまで読んで、「おいっ、『神聖喜劇』の作者を目の前にして、
よくそんなとんでもない質問をしてしまえるもんだな」と思い、
読み進めると・・・
>大西 全然ない。そんな気持ちの少しでもある人間は、『神聖喜
> 劇』のような小説を書くことはできない。
とはっきり答えていて、実に見事なものです。
108 :
大人の名無しさん:03/05/22 19:51 ID:1dX0XUAG
「斜め屋敷の犯罪」島田壮司
最近の本格ミステリのなかでは群を抜いてイイ!と勧められて読んだけど
ちょと無理がありすぎと思った
109 :
大人の名無しさん:03/05/22 20:44 ID:xnriIcxA
マリーアントワネット.
いわゆるひとつのマリーさん周辺の感情が反転し雪崩をおこしそうな
あたりまで読みました。どこにでもありそうな話だけど・・
書き忘れていた昨日の分
『大西巨人文選 3 錯節』より
巻末対話「倫理の根拠をめぐって」(花崎皋平、大西巨人)
今日の分
『大西巨人文選 4 遼遠』より
巻末対話「個の自立について」(鎌田慧、大西巨人)
112 :
大人の名無しさん:03/05/25 14:58 ID:O1zvL5rO
「日本の歴史・24・ファシズムへの道」大内 力著 中央公論社
P200まで。
繰り返しになるが、今の世相と酷似している。これで、首都圏直下型大地震が
起こったらどうなるんだろう、などと考えてしまいました。また、
「現内閣を組織してゐる田中首相及びその閣僚は、彼等自身ではそのやってゐることが何であ
るかを知らぬであらう。しかし我々は恐れる。彼等の行為は、過去五十年にわたって日本人が
努力して築きあげて来た立憲政治に一つの区切りをつけ、日本の政治的発展に方向転換をなさ
しめるものではないかと。我々は自由な明い政治を持つ方法として、議会の発達に希望をつな
いできた。然るに普通選挙の実施を一段階として、現在の政府は反動政治の幕を切って落とした。
明い政治は暗い政治に方向転換をした。我々はこれより、もっとも陰鬱にして危険なる、絶望
的にして不愉快なる時代を経過せねばならぬかの予感におそはれてゐる」
(『政界人物風景』政治評論家 馬場恒吾 昭和三年発行 より)
の部分、現内閣にそのまま該当するのでは、と思いました。
医者の待合室で読むために文庫本を持っていきました。
新潮文庫版『O・ヘンリ短編集』(三)から
「天窓のある部屋」「ブラックジャックの売渡し人」「伯爵と婚礼の客」
一巻本の旺文社文庫版に収録されていなかった作品を
まとめて読んでいるわけですが、やはり、厳選するとなると
はずされてしまうのもしかたないか、といえる作品です。
「伯爵と婚礼の客」などは、どちらかというと好きなストーリーですが、
やや深みに欠けるかという気はします。
114 :
大人の名無しさん:03/05/26 20:16 ID:7qmaAGRn
透析中の読書用に・・「ナインスゲート」集英社文庫
アルトゥーロ・ヘレス・レベルテ。
思い切り衒学的そんでもって難解だけど面白いかな?
今度フランドルの呪絵も読了したいと思いました。
映画から入ったもので・・この作品。
あぼーん
松本清張『危険な斜面』(光文社・カッパノベルズ)より
『ニ階』
とある印刷物で、この短編の内容紹介(書評ではない)を読み、
おもしろそうなので読んでみました。
病気療養中の夫に看護婦を付き添わせて二人だけで二階にいさせて
階下で印刷屋を経営する妻の不安な心理を描いています。
当時としては意外な展開だったかもしれませんが今となっては
ありきたりの展開・・・と思って読み進めると、今でも、やはり、
意外と言えそうな結末を迎えます。
押井守『西武新宿戦線異状なし』
大友の『気分はもう戦争』のほうがずーっと面白いのだなぁ。
うっかりsageのまま書き込んだので、上げます。
120 :
タク:03/06/09 15:19 ID:YStcMFbv
高島俊男『お言葉ですが・・』
民という文字は「民は冥なり」「何もわからない連中」と言う意味があったんだぁ。
妙に納得させられた瞬間です。
ニヤニヤしながら読んでいるうちに、私だってこれくらいの間違いは日々やっているぞ
と青くなったりもします。
>>120 その人さ、めちゃめちゃ喧嘩っぱやくて、それで東大やめてダラダラ文筆活動して、
で、またどっかの教授になったんだけど、本当に『山月記』の冒頭、
『性、狷介、自ら恃むところすこぶる厚く』って人で、でも面白い。
支那非差別語説を呉よりもきっちり文献学的に立証したのはこの人。
今日買った本
大西巨人『二十一世紀前夜祭』を二十一世紀になってから買った。
『大西巨人文選1 新生』
1947〜48年の時評。
虚無からの再生という『神聖喜劇』に通じる記述あり。
>>121 >大西巨人『二十一世紀前夜祭』
それも、かなりおもしろいです。
123 :
タク:03/06/11 15:37 ID:rV4/3YLv
夕べNHK『クローズアップ現代』で有事法制の特集をやっていた。
侵略者が上陸してきたら、それを阻止する戦いのための遮蔽物や壕をほるのに
個人の家屋や土地を接収する法的な問題について等いっていたけど、
考えて見れば、侵略者が日本に向かっている情報をキャッチしてから
住人をどかして家屋を取り壊してそれらの遮蔽物をつくるのに少なくても
2日は掛かる。その前に上陸を妨げることのほうが先でしょ。
1日たたないうちに、沖縄からも、フィリピンからも、ハワイからも、グアムからも
米軍が出動して上陸前に食い止めることができる。
だってそのための日米安保だし、
沖縄県民(民とは何もわからない連中という意味だそうです)の永年の苦労でしょ。
上陸戦にそなえての法律とはなんとクラッシックな戦争を想定しているんだろう。
核をミサイルに搭載したら、遮蔽物や壕ではなくて地下シェルターが必要になる。
と疑問に思いながらその後、読んだのが
高島俊男『お言葉ですが・・』の「昔観兵、今演習」。
『「観」には、自分が「見る」の意味と、相手に「見せる」の意味とがあるが
このばあい「見せる』のほう。訓読では「兵を観す」とよむ。「兵」は武力。
・・・「観兵」はあくまで仮想敵(著者は「暇」が人偏になった文字を使用)に
対する恣意行動です。』
とあった。
なんだ、実際にあまり有意義とは思えない法律を今慌てて設定したのは
この意味だったのね。仮想敵と国民(ひつこいけど「民とは何もわからない連中という意味だそうです」)
にたいする恣意行動ね。
午前3時頃、目覚めてしまい、195が『二十一世紀前夜祭』を買ったことを思い出し、
書棚から出して、気の向くままに拾い読みしてみました。
短編集であり、特に短い作品は、1ページにも満たない分量で
それでいながら実におもしろいのです。
ちなみに、この本の内容は、↓このページで全て読めます。
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/21th.htm 『血気』は、時間のない人にお薦め。
それだけでなく、内容的にも私のお気に入りです。
このような姿勢で生きていきたいものです。
『凡夫』などは、195が喜びそうな作品に思えます。
>>123 あれは、ひとたび「有事」と認定してしまえば、国民生活に対する
統制を可能にするための条項がふんだんに盛り込まれた法制ですね。
125 :
タク:03/06/13 10:18 ID:QyMPPINa
おお、ネットで読めるのですね。ありがとうございます。
でも、本で縦書きの字組で読むのとちょっと感じが違ってしまいますよね。
年のせいで頭が固くなっているためかもしれませんが、長文はタテの方が
すんなり読めます。
沖縄だけの問題なのか、近所でも前の戦争で接収された土地が今だに変換されていなくて
耕作するのに地代を国に払っているなどというおかしな状態を数多く聞いているので
胡散臭さを強く感じます。
『大西巨人文選1 新生』
1949年の『文芸における「私怨」』まで。
私にはやや難解な文章でしたが、志賀直哉の作家としての姿勢を
批評する中で、大西巨人自身の考える作家としてあるべき姿勢や
文学作品を公表する者と社会との関わり方などが語られ、
大変に興味深いです。
勢古 浩爾 『まれに見るバカ』
目次
第1章 バカはなぜ罪なのか
第2章 バカ本を読む
第3章 現代バカ著名人列伝
第4章 現代無名バカ列伝
第5章 わたしの嫌いな10のバカ言葉
第6章 「あとがき日付」一言バカの諸君
終章 バカを寿ぐ
渡辺昇一という、本当のバカがいる。『知的生活の方法』(講談社現代新書)なんて書いてる。
読むと馬鹿になるから読まないほうがいい。
その渡辺昇一が大西巨人攻撃を、子供の血友病への揶揄をしながらやっている。
その部分を読み、愚劣なバカはどうしようもねぇ、と思いながら、上記書籍を読んだ。
大西巨人への悪口(批判でもなんでもないただの悪口)をナベショーがしたこと、
上記で引用されてではじめて知った。
『大西巨人文選1 新生』より
『運命の賭け』など。
さらに、
古田足日『月の上のガラスの町』(童心社)より「アンドロイド・アキコ」
これは、私が9歳前後の頃に小学校の図書室で何度も借りて
繰り返し読んだお話なのです。
内容については、↓このページに詳しく書かれています。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/6204/text/Akiko.html 今、読み返してみると、9歳の自分が愛読していたことが
意外に思えるような、あからさまなラブストーリーです。
一応、児童文学ではありますが、元々は、17〜18歳の女性を
読者に想定して書かれたものだったということを今回読んで知りました。
現在の私にとっては、アキコの
「わたし、あなたを愛しているわ」というささやきに対して、
「テレビのまねは、いやだよ。アキコさん」というハルオに好感が持てます。
(おそらく9歳の自分は、そこらへんは意味不明であったろうと思いつつ。)
『月の上のガラスの町』は、実は、最寄の図書館に行って
中島信子の『薫は少女』(岩崎書店の岩崎少年文庫)を借りた歳に
気まぐれに検索してみて蔵書されていることを知り、あわせて借りたのでした。
『薫は少女』については、たぶん、次回に報告できると思います。
130 :
大人の名無しさん:03/06/27 20:28 ID:5e2NNRPC
おまいらの書く毒素感想文より、
いーひといないのか? ってーほうが気になる。
131 :
大人の名無しさん:03/06/27 20:31 ID:5e2NNRPC
21世紀にもなってしょーいちのことを書いているヤシがいたので
130を書いてシマッタ、気がいたします。
中島信子『薫は少女』(岩崎少年文庫)
こんな素晴らしい児童文学があったのか!
と感激してしまいました。
大学受験を目前にして亡くなった主人公の薫の生涯を
4歳年上の姉の目を通して描いた回想です。
もっと詳しく書きたいのですが、今日は時間が
なくなってしまったので、また改めて書きます。
133 :
大人の名無しさん:03/06/27 20:50 ID:GCHefA2S
山本文緒『ブルーもしくはブルー』
最近NHKでドラマもやってます。
134 :
大人の名無しさん:03/06/27 20:50 ID:5e2NNRPC
時間がなくなってしまった!
135 :
大人の名無しさん:03/06/27 21:25 ID:DImrmzR0
子供の頃に、山口百恵・三浦友和主演の映画を見て以来だ
谷崎潤一郎「春琴抄」
136 :
タク :03/06/28 13:33 ID:KQuWizOq
中島信子『薫は少女』(岩崎少年文庫)
まだ、お祭りのところ。自分の子供時代より10年さかのぼる。
空腹感がちがうけれど、それをこんなに楽しく書いている。
137 :
タク:03/06/28 13:44 ID:KQuWizOq
>>131 しょーいち?
9歳を「しょーいち」といっているなら小4のマチガイだよ。
たまには児童文学読み直してみるのもいいよ。
時間をつくってしまった!
古田足日『月の上のガラスの町』より第1章「西からのぼる太陽」
バカボンではありません。
月の上では日が沈むのがゆっくりなので、沈む太陽を追いかけて
走って行くと、このタイトルのようになるということなのです。
他に『薫は少女』をもう一度、とことどころ拾い読み。
全体のラスト近く、主人公の薫が亡くなってしまうところの描写以外では、
結婚することになる二人は赤い糸でつながっているということを
姉から聞かされた時の薫の言葉が感動的です。
「じゃあ、薫の相手の人も、どっかにいるのかもしれないね。死んでいなければ。
じゃあ、薫もめったに死ねないね。赤い糸の相手が一生独身じゃかわいそうだもん」
>>137 文面から想像するに、
>>131を書いた人は、
きっと渡辺昇一氏の親しい知人なのでしょう。
さ、ここでも書いちまおう。
今日私は、本当に運良く、こんなめぐり合わせはあるのか、と思うくらいなのだが、
『薫は少女』を見つけたのだった。
その後食事をしに店に入った。
我慢できずに読み出した。食事が出来上がるのが早く感じるくらい、その本を読んでいたのだった。
この作家の作品はもう一つ持っている。まだもったいなくて読んでないのだ。
薫が終わりしだい読むことになると思うのだ。
>>130-131 なにいってるんだぁ?ナベショーを読んだ、なんぞ誰もかいてないぞ、馬鹿め(w
140 :
タク:03/06/29 08:05 ID:sVPvJ+l+
『薫は少女』終了。
児童文学は子供がいるのでいつも家の中にはころがっているのに
手にとることもなかった。
てらいのない簡潔な文章なので、まっすぐに気持ちに入ってくる。
死や貧困は遠ざかったふりをしているけれど
1世代上の人たちには身近だったことを強く感じ、
遠ざかったこととして意識しない生活の不遜さを考えこんでしまった。
私も朝の4時頃まで、眠さも感じないでそのまま読了。
私立中学の入試試験に使われていたのは後半の猫の部分で、もう10年以上前になる。
ガキどもが講義のあとに職員室まで来て、
『ねぇ、あのお話は本当なのか?』だの『誰が書いてどこで売ってるのか?』だの
泣きそうな顔しながら寄ってきて、いた、それが女の子だけじゃなく男の子も一緒になって
おぉ、ゲームの話しかしない子供らも、捨てたもんじゃぁねぇ、なんて思った。
『死んだらいなくなるんじゃなくて、人の心に戻ってくるってことなんだね』ってのはいい言葉だ。
本当にそのとおりだ、と思った。
古田足日『月の上のガラスの町』より
第2章「あくまのしっぱい」
第4章「十二さいではいれる大学」
(「アンドロイド・アキコ」は第3章)
「あくまのしっぱい」で悪魔が
「たましいを持っている人間がいなくなってしまった」
と嘆くところがおもしろいです。
つまり、「テレビや週刊誌の言いなりになってしまって
自分のたましいを持っていない」ということなのです。
これは、児童文学ではありますが、少なくとも当時はまだ
マスコミの流す一方的な情報に対して批判的な見方が
こんなところにも存在していたということがわかります。
『薫は少女』でも、印象的だったのは、おそらくテレビを見ると
いうことが今ほど「あたりまえのこと」ではなかった頃、
父親と娘が夜遅くまで政治や戦争について語り合っているということです。
>>129で書いた「アンドロイド・アキコ」の中でハルオが言う
「テレビのまねは、いやだよ。アキコさん」という言葉にも通じることなのですが、
今のようにテレビからの受け売りがあたりまえのことになってしまって
いるのではない、もっと活き活きとした人間の姿があるように思えるのです。
ところで、この『薫は少女』を収録していた岩崎少年文庫というのは、今からでも
復刊して、多くの子どもに読んでほしいような素晴らしい本を集めていたようです。
カバー折り返し部分より「岩崎少年文庫」のタイトルと紹介文を再録します。
1『ぼくのだいすきなパパ』
子どもの心でとらえた戦争。ソビエトの現代児童文学
2『こしぬけ左門』
左門は刀は人を切るためのものでないことを悟る。
3『太一じぞう』
勤勉な百姓の太一が戦争で息子をなくしてからは……
4『消えた国旗』
日本に占領された朝鮮の人びとの悲しみや抵抗を描く。
5『嵐をゆく勝海舟』
幕末の動乱期、勝海舟は何をなしとげたか?
6『縄文・弥生時代の日本人』
新石器時代から縄文時代の古代日本人の文化をさぐる。
7『日本の国はいつできたか』
日本の国家が成立していく古墳時代の民衆の生活を描く。
8『自由への長い旅』
ナチスの支配下のドイツの裏町の子どもたちの運命は……
9『広島の姉妹』
広島の原爆の悲劇の、姉妹の思い出を通して描く。
10『二十八年めの卒業式』
学童として東京大空襲にあった母の反戦の訴え。
11『まけるな一茶』
多くの俳句を通し、小林一茶の生涯と人物像を描く。
12『真田十勇士』
戦国時代に大活躍した真田十勇士を軽妙な筆致で描く。
13『薫は少女』
姉が回想する若くして死んだやんちゃな妹のすがたは……
14『山の英雄ヤーノシク』
チェコスロバキアに伝わる英雄の闘いを描いた物語詩。
144 :
タク:03/06/30 11:37 ID:+lz3QQOc
>『死んだらいなくなるんじゃなくて、人の心に戻ってくるってことなんだね』
確かに戻ってくるけれど、不在を受け入れないと戻ってこないんだよね。
不在を受け入れるまでの葛藤の積み重ねが、自分が死ぬことを受け入れる準備
になるのだと最近は思う。
スレに関係なくてごめん。
145 :
大人の名無しさん:03/06/30 13:20 ID:aK8XHviy
『冷静と情熱のあいだ』
読み終わってから、もう一冊あると知りました。
グレッグ・パラストの『金で買えるアメリカ民主主義』
(角川書店)を読み始めました。
いきなり第4章「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ――
グローバリゼーションと不満」から。
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=31119499 アメリカ政府がやっていることをどう評価するかという本は、
今、ある程度「流行」と言っていい状況になっていると思いますが、
この本は、アメリカ政府(およびその同盟国)が
いったい何をしているかという事実を、それもマスメディアが
決して伝えないことをはっきりと文字にした本なのです。
Yahooのページの内容紹介などは、やや扇情的に、興味本意かと
思わせるような書き方をしていますが、実際に書かれている「内容」は、
いたってまじめで、深刻な事柄です。
147 :
大人の名無しさん:03/07/04 12:21 ID:03aOwU+1
「バカの壁」
話せば分かるはウソと分かりました。
148 :
大人の名無しさん:03/07/04 13:13 ID:8BZ7zoab
橋本 治訳
「桃尻語訳枕草子 (上)」
訳の中で、ナウいだとかヤング等の言葉が多用されていたが、それすら
死語になるのではなどと思いながら読みました。
『金で買えるアメリカ民主主義』
第4章「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ――
グローバリゼーションと不満」読了。
例えば、アメリカ主導のイラク侵略は、マスメディアでもある程度報道されていて、
多くの人に認識されていて(その認識がどのようなものであるかはさておいて)、
大企業にとってぼろ儲けのネタであり、それがイラク侵略を含む
アメリカの外交政策の要因(少なくともその一つ)であるということを
知っている人は、少なくないと思われます。
ところが、それと同様の要因からIMF(国際通貨基金)や世界銀行を通じて
ラテンアメリカなどの発展途上国でどのようなとんでもないことが
行われているかということになると、メディアが無視しているために、
おそらくそれを知っている人も、桁違いに少ないはずです。
この章では、そうした「事実」が書かれています。
著者のグレッグ・パラストは、自分のサイトからも情報を発信しています。
http://www.gregpalast.com/index.cfm
『金で買えるアメリカ民主主義』
第5章「アメリカ株式会社の内幕」
コージ苑
昔は爆笑してたのに・・・
153 :
山崎 渉:03/07/12 16:38 ID:jKsPwC95
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
154 :
大人の名無しさん:03/07/12 16:55 ID:0q2sPXek
ここ最近の流れ
●乃南アサ『風紋』上下巻
●乃南アサ『晩鐘』上下巻
●高村薫『マークスの山』上下巻
●高村薫『照柿』
●高村薫『レディ・ジョーカー』上下巻
●ドストエフスキー『貧しき人々〜地下室の手記』 ※『罪と罰』は途中で断念
●ジム・トンプソン『死ぬほどいい女』
●松本清張『逃亡』上下巻
●マイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』上下巻
『金で買えるアメリカ民主主義』
第2章「金で買える民主主義」
例えば、9.11事件について、事前に得られていた情報に基づく
FBIなどの調査について、ブッシュ政権がストップをかけていたことを
指摘する者は、なぜか「9.11事件=ブッシュの陰謀説」を唱える
「トンデモ」な奴というレッテルを貼られることが多いように思えるのですが、
実際のところ、あの事件がそのような陰謀であったかどうか以前の問題として、
ブッシュ家とビンラディン家がビジネス上の重要なパートナーであった
という事実は厳然として存在するわけです。
ま、それはそれとして、この章で書かれていることの全体は、
資本主義社会においては「世の中、金だ」というのが
真実になってしまっているという実例です。
さらに、大西巨人の『三位一体の神話』が光文社文庫から
上下2巻で出たので買ってきて、とりあえず、下巻巻末の
鎌田哲哉による解説を読みました。
この本は、カッパ・ノベルズ版で一度通読していたのですが、
文庫の解説を読むと、まったく通り一遍の読み方しかしていなかった
ということを思い知らされます。
>>126で書いた『文芸における「私怨」』で書かれていたこと
(今から54年前の批評です)がそのまま貫かれているのです。
推理小説としてもおもしろく読める上に、文学とはいかなるもので
あるべきかということも考えさせられる「総合小説」です。
余談
この時期、書店に行くと、「新潮文庫の100冊」など、
夏休みの時期の需要をあてこんだ本が目立つように平積みされています。
私なんかは、「ああ、これも、あれも、まだ読んでいない。
いい加減、自分の想定余命から逆算して、読めるような時間を
作らなければ、読まずには死ねないような本を相当に残したままの
人生になってしまうなぁ」などと考えてしまうのです。
『金で買えるアメリカ民主主義』
第3章 「カリフォルニア・怒リーミング 電力自由化と電力海賊」
ご存知のカリフォルニア州におけるいわゆる電力危機と電気料金の高騰の
内幕が詳細に書かれています。
日本の電力会社も、どんな利害関係に基づいていかがわしいことを
しているかどうかわかったもんじゃないとも思うのです。
158 :
山崎 渉:03/07/15 12:11 ID:+HnOsi9V
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
そんなわけで、とりあえず、「これは読んでおかなきゃ」というのを
できるだけ読んでおくことにしました。まずは、
太宰治『斜陽』(新潮文庫)
3か月ほど前に読み始めてみようと思って、ちょっと読んで
そのままになっていたんですが、改めて読み始めてみました。
今日は38ページまでです。
好村冨士彦『真昼の決闘』(晶文社)
歴戦の批評家・花田清輝vs若き批判者・吉本隆明―1956年から60年にかけて、
この2人のあいだで激しい論争が展開された。文学者の戦争責任論に端を発し、
政治と芸術運動をめぐってなされたその応酬は、最後には吉本の勝利を強く
引象づけるような、花田の撤退とともに終結した。
第一章 誰が勝者か
ルカーチVSブロッホだって、あの時はルカーチ優位だが、今はブロッホ評価だろうよ、とか
いや、それは好村がブロッホ研究家だからじゃねーか?とか思いながら、でも、そんときの
勝ち負けの結果からみたら、ルカーチの旗色は今は悪いよなぁ、とか思ったりする。
花田VS吉本論争の行事を引き受けたのが埴谷、花田世代の自己批判ともとれる
自虐的評価で吉本の勝ち、物言いはつかずに花田は負け、と決まっちまった。
第二章 戦争責任論の提起 まで
戦後すぐの新日本文学派と人民文学派、かなり面白い。
で、私は呉経由でこの結末を知ってるのだ。もったいない(w
さて、埴谷は死ぬ前に吉本に喧嘩売ってたんだがぁ、ギャルソンきてananに
でてるんじゃねーよ、的な批判を読んだ時には、あー、埴谷、もうすぐ死ぬなぁ、
とか思ったのだった。
中村元の「龍樹」 講談社学術文庫
中觀思想理解しようと思って読んでるけど、難しい・・・
三枝氏の著したレグルス文庫の「中論」は青目の注釈書「中論」使ってるのに対して
中村氏はチャンドラキールティの注釈書「プラサンナパダー」を主軸にしてる。
判るまで何度でも読みかえそう。。。。
『斜陽』(新潮文庫)
81ページまで。
参考までに、『大西巨人文選1 新生』収録の「『二十世紀旗手』の死」
(『夕刊フクニチ』1948年6月17日号)で大西巨人は、
太宰治を「一生まともに物を言おうとしなかった(あるいは一生
まともに物を言うことができなかった)この作家、おのれの言行の
一つ一つに註釈を附せずにはいられなかったこの「二十世紀旗手』」
と表現しています。