正攻法で立ち上げる現代の正規の精神医療スレッド

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8  http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/denpa/1174920756/248  >>

彼は1976年に出版した「脳の二分化と意識の起源」という名著において、驚くべき理論を
展開している。

それによると、われわれの遠い祖先は始終「声」を聞いていたという。初期の人類には、現代的な意味における
自我意識というものが全く欠如していた。穴居人は、「内的自我」を持たず、したがって、「さて考えてみよう、、、、」
と内観する事が出来なかった。彼らの目的は、車のヘッドライトのように、つねに外界に向けられていたのだ。

だから、川に行ってダムを作れと命令されても、彼等は自分が何故川岸をうろついているのか、その理由を頭に
止めておく事だ出来なかった。。しかし、頭上で常時、指示を繰り返す声があれば、その目的意識をもち続ける
事ができたのである。

では、その声はどこから聞こえるのか。ジェインズによると、脳の右半分からであると言う。ジェインズの理論は、1950年代半ば以後に
驚異的な発展を遂げた「分割脳」研究に、多くの部分を依存している。

理由は解明されていないが、脳は真中に鏡を立てたかのように、そっくりなふたつの部分から成立っている(一説には、半分が
破損した場合の「予備(スペア)」だともいう)。脳のてっぺん、頭蓋のすぐ下の部分は、大脳もしくは、大脳半球と呼ばれる
人類特有のもので、過去50万年の間に驚異的な発展を遂げてきた(これも進化全体から見ればわずかな時間に過ぎない)。
頭蓋のてっぺんを除くと、脳のふたつの半球はクルミのように見える。そのふたつを繋いでいる部分が脳梁と呼ばれる神経の束である。

1世紀以上も前から知られている事であるが、脳の左半球は言語と論理的思考を、右半球はパターンと直感をつかさどっている。
並んだ数字を足し算するのは左、人の顔を識別するのは右、というわけだ。左を科学者に、右を芸術家に例えてもいい。

左脳が傷つくと言語障害をおこすことはあるが、絵を書いたり鼻歌を歌う能力は衰えない。右脳を損傷した人は、
全く論理的で筋の通った話をするが、子供の落書きのような絵すら描く事が出来なくなる。

最も奇妙なのは、癲癇を防ぐためにしばしばとられる処置であるが、ふたつの半球を繋いでいる脳梁を切断すると、
患者が文字通りふたつの人間に分裂するということだ。
57,:2008/08/21(木) 05:02:54 ID:qC4SgzTq
ある「分割脳」患者は、片手でファスナーをおろそうとしながら、もう一方の手で上げようとしていた。
又右手でジグソーパズルをしているときに、左手が絶えず邪魔をするため、右手の上に座り込んでしまった患者もいる。
(ついでながら、これも理由は不明だが、右脳は肉体の右半分を支配し、左脳は左半分を支配している。)

しかし最も重要な発見は、いわゆる「あなたは左脳に住んでいると言うことである。右脳に住んでいるのは、未知の人間なのだ。
ある分割脳患者は、右脳で(すなわち左眼で)卑猥な絵を見て赤面しながら、何故赤面したのかと問われて、
「わかりません」と答えている。

「実体無き声」は、この右脳に住む「もう一人の人間」が発し、スピーカーを通すようにして「左脳のあなたに」聞こえてくる、
とジェインズは考えたのだ。

この理論には明らかな難点がある。ジェインズは分割脳患者ではないが、幻聴を体験している。アダム・クラブツリーの患者達も同様だ。
奇妙に聞こえるかもしれないが、人間は皆、ある意味で分割脳患者だと言える。我々は全員、程度の差こそあれ、
深部に住む直感的な自我から疎外されているのだ。

モーツァルトはかつて、細部まで完全な音楽が頭の中に入り込んでくるのだと語った。つまり音楽が、作曲したり絵を描いたりする
右脳から「わたし」である左脳に入ってきたと言う事だ。モーツァルトでさえもが
一種の分割脳患者なのだ。我々一般人に関しては言うまでもあるまい。

ジェインズによると、この声はまた、遠い先祖の左脳にも完全な形で入り込んでいたと言う。祖先たちは当然ながら、
それを神々の、もしくは唯一神の声とみなした。旧約聖書やイリアス(トロイの攻囲戦を歌った叙事詩。ホメロスの作と考えられる)
の登場人物たちが始終神の声に行動の指針をあおいでいるように見えるのは、このためである、、、。

これは現在の論点とは無関係だ。ジェインズの見解のうちここで問題となるのは、「声」が右脳から発せられると言う点、
そして、人類は歴史の黎明期からそれを聞いていたと言う点である。
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/esp/1199580812/79-85
もしこれが事実であるならば、セイラの祖母やスーザンの父親やアートの母親の声は、実に明快に説明される。とりわけ最期の事例においては、
デトロイトに住む女性が遠いトロントにいる息子の頭の中に「侵入」したと考えるより、はるかに説得力のある解釈となるだろう。
58,:2008/08/21(木) 18:15:24 ID:qC4SgzTq

基本的には、ジュリアン・ジェインズに対する世間一般の評価は、ボロクソだったらしい。
ジェインズによると、旧約聖書の著書(http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/occult/1178843043/348の真下のホームページ)、
「ギッルガメシュ叙事詩」(ギルガメシュは紀元前2000年ごろのバビロニアの伝説の王http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/min/1007575821/99-102
の著者、「イリアス」と「オデュッセイア」の著者(古代ギリシャのホメロスのこと)は、いずいれも現代で言う「自意識」を全く欠いている。
彼らの意識はもっぱら外の世界へ向く。自分の内部を見る能力を備えていない。ジェインズはホメロスの登場人物について次のように述べる。
「このヒーローたちの猛々しい目の裏に思考の空間を創造しても、それで彼らにアプローチしたことにはならない、、、。イリアスの時代の人間は、
現代人のような主観性を備えていない。彼らには「世界に対する自分」と言う意識が欠如している。内省すべき内部の思考空間が無い」。

さて何とも摩訶不思議な考え方である。人間は、何か事を行なう時、習慣として「自分の内部に見入る」。「電車で行こうか、それともバスか?」と、
あたかも他人に尋ねるように自分に問い掛ける。この種の問いかけなしに事を行なうなど、とうてい考えられない。ただし、
こんな状況もある。バスの道が角を曲がって直進してくる。私はすぐさま歩道に飛びさがる。しかし、これは極めて単純な
「意思決定」だ。一方、「電車かまたはバスか」の場合、二つの手段を心の中に描き、比較しなければならない。自分の内部に見入る
「必要」がある。旧約のソロモン王やオデュッセウスは心のこの手順を踏まずに意思決定した。そんなことは到底考えられない。

これに対するジェインズの回答はこうだ。「彼らは、なすべきことを命ずる声、自らの頭の内部の声を聞いた」。ジェインズは
自分でも似たような体験をした挙句、この可能性を信じるに至る。次のように書いている。「ある午後、私は論理の展開に生きづまり
ソファに寝ころんでいた。突然、完全な静寂から一つの確固とした明瞭な声が聞こえてきた。右上の方向だ。
それがこう言った。「知る者を知られているものに加えなさい!」。私は飛び上がって叫んだ。「どなたですか?」。
部屋に誰か居ると思って見回した。その声は正確に一つの場所から発せられた。そこには誰も居なかった!」。
これは聴覚の幻覚である。これがきっかけでジェインズはこの研究をはじめた。その結果、ごく普通の人にもこれが稀でない事が解った。
一方、聖書やイリアスのような古代の文書にも「自分に対する問いかけ」がまったく欠けている。そこにあるのは、巨大な量の
「耳の幻覚」である。これは唯一神の声あるいは神の声と解釈される。こうジェインズは判断した。
59,ミジンコ:2008/08/21(木) 19:02:43 ID:qC4SgzTq

http://life9.2ch.net/test/read.cgi/utu/1176831538/822 http://life9.2ch.net/test/read.cgi/utu/1176831538/779

>>56-57

ジェインズは、「耳の幻覚」も右脳で起きると考え、次のように述べる。「ホメロスの古代の英雄は神のお告げの話を聞くが、
それは右脳の発した声であった。その声は拡声器のように右脳に鳴り響いたに違いない」。前に述べたように、
エジプトやメソポタミアの古代の王は、神々の言葉を告げる存在と自認した。これもジェインズの説を支持するように思われる。

ジェインズは、人間が最初に言葉を作ったのは、、、、「あぶない!」とか「食べ物!」とかの単純な叫び声、、、、ほんの7万年前のことに過ぎないと
考える。言葉が連続する単純な文を話すのは更に後、、、、恐らく二万五千年から1万5千年前の間、、、、のことだ、ただし、言語を備えたが、まだ
自意識は無い。ある男が川の上流へいって堰を作るよう命ぜられたとする。彼には自分がする事を自分に言い聞かせる手立てが無い。
「自分に言い聞かせる」には自意識が求められる。彼は、上流への道をたどりながら、絶え間なく命令、、、、「堰」に相当する単純な単語、、、、
を繰り返したに違いない。この場合、右脳が援助の手を差し伸べるので、彼はその単語を忘れないで居る事が出来る。翌日、
朝6時に起床しなければならないとする。大抵の人は前の晩そう自分に言い聞かせ、翌朝その時間に目を覚ます。右脳が目覚し時計の
役目を果たすのだ。原始の狩猟者がその場所についたとき、彼の右脳は堰に相当する単語を繰り返す。彼はそれを声として聞く。
その声は、多分彼の頭の左上から聞こえてきたはずだ。

ジェインズはもっとも初期の農耕が発生した少し後、紀元前一万年頃にこれが起きたと考える。人間がそれまでより大きい
グループで生活をはじめた時点だ。一群の狩猟者として洞窟に住むのではなく、約50戸の家が集合した部落に最大で200人ほどの
人間が住んだ時点である。この規模のグループは指導者を当然必用とする。すなわち王である。しかし、この王が他界しても臣下は
彼の声を聞きつづける。そこで彼等は王がまだ生きていると考える。すなわち、神である。
「こうして人間は神々を信じるようになった」とジェインズは述べる。神々は「心の二重構造」の避けがたい産物であった。

、、、、て書かれた文章があるが、、、、えーっ?  、、、要するに先祖とかをひっくるめて神と言ったら混乱しないか?
人が死んだらその人は神であると言うような宗教家やオカルト関係者も居るが、死んだって人は人と考えるべきだと思われるが、、、
、、、、際どい話で、人それぞれこの問題はとらえ方が異なってくる事になる話である。
60,:2008/08/21(木) 20:11:11 ID:qC4SgzTq

ジェインズによると、このために初期の文明は「二重構造」の形をとる。人間は自分の行為に責任は無い。
神々の声に従ったに過ぎない。やがてきわめてゆっくりと意識が芽生え始める。これにはさまざまな
理由が考えられる。しかし、最大の理由は文字の発明である。紀元前3000年ごろだ。文字の目的は
情報を蓄えることだが、一方では人間を新しい複雑な世界に駆り立てる。情報の蓄積を開始すると、
とたんに好き嫌いに関係なく人間は複雑にならざるを得ない。書斎がこのプロセスの良い例である。
著者は、現実の世界からちょっと身を隠すのが隙だから本を集める。本のコレクションが次第に大きくなる。
何か順番に基づいて保管することが必要になる。本棚を作り、分類の基準を決めなければならない。
厄介な作業だ。しかし、床で本の山につまずいたり、無くなってもいいと覚悟を決めない限り、
「図書館学」の初歩を自分に教え込まなければならない。つまり、好き嫌いに関係なく自分を「組織する」
事を余儀なくされる。

こうして文字の発明により新しい種類の複雑さが人間の生活に加わり、心の二重構造が徐々に崩壊し始める。
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/archeology/1206868737/90-91紀元前2500年にさかのぼる大ピラミッドや
 http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/archeology/1206868737/63 ストーヘンジのような巨石遺構は「コンピューター」
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/min/1007575821/72-96として建造されたと考えられる。目的は僧侶が
これを用いて天体図を作成する事である。「スターシーカーズ」の第一章参照。)。更に紀元前1千年代は未曾有の天災と
緊張の時代となる。「文明は消滅した世界の人口の半分は難民となった。それまでは時々起きるにすぎなかった
戦争は、この一千年が血塗られた暗黒の週末に近づくにつれ、過酷さと頻度を増していった」。紀元前1500年ごろの
サントリニ島(ティーラ島としても知られる)の大火山爆発は、地中海全域を荒廃させた。前1250年と1150年の間には、
同地域は「海の民」で知られる侵入者の大群の餌食になった。海の民は血を流す文明をサメのように襲撃した。
このさまざまな緊張に直面して、従来の児戯に類した心理構造では到底通用しない。文明を再構築した人々には、
新しい資質の無慈悲さと効率が必要となった。http://changi.2ch.net/test/read.cgi/uwasa/1178845673/415-421
暴力には更に執念深い報復が求められる。「侵入者に蹂躙された妻が陵辱される。自分の内部の声に従う人間は直ちに
反抗する。その結果恐らくその場でなぶり殺しにされる。一方、自分の内部と外部で装いを違える事が出来る人間が
出現する。当時の不可避の事態をじっと我慢し、心の内部で他日を期す。この種の人間が生き残る。
61,:2008/08/21(木) 20:45:17 ID:qC4SgzTq


この「心の変貌」の最初の兆候は、ジェインズによると、メソポタミアで発生する。紀元前1230年ごろ、
アッシリアの独裁者ティグラートニグルタ一世は石像の祭壇をつくった。今に残る絵図が示すのは、神の「空っぽ」の
台座の前にひざまずく王の姿である。初期の彫刻では、立って神と語り合う王が示されている。
神は消滅し王は独りぼっちになったのだ。当時の楔形文字の記録に、次のような詩行がある。

神を有せざる者が通りを歩む  頭痛が衣服のごとくこのものを襲う

頭痛は、神経の緊張の結果だ。直感的自己との接触を失った事態の結果である。人間はストレスに見舞われると
怒る事で問題に反応する。ジェインズによると、歴史で残酷さがはじめて日常茶飯事になるのはこの時点であった。
男女の串刺しや子供の斬首の絵柄が始めて登場するのは、この時期のアッシリアの彫刻である。


以上が、犯罪と病気の狂気の元となる異常の意識(自意識)の発生に関するジェインズの説の概要である。


http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1206375108/161-162