フレッシュプリキュアで百合7

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1名無しさん@秘密の花園
フレッシュプリキュアの百合について語ろう!
百合な雑談や妄想、SS投下も自由にどうぞ

前スレ
フレッシュプリキュアで百合
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1237612270/

フレッシュプリキュアで百合2
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1250244090/

フレッシュプリキュアで百合3
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1251727459/

フレッシュプリキュアで百合4
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1253455706/l50

フレッシュプリキュアで百合5
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1254778481/l50

フレッシュプリキュアで百合6
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1256323120/l50

フレッシュプリキュアで百合避難所(規制で書き込めない場合はこちらへ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257078258/

百合板の酒場(タブーな話題、軽度な馴れ合い等はこちらで)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257946944/

フレッシュプリキュアで百合SS保管庫 @ ウィキ
http://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html

無印からフレッシュまで、どのカップリングもオッケー
プリキュアシリーズ百合萌えスレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1248184495/601-700

プリキュア5までの百合を語りたかったら↓
じゅうににんはYES!百合キュア
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1197494966/

次スレは>>970を踏んだ人が立てること
もしくはスレ容量(470KBを超えたぐらい)を見て判断しよう
基本はsage進行で

〜SS投下について〜
名前の欄に題名を入れて欲しいとの事でした。(決定稿ではありません)
組み合わせ(ラブ×せつな等)も表記するとさらにGJ。
読み手さんには気分を害してしまう方もいらっしゃるので、不安な方は
回避推奨や閲覧注意などで呼びかけしましょう。
イメージはあまり崩さない。これ必須。
後はあなたの無限の発想力を活かして作ってみよう!
2名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 01:32:12 ID:BCCyk/nw
>>1
おもちゃの国は>>1乙でいっぱい!
3名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 06:07:55 ID:Gc8YaCn4
>>1
狂おしく乙
4名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 07:35:13 ID:0CcDRDrj
ありがとう…>>1おかあさん…
5名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 10:17:05 ID:Iu21IbuX
>>1乙ーバー!!!
6名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 23:32:56 ID:gM3oXBSQ
>>1完璧!
7名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 00:09:32 ID:41fG7CVe

長々続いてきましたが、未処理案件を片付けようと思います。といっても、もう一回あるのですが。

今回は実質最終回で、次回は全編通してのおまけのような位置づけになります。


前スレ358〜361「恋はなんとやら」の続き

タイトル「幸せとは?」
ラブ×せつな
せつな視点
R−18


性描写はほとんどありません(微エロ程度)が、性的関係を前提としておりますので、
お嫌いな方は回避してください。

8「幸せとは?」SABI:2009/11/19(木) 00:11:18 ID:41fG7CVe

クローバーのダンスレッスンが終わった後にブッキーと図書館へ行ったため、帰宅がいつもより遅くなってしまったけど、ラブは私を待っていてくれた。
一緒に夕御飯を食べ、食事の後片付けをしていると、隣にいたラブが、

「せつな、話があるの。後であたしの部屋に来てくれる」
「ええ」


ラブの話って何だろう。
関係をやめようということなのかな?でも、私にとっては好都合。
関係を続けようということなのかな?でも、いずれは話さなきゃいけない事。
それが今日だっていうことだけ。

どちらにしても、私には怖いことなんてない。・・・はず。

ブッキーから教えてもらったベストの呼吸をしてみる。
でも、どきどきする。


緊張している私に、
「せつな、今夜は何もしないから。多分、ね」

ラブは苦笑いを浮かべながら、ベッドに腰掛ける。

「せつなもあたしに何か言いたいことあるよね」
あたしの話は長くなると思うから、というラブの言葉で、私は覚悟を決める。


「ラブ、私ね。この関係やめようと思う」

ラブの方を見ると、当然の様に聞いている。もっと取り乱すかと思ったのに。

「たぶん、そう言うと思った。でも、そのせつなの願いは却下」

私が抗議しようとすると、それを制し言葉を続ける。

「ゴメン、その理由も後で言うから。せつなは今、幸せ?」


私が幸せ?
当たり前じゃない。
家族がいて、友達がいて、そして、仲間がいる。
ラビリンスにいた頃では考えられなかったこと。

「勿論よ」

「そっか。でも、今のせつなは幸せには見えない」

私はそんな顔をしているのだろうか。

9「幸せとは?」SABI:2009/11/19(木) 00:14:04 ID:41fG7CVe

「あたしの幸せは、大好きな人が笑顔でいてくれること。
あたしの大好きなせつなが笑顔じゃなかったら、あたしだって幸せじゃない」

私はラブを不幸にしないために、身を引こうと思ったのじゃなかった?

「せつなが悩んでいるのは、お父さんとお母さんのこと?」
「ええ」
「前にも言ったと思うけど、今はこのままでいちゃダメかな」

「それに、せつな、今でも悪い夢見てるでしょ」

私が悪夢にうなされていること、ラブが知っているの、どして?


「そんなせつなに、お守り」

ラブが机の中から、鎖のようなものを取り出す。
シルバーのペンダント、先には小さいクローバー。

「あたしがせつなにプレゼントしたいと言ったら、美希たんが一生懸命、仕事の合間に探してくれたんだ。あたしに買えるものって、予算的にも厳しいし。
それにこれはクローバーが小さいから、いつも身につけていられるしね」


ラブから手渡されたペンダントは、少しひんやりとしていたけど、
プレセントしてくれたラブと、探してくれた美希の温かい心を受け取る。
以前、ラブからもらったクローバーのペンダントとは少し違うけど、私とラブの愛と幸せの結晶。


「ありがとう、ラブ・・・・・ありが・・とう、美希」
「せつな、泣かないで」

ラブの言葉に、なんとか泣き止もうとするが、かえって、涙が次から次へと溢れだす。

10「幸せとは?」SABI:2009/11/19(木) 00:16:28 ID:41fG7CVe

 「それとね、せつなが一人で図書館に行った日にね、ブッキーからメールがあって、
せつなちゃんと喧嘩したの?だったらラブちゃん、せつなちゃんに謝りなさい、だって」

「喧嘩の内容も聞かないで、だよ。ひどいと思わない、ブッキー」

ラブの大げさな言い方が可笑しくて、私は思わず笑ってしまう。


「よかった。ようやくせつなが笑ってくれた」

「それは冗談だけど。ブッキーから本当にメールがあって。
せつなちゃんが何か悩んでいるから、ラブちゃん力になってあげて、自分ではだめだからって」

「あたし達、いい友達を持ったね」
「うん」

「二人は私達の関係・・」
「知らない・・・と思う。少なくとも、あたしは言ってない」
「そう」


「ラブ、これつけてくれる」

ラブにペンダントを差し出し、後ろを向いて、後ろ髪をかきあげる。
ペンダントをつけたかと思うと、ラブが私の首に顔を埋め、後ろから抱きしめてくる。
その後にきた、確かに湿った感触。
うなじにかかる熱い息に、濡れた部分が敏感に反応する。


「ラブ、今夜は何もしないって」
「あたしだって健全な女子だし」
「健全って・・・」
「それに、多分って付け加えたから」
「えー、そんなの聞いてない」
「上の方見てみて」
「上の方??天井しかないけど?」
「だからー」「何よー」



私の幸せ。

カオルちゃんのドーナツを食べたり、クローバーの仲間達とダンスをしたり、家族みんなの楽しい団欒の時。
だけど、それだけじゃない。

私の一番大好きなラブのそばにいて、
一緒に笑いあったり、怒ったり、喜んだり。同じ時間を共に過ごすこと。

それが、私の一番の幸せ。




11「幸せとは?」SABI:2009/11/19(木) 00:17:34 ID:41fG7CVe

恒例のおまけ。数時間後のラブとせつな。


「あたしとせつなが出逢ったのって、宿世の縁なのかな」
「宿世の縁?」
「竹取物語のかぐや姫のセリフで、生まれる前から決められていたことっていうか」
「言葉だったら、知っているわよ。私は占い師だったし」
「そっか、そうだったね。せつなは占い師さんだったんだ」
「そういえば、私とラブが初めて会った後にね」
「うん」
「私とラブの未来を占ってみたんだけど」
「うん」
「聞きたい?」
「うん、聞きたい」
「どうしようかな?」
「えー、せつな、教えてよ」
「じゃあ、教えようかな。ずっと離れられない運命だって」
「本当?」
「私がラブに嘘言っても、何も得することないじゃない」

私はその占いの結果を見た時、否定したかった。
敵との関係が続くなど、私がプリキュアを倒せないということではないかと。
だけど、占いが正しかったことが、今なら分かる。

「ラブ、眠くなっちゃった?」
「う・・・ん・・。やっぱり、そうだね。やっぱりあたしとせつなは・・・」
「ラブ、私は恋愛運を占った訳じゃない・・・って、あ、もう眠っちゃった」

私はベッドの上から月を眺める。
ラブの部屋に差し込む月明かりは、いつもより温かい光に感じられた。
月がその時、私に教えてくれた気がした。

明けない夜がないように、私達にもいつか必ず春は来るのだと。

12 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/19(木) 02:10:11 ID:bWMpQpFc
>>11
GJでした。そういえばせっちゃんは、第1話で占いをしてましたっけ。確かに、長い付き合いに・・・・・・
なんて言ってましたね。ここまでの深い付き合いになるとは思ってなかったのでしょうが。


さて。

改めて、こんばんは。
連載も終え、一息ついたところ。お仕事も今は忙しさの谷間といったところになったので、
また創作活動に力を注いでようかと。

コメントを下さった皆様方、ありがとうございました。
特に、私の書く美希が好き、と言って頂けて、嬉しく思います。


というわけで。
『Girl Talk』
美希ラブ、非エロです。百合分薄めの、他愛もない日常物でございます。
13 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/19(木) 02:10:45 ID:bWMpQpFc
 Trrrr Trrrr

「ん・・・・・・ぅ・・・・・・はい、もしもし?」
『おっはよー、美希タン。何してるー?』
「ラブ? あたしなら、たった今、起きたところ・・・・・・ってか、今、何時?」
『今はねぇ、朝の八時半だよ』
「ふあーぁ・・・・・・珍しいじゃない。お休みの日に、ラブがこんなに早く起きてるなんて。どうしたの?」
『あはは。せっかくいい天気だからさ、どこかお出かけしないかなー、って思って』
「んー、いいわよ。それじゃ、仕度が出来たら連絡するから・・・・・・」
『うん。美希タンの部屋で待ってるね』
「・・・・・・え?」

 コン コン

 ノックの音に、美希はモソモソとベッドから起き上がる。ガチャリ、と扉を開いて中に入ってきたのは、

「ラブ!?」
『へへー。驚いた?』

 携帯に向けて話しながらも、ラブはニッコリと笑って、美希にVサインをして見せる。
 一瞬、呆気に取られるが、やがて苦笑が生れて。

「もう・・・・・・まだ寝てたのに」
「ごめんごめん。もう少し、寝てる?」
「いいわ、起きる。シャワー浴びてくるから、ちょっと待ってて」

 言いながら眠い目をこすりながら部屋を出て行く美希の背中に、ラブは、はーい、と元気な返事を投げかけたの
だった。




    Girl Talk




14 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/19(木) 02:11:41 ID:bWMpQpFc
「お待たせ――――ってラブ、何、見てるのよ?」

 シャワーを浴びて部屋に戻ってくると、ラブは部屋の真ん中でアルバムを広げて見ていた。

「えへへ。懐かしいね、これ」
「やだ、勝手に見ないでよ」
「いいじゃーん、どうせアタシ達の写真ばっかりなんだからさ」

 ま、それもそうか。
 思いながら、美希は鏡台の前の椅子に腰を下ろし、ドライヤーで乾かした髪をブラシで梳き始めた。普段からの
手入れが良いせいか、サラサラと流れる髪は、彼女の自慢の一つだ。

「うわー、ちっちゃかったんだね、この頃の美希タン」

 そんな彼女の脇にトテトテとやってきたラブが、手に持つアルバムを広げて見せてくる。仕方なく目を向ければ、

「やだ、こんな写真、残ってたの?」

 二歳か、三歳ぐらいだろう。まだ物心も付いていない頃。美希が大きな口を開けて、泣き叫んでいる。その後ろには、
ハロウィンのカボチャのオバケがあって。

「このオバケ、美希タン、嫌いだったよねー」
「やぁねぇ、昔の話よ」
「結構、最近まで、苦手だったと思うんだけどなー?」

 誤魔化そうとしてみても、そこは幼馴染、これまで共に過ごしてきた時間は長い。だからこそ、知られてることがある。
覚えておいて欲しくないことまで。

「はいはい、そーよ。苦手だったわよ、ジャック・ランタンが」
「えっへへー、そうだよね。幼稚園の時、アタシがカボチャの仮面をつけてきたら、美希タン、すっごくビックリして泣い
ちゃってたもんね」
「・・・・・・ホント、変なこと、覚えてるわね」

 言われて、美希も思い出す。確かに泣いた。泣いてしまった。
 あの時、ラブが遊びに来たと思って、喜んで扉を開いたら、カボチャのオバケがいたのだ。

「とりっく・おあ・とりーと?」

 悪戯か、お菓子か。カボチャのオバケはそう言ったのだが、美希はもう、何も聞こえてなかった。ただただ驚いて、
怖くて、大声で泣き始めてしまったのだから。
 ラブも心底、ビックリしたことだろう。慌てて仮面を外して安心させようとしたが、美希は泣き止まず、結局、つられる
ように彼女も泣き出してしまった。遊びに来ていた和希や祈里も、それに合わせて泣き始めて、結局、泣き声の大合唱。
 何事かと出てきた美希の母親が収拾を付けてくれなければ、どれだけ泣き続けていたことだろう。

「けど、ラブはあの頃と変わらないわね。いきなり押しかけてくるとことか」
「えー、そうかな? ちゃんと携帯で連絡してるじゃん」
「家の中に入ってきてから、かけてるんじゃない!!」

 不本意、と言わんばかりのラブは、ついさっきのことを本気で忘れているようだ。指摘すると、おお、と手を打つ彼女。
美希は、小さく溜息を付きながら、乳液を掌の上で伸ばし、頬になじませていく。

「そういえば、せつなも時々、急に来ることがあるわね」
「せつなが? どうして?」
「電話で話したりしてて、何か貸して欲しいものがある時とか、アカルンで直接、ここまで来るのよ。あたし、ビックリし
ちゃうんだから」

 電話が切れた、と思ったら、次の瞬間には部屋まで跳んで来るのだ。お陰で、せつなと話す時は、だらしない格好を
してられない。うっかりすると、前触れもなく現れるから、見られたら・・・・・・と構えてしまう。
15 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/19(木) 02:12:44 ID:bWMpQpFc
「えー、せつな、そういう使い方してるの? ずるいー。アタシのお願いは聞いてくれないのにー」
「ずるいって・・・・・・ラブのお願いなんてどうせ、遅刻しそうだからアカルンで学校まで連れてって、とかそんなのでしょう?」
「えっへへー」

 笑って誤魔化すあたり、図星だったのだろう。もう、と言いながら立ち上がり、クローゼットを開ける。今日は、どの服を
着ていこうか。 

「あたしが言っておいたのよ。ラブがそんな風にアカルンを使おうとしたら、断りなさいって」
「えー!? どうしてー、美希タン。ひどいよー」
「親友が堕落していくところは、見たくないのよ。だから、心を鬼にしたの」

 後ろでラブがブーイングしているのを聞き流しながら、クローゼットの中から服を取り出し、姿見の前で合わせる。

「って、そういえば、そのせつなは? 今日は一緒じゃないの?」
「うん。なんか、ブッキーと出かけるんだってさ」
「あら、フラレタの? だから代わりに、あたしのとこに来た、と」
「もーう、そんなんじゃないってば」

 からかいにも真っ直ぐな反応を返す彼女を微笑ましく思って、美希はまたコッソリと微笑む。
 ふと見れば、鏡の中に写るのは、親友の姿。今日のラブは、ピンクのシャツにミニスカート、その上にえんじ色の
コートを羽織っている。胸元には赤いハートのペンダントが輝いていて。

「あら? ラブ、そのペンダント」
「え? これが、どうかした?」
「前に、せつなが同じもの、付けてたな、って思って」

 確か、先週の土曜日に、一緒に出かけた時のこと。綺麗な澄んだ赤色で、せつなによく似合っていると褒めた
ものだ。それを聞いた時、嬉しそうにはにかんでいた彼女の顔は、なんだかとても女の子らしくて、記憶に残っている。

「ああ、うん。同じものだよ。結構、二人で服とかアクセサリの貸し借り、してたりするんだ」
「へぇ、そうなんだ」
「うん。このコートだって、元々はせつなが選んだものなんだよ」

 嬉しそうに言いながら、いいでしょ、とばかりに見せてくる。その無邪気な姿に微苦笑しながら、なるほどね、と
彼女は頷いた。確かに、ラブにもせつなにも似合っているだろう、その色は。

「いいわね、二人分、楽しめるってわけね」
「まぁね。けど、美希タンと一緒に暮らしてたら、そういうのは出来なかったかなぁ」
「あたしはラブに貸せるけれど、その逆はね」
「もう、美希タンったら。いちいち言わなくてもいいじゃーん」

 唇を尖らせて、プイ、と拗ねたようにラブはそっぽを向く。それを見てクスクスと笑いながら、美希は選んだ服に
袖を通した。水色に近い蒼のワンピースに、ラベンダー色の少し小さめのジャケットを羽織る。スラリとしたスタイルを
嫌味のない程度に見せながら、歳相応の可愛らしさも感じられる格好。
 美希のようにモデル体型でなければ、ここまで様にはなっていなかっただろう。
16 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/19(木) 02:13:35 ID:bWMpQpFc
「うわー。やっぱり美希タン、綺麗ー」

 最後にカチューシャを頭に付けると、ラブが感嘆の声をあげる。ほんの一瞬前までブーたれてたとは思えないぐらい、
目をキラキラとさせてこちらを見ていて。

「フフン、とーうぜん。あたし、完璧!!」
「うんうん、ホント、美希タン完璧っ!!」

 褒められて、美希は嬉しく思う。勿論、自分が完璧だという自信はある。けれど、他人に――――ラブに言われると、
もっと自信が深まる。幼馴染の彼女は、本当に素直に感動してくれるから。
 つまり、本気で完璧だと思ってくれている、ということ。

「お待たせ。準備、出来たわよ」
「よーっし。じゃあ、出かけよっか」

 ラブの笑顔に、美希は笑顔を返す。
 ベッドの上には、閉じられた一冊のアルバム。背表紙には、『3』と数字が書かれている。つまり、三冊目ということ。
 一冊目のアルバムからずっと、ラブと祈里の三人で写っている。最近のものは、せつなを入れて四人で。
 どんどんと増えていく思い出と、写真。中には、プリクラもあったりする。

 アルバムの背表紙のナンバーは、今も増え続けている。これからもずっと、増え続けるに違いない。
 写真の中の人数は、三人が四人になった。これからまた、増えるかもしれない。
 けれどいつまで経っても、きっと、ラブや祈里、せつなの姿は消えることが無いだろう。
 そんな気が、美希は、する。

「ね、ラブ。今日は、プリクラでも撮らない?」
「お、いいねー。久しぶりかも、美希タンと二人で撮るのって」
「そうかもね。そうと決まったら、行きましょ」

 そして二人の少女は、明るい笑い声をあげながら、外へと飛び出す。
 当たり前のように、手を繋いで駆けて行く彼女達の笑顔を。
 優しい秋の風が、そっと撫でて。
 流れていった。
17 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/19(木) 02:16:40 ID:bWMpQpFc
忘れてた。>>1乙。

さてさて。
気が付けば、7スレ目になりましてねぇ。
1スレ途中からの参加ではございますが、感慨深いものでございます。

今回の作品中のアルバムのように、これからもスレのナンバーが増えて行って欲しいものですね。
その為にも、お邪魔にならないようにしながらも、燃料を投下させて頂ければな、と思う次第。

今後も、何卒、宜しくお願いいたします。
18名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 05:09:56 ID:f9WmIr5D
GJ!生駒さんの書く美希たん、すごく女らしくて可愛い
19名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 05:26:06 ID:58mTS1Ey
GJ!初っ端から生駒さんとSABIさん来てたんだ。
ってか生駒さん驚異のスピード過ぎですwその美希たん下さいw

>>1さん信じてた!
20名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 22:26:52 ID:wuy34XiV
>>11
お待ちしておりました。せつな視点でしたが、美希たんや
ブッキーのナイスお仕事っぷりが光ってました!
ラブさんの大きなハートはまさに無限大。せっちゃんの葛藤ですら
包み込んでしまう。改めて実感する幸せ≠。
さすがミスタームーンライト。最後の描写はやはり月明かりでしたねー。

>>17
自分に取って、感慨深きSSで御座います。ラブ×美希にとてつもない
萌えポイントを抱いてるので、、、
この日常のやり取りこそ、フレプリの醍醐味かと思うんです。
ラブさんのとぼけた表情も、美希たんの優雅で繊細な姿も
みんな大好きなシチュです!
幼馴染の彼女は、本当に素直に感動してくれるから←僕も感動…
21 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:33:05 ID:f9WmIr5D
こんばんは
昨夜の投下失敗した者でございます。お恥ずかしい限りで、まことに申し訳ありません。

やっと完結させることが出来たので、久しぶりに継続ものを投下させて下さい。
ラブ浮気エピソードな為、苦手な方はご回避をお願いいたします。少し長めです。

タイトル【月だけがそのすべてを見ていた】
22 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:35:08 ID:f9WmIr5D
 美希にお礼と別れを言うと、せつなは桃園家へと歩き出した。
 アカルンで帰れば早いのだが、月が綺麗だったので何となく歩きたい気分になり、舗装されたアスファルトの小道を黙々と歩く。歩きながらせつなは考える。

 ラブとのこれまでの様々な出来事。イースとして使命を帯び、コードネーム『東せつな』として近づいた出会い。少しずつラブを知っていき、自分が自分で無くなっていく感覚。ラブとメビウス、その両方への相反する想いで心がふたつに裂けてしまいそうだった。
スタジアムのあの日、ラブはそんな自分を抱きしめてくれた。壊れかけた心ごと、強く強く。

 美希と話して本当に良かった。ラブへの揺るぎない想いに気づくことが出来て、今、せつなの感情は澄みわたっていた。

「せつな…ちゃん?どうしたの、こんな遅くに」

 声のした方を向くと、街灯に照らされ、驚いた表情でこちらを見つめる祈里の姿があった。

「やだブッキー、偶然ね。どうしたの?」

「コンビニの帰り…せつなちゃんは?」

「美希の家で話し込んじゃって、すっかり遅くなっちゃったの」

「そう…もし良かったら、遅くなりついでにもう少し話さない?」

 そう言いながら祈里が指差したのは、24時間営業のファミリーレストランだった。
23 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:38:24 ID:f9WmIr5D
 適当に空いている席に座ると、すかさず店員が水を持ち注文を取りに来る。

「私はカフェオレ…せつなちゃんは?」

「じゃあ、同じものを」

「カフェオレふたつ下さい」

 店員が去ると、せつなは笑顔で祈里に話しかける。

「珍しいわね、ブッキーがわたしを誘うなんて」

 せつながどこまで気づいているのか心配だったのだが、杞憂だったようだ。どうやら自分には疑いは持っていないらしいとわかって、祈里は心の中でホッと安堵のため息をついた。

「そんなこと…ないわよ?最近あんまり話してなかったし、話したかったの。…ラブちゃんは元気?」
「ん…元気、と言いたいところだけど、あんまり元気ないかな」

「…喧嘩でもした?」

「喧嘩でもないんだけど…そうね、美希にも聞いてもらったし、祈里にも言っちゃおうかな」

「なあに?」

「ラブね、いるみたいなの…ほかに好きな人が」

 驚きで、一瞬身体が震えてしまった。だが、そんな祈里の動揺に、せつなは全く気づいていない。

「それでこの前、美希と丘で出会って、嫌な気持ちを忘れるみたいにして、その…美希と…しちゃったの…キスを」

 頬を染めながら恥ずかしそうに告白するせつなに、祈里はただ、ただ、拍子抜けする。ラブという恋人がありながら、美希とキスしてしまったなどと、よりにもよって私に話すなんて。よほど私を信頼してくれているのだろうか。
 そう思うと、罪悪感が急激に祈里の中を駆け巡った。
24 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:40:26 ID:f9WmIr5D
 そんな祈里の胸中など、まるで知る由もないせつなは話を続ける。

「…さっき、美希に好きって言われたわ。わたしが誰を好きでもわたしのことが好きだって、美希はそう言ってくれた。

 そのおかげでわかったの。わたしね…ラブが好き。ラブが今誰を好きでも、これから先誰を好きになっても、やっぱりラブが好き。この気持ちだけはずっと変わらない。イースだった頃から、ずっと…。

 ラブはわたしに愛をくれたわ。愛すること、愛されることの素晴らしさを教えてくれたの。
 ラブはわたしにこの世界での居場所をくれた。いつの間にか…ラブのそばに居ることが、ラブの存在そのものが、わたしの居場所になってた。

 だから…今度はわたしがラブの居場所になりたいの。ラブがフラフラって何処かに行ってしまっても、いつだってわたし、ラブを待っていたい。駄目って言われても勝手に待ってる。そうしたらラブは、たまにはわたしのところにも帰って来てくれるかなって」

 せつなの言葉に打ちのめされ、祈里はしばし、呆然としていた。
 せつなは何て…何て子なのだろう。裏切られてもなお、愛し続けていくと言うのか。
 自分にこんな愛し方ができるのだろうかと、祈里は自問自答してみる。答えは一目瞭然だった。できるわけがないわ。敵わない…。
 自分のそれと比べるには、せつなの愛はあまりにも大きくて、盲目で、純粋すぎた。
 ラブとの関係に置いて、祈里は常に、『自分』が先にあった。
 自分が好きだから、好かれたい。自分が逢いたいから、逢いに来てほしい。自分が…、自分が…。
 だけど、せつなはそうじゃない。いつだってラブを重んじている。
 最初から叶わない恋だったんだ。だって、こんなに凄い女の子がライバルだったんだもの。

 堪えきれずにこぼれ落ちた涙を、せつなに気づかれないようにそっと袖でぬぐうと、祈里は偽りのない言葉を口にする。

「うん、ラブちゃんはきっとせつなちゃんのところに帰って来る。私、信じてる!」

「…ありがとう、祈里」

 ブッキー、ではなく祈里、と。せつなは確かにそう言った。
 自分に寄せられた親友に対する深い愛情を確信して、祈里は思う。ラブとの秘密を墓場まで持って行くのだと、そう心に誓った。ラブや美希や自分に向けられた、こんなにも穏やかなせつなの愛に報いるために。
25 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:41:20 ID:f9WmIr5D
「じゃあね、おやすみなさい」

 別れを告げ、再び歩き出したせつなを見送ると、祈里はリンクルンを取り出した。

『…もしもし』

 ラブの声がいつもより低く響くのは、電話越しのせいばかりではないだろう。

「今、せつなちゃんに会ったの。…久しぶりに色々話したよ」

『…そっか』

「せつなちゃんたらね、私が裏切ってること、まるで気づかないの。そしてね、ラブちゃんがフラフラしても、いつでも帰って来れる居場所になるんですって。全く…スケールが違うよね。大きすぎるよね…」

 電話の向こうで、ラブが嗚咽を洩らし始めていた。

「私、わかった。ラブちゃんを一番愛してる人が誰なのか。…だから、今夜でおしまいにする。ラブちゃんを好きな祈里は、今夜でおしまい。明日からはまた、元の幼なじみのブッキーに戻るね」

『祈里…ごめんね…ごめんなさい…』

 ラブの嗚咽が洩れ聞こえ、胸が焼け付くような苦しさに襲われるが、それでも祈里の決意は変わらない。

「駄目だよ!ブッキーって呼んで。私たち、今までよりもずっと仲良くなろう。せつなちゃんの愛に恥じないような、すて…すてきな…親友に…なろうね」

 最後まで言えた…涙で声がつまりながらも、ラブちゃんにちゃんとお別れが言えた。

「さようなら…私のラブちゃん」

 ラブが何か言う前に通話を終わらせる。月の光に浮かびあがった祈里の頬には、幾筋も幾筋も涙の跡が伝っていた。



26名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 22:44:43 ID:vXqZil9x
支援
27 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:45:15 ID:f9WmIr5D
「ただいま」

 せつなが桃園家の玄関のドアを開けた。パタパタとスリッパの足音がして、笑顔のあゆみが迎え入れる。

「おかえり、せっちゃん。遅くまでお邪魔して、美希ちゃんにちゃんとお礼言ってきた?」

「はい…レミおばさまがよろしくって言われてました。あの…ラブは?」

「それが珍しいのよ。お腹空いてないから夕御飯いらないって。部屋で宿題してるわ。せっちゃん夕御飯は?」

「美希のところで色々頂いてきたので、あまりお腹が空いてなくて…わたしも部屋で宿題してきます」

 あゆみに夕食を断り、せつなは階段を上った。階段を上り終え、廊下を進み、ラブの部屋の前に立つ。はーっと大きなひと息を吐いてから、ゆっくりと3回ノックをした。

コンコンコン

 わかってはいたが、やはり返事はない。

「ラブ、わたしよ。…入るわね」

ガチャリ

 ドアを開けると、部屋の中は薄暗く、窓からは月明かりが差し込んでいる。その明かりに照らされ、床に体育座りをしているラブが見えた。背をベッドにもたせ掛け、両腕で膝を抱え込み、顔は俯いていてその表情は見えない。
 せつなはラブのそばに行き、隣に腰かける。

「ねぇラブ…何も言わないでわたしの話を聞いてくれる?」

 こくん。ラブの頭が少しだけ頷いて、せつなの言葉を聞いていることを示した。

 その仕草を確かめると、せつなは凛と前を向き、隣でうなだれる少女に向かって口を開いた。

28 ◆EeRc0idolE :2009/11/19(木) 22:47:21 ID:f9WmIr5D
「わたしね…美希に好きって言われたの。すごく嬉しかった。わたしも美希が好きよ。
 でも、どこか違うの。わたしの『好き』と美希の『好き』は、同じようで、全然違ったの。
 わたしの『好き』はラブの形なの。ラブにしか当て嵌まらないみたい。
 だけど、ラブの『好き』の形は、今変わろうとしてる。わたしの形から、別の形に…。
 だけど、わたしなら形を変えられる。あなたの望むどんな形にもなる。だから…だから…これから先も、ずっとあなたのそばにいさせて…」

 声にならない嗚咽で、ラブの肩が震える。

「それだけ言いたくて…じゃあおやすみなさい、ラブ」

「待って!」

 自室に戻ろうとするせつなの手首を、ラブが咄嗟につかんだ。
 顔を上げたラブの瞳は、涙まで睫毛まで濡れて、くしゃくしゃに崩れている。

「ごめん、せつな、ごめんなさい…。あたし、今までちっともわかってなかった。どれだけせつなが大切な人だったのか、今初めてわかった。あたし…あたしね」

 言いかけたラブの唇に、せつなが人差し指をそっと当てる。

「いいのラブ、いいの…何も言わないで…ぎゅうってして…」

 ラブはせつなの細い腰を引き寄せ、その身体を強く強く抱きしめた。

「もっと強く、ぎゅうってして…」

 せつなの身体はこんなに細かっただろうか。ずいぶん長い間、せつなを抱きしめていなかった気がして、ラブはその腕により一層の力を込める。

 ふっと、ラブの胸にふたりの幼なじみ達の幻影が去来する。
 ごめんね、みんな…。あたしが我が儘言って欲張ったから、みんなを泣かせて傷つけてしまった。みんなみんな、あたしのせい。
 だけど、これからは…。
 暗い道でさ迷う自分に、月の光のように、祈里がたったひとつの方向を指し示してくれた。そして、腕の中にいるひとの大切さにようやく気づけたのだから。
 もしもまた迷うことがあるなら、その時のために、祈里が捧げてくれた想いを背負って、これから先も生きていく。弱いあたしを戒めてくれるだろう、十字架のような彼女の心を背負って。

 窓から差し込む月明かりに照らされ、ふたりは抱きしめあう。心の中の様々な傷も罪も、頬を伝う涙も、重ね合わせた唇の熱さも、月だけがそのすべてを見ていた。

29名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 22:49:31 ID:f9WmIr5D
以上です。
>>26
支援ありがとう!
やっと完結させることができました。酒場の皆様本当にありがとう。
自分、最高に今幸せだ〜
30名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 22:54:12 ID:wuy34XiV
>>29
鼻の奥がずっとツーンとしてるんだ…。報われない愛が形を変えて、
また一歩歩き始めようとしてる所がもう…。
それぞれの描写、それぞれの視点、感情。交錯してるけど、ゴールは
笑顔なんだよね。涙じゃダメなんだよね。上手く言えないけど、みんなの
愛に嘘は無かったよ、絶対。
31名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 00:54:47 ID:d3YYfs/c
>>29
完結おめ!
元に戻るために、ケリを付けるブッキーが健気だ。
32 ◆BVjx9JFTno :2009/11/20(金) 00:59:07 ID:d3YYfs/c
こんばんわ。

新スレおめでとうございます!

40話見て浄化されていて、
最近は白妄想しか浮かびません。

ラブせつ、エロ無し、また40話ベースの脳内補完です。
お目汚し失礼します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


湯気で曇った鏡を見て、
冬が近づいてることを実感する。

バスタブに、体を沈める。

爪先と、指の先から、
じんわりと暖まっていく。

鼻まで、お湯につかる。

ゆうべの、あたしの言葉が
頭の中で、繰り返される。


「お母さんがせつなのこと、どれだけ
 思ってるかも知らないで!」


あたし、何てこと
言っちゃったんだろう。


知らないわけ、無いじゃない。


33 ◆BVjx9JFTno :2009/11/20(金) 01:00:15 ID:d3YYfs/c

パジャマに着替え、階段を上る。

せつなの部屋のドアが、
少し開いている。


すき間から、中を覗いてみる。

ベッドに、パジャマ姿の
せつなが腰かけている。


手首を、何度も、
何度も、撫でている。


せつなの横顔は、髪で隠れて
ほとんど見えない。


「...さん」

かすかに聞こえる声。


「おかあさん...」


34名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:00:50 ID:KKN+/uUm
◆EeRc0idolE、GJ!

ずっと待ってた甲斐があった…。せっちゃんもブッキーも健気!
ラブやん、もう浮気すんなよ!

あなたのエロも大好きなんで、そっちもまたたのんます。
はー、待ってた作品が終わるとホッとするけど淋しいw
35 ◆BVjx9JFTno :2009/11/20(金) 01:02:34 ID:d3YYfs/c

胸が、ぎゅっと
締めつけられた。

せつなの、お母さんへの思い。


わかってないのは、
あたしの方。

あたしは、せつなの気持ちも考えず、
感情的になってしまった。


涙が、こみ上げる。

「ラブ...?」

入口でしゃくりあげている
あたしに、せつなが気づいた。


「どしたの?」

駈け寄ってくる。


「せつな...ごめん...」
「え,,,?」


「あたし...せつなに、ひどいこと...」

ほとんど言葉になっていない。


36 ◆BVjx9JFTno :2009/11/20(金) 01:04:32 ID:d3YYfs/c

「ううん、いいの...」

そっと抱きしめられた。


「私、ラブに言われたとき、気づいたの」
「えっ...」

「お母さん、って、
 呼んでもいいんだって...」


せつなの腕に、
力が込められる。


「やっと、言えた...」


せつなの思いが、心に届く。


こぼれる涙が、後悔の冷たさから
祝福の暖かさに変わる。


あたしも、せつなを
ぎゅっと抱きしめる。


しばらく、抱き合ったまま
ゆりかごのように、ゆっくりと揺れた。

37 ◆BVjx9JFTno :2009/11/20(金) 01:07:23 ID:d3YYfs/c

部屋から、枕を持ってきた。
右手首には、ピンクのブレスレット。


「一緒に寝てもいい?」

せつなが、微笑んでうなずく。


電気を消して、
布団にもぐり込む。


せつなが、布団から左手を出して
ブレスレットを見つめる。


「今日のこと、ずっと忘れない...」
「あたしも、忘れないよ...」

右手を出し、ブレスレットを重ねる。


せつなの指が、
あたしの指に絡まる。

布団を通して伝わる、
ふたりの体温。


「あったかい...」


しばらくして、せつなの
寝息が聞こえてきた。


北風が舞い、窓ガラスを
かすかに揺らす。


あたしは、繋いだ手が冷えないように
そっと布団の中に入れた。

38 ◆BVjx9JFTno :2009/11/20(金) 01:10:03 ID:d3YYfs/c
以上です。
お目汚し失礼しました。

もういっちょ妄想拡がっているので書き中です。
いやー40話は強烈すぎますわ。
せっちゃん愛しいよせっちゃん
39名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:15:52 ID:WyyDRATF
>>38
感動萌えきゅん死と言うあらたなジャンルが出来たのは内緒ですw
まだまだひっぱれる40話!神回ぱねぇ!!あゆみさんの思いやりプライスレス。
しょうがないよラブさん。悪いのは北おばさんです。あの人心寒すぎるから。
このSSでぽかぽかしながら今日は寝れます。この先をイメージしながら(マテ
あぁ…タ、タイトルぅぅぅorz
4038:2009/11/20(金) 01:22:03 ID:d3YYfs/c
>>39
すすすみません。
本編書いて力尽きていました。

タイトルは「仲直り記念日」でお願いします。
41名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:24:34 ID:KKN+/uUm
>>38、……orz 割り込みすみません。せめて支援の代わりだと……。

改めてGJです。40話の破壊力はパネェっすよね。
あぁ、やっぱ「おかあさん」って響きは特別なものがある。
42 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:38:26 ID:UpsXpdDz
>>38
あう。素晴らしくGJでございました。お母さん・・・・・・って呼ぶせっちゃんは、本当に素敵でした。

さて。
前回のSSにコメントを下さった皆様、ありがとうございました。
全てが私の励みですし、次への活力となります。
本当にありがとうございました。

さてさて。
私自身のものも含めて、長編が次々に幕を下ろしていっております。そこはかとない寂寥感。
だから、というわけでもないのですが、再びシリーズものを投下させて頂きたく、参上いたしました。
どれぐらいの長さになるかは、まだ未定です。
もういいよ、という方は、
◆ZU7CldKWo2
をNGワードにご指定下さい。

それでは投下させて頂きます。


『君がため 惜しからざりし 命さえ』
せつなメイン。非エロ、健全となりそうです。
43 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:39:37 ID:UpsXpdDz
「うそ・・・・・・」

 少女は――――プリキュアとなった少女は、愕然とした面持ちで膝から崩れ落ちる。
 彼女の目の前で、もう一人の少女――――もう一人のプリキュアが、倒れている。
 その体を染めるのは、鮮血の赤。引き裂かれた彼女の衣、その下の白い肌が見えない程に、朱が全てを隠していて。
 少女は、何も言わない。意識を失っているのだろう。痛みを訴えることすらせず、ただ横たわるばかり。

「うそ・・・・・・うそよ・・・・・・」

 虚ろに呟いた後、ハッとなって、彼女はその傷を塞ごうとする。これ以上、少女の体から血が零れないようにと。
 だが、その願いは虚しく、彼女の手が赤に染まり切っても、溢れ出る紅は止まらない。
 その朱は熱く、それがこぼれる程に、少女の体は冷たくなっていく。
 一滴、一滴が流れ落ちる度に、彼女の命の炎が弱まっていくのがわかって。

「うそ・・・・・・うそ、うそ、うそ・・・・・・」

 彼女は、ただ繰り返すばかり。
 その熱を、掬い取ることも出来ず。流れ出るのを抑えることも、出来ず。
 ただ。
 少女の傷痕を、その手で抑えるだけ。

「うそ、うそ、うそ・・・・・・こんなのって・・・・・・!!」

 頬を滂沱と流れる涙にも気付かぬまま、彼女は少女の傍らに佇む。
 目の前の光景を、信じたくないと思いながら。

 深い後悔に、身を苛まれながら。






       君がため 惜しからざりし 命さえ





 
44 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:40:20 ID:UpsXpdDz
「それじゃ、今日はピーマンの肉詰めに、ニンジンサラダにしましょうか」
「お母さん、それ、『今日は』じゃなくて『今日も』だよー」

 ニンジンとピーマンの袋を手に取って言うあゆみに、ラブはそうツッコミを入れる。隣に並んで立っていたせつなも、
うんうんと大きく頷いて。

「二人とも。わたしの献立に、何か不満でも?」

 いつかと同じ彼女の台詞に、ラブとせつなは視線を交し合う。この時の為に、二人で話し合っていた作戦。それを
発動させる時が来たようだ。

「ねぇねぇ、お母さん。今日は、アタシ達もお料理のお手伝いするね」
「代わりに、追加で作るものを何にするかは、私達に決めさせて欲しくて」
「あら、いいわよ。お手伝いは大歓迎。それで? 何を作ってくれるのかしら?」

 かかった!! とばかりにこっそりと拳を握る少女達。そのまま、野菜の棚の端まで行って、早速、食材を取って来る。

「じゃーん、今日、アタシ達が作るのは」
「ほうれん草のバター炒め。精一杯頑張って、美味しく作るわ」
「う・・・・・・」

 あゆみは思わず、顔を引きつらせる。彼女は、ほうれん草が苦手なのだ。勿論、ラブもせつなも、それを知っている。
知っていたからこそ、ささやかな逆襲とばかりに、それを選んでみせたのだ。

「い、いいわよー。その代わり、ラブ達もちゃーんと、残さずに全部、食べなさいねー」
「もっちろん。お母さんの作った料理だもん。残すわけないじゃーん。お母さんこそ、可愛い娘達の作った料理、残し
たりなんてしないよねー?」

 うふふ、おほほ。笑顔で向かい合う母と娘。だがその間には、言い知れぬ緊張感が走っている。それを肌で感じ
ながら、せつなは小さく苦笑した。ラブの考えた作戦に乗っかってはみたものの、さすがに彼女ほどあからさまに、
あゆみに対抗しようという気はない。無論、あゆみならば、これぐらいのことは許してくれるだろうと思ってはいたけれど。

45 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:41:21 ID:UpsXpdDz
「さーて、それじゃ、ニンジンにピーマン、お肉に牛乳も買ったことだし、帰りましょうか」
「ほうれん草も入ってるんだよ、忘れないでー」

 両手に袋を抱えてスーパーを出て行く二人。ほどけた靴紐を直して立ち上がり、追いかけようとしたせつなは、

「あ・・・・・・」

 あゆみの鞄からスルッと落ちたものを、拾い上げる。見れば、それは彼女のお財布だった。さっき、会計を済ませて
鞄にしまった時に、ちゃんと奥まで入っていなかったのだろう。

「お母さん、これ、落としたわ」
「え? あら、ありがとう、せっちゃん」

 呼びかけに振り向いたあゆみに財布を渡したせつなは、それを受け取った彼女が、嬉しそうに自分を見つめている
ことに気付いて首を傾げる。

「どうかしたの? お母さん」
「え? ああ、大したことじゃないんだけど」

 言いながらも彼女は、やはりとても嬉しそうな笑顔でせつなを見つめて。

「せっちゃん、お母さんって自然に呼んでくれるようになったな、って思っちゃって」
「あ・・・・・・」

 慈愛に満ちた彼女の視線に、せつなは頬を紅く染める。それを見たあゆみは、より深く、暖かく微笑んで。そんな二人
を見つめるラブもまた、同じ様に。

「さ、行きましょ」
「う、うん」

 踵を返して、再び帰途に着く二人の背中を、せつなはしばし、眺める。

 彼女にとって、ラブや美希、祈里の次に大切な存在が、あゆみだった。
 生まれ変わったものの、行き場を失い、彷徨っていた彼女に、優しい言葉をかけてくれた人。
 訳ありなことはわかっていた筈なのに、娘の大事な友人だからという理由だけで、一緒に暮らすことを許してくれた人。
 お腹を痛めた実の娘であるラブと同じように、愛情を注いでくれる人。

46名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:41:35 ID:WyyDRATF
久しぶりのSS祭りじゃないかな?あ、6スレみんなで埋め立てして
頂けると助かります。。。祭り記念品作らなければw
47 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:41:41 ID:UpsXpdDz
 本当は、ずっと、ずっと、言いたかった。
 お母さん、と。
 けれど、そう呼ぶことに、気後れを感じていた。
 自分は、あくまでも居候。一緒に暮らすことを、『許された』だけなのだと。
 私が彼女を、お母さんと呼んで、いいのだろうかと。

 そんな彼女の葛藤に、きっと、あゆみは気付いていたのだろう。彼女の夫であり、ラブの父親でもある圭太郎も、また。
 それでも辛抱強く、彼女達は待ってくれていた。
 自分の部屋を、与えてくれた。
 学校に、通わせてくれた。
 コロッケの作り方を教えてくれたり、一緒に買い物に行ったり。
 お手伝いを頼まれたり、苦手なものでもちゃんと食べなさいと叱られたり。
 せつなちゃん、と呼ばれてたのが、せっちゃん、に変わっていたり。
 そんな日常の繰り返しの中で、少しずつ、距離は縮まっていった。

「今はわたしが、お母さんだもの」

 その言葉を、聞いた時。
 どれだけ、嬉しかったか。
 涙が出そうだった。

 私のことを、心配してくれている。想ってくれている。
 こんな、どこの誰ともわからない子を、実の娘と同じように。

 だから。
 その気持ちに、応えたくて。
 自分も、大好きなんだと伝えたくて。



 ありがとう――――お母さん。
 勇気を振り絞って、そう言えた自分が、誇らしい。



 左手には、ハートを繋いだブレスレット。ラブとお揃いの、お母さんが作ってくれた、ブレスレット。
 とっても大切な、宝物。

「お母さん」

 小さく、呟いてみる。
 なんだかとっても、くすぐったくて。
 とっても、幸せな気がした。
48 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:42:25 ID:UpsXpdDz
「せっちゃん? どうかしたの?」
「おーい、せつなー。置いてくよー」

 ふと気が付けば、随分と彼女達は先に行っていて。せつなは、足を速めて追いかける。
 と、曲がり角から出てきた女性にぶつかりそうになって、

「あ、ごめんなさい」

 慌てて避ける。


 その瞬間。


 ゾワッ。
 背中に、怖気が走る。冷や水を浴びせられたかのように、体の芯が凍り付いて。

「・・・・・・っ」

 呼吸が、乱れる。ドクン、と大きく心臓が跳ねて。
 一体、何が。思うよりも先に、振り向いてしまう。
 一体、何が。思った瞬間、脳から体に、振り向くな、と命令が出る。

 だが、時すでに遅く。せつなは、振り向いてしまっていた。
 そして、見てしまった。
 彼女を。

「こっちこそ、ごめんなさい」

 艶やかで、とても深く、そしてどこか嘲弄の混じった声。
 長い黒髪。細い体。紅を塗ったのか、鮮やか過ぎる程に真っ赤な唇。
 その女性の姿を、せつなは見たことがあった。
 たった一度だったけれど、忘れる筈も無い。
 そして――――その彼女の本当の姿は、恐怖と共に脳裏に染み付いている。

「ふふふ」

 笑う、彼女の名前は。本当の、名前は。

「ノー、ザ・・・・・・」
「久しぶりね。イースちゃん」
49 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/20(金) 01:44:28 ID:UpsXpdDz
続きます。

ノーザってイースのこと、まだ呼んでないですよね?
ウエスター君、サウラー君なので、イースのことはイースちゃんかな、と思ったのですが・・・・・・さて。


ちょっと百合スレにそぐわないかもしれないシリアスものですが、広い心で受け止めて頂ければと
思います。

というか、改めて、私のSS投下を許して頂いている皆様に感謝の気持ちを。


それでは。
宜しくお願いいたします。
50名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:46:24 ID:+W/tbeUe
昨日のせつなスレの流れを思い出した
51名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 01:48:57 ID:WyyDRATF
>>49
すいません邪魔しましたorz支援と言う事でどうかお許しを…。
ってぽかぽか話にまさかのノーザ!ちょっと怖くなった…。
ほんと突拍子も無く出てくるから、ほんと。あゆみさんトラウマに
ならないかなって…。
にしても、やはりあゆみさんに出会えたせっちゃんは運がいいらしい。
52名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 02:03:46 ID:d3YYfs/c
>>49
ノーザ怖ぇぇぇぇぇぇ
冒頭からヤバイ雰囲気だ。
続きが気になる!
53名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 02:21:18 ID:DmGGr78K
>>38
いやー、行間から物語の描かれていない部分を想像するというけど、
BVさんのように想像力豊かな人に40話の行間を補完してもらえるとありがたい!
ブレスレットがもっと素敵に見えるようになった…ってか欲しくなったw
マジでハートリンクメーカー買おうかな

>>49
寂しかったけど、新たな続きモノ、ありがとうございます!
展開が読めない…
生駒さんは本当に色んなジャンルに長けているというか自己研鑽に励まれているというか
何にせよ次回が果てしなく楽しみです。
54名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 02:36:15 ID:DmGGr78K
前スレ最後、生駒さん小ネタイイ!ブキせつイイ!筆はやっ!

ドーナツを口移しで食べさせたんですねわかりますw
55名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 11:53:41 ID:Q16EReLV
酉付とかSSをNGにしてる人いる?
56名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 12:08:49 ID:30WWRhLt
昼メシ時にアホネタ投下
18禁・・・かな?

『キョウ・アタシ・ネコ』 美希せつ




せつな「・・・・・・」
美希 「・・・ん・・・」

せつな「・・・・・・」
美希 「んん・・・」

せつな「ふふっ」
美希 「・・・何よ」
せつな「美希、可愛い」
美希 「それはどうも」
せつな「何を怒ってるの?」
美希 「何も怒ってません」
せつな「綺麗、って言ってあげればよかった?」
美希 「そうですね」
せつな「可愛いから可愛いって言ってるの
    ふふ、もうほっぺたこんなに真っ赤」
美希 「(突っつくなって) んもう!
    昨日顔をトマトみたいにしてた子に言われなくないって!」
せつな「・・・・・・」


美希 「・・・!!
    ちょっ・・・!  こらっ!!」
57名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 12:39:23 ID:KKN+/uUm
>>55
そりゃいるでしょ。SS興味なし、職人ウゼェって人は一定数いるだろうし。
58名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 12:56:51 ID:Q16EReLV
>>57
専用ブラウザが無いとダメかな?
59名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 13:15:10 ID:KKN+/uUm
>>58
ゴメン、自分はSS好きだし設定してないから分からん。
でもNG設定したいなら初心者板とかにやり方分かりやすく書いてあるとこ
あるんじゃない?
したいなら、精神衛生上やった方がスレを気持ちよく使えるだろうし。
60名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 13:40:08 ID:Q16EReLV
>>60
ありがと。行ってみる。
61名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 14:57:31 ID:qhJs5hfR
>>56
かわええ
ずっとラブせつ一択だったのに最近美希せつにハマり始めて困る
62名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 19:03:42 ID:/B/E51/f
美希せつは、頼り頼られる関係で、どこか似ている2人の、せつラブの甘い雰囲気とはまた違う、ちょっぴり大人な、かつなんか噛み合った雰囲気がいいなー。と思うんだ。
63名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 19:37:58 ID:Q16EReLV
ageる人は幸せになってはいけない気がするんです
64名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 19:56:06 ID:/B/E51/f
うわーやってしまった
ごめん
65名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 20:19:52 ID:qDzQWVGv
まぁまぁいいじゃないか、人間だもの。
66名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 20:40:33 ID:DmGGr78K
自分にも覚えあり
どんまい>>64
67名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 20:42:46 ID:THhdjA6C
『キノウ・アタシ・タチ』ってか

美希せつはどっちが上になるかなんかでケンカになるような
せつラブの甘い雰囲気とはまた違う、ちょっぴり大人気ないふたり
・・・なのか?w

クローバー受け攻めランキングじゃ最下位争いしそうなふたり
でもやっぱり3位とビリの間はとても大きそうなふたり
あっ、美希たん、そんな顔しないで
68名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 23:18:56 ID:vw81MuwB

前回コメント有難うございます。今回で完結になります。

>>8〜11 「幸せとは?」の続き

ラブ×せつな
せつな視点
タイトル「Je te veux」
R−18

話は前回で終わっていますので、今回で進展はありません。
内容は前回「幸せとは?」の本文とおまけの間の数時間の出来事です。


性描写がお嫌いな方は、絶対に回避してください。

69「Je te veux」SABI:2009/11/20(金) 23:20:03 ID:vw81MuwB

今夜は満月。
月明かりで二人の少女の姿が白く浮かび上がる。


ラブは一糸まとわぬ姿。
私が身につけているのは、ラブからもらったクローバーのペンダントだけ。


はじまりの合図は、額へのキス。

吐息とともに、ラブの顔が下へ降りてくる。
そのまま下に下がるかと思うと横にそれて、私の顔の輪郭に沿って舌を這わせてくる。
こめかみから耳へ。耳は形をなぞるように。
耳たぶを少し甘噛みしつつ、耳の裏の敏感な所に。
ラブの熱い吐息で、首筋に鳥肌にも似た、ざわざわした感覚が生まれはじめる。
けれど、ラブの唇はすぐに違う場所へと移動していく。

顎の下のカーブに沿って、だんだん下へと降りていく唇。
唇が離れてしまえば消えてしまうような、優しいけれど軽い愛撫に、私はもどかしさを覚える。
私の気持ちを知ってか知らずにいるのか、ラブが私の鎖骨のくぼみに舌を這わせていく。


ラブの右手は、クローバーのペンダントを弄び、私の肌に円を描く。
その円は小さなものから、だんだん大きいものへと。
ひんやりとしていたペンダントのクローバーの部分は、私の体温で熱せられ、火傷しそうな程、熱くなる。
熱くなったペンダントを私の肌に滑らせていき、
クローバーが私の胸の先端に引っかかって、少しづつ快感を生み出す。

気持ちいい・・・・だけど、本当にじれったい。

「せつな、焦らしてるとか思っているでしょ。いつもあたしばっかり欲しがってるみたいだから。
せつなにも、もっともっとあたしが欲しいと思って欲しい」

私の体から顔をあげてラブが言う。その言葉に、

そんなことない、ラブが気付いてないだけ。でも絶対に口に出さないから。

と心の中で言い返す。

「せつなって、嘘つくというか、肝心なこと言わないところがあるよね」

ラブが呆れたように言ったかと思うと、ニヤって笑った?
いつもの私の大好きな笑顔じゃない?

70「Je te veux」SABI:2009/11/20(金) 23:21:07 ID:vw81MuwB

次の瞬間に来た、強い快感。
不意をつかれた突然の快感に、私は思わず声をあげてしまう。

ラブが私の胸に顔を埋め、先端を強く吸い、もう一方を指先で捻る。
 手はそのままに、ラブの顔はだんだん下へと降りていく。
ゆっくり降りていく唇。でも、早い息遣いは興奮を隠せない。
私の呼吸もだんだん切迫したものへと変わっていく。
それをラブに知られたくなくて、私は必死にブッキーに教わった呼吸法を思い出す。

続いてくるラブの手。
その指は幸せのマッチ棒であるかの様に、私の体に炎を灯していく。
でもその炎は幻じゃない。私の体の中心へ熱が徐々に溜まっていく。
私の膝にラブの手がかかると次に何が起こるのかが分かり、私は受け入れるよう大きく脚を開く。
頭のどこかで羞恥を覚えるものの、ラブが触れてこないことのほうが、私には辛い。

私の太腿にかかるラブの髪がくすぐったい
。ラブの頭を引き離したいのかそれとも引き寄せたいのか自分でも分からないけど、ラブの髪の中に自分の指を埋める。
ラブの唇が私の一番な敏感な所へ触れてくる。充分濡れていることを感じたのか、私の中に指を差し入れてくる。
私の中で蠢くラブの指。ラブの舌は私の一番な敏感な所へ円を描くように這いまわる。
私はその刺激に頂上へと駆り立てられていき、私の目の前にだんだん闇が広がっていく。

その闇は悪夢を寄せ付けない程の安らぎを私に与えてくれると同時に、死の恐怖にも似た怖さを抱く。
縋るものを探すように虚空を彷徨う私の手に、ラブの指が絡んでくる。
ラブの手だけが、私とこの世界を結ぶ。その手を離したくなくて、自分からも指を絡める。
私はラブが生み出した闇に、どこまでも堕ちて行く・・・

71「Je te veux」SABI:2009/11/20(金) 23:21:48 ID:vw81MuwB

次に、私が気付いたとき。

目の前に、私の大好きなラブの笑顔。
それがだんだん、悪戯っぽいものになっていって。


「せつな、7回」
何、7回って。私が達した・・・


「違うんだな。それが」
もしかして、私が思っていること分かった?


「せつながあたしのこと、大好きって言った数」
えー、何それ。


「それなら幾らでも言ってあげるわよ。ラブ大好き、ラブ大好き、ラブ大好き・・・・」
「ええー、あたしだってせつなのこと大好きなのに。せつな大好き、せつな大好き・・」

息つぎもせす、お互い言い続ける私達。


「28回」
「はあ、はあ、30回」

あたしの勝ちだねというラブに、

「ラブ大好き、ラブ大好き、ラブ大好き」
と耳元に囁き、自分の唇をラブの唇に重ね合わせる。


ラブは何か言いたげな表情をするけど、そのまま目を閉じていく。
せつなずるい、とでも言いたかったのだろうけど。
私は目を瞑り、ラブの首に腕を絡めキスを深めていく。
ラブが私の体に腕を回し、力を込めて私を抱き寄せる。


寄り添う二人を、今宵の満月だけが見守っている。





72名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 00:08:05 ID:fzff/H/4
>>71
う〜んマンダム!
やばいGJすぎる!
73名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 02:43:22 ID:G7dtbjGC
こんばんは。

SS投下させていただきます。


CPはせつな×ブッキー(パッション×パイン?)です。


ありきたりな内容かもしれませんが
前作のその後のお話として初デート編を書いてみました。


※男キャラが(西さん)出ますので苦手な方は回避お願いします。
※書き方が前作(「胸に秘めた思い」)と似ていると思いますので、
 前作がダメと感じた方は回避をお勧めします。
74【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 02:45:05 ID:G7dtbjGC
<祈里の部屋>

「え〜っと、ハンカチにお薬、それからキャンディーにチョコレート、ミントのガム、後は…。」

今わたしは明日の準備をしている。
明日は何があるかというと……


〜♪〜♪〜


「あ、メール…ラブちゃんからだ。」

『やほ〜ブッキー。明日せつなと遊園地に行くんだよね。
 せつな遊園地初めてだからすっごく楽しみにしてたよ。
 シフォン達のことは、今回あたし達にまかせて、ブッキー達は初デートめーいっぱい楽しんできなよ(^^)v
 それじゃあおやすみ〜』

「『ありがとう。ラブちゃんも美希ちゃんとお買い物楽しんできてね。おやすみなさい。』っと、送信。」


そう、明日はせつなちゃんと二人で出かけることになっているのだ。
いままでも二人で出かけることはあったけれど、それは告白前。
告白後は初めて。

「ふふ……初デートかぁ。」
そう思いながら私はベットに入り目を閉じた。
75【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 02:47:13 ID:G7dtbjGC
<公園>

予定よりも早く目が覚めたので来てみたけど……さすがに早く来すぎたかな。
そう思いながらわたしは公園の時計を見る。
待ち合わせは10時、
でも時計の針は9時30分を指している。



「祈里。」
声が聞こえた。聞き間違えるはずもない、この声は…。

「せつなちゃん。」
「早いわね祈里。」
「せつなちゃんこそ。」
せつなちゃんのことだから遅れてくることはないだろうと思っていたけど、
こんなに早く来るなんて……ってわたしも人のこと言えないか。

「もしかして待たせちゃった?」
「ううん、全然。さっき来たところだから。」
「そう、よかった。」
それを聞いて安心したのか、せつなちゃんは胸に手を当てそっと息をついた。
待ち合わせは10時だからそんなに気にすることないのに…でもそんなところもせつなちゃんらしい。

ん?あれは…。

「ねぇ、せつなちゃん?」
「ん?」
「それってもしかして、この前電話で話してた…。」
わたしはせつなちゃんの左腕にある赤いブレスレットを指さした。

「ええ、お母さんに……あゆみお母さんに貰ったブレスレットよ。」
せつなちゃんとっても嬉しそう。…かわいいな。

「ふふ。」
「祈里?」
「あぁごめんなさい、ただすっごく嬉しそうな顔しててかわいいな〜って思って。」
「…っ。」
あっ照れてる。

「ふふ、かわいい。」
「…もう、祈里ったら。」





「さて…それじゃあちょっと早いけど行きましょうか、せつなちゃん。」
「そうね。」
「今日は遊園地って所に行くのよね。雑誌やテレビでは見たけど実際に行くのは初めてよ。すごく楽しみ。」

ふふ、本当に楽しみなんだ、わたしもだけど…。

「せつなちゃん、一緒にめーいっぱい楽しもうね。」
「ええ。」
76【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 02:49:30 ID:G7dtbjGC
<遊園地>



「へぇ〜凄い人ね。」
せつなちゃんは人の多さに驚いているようだ。

「休日だからね。」

ぎゅっ。

「祈里?」

わたしはせつなちゃんの手を握った。
なんとなくこうしたかったから…。

「嫌?」

「…いいえ、そんなことないわ。」
ぎゅっ。
「楽しみましょうね。」
せつなちゃんはそう言って握り返してくれた。



最初はわたしのリクエストでメリーゴーランドに乗った。

次はせつなちゃんのリクエストでお化け屋敷へ。

その後も交代でリクエストしていって
ゴーカート、ティーカップ、バイキングに乗った。

さて、次はせつなちゃんの番だ。
「次はせつなちゃんの番だよ、どこに行く?」

「そうねぇ、…祈里、私あれに乗ってみたいわ。」

「どれ?」
「あれ。」
せつなちゃんが指差す先には
「ジェットコースター?」
「ええ。」
77【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 02:51:26 ID:G7dtbjGC

ガタンガタン。


ジェットコースターは苦手ではないのだけれど、…これは高すぎるかも。
今乗っているジェットコースターは最近新しくできたようで、
以前ラブちゃんや大輔君達と来た時に乗ったものよりさらに高いところから落ちるようだ。



……さすがにこれはちょっと怖いかもしれない。
ぎゅっと目をつぶる。


ガタンガタン。


「祈里。」
隣から声がした。
そちらを見るとせつなちゃんが手を差し伸べてくれていた。
わたしはその手をつかんだ。

ぎゅっ

せつなちゃんはしっかりと握り返してくれた。
怖いけど、少しだけ安心した。




ガタンガタン、ガタッ。

頂上のようだ。


ガタ、ガタガタ、ガタガタガタガタ、ゴォォォォォォォ――――――――。



――――――――


「大丈夫、祈里?」

「大丈夫だよ。せつなちゃん。」
怖かったけど……楽しかった。

「そう、ならいいんだけど。じゃあ次はどこに行きましょうか?」

「せつなちゃん、わたしここに行きたい。」
私は案内図を指差す。
ここだけは外せない。
それは……
78【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 03:03:00 ID:G7dtbjGC
『動物ふれあい広場』


「ほら見て見てせつなちゃん、かわいい〜。」
「ねえ祈里、その子達はなんて名前の犬なの?」
「えっと、この子はウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアっていうの。
 それからあそこにいるのがチワワ、ラブラドール、ダックスフント、ポメラニアン、パピヨン、それから――――」

パシャッ。

「わっ、びっくりした。」
どうやら携帯で写真を撮られたようだ。
「あっ、ごめんなさい。祈里すっごく良い顔してたから、つい。」
「ついって……」
少し呆れつつも、そういうせつなちゃんの顔はとってもやさしい顔をしていたので
わたしはそれ以上なにも言わず、暫く動物たちと遊んでいた。

――――――――

「はぁ、さすがに疲れたね。」
「そうね、沢山歩いて、いろいろ乗ったものね。それじゃあ少し休憩しましょうか。」

「ねぇせつなちゃん、最後にあれ乗ろうね。」
観覧車を指さしながら言う。
「たしかあれって観覧車っていうのよね、最後でいいの?
 もうそろそろ日が暮れてきたから休憩した後すぐに乗った方がいいんじゃないかしら?」

「ううん、最後でいいの、きっときれいだから。」

「?」

「ふふっ。」

「変な祈里。まあいいわ。」
「さて、私なにか飲み物買ってくるわね。……えっとここからだと少し遠いわね。」
せつなちゃんは案内図を見て呟く。

「あっ、せつなちゃんわたしも行くよ。」

「大丈夫、祈里は休んでて…足痛いんでしょ?」

…気づいてたんだ。
「…少し。」

「じゃあ待ってて、この後もまだまだ歩きまわるんでしょ?だったら少しの間だけでも休めておかないと…ね?」
「……そうだね、それじゃあここで待ってるね。」
「ええ。」




ドォーン

79【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 03:05:04 ID:G7dtbjGC
「きゃっ。」
急に地面が揺れた。

「何?」
せつなちゃんも驚いている。
「ソレワターセ?…いや、あれは…ナキワメーケ!!」

ナキワメーケということはラビリンスの仕業!!

「きゃー。」
「怪物だ。」
「逃げろぉ!」

人々がの叫び声が聞こえる。


「祈里、変身よ!」
「うん」
『チェインジ・プリキュア・ビートアープ。』
「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!」
「真っ赤なハートは幸せの証!うれたてフレッシュ、キュアパッション!」



「そこまでよラビリンス!」


「あらわれたなプリキュア!それにイース!」
「ウエスター!」
「インフィニティはどこだ!」
「言うわけないでしょ。」
「なら力ずくで言わせるまでだ。ナキワメーケ行け!」

「来るわよパイン。」
パッションの声に私は身構える。

パッションと息をあわせる。
『ダブル・プリキュア・キーーック!!』


ナーキワメーケにダブル・プリキュア・キックをお見舞いする。

その後も連続で攻撃を与える。
80【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 03:19:25 ID:G7dtbjGC
「あっ!」
パッションが何かに気がついたのか声をあげた。
「パッションどうしたの?」
「観覧車の中にまだ人が…!」
「えっ。」
わたしの目では見えない。

「…ここで抑えるしかないわね。はぁぁぁっ!!」」
パッションはそう言ったけど、それじゃあダメだ!
あの中にいる人達はきっと怖くて怖くて堪らないだろうから…

「……パッション、アカルンを使って観覧車に乗ってる人達を避難させて!」
「でも、パインが一人に!」
「大丈夫だよ。はぁっ!!」

「ナ〜キワメ〜ケ〜」
ナーキワメーケの攻撃が緩む。

「パッション!今のうちに、早く安全な所に連れて行ってあげて。」
「パイン……。」
「きっと中の人達すごく怖いと思うから……。」
「…わかったわ。……終わったらすぐに戻ってくるから!」

ヒュン。

パッションが消えた。

「イース?ちっ、まあいいナキワメーケ、そいつを先に片付けろ!」
「ナーキワメーケ!」


「はぁ!」
「やあっ!」
パンチにキック。
少しずつではあるが、確実にナキワメーケにダメージを与えている。
とにかくパッションが戻ってくるまで時間を稼がなければ。

「えぇい、ナケワメーケ相手は一人だぞ、とっととプリキュアを倒せ!
 くそぅ、ソレワターセなら確実に勝てるのに。…ん?あれは?
 ふっ、おいナケワメーケ!そいつは後だ、あいつを捕まえろ!!」

「えっ?」
あいつ?誰?
ラビリンスの視線の先を見る。

「!」

女の子だ。
どうして女の子が?
「まさか、逃げ遅れたの?」

「うえ〜ん、おかあさ〜ん。」

「ナケワメーケそいつを狙え!」
「うわぁーん。」
「あぶない!!」
81【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 03:20:44 ID:G7dtbjGC

「っ…うう。」
女の子を庇ったため、まともに攻撃を受けてしまった。

「ぷりきゅあ…」
女の子は目に涙をためている。

「大丈夫だから、今のうちに逃げて、…早く!」

「いまだ、捕えろナケワメーケ!」

「きゃあっ。…早く…早く逃げて!」

「う、うん。」
女の子は走って行った。



「ふふ、形勢逆転というやつだな。さぁ、インフィニティの居場所を教えてもらおうか。」

「……。」

「ふん……ナケワメーケ、そのまま締めつけろ。」

「くっ。」

「いつまで耐えられるかな?」

「…っ…うぅ。」




「……ナケワメーケ、そいつをあれに叩きつけろ!」

ブン。

「きゃあぁぁぁ。」

私は何かに叩きつけられた。
起き上がろうとしても、全身を強く打って身体に力がはいらない。

「うぅっ…。」

ギュウ


しまった、またナキワメーケに……。


「くっ。」
地面から足が離れる。


「わはは、どうだ、その状態では何もできまい。」
下の方からラビリンスの声が聞こえる。

「良い眺めだぞプリキュア、はっはっはっ。」

くっ…。
82【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 03:32:38 ID:G7dtbjGC


「吹き荒れよ!幸せの嵐!…プリキュア・ハピネス・ハリケーン!!」

「何!」
「ナ〜キワメ〜ケ〜、シュワシュワ〜。」
一瞬だった。
わたしもラビリンスもなにが起こったのか分からなかった。


「えっ、きゃあ。」
ナキワメーケが消滅したため、わたしの身体は落下する。
さっきまでのダメージのせいで身体が動かない。
わたしは衝撃にそなえた。
……
………
あれ?
衝撃がやってこない。
そのかわりに、背中と膝裏に温もりを感じた。
目を開けるとそこにはパッションがいた。

「ウ・エ・ス・タ・ァ・ァ〜!!!」

「ひぃっ。イ、イース。」
いつもよりもさらに低いパッションの声にラビリンスの人がひるむ。
実はわたしもちょっと怖かった。

そのなんともいえない威圧感に押されたのか
「くそ〜、覚えてろよイース!」
と捨て台詞を吐いてラビリンスの人は去って行った。


「……大丈夫パイン?」
「う、うん。」
「……ふう。」
「パッション?」

「…遅くなってごめんなさい。」

あっ、いつものパッションだ。

「ううん、気にしないで、ちゃんと来てくれたんだもの。」
「……。」

「パッション?」
「無事で…よかった。」



「……ごめんね。」
「どうしてパインが謝るの?」
「ん?ほら、心配かけちゃったから。
 それに、わたしがナケワメーケを食い止められなかったせいで観覧車…壊れちゃったでしょ。
 楽しみにしていたお客さん達も乗れなくなちゃったし。」
「心配するのは当たり前よ。観覧車に関しては……あなただけの所為ではないわ、私も来るのが遅れてしまったから。
 だから謝る必要なんてないわ。」
「でも……。」
「でも?」
「……約束。…約束守れなかった。観覧車一緒に乗ろうって約束したのに。」
「……パイン。」
83【最後のお楽しみ】:2009/11/21(土) 03:45:11 ID:G7dtbjGC
「パイン。」
「何?」
「目、閉じて。」
「え、どうして?」
「ど〜しても。」
わたしは言われたとおり目を閉じた。
「…ちょっとしっかり掴まってて。」
「えっ。」
そういうとアカルンを使用したのか、あの独特な浮遊感に襲われた。

ヒュン

カッ。
ヒールの音が響いた。いったいどこに移動したのだろうか。
「目、開けても良いわよ。」
言われて目を開けた。
「わぁ〜。」
目の前に広がっていたもの、それはライトアップされた街並みであった。

「…ここってもしかして。」
「そ、観覧車。」
パッションが移動した場所は、観覧車…の上、それも一番高いところだった。
「これで約束を破ったことにはならないわ。…乗るの意味が少し違うけど、そこは目をつぶって。」
「パッション…ありがとう。」
「どういたいまして。」

「…綺麗ね。」
しばらくしてパッションが呟いた。
「でしょ、ライトアップされてて綺麗なの…これを一緒に見たかったの。」
「なるほど、だから最後に乗ろうって言ってたのね。」
「うん。」
その後しばらくは二人とも無言で街並みを眺めていた。
ふと、わたしはあることに気がついた。それは……。

「ねぇパッション、もう大丈夫だから、その、そろそろ下ろしてくれないかな、重いでしょ?」
「……。」
「パッション?」
「……そうね。」
「…そこは嘘でも『平気よ』とか『重くない』って言って欲しいな。」
「ふふ。」
絶対わかってて言ってる。
「も〜、下ろしてよ〜!」
「ふふっ。ダ〜メ。」
もう、意地悪なんだから。でもそんなところも……。
わたしはパッションの首に両腕をまわした。
「ねぇ、パッション。」
「なに?」

わたしはパッションを見つめた。
目が合う。紅くて綺麗な瞳に吸い込まれそうだ。

パッションの顔が近づいてくる、わたしは目を閉じる。
そして自分の唇に柔らかい唇が触れるのを感じた。
幸せが胸いっぱいにひろがる。



また来ようね……せつなちゃん。

【終】ブッキーside
84名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 04:55:20 ID:fF6QeLfj
せつな×ブッキーこの二人も萌えますね。とても癒やされました。
85名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 08:46:09 ID:MS+2voPd
>>83
遊園地デートはいいですね。
GJ!!
86 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:37:36 ID:KONDDxvk
なんか投下ラッシュですな〜。ホクホクですわ。

SABIさん、完結お疲れ様です。綺麗な描写なのにドキドキしたw
いつも楽しみにしてたんですよ!

>>83、ブッキー編って事はこの後せつな編もあるのかな?楽しみです。


では、昼間っからなんですがR-18ラブせつ。苦手な方は回避を。
逆に、無駄な状況説明なんかイラン!エロいとこだけでいい!
と、言う方は最初の2レスは飛ばして3レス目からどうぞ。
そこからエロくなってきますんで。


じゃ、投下。タイトルは「彼女はそれを我慢できない」
87 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:38:11 ID:KONDDxvk
「ふわぁ〜……」
「ラブ…、口開きっぱなしよ。」
「スッゴイよねぇ…。」


ポカンと口を開けたままフラフラと蛇行するラブに、
せつなは溜め息を付いて着いて行く。
他の皆はどこへ行ったんだろう?


ここは御子柴邸。しかしながら、どこに迷い込んだのか分からない。
今日のラブ達は社会見学の一環でクラスごと御子柴邸の見学に来ているのだ。
社会見学、と行っても大袈裟なモノではない。
各クラス毎、自由に工場やら公共施設やらを見学し、レポートを提出する事に
なっているのだが、ラブのクラスは満場一致でクラスの一員である
御子柴グループ御曹司、健人の家を見せてもらう事に決まった。
財閥の私邸、なんて親しい友人でもない一般人は見る機会なんてない。
さほど親しくないクラスメイトでは興味があっても、
遊びに行かせてくれとも言いにくい。
そこで、折角の機会だから、と言うことになったのだ。
御子柴家も心得たもので、こう言った申し出は珍しくもないらしい。
一般客用に見学ルートが設定してあるらしく、家族のプライベートルーム
を外して自由に歩き回れるツアーがあるそうだ。


で、前フリが長くなったがラブとせつなである。
プリキュアとして施設を利用 させて貰った事はあるが、
上の御屋敷は初めてだ。
おのぼりさん宜しく、あちこち覗き回っている内に見事に皆とはぐれてしまった。

明らかに見学ルートから外れているらしい。
どうやらスタッフの働く裏方に回ってしまったらしく、ここは洗濯室に
なっているのか。
巨大なコインランドリーのように沢山の洗濯機や乾燥機が回っている。


「ねぇ、ラブ。そろそろ戻りましょ。みんな心配してるかも知れないわ。」
「んー、そうだねぇ。お?ここはなんだろ?」


ラブはせつなの言葉を右から左へ聞き流し、あちこちの扉を開けては覗いている。
はぁ、とせつなは再び溜め息を付く。
どうせ、いざとなればアカルンで戻ればいいのだが、どうにも落ち着かない。
見学ツアーと言えど、ルートから外れた場所を勝手にうろついて良いものか。
88 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:39:44 ID:KONDDxvk
「ねぇ、見付かったら叱られない?ここ、使用人さん達しか
入れないんじゃないの?」


そう言ってるうちに、ザワザワと複数の人がやって来る気配がした。


「へっ?マジで?」
「ちょ、ちょっと!ラブ!!」


ラブは開けて覗き込んでいた扉の内側へせつなを押し込み、
自分も体を捩じ込んで後ろ手に扉を閉めた。


「な、何?」
「え?だって、叱られるって。」
「だからって隠れなくてもいいでしょ!謝って戻れば良いだけじゃない。」
「……そっか…。それもそうだね。」


もう扉のすぐ向こうまで人が来ているのが感じられる。


「……今さら、こんなとこから出ていったら、変だよ…ね?」
「……そうね……。」


ラブが咄嗟に潜り込んだのは、リネン類が山積みになった棚。
と、言ってもちょっとした部屋くらいの広さに、みっしりと毛布やら
シーツやらが重ねて積み上げてある。
ラブとせつなはその隙間に倒れ込むように、重なって挟まっていた。


せつなはラブに押された時に体勢を崩してしまい、毛布の山に
もたれるように斜めになっている。
完全に足が浮いてしまい、しかもラブがのし掛かっているものだから
身動きが取れない。
ラブはと言うと後ろ手に扉を閉めたは良いが、勢い余って
突っ込んだものだから上に積んである毛布が雪崩を起こし、結構な重みに
潰されていた。
これまた不安定な姿勢で固まって身動き出来ない。


「……どうするのよ?」
「ミナサン出ていったら、そっと抜け出そ……?」
「…そうしましょう………。」


(しかし、この体勢は………。)


少し冷静になったラブは自分達の体のポジションに少しばかり焦った。
89 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:41:31 ID:KONDDxvk
思いっきりせつなの胸に顔を埋めていた。
それだけではない、右手はせつなの足の間に。と言うか、はっきり言って
股間を鷲掴みにしていた。
しかも倒れた拍子にスカートが捲れ上がってしまったらしく、
直接下着の上に。


(……ちょっと…これは……)


せつなの胸はポヨンと弾力に富み、クッション性抜群だ。
手の平に当たるアソコもプニプニと柔らかく、とても触り心地が良い。
しかしさすがにこの状況で感触を楽しんでいては、せつなに怒られるだろう。
何とか姿勢を変えようと試みるが、毛布の重みと不安定な姿勢で力が上手く入らない。
しかも外では何か作業が始まったのか、なかなか人の立ち去る気配がない。


どうしたものか、ともぞもぞ動きながら思案していると、
せつなの困ったような囁きが聞こえた。


「……ラブ…、あんまり動かないで……」


その、密着しているラブにさえやっと聞こえる小さな囁きには、
ラブにしか分からない微かな甘さが混じっていて……

ラブはわざとらしく、胸に顔を擦り付け、右手を揉み込む様に指を動かす。


「……ゃ…!」


思った通りの反応に、ラブの胸に少し意地悪な悪戯心が芽生えた。
シャツの上から乳房を甘噛みしてみる。
せつなは胸を上下させ、咎めるように体を捩る。
ラブはそんなせつなを無視してボタンに歯を引っ掛ける。
引っ張ると簡単に外れた。でも一番上は届かない。
真ん中の二つを外して左右に押し広げると、淡いピンクのブラに包まれた
深い谷間が現れる。


「ラブ……!」
「シッ…!外に聞こえるよ。」


ブラの縁をくわえ、グイっと下ろす。
ぷるん、と甘噛みされて既に尖って硬くなった桃色の先端が飛び出す。


「ーーーーっっ!」


ラブは躊躇う事なく大きく口を開けてむしゃぶりついた。
唇でマシュマロのように柔らかな乳房の感触を楽しみ、
舌全体を使ってぷつんと固い果実ような乳首の食感を味わう。
90 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:44:14 ID:KONDDxvk
ぶるっ…とせつなの肌が粟立つ。


(なんで、こんなに美味しいんだろ……?)
何の味も付いてないはずななのに。
ラブは甘い果実の種をしゃぶるように、丹念に乳首を舌の上で転がす。
絡め取って吸い、尖らせた舌で乳輪に押し込み、また勃ち上がって来た所を
弾いて遊ぶ。
せつなが息を詰め、声を噛み殺しているのを感じながら、
熱の籠った秘部を指でなぞる。
ふにふにと柔らかな割れ目の間に、下着の上からでも分かる程
硬くしこった突起を見付けた。
そこを爪で引っ掻いてやると、ピクっピクっと内腿が震えた。
せつなはイヤイヤをするように激しく頭を振って、足を閉じようとする。
しかし膝の間にラブの腿が交差するように挟まっているため、
どうやってもラブの愛撫から逃げることは叶わない。


(止まらないや……。)


下着の横から指を潜り込ませると、そこはもう熱く潤んだぬかるみになっていた。
期待通りの感触に嬉しくなったラブは思わず「ふふっ…」 っと小さく笑みをこぼす。
せつなの体温が上昇し、甘く香る体臭がより濃密に鼻をくすぐる。


相変わらず扉一枚隔てた場所に人の気配を感じながらも、
ラブはせつなの体に酔い痴れていった。
不自由な体勢で繰り返す愛撫は、どこか単調でもどかしい。
もっとせつなを狂わせたいのに。
指はせつなの中を掻き回せる程には届かない。
仕方ないので、滲み出た蜜を花弁の一枚一枚に塗り付けるように
なぞりあげる。


「…ふっ……ぅん…ん…」


堪えられない切ない吐息を洩らしながら、せつなは腰を揺らめかせる。
羞恥に肌を朱に染めながらも、体はより深い快楽を求めているのだろう。
艶かしく身を捩るせつなの顔が見られないのが、心底残念だった。


(せつな……、イカせてあげるからね…。)


ラブはせつなの一番敏感な部分を、たっぷりと蜜を絡めた指で挟み込んだ。
91 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:46:11 ID:KONDDxvk
(ダメ!ダメ!…ラブ、ダメよ…!)


下着の中に忍び込んでくるラブの指を感じながら、せつなは必死に首を振る。
胸の先端を執拗に苛められ、下着の上から軽く秘部を擦られる。
それだけで、昇りつめてしまいそうなほど昂ってしまっている。
どうして体はこんなにも快感に従順なんだろう。
抵抗する間も無く、愛撫に屈服している。
そんな自分の体がいっそ呪わしいほどだった。


扉の外では機械の回るモーター音、複数の人の話し声と動き回る気配。
狭い扉の内側は二人分の荒い息遣いと、せつなの体から響く淫らに濡れた水音。
それらが一つの大きなうねりとなり、せつなは耳を犯されてるような
気分になる。


こんな場所で。こんな姿で。
逃げ出したいくらい恥ずかしいのに。


ラブの指先がせつなの形を確めるように、ぬるりと隅々まで這い回る。
いくら足を閉じようとしても、首を振り懇願しても。
胸元でラブが小さく笑い声を洩らすのが聞こえ、せつなは身を震わせる。
せつなの体を知り尽くしたラブには、いくら抵抗しても、
それが形ばかりのものだと言うことはお見通しだろう。

せつなの一番弱い所に、ラブの濡れた指が押し潰すように当てがわれた。
そこは既にズキズキと熱を持って疼いている。
いつものラブはその敏感な突起には、なかなか触れてくれない。
せつなが泣いてねだるまで焦らされる事すらある。
しかし、今は一番感じる部分をピンポイントで攻めてくる。
せつなの胎内で暴れ狂う熱を少しでも早く解き放つ為に。

「……ンぅ……ふっ……ふぅん……ーーっ!」

痛いほどに屹立した突起が左右に揺さぶられるように弾かれた。
指先で柔皮を捲られ、顔を出した肉粒を優しく撫でられる。
もう呼吸すら苦しくなり、声を殺すのも限界が近い。
92 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:47:53 ID:KONDDxvk
ゾクッゾクッと足の間で弾ける愉悦が塊となって腰を押し上げる。
快感が嬌声となって解放を求め、喉元にせりあがってくる。
せつなは血の滲むほど唇を噛み締め、辛うじて歯の間で歓喜を押し留めていた。

(ラブっ…!もうダメ…、早く!)


これ以上、堪えられない。あられもなく、泣き叫んでしまう。
もう外の気配も異常な状況もせつなの中から消し飛んでしまった。
高みに昇りつめる事しか考えられない。
せつなはラブの背中に爪を立て、シャツを引き裂かんばかりに握り締めた。

ラブはせつなに応えるように、ゆるゆると弄くり回していた突起を強く摘まみ、
しごくように擦り上げた。

「ーーーっくぅっ!……くっ…ぁんんっ!」


待ち焦がれた激しい刺激に、せつなの全身が甘く戦慄く。
瞼の裏が赤く染まり、頭に白い光が弾け飛んだ。
せつなはラブの体を跳ね返すほどに、背を仰け反らせ、強く短い痙攣を
繰り返す。



ラブはせつなの心臓に耳を当てる。マラソンの後のように心拍数を上がっている。
送り出される血が、自分にも流れ込んで来るような錯覚に襲われる。

どのくらい、そうしていただろう。
いつの間にか人の気配は消え去り、ゴトゴトと機械の音だけが聞こえていた。


「はぁあ〜…!」
ラブは扉を開け、崩れた布達と共に這い出る。


「……いやぁ、参ったね…。」


恐る恐る、後ろを見る。
せつなはシャツの胸元を握り締め、キュッと腿を
閉じて横座りになり、ラブを睨み付けていた。


「…ははは、その…」


せつなの羞恥に火照った頬。情欲の余韻に濡れた瞳。
そんな顔で睨まれたって、かえってドキドキしちゃうんですが。


しかし、ここはまず謝るところだろう。


「あー……、何と言いますか、その…」
ラブはせつなの前に膝をつき、目を泳がせて詫びの言葉を探る。
93 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:49:12 ID:KONDDxvk
「わはっ?!ちょ…?」


せつなはラブを乱暴に引き寄せると、荒々しく唇を重ねて来た。
せつなの舌が歯列を割り、逃げるラブの舌を絡めとる。


(…!せっ…せつなっ!)

思いがけないせつなの行動に、落ち着きかけていたラブの欲望が
また暴走しそうになる。
両手でせつなの胸を揉みしだこうとした瞬間…


ドンッ!と思い切り突き飛ばされて尻餅を付いた。


「???せつなぁ?」


フンッと腕を組んでラブを見下ろすせつな。


「人の体で好き放題に遊んだんだから、キスくらいしなさいよ!」
「……イヤ…、遊んだとか……」
「違うのっ!?」


いえ、スミマセン。確かに遊んでました。


「もうっ!ほら、さっさと片付けて戻るわよ。みんなきっと探してるわ。」
言うが早いか、崩れた毛布の山を畳み直しに掛かった。

「何ボケッとしてるの!」
一人でやらせる気?睨まれて、慌てて手伝い始める。

(何?その切り替えの早さは…)


さっきの肉欲に溺れ、咽び泣いていた色っぽい女の子は幻だったの?
そう言いたくなるくらい、せつなはすっかり端正な優等生の顔を取り戻している。
まるで、仮面を付け替えたみたいだ。


「ほら、さっさと行くわよ。」
綺麗に棚にしまい込み、例によってアカルンを出す。
せつなの横顔を見つめながら、ラブはふと気が付く。
長い睫毛に残る湿り気。つい、と髪を手櫛で撫で付ける指先に、
仄かに香る情事の残滓。
94 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:50:39 ID:KONDDxvk
「……何?」

「……いやぁ、せつなって色っぽいなぁって思って。」


見る見るうちにせつなの顔は、耳どころか首筋まで赤くなる。

こう言うとこは、すごく素直で可愛いんだよねぇ。


「……今夜はナシだからね…。」

「うぉ?!」

「今日の分はもう済んだでしょ。」

「イヤイヤ!今日の分とか、そう言うもんじゃ……」

「とにかく、もうしないから!」

「せつなぁ〜〜!!」


プイっと背中を向けて出ていくせつなに、ラブは情けない声を上げて
追い縋る。
そんなラブに見えないように、せつなはクスッと笑みをこぼす。


こんな事を言いながらも、今夜もせつなはベランダの鍵は開けておくだろう。
そして、ラブがやってくれば………
きっとせつなは最後までは拒めない。拒めるわけない。
そしてラブもその事をわかってる。

いつだって、お互いを欲しがってる。
我慢なんて出来ない。


だって、好きなんだもの。

いつだって、求め合いたい。愛し合いたい。


彼女たちは、我慢なんて最初からする気なんてないんだから。
95 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/21(土) 12:54:12 ID:KONDDxvk
以上!ちなみに財閥のお屋敷やら、洗濯室なんて実像は知らんので
突っ込まんで下さいw

>>56、そのせつながトマトみたいになってた時のお話はないでしょうかw
96名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 13:03:04 ID:S5q6psyu
>>95
こりゃ昼間っからエロいものをw
背徳感と羞恥心の中で快楽に身を委ねるせっちゃんはとても綺麗ですね
どうもご馳走でした!

自分もトマトなせっちゃん読みたいです〜
97名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 13:32:39 ID:iSuwhS/w
>>95
おいおい、真っ昼間からあなたは私をどうしようというのですか?んん?
エロいすなあ、夫婦すなあ。お互いのこと、知り尽くしてるんですなあ。てか…やっぱりその、毎日…やってらっしゃる?
今夜はせっちゃんの逆襲ですね!まあ、いつの間にか形勢逆転するのが目に浮かびますが。

せっちゃんが本気だしたらラブやん気絶しちゃうんじゃなかろうか…
98名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 13:49:37 ID:iSuwhS/w
続けてごめんなさい。

トマトなせっちゃん…自分も気になります。


何かを堪えるようにふるふる震えてるのか。


または唐突な出来事に動揺を隠しきれないあせっちゃんなのか。


それとも瞳を濡らして、何かを待っているようにしているのか。


はたまた全部を合わせたなんとも切ない表情なのか…
99名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 14:52:02 ID:jueZge37
>>73
以前避難所に投下された方ですか?
100名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 15:38:08 ID:5uMb3Hfp
>>95
エロい。場所選びの時点で凄いエロい。
昼間からいいもん読ませてもらった。
101名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 16:34:29 ID:Isx3Q7fv
また昼間からスゴイ物を。けしからん!GJ!
「人の身体で〜」のからの下りがツボwラブやんは尻に敷かれるの似合うと思うんだ……。
102 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/21(土) 17:47:49 ID:d8a6eoPd
こんにちは。生駒です。

コメント、ありがとうございました。
どが付くほどシリアスな作品で、なんか申し訳ございませんというか。

ともあれ。


>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ

の続き。

連載、第二話。
『されど少女は 思いを振り切りて』
シリアス、非エロです。
103 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/21(土) 17:48:35 ID:d8a6eoPd
「どう、して・・・・・・」
「ここは騒がしいわ。後で会いましょう」

 震える声で尋ねるせつなに、彼女は――――北那由他ことノーザは、猫撫で声で囁き、そして笑う。だがその目は、
大きな口が浮かべる笑みとは裏腹に、冷たく凍りついたもので。

「話す、ことなんて・・・・・・」
「お母さん――――なのよね?」

 それでも、せつなは必死に拒絶しようとする。が、那由他が漏らした言葉と、その視線の向かう先に、彼女は凍り付い
て。

「お母さんに、何をするつもり!!」

 危険な光を宿らせる那由他の瞳から、あゆみの姿を隠すようにしながら、せつなは腰に付けたポーチに手を伸ばす。
その中には、彼女がプリキュアに変身する為のアイテム、リンクルンが入っている。

「何にも、するつもりはないわ――――貴方が来てくれるなら」
「――――っ!!」

 戦意の無さを示すかのように、彼女は両手を大きく広げる。が、それでもせつなは、構えを解かず、那由他のことを
睨み付ける。

「大丈夫よ。少しお話がしたいだけ――――それだけよ」
「――――本当に、それだけでしょうね」

 低く抑えた声で答えるせつなに、那由他は薄く笑い、頷いた。

「ええ、約束するわ――――それじゃ、待っているわ。占いの館で、ね」

 そして彼女は、踵を返して去って行く――――その足元で、街路樹の根元に咲いた花が腐り、枯れていって。
 ギュッ、とせつなは拳を握る。罠だ。そう思う気持ちがある。だが――――

「せっちゃん。どうかした?」

 かけられた声に振り返ると、彼女が来ないことを不思議に思ったのだろうか、あゆみがすぐ側に戻ってきていて。

「ううん、なんでもないわ、お母さん」

 だが――――お母さんを、危険に晒すわけにはいかない。絶対に。
 それはせつなにとって、絶対の想い。だから、決める。
 例え罠であったとしても、行かなければならない、と。






       されど少女は 思いを振り切りて
 


 
104 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/21(土) 17:49:58 ID:d8a6eoPd
 変だ。
 ラブは、思う。
 せつなが、変だ。
 思いながら、リビングのテレビの前にぼんやりと座る彼女の横顔を、じっと見つめる。
 さっき、お母さんと三人で買い物に行って帰ってきてから、なんだか上の空で過ごしている。話しかけても生返事だし、
ちらちらとお母さんを眺めては、じっと何かを考えているような素振りをしている。
 一体、どうしたんだろう。思って、彼女は問いかける。

「せつな?」
「ん? なぁに、ラブ」
「あのさ――――何かあった?」

 いつものように、問いかける。
 せつなは少し、気持ちを抑えてしまうところがある。あゆみにも気付かれていたように、傍目にもわかるほど、無理を
してしまう時がある。
 だからラブは、せつなの顔に影が浮かんだ時、素直にそう尋ねることにしていた。

「え――――?」

 その問いかけに、一瞬、彼女は驚いた顔をして、やがて微かに首を横に振って笑う。

「大丈夫よ。何でもないわ」
「・・・・・・そう」

 ラブは言って、微かに視線を落とす。
 その答えは、ある程度、予測していたもの。無理をしている上に、それを素直に認めようとしない時のせつなの、
お決まりの言葉。
 少し、悲しくなる。何でもないこと、ないんじゃないの。そう言いたいけれど、そう聞くことを拒絶されているようで。
 せつなが、遠く感じられる。
 けれども。

 
105 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/21(土) 17:50:24 ID:d8a6eoPd
「何でもないならいいけれど――――何かあったら、ちゃんとアタシに言ってね」

 ラブは顔を上げ、せつなの目を真っ直ぐに見て、優しく言った。
 大丈夫。せつながそう言っているなら、それを信じよう。そう思いながら。
 二人にとっては、それも、いつものことだったから。
 彼女は、ラブの言葉に少し笑って、頷いて。

「ええ。わかったわ――――ありがと、ラブ」

 言うと、部屋に戻るわね、と言い置いて彼女は二階へと向かった。その姿を、ラブはもやもやとした気分で見送る。
 いつものこと――――だよね。
 心の中で、一人ごちる。
 せつながいつものように、ちょっとだけ無理をしていて。ちょっとだけ困ってて。けれど、大丈夫って言っているんだから
――――信じていいんだよね。
 思ってみても、何故か。
 落ち着かない。心がざわついている。一言で言えば、嫌な予感。

「あら。せっちゃんは?」
「え?」

 台所から出てきたあゆみが、そこにラブしかいないことに気付いて、キョトンとする。

「ああ、せつななら、部屋に戻ったよ」
「あら。せっかくおやつを出そうと思ったのに。さっき買ってきたアイスだけど」
「アタシ、呼んでくるよ」

 お盆を持って困った顔をする母親の言葉に、ラブはソファから立ち上がる。
 アイスは、せつなが選んだお気に入りの一品。これを食べれば、せつなも元気になるよね。
 思いながら階段を上がり、彼女の部屋のドアをノックする。

「せつなー。おやつだよー。さっき買ったばっかりの、アイスだよー」

 呼びかけに、だが、返事はない。
 微かな不安に襲われて、ラブはドアノブを回し、扉を開ける。

「せつな――――?」

 部屋の中には、誰も、いなかった。
106 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/21(土) 17:51:19 ID:d8a6eoPd
 赤い光が弾けると共に現れたせつなは、器用に地面に着地する。最初の頃は失敗もあったアカルンの使い方にも、
さすがに慣れてきていた。
 目の前に聳えるのは、占いの館。かつて、せつながイースとして暮らしていた場所。ラビリンスのアジト。
 ここに来るのは、久しぶりだった。
 プリキュアとなってからは、この場所を避けてきた。ラビリンスの手先だった頃――――つまり、イースだった頃を、
思い出してしまうから。
 そしてそれを、ラブ達も気付いていたのだろう。せつなに、この場所のことを尋ねるようなことをしなかった。
 本来であれば、敵の本拠地が分かったなら、攻め込んでもいい筈なのだ。実際、美希と祈里がここに来ようとして
いたと聞いている。その時は、ここに至ることが出来なかったらしいが、おそらくそれは館の周りの木々によってカモ
フラージュされていた為だろう。
 だから、ここの正確な位置を知っているせつながキュアパッションとなったのなら、館に辿り着くことだって出来る筈
なのだ。
 それでも、彼女達は、ここに攻め込もうとはしない。
 一度、その理由を美希に聞いたことがある。すると彼女は、

「あら。あたし達の目的は、シフォンや皆を守ることだもの。こっちから攻め込む必要なんてないわ」

 笑いながら、そう答えた。
 それは、半分は本当だろう。プリキュアは、あくまでも守護者。イースのような兵士ではないのだ。
 けれど、残りの半分は。

「だからね、せつな。思い出す必要なんて、無いんだからね」

 慈しむように、美希はそう続ける。
 残りの半分は、せつなのことを思いやっているから。彼女の心の古傷に、触れない為に。
 甘い、とせつなは思う。少女達は、甘すぎる、と。それは、彼女に残された、兵士としての考え方。
 だけど、その甘さが、せつなを救ってくれたのだ。そう思うと、ただ、感謝するしかなくて。

 なのに。

 せつなは唇を噛む。
 皆に気遣われていたというのに、私は今、ここにいる。再び、占いの館に。

 肩に入った力を抜くように、大きく深呼吸をして、せつなはきっと背筋を伸ばし、扉に手を触れる。
 私は、東せつな。キュアパッション。イースじゃない。
 最後に、確かめるようにそう、自分に言い聞かせながら。
107名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 17:55:31 ID:ANz+UmWB
しえん
108 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/21(土) 17:55:46 ID:d8a6eoPd
以上です。続きます。

三連休ですね。少し時間が取れそうなので、頑張って書いてみたいと思います。

宜しくお付き合い頂ければ幸いでございます。
109名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 17:56:34 ID:ANz+UmWB
あ、ごめんなさい
wktkしながら続き待ってます
110名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 18:53:37 ID:jueZge37
>>56
膨らむ。膨らむよ……、色んな妄想が!この真っ赤顔の
トマト表現は前にもあったねぇ。キュアトマトw
みきせつ、せつみきファンはホント増えた!自分も。二人はどっちもイケるね.....

>>68
綺麗な表現。凄く素敵だった。こんなに文章で表現出来るのかって思った。
凄かった。終わっちゃうんだね…。月夜はもっと二人を見ていて欲しかったんだけど。
タイトル、ググっちゃった。○○が欲しいで合ってるのかな?

>>73
初々しい二人。ハニカミデートはこうでなくちゃね。準備万全なブッキーはもはや
定番。ラブの優しさも後押ししていて。せつなの可愛さはみんなを骨抜きにしちゃう。
戦闘描写、凄いです。お見事でした。戦闘を伝えるのは本当に難しく、書かれる方が少ないんですよー。

>>95
嫌よ嫌よも好きの内。だって二人は思春期真っ最中。熱くなれるのも命を懸けた戦いをした仲だから。
燃える炎は消える事を知らないわ。時と場所も選ばない。誰も邪魔させない。邪魔出来ない。
今度はせつながラブをね…。昼から全裸ですか、そうですか。オンタイムで読んでましたw

>>108
速っwこの勢いはDCDの時と…。
ノーザ…。卑怯だな。あゆみさんをダシにする気かい?でもな、
今のせつなとラブには勝てないと思うんだぜ?
愛の力、家族愛、守るんだ絶対に!
111名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 20:05:30 ID:o3Ua5wv7

>>110
Je te veuxは、エリック・サティの曲名で、きみが欲しいとか、あなたが大好きとか訳されています。
曲調は、題名に似合わずと言いますか、起伏がそんなに激しくないので、
同居しているラブとせつなには合っている曲でもあるかなと思います。

ちなみに、この曲には歌詞もありますので、SSの内容もそれを意識しています。


>>72
コメント有難うございます。今回は、投下するかどうか本当に迷いましたから。
投下して良かったと思えました。

>>95
第一人者の方からのお言葉、本当に嬉しいです。
これからのご活躍をお祈りしております。

長々、申し訳ございません。酒場でないので、この辺りで失礼します。
112 ◆kaEdc6gW46 :2009/11/21(土) 20:33:42 ID:MS+2voPd
こんばんは
今日もまた小ネタを一つ…


ラブ×せつな(美希、祈里)

「特訓だよ!!!」



ラブ「俺は〜〜俺は〜〜馬鹿なのか〜〜アホなのか〜〜」

せつな「ダメダメ。もっと手をバタバタさせて。」


ラブ「分かったよ。

俺は〜〜俺は〜〜アホなのか〜〜馬鹿なのか〜〜」



美希「何してるの?ラブとせつなは…」

祈里「なんかね。
ガキのつ〇いの罰ゲームでね、松本仁〇がニワトリに格好で朝の4時を知らせる罰ゲームをモノマネしてるんだって。」

美希「それをしてどうするのよ…」

祈里「なんか、細かくて伝わらないモノマネ〇手権に出るらしいの。」

美希「はぁ……」
113名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 20:44:21 ID:iu4+kydU
あんたも懲りないね
114名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 20:58:27 ID:MS+2voPd
>>113
すみませんでした。
当分やめときます。
115名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:17:52 ID:ObW0Ec4b
>>114
別に自重はしなくていいから
ちゃんとフレッシュプリキュアのSSか小ネタを書いてくれないか?
116名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:19:46 ID:woE+Iwf3
気に入らない作品があっても黙ってスルーが基本じゃないの?
117名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:24:35 ID:jueZge37
>>114
もう一度>>1に書いてあるSS投下についてのテンプレを読んで下さい。
自分も小ネタや妄想、SSでイメージを多少崩してしまう時もありますが、
読み手さんが不快にならないよう細心の注意を払っています。
他ネタとコラボも面白いですが、最初に投下された時のようなイメージを
崩さない素敵なSSを作られた方が良いと思います。申し訳ありませんが、
今回は保管を見送らせて下さい。ごめんね…
118名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:27:39 ID:Kn79vzT7
初めてじゃね?保管されないのって。レアだなw

てかそろそろ明日の話しようぜ。今日は投下が先なんだから、雑談ぐらいいいだろ?
119名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:39:25 ID:ObW0Ec4b
>>118
明日って言ってもなあ…
放映前だと糞ラッキョくたばれか西さん頑張れくらいしか言うことないぞ

120名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:43:50 ID:jueZge37
>>119
ジュース噴いちゃったよw
明日に期待するのはやっぱり蒼乃さんな訳であり。
先週がせつラブでしたから、ほんとはブキ美希な展開が
このスレ的には最高で。
121名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:46:17 ID:Kn79vzT7
まぁメガネは臆病だから大輔みたいなハラハラは無いんだろうけど。

予告見たらパイン取り返しに行く3人に見えてな。
122名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 21:59:08 ID:ObW0Ec4b
>>120
DS版OPで見せたベリソ−居合い斬りで客船ソレワターセを一刀両断してもらおう
ついでにラッキョも両断してブッキーを救出してくれれば完璧!
123名無しさん@秘密の花園:2009/11/21(土) 22:29:41 ID:Kn79vzT7
メガネ氏んだなw
ソレワタに襲われて気絶→ブッキーが助けると言う情けない男な展開だろうと。
そこに現れる3人。さらにはいつもになく気合入りまくりのベリーさん。

まさしく「侍」かと。
124名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 00:24:17 ID:8wyEJJm0
>>84>>85、>>◆lg0Ts41PPYさん、>>99
もしよろしければ酒場へのぞいて頂けるとありがたいです。

>>119
ラッキョって、自分も噴いちゃった、
そうかメガネなくてラッキョなのかw
125名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 00:25:28 ID:8wyEJJm0
×酒場へ  ○酒場を
126 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 01:39:55 ID:v8PET00P
こんばんわ。

もう次の回だというのに、40話で泣いています。

ラブせつ?エロ無し、40話の後日を想定です。

お目汚し失礼します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ラブから切り出された話を聞いて、
思わず私は吹き出してしまった。

「どうしたの、お母さん?」
「...ううん、何でもないわ」
「変なの...」


ラブから相談されたのは、
ピーマンがおいしく食べられる、
料理の作り方。

ふたりで、色々と考える。

硬くて苦い感じをやわらげるため、
だし醤油で炒め煮にすることにした。

「せっちゃんは知ってるの?」
「ううん。まだ...」

「じゃぁ、明日の夕ご飯で、それ作りましょ」
「うん!あたし、頑張るよ!」

127 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 01:42:42 ID:v8PET00P


ラブがお風呂に入っている時に、
せっちゃんがやって来た。

相談されたのは、人参がおいしく
食べられる、料理の作り方。

ふたりで、色々と考える。

味が良く出る豚肉を使って、
ポトフ風に煮込むことにした。

小さめの乱切りにして、味をよく
染みこませよう。


「ラブは知ってるの?」
「いえ、まだ...」

「じゃぁ、明日の夕ご飯で、それ作りましょ」
「ええ!私、精一杯頑張ります!」


お互いの思いに、心が温かくなる。

128 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 01:45:25 ID:v8PET00P

一緒に暮らして欲しい。


あんなに真剣な目をした
ラブを、見たことがなかった。

クローバーの丘で初めて見た、
彼女の顔に浮かんでいたもの。

戸惑いと、何かに対する自責。


彼女に、幸せを感じて欲しい。

彼女に、愛を感じて欲しい。

レストランで、はしゃいでいる
ラブから、痛いほどに伝わる思い。


幸せになっては
いけない気がする。

そう言っていた、彼女。

何があったのかは、知らない。


知る必要もない。

私も、彼女を包んであげよう。

そう決めた。

129 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 01:47:00 ID:v8PET00P

娘が1人、増えたと思って
やってきた。


使う部屋が、増えた。

ご飯の材料も、4人分。

歯ブラシも、4つ。

お父さんのおみやげも、
4等分。


徐々に増えていく、
彼女の笑顔。


いつしか、4人で居ることが
当たり前になった。


そして。


陽が差し込む居間で
初めて聞いた言葉。

言葉と一緒に届く、
あふれるほどの思い。


やってきたことは
間違いじゃなかった。

130 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 01:48:26 ID:v8PET00P

「ん...?」
「あれっ...?」

ふたりが、同時に声を上げた。

「苦くないし、食べやすいわ...」

「いろんな味がしみてて、
 ちょっとおいしいかも...」


狙い通りの味になった。

お互いへの思いが、
味となって染みている。


「ふたりとも同じ相談するんだもの、
 びっくりしちゃったわ」

「もう、お母さんってば、
 黙ってるんだから...」


「ごめんね。でも、ふたりの気持ちが
 何だか嬉しくて...」


ふたりが、照れたような顔をして
下を向く。


「さぁ、どっちが早く克服できるかな?」

「よーし、せつな、もっと色々作って
 絶対好きにさせるからね!」

「私も、負けないわ!」


勢いよく食べるふたりは
まるで双子のよう。


胸を張って言える。

私には、自慢の娘が、ふたり。

131 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 01:53:13 ID:v8PET00P
以上です。
お目汚し失礼しました。

タイトルは「思いやり記念日」です。

40話見てから、あの3人の視点で
書きたくなりました。これでひと通りです。

40話って、回想シーンで24話が出てきたのも
良かったですよねー...また涙が

132名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 02:17:15 ID:pj51bPHt
>>131
GJ
BVさんの40話に対する愛がすごく伝わってきます。
素敵な連作ありがとうございました
133 ◆BVjx9JFTno :2009/11/22(日) 02:22:50 ID:v8PET00P
しまった。編集しくじりましたorz
1行目訂正させてください。すみません。


誤)ラブから切り出された話を聞いて、
      ↓
正)お風呂あがりのラブから切り出された話を聞いて、

134 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:40:43 ID:vnVmPs2j
深夜ですね。こんばんは。

>>109
お気に召して頂けたなら幸い。

>>110
書いてる自分もDCDの頃を思い出してました。

>>126
40話は本当に、何と言うか不意打ちでした。そしてそこから後日談、素敵でございました。
いいですよね、こういうの。


さて。
改めて連載物の続きを投下させて頂きたく。

>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて

の続き。

連載、第三話。
『忍び寄る影 心 惑いて』
シリアス、非エロです。
135 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:41:52 ID:vnVmPs2j
「へぇ・・・・・・驚いた。本当に来るとはね」
「――――イース」

 扉を開けてすぐのロビー。せつなを迎えたのは、階段に腰掛けて本を読んでいた南瞬と、何故か筋トレをしていた
西隼人だった。瞬は揶揄の視線を、隼人は困惑と怒気が混じった複雑な目を、せつなへと向けてくる。
 が、彼女は二人のそれに、沈黙で応える。心に鎧を纏い、決して揺れたりはしない、と誓う。

「ノーザは、どこ」

 低く押し殺した声で、せつなは二人に問いかける。その声と、冷たい表情は、一瞬、彼らにイースを思い出させる。
が、あからさまですらある敵意は、彼女がもはやラビリンスに戻るつもりが無いことを悟らせた。

「ノーザ、さんなら・・・・・・」
「あれ。東さん?」

 玄関正面の階段。その踊り場から呼びかけられ、せつなは思わずそちらを振り仰ぐ。聞きなれた声。そう、学校で
毎日、聞いている声。

「やっぱり、東さんだ」
「由美・・・・・・? どうして、ここに・・・・・・」

 トントンと足音も軽やかに階段を下りてくる由美。その隣には、背の高い少年の姿があった。どこかで見たような
――――考えて、気付く。写真を見せてもらったことのある、由美の彼氏だ。転校して、今は遠くの街にいると聞いて
いたが、戻ってきていたのだろうか。

「えへへ。ほら、ここの占いって、よく当たるって話でしょ? だからね、先輩と一緒に占ってもらおうと思って」
「そう、なんだ・・・・・・」

 由美は、せつながここで占い師をしていた頃のことを知らない。いや、そもそも、ラブ以外に知っている人はいない
だろう。実際には、せつなが見たことのある顔が同じクラスの中にもあったが、ローブを被っていたせいか、向こうから
彼女のことに気付くことは無かった。

「それでね、東さん、聞いて聞いて。私と先輩の相性、最高なんですって。ね、そうなんですよね」
「ええ、そうよ」

 聞こえてきた艶やかな声に、せつなは息が止まった気がした。
 いつの間に、だろうか。
 由美とその彼氏、二人の後ろに立っていたのは――――北那由他。
 かつてのせつなと同じように、黒のローブを身に付けているのは、占い師を装っているからか。長く艶のある黒髪と、
不自然なまでに白い肌、そしてフードの作る影の中、鮮やかに過ぎる赤の唇は、薄い笑みを浮かべていて。

「これからも二人、仲良くしていれば幸せを手に入れることが出来るわ」
「ありがとうございます!! えへへ」

 先輩と顔を見合わせて、照れ臭そうに笑う由美の姿を、しかしせつなは見ていなかった。彼女が見ていたのは、ただ、
那由他の姿だけ。
 その視線を受けて、また、彼女は笑う。声を上げぬまま。

136 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:42:37 ID:vnVmPs2j
「じゃあ、東さん。またね」

 先輩と腕を組んで出て行く彼女を、せつなは見送る。占い師姿の那由他が隣に立ち、同じように見送りながら呟く。

「ホント、この世界の人間は愚かね」
「――――っ」

 その言葉に、せつなは彼女をキッと睨み付ける。だが、那由他はその視線に気付きながらも、なんら臆することなく
続ける。

「幸せになると言いさえすれば、すぐに喜ぶ。単純なものだわ」
「それは――――!!」
「貴方にそれを非難されるいわれはないわ。だって、同じことを思っていたんでしょう?」

 振り向き様に言われ、彼女は言葉に詰まる。確かに、ここで占い師をしていた頃、やってきた客に対してそう思って
いたことがあった。
 今では、それが間違いだったとわかる。けれど、どう間違っているのかを彼女に説明するのは、難しい。何より、説明
したところで、聞き入れてくれる相手だとも思えなかった。

「ふふ。人の不幸は蜜の味、ってね。それより――――」

 那由他はフードを下ろし、その顔を露にする。それを合図にしたかのように、瞬と隼人が立ち上がり、二人に近付いて
きて。

「待ってたわ、イースちゃん。来てくれないかと、心配してたのよ?」

 何をヌケヌケと。思うが、反論はせず、せつなは確かめる。

「これで、お母さんには、手を出さないんでしょうね」

 那由他は、だがしかし、ただ笑うだけで、彼女の問いかけに答えを返そうとはしなかったのだった。





      忍び寄る影 心 惑いて





 
137 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:44:02 ID:vnVmPs2j
「座ったら? イースちゃん」
「いいえ、ここで結構よ」

 かつてイースだった頃、三人が集まる場所だった応接間に、せつなは通される。
 テーブルの上座に座りながら、不気味な程に優しく振舞う那由他の言葉に、しかしせつなは拒絶の意思を示す。長居
をするつもりはない、と言わんばかりの彼女の態度に、那由他は含み笑いを浮かべるだけ。
 周りを見れば、隼人は壁にもたれかかるように立ち、瞬はソファに足を組んで座っている。そして那由他が、テーブル
の上に肘を付き、手を組んで、その上に顎を乗せてこちらを見ている。三人の視線が交わるのは、せつなの顔。
 ゴクリ、と小さくつばを飲む。自分が、ラビリンスの――――敵の懐に踏み込んでいることを、改めて意識させられる。
無意識に、彼女の手は腰のあたりに置かれる。そこにあるのは、リンクルン。いざとなれば、変身して戦うことも辞さない覚悟だ。

「そんなに構えなくてもいいのよ。戦う気はないわ」

 だが、そんな彼女の意思を見透かしたかのような那由他の声が響く。少し意外そうな顔をする隼人と瞬だったが、チラ
リと彼女を見るだけで、口に出しては何も言わない。

「今日はね、お話がしたいと思ったの。イースちゃんとね」
「話の前に、一つ、いいかしら」

 毅然とした態度をしながら、せつなは那由他の言葉を遮った。怪訝そうな彼女に、きっぱりと言い切る。

「私はもう、イースじゃないわ」
「――――クックック」

 せつなの言葉に、小さく驚いた素振りを見せた後、那由他は笑い始める。喉で笑うその様が、まるで嘲られているか
のように感じ、せつなは眉を顰める。

「そうだったわね。今の貴方は、せつなちゃんだったわね――――ああ、それともこっちの方がいいのかしら――――
せっちゃん」
「――――っ!! その呼び方はやめて!!」

 お母さん、お父さん――――あゆみと圭太郎と同じ呼び方で彼女に呼ばれ、せつなは、自分でも驚く程に強い苛立ち
を覚えた。反射的に、そう叫んでしまう程に。

「あらあら、そんなにお母さんのことが大切なのかしら、せっちゃんは」
「止めてって言ってるでしょう!?」

 これ以上、愚弄するなら――――強い敵意を向けてくるせつなに、那由他は笑いながら首を横に振った。

「冗談よ、せつなちゃん。落ち着いて聞いてくれるかしら」

 その言い草に、グッと握った拳に力が入る。が、一つ、小さな息を吐いて、強張っていた力を抜く。落ち着け、私。この
ままだと、相手の思うツボよ。
 自分にそう言い聞かせ、せつなは改めて那由他を見つめる。油断はしない。でも、我を忘れる程には入れ込まない。
 すっかり落ち着きを取り戻した彼女の様子に、那由他は小さく鼻を鳴らす。が、すぐにまた酷薄な笑みがその顔に
浮かぶ。お楽しみは、まだこれからだ。

「それで? 話って、何かしら」
「大した話じゃないわ――――インフィニティのことよ」

 やはりか。思い、眼差しを厳しくするせつなに気付きながらも、那由他は話し続ける。

「あなたのお友達、ラブちゃんの持っている人形――――シフォンちゃん、だったかしら? その子がインフィニティ
なのよね?」

 問いかけに、せつなはしかし、答えない。そしてそれを予想してたのか、那由他は構わず、

「せつなちゃん。貴方をここに呼んだのはね――――インフィニティを、渡して欲しいから」
138 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:45:51 ID:vnVmPs2j
「お断りよ」

 間髪入れずに、せつなは答える。強い語気に、隼人と瞬が腰を浮かすが、那由他が軽く手を振ってそれを抑えた。

「私はもう、イースじゃないわ。ラビリンスの為には、働かない。何より――――シフォンは、私達の大切な仲間だから」
「そう――――どうしても?」
「どうしても、よ」

 言って、せつなは那由他に背を向ける。話はこれで終わり、とばかりに。
 だが、その背中に、彼女は言の刃を投げる。

「お母さん」

 嘲笑が交えられたそれは、少女の胸に深く突き刺さって。
 思わず、せつなは振り返る。その顔に絡みつく、冷たい那由他の視線。心臓を、その長い爪で引っかかられたかの
ような痛みが走る。背中からは、ドッと汗が噴出して。

「せつなちゃんはお母さんのことが、よっぽど大事なのね」

 急に、部屋の気温が下がったような、そんな幻覚をせつなは覚える。長いテーブルの向こう、座ったままの那由他の
姿が、何故か不意に巨大に感じられて。
 圧迫、される。

「そんなに大事なお母さんに何かあったら――――せつなちゃんは悲しいわよね?」
「お母さんに、何をする気!?」

 思わず叫ぶせつなに、那由他は笑いながら首を横に振る。

「大丈夫よ。何もしてないわ」

 せつなが、その言葉に安堵の表情を浮かべるのを確かめてから、那由他は言った。

「今は、ね」
「――――っ」

 再び厳しい顔になるせつなを見て、彼女は笑う。翻弄されているとわかって、せつなは顔をしかめた。

「お母さんに、手を出さないで」
「あら、それは出来ない相談だわ――――だってもう、手を出したもの」

 言った彼女の服の袖から、コロン、と転げ落ちる一粒の種。それが何かをせつなは知らなかったが、直感的に勘付く。
恐らく、ソレワターセの実。

「良かったわね、お母さんを助けられて」
「あれは、貴方だったのね!!」

 つい先日、あゆみの偽物に入れ替わったソレワターセと、彼女は戦った。その入れ替わりという作戦は、ウエスターや
サウラーの考えたものではないような気がしていたのだが、やはり、ノーザ自らが指揮を執っていたのか。

「よくも、お母さんを――――!!」
「返してあげただけ、優しいと思って欲しいわね」

 その言葉と共に、那由他の顔に貼り付いていた薄い笑みが、さらに冷たいものに変わる。いっそ、禍々しいばかりの
その顔に、せつなの感じていた怒りが、スッと消え去る。残るのは――――恐怖。冷水を浴びせられたかのように、
背筋に寒気が走って。

「分かっていないようね。あれは警告よ」
「警・・・・・・告?」
「ええ、そう。警告――――どうやらやっぱり、イースという兵士は、もういないみたいね。こんなに甘い生き物が、メビ
ウス様のしもべであったはずが無いわ」
139 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:47:00 ID:vnVmPs2j
 嘲られている。分かっていても、何も言えない。
 ただ、混乱する意識の中で、必死に考える。警告、という言葉の意味を。
 その、余裕の無い表情に、那由他は内心の満足感を隠しながら、言葉を重ねる。

「貴方は、どこでお母さんを見つけたのかしら」
「か、鏡の中で・・・・・・」
「そう。トイレの鏡の中の、ロッカーに閉じ込められていたのよね。スカートが少し、出てたんじゃなかったかしら?」
「どうして、それを・・・・・・」
「だって。そうしたのは私ですもの」

 驚きに、せつなは目を見広げる。
 そうしたのは――――私? どういうこと?
 まさか――――あれは、わざとだったというの?

「貴方なら、気付くと思ったわ。そしてやっぱり、気付いてくれた。良かったわね。お母さんが無事で」
「何を・・・・・・言ってるの?」

 声が、震える。考えが、まとまらない。
 呆然と立ち尽くすせつなに、那由他は笑いながらとどめとなる言葉を投げる。


「まだわからないの? 私はね――――貴方のお母さんの命を奪うことも出来たのよ」


 不意に。
 世界が色を失った気がした。
 息が止まる。心臓は、緊張のせいか、早鐘のように激しく鼓動する。

「簡単なことだったでしょうね。その胸に私の爪を突き刺すことも出来た。首を引き裂いて、鮮血に染めることも出来た
――――誰にも邪魔はされなかったでしょうから」

 那由他の言葉に、せつなの心はえぐられる。
 大切な、守りたいと思っていた存在。自分を助けてくれ、居場所を与えてくれた人。
 なのに、私は――――その人の危険に、気付くことが出来なかった。
 震える。全身に怖気が走る。
 寒い。冷たい――――心も、体も。
 あゆみの声を、ぬくもりを思い出す。そして、それを失うことを想像する。
 それだけで。
 足元を支える地面が無くなったかのような感覚に、襲われる。

「今回は、返してあげた――――けれど、次はどうかしら?」
「・・・・・・・・・・・・」

 お母さんに手を出さないで。つい数分前までのせつななら、気丈にそう言えただろう。
 けれど、今は――――守れなかったことに、気付いてしまった今は。
 そして、意気消沈するせつなを見て、那由他はほくそ笑む。狙い通り、と。

「覚えておきなさい。私の手は長いの。そう、貴方に気付かれないように、貴方の大切な人に触れられるぐらいに」

 その言葉に、せつなは目を伏せる。
 この館に来てすぐの、強い彼女は、もういない。そこにいるのは、か弱い少女。

「せつなちゃん。もう一度、言うわ――――インフィニティを渡しなさい」

 猫撫で声で、彼女は囁く。だが、その言葉には、言霊が込められていた。拒絶を許さない、という強い言霊。

「これは、お願いじゃない。命令よ。貴方がイースでもせつなでも、どちらでもいいわ。ただ、命じる――――インフィニ
ティを渡しなさい」
140 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:47:59 ID:vnVmPs2j

「それじゃ、今晩にでも――――待っているわ、せつなちゃん」

 言って、那由他は館の扉を開ける。ふらふらと亡者のように、外へと出て、去って行くせつなの背中を見ながら、彼女は
ゆっくりと微笑んだ。その顔は、強い邪気に彩られていて。

「ノーザ。一つ、聞いてもいいか」

 扉を閉めて振り返ると、隼人がそこに立っていた。その後ろには、瞬も立っている。無関係を装っているが、意識は
こちらに向けられていた。

「ノーザさん、でしょう。ウエスター君」
「――――っ。ノーザ、さん」

 一つ、咳払いをして、彼は続ける。

「一体、どうしてイースにあんな役目を? 俺達に任せてもらえれば、インフィニティを奪いに行くぐらい、たやすいことだ」
「そしてプリキュアに負かされて、スゴスゴと帰ってくるのでしょう?」

 ピシャリ、と冷たく弾かれて、隼人はムッとした表情を見せる。が、言い返さないのは、これまでの経緯があるから
だろう。
 那由他はそれに構わず、ポン、と彼の肩に手を置いた。

「ごめんなさい。貴方達を評価していないわけじゃないの。ただ、私は確実に事を進めたいだけ。それに――――」
「――――? それに?」
「あの子には、もっともっと、不幸になってもらいたいの」

 その言葉は、純粋な悪意。隼人だけでなく、瞬ですら引く程に、強く激しいもの。

「ラビリンスを、メビウス様を裏切ったんですもの。たっぷり不幸になってもらわないとね」

 彼らの眼に自分がどう映っているか、気にした素振りも見せず、那由他は、笑う。

「人の不幸は、蜜の味――――フフフ、せつなちゃん貴方の不幸は、どれだけ甘いのかしら?」
141 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:49:21 ID:vnVmPs2j
 夕の朱が、空と街を染める。
 その中を、せつなは一人、歩く。苦悩しながら、歩く。
 耳元を離れない、彼女の言葉。

『インフィニティを渡しなさい』

 出来るわけがない、と思う。
 だって、インフィニティを渡せば、ラビリンスが全ての次元を支配することになる。そうなったら、ラブのいるこの世界も。
 それに何より、インフィニティは、シフォンなのだ。彼女はもう、自分達の子供みたいなものだ。守ってあげなければ
ならない、そう思う。

 けれど――――

 歩きながら、せつなは唇を噛み締める。
 脳裏に過ぎるのは、お母さんの姿。

 左手の手首を見る。赤のハートが繋がったブレスレット。お母さんからの、贈り物。

『貴方のお母さんの命を奪うことも出来たのよ』
『私の手は長いの。そう、貴方に気付かれないように、貴方の大切な人に触れられるぐらいに』

 ノーザの、あの言葉。
 それが何を意味するか、わからない彼女ではない。
 インフィニティを渡さなければ、お母さんが。

「あら。せっちゃん」
「え? お母さん!!」

 不意に、背の向こうからかけられた声に振り向くと、そこにはあゆみの姿があった。買い物袋を持って、ニコニコと
優しく微笑んでいる。

「どうしたの? そんなに、驚いた顔して」
「え? あ、ううん、何でもないの――――それより、お母さんこそ、どうして? 買い物なら、さっき行ったのに」
「お醤油を切らしてたのを忘れててね。慌てて買いに行ってきたところ。ラブはせっちゃんを探しに行くって、出かけ
ちゃったみたいだし――――そういえば、一緒じゃないの?」

 言われて、慌ててリンクルンを取り出す。アカルンで部屋を抜け出した後、着信音が鳴らないようにしていたことを
忘れていた。見れば、ラブからの着信とメールが、たくさん入っていて。

「ごめんなさい、お母さん」

 言ってから、ラブに電話をかけ直す。と、一コールもしないうちに、彼女が出た。

「もしもし、ラブ?」
「もーう!! せつなったら!! どこ行ってたのよっ!!」

 いきなり大声で話されて、思わずせつなは耳を離してしまう。それだけ心配させてしまったのだろう。怒ってるラブに
謝りながら、せつなは今、自分があゆみと一緒にいるということを説明する。どこに行ってたかについては――――
誤魔化すしか、なかったけれど。
142 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:49:49 ID:vnVmPs2j
「ふぅ」
「せっちゃんも大変ね。ラブにこんなに好かれて」

 電話を切って溜息を吐いたせつなに、あゆみはクスクスと笑いながらそう声をかけてくる。

「あ、いえ――――大変なんて、そんな」

 恥らうように言って、せつなはあゆみの手から、醤油の入ったビニール袋を取る。

「あら。ありがとう、せっちゃん」
「ううん――――お母さん」
「じゃあ、はい」

 あゆみは、空いた手で、せつなの手を掴む。思わずドキンとする彼女を、あゆみは慈愛の笑みを浮かべて見る。

「思い出すわー。ラブがちっちゃな頃、よくこうして手を繋いで歩いたものよー」
「お母さん――――」
「だから、せっちゃんとも、手を繋いでみたいなー、って。ダメかしら?」
「そんな・・・・・・」

 ブンブンと首を横に振るせつなに、良かった、とあゆみは言って。
 ギュッ、と繋いだ手に、力を込めてきた。


 その手のぬくもりに。
 想いの深さに。
 せつなは心に決める。

 私は――――
 お母さんを、守らなきゃいけない。
 絶対に。


 どんなことを、しても。
143 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/22(日) 02:54:49 ID:vnVmPs2j
以上です。続きます。

40話って、実は敵の手が大切な人の命に触れているんですよね。でも、せっちゃんはお母さんを助けることが出来た。
どうしてノーザさんがそんなに甘かったのか、幼女向けアニメ、という視点を外して考えると、こういったこともある
かしら、というのがありまして。

かなりifの世界を進むこの長編、少しでも楽しんで頂けたのなら、幸いです。

今後もお付き合い頂ければ嬉しく思います。
宜しくお願いいたします。
144名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 03:29:39 ID:pj51bPHt
>>143
明日は録画を観るんですね、わかりますw
ifなのにifとは思えない筆さばき…次回が楽しみです!
145名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 08:29:59 ID:25woOSKV
新聞のラテ欄にらっきょありませんでしたw
さてみんな生きて帰ってこよう。また笑顔で…
146名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 08:59:20 ID:25woOSKV
予告で一気に落ちたんだが。てか生駒さんのSS通りな展開!?
147名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 08:59:56 ID:papR5bAP
出来が微妙すぎて鬼門回どころじゃなかったぜ!
148名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:01:23 ID:NZkj3gwN
ブッキー強っw
らっきょ虎使いかよ
149名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:05:59 ID:pj51bPHt
鬼門回というほどにはダメージはなかったが…
せっちゃーん…・゚・(ノд`)・゚・
150名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:12:59 ID:cgejd4q/
あぁっ、ブッキーかわいいなぁ〜もう!
そしてパイン最強伝説誕生。
今回の見所はブッキーと次回予告(笑)ですね。
151名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:14:58 ID:sclVuEhc
むしろ来週のほうが…k
152名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:21:16 ID:25woOSKV
ね、大輔よりかは危なくなかったけど、来週のダメージがすでにパネぇ。
やはり衝撃のクライマックスに進んでるんだろうか…。

パインは攻撃パターンに動物使いが新たに加わりましたw
153名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:26:19 ID:215vFkDJ
個人的にはダメージ0でした。てか、鬼門以前の問題かと…


むしろ白虎×ブッキーのほうがヤキモチさせられたw
154名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:26:41 ID:LyBBlqf2
来週の展開最高だな
今日のは微妙だったが、あえて言うならブッキーが
プリキュアの名前を呼ぶとき何故かベリーさんを最初に呼んだ事か
155名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:27:13 ID:215vFkDJ
>>153
ヤキモキ
でした。
156名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:36:49 ID:NZkj3gwN
30分で収まる内容かね来週。百合は今日より期待出来んじゃね?本格的に戦いが始まる訳だし。奪回なんだよなせつなを
157名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:46:25 ID:2G1rtmYT
せつな回だから前後編かも
158名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:46:55 ID:25woOSKV
>>156
常に期待してますがw今日も自分には燃料注入されますたw
健人乙だった!もう登場しなくていいからなw

ヤキモチ抱くよ、白虎さんに。なんて紳士なんだよwちょっとイイ感じだったろw
159名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 09:56:27 ID:NZkj3gwN
>>158
Dとハゲもな。
動物まで鬼門対象かよw
ベリー先に呼んでたな。憎い演出するぜ。
パッションが助けに行った時はブキせつ来たなと思ったけど。
160名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 10:10:33 ID:215vFkDJ
美希たんの

「無事で良かった…!」

って、必死な感じが伝わって良かったですねえ。
161名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 10:15:34 ID:fQ9gnLsz
>>158
ホワイトタイガーさんは許してやれよw
性別オスだし紳士だけどさ
162名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 10:21:31 ID:NZkj3gwN
紳士とか少し大人な人に憧れあるんだよブッキーは。自分には無い物を持ってる人にね。

これ以上は…わかるよなw
163名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 10:47:50 ID:25woOSKV
えぇわかりますとも。言葉はいらないですね。

>>126
あゆみさん視点の時点で鼻にツーンと来る物が…。
この温かい桃園家の雰囲気がとにかく好きで。
苦手な物すら克服出来ちゃうこの愛情たっぷりな料理。
そして、娘たちへの願いと想い。
最 高 で す。

>>135
占い館。もうここには来る事がないと思っていた。信じていたのに。
ノーザ…。貴様、何を企んでやがる…。それも
「せっちゃん」だと?その特権は
桃 園 家 の 物 だ。
…警告。手にかけたがあえて逃がした。これも作戦か?どこまで冷酷だよノーザ…
164名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 11:12:00 ID:v8PET00P
>>143
ノーザ様外道だ。外道過ぎる。
重い展開になってきたなぁ。
続き楽しみにしてます。

本編も来週は重そう...
165名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 15:54:36 ID:25woOSKV
ベリーを先に呼んだ事。離れていても二人は―――。
前回の美希ブキ宿泊からのアンサーSS。今日の放送とタイム差
がありますが、捉え方では妄想が広がるかと。

白百合、18禁、美希⇔ブキ、描写に抵抗のある方は絶対回避を。
166【Together〜最愛なる彼女と】:2009/11/22(日) 15:55:15 ID:25woOSKV

たった一人の愛すべき人と
時を重ねる事

ずっとこの時を待っていた
この日のために完璧な自分を目指していた



ねぇ祈里…



ずっと後ろにいた
ずっとあなたの事を見ていた

いつかこうして一緒になれると思って
今日が来る事を絶対に信じていた


何?美希…



恥ずかしそうに体を隠す祈里
その手にそっと触れる美希


好きと言う言葉も

愛してると言う言葉も

今は邪魔なくらい何度もキスをして


167【Together〜最愛なる彼女と】:2009/11/22(日) 15:55:40 ID:25woOSKV
美希が見つめる先には潤んだ山吹色の瞳
体を愛撫する
漏れる吐息
指を首から下へ撫でるとふくよかで柔らかな抵抗が



祈里が見つめる先には潤んだ蒼い瞳
初めて体験する感じ
優しい囁き
触れる指すら愛おしく想いを全て託して



過敏に反応した蕾を口に含み
持て余した右手は下腹部へと
左手はずっと彼女の手を握ったまま


一時も離さず右手を握ってくれてる
体は熱いけれど心はどこか落ち着けて
だから…………美希を受け入れた



――――こんなに



んっ!―――――




触れ合う体
交錯する言葉
それは快感と言う響きで互いを行き来し合う
168【Together〜最愛なる彼女と】:2009/11/22(日) 15:56:23 ID:25woOSKV




わたし、この日のためにね…


…アタシもよ




守り通してきた大切な物
ハート
想い


そして――――――カラダ



幾度となく意識が飛びそうになる
その度に美希を抱きしめて



抱きしめられるとそれは次のサイン
何度も祈里は体を求めて




指では数えられないほどの幸せと喜びを




涙と汗と――――――――愛液

それは二人が確実に結ばれた証拠




好きよ…祈里…

美希………愛してる…




永遠の愛はまだ―――始まったばかり―――


〜END〜
169名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 16:02:43 ID:25woOSKV
出来れば、今日の放送ではもっと美希たんに活躍して頂きたかった…。
と、いつもスレお借りしてすいません。皆さんには本当に感謝してます。
これからも同じ同志としてお許し頂ければ幸いです。

では引き続き雑談・妄想・SSどぞー
170名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 17:33:39 ID:8wyEJJm0
こんにちは。

【最後のお楽しみ】のせつなsideが書き終わりましたので
投下させていただきます。
ブッキーside同様長いですので
今回は前後に分けて投下させていただきますね。

CPはせつな×ブッキー(パッション×パイン?)です。

※男キャラが(西さん)出ますので苦手な方は回避お願いします
171【守られた約束】:2009/11/22(日) 17:41:44 ID:8wyEJJm0
<せつなの部屋>

もうかれこれ20分ほど経っただろうか
私は今美希と電話で話をしている。

「ええ、そうなの10時に公園で待ち合わせをしているの。」
『嬉しそうな声しちゃって、せつなってば。よっぽど楽しみなのね。』
「あたりまえよ、その……き、気持ちを伝えてから初めてブッキーと二人で出かけるんですもの。
 楽しみに決まってるじゃない。」
『そうよね二人にとっては初デートだものね。
 ……ところでさっきから気になってたんだけどブッキー?祈里じゃないの?』
「え、あぁ、その、二人っきりの時だけ呼ぶことにしてるの。」
『あたしやラブの前でもブッキー?』
「えっと、その。」
『ふ〜ん。じゃあ、あたしもブッキーと二人っきりの時、祈里って呼んじゃおうかしら。』
「ダ、ダメ!」
いや、美希は幼馴染なんだし、ダメってことはないのだけれど…
『あら、どうして?』
笑いを含んだ声。

どうしてって言われても、わからない。
「……どうしても。」
それが精一杯の答え。
『ふふ。』
携帯から笑い声がもれてくる。

むっ。
……からかわれたのだと分かる。

「……。」
『せつな?』
「……。」
『もう…拗ねないの。』
「…拗ねてなんかないわ。」
『あ〜はいはい、……でもなんていうか、ここまでの話を聞いてると、ごちそうさまって感じよね。』
「……ごちそうさま?美希何か食べてたの?」
『……。』
「美希?」
『はぁ。…いえ、なんでもないわ。それよりも明日はあたしが選んだ服着ていくのよね。』
「ええ。」
何か誤魔化された気がするけれど、まぁいいわ。

その後も暫く話を続けていた。

『でねそこのお店に…、ってもうこんな時間!』
そう言われ私も時計に目を遣る。いつもなら寝る準備をしている時間だ。
……一時間近く話をしていたようだ。 
『ごめんね、せつな。随分長話しちゃったみたいで。』
「ううん、そんなことないわ。楽しかったもの。」
『そう、ならよかった。さぁ、明日寝坊したら大変だから、そろそろ終わりましょうか。』
「そうね、美希……色々ありがとう。」
『ふふ、どういたしまして。じゃあ、おやすみせつな。』
「ええ、おやすみなさい、美希。」


さて、寝ましょうか。

「早く明日にならないかしら。」
そう思いながら私は目を閉じた。
172【守られた約束】:2009/11/22(日) 17:47:03 ID:8wyEJJm0
<公園周辺>

リンクルンで時間を確認する。9時25分、待ち合わせの時間までまだ30分以上もある。
楽しみ過ぎて早く目が覚めちゃった所為もあって早くに家を出た。

……ちょっと早過ぎる気もするけど、祈里を待たせるわけにわいかないものね。

いろいろ考えているうちに公園の入り口についた。
待ち合わせ場所に向かう。

…えっ、祈里?
待ち合わせ場所には、まだ来ていないだろうと思っていた祈里が立っていた。

「祈里。」
「せつなちゃん。」
「早いわね祈里。」
「せつなちゃんこそ。」

「もしかして待たせちゃった?」
待たせるわけにはいかないと思って早く来たのに…

「ううん、全然。さっき来たところだから。」
「そう、よかった。」
それを聞いて安心した。ほっと息をついた。

「ねぇ、せつなちゃん?」
「ん?」
「それってもしかして、この前電話で話してた…。」
祈里が指差したのはお母さんから貰った赤いブレスレットだ。
「ええ、お母さんに……あゆみお母さんに貰ったブレスレットよ。」
私はブレスレットを撫でる。

お母さん。
今日もいってらっしゃいと言って送り出してくれた。
祈里やラブ、美希とはまた違う、私の大切な人。
そのお母さんから貰った大事な大事なブレスレットだ。

「ふふ。」
祈里が笑っている。
「祈里?」
「あぁごめんなさい、ただすっごく嬉しそうな顔しててかわいいな〜って思って。」
か、かわいい?
「…っ。」
顔が熱くなる。
「ふふ、かわいい。」
「…もう、祈里ったら。」

私の反応に満足したのか
「さて…それじゃあちょっと早いけど行きましょうか、せつなちゃん。」
そう言って祈里は歩きだした。

「そうね。」
そう言って私も祈里の隣に並ぶ。
「今日は遊園地って所に行くのよね。雑誌やテレビでは見たけど実際に行くのは初めてよ。」
遊園地はもちろんだけど、祈里と一緒だもの。
「すごく楽しみ。」

「せつなちゃん、一緒にめーいっぱい楽しもうね。」
「ええ。」
173【守られた約束】:2009/11/22(日) 17:48:32 ID:8wyEJJm0
<遊園地>

「へぇ〜凄い人ね。」
私は人の多さに驚いてしまった。雑誌やテレビから情報を得て予想していたとはいえ
実際に見るとやはり凄い。

「休日だからね。」

ぎゅっ。

祈里が手を握ってきた。

「祈里?」
「嫌?」
今日の祈里はなんだか積極的だわ。
「…いいえ、そんなことないわ。」
でもそんな祈里もわるくない。

ぎゅっ。
「楽しみましょうね。」
私はそう言って祈里の手を握り返した。



最初は祈里のリクエストでメリーゴーランドに乗った。
次は私のリクエストでお化け屋敷へ。
その後も交代でリクエストしていって
ゴーカート、ティーカップ、バイキングに乗った。

「次はせつなちゃんの番だよ、どこに行く?」
祈里が尋ねてくる。

「そうねぇ」
どこに行こうか、そう思案していた私の目に留まったのは

「…祈里、私あれに乗ってみたいわ。」

「どれ?」
「あれ。」
私はそれを指差した。
「ジェットコースター?」
「ええ。」
174【守られた約束】:2009/11/22(日) 17:50:53 ID:8wyEJJm0

ガタンガタン。

ジェットコースター、ラブから話は聞いていたけれどこれは楽しみだ。
どんどん目線が高くなる、一番前だから尚更それがよくわかる。
この遊園地で一番高いのかしら、そう思いあたりを見回す。ここからだと遊園地全体がよく見える。
少し遠いところにもジェットコースターがあった…がこちらの方が明らかに高いようだ。

ふと、祈里に目を遣る。
ぎゅっと目を瞑っている。
ラブや美希から3人でジェットコースターに乗ったと聞いていたので平気かと思っていたのだけれど…。



ガタンガタン。


「祈里。」
私は祈里に声をかけ手を差し出した。
これで少しでも安心してくれたらいいんだけど…。


ぎゅっ

祈里は私が差し出した手をつかんだ。
私は大丈夫という気持ちを込めてしっかりと握り返した。



ガタンガタン、ガタッ。


ガタ、ガタガタ、ガタガタガタガタ、ゴォォォォォォォ――――――――。



――――――――


「大丈夫、祈里?」
少しふらついていた祈里に声をかける。

「大丈夫だよ。せつなちゃん。」
顔をみると本当に大丈夫そうだったので、次に行くことにした。

「そう、ならいいんだけど。じゃあ次はどこに行きましょうか?」

「せつなちゃん、わたしここに行きたい。」
祈里が指差した場所それは……。
175【守られた約束】:2009/11/22(日) 17:56:11 ID:8wyEJJm0

『動物ふれあい広場』




「ほら見て見てせつなちゃん、かわいい〜。」
子犬を抱えて祈里が満面の笑みでこちらに話しかけてきた。

「ねえ祈里、その子達はなんて名前の犬なの?」
私は子犬の頭をなでながら尋ねる。

「えっと、この子はウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアっていうの。
 それからあそこにいるのがチワワ、ラブラドール、ダックスフント、ポメラニアン、パピヨン、それから――――」

ふふ夢中になってるわ、祈里らしい。
それにしても動物と触れ合っている祈里姿を見ていると自然と頬が緩む。
あ、そうだわ。私はリンクルンを取り出した。そして…


パシャッ。

「わっ、びっくりした。」
「あっ、ごめんなさい。祈里すっごく良い顔してたから、つい。」

「ついって……」
祈里はそう言いつつ、それ以上は何も言わずまた暫く動物たちと戯れていた。



私は改めて思う。祈里といるこの穏やかな空間がたまらなく好きなのだ……と。



/////////////////////<後編に続く>/////////////////////
というわけで前編はここまで。
後編は夜もしくは明日にでも投下させていただきます。
では、失礼いたします。
176名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 18:25:28 ID:NsfrfNbz
こんばんは

遅くなりましたが7スレ目移行おめでとうございます。

素敵な雰囲気のSSが2本連投された後に
こういうものを投下するのはどうかと思いつつ……
ラブせつメインでの非18禁です。
177『あかいまじょ』:2009/11/22(日) 18:26:02 ID:NsfrfNbz

夜も更けた、桃園家。
自分の部屋のベッドの中で、せつなはゆっくりと目を開けた。

「……んん」

まぶたを半分だけ開けた状態で、ゆっくりと身を起こすと、
まだまどろみの中にいるような、緩慢な動作で右、左と振り向き周囲を窺う。

「……」

そして、目当てのものが机の上にあることに気が付くと、
もぞもぞとベッドから這い出したのだった。



「……?」

ラブは、違和感に気づいて目を覚ました。
後ろから何かにしがみ付かれているような感覚。

(もしかして……)

それが、ほんのりとした温かみを持っていることを感じ取り、その正体を察知。
横向きにしていた体をゆっくりと180度回して、その「何か」の方に向き直る。

「……あ、やっぱり」

ラブの予想通り、そこにいたのは赤いパジャマ姿のせつなだった。
そしてその傍らには、彼女の持ち物である赤いリンクルンが
アカルンが刺さった状態で置かれている。
音を立てて起こさないように、というせつななりの配慮なのか、
わざわざ隣の部屋からテレポートして来たようだ。
しかも、ベッドの布団の中、それもラブが寝ている位置の真横に
直接テレポートするというかなり精度の高い瞬間移動をこなしている。

「……全く、この娘は」

一緒に寝たいならそう言えばいいのに、そう思い、ラブはやれやれと溜息。

(そんな素直じゃないところも可愛いんだけどね……っと)

そして、自らの手を広げると、せつなの体を包み込むように抱きしめる。
あたしだってせつなが来てくれて嬉しいんだぞ、という気持ちを込めて。


178『あかいまじょ』:2009/11/22(日) 18:26:47 ID:NsfrfNbz
「……」

せつなの目が再び開かれる。
今度も半分だけ開かれたまぶたの中で、やや焦点の合わない目が
自分の状況を確認しようとする。

「……!」

目に映りこんだ映像が頭の中で形となり、せつなに伝える。
今、目の前にいるのは、彼女にとってとても愛しい人であるということ。
そして、体に伝わる感覚が、その人に抱きしめられているということを伝えてくる。
それを理解したせつなの顔に浮かぶのは、至福の笑み。

「……んぅ〜」

目の前にある愛しい人の頬に自らの頬を擦りよせる。
そうすれば、心の中の嬉しい気持ち、相手を愛おしく思う気持ちを
相手に伝える事が出来るのではないか、まるでそう思っているかのように。
何度も何度も繰り返す。

「……ん」

やがて、その行為に満足したのか、相手に頬を擦り付けたまま、再び眠りに付こうとする。

「……?」

しかし、せつなは何かに気づいたかのように、ふと動きを止める。
その心によぎるのは、何かが足りない、という違和感。

「……!」

しばし思いを巡らせ、それが何なのかに気が付いた彼女は、
先程から傍らに置かれたままの「それ」にゆっくりと手を伸ばすのだった。

暫くして、部屋の中に赤い光が一回、二回と満ちては消える。
その光がもたらしたのは、せつなが望んだもの。

「……ん」

周囲を見渡し、満足気に頷くと、今度こそ眠りにつくのだった。


179『あかいまじょ』:2009/11/22(日) 18:27:09 ID:NsfrfNbz
「……で、これは一体どういうこと?」

自分のベッドの上の状況が理解出来ず、困惑するラブ。
朝になって、目を覚ました彼女が見たものは、
両脇で眠っているパジャマ姿の美希と祈里だった。
その光景に軽く思考停止しかけたラブだったが、
自分の体の上にのしかかっているものの存在に気づいて、状況を理解する。

「多分……ていうかこの娘の仕業だよね、やっぱり」

いつの間にかうつ伏せになっていたラブの胸元。
そこには、それを枕変わりにしているせつながいた。

「……すぅ……すぅ」

彼女は、ラブの胸に顔をうずめ、体を重ね合わせるようにして眠っている。
その右手は隣の美希の、また左手は反対側の祈里の腕に絡められている。
大切な人、かけがえの無い仲間達に囲まれているせつなの顔に浮かぶのは
何かをやり遂げたかのような満足気な笑み。

(……もしかして、またパジャマパーティーがやりたっかった、とか?)

先日、久しぶりに桃園家で行われたパジャマパーティーのことを思い出すラブ。
初参加だったせつなが、やることの一つ一つに目を輝かせて喜び、
終始楽しそうにしていた事は良く覚えている。
またみんなと一緒にやりたい、とせつなが思ったとしても不思議は無い。

(だとしてもこれはちょっとやりすぎでしょ!まったく……)

これは流石に後で言い聞かせておかないと、とラブは思う。
同時に、早めに次のパジャマパーティーをやってあげよう、とも。
そうすれば、こういう困った事態を引き起こすことも無くなるだろうから。

「さて……まずはこの状態をなんとかしないとね。
 で、まずは誰から起こしたらいいんだか……」

とりあえずは後の事より目の前の事態の収拾。
それを思い、一人頭を抱えるラブだった。


180『あかいまじょ』:2009/11/22(日) 18:27:40 ID:NsfrfNbz
「なるほど、状況はわかったわ。だけど……」
「……それって、せつなちゃんを起こすしかないんじゃないの?」

結局、美希と祈里を起こす事にしたラブ。
巻き込まれた者同士で話をした方が早そうだから、と判断したからだ。

「いやあ……それはわかってるんだけどさあ……だけど……」
「ラブ、今日が平日だってこと忘れてない?
 貴方達はともかく、アタシとブッキーはせつなに送り返して貰わないと
 学校にも行けないのよ?」

何故か言葉を濁すラブに、美希がもっともな点を指摘する。
時計を見ると、まだ余裕が無いわけでもない時間だが、
ラブとせつなとは通う学校も通学路も異なる二人のことを考えると
問題の解決に時間を掛けていられないだろう。

「うーん……」

それでも、ラブの態度は煮え切らない。

(あたしだって……それくらいはわかってるよ。でも……)

目の前にあるせつなの顔を見る。

「……んう」

身じろぎと共に、その眠っている顔の表情が変化する。
出てきたのは、頬を緩ませた無邪気な笑顔。

(わはーっ!……か、可愛いっ!!)

その爆発的な輝きを持った笑顔の前に、ラブが一瞬で陥落する。

「ゴメン美希タン、あたしにはこのせつなの笑顔を奪う事なんて出来ない。
 ……あたしも付き合うから、みんなで一緒に遅刻しよう」
「いやいやいやいや、それわけ判らないから」

頬が緩むどころか、完全に惚けきった顔でせつなを見つめるラブ。
ダメだこの子は、アタシがなんとかしないと。
魅了状態からの回復が期待できそうもないラブを見限り、
美希が心を鬼にして行動に出ようとした刹那。

「んふふふふふふ〜」

嬉しそうな声と共に、せつなが美希に絡めていた腕を引っ張った。
181『あかいまじょ』:2009/11/22(日) 18:28:03 ID:NsfrfNbz
「わわっ、せつなっ!」

不意を衝かれた行動に、美希はせつなのなすがままに引き寄せられる。
それによって、美希の顔の至近距離に、ラブを陥落させた笑顔が配置されることになる。

(うわ……これは確かに……可愛いっ!
 いやいや、気をしっかり持てアタシの心!
 ここでラブと同じ道を辿った日には遅刻確定よ!)

その圧倒的な破壊力の前に、顔を赤らめながらも必死で平静を保とうとする美希。
しかし。
運命とは常に無情なもの。
そんな彼女に、意外な方面からの伏兵が襲ってきた。

「美希ちゃん、顔真っ赤だね。
 ……そんなに見惚れるくらい、せつなちゃんのこと可愛いって思ってるのかな?」

何かに例えるなら、真冬の極北に吹きすさぶブリザード。
そんな声が、せつなの笑顔の後方から聞こえてきた。

「……え?」

効果音をつけるなら、ガ行の二番目の擬音。
そんなぎこちない動作で首を回し、美希はその声のした方を見る。

「ねえ美希ちゃん、今すぐに話をしたいんだけど、ちょっとだけいい?」

声の主である山吹祈里は、返答を待たずして立ち上がると、
ベッドから降りて美希の背中の真後ろまで移動。
せつなちゃんごめんね、と美希に絡ませていた方の腕もほどくと、
目標を諸手でがっちりとホールドする。

「さ、行きましょ」
「……あの、ブッキー……怒ってる……?」

極寒の声色で言葉を紡ぐ祈里に、美希は恐る恐る尋ねる。

「ううん、怒ってないわよ。
 ……やだなあ美希ちゃん、ちょっとお話しようねって言ってるだけだってば」

受け答えは普通。
目も、口元も笑っている。美希がよく知っている天使のような笑顔の祈里。
―――ただ、声色だけがどこまでも冷たい。

「あ、ラブちゃん、ちょっとベランダ借りるわね」

先程から惚けたままのラブに一応声を掛けると、
祈里は美希を引きずって移動を開始する。

「え?ベランダって……、ちょっとブッキー、
 今の季節にパジャマでベランダはまずいでしょ!
 ……ちょっと、ブッキーってば!」

美希の必死の抗議も虚しく、ベランダに続く窓が開かれて―――
――そして、閉じた。




182『あかいまじょ』:2009/11/22(日) 18:29:10 ID:NsfrfNbz
「ラブ〜、せっちゃ〜ん、そろそろ時間よ、起きなさーい!」

部屋の外、階段の下から聞こえてくるあゆみの声。
それを耳にして、せつなは意識を覚醒させた。

(……あれ?お母さんの声?)

いつもならこうして呼ばれる前に起きて、ラブを起こしに行く。
その為の目覚ましをセットしている筈なのに今日は鳴った記憶が無い。
違和感を覚えつつも、せつなは上体を起こして、ゆっくりと目を開く。

「……」

その目の中に飛び込んできた光景。


自分がラブの部屋の中にいるという事実。

惚けた表情でこちらを見つめているラブ。

ラブの背中越しに見える窓の外で、パジャマ姿で正座している美希と、
その前で仁王立ちしている祈里。


その全てがせつなの頭の中で一つの形となり、
彼女の口からの言葉となって紡ぎだされる。
首を傾げる行為と共に発せられた一つの言葉。それは。





「……………………どして?」





後で聞いてみたら、せつなはその日の夜の事を何一つ覚えてませんでしたとさ。

<おしまい>
183名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 18:37:16 ID:NsfrfNbz
以上、十和でした。

まずは美希ブキのファンの方にはごめんなさいと。

本編は次回以降シリアスな流れになりそうですが
相変わらずゆるい話を書いていくことになるかと思いますので
興味を持ったかたは読んで頂ければ幸いです。

最後に、前回の投下時から間が空いていますが、
感想を下さった皆様ありがとうございました。


本スレでもよろしくお願いいたします。
ではでは
184名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 19:12:07 ID:sclVuEhc
何やってるんだせつなはー…GJ
185名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 19:40:19 ID:215vFkDJ
>>169
綺麗だ!
この2人には、このシーンには、
白百合の花がとてもよく似合うと思うんです。
>>175
せつなsideキタ!
ちぃちゃい2人が手ぇ繋いで楽しそうにトコトコ歩いてるのを想像すると…w
>>183
寝ぼけてやったとか…あんたどんだけラブ美希ブッキー大好きなんですか!
最後のどして?で自分も陥落しました。ありがとうございました。
186名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 20:07:01 ID:215vFkDJ
>>183
読み返したら今度は頬ずりのところで陥落しました。ありがとうございました。
187名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 20:47:07 ID:25woOSKV
>>170
まさしくデート≠ネんですよ、健全な中学生の。
前夜からドキドキするハートなんかもぅ、萌え死。
遊園地や動物園は特に二人にはピッタリなのかと。
まさにときめきメ(ry
後半は我らが243登場ですね。前回同様、戦闘描写に期待だぜ!

>>183
途中でせつなが漢字表記になってたので修正しました。
と言いながらもうね、4人同居じゃダメなの?と思っちゃったり
するんだぜw
アカルンに自然と導かれたんだよ、ラブせつと美希ブキは。と、自己満足。
(わはーっ!……か、可愛いっ!!) ←そんなラブさん大好きですw
188名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:13:01 ID:NZkj3gwN
>>187
今日のまとめ無いの?
189名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:24:17 ID:RJPK6vJH
>>187
>途中でせつなが漢字表記になってたので修正しました。

180の下から3行目の事?それは直す必要無いと思うよw

>>188
纏めるような内容あったっけ?
190名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:26:47 ID:Fyc+fONJ
短めSS。
美希せつです。18禁ではないと思います。
季節はずれで申し訳ないです。

「何色に」
191名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:28:14 ID:Fyc+fONJ
夏祭りの夜、浴衣姿の美希とせつなはベンチでカキ氷を食べていた。

ラブと祈里は飲み物を買ってくると言って2人で賑わっている方へ歩いて行った。

美希とせつなは彼女たちの荷物を預かってここで待っていることにしたのだった。

「そうだ!ねぇ、せつな、べーってしてみて」

「…?…どして??」

「いいから」

せつなはべーっと舌を出す。

「あはは、やっぱりー!!」

「ん?なに??」

見て、と美希は今度は自分の舌をべーっと出して見せる。

「わっ!!真っ青!!」

「でしょ?カキ氷食べると舌がそのシロップの色になっちゃうの。
 今、せつなも真っ赤だったよ、べーってした時」

「知らなかった。面白いわね」

せつなはポーチから小さな鏡を取り出し、自分の舌をまじまじと見た。

「あっ!!」

突然思いついたように声を上げたせつなの方に、美希は顔を向けた。

192名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:29:52 ID:Fyc+fONJ
その瞬間、せつなの顔はもう目の前にあった。

「んっ!!!!?」


ちゅ…くちゅ…くちゅっ…

「んっ…ぅんん…」

抵抗する間もなく、捕らえられた美希の舌。
こすりつけるようにして絡みついてくるせつなの舌。

冷たくて、甘いキス。

「ぷはぁっ!!」

呼吸も忘れていた美希は、せつなの唇が離れた瞬間、大きく息を吸った。

心臓がドキドキと大きく鼓動を刻んでいる。

「せ、せつな、なに…??」


「美希っ!!べーってしてみて!!」

子供のように目を輝かせたせつなが言う。

勢いに負けて、思わずべーっと舌を出した。

しかしそんな美希の口元を見て、せつなは怪訝な顔をした。

「おかしいわね、むらさきじゃない…」

「はっ!?」

「混ぜたら、むらさきになると思ったのに…どしてかしら?」

「っ…!!」

「美希?どうかしたの?」

「うるさいっ!!!!」


おわり
193名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 21:59:48 ID:25woOSKV
今見返してまとめますた。念のためw

いきなり3バカ登場。
OP映画Ver、今日はラブ。
船上パーティーに誘われた事を3人に相談する祈里。
健人からは祈里にドレスのプレゼント。
戸惑う祈里。人前が苦手。贈り物にも。
エスケープする祈里。が、動物サーカスが始まり再び中へ。
キルンのお陰でリラックス。そしてウエスター登場。
内気な所を告げる健人。祈里も理解する。
海の見える公園で暴走する船を確認、3人プリキュアへ。
分断作戦・アカルン起動パッション船内へ。ピーチとベリーは対ウエスター。
乗客を助けるパッション。祈里は取り残された動物たちを助けに。
いつも以上に弱さ全開のウエスター。
パイン単独変身。
船を食い止める3人。パインはベリーの名を先に呼んで。
パインと健人と動物たちでソレワターセ撃破。
健人、再び祈里とパインを誘うがそれは難しいとクローバー苦笑い。

>>189
恥ずかし…orz…文章的にそだね。せつなで反応した結果です。反省
>>192
冷たいキスって歌思い出したー。せっちゃん何処でそんな濃厚な…。
夏祭りリターンズ。二人がいない間のちょっぴりHな思い出。
小悪魔せつな、ごちそうさまでした!(準SSでの保管です)
194名無しさん@秘密の花園:2009/11/22(日) 22:12:31 ID:NZkj3gwN
やっぱりな。本スレでもかなり話題になったが、今日は必要あったのかと。

鬼門回じゃなくらっきょ回じゃねーかw
>>193トンクス。わがままいった。

今日こんなにSSあるのも放送で語れないからだよな。盛り上がったの放送後ちょっとだけだし。
195名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 01:12:57 ID:GSKjYff9
こんばんは。


【守られた約束】後編を投下させていただきます。


CPはせつな×ブッキー(パッション×パイン?)です。

※こんどこそ男キャラが(西さん)出ますので苦手な方は回避お願いします。
196【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:17:50 ID:GSKjYff9


「はぁ、さすがに疲れたね。」
「そうね、沢山歩いて、いろいろ乗ったものね。それじゃあ少し休憩しましょうか。」

「ねぇせつなちゃん、最後にあれ乗ろうね。」
祈里が観覧車を指差しながら言う。

「たしかあれって観覧車っていうのよね、最後でいいの?
 もうそろそろ日が暮れてきたから休憩した後すぐに乗った方がいいんじゃないかしら?」
最後だと暗くなってしまうわ。

「ううん、最後でいいの、きっときれいだから。」
「?」
「ふふっ。」

「変な祈里。まあいいわ。」
気になるけど、後でわかるだろうと思い私は案内図を広げた。
「さて、私なにか飲み物買ってくるわね。……えっとここからだと少し遠いわね。」

「あっ、せつなちゃんわたしも行くよ。」
祈里はそう言ったが私はあることに気づいていたのでそれを断る。

「大丈夫、祈里は休んでて…足痛いんでしょ?」
「…少し。」
ずっと歩いてたものね。

「じゃあ待ってて、この後もまだまだ歩きまわるんでしょ?だったら少しの間だけでも休めておかないと…ね?」
「……そうだね、それじゃあここで待ってるね。」
「ええ。」

そうして、私は飲み物を買いに行こうと歩きだしたその時……


ドォーン


「きゃっ。」
「何?」
急に地面が揺れた。直ぐに音のした方を見る。

「ソレワターセ?…いや、あれは…ナキワメーケ!!」


「きゃー。」
「怪物だ。」
「逃げろぉ!」

人々の叫び声が響いた。



「祈里、変身よ!」
「うん」
『チェインジ・プリキュア・ビートアープ。』

「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!」
「真っ赤なハートは幸せの証!うれたてフレッシュ、キュアパッション!」
197【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:24:55 ID:GSKjYff9

「そこまでよラビリンス!」

「あらわれたなプリキュア!それにイース!」
「ウエスター!」
そこにいたのはやはりウエスターだった。
「インフィニティはどこだ!」
「言うわけないでしょ。」
「なら力ずくで言わせるまでだ。ナキワメーケ行け!」

「来るわよパイン。」
パインに声をかける。

パインと息をあわせ、そして
『ダブル・プリキュア・キーーック!!』
ナキワメーケにダブル・プリキュア・キックをお見舞いする。

私とパインは、その後も連続で攻撃を与え続けた。

……よし。少しずつではあるが、確実に攻撃が効いている。
これなら二人でも、倒せるかもしれない。
しかし、そう思っていた私の視界にあるものが映った。
それは観覧車。

「あっ!」
私はつい声をあげてしまった。
「パッションどうしたの?」
パインが尋ねてくる。

「観覧車の中にまだ人が…!」
観覧車が一周するまで、中の人たちはどうすることもできない。
そのため観覧車の中にはまだ何組か人が残っていたのだ。

「えっ。」
どうやらパインの目では見えないのか、心底驚いている。
アカルンを使えば避難させられる、でもそうするとパインが一人になってしまう。
ソレワターセではないとはいえ、パインを一人にはできない。
「…ここで抑えるしかないわね。はぁぁぁっ!!」」
私はナキワメーケに攻撃を繰り出す。
「……パッション、アカルンを使って観覧車に乗ってる人達を避難させて!」
パインが攻撃の手を休めず私に言った。

えっ?

「でも、パインが一人に!」
「大丈夫だよ。はぁっ!!」
そう言ってパインはナキワメーケに攻撃を与える。
「ナ〜キワメ〜ケ〜」
ナキワメーケの攻撃が緩んだ。
「パッション!今のうちに、早く安全な所に連れて行ってあげて。」
「パイン……。」
どうしてそこまで、
もう少しで倒せるかもしれないのに……。
「きっと中の人達すごく怖いと思うから……。」

……そう、そうよね。そんな簡単なことに気が付けないなんて。ぎゅっと拳を握りしめる。
「わかったわ。……終わったらすぐに戻ってくるから!」

ヒュン。
198【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:35:36 ID:GSKjYff9

ヒュン。

ヒュン。

ヒュン。

この人達で最後ね。
ヒュン。
「ありがとうがざいます、プリキュア。」
よし、これでパインのところに行けるわ。

「危険ですからここにいて下さい!!」
「離して下さい!娘が――」

なんだか騒がしい
「いったいどうされたんですか?」

「!」
「お願いです!!娘を娘を探してください。娘がどこにもいないんです!!」

「落ち着いてください!お嬢さんの特徴は?」
女の子の特徴を聞くと私はアカルンを使いジェットコースターの上に移動した。
ここなら遊園地全体を見渡せる。私の視力なら見えるはず。
どこ?どこにいるの?
早く探さなくては、これ以上暗くなるとさすがに私の目でも見つけることは難しい。


……いた!

ヒュン

「お嬢ちゃん!」
少女がこちらに気づいた。
少女は私の姿を見ると抱きついてきた。
「あぁ、ぷりきゅあ…うぇ〜ん」
「うぇ〜ん怖かったよ〜」
震えている。あたりまえだ、こんなに小さいのに一人で怖かっただろう…。
「もう大丈夫。」
私は女の子を抱きめる。
「もう怖くないから。」
そう言って優しく背を撫でた。
「ひっく、あの、あのね、きいろいぷりきゅあが怪物につかまっちゃたの。」
「えっ。」
「きいろいぷりきゅあを助けて。」
「……もちろんよ。」
あたりまえだ…でも今先にしなければならないこと、それはパインを信じこの子を安全な場所に送り届けること。
「…入場ゲートへ。」

ヒュン

「あっ、おか〜さ〜ん。」
女の子は直ぐに母親を見つけ駈け出して行った。
「ありがとうございます!」
「ありがとう、あかいぷりきゅあ!」
よかった…。
私は二人に微笑み返した。
199【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:41:33 ID:GSKjYff9

ドォーン

はっとして音のした方を振り返る。
「観覧車が…。」
観覧車の一部が壊れている。

……まさか!

「…パインのところへ!」

ヒュン

「…っパイン!」
私の目に映ったもの。それはパインがナキワメーケに捕まり、締めつけられているところだった。
ぐったりしているところを見ると、観覧車に叩きつけられたのだとわかる。

「わはは、どうだ、その状態では何もできまい。」

ウエスター……
ぐぐっ、私は怒りに震えていた。

「良い眺めだぞプリキュア、はっはっはっ。」

ブチッ

その一言が引き金だった。
私の中で何かが切れた。

「……歌え!幸せのラプソディ!パッションハープ。」
パッションハープを呼び出す。
そして、ナキワメーケに向って攻撃を放つ。
「吹き荒れよ!幸せの嵐!…プリキュア・ハピネス・ハリケーン!!」

「何!」
「ナ〜キワメ〜ケ〜、シュワシュワ〜。」
なんだかいつもよりパワーがあった気がするが、今はそんなことどうだっていい。

「えっ、きゃあ。」

フワリ

カッ。

私はパインを受け止め、地面に着地する。
そして私はこれでもかというくらいウエスターの顔を睨みつけた。

「ウ・エ・ス・タ・ァ・ァ〜!!!」
「ひぃっ。イ、イース。」
さらに睨みつける。
「くそ〜、覚えてろよイース!」

…イースじゃないって何度言えば…いえ、今はそんなことより
「……大丈夫パイン?」
「う、うん。」
よかった。
「……ふう。」
「パッション?」

200【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:49:42 ID:GSKjYff9

「…遅くなってごめんなさい。」
「ううん、気にしないで、ちゃんと来てくれたんだもの。」
「……。」
「パッション?」
「無事で…よかった。」
……本当によかった。

「……ごめんね。」



「どうしてパインが謝るの?」
「ん?ほら、心配かけちゃったから。
 それに、わたしがナケワメーケを食い止められなかったせいで観覧車…壊れちゃったでしょ。
 楽しみにしていたお客さん達も乗れなくなちゃったし。」
「心配するのは当たり前よ。観覧車に関しては……あなただけの所為ではないわ、私も来るのが遅れてしまったから。」
そう、だから
「だから謝る必要なんてないわ。」

「でも……。」
「でも?」
まだ何かあるの?
「……約束。…約束守れなかった。観覧車一緒に乗ろうって約束したのに。」
「……パイン。」

しゅんとしているパインを見る。
……。



……約束…か。
ふう、仕方ない。

「パイン。」
「何?」
「目、閉じて。」
「え、どうして?」
「ど〜しても。」

パインが目を閉じたのを確認して私はアカルンを呼び出す。
「…ちょっとしっかり掴まってて。」
「えっ。」

ヒュン

カッ。

私は目的の場所に着地した。
「目、開けても良いわよ。」
そう言ってパインに声をかける。
「わぁ〜。」
パインが驚きの声をあげる。
「…ここってもしかして。」
「そ、観覧車。」
といっても外だけど…。
「これで約束を破ったことにはならないわ。…乗るの意味が少し違うけど、そこは目をつぶって。」
「パッション…ありがとう。」
「どういたいまして。」
201【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:55:56 ID:GSKjYff9


「…綺麗ね。」
本当に綺麗だ、昼間ジェットコースターから見た景色とはまた違う。

「でしょ、ライトアップされてて綺麗なの…これを一緒に見たかったの。」
パインがなぜ最後にこだわっていたのか分かった。
「なるほど、だから最後に乗ろうって言ってたのね。」
「うん。」

その後しばらく二人とも無言で街並みを眺めていた。

街並みを眺めているとパインが話しかけてきた。
「ねぇパッション。」
「もう大丈夫だから、その、そろそろ下ろしてくれないかな、重いでしょ?」
重い?どこが?軽すぎるくらいだわ。
「……。」
「パッション?」
黙っていた私に、パインが再度声をかけてきた。

ふと私の心にちょっとした悪戯心が芽生える。
「……そうね。」
あえてそう答えた。

「…そこは嘘でも『平気よ』とか『重くない』って言って欲しいな。」
「ふふ。」
わかってるけど、それを言っちゃうとなんだか面白くない。

「も〜、下ろしてよ〜!」
パインが少し暴れる。一応ここ観覧車の上だから結構危ないんだけど…。
「ふふっ。ダ〜メ。」
笑いを含んだ私の声に諦めたのかパインは大人しくなった。


急にパインの腕が私の首にまわされた。
「ねぇ、パッション。」
何かを期待するような声で私を呼ぶ。
「なに?」
わたしはパインを見た。
目が合う。
その目を見れば何を期待しているかなんて分かる。

私はパインに顔を近づけていく。
パインが目を閉じる。
そして私はパインの唇に触れた。

……心が温かくなる。



大好きよ祈里……また一緒に来ましょうね。

【終】せつなside

初デート編 END
202【守られた約束】(後編):2009/11/23(月) 01:56:44 ID:GSKjYff9
以上です。

>>185
後編もきましたよw
>>187
戦闘描写…はたしてご期待に添えることができたでしょうか?

それでは失礼いたします。
203名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 04:20:38 ID:Q32JgGrv
とても良かったです。
なにげに今ブギせつにはまっています。
204名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 05:31:34 ID:i7qpQGmL
>>202
GJ
白いせつブキもイイな
205名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 09:45:32 ID:i7qpQGmL
プリキュアオンラインしてる人いる?
このスレ的にどう?
206名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 10:39:46 ID:CQ+v38Id
あれまだ準備中じゃないの?
それとも準備中なのサンプルだけ?
207名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 10:49:32 ID:snLEeAiE
稼動してなかったっけ?プロバイダと契約してウンヌンとか。

試験運営のやったけど、各キャラになれたら百合だったよね。

てか何でオンラインなのよwプレステで出せや〜
208名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 10:58:42 ID:CQ+v38Id
この時期に準備中だから、期待できるかな?って思ってた。何がとは言わんが。
小友向けだからなー。あってもこないだみたいにDSじゃない?
209名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 11:22:03 ID:i7qpQGmL
>>208
言いたいことはわかるw

もともとフレプリは全年齢対象に作られたって触れ込みなんだし、大友向けのゲームにしたって悪くないとは思うがな
あ、それすると小友が離れちまうか
210名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 11:50:42 ID:snLEeAiE
としたら大友向けに一発ドカンと百合ゲーを…
211名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 12:13:26 ID:i7qpQGmL
>>210
だよな
実際に百合るのと違って、脳内で百合萌えする人は男女ともに多いだろうし、結構受容あると思うんだけどなあ
212名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 12:57:17 ID:CQ+v38Id
受容はあったとしても、あくまで基本は子供向けのコンテンツなんだから・・・って大義名分言うのも野暮だな。
もし百合ゲー出るならハードごと買う覚悟はあるぜw
前にあった全員集合はどうだったんだ?フレプリ組いないけど、百合百合しかった?
213名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 13:17:02 ID:snLEeAiE
いよいよ同人ゲーな勢いなんだろうが、エロは求めてないんだよ。

四人が絆を深めあって、敵倒したり成長してったり遊んだりとかだなぁ…

で、あわよくばちょっと百合な感じでキャッキャウフフをね。
ま、今さら無理なんだろうが妄想ぐらいしたっていいヂャマイカ…
214名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 13:29:42 ID:i7qpQGmL
自分も別にゲームにエロは求めてない
キャッキャウフフがあればいい
デートしたり手を繋いだり…
ハードごと買う覚悟>>確かに自分にもあるな!
215名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 13:43:45 ID:snLEeAiE
ローンでいいなら筐体事www

咲舞以上の百合は無いだろうと思ってた自分が甘かったです。人生ってわからないですねw
216名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 14:25:26 ID:i7qpQGmL
アニメの百合な要素にはまったのは、今まで生きてきてフレプリが初めてだ
自分に百合萌え素質があることも、せっちゃんに会うまで知らなかった

これで2期ないなら、東映は何と罪なことを…
217名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 14:42:00 ID:30IYYXD7
ドSの生駒氏はまだかね
218名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 14:46:58 ID:snLEeAiE
次シリーズの話はいつ確定すんだ?何かあやふやだなぁ。A期無いなら無いでハッキリしてくれ。辛くてたまらん。

まだSS投下すんの?散々この数日に職人たちは発射してんのにw
219名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 14:56:47 ID:RFoRBBUt
公式発表はクリスマス後だろう。
220名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 15:21:35 ID:i7qpQGmL
12月3日は業者向けの説明会らしいって本当かな?
どうなることやら…不安が大きい
221名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 15:44:57 ID:snLEeAiE
何にせよクローバーは確固たる百合乙女だった。これ以上期待する方が無理なのかもしれんな…
222名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 15:51:58 ID:i7qpQGmL
そだね…寂しいけど。
誰かがフレプリメンバーで戦闘なしの学園ドラマ見たいって言ってたけど、
そんなものを夢想してしまえる程、このキャラに惚れてしまったんだよな…自分も含めて
223名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 16:23:00 ID:vL6xoL1W
そんな時こそ、自分の脳味噌オープンしてみようぜ?きっと広がる夢・妄想。


現にこのスレの住人達の思い描いた、公式では描かれなかった物語が保管庫にはあんなに保管されているんだし。



なんか、なんかあと一歩物足りないんですよね。カツラ回のような話が後1話だけでもあれば…

224名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 16:33:23 ID:snLEeAiE
SSは否定しないよ。けどな、何か手元に残したいんだよ。それが一番現実実あるのがゲームなのかな?と。
225名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 16:36:39 ID:i7qpQGmL
ゲームなら絵も動けば声も出るもんなあ
真剣にプリキュアRPG出そうよ
226名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 17:49:37 ID:snLEeAiE
ようつべにあがってたRPGとかいいよね。
戦闘+ストーリー+成長とかたまらんw
CPによってとか並びで能力変わったりしたら発狂するわw
227名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:06:51 ID:vL6xoL1W
ビーチパッション→パンチ

ベリーパイン→キック

は合ってると思う。
228名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:35:27 ID:i7qpQGmL
>>226
それは知らんかった

相性度というか好きな相手とタッグを組んだらLOVE POINT(LP)が上昇したり…

相手が攻撃されたら
「ブッキーに何すんのよ!」フンガー!
みたいに攻撃力もパワーアップw
229名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:47:03 ID:cgM+xmsp
最終回直後のスレは、ARIA連載終了時並みのお通夜モードになりそうた
230名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 19:21:00 ID:gmxB5TRs
声さえ妥協すれば同人ゲーならここの住民で作れそうな気がしないでもない
制作に一年以上は間違いなくかかると思うけどw
231名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 20:38:41 ID:NvXkwOv3
>>212
全員集合のDSはオープニングが百合だったな!
なぎほのはラクロスの試合してるのをほのかが観戦してたり、なぎさ男前!咲舞は大空の木でソフトの練習、それを舞がお決まりに咲をスケッチ、そこへ舞の元にボールが転がってきて咲がごめーん!
5はりんちゃんがフットサルの試合、みんなで観戦、のぞみがはしゃぎすぎてくるみに倒れかかる、くるみは迷惑そうながら満更でもない
フレッシュ組もいたらダンスの練習をみんなでしながらキャッキャウフフでしたでしょうな…
そしてレッスン後、汗をふきながらポカリを回し飲み
232名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 20:43:10 ID:i7qpQGmL
ツクールで妥協した自分…w
設定や脚本なら少しは思いつくけど

ようつべ見てきた
せつなの呪文の中にスイッチオーバーがあって受けたw
233名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:10:12 ID:Ns/WYImk
>>202
パッション素敵…。何て男前…、いや女前なの。視界良好なトコも
バッチシだし、アカルンの使い方大正解だし、対ウエスターに怒りな
トコも大変満足でございますよ。夜景な遊園地なシチュとかもぅ、
乙女心なブッキーはイチコロでしょ。。。
てか最後、きゅん死したのは内緒なんだからねっw

百合ゲー、絵師とプログラマーがいれば桶?脚本なら我々職人が…。
と思いつつ、実際は相当難しいんでしょうなぁ。。。
ようつべのアレってツクールなんすか?非常に良いお仕事なんだが。
234名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:22:22 ID:QjRiYYV4
>>229
百合的にはアリシアさんが唐突に寿退社した時の阿鼻叫喚みたいになることのが恐ろしいわ
もうあんな思いをするのはゴメンだw
Dもmksbも最終回だけでも出ないでくれ
235 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:25:58 ID:9qe+xXT8
こんばんは。ようやく劇場版見てきました。
なんででしょうね。泣きそうになってしまいました。歳かな。

パンフに載ってたあんごう入れたら、DSにもキュアエンジェルが出てきてビックリでした。
ってか、LCGFも入ってたのか!!


さて。
コメントありがとうございます。予告は、自分もちょっと驚きはしました。

>>170 >>195
ほのぼのラブラブで、素敵な感じでした。読後が爽やかで。

>>176
せっちゃん、いくら寂しいからってw 付き合うラブも美希も大変ですね。
ところでブッキーは怒らせたら怖そうな子ですよねw 

>>190
せっちゃん、その発想は無かったわw

>>217
ドS・・・・・・せっちゃんをいじめすぎて申し訳ないとは思うのです。


>>ゲーム
ホント、大友向けのゲームが欲しいところですよね。DSは、時間が無い中でも
ほのぼの出来ていいんですがw
それにしても、絵を描ける人ってすごいですよね。絵心があれば、私はSS書きじゃなくて、
マンガを描いてただろうなぁ。


なんか前置きが長くなりましたが、気を取り直し。

>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて

の続き。

連載、第四話。
『ただ、守るために ただ、救うために』
シリアス、非エロです。
236名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:27:14 ID:snLEeAiE
>>229
それはどのアニメでも一緒ぢゃねw
ディケィドみたいな終わり方だけはお断りだ!

俺はドラクエでクローバー作ったが似てなさすぎて萎えた
237 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:27:51 ID:9qe+xXT8
「お母さん、これでいいの?」
「そうそう。上手よ、せっちゃん」

 せつなが、まな板の上で形良く切り揃えたニンジンを見せると、あゆみは軽く頷いて彼女を褒める。そのたった一言が
嬉しいのか、せつなは明るく笑って。

「ラブも、せっちゃんが作るんですもの。ちゃんと食べるわよねー?」
「え――――? あ、うん。もちろんだよ!!」

 そんな彼女の横顔を見ていたラブは、不意にあゆみに話しかけられ、慌てて頷く。その彼女の様子に、せつなは不思
議そうな顔をして、

「どうかしたの、ラブ? なんだか、ボンヤリしてるみたいだけれど」
「そ、そうかな? そんなこと、無いと思うんだけど」

 アハハ、と笑いながら、ラブはピーマンを二つに割って、ひき肉を詰める。が、その視線はついつい、せつなの方へと
向かってしまって。
 彼女は、あゆみと笑いながら話している。料理の仕方を熱心に聞きながら、一つ一つ、それを試している。今も、出来
上がったばかりのお味噌汁の味見をしてもらい、褒められて喜んでいる。
 いつものこと、と言ってしまえばそれまでだ。ラブにとっては、見慣れた光景でもある。
 けれど――――何故か、落ち着かない。
 それは、彼女がさっき、誰にも行き先を告げずに、部屋から急にいなくなったからかもしれない。携帯も繋がらず、ラブ
は慌ててあちこちを探し回った。ようやく電話が通じて、あゆみと一緒だったと知った時は、安堵すると同時に、少し怒り
を感じてしまった。心配したんだから、と。
 だが――――
 せつなと再会した瞬間、また、不安になった。
 何故かは、わからない。わからないが――――彼女を見ていると、何かが違う気がしたのだ。
 それが何かを、彼女は説明することが出来ない。自分にさえも。だから、せつなに対して何も言えない。
 せつなはいつも通りだ。いつも通りの、筈なのだ。
 なのに――――

「せつな」

 御飯の後、お風呂上りの彼女を、ラブは捕まえる。髪をバスタオルで拭きながら階段を上がってきたせつなは、急に
腕を掴まれて、驚きの表情を見せた。

「どうしたの、ラブ?」
「せつな――――せつなは、いなくなったりしないよね?」

 ラブのストレートな問いかけに、彼女は一瞬、目を丸くする。そして、

「やだ、どうしたの、ラブ。急にそんなこと言って――――ああ、わかった。さっき、何も言わずに出かけたこと、まだ怒っ
てるんでしょ? あれは、忘れ物を取りに学校に行ってただけよ。休みだけど学校が開いてるのは知ってたから――
――けど、閉門の時間が近かったでしょ? だから、アカルンを使っただけ。あんまりズルは良くないから、帰りは歩い
て帰ってきたんだけど」

 その説明を聞くのは、二度目だ。さっきと同じことを、せつなは言っている。
 だからといって、不安が消える訳ではない。けれど、それ以上に聞くことも、出来ない。

「ほら、ラブ。明日もお休みだけど、あんまり遅くまで起きてないで、早く寝ましょ」
「うん――――わかった。おやすみ、せつな」
「おやすみ、ラブ」

 ニッコリと笑って、せつなは自分の部屋に入る。それを見て、ラブも部屋に戻ろうとして、

「あ・・・・・・」

 振り返る。それは、気付いたから。
 彼女が――――せつなが、自分の問いかけに、肯定の返事をしなかったことに。
238 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:28:46 ID:9qe+xXT8

 不安が、少女の心を苛む。
 ベッドに横になって目を閉じても、心の奥がざわついて、眠れない。
 せつな――――どうしたの?
 壁を一つ、挟んだ向こうに眠る彼女の心が、わからない。こんなに、近くにいるのに。
 それでも、やがてまどろみがラブの瞳に訪れて。
 彼女は、落ちていく。柔らかな眠りの世界へと。



 翌朝。
 せつなの姿は、部屋になかった。
 家の中の、どこにも、いなかった。






      ただ、守るために ただ、救うために






 変なところで、鋭いのよね。
 ラブに言われた言葉を心の中で反芻しながら、せつなは苦笑する。
 急にいなくなったりしないか、と問われて、正直、かなり驚いた。まさに彼女は、そうするつもりだったから。
 しかし、その動揺も、隠し切ることが出来た。嘘を付くのが嫌だったから、うん、とは言わなかった。けれど、本当のこと
を、言うつもりもなかった。だから、あんなことを言った。
 自分にしては饒舌だったかもしれない。けれど、なんとかラブを誤魔化すことが出来た。釈然としなかったようで、今も
まだ、隣の部屋でまんじりともせず寝返りを打っているけれど。
 この様子だと、今晩じゃなくて、明日の早朝の方がいいわね。そう考えて、彼女は目を閉じる。

 脳裏を過ぎるのは、楽しかった時間。

 まだ冬の気配が残る春先に、ラブと出会った。占いの館に迷い込んできた彼女との偶然の出会いが、私の運命を変
えた。
 ラブを通して、美希やブッキーとも出会えた。最初は自分のことを疑っていた彼女達。でも、今では大切な友達。
 そして、生まれ変わったばかりの頃、幸せになってはいけない気がして、町をさまよっていた、そんな自分に、見ず
知らずの自分に、声をかけてくれた、お母さん。
 一つ一つやり直していけばいい、そう言って、お父さんと共に、自分を受け入れてくれた。
 行き場を失った自分に、居場所を与えてくれた。学校にも通わせてくれた。料理を教えてくれて、プレゼントもくれた。
 大切な娘だと、言ってくれた。

 やだ。どうして泣いてるの。私。

 閉じた瞳から、つぅっと涙が頬を伝う。楽しいことを思い出しているのに、私は笑っているのに、どうして。
239名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:29:01 ID:CQ+v38Id
全員集合のOPは見た。確かにあれは良かった。曲も良かったし。
2月あたりにDX2合わせでゲームもフレプリ組混ぜて第二弾が・・・とか妄想もしてるけど。
ふたご神の未単行本化のプリキュアシリーズとかも、DX2合わせで出して欲しい。
240 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:30:41 ID:9qe+xXT8
 やがて彼女は、浅い眠りに付き、そして目覚める。
 時計の針は、彼女が起きようとしていた時間ピッタリだ。このあたりは、かつて、兵士として厳しく鍛えられていた頃の
経験が活きている。
 カーテンの向こうの空は、まだ薄暗い。秋も深まるこの頃、街はまだ目覚めていないだろう。当然、ラブも、あゆみや
圭太郎も。
 静かに、服を着替える。そのどれもが、あゆみに買ってもらったもの。ラブと一緒に選んだもの。
 また泣きそうになるのを抑えて、そっと廊下に出て、ラブの部屋に向かう。
 少女は、畳のベッドの上で、健やかな寝息をたてている。その顔を見て、小さく微笑んで、せつなは机の上に眠るシ
フォンに手を伸ばした。

「キュ、ア?」
「シーッ。静かに」

 まだ半分眠った目で見上げてくるシフォンを抱き上げながら、せつなは逆の人差し指を唇に当てながら、安心させる
ように小さく笑って見せた。そして、キョトンとした表情を見せながら首を傾げる彼女を胸に抱きしめる。ギュッ、と。

「セツ・・・・・・ナ?」

 小さな声で、不思議そうに彼女の名前を呼ぶシフォン。その耳元に、せつなは口を近づけて、囁いた。

「ごめんね、シフォン――――ごめんなさい」


 そして、せつなはこっそりと、誰にも気付かれぬように、家を出る。
 アカルンは、使わない。ほんの少しでも、あの場所に行くのを、後にしたかったから。
 胸に、布でくるんだ包みを抱えて、せつなは家を見上げる。
 ほんの少しの間だけれど、暮らしたこの場所。大切な、私の家。

「行ってきます」

 最後に一度、そう口にして、彼女は背を向ける。
 そして、振り向くことなく、歩んでいった。




「落ち着いて、ラブ」
『でも、でも・・・・・・!!』

 電話越しの親友の声に、美希は眠い目をこすりながら答える。時計を見れば、まだ早朝と言って良い時間だ。昨日、
少し遅くまで起きてしまっていたから、今日はゆっくりと寝ていたかったのだが、ラブからの電話にたたき起こされたのだ。

『せつな、何にも言わずにいなくなっちゃったんだよ!?』
「だから、いなくなったって言っても、ただ外に出てるだけかもしれないじゃない。あたしだって、不断ならこの時間に
ランニングしてるし、ブッキーだって動物を散歩させてるもの。せつなだって、寝れないから、体を動かそうって思った
のかもしれないじゃない」

 ふわぁ、と欠伸を噛み殺しながら、美希はベッドから起き上がる。
 ホント、ラブはせつなのこととなると目の色が変わるわね。そんなことを思う。少し、過保護なぐらいだ、と。

「もう少し、待ってみたら? 案外、急に帰ってくるかもしれないじゃない」
『でも・・・・・・携帯が、繋がらないの』
「昨日もそんなこと言ってたけど、ただマナーモードにしてて気付かなかっただけなんでしょう?」

241 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:31:57 ID:9qe+xXT8
 そう。昨日もラブから、せつなを知らないか、という電話があった。彼女は、とっても焦った様子で、何事かと思った
ものだった。結果として、それはただの勘違いだったのだけれど。今日のこともきっと、そうに違いない。
 半ばまどろみながら呑気に考えていた美希だったが、

『うん――――でも、実はさっき、由美にも電話したんだ。せつなを知らないか、って。そしたら、今朝は起きたばかり
だから知らないけれど、昨日は見たって言ってたの』
「ふうん。どこで?」
『――――占いの館で』
「へぇ――――って!!」

 ラブの言葉が頭に入った瞬間、意識が一気に覚醒する。
 占いの館――――それは、ラビリンスのアジト。かつて、せつながイースとして暮らしていた場所。

「ちょっと、どうしてそんなところにせつながいるのよ!?」
『わかんないよ!! とにかく、アタシ、不安で――――せつなに、何かあったんじゃないかって、怖くて――――』

 今にも泣き出しそうなラブの声に、美希はパジャマを脱ぎ捨てながら答えた。

「ラブ、すぐにそっちに向かう。ブッキーにはアタシが連絡するから、ラブはせつなに電話をかけ続けて。いいわね?」
『――――うん』

 普段の元気さがまるで感じられない弱気な声に、胸が締め付けられそうになる。常が芯の強い彼女だからなおさらに、
その落ち込みが感じられて。それだけ、ラブがせつなを深く想っているということだろう。
 美希は、私服に着替えると同時に、髪を梳くことすらしないまま、家を飛び出して行く。
 思うのは、ただ一つ。
 せつな。無事でいて。



 同じ頃。
 せつなは占いの館の前に立っていた。
 ラブとダンスの練習をした公園や、あゆみと出会った丘。思い出の場所を巡っているうちに、だいぶ時間は過ぎてし
まった。
 ラブはもう、起きてるかしら。ふと、そんなことを思う。もしかしたらもう、起きていて、自分がいないことに気付いている
かもしれない。そして、探しているかもしれない。携帯に電話をかけてきているかもしれない。
 その携帯――――リンクルンは、腰のポーチに入れたままだ。音もバイブも切っているから、もしかしたら今、この
瞬間にも、ラブからの電話がかかってきているのかもしれない。
 けれど、それに出るわけにはいなかった。
 胸に抱えた包みを持ち直し、彼女は扉に近付く。

「来たわ、ノーザ」

 周りには、誰もいない。だが、自分に向けられる視線に気付いて、せつなはそう言った。
 その言葉と同時に、扉が音をたてて開く。招かれるままに、彼女は中に入って行った。

「遅かったわね」

 迎えたのは、階段の踊り場に立っていた北那由他の声。冷徹な目で、彼女のことを見下ろしてきている。その視線が、
せつなの抱える布の包みに向けられて。

「まぁいいわ。それを早く、こちらに渡しなさい」

 が、せつなはじっと彼女を睨み返しながら、動こうとしない。むしろ逆に、ギュッと胸に強く抱きしめる。
242 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:32:40 ID:9qe+xXT8
「イース!!」
「来ないで」

 部屋の片隅から覗いていた隼人が、業を煮やしてせつなに近付こうとするが、彼女の放った鋭い一言に、足を止める。

「どうしたのかしら? せつなちゃん」
「本当に――――お母さんに、手出しをしないんでしょうね」

 その問いかけの意図がわからず、怪訝そうに目を細めた那由他だったが、

「ああ、そういうこと。これが罠だと思っているのね」

 せつなは、それには答えない。だが、その厳しい視線が、何よりも雄弁にその心を語っていた。

「フフフ――――」

 不意に響く、笑い声。その主は、那由他。瞬や隼人ですら訝しむ中、愉快そうな顔をしたまま、彼女は階段をゆっくり
と降り始める。

「そうやって用心するのはいいことね――――けれど、せつなちゃん。それは余計な心配よ。だって」

 せつなの前に立った那由他の唇から、一瞬、笑みが消える。

「この期に及んで、お前ごときに罠など必要ないわ」

 ゾクリ。背筋を、寒気が走る。
 彼女の眼に浮かぶのは、蔑みの光。そして、絶対的な自信。
 強者が弱者と向かい合うのだ。罠など無くとも、ただその力をふるい、踏み潰せばいいだけ。そう考えていることが、
ありありとわかる。
 そして、確かに。
 彼女と、自分の間には、圧倒的な実力差がある。拳を交えずとも、せつなには、それがわかった。

「さぁ、渡しなさい――――インフィニティを、私に」

 唇を噛みながら、せつなは。
 その胸に抱きしめていたものを、那由他に差し出した。

「フフ、フフフフ、フフフフフ」

 こらえきれなかったのだろう。笑い声をあげながら、彼女はそれを受け取る。

「ついに――――ついに、わが手に、インフィニティが――――!!」

 その邪悪な笑顔を、せつなは睨みながら。
 拳を強く、握り締めていたのだった。
243 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:33:20 ID:9qe+xXT8


「それじゃ昨日、確かにせつなと占いの館で出会ったのね」
『うん。一人で、来てたみたいだったよ』

 電話越しの美希の問いかけに、由美がそう答えたのが、微かに漏れ聞こえてきていた。ラブはそれを聞いて、目を
伏せる。彼女の顔に浮かぶ深い焦燥に、祈里は眉を曇らせた。

「ラブちゃん・・・・・・」

 何か言ってあげないと。そう思うが、一体、何を言えばいいかがわからない。ただじっと、黙って見ていることしか。
 こんな時に頼りになるのは美希なのだが、その彼女も電話を切った後は、困惑し切っているのだろう、難しい表情を
見せるばかり。

「せつなが占いの館に行ってたなんて――――」

 何故。どうして。祈里は考えてみるが、答えは出てこない。
 いや、考えたくないだけで――――

「まさか、せつな――――ラビリンスに帰るつもりじゃ」
「そんなことない!!」

 美希の言葉に、激しい否定の声をあげたのは、ラブだった。

「せつなは――――せつなは、もう、ラビリンスになんて――――」
「落ち着いて、ラブ。あたしだって、そんなこと考えたくないわ。けど、可能性として考えておかないと」

 だが、彼女はブルンブルンと大きく首を横に振るばかりで、美希の話を聞こうとはしなかった。その態度に、しかし、
彼女は溜息を吐くだけだった。ラブのこの反応を、予想していたのだろう。
 それに――――祈里は、美希の顔を見ながら思う。
 それに美希ちゃん、自分で信じてないんだもんね。せつなちゃんが、ラビリンスに帰っただなんて。
 欠片もそんなことを思っていないから、否定されても怒ったりしないのだろう、と。
 そしてそれは、祈里も同じだった。
 彼女が自分から、この街を離れるなんて、私、信じられない。

 だが、そこでまた、思考が止まってしまう。
 何故、昨日、せつなは占いの館に行ったのだろう。そして今日、どこに行ったのだろう。
 
「ま、まぁ、そんな心配せんかて、もしかしたらカオルちゃんのドーナツショップに行っとるだけかもしれんし。ほら、
ドーナツて、急に食べたくなって、我慢でけへんことあるやろ?」

 場を和ませようとしたのか、タルトがそんなことを口にするが、誰もそれに応える者はなく。
 重苦しい空気の中、不意に、泣き声がした。その声に、祈里はラブを見る。

「ラブちゃん。シフォンちゃん、お腹が減ってるみたい」
「ん・・・・・・わかった」

 のろのろとラブはリンクルンを取り出し、ピルンの力でシフォンの御飯を取り出す。
 お匙で御飯をシフォンの口元に運ぶラブの姿には、しかし、いつもの慈愛溢れる笑みがなく。
 何となく、それを見ていられなくて、思わず彼女は窓の外に目を向ける。
 一体、どこにいるの。せつなちゃん。
244 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:33:42 ID:9qe+xXT8


「――――な!?」

 受け取った包み、その布をはがした瞬間、那由他の眼が驚愕に見開かれる。
 包みの中に、あったのは。


 ただの、枕だった。


 今だ!!
 この一瞬を待っていたせつなは、左の手を伸ばして硬直した那由他の腕を掴む。
 そして、逆の手で、腰にかけたポーチに触れた。

「アカルン!!」

 叫び声が、響いて。
 驚く隼人と瞬の目の前で、せつなと那由他を赤い光が包み、眩しく輝いたかと思うと、次の瞬間には。
 二人の姿は、かき消すように無くなっていた。
245 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/23(月) 22:36:20 ID:9qe+xXT8
以上です。続きます。

>>234 >>236 >>239
投下してから気付きました。雑談ぶった切ってしまい、大変申し訳ございませんでした。


今後もお付き合い頂ければ嬉しく思います。
宜しくお願いいたします。
246名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:43:48 ID:9lpFNx+3
ノーザさんこえー・・・
来週の本編といい生駒氏のSSといい
普通に続き待ってたらハゲそうだぜ
だが普通に続き待ってます
247名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:50:35 ID:CQ+v38Id
投下来てたのか。こっちこそ豚切り失礼。毎回楽しませてもらってますよ。
248名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:52:09 ID:vL6xoL1W
>>244を最後まで読み、続きがないと気づいた瞬間、「へァあ?!」と叫んでしまいました。
249名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 23:00:03 ID:ktR/f0Yf
>>245
Gj!さすが、連載モノの醍醐味は
“どうひっぱるか”ですよね!
次回も待っています
寒くなってきたので全裸足待機くらいで…w
250名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 23:11:49 ID:snLEeAiE
これネタバレ入ってる?
251名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 23:16:10 ID:Ns/WYImk
>>245
単独行動はいかーん!班行動ー!せっちゃんはクローバーでしょ!
ダメだよぅ…。一人は危険すぎるってぇ、、、
そりゃ美希さん慌てるってばよ!そりゃラブさんも由美ちゃんもブッキーも…。
あの冒頭が頭から離れないし、ノーザは相変わらず推せないし!
ダメ、寿命縮まるorz

>>250
融合してるだけだよ。
252名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 00:37:55 ID:lU+bQwDx
生駒氏のSSの今後と来週の展開
どっちも不安で仕方ないので、
パッションスレで拾ったエンジェルキュアパッションで心を落ち着けようとする
そんなここ数日。

253名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 00:45:22 ID:h0W6DLru
何か流れ切れちゃった感じがするがw俺が悪いのか?

次回を悲観的に見てるみたいだが、これを四人で乗り切ったらとんでもない百合になると思わんか?

つか幼児アニメで悪終焉は無いから安心汁。
254名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 01:01:04 ID:Kh1ICMQq
>>253
そりゃ無事生還のあかつきにはもうみんなでせっちゃん胴上げ。
そのままコロッケ&パジャマパーティー。みんなでお風呂も付けちゃう。
背中流しっこのサービス。とにかくせっちゃんに3人は狂喜乱舞w

わかってても悪い方へ考えちゃう自分が大嫌いw
255名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 07:56:54 ID:h0W6DLru
>>254
一つでも実現すりゃ祭りだろうなw

でもそうやって良い方向へと雑談したり、妄想してた方がいい。それを楽しむスレだろ、ココはw
256名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 09:46:28 ID:I0TtPMBt
来週はせつなの切ない覚悟と、それに気付いたラブの反応は・・・って百合的にワクワクしてたんだけど。
四人で乗り切ったらという期待もあるし。前後編なら鬱のまま続きそうだけど。
257名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 10:07:12 ID:h0W6DLru
せつな回引っ張るの好きだから、あそこのスタッフはw

ただクリスマスも控えてるし、あんま鬱展開だと小友まで巻込むからな。無論このスレもだがw
258名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 10:27:38 ID:EJk42M6f
悲観的になる理由がわからんな… 来週の話、完全に 捕らわれの姫を救うため敵地に乗り込む三姫士の構図じゃないか?楽しみで仕方ねえw




まあ他の理由では悲観的にもなるがな。もう、これで決まりだ。って感じか?ww
259名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 10:37:05 ID:h0W6DLru
決定した?出たかやっぱり
260名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 10:42:17 ID:I0TtPMBt
ビックリしてアニメ新作板飛んでった。特に情報は無かったみたいだけど?
どうでもいいが三姫士って麗しい字面だな。
261名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 10:54:05 ID:h0W6DLru
画像出るかもって噂は出てんだ。ガイシュツだからこの話は辞めとく。

そうそう、せつな総受け回だと切り替えるといいよ。あわよくばせつなへの想いが覚醒してラブやん変身したりな。
262名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 12:09:54 ID:fvwKhHF7
ここの職人なら二期つくれるんじゃね?
263名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 12:17:58 ID:EJk42M6f
>>260
ごめん。本編のネタバレの話。
264名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 12:26:56 ID:h0W6DLru
>>262
SSあんま詳しくなくてわからんのだが、放送終了しても書けるもんなのか?下手すりゃ一生保管だなんだって事にならないかw
265名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 12:30:35 ID:wT13nffs
ここってフレプリ×過去プリのSSはオッケー?

個人的に
ほのか×ラブ
美希×なぎさ
ブッキー×うらら
せつな×りん

を作ってみたい。
266名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 12:36:37 ID:I0TtPMBt
>>263
本編の方か。今日じゃないかって噂があったから過剰反応した。
267名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 12:52:38 ID:tc4oW0MJ
>>264
熱意が続く限りはいくらでも。実際他のスレでも本編は終わってるのも多いし
268名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 13:08:34 ID:tlyWhyfs
>>265
無印からフレッシュまで、どのカップリングもオッケー
プリキュアシリーズ百合萌えスレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1248184495/601-700

>>1のテンプレでいくとココかと思ったが、落ちてるんだな
ココはフレッシュスレだし、どうなんだろ
269名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 13:38:22 ID:h0W6DLru
>>267
トン。

でも終了したらこの板も過疎ってしまうんかな。どのカップリングも桶スレもひっそり頑張ってるかと思ってた。

てか違うシリーズで良く書けるな。イメージ全然沸かないw
270名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 14:14:11 ID:0zWNoMbW
終了すれば多少は過疎るかもしれないけど
それは仕方ない。でも悲しむ必要はないんじゃないか。
フレプリが本当に好きな人はずっとここに残っていくだろうし。

ここで出会ったたくさんのSSは自分にとって宝物だ。
少なくとも、それはずっと自分の中に残る。

もしテレビが終了しても
フィギュアとか、もしかしたらゲーム第二弾とか来年出ちゃうかもしれないじゃんww(未練)

ここの住人は妄想を糧に生きているからw
たとえどんな未来でもきっと大丈夫さ。


>>265
それって需要あるのか?w
271名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 14:46:58 ID:h0W6DLru
>>265
咲舞が入ってないのは二人がガチ百合だからか。良くわかってらっしゃる。

>>270
ここまで来たのはまぁ職人の貢献度は大きい。
が、職人しか残らないような希ガスwww

すまんなカキコ多くて。ずっと投下続いて入りづらくてさ。ようやく雑談出来てつい。
272名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 15:14:11 ID:I0TtPMBt
百合萌えスレ落ちたのは偶然朝見て知ってはいたが、残念。
オールスター第二弾くらいでまた誰か立てそうだけどね。
フレプリ終ってもし過疎ったとしても、今みたいな雰囲気は残って欲しいな。
居心地がいいって前に誰か言ってたし。
273名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 15:17:16 ID:y9InRDtu
>265
テンプレにある「じゅうににんは〜」ってスレなら
全シリーズOK
274名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 15:23:05 ID:I0TtPMBt
>>270
フィギアーツだっけ?5やSSなんかも出てるみたいだし、FPグッズだって終了以降あるでしょ。
FPはなぜかイース様なんだよな>フィギュア―ツ第一弾
275名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 15:39:44 ID:h0W6DLru
みんなグッズとか買ってる?
自分はあそコレとカードぐらいしかないな。百合絵萌え出来るし。

ゲーセンのフィギュアはゲットするより落札した方が早いかな。買うとしたらコレぐらいだなぁ
276名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 17:50:12 ID:Y7utZY0V
まるごとキュアパッションとダンスDVDしか買ってないなあ
講談社はちゃんと単行本の続き出してくれるのか心配で仕方ないw
277名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 17:55:19 ID:lxJAj9BM
>>276
売り上げが見込めないと判断したら容赦なく切り捨てるからな…>講談社はちゃんと単行本の続き出してくれるのか心配で仕方ない
しかも判断基準が異様にシビアだし
27856:2009/11/24(火) 19:27:13 ID:ltw4/1du
みなさんこんばんは
美希×せつな、18禁です
せつながトマトになった夜のお話
27956:2009/11/24(火) 19:30:20 ID:ltw4/1du
自身の肉体が千切れ飛ぶような
本当に、ここではない、どこか違う世界に消し飛ばされるような強烈な感覚
私は現界にその身を留めようと、私の体を食い漁る獣の肢体にしがみつく
そのしなやかな肢体を私のそれに絡みつけ
熱い息を吐きながら、耳元で私の名前を囁き
激しく腰を動かし続ける長い髪の美しき獣
この獣が間断なく与えてくる鋭い快感を
私の体と心が受け止めきれなくなったその瞬間

私は真っ白な世界へと放り出された
遠い、遠い所へ



『その蒼き瞳に』



事後の陶然とした空気のただ中
私は微熱を孕んだその肢体を仰向けに晒している

背中と臀部に汗で湿ったシーツが纏わりつく感触
ひりつくような感覚にその身を震わせる、熱く濡れた私の女の部分
そこから漂ってくる体液の匂いが、鼻腔と心の羞恥の箇所を意地悪く刺激する


視線を、感じる
28056:2009/11/24(火) 19:34:05 ID:ltw4/1du
その視線が発せられる方向に目をやると
先程まで私の肢体を抱き、玩んでいた少女が微笑を浮かべている
澄み渡った青空の奥の奥、或いは深い海の底のような
静かな、しかし強い光を発する蒼い瞳
その優しくて温かく包み込むような光の中に
私は、少女の勝ち誇った貌(かお)を確かに見た

その刹那、私の耳の奥に響き渡る、自分自身の甘く蕩け果てた声
私を犯す少女の、あの獣の名を呼ぶ声
美希・・・美希・・・

かっ、と熱くなる両の頬、その熱に誘われるように
気だるさの中にその身をたゆたわせていた私の肢体が
火のついたように狂ったように騒ぎ立て始める
あの獣にその身を貪られる快感をもう一度
もっと、もっと

美希、もう一度だけでいいの・・・私を、激しく抱いて

リフレインする自分の嬌声、肉体の狂騒の中で私は待ち焦がれる
早く次の夜を、あの獣を今度は私の腕の中で甘く鳴き狂わせる時間を



美希 「ふー、張りきり過ぎちゃった もうクタクタ
    はい、今日はこれでおしまい」
せつな「えっ・・・!?」
281名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 19:59:42 ID:h0W6DLru
出来れば名前のトコにタイトル入れてくれるとありがたい。投下する職人さんお願いね。もしくは酉かコテでも。

>>276
講談社って単行本出版にあんまイイ顔しないとか誰か言ってたよね。
なかよしの漫画も発売してくれりゃ嬉しいなー
28256:2009/11/24(火) 20:06:23 ID:ltw4/1du
>>281
それは気付かなかった
失礼をば致しました
283名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 20:09:44 ID:9tE/Irgd
>>280
それと、投下が終わったなら以上とか、お仕舞いとか終わったのが判るように
して欲しい。
そうじゃないと他の人が書き込みにくい。

特にあの終わり方じゃ、まだ続くのかと思っちゃうよ。

話はGJです。>>56のほのぼのした文章とのギャップにびっくりしたけどww
28456:2009/11/24(火) 20:17:42 ID:ltw4/1du
>>283
もう本当に至らぬことばかりで申し訳ない限りです・・・
>>280で『その蒼き瞳に』はおしまいです

久々に「上」になった美希たんが、いつもよりちょっと張り切っただけなのに
久々に「下」になったせっちゃんの方が異様に燃え上がっちゃった、そんなお話です
285名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 20:30:09 ID:tlyWhyfs
>>284
GJ。56も可愛くて良かったけど、これはこれでGJ。
美希せつ万歳
286名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:14:19 ID:h0W6DLru
ちょっと厳しかったか。これじゃまた投下しずらいとか言われそうだな。

職人は嫌いじゃないんだ。同じ百合仲間だからw

ただ字がズラッと並んでるの見るとフゥって感じになっちゃってな。
すまんがNGにさせてもらってる。先週教えてくれた人ありがとー。

てかこれだけ投下あるんだからスレ分けた方がいいんじゃないの?お互いやりやすいと思うが?
287名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:18:12 ID:ZsZvnjZY
美希せつはエロ描写が
色々とイメージできるなぁ。

何でだろう。

288名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:24:19 ID:F4iqkFax
>>287
エロいから。
日曜の朝っぱらから
背中ひっつけてお互いの温もりが云々なんてエロいことするから。
演出からして、わざわざそのひっついた背中のアップのカットなんて入れるから。
289名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:42:56 ID:9RU+l+Vd
スレ分割しなくとも避難所あるんだし有効に活用すればいいとは思う。
職人も投下最中にレス挟まれるのは嫌じゃない?
290名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:49:43 ID:9tE/Irgd
>>286
それレスしたのたぶん俺w 無事設定できたんならよかったね。
俺はSS大好き派だけど、分けた方がいいに一票。何か定期的に出る話題だよね。

個人的には雑談オンリースレと、SS+感想とそれガラミの雑談スレに
分けてもいいと思うけど。
SS好きで雑談NGって人はあんまいなさそうだけど、その逆はいてるだろうし。
したらばに避難所みたいなとこあるけど、そこだと投下はしにくいだろうし、
読む人も2ちゃんにくらべたら見つけ難いだろうしね。
一時荒れた事思えば何だかんだ言っても投下も戻ってきたけどね。
やっぱちょっと感想書いたりするのも気を使うよ。
雑談派の人もお互いに気を使ってんじゃないかな。

>>280もキツイ言い方に見えちゃったかも知れないけど、作品楽しませて
貰ったよ。
次回作の予定があるなら、是非ともまた書いて欲しいし。
SS好きだからこそ、叩かれないように注意して貰いたかったんだ。
291名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:56:10 ID:h0W6DLru
昨日カキコしてたら見事に挟んじゃったしw職人も詫びてたしな。
お互いやりずらいよ、これじゃ。閲覧は回避出来てもカキコのタイミングまでは…

試しに避難所でしばらくやってみては?にしても酒場見たら凄い馴合いでワロタwww
292名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 22:56:42 ID:tlyWhyfs
自分も>>290に一票。

その方がスレ荒れなくて、お互い気持ち良く住み分けできると思う。

どっちかが過疎るとしたら、それはそれで仕方ないんじゃない?

自分はSS+感想+雑談おkなとこに住みたいし。
今はなんか家庭内別居してるみたい。
293名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:19:06 ID:zpP2ZsD+
SSも雑談も好きな自分としては、今のままがいいな。
両方楽しめるし、今までもうまくやってきたわけだし。
ってかこういう話するの、何回目だよw
294名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:20:24 ID:DYwTL83N
今のままでいいって結論何回出たんだよ
295名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:23:17 ID:bLVQUncD
>>237
>  彼女が――――せつなが、自分の問いかけに、肯定の返事をしなかったことに。

ここって否定の間違いじゃない?
296名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:24:44 ID:0ekzPAIv
今のままだと居心地が良くない人もいるから
定期的にこの話が出るんだと思うが。
297名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:38:23 ID:NcF6CaeZ
雑談、妄想からSSのネタ思い付いたりもするから
このスレみたいに人が多く両方で盛り上がってる場所は羨ましいけどね。
普段は他スレで書いてる人間ですが
298名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:40:17 ID:EJk42M6f
>>295
ラブ「いなくなったりしないよね?」への応えだからだからいいんじゃない?
299名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:40:36 ID:lU+bQwDx
雑談したいって言う人ほど自分から話題降らないよね。

SSのせいで雑談できないっていうけど
何時間も更新なくて雑談し放題なタイミングってログみてると結構あるよね。
最近だと23日の昼間とか。

たまたま投下が続いた時に限って雑談出来ないって不満言う人っているよね。
300名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:41:38 ID:bLVQUncD
あぁ、そうか。そこで否定してたのか
なんか違和感
301名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:44:16 ID:ge1mL3mU
SSも雑談もって人は、両方のスレをチェックすれば済む話
自分もそうだが。


一緒くたのままでは摩擦がなくならないのは確実だし、ここは思い切って分けた方がいいって、私信じてる
302名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:45:11 ID:ZsZvnjZY
俺は投下中にレス挟まれても気にしないわ。
さるさん防止にもなるし。
303名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 23:51:40 ID:DYwTL83N
けいおんスレみたいなテンプレつけたら済む話じゃないんかね?プラス鳥必須にしてNGするとか
わざわざ過疎を招くような話題を定期的に出してなにがしたいのやら、理解に苦しむ
304名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 00:02:40 ID:t2J1DFGX
せっちゃん
ミトン手袋
ポフポフ
305名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 00:18:58 ID:zTrsZohK
>>304
和んだ。
306名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 00:22:16 ID:a/7ukT7a
http://ranobe.com/up/src/up415387.jpg

妄想を形にするというのがどれほど難しい行為かを思い知った冬でした
307名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 00:59:45 ID:zTrsZohK
結論は>>303でおk?

>>306
ほんわかしてていいね。
308名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 01:08:34 ID:8N0kOl5U
もうなんでもいいよ

>>306
かわえぇ!w
309名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 01:24:55 ID:VTIRdhV1
>>303
あっち保管庫管理人また変わってな。最初なんか急に行方不明だし。

こうやって内紛起きて嫌気が指し、保管屋ちゃんがいなくなるのが一番怖いわ。こんなに一つのスレで頑張る人間て中々いないよ?

居心地イイって言ったの自分かもしれない。朝、電車でみんなの妄想やSS読むのが本当に好きで。

多分テレビの放送もあと8回?ぐらいかな。こうして賑やかに話せるのも数えるくらいしかないと思うとさみしくてさ。

このままでも別れたとしても、自分はどちらへも足を運ぶよ。百合話したいからね。
310名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 01:45:44 ID:/DB7/eaX
自分も保管屋さんが嫌気がささないかが気掛かりだ。
こんなにきめ細やかなメンテしてくれる保管庫なんて他にないよ。
保管屋さんがいるから職人だって投下出来るってのが大きいと思うし。

自分だったらとっくに投げてるわ。本当に頭下がる。

と、言うわけで保管屋さん。あなたの投下も楽しみしてるんで。
管理大変だろうけど、このスレで一番貢献してるのは間違いなくあなただよ。
311名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 01:49:14 ID:zTrsZohK
ここの1スレ目立てた人も良スレになったって喜んでたね。
312名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 01:55:42 ID:x45AwQoz
この前来てたね。保管屋も偉いがこの人も偉いでしょ。
まるで圭太郎とあゆみさんみたいだw
我ながらイイ例え!

せっかく鬼門回突破したんだし楽しくいこうや。
313名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 02:10:32 ID:RrfkBXz1
ところがぎっちょん!

鬼門回はまだあるんだぜ…。

いや、最早そんな言葉で形容するのもおかしいか。

バレ見てきたんだが、今回はマジで三馬鹿に殺意覚えたわ。

奴らはてめーらの欲望の為にラブ達の夢を食いつぶすクズだった。

あいつらの三馬鹿って呼称は最早愛称じゃねえ。

救いようの無い方のそれだ。
314名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 02:29:44 ID:x45AwQoz
ネタバレ自重w
315 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 02:57:04 ID:3g4BrXyh
こんばんは。

雑談、一休み中と見て、投下に参りました。

個人的には、このスレに間借りさせて頂いている気持ちでいるので、皆様の意向に沿いたいとは
思うのですが・・・・・・
もし許されるなら、ここにいたいな、と思う気持ちがあります。
やっぱり、1スレ目からずっと、ここにお世話になってるものですから、出来れば・・・・・・といった感じです。

そして、ここで連載を始めたものですので、ここに投下したいな、と。

というわけで。
感想下さった方、ありがとうございました。
>>295さん
>>298さんが私の言いたいことを変わりに言ってくれました。が・・・・・・確かに分かり辛いかもしれませんね。
ちょっと考えます。

>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
の続き

『巡り、迷う――――落ちる』
シリアス、非エロです。

・・・・・・誰もカキコしてないのを確認。
316 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 02:58:28 ID:3g4BrXyh
 アカルンの光が消えた瞬間、せつなは那由他から大きく跳び退った。そして、ポーチからリンクルンを取り出し、その
ローラーを回す。

「チェィンジ!! プリキュア!! ビート・アーップ!!」

 声と共に、彼女は変身する。伝説の戦士、キュアパッションへと。

「――――フフ」

 気が付けば、辺りの風景が変わっていたことに、一瞬、驚きの顔を見せた那由他だったが、すぐに冷酷な表情を取り
戻し、その両手を前に差し出した。

「スイッチ・オーバー!!」

 ぐるりと捻るように手を回した後、大きく横に広げる。それと共に、彼女も変身をする。
 管理国家ラビリンス最高幹部、ノーザへと。

「・・・・・・・・・・・・」
「フフフ。一本取られた、と言ったところかしら」

 グッ、と拳を握り、構えるせつなに、ノーザは笑いながらそう言った。

「考えておくべきだったわ。罠はいつだって、力の弱い者が強い者を倒す為に仕掛ける。私が言ったことだったのにね」

 彼女の言葉に、パッションは答えず、険しい表情のまま、隙を伺う。

 瞬間移動。
 それは、せつなのピックルン・アカルンの持つ力。その力で彼女は、占いの館からこの工事現場まで飛んできたのだ。
 那由他と――――ノーザと、一対一で戦う為に。ウエスターやサウラーに、邪魔をされるわけにはいかなかったから。
 シフォンを連れてきたと思わせたのは、油断を誘うため。
 そしてせつなの仕掛けた罠――――いや、賭けは、成功した。
 後は、キュアパッションが、ノーザを倒すだけ。

 そんな彼女の思いを知ってか知らずか。変わらぬ冷たい笑みのまま、ノーザは胸の前で手を組んだ。

「さぁ、かかってきなさい――――プリキュア」

 ノーザが浮かべるのは、余裕の表情――――否、それを越えた、傲慢。
 沈黙の中、パッションは周囲を見回す。
 ここは、クローバータウンから程遠いところにある、マンションの工事現場。その前の道も含めて開発中だったらしい
が、もう随分前から作業が中止になっているらしい。むき出しの鉄骨や、錆びの浮き始めた工事用車両が放置されて
いるここは、幽霊マンション等とも呼ばれているらしい。
 彼女が、ここに跳んできたのは、まず、ここを訪れる人が誰もいないから、巻き込む心配が無いということ。
 そして、二つ目は――――

「ふっ!!」

 一つ、息を吐くと同時に、パッションは地面を蹴る。前傾姿勢のまま一直線に彼女に向かって走り、その距離を詰める。

「フン」

 鼻を鳴らしながら、ノーザが腕を勢い良く振るい、長い爪で彼女を引き裂こうとした瞬間。
 シュン
 パッションの体が赤い光に包まれ、ノーザの手が虚空を薙ぐ。

317 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 02:59:35 ID:3g4BrXyh
「何――――!?」

 驚くのもつかの間、背後に現れた気配に、ノーザは振り向き様に首筋を腕でかばう。そこに叩き込まれたのは、パッ
ションの放ったハイキックだった。

「ク!!」

 それを受け止め、逆の手でパッションを掴もうとするが。
 シュン
 再び、彼女の体がかき消すように光に溶ける。そして再び、ノーザの背後に現れ、今度はその腹に拳を叩き込もうと
する。
 が。

「甘い――――!!」

 タ、と左手でいなされる。バランスを崩すパッション。その首筋に、ノーザは手刀を叩き込もうとするが、間一髪、アカ
ルンの力が発動して。
 静まり返った工事現場の中に、戦いの音が響く。放たれる拳、蹴り、肘打ち。何合となく続く攻防。
 パッションの攻勢に、ノーザは守勢に回らざるを得なかった。反撃は、かすりもしない。一瞬ごとに彼女は違う場所に
現れる彼女を、捕まえ切れなかったのだ。
 だが。

「――――クッ」

 打ち合いをやめ、距離を取ったパッションの顔には、色濃い焦りが浮かんでいた。逆にノーザの顔には、変わらぬ
笑みが浮かんでいて。

「どうしたのかしら、プリキュア。まさか、この程度だなんて言わないわよね」

 長い爪で、彼女は自分の唇を撫でる。爬虫類のような切れ長の眼が、妖しく光って。
 彼女の言葉は、挑発だった。わざと隙を見せてすらいる。
 だが、パッションは、踏み込めない。その拳を握り締めたまま、ただじっとノーザを睨み付けるだけ。

 そう。
 彼女が――――パッションが、攻め込んでいた。ノーザの反撃は一度もくらわなかった。
 だが、彼女の攻撃も、一度も当たらなかった。
 全てかわされ、いなされ――――あれだけ打ち込んだのに、一つも直撃させることが出来なかったのだ。
 何よりも、パッションを戦慄させたのが。

 ノーザが、ずっと同じ場所に立っていたこと。

 左の足を軸として、体裁きとピボットだけで、全ての攻撃を無効化されてしまった。瞬間移動を駆使し、死角から攻め
込んだにも関わらず、だ。
 改めて、気付かされる。
 自分の目の前の女性が、確かに最高幹部と言われるだけの実力を持っているということに。

「はぁぁぁっ!!」

 それでも、彼女は戦わなければならない。勝たなければならない。
 ただいまと言って、あの家に帰る為に。
 雄叫びと共に、パッションは弾けるように地面を蹴る。

「また同じこと?」

 嘲りと共に、ノーザが爪で彼女を引き裂こうとする。
 寸前、パッションの姿はかき消える。先程までと同じように。
 違ったのは――――どこにも現れなかったということ。
318 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 03:00:21 ID:3g4BrXyh
「――――?」

 気配を、ノーザは探す。
 静寂の中、油断無く辺りを見回す。いつ現れてもいいように、最大限の注意を周囲に払う。
 だが、彼女は――――パッションは、姿を見せない。

 逃げた?

 思いながら、ノーザが眉を顰めた瞬間。

「――――!!」

 彼女に向かって、鉄骨が倒れこんでくる。さすがにその場を離れるノーザ、しかし、次々と辺りの鉄骨が倒れ始めて。
 ドンッ ドーンッ ドンッ
 地面と鉄のぶつかる重い音が、地響きとなって辺りに響く。
 避けても避けても、まるで連鎖しているかのように、ノーザに向かってくる鉄骨。それを彼女は、どれも間一髪でかわ
し続ける。困難なように見えて、さして苦労はしなかった。倒れこむといっても、パッションの拳に比べれば緩慢な動き
で、しかも動きが読みやすい。
 むしろ彼女が気にしていたのは、この中で、狙われることだった。ふとした瞬間に、背後に現れるかもしれないのだ。
だからこそ、より一層、用心深くなって待ち構える。
 だが。
 ズーーーーンッ
 最後の一本の鉄骨、それが地面に横たわる音が、低く響く。辺りは鉄骨だらけ。
 だが、パッションの姿は無い。
 もうもうと立ち上がる、砂埃。その中から襲い来ようというのか。目を細めながら、じっと見回すノーザ。
 気配は、やはり、感じられない。

 時間が過ぎ去る。
 舞い上がった砂が、再び地面に落ちる。

 不意に。
 彼女の体に、影が差した。
 はっ、とノーザは空を仰ぐ。
 そこにあったのは――――自らの頭上に浮かぶ、工事用車両。そしてその上には、赤の衣の戦士。
 彼女が、叫ぶ。

「ロードローラーよッ!!」

 アカルンの力で瞬間移動しただけのそれは、重力に引かれ。
 立ち尽くすノーザの頭上に、落ちていったのだった。






        巡り、迷う――――落ちる




319 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 03:01:27 ID:3g4BrXyh
 ♪〜♪〜♪〜♪

「――――!!」

 不意に室内に響き始めたメロディに、黙りこくっていた三人は一斉に顔をあげる。音の主は、光を放ち始めたクロー
バーボックス。

「ど、どうしたの、急に」
「――――まさか!!」

 目を丸くする美希をよそに、ラブは急いでその蓋を開ける。
 そこに浮かぶ上がる、幻像、それは。

「パッション!?」

 キュアパッションの姿だった。そして、その次に映ったのが、

「ノーザ――――!!」

 ラビリンス最高幹部がほくそ笑み、彼女達の仲間と向かい合う姿。

「これって――――」
「うん。パッションとノーザ、戦ってるんだよ!!」

 幻像の中で拳を交わす二人の姿を見て、ラブは一瞬、安堵する。良かった。せつな、いなくなったんじゃなかった。
戦ってるんだ。
 だがその喜びは、次の瞬間には霧散する。パッションが苦戦していることは、すぐにわかった。その表情に、まるで
余裕が無かったから。

「行かないと!! パッションを助けに!!」
「待って、ラブ!!」

 リンクルンを掴み、変身しようとする彼女の腕を、美希が掴んで押し止めた。

「どうして止めるの、美希!!」
「落ち着きなさい!! パッションがどこで戦ってるか、わかるの!?」

 鋭い一言に、ラブは気付かされる。確かに、幻像の中の背景は、薄暗くてよく見えない。かろうじて見えるものもある
が、それだけでは、どこで戦っているかなどわかる筈もなかった。

「まずは、どこで戦ってるかをはっきりさせないと」
「でも、パッションが――――せつなが!!」

 冷静な親友の言葉に、耐え切れずラブはそう叫ぶ。
 頭では、勿論、彼女が正しいと分かっている。けれど、体が――――心が、一刻も早く彼女の元へ向かいたいと突き
動かしてくるのだ。
 そしてそれは、美希も同じなのだろう。ラブに構わず、必死になってどこかを探ろうと覗き込んでいる彼女は、とても
厳しい表情を浮かべている。唇を強く噛んでいるのは、内からの衝動を押さえ込もうと必死になっているからか。

「――――そうだ!!」

 不意に何かに気付いたかのように声を上げたのは、祈里だった。ラブと美希の驚きの視線を背に受けながら、窓を
開けてベランダへと飛び出す。そして、

「お願い、来て!!」

 空を見ながら、叫ぶ。
 どうしたの。そう二人が問いかけようとするよりも先に、空から降りてくる影が、一つ。祈里の伸ばした手の上に、バサ
バサと羽をはばたかせながら止まる。
320 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 03:02:37 ID:3g4BrXyh
「――――鳥?」
「そうか!!」

 祈里の肩の辺りに現れたキルンを見て、二人は、彼女が何をしようとしているのかを悟る。

「お願い、この場所を知ってたら教えて。もしわからなかったら、探すのを手伝って欲しいの!!」
「ピーヒョロロロロ」

 クローバーボックスの幻像を見た鳶は、一声鳴くと同時に、バッサバッサと祈里の手から飛び立っていく。

「なんだって!?」
「自分は知らないけれど、知っている仲間がいるかもしれないから、探しながら聞きに行ってくる。少し待っててくれ、
だって」

 キルンの力は、動物と話が出来るようになること。祈里はそれを思い出し、近くの空を飛んでいた鳶に協力を仰いだ
のだ。その鳶は、宙高くを旋回しながら、時折、鳴き声を上げる。それに応えるようにか、現れた鳥が、各方向に散ら
ばっていく。
 それを見ながら、祈里は胸の前で手を組み、額を押し付ける。早く見つけて、早くと願いながら。
 美希も同じように、きつく口をつぐみながら、ベッドに腰掛ける。その目は、微塵も動こうとしないラブに向けられていた。
 彼女は、じっと、幻像の中のパッションを凝視していた。瞬間移動を繰り返しながら、戦う彼女の姿を見て、苦しそうな
表情を浮かべる。
 その気持ちは、美希にも少し、わかった。何も言わずに、どうして行ってしまったの、せつな。
 時計が刻んだ時間は、ほんの数分程だったろう。だが彼女達にとっては、永劫と等しい程に長く感じられた。

「戻ってきた!!」

 再び祈里の手の上に止まった鳶の鳴き声に、祈里は熱心に耳を傾けている。固唾を呑んで見守る二人の前で、彼女
は大きく頷いて、

「わかったわ。ありがとう」
「ピーヒョロロロ!!」

 どういたしまして、と言わんばかりに――――あるいは本当に言ったのかもしれない――――頭を下げて、鳶は再び
空に舞い上がる。それを目で追った後、祈里はリンクルンを取り出しながら言った。

「せつなちゃんの居場所、わかったわ――――急ぎましょう!!」
「うん!!」
「ええ!!」

 力強く応えると同時に、ラブと美希の二人もリンクルンを構える。
 そして数秒の後、ラブの部屋から、三人のプリキュアが飛び出して行っただのった。

321 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 03:03:52 ID:3g4BrXyh
 ドーーーーーーーン ドーーン ドーン

 木霊のように響いていた地響きが、ようやく消えた。
 トン、とロードローラの上から降りて、パッションは振り返る。
 パッションが瞬間移動させたロードローラーは、自重もあってだろうか、グチャグチャに損壊していた。周りには、土の
地面を覆い隠す程、鉄骨が倒れていて。
 沈黙する、パッション。
 工事現場に、静けさが落ちた。ただ時折、先程の衝撃のせいか、パラパラと壁の外装が剥がれ落ちる音がするばかり。
激しい戦いの余韻、とでも言うべきか。

 勝った――――の?

 パッションは、自分がノーザの上に落としたロードローラーを見ながら、そう思う。

 この場所を選んだ、二つ目の理由。
 それこそが、このロードローラーだった。
 鉄骨は、目くらまし。彼女がそれに気を取られているうちに、本命であるロードローラーをノーザの上に落とし、倒す。
 それが、パッションの考えた作戦だった。

 作戦は、うまくいった。
 ロードローラーを、ノーザの上に落とすことが出来た。
 この質量が直撃したら、いくら彼女がラビリンス最高幹部だといえ。

「――――ふぅ」

 思って、パッションが肩の力を抜き、息を吐いた瞬間。

 足首に、何かが絡みつく。
 ハッとなる暇もなく、強い力で引っ張られ、パッションの体は宙に浮いた。

「え、えぇぇぇっ!?」

 目が回りそうになるほど、軽々と勢い良く振り回された後、背中から壁に叩き付けられる。

「うっ、くっ!?」

 息が止まる。それでも、何が起きたか確かめようと足首を見ると、そこには。

「――――!?」

 何かの植物のツタらしきものが、絡み付いていた。その先を目で追うと――――
 ロードローラーの下から、それは伸びていて。
322 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 03:04:38 ID:3g4BrXyh
「まさ、か・・・・・・」

 震える声で、そう呟いた瞬間。
 ドンッ
 ロードローラーが、弾け飛んだ。
 思わず、顔を腕でかばうパッション。粉々になった機械の部品が空を飛び、彼女の腕に、脚に、かばいきれなかった
頬に傷を付ける。
 ようやく一段落した後、彼女が目を開けると、そこには異様な物体が在った。
 どこか禍々しさを感じる茶色のツタが絡まりあって、人間一人分程の大きさの繭を作っていた。そのツタは一本一本
が木の幹と見紛うばかりに太く、そして脈打っている。いつの間にか、繭を中心として地面にビッシリと這い回っていた。
よく見れば、彼女の足首に絡み付いていたのも、そのツタの一本で。
 繭、と言ったが、よく見ればそれは、繭などではなかった。繭のような丸みを持ちつつも、てっぺんは尖っている。その
姿が、パッションにあるものを連想させた。

 それは――――蕾。

 そして、彼女の想像は、当たっていた。
 ゆっくりと、絡み合っていたツタがほぐれ、徐々に開いていく。その中から現れたのは――――

「やるわね。少し、驚いたわ」

 パッションは、その声に顔を顰める。ギリっ、と奥歯が鳴るのがわかった。

 現れたのは――――花が咲くように、蕾を開かせて現れたのは。
 ノーザ、だった。
323 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/25(水) 03:06:48 ID:3g4BrXyh
以上です。続きます。

もしよければ、これからもお付き合い頂きたく。
では、宜しくお願いします。
324名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 03:21:50 ID:6yETv0YC
GJ!これは良いロードローラー。またいい所で終るなあ。
325名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 07:19:03 ID:VTIRdhV1
生駒さん朝からGJでした!もう一回読んで来る!
326名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 07:54:47 ID:nS75zvFs
けいおんスレのテンプレを改変してみた。
保管庫や避難所のアドレスを変更したのと、タイトルとトリップを必須にしてみた。
叩き台にどぞ。


↓ここから↓

SSも扱いますが基本は百合萌えを語らうスレですので節度を持って使いましょう

●SS保管庫
フレッシュプリキュアで百合SS保管庫 @ ウィキ
ttp://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html


■SS職人ガイドライン
・SS投下前に、カップリングとSSのおおよその長さを宣言しましょう
 1レスあたり60行までOKです
・名前欄にSSのタイトル・トリップは必須です ※トリップの付け方は各自ググる
  (転載や続きを書く時の本人証明に使用、スレ内のSS抽出、NG指定に使用等)
・三次創作(他職人の二次創作の続編・改編・イラスト化等)時、事前に宣言し
 作者の応答を待つ、反応が無い場合は投下宣言&トリップ・名前欄でNGし易くする、txtうp等
 作者に配慮下さい
・SSは間隔を開けないよう投下、リアルタイム執筆は止めましょう
・長大作になる場合はtxtうp、もしくは下記避難所に投下が無難かもしれません

フレッシュプリキュアで百合避難所(規制で書き込めない場合はこちらへ)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257078258/

※SS投下中、住人はなるべく割り込みを自重しよう

規制について

★改行規制
1レスにつき61行以上が規制対象です。

★連投規制
30分以内に10レス目を書き込むと規制対象になります。
10レス以上の投下には9レス毎に30分のインターバルが必要です。支援は無効です。
327名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 07:54:53 ID:/DB7/eaX
生駒さんGJ!
でもあのプロローグに近づいてるかと思うと、かなりビビりww
328名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 12:47:46 ID:6yETv0YC
>>281
歴代のプリキュアを単行本化するならDX2公開時が一番いいと思うんだけどね。
DXの時も思ってたけど。どっかでなぎほのの結婚式あるって聞いたし。
なかよし見てない自分としては、まるパだけで終られるのが一番辛い。
329名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 13:17:37 ID:6yETv0YC
>>328
「どっかでなぎほのの結婚式あるって聞いたし、読んでみたい。」だった。
330名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 14:22:43 ID:/+t5XArS
>>326の避難所に初見のSSがいっぱいあった
けっこうみんなあっちに書き込んでたのね

ところで、たまに話題にでてる酒場ってどこにあるん?
331名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 14:35:41 ID:jTQB8aMb
>>330
避難所のあるしたらばの同じ板にある
馴れ合いOKなとこだから苦手な人はスルーでお願い。
あそこは2ちゃんじゃないんだし
332名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 15:34:59 ID:/DB7/eaX
>>330
もし見つけて馴れ合ったノリがキモいと思っても、そこは生暖かくスルー
たのんます。
333名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 19:46:18 ID:bX5sgzwr
>>332
保管屋さんを気遣う書き込みをしつつ、
保管屋さんも書き込んでる酒場をキモいとか
どれだけダブスタなの?
334名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 20:09:12 ID:/DB7/eaX
>>333
ゴメン、そう言うつもりじゃなかったんだよ。
馴れ合いを嫌う人が興味本意に覗いて、それをこのスレに
「職人の馴れ合いばっかで…」みたいなの書かれたら嫌だな、と思ったんだ。
自分的には「そっとしとけ!」って予防線張ったつもりだったんだ。
自分は書き込みはしないけど、職人さんの馴れ合い(って言い種もアレだけど)
楽しんでるから、荒れてほしくないなと思って。
タイトルの由来とか、見てて面白いし。


言い方に語弊があったのは謝る。自分はキモいって思ってる訳じゃないんだ。
335名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 20:32:07 ID:t2J1DFGX
皆さん、本編で野郎共とのからみが増えて、妄想し辛いとかない?
それともやっぱり関係ない?

ラブやんがせっちゃんにクリスマスプレゼントあげるとしたら、やっぱポフポフな手袋かなあ、せっちゃんラブやんニコニコポフポフ!

とか考えてても、なんか、チラッ!フッ!…チラッ!!と、あいつらの顔がちらつくんだよね…


12/20の放送も、あいつら出てくるんだろうなあ。13日のも、なんか幼児向け雑誌?にはDの字載ってなかったし。
336名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 20:52:11 ID:VTIRdhV1
>>335
大輔だけは仕方ないと思ってた。やり方が男らしくない。沖縄回で少し見直したんだけど、前回らっきょを後押しして逃げただろ?それもニヤニヤしながら。あれでまた株落としたよね。

時期的にガチ恋愛は無理だろって。せつなの今後がかかってるんだし。
スタッフの製作意図がわからない。

初めて酒場見てみた。入りずらいけど、保管屋ちゃんは真面目。職人たちの気持ちを理解してるわ。自分も文才あったら仲間に入りたかったね。
337名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 22:28:38 ID:x45AwQoz
>>278
前回から見事なまでのふり幅に心底驚きを隠せませんw
この二人は大人の雰囲気を出せるため、艶やかでかつ
情熱的な描写が出来るのだろうと。
保管迷ったのですが、落とし方で判断し準SS・18禁にしました。
前回作品よりリンクさせてあります。

>>323
アカルンの使い方が大正解でした。覚悟と決意を胸に、1対1の戦いを
選んだパッション。緊張感のある描写と工事現場のどこかひっそりと
している感じ。この対比がさらに心理描写を掻き立てて。
ノーザはあまりにも強すぎる…。一人ではとても…
それも承知の上で戦いを望んでいたら…。まさか―――

>>326
抜粋して次回テンプレに使わせて下さい。

〜皆さんへ〜
自分たち職人はこのスレをお借りしてる以上、細心の注意を払って
投下してるつもりです。ただ感想をもらいてくて投下してる訳では
ありません。それだけはわかって下さい。
同じ同志として、これからもこの百合板を盛り上げていきませんか?

自分は普段、投下や感想、雑談や妄想など沢山の書き込みをしています。
そのお詫びとお礼を兼ねて保管作業をしています。
放送が終了するまでは絶対に辞めたりしません。お約束します。

全てはこの百合板、同志、愛すべきフレッシュプリキュアのために。
今後もご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうか宜しくお願いします。
お目汚し、大変失礼しました。
338名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 22:34:12 ID:yyulHsTp
>>326のテンプレを多少直してみた。

フレッシュプリキュアの百合について語らうスレです。
百合な雑談、妄想、SS投下等ご自由にどうぞ。
※SS投下時は下記SS職人ガイドラインを熟読願います。

●前スレ
フレッシュプリキュアで百合6
ttp://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1256323120/

フレッシュプリキュアで百合避難所(規制で書き込めない場合はこちらへ)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257078258/

●SS保管庫
フレッシュプリキュアで百合SS保管庫 @ ウィキ
ttp://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html

■SS職人ガイドライン
・キャラや物語のイメージはあまり崩さないようにしましょう
・雑談や妄想で盛り上がってる時の投下は控えましょう
・SS投下前に、SSのタイトル・組み合わせ・おおよその消費レス数を宣言しましょう
 1レスあたり60行までOKです
・名前欄にSSのタイトル・トリップもしくは宣言時のレス番号は必須です
  (転載や続きを書く時の本人証明に使用、スレ内のSS抽出、NG指定に使用等)
・三次創作(他職人の二次創作の続編・改編・イラスト化等)時、事前に宣言し
 作者の応答を待つ、反応が無い場合は投下宣言&名前欄でNGし易くする等
 ご配慮下さい
・SSは間隔を開けないよう投下、リアルタイム執筆は止めましょう
・SS投下完了後は終了宣言をしましょう

※SS投下中、住人はなるべく割り込みを自重しましょう

規制について

★改行規制
1レスにつき61行以上が規制対象です。

★連投規制
30分以内に10レス目を書き込むと規制対象になります。
10レス以上の投下には9レス毎に30分のインターバルが必要です。支援は無効です。
339名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 22:41:27 ID:yyulHsTp
ありゃ、保管庫屋さん来てたのか・・・。
あんまし>>326のテンプレいじる必要なかったかな・・・。
340名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 22:43:49 ID:QWb4VvJv
>>326ぐらいコンパクトでいいと思うのです
341名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 22:57:03 ID:x45AwQoz
>>339
いや、こちらの方が自分はわかりやすいです。初めての人には
難しいかもしれませんが、初めてですと宣言したり気付いた人が
ナビすれば平気かな?と。作ってくれて>>326さんもありがとう!
342名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 00:41:37 ID:6zq8Fj79
百合板のスレってSS至上主義になりがちだよね
書き手と読み手は「読んでくれた」と「書いてくれた」で対等な関係のはずなのに
SS書き崇拝みたいな空気が続くと辟易とすることはある
でも、それが嫌な人にはスレを見ない、好きな話題を振る、NG指定するとか色々と
解決策があるから書き手は気にしなくていいと思うよ
強制的にスレを見せられてるわけでもないし、>>337みたいな釈明も必要ない
人格攻撃・罵倒・中傷以外なら好きなことを好きなように書いていい場所なんだから
雑談・妄想・SSそれぞれ好きに書いて、自分に合わないものをスルーすればいいだけの話だ
343名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 02:28:50 ID:pHpHecCf
そろそろ流れ変えよう。

ボーカルアルバム2、一巡聞いたのでファーストインプレッション。

1に比べると全体的に「いい歌」になったかな。
でもおーいぇいキュアキュアみたいなインパクトのある歌も欲しかったw

美希タンの歌が3人への感謝の気持ち、というのは良い。
ただ、旅立ちとお別れを含む歌詞なのがちょっと寂しい気持ちになるね、時期が時期だけに。

あと、ラブの歌は元気に、せつなは勇ましく。ブッキーとミユキさんは…イマイチ印象がw

ところで1に続いて歌詞カードに使われる劇中の絵のチョイスに
せっちゃんへの愛がイマイチ感じられないんですが。

344 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:05:29 ID:KZMo/3ik
どうも。こんばんは。

>>343
ボーカルアルバム2、もう出ていましたか。きっと週末まで忙しくて買いに行くことも出来ない・・・・・・
早く聞いてみたいものです。
そんなに愛が無かったっけ、と思って確かめてみたら――――ホントにw
個人的にはオリジナルサントラ2が出るとしたら、みんながそれぞれ子守唄を歌ってて欲しいと
思ったりしてます。


さて。
感想を下さった皆様、ありがとうございました。

そして、連日の投下ですが・・・・・・

>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
>>316-322 巡り、迷う――――落ちる
の続き

『そして、悲劇』
シリアス、非エロです。

書き込み無し、確認。
345 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:07:28 ID:KZMo/3ik
 せつな。
 せつな。せつな。せつな。
 思い浮かべるのは、幸せな時間。共に過ごした、大切な記憶。

 せつな。せつな。せつな。せつな。せつな。

 どうして何も言わずに行ってしまったのか、とか。
 どうして自分達を信じてくれなかったのか、とか。
 そんなことを、ラブは――――キュアピーチはもう、考えていなかった。
 ただ一つの言葉を、心の中で念じるかのように繰り返すだけ。

 せつな。せつな。せつな。せつな。せつな。せつな。

 会いたい。すぐ側に行きたい。無事でいて欲しい。全ての気持ちが集約されて。
 せつな、と彼女は繰り返す。ただ、繰り返す。
 そして、屋根の上を駆ける。風よりも速く、彼女の居場所へと自らを導く鳶を目の端で捉えながら、ただ一目散に駆け
る。

「ピーチ!!」

 誰かの声が聞こえた気がした。けれどそんな意識も、せつな、という単語に塗り潰される。
 彼女は駆ける。一瞬でも早く、せつなの元に辿り着く為に。


 その背中を、ベリーとパインは必死に追いかける。

「速すぎるよ、ピーチ」

 少しずつ遠ざかる彼女の姿に、パインはわずかに息を荒げながら呟く。彼女は持久力に秀でている、と言われている
が、それは一定のペースで刻み続けてのこと。今は、全力疾走をずっと続けるようなものだから、いくらプリキュアと
なっているとはいえ、疲労が脚を鈍らせる。
 無論、彼女とてせつなを案じているからこそ、へたりそうになるのを我慢して走っている。走っているのだが――――

「周りが見えなくなってるわね、あの子」

 パインの身を案じるように隣に並ぶベリーが、冷静にそう指摘する。
 そう、ピーチの速度は、まるで鈍らない。まるで、無尽の体力を持っているかのよう。
 多分、リミッターが外れてしまったんだろう、そうベリーは考える。
 昔からラブは、何か一つのことに集中すると、他が目に入らなくなり、限度を越えた異様な集中力を発揮する子だった。
今はそれが、せつなを助けるということに向けられているのだろう。だから、仲間の声すら聞こうとしないで駆けている。
 単独行動なんて、ラブ、それじゃせつなを責められないわよ。そう心の中でぼやくが、文句は後回しにする。
346 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:08:45 ID:KZMo/3ik
「ここは、ピーチに任せましょう」
「ベリー?」
「今は少しでも早く、パッションに助けが必要よ」

 そう言いながら、愁眉を曇らせるベリーに、パインが不思議そうに尋ねる。

「ベリー、どうかした? なんだか、焦ってるみたい」

 指摘されて、ベリーはわずかに目を細める。その視線の先には、だいぶ小さくなってしまったピーチの背中があって。
 確かに、彼女は焦っていた。そしてそれには、理由があった。
 何故か、とても――――とても、胸が痛い。それは、ここまで必死に走ってきているから、というのではなく――――
もっと、心の問題。
 口にする必要がない。判っているのに、ベリーは、思わず口に出してしまう。自分の抱えている不安を。

「嫌な予感がするのよ――――嫌な予感が」






        そして、悲劇 





 ダンッ

「ぐっ」

 ダンッ

「がっ」

 ダンッ

「あ、く――――!!」

 ダンッ

「あぁっ!!」

 足首に絡みついた木の根。鞭のようにしなるそれに、パッションの体は振り回される。まるで子供が玩具を乱暴に
扱うように。
 壁に、地面に、叩き付けられる度に、少女の口からは抑えきれない悲鳴が漏れる。必死に噛み殺そうとして、なお
消しきれないそれは、とても悲痛なもので。

「フフフフ」

 だがノーザの耳には、それは全て甘美な響きだった。恍惚の表情を浮かべながら、土にまみれるパッションの姿を
眺めている。
347 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:10:34 ID:KZMo/3ik
「いいわ、いいわよ、せつなちゃん――――貴方の不幸、とっても甘くて美味しいわ」

 もう何度目だろう。地面に叩き付けられたパッションの体が、跳ねる。それと同時に、彼女の足首を掴んでいた木の根
が、シュルシュルとノーザの足元に戻っていって。

「さぁ。もっと私を楽しませなさい。貴方にはそうしなければならない義務がある――――私を騙し、インフィニティを
持ってこなかったのだから」

 彼女の言葉が、工事現場に冷たく響く。その声が消え去る前に、ピクリ、と倒れ伏していたパッションの指が小さく
動く。そして、地面を掴んで。
 フン、と笑うノーザの前で、彼女が体を起こした。ノロノロと。四つん這いから、膝を立て、崩れ落ちそうになりながらも、
何とか起き上がる。
 その赤の衣は、泥まみれだ。彼女の美しい顔もすっかりと汚れてしまい、白い肌のあちこちに血が滲んでいる。
 ボロボロの、戦士。それでもパッションの瞳には、その名のごとく、強い情熱の炎が宿っていて。

「負け、ない・・・・・・」

 それは、宣言というには弱々しいものだった。ただ、自分に言い聞かせているだけ。
 だが彼女は、そう呟くことで、自分に暗示をかけていた。負けない。決して、負けないと。

「負けない、んだから・・・・・・!!」

 ゾクリ、とノーザが身を震わせる。
 パッションの気迫に恐怖したから――――ではなかった。その真逆、愉悦のゆえに。
 彼女は、想像したのだ。
 こんなにも強い心を折ってあげたら、どれだけ楽しいだろうか、どれだけ甘い不幸を味わえるだろうか、と。
 かつて、イースだった頃の彼女は、どこにでもいるちっぽけな存在だった。メビウス様に忠誠を誓い、彼を盲愛する
だけの、代わりがいくらでもいるただの駒だった。その頃のノーザは、彼女のことを歯牙にもかけていなかった。
 それが、こうして敵に回ったことで、こんなにも楽しめるなんて。
 ノーザは笑う。そして感謝する。運命の悪戯に。
 彼女が――――イースがプリキュアになって、良かった。

「さぁ。かかってきなさい」

 ノーザが、人差し指をクイクイと曲げて、パッションを誘う。わざと隙すら作って見せて。

「言われ――――なくても!!」

 立つのがやっと。そんな風にフラフラとして見せていたパッションが、声と同時に顔を上げ、地面を蹴る。
 ダッという音を立てながら飛び掛ると同時に、パッションはアカルンの力をフルに解き放つ。
 その場に留まるのは、瞬き程の時間も無いほどの一瞬。繰り返し、繰り返し、瞬間移動を続けて。
 ノーザの眼には、まるで、パッションが分身したかのように映っただろう。

『はぁぁぁっ!!』

 気合の声すら、サラウンドで聞こえる。そして幾人もの彼女が、ノーザに拳を叩き込もうとした、その時。

348 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:11:17 ID:KZMo/3ik
「甘い――――っ!!」

 彼女のスカートの裾から溢れた無数の木の根が、無差別に辺りの空間を薙ぎ払う。その速さは目に止まらず、ただ
、不意に薄い茶色の球体がノーザを包み込んだようにしか見えなくて。

「――――あああっ!!」

 捨て身の一撃だったから、防御など出来るわけもなく、彼女はまともに攻撃をくらってしまう。
 弾き飛ばされ、何度も地面を跳ねる。そして壁にぶちあたり、

「がっ、はっ」

 一瞬、息が止まる。それほどの、衝撃。全身が、バラバラになるかと思った。

「フフフ――――まだ、生きてるわよね」

 必死に、途切れそうな意識を繋ぎ止めて。落ちそうな瞼を、無理矢理、開けて。
 パッションは、近付いてくるノーザに目を向ける。そして思う。
 強い、と。
 瞬間移動を繰り返し、分身のようにして見せれば、隙を付けるかと思った。だが、ノーザは、自分の周りを、まるで
球のように無差別に攻撃することで、瞬間移動で近付かれるのを阻止した。
 強い、と改めて思う。捨て身の攻撃ですら、かすりもしない。
 そもそも、策を練り、ここに連れ込んだのは、必殺の初太刀をあびせるためだった。ロードローラーを用いた渾身の
一撃が通じなかった今、もはや勝ち目は無いのかもしれない。
 ラビリンスにいた頃から、ノーザがすさまじい力の持ち主だとは聞いていた。だが、これほどまでだったとは――――

「諦めたら? まだ間に合うわ。諦めて――――私にインフィニティを渡しなさい」
「誰が・・・・・・諦めるもんですか・・・・・・!!」

 本当は、もう、立ち上がるのですら辛かった。
 このまま、目を閉じて、眠ってしまえばどれほど楽だろうとも思った。
 それでも――――パッションは、立ち上がる。
 インフィニティ、いや、シフォンを渡すなんてことは、絶対に出来ないから。

 必死になって、もがくように立ち上がる彼女の姿に、ノーザは笑みをさらに深くする。
 どうしよう。どうしよう。どうやってこの心を、押し潰してあげようか。

「――――っ」

 手始めに、彼女の首筋に木の根を巻きつけ、ギリギリと締め上げながら、地面から足が離れるほど体を持ち上げて
みる。

「あ、か、っ」

 空気を求めて、喉と口が激しく動く。呼吸が出来ず、苦しみ悶えるパッションに、ノーザは再び、問いかける。

「インフィニティを――――」
「渡さ、ないわ」

 苦しくて仕方ない筈なのに、気丈に答える彼女に、そう言うと思った、とノーザは心の中で思った。
 本当に強い子だ、この子は。
 あぁ。
 楽しい。楽しいわ。いったい、どれだけ楽しませてくれるというの。
 さて、どうしようかしら。
349 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:12:08 ID:KZMo/3ik
 そんな物思いにふけっていたから、だろうか。

「はぁぁぁぁぁっ!!」

 激しい気合の声と共に飛び込んできた人影の攻撃に、ノーザは直前まで気付くことが出来なかった。
 その蹴撃は、パッションの首を掴んでいた木の根に突き刺さる。そして、それを切り裂く程の力を秘めていて。
 さすがに驚きを隠せず、飛び退るノーザ。そんな彼女に目もくれず、人影は――――キュアピーチは、地面に倒れ
こみそうになったパッションの体を抱き止めた。

「ピーチ・・・・・・?」
「せつな。良かった。無事だったんだ」

 優しく微笑んで、ピーチはギュッ、とパッションの体を抱きしめる手に力を入れる。その桃色の衣が、彼女の血や泥で
汚れることを厭わないで。
 だが、それは一瞬のこと。

「待ってて。パッション。ここはアタシが――――」
「ダメよ、逃げて!!」

 ノーザに向かって、構えを取ろうとしたピーチの肩を、パッションが強く掴む。

「え?」
「ノーザは強いわ。私達じゃかなわない――――ここは、逃げて。私を置いていってもいいから!!」
「何、言ってるの、パッション!?」
「いいから!!」

 驚きに目を見広げるピーチ、だがパッションも引き下がることなく、ピーチをノーザと戦わせまいとする。
 そんな二人の様子を、面白そうに眺めていたノーザが。

「フフ」

 一人、ほくそ笑む。思いついたのだ。


 どうすれば、皆を不幸にさせられるか、を。


「戦ってはダメ!! 逃げて!! そして守って!! シフォンを――――皆を!!」
「だからって、パッションを置いてなんていけない!!」

 コロコロコロ。ノーザの衣の袖から落ちた一個の実が、コロコロと転がっていく。少女達の足元を通り過ぎ、その背後
で動きを止めて。

「私が倒すから!! こいつとは、私が戦うから!! だからピーチ!! お願い、逃げて!!」
「パッション――――」

 すがりつきながら、目をうるませながら、頑なに言うパッションの声に、ピーチは驚きを隠せない。一体、何がそんなに、
彼女を駆り立てているのか。どんなことをしても、戦わせたくない、そう願っていることがわかる。
 だが。

「ダメだよ、パッション」
「ピーチ!!」
「どうしてもパッションが戦うって言うんなら――――アタシも一緒に戦う!!」
350 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:12:32 ID:KZMo/3ik
 その言葉に、パッションは唇を噛む。判っていたはずなのだ。彼女なら、そう言うだろうと。なのに自分は――――
それを、言わせてしまった。もっと、違う言い方があった筈なのに。
 だが、もう遅い。彼女は、ノーザに向かい合っている。炎のように眩しく輝く瞳で、氷のように冷徹な彼女を見つめて
いる。
 戦わせるしか、無いというの――――
 思いながら、目を伏せた、その瞬間。
 視界の片隅で、何かが起き上がった。黒々とした物体が、形を変えながら、立ち上がって。

『ピーチ!!』
「え?」

 二人の仲間――――ベリーとパインの声に、ピーチが背後を振り向くと。

「ソレワターセ!!」

 巨大な姿を表す、怪物がいた。
 その、触手のような腕が、空気を裂きながら彼女を突き刺そうとする。

「ピーチッ!!」

 驚く彼女を庇おうと、飛び込んでくる一つの影。
 そして。


 鮮血が、舞った。


351 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/26(木) 03:13:55 ID:KZMo/3ik
以上です。続きます。

読んで頂けたなら幸い、続きを書かせて頂ければこれ以上の幸せはございません。
ともあれ。
何卒宜しくお願いいたします。
352名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 03:23:46 ID:K2k8rWYR
ちょwなんてところで終るんだ、続きがめちゃくちゃ気になるじゃないかw

GJです。
353名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 03:51:47 ID:zITkj525
またいい所で終るwGJですけど踊らされてる感じだw続き待ってますね。
354名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 07:08:20 ID:OUJNK6iF
ねえ、生駒さん。俺これから仕事なのにww
ミスとかしたらどうしてくれんのよw
気になるとこでおわっちゃって、まぁ!
355名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 07:46:20 ID:E/EK1Eh5
この板知ってからバイト中もここ見たりSS保管庫行ったりキャラスレ行き来の繰り返し。
日曜もシフト外してもらったぐらいWWW

アルバム買ってない…。1と2か〜。金ヤバいけど声聞きたいし百合でキュンキュンになれるなら!
356名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 08:24:09 ID:E/EK1Eh5
モバイルで公式百合画カレンダーキタ━━━(゜∀゜≡(゜∀゜≡゜∀゜)≡゜∀゜)━━━━!!!!
357名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 10:28:37 ID:ttYFbDwW
>>356
マジ?
画像見せて
358名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 10:29:38 ID:ttYFbDwW
ごめん
sage忘れたorz
359名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 11:04:07 ID:E/EK1Eh5
>>358
うぷして平気…じゃなくね?モバイル画て。
せつラブ、美紀ブキの2種類ね。待受けってーい!
360名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 12:44:52 ID:+y7amv2O
むむ…あれで百合画とは、なかなかハイレベルな能力が必要だな…
361名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 16:09:40 ID:WVReT5k8
見たけど全然百合じゃなかったぞw
二人がそれぞれ肩を並べてるだけじゃないかw
362名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 16:32:38 ID:zITkj525
ここの住人にはそれでも妄想展開出来る能力があるって、わたし信じてる!
363名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 16:45:12 ID:E/EK1Eh5
わかってないなW
何でもないような事が幸せだと思わない?
幸せの発展こそ百合なんだぜ!
364名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 16:46:18 ID:zITkj525
スマン。虎舞竜思い出した。
365名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 17:23:07 ID:E/EK1Eh5
>>364
二度と戻れなくなっちゃうから忘れてW
アルバム買って北。みんな歌上手なんだねー
366名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 17:34:50 ID:+y7amv2O
>>365
ラブやんのクリスマスソングどうだった?こ…怖くないか?
367名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 17:43:12 ID:E/EK1Eh5
キャラソンを初めて買ったし今は嬉しさと恥ずかしさと声が聞ける喜びでイパーイなもんでW
ミユキ先生は飛ばしたW

アルバム1のせっちゃんはラブやんのために歌ってるんだよなコレ!すげぇW
368名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 23:41:42 ID:0dUx1ycP
てすと
369名無しさん@秘密の花園:2009/11/26(木) 23:42:03 ID:kY08BpS9
>>351
ラブの見据える先には彼女しかいませんね。当然です。
守るのも彼女の役目。リミッター解除になればベリーやパインが
止めても無理でしょう。それぐらいピーチを熱くさせる何か。
―――命。絶対に捨ててはいけない。緊張の毎秒事に積み重なる展開。
ノーザ…。せつな・パッションの苦しみ、苦痛をも味わう気か…。
370名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 02:31:55 ID:6729isa/
ボーカルアルバム2のせっちゃんの曲、
次回の占い館に乗り込む際の心境を歌い上げているようで…
このままじゃ弱い考えしか浮かばないよ、ラブの兄貴!
371名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 02:43:05 ID:3kGSksWu
ラブ「あたし達プリキュアの世界じゃなあ、乗り込むって思った時!すでに行動は終ってるんだッ!!」
ところでクリスマスソング怖いって何?
372名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 07:18:41 ID:cFFzGmPp
>>371
ラブさん勇ましすぎっす!ぱねぇっすよ!

リアルな話、最悪展開は今週無いのかなと。てかいい加減プリプーも平和に導くなり何とかしろよとw

しばらく百合不足になりそうで鬱や…
373名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 07:21:24 ID:gtsh6p6O
ボーカルアルバムかぁ…
キャラソンって、過去の作品どれも痛い歌が多くて(苦笑
とても勇気出して買う気になれない…
いくら好きなキャラでも…痛い歌多かったから…今まで
374名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 08:06:31 ID:cFFzGmPp
2はまだ買ってないけど、1は良かったよ。それぞれのキャラにピッタリで。

4人で歌う曲も好きだ。本編でも番外な感じでアニメ化したら百合度出んじゃねwキャッキャッしながら歌ってさ。

過去のは封印だw
375名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 08:20:32 ID:k72CyFXV
>>371
あれでしょ。ラブやんの恋心とか表されてねーか?ってゆう。
376名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 08:34:04 ID:3kGSksWu
クリスマスで恋心で怖いって……。

「最初からこうすれば良かったんだよ……これでせつなはあたしだけのモノだよね……ふ…ふふ……
………………メリー……クリスマス……真っ赤な服の、あたしだけの……サンタクロース……」

みたいのが頭に浮かぶんだが。
377名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 08:43:32 ID:k72CyFXV
パッションサンタか…

パ「ねえ…ラブ?今日はこの姿で…」

的な。
378名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 08:58:04 ID:6dhSRJQ+
>>377
そうか、カレンダーのあれはラブの仕業だったのか
哀れ美希タン
379名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 09:30:35 ID:cFFzGmPp
美「トナカイなんてあたし…」
ブ「かわいいよ美希ちゃん。なでなで」

美「どうせトナカイの方に興味あるんでしょ!」









ブ「美希ちゃんの方…」
380名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 11:18:57 ID:6dhSRJQ+
獣○プレイ…
ごめんなんでもない
381名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 12:18:33 ID:sQfRbXKc
カレンダーのあのイラストは良かったな
382名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 12:26:45 ID:cFFzGmPp
小さい方が百合ってるかな。
383名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 13:58:50 ID:gtsh6p6O
桃園家にせっちゃんが最初に来た冬くらい
サンタクロースを信じさせてやってもいいよな。
朝、起きたら枕元にプレゼントが…なんて素敵サプライズ。

中学生じゃもう無理か?
「サンタさんはいつ来てくれるのかしら!」とかワクテカして眠れなくて
せっちゃん徹夜しそうだw
384名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 14:12:12 ID:cFFzGmPp
>>383
本編採用。mksb鬼門を欠番にして。
385名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 14:25:38 ID:k72CyFXV
>>383
せ「もし、本当に居たとして、私の所には来てくれるかしら…」

なんて、俯いちゃうのも良いんじゃない?
386名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 16:27:32 ID:6dhSRJQ+
>>385
そこでラブさんが100円貯金貯めて買ったプレゼントを
夜中にこっそり置きに来るわけだ。
イイハナシダナー
387名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 18:10:53 ID:k72CyFXV
バレたらウルウル、バレなかったらキラキラのせっちゃんが拝めますね。
388 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:17:44 ID:JDvxPvLj
今晩は、投下に来ました。
今度は美希ブキ、非エロ、余り長くはならない予定ですが、何回か続きます。
美希ブキは初めて、拙い文章ですが、お付き合い頂ければ幸いです。

タイトルは、「想いの枷」


生駒さん、投下早っ!でも続きが気になって気になってww
やっぱ、危ない目に合うのはあっちの子ですか?
心臓に悪いです。


>>280
かなり、好きなタイプの文章です。
刺激的、かつ扇情的なのに下品にならない描写。
ぜひ、また読ませて貰いたいです。

噛めレス、すいませんでした。
389 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:19:34 ID:JDvxPvLj
(美希ちゃん………)


心の中で何度も呟く。
平凡なはずの名前。それなのに、この上なく素敵な言葉に感じるのはなぜだろう。
わたしの綺麗な幼馴染み。強くて優しい親友。
そして特別な、大切な人。
ずっとずっと好きだった。幼い頃から。
でも、わたしはその想いに敢えて名前を付けなかった。
ぼんやりと胸を漂うに任せ、明確な形を作らせないようにしてた。
だって、辛くなるだけだから。
叶う事はない。叶ってはいけない。
だって、いけない事でしょう?どうしようもないでしょう?
女の子同士なんだもの。ずっと仲良しの友達だったんだもの。


そして、美希ちゃんも気付いてる。
わたしがどんな風に美希ちゃんを見てるか。
気付かないはずない。人一倍、人の気持ちや視線に敏感な美希ちゃんだもの。
気付いて、それでいて知らんぷりしてくれてる。
わたしが、美希ちゃんに気付かれる事を望んでいないから。
だから、気付かない振りで、ほんの少しだけわたしを特別扱いしてくれる。
わたしを一番近くに置いてくれる。
時にちょっぴり困った顔で、我が儘な妹を甘やかすみたいに。


(美希ちゃん……、好き。)

いつ頃から好きだったのかは、もう思い出せない。遠い昔の事だから。
でもこの想いが、確かな形になり始めてしまった時期は、はっきり
覚えてる。
漂っていた細い糸が絡まり合い、繭を作り始めたのは夏の盛り。
そして、その繭が孕んでいる想いに名前が付いたのは夏の終わり。


(わたしは、美希ちゃんに恋してる……。)


それは、彼女。東せつなちゃんが私たちの仲間になった頃の事。
異世界からやってきて、瞬く間にもう一人の親友、ラブちゃんの
心を奪い去ってしまった。
わたしはつぶさに見てしまう事になった。
二人の間にあった曖昧な、だけど無視する事の出来ない細く煌めく絹糸。
逆らう程に纏わり付き、身も心も絡め取られてゆく様を。
それが意思を持って紡ぎ上げられ、美しい模様を織り成し、
彼女達をくるみ込んでゆくのを。
ラブちゃんとせつなちゃんは、自分達の心を誤魔化さなかった。
わたしが何年も乗り越えられず、また乗り越えてはいけないと
信じていた壁を、出逢って数ヵ月の彼女達は越えて行ってしまった。
390 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:21:17 ID:JDvxPvLj
情熱に任せて、勢いで越えてしまった訳でないのは分かっている。
時間が短い分だけ濃密で、嵐のように翻弄されただろう。
悩んで、苦しんで、諦めようとした事だってあったに違いない。
それでも、あの二人はお互いを己の片身と決めた。


もしわたしなら、同じ様に出来ただろうか。
あんな風に、ラブちゃんのように大切な人を取り戻す為、体一つで
ぶつかる事が出来ただろうか。
せつなちゃんの様に、
自分の命が尽きるその日に、大切な人とぶつかり合う事を選べるだろうか。


わたしは、臆病で卑怯だ。
自分でぬるま湯の物足りない心地好さを選んでおきながら。
美希ちゃんにも、それを望んでおきながら。
我慢出来なくなってきてる。
視線の熱を下げられない。
想いの繭は硬く絡まり、心臓にしがみ付き、脈打つ度に
その存在を主張する。


お前は、美希を欲しがっているのだと。。


美希ちゃんは、今さら、と思うだろうか。
何年も何年も、わたしの身勝手な一人相撲に付き合わせておきながら、
今さら向き合う事を望むなんて。
わたしは想いを伝えた事はない。ただ、美希ちゃんは知ってる。
そのつもりで、接してきた。
美希ちゃんもわたしを、特別に感じてくれてるんだって信じて。
美希ちゃんも、わたしを好きでいてくれてるって信じて。


だから、わたしの我が儘な甘えを許してくれてるんだって。


美希ちゃん、どうしよう。わたし、どうしたらいい?
391 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:22:42 ID:JDvxPvLj
(祈里…………。)


優しい響きの綺麗な名前。
これ以上無いくらい、ぴったりだといつも思ってた。
彼女がマリア像の前で頭を垂れ、祈りを捧げる姿は
さながら一枚の絵画のようだろう。

穏やかで、包み込むように癒してくれる幼馴染み。
でもね、アタシは知ってるの。あなたって、実は結構ワガママだって事。


とても欲しがり屋のくせに、絶対に欲しいモノを口には出さないの。
その癖、こっちには気持ちを読み取る事を要求するのよね。
おねだりなんて絶対にしないくせに、当たり前のように
アタシが応えるのを待ってる。


でもあなたがそんなワガママを見せるのはアタシにだけ。
ねぇ、祈里。アタシ、ちゃんとあなたの期待に応えて来られたかしら。


あなたが何を求めてたのか。ちゃんと分かってたつもりよ。
アタシの事を好きでいてくれてたのよね?
自惚れてるかしら。でも伊達にモテてるワケじゃないのよ?
視線の持つ温度に気付かないワケないでしょ。
分かってるつもりよ。あなたは決して自分から何かを望んだりしない。
あなたは欲張りだから、新しいモノを手に入れる事で、他のモノを失うのが
怖いの。
けど、お行儀悪くすべてをおねだりする事も出来ないのよね。
だから、相手が察して、与えてくれるモノだけを受け取るの。
そうすれば、誰も傷付かないもの。


責めてるんじゃないのよ?
アタシだって同じだもの。
アタシ達が幼馴染みの仲良しだって事は町中の皆が知ってる。
母親同士も仲良が良くて、一緒に過ごした時間は、早くから
別れて暮らしてる弟よりも長いくらいよ。
だから、無理よね。たった一つの想いと引き換えにするには
絡んでるものがたくさんあり過ぎる。
だから、一番の幸せは考えないようにしてたんだもの。
二番目の幸せで満足しよう。誰より近くにいられる事には代わりないんだから。
そうよね?祈里。あなたもそれを望んでたはず。

アタシ達、それで充分幸せだった。
ちょっぴり物足りないって気持ちが無かったって言えば嘘になるけど。
これ以上は望んじゃいけないって。
壊れてしまうくらいなら、未完成のままでいいって。
そう、思ってたんだものね。
392 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:25:43 ID:JDvxPvLj
………本当に、まいっちゃうわよね。
あんなもの、目の前で見せ付けられたら。
今までのアタシ達の我慢、一体何だったの?って思っちゃう。


人の気持ちが目に見えるなんて知らなかった。
淡く、濃く、時に暗い色も滲ませながら複雑なグラデーションを
画いていくの。
そして、それがオパールみたいに鮮やかな結晶になって、
多彩な光を振り撒きながら、彼女達の胸におさまっていった。


その様子をまざまざと、目を背ける事すら出来ずに見守るしかなくて。
困るわよね。アタシ達が見ないようにしてたモノ。
想像する事すらしないようにしてたものが、目の前で形になっていく所を
見てしまったんだもの。
でもね、アタシやっぱり思ったわ。
あそこまで、しなくちゃいけないのか…って。
あれほどの事が起こらなければ、壁を踏み越えられないのかって。


ラブだって、相手がせつなでなければ、相手が普通の女の子なら
あそこまで突き抜ける事はなかったんじゃないかしら。
すべてを失ったせつなだから、ラブの為に己のすべてを差し出せたんじゃ
ないかしら。
ラブもそんなせつなだから、すべてを受け止める覚悟が出来たんじゃないかって。


……単なる言い訳ね。アタシ達は好きで曖昧な関係でいただけなんだから。
あの子達が、嵐のような数ヵ月で出した答え。
ラブとせつなには、言い訳を考える時間も、自分を誤魔化す余裕も無かったもの。
自分の気持ちと否応なしに向かい合わされて、直ぐに答えを出さなければ
相手を永遠に失ってしまうところだったんだもの。


アタシ達に同じ事が出来たかしら。
逃げ出さずに、その手を掴む事が。


どうしたらいいのかしらね、祈里。
踏み越えるにはアタシ達、自分で壁を高くし過ぎちゃったんだもの。
393 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:28:03 ID:JDvxPvLj
心は溶け合いそうなほどに近くにあるのに、それに反比例して
体の距離は離れていく。
ふとした拍子に触れ合う指先。意識しなくても絡む視線。
手を繋いで歩き、ふざけて抱き締めあったのは、もうどれくらい前だろう。


何も考えずにお互いを求め合えた幼い日々。
初めて、触れ合った部分に疼くものを感じたのはいつだったか。
いつしか、手を繋がなくなった。
並んで歩く肩がぶつからないよう、いつしか、ラブを真ん中に挟んで歩く
ようになった。
今ではラブとせつなの二人を間に、自分達は端と端に。


余りにお互いを近くに置いてしまったから、これ以上近づこうとしたなら、
一つになるしかない。
もしも、初めからこんなに近くにいなかったら、二人の距離を埋める過程で
満足出来たかも知れない。
ここまで近づけたんだから……。
ここまで、分かり合えたんだから……。


でも、気付いた時には一番近くにいた人を、もっともっと求めたくなった時は
どうすればよかったんだろう。


(美希ちゃん、どうしたらいい?)

(祈里、どうしようか?)


好きって言ったらどうなる?
拒絶されるのは、怖い。
でも、受け入れられるのは、もっと怖い。


逃げられないもの。
もし、周りに知られたら?
もし、気持ちが冷めてしまったら?
もし、どちらかに他に好きな人が出来たら?


もしも、もしも、もしも、もしも……………


今は、この想いが色褪せるなんて考えられない。
でもね…、臆病だから。今までが、幸せ過ぎたから。

怖いの。ねえ、どうしたらいいの?
394 ◆lg0Ts41PPY :2009/11/27(金) 21:30:52 ID:JDvxPvLj
以上です。
初めての美希ブキ…。なんとか落とし所に落としたいもんです。
出来れば、3〜4回で収めるつもりです。


では、またお世話になりますが、宜しくお願いします。
395名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 21:40:53 ID:6XaOXak2
>>394
GJ。美希ブキOKじゃないですか。
続きお待ちしていますね。
396名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 21:41:37 ID:bhpCrSep
>>394
GJ!ふたりの切ない独白がきゅんきゅん来ました!
次回楽しみにしています
397名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 23:48:59 ID:6729isa/
>>387
「……ラブ?」

「(ギクリ)せ、せつな……起きてた……の」

「あら?ラブ、その手に持ってるのって、もしかして……」

「(バレた?ど、どうしよう……)ええっと、これはね、あのね」

「あ、もしかして……」

(!)

「サンタさんって、ラブのことだったのね!」

(えっ……そっちなの?)


というわけで、バレても問題ないんだぜ。

>>394
今回は白百合ですか?
続き待ってます。
398名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 00:30:50 ID:aKFqwiW6
>>387
ラブやんの愛に感動したせっちゃんが、はにかんだ笑みを浮かべて、熱っぽく潤んだ瞳で上目使いにラブやんを見つめるんだな。
399名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 00:33:20 ID:16taZ6vJ
明日はせっちゃんのスイッチオーバー→ビートアップの2段変身が見れる
に100ペリカ
400名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 00:38:04 ID:OZBtCQyk
>>398
ラブさんの理性の糸が一瞬で切れるな

その後ラブさんと同様に内緒でプレゼントをせつなの枕元に置きに来た
ご両親がえらい現場を目撃してしまう
401 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:15:14 ID:0hKHSBZN
こんばんは。

クリスマスネタが上がるのを見ると、年の瀬を感じますね。

>>379
なんかこういうの、好きですw

>>394
GJ。表現と言うか、言葉の選択が素敵だと思いました。綺麗な言葉で紡がれてる少女達の葛藤、
続きが気になります。


さて。コメントを下さった皆様、ありがとうございました。
続きを待って頂ける、ということは素敵なことですね。嬉しい限りです。

が。

今回の投下分。
シリアスを通り越し、非常に鬱です。
そういった作品が見たくないという方は、スルーをお願いいたします。


では、投下します。
>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
>>316-322 巡り、迷う――――落ちる
>>345-350 そして、悲劇
の続き


『ここに あなたが いない ――――Here Without You――――』
鬱、シリアス、非エロです。


カキコ無し、確認。
402 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:16:43 ID:0hKHSBZN
「だい・・・・・・じょう、ぶ?」

 地面に尻餅を付いて呆然とする少女に、彼女は言う。言いながら、その全身を見て、傷が無いことを確かめる。
 そして、少女の答えを待たずに、笑った。

「良かっ・・・・・・た・・・・・・」

 その笑顔、唇の端から、血が流れ落ちて、そして。

 彼女は、うつぶせに倒れこむ。
 トサッ。
 そんな、軽い音がした。地面が、彼女の服が、体が、真っ赤に染まっていく。

「うそ・・・・・・」

 少女は――――プリキュアとなった少女は、愕然とした面持ちで膝から崩れ落ちる。
 彼女の目の前で、もう一人の少女――――もう一人のプリキュアが、倒れている。
 その体を染めるのは、鮮血の赤。引き裂かれた彼女の衣、その下の白い肌が見えない程に、朱が全てを隠していて。
 少女は、何も言わない。意識を失っているのだろう。痛みを訴えることすらせず、ただ横たわるばかり。

「うそ・・・・・・うそよ・・・・・・」

 虚ろに呟いた後、ハッとなって、彼女は、その傷を塞ごうとする。これ以上、少女の体から血が零れないようにと。
 だが、その願いは虚しく、彼女の手が赤に染まり切っても、溢れ出る紅は止まらない。
 その朱は熱く、それがこぼれる程に、少女の体は冷たくなっていく。
 一滴、一滴が流れ落ちる度に、彼女の命の炎が弱まっていくのがわかって。

「うそ・・・・・・うそ、うそ、うそ・・・・・・」

 彼女は、ただ繰り返すばかり。
 その熱を、掬い取ることも出来ず。流れ出るのを抑えることも、出来ず。
 ただ。
 少女の傷痕を、その手で抑えるだけ。

「うそ、うそ、うそ・・・・・・こんなのって・・・・・・!!」

 頬を滂沱と流れる涙にも気付かぬまま、彼女は少女の傍らに佇む。
 目の前の光景を、信じたくないと思いながら。

 深い後悔に、身を苛まれながら。


 助けようと、思った。
 なのに。
 なのに、どうして。

 どうして、私を助けたの。


 どうして貴方が、倒れているの、ラブ!!


 せつな――――キュアパッションが、伸ばした手。
 キュアピーチを守ろうとして――――身代わりになろうとして、飛び出した。
 だが。
 彼女は――――ラブは、逆にせつなを突き飛ばしたのだ。

 そして。
 キュアピーチの体が、切り裂かれた。
403 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:18:00 ID:0hKHSBZN
「ラブ!!」
「ラブちゃん!!」

 駆け付けたベリーとパインの、緊迫した声が、どこか遠くに聞こえる。
 せつなは、ラブを見つめ続ける。
 紙の様に白くなった顔。紫色になった唇。真っ赤に染まってしまった、桃色の衣。今なお、傷を抑えるせつなの指の
隙間からこぼれる、彼女の血。
 ヒュイン
 彼女の体が、桃色の光に染まったかと思うと、次の瞬間、変身が解けてしまって。
 キュアピーチは、桃園ラブに戻る。
 だが彼女が負った怪我は、そのままで。

 ベリーとパインが、ラブに必死に呼びかけている。
 彼女の命を繋ぎとめようと、懸命になっている。
 だがせつなは、動くことが出来ず、ただそれを呆然と見つめていた。

 知っていたから。
 この光景を、知っていたから。

 もう。
 助からない。


 傷を抑える指が、感じとる。

 ラブの体が、冷たくなったのを。

 心臓は、止まっている。
 呼吸も、止まっている。

 知っていた。
 せつなは、これを、知っていた。


 これが死というもの。


 桃園ラブは。キュアピーチは。
 死んだ。
 もう、動かない。


 キュアベリーが、うなだれながら、地面を殴りつける。何度も、何度も。
 キュアパインは、それを止めることもせぬまま、顔を覆って泣き始める。

 そして、キュアパッションは――――せつなは。
 ただ、叫ぶ。

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――――――――――――――」





        ここに あなたが いない ――――Here Without You――――




404 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:19:10 ID:0hKHSBZN
 その日の空は、黒雲に覆われていた。夕方前だと言うのに、街に落ちた影は、まるで太陽を失ってしまったかのような
錯覚を覚えさせて。
 風が吹く。冷たく、身を切り裂くような風が。その寒さに、誰もが肩をすくめ、俯き加減に歩いていた。

 彼女の――――桃園ラブの告別式は、そんな日に行われた。

 告別式の会場。ラブの体は、すでに棺の中に収められている。
 親族の集う席の中に、黒服に身を包んだ圭太郎とあゆみがいる。その隣に、せつなは座っていた。
 泣き腫らした赤い目のあゆみは、放心してしまっているのか、膝の上に手を置いて、何も言わない。圭太郎が、焼香に
来た人々が頭を下げる度に、黙礼を返す。あゆみは、それに合わせるようにしているだけ。きっと今は、何も考えられ
ないだろうから。
 そして同じことは、せつなにも言えた。
 視線を下に向けながら、時折、機械的に動くだけ。

「このたびは――――」
「いえ――――」

 お経が響く中、次から次にと訪れる弔問客。その多さはそのまま、ラブという少女がどれだけ愛されていたかの証。
商店街中の人間が集まってきたかのようにすら思える。

「ク――――ゥッ――――ック」

 不意に聞こえてきた泣き声に、せつなは顔を上げる。クラスメイトであろう少女達の嗚咽の中に、一つだけ混じる、
少年の泣き声。

「なんで――――なんで逝っちまうんだよ、ラブ!!」

 彼女の棺の前。
 滂沱と溢れる涙を隠そうともせず、声を詰まらせながらそう言ったのは、大輔だった。

「なんでお前が――――!!」
「大輔。もう、それぐらいにしとけって」
「気持ちはわかりますけれど、御家族の皆さんもいらっしゃるんですから」

 背中を裕喜と健人に押されて、大輔はその場を離れる。彼が立っていた足元の地面には、涙の跡が残っていて。
 せつなはまた、目を伏せる。
 本当に――――本当にラブは、たくさんの人に好かれていたんだ。

「おじさま、おばさま」
「こんにちは」
「やぁ、美希ちゃん、祈里ちゃん」

 ビクッ。
 圭太郎が口にした名前に、せつなは体を硬直させる。顔を上げることが出来ないせつなの視界に入ってくる、二組の
黒いローファー。

「――――せつな」
「せつなちゃん」

 呼ぶ声は、少し硬かったけれど、優しさは確かにあって。だがそれでも、せつなは、二人の顔を見ることが出来ない。
ただじっと、その足元だけを見ている。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 三人の間に、ぎこちない沈黙が落ちる。そうさせているのが自分だと、せつなは分かっていた。
 分かっていて、何もすることが出来なかった。いや。
 しようとしなかった。
405 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:20:31 ID:0hKHSBZN
「せつな――――」

 重い静けさを破ったのは、美希だった。彼女の名前を呼んで、一つ、息を吐いて。

「こんなこと言うのはずるいかもしれないけれど。早く、立ち直って」
「――――うん、そうだよ。わたしたち、待ってるから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 せつなは、何も答えない。
 そんな彼女に、二人は背を向けて立ち去っていく。
 結局せつなは、目の前に来た二人の顔を見なかった。見れなかった。ただ、二人の靴を見ながら、二人の声を聞いて
いただけ。
 何も答えないままに。

 カタン ドサッ

 音がして、そちらに目を向ける。
 そこには、

「――――――――」

 力が抜けてしまったのだろうか。ラブの棺に触れながら、へたりこんでしまった美希がいた。

「美希ちゃん――――」

 心配そうな祈里の視線にも気付かぬまま、美希は動かない。時折、鼻をすする音が聞こえるだけ。でも、それでせつ
なはわかった。
 彼女も、泣いている。声を上げず、静かに――――ただ静かに。
 その顔を覗き込んだ祈里が、つられるように涙を目から溢れさせて。

 せつなはそんな二人の、背中を。
 見続けることが出来ず、そっと、足元に視線を戻した。



 ふと気が付けば、せつなは一人、歩いていた。
 どこをどうしていたのか、記憶が無い。ただ、一人で、木々の中の道を歩いていた。
 相変わらず、灰色の空。火葬場の隣に森があったから、そこに来たのかもしれない。
 今頃、少女の細く華奢な、けれども元気のたっぷり詰まっていた体は、炎に焼かれている。



 あれから、どれだけの時間が経ったのか、せつなには判らなかった。
 昨日のことのようにも思えるし、一週間ぐらい経っているかもしれなかった。
 それすら数えられなくなるほど、彼女の心は凍り付いてしまっていた。

 彼女――――ラブの死は、通り魔の犯行ということになった。
 せつなを守ろうとして、その凶刃にかかったのだと。なにしろ、彼女がプリキュアだったことは、秘密になっていたから。

 あれ以来、あゆみはすっかり塞ぎこんでしまっていた。何も言わず、ぼんやりとリビングのソファに座ったまま。お通夜や
告別式の手配は全て、圭太郎がしたものだった。

 せつなもまた、部屋に閉じこもっていた。
 誰とも会わず、御飯も口にせず、ずっとベッドに寝転がっていた。心配したクラスメイトからのメールや電話はもちろん、
近くに住む子が家に来ても、何も返事をしようとしなかった。
406 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:21:38 ID:0hKHSBZN
 一度だけ、タルトとシフォンを美希と祈里が預かりにきた時だけ、

「お願いね」

 扉越しに話しかけてきた二人に、そう返した。
 それだけなのに、声が喉に絡んだ。
 もう随分と口を開いたことが無いような気がした。そんなこと、あるはずはないのだけれど。

 
 ゆっくりと歩いていた彼女が、立ち止まる。
 足元には、コロコロと転がってきたドングリが一つ。
 それだけで、思い出してしまう。
 彼女との思い出を。

 共に過ごしたのは、ほんの数ヶ月。
 なのに、たくさんの思い出が心に刻み込まれている。
 そしてそれは、自動的に蘇る。
 このドングリは、あの時のドングリと違っているのに。
 記憶は想像を生み、やがてそれは連なって。
 自分に向けられた笑顔が、浮かび上がる。
 耳元に、声が聞こえてくる。

『いっぱい拾いたくて、皆で夢中になって歩き回っていたの』
『宝物探しみたいで、すっごく楽しかったんだぁ』
『だから、宝物なんだって』

 笑っていた。
 はしゃいでいた。
 怒ったり。
 泣いたり。
 喧嘩をしたり。
 仲直りしたり。



 そんなことは、二度と出来ない。
 ラブは、もう、いない。



 最後だよ。そう圭太郎に言われて、棺の中を覗きこんだ。
 薄く化粧を施されたラブは――――いっぱいの花の中で、まるで眠っているかのように目を閉じている、ラブは。
 穏やかに、微笑んでいた。
 最後の瞬間、苦痛を覚えていた筈なのに、何故か満足そうに。
 微笑んでいたのだ。



 せつなは、立ち止まる。
 どうして、と心の中で呟く。
 どうして、そんなにも穏やかに笑って逝ってしまったの。

 皆、悲しんでる。
 ラブがいなくなったことを、悲しんでる。
 苦しいと思ってる。

 皆、皆、皆。

 皆が貴方を、愛していたのに。
407 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:23:16 ID:0hKHSBZN
 あゆみはまだ、ラブの部屋に入れないことを、せつなは知っている。
 気丈に振舞っている圭太郎が、深夜、呑み慣れない御酒をたくさんあおって、一人で泣いていたのを、せつなは知って
いる。


 皆が、悲しんでるの。貴方がいないことを、悲しんでるの。

 どうして。

 どうして、私じゃないんだろう。
 死んだのが、私じゃなかったんだろう。


 思いながら、せつなは天を仰ぐ。
 ポツン、と彼女の鼻の頭に、水滴が落ちてきて、跳ねた。
 程なく、曇天の空から、ポツポツと雨が降り出す。

 それはまるで、この世界までもが、ラブという少女の死を悼んでいるかのようだった。

















「せつな!! せつな!!」

 必死に呼びかける、ラブ――――キュアピーチ。
 揺り動かされて、しかし、せつな――――キュアパッションは、目を閉じたまま、開けない。
 死んでいる、わけではない。確かに、ソレワターセの攻撃からピーチを庇い、彼女は傷を負った。だがそれは軽症
だったし、何より、ドクン、ドクンという鼓動が、確かに彼女から感じ取ることが出来た。
 けれども。
 その顔色は、青白く、血の気がまるで感じられない。そして時折、うなされている。

「ピーチ!!」
「パッション!!」
「ベリー、パイン!! せつなが――――せつなが!!」

 駆けつけてきたベリーとパインに、ピーチはすがりつく。

「落ち着いて、ピーチ。パッションが、どうしたの?」
「目を――――目を、覚まさないの!!」
「当然よ。覚めない夢の中にいるのだから」

 ハッ、と顔を上げる三人の少女達。その声の主、ノーザは腕を組んで、彼女達を見下ろすようにしながら、薄い笑みを
浮かべている。
408 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:24:19 ID:0hKHSBZN
「どういうこと!?」
「簡単なことよ――――以前に、サウラー君が似たようなナケワメーケを生み出したことがあったと思うけれど。たしか、
戻りたいと思う記憶の世界に送り込まれ、目覚めることのない眠りにつく――――そんな能力だったかしら」
「――――!!」

 それを聞いて、ラブは思い出す。写真館のカメラに憑依したナケワメーケの力で、ラブは記憶の中の過去に戻り、
祖父・源吉と出会った。幸い、その時は、戻ってくることが出来たが・・・・・・

「まさか、せつなも!?」
「ええ、そうよ。ただし、私はサウラー君ほど、甘くはないの」
「何が!?」
「せつなちゃんが見ているのは、とってもとっても、不幸な夢。彼女が一番、恐れていることが起きているはずよ、夢の
中ではね」

 ノーザの言葉に、ピーチは自分の胸の中のパッションを見る。確かにそれは、苦痛の表情。
 何が起きているのかは、わからない。ただ、最低な夢を見ているだろうことだけはわかる。

「どうしてこんなこと!!」

 珍しくパインが、怒りに声を震わせながら叫ぶ。それだけ、パッションの表情が苦しそうなものだったのだ。
 が、ノーザは嫣然とした表情で答えた。

「決まってるわ。不幸になってもらう方が、私が楽しめる」
「――――!!」
「楽しみだわ。せつなちゃんの不幸を、たっぷりと味わえるんですもの」

 舌なめずりをせんばかりの彼女の言葉に、耐え切れずベリーとパインが腰を浮かせる。ピーチも、パッションの体を
抱きしめたまま、キッとノーザを睨みつけて。

「まぁ、けれど」

 そのまま飛びかかろうとする二人、だがそれを抑えるように、彼女が機先を制す。

「解放してあげてもいいのよ。貴方達の大事な大事な、せつなちゃんを」
「だったら、今すぐに――――」
「ただし」

 ベリーの言葉を遮るノーザの声が、静けさを切り裂いて。
 一瞬、息を呑む三人の少女。その間に、キュアパッションに傷を負わせたソレワターセが、体をうねらせながら、
ノーザの背後に回る。

「ただし――――貴方達が、インフィニティを渡したらよ」
「な――――!!」

 言葉を失うプリキュア達の様子に、満足そうな表情を浮かべた彼女は、そして、言った。

「タイムリミットは、明日の夕方まで――――それまでに決めなさい。仲間と、インフィニティ。どちらを選ぶのかをね」
409 ◆ZU7CldKWo2 :2009/11/28(土) 03:25:46 ID:0hKHSBZN
以上です。続きます。

何卒宜しくお願いいたします。
410名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 03:27:33 ID:oa/efoHv
くはっ、上手ぇ
411名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 03:50:44 ID:yEa4cS5M
鬱展開の所で続きにならなくてとりあえずよかった…
でも、せつなの夢から現実に戻る所は、もう少し行間あけた方が分かりやすかったかもね
412名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 07:45:06 ID:rljMG8s/
いやこれぐらいでいいでしょ
長すぎると欝度が上がりそうw

しかしある程度予想はしていたが、やはりうまいっす
413名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 07:58:27 ID:FUejjiEZ
夢でも死んじゃダメだろw
414名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 08:03:50 ID:aKFqwiW6
ラブやんが死ぬなんてことになったら、おれも、死んじまうんだろうな…

起き抜け本気でそう思った。
ここまで思い入れ深めるのはどうかと思うが、やっぱりフレプリはいい作品だったなー、と。


皆さんは、フレプリ好きかい?


ところで気がかりなのは、次週ノーザさんが見せるであろうFUKOの幻影だな。三馬鹿がどのように彼女達の見る幻に登場するのか…特に大輔。

415名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 08:28:15 ID:Ak1QeD1f
>>409
泣いたよ、わたしゃあ!!
はぁ〜夢でよかったよ…
流石ですね
416名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 08:38:45 ID:FUejjiEZ
>>414
百合展開が好き。百合なSSなら読める。死ぬとか血は嫌w読んだ俺がわりぃんだけどwww
417名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 09:02:27 ID:maNyIgRI
1回それらしき展開が予測される内容が投下され
さらに注意書きもあったんだからこれは読んだほうが悪い
文句言うなよ
418名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 09:16:32 ID:maNyIgRI
と思ったけどよく考えたらさすがにこの内容だとtxtで投下するという手もあっただろうからなんとも言えんか
419名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 09:52:52 ID:FUejjiEZ
>>418
わりぃわりぃ。けどな、この人が書く話って全部読まなきゃわかんねんだwまさか死ぬとは思わないやんwww

txtとか避難所誘導とかでもいいかな。そこまでされたら流石に回避するわな。
420名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 10:33:06 ID:M1tFaNoy
ま、いちいちあれは嫌だこれも嫌だと騒ぐ奴に対応してたらきりがないんだけどね
421名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 11:08:37 ID:di7hl1fK
ところでラブやんのクリスマスソングが怖いって話はどうなったんだw
422名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 11:14:23 ID:FUejjiEZ
>>421
ラブさんらしい元気満々ソングとクリスマスに恋した乙女(Dに)と意見が別れてたような
423名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 11:20:33 ID:di7hl1fK
やっぱりD絡みで怖いって意味だったのか。ありがと。
前にこのスレでプリキュアオンラインの話になってたけど、やっぱり稼動してるみたいだな。
パッションスレにイベント追加されてどうこうってレスあった。
424名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 11:21:12 ID:M1tFaNoy
>>422
後者の方歌詞のどこにもそんな要素ないんですが
それは流石にカプ厨の妄言じゃないの
425名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 12:17:04 ID:FUejjiEZ
>>424
後者はここのカキコだったような
426名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 12:46:36 ID:GUAXA6ez
子供にせがまれて、というか自分が欲しくて
フレプリかるた買っちまったw
これで来年も再来年もクローバーと正月を過ごせる!ワーイ
427名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 12:58:09 ID:aKFqwiW6
>>424
無いのか!そりゃ良かった。なんか、乙女ラブやんのしんみりクリスマスソングみたいのじゃないかとちょっと不安だったんだ。
428名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 13:14:40 ID:M1tFaNoy
>>427
かなり強引に解釈すればそうと取れる歌詞が一行だけあるだけ
歌全体の内容を考えればこれをDに結びつけるのはかなり苦しい

429名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 13:25:23 ID:uFRnT7im
どうした?ラブの嫁はせつなだろ?Dって誰だよw
430名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 13:29:09 ID:l9JyPGiH
>>409
夢だったとはいえ、ノーザ怖すぐる

ノーザの夢の中だとノーザの力が働いてせつな以外の全員がノーザのような性格なんじゃないかと思ってちょっと鬱入った
扉越しの美希ブキがノーザみたいに笑っているとか、泣いているお母さんや大輔もせつなに見えないように笑っているとか、口癖が人の不幸は蜜の味になっているとか嫌な方向にばっかり進んでいっちまう
431名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 15:47:29 ID:aKFqwiW6
ふと思ったんだが。

せっちゃんってとっても素敵な奥さんになりそうじゃあないか?
432名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 16:29:42 ID:M1tFaNoy
>>431
なりそう、じゃない
現在進行形でなってますが
433名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 19:01:25 ID:2sXHDCDm
ていうかクローバー全員いい奥さんになりそうだよな
みんな家事をよく手伝っていそうだし
434名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 19:15:04 ID:XUxgii1D
>>394
では自分はちょっと視点を変えて。
あえて改行や行間を無くす、狭くする事で互いの熱き心や想い、
伝えられない感情や愛しさを表現されたんですね。
孤高の美希と気持ちを押し殺す祈里。そして親友との対比。
自分たちと重ねる事で新たな壁を作ってしまう。愛し合う事の難しさ…ですね。

>>409
まさにタブー≠ネテーマかもしれませんね。同志の反響はまさにその物。
勿論自分も。家族や親友、せつなの悲しみは計り知れない。何故か自分は大輔の
叫びで涙のピークが来ました。みんなに愛されてた存在を誰よりも近くに
いながら、遠くで見ていた。そして、別れは突然…。
ダメだー、ノーザが憎たらしくてしょうがねぇ!!!


久しぶりに合作を作ってみたいのですが…
376、377、378、379、383、385、386、387、397、398、400の
書き込みをされた方々。許可を頂ければと。。。
435名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 21:15:40 ID:lKu79sbd
>>409

途中で予測できたとはいえ、告別式の描写とか
リアル過ぎて鬱になった。


でも、続き楽しみなの。
436名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 21:54:21 ID:XUxgii1D
フレダン仲間とやりに行って、帰りにコンビニ寄ったら
ありましたよ「おともだち1月号」。

ネタバレ祭りでひっくり返ったwww
先を知りたくない同志は絶対買っちゃダメだw
テレビ雑誌より先行ってたw

DVDはほぼゲームやフレダンの宣伝。
序盤は必殺技特集とピックルン解説。
前回みたいなキャッキャウフフは少ないかなー
437名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 21:59:06 ID:aKFqwiW6
>>432
大学生辺りのせっちゃん想像してた。髪は後ろのは肘の上くらいまで伸びてるのがいいかな…


お父さん、お母さん、そして、ラブ。
私に帰る場所を与えてくれた。
私は、みんなの帰る場所を守りたい!的な。

昼間は圭太郎さんは会社、あゆみさんはパート、ラブやんは…なんだろ?だから一人で
家で洗濯、掃除とか。


午後、洗濯物を畳む手をふと止めて壁にかかった時計を見る。

そこであゆみさんが帰ってくるんだな。
買い物袋を運ぶのを手伝うせっちゃん。

夕飯の支度を始める。楽しそうにおしゃべりしながら。


圭太郎さんが帰ってくる。
二人で玄関に向かい、三人で居間に戻る。
廊下を渡るシーンは、脚のみを映してるのを想像して欲しい。数が増えていくのがポイントだな。

食器を並べ始める手を止めて、また時計を見上げる。そろそろラブが帰ってくる時間。

ラブやん帰宅。
「たっだいま〜!!は〜お腹すいたー」

パタパタパタ…
スリッパをパタパタ言わせる。これ大事。

せっちゃんとびきりの笑顔で
「おかえり、ラブ!」

ラブやんもにっこり
「ただいま、せつな!」

もちろんラブやんと二人暮らしでもイイんですが。

SS書けないのに、長々とごめんなさい。
…同じようなの書き込んだことあったかも…
438名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 22:09:24 ID:dbFQU+Va
>>434
378,386,397です。
合作使用OKなのであります。
むしろ好きなように加工して使っちゃって欲しいですわ。
439名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 22:23:37 ID:aKFqwiW6
>>434

>>377>>385辺りです。どうぞどうぞ。
440名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 22:38:44 ID:2sXHDCDm
自分>>383です。合作楽しみにしてますwウフフ

もうおともだち出たのか。買いにいかねばならんな。
441名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 22:50:04 ID:Ak1QeD1f
>>436
まじか!ところで「おともだち」にもDVDつくの?「たのしい幼稚園」にもつくんだよね?
じゃあ2つ出るって事かな?
442名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 23:11:45 ID:XUxgii1D
>>438>>439>>440
ありがとうございます!お借りしますね。

>>441
今回もたの幼と思ったらこっちには付いてなかった。
おともだちだけ。ちゃんと前回の続編扱いになってるよん。
443名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 23:14:32 ID:GUAXA6ez
>>437
SSを読んだあとと同じ、ほんわかした気持ちになりました。
GJ!

>>441
前回には「たの幼」で、今回は「おともだち」だった気がする
444名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 23:20:45 ID:aKFqwiW6
うおお。今度はおともだちかあ。


はやくレジのお姉さんのアノ複雑な表情が視線が声が、快感に変わるとイイなあ。
445名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 23:27:59 ID:aKFqwiW6
>>443
と思ったらGJされとったー。ありがとうございます。
おれもいつかキチンとSS書きたい…。

短時間に何度も、失礼しました。
446名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 23:48:50 ID:GUAXA6ez
>>437
自分の中でのラブさんの職業は、以前誰かが書いてたけど、プロダンサーがいいな。似合う。

せっちゃんは図書館の司書さんとか似合うって思いませんか?

親元を離れてのふたり暮らし…イイ!
同棲しちゃったら最高。
447名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 00:14:10 ID:58GTPMfV
>>446
司書…
おれも思っとりました!!
学校でも、図書委員だったりするんでない?てかそれしか思いつかんw

せっちゃんが本読んでたの描かれてたのって、が、イースの頃に一回とブキせつ回で一回だっけ?
それだけなのにねえ。本が似合うねえ。

タイトなスカートに白いシャツも…似合い過ぎるww …と、これ以上はスレ違いですね。
448名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 00:39:15 ID:NQd0atTn
>>447

どっかでうpされてたカード絵にあった眼鏡っ娘なせっちゃんは、すごくタイトスカートが似合いそうですよね

「司書なら定時で終われるから、夕食はわたしに任せて!」
「じゃ、お休みの日には、あたしが腕によりをかけて、せつなにうんと美味しい御飯を作るね!」

的な会話が聞こえてきたw
449名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 00:51:11 ID:vTVMBSUI
ダンサーで食っていくのは大変そうだからラブさんが成功するまで
せつなは安定した仕事について支えてやってくれ
美希ブキは収入面は問題なさそうだな
450名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 01:03:53 ID:NQd0atTn
>>449
ラブせつと美希ブキが同じマンソンのお隣に住むんですね、わかry

ラブせつの部屋でくつろぐせつなと美希たん。
「せつな〜アタシ、今夜はお鍋がいいな。もちろん材料費は出すから」
「また?しょうがないわね…たまには美希も自炊しなきゃ駄目でしょ」
とか言いながら、嬉しそうなせつな。
そこへラブと祈里が帰宅。
「ただいま〜」
仲良くお鍋をつつく4人。

タマリマセン!
451名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 04:08:07 ID:4K8YW0jB
>>434
アレだけじゃモノ足りないもんな〜。使ってやってよmktnトナカイw

>>436
予告とかあるの?
452名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 08:28:48 ID:gJr6LNhs
>>451
ありがとうございます。迷ったんですが合作にした方が生かせそうな
気がして。頑張ります!

予告とゆーか、どーなって行くかをちょこっと解説みたいな。

さてTV始まるな。気合いれて行こう
453名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 08:57:34 ID:zoZ2f9yO
倒れる寸前のせつなのつぶやきが「みんな・・・」とかじゃなくて「ラブ・・・」だったのがいいね
454名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 08:59:37 ID:gJr6LNhs
そうね。あたし嬉しかった!はー生き返った。良かった良かった
455名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:00:11 ID:NQd0atTn
ボロボロ泣いてしもうた…
せっちゃん良かったよせっちゃん…
456名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:01:31 ID:clhyhxK3
そう、せつなとラブが夫婦すぎて辛かった
457名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:02:26 ID:4K8YW0jB
やべー寝過ごした!平気だったのか!録画してて良かったわwFUKOになるとこだったわい
458名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:02:42 ID:Q7OM/ujk
なんだ、ただのネ申回だったじゃないですか…
しかしやっぱり2話使ってやって欲しかったなぁ

そして次回予告になってない次回予告と吹き荒れる急展開の嵐www
これは目が離せないですね!
459名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:03:25 ID:gJr6LNhs
せつなはいい奥さんだ。ラブさんも料理上手な奥さんだ。
460名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:04:13 ID:4K8YW0jB
予告だけは見たwなんだありゃ
461名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:04:15 ID:8LnGeRU2
ラブが何かあることにせつなに抱きつくのを見て、ついニヤけてしまった
462名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:05:37 ID:NQd0atTn
ってか、LCGFいらねーじゃねーかw
463名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:06:31 ID:gJr6LNhs
誰か引っ張るとか言ってなかったっけ?捉え方によっては前後編かな?
にしても急展開すぎて先週が空気w

ラブがせっちゃんを好きなのはもうわかった。

結婚まであと2年のご辛抱!
464名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:08:52 ID:4K8YW0jB
せつな色気づいたのか!実況やばかったべなw すいません今見てますw
465名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:09:22 ID:NQd0atTn
>>463
パッションの姿なのに「せつな!」って抱きついてたしねw
466名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:12:40 ID:gJr6LNhs
>>465
あんなの見ちゃったら美希ブキにも影響出ますがな。
(アタシたちもあんな風に…)
(うらやましいなぁ…)
あ、黒ブキさんのSSじゃんコレw

>>462
LCGF2回封印でも勝ててる件www
467名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:13:53 ID:zoZ2f9yO
そういや、変身してても普通に本名で呼ぶのって珍しいな
無印ではたった一回しかなかった気がする
468名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:14:45 ID:4K8YW0jB
せっちゃんの部屋に鏡はダメだ!てかラブやんと一緒に寝るんだ!
469名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:20:16 ID:uBE8AJKU
ほんと11月は神回&良質の燃料でいっぱいでしたねー。

は、先週?やだなあゴルフでお休みだったじゃないですか。
470名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:20:32 ID:NhS6SWwK
くそっ泣いてしまった

エロSS書く手が止まってしまったorz
俺に煩悩を
471名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:24:45 ID:uBE8AJKU
>>470
泣けばいいと思うよ。
涙の数だけ人はエロくなれるから
472名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:25:43 ID:gJr6LNhs
ね、鏡は桃園家にとって地雷になりつつあるw
ラブって「美希!」とか今回のパッションなのに「せつな!」とか
ドキっとさせるんだよねー。魅力的なお方だ、ラブさんは。

>>469
圭太郎さんですかw本スレでも抹消しろとか連発だったし、先週。
>>470
ちょw何その振り幅www

てか来週こそ読めないんだが…
473名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:27:40 ID:4K8YW0jB
拘束を見て卑猥な感情が出てしまったのでゲージ汁浴びて来ます
474名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:33:17 ID:uBE8AJKU
今回はせつながいなくなってガチ泣きするラブさんでお腹一杯。
なにこの娘すっごく可愛い。
475名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:35:26 ID:gJr6LNhs
朝から濃いですねぇwww

ノーザ。お前のお陰でラブせつ・美希ブキはあの夜
お互いにキャッキャウフフだった…

はずw
476名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:38:14 ID:4K8YW0jB
せつな依存があるよなラブって。

だがそここそが百合だと思うんだぜ?
477名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:44:18 ID:90TJDrkL
冒頭からニヤニヤしてしまった

ラブとせつなはお互いのこと大好き過ぎw
478名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:44:41 ID:uBE8AJKU
>>476
今まで人の幸せしか考えなかったラブが、
自分自身の幸せとして見つけたのがせつななんだよ。
479名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:45:37 ID:nCO2YyYx
ラブせつサービス満載でおいしいです
ラブ大慌てのところはぐっときた
480名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 09:51:48 ID:HRF7dbdM
ネ申回すぎて子供の横で必死に涙をこらえておりましたw
もうほんとクローバー最高すぎる
ラブせつ最高すぎる
朝から感動をありがとう
481名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 10:05:57 ID:90TJDrkL
美希ブキは何時から一緒にいるんだ
まさか同伴出勤…
482名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 10:20:15 ID:NhS6SWwK
もう俺がゲージ壊してくるよ
483名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 10:21:39 ID:gJr6LNhs
だったら俺が
484名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 10:45:55 ID:4K8YW0jB
いやいや俺が…
とか言わねーよw

ここにも子連れパパいるんだね。何か嬉しいわ。せっちゃんどんだけキラーだよw

>>481
あれポイント高い。かなり萌えた。朝から一緒、あるいわ…
485名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 10:48:25 ID:3lJAY/DE
いやいや、俺がいくよ。

482・483 「「どーぞ、どーぞ」」


あれっ?!
486名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 11:09:33 ID:9SuVLBBY
それが、485の姿を見た最後だった…
487名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 11:21:56 ID:gJr6LNhs
尊い命がまた一つw

ラブさんも真っ直ぐなお人ですが、せっちゃんもまた真っ直ぐかと。
夫婦は似るんですね。わかります。
488名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 11:56:27 ID:2jT+lf1c
誰か、せつなの「私が食べてあげる」の台詞を、
せつ×らぶっぽい動画に被せてコラってくれませんか。

つかアレやはり「今夜は」ていう含みがあるとしか。
最期だと覚悟してたと思うと。

ラブがベッドで起きるなり「せつな!」って言うのも、
隣で寝てたのが居なくなってて驚いたとしか。
489名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 13:24:56 ID:MI07EGIt
美希たんのジョギングに付き合ったのかな?>ブッキー
汗かいた後は二人でシャワーですね、分かりm(ry
490名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 13:54:11 ID:58GTPMfV
レッスンはないけど、2人で自主練してた。
若しくは
レッスンの時間には早いけど、2人で自主練してた。約束してたか、たまたまか。というのもあるかも。

だが、あれ結構朝早いよな。朝飯食った後にドーナッツぅ…。タオルを首に掛けてる所を観ると、結構運動してたのか?
491名無しさん@秘密の花園:2009/11/29(日) 21:46:18 ID:XNLhm/Am
>>490
そうか!二人は前の夜から一緒にいたんだ!
492 ◆BVjx9JFTno :2009/11/29(日) 23:04:09 ID:NhS6SWwK
こんばんわ。

42話...

うわあああああああああああああああん
せっちゃあああああああああああんんん ・゜・(つД`)・゜・

本編であまりに早く夜が明けてしまったので
勝手に脳内補完しました。

せつな視点、42話ベースです。

タイトルは「出発前夜」です。

お目汚し失礼します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


明かりの消えた部屋。

夜目に慣れた目には、
このくらいでちょうど良い。

ずっと、部屋を眺めていた。

見慣れた風景。

丸いカーペット。
赤いカーテン。

お父さんの机。

493 ◆BVjx9JFTno :2009/11/29(日) 23:05:26 ID:NhS6SWwK

引き出しを開ける。

学校で使ったノート。

「帰りにドーナツ食べよう!」
「寝てたら起こして!」

授業中に、ラブが横から書き込んだ文字が
あちこちにあり、私は少し吹き出した。


犬のしつけ方を綺麗に書いてくれた
ブッキーのノート。

美希がくれた、アロマの瓶。

お母さんの、ブレスレット。


引き出しを閉めかけ、
もう一度開いて眺める。

何度か繰り返し、ようやく
引き出しを閉めた。

机の上を、綺麗に片付ける。

クローゼットの中の洋服も
きちんとかけ直す。

494 ◆BVjx9JFTno :2009/11/29(日) 23:06:07 ID:NhS6SWwK

机の上にある、
フォトフレーム。

ダンスレッスンの時に写した、
4人の写真。

手に取り、胸に抱く。

目を閉じる。


短かったけど、とても
輝いた日を過ごせた。


大切な、家族。
大切な、仲間。

お母さんのぬくもり。
お父さんの優しさ。

美希の声。
ブッキーの仕草。

ラブの笑顔。


ずっと、忘れない。

495 ◆BVjx9JFTno :2009/11/29(日) 23:07:08 ID:NhS6SWwK

空が白んできた。


目を開く。

落ち着いている。
迷いは無い。

あの時と、同じ。

イースとして、最後の闘いのため
占い館を後にするとき。

あの時と違うのは、
胸に抱く気持ち。


両手にあふれるほどの
幸せをもらった。

今度は、私が返す番。


命と引き替えに、
すべてが元に戻る。


私は、大丈夫。

抱えきれないほどの幸せは、
次の生に、引き継ぐから。





服を着替え、鏡を見る。
いい表情。

そろそろ出よう。


荷物なんて、いらない。

そう長くは、かからない。

496 ◆BVjx9JFTno :2009/11/29(日) 23:11:11 ID:NhS6SWwK
以上です。
お目汚し失礼しました。

しかし、フレプリ熱すぎる。

最近はドキドキしっぱなし。
来週も目が離せねぇ。
497名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 00:13:45 ID:ckCQn4rH
乙です。
つかやっぱり、最期の晩だから一緒に寝たと思うのよ。

ラブさん「むにゃむにゃ、せつな?・・・せつなならあたしの隣で寝てるよ?
      ・・・あれ?いない?・・・

      せつな?・・・せつな?・・・せつなぁああああああ!!!」

てなったのが、あの飛び起きるシーンで。

498名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 00:18:43 ID:aXEjdvnn
>>496
せっかく平常心に戻ってたのにまた泣いちゃったよぉ…。
もう一回見てくる!せっちゃん独白だから余計に重みが増しますね。
思い出を振り返る。みんなの事も。自分の過去も。そして―――決意
鏡を見る仕草はオープニングのあの表情…。
抱え切れないほどの幸せは僕たちももらったよ。

保管場所をお選び下さい(ラブせつ、準SS、複数)
499名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 00:19:47 ID:DHQamRYX
>>496
GJです。いつも思うけど、◆BVjx9JFTnoさんのSSは詩みたいだね。
シンプルだけど印象的な言葉の選び方がすごくいいと思う。
500名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 00:35:15 ID:aXEjdvnn
公開から時間も大分経ちましたので、したらばに予定通りスレ立てました。
映画的百合な雑談や妄想、SSはこちらでどうぞ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1259508438/
ネタバレ御免!俺はまだ見に行ってない!DVDで見る!
そんな同志は閲覧しないでね…
501名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 00:46:56 ID:Adx0V0U2
>>496
前夜の保管、完了しました!GJ!
502名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 01:11:18 ID:GXskF3Zn
せつなは思い込むと本当ハラハラしちゃうよね。そんなに背負う事無いのにさ。

>>496さんいつもGJ
503名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 06:39:17 ID:aXEjdvnn
おはようございます。書き込み提供して頂いた方ありがとう!
合作出来ましたので宜しければお読み下さい。
クローバー、百合ほぼ無し、会話多目、若干パロディ入ってます。
数レスお借りしますね。では…
504MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/11/30(月) 06:40:33 ID:aXEjdvnn
【真っ赤な衣装はサンタの証?〜サプライズは突然に】



「来月のパジャマパーティーなんだけどね。」
「クリスマスイブでしょ?ちゃんとアタシ、スケジュール空けといたわよ。」
「わたしも平気だよ。病院もお休みだし。」
「クリスマス…。私、すっごく楽しみだわ!」

「でね〜。あたし、こんなの用意してみたの!」
「ラブちゃん!内緒だって言ったのに…。もぅ、気が早いんだから。」

「何……コレ…」
「帽子?大きな袋もあるけど。」

「せつなはこっち。美希たんはこっちね。」
「私?どして?」
「なーーーーーーーんでアタシがトナカイになんなくちゃいけないのよ!!!」

「せつなの大好きな色ってなーんだ?」

「赤…だけど。」
「せつなちゃん。悪いんだけど…、そのキュアパッションに…」
「お願いせつな!ちょっとだけでイイから!」
両手を合わせて懇願する二人にちょっと戸惑い気味のせつな。
505MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/11/30(月) 06:41:24 ID:aXEjdvnn
「あなたたち…、アタシはほったらかしなワケ!?」
「いやいや、んな事ないよ美希たん。買ってきたのが大きかっただけだよ。」
「美希ちゃんお願い。わたし、信じてる。」

「美希が着替えるなら私も精一杯がんばるわ!」

(どう考えてもおかしくない?この現状…。)
少し不満気な様子の美希。とは言え祈里からのお願い、はたまたせつなからも
条件を突き付けられ、とても逃げれる雰囲気でもなく…。


「わ、わかったわよ!完璧に着こなしてみせるんだから!」
「わはー!ありがと美希たん!じゃせつなもお願いね。」
「わかった!」

―――チェィィィンジ・プリキュアッ!―――


(パッションサンタ…。 「ねえ…ラブ?今日はこの姿で…」 的な。)
すっかり脳内はHな事で頭がパンパンなご様子のラブ。


一方…


(すっごく恥ずかしいんですケド…)
せつなの変身に比べて、明らかに地味な変身≠フ美希。
思わず本音がぽろりとこぼれる。
506MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/11/30(月) 06:41:51 ID:aXEjdvnn
「トナカイなんてあたし…」
「かわいいよ美希ちゃん。なでなで」

「どうせトナカイの方に興味あるんでしょ!」









「美希ちゃんの方…」

祈里の本音≠ェ聞けてすっかりご満悦の美希。


が、しかし。準備が出来た二人を見つめてみると、明らかなミスマッチで。
こらえ切れずに吹き出してしまうラブと祈里。


(秘密の企画ってこう言う事だったの…。ラブの仕業なのね。…哀れな美希…)

もちろん、熱いお説教が美希からラブにされたのは言うまでもなく。
祈里の仲裁が無ければ来月のパジャマパーティーも中止になっていたはずで。


「来月楽しみにしてるよ。ラブちゃんせつなちゃん、またね。」
「うん!絶対来てね!」
「さようならブッキー。美希も似合ってたわよ。くすっ」
「せーつーなー!!!」


507MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/11/30(月) 06:43:00 ID:aXEjdvnn
〜その日の夜〜


桃園家にせつなが最初に来た冬くらい、 サンタクロースを信じさせてもいいのかな…。
朝起きたら枕元にプレゼントが…なんて素敵サプライズも考えたりして。

でも、中学生じゃもう無理かなぁ?

いや!んな事ないよ、絶対。
「サンタさんはいつ来てくれるのかしら!」とかワクワクして
眠れなくなって、せつな徹夜しそうだし。


「もし…、本当に居たとしても…私の所には来てくれるかしら…」
なーんて、俯いちゃうのも良いんじゃない?


そんな時こそ!あたしが100円貯金貯めて買ったプレゼントを
夜中にこっそり置きに来るわけだ。

(我ながらイイハナシダナー)

バレたらウルウル、
バレなくてもキラキラのせつなが拝めちゃう。


「……ラブ?」

「(ギクリ)せ、せつな……起きてた……の」

「あら?ラブ、その手に持ってるのって、もしかして……」

「(バレた?ど、どうしよう……)ええっと、これはね、あのね」
508名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 06:46:09 ID:aXEjdvnn
「あ、もしかして……」

(!)

「サンタさんって、ラブのことだったのね!」

(えっ……そっちなの?)


というわけで、バレても問題ないんだよん。
やっぱりせつなは、私の大切なお嫁さんなのだー!






「いい加減脱がせてよ…」
「いやいやいやーん。わたしだけのトナカイさんなんだもん!」
(やっぱりアタシじゃないのね…)

〜END〜


ありがとうございました。カレンダーの12月も参考にしました。
クリスマスはこのぐらい楽しいのもイイかなって。では今週も宜しくどうぞ!
509496:2009/11/30(月) 07:23:09 ID:iX5V2pZc
>>498

ありがとうございます。
保管場所は準SSでお願いします。


感想有難うございます!
あの夜はホントに色んな思いがめぐって
いたんだろうなぁと、想像が膨らみました。

今回はバンク2回だったけど、BGMの使い方が上手くて
いい盛り上がりだったなぁ。

2回目変身の時は、いつものBGMだったけど燃えたし、
2回目のハリケーンのBGMが神すぎて泣いた。

510名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 13:01:05 ID:Adx0V0U2
>>508
まとめSS可愛い!
あの後…

「そんなに脱がせて欲しかったの?じゃあ脱がせてあげる」

「祈里…」

「!!…美希ちゃん、トナカイさんの下って…裸だったのね」

「早く祈里に脱がせてほしくて…」

「美希ちゃん可愛い…」

みたいな妄想が頭をよぎったのは内緒だよw
511名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 16:24:04 ID:7bmrKRVH
>>510
直穿きか…みきたんずっと悶々としてたんだろーな
512名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 17:09:07 ID:xK5V8b5i
>>508
まとめてくれてありがとうございました。GJ!
自分の書き込みが組み込まれてて、お恥ずかしいけど光栄だぜぃw


自分のクリスマス妄想

クローバーでパーティの準備、チキン担当とケーキ担当で分かれて
キャッキャウフフしながら台所で奮闘
お母さんも、四人に指導しながらオードブル作りに大忙し
オーブンから漂ういい匂い
焼き上がった品は、ちょっと形が悪くてもご愛嬌w
パパご帰宅、美希ママと祈里パパママも合流
何故かウエスター、サウラー、ノーザさんまで現れて、みんな一緒にテーブルを囲むんだw
(どんなハナシだよwww 三バカいないのは内緒ww)

そしてみんなでプレゼントを持ち寄って、交換会を開くんだ。
「これ持ってきたの誰よ!?」みたいなw

桃園家の庭にはイルミネーション
ちらちらと降り出す雪…

百合じゃなくてごめん、でもクリスマスくらいさ、みんな幸せなのもいいんじゃん?
自分は文才ないから妄想止まりだけどw

明日から12月だね。寒いわけだ。
みんな風邪ひくなよ!w
513名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 17:16:42 ID:UrtRj+/C
>>508
まとめ乙です!
みんなの書き込みを生かそうというその心意気、しかと受け取り候。
でもね?もっと、あなたらしさを私にミセテ… なんて。

>>511
トナカイさんのままでも、ブッキーは喜んでしてくれそうですね。なにをとは言いませんが
514名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 19:14:59 ID:eKFeu9gD
昨日の放送で
せつなの単独行動が美希に簡単に看破されちゃったシーン
38話を思い出した私めは美希せつ党

33話の背中合わせのシルエットはとても象徴的
515名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 19:28:50 ID:Adx0V0U2
>>514
私めも美希せつ党に入党いたします!
ってか、もう既に背中合わせ回に入党してた!
516名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 19:46:00 ID:eKFeu9gD
>>515
面倒な手続き、入会金等は不要です
大きい方のカレンダーの最後の絵、あれが美希せつ画に見えてしまうのなら
あなたは立派な美希せつ党員です

美希 「あなたはサンタ、アタシは着ぐるみですか、動物の」
せつな「ピッタリね」
美希 「ああピッタリね」
せつな「完璧よ!」
美希 「完璧ね!!」
517名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 20:22:55 ID:Adx0V0U2
>>516
ふたりが醸し出す空気には、ラブとブッキーには入り込めない何かがありますねぇ…。
一線などはとうに飛び越えてしまった、大人な間柄。
わざと突っ掛かったり、猫撫で声で甘えたり。
デレデレツンツン
518名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 20:29:00 ID:GXskF3Zn
幼いイメージが二人には無いからね。多くを語らず雰囲気や間で繋げる二人は人気でるわな。

保管屋乙!カレンダーって大きい方か。映画で買った小さいのしかねぇ…
519名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 21:37:41 ID:K4pZ6ODn
カレンダーは2つあるからねー
520名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 22:06:10 ID:vk0Cy2sv
大きいカレンダーなら、まだ手に入るんじゃないのかな
あれは買いですぞ
ヒップラインを惜しげなく披露する美希ブキ+「私は安売りしないわよ」せつな、とか
晒し者感がたまらない(特にサンタでない方)クリスマスのアレとか

>>518
>>幼いイメージが二人には無いからね

せつな「クスッ・・・」
美希「何よ」
521名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 23:14:21 ID:aXEjdvnn
お褒めの言葉、恐縮で御座います。>>510さん保管したSS見てきて下さい〜。
>>513さんのおっしゃる通りかもしれません…。同志の書き込みを
利用してるだけみたいですしね…。もっと修行します。頑張ります!

自分、小さいカレンダーが無くて困ってたりw売り切れとかorz
522名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 00:13:24 ID:BwZE+cqy
足りなかったら加算して下さい。雑談や妄想にお使い頂ければ。
日曜のまとめです。

せつな鏡の前で身だしなみチェック
招待状はノーザが企みクラインが送った
OPは対トイマジン仕様
夕焼けをバックに河原の土手で語らうクローバー。
そして決意するせつな。
良妻せつな。が、雰囲気の違うせつなに…
気づかない最高愛情パワー発動のラブ
単身乗り込むせつな。罠には罠を。
決意。それは自分へのケジメ。過去への償いも込めての。
起きて破りの逆幸せの嵐。ラブと呟き気を失うパッション。
ラブは美希へ連絡。朝練?美希ブキ一緒。
ゲージに拘束されるせつな。ウエスター陽気、サウラー相変わらず、非常なまでのノーザ
蘇るイースの心。飲み込まれそうになるせつな。
思い出回顧録。三人の想いがリンクルンを通してせつなを呼び戻す。
一人じゃない。四人として。アカルン起動、みんなの元へ
速攻抱きつくラブ。笑顔と涙。四人の絆を再確認。

41話に比べると充実しすぎてるなぁ…

523名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 00:49:49 ID:cKJDoEFx
再会したとき、ラブやんがせつなのほおを
一発張ってから、ぎゅっと抱きしめればいいと思ったんだ



524名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 01:09:24 ID:CS/Asxl+
それやったら間違なく泣いてた。普段泣かない俺でもさすがに泣くはず。

mktnトナカイがあんなに活かされるとは…。ありがとう+恥ずかし+GJ!
525名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 01:23:58 ID:KPIyZN9g
こんばんは

>>304さんと>>306さんのイラストからネタを頂きました。
元ネタからのレスポンスが悪すぎる点についてはご容赦ください。
ラブせつ、非18禁、7レス程の長さになります。


526『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:24:34 ID:KPIyZN9g
一年の最後の月も間近に迫ったとある日の夕方。
せつなは、クローバータウンストリートに並ぶとある雑貨店の前にいた。
すっかり日の落ちるのも早まったこの時期は気温が下がるのも早い。
四つ葉中学校指定のコートに身をくるんでいるとはいえ、
じっと立っているだけの身に容赦なく寒さはまとわり付いて来る。

「冬って……こんなに寒いのね」

そう思い、身をぶるっと震わせる。
全てが管理されている管理国家ラビリンスでは、
国民が効率良く自らの役割を果たせるように、
天候や気温がメビウスや幹部達によってコントロールされているので
季節という概念は存在しなかった。
だからこれは、彼女にとっての初めての、冬。
すっかり体温が逃げ去った両の頬に手を当てながら、せつなはそれを充分に感じ取る。

(まだかしら……)

ここで待ってて。
そう言って、雑貨屋の中に入っていったラブのことを思い、息を一つ吐き出す。
せつなの口元から離れたそれは、瞬く間に白く染まり、空気の中に散っていく。
初めて見た時こそ驚かされたが、自分からやってみると、
特に意味は無いのになんだか楽しい。
続けて二回。
今度はかじかんだ手のひらを暖めるように、口元で丸めた手の平の中に一回。
吐くたびに生まれる白の流れ。
それが作られては霧散していく様を眺めていると。

「せつな、お待たせ〜」

雑貨店の扉が開き、紙袋を小脇に抱えたラブが、店の外に出てきた。

「用事、終わったの?」
「うん、バッチリ!」

問いかけに笑顔で答え、空いた手でVサインを作るラブ。
そして、小脇に抱えた紙袋を開く。

「じゃーん、これ見てよ、せつな!」

ラブが取り出して見せたのは一双の手袋。

「……ラブ、新しい鍋つかみを買ったの?」

首を傾げたせつなの言葉に、がっくりと肩を落とすラブ。
あー、そういえば形似てるっけ、と思い、気を取り直すと
改めてせつなに説明する事にする。
527『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:26:57 ID:KPIyZN9g
「いやいや。これはね、ミトンっていう手袋なんだ」
「ミトン?」
「うん、普通の手袋と違って指を入れるところが
親指とそれ以外の2つになってるでしょ?こういうのをミトンって言うの」

ほら、と言って両手にはめてみせる。

「こんな感じになるんだよ」

そのまま指を曲げたり、伸ばしたり。
その仕草が、何かそういう形の小さい生き物が動いてるようにせつなには見えて。

「ふうん……何だか可愛いのね」
「でしょ?こういうの、前から欲しかったんだ」

嬉しそうに話すラブを見て、せつなも笑みを浮かべる。
良かったわね、と素直な感想を述べると、ラブも、うん!とうなずく。
ごく普通のやり取りの筈なのに、それでとても嬉しい気持ちになれるのは

(それがラブの事……だからよね)

そう思うことで、胸の中がなんだかあったかくなる。
そのことがまた、なんだか嬉しい。
だから、この気持ちを持ち続けたいと、せつなはある提案をラブに持ちかけた。

「ねえラブ、それ、私も欲しくなっちゃったんだけど……。
 同じの、まだあるかしら?」

その言葉に、待ってました!と言わんばかりの表情を浮かべるラブ。

「じゃじゃーーん!こんな事もあろうかと、買っておいたのだ!」

そう言いながらラブが取り出して見せたのは、
今彼女がはめているのと同じ形のミトン。
ただ、ラブが今はめているのがピンク色なのに対して、今取り出したのは赤色。 
それはつまり。

「はい、こっちはせつなの分、あたしとお揃い!」
「え?」

きょとんとしたままで差し出されたミトンを見つめるせつな。

(……そりゃそうか、いきなりこんな事言われたらビックリするよね)

唐突な切り出しをした自分に反省しつつ、
ラブはせつなの手を取るとその上にミトンを乗せる。
528『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:27:39 ID:KPIyZN9g
「これはあたしからのプレゼント……一足早いクリスマスプレゼントかな?
 だから遠慮しないで、受け取って欲しいの」
「でもこれ、ラブのお小遣いで買ったんでしょ?」
「うん、向こう三週間はドーナツ我慢することが決定しててね……
 と、いやいや、それは置いといて、ね、受け取って、せつな」

手で物を横に除けるジェスチャーをしたりしながらも
受け取る事を促すラブに、せつなは首を振る。

「やっぱり悪いわ……いくらプレゼントと言われても、
 ラブの楽しみを奪ってまで、受け取るなんて出来ないわよ」

頑なに固辞するせつなに、ラブは苦笑。

(まったく、こういう時でも真面目なんだから……)

それでも、この娘に受け取ってもらいたいから。
その想いを糧に、頭の中で一つ一つ言葉を作り、繋げ、言葉にして紡ぎだす。

「あのね……これ買うときに、一緒にせつなのも買おうって決めてたんだ。
 この冬は二人でおそろいの手袋をして、手を繋いで街を歩きたいって思ったから。
 勿論これはあたしの一方的なわがまま。
 でも聞いてくれたら、あたしは嬉しいかな」
「ラブ……」
「どうかな、せつな?」
「……もう、ズルいのね、そんな言い方されたら、私断れないわよ」

そう言いながらも、せつなの顔に浮かぶのは決して不快の表情ではなく。

「え、それじゃあ……」
「うん、喜んで受け取らせて貰うわ、ラブ」

言葉通り、嬉しさを表した満面の笑みで、せつなは赤いミトンを受け取った。




529『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:28:05 ID:KPIyZN9g
「どう、せつな?」

ミトンをはめたせつなに、感想を尋ねるラブ。
せつなは、両手のそれを動かしたり、ぽんぽんと重ねてみたり。
しばらく思いのままに感触を確かめていたが、
やがて胸元で抱きとめるように両手を重ね合わせた。

「……うん、暖かいし、手に伝わってくる感触が気持ちいいわ。
 ありがとう、ラブ……すっごく素敵なプレゼントよ」

そしてまた、ラブに向けられる嬉しさの笑み。
ラブは頷くことで、それに答える。

「うん、せつなが喜んでくれるなら、あたしも嬉しいよ」
(……ってそう思い切ることが出来ないあたしがちょっと悲しいけど)

この笑顔と引き換えなら、ドーナツ三週間の我慢、安い代償じゃないか。
さっきからそう言い聞かせているのだが、心の中の一部がまだ未練を残しているらしい。

「ねえラブ、明日から三週間、貴方のドーナツ代、私が出すわ」

そんなラブの気持ちはお見通しとばかりに、
クスリと笑ったせつながラブに提案を持ちかける。

「え?……いいの?」
「ええ、これだけのプレゼントを貰ったんだから、私にも何かお返しをさせてね」
「……」
「どうする?さっきまでの私みたいに遠慮する?」

イタズラっぽい笑みで尋ねてくるせつな。

「……せつな、さっきあたしに言った言葉、丸ごとお返しする。
 ううん、せつなの方がずっとズルい」
「……どして?」
「だってあたしがドーナツ我慢出来ないのわかってて、そんな事言うんだもん!」

むー、と頬を膨らませて答えるラブ。
そんなラブの様子を見て、クスクスと笑うせつな。

「ごめんなさいね……じゃあ、ドーナツの件、OKってことでいいのね?」
「もっちろん!せつなのドーナツで幸せゲットだよ!」

そしてわはーっ、と歓声を上げながら、せつなに抱きつくラブ。
と、その視線がせつなの赤く染まった頬に向けられる。
530『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:28:41 ID:KPIyZN9g
「ねえ、せつな?」
「何?」
「さっき待ってる間、寒かったでしょ?こんなに頬っぺた真っ赤にしちゃって……。
 ごめんね本当に。もっと早く決めるつもりだったんだけど、結構迷っちゃって」

申し訳なさそうに眉尻を下げながらそう言うと、
自分の両の手の平をせつなの顔にそっと添えて、そのまま両の頬を包み込む。

「きゃっ……ラブ、何?」
「んーと、こうすれば、ちょっとはあったかいかなって」

ミトンに包まれたラブの手、
そこからの温もりが、やんわりと頬っぺたに染み込んでくる。
それだけじゃない。
こうして自分の事を思ってくれているラブの気持ち、その暖かさが心に伝わってくる。
体の温もりと心の温もり。
まぶたを閉じて、二つの温もりに身を委ねながらラブに答える。

「……………………………………うん、とっても暖かい」
「……良かった」

その言葉に、ラブの顔が安堵の笑みを作る。
待たせてしまったことの埋め合わせがこれで出来た、とばかりに。

「それにしても……」
「?」

言いかけた言葉に、せつなは疑問の表情。

「せつなの頬っぺた、手袋の上からでもわかるくらいに熱いよね」
「なっ……」

続く言葉で、体温が一気に跳ね上がる。

「わわっ!また熱くなった!せつな、大丈夫?実は風邪引いてたりするんじゃない?
 それってあたしが外で待たせてたせい?ごめんね、ごめんねっ」

伝わる熱が増したことに慌てるラブをどうどう、と落ち着かせる。

「違うわ、ラブ、熱はないから。大丈夫、安心して」
「本当なの?でもこんなに顔熱いし……」
「えっと、それは……」

言葉に詰まるせつな。
531『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:29:10 ID:KPIyZN9g
(え……それを言わせる気なの?)

相手が心を許した人だとしても、それを面と向かって言うのは流石に恥ずかしい。
黙ったままのせつなの様子に、ラブの不安が増す。

「せつな、やっぱり調子悪いんじゃ……どれどれっと」

言いながら、自分のおでこをせつなのおでこにコツンとくっ付ける。

「ちょ……ちょっと、ラ、ラブっ!」
(顔、近い、近いってば!)

人間の体温に沸点があるなら正に今がそうなんじゃないか、
それくらいに顔が熱いのを自覚しながら、せつなは言葉と心で二重に抗議する。
しかし、

「……やっぱり、すごく熱があるみたいだよ、せつな」

彼女の体を気遣うことに意識を向けているラブに、それは届かなかった。
ラブの行為はどこまでも真摯にせつなのことを思うが故のもの。
それ自体は嬉しい事なのだが、その根本が間違っている。

(全く……なんでこういう時に限って鈍いのよ、ラブは!)

心の中で文句を言いながら、せつなは止むを得ずの解決策を採る。

「……から」
「え?」

囁くように出された言葉を聞き取れず、ラブが聞き返す。

「……ラブに……されてるから……」
「ごめんせつな、よく聞こえないよ……まさか、声も出ないくらい具合悪いの?」
「……」
「せつな?」
「もうっ!こんなに顔を近づけて、頬に触られたり、おでこ付けられたりとか……
 ラブにそんなことされたら、体温だって上がるわよ!恥ずかしいし!嬉しいもの!」

感情に任せて一気にまくしたてる。そうでもしないととても言えないから。
そしてその言葉は、
―火が出るんじゃないかと思うほど赤くなった顔と
言っちゃったという後悔の感情を代償にして―
確実にラブに届いていた。
532『初めての冬、初めての幸せ』:2009/12/01(火) 01:29:46 ID:KPIyZN9g
「……あ……え、その、えーと、せつな、つまり風邪じゃないの?」

狼狽するラブ。
その問いかけに、コクンと頷くせつな。

「……つまり、全部あたしのせいですか……」

更なる問いかけにもせつなが頷いた。

「……」

沈黙。反芻。熟考。理解。
4つの工程を得たラブの心に、先程のせつなの言葉が入り込んでくる。
途端、効果音を付けるならボンッという音が相応しいくらいに瞬間的に、
ラブの顔が、せつなと同じかそれ以上に赤く染まる。

「……うわわわわわ。せつな、今更だけどあたし……
 すごく恥ずかしくなってきたんだけど……
 いくら両手に手袋はめてるからって、おでこでとか、ねえ?」
「私の方が恥ずかしいわよ!んもーっ!結局全部言わせるんだからーっ!!
 ラブの馬鹿馬鹿ばかばかーーーーっ!!!」

言葉と共に、両手をブンブンと振り回し、ラブをポカポカと叩くせつな。

「あいたたたたた、せつな、ごめん、ごめんなさーい!!」

ミトンのおかげでそんなに痛くはないのだが、
それでも頭を押さえる仕草をして、走り出すラブ。

「あ、ラブ、こら、待ちなさーーーい!」

それを追いかけるせつな。
そのまま始まる、家までの追いかけっこ。
必死で逃げながら、それを追いながら、それでも二人とも笑顔で、楽しそうで―
それはきっと、走る二人の手の先で何度もひらひらと宙に舞う、
ピンクと赤の二つの色があるから。
この冬で最初に、二人がゲットした幸せの証だから。
533名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 01:34:41 ID:KPIyZN9g
以上、十和でした。

本編が日常回から離れていくのは辛いのですけど
それでも今週の42話みたいな神回からは
何かSSを書けないか、と思ったりもしてます。
シリアスも戦闘も高すぎる壁なんですけどね……。

と、その前に競作ですね。

それではまた次回の投下時に。
ではでは。
534名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 01:52:25 ID:Lgeu3mM5
GJでした!
しかし、いつ見ても十和さんのせつなは愛らしいのう。
何と言うか、非常に年相応に甘酸っぱいのよ。ラブもせつなも。
535 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:17:30 ID:grfF6pti
>>492
いつもながら言葉の選択が絶妙だなぁ、と思います。

>>504
まとめ素晴らしいと思います。うまくまとまってるなぁ。

>>526
こういったぽかぽかする日常物は素敵ですよね。


さて。生駒です。
前回のSSについて、少し反省をしております。確かにテキストうpという方法がありましたね……

不快になられた方には、大変申し訳なく思います。
失礼をいたしました。

一方で、私のSSを受け入れて下さった皆さま、そしてコメントを下さった方々。
その寛大な御心に感謝いたします。

改めて、このスレの皆様に、ありがとうございます。


で。
衝撃の回の続きでございます。今回もまた欝っぽいですが、前回ほどでは無いのではないかと。

>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
>>316-322 巡り、迷う――――落ちる
>>345-350 そして、悲劇
>>402-408 ここに あなたが いない ――――Here Without You――――
の続き

『失いし もの ――――Just lose it――――』
シリアス、非エロです。

では投下させて頂きます。
536 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:18:16 ID:grfF6pti
「せつな……」

 ベッドに横たわった少女の手を掴みながら、ラブは名前を呼び掛ける。
 一体、何度、繰り返し呼んでいただろう。それでも、彼女は眼を覚ます気配すらない。
 時折、彼女は、うめき声をあげる。
 悪夢に捕らわれている、とノーザは言っていた。せつなが一番、恐れていることが夢の中で起きているとも。
 それが何かは、わからない。ただ、こうして彼女が苦しんでいるのを見るだけで、胸が張り裂けそうになる。

 あれから、すぐにノーザはソレワターセを引き連れて去って行った。後に残されたのは、絶望に暮れる三人の少女
と、意識を失った

一人だけ。
 部屋に連れ帰るまでの間も、抱きかかえるピーチの腕の中、力なく眠り続ける彼女は、苦しそうに顔をしかめ続けて
いた。
 そしてそれは、今も同じ。繋いだ手、だが何の反応も返ってこない。ただ、震えるばかり。

「う……うぅ……」
「せつな……」

 玉のように浮かんだ汗を、美希がそっと拭う。心配そうに覗き込むシフォンを、祈里がそっと抱き締めて。

「パッションはん……一体、どんな夢、見てはるんやろう……」

 か細いタルトの言葉に、答えを返せる者は誰もいない。

 何も出来ぬまま、時間だけが過ぎていく。

 やがて窓の外の空が紅く染まる。
 言い渡された期限まで、後一日。

 それまでに答えを出さなければならない。

 インフィニティを渡せと、ノーザは言った。

 つまりそれは、選べということ。

 せつなと、シフォン。

 どちらを、守るのかを。






     失いし もの ――――Just lose it――――


 
537 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:19:50 ID:grfF6pti


 人が一人いなくなっても、世界は止まりはしない。回り続ける。
 誰も、特別ではない。
 だから、ラブを失っても世界に朝は来るし、日常は動き出す。

 そう。時間は巻き戻らない。止まりもしない。過ぎゆくばかり。現在という一瞬は、常に過去へと変わっていく。
 取り戻すことの出来ない、過去へと。

 それでも、せつなは願うのだ。
 やり直したい。ラブを助ける為に、やり直したい。
 時間よ、止まれ。私の身を、凍らせて。
 悔恨と罪の意識に、少女の心は引き裂かれる。

 学校には、行っていない。休みを取っている。行きたくない、と言った時、圭太郎は少し複雑そうな顔をしたが、結局、
彼女の願いを受け入れた。

 その圭太郎は、会社に復帰した。夜遅くに帰ってきた気配を感じることがある。前なら、そんな時、お帰りなさいと出
迎えに行った。
 けれど、今は。

 あゆみは、まだ、立ち直っていない。毎日をぼんやりと過ごしている。パートも、ずっと休んだままだ。家事も、また。
 何もしない彼女。その背中を、見ていられなくて――――せつなは、目をそらす。だから、部屋にこもってしまう。
 タルトとシフォンの声もしない。
 静寂が怖いと思うのに、音楽をかけることは出来ない。
 それがとても、悪いことのように思えたから。
 彼女は――――ラブはもう、音楽を聴くことも、踊ることも出来ないのだから。

 リンクルンには、相変わらず、友人達のメールや電話が入ってくる。電話には出れないが、メールには全部、目を
通していた。
 その中には、ミユキからのメールもあった。由美からのメールもあった。クラスメイトの大半が、彼女にメールを送っ
てくれていた。
 大丈夫?
 元気を出して。
 異口同音に伝えられる、皆からの気持ち。想い。
 けれどそのどれも、せつなの心に届かない。
 動かせない。

 だから、返事は出さない。

 ベッドの上で、寝返りを打つ。
 意識が朦朧としていた。あれから何日が経ったのか、よくわからない。
 一日? 二日? 一週間? もしかしたら、一カ月。毎日、印を付けていたカレンダーは、もう、捨ててしまった。彼女
が死んだその日を、思い出すことが苦しくて。

 カチャ バタン

 遠くから聞こえてきた、扉を開ける音。そして、閉める音。誰かが、家を出て行った。圭太郎、ではない。彼はまだ会
社にいるから。だとしたら――――この家に残っているのは、せつなと、もう一人だけ。
 ゆっくりと体を起こし、せつなは階段を下りる。
 リビングをこっそりと覗くと、あゆみの姿が消えていた。お気に入りの買い物籠が無くなっているから、多分、買い物
に出かけたのだろう。
 せつなは、小さく目を伏せる。圭太郎に続いて、彼女もまた、日常に戻っていく。それが悪いことだとは思わない。け
れども――――
 喉が乾いていたので、冷蔵庫を開けて、ジュースを取り出す。そして、棚に手を伸ばし、コップを出そうとして。
 彼女は、見てしまう。
 赤いハートと、ピンクのハートが描かれた、二つのコップが並んでいるのを。
538 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:20:55 ID:grfF6pti
 嗚呼。まただ。
 それは自動的に始まってしまう。

『はい、今日からこれがせつなのコップだよ。アタシと色違いのお揃いだよ!!』
『せつな、ハンバーグ、一緒に作ろ? すっごく美味しいのを作って、お父さんとお母さんをビックリさせちゃおうね!!』
『好き嫌いはダメだよ、せつな。ピーマンもしっかり食べないと――――って、せつな、アタシのお皿、ニンジンは少
な目にしてくれると嬉しいんだけどなぁ』

 この、台所で。
 交わした会話の、一つ一つが脳裏に浮かび上がる。
 その時の、ラブの笑顔も。
 優しい声も。
 触れ合った肩から伝わってきたぬくもりも。
 全部が、思い出される。
 まるで、今も彼女がここにいるかのように。

『せつな』

 声が聞こえた気がした。
 振り向いた瞬間、ラブがいつものように笑っているように見えた。


 けれど、それは幻想。


 声も、笑顔も、瞬き一つの間に、かき消えてしまう。

「――――っ」

 パタン、とせつなの手をすり抜けて、ジュースの紙パックが床に落ちた。
 倒れて、その口からオレンジジュースがこぼれて広がる。だがせつなは、それを拾い上げようとはしなかった。
 しゃがみこみ、顔を抑える彼女の口から溢れるのは、嗚咽。
 ボロボロと涙がこぼれる。

「――――うっ――――っく」

 せつなは、泣く。泣き続ける。
 思うのは、ただ、ラブのことだけ。

 思えば思うほど、記憶が蘇って。
 楽しい筈の思い出が、もう、失われて戻ってこないことを、嫌というほど気付かされて。


 せつなは、守りたかったのだ。
 ラブを。美希を。祈里を。シフォンを。タルトを。
 ノーザからの誘いがあった時、彼女達に相談しなかったのは、無傷で帰ることが出来ないと思ったから。
 ラビリンス最高幹部・ノーザは強い。だから、その戦いに巻きこむわけにはいかないと、そう思ったから。
 勝てるという自信は無かった。
 けれど、命と引き換えにしても倒す、そう誓った。
 それなのに。

 せつなは、守りたかった。
 あゆみを。圭太郎を。二人の幸せを。
 ノーザの言葉に、あゆみを守れなかったかもしれないという事実を突き付けられて、心が凍りついた。
 そして決意した。もう二度と彼女達に、ラビリンスを近づけさせはしない、と。
 笑顔を失わせはしない、と。
 それなのに。

 守りたかったものは、全て壊れてしまった。
 直すことも出来ないほどに、バラバラに砕けてしまった。
539 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:21:59 ID:grfF6pti
「――――うぅ――――ひっく」

 深い、深い喪失感。
 胸の奥、心臓に、ポッカリと大きな穴が開いてしまったような。それだけ大きな、そして大切なものを失ってしまった
のだと思い知らされる。

 泣き続ける、せつな。
 思い出は、癒しにはならず。
 ただ虚無だけが、今の彼女に寄り添っていた。




「せっちゃん――――大丈夫?」

 扉を開けて覗き込んできたあゆみに問いかけられたラブは、疲れ切った顔で首を横に振る。
 せつなは、あれから一度も、目覚めない。眠り続けている。
 ラブは片時も彼女の傍を離れず、じっとその手を繋いでいる。一日中、彼女はこうしていた。時間は、もう、深夜と
いっていい時間。せつなが心配だと家に来た美希と祈里も、

「やっぱり、今からでも病院に連れていった方が……」
「…………」

 ブンブンと、ラブは首を横に振りながら、ギュっとせつなの手を握って離さない。

「ラブ。気持ちはわかるけれど、せっちゃんのことが本当に心配なら、ちゃんと診てもらった方が……」
「ごめん、お母さん――――明日の、夕方まで待って」

 あゆみの言葉を、ラブは遮った。せつなの手を掴んだまま、こちらを見てくる娘の瞳に、あゆみは言葉を失う。
 ひどく、深い悲しみ。たった一日のことなのに、憔悴しきったかのように、目の下に隈を作って。
 それでも。
 彼女の瞳の奥には、強い光があった。
 思い詰めたようにも見えはした。何かを隠しているということもわかった。
 それでも――――ラブが、せつなを信じていることがわかった。

「あたしからも、お願いします」
「せっちゃんのこと、わたし達に任せて下さい」

 部屋の中で、同じように心配そうにしていた美希と祈里が、ラブに追随するように頭を下げる。彼女達はラブの幼馴
染だから、昔から知っている。とてもいい子達だということも。
 あゆみは、迷う。常識と良心に従うなら、せつなは病院に連れていくべきなのだ。
 だが……

「お願い。お母さん」
「お願いします」
「お願いします」

 誰よりも彼女のことを心配しているのは、ラブ達だということが、あゆみにもわかっている。その彼女達が――――
常識と良心をしっかりと持つ娘達が、病院を拒絶しているということは、そこに深い理由があるのだろう。

「――――ふぅ」

 ひとつ、息を吐いて、あゆみは三人の顔を見回す。
540 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:22:52 ID:grfF6pti
「本当に、信じてもいいのね?」

 その言葉に、ラブが凛々しい顔で頷く。

「うん」
「そう。ならいいわ。貴方達を信じます――――ただし、明日の夕方になっても、せっちゃんが良くならなかったら、貴
方達がなんと言っても、病院に連れて行くわ。いいわね?」

 首を縦に振る三人。それでも、せつなの苦しそうな顔を見て、あゆみは少し迷う。本当に、これが正しい選択なのだ
ろうか、と。

「お母さん」

 そんな彼女に、ラブが言った。

「ありがとう。せつなのこと、心配してくれて」
「そんなの」

 当り前でしょ、とあゆみは続ける。

「だって、私の可愛い娘ですもの」
「――――うん、そうだね。せつなは、アタシ達の家族だもんね」

 ギュッ、とせつなの手を握って言う娘の言葉と、彼女を見つめる気迫のこもった視線に、あゆみは覚悟を決めた。
 娘を、とことん信じようと。
 親であるのも大変ね。心の中で、小さく彼女はため息をつく。育てるというのは、正解の無い問題を、毎日解いてい
るようなものだ。
 だから、自分の選択が正しいかなんて、わからない。後悔することになるかもしれない。
 それでも、この時のあゆみは。
 ラブを、そして、ラブの親友達を、信じようと。
 大切な娘を、彼女達に預けようと、そう思ったのだ。






「せつな……」

 呼ぶ声は、少し、擦れている。ラブが彼女の名前を呼ぶのは、もう何百回目かわからない。あるいは、何千回か。
 外はすでに、夜。星々が瞬く時間。それでも、ラブはせつなの傍を離れようとせず、彼女の名前を呼び続ける。

「せつな……」
「ラブ。代わるわ」

 見かねて言ったのは、今日は泊ることにした美希だった。彼女の申し出を、しかし、ラブは首を横に振って断る。
その姿に、同じく泊ることにした祈里が、悲しそうな目になる。

「ラブちゃん。気持ちはわかるけれど……このままじゃ、ラブちゃんまで倒れちゃうよ」
「そうよ、ラブ。後はあたし達にまかせて、少し、休みなさい」

 だがそれでも、彼女は手を放そうとはせず、せつな、と呼び掛ける。

「ラブ!!」

 いい加減にしなさい、そう美希が言いかけた瞬間。
541 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:23:38 ID:grfF6pti
「だって……」

 絶対に離さない、とばかりに強く握り締めながら、ラブは絞り出すように言った。

「だって――――せつなは、アタシをかばって――――アタシを――――」

 悲哀を声という形にすれば、こうなるのだろうか。美希は、そして祈里は、言葉を失う。タルトとシフォンも、何も言え
ないまま、彼女を見ていて。

「ねぇ、せつな――――起きてよ、せつな――――」

 ラブは、呼び掛ける。

「嫌な夢なんでしょう? だったら、起きてよ、せつな。楽しいことがいっぱい、待ってるんだよ。一緒に幸せ、ゲットし
ようよ――――辛いこともあるかもしれないけれど、一緒に乗り越えられるんだよ。だから――――だから、目を覚ま
してよ、せつな――――!!」

 涙が。ラブの流す、涙が。
 せつなの手に零れ落ちる。弾ける。
 彼女の、必死の呼び掛けは。


 しかし、せつなに届かない。
 目を、覚まさない。



「――――っ!!」

 せつなの手に額を当てて、ラブは肩を震わせる。
 せつな。せつな。せつな。
 強く願う。彼女が戻ってくることを。
 届かないなら、もっと強く。もっともっと強く。
 強く――――



「皆さん、お困りのようでんな」



 不意に、部屋の中に響いた声に、ラブは顔を上げる。美希と祈里に視線を向けると、驚きの表情を浮かべながら、
扉の方を見て目を丸くしていた。
 つられて、彼女がそちらに顔を回せば、そこには白髪に長い髭、短い手足に嘴を持つ、一見、ぬいぐるみのような姿
の存在があった。
 それは、ラブ達もよく知っている者。けれど、ここに現れるとは、思ってもいなかった者。
 彼は、おほん、と一つ咳払いをすると、その知性溢れる瞳で少女達を見回す。

「お久しぶりやね、マドモアゼル」
『――――長老!?』
542 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/01(火) 02:24:47 ID:grfF6pti
以上です。長老の関西弁が怪しいのは仕様です。

すいません。まだ、続きます。
よろしくお願いいたします。
543名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 03:12:05 ID:11IebMbp
>>533
お揃いのミトンいいな!白い息を何度ま吐くせっちゃん可愛ゆす…
読んだらミトンがはめたくなるSSですね。GJ!

>>542
続き、お待ちしてました。
次回はアゲアゲ展開になりそうな気配ですね!
長老!早くせっちゃんを助けて〜
544名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 03:25:39 ID:KdLbO0zm
545名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 03:56:02 ID:KdLbO0zm
>>533
ああんも〜…2人とも
か わ い い っ!!

>>304の単語の羅列を書き込んだ者です。こんなニヨニヨできるシチュエーションに発展できるなんて、スゲー…
>>306さん、今更ですが、あの時は感動しましたよ。分かってらっしゃるぅ!と。

ラブやんも赤面しちゃう所が、非常にツボりました。鈍いよラブやん。でも、真剣にせっちゃんのことを心配してたんだねぇ…そして、やっぱり2人は好きあってるんだねぇ…。
GJでした!


>>542
長老キタ!!!
思ってもみませんでしたよ、自分も。

ラブが、居ない。
つ…辛すぎる…
鼻がツーンとして、涙腺が弛みました。ホントに。な…涙は流してないんだからねっ!

続き、待ってます。待ってますから、どうかせっちゃんを目覚めさせてあげて!そしてラブやんの居る現実を確かめさせてあげて!!…次でなんて言いませんから!
546名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 07:14:38 ID:CS/Asxl+
凄いボリュームだな今日のSS。早速通勤のお供にしますよW

40、42と何回見てもネ申だけど…
何回も泣けちゃうんだよ…

3バカの入る要素見出だせない
547名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 09:08:48 ID:tWelsW6n
とあるサイト様の影響で美希受けがやばい
548名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 09:19:13 ID:Ib0adqo4
>>547
>とあるサイト様
kwsk
549名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 09:42:06 ID:CS/Asxl+
とある様の影響でイースを見るとヤバい
550名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 09:45:42 ID:CS/Asxl+
あ、パンツ先生ね。
…言ってもうたW

描くと思ったよ。拘束なんかしたらW
mktnはどこだ?今日うぷ分か?
551名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 11:10:49 ID:MgCy3J9T
美希とイ…もとい、せつなは両人とも「甘え下手」のイメージがあるんで
こいつら二人をひっつけたらどうなるんだろう、という興味はある
552名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 12:34:23 ID:CS/Asxl+
誰かラブッキーに姉妹萌えを感じるヤシはおらぬのか…
553名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 12:57:26 ID:11IebMbp
>>552
ここに居ますよw

長女:美希、次女:ラブ、三女:祈里って感じで、
美希たん以外はふたり共一人っ子なのに、
ブッキーはやっぱり妹キャラだよなあと思う。
呼称にもよるのかな?

「ラブちゃん」ちゃん付けで、少し引き加減で抑えめなブキたん
554名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 13:35:48 ID:CS/Asxl+
会議中だがこっちの方が興味あるのでW

タコ回からせつな上位の関係が主流になったよねこの二人。せつなが甘えまくってあたふたな美希。ヤバ…これも萌えるW

ラブのグッズでタオルだっけ?あの絵がブッキーに似ててさ。それからかな、ラブッキーが姉妹なら良かったのにって。

せつな入れて4姉妹物語とか考えてみる。
555名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 13:39:55 ID:KdLbO0zm
>>553
末妹が可愛くて仕方ない、元気なノー天気リーダー。けど、落ち込んで妹たちに励まされることの多い長女:ラブ

長女ほど頼りにならないけどとっても優しい、おっとりお姉ちゃんの次女:ブッキー

しっかり者で、少〜し口調が強いけど、一つ上の姉のフォローをがんばる三女:美希たん

落ち着いた物腰、もしかしたら一番大人?姉たちのことが大好きな四女:せっちゃん


なんて、逆に美希たんを妹にして、困ったことがあると「美希ちゃ〜ん」なお姉ちゃん、なんてのも好きだ。
556名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 15:01:43 ID:11IebMbp
本スレだったか、フレプリを若草物語に例えてた人いたね。

しっかり者の長女メグ:美希たん
自由奔放な次女ジョー:ラブ
臆病で心優しい病弱な3女ベス:せつな
おしゃまな末っ子美少女エイミー:祈里

やっぱり4人で暮らそうよw
557名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 15:14:43 ID:CS/Asxl+
みなみけとカオスしてしまったWWW

ブッキー長女説を唱えてみます。

優しくて面倒見のいい子。お勉強も出来て優等生。妹たちを大切にし、○○ちゃんと差別する事なく接する。

反論しないでくれW
558名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 20:27:52 ID:fXtDN3da
妹とケンカになっても、ロクに謝ってもらったことなどなく
それでも何だかんだで、唇を尖らせたり、ふくれっ面になりながら
結局自分が折れることになる損な役割のお姉ちゃん
そして、それを承知していて図に乗って甘え倒す妹

せつな「まったくその通りね 苦労するわ」
美希 「代弁どうも」
559名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 20:41:06 ID:IJzIqviY
先の日曜の放送
お姉ちゃんに「めっ」されて、涙ぐみながら「うん」の妹
何この可愛い生き物たちw

それにしても「うん」だなんて
トンガリまくって悪さして、お姉ちゃんにいなかったことにされた頃が
遠い幻のようだ
560名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:09:15 ID:tWelsW6n
>>548

さすがにサイト名は伏せるけど、検索サイトみたいなとこで×美希とあったのでそこから発見しました

説明下手で申し訳ない
561名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 22:03:43 ID:fXtDN3da
がばっ!!

ラブ「!? みっ、美希たん!?」
美希「スンスン」
ラブ「あ・・・ダメ、美希たん
   あたしたちは漢・・・じゃない女同士v」
美希「・・・違う」
ラブ「はい?」


美希「(あいつ・・・居候のくせにラブと違うシャンプー使ってやがるな)」
562名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 01:17:52 ID:RPmahkFP
久々に生駒氏の美希せつが読みたいぜ
今回の連載は途中で読むの挫折したorz
563名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 01:19:25 ID:RPmahkFP
お、IDがフレッシュプリキュアw
564名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 06:33:07 ID:jbDdaBlV
>>561
党員活動ご苦労様です!

「アイス?いいな」
「せつなも食べる?」
「うん欲しい」
「じゃ、あーんして」
「あーん」
ちゅぷん
「くっ口移しでとは言わなかったわ」
「美味しいんだからいいじゃない」
「…もっかいちょうだい」
「ふふ」
565名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 07:19:39 ID:XTOwI28V
どこ発祥か知らんが党員とか言ってると某ローゼンを思い出すな
あんな風にならないようにして欲しい
566名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 07:30:26 ID:VFek1c4D
他のCPとの比較とか、優劣を競うような発言をしなきゃ大丈夫さ。
567名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 09:07:34 ID:W3Z+Ej2l
どんなCPも魅力的だよなフレプリって
568名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 12:00:32 ID:jbDdaBlV
>>565
ローゼン某のスレは見たことなくてよくわからないけど、
嫌な思いさせたならごめんなさい
569名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 12:46:48 ID:W3Z+Ej2l
ここの住人はすぐ否を認めたり謝罪したりするよな。なかなか珍しい板だと思う。

ま、気楽にやろうや。
570名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 17:00:45 ID:XIgEg76K
甘党・辛党、コーヒー党・紅茶党程度のもんでしょ
気にしない気にしない

>>554
>>タコ回からせつな上位の関係が主流
美希にとって33話は痛恨事だったろうけど
多分それだけが原因ではないw
571名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 19:07:57 ID:3PHk6oX6
なんとかここに飛んでみてください。結構いいかも
http://cmonet.s58.xrea.com/upload/src/up1463.jpg
572名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 19:18:01 ID:fA7tX3Dj
携帯からじゃ見られない。
何?
573名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 19:44:15 ID:ezcpqgCp
>>90
GJ
574名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 21:35:41 ID:XtEzfPGX
美希たんスレみてて思った。
…ブッキーが酔っ払ったらどうなるんだろう。

いや、クローバーの皆さん…ミユキさんを加えてもいい、攻めに出るか、受けにまわるか。
全員どちらでも、良い感じになりそうじゃないか?
575名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 22:28:15 ID:+niP+Xyq
せつな「何故かあちこちで、私と美希が姉妹みたい、って言われてるみたいだけど
    うん、まあ、それはいいとして・・・美希の方がお姉さん、っていうのはどして?
    チームのまとめ役だから? ・・・偉そうなだけよ
    大人びてるから? ・・・ああ見えて結構子供なのよ
    図体が大きいから? ああそれだったらw」

美希 「・・・ちょっと、せつな、それアタシのドーナツなんだけど」

せつな「お姉さんなんだからガマンしなさい」
    
576名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 22:36:28 ID:W3Z+Ej2l
>>571
お前だろこれwww
今頃あの世なんだろ?悔しいのぉw
577名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 22:50:01 ID:+8KmO8M0
>>533
誰よりもミトンが似合うのはどして?手もちゃっちゃくて
可愛いだろうなぁ…。が、しかしだ!ラブやんの優しさが
素敵すぎて、自分はせっちゃんよりもラブやんに惹かれて
しまって。ほんと他人に優しくなれる子。もとい、嫁に
優しい嫁。最後はもちろん、き ゅ ん 死 し た 。

>>542
悲壮感すらただようラブの心情。体も心もボロボロのはず。
それでもなお呼び続けるせつなの名前。
がらんどう。心ここにあらずのせつな。大切なものを失った
代償はあまりにも大きすぎた。ラブと叫ぶ事すらもう出来ない。
どちらの世界のあゆみさんも可哀想過ぎて…orz

>>561>>564>>575
小ネタとして合同保管しましょうか?読んでて面白いもんでw
578名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 23:02:15 ID:+niP+Xyq
>>574
朝になって・・・
うずくまって忍び泣きの美希たん
夜のことを全然覚えてない、他一同
覚えてないフリの・・・せっちゃん


せつな「しっかり者、のようで実はヌケたところの多いお姉ちゃん」

美希 「カタブツで、不器用、ぶっきらぼう、そしてKYの・・・って
    ちょっと、自分で突っ掛けておいて拗ねないでよ・・・

    カタブツで、不器用、ぶっきらぼう、そしてKY・・・
    だけど正直で優しい妹」

せつな「しっかり者、のようで実はヌケたところも多くて・・・
    一言も二言も多いお姉ちゃん」
579名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 23:44:00 ID:XIgEg76K
何だかんだで頼られちゃう苦労性娘&クールぶってて実は甘えん坊将軍のツンデレ娘
理由はこれに尽きる
580名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 23:54:03 ID:+8KmO8M0
祈「お姉ちゃんたちけんかしてるの?」
ラ「うーん…わかんなーい」

祈「わたしたちはけんかしないもんね!」
ラ「うん!」


4姉妹物語書けそうだなwww
581名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 00:01:55 ID:JMj0ukHK
>>580
保管&4姉妹物語
是非お願いしますw
582 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/03(木) 01:55:13 ID:5U7sGb83
こんばんは。

感想もろもろ、ありがとうございます。

さて、連載もいい感じになっておりますが、何しろ師走。忙しさに目が回りそうでございます。
さらには、シリアス一辺倒では、これまた息が詰まる。

ということで。

>>562
呼んだ?



『Honey day, My Secret』
美希せつ、非エロです。のんびりあっさり、お気軽にさっくりお読み頂ければ。
583 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/03(木) 01:55:57 ID:5U7sGb83
「お待たせ、せつな」
「もう、遅いわよ、美希」
「ごめんごめん。ジュース奢るから、許してよ。ね?」
「もう。しょうがないんだから」

 腕を組んでしかめっ面を見せる彼女の姿に、せつなと久しぶりに二人でお出かけするから、つい気合い入れちゃった
ら遅れましたた、なんて言えないわね、と美希は思ったのだった。





     Honey day, My Secret





「それで。今日は、どこに行くの?」
「色んな所に行きたいわ。プレゼントを買いたいから」
「プレゼント? ああ、クリスマスの」
「ええ、そう。ラブに、お母さんに、お父さん。タルトとシフォンの分もね」
「なるほどね。それで、あたしに手伝って欲しい、と」
「そういうこと。美希なら、お店、たくさん知ってるでしょ」
「もちろん。任せといて。いーっぱいお店、紹介してあげるから」
「頼もしいわね。ありがと、美希」



「まずは、ここなんてどう?」
「玩具屋さん? ああ、タルトとシフォンのプレゼントね」
「そうそう――――あ、これなんてどう? アズキーナそっくりじゃない、このぬいぐるみ」
「あら、ホント。こっちのは、タルトにそっくり。そうだ、アズキーナにはタルトのぬいぐるみをプレゼントしようかしら」
「それ、いい考えだと思うわ」
「じゃあ、決まりね。アカルンにお願いして、今度、連れてってもらいましょ」
「せっかくだから、タルトも一緒に連れて行って、二人に渡してあげましょうよ」
「さっすが美希、完璧ね――――ところで、シフォンにはこれなんてどうかしら?」
「ロボットの玩具? どうして、これを?」
「電池で動くんでしょ、これ。ほら、玩具の国に行った時に、シフォンが楽しそうに追いかけてたから」
「そっか。そうだったわね。うん、いいんじゃない」
「良かった、美希にそう言ってもらえて」
584 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/03(木) 01:57:27 ID:5U7sGb83
「次はお父さんのプレゼントよね? じゃあ、この店なんていいんじゃないかしら」
「紳士服売り場? でも、そんなにお金、持ってないわ」
「わかってるってば。こういうのはね、気持ちが大事なの。ほら、このネクタイなんてどう? これなら、せつなのお小遣
いでも買えるでしょ?」
「あ、ホント。結構、リーズナブルなのね」
「ピンキリだけれどね。さ、せつなのセンスで選んでみたら?」
「うーん――――これかしら?」
「……赤が好きなのはわかるけれどね、せつな。それ、さすがにおじさんぐらいの年の人には似合わないと思うわよ
……」
「も、もちろん冗談よ。ほ、ホントはこっちがいいと思ったの」
「ジー」
「ホントだってば!!」


「おばさまとラブの分は、この店でどう?」
「――――可愛い!! 色んなアクセサリーがあるのね」
「そ。しかも、どれも安いし。結構、穴場なのよ、ここ」
「やっぱりすごいわね、美希は――――あ、これ、綺麗。お母さんにピッタリ」
「ブレスレット? 確かに、おばさんに似合いそうだけど、ピッタリって?」
「色のことよ。前にね、私とラブに、お母さんがお揃いのブレスレットを作ってくれたの。で、このブレスレットが、赤と
ピンクで出来てるから」
「なるほどね、二人の娘の気持ちを込めて、ってことか」
「うん。そういうこと」
「いいんじゃない? そういうの、あたし好きよ――――あ、ごめん、ちょっと電話がかかってきちゃった。外で話して
くるから、しばらく見てて」
「ええ、わかったわ」


「ごめん。お待たせ。事務所の人からだったわ。お仕事の話で――――ごめんね?」
「いいわよ、謝らなくても。それより、ラブの分なんだけど」
「何か、いいのがあった?」
「ええ。これなんて、どうかしら?」
「……随分、いっぱい買うつもりなのね」
「そうかしら?」
「籠にいっぱいじゃない」
「どれどれ――――シュシュにヘアピンに、ネックレスにチョーカー、イヤリングにストラップ?」
「ラブ、喜んでくれるかしら」
「喜ぶと思うわよ。その前に、ビックリするだろうけど!!」


「改めて、今日はありがと、美希」
「別にいいわよ。あたしも楽しかったから。それより、いいの? アイス、奢ってもらっちゃって」
「もちろん。本当に、感謝してるんだから」
「――――アイスだけ?」
「え?」
「感謝の気持ちって、アイスだけなの?」
「――――? アイス、だけじゃダメだった?」
「ううん――――別にいいけど――――」
「何を落ち込んでるの? 変な美希」
585 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/03(木) 01:57:48 ID:5U7sGb83
「それじゃあね、せつな。皆、喜んでくれるといいわね」
「うん、ありがと、美希。じゃあ、またね」


 去っていく美希の背中を見ながら、せつなは少し、唇を尖らせた。
 もう。美希ったら、あんなこと、言わなくてもいいのに。
 彼女のポケットには、小さな袋が一つ。
 美希が電話をかけに外に出た隙に、急いで買ったもの。
 赤の石が輝く指輪。
 もちろん、宝石なんていいものじゃなくて、せつなにも買えるぐらいのお値段だったけれど。
 それでも、見た瞬間に思ったのだ。
 これを美希にあげよう、と。
 彼女の、細い、雪を欺く白の指に、その赤はきっととても映える。
 例えば、美希が髪をかきあげる時、左手の薬指にその指輪が光っていたら。
 想像して、せつなはつい、こらえきれずにやけてしまう。嬉しくて、幸せで。
 本当なら、今日のお礼にと渡したかった。
 なのに、美希があんなことを言うから、つい、渡しそびれてしまった。
 けど、まぁいいか。
 せつなは気持ちを切り替える。
 クリスマスイブまで、もう少しだ。
 イブの夜に、アカルンで彼女の部屋に行こう。
 眠ってる美希の枕元に、プレゼントを置いておこう。
 そして――――気が向いたら、もう一つぐらい、プレゼントをあげてもいい。

 彼女の頬に、柔らかなキスの、プレゼントを。
586 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/03(木) 01:58:37 ID:5U7sGb83



 せつな、プレゼント、買ってくれたかなぁ。
 美希は思いながら、足取りも軽く家路を歩く。そこには、さっき、せつなに見せた落ち込みはかけらも感じられない。
 何故なら、それは演技だったから。

 騙そうと思ったわけではない。ただ、ちょっと意地悪をしただけ。
 だって、最初に騙そうとしたのは、せつなだったから。

 何気ないふりを装って、彼女に指のサイズを尋ねてきたり。
 チラチラと指輪のコーナーを見てるにも関わらず、頑なにそこには行こうとしなかったり。

 バレバレなのよね。ホント、正直なんだから。思って、美希は苦笑する。
 わかりやすすぎる彼女の態度に、ついつい美希の悪戯心が刺激されてしまったのだ。
 多分、せつなは今日のお礼に、とプレゼントをくれるつもりだったのだろう。
 だからこそ、先にあんなことを言ってみた。そうしたら、せつなのことだから、意地を張って何もなかったふりをする
だろう、と見越して。
 そして、案の定だった。

 次に、せつなが考えることも、美希にはわかる。
 クリスマスイブの夜に、アカルンを使って、自分の部屋を訪れてくるだろう。
 枕元にプレゼントを置きに。
 美希は、つい、にやけてしまう。

 もし、あたしがその時に起きていて。
 サンタのせつなに抱きついたりしたら。
 用意したプレゼントを、渡してあげたりしたら。
 あの子、どんな顔になるのかしら?

 想像して、美希はやっぱり笑ってしまう。幸せな気持ちに包まれて。



 楽しみだな。クリスマスイブ。
 それぞれの家路を歩きながら、二人の少女は。
 同時に、そう思ったのだった。
587 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/03(木) 02:02:39 ID:5U7sGb83
以上です。

せっちゃんにとって、ラブはやっぱり特別なので、プレゼントはいっぱいなのです。そしてそれは美希も
わかっているのです。

まぁ、それはそれとして、美希せつなわけですが。


さて、久々のほのぼの、楽しんで頂けていれば幸いです。
ではまた。次は連載の続きかな。

よろしくお願いいたします。







ちなみにクリスマスイブ、せつなが来るのを楽しみに待ってた美希は、うっかり寝てしまうでしょう。
そして起きた時、枕元のプレゼントを見て、とっても悔しがるのです。

それが美希たんクオリティ。
588名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 03:00:31 ID:JMj0ukHK
>>587
My Secretシリーズがキマシタワー!
ほんわかツンツンっぷりがたまりません。
>>562さんのおかげですありがとう!
寝てまうmktn…彼女にはそんな可愛いヘマが似合うw
あ、連載も勿論お待ちしていますよ〜
589名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 07:32:10 ID:hXCePKiv
ほんと生駒氏の美希せつはたまらんな
キュンキュンすぎてもだえるわw
590名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 07:56:34 ID:r4V3voiX
いいね。つかず離れずな所も。もっと二人の絡みも見たいんだけど、本編の流れじゃもう無理かな?

ブキせつも合宿回からないしね。

ま、辿り着くとこはせつなはラブの(ry
591名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 10:08:31 ID:+tSs/Tab
>>562ですけど…

自分の独り言がまさか現実になるとは…(汗 アリエナス
あまりにも嬉しすぎるんですけど。ひそかにずっと楽しみにしてたんで。
やっぱ生駒さんの美希せつイイ!!最高っす!!
寝オチな美希たんカワユス
独り言拾ってくれて生駒さん本当ありがとう

連載は読むの挫折してしまいましたが(基本的に長編が苦手w)
これからもSS楽しみにしとります
592名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 12:56:20 ID:47Ga4MF4
クリスマスイブにこのようなグッズが出るようです。
ttp://www.animate-shop.jp/ws/commodity_param/ctc/+/shc/0/cmc/4127464/backURL/http%28++www.animate-shop.jp+ws+main
ttp://www.animate-shop.jp/ws/commodity_param/ctc/+/shc/0/cmc/4127465/backURL/http%28++www.animate-shop.jp+ws+main

ご自身へのクリスマスプレゼントには、いかがでしょうか?
593名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 13:01:22 ID:r4V3voiX
ラブタオルも買って結婚させるかなw
てかまだ売ってんのか?

テレカはゲットしよう。いいデザインだ。
594名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 15:07:43 ID:+tSs/Tab
>>592
なんかラブとせつなの顔つきがそれぞれ違うよーな
違う人が書いてるのかな?違和感あるけど

テレカの絵柄は添い寝っぽくっていいなw 百合全開で
595名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 15:12:10 ID:RrL/gfbt
テレカいいねー。心が洗われるようだw
……美希ブキのグッズはさすがに無理なのかなあ……orz
596名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 15:25:20 ID:r4V3voiX
フレダンでペアカードあるんだから作って欲しいよね、ミキブキ。

百合全開ってイイ響きだなw
もうさ、四人でくんずほぐれずの百合百合お願いしたい!!!
597名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 15:43:14 ID:vsBZP+HX
何気に同じ服じゃ………
もうちょっと早くこの類のアイテム出して欲しかったな。
美希ブキは無理かなー。
598 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:42:17 ID:vu6cZ2qs
今晩は、美希ブキ続き投下に来ました。
ブッキーがイジイジウダウダ軽く病んでます。イラッと来そうな方、回避を。

タイトルは、「想いの裏側」

やっぱり生駒さんの美希せつはいい……。よくわかっていらっしゃる。
美希といる時のせつなに少し尖ったところが残ってるのがいいですよね。
そして、肝心なところで詰めが甘いのが用意に想像できる美希たん…。
ごちそうさまでした。
599 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:43:02 ID:vu6cZ2qs
鏡に映った自分の姿。
目尻の垂れた大きな目。丸くて少し低めの鼻。薄い唇のおちょぼ口。
小柄な背丈の割りにふっくらと盛り上がった胸元。
柔らかそうな丸みのある腰回りや太もも。
可愛らしい、と言ってくれる人もいるかも知れないけれど……。


はぁ……、と祈里は溜め息をつく。
その顔に浮かんでいるのは、明らかな不満。


(何でこう、どこもかしこも丸っこいのかなぁ。)


鏡に顔を寄せ、色々な表情を浮かべてみる。
体を捻ってシナを作りポージング。


(何やってんだろ、わたし……?)


百面相したって、顔立ちが変わる訳じゃない。
いくら腰を捻ったところでくびれが出来る訳でなし。再び溜め息をつき、ゴロリと行儀悪くベッドに転がる。

瞼に浮かぶのは一人の少女。
スラリと細身の長身に、しなやかに伸びる長い手足。
切れ長な涼しい目にスッと鼻筋の通った高い鼻梁。
クールな雰囲気に似合う少し薄目の唇。
枝毛一つ無いだろう、腰まで届く艶やかに豊かな髪。何て自分とは違うんだろう。


寝転んだまま、チラリと鏡に目を走らせる。
子供っぽい、拗ねた表情。こう言う顔をすると、ますます童顔が際立つ気がする。
せめてロングヘアーにすれば、もうちょっと大人っぽくなれるかと
髪を伸ばそうと思った時期もあった。
しかし、ふわふわした波のある縮れた髪質は伸びても引き上がって、
それほど長くなったようにも見えず。
それなのに梳くのも引っ掛かって一苦労。
結局、この長さが自分には限界だった。


昨日今日分かった事ではないではないか。
自分と美希とでは容姿に差がある事くらい。
自分がブス…とまでは思わないけど……。
時にはそこそこ可愛いかも?と思わないでもないけど……。
以前ラブに呆れられた事がある。
『ブッキーで可愛くなかったら、世の中顔晒して外歩ける子いなくなっちゃうよ。』
誉めて貰えて嬉しかった。嬉しかったけど、やっぱり…。
600 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:44:33 ID:vu6cZ2qs
(ラブちゃんは、気にならないのかしら?……せつなちゃんと二人で歩くの。)

ラブの容姿が劣っている、と思っている訳ではない。
むしろ、ラブほど魅力的な女の子はそうはいない、と思っている。
だがラブの魅力は体から溢れ出るエネルギー、と言うか、輝くばかりの生命力
が映し出す眩い命のことほぎ。
それがラブをこの上なく愛らしく見せ、
彼女を誰にも無視出来ない存在感を放った
女の子として心に住み着かせてしまうのだ。
だから、純粋に見た目だけの話となると……


(ラブちゃんは、わたしの側だと思うのよね……。)

美希とせつなは誰が見ても綺麗な子、美少女だと言うだろう。
自分とラブは、その人の好み次第、と言ったところか。
でも、ラブには美希にもせつなにも負けない人を惹き付ける引力がある。
ラブの笑顔で心を蕩けさせない人はいないだろう。
結局、一番冴えないのは自分だ……。


今日、美希はせつなと二人で買い物に行った。
以前、せつなが美希の服選びに付き合ったお返しに、
せつなの服を美希が見立ててやる約束だったのだ。
ラブは学校の友達と先約があるとかで不参加。
当然のように、美希とせつなは誘ってくれた。
けど、祈里は断った。有りもしない用をでっち上げて。
ラブも一緒なら、まだいい。
自分一人だけで、あの二人と行動したくなかった。
綺麗な子の中に、一人ぱっとしないのが混じってる。
周りがそんな風に見てる気がして。
我ながら自意識過剰なのは分かってる。
それでも、一度意識してしまったコンプレックスを知らん顔するのは難しく。

美希への想いを誤魔化し切れなくなってからの自分は、どこかおかしい。
前はこんなんじゃなかった。
こんなに人目を気にしたり、被害妄想スレスレの劣等感に苛まれたり。
自分にまったく自信が持てない。ダンスを始めて、少しは引っ込み思案も
マシになったと思ってたのに。以前よりも酷くなってしまった。
気持ちの大部分をネガティブな感情が占めている。


美希に対しては劣等感。ラブに対しては羨望。
そして、せつなに対しては……嫉妬だ。


恋を自覚して、もう少し甘酸っぱい思いに浸ってもいいだろうに、
笑えるくらい後ろ向きだ。
601 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:45:55 ID:vu6cZ2qs
(わたし、せつなちゃんに嫉妬してる………。)


ラブから学校での様子を聞くと、勉強もスポーツも完璧らしい。
スポーツ万能なのはダンスを見てても分かる。一番遅れて始めたのに、
あっという間に美希やラブに追い付き、祈里は追い抜かれてしまった。
合宿で自分が手解きした事なんて、今となっては冗談みたいな話だ。
ラビリンス時代の訓練の賜物か、動きを目で見て頭で覚えれば、
その通りに体を動かせるらしい。
いくら振り付けを早く覚えても、体が付いていかない自分と
差が開くのは当たり前だ。
学校でもそんな風に、サラッと難しい事を何でもないようにこなして
周囲を驚かせているのだろう。
おまけに、見た目があれだ。
結局、そこに行き着いてしまう。
それに……、と祈里は思う。


祈里は、せつなが羨ましいのだ。
一番大切な人に、一番大切に想われ、一番近くにいられる。
何より、それが羨ましかった。
ラブに想いを受け入れられ、体中に愛情を注がれている。
ラブがせつなを見つめる、蕩けそうな瞳。
誰よりもせつなを愛している、その事を隠そうともしない。
こんな嫉妬はお門違いだ。理不尽だと思う。
そんなものを向けられたってせつなだって困るだろう。


でも………


どうして、何でこんなに心がざわめくのか。
理由は分かっている。



美希のあんな顔を見てしまったから。



(美希ちゃん。そんなに、せつなちゃんといるのが楽しいの?)



今日見た二人の姿。
別に何でもない。おかしな事など何もない。
可愛い女の子が二人、仲良くじゃれ合いながら買い物をし、
お喋りに花を咲かせている。それだけの事だった。

祈里は誘いの断りのメールを出す時、最後にこう付け加えた。

『用事が早く片付けば、合流出来るかも』

一緒に買い物に行くのは嫌。
でも美希が自分以外の人と二人きりで過ごすのも何だか落ち着かない。
だから、気になって我慢出来なければいつでも様子を見に行けるように。


でも結局、声を掛ける事は出来なかった。
602 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:49:38 ID:vu6cZ2qs
二人はすぐに見つかった。前もって場所は聞いておいたから。
ふと気が付く。そう言えば、自分以外の親しい人と美希が一緒にいる所を
外から見るのは初めてかも知れない。
美希だって、学校の友人と出掛ける事くらいあるだろうけど、
案外いつも一緒に過ごす人が、他人にどんな顔を見せるかなんて、
見る機会ってそうそうない。


(あんな美希ちゃん、初めて見た。)


美希の、猫の目のようにくるくると変わる表情。
屈託のない、無邪気な笑顔。


二人は服を選びながら、何かしら話していた。声までは聞こえない。
美希が悪戯を思い付いたような顔で、せつなに話しかける。
たぶん、からかおうとしてるんだろう。
せつなは素っ気ない態度。美希は懲りずに、せつなの反応を誘う。
相変わらず、せつなは涼しい顔で相手にしない。
途端に美希は拗ねたように唇を尖らせる。
今度はせつなが美希に答える。その表情から、たぶんからかい返したんだろう。
美希は頬を膨らませ、芝居掛かった態度でプイッとそっぽを向く。
せつなが苦笑いしながら、美希の顔を覗き込む。
美希はますます顔を背ける。
せつなが美希の腕に自分の腕を絡め、逃げる美希の顔を追い掛ける。
機嫌を取るように微笑みかけ、美希の膨れた頬をつつく。
思わず、と言った感じで美希が吹き出す。
つられるように、せつなも吹き出す。
そんな自分達が可笑しくなったのか、二人は額をくっ付けんばかりに
顔を寄せて笑い合っていた。


ドクン……。と胸の中で音が響いた。
美希への想いを孕んだ繭が、心臓を締め付けながら膨張していく。
美希は、あんな顔で自分には笑い掛けない。
あんな風に、からかわれた事もない。
あんな風に、わざと拗ねて見せ、機嫌を取って貰いたがる美希なんて知らない。

せつなといた美希。
あまりに無防備で、隙だらけで………


驚くほど、年相応に子供っぽかったのだ。


小柄なせつなに甘えるように身を寄せて笑う美希。
そんな美希をいぶかしがる事もなく、ハイハイとあしらうせつな。
綺麗な二人がじゃれ合う姿は微笑ましく、そしてどこか、入り込めない
空気を感じた。
603 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:51:19 ID:vu6cZ2qs
祈里は立ち竦み、それから黙ってその場を立ち去った。
逃げる事なんてない。「楽しそうね。何話してたの?」、そう言って
仲間に入れて貰えばいいだけなのに。

どうしてこんなに臆病になってしまったんだろう。
胸の繭が脈打つ度に、血液の変わりにどす黒いタールが
送り出される。
どろどろと血管を目詰まりさせながら流れる澱が、皮膚までもベタつかせる。


いつも美希に姉のポジションを押し付けてた。
甘えて、我が儘を言って、美希が困った顔で許してくれるのに
心地良く身を任せていた。
美希に子供の顔をさせなかったのは自分ではないか。

それなのに、自分には見せない顔をせつなに見せていた美希に苛立っている。
自分の知らない美希の表情を引き出したせつなに嫉妬している。
我慢出来ない。どんな美希も自分だけの美希でいて欲しい。
我慢出来ないのに、美希にそれを伝えられない。


だって、自分に自信がないから。


釣り合わない、と思われたくない。
例え美希が受け入れてくれても、美希の隣に並んだら見劣りする。
周りからも、美希とお似合いだって想われたい。


矛盾してる。女の子同士でお似合いも何もないのに。
そんな風に見られないように、ずっと気持ちを押し込めて来たのに。


せつなの様な、繊細でたおやかな容姿が欲しかった。
ラブの様に、溢れ出るしなやかな強さが欲しかった。

そうすれば、今よりもっと違った関係が築けたかも知れないのに。


引き返す前に美希にメールを出した。
『用事を切り上げられそうにないので、今日は無理みたい。』


帰ってから三時間経つ。
返信は、まだ来ない。
604 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:53:17 ID:vu6cZ2qs
合流するかも、と言ったのに連絡があるかと気にもして貰えないんだろうか。
メールをチェックするのも忘れるくらい、せつなとの時間が楽しいのだろうか。

馬鹿馬鹿しい。単なる言いがかりだ。
美希もせつなも何も悪くない。
それでも胸にベタベタと粘り付く感情は、拭っても拭っても回りを
余計に汚すだけだった。

枕に顔を押し付け、ギュッと目を瞑る。
何もせず、ただ美希からの連絡を待ち続ける。
自分からは何もしようとしない。そんな関係に慣れきってしまった。
いつだって、美希が望むものを与えてくれてたから。
いつの間にか、それが当たり前になっていた。
でも、本当は美希はそんな関係に嫌気が指していたんじゃないだろうか。


胸に閉じ込めていた、脈打つ美希への想い。
大切に抱いていこうと思ってた。
温めて、育てて、そうすれば、いつかかけがえのない美しいモノが
生まれてくれるのではないか。そう信じてた。

それがいつしか、祈里の血を吸い上げながら、黒い粘液を吐き出している。
禍々しささえ感じる、その繭の中に眠るもの。
孵ってしまえば、己の身すら喰らいつくす化け物が生まれるのではないか。


(助けて………。)


苦しい。こんな醜い自分は嫌だ。



美希ちゃん。わたしの事、好きよね?


だったら、どうして他の人と楽しそうにするの?


どうして、わたしが一人でいるのに放っておくの?


身勝手だ。頭では理解できる。
こんな我が儘ぶつけられたら鬱陶しいに決まってる。

美希ちゃん、美希ちゃん、美希ちゃん………


分かってるけど………。


自分の想いで頑じ絡めになっている自覚はある。
たぶん次に美希に会うときは、酷い態度を取ってしまうだろう。


美希ちゃん、それでも許してくれる?
605 ◆lg0Ts41PPY :2009/12/03(木) 20:56:09 ID:vu6cZ2qs
以上です。
またブッキーが軽く黒いです。
あと何回か続きます。


前回感想くれた方、ありがとうございます。
なるべくサクサク終わらせるよう頑張ります。
606名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 21:39:04 ID:ql+6FAve
>>587
互いの気持ちは伝わってるのだけれど。それを口に出来ない。
いや、口にしないとでも言うのか。それが美希とせつなの空気感でもあり。
二人でお買い物も立派なデートになった訳で。もちろん、せつなはこっそり
プレゼントを買ったのだけれど。そんな姿を微笑ましく思う美希もいて。
探り合いから生まれるちょっと不思議な恋愛論。それが美希せつクオリティ―――

>>605
引っ込み思案とはまた違う何か。自分をもっとアピールしたい。自分だけを見て欲しい。
けれど、今更顔や体は変えられず。さらには他のみんなと自分を比較してしまう。
自分に自信が持てれば、こんなに思い詰める事もなかったのだろうと。
恋は盲目。そんなに自分を責める事は無いのに。それは悪い流れを引き寄せてしまうかの如く。
祈里の心の葛藤が晴れるのはいつなのか。信じる心だけは忘れないで…

先日、美希せつ小ネタを書かれた同志の皆様。小ネタタイトル無で合同
保管しました。ご確認下さい!
607名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 22:05:29 ID:cyjEEz3q
美希 「やれやれ・・・クリスマスも営業か・・・」

せつな「文句言わないの 
    私たちだっていつまでもプリキュアというわけにはいかないでしょ」

美希 「アタシ、一応モデルの仕事があるんですけど」

せつな「来期のおもちゃのバレ画像が出たとき
    何故か私とあなたの絵柄のアクセサリーが載ってて
    すごく複雑な気持ちになったわ・・・」

美希 「人の話聞いてないわね 
    つーか、そこは素直に喜んどきなさいよね ま、ヌカ喜びだったわけだけど
   
    それにしても・・・何でアタシ、こんな格好なわけ? どして?」

せつな「完璧よ、トナカイさん
    さぁ行きましょ、美希 出番だわ」

美希 「おいサンタ、ヒゲ忘れてるぞ」



>>606
美希せつ者の末端として確認してまいりました
一部の隙もない保管w ありがとうございました
608名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 22:56:01 ID:l9m6c0Ih
スレ違いを承知するが,来年のハトプリのふたりの設定百合的においしくない?

ネタバレだけど、自分に自信がない女の子が相方に励まされるらしいし,相方もコンプレックスあるが主役と出会う事で何かが変わるらしい。
609名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 22:59:24 ID:L5RIv1Ag
スレ違いだってわかってるなら自重しようよ。
フレプリが終わるってんでナーバスになってる人もいるんだしさ。
610名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 23:03:27 ID:07WjcGvl
>>608
頼むからネタバレはバレスレの外には出さないで。
何のためにバレスレがあって隔離されてるかよく考えて欲しい。
「このくらいならいいじゃない」はない。
611名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 23:23:35 ID:vsBZP+HX
>>608
まあまあ一緒にアニメ新作板に行こうさ。
今の速さなら百合云々もカキコめるし。
612名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 23:50:31 ID:UMqwykzr
>>605

あぁまたブッキーが黒化...

コンプレックスの固まりみたいな気持ちと行動、
よくわかりますorz


続き楽しみにしてます!
613名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 05:08:25 ID:DFm+nx2+
この板で中3編語り合えるってわたし信じたい!

608よ、おまいの残していったカキコは俺様に相当のダメージを与えたぞwww
さてはアポロ(ry
614名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 06:26:23 ID:PpIAtGZf
中3どころか4人で入籍して新居建てるトコくらいまでは余裕で語れるでしょ。
615名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 06:46:35 ID:WycLj5VU
ま、ゆっくり語っていきましょう。一年は長いですw
その前に…

まだだ、まだ終わらんよ!

語る事はまだまだ残っているはずだしねー
616名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 07:23:25 ID:DFm+nx2+
四人とは言わん。
みきたんぶきたんは二人暮らし始めなさい。
617名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 07:26:07 ID:wouHQEVw
どんな展開を迎えよう、"if"の世界はなくならない。そうだよな!?

妄想と現実。それはそれ、これはこれ。ですよね!?
618名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 07:30:54 ID:kCltRR1t
>>605
うじうじ悩んで、ひとりで勝手に傷ついて。そんな貴女がとっても可愛いです。

次回、甘えるのがもっと上手くなれるといいね。
619名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 08:00:16 ID:DFm+nx2+
>>617
うん。この百合板が無くならない限り。
620名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 08:40:53 ID:JViAcTjv
>>605
ブッキーって悩みとか内に秘めるタイプだよね、イメージ的に。
GJでした。続き待ってます。
621名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 09:19:26 ID:DFm+nx2+
でも悩んだらどん底になるのはラブやんだったりしないか?
622名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 10:52:32 ID:JViAcTjv
ラブやんはムードメーカーなイメージ。
ってかラブやんどん底まで凹んだのってせつな=イースが分かった時だけじゃない?
623名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 11:52:32 ID:DFm+nx2+
イメージが強くてな、あの時の。
仮にもせったんに彼女が出来たら黒くなっちゃうかもよ〜。

みきたん黒くなったらマジ昼ドラ臭くなるだろうし。

せったんはイース復活wてかイースの純愛もあったってイイんじゃない?
624名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 12:34:42 ID:ud6DygtR
ラブさんはへこみやすいが復活も早いからなー

でもせつなに恋人できて応援するものの心の中ではグチャグチャに
悩んで結局押し倒してしまうラブさんは大好物です
625名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 13:07:56 ID:DFm+nx2+
そんなラブにまたまた惹かれて行くせつな。
結局二人は結婚するんですね、わかりました。

ブキ「元サヤ?」
ミキ「計算かもよ〜」
626名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 14:06:49 ID:uwGyHQ+w
ラブやん→そんな…
mktn→全部私が悪いの
せっちゃん→ハイライトなくなる、私は悪い子…状態

ブッキー凹んだことあったっけ?
627名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 14:49:39 ID:DFm+nx2+
プリプー便秘回ぐらい?
628名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 15:22:38 ID:i8bmm+gy
みんなと踊りたい…でも私なんて…
辺りは?凹むとはちょい違うかな?
629名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 16:38:21 ID:DFm+nx2+
引っ込み思案全開な時かな、アレは。

ぶきたん黒伝説はこの板限定なんだけどなw

本当に黒い・黒かったのはイース様だったんだけどw
630名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 17:00:59 ID:kCltRR1t
>>629
黒衣に身を包んでしまえば、心まで黒くなれるのだと彼女は思っていた。無理矢理にでもそう思い込みたかったのかもしれない。

だが、あの娘に出会い、彼女の奥底で眠る光が目覚めてしまう。
光は闇を照らし、隠していた本当の気持ちをあばき出してしまったのだ。
真実の姿までも。
631名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 17:46:49 ID:DFm+nx2+
>>630
泣きそうになった………

なんでおわっちまうんだよ…。やっぱ俺には無理だ。割り切ろうと頑張ったんだけど。講義なんかそっちのけ、今日。

もっと百合萌えしてぇ!
632名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 18:48:58 ID:kCltRR1t
>>631
例え放送が終わったとしても、あたし達の物語が終わるわけじゃないよ。
貴方のような人がひとりでもいる限り、あたしは存在しつづけていける。
愛に溢れたクローバータウンに、永遠に住んでいるからね。
そうだよね、せつな!美希たん!ブッキー!
633名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 19:38:20 ID:DFm+nx2+
保管庫さんお願いがあります。上記二つのカキコ保管してもらえませんか。お願いします。
634名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 21:57:50 ID:LYUkQ0lp
なんだこの流れ
635名無しさん@秘密の花園:2009/12/04(金) 23:28:37 ID:pfjqibnk
本編終わっても、このスレの妄想は止まらない気がする。
余裕で受験ネタとか妄想できそう。

フレプリ恐るべし。

636名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 00:23:27 ID:AJHHy6f0
個別に拍手だのコメントだの付けられたらいいけど保管庫じゃ無理だよね
あんまスレ流すのも悪いかと思って感想レス1つ書きにくい
637名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 00:36:08 ID:WTc4fc8q
終わるのが辛いのはわかるが、とりあえず落ち着いた方がいい
638名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 00:40:46 ID:g02S8Kft
>>636
酒場か避難所で書けば良いかと。

皆、忘年会シーズンなのか、スレが寂しいね(´・ω・`)

そんな夜はクローバーが百合百合してる妄想でも夢見るとするかw
639名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 02:07:14 ID:Dr3Ari04
職人の競作を別スレでやってるからな。
スレが分岐すると、あっちもこっちもになってしまって見づらいw

自分は主にここしか来ないけど。
あっちは名無しには入りづらいからな。
640名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 03:44:57 ID:5dqni/sx
大した分岐ではなかろうよw企画は拒否られたからあっちでやってるだけなんだし。
SS専用スレにならないためにもいい判断だったと思うが。

>>638
1スレ初期はこんなもんじゃなかったぞw
過疎らないだけまだまし
641名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 08:25:43 ID:j2GWxKnp
こういう時こそ雑談で盛り上げればいいのにね。
雑談派(笑)の人達は何やってるんだか
642名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 08:52:28 ID:AJHHy6f0
批判じゃないんだけど、なんかアカルンが簡単に使われすぎなSSが多くない?
本編じゃ自己都合で使ったことなんて一度も無いと思う
瞬間移動に限らずプリキュアの力は自分達のためには使わないってのは大原則だと思うし
・・・ああ、ブッキーは使ってたか・・・だから腹黒って言われるんだなw
643名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 09:06:31 ID:F2QVSzbD
>>642
忘れ物取りに何度も使ってたような。
せつな本人ではなく3人のだけど
644名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 09:11:28 ID:j2GWxKnp
>>642
合宿に行くときのアカルンはどうみても自分たちの都合ですが?
つーか二次創作にまでいちいちケチつけんな
本編厳守で言うならキスやエロなんかもっとアウトだわ
あとsageろ
645名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 09:17:56 ID:AJHHy6f0
それもそうか、プリクラのために変身したこともあったし、気にしすぎかな
凄い神作連発してる職人さんのSSでそこだけ気になったんだ、違和感というか
必要の無い場所で本編から外れるとリアリティかけちゃうのが惜しいかなって

だめだ、いい訳書いたら余計批判みたくなった・・・
違うんです尊敬してます、orz
646名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 09:30:52 ID:AJHHy6f0
sage忘れたことも謝ってなかった

すみませんでした、当分書き込み控えます。
ご迷惑おかけしました。
647名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 09:34:49 ID:buix+CsO
お前は何と戦っているんだ?
648名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 09:37:50 ID:aH2NnJdI
>>633
えっと、630と632を保管すればいいのかな?>>630に関しては
自分もグッと来るものがありました。準SSカテゴリーがイイかな?
>>632は保管待機がいいかなー。本編はまだ続きますし。
書かれた方、お手数ですが630タイトルあれば・632は保管or待機の
ご指定お願いします。

>>645
ご指摘ありがとうございました。多分競作をご覧になっての意見だと
思うのですが、宜しければ保管庫の企画提案書2を見てみて下さい。
今回、何故アカルンをみんなが使っているかがわかると思うので。
649名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 10:45:57 ID:PNHz1PMU
>>646
sage云々の前に雑談派(笑)とカキコむのはどーなんよ。
650名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 10:58:55 ID:5dqni/sx
>>641な雑談派(笑)って書いたの。職人かSS好きな奴なんだろうけど。荒れる原因作りやがって。
651名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:04:55 ID:ULy/Sc0b
>>649
まあまあ。だけど嫌味の一つも言いたくなる気持ちはわかる。
空気悪くなるの分かってるから言わないだけでしょ。雑談派(笑)もSS(笑)も。
実際は両方楽しんでる人が大半だと思いたいけど、最近すぐ
ビミョーな空気が漂うからな。

何度かスレ分けたらって話が出ても何かSS派が出てく事が前提みたいで
雑談派の人が自分たちでスレ立てて、そこで好きにやろうって
考えはなさそうだし。

まあ、残りの放送も少ないし、たぶんこのままなあなあで行くんだろうけどね。
652名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:12:16 ID:dwDI6Rtn
あー、明日がコワい。
不幸の世界の幻影に誰がどんなふうに出てくるか。
それより何より、来週の予告が、次回とその次の回がコワい。最終回まで気が抜けないよ…
653名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:15:27 ID:ULy/Sc0b
あー、ゴメン。早速荒れを助長するようなレス付けちまったわ。

>>641、たぶんSSが読みたくて来てるんだろうけど、あんま雑談派とか
煽るような事書くと、ホントに投下無くなっちまうかもよ。
ただでさえ、避難所やら酒場やらが出来て投下は必ずしも
ここじゃなくて良くなって来てるんだからさ。
654名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:40:05 ID:udLEAw+a
>>652
何か一気に盛り上がって来てるよね。
41話って一体何だったのか...
655名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:50:38 ID:PNHz1PMU
>>650
ごめん。アンカミスったよ。>>644にしたつもりだったんだけど。
お詫び?に既視かも知んないけど拾い物を転載してみます。
ttp://minus-k.com/nejitsu/loader/up28900.jpg
ttp://minus-k.com/nejitsu/loader/up28901.jpg
656名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:52:55 ID:aH2NnJdI
鬼門回や恐怖回を乗り越えられた時の開放感がたまらないわ!
何があっても、同志たちがいてくれれば幸せゲットだよ!

な訳で宜しければ読んで頂きたく。かなりご無沙汰の祈里×せつな
です。H無し、白、数レスお借りします。では…
657MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/05(土) 11:54:37 ID:aH2NnJdI
【Sweet temptation】


ダンス練習を終え、私とブッキーは一足お先にレッスンスタジオを後にする。
ラブと美希は居残り練習。怒られながらも練習する二人の姿は少し、輝いてるようにも見えた。


すっかり日が暮れるのも早くなり、顔に当たる空気も厳しさを増す。

(これが冬なのね…)

初めて体験する寒さ。けれど、いろんな事を経験するのは本当に楽しくもあって。


「ほんと寒いね。せつなちゃんは冬って好き?」
足をバタバタさせながら私に質問してくるブッキー。見ている私まで寒くなりそう。

「えぇ、好きよ。ブッキーと同じくらい。」


信号機は4回も変わった。ずっとブッキーは止まったまま。
私、何か変な事言ったかしら?
ブッキーの顔を覗き込むとほっぺがもの凄く赤くなっていて。

「風邪…引いた?顔、赤いけど。」

急に顔を上げ、咄嗟に右へ左へと何回も動かす変なブッキー。
658MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/05(土) 11:55:03 ID:aH2NnJdI
「違う!違う!ちょ、ちょっと驚いちゃっただけなの!」

物凄い勢いで喋る彼女にちょっと後ずさりしながら、私は呟く。

「手、繋がない?寒いし。」

再び動きの止まるブッキー。また顔を下に向けて。私、喋らない方がいいのかしら…。

「せ、せ、せ、せつ…なちゃ……ん…」
しどろもどろ。そんな彼女は俯きながらも、右手の小指をちょっとだけポケットから出して。
かすかに震えてるその小指。

そんなに寒かったのねブッキー。だったら早く言ってくれればいいのに、と。
相変わらず引っ込み思案な所がある彼女。もっと打ち解けてくれればいいのに。
私はあなたの前なら正直な自分でいられるのよ?

「あら、冷たくないのねブッキーの手…」
私の思っていた温度とは違った彼女の手。もの凄く熱くて、ちょっと汗ばんでいると言うか。

「あわわわわ………。わ、わたし信じてた!!!」
「何を?」
「ふぇ!?」

おかしくて涙が出ちゃう。もうさっきから私の隣にいる人、何だか変。
どして?どしてブッキー。寒くてパニックになっちゃったのかしら。
659MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/05(土) 11:55:24 ID:aH2NnJdI
ゆ…、夕飯まで…時間…」
「何?」

「あ、あのねせつなちゃん。」
「なぁに?」


「アイス食べにいこっ!」

「えっ?こんなに寒いのに?大丈夫祈里!?」
理解出来なかった。汗だくだくになった時こそ、食べるアイスは絶品とラブは教えてくれた。
こんなに寒いのに冷たい物を食べるなんて。

「だ…だめ?」
(!?)

頬を染めながら見詰めてくるブッキーにちょっと……心……惹かれて。

「わかったわ。行きましょ。」
「良かった…」
そう言うとブッキーは私の左手をぎゅっと握って。

「早くいこっ!」
「ちょ、ちょっとブッキー!」


結局、寒い季節でも食べるアイスは絶品だと言う事は、後々わかったのだけれど。
ブッキーの仕草や行動は今ひとつ理解出来なくて。

でも…

意外と大胆な所も彼女は兼ね備えてるみたいで。



「ここ…、わたし舐めちゃったとこだけど……おいしいよ?」


〜END〜
660名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 11:58:58 ID:aH2NnJdI
読んで頂いた方、ありがとうございました。
いろんな意見があって当然です。みんな同志、これからも
語っていきましょう。宜しくお願いします。
661名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 12:01:27 ID:5dqni/sx
画像と投下で反応した俺が通りますよw
662名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 12:07:46 ID:g02S8Kft
>>660
脚ばたばたが似合う娘だなブッキーは!
対して、相変わらず無意識ジゴロなせっちゃんw
ごちそうさまでした。



○○派とか△△派とか区別せず、残された時間を思いきり楽しもうよ。
荒れるだけ勿体ない。
フレプリの百合萌えが好きなのは皆さん同じだよ。
663名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 12:42:12 ID:dwDI6Rtn
>>654
物語の盛り上がりに関して、ではなく、つまり彼女らの思い描く"幸せ"に"彼ら"がどれだけ割合を占めるのか?占めないのか?ということで。

さらには、彼らの出番がまだまだあるヨ!とのことらしく。
てか、ラブさんだけでなくブキ美希も危ねえぞコレ−−−!!!

>>660
信号四回ww
どれだけ固まってるんだ、ブッキー!
奥ゆかしく見えるけど、頭の中では普段アレコレ考えてるんだろうな〜。人知れず嫉妬したり、あらぬことを考えて1人で顔赤くしてあわあわしてたりw
664名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 13:13:11 ID:udLEAw+a
>>660
いいね!テンパってるブッキーかわいい。
665名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 13:37:37 ID:5dqni/sx
>>663
不安を煽ってどーするw
666名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 14:54:33 ID:Dr3Ari04
3バカは脳内消去すればいい
667 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:00:20 ID:7q51XK67
こんにちは。

雑談の隙間を狙って、投下に参りました。

>>591
美希せつ喜んでもらえて何よりです。今後も適当に投下したいと思うので、
よろしくお付き合い頂ければ。

>>604
ブッキーいいなぁ。引っ込み思案なところが出てて、すごくいいと思いました。GJ!!

>>660
信号四回って表現が好きでした。その間、待ってるせっちゃんも可愛いですねぇ。

さて。
>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
>>316-322 巡り、迷う――――落ちる
>>345-350 そして、悲劇
>>402-408 ここに あなたが いない ――――Here Without You――――
>>536-541 失いし もの ――――Just lose it――――
の続き

『あなたの側に 寄り添いて   ――――Ghost――――』
シリアス。非エロです。


数レスお借りして、投下、させて頂きます。
668 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:01:32 ID:7q51XK67
「フフ――――素敵ね」

 含み笑いを浮かべながら、ノーザはFUKOの溜まったゲージを見上げる。その上には、ソレワターセの姿が。捻じれ
た木の根のような姿、そこからこぼれ落ちる雫。
 それは、東せつなのFUKO。夢に囚われし少女の、絶望の涙。

「人の不幸は蜜の味――――貴方の不幸、とても美味しそうね」

 唇を人差指でなぞりながら、悦楽の笑みを彼女は浮かべる。今にも舌なめずりをしそうなノーザの姿に、隠れて様
子を見ていたウエスターは怖気づく。

「やっぱ怖いな、あの人……」
「ノーザさん、でしょう」

 思わず漏らした独り言に、声が鞭となって飛んでくる。気付かれていたことに驚き、ビクッ、と体をすくませる彼をよ
そに、サウラーは堂々と姿を現した。

「ノーザさん。少し、聞きたいことがあるんですが」
「あら。なぁに、サウラー君」
「イースのことです」

 言いながら、彼はソレワターセの姿を見上げる。ゲージの上に張り付き、FUKOの雫を落とし続けるその姿に目を
やりながら、サウラーはノーザに尋ねる。

「どうして、あんなことを?」
「あんなこと、って?」
「イースを、夢の世界に捕まえていることです」

 それは、とても胡乱な選択のように思えた。インフィニティと引き換えにする為の人質ということだったが――――

「倒しておいた方が良かったんじゃないでしょうか」
「フフ――――サウラー君は、昔の仲間にひどいことを言うのね」

 笑いながら言うノーザの言葉に、反論しようとしたサウラーは、しかし。

「私も思うのよ。これじゃ、優し過ぎるんじゃないかって。前の私なら、問答無用に命を奪ってたでしょうに――――
少し、こちらの世界のぬるさに慣れてしまったのかしら」

 ポン、と彼の肩に手を置いた彼女の瞳が、少しも笑っていないことに気付いて戦慄する。
 嘘だ。そう、サウラーは直感した。彼女が言っていることは、嘘だ。
 優しさなんかじゃない。それは――――怒りだ。ノーザは、東せつなに怒りを覚えている。

「ま、あれでも昔は、メビウス様に仕えていたしもべですもの。少しぐらいの情けをかけてあげるのも、仕方ないわよね」

 空々しい、とサウラーは思う。
 彼女を生かしているのは、単にそのFUKOを味わいたいだけではないか。殺してしまっては、彼女からFUKOを絞り
とれないからではないか。

「心配しなくても、あの子がソレワターセから解放されることは無いわ――――プリキュア、キュアパッションは、倒
したも同然。後は――――インフィニティを手に入れるだけ、ね」

 そう言いながら去っていくノーザの背中を、彼は振り返って見送る。
 FUKOのゲージを集めることに、異論は無い。そのために、非道な手段を取ることにも。
 だがそれでも。
 最高幹部ノーザの見せた闇の深さに、サウラーは、言いようもしれない恐怖を覚えたのだった。




      あなたの側に 寄り添いて   ――――Ghost――――
669 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:02:37 ID:7q51XK67



「長老、なんでこっちの世界に来とりますねん!!」

 驚きの声を上げるタルトをよそに、チョコチョコと足を運んで部屋の真ん中に来ると同時に、少女達の顔を見回す。
そして、

「改めて、ボンジュール、マドモワゼール。ご機嫌、いかがですかー?」
「え? あ、ああ……」
「ど、どうも……」

 戸惑う美希と祈里の姿に、長老は少し不満げな顔を見せる。ラブはといえば、せつなの手を握りながら、唖然
とするばかり。

「んー、おかしいなぁ。これでつかみはバッチリやと思うとったんやけど」
「長老!!」

 さっくりと無視されたタルトの怒鳴り声に、さすがに彼も振り返る。

「なんや、タルト。うるさいで。近所迷惑や」
「〜〜〜〜!!」

 蔑むような彼の視線に、プルプルと肩を震わせるタルトだったが、その堪忍袋の緒が切れそうになった瞬間、

「冗談はさておき――――なんや大変なことが起こってるみたいやな」

 長老は真顔に戻ってベッドの上に飛び上がり、せつなの顔を覗き込む。肩すかしをくらったタルトがずっこけるのを
見て、シフォンが不思議そうに首を傾げた。

「それで? とにかく、詳しい話を聞かせてもらおか」
「――――実は」

 長老の言葉に、美希が説明を始める。
 せつなが一人で抜け出してノーザと戦ったこと。それに気付いた自分達が彼女達の元へと急いだこと。だが、
キュアパッションに変身した彼女が、ソレワターセに傷つけられ、悪夢の世界に囚われて目を覚まさなくなったこ
と――――
 その話を黙って聞いていたラブが、一際辛そうな表情を浮かべて、ギュッ、とせつなの手を握る。苦しそうな彼女
の吐息は、しかし、おさまることがなく。

「なるほどな。夢の世界か」

 太い眉の向こうの知的な目を、うなされるせつなに向けながら、長老は自らの髭を撫でる。

「それで、長老さんは、どうしてこっちの世界に?」
「一言で言えば、悪い予感がしたからやな」

 祈里の手を借りてベッドから降りながら、長老はそう言った。

「なんや、プリキュアの身に悪いことが起こっとる、そんな気がしたさかい、ここに来たんや」

 彼は一つ、深いため息をついて、続ける。

「けどまさか、こないなことになっとるとは思うとらんかったけれどな」
「…………」

 美希と祈里、そしてタルトが、目を伏せる。ラブとシフォンは、変わらずせつなのことを心配そうに眺めていて。
 重い、空気。長老は、ゆっくりと一人一人の顔を見回して、おもむろに口を広げる。

「キュアパッションはんを助ける手段、ないわけやないで」
670 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:03:44 ID:7q51XK67
「――――!!」

 その言葉に真っ先に反応したのは、ラブだった。バッと彼に向き直り、

「ホントに!? ホントに、せつなを助けられるの!?」

 そのまま押し迫る。鬼気すら漂う彼女の表情に臆することなく、長老は重々しく頷いて見せた。

「ああ。出来んで」
「だったら――――」
「ただし!!」

 ガッ、と彼は手に持っていた杖を、ラブの鼻先に突きつけた。驚く彼女を、眼光鋭く睨みながら、彼は続ける。

「危険な賭けや――――あるいはあんさんの命が危ないかもしれん。それでもええんか?」
「構わないよ!!」

 間断の隙もなく、ラブはそう答えた。そしてそれは、彼女の本心でもあった。
 せつなを助ける為なら、どんなことをしたって。

「ちょっと、ラブ!! 勝手に決めないで!!」

 慌てたのは、美希だった。冗談じゃない、と思う。せつなもラブも、お互いを大事に思うのはいいが、もう少し自分を
大切にしてもらわないと困る。心配する側のことも、考えて欲しい。

「長老さん。その方法って――――いったい、どんなことなの?」

 祈里の言葉に、長老はタルトに目を向けた。

「タルト。すまんが、クローバーボックスを持ってきてくれんか」
「クローバーボックスを? なにに使うつもりなんや?」
「ええから、さっさと持ってきぃや。話、続けられへんやないか」

 普段の飄々とした態度をかなぐり捨て、厳しい表情を見せる長老の言葉に、タルトは首を傾げながらも言う通りに
する。

「持ってきたで、長老はん」
「そしたらまず、それをこっちに置いてくれんか」

 長老が杖で指し示したのは、せつなの枕元だった。そこにタルトが置いたのを見てから、再びグルリと長老は少女
達を見回す。

「ほな、そろそろ話そか。パッションはんを助ける為の方法を」

 ラブが、美希が、祈里が。
 ゴクリとつばを飲み込み、緊張の面持ちで彼の言葉に耳を傾ける。
 一度、長老は目をつぶる。深く考え込むのは、本当に、自分が取ろうとしている方法が正しいのかどうか、ということ。
賭け、と言った通り、危険な方法なのだ。
 しかし――――他に方法は、無かった。正しいか否か、ではなく、それ以外に選択肢が無いのだ。
 だから、意を決して、長老は目を開ける。
 そして、言った。

「パッションはんを助けるその方法は――――夢の世界に行って、パッションはんを目覚めさせることや」
671 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:05:14 ID:7q51XK67
「夢の――――」
「世界――――?」

 怪訝そうな顔をする美希と祈里。ラブはただ、真っ直ぐに長老を見つめ続ける。

「せや。わしの魔法と、クローバーボックスの力で、誰かを夢の世界に送り込む。そこでおそらく、パッションはんは
苦しんではることやろ。なんせ、一番、恐れてる夢を見てるゆうこっちゃからな。せやから、それを助けて、パッション
はんに目を覚ましてもらうんや」
「せつなちゃんを、夢の世界で助けて、目を覚ましてもらう?」

 首を傾げる祈里に、長老はせつなの顔を横眼で見ながら答えた。

「ソレワターセの力が働いてて、わしらの声は夢の世界のパッションはんに届いとらん。やから、中に入り込んで、
呼び掛けるんや」
「けど、それってすごく危険なんじゃ」
「もちろん、危険や。そもそもがソレワターセの作りだした世界や。どんなことが待ち受けてるかもわからへんし――――」
「なんでもいいよ」

 話の腰を折るように、そう強気に言い放ったのは、ラブだった。厳しい顔のまま、彼女は続ける。

「せつなを助けられるなら、なんでもいい」
「ラブちゃん……」

 彼女の想いの深さを感じながらも、祈里は少し、不安になる。幼馴染のラブが、こんなに切羽詰まった表情を見せ
るのは、初めてな気がした。それだけ、せつなのことを大事に思っているからだろうけれど――――でも――――

「ちょっと待って」

 何かに気付いたように声を上げる美希に、長老は目を向ける。顎に手を当てて、冷静に考えを巡らせていた彼女
は、彼の言葉の中にひっかかりを覚えたのだ。

「今、誰か、って言ったわよね――――皆、ではないの?」
「――――せや。夢の世界に行けるんは、一人だけ。それが限界なんや」

 やっぱりか、と美希は思う。そして、次に起ることも、想像がついた。

「アタシが行くよ」

 ほら、やっぱり。心の中でため息をつきながら、美希はそう言ったラブへと顔を向けた。その瞳には、強い意志の光。

「ラブちゃん……」
「ごめん、ブッキー。それに美希。わがままだけど、アタシに行かせて」

 止めようとする祈里の言葉に、だが、ラブは頑なな拒絶を示す。決して、これは譲れないとばかりに。
 心配そうにする彼女が、救いを求めるようにこちらを見てきているのを感じながら、美希は口を開いた。

「ホント、わがままね、ラブ」
「……ごめん……けど」
「わかってる。そう言うと思ってたわ」
「美希ちゃん!?」

 驚きの声をあげる祈里に向けて、美希は首を横に振って見せる。そして、力なく笑った。
 ラブが、せつなのことをとても大事に思っていることは、前からわかっていた。それこそ、彼女がラブを騙そうとして
近づいてきていた頃から。
 そんな彼女がいたからこそ、せつなは、イースとしての自分を捨て、キュアパッションとして生まれ変わることが出
来たのだ。
 互いに、互いを大切に思いあう。そこには、確かな絆があった。
 自分や、祈里では入り込めない程の、強く太い絆が。
 危険が待ち受けている賭けだというのならば、一番、大切に思われてる者が行くのがいい。
672 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:06:01 ID:7q51XK67
「けれど、約束して、ラブ」
「約束?」
「絶対に、二人で帰ってくるのよ。ラブだけでも、せつなだけでもない。二人で戻ってきなさい――――いいわね?」
「――――うん。わかった」

 深く頷くラブに、美希は頷き返す。
 そう言っていても、きっとラブは、せつなを助けるためになら、身を投げ出してしまうだろうと容易に想像がつく。それ
がわかっているからこそ、隣の祈里は、不安を隠せないでいるのだろう。

「ブッキー」
「…………」
「今は、ラブとせつなを信じましょう」

 そう。
 信じるしかない。希望の光は、決して消えたりはしないということを。


「ほな、始めよか」

 長老の言葉に、せつなの隣に横になったラブは、ゆっくりと頷く。その左手は、せつなの右の手を掴んでいて。

「せつな……」

 眠り続ける彼女。いまだ、うなされている。どんな悪夢を見ているのだろう。
 どんな不幸に、囚われているのだろう。

「助けるから。絶対に」

 決意と共に、小さくラブは呟く。必ず、助ける。助けてみせる。


 長老が、おもむろに呪文を唱え始めるのをきっかけに、ラブはゆっくりと目を閉じた。
 世界が暗闇に包まれたと思った瞬間、閃光が走ったのを感じた。
 それが、クローバーボックスの放った光だとは気付かぬまま、彼女は。
 夢の世界へと、いざなわれていった。



 目を開けると、薄暗く灰色の世界が広がっていた。

「ここ、って……」

 辺りを見回す。どこかセピア色に包まれてはいるが、確かに、四ツ葉町の一角だった。
 だが、見覚えはあるのだが、ここがどこかすぐに思い出せない。あまり来たことのない所、だとしか。
 空を見上げれば、黒雲が広がっている。今にも泣き出しそうな雰囲気に、ラブは眉を曇らせた。
 せつな。これが、せつなの夢の中の世界なの?
 一人、心の中で呟く。どんよりとして、冷たくて。
 ただ、いるだけで悲しくなってしまうような。
 そうだ。せつな。
 我に返り、視線を下した瞬間、彼女は彼を見つけた。

「お父さん!?」
673 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:06:30 ID:7q51XK67
 俯きながら、こちらに向かって歩いてくる圭太郎の姿に、ラブは思わず声を上げる。
 が。

「お父さん――――? お父さんってば」

 彼は、気付いた素振りすら見せぬまま、歩みを止めようとしない。
 無視されたことに戸惑いながら、ラブが、向かってくる圭太郎の肩に触れようとした瞬間。

 スッ

「――――え?」

 彼女の手は、彼の体をすり抜ける。圭太郎は、何事もなかったかのように歩き続けていて。

「お、お父さん!?」

 慌てて駆け寄って、もう一度、肩を叩こうとするが、結果は同じで。

「――――どういうこと?」

 唖然とするラブに気付かぬまま、圭太郎は歩き続ける。そして彼は、一つの建物の門をくぐって行った。驚きつつも
後を追うラブは、それがお寺だということに気付く。

「ここって……」

 ようやく、ラブは思い出す。ここは、彼女の祖父、源吉が眠る墓のある寺だ。一年に一回、お盆の季節に、圭太郎や
あゆみに連れられてここに来ていた。今年は、せつなも一緒に来て、お墓のことを教えてあげたのだが……
 圭太郎は、事務所で花と線香を買った後、墓地へと向かう。その後を追ったラブは、事務所の人にも触れてみたけ
れど、やはり、すり抜けてしまって。
 得体のしれない不安に苛まれながら、ラブは歩く。頭の片隅に浮かぶ、恐ろしい想像。
 だが。
 圭太郎が、源吉の墓の隣に建てられた小さな墓に手を合わせて。
 こらえきれなかったのか、その頬を涙がこぼれて。
 そして。

「ラブ……」

 名を呼んだ時に、確信に変わる。


「ここ……もしかして、この世界って……」

 瞳を揺らしながら、彼女は呟く。

「アタシ、この世界では――――死んでるの――――?」

674 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/05(土) 15:07:08 ID:7q51XK67
以上です。続きます。

明日の放送を楽しみにしつつ。
よろしくお願いいたします。
675名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 15:40:32 ID:dwDI6Rtn
おいいいいいぃぃぃぃぃ!!!

続き、楽しみに待ってますぜ!!
676名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 15:54:42 ID:aH2NnJdI
>>674
サウラーでさえ怯える恐怖。ノーザの思惑は仲間でさえも理解不能。
そして、残された3人の突破口はクローバーボックスからの融合。
夢の世界への異空間移動。救えるのはやはりラブしかいなく。
あまりにも危険すぎる賭け。けれど彼女に迷いは無く。
送り出す二人の苦悩。さらに、ラブへと待っていた非現実…。
たはー!絶対帰ってこいラブせつ!!!
677名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 17:07:41 ID:5dqni/sx
生駒氏はホント凄いな。素人かマジでw
せっちゃんも苦労するけどラブやんも苦労してんなー
678名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 19:57:43 ID:g02S8Kft
>>677さんの素人じゃない説に同意!

文章から何の違和感もなく、情景がスッと頭に浮かぶんだよなあ。

イコマル殿!次回もお待ち申し上げます
679名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 22:46:41 ID:aH2NnJdI
感想頂いちゃって申し訳ないです。緊迫した本編とはちょっと
違う物を自分も書いてみたくなりまして…。

>>677
勿論凄いですが、他に投下されてる方々も自分にとって凄い存在
だと思う訳で。同じ同志として嬉しくもあり、その先に必ず
待ってる物は…

フレッシュプリキュアって素晴らしい

と言う事。まだまだ語れそうですわ!

明日は幻想の中で戦うのかな?予告を見る限り
ピーチ対ベリー、パイン対パッションなんだろうけど。
問題解決したら、このままの組み合わせでキャッキャウフフを是非是非!!!
680名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 23:08:52 ID:lKcNGJIk
ラブと美希の組み合わせは描写が少ないけど
なんか良さそう
681名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 23:18:06 ID:aH2NnJdI
>>680
そんなあなたに、以前同志がうぷしてくれた画像を
ttp://ranobe.com/up/src/up417456.jpg
ラブ×美希、大好物なんですわ自分…
カッコイイでしょ?で、素敵でしょ!バランスも良くて。

ってどのCPも同じかなw
682名無しさん@秘密の花園:2009/12/05(土) 23:35:34 ID:lKcNGJIk
おお、すごくいい!
本編だと各々の人格面の掘り下げは
せつなと絡めての形が多かった気がするので
幼馴染同士の関係も見てみたいなあ
683名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 00:46:14 ID:UwGLiVpC
>>681
そのカードはラブ×3人とラブせつ、美希ブキがあるんだよな…

つまりだ、

ラブは全員に手を出してるけど、本命はせつな(諸星家の長男ポジション)
美希は本命はブッキーだけどラブも嫌いじゃない
ブッキーも本命は美希だけどこっちもラブが好き
せっちゃんだけが一途

ってことになるんだぜ。
684名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 00:52:36 ID:bOVYgZsY
ラブやんプレイガールだなw
685名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 01:39:53 ID:dcxEsZWX
沖さんのブログにラブせつが!軽井沢に旅行だと!中の人もいいわー
686名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 07:44:57 ID:9MHu5/wo
皆さん、後は頼んだ。

次回予告、しっかり観といてくれよ…
687名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 08:18:57 ID:lrwLy7Af
>>683を読んで、やっぱラブさん総受けだなと思った自分は希少なのかw
今思えば幼馴染み萌えから始まったんだな、フレプリ生活…。
>>686は今日見ないのかい?来週は……あ、大丈夫だろーw
688名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 08:59:32 ID:lrwLy7Af
プリキュア大戦かとオモタw
語れるかな今日…
689名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 09:01:54 ID:3x0e2a3t
>>688
ラブの表情や言葉にちょっと泣きそうになりました。
690名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 09:05:20 ID:UwGLiVpC
これは……そうだな、前回が神回過ぎたんだ。
691名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 09:12:04 ID:jfeS/vB1
>>685

リアルにラブせつなのか!

飲み会での会話の端々に
ラブせつを感じ取れるんだろうなぁ

「ねぇねぇ、この日本酒すっごくおいしいよ!」
「ホントね。すごく飲みやすいわ」

「よーし、今日は飲みまくっちゃうぞ!」
「もう...二日酔いになっても知らないからね!」


スタッフ羨ましい
692名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 09:16:20 ID:lrwLy7Af
音源買う自信がある。
693名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 09:28:18 ID:6FxNTxQR
中の人ネタは勘弁
声優関連のスレでやってほしい
694名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 10:02:06 ID:lrwLy7Af
おっとこれは申し訳…。
ではでは話を戻して。

予告で3バカに呆れ顔のクローバーを見て、来週は鬼門じゃない事を
確信したのは言うまでもありません。
695名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 10:33:07 ID:UwGLiVpC
あまり語ることが無いから

美希「ブッキーってば…アタシより動物の方が大切なのね」
祈里「美希ちゃんだって…本当は和くんの方が大事だと思ってるんでしょ」

というプチ修羅場がこの後発生したと思う事にした。

せつな「私はちゃんとラブのこと考えてたわよ」


696名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 10:38:34 ID:3x0e2a3t
>>695
ラブ「アタシ寂しかった。みんなFUKOになって。それ以上に辛かったのは…」

せつな「辛かったのは?」

ラブ「…内緒」

せつな「うん…」


美希「お熱いわね」
祈里「いいなぁ…」
697名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 10:41:42 ID:bOXqC8r/
プリキュア同士の戦いの後、そのまま相手に倒れこんじゃえよと思ったのは自分だけじゃないはずw

その後はプチ修羅場になるも良し、ラブ美希、せつブキになるも良しw
698名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 10:41:57 ID:jfeS/vB1
おっと俺も失礼。

今週は何か気が抜けなかったね。
まぁ西さんで和んだけど。

>>695

ラブ

「あたしはみんなのこと考えてた!
 だって、みんなはあたしのもの...いや、あたしはみんなのものだもん!」


やだ本音出ちゃった
699名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 11:04:59 ID:lrwLy7Af
>>698
美希「そうね。アタシはラブとなら完璧に生きていけるわ。」
祈里「うん。わたしもそうなるって信じてる。」
せつな「私、精一杯頑張るわ!こうなる事が夢だったの!」



ラブ(っしゃあ!!!)

若干黒くなってもたwww
700名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 11:07:27 ID:3x0e2a3t
ラブがニヤニヤしてるのは妄想出来たw
701名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 11:41:55 ID:MBN6eAXS
ラブと美希でいうと、何気に銀幕で濃いのやってるな
702 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:07:37 ID:AxUh0Yay
どうも。こんにちは。

心の裏側の世界、か……ちょっと動揺しましたw

>>677 >>678
素人ですよw もしかしたら、皆様とどこかですれ違っているかもしれません。
一般生活では、プリキュア好きということを隠しておりますからね。ばれてない筈。
ちなみに文筆関連の仕事にも携わっておりません。あくまでSS書きは趣味でございます。


さて。
>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
>>316-322 巡り、迷う――――落ちる
>>345-350 そして、悲劇
>>402-408 ここに あなたが いない ――――Here Without You――――
>>536-541 失いし もの ――――Just lose it――――
>>668-673 あなたの側に 寄り添いて   ――――Ghost――――
の続き

『ひとりに なりたくて  ――――Leave me alone――――』
シリアス、非エロです。数レス、お借りいたしますよ。

書きこみないね。確認ー。
703 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:08:28 ID:AxUh0Yay
 一人。
 ラブは、街の中を歩く。
 公園を過ぎ去り、商店街を抜け、自分の家へと。
 だが、彼女の姿は誰の目にも止まらない。
 彼女の声は、誰の耳にも届かない。
 自分がここにいるということを、誰にも気付いてもらえない。
 それが、こんなに辛いことなのかと、ラブは初めて知った。

 公園には、カオルとミユキがいた。いつものようにドーナツカフェを開く彼は、しかし、どこかに明るさを置き忘れたか
のように無口で、険しい顔をしている。カフェの席の一つに座るミユキもまた、物憂げな顔をしたまま、何も言わない。

「カオルちゃん。ミユキさん」

 一縷の望みを賭けて、ラブは呼び掛ける。だが、彼女の声は、そよ風程も空気を震わすことは無く、二人は気付か
ない。
 やっぱり、か。思いながら、目を伏せてラブは歩きだした。ずっと無言のままの、彼らに背を向けて。

 商店街は、いつもの通りだった。
 活気に、溢れていた。
 けれど。

「ばあさん。なんだい、今日はもう店じまいかい」
「ああ。ちょいと疲れちまったからね」
「なんだい、そろそろ年を考えるようになったってかい?」
「バカお言いでないよ――――なんだかね、空しくなっちまったのさ。私みたいなおいぼれより先に、若い子に逝かれ
ちまうとね――――あんなに元気だったのに」
「――――ラブちゃんのことかい?」

 無言で頷いて、駄菓子屋の老婆は店のシャッターを閉めてしまう。それを見て、向かいの店の男も、頭をかいて仕事
に戻る。その顔に、深いやるせなさを見せながら。

「おじさん。おばあちゃん」

 ラブは、胸に痛みを感じて、そっと自分の手を当てた。
 皆が、悲しんでいる。皆が、偲んでくれている。
 それを知れたことは、幸せなことかもしれないけれど。
 こんな幸せは、ゲットしなくても良かったよ。
 思いながらラブは、目をうるませる。

 だがすぐに、一つ息を吐いて、顔を上げる。
 これは、夢だ。
 せつなが見ている、悪夢なんだ。
 早く、助けてあげないと――――目を覚まさせてあげないと。
 アタシは、ちゃんと生きてるんだって。そう伝えてあげるんだ。

 思った瞬間。

「あ…………」

 ラブは、愕然とする。
 せつなに会えば、それで解決すると思っていた。顔を合わせて、しっかりと話し合えれば、それで彼女を助けられると思っていた。
 けれど――――

「どうやって、せつなに――――」

 伝えればいいのだろう。
 声を届けることも。触れ合うことも出来ないというのに。
 どうやって。

704 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:09:07 ID:AxUh0Yay




      ひとりに なりたくて  ――――Leave me alone――――






 まんじりともせぬまま、夜を明かして。
 美希は、少し隈の出来た目で、ベッドの上の二人を見つめる。
 せつなと、ラブ。結局、二人は目を覚まさなかった。夢の中では、時の流れが通常と違うと長老は言っていたが――
――今、どうしているのだろうか。
 その長老もまた、二人の枕元、クローバーボックスの横で眠っている。といっても、ただ眠っているわけではなく、
ラブの存在をせつなの夢の中に留め置く為に、力をふるっているのだという。なんでも、クローバーボックスの力で
二人の夢を橋渡ししているのだが、そのままではラブの存在が不安定なので、彼の魔法でそれを安定させている
らしい。
 ともあれ、杖をかざし、二人に向けながら目を閉じて、微かにも動かないその姿は、本物のぬいぐるみのようだ。

「美希ちゃん。おはよう」
「おはよう、ブッキー」

 扉を開けて入ってきたのは、パジャマから私服に着替えた祈里だった。真っ赤に充血した目を見て、美希は憂い
顔になる。

「あんまり、寝れなかった?」
「…………」

 コックリ、と頷く祈里に、無理もないか、と美希は思う。
 彼女を寝かせたのは、美希だった。自分も起きていると言った祈里を、

「ブッキー。あたし達は、明日、せつなやシフォンを守る為に、戦わなきゃいけないかもしれないわ。絶対に負けら
れない。だから、しっかり休んで、体調を整えておかないと」

 そう説き伏せて、無理矢理にベッドに入らせたのだ。彼女本人はと言えば、二人がいつ帰ってきてもいいようにと、
一睡もせずに見守っていた。もっとも、彼女達が目覚めることは無かったのだけれど。

「交代するよ、美希ちゃん」
「ん、そうね、お願い――――おばさま、うまく誤魔化しておいてね」
「大丈夫。おじさんもおばさんも、休日出勤だって言ってたから」

 祈里の言葉に、美希は軽く頷く。そういうことなら、少しは時間が稼げるかもしれない。もっとも、二人とも、すごく
二人のことを心配していたから、急いで帰ってくるつもりだろうが。

「それじゃ、後はお願いするわね、ブッキー」
「うん。おやすみ、美希ちゃん」

 祈里に後を託し、美希は、ラブの部屋に敷かれた布団に潜り込み、目を閉じた。

 だが、当然のことながら、眠りは彼女の瞳に訪れない。
 心の中にあるのは、隣の部屋に眠る、ラブとせつなのことばかり。
 二人は、大丈夫だろうか。戻ってこれるのだろうか。
 きっと大丈夫。そう信じていても、心のざわつきはとまらない。
 何度も寝返りを打ち、枕を抱きしめてみても、やはり胸が想いでいっぱいになって、溢れてきて。
 祈里と同じで、すぐ寝つける筈も無く、ただ布団の中で焦燥に駆られることしか出来ないのだった。
705 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:10:09 ID:AxUh0Yay

『ピーチはん。どないでっか?』

 その声が聞こえてきた時、ラブはちょうど途方に暮れていた。
 もう、せつなの待つ家の近くまでは来ている。だが、どうすれば彼女に自分の気持ちを伝えられるかがわからなくて、
まだ入れずにいた。そこに聞こえてきたのが、長老の声だったのだ。

「長老? どうして、声が……」
『まぁ、これぐらいはな。もっとも、力のほとんどはあんさんがそっちの世界にいられることに向けとるさかい、あんまり
お手伝いは出来ひんけど――――それより、どんな夢やったんや? パッションさんの見とる夢いうんは』

 ラブは、思わず俯く。そして、近くのベンチに腰をおろし、

「実はね――――」

 と話し出す。
 この世界、せつなの夢の中では、自分は死んだことになっているらしいこと。だからなのか、自分の存在は誰にも気
付かれていないこと。触れることも話しかけることも出来ず、どうすればせつなを助ければいいか、まったくわからなく
なってしまったこと――――

『なるほど――――そら、えらいこっちゃな』

 長老の声に、緊迫の色が混じる。うなだれていたラブは、そのままの姿勢で長老に問い返す。

「ねぇ、長老。アタシじゃなくて、美希タンかブッキーに、この世界に来てもらうこと、出来るかな」

 あの二人が死んだという話は聞いていない。自分が死んでおり、まるで幽霊のような存在になっているというのなら、
彼女達が来れば、ちゃんとせつなと話をすることが出来るのではないか。そうラブは思ったのだ。

『それは――――難しいな』

 だが、長老はラブの考えに難色を示す。

「どうして?」
『この世界が、ソレワターセが作った世界やって言うたやろ? その中で、ピーチはんは異物や。今回は、クローバー
ボックスとわしの魔法の力でコッソリ送り込んだけれど、何度も行き来させれば、ソレワターセに気付かれてまう。そう
なったら、パッションはんは……』

 言葉を濁すのは、その先にあるのが悲嘆しかないから。それがわかって、ラブは眉間に皺を寄せる。
 じゃあ、どうすれば……
 どうすれば、せつなを助けられる?

『――――わしの力、使いや』

 そんな彼女の苦悩に気付いたからか。優しい声で、長老が話しかけてくる。

「――――え?」
『わしの力を、あんさんに預ける。ほんまちっちゃい力やさかい、たいしたことは出来ひんけどな』

 言葉と共に、ラブは右手が一瞬、熱を持つのを覚える。それはほんの一瞬のことだったが、それでも、何か不思議
な力が宿ったことがわかった。

『これで、あんさんが望む時に、この世界の人や物に触れることが出来る』
「長老――――」
『せやけど、さっきも言うた通り、わしはあんさんの存在を固定させることで精一杯や。触れられるんは、多くても二回、
そう思うといてな』
706 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:11:00 ID:AxUh0Yay
 二回。
 ラブは、グッ、と右の拳を握りしめる。

「ありがとう、長老。アタシ、やってみるよ」

 答えは、無かった。おそらく、再びラブの為に力を操ることに専念し始めたのだろう。
 二回。
 たったの二回、とも言える。
 だけど、零よりは多い。
 何が出来るかはわからないけれど、この二回で。
 せつなを目覚めさせるんだ。
 不退転の決意を固めながら、ラブは。
 ゆっくりと、自分の家へと向けて歩き出したのだった。




 せつなは、ベッドからゆっくりと起き上がった。
 締め切ったカーテンの向こうの空が、赤い。紅い。
 いつの間にか、今日という日が終わった。明日もきっと、同じだろう。
 何も起きない。何も起こらない。
 ただ、漫然と過ごし。
 心に何も残さないまあ、終わっていく。
 それが毎日。せつなの、日常。

 机の上のリンクルンを見る。着信音は、消していた。バイブさえ、止めてしまった。
 カチカチと操作して、着信とメールを確かめる。この頃は、届いたメールに返信すら出さなくなってしまった。段々と、
来るメールの数も減ってきた。毎日のように届けてくれるのは、美希と祈里の二人ぐらいだろうか。
 その彼女達から、たくさんの着信があった。二人合わせて、優に十件を越えている。しびれを切らしたのか、最後に
はメールに切り替えたようだ。ボタンを操作し、確認したせつなは、微かに息を飲む。そこに書かれた文面は、

『せつな!! ラビリンスがまた現れたわ!!』
『せつなちゃん!! お願い、電話に出て!!』

 だがそのメールが届いたのは、時間にして、もう数時間も前のこと。
 戦いはもう、終わっていることだろう。呆然と立ち尽くす彼女の耳に、階段を荒々しく上がってくる足音が届いた。そし
て、彼女の部屋の前で立ち止り、扉を勢い良く開けて飛び込んできたのは、

「せつなっ!!」

 蒼乃美希、だった。

「美希……」

 小さく呟くせつなの前にズカズカと近付いてきた美希は、身を凍らせる彼女の腕を掴む。

「なんで、連絡しないのよっ!!」

 大きく、鋭い声が、せつなの耳朶を叩く。ビクッ、と体を震わせた彼女は、烈火の如き怒りの炎を宿らせた美希の瞳
から、目をそらす。

「……ごめんなさい……気付かなくて……」
「気付かなかった、ですって!!」
「美希ちゃん!!」

 激昂し、手を振り上げた美希を押しとどめたのは、ぶつかるように彼女に抱きつきながら叫んだ祈里だった。

707 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:11:52 ID:AxUh0Yay
「お願い、美希ちゃん、落ち着いて!!」
「ブッキー……」

 必死にしがみついてくる彼女に、美希は振りかざしていた手を下す。

「わかったわ。ごめんなさい、ブッキー。もう、落ち着いたから」

 言いながら彼女は、ポンポンと祈里の頭を撫でた。それでようやく、落ち着いたことがわかったのか、彼女は美希か
ら離れて笑顔を見せた。
 その姿を見て、せつなは目を見開く。

「ブッキー、その怪我……!!」
「え? ああ、これ。ちょっと、ドジっちゃった」

 可愛らしく舌を出して見せる彼女だったが、それが見せかけだと、せつなにはすぐにわかった。
 首筋や両の手に包帯を巻き、肘には湿布を貼っている。ズボンを穿いているから見えないが、足も同様なのでは
ないだろうか。

「ソレワターセよ」

 愕然とするせつなに追い打ちをかけるように、美希の言葉が響く。

「さっき、貴方に連絡した通り、ラビリンスが現れて――――あたしとブッキーの二人で戦ったの。その結果が、これよ」
「美希ちゃん」

 再び、止めようとする祈里だったが、今度はそれに構わず、美希は話し続ける。

「強かった――――ソレワターセは強かったわ。二人で頑張って、なんとか倒すことが出来たけれど――――ブッ
キーは、こんなに怪我をした!!」

 言いながら、彼女はせつなに詰め寄って。後ずさるせつなだったが、すぐに机にお尻がぶつかり、逃げられなくなる。

「三人いたら!! 三人だったら、もっと速く、もっと簡単に倒せたかもしれないのに!! ブッキーだって、怪我をせずに
すんだかもしれないのに!!」
「美希ちゃん!!」

 迫る、美希の顔。激怒の表情。
 その肩に、彼女を止めようと乗せられた祈里の手。その指は、全て、白い包帯に包まれていて。

「ごめん……なさい……」
「謝って欲しいわけじゃない!!」

 いつもの冷静さを、すっかりと失って。まるでヒステリックと言える程に、高い声で美希は叫ぶ。思わず、目をつぶる
せつな。祈里もまた、彼女から手を離して。
 肩で息をつきながら、叫んで少し、落ち着いたのか。美希は足もとに目を向けながら、囁くように言う。

「謝って欲しいんじゃないのよ――――せつなに謝られたって、ブッキーの怪我は消えないもの」
「……ごめん……」

 それでも、せつなにはそうとしか言うことが出来ず、目を伏せる。
 美希は、そんな彼女の想いに気付かぬまま、せつなの両肩に自分の手を置いて、言った。

「せつな――――貴方の辛い気持、わかるわ。あたし達も、そうだもの。ずっと一緒だった幼馴染が、急にいなくなっ
ちゃったんですもの」

 でもね、と美希は続ける。

「あたし達は、プリキュアなの。あたし達が戦わなきゃ、皆が不幸になる。だから、どんなに辛くたって、苦しくたって、
立ち上がらなきゃいけないのよ」
708 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:12:40 ID:AxUh0Yay
 その言葉に、彼女は目を伏せた。
 戦わなきゃいけない。そう。私はプリキュアだから。

「だから、せつな!! 本当にラブのことを大事に思ってるなら――――」
「わかってるわよ、そんなの!!」

 今度は、せつなが。
 大声で、叫んだ。
 美希が、祈里が、息をのむ。

「わかってる!! 私達が戦わないといけないんだって……いつまでも悲しんでたってダメなんだって……こんんなの、
ラブが望んでるわけないって……私にだってわかてるわよ!!」
「せつな……」
「せつなちゃん……」

 二人の呼び掛けにこたえず、せつなは肩を震わせる。ボロボロと涙がこぼれて、止まらない。

「でもね、でも――――頭でわかってても――――心も、体も……動いてくれないの……動いてくれないのよ……」

 ずるずると。
 糸が切れた操り人形のように、せつなはその場に崩れ落ちる。

「嫌よ……嫌なの……」

 子供のように、首を横に振りながら、彼女は泣き続ける。

「ずっと考えてた。どうして、ラブが死ななきゃいけなかったのって。どうして、私じゃなかったのって――――ラブなら、
そんなこと考えなくていいよって……ううん、考えちゃダメって、きっと言うわ。でもね……でも、考えちゃうの。嫌なこと
ばかり、考えちゃう。こんなのじゃ、ラブに叱られるってわかってるのに、止められないの!!」

 悲痛な告白に、二人の少女は言葉を失い、立ち尽くしている。せつなは、涙をこぼれさせるのに任せながら、

「立ち上がろうとしたわ。悲しみに、負けてる場合じゃないって――――けどそのたびに、ラブの顔を思い出すの。ラブ
との思い出が、自然とわきあがってくるの。それが胸を苦しめて、辛くて――――動けなくなる!! 私が生きてることが、
許せなくなる!!」

 振り絞るように、彼女は心の奥底を曝け出す。それは、あまりに深く、苦しみに満ちた悲哀。
 自らを傷付ける少女の一言、一言に、二人の仲間は、かける言葉を見つけられずに。呆然と、立ち尽くす。

「こんなことなら――――プリキュアになんて、ならなきゃ良かった――――生き返りなんて、しなければ良かった―
―――」

 呻くようにそう言って、せつなは笑う。泣きながら、自らを嘲るように、笑う。

「なんて考えてるなんて、ラブが知ったら――――すごく、怒るでしょうね……」

 それが、わかっていて。
 止めることが出来ない。
 言葉を失う美希と祈里を見上げる、せつなの瞳には。
 ただ、絶望の深い闇だけが広がっていた。

709 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 16:13:35 ID:AxUh0Yay
「せつな……」

 その全てを、ラブは、見ていた。聞いていた。
 家に入ろうとした時に、驚く程の勢いで美希が駆けてきて、そして、彼女と一緒にせつなの部屋に入りこんだのだけ
れど。

「美希タン、ブッキー、せつな……」

 呼び掛けてみる。長老からの力は、使わずに。
 だが、やはり彼女達にも、自分の声は届かない。
 唇を噛みながら、泣き続けるせつなの姿を見る。

 今すぐ、抱きしめたい。ラブは、そう思った。
 ギュッと抱きしめて、大丈夫、怒ってないよ、そう囁いてあげたかった。
 怒ってないよ。けど、悲しいんだ。せつなが、そんな風に泣いてるのが。
 けれど。
 ラブは、右の手を握りしめて、その衝動に耐えた。

 今じゃない。今のせつなに触れても、彼女を助けることにはならない。
 そう思ったから。

 せつな。どうすればいいんだろう? せつなを助けてあげたいよ。そんな風に落ち込ませてないで、笑っていて欲し
いんだよ。
 アタシがいない世界を、一番、怖がってくれてありがとう。
 けれどね、せつな。
 もう、せつなは一人でも歩けるんだよ。
 アタシがいなくたって、幸せになっていいんだよ。

 思いながら、ラブはそっとせつなの体を抱きしめる。
 力を使わないから、触れられず、すり抜けるけれど。
 万感の想いをこめて、彼女はずっと、抱きしめ続けたのだった。


 そのぬくもりは、しかし、せつなには伝わらなくて。
 彼女は、大切な人の想いが側に寄り添うことに気付かず、ただ、嘆き続ける。
 
710名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 16:15:40 ID:ogcckYuM
支援
711名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 16:31:33 ID:lrwLy7Af
食らっちゃったかな?いい所で、、、
712名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:07:28 ID:lrwLy7Af
生駒さん、避難所に続きあれば書き込んで下さい。自分がこちらへ
貼り付けます。
713名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:30:11 ID:3x0e2a3t
まだ解除されないんですか?読みたいですね続き
714 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 17:34:16 ID:AxUh0Yay






「……遅いわね」

 美希が、呟く。
 時間が経つのが、こんなにも早いと思ったことは無かった。
 せつなの部屋の時計がおかしいんじゃないか。そんなことさえ思った。けれど――――

「約束の時間まで、あと少し……」

 同じく気付いているのだろう。時計を見て、祈里が小さく呟いた。
 ラブとせつなは、しかし、まだ眠り続けている。一体どうなっているのか聞こうにも、長老すら目覚める気配が無いか
ら、何もわからない。
 このまま、二人が起きなかったら――――
 そっと、美希は盗み見るように、シフォンを眺めた。
 彼女は、やはり二人を心配しているのだろう。覗き込んで、悲しげにプリプーと呟いている。

「シフォン――――」

 ギュッ、と美希は拳を握りしめる。

 シフォンを見つめる彼女の瞳が、スッと細まる。

 もしも。
 このまま、二人が起きなかったら――――

 起きなかったら。
715 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/06(日) 17:35:28 ID:AxUh0Yay
以上です。

あと一つなのに、おさるさん。
仕方ないですね。
支援下さった皆様、ありがとうございました

とりあえず続きます。
よろしくお願いいたします。
716名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:41:37 ID:C8SYc4q9
>>715
GJ!2回ある力をラブやんはどう使うんだろう!
717名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:45:28 ID:PYNmJ+ke
いつもながらGJです
痛々しいぜ四人とも
そしてみきたん何を覚悟したの・・・(´・ω・`)
この続きを楽しみに次々と攻めてくる魔物「ボウネンカイ」と戦うのでありますorz
718名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:51:51 ID:2FtHIwhv
敵の仕掛けた夢の世界なのに
周囲の人間がせつなを立ち直らせようとするのが不思議な感じだ。
せつなが知覚しない範囲でも世界がきちんと存在するのも。
恣意的な悪夢というより、状況シミュレーターの中に放り込まれた感じなんだろうか。
719名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:55:46 ID:3x0e2a3t
凄いです!いつも読ませてもらってます!GJです
720名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 17:56:39 ID:lrwLy7Af
>>715
一人を選択した者と一人になりたかった者。
交錯する想いと感情。それはどちらの世界でも。
怒りの炎と傷だらけの妖精。そして憔悴しきった堕天使と。
与えられた二回の好機。どこで、いつ、ラブは使うのか…。
ラブの優しさがもうたまらないよ、、、
721名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 18:02:44 ID:C8SYc4q9
>>718
周囲の人たちがしないはずの行動をしたら、
悪夢であることをせつなが気づくからかなあ?とか思った。
今日の本編みたいに。
722名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 18:14:47 ID:lrwLy7Af
どんな世界に行っても四人の絆は絶対なんだぜ?
誰かが傷つけばみんなが痛み、誰かが苦しい時はみんなが苦しい。

そんな状況を見ている自分はもっと辛い訳だがw
723名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 18:20:46 ID:C8SYc4q9
>>722
二次なのに一次を見ているような焦燥感を覚えますよね、わかりますw

もう450KBか、早いな

724名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 19:09:21 ID:3x0e2a3t
いつも思うんだけど、この生駒さんのSSだったり管理人さんの対応とか見てると2ちゃんを忘れちゃうんだよね。
720は管理人さんだよね?この前はすいませんでした。
725名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 19:49:34 ID:C8SYc4q9
ってか、みんな気づいてた?!

今日、初めて、せっちゃんが
“お父さん”って呼んだぞ!!

・゚・(ノд`)・゚・
726名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 20:03:13 ID:IlHelJNs
>>725
放送されてない部分でちゃんと言ってたんだろうな…
感慨深い
727名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 20:08:43 ID:lrwLy7Af
>>724
酒場の方がいいかも、そう言った話は。
>>725
もち。数少ない今日のまとめに入ってるー。

せっちゃんいい子。素敵な子。ラブさんそりゃ惚れるw
728名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 20:42:18 ID:C8SYc4q9
放送しきれない数多くのエピソードを、
こんなにもたくさん妄想できてしまう。
改めて凄いアニメ、凄いキャラたちに出会ってしまったなあ…。

これからの人生も含めて、間違いなく3本指に入った。
今のトコ、もちろん1位。
729名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 21:19:20 ID:DlNyM1dQ
>>725
俺には“お義父さん”と聞こえたぜ!
730名無しさん@秘密の花園:2009/12/06(日) 21:30:26 ID:lrwLy7Af
この流れ以前もwww
731 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:24:47 ID:air0PbqF
こんばんわ。

本編と全く関係なくてすみません。

美希せつ、エロありです。

タイトルは「甘えたい夜」です。

お目汚し失礼します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドアを閉める。

自動ロックの扉は、それだけで
勝手に鍵がかかる。

着替えの入ったバッグを放り投げ、
ベッドに転がる。

遠くまでロケに来た。
1泊2日で、撮影漬け。

表情が決まらなかった。
スタッフの反応も、いまいち。

「ふぅ...」

ため息をつく自分が、
嫌になる。

732 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:25:18 ID:air0PbqF

シャワーを浴び、
持ってきた寝巻きに着替える。

乾燥防止のため、
空調を切る。

湿度調整のため、部屋中に
濡れタオルを掲げる。

足元灯だけ灯った状態にし、
ベッドに入る。

表情が決まらなかった理由は
わかっている。

帰りたいから。

寂しいから。


たった2日、会わないだけなのに、
寂しい。


リンクルンを開き、
メールを読み返す。

「撮影頑張って!
 おみやげ期待してるわ」

ちゃめっ気のあるメールも
打てるようになったのね。

せつな。

733 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:27:10 ID:air0PbqF

突然、リンクルンが光って
アタシはベッドの中で軽く跳ねた。

せつなからのメール。

「撮影はどう?
 案外、ホームシックにかかってたりして」


どきっとした。

せつなは、人の気持ちに
とても敏感な子。

ラブよりも、ブッキーよりも
アタシの心の奥底を、見抜く。

せつなになら、甘えられそう。

ダメ。

アタシは、お姉さんじゃなきゃ。


返信画面を開く。

ぼんやりと、文字を打つ。

打った文字を見て、
また、ため息。

「あいたいよ」

こんなもの、
送れるわけないじゃない。

734 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:27:48 ID:air0PbqF

がくんと、部屋が揺れた。

「きゃっ!」

布団に潜り込む。
部屋が、軽く揺れている。

「地震...?」

しばらくすると、揺れがおさまった。

ゆっくりと、布団から顔を出し、
リンクルンに視線を戻す。


「メールを送信しました」


やってしまった。

735 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:31:33 ID:air0PbqF

布団の中が、
突然赤く光った。

眩しさに、目を閉じる。

まぶたに感じる光が消えた。

ゆっくりと目を開く。

パジャマ姿のせつなが
すぐ隣に横たわっていた。

「ちょっ!...せつな?」
「美希が、会いたいって...」

「いや、それは...」
「私も、美希をひとりぼっちにしないわ...」


そんなこと、言わないでよ。

寂しかったんだから。


おそるおそる、せつなの胸に
顔をうずめる。


せつなの体温。

せつなの匂い。


もう、我慢できない。


736 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:33:08 ID:air0PbqF
せつなの首のつけ根に、
口づける。

「んっ...!」
せつなの体が、ぴくんと反応した。

「こんなことしても、せつなは
 アタシを受け入れてくれる...?」


答えは無かった。


アタシの頭が、せつなの手で
胸元にぎゅっと押しつけられる。


せつなの髪に触れる。

さらりとした感触。
髪の匂いが拡がる。

顔を近づける。

唇を重ねた。

予想していたよりも、もっと
やわらかく、甘い感触。


唇を離す。

「とまらなく...なっちゃうよ」

答えはなく、せつなの指が
アタシの髪を梳く。

せつなに、触れられている。
それだけで、体の奥が熱く火照る。


深く唇を押しつける。

ゆっくりと、激しく
舌を絡めあう。

ふたりの体が、
みるみる熱を帯びる。

737 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:34:43 ID:air0PbqF

生まれたままの姿で
布団にくるまり、愛し合う。


お互いの火照りを、感じる。

擦れ合う、胸の先端。

はずむ吐息。

お互いを悦ばせている、
指先と、唇。

そのまま自分の悦びに
つながる。


「声が...出ちゃうよ...」

他のモデルさん達も、
別の部屋にいる。

せつなが微笑み、アタシの唇を
唇で塞いだ。


食い込むほどに、
唇を押しつける。


頂上が、来る。

「んん...っ!」

体の隅々まで密着しながら、
ふたりの体が、大きく跳ねる。


ベッドが、きしむ音を立てる。

738 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:36:25 ID:air0PbqF

荒い息が、交錯している。

せつなの肩越しに見える窓は
すっかり結露している。


せつなの胸に、顔をうずめる。

せつなが、アタシの髪を撫でる。

時々でいいから、
甘えさせて。

せつなに包まれて、
アタシは眠りに落ちた。




目が覚めると、
せつなの姿は無かった。

夢...だったの?


体を起こす。

夢じゃない。


体中に拡がる、
満たされた痺れ。

唇に残る、
せつなの感触。


シャワーを、丹念に浴びた。

鏡の前の、アタシを見る。

今日は、いい表情が出来そう。

おみやげ、期待しててね。

739 ◆BVjx9JFTno :2009/12/07(月) 00:38:31 ID:air0PbqF
以上です。
お目汚し失礼しました。

本編と生駒さんのSSが重いので(楽しんで読んでます)
反動でエロに走りました。すみません。


740名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 03:56:20 ID:mTtEyuiu
>>739
貴方のエロひさぶり!
堪能しました!
やっぱりいいな、美希せつ…
741名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 07:07:37 ID:v3RpdaQn
何事なしに日テレ見てたらLCGFのテーマ流れててふいたW
で美希せつエロ読んで高まったW

素晴らしい朝だな
742名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 08:09:48 ID:Z5qFEvjn
某スレより転載

桃園 ラブ
1995年3月15日
血液型 O型
蒼野 美希
1994年12月26日
血液型 A型
山吹 祈里
1995年2月7日
血液型 B型
東 せつな
1994年12月7日
血液型 A型

今日はせつなの誕生日ですね、そして多分生まれて初めて祝ってもらえる日でしょうね
誰かSS書いてくれないかな
743名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 08:46:24 ID:Z5qFEvjn
なんか荒れそうな気がしてきたので連投させてもらいます
742はピーチ役の沖さんのブログからだそうで、明確なソースは明らかになってません
いい加減なもの書くなとか思われた方、ネタ程度として御容赦下さい。
744名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 09:21:59 ID:G/4/EbUK
え、今日がせっちゃんの誕生日なの??
おいおい何の準備もしてねぇぜ
745名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 09:28:22 ID:v3RpdaQn
ウィキも消されていい加減な事書くな言われてたな。
でも沖たんのはリアルじゃね?
つか誕生日設定無いのがおかしいよねw
746名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 11:17:19 ID:G/4/EbUK
ラビリンスに果たして暦があるのか…

ラビリンス暦を、人間界の暦にあてはめると12月7日になるのか?

まぁ本当なら大変めでたいわけだが
公式でハッキリ発表されてるわけじゃないから微妙かな

自分的には、イースがパッションとして生きてく決意をした日が
せっちゃんの誕生日だと思ってるw
747名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 12:38:17 ID:G38q0fqj
まあ話半分として、とりあえず自分とせっちゃんの相性占いをしてみた。
ここで
http://www.fab-ami.com/uranai.htm

66点、あまり良くなかったorz
748名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 12:55:24 ID:v3RpdaQn
どんなに頑張ってもせつなはラブの嫁w
749名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 16:37:35 ID:G/4/EbUK
今日も寒いぜ
クローバーは鍋パーティーとかやるのかな

せっちゃん真面目だから鍋奉行になりそうw
750名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 17:03:19 ID:mTtEyuiu
「ラブぅ!まだそこら辺は煮えていないってば!」

「たはー!ごめんせつな」

「せつな、ココ食べていい?」

「その辺りならいいわよ美希」

「ん!完璧!」

「せつなちゃん、ココもいい?」

「ブッキー?そうね、そろそろいいと思うわ」

「んー、美味しい!」

「せつなぁ〜…まだなの…?」

「ごめんごめんラブ、もういいわよ」

「やったー!パクパク…んまー!最高!さすがせつな!何作っても美味しいよ」

「ラブったら大袈裟なんだから」

「あー熱い熱い…お鍋のせいかしら?」

「それだけじゃなさそうね…」
751名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 18:04:58 ID:v3RpdaQn
良妻やなぁせっちゃん。もう一緒に住んじゃいなよクローバーw
752名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 19:26:46 ID:TXYLtwBm
ここのところの相次ぐ美希せつ作品投下
当方は素直に嬉しゅうござる
美希たんが主導権とられっぱなしなのは
原作準拠なのだから仕方が無いw

>>739
美希とせつなは何故かハプニングがお似合い

せつな「そうね、目の前に生ダコ突きつけられたりね」
美希 「あの大将、一体どこにあんなものしまってたのかしら・・・って
    今さらイヤなこと思い出させないでよ」
せつな「次の映画は海が舞台だそうね」
美希 「今から不安にさせないでよ」


>>742
美希 「えぇ〜っ!」
せつな「私7日、あなた26日
    美希、これからはお姉ちゃんの言うこと、ちゃんと聞くのよ」
美希 「だっ、大体アタシとあなたは姉妹じゃないわよ!」
せつな「ふーっ」
美希 「何を安堵の表情浮かべてるのよ
    そんなに妹やるのはイヤだった?」
せつな「違うわよ・・・もし、私たちが同じ誕生日だったら
    この先の放送、一体どんな超展開が待ち受けているのかと思って」
美希 「あなた、何気に怖いこと言うわね」
753名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 20:18:41 ID:5PZaCI8u
ちょっとwwパンツ先生www
754名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 21:10:36 ID:G/4/EbUK
>>750
まさか鍋小ネタ書いてもらえるとはwww サンクス!

>>753
パンツ先生フイタww さすがだぜ
画力といい作品の幅広さといい、わりと年季の入ったアニメーターなのかな?
755名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 21:28:10 ID:x7Ao/+t/
パンツ先生はゲームメインでたまにアニメもやるアニメーターだったと思う
756名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 21:30:12 ID:pp2drGPS
パンツ先生のおかげでSSが書ける。俺がもっとも得意とするCPだ。
757名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 22:04:04 ID:pp2drGPS
>>739
唯一甘えられる存在、唯一完璧では無い自分を知ってる存在、
それが東せつな。不思議な魅力を兼ね備えた彼女の前では、
蒼乃美希も一人の少女へ戻る事が出来る。
体温も感触も唇も髪も全部抱きしめて、お互いに…。
たった数時間の情事が、美希に最高の表情を蘇らせたんですね。

>>750
保管しますのでタイトルあれば、とカテゴリーの指定を(複数or小ネタ)

>>752
先日、美希せつ合同保管した場所に加えます。が、誕生日ネタは
ソースがないので保留で宜しいでしょうか?申し訳、、、
758名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 22:23:04 ID:TXYLtwBm
美希&せつなは一緒に酒飲んでる姿が妙に似合う
居酒屋で

このふたりは成長したら、さぞかし大変な美人になるだろう
美希はもちろん、せつなだってかなりのレベルのお洒落さんになっていよう

それでも、居酒屋
しゃれた雰囲気の素敵なお店・・・とかじゃなくて
やっぱり、居酒屋

759名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 22:27:22 ID:Jdfyv6+v
他のスレでもよく見かけるんだけどパンツ先生って何?どこで見れるの?
760名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 22:30:02 ID:TXYLtwBm
>>757
毎度ありがとうございます
そして、何か変に気を遣わせてしまったようですみませんw
761名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 22:34:29 ID:v3RpdaQn
>>759
このご時世にはだな、Googleと言う素晴らしい(ry
762名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 23:43:13 ID:air0PbqF
>>758

結構前のスレで出ていた書き込みで
いいなぁと思ったのがあったね。

泣き上戸の美希たんに、
酔って熱く語ってるせっちゃんw
763名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 23:50:07 ID:pp2drGPS
OLのafterみたいで何か好きよw

んじゃ、パンツ先生のおかげで書けたSSとゆーか準SS投下させて下さい。
ラブ×美希、ほぼ会話のみ、すぐ終わります。さらりと読んで頂ければ。
では!
764【Bitter&Sweet】MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/07(月) 23:52:29 ID:pp2drGPS


「まさか美希たんだとは思わなかったよー」

「それはこっちのセリフ。」

「怒ってるぅ?」
「怒ってない。」
「ほんとにぃ〜?」
「ホント。」

「じゃあさぁ〜」
「何?」




「チューしてよ。」

「いやよ。」
「何でさぁ〜」
「さぁね…」





「やっぱ怒ってるじゃん…」
「そりゃそうよ。」


「ごめん。」





「痛くなかった?アタシのキック…」


「……心が痛かった。」


「ゴメンなさい。」




765【Bitter&Sweet】MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/07(月) 23:53:21 ID:pp2drGPS
「キス……する?」


「…うん」





唇と時を重ねる二人の少女。
大人の味だけど、ちょっぴり…甘い。



「ねぇ、美希。」
「ん?」

「あたしのパンチ、痛かった?」

「でも、手加減したんでしょ?」

「うん。不思議と本気にはなれなかったの。」




「…ありがと。」
もう一度重ねる唇。今度はずっと………甘く。





「ラブ…。たまには戦うのもイイかもね。」


「……ベッドの上で、ね。」


〜END〜


766名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 23:56:19 ID:pp2drGPS
ラブと美希のCPに物凄く萌えるんですよね、何故か。
好敵手でありお互いを認め合う。その先に百合と言う関係。
希少でしょうな、自分みたいな奴はwww
767名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 07:12:03 ID:wLa5fnYk
希少も何も昨日の状態でよく書けるなと…。何で頑張ってる人が叩かれるんだか不思議でたまらん

あ、GJ!妙にエロく感じたのは俺だけかw
768名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 08:26:33 ID:unQ5fvmp
昨日、何か荒れたっけ?
769名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 08:30:28 ID:SNwO5j79
誰が何に叩かれたの?
俺も気を付けるから教えてくれ
770名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 08:32:42 ID:mT2IgKNL
ラブって総攻めだよなぁ…(ポツリ

ま、叩きたいヤシはほっときゃいーんだよ。
こんだけ人が集まってりゃいろんな意見があって当然。
このスレの住人はきっとみんな
管理人氏のことは支持してるし感謝もしてるはずだよ
少なくとも自分はそうさ
771名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 08:35:30 ID:RG3L/Itl
叩きなんてあったのか?見直したがわからん
772名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 08:35:42 ID:kv+jyuFG
>>769
保管庫で上から目線の可哀相な子が暴れてた
773名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 08:39:13 ID:wLa5fnYk
>>768
保管庫でね。ここにも時々現れる嵐と一緒ぢゃねーかと。
ま、あんま持ち込んでも宜しくないので…

なかよしもう発売したっけ?チェックし忘れたw
774名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 11:00:30 ID:DbSgZeW4
そろそろ次スレのテンプレを
どうするか決めた方がいいんじゃね?
775名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 12:07:01 ID:wLa5fnYk
投下の注意ぐらいだよね、増えたの。
776名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 15:00:21 ID:kv+jyuFG
保管屋さんに一任していいんじゃないの
前に持ち込まれたけいおんテンプレは細かすぎて使いにくそうだし
777名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 19:48:02 ID:NEzRc+Rn
>>757
タイトルは【せっちゃんは鍋奉行】で。
保管カテゴリーは小ネタでお願いします。

いつもいつもありがとうございますm(__)m
778名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 21:55:05 ID:akmUwS4X
昨日からほんと申し訳…

>>777
保管完了です。補足は>>749さんの書き込みを改造してみました。
お二人の会話の流れでしたからちょうどイイかなと。

次スレ用テンプレ、同志が作ってくれたのをほぼそのまま使っています。
長いので避難所169に貼ってあります。ご意見、ご指摘あれば避難所で
お願いしまーす↓
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257078258/l50
779名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 23:00:52 ID:mEAGKLr8
>>778
俺はそのテンプレ案で不満はないけど、テンプレについての意見はこの本スレで
募るべきじゃないの?
というわけで避難所に貼ってあったテンプレ素材をそのままコピペ。
1レスには書ききれないので分割。

〜〜ここからテンプレ素材〜〜

フレッシュプリキュアで百合8

フレッシュプリキュアの百合について語ろう!
百合な雑談、妄想、SS投下等ご自由にどうぞ。
※SS投下時は下記SS職人ガイドラインを熟読願います。

次スレは>>970を踏んだ人が立てること
もしくはスレ容量(490KBを超えたぐらい)を見て判断しよう。
基本はsage進行で。

前スレ
フレッシュプリキュアで百合
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1237612270/

フレッシュプリキュアで百合2
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1250244090/

フレッシュプリキュアで百合3
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1251727459/

フレッシュプリキュアで百合4
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1253455706/l50

フレッシュプリキュアで百合5
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1254778481/l50

フレッシュプリキュアで百合6
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1256323120/l50

フレッシュプリキュアで百合7
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1258474749/

フレッシュプリキュアで百合SS保管庫 @ ウィキ
http://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html

フレッシュプリキュアで百合避難所(規制で書き込めない場合はこちらへ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257078258/

フレッシュプリキュアで百合(映画専用)映画的百合な雑談や妄想、SSはこちら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1259508438/

百合板の酒場(タブーな話題、軽度な馴れ合い等はこちらで)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13211/1257946944/

無印からフレッシュまで、どのカップリングもオッケー
プリキュアシリーズ百合萌えスレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1248184495/601-700

プリキュア5までの百合を語りたかったら↓
じゅうににんはYES!百合キュア
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1197494966/
780名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 23:01:37 ID:mEAGKLr8
■SS職人ガイドライン
・キャラや物語のイメージはあまり崩さないようにしましょう
・雑談や妄想で盛り上がってる時の投下は控えましょう
・SS投下前に、SSのタイトル・組み合わせ・おおよその消費レス数を宣言しましょう
 1レスあたり60行までOKです
・名前欄にSSのタイトル・トリップ、もしくは宣言時のレス番号は必須です
  (転載や続きを書く時の本人証明に使用、スレ内のSS抽出、NG指定に使用等)
・三次創作(他職人の二次創作の続編・改編・イラスト化等)時、事前に宣言し
 作者の応答を待つ、反応が無い場合は投下宣言&名前欄でNGし易くする等
 ご配慮下さい
・SSは間隔を開けないよう投下、リアルタイム執筆は止めましょう
・SS投下完了後は終了宣言をしましょう

※SS投下中、住人はなるべく割り込みを自重しましょう

規制について

★改行規制
1レスにつき61行以上が規制対象です。

★連投規制
30分以内に10レス目を書き込むと規制対象になります。
10レス以上の投下には9レス毎に30分のインターバルが必要です。支援は無効です。

〜〜テンプレ素材ここまで〜〜
781名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 23:12:35 ID:6SuiqeSZ
前スレは現行スレだけでいいと思うんだ。
782名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 23:14:27 ID:TefdLNNf
まぁ過去スレ辿りたい人もいるだろうからテンプレにはいると思うけど、
>>1にずらりと並べて書く必要はないと思うね
>>2-4あたりみたいな書き方でいいのでは。
783名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 23:34:13 ID:G9fGT6ds
・雑談や妄想で盛り上がってる時の投下は控えましょう 

ここの線引きはどーするかね

放映終了後にSS投下とか順調にレスが付いてる時は流石に論外だと思うけど
1時間に1レスぐらいの間隔で延々レス付け合ってることもあったし
そんな時でも割り込んだらやっぱダメなのかね
784名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 04:44:17 ID:FZAulhZ/
テンプレは異論無いです。管理人さんご苦労様です。

線引きと言っても、放送終了以外で会話が盛り上がる事はあまりないような気もしますが…。

妄想会話が続いてる時だけ注意でいいんじゃないのかと。
785名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 09:26:54 ID:GzWAw0N3
何故だか分からんが、妙な夢を見た。
美希とブッキーが一緒に歩いてるんだよ。
(あ…ブッキーまた胸が大きくなったみたい。服の上からでも分かるわ)
「ん?どうしたの美希ちゃん?」
(ボタンがあったら押してみろって格言があるくらいだもの。これは確かめないとね)
もにゅ もにゅ
「ひゃあああ!?ちょ、ちょっと美希ちゃん!?」
「やっぱり大きくなってたみたいね。今度新しいブラ買いに行きましょう」
って所で目が覚めた。
786名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 10:00:56 ID:1x0SsruP
>>785
ナイスな夢だ
787名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 12:18:05 ID:FZAulhZ/
書き込みの少ない時間帯に投下があれば嬉しいんだけど無理なのかな?
みんな夜なんだよね。
788名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 12:24:11 ID:VphPJECh
>>787
ヒント:平日日中
789名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 13:00:07 ID:FZAulhZ/
やっぱ無理か…。ほとんどが夜投下ということは社会人なんだろうし。
休憩時間にここ見て、何もないと寂しくて。

何でブッキーは胸大きいって言われるの?そんな描写あったかな?
790名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 13:02:49 ID:xQAmJsGS
そんな気がする。そうだったらいいな。位のかんじじゃない?
おれは賛同してる。
791名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 13:23:47 ID:11pJqK/R
ぽっちゃりしてるからじゃない。
変身シーンの肉付きの描写の丁寧さはスタッフの執念を感じたよ。
792名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 13:25:25 ID:xQAmJsGS
確かに。脚の、特にもものね。
793名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 13:25:37 ID:11pJqK/R
ぽっちゃりしてるからじゃない? に訂正。
794名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 13:48:14 ID:8+clW8ul
美希たんはスレンダー。ブッキーはぽっちゃり。
お互いにお互いのプロポーションを羨ましがってるわけですね。

「美希ちゃん細くて羨ましい……腰もこんなに……」
「あん!そういうブッキーの胸だって……」
「ひゃん!……ヤ……美希ちゃんそんな…に…揉んだら……」
「ブッキから触ってきたんでしょ……ふふ、フワフワのマシュマロみたい……」
「や……やらしい……変な気持ちになっちゃう……よ……」


「って事をやってると思うんだよ、せつな」
「ラブ……それじゃ私達と一緒じゃない」
795名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 14:39:36 ID:+UXXpbJK
美希たんスレにこんなのあった。裸絵につき閲覧ご注意。
ttp://sukima.vip2ch.com/up/sukima030312.jpg
796名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 17:11:32 ID:FZAulhZ/
ブッキーの事教えてくれてありがと!
>>794
GJっす!やっぱ美希ブキいいなぁ。
797名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 18:40:55 ID:xQAmJsGS
ブッキーのふっくら体型は美希たんの趣味だとしたら…と考えてみる。
798名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 20:52:54 ID:vW7RfXdl
子供の時から自分好みの体型になるようにブッキー
を育成している光源氏美希たんが頭に浮かんだw
799名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 21:44:19 ID:IolW5A3E
>>795
今の流れからみて、美希ブキの絵かと思えば・・・w

このふたりだと・・・激しそうww
800名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 21:51:35 ID:FTQJ8NpI
>>798
ブッキーに甘いお菓子を差し入れたりするんだなw
801名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 22:04:57 ID:MAqmftz+
戦士として鍛えてきた肉体もベッドの上では役立たず

美希「はい、いい子いい子〜」
せつな「(もうっ、調子に乗るなっ)」
802名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 22:07:55 ID:MwZVpopi
こんばんは。テンプレですが、過去スレはカットして保管庫の関連リンク
へ誘導するのはどうでしょう?こちらだとすぐ過去スレも閲覧出来ますし。
テンプレも軽量化出来ますしね。

線引きですが、ほとんどの職人さんは深夜投下ですし、そんなに気にしなくても
平気かなって。ただ、月曜に自分が投下したタイミングはNGだったかも
しれません…。流れ豚切りしたかもです、、、
なので、心配だったら投下していいか聞いてみるのもアリ。
とは言え、お互い優しい心で接し合う事でスレは円滑に進むかと思われ。

テンプレは過去スレカットでそれ以外はそのまま使うつもりです。
作ってくれた>>326>>338に敬意を。

>>785>>794
合同保管します。すっごく 萌 え た 。
803名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 23:49:42 ID:21EqvyC0
保管庫からだと専ブラからログ探したいときにいちいちコピペしなきゃいけなくないかね
それぐらいの手間なら許容範囲?だったらいいけど
過去すれはどっか残しておいてほしい気持ちがすごくある
804名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 00:19:17 ID:effRnvC2
関連リンクとガイドラインは>>1にして過去スレは>>2以降という形にするかい?
まぁ、どれだけ過去スレに需要があるかという話だと思うけど。
ちなみに俺は過去スレ追えないので不要派w
805 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/10(木) 03:34:22 ID:5mxwOfEP
こんばんは。

投下しに来たのですが、容量の残りも少なく、また自分でスレ立て再挑戦したら、
やっぱり立てられず……

さすがにこの状況でSS投下は出来ないので、リンク貼り付けさせて頂きます。

>>718
基本的に、28話のような世界だと思って頂ければ幸いです。
サウラーの話だと、楽しい思い出の世界云々とのことでしたが、ラブが目覚める後押しをしたのは、シフォンの力が
あったとはいえ、源吉さんでした。
それと一緒で、夢とはいえ、あくまでもせつなの心の延長線上にある、というイメージです。
心の裏側とはちょっと違いますね、そういう意味ではw

うーん、ここらへん、本来であれば物語中で説明出来ればいいんですけれどね。まだまだ精進が足りません。

さて。

>>43-48 君がため 惜しからざりし 命さえ
>>103-106 されど少女は 思いを振り切りて
>>135-142 忍び寄る影 心 惑いて
>>237-244 ただ、守るために ただ、救うために
>>316-322 巡り、迷う――――落ちる
>>345-350 そして、悲劇
>>402-408 ここに あなたが いない ――――Here Without You――――
>>536-541 失いし もの ――――Just lose it――――
>>668-673 あなたの側に 寄り添いて   ――――Ghost――――
>>703-714 ひとりに なりたくて  ――――Leave me alone――――
の続き。

『偽りの、少女 ――――Fake――――』
シリアス、非エロです。


気がつけば十一話ですって。長期連載ですねぇ。
806 ◆ZU7CldKWo2 :2009/12/10(木) 03:35:02 ID:5mxwOfEP
肝心のリンクを忘れたorz

ttp://ikomaru.blog76.fc2.com/blog-entry-87.html

すいません。
807名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 08:02:24 ID:4lSSR2e6
携帯からだと保管庫からの過去スレ直リンは見れないね。これってPCのみなん?
808名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 09:51:37 ID:HE6yO0vQ
>>806
あゆみさああああん!!
809名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 10:01:02 ID:PGWWd/OZ
>>806
あゆみさんか!?あゆみさんがキーパーソンなんか?!
アルバム捲るシーンで鼻水出た。くそぅ、胸が痛てぇ…。
810名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 11:08:01 ID:i5MSE/0C
>>807
自分も携帯からだけど、変換後の分ならモバジラからなら見れたよ。

どなたかPCの方、次スレお願いできませんか
811名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 11:45:35 ID:4lSSR2e6
>>810
t。次スレまだテンプ決まってなくね?保管屋早く汁w
812名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 12:33:59 ID:RW0gJGlG
決めるのは保管屋さんだけじゃないだろう。

>>1にスレの紹介とガイドライン、
>>2以降に過去スレのリスト
という形に賛成。
813名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 13:54:27 ID:si41ffJy
もう20レスくらいカキコ出来るのであせらないあせらない
814名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 21:15:16 ID:Xmd++Tsk
お待たせしましたー。おそらくこれで見やすくなったかと、、、
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1260447175/
815名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 21:26:49 ID:Xmd++Tsk
日中は投下も作業も出来ませんwww
保管庫はほぼ、PC推奨状態ですね。ご迷惑おかけしてます…

>>806
限られた時間の中で戦う二人の少女。―――仲間のために。
帰ってくる場所を守るため。シフォンを守るため。
最初から勝てるとは思ってないはず。それでも……
あゆみの涙。言葉にならない想いと悲しみ。その姿を見詰める―――ラブ。
せつなだけが今もなお、暗闇から抜け出せないでいた…。

もぅ早く助けてあげてぇぇぇぇorz
816名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 22:38:55 ID:PywMvvcQ
>>814乙〜!
見やすくなったよ
817MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/11(金) 01:48:13 ID:oYiBqcgy
誰もいないようなので、ちょっと投下。アナザーストーリーです。
あの時、イースが死なずに戦いが続いていたら…。
ベリー×イース、白、数レスお借りします。違和感覚えたら回避して下さい。
では!
818MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/11(金) 01:48:47 ID:oYiBqcgy
【もう一つの可能性〜Another possibility】

「言ったでしょ、そんな格好じゃ風邪引くって。」
「風邪など引いてはいない!それに!」
「それに?」

「…」
「何よ?」

「……」
「黙ってないで…」
「手を……離して…くれないか…」

「ふふ。」
「貴様っ!」
「はいはい。ほら、着いたわよ。」


何回戦ってもいつも、不完全燃焼に終わる。
倒さなければならない存在なのに。


だって、アタシの体に傷を付けるのだから。


彼女の名はイース。
アタシもまた、彼女を傷付けている。
819MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/11(金) 01:49:22 ID:oYiBqcgy
コイツは一体何を考えているのか…。
私は貴様にとって敵であろう。

なのに。


戦士として、あまりにも最後の一手に欠けている。

が、手加減しているようにも思えない。
それは、この受けた傷が物語っている。


「答えろ。」
「何?」


「何故、顔を攻撃しない。」
「決まってるでしょ、そんなもの。」
「何だ?」


「イースの顔がカワイイからよ。」
(!!!???)


この私、イースをおちょくっているかのように平然と言ってくれる。


落ち着かない感情は一体………何なんだと言うのか…。



キュアベリー。
蒼乃美希。

どこか、不思議なオーラを醸し出す女性。
私と同年代のはず…なのに。
820MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/11(金) 01:50:11 ID:oYiBqcgy
まさか敵を自分の部屋へ誘うなんてね。
魔が差したのかしら。


「座っててよ。今あったかい飲み物持ってくるから。」
「毒でも入れるつもりか?」

アタシはクスっと笑って。
「じゃ一緒に飲む?それなら信用してくれるでしょ。」


「早く……来てくれ。一人では…」


自分が情けない。こうも敵に…、プリキュアにペースを握られて。
私は何をやっているんだ。

歯がゆい。特にこの、何と言うか…。


胸の奥がもやもやする………。



部屋の中は嗅いだ事のない匂いで満ち溢れていた。
ふと目を瞑る。

落ち着く。

心地よい。

気持ちいい。


ラビリンスには無い世界だ。どうすればこの世界を作れるのだろう。

癒しの空間とでも言うべきか。


私は少しずつ、少しずつ…
821MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/12/11(金) 01:50:41 ID:oYiBqcgy
「お待たせ〜。ホントに一緒に…ってアレ?」
せっかく作ってきたのに、あろうことか寝てるよこのコ…。


アタシは起こさないよう、そっと毛布をかけ隣に寄り添う。

作ってきたママ直伝のゆずハチミツをゆっくり、啜りながら。









(惚れちゃった、アタシ…?)

















(……美希……)

〜END〜
822名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 01:55:02 ID:oYiBqcgy
美希せつと言うか美希イースって感じでしたね。ちょっぴりベリーかな?
もう少し、大人の雰囲気も出せれば良かったのですけれど。
この二人の好きな所は距離感≠セったりする訳で。
読んで頂いた同志の方、感謝致します。お目汚し失礼しました。
823名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 07:45:41 ID:qHPa9X4d
>>821
いいね!
もう目覚めたところで口移ししちゃいなyo
824名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 08:17:18 ID:8Pii9e8q
イースいいな〜イースとベリー似合うなぁ
本編ではイースはピーチオンリーだったけどw
また終わり方が…なんか…目覚めた後見てみたい〜!
825名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 08:20:30 ID:/OiGXuWR
出来れば×せつなで読みたかったかな。イースの口調があんま思い出せなくてW
あ、スレ乙でした!
826名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 11:10:10 ID:/OiGXuWR
日曜はまたアイツら出てくんのか…。何やっても超えられない壁があんのになW
827名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 13:46:03 ID:h16c9Yeu
>>822
イース懐かしいなあ。ツンツンなとこ良いよね!
…うん、軍人チックでツンツンなせっちゃんとラブ、美希、ブキの絡みも良いなあ…。


次回から次々回にどう繋がるのか気になる。
正体バレには、クリスマス回には家族との描写だけにして欲しいんだが…
しかし、スウィーツ王国に行くのとそれだけじゃ埋まりそうにないし。
828名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 16:57:01 ID:iJznrAhl
さらっとネタバレすんなやw

テンプレにネタバレ禁止の一文を盛り込むべきだったかもな。
829名無しさん@秘密の花園:2009/12/11(金) 18:28:35 ID:h16c9Yeu
すまん
バレ追っかけてたらボケちまってた。
830名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 03:45:39 ID:wn8ohGmR
乙です。
美希イース、とても新鮮でした。美味しかったです。
831794:2009/12/12(土) 06:24:20 ID:gh3/OdOr
小ネタ保管していただいてありがとうございました。スレ立て乙&美希イースGJです!

明日が怖いな。三人組別に嫌いじゃないが、こないだのmksbで最後で良かったんじゃ……>鬼門回
832名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 08:00:56 ID:nvw7yLvo
D輔君の出番も先の沖縄回で終わりでいいと思った。
ラブやんとの関係は、あの回に凝縮されてたと思うし。

…最終回までにどこまで踏み込むのか。ラブやん、どうか超絶鈍感のままでいて…
833名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 08:45:29 ID:HYXNymfg
本編で何があろうと
ラブやんとせっちゃんは夫婦円満だぞい
834名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 10:12:02 ID:tB8UMg7O
プリキュアは恋愛なんて書く気ないんだけど、視聴者層を広げるために無理に挿入せざる得ない
だから物語には絡まないし、とって付けたような変な話ばかりになる
ラブせつの丁寧な描写と展開とラブ大の適当なそれと比べてみたらよくわかるね
ラブせつの友情・親愛は物語のテーマそのものに関わるしね
3人組はオードリーみたいな気分で見てたらいいと思う、彼らが悪いわけじゃないさ
835名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 10:19:22 ID:vgikNr5w
ぶっちゃけて言うと
最終回のストーリーより、ラブせつの行く末の方が気になってしょうがない
836名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 11:10:04 ID:xLjw1kcL
本編ごときに左右されるようじゃまだまだ妄想力が足りない
837名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 11:16:48 ID:UeC/vzHm
正直このままプリキュア的な予定調和な終わり方で構わない気がしてきた。
衝撃的な展開が、せっちゃんを苦しめるような物だったら、なんていうか、観たくないw

もうすっかり、作品として観れてないなw
838 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 13:56:46 ID:wG3i8aVM
こんにちわ。

まだ投下出来るかな?

42〜43話で闘いが終わったあとの
エロ妄想が膨らんでしまいました。

ラブせつ、エロあり、43話の後を想定です。

お目汚し失礼します。
昼間っからすみません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

湯冷めしないうちに、
布団にもぐる。

体は、まだ熱い。


天井を見つめる。

この部屋を出るときと、
変わらない風景。

アカルンを使って家を出たのが、
ずいぶん前のことのように思える。

帰って来ない、覚悟だった。

839 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 13:57:18 ID:wG3i8aVM
捕らわれた私を救ってくれたのは、
みんなの声。

ラブの声。

「思い出してよ。
 せつなの、本当の気持ちを!」


生きて、帰ってきた。


緊張の糸が、ぷつりと
切れている感じがした。

途端に、恋しくなる。

ラブに、そばにいて欲しい。
そばに居たい。

抱きしめて欲しい。
抱きしめたい。


愛して欲しい。

愛したい。


枕を抱え、部屋を出る。

840 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 13:57:51 ID:wG3i8aVM
廊下に出た瞬間、
人影が視界を遮った。

「きゃっ...!」
「あっ...!」

枕を抱えた、ラブの姿。

「ラブ...?」
「せつな...?」

紅潮した、ラブの顔。
少し内股気味に、もじもじしている。


考えていることは、
同じなのかも知れない。

火がついたように
体が熱くなった。

片手で枕を抱えたまま、
右手でラブのパジャマの裾を掴む。

「せつな...」

答えず、ゆっくりと裾を引き、
私の部屋にラブを入れる。

ドアを閉めた瞬間、私とラブは
枕を放り、体当たりするように抱き合った。


何も、話さなかった。

ただ、貪るように
唇を吸い合った。

鼻から漏れる、息の音だけが
聞こえる。


そのまま、ベッドに倒れ込む。

841 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 13:58:59 ID:wG3i8aVM
夢中だった。

私の体全体で、
ラブを感じたかった。

お互いの、唇と、指。

お互いの体を、
すみずみまで這い回る。

私の愛撫で、
ラブが歓喜の声を上げる。

私の体も、ラブの愛撫に
応えるように、甘く跳ねる。

吐息がぶつかる。

指が絡み合う。

蜜が跳ねる音。


何度も、何度も、
お互いを呼び合いながら、

息が止まるような痙攣と、
甘い弛緩を、繰り返す。


ひたすら、お互いを求め合った。

情欲が、安堵に変わるまで。

842 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 13:59:34 ID:wG3i8aVM
ぬくもりの中で、目が覚めた。

ラブの胸に、抱かれている。

全身からふき出していた汗は、
すっかり引いている。

中が、少しだけ痛い。

激しく乱れたことを思い出し、
耳まで熱くなった。


規則正しく動く、ラブの胸。

あたたかくて、
やわらかい。

大切な人を、愛する。
大切な人に、愛される。

幸せな時間。

843 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 14:00:03 ID:wG3i8aVM
ラブの胸に、軽く口づける。

「ん...せつな...?」

軽く身じろぎをし、
ラブが目を覚ます。

「ごめん...起こしちゃった?」

「ううん、いいよ...」

私は顔を上げ、ラブの胸から
首筋、耳に口づける。

ラブが、私の髪を梳く。

「居なくなっちゃやだよ、せつな...」
「うん...」

私も、ラブの髪に指を通す。


「ずっと一緒だよ、せつな」

ゆっくりと、時間をかけて
唇を重ねる。

ラブが、私の胸に
顔をうずめる。

大好き。

想いと、胸の鼓動が伝わるように、
ラブの頭を、胸に押しつけた。

844 ◆BVjx9JFTno :2009/12/12(土) 14:01:45 ID:wG3i8aVM
以上です。
お目汚し失礼しました。

タイトルは「生還の実感」でお願いします。

昼間っから何書いてんだ俺orz
845名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 14:23:18 ID:HYXNymfg
>>844
昼間っからごちそうさまでした!
やっぱりあの後乱れたんだな
実に予想通りww
846名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 15:34:46 ID:epvxmSHj
>>822、美希はちょっと引いた客観的な目線ができるのが、魅力ですな。
そして、その賢さがまた弱点でもあると言うか。

>>844、昼こそエロが書きたくなるもんです。ええw ご馳走様でした。
847名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 15:50:06 ID:vgikNr5w
>>844
ラブせつサイコーだよ

このスレのおかげで
来年2月以降も生きていけるよ
848名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 16:54:45 ID:YhR+xNsI
ふぅ、映画ダブルヘッダーは腰にくるな......
やはり、美希せつは絶対的な信者がいらっしゃるのね。
感想すいませんでした。どうぞお気遣い無くー

>>844
求む者、求める者。それは命ある者しか出来ない行為。
考える事は一緒。だって―――恋人だから
お互いを大切に想う。だからこそ愛し合える関係。
それは、彼女たちの永遠の安らぎかもしれなくて…。
もう二度と離しはしない、離れはしないと心に決めて…ね。
849名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:08:53 ID:YhR+xNsI
連カキすいません。
大輔は嫌いじゃないです。ラブさんともしかして…と何度も思いましたし。
だけどね…

キャッチャーとおぼっちゃまはダメだw
釣り合わない。てか、脳内からこの二人は消すつもりだw

このスレのおかげで
来年2月以降も生きていけるよ
    ↑
 そ の 通 り 。   
850名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:18:49 ID:HYXNymfg
>>849
> キャッチャーとおぼっちゃま
誰かと思ったら
ハゲとらっきょのコトかw

自分は♂で許せるのは
ホワイトタイガーさんくらいかな
851名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:49:07 ID:tB8UMg7O
>>849
自分は逆で大輔だけ認められない
如何にもあのリアル厨二みたいな偉そうな言葉使いがダメなんだ
硬派気取ってるくせにやってることは軟派と言うか
ピーチの前の彼は良いんだけどなあ
でも彼が好きって人は良い人が多いような気がするな、自分は器が小さいw
って百合スレでごめんよ、何処で書いても嫌がられる話題w
852名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:57:13 ID:nvw7yLvo
大輔君はなあ…こう、shitにかられるというか。
理屈というより、体の奥底から認めたくねえ!というかw
853名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:57:49 ID:YhR+xNsI
>>850
白虎さんにヤキモチ焼いたのは内緒なんだぜw
>>851
それだ!ピーチの前での彼は好きなんだ。
3バカの時はご指摘通りやわらかすぎる。

結局、クローバーの四人が仲良くしてる姿を見てる
だけで自分は幸せなんだと言う結論が生まれる。
これは永遠に変わらないと思うの!
854名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:59:31 ID:EHB1dUK4
>>管理人
変なネタ振るなw容量見てみろwww
855名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 18:28:36 ID:axmA38cZ
>>854
もう次スレ立ってるし埋めの燃料にはいいんでないかい?
856名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 18:30:29 ID:EHB1dUK4
あ、そなの?次スレ立ってんだ。わりぃ保管庫から来たもんで
857名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 18:31:18 ID:1imu2/px
残り1〜2レス程度
さぁ埋めろ
858名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 18:36:57 ID:nvw7yLvo
ラブぅ(はあと)
859名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 18:38:44 ID:nvw7yLvo
らぁ…ぶぅ…(スヤスヤ)
860名無しさん@秘密の花園
                   , -―-. 、  、
                   /: ___: : :\ xX
                  /: :〃 ̄厂: \: : ヽ XX
                   l: :/: : : /\: : : :〈ヘ:|  } }
        , -‐=== 、 |: :|: : :/ /´\: : V:|
          〃: : : : : : : : :`ヽ: :‐ナ  '⌒ ヽ: | |
       / : : : : : : : : : ト、: :\:|⌒ ! ノヽ |: |: \    次いくわよ、次!
        |: : : : : : : : : :/ ーヽ: :ヽ  \_丿 ハ:!ー-ァ个x
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       ヽ: : : :l: : :/{り  、 l\:ト、\| |ー , ┐〃 〈{  |
          ); : :l: :|u  , -/ヽ  \l/\{ {    }   〈
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