クラナドSS専用スレッド

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605老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2
卒業式を控えた土曜の午後。
俺と春原は桜吹雪の舞う、坂の途中に立っていた。
「もうすぐ卒業、だな」
「僕、この学校を無事に卒業できるなんて思って無かったよ」
「俺だってそうだ」
成績最悪、遅刻常習者、
授業にもろくにでなかった俺たちがこの学校を卒業できるなんて、信じられないことだった。
俺と春原が無事卒業できた理由の一つとして、この学校の老教師、幸村のおかげだと俺は思った。
幸村は1年の頃の俺の担任だった。
俺が1年のころ真面目に授業にも出ず、ただ怠惰に過ごしていたとき、俺と春原を巡りあわせてくれた。
俺と春原は似た境遇だったからか、すぐに意気投合した。
俺は春原とバカをできるのがただ楽しくて、学校にだけは来るようになった。
それから3年間、俺と春原は一緒にバカをやって過ごしてきた。
俺にとって春原と過ごす時間は、他人にとってはバカらしくても、かけがえのないものだった。
黙っていたら不意に、春原が口を開いた。
「なぁ、岡崎」
「なんだよ」
「僕さ、いま幸村のこと考えてたんだ」
俺とこいつが同じことを考えていたなんて、珍しかった。
ましてや、春原が男のことを考えていること自体、珍しいことだった。
606老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:58 ID:RRFlgCQw
「奇遇だな、俺も考えてた」
「えっ、ほんと?」
「ああ」
「岡崎と僕ってさ、ほら親友じゃん?」
「俺はそう思ってないけどな」
「思いましょうねぇ!」
口に出すのは恥ずかしかったが、俺と春原が親友なのは自信を持って言えることだった。
まぁ、口に出すことなんて一生ないと思うが。
「・・・まぁいいや。僕は一生そう思ってますからね。
 それでさ、僕と岡崎が出会えたのってさ、幸村のおかげじゃん?」
「まぁな」
「僕さ、いままで他人を尊敬したことなんて一度もなかったけど、
 考えてみると幸村にだけはずっと世話になったなぁ、って感じるんだ」
「俺もだ。教師で尊敬したのは、幸村だけかもしれない」
そう思えたのは3年前、この学校で美術の教師をしていた伊吹公子さんから聞いた、幸村のことだった。
幸村はこの学校に来るまで近くの悪名高い工業高校で生活指導をしていたらしい。
607老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:58 ID:RRFlgCQw
そして6年前、幸村がこの学校に転勤した。
しかし、ここの学校の生徒は指導する必要がないほど、真面目だった。
もともと定年が近かった幸村は段々と窓際族となっていった。
そこで出会ったのが、俺と春原だった。
進学校ではあり得ない、不良という異質な存在。
俺たちに感ずるものがあったのか、幸村は俺たちによくしてくれた。
公子さんは言った。
「幸村先生、今年度で退職されるんです。
 岡崎さんとそのお友達の方が、幸村先生の最後の教え子になるんじゃないかと思ったんです」
もちろん、最後の教え子というのは、担任を請け負っているとか、そういう意味ではない。
第一、俺の3年の担任は幸村とは別人だった。
最後に世話を焼いた、という意味だった。
その幸村が教員生活をしていて、貫いたこと。
―――決して、学校を辞めさせない。
学校は人生の縮図。
その学校を途中で諦めたり、挫折してしまったら、人生に挫折したも同じ。
幸村は、生きることに挫折する一歩手前だった俺たちを、
『友達』という大きなきっかけを作ることによってレールに戻してくれたのだ。
たぶん、俺も春原も、互いに出会ってなかったら、退学していただろう。
俺はその日のうちにそのことを春原に話した。
春原は感慨深げな顔をして、考え込んでしまっていた。
608老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:59 ID:RRFlgCQw
「俺が公子さんから聞いた話、覚えてるよな」
「もちろんさ」
「俺たちがさ、最後の教え子だったんだな・・・」
「うん・・・」
ここまで話して、俺にはある『思い』が浮かんだ。
「なぁ、春原。俺、完全に卒業する前にどうしてもやりたいことができたんだが」
「奇遇だね。僕もだ」
「そうか?んじゃお前から言えよ」
「いえいえ、岡崎くんからどうぞ」
嫌な間が空いてしまう。
「んじゃ一緒に言うか」
「いいよ。んじゃいっせーのーで」

「「じぃさんに恩返しがしたい」」

顔を見合わせる。
「あははははっ!春原、お前柄にもないのな」
「ははははっ!岡崎、お前こそそんな柄じゃないっつーの」
「まったくだ、あはははっ!よし、いっちょ、やってやるか!」
「よし、岡崎、お前とやる最後のバカだ。派手にいこうぜ!」
こうして、俺と春原での卒業式での最後の大花火の決行がきまった。
609老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 22:59 ID:RRFlgCQw
しかし、『恩返し』と一言に言ってもいろいろある。
さて、何をするべきか・・・
「ところでさ、岡崎」
「ん、なんだよ?」
「『恩返し』ってなにすりゃいいのかな」
先生、ここにアホな子がいます。
呆れた目で見ていると、春原が弁解した。
「いや、僕さ、今まで親にも『恩返し』ってしたことないからさ、どうしていいのかわからなくて」
それは俺も同じだった。
いままで尊敬できる人なんていなかったし、ましてや親父に『恩返し』なんて考えただけで寒気がした。
ふたりで考え込んでいると、聞きなれた声がした。
「何してるの、こんなとこでぼーっとしちゃって」
杏だった。
「げっ、藤林杏」
「げっ、じゃないわよ、失礼ね」
「杏、いいとこに来た。実は相談がある」
「な、なによ。改まって」
杏は面倒見がいい。
俺たちの相談にもきっとのってくれるはずだ。
610老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:00 ID:RRFlgCQw
俺はこれまでのあらましを杏に説明した。
「なるほどねぇ・・・しかし、あんたたちが『恩返し』なんて、柄にもないわねぇ」
「大きなお世話だ。んで、いい考えあるか?」
「そうねぇ・・・歌を歌うなんて、どうかな」
「歌ぁ?」
春原が怪訝な顔をする。
「なにが悲しくて歌なんか歌わなきゃいけないんだよ」
「まぁ落ち着け。最後まで聞いてみよう。
 んで、杏、お前はどんな歌がいいと思う?」
「そうね、『仰げば尊し』なんてどうかな?」
「あおげばとうとしぃー?」
速攻で嫌そうな顔をする春原。
「んな古臭い歌、歌ってられっかよ。岡崎、ここはボンバヘッでいこうぜ!」
いや、ボンバヘッののほうがよっぽど合わないと思うが。
「あぁ!?」
睨みを利かせる杏。
「おまえ、ちょっと黙ってろ」
「は、はい・・・」
すぐに萎縮する春原。
チキンである。
611老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:01 ID:RRFlgCQw
「『仰げば尊し』か・・・中学生の時、卒業式で歌ったような気がするな。
 でもさ、あの歌ってさ、今はあんま歌われてないよな。昔は定番だったみたいだけど」
「そうね・・・でも幸村先生は昔からの先生だし、そのほうが喜ぶと思うわよ。
 それにさ、他の誰かが歌ってないからこそ、こころに染み入ると思わない?
 別にみんなで歌うわけでもあるまいし、あんなたちが好き勝手にやることなんでしょ?」
「まぁ、そうだな」
しかし、2人きりで歌歌うのもちょっとな・・・
あ、そうだ!
「杏、おまえも歌ってくれないか?」
「えぇ!?あたし!?」
いきなりの頼みにうろたえる杏。
「頼むよ。俺たち2人だけだとなんか心細い」
「だって、あんたと陽平の恩返しなんでしょ?」
「そりゃ、そうだが、お前だって、少なからず幸村に世話になってるだろ?」
「そりゃ、まぁ・・・そうだけど」
「頼む。この通りだ」
頭を下げる。
612老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:01 ID:RRFlgCQw
「はぁ・・・わかったわよ。でもあたし1人だと嫌だから椋も誘うけど、いい?」
「もちろん。人数は多いほどいい」
と、いうか、杏に頼んだ時点で、藤林が来るのは目に見えていたが。
「オーケー。んじゃ決行はいつなの?」
「卒業式の日。式が終わったら、在校生と教員に囲まれて、坂を下るだろ?
 そこで、幸村の前でやる」
「わかったわ。ちゃんと歌詞覚えておきなさいね」
「ああ。ありがとな、杏」
手をひらひらさせて、杏は坂を下っていった。
「おい、春原、もういいぞ」
隅っこのほうで縮こまっていた春原を呼ぶ。
「ん、もういいの?で、どうなった?」
「『仰げば尊し』を歌う。杏と藤林も一緒に歌ってくれることになった」
「杏はまだしも、委員長も?まぁ、いいけどね」
「ところで、春原、お前、『仰げば尊し』って知ってるか?」
「はっはっは!知るわけないじゃん」
前途多難であった。
613老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:02 ID:RRFlgCQw
卒業式の日になった。
今日まで俺は必死に『仰げば尊し』を練習した。
春原はなんだかんだ言いながらも、完璧に歌詞を覚えていた。
多分、俺がいない間も練習していたのだろう。
練習用の伴奏のテープは杏が用意してくれた。
音楽の教師に内緒で弾いてもらったのを、録音したらしい。
本番はアカペラで歌うのだが、うろ覚えだった俺や、
全くメロディーを知らなかった春原にはすごくありがたかった。
滞りなく卒業式は終わった。
クラスの連中との別れを済ませて、俺と春原は中庭にいた。
「なんかあっという間だったな」
「僕、拍子抜けしちゃったよ」
卒業式に出ても、何の感慨も浮かばなかった。
ただ、もうこいつとバカができないのが少し寂しかった。
しかし、俺たちにはまだ最後の大仕事が残っていた。
「杏と委員長、遅いね」
「あいつらは普通の奴らだからな。
 泣きあったり、アルバムに何か書きあったりするんだろ」
「ふーん、そんなもんですかねぇ」
それ以上は何も言わず、黙っていた。
もともと俺たちはそんなに友人は多いほうじゃなかったし、
いたとしても、そんなことはしないだろう。
614老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:02 ID:RRFlgCQw
しばらく歌詞の確認を頭の中でしていると、
「ごっめーん!遅くなっちゃった!」
「す、すいません・・・ま、またせちゃ、て・・・」
息を切らしながら、藤林姉妹がやって来た。
「別に急いで来なくてもよかったのに」
「ま、気にしないの。あたしたちがそうしたかっただけなんだから。ね?椋」
「そうです。岡崎くんが心配すること、ありません」
そう言ってくれると、正直ほっとした。
無理に俺が2人で頼んでしまっていたので、迷惑に思っていたか心配だったが、杞憂だったようだ。
「よし、行くか」
「あぁ、僕、なんか卒業式の本番より緊張してきちゃったよ」
緊張している春原は珍しい。
普段マイペースにしているせいか、その落差は如実に態度に現れていた。
「オッケー、今までで最高の歌にしてあげましょ!」
杏は気合十分だ。
これなら頼りになりそうだ。
「えと・・・わ、わたしも頑張ります」
多少頼りない感じもしたが、藤林も気合が入っているようだった。
そして、俺たちは桜吹雪のまう桜並木の坂へ向かった。
615老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:03 ID:RRFlgCQw
校門前には人だかりができていた。
下級生と教員たちが拍手で俺たちを迎えている。
校門は祝福する声と、拍手で賑わっていた。
部活の後輩、顧問や担任の教師、手を振り、振られる。
幸村は・・・いた。
少しはなれた場所にぽつんと立っていた。
誰も、幸村の元に寄っていく者はいなかった。
まるで、忘れ去られた銅像のようだった。
俺たちは顔を見合わせ、頷き合い、駆け寄った。
4人横一列に並び、一礼をする。
そして、誰にも聞こえるような大きな声で喋る。
「3−D、岡崎朋也!」
「同じく3−D、春原陽平!」
「3−E、藤林杏!」
「3−D、藤林椋!」


「「「「歌います!」」」」

616老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:04 ID:RRFlgCQw
『仰げば尊し我が師の恩』
周りががしん、と静まる。
しかし、俺たちには周りを気にしている暇などなかった。
『教えの庭にもはや幾年(いくとて)』
俺たちに触発されたのか、誰かが一緒に歌い始めた。
『思えばいと疾(と)しこの年月』
それにならって他の誰かも歌いだす。
『いまこそ分かれめ いざさらば』
教員たちも歌い始めた。
だんだん人が集まりだす。
『互いに睦(むつ)みし日頃の恩
 別るる後にもやよ忘るな
 身を立て名をあげ やよ励めよ
 今こそ分かれめ いざさらば』
もう、俺たちを笑うものなど誰もいなかった。
幸村を中心として、たくさんの生徒、教員が半円を作っていた。
そしてみんなが一つになり、『仰げば尊し』を歌っていた。
『朝夕なれにし学びの窓
 蛍のともしび つむ白雪
 忘れるるまぞなき ゆく年月
 いまこそ分かれめ いざさらば』
617老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:04 ID:RRFlgCQw
歌が終わった。
同時に湧く、大歓声。
俺たちはそれに負けない声で
「「「「ありがとうございましたっ!」」」」
この3年間の感謝の言葉を。
そして、幸村に礼をした。
抜けるような青空に響いた別れの歌。
去り行く老教師には、この歌がどう聞こえたのだろうか。
幸村は俺たちをぐるりと見渡した。
「ふむ・・・教員生活をしていて、幾度となく『仰げば尊し』は聞いてきたが・・・
 今日ほど素晴らしいものはなかった。
 ・・・ありがとう」
俺たちはその言葉に安堵し、笑い合う。
周りでは、沢山の生徒や教員が幸村に感謝の言葉をなげかけていた。
618老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:05 ID:RRFlgCQw
「岡崎、春原」
幸村が俺たちに話し掛けた。
「なんだよ、じぃさん」
「お前らは今日から社会人として、社会にでる。
 今まで過ごしていた世界とは全く違う世界がお前らを待っているじゃろう。
 しかしな、決して、諦めるな。
 学校は社会の縮図。
 お前らはこの学校で3年間頑張ってこれた。
 だから、きっとつらいことがあってもがんばっていけるはずじゃ。
 最後に・・・お前らの面倒を見れて、本当によかった。
 頑張りなさい・・・」
その言葉は俺と春原の言葉にどう響いたのか。
「あははは、春原、お前、泣いてんのな」
「岡崎、てめぇこそそんなぼろぼろ泣きやがって。子供かっての」
俺たちは子供のように泣いていた。
「じぃさん、俺たち、頑張るよ。
 だから、じぃさんも長生きしろな」
「僕らより、長生きしろよっ!」
そう言って俺たちは坂を下った。
人生において、本当の『師』と呼べる人間に俺たちは何人出会えるだろうか。
人によっては1人も出会えない人だっているだろう。
俺たちはこうして、はっきり尊敬できる『師』に出合えたことを感謝せねばなるまい。
桜が舞う坂の中、俺たちは小さくなる幸村にいつまでも手を振り続けていた。
619老教師に捧げる唄 ◆28s26Q7ss2 :04/05/22 23:06 ID:RRFlgCQw
いかがでしたでしょうか。
幸村エンド、アナザーって感じで作ってみました。
やっぱり、シリアスは長くなりますね^^;
感想お待ちしてます。
620名無しさんだよもん:04/05/22 23:06 ID:o7HWrUW4
涙が止まらねぇっす 。・゚・(ノД`)・゚・。
621名無しさんだよもん:04/05/22 23:06 ID:O86+vhOs
あー俺こういうの弱いんだよ畜生てめーグッジョブ



・・・は……にしとけ。
622名無しさんだよもん:04/05/22 23:08 ID:cW/1jV5D
>>621
お前雰囲気ぶち壊しすぎ
623名無しさんだよもん:04/05/22 23:11 ID:O86+vhOs
_| ̄|Σ  −=≡≡≡○

超ごめん
624名無しさんだよもん:04/05/22 23:11 ID:967KDUma
DNMLきぼん…切実に
625名無しさんだよもん:04/05/22 23:12 ID:EW9FJfss
こういう素朴なのいいんだよな。クラナドならではだな。
626名無しさんだよもん:04/05/22 23:35 ID:YYC+r5tN
エロスレ立てれなかった…
誰か立ててきて。こんな感じで。



クラナドエロSS専用スレッド


エロいSS投下の専用のスレです。

エロくないSSは、こちら
クラナドSS専用スレッド
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084004163/
627名無しさんだよもん:04/05/22 23:37 ID:HPoUmXny
628名無しさんだよもん:04/05/22 23:38 ID:YYC+r5tN
>>627
サンクス

今書いてる奴仕上げて投下するよ〜。
629名無しさんだよもん:04/05/22 23:45 ID:65+OiPdr
>>619
原作の幸村エンドは唐突な感じなんで、こういう感じのも(・∀・)イイネ!!

でもこれは2chより公式のSS掲示板に投稿したほうが良い希ガス。
630名無しさんだよもん:04/05/23 00:37 ID:Xtq4GWoM
SSに小説作法を強要しようとしてるやつ、ウザいからやめとけ。
631名無しさんだよもん:04/05/23 00:48 ID:umt3bBEc
ゲームで……が使われるのは滅多にない。
そこだけ浮くから。
632名無しさんだよもん:04/05/23 00:54 ID:urRzMorO
>>619
俺こういうSS好きだなぁ。
俺的には原作より、こっちのほう好きだな。
あっちだと、幸村がみんなに感謝されないで辞めちゃうからね・・・
みんなに祝福されてた幸村はヨカッタ。・゚・(ノД`)・゚・。
633名無しさんだよもん:04/05/23 08:14 ID:q5hkfSaf
>>619>>624
んじゃ、漏れ作ってみるわ。>DNML

それよか誰か杏AfterのSS書くひといない?
DNMLスレでも杏ファンが切望のようだし(いや、漏れもなんだが)
既にどこかにうpされてたらスマソ・・・
634名無しさんだよもん:04/05/23 08:18 ID:Emp20+rL
>>633
がんがれ。蝶がんがれ。
最近、SSがDNMLに押され気味で、寂しいな。
635名無しさんだよもん:04/05/23 08:22 ID:IEf2KMaS
杏Afterって杏と朋也が再婚っていうかくっつくSSの事?
それを書こうと思ったら朋也の心境の変化に相当の理由付けが必要だよな。じゃなきゃ恐ろしく薄っぺらい話になる
そうすると必然的に長くなってここに投下出来るようなモノは書きづらいと思う
そのうち公式や誰かのサイトで出てくるのを期待したほうがいいんじゃない?
636名無しさんだよもん:04/05/23 08:25 ID:XPNzpHX+
なかなか簡単には書けなさそう>杏After
なんの障害もなくラブラブ話にするには、いろんなものを「なかったこと」に
しなければならないし(渚とか椋とか)、それではご都合主義のそしりを免れない。
かといって逃げずに真正面から書こうとすると、際限なく泥沼になっていきそうな悪寒。

ある意味SS書きの力量がもっとも問われる題材かも。我こそはという神職人の方、
がんがってください(ひとごとかよっ!)。
637名無しさんだよもん:04/05/23 08:27 ID:Emp20+rL
>>635
俺はTrue後、って意味でとったんだけど、そういう意味だったのか・・・
杏は一番好きだけど、正直再婚SSはあんま見たくないな。
素直に、True後の方、バカップルっぽくて、いいと思うんだけどな
638名無しさんだよもん:04/05/23 08:33 ID:IEf2KMaS
>>637
あ、ごめん。もしかしてそっちが合ってるかも
杏スレ覗いた事無かったんで本スレで時々言われてた再婚話の方かと思ったんだが
改めて>>633を見ると杏ファンの総意みたいだから>>637の方が正解っぽいな、スマソ

で、それなら結構書きやすいかも。特に障害も無いわけだから普通にその後を想像して書けるしね


まぁ俺は渚(;´Д`)ハァハァなんで他の職人に期待するだけだがw
639名無しさんだよもん:04/05/23 08:36 ID:Emp20+rL
>>638さんにはDNMLに是非「仰げば尊し」のmidiかなんかつけて、
一緒に演奏してもらいたいな。
俺、「仰げば尊し」って歌ったことないから、どんな歌か知らなかったけど、
いい歌だな。
640名無しさんだよもん:04/05/23 08:47 ID:q5hkfSaf
おお、朝食してる間にいぱーいレスが。
>>639
既にMIDのMP3化を済ませ組み込む気満々でつw

あと、杏Afterは再婚話じゃないほうでつ(いや、そっちも見たいけど)
ちなみに漏れは杏も好きだけど、一番はことみだったりw
641名無しさんだよもん:04/05/23 08:55 ID:Emp20+rL
>>640
おお、流石ですねw
やっぱり歌は話のキモですからねぇ。
期待してます!
642名無しさんだよもん:04/05/23 10:51 ID:umt3bBEc
今時の20台前半は、仰げば尊し知らんのか・・・
643名無しさんだよもん:04/05/23 11:11 ID:ASE+n70/
参照ttp://tamagoya.ne.jp/potechi/20030322.htm
俺が通っていた学校は小中高ずっとは公立だったけど、君が代は歌ったな。
仰げば尊しは小中高一度も歌わなかった・・・
俺、思うんだけど尊敬する教師にこういう歌を歌うことは悪いことじゃないと思う。
644名無しさんだよもん:04/05/23 12:39 ID:EPadhaMU
スレ違いだとは思うが、何で歌わなくなったんだ?
君が代と違って問題になるようなことはないと思うんだが。

それはそうと
>>633
がんばってください。
DNMLスレで待ってます。
645名無しさんだよもん:04/05/23 13:15 ID:XPNzpHX+
>>644
尊敬できるような教師がいなくなったからじゃね?w
646名無しさんだよもん:04/05/23 13:16 ID:4wAyWF/N
>>645
確かに最近キティなのが多いからな
647sage:04/05/23 15:36 ID:l+qVA8UZ
ことみ―THE WORLD IS BEAUTIFUL―


「あーもう、ちょっとは落ち着きなさいよアンタたちっ」
新しい遊具で遊べるのがよほど嬉しいのか、園児たちはきゃらきゃら騒ぎながら杏の制止も聞かずに広場を走り回る。
みんなで仲良く遊ぼうね、と教えたのにやっぱりきかん坊な子はいて、一人でその遊具を乗り回そうとして他の子と喧嘩になったり、とろい子はそれをしょんぼりと指をくわえて眺めていたり、そのうち喧嘩をしてた一人がきかん坊にぽかんと頭を殴られて泣きだしてまた大騒ぎ。
「ひっく、せんせ〜」
泣きべそをかきながら膝にかじりつく子供の頭を撫でてやり、とりあえず騒動の大本になっている遊具をきかん坊の手から取り上げる。
「あー、かえせよー」
生意気な口を利くきかん坊の帽子をぐいっと鼻あたりまで引きずり下す。急に目の前が暗くなってびっくりして走り出して派手にすっ転んだその子を立たせてやりながら、杏は遊具をぶんぶんと振って園児たちに号令をかけた。
「はーい、みんなちゃんと集まって」
一番騒いでいたきかん坊がおとなしくなったからか、園児たちはぞろぞろと杏の前に集まってきた。
「お車に乗る前に、先生からいくつか注意。よく聞くように、ね?」
「はーい」
「よし、それじゃまずはこのうさぎさんのお車なんだけど」
手押し用のバーがついた車の遊具を掲げながら説明をしようとした、その手がくいと引かれる。
「こぉら、これ以上先生こまらせないでね?」
例のきかん坊がまたいたずらをしようとしたんだろう、そう思って杏は少し怒り顔を作って後ろを振り返った。そこには。
「…うさぎさんなの」
初めて見るオモチャに目を輝かせる子供のような、彼女の同窓生の姿があった。
648sage:04/05/23 15:37 ID:l+qVA8UZ
「んしょ」
狭い台の上に腰を下ろし、パンプスの足裏で窮屈そうに地面を蹴る。ころころころ、と坂を緩やかに転げる車の上で、彼女は幸せそうに笑う。
「ほんと変わんないわねぇあんた」
スピードの出しすぎでひっくり返って泣き出す子の服の泥をぱんぱんと払ってやりながら、杏は苦笑いを浮かべる。
「乗ったこと無いから、楽しいの」
代わって代わってと騒ぐ園児に車を譲り、今度は後ろからそれを押してやる。華奢とはいえ大人の力は強く、園児たちが登ろう登ろうとして失敗ばかりしていた砂山の頂上まであっという間に登りきってしまう。
「おねーちゃんすげー」
「かいじんだー」
「かいじゅー」
「私、怪獣じゃないの」
園児たちの賛美に困ったような表情を浮かべる彼女の様子に、ぷっと吹き出しそうになる。
「? どうしたの、杏ちゃん」
「ううん、安心しただけ。あんたもう何年も向こう行ったっきりだったじゃない? すっかり変わっちゃってるかなって思ってたから」
「???」
変わる、という意味が取れなかったのか、小首を傾げる。
外見は確かに変わった。
背は伸びて、ますます体型も顔つきも大人っぽくなって、髪飾りを外した黒髪をきっちりとまとめて瀟洒なサマードレスを着た彼女は、まるで良家の子女のような趣きで杏の前に現れた。
だけど、こうやって幼稚園児たちと違和感なく戯れられる幼いところは、一緒に登下校をしていたあの頃のままで。
「かいじゅーおねーちゃん、ぼくのもおしてー」
「ほんとに、怪獣じゃ、ないの」
相変わらず困ったような表情を浮かべながら、それでも園児の乗った車を押してやる。その脇に何人も子供たちが寄ってきて、一緒によいしょよいしょと頂上まで押し上げる。
「しんじくんおもいー」
「でぶー」
「うるせー」
「ほんとに重いの」
頬を赤くして力をこめて押し上げ、ふぅと息をつく彼女の横で、園児たちが歓声をあげる。
「やっぱねーちゃんすげー」
「だいかいじゅー」
「………」
とっても不満そうな顔をする彼女の様子に、彼らは朗らかな笑い声をあげた。
649sage:04/05/23 15:39 ID:l+qVA8UZ
『理解しがたいな』
『ああ』
昼下がりの幼稚園には不似合いなダークグレーのスーツを着た彼らは、ラボの同僚の様子を面白くなさそうに見やっていた。
「一ノ瀬の同僚の方ですか?」
目ざとくこちらを見つけたのか、野暮ったいジーンズ姿の保母がこちらに愛想笑いをして寄ってくる。まるで乞食でも見るかのように眉をひそませて、彼らは彼女に吐き捨てた。
『失礼だが、あんたはコトミの知人かね?』
「?」
英語が理解できないのか首を傾げる保母に心底落胆したような表情をしてみせる。
『ますます理解しがたいな。あのコトミがこんなレベルの人間と付き合うとは』
『しかも何の役にも立たぬ才も持ち合わせぬ人間の幼生と時間をつぶすなど、およそ科学者としてありえん態度だ』
『なぁ、君もそう思うだろう?』
「あ、えーと、その」
あちゃー、と言う顔をして困ったように頭をかく。言葉が通じない客の相手は苦手だった。とりあえずイエスと言っておくべきか迷ったが、何を聞かれたのかわからなければそれも失礼と言えば失礼だし。
「キャ、キャンユースピークジャパニーズ?」
もろにカタカナ英語になってしまう言葉に、二人の客は小ばかにしたように鼻で笑いを返すだけだった。
「と、とりあえず立ち話もなんですし、こちらへどうぞ」
遊び場の隅にしつらえられたベンチに案内して、とりあえず座ってもらう。くだんのことみはまだ園児たちに混じって遊んでいた。
「ちょっと待っててくださいね。お茶をお持ちしますから」
ぺこりと頭を下げて給湯室へ駆けて行く保母の後ろ姿を見送り、彼らは憮然とした表情を浮かべていた。
『痴呆的状況とでも言うべきか? いや、ある意味のユートピアなのかな?』
『まぁそう言うな。現に彼女の弁論には誰一人太刀打ちできていないではないか。その理由を知りたくてここに来たのだろう?』
『人生経験が学術に影響を与えるなど、何の確証も無い俗説だというのが良く分かるな。思えばドクター・イチノセも最後の最後に科学者である事を放棄した人間だった』
『ああ。よりにもよって遺した血族があれではな』
650sage:04/05/23 15:41 ID:l+qVA8UZ
言葉が通じていれば、おそらく杏は髪を逆立てて激怒していたであろう内容の事を好き勝手話しながら、二人は彼女が持ってきたお茶を礼も述べずにすすり、熱さに顔をしかめてまた何事か文句を言っていた。
そもそも彼らに日本への同行を進めたのはことみの後見人である紳士だったが、彼は理由がわからず首をひねる二人に真顔でこう言ったものだった。
《世界の美しさを知りなさい》
『教授。これが美だと言うなら、貴方の目もいよいよ怪しくなってきたと言う事ですかな』
再び車にまたがって、膝の上に園児を乗せて笑いあうことみを汚いものでも見るかのような目で見ながら、彼らは恩師とも言うべき紳士に冷笑を送った。


「何よあいつら、ことみの知り合いだからってお茶とか出したのににこりともしないのよ?」
「う〜ん、お茶が熱かったとかじゃないのかな」
夜勤明けの仮眠から起きたばかりの椋は、姉の剣幕にいつもの控えめな笑顔を浮かべて頷いた。
「しかも日本語ひとっことも喋んないし。そのくせこっちが話す事にいちいちいや〜な笑い方すんのよ、絶対根性ひん曲がってるわよもう」
「お、お姉ちゃん」
久々と言うべきか、高校時代そのままの杏節に圧倒されつつも、頬には笑みが浮かんでしまう。何だか、不思議と懐かしい。
「うっげー、まっじー」
「おなかいたくなるー」
「そ、そんな事無いです。ちゃんとしたパンの味しますっ」
折りしもおやつ時となった広場ではパンを山ほど抱えてきた渚が園児たちにそれを配り、まぁ何と言うか、予想通りの評価を受けていた。
「やほ。今日は何持ってきたの?」
「あ、はい。ことみちゃんの大好物と聞いていたので」
そうやって見せられたのは、アップルパイだった。いや、かろうじてアップルパイとは言えるものだった。
「あんたんとこのパンって、ほんとオリジナリティに溢れてるわよねぇ」
一口食べてみて、杏は何ともいえない表情を浮かべた。皮付きのままのザク切りで生地に練りこんで焼いたものだから、火の回りが不均一で皮の部分は焦げていた。
しかしその下の生地は生のままで、隠し味のつもりなのか下に敷かれたリンゴ飴のような赤い水あめの層がガチガチに固まって全体のサクサク感を台無しにしている。
651sage:04/05/23 15:42 ID:l+qVA8UZ
「早苗さんが張り切るのは分かるんだけどね」
「あぅぅ」
友達が久しぶりに帰ってくると聞いて、多分娘以上に喜んだんだろう。凝りに凝りまくったパイ表面の飾りつけを見るだけでもそれはありありと分かった。
「ま、いいじゃない。こういうのは気持ちが大切よ。それにことみだったら」
「とってもおいしいの」
不平を言う園児たちの輪の中でアップルパイをもぐもぐしながらぽつりと言うことみの様子にみんな一瞬あっけに取られ、そしてあまりと言えばあまりなタイミングの良さに大笑いしていた。


「せんせー、さよーなら〜」
「かいじゅーねーちゃん、またね〜」
「さよ〜なら〜」
母親に手を引かれて帰っていきながら、ぶんぶんと手を振る子供たちにこちらも手を振りかえす。徐々に色濃くなっていく夕焼けの中、広場は昼間のにぎやかさを無くしてどこかがらんとしていた。
「みんなとってもとってもいい子」
彼らの後ろ姿をじっと見送っていたことみは、そう呟いて一人頷くと、ね? と同意を求めるかのように杏たちの方へ顔を向ける。
「当たり前じゃない。あたしが先生やってんのよ?」
砂埃にまみれた頬をタオルで拭きながら力強く頷き返す杏に、嬉しそうに笑みを浮かべ、彼女はベンチで二人話しこんでいる同僚の方へ呼びかけた。
『あの、これから同窓会をするんです。良かったら貴方方もご一緒しませんか?』
折りしも宇宙論について熱く語り合っていた二人は、その申し出に目を丸くした。
『これ以上貴重な時間を浪費するつもりですか、ドクター』
『そんな茶番よりも早くドクター・イチノセの遺稿を拝見したいのですがね』
『……』
ことみの笑顔が少し引きつった気がした。言葉はわからなかったが、彼女がひどい事を言われたらしいのは杏たちにも伝わった。
「ちょっとアンタたちっ」
「お、お姉ちゃん」
血相を変えてくってかかろうとする杏を、慌てて椋と渚が止める。
「杏ちゃん、大丈夫なの」
穏やかで落ち着いた声で、ことみは言った。どこかさびしげな表情で首を振って。その仕草に、三人とも言葉を無くす。
ああそうだ。彼女は今学界と言う別世界で生きているんだ。高校時代と変わらないあの笑顔の裏で、やはり辛い思いはあったんだ。でも昔のように涙はこぼさずに、毅然として、少しさみしげな、そんな表情で。
652sage:04/05/23 15:43 ID:l+qVA8UZ
「………」
「よ、どうしたよみんな黙りこくって」
押し黙ったままの三人の後ろから、声がかかった。その声音に、ことみがぴくっと身を震わせた。
「遅いじゃない。待ち合わせ時間忘れてたんじゃないでしょうね」
気まずくなった雰囲気をまぎらわすように髪を乱暴にかきあげながらの杏の言葉に、作業着姿の男は口を尖らせた。
「残業が入ったんだよ。それに今日は同窓会だろ? 手ぶらもどうかと思ってさ」
言いながら両手に提げていたビニール袋いっぱいのお菓子やらお酒やらを見せる。
「あ、しくったな。お菓子は古河ん家のパンがあったか」
「いえ、多いに越した事は無いです」
「ええ」
「よっし、そいじゃぱぱっと片付けていっちゃおっか」
笑顔を浮かべて宣言すると、杏は忙しく広場に散らばったゴミやら遊具やらを片付け始めようとして、そしてふと立ち止まった。
「ことみー」
「…」
ぴくりとも動かない彼女をくい、と肩を持って半回転させてやり、真正面に立たせてあげて、ぽんと背中を押す。
「はい、これでよし」
ウィンクを残して広場へ駆けて行く杏の様子に苦笑いを浮かべて、男はかすかにうつむいたままのことみをじっと見やっていた。
「……」
何か言おうと口が動く、閉じる。唇が軽く噛みしめられる。何を言おうとしているのか、どう言おうとしているのか、自分でも良く分かっていないような。頬が紅潮してくる。久しぶりに見た気がする、そんないっぱいいっぱいなことみ。
「ことみ……ちゃん」
だから開けてあげる。はっと顔をあげる彼女。かすかにうるんだ目で男を見上げて、たどたどしく、でもはっきりと。
「ただいま……朋也くん」
「おかえり、ことみ」
こぼれるような笑みが、彼女の頬に浮かんだ。
653sage:04/05/23 15:44 ID:l+qVA8UZ
「えーでは、みなさんお待たせしました。これより一ノ瀬ことみwith元演劇部アンサンブルをおこないまーす。カスタネット、渚、トライアングルは椋です〜」
ぱちぱちぱちぱち。
「拍手ちっちゃいわよそこぉっ!」
「んなこと言ったって一人しかいねーんだからしゃーねーだろ」
「あのね朋也。この演奏の意味分かってる? これはもう三年もアメリカ行っちゃって帰ってこなかったことみがただいま〜ってアンタだけに演奏するラブソングなのよ? 血走るぐらいな拍手と白目むくぐらいの絶叫で応えてあげるのが筋ってもんでしょうが」
楽器演奏がラブソングというのかどうかいやそれ以前に血走ったり白目むかれるのはいいことなのか?という疑問が朋也の頭に浮かぶが聞かない事にした。
「いい? 肝に銘じて聞くよーに」
「わかったからさっさと始めろ」
演奏はともかくとして、杏のマイクパフォーマンスで近所から苦情が来たら笑えない事態になりそうだった。
庭に設えられた特設ステージの上で緊張の面持ちで楽器を構える三人の前に座る。耳栓持ってくるべきだったかな、などとちらと思ったが、久しぶりの彼女の演奏は良いにしろ悪いにしろ、聞いておいてやりたい気もしていた。
「それではどうぞ〜」
杏の合図で、演奏は始まった。きぃ、と硬質の音が弦から漏れる。そして。
『な、何だこの音は?』
『地鳴りか?』
同窓会をする、という家主の誘いを断って博士の書斎で論文を繰っていた二人も慌てて辺りを見回すような怪音が響き渡った。
654sage:04/05/23 15:45 ID:l+qVA8UZ
「お前、ほんと演奏も変わらないのな」
「………」
正直な感想だったが、とっても不満そうだった。
「いいじゃない、下手に小器用な演奏よりずっと心に残るわよ」
「そう言う台詞は耳栓外してから言えよな」
「つけてないわよ?」
「その握り締めた手は何だ」
「何のことかしら?」
あさっての方を向く杏の様子にこれ見よがしにため息をつきながら、朋也はヴァイオリンを大切にケースに仕舞うことみの様子を眺めた。手つきや仕草は本当に昔のままだが、確かに、本当に、綺麗になった彼女。
「もう、三年になるんだよな」
「アンタも早く迎えに行ってやりなさいよ」
感慨深げにつぶやく言葉に、杏が突っ込みを入れる。だが、それに対して朋也は複雑な表情を浮かべた。
「まぁ、迎えに行ってやりたいのはやまやまなんだけどな」
「? 煮え切らない事言うわね、外国だからって尻込みする気?」
「いや、そうじゃなくて」
そう言いながら、綺麗に刈り揃えられた芝生の上を素足で歩くことみの姿を見やる。
「約束したんだよ。この庭は俺が守るって」
ああ、と杏は得心がいったように頷いた。
「家政婦さんでも管理人さんでも置いとけば、てわけにはいかないわよね」
同じようにことみの様子を見ながらつぶやく。
世間的には一ノ瀬ことみといえば理論物理学界を騒がせ続ける俊英、らしいのだが、こうしてくまのぬいぐるみを抱いて芝生に座って、椋やら渚やらと談笑する姿は本当に柔らかで頼りなさげな、一人の少女にしか見えなかった。
それこそ戻ってくるこの庭が無くなってしまったら、そのまま消えていってしまいそうな。
秘密の花園。児童文学か何かで読んだ物語を、杏は思い出していた。
「それにさ」
少しトーンが上がった隣りの声に、杏はん? と首をかしげた。
「あいつも約束してくれたんだ」
絶対、ただいまって言いに来るから。
我慢しようとする端から涙が溢れてこぼれて、今すぐにでも朋也の胸に飛び込んでしまいたい弱い自分と必死で戦いながら、ことみはそう言った。そして、まだ泣きっぱなしの顔でにっこりと笑ってゲートをくぐっていった。あの時の彼女の決意を、朋也は今でも信じている。
「ふーん」
気の無い返事をしながら、もう一度ことみの方を見やる杏の頬には、安心したような優しい微笑が浮かんでいた。
655sage:04/05/23 15:47 ID:l+qVA8UZ
カルアミルクを二つ提げて隣りに座った朋也に、ことみはほわ、とした表情を浮かべた。
「おうちも、お庭も、綺麗にしてくれて、ありがとう」
芝生に放り出した素足をぱたぱたと動かして、本当に幸せそうに笑う。
「仕事の合間だからあんま丁寧にゃできないけどな」
ううん、と首を振る。
「とってもとってもうれしいの」
くぴ、と一口すすって、アルコールに少しむせて、そして頬をぽっと赤らめる。
そんな彼女の体温を肩に感じながら、夜空を見上げる朋也の目に映るのは、いつもと変わり映えしない、町の明かりに少し煙った星空で。
でも、そんな空を、素直に美しいと思った。
「〜♪」
ほろ酔い加減の彼女がメロディーを口ずさむ、さっきの演奏会のナンバー。調子が合っているようでどこか外れているそれに合わせて朋也も口ずさむ。
音譜なんて分からないからそれは意味なんてない単語の羅列で、だけどその二つのメロディーは綺麗に一つに合わさって、静かに、しっかりと夜空へと吸い込まれていった。


“The world is beautiful”
『証明の無い言葉だ。何の確証も無い』
『気安くもある。我らは気安くあってはならないはずだ』
書斎では一ノ瀬博士の論文を前に、まだ二人が言い合いを続けていた。ほんのそこにある、見える、美しい世界からは目をそらしたままで。
「しっかし、お酒の一杯ぐらい飲んできなさいよね、あいつらは」
頑迷な科学者たちのいる書斎を見上げ、ついで酔っ払って何やら口ずさんでいる朋也たちを見やって、杏はやれやれと首を振った。
その隣りの椋と渚は、本当に微笑ましい光景を見ているように、二人の後ろ姿に目を細めていた。


end
656名無しさんだよもん:04/05/23 16:35 ID:4G2Ki1+y
科学者UZEEEEEEEEEEEEEEEE
657名無しさんだよもん:04/05/23 16:36 ID:CFTxicd1
あぁ、いいな。
というか、杏主人公だな。カコイイ。
658名無しさんだよもん:04/05/23 16:55 ID:pbePKl5K
ことみシナリオは、ことみが権力ある頭脳集団に飼われてると深読みして、
後半の展開に怯えながらプレイした記憶があるな。上のSS読んで思い出した。
659名無しさんだよもん:04/05/23 17:15 ID:2OpJ41Ih
>>655
いいね。
けどちょっとごちゃごちゃしてるかな。
登場人物多いんで、誰が喋ったのかよく把握できない。
会話の間にもう少し地の文を入れたらもっとよくなった希ガス。
なんにしても、ようできてるんじゃないか。
Good Job
660名無しさんだよもん:04/05/23 17:22 ID:2OpJ41Ih
あと改行が少ないような希ガス。
行を取らない様に工夫したんだろうけど、ちょっと読みにくいかな。
すいません、気になったもんで。orz
661名無しさんだよもん:04/05/23 18:16 ID:umt3bBEc
最近、批評とマンセーの割合が逆転してるな・・・
悪いわけじゃないんだが、作者のモチベーションの維持が大変そうだ。
662Psy10(633):04/05/23 18:23 ID:q5hkfSaf
DNMLスレに投下しました。

漏れ文才ないのでSS書ける人うらやましいわ。
(もっぱら作曲とプログラミング)
気に入った作品はまたDNML作るので、皆さんがむばってくだされ。

663名無しさんだよもん:04/05/23 18:47 ID:JrGgHnBr
>sage氏
ナイスジョブ!
良い物を読ませていただきました
物語として完結して無いような気もしましたが

自らを高尚な者としている愚な輩には
ことみの居る美しい世界は永劫理解出来無い

と思う事にします


気になった点は先に言われてますが
改行が足りない ですね
上手く改行して読み易い文章にするのが良いかと
レス移動で切れるのを場面や時間の移り変わりに
使うのも良いかと思います
会話に関しては特に気になる物は無かったですね

これからの活躍を応援します
664sage:04/05/23 20:20 ID:l+qVA8UZ
拙作をお読みくださった方々、ありがとうございました。返信が遅れて申し訳ありません。
双子の時も風子の時も、皆様のレス拝見させていただき、大変励みになりました。
改行について、文章のごちゃごちゃについて、改善していかねばならぬ点が多いなと改めて確認させていただいております。重ね重ねありがとうございます。
665名無しさんだよもん:04/05/23 21:12 ID:+PSdz66V
sage氏グッジョブ
謙虚な姿勢で更にグッジョブ
666624:04/05/23 21:41 ID:XukLuxEg
>sage氏
わがまま聞いていただき感謝です
667名無しさんだよもん:04/05/23 23:32 ID:9JBaRWdI
プルルル・・・プルルル・・・ ・・・

「はいよ、今日も繁盛 古河パン屋とはうちのことだぁー」
『〜〜〜。』
「なんだ、お前か・・・久しぶりだな、どうかしたか?」
『〜〜〜。』
「あぁ、みんな元気にやっているぞ」
『〜〜〜、〜〜。』
「・・・いや・・・うちはもともとパン屋だから間に合っているぞ。」
『〜〜〜。』
「新作の自信作だと言われてもな、うちには早苗の〜」
『・・・。』
「なにぃ早苗宛てにもう送ってある?」
『〜〜〜。』
「・・・そうかよ・・・。・・・・・・ありがとよ・・・」
『ツー。ツー。・・・』

妻のパンと妹のジャム・・・
俺はパン屋としてなにか間違いを犯しているのではないか?
そう思うときがある。

あの空の向こうに行ってきたいぜ。・・・ちくしょう。
668名無しさんだよもん:04/05/23 23:38 ID:W4oZ93R+
>>667
ワロタ

どっちもまともに食えないってことで共通だな。
669二人の思い:04/05/23 23:44 ID:+PSdz66V
「もう2ヶ月だ」
「何が?」
「渚が倒れてから」
「ああ、もうそんなに経つんだ…」
そう、もうそんなにも時は過ぎていた
渚のいない学園生活がこんなにも退屈で、意味の無いものに思えてしまうなんて知らなかった。
こうして春原と毎日を惰性に過ごしていたら、知らず知らず時は流れていた。
「でも、毎日会ってるんだろ?」
「まぁな…様態はあまり思わしくないが」
「お前が渚ちゃんのことどれだけ好きなのかはわかってるつもりだけどさ…」
「焦っても何も解決しないぜ?」
「誰が焦ってるなんて言ったよ」
「お前の態度見てればわかるよ、どうせ授業中も渚ちゃんの事考えてるんだろうし。」
正直、図星だ。
「お前の心配が、逆に重荷になってるのかもしれないんだし」
「まぁこれ以上は二人の事だから言わないけどさ…」
「………」
俺の心配が渚を早く治そうと焦らせているとでも言いたいのだろうか、こいつは
だとしたら、俺は何をすればいい?寝込んでいる渚をただ傍観していろとでも言うのか?
これ以上、何も出来ないのはまっぴらだ
俺はチャイムが鳴る前に席を立った
「おい岡崎!どこ行くんだよ」
「フケる、じゃあな」
670名無しさんだよもん:04/05/23 23:46 ID:+PSdz66V
教室を出ると春原の声が聞こえたが聞き流した
「渚…」
そして俺は足早に学校を出た。
特に目的は無かった、じっとしていたくなかっただけだ。
だから俺はあても無く歩いていた。止まると色々と考えてしまいそうだったから立ち止まらなかった。
(何をやってんだろうな…俺は)
少しして信号に差し掛かった、赤信号なので嫌でも足を止めなければならない。
当然のことなのに、今は酷く苦痛だった。
早く変わってくれと顔を上げると、見慣れた顔が車の窓越しに映った。
渚だった

「な…渚!?」
口よりも先に足が動いていた、赤だろうが関係ない。
クラクションの騒音が交錯する中俺は無我夢中に走った、周りは見えなかった。

やっとたどり着いた時見た渚の顔は…笑っていた。
「朋也君、信号無視はだめです…」
そして、苦痛の入り混じった笑みでいつものように俺を諭した
「馬鹿…それよりも早く帰るんだ、顔赤いじゃないか…」
渚がここにいる理由は後にでも聞けばいい、とにかくすぐにでも寝かせなければ。
「まだ…だめです」
「これじゃ昨日と…変わりません」
「昨日?」
何を言ってるのかわからなかった
「せめて…この信号は渡りきらないと…だめです」
「せっかくここまで来たんですからっ」
渚は前進しようとする、がそのまま崩れ落ちた。
「渚っ!」
671二人の思い:04/05/23 23:48 ID:+PSdz66V
すぐに抱きとめてやると、渚の体温がそのまま伝わってきた
(熱い…)
この熱さはいつもの比ではない、そう思ったが途中で気が付いた
「渚…まさか最近体調が悪くなってきてるのは…」
「ちょっと無理しすぎました…えへへ」
「馬鹿っ!」
ビクッと渚が肩を震わせる
「何で…何でこんな事するんだ!自分の体の事は渚、お前が一番わかってるはずだろ?」
「朋也君と…また学校に通いたいからです…」
「え?」
「私、毎日朋也君にお見舞いに来てもらっています…」
「毎日、朋也君に勇気付けられています…」
「なのに私は何も出来なくて…迷惑かけてばっかりで…」
「だから朋也君にもう心配をかけないように、毎日練習してたんです…」
「一昨日は、あの交差点まで行きました」
「昨日はこの場所まで来ました」
「だから今日は、この信号のむこうまで…」
「行くつもりだったんですけど…だめでした、えへへ…」
「何も出来ないのは俺のほうだよ…」
「え?」
自分が恥ずかしかった
春原の言う通り、俺は渚を焦らせていただけで…渚を追い詰めていただけだった。
俺は抱きしめる力を更に込めて言った
「ごめん…渚」
「え…どうして朋也君が謝るんですか?」
「俺さ…渚のいない学校生活がつまらなくてさ、毎日渚の事考えてたよ」
「だから早く元気になって、一緒に坂を上りたいって思ってた」
「とにかく早く、とにかく早くって自分の事ばっかでさ…渚の立場考えてなかった」
「だけど、違うんだよな幸せって」
672二人の思い:04/05/23 23:49 ID:+PSdz66V
「幸せ…ですか?」
幸せ…俺は渚と出会うまでこんな言葉を真剣に口にしたことがあっただろうか
「落し物と同じで焦っても見つからない、落ち着いて時間をかけないと見つからないんだ」
「焦ってもだめなんだ…時間はあるんだから」
何で俺は早く気が付かなかったんだろう
俺はいつだってよかったんだ…渚はここにいるんだから
「私…間違ってました…」
「いや、元々は俺が悪いんだ。だからおあいこだな」
「はい…」
渚はそう言うと力を抜いて、俺に体重を預けてきた
「寝てていいぞ、おぶってやる」
「え…恥ずかしいですっ」
「俺も恥ずかしい、だからおあいこだっ」
返答を待たずして俺は渚をおぶった。初めてだったが、驚くほど軽かった。
「太ったか?」
「そんなことないですっ」

しばらくして寝息が聞こえてきた
「あんなことしてたら疲れるのも当然か…」
もう二度と、渚の重荷にはならない
渚の荷を軽くしてやる事が俺の役目なんだ
俺たちはうまくやっていける、そう感じた
673 ◆RcEKPgumPM :04/05/23 23:55 ID:+PSdz66V
◆28s26Q7ss2 さん、sageさんに触発されてSS書いてみました
朋也の心の葛藤をメインにしたんですが…難しいですね
批判を含め感想を頂けると嬉しい次第です
674名無しさんだよもん:04/05/24 00:06 ID:iJSigMGA
いやー佐藤自爆しちゃったよ
あれはメカニックの不手際だな
675名無しさんだよもん:04/05/24 00:10 ID:n4TL3ssB
>>673
ちょっと三点リーダを使いすぎじゃないかな。
後、アッキーや早苗さんがいるのに渚が外出できるのはちょっと無理があると思うんだけど。
676 ◆28s26Q7ss2 :04/05/24 00:19 ID:0tt7NZKQ
>>673
前半の心理描写は上手いと思います。
後半に差し掛かって、地の文が少なめになった気がします。
2人の独白ですから、こう、ならざるを得ない感じもしますが・・・
3点リーダの代わりに「、」を代用してもよかった箇所がいくつかあったように思います。

でもそれ以上に温かい、感じのする文でした。
こういう、渚の健気さが伝わるのには弱いんですよねぇ。
Good Job!

隔離SSスレにU-1SSを投下してみました。
ネタと割り切って見れる方、どうぞ。
677名無しさんだよもん:04/05/24 00:26 ID:VTvd9SeK
>>673
こういう展開はありそうですね。
>>675さんの言うように、シチュ的には無理があるかもしれませんが。

あと、個人的には最後の文はいらないように思います。
朋也が自分の心にケリをつけてしまったようで、やや不自然かなと。
678名無しさんだよもん:04/05/24 00:26 ID:wWv66R3Y
>>676 見たよ。激しくワロタ。ちゃんと文章の下手糞さも再現されてたしw
微妙に続きが読みたいぞ。
679名無しさんだよもん:04/05/24 00:34 ID:VTvd9SeK
>>676
見ました。ハゲシクワロタ。
期待してはいけないんですが、微妙に続きが気になるっ…!
680名無しさんだよもん:04/05/24 00:42 ID:9Wp8HS7X
やっぱは駄目だ・・・まったく肌に合わん・・・滅茶苦茶鬱
681名無しさんだよもん:04/05/24 01:14 ID:W8DVyswI
>>676
腹が痛いw
ごめん、続きが気になるわw
682名無しさんだよもん:04/05/24 01:29 ID:QxzgP03+
>>676
ワラタ
激しく続きをキボンヌw
683名無しさんだよもん:04/05/24 01:35 ID:33WqJ5mC
隔離SSスレってどこだ?
684名無しさんだよもん:04/05/24 01:44 ID:BevD+Jkn
つか何で苺にageるのよ? そのままスレに貼って良かったんじゃねぇの?>676
685原点回帰:04/05/24 02:24 ID:pr12ARVM
>>667
まて、「秋」生の妹ってのはひょっとして謎のジャム作る人のことか……?
微妙にありそうでタノシイな。
686名無しさんだよもん:04/05/24 03:28 ID:SYxu/paN
あの人は姉が居るとはいっても2人姉妹とは名言されてないからなぁ…
687 ◆28s26Q7ss2 :04/05/24 07:56 ID:5nINIYCc
おはようございます。
えっと、意外なことになかなか好評のようですが、続きませんよw
あくまで一発ネタですから。

>>684
スレに貼るとU-1特有の無駄な空行が行数を増やして邪魔なだけだし、
ルビ振りもズレてしまうんで。
なにより、うpろだだと流れるのでw
やっぱり書いてあげといてなんですけど、恥ずかしいんですよね・・・orz
688 ◆RcEKPgumPM :04/05/24 13:32 ID:4wUkntAw
遅くなりましたが感想ありがとうございました

>>675
やっぱりそこが不自然ですよね…あの二人が外出を許すとは思えませんし
3点リーダが多い、というのも気になりますよね。どうも癖と言うか使ってしまうので今後気をつけます。

>>676
>後半に差し掛かって、地の文が少なめになった気がします。
そこは完全に見落としていました…セリフばかりに気をとられて失敗しました。
それでも渚の健気さが少しでも伝わったのなら嬉しく思います

>>677
最後の一文、確かに蛇足ですね。きれいにまとめようとしたのが失敗でした

どうも不自然で読みにくいSSになってしましました_| ̄|○
これからはちゃんと自然に読めるSSを目指します。
689名無しさんだよもん:04/05/24 14:02 ID:isBywiXp
>>676
すいません、そのSSが素直に面白いと感じてしまった僕はやはり精神病院へ行ったほうがいいでしょうか?orz
690名無しさんだよもん:04/05/24 19:06 ID:SYxu/paN
ネタで描いてると解ってるから笑えるけど

本気で描いてるあの方々は正直…
691名無しさんだよもん:04/05/24 23:42 ID:xS0Yiqz2
かつて、自分が書いたSSを読み返すと死にたくなる…
692名無しさんだよもん:04/05/24 23:44 ID:76Uj8d7w
>>691
安心汁。それが成長の証だ
693名無しさんだよもん:04/05/25 01:01 ID:L2Imuvoq
>>543
テレビでだろ?
もっぺんやってみ
694名無しさんだよもん:04/05/25 01:02 ID:BkVLo2pa
>>693
DMMLスレに行ってらっしゃい
695名無しさんだよもん:04/05/25 01:03 ID:L2Imuvoq
誤爆(´∀`)
696694:04/05/25 01:04 ID:BkVLo2pa
ちくしょう、誤爆指摘したつもりだったのに自分も間違えてやがる
697名無しさんだよもん:04/05/25 01:41 ID:5+ffC7qR
君達はことみちゃんと一緒にツッコミのお勉強でもしてなさい。
698名無しさんだよもん:04/05/25 01:43 ID:LoqAH/9p
>>697
・・・
なんでやねん
699名無しさんだよもん:04/05/25 02:19 ID:Tl91Wg9F
朝目が覚めて、今日も一日が始まる。
寝起きの悪いお姉ちゃんを起こした後朝食をとる。
3年生になって間もない一日。今日はあの人に話しかけられればいいな
私のあこがれの人。昨年お姉ちゃんと一緒のクラスだった岡崎君。
お姉ちゃんに話を聞いていた時からどんな人か興味があったけど、実際にクラスが一緒になって
遠巻きに彼を見る機会ができてから、彼の不器用な優しさを知ることができた
でも全然話しかけることができないで……今日もそんな日になるのかもしれないと思うと少し憂鬱になる
「いってきます」
普段より少し遅く家を出る。お姉ちゃんもちゃんと起きてきたみたい。秘密兵器のあるお姉ちゃんと違って
私はそろそろ出かけないと間に合わない

「今日こそ勇気を出してみようかな」
バスを降りて、私はそっと自分に言い聞かせるように言葉を発する。もっともここのところ毎日こんな感じだけど
とぼとぼと歩いていると後ろから聞き覚えのある音が聞こえてきた
ぺっぺっぺっぺっぺっぺ……
不思議な音のするスクーター。お姉ちゃんだ
「椋〜おさきに〜」
お姉ちゃんが通り過ぎざまに私に声をかけていった。するとその時、いきなり前を歩いていた人が歩道にふらっと出てきた
「あ、危ない!」
その人に思いっきりぶつかりそうになったお姉ちゃんに向かって私は慌てて叫んだ
700名無しさんだよもん:04/05/25 02:19 ID:pLRqK2zZ
>>698
あーもう気が散るからもっと静かに練習してっ!
701名無しさんだよもん:04/05/25 02:20 ID:Tl91Wg9F
「くっ」
お姉ちゃんは必死でハンドルを切る。なんとか正面衝突は回避できたみたい。でも、持っていた荷物にぶつかったらしく
衝撃でその人が倒れた
「あっぶないわねー。椋、そんな奴放っておいていいわよ」
お姉ちゃんが怒りながら去っていく。さすがに心配なので様子を見に行くことにした
近づいてみるとその人はちょっと女の子っぽい感じのする男の子だった。旅をしてるのか荷物が大きい
とりあえず私は……

     その人を介抱してハンカチを貸してあげる
    →見なかったことにする

見上げれば青い空。今日もいい天気だ
「なんだが今日は岡崎君に話しかけられそうな気がするな」
温かな春の日。今日はいつもと違う私になれそうな気がする♪


とりあえず勝平シナリオをクリアして、あまりの絶望感からこんなのを作ってしまいました
フラグを消しておこうかと思いまして……
見苦しいものをお見せして申し訳ございませんでした
702名無しさんだよもん:04/05/25 02:21 ID:pLRqK2zZ
スマソ糞レスで割り込んじまったorz
703名無しさんだよもん:04/05/25 02:54 ID:geQPxKw7
「とりあえず」? まさか1人めなんて言わないよな・・・。
704名無しさんだよもん:04/05/25 03:04 ID:zpmcP8KH
>>703
それぞれのシナリオがリンクしているってわけでもないし、
別に一人しかクリアしてなくてもいいと思うけど。
705名無しさんだよもん:04/05/25 03:12 ID:F17/+sXi
>>704
一人目がカッペだったら憐れだぞと>>703はいいたいのではなかろうか
706697:04/05/25 03:23 ID:5+ffC7qR
>>700
ツッコミはタイミングが命です。
20点。もっと頑張りましょう。
707名無しさんだよもん:04/05/25 03:34 ID:oFXGdAiN
>>701
GJ。
漏れもこのままカッペは脳内あぼーんしますわw

ついでにこのまま椋ルートのSSでもw
708名無しさんだよもん:04/05/25 07:56 ID:+mGwVfes
◆28s26Q7ss2氏、音声化スレでも台本書いてるね。
つか、あのスレキモすぎ。
早苗さんの声・・・( ゚皿゚)ひぃぃぃーーーー!!!
709名無しさんだよもん:04/05/25 19:11 ID:+DGns1Gp
このスレってほんとSS投下されないとがらがらだよな
710名無しさんだよもん:04/05/25 19:44 ID:8BZWFMPL
>>699
ワロタw
711名無しさんだよもん:04/05/25 20:32 ID:zpmcP8KH
>>706
雑談でもしろと?
712711:04/05/25 21:39 ID:RlljqHpb
スマソ、間違えた
>>706>>709
713名無しさんだよもん:04/05/25 21:58 ID:hP6LQ3BC
ツッコミの才能無ければ雑談するしか無いと言ってるのかと思ったよ

ボケで生きてけばいいじゃない
714はつお:04/05/25 23:42 ID:zgKLhxdv
初めてSS書きます
長文なんでカンベンしてください

「おい、岡崎」
下から芳野さんの呼ぶ声が聞こえた
「なんすか?とりあえずココ繋げるだけなんで少し待ってください」
「急ぐ気持ちはわかるが、ケガをしてからでは遅いんだ
もう少し落ち着いて作業しろ」
「あ、はい、そうっすね」

「よし、コレで終わりだな」
「そうっすね」
「岡崎は今日はどうするんだ?」
「オレは汐や早苗さんたちと家でパーティですよ」
「ほう」
芳野さんがすこし笑んだ顔で相槌を打つ
「そいつはいいなっ」
やはり今日はこの人も上機嫌だ
「芳野さんは公子さん達と過ごすんですか?」
「ああ」
照れてるのだろうか、顔を少ししかめた様に相槌を打つ
「そんな照れなくても...」
プルルルルルッ
芳野さんの携帯から音が鳴った
715名無しさんだよもん:04/05/25 23:44 ID:zgKLhxdv
「もしもし...」
『ああ、芳野くん?そっちは作業終わったかい?』
「ええ、今終わったところです」
どうやら相手は親方らしい
わざわざ確認の電話を入れてくれたとは思えないが...
『本当に悪いんだけどさ、ジョニーが柱から足を滑らせちゃってさ』
「えっ?大丈夫なんですか?ジョニーさん」
ジョニーさんに何かあったのだろうか
『途中で柱につかんで、大きな事故にはならなかったんだけどさ
右腕を脱臼しちゃったみたいなんだよね だから、悪いんだけどジョニーのやり残した所
あと2箇所あるんだけど、悪いけど頼まれてくれないかな?』
何か嫌な予感がする...
716名無しさんだよもん:04/05/25 23:45 ID:zgKLhxdv
「解りました、これから向かいます場所はどこですか?」
「ジョニーさんどうかしたんですか?」
『えっと、場所はね...』
芳野さんが地図に何か印をつけていってる
「あのっ!」
芳野さんが静かにしろと動作で伝えてくる
そうされると慌てていた自分が少し恥ずかしい
「はい解りました、***丁目の***通りですね」
まさかっ...
「岡崎、行くぞ」
「えっ?」
芳野さんが心なしかむすっとしている様にも見える
それ以前に「行くぞ」って?
「ジョニーさんが腕を脱臼して終えれなかった場所を俺たちがやるんだ」
「えっ?今からですか?」
「工期は待っちゃくれないんだ、いいか岡崎」
うっ!このパターンは...
「いかに周りが俺たちの愛を必要としていても...」
やっぱこの人はクサイ事を堂々と言える人だ
「解りました、急いで終わらせに行きましょう!」
まだ愛について語る芳野さんをトラックに押し込み俺たちは次の現場へ向かった
717714=はつお:04/05/25 23:46 ID:zgKLhxdv
「ほれっ」
「ん?」
芳野さんが携帯を俺に投げてきた
「家族に電話位しておけ」
「芳野さんはもう掛けたんですか?」
「オレは後でで良い」
公子さんとの会話を聞かれるのが恥ずかしいのだろう
「風子ちゃんの方だ」
読まれていた...
「ソレ解るっす」
とりあえず今日は家には早苗さんがいるはずだ
今日は帰りが遅くなることを伝えるのが
心に重くのしかかる...
718はつお:04/05/25 23:47 ID:zgKLhxdv
「はい、おかざきです」
「汐か よくお電話に出れたな、えらいぞー」
「えへへ パパ、あのねっ...」
「汐、悪いけど早苗さんに代わってくれないか」
「...うん」
受話器の向こうで汐が早苗さんを呼ぶ声が聞こえる
その明るい声がさらに重くのしかかるようだ
「はい、お電話代わりました」
「あ、朋也っす」
そしてオレは今日は帰りが遅くなる事
クリスマスパーティに出るのが遅くなると言うことを伝えた
「んだとっ!」
「うわっ!」
早苗さんが瞬時に秋生さんに変わってた...
「おまえ、今日と言う日を楽しまないとはいったいどういう了見だぁっ
チン○チョンぎっちまうぞっ!」
「いや、同僚がケガしてさ、その穴埋めなんだ
コレだけはどうしようもないんだ、オレも早めに終わらせるように頑張るからさ」
「ふんっまぁ早苗のパンを全部食うなら許してやるよ」
またこの人は早苗さんが聞いたら泣き出しそうなことを...
719はつお:04/05/25 23:48 ID:zgKLhxdv
「ん?早苗さん近くにいるんじゃないのか?」
「ふっ甘めぇな、早苗の両耳は既にオレが塞いでいるぜっ」
アンタは一体どういう姿勢で電話をしてるんだ...
「とりあえず、早苗さんのパンはカンベンしてくれ」
「っ!」
???
「私のパンは、カンベンして欲しい代物だったんですねぇっー」
またもや入れ替わってた!
「ふっどうだ、オレと早苗の見事なコンビネーション!」
そのコンビの片方は泣いていますが...
「ってか早苗さんを追いかけなくていいのかよ」
「汐が既に追いかけに行ったぞ」
汐...
そこはオレの血筋なのか...
「とりあえずなるべく早く帰るから、汐にも伝えておいてくれ!じゃっ」

芳野さんに携帯を返して
俺たちは次の現場へと向かった
720はつお:04/05/25 23:48 ID:zgKLhxdv
結局仕事が終わり
プレゼントを買って家に着いたのは
10時を過ぎてからだった

「汐ちゃんはついさっき寝付いたところですよ」
「本当に申し訳ないです」
「いいんですよっ仕事先のお友達のためなんですから 仕方のないことです
しおちゃんも解ってくれてますよ」
「後で自分のほうからも汐に謝っておきますよ」
「ちゃんと埋め合せはしてあげてくださいね」
「もちろんです」
洗面所から秋生さんが現れる
「くっそ、オレの顔面マジックでもうけないとは
オイ汐にちゃんとギャグも教えてるのかっ!」
「秋生さん口のところにマジックが残ってますよ」
「ぬおっマジか」
水性と油性を間違えたらしい
良く見ると口だけでなく顔全体に跡がうっすらと残っている
早苗さんの優しさから来るゆるい指摘なのか
気づかなければ、明日は秋生さんは皆の笑いものだ
「アリだな...」
「何か言いましたか?朋也さん」
「い、いえ何でもないです」
こういうところの勘の鋭さも渚に通じるものがある
721はつお:04/05/25 23:49 ID:zgKLhxdv
「まぁ、早苗のパン100個食べてピンピンしてたら汐も笑って許してくれるだろう」
秋生さんがまた無茶なことを言う
あ、やばいっ
「私のパンはアルカリ性だったんですねぇっー」
「早苗のパンなら死んでも良いぜぇー」
いつものパターンだったが
とりあえず玄関に体をずらして
早苗さんが家から飛び出るのを防ぐ

すると...
図らずとも早苗さんが俺の胸に飛び込んでくる形となった
いや、ちょっとは狙ってたけど
「てめぇ、人のスケに手を出すとは良い度胸じゃねーか」
それは死語だ
「いえ、朋也さんに止めてもらってちょっと嬉しかったんで
コレでおあいこですねっ」
それはフォローになってません
「ノオォッジェラシィィ!」
「私たちは今日はコレで帰りますけど
汐ちゃんはやっぱりパパがいないと寂しいんですから
ちゃんとフォローしてあげてくださいね
秋生さんじゃフォローしきれなかったようですから」
え?
考えてみれば当然のことだった
秋生さんは顔面マジック以外にも色々な事をして
汐にオレが不在のクリスマスを
少しでも楽しめるように頑張ってくれたに違いない
722はつお:04/05/25 23:50 ID:zgKLhxdv
「ちっ」
余計なことをと言った顔で
顔を逸らしている
「オッサン」
「あ?」
「今日は助かった」
「家族なら当然のことだ」
その言葉は今日のオレは家族失格だったと言われているような気がして
辛かった
「汐のほうが辛かったに決まってんだろ」
「え?」
「お前は思ってる事が顔に出るからな」
そんな顔をしてたのか...
「だが、仲間をほうっておいて自分だけ楽しみにノコノコ戻ってきたら
オレがケツを蹴ってでも追い返したけどな」
...
「そういう意味じゃ今日のお前は良くやったよ」
「立派でしたっ」
早苗さんも続いてくれる
ああ、やっぱりこの二人には永久にかなわない
「オレ達はそろそろ帰るぜ」
二人が靴を履き家を出て行く
「オッサン」
「なんだよ?」
ドアを開けたところでオッサンが振り返る
「...帰ったらちゃんと顔洗えよ」
「フンッ」と言いドアが閉められる
723はつお:04/05/25 23:51 ID:zgKLhxdv
部屋には俺と汐だけが残された
「 パパ」
汐だ 起きてたのだろうか?
「起こしちゃったか?」
「ううん、さっきからおきてた」
「そっか」
しばらくの間沈黙が部屋を支配する
「...今日は悪かった、一緒にパーティできなくて」
「ううん、さなえさんとあっきーがいたから さびしくなかった」
コイツは昔の名残なのかオレへの負担を減らそうとしているのか
こんな父親でも思いやってくれる
「一日違うけど、明日パパと汐だけでまたパーティやりなおそうな」
「うんっ」
喜んでくれるその顔が渚を思い出させる
そう、今日は渚の誕生日でもあったんだ
「久しぶり歌でも歌おうか」
「うん」
「だんごっだんごっ...」
「だんごっだんごっ...」

汐が眠っている
元々この時間はおきていなかったから
当然ともいえる
だが、どんなに疲れて帰ってきても
汐の笑顔やこの寝顔を見るだけで
一生頑張れる
渚、オマエの分まで頑張って俺は汐を育てるから
心配しないでいいからな
724はつお:04/05/25 23:54 ID:zgKLhxdv
一応はコレで終わりです
とりあえず汐です
(このSSでは汐は健康体という設定になっています)

本当はまだ続きも考えてたんですけど
椋と勝平のカップルが絡んでくるので
嫌な気分を味わう人が出てくることを考慮して
やめておきます

流れも結構むちゃくちゃっぽいんで

長文+駄文に目を通してくれてありがとうございます
725名無しさんだよもん:04/05/25 23:56 ID:cuLFa6XE
話は悪くないというか俺は好きだし努力もわかるが句読点は付けるべきだな。
すげぇ読み辛い(;´Д`)
726読まずに。:04/05/25 23:57 ID:5+ffC7qR
「長文なんで勘弁して下さい」って
出だしからして日本語が変だぞ?
727名無しさんだよもん:04/05/26 00:00 ID:2aEBygTq
>>724
推敲、キャラのそれぞれの呼び方の確認をお薦めする。
地の文が少ない。
誰が喋ってるのかよくわからない。
「。」がない。
3点リーダが変だ。
ついでにストーリーもだらだらだった。
もっとメリハリをつけたほうがよい。

初投稿だからと言って、他人に見てもらうものだから、
最低限のことには気をつけるべきだ。
728はつお:04/05/26 00:07 ID:xGew/SNL
初SSってことで浮かれてました
もうしわけない
OTL
729711(本物):04/05/26 00:10 ID:0XN8TI/V
>>712
誰かは知らないけど、訂正サンクスです。

>>はつおさん
ちょっと情景描写が少なくて状況がわかりにくいかも。特に電話するあたりが。

それと、細かいことかもしれないけど「...」を使うのはやめたほうがいいと思う。.
730名無しさんだよもん:04/05/26 00:12 ID:LvBXk6P0
>>728
次から頑張ってくださいな。
期待しております
731コテとトリップ:04/05/26 00:15 ID:ERixGiqe
つうかさあ、初めての人にうだうだいいすぎだって

>>728

いっぱい書いて、いっぱい楽しみな。そうすりゃそのうち勝手に読みやすい文章書けるようになっから
732名無しさんだよもん:04/05/26 00:18 ID:VkgrwXN8
>>731
てめーが一番うだうだ言い過ぎ。
うざい。
733名無しさんだよもん:04/05/26 00:19 ID:U1aEm0kz
>>731
コテトリが慰めてる!?
今日はちょっと疲れてるのかな
734名無しさんだよもん:04/05/26 00:25 ID:moUNQ/o1
>>733
実ははつおはコテトリなんだよ。
コテトリはチキンなヘタレだから偽名で別PCからダイヤルアップしてんのさ。
735コテとトリップ:04/05/26 00:28 ID:ERixGiqe
>>733

別になぐさめてなんていないが
楽しんでいっぱい書いてりゃそれなりに見れる文章にはなるっていってるだけで

それとおもしろいかどうかは別もんだけどなw
736名無しさんだよもん:04/05/26 00:32 ID:PisajQYa
それよか消えろよ、ぐだぐだ言っているやつは。
真面目な職人様が投稿しなくなるだろ?
737名無しさんだよもん:04/05/26 00:32 ID:Kdgey4lI
>>735
プププ、自分のSSに突っ込まれてムキになってるおまえがかわいいよ
738名無しさんだよもん:04/05/26 00:32 ID:0XN8TI/V
淡々といこうぜ。
739名無しさんだよもん:04/05/26 00:33 ID:ANzVzVg8
>>724
クリスマスであることをもう少し早めに描写したほうがいいと思った

話の流れは結構好きだよ
740名無しさんだよもん:04/05/26 00:34 ID:5LsbA8vr
コテトリが書くとか言ってたSSってこれなの?
741名無しさんだよもん:04/05/26 00:34 ID:yIK1AotH
煽るな、煽るな
下手だろうとコテトリだろうと成長するやもしれんSS書きの芽を無理に摘むことなかろう
742名無しさんだよもん:04/05/26 00:37 ID:tDhpfVUj
コテトリはパラノイアだから、10行程度までしか意味のそこそこ通る文章は書けないよ。
SSなんて絶対無理。
実際、コテトリのレスって短文で頭悪いことしか書いて無いじゃん。
743名無しさんだよもん:04/05/26 00:39 ID:Ia4Uk1bK
幸村「ほわちゃ!」
朋也「嘘だろッ!?」
コンボが繋がった!
クマ「死にたいようだな!」
どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!
クマ「ふんっ」
どぐしっ!
渾身の蹴りにより、春原の体が吹き飛ぶ。
少女「うぐぅ〜! どいてどいて〜!!」
そこへ通りがかった羽の生えた少女にぶつかる。
小さな体で春原を吹っ飛ばす。
バキッ!
コンボが繋がった!
744名無しさんだよもん:04/05/26 00:40 ID:1eJaLseG
コテトリ、図星をさされて沈黙、かw
745名無しさんだよもん:04/05/26 00:40 ID:Ia4Uk1bK
クマ「ほんとに死ぬぞ?」
どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!
クマ「ふんっ」
どぐしっ!
渾身の蹴りにより、春原の体が吹き飛ぶ。
少女「観鈴ちん、ぴんちっ!」
男「任せろ」
そこへ通りがかった、他校の少女とガラの悪い長身の男。
男が春原に手をかざす。その手に触れる前に春原が吹っ飛ぶ。
朋也「何が起こったんだ?」
コンボが繋がった!
クマ「終わりだっ」
どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!どぐしっ!
クマ「ふんっ」
どぐしっ!
渾身の蹴りにより、春原の体が吹き飛ぶ。
すざーーーーーーーーーーーーーっ…ごんっ!
廊下を滑っていって、突き当たりの壁で頭を打っていた。
80HIT!
746名無しさんだよもん:04/05/26 00:43 ID:U1aEm0kz
>>745
ワロタ
747名無しさんだよもん:04/05/26 00:44 ID:w7pKwzpK
往人は、手で触れないと動かせないだろとマジレス。
748名無しさんだよもん:04/05/26 00:46 ID:0XN8TI/V
>>745
かわいそうな春原……
だれか、こいつが幸せになるSSを書いてくれ…OTL

あ、もしかして、いじられるのが春原の幸せなのか?
749745:04/05/26 00:52 ID:Ia4Uk1bK
>>747
そういえばそうだったな。
今、DNML化してるから参考になったわ。
750名無しさんだよもん:04/05/26 00:53 ID:4Jw+Gam4
>>749
じゃあ「ガラの悪い」も「目つきの悪い」あたりに変更しといてくれ

誰だかわからんかたよ
751名無しさんだよもん:04/05/26 00:54 ID:4Jw+Gam4
sage忘れスマソ_| ̄|○
752745:04/05/26 00:56 ID:Ia4Uk1bK
>>750
なるふぉど、参考になります
753名無しさんだよもん:04/05/26 00:58 ID:U1aEm0kz
>>752
「目つきの悪い」にするとオッサンとかぶるからやめたほういいぞ
754名無しさんだよもん:04/05/26 01:00 ID:t47sFuRY
銀髪って加えてみれば?
755名無しさんだよもん:04/05/26 01:03 ID:fY2e6hJz
いや、観鈴とセットって時点で結構わかる気が・・・・
あと往人を晴子に変えても観鈴の場合はアリだな。
756名無しさんだよもん:04/05/26 01:07 ID:w7pKwzpK
黒シャツで良いじゃん
757名無しさんだよもん:04/05/26 01:09 ID:t47sFuRY
黒シャツにする位なら恐竜のプリントされたTシャツで
758名無しさんだよもん:04/05/26 01:15 ID:w7pKwzpK
ソレダ
759745:04/05/26 01:22 ID:Ia4Uk1bK
これ思ったよりも大変だ・・・。

みなさん、アドバイスサンクスです。
7601/7:04/05/26 02:03 ID:MS/R2wky
「ちっ、しけた田舎町だな。夏なのに海の家一つ見つからないなんてな」
「岡崎さんの下調べがいいかげんなんです」
「だけど町のホームページじゃ広大な自然浜って謳ってたんだぞ。ヒトデの写真とかも沢山出てたぞ」
「堤防が立派すぎます。きっと大潮とかがすごいはずです。そんな危険なところは海水浴場にはならないです」
夏休み、俺は風子を連れて海に遊びにきていた。過ぎてはいるが、海の日にも風子の誕生日も近い。
何よりこいつのヒトデ好きを考えればいいデート先だと思ったのだが…。
せめて海水浴場として開いているかどうかぐらい調べるべきだった。今になって後悔する。
「仕方ない。磯遊びでもするか? ヒトデと戯れるぐらいなら可能だぞ」
「海にきたら泳ぎたいです。……もちろんヒトデとも戯れますっ」
「しかし着替えるところがなぁ。人に聞くにも人通りがないし」
「あっ。あそこに人がいますっ」
「おっ、確かに。姉妹かな」
「不審な岡崎さんが近づいたら逃げられてしまいますから、風子が聞いてきますっ」
「誰が不審だっ」
駆けていく風子。以前に比べると積極的になったものだった。
海水浴の楽しさをすべて逃したくない、そんな欲張りな願望が風子を積極的にしているのかもしれない。
あいつは子供っぽいから、それだけ楽しいことには敏感なはずなのだ。
「あのっ…、これどうぞっ」
言って木彫りのヒトデを取り出す風子。未だにあいつ流の「初めまして」はあれか。
7612/7:04/05/26 02:04 ID:MS/R2wky
「んに? なにこれ。お星さまかな〜?」
「まあ、かわいいお星さま」
しごくまっとうな反応を示す姉妹(?)
「違います。実はこれは……ヒトデですっ」
余計なことにムキになる風子。言わなきゃいいと思うんだが。
「にょわ〜、ヒトデだったんだ。可愛いねぇ、美凪」
「はい。かわいいヒトデです。みちるがこんないいものを貰ったのですからお返しを進呈しちゃいます」
「えぇっ!? よろしいのですかっ」
美凪というらしい少女から何やら封筒を受け取る風子。そしてそのまま駆け戻ってくる…って
着替え場所探しはどうなったんだ?
「岡崎さんっ。いただいてしまいました」
風子の持っている封筒の中には全国共通おこめ券と書いてあった。
「……よかったな。旅行先から20キロの米を持ち帰るのはまたとない思い出になりそうだ」
「この町で交換しないといけませんか?」
「ていうか本来の目的を忘れるなよ……」
「あっ、そうでした」
言って風子は二人のもとに戻っていく。
「あのっ、風子っていいます」
「わたしは美凪、こっちがみちるです」
「よろしく〜」
7623/7:04/05/26 02:05 ID:MS/R2wky
「それでですね、この辺りで水着に着替えられる場所はないでしょうか」
「すいません。この浜は海水浴場ではないのでそういう施設は無いようです」
「あ、あそこなら着替えられるよ」
「心当たりあるの? みちる」
「うんっ、ついてきて」
言って歩き出すみちる。風子が手を振ったので俺もついていくことにする。
話しながら暫く町を歩いて辿り付いたのは何年も使用された形跡の無い駅舎だった。
そしてそのベンチに寝る男が一人。
みちるはその男のところに駆けていくと
「国崎往人ーっ、起きろーっ」
「ぐわぁっ」
智代ばりの見事なキックに春原ばりの見事なリアクションで転倒する国崎という男。
「おいおい、遠野さん。これはいったい…」
「かわいい……」
……みちるのキックに見惚れているらしい。よくわからんが身近な誰かのトリップに似ている気もする。
結局、みちると国崎のじゃれ合いを遠野が止めて場が治まった。その間数分、俺と風子は呆然と見守っていた。
7634/7:04/05/26 02:06 ID:MS/R2wky
「で、着替えることができるのってここか?」
「ん、そうだよ。みちるはいつもここで着替えて海にいくぞ」
「みちるちゃんには申し訳ありませんが、ここで着替えて商店街を抜けて海に行くのは大人の風子には
 恥ずかしすぎます」
「んにゅ。そうなの?」
「ガキが迷惑かけたってとこだな。まあここは水と電気が生きてるから好きに使っていいぞ」
「ここは国崎往人の家じゃないっ!」
ズゴッ
「ぐぁっ」
また始まってしまったようだった。遠野が俺達に話しかける。
「すいません。お役に立てなくて」
「いえ、しかたありません。もともと岡崎さんの調査不足が悪いんです」
「まだ言うかよ」
「それでお詫びといっては何ですが、これからお昼ご飯を作ります。よろしければ食べていってください」
「え、いいの? どうする、風子」
俺の問いにやけに真剣な眼差しで
「メニューは……」
と呟く風子。
「ハンバーグを作ります。みちるの大好物なんです」
「ハンバーグですかっ。風子も大好物ですっ」
はしゃぐ風子。何歳だ、お前は。
7645/7:04/05/26 02:06 ID:MS/R2wky
結局昼食をご馳走になることになった。
………。
……。
…。
食事の後、国崎が特別な芸を見せてくれることになった。
何も使わずに人形を動かしていた。
とても不思議だがネタとしてはあまり面白くなかった。
しかし風子と遠野、みちるは見入っていて妙な疎外感が寂しかった。
次に女性三人の水着ショーが行われた。
風子の新調した水着は可愛かった。微妙に大胆なデザインで、公子さんのアドバイスがあったのだろう。
みちるの水着は、別の意味で可愛かった。劣情とは無縁だが。
そして何より、二人はこの人には逆立ちしても勝てそうもない。たっぱもあり、肉付きもいいモデルのようなスタイル。
『一強、二番外地といったところか』
俺と国崎の台詞がハモる。
つづけて怒声、破壊音、悲鳴がハモることになった。
………。
……。
…。
7656/7:04/05/26 02:07 ID:MS/R2wky
やがて遠野が口を開く。
「もう六時を回りました。そろそろ暗くなります」
もう今日という日は終わりだ。海にデートに来たのに泳いでもいないし、ヒトデを見つけてもいない。
今日会ったばかりなのに、こんなにも時間を忘れて楽しんでいたことに驚いた。
「風子、そろそろ帰らないとな」
「はい、特急がなくなってしまいます」
「んにゅ〜、残念」
「名残惜しいです」
「また来いよ」
三人は別れを惜しんでくれた。
「ああ、また」
俺もまた会いたいと思ったから、そう答えた。
「あのっ」
突然風子が声をあげた。そして三人に話し掛ける。
「風子達の町は素敵で優しい町です。もし、本当にどうしようもなく困ったことがあったら、
 是非尋ねてきてください。きっとお力になれるはずです。あの町はみんなが幸せになれる町です」
7667/7:04/05/26 02:07 ID:MS/R2wky
俺は帰りの電車で風子に尋ねた。
「最後のあれ、どういう意味なんだよ。町がどうとか」
「よくわかりません。なんとなくです」
「俺の方がよくわかりません、なんだが」
「自分たちの力でどうにもならないときに、人に助けてもらうのは悪いことではないと思います」
「あの三人がそんな困難にあって俺達の町の助けをひつようとするってのかよ」
「わからないです。でもあの時、そう言うべきだって思いました」
「わからない尽くしだな」
「はい」
「でも、そうだな。町に守られてるというか、見守られてるって感じたことはあるかもしれない」
「はい…」
「ああ。風子と、ありえない出会いを果たして、再開できて、こうして付き合ってる。
 それは町のおかげかもしれないな。すべてが優しくて、いい方向に向かってる」
「は…ぃ…」
急に風子の声が細くなり、一瞬過去を思い出して不安になった。
慌てて横を見たら何のことは無い、風子は疲れて眠っていた。
俺は風子の体を引き寄せて持たれかけさせてその肩を抱き、
なんとなく町のことを考えながら残りの帰路を過ごした。
767名無しさんだよもん:04/05/26 02:14 ID:4uCTuFeP
>>766
クロスにしちゃ、普通だな。
盛り上がるとこもないし、そのまま淡々と続くって感じだね。
ほのぼの路線を狙っているのか、メッセージを伝えたかったのか、
単にクロスさせたかったのか、微妙なとこだ。
まぁ、普通には読めた。
768名無しさんだよもん:04/05/26 03:35 ID:jYYhOSGv
>>とても不思議だがネタとしてはあまり面白くなかった。
吹いた。

ノーマルEDで町を出た二人の行き先、ということかな。
769名無しさんだよもん:04/05/26 04:31 ID:FgIaDceZ
もしかしてナギーより風子のほうが年上?
770名無しさんだよもん:04/05/26 07:07 ID:6W7rofjU
>769
多分そうだよ。
風子はあれでも初登場時は18だしな
美凪は17ぐらいだろ
771名無しさんだよもん:04/05/26 10:26 ID:zaCRnq90
美凪・観鈴同級生

観鈴ちんアフォな子

高校逝ける訳がない

つー事は厨房

って事で自動的に美凪はオレ脳内で15歳なんだが
772名無しさんだよもん:04/05/26 10:28 ID:W2FXk7uZ
田舎の高校なら生徒間に差があるのは日常茶飯事だぜ!
773名無しさんだよもん:04/05/26 12:03 ID:w+3qcbas
ま、エロある限りは18歳以上なんだが
774名無しさんだよもん:04/05/26 12:57 ID:SSe74Mlb
IDがSSだったので記念に書き込んどきますよ
775名無しさんだよもん:04/05/26 16:56 ID:VvQrgEHZ
ぼく、幻想世界から来た人形。
椋と結婚した君の子孫の女の子に頼まれてやってきたんだ。
世界は椋の作った料理によって滅んでしまった。
女の子だけは、耐性をもっていて大丈夫だったんだ。
そんな未来にならないよう、君を他の女の子と
結婚させるためやってきた。

朋也「だからバッドエンドだったんだ!」
776745:04/05/26 20:52 ID:Ia4Uk1bK
おまけも付けてDNML化しました。
DNMLスレのほうにうpしてあります。
777760-766:04/05/26 22:31 ID:MS/R2wky
>>767-768
またーりを狙いました。

>>769
風子は3年、美凪は…観鈴のクラスメイトが旅行に行ってるから3年ではなく2年かもなー。
778決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:57 ID:ISZQmOWE
汐が死んだ。
神様と言うものがいるのなら、その人は俺にそっぽを向いているを通り越し、
嫌っているとしか思えない。
俺は大切なものを、守るべきものを2度も亡くしてしまった。
運命というものに無力な自分が情けない。
俺はもう生きる意味を失ってしまった。
渚が死んだ時は汐がいたから、頑張れた。
汐の笑顔が、何より俺の励みになった。
母がいないという逆境を越えて、明るく、そして強い子に育てたかった。
けれど汐はもういない。
あっちの世界では生前与えられなかった母の愛に包まれて、幸せな生活を送っているのだろうか。
そんなことをぼんやり考える。
―――いっそ、俺もそちらに行こうか。
汐と渚のいない世界になど、価値を感じなかった。
しかし、それは許されなかった。
死は一種の逃避だ。
汐と渚は間違いなく、その人生をまっとうできなかっただろう。
あまりに短すぎる人生。
その果てに見出したものとは何だったのだろうか。
俺は2人の死を受け止め、2人が短すぎた分、生きてゆかねばならない。
そう、理性の上では解っていたが、体は動くことを拒んでいた。
―――お前はもう十分頑張った。もういいじゃないか。このまま2人のところに行こう。
俺の中の生きることを拒んだ悪魔―それは天使かもしれない―が囁く。
こんなことは、ここのところしょっちゅうであった。
仕事にも行かず、ただ家で暗く過ごすだけの日々。
精神的に参るのも当然だった。
779決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:58 ID:ISZQmOWE
日に2回は早苗さんが家に来る。
俺に飯を作りに来てくれるのだ。
塾やパン屋の仕事が忙しいだろうに、合間を縫って毎日来てくれている。
そして、毎回のように励ましの言葉を投げかけてくれる。
早苗さんは強い。
娘と、孫まで亡くしたというのに、俺のようにダメにならずに、生きている。
以前、こんなことを問い掛けたことがあった。
「人は、なぜ死んではいけないんでしょうか」
早苗さんはちょっと考えて、いつもの笑顔で言った。
「悲しむ人がいるからですよ」
「悲しむ人がいない人はどうなるんでしょうか」
早苗さんは一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐにいつもの笑顔に戻って、
「朋也さんが死んだら悲しむ人はたくさんいます。
 春原さんや、朋也さんのお父さま、おばあさま、私や秋生さんだって悲しみます。
 その他にも仕事場の人や、学生時代の旧友の方だって悲しむでしょう。
 ですから、そんなこと言わないで下さい」
そう言った。
けれども、立ち直れなかった。
抜け落ちてしまった空白を埋めれるものは恐らくはないだろうから・・・
780決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:58 ID:ISZQmOWE
人は沢山の『想い』を背負う。
夢、願い、理想。
無数の『想い』が人を動かす原動力になるのだろう。
今の俺を動かしているのは渚と汐の『想い』だけであった。
自分から発せられるものはない。
汐は俺に自分の分まで生きてくれ、とは言わなかった。
だが、その『想い』が伝わる、ある形見があった。
それは薄いスケッチブックだった。
そこには汐の『想い』がニュートラルに表れていた。
俺に買ってもらった古いロボット。
オッサンと一緒に遊んだ野球の様子。
早苗さんと一緒に作ったへんてこなパン。
幼稚園で優しくしてもらった杏先生。
一緒に遊んだ友達。
そして、写真でしか見たことの無い母の肖像。
全てがなにも通してなくて、ありのままだった。
それが、俺を悲しくさせた。
しかし、それだけではなかった。
最後のページに覚えたてのひらがなで、一言だけの俺へのあまりに拙い手紙があった。

『ぱぱごめんなさい』

クレヨンの赤で書かれた、読めないような字だった。
汐は自らの死期を悟っていたのだ。
あんなに小さな体で、あまりに短い人生の終わりの予期していたのだ。
それが、どうしようもなく泣けた。
781決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 17:59 ID:ISZQmOWE
追憶の日々の中、俺はある日、親父のいる東北の故郷への旅を決めた。
俺が汐を育てると決心した場所。
親父が俺を育てる、と決めた場所。
俺たち親子のルーツがそこにある。
あそこに行けば、何かわかるような気がした。
俺は思うが早いか、すぐに支度を始めた。
手早く着替えを詰め込み、いつも持ち歩いている2人の形見を入れた。
今までの俺からは考えられない行動力だった。
早苗さんに出かけることを電話で伝え、俺は駅へ急いだ。
残り少ない貯金で切符を買い、座席に落ち着く。
電車はがらがらだった。
俺の近くには3人家族が座っていた。
しばしば聞こえる家族の談笑。
俺が夢見た家族水入らずの旅行がだぶる。
俺は、2人がいてさえくれれば、よかった。
それなのに。
嫌な事を考えて、再び鬱になるのは嫌だったので、俺は眠りについた。
782決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:00 ID:ISZQmOWE
夢を見た。
俺と渚が初めて会った坂の下のこと。
渚が俺に何か喋った。
あれ?
あのとき、渚は俺になんて言ったんだっけ・・・?

「お客さん」
意識が覚醒する。
「終点ですよ」
駅員が迷惑そうに告げた。
「すいません、すぐ降ります」
俺は鞄を持ってホームに降りた。
ここの景色は変わらない。
一面の花畑。
日は暮れかけている。
俺はそれを横目に見ながら親父の実家へ急いだ。
783決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:00 ID:ISZQmOWE
俺は古びた木造の家へに着いた。
表札は『岡崎』。
親父が生まれた家。
俺は渋い引き戸をがらがらと空けた。
「ただいま」
俺の記憶で言えば、ここに来たことは一度もないような気がしたが、自然と声が出ていた。
奥から親父の母、つまりおれの祖母にあたる史乃さんがやって来た。
「まぁ、まぁ、朋也さん。遠いところをよく来ました。
 話は早苗さんから聞いてますよ。
 さ、お上がりなさい。直幸も待ってますよ」
俺は促されるまま廊下を進んで、ふと感じた。
この家は温かい、と。
居間にあがると、親父がいた。
「やぁ、よく来たな、朋也」
「ただいま、父さん」
「積もる話もあるだろうが、もうすぐ夕飯だ。話はその時に」
「ああ。わかったよ」
「朋也さんが久しぶりに帰って来たんですからね、腕によりをかけて作りましたよ」
「楽しみです」
史乃さんはちゃっちゃと料理を並べ始めた。
実にうまそうである。
しばらく、ぼんやりとその光景を眺めていた。
784決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:01 ID:ISZQmOWE
料理はとてもおいしかった。
お袋の味、と言うべきか。
史乃さんは台所で食器洗いをしている。
俺と親父は酒を飲み交わしていた。
「父さん。話、聞いてるんだろ」
「ああ・・・汐のことは、不幸としか言いようがない」
暫く黙って飲んでいた。
「俺、どうするべきなのかな」
「なんでおれに聞くんだ?」
「父さんなら、なにかわかるんじゃないかな、って思ったんだ」
男で一つで俺と育てきった親父。
その親父に聞けば俺の道が見えるような気がした。
「おれと朋也は別の人生を歩んでる。
 確かにおれが敦子を事故で亡くしたのも、おまえが渚さんを亡くしたのも、境遇が似ているがな」
ぐいっと酒を飲み干して、親父は話を続けた。
「決定的に違うのはおれはお前を死なせていない。
 おまえは汐を病気で亡くしてしまった。
 それが最大の違いだ。
 朋也、お前は守るべきものを失ってしまった。
 だから、生きる気力も欲も無くなってしまったんだよな?」
「そう、だね・・・」
この人はどれだけ俺のことを理解してくれているのだろう。
全て図星だった。
785決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:01 ID:ISZQmOWE
「生きる目的を失ってしまった人間が再び前に進むには何かを棄ててしまわなければいけない。
 おれはそう思うよ。
 おれは敦子を失って、お前と同じように途方に暮れた。
 けど、まだお前がいたんだ。
 俺は決めたよ。お前だけは、おれの手で育てきってみせるって。
 そのためには、いろんなものを棄てなきゃならなかった。
 お金、運、仕事・・・敦子への想い。
 でもな、朋也。なにも本当に棄てろと言ってるわけじゃない。
 敦子のことだっておれは今でも愛している。
 ちょっとだけ、忘れるんだよ」
「わす、れる・・・?」
「ああ。おれもお前もそんなに器用な人間じゃない。
 でもな、不器用は不器用なりにできることがあるんじゃないか。
 お前は今でも汐の死を引きずっている。
 渚さんのことだってお前のことだからずっと枷になってるんだろう。
 だから、忘れる。前に進むために」
息を呑む。
なぜこんなに親父は俺のことをわかっているのか。
「汐と渚さんだって、お前が生きてるのが一番幸せだろう。
 自殺なんかしてみろ、それこそ浮かばれない」
それを少しでも考えていた自分が情けない。
「時間が解決してくれることもあるだろう。
 渚さんのときはそれでよかった。
 けど、今回は違う。お前は決定的に壊れてしまった」
786決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:02 ID:ISZQmOWE
その言葉が胸に突き刺さる。
「これから前に進むか、このまま殻に閉じこもるか。
 それは朋也の自由だ。
 けどな、これだけは言える。
 お前は何かを棄てなければ進めない」
そう言って親父は立ち上がった。
「酒が回ってきたよ。もう寝るな」
「父さん・・・!」
「朋也、あとは自分で考えるんだ」
そう言って寝室に行ってしまった。
「俺は・・・」
頃合を待っていたのか、史乃さんがやって来た。
「全く、直幸も一丁前に説教できるほど偉くないでしょうに」
「史乃さん、俺は、どうするべきなんでしょうか・・・」
史乃さん優しく笑って、
「朋也さん、それを決めるのはあなた自身ですよ。
 ですが、わたしに言えるのは、忘れる、ということは悪いことではないと思います」
「忘れることは、悪くない・・・?」
「ええ。人は変わり続けるものです。人は全ての記憶を憶えてはいられません。
 だから、忘れます。もちろん、愛した女性や娘を忘れないのは素晴らしいことだと思います。
 ですが、朋也さん、渚さんと汐は何を望んでいるのか。
 それをよく考えて下さい」
「渚と汐が、望むこと・・・」
「わたしに言えるのはこれくらいです。
 さて、明日は早いんでしょう?早めに寝なさいな」
俺は釈然としない気持ちのまま、寝室に促された。
787決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:03 ID:ISZQmOWE
俺は布団の中で考えていた。
「渚と、汐の、望むこと・・・」
考えれば考えるほど頭がこんがらがる。
あと少しで答えは出そうなのに。
その少しを導き出す決定的な『何か』が欠けていた。
考えろ。
答えはきっと出るはず。
・・・
しまった、酒が回ってきた。
考えなきゃ、考えなきゃ、だ、めなのに・・・
俺の意識は遠のいた。
788決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:04 ID:ISZQmOWE
夢を見た。
俺と渚が出会った坂の夢。
昨日も見たような気がする。
『この学校は、好きですか』
『えっ?』
俺に言ってるのではなかった。
『わたしはとってもとっても好きです。
 でも、なにもかも・・・変わらずにはいられないです。
 楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。
 ・・・ぜんぶ、変わらずにはいられないです』
待て、なんと言った?
『おい、渚、いまなんて・・・』
渚は振り返って微笑んで、
『朋也くんは、変わらずにあり続けるんですか?』
『・・・』
『朋也くん、つまらない日常が好きですか?』
『好きなはず無い』
『なら、答えは出てるはずです。大丈夫、わたしもしおちゃんも朋也くんのこと見守ってます。
 だから、次の楽しこ・・・』
・・・
目が覚めた。
答えは、既にあったんだ。
789決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:05 ID:ISZQmOWE
俺は史乃さんからと親父の過去を聞いたあの景色のいい崖に来ていた。
決意は固まっていた。
一息ついて、誰もいない崖の上で俺はここにはいない2人に語り始めた。
「渚、汐。
 俺さ、決めたよ。
 もうちょっとさ、頑張ってみる。
 お前たちがいない世界はさ、つまんないけど、俺は前に進まなきゃだめなんだよな」
返答はない。
「わかってた。
 自分の世界に閉じこもって日々を過ごしてもお前たちは帰ってこないって。
 でもさ、俺、お前らがいないと、頑張れなかった。
 生きがいを見つけれなかった」
独白は続く。
「けどなにも、なにもかも・・・変わらずにはいられないんだよな。
 渚、お前と初めて会ったときに答えはもう出てたんだ。
 今まで気付かなかったなんか皮肉なもんだよな」
次の一言を言ってしまえば・・・
いや、もう決めたことだ。
790決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:06 ID:ISZQmOWE
「みつければよかったんだよな」
言った。
「次の楽しいこととか、うれしいことを見つければいいだけだったんだな。
 俺の楽しいことや、うれしいことはひとつだけじゃなかった。
 今まで以上の楽しいことや、うれしいことを見つけるのは大変かもしれない。
 けど、俺、頑張ってみつけてみるよ」
答えは出会いにあった。
俺と渚の出会いは素晴らしいものだと誇れるように。
「だから・・・」
俺はこれから、2人に背く。
「俺、お前たちのことちょっとだけ、忘れるな。
 俺馬鹿だからお前たちのこと背負ってると生きていけそうもない。
 だから、ちょっとだけ、そう、また俺がこの場所に来て、気持ちの整理が出来るようになるまで。
 落ち着いたら、きっと、きっと来るからさ。
 いい・・・かな?」
風が吹いた。
「そう、か・・・ありがとう」
そう言って俺は鞄の中から2人の形見である、汐の帽子と渚の髪を束ねていたリボンを取り出した。
そして、それを海に投げた。
不思議と涙は出なかった。
791決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:07 ID:ISZQmOWE
俺は昇り始める。
長い、長い坂道を。
792決別 ◆28s26Q7ss2 :04/05/27 18:07 ID:ISZQmOWE
以上です。
汐エンドで、朋也が幻想世界に行かずに、そのまま残った場合、どうなるか。
朋也の苦悩と成長を書いてみました。
このSSに関して言えば、賛否は分かれると思いますが、
作者なりの答えと解釈して頂ければ幸いです。
直幸パパが妙に父親らしくなったのは、作者がこうなったらいいなぁー、という妄想です。勘弁。
このSSを読んで、なにか感じて下さったなら、嬉しいです。
感想お待ちしてます。
793名無しさんだよもん:04/05/27 18:09 ID:SBDuYC3g
そして、杏先生と再婚。
今に至る。
794名無しさんだよもん:04/05/27 18:45 ID:I0gsuEoO
>>793 (・∀・)bグゥレイトォ!!!
795名無しさんだよもん:04/05/27 18:48 ID:0sE6OXOs
いやいや、智代と再会し付き合いだして結婚。





といってみるテスト
796名無しさんだよもん:04/05/27 18:50 ID:fNltFAls
一言物申す!















親父、かっけぇ
797名無しさんだよもん:04/05/27 18:56 ID:T/9TpxMI
一言物申す!













泣けてきた。

798名無しさんだよもん:04/05/27 19:06 ID:fmxch3NR
グッジョブ!!

あれ!?画面がかすんでよく見えないや・・・
799名無しさんだよもん:04/05/27 19:19 ID:jl3dZE1l
おいおい、すげえな、おい
前の直幸の奴はいいと思わなかったがこれはいいと思うぞ
自分的にかなり神。GJ!!次回作期待してます
800名無しさんだよもん:04/05/27 19:54 ID:j7+1cJN+
>28s26Q7ss2氏
       _、_
      ( く_,` ) グッドジョブ!
    /⌒'   ~ `)  
    (  く ノ | イ
    ヽ,_'ァ   , .|
      ノヽ ._λ_ )
     ./   ノ|  ノ
     ( -く  |ー(
     \ └,.| .)
      ,┘/ (__)
801名無しさんだよもん:04/05/27 20:08 ID:hrUORIF8
>>792

個人的にはあのハッピーエンドよりもこういうのの方が好きかも
802名無しさんだよもん:04/05/27 20:25 ID:8TKM/WLi
>792
GJ
うるっときた。(恥
803名無しさんだよもん:04/05/27 20:50 ID:80XZGkrd
そんなSSの後では同じ題材の物は投下しずらい_| ̄|○
804名無しさんだよもん:04/05/27 20:51 ID:80XZGkrd
そんなSSを見せられたら同じ題材の作品は投下し辛い_| ̄|○
805名無しさんだよもん:04/05/27 20:54 ID:Vl2ZoNO2
>>803
>>804
そんなにショックだったのかw
806名無しさんだよもん:04/05/27 20:55 ID:Vl2ZoNO2
>>803
>>804
そんなにショックだったのかw
807名無しさんだよもん:04/05/27 20:59 ID:80XZGkrd
そんなに突っ込まなくても_| ̄|○
808名無しさんだよもん:04/05/27 21:00 ID:R9zCB6ds
でも28s26Q7ss2って前回は大部分がパクリ文章のSS投下した香具師だろ?
今回のもどうだか。
809名無しさんだよもん:04/05/27 22:10 ID:A3kD7AoR
>28s26Q7ss2氏
今回のは私は今までの作品の中で一番好きですね。
親父かっこよすぎ!

>>808
前々回だけどな。
810名無しさんだよもん:04/05/27 22:56 ID:80XZGkrd
渚…。
おまえが俺の目の前からいなくなってからずいぶん経つ。
移り変わるこの街の光景は、おまえの目にはどう映ってるんだろう。
何も変われない俺の姿は、どう映ってたんだろうな。
汐はオッサンと早苗さんが面倒見てくれてたよ。
何も悪く思うことはない、ってオッサンは気遣ってくれた。
子供が好きですから、って早苗さんは言ってくれた。
でも、本当は俺が面倒見なきゃいけなかったんだよな。
わかってるんだけど、なぜかできなかった。
オッサンたちは俺のこと、父親失格って思われてたんだろうな。
でも、優しいから俺には何も言わないでくれた。
俺もその優しさに身を委ねてしまってた。
それじゃ駄目だったんだよな。
811名無しさんだよもん:04/05/27 22:57 ID:80XZGkrd
家に帰ると、いつもおまえの姿を探していた。
いつもおまえの声に耳を傾けようとしていた。
テレビの上にはひとつ増えただんご。
仲良く並んだだんご。
でも、もう増えることはないんだよな。
あの時一緒に誓ったっけ。
いつまでもだんご大家族みたいな仲のいい家庭を作ろうって。
もう、それもできないんだよなって、思ったりもした。
おまえがいなくなった後、俺は仕事をすることだけに熱中した。
何の取り柄もない俺だもんな。
一人娘さえも満足に育てられない駄目な父親だ。
それなら仕事くらい満足にできるようになろう、って決めたんだ。
でも、それさえもできなかったんだ。
俺、何をしてたんだろうな。
時が過ぎれば、みんな受け入れられるような気がしていたんだ。
汐のこと、おまえのこと。
無理だった。解決するのは俺自身だったんだよな。
それに気づいてからは、失った悲しみより残された希望を抱きしめて歩こうと思った。
気づくまでに、あまりにも長い時間がかかってしまったけれど。
渚、ごめんな。
おまえはこんな俺、見たくはなかったよな。
812名無しさんだよもん:04/05/27 22:58 ID:80XZGkrd
「パパ、どうしたの」
「いや、ちょっとママのことを思い出してな…」
「ふーん…」

そうだよな。
俺には汐がいる。オッサンもいる。早苗さんもいる。
いつまでも立ち止まってばかりじゃ駄目なんだよな。
これからは、汐と一緒に前に進もうと思う。
おまえは隣にいないけど、一緒に歩いていこう。
ついてきてくれるよな。
もし俺が十字路で迷ったときは、背中押してくれよ。
な、渚。
813名無しさんだよもん:04/05/27 23:01 ID:80XZGkrd


分かる人には分かると思いますが
元ネタの歌があります。

SSなのかどうかすら怪しい……
814名無しさんだよもん:04/05/27 23:08 ID:D54bdObV
>>813
元ネタ・・・くるみ?
いやなんか、最後のサビと雰囲気が似てたから・・・。
815名無しさんだよもん:04/05/27 23:21 ID:80XZGkrd
>>814
その通りです
816名無しさんだよもん:04/05/27 23:26 ID:Lo9MRYdk
あー、ミスチルのね。
SSみただけじゃ元ネタわかんなかったよw
いい感じに書けてると思うよ。
GJ!

けど、正直あのSSの後だと見劣りはするな・・・
817名無しさんだよもん:04/05/27 23:26 ID:MQrflIQN
投下します。
ことみルートでは、出番の少なかった春原のお話です。
最初はこんなに長くなる予定じゃなかったんだけどなぁ……
マジで長いので、分割で。
818おともだち:04/05/27 23:27 ID:MQrflIQN
ことみと付き合い始めてから2ヶ月。
俺はめっきり訪れる事の少なくなった春原の部屋に、久々に来ていた。

パラ……
春原の部屋に、雑誌を捲る音だけが響いている。
結局、久しぶりにやってきてもすることは以前と変わらなかった。
ベッドに寝転がって雑誌を捲っていた春原が、唐突に動きを止めて、俺の方を向く。
「なぁ、岡崎、最近お前付き合い悪くない?」
「あん?そうか?」
……思い返してみる。
昼飯は大抵部室で食ってるし、そこに春原の姿は無い。
放課後も、ことみに付き合って、本を読んだり、商店街で買い物をしたりしている。
春原の姿を見かけるのは……
「授業中、お前で遊ぶときだけか」
「お前で、って何すかねぇ!それに、すげぇ失礼な思い出し方っすねぇ!」
「まぁまぁ、そうカリカリするなって」
春原は、憮然とした顔つきのまま、
「やっぱり、女と付き合いだすと人間変わるのかなぁ……」
「俺が?変わった?」
「ああ、変わったね。お前が一之瀬ことみと付き合いだしてから、僕は明らかに一人でいることが多くなったよ」
春原にしては、珍しく真面目な声色だった。
819おともだち/2:04/05/27 23:27 ID:MQrflIQN
「なぁ、僕たちって友達だよね?」
「え、そうだったけ?」
「違ったのかよ!そこはイエスって言っておいてくれよ。じゃなきゃ、話終わっちゃうだろっ」
「ああ、すまん。つい脊髄反射で」
「嫌な反射身につけないでくれますかねぇ!」
「ああ、友達だよ。友達。それも強敵と書いて『とも』と呼ぶやつだ」
「え、ほんとかよ……」
「ああ。お前、最初は、それはもう凄い強敵だったんだ。でも、後から出てくるキャラにどんどん立場を追われていき、最終巻あたりでは、お前はただの傍観者になってるんだ」
「それ強敵じゃなくて、明らかに雑魚キャラですよねぇ!そんなヤム○ャみたいなポジションお断りだよっ!」
春原の叫びに呼応して、ドンッと壁が叩かれる。
そして、続くのは
「おらぁ!うるせえぞ!」
ラグビー部の怒声だった。
「ひぃっ!」
「お前、本当に雑魚キャラっぽいのな……」
春原は目を閉じ、俯いて、ぶつぶつと何か言い出す。
「……っ……く……」
「え?何?」
「ちくしょおぉぉぉぉ〜〜〜っ!もうこんな生活嫌だあぁ!」
いきなりキレた春原が、咆哮を上げながら、ドアを開け放つ。
そして、一度だけ振り返り、
「もう、岡崎とは遊んであげないからなーーーっ!」
俺に向かって、まるっきり子供のような捨て台詞を大声で言い残して、春原が部屋を飛び出していった。
その捨て台詞に反応して、今度は、隣の部屋のドアが勢い良く開け放たれた音が聞こえた。
『おい!てめぇ、うるせぇぞって言ってんだろうが』
廊下から怒鳴り声が聞こえる。
『ひぃっ!』
春原がラグビー部と遭遇したのだろう。
『う……うわあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜……』
春原の断末魔が、フェードアウトしていった。
820おともだち/3:04/05/27 23:28 ID:MQrflIQN
俺と付き合いだしてから間もない頃、俺とことみの妙な噂が広まり始めた。
本当に下らないものから、若干のリアルをまじえたものまで様々なものがあった。
当然、と言えば当然のことなのかもしれない。
何しろ、学年一番の才女と学年一の不良が付き合っているのだから、噂をするには格好の餌だったのだろう。
だが、人ときちんと接するようになり始めたばかりのことみに、そういう噂を聞かせるのに、俺は避けたかった。
だから、俺は出来るだけ、真面目な学生を演じるようにした。
初めのうちこそ、慣れないことが多くて疲れたが、次第とそれも無くなってきた。
今朝も、ことみと共に登校し、始業前には席に着いていたのだった。
隣の春原の席を見ると、いつも通り空席だった。
「ま、昼になれば来るだろ」
そう呟き、頬杖をついて、窓の外を眺める。
ぼうっと窓の外を眺める事、数分。
「朋也、朋也っ!」
突然、名前を呼ばれ振り返ると、そこには隣のクラスの委員長の藤林杏が立っていた。
「何だよ。また、誰か轢いたのか?」
「そんなしょっちゅう轢いてるみたいな言い方しないでよ。まるであたしが、極悪人みたいじゃない!」
「え……自覚無かったのか……?」
「えーと、死ぬ?」
激烈な殺気を纏いながらも、敢えて気軽に聞いてくる杏。
「いえ、すいません」
朝から、デンジャラスな学生生活である。
「で、どうしたんだよ?」
「今朝ね。陽平を見かけたのよ」
「春原を?それがどうかしたのか?」
「それがね、何か、普通じゃなかったのよ」
「まさか、ついに春原家の妖怪の血が目覚めて、『ケェーーーーーッ!』とか叫んでたのか?」
「……」
冗談に何故か黙り込む杏。
821おともだち/4:04/05/27 23:29 ID:MQrflIQN
「おい、どうしたんだよ……まさかマジで叫んでたのか?」
「叫び……そうな雰囲気ではあったわ」
「マジかよっ!」
杏が、朝見た春原の様子を語ってくれる。
それによると、春原は、制服は着ておらず、シャツ一枚。
声をかけても、まるきり反応せず、挙動不審な様子で町をふらふらと歩いていたそうだ。
何より、常に目を見開き、口を開いて歯を露出させていたらしい。
「それ、あいつがひぃって言う時の顔じゃん」
「そう言われれば、あれはその顔ね。でも、今朝の陽平は、ずっとそんな顔のままだったのよ?これって異常じゃない?」
「まぁ、あいつは普段からかなりキてるところがあるが……」
言いながら、杏の言う春原を想像してみる。

……常に、あの表情のままの春原が、
『ケェーーーーーーッ!』
時折奇声を上げながら、町を徘徊する。
その様子を見た者は、恐怖の余り心を病んでしまうのだ。
そして、町から笑顔が……消えた。

「SATとか呼んだ方がいいんじゃないか?」
俺は真面目な声で言った。
「あんた、一体どんな想像したのよ」
「いや、お前の言葉通りの想像をしたんだが」
「はぁ……まぁ、陽平がおかしいのは今に始まったことじゃないし、今度もきっとすぐに普段くらいの異常さにもどるでしょ」
杏が言い終えると同時に、始業開始のチャイムが鳴り始めた。
「あ、やば。それじゃ、またお昼ね」
杏はそう言い残して、足早に自分の教室に戻っていった。
何となく、春原の席に目をやる。
『もう、お前とは遊んでやらないからなーーーっ!』
昨日、最後に見た春原の姿が目に浮かんだ。
822おともだち/5:04/05/27 23:30 ID:MQrflIQN
「そう言えば、今朝春原さんを見かけたのですが」
古河が昼飯中に、そう切り出した。
今日も演劇部の部室で、俺とことみ、古河に藤林姉妹のいつものメンバーが集まっていた。
「え……」
俺は、つい箸を止めて、古河の方を見る。
「陽平、どんなだった?」
杏も箸を止め、古河に尋ねていた。
「ええ、それが……」
古河の語った春原の様子も杏の語った物とそう違っていなかった。
ただ一つ、新情報があった。
「春原さん、時折、『ひぃっ!』て短く叫ぶんです。わたしも、何に驚いているんだろうって周りを見回したのですが、何も見つからなくて」
とのことらしい。
春原は、何かに怯えているのだろうか。
ラグビー部?それとも、工業高校の奴らか?
しかし、そんな奴らがいたら古河にも見えているはずだ。
悩んでいると、横からくいくいと服の裾が引っ張られているのを感じた。
横に向き直ると、頭にはてなを1本立てたことみの顔があった。
「春原さんって、誰?」
「あー、ことみも会ったことはあるはずなんだけどな……覚えていないか?何か頭が金色のやつだよ」
「その人、スーパー○イヤ人?」
「残念、あいつはヤム○ャだ」
「そうなの……」
がっくりと肩を落とすことみ。
そんなに、スーパーサ○ヤ人に興味があったのだろうか……
823おともだち/6:04/05/27 23:31 ID:MQrflIQN
顔を正面に向けると、藤林が弁当を横に置いて、何やら占いはじめていた。
しゅっしゅっしゅっ……
トランプが、手早く繰られていく。
「あっ」
ばらばらばら……
「藤林、何してんの?」
藤林が、失敗を恥じ入るような照れた顔で、
「えと、春原くんに何があったのかを占ってみようと思いまして」
再び、トランプを並べ始める。
藤林が、ん〜〜〜と唸りながら、トランプとにらめっこをしている。
杏は藤林の占いに、別段興味をもった様子も無く、再び箸をすすめている。
古河は、じっと藤林の占いを見つめながら、何事かを小さく呟いている。
(だんごっ……だんごっ?)
訳が分からなかった。
「なぁ、古河、なんでだんごって言ってんの?」
古河が、慌てて俺の方を振り向いて言う。
「あ、あの、占いの成功率が上がればいいなと思いまして……応援を」
すごい応援だった!
「そ、そうか……まぁ頑張れ」
「はい、頑張りますっ!」
まぶしいほどの笑みを俺に向けてから、すぐに真剣な表情へと戻って、だんご、だんごと唱えだす。
824おともだち/7:04/05/27 23:32 ID:MQrflIQN
ふと、俺のすぐ隣からも、か細い声が聞こえてきた。
(ことみも何か唱えてるのか……?)
ことみの声に耳を傾ける。
「……イア!シュブ・ニググラトフ!森の黒山羊に千人の若者の生贄を!……」
「なんでやねんっ!」
ビシッと俺の手刀が、ことみに入った。
「ないすつっこみなの」
言いながら、大きな瞳をこちらに向けた。
「……で、ことみも応援してるのか?」
ことみが、こくん、と首を縦に振る。
「そうか……まぁ、頑張ってくれ」
「うん、がんばるの」
再び、聞くのも恐ろしい呪文が、ことみの口から紡がれだす。
……だんごっ……千人の若者の生贄を……だんごっ……イア!……
「……」
「……」
俺と杏は、黙って顔を見合わせるしかなかった。
だんごと呪詛の狂気のコラボレーション。
楽しいはずの昼飯は、唐突に邪教のミサになってしまった。
825おともだち/8:04/05/27 23:32 ID:MQrflIQN
邪教のミサが2分程続いてから、
「分かりました!」
藤林の元気な声が、部室に響き渡った。
「春原くんは、きっと今生まれ変わりの最中なのだと思います」
顎に手を当てながら、藤林が神妙な声で言う。
「生まれ変わりぃ?どういうことだよ、藤林」
「は、はい。春原くんは、最近不満が溜まっていて、とうとうそれが爆発したんです。だから、今不満を不満とも思わぬ新たな生命へと生まれ変わろうとしているのです」
「あ、新たな生命……?」
眉を歪めながら、杏が唖然と呟く。
「はい、転生です」
「どういう意味なのでしょうか……」
古河は真剣に頭を悩ませている。
そして、俺は春原の『不満』という言葉に、ギクリとしていた。
その言葉に、昨日の春原の様子が思い返されたからだ。
(あいつ、結構マジだったのかもな……)
「朋也くん?どうかしたの?」
いつの間にか深刻な表情になっていたのか、ことみが、俺の顔を覗き込んできた。
「いや、何でもない」
「うん、ならいいの」
(そうだ……何でもない。昨日のやりとりだって、今まで俺と春原の間では何度もあったじゃないか……)
浮かび上がる疑念を押しつぶすようにして、そう自分に言い聞かせた。
826おともだち/9:04/05/27 23:35 ID:MQrflIQN
放課後、ことみに先に帰るように言ってから、俺は寮へと向かった。
春原の部屋のドアを開け、中を覗く。
そこに、求める姿は無かった。
「あら、岡崎じゃないの」
後ろから急に声をかけられる。
「何だ、美佐枝さんっすか。驚かさないでくださいよ」
「驚かしたつもりはないんだけどねぇ……そう言えば、春原どこいったか知らない?」
思わず、え、と短く驚きの声を上げてしまった。
「あいつ、ずっといないんすか?」
「そうなのよ。昼過ぎに、いつまで寝てんだ、と思って起こしにきたらいなかったの。あいつ、朝ご飯食べてなかったし、どうせまた寝てるんだろうと思ってたんだけど……今日、学校行ってないわよね?」
美佐枝さんが、ハンガーにかかったままのブレザー見て、俺に尋ねた。
俺は、黙って首を横に振る。
「そっか……まぁ、お腹が空いたら帰ってくるでしょ」
美佐枝さんは、そう言って、春原の部屋の前から去っていった。
俺は、再び主のいない部屋に目をやった。
部屋は、雑誌や、空きペットボトルで散らかってるくせに、やけに広く見えた。
827817:04/05/27 23:38 ID:MQrflIQN
ちょっとここで一旦切ります。
しかし、なんでこんなに長くなったのか…
828名無しさんだよもん:04/05/27 23:40 ID:gv+N+urU
最後までやっちまえよw
829おともだち/10:04/05/28 00:06 ID:fEBS8KdT
土曜の放課後。
俺たちは、部室で昼食を摂っていた。
土曜は、半日で終わりなのだが、それでもことみが弁当を作ってきてしまって以来、土曜もここで弁当を食べるのが習慣となったのだ。
「え、陽平、今日も来てないの?」
杏が驚きの声を上げる。
「ああ……あいつ寮にも戻ってねぇみたいだ」
放課後、そのまま春原の帰宅を待っていたのだが、あいつは晩飯の時間を過ぎても帰ってくることは無かった。
「春原さん、一体どうしたのでしょうか……?」
古河が、心配そうに呟く。
「春原くんって、あのヤム○ャ?」
ことみが、聞いてくる。
俺は、首を縦に振って、肯定した。
「春原くん、朋也くんのおともだち?」
「ああ……一応な」
慌てて、一応、と付け加える。
「心配?」
「……ああ。もしかしたら、俺のせいかもしれないしな」
ことみが、珍しく頭の上にはてなを出さないまま、真剣に考え込んで、
「じゃあ、探そう?」
当然の様に言ってくる。
「え?」
思わず聞き返していた。
「おともだちは、とってもとっても大切なの。わたし、もし渚ちゃんや、杏ちゃん、椋ちゃんがいなくなったらとても悲しいの」
言いながら、いなくなった事を想像したのだろうか、最後の方の言葉には少し悲しみの音が混じっていた。
830おともだち/11:04/05/28 00:06 ID:fEBS8KdT
……そうか。
ことみは、この間までずっと一人で、誰とも関わらずに生きてきたのだ。
そのことみからすれば、俺の友達がいなくなった事の辛さが、きっと俺自身よりも、強く生々しく想像できるのだろう。
だから、こうもストレートに感情を表せられるのだろう。
俺は自ら春原を探そうだなんて、思いはしなかった。
もし思ったとしても、実際に行動に移すかどうかは、かなり疑わしい。
でも、ことみの純粋な心では、友達を思う、と言うのは当然のことだったのだ。
だから、俺は、ことみのその純粋さに感謝した。
こんな俺にも、友達を思う、と言う気持ちを呼び起こしてくれたのだから。
「ああ……探そう」
俺の言葉に、皆が、
「そうね。陽平、馬鹿だけどいなきゃそれはそれで寂しいものがあるし」
「わたしもお手伝いします。春原くん、うちのクラスの問題児ですから、委員長として放っておくわけにはいきません」
「わたしも、春原さんが心配です……」
暖かく賛同してくれた。
「じゃあ、とりあえず一旦解散して、1時間後にまた校門前に集合ね」
杏がそう言って、俺たちは散会した。
831おともだち/12:04/05/28 00:09 ID:fEBS8KdT
解散してから、1時間後。
太陽は絶好調で、地表にいる俺たちを責め続けていた。
校門前には、私服に着替えた俺、ことみ、藤林姉妹、そして、
「何故、親子連れ?」
ことみと一緒に古河の家を訪れたときに、見たことのある顔が2つあった。
「こんにちわっ!朋也さん、ことみちゃん、それに皆さん」
早苗さんが、両手を胸の前で合わせながら、嬉しそうに挨拶する。
「けっ、どうしてこの俺様が……」
オッサンが、心底だるそうに文句を言う。
「秋生さん、そんな言い方をしては駄目ですよ」
「お父さん、わたしの友達がピンチなんです。助けてください」
古河家の女性陣がオッサンに言う。
「野球やらねぇか?」
オッサンは、女性陣の意見等聞こえていないかのように、ニカっと笑いながら言う。
「やらねぇよ」
「やらないの」
「いやよ、暑いのに……」
「春原くんを探すのが先では……」
4人同時に、オッサンの案を却下した。
「ケッ、分かっちゃいねぇな」
しかし、オッサンは怯む事無く続ける。
「野球してたら、その何だ、春原だっけか?そいつがふらふらと、匂いにひかれてやってくるかもしれねぇだろ」
どんな野球だ。
832おともだち/13:04/05/28 00:10 ID:fEBS8KdT
「秋生さん、あまり我が侭を言っては駄目ですよっ」
「お父さん、恥ずかしいです……」
「くおおぉぉぉぉ!公衆の面前で、娘に嫌われたあぁぁぁぁ!!」
「いえ、嫌ってはいないです」
「マジか……じゃあ、いつものようにキスしてくれ」
「しないです。と言うかいつもしてないです!」
「くおおぉぉぉぉ!公衆の面前で、娘に嫌われたあぁぁぁぁ!!」
「いえ、嫌ってはいないです」
「それじゃあ、いつものように『お父さん、好き。わたし、お父さんと結婚するわ』と、耳元で囁いてくれ」
「言わないです。いつもそんなこと言ってたらわたしヘンな子です」
「くおおぉぉぉぉ!公衆の面前で、娘に嫌われたあぁぁぁぁ!!」
凄まじいループ展開だった。
「あほ家族?」
杏が、冷めた目で古河一家を見ながら、実に的確なコメントをした。
「……てんどん?」
ことみが、若干ずれたコメントをした。
「てんどんは立派な技術よ。この人たちは素だから、微妙に違うわ」
途端、杏がことみにお笑いのABCを語り始める。
俺は、はぁ、と息を吐き、場の空気を変える為に、ぱんっ、と手を叩いてから、
「そろそろ、探し始めよう」
そう切り出した。
「あいつに泊めてくれるほどの友達はいないから、どっかの店の中か、外にいるはずだ」
「見つけても、見つけれなくても、1時間後にまたここに集合なの」
俺とことみ、藤林姉妹、そして古河一家の三組に別れて、春原捜索を開始した。
833おともだち/14:04/05/28 00:11 ID:fEBS8KdT
古河一家が談笑しながら、商店街を歩いている。
古河一家の捜索範囲は、商店街を中心とした町中だった。
「渚、春原さんってどんな格好の人なんですか?」
「頭が金髪で、割と格好良い人です」
「金髪か、ってことは外人だな」
「いえ、違います。染めてるだけです」
「染めてるなら、きっとその春原ってのは、ロックバンドのメンバーだな」
「それは、分からないです……」
「そう見せかけておいて、その正体はギターの弦で、悪徳金融業者をばったばた倒す必殺仕事人だな」
「そうかもしれません……あっ、そうです岡崎さんが、春原さんをヤム○ャだって呼んでいました」
「……随分、よわっちい仕事人になっちまったな。雑魚敵の自爆でやられちまうじゃねえか……」
古河親子が、きょろきょろと周りを見回しながら歩いていると、
すれ違う人も、何事かと周りを見回す。
「あの、古河さん?」
「はい?」
顔馴染みらしい買い物袋を両手にぶら下げた主婦が、早苗に声をかけた。
「どうかしたの?」
「ええ、実はちょっと人探しを」
「どんな人を?」
「金髪で、割と格好良い、仕事人の雑魚のヤム○ャです」
真顔で言う早苗に、主婦が明らかに一歩後ずさった。
「そ、そう。頑張ってね」
そう言い残すと、主婦は、足早に去っていった。
再び、歩みを再開する。
暫くしないうちに、渚がくすくすと笑い始めた。
「お、どうした渚?何か面白い事でもあったか?」
「いえ、こうして皆で歩くのって何だか久しぶりで、とても楽しいです」
「そうですね。三人揃って歩いておでかけと言うのは随分していない気がします」
「わたしたち、だんご大家族です。仲良し家族です、えへへっ」
古河一家は、楽しそうに嬉しそうに、商店街を歩んで行く。
834おともだち/15:04/05/28 00:15 ID:fEBS8KdT
「じゃ、行くか」
「うん」
朋也とことみが歩いていくのを、藤林姉妹は見送った。
藤林姉妹の捜索範囲は、学校の周辺。
昨日、杏が春原を見かけた地点を中心に探し出すつもりである。
探すといっても、植え込みの中を覗いたりはせず、ただ辺りに気をつけながら、歩くだけと言うものだ。
「お、お姉ちゃん」
椋が、おずおずと声をかける。
普段の椋の声より、更に弱気なか細い声だった。
「ん、何?」
「あの、ね。お姉ちゃんは、知ってると思うけど、わたし岡崎くんのことが好きだったの」
「……ええ、知ってたわよ」
返す杏の声は、感情を失っていた。
会話が一旦、途切れる。
椋が、息を深く吸い込み、吐いた。
まるで、勇気を掻き集めるように」
「で、でもね、岡崎くんはことみちゃんと恋人同士になっちゃった」
震える声を、無理に平板にしたような声だった。
「……」
杏は黙ったまま、椋の言葉に耳を傾けている。

835おともだち/16:04/05/28 00:16 ID:fEBS8KdT
「色々な少女マンガだとね、女の子ってこういう時、すごい嫉妬したりするんだけど。わたし、ことみちゃんにそんな気持ち全然持てないんだ」
一息。
「多分、わたしはことみちゃんも大好きだからなんだと思う。それに、さっき二人が並んで歩いていった時『ああ、なんて自然なんだろう』って思えたの。
きっと、あの距離感はことみちゃんでしか作れない。わたしは、完璧に負けちゃってるの……だから、岡崎くんへの気持ちを諦める事が出来た……」
「椋……」
「でもね……」
声に、感情が混じる。
深い悲しみの感情が。
「でも、わたし悲しい。とても悲しいの。ねぇ、お姉ちゃんどうしてなのかなぁ……?」
失恋の悲しみを、恋敵に嫉妬としてぶつけることもできなくて、椋はずっともやもやとした気持ちを抱え続けていたのだ。
今、それが大きな涙となって、椋の目から零れ落ちる。
「椋」
すっと、杏が椋の頭をその胸に抱え込む。
杏の腕の中では、椋が静かにしゃくりを上げている。
「……全く朋也の奴め、こんなに可愛い女の子を二人も泣かせちゃって……」
腕の中にいる椋にも聞こえない程の小さな声で杏が言った。
杏の頬にも、薄らとした涙の軌跡があった。
「もっと奢らさせてやんなきゃ気がすまないわよ……」
同じ顔をした姉妹は、同じ人を好きになり、失恋し、同じ気持ちを抱いていたのだ。
杏と椋は、抱き合って泣いていた。
836おともだち/17:04/05/28 00:20 ID:fEBS8KdT
「こっこ曲がる〜♪」
ご機嫌そうにことみが、俺の前を歩いている。
「おい、ことみ、あんまりはしゃぐなって。今日は暑いから、あんまりはしゃぎすぎると熱射病でばったりいっちまうぞ」
俺は、仕方ないな、と呟きながら、近くに自販機が無いか探す。
数歩歩いたところに、タイミングよく自販機があった。駆け寄り、財布の中をあらためて、
「やべぇ……全然金がねぇ」
わりと情けない事実に気がついた。
ことみと付き合いだしてから、杏が何かにつけ俺に奢らすものだから、俺の財布も随分と軽くなってしまったのだった。
後ろから、白い手が伸び、硬貨を自販機に投入する。
振り向くと、ことみが、手に子供みたいな可愛い財布を手に持っていた。
「朋也くん、何飲むの?」
「あ、いや、俺は別に喉渇いたわけじゃないんだ。お前に買ってやろうかなぁ、と思ったんだが……」
財布の口を傾け、悲しい現状を見せてやった。
「朋也くん、甲斐性なし?」
「!!!」
かなり衝撃的な一言をくれた。ってかマジで凹む……
「冗談なの」
ことみが、俺の顔を横から覗きこんできた。
「わたし、普段朋也くんに一杯奢ってもらってるの。だから、お返ししたいの……」
少し照れたように言うことみ。
「……あ、ああ」
「うん、それじゃあ何にする?」
「え〜と、緑茶」
ことみが、ぴ、とボタンを押すと、がたん、とペットボトル入りのお茶が落ちてきた。
837おともだち/18:04/05/28 00:21 ID:fEBS8KdT
「はい、どうぞなの」
「ありがとな」
ふたを回し、ペットボトルに口をつける。冷たい少し渋めの液体が、喉を通っていく。
「おいしい?」
「ああ、上手いよ。ありがとな、ことみ」
頭にぽんと手を置いて、撫でてやった。
「じゃ、後は、ことみが飲んでくれ」
え、とうろたえることみに、ペットボトルを渡してやる。
強制間接キスである。だが、これは俺なりの「甲斐性なしなの」に対するひそやかな復讐だった。
ことみは、顔を赤らめて困ったようにしてから、でも、うん、と頷いて、ペットボトルに口をつけた。
「とてもとてもおいしいの」
そう言って笑うことみの顔が、可愛いすぎて仕方が無かった。
俺とことみは、町の外れへ出て、山を迂回する道を歩んでいた。
町中の捜索は、残りの2組に任せて、俺たちは一見有り得なさそうな場所へと向かう事にしたのだ。
「でも、まぁ、春原自体が結構ありえない奴だからな……」
「春原くんってどんな人?」
「一言で言えば、スペシャル馬鹿だな」
「すぺしゃるばか……」
ことみが、噛締めるように、発音する。
「とても、趣深いの」
「マジかよ……言っておくが、想像を絶するぞ。子供に指差さされて笑うくらいの馬鹿だ」
「とても、微笑ましいの」
「多分、犬にも笑われるぞ」
「とても、ワンダフルなの」
……
「今のは、犬と、犬の鳴き声のわんを掛けた、とても」
「なんでやねん……」
慌てて説明することみに、ぴしっと突っ込みを入れてやる。
「朋也くん、つっこみが遅いの。杏ちゃんなら、すぐに突っ込み入れてるの」
「今のギャグは恐らく何事もなく流すのがベスト、と普通は判断するぞ。下手に突っ込んで、ドツボにはまることだって有り得るしな」
「とても難しいの……」
838おともだち/19:04/05/28 00:23 ID:fEBS8KdT
そうこうしている内に、道を歩み終え、自然に包まれた場所へと辿り着いた。
辺りを見回してみる。
「やっぱり、こんな所にいるわけ無いか……」
朋也が落胆の声を上げて、息を吐いた時、
ガサガサッ!
茂みの奥で、何か大きなものが動く音がした。
「何かいるの」
ことみが、無防備に、とことこと近づいていく。
慌てて、それを後ろから抱きしめて、静止する。
「ことみ、もしかしたら危険な生き物かもしれない!……俺が様子を見に行く」
ことみが、顔を赤らめて、こくこくと頷きながら、
「朋也くん、離してほしいの……お外では、恥ずかしいの」
言われて俺も、今の自分たちの姿がどんなものであるかに気づき、急いで手を離す。
「と、とにかく、俺が見に行くから、ことみはここにいてくれ」
「うん……朋也くん、気をつけて」
「ああ」
慎重に歩いていく。
ガサガサと言う音は絶えず鳴っている。
何が出てこようと、すぐに反応できるように神経を澄ませる。
そして、その姿を確認しようとした時、
「ひぃっ!」
情けない、誰かの声が聞こえた。
声は目の前から聞こえてきた。
そして、恐らく、その声の主は、俺たちが探していた人物に違いなかった。
839おともだち/20:04/05/28 00:25 ID:fEBS8KdT
息を整え、
5秒後に、目標に対してアクションを起こすべく、全身のリズムを整える。
1、2、3、4、
5!
ざっと茂みの奥に手を突っ込む。
手に、確かな布地の手触りがあった。
恐らくシャツを掴んだのだろう。
それをそのままこちらへと引き寄せる。
「ひぃっ!」
春原が、お約束の顔のまま、引きずり出された。
ひぃっとわめき続ける、春原をずるずると引きずって、ことみの元へと連れて行く。
「春原くん……どうしたの?」
ひぃとわめき続ける春原を見て、ことみが頭にはてなを三本浮かべる。
「分からん……何かひぃっ!しか言えなくなってる」
「野生化してるみたいなの……」
野生化、と言う表現はまさに的確だと思った。
ノラ春原が、俺を見て、ひぃっ!と短く鳴いた。
840おともだち/21:04/05/28 00:27 ID:fEBS8KdT
丁度一時間経って、俺たちは校門前に集合した。
校門前には、出発前のメンバーに加えて、春原がいた。
「ひぃっ!」
春原は、相変わらず表情を変えないまま、ひぃっと鳴き続けている。
全員どうしていいのか、まるで分からない。
まさか、春原が野生化しているとは、夢にも思わなかったからだ。
「……そういやさ、藤林がさ。転生がどうのこうのって言ってたよな。転生ってコレか?」
俺は、野良春原を指差す。
「あ、あはは。そうかもしれません」
「……と言うか何で、野生化なんてしちゃってるのよ……朋也、陽平と何かあったの?」
杏の視線が、野良春原から、俺へと転じられる。
「……実はな、一昨日春原とちょっと喧嘩しちまったんだ……喧嘩って言っても、昔なら別に何でもない程度の事だったんだ。でも、タイミングが悪かったのかもな」
古河も、じっと視線を俺に向けて、先を促していた。
「俺、ことみと付き合い始めるまで、ずっと春原と2人で馬鹿やってたんだ。だから、お互いいるのが当たり前みたいだった。
でも、俺がことみと付き合い始めてから、春原は一人でいる事が多くなったってぼやいたんだよ。
でも、俺はそれがいつもの春原の軽い言葉だと思って、適当に扱っちまった。だから、春原が怒って部屋を飛び出したんだ……」
「なるほどね〜。陽平はつまり寂しかったってことね。でも、あんたはずっとことみと一緒にいたから、そんな事には気づけなかった、と」
腕を組みながら、杏が言った。
「しっかし、何でこのガキは、野生化なんてしちまったんだ……?寂しさの余り、野生化するなんてただもんじゃねえぞ」
オッサンが、春原を見ながら言う。
「きっと、寂しさを忘れようとしたの」
ことみが、平板な声で言った。
「わたしも、朋也くんと出会うまで、ご本をたくさん読んで、おともだちがいないことを誤魔化そうとしていたの。
ずっと、これじゃいけないって思ったのに、わたしは前に進めなかったの。きっと、春原くんも、同じ事なんだと思うの」
「ことみちゃんは、本を読む事によって寂しさを紛らわそうとして、春原さんは野生化することによって寂しさを忘れようとしたんですね
……人で無くなれば、寂しさも何もかも忘れられるから……」
早苗さんが、涙を浮かべながら言う。
841おともだち/22:04/05/28 00:29 ID:fEBS8KdT
「よりによって野生化とは……」
「さすが、陽平ね……やることが違うわ」
「マジかよ……」
俺、杏、そしてオッサンは、ことみと早苗さんの説明に、ぽかんとするしかなかった。
対して、古河と藤林は涙ぐみ始めていた。
「ぐず……すのはらざん……がわいぞうでず……」
「春原くん……ぐすっ」
えらい温度差のある空間だった。
「んで、どうすれば陽平もとに戻るのかしら」
しきりなおしと言わんばかりに、杏が腰を落とし、春原と目線を同じ高さにする。
「ひぃっ!」
「おー、怯えてるぞ。杏に、酷い目にあわされていたことは覚えてるのかもな」
「んー?とりあえずあんたを酷い目にあわせてあげよっか?」
「ごめんなさい、もう言いません」
オッサンが、ごそごそとポケットの中を漁り始める。
そして、カーゴパンツの大きなポケットから袋を取り出す。
「まさか、これが役に立つ日が来るとは……」
オッサンが取り出したのは、極彩色のパンが詰まった袋だった。
「あ、レインボーパンですね、秋生さん。それをどうするんですか?」
早苗さんの声を、敢えて聞かないようにしているのか、無視をして、袋からパンを取り出す。
うんこ座りをして、目線を春原に合わせる。
「ひぃっ!」
目つきの悪さに怯えたのか、はたまた別の危険を野性の本能で感じ取ったのか、春原が鳴き声を上げる。
「オペレーション『おまえに、レインボー』発動……神よ、罪深き俺を許したまえ」
オッサンが、懺悔するように呟いて、春原の口にレインボーパンを突っ込んだ。
……
「ひいぃぃーーーっ!!」
突然、今までのものとは違う真に生命の危機を訴える春原の叫びが上がった。
オッサンが、慌ててレインボーパンを口から抜き取った。
「ショック療法作戦……上手くいったか!?」
842おともだち/23:04/05/28 00:31 ID:fEBS8KdT
しかし、レインボーパンの効果は上がらず、春原は軽めにトリップしていた。
「……毒としてなら最強クラスのこのレインボーでも駄目なのか……じゃあ、ショック療法自体が駄目って事か……」
オッサンが、ぶつぶつ言い出した。
俺には、オッサンの後ろで、みるみる泣き顔に変わりつつある早苗さんの姿が見えていた。
しかし、オッサンは早苗さんに気づく事無く、あれでもないとこれでもないと呟き続けていた。
そして、早苗さんの目に沢山の涙が溜まると、遂に
「わたしの、わたしのパンは、劇薬だったんですねーーーっ!!」
早苗さんが、顔を両手で押さえて走っていった。
オッサンは、あ、と間抜けな声を上げてから、手に持ったままのレインボーパンの袋を実に嫌そうな顔で眺め、
マジかよ……と短く呟いてから、
「俺は大好きだあぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
レインボーを口に詰め込んだ。
顔がみるみる青ざめ、足元もおぼつかなくなっていったが、オッサンは懸命に早苗さんの後を追って走り出した。
泣いて走り去る妻を、瀕死の夫が、懸命に追いかける。
シチュエーションだけ見たら、感動的な気もするが、そこに至るまでの過程があまりに異常だった。
「……」
全員、余りの異常っぷりに閉口
「渚ちゃんの家族、とても面白いの」
「わたしも、そう思います」
「えへへ、自慢の家族です」
してなかった!
「「なんでやねんっ!」」
俺と杏のつっこみが完璧に同じタイミングで入った。
843おともだち/24:04/05/28 00:36 ID:fEBS8KdT
俺たちは、とりあえず春原を部室に連れて行くことにした。
土曜の午後ということで、校舎の中には大して人も残っておらず、私服のまま進入するのにも苦労は無かった。
(唯一の苦労は、制服じゃないと駄目だと言う古河を説得するくらいのものだった)。
部室で、春原に対して様々なことが行われた。
だが、大した効果は得られなかった。
古河が、真面目にカウンセリング(本人が言うにはだが)を行って、
何故か最終的にだんご大家族を歌っても、春原はひぃっ!としか言わなかった。
藤林が、トランプを広げて、催眠術(本人が言うにはだが)を行っても、意味は無かった。
遂に、杏がやれやれと言った様子で、軽く(本人が言うにはだが)ビンタをしても効果無し。
「なかなか戻らないの……」
ことみが、困ったように言う。
皆の顔にも疲れの色が浮かんでいた。
俺は、よし、と心の中で呟く。
「なぁ、皆、ちょっと部屋の外に出ておいてくれ」
「何か策があるんですか?岡崎さん」
「ああ、でも、ちょっと恥ずかしいからな……あんま、皆に見られたくない」
俺は、頬を掻きながら、言った。
「やおい……?」
杏が顔を赤らめて、どこか確信を得た様子で聞いた。
「そんなファンタジックなことするかっ!」
さぁ、行った、行った、と皆を部室から追い出す。
ことみが、教室から出る直前に振り返り、
「がんばってね、朋也くん」
「ああ」
俺は、そう答えた。
844おともだち/25:04/05/28 00:40 ID:fEBS8KdT
俺は、春原の横に腰を下ろす。
「な、春原ちょっと話しようぜ」
ひぃっ!と鳴く春原にかまわず、一方的に俺は語り始める。
「お前さ、女が出来ると人が変わるって言ってたよな。でもな、俺自身は特に変わったって気分はしないんだ」
言葉は返ってこないけれど、気にしない。
「古河、藤林や杏、それにことみと一緒にいるようになっただけで、結局ずっと馬鹿やって、笑ってるんだ。
……あいつらは、大切なやつだ。でもな、俺と馬鹿を一緒にしてくれるのは、あいつらと、それと『お前』だけしかいないんだ。
俺にとって、お前はすげぇ貴重な存在なのな」
一息。
「高校生活、ずっと一緒にやってきた仲だ。だから、俺、お前に甘えてたのかもな……
こいつは何があっても、俺と一緒に馬鹿な関係を続けてくれるって。
でも、お前だってムカつきもすりゃ、マジで腹立てることだってあるんだよな。
……俺、お前を一人の人間としてでなく、道具か何かみたいに見てた所があるのかもな……悪かった」
言ってから、俺は自嘲的な笑いを浮かべてしまった。
「はは……今、俺すっげぇ勝手な事言ってるな。
お前が、こんなになっちまってから初めてこんな事言うなんて、俺ってやっぱムカつかれる人間なのかもな」
845おともだち/26:04/05/28 00:41 ID:fEBS8KdT
……
やはり、言葉は無い。
しかし、俺は春原の方を見ることもなく、続ける。
「でもな、これは信じておいて欲しい。
俺は、お前の事を今までだって、そしてこれからだって大切な『友達』だと思ってるよ」
……ッ……
隣から、小さな声が聞こえた気がした。
そして、震える声で、
「……岡崎、僕もお前の事、友達だって思ってるよ……」
春原が、人間の言葉を話した。
「ずっと不安だったんだよ……お前は、僕とずっと一緒だって思ってたのに、
お前は彼女も出来て、僕と以外にも面白いと思える関係を築き上げた」
春原が、言葉を切って、一息つく。
「僕は変わらないのに、お前だけ変わっていくことが何かめちゃくちゃイラついてさ……
何だか取り残された気分になってたんだ。
お前のことが段々分からなくなってきてたんだ」
「春原……」
「岡崎、もう一度聞かせてよ。僕は、お前の友達だよね?」
「ああ……当たり前だろ。お前みたいに、馬鹿で面白い奴そうそういねぇからな、友達だよ、俺らは」
その時、がらりとドアが開いて、
「ずのはらざん……」
頬を涙で濡らした古河が立っていた。
「わたしも、その気持ぢ、ぐすっ、よく分かります。
わたしも、変わっていく事が不安で、不安で、仕方なかったんでず
……でも、岡崎さんやことみちゃんに出会えて、少しずつ強くなっていこうと思ったんです。
だから、ぐすっ、春原さんも、一人で寂しがったりしないでください……」
846おともだち/27:04/05/28 00:43 ID:fEBS8KdT
涙を流す古河に、杏がハンカチを渡して、春原の方を向く。
「まったく寂しがり屋なんだから、陽平は。あーもう、ほら、部長も泣かないの」
古河の頭を撫でながら、杏が苦笑する。
「あ、あの春原くん?わたし、た、頼りないけどクラスの委員長だから、相談事とかいつでも乗るから」
次は、椋が照れ笑いを浮かべながら、部室に入ってきた。
残ることみが、ドアを抜け、春原のもとへと歩み寄ってくる。
腰を下ろし、春原と視線を同じ高さにする。
「こんにちは」
挨拶する。
ことみが、右手の人差し指で自分の顔を指差し、
「ことみ」
そう切り出した。
「ひらがなみっつで、ことみ。呼ぶ時はことみちゃん」
にこっと花のように笑みを浮かべてから、
「もしよかったら、おともだちになってくれると、うれしいです」
そう言った。
それは、かつて何度も聞いた懐かしいフレーズだった。
「……ああ、おともだちになろう……」
春原が、泣いているような震えた声で返した。
俺は、何が嬉しいのか良く分からなかったけど、とにかく嬉しさが抑えきれなくて、春原の方を向いた。
「すのは……ッ!」
俺の言葉は途切れる事になる。
凄まじいものを見てしまったからだ。
847おともだち/28:04/05/28 00:45 ID:fEBS8KdT
「え、どうしたの?岡崎」
不審に思って、そう聞き返す春原の顔。
春原は、目を見開き、歯を露出させた、あの「ひぃっ!」の顔のまま、涙を流していたのだった。
「ってお前、顔おかしいぞ!」
「え、何がさ」
そう言って、顔を手でぺしぺしと叩いてみたり、顔の筋肉に力を入れてみたりするのだが、
「……顔が……動かないっ!!」
恐らく、24時間以上も、あの顔のままでいたのだ。
春原の顔の筋肉はかちこちに固まってしまって、あの顔が、通常の状態へとなってしまったのだった!
「ひぃっ!」
春原が、情けない声を上げながら、顔を手でつまんでどうにか直そうとしている。
顔が様々な形に歪んで、変わる。
俺は、次第にそれがおかしくなって、
「はははっ!やっぱり、お前ってすげぇおもしれえよな!」
声を上げて笑ってしまった。
みんなも笑う。
春原も、あの顔のまま泣きながら、しかし、笑うのだ。
今、俺たちは笑いあって、おともだちになったのだった。

Fin.
848名無しさんだよもん:04/05/28 00:47 ID:XIiSWY0P
GJ!
確かに長いけど、その長さを気にさせない読ませっぷりでした。
オチも良かったです。
849817:04/05/28 00:48 ID:fEBS8KdT
すんません、すんません。
予想通りなのですが、異常に長くなりました。
最初は、春原が光に脅える程退化するという話にするつもりだったのですが……
いつの間にやら、こんな話に。
長文&乱文で失礼しました……

……そう言えば、椋って、こんなキャラで合ってましたっけ……?
850名無しさんだよもん:04/05/28 00:49 ID:ntiryyYz
>>847
お疲れ様でした。すげー和みました。
みんな仲良しなのはいいねー。
みんな可愛いねー。

今日こそ早く寝ようと思ったのに、続きが気になって
結局こんな時間になっちまった……。
851名無しさんだよもん:04/05/28 00:49 ID:ZjoZujfv
無駄に長い。
だれて、あんまり面白くなかった。
もっと削れるとこあったはず。
推敲を薦める。
852名無しさんだよもん:04/05/28 00:54 ID:WRkTzFL6
>>847
乙。なかなか良かったと思います。

ただ、やはり長すぎなのは否めないかと。
853名無しさんだよもん:04/05/28 00:59 ID:RuRbyW6S
恐らく、書いてる途中に閃いた事を、無理やり押し込んで行ってるんだと思う。
途中の、杏と椋の恋談義は要らなかったな。いきなりその話題は場違いすぎる。
秋生と早苗も、ことみらの輪に入れてない。浮いてる。
ついでに、パン屋をほっぽり出すのを、渚と早苗が許す訳が無いし。

でも話としては良かったと思うよ。
854名無しさんだよもん:04/05/28 01:01 ID:kD5Ed7pY
こういうまったりとした、そして多くのキャラが絡む話は好きだね、GJ

確かに>>851-852の言うように、少し長いかな?
全28レスじゃなく、20レス以内に収まったら最高かも。
855名無しさんだよもん:04/05/28 01:02 ID:a0UK+9hi
>>817
おもしろかったです。
ネタの使い方とかにセンス感じました。
856817:04/05/28 01:14 ID:fEBS8KdT
批評、有難うございます。
何を書かせても、やけに長くなるのが、俺のダメな癖で……
頑張って、改めようと思います。
SSを書くのは、初めてでしたが、楽しかったので、
ネタが思い浮かべば、また書こうと思います。
857名無しさんだよもん:04/05/28 01:20 ID:ODiwtwpW
ほぼ>853と同じ感想。
ただ、パン屋ほっぽり出すってのはそれほど不自然じゃないかな。
んで、全体としては面白かった。
たまにギャグがスベってる気がしたけど、このあたりは読者の嗜好もあるし。
乙でした。
858名無しさんだよもん:04/05/28 02:13 ID:RuRbyW6S
LUNAR!のSSが更新されてた。
・・・面白すぎなんですけど。
859名無しさんだよもん:04/05/28 07:06 ID:5uRhOkgc
>>858
自演の宣伝、乙ですw
860再婚afterプロローグ:04/05/28 08:14 ID:NFBCzFaf
バイクの排気音が、安アパートの壁を震わせた。
「るせぇな…、汐が眠れねえだろうがっ…」
それは、そんな大きな音ではなかったはずだ。
ただ俺が神経質になっていただけだろう。
今度は廊下に足音が響いた。
足音は部屋の前で止まりノックに変わった。
億劫に思いながら無言でドアを開けると、長い髪の女性がいた。
「やっ」
「杏…」
「汐ちゃんの具合、どう?」
俺はうつむき、小さく首を振った。
「上がれよ」
「汐ちゃん寝てるんじゃないの?」
「ん…、でも、顔見せてやってよ」
「汐ー、先生がお見舞いに来てくれたぞー」
「せんせー?」
汐は頭だけ起こして杏の姿を探した。
「汐ちゃん、こんばんは」
「せんせー、こんばんは」
杏は部屋に上がり、汐の枕元に座った。
そしてバッグから一冊のスケッチブックを取り出し、表紙を汐に見せる。
「今日は、みんなからのお見舞いを持ってきましたぁ」
「わぁ」
汐の顔がパッと輝いた。
こんな表情を見るのは何日ぶりだろう?
861名無しさんだよもん:04/05/28 08:16 ID:NFBCzFaf
「あ、でも、今日はもう夜だから見るのは明日にしようね?」
「えー」
「こら、汐。先生の言うこと聞こうな」
「はーい」
「うん。じゃあ、おやすみなさい」
そう言って、汐の布団をかけ直してくれた。
「おやすみなさぁい」
キッチンでコーヒーを淹れて入れて来ると、杏は汐の隣で横になり、その髪を梳いでやっていた。
その仕草は、まるで母親のようでドキリとさせられた。
「もう寝ちゃったのか」
「うん」
体を起こすと、部屋の隅の机に向き合う。
渚の写真と位牌が置いてあった。
「部長さんっ、どうか汐ちゃんを助けてください。守ってくださいっ
「汐ちゃんの友だちも、みんな待っていますからっ」
両手を合わせ、声を震わせてそうつぶやいた。
杏が汐の担任で良かった。
この巡り合わせに感謝した。
「今日は、ありがとな」
「うん、お大事にね。あと、あんたもね」
「え?」
「疲れ切った表情してるわよ。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
玄関で杏を見送った。
862名無しさんだよもん:04/05/28 08:17 ID:NFBCzFaf
バイクの音が遠ざかる。
名残惜しくなって、杏が置いていったお見舞い帳をめくってみる。
拙い絵とともに、心からのメッセージが。
”しおちゃん、はやくよくなってね”
”しおちゃん、げんきになったらまたあそぼうね”
”しおちゃん、おおきくなったらおよめさんになってね”
ムカッ。
なんだこれは?
お見舞いじゃねぇよ。
一枚くらい無くなっても分かんねぇよな。
「ビリビリビリ…」
口で言ってみただけだ。
フッと息が漏れた。
汐の寝顔を見つめる。
俺、まだ余裕あるじゃん。
まだまだ頑張れるぞ。
こいつのためならな。
もう一度スケッチブックに目を移す。
すると、その表面から光が浮き上がった。
一つ、二つ、三つ……。
何十もの光の玉が部屋を埋め尽くした。
それらは漂いながら、部屋中の影を消していった。
真っ白な世界に、俺と汐の二人だけ。
雪のように真っ白なのに、とても暖かかった。
やがて光の玉は汐の周りに集まり、その体に吸い込まれるようにして消えた。
我に返る。
「汐? 汐!?」
汐はさっきと同じように寝息を立てていた。
ほっとしたら、俺もまた眠りに落ちた。
863名無しさんだよもん:04/05/28 08:18 ID:NFBCzFaf
翌日の汐の体調はだいぶ良く、一日中お見舞いのスケッチブックを見て過ごした。
ちなみに、汐へのラブレターは一枚どころではなかった。
何か釈然としない。
その翌日には、検診に来た医者も驚くほどの回復を見せた。
これはあの光が起こした奇跡なんだろうか?
それとも一時の回復に過ぎないのだろうか?
いや、今は汐の回復を喜ぼう。
たとえ再び病に伏せることがあっても、俺が守ってみせるさ。
数日後、幼稚園の杏に電話をかけた。
「この間は、ありがとな」
「どういたしまして。それより、その後どう?」
「うん、実はお前が来た日からどんどん良くなってさ、来週から幼稚園行っていいってお墨付きもらったよ」
「ホント!? 良かったぁ。うんうん。良かったね、良かったね、朋也ぁ」
涙交じりの声が聞こえてくる。
「うん。ありがとな。でだな、当分の間は運動は控えめにって事でお願いします、先生」
「はい、任せてください、お父さん」
二人で、ハハハと笑いあった。
少しの雑談の後、電話を切った。
ふと、杏とその教え子たちの顔が思い浮かんだ。
俺は彼女らに、ありがとう、と言った。
864860:04/05/28 08:21 ID:NFBCzFaf
渚死亡after、汐まで死ぬのは悲しすぎなのでとりあえず汐は生きさせてみた。
もしかしたら再婚まで行くだろうってことで、プロローグ。
バイクは大型ノーマルかな。
ま、魁先生に軽意をはらっただけで特に意味はないです。
865名無しさんだよもん:04/05/28 12:15 ID:ZpKu8nrj
うーん…。
本編に出てこなかった汐の友達を絡ませる、というネタ自体は悪くないんですが、
ちょっと練り込みが足りないように思えました。
それだけに、非常にもったいなく感じます。
まぁ短編だから仕方がないのかも知れませんが…やっぱりもったいない。
866名無しさんだよもん:04/05/28 13:43 ID:kD5Ed7pY
練り込みというよりは、短編しかもプロローグのみっていう特性かもしれないね。

ただ、個人的な妄想だと、この続きは杏と再婚というより親友ENDになっているんだがw
867名無しさんだよもん:04/05/29 00:53 ID:+bNB5OHH
↑ スレスト?(w
868名無しさんだよもん:04/05/29 01:00 ID:C9qDdacF
このスレはSS投下されないと盛り上がらないの。
869名無しさんだよもん:04/05/29 01:18 ID:myhVTJRd
DNMLスレに獲って食われてるな。
870名無しさんだよもん:04/05/29 02:08 ID:MoqA+3ND
DNMLスレはオリジナルに加えて他スレのSSをDNML化したのも出てるからなあ
DNML→SSは結構修正しないと駄目だろうから難しいか
871おふろ:04/05/29 13:08 ID:cakr+6da
朋也と渚が一緒に風呂に入ったらどうなるかをSSにしました。
深いことは全く考えていません。
After storyで、結婚してから少ししたくらいという設定です。
872おふろ:04/05/29 13:09 ID:cakr+6da
「朋也君、お風呂わきました。」
「ああ。渚が先に入れよ。俺は後でいいからさ。」
「・・・あの。」
「どうした?」
渚が顔を真っ赤にしている。
「・・・朋也君と一緒に入りたいです。」
「ええ?!」
いきなりの渚の申し出ににびっくりした。
まあ、結婚しているわけだし、やましいことも何もないのだが。
「あの、嫌ですか。」
「そんなことは全然ないんだが、どうしていきなり・・・」
「今まで朋也君と、一緒にいろいろなことをしてきましたけど、」
「一緒にお風呂に入ったことはなかったんです。」
873おふろ:04/05/29 13:10 ID:cakr+6da
「一緒にトイレに入ったこともないぞ」
「それは変態ですっ」
「ごめん。冗談だ。」
確かに今までに、渚と一緒にいろんなことをしてきた。
一緒に暮らしてきたし、同じ布団で寝たりもしたし、
つい先日入籍もした。
俺も渚も、一緒に何かすることに喜びを感じていた。
その中で一緒に風呂に入ることが、足りていなかったことなんだろうと思った。
渚から言い出すには、かなりの勇気が必要だっただろう。
断る理由は何もなかった。
874おふろ:04/05/29 13:10 ID:cakr+6da
「じゃあ、一緒に風呂はいるか。」
「あ、ありがとうございます。」
「着替える場所が狭いから、渚が先に入っていてくれ。」
「俺は後から入るよ。」
「はい。先に入っていますね。」
風呂に入る前から湯気が上がりそうな顔で、渚は風呂に向かった。
渚がカーテンの向こうで服を脱ぎ出すと、俺も顔が熱くなってきた。
「一緒に風呂か・・・ とんでもなく幸せな状況だよな。」
思わずつぶやいてしまった。
下心がないわけではなかったが、大好きな渚と風呂に入れるということを
考えただけで、天にも昇る気持ちになっていた。
875おふろ:04/05/29 13:11 ID:cakr+6da
渚が風呂場に入ったのを見計らって、俺も風呂場の前に来た。
服を脱いで、風呂場に入る。
渚は湯船の中に入っていた。
「やっぱり緊張します。えへへ。」
「安心しろ。俺もすごく緊張してる。」
結婚しているとは言っても、お互いに裸という状況は緊張する。
渚は風呂の中では髪を束ねていたが、それがまた新鮮に映った。
「その髪型もいいな。惚れ直した。」
「ぇ、ぁ・・・」
「どうした?」
「嬉しすぎて言葉が出ませんでした・・・ありがとうございます。」
渚、かわいすぎるぞ。
876おふろ:04/05/29 13:11 ID:cakr+6da
簡単に体を洗って、俺も湯船に入ろうとする。
が、大人二人が入るには、湯船はかなり狭い。
二人とも体を丸めて何とか入るが、ぎゅうぎゅうだ。
これでは二人して入った意味が無い気がする。
「二人で入るには、湯船が狭かったですね・・・ごめんなさいです。」
「そうだ、こうしよう。渚、ちょっとごめんな。」
「え?」
渚の体を反転させ、背中向きで俺の膝上に座らせた。
これならあまり場所をとらない。
877おふろ:04/05/29 13:12 ID:cakr+6da
俺は渚の腰あたりに腕を回し、軽く抱き寄せた。
「ぁ。」
渚が小さく声を漏らした。
俺と渚の体が、全身で直接密着している。
俺は渚を全身で感じていた。
これはもう気持ちがいいと言うレベルの話ではない。
幸福の絶頂とは、このようなものなのだろうかと思わせるものだった。
「朋也君・・・」
「渚・・・」
渚も同じような気持ちらしい。
このまま時間が止まってほしいと思った。
878おふろ:04/05/29 13:12 ID:cakr+6da
ところがものの1分もしないうち、渚が口を開いた。
「朋也君。ごめんなさい。のぼせちゃいました・・・」
「そうか。あがるか?気をつけてな。」
実は俺ものぼせていた。
湯船の温度は普通だったが、中の二人は沸騰した状態だったのだ。
ふらふらと立ち上がり、頼りない足取りで渚は風呂場を出た。
渚が着替えたのを見計らって、俺も風呂場を出ようとした。
足元がおぼつかない。気を抜いたら倒れてしまうだろう。
気力を振り絞って、何とか着替え、居間に戻った。
879おふろ:04/05/29 13:13 ID:cakr+6da
布団の上で渚がふらふらになりながら座っていた。
「あの、えーと・・・おやすみなさいです。」
「おやすみ・・・」
バタン
二人並んで布団の上に倒れ込んでしまった。


おしまいです。
批判をお待ちしています。
880名無しさんだよもん:04/05/29 13:16 ID:vcpCQqqr
>>878で、氷水をぶっかけられた気分。
881名無しさんだよもん:04/05/29 13:23 ID:a5k8vMze
>>879
もっと文章詰め込めたんじゃね?
レス数とりすぎ。
まぁ、ほのぼのした。
882名無しさんだよもん:04/05/29 13:31 ID:jNEldOsk
少年誌のサービスカットそのままというか、ある意味とてつもなく本編準拠ちっくなエロスというか・・・

まあ、確かにエロスレの方じゃなくてこっちに落とされてる時点でいろいろ見破るべきだった
やられたよ
はっはっは
883名無しさんだよもん:04/05/29 13:39 ID:npeEobqb
>>879
まずは細かい点で。
渚が朋也を呼ぶ時は、「朋也君」ではなく「朋也くん」。
あと、風呂(正しくはシャワー)はいつも朋也が先(本編エロ雑誌の部分参照)。

シチュエーションの狙い目はなかなかおいしいところで、需要は大きいと思うw
ただ、ちと単調なまま終わってしまっているかな。

朋也の家にはたぶんシャワーしかなくて、風呂はない。
なので、単調さを解消する狙いもこめて、例えば以下のシチュエーションにする。

渚の実家にいつも通り顔を出したが、その日は成り行きで泊まって行くことになった。
そこで一緒に風呂に入ると言い出す渚。
俺も入れろ、昔は一緒だったと秋生が言い出すも、あっさり拒否られ。早苗さんには聞かれるわでいつもの騒動。
そして風呂に入る。ここはほのぼのラブラブ描写。
のぼせて出てきた二人を見て、秋生が「人様の家の風呂でよろしくやりやがって」。「やらねーよ!」「普通やるだろヘナチンが!」でまたもや騒動に…

あんまり前後の秋生ギャグを長くし過ぎると重点がボケるんで注意が必要だが。
884名無しさんだよもん:04/05/29 13:41 ID:a5k8vMze
>>883
よし、そのシチュでお前が書け。
885コテとトリップ:04/05/29 14:48 ID:4AB0CyQX
こーゆーのはぐだぐだいうだけ不粋なだけなんだよなあ
なんも考えないで垂れ流してるだけだろうから。まったりしてて嫌いではない

>>881

詰め込んだら台無しじゃないか?こーゆーのは
おれはもっとスカスカでも許容範囲だなあ
886860:04/05/29 14:57 ID:jI57AIFo
>>866
再婚afterつーか汐anotherとすれば、それもアリです。
椋との再会も書いてみたので、この後はお好きなようにとって下され。
2ちゃんネタは、魁先生にry

その前に862バッドエンドおいときますね

名残惜しくなって、杏が使ったカップを手に取る。
薄く残った口紅のあとが、妙に艶めかしくて……。
そこに口づけた。
わずかに残ったコーヒーを飲み干し、杏の口紅を自分の唇に移すように擦りつけた。
「パパ…、へんたい。さいてーー」
ハッとして振り返る。
いつの間にか汐が起きあがっていた。
が、それもつかの間、たちまちその場に崩れ落ちた。
「汐っ! 汐ーーー!!」
汐を抱き上げ、大声で名前を呼んだ。
だが、汐は二度と目覚めることはなかった…。
 BAD END
887after863:04/05/29 14:59 ID:jI57AIFo
クリスマスセールまっただ中のショッピングセンターに汐の姿を探す。
「汐ー! 汐ー!」
ちょっと目を離しただけだから、遠くには行ってないはずだ。
……。
いた。
前を行く女性の後をちょこちょこと追いかけていた。
そして追いつくや、その手を捕らえてしまった。
あー、何やってんだか。
「せんせー」
「ん? どうしたのかな? 迷子になっちゃったのかな?」
「…? …せんせーちがう?」
「先生? あ、もしかして…」
「娘が申し訳ありません。汐。パパから離れたらダメじゃないか」
「ごめんなさい」
俺は女性に謝り、汐は俺に謝った。
「岡崎くん?」
なぜかその女性は俺の名を知っていた。
いや、俺もその人を知っていた。
毎朝、汐を出迎えてくれる幼稚園の先生にそっくりな顔。
888名無しさんだよもん:04/05/29 15:00 ID:jI57AIFo
「藤林」
「はい、お久しぶりです。こちら娘さんですか?」
「ああ。汐ってんだ。杏の教え子なんだぜ」
「そうですってね。お姉ちゃんに電話で教えてもらいました」
「良くしてもらって感謝している…。ん? 電話?」
「あ、私実家をでているので」
「あーいいお年ごろだもんな」
「年のことはそろそろタブーです。ちなみに今は、ナースをしているんです」
「看護婦さんかぁ」
「はい」
「ふむ。看護婦と保母、姉妹そろって愛が必要とされる職業選んだんだな」
「ええ?」
「あー、いや。何でもない。職場の元ロックシンガーの戯言ですよ?」
「戯言じゃないです。照れますけど」
俺、芳野さんに洗脳されてますか?
藤林は話題を変えるように、汐の前にしゃがんだ。
「こんにちは、汐ちゃん。私はお父さんのお友だちで、汐ちゃんの先生の妹の涼と言います」
「せんせいのいもうと?」
「はい、そうです。よろしくお願いしますね」
「おかざきしおです。よろしくおねがいします」
「ごあいさつ、よくできました」
「しっかり者でさー。まいっちゃうよ」
「くす、自慢したくてしょうがないって顔ですね」
そう笑う口元を隠す左手に、指輪がキラリと光る。
「あっ結婚してんだ?」
「はい…」
「それはおめで…」
「でも、二年前に亡くなったんです。あの人…」
「えっ…」
言葉が続かなかった。
889名無しさんだよもん:04/05/29 15:01 ID:jI57AIFo
汐の背中を押しておもちゃコーナーにやる。
今度は迷子にならないよう、その姿を目で追いながら。
「岡崎くんも奥さん…、渚さん亡くされたんですよね…」
「ああ、五年前に…。お前も…つら…かったろう?」
「はい…」
「偉いよ。一人で立派にやってるみたいでさ」
「そんなことないです。今でも落ち込むことありますし…。
「それに、こうなることは覚悟の上での結婚だったんです。
「あの人は、出会ったときにはすでに病気、骨肉腫で。
「手術を嫌がって、でも、一番嫌がっていた手術で足を切断して…。
「それでも手遅れで…、肺に転移していて、苦しみながら…、…亡くなりました。
「だから…大丈夫だったんです。ナースの仕事は忙しく、患者さんは私を必要としてくれましたから」
藤林の言葉に、俺と渚の姿を重ねる。
「……。俺もだ。俺も覚悟はあったはずなんだ」
「体の弱い渚と一緒になったとき。そんなあいつが無理してでも子供を産むと言ったとき…。
「でも、だめだった。ふさぎ込んで…、娘だってついこの間までほっぽらかしていたんだ。ずっと俺のこと求めていたのに…」
「それじゃあ、これからは汐ちゃんのために、がんばらないといけませんね」
藤林は俺の手を取って、そう励ましてくれた。
「ああ」
俺は、ただ短い返事を返した。
二人、無言で汐の姿を眺めていた。
「いいなぁ…。私も赤ちゃん欲しかったです」
寂しい言葉だった。
「お前な。まるで何もかもが、終わってしまったみたいな言い方は良くないっ」
「…そうですね。元ロックシンガーさんの元気が出る言葉、何かないですか?」
「よしっ、……。う〜ん」
「……」
「今度CD貸すな。それとも本人紹介するか?」
「じゃよろしければCD貸してください。…さて、と。今日はお話しできて良かったです」
「それは多分、お互い様だ」
「はい、こんな話お姉ちゃんともできません…」
890名無しさんだよもん:04/05/29 15:02 ID:jI57AIFo
手招きして汐を呼び寄せる。
「どうだ、何か欲しいものあったか?」
「んーん」
「サンタさんにお願いしとかないと、クリスマスにプレゼントもらえないぞ?」
「サンタさんはパパだもん。パパがいっしょにいてくれればいい」
「くーっ、お前ってやつはぁっ。よーし、パパ、サンタの格好しちゃうぞー」
汐の頭を、くしゃくしゃになでる。
すると涼が俺の耳元でささやいた。
「やっぱり、羨ましいです」
冗談めかした言い方だったが、胸がチクリと痛んだ。
俺みたいな人間が幸せなのが申し訳なかったのだ。
「すまん藤林、今度三人で飯でも食おう」
「ええっ? それって…デート…ですか?」
しまったあ!
俺とお前ら姉妹の三人のつもりだったのに。
汐の母親になりませんか的にとらわれてない?
「…えーと、じゃ杏も誘って四人で、な?」
無難な言葉で取り繕ったつもり。
「はい」
顔は真っ赤なままでそう答えてくれた。
誤解は解けていないかもしれない。
別れ際。
「それと、私今は柊椋と言いますので」
「そうか…。じゃあまた今度な、柊…、いや椋」
「はい。さようなら。汐ちゃんバイバイ」
「バイバーイ」
教えられたばかりの椋の姓はしっくりとこなかったので名前で呼んだ。
彼女には大切な夫の姓なんだろうけど…。
別に下心があったわけじゃあない。
愛する人を失ったもの同士、励まし合えたらいいと思ったから。
891名無しさんだよもん:04/05/29 16:02 ID:CJXFhWR4
>>890
モーマンタイ
892名無しさんだよもん:04/05/29 16:05 ID:vcpCQqqr
続きを激しくキボンヌ
893名無しさんだよもん:04/05/29 16:25 ID:+bNB5OHH
GJ!! 同様に続きキボンヌ。

でもやっぱり親友ENDになっちゃうよ(w、続きを妄想すると。
全体の雰囲気がそうさせるのかな?
894名無しさんだよもん:04/05/29 16:32 ID:yg6G/4Ym
土日はたくさん投下されていいねぇ
895名無しさんだよもん:04/05/29 16:45 ID:is1PMKsG
なんかいいね
勝平がイイ感じで消去されててw
でも、この後ってやっぱり汐は…

ところで本編でもそうなんだけど、
勝平が入院する場合の費用とかってのは
どういう風に解釈すればいいんでしょうか?
何か説明あったっけ?
896名無しさんだよもん:04/05/29 16:52 ID:VDFUWCun
椋が体で・・・
897名無しさんだよもん:04/05/29 16:52 ID:o0NAVGdm
>>895
せいぜい椋がイメクラやってる立ち絵があったくらい
898名無しさんだよもん:04/05/29 17:06 ID:EQiGgqQr
>>890
メル欄ワラタ。GJ!続きキボンヌ
今日も平和な学園。
気温もぽかぽか。
変わったことなど起こりそうもないのですが…
「ひいぃぃぃーーーーー………」
おやおや?
なにやら中庭の方から断末魔の声が聞こえるようですね。
ちょっと眺めてみましょう。

そこにいたのは数人のガタイのいい男たちと、
地面にへたりこんでしまっている金髪君。
そう、みんなもよく知っているラグビー部員と春原君だね!
じゃぁ、ちょっと彼らの会話を聞いてみよう!
「すんません、ほんの出来心だったんですっ」
泣きながら土下座をする春原君。
君を学園のヘタレ君一号に任命するよっ!
「あぁ!?人の女に勝手に抱きついて、挙句に唇まで奪おうとしたそうじゃねぇか!」
「大体てめぇは寮でも毎晩毎晩うるせぇんだよ!ちっとは静かにしろってんだ」
「もういいって、痛めつけなきゃこいつはわからないんだ。
 とっととやっちまおうぜ!」
「よーし、覚悟しろよ」
あーあ、リンチが始まっちゃうよ。
まぁ、春原君は不死身みたいなもんだから、平気だろうけど。
「ひぃっ!だ、誰か助けてーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
断末魔の声を上げる春原君。
誰も助けるわけないのにね。
頼みの綱の悪友の岡崎君も校舎の窓からにやにやしながら眺めてるし。
絶体絶命とはこのことを言うんだね。
「お困りのようですね」
ん?誰かが来たようですね。
「だ、誰だ!?」
「無抵抗なヘタレを5人がかりでリンチするとはあなたたちはクズの極みですね。
 ここは制裁を加えねば」
「隠れてねぇで出てきやがれ!」
木の上から忍者のように華麗に降りてきたのは女の子。
「ヒトデ星からの使者、ファイナルヒトデ使い☆風子……参上」
唖然とするラグビー部のみなさん。
「……ぷっ」
「あはははははは!!!」
耐えられずに爆笑してしまいました。
だってそうでしょう。
小柄なかわいい女の子が木彫りの彫刻を片手に、正義の味方らしきことをするんですから。
しかも、頭にはパーティー用の三角帽。
てっぺんのふさふさが激プリチー。
いくら笑われても彼女にはどうということはないのか、春原君の方をくるっと向いて言いました。
「もう大丈夫です、春原さん。
 このファイナルヒトデ使い☆風子が来たからには、春原さんには指一本触れさせません」
「風子…ちゃん?なにしてんの?」
さすがの春原君もちょっと引いてる様子。
「風子ちゃんなどではありません!ファイナルヒトデ使い☆風子です!」
「ぷはは!で、ファイナルヒトデ使いちゃん、どうやって俺たちを倒すんだい?」
笑いながらラグビー部員がファイナルヒトデ使い☆風子ちゃんに問い掛けます。
「ふ、笑っていられるのも今のうちですっ!」
ただならぬ雰囲気にちょっとだけ怯むラグビー部のみなさん。
902名無しさんだよもん:04/05/29 18:01 ID:lQcLxj+O
( >ヮ<) 風子…参上
903名無しさんだよもん:04/05/29 18:02 ID:lQcLxj+O
ひぃぃぃぃぃぃぃ(゜皿゜;)
「必殺……ヒトデシューティングスター!
 実は風子、あなたたちが来る前からこうなることを予測して、
 あらかじめ大量のヒトデをこの大木のそこかしこにセットしておいたんです!
 あ、もう逃げたって無駄ですからね。
 風子がちょっとでも合図したら200個を超えるヒトデがあなた達を襲うんですから!」
「な、なにぃ!?」
さすがのラグビー部もびびってしまっていますよ。
と、いうか来るのがわかってたならこうなる前に助ければいいのにね。
「さぁ、裁きの時間です!
 春原さんをいじめたことを後悔するがいいです!」
ファイナルヒトデ使い☆風子ちゃん、ええい、もう言うのめんどい。
もとい風子ちゃんが声をあげ、片手を挙げるあげると同時に、
どういう原理でそうなったのかは不明だけど、大量の星型の彫刻が降り注いできました!
「うわ!い、いてぇ!」
「ぎゃーーーーーす!!!」
「やばい、こんなに、いてっ、あてられると、いてっ、やばいかもしれん、いてぇ!」
ぐちぐち言ってる間にも降り注ぐ大量のヒトデ。
窓から眺めていた岡崎君も唖然としています。
肝心の風子ちゃんはそれを眺めてあっちの世界に飛び立っています。
ついに倒れ始めるラグビー部のみなさん。
ひとり、ふたり、三人、四人。
ついに主将の人も倒れてしまいました。
ラグビー部、全滅。
合掌。
「………はっ」
風子ちゃんはやっとあっちの世界から戻ってようですね。
「どうです!これに懲りてもう春原さんをいじめるのはやめなさいっ!」
そうは言ったものの、返事をしてくれる人は気絶してしまっています。
「全く、寝てちゃ説教ができないですっ。
 …まぁいいでしょう。
 悪は滅びました、さぁ春原さん。
 そんなとこにへたってないで、起き上がりましょう……ってあれ?」
どうやら風子ちゃんは致命的なミスをしたようですねぇ。
ヒトデが木の上から降り注いでいたならラグビー部はもちろんのこと、
そこにいた春原君にも被害が及ぶのは必然。
哀れ、何故か春原君が一番被弾しているようで、人ならざる顔で倒れています。
「わっ、春原さん、誰にこんなに殴られたんですかっ!
 風子が見ている間にそんなこと起こったとは思えません!
 異世界ですかっ、異世界に飛ばされたんですかっ!」
犯人はそこらじゅうに転がっている君が仕掛けたヒトデです。
「酷い、酷すぎますっ!
 …ですが、春原さんの死を風子は無駄にはしませんっ!
 春原さんの敵は風子が必ず取りますっ!
 次の誰かが風子を呼んでいるようですので、失礼しますっ!
 それではっ」
言うが早いかばらまいたヒトデのあと片付けもせずに走り去ってしまいました。
変わり身早いですねぇ。
あとに残ったのは屍になったラグビー部員と、地球外生命体と化した春原君。
事の顛末を最後まで見届けた岡崎君が一言。
「ファイナルヒトデ使い☆風子……新たなるヒーローの誕生だな」

To be continued...
 次 回 予 告

ファイナルヒトデ使い☆風子に新たなる敵が現れた!

そいつは教師共を操り、週休1日制の授業を強要しようとし、

生徒たちに苦痛を与えようとしている教員、乾!

危ない!生徒たちの土曜日が潰される!

次回、「洗脳教師の陰謀を打ち砕け!」

請うご期待!
えっと。
書きたいこと書いた。
たまにはこんなの書かないとやってられないね。
続くかどうかは微妙w
909名無しさんだよもん:04/05/29 18:09 ID:CEaIL0Tm
>>908
>書きたいこと書いた。
>たまにはこんなの書かないとやってられないね。

自分の快楽だけのオナニーは自分のサイトでやってね

>続くかどうかは微妙w

イラネ
910 ◆28s26Q7ss2 :04/05/29 18:13 ID:yVFQwbDM
ごめんorz
911名無しさんだよもん:04/05/29 18:15 ID:lQcLxj+O
真面目に感想言ってやると
ギャグとしてかなり中途半端
笑わせ所がないし、無駄に勢いがあるだけ
912名無しさんだよもん:04/05/29 18:20 ID:LwAGSkDM
俺は普通に面白かったが
913名無しさんだよもん:04/05/29 18:24 ID:+bNB5OHH
別に良いじゃないか、色んな種類のSSある方が見てて面白いし。
>>909みたいな身のない煽りこそイラネ
914名無しさんだよもん:04/05/29 18:25 ID:V4RSJE39
面白いとは言えんがつまらんとも言えない微妙な感じ
915 ◆28s26Q7ss2 :04/05/29 18:28 ID:yVFQwbDM
や、私にはギャグが向いてないってことがわかりました…
素直に時間かけて普通の書くことにします。

こうしてみるとギャグ作家さんの偉大さが身に染みてわかります。
人を笑わせるのってすごく難しいですね…
916名無しさんだよもん:04/05/29 18:37 ID:HWalzr6B
>>915
人には向き不向きがある
これに懲りずにまた投稿してくれ
楽しみにしてるぜ
917名無しさんだよもん:04/05/29 18:37 ID:lQcLxj+O
とりあえず打開策の一つ
岡崎を出して風子の行動にいちいち突っ込み入れさせるだけでもだいぶ違ってくる
918名無しさんだよもん:04/05/29 18:42 ID:EghEJCER
漏れはなかなかに楽しめたよ
919長くて申し訳ない。:04/05/29 18:51 ID:SPuCV/tD
CLANNADは本編のギャグが面白かったから
住人の求める笑いのレベルが高めになっちゃうのかも……。

個人的には、>>899-906はほのぼの出来てよかった。
ゲラゲラ笑ったりはしなかったけど、ふふふ、と思ったよ。


もちろん、笑いのツボは人それぞれなんで、
「CLANNADのギャグのどこがレベル高いって?」
と首をかしげる方がいても当然だと思ってます。
ここを見させてもらうようになってから、
笑いに限らず、多くの人の感情をゆさぶるというのは
大変なことなんだなあ、痛感するようになりました。

自分自身はSSとか全く書けない奴なので、
皆さんのご活躍にはいつも感心致しております。
どうか頑張ってください。これからも楽しみにしています。
920名無しさんだよもん:04/05/29 19:19 ID:CJXFhWR4
>>◆28s26Q7ss2氏

あまりギャグは面白く無かったけど、キャラのセリフとかは違和感が無かったし質の高いSSではあると思うよ。
まじめな話を書けば良い出来になると思う。

次回作ガンガレ。期待してまつ
921コテとトリップ:04/05/29 19:22 ID:4AB0CyQX
>>908
>>915

口調やノリはそれなりには楽しいんだがな
だからギャグが向いてないとは一概にはいえないんだが、今回のはまあ、
ネタがちょっとお子様向けすぎたかなあ
嫌いではないんだが、こういうテンポ
922名無しさんだよもん:04/05/29 21:41 ID:E+FG+WuB
亀レスでスマンが、>>888の汐の自己紹介で
「しお」になってたよ。いい加減「うしお」で固定しようよ
この話題のループは勘弁な
923チュパカブラ:04/05/29 23:13 ID:9Mls7mkc
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
924名無しさんだよもん:04/05/30 05:20 ID:MsJlRJgq
>>887

所々鍵括弧を閉じてないのは癖なのか?
925名無しさんだよもん:04/05/30 09:48 ID:Y0Lfreln
朋也「先生!渚はどうにもならないのでしょうか?」
財前「助かりたければ、手術を受けることです」
朋也「そんな・・・・」
財前「それでは同意書にサインを・・・・」
っていうの☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
926sage:04/05/30 10:37 ID:mb8W/OXi
杏&ことみ―Dear friends―


休日の商店街は買い物客でにぎわっていた。
初夏の日差しが降り注ぐアーケードを無言で背筋を真っ直ぐ伸ばして歩く初老の男性の横をやかましくベルを鳴らしながら青年の乗った自転車が行き過ぎる。
扇子を広げてせわしくあおぎながら話し合うサラリーマンが座るオープンカフェの軒先を、夏服を着た少女たちが何やらきゃらきゃらと笑いあいながら通り抜けて行く。
そんな人々の中に、彼女たちの姿もあった。
「ね、これなんか似合うんじゃない?」
「もう少しおとなしいのがいいの」
「あんたね、花も恥らう女子高生がそんな地味な服装してちゃ年取るの早くなっちゃうわよ?」
「そんな事、無いもん」
つんとそっぽを向いて、ことみは自分が選んだシックな色合いのタンクトップを胸に抱きしめ、
「こういうの、似合うと思うんだけどなぁ」
大きな花柄がプリントされたノースリーブを掲げ、残念そうに杏は笑っている。もう色んなところで買い物をしていたのだろう。二人の手にはいくつも紙バッグがさがっていた。
「これがいいの、お姉さんみたい」
「んー、お姉さんというか、年かさのOLみたいなんだけど?」
「…杏ちゃんのいじめっこ」
目に見えてしゅんとなってしまう彼女。何も落ち込まなくたっていいじゃない。苦笑いを浮かべ、うなだれた黒髪の頭に自分が選んでいたアイボリー地にフリンジ付きのキャスケットをぽんとかぶせてやる。
「?」
髪飾りが邪魔でずり落ちそうになるそれを両手で支えながら顔をあげることみ。そのきょとんとした表情と、可愛らしいデザインの帽子とが何とも言えずよく似合っていて、杏は思わず吹き出してしまう。
「やっぱりいじめっこ」
「まぁまぁ、可愛いんだからいいじゃない」
「私、こんなに子供っぽくないの」
「いいからかぶっときなさいって。絶対似合ってるから」
ぷぅ、と口を尖らせる少女をなだめつつ、彼女は次にのぞく店を楽しげに笑いながら選んでいた。
927sage:04/05/30 10:38 ID:mb8W/OXi
「やー、買った買った。こんだけ買い込んだのって久しぶりだわ」
大漁大漁、と満足そうに頷き、杏は追加注文のハーブティーをついと一口すすった。
「杏ちゃんの方こそおばさんくさいの」
年かさのOL、と言われたのが相当不満だったのか、カフェオレを飲みながらのことみの突っ込み。被せられた帽子は脱いでテーブルに置いてあった。こういう日常会話の突っ込みはできるようになったんだねぇ、と嫌味にもまったくこたえずに杏は微笑む。
「いじめっこー」
「可愛い子はいじめたくなるもんだって朋也から聞いてない?」
「朋也くんはいじめたりしないもん。いつもとってもとっても優しいの」
「……そうやってさらっとノロケられるトコはすごいわね。あんた」
「………」
しばらく言われた意味を取れずにじっとしていた彼女だったが、自分が言った事の意味を反芻し終わったのか、頬が見る見るうちに真っ赤に染まる。
「杏ちゃんのバカっ」
「わ、わっ、こら、危ない事しないっ」
テーブルの向こう側からぽかぽか殴りかかろうとして、ワンピースの袖が危うくケーキを押しつぶしそうになるのを慌てて押さえる。
「食べ物のあるところで暴れないの、もう」
「……」
「むくれないむくれない。ほら、ケーキあげるから」
「……」
そう言いながら目の前に差し出された一口分のかけらを、仕方なしにぱくつくことみ。膨らんでいた頬が自然ゆるんでしまって、それを見てにっこり笑う杏の笑顔が何だかむずがゆくて。
「美味しいでしょ? ここの」
「…」
素直にこくんと頷いた。
928sage:04/05/30 10:39 ID:mb8W/OXi
「………」
ぱら、とページをめくる音が店内に響く。
ひとしきり喋って騒いでケーキを食べたあと、杏は眼鏡を取り出して本屋で手に入れた児童心理学と童話のハードカバーを読み始めた。
普段は見せることの無い真剣な表情でページを繰る彼女を見つめることみ。
カフェオレの甘さを舌にじんわりとしみこませながら、髪飾りをほどいて、脇に置いたままにしていたキャスケットを被ってみる。引っかかるところも無くすぽんと髪が包まれる。
うなじの毛が密着して、何だかこそばゆい。そうして手持ち無沙汰にCDケースを漁って、杏が好きだと言っていた北欧メタルのジャケットを眺める。
真っ青な空に真っ青なピラミッドが浮かんだ絵。どんな音楽なんだろう。イヤホンをつけて、再生ボタン。
いきなり大音響で炸裂するドラムと金切り声をあげるボーカルに目を白黒させて飛び上がる。
「ん?」
珍奇なリアクションが視界に入ったのか、ページから顔をあげて、杏がいたずらっ子をとがめるような目つきをする。
「こぉら」
「〜〜〜〜〜!!」
両こぶしで帽子の上からぐりぐりされて、痛くすぐったさに身をよじらせた。
「気をつけなさいよね、もう」
「…………」
ひりひりするこめかみを涙目で撫でる彼女の額をつんと押してやり、再び本に目を落とす杏。叱られた仔猫のようにしゅんとすることみ。
何だろう。何だかさっきみたいに構いまくるのではなくて、妙に素っ気無くなった気がする。拍子抜けとは違うんだろうけれど、何だかおいてけぼりをくったみたいで。
「………」
じー、と見ると視線を感じたのか目をあげて、どしたの? と聞いてくるけれど、何だか話しかける事も無くて。
だから同じように買ってきた外国の詩集を取り出す。カフェオレをもう一杯頼み、ずれた帽子をかぶりなおしてページを開く。フランス語の原文に目を通すと翻訳していない生の言葉が心の中に躍る。
いくつも浮かび上がる中世近世西欧のイメージ、それを透かせるようにして店内にかかるクラシックのBGM、自分とは違うペースでページを繰る音が聞こえてくる。
何だか不思議。これまでは周りの音なんか、聞こえてこなかったのに。
でも、集中できないわけじゃなくて、何だか嫌でもなくて。
929sage:04/05/30 10:39 ID:mb8W/OXi
ふと目を上げると、窓の外はすっかり暗くなっていた。向かいの席では杏が眼鏡を外してケースに仕舞っていた。
「これ聴くなら貸すけど、どうする?」
「いいの?」
「いいから言ってるの。その代わり今度はことみの聴いてるのも貸してよ」
「…」
うん。
「あ、あとそれライブ盤でアンプの響き具合がすごいから音量気をつけ」
ボンッ
「だーかーら、あんたって子はも〜〜」
お友達と持ち物の貸し借り、という状況がよっぽど嬉しかったのか、不用意に再生ボタンを押してしまっていい具合にヒヨコが舞うことみを、杏は手がかかる子供をあやすように介抱してやっていた。
930sage:04/05/30 10:40 ID:mb8W/OXi
街灯のともりだした町並みを二つの影が歩いて行く。まだキーンとなっている耳を時おり気にしながら、少し斜め前を歩く杏の後ろ姿を見ることみ。
つれづれに今日一日を思い出してみる。初めてのお友達とのお買い物。だけど自分は相変わらず何かやらかしてしまって、それに彼女が突っ込んで、フォローされてばかりだった、そんな一日。
キャスケットをぐい、とひきおろして顔を隠す。疲れちゃったのかな。飽きちゃったのかな。だから、途中から本なんて読み出して、構ってくれなくなって?
「杏ちゃん」
「んー?」
何?と振り返る杏を帽子のつばの下からおずおずと見上げながら、ことみは聞いた。
「ひょっとして、つまらなかった?」
「?……ああ」
きょとんとしていた杏だったが、何か思い当たったように頷くと
「バカね、そんなんじゃないわよ」
と柔らかく微笑んだ。
「ことみの方こそ、どうだったの? つまらなかった?」
ぶんぶん。
そんな事は絶対になかった。楽しみにしていたんだから。
「ね? 別に肩肘張らなくたっていいのよ。喋りたい時はしゃべる。読みたい時は読む。そういうのがいいの。気のおけない仲って言うじゃない」
ちなみに、と杏は付け足した。
「あたしは居心地良かったけど?」
「……」
ほわ、と安心したような笑みを浮かべることみに、彼女も柔らかく包み込むような笑顔で応えた。ずり下げられていたキャスケットをちょいと上にあげてやる。少し頬を赤らめることみ。頭をぽんと撫でてやる。再び歩き出す二人。
少し歩幅を伸ばし、杏の隣りに並びながら、ことみは紫から青へ変わっていく町並みを眺める。
「また、一緒に遊びに来ても、いい?」
「もちろん」
二人分の影が一つになって、街灯に照らされた家路をたどる。深い青に染まった町の上、夜空には星が現れ始めていた。
931sage:04/05/30 10:41 ID:mb8W/OXi
「お、新しいCDか?」
「あ、うん」
「へー、ストラトヴァリウス…? 初めて聞く名前だな。聴いていいか?」
「えーと……」
「?」
「やっぱりダメなの」
首を傾げる朋也にあいまいに笑いかけ、ことみは秘密の手紙でも隠すかのようにCDケースを胸に抱いて、自分の部屋に上がっていった。



END
932名無しさんだよもん:04/05/30 11:04 ID:4gE0K+X0
sage氏グッジョブ!
ほのぼの感が上手く出ていて、非常に読みやすかったです。
933名無しさんだよもん:04/05/30 11:16 ID:+itjh4tx
sage殿
なかなかかわいらしさが出ていて、いいと思います。
934名無しさんだよもん:04/05/30 11:23 ID:OEBYjb7T
面白かった。
ちょっとことみの行動とかしゃべり方が幼すぎて違和感があったけど、読みやすくて
雰囲気もよかった。
935名無しさんだよもん:04/05/30 11:26 ID:yVizfCG/
えと、かなりレベルの高い文章だと思います。
女の子同士の日常をほのぼのと書きつつ、本編後の「ことみの成長」がよく表れてると思いました。
周りの音が聞こえたり、朋也だけに依存しなくなったり。
萌えとか置いといて癒されました。いや正直言うと萌え萌えでした。
心からGJ。
936名無しさんだよもん:04/05/30 12:47 ID:W5dXc6Qs
>926-931
出だしから引き込まれた。描写が生きてるというか目に浮かぶようで。

「ことみの成長」、杏との会話からも伝わってくるんだけど、
ラスト、ことみが朋也に対して秘密の事柄を所有するにいたって、
ああ、朋也の被保護者から、朋也の彼女たる女の子になったのかな、と

あとはレス毎に3/4とか入れてくれて、ラストに>926-931とまとめておくと、
読者(特に非リアルタイムの)が追跡しやすいのですけど。
これに関しては読み手側でもフォローしたほうがいいかも……
937名無しさんだよもん:04/05/30 13:32 ID:L6wFGmiZ
おいおい、まじでSS勢劣勢だぞ…
もっと職人頑張ってくれ。

DNMLなんかに負けるな!
938原点回帰:04/05/30 15:32 ID:q4NYaFQq
別に対抗する必要も無いと思うのだが
939名無しさんだよもん:04/05/30 18:29 ID:bnUINsHH
焦ってもいい作品は出来ないぞ

マターリ待つべし
940名無しさんだよもん:04/05/30 18:36 ID:38LJxcJS
だが、残りがたった60しかないスレに作品を落とす奇特な人はいるのだろうか?
941名無しさんだよもん:04/05/30 18:40 ID:rjPiNt96
いない…だろうなぁw
942名無しさんだよもん:04/05/30 19:13 ID:bnUINsHH
そろそろ次スレたてる時期かな?
テンプレよろ
943名無しさんだよもん:04/05/30 20:11 ID:vZWdzlt2
クラナドのSS専用スレッドです。
このスレでは新人作家さんを随時募集中です。
明日のSS界を背負うのは君だ!

前スレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1084004163/
前スレ一時保管
ttp://sphiemya.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0021.zip

関連スレ
葉鍵作品全般DNMLスレッド その2 DNMLはこちら。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1085839260/

クラナドエロSS専用スレッド エロいSSはこちら。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1085236618/l50

葉鍵的 SS コンペスレ 13.2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1080488308/

隔離されるべきSSスレ その他作品、話題のU-1などはこちら。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1080227915/
944名無しさんだよもん:04/05/30 20:19 ID:8/V0tSlC
945名無しさんだよもん:04/05/31 01:37 ID:cVntm1Nx
さて、残り55スレあるわけだが・・・
何かに使えませんか?
946名無しさんだよもん:04/05/31 01:39 ID:7nfXVqLx
コテトリでも召喚してみる?
あいつがいれば、あっという間に50スレは稼げる気がする。
947名無しさんだよもん:04/05/31 01:40 ID:cVntm1Nx
呼んでもいいけど、すぐに埋まるスレに来るかな?
948名無しさんだよもん:04/05/31 01:53 ID:7nfXVqLx
ちっ、あいつも肝心なときに使えん奴だな。
949コテとトリップ:04/05/31 02:09 ID:fdZLYe5z
クソ野郎、スレ埋めくらいにしか使い道ねぇんだから、さっさと来いよヴォケ
おいコテトリ、てめぇのことだ。聞いてんのかカス。
あぁ、文盲様には何が書かれているか理解を要するのに3日くらいかかってしまうかな?(ププ
950原点回帰:04/05/31 02:10 ID:QjI88DQg
あまりあからさますぎるのもどうかとおもう
951名無しさんだよもん:04/05/31 02:19 ID:7nfXVqLx
まあ、何はともあれコテトリに総括してもらいたくはあるな。
結構このスレに出没して批評もどきをかましていたことだし。
952名無しさんだよもん:04/05/31 02:26 ID:PpNfppWJ
>948
劇画作家の小林源文氏描くところの中村のような人物だな。
953名無しさんだよもん:04/05/31 07:59 ID:3EbZN/fO
あと47レスもどうやって使えばいいんだよ
954名無しさんだよもん:04/05/31 09:46 ID:L8zK+RFT
しりとりしよう。

955名無しさんだよもん:04/05/31 09:50 ID:kKXdvVa1
。ぽるぬ
956名無しさんだよもん:04/05/31 09:57 ID:qK4XeeB5
ぬるぼ
957名無しさんだよもん:04/05/31 10:23 ID:PsX+Dwza
ぼると
958名無しさんだよもん:04/05/31 12:33 ID:o0yTtz8+
ともや
959名無しさんだよもん:04/05/31 13:39 ID:9aeMjL0x
やりまん
960名無しさんだよもん:04/05/31 13:59 ID:EU1zh7Bs
ンジャメナ
961名無しさんだよもん:04/05/31 14:03 ID:PsX+Dwza
なすてぃーぼーい
962名無しさんだよもん:04/05/31 14:06 ID:cOEVRLC4
いちのせことみ
963名無しさんだよもん:04/05/31 14:15 ID:nhuNgMy+
くだらん言葉で埋めるぐらいなら
一行ずつのリレー小説でもやろうぜ
964名無しさんだよもん:04/05/31 14:34 ID:GQptSTal
>>963
汐「ねぇパパ、きのうの夜ママがアンアン言うまでいぢめてたでしょ?」
965名無しさんだよもん:04/05/31 14:38 ID:kKXdvVa1
朋也は、汐の問いかけに対し終始無言だった。そして、ふらふらと家を出て行きそれ以後彼の姿を見たものは居ない。
966名無しさんだよもん:04/05/31 14:38 ID:2eInpql7
智代「私は地上最強だ。どんなやつがきても0.2秒であの世へおくることができるんだ。武器はもたないカラテだ!」
967名無しさんだよもん:04/05/31 14:56 ID:fTCIw9OW
春原「…天狗のお面付けてそんな事言われても説得力ないよな」
968名無しさんだよもん:04/05/31 15:49 ID:7nfXVqLx
春原「そういや、今日の坂上のパンツは水色のストライプだったな」
969名無しさんだよもん:04/05/31 15:53 ID:LgloQk9J
春原「きのう岡崎がはいていたのと同じじゃんかよっ!」
970名無しさんだよもん:04/05/31 16:26 ID:nhuNgMy+
岡崎「ノリ突っ込みか?」
971インデックス:04/05/31 16:43 ID:rukKaqrY
>13-17  クラナド本スレパート90 レス186と193の改変+続き
>22-24  クラナド本スレpart88 859追加+改変
>41-46  椋恋人AFTER
>85
>91    ttp://d.hatena.ne.jp/jizou/20000101
>126-127  >187-190 無題
>180-183  >240-242  壊れかけのレディオ
>197  春原TRUE BAD エピローグ 
>203-207  杏&椋―a Ferris wheel― (sage)
>217-220  風子シナリオの前(ともみ)
>227-228  無題(46)
>243-255  父と子(28s26Q7ss2 )
>299 >320-336 >342-349 >357-361 >470-493  Dannalc(さくーちゃ)
>378-384  最期の願い(317)
>394-402  風子―REchallenge― (sage)
>418-426  地獄の黙示録―春原BAD END― (28s26Q7ss2 )
>440-442  実験作(46)
>496-499  無題(85)
972インデックス:04/05/31 16:44 ID:rukKaqrY
>521-524  無題
>563-567  無題(ただいまセフレ募集中)
>605-619  老教師に捧げる唄 (28s26Q7ss2 )
>647-655  ことみ―THE WORLD IS BEAUTIFUL― (sage)
>667
>669-672  二人の思い
>699-701  無題
>714-724  無題(はつお)
>743-745  無題
>760-766  無題
>775
>778-792  決別(28s26Q7ss2 )
>810-813  無題
>818-847  おともだち
>860-864 >886-890  再婚afterプロローグ
>872-879  おふろ
>899-907  すたーふぃっしゅひーろー(28s26Q7ss2 )
>926-931  杏&ことみ―Dear friends―(sage)
973名無しさんだよもん:04/05/31 19:39 ID:8k+zbKOr
>>971
まとめ乙ですー。
あと27レスがんばって埋めようー
974名無しさんだよもん:04/05/31 19:41 ID:8k+zbKOr
よっしゃ、あと2時間以内に15レス以上つかなかったら、
俺様がサッカー部諸君と共に杏を輪姦するんで、がんばって阻止したまへ。
975名無しさんだよもん:04/05/31 19:46 ID:v8TmtquR
        ⌒
     ⌒  )  (  ) 人 ヽ
     (⌒    (  `ー'   ) )
    ...( 人| | || | |`ー' ノ
        | | || | |
        | | || | |
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    / ノ( アンチkey  \   
   /   ^            ヽ 
    l:::::::::     \,, ,,/       .|  そんなことさせるかー!!
    |::::::::::   (●)     (●)   |  
   |:::::::::::::::::   \___/     |  
    ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ   
976名無しさんだよもん:04/05/31 19:57 ID:aNZHEnFJ
agaれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええっ!
977名無しさんだよもん:04/05/31 19:58 ID:iw9Ogh7R

その日、杏は一人だった。
 今日はたまたま委員会の都合で遅くなってしまったのだ。
 そしてその機会を懸命に伺っていた一つのグループの姿があった。
 男達は隙を見計らい杏を連れ去る事に成功。悪夢の陵辱が今まさに始まった。
サッカー部員A「ひっひっひっ! いいアレもってんじゃねえか。おい!」
杏「いやッ! やめてよぉッ!」
 男は執拗に杏の胸を揉みしだく。
 杏の反応を楽しむように。
 杏の心を蝕むように。
 右へ左へ…時には乱暴に、時にはやさしく杏の胸を玩具のように弄ぶ。
サッカー部員B「おいおい、乳首がこんなにおっ立ってきやがったぜ!」
杏「い…やぁ……ぁ…んぁ…」
サッカー部員B「全くこの好きモンが…。本当はこうして欲しいんだろ?オラッ!」
 ガブッ!
杏「きゃあぅっ!」
 男の一人が杏の胸に乱暴に噛み付く。
>>974「へっへっへ…! ママァ〜ン、ミルク頂戴〜」
杏「んぁあはぁんっ! やめてぇ!!」
 男は杏の身悶える姿に更なる興奮を覚え、激しく乳首に吸い付いて来る。
杏「あぁっ! 駄目っ! アハァンっ!」
サッカー部員C「全くこんなに感じやがってこの淫乱が…。オラっ観念しな!」
 ギュウウウウ〜〜ッ!
杏「きゃああうううぅぅんっ!!」
978名無しさんだよもん:04/05/31 20:03 ID:DNxnk1zR
俺も混ぜてくれYO
979名無しさんだよもん:04/05/31 20:12 ID:L2gM9qN8
>>978

その日、杏は一人だった。
 今日はたまたま委員会の都合で遅くなってしまったのだ。
 そしてその機会を懸命に伺っていた一つのグループの姿があった。
 男達は隙を見計らい杏を連れ去る事に成功。悪夢の陵辱が今まさに始まった。
>>974「ひっひっひっ! いいアレもってんじゃねえか。おい!」
杏「いやッ! やめてよぉッ!」
 男は執拗に杏の胸を揉みしだく。
 杏の反応を楽しむように。
 杏の心を蝕むように。
 右へ左へ…時には乱暴に、時にはやさしく杏の胸を玩具のように弄ぶ。
サッカー部員A「おいおい、乳首がこんなにおっ立ってきやがったぜ!」
杏「い…やぁ……ぁ…んぁ…」
サッカー部員B「全くこの好きモンが…。本当はこうして欲しいんだろ?オラッ!」
 ガブッ!
杏「きゃあぅっ!」
 男の一人が杏の胸に乱暴に噛み付く。
>>978「へっへっへ…! ママァ〜ン、ミルク頂戴〜」
杏「んぁあはぁんっ! やめてぇ!!」
 男は杏の身悶える姿に更なる興奮を覚え、激しく乳首に吸い付いて来る。
杏「あぁっ! 駄目っ! アハァンっ!」
>>977「全くこんなに感じやがってこの淫乱が…。オラっ観念しな!」
 ギュウウウウ〜〜ッ!
杏「きゃああうううぅぅんっ!!」
980GAME OVER:04/05/31 21:41 ID:8k+zbKOr
2時間経ちますた。
レスをつけなかったおまいらが悪いんでつよ?

「藤林、杏さんですね?」
「そう、ですけど、何か?」
杏が訝しげな表情で俺を見る。
無理も無い。
俺と杏は初対面なんだから。
「すいません、貴方に用があるという人がいますので、ご足労願えませんでしょうか」
「あら、すいませんね、その人に伝えてくれる?
 自分から告れないようなヘタレとは付き合う、ひぎぃ!?」
俺は言い終わる前に腹にパンチを叩き込む。
一発で気絶するなんて、案外やわだな。
俺は急いでサッカー部の部室に杏を連れ込んだ。
981GAME OVER:04/05/31 21:42 ID:8k+zbKOr
ばしゃぁ!
縄で拘束済みの杏に水をぶっかける。
「けほ、けほ。な、なにすんのよ、ってきゃぁぁぁ!!!」
勿論裸である。
「藤林杏さーん、貴方に恨みはないんですけどねぇ」
「恨むんなら、2時間も猶予を与えたのに一向にレスをしなかった名無しを恨むんだな」
「ちょ、ちょっと!あんたたち、意味わかんないわよ!
 縄をほどきなさい!訴えるわよ!」
「ぎゃーぎゃー五月蝿ぇなぁ」
部員が乳房をもみしだく。
「ちょ、ちょっと!…んぅ!ほど…きなさいよぅ…」
「ん?気持ちいいのかな?縛られて、みんなに見られて感じちゃってるのかなぁ?
 エロいなぁ、杏ちゃんは。エロ委員長だ」
乳首と秘部には媚薬が塗ってある。
まぁ本人は気付いてないようだが。
「あれあれ?なんだからここがびちょびちょだなぁ」
「んっ…そんなとこ触んないでぇ」
「毎日毎日岡崎のことばっか考えてオナニーばっかしてるんだぜ、こいつ」
「まじかよ!?正真正銘の淫乱だな」
「そっ…そんなこと、ないって、ばぁ…はぁ!」
抵抗の言葉も空しく響く。
982GAME OVER:04/05/31 21:42 ID:8k+zbKOr
「おら、お口がお留守だぜ、大好きなここをしゃぶりな!」
「ちゅぶっ…うっ…もう…ゆるひてぇ…」
もう秘部はぐちょぐちょだ。
「よーし、俺が開通一号な!」
「や、らめぇ!それだけはぁ…かんべん…んーーーーー!!!」
声にならない叫びが響く。
「おー、絞まってるぅ」
「あぁ…!んっ…くぅ…!」
「俺はこっちの穴を頂きますか」
「や、そっち、違う…あぁぁぁーーーー!!」
訴えも虚しく肉棒が挿入される。
「おらっ!そろそろいくぜ!」
「うっ俺もいく…」
「あぁーーーー膣だけは、膣にだけはぁーーーー!」
ドクン!
ドロドロの精液が杏を汚す。

「ま、恨むんなら、レスをつけなかった名無しを恨むことだな」
部員の響きももう杏には響いていなかった。
983名無しさんだよもん:04/05/31 21:50 ID:22IsP2WW
>>980
稚拙な文章だな。
2時間あったんだからもっと推敲できるはずだが?
984名無しさんだよもん:04/05/31 21:52 ID:hDrCk1JH
こっちのほうがマシだなw

嫌な予感はしていた。
杏の教室を訪ねた時、委員会から戻っているはずの杏が、いなかった。
生徒会室ででもつかまっているのだろう。俺は教室に入り込むと、杏の席に座り戻るのを待つ。
「とも…や……」
弱々しい声。杏だ。様子がおかしい!?
俺は急いで振り返る。
そこには、変わり果てた杏の姿があった。
虚ろな眼で…茫然として。制服はあちこちで引き裂かれ、得体の知れない液体に穢されている。そして、漂ってくる饐えた臭い。
「杏ッ!!どうしたッ」
俺は駆け寄ると、今にも崩れ落ちそうな杏の体を支える。杏の下着は、ことごとく失われていた。
「ごめん…ね、ともや……ごめ…ん……」
「誰なんだ杏ッ!おまえにこんなことをした奴はッ!!!」
杏の唇が弱々しく動く。
>>9…7……4……」
それだけ言うと、杏は気を失った。
俺は杏を支えながら椅子を引き、杏の体を横たえる。少しでも清めてやろうと、濡らしたタオルで杏の体をぬぐってやる。
杏の体は隅々まで穢され、犯されていた。局部は充血して腫れ上がり、太腿まで体液が流れ落ちている。体中に残る擦過傷。胸、腹、顔、背中と、ところ構わず精液がこびりついていた。
それらを丁寧にぬぐい去り、ジャケットを制服の上に羽織らせて、杏を椅子に静かに寝かせる。
……>>974
奴は許せない。心の奥底からどす黒い憎悪が沸き起こる。俺の理性はそれを止める気もなく、むしろ煽り立て、増幅させる。
決まりだ。俺は、やつらを徹底的に痛め付けてやる。地獄の苦痛を、長々と嘗めさせてやる。
俺はその時から、復讐鬼になった……
985名無しさんだよもん:04/05/31 23:03 ID:L8zK+RFT
2時間以内にレスが20なかったら智代輪姦する。
986名無しさんだよもん:04/05/31 23:05 ID:7nfXVqLx
はいはい、埋めますよ〜
987名無しさんだよもん:04/05/31 23:06 ID:rLllugoK
>>985
て言うか、阻止できませんとマジレス
988名無しさんだよもん:04/05/31 23:08 ID:7nfXVqLx
ゲンカイトッパダー
989sage:04/05/31 23:19 ID:MQRMkcyT
ご感想いただいた方、ありがとうございます。
ことみは個人的に一番好きなキャラクターなので
ご好評頂いたのは嬉しい限りです。
3/4等提示したりまとめたり、
至らぬ点申し訳ありませんでした(汗。
新スレッド立てて下さった方、
またインデックス作成してくださった方
ありがとうございます。
ペースは早く無いですがまたちょこちょこと書いて
いければと思っております。
よろしくお願い致します。
990名無しさんだよもん:04/05/31 23:47 ID:V4PtRM7/
>>985
1000までの数を逆算して言えよ、とマジレス
991名無しさんだよもん:04/06/01 00:05 ID:GJV1GlF1
わざとだろ、とマジレス。

>>985
エロSSスレで待ってるぞ。
992名無しさんだよもん:04/06/01 00:06 ID:1JXUYflx
>>991
IDがGJ。
さぁ埋めちまおうぜ。
993名無しさんだよもん:04/06/01 00:07 ID:dpVGs4/X
ん〜埋めます

   ------------- 、____
   /  ̄ ̄ ̄.// ̄ ̄|| |___/\☆☆☆
 ……。 .∧// ∧ ∧.|| |  \\☆☆☆☆
[/_________.(゚//[ ](>ヮ< )|| |    \\☆☆☆☆
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                         │ ミ  ☆☆☆☆   〃ザボザボ
                         │  ;:☆☆☆☆; ’〃、、..
                   ザボザボ゙ ミ ミ\☆☆☆☆/ミ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
994名無しさんだよもん:04/06/01 00:08 ID:GJV1GlF1
ほんとだ。
995名無しさんだよもん:04/06/01 00:11 ID:1JXUYflx
おいおい、さっさと埋めないと俺が1000取っちゃうぜ?
996名無しさんだよもん:04/06/01 00:16 ID:1JXUYflx
あー人がいねぇと1000取り合戦の意味ねぇー
997名無しさんだよもん:04/06/01 00:17 ID:5JR/lrsL
997
998名無しさんだよもん:04/06/01 00:19 ID:a2ZseyYV
999名無しさんだよもん:04/06/01 00:19 ID:5JR/lrsL
999
1000名無しさんだよもん:04/06/01 00:19 ID:1JXUYflx
あり得ねぇくらい人少ないな。
998get
10011001
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