締め切りまで残り 8 時間です。
最後の追い込みがんばっていきましょう!
>>150 告知が足らなくて申し訳ないです。
>>32 のとおり、締め切りは 7 月 20 日の午前 8:00 ですので、
全然間に合ってます。
ちなみに、締め切りの時間の変更は前回から行われました。
タイトル:「海の音楽」 瑠璃子(雫)
テーマ:夏だ!外でエッチだ!
エロも舞台も直球の18禁SSです。キャラ選びが微妙に変化球か。
祐介と瑠璃子さんを海に連れ出してみました。27レス。長くてごめんなさい。
投稿させていただきます。
タイトルは『渚に三つのシルエット』。
8レスの予定です。
内容は「To Heart」の委員長ED後です。
Hシーンは冒頭に申し訳程度にあるだけです…あまり期待しないでください。
それでは、ご笑覧ください。
「海?」
僕が海に誘うと、瑠璃子さんは不思議そうな顔をした。
「そう。海」
「海に行きたいんだ、長瀬ちゃん」
「うん。行きたい。瑠璃子さんと一緒に行きたい」
瑠璃子さんは黙って夕日をみつめた。
屋上の手すりに掴まった瑠璃子さんの髪を、風が、ゆっくり何度か掻きあげた。
「……いいよ」
いつものように静かに微笑んで、瑠璃子さんが答えた。
「瑠璃子さんは、泳げる?」
「……。私は、陸(おか)で見てるよ。長瀬ちゃんが…泳ぐところ」
「あの……。瑠璃子さんといっしょに、泳ぎたいんだ。駄、目、…かな」
瑠璃子さんはちょっと黙った。そして、クスッと笑った。
「長瀬ちゃん、一生懸命お願いしてる」
「駄目なら、いいんだ」
「目は、全然そんな風に言ってないよ? 長瀬ちゃん」
僕は、それ以上うまく言葉がみつからなくて、
ただじっと瑠璃子さんをみつめるだけだった。
「…………うん。いいよ」
「ほんと!?瑠璃子さん! ……水着とか、持ってる?」
「多分……。探してみるよ」
* * * *
空が、青い。
海水浴場は、気持ちのいい快晴だった。
僕は脱衣所のそばの、あまりヘンな目で見られないていど離れた場所で、
瑠璃子さんが着替えて出て来るのを待っていた。
中学生。
小さい子のグループ。
おばさん。
人が出てくるたび目で追うけど、瑠璃子さんじゃない。
「あ…」
瑠璃子さんが、出て来た。
目で追う必要もなかったほど、現れた瑠璃子さんの姿は、印象的だった。
真っ白な肌に、真っ白なワンピースの水着。
周りの海水浴客の、焼けた肌ではしゃぐ活気ある姿とは、雰囲気がまるで違う。
すらっとした手足と整った目鼻立ちもあいまって、
むしろ、場違いな海辺に撮影に現れたモデルっぽくなくもない。
現にふたりの男の人が、すれ違い様に瑠璃子さんを振りかえって見ている。
そんな瑠璃子さんの姿は、とてもきれいではあったけど、でも、どこか無理をして
この場に引っ張り出してしまったような痛々しさも同時に感じて、
ちょっとした罪悪感が、僕の胸に湧いた。
焼けた砂浜の上をおぼつかない足取りでビーチサンダルで歩いて来ると、
瑠璃子さんは二、三m手前からもう手を伸ばして、僕にすがりついて来た。
「よ……っと。お待た…せ。砂浜の上って、歩きにくいんだね」
掴まれた左手に、きれいな白い水着の少女の体重が、かかる。
「大丈夫? あそこにシート、敷いておいたから」
その手の感触にちょっとドキドキしながら、
僕は、手を繋ぎながら、瑠璃子さんをそこまでエスコートした。
「瑠璃子さん、日焼け止めは?」
「………。そんなの、持って来てないよ?」
「えっ!! じゃ、じゃあ、今、買ってくるから!」
慌てた僕の手を、瑠璃子さんの手がきゅっと引っ張った。
「いいよ長瀬ちゃん。……このまんま、少し、焼いてみよう。
あんまり長くは、無理かもしれないけど」
眩し過ぎる太陽を、ちょっと手をかざして遮りながら、
でも、瑠璃子さんは、微笑んでいた。
シートの上で、ふたりは並んで横になっている。
真夏の太陽を見上げる瑠璃子さんは、
眩しさにちょっと表情を崩して困っているように見えたけど、
充分楽しんでいるようにもまた、見えた。
僕にとっては、初めて見る表情だ。
予想外の反応だったけど、僕は、素直に嬉しかった。
さすがに真夏の日差しは強すぎて、結局、そう長いこと日光浴は続けられなかった。
僕らは、そこそこで切り上げて、海に入ることにした。
ぴしゃ。
「わ…」
波の冷たい感触に、瑠璃子さんは声をあげた。
ぴしゃ。ぱしゃ。
波が来るたびに冷たい感触に爪先を洗わせては、面白そうに足を引っ込める。
そんな、童女のように遊ぶ瑠璃子さんの姿が可愛らしくて、
僕は、手を繋ぎながら少し眺めてしまう。
「大丈夫。ちょっとずつ慣れれば。入っちゃえば、冷たくなくなるから」
瑠璃子さんは無言で波との戯れを続けた。
僕の瞳を覗き込むようにしながら続けた。
波の冷たさに慣れるまで、足を洗っては砂浜に敷いたシートに戻り、というのを
二回ほど繰り返してから、ようやく僕らは海に入った。
一歩歩くごとに、冷たい海水が、
太股から腰、腹から胸まで、あっという間にふたりの身体を包み込んでくる。
微かに悲鳴のような声を出して、瑠璃子さんは身を縮め、震えた。
そんな生々しい反応を見せる瑠璃子さんがとても新鮮で、なんだか楽しい。
泳げるの?瑠璃子さん。
大丈夫だよ。泳げるよ、長瀬ちゃん。
電車の中で、そんな会話をしたのを思い出す。
「じゃあ、ちょっと浮いてみようか……」
つい、と海底から足を離した。
瑠璃子さんも、身体を少し横にして、浮かした。
手を繋いだまま、僕らは、ほんの少し、海中に漂った。
足を掻き、手を泳がせて、浮いた。
すぐに足は着いたけど、いける感じだった。
「じゃあ、次は手を離して」
「うん」
そうして、僕らは、泳ぎ出した。
瑠璃子さんのクロールは、ゆっくりだったけど、とても美しいフォームだった。
瑠璃子さんに泳がせるのを、実は少し心配してたけど、
僕だって平泳ぎで漂うの中心みたいな泳ぎだから、
実際、まったく何の問題もなかった。
少し泳いでは足を着いて、顔を見合わす。
両手で水を掻いてお互いに近づき、またふたりでいっしょに泳ぎ出す。
波間に漂って、僕らは遊んだ。
……いつもの瑠璃子さん、学校の屋上で見る瑠璃子さんは、
常にどこか不安定ではかない存在に、僕には思えていた。
海水浴場で泳ぐ瑠璃子さんの姿なんて、とても想像できなかった。
そもそも、瑠璃子さんが何か運動してる姿自体、見たことがなかったし。
でも、現にいまこうして僕の横で泳いでいる瑠璃子さんの姿は、
意外だけど、とても、自然だった……。
やっぱり、誘って良かった。そう思った。
「瑠璃子さん」
笑いながら、僕は瑠璃子さんを呼んだ。
「瑠璃子さん?」
あれ。
僕は、あたりを見回した。
「瑠璃子さん」
波が、僕の肩を洗い続けている。
見えなかった。
いなかった。
急に、内臓をギュッと絞られたような不安が、心に広がった。
「瑠璃子さん!」
周り中にいる海水浴客。
その顔のどれもが、瑠璃子さんじゃない。
そしたら、その数までが突然、不安の元になって……。
「瑠璃子さーん!」
ちりちり……
「あっ」
胸を掻くようなむず痒い感触。
きゅっと左手が引っ張られた。
「瑠璃子さん…」
振り向くと、一瞬の不安感は、霧消した。
髪を濡らした瑠璃子さんが、水面に首から上だけをぽっかり浮かべていた。
「心配したの?長瀬ちゃん」
「…うん」
「大丈夫だよ。私は、ここにいるよ。長瀬ちゃん」
ほんのちょっと瑠璃子さんが死角にいただけなのに、大慌てで取り乱したぼくの姿は、
今日のちょっとした笑い話になってすぐ終わった。
陸(おか)にあがった僕らは、クスクスと笑いながら昼食の買い出しに向かった。
ふっと瑠璃子さんの横顔を見て、初めて、僕は気付いた。
雫を毛先から垂らすほどの濡れ髪姿の瑠璃子さんなんて、
これまで一度も見たことがなかったことに。
好きな人の見知らぬ姿を見て、なんだか意味もなく照れてしまいそうになる。
頬や額に張り付いた髪がなぜか色っぽく見えるのが、それに拍車をかけていた。
僕らは、大きな焼きイカをひとつ買って、半分ずつ分け合った。
たっぷり醤油で濡れたアツアツのそれを、理瑠子さんは両手で持つと、
少しずつかじって食べていた。
かき氷も買った。僕がメロン。瑠璃子さんがレモン。
レモンの方をひとさじ掬(すく)って
僕の口に差し伸べた瑠璃子さんの瞳が、楽しげに笑っていた。
ミネラルウォーターの瓶を、ふたりで回して飲んだ。
こくっこくっと喉を動かして水を飲む瑠璃子さんの顔に、
いくつもの汗の雫が滴っていた。
──あの夜。
あの事件の夜、もしかして僕の元から
永遠に消えてしまっていたかもしれない瑠璃子さん。
そんな彼女が、こうしていくつも、どうってことない普通の女の子みたいな
生々しい姿を見せてくれるのが、僕にはちょっと、眩しかった。
こんななんでもない事々で、なんだか少し、胸が詰まった。
* * * *
すごい星空だ。
僕らの街で見るのより、空がはるかに広く、大きく、奥行きが深く見える。
海水浴を楽しんだ後、夕日も沈みきった夜の海岸を歩いた僕らは、
街灯の光も届かない、人の行き来すら無い岩場の片隅に居場所をみつけて、
並んで腰を下ろしていた。
実は今日は、最初から一泊の予定で、僕らは来ている。
家の方はそれぞれ何とかごまかして来たけど、
高校生にとってそれは、けっこうな冒険だ。
だから、街から電車で一時間以上も離れた、
穴場のようなこの小さな海水浴場を、僕は行き先に選んだ。
結局今日はあの後、太陽の下には一時間半も居られないで
海水浴場の食堂に避難することになったけど、
それでも、瑠璃子さんは、最初から最後までずっと楽しそうだった。
…楽しかったから、後で長瀬ちゃんにお礼をするよ。
瑠璃子さんは、そう言った。
「……夜になったら、人工の光も、人の喧騒も届かない、
星の光と波の音だけの、ふたりきりになれる場所……、いっしょに探そう」
女の子とふたりだけの一泊旅行でそんなことを言われたら、
その後起こることを想像してドキドキするのが当然かもしれない。
でも、瑠璃子さんが言っているのはたぶんそういうことじゃないのが、
僕にはわかった。
ちりちり……
ちりちり……
懐中電灯を地面に置いて手を繋ぐと、いつものように、
そして今日波の中で瑠璃子さんをみつけた時と同じように、
瑠璃子さんから、心地よい波動が僕の中に伝わってきた。
胸や頭の中をくすぐってくるような刺激なのに、
少しも瑠璃子さんのそれは不快じゃない。
僕たちの力……。人と人とを、繋ぐ力。
“電波”だ。
現代科学で言う電波とは違う、僕らがそう呼んでいるもの。
僕が、あの夜、瑠璃子さんからもらった力。
周りは誰もいない。
音も、一切ない。
温かい暗闇の中で、呼吸するように繰り返される波音が、僕らを包んでいる以外には。
「ね……。感じるよね。こうしてると、ふだんより」
「感じる。瑠璃子さんの電波、感じるよ…強く。強く……」
ちりちり、ちり……。
「僕が瑠璃子さんそのものになったみたいに、強く……」
ちり…… ちり……
「こういう所なら、できると思うんだ」
ふっ…と瑠璃子さんが手を離した。
「? …瑠璃子さん?」
瑠璃子さんは、人差し指を一本、僕の唇に当てた。
「……少し、静かにして。目を、閉じて」
大人しく従うことにした。
「そう。アンテナ、一生懸命伸ばして」
波音が、耳に響く。
ち……
(え……?)
瑠璃子さんのものじゃない電波を、僕は、感じた。
ち……
ち…… ちり……
弱い。
けど、たしかに誰かが出してる電波。
(誰だ……?)
感じる。弱い。けど間違いなく、感じる。
誰かの電波を。
(………………)
一瞬目を開けて隣を見ると、瑠璃子さんもそっと目を閉じて、
その微弱な電波に意識を集中させているようだった。
ち… ち… ち… ち… ち……
(あ……………………!)
「もしかして……」
「そう」
それは、人間のものじゃない。
暗い海の中で、小さな海の生物たちが放散する電波……。
(こんなものが……)
たしか、瑠璃子さんに聞いた。
あらゆる生き物は電波を発しているんだって。
たぶん人間は、それを感じ取る方法を忘れてしまっているだけなんだって。
ち… ち… ち… ち……
ち… ち… ち… ち… ちり……
ち… ちり… ちり… ち… ち… ちり……
「わ……」
受信できるようになると、それがとんでもない膨大な数だってことがわかった。
黒い海の中に…、寄せ続ける、波の中に。
幾万……幾億もの電波たちが、満ち溢れていた。
ちりちりちり…… ちり……ちり……
きゅ……きゅ…… ぶうん、ぶん……
ち… ち… ちちち… ち… ち… ちちち… ち…
少し大きいのは、蟹や貝だろうか。
もっと大きいのは、たぶん、魚たち。
イソギンチャクやフジツボみたいにじっと動かない生き物も、
電波は発しているようだった。藻なんかの植物の類(たぐい)も、きっと、そうだ。
そして、無限とも思える膨大な量の、微生物たち…。
もう、目を開けても感じ取れた。
黒い海面、僕の視界の前すべてから、彼らの生命が発する電波が響いていた。
ちりちりちり…… ちりちりちり…… ちりちりちり……
る…る…る…る…
ぶぅん…… ぶぅん…… ぶぅん…… ぶぅん…… ぶぅん……
ちちち、ち…… ちちち、ち…… ちちち、ち…… ちちち、ち……
ちりちり…ちりちり…ちりちり…ちりちり…ちりちり…ちりちり…ちりちり…ちりちり
「すごい…」
それは、僕が感じ取れた数十kmの範囲すべてで華やかに繰り広げられる、
見えない乱舞、聞こえない音楽だった。
“海は、生命(いのち)で満ちたスープ”
──そんな言葉が、生まれて初めて、実感できる。
「長瀬ちゃんといっしょなら、きっとできると思ったんだ」
ちりちり……
数億もの電波の中には、瑠璃子さんのものも混じっている。
ふたたび、瑠璃子さんが僕の手を握っていた。
僕の指の一本一本に、しっかりと自分の指の一本一本を絡めて。
肩を並べて、同じ物を見て感じて、お互いに心向け合っている、
僕ら二体の生命(いのち)。
瑠璃子さんは、この数億を数えるだろう電波の中で、
たったひとつ、僕にそっと寄り添ってくれている電波。
地球が生命(いのち)で満ち溢れていることを全身で感じているいまだからこそ、
その存在の貴重さが、僕の胸の中にも急に、重く、重く、落ちて来た。
僕は、繋いでいた手を逆の手に持ちかえると、
空いた手を、瑠璃子さんの髪の毛に添えた。
そして、彼女の顔を、僕の方に向けた。
瑠璃子さんは僕の目を覗き込んで微笑んだ。
微笑んだまま、静かに、目を閉じてくれた。
「瑠璃子さん。……………ありがとう」
唇を付けるだけの優しい優しいキスを、僕らは、した。
とても長い時間、し続けた。
こういう気持ちの時、それを素直に表すことができる
こんな行為があって良かった。そう、思った。
温かい唇を離した時、瑠璃子さんの表情が、キスする前より
もっと幸せそうなものになっていたことが、僕の胸を温かく溶かした。
もっと、重なり合いたい。
「瑠璃子さん」
もっと、ひとつになりたい。
「瑠璃子さんと……したい」
「……したくなっちゃったんだ。長瀬ちゃん」
「うん。すごく……。いま。瑠璃子さんと」
あの事件の夜以来、僕らは一度もそういうことはしていない。
だから、それはすごく唐突なセリフだったかもしれないのに、
僕自身は、それになんの躊躇も後ろめたさも感じなかった。
こんな時、ふたつの生き物のために
自然がこういう行為を用意していてくれたことに、感謝の念すらおぼえた。
これを、いやらしいこととネガティブに捉えることもある
日常の僕たちの社会が、いまの僕には、もうよくわからない。
こんなに当たり前の思い、こんなに当たり前の行為なのに……。
でも、瑠璃子さんの方はどうなんだろう。
瑠璃子さんの電波からも、否定的なものは、なにも伝わって来なかった。
瑠璃子さんの電波は、その波長を強めている。ゆっくり、昂ぶっている。
「……私も、したい。長瀬ちゃんと。
……こんなにしたくなるなんて……。自分でびっくりしてるよ」
瑠璃子さんのホットパンツの股間が、いつの間にか、
染み出したもので湿ってるのに気付いて、僕は驚いた。
瑠璃子さんが、頭を僕の肩に、くたっと預けた。耳に当たる吐息が、熱い。
「…したい。長瀬ちゃんと……」
僕は、僕のシャツとショートパンツを脱いで岩の上に敷き、
その上に瑠璃子さんをそっと横たえた。
幸い、尖った出っ張りなんてない滑らかな岩だったけど、
できるだけ瑠璃子さんのきれいな肌を傷つけたくない。
瑠璃子さんのノースリーブを脱がす。
次に、ホットパンツの縁(ふち)に手を掛けて、ショーツごと、まとめて引き下ろす。
すると、あらわにされた瑠璃子さんの裸の股間と、ショーツとの間に、
粘液が数cmほど恥ずかしい糸を引いて伸び……、切れた。
瑠璃子さん自身は無表情だったけど、その間ずっと横を向きっぱなしでいたので、
本人もそれを自覚して恥ずかしがってるのがわかった。
すごく可愛くて、すごく興奮する。
僕も、すべての衣服を脱いだ。
たぶん、外で素っ裸になるなんてふたりとも初めての経験だけど、
そうするのが自然だと思ったから、意外なほど恥ずかしさは感じなかった。
今度は舌と舌を絡め、さっきより深いキスをする。
そして、手を、瑠璃子さんの胸やおへそ、翳(かげ)りに、したいように漂わせる。
僕と口と口で繋がったまま、瑠璃子さんの身体が、ぴくっぴくっと反応している。
僕のものも、すでにとても硬く張り詰めて、瑠璃子さんの太股を先端で突いている。
唇を離すと、瑠璃子さんは微笑みながら太股を揺すって、それを指摘した。
僕にも、ついいたずら心が出た。
身を起こすと、ぼくのものを瑠璃子さんの肌の上に滑らせる。
「あ…、」
…自分でしておきながら、予想していなかった快感に、思わず声が出てしまう。
シルクのように滑らかで、日焼けの余熱を温かく残す、
瑠璃子さんの肌の、素晴らしい感触。
こんなものに、こんなものを触れさせることができるなんて……。
僕の心にさらに欲望が湧いた。
続けて、僕自身を滑らせる。
僕の先端が瑠璃子さんの翳(かげ)りに触れ、
そのおかしな感触に、ふたりで目を見合わせ、ちょっと笑う。
太股よりさらに滑らかなお腹の皮膚の上で、先端がわずかにおへそをかすめる。
そして、お腹を経て、自然物とは思えないほど
ふわふわした柔らかな丘のふもとに、それは辿り着いた。
丘を昇らせる。
…柔らかい。
水より軽い物質しか入ってないんじゃないだろうか、と思うほど、柔らかい。
その触感を張り詰めたものの全体で感じながら。
僕は、熱くくすぐったい快感で背筋をぞくぞくさせつつ、僕自身をさらに滑らせる。
丘の先端のものを僕のが弾きながら通過すると、「…くっ」と可愛い声がした。
丘を滑り降り、鎖骨、肩を通り、瑠璃子さんの首まで、それは優しくさすってゆく。
僕の鼓動が、速くなる。
……やめた方がいい。
そう思ったのに、僕はそれを瑠璃子さんの顎に滑らせて……。
瑠璃子さんの顔にまで、触れさせた。
うちの学校でもトップクラスの美人、と評判だった
瑠璃子さんのきれいな顔に、僕のそんなものを触れさせる。
激しい罪悪感。同時に、すごく興奮もおぼえる。その興奮にまた、罪悪感が生まれる。
でも瑠璃子さんは、まるで動じていなかった。
「長瀬ちゃんのって、ふといね」
「そ、そう?」
頬に触れているものを、面白そうにみつめている。
「感じるよ、ここからも、電波。長瀬ちゃんの、気持ち。
長瀬ちゃんの興奮。長瀬ちゃんの欲望。長瀬ちゃんの、優しさ…」
ちゅっ。
「あ…っ!」
張り詰めた僕のものの、急所のような場所に、その感触は起こった。
すごく、気持ち、いい。
気持ち、いい、けど……。
「伝わってくる。長瀬ちゃんがして欲しいことも」
左手を添えて、快さげにそれに頬擦りする瑠璃子さん。
そして、熱く濡れたものが僕のそれを根元から先までなぞる、
信じられない感触が起きた。
「あぁ……っ」
女の子みたいな恥ずかしい声が、勝手に出てしまう。
その感触は、根元から先端、根元から先端と、何度も何度も、優しく僕を往復する。
「う、うそ……。だ、駄目だよ…、る、瑠璃子、さん」
心の片隅に、そんな欲望はあった。
けど、まさか本当に瑠璃子さんにこんなことさせるつもりじゃ、なかった。
「嫌なら、しないよ。私が長瀬ちゃんにしたいから、するんだよ…」
その言葉は、本当だった。
瑠璃子さんから流れてくる電波は、ひたすらに、無限の好意と、優しさだけ。
一番過敏な場所、一番恥ずかしい場所に、瑠璃子さんの、優しい愛撫。
「あ…、あ…、あ……、あ」
他に何もできなくなってしまうほど、むず痒くて、気持ち良かったけど、
でも、僕は瑠璃子さんに優しくしてもらうだけになるのは、嫌だった。
身体を倒す。瑠璃子さんの翳りが、僕の目の前にある。
僕はそのまま、瑠璃子さんの足の間に、首を入れた。
「わっ」
珍しく、驚いたような声が、瑠璃子さんの口からした。
身体を回して、今度は僕が、敷いた衣服を背の下にする。
瑠璃子さんの裸体を、僕の身体の上に乗せ上げる。
瑠璃子さんは最初ちょっと戸惑って足をもがかせていたけど、やがてそれを止め、
大人しく僕に自分の体重のすべてを預けてくれた。
僕との睦み合いによってとろとろに濡れた、瑠璃子さんの秘密のあわい。
お尻の肉に挟まれた、小さく可愛いおちょぼ口みたいな、排泄器官。
どっちも、ちょっと首をあげればそのまま顔にぴったり付くほどの、超至近距離だ。
「見えちゃってる……よね。ぜんぶ」
瑠璃子さんからの電波が、大きく脈打ちはじめている。
どんどん大きくなる瑠璃子さん自身の心臓の鼓動に、それは比例していた。
「瑠璃子さん……。僕も、してあげる」
舌が、柔らかくて塩味のする襞(ひだ)を絡め取った。
「あンン…ッ」
瑠璃子さんが、聞いたこともない可愛い声をあげた。
とてつもなく恥ずかしいだろうに、瑠璃子さんは、身じろぎもしないで
僕の視線も愛撫も、すべてを受け入れ、自分のすべてを預け渡してくれていた。
こんなに無防備に、この僕に。
この無防備さは、学校の屋上で見せていた、あの、いつこの世から
消えてしまうかもわからないような無防備さとは、もちろん、まるで違う。
「…?」
唾液に濡れ、夜風にあたって冷えていた僕のものが、
なにか温いものにすっぽりと包まれる。
「あぅっ……」
また思わず、声が出てしまっていた。
温かい濡れた輪が、僕のものに沿って上下する、愛しい感触…。
「る……瑠璃子さん……っ」
ぷは…と吐息がした。
「……こんなこと初めてするから。なにかヘンだったら、ごめん」
「ヘンだなんて…瑠璃子さん……気持ち、良すぎて……」
ふふっ、と笑い声がして、僕のものは、また潤いに満ちた洞(うろ)に包まれた。
思わず何もかも忘れてしまいそうな快感だったけど、
気力を集中して、僕の方も舌と唇の動きを再開させた。
すると、瑠璃子さんの動きも、一瞬止まる。
僕のものの辺りからまた、可愛い声があがりはじめる。
ふたりの身体には、まるで局部で繋がった輪のように
ぐるぐると電波が流れ出していた。
こんなに無防備な恥ずかしい姿を晒して愛し合えるのは──。
(瑠璃子さんだから)(長瀬ちゃんだから)
僕らのふたつの精神(こころ)が、電波で、ひとつに溶け合う。
「く……もう駄目だ……。瑠璃子さんっ、やめて……」
でも、僕には限界が来た。
このまま射精してしまえば、瑠璃子さんの口を汚してしまう。
けど、それを聞いても瑠璃子さんは口の動きを止めてくれなかった。
ちゅっちゅっちゅっちゅっ……。
「ああ……駄目。本当に、駄目なんだ。瑠璃子、さん…!」
唾液の音が、僕のそこから響き続ける。
「あ……………………………」
やって、しまった。
僕は、不甲斐なくも瑠璃子さんの口の中で、
僕の汚い白濁液を爆発させてしまった──。
「…………ごめん……。ごめんなさい……」
快感が爆発した後の、虚脱感と、罪悪感……。
でも、瑠璃子さんは、愛撫をやめなかった。
舌で僕のものが舐められ続けるうち、瑠璃子さんの口内に満ちていた
僕の吐き出した液体がどんどん減って、やがてなくなったのが、感触でわかった。
瑠璃子さんがすべてを喉の奥に飲み下してくれた──そうとしか、考えられない。
ちゅぷっ、と湿った音がして、僕のそれがひさびさに外気に触れた。
「長瀬ちゃんの生命(いのち)の元………、いっぱいもらっちゃったよ」
「瑠璃子、さん……」
僕は、小動物のペニスみたいに可愛らしく突き出ている
瑠璃子さんの小さなピンク色の突起を、強く下から舐め上げた。
「ぁはぅっ!」
何度も、何度も。
瑠璃子さんのお尻は、あまりの刺激を逃がれようとしたのか
最初大きく動いたけれど、僕は、それをしっかり両手で抑えた。
耐えるように、瑠璃子さんは動きを止める。
我慢できない分は、可愛い声になって夜の大気中に流れ出る。
目の前で、お尻の肉が震えながらきゅっきゅっと締まっては開き、
可愛いおちょぼ口も、見え隠れを繰り返す。
(瑠璃子さん……、可愛い………)
舌の動きをさらに強く激しくすると、声は、か細く長い悲鳴のようになった。
突然、僕のものがまたぬくもりに包まれ、ぎゅっと強く咥えられた。
それもまたあるいは、瑠璃子さん自身が
刺激に耐えるためにした動作だったんだろうか。
「…………─────っっ!!!!」
瑠璃子さんの喉の奥で、今日一番高い声が、した。
口内の僕のものにも、その声が振動として伝わる。
驚くほど大きく瑠璃子さんの身体ががくがくと震え、そして、静かに、崩れ落ちた。
僕の唇のあたりに、
瑠璃子さんの秘密のあわいから溢れた液体が、ねっとりと、垂れ落ちて来た…。
僕らは、余韻に浸りながら抱き合い、くちづけを繰り返した。
くちづけというよりそれはむしろ、舐め合いに近かったかもしれない。
体液で汚れたお互いの口を、舐めてきれいにし合うのだ。
自然の行為で流れ出た、ふたりの生命(いのち)の液体……。
そう思うと不思議と、瑠璃子さんの口に付いたものを、僕は汚く感じなかった。
両手で、お互いの身体を優しく触り合いながら、キスは続いた。
「長瀬ちゃんの触りかた、…優しい」
瑠璃子さんが、ちゅっと僕の頬にくちづけた。
でも、そう言う瑠璃子さんが
僕の背中や肩、あそこを触る手つきの方が、ずっと、何倍も、優しかった。
「もう、大丈夫…かな?」
硬さを取り戻した僕のものを握る瑠璃子さんに、僕は答えた。
「……うん。大丈夫」
起き上がると、仰向けで寝る瑠璃子さんの足の間に腰を入れて、言う。
「じゃ、するよ?」
瑠璃子さんはそれに答えない。じっと嬉しそうに僕をみつめるだけだった。
僕の、一番熱くて過敏な場所が、
瑠璃子さんの、一番熱くて過敏な場所に、そっと触れる。
「ぅんん……」
瑠璃子さんの鼻に掛かったような声とともに、僕のものは、
深く深く瑠璃子さんの肉体の中に沈んでいった。
ぐじゅぐじゅに熱く溶けた、瑠璃子さんの、秘密の穴の中に。
僕の付け根が、瑠璃子さんの股間の皮膚に、ぴったりとくっついた。
ただ表面で触れ合うだけじゃなくて。
いま僕は瑠璃子さんと、表面から十cm以上も深く繋がって、ひとつになっている。
瑠璃子さんの髪と肩とに手を回し、しっかりと抱きしめながら、くちづける。
瑠璃子さんも、僕の背中を力を込めて抱きしめ、ぎゅっと僕に密着しようとしている。
どろどろの穴の中の僕のものを動かし始めると、
それに合わせた規則的なリズムで、瑠璃子さんから声があがり出す。
腰を送り込み続けながら、一度唇を離す。舌と舌との間に伸びる、唾液の線。
ふたりでそれをみつながら、ふたたび唇を合わせ、互いの舌を舐め合う。
ひとつになりたい──。
瑠璃子さんの両の手のひらに自分の手のひらを合わせ、瑠璃子さんの腕を広げさせる。
手のひらに加え、腕と腕の肌も、密着する。
さらに、乳房と、胸。お腹と、お腹。
足まで、瑠璃子さんが下からしっかりと絡めて。
触れられるすべての肌を、ふたりはぴったりと密着させた。
そして深く深く繋がった性器が、激しい摩擦運動を続けている。
瑠璃子さんと、ひとつになりたい──。
動き続ける性器から広がる、熱病のようなすごい性的快楽と同期するように、
ふたりの身体の隅々に電波も浸透してゆく。
正しいやり方で繋がっているんだから大丈夫だと思うけど、
それでも、ひょっとして瑠璃子さんの性器を傷つけてしまうんじゃないかと
心配になるぐらいの激しい突き込みを、僕は、繰り返している。
でも、やめる気にはなれなかった。
もっと深く──もっとひとつに──。
あの事件の夜以来初めて、
瑠璃子さんに僕のすべてをぶつけられる時が、いまようやく来たんだと思うから。
(絶対に、離れたくない……!)
“大丈夫だよ”
(瑠璃子さん、僕の側から去らないで…。消えて、しまわないで……)
“私は、ここにいるよ。長瀬ちゃん…”
強引に組み伏せ、犯すようでさえある僕の行為を、
抵抗ひとつせず、瑠璃子さんはその華奢な身体ですべて受け入れてくれている。
我慢や、無理も、一切伝わって来ない。
伝わって来るのはただ、大丈夫、大丈夫だよ……、という意識だけ。
瑠璃子さんの乳房とお腹、僕の胸板とお腹が激しく擦れ合って、
交じり合うふたりの汗が音を立てていた。
波の音が徐々に脳裏から消え、股間の快感と、同じリズムで喘ぐふたりの嬌声、
密着する皮膚感覚だけが意識を支配し…、やがて、電波がすべてを覆い尽くしてゆく。
混濁する電波は、ふたり分の性的快楽を、それぞれに伝える。
マグマのようなその高まりは、自分という意識さえ飛ばす。そう、そうすれば、……
(ひとつに、なれる──?)
時を忘れるほど長く、僕らは性器と性器を繋げて激しく睦み合い、絡み合った。
そして、その最後に。
焼け付くような快感が、ふたりの体内で同時に起こった。
僕らは、同時に、絶頂に届いた。
「ふ……あぁ、あぁ、あぁあぁぁ〜〜〜っっ!!!」
聞いたこともない泣くような声が、瑠璃子さんの口からしていた。
僕も、声をあげていた。
「あっ、くはっ! う、うぅっ……」
同時に絶頂を迎えた……、でも……。
──やはり、ふたりが、完全にひとつになることはできない。
それが、わかった。
瑠璃子さんを突き込み続け、胎内で熱く白濁液を弾けさせた、僕の器官。
そのすべてを無抵抗で受け入れてくれた、瑠璃子さんの器官。
ふたつの、違った器官。
それは、ふたつの、違った精神(こころ)のありようと、同じ。
心が溶け合ってしまうほどの最高のセックスだったから、
却って、僕らは強くそれを実感してしまうことになった。
その認識は、でも、意外だけど……、少しも、不快なものじゃなかった。
数十億の生命(いのち)の中からたったふたつ、
僕と瑠璃子さんの生命(いのち)が出会い、
そのふたつがともに、相手といっしょに居たいと強く願う。
運良くふたつの思いがひとつに重なって、
こうしていま、僕たちは、繋がり合っている。
別の個体同士だから、強く強く互いに思い続けなければ、
たぶん、この繋がりはいつ消えてしまってもおかしくないのだろう。
瑠璃子さんと僕が、いまこの一瞬、この地上で肩を寄せ合っていること。
それは、この上なく奇跡的で、貴重なこと……。
「……嬉しいね……」
ほろっ、と、瑠璃子さんの頬を涙が伝って落ちた。
僕は、驚く。
そんな瑠璃子さんの姿を目にしたのも、初めてだった。
瑠璃子さんもたぶんいま、僕と同じようなことを思い、同じように感じていたのだ。
そう思うと、僕も少し、目が潤んだ。
僕は息をひとつ吐くと、起き上がって瑠璃子さんに手を差し伸べた。
「瑠璃子さん。来て」
瑠璃子さんをゆっくり引き起こすと、僕は彼女の手を引いて歩いた。
夜の、海の中へ。
昼の余熱を残しつつ、睦み合いでさらに火照った体に、
海水の冷たさはちょうど良かった。
ふたりとも裸のまま、真っ暗な波を掻き分けて水の中を進む。
あいかわらず活発な、数十億の海の生物たちの電波。
いま僕らの電波は彼らの中に飲み込まれ、完全にそのひとつになった。
どの電波たちももちろん、生まれたままの格好で侵入して来た僕らを、
まるで咎めだてなんてしない。
単に、気にもしていないだけなんだろうけど。
でも彼ら──暗い海中で、小さくても活発な電波を発して舞い続ける夜の波紋たちは、
今日の僕らふたりを取り囲んで、きっと祝福してくれている。
……いまだけは、そんな思い込みをしていたい。
僕らは、黒い夜の波に洗われながら、もう一度固く固く抱き締め合った。
そして、キスをした。
* * * *
翌朝。
宿を出て、僕らは手を繋ぎながら駅へと歩いていた。
一泊二日の小さな冒険にも、そろそろ幕が降りる。
ろくな日焼け対策もしなかった僕らは、すっかり真っ赤に焼けてしまっていて、
肌が擦れる度に痛む。ちょっと、不格好な姿のカップルだったかもしれない。
瑠璃子さんは、なんだか少しだけ挙動がヘンだった。
時々、あらぬ方向を見たり、僕の視線を避けるようにしたり。
繋いでいる手からかすかに、電波で瑠璃子さんの気持ちが伝わって来る。
…油断していると昨日の晩の激しいセックスが脳裏に浮かんで来てしまい、
それが今更のように恥ずかしくて、ちょっと困っているみたいなのだ。
そんな、どこにでもいる女の子のようにもじもじと照れている
瑠璃子さんの姿は、なんだかとても、瑠璃子さんらしくない。
…そして、すごく可愛い。
今回は、らしくない姿を瑠璃子さんはたくさん見せてくれた。
それが、いままでほとんど想像すらもできなかったあることを、
初めて、リアルに思い描く力を、僕に与えてくれた。
「……瑠璃子さん。高校、大学……いつか、僕が社会に出て自活する身分に
なってから……だから、いつなんてはっきりとは、まだ全然言えないけど」
僕の思いも、少しは瑠璃子さんに電波で伝わっているだろうか。
「いつか……、僕と、結婚して欲しい。ずっと、いっしょにいたいから。
瑠璃子さんと、ずっといっしょに暮らして、ずっといっしょに生きていきたいから」
学校の屋上で見る瑠璃子さんは、とてもふわふわとした危なっかしい存在に思えて、
僕はこれまで、そんなことをまるで現実的には考えられなかった。
遠い、夢のようなものだったのだ。
でも、この一泊二日が、そんな言葉で瑠璃子さんへの思いを爆発させる勇気を、
僕にくれた。
「……もしそうしたら、長瀬、瑠璃子になっちゃうの?」
瑠璃子さんが言う。
「……そしたら、長瀬ちゃんのこと、長瀬ちゃんって呼べなくなっちゃうね」
くすっと笑う、瑠璃子さん。
そのまま、瑠璃子さんは、僕の手を握っていた手に、
バッグを持っていた手をもうひとつ、そっと重ねた。
「…………なんだか、泣けるね」
僕らは、慣れない海水浴で肌を赤剥けなんかにして、
ひりひりとした痛みを味わってる、不格好なカップルだった。
でも、その姿でも、手を握り合い、肩を寄せながら、ふたりで歩き続けている。
いっしょに……、前へと。
終
>>189-214 以上です。
リロードしてもこういうことってあるんすね。助かりました……。
(しかも26レスだったし)
お待たせしました。ではどうぞ!
◆eb/JmvJAさん、
>>188ではまことに失礼いたしました。
では、改めて投稿させていただきます。
『渚に三つのシルエット』です。
「あ、あかんて」
「いいじゃん、いいんちょ…じゃなくて智子ぉ」
「嫌やってば」
「へっへっへ、嫌よ嫌よも好きのうちゆ〜てな〜」
「もうっ、藤田君ときどきエロオヤジ化すんねんから……」
夏休み。オレと委員長はかねてからの約束通り、二人きりで旅行に来ていた。
海に来て、子供のようにはしゃぐ委員長。オレも目いっぱい楽しんだ。
ただ泳ぐのにも飽きてきたので、オレは委員長に海の中でエッチしないかと誘ってみたのである。
「だって、こんな人の多いところで……」
「大丈夫だって。体は水の中に隠れてるし」
「そんなん言うても、してるんなんてすぐばれてしまうで?」
「そこをばれないようにしてみるんだよ。何ごともチャレンジだぜ、智子」ぐっと迫ると、
「もう、藤田君、強引やしなあ……今回だけやで?」恥ずかしそうに目を伏せて答えてくれた。
やったっ! 決まりだ。
肩から上が出るくらいのちょうどいい深さのところに移動して、向き合った。
お互い、すごくドキドキしている。
委員長のたわわな胸を、ビキニのブラの上から愛撫した。
「あ…藤田くん、キスは?」
「だめだめ。いちゃいちゃしたら目立つぞ」すべては、文字通り水面下で行わなければならない。
「そ、そう…」残念そうな委員長。くーっ。かわいいぜ。
下のほうにも手を入れる。
「おお、もう濡れてるぜ、智子」
「あほっ、なんで水の中でわかるんや」
などというお馬鹿なやりとりのあと、オレは委員長のビキニと自分の海パンを下にずらした。
そして、オレはすっかり猛ったモノを、委員長の中へと進入させる。
「あっ……」
「ほらほら、声出しちゃダメだって」
「そんなこと言うたかって…」
「ほら、何事もない顔してないと、周りの人に変に思われるぞ」
「………………………………」
委員長は顔を真っ赤にして、必死に声を飲み込んでいる。その表情があまりにも可愛い。
さらに、人が大勢いる場所という異様な状況は、いやがおうにも興奮を高める。
俺はすぐに限界を迎えそうになった。
「いいんちょ…じゃなくて智子、オレもう…」
「わ、私も…」委員長も、いつにない刺激に高ぶっているようだ。
「藤田君……」
「智子……」
俺たちはきゅっと抱きしめ合って、同時に絶頂に達した。
いつまでも抱き合っているわけにもいかず、オレたちは体を離した。
一応、周りの人に気づかれてはいないようだ。
余計なことだが、水の中だと後の処理が楽だ。……本当に余計なことだが。
さて、いざ海パンを履き直そうと思ったとき、大変なことに気がついた。
ない。海パンがない。
足の下のほうにずらしただけで、完全に脱いだおぼえはないのだが。
どうやらコトに夢中になっている間にどこかに行ってしまったようだ。
周りを見渡したが見当たらない。
…………情けないことになってしまった。
仕方ない。委員長に相談するか。……オレってなんて間抜けなんだ。恥ずかしいなあ、もう。
「藤田君…」オレより先に委員長が声をかけてきた。「下、あれへん」
「え? なんで…」なんでわかったんだろう。
「流されてしもたみたい。どないしよ。私、うっかりしてて…」
「いや、うっかりしてたのはオレ……って、え?」もしかして。
「委員長も水着、無くしたのか!?」
「『も』ってことは、藤田くんも!?」
「………………………………………………………………」
「………………………………………………………………」
一瞬、時間が凍りついた。
二人がかりで探したが、水着の行方は知れない。
海の中、下半身丸出しの男女が一組。
大変なことになってしまった……
砂浜のパラソルを立てた所までたどり着ければタオルがある。
委員長に行ってもらうわけにはいかない。ここはやはり、オレが行くべきだ。
「もうちょっとその辺を探してみてくれ。オレはタオルを取ってくる」
「え? そやけど藤田君……」
「止めても無駄だぜ」意味もなくニヒルに決めると、オレは浜を目指した。
だが、今のオレは全裸である。この姿を公衆の面前にさらしては猥褻物陳列罪だ。
波打ち際からパラソルまで、ざっと30メートルはあるだろうか。
人が多く、まっすぐ走れるかどうかわからない。強行突破は危険だ。
せめてブツだけでも隠すべきだろう。そう判断したオレは磯のほうへと移動した。
磯には生物がたくさんいる。何か適当なものが見つかるかもしれない。
カニ。ヤドカリ。
……動くものはダメだ。
アワビ。サザエ。
……こんなの局部につけてたら変態みたいだな。
イソギンチャク。
……こんなのが股間でうねってたら変態そのものだ。
海ヘビ。ウツボ。
……噛みちぎられるっての。
やはりここはワカメあたりが無難だろう。
ワカメをこう、腰の周りに、なるべく海パンらしく……ぺたぺた。
できた。ワカメの水着。……なんかべろべろ垂れ下がって、引き上げられた沈没船みたいだな。
すげえ怪しい……まあ仕方がない。これで行こう。
しかし、磯まできたおかげでパラソルまで随分遠くなってしまったなあ。
少なくとも300メートルはある。
しかたない。委員長が待ってるだろうし、早く行かなくては。
といっても、このカッコでは走れない。歩いていくしかないだろう。
だが、思った以上に陽射しは強力だ。
水ではりつけたワカメが、すぐに乾いてはがれてきた。
とりあえず、前と後ろは手で押さえたが、両脇のはやがてとれてしまった。
周囲の人は奇異の目で見ているようだが、オレとは目を合わさないようにしている。
無理もない。裸で、前と後ろを押さえた手からワカメがはみ出てるヤツなど普通じゃない。
監視員がピーーーーッ笛を鳴らして、
「ちょっとアンタ、なんてカッコしてんだ!?」と俺に文句を言う。
「うるせーっ! 好きでやってるんじゃねえっ!!」頭に来て俺は怒鳴った。
おかげで、さらに注目を浴びてしまった。
いまや誰もが道を開け、女の人と目が合うと「ひっ」と悲鳴をあげられる。
オレは今まで、こんな恥ずかしい思いをしたことがない。
なんかもう、ヤケクソになってきた……
ようやくパラソルにたどりついた。オレは荷物からタオルを取り出した。
やれやれ。と思った瞬間。
突風が吹いた。
タオルはオレの手を離れ、宙に舞った。
しばし呆然としてしまったが、こうしている場合じゃない。追いかけねば。
「まてえええええっっっ」
全速力で駆け出した。タオルはずいぶん高くまで吹き上げられてしまっている。
早く追いつかないと……
「きゃあああああああああっ」黄色い悲鳴が聞こえた。
周りを見ると、水着の女の子たちが逃げ惑っている。
「げげっ!?」気がつくとオレの下半身は完全に剥き出しだった。
タオルを追うのに気をとられていたが、ワカメももはやどこかに行ってしまったらしい。
つまりオレは、フルチンで女の子を追いかけていたわけだ。
これでは正真証明の変態であり、もはや完全に犯罪の域に達している。
オレは思わずその場にへたりこんだ。
もとはといえば自分のスケベ心のせいとはいえ、なんたる恥をかいてしまったことか……
「キミキミ、ちょっとこっちに来なさい」
振り向くと、だれかが通報したのだろう、警官がやって来ていた。
まずい。逮捕される補導される取り調べられる。
こんな形で捕まっては一生の汚点となってしまう。
志保がまた尾ひれをつけて噂するだろう。仲間うちで一生変質者扱いかもしれない。
あかりや雅史にも合わせる顔が無くなる。
それに今回の旅行は二人だけの秘密だ。委員長にも迷惑がかかりかねない。
捕まるわけにはいかない。なんとしても捕まるわけにはいかない。
オレは脱兎のごとく駆け出した。
「待ちなさい!」当然ながら警官は追ってくる。
もちろん、待てと言われて待つヤツはいない。
幸いというか、こちらはこの上なく身軽だ。なんとか逃げ切ろう。
走るたびに周りの女の子が悲鳴をあげて逃げる。もう浜辺はパニックだ。
おかげで警官もオレを追わざるを得なくなっているらしい。どこまでも、しつこく追ってくる。
やがて、後ろから「藤田くーん!」と呼ぶ声が聞こえた。委員長の声だ。
「藤田くーん! 水着、見つかったで〜!」い、今さらどうしろと。
「藤田くーん、待ってーっ!」追いかけて来ている。
「来るなーっ、委員長ーっ!」オレは叫んだ。委員長を巻き込みたくないのだ。
「そんなわけにはいかーん。待ってったらーーっ!」オレを心配してくれているのだろう。
しかし、立ち止まることはできない。警官に捕まるわけにはいかないのだ。
もう日は落ちかけている。
人がほとんどいなくなった浜辺を、オレたちはまだ走り続けていた。
「ちくしょおおお!」素っ裸のオレを先頭に。
「待ちなさーい!」追う警官。
「藤田くーん!」オレの海パンを手に、ついて来る委員長。
夕日が、渚に三つのシルエットを浮かびあがらせていた。
この逃走劇は、いつになったら終わるのやら。
すみません。最後のは(8/8)の間違いです…
お騒がせいたしました。
『渚に三つのシルエット』でした。
今から投稿します。
タイトル:「空の下の恋人」
登場人物:裕介くん、瑠璃子さん、沙織ちゃん(雫もの)
全15レス程度。
HシーンらしいHシーンはありません。シリアスのつもり。
瑠璃子さんを抱いている。
月明かりの中、僕は瑠璃子さんの体を両腕に抱いている。あまり大柄ではない僕の胸に
もすっぽりと包み込むことができてしまう小さな体。それはフランスの精巧な人形のよう
に、繊細で、整っていて、綺麗で。僕にとってはこの世でいちばん大切な宝物だ。
僕たちが初めて出会ったのは、たぶん高校の入学式があった日のはずだけれど、そのと
きはまだ瑠璃子さんを知らなかった。彼女と付き合うようになったのは二年生も秋に近づ
いてからのことで、その秋に起こった例の事件以来、僕の心の中で彼女が特別な位置を占
めるようになっていた。
だから、今日も瑠璃子さんを抱きしめている。
胸に感じる彼女の体重が快い。お互いの体を密着させ、肌を温めあう。
瑠璃子さんの肌は、人肌の熱さというよりは、冷めた蝋を思わせた。僕がフランス人形
をイメージするのは、そのせいかも知れない。自ら発熱することを知らず、人に抱きしめ
られることによってのみ温もりを得る、受動的な肌。瑠璃子さんはそんな肌の持ち主だっ
た。
だから僕が温めてやらなければ、凍えて死んでしまうかもしれない。そう思って瑠璃子
さんを抱くのだけれど、蝋のような彼女の肌は温まるのも早く、いったん温まった肌は優
しく母性的なものを感じさせた。その温もりの中に漂っているうちに、いつも一体どちら
がどちらを温めているのかわからなくなってしまうのだった。
今もそんな気がして、瑠璃子さんを抱く腕の力を緩める。そのわずかな動作に反応して、
瑠璃子さんがゆっくりと顔を上げた。
――どうしたの?
というように、僕の目を覗き込む。瑠璃子さんの瞳は、月の光を映しこんだ湖面のような
輝きを湛えている。
――どうもしないよ。
瑠璃子さんの唇に僕の唇を合わせる。安心させるにはキスが一番なんだ。やわらかな舌
が絡み合う。たちまち彼女は体の力を抜き、軽く目を閉じた。
あとを追うように僕も目を閉じる。そうしたほうが、瑠璃子さんの気配をより深く聞く
ことができた。腕から伝わる温もりが、唇から漏れる息づかいが、呼吸に合わせて上下す
る胸膜が、体の奥深くで規則正しく脈打つ鼓動が、目を開けているときよりもはっきりと
聞こえてくるのだった。
物足りなくなったら、彼女の心の中へそっと電波を忍ばせればいい。電波は五感で受け
取るのとはまた違う刺激を運んでくれるのだ。瑠璃子さんの心は実にさまざまな表情を見
せる。あるときにはチリチリチリという音を立てたかと思うと、どうかするとザーザー
ザーという音を立てることもあった。そのうちに瑠璃子さんの方からも電波が送り返され
てきて、今度はジジジという音を立てた。
音と言っても耳から聞こえてくるのではなくて、脳の中心に直接注ぎ込まれる感じなの
だけれど、それが何とも言えず気持ちいい。世界中で僕たちだけに許された快楽。肉体の
交わりよりも数段強いその快楽を貪るように、僕は飽きず瑠璃子さんの心の襞を味わいつ
づけた。
やがて僕はゆっくりと目を開ける。瑠璃子さんの姿が月明かりに照らされて浮かび上が
る。そして僕は、彼女の白い肌が光を反射してガラスのような輝きを見せるのを、まるで
この世の出来事ではないかのように見るのだった。
***
「裕くん、今日はもう帰るのかな?」
教科書をカバンに詰めていた僕に、いかにも元気いっぱい、という声で話し掛けてきた
のは沙織ちゃんだった。まっすぐ帰るつもりだ、と答えると、沙織ちゃんはいたずらそう
な目を細めてくくっ、と笑った。
「裕くんは部活やっていないもんね。ちょっとくらい運動もやったほうがいいのに」
それがいかにも沙織ちゃんらしい言い方だったので、僕は思わず苦笑する。彼女の物言
いには遠慮のそぶりもない。春に同じクラスになったばかりというのに、まるで魔法をか
けられたように、僕は彼女と急速に親しくなっていった。今ではずっと前からの知り合い
みたいだ。いつも元気で明るくて、僕にはもったいないくらいの友達だと思う。
「沙織ちゃんは、今日も部活かい?」
「ううん、試験前だから今日は休み。夏の大会が近いっていうのにノンキなもんだね、こ
の学校は」
そう言って、あきれた、というような表情をしてみせる。それは一瞬で、またすぐ笑顔
に戻った。僕の方を見てニコニコと笑っている。こっちまで引き込まれて笑ってしまいそ
うな、そんな笑顔だった。
「ところで裕くん。これから帰るんだったら、途中まで一緒に帰らない?」
「ええ? 急にどうして」
あまりに突然の話題に、僕の頭は一瞬白くなったようだった。
「私、今日は商店街で買い物して帰る予定だから」
なるほど、僕の家は商店街のすぐ近くだから方向は一緒なのだけど、でもやっぱり男女
二人で下校なんて……、と考える前に口が勝手に動いていた。
「それじゃ、途中まで」
「ありがとう、裕くん。ふふ、デートだね。あ、私カバン取って来るね」
沙織ちゃんは上機嫌で自分の席に戻っていく。まずい約束をしたぞ、と警告する声が心
のどこかで聞こえたけれど、いそいそと荷物をカバンに詰めこんでいる沙織ちゃんを見て
いると、そんな警告など瞬時に消え去ってしまう。こんなかわいい女の子にデートにさそ
われて誰が断れようか。僕の判断は男子として当然だ……。
そんなことを考えていると、沙織ちゃんの声が威勢良く教室に響きわたった。
「おまたせ。さあ、行こう」
数分後、僕たちは廊下にいた。沙織ちゃんは近寄るでもなく離れるでもなく、実に微妙
な距離を保ったまま僕の傍らを歩いている。ほとんどの生徒はもう帰ってしまったようで、
廊下には人の姿がなかった。試験前だからみんな一刻も早く帰って勉強しようというのだ
ろうか。とにかく、瑠璃子さん以外の女の子と連れ立って歩いているところを、顔見知り
に見つかる心配がないのは幸運だった。
僕たちは並んで無人の廊下を歩いた。一つ階段を下り、去年一年間を過ごした教室の横
を通り過ぎる。二年生が使うその教室にも、人の姿はまばらだった。
去年の今ごろ、あの辺りに座って不健全な妄想に耽っていた僕。それが一年後には女の
子と連れ立って歩いているなんてだれが予想できただろうか。しかも沙織ちゃんは学年の
中でも結構かわいいほうだと思う。さらに明るくて元気が良くて人付き合いもいい、と来
れば、あの人形のような美しさを持つ瑠璃子さんほどではなくても、沙織ちゃんに惹かれ
る心を抑えきれない。
歩きながら横目でちらちらと沙織ちゃんを見る。並んでみて彼女の背がかなり高いこと
に気づいた。バレー部なのだから考えてみればおかしくはないのだけれど、今までその事
実を知らなかったことに驚く。
髪は綺麗な長髪だ。部活動のときは束ねているそうだけれど、今は丁寧に手入れされた
髪が、歩くたびに右へ左へさらさらと流れている。普段ショートヘアの瑠璃子さんを見慣
れている僕にとっては、それも新鮮な光景だった。
胸は……結構大きい。E、いやFカップかな、と勝手な想像をめぐらす。もっともカッ
プ数の標準となる数値なんて全然知らないのだけれど、やっぱり大きいほうがいいかな、
と思うのは悲しい男の性だろうか。瑠璃子さんの胸はどちらかというと小ぶりで、別にそ
れはそれで嫌いなわけじゃないけれど、沙織ちゃんぐらいあるのも羨ましい……。
そんなふうに沙織ちゃんの胸を観察していると、とつぜん彼女が、あっ、と声を上げた
ので、僕は心臓が止まるかと思うほど驚いた。幸いなことに沙織ちゃんの関心は僕の視線
ではなかったようだ。
廊下の壁に用意された掲示板に学校新聞の最新号が貼られていて、沙織ちゃんはその見
出しに目を止めていた。トップ記事はどうやら先月の校内球技大会のようだ。なるほど、
沙織ちゃんもバレーの選手としてかなり活躍したから自分のことが記事になっていないか
と気にしているのだろう。彼女が記事に目を通し終えたころを見計らって、僕はそのこと
を尋ねてみた。
「ダメダメ。優勝チームのことばかりで」
沙織ちゃんはやれやれ、というふうに首を振りながら答える。考えてみれば、沙織ちゃ
んの活躍にもかかわらず、僕たちのチームはベスト8止まりだった。バレー以外にも色々
な球技があったのだし、載っていないのも仕方のないことかと思う。
「まったく、目の付け所が悪いよねぇ」
沙織ちゃんは記事に載らなかったことが悔しいらしく、まだ新聞を読んでいる。隅から
隅までしらみつぶしに読んでいるようだったので、いいかげんなだめて先へ行こうと思っ
たとき、彼女が僕の方を振り返った。獲物を見つけた猫のように、瞳がらんらんと輝いて
いる。
「裕くん、これ見て」
紙面の一番端っこに読者投稿欄があって、沙織ちゃんはそこを指差していた。
「今月のお題。『夏だ。外でエッチだ!』って。全く男子ってどうしてこうスケベなんだ
ろうねぇ」
沙織ちゃんの声には侮蔑の響きが混じっていた。いや、男子たるもの夏になると一度は
そういう妄想をするものだ、と反論したかったがさすがに止めておく事にする。少なくと
もこの企画を通した奴の気持ちは良く分かるが、高校の校内新聞にまともな投稿が集まる
ものかどうか、心配だった。そんな心配を僕がする必要は全くないのだけれど。
僕がそんなことを考えて返事をしないでいると、
「ねぇ?」
と沙織ちゃんが重ねて聞いてくる。その声は表面上馬鹿にしているようでいて、どこか
内に浮わついたものを含んでいるのを聞き逃しはしなかった。沙織ちゃんの瞳は一層らん
らんと輝いている。なんとなく予想していた展開だが、と思いつつ仕掛けられた餌に食い
ついてしまう僕。
「沙織ちゃん、興味あるんだ」
「ちょっとだけね。まだ全然経験ないんだけどね」
さすがにその言葉は……嘘だ。彼女に男性経験があることを僕は知っている。去年のあ
の事件で、彼女は生徒会室に連れ込まれ、犯された。彼女を汚した精液の一部は、僕のも
のだったはずだ。僕はあのとき電波に操られて、生徒会長の命じるままに沙織ちゃんを汚
した。けれど、その記憶は全て僕が消したはずだ。もしかしたら性に対する関心だけが残
ったのだろうか、と考える。
沙織ちゃんはそんな僕の気持ちを知るはずもなく、熱に浮かされたように頬を少し赤く
染めて話しつづけていた。
「ねぇ、裕くんはしたことあるのかなあ。その……エッチ」
なにもそこまで直球を投げ込まなくてもいいだろう、と思ったが、沙織ちゃんは大真面
目な表情だ。完全にスイッチが入ってしまったらしい。やれやれ、とため息をつく。
仕方がないから、僕の体験は……と思い出してみた。沙織ちゃんを汚したときのことを
除けば、瑠璃子さんと。瑠璃子さんが僕の初めての相手だった。回数はその一回だけ。後
にも先にも一回だけだった。それでも経験があるうちには入るだろう。
返事がないのを肯定と受け取ったのか、我が意を得たりとばかりに沙織ちゃんの言葉に
力がこもる。
「気持ち……いいものなの?」
気持ちいい? 僕は瑠璃子さんとの初体験のときにそんな感覚を覚えたろうか。あの時
はただ欲望と恐怖のままに瑠璃子さんの体を求めて……そして電波を通して彼女の悲しみ
を感じたはず。
そうだ、感じたのは悲しみだ。深い孤独と絶望にとらわれた瑠璃子さんの悲しみが、あ
の時電波を伝って僕の心に直接響いてきた。快感を知るようになったのはそれからずっと
後のことだと思う。
だけどそれは互いに電波を交換し合うことによって得られる快感であって、いわゆる肉
体を使ったセックスによるものではない。考えてみれば肉体を使った快感を僕はまだ知ら
ないわけだ。初体験の一回がその後繰り返されることはなかったのだから。あの日以来、
瑠璃子さんは心を閉ざしてしまったのだから。
「ねぇ、裕君。答えてよ」
沙織ちゃんがまだしつこく食い下がってくる。
「わからないよ」
僕は思ったとおりを答えるしかなかった。
話しているうちに、僕たちは校舎を出て運動場に差しかかっていた。暑い。校舎の中で
はそれほど分からなかったけれど、外は真夏の太陽がぎらぎらと照りつけている。人気の
ない運動場の砂が、太陽光線を受けて真っ白に焼けている。時折吹きつける風は多量の湿
気を含んでじっとりと肌にまとわりついた。
「暑いね」
沙織ちゃんが言葉の割には大して暑そうにもなく言う。
「沙織ちゃん、暑さに強いんだね」
「若いから」
沙織ちゃんは元気いっぱい、というジェスチャーをしてみせた。
「私、夏が大好きだよ。気分がはつらつとして、いつもはできないこともこの季節ならで
きそう」
そう言いながら、ぴょん、とジャンピングサーブの素振りをする沙織ちゃんを見ている
と、彼女が言うとおりに夏がすばらしい季節のように思えてくる。僕がいつも瑠璃子さん
と過ごしている月光の世界とはまた違った、ここは太陽の世界。沙織ちゃんはいかにもこ
の世界にふさわしいように見えた。
「で、さっきの話だけれど」
沙織ちゃんが僕の腕を取って寄り添ってくる。
「もしよければ、私の初めての相手は裕くんがいいんだけど」
僕の腕がぐっと引っ張られ沙織ちゃんの胸の谷間に押し付けられた。沙織ちゃんは熱を
帯びた肉弾で僕の腕を挟みこむ。太陽がぎらぎらと熱くて、頭がくらくらする。沙織ちゃ
んが誘っている? 沙織ちゃんと、外で、エッチ……。いや、だめだ。僕には瑠璃子さん
が……。
そんな理性の問いかけも夏の暑さの前には力を持たない。ただ本能だけが全てだった。
夏は人の心を開放的にして、頭を痺れさせて、感覚を鋭敏にして。
今まで感じたことのない興奮に、僕の頭は正常な働きを失っている。沙織ちゃんの手か
ら胸から送りこまれてくるような刺激が、脳の奥底を焼く。僕は、尽きることなく湧き上
がってくる衝動を、本能的に押さえつけようともがいた。自由にならない意識の中で、何
度も愛しい人の名前を呼んだ。
その抗いの中で、はっきりと分かったことがあった。
僕の相手は瑠璃子さんでなければならないということ。
彼女とあの日得られなかった快感を得たいということ。
場所はこの夏空の下がいいということ。
戦いは、僕の勝ちだったと思う。
***
僕は、病院へと続く道を歩いていた。
あのあと、沙織ちゃんにはずいぶん無理を言って一人で帰ってもらった。一緒に帰る約
束だったけれど、あんな展開になっては仕方がない。彼女には明日謝っておけばいいだろ
う。
それよりも今、会いたいのは瑠璃子さんだ。目的は彼女をこの空の下に引き戻すこと。
暗い月の光の下ではなく、明るい太陽の下で彼女と抱き合える状態にすること。それが僕
の望みの全てだった。僕はいつになく張り詰めた気持ちで、病院への道を歩いた。
バスを降りて15分。目指す病院に着く頃には、太陽はずいぶん西に傾いていた。所定
の手続きを済ませて、通いなれた病室のドアを開ける。部屋にはベットが二つ。一つが瑠
璃子さんで、もう一つが月島さんだ。
月島さん。この人に対する感情を僕はまだ整理することができない。数多くの罪なき女
生徒を巻き込んだあの事件を引き起こした首謀者で、彼自身もまた運命に翻弄された被害
者で、そして瑠璃子さんの兄。
僕が月島さんの心を破壊したあと、瑠璃子さんは兄を追うように自ら心を閉ざした。二
人の間には深い絆があったんだ。僕なんかには測り知れないほどに。この病室で二人仲良
く眠りつづける姿を見て、僕はたとえようのない疎外感を感じた。
だから、瑠璃子さんが心を閉ざした日からしばらくはこの病室を訪ねることがなかった。
だけどその間も、瑠璃子さんのことを片時も忘れたことがなかったと思う。新学期が来て、
沙織ちゃんという新しい友達ができても、僕は瑠璃子さんがいない寂しさから逃れること
はできなかった。
寂しさに耐えかねた僕は、ほぼ半年ぶりで瑠璃子さんの病室を訪ねた。彼女は相変わら
ず眠りつづけたままだった。看護婦に聞いてみても、手の施しようがない、と言うだけだ
った。こういう場合は何かの拍子に目覚めるのを待つしかない、当分命の危険はないから
気長に待て、ということだった。
僕はベッドの横に腰掛けて瑠璃子さんの名前を呼んでみたけれど、案の定返事はなかっ
た。しかたがないから電波を使って彼女の心の中に入っていくことにした。僕の電波はそ
のくらいのことは簡単にできる。
瑠璃子さんの心の中は、一面の暗闇に包まれていた。もっとも、暗いながらもうす青い
光が一筋差し込んでいて、僕はそれを月明かりのようだ、と思った。瑠璃子さんはその光
の中に佇んでいた。僕が近よるとこちらをちらりと見やって少しだけ嬉しそうな顔をした。
瑠璃子さんはもともと表情の少ない人だから、それで十分だった。
瑠璃子さんの傍らには月島さんがいたけれど、眠っているのか僕が近づいても反応を示
さなかった。
そのうす青い光の中で、僕は衝動のままに瑠璃子さんを抱いた。何ヶ月も離れていた空
白を埋めるかのように。電波によるセックス。その快感に僕は酔いしれた。瑠璃子さんも
最初は戸惑っていたけれど、すぐに快感を感じあうようになった。
その日以来、僕は何度も瑠璃子さんの心の中へ入り、彼女を抱いた。月島さんが目を覚
ましていることはなかった。気が付いたことといえば、月島さんの姿が次第に力を失いつ
つあることだけだった。僕の存在が、瑠璃子さんの心内世界になにかしらの変化をもたら
しているのかもしれない、と思ったけれど、本当のところはわからない。
そのような日々も今日で終わる。今日、首尾よく僕が彼女を心の外へ連れ出せば、また
以前のように広い空の下で二人抱き合えるはずだ。
僕はいつもと少しだけ違う気持ちで瑠璃子さんの心の中へ入った。中はいつものように
暗かったが、何度も辿り慣れた道は苦もなく僕を瑠璃子さんの元へ導いた。彼女は月明か
りの下に佇んで僕を迎えた。口元が笑っていた。
――長瀬ちゃん、浮気したね。
笑いながら彼女はそう言った。沙織ちゃんの件か。僕がなんと弁解したものか、と考え
ていると、思いがけず、
――ありがとう。
と瑠璃子さんが言ったのでおどろいた。
――聞こえていたよ、長瀬ちゃんの気持ち。ずっと私のことを思ってくれていたね。
――だって僕は瑠璃子さんが好きだから。
そのまま僕たちは抱擁を交わした。降りそそぐ月明かりの下で。この月明かりは瑠璃子
さんの心の光だ。僕たちが抱き合っているときには一層強く降りそそぐ。でも、それも今
日は物足りなく感じた。あの太陽の熱さを知った後では。
かねての計画どおり、僕は瑠璃子さんの手を取り、外へ出よう、と誘う。彼女は一瞬ハ
ッとしたように息を詰めたが、これまた予想通り、ふるふると首を左右にふって拒絶の意
思を表した。一筋縄で行かないことはわかっていたんだ。彼女がこの場所を離れなれない
わけ、それは、月島さんの存在だ。
――長瀬ちゃん、ごめんね。私はお兄ちゃんを置いていけない。
瑠璃子さんはそう言って、月島さんの方に視線を向ける。月島さんは僕たちから少しは
なれた場所で眠っているようだった。僕が初めてここを訪れたときとは違い、もうその存
在自体がおぼろげでかすかなものになっている。
瑠璃子さんは、月島さんに歩み寄り、慈しむように手をさすった。彼女にも月島さんの
存在が消えかかっていることが分かっているのか、その仕草は病人の最期を看取る医師の
ようでもあった。
――もし長瀬ちゃんがよければ、これまでのようにこの場所で……。
瑠璃子さんが改めて拒絶の言葉を口にした、その時。
――お前はもっと自分の気持ちに正直に生きるべきだ、瑠璃子。
それまで眠っているようだった月島さんが突然口を開いた。瑠璃子さんはよほど驚いた
のか、はじかれたように跳びのいて僕の腕にしがみつく。
――お前が俺のことを大切に思っているのは分かる。しかし、長瀬への気持ちはそれ以上
に強いのではないか? 俺の存在が消えかかっているのが何よりの証拠だろう。
月島さんは確固とした口調で言葉を続ける。
おかしい……。直感的に僕は感じていた。本物の月島さんの心は僕が壊したから、言
葉を語ることはできないはず。とすると、瑠璃子さんの心の中にいる月島さんの口を借り
て語られるこの言葉は、瑠璃子さんの気持ちか、僕の気持ちか、あるいはその両者か。
――私、長瀬ちゃんが好き。でも、お兄ちゃんとも一緒にいたい。
瑠璃子さんが兄の言葉に答えていう。それは彼女の偽らざる心境だろう。
――それは不可能だ。俺はまもなく消えるのだから。
――嫌! そんなの嫌!
瑠璃子さんの声が響く。悲鳴に近かった。彼女の両目から涙がほとばしるように零れ落
ちた。それはとうとうと伝って彼女の衣服を濡らす。
――瑠璃子……お前だって気づいているんだろう。お前の心はもう俺の存在を支えきれな
いということに。長瀬がここへ来るたびに、俺の存在は薄れていった。それというのも、
瑠璃子、お前が長瀬を深く愛しているからだ。だが俺はそのことを恨んでいるんじゃない。
むしろお前の幸せを喜んでいるくらいなのだ。
その言葉に、瑠璃子さんの体がびくり、と震えた。
――俺の心はずっと前から死んでいた。俺が狂気に取り付かれたとき、お前に対してよこ
しまな気持ちを抱いてしまったそのときから、俺は死んだも同然だったんだ。あの事件は
その一結末に過ぎない。月島拓也としての俺は、とうの昔にこの世から消え去っていたの
さ。俺は、いつか欲望のままに人をもてあそぶ醜い獣に成り下がっていた。その獣が何を
してきたかは長瀬、お前も知っているだろう。お前は醜い獣である俺の心を壊した。当然
のことだ。
瑠璃子さんはもう何も言わず、兄の言葉を一言半句でも聞き逃すまいというように月島
さんの顔を見つめている。僕も瑠璃子さんの肩に手を置きながら、その様子を見守った。
――そんな俺を瑠璃子は心の中に迎え入れてくれた。狂気に取り付かれる前の純真な姿と
して。俺がどんなに嬉しかったか、言葉で語るまでもないだろう。瑠璃子もさぞかし喜ん
でいたと思う。だが、俺の存在は瑠璃子の心に過大な負担をかけるものだった。俺の本体
はすでに無く、瑠璃子は自分の心の力だけで俺の存在を支えなければならなかった。最初
のうちはそれでも良かった。だが時間が経つにつれて瑠璃子の心は疲弊していった。長瀬
が出入りするようになってからはなおさらだった。瑠璃子の心の力が長瀬に向けられるよ
うになっていったからだ。
月島さんはいったん言葉をとぎる。話している間にも彼の存在はしだいに光を失ってい
った。話すという行為が、彼の存在から力を奪っているようだ。月島さんは早く消えたが
っているのかもしれない、と思った。
――俺は消え去るべきときが来たようだ。……本来それが当然なのだ。瑠璃子……お前に
はずいぶん苦しい思いをさせてすまなかった。でも、俺のことはもういい。いや、俺がい
るとかえって足枷になることもあるだろう。お前はお前の幸せを生きてほしい。長瀬、お
前に瑠璃子を幸せにする覚悟があるか?
その問いに僕は誠心誠意を込めて答えた。体のどこから出たのか、自分でも驚くくらい
の力強い声だった。月島さんはその返事を聞くと安心したように微笑んだ。瑠璃子さんも
少し笑ってくれたように思う。
――もうお別れの時間だ。長瀬……瑠璃子を頼む。
その言葉に僕はもう一度力強く頷く。瑠璃子さんはもう流す涙も涸れてしまったのか、
ぼう然と立ち尽くしている。
――だから、瑠璃子……。今までありがとう……。
それだけを言い残して、月島さんは力尽きたように崩れ落ちた。瑠璃子さんは2,3歩
駆け寄ったが、あきらめたようにそこで立ち止まった。彼の体はもう輪郭のほとんどを失
い、わずかな寂光を湛えるのみになっていた。
僕たちが見守る中で、月島さんの体は最後の明滅を繰り返した。いくどかちらちらと揺
れ動いた後にやがて音もなくふっと消えた。後には、何もない暗闇だけが残った。
瑠璃子さんはしばらくその何もない空間を見つめていたが、やがて勢いよくこちらを振
り向いて僕の顔を見上げた。その瞳には確かな光が宿っている。
ためらいがちに差し出した僕の手を、彼女はしっかりとつかんだ。
――ありがとう、お兄ちゃん。
小さくつぶやいた声が、果てしない闇に吸い込まれて消えた。
それから僕たちは歩いた。外の世界へと続く道を。一歩ごとに暗闇が薄れ、光が降りそ
そいでくるのが分かった。その光の中に僕たちの姿が溶けていく。繋いだ手だけが固く固
く握り締められていた。
しばらく後、一足先に瑠璃子さんの心の中から抜け出した僕は、ベットの横の椅子に腰
掛けていた。瑠璃子さんは静かな寝息を立てている。僕は彼女の手に自分の手を重ねて、
その瞬間をじっと待った。
一体どのくらい待っただろう。瑠璃子さんの指がぴくり、と動いて、僕はその瞬間を知
った。閉じられていた彼女のまぶたがゆっくりと開く。視線がしばらく天井をさまよった
後、僕の顔を捉えた。
「長瀬ちゃん……」
彼女の唇から懐かしい声がこぼれる。僕は彼女の手を握る指に力をこめて言った。
「おかえり、瑠璃子さん」
にわかに病室が騒がしくなった。慌しく走り回る看護婦に追い出されるようにして、僕
は廊下から中庭に出た。太陽はもう西の山陰に姿を隠していたけれど、長い夏の一日はま
だ明るい。見上げた空は、水のような色に染まっていた。きれいな空だ。
その空の下で瑠璃子さんと肩を並べて歩いている場面を想像してみると、それだけで幸
福な気分に包まれるようだった。これからはデートだってエッチだってなんでもできるは
ずだ。今までやりたくてもできなかったことが全部。予感に心が浮き立つ。
夏はまだ始まったばかりだった。
「空の下の恋人」 The End.
恐々と長文18禁陵辱エロSS、投入させていただきます。
「命」(痕)
テーマ:夏だ!外でエッチだ!
千鶴さんトゥルーEND後の妄想BADアナザー風です。(当然、本編の超ネタバレ)
耕一は、悲嘆と激情で完全に鬼化。
一年後、梓が殺す覚悟で耕一と対峙するものの、力及ばず陵辱の宴に。そして……
といった感じの、二部構成のSSです。救いもあまりありません。しかも34レス……。
こういうのが駄目な方には、スルーをおすすめです。
「耕一さん……」
はぁ、ふっ…、と、夜の闇に包まれたベッドから、
少女の、艶を帯びた声がしていた。
肩の上できれいに切り揃えられた髪をシーツに散らし、
はだけた乳房を左手で撫でさすっている。
右手は、ショーツの中に潜っている。
頬が、次から次に溢れる涙で、幾筋にも濡れていた。
「じ、ろ……うえもん……」
水辺にほど近い大地の上に、月光に照らされる屍が、ふたつあった。
ひとつは、妙齢の美しい女性の、事切れた姿。
もうひとつは、化け物、としか言いようのない巨体の、やはり事切れた姿。
そして、その傍らで哭く、それと相似形のもう一体の巨体があった。
憤怒…慟哭…悲嘆……。
すべての感情を吐き出すようなその大音声は、
夜のしじまに、いったい何十キロに渡って轟いているだろうか…。
■ 屍(かばね)、三つ
『さて、またも、連続惨殺事件に新たな犠牲者です』
夕日差す、商店街。
電器店のTVの中で、キャスターがニュースを読みはじめていた。
殺人現場は、ここから、ほんの数キロの距離だ。
雑踏の中、セーラー服の女子高生がひとり、その声に足を止めた。
柏木梓。
瞳に、暗い影がある。
叔父を、長女を失った柏木家の、現在の家長とも言うべき、最年長者だ。
あの絶望の朝から、早一年が経過していた。
姉、柏木千鶴の死。傍らには柳川という見知らぬ刑事の遺体。
そして、姉とともにあの日柏木家から姿を消した、
いまだその行方の知れない梓の従兄弟。
重要参考人、柏木耕一──。
葬儀。埋葬。警察の事情聴取。
すべてが嘘のような日々。
五人から……いや、亡くなったばかりだった父代わりの叔父、賢治も含めれば、
六人から三人になってしまった、からっぽの柏木家。
三女、楓は、めっきり自分の部屋から出なくなった。もうほとんど会話もない。
四女、初音は最初は素直に感情をあらわにして、泣き崩れた。
しかし、それも最初の一日だけ。
翌日からは、けなげに最年長者梓に陰日なたなく寄り添って、励まし、助けてくれた。
それが、余計に切なかった。
姉千鶴が取り仕切っていた鶴来屋は、さすがに高校生の梓には背負えない。
賢治と姉を助けてきた足立が、現在のところすべてを任されてくれている。
梓は、陸上部を退部した。高校にも、今年になって学校側から再三言われ、
懇意にしてくれる足立に説得されるまで、ほとんど出なくなっていた。
空いた時間すべては……、行方不明者、柏木耕一の捜索に費やしていた。
“近い──!”
梓は、街の中を走り出した。
滑るように。飛ぶように。
その速さが人間離れしていることに気付いた数人の通行人が、
振り向いて目を丸くしていた。
ほんの十分ほどで警察が封鎖線を敷いた現場に到着すると、
さらに神経を研ぎ澄ませ、目標の行方を追う。
走る。走る。跳ぶ。
“────!”
この地球で自分たちしか嗅ぎ取れない、ある臭いが、梓の超感覚に捉えられた。
同族の、臭い。
全力疾走で高まった鼓動が、さらに大きく、梓の体内で脈打ち始める。
互いの血に染まって地に伏していた千鶴と柳川。蒸発した、耕一。
誰が、誰を殺したのか。
警察は当然耕一の行方を追ったが、梓は、警察より先に耕一の姿を捉えたかった。
だが耕一は自分のアパートにも戻らず、それどころか
地上に一切何の痕跡もあらわさなくなってしまった。
しかし梓は確信していた。耕一は千鶴を殺しなど、決してしていない。
なんの証拠もなかったが、梓の胸の中には、ある根拠と確信があった。
刑事、柳川。この男が、姉千鶴を殺した犯人。
そして、柳川は自分たちの同族。──鬼の血を引きし者。
同族でなければ、長姉柏木千鶴を、殺せるはずがない。
そして……。
あの日から一年たち、二ヶ月前からまた新たに発生しはじめた、連続惨殺事件……。
一年前に起きていた事件は、柳川の仕業だったのだ、おそらく。
鬼の血をコントロールできなくなった同族の男の宿命。残虐な狩猟本能への敗北。
おそらく姉は一族の長としてその始末に向かい、──落命した。
そして千鶴の後を追ったか同行した耕一が、柳川を殺害したのだろう。
…鬼となって。
人間のままで、耕一が鬼と化した同族を殺せるはずがないからだ。
これが、耕一を追いながら一年、考えに考え続けて梓が辿り着いた推測だった。
一年前の連続殺人は、柳川の仕業。だとしたら。
だとしたら、現在の事件は……。
梓は、決意していた。
千鶴姉がいないなら。あたしが。…一族の始末を付けなければならない。
人家もとうに途切れた森の中でついに背中を見つけて、
梓の心は思わずひるみそうになった。
落日後の森の中は暗黒に閉ざされ、わずかな月明かりが差すばかり。
目に見えるものではなく同族の臭いを追わなければ、決して発見などできなかった。
“耕一──”
一年ぶりの、万感の思い。
そして…、その背中が、まるで人間のそれではなかったことへの、恐怖。
予想していたとはいえ……。
梓は、唾を飲み込むと、川の水を飲んでいるらしいその背に向かい、立った。
みつけたら、どうするのか。
そのことばかり考えて、一年。梓はいざその時どうするか、決めていた。
「こういち」
声を、かけた。
水を飲む動作が、無言で、止まった。
「耕一。…心配するな。あたしだよ。梓だ」
ふつうに。まるで、何事もなかったように。
「げん、き、だったか? し、心配したんだぞ」
ゆっくり、その背中が、振り向いた。
その姿があらためて人間のものではないのを確認して潰れそうな心を、
必死に奮い起こす。
全身毛で覆われた巨体。
柏木耕一の面影など、わずかな月明かりの下、まるでみつからない。
赤い目に、強烈な敵意と殺意が宿っていた。
「なあ、ひさしぶりなんだからさ。まず一旦帰ろうや。ウチに。
楓も、初音も、することもなくて一日中退屈してるんだ。
またいっしょに、遊んでやってくれよ」
──二ヶ月間に殺害された犠牲者、十四名。
「あたしも、ひさびさになんか美味いもん作ってやるからさ」
ほぼすべての犠牲者に、捕食の痕(あと)、あり。
「……それに、千鶴姉も……、待ってるんだ……」
巨体は、何の反応も見せずに、ゆっくりと近づいて来ている。
「……お線香、あげてやってくれよ……千鶴姉にさ……」
すさまじい咆哮が、梓の鼓膜を打った。
巨体が跳び、目の前にいる人間を、太い腕で薙(な)いだ。
だが、薙(な)いだかに見えた化け物の腕は、空を切っている。
化け物が、見上げる。梓の身体は、すでに真上の樹上にあった。
「…駄目か」
予想の範囲とは言え、その反応への無念さに、梓は唇を噛んだ。
どの言葉にも、理解した反応が返って来なかったのが悲しい。
もう、人語さえ解さないのだろうか。
それとも、柏木家を忘れ、自分が誰かをも、忘れてしまったのか…?
鬼の本能に、狂わされて。
梓は、覚悟を決めた。
みしっ…、と、梓の立つ太い枝が、急に重みに耐えかねたかのように大きくしなった。
灼光が、梓の瞳に宿る。力のこめられた指先に、冷たい緊張感が走る。
(千鶴姉がいないなら、あたしが……始末を付けなければならない)
脳みそから追い出しておいたはずの、耕一の笑顔が、
耕一との懐かしい他愛ない日常が、一瞬梓の脳裏によぎって、躊躇をもたらす。
だが首を振って、あえて一年前の事件の犠牲になった部の後輩のことを思い出した。
耕一の犯した罪の分だけ、あの悲しみが増えて行く。自分たちに流れる血のせいで。
梓は、跳んだ。
(耕一……!)
* * * *
戦いは終わった。
ぽとぽとと、数滴の血が足の爪先から零れ落ちている。
……ボロボロに傷ついた梓は、両手首をまとめて掴まれ、
鬼の右手一本に釣り下げられていた。
梓と鬼との戦力の差は、圧倒的だった。梓が、弱いのではない。
腕一本、指一本失わずに済んでいることが、梓の強さの証明である。
しかし、顔は腫れ、制服は無惨に切り裂かれて、血を滴らせている。
身体のあちこちには無惨な打撲傷の痕(あと)。
おそらく、骨の何本かは折れているかもしれない。
「………ぅ……」
(終わりだ)
(…駄目、だった)
(自分のできることは精一杯したけど……。駄目だったよ、千鶴姉………)
千鶴と同じ処(ところ)に行くのか。
痛みで靄(もや)がかかる頭に生じたのは、
胸を刺すほどの、悔しさ、そして自分への怒りだった。
だが鬼は、梓に留めを刺さなかった。
セーラー服の襟元に手を掛けると、そのまま、思い切り、引き裂く。
「…きゃ…ふっっっ!?」
梓の肌が多少傷つくことなどになんの頓着もせず、肌着を、下着を、
あげく靴下まで引き裂いて、梓の裸の肌をあらわにしてゆく。
「あっあっ……、う──っ!!」
ショーツまで爪の先でぴっぴっと切ると、そのまま爪にくるくると巻き付けてはがす。
一糸纏わぬ裸体に、した。
(あああ……!)
耕一との再会における、最悪の予想のひとつ。
女性の犠牲者たちのほとんどは、犯人に犯されていた。
(嫌だ! 嫌だぁっ!)
耕一でなくなった化け物に犯されるなど、絶対に嫌だ。
鬼は、梓の白い両足を掴むと、大きく開く。
その真ん中に顔を近づけて、鼻を、ひくひくと動かす…。
…そこの臭いを、嗅がれている。
恥ずかしさで、焼け焦げそうなほどの熱い屈辱感が、梓の胸に込み上げる。
梓の衣服の切れ端を爪の先や肩にまとわり付かせたまま、
鬼は、白い裸体を地べたに組み敷いた。
草むらの中に、梓の裸の身体が沈み込む。
鬼の股間にそそり立った人外のものの、その巨大さ。
あれを自分のそこに入れようなどとは、無言の冗談にしか思えない。
しかし、開かされた股間に、熱い拳のようなそれは、押し付けられた。
「…ひ……」
犠牲者たち。そしてそのひとり、梓の後輩。
力ある身の自分が、結局は無力な彼女たちとまったく同じように犯される。
死にたいほどの、屈辱感だ…。
「…ゃめろ…っ…」
夜空に、殺されるような少女の悲鳴が響いた。
「…ぁ……ぁ……ぁ………」
すでに、そこには、梓のその部分の形が変わるほどの太さの剛直が、
めりめりと音を立て、根元まで埋め込まれていた。
股間の皮膚が、緊張で突っ張っている。
血の筋が一条、梓の白い太股を汚していた。梓の、一生に一度の破瓜の血だ。
強制的な、結合。
自分のそこが今どうなっているか、梓は、恐怖で想像もしたくない。
死ぬ、殺されると思うほどの激痛。女子高生の股間は、文字通りの、串刺しだった。
生理の時以外ろくに気にしたこともなかった陰部がいま、
人生最高の痛みの発生源となって持ち主の少女を責め苛(さいな)んでいた。
生まれて初めての、体内の熱い熱い挿入物の感触が、異様に生々しく伝わって来る。
挿入、そして抽送という、女としての初めての経験。
レイプ……、望みもしない女が、突然、望みもしない相手に
つがいの相手の雌ということにされ、交尾をさせられる屈辱の虐待。
梓はいま、我が身でこの上なくそれを実感していた。
自分の性器に埋め込まれているのは指や無機物などではない。
耕一の性器なのだ。
かちゃ…。
梓の手が、勝手に受話器を電話に戻していた。
一年前の、あの朝。
警察から受けた電話の内容が、梓の身体と心を麻痺させていた。
ふらふらと廊下を進んで最初に行き当たったのが、耕一の部屋だった。
……耕一………!
すがるような思いで襖(ふすま)を開けた梓が見たものは…、乱れた、無人の布団。
そして、布団の残り香。男女の体臭。……姉、千鶴の香り。
梓は、ふたりが結ばれたことを知った。昨夜。ここで。
電話の内容とはまた違うレべルのショックが、梓を硬直させる。
身体を支える力が、今度こそ萎えた。そのまま、その場に崩れ落ちた。
秘めていた、恋心とともに。
耕一は、千鶴を殺してなどいない。
梓に確信をもたらしたその根拠は、この朝知った、この事実だった。
耕一と千鶴のふたりは、愛し合っていたのだ。
ぐりぐりと何の情緒もなく、ただ己の快感だけを求めて
梓のそこを突き込み続ける、鬼の剛棒。
しかし、形こそ変わり果てたとはいえ、それは恋慕う相手のそれ。
激痛…。犠牲者の女性たちと同じ行為を自分も受け入れさせられる屈辱…。
しかし、梓を苛(さいな)んでいたのはそればかりではない。
思い人のものを受け入れていること。
実の姉があの日受け入れたものと同じものを、
姉妹ふたりして受け入れてしまったこと。
それらすべてが渾然となって、梓の心を千路に乱しているのだ。
そんな持ち主の惑乱とは関係なく、梓の膣は、生まれて初めて射精を受け止める。
「ふぐぅぅ…ぅぅあぁ……っ」
口からは、絶息したような呻き声が漏れる。
一時間、二時間…。
空に垂れ込めてきた暗雲から微かに覗く月の位置から察するに、
凌辱の開始からすでに三時間は経過しただろうか。
だが、三時間どころか、梓にとっては永遠にしか感じられない時間だった。
ずっ。ずご…。
人体が発するとは思えないすごい音をさせながら、梓の股間から、
鬼の極太のものが引き抜かれる。
目の前で自分の中から引き抜かれているのに、まざまざと見せ付けられると、
あらためて自分に入っていたとは到底信じられない巨大さだった。
まるで、自分の内臓を無理矢理引き抜かれたかのような感覚だ。
数時間前まで秘めやかに閉じていた梓の処女地は、いまや、
抜かれてもぽっかりと口を開け放したまま、夜の空気を熱い梓の胎内に送っている。
剛直の表面は、梓の大切な破瓜の血、何度も何度も膣内で発射された大量の精液、
そして梓の女の身体が仕方なく分泌した潤滑液、
それらすべてがまだらに交じり合って、どっぷりと汚れている。
鬼は自分のものを、梓の白い腹や陰毛になすり付けてそれを拭き取ろうとしたが、
上手くいかないのか、ずい、と梓の顔の前に突き出してきた。
(…まさか、舐めろっていうのかよ……)
凌辱の最中、抵抗を試みる度に豪腕で二度、三度と顔を張られ、
意識すら何度も失いかけた。抵抗する気力など、すでに根こそぎ奪われていた。
戦いによって、自分たちふたりは、勝者と敗者に分かたれたのだ。
そして、敗者となった自分には、
従容として敗者としての屈辱を味わうことが求められている…。
ぼうっとした頭で、そんなおかしなことを思った。
舌を、伸ばす。
初めての、男根。すごい味がした。
自分の味と、鬼…耕一の精液の味。その他、様々な野卑で生臭い味。
人肌の肉塊を舐める。惨めに、舐める。泣きながら、舐める。
戦いのダメージを負ったまま受けた、長時間の凌辱。
普通の人間なら、衰弱死していてもおかしくはない。
しかし、梓はまだ生きている。
その部分も、けなげにもギリギリ裂けはせずに耐え切った。
これだけ長時間の凌辱に耐えられた、普通の人間とは違う自分の強靭な肉体に、
感謝していいのか、絶望すべきなのか。梓の考えはまた混濁してゆく。
数時間に渡ってひたすら剛直を抽送され、
さながら生きている性の壷のように扱われながら、梓は考えていた。
これは、罰なのだと。
一年前、起きている事態に気付かず、何もできなかったことへの罰。
耕一をすぐに発見できず、取り返しの付かない罪業を背負わせてしまったことへの罰。
いまこうして敗れ、自らの最低の責務を果たすこともできずに犯されている
無力さへの、罰。
もし、鬼の血同士が引かれ合うのだとしたら……。
何故これまで耕一が姿を現さなかったのかはわからないが、
いずれ確実に、楓や初音、妹たちにもこの鬼の手は及ぶだろう。
(嫌だ……!)
剛直の鈴口をれろれろと舐め、溢れる残液を舐め取りながらも、
梓の頭は、ふいにかっと熱くなった。
思い余って、頭を上げ、剛直に、噛み付いた。
だが鬼はついっと剛直を避けさせると、またしても轟音を立てて梓の頬を張った。
頬を、というより頭部全体を、だ。衝撃で一瞬、天地もわからなくなる。
梓が鬼に敵わなかったのは、目に見える身体能力だけではないのだ。
その上でまた眼前に差し出される剛直。
ようやくそれが梓の目に像を結ぶようになると、
梓は、諦念の表情で悪臭のする亀頭全体を唇の中に迎えた。
敗北感が、世界中から独り置き去りにされたような、惨めな孤独感を呼ぶ。
しかしその敗北感に、胸がじんとするような一種甘い感覚をかすかにおぼえるのは、
梓の、Mとしての目覚めだった。だがそこまでは、本人は知るよしもない。
やがて梓の惨めな奉仕に満足すると、鬼はふたたび梓の足の間に割り入った。
おそらくは、膣内射精のし過ぎで抽送が滑り過ぎるようになったのが
気に入らなかっただけなのだ。
梓は、自分の人差し指と中指で自らの襞を開き、それを待ち受ける。
雄(オス)を欲しがっているのなどでは、決してない。
あれほどの太さの剛直を何も考えずにめり込まされると、
周囲の毛や、あるいは襞(ひだ)をもかなり奥まで巻き込んでの挿入になって、
ひたすら痛みを伴うことがあるのだ。
そんなことを学習させられた、被レイプ者の女としての悲しい自衛行動だった。
ぐいぐいと押し付けられると、また(無理だ…)としか思いようのない
太い太いものが、梓に受け入れをせがんでくる。
それを自分のものが飲み込んでゆく恐ろしい光景は、
自分のことなのに、まるでフィクションの映像のように現実感がなかった。
鬼は、新しいいたずらを仕掛けてきた。
太い指を一本、梓の後ろの穴に入れて責め苛(さいな)むのだ。
「ひァッ………!」
そこまでするか……!という怒りが梓の胸に湧き起こる。
もはや、ほぼ無抵抗の犠牲者に、そんな下劣なことまでして、いじめるのか。
交合を繰り返す中、鬼は決して知能を失っているわけではなく、
こうした行為を仕掛けて人間のように喜ぶ自意識があるのを、梓は知った。
(こんなことはするのに、耕一の意識は残っていないのかよ!)
無念で、泣けた。
三時間前にくらべ、比較的スムーズに動くようになった剛棒と、
いたずらを仕掛ける指を、梓は同時に必死で受け止める。
どく……どくん……。
べろべろと頬や乳房を舐められながら、もう何度目かもわからない射精を、
しっかり膣内で受け止めさせられる。
と……、ぐるぐる……という、暗い響きの音が、鬼の腹から響いた。
「………?」
ようやく抽送が終わって荒い息をついていた梓が見上げると、
鬼は、口をだらしなく開け、だらだらと梓の白い腹に大量のよだれを零していた。
ぐるぐるぐる……。
何が起こっているのか、目の前の光景を理解した梓の頭の中が、白く漂白されてゆく。
(空腹……。食われるのか、あたしも、とうとう……)
つい数時間前の殺人。その時は、市街に近過ぎてあまりにも早く人が来、
おそらく鬼は、腹を充分に満たす間もなかったのだろう。
果たして、鬼は大きく口を開けると、
凶凶(まがまが)しい牙で、梓の裸の肩にかぶりついて来た。
…人間の絶命の瞬間の凄まじい悲鳴が、森の中にこだまする……。
「…………」
一瞬気を失った梓は、虚ろな目で、噛まれた肩を見ていた。
…ぺろぺろと、鬼が、いたわるように、噛んだ痕(あと)を舐めていた。
「……………………こう、いち?」
何故か、その名前が口から出た。
何の反応も見せずに舐め続けた鬼は、やがて、ぶふっ!と
嬉しそうに鼻音をたてると、また無理矢理梓の中からおのれを引き抜いた。
(殺されない……? 食われない、のか……)
その瞬間、梓を支配していた絶望に、ゆらぎが生じた。
もしかして、あたしだってわかったのか?耕一。
それとも、あたしが同じ血族の雌だから、気が変わっただけ、それだけなのか。
じゃなければ、他になんの理由が……。
「あンッ」
梓は引き起こされると、白い裸体を艶めかしく揺らしながら、突き飛ばされた。
そこにあった大きな石を抱かされ、後ろから尻をまさぐられる。
「なっ、何っ……?」
さっきと違い、今度は二本以上の指で、後ろの穴を広げられたり、いじられたり。
そして鬼はあろうことか、そこに、後ろの穴に、野太い剛棒を押し付けてきた。
「嘘」
めりっ……。
「わああああぁぁああぁぁあぁぁぁぁっっっっ!!!!」
鬼は下卑た笑みらしきものを浮かべたまま、膣の時と同じように
なんの加減もなく腰を押し込んで来る。
「無理! 無理だよっっ! 耕一! 耕一っっっ!!!」
しかし、主人の恐怖にも関わらず、梓の後ろの穴は、小さなみずからを
切れる切れないの限界まで勇敢に精一杯広げて、その太いものを迎え入れつつあった。
「嘘だ嘘だ嘘だ……ああぁ……」
叫ぼうが、抗(あらが)おうが、それはぐいぐいと入り込んで来て、
……ついに、梓と、ひとつになった。
「はぁぁぁ……っっ」
今度は尻を串刺しにされると、梓は軽く片腕で抱え上げられた。
そこでしっかりと咥え込んで俺から離れるな、とばかりに、
鬼は、そのまま乱暴に走り出す。
(ど、どこ…へ……?)
──街へ。
市街に出て最初に、肉の焼ける匂いでいっぱいの何かの屋台に出くわし、
それを襲って鬼が腹を満たさなければ……、おそらく梓は、目の前で人間が殺され、
食われるという、最悪の光景を目にしなければならなかったろう。
しかし信じられないことに、腹を満たした後も、
鬼は、はしゃぐように夜の街の中を跳ね回り続けた。
これまでどの殺人も人目を避けてし、人目に触れる前に現場を立ち去り、
警察にも、梓にも、決しておのれに近づかせなかったはずなのに……。
自分を手に入れて……あるいは、同族の雌を手に入れて、
それほど浮かれているのだろうか。
それとも、知能まで日一日と低下させつつあるのだろうか……。
梓にとっていまは、死ぬような思いだ。
いまだ貫かれたままの肛門から、鬼が走り、跳ねる度、堪え難い衝撃が走る。
もしこの体勢のまま転げ落ちたらそこが裂けるかもしれないという恐怖で、
梓は鬼の太い腕に必死にしがみつき、懸命に尻の穴に力を込めて締めている。
まだ宵の口と言っていい時間だ。街は当たり前に人が行き来している。
その中を、化け物が裸の少女を抱えながら走る。
驚愕や恐怖の叫び、そして人の目、目、目。
(嫌ぁぁぁあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!)
陰毛が、生の乳房が、街の風に触れる初めての経験。
何一つ隠すものもない全裸で。尻の穴でけだものの性器を受け入れさせられながら。
梓は、彼らの目の前を通り過ぎる。
自分の大振りなバストと、その先端の少し大き目の乳首が、
鬼が走るのに合わせてたぷたぷと揺れるのを、頭を痺れさせながらみつめる。
鬼の腕を抱えながら、梓は、両手で自分の顔を覆い隠して
すべての視覚情報を自ら消し去った。
……なんだあれはよ! 化けモンか!! ……おい、あれ裸の女だろ!今見たか!?
……ケツの穴に入ってなかったか!?ケツ! ……マジかよっ!
そうしたところで、自分が何もかもを丸出しにしているのは、変わらないのに……。
ある場所の前で、鬼はしばし足を止め、梓の尻の穴に抽送をするのに集中し始めた。
ざわめきは梓の耳にも届くから、まだここは、街中だ。
(ヤだ……。もうヤだよ……)
泣きじゃくる梓の両手を、鬼は、梓の顔から無理矢理引き剥がした。
「ぁはッ……ヤぁあっっ!!」
梓が目の前に見たものは、大きな白い女の股間と、尻に突き刺さって
そこをほじる生々しい巨大な男性器と……。
電器店の店頭のムービー・カメラの展示で、自分たちの交合が
大画面のTVに映し出されている光景だった。
ガラスのショーケースには、背後に数十人の野次馬が集まっているのが映っていた。
「あ……あぅ……」
ぶるぶると身体が震える。もう、梓には泣くことしかできなかった。
いろんな液体で汚れた、ピンク色の襞で出来た股間のクレバス。
その下で、上下に動き続ける剛棒をパンパンに張って咥え込んでいる、排泄器官。
どちらも、自分のものだ。
自分もものが、街頭のTVに映って多数のギャラリーを集めているのだ。
「やだ……ヤだ、ヤだ、ヤぁ……」
子供帰りを起こしたかのように、梓はイヤイヤを繰り返す。
しかし同時に、亀頭を舐めさせられた時の胸のうずきを、
今度は、尻に突き込まれる度に感じてしまう。
鬼はぶふっ、ぶふっ、と時折嬉しそうに鼻を鳴らしながら、
ぐいぐいと卑猥な動きで腰を振り続ける。
(やめて……)
セックスの街頭生実演。街中で、素っ裸で、
こんな猥褻行為を見られているのが自分だなんて、まだ信じられない。
鬼の力に破れ、心も折れてしまったら、梓に残されたのは
ただ年相応の、年頃の女子高生の生身の姿だけだった。
どぷっ!!
初めての肛内での射精を、一瞬まるで自分の腸が爆発したように感じ、
その恐怖はついに、梓を、失禁させた。
「あぁ…あぁ…あぁ……」
自分の目の前で、さらにモニターの中で、そして…大騒ぎしながら見守る
数十人の群集の前で、股間の縦筋から恥ずかしい液体の放物線が描かれる。
胸を焦がす羞恥心と、痺れるような絶望と開放感を感じながら、
梓は、この電器店が、今夕あのニュースを見た電器店だとようやく気付いていた。
まさか、こんな風に戻ってくることになるとは……。
自分を抱え刺し貫いているこのけだものは、
もはや狩りと捕食と性的加虐以外すべてを喪失した抜け殻のような存在なのか、
それとも、耕一はまだどこかに生きていて、この行為すらかつての耕一の名残──
例えば、梓をからかっていた姿が奇形化して表出したものなのか……。
後者である自信は、もう、梓にはなくなりかけていた。
* * * *
跳ぶ。跳ぶ。
木々に掴まり、岩を蹴り、鬼は、梓を抱えて夜の山中を跳ぶ。
いや、もはや、木々を走り渡って飛んでいると言ってもいい。
さすがに悪ふざけをお開きにした鬼は、またも警察の出動以前に山へ入っていた。
その移動力は、梓の想像を遥かに越えていた。
すでに、いくつの山を越えたろうか。県境すら、間違いなくとうに過ぎている。
あの街からすでに、直線距離で百km以上は移動しているだろう。
激しい昇り下りがあり、木々が茂る、百kmの道無き道を、
鬼は、わずか三時間ほどで移動してのけた。空を飛ぶ乗り物でなければ、
山間をこれ以上のスピードで移動できるものは有り得ない。
見慣れた杉や松が、森から消えた。林業圏からも遠い天然林、
登山家すら訪れようとはしない秘境、最奥地へと、鬼は入ってゆく。
鬼が、警察の捜査に掛からなかった理由、
梓が、一年かけて探してもついに見つけ出せなかった理由が、これだった。
まさか、これほど隔たった地に棲みつき市街と往復しているなどとは、
誰も思わなかったのだ。
跳んだ足元に、梓は、一度、月明かりに照らされた熊らしき大きな死骸を見た。
捕食された痕(あと)が、あった。
熊を殺して捕食する動物など、日本にはいない。
一年前、山へと去った鬼は、しばらくは近隣の野生動物たちを食らっていたのだろう。
ついにそれを食い尽くして、二ヶ月前、今度は人間を襲うために姿をあらわした……。
おそらく、間違いない。
一度細い谷を跳び越えた時、一瞬で通過したにも関わらず、
むわっとした腐敗臭が梓の鼻をついた。
おそらく、そこが鬼の食べ滓(かす)の捨て場所なのだ。
その証拠に、谷を越えてすぐに、月光に照らされた洞窟が見えた。
隠れ家にはおあつらえ向きの場所だった。
鬼に抱きかかえられ、梓は、洞窟に運ばれてゆく。
あそこに連れ込まれたら、おそらく、もう二度と、出られない……。
もう二度と、楓にも、初音にも会えない、とふと思ったら、急に涙が込み上げてきた。
その前に梓は、確認したかった。
このけだものの中に、わずかでも、耕一は生き残っているのか?
それとも、ここにいるのは、ただの抜け殻なのか?
(あたしだったから、殺さないでくれたのか……?)
ふっと私情がよぎって、そんな自分の弱さを悔しく思う。
梓は、だが、考える。耕一は、姉、千鶴と愛し合っていたのだ。
最も愛していたものを地上から失った時、耕一を人間に繋ぎ止めておくことが
できるようなものは、無かったのではないかと。
耕一は、…耕一と呼べるものは、あの日、千鶴とともに逝ったのではないかと…。
「耕一」
梓は、手に持ったものを、鬼の目の前にかざした。
山に戻る前、あれほど暴れ回っても、奇跡的に鬼の身体にはまだ
梓の衣服の切れ端が一枚、残っていた。それは、制服の上着。ポケットが付いた部分。
それが飛び去る寸前に運良く掴み、梓は、ポケットの中身を取り出していた。
パスケースだ。そして、さらにその中には……。
月光は梓の手元を照らしている。鬼の視力なら、見えるはずだ。
梓が、あの日から一年間肌身離さず手にしていたもの。
姉の一番美しい笑顔の、ポートレイトが……。
鬼は、煩(わずら)わしそうに梓の手を顔の前からはたき出した。
ポートレイトは風に乗って梓の手を離れ、そして、
“くしゃっ”という音が、歩みゆく鬼の足元から、梓の耳にまで届いた。
いま自分を抱いているものが、一年前のあの日大地に横たわった
ふたつの屍と同じ日に死んだものであることを、こうして梓は、知った──。
■ いのち、三つ
その夜、彼女はついに、あふれた。
真っ黒な雲が夜空に湧き出し、先ほどまで差していた月光も、もはやない。
曇天の下を、木々を撫でる微かな風のように、少女がひとり、無言で歩んでいた。
彼女の視界に、見えてきたものは──洞窟の入り口。
「…………」
さわさわさわ……、と夜の風は黒髪を撫で、木々を静かに騒がせる。
似合いの黒のノースリーブのワンピース。
しかしそれは、とてもこの場に相応しい姿とは言えないだろう。
柏木楓。
一年がたち、少女は、大きな成長期を迎えていた。
背も、生前の長女ほどに伸びていた。
華奢さはそのままだが、年より下に見られることも多かった
以前の幼げな面影は、消えゆきつつある。
すらりと伸びた白い手足。
大人びた横顔。
瞳には、憂いの陰(かげ)。
暗黒の洞窟内から、動物の太い唸り声がする。
近づくものへの死の警告であるその地上で最も危険なサインを耳にしても、
楓は、表情を動かさなかった。
ただ、足を止めて待つ。
柏木耕一が、自分の前に姿を現すのを。
鬼の巨体が、闇から染み出すように無音で歩み出てきた。
股間を突き刺した白い女体を抱え、その手足を自らの身体に淫らに絡ませながら。
「……ぅ……ぅ……」
虚ろな眼差しをした梓が、やがて意識を戻し、そして目にした光景に、息を呑んだ。
「……か……、楓…っ!?」
当然だろう。
登山者も近づかない神域の如きこの山内に、妹の姿。
山地にまるでそぐわぬその姿を見て、我が目を疑わないはずもない。
幽霊を見た瞬間の人間の顔だ。
「……姉さん」
しかし、その声はやはり柏木楓だった。
「……姉さん。生きていてくれて、良かった」
初めて、楓の表情がほぐれた。ちょっとだけ、今にも泣きそうに。
「どうやって、」ここまで、という言葉を飲み込んで、梓は妹に向かって叫んだ。
「駄目だ! 逃げろっ! こいつはもう、耕一じゃないんだ!!
ただ人間を犯し、食らうだけの……人間にはもう戻らない怪物なんだよ!!」
姉の目は必死だった。妹が生命の危機にあることに突然気付いた、必死の目。
しかし、楓は動かない。
「ごめんなさい姉さん。
でも、私いま……命をかけて耕一さんの前に立っているんです」
くい、と楓が顎を上げ、瞳を閉じて息をひとつつくと……、
それは、楓の周りから柔らかく広がっていった。
あっという間に鬼を、梓を包み込む、それ。
物質では無い。それは、柏木楓の思い。柏木楓の、こころそのものだった……。
* * * *
こういちさん。
耕一、さん。
私、会いに来ました。あなたに、会いに来ました。
これが、最後かもしれないから、会いに来ました。
楓は、自分のこころが鬼を包み込んでゆくのを確認した。
そして、流れ出す優しい怒涛。
それは、柏木楓の記憶の奔流……
数百年前、いずこよりか流れ来た、鬼の一族。
人を襲い、人を狩り、人を食らう…。
だが、ひとりの鬼の少女と、討伐に来て深手を負った侍が出会って、
すべては始まった。
許されぬ恋。しかし、固く結ばれた、ふたりの恋。
楓の脳裏に描かれたそのふたりは…、
柏木楓にうりふたつの少女と、柏木耕一としか見えぬ武士だった。
ふたりは、絶望的な種族同士の垣を越え、争いを収めようとしたが……、
それに対する報いは、鬼たち自らの手による、少女への死だった。
「…忘れるな、忘れるな。たとえ生まれ変わっても、この俺の温もりを……。
…きっと迎えにいく。…そして、きっとまたこうして抱きしめる…」
「…忘れない。私も、あなたのこと…決して忘れない……。
ずっと待ってるから。あなたに、こうして、抱きしめてもらえる日を……」
少女の姉たち──千鶴と梓の似姿のふたり──すら、
少女の命を奪ったことを悔いつつ、鬼たちに粛正され、死んでいった。
そして、少女に命を救われた時、鬼の血、鬼の力を受け継いだ侍が、
最後にひとり残った少女の妹──四女、初音の面影の少女──の助力を利用し、
鬼たちを、ひとり残らず攻め滅ぼす……。
そしてひとり残った妹と、侍、次郎衛門が、この地に鬼の一族の血を残した。
それは、「雨月山の鬼」の物語と題され、現代にも御伽噺(おとぎばなし)として尚
語り継がれる事件……。
そして楓は現代に生まれた。
何も知らずに、温泉旅館のオーナーの三女として。
何も知らないのに、楓が惹かれたのは──やはり耕一だった。
ただいっしょにいることが楽しいだけの幼い季節が終わり、
でも、この、胸が苦しくなる気分が恋だということもまだ知らない頃、
最初のそれは起こった。
夢のようで、夢では無い。現実と同じ空気、リアルさの「夢」。
自分が、自分たち家族が、鬼の血を引いていることを知る。
夢は夢では無く記憶であり、事実であることを知る。
そして、現実が、夢の続きだということを、楓は知った……。
悲しい出来事。一族の男は、人と鬼の血の狭間で苦しんだあげく、死んでゆく。
両親はそうして逝った。そして、耕一にもその運命はいずれ訪れる。
耕一の記憶が甦(よみがえ)れば、ふたりは結ばれるだろう。
しかし耕一の記憶が甦(よみがえ)れば、耕一の、鬼の血との勝ち目の薄い戦も、始まる……。
前世の思いは甦(よみがえ)り、慕情は日々募るのに、先に目覚めた自分が
思い人を滅ぼす引き金になるのを恐れ、楓はもう、耕一に近づけない。
幼い恋の終わり、それは、秘めた愛の始まり。
記憶はどんどんと鮮明になり、楓が鬼の血で同族と感応する力も、
ますます高まってゆく。その度思いは募り、そして、より耕一から
離れねばならなくなるのだ。
地獄だ。
何度、こんな力に目覚めねば良かったと枕を濡らしたろう。
五百年を隔ててようやく次郎衛門に再会できたというのに、
愛し合うどころか手を触れることすら叶わぬ我が身……。
そんな風に自然に絶望することができるようになった自分を、
現代の高校生の柏木楓が発見して、思わず絶句する。そんな毎日。
そして、最期の夜が訪れた。
夢。
夢だと思った。夢であれば良かった。
耕一は、何も知らないまま姉、千鶴と惹かれ合い……結ばれた。
次郎衛門は、現世で別の女性(ひと)を選んだのだ。
そして千鶴と耕一の運命の瞬間。
柳川の襲撃。
耕一の覚醒。
千鶴の死。
楓がベッドから跳ね起きた時、その時が、あの哀しく恐ろしい遠吠えが
夜空を圧して轟いた時だった。
最も肝心な時に、自分は遅かった。
あれほど苦しめられた力が、この時は、何の役にも立たなかった。
ただ、耕一が愛する者との死に慟哭しながら、
鬼の中に消えてゆくのが克明にわかるだけだった。
ベッドの中でひたすら泣きながら、名を呼びながら、
耐える以上の地獄があったことを、楓は知った。
耕一さん。
あれから、私は耕一さんを探し続けました。
梓姉さんが自分の足を使ってそうしたように、私は、私の能力(ちから)を使って。
でも、みつからなかった……。
私の力は、足りなかった。
けど、信じていたんです。私の力は、あれからも…、いえ、
あの日から、それまで以上に成長していったから。
何かを取り戻すのは、もう無理かもしれない。
時が来たとしても、あの日までただ耐えることしかしなかった私に、
その報いとして罰が与えられるだけなのかもしれません。
それでも、私は会いたかった。
もう一度、会いたかった。
あなたに、どうしても言えなかった、どうしても言いたかった言葉があるから…。
耕一さん、好きです。
耕一さん、好きです。
耕一さん、好きです。
* * * *
「…耕一さん、好きです……」
涙の雫は、白い頬を伝って顎を濡らし、地面に落ちた。
梓は、呆然と楓をみつめている。
しかし、いつの間にか地べたに投げ出されていた自分の、
その目の前を太い足が通り過ぎて行くのを見て、絶句した。
鬼は、何が終わったのか?とでも言いたげな顔で、楓に向かって歩いていた。
新しい、獲物のところへ。
楓の全身全霊を込めた思いも、ついに、屍を蘇らせるには至らなかったのだ。
「…………!! に、逃げろ楓!! 駄目だ、やっぱり、駄…………」
言葉を続けられなくなったのは、裸の素肌が異様な雰囲気に感応したからだ。
「なんだ……?」
体感温度が急激に下がっている。
「耕一さん……」
楓が泣く。
「ごめんなさい。私が悪いんです」
鬼から目を逸らさずに、泣く。
鬼の足が止まっていた。
獲物を前にしたような表情では、もはやない。
「もし私が一年前、今夜達しているほどの力に目覚めていたら……。
私の好きな人たちは、ひとりも逝かなくて済んだかもしれないのに……」
冷気の中心は──柏木楓だった。
楓の足元が、大地にめり込んでいる。地面ばかりではない。
空気そのものが、楓を中心にして重くなっているのが見えるかのような……。
「次郎衛門…。私に関わったばかりに、二世にも渡って
これほどの苦しみを味わわねばならなかったのですね……」
いまだ雫を零し続けながら、楓の瞳は、吸い込まれるような赤い光を放ち始める。
揃えた指先が、胸の前に構えられる。
日本刀や銃器を越えるほどの危険な緊張感を孕んだ、指先。
その姿は、一年前のあの夜の、誰かの似姿のようでもあった。
「耕一さん」
違いは、ただひとつ。
頬の下に流れ続ける涙の雫。
「あなたを、殺します」
戦いは、はじまった。
それが、戦いと呼べるようなものであったとしたら。
鬼は、風を巻き起こしながら一跳びし、半瞬で楓との距離を詰める。
唸りをあげて振り下ろされる太い腕、その先の爪は、
だが、何者をも捉えられなかった。
軽く体(たい)を捻りながら宙を舞う黒く細い影は、柏木楓。
ぱしゃっ、と水の弾けるような音がした。
曇天の夜空は、色が判別できるほどの光を地上に届けてはくれないから、
真っ黒に見える液体の太い帯が、宙を二旋、三旋した。
その大量の噴出のさ中では、少女の瞳から零れる飛沫の数滴など、
誰にも顧みられることはなかった。
楓が地面に降り立つと、
ばしゃばしゃっ…!と、その周囲の土を、落下した、大量の鉄の臭いの液体が叩いた。
続いて、何かふたつの物体が、重い音を立てて地面に落ちる。
切り離された、鬼の両腕だった。
鬼の身体から、大量の血液が吹き出し始めた。
ぐらぐらと揺れる鬼の身体へ向かい、楓は、一歩を踏み出した。
その手が、ぐいっと引かれた。
「か、楓っ! 駄目っ!!」
「…姉さん」
必死の力だった。
梓の手が、妹の手をしっかりと握って、離さない。
「ごめんなさい姉さん」
楓は、振り向かなかった。
「耕一さんは」
楓の頬は、懇々と湧き出る涙に濡れ続けていた。
「……もう、死にました」
ずる……と鬼の頭が、首から滑り落ちる。
ゴトン、と音がして首が、
続いて、地響きと共に、鬼の巨体そのものが地べたに崩れ落ちた。
死せる者が、ついに、本当に彼岸に旅立ったのだ。
「……わかってるよ」
姉の返答は、意外なものだった。
「違うよ。駄目なのは」
梓のもう一本の手が、楓のワンピースの布地を掴む。
「楓。あんた、ここでこのまま、耕一といっしょに死ぬ気だろ」
ぶるっ、と楓の身体が震えた。
後ろから引く姉の力に楓は、つい腰を地面に落とす。
そのまま、梓に背中から抱きかかえられる格好になった。
「駄目だ! 絶対に! 絶対に、そんなことしないでくれよ…!」
「姉さん」
楓は、静かに涙を零し続けていた。
「私もう……。前世と今の自分の区別もつかないの」
それが、どれほど哀しいことか。
おそらく、梓にも伝わったろう。
「楓……」
あれほど克明な前世の記憶を、今は、梓も共有しているのだから。
「わた、し……」
涙で、一瞬言葉が詰まった。
「耕一さんと出会うために生まれて来た、
耕一さんを愛するために生きて来た女だから…。
でも、私、選ばれなかった。
そして、耕一さんを……、必要なことだったとはいえ……。手に掛けてしまった」
細い身体が震える。
「お願い。叶えさせて…。たったひとつだけ残った、私の願い…。
もう、他に何も欲しいこともない。したいこともない。生きてく力も、ないから……」
「ごめん、楓。ごめん、ごめん、ごめん……」
だが梓は、楓を放さない。口をついて出たのは、謝罪の言葉だった。
「姉さんだってのに、なんにも楓の気持ちに気付いてやれないで。
自分のことばかり…!」
姉は、自分を責めた。
「…知らなかった。あ、あたし、前世でも、あんたの為に、
何もしてやれなかったんだ。ひどいよな……。今日までずっと、恨んでただろ?」
楓は、首を振った。そんなことは、なかった。
両親がいて、姉妹がかしましく四人揃って、そして、前世のこともまだ知らずに
耕一に憧れていた想い出の日々……。それは、楓の中でも黄金の日々だったから。
ガサツで男っぽく見えるが、実は人一倍の繊細さを持ち、頑張り屋のこの姉を、
楓は好きだった。両親の死後は、その代わりになって家事を担って楓たちを支え、
それに忙殺されながらも、好きな陸上部も辞めずに頑張る。
眩しい人だった。
耕一を送ること。自らも共に逝くこと。そして、梓の命を救うこと。
今夜、楓が最初から心に固く決めていたことは、その三つだったのだから。
「ごめん楓。でも、でも……」
梓の手が、楓の頭部をさらに強く抱く。
楓の髪が、梓の涙で濡れてゆく。
髪の毛に留まらず、熱い涙は楓のうなじにまで伝い落ち、その肌を濡らした。
「でも、ごめん。生きて。お願い。あたしからの、最後のお願いだから……!
これを聞いてくれたら、もう一生あたしの言うことなんか
なんにも聞いてくれなくていいから…っ!
だって、いま現に、あんたはこうしてあたしの腕の中にいるのに。
こ、こんなに身体は、あったかいのに……! もう、家族に、好きな人に、
誰にも冷たくなんかなって欲しくないんだよ! もう、あたしの作ったご飯を
食べてもらえなくなるなんて、そんなの、絶対、嫌……嫌だよ……」
「姉さん……」
「明日から一生、初音とふたりきりでご飯食べなきゃいけなくなるなんて……。
あたしも、初音も、どうしたらいいのさ? どうやって生きていけば……!」
「姉さん」
迸るような姉の言葉に、喉に大きなものがつっかえるようで、楓は言葉に詰まった。
「ごめん。前世のことは、本当によく覚えてないんだ。ごめん。でも、少なくとも、
いまこうして生きているあたしは、あんたのこと、大好きなんだから……。
あんたが生まれたその日から、きっと全部見てるんだ。
あんたが、歩けるようになって、口をきけるようになって、学校に入って……。
初音とあんたと、成長を楽しみに見てたんだよ。
受験に合格して今の学校に入った時も、自分のことみたいに嬉しかった。
頭が良い妹が自慢だった。千鶴姉が大学に受かった時と同じに」
そうだ。あの日は見たこともないような豪華な料理がたくさん食卓に並んで……。
ちょっと派手に祝われ過ぎて恥ずかしかったことを、まだ自分は覚えている。
「……だって、あたしたちは家族じゃないか! 生まれた場所が同じ家だから、
家族なんじゃないんだよ! いっしょにずっと生きていきたいから、
家族って言うんだよ!!」
感情を、整理もしないですべてそのままぶつけるような、姉の言葉。
そして、姉が、子供のように号泣するのを、楓は生まれて初めて聞いた。
泣きながら、泣きながら…、梓は、それでもずっと楓の頭を優しく撫で続けた。
幼い頃されたのと、まったく変わりない、その感触。
ああ……駄目だ。
楓は思った。
駄目だ。
逃げられない。
この人の愛情から、もう。
楓の目からも、涙は次から次へと零れ落ちていた。
耕一に対する愛情はいまも何も変わらないのに。
次郎衛門との約束は、今も胸の一番奥深くに刻み込まれて痛むのに。
今生の愛が、前世のものと同じくらい、重いことに……、
自分も、姉たち、血を分けた家族のことを、
どれほど愛しているかということに、楓は、いまさら気付かされてしまった。
この人を守って、生きてゆこう。
一方的に背中から抱きかかえられたまま、楓は、そう心に決めた。
ごめんなさい。耕一さん。
今生(こんじょう)ではもう会えません。
しばらく、また何百年か、時間をください……。
次郎衛門との約束。耕一さんへの慕情。そしていま、梓姉さん…。
私は、そう──、
どうしようもなく、愛に縛られる女なのだ。
「わかりました…姉、さん」
涙で声をうわずらせながら、楓は、しっかりと答えた。
「楓…っ!」
梓も、涙でぐしゃぐしゃにした顔を、楓の黒髪の中に埋(うず)めた。
「私、生きます。逝った人たちを、生きてこの世で弔うために。
そして、生きている人のため……」
後頭部が、温かい。とても、温かい…。
「姉さんのために。初音のために……」
ふたりは、ぴったりと寄り添い続けた。
ずっと、ずっと…、そうあることを願うように……。
……その時、ふっ…と、楓の目が見開かれた。
何かに、気付いたかのように。
楓の瞳は、驚きに満ちていた。
「それに……もうひとつ」
すっ…と楓の手が動く。
「耕一さんの残してくれたもののためにも……」
次は梓が驚く番だった。
何……と口を開きかけて、楓の手が優しく梓の腹の辺りを撫ぜているのに気付く。
「……………………楓」
梓は、妹の顔を覗き込む。楓は、確信を込めた表情で目を閉じていた。
曇天がわずかに裂け、ひとすじ差した月明かりは、慈しむように、
寄り添う三つの命を照らしている。
終
もうそろそろ締め切りですが、
延長希望される方はいますか?
280 :
辛口批評:02/07/20 08:01 ID:OqjxwNsh
では、8時もすぎたし、延長希望もないようなので、今回分の批評の真似事を。
判断基準は以下の通り。
●文:基本的な文章力。
●構:作品内における構成力。
●描:登場人物の描写に違和感がない(不条理系は逸脱してもある程度OK)か、個性をとらえているか。
●感:読中か後、感情(感性)に訴えかけるものがあるか。●テ:深いテーマ性があるかどうか。理性に訴えかけるな何かがあるか。
●総合:総合点。
なお、『感』か『テ』は、どちらかの評価が高ければ総合でも高得点とした。
今回は作品があがるごとに評したモノを書きためておき、
最後にまとめて放出する形にしてみた。
(最後にまとめてみるパターンではなく)
281 :
辛口批評:02/07/20 08:01 ID:OqjxwNsh
○『夏だ!外でH”だ!』(
>>69)
文:6 構成:7 描:6 感:5 テ:4
総合:6
記念すべき、投稿第一作。
とりあえず期待させておいて実は……というパターンで、
一レスの中で上手くまとめてると言えるかも。
ただ、『下着をつけてない』云々と自分でメールしておきながら、
恥ずかしがっている美汐というのは、作者の都合を押しつけた感じがして、
よろしくない。その部分が自然であればもっと良かったのにと思う。
それにしても、やなメアド(
[email protected])だなw
○『乳製品コーヒー』(
>>71-76)
文:4 構成:5 描:5 感:4 テ:3
総合:5
2人のやりとりはどこか奇妙でそれなりに面白いのだが、
どう評すればいいのか、正直分からない。
というか、香里の動機や発言が唐突すぎ、かつ、奇抜すぎる、かな。
これは不条理物として受け取れということなのであろうが、
それにしても……。
また、台詞の羅列という形式は文章技法としては美しくない。
ところで、イチゴオレ(コーヒー)って、あるの?
イチゴミルクなら知ってるんだが……。
282 :
辛口批評:02/07/20 08:02 ID:OqjxwNsh
○『真夏の夜の 冬の夢』(
>>78-83)
文:5 構成:8 描:6 感:6 テ:5
総合:7
情事のあとをネタに持ってきたわけだけど、構成の妙を感じる。
まずは笑いの要素で始め、次に2人の過去の思い出というか、
キーになるエピソードとからめ、次に微笑ましいシーンで終わりと見せつつ、
最後に名雪でオチをつける。この流れが良いと思った。
台詞の羅列形式プラス擬音の多様は美しいと言い難いが、
真琴には似合っているかもしれない、などと書いてしまうのは、
この作品を気に入ってしまった贔屓目か。
○『夏の名雪』(
>>96-109)
文:7 構成:6 描:6 感:7 テ:3
総合:7
ついに来た、直球第一弾。
お題がお題だけにいつかくるはずのこれを、どう評価するか迷っていたが……。
実際に来てしまうと、もはやそのまま評するしかないという結論に達した。
エロ描写は濃い目ながらそれだけでなく、状況説明も冒頭に簡潔なものが入っているし、
最後にオチを持ってくることで、投げっぱなしにならないよう、
工夫されている。
今回のお題からして順当な作品と言えるだろう。
……好き嫌いは分かれるだろうが。
ところで、どうでも良いことなのだが、
>(このままウインナーになっちまうほどの陽射しだな……)
から、祐一のは小さいのかとか、考えてしまった俺はどうしよう……。
283 :
辛口批評:02/07/20 08:03 ID:OqjxwNsh
○『デートの前』(
>>118-123)
文:6 構成:7 描:7 感:5 テ:3
総合:6
台詞の羅列ならよく見かけるのだが、栞の一人称で綴られる文章っていうのは
珍しい感じがする。そこが面白かったかな。
ネタはなんてことないと言えばなんてことないのだが、
普段は何かときっちり済ませていそうな栞が、
今回はそうできなくなるような状況が丁寧に描かれており、
不自然さがあまりない。
『あまり』ない、と書かざるを得ないのは、
やはりスースーするんじゃないかというのと、
太股に当たるべき感触がないことで気が付くんじゃないか、という疑問から。
細かいことを言うなと逆に突っ込まれるかもしれないが、
まぁ、一応。
作品全体としてはバランスよく書かれているとは思う。
○『息抜きは重要』(
>>139-143 >>149 >>144-147)
文:7 構成:7 描:6 感:6 テ:3
総合:7
ことの次第に気が付いていない瑞樹が、可哀想な気もするが内容的には面白かった。
でも、長谷部彩は男性向け創作は書かれへんと思うし、彼女と詠美では勝負にならんやんかw
まぁ、その辺はさっ引いて読んどきましょう。
全体的な文章力も感じさせるし、良作だね。
ま、『あの』シーンを期待した人は、もうちょっと踏み込んで欲しかった、と言うだろうが。
284 :
辛口批評:02/07/20 08:04 ID:OqjxwNsh
○『イノセンスの代償』(
>>155-166>>168-172)
文:6 構成:7 描:6 感:7 テ:5
総合:8
エロッ!w 今回のテーマに直球で挑んで来た作品の中で、
一番エロイかもしんないと思った。……黒いけどw
文章力もあるようだし、高く評価していいのでは?
ただ、言葉で責められ少し脅されただけの瑞佳が濡れ濡れなのにはチト萎え。
まぁ、好みの問題かと思うが。
それと、遅う側がステロタイプなのはやはり仕方のないことだろうか。
最後にもう一つ指摘すると、地の文が『僕と神視点の混同』が一部有るようだ。読んでる間は気にならなかったが、次回は考慮されたい。
○:『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』(
>>177-185)
文:6 構成:5 描:5 感:4 テ:5
総合:5
みんなから見放された冬弥の話し、ね……。
Hシーンはまずまずだけど、相手はおりキャラなのがちょっとなぁ。
相手の名前が弥生だというのも、説得力に欠ける。
最後に呟くのは由綺の名前だし。
あと、説明みたいなのが最後にまとめて来てるのは難点だろう。
あまり説明臭くないように状況を読者に知らせて欲しい。
つい文句が増えたが、基本的な文章力は身についてるっぽいから、
そこを励みにがんばれ。
285 :
辛口批評:02/07/20 08:08 ID:OqjxwNsh
○『海の音楽』(
>>189-214)
文:8 構成:8 描:7 感:7 テ:7
総合:9
すげぇかもっ!? 読む前は長すぎッッとか思ったが、読んでみると問題ない長さだった。
決して薄くないHシーン。しかも、作品にエロが入っている必然性があるし、流れもスムーズだ。
全体を流れる雰囲気もいいし、なにより、タイトルにもなった海の音楽のシーンは、
この作品における真のクライマックスだといっても、過言ではないと思う。これ、いいってばさ。
○:『渚に三つのシルエット』(
>>217-224)
文:6 構成:5 描:6 感:6 テ:3
総合:6
冒頭にそれなりのH。で、後半はギャグに徹した作り。
一粒で二度おいしい、素直に楽しめる作品であった。が、惜しいのは、やっぱり追っかけてくる委員長が
蛇足なのではないかということ。ギャグ部分に突っ込むなとも思うけど、その状態になったら警官が委員長に、
職質するだろっとか思ってしまう。これを崩すとタイトルも崩れてしまうのだが。
○『空の下の恋人』(
>>226-241)
文:8 構成:8 描:7 感:5 テ:7
総合:8
ラスト直前に来て、もう一つ凄い作品が来たな。非エロ系では、一番完成度が高いかもしれない。
総じて高いクオリティーを保っている。
ただ残念なのは、評者が既にこういった筋立てを読んだことがあるということ。
ただ、勘違いして欲しくないのは、パクリとかそういう問題ではないということ。
心を閉ざした瑠璃子さんたちが、こっちにかえって来るという結末を描くSSは、
これまでいくつも書かれており、その過程はもはや発掘されきっていると言えるだろう。
だからこの作品は、他の瑠璃子(&拓也)帰還系作品とは全く異なる作品ながら、
新鮮さをほとんど感じさせることがない。
過去の帰還系作品と出会ってさえ居なければ、絶賛していたかもしれないが、
これは昔から、後発の抱える悩みであり、試練なのである。
286 :
辛口批評:02/07/20 08:09 ID:OqjxwNsh
○『命』(
>>243)
文:8 構成:9 描:8 感:8 テ:7
総合:9
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ッ!!
何だよ、最後は高レベル作品の連発だな、おい。
激しい性交の描写もあるが、作品として無理のない構成。
長すぎるかと思われた文章量も、微塵にも感じさせずに読了させられた。
ジャンル的には、やはり、今までに語り尽くされてきた感のあるトゥルーED後もの。
だが、陵辱とシリアスが秀逸な合体を見せたとき、評者の中を風が突き抜けた。
というわけで、グランプリ推薦は『命』!! と、『海の音楽』、
次点としてはエロ部門から『イノセンスの代償』、
アイディア部門から『真夏の夜の 冬の夢』
……を支持してみるがどうか。
「命」
泣きますた…。もうボロボロと。
朝からええもん読ませてもらいました。ありがとう。
それしか言えません。文句なしに今回の一番。
「空の下の恋人」
私はあんましSS読んでないので、瑠璃子さん帰還ものというのも実は初見。
初見ではありますが、目新しさは感じないのは、やはりプレイヤーが普通に
望む展開だからかもしれません。
その分安心して読めるという点もあります。悪いとは思いません。
個人的にはさおりんがとても可愛かったので、◎。
それぞれのキャラもいかにもそれらしく、よく描けていたと思います。
「海の音楽」
表題のシーンが感動的でした。
日焼けが似合わなそうなこのカップルに、幸多からんことを。
今回レベル高いな。
金を払ってもいい作品ばかりだ。
今回長編多いなぁ。
これからじっくり読ませてもらうとして、とりあえず目についたことを。
>>138 せめて登場人物の名前くらい正確に書いてください。数人程度、すぐ確認できると思います。
「瑞樹」ってのを見ただけで、「ああ、この作者はキャラをその程度にしか見てないんだな」と見えて、読む気が失せてしまいます。
>>243 ネタバレ警告はありがたいです。
痕やってないんで、痕Rクリア後に読ませていただきます。
>>287 1作目のタイトル秘匿にワラタ
>>290 「空の下の恋人」も雫のネタバレです。ご注意ください。
すご…かった。命が特に。
今回は脱帽。
特に雫、痕の三作はお見事としか言いようがない。
敬意を抱く。
>>69 「夏だ!外でH”だ!」
話にH"があまり関係しないのはどうかと。それより真琴と二股になるのかが気になった。
2点。
>>72-76 「乳製品コーヒー」
単純に面白い。捻りがあれば更に良かったんだが。
7点。
>>79-83 「真夏の夜の 冬の夢」
オチはいいが、その伏線が無いのでは少し唐突。
7点。
>>96-109 「夏の名雪」
名雪の心理面が甘い。ってゆーか、都合のいい女でしかない。
1点。
>>118-123 「デート前」
スカート挟まるのはもはや定番(?)だから意外性に欠ける。
トイレよりキャミを強調して、気の利いたオチがあると良かった。
しかしテーマと関係ないなあ。
3点。
>>139-143>>149>>144-147 「息抜きは重要」
まとまりはある。が、「お約束」を超えるほどのものは無い。
6点。
>>155-166>>168-172 「イノセンスの代償」
途中まで良かったのに、肝心の壊れる過程が説得力に欠ける。
5点。
>>178-185 「星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──」
言いたい事が言えればいいが、この長さではどうしたって説明不足。
理解できなければ0点に等しいのだから。
5点。
>>189-214 「海の音楽」
直球エロの中では最も心理面に重点を置いていて、それは良かったが、
夜なのに視覚に訴えるのはおかしいだろうとか、岩の上は固すぎだろうとか。
5点。
>>217-224 「渚に三つのシルエット」
海パン脱げた所が話的には「転」になるはずだが、出だしのインパクトに比べて弱い上に、
何のヒネリもなく延々それで引っ張る展開はダレる。
4点。
>>227-241 「空の下の恋人」
テーマ自体は一番良かったが、動機となる沙織の扱いがあまりにもひでー。
これで爽やかに締めくくられると余計にムカつく。
話が度々前後する所も処理が上手くいってない。
4点。
>>244-277 「命」
10点。
>>294-295 主観丸出しでこき下ろしているだけで、全く建設的でない。
個人的な萌えキャラの扱いが悪いだけで評価を下げるところなど、厨房そのもの。
「命」に関しては感想にもなっていない。
1点。
今297がイイコトイッタ!
私の傾向として辛口気味になるでしょうが、読ませていただいた
分から感想を書いていきたいと思います。
「夏だ!外でH”だ!」
>>69 一発ネタ作品であることは理解できますが、ごめんなさい、高く
評価できないです。
今回のお題を聞いて私が真っ先に思いついたネタもこれでした。
やはり発想が安直であることは否めません。
短い分、書き込みも浅いですね。この程度の内容なら、別に美汐で
なくても、いや、そもそもkanonキャラでなくても全く同じ話が作れ
てしまいそうです。言い換えれば、美汐SSならではの面白みが全くな
いということ。
確かに美汐はかわいいんだけどね……。もう一捻りを期待したかった。
「乳製品コーヒー」
>>72-76 単純な会話の羅列だけで物語が成立するのも二次創作ならでは。
説明一切抜きの、電波人と正常人の掛け合いは面白かったです。
問題があるとしたら構成面でしょうか。ラストのオチがいまいち
なのは別にいいとして(一応まとめみたいな形にはなっているし)、
クライマックスにあたる盛り上がりがないです。序盤いい感じで盛り
上げてきて、さあこれから、というときに電話がかかって来る。そこ
からあとは「……」のオンパレードで、一気に萎えてしまいました。
むしろ、電話の直前をクライマックスにし、電話シーンをオチに使って
も良かったような気がします。
序盤良かっただけに、終盤の失速は残念。もっとまとまっていれば、
と思うSSでした。
300 :
辛口批評:02/07/20 23:56 ID:OqjxwNsh
○『空の下の恋人』(
>>226-241)追記
言い忘れたけど、さおりんの扱いの悪さというか、中途半端さは俺も読んでるときには
気になったよ。他に言いたいことがあったんで書き忘れたが。
それを差し引いても良い作品だとは思うけどね。
釣り師キタ────(゚∀゚)────!!
釣り師ねぇ…
『海の音楽』がダントツによかった。
というか、これしか読了できなかったんだけど。
元ネタのゲーム知らんのに、おもしろいと思ったのは、それだけ作者が上手いって
ことだろうと思うのでね。
もしかしたら、元のキャラがおもしろいのかもしれんが。
電波が出てるシーンで爆笑しますた。
感想続きです。 前は
>>299 「デート前」
>>118-123 栞特有のですます調によって、デート前の浮わついた感じがよく
出ています。途中からオチが見えてしまいますが、最後が決めゼリ
フでびしっと締めてあるので私的には問題なし。短いながら全く無
駄なところのない引き締まった構成は感動的ですらあります。
欠点は、多分他の人にも突っ込まれるでしょうが、お題との関連
性。ネタも陳腐ですね。総じてありふれた栞もの、という感じで、
面白くない人にはぜんぜん面白くないかも。
しおりん好き、かつ構成重視の私には好評価です。
「渚に3つのシルエット」
>>217-224 前半のエッチ部分は薄めですが、浮わついた出だしから急転直下の
結末への落差がよく描けていて、読者へのつかみとしては秀逸と思い
ます。
つかみの部分で、さあこれからどうするよ、と読者を惹き付けてお
いた後は、怒涛のギャグ展開。浩之のせっぱ詰まった心境もよく描き
こまれていて面白く読ませていただきました。特に終盤にかけての盛
り上げ方は素晴らしい。
で、私が不満なのはオチ。直前までギャグで盛り上げてきた以上、
やはり最後は一段強力なギャグで落として欲しかった。
情景に流すという方法も悪いとは言いませんが、この作品に限って
は、クライマックスまでさんざん溜め込んできた力をうまく使いきれ
ず、その結果、直前までの面白さに対してインパクトの薄いラストに
なっているようで残念です。
「星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──」
>>178-185 暗い。暗いなあ……。まあ、それがいかにも冬弥らしいのですが。
作者さんの狙いは分かるのですが、それを読者に伝えきるにはこ
のSSはやや問題を持っていそうです。女性の名前を隠した冒頭部
分は引きが弱いとも言えるし、沈んだ気分に徹した展開は退屈とも
言えるし、ラストに救いがないところは読者に嫌悪感を抱かせるか
もしれないし、と、このSSはそもそもマイナス的な要素を背負っ
ています。それを読ませるにしては、文章の見せ方に工夫が足りな
いかと思いました。合わない人にとっては徹底的に読めないSSで
はないかと思います。
とりあえず、やたらに改行するのは止めましょう。特にこのSS
のようにストーリーに頼らず描写力で勝負する場合には、せめて段
落を区切るなど読者の状況理解を助けるという配慮が重要です。ま
た、「…」も多用しすぎな感じがします。
はっきり言って、今のままでは非常に読みづらいです。文章に力
があるだけにかえって始末が悪い。特に最後の方、冬弥と女性達の
関係を説明している部分は、私は一読しただけでは意味不明でした。
よく読みこめば、文章表現が優れていることも、構成がしっかり
していることも、伏線が丁寧に張られていることもわかるのですが、
そもそもの大前提たる「読んでもらうこと」に難点のあるSSとい
う印象を受けました。作者さんに力がありそうなだけに、惜しい。
307 :
感想:02/07/22 14:44 ID:4yFeOexT
今回も俺の独断と偏見で決めた順位を。何かしらんが長くなったのでとりあえずこれだけ。
3位「命」
>>244-277 他の方がかなり誉めてらっしゃるので、自分は少々苦言を。
この長さは果たして適切な長さだったのかと思う。例えば、梓を貫いたまま鬼が街に
出る意味はあったのだろうか。鬼の異常性を示すには、最初のニュースなどで十分
問題ないと思うのだが。それと、鬼が梓を殺さない理由がはっきりしない。耕一の
意識はもう残ってないんだよね? 千鶴の写真や楓の思いにも反応しなかったわけだし。
梓を今までの女性と同じように殺さないのは、都合のいい展開としか思えない。
都合がいいといえば、楓の強さもかなり反則物だろう。確か本編では目覚めた耕一の
強さは種族最強のように描かれていた。実際、このSSでも梓と耕一の差は歴然と
していた。んで、それをも凌駕する楓は何? 成長期を迎えたから、といっても……。
耕一が手も足も出ない強さってのはあまりにご都合主義だと思った。
それと(しつこい?)楓は何故今さらのこのこ現れたんだろうか。こんな山奥に
来れるぐらいだったら、梓が陵辱されている時点で駆けつけられたのでは。
さらにさらに、梓の陵辱されている時のでの心理描写が多少甘い気がする。これは
何となく思ったので、あまり強い事は言えないし、
>自分のことなのに、まるでフィクションの映像のように現実感がなかった。
ということを意識して書かれたのであれば、問題はないけれど。
そしてそして(……しつこいな)最後のシーン。身ごもってハッピーエンドには
かなり嫌悪感を抱く。生まれた子供にまた悲劇を味わせる気か? 楓と梓には
生まれてくる子供は女だという自信があったのか。はっきり言ってこれはBADENDに
他ならないと思う。
色々言ったが、それでもこのSSは俺的3位に留まる。基本的な文章力は備えているし
楓の思いを解き放ったシーンや、梓が楓を引き止めるシーンは、やはり良かったから。
ただ、それだけに今まで述べた点などが気になった。
308 :
感想:02/07/22 15:19 ID:4yFeOexT
独断と偏見で決めた順位(続き)
3位同着「真夏の夜の 冬の夢」
>>79-83 途中までは、あんま好きじゃないSSやな、と思って読んでいたが、落ちにやられた。
擬音を多用してたのは、録音を名雪が聞いていたからだったのね。
真琴もかわいいし、何より他とは一味違っている所を評価した。
2位「空の下の恋人」
>>226-241 瑠璃子さん帰還SSってのは初めて……つうか雫のSSをあまり読まない。俺は雫自体を
やったことがないので。だからかもしれないが、面白かった。悪い意味ではなく、
全体的に無難って感じ。たぶんそれは、確かな文章力が根底にあるから。例えば
1レス目の瑠璃子さんの比喩なんか、いいんじゃない? 俺、こういうSS好きだわ。
其処彼処に鏤めてある情景描写に惚れた。
1位「海の音楽」
>>189-214 テーマに真っ向から挑んだ点も賞賛されるべきだが、「海の音楽」がすごく良かった。
最後の瑠璃子さんのセリフも良かった。最後の4行も詩のような印象を受けた。
あー、もう。言葉で言い表せん。引っ掛かった所も2、3あるにはあったが、
それを全部埋めてその上に立派なオブジェが出来上がるぐらい、イイ感じ。
彼らの心が素直に伝わってきた。
えー。まさかこのテーマでこういうSSが集まるとは。純粋に感心しますた。
前回指摘した題名も、今回は中々凝ったものが多かったと思う。全体のレベルも
底上げされているし、歴代コンペの中でも良いコンペになったのでは。
と、わたしも感想を投下させていただきます。
5点満点で付けてます。ただ、感想がかなり主観的になっているのはご容赦下さい。
採点基準は、およそ「1=駄作、2=多少難あり、3=標準、4=良作、5=絶品」と考えていただければ。
ただし、かなり相対評価入ってます(汗
>>69 『夏だ! 外でH”だ!』(美汐) 1Pt.
一発ネタ。
1レスで綺麗にまとまっているが、その分笑いも萌えも説明も中途半端。
>>72-76 『乳製品コーヒー』(香里・名雪) 2Pt.
今回唯一の百合もの。シチュエーションにはかなり萌えたが、文章に難あり。
台詞よりも、地の文を活用することを念頭に置くとイイかも。
>>79-83 『真夏の夜の 冬の夢』(真琴) 3Pt.
上の作品とは違い、地の文を排除し、台詞をうまく活用して状況説明をしている文章。
どうせやるのなら、すべての文章で地の文を徹底排除してみると好感度アップ。
>>96-109 『夏の名雪』(名雪) 4Pt.
直球勝負、テーマとまさに一致する作品。今回の第2位に推したい。
徹底した萌え要素とKanonらしい落ちがイイ。
>>118-123 『デート前』(栞) 3Pt.
栞一人称が萌える、良作。
すぐに直せる範囲の細かさだが、各キャラの行動が原作との整合性の点で少し気になる。
>>139-143 >>149 >>144-147 『息抜きは重要』(こみパ) 3Pt.
禿堂(ぉぃ)。 ……と、それより
>>139-144>>149>>145-147だと思われますが……気のせい?
せっかくぇちシーンを「息抜き」と定義したのだから、その効能も少し匂わせてみて欲しかった気が。
>>155-166 >>168-172 『イノセンスの代償』(長森) 4Pt.
最初の通常状態から狂気にいたる状態になるまで、ずっと長森らしくよかった。
ただ、中村がいつの間に浩平を殺していたのか、雨の中でセクースに集中できるのか、その辺の描写がかけらもないのが気にかかった。
>>178-185 『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』(WhiteAlbum) 3Pt.
世の中の無情さを、娼婦という題材を元にうまくかたづけた作品。
ただ、「外で」してないつっこみと共に、冬弥は果たして誰が好きだったのかが結局分からなかったのが難点。……冬弥らしいといえばらしいが。
>>189-214 『海の音楽』(瑠璃子) 5Pt.
絶品。「生命」のテーマの元に、二人の愛をうまく表現したすばらしい一作。今回のグランプリ最優秀候補。
ただ、生命の必然としてのセックスとして、ぇち(=背徳)の匂いはかけらも残して欲しくないというのが本音だが、それは作品に求めすぎなので(汗。
>>217-224 『渚に三つのシルエット』(To Heart) 2Pt.
これも一発ネタだが、浩之の慌てようが秀逸。
ただ、シルエットの作り方(笑)が、少々強引な気がした。
>>227-241 『空の下の恋人』(雫) 2Pt.
力作だが、設定が疑問符。また、「祐くん」を「裕くん」と間違えるのは萎えポイント。
沙織の扱いをもう少し丁寧にできれば、もっとよかったと思う。
>>244-277 『命』(痕) 4Pt.
今回、「海の音楽」と共に、圧倒的な存在感をもつ作品。ただ、わたしは3位扱い(汗
梓の陵辱シーン後半が冗長(あれなら街に来た瞬間、楓に殺されてます(汗))というのと、2chで読むのは長すぎる点で少しマイナス。
一応、公平さを期すために、ひとつだけ自作自演(汗)がありますがお気になさらぬよう。
また、評価文と点数が食い違っていると思われた場合は、点数を優先してご判断ください。
311 :
感想人1:02/07/22 17:49 ID:OWEcwCck
ちょっと今回感想どうしようか悩んだけど、まずはこれだけ。
>>244-277 『命』(痕)……2点
割と好評のようだけど、俺はこの作品、ダメだったよ。
鬼を制御出来なくなった耕一が舞い戻ってきて凶行を重ねた上に、
立ち向かった梓をさんざんなぶりものにして、衆人環視のもとに痴態
をさらす羞恥プレイをやった後、いきなり登場した楓があっさりと耕
一を殺してオシマイ。
この展開の中に、俺は説得力を全然感じなかったよ。
ただ長いだけで主題らしい主題を感じなかった、と言うか。単に、梓
の痴態を書いただけ、楓の一撃を書いただけって感じで。
耕一が千鶴さんを失った悲しみから鬼に呑まれていく、という流れも
楓の回想だけですましているので、今ひとつ共感できなかったし。
感想続きです。前は
>>305-306 「海の音楽」
>>189-214 構成が上手ですね。テーマである「海の音楽」と、心理描写と、
エッチシーンの3者が結合して一つの作品世界を作り上げているさ
まは見事の一言です。3者のうち、どの1つを欠いてもこのSSは
ない。それほど隙のない構成を、キャラを有効に使った独自のテー
マを用いて印象的にまとめていることは、好評価に値します。
難を言えば、エッチシーンの後、終盤にクライマックスが欲しか
った、と思います。このSSは、中盤で描写されている海の音楽の
印象が強すぎるせいか、終盤いまいち盛り上がりきれていない印象
があります。エッチシーンに割いた分量の一部を、
>>212あたりの電
波の描写を深めるのに使えば、よりまとまった構成になったのでは
ないかと思います。
全体的に心理描写は秀逸なのですが、情景描写には多少甘いところ
があるように思いました。例えばエッチシーンの場面、どう読んでも、
人気のない夜の浜辺の岩の上でやっているという感触は伝わってきま
せんでした。エッチ中は周囲の状況なんて目に入らないもの、と言え
ばそれまでですが、やはり読者が状況を想像して楽しめるくらいの情
景描写は欲しいところです。
あと、
>>306の感想でも書いたことと同じなのですが、ところどころ
改行のしすぎで読みづらくなっているところがあります。
>>190などは
説明部分ながら全く段落分けがなく、描写を目で追うのに負担を感じて
しまいます。テンポよく進めるところと、しっかり読ませるところは書
き方も異なってしかるべきと思います。そのあたりの工夫も。
……私、だんだん偉そうになってきたナ。お気に触ったら申し訳ありません。
たまたま迷い込んだだけの人です
テーマ性と読ませる力を重視
10点満点。
>69 5点
行頭スペースが無い。
だが1レスにコンパクトにまとめているのは高評価。
書きたいことと文章量のバランスが適正。
>72-76 無評価
台詞だけで完結している時点で評価の対象外
>79-83 2点
エロくない。
テーマに沿っているとは言えず、ただシチュエーションが夏で外なだけ。
Hというのが今までと今回のテーマの最大の相違点なはず。
また、台詞だけのやり取りが続くシーンが多く、ほとんど情景描写を読み手の想像力に頼っている。
私はこれを手抜きと判断。
>96-109 3点
1レス目の下半分が目に入った時点で読む気が半減。
エロシーンに関してだが、もっと印象深いシーンや台詞だけを抜粋して短くできなかったものか。
エロが文章量の大半を占めている割には冗長なのだ。
オチやキャラについては問題ない。オーソドックスだがその分安心して読めた。
>118-123 4点
行頭スペース、段落分け、「?」のあとのスペースなど基本部分をおさえており読みやすい。
だが段落分けが多くて物切れな感じがぬぐえない。
また、「〜〜〜です」が続いて1文1文すら途切れている感じがする。
この手の書き方の場合、なるべく過去形と現在形を交互にしたほうがリズムや流れをつくりやすい。
エロくないのも問題。理由は上記のとおり。
>139-143
>>149 >>144-147 無評価
文章詰め込みすぎ。
1文が長く、3〜4行にわたって「実質的な改行」がないのはPC上の文章としては致命的。
この時点で読む気が起きない。
>155-166
>>168-172 6点
今回のグランプリか。
行頭スペース、1文の長さと改行のこまめさ。段落ごとの文章量。
どれをとっても文句は無いだろう。
「他人に読ませられる文章」である
だが残念なことに過去形が続くため1文1文がぶつぎれな印象になっているのは勿体無い。
エロに関してだが、とりあえず前半は文句はない。
前半と後半の狂いの変化が不自然なのが目に付く。
前半の狂い方のまま最後までいけば私はエロに関して満点をつけただろう。
後半の残虐系、死姦系の部分。
好みの問題がからんでくるので私はここを評価しない。
>178-185 5点
文章の書き方に関して文句がまったくでない。
かなりこなれているSS書きであると用意に想像がつく。
残念ながらエロに関して薄いため評価は低いが、これこそ他人に読ませる文章というものとして一押ししておく。
他の文章書きにも見習ってもらいたい。
全体を通して1つのテーマが隠されてるようだが、それを表現するのに適量な文章量なのも高評価。
>189-214 2点
文章詰め込みすぎ。
行頭スペースもないため激しく読みづらい。
台詞部分を中心に流し読みさせてもらったが、瑠璃子の性格や言動に違和感がありすぎる。
キャラものSSとしてキャラの性格や行動、言動くらいはしっかり把握してもらいたい。
本編と違う性格にするなら、それの理由付けは書いてしかるべきである。
>217-224 4点
行頭スペース、段落分け。文句なく読みやすい文章。
物切れになるかと思われた段落毎の文章量だが、作風のおかげで気にならない。
エロに関してだが、他の「エロくない作品」にくらべて、エッチinコミカルを前面に押し出しているため無問題。
他の作品のようなとってつけた感は無い。
これはこれでテーマに沿っていると言えるだろう。
問題は、いくらでも見たことがあるストーリーだということか。
その辺の漫画から抜き出して、名前だけ変えましたと言っても納得してしまう。
次の作品に期待。
>227-241 無評価
文章が長い。詰め込みすぎ。改行が少ない。
好きな雫物なのに、残念ながら読む気は起きなかった。
>244-277 3点
読みづらい。行頭スペースが無いのが致命的。
他の人の評価が高かったため全部読ませていただいたが…。
・序盤エロくない。途中で読むのやめようかと思った。
長い文章を読ませるときは、序盤でなにか物語に引き込む手段を用いるべきである
・梓とのエロシーンが全然印象に残らない
・楓って出てきた意味あるの?
この3つを考えるだけで、無意味に長い文章がかなりコンパクトにまとまるはず。
>総評
だらだら長い文章は誰にでもかけるものだ。
ここのSS書きはコンパクトにまとめようとしていない。
どこの馬の骨が書いたとも知れない長文を、斜め読みされない保証はまったくない。
シチュを対象外、あるいはそれに近い評価にする人ってずいぶんと多いんだな。と思った。
>>317よ。
読みやすさ云々語ってる本人が、アレな文章書いてるのは、なんで?
ああ、反面教師ってやつか……。
なるほど、なっとく。
>>319 まぁまぁ、
>>297 のとおり他人の感想に意見つけるのは
あまり建設的じゃないですぜ。
気に入らなきゃ、それと違う感想を自分でつけてみましょうや。
まぁ、見た目しか評価しない、ってのも、一つの感想だしなぁ。
人物名が間違いが評価に影響しない、ってのも、好きずきだし。
エッチ=エロって短絡して考えるのも、もちろん勝手だよね〜。
もちろん、そういう感想を検討材料にするかも、書き手の自由だよね(w
他人の感想にけちつけるなよ
言い方は厳しいとして、317のはほとんど俺でも思ったことばかりだぞ
長かったり詰め詰めの文章は読む気にならない
見易さや簡潔さ、無駄の少なさはまっさきに評価するべきところだと思う
>>320-323 君らSS系の過去スレ見れ。SS系スレの名物おじちゃんが来てるだけだ。
例え、そうじゃないとしても放置、放置。
>321
検討材料にするかも書き手の勝手
しないの?
私は今回参加してないけど、正直痛いところを突かれたと思ったのですが。長文SS書きとして。
私は長い文読むの好きだし、今回一番高く評価したのも「命」でしたが、
長文で読みにくいというだけで読む気を無くすという人が確かにいる、
それを知らなければ力作に目すら通してもらえない可能性があるんだ、
と指摘してもらったわけだから。
感想の文体に苛立って反論してたんじゃ、重要な事を見落としますよ。
と言ってみるテスツ
ちなみに私は横書きの長文はモニター上だと、あまり読む気が
おきないので、全部コピペして紙に縦書きでプリントして通勤の
電車で読んでいるよ。
紙にプリントして読むだけでも、かなり印象が変わるSSもあるので
暇な人は試してみては?
今回は参加してない人間だけど。
読みやすさ最優先にすると、自然に文章を切りつめていくことになる。
無駄な枝葉の部分を削ることに慣れるから、一文がまとまる。
SSの書き方というよりは、
文章の書き方として、一文には出来るだけひとつのことだけを。
と、大学の講義で教えて貰ったことがあるんだが、少し考えてみてはどうか。
一例。
僕はその木に登り、大きな果実をもぎ取ろうとしたら強い突風に吹かれ、枝が揺れて頭から落ちてしまった。
僕はその木に登った。
大きな果実をもぎ取ろうとした瞬間、強い突風が吹き付ける。
そのせいで枝が揺れ、僕は頭から落ちてしまった。
……どっちのほうがいいでしょうか? って感じです。
感想続きです。前は
>>312 「真夏の夜の 冬の夢」
>>79-83 会話文だけで物語を成立させようとしている点は、「乳製品……」
と同じなのですが、このSSは逆にそれがマイナスに出ているみたい
です。私は読みづらかったです。
真琴と祐一の二人、互いに口調が似ているし、テンションは同じだ
し、この二人にもう少し明確な対比が欲しかった。途中でどれが誰の
台詞かわからなくなってまごつきました。この会話文をすらすらと読
み下すのは、よほどKanonSSに慣れた人でないと難しいと思います。
あと、擬音描写は何とか工夫できませんでしたか? 会話文の間に
挿入して臨場感を出そうという意図はわかるのですが、どうにも漫画
的で、文章創作という感じがしませんでした。
最後にしっかりオチをつけているところは好評価。構成が上手です。
「夏の名雪」
>>96-109 これは上手い。お題に真正面から取り組んだ姿勢、必要十分な描写
だけに絞った一直線な構成、しっかりと詰め込まれた文章、いかにも
KanonSSらしいオチ、と隙がありません。まるでデッサンに全く狂いの
ない絵を見ているようで、読んでいて不安を感じることがありません
でした。その安定感こそが、このSSの最大の魅力と思います。
逆に安定しすぎていることを物足りなく思う人もいるのではないかな、
と心配ですが、私としてはこのSSを高く評価します。
難しい漢字を開いた方がいいとか、文末の「……」を減らした方がい
いとか、細かい点で突っ込めるところはありますが、本質部分に問題な
し。今回のグランプリに推します。
>328
レポートなら間違いなく後者をとるべきだが、小説の場合どっちでもい
いと思うナ。一見無駄に見える枝葉こそが小説の味、という意見もある
わけで。
>>330 伝えたい事の加減だろうね。
多数の言葉でゆっくりと相手に分からせるか、少数の言葉で相手に自分
で理解させようとするか。
うーん。
書き味という部分で、意図してごちゃごちゃさせるのはいいと思うんですけどね。
何も考えずに一文一文を長くしていると、読み辛いのデメリットの方が大きいと思ったので。
長文は大好きですが、読み辛い文は個人的に嫌いなので……
あまり詰めすぎたり、さっきの前者みたいな文だけで構成されてると、読み飛ばす人は多いかと。
まず何よりも読ませる気分にさせることは必要だと思いますしね。
結局は自分で出きることが、他人が望むことなんじゃない?
>>328 その例で言うと。
>僕はその木に登り、大きな果実をもぎ取ろうとしたら強い突風に吹かれ、枝が揺れて頭から落ちてしまった。
僕はその木に登り、大きな果実をもぎ取ろうとした。
その瞬間。
突然強い風がやってきて、僕が支えにしていた枝を大きく揺らしたかと思ったら、
僕は頭から落ちてしまった。
とかとか。
一文ごとに区切りすぎるのも一文が長いのも、読みづらくなったり、ただの事象
を連ねただけの味気ない文になってしまうんじゃないかな?
>>334 その辺は自分のクセと味でいくらでも変化できますし。
あと、単なる一例ですから。
あれは、できるだけシンプルにということで書いた文です。
自分自身の文できっちりとやったら……、
僕は、その巨木に駆け上った。
みずみずしく美味しそうな大きめの果実をもぎ取る。
っと、その瞬間!
凶悪な突風のせいで、木から弾き飛ばされそうになった。
必死に耐えようとするも、枝の揺れた反動で手が滑る。
僕は、情けない悲鳴を上げながら頭のてっぺんを地面に打ち付ける羽目になった。
って感じで。(w
事象を連ねるだけと言っても、その情景をどんな風に思い浮かべさせられるか。
そーゆーことです。
私もやってみる……なんか主旨がおかしくなってるなw
僕がその木に登ったのは、太陽のように大きくて華やかな、見るからに「あたしを食べてください」と
いう風な自己主張をしている果実をこの手でもぎ取ったろうとしたからなのだが、不幸というのはこうい
う時に起こるものだ、えてして。
強い横凪の突風が僕と果実と果樹の枝に襲い掛かり、僕の身体と意識は、不安定に揺れる枝の上で、嫌
な予感と冷たい現実で真っ白になる。
がくがくと震える枝は、次の瞬間ふるいのように僕を蹴散らし、真っ逆さまな世界を見たかと思うと、
――目覚めた僕が次に見たのは、果実を握り締めて離さない間抜けな自分と、そのカラの頭からだらだ
ら流れる真っ赤な血なのであった。やってられん間抜けさだ。
小説だからなんでもアリとはいえ、これは読んでもらえないものの典型ですなw
難しいところだね、読み易さとこだわりのバランスを取るのは。
>>336 翻訳サイトに突っ込んだ日本語に訳された英文みたい(w
どんどんスレの趣旨から離れていっているのは気のせい?(w
そろそろ止めといたほうが無難だと思うけど。(w
いや、コンペに出す作品は、
読みやすさをもう少し気を付ければ評価が上がるものもあるでしょう。
……という話題ですし。(w
てか、話の筋が見えないんだけど?
ってゆーか、SSが「小説」だと誰が決めたんだ?
所詮、自分の最も親しんでいる文章表現が、
自分の評価基準になっているだけだろう?
好みの問題を作品、さらにはこの企画自体に押しつけるような(既出なので以下略)
感想はその人のスタンスで構わないと思う。
文法に重点を置く人もいれば、内容、萌え、色々あった方が面白い。
そこに主観もあっても、一行レスとかじゃなければ批判的でも
「こんな考えもあるんだな」と思える事は多々あるし。
評価基準がみんな一緒だと、つまらないよ。コンペとして。
>>341 感想にちゃんとした説得力があれば、主観でも良いとは思いませんか?
それが出来ないなら、主観は引っ込めるべきだろうけど。
まあ、「感想の感想書いてるヒマがあったら自分も感想書いて、感想の数を増やして以下略」ってのは
前から言われてたことだしねぇ。
いろんな視点の感想があるのはいいことだと思うし。
>>317みたいな評価も、視点が違って面白いと思ったし。例え「そりゃちゃうやろ」ってな部分があってもね。
個人的には、名前誤字にツッコんでる人が思ったより少ないなぁと。
普通はそんなに気にならないもんなんだろうか。うーむ。
ものすごーく気になります。 >名前誤字
ちゃんとゲームやってんのかなー、とか邪推したり。(w
>>342 >感想にちゃんとした説得力があれば、
それがないと思うから、文句のひとつもいいたくなるんだろうね。
でも、そういうのも含めて複数人の感想を並列に見れば相対化されるから、
ってのがこのスレの流れだと思う。主観でいいかと。
(並べてみればいい加減な感想なのがまるわかり、とか、
逆に、文句を言うようなことはないいい感想ってことがわかったりとか)
>>344 ゲームを事前に再プレイして、SSの冒頭に間違えないように
名前を貼っておいてすら、間違えることもあるんだよなあ(;´Д`)<経験者
当然、当人が一番恥ずかしいDEATH。
「なんでこんなのミスするんだろう?」って読者として読んだなら
一発でわかるようなミスを、投稿した後で気付く……ってこと、
SS書きなら経験ないっすか?(w 自分のサイトなら簡単に手直しできるんだけど。
誤字というか、美咲さん萌えのくせに「美咲先輩」と記した事が(汗
>>345 いや、ミスがあるからこそ。(w
自サイトのSS、アップしてから3,4回は直すこともあります。
でも、名前だけは間違えたことは無いですね。
リンク記念で人様に送り付けたSSは色々直したいけど、さすがに言えないワナ。(w
あ、感想なんて主観以外は無理だと思います。
極論、完全な客観なんてありませんし。
それを見た時点で、意見は、すでに主観でしかないでしょうから。
俺はあんま気にしない方だが、感想を書くのにそれを念頭において書くことがある。
二次創作のキャラの名前なんて、三点リードや感嘆符の使い方などと並んで
基本中の基本だと思うので。
ああこの人はSSを書きなれてないんだな、初級者の部類かな、と作者を想像したりしてね。
んで、そういうことは突っ込むべきところではないと個人的に決めているから、
自分の感想内でもスルー。
あ、348は名前誤字についてね。
……レスのつくスピードがいつもより速い?(w
名前間違えで萎える気持ちはわかる。
萌えキャラは勿論、そうじゃないキャラでもね。
でも個人的には誤変換は単に技術的なこと、ケアレスミスだと思って
SS自体のレベルには関係しないと思って評価します、俺。
むしろちゃんとゲームやってんのかなー、と思うのは、呼び方とか?
オリジナルの設定でもないのにシンジが綾波のことを「レイ、レイ」呼んだり。
レアな組み合わせのふたりはともかく、
原作で頻出する呼び名が間違ってると。
351 :
321:02/07/23 23:50 ID:kGOxwh7Q
うわ、今日はスレの進みが速いなぁ。
遅いレス、申し訳ない。
>>326 だから「勝手」にすればいいのではないかと。
自分に有意義だと思うコメントがあったら取り込めばいい。
無意味なコメントだと思ったら無視すればいい。
重要なのはコメントを取捨選択する目を持つこと。
ちょっと否定的なコメントが付いたぐらいで弱気になり、安易に指摘を
取り込もうとすると破綻しますぜ。
例えばその「長文」について。
確かに長文を嫌う人はいるけど、逆に好む人もいるはず。
自分のスタイルを崩すことにより、逆に今までの読者が離れていくことも
あるのではないですかな?
【告知】
現在、葉鍵的 SS コンペスレでは投稿期間を終え、感想期間に入っています。
今回、投稿された作品の一覧
>>287 となっています。
目に留まった作品だけでもいいので、よろしければ何か書き込んでください。
あなたの一言が、未来の SS 職人を育てるかもしれませんYO!
353 :
名無しさんだよもん:02/07/24 00:35 ID:UIV/+H4J
長文ウザイ
「どういう基準で評価するかは住人一人一人の自由」がこのスレの方針の
大前提なので問題はないと思いますが、
>>2に
>・テーマを決めて、それに沿った SS、シチュなどを書く
とありますし、私はシチュはシチュとして評価します。
他にも、エロが主目的のエロSSはエロ主目的のエロSSとして、
ギャグSSはギャグSSとして。エロが目的でないSSも、それとして。
感想なんて自分が思った事を書けば良いと思うんだけどなぁ。
自分の好みの視点で見て書いて何が悪いと?
主観的な意見を書き手や企画に押し付けるな、と言ってる人もいるけど
それも感想を書いた人に対しての押し付け行為なんじゃないのかな?
名前や呼び方のミスについては、評価するなら自分は減点対象にしますね。
誤字と同じ事だと思いますから。
技術云々以前に、二次をやる上では基本でしょう。
ま、感想にケチつけるほどここは排他的ってことかな
身内で誉めあって、きつい批判は全部排除
なんのために2chでやってんだか
おもしろいひと が あらわれた!
おもしろいひと は ログ を よんでいないようだ!
たたかう
じゅもん
どうぐ
にげる
→ほうち
今回はばっさり切り捨て・滅多切り系の感想が多いようなので、
自分は職人さんのやる気を直接後押しできるような感想を目標にしようかな。
(感想の傾向が逆だったら、逆に自分の方が切り捨て系行ったかもしれませんが)
長編に感想が集まってるようなので、短編やシチュ系。
>>69 『(ネタばれにつき秘匿)』(美汐)
一発ネタなので一レスに収める…というのは作者さんの狙いだと思います。
それを成功させているのは評価できますね。短い中、キャラも良く
書けてると思いますよ。どこかにもう一押しの面白さを入れることに
成功してたら、もっとアピールしたかな。
>>72-76 『乳製品コーヒー』(香里・名雪)
前レス320のオミクンのぞうさんパオーン!パオーンだぞっ!から600レスあまり。
ついに本格会話文オンリー形式キタ──(゚∀゚)──!
スムーズな会話がほんのりオカシイ。ほのオカ。
>「うん、あたしもそれは少し違うかもって思った。
>「おんなじジュースだよ」「きっと微妙に違うわよ」
あたりはとくに、自分のギャグツボです(w
ラスト、香里が何がおかしいのかちょっとわからなかったかも。
>>79-83 『真夏の夜の 冬の夢』(真琴)
会話文オンリー第二弾キタ──(゚∀゚)──! しかも、最後に「録音だった」という
ヒネリのあるネタ。なるほどー、あの擬音等も、録音だから…。
となると効果的で面白し。ただ、オチは名雪が困るだけじゃない…のがいいかな、と
思いました。お題「外でエッチ」が原作と直結させてるあたりも、密かにポイント。
こういう会話文オンリーとかも、二次創作の形式のひとつだと思いますよ。
>>118-123 『デート前』(栞)
こなれた一人称のかわいい一作。たしかに定番かもしれないけど、
時計回りに一回転までさせると、おかしいし、可愛い(w
個人的に、水をごんごん流しながら長トイレする「お姉ちゃん」が趣深い(w
携帯で長文投稿って大変らしいですよね。御苦労様です。
こちらに限らないですけど、kanonキャラを夏の空の下に引っ張り出せて、
(kanonキャラに限りませんが)なんか爽やか且つタイムリーなSSが多く
なりましたね。個人的には成功だったと思います。今回のテーマ。
>>217-224 『渚に三つのシルエット』(To Heart)
雑菌がウヨウヨの海中でのHは、彼女の大事な内部が危険にさらされるので
基本的には×。このSSのように、創作や妄想の中でいっぱいしましょう(w
すげえロマンチックになったり、こちらのように人の中での羞恥プレイぽくなったり。
冒頭は、委員長の反応が可愛くてなかなか興奮させられますた。
下が流されるのも定番かもしれませんが、ふたり揃ってってのが間抜けで面白い。
あとはギャグ連発、海の生物たちの個所は爆笑。こういうの弱いんだよなあ。
とにかく楽しませてもらいました。
ただ、無個性に出てきた警官がラストシーン&オチのメインってのは、
ちょっと弱いかも。警官にもキャラ立てorギャグの一つもあるか、
違うオチ&タイトルの方が良かったかな。…ルパンぽい気もする(w
361 :
感想人1:02/07/24 13:44 ID:y5oGRNFJ
ようやく全部読み終えたので、感想いくよ。
>>69 『(ネタばれにつき秘匿)』(美汐)――4点
変化球としてはまあまあだと思うけど、自分で「下着をつけない」と言っ
てしまうのは、美汐らしくないと感じたよ。と言うか、そもそもそんな格
好、普通は出来ないと思うし、祐一に押される形で実現することになって
もその事実を自分からべらべら喋るよりは、仕草の端々に恥じらいを見せ
て戸惑っている方が美汐らしくないかな。
>>72-76 『乳製品コーヒー』(香里・名雪)――6点
香里の性格と言うか行動がぶっ飛んでるところが、最初から最後まで一貫
してるのは興味深い。書き方も話のノリに合っていると思うし、面白かっ
た。
ただ、テーマの部分が希薄に感じられたのと、終わりがややあっけないの
がマイナス。
>>79-83 『真夏の夜の 冬の夢』(真琴)――3点
これでは状況がよく分からなかった。まあ、真琴と祐一が外でやったのは
分かるんだけど、最後の名雪の目覚ましを前に困っている部分で、いきな
り「目覚まし」が出てきているので、つながりが分からない。
>>96-109 『夏の名雪』(名雪)――8点
エロから落ちまで、きっちりとまとまっていると思う。まあ、Hになだれ
込む展開とHシーンがエロゲによくある流れそのままと言う気もするけど。
それにしても、避妊は考えないのか…。秋子さんも「部屋の中でやれ」じゃ
なくて、避妊をちゃんと教えた方がいいんじゃないか?
362 :
感想人1:02/07/24 13:44 ID:y5oGRNFJ
>>118-123 『デート前』(栞)――5点
そういう姿をしている女性、実際に見たことあるよと言うのはともかく。
ドタバタとしてる部分と、最後の部分とのバランスがよくないような気が
する。自分の痴態が発覚した割には、栞の動揺があまり感じられないと言
うか、
> 何てことでしょう、後ろの裾がショーツに挟まっていたのです!
> 慌てて直しましたが手遅れです。恥ずかしさで顔が真っ赤になっていくの
が判ります。
この二行だけですませてしまっているので、面白みに欠けた。もっと慌て
て、とんでもないことを口走ってしまう栞を祐一がなだめると言うくらい
の盛り上がりが欲しかった。
>>139-143 >>149 >>144-147 『息抜きは重要』(こみパ)――6点
こみパで、「マンガのネタにするためにHする」と言うのはありがちな展
開だと思うのだけど。Hシーンをあえて書かないのもいいけど、由宇との
会話があっさりと流れてしまっている感じがする。
>>155-166 >>168-172 『イノセンスの代償』(長森)――7点
噛み切っちゃうか、アレを。
うん、題材は暗いものではあるけど、長森がやられて終わりと言う流れで
止まらないのがとてもよかったよ。まあ、あの時点で長森自身もすでにど
こかに逝っちゃってるけど、相手に反撃を与えて、自分は恋人のもとに戻
る(ちょっと違うが)と言うのも、「まあいいかな」と思えてしまうから
不思議。やってることは異常としか言えないんだけどね、どっちも。
363 :
感想人1:02/07/24 13:45 ID:y5oGRNFJ
>>178-185 『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』(WhiteAlbum)――8点
自虐的なセックス、と言うか自慰と同じだね、本質は。
この状態に至るまでの書き込みが少ないものの、冬弥のやるせなさや女を
前にしても妙な冷静なところなどが、彼の状況を十分に語っている気がす
る。『弥生』と言う名の女を、ほとんど無意識に選んでいたのかも知れな
いと言う点がまた悲しみを誘う。
>>189-214 『海の音楽』(瑠璃子)――9点
長瀬ちゃんの瑠璃子さんらぶらぶ日記と言う感じで、よくまとまっている
というか、ほんとに綺麗な作品だったよ。
お互いの想いとか、海の小さな生き物たちの音楽とか、浜辺の瑠璃子さん
の姿とか、それら一つ一つに新鮮な感動を覚える長瀬ちゃんの姿とか、読
んでみて気持ちがいいね。
>>217-224 『渚に三つのシルエット』(To Heart)――3点
ネタとしては今ひとつ。Hシーンもあっさりと流してるし。
それにしても委員長、よく水着を見つけられたね。
>>227-241 『空の下の恋人』(雫)――5点
必要以上にくどい文章と言う印象を受けた。沙織を当て馬にしてるのはい
いとして、完全に置き去りにして二人だけの世界に没頭してしまうのは、
ちょっと残念。
>>244-277 『命』(痕)――2点
>>311 を参照。
364 :
感想人1:02/07/24 13:47 ID:y5oGRNFJ
と言うわけで、総評。
俺的最優秀作品
>>189-214 『海の音楽』(瑠璃子)――9点
次点
>>178-185 『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』(WhiteAlbum)――8点
>>96-109 『夏の名雪』(名雪)――8点
今回は本当に長い作品が多かったと思うけど、やはり読みやすさをもう少
し考えて欲しいと思った。特に投稿順序を間違えた作品は、最高に読みづ
らかったよ。こういう凡ミスは勘弁して欲しいね。
それと、点数付けってみんな反対じゃなかったのか(w
>>358 惜しい。最初の3行がなければ、もっとやる気を後押し出来ていたかもしれない(w
366 :
358:02/07/24 22:16 ID:8IJahthN
なるほど、そうかも(w
1位 命
圧倒的な迫力と的確な状況描写で、長さを気にせず一気に読めた。
最後に楓が犯られる事を期待したのは俺だけか?
2位 海の音楽
キャラの特徴を完全にトレースし、なおかつ独自の世界観を構築している。
Hシーンも自然な流れで入っていたと思う。
3位 息抜きは重要
ありがちな展開だが、それを抜きにしても上手くまとまっており、なおかつ読み易い。
ただエロシーンを薄くした理由がよくわからんが…
夏っちゅー事でAIRだらけになると思ってたんだが不思議と一作も無かったな。
みちると石鹸遊戯でハァハァとか美尻と廃駅でハァハァとかそんなん期待してたんだが…
>>367 私の記憶が確かならば……AIR SS って第一回目しか出て来なかったような。
まぁ季節がら、これからが本番なのか?
しかし石鹸プレイだとか廃駅プレイだとか、兄さん(・∀・)イイ!!ネタ持ってまんな〜(w
このスレ関係無しに誰か書いてくれんかな。
>>227-241 『空の下の恋人』(雫)
外でエッチをしてない! …なのに作品は「夏だ!外でエッチだ!」に、なってる。
ある意味上手くひねってるし、ある意味作品本体のテーマとお題を直結させている。
お題の処理に関しては、今回最高じゃないかと思いました。
内容的にも、本編の本筋に直球で挑んだ力作ですね。文章力も確かだし。
名前を変換ミスしてるのは萎える人が出て当然ですが、原作をちゃんとやってないと
までは思わないっすよ。沙織と祐介は事件当時クラスが違うとか、
他にも原作の細かい所結構いろいろ抑えてますし。
一応、気になったとこチェックも。まずヤパーリ、沙織の扱い(w
>彼女には明日謝っておけばいいだろう。
駄目です。(←誰なんだ俺は) ふたりきりの時に素面でここまで言ったら、これは
女の子にとっては滝壷に跳び込むような気分の告白では? 祐介の心の葛藤だけ
じゃなく、断る個所で、祐介・沙織ふたりの見せ場になるぐらいのシーンがあってもいいほど。
瑠璃子さんの話だから、これでもいいと言えばいいんですが……。
これだけ沙織の扱いに納得できないという感想の住人が多いのも、ある意味逆に言えば、
この作中の沙織が生き生きと描けてるからなんですよねー。
祐介に付かず離れず歩く描写とか、とてもいい、好きな感覚です。
あと、お兄ちゃんの口調も、ちょっと仰々しくないかな。
扱い自体も、消えた後すぐ外に出て「これで瑠璃子さんとエッチもできるや」
って喜んでるのはちょっと冷たいような、う〜ん、でもラストだし瑠璃子さんとの話だし、
これもいいと言えばいいんだけど……。
「エッチ」って言葉も、お題だから使ったのはわかるんですが、
もうちょっと間接的な言葉の方が良かったかも。大丈夫。多分それでも伝わりますよ。
他にも、文章力は確かながら微妙に気になる文は散見されました。
例えば
>>224、本人が知らないで言ってるのは「嘘」ではないとか。
こういう、脇の扱いと、文章、いくつか細かい気になる所はあったんですが、
それでも、今回の難しいテーマを一番上手く処理して、そのアイディアを
力作に仕上げたのを評価します。自分はこのSSを今回の最優秀作に推します。
あと、今回の殊勲賞は投稿が交錯する寸前でギリギリで踏みとどまった
>>188-216の188さんと、うまく
>>69の”タイトルでネタバレ”を回避した1さんに(w
あ、でも「息抜きは重要」のリンクを修正し損ねてるのは減点(w
そろそろ、感想も直球で
抜けた/抜けない
勃った/勃たない
(*´Д`)興奮しますた/(・∀・)シナカッタ!
ってのも出ると面白いなあ(w
エロSS対象で。
エロなしSSでそういうこと感じさせられたら、それはそれでまたイカスが。
じゃあ実用性重視で
1.イノセンスの代償
2.夏の名雪
3.命
ここで注目したいのは夏の名雪。
純愛であそこまでエロいSSは珍しい。
冬のイメージが強い名雪をあえて選んだ事も高ポイント。
夏の名雪 の作者さんはきっとしりのケやわきのケ辺りを題材にして創作活動をされても
キラリと光るものが見られるのではないかという毒にも薬にもならない見解を垂れ流してみる昼下がり
>しりのケやわきのケ
葉鍵板の過去SSスレにてがいしゅつ。
感想続きです。前は
>>329 「命」
>>244-277 今回の投稿作品中で、最も完成度が高いSSではないでしょうか。
切れのいい文章を確かなリズムが支えていて、読者を一度捕まえた
ら最後まで離さない力を持っていると思います。個人的好みを言っ
てよければ、私はこの文章に感服します。素晴らしい。
前後二部に分けられた構成も、「命」という統一テーマの下にき
れいに対立していて、文句のつけどころがありません。梓、楓と二
人のヒロインを配し、難しいテーマを表裏両面から描き出して見せ
た筆力は見事の一言です。二人の心理描写も秀逸ですが、根底に流
れる二重構造に気づいたときには、軽い驚きでしばらく放心してし
まいました。
それほど完成度が高いにもかかわらず、私がこのSSをグランプ
リに推さなかったのは、このSSがひたすら作者の世界を突きつけ
ているだけのように感じたからです。読者の居場所が用意されてい
ないというか。強引なストーリー展開や感情移入を阻むような頻繁
な視点の移動なども、その一因でしょう。
この世界にも感動はありますが、それは作者と読者がともに共感
しあうものではなく、読者が作者に屈服する形での感動であるよう
に思いました。どこか荒涼とした、そんな読後感。
「読者に媚びるSS」というものが一端にあるとすれば、対極に
は「作者の世界を押し付けたSS」があると思います。その両者の
バランスに優れた作品が、いわゆる名作と呼ばれるものなのでしょ
うが、このSSは後者に偏っているという印象を受けました。
別に売り出すわけでもないのに、たかがSSでそこまで、とは思
いますが、作者さんが十分な力をお持ちのようなので、あえてその
「バランス」を指摘してみました。評価は少し引かせて頂きますが、
期待の裏返しと受け取ってくだされば幸いです。
>374
つまり、そういう意味のレスなのでは…<373
統括期間に作者さんからひとことあるといいな(w
>>69 『(ネタばれにつき秘匿)』(美汐)
こういう一発ネタ、いいね。特に
>天野のお説教する姿は確かに可愛いが、情けない姿はさらしたくない
あたりの叙述にはニヤリとさせられてしまう。
他にも美汐のメアドなど、遊び心にあふれている。
次回のテーマ『嘘』でも、トリッキィな作品を書いて欲しいね。
>>72-76 『乳製品コーヒー』
まず初めに題名の意味について悩む。名雪(ミルク)と香里(珈琲)…?
その二つが交じり合ってると想像すると、なんだか凄くいやらしい。
まあ、香里がレズっていうのはありそうな話。北川には冷たいし、
性格が正反対の名雪とはなぜか仲が良いし。それはともかく、
香里と名雪の絡みだけでは物足りないので、もう1歩が欲しいところ。
>>79-83 『真夏の夜の 冬の夢』
会話文ばかりだったから、どう感想を書いて良いもんかと思ってたら、
そういうオチですか…上手いね。
名雪エンド以外のアフターストーリーではうじうじしている名雪が
多い中で、珍しく名雪がほんわかしていてグッド。
記念日の半年後だからどうこう、っていう人間は初めて見たな。
作者の周囲には実在するのだろうか(w
>>96-109 『夏の名雪』(名雪)
性的描写を除いたストーリー部分は、それほど面白味があるものでは
ないが、文章は手堅く、何より、しっかりオチがついている。
「エロがあって、オチがある」というのは、今回のテーマに
対する、一つの答えであるように思う。
>>118-123 『デート前』(栞)
栞視点による文章は、ほのぼのとしていて良いと思うが、
キャラの描写が違う気がする。少なくとも、自分の理解している
人物像とは。
>>139-143 >>149 >>144-147 『息抜きは重要』(こみパ)
由宇の口振りからすると、18禁の作品勝負をしているようで、
和樹と瑞希の行為は、息抜きどころではなく、勝負に勝つための重要な取材
なんだろうね。しかし、どうして勝負の結果を書いてオチにしなかったんだろう。
「和樹さんの作品が一番真に迫ってますね」「取材の成果やな」
「二人だけの秘密を漫画に描くなんて…和樹のバカー!」
みたいなのはベタベタだから書きたくなかったんだろうか。
今のままではエロだけになってしまってると思う。
感想期間中に終わりそうにないんで、
グランプリ候補だけ先に推薦しちゃいます。
【星々の過ぎ去った季節──偽りの契り─―】に一票。
後は総括期間にズレ込みそう。
>>178-185【星々の過ぎ去った季節──偽りの契り─―】
これは面白いね。こういうトリックのある作品は好き。
読み手に立て続けに違和感をぶつけておいて、
タネあかしで一気に視点を後ろに引いてしまう。
決して薄くないエロシーンが展開されているのに、
目の前の女性にはフォーカスが合っていない。
この作品は上手くねじってあると思う。
ゲーム中の契約と金で買った契約を対比させてるわけだ。
相手が「ゆき」でも「りな」でもないところも良い。
この取り合わせの妙と、このどうしようもない結末は、
WAの人間関係が抱えるひずみを佳く揶揄してると思う。
人間関係のあやういバランスがゲーム本編のキモだとするなら、
逆に決定的に破綻するサイドストーリーがあってもいい。
今回は楽しんで読める作品が多かったけど、
アイデアとゲーム本編との兼ね合いを評価してこの作品を推します。
後はできた分だけ。今回はリストの下から読み始めてたのでちょいと変則。
見苦しいのは御勘弁を。
>>227-241【空の下の恋人】
情景描写が丁寧で好感が持てる。
今回、描写が一番気持ちよかったのはこの作品だね。
沙織とのやりとりが妙にエロいと思ったよ。
祐介には瑠璃子という精神的な伴侶がいて、
沙織はただ純粋に性欲の対象という対置。
しきりにアプローチを受けながら、
“暑さのせいで”思考が鈍化していくわけだ。
祐介の身勝手な余裕のなさも高校生らしくていいかと。
こういう劣情の描写は個人的に好み。
ただ、ストーリーのメリハリとしてはちょっと弱いかな。
月島兄の扱いとオチの付け方はもう少しひねって欲しい。
対話の前に伏線を一つ張るだけでもずいぶん印象が違ったと思う。
なぜかクライマックスよりも前半部が個人的にヒットだった。
>>244-277【命】
マンガ的文脈というのだろうか。ちょっとだけ月姫を思い出したよ。
シーンごとのスピード感はなかなかのもので、描写もアクション向き。
ところどころ詩を吟ずるような地の文が独特で面白いね。
34レスという長さに最初は身構えたけど、
読んでみるとすいすい進んでしまう。
ただ、底流となるキャラ心理に関してはやや厚みに欠ける気がした。
作品全体を貫く主題が見あたらず、シーンによってそれぞれ違って見える。
物語として流れをみると散漫な印象になってしまうんだな。
勢いは評価できる。後は構成だね。
プロットの組み立てをしっかりできればかなり良くなると思うよ。
381 :
373:02/07/25 23:39 ID:Yv4miCfB
>376
的中(w
今回はかなり評価が分かれていて感想読むだけでも面白いね。
俺は「命」が一番良かったと思うけど、他のもかなりレベルが高かったと思うよ。
ただ、台詞のやり取りで羞恥心を煽るような15禁的な作品が無かったのは残念だけど(w
じゃあ、エチあり作品をチェック。最後の長編たちは既評なのでそれ以外。
>>371 >>96-109 『夏の名雪』(名雪)
14レス エチSS! ごちそうさまです。
「エロSSはSSスレでは不利」「エロ以外で勝負」といわれていたところに、
正統派エロSSで力作をぶつけてきたところにも、好感が持てます。
そして、エロSSの基本通りながら和姦でラブラブでエロい。描写も細かくて、
ところどころに使われるエチい言葉あたりもサービス精神を感じさせます。グー。
夏の砂浜とエチの描写で一部ちょっとリアリティに疑問を感じるとこもあり、
キメの部分もちょっとキメ過ぎたかな?とか、ラストも軽いオチってことで、
も少し長さを詰めてもいいかも…とも思いましたが、なかなか良かったです。
>その奥に、僅かながら見えるのは……もしも、名雪が
>俺の子供を妊娠してくれた場合に、その子が約10ヶ月間過ごす場所だろう。
ここで一番興奮してしまったおれは……ごめんへんたいだ
>>139-143 >>149 >>144-147 『息抜きは重要』(こみパ)
こちらはエロSSではないのでそういう評価はしないっす。
文章力、そのキャラらしいセリフ、いずれも確かで安心して本文は安心して読めます。
オチが弱めなので、も少し短くサッと終わるか、もうひとつ強いオチが良かったかな。
>>309さんの指摘通り、
>>139-144 >>149 >>145-147で、
149は(7/10)だと思われます。あと、一人できりもみ→切り盛りでは。
名前ミス、投稿順ミス等は、締め切りを焦ってしまったご不運もあったんでしょうが…
SS自体のレベルには関係しないと思い、自分は気にしませんでした。
次回また頑張ればOKっすよ。
>>155-166 >>168-172 『イノセンスの代償』(長森)
17レス!凌辱もの!来ましたね。これまた、その直球ぶりと力入れっぷりに感服!
しかし内容は変化球ー。主人公はオリキャラで、最初リアルな凌辱ものか?と
思ったらどんどんと奇妙に現実感を喪失した暗黒ワールドに…! そしてエロい。
長森が中村くんを浩平と取り違えて錯乱した後、浩平を見てあっさり自我を取り戻す
ところは、ちょっと置いてきぼりにされた感じもしますが、でも、錯乱して腰を振る
長森、怒る長森、どちらもエロい…。踏み付けにされ、罵られて射精するシーンで
ハァハァした読者のあなた、おめでとうヽ(´ー`)ノきみもりっぱなへんたいだ!(笑
きれいな足を精液が汚す描写を入れるところなんかが光ってます。
最初ざあざあ雨が降っている描写があるのに、以後ほとんどそれを感じなかったのは
ちょっと、? でもこれ、作者さんの狙いですよね。
イノセンスの代償を支払ったのは、長森なんでしょうか。中村くんなんでしょうか。
>>178-185 『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』(WhiteAlbum)
ねっとりとしたHはあるものの、それは虚しい行為。
行為が、相手の女が、主人公の虚しさを強調するために効果的に使われてますね。
Hに期待するべからず、とありますが、確かな文章力でネトーリとした描写。
充分抜けるレベルですぜ、旦那ー!
作者さんの狙いは充分達成できてると思います。ただ、個人的には
失ったぜ、悲しいぜ…だけだとちょっと読後感が微妙に食い足りないかな。
主人公がもう少しその虚しさを距離感を持って見ていて自嘲する、
逆に、虚しさをはっきり自覚していなくて、行為によって気付くその瞬間を
クライマックスにする、あるいは去っていった彼女達、きれいな星々、彼女達の
美しさを追憶と共により強調する……等だったらどうだろうとも考えました。
文章力は今回トップレベルだと思います。
つーか、ヘンタイの人は、ヘンタイって言われるの喜ぶんだよな。
…漏れ?
漏れは長森の罵りに当然ハァハァしましたが、何か?(w
>>382 >台詞のやり取りで羞恥心を煽るような15禁的な作品が無かったのは残念だけど(w
ちょっと同意? ふだんエロSSを書かない人が、おっ○いポロリ系の
少年誌的爽やかH話をもうちょっと書いてくれても面白かったかも(w
>>385 誉め言葉に決まってるじゃないか!(w
387 :
名無しさんだよもん:02/07/26 19:18 ID:B18QDL2L
コンペ=コンペティションの略
>>155-166 >>168-172 『イノセンスの代償』
いじめられっ子の主人公が、唯一の味方である(と、思い込んでいた)長森を襲う。
それだけなら、よくある話で終わっているところだけど、後半のキレのあって、
キレている展開が、予想を大きく上回っていた。殊に、瀕死の主人公そっちのけで
浩平の遺体とセックスを始める長森に度肝を抜かれた。死に際の、星の見えるくだりも
場違いなようで、リアルっぽくて良い。非常に総合力の高い良作だと思う。
>>178-185 『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』
愛の無い行為の後に訪れる後悔の涙。
頭の中で否定しても、決して変わる事の無い現実。
『弥生』という名前の娼婦を選んでしまうあたり、妙に生々しい。
個人的には、こういう虚無感の漂う作品は嫌いじゃないけど
話に動きが少なくて、結末のカタルシスが欠如しているのが惜しいところ。
>>189-214 『海の音楽』
海の音楽というアイデアはいいね。今回の作品群のなかでは
最も美しい視覚的想像を喚起させられた。
文章も上手いし、ストーリー自体は特に問題無いと思う。しかし、
前半はテンポよく進んでいたのに、濡れ場に入って、官能小説なみに
詳細な描写でペースダウンしたのはいただけない。
このプロットに相応の文章量とは思えない。
感想期間は今日の朝 8:00 までとなっています。
まだの方はお早めに。
>>217-224 『渚に三つのシルエット』
委員長エンドにインスパイアされたと思われる作品。
二人のエッチが、事件の発端となっているというのは上手い。
その後の浩之の悪戦苦闘ぶりも面白い。
でも結末はオーソドックスなところに落ち着いちゃってるね。
全体として小さくまとまっている感じ。
>>227-241 『空の下の恋人』
>彼女と付き合うようになったのは二年生も秋に近づいてからのことで、
>その秋に起こった例の事件以来
雫のストーリーは二年の終わりの春だったはずだけど…。
冒頭のシーンは、精神世界での逢瀬なのか、この作品で瑠璃子が
目を覚ました後の出来事を倒置しているのか、分かりにくい。
瑠璃子と沙織の対比、メタ的なお遊び、月島拓也による『山月記』の
如き独白など、色々な要素を詰め込んでおり、文章もストーリーも
申し分無い。それにも関わらず、どこかしっくりこないのは、
読みにくさと、テンポの悪さが原因だろうと思う。
>>244-277 『命』
これだけの長さにも関わらず、一気に読めた。
この作品から、凄まじいばかりの力量が感じられた。
特に、ストーリーテリングについては群を抜いている。
ただ、なぜ耕一が梓を性交したまま街中へ降りたのか、という事と
なぜ楓が鬼族の男を凌駕する力を持ち得るのか、という事については
ロジックが弱い。前半部の論理展開には感心しただけに、惜しい。
今回は難しいテーマにも関わらず力作ぞろいで、順位は迷いました。
通常のSSの要素に加え、エロの要素もあるので、読む人によって
評価は大きく変動するだろうなとは思います。自分は、
「エロがあって落ちがある」、あるいは、
「エロ部分がストーリーや作品上、意味を持つ」SSを評価したつもりです。
その点では『夏の名雪』や『渚に三つのシルエット』も悪くなかったが、
いかんせん相手が悪かった、というところです。順位はこんな感じで。
一位 『イノセンスの代償』
二位 『命』
三位 『空の下の恋人』
次点 『星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──』『海の音楽』
ただ今をもちまして、感想期間を終了させていただきます。
投稿された書き手の皆さん、感想をつけてくださった読み手の皆さん、
そして生温かく見守ってくれていた ROM の皆さん、どうもご苦労様でした。
引き続きこのスレでは、今回の運営への意見、書き手の挨拶、
次々回のテーマの決定などを行いたいと思います。
上記のものやそれ以外にも意見が何かありましたら、書きこんでください。
※次回のテーマは「嘘」に決定しています。
※今回決めるのは次々回のテーマです。お間違いのないように。
まずは投稿者と感想人の皆さんに深くお礼を。
今回感想をつけられなかったSS(ごめんなさい)も含めて、
高いレベルの力作が集まり、感想人としてもたいへん面白いコンペでした。
今読み返すと、明らかに見当はずれの感想をつけていたりして恥ずかしいのですが、
未熟な感想人の迷い言と笑ってやってください。
私的最優秀「夏の名雪」
私的最萌 「デート前」
の作者さんには特に個人的にお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。
次回のコンペも実り多からんことを。
>>393 >>329さんが『夏の名雪』を推してます。
それと、感想というか「私は今回○○が一番いいと思ったが〜」式の
地の文のカキコまで拾うと、被っちゃう人も出てるかもね。
まあ結果は変わらんと思いますが。
2位とか3位ぐらいで推されている作品、
1位に推されている作品のマイナス票(批判が主の感想。グランプリっぽい作品の
選定に影響するかな?と思って)も調べてみたら、ちょっと面白かった。
2位推しは『夏の名雪』が一番多かったし、3位とマイナス票は『命』が多い。
特にマイナス票の方は『命』の一人勝ち?(w
すみません今回参加するかもしれないんですが、
テーマ『嘘』で書いていいんでせうか?
『真夏の夜の 冬の夢』を読んでくださった方、ありがとうございます。
そして幅広い感想、ありがとうございました。
では言い訳というか、感想への感想というか、後書きというか。
今回はテーマが「夏だ! 外でエッチ」だったのですが、直接そう言うのを
書くのは慣れてないので、完全に変化球で攻めてみることにしました。
そのため、「やったことだけ匂わせて、直接描写はしない」「会話+擬音だ
けで話を進行する」「最後まで読んで初めてどういう状況かわかる」などといっ
た作りにしてみました。
最後の部分、当初の案では秋子さんが盗聴していて、買い物リストに防虫用
品と明るい家族計画を書き加える、というのを考えていたんですが、ギャグと
しても現実味がなさすぎるんで却下、今の名雪のに置き換えました。
どちらにしろ、メイン部分は会話文+擬音にする、というのは、このSSを
書く上での大前提だったわけです。
まぁこういった作りにした分、否定的な感想、的はずれな感想が来る事は予
想してましたが、構成を解ってくれない人もいるというのは面白かったです。
全体的な評価は低かったですが、楽しんでくれた人もいたようなのでよかっ
たかな、と。
>>377 >>記念日の半年後だからどうこう、っていう人間は初めて見たな。
>>作者の周囲には実在するのだろうか(w
いません(w
この部分の流れは、「7/24、あの日のちょうど半年後だ、と思ってた」->
「商店街のお祭りに二人で出かける」->「帰り道、周りは恋人ばかりでみんな
いい雰囲気」->「気分が自分たちにも伝染」->「どっかでしよう」->「じゃあ
ものみの丘で」->「合体(w」という経緯だと思ってください。
あ、そうそう、自分、前回は「狐的蹴球の事」「雨三編」で参加した者です。
次回のテーマ『嘘』も参加する予定ですが……投稿開始はいつからなのでしょう?
(
>>396さんもそういうことを聞きたかったのかな?)
>398
漏れは、会話+擬音の構成という感想に逆に違和感を感じたな。
「なでなで」「コクリ」「ジロ」って擬音じゃないよぅ。
エロ描写になると途端にリアリティーを欠く作品が多かったのには萎え。
その点でも「命」や「星々の過ぎ去った季節」は優れていた。
力量というものが感じられる。
エロ以外はこのテーマじゃ無理が生じるな。
期間をまたいじゃうとややこしくなるかな。
総括期間以降でまとめた方がよかったかも。
とりあえず感想の残りです。
>>69【(ネタばれにつき秘匿)】
浴衣だから下着を着けないって話だよね?
着物だと腰巻きになるのかな。
実際にそうする人がいるかどうかはよく知らないが、
祐一に言われた美汐は実行してるわけだ。
「着けなくても不自然なことはない」という建て前で自分を納得させてるけど、
実はそのシチュエーションに興奮してる美汐。
祐一もそれを判ってて回りくどい羞恥プレイをやってるんだろう。
さりげなくとてもエロいと思う。
1レスだけどほのシチュとしては充分。
>>72-76【乳製品コーヒー】
テンポがいいね。
普段は地の文がないと疲れちゃうんだけど、これは楽しく読めた。
ゲーム中では名雪のボケのせいで会話が噛み合わないんだけど、
ここでは香里の方に原因がある。
筋道を立てた電波と天然気味のツッコミという逆転が面白い。
オチで突き抜けた電波を飛ばしてくれると良かったかな。
でも、これでも悪くはないよ。面白かった。
>>79-83【真夏の夜の 冬の夢】
アイデア勝負の変則シチュだね。
目先が変わって良いんじゃないかな。
さすがに会話オンリーが続くと辛くなるけど、この尺なら許容できる範囲だし。
設定されたネタに対する過不足は特にない。良いと思うよ。
>>96-109【夏の名雪】
これはまた堅い作品だね。
直球でテーマを処理して、しかも穴がほとんど見あたらない。
書き出しでシーンを入れ替えて、
どうしても説明的になりがちな付帯状況を軽く流すのもそつがない。
エロ描写もエロかったし。
オチはお約束だけど、この作品にはふさわしいような気がする。
>>118-123【デート前】
ちょっと淡々と終わってしまったかな、という気がする。
淡々とした語り口でテンポ良く進むのは面白かったんだけど、
ラストから言葉責めとセクハラでお約束になだれ込んでも良かったかな。
たぶん、デートを前にして浮つく気持ちがメインなんだろう。
言動のすべてが一点を向いていて、
祐一のことで頭がいっぱいで周りが見えなくなってるのがよく分かる。
ほのぼのした感じが出てるね。
>>139-143 >>149 >>144-147【息抜きは重要】
うーん、なんだか取り留めがない印象。
瑞希のやるせない気持ちを描いてるから、もやもやするのは当然なんだけど。
作品のメインとも言える憂鬱が、
大した溜めもなくあっさり消えてしまうのが気になった。
エロは寸止め、勝負は匂わせる程度、憂鬱は立ち消えだと、
話がどこでオチたのか掴みにくくなってしまう。
描写やセリフ回しは良いと思うから、主題を意識して書くといいと思う。
>>155-166 >>168-172【イノセンスの代償】
少しオーソドックス過ぎる気もするけど、よくまとまっていて読みやすい。
ただ、この状況だとこうなるだろうな、という読み手の予測が外れないのはちと残念。
諸所でドキッとはするけど、ある種のお約束に乗って話が進む感じ。
ちょっと手堅すぎるのかな。
事象の流れは明快なのだけど、もう少し心の機微が欲しい気がした。
精神の負荷が読み手に見える形で描かれていると良かったと思う。
雰囲気は一貫してるし、描き方もこなれてる。
>>178-185【星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──】
感想は
>>379に。
>>189-214【海の音楽】
とてもハイレベルな作品だと思う。
長さのわりに冗長な部分はなく、セックスに至る過程も流れが見えやすい。
浮き世離れした瑠璃子のイメージが壊れるラストも清々しいね。
丁寧で明快な心理描写が読みやすさを支えてる。
俺は迷った末に違う作品を推したけど、
これも充分に最優秀作品の資格があると思う。
>>217-224【渚に三つのシルエット】
面白かったよ。
狙ったことが狙った通りに書けてるんじゃないかな。
今回のテーマ「夏だ!外でエッチだ!」のイメージがストレートに出てる。
「夏」と「外」と「エッチ」を組み合わせるんじゃなくて、
「!」の部分まで含めたひとつながりのフレーズとして成立してる感じ。
明るくて開放的でバカな状況が過不足なく書けてる。
>>227-241【空の下の恋人】
>>244-277【命】
感想は
>>380に。
第一回14作、第二回9作、第三回15作、第四回12作。
四ヶ月で50作が投稿されたね。すごいのう。
2chで、葉鍵板で建設的なことやろうとしてる以上、いずれここも
煽りで潰れるんだろうけど、それでも実りはあったね〜。
敷居が高く見えると言う人がぽつぽつ出始めてるけど、気楽に書いたものでも
感想が返ってくる企画なんだから、書き手にとっては恵まれてると思う。
絶対1位狙いとかならともかく、
もっと気楽に参加してもらっても大丈夫だよね。
>>404 前スレも読まずに気楽に参加してしまった(w)ものの一人として。
初めて参加させていただきましたが、この企画、かなりドキドキします。
作品を投稿してから、ずっとこのスレが楽しみでした。
読みやすさを重視して、いろいろと細かい点で遊びながら1レスで書かせていただきました(
>>69)。
作品を投稿した後、後から出てくる作品を楽しんで読ませていただいて、特に「海の音楽」を読んだときは自分が恥ずかしくなって。
感想も多様な視点からいただいて、本当に嬉しかったです。
このSSへの感想は、肯定・否定ともに多くいただきましたが、どれも「あと一歩」が共通点(萌えポイント、美汐らしさ)を指していて、
ああ、よく読んでいただいている、正直感動しました。
感想部分(
>>309-310)ではかなり的はずれなことを言っていたかもしれませんが、この点はご容赦いただければ、と思います。
余談ですが、「かちゅーしゃ」でSSをプリントアウトしたら68枚にも上り、集まったSSの量にびっくりいたしました。
今回はどうもありがとうございました。次回以降も、よろしくお願いいたします。
敷居を低くする(低く見えるようにする)にはどうしたらいいのかも、
ぽつぽつ話し合われても良さそうなものだが。
ただ敷居は低くないと言い張ってるだけのように見えなくもない。
俺が葉鍵板に来たばかりの頃は超先生ネタを見ても( ゚Д゚)ハァって感だったし、AAを見ても
ウザイだけだった
今では逆に無いと物足りなく感じる
たまに本編を未プレイで感想をつけてる人がいるけど、あれって正しく評価できているのかな?
と考えて見た今日この頃
書き手としては元ネタを知っている事を前提条件としてSSを作ってると思うんだけどね・・・
408 :
原点回帰:02/07/27 23:11 ID:28Ak4DfU
こんな企画があったとは。今まで気付きませんでした。鬱。
次回に参加したいときはテーマ「嘘」で書いていいんだよね?
敷居を下げる方向で動いてるみたいだし、次回はがんがって投稿させてもらいます。
こういう男子のエロSS大会みたいなのを、
女子の皆さんが見たらどういう感想を持つか、聞いてみたくなくもない。
……このスレに(ていうか葉鍵板に)女子の人っているんだろうか。
そうか、いませんか…。
参加された皆様お疲れ様でした。今回『空の下の恋人』を投稿させていただいた者です。
文章を書き始めて3週間のヘタレですが、そんな素人の駄文にもかかわらず
皆さん真剣に感想をつけていただいて感謝の念に堪えません。
お礼代わりと言ってはなんですが、一言ずつコメントをお返ししたいと思います。
>280 辛口批評氏
>これは昔から、後発の抱える悩みであり、試練なのである。
なるほど。勉強になったよもん。先発は無理でも抑えのエースを目指すよもん。
>288 名無しさんだよもん氏
>その分安心して読めるという点もあります。
一番嬉しい褒め言葉だったりします。ハラハラドキドキはキライ!
>294-295 名無しさんだよもん氏
>動機となる沙織の扱いがあまりにもひでー。
うぐぅ。確信犯……。せめて何らかのフォローを入れるべきだったね……。
>話が度々前後する所も処理が上手くいってない。
気づいていたけれど直せなかった。実力不足を痛感なのです。
>307-308 感想氏
>俺は雫自体をやったことがないので。
このSSの粗さが判っちゃうから、やらないで(w
>309-310 名無しさんだよもん氏
>「祐くん」を「裕くん」と間違えるのは萎えポイント。
指摘されるまで全然気づかなかった漏れは逝ってよし! 太田さんにボコられてきます。
>313-317 たまたま迷い込んだだけの人氏
>文章が長い。詰め込みすぎ。改行が少ない。
Webでここまで見づらくなるものだとは、正直自分でもびっくりだよ。
>361-364 感想人1氏
>必要以上にくどい文章と言う印象を受けた。
好きな作家の真似をして、わざとくどく書いたのだけれど、生兵法は怪我の元、か。
中途半端に読みづらい文章になってしまったね。反省。
>369-370 名無しさんだよもん氏
>駄目です。(←誰なんだ俺は)
なるほど。こんなことやってるから彼女に振られるんだな、漏れは。(T_T)
もっと女性の心理を勉強しよう。
>380 御手軽感想氏
>なぜかクライマックスよりも前半部が個人的にヒットだった。
もともと前半しかなかった作品に、一晩でクライマックスを付け足したと言ったら、
信じていただけますか?
>390 霧の感想人氏
>冒頭のシーンは、精神世界での逢瀬なのか……
そんなもん、読者の想像にお任せです〜〜。たぶん作者もわかってないです〜。
>『山月記』の如き……
言われてみればその通りだ。月島兄が虎か。
我ながら感動というか驚きというか、恐るべし中島敦。
それでは。感想人諸氏、どうもありがとうございました。
「星々の過ぎ去った季節──偽りの契り──」書き手(前回は『流転』にて参加)
今回は、さんざん悩んだあげくにギャグ系アイディア二つを切り捨てて参加です。
しかも、結局書き始めたのは締め切り間近で、そんな自分の間抜けぶりにやや落胆。
そんな中でも、今回は時間内でそれなりのモノに仕上げたつもりでした。
もっとも、今回もまた、好かれない人には好かれないだろうという覚悟と共にでしたが。
で、その結果ですが……。
感想期間の前半は、文章力を評価して下さる方が前回に引き続きいらっしゃる一方で、
内容的にはいまいち(5点)、という評価が続き、『またしても、駄目か!? 好み以前の
問題で駄目なのか?』などと考えさせられました。
けれども後半になってからは、一押しにしてくれる方、次点にしてくれる方など、
高めの評価をくださる方が続出し、嬉しさをかみしめることに。
狙い通りになった、と思って良いんでしょうか。
ただ、低い評価を下さった方の感想にも、いろいろと考えさせられるところがあり、
とても有り難いと思っています。ただ、二律背反を抱えることになるような指摘には、
特に考えさせられたものですが、まぁ、その辺りは自分の好きな方で行くことにします。
では、感想をくれた方々、有り難うございました。
それぞれの方に少しずつレスを。
>>284 辛口批評氏
オリキャラであることについてのつっこみは辛口批評氏のみ。この辺も好みが分かれる、
と思っていたので、ちょっと意外。
それから、冬弥が好きだったの人物を作中でぼかしていますが、そこはやっぱり冬弥なので、
ぼかしたままにしておきたいです。(筆者的には一応決めて有るんですが)
また、冬弥に『弥生』を選ばせた理由については下記の通り。無意識に選んでいたというのが
一応の解答なんですが、あえて理由づけるのなら……。冬弥と『弥生さん』の関係は、
『決して愛し合うことの無かった』という現実についてのみ、由綺たちと結ばれていた頃とも、
今現在とも変わっていないという事実があります。
そこを過去と現在の自分をつなぐ接点にしたかったのかもしれません、とか言ってみます。
もっとも、冬弥自身がそんな理屈立てて考えて決めたことはもちろんないのですが。
ラス前の関係説明の部分はギリギリまで説明臭くなく、簡潔にするよう頑張ったんですが、
あれ以上に上手く盛り込める案が浮かばず、ああなりました。より自然に読ませるよう、
精進します。
>>295 名無しさんだよもん氏
>言いたい事が言えればいいが、この長さではどうしたって説明不足。
の意味が、良く読みとれませんでした。
どういう御忠告なのか、もう少し噛み砕いて教えてもらえませんでしょうか?
>>306 名無しくん、、、好きです。。。氏
読んでもらうための努力、ですか……。頑張ります。
女の名を隠したのは、誰なのかという興味を呼ぼうという試みだったんですが、
氏には逆効果だったようですね。ミスリードを誘いつつ違和感を常に持たせようと
するために、彼女の扱いはいろいろと悩んだのですが。
中でも、改行の件はたしかに失敗でしたね。ネットSSの傾向として、読み易さの
ために段落云々をとやかく言うよりもとにかく改行を多めに、という習慣がどうもあるようで、
それを今回も適用してしまいました。が、おっしゃるように、今回のような作品では、
本来の文章技法に乗っ取った方が良かったかもしれません。三点リーダも、3割くらいは
削れたと思います。
最後に『冬弥と女性達の関係を説明している部分』について。
ここはたしなめられてると同時に誉められてるようで、どうすれば良かったのか、
その解決法がいまいち見えてこなかったりします。「……どうすればいいんだ……」
>>310 名無しさんだよもん氏
えっと、『外で』はしてるんですよ? 室『外』だし、星空の見える『ベランダ』だから、
それなりの高さの建物からなら、目撃される危険性だったちゃんと(?)あります。
そこだけは納得してもらいたいです。(そうすると点数は上がるのかしらん?)
冬弥が好きだった人物に関しては上でも触れましたが、実際のところは、
彼にも分かっていません。冬弥が何よりも欲しているのは『誰かがそばにいた頃の自分』であり、
対象は誰でも良かったのかも……などと混ぜ返してみる。
>>315 たまたま迷い込んだだけの人氏
点数的には感想期間前半の他の方々の評価と同等なんですが、コメント的には
それなりに誉められてる、のかな……?
えー、エロは普段書かないんで、今回書くのには結構苦労しました。プラス、
締め切り内でキリをつけるために、一番しわ寄せが行ったのはこの部分でもあります。
次回があれば、その部分も妥協せずにいきたいと思います。
(というか、エロで次回ってあるのか?w)
>>363 感想人1氏
次点ではありましたが、高評価をいただき、有り難うございます。
感性的に受け入れてくれる人が一人も居ないと凹むところなので、
これほどの得点を貰えたことに、なおのこと喜びを感じました。
また、氏の感想は以下の一文を含めて、拙作を的確に言い表してると思いました。
>自虐的なセックス、と言うか自慰と同じだね、本質は。
>>379 御手軽感想 ◆WyJUsNNw氏
マジデスカ!? グランプリに推してくれるとは……。小躍りして、大喜びです。
感想を読み込んでいくと、こちらの意図を殆ど汲んでくれたらしいことが分かり、
さらに喜びました。有り難うございます。
>>384 名無しさんだよもん氏
こちらも高い評価をいただき、嬉しくなりました。
一方、食い足りないと思われた理由も書かれており、その幾つかはたしかに、
組み入れれば作品の質が上がっていたと思いました。
なお、Hに期待するなと書いたのは、抜けるレベルで有るかどうかだけでなく、
エッチが作品テーマ的に純粋な快楽ではないためです。
Hだったかもしれないませんが、『全てを忘れて楽しめる、相手と様々なモノを
分かちあう交わり』ではないので、それを期待して肩すかしを食らった、と言われるのが
嫌だったので、姑息にも前置きした次第なのです。
>>388,391 霧の感想人氏
ここでも次点ですか!?
トップで推してもらってるわけではないですが、前半が泣かず飛ばずだっただけに、
もう、感想があがるたびに『喜びの繰り返しだよ〜』状態でした。
ただ、『>話に動きが少なくて、結末のカタルシス』というのは、筆者が慢性的に
抱えてる問題でして。短めの文章内で自分の好きな心理劇に終始すると、本人的には
そこで満足してしまい、変化に乏しい展開になりがちです。
読者をより楽しませるためにも、一計を案じたいところです。
長々と失礼しました。次回『嘘』では更に精進しますので、よろしくお願いします。
作品数 総レス数 平均レス数
第一回 14 66 4.7
第二回 9 45 5.0
第三回 15 125 8.3
第四回 12 147 10.2
今までのデータを作成してみました。
回を重ねる毎に徐々に大作志向へと移行している模様。
>>395 指摘どうもです。まぁ集計の方は参考程度ということで。
>>396 >>398 >>408 次回のテーマは「嘘」に決まっていますので、それについて
ネタ出しをしたりするのは構いませんが、投稿は
>>32 のように
投稿開始の宣言があるまで待っていてください。
開始は、およそ一週間後というところでしょうか。
とりあえず、次々回のテーマを決めんとならんので。
>>406 敷居を下げることについてですか。
確か前回も投票についてそのような意見が出ていましたね。
ただ敷居を下げすぎると、季節柄なかなかアレな状況になりかねるので
その辺のバランスが重要だとは思います。何か意見があればよろしくお願いです。
>>404 >>417 データ作成、乙です。徐々に大作志向に移行しているですか。
自分にとっては難しい状況になりつつあります(w
8回ぐらい終った時点でそれまでの最優秀者だけで競ってもらうのも
面白い気がする
全く現実的ではないけど
>>419 む。やって欲しいが……色々煽られそうだな。でもそういうエキシビジョンも見てみたい。
>>420 俺も知りたい(w
>>413 >どういう御忠告なのか、もう少し噛み砕いて教えてもらえませんでしょうか?
「関係説明の部分」がラスト前にしかない事自体が不自然なので、
エピソードにしたり伏線張ったり自然に説明しようとすれば必然的に長くなるはずという意味。
>>417 「敷居が高い」と言うのはそれか。
>>418 結局好みの問題だから、「敷居の高い作品が好み」である限り敷居が低くなる事はないだろう。
とりあえず気軽に感想を書く人が増えれば下がると思うが、
>ただ敷居を下げすぎると、季節柄なかなかアレな状況になりかねるので
こういう発言からしてそれを締め付けてるように見える。
>>422 鍵しかやらん人は ど う す れ ば い い ん だ ?
大作志向……1レスSSが基本のわたしは ど う し た ら い い ん だ w
たまには長編もイイかもしれないが……w
>>414 あれ……すみません、読み込みが足りませんでした……
>>422 賛成〜♪
>>423 >鍵しかやらん人
良い機会です。鍵しかやらない人は葉のゲームをやりましょう。もちろん、逆もまた真なり、です。
個人的経験上、雫・痕・うたわれならば、それほど時間をかけずにできるはずです。……痕Rは分かりませんがw
問題は、葉っ派がKanonをやるのが時間がかかる、ことくらいかな。(Airは、Summer編が必須らしいのでより時間がかかる罠w)
クロスオーバー良いねぇ。
ただ、1レスで設定説明までやろうとすると、非常な困難が伴うワナがw
敷居を広げる効果はありそうだが、大作化は進むかも……。
まぁ、葉っぱ向けの鍵系ゲームを一応挙げれば、MOONなら短い時間で終わるよ〜。
キャラありきではなく、ストーリーありき的な展開は雫、痕(&誰彼w)とかが
好きな人にも向いてると思う。珍しいことに主人公は女ですが。
それに、ONEも比較的短めでしょう。当時としては普通だと思うけど。(長さが)
また敷居が高くなったか。
葉っぱやらんと参加すらできないなんて。
感想も両方やらなきゃ書けないだろうし。
>>422=426
ううむ? 今から何かやるという選択枝は無しですか……。MOONお勧めなのにw
ま、感想はやって無くてもある程度は書けるとは思いますけどね。
しかし、どうしてもやりたくないのであれば、そういう人がいるのにそれをテーマに
するのは気が引けるしなぁ……。
と、いうわけで。
>>426氏は、他のテーマを幾つか提示してみてはいかが?
他の人も、参加者をはじくのを目的にしてるわけじゃないから、
良いのがあがればそっちを支持してくれると思うよ。
SS初心者です。今次のお題のSSのネタが思いついたので書き始めました。が、
物 凄 く つ ま ら ね ー 。
し か も い き な り 詰 ま っ た 。
ど う す れ ば い い ん だ 。
誰かSSの書き方教えてくだちぃ…なんて甘えてみるテスト
んじゃ、単に「クロスオーバー」にすれば?
同じメーカーでも工夫次第でおもしろい組み合わせができると思うし。
ところで今までクロスオーバー作品ってほとんどないね。
>>424 そういう傾向があるというだけで、別に制限が付いているわけじゃないんだから、気にしなくていいと思う。
あ、逆だった。すまそ。
葉ならば雫痕がすぐに終わるし、前述の理由にてお勧めですぞ。
鬱ゲーが好きorしっとりとした描写好きなら、WA。
キャラ萌えでいくなら東鳩かこみパか。
ゲーム性重視か炉好きならばまじアン。
超先生好きならアビスボート。
うたわれは未プレイだからコメントできず。
今更フィルスと麻鬼は勧められないし、NWもファンディスク収録だからなぁ……。
つまらないモノを面白くするにはどうするか……。
0.無難に序破急か起承転結に構成し、それぞれの章で何を語るか、簡単に書き出してみて、
それを元に本文を書いてみるとか。
1.使いたい台詞、魅力的な台詞を考えて、それに繋ぐように本文を構成するとか。
2.1のバージョン違いで、使いたい台詞ではなく、見せたいヴィジュアルを先に考えて、
それに繋ぐように本文を構成。ここで言うビジュアルってのは、前回の『海の音楽』の、
例のシーンなど。読者に脳裏にその光景を浮かび上がらせるようなのを指す。
3.書き始める前に、思いついたネタを一回か二回、捻ってみるとか。展開に意外性がある
方が、何かと良いかも。
眠い頭で即興で思い浮かぶのはこんぐらい。
>>428氏の役に少しでも立つと良いが……。
「クロスオーバー」も面白そうだけれど、敷居を少しでも低くという方向からみると
避けたほうがいい気もする。
それに、ゲームの後にSSがあるんであって、SSを書くためにゲームをやるというのは
何か本末転倒だし。
これまでのお題を見直したところ、動詞・名詞が上がっていたので、
次々回あたり形容詞でどうでしょう。
「やわらかい」「あたたかい」「ふさわしい」「甘い」「高い」「きもちわるい」
……とりあえず思いつくままに。
>428
別に冒頭から書かなければならないわけではないし、クライマックスや
ラストシーンなど書けるところから書いていくっていうのも一つの手ですよ。
つまらないのは、つまるまでネタを捻れ、というしかないね。
テーマ提案。個人的にはクロスオーバー楽しそうですが。
例えば「ハレ」とか。ハレとは、現代社会用語で「非日常」という意味。
文化祭、夏祭、結婚式、運動会に即売会といった、晴れの舞台をテーマにSS。
例えば「葉鍵キャラの子供時代」とか。ってこれはネタが一辺倒になるか。
例えば「怪談」。
蒸し暑い夜をひんやり冷やす震える話を、葉鍵キャラが体験!!
ほら、あなたのすぐ後ろになんかいますなんかいますなんかいま
例えば「意外な絡み」とか。
智子×葵、弥生×彰、瑞佳×みさき、あゆ×佐祐理、
みたいな訳のわからん組み合わせでSS!
適当に羅列してみたよ〜
>>433 たまにはテーマじゃなくて、条件つーのも面白いかもねー。
「ヒロイン二人」とか「修羅場が舞台」とか。
ん?WA?
次々回のテーマですか…
「嘘」の次だから、一文字シリーズということで「夢」じゃ駄目?(^^;
参考までに、既出のテーマ。「夢」は挙がってるね。
「約束」「花束」「日暮れ」「お寺」「蚊」「食事」「(口)喧嘩」
「絶体絶命」「教室」「お相撲さん」「ガンダム」「あばれ牛」「巨泉」「夢」
(「花」)「鳥」「風」「月」
(「花」)「月」「雪」「星」「宙」
「踊り」「旅」「休み」「時計」「嘘」「影」
「熱」「海」「水着」「ペット(動物)」
「晩夏」「初秋」「お盆」「熱海」(今回8月分用に出たお題)
「ストーリーのプロットが完全に決まっている」
「冒頭が決まっている」「設定が決まっている」「結末が決まっている」
ってのもかな。
クロスオーバーですか。プレイヤーへの条件付けになるから敷居は高くなるか、
内容への縛りはなくなるから敷居は低くなるか……。
鍵ゲー一本もやってないんでいちおう難色を示しておくが(w
一ヶ月半も猶予があるし、せっかく「葉鍵」板なんだからお遊び企画として
そういうネタもってのもあるし、ポジティブかネガティブかつったら
ポジティブだねえ。
鍵ゲー……同棲はみんなプレイ時間二、三時間っつうから同棲とか試してみるか?
あと、覚悟なしにすぐできそうな鍵ゲーっつったら
もうソロモンの鍵ぐらいしか思い付かんな(w
ふむ。いろいろな案が出てますな
ここは一つ「冬だ! おこただ! 室内Hだ!」あたりで妥協してみてはどうでしょうか?
>438
そこまでして、エロが読みたいんかい(w
いつか出ていた、キャラを限定するようなテーマなんかもクロスオーバー同様、
そのキャラやジャンルに興味ない人にとっては、そもそも書く気にならないテーマという事になる。
「本末転倒」って意味分かる?
>>431 「海の音楽」は頭で考えた悪い例になると思うが。
灯りが無いのだから、わざと光景を見えなくさせるような演出が必要になる。
長くなるとあちこち矛盾が生じてくるから、何度も繰り返しシミュレートしてみるのも大事。
8月が「嘘」で流れるわけなので、次のお題で競われるのは9月。
となると、やはり秋。
お題「月」をキボンヌ。
おっ、月か、いいね〜
そろそろ郁未×葉子さんとかタッキーとか書きたいんで、
折れも「月」に一票。
なるほど。今決めた分は再来月になるのですな
それなら一つ「秋だ! 紅葉だ! 山でHだ!」あたりに歩みよって
みればどうでしょうか?
>>443 ネタにしちゃしつこいです。
本気ならもっとしつこいです。
ほんのりと「クロスオーバー」に一票。
やっぱり原作では楽しめない、こういった場所ならではというテーマは魅力的です。
解釈の幅も充分あると思うし、意外と敷居も低くなると思いますよ。
葉鍵のクロスオーバーと限定すると敷居が高いかもしれないけど……
別作品のクロスオーバーってことなら大丈夫だと思う。
WAと東鳩とか。
ONEとAIRとか。
MOON.と誰彼とか。(w
葉と葉、鍵と鍵、葉と鍵……どれでやっても大丈夫。
一個しかやったことの無い人間って少ないんじゃないかな。
ということで、二作品以上のクロスオーバーでどう?
と、案を出してみる。
俺もクロスオーバーに一票
「書き手」として見ても「読み手」として見ても魅力的な題材だと思う
敷居云々を言い出すと切りがないぞ・・・
別作品だとなんか意図したのと違う意味になりそう……
葉鍵のならどれでクロスさせても大丈夫、という意味ですのでー。(w
きっちりと作り込んでいるのに、
且つ5つくらいクロスオーバーさせてるのも見てみたい気もする……。
でも別に、クロスオーバーってテーマにしなくても書けるんだよね。
現に今までもあったし。えっと……あら、「楓のおもてなし(楓・イビル)」だけか。
ちょと意外。
>448
葉鍵以外のネタもアリにしてほしいな
最萌のときのキノの旅パロディ(はるか)みたいなヤツとか
単体でテーマにするのはちょっときつそうだけど、
ああいうの好きなんで
「夏の名雪」
>>96-109を書かせていただいた者です。
読んでくださった皆様、感想を下さった皆様、そして当コンペの運営者の方々、どうもありがとうございました。
最初は今回のコンペに参加する気はなかったのですが、気がついてみるとなぜかこんなのを書いてしまいました。
基本的に名雪萌えで、なおかつ他の作家諸兄のように凝ったSSを書けない私は、結局最初から最後までごくありきたりな作品となりました。
それでも、2位とかグランプリとかに押してくださる方がいらっしゃったのは、自分にとっては以外でした。
葉鍵板において最も風当たりの強いキャラとなってしまった名雪メインのSSに、ここまで高い評価をいただけただけでも、本当にありがたいことです。
私は幸せ者なのでしょう、多分。
では、電波はここまでにして、私は避難所へ(・∀・)カエります。
どうもありがとうございました。さようなら。
>>420-421 ……(;´Д`)
トオチャン ヘタレスギテ ナミダガデリャア〜(TдT)
>>423 どうも申し訳ないです。いつも一言多いの直さんと。
ただ、結局の所どの辺から変えていけばいいんでしょうね。
「テーマを決めて書く」などが「敷居が高い」と言われてしまうと
どうしようもないんですが。同じく、 一作品当たりの長さなどにも。
あと、次々回のテーマで「クロスオーバー」を推している方が多いようですが、
暗黙のうちに「参加者全員が最低2作品をプレイしてなければならない」という
制限をつけてしまうことになるので、テーマとして採用するのには反対したいのですが。
ここに来ている人が全員、複数の作品をプレイしているわけではないだろうし、
まして SS のために新しくプレイしなくちゃならないというのも、何度か出ていますが
「本末転倒」だと思うんですよ。 SS(つーか二次創作)って、まず元の作品ありき、ですよね?
>453
「cross over(交差、交錯)」という言葉をテーマにしちゃったら?
どう料理するかは書き手に投げちゃう感じで
以前に「写真」がテーマ案にでてませんでしたっけ?
夏休みの思い出の写真とか、時期的にもいいと思いますが、どうでしょう。
456 :
422:02/07/30 01:08 ID:E8w7P9VU
最初に「葉鍵クロスオーバー」で提案した者です。
なんか大事になってみたいですな。
自分は単なる「クロスオーバー」でも全然かまわんと思います。
ところで反対されてるかた。
自分が最初に書いた、
「葉鍵学園で活躍してる職人が参加者として見込める」
って部分はどうなんでしょ?
今葉鍵板で一番職人が活発に活動しているスレだと思います。
コンペ自体への参加者の拡大を見込んだ提案なんですけどね〜。
なんか、負の面ばかり強調されるのは、いやんな感じっす。
それとも、自分が参加できなくなっちゃいそうだからって嫌がってるのかな?
>>412-416 >冬弥と『弥生さん』の関係は、
>『決して愛し合うことの無かった』という現実についてのみ、由綺たちと結ばれていた頃とも、
>今現在とも変わっていないという事実があります。
>そこを過去と現在の自分をつなぐ接点にしたかったのかもしれません
>冬弥が好きだった人物に関しては上でも触れましたが、実際のところは、
>彼にも分かっていません。冬弥が何よりも欲しているのは『誰かがそばにいた頃の自分』
それ!そんな風に考えてるんだったら、是非その部分を本文中に読者にわかるように
入れておけば、「おお、なるほど」って感じで、絶対評価あがってたと思うのに……。
いや、こういうのを、≪入れる/入れない/ぼかして/読者にはっきりわかるように≫
等々、どうするかは、それぞれ書き手の個性で違うんでしょうが。
勿体な〜いと思った。俺。
>>456 ここに投稿するような人なら掛け持ちしてると思うよ。
「クロスオーヴァー」をテーマにしても、あっちは
会話オンリーSSが主流だから、流入者が見こめるかどうかは
微妙だね。
>>456 はい、掛け持ちしております(w
あっちは気軽な書き込みが主流だから、確かにこっちに流れ込んでくる人は少なそう。
それは別にしても、クロスオーバーものにはちょっと興味がある。
もっとも、次の「嘘」では、なんとなくクロスオーバーを(個人的に)書きたいなーと思っていたんだが。
まだ大まかな筋さえも浮かんでないんだが(汗
>>453 一番早いのは、いかに気軽に感想が書けるかという所に気を配る事ではないかと。
固定ハン付ける感想書きが多くなってるのは逆方向に行ってるわけだが。
>>456 他のテーマでもクロスオーバーで書けるだろう?
クロスは読み手も確実に減らすと思う。
コテ感想人だけで良いなら構わんと思うが。
>>460の言ってるのが全てでしょう。
クロスを反対してる人の中で普段からここにSSとか感想を書いてる人
ってどれぐらいいるんだろ。
なんかこの期間だけ出てきて意見言ってる人が多い気がする。
あ、俺はSS書いとらんけど感想は付けてるぞ。一応。
464 :
422:02/07/30 10:14 ID:E8w7P9VU
>>462 いや、それは自分も興味ありますね〜(w
>>463は図星?
葉鍵学園でも、職人じゃない人がいらん突っ込みを入れて場を冷やすしね〜。
>>462 確かに
>>463みたいな不毛な書き込みを見ると、そう思えるね。
俺は今回は参加してないが、一応書き手。意見は
>>449で、
>>460に同意。
クロスオーバーだらけ、っていうのも、お祭りみたいで楽しそうだけど。
漏れはコテ感想書き。たまにSSも落としてます。
>>460を見てコテハン伏せた方がいいのかな、と考えているところ。
ちなみに意見は
>>432、漏れがかつてそうだったから、クロスオーバー
嫌いな人の気持ちも分かるんだな〜。
>>460 >他のテーマでもクロスオーバーで書けるだろう?
一行だけど、これがもっともな意見だと思います。
誰もクロスが駄目とは言ってない。「お題」として駄目と言ってるだけで。
例えばクロスで良作がそれなりに出れば、「クロスも良いね」となる訳で。
>>462 私は書き手です。信じて貰えますか?匿名掲示板で。
お前らそんなに
>>462が建設的意見に見えるのか?
くだらねー。
このスレのレベルの低さが知れるってもんだ。
>>466 自分の感想に責任を持ちたいっていう考えの
コテハンもいるだろうから、別に構わないと思うけどね。
統括期間は名無しで書きこんでるし。
クロスオーバー強く押してるの一人だけだと思うのは気のせい?
後は、別にどっちでも良いか、題として不向きと言ってる様な……
クロスオーバーにはならなそうな流れなんで、別の次々回お題を考えますか。
「旅」に一票。違う舞台でのキャラクターの動向を見たい気がする。
472 :
422:02/07/30 13:20 ID:E8w7P9VU
>>470 それは自分のことかな?
そりゃあ自分で出した提案だもの。
でも「クロスオーバーにしろ」なんて一回もいってないっすよ。
案の一つとして出しただけのつもりなんだけどな〜。
それから、
>他のテーマでもクロスオーバー書けるだろう?
って意見に賛同する人がいるけど、どこらへんがもっともな意見?
クロスオーバーを「自分が書きたいから」提案してるんじゃなくて、
「他の参加者を見込めるんじゃないか」、と思ったから提案してるのだし、
その旨、
>>422 にも
>>456 にも書いてあるんですけどね〜。
まぁ、参加者増加に関しても否定的な意見が多いし、テーマとしては
残念ながら不向きみたいですけどね〜。
現状でもクロスオーバーは書けるのだから、書きたい人はすでに参加しているだろう。
だから、改めてクロスオーバーをテーマにしても、参加者は特に増えないだろう。
テーマにせずとも、実施要綱に「クロスオーバー可」と周知しておけばそれで十分だろう。
というのが漏れの考えなわけですが、ここに食い違いがあるのかな。
>>473 たぶん、どれをテーマにしても、「現状でも○○はOKだよ?」と
言えるってことじゃないのかな。だから、クロスオーヴァー反対の
理由として、「元からクロスオーヴァーOKじゃん」という言説は
適当ではないと思う。本来、どう書いても自由なところを、敢えて
限定するのが「テーマ」なんだから。
ただ、自分は一作専門の書き手だから、賛成するつもりはありません。
そういや俺、前回は「絶体絶命(あるいは絶対説明w)」を推していたんだった。
>絶対説明
(´;∇;`)<忘れてくれ〜w
自分的にクロスオーバーは見てみたいけど、この雰囲気だと仮に採用されたとしても
凄い荒れそうなのが不安
以前のようにお題を二つにするってのは駄目なのかなぁ
ほんのりと「クロスオーバー」推した者だけど、駄目なら「月」がいいなあ・・・
時期的にも風流だし、「雫」「痕」「AIR」なんかはいいものが書けそうな気がする。
その前に「嘘」の方を書き上げないといけないんだけどね。
↓また字で真っ黒になっちゃったので読まれなくて一向に構いません(;;;´Д`)
『海の音楽』『命』を書いた者です。あの長文を読んでいただいて、
ご感想いただきまして、ほんとにありがとうございます。
喜んでいただいた方、書いた者としてもとても嬉しいです。
ご批判いただいた方、ありがたく頂戴し、自分をみつめ直す材料にさせていただきます
今回は、どうも一段低く見られがちな(?)エロSSを書く者の一人として、
ならせっかく自分の庭のテーマだ、エロSS好きの人以外にもアピールするようなのを
いっちょ頑張るぜ!ぬおおぉ!と気合を入れて書きました。
……その邪念のせいで、エロがもうひとつだった予感…。(ll´Д`)ウゥ…
・『海の音楽』について
最初に『命』の方に取り掛かっていたので、
なんかもう一つ軽いものを書けないかなあ…と思いました。で、
瑠璃子さんと海に行く──この不似合いな取り合わせなら、いろいろ瑠璃子さん
らしくない、でも可愛い仕草を描けそう──夜の浜辺のHや、思い付いたいいシーン
入れて、最後に黒い海の中で裸で抱き合ってキスをするシーンを──
なんてのが次々思い浮かんで、よし書けそう、と決定。
かなり軽い気持ちでした。
実は、いままで瑠璃子さんのSSって一度も書いたことないんです。
葉鍵ヒロインで過去一番琴線に触れたのは、瑠璃子さんなんですが…。
(それはもう、自分の正体が見えたような気分でちょっとガックリくるほどに(w)
あまりに原作がきれいに完結してるから、SS書きたいけど書けない状態でした。
手を出しても、自分の中のきれいに完結した原作を
濁してしまうものにしかまずならんかなあ、と。
余談ですが「アトラク=ナクア」に関してもまったく同じ気分です
軽い気持ちだから、今回は書けたんですよね。
でも書いてるうちにがんがんエンジン掛かって来て……
最後の祐介のおおげさなセリフ、これは半分ぐらいの人にはヒかれるだろうなあ…、
と思いましたが、でも、そこまで行ったことで、自分としては自分の思っていた
レベルにかなり近づいたものが書けたなあ……と自己満足しています。
なんの力もないのに気持ちだけであんなことを言えてしまう、十代の気持ちの
純な高まり……こういうの好きなんですよね。なんか、グッと来てしまう(w
瑠璃子さんは、はかなさ、幻、別れ…、なんかそんな悲しげなキーワードが
次々浮かんでしまうヒロインですよね。
そこが人の心を捉えるんですが、あえて場違いっぽいとこに連れ出してみて、
それらの反対の場所に瑠璃子さんを定着させるようなSSが、今回は目標でした。
そのギャップがいろんな新鮮な可愛さを引き出せると思ったんですが、
当然「これは瑠璃子さんじゃない」と言われそうなのが、最大の課題。
運良くおおむね好感を持って受け入れていただいたようで、セリフの語尾一つ一つも
含めて最後まであれこれ悩んだりしたのが、報われたような…
エロが長すぎ、というご意見をいただきましたが、エロSSにとってのエロ場面は
バトルものの戦闘シーン、スポーツものの試合シーンのごとき見せ場、との思いがあり
どうしても長さ、描写、そしてアイディアのひとつぐらいが欲しいのです(´ー`)
エロ長すぎで終盤ダレた、盛り上がらない、というご意見もいただきましたが、
最後に海に入るシーンは文字通りのクールダウンの意図でしたし、むしろ
エロシーンの盛り上がりが不足していた、海の音楽のシーン並に、エロシーンをもっと
面白く、もっとテンション高く書けなきゃいけなかったという反省をしております。
背徳感ですが、自然だ、いやらしくない、と思ってる長瀬ちゃんが
罪悪感でハァハァするってのは確かに矛盾ぽい…。ちょっと誤ったかな…。
ただ、十代の、お互いの肉体に対する好奇心とか、それで合意のもとで
お互いの身体をおもちゃにし合う……なんて行為は、個人的にはいずれも
すごく生命感溢れる健康的なことだと思って書きますた。
感情が昂ぶって、日常と考えが変わっても、別の生き物に変わるわけじゃないし、
日常からの跳躍が、行為する者の性的興奮へ直結するんだと思うので。
好評だった海の音楽のシーンですが、でも、擬音の部分は
カナーリ夢枕獏入ってると思いますよ。獏ちゃん世代として、
こういうことする機会あるとついやりたくなっちゃうんですよね。
真っ暗なのに視覚描写はおかしい…(´Д`)ウアアア…。星明かり月明かりに照らされて…
とかいう文を入れたつもりだったんですが、読み返したら全然ねえし!
H中、背景の描写が無い、というのも同様ですね。作者までエロに夢中になりすぎだ。
他にも、早めに完成させて推敲の時間があったわりには、RRがあったり
同じことを繰り返し書いてたり、問題は多々見られます…。
最後に。製作中は、TVで偶然聞いた前川清の「ひまわり」って歌が
なにか印象に残って、頭のどこかにこびり付いて影響受けたかもしれないっす(w
あと、このSSは、祐介が主人公で、祐介の思い、感情をずっと追ってゆく話ですが、
実のところ、瑠璃子さんの回復の物語のような気もします。
・『命』について
>一番つまらなかったと思う。いくらなんでも作者の独り善がり部分が長すぎる
これは、前回参加した時にいただいた感想なんですが…(;´Д`)<変わってねえ!俺
(前回は『さおりんスタジアム』と番外『ぼく色の青春』です)
今回で、題材(Jリーグ)のせいじゃなかった、
作者本人の問題だった、ということがはっきりしましたね……。
本文ですが、痕R発売後は、R未プレイではこういう原作の設定使いまくりの
直球はやり辛くなるだろうと思ったので、今回、気合で挑戦してみました。
テーマは、千鶴と耕一が消えた設定の世界に残された、梓と楓、
姉妹ふたりの生きてゆくための戦い、そんな感じです。
そして、生き抜くことを決めたふたりへ、重い答えが与えられる……とか。
タイトルと章題に絡んだ、後章ラストで命の到来、前章ラストで死の事実が
それぞれ判明する展開とか、他にも、前章で梓が死を覚悟し、
後章で楓が死を心に決めているとか、ご指摘あった通り
いろいろと対称を意識してました。(自己満でやってるものもありますが)
梓と楓ふたりの激情、濃いエロ、意外な人物の登場によって変わる展開、
前世がすべてで語られがちな楓が、前世と現世の愛を秤に架けて現世を取る、
等々のネタを、見せ場として面白く描ければ……と思って書きました。
「トゥルーEND後、耕一は千鶴さんと共に事実上死んでしまって、抜け殻」というのと、
「楓は、異常なほど鬼の能力を成長させていた」というのが、
このSSの前提としての設定です。
そこを「まあ、このSSはそういう設定なんだろう」と特に気にならなかった方と、
「全然納得できなかった」方で、大きくご評価が割れました。さもありなん…。
実際のトゥルーENDでは耕一は鬼の血を克服したでしょうし、
楓最強って設定で自分がSS書くのもこの一本だけのことですし、
基本的には「このSSはこういう設定なので……」と言うしかないんですが、
そこの部分を大半の人にスムーズに納得してもらい、通過してもらって、
本編を楽しんでもらう説得力が、本文中になかったですね。
見せ場を書くをことに熱中して、読者の方の反応を想定できていなかった。
説明より、展開の意外性とスピード感の方を取りました。記述しなくても、また、
本文程度の記述でも、そのまま先に読み進んでもらえないか……?と。
おおかたは、迫る締め切り時間と「これ以上まだ長くなるのか……?」という
恐怖感により書くのをやめた部分です。間違いなくミスもあります。
↓以下、いちおう脳内設定の部分の解説も入れておきます。本文にないこと
中心なので無意味、読む必要は全くないですが…。延々お見苦しいっす…。
楓の能力ですが、原作の設定「鬼の血を引く者の中で、楓ただ一人が、あそこまで
はっきり前世の記憶を甦らせている」のはなぜだ?あたりから捏造をはじめて、
設定と説明も考えてはいました。「成長期だったから」だけではなく。
ですが、上記の理由により書かずに、あれだけ人も寄せ付けぬ人外魔境だ、と
強調した後そこに楓が当たり前のように現れる姿や、ふたりをも一瞬で飲み込む
想念の力の描写等々で、説明はなくともなんとない不気味さを感じてもらえれば
なんとなく看過してもらえんか、と思ってました。(駄目でした)
現れたタイミングに関しても、極僅かに本文にも挿入しましたが、
この一年というだけでなくこの晩の間にすら急激に成長していたんです。
さらにこの夜は、同族、梓と鬼の激しく死と生の交錯する接触に感応してどうたら、
とか。梓たちの場所を確定後、スタートしたら、あのタイミングだったって感じです。
梓の居た街も実は柏木家のある街じゃないです。梓が捜索に行った先のひとつ。遠く。
それから鬼が梓を食うのをやめたこと、その後街に出た行動…。
梓を殺さなかった理由は、まず同族の女を食べるのがヤパーリ勿体無かったから。
そして実は、その時、梓の懐妊に気付いたから……です。鬼の特殊感覚で。
ただ、これ匂わせてしまうとラストが割れてしまいますので、書けませんでした。
これも、なんとなく、同族だからとか、作中で説明しているような
理由なんだろうと思って通過してもらえればなあ…と。(駄目でした)
街へ出たのは、まず、食事のため。梓をご飯にするのをやめたので。
それと、これも本文に書いたことの補足的になりますが、初めて同族の女を手に入れて
しかも孕ませることに成功して、必要以上に浮かれております。
その時、せっかく手に入れた梓を放って行くことは無いでしょうし、抱えて
いくんだったら、彼にとってはその時挿入するしないは事のついでのようなことで。
凌辱者の下卑た気まぐれ、思い付きで、ヒロインが死ぬほど恥ずかしい思いを
させられるってのはエロの基本プロットのひとつでもありますし、
目標にしてた濃いエロシーンのためにも、欲しかったんです。
↑以上、脳内設定による見苦しい書き込み終了。
でもいずれにしろ、読者に見えない/書いてないなら単なる脳内設定。
そこの説得をほっぽっといて、千鶴さんと同じ姿に成長した楓、
「殺します」、その他の自分的見せ場に力を注ぐことの方に集中してました。
読む方のための土台を作らないで屋根作ってたんですね…。
ラストは、自分では素朴なハッピーエンドのつもりではないです。
最近書いたSSは、ラストに青空、とかで
きれいにまとめるエンドが続いていたもので、
最後に突然ごろんと重いものを投げ落としていくようなラストのSSが書きたくて。
例えば、もし産むとしたら鬼の血の問題以外にも、
現実的には梓は高校生でシングルマザーの道を選ぶことになりますし、
中絶も真剣に考えるかもしれない。
産むのか。どうやって育てるのか。産んだとしても当然また血の苦悩、苦しみは、
その子と梓たちの人生に降りかかって来るかもしれません。
この本編のお話以上に厳しい、長い道のりになるかもしれない。
また新たなひとりの人間の人生、命という重い現実が降ってきたわけですから。
でも、それらすべての困難や苦しみを承知していてなお、
命の誕生を言祝ぎたい楓。
そしてそんな情景のすべてをも、ただ慈しむように包む月光……って感じです。
ただこれは無論、本来、読んだ方それぞれ好きに想像していただいて構わない部分で。
ハッピーな未来を想像していただくのも全然構いません。例えば千鶴さんそっくりな
可愛い子が産まれて、母とふたりの叔母に囲まれて幸せに暮らすとか。
後味悪めなのは自覚していたので、先にこちらを投稿し、その後に『海の音楽』を
投稿する予定だったんですが、やはり時間が差し迫って実現ならず……。
誤字やおかしな文を推敲するだけが精一杯で(でも残ってますが)、全体を
客観的に見詰め直して構成し直すような時間は、今回も取れませんでした。いかん…。
ご指摘に従えば、
「楓の能力や鬼の行動をもう少し納得できるような説明を加える、もしくは
その展開そのものを改変」「クライマックスにうまく収束、全体に統一感が出るように、
前章部分から楓と梓間の思いをもっと描き、同時刻の楓の姿もインサートする」等したら
良かったのではと思います。
ただ、そうするとさらに長くなるな……(汗
「短くまとめる」「客観的視点で推敲する」……課題です。
>>417 > 作品数 総レス数 平均レス数
> 第一回 14 66 4.7
> 第二回 9 45 5.0
> 第三回 15 125 8.3
> 第四回 12 147 10.2
大作化の傾向は確かにありますが、自分のを除いただけで、だいぶ角度とか
緩やかになります。(↓) 責任感じる……。次は短いのを……。必ず……。
第一回 14 66 4.7
第二回 9 45 5.0
第三回 14 96 6,9
第四回 10 87 8,9
それにしても本当に自作を第三者的に見る能力がない人間ですね。
投稿を続けたら、今後も感想人1さんの2点を量産しそうな予感……。(w
感想人1さんの採点って、「感動してるのはお前だけだよ」ってのは
バッサリ「最低」って切ってらっしゃるんですよね。たぶん。
で「まあ落書きじゃないから頑張って書いた分だけ+1点」で2点なんでは…。
今回の章題含めてのタイトルまわりの仕掛けは「タイトルが工夫不足」という
ご意見へのアンサーでもありました。個人的には、タイトルは力抜いて付ける
スタンスなんですが。ちょっと笑える程度のもの或いは、中身まんまでもいいかなと。
吉田戦車の「もうタイトルで悩むのはやめにしたぞ(で、タイトル「彼岸花」。
中身は全然関係ないファミリー4コマ)」って姿勢カコイイヽ(´ー`)ノってのと、あと
まさに読んでもらえるかどうかもわからない素人文ですから、それこそ
中身をそのまんま表した「初音タン輪姦SS」とかいうタイトルでもいいかなあと。
まあでも中身自体のレベルが問題では、多少の細工も些事に過ぎず……。
ある意味順当な2点でしたが、その分『海の音楽』の方は高評価いただいたのは意外。
前回は「俺、他の人と面白いと思うツボからしてズレてるんだろうか…」と
思いましたが、今回は「海の音楽」も含めて楽しんでいただいた率も上がったようで、
絶対ズレてるってわけでもなさそうなのがちょっと救われ気分…。
本当は自分のようなタイプこそが、書いてはすぐ他人の視点で叱責を受け、
改稿を繰り返して、ってことをしなきゃいけないんでしょうが、現在リアルでは
そういう環境がないですし、この欠点から逃れるのは難しそうです……。
批判的なご意見をいただいた方々のご感想からは、
読了後の、違和感を越えた具体的な不快感まで伝わって来て、ほんとに
申し訳ない気分になりました…。この長さで納得できないものを読まされちゃなあ。
創作はオナニーとはよく言われますが、
自分の書いたものは文字通り、SSじゃない、オナニーだったんだなと
痛感させていただきました。好評いただいた『海の音楽』の方も、
あくまで“偶然”他の人にも喜んでいただけるようなオナニーだったって
だけなんじゃないか…って気がひしひしとしております。
あと、コテバレってOKですか?
SS以外まで長いなおい(w
でもその2本が同じ作者だったとは。長文書けない人間としては、素直に「すげぇ」と思う部分もあったり。
>コテバレ
いいんじゃないの? とは思うけど、一応実行委員長(笑)を待った方が良さげかも。
書き手の1人なんですけど……。現状のレス見てると、よしんば
他のお題でクロスオーヴァー物を書いても真っ当に読まれる
かどうかすら疑問に感じます。
ここで質問させて下さい。
「感想を書かれる皆様、このコンペでクロスオーヴァー物を
書いても色眼鏡無しで読んでくれますか?知らないから、
許せないからとスルーしてしまいませんか?」
今後の参考の為にお聞かせ頂ければ幸いです。
>>488 自分は「おもろけりゃおっけおっけ」です(w
クロスオーヴァーに要因なり必然性なりがあればなお良しです。
ただ、同じゲーム内のキャラに置き換えても違和感がない作品はかなり低く見ます。
どうせやるなら「そのキャラとそのキャラの組み合わせでないと出来ないこと」をやってほしいところ。
現状のスレの流れは単に「クロスオーヴァーをテーマにすること」に対する意見だと思いますが。
すごい伸びだから来てみたら(w
真剣なその姿勢はすごいと思います。
あなたのお話、私は好きですよ。
>>488 クロスオーバーに限らず、感想書く人はみんな自分の色眼鏡で見て、書いてるだろうから。
「鬼畜ものだから読まない」「会話文オンリーだから読まない」と同レベルの話かと。
>>486 否定的な感想を書く人もいたけど、よかったと言ってくれた人もいたはず。
問題点を改善しようとする努力は大切だと思うけど、ある程度は開き直りも
必要かと。
所詮、万人が満足できるSSなど、書けるわけもないのだし。
あの二つが同一人物・・・
その才能くれ!半分で良いからオレにくれ!
>>488 一応応募された作品は全部読んでる。
その結果、感想書けそうな奴のみレスつける事にしている。
知ってる・知らんでは判断してないな。
493 :
感想人1:02/07/31 01:40 ID:3RoUGPKk
>>486 んー、俺がここで何かを答えるのも、自分の感想の言い訳するみたいなので、ひと
まず(俺の感想についての)コメントは控えるとして。
オナニーでも別にいいじゃない。
それでも「よかった」って言ってる人がいるんだし、『海の音楽』は俺もよかっ
たと思ってるし。
あなたは書きたいものを書けばいいと思うよ。
今後も俺の2点評価が続くかどうかは別として、ね(w
>>488 第一回で出ている作品は「クロスオーバーだから」という理由で減点されてはいない。
だからクロスオーバーの内容にもよるけど、それ自体は問題にならないと思う。
逆に原作を知らないから点を付けないというのは、普通の作品でもあった。
ただ、クロスオーバーにしても、「葉鍵でガンダム」みたいなのになると微妙かもしれない(w
他作品との混合だとどうなるのかな……
>>450さんもそんなことを言ってたが、他の人はどう見るだろう。
>>488 第一回のクロスオーバーもの『楓のおもてなし』は普通に良作だと受け取られていたし。
要は他人に読ませる実力だと思われ。
>>479-486 んー。俺が感想で指摘した事に全部答えてる……。
ってかそこまで考えて書いていたんなら、もういいや。
今回はグランプリ候補が両方ともあなたの作品だった、と。残るのはそれだけ。
純粋にうらやましい。
綺麗にかぶった。
うーん、クロスオーバーものはダメか……。
別に、気に入らない題はスルーすればよいと思うのですが。
もっとも、それで一月話に入れないとなると寂しいでしょうけど。
と、わたしはクロスオーバー一応賛成派ですが、反対者がいればすぐに取り下げてもよく。
むしろ、
>>454の「cross over(交差、交錯)」がテーマとしておもしろそう、とか思ったり。
……季節関係ないけどナーw
で、現在出ているテーマ案は、
「秋だ! 紅葉だ! 山でHだ!」「クロスオーバー(葉鍵、作品間、ネタなどクロスオーバー)」
「cross over(交差、交錯)」「写真」「旅」「月」あたりでしょうか?
この中からどれが決まるのか、それとも他に案が出てくるのか……やっぱり、ドキドキして楽しいです♪
>>497 いや、クロスオーバーものがダメというわけでなく、テーマとして
「クロスオーバー」を持って来るのがダメという話だと思われ。
テーマに対して、どういう構成にするかは作者の自由なわけで、
クロスオーバーな話にしようが何しようが、文句を言われる筋合いは
無いと思うがな。評価は別として。
>>498 そのつもり(「クロスオーバー」をテーマにするかどうかについて)で言ってましたが?
内容については同意。
>>499 少なくとも普通に読む限りは、
>>497の「クロスオーバーもの」という言葉を、
「『クロスオーバー』をテーマにすること」とは見れないのではないでしょうか。
僭越ながら、SS書きでしたら、ある言葉が読み手にどのような意味に捉えられるか、は考えて書くべきだと思いますが。
>>498>>500 失礼しました。
普通のカキコでも、「書き手」と「読み手」はいるんですね……意識してなかったです(汗
>>497 >別に、気に入らない題はスルーすればよいと思うのですが。
また排他的な事を。
とりあえず、ループやめたら? 次のお題に話を移そう。
俺はすでに「旅」or「絶体絶命」に一票入れてるんで。
前スレと同じ人が書き方替えただけと認定。
違うと言っても同じ人と認定。
以下、放置推奨。
>>479 『 * * * *』
『 終』
この辺の表記は特徴を消した方が良いと思うよ。
上の場面転換はともかく、終了の方は特徴がありすぎる。
これだと書き手が同一人物だと推測できてしまう。
(別スレに)レス接続と終了の文字列が署名代わりになってた名無しも居るし。
気軽に参加できるように話し合う雰囲気にすらならないな。
難しいな
2Chで多数決で決めたら負けた方に荒らされるし、話し合いをしようにも
双方歩み寄る気がほとんどない
その自覚もないときたもんだ。
「デート前」の作者です。
処女作となった本作を読んで下さった方、感想を書いて下さった方、ありが
とうございました。拙い作品ですが、楽しんでいただけたなら幸いです。
試行錯誤の末、後半を削りました。その結果、テーマが希薄となりました。
こちらより、SSスレへ投稿するべきだったでしょうか?
皆さんからの貴重なご意見を参考に、精進いたします。
いずれ機会があれば、また参加したいと思っております。
また例の面白い奴が来てたのかな?一行煽りは建設的じゃないよん。
>>510 後半はどんな感じだったんですか?
今回も初参加の人は結構いたみたいだね。少なくとも
>>405>>410>>510 次回も2人名乗りをあげてるし。
常連さんと混ざっていい感じに盛り上がって欲しい。
それはそれとして、次々回テーマには「月」に一票。
>>486 >コテバレ
投稿、感想期間を過ぎればコテバレされても OK です。
関係無いですが、あの二作品を同じ人が書かれているとは
つゆにも思いませんでした。
それと突然の話なんですが、8月の終わりから9月の初めにかけて、
個人的な事情でネットに繋げなくなってしまうんです。
そのせいで、投稿期間の告知やその他はできるとは思うんですが、
感想、総括期間は何も手が出せない状態になってしまいます。
そこで、どなたかこの期間の代役を務めてもらえませんでしょうか?
次々回のテーマの話し合いと並行して、お願いします。
>513
実はも一つ問題があるぞう。
現在369 KB。
今はいいけど、このスレでこの後このまま投稿を開始したら、
投稿期間中に512KBオーバーする可能性がある。
また、その後の感想期間に512KBオーバーしてスレ移行するのもマズい。
感想期間なのに、肝心の投稿作の入ったこのスレが
html化待ちになってる可能性が高い(w
投稿期間が始まったら新スレ立てて、投稿の募集はそっちで
やった方がいいかも。その後こっちは落とすか、容量が残ってたら
sage進行で統括期間や雑談を継続するとか。(スレ二本並列はマズいか)
緊急時用に葉鍵系の避難所のどこかに
避難スレを作っておくのも、いいかもねー。
確かに、あまり自作を卑下したような書き込みをするのも、
楽しんでいただいた方に失礼ですよね。
作品姿勢を変えても同じ反応が返って来て問題点がはっきりしたのと、
ちょっと無理を感じてたところや、自分でもテンションが落ちていたところ、
言われて初めて気付いたところ等、ズバっと指摘されましたもので。
ほんと、人に読んでもらうってのがやっぱり一番の勉強だと実感します。
……でも十年前ものを書いた頃にも同じこと言われてたんだよなああぁ……(´Д`)ウウ
>>505 (´Д`)7 <ラジャ
>513 ありがとう。486=わしですた。では!(´ー`)ノ
519 :
518:02/08/01 00:44 ID:xor2a29b
518のリンク先、トレーニングルームってURL貼りつけると全部落としちゃうのか……
アドレスに貼りつけて飛べば何の問題もありませんがクリックしていこうとすると
評価やコメントがつけられないです。
そのまま貼っちゃって申し訳ありません……
コテバレって初めてだーね。他にもそれなりに有名なコテはいそうな気はするが。
>>514-515 それ自分も心配していました。
ちなみに今回の投稿期間内のスレのログを調べてみたら
約 200 KB ぐらいだったので、間違いなくオーバーすると思います……
そこで、とりあえず(過去のものも含め)投稿作品を保管しとく場所を
作っておこうかなと思うんですが。そうすれば万が一 512 KB オーバーで
dat 落ちしても作品だけは見ることができるんで。
新スレ立ては、微妙に現スレの容量が残っているだけに難しいですが
そっちの方が解決法としてはよさそうですね。
あと、避難所としては前にこのスレについての話し合いをした場所
http://jbbs.shitaraba.com/game/1097/ があるんで、ここを使ってもらえればいいと思います。
引き続き、テーマと代役の募集を行います。
AF団かよ!!w
最近見てないけど、AFスレは今はどんな感じなんだろう……。
まあともかく、いいもの読ませてもらいましたです、はい。
自分も次次回は「月」がいいかな。
取り敢えず、次回テーマ「嘘」は自分も初参加したいと思います。
523 :
:02/08/01 09:47 ID:8hnBVEp3
次々回って事は9月頃か・・・
ベタだけど「学園祭」とか「体育祭」とか読んでみたい気がする
>>521 で言った作品の保管場所ですが、こんな感じで作ってみますた。
http://isweb45.infoseek.co.jp/play/sscompe/ まだ第四回の分しかアップしてませんが、何か意見があればお願いします。
個人的には、作品をテキストで置くか HTML で置くか悩んでたりしてますが。
また、テーマの方はまだ話が収束してなさそうですが、ざっと見たところ
「月」「旅」「夢」「絶体絶命」「(作品の)クロスオーバー」
「cross over(交差、交錯)」「写真」
というところでしょうか。引き続き意見をお待ちしてます。
それと次回の投稿についてですが、とりあえず容量ギリギリ(470〜480KBぐらい)
までこちらを使って、それ以降は新スレに投稿してもらう形にしたいと思います。
で、感想期間中まではこちらを最低限のメンテで残すようにしたいと。
……ちょっと難しいですかね。
夢に1票、です。
幸せを感じられる良い夢も、目が覚めたらすべて消えうせる悪夢も。
現実から逃避した良い夢も、目覚める事のない永遠の悪夢も。
いや、現実すらも。
夢である事は変わらないから。
と、長瀬祐介スレのような発言をするテスト
528 :
jo:02/08/02 18:15 ID:GgZQam8E
「人」の「夢」と書いて、「儚い」と読む。
人は夢の為に生きる。それが例え悪夢であろうと。
夢がなければ生きていけないから。
ある人が言った。人は夢を捨てた時から老化が始まると。
あなたは今日、幸せな夢を見ることが出来ましたか?
最後にはどうか幸せな記憶が、あなたの夢を満たしますように。
そんなわけで「夢」に一票。
クロスオーバーは短文ならともかく、世界観の構築や物語の深みを出すのが
ちと難しい。「オマエに才能が無いだけ」といわれればそれまでだが(藁
夢。
夢を見ている。
・・・ベッタベタなテーマが二つ続くのもなあ。
……となると「巨泉」あたりが浮上して来るか…?
巨泉 にいっぴょ!
ちなみにコレに一票を投じるワケは、こういうワケワカなテーマでこそ
尻のケや腋のケのアノ人がおもしろいSSを書いてくれそうな気がするからなのでっす(w
>>513 > ◆qsaJNT.c氏
あなたが居ない間の代役、もう決まってますか?
まだの様だったら、自分がやりますが。
できれば今日中に次々回のテーマを決めて、明日から
テーマ「嘘」の投稿を開始したいですね。
ということで、今までで何度か侯補になったものを挙げると
「夢」「月」「旅」「絶体絶命」
という所です。他に案が無ければ、ここから選びましょうか。
>>533 いえ、いないと思います。
代役を引き受けてもらえると、自分も安心して死地に赴くことが
できるのですが(w
確認を取る度にタイトル候補が減っていくワナ
よし、俺は「写真」を押しておこう
しかも「絶体絶命」なんて一人しか推してない罠。
で、気軽に感想書けるようになるにはどうすればいいのさ?
感想書く人増えているのに、どうしてそんなに「気軽」にこだわるのかが分からん。
で、あなたは自分の考えを持ってないのん?
>>537 どこからこの話が出てるのか読み返してみればいい。
敷居が高い・閉鎖的と言われ、シチュやクロスオーバーが評価されにくいと思う人もいた。
「敷居の高い感想」が増えただけでは書きやすい事にはならない。
具体的な方法というなら、まずはそれを認識する事かな。
それだけでも雰囲気は変わるような気がする。
539 :
感想人1:02/08/03 15:00 ID:Wxqc2Zxr
あのさ、「敷居の高い感想」ってなに? 揚げ足取りじゃなくて、マジ質問。
と言うか、感想の「敷居」って、誰が作るものなの?
それぞれに感じたことを書くのが感想であって、そこに敷居を設けてるのは、
「敷居が高いな」と思ってるその人自身じゃないの?
自分で「敷居が高くて、感想書けない」と言う前に、何でもいいから感想を
書いてみればいいじゃない。
それが「気軽に感想を書ける雰囲気」作りの第一歩だと思うよ?
ちなみに、俺は気軽に感想書いてるよ。感想書くのに悩まないって言うか。
だって、たかが一読者の感想じゃん。そんなに気負う必要もないでしょ?
>>539 >「敷居が高いな」と思ってるその人自身じゃないの?
そうやって責任転嫁すればそう思う人がいなくなるのか?という話だ。
結局、客観視できていないからそういう的外れな事を言う。
参加者以外にどう思われようと構わないと言うのであれば、
歩み寄りようのない価値観の相違だからそれ以上何も言う事はないが。
>>540 馬鹿の一つ覚えだな。
的外れなのは541に1票。
歩み寄りようのない価値観の相違だから意見が多い方を尊重するのが世界なのだが。
感想は感じて想った事だから、万人によって違うでしょ。
制作者の意図ともずれるだろうし、好き嫌いが出るのは当たり前。
ただ、嫌いの感想の場合は、荒れる原因になりやすいから、相手に自分
の考えてる事を伝えないと、制作者もいい気はしないと思う。
好きの感想でも、自分の考えを伝えると、制作者もなるほどって思うんじゃ
ない?単にイイだけではなく。
論文書く訳じゃないんだから、感想は主観的に気軽に書く。けど、ある程度
は自分の考えを取り入れる。そこでは、客観視する必要があるかも知れない。
まあ、書く人次第。
たとえば、嫌いな文の場合。
読みにくい。だけではなく句読点が多すぎて読みにくい、とか文字を詰めすぎだとか。
嫌い。だけではなく、どこそこがどうなのでキャラに魅力がないとか。
そういった感想であればよほどの事(作者がよほどDQNとか)がない限り基本的には喜ばれると思うが。
好きな場合も(・∀・)イィ! だけではなく 表現の仕方が良いとか。
そういった、意見の入った感想が欲しい今日この頃。
みなさんも、どうよ?
>>542 「いい事」を言ってれば気軽に書けるようになるのか?という話だ。
理想主義が必ずしも正しいとは限らない。
特に玉石混交の2chでは。
>>543 歩み寄りようは無いか、そうか。
>>546 そりゃあんたが一歩も動こうとしてなければ、歩み寄りようはないだろう。
自分は動かず、相手に近づけというのは、歩み寄りじゃないぞ。
(小売店で)店内の照明を明るくしただけで客が増えた例があるらしいね。
品揃えとか値段とは関係ないところで賑わいが決まることもある。
「なんとなく入っていきやすい」雰囲気ってのも、
配慮できるんならそれに如くはない。
けどまあ、具体案が出たら検討すりゃいいでしょ。
方策がない状態じゃ賛成も反対もしようがないんだし。
あと、香ばしくなりそうだったら各自が気を付ける方向で。
いまさらって感じだけど一応。
>「敷居が高いな」と思ってるその人自身じゃないの?
まったく持ってその通り。
でもそう思う人が少なくなるように、って敷居を下げる話をしてたんじゃないの?
変に話を難しくしてるような気がする・・・
でも正直、敷居うんぬんは気にしないほうがいいと思われ。
せいぜいが「気軽に書き込んでください」ってアナウンスぐらいでいいと思うよ。
何か感じるものがあった人は、きっと書き込んでくれるさ。
551 :
感想人1:02/08/03 18:17 ID:83i8TXMx
>>546 肩肘はっても疲れるだけだよ。
たかが一読者の感想。気軽に書いて、気軽に読んでよ。
作者の方の求めるものは、作品に対する意見(
>>545参照)なのかも知れないけど。
こういう議論そのものが、実は「敷居を高くする」要因の一つになってるって、思
わない?だから、理屈並べるよりも、まず
>>546さんなりが敷居の低い感想を実践してみた
方がいいと思うよ、って言いたかったんだけどね。
>>536 あー、じゃあ自分も「絶体絶命」を推しておこうかな(w
次回が「嘘」ってありがちなネタだから、次々回はそうじゃないところをきぼん。
ちなみにクロスオーバーを言い出した人間です。クロスオーバーは残念だったけど。
それから感想云々なんだけど……
自分は別にどうでもいいなぁ。
そもそも感想が欲しくて書いてるんじゃないしね。
こうやってテーマで縛られるとなんかSSのネタが浮かんだりしない?
だから自分は書いてるし、投稿してる。
もちろん、結果として面白かった、って感想がつけば嬉しいし、理解できなかった、
って言われたら悲しいけど。
そりゃ結果だから。
だから感想書く人も、もっと気軽に書いて欲しいな。
553 :
373:02/08/03 19:11 ID:ZxTR3N0e
オレの感想を見ろ。このテキトーかつデムパな感想を。
だが悪意はない。
そしてまた、あんな糞レス書いたところで誰も気に留めていやしない。
いいスレじゃねーか。
後な、どうしたら敷居が低くなるのか知ってて、かつそれがスレの活性化に繋がると
言うのなら、人のカキコにケチつける前にその手本を示してくれ。
それが気に入る奴がいたら黙って見習うだろうよ。
ただ、アンタの言う敷居の低さの押し付けには反対だ。
それぞれの感想人の味が失われる可能性があるからな。
そしてそれこそが排他的じゃねーか?
>>547 具体的な方策も何も、敷居が高いと思われてるという認識があれば、
それだけでも多少は良くなると思ってるんだが、
認識すらしない、あるいは思われても構わないと言うんじゃしょうがない。
ちなみに、俺自身はトレーニングルームのほとんどの作品に感想書いてるような人だから、
俺が書けるかどうかは関係ないんだな。
皆さん。今回はこのスレの容量に余裕があります。
なので、「面白い人」に付き合うのも余興です。
っていうか、この大将がどこ迄自分の都合の悪いレスは無視できるかをチェックする
良い機会でもあります。
あのー、議論がかみ合っていないように見えるのは私だけですか?
>554さんは、敷居が高いという意見も出ていることを認識せい、と言いたいわけでしょ?
それなら大丈夫、みんな認識していると思いますよ。
>551-553も、そのことを踏まえた上での意見でしょう。
たとえそれが>554さんの期待するような意見ではなかったとしても、
それ以上の押し付けは不毛かと思います。
いずれにせよ、この話はもう終わりにしませんか?
私の硬質長文辛口感想も流れを止めることが多いので、指摘は耳に痛いのですが、
現状これという解決策もない以上、愚痴愚痴言っていても始まらない。
結局、各人が思ったままにやるしかないですよ。
色々な意見を参考にさせていただきつつ。
>414さん
すご〜く遅いレスで済みませんが、
>最後に『冬弥と女性達の関係を説明している部分』について。
ここはクライマックスの部分でありながら、作者さんの意図をよく理解できなかったところです。
他の方も仰っていましたが、一気の種明かしというには文章量が多すぎ。
かといって一段ずつの展開というには、一箇所にまとまりすぎ。
私は作者さんの意図を後者と理解して、せめて段落を分けてみたら、という意味の
感想をつけたのですが、どうだったでしょうか。
全然意図と違うことを言っていたらすみませんです。
>>535-536 「絶体絶命」に関しては、前回「嘘」と並んで推されていたな〜
なんてことを
>>475-476 を見て思い出したわけで。
正直、自分だけの判断で入れてしまいした。( ゚д゚)ノスマソ
>>436 >>497 で判断してもらった方が正しいと思います。
で、「写真」と「絶対絶命」に票が入ると、ますます混迷を極めますね。
……どうすればいいんだ。
「敷居の高い低い」に関しては、今すぐそれを解消できる方法が無いゆえ
できることと言えば
>>549 で挙げられていることぐらいかなと。
あるいは、投稿と感想を分けている現ルールを変えれば解消されるかも
しれませんが、そうするとこのスレの存在意義がなくなりますけどん。
花⇒走る⇒雨orサッカー⇒夏だ!外でHだ!⇒嘘⇒?
ベタ・ベタじゃない、と交互にきてるから、次々回はベタじゃないテーマをキボン
絶体絶命に1票。
自分も絶体絶命がいいかなー思います。最初月だったけど、なんか意見転向。
ギャグもシリアスも書きやすそうだし、なんか書き手の個性が出そうな感じが。
>>555みたいに何の意見もないただの煽りが問題なんだよ。
ヘ
/ |\
\ | \
\ \| \
\へ― フ \ \
∠ △ / \ | ガルルルルルゥゥー
Yw「ノノ ̄ ̄\ / |
厂/\\ ̄ ̄/ / ̄\ |
 ̄ \|  ̄ | | EVA ||
〔§| /| \_//\
ゴメンナサイスイマセン ( \\__ |
タスケテクダサイΛ_Λ \  ̄ ̄ ̄\_ \
( ´∀`)___  ̄ ̄ ̄\ \ 〉
(彡 ⊂)_ / \ | |
| | |  ̄ ̄ ̄ く | |
(__)_) /⌒ | |
/ |__|
/ 《 | |
/ / 》》》》
_ / /
//\|_ _/ \ \
\ |_( \ \
\| `\ \ \
\
このまま他の案が無ければ、二票追加されたということで次々回の
テーマは「絶対絶命」ということでよろしいでしょうか?
特に異論がなければこれに決定して、明日の朝 8:00 から
テーマ「嘘」の投稿を開始したいと思います。
よーしパパ今から嘘のSSを書い(略
さて、今からネタ出しだ!<遅
パパは誰彼の解説でもやってろぉ
>>563 下らない突っ込みですが、
絶「体」絶命
を希望。
>566
絶対に絶命するというテーマでも面白いかもーヽ( ´ー`)ノ
ついでに「絶対説明」もよろ(w
いよいよ明日か・・・
まだ書きあがってないから頑張らねば。
>◆qsaJNT.c
>>527>>528の両氏が「夢」に2票投票していますが、無効なんですか?
無効であれば、今更ではありますが、「夢「に一票いれます。
テーマ「嘘」の投稿締め切りはいつでしょう?
コミケ挟むから、出来れば2週間欲しいな(^^;
>>571 全体で「絶体絶命」を次々回のテーマに推す人が多かったから、そう決めたんでしょ。
今更夢に一票追加したところで、変わるとも思えませんが……。
>>572 投稿期間は二週間です。
>>2 に書かれています。
これくらいは読んでほすい。
コミケ挟むからってのは、確かにキツイな……。
2,3日、延びないかな……。
【葉鍵的 SS コンペスレ】
第五回投稿テーマ:「嘘」
投稿期間: 8 月 5 日の午前 8:00 から 8 月 19 日の午前 8:00 まで。
テーマを見て思いついたネタがあれば、どんどん投稿してみよう。
面白い作品だったら、感想がたくさんついてきて(・∀・)イイ!!
もちろん、その逆もあるだろうけど……(;´Д`)
同じテーマで、他の職人さんと競い合えるまたとない機会です。
現役職人の方はさらに自分の腕を研くため。
初心者の方は自分の作品と他の職人さんの作品を比較、参考にするため、
などに利用してください。
※投稿される方は
>>1-4 にある投稿ルール、FAQ をよく読んでください。
※特に重要なのが
・テーマに沿った SS を*匿名*で投稿する
・投稿期間中は作品に対して一切感想をつけない
の二点です。他の各種 SS スレとは異なりますのでご注意を。
それでは、投稿開始っ!
>>571 票数としてはあまり変わらんのですが、
>>529 >>559 でベタじゃない
テーマをキボンヌという意見も出ているので、優先してみました。
>>579 コミケのことはすっかり忘れてますた(;´Д`)
延長希望の方が多かったら考えますです。
では早速。
テーマ【嘘】でKanonのSS「優しき嘘の辿り着く場所」です。
ダークや鬼畜じゃないですが、ハッピーな話でもないです。
「祐一、準備出来た?」
「ああ、これで終わりだ……っと」
段ボールのふたを閉め、ガムテープで封をする。
すっかりガランとした部屋を見回すと、一つ残った目覚まし時計に手を伸ばす。
「ありがとうな。今まで世話になった」
そう言いながら、従姉妹の声が録音されたそれを、元の持ち主に差し出した。
「うん……」
名雪は両手で受け取ると、そのまま胸に抱え込む。
俯く顔に一瞬光るものが見えたのは、気のせいだろうか。
「……お別れ、だね」
「そんな寂しそうな声、出すなって。また今度、遊びに来るから」
「うん、そうだね」
そういうと顔を上げ、笑みを浮かべてみせた。
「今度来た時は、あんなに待たせないよ」
「まったくだ。こんどはせめて一時間は切ってくれよ」
「うん、頑張るよ」
「……冗談なんだけどな」
俺は苦笑すると、旅行鞄を手に取った。残りの荷物は宅急便で送ってもらうこ
とになっている。
「あ……もう行っちゃうんだ」
「ああ。最後にこの街を一通り見て行こうと思ってさ」
優しき嘘の辿り着く場所
俺がこの街に来てから二ヶ月余り。ようやく暖かくなり、俺もこの街に馴染ん
できた頃、思わぬ事が起きた。
両親の長期出張が取りやめになってしまったのだ。なんでも景気の悪化から、
そんな余裕が会社になくなったとか。
お陰で俺は、また四月から元の街で暮らすことになったのだ。
「それじゃ祐一さん、またいつでもいらしてくださいね」
「はい。それじゃ、また。今までお世話になりました」
いつもと変わらぬ笑顔の秋子さんに別れの挨拶をすると、俺は水瀬家に背を向
けて歩き出した。
この街で暮らしていきたい、と思わないこともなかったが、俺が居候すること
が迷惑になっているのも事実である。むろん、秋子さんは何を言うわけではない
が、母子家庭で食い扶持が一人増えるというのは大変なものだ。
それに名雪のこともある。
名雪だって年頃の娘だ。そのうち誰かと恋に落ち、彼氏も出来るだろう。そん
な時、俺のような男が同居してる、と聞けばその男も気分が悪いだろうし、いら
ぬ誤解を生むことも十分に考えられる。
二人のためにも俺は引っ越した方が良い。そう俺は納得している。
――※――※――※――※――
俺はいつもの道をたどり、商店街にやってきた。
ここも春の装いのまっただ中だ。
花をあしらったディスプレイが並び、ピンクを基調とした装飾が辺りを彩って
いる。
「わーい、まってよー」
「おいてっちゃうぞー」
歓声をあげ、小さな子供たちが俺の横を通り過ぎる。
男の子と女の子。互いに手を繋ぎ、笑いながら駆けてゆく。
まるで七年前の、俺とあゆのように。
月宮あゆ。七年前に出会い、その七年後に偶然再会した少女。
しかし、ある日を境に彼女と出会うことは二度となかった。
『もう会えないと思うんだ』
その時彼女が言った言葉通りに。
遠くに引っ越したんだろう。
そう納得しようとはするものの、最後に出会った時のことを考えると、いつも
ある疑問にたどり着く。
七年前、俺はあゆとどうやって別れたのだろう?
様々なことを思い出したが、結局そのことは最後まで思い出すことはなかった。
ふと足を止める。
この場所だ。あゆと俺が最後に話をしたのは。
『探し物、見つかったんだよ……』
声と共に脳裏に蘇る、あゆの顔。言葉とは裏腹の、寂しげな表情。
『だから……祐一君とも、もうあんまり会えなくなるね……』
「また……会えるといいな」
俺は小さく呟いた。
――※――※――※――※――
商店街を抜け、学校に向かって歩を進める。
街路樹からの木漏れ日が地面に斑模様を描く。こんな光景を見ると、春になっ
たことを実感させられる。俺がこの街に来た頃はまだ、葉の上にまで雪が積もっ
ていたものだ。
そういえば、その雪を頭からかぶった少女がいたことを思い出す。場所もちょ
うどこの辺りだ。
美坂栞。自称、病気の少女。
雪にも劣らぬほどの白い肌を持った少女は、風邪で学校を休んでいる、という
話だった。
けれど、俺はあの後学校で、彼女を見かけることはついに一度もなかった。
風邪なら一週間もすれば治るだろうに。
彼女は一体何だったのだろう?
実は別の学校をずる休みしている、登校拒否児だったのだろうか?
ちゃんと学校に来ていて、単に俺が会えていないだけなのだろうか。
それとも実はもっと重い病で、今も家で寝ているのだろうか。
あと気になることが一つ。
学校に美坂香里、という級友がいた。
栞と同じ名字。けれど香里は、自分に姉妹なんていない、と以前話してくれた。
果たして本当に無関係だったのだろうか。嘘を付いていたんじゃないだろうか。
もはや確かめることもできないのだが。
二月に入ってから学校を休みがちになった香里は、三月にはついに一度も俺た
ちの前に姿を見せることもなかったからだ。
引っ越した、と聞いたのはつい最近のこと。名雪も知らなかったらしい。
美坂栞と美坂香里。
この二人の事を思い、俺は空を見上げた。
緑の葉の隙間から見える空は、ただ青く透き通っていた。
――※――※――※――※――
あえて何も考えないように努めながら先を急ぎ、俺は学校へとたどり着いた。
どうやら今日は卒業式だったようだ。校門では華やかな姿の人々が談笑している。
感極まったのだろう。袴姿の女性が目を潤ませ、ハンカチで目元を押さえている。
俺も後一年この街にいれば、こうして卒業式を迎えていたのだろうか。
そういえば、あの人はどうなったんだろう。
俺は何とはなしにある女性の姿を探してみる。が、見つかるわけもない。
ここにいないだけなのか、それとも――。
川澄舞。
彼女との出会いは突拍子もないものだった。
『……私は魔物を討つ者だから』
嘘か冗談だとしか思えない言葉を、彼女は深夜の学校で口にした。制服に剣を
持った幻想的とも言える格好で。
興味を持ったのは事実だ。何度か話もした。けれど直ぐに疎遠になった。
話す事は理解できなかったし、何より彼女は学校の問題児だったからだ。
その後も何度か彼女の華々しい噂を聞いたのだが、ある時を境に全く話が出て
こなくなった。
それは学校の窓ガラスが全て割られていた日。
二階、三階の窓ガラスも廊下側に向かって割られており、どんな超常現象が起
きたのかクラスでもひとしきり話題になったものだ。
川澄舞との関係を噂する者もいたが、学校からは何の発表もなかった。
何も。
ガラスが割られたことについてさえ――。
「あの……」
「あ、はい」
気が付くと、袴姿の人が俺に向かってカメラを差し出していた。
「一枚撮ってもらえないかしら」
拒否する理由もない。俺は桜をバックにその四人グループをファインダーに収
め、ボタンを押す。
シャッターがきれるその一瞬、幼い女の子の姿が見えた気がした。
――※――※――※――※――
お礼の声を背に、学校を後にした。
まだ時間がある。
俺は最後に街の全景を見ようと、丘に登ることにした。子供の頃の記憶を頼り
に細い道を歩く。
しばらく行くと視界が開けた。青々と茂った草の向こうに、ミニチュアの様な
街が広がっている。
柔らかな風が、少々ほてった体に心地よい。
「うにゃー、うなー、なー」
不意に聞こえる猫の声。
「にゃー、うにゃー」
高く低く、歌うかのように続くその鳴き声は、なぜか悲しげに響いてくる。
どこからだろう。
草を掻き分け、声の方に近づいてみる。草むらを掻き分けつつ進むと、突然開
けた空間に出た。十メートル程度の広場の中央に一匹の猫がうずくまり、鳴き声
をあげている。
「お前は……?」
その猫の容姿には見覚えがあった。真琴が歩道橋から落としたヤツによく似て
いるのだ。
沢渡真琴。自称、記憶喪失少女。
よく分からないうちに水瀬家に住み着き、ある日突然いなくなった迷惑なヤツだ。
夜毎の悪戯に随分と睡眠時間を削られたことを、今となっては懐かしく思い出す。
けれどそれも、真琴が拾った猫を歩道橋から落とした時に終わりを告げた。
どこに行方をくらましたのか、あの後彼女に出会うことは二度となかった。
結局記憶喪失は嘘だったのだろう。今頃は家族や友達を困らせつつ、楽しく遊
んでいるに違いない。そうに決まっている。決まっているんだ。けど――。
「ねこ、ねこ」
片膝をつき、猫に手を伸ばす。本当にあの時の猫か、確かめてみようと思った
のだ。しかしそいつは警戒の声を上げると身を翻し、あっという間もなく姿を消
してしまった。
「これは……?」
猫がいたところに、土が小さく盛り上がっている。
その前には、小さな茶碗。
まるで……まるで何かの墓のように。
何より俺はその茶碗に見覚えがあった。いや、あるような気がした。あれは――
……いや、気のせいだろう。そんなはずはない。だいたい、今まで残っている
はずがない。
俺はそこに眠る何者かに対して、そっと手を合わせ冥福を祈った。
再び聞こえだした猫の鳴き声が、鎮魂曲のように思えた。
――※――※――※――※――
街を一通り回ってきた俺は、ようやく駅前の広場に辿り着いた。
時間を確認する。よかった、後数分でちょうど予定していた列車が出発する。
俺は改札に向かって歩き出した。
「祐一っ!」
突然背後から声をかけられる。振り向くとそこには、名雪が立っていた。
名雪にしては珍しく息を切らしている。格好も先ほど別れたときのままだ。
動揺を抑え、笑顔で問いかける。
「あれ? 名雪、どうしたんだ? 何か俺、忘れ物したか?」
「ううん、そうじゃないよ……あ、そうかも」
「おいおい、一体なんだ?」
「忘れたのは、わたしの心」
そういうと名雪は目を閉じ息を整える。何か大事な事を伝えようかとするように。
「あのね、わたし――」
「名雪っ!」
俺は名雪の言葉を遮るように大声を出した。
「えっ、なに?」
驚く名雪を後目に、俺は改札に向き直った。
「……元気でな。彼氏でも出来たら、連絡しろよ?」
「っ――! 祐一……」
「じゃあな」
「ゆう……い……」
俺は歩き出した。後ろを振りかえず。
名雪のためにも。俺のためにも。
――※――※――※――※――
本当は気が付いていた。
あゆがこの世から姿を消したことも。
栞が大病を患っていたことも。
舞が魔物と戦って果てたことも。
真琴という記憶喪失の少女を見捨てたことも。
けれど俺は、誰も救うことが出来なかった。
気が付いたときには遅すぎたのだ。
嘘の中の真実に。真実の中の嘘に。
そして、名雪。
名雪が俺のことを好きなことも分かっていた。
俺も名雪のことは嫌いじゃない。
だからこそ、こんな情けない男の側を歩かせるわけにはいかないのだ。
彼女には幸せになって欲しいから。
――※――※――※――※――
ホームに着くと、ちょうど列車が到着したところだった。空席を探し、腰を下
ろす。
「すまんな……」
誰にともなくつぶやき、目を閉じた。
発車のベルが鳴り響く。
こうして俺は逃げるようにこの街を出ていくのだ。
自分自身にも嘘をついて。
優しき嘘が降り積もった、この街を。
〜了〜
>>578-590 以上、「優しき嘘の辿り着く場所」でした。
おわかりとは思いますが、誰のエンディングにも到達しなかった場合のifです。
関係ないですが、連続投稿規制に2回も引っかかって大変でした。では。
早っ!(w 前回の辛口感想さんの時も思ったが(w
投稿規制はたしかにやっかいだよねー…。
長文SSの上手い投稿の仕方知ってる人、いないすか。
このスレもう書き込まないで、メンテだけ(期間中DAT回避)にして新スレ立てた方
が良いかも。
もう容量が持たないっぽい。
480Kくらいまで作品を受け入れた方が
有効にスレ活用できると思うけどね。
一つのスレに全作品が収まってないのは
キモチ悪いんだけど、それはしょうがない。
それやると、新スレに移るまで誰も投稿しなくなっちゃう恐れが・・・
>>596 新たにコンペ部屋作るって事?でも際限なくSSが追加されると、それこそ
三告平氏に迷惑がかかるかも。
今の部屋だとあそこに自由投稿してる人に迷惑かけまくる事になるし。
598 :
373:02/08/05 16:02 ID:Pe2qMO2G
とりあえずトレーニングルーム使用賛否のギロンで容量越えちまったら
元も子もないから、さっさと新スレ移るのがいいような気もしなくもない。
とりあえず、このスレの利用方針としては
>>521 >>526 に
書いてあるとおりにしようと思っています。
今更だけど、夢に一票。
遅いので、無効にしてくれても構わないですが。
ただ、前スレで初めに「夢」の案出した人間として……投じておきます。
絶体絶命の次が夢でいいじゃん。
候補としては次回以降も残るわけだし。
そのうちやりたいけど、慌てる必要はないと思ってるよ。
季節を選ばないし汎用性は高いし。
「月」はあと一年間は封印なのれす。がっくし。
11月も名月といえば名月じゃないかい?w
新スレにはまだ移行しないみたいなので、短いのを一つ。
Kanonより栞エンドちょい前で、栞が一人で公園にいるときにあゆとばったり出会い、
ベンチでおしゃべり、と言うシチュです。ちとクサいです。
説明くどいね。
タイトルは「再会の約束」
3レスなので気軽に読んでください。
あゆ「ほんとはボクね、祐一君のこと好きだったんだよ」
栞「え・・・?」
あゆ「でも祐一君は気付いてくれなかった。ボクとの思い出も祐一君は忘れちゃってたみたい。だから・・・」
秘密を打ち明けて照れくさそうに微笑んでいるあゆ。
微笑んでいるはずなのに―――
どういうわけか栞には、顔をくしゃくしゃにして泣いているようにしか見えなかった。
あゆ「祐一君がね、約束してくれたんだ。なんでもみっつ願いをかなえてくれるって。ボクはふたつもお願いを聞いてもらったから、それだけで充分」
ひとつ目のとびきりのお願いをかなえてくれた。
ふたつ目のお願い。
全部じゃないのが寂しかったけど、祐一君はちゃんとボクのことを憶えていてくれた。
だから、ボクの、最後のお願いは―――
栞「あゆさん・・・」
あゆ「栞ちゃん、祐一君をお願いね。祐一君は意地悪だけど・・・」
あゆの声が震え、微笑んだまま表情を隠すようにうつむく。
あゆ「とっても、やさしいから」
栞「・・・」
栞にはなにも言えなかった。
この告白にどれほどの想いが込められているのか想像もつかない。
自分が安っぽい考えでなにか言葉を掛けるのは赦されない気がした。
あゆ「ボクもう行かなきゃ」
ベンチから立ちあがるあゆ。
そして、ゆっくりと背を向けて歩き出す。
栞「あ、あの・・・」
自分がなにか言うのは赦されない。
しかし、なにも言わないのはもっと赦されないのではないか。
そんな気がして、栞はあゆの背中に声を掛けた。
ゆっくりと振り向くあゆ。
栞「また、一緒におしゃべりしてもらえますか・・・?」
そのときのあゆの表情を、栞は一生忘れることは出来ないだろう。
泣いているような、怒っているような、そしてこの上なく喜んでいるような―――
そんな表情を。
あゆはちょっと逡巡した後、はっきりと言った。
あゆ「うん。もちろんだよ」
・・・それは、消え行く少女の、とても悲しい最後の嘘。
しかし、あゆの表情はこの上なく晴れやかだった。
栞「お友達、と思っていいんでしょうか・・・?」
あゆ「ひどいなあ、ボクは最初からそのつもりだよ」
そして二人で吹き出すように笑う。
・・・栞にも嘘だとわかっていた。
本当の理由は知らなくても、もうあゆと会えないことは薄々わかる。
わかっていても、微笑むあゆに何を言えるだろう。
栞に出来るのは再会の約束。
けして果たされることのない・・・・
あゆ「じゃあまたね、栞ちゃん」
栞「はい。また会いましょう」
今度こそ背を向けて歩き出すあゆ。
微笑む二人の目には、溢れ出そうと湧き上がってくるものが光っていた。
最後まで、笑っていよう・・・
残された人たちを悲しませないように・・・
ボクの大好きな人たちを・・・
以上です。
なんか文体が他の皆様から浮いてる気がしたのですが、そんなことは気にしない♪
>>599 次回のテーマも決まったんなら、やっぱりその旨
今回のテーマと同時に告知した方がいいんでないかい?
「二週間では無理」な書き手向けに。
>>603 「月」も季節に縛られないテーマじゃない?秋がベストかもしれないけど。
それに、「夏だHだ」はともかく、必ず投稿時期と同じ頃のSSを
書かなきゃならんって縛りも、別にないと思うし。
>>600 今回出た案はまた次回に持ち越されますので、その時に考慮します。
>>610 確かに。今はちょっと無理なので、後でその旨を告知することにします。
今回は出足が早いな……テーマ予告制度の恩恵でしょうか?
漏れはまだネタが思いつかないヨーッヽ(`д´)ノ
『嘘』ムズカシイ...
【告知】
現在、葉鍵的 SS コンペスレでは投稿作品を募集しています。
今回のテーマは「嘘」です。
投稿の締め切りは 8/19 の午前 8:00 までとなっています。
テーマを見て何か思いつくものがあれば、ぜひ投稿してください。
その際に
>>2-4 のルール、FAQ に一度お目通しを。
また、次回のテーマは「絶体絶命」で、開催時期は 9 月初めになる予定です。
「 2 週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方はこちらの執筆に
力を注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回の募集開始までお待ちください。
そういえば
>>533 の件なんですが、◆kaNSOFOg 氏には
引き受けていただけるんでしょうか。
・・・と言ったあたりでそろそろ次スレでどうでしょう?
もう長いSSを投稿するのは厳しい容量になっていると思うのですが・・・
現在 414KB ですね。個人的にはもう少しいけるかなと思いますが、
早めに次スレを立ててしまったほうがいいでしょうか。
>619
お疲れ様です。
改めて見ると誤字が恥ずかしいな。
お疲れ様です。
新スレは……どうでしょう。まだ大丈夫だとは思いますが……。
今週末コミケで、書き手も忙しいんじゃないかと思います。
一応書きます。
美汐シチュ3レス分。
祐一・美汐の「ポケットを空にして」
外は日が落ち、皆が次々と帰宅してもなお仕事にいそしむみしおたん
金曜日までには傍らに山と積みあがっている書類を仕上げなければならないのだ
(今日は木曜日、下手すると徹夜かなあ・・・)
ふと手を止め、みしおたんは天井を見上げる
朝からずっと何か忘れているような気がしていた
白い蛍光灯がずらっと並ぶ無機質な天井
「あっ」
突然声を上げてみしおたんは立ち上がった
まだ残っている同僚たちが驚いて一斉に振り向く
「あ・・・」
真っ赤になって椅子に座るみしおたん
しかし、すぐに深刻な表情に戻って心の中で叫んだ
(なんてことでしょう!祐一さんの誕生日を忘れるなんて!)
仕事に追われていたとは言え、毎年二人で祝っている大切な日を忘れるなど
みしおたんには考えられないことだった
時計を見る
祐一はもう帰る頃だろう
無理やり仕事にキリをつけ、みしおたんは慌てて外へ出た
祐一の携帯電話はつながらない
帰宅中だろうか
みしおたんは泣きそうになりながら祐一の部屋に向かった
(ケーキ、どうしよう・・・)
途中、デパートの前で立ち止まり、みしおたんはまた涙が出そうになるのをこらえていた
毎年みしおたんは趣向を凝らした手作りケーキで祐一の誕生日を祝っている
今さら店のケーキを買うのは悪いような気がした
でも何かプレゼントは買わなければ、と目に止まった香水を買うみしおたん
ブランド名がプリントされた綺麗な紙に包まれた香水を見て、みしおたんは後悔した
いつも一週間以上前から悩み続け、自分なりに心を込めたものを贈ってきたつもりだ
が、その高価なプレゼントにはそれが一欠片もなかった・・・
どんな顔をして祐一に会えばいいのだろう?
祐一の部屋の前でみしおたんは途方に暮れていた
誕生日を忘れるなんて、もう好きな気持ちは薄れたのだろうか?
そう思われることがとても怖かった
カツ、カツ、カツ・・・
階段を上る足音がして、みしおたんは顔を上げた
「美汐?」
そこには驚いた顔の祐一がいた
「あ・・・」
何も言えず黙りこくってしまうみしおたん
「中に、入ろうか」
祐一は少し戸惑った様子だったが、そっとみしおたんをうながした
「・・・あの、おめでとうございます・・・」
しばらくためらった後、やっとお祝いの言葉は言うことができたみしおたん
「あ、そうか、今日は俺の誕生日か」
祐一は毎年同じようにとぼけてみせるのだ
(でもごめんなさい、ケーキを途中で落としてしまって・・・)
みしおたんは続いて用意していた言い訳のセリフを口にしようとしたが
「でも、ごめん・・・なさ・・・」
それ以上言葉が出てこなかった
代わりに、涙がこぼれた
「・・・私・・誕生日・・・忘れ・・・ケーキ・・・」
涙声で言葉にならないみしおたん
それでも祐一には見当がついた
最近はずっと仕事が忙しいと言っていたことを思い出す
「嬉しいよ、来てくれて」
みしおたんの肩を抱いて髪をなでる
「祐一さん・・・」
不思議なくらいに大きな安心感に包まれて、みしおたんは静かに目を閉じた・・・
「私・・・今日祐一さんの誕生日だということ、忘れてしまっていて・・・」
みしおたんはありのままを話した
祐一はニコニコとその話を聞いている
これほどまでに思ってくれていることが嬉しいのだ
「それだけ忙しかったんだからしょうがないさ」
「でも、こんな大切な日を・・・」
また涙がこみ上げてくるみしおたん
「そういう仕事に一生懸命な所も美汐の・・・
あ、まさか今日、仕事ほっぽり出して来たんじゃないだろうな?」
急に気が付いたように祐一が声を上げた
「だって、今日は祐一さんの・・・」
「やれやれ」
祐一は肩をすくめて、戸惑いを見せるみしおたんを玄関に連れて行く
「ほら、バイクで送るから」
「でも・・・」
祐一の袖を掴んで離さないみしおたん
「まったく、俺のことはいつでもいいんだからさ・・・」
そう言って祐一は少し考え込むと
「今度いつ会える?」
と聞いた
「え?あ、土曜日には・・・でも今日は・・・」
みしおたんはまだ渋っている
「じゃあ、土曜は俺の誕生日だからな、忘れるなよ?」
はっとして顔を上げるみしおたん
祐一がいたずらっぽく笑っている
「ええ、絶対に!」
みしおたんにも笑顔が戻った
「忘れませんからっ!」
ぱっと祐一に抱きつくみしおたん
さっきまでの涙の跡がきらりと光った・・・
今から投稿させてもらいます。
七瀬 ED の改変バージョンみたいなもので、
全部で 4 レスぐらいのはずです。
あたしは、どうしてこんな日常を続けているんだろう。
季節は春。
頭の上に広がる空はどこまでも青く、降り注ぐ陽光は辺り一面を一層に彩り、
ときおり吹き抜けていく風は暖かく、芽吹き始めた翠の匂いを運んでくる。
ホント、散歩をするならいい感じ。
普通のカップルなら、こんな日どうするだろう。
そうね。天気もいいことだし、バスケットにサンドイッチを詰めて、
二人で近くの公園へピクニックっていうのはどうかしら。
芝生に敷いたチェック柄のシートの上、二人でサンドイッチを口にする。
そしてお腹がいっぱいになったら、行儀の悪い彼はいきなり彼女の膝を
枕にして昼寝をし始めるの。彼女はそんな彼に対して少し苦笑して、
幸せそうな彼の寝顔をいとおしく見つめる、そんな一日を過ごす。
……あたしなら、きっとそうする。
今、あたしはそんな彼を待っている。けど、来ない。
ホントにいい加減なヤツ。
自分から「来てくれ」って誘ったくせに、こんな可愛い彼女を待たせるなんて。
『約束、すっぽかされたかな……』
そう思ったこともあった。
でも、違った。
"折原浩平という人はどこにも存在しない"
それが、ただ一つあたしが理解できたこと。
あたしの彼はこの世のどこにも存在しない。つまりそういうこと。
存在しない、どこにも。
仲の良かったクラスメイトにも、
小さい頃からの幼なじみにも、
同じ屋根の下に住んでいた家族にも、
誰の中にも彼の存在する場所はなかった。
存在しないから来ない、それは誰にでも分かること。
でも一つだけ例外がある。
それは、あたしの中にだけ彼が存在しているということ。
「折原……」
少し前まではその名前を呟くことが多かった。
そうしないと、彼の存在があたしの中からも消えていきそうだったから。
でも、その回数はだんだんと少なくなっていった。
『折原浩平って、本当にいたの?』
自分に問いかけてみる。
『……』
分からない。本当にいたか、なんて。
私以外の誰の中にもいないんだから、確かめることができない。
……じゃあ、何であたしは待っているんだろう。
いないの、来ないのに、来るはずがないのに、どうして待っているの。
『……』
嘘なのかもしれない、彼の存在自体が。
折原浩平なんて人は最初からいなかったんだ。
全ては幻想。自分を助けてくれる王子様を求めていたあたしの幻想。
その幻想がありもしない王子様を作っていたんだ。
つまり口からでまかせ、だから『嘘』
「帰ろう……」
そう、帰ろう。
折原浩平なんていない世界へ。あたしがいる世界へ。
全ての時間を元に戻して、もう一度やりなおそう。
そしてあたしは振り向き、この嘘の世界との決別の一歩を踏み出そうとした。
その時。
「キキィィーーー」
耳障りな急ブレーキの音ともわもわっとした土煙をあげ、一台の自転車が
あたしの目の前に停止した。
「ぜー、ぜー、ぜー……」
そして、あたしはその自転車の持ち主の顔を見てはっきりと思い出した。
こいつは本当にいい加減なヤツだ、と。
出会い頭に鳩尾に肘鉄をキメてくるわ、
授業中に人の髪で遊ぶわ、
人の制服を勝手にオークションにかけるわ、
自分で聞きもしないデスメタルを薦めるわ、
期待させといて、結局はキムチラーメンだわ。
……って、思い出しただけで、なんだか腹がムズムズしてきそうだけど、
でも、それは私の思い込みじゃなく、実際あったことで、つまり、
嘘でもなんでもなく、
「ねぇ、一つ訊いていい?」
「ん、なんだ?」
「あんた、本物?」
「ふっ、愚問だな……折原浩平が、この世に二人いると思うか?」
「いたら、困る」
「だろ?」
折原浩平は本当にいたんだ。
「そんじゃぁ、今から行くぞ」
「えっ、どこへ?」
「どこへ……って、決まっているだろ。何のために待ち合わせていたんだよ」
「あっ、そっか」
そう、あの日交わした約束。
あたしが彼から貰ったドレスを着て、二人でダンスパーティーに行く約束。
そんな約束を交わしたばかりなんだよね。
……一年前に。
「って、折原の着てる服、もしかして喪服!?」
「だって、オレの家にタキシードなんてねぇもん」
「あぁ、もう、こんなのと踊るなんて恥ずかしいっ」
「まぁ、気にするな」
「あたしは気にするのっ!」
そして、あたしは走り始める。
誰の作りだした嘘でない、本当の王子様と。
スレ容量が残り少なくなってきたようなので、
早朝にでも次スレを立てようと思います。
鍵が多いような気がするのは、気のせいでしょうか?
>635
じゃ、葉でヨロ
637 :
原点回帰:02/08/09 04:42 ID:AIhTNIeW
>634
新スレよろ。
これでこころおきなく長文が投稿できるw
クッキー消し忘れた・・・
メンテ
12時間以上経ってるし、一応メンテ
決戦日メンテ
凱旋メンテ
めっ!
\(@) ゚ ヮ゚ノノマルチメンテ
メンテメンテメンテ〜
メンテ〜を〜さぼ〜ると〜
スレが落ちる落ちる〜
駄スレ〜が〜はび〜こる〜
本スレの方で雑談が嫌、という方がいたのでこちらに。
174 :狗威 ◆inui/iEQ :02/08/13 00:22 ID:l4X/f9SM
へ? もしかしてSSや長編AAなどの連続書き込みは自動的にアク禁食らうんですか?
175 :名無しさんだよもん :02/08/13 00:28 ID:eNQBsQ8Z
>>174 一度や二度エラーが出ても大丈夫ですが、
それでも頑張って書き込み続けると自動アクセス規制の対象になることがあります。
連続投稿エラーを出さないためには、ゆっくりめに書き込んで下さい。。。
176 :狗威 ◆inui/iEQ :02/08/13 00:33 ID:l4X/f9SM
>>175 はああ、なるほど。
時間を空けて投稿すれば問題ないわけか。サンクスです。
しかし、2ちゃんもどんどんと使いづらくなっていくな〜。
大変だ……。コンペに投下してアク禁とか笑えない。注意して下さいな。
具体的にはどのぐらい間を置いたらいいんでしょう?
あんまり長いこと間を空けると、特に最終日とか後がつかえてしまう恐れがありますよね。
ちと調べてみますか・・・・
うーむ。最終日の投稿は止めたほうがいいのか?
誰かしりとりしよう。
>誰かしりとりしよう
う・・・
浮気性なので瑞佳とくっついたにもかかわらず七瀬に手を出してひっぱたかれる浩平に
密かに萌えてしまっている住井と言うカップリングを夏コミに頒布しているところをみさき先輩に
みつかっておろおろしてしまっている澪と合同で参加する予定だったけど新刊を落としてあわす顔が
無くて会場に行っていなくてヨカタと本気で思う茜。
次は「ね」で。
寝ていると暑くて目が覚めたら真琴が布団の上に乗っかって寝こけていてこりゃ暑いわけだと
妙に納得した瞬間に秋子さんが何故か部屋に入って来てかなり焦った祐一が普段愛用している
歯ブラシを寝ぼけて使って青ざめた後に顔を赤らめた名雪は祐一がそんな状況に陥っている
時もやっぱり寝ていましたとさ。
次は「さ」で。
逆立ちしても乙女にはなれないと悟った七瀬を無意味に焚き付けて遊ぶ浩平を
まったくもうしょうがないなあとか言いながら一緒になって焚き付けていたけどそのうち
七瀬に気がいくんじゃないかと心配しながら今日も牛乳を飲む瑞佳になついているけど
どうしても七瀬のツインテールが気になってしかたが無い繭。
次は「ゆ」で。
ゆっくりと埋めたてしないと感想期間まで持ちませんよ
と言ってみるテスト。
次は「と」で。
とりあえず今日はこのへんにしときますか。
次は「か」で。
当分、しりとりやるにしてもゆっくりにしましょ、ってことでケテーイ?
次は「い」で。
亀レスになった揚げ句に、
席外していたので時間ズレのレスになってしまい、何と言うか申し訳ないとしか。
次は「か」で。
感感俺俺。
次は「れ」で。
麗子の部屋は葉鍵ゲーで最も面白いシナリオなのれす。
えらい人には分からんのれす。
次は「す」で。
レスから一日近く空いてるからオケーイだよね。
次は「ね」で。
>>660 ねぇ、一つ聞いていい?
何で「次は「す」で」って書かれてるのに、レから始めてるわけ?
まさか
>>659見てないとは言わないよね?1時間以上も経ってるんだから。
次は「ら」で。
ランチサービスがあるんだよという名雪につれられて百花屋に行く途中
ばったりと香里と北川にに出くわしてああこいつらってやっぱり付き合ってるんだなあ
なんてしみじみ勘違いしているくせに自分が名雪と一緒にいてどう思われているかなんて
サパーリ気付きもしない祐一のことがもどかしくて仕方がない秋子さん萌え。
次は「え」で。
何で鯖エラー出るんだろうね……。
誰か詳しい詳細を教えて。
次は「て」で。
的確かどうかは知らないけど、一応理由だけ。
プロホの雪鯖は最近落ちやすいので……鯖エラーだけならそのうち直るかと。
そのまま垢デリくらうこともあるけど、それなりに丈夫だった気がするから……
とりあえず待つことをすすめるよ。
次は「よ」で。
よく分かった。サンクス。
ところで、ここでコンペについて雑談してもいいのかな?
次は「な」で。
ageときますか
二重書き込みエラーうざい!!!
SSの投下がぜんぜんすすみませーん(泣
>>670 これなくなってほしいよね。二重書き込みじゃねえっての。
前の書き込みと全然中身が違う(総バイト数が違う)んだから、その辺で判別してくれればいいのに。
メンテ
673 :
※メンテ:02/08/21 17:22 ID:xFw3Fnit
委員長「嘘と言うたら?」
レミイ「『ジャジャジャジャ〜ン!』ダネ!」
委員長「何やそれ?『運命』か?」
レミイ「『嘘もベートーベン』ダヨ!」
委員長「それを言うなら『嘘も方便』や!
『ベン』しか合うてへんやんか!(バシィッ)」
レミイ「Ouch!!」
674 :
メンテ:02/08/21 23:44 ID:J6WZ/5bN
俺は、初めて琴音ちゃんの家に招待された。
廊下には、少女の裸体を描いた絵がたくさん並べられていた。
「こ……これ、もしかして」
「はい。私がモデルです、藤田さん」
思わず大興奮して眺めてしまう自分が情けない。
琴音ちゃんはといえば、ふだんと違って
このことに関しては全然平気そうだ。
「お父さんがプロの画家で、時々アルバイトで
モデルをしておこづかいをもらっているんです」
「琴音ちゃんが絵を描くのが好きなのって、お父さんの影響だったんだ」
廊下を、小さな犬が駆けてきた。
あの時ふたりで助けた犬だ。
「おいで。ヒロユキ」
「ところで、今日の要件なんだけど……、
琴音ちゃんの超能力で、力を貸して欲しい一件があるんだ」
♪テレポーテーショーン
今時を飛ぶ〜
空を〜飛んで〜♪
ゆくぞ〜琴音〜♪
正義のエスパー♪
なつか( ゚д゚)スィ・・・。
( ゚д゚)ヌード・・・
メンテ
メンテ
もうすぐこのスレも引退…。
683 :
ボツネタ:02/08/26 18:18 ID:LwzgG3cc
「どうした、志保? 今日はやけに大人しいじゃねーか」
「ヒロ…ちょっと聞いてほしいんだけど」
「何だ?」
「あたし、先月から、無いの…」
「無い? 何が」
「アレよ」
「アレ?」
「できちゃったみたいなの」
「できちゃったってまさか…」
「うん。あの時の赤ちゃん」
「なにい〜〜〜〜〜いっ???」
「責任とってよね」
「責任ってったって…」
「これじゃあたし、お嫁に行けないもん」
「う…」
「だからヒロ、責任とってくれるでしょ?」
「……わ、わかった…」
「な〜んてのはウッソぴょ〜〜〜〜〜ん」
「は?」
「ヒロったら、本気にしたの? キャハハハハ!」
「…………」
「さっきのヒロの顔ったら。ぷっ。ぎゃははははははははは!!」
「……………………」
「…あれ? ヒロ? ひょっとしてすごく怒ってる?」
「………………………………」
「ちょっと悪い冗談だったわね。メンゴメンゴ〜」
「……この…」
「ん?」
「このアマ、本当に嫁に行けなくしてやるっ!!」
「きゃああああ〜〜〜〜!?」
圧縮前につきメンテ
>>683 その手のネタは、5本以上出てきそうだな……
下がり過ぎたので、ageます
すみません、事情により、次スレ、第四回の感想の残りを
こちらに書かせていただきます。
順番待ちで最後の方の人が感想待たされてると思うので(w
逆順で。
>302-315 remained one(綾香)
自分もちょっと説教部分が長く感じました。
綾香らしいメッセージの前向きさと、
綾香らしくない嘘と緊張感があったのは面白かった。
作者さんの書きたいことは書けてたんじゃないかな。
自分は気持ち良く読めましたよ。
>290-297 メビウスの輪(Kanon)
感想が遅かったんで作者さんの解説が入って狙いはわかりましたが、
あのままだと江戸川御大もやってた「実は小説でした」っていう単なる反則です(w
最後の部分でまとめてはいるな、とは思いますが。
文章はスムーズに最後まで読めました。
嘘とそのアイディアはすごく面白かったです。
>269-287 嘘の上手なつきかた(痕)
耕一ひでえ(w なんかオーバーフローの主人公のようでもあり。
ラストの初音の下手な嘘と、それを暴く楓の嘘。
でも、タイトルに使うんだったら、もっと大きな場面の嘘の方がいいかも。
クライマックスの「明日この事を、千鶴姉さんに話します」、これが
耕一を追いつめてあの行動に走らせるための嘘だった、ってのはどうでしょ。
ていうか、自分は読んでてそう期待したもので(w
どんな状況だろうと耕一さんと結ばれれば私は…っていう最後は、楓っぽいかも。
ただ、なんで初音ちゃんとヤッてるんじゃ耕一、って部分は
やはりもう少しフォローして欲しかった(w
273はサディスティックですよね。他にも、改行が
行頭一字空いたり空かなかったりするのにも、確かに急いだ様子が見えます。
エロシーンも、もしもっと入れるんだったら、エロ描写だけじゃなく
心理的にもクライマックスになるような描写も入るといいですね。
毎日心理的に追いつめられ、初音を頼る気持ちが大きくなっていく過程、
そして裏切られる瞬間等はうまく行ってたと思います。
>254-265 フィクションの会場(こみパ)
次々と「嘘」に翻弄される詠美ちゃん様ギャグSS。
リンク形式も、2chでは、少なくともコンペスレでは初めて見たのでワラタ(w
ただ、かちゅ〜しゃ等で見てない者のためにも、飛んだ先の冒頭に
「・南さんが現れた」等は付けておいて欲しかったかな。
ラスト一行も、ちょっといまいち。
でも、素直に楽しめました(w
>>245-250 基準座標(セリオ・綾香)
変わってゆく綾香、そしてそれに追随して変わっていくセリオ…って感じでしょうか?
ふたりのSSとしては充分な出来かと。
綾香とセリオの萌えSSと言っても充分なキャラ描写ですね。
>>224-236 嘘つきメイドロボ(セリオ)
セリオが嘘をつくのは何故か?それは自分を守るために自分に嘘をついていたから…。
何か事件を起こして読者の興味を引き、読ませる…ってのは娯楽小説の基本だと
思うんですが、なかなか成功してますよね。
セリオが嘘をつく理由が気になって読み進んでしまう。セリオの夢の内容も気になる。
ただ、研究員たち、軽すぎ(w
これもオチの切れ味が(・∀・)イイ! 唐突にすとんと来て、思わず笑わされます。
関係ないけど、次スレ357さんも面白い(w
>213-219 黒き森の魔女(メイフィア)
リーフファイトのSSということでいいんですね。未プレイですが。
嘘でやすらかな地位を得た主人公に、神の嘘によって報いられたか……
と思いきや、という。文章力は今回一、二を争うのでは。(ただ、
味あわせてくれる→味わわせてくれる、です。自分もこの間まで間違えてました…)
ただ、前半を読んでいる分にはメイフィアとライラの物語だとは気付きませんでした。
前半のソファや男の描写を削って、その分ふたりの間の愛着や幸せに
割いてもらえた方がわかりやすかったです。
いやでも、いいオチだし、おすすめ。未プレイゲーのSSを面白く読ませるのは素敵。
>191-207 最後の頼み(AIR)
一周忌に観鈴と晴子に対しての決着をつけるため、
命を捨てて人の姿を取り戻して帰って来た往人、という設定のSSですか。
たしかにキスシーンの前にそこへ行くもう一段階の描写が何か欲しいかな。
もう少し時間を置いてから改稿すれば、もうちょっとふたりの感情の流れも
スムーズにできそう。でも、個々の感情のたかぶりはけっこうよく書けてたと思いますよ。
読みやすい文章ですし、作者さんが書きたかったことは書けてると思います。
>182-188 うそつきドラマ(栞)
感想は次スレ418に。
>168-171 嘘のつき方、教えてください(ToHeart)
嘘を教えるといえばまあ、順当に彼女だよなあ、と思わせておいて、
実は意外な人物が回答を持っていた、という……。
いらん突っ込み。戦後の焼け野原でストリートファイトに明け暮れていたという
セバスチャンは、初老じゃないんじゃないかな…。
もう少しラストあたりにオチが決まってれば、大分印象が変わったんじゃないかな。
キャラ描写はヨカタです。
>160-163 夢見る頃へ(志保)
ワンシーンSSですね。悪くないんだけど、特に読後に何かが残らないのも、
何も事件が起きないからかな。事件が起きないなら、もう少し
キャラの心の動きでもっとこちらをハッとさせたり、話を引っ張って欲しかった。
キャラのセリフなんかは、四年後志保って感じが出てると思います。
>155-156 望みと言う嘘(雫)
すみません、意味がわかりませんでした…。
>153 名詞一つの嘘(舞)
こちらもワンシーンSSですが、本編のドラマチックな部分を自分流に解釈して、
嘘というテーマも上手く使っているし、コンペとしてはこちらの評価がさらに高め。
過不足もなし。
ワンシーンなのも、原作の補完だし、二次創作らしくていいいんじゃないでしょうか。
>141-151 逃げ水と(敬介・晴子)
感想は次スレ439に。
>132-137 満月の夜(舞)
好き合うふたりの別れの、美しい最期の光景。
互いに嘘を言い合う掛け合いもせつない。
そして、ふおー、最後に夢とうつつの境が曖昧になるあたりは上手いね〜!
すげえ上手い。
他にも書いてた方がいらっしゃいましたが、「今際の際もの」は、
「死にそうなのによく喋るな…」ってなことになりがちなのですが、
その辺もいい感じのバランスで書けてると思いました。
メンテ代わりのため、後半はまた明日。(もう必要ないかな?)
乙〜。
本スレの方が荒れたのには自分も少しびっくり。
どうも便乗厨がいたのではないかと。
まだこっちも需要あるね
>>692 わからない?
あの程度で「荒れた」と言ってる事自体、荒らし耐性ゼロって事なんだが。
あんまり潔癖だと荒らしとそうじゃないものの区別もつかなくなるぞ。
ここはあくまで2chであり、葉鍵板だというのが頭に無いのかなあ?
そこから独立した企画に意味は無いんだよ。
一日遅れましたが、いちおう残りも貼っておきますね。
その前に訂正。人様の文をあれこれ言うわりに
自分の文がまず破綻してますが、特にひどかった
>>689を。
>>213-219 黒き森の魔女(メイフィア)
>リーフファイトのSSということでいいんですね。未プレイですが。
>嘘でやすらかな地位を得た主人公に、神の嘘によって報いられたか……
>と思いきや、という。
嘘でかためて現在の地位とやすらぎを手に入れた主人公に
その報いとして降りかかるのは、この世の無情、神の嘘か…。
と思いきや、あのラスト。彼女の感謝の言葉の相手は、言うまでもなく。
次スレ>119-126 優しい嘘のお礼は(晴子)
うは、今回の最エロ賞でしょう(w リアルで詳細な描写マンセー。
ただ、射精の瞬間、音がするってのはちょっと。
娘に気を使ってくれたお礼にフェラをしてあげる、というのは
やはり唐突に感じましたし、最後の一行の意味もわからず。
こちらも作者さんのコメントが入りましたので最後の一行の意味はわかりましたが、
そうこちらに思わせる前振りの文が足りなかったかな。
最後の一文の文章自体も、ちょっとどうかな?と思えるものでしたし。
「嘘」のお礼というのは、自分への「嘘」だった……という構成だと知って、
なかなかやるな、と思ったのですが。
それにして初作品でこれというのはなかなかですね。
また書きたいものができたら書いてくださいね。
>81-101 嘘の世界(ONE)
みずかに「嘘」をついた浩平をさいなむ えいえんの報い。
キャラ萌えギャグSSから一気にホラーへ、という展開は、
いろんな意味で葉鍵等の二次創作だからこその不気味さかも……と思いました。
落差、グー。一人目、二人目でそれやって、三人目以降は前置きぬきの恐怖一直線、
そして謎解き、という構成も良し。良作です。
自分も一番恐かったのはみさき先輩。
>79 夢(あゆ)
ちょっと、どれが嘘なのかわからなかったです。
おじさんと会ったって言ってるのが嘘なのか、「夢だ」と言ってるのが嘘なのか。
その辺でひっかかりました。でも、話題や口調はキャラらしさが出てました。
>68-73 決別(楓)
高い文章力。ただ、まだどこか板についていない美文調という印象も。
もう少し平易な言葉使いと用字で同じ雰囲気を出せたら、もっといいかも、と思う
のは単なる自分の好みかな。食卓の場面とかの文章の方が好きな感じです。自分は。
>楓は耕一の枕許に端座していた。
というような文が二回出て来るんですけど、例えばここ、同じような文が
繰り返されてることを意識してる書き方または演出で、二回目は書いて欲しかった。
あと、原作を知ってれば楓の耕一への思いも知ってますからこの話は
とてもキくんですけど、この作品中にも楓の思いを読者にわからせる文が
どこかに入っていれば、「痕」原作を知らない読者にももっとアピールしたんじゃ
ないかと……って二次創作でそんな心配する必要あるのか?(汗
狙いとして文中でほぼ一切彼女の思いを書かないで状況描写に徹してますよね。
それで読者を盛り上げられればすごいんですが、そこまでいかないので
>彼女の、最初で最後の夏
というラストの言葉の印象と効果も薄くなってるんですよね。
こういう展開は自分も楓スキーとして想像したことがあるので、とても好感持って
読めました。このクールな文体で書くのが、楓の心中を読者に想像させて
さらに泣かせます。
注文が細かいのは、今回トップレベルだと思ったので、欲が出てしまって。すみません。
>44-46 居酒屋にて(晴子)
感想は次スレ439に。
>32-34 家族(初音)
次回参加される時は、別ハンじゃなく名無しでお願いしますね。
とにかく、「反転」ネタとかじゃなくて実は自分を偽って生きている
初音、というアイディアが面白い。本編をそっくりなぞった展開も、
効果が出ていると思います。それ以上何か発展はしてませんが、
3レスSS、アイディアと切れ味勝負だった、ということでいいんじゃないかな。
>22 その日は4月1日、いわゆるエイプリルフールだった(はるか・冬弥)
正統派ショートショートですね。図書室から文庫本を十何冊も借りて読みまくった
星新一の夏を懐かしく思い出しました(w 同じ経験ある人、自分以外にもいるよね。
最後の一行はまた「ああ、あれか」と思いました。
「ネギ板の名セリフスレの214のセリフ」(でしたっけ)ですね。
>7-18 君が望む永遠(ONE)
瑞佳ハッピーエンド、帰還後の幸せな日常を描いた……と思わせておいて
実は、という。上手いです、やられました。
どうでもいいけど膝枕してもらいながらふかふかしたあたたかいお日様の下で
女の子の股の匂いを嗅ぐ、っていうのは旦那いいツボを知ってますなあ、と爆笑(w
描写もいいし。ああ、読んでるとこっちまで久しぶりに
嗅がせてもらいたくなってくるよ〜ヽ(´∀`)ノ ……(´ω`)ショボン
タイトルもナイス。でも、前段の言い訳がなければもっと印象良かったかもです(w
>>578-590 優しき嘘の辿り着く場所(Kanon)
誰一人助けられず、そんな自分に嘘をついて街を出て行く祐一。
そういう自分が側に居てはいけないと思うから名雪に別れを告げる。
誰も救えなかったシビアなこういう話もいいと思います。
ただ、祐一がどうして全員分の真実を知っているかが謎のまま。
自分に自分で嘘をついているのに、それを「優しい嘘」というのに違和感を感じました。
名雪に別れを告げる理由は好きです。文章は、二、三ヶ所おかしいところも
ありましたが、読みやすくて上手いと思います。
作者さんからご説明がありましたので、もう少し突っ込んで。
>でもこの部分を詳しく説明するわけにはいかないので
>す。何しろこの「実は何も知らないフリをしているけど、本当は知った上での行
>動である」というのが肝の部分でしたので。
そこは、読めばみんな気がついていると思います。ただ、
> この物語で祐一は、あゆ達消えた四人のヒロインに起こったことをなんとなく
>分かっています。でも何となくです。よくないことが起こったのではないか?
>くらいですかね。
>>589を読むとそうは読み取れませんから。はっきり気がついていることが
書かれていますし。その「なんで全員分はっきり気がついているんだ?」という
ところをみんな納得できないって言ってるんじゃないかな。
それから、「祐一は過去と同じことを繰り返している」
「もともとゲーム本編が優しい嘘に満ちている。タイトルは、そこに掛けている」
という部分も、SS本編内には記述されているとは感じられなかったので。それで
特に後者が感想人さんたちの違和感を読んだんじゃないかな。ちょっと惜しいな、と。
>>606-608 再会の約束(あゆ・栞)
ワンシーンSSですね。三レスで読みやすいってのは本当ですけど、
やはり、前の部分から書いて、ここをクライマックスに持ってくる、
という方が盛り上がったんじゃないかな?
ふたりのお互いに対するいたわり合いと掛け合いは良かった。
>>623-625 ポケットを空にして(美汐)
萌えシチュキタ────(゚∀゚)────!!
タイトル、元ネタがあるそうですが、このままだと中身と関係ないですね…。
(もしかしたら、元ネタを知ってるとわかる内容なのかもしれませんが)
このタイトルを使うなら、自分ならどこかに「ポケットを空にする」ような
文章を入れたかな。短いのによく感情移入させるし、祐一の嘘もいい感じ。
>>628-632 虚像の王子(七瀬)
キメの一行が変じゃないかな? タイトルも硬いかな。
あと、確かにもう一山ぐらいはどこかに欲しいですね。
でも、七瀬ENDを、「嘘」をからめて4レスできれいに改変してると思います。
>>694 わからない?
あの程度で「荒れた」と言ってる事自体、荒らし耐性ゼロって事なんだが。
あんまり潔癖だと荒らしとそうじゃないものの区別もつかなくなるぞ。
ここはあくまで2chであり、葉鍵板だというのが頭に無いのかなあ?
そこから独立した企画に意味は無いんだよ。
か
の
ん
こ
こ
……! カノンここ……縦 読 み だ っ た の か
いや、それで?って言われたら困るんだけどね。
一応メンテ。
朝だよ、メンテの時間だよー
ちと下がって不安なのでメンテ
システムをまったく理解してない香具師でしょうか
良くある誤解だね
次回は「絶体絶命」か・・・。
ドタバタギャグしか思いつかねー!
予想しよう。
ギャグ:3割
ほのぼの:4割
シリアス:2割
ダーク:1割
グランプリは、ほのぼのからとみた。
710 :
jo:02/09/03 05:26 ID:Fa3Xm7Iz
>>688です。
改作前より良くなったと思いますよ。
ただ、感想はツッコミまくりモードになったんですけど、
貼っていいですか?(w
>>710 後半の、梓と和解しかける→自殺未遂と思われて再び心を閉ざす
→耕一が帰る事を知る→初音の首を絞める→壊れてしまったと自覚
→ラストで理性的な自己分析
という不安定な展開は、迷走してるとしか言いようが無い。現実の世界では
あり得る事でも、創作でやるのは、構成としての一貫性がなくなる
だけだから、あまり感心しない。壊れ系なら壊れ系、喪失からの再起を
書きたいならもっと希望のあるものにした方がいいかなと。
構成といえば、せっかく起床の場面を繰り返し使っているのだから、
ラストも起床のシーンを持ってくれば、収まりが良いと思う。
つか、そうしないと、リフレインした意義が問われる。
あと、
>『他人は騙すことが出来ても、己の心は欺けない』
これも微妙かな…。救いを求めている楓にしてみたら、
自分を守るために自分の嘘を信じ込むという心のはたらきの方が、
むしろあり得る話じゃないかなーと思う。
『他人に騙されない人間も、自分にはたやすく騙される』ってやつ。
まあこれは見解の相違だろうけども。
まあ、以前とは比べ物にならない程、作品の出来は良くなってると思うよ。
後半の違和感も大幅に減少したし。突っ込みが多いのは、作品に、
議論の対象となるだけのモノを備えているが故だから、気を悪くしないで欲しい。
713 :
jo:02/09/03 23:11 ID:Fa3Xm7Iz
>>711 >ただ、感想はツッコミまくりモードになったんですけど、
>貼っていいですか?(w
楓 「私……痛いのは……平気ですから……」
耕一「平気って……そんな……」
楓 「それに……みんな経験することですから……」
そんなわけで、痛い感想ウエルカム。
あと、できれば、優しくお願いします(笑
では、痛いかもしれないけど、女の子はみんなそうだから我慢して…(w >713
> 私はハットして
誤変換。
>睫毛(まつげ)がすべて抜け落ちている事に気がついた。
ええっ!Σ( ̄□ ̄;)そんなことあるの!?
タイトルも、「狂想曲」を→「狂騒」として、まあ、これでもいいと思いますけど…。
「狂想曲」って言葉からは、あまり悲劇的な印象を受けないんですよね。
むしろなんかアップテンポでアッパー系なイメージを連想してしまう。
前にも言われてましたけど、擬音をカタカナ一行で表現するのも、
あまりおすすめできません。漫画っぽい表現法の意図なのかもしれませんが。
夢の中の「さくさくさく」とか、階段落ちの「ズダダダダンッ!」とか、
まあ、ここはそれでもOKって個所もあるんですが、
>ザザーーー、ズザザザーーー。
最後のコレとかはとかはかなりマズい。この感じ、わかってもらえるだろうか…。
> 廊下から軽快なスリッパの音が聞こえてきた。
> 遠くで鈴虫の鳴く声が聞こえた。
これだけでも、読者の耳には勝手に「ぱたぱたぱた」とか「リーン…リーン…」とか
聞こえてくるものですよ。読者を信じて、我慢してみよう。
その方がきっと良くなると、勝手に思うんですが……。
あと、千鶴さんのセリフ
>自分を幸せにするために、何かしたとしても、
何を楓がするのを許したのか具体的に思い付かなかったので、ピンと来ず。
ラスト、楓が、『自分に嘘はつききれなかった、やっぱり耕一が好きだ』と
認めて行動に出るところが全編のクライマックスだと思うんですが、
本編中ずっとその気持ちはあからさまなのと、
その後の文章が長いので、せっかくのクライマックスがぼけちゃった印象。
楓の行動=列車が通過したところで切って、
その後すぐ初音のシーン行っちゃってもいいんじゃないかな。
その方が「ここがクライマックス」ってわかりやすいし、効果的では。
最初読んだ時は、何も解決してないし、ヤマもなかったSSのように見えてしまいました。
と、ツッコミは以上で。
追加されたシーンはどれも良かったと思いますよ。
前半の描写に対する好評、それを裏切らない追加シーンの連続で。
ただ個人的に惜しいと思ったのは、切った手首に包帯が巻かれてる描写が欲しかった。
ラストシーン、映像的でこのままでもとてもいいシーンなんですけど、
好きになってはいけない人、彼が乗った列車が海岸線を過ぎていくのを見送るため、
夏の砂浜にたたずむ白い帽子と白いワンピースの少女。
そしてその腕には、手首を切った痕を覆う包帯…
だったらもっとグッとくるシーンだったなあと。俺的に。Σ( ̄□ ̄;)ヘンタイ ダヨ!
いっぱい突っ込みもしましたが、(やめといた方が良かったろうか…)
総じて、前よりは良くなってると思いますよΣd(´ー`)