1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:04:52 ID:U2nXOgMY
3 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:05:48 ID:U2nXOgMY
4 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:14:59 ID:U2nXOgMY
5 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:19:24 ID:U2nXOgMY
6 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:20:15 ID:U2nXOgMY
7 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:21:07 ID:U2nXOgMY
8 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:28:01 ID:U2nXOgMY
秋の色にそむる紅葉やたてもなくぬきも定めぬ錦なるらむ(後光厳院[新千載])
9 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:48:53 ID:i3mAmsU0
駒とめて袖うち拂ふかげもなし佐野のわたりの雪のゆふぐれ(藤原定家)
10 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:03:07 ID:ykRuSIzG
日數ふる雪げにまさる炭竈のけぶりもさびしおほはらの里(式子内親王)
11 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:19:04 ID:ykRuSIzG
いそがれぬ年の暮こそあはれなれ昔はよそに聞きし春かは(藤原実房)
12 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:33:25 ID:ykRuSIzG
天の下めぐむ草木のめもはるにかぎりも知らぬ御世の末々(式子内親王)
13 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:38:45 ID:ykRuSIzG
敷島ややまとしまねも神代より君がためとやかため置きけむ(藤原良經)
14 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:43:45 ID:ykRuSIzG
知らざりし八十瀬の波を分け過ぎてかたしくものは伊勢の濱荻(宜秋門院丹後)
15 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:45:50 ID:ykRuSIzG
行末は今いく夜とかいはしろの岡のかや根にまくら結ばむ(式子内親王)
16 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:47:07 ID:ykRuSIzG
松が根のをじまが磯のさ夜枕いたくな濡れそあまの袖かは(式子内親王)
17 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 00:57:57 ID:ykRuSIzG
契らねど一夜は過ぎぬC見がた波にわかるるあかつきの空(藤原家隆)
18 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:17:58 ID:ykRuSIzG
おぼつかな都にすまぬ都鳥こととふ人にいかがこたへし(宜秋門院丹後)
19 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:20:48 ID:ykRuSIzG
さとりゆくまことの道に入りぬれば戀しかるべき故郷もなし(慈圓)
20 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:23:31 ID:ykRuSIzG
わが戀は松を時雨の染めかねて眞葛が原に風さわぐなり(慈圓)
21 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:25:30 ID:ykRuSIzG
わが戀は知る人もなしせく床のなみだもらすな黄楊の小まくら(式子内親王)
22 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:26:33 ID:ykRuSIzG
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりも知らぬ沖つしほ風(藤原良經)
23 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:27:46 ID:ykRuSIzG
しるべせよ跡なきなみに漕ぐ舟の行方も知らぬ八重のしほ風(式子内親王)
24 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 08:28:58 ID:ykRuSIzG
戀をのみすまの浦人藻鹽垂れほしあへぬ袖のはてを知らばや(藤原良經)
25 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 09:17:55 ID:ykRuSIzG
なみだ川たぎつ心のはやき瀬をしがらみかけてせく袖ぞなき(二條院讃岐)
26 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 09:22:00 ID:ykRuSIzG
夢にても見ゆらむものを歎きつつうちぬる宵の袖のけしきは(式子内親王)
27 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 09:24:13 ID:ykRuSIzG
逢ふことのむなしき空の浮雲は身を知る雨のたよりなりけり(惟明親王)
28 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 09:25:50 ID:ykRuSIzG
逢ふことを今日まつが枝の手向草いく世しをるる袖とかは知る(式子内親王)
29 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 09:28:02 ID:ykRuSIzG
いはざりき今來むまでの空の雲月日へだててもの思へとは(藤原良經)
30 :
名無氏物語:2010/03/16(火) 09:29:42 ID:ykRuSIzG
逢ふと見てことぞともなく明けぬなりはかなの夢の忘れ形見や(藤原家隆)
31 :
あ:2010/03/17(水) 19:34:46 ID:2MJ/+P/v
テスト
32 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:34:02 ID:k7GTkYM2
むかし見し雲居をめぐる秋の月いまいくとせかそでにやどさむ(二條院讃岐)
33 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:35:29 ID:k7GTkYM2
月見ばといひしばかりの人は來でまきの戸たたく庭のまつ風(藤原良經)
34 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:36:28 ID:k7GTkYM2
ながめても六十ぢの秋は過ぎにけりおもへばかなし山の端の月(藤原隆信)
35 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:38:10 ID:k7GTkYM2
朝ごとにみぎはの氷ふみわけて君につかふる道ぞかしこき(源通親)
36 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:41:07 ID:k7GTkYM2
瀧の音松のひびきも馴れぬればうちぬるほどの夢は見せけり(藤原家隆)
37 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:43:13 ID:k7GTkYM2
今はわれ松のはしらの杉の庵に閉づべきものを苔ふかき袖(式子内親王)
38 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:52:47 ID:k7GTkYM2
しきみ摘む山路の露にぬれにけりあかつきおきの墨染の袖(小侍從)
39 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:56:43 ID:k7GTkYM2
忘れじの人だに訪はぬ山路かな櫻は雪に降りかはれども(藤原良經)
40 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 20:58:32 ID:k7GTkYM2
曉のゆふつけ鳥ぞあはれなる長きねぶりを思ふまくらに(式子内親王)
41 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:01:33 ID:k7GTkYM2
いつかわれみ山の里の寂しきにあるじとなりて人に問はれむ(慈圓)
42 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:02:46 ID:k7GTkYM2
あまのはら富士の煙の春のいろの霞になびくあけぼののそら(慈圓)
43 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:04:09 ID:k7GTkYM2
難波潟かすまぬ浪もかすみけりうつるもくもるおぼろ月夜に(源具親)
44 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:16:31 ID:k7GTkYM2
時しもあれたのむの雁のわかれさへ花散るころのみ吉野の里(源具親)
45 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:17:50 ID:k7GTkYM2
昨日だに訪はむと思ひし津の國の生田の森に秋は來にけり(藤原家隆)
46 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:19:23 ID:k7GTkYM2
秋はただこころより置くゆふ露を袖のほかとも思ひけるかな(越前)
47 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:20:48 ID:k7GTkYM2
いつまでかなみだくもらで月は見し秋待ちえても秋ぞ戀しき(慈圓)
48 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:22:27 ID:k7GTkYM2
ふけゆかばけぶりもあらじしほがまのうらみなはてそ秋の夜の月(慈圓)
49 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:25:25 ID:k7GTkYM2
立田山あらしや峯によわるらむわたらぬ水も錦絶えけり(宮内卿)
50 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:36:54 ID:k7GTkYM2
ながむればわが山の端に雪しろし都の人よあわれとも見よ(慈圓)
51 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:38:33 ID:k7GTkYM2
このごろは花も紅葉も枝になししばしな消えそ松のしら雪(後鳥羽院)
52 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:40:53 ID:k7GTkYM2
沖つ風夜寒になれや田子の浦の海人の藻鹽火たきまさるらむ(越前)
53 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:48:38 ID:k7GTkYM2
梅のはな誰が袖ふれしにほひぞと春や昔の月にとはばや(源通具)
54 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:49:35 ID:k7GTkYM2
梅の花あかぬ色香もむかしにておなじかたみの春の夜の月(俊成卿女)
55 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:50:32 ID:k7GTkYM2
しら雲のたえまになびくあをやぎの葛城山に春風ぞ吹く(藤原雅經)
56 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 21:52:15 ID:k7GTkYM2
柳のいとに玉ぬく白つゆの知らずいく世の春か經ぬらむ(藤原有家)
57 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 22:44:30 ID:k7GTkYM2
薄く濃き野邊のみどりの若草にあとまで見ゆる雪のむらぎえ(宮内卿)
58 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 22:45:45 ID:k7GTkYM2
いそのかみふる野のさくら誰植ゑて春は忘れぬ形見なるらむ(源通具)
59 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 22:48:04 ID:k7GTkYM2
花ぞ見る道のしばくさふみわけて吉野の宮の春のあけぼの(藤原季能)
60 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 22:51:31 ID:k7GTkYM2
朝日かげにほへる山のさくら花つれなく消えぬ雪かとぞ見る(藤原有家)
61 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 22:52:37 ID:k7GTkYM2
いくとせの春に心をつくし來ぬあはれと思へみよし野の花(藤原俊成)
62 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 22:53:49 ID:k7GTkYM2
風かよふ寝ざめの袖の花の香にかをるまくらの春の夜の夢(俊成卿女)
63 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:28:40 ID:k7GTkYM2
櫻色の庭のはるかぜあともなし訪はばぞ人の雪とだにみむ(藤原定家)
64 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:30:30 ID:k7GTkYM2
散るはなのわすれがたみの峰の雲そをだにのこせ春のやまかぜ (藤原良平)
65 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:34:45 ID:k7GTkYM2
思ひ立つ鳥はふる巣もたのむらむ馴れぬる花のあとの夕暮(寂蓮法師)
66 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:35:49 ID:k7GTkYM2
散りにけりあはれうらみの誰なれば花のあととふ春の山風(寂蓮法師)
67 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:37:56 ID:k7GTkYM2
春ふかくたづねいるさの山の端にほの見し雲の色ぞのこれる(藤原公經)
68 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:38:39 ID:k7GTkYM2
有明のつれなく見えし月は出てぬ山郭公待つ夜ながらに(藤原良經)
69 :
名無氏物語:2010/03/17(水) 23:40:39 ID:k7GTkYM2
過ぎにけりしのだの森の郭公絶えぬしづくを袖にのこして(藤原保季)
70 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:22:30 ID:ivrlGIOo
ほととぎす猶うとまれぬ心かな汝がなく里のよその夕ぐれ(藤原公經)
71 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:25:29 ID:ivrlGIOo
行くすゑをたれしのべとて夕風に契りかおかむ宿のたちばな(源通具)
72 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:39:19 ID:ivrlGIOo
大井河かがりさし行く鵜飼舟いく瀬に夏の夜を明かすらむ(藤原俊成)
73 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:42:25 ID:ivrlGIOo
ひさかたの中なる川の鵜飼舟いかに契りてやみを待つらむ(藤原定家)
74 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:43:58 ID:ivrlGIOo
露すがる庭のたまざさうち靡きひとむら過ぎぬ夕立の雲(藤原公經)
75 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:54:27 ID:ivrlGIOo
夕づく日さすや庵の柴の戸にさびしくもあるかひぐらしの聲(藤原忠良)
76 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:56:04 ID:ivrlGIOo
片枝さす麻生の浦梨はつ秋になりもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿)
77 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:57:52 ID:ivrlGIOo
夏衣かたへ涼しくなりぬなり夜や更けぬらむゆきあひの空(慈圓)
78 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 00:59:42 ID:ivrlGIOo
深草の露のよすがをちぎりにて里をばかれず秋は來にけり(藤原良經)
79 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 01:02:31 ID:ivrlGIOo
あはれまたいかに忍ばむ袖のつゆ野原の風に秋は來にけり(源通具)
80 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 01:03:43 ID:ivrlGIOo
しきたへの枕のうへに過ぎぬなり露を尋ぬる秋のはつかぜ(源具親)
81 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 01:05:31 ID:ivrlGIOo
みづぐきの岡の葛葉も色づきて今朝うらがなし秋のはつ風(顯昭法師)
82 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 01:08:35 ID:ivrlGIOo
夕さればたま散る野邊の女郎花まくらさだめぬ秋風ぞ吹く(藤原良平)
83 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:05:01 ID:ivrlGIOo
ふかくさの里の月かげさびしさもすみこしままの野邊の秋風(源通具)
84 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:06:45 ID:ivrlGIOo
さらにまた暮をたのめと明けにけりつきはつれなき秋の夜の空(源通光)
85 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:08:21 ID:ivrlGIOo
鳴く鹿の聲に目ざめてしのぶかな見はてぬ夢の秋の思を(慈圓)
86 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:10:20 ID:ivrlGIOo
衣うつみ山の庵のしばしばも知らぬゆめ路にむすぶ手枕(藤原公經)
87 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:12:35 ID:ivrlGIOo
秋とだにわすれむと思ふ月影をさもあやにくにうつ衣かな(藤原定家)
88 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:13:28 ID:ivrlGIOo
いり日さすふもとの尾花うちなびきたが秋風に鶉啼くらむ(藤原定家)
89 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:27:58 ID:ivrlGIOo
とふ人もあらし吹きそふ秋は來て木の葉に埋む宿の道しば(俊成卿女)
90 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:31:17 ID:ivrlGIOo
寝覺する長月の夜の床さむみ今朝吹くかぜに霜や置くらむ(藤原公繼)
91 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:34:26 ID:ivrlGIOo
露時雨もる山かげのした紅葉濡るとも折らむ秋のかたみに(藤原家隆)
92 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:36:00 ID:ivrlGIOo
行く秋の形見なるべきもみぢ葉も明日は時雨と降りやまがはむ(藤原兼宗)
93 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:45:08 ID:ivrlGIOo
おきあかす秋のわかれの袖の露霜こそむすべ冬や來ぬらむ(藤原俊成)
94 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 20:46:17 ID:ivrlGIOo
今はまた散らでもながふ時雨かなひとりふりゆく庭の松風(源具親)
95 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:36:58 ID:ivrlGIOo
世にふるは苦しきものをまきの屋にやすくも過ぐる初時雨かな(二條院讃岐)
96 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:38:30 ID:ivrlGIOo
今よりは木の葉がくれもなけれども時雨に殘るむら雲の月(源具親)
97 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:40:10 ID:ivrlGIOo
晴れ曇る影をみやこにさきだててしぐると告ぐる山の端の月(源具親)
98 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:41:22 ID:ivrlGIOo
我が門の刈田のおもにふす鴫の床あらはなる冬の夜のつき(殷富門院大輔)
99 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:42:30 ID:ivrlGIOo
我が宿の刈田のおもにふす鴫の床あらはなる冬の夜の月(藤原隆信)
100 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:44:21 ID:ivrlGIOo
冴えわびてさむる枕に影見れば霜ふかき夜のありあけの月(俊成卿女)
101 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 21:48:40 ID:ivrlGIOo
霜むすぶ袖のかたしきうちとけて寝ぬ夜の月の影ぞ寒けき(源通具)
102 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:26:52 ID:ivrlGIOo
さ夜千鳥聲こそ近くなるみ潟かたぶく月に汐や滿つらむ(藤原季能)
103 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:28:31 ID:ivrlGIOo
草も木も降りまたがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする(源通具)
104 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:30:57 ID:ivrlGIOo
思ひやれ八十ぢの年の暮なればいかばかりかはものは悲しき(小侍從)
105 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:33:33 ID:ivrlGIOo
今日ごとに今日や限と惜しめども又も今年に逢ひにけるかな(藤原俊成)
106 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:34:39 ID:ivrlGIOo
濡れてほす玉ぐしの葉の露霜に天照るひかり幾世經ぬらむ(藤原良經)
107 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:36:19 ID:ivrlGIOo
わが道を守らば君を守らなむよはひはゆづれすみよしの松(藤原定家)
108 :
名無氏物語:2010/03/18(木) 22:38:16 ID:ivrlGIOo
かくてしも明かせばいく夜過ぎぬらむ山路の苔の露の筵に(俊成卿女)
109 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:06:51 ID:F1JqOdlQ
故郷にたのめし人もすゑの松待つらむそでになみやこすらむ(藤原家隆)
110 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:08:18 ID:F1JqOdlQ
うちはへてくるしきものは人目のみしのぶの浦のあまの栲繩(二條院讃岐)
111 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:09:11 ID:F1JqOdlQ
逢ふことはかた野の里のささの庵しのに霧散る夜はの床かな(俊成卿女)
112 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:10:15 ID:F1JqOdlQ
歎かずよいまはたおなじ名取川瀬々の埋木朽ちはてぬとも(藤原良經)
113 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:11:43 ID:F1JqOdlQ
身に添へるその面影も消えななむ夢なりけりと忘るばかりに(藤原良經)
114 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:13:28 ID:F1JqOdlQ
たのめ置きし淺茅が露に秋かけて木の葉降りしく宿の通ひぢ(藤原忠良)
115 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:14:11 ID:F1JqOdlQ
わが戀は逢ふをかぎりのたのみだに行方も知らぬ空の浮雲(源通具)
116 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:27:05 ID:F1JqOdlQ
めぐりあはむ限はいつと知らねども月な隔てそよその浮雲(藤原良經)
117 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:28:43 ID:F1JqOdlQ
わが涙もとめて袖にやどれ月さりとて人のかげは見えねど(藤原良經)
118 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:30:08 ID:F1JqOdlQ
戀ひわぶるなみだや空に曇るらむ光もかはるねやの月かげ(藤原公經)
119 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:36:03 ID:F1JqOdlQ
いま來むと契りしことは夢ながら見し夜に似たるありあけの月(源通具)
120 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:38:24 ID:F1JqOdlQ
忘れじといひしばかりのなごりとてその夜の月は廻り來にけり(藤原有家)
121 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:39:37 ID:F1JqOdlQ
ならひ來し誰が偽もまだ知らで待つとせしまの庭の蓬生(俊成卿女)
122 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:40:25 ID:F1JqOdlQ
思ひ出でよ誰がかねごとの末ならむ昨日の雲のあとの山風(藤原家隆)
123 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:41:05 ID:F1JqOdlQ
言の葉のうつりし秋も過ぎぬればわが身時雨とふる涙かな(源通具)
124 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 00:59:03 ID:F1JqOdlQ
消えわびぬうつろふ人の秋の色に身をこがらしの森の下露(藤原定家)
125 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 01:00:12 ID:F1JqOdlQ
つくづくと思ひあかしのうら千鳥浪の枕になくなくぞ聞く(藤原公經)
126 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 01:01:09 ID:F1JqOdlQ
尋ね見るつらき心の奥の海よ汐干のかたのいふかひもなし(藤原定家)
127 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 01:02:07 ID:F1JqOdlQ
問へかしな尾花がもとの思草しをるる野邊の露はいかにと(源通具)
128 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:05:42 ID:F1JqOdlQ
あはれなりうたたねにのみ見し夢の長き思にむすぼほれなむ(藤原俊成)
129 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:06:34 ID:F1JqOdlQ
春の雨のあまねき御代を頼むかな霜に枯れ行く草葉もらすな(藤原有家)
130 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:09:51 ID:F1JqOdlQ
身のうさに月やあらぬとながむれば昔ながらの影ぞもり來る(二條院讃岐)
131 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:10:39 ID:F1JqOdlQ
しめ置きて今やとおもふ秋山のよもぎがもとに松蟲の鳴く(藤原俊成)
132 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:12:51 ID:F1JqOdlQ
荒れわたる秋の庭こそあはれなれまして消えなむ露の夕暮(藤原俊成)
133 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:13:48 ID:F1JqOdlQ
水の江のよしのの宮は神さびてよはひたけたる浦の松風(藤原季能)
134 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:14:50 ID:F1JqOdlQ
一筋に馴れなばさてもすぎの庵に夜な夜な變る風の音かな(源通具)
135 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:48:15 ID:F1JqOdlQ
ながらへて猶君が代を松山の待つとせしまに年ぞ經にける(二條院讃岐)
136 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:49:41 ID:F1JqOdlQ
舟のうち波の下にぞ老いにけるあまのしわざも暇なの世や(藤原良經)
137 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:50:46 ID:F1JqOdlQ
浮き沈み來む世はさてもいかにぞと心に問ひて答へかねぬる(藤原良經)
138 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:51:35 ID:F1JqOdlQ
おしかへし物を思ふは苦しきに知らずがほにて世をや過ぎまし(藤原良經)
139 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:52:32 ID:F1JqOdlQ
位山あとをたづねてのぼれども子をおもふ道になほ迷ひぬる(源通親)
140 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:54:03 ID:F1JqOdlQ
色かはる露をば袖に置き迷ひうらがれてゆく野邊の秋かな(俊成卿女)
141 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 21:59:35 ID:F1JqOdlQ
限あればしのぶの山のふもとにも落葉がうへの露ぞいろづく(源通光)
142 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 22:46:51 ID:F1JqOdlQ
ながめわびそれとはなしにものぞ思ふ雲のはたての夕暮の空(源通光)
143 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 22:47:55 ID:F1JqOdlQ
いくめぐり空行く月もへだてきぬ契りしなかはよその浮雲(源通光)
144 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:11:39 ID:F1JqOdlQ
山里は世の憂きよりも住みわびぬことのほかなる峯の嵐に(宜秋門院丹後)
145 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:13:24 ID:F1JqOdlQ
朝露のをかのかや原山風ににみだれて物は秋ぞかなしき(後鳥羽院)
146 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:14:53 ID:F1JqOdlQ
いかにせむ世にふるながめ柴の戸にうつろふ花の春の暮がた(後鳥羽院)
147 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:16:10 ID:F1JqOdlQ
神風やとよみてぐらに靡くしでかけてあふぐといふも畏し(後鳥羽院)
148 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:18:28 ID:F1JqOdlQ
ながめばや神路の山に雲消えてゆふべの空を出でむ月かげ(後鳥羽院)
149 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:19:58 ID:F1JqOdlQ
おほぞらにちぎるおもひの年も經ぬ月日もうけよ行末の空(後鳥羽院)
150 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:55:07 ID:F1JqOdlQ
山里のみねのあまぐもとだえしてゆふべ涼しきまきのした露(後鳥羽院)
151 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:56:25 ID:F1JqOdlQ
郭公くもゐのよそに過ぎぬなり晴れぬおもひのさみだれの頃(後鳥羽院)
152 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:57:48 ID:F1JqOdlQ
奥山のおどろが下も踏みわけて道ある世ぞと人に知らせむ(後鳥羽院)
153 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:58:53 ID:F1JqOdlQ
あと絶えて淺茅がすゑになりにけりたのめし宿の庭の白露(二條院讃岐)
154 :
名無氏物語:2010/03/19(金) 23:59:46 ID:F1JqOdlQ
おほかたの秋のねざめの露けくはまた誰が袖にありあけの月(二條院讃岐)
155 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 00:00:59 ID:F1JqOdlQ
君を祈るこころの色を人問はばただすの宮のあけの玉垣(慈圓)
156 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 00:02:33 ID:F1JqOdlQ
花さそふなごりを雲に吹きとめてしばしはにほへ春の山風(藤原雅經)
157 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 00:03:49 ID:F1JqOdlQ
石川やせみの小川のCければ月もながれを尋ねてぞすむ(鴨長明)
158 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 00:24:54 ID:z/S40aqb
故郷に聞きしあらしの聲も似ずわすれぬ人をさやのなか山(藤原家隆)
159 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:00:03 ID:z/S40aqb
白雲のいくへの峯を越えぬらむ馴れぬあらしに袖をまかせて(藤原雅經)
160 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:02:31 ID:z/S40aqb
今日は又知らぬ野原に行き暮れぬいづれの山か月は出づらむ(源家長)
161 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:03:30 ID:z/S40aqb
いそのかみふるの神杉ふりぬれど色には出でず露も時雨も(藤原良經)
162 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:17:08 ID:z/S40aqb
わが戀はまきの下葉にもる時雨ぬるとも袖の色に出でめや(後鳥羽院)
163 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:18:02 ID:z/S40aqb
聞く人ぞなみだは落つるかへる雁なきて行くなるあけぼのの空(藤原俊成)
164 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:20:04 ID:z/S40aqb
ひさぎおふる片山蔭にしのびつつ吹きけるものを秋の夕風(俊惠法師)
165 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:21:26 ID:z/S40aqb
時雨かと聞けば木の葉の降るものをそれにも濡るるわが袂かな(藤原資隆)
166 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:23:44 ID:z/S40aqb
深からぬ外山の庵のねざめだにさぞな木の間の月はさびしき(藤原良經)
167 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:27:10 ID:z/S40aqb
月は猶もらぬ木の間もすみよしの松をつくして秋風ぞ吹く(寂蓮法師)
168 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:37:59 ID:z/S40aqb
ながむればちぢにもの思ふ月にまたわが身一つの嶺の松かぜ(鴨長明)
169 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:38:56 ID:z/S40aqb
心あるをじまの海士のたもとかな月宿れとは濡れぬものから(宮内卿)
170 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:41:01 ID:z/S40aqb
わすれじな難波の秋の夜半の空こと浦にすむ月は見るとも(宜秋門院丹後)
171 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:42:24 ID:z/S40aqb
松島やしほ汲む海士の秋の袖月はもの思ふならひのみかは(鴨長明)
172 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:44:11 ID:z/S40aqb
雁の來る伏見の小田に夢覺めて寝ぬ夜の庵に月をみるかな(慈圓)
173 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:45:55 ID:z/S40aqb
稲葉吹く風にまかせて住む庵は月ぞまことにもりあかしける(俊成卿女)
174 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 01:47:06 ID:z/S40aqb
里は荒れて月やあらぬと恨みてもたれ淺茅生に衣打つらむ(藤原良經)
175 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:20:07 ID:z/S40aqb
まどろまで眺めよとてのすさびかな麻のさ衣月にうつ聲(宮内卿)
176 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:21:41 ID:z/S40aqb
高砂の松もむかしになりぬべしなほゆく末は秋の夜の月(寂蓮法師)
177 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:22:43 ID:z/S40aqb
夜もすがら浦こぐ舟はあともなし月ぞのこれる志賀の辛崎(宜秋門院丹後)
178 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:23:36 ID:z/S40aqb
よもすがらひとりみ山野まきの葉にくもるもすめる有明の月(鴨長明)
179 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:26:18 ID:z/S40aqb
わくらばに待ちつる宵もふけにけりさやは契りし山の端の月(藤原良經)
180 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:27:44 ID:z/S40aqb
來ぬ人を待つとはなくて待つ宵の更け行く空の月もうらめし(藤原有家)
181 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:28:57 ID:z/S40aqb
松山と契りし人はつれなくて袖越す浪にのこる月かげ(藤原定家)
182 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:52:03 ID:z/S40aqb
みよし野の高嶺のさくら散りにけり嵐もしろき春のあけぼの(後鳥羽院)
183 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:53:07 ID:z/S40aqb
野邊はいまだ淺香の沼に刈る草のかつみるままに茂る頃かな(藤原雅經)
184 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:54:12 ID:z/S40aqb
C見がた月はつれなき天の戸を待たでもしらむ波の上かな(源通光)
185 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:55:27 ID:z/S40aqb
吹く風の色こそ見えねたかさごの尾の上の松に秋は來にけり(藤原秀能)
186 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:56:14 ID:z/S40aqb
鈴鹿川ふかき木の葉に日かずへて山田の原の時雨をぞ聞く(後鳥羽院)
187 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:57:08 ID:z/S40aqb
橋姫のかたしき衣さむしろに待つ夜むなしき宇治のあけぼの(後鳥羽院)
188 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:58:06 ID:z/S40aqb
網代木にいさよふ波の音ふけてひとりや寝ぬる宇治のはし姫(慈圓)
189 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 20:58:54 ID:z/S40aqb
風吹けばよそになるみのかたおもひ思はぬ浪に鳴く千鳥かな(藤原秀能)
190 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:31:22 ID:z/S40aqb
浦人のひもゆふぐれになるみ潟かへる袖より千鳥鳴くなり(源通光)
191 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:32:28 ID:z/S40aqb
君が代にあふくま川のうもれ木も氷の下に春を待ちけり(藤原家隆)
192 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:33:53 ID:z/S40aqb
ひさかたの天つをとめがなつごろも雲居にさらす布引の瀧(藤原有家)
193 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:34:52 ID:z/S40aqb
大淀の浦に刈りほすみるめだに霞にたえてかへる雁がね(藤原定家)
194 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:35:51 ID:z/S40aqb
小鹽山神のしるしをまつの葉に契りし色はかへるものかは(慈圓)
195 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:36:52 ID:z/S40aqb
忘らるる身を知る袖のむら雨につれなく山の月は出でけり(後鳥羽院)
196 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:38:38 ID:z/S40aqb
かたみとてほの踏み分けしあともなし來しは昔の庭の荻原(藤原保季)
197 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:55:35 ID:z/S40aqb
里は荒れぬ空しき床のあたりまで身はならはしの秋風ぞ吹く(寂蓮法師)
198 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:56:26 ID:z/S40aqb
夢ぞとよ見し面影も契りしも忘れずながらうつつならねば(俊成卿女)
199 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:57:11 ID:z/S40aqb
人住まぬ不破の關屋の板びさし荒れにし後はただ秋の風(藤原良經)
200 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:58:20 ID:z/S40aqb
難波人いかなる江にか朽ちはてむ逢ふ事なみにみをつくしつつ(藤原良經)
201 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 21:59:17 ID:z/S40aqb
夏引の手びきの絲の年へても絶えぬおもひにむすぼほれつつ(越前)
202 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:01:45 ID:z/S40aqb
さくら咲く遠山鳥のしだり尾のながながし日もあかぬ色かな(後鳥羽院)
203 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:03:36 ID:z/S40aqb
小山田にひくしめ繩のうちはへて朽ちやしぬらむ五月雨の頃(藤原良經)
204 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:04:40 ID:z/S40aqb
葛城や高間のさくら咲きにけり立田のおくにかかるしら雲(寂蓮法師)
205 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:20:27 ID:z/S40aqb
秋ふかき淡路の島のありあけにかたぶく月をおくる浦かぜ(慈圓)
206 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:21:43 ID:z/S40aqb
ながめつついくたび袖にくもるらむ時雨にふくる有明の月(藤原家隆)
207 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:27:17 ID:z/S40aqb
袖に吹けさぞな旅寝の夢も見じ思ふかたより通ふうら風(藤原定家)
208 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:30:43 ID:z/S40aqb
旅寝する夢路はゆるせ宇都の山關とは聞かずもる人もなし(藤原家隆)
209 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:47:00 ID:z/S40aqb
下紅葉かつ散る山の夕時雨濡れてやひとり鹿の鳴くらむ(藤原家隆)
210 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:48:34 ID:z/S40aqb
知られじなおなじ袖には通ふともたが夕暮とたのむ秋かぜ(藤原家隆)
211 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:50:02 ID:z/S40aqb
むせぶとも知らじな心かはら屋にわれのみたけぬ下の煙は(藤原定家)
212 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:50:57 ID:z/S40aqb
袖の露もあらぬ色にぞ消えかへる移ればかはる歎せしまに(後鳥羽院)
213 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 22:52:04 ID:z/S40aqb
露はらふねざめは秋の昔にて見はてぬ夢にのこるおもかげ(俊成卿女)
214 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:05:54 ID:z/S40aqb
さてもなほ問はれぬ秋のゆふは山雲吹く風も峯に見ゆらむ(藤原家隆)
215 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:06:49 ID:z/S40aqb
鳰のうみや月のひかりのうつろへば浪の花にも秋は見えけり(藤原家隆)
216 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:07:40 ID:z/S40aqb
忘れじと契りて出でし面影は見ゆらむものをふるさとの月(藤原良經)
217 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:08:36 ID:z/S40aqb
鶯の鳴けどもいまだ降る雪に杉の葉しろきあふさかの關(後鳥羽院)
218 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:09:49 ID:z/S40aqb
消えねただしのぶの山の峰の雲かかる心のあともなきまで(藤原雅經)
219 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:11:03 ID:z/S40aqb
山ふかみなほかげさむし春の月空かきくもり雪は降りつつ(越前)
220 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:12:10 ID:z/S40aqb
忍ばじよ石間づたひの谷川も瀬をせくにこそ水まさりけれ(藤原公繼)
221 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:44:19 ID:z/S40aqb
和歌の浦に家の風こそなけれども波吹く色は月に見えけり(藤原範光)
222 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:51:49 ID:z/S40aqb
明けぬとて野邊より山に入る鹿のあと吹きおくる萩の下風(源通光)
223 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:53:03 ID:z/S40aqb
秋の夜の月やをじまのあまのはら明がたちかき沖の釣舟(藤原家隆)
224 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:54:27 ID:z/S40aqb
ふるさとも秋は夕べをかたみとて風のみおくる小野の篠原(俊成卿女)
225 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:55:46 ID:z/S40aqb
いたづらに立つや淺間の夕けぶり里とひかぬるをちこちの山(藤原雅經)
226 :
名無氏物語:2010/03/20(土) 23:57:54 ID:z/S40aqb
都をば天つ空とも聞かざりき何ながむらむ雲のはたてを(宜秋門院丹後)
227 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 00:40:52 ID:i3mAmsU0
草まくらゆふべの空を人とはばなきても告げよ初かりの聲(藤原秀能)
228 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 00:42:04 ID:i3mAmsU0
和歌の浦に月の出しほのさすままによる啼く鶴の聲ぞかなしき(慈圓)
229 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 00:43:40 ID:i3mAmsU0
藻汐くむ袖の月影おのづからよそにあかさぬ須磨のうらびと(藤原定家)
230 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 00:48:46 ID:i3mAmsU0
明石がた色なき人の袖を見よすずろに月もやどるものかは(藤原秀能)
231 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 00:50:03 ID:i3mAmsU0
亡き人のかたみの雲やしぐるらむゆふべの雨にいろはみえねど(後鳥羽院)
232 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 00:51:20 ID:i3mAmsU0
さてもなほ問はれぬ秋のゆふは山雲吹く風も峯に見ゆらむ(藤原家隆)
233 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:10:00 ID:i3mAmsU0
袖の露もあらぬ色にぞ消えかへる移ればかはる歎せしまに(後鳥羽院)
234 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:11:23 ID:i3mAmsU0
むせぶとも知らじな心かはら屋にわれのみたけぬ下の煙は(藤原定家)
235 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:12:09 ID:i3mAmsU0
知られじなおなじ袖には通ふともたが夕暮とたのむ秋かぜ(藤原家隆)
236 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:14:05 ID:i3mAmsU0
露はらふねざめは秋の昔にて見はてぬ夢にのこるおもかげ(俊成卿女)
237 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:15:08 ID:i3mAmsU0
淺茅生やそでにくちにし秋の霜わすれぬ夢を吹くあらしかな(源通光)
238 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:53:11 ID:i3mAmsU0
葛の葉のうらみにかへる夢の世を忘れがたみの野べのあきかぜ(俊成卿女)
239 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:54:11 ID:i3mAmsU0
山里に契りし庵や荒れぬらむ待たれむとだに思はざりしを(慈圓)
240 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:55:23 ID:i3mAmsU0
袖に置く露をば露としのべどもなれ行く月や色を知るらむ(源通具)
241 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:56:15 ID:i3mAmsU0
君が代にあはずは何を玉の緒の長くとまでは惜しまれじ身を(藤原定家)
242 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:57:09 ID:i3mAmsU0
おほかたの秋の寝覺の長き夜も君をぞ祈る身をおもふとて(藤原家隆)
243 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 01:58:10 ID:i3mAmsU0
和歌の浦や沖つ潮合に浮かび出づるあはれ吾身のよるべしらせよ(藤原家隆)
244 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 20:48:52 ID:i3mAmsU0
その山とちぎらぬ月も秋風もすすむる袖に露こぼれつつ(藤原家隆)
245 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 20:49:38 ID:i3mAmsU0
君が代に逢へるばかりの道はあれど身をば頼まず行末の空(藤原雅經)
246 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 20:50:52 ID:i3mAmsU0
惜しむともなみだに月も心から馴れぬる袖に秋をうらみて(俊成卿女)
247 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 20:51:59 ID:i3mAmsU0
おほかたはおきあへぬ霜のいくよしもあらじ我身の袖の秋かぜ(藤原雅經)
248 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:08:55 ID:i3mAmsU0
みしま江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむほどの春風ぞ吹く(源通光)
249 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:10:15 ID:i3mAmsU0
夕月夜しほ滿ちくらし難波江のあしの若葉を越ゆるしらなみ(藤原秀能)
250 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:11:07 ID:i3mAmsU0
見わたせば山もとかすむ水無瀬川夕べは秋となにおもひけむ(後鳥羽院)
251 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:12:19 ID:i3mAmsU0
み山路やいつより秋の色ならむ見ざりし雲のゆふぐれの空(慈圓)
252 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:13:12 ID:i3mAmsU0
秋風の袖に吹きまく峯の雲をつばさにかけて雁も鳴くなり(藤原家隆)
253 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:14:15 ID:i3mAmsU0
みやこにも今や衣をうつの山ゆふ霜はらふ蔦の下みち(藤原定家)
254 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:42:57 ID:i3mAmsU0
袖にしも月かかれとは契り置かず涙は知るやうつの山ごえ(鴨長明)
255 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:43:43 ID:i3mAmsU0
立田山秋行く人の袖を見よ木木のこずゑはしぐれざりけり(慈圓)
256 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:48:58 ID:i3mAmsU0
暮れかかるむなしき空の秋を見ておぼえずたまる袖の露かな(藤原良經)
257 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:50:10 ID:i3mAmsU0
やよ時雨もの思ふ袖のなかりせば木の葉の後に何を染めまし(慈圓)
258 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:51:10 ID:i3mAmsU0
消えかへり岩間にまよふ水の泡のしばし宿かる薄氷かな(藤原良經)
259 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 21:53:01 ID:i3mAmsU0
枕にも袖にも涙つららゐてむすばぬ夢をとふあらしかな(藤原良經)
260 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 22:40:50 ID:i3mAmsU0
昨日見し人はいかにと驚けどなほながき夜の夢にぞありける(慈圓)
261 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 22:41:58 ID:i3mAmsU0
もろともに出でし空こそ忘られぬ都の山のありあけの月(藤原良經)
262 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 23:05:05 ID:i3mAmsU0
山ざとに獨ながめて思ふかな世に住む人のこころながさを(慈圓)
263 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 23:11:54 ID:i3mAmsU0
山里に訪ひ來る人のことぐさはこのすまひこそうらやましけれ(慈圓)
264 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 23:12:50 ID:i3mAmsU0
いたづらに過ぎにし事や歎かれむうけがたき身の夕暮の空(慈圓)
265 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 23:14:03 ID:i3mAmsU0
われながら心のはてを知らぬかな捨てられぬ世のまた厭はしき(藤原良經)
266 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 23:51:35 ID:i3mAmsU0
いかにして今まで世には有明のつきせぬものを厭ふこころは(慈圓)
267 :
名無氏物語:2010/03/21(日) 23:52:56 ID:i3mAmsU0
一方に思ひとりにし心にはなほ背かるる身をいかにせむ(慈圓)
268 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:25:05 ID:WhFKR8Tu
何故にこの世を深く厭ふぞと人の問へかしやすくこたえむ(慈圓)
269 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:25:57 ID:WhFKR8Tu
わがたのむ七のやしろの木綿襷かけても六の道にかへすな(慈圓)
270 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:29:31 ID:WhFKR8Tu
かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそ見えね春は來にけり(宮内卿)
271 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:30:54 ID:WhFKR8Tu
尋ね來て花に暮らせる木の間より待つとしもなき山の端の月(藤原雅經)
272 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:44:22 ID:WhFKR8Tu
さくら花夢かうつつか白雲のたえてつねなきみねの春かぜ(藤原家隆)
273 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:46:00 ID:WhFKR8Tu
暮れて行く春のみなとは知らねども霞に落つる宇治のしば舟(寂蓮法師)
274 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:48:45 ID:WhFKR8Tu
あふち咲くそともの木蔭つゆおちて五月雨晴るる風わたるなり(藤原忠良)
275 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:50:17 ID:WhFKR8Tu
さみだれの月はつれなきみ山よりひとりも出づる郭公かな(藤原定家)
276 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:52:19 ID:WhFKR8Tu
さつきやみみじかき夜半のうたたねに花橘のそでに涼しき(慈圓)
277 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 00:54:07 ID:WhFKR8Tu
むすぶ手にかげみだれゆく山の井のあかでも月の傾きにける(慈圓)
278 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:48:40 ID:WhFKR8Tu
螢飛ぶ野澤にしげるあしの根の夜な夜なしたにかよふ秋風(藤原良經)
279 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:49:36 ID:WhFKR8Tu
昨日までよそにしのびし下荻のすゑ葉の露にあき風ぞ吹く(藤原雅經)
280 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:50:23 ID:WhFKR8Tu
たへでやは思ありともいかがせむ葎のやどの秋のゆふぐれ(藤原雅經)
281 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:51:14 ID:WhFKR8Tu
雲はみなはらひはてたる秋風を松にのこして月をみるかな(藤原良經)
282 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:52:14 ID:WhFKR8Tu
拂ひかねさこそは露のしげからめ宿るか月の袖のせばきに(藤原雅經)
283 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:53:34 ID:WhFKR8Tu
村雨の露もまだひぬまきの葉に霧たちのぼる秋のゆふぐれ(寂蓮法師)
284 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 15:54:31 ID:WhFKR8Tu
からにしき秋のかたみやたつた山散りあへぬ枝に嵐吹くなり(宮内卿)
285 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:11:54 ID:WhFKR8Tu
たえだえに里わく月のひかりかな時雨をおくる夜半のむら雲(寂蓮法師)
286 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:13:47 ID:WhFKR8Tu
秋の色をはらひはててやひさかたの月の桂に木からしの風(藤原雅經)
287 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:14:54 ID:WhFKR8Tu
影とめし露のやどりを思ひ出でて霜にあととふ淺茅生の月(藤原雅經)
288 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:16:52 ID:WhFKR8Tu
水上やたえだえこほる岩間よりきよたき川にのこるしら波(藤原良經)
289 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:18:59 ID:WhFKR8Tu
月ぞ澄む誰かはここにきの國や吹上の千鳥ひとり鳴くなり(藤原良經)
290 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:24:05 ID:WhFKR8Tu
はかなしやさても幾夜か行く水に數かきわぶる鴛のひとり寝(藤原雅經)
291 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:25:17 ID:WhFKR8Tu
明けばまた越ゆべき山のみねなれや空行く月のすゑの白雲(藤原家隆)
292 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:56:36 ID:WhFKR8Tu
故郷の今日のおもかげさそひ來と月にぞ契る小夜のなか山(藤原雅經)
293 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:57:53 ID:WhFKR8Tu
折りにあへばこれもさすがにあはれなり小田の蛙の夕暮の聲(藤原忠良)
294 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 16:59:02 ID:WhFKR8Tu
おのが浪に同じ末葉ぞしをれぬる藤咲く田子のうらめしの身(慈圓)
295 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 17:00:16 ID:WhFKR8Tu
秋を經て月をながむる身となれり五十ぢの闇をなに歎くらむ(慈圓)
296 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 17:07:26 ID:WhFKR8Tu
須磨の關夢をとほさぬ波の音を思ひもよらで宿をかりける(慈圓)
297 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 17:09:24 ID:WhFKR8Tu
花ならでただ柴の戸をさして思ふ心のおくもみ吉野の山(慈圓)
298 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 17:10:56 ID:WhFKR8Tu
かげやどす露のみしげくなりはてて草にやつるる故郷の月(藤原雅經)
299 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:06:39 ID:WhFKR8Tu
世の中の晴れゆく空にふる霜のうき身ばかりぞおきどころなき(慈圓)
300 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:09:12 ID:WhFKR8Tu
思ふことなど問ふ人のなかるらむ仰げば空に月ぞさやけき(慈圓)
301 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:14:40 ID:WhFKR8Tu
竹の葉に風吹きよわる夕暮の物のあはれは秋としもなし(宮内卿)
302 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:18:30 ID:WhFKR8Tu
神風や山田の原のさかき葉に心のしめをかけぬ日ぞなき(越前)
303 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:20:31 ID:WhFKR8Tu
降り初むる今朝だに人の待たれつるみ山の里の雪の夕暮(寂蓮法師)
304 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:23:01 ID:WhFKR8Tu
日を經つつみやこしのぶの浦さびて波より外の音づれもなし(藤原兼実)
305 :
名無氏物語:2010/03/22(月) 19:26:22 ID:WhFKR8Tu
くれなゐに涙の色のなり行くをいくしほまでと君に問はばや(道因法師)
306 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 08:45:17 ID:kdysT/6v
藍上おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
307 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:37:21 ID:CHQBdUWn
わが戀は今をかぎりとゆふまぐれ荻吹く風の音づれて行く(俊惠法師)
308 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:38:27 ID:CHQBdUWn
今日といへば唐土までも行く春を都にのみと思ひけるかな(藤原俊成)
309 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:39:37 ID:CHQBdUWn
ながむべき殘の春をかぞふれば花とともにも散るなみだかな(俊惠法師)
310 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:40:32 ID:CHQBdUWn
むかし思ふ草のいほりのよるの雨涙な添へそ山ほととぎす(藤原俊成)
311 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:41:27 ID:CHQBdUWn
雨そそぐ花たちばなに風すぎてやまほととぎす雲に鳴くなり(藤原俊成)
312 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:42:26 ID:CHQBdUWn
さみだれはをふの河原の眞菰草からでや波のしたに朽ちなむ(藤原兼実)
313 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:48:43 ID:CHQBdUWn
いとかくや袖はしをれし野邊に出でて昔も秋の花は見しかど(藤原俊成)
314 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:49:45 ID:CHQBdUWn
心とや紅葉はすらむたつた山松は時雨に濡れぬものかは(藤原俊成)
315 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:50:41 ID:CHQBdUWn
降る雪にたく藻の煙かき絶えてさびしくもあるか鹽がまの浦(藤原兼実)
316 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 14:52:09 ID:CHQBdUWn
いしばしる初瀬の川のなみ枕はやくも年の暮れにけるかな(藤原実定)
317 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:00:13 ID:CHQBdUWn
難波人葦火たく屋にやどかりてすずろに袖のしほたるるかなれぬものかは(藤原俊成)
318 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:01:23 ID:CHQBdUWn
難波人葦火たく屋にやどかりてすずろに袖のしほたるるかな(藤原俊成)
319 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:02:50 ID:CHQBdUWn
後の世をなげく涙といひなしてしぼりやせまし墨染のそで(藤原重家)
320 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:04:05 ID:CHQBdUWn
散らすなよ篠の葉草のかりにても露かかるべき袖のうへかは(藤原俊成)
321 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:50:24 ID:CHQBdUWn
いつとなく鹽焼く海士のとまびさし久しくなりぬ逢はぬ思は(藤原基輔)
322 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:51:31 ID:CHQBdUWn
忍ぶるにこころの隙はなけれどもなほもるものは涙なりけり(藤原兼実)
323 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:52:25 ID:CHQBdUWn
年暮れし涙のつらら解けにけり苔の袖にも春やたつらむ(藤原俊成)
324 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:53:14 ID:CHQBdUWn
今はわれ吉野の山の花をこそ宿のものとも見るべかりけれ(藤原俊成)
325 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:54:33 ID:CHQBdUWn
照る月も雲のよそにぞ行きめぐる花ぞこの世の光なりける(藤原俊成)
326 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:55:34 ID:CHQBdUWn
老いぬとも又も逢はむと行く年に涙の玉を手向けつるかな(藤原俊成)
327 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 15:57:13 ID:CHQBdUWn
河船ののぼりわづらふ綱手繩くるしくてのみ世を渡るかな(藤原頼輔)
328 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:10:52 ID:CHQBdUWn
神風や五十鈴の河の宮ばしら幾千世すめとたてはじめけむ(藤原俊成)
329 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:44:14 ID:CHQBdUWn
神風や玉串の葉をとりかざし内外のみやに君をこそ祈れ(俊惠法師)
330 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:45:07 ID:CHQBdUWn
あめの下みかさの山の蔭ならで頼む方なき身とは知らずや(藤原兼実)
331 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:46:37 ID:CHQBdUWn
春日野のおどろの道のうもれみづ未だに神のしるしあらはせ(藤原俊成)
332 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:47:26 ID:CHQBdUWn
底Cくこころの水を澄まさずはいかがさとりの蓮をも見む(藤原兼実)
333 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:48:53 ID:CHQBdUWn
いかばかり身にしみぬらむたなばたのつま待つ宵の天の川風(藤原兼実)
334 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:50:05 ID:CHQBdUWn
春來れば猶この世こそ忍ばるれいつかはかかる花を見るべき(藤原俊成)
335 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:51:15 ID:CHQBdUWn
長らへばまたこの頃や忍ばれむ憂しと見し世ぞ今は戀しき(藤原C輔)
336 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:52:11 ID:CHQBdUWn
八重ながら色もかはらぬ山吹のなど九重に咲かずなりにし(藤原實方)
337 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 16:58:57 ID:CHQBdUWn
九重にあらで八重咲く山吹のいはぬ色をば知る人もなし(圓融院)
338 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:00:16 ID:CHQBdUWn
待つ人は心ゆくともすみよしの里にとのみは思はざらなむ(後冷泉院)
339 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:01:01 ID:CHQBdUWn
住吉の松はまつともおもほえで君が千年のかげぞ戀しき(大貳三位)
340 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:01:59 ID:CHQBdUWn
そのかみの玉の簪をうちかへし今はころものうらを頼まむ(東三條院)
341 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:03:33 ID:CHQBdUWn
盡きもせぬ光の間にもまぎれなでおいて歸れるかみのつれなさ(冷泉院太皇太后宮)
342 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:05:30 ID:CHQBdUWn
かはるらむころもの色をおもひやる涙や裏の玉にまがはむ(枇杷皇太后宮)
343 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:07:01 ID:CHQBdUWn
まがふらむ衣の玉に亂れつつなほまだ覺めぬここちこそすれ(上東門院)
344 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:08:08 ID:CHQBdUWn
苔の庵さして來つれど君まさでかへるみ山の道ぞつゆけき(惠慶法師)
345 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:31:18 ID:CHQBdUWn
思ひやれなにを忍ぶとなけれども都おぼゆるありあけの月(惟明親王)
346 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:33:09 ID:CHQBdUWn
有明のおなじながめは君も問へ都のほかも秋のやまざと(式子内親王)
347 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:35:21 ID:CHQBdUWn
衣手のやまゐの水に影見えしなほそのかみの春ぞこひしき(藤原實方)
348 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:37:23 ID:CHQBdUWn
古への山ゐの衣なかりせば忘らるる身となりやしなまし(藤原道信)
349 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 17:39:53 ID:CHQBdUWn
うつろはでしばし信太の森を見よかへりもぞする葛のうら風(赤染衞門)
350 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:01:01 ID:CHQBdUWn
秋風はすごく吹けども葛の葉のうらみがほには見えじとぞ思ふ(和泉式部)
351 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:50:10 ID:CHQBdUWn
神風や五十鈴川波かず知らずすむべき御代にまたかへり來む(藤原公繼)
352 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:51:08 ID:CHQBdUWn
常よりも今日の煙のたよりにや西をはるかに思ひやるらむ(相模)
353 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:52:47 ID:CHQBdUWn
今日はいとど涙にくれぬ西の山おもひいり日の影をながめて(伊勢大輔)
354 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:54:15 ID:CHQBdUWn
西へ行くしるべとおもふ月影の空だのめこそかひなかりけれ(待賢門院堀河)
355 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:55:31 ID:CHQBdUWn
立ち入らで雲間に分けし月影は待たぬけしきや空に見えけむ(西行法師)
356 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 18:57:44 ID:CHQBdUWn
たへでやは思ありともいかがせむ葎のやどの秋のゆふぐれ(藤原雅經)
357 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:01:29 ID:CHQBdUWn
うきもなほむかしの故と思はずはいかにこの世を恨みはてまし(二条院讃岐)
358 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:06:17 ID:CHQBdUWn
山里に葛はひかかる松垣のひまなくものは秋ぞかなしき(曾禰好忠)
359 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:19:25 ID:CHQBdUWn
來ぬ人によそへて見つる梅の花散りなむ後のなぐさめぞなき(藤原定頼)
360 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:20:50 ID:CHQBdUWn
春ごとに心をしむる花の枝に誰がなほざりの袖か觸れつつ(大貳三位)
361 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:22:27 ID:CHQBdUWn
今日だにも庭を盛とうつる花消えずはありとも雪かとも見よ(後鳥羽院)
362 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:23:41 ID:CHQBdUWn
さそはれぬ人のためとやのこりけむ明日よりさきの花の白雪(藤原良經)
363 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:25:24 ID:CHQBdUWn
八重にほふ軒端の櫻うつろひぬ風よりさきに訪ふ人もがな(式子内親王)
364 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:28:19 ID:CHQBdUWn
つらきかなうつろふまでに八重櫻とへともいはで過ぐるこころは(惟明親王)
365 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:30:44 ID:CHQBdUWn
なべて世のうきになかるる菖蒲草今日までかかるねはいかが見る(上東門院小少將)
366 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:32:15 ID:CHQBdUWn
何ごととあやめはわかで今日もなほ袂に餘るねこそ絶えせね(紫式部)
367 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 19:46:58 ID:CHQBdUWn
見る人の袖をぞしぼる秋の夜は月にいかなるかげか添ふらむ(藤原範永)
368 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 20:00:12 ID:CHQBdUWn
身に添へるかげとこそ見れ秋の月袖にうつらぬをりしなければ(相模)
369 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 20:01:50 ID:CHQBdUWn
常よりも篠屋の軒ぞうづもるる今日はみやこに初雪や降る(瞻西上人)
370 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 20:11:02 ID:CHQBdUWn
降る雪にまことに篠屋いかならむ今日は都にあとだにもなし(藤原基俊)
371 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 20:12:18 ID:CHQBdUWn
今日はもし君もや訪ふとながむれどまだ跡もなき庭の雪かな(藤原俊成)
372 :
名無氏物語:2010/03/23(火) 20:13:32 ID:CHQBdUWn
今ぞ聞くこころは跡もなかりけり雪かきわけて思ひやれども(藤原実定)
373 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:16:55 ID:cBHoG0Ac
若菜摘む袖とぞ見ゆるかすが野の飛火の野邊の雪のむらぎえ(藤原教長)
374 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:18:06 ID:cBHoG0Ac
朝がすみふかく見ゆるや煙たつ室の八島のわたりなるらむ(藤原C輔)
375 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:20:26 ID:cBHoG0Ac
嵐吹く岸のやなぎのいなむしろ織りしく波にまかせてぞ見る(崇コ院)
376 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:45:33 ID:cBHoG0Ac
山たかみ岩根の櫻散る時はあまの羽ごろも撫づるとぞ見る(崇コ院)
377 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:49:02 ID:cBHoG0Ac
櫻あさのをふの下草しげれただあかで別れし花の名なれば(持賢門院安藝)
378 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:50:13 ID:cBHoG0Ac
おのづから涼しくもあるか夏衣ひもゆふぐれの雨のなごりに(藤原C輔)
379 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:51:18 ID:cBHoG0Ac
いつしかと荻の葉むけの片よりにそそや秋とぞ風も聞ゆる(崇コ院)
380 :
名無氏物語:2010/03/24(水) 10:53:08 ID:cBHoG0Ac
この寝ぬる夜の間に秋は來にけらし朝けの風の昨日にも似ぬ(藤原季通)
381 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:35:44 ID:+ymo3Ia6
みしぶつき植ゑし山田に引板はへて又袖ぬらす秋は來にけり(藤原俊成)
382 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:37:09 ID:+ymo3Ia6
荻の葉も契ありてや秋風のおとづれそむるつまとなりけむ(藤原俊成)
383 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:38:21 ID:+ymo3Ia6
たなばたのあふ瀬絶えせぬ天の河いかなる秋か渡り初めけむ(待賢門院堀河)
384 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:40:34 ID:+ymo3Ia6
薄霧のまがきの花の朝じめり秋は夕べとたれかいひけむ(藤原C輔)
385 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:41:35 ID:+ymo3Ia6
秋風にたなびく雲のたえまよりもれ出づる月の影のさやけさ(藤原顯輔)
386 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:44:08 ID:+ymo3Ia6
秋の田に庵さす賤の苫をあらみつきとともにやもり明かすらむ(藤原顯輔)
387 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:45:30 ID:+ymo3Ia6
君來ずは一人や寝なむささの葉のみ山もそよにさやぐ霜夜を(藤原C輔)
388 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 01:47:54 ID:+ymo3Ia6
御狩する交野のみ野に降る霰あなかままだき鳥もこそ立て(崇コ院)
389 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 02:41:33 ID:+ymo3Ia6
わが戀はちぎの片そぎかたくのみ行きあはで年の積りぬるかな(藤原公能)
390 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 02:46:23 ID:+ymo3Ia6
思ひわび見し面影はさておきて戀せざりけむをりぞこひしき(藤原俊成)
391 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 02:47:13 ID:+ymo3Ia6
いかにして袖に光のやどるらむ雲居の月はへだてこし身を(藤原俊成)
392 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 02:48:03 ID:+ymo3Ia6
世の中をおもひつらねてながむればむなしき空に消ゆる白雲(藤原俊成)
393 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:01:25 ID:+ymo3Ia6
身のほどをおもひつづくる夕ぐれの荻の上葉に風わたるなり(源行宗)
394 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:02:25 ID:+ymo3Ia6
別路は雲居のよそになりぬともそなたの風のたより過ぐすな(源行宗)
395 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:03:41 ID:+ymo3Ia6
花薄秋の末葉になりぬればことぞともなく露ぞこぼるる(源行宗)
396 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:04:45 ID:+ymo3Ia6
別路は雲居のよそになりぬともそなたの風のたより過ぐすな(源行宗)
397 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:08:55 ID:+ymo3Ia6
春日野の下萌えわたる草のうへにつれなく見ゆる春のあわ雪(源國信)
398 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:10:20 ID:+ymo3Ia6
春來ては花ともみよと片岡の松のうは葉にあわ雪ぞ降る(藤原仲實)
399 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:11:43 ID:+ymo3Ia6
木のもとの苔の高煬ゥえぬまで八重散りしけるやまざくらかな(源師頼)
400 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 03:12:30 ID:+ymo3Ia6
岩根越すきよたき川のはやければ波をりかくるきしの山吹(源國信)
401 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:09:41 ID:+ymo3Ia6
眞菰かる淀の澤水ふかけれどそこまで月のかげはすみけり(大江匡房)
402 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:10:55 ID:+ymo3Ia6
河水に鹿のしがらみかけてけり浮きてながれぬ秋萩のはな(大江匡房)
403 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:13:04 ID:+ymo3Ia6
置く露もしづこころなく秋風にみだれて咲ける眞野の萩原(祐子内親王家紀伊)
404 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:14:38 ID:+ymo3Ia6
秋風のややはださむく吹くなべに荻の上葉のおとぞかなしき(藤原基俊)
405 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:17:36 ID:+ymo3Ia6
ふもとをば宇治の川霧たち籠めて雲居に見ゆる朝日山かな(藤原公實)
406 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:20:34 ID:+ymo3Ia6
浦風に吹上のはまのはま千鳥波立ち來らし夜半に鳴くなり(祐子内親王家紀伊)
407 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 14:22:04 ID:+ymo3Ia6
水鳥のかもの浮寝のうきながら浪のまくらにいく夜經ぬらむ(河内)
408 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:12:03 ID:+ymo3Ia6
山路にてそぼちにけりな白露のあかつきおきの木木の雫に(源國信)
409 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:18:51 ID:+ymo3Ia6
草まくら旅寝の人はこころせよありあけの月も傾きにけり(源師頼)
410 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:32:51 ID:+ymo3Ia6
白雲のかかる旅寝もならはぬに深き山路に日は暮れにけり(永縁)
411 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:35:56 ID:+ymo3Ia6
さすらふるわが身にしあれば象潟や蜑の苫屋にあまたたび寝ぬ(藤原顯仲)
412 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:39:15 ID:+ymo3Ia6
葦の屋のしずはた帶のかた結び心やすくもうち解くるかな(源俊頼)
413 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:40:36 ID:+ymo3Ia6
眞木の板も苔むすばかりなりにけり幾世經ぬらむ瀬田の長橋(大江匡房)
414 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 15:42:16 ID:+ymo3Ia6
ささがにのいとかかりける身の程を思へば夢の心地こそすれ(源俊頼)
415 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:08:04 ID:+ymo3Ia6
墨染のころもうき世の花盛をり忘れても折りてけるかな(藤原實方)
416 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:09:38 ID:+ymo3Ia6
あかざりし花をや春も戀つらむありし昔をおもひ出でつつ(藤原道信)
417 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:11:30 ID:+ymo3Ia6
菖蒲草引きたがへたる袂にはむかしを戀ふるねぞかかりける(九條院)
418 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:17:33 ID:+ymo3Ia6
さもこそはおなじ袂の色ならめ變らぬねをもかけてけるかな(皇嘉門院)
419 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:19:39 ID:+ymo3Ia6
よそなれど同じ心ぞ通ふべきたれもおもひの一つならねば(藤原實資)
420 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:20:57 ID:+ymo3Ia6
一人にもあらぬおもひはなき人も旅の空にや悲しかるらぬ(藤原爲頼)
421 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:22:42 ID:+ymo3Ia6
置くと見し露もありけりはかなくて消えにし人を何に譬へむ(和泉式部)
422 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:25:07 ID:+ymo3Ia6
思ひきやはかなく置きし袖の上の露を形見にかけむものとは(上東門院)
423 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:47:27 ID:+ymo3Ia6
別れけむなごりの袖もかわかぬに置きや添ふらむ秋の夕露(大貳三位)
424 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 16:49:35 ID:+ymo3Ia6
置き添ふる露とともには消えもせで涙にのみも浮き沈むかな(よみ人知らず)
425 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 17:02:19 ID:+ymo3Ia6
秋深き寝覺にいかがおもひ出づるはかなく見えし春の夜の夢(殷富門院大輔)
426 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 17:03:20 ID:+ymo3Ia6
見し夢を忘るる時はなけれども秋の寝覺はげにぞかなしき(源通親)
427 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 17:04:13 ID:+ymo3Ia6
思ひ出づる折りたく柴の夕煙むせぶもうれし忘れがたみに(後鳥羽院)
428 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 17:06:10 ID:+ymo3Ia6
思ひ出づる折りたく柴と聞くからにたぐひも知らぬ夕煙かな(慈圓)
429 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 18:23:33 ID:47o0VuDP
430 :
名無氏物語:2010/03/25(木) 22:58:10 ID:DYq5TYCl
>>428 一度はドロップアウトした清人だからこそおっさんの面白さを見落とさず拾い上げる事ができたし、それを伝える事もできる。
同じ伝えるプロでも、ええとこに生まれてリア充一直線を突っ走ってきたアナウンサーにこの面白さは伝えられないし、
相手が勉強ばっかりやって来たオタクでは伝える事ができない。受け手が理解出来ないからね。
必要なのは人生経験という共通の背景。
431 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:21:17 ID:Bfzrzc7W
尋ねても跡はかくてもみづぐきのゆくへも知らぬ昔なりけり(馬内侍)
432 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:28:54 ID:Bfzrzc7W
いにしへのなきに流るるみづぐきは跡こそ袖のうらによりけれ(徽子女王)
433 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:30:19 ID:Bfzrzc7W
誰か世にながらへて見む書きとめし跡は消えせぬ形見なれども(紫式部)
434 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:32:01 ID:Bfzrzc7W
亡き人を忍ぶることもいつまでぞ今日の哀は明日のわが身を(加賀少納言)
435 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:34:17 ID:Bfzrzc7W
あはれ君いかなる野邊の煙にてむなしき空の雲となりけむ(辨乳母)
436 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:35:12 ID:Bfzrzc7W
思へ君燃えしけぶりにまがひなで立ちおくれたる春の霞を(源三位)
437 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:36:49 ID:Bfzrzc7W
限りなき思のほどの夢のうちはおどろかさじと歎きこしかな(藤原俊成)
438 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:39:44 ID:Bfzrzc7W
見し夢にやがてまぎれぬ吾身こそ問はるる今日もまづ悲しけれ(藤原良經)
439 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:57:30 ID:Bfzrzc7W
きならせと思ひしものを旅衣たつ日を知らずなりにけるかな(よみ人知らず)
440 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 20:58:34 ID:Bfzrzc7W
これやさは雲のはたてに織ると聞くたつこと知らぬ天の羽衣(寂昭法師)
441 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:00:06 ID:Bfzrzc7W
行末にあふくま川のなかりせばいかにかせまし今日の別れを(高階經重)
442 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:00:56 ID:Bfzrzc7W
君にまたあふくま川を待つべきに殘すくなきわれぞ悲しき(藤原範永)
443 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:22:35 ID:Bfzrzc7W
別路はいつもなげきの絶えせぬにいとどかなしき秋の夕暮(藤原隆家)
444 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:23:19 ID:Bfzrzc7W
とどまらむ事は心にかなへどもいかにかせまし秋の誘ふを(藤原實方)
445 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:24:06 ID:Bfzrzc7W
世の中を厭ふまでこそ難からめかりのやどりを惜しむ君かな(西行法師)
446 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:25:21 ID:Bfzrzc7W
世の中を厭ふ人とし聞けばかりの宿に心とむなと思ふばかりぞ(遊女妙)
447 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:28:33 ID:Bfzrzc7W
われをきみ思ふ心の毛の末にありせばまさに逢ひみてましを(小野小町)
448 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:29:18 ID:Bfzrzc7W
世の中はあすか川にもならばなれ君と我とが中し絶えずは(小野小町)
449 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:30:07 ID:Bfzrzc7W
心からうきたる舟にのりそめてひと日も浪にぬれぬ日ぞなき(小野小町)
450 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:31:02 ID:Bfzrzc7W
仮の世をおもひ知りてや白浪のうきたる舟によるべさだめぬ(藤原教長)
451 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:47:28 ID:Bfzrzc7W
湊入の玉造江にこぐ舟の音こそたてね君を恋ふれど(小野小町)
452 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 21:50:10 ID:Bfzrzc7W
おもかげも絶えにし跡もうつり香も月雪花にのこるころかな(土御門院)
453 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:00:23 ID:Bfzrzc7W
谷ふかき草の庵のさびしきは雲の戸ざしの明がたの空(土御門院)
454 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:01:38 ID:Bfzrzc7W
いかにせんたつきもしらぬ山中に帰らんかたは霧たちにけり(河内)
455 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:03:07 ID:Bfzrzc7W
をちこちのたつきもしらぬ明け暮れにいかで千鳥のうらづたふらん(藤原忠通)
456 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:04:24 ID:Bfzrzc7W
よぶこ鳥うれしくもあるかをちこちのたつきにまよふ山の夕暮(慈圓)
457 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:05:14 ID:Bfzrzc7W
奥山のたつきもしらぬ君によりわが心からまよふべらなる(源實朝)
458 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:25:23 ID:Bfzrzc7W
春霞たつきもしらぬ山人の跡まどはせるよぶこ鳥かな(順徳院)
459 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:37:08 ID:Bfzrzc7W
磯の松たつきもしらぬ夕潮におぼつかなくも鳴く千鳥かな(三条西公条)
460 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:38:58 ID:Bfzrzc7W
よそに見る戸無瀬の菊の花盛り折らばや折らむ滝なくもがな(藤原為實)
461 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:40:42 ID:Bfzrzc7W
道はあれど滝なくもがな梅が香にさだかにきかん窓の鶯(藤原家隆)
462 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:42:25 ID:Bfzrzc7W
ながれての名こそをしけれ思ひせく袖になみだの滝なくもがな(頓阿)
463 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:44:34 ID:Bfzrzc7W
これも又滝なくもがなかへりこん山路はさこそ月もおくらめ(後水尾院)
464 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:03:04 ID:Bfzrzc7W
橘の小島が崎の旅衣ぬれてぞかをる山吹の花(藤原家隆)
465 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:37:49 ID:Bfzrzc7W
船とめし小島が崎のこととへばなほ山吹の言はぬ色なる(宗良親王)
466 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:46:38 ID:Bfzrzc7W
見れどあかぬとほさと小野の萩が花袖にうつれる香さへなつかし(藤原顕季)
467 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:47:26 ID:Bfzrzc7W
折りつれば香さへなつかし我がやどのまがきの内の山吹の花(花山院師継)
468 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:48:22 ID:Bfzrzc7W
時鳥待つ夜かさなる雲路より初音にかへる去年のふる声(藤原家隆)
469 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:49:13 ID:Bfzrzc7W
思ふからなほ疎まれぬ藤の花咲くより春の暮るるならひに(藤原定家)
470 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:50:05 ID:Bfzrzc7W
聞かせばや見せばや人にほととぎす汝が鳴く里の有明の月(宗尊親王)
471 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:51:02 ID:Bfzrzc7W
日は暮れぬと思ふは山のかげ野よりまづ鳴きそむる松虫の声(宗良親王)
472 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:54:51 ID:Bfzrzc7W
わすれじな人をうらみてなくなへにいなとなつげそいなおほせ鳥(藤原保季)
473 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 23:55:59 ID:Bfzrzc7W
ながめわびぬ立田の里の神無月紅葉ふみわけとふ人はなし(慈圓)
474 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 00:48:12 ID:Ju+vWyN0
おのづから紅葉ふみ分けとふ人も道たえそむる庭の霜かな(藤原家隆)
475 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 00:50:30 ID:Ju+vWyN0
我がやどの紅葉踏分けとふ人も都になれぬさを鹿の声(藤原家隆)
476 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 00:52:09 ID:Ju+vWyN0
立田山もみぢふみわけたづぬればゆふつけ鳥のこゑのみぞする(藤原定家)
477 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 00:53:26 ID:Ju+vWyN0
秋山は紅葉ふみわけとふ人も声きく鹿の音にぞなきぬる(藤原定家)
478 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:12:48 ID:Ju+vWyN0
さを鹿の紅葉ふみわけたつた山いく秋風にひとり鳴くらむ(藤原雅經)
479 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:14:47 ID:Ju+vWyN0
ちりしける詠はこれも絶えぬべしもみぢふみ分けかへる山人(後鳥羽院)
480 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:16:03 ID:Ju+vWyN0
たつた山あかつきさむき秋風に紅葉ふみわけ鹿のなくらむ(土御門院小宰相)
481 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:16:56 ID:Ju+vWyN0
おく山は木の葉ふみわけ鹿ばかり我が道まよふ音こそなかるれ(藤原為家)
482 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:18:16 ID:Ju+vWyN0
なく鹿の声聞くときの山ざとを紅葉ふみ分けとふ人もがな(宗尊親王)
483 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:22:36 ID:Ju+vWyN0
あやなしや露吹きむすぶ夕風に散るらむ小野の秋萩の花(藤原雅經)
484 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:23:47 ID:Ju+vWyN0
秋は来ぬ行方もしらぬ歎きかなたのめしことは木の葉降りつつ(式子内親王)
485 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:25:20 ID:Ju+vWyN0
秋は来ぬとふ人はなしふるさとの荻吹く風は音まさりゆく(飛鳥井雅有)
486 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:41:04 ID:Ju+vWyN0
山里の花もかすみのながめより道ふみ分けて来る人はなし(中院通勝)
487 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:45:53 ID:Ju+vWyN0
朝づく日さすや岡べの草の葉にすがれる露をよそにやはみる(慈圓)
488 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:00:06 ID:Ju+vWyN0
夕日影さすや岡べの玉篠を一夜のやどりたのみてぞかる(藤原定家)
489 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:01:04 ID:Ju+vWyN0
夕づく日さすや岡辺の桃の花空もうつろふ色に見えつつ(順徳院)
490 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:02:05 ID:Ju+vWyN0
夕月夜さすや岡辺の秋風に霧はれてなくさを鹿の声(宗良親王)
491 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:03:10 ID:Ju+vWyN0
秋をなほ消えてもしたへ冬の日のさすや岡べの松の初霜(正徹)
492 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:04:15 ID:Ju+vWyN0
逢ふことはいつともわかぬ松の色の夕べはなどか風もかなしき(豊原統秋)
493 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:18:33 ID:Ju+vWyN0
松の葉のいつともわかぬ岡のべに今一しほの下もみぢかな(細川幽斎)
494 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:20:08 ID:Ju+vWyN0
松の葉のいつともわかぬこのまより雪もときはの富士をみるかな(本居宣長)
495 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:23:43 ID:Ju+vWyN0
目のまへに変はりぬめりと見るものをまた忘れずやありし世のこと(和泉式部)
496 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:25:38 ID:Ju+vWyN0
つらしとも誰にか言はむ目のまへにつれなき人の昔がたりを(藤原秀能)
497 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:27:43 ID:Ju+vWyN0
折りてみむことのみぞよき桜花うつし心は散りもこそすれ(弁内侍)
498 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 02:28:55 ID:Ju+vWyN0
憂しとても身をやは捨つるいで人はことのみぞよき秋の夕暮(宗尊親王)
499 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:00:10 ID:Ju+vWyN0
世の中はことのみぞよきさしも草みぬ面影はしたはずもがな(三条西実隆)
500 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:15:01 ID:Ju+vWyN0
あすか川ふちせもしらぬ秋の霧なににふかめて人へだつらん(藤原定家)
501 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:16:27 ID:Ju+vWyN0
山もとは海とみえても水無瀬川何にふかめて霧の立つらん(望月長孝)
502 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:17:43 ID:Ju+vWyN0
古へのあらすき返せ言の葉の道は狭くもなりにけるかな(戸田茂睡)
503 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:18:59 ID:Ju+vWyN0
敷島の歌のあらす田あれにけりあらすきかへせ歌の荒す田(香川景樹)
504 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:19:48 ID:Ju+vWyN0
誰がみそぎ同じ浅茅のゆふかけてまづうちなびく賀茂の川風(藤原定家)
505 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:20:57 ID:Ju+vWyN0
たがみそぎゆふかへる波のたつた山麻の葉ながるこの川の瀬に(藤原雅經)
506 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:22:07 ID:Ju+vWyN0
たがみそぎゆふかげ草の下露にをりはへて鳴くきりぎりすかな(後鳥羽院)
507 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:23:25 ID:Ju+vWyN0
聞きもらす人やはあらむ木綿つけの鳥は寝ざめのをりはへて鳴く(三条西公条)
508 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:24:13 ID:Ju+vWyN0
白妙の梢の雪はたがみそぎゆふかけ渡す杜の下陰(武者小路実陰)
509 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:25:08 ID:Ju+vWyN0
夢にても夢としりせば寝ざめしてあかぬなごりをなげかざらまし(安法法師)
510 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:26:14 ID:Ju+vWyN0
さめてこそみるべかりけれうつつにもあとはかもなき夢としりせば(和泉式部)
511 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:27:25 ID:Ju+vWyN0
思ひつつぬるよかたらふ時鳥さめざらましの夢か現か(俊成卿女)
512 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:28:27 ID:Ju+vWyN0
おのづからさめざらましの夢もうしぬればや人をたのむ枕に(藤原信実)
513 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:29:22 ID:Ju+vWyN0
人はいさ思ひも出でじ歎きつつぬればや逢ふと夢にみゆらむ(宗尊親王)
514 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:31:07 ID:Ju+vWyN0
思ひつつぬればや人のとばかりに夜な夜なたのむ夢もはかなし(宗尊親王)
515 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:33:55 ID:Ju+vWyN0
思ひつつぬれば見し世にかへるなり夢路やいつも昔なるらむ(長慶天皇)
516 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:58:46 ID:Ju+vWyN0
思ひつつぬれども見えぬことぞある夢や心の道たがふらむ(正徹)
517 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 20:59:40 ID:Ju+vWyN0
月みつつぬればや袖の露の間もみえぬ夢野の秋のたまくら(貞常親王)
518 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:00:31 ID:Ju+vWyN0
思ひつつぬればやみえし俤にけささく花の春のよの夢(松永貞徳)
519 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:05:07 ID:Ju+vWyN0
明けぬまに散りもやせむと思ひつつぬればや花の夢に見ゆらむ(読人不知)
520 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:06:12 ID:Ju+vWyN0
思ひつつぬればあやしなそれとだにしらぬ人をも夢にみてげり(賀茂真淵)
521 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:27:51 ID:Ju+vWyN0
さめてのちことかよはさむ道をだにとはましものを夢としりせば(小沢蘆庵)
522 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:29:58 ID:Ju+vWyN0
たのまれぬ夢てふ物のうき世には恋しき人のえやは見えける(藤原定家)
523 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:30:57 ID:Ju+vWyN0
思ひ寝の夢てふものに誘はれてたのまぬ中にゆく月日かな(藤原基家)
524 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:32:37 ID:Ju+vWyN0
いとどまた夢てふ物をたのめとや思ひねになくほととぎすかな(宗尊親王)
525 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:34:47 ID:Ju+vWyN0
恋しとも思ふ心のなければや夜の衣をかへさざるらむ(藤原定頼)
526 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:36:35 ID:Ju+vWyN0
夢にだにあひ見むことをいのるかな夜の衣をかへすがへすも(慈圓)
527 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:37:38 ID:Ju+vWyN0
いとせめて恋しきころとふるさとにかすみの衣かへる雁がね(兼好)
528 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 21:38:46 ID:Ju+vWyN0
夢にだにせめてや逢ふとさ夜衣まちよわる床にかへしてぞぬる(後崇光院)
529 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:32:04 ID:wAHVwQkg
18歳“早撃ちマック”逮捕…大阪、19〜71歳女性に射精
大阪市鶴見区で19〜71歳の女性が若い男に精液をぶっかけられるなど
する事件が続発し、大阪府警鶴見署は9日、隣接する同市城東区のアルバ
イト店員の少年(18)を強制わいせつ容疑で逮捕した。
ホシは捜査員の間で、米国の西部劇アニメよろしく「早撃ちマック」と
呼ばれていた。
調べでは、少年は8月19日午後1時50分ごろ、鶴見区鶴見の公園内で、
女性(62)の髪の毛を後ろから引っ張り、自身のイチモツを出して
女性の服や髪の毛に射精。さらに女性の口に持っていこうとしたが、
抵抗されて未遂に終わった。
同区の約500メートル範囲内でこの半年間に同様の事件が10件
続発(5件は不発)。
いずれもレイプ目的ではなく、ほとんどが自身の“ガン”を取り
出してしごいていた。
71歳が引き倒されて顔にぶっかけられたほか「とにかく早い。
すぐに出る。被害女性が振り向いたら、出ていたというケースもあった」
(捜査関係者)といい、“早撃ちマック”のゆえんとか。
5件の現場の体液はDNA鑑定で一致。同署は捜査線上に浮かんだ
少年が飲食店で使ったコップを入手、だ液をDNA鑑定したところ
一致したため逮捕した。
530 :
我是打& ◆cXcXND2Jrc :2010/03/27(土) 22:46:10 ID:AA/qlIxp
明月楼高休独倚,酒入愁肠,化作相思泪
531 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:46:42 ID:Ju+vWyN0
草まくらあひ見る夢もむすぶやとかへしてぞぬる旅の衣手(冷泉為村)
532 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:47:56 ID:Ju+vWyN0
よるもなほ夢路にだにと見しけふの花染衣かへしてぞぬる(本居宣長)
533 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:48:42 ID:Ju+vWyN0
うつつにはさもこそあらめほととぎす夢ぢにさへも一声はなけ(飛鳥井雅有)
534 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:49:30 ID:Ju+vWyN0
逢見むといひてしものをうつそみの人めをもると月ぞへにける(本居宣長)
535 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:50:17 ID:Ju+vWyN0
かぎりありてあしもやすめず春や行く夢までをしきけふの別れぢ(小倉公雄)
536 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:51:10 ID:Ju+vWyN0
恋ひ死ねとするわざならば夢よりも現にひと目みゆべきものを(宗良親王家京極)
537 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:52:12 ID:Ju+vWyN0
旅衣うちぬるままの古里にかよふ夢路は足もやすめず(後水尾院)
538 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:53:07 ID:Ju+vWyN0
夏の境を鳥渡るかなあさき夢にみゆれば逢ひぬみねば忘れぬ(山中智恵子)
539 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:53:16 ID:5RSy8t3E
いとせめて恋しきたびの唐衣ほどなくかへす人もあらなむ(源公忠[後撰])
540 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 22:54:09 ID:5RSy8t3E
ねざめまでなほぞ苦しきゆきかへり足もやすめぬ夢の通ひ路(藤原有家[続古今])
541 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:10:53 ID:Ju+vWyN0
よひよひの夢のたましひ足たかくありかで待たむとぶらひにこよ(小大君)
542 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:12:08 ID:Ju+vWyN0
君が代に逢ふたのみこそ嬉しけれ庵もる雨の時もたがはず(俊成卿女)
543 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:14:14 ID:Ju+vWyN0
我が身こそあらぬかとのみ辿らるれとふべき人に忘られしより(小野小町)
544 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:15:35 ID:Ju+vWyN0
折節もうつればかへつ世の中の人の心の花染の袖(俊成卿女)
545 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:16:45 ID:Ju+vWyN0
海人のすむしるべだになき身をしらでうらみんとのみ思ふ頃かな(飛鳥井雅有)
546 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:17:57 ID:Ju+vWyN0
おなじくは我にたはれよ女郎花あだなる風になびくとならば(平忠盛)
547 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:20:57 ID:Ju+vWyN0
さのみやはかれなで海人のゆきかへりみるめ絶えにし人をうらみん(阿仏尼)
548 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:23:12 ID:Ju+vWyN0
くまもなき月によるとも知らねばやかれなで海人の藻塩たるらん(飛鳥井雅有)
549 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:44:18 ID:5RSy8t3E
女郎花よがれぬ露をおきながらあだなる風になになびくらん(二条院讃岐[新拾遺])
550 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 23:45:21 ID:5RSy8t3E
うつり行く人の心の花葛永き世かけて何たのみけむ(小倉実教[続後拾遺])
551 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 00:19:26 ID:9cPRx7mQ
おろかなるうき寝やわぶる鴛鴨のわれはせきあへず氷る池水(三条西実隆)
552 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 00:20:29 ID:9cPRx7mQ
さむき江のかげあらはなる村葦のかれなで海人のすむもはかなし(三条西公条)
553 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 00:21:36 ID:9cPRx7mQ
幾夜かもかれなで海人の蘆の屋に我が身をうらと千鳥鳴くらん(望月長孝)
554 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 00:39:43 ID:9cPRx7mQ
あだにゆく水の心に誘はれてなほ浮草と人に語らむ(源俊頼)
555 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 00:41:43 ID:9cPRx7mQ
風をいたみただよふ池のうきくさもさそふ水なくつららゐにけり(藤原良經)
556 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:27:18 ID:9cPRx7mQ
よのうさのねをやたえなむ山川にうれしく水のさそふ浮草(藤原良經)
557 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:28:38 ID:9cPRx7mQ
春の夜の夢のうき草根ぞたゆる浮世をさそふ水の涙に(藤原家隆)
558 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:29:34 ID:9cPRx7mQ
さそはれぬ身を浮草のかなしきはゆくかたもなき宿の池水(藤原雅經)
559 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:30:40 ID:9cPRx7mQ
いまはたださそふ水あらばと思へども袖のみぞうく五月雨の空(藤原雅經)
560 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:31:42 ID:9cPRx7mQ
荻の葉をさそふ風あれば夜もすがらむすびたえたる夢のうき草(貞常親王)
561 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:42:14 ID:9cPRx7mQ
惜しむその心も知らでさそふ風あらばと花の思はむも憂き(内山淳時)
562 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:44:29 ID:9cPRx7mQ
さそふ水あるにはあらで浮草のながれてわたる身こそやすけれ(蓮月)
563 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:45:23 ID:9cPRx7mQ
たづね見る花のところもかはりけり身はいたづらのながめせしまに(藤原定家)
564 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:46:14 ID:9cPRx7mQ
春よただ露のたまゆらながめしてなぐさむ花の色はうつりぬ(藤原定家)
565 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 20:47:14 ID:9cPRx7mQ
さくら花うつりにけりなとばかりを歎きもあへずつもる春かな(藤原定家)
566 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:01:19 ID:9cPRx7mQ
さくら色の袖もひとへにかはるまでうつりにけりな過ぐる月日は(藤原定家)
567 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:02:20 ID:9cPRx7mQ
あしひきの山路にはあらずつれづれと我が身世にふるながめする里(藤原定家)
568 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:03:32 ID:9cPRx7mQ
暮れはつる空さへ悲し心からいとひし春のながめせしまに(俊成卿女)
569 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:18:51 ID:9cPRx7mQ
いたづらに春暮れにける花の色のうつるも惜しむなげきせしまに(後鳥羽院)
570 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:20:22 ID:9cPRx7mQ
あはれうき我が身世にふるならひかなうつろふ花の時のまもみず(藤原為家)
571 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:23:47 ID:9cPRx7mQ
沢水に蛙もなけば咲きぬらむゐでのわたりの山ぶきの花(相模)
572 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:25:18 ID:9cPRx7mQ
うゑおきしたがなさけより山ぶきの井でのわたりの花となりけむ(伏見院)
573 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:27:07 ID:9cPRx7mQ
春深きゐでのわたりの夕ま暮霞む汀にかはづ鳴くなり(小沢蘆庵)
574 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:31:35 ID:9cPRx7mQ
月ならでいかなるものぞ秋の夜にまたいねがての荻の上風(藤原忠方)
575 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:33:15 ID:9cPRx7mQ
ふきすさむ風は昔の秋ながらありしにもにぬ宿の夕暮(藤原秀能)
576 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 21:45:12 ID:9cPRx7mQ
忘ればや風は昔の秋の露ありしにも似ぬ人の心に(順徳院)
577 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:00:18 ID:9cPRx7mQ
松に吹く風は昔の秋ながら半ばの月や面がはりせし(長慶天皇)
578 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:01:36 ID:9cPRx7mQ
みなれぬる月はいつもの秋ながらわが面影やあらずなりなむ(伏見院)
579 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:03:29 ID:9cPRx7mQ
あぢきなく春は命のをしきかな花ぞこの世のほだしなりける(和泉式部)
580 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:06:21 ID:9cPRx7mQ
しかはあれど思ひたたれぬ心こそつみふかき身のほだしなりけれ(源俊頼)
581 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:08:15 ID:9cPRx7mQ
もろともに思はばいかに世の中を思ひはなれぬほだしならまし(藤原俊成)
582 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:11:27 ID:9cPRx7mQ
なげけとてなきは数そふ浮世にもあるわかれこそ身はまさりけれ(藤原家隆)
583 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:13:13 ID:9cPRx7mQ
見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮(俊成卿女)
584 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:51:41 ID:9cPRx7mQ
あるはなくなきはある世のさがの山冬たちくればちる木の葉かな(正徹)
585 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:52:49 ID:9cPRx7mQ
遠からぬ身の古にかぞへてもなきは数そふ人のおもかげ(武者小路実陰)
586 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:53:56 ID:9cPRx7mQ
しらざりし我が身のはては見えにけり空行く雲にながめせしまに(藤原家隆)
587 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:55:01 ID:9cPRx7mQ
折しもあれながめのすゑのうす煙わが身のはてを思ふ夕に(徽安門院)
588 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 22:56:30 ID:9cPRx7mQ
うき世にはかかれとてこそ生まれけめことわりしらぬわが涙かな(土御門院)
589 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:00:21 ID:9cPRx7mQ
秋の色をおくりむかへて雲のうへになれにし月も物忘れすな(土御門院)
590 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:04:11 ID:9cPRx7mQ
しらにきてたぐさの枝に取りかさね歌へばあくる天の岩門(源顕仲)
591 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:06:05 ID:9cPRx7mQ
見るがうちになほ咲き添ふもうつろふもただつくづくと花ぞかなしき(三条西実隆)
592 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:37:37 ID:9cPRx7mQ
たちのぼる煙ならずは炭がまをそこともいさやみねのしら雪(東常縁)
593 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:38:38 ID:9cPRx7mQ
よし野山ところせきまでみしひとの散々になるはなのふる郷(津守国豊)
594 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:40:30 ID:9cPRx7mQ
秋の夜のつゆの玉だれひまをあらみもりくるものは山の端の月(浄通尼)
595 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:41:19 ID:9cPRx7mQ
青柳のなびくを人のこころにてみちある御代のはるぞのどけき(柴屋宗長)
596 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:43:08 ID:9cPRx7mQ
こがれ行くふねながしたるおもひしてよらむ方なき君ぞつれなき(月村斎宗碩)
597 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:44:25 ID:9cPRx7mQ
ききそむる雲井の雁の声よりもおどろかれぬる月のかげかな(永閑)
598 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:46:12 ID:9cPRx7mQ
しらさぎの雲井遥かに飛びきえておのが羽こぼす雪のあけぼの(正徹)
599 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:47:08 ID:9cPRx7mQ
鉤簾の外にひとりや月のふけぬらむ夜ごろの袖の涙たづねて(正広)
600 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:07:44 ID:Me9Qt8KI
秋ふかくなるをのうらの蜑人はしほたれ衣いまやうつらむ(兼載)
601 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:09:28 ID:Me9Qt8KI
かり衣すそのの原の花すすきほの見しかげもしもがれにけり(太田持資)
602 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:10:21 ID:Me9Qt8KI
なにはがた入江にわたる風さえてあしの枯葉のおとぞさむけき(三好長慶)
603 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:11:28 ID:Me9Qt8KI
風まぜにあられたばしるささ枕ゆめもむすばぬ旅寝わびしき(宗羪)
604 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:12:50 ID:Me9Qt8KI
ささずとて誰かは越えむあふ坂の関の戸うづむ夜半のしら雪(伊達政宗)
605 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:14:09 ID:Me9Qt8KI
誰が袖に匂ひをふれて散り残る色香すくなきにはの梅がえ(兼与)
606 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:15:44 ID:Me9Qt8KI
遠かたにゆふつけ鳥の声すなりいざそのさとに宿りとらまし(里見玄陳)
607 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:17:29 ID:Me9Qt8KI
よし野山はなまつ頃の朝な朝な心にかかるみねのしら雲(佐川田昌俊)
608 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:27:16 ID:Me9Qt8KI
やま賤の朝けの煙うちしめりしぐれしそらにふゆはきにけり(尚証)
609 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 00:28:21 ID:Me9Qt8KI
世々の人の月はながめしかたみぞとおもへばおもへばぬるる袖かな(木下長嘯子)
610 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:39:10 ID:Me9Qt8KI
清見がたまだ明けやらぬ関の戸を誰がゆるせばか月のこゆらん(宗祇)
611 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:40:21 ID:Me9Qt8KI
こしかたも帰るところもしらぬ身をおもへばそらにみする月かな(心敬)
612 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:41:33 ID:Me9Qt8KI
さびしさの種をぞうゑし宵々にゆめおどろかす庭の荻原(桜井基佐)
613 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:43:07 ID:Me9Qt8KI
おもふらし桜かざししみや人のかつらををらぬ月のうらみは(肖柏)
614 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:44:33 ID:Me9Qt8KI
くれてこそ人すむ庵もしられけれかた山かげのまどのともし火(蜷川親当)
615 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:46:03 ID:Me9Qt8KI
うたふ夜のあか月ふかく声さえて神代ながらのすずの音かな(安達冬康)
616 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:53:05 ID:Me9Qt8KI
夕々ほとけのみなをとなへつつつみもきえ行く衣手のつゆ(紹巴)
617 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:54:10 ID:Me9Qt8KI
けふつひに秋の時雨のあらましをそらごとにせぬ冬は来にけり(宗牧)
618 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:55:06 ID:Me9Qt8KI
さすがまた小田もる賤も鹿の音の遠ざかるをばしたひてや聞く(細川玄旨)
619 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 13:56:12 ID:Me9Qt8KI
かへりみるあとの山風ふきしよりやがて時雨のみちいそぐらし(心前)
620 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:00:11 ID:Me9Qt8KI
あをやぎのいとくり返すそのかみはたが小手巻のはじめ成るらむ(毛利元就)
621 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:22:16 ID:Me9Qt8KI
中々にきよめぬ庭はちりもなしかぜにまかする山の下庵(北条氏康)
622 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:24:05 ID:Me9Qt8KI
立ちならぶかひこそなけれやまざくら松に千とせの色はならはで(武田信玄)
623 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:25:11 ID:Me9Qt8KI
守れ猶君にひかれてすみよしのまつのちとせもよろづ代の春(北条氏政)
624 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:26:30 ID:Me9Qt8KI
よし野川瀬々のしら浪岩越えてこずゑにかかる五月雨の雲(今川氏真)
625 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:37:11 ID:Me9Qt8KI
あはれともうしとも今はなれをしもしる人にせむ小夜の手枕(里村昌叱)
626 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:38:34 ID:Me9Qt8KI
かぜさえてよせ来るなみのあともなし氷る入江のふゆの夜の月(小堀政一)
627 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:39:58 ID:Me9Qt8KI
雲と見えばこよひの月にうからましよしや吉のの桜なりとも(松永貞徳)
628 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:42:14 ID:Me9Qt8KI
ほのぼのと春こそ空に来にけらし天のかぐ山霞たなびく(後鳥羽院)
629 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:51:09 ID:Me9Qt8KI
桜咲く遠山鳥のしだり尾のながながし日もあかぬ色かな(後鳥羽院)
630 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 14:52:27 ID:Me9Qt8KI
み吉野の高嶺のさくら散りにけり嵐もしろき春のあけぼの(後鳥羽院)
631 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 15:00:11 ID:Me9Qt8KI
秋の露やたもとにいたくむすぶらん長き夜あかずやどる月かな(後鳥羽院)
632 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 15:01:14 ID:Me9Qt8KI
吉野山さくらにかかるうすがすみ花もおぼろの色は見えけり(後鳥羽院)
633 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 15:01:52 ID:Me9Qt8KI
露は袖にもの思ふころはさぞな置くかならず秋のならひならねど(後鳥羽院)
634 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 15:03:09 ID:Me9Qt8KI
秋更けぬ鳴けや霜夜のきりぎりすやや影さむし蓬生の月(後鳥羽院)
635 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 15:05:11 ID:Me9Qt8KI
我が恋は真木の下葉にもる時雨ぬるとも袖の色に出でめや(後鳥羽院)
636 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:45:48 ID:Me9Qt8KI
たのめずは人をまつちの山なりと寝なましものをいざよひの月(後鳥羽院)
637 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:46:51 ID:Me9Qt8KI
袖の露もあらぬ色にぞ消えかへるうつればかはる歎きせしまに(後鳥羽院)
638 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:48:08 ID:Me9Qt8KI
雪のうちに春は来ぬとも告げなくにまづ知るものは鶯のこゑ(土御門院)
639 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:49:27 ID:Me9Qt8KI
埋れ木の春の色とやのこるらむ朝日がくれの谷のしら雪(土御門院)
640 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:51:53 ID:Me9Qt8KI
伊勢の海のあまの原なる朝霞空にしほやく煙とぞ見る(土御門院)
641 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:53:17 ID:Me9Qt8KI
見わたせば松もまばらになりにけり遠山桜咲きにけらしも(土御門院)
642 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 16:54:44 ID:Me9Qt8KI
秋もなほ天の川原にたつ波のよるぞみじかき星合の空(土御門院)
643 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:12:55 ID:Me9Qt8KI
おしなべて時雨るるまではつれなくて霰におつる栢木の森(土御門院)
644 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:14:36 ID:Me9Qt8KI
逢はでふる涙の末やまさるらむ妹背の山の中の滝つせ(土御門院)
645 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:15:32 ID:Me9Qt8KI
春のはな秋のもみぢのなさけだにうき世にとまる色ぞすくなき(土御門院)
646 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:16:19 ID:Me9Qt8KI
白雲をそらなる物とおもひしはまだ山こえぬ都なりけり(土御門院)
647 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:17:12 ID:Me9Qt8KI
秋の夜もやや更けにけり山鳥のをろのはつをにかかる月かげ(土御門院)
648 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:18:28 ID:Me9Qt8KI
風吹けば峰のときは木露おちて空よりきゆるはるのあは雪(順徳院)
649 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:19:17 ID:Me9Qt8KI
花鳥の外にも春のありがほにかすみてかかる山のはの月(順徳院)
650 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:48:57 ID:Me9Qt8KI
しら雲や花よりうへにかかるらむ桜ぞたかきみ吉野の山(順徳院)
651 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:50:43 ID:Me9Qt8KI
難波江の潮干のかたやかすむらん蘆間にとほきあまの釣舟(順徳院)
652 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 17:52:17 ID:Me9Qt8KI
あすか川ふちせもえやはわぎもこがうちたれがみの五月雨のころ(順徳院)
653 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:01:14 ID:Me9Qt8KI
暁と思はでしもやほととぎすまだ中空の月に鳴くらむ(順徳院)
654 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:02:15 ID:Me9Qt8KI
明石潟あまのとま屋のけぶりだにしばしぞくもる秋の夜の月(順徳院)
655 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:03:25 ID:Me9Qt8KI
風さゆる夜はのころもの関守は寝られぬままに月や見るらむ(順徳院)
656 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:31:47 ID:Me9Qt8KI
水ぐきの岡のあさぢのきりぎりす霜のふりはや夜寒なるらむ(順徳院)
657 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:33:02 ID:Me9Qt8KI
一すぢに憂きになしてもたのまれずかはるにやすき人のこころは(順徳院)
658 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:35:07 ID:Me9Qt8KI
いざけふは小松が原に子日して千世のためしにわが世ひかれん(後嵯峨院)
659 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:39:04 ID:Me9Qt8KI
色も香もかさねて匂へ梅のはな九重になるやどのしるしに(後嵯峨院)
660 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 18:41:23 ID:Me9Qt8KI
見てもなほおくぞゆかしき蘆垣の吉野の山の花のさかりは(後嵯峨院)
661 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 19:01:30 ID:Me9Qt8KI
むらさきの藤江の岸の松が枝によせてかへらぬ浪ぞかかれる(後嵯峨院)
662 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 19:03:29 ID:Me9Qt8KI
里なれて今ぞ啼くなるほととぎす五月を人は待つべかりけり(後嵯峨院)
663 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 19:51:22 ID:Me9Qt8KI
月もなほながらに朽ちし橋柱ありとやここにすみわたるらむ(後嵯峨院)
664 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 19:53:36 ID:Me9Qt8KI
白雪のいやかたまれる庭の面をはらひかねたるともの宮つこ(後嵯峨院)
665 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 19:54:57 ID:Me9Qt8KI
忍ぶともうはの空にや知られまし恋にけぶりの立つよなりせば(後嵯峨院)
666 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 19:56:14 ID:Me9Qt8KI
来ぬ人によそへて待ちし夕べより月てふものは恨みそめてき(後嵯峨院)
667 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 20:00:08 ID:Me9Qt8KI
敷島や大和島根の朝霞もろこしかけて春や来ぬらむ(後嵯峨院)
668 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 20:00:52 ID:Me9Qt8KI
花もまたながき別れや惜しむらん後の春とも人をたのまで(雅成親王)
669 :
名無氏物語:2010/03/29(月) 20:31:49 ID:Me9Qt8KI
いざさらば涙くらべむ時鳥われもうき世になかぬ日はなし(雅成親王)
670 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:51:21 ID:PNewSST/
空はれて月すみのぼる遠山のふもとよこぎる夜はの白雲(雅成親王)
671 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:52:32 ID:PNewSST/
いかにして身をかへて見む秋の月なみだのはるる此の世ならねば(雅成親王)
672 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:53:29 ID:PNewSST/
秋の田のをしね色づく今よりや寝られぬ庵の夜寒なるらむ(雅成親王)
673 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:54:20 ID:PNewSST/
むば玉の夜風をさむみふるさとに独りある人の衣うつらむ(雅成親王)
674 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:56:26 ID:PNewSST/
世の中は淵瀬もあるを吉野川われのみふかきみくづなりけり(雅成親王)
675 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:58:22 ID:PNewSST/
寝ても夢寝ぬにも夢の心ちしてうつつなる世を見るぞかなしき(雅成親王)
676 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 21:59:10 ID:PNewSST/
つひにゆく道よりもなほかなしきは命のうちのわかれなりけり(雅成親王)
677 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 22:00:08 ID:PNewSST/
世を憂しと思はざりけむ昔こそこの頃よりもはかなかりけれ(雅成親王)
678 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 22:26:59 ID:PNewSST/
春雨はふりにけらしな遠つ江のあど川やなぎふかみどりなり(宗尊親王)
679 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 22:27:57 ID:PNewSST/
ときはなる松にもおなじ春風のいかに吹けばか花の散るらむ(宗尊親王)
680 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 22:29:03 ID:PNewSST/
都をも住み憂しとてや人やりの道ならなくに雁の行くらむ(宗尊親王)
681 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 22:30:11 ID:PNewSST/
たえだえにかげをばみせて飛鳥井のみま草がくれとぶ蛍かな(宗尊親王)
682 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 22:58:01 ID:PNewSST/
涙にはあきの夕べもつげなくにあはれしらする袖のうへかな(宗尊親王)
683 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:01:07 ID:PNewSST/
秋の夜は月にぞながる桜川花はむかしの跡のしら波(宗尊親王)
684 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:02:16 ID:PNewSST/
しなが鳥ゐなの柴山雲きえてみなとにきよき秋の夜の月(宗尊親王)
685 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:03:18 ID:PNewSST/
丹生の山あらしのながす紅葉葉にしぐれぬまきも色づきにけり(宗尊親王)
686 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:04:29 ID:PNewSST/
ふる郷の川原の千鳥うらぶれてとほ風さむし有明の月(宗尊親王)
687 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:05:45 ID:PNewSST/
時雨にぞつれなき松はあるものを涙にたへぬ我が袂かな(宗尊親王)
688 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:07:20 ID:PNewSST/
春は野にまだもえやらぬ若草のけぶりみじかき荻のやけ原(道助親王)
689 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:08:23 ID:PNewSST/
しら露の玉江のあしのよひよひに秋風とほくゆく蛍かな(道助親王)
690 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:46:50 ID:PNewSST/
荻のはに風の音せぬ秋もあらばなみだのほかの月はみてまし(道助親王)
691 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:47:54 ID:PNewSST/
白露の色に出でゆく秋はぎの物おもふくさのたもとなるらむ(道助親王)
692 :
名無氏物語:2010/03/30(火) 23:49:54 ID:PNewSST/
契りおく山路の奥のあかつきをなほうき物と鹿ぞ啼くなる(道助親王)
693 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:04:48 ID:bGUS7qgY
わがやどのきくの朝露色もなしこぼさでにほへ庭のあき風(道助親王)
694 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:05:55 ID:bGUS7qgY
とどめばやながれてはやきとしなみのよどまぬ露はしがらみもなし(道助親王)
695 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:06:52 ID:bGUS7qgY
雲ふかき岩のかけみち日数へてみやこのやまもとほざかりつつ(道助親王)
696 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:08:04 ID:bGUS7qgY
はつせやまあらしのみちの遠ければいたりいたらぬ鐘の音かな(道助親王)
697 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:10:30 ID:bGUS7qgY
君がすむあたりの草にやどしてもみせばやそでにあらましの露(道助親王)
698 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:12:00 ID:bGUS7qgY
山ふかみ春ともしらぬまつの戸にたえだえかかるゆきの玉水(式子内親王)
699 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:13:29 ID:bGUS7qgY
詠めつるけふはむかしになりぬとも軒ばのむめよ我をわするな(式子内親王)
700 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:24:45 ID:bGUS7qgY
更くるまでながむればこそかなしけれおもひもいれじ秋のよの月(式子内親王)
701 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:26:21 ID:bGUS7qgY
桐の葉もふみ分けがたくなりにけりかならず人をまつとなけれど(式子内親王)
702 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 00:28:03 ID:bGUS7qgY
玉の緒よ絶えなばたえねながらへば忍ぶることのよわりもぞする(式子内親王)
703 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:01:55 ID:bGUS7qgY
わすれてはうちなげかるる夕かな我のみしりて過ぐる月日を(式子内親王)
704 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:20:13 ID:bGUS7qgY
夢にても見ゆらむものをなげきつつうちぬるよひの袖のけしきは(式子内親王)
705 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:21:44 ID:bGUS7qgY
逢ふ事を今日まつがえの手向草いくよしをるる袖とかはしる(式子内親王)
706 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:23:17 ID:bGUS7qgY
いきてよもあすまで人はつらからじ此夕ぐれをとはばとへかし(式子内親王)
707 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:25:02 ID:bGUS7qgY
ながめ佗びぬあきより外の宿もがな野にもやまにも月やすむらん(式子内親王)
708 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:29:17 ID:bGUS7qgY
みよしのの山もかすみてしら雪のふりにしさとにはるはきにけり(藤原良經)
709 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:33:11 ID:bGUS7qgY
空はなほかすみもやらず風さえてゆきげにくもる春のよの月(藤原良經)
710 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 01:35:18 ID:bGUS7qgY
難波津にさくやむかしの梅の花今もはるなる浦風ぞふく(藤原良經)
711 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:33:28 ID:bGUS7qgY
むかしたれかかる桜のはなをうゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良經)
712 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:35:38 ID:bGUS7qgY
雲はみなはらひはてたるあき風をまつにのこして月をみるかな(藤原良經)
713 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:36:36 ID:bGUS7qgY
さらぬだにふくるはをしき秋の夜の月よりにしにかかるしら雲(藤原良經)
714 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:37:37 ID:bGUS7qgY
人すまぬ不破の関屋の板びさしあれにし後はただ秋のかぜ(藤原良經)
715 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:39:10 ID:bGUS7qgY
いはざりき今こむまでの空のくも月日へだててものおもへとは(藤原良經)
716 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:40:17 ID:bGUS7qgY
いつもきく物とや人のおもふらむこぬ夕ぐれの松風のこゑ(藤原良經)
717 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:41:13 ID:bGUS7qgY
天の戸をおし明がたの雲間より神代の月のかげぞのこれる(藤原良經)
718 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 02:42:09 ID:bGUS7qgY
うちきらしなほ風さむしいそのかみふるのやまべの春のあは雪(藤原道家)
719 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 10:12:20 ID:bGUS7qgY
霞しくをぎの焼原ふみわけてたが為春のわかなつむらん(藤原道家)
720 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 10:13:37 ID:bGUS7qgY
岩戸明けておもしろしといふためしにや天のかぐやま月はいづらむ(藤原道家)
721 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 10:14:53 ID:bGUS7qgY
あまの河水かげぐさのつゆのたまたまたまきても明けぬこのよは(藤原道家)
722 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 10:15:41 ID:bGUS7qgY
伊勢島や和歌の松原見わたせば夕塩みちて秋風ぞふく(藤原道家)
723 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 10:17:14 ID:bGUS7qgY
夕波をいかがはらはむふなびとのとわたるかぢのあとはみえねど(藤原道家)
724 :
名無氏物語:2010/03/31(水) 10:18:46 ID:bGUS7qgY
つくばねのそがひにたてる小男鹿の妻ふく風にこゑもをしまず(藤原道家)
725 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:14:59 ID:4GBsBAhv
我がこひのもえても空にまどひなばふじのけぶりといづれたかけむ(藤原道家)
726 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:17:58 ID:4GBsBAhv
老の後又思ふことはなきものを人のこころになほなげくかな(藤原道家)
727 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:20:29 ID:4GBsBAhv
岩そそくたるひとやみむ滝川のせのぼる月のかげこほるなり(藤原道家)
728 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:21:31 ID:4GBsBAhv
立ちそむる霞のころもうすけれどはるきてみゆるよもの(藤原公經)
729 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:23:05 ID:4GBsBAhv
たかせさす六田のよどの柳原みどりもふかくかすむ春かな(藤原公經)
730 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:24:17 ID:4GBsBAhv
しら雲の八重山ざくら咲きにけりところもさらぬ春のあけぼの(藤原公經)
731 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:33:57 ID:4GBsBAhv
ほととぎすなほうとまれぬ心かなながなく里のよその夕ぐれ(藤原公經)
732 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:35:16 ID:4GBsBAhv
星合のゆふべすずしき天の川もみぢのはしをわたる秋風(藤原公經)
733 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:36:04 ID:4GBsBAhv
風さむみ夜半のね覚のとことはになれてもさびしころもうつなり(藤原公經)
734 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 16:37:08 ID:4GBsBAhv
明くるより名残をなににかたらまし折もおよばぬあきの別路(藤原公經)
735 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:39:28 ID:4GBsBAhv
和田の原波もひとつにみくまののはまの南は山のはもなし(藤原公經)
736 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:40:55 ID:4GBsBAhv
いかばかりくもりなき世をてらすらむ名にあらはるる月よみのもり(藤原公經)
737 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:42:01 ID:4GBsBAhv
つま木こる山路も今や絶えぬらむ里だにふかき今朝のしらゆき(藤原公經)
738 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:42:42 ID:4GBsBAhv
三島江やしももまだひぬあしのはにつのぐむほどのはる風ぞふく(源通光)
739 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:44:04 ID:4GBsBAhv
まがふとていとひしみねのしら雲はちりてぞはなのかたみなりける(源通光)
740 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:45:02 ID:4GBsBAhv
明けぬとて野べより山にいるしかのあとふきおくる萩の下かぜ(源通光)
741 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 21:47:58 ID:4GBsBAhv
むさし野やゆけども秋のはてぞなきいかなるかぜの末にふくらむ(源通光)
742 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 22:31:34 ID:4GBsBAhv
龍田山よはにあらしのまつふけばくもにはうときみねの月かげ(源通光)
743 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 22:33:05 ID:4GBsBAhv
入日さす麓の尾ばなうちなびきたがあき風にうづらなくらむ(源通光)
744 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 22:34:22 ID:4GBsBAhv
限あればしのぶのやまのふもとにも落ばがうへの露もいろづく(源通光)
745 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 22:35:56 ID:4GBsBAhv
浦人のひも夕ぐれになるみ潟かへる袖より千鳥なくなり(源通光)
746 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 22:39:08 ID:4GBsBAhv
ながめ佗びぬそれとはなしに物ぞおもふくものはたての夕ぐれの空(源通光)
747 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 22:40:43 ID:4GBsBAhv
幾めぐり空行く月もめぐりきぬ契りしなかはよそのうき雲(源通光)
748 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:38:16 ID:4GBsBAhv
わけゆけばそれともみえず朝ぼらけとほきぞ春のにしきなりける(西園寺実氏)
749 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:43:24 ID:4GBsBAhv
さもこそははるはさくらの色ならめうつりやすくもゆく月日かな(西園寺実氏)
750 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:46:38 ID:4GBsBAhv
吉野河ながるる水に散るはなのかへらぬ春をなに惜しむらん(西園寺実氏)
751 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:47:57 ID:4GBsBAhv
村雨に秋の露かるたまざさのみじかきよはのあかつきもなし(西園寺実氏)
752 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:49:13 ID:4GBsBAhv
虫の音もうらがれまさる浅茅生にかげさへよわる有明のつき(西園寺実氏)
753 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:51:04 ID:4GBsBAhv
志賀の浦や氷のひまを行くふねの浪も道あるよとや知るらむ(西園寺実氏)
754 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:54:09 ID:4GBsBAhv
あらはれてとしふるみ代のしるしには野にもやまにもつもるしら雪(西園寺実氏)
755 :
名無氏物語:2010/04/01(木) 23:55:06 ID:4GBsBAhv
わすれめやつかひの長をまづ立ててわたる御階ににほふたちばな(西園寺実氏)
756 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:38:49 ID:lSK1feo3
心こそうき世の外にいでぬともみやこを旅といつならひけむ(西園寺実氏)
757 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:40:50 ID:lSK1feo3
あきつはのすがたの国に跡たるる神のめぐみやわが君のため(西園寺実氏)
758 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:43:10 ID:lSK1feo3
み冬つぎ春しきぬれば青柳のかづらきやまに霞たなびく(源実朝)
759 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:44:12 ID:lSK1feo3
玉藻かるゐでのしがらみ春かけてさくや河せのやまぶきの花(源実朝)
760 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:45:26 ID:lSK1feo3
夕されば衣手すずしたかまどの尾上の宮のあきの初風(源実朝)
761 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:46:17 ID:lSK1feo3
和田の原八重のしほぢにとぶ雁のつばさのなみに秋かぜぞふく(源実朝)
762 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:47:13 ID:lSK1feo3
雁啼きてさむきあさけの露霜にやのの神山色付きにけり(源実朝)
763 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 00:48:10 ID:lSK1feo3
武士の八十宇治川をゆく水のながれてはやきとしのくれかな(源実朝)
764 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 01:47:10 ID:lSK1feo3
世中は常にもがもななぎさこぐあまの小舟のつなでかなしも(源実朝)
765 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 01:51:52 ID:lSK1feo3
しらま弓いそべの山の松の色のときはにものをおもふころかな(源実朝)
766 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 02:23:06 ID:lSK1feo3
箱根路を我がこえくればいづの海や沖のこじまに浪のよるみゆ(源実朝)
767 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 02:24:28 ID:lSK1feo3
かぜ寒みよの更けゆけばいもがしまかたみのうらに千鳥鳴くなり(源実朝)
768 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 08:35:13 ID:lSK1feo3
をしまずはあだなることもつらからじ何しかはなに思ひ初めけむ(藤原基家)
769 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 08:36:29 ID:lSK1feo3
なきぬべきゆふべの空をほととぎすまたれむとてやつれなかるらむ(藤原基家)
770 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:20:54 ID:lSK1feo3
霞しく袖のみなとのうら風にはるさへ浪のうつころもかな(藤原基家)
771 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:21:58 ID:lSK1feo3
かりがねも今やこゆらむ山しろの岩田のをかに月かたぶきぬ(藤原基家)
772 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:22:59 ID:lSK1feo3
おろかなる心のままにあくがれてよしやうきよの月をだにみむ(藤原基家)
773 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:24:06 ID:lSK1feo3
大伴のみつのはまべを見渡せば有明の月に鶴なきわたる(藤原基家)
774 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:25:00 ID:lSK1feo3
知りがたき命のほどもかへりみずいつまでとまつゆふべなるらむ(藤原基家)
775 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:25:57 ID:lSK1feo3
みかの原ながるる水のいつみきとおぼえぬよにもぬるる袖かな(藤原基家)
776 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:27:28 ID:lSK1feo3
山のはのありとはきかぬわたつうみなみのあなたにかかるしら雲(藤原基家)
777 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 09:28:27 ID:lSK1feo3
神代よりあくるならひの今さらに天の戸つらきよはのつきかげ(藤原基家)
778 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 01:00:33 ID:Ir6AFzKP
さくらばなおちても水のあはれなるあだなる色ににほひそめけむ(衣笠家良)
779 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 01:01:40 ID:Ir6AFzKP
つれなさのつらき別にこりもせでなどしたはるる春のかりがね(衣笠家良)
780 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 01:02:48 ID:Ir6AFzKP
別れての後しのべとやゆくはるの日数にはなのさきあまるらむ(衣笠家良)
781 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 01:06:52 ID:Ir6AFzKP
宮城野の木の下露は雨ながらそら行く月は雲もかからず(衣笠家良)
782 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 19:59:02 ID:Ir6AFzKP
むら時雨いくしほそめてわたつ海のなぎさの杜の紅葉しぬらむ(衣笠家良)
783 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 21:07:24 ID:Ir6AFzKP
伊勢の海のあまのしわざのもしほ草今朝かきたらで雪はふりつつ(衣笠家良)
784 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 21:09:57 ID:Ir6AFzKP
山のはは天の河原の島なれや月のみふねもこぎかくれつつ(衣笠家良)
785 :
名無氏物語:2010/04/03(土) 21:10:37 ID:Ir6AFzKP
わが為にこころかはらぬ月だにもありしににたるかげをやはみむ(衣笠家良)
786 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 17:01:11 ID:Q5secDmh
いかにせむ涙の袖に海はあれど同じなぎさによる船はなし(衣笠家良)
787 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 17:01:57 ID:Q5secDmh
こぬ人をつらき契りに待ちかへてよがれぬものは山のはの月(衣笠家良)
788 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 17:05:14 ID:Q5secDmh
いつまでか涙くもらで月はみしあき待ちえても秋ぞこひしき(慈圓)
789 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 17:08:02 ID:Q5secDmh
野べの露は色もなくてやこぼれつる袖より過ぐる荻のうは風(慈圓)
790 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 21:06:48 ID:Q5secDmh
更行かば煙もあらじしほがまのうらみなはてそ秋のよの月(慈圓)
791 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 21:08:04 ID:Q5secDmh
霜さゆる山田のくろの村すすきかる人なしにのこるころかな(慈圓)
792 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 21:09:02 ID:Q5secDmh
おもふことなどとふ人のなかるらむあふげば空に月ぞさやけき(慈圓)
793 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 21:10:01 ID:Q5secDmh
ただたのめたとへば人のいつはりをかさねてこそは又もうらみめ(慈圓)
794 :
名無氏物語:2010/04/04(日) 21:10:47 ID:Q5secDmh
みな人のしりがほにしてしらぬかなかならずしぬるならひありとは(慈圓)
795 :
名無氏物語:2010/04/05(月) 18:21:42 ID:YnVNLTB5
おほけなくうきよのたみにおほふかなわがたつ杣にすみぞめのそで(慈圓)
796 :
名無氏物語:2010/04/05(月) 18:41:45 ID:YnVNLTB5
ねがはくはしばし闇路にやすらひてかかげやせまし法のともし火(慈圓)
797 :
名無氏物語:2010/04/05(月) 22:40:20 ID:YnVNLTB5
我がたのむ七のやしろのゆふだすきかけても六の道にかへすな(慈圓)
798 :
名無氏物語:2010/04/06(火) 21:03:22 ID:qJQpHVNd
伊せの海はるかにかすむなみまより天のはらなる海士の釣ぶね(行意)
799 :
名無氏物語:2010/04/06(火) 21:04:24 ID:qJQpHVNd
はるくればそでの氷もとけにけりもりくる月のやどるばかりに(行意)
800 :
名無氏物語:2010/04/06(火) 21:05:23 ID:qJQpHVNd
木の本のすみかも今はあれぬべしはるしくれなば誰か問ひこむ(行意)
801 :
名無氏物語:2010/04/06(火) 21:06:51 ID:qJQpHVNd
ほしあへぬころもへにける河やしろしのになみこす五月雨のころ
802 :
名無氏物語:2010/04/06(火) 23:37:40 ID:qJQpHVNd
すずか河ふりさけみれば神路山さかき葉分けて出づる月影(行意)(801も)
803 :
名無氏物語:2010/04/06(火) 23:38:37 ID:qJQpHVNd
春日山やまたかからし秋霧のうへにぞしかのこゑは聞こゆる(行意)
804 :
名無氏物語:2010/04/07(水) 00:18:41 ID:Am3FF/NS
山城のときはの松のゆふしぐれそめぬみどりに秋ぞ色づく(行意)
805 :
名無氏物語:2010/04/07(水) 21:59:28 ID:Am3FF/NS
くるるよりおなじまがきのきりぎりすちかづくこゑに夜や更けぬらん(行意)
806 :
名無氏物語:2010/04/07(水) 22:01:07 ID:Am3FF/NS
七度の吉野の川のみをつくし君が八千世のしるしともなれ(行意)
807 :
名無氏物語:2010/04/07(水) 22:03:16 ID:Am3FF/NS
さすらふるこころに身をもまかせずは清見がせきの月をみましや(行意)
808 :
名無氏物語:2010/04/07(水) 22:08:05 ID:Am3FF/NS
梅のはなたが袖ふれしにほひぞとはるやむかしの月にとはばや(源通具)
809 :
名無氏物語:2010/04/07(水) 22:10:07 ID:Am3FF/NS
あはれ又いかにしのばむそでのつゆ野原の風にあきはきにけり(源通具)
810 :
名無氏物語:2010/04/08(木) 23:38:01 ID:XzyzF1U4
影やどす露のよすがの秋くれて月ぞすみけるをののしの原(源通具)
811 :
名無氏物語:2010/04/08(木) 23:38:49 ID:XzyzF1U4
のべにおく露のなごりもしのばれぬあだなる秋のわすれがたみに(源通具)
812 :
名無氏物語:2010/04/08(木) 23:40:08 ID:XzyzF1U4
霜むすぶそでのかたしきうちとけてねぬよの月のかげぞさやけき(源通具)
813 :
名無氏物語:2010/04/08(木) 23:41:47 ID:XzyzF1U4
せき返しなほもる袖のなみだかなしのぶもよそのこころならぬに(源通具)
814 :
名無氏物語:2010/04/08(木) 23:43:19 ID:XzyzF1U4
木の葉ちるしぐれやまがふわが袖はもろきなみだの色とみるまで(源通具)
815 :
名無氏物語:2010/04/08(木) 23:58:14 ID:XzyzF1U4
冬の夜のね覚ならひよまきの屋の時雨のうへにあられふるなり(源通具)
816 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:13:33 ID:mWub56h/
今こむと契りしことは夢ながら見しよににたる有明の月(源通具)
817 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:14:26 ID:mWub56h/
霜むすぶそでにも影はのこりけりつゆよりなれし有明の月(源通具)
818 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:37:08 ID:mWub56h/
春の夜の夢のうきはしとだえして峰にわかるるよこ雲の空(藤原定家)
819 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:39:50 ID:mWub56h/
花の色に一はるかけてかへるかりことし越路のそらだのめして(藤原定家)
820 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:41:11 ID:mWub56h/
啼きぬなり夕付鳥のしだり尾のおのれにもにぬよはのみじかさ(藤原定家)
821 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:43:07 ID:mWub56h/
見渡せばはなも紅葉もなかりけりうらのとま屋の秋のゆふぐれ(藤原定家)
822 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:44:15 ID:mWub56h/
わすれなむまつとなつげそ中中にいなばの山のみねのあき風(藤原定家)
823 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:45:14 ID:mWub56h/
明けば又あきのなかばも過ぎぬべしかたぶく月のをしきのみかは(藤原定家)
824 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:46:50 ID:mWub56h/
こぬ人をまつほのうらの夕なぎにやくやもしほの身もこがれつつ(藤原定家)
825 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 00:48:59 ID:mWub56h/
あぢきなくつらきあらしのこゑもうしなど夕ぐれを待ちならひけむ(藤原定家)
826 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:00:15 ID:mWub56h/
帰るさのものとや人の眺むらん待つ夜ながらの有明の月(藤原定家)
827 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:01:35 ID:mWub56h/
夕暮はいづれのくものなごりとてはなたち花に風のふくらむ(藤原定家)
828 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:03:38 ID:mWub56h/
一こゑはおもひぞあへぬほととぎすたそかれ時の雲のまよひに(八条院高倉)
829 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:05:24 ID:mWub56h/
すみはてぬいづく長月名のみしてみじかかりけるあきのほどかな(八条院高倉)
830 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:06:56 ID:mWub56h/
いかがふく身にしむ色のかはるかなたのむるくれの松風のこゑ(八条院高倉)
831 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:08:34 ID:mWub56h/
くもれかしながむるからに恋しきは月におぼゆる人のおもかげ(八条院高倉)
832 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:10:29 ID:mWub56h/
逢ふ事を又はいつともなき物をあはれもしらぬとりのこゑかな(八条院高倉)
833 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 01:11:15 ID:mWub56h/
わすれじのただ一こゑをかた見にてゆくもとまるもぬるる袖かな(八条院高倉)
834 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:47:20 ID:mWub56h/
浮世をば出づる日ごとにいとへどもいつかは月のいるかたをみむ(八条院高倉)
835 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:50:07 ID:mWub56h/
わが庵は小倉の山のちかければうき世をしかとなかぬ日ぞなき(八条院高倉)
836 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:51:05 ID:mWub56h/
なべてよをかりのやどりと思はずはすみうかるべき草の庵かな(八条院高倉)
837 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:51:52 ID:mWub56h/
とにかくに身のうき事のしげければ一よだにやはそでもぬれける(八条院高倉)
838 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:52:56 ID:mWub56h/
梅のはなあかぬ色香もむかしにておなじかたみの春の夜の月(俊成卿女)
839 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:54:07 ID:mWub56h/
うらみずやうき世を花のいとひつつさそふ風あらばと思ひけるかな(俊成卿女)
840 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 09:55:12 ID:mWub56h/
面影のかすめる月ぞやどりけるはるやむかしのそでのなみだに(俊成卿女)
841 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:20:53 ID:mWub56h/
をしむともなみだに月はこころからなれぬる袖に秋をうらみて(俊成卿女)
842 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:22:10 ID:mWub56h/
色かはる露をば袖におきまよひうらがれて行く野辺のあきかな(俊成卿女)
843 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:24:58 ID:mWub56h/
ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに(俊成卿女)
844 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:26:21 ID:mWub56h/
霜枯はそことも見えぬ草の原たれにとはまし秋の名残を(俊成卿女)
845 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:27:43 ID:mWub56h/
あだに散る露の枕にふしわびてうづら鳴くなりとこの山かぜ(俊成卿女)
846 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:34:37 ID:mWub56h/
夢かとよ見し面かげも契りしもわすれずながらうつつならねば(俊成卿女)
847 :
名無氏物語:2010/04/09(金) 10:36:01 ID:mWub56h/
いにしへの秋の空まですみだ河月にこととふそでのつゆかな(俊成卿女)
848 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:53:33 ID:gpO5xhQD
かきくらしなほふる郷の雪のうちにあとこそ見えね春は来にけり(宮内卿)
849 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:54:27 ID:gpO5xhQD
花さそふひらの山風ふきにけりこぎ行くふねのあと見ゆるまで(宮内卿)
850 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:55:25 ID:gpO5xhQD
かたえさすおふのうらなしはつ秋になるもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿)
851 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:56:17 ID:gpO5xhQD
心あるをじまのあまのたもとかな月やどれとはぬれぬものから(宮内卿)
852 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:57:05 ID:gpO5xhQD
まどろまでながめよとてのすさびかなあさのさごろも月にうつこゑ(宮内卿)
853 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:58:03 ID:gpO5xhQD
月をなほ待つらむものかむらさめのはれゆく雲のすゑの里人(宮内卿)
854 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:59:00 ID:gpO5xhQD
霜をまつまがきの菊の宵のまにおきまよふ色はやまのはの月(宮内卿)
855 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 01:59:52 ID:gpO5xhQD
龍田河あらしや峰によわるらむわたらぬ水もにしき絶えけり(宮内卿)
856 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:17:50 ID:gpO5xhQD
からにしき秋のかた見やたつた山散りあへぬ枝にあらし吹くなり(宮内卿)
857 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:24:28 ID:gpO5xhQD
聞くやいかにうはの空なる風だにもまつに音するならひありとは(宮内卿)
858 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:26:24 ID:gpO5xhQD
たえだえにたな引く雲のあとはれてまがひもはてぬ山ざくらかな(藻壁門院少将)
859 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:28:03 ID:gpO5xhQD
何となく吹くはならひの松風に人やりならぬ花のちるらむ(藻壁門院少将)
860 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:28:50 ID:gpO5xhQD
こころとは太山もいでじほととぎすまたれてのみぞ初音鳴くなる(藻壁門院少将)
861 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:29:54 ID:gpO5xhQD
啼くむしのこゑの色には出でねどもうきは身にしむ秋の夕ぐれ(藻壁門院少将)
862 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:31:23 ID:gpO5xhQD
おのがねにつらき別の有りとだにおもひもしらで鳥やなくらむ(藻壁門院少将)
863 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:32:45 ID:gpO5xhQD
絶えずひくあみのうけなはうきてのみよるべくるしき身の契りかな(藻壁門院少将)
864 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:49:04 ID:gpO5xhQD
偽と思ひしられぬゆふべこそはかなきもののかなしかりけれ(藻壁門院少将)
865 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 02:51:28 ID:gpO5xhQD
かへりみるほどは雲井の大江山いくのの道やすゑになるらん(藻壁門院少将)
866 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:00:05 ID:gpO5xhQD
住むあまのあはれをしるや煙たつおのがすみかの夕ぐれの空(藻壁門院少将)
867 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:01:19 ID:gpO5xhQD
逢ふ事のたえ間がちなるつらさかなおもひしほどのちぎりだになし(藻壁門院少将)
868 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:06:44 ID:gpO5xhQD
里人やわかなつむらん朝日さすみかさの野べは春めきにけり(藤原為家)
869 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:22:09 ID:gpO5xhQD
あだになど咲きはじめけむいにしへのはるさへつらき山ざくらかな(藤原為家)
870 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:23:30 ID:gpO5xhQD
わび人は五月の雨のなにならしさもはれまなくふる涙かな(藤原為家)
871 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:25:50 ID:gpO5xhQD
音にたつ今はた吹きぬわがやどのをぎのうは葉の秋のはつかぜ(藤原為家)
872 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:26:39 ID:gpO5xhQD
逢坂の鳥のそらねに関の戸も明けぬと見えてすめる月かげ(藤原為家)
873 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:27:42 ID:gpO5xhQD
冬きてはしぐるる空の絶間だに四方のこの葉のふらぬ日ぞなき(藤原為家)
874 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:29:23 ID:gpO5xhQD
うらむるもこふるこころの外ならでおなじ涙のせくかたぞなき(藤原為家)
875 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:30:12 ID:gpO5xhQD
足曳のやまの山どりをのへなるはつをのたれをながくこふらむ(藤原為家)
876 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 03:31:25 ID:gpO5xhQD
みしめひく三輪の杉村ふりにけりこれや神代のしるしなるらん(藤原為家)
877 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:51:36 ID:gpO5xhQD
たらちねのなからむあとの悲しさを思ひしよりもなほぞこひしき(藤原為家)
878 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:52:41 ID:gpO5xhQD
尋ねきて花にくらせる木間より待つとしもなき山のはの月(藤原雅経)
879 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:53:39 ID:gpO5xhQD
郭公なくや五月の玉くしげ二こゑききて明くる夜もがな(藤原雅経)
880 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:54:38 ID:gpO5xhQD
うつりゆく雲にあらしのこゑすなりちるかまさきのかづらきの山(藤原雅経)
881 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:55:25 ID:gpO5xhQD
秋の色をはらひはててや久かたの月のかつらに木がらしのかぜ(藤原雅経)
882 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:56:29 ID:gpO5xhQD
かりころもすそ野もふかしはしたかのとがへる山のみねのしらゆき(藤原雅経)
883 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:57:15 ID:gpO5xhQD
きえねただ忍ぶのやまのみねの雲かかるこころのあとのなきまで(藤原雅経)
884 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 20:58:13 ID:gpO5xhQD
うらみじな難波のみつに立つけぶり心からやくあまのもしほ火(藤原雅経)
885 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:33:37 ID:gpO5xhQD
暁のしぎのはねがきかくばかりなみだかずそふね覚やはせし(藤原雅経)
886 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:34:56 ID:gpO5xhQD
なれなれて見しは名残の春ぞともなどしら河のはなのしたかげ(藤原雅経)
887 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:36:02 ID:gpO5xhQD
秋の夜の月にいくたびね覚して物思ふことの身につもるかな(藤原雅経)
888 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:37:00 ID:gpO5xhQD
谷河のうち出づるなみもこゑたてつうぐひすさそへはるの山風(藤原家隆)
889 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:37:49 ID:gpO5xhQD
いかにせむこぬ夜あまたのほととぎすまたじと思へばむら雨の空(藤原家隆)
890 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:38:40 ID:gpO5xhQD
おもひ出でよたがかねごとの末ならん昨日の雲のあとのやまかぜ(藤原家隆)
891 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:39:30 ID:gpO5xhQD
ことしよりはなさきそむるたち花のいかでむかしの香ににほふらむ(藤原家隆)
892 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:40:24 ID:gpO5xhQD
風そよぐならの小河の夕ぐれは御祓ぞなつのしるしなりける(藤原家隆)
893 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:47:59 ID:gpO5xhQD
下紅葉かつちる山のゆふしぐれぬれてや鹿のひとり啼くらむ(藤原家隆)
894 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 21:49:24 ID:gpO5xhQD
ながめつつおもふもさびし久かたの月のみやこの明がたのそら(藤原家隆)
895 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:22:39 ID:gpO5xhQD
又やみむまたやみざらむしら露の玉おきしけるあきはぎのはな(藤原家隆)
896 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:23:40 ID:gpO5xhQD
和歌の浦やおきつ塩あひにうかび出づるあはれわが身のよるべしらせよ(藤原家隆)
897 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:24:42 ID:gpO5xhQD
すまのあまのまどほの衣よや寒き浦風ながら月もたまらず(藤原家隆)
898 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:43:13 ID:gpO5xhQD
ちらばまた思ひや出でむ身のうさをみるにわするる花ざくらかな(藤原知家)
899 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:44:08 ID:gpO5xhQD
此春のわかれやかぎりとまる身の老いてひさしき命ならねば(藤原知家)
900 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:45:18 ID:gpO5xhQD
ながむればみしまの春もわすられず月にむかしのかげやそふらむ(藤原知家)
901 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:46:12 ID:gpO5xhQD
いかさまに秋の夕をなぐさまむ世をそむけどももとの身にして(藤原知家)
902 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:47:08 ID:gpO5xhQD
神無月しぐるるころといふことはまなく木の葉のちればなりけり(藤原知家)
903 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:48:00 ID:gpO5xhQD
時雨にはぬれぬこのはもなかりけりやまはみかさのなのみなるらむ(藤原知家)
904 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 22:49:06 ID:gpO5xhQD
年くるるかがみのかげもしら雪のつもれる人の身さへふりつつ(藤原知家)
905 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:00:27 ID:gpO5xhQD
むかしおもふたかのの山のふかきよにあかつきとほしすめる月かげ(藤原知家)
906 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:01:32 ID:gpO5xhQD
あふさかの夕付鳥もわがごとやこえ行く人のあとになくらむ(藤原知家)
907 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:03:07 ID:gpO5xhQD
これも又ながきわかれになりやせむ暮をまつべき命ならねば(藤原知家)
908 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:04:28 ID:gpO5xhQD
朝日影にほへるやまのさくらばなつれなくきえぬ雪かとぞ見る(藤原有家)
909 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:05:28 ID:gpO5xhQD
久かたのあまつ乙女のなつごろも雲井にさらす布引のたき(藤原有家)
910 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:06:46 ID:gpO5xhQD
さらでだにうらみむととふわぎも子がころものすそに秋風ぞふく(藤原有家)
911 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:08:24 ID:gpO5xhQD
大淀の月にうらみてかへるなみまつはつらくもあらしふくなり(藤原有家)
912 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:09:09 ID:gpO5xhQD
花をのみをしみなれたるみ吉野の木末に落つる有明の月(藤原有家)
913 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:27:39 ID:gpO5xhQD
物おもはでただ大方の露にだにぬるればぬるる秋の袂を(藤原有家)
914 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:29:13 ID:gpO5xhQD
行く年ををじまの海士のぬれ衣かさねて袖に波や立つらん(藤原有家)
915 :
名無氏物語:2010/04/10(土) 23:32:35 ID:gpO5xhQD
岩がねの床にあらしをかたしきてひとりやねなむさ夜の中山(藤原有家)
916 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:00:32 ID:zyfEqN+m
我ながらおもふか物をとばかりにそでにしぐるる庭のまつ風(藤原有家)
917 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:22:37 ID:zyfEqN+m
春の雨のあまねき御代をたのむかなしもにかれゆく草葉もらすな(藤原有家)
918 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:23:58 ID:zyfEqN+m
むめのはなさけるをみれば我が宿に朝かぜかをり鶯ぞなく(藤原光俊)
919 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:25:28 ID:zyfEqN+m
あふさかは人のわかるるみちなれば夕つけどりのなかぬ夜もなし(藤原光俊)
920 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:26:54 ID:zyfEqN+m
かかる身を何かはとこそ思ひしにしたがふものはなみだなりけり(藤原光俊)
921 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:28:26 ID:zyfEqN+m
おもひやれなべて世にある人だにも涙おつといふ秋のはつかぜ(藤原光俊)
922 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:29:24 ID:zyfEqN+m
いかにせむしなばともにとおもふ身のおなじかぎりのいのちならずは(藤原光俊)
923 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:31:09 ID:zyfEqN+m
露ふかきをざさまじりの下わらびさも折ふしにぬるる袖かな(藤原光俊)
924 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 00:32:52 ID:zyfEqN+m
見てもうしはなのわかれのつらければやよひの月の有明の空(藤原光俊)
925 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:25:09 ID:zyfEqN+m
みえぬらむこころのうちのかなしさもくちぬるそでの苔のみだれに(藤原光俊)
926 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:26:23 ID:zyfEqN+m
ながむるに苔のたもとのしをるるは月や浮世のなみだなるらむ(藤原光俊)
927 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:29:23 ID:zyfEqN+m
むかしにはあはれこころのかはるかな老いて今みる秋の夜の月(藤原光俊)
928 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:30:10 ID:zyfEqN+m
よる波のすずしくもあるか敷妙のそでしのうらのあきの初風(藤原信実)
929 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:41:01 ID:zyfEqN+m
物をのみさもおもはするさきの世のむくいや秋のゆふべなるらむ(藤原信実)
930 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:42:03 ID:zyfEqN+m
秋風に妻まつやまの夜を寒みさこそ尾上の鹿は鳴くらめ(藤原信実)
931 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:43:48 ID:zyfEqN+m
曇れとや老の涙にちぎるらむむかしよりみしあきの夜の月(藤原信実)
932 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:45:02 ID:zyfEqN+m
はれくもり時雨るる空はしらねどもぬれて千入のあきの紅葉葉(藤原信実)
933 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:46:30 ID:zyfEqN+m
もみぢばを風にまかする手向やまぬさもとりあへず秋は暮れけり(藤原信実)
934 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 01:47:58 ID:zyfEqN+m
我が中のよしなき袖にやどりきてうらみにまじる月の影かな(藤原信実)
935 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:00:15 ID:zyfEqN+m
今朝よりの時雨は雪に成りにけりさてだに松の色かはれとて(藤原信実)
936 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:01:11 ID:zyfEqN+m
衣衣のたもとにわけし月かげはたがなみだにかやどりはつらむ(藤原信実)
937 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:02:54 ID:zyfEqN+m
ふかき夜に先ひとしきり声たててゆふつけ鳥はまたねしてけり(藤原信実)
938 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:05:13 ID:zyfEqN+m
なにはがたかすまぬ波もかすみけりうつるもくもる朧月夜に(源具親)
939 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:06:28 ID:zyfEqN+m
蘆の葉のまだうらわかき津国のこやのへだてはかすみなりけり(源具親)
940 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:07:45 ID:zyfEqN+m
時しもあれ田づらの雁のわかれさへはな散るころのみ吉野のさと(源具親)
941 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:08:45 ID:zyfEqN+m
敷妙のまくらのうへに過ぎぬなりつゆをたづぬるあきのはつ風(源具親)
942 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 02:09:43 ID:zyfEqN+m
月のよは名のみぞよるのもしほ草かくかきたえて見る夢もなし(源具親)
943 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:38:26 ID:zyfEqN+m
晴れくもるかげをみやこにさきだててしぐると告ぐる山のはの月(源具親)
944 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:39:14 ID:zyfEqN+m
ながめよとおもはでしもやかへるらん月待つうらのあまの釣ぶね(源具親)
945 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:41:29 ID:zyfEqN+m
さ夜千鳥みなと吹きこすしほ風にうらよりをちの友さそふなり(源具親)
946 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:42:51 ID:zyfEqN+m
今よりは木の葉がくれもなきものを時雨にのこるむら雲の月(源具親)
947 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:45:36 ID:zyfEqN+m
何とかは人は分くべきおくやまの入りなばとぢよ苔のしたみち(源具親)
948 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:46:49 ID:zyfEqN+m
くれなゐのこぞめの糸の村時雨山のにしきをおらぬ日ぞなき(藤原隆祐)
949 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:53:08 ID:zyfEqN+m
世中になほ有明のうき身をやつれなき物と月はみるらむ(藤原隆祐)
950 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:54:19 ID:zyfEqN+m
いかにせむくれを待つべき命だになほたのまれぬ身をたのみつつ(藤原隆祐)
951 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:55:12 ID:zyfEqN+m
水上はこほりをくぐるしかま河うみに出でてや浪はたつらむ(藤原隆祐)
952 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 14:56:23 ID:zyfEqN+m
けふまではみやこもちかしあふ坂の関のあなたに知る人もなき(藤原隆祐)
953 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:02:52 ID:zyfEqN+m
此世にはよしこととはじ角田がはすみえぬかたの鳥の音もうし(藤原隆祐)
954 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:04:54 ID:zyfEqN+m
限あればかすまぬ浦の波間よりこころときゆるあまの釣舟(藤原隆祐)
955 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:05:53 ID:zyfEqN+m
吹く風にけぶりやとほくなびくらむ里なきうらももしほやくなり(藤原隆祐)
956 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:07:45 ID:zyfEqN+m
かるもかくゐなの野原の草まくらさてもねられぬ月をみるかな(藤原隆祐)
957 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:34:53 ID:zyfEqN+m
行く月の御舟ながるるあまのがは山よりにしやみなとなるらむ(藤原隆祐)
958 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:37:31 ID:zyfEqN+m
春雨に野沢の水はまさらねどもえ出づる草ぞふかくなり行く(源家長)
959 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:38:44 ID:zyfEqN+m
あづさ弓いそべのうらの春の月あまのたくなはよるも引くなり(源家長)
960 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:39:45 ID:zyfEqN+m
秋の月しのに宿かるかげたけてをざさが原に露ふけにけり(源家長)
961 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:40:58 ID:zyfEqN+m
秋の月ながめながめて老が世も山のはちかくかたぶきにけり(源家長)
962 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 15:43:52 ID:zyfEqN+m
紅葉葉の散りかひくもる夕しぐれいづれか道とあきのゆくらむ(源家長)
963 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:03:05 ID:zyfEqN+m
今日も又しらぬ野原に行暮れていづれの山か月はいづらむ(源家長)
964 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:04:14 ID:zyfEqN+m
きぬぎぬのつらきためしに誰なれて袖のわかれをゆるしそめけむ(源家長)
965 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:05:22 ID:zyfEqN+m
いづくにもふりさけ今やみかさやまもろこしかけて出づる月かげ(源家長)
966 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:10:08 ID:zyfEqN+m
もしほ草かくともつきじ君が代の数によみおく和歌の浦なみ(源家長)
967 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:11:41 ID:zyfEqN+m
生駒山よそになるをの沖に出でてめにもかからぬ峰のしら雲(源家長)
968 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:12:52 ID:zyfEqN+m
ながむれば千千に物思ふ月に又わが身ひとつの峰の松かぜ(鴨長明)
969 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:14:34 ID:zyfEqN+m
ながめてもあはれとおもへ大かたの空だにかなしあきの夕ぐれ(鴨長明)
970 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:16:33 ID:zyfEqN+m
松島やしほくむあまの秋のそで月は物思ふならひのみかは(鴨長明)
971 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:30:15 ID:zyfEqN+m
初瀬山かねのひびきにおどろけばすみける月の有明の空(鴨長明)
972 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 16:32:21 ID:zyfEqN+m
夜もすがらひとりみ山の槙のはにくもるもすめる有明の月(鴨長明)
973 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:00:10 ID:zyfEqN+m
たのめおく人もながらの山にだにさ夜更けぬればまつ風のこゑ(鴨長明)
974 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:01:07 ID:zyfEqN+m
袖にしも月かかれとは契りおかずなみだはしるやうつの山越(鴨長明)
975 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:02:01 ID:zyfEqN+m
見れば又いとどなみだのもろかづらいかにちぎりてかけはなれけむ(鴨長明)
976 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:03:22 ID:zyfEqN+m
いかにせむつひの煙のすゑならで立ちのぼるべき道しなければ(鴨長明)
977 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:16:48 ID:zyfEqN+m
住みわびぬいざさはこえんしでの山さてだに親のあとをふむやと(鴨長明)
978 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:38:13 ID:zyfEqN+m
夕月夜塩みちくらし難波江の蘆のわか葉をこゆるしら波(藤原秀能)
979 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:39:21 ID:zyfEqN+m
あし引の山路の苔の露のうへにね覚夜ぶかき月をみるかな(藤原秀能)
980 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:40:34 ID:zyfEqN+m
草枕ゆふべの空をひととはば鳴きてもつげよ初かりのこゑ(藤原秀能)
981 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:41:51 ID:zyfEqN+m
山里の風すさまじき夕ぐれにこのはみだれて物ぞかなしき(藤原秀能)
982 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:43:52 ID:zyfEqN+m
月すめば四方の浮雲空に消えてみやまがくれをゆくあらしかな(藤原秀能)
983 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 17:49:41 ID:zyfEqN+m
下もみぢうつろひゆけば玉ぼこの道の山かぜさむくふくらし(藤原秀能)
984 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:32:10 ID:zyfEqN+m
もしほやくあまの磯屋のゆふ煙立つ名もくるしおもひきえなで(藤原秀能)
985 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:34:36 ID:zyfEqN+m
袖のうへに誰ゆゑ月はやどるぞとよそになしても人のとへかし(藤原秀能)
986 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:37:39 ID:zyfEqN+m
今こむと契りしことをわすれずはこの夕ぐれの月やまつらむ(藤原秀能)
987 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:38:37 ID:zyfEqN+m
つゆをだに今はかた見のふぢごろもあだにも袖をふくあらしかな(藤原秀能)
988 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:41:18 ID:zyfEqN+m
さわらびのもえ出づる春の夕暮は霞のうへに煙立ちけり(小式部内侍)
989 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:42:23 ID:zyfEqN+m
岩そそぐ清水も春の声たててうちや出でつる谷のさわらび(藤原定家)
990 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:43:10 ID:zyfEqN+m
さわらびの萌え出づる春になりぬれば野辺の霞もたなびきにけり(源実朝)
991 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:44:41 ID:GN4Oi9eX
たづのすむ沢べの蘆の下根とけ汀もえいづる春は来にけり(大中臣能宣[後拾遺])
992 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:45:56 ID:GN4Oi9eX
焼きすてし煙の末の立ちかへり春もえ出づる野べのさわらび(亀山院[新千載])
993 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:00:18 ID:zyfEqN+m
雪きゆる垂水のうへはもえ初めてまだ春しらぬ谷のさわらび(堯孝)
994 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:01:15 ID:zyfEqN+m
草枕都をとほみいたづらにゆききの月のやどる白露(藤原定家)
995 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:02:06 ID:zyfEqN+m
わぎもこが袖吹きかへす秋風のまだうらなれぬ涙とふらむ(後鳥羽院)
996 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:03:06 ID:zyfEqN+m
明日香風袖吹きかへす夕暮に都へだつる佐保の川霧(藤原秀能)
997 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:04:01 ID:zyfEqN+m
飛鳥川桜吹きかへす春の風なほたをやめの袖の香ぞする(藤原為家)
998 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:04:14 ID:GN4Oi9eX
旅人の袖吹きかへす秋風に夕日さびしき山のかけはし(藤原定家[新古今])
999 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:05:45 ID:zyfEqN+m
穂に出でて招く薄のあすか風袖吹き返す秋の夕暮(藤原為家)
1000 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 19:06:41 ID:zyfEqN+m
明日香風かは音ふけてたをやめの袖にかすめる春の夜の月(宗尊親王)
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