1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:46:34 ID:XU1vkESk
3 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:48:15 ID:XU1vkESk
4 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:50:20 ID:XU1vkESk
5 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:53:06 ID:XU1vkESk
6 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:55:10 ID:XU1vkESk
7 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:55:56 ID:XU1vkESk
8 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 21:59:57 ID:XU1vkESk
風まぜに雪は降りつつしかすがに霞たなびき春は来にけり(読人不知[新古今])
9 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 23:32:25 ID:YKB6JKGF
十方仏土の中とある時は方角は入らざるものなり(豊臣秀次)
10 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 23:34:26 ID:YKB6JKGF
極楽も地獄も先は有明の月の心に懸かる雲なし(上杉謙信)
11 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 23:36:57 ID:YKB6JKGF
昔より主をば討つ身の間なれば報いを待てや羽柴筑前(織田信孝)
12 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:03:17 ID:fEbojmM2
我なくも法は尽きまじ和歌の浦あをくさ人のあらん限りは(親鸞)
13 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:06:07 ID:fEbojmM2
何事も夢まぼろしと思い知る身には憂いも喜びもなし(足利義政)
14 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:10:47 ID:fEbojmM2
五月雨は露が涙か不如帰我が名をあげよ雲の上まで(足利義政)
15 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:16:41 ID:fEbojmM2
かかる時さこそ命の惜しからめかねて亡き身と思い知らずば(太田道灌)
16 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:18:37 ID:fEbojmM2
つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを(在原業平)
17 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:20:11 ID:fEbojmM2
行きくれて木の下のかげを宿とせば花や今宵の主ならまし(平忠度)
18 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:23:01 ID:fEbojmM2
埋れ木の花さく事もなかりしに身のなるはてぞ悲しかりける(源頼政)
19 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:24:47 ID:fEbojmM2
おのづから枯れ果てにけり草の葉の主あらばこそ又も結ばめ(諏訪頼重)
20 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:53:00 ID:fEbojmM2
よしや身は蝦夷が島辺に朽ちぬとも魂は東の君やまもらむ(土方歳三)
21 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:54:25 ID:fEbojmM2
この頃の厄妄想をを入れ置きし鉄鉢袋今破るなり(佐々成政)
22 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 14:56:15 ID:fEbojmM2
手に結ぶ水にやどれる月影のあるかなきかの世にこそありけれ(紀貫之)
23 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:03:43 ID:fEbojmM2
夜もすがら契りしことを忘れずは恋ひむ涙の色ぞゆかしき(藤原定子)
24 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:14:48 ID:fEbojmM2
討つ者も討たれる者も土器よ砕けて後はもとの土くれ(三浦義同)
25 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:16:16 ID:fEbojmM2
大神の御魂の前にひれふしてひたすら深き罪を乞うなり(板垣征四郎)
26 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:17:36 ID:fEbojmM2
平和なる国の弥栄祈るかな嬉しき便り待たん浄土に(木村兵太郎)
27 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:18:48 ID:fEbojmM2
さらばなりういの奥山今日越えて弥陀のみもとに行くぞ嬉しき(東条英機)
28 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:20:40 ID:fEbojmM2
踏み出せば狭きも広く変わるなり二河白道もかくやありなん(土肥原賢二)
29 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:21:57 ID:fEbojmM2
天地も人もうらまず一すじに無畏を念じて安らけく行く(松井石根)
30 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:23:12 ID:fEbojmM2
あら楽し思いははるる身はすつる浮世の月にかかる雲なし(大石内蔵助)
31 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 15:30:19 ID:fEbojmM2
おもひをく言の葉なくてつひに行く道はまよはじなるにまかせて(黒田如水)
32 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 17:28:02 ID:fEbojmM2
年ごとに人はやらへど目に見えぬ心の鬼はゆく方もなし(賀茂保憲女)
33 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 17:32:41 ID:fEbojmM2
書よみて智慧売る子とは生れざり蛇のうすぎぬ価ある世よ(山川登美子)
34 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 17:33:31 ID:fEbojmM2
はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る(石川啄木)
35 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:14:15 ID:fEbojmM2
ひさかたの雲井に春のたちぬれば空にぞ霞む天のかぐ山(藤原良経)
36 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:16:21 ID:fEbojmM2
吹きさそふ嵐の庭の花よりもわが身世にふる春ぞつもれる(正徹)
37 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:17:07 ID:fEbojmM2
一とせの残る日数は雪ならでつもりもあへず年ぞくれける(後柏原天皇)
38 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:18:13 ID:fEbojmM2
年月をすつるしるしはみそぎ川夏こそなけれ水のしら波(松永貞徳)
39 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:19:18 ID:fEbojmM2
風わたるならの小河の夕すずみみそぎもあへずなつぞながるる(小沢蘆庵)
40 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:20:09 ID:fEbojmM2
忘るなよさらぬちぎりぞ我も旅人もかりねの一夜なりとも(飛鳥井雅親)
41 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 14:53:40 ID:2Tmczmln
末たえぬ吉野の川のみなかみや妹背の山のなかをゆくらん(醍醐天皇)
42 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 14:56:30 ID:2Tmczmln
女郎花うしろめたくも見ゆる哉荒たる宿にひとりたてれば(兼覽王)
43 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:08:45 ID:2Tmczmln
教へおくことたかはずば行末の道遠くともあとはまどはじ(村上天皇)
44 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:10:00 ID:2Tmczmln
ひとりゐて月をながむる秋の夜は何事をかは思ひのこさん(具平親王)
45 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:11:15 ID:2Tmczmln
あたら夜の月と花とをおなじくば心知れらん人に見せばや(源信明)
46 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:12:40 ID:2Tmczmln
とのもりの伴のみやつこ心あらば此春ばかり朝ぎよめすな(源公忠)
47 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:14:10 ID:2Tmczmln
白露のおくての稻も刈てけり秋はてがたになりやしぬらん(大中臣ョ基)
48 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:15:36 ID:2Tmczmln
初霧の空にたちつる心かな思はれむとも知らぬ我が身を(大中臣ョ基)
49 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:16:46 ID:2Tmczmln
打ちはらふ扇の風の程なきに思ひこめたる荻の音かな(藤原家隆)
50 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:17:49 ID:2Tmczmln
手にならす夏の扇とおもへどもただ秋風のすみかなりけり(藤原良経)
51 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:18:12 ID:yYqOCyiS
名にたてる吉田の里の杖なればつくともつきじ君がよろづ世(平兼盛[拾遺])
52 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:21:38 ID:yYqOCyiS
しののめにおきて見つれば桜花まだ夜をこめて散りにけるかな(大中臣ョ基[続後拾遺])
53 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:22:26 ID:yYqOCyiS
うちもとも見えぬ扇の程なきに涼しき風をいかでこめけむ(大中臣ョ基[新後拾遺])
54 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:24:30 ID:2Tmczmln
うつつにはさらにもいはじ桜花ゆめにもちるとみえばうからむ(凡河内躬恒)
55 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:30:23 ID:2Tmczmln
しぐれにも雨にもあらぬ初霧のたつにも空はさしくもりけり(壬生忠岑
56 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:31:44 ID:2Tmczmln
いづれをかわきてをらまし山ざくら心移らぬ枝しなければ(大中臣輔親)
57 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:32:45 ID:2Tmczmln
定めなき人の心にくらぶればたゞうき島は名のみなりけり(源順)
58 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 15:33:40 ID:2Tmczmln
わするやとしばしばかりも忍ぶるに心よわきは涙なりけり(藤原元真)
59 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:08:42 ID:2Tmczmln
かくばかりへがたく見ゆる世の中に羨ましくもすめる月哉(藤原高光)
60 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:10:10 ID:2Tmczmln
白雪のふれる朝のしらかゆはいとよく似たる物にぞ有ける(藤原仲文)
61 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:11:08 ID:2Tmczmln
芦間より見ゆるながらの橋柱むかしの跡のしるべなりけり(藤原清正)
62 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:12:27 ID:2Tmczmln
子の日しにしめつる野辺ののひめこ松 引かでや千代のかげを待たまし(藤原清正)
63 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:14:07 ID:2Tmczmln
あられふる片野のみ野の櫻狩ぬれぬやどかす人しなければ(藤原長能)
64 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:15:05 ID:2Tmczmln
すむ人もなき山里の秋の夜は月のひかりもさびしかりけり(藤原範長)
65 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:16:08 ID:2Tmczmln
あふさかの關の岩かどふみならし山たちいづるきり原の駒(藤原高遠)
66 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:19:42 ID:2Tmczmln
おもひかね別れし野べをきて見れば淺茅が原に秋風ぞふく(源道濟)
67 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:32:20 ID:2Tmczmln
松風の音にみだるゝ琴のねをひけばねのひの心地こそすれ(齋宮女御)
68 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:33:11 ID:2Tmczmln
ほのかにも風はつてなむ花薄むすぼほれつつ露にぬるとも(齋宮女御)
69 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:34:18 ID:2Tmczmln
秋の日のあやしきほどの夕暮に荻吹く風の音ぞ聞こゆる(齋宮女御)
70 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:35:07 ID:2Tmczmln
吹く風になびく浅茅は我なれや人のこころのあきをしらする(齋宮女御)
71 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:35:59 ID:2Tmczmln
昔とも今ともいさや思ほえずおぼつかなさは夢にやあるらむ(齋宮女御)
72 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:36:57 ID:2Tmczmln
見し夢にうつつの憂きも忘られて思ひなぐさむ程のはかなさ(齋宮女御)
73 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:37:53 ID:2Tmczmln
雨ならでもる人もなき我が宿は浅茅が原と見るぞかなしき(齋宮女御)
74 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:38:54 ID:2Tmczmln
白露の消えにしほどの秋まつと常世の雁もなきてとひけり(齋宮女御)
75 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:39:00 ID:yYqOCyiS
とへかしなあやしき程の夕暮のあはれすぐさぬなさけばかりに(二条院皇后宮常陸[新勅撰])
76 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:56:04 ID:2Tmczmln
遠山のいづれのをより出でつらむなかばの月の夜はの面影(源光行)
77 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:57:54 ID:2Tmczmln
さか木とる庭火のかげにひく琴のしらべにかよふみねの松風(小侍従)
78 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:58:46 ID:2Tmczmln
かよふらしむかふる雲のことのねにうへなき山のみねの松風(慈円)
79 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 16:59:52 ID:2Tmczmln
たまづさのかきあはせたるしらべかな雁のことぢにみねの松風(慈円)
80 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:01:10 ID:2Tmczmln
さそはなむかよひしことのねにそへてむかふる西の峰の松風(藤原定家)
81 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:02:29 ID:2Tmczmln
やまかげぞまだき涼しき松風はいづれの緒より秋と吹くらむ(飛鳥井雅親)
82 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:21:26 ID:yYqOCyiS
琴の音はむべ松風にかよひけり千歳を経べき君にひかれて(二条太皇太后宮大弐[玉葉])
83 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:22:34 ID:yYqOCyiS
琴の音や松ふく風にかよふらむ千代のためしに引きつべきかな(摂津[金葉])
84 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:23:06 ID:2Tmczmln
秋霧のたちてゆくらむ露けさに心をそへて思ひやるかな(選子内親王)
85 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:23:54 ID:2Tmczmln
よそながらたつ秋霧は何なれや野辺に袂はわかれぬものを(齋宮女御)
86 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:24:41 ID:2Tmczmln
大淀の浦たつ波のかへらずはかはらぬ松の色を見ましや(齋宮女御)
87 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:27:31 ID:2Tmczmln
影みえぬ涙のふちの衣手にうづまくあはのきえぞしぬべき(齋宮女御)
88 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:29:01 ID:2Tmczmln
霞たつ山田のそらの松が枝はいくよの春にあへる色ぞも(齋宮女御)
89 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:31:36 ID:2Tmczmln
常世へとかへる雁がねなになれや都を雲のよそにのみきく(齋宮女御)
90 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:33:41 ID:yYqOCyiS
琴の音は月の影にもかよへばや空にしらべのすみのぼるらむ(越後[金葉])
91 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:38:44 ID:yYqOCyiS
年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山(西行[新古今])
92 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:53:00 ID:2Tmczmln
折る人もなき山里に花のみぞ昔の春を忘れざりける(齋宮女御)
93 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:55:59 ID:2Tmczmln
さくら花ちりかふ空はくれにけり伏見の里に宿やからまし〈中務)
94 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:58:10 ID:2Tmczmln
ふらぬ夜の心を知らで大空の雨をつらしとおもひけるかな(小大君)
95 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 17:59:13 ID:2Tmczmln
濁なきかめ井の水をむすびあげて心の塵をすゝぎつるかな(上東門院)
96 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:00:34 ID:2Tmczmln
年ふればわが黒髮もしら河のみづはくむまで老にけるかな(檜垣嫗)
97 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:03:28 ID:2Tmczmln
ふく風をなこその關とおもひしに道もせにちるやま櫻かな(源義家)
98 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:04:28 ID:2Tmczmln
あやなくも曇らぬ霄をいとふかなしのぶの里の秋の夜の月(橘爲仲)
99 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:05:46 ID:2Tmczmln
薄墨にかくたまづさと見ゆるかなかすめる空に歸る雁がね(津守國基)
100 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:28:43 ID:2Tmczmln
昔みし妹が垣根は荒にけりつばなまじりのすみれのみして(藤原公實)
101 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:31:10 ID:2Tmczmln
中々に憂世は夢のなかりせば忘るゝひまもあらましものを(源國信)
102 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:33:38 ID:2Tmczmln
難波潟たづぞなくなるこれやこのたみのゝ島の渡なるらん(源師ョ)
103 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:34:47 ID:2Tmczmln
都人きても見よかししぐれつゝうつろふ山の秋のけしきを(源顯仲)
104 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:36:08 ID:2Tmczmln
くちにけりこれやながらの橋柱あはれ昔のあとばかりして(藤原仲實)
105 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:37:30 ID:2Tmczmln
きくたびに珍らしければ郭公いつも初音のこゝちこそすれ(永縁)
106 :
名無氏物語:2010/02/22(月) 18:38:34 ID:2Tmczmln
山里のしばをりをりにたつ烟人まれなりとそらにしるかな(肥後)
107 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 15:49:02 ID:+xKf1sOu
春のくる夜の間の風のいかなれば今朝吹くにしも氷解らん(河内)
108 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 15:50:09 ID:+xKf1sOu
あす知らぬみ室の峯の根なし艸何あだし世に生ひ初めけん(小大進)
109 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:10:31 ID:+xKf1sOu
何とかや壁に生ふなる草の名よそれにもたぐふ我身也けり(皇嘉門院)
110 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:11:48 ID:+xKf1sOu
我宿は淺茅が原と荒にけりうづらなきぬといはぬばかりに〈源行宗)
111 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:13:12 ID:+xKf1sOu
ふく風に渚のさくらちるときは池のうき草はなさきにけり〈藤原為忠)
112 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:14:56 ID:+xKf1sOu
あづま路の柴すり衣なれにけりいく朝露にそぼちきぬらん(賀茂重保)
113 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:17:54 ID:+xKf1sOu
ゆく年は浪とともにやかへるらん面がはりせぬわかの浦哉(祝部成仲)
114 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:20:07 ID:+xKf1sOu
教へおくかたみのことをしのばなん身は青海の波に流れぬ(藤原師長)
115 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:21:38 ID:+xKf1sOu
かくばかりうき身の程も忘られて猶こひしきは都なりけり(平康ョ)
116 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 16:22:43 ID:+xKf1sOu
落かはる二毛の鹿のくもり星やゝあらはるゝ夏は來にけり(源仲正)
117 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:16:46 ID:+xKf1sOu
みやま木のその梢ともわかざりし櫻は花にあらはれにけり(源ョ政)
118 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:18:28 ID:+xKf1sOu
玉藻ふく磯屋がもとにもる時雨旅寢の袖もしほたれよとや(源仲綱)
119 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:20:16 ID:+xKf1sOu
有明の月もあかしの浦風になみばかりこそよるとみえしか(平忠盛)
120 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:22:10 ID:+xKf1sOu
わが戀は細谷川のまろ木橋ふみかへされてぬるゝそでかな(平通盛)
121 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:24:09 ID:+xKf1sOu
櫻さく峯をあらしやわたるらんふもとの里につもるしら雪(平經盛)
122 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:25:10 ID:+xKf1sOu
さゞ浪の音はへだてず八重霞志賀のから崎たちこむれども(平重衡)
123 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:26:56 ID:+xKf1sOu
あづさ弓春のしるしやこれならん霞たなびくたかまとの山(平資盛)
124 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:53:18 ID:+xKf1sOu
秋きぬとしらできくとも大方はあやしかるべき風の音かな(平忠度)
125 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:57:03 ID:+xKf1sOu
わけてこし野べの露とも消ずして思はぬ里の月をみるかな(平經政)
126 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 17:58:34 ID:+xKf1sOu
身をつみてたれか哀と思ふべき我ばかりうき人しなければ(平行盛)
127 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:01:44 ID:+xKf1sOu
かくまではあはれならじをしぐるとも磯の松が根枕ならずは(平行盛)
128 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:05:20 ID:+xKf1sOu
高嶺よりはるかに見れば大井川となせはをちの梢なりけり(覺性法親王)
129 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:11:06 ID:+xKf1sOu
今朝よりはいとゞ思をたきましてなげきこりつむ逢阪の山(高倉天皇)
130 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:12:06 ID:+xKf1sOu
いざさらば涙くらべん時鳥われもうき世にねをのみぞなく(建禮門院)
131 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:29:30 ID:+xKf1sOu
うき世にはかゝれとてこそ生れけめことわりしらぬ我涙哉(土御門院)
132 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:30:34 ID:+xKf1sOu
三島江や霜もまだひぬ芦の葉につのぐむほどの春風ぞふく(源通光)
133 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:32:46 ID:+xKf1sOu
武藏野はゆけども秋の果ぞなきいかなる風のすゑに吹らん(源通光)
134 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:33:54 ID:+xKf1sOu
岩がねの床にあらしをかたしきて獨や寐なんさよのなか山(源有家)
135 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:39:32 ID:+xKf1sOu
しきたへの枕のうへをすぎぬなり露をへだつる秋のはつ風(源具親)
136 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:44:15 ID:+xKf1sOu
音にこそ時雨もきゝしふる里の木の葉もるまで荒にける哉(藤原隆信)
137 :
名無氏物語:2010/02/23(火) 18:46:31 ID:+xKf1sOu
夕日さすとほ山もとの里見えてすゝきふきしく野べの秋風(藤原隆祐)
138 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 19:58:30 ID:HGk6psVI
ふる里を戀ふる寐覺の悲しきに千鳥なくなりちかの汐がま(顯昭)
139 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:00:21 ID:HGk6psVI
雲さそふあまつ春風かをるなり高間の山のはなさかりかも(鴨長明)
140 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:01:22 ID:HGk6psVI
忘れじななにはの秋の夜半の空こと浦にすむ月は見るとも(宜秋門院丹後)
141 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:02:21 ID:HGk6psVI
まつよひに更ゆく鐘のこゑきけばあかぬ別の鳥はものかは(小侍從)
142 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:03:25 ID:HGk6psVI
花さそふ比良の山風ふきにけりこぎゆく舟の跡見ゆるまで(後鳥羽院宮内卿)
143 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:04:48 ID:HGk6psVI
あだにちる露の枕にふしわびてうづら鳴なりとこの山かぜ(俊成卿女)
144 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:07:06 ID:HGk6psVI
椎ひろふ賤も道にやまよふらんきりたちこむる秋のやま里〈建礼門院右京大夫)
145 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:08:06 ID:HGk6psVI
見るとてもうれしくもなし増鏡こひしき人の影もとめねば(静御前)
146 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:30:05 ID:HGk6psVI
天の川遠きわたりになりにけり片野のみ野のさみだれの頃(藤原為家)
147 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:33:47 ID:HGk6psVI
をとめ子がかざしの櫻さきにけり袖ふる山にかゝるしら雲(藤原為氏)
148 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 20:36:36 ID:HGk6psVI
老となる物とはしりぬしかりとて背かれなくに月を見る哉(藤原信實)
149 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 21:37:03 ID:HGk6psVI
ものゝふの矢並つくろふ籠手の上に霰たばしる那須の篠原(源實朝)
150 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 21:43:15 ID:HGk6psVI
時しあれば谷よりいづる鶯に世をたすくべき人をとはゞや(後宇多天皇)
151 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 21:45:30 ID:HGk6psVI
初雁もなきてきにけりうき事を思ひつらぬる秋のゆふぐれ〈宗尊親王)
152 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 21:46:38 ID:HGk6psVI
忘れめやよるべもなみのあらいそを御舟の上にとめし心は(後醍醐天皇)
153 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 21:47:47 ID:HGk6psVI
九重に今もますみの鏡こそなほ世をてらすひかりなりけれ(後村上天皇)
154 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 21:48:46 ID:HGk6psVI
をさまらぬ世の人事のしげければ櫻かざして暮す日もなし(後亀山天皇)
155 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:12:45 ID:HGk6psVI
花鳥のいろにも音にもさきだちて時しるものは霞なりけり(尊良親王)
156 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:13:47 ID:HGk6psVI
おもひきや手もふれざりし梓弓おきふし我身なれん物とは(宗良親王)
157 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:14:59 ID:HGk6psVI
いかになほ泪をそへてわけわびん親にさきだつみち芝の露(興良親王)
158 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:16:21 ID:HGk6psVI
日にそへて遁れんとのみ思ふ身にいとゞ憂世の事しげき哉(懷良親王)
159 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:17:27 ID:HGk6psVI
しでの山こえんも知らで都人なほさりともと我やまつらん(花山院師賢)
160 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:19:37 ID:HGk6psVI
いかにせんたのむ陰とて立よればなほ袖ぬらす松のした露(万里小路藤房)
161 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:21:50 ID:HGk6psVI
長かれと何おもひけん世の中のうきを見するは命なりけり(万里小路宣房)
162 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:23:05 ID:HGk6psVI
いにしへもかゝる例(ためし)をきく川のおなじ流に身をやしづめん(日野俊基)
163 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:31:13 ID:HGk6psVI
歸るべき道しなければこれやこのゆくをかぎりの逢坂の關(北畠具行)
164 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:36:26 ID:HGk6psVI
霞む夜の月を見るにもくもらじと思ふ心をなほみがきつゝ(吉田守房)
165 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:37:27 ID:HGk6psVI
わが袖の涙にやどるかげぞともしらで雲井の月やすむらん(新田義貞)
166 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:38:16 ID:HGk6psVI
つゝめども色香ぞあまるかつらきや霞の袖のはなのしら雲(楠木正成)
167 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:39:25 ID:HGk6psVI
とても世に長らふべくもあらぬ身の假の契をいかで結ばん(楠木正行)
168 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:40:34 ID:HGk6psVI
ものゝふの上矢のかぶら一筋に思ふこゝろは神ぞ知るらん(菊池武時)
169 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:41:58 ID:HGk6psVI
青柳のなびくを見れば長閑なる春とて風の吹かぬまもなし(頓阿)
170 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:43:15 ID:HGk6psVI
遁れても柴のかりほの假の世に今いく程かのどけかるべき〈兼好)
171 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 22:56:46 ID:HGk6psVI
曇らぬを神代のまゝの心ぞとそらにいさめて月やすむらん(三条西実隆)
172 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:00:33 ID:HGk6psVI
をさまれる我世いかにと浪風の八十島かけてゆくこゝろ哉(後柏原天皇)
173 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:04:39 ID:HGk6psVI
旅まくら都おもへば都にて見しにもあらずかすむつきかな〈後水尾院)
174 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:06:07 ID:HGk6psVI
限なき民の草葉もおしなべて風しづかなる世になびくなり〈霊元院)
175 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:08:24 ID:HGk6psVI
くるとあくと常に心に忘れぬはやすかれと思ふ四方の國民〈光格天皇)
176 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:09:42 ID:HGk6psVI
大君は神にしませば天雲の雷の上にいほりせるかも(柿本人麻呂)
177 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:10:48 ID:HGk6psVI
大宮の内まで聞ゆ網引すと網子ととのふる海人の呼び聲(長奥麻呂)
178 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:17:57 ID:HGk6psVI
やすみししわが大君の食國は大和も此處も同じとぞ念ふ(大伴旅人)
179 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:20:22 ID:HGk6psVI
千萬の軍なりとも言擧せず取りて來ぬべき男とぞ思ふ(高橋蟲麻呂)
180 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:22:34 ID:HGk6psVI
をのこやも空しかるべき萬代に語りつぐべき名は立てずして(山上憶良)
181 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:23:43 ID:HGk6psVI
ますらをの弓末振り起し射つる矢を後見む人は語りつぐがね(笠金村)
182 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:24:33 ID:HGk6psVI
あしひきの山にも野にもみ猟人さつ矢手挟みみだれたり見ゆ(山部赤人)
183 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:25:27 ID:HGk6psVI
旅人の宿せむ野に霜降らば吾が子羽ぐくめ天の鶴群(遣唐使使人母)
184 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:27:05 ID:HGk6psVI
わが背子はものな思ほし事しあらば火にも水にも吾なけなくに(安倍女郎)
185 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:28:23 ID:HGk6psVI
み民吾生けるしるしあり天地の榮ゆる時にあへらく思へば(海犬養岡麻呂)
186 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:37:00 ID:HGk6psVI
大君の命かしこみ大船の行きのまにまに宿りするかも(雪宅麻呂)
187 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:38:01 ID:HGk6psVI
あをによし奈良の京は咲く花のにほふがごとく今さかりなり(小野老)
188 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:39:15 ID:HGk6psVI
降る雪の白髮までに大君に仕へまつれば貴くもあるか(橘諸兄)
189 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:40:17 ID:HGk6psVI
天の下すでに覆ひて降る雪の光を見れば貴くもあるか(紀清人)
190 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:41:23 ID:HGk6psVI
新しき年のはじめに豊の年しるすとならし雪のふれるは(葛井諸會)
191 :
名無氏物語:2010/02/24(水) 23:42:54 ID:HGk6psVI
唐國に往き足らはして歸り來むますら武雄に御酒たてまつる(多治比鷹主)
192 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:06:54 ID:HGk6psVI
すめろぎの御代榮えむと東なるみちのく山にくがね花咲く(大伴家持)
193 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:12:35 ID:/2ZtKzaQ
大君の命かしこみ磯に觸り海原渡る父母をおきて(丈部人麻呂)
194 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:14:18 ID:/2ZtKzaQ
眞木柱ほめて造れる殿のごといませ母刀自面變りせず(坂田部麻呂)
195 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:15:33 ID:/2ZtKzaQ
霰降り鹿島の神を祈りつつ皇御軍に吾は來にしを(大舎人部千文)
196 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:17:21 ID:/2ZtKzaQ
今日よりはかへりみなくて大君のしこの御盾と出立つ吾は(今奉部與曾布)
197 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:18:37 ID:/2ZtKzaQ
天地の神を祈りてさつ矢ぬき筑紫の島をさして行く吾は(大田部荒耳)
198 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:20:14 ID:/2ZtKzaQ
ちはやぶる神の御坂に幣奉り齋ふいのちは母父がため(神人部子忍男)
199 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:31:58 ID:/2ZtKzaQ
翁とてわびやは居らむ草も木も榮ゆる時に出でて舞ひてむ(尾張濱主)
200 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:35:31 ID:/2ZtKzaQ
海ならずたたへる水の底までも清き心は月ぞ照らさむ(菅原道真)
201 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:36:40 ID:/2ZtKzaQ
山のごと坂田の稻を抜き積みて君が千歳の初穗にぞ舂く(大中臣輔親)
202 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 00:38:36 ID:/2ZtKzaQ
もろこしも天の下にぞ有りと聞く照る日の本を忘れざらなむ(成尋阿闍梨母)
203 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 13:18:20 ID:/2ZtKzaQ
君が代はつきじとぞ思ふ神風やみもすそ川のすまむ限は(源經信)
204 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 13:20:03 ID:/2ZtKzaQ
君が代は松の上葉におく露のつもりて四方の海となるまで(源俊ョ)
205 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 13:23:20 ID:/2ZtKzaQ
君が代にあへるは誰も嬉しきを花は色にも出でにけるかな(藤原範兼)
206 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 13:24:14 ID:/2ZtKzaQ
み山木のその梢とも見えざりし櫻は花にあらはれにけり(源ョ政)
207 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 13:28:50 ID:/2ZtKzaQ
宮柱したつ岩根にしき立ててつゆも曇らぬ日の御影かな(西行)
208 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 13:31:04 ID:/2ZtKzaQ
君が代は千代ともささじ天の戸や出づる月日のかぎりなければ(藤原俊成)
209 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:23:21 ID:/2ZtKzaQ
昔たれかかる櫻の花を植ゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良經)
210 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:24:11 ID:/2ZtKzaQ
山はさけ海はあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも(源實朝)
211 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:26:22 ID:/2ZtKzaQ
曇りなきみどりの空を仰ぎても君が八千代をまづ祈るかな(藤原定家)
212 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:27:16 ID:/2ZtKzaQ
末の世の末の末まで我が國はよろづの國にすぐれたる國(宏覺)
213 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:28:56 ID:/2ZtKzaQ
西の海よせくる波も心せよ神の守れるやまと島根ぞ(中臣祐春)
214 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:29:56 ID:/2ZtKzaQ
勅として祈るしるしの神風に寄せくる浪はかつ碎けつつ(藤原為氏)
215 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:31:06 ID:/2ZtKzaQ
命をばかろきになして武士の道よりおもき道あらめやは(源致雄)
216 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 15:32:06 ID:/2ZtKzaQ
限なき惠を四方にしき島の大和島根は今さかゆなり(藤原為定)
217 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:05:10 ID:/2ZtKzaQ
思ひかね入りにし山を立ち出でて迷ふうき世もただ君の爲(藤原師賢)
218 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:07:37 ID:/2ZtKzaQ
君をいのる道にいそげば神垣にはや時つげて鶏も鳴くなり(津守國貴)
219 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:08:35 ID:/2ZtKzaQ
ものゝふの上矢のかぶら一筋に思ふ心は神ぞ知るらむ(菊池武時)
220 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:09:23 ID:/2ZtKzaQ
かへらじとかねて思へば梓弓なき數に入る名をぞとゞむる(楠木正行)
221 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:10:08 ID:/2ZtKzaQ
鶏の音になほぞおどろく仕ふとて心のたゆむひまはなけれど(北畠親房)
222 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:11:07 ID:/2ZtKzaQ
いのちより名こそ惜しけれ武士の道にかふべき道しなければ(森迫親正)
223 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:12:04 ID:/2ZtKzaQ
あふぎ來てもろこし人も住みつくやげに日の本の光なるらむ(三條西實隆)
224 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 16:13:04 ID:/2ZtKzaQ
あぢきなやもろこしまでもおくれじと思ひしことは昔なりけり(新納忠元)
225 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:16:18 ID:/2ZtKzaQ
富士の嶺に登りて見れば天地はまだいくほどもわかれざりけり(下河邊長流)
226 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:18:02 ID:/2ZtKzaQ
行く川の清き流れにおのづから心の水もかよひてぞすむ(徳川光圀)
227 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:19:08 ID:/2ZtKzaQ
ふみわけよ日本にはあらぬ唐鳥の跡をみるのみ人の道かは(荷田春滿)
228 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:20:03 ID:/2ZtKzaQ
大御田の水泡も泥もかきたれてとるや早苗は我が君の爲(賀茂眞淵)
229 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:21:08 ID:/2ZtKzaQ
もののふの兜に立つる鍬形のながめ柏は見れどあかずけり(田安宗武)
230 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:22:11 ID:/2ZtKzaQ
すめ神の天降りましける日向なる高千穗の嶽やまづ霞むらむ(楫取魚彦)
231 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:23:04 ID:/2ZtKzaQ
天の原てる日にちかき富士の嶺に今も神代の雪は殘れり(橘枝直)
232 :
名無氏物語:2010/02/25(木) 17:23:57 ID:/2ZtKzaQ
千代ふりし書もしるさず海の國のまもりの道は我ひとり見き(林子平)
233 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 15:50:48 ID:B6WDvRp2
我を我としろしめすかやすべらぎの玉のみ聲のかかる嬉しさ(高山彦九郎)
234 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 15:51:51 ID:B6WDvRp2
あし原やこの國ぶりの言の葉に榮ゆる御代の聲ぞ聞ゆる(小澤蘆菴)
235 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 15:53:37 ID:B6WDvRp2
しきしまのやまと心を人とはば朝日ににほふ山ざくら花(本居宣長)
236 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 15:55:13 ID:B6WDvRp2
初春の初日かがよふ神國の神のみかげをあふげ諸(荒木田久老)
237 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 15:56:05 ID:B6WDvRp2
八束穗の瑞穗の上に千五百秋國の秀見せて照れる月かも(橘千蔭)
238 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 15:57:17 ID:B6WDvRp2
香具山の尾上に立ちて見渡せば大和國原早苗とるなり(上田秋成)
239 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 16:19:35 ID:B6WDvRp2
遠つ祖の身によろひたる緋縅の面影浮かぶ木々のもみぢ葉(蒲生君平)
240 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 16:23:37 ID:B6WDvRp2
かけまくもあやに畏きすめらぎの神のみ民とあるが樂しさ(栗田土滿)
241 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 16:26:41 ID:B6WDvRp2
大日本神代ゆかけて傳へつる雄々しき道ぞたゆみあらすな(賀茂季鷹)
242 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 16:28:27 ID:B6WDvRp2
青海原潮の八百重の八十國につぎてひろめよ此の正道を(平田篤胤)
243 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:22:36 ID:B6WDvRp2
一方に靡きそろひて花すすき風吹く時ぞみだれざりける(香川景樹)
244 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:24:53 ID:B6WDvRp2
安見ししわが大君のしきませる御國ゆたかに春は來にけり(大倉鷲夫)
245 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:27:02 ID:B6WDvRp2
かきくらすあめりか人に天つ日のかがやく邦のてぶり見せばや(藤田東湖)
246 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:28:45 ID:B6WDvRp2
わが國はいともたふとし天地の神の祭をまつりごとにて(足代弘訓)
247 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:30:36 ID:B6WDvRp2
君がため花と散りにしますらをに見せばやと思ふ御代の春かな(加納諸平)
248 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:31:26 ID:B6WDvRp2
大君の宮敷きましし橿原のうねびの山の古おもほゆ(鹿持雅澄)
249 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:34:50 ID:B6WDvRp2
大君のためには何か惜しからむ薩摩のせとに身は沈むとも(月照)
250 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 17:39:49 ID:B6WDvRp2
大君の御贄のまけと魚すらも神代よりこそ仕へきにけれ(石川依平)
251 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:11:24 ID:B6WDvRp2
君が代を思ふ心のひとすぢに吾が身ありとはおもはざりけり(梅田雲濱)
252 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:14:37 ID:B6WDvRp2
身はたとひ武藏の野邊に朽ちぬとも留めおかまし日本魂(吉田松陰)
253 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:15:23 ID:B6WDvRp2
岩が根も碎かざらめや武士の國の爲とに思ひ切る太刀(有村次左衛門)
254 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:16:08 ID:B6WDvRp2
鹿島なるふつの靈の御剣をこころに磨ぎて行くはこの旅(高橋多一郎)
255 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:17:10 ID:B6WDvRp2
天皇に仕へまつれと我を生みし我がたらちねぞ尊かりける(佐久良東雄)
256 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:18:01 ID:B6WDvRp2
天ざかる蝦夷をわが住む家として並ぶ千島のまもりともがな(徳川齊昭)
257 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:19:54 ID:B6WDvRp2
朝廷邊に死ぬべきいのちながらへて歸る旅路の憤ろしも(有馬新七)
258 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:35:26 ID:B6WDvRp2
大君の御旗の下に死してこそ人と生れし甲斐はありけれ(田中河内介)
259 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:36:38 ID:B6WDvRp2
しづたまき數ならぬ身も時を得て天皇がみ爲に死なむとぞ思ふ(兒島草臣)
260 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:37:27 ID:B6WDvRp2
君がため命死にきと世の人に語り継ぎてよ峰の松風(松本奎堂)
261 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:38:12 ID:B6WDvRp2
天皇の御楯となりて死なむ身の心は常に樂しくありけり(鈴木重胤)
262 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:39:02 ID:B6WDvRp2
曇りなき月を見るにも思ふかな明日はかばねの上に照るやと(吉村乕太郎)
263 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:40:04 ID:B6WDvRp2
君が代はいはほと共に動かねば碎けてかへれ沖つしら波(伴林光平)
264 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:41:19 ID:B6WDvRp2
ますらをが思ひこめにし一筋は七生かふとも何たわむべき(澁谷伊與作)
265 :
名無氏物語:2010/02/26(金) 18:42:21 ID:B6WDvRp2
みちのくのそとなる蝦夷のそとを漕ぐ舟より遠くものをこそ思へ(佐久間象山)
266 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 19:59:20 ID:heRg2UDi
執り佩ける太刀の光はものゝふの常に見れどもいやめづらしき(久坂玄瑞)
267 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:01:07 ID:heRg2UDi
大君の御楯となりて捨つる身と思へば輕き我が命かな(津田愛之助)
268 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:02:11 ID:heRg2UDi
青雲のむかふす極すめろぎの御稜威かがやく御代になしてむ(平野國臣)
269 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:03:09 ID:heRg2UDi
大山の峰の岩根に埋めにけりわが年月の日本だましひ(眞木和泉)
270 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:03:55 ID:heRg2UDi
片敷きて寝ぬる鎧の袖の上に思ひぞつもる越の白雪(武田耕雲齋)
271 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:43:47 ID:heRg2UDi
武夫のたけきかゞみと天の原あふぎ尊め丈夫のとも(平賀元義)
272 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:44:52 ID:heRg2UDi
後れても後れてもまた君たちに誓ひしことをわれ忘れめや(高杉晋作)
273 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:45:39 ID:heRg2UDi
武士のやまと心をより合はせただひとすぢの大綱にせよ(野村望東尼)
274 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:46:49 ID:heRg2UDi
男山今日の行幸の畏きも命あればぞをろがみにける(大隈言道)
275 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:52:25 ID:heRg2UDi
春にあけてまづみる書も天地のはじめの時と讀み出づるかな(橘曙覽)
276 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 20:53:26 ID:heRg2UDi
朝倉や木の丸殿にわがをればなのりをしつつ行くはたが子ぞ(天智天皇)
277 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:49:36 ID:heRg2UDi
北山にたなびく雲の青雲の星離りゆき月を離りて(持統天皇)
278 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:50:30 ID:heRg2UDi
もののふの八十氏河の網代木にいさよふ波の行く方知らずも(柿本人麿)
279 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:51:21 ID:heRg2UDi
春の野に菫採みにと來しわれぞ野をなつかしみ一夜ねにける(山邊赤人)
280 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:52:03 ID:heRg2UDi
あひ見ねば戀こそまされ水無瀬川何に深めて思ひそめけむ(猿丸大夫)
281 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:53:11 ID:heRg2UDi
うらうらに照れる春日に雲雀あがりこころ悲しも獨し念へば(大伴家持)
282 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:54:11 ID:heRg2UDi
あまのはらふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも(安倍仲麿)
283 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 21:55:06 ID:heRg2UDi
樹の間より見ゆるは谷の螢かもいさりにあまの海へゆくかも(喜撰法師)
284 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:20:10 ID:JXOEqiMM
道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ(西行法師)
285 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:26:29 ID:heRg2UDi
はかなしやわが身のはてよ淺獄邊にたなびく霞と思へば(小野小町)
286 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:27:26 ID:heRg2UDi
世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ(蝉丸)
287 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:28:34 ID:heRg2UDi
數ならばかからましやは世の中にいと悲しきはしづのをだまき(小野篁)
288 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:29:35 ID:heRg2UDi
末の露もとのしづくや世の中のおくれさきだつためしなるらむ(遍昭)
289 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:30:47 ID:heRg2UDi
筑波嶺のみねより落つるみなの川戀ぞつもりて淵となりける(陽成院)
290 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:32:26 ID:heRg2UDi
今日櫻しづくにわが身いざ濡れむ香ごめに誘ふ風の來ぬ間に(源融)
291 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:34:24 ID:heRg2UDi
君がせぬわが手枕は草なれや涙の露の夜な夜なぞおく(光孝天皇)
292 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:35:22 ID:heRg2UDi
わくらばにとふ人あらば須磨の浦に藻鹽たれつつわぶと答へよ(在原行平)
293 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:44:18 ID:heRg2UDi
狩りくらし七夕つ女に宿借らむ天の河原にわれは來にけり(在原業平)
294 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:45:04 ID:heRg2UDi
わが戀の數をかぞへば天の原曇りふたがりふる雨のごと(藤原敏行)
295 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:46:10 ID:heRg2UDi
沖つ藻を取らでややまむほのぼのと舟出しことも何によりてぞ(伊勢)
296 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:47:45 ID:heRg2UDi
天雲のはるばる見ゆる嶺よりも高くぞ君をおもひそめてし(元良親王)
297 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:49:22 ID:heRg2UDi
もみぢ葉の流れてとまる湊にはくれなゐ深き波や立つらむ(素性法師)
298 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:50:16 ID:heRg2UDi
草深き霞の谷にかげかくし照る日のくれし今日にやはあらぬ(文屋康秀)
299 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 22:51:03 ID:heRg2UDi
照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき(大江千里)
300 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 23:01:33 ID:heRg2UDi
草葉には玉と見えつつ侘人の袖のなみだの秋のしらつゆ(菅原道真)
301 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 23:04:19 ID:heRg2UDi
かぎりなき名におふ藤の花なればそこひも知らぬ色の深さか(藤原定方)
302 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 23:05:17 ID:heRg2UDi
春の夜の夢のうちにも思ひきや君なき宿をゆきて見むとは(藤原忠平)
303 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 23:06:36 ID:heRg2UDi
來ぬ人を待つ秋風の寢覺にはわれさへあやな旅ごこちする(藤原兼輔)
304 :
名無氏物語:2010/02/27(土) 23:07:44 ID:heRg2UDi
あづまぢのさやの中山なかなかにあひ見てのちぞわびしかりける(源宗于)
305 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:22:37 ID:yp7fZmL4
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる(凡河内躬恆)
306 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:23:37 ID:yp7fZmL4
春はなほわれにて知りぬ花盛りこころのどけき人はあらじな「壬生忠岑)
307 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:26:16 ID:yp7fZmL4
水底に沈める花の影見れば春は深くもなりにけるかな(坂上是則)
308 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:29:06 ID:yp7fZmL4
昨日といひ今日と暮して飛鳥川流れて早き月日なりけり(春道列樹)
309 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:30:58 ID:yp7fZmL4
君ならでたれにか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る(紀友則)
310 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:32:05 ID:yp7fZmL4
夏の月光をしまず照るときは流るる水にかげろふぞたつ(藤原興風)
311 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:33:18 ID:yp7fZmL4
花鳥もみなゆきかひてぬばたまの夜の間に今日の夏は來にけり(紀貫之)
312 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:48:06 ID:yp7fZmL4
滿つ潮のながれひる間を逢ひがたみみるめの浦に夜をこそ待て(清原深養父)
313 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:49:25 ID:yp7fZmL4
波わけて見るよしもがなわたつみの底のみるめももみぢ散るやと(文屋朝康)
314 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 15:50:58 ID:yp7fZmL4
おほかたの秋の空だに侘しきにものおもひそふる君にもあるかな(右近)
315 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:21:16 ID:yp7fZmL4
かげろふに見しばかりにやはまちどり行方も知らぬ戀にまどはむ(源等)
316 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:22:06 ID:yp7fZmL4
天の河かはべの霧の中分けてほのかに見えし月の戀しさ(平兼盛)
317 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:23:07 ID:yp7fZmL4
渡れどもぬるとはなしにわが見つる夢前川を誰にかたらむ(壬生忠見)
318 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:26:54 ID:yp7fZmL4
春は惜しほととぎすまた聞かまほし思ひわづらふしづこころかな(清原元輔)
319 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:29:33 ID:yp7fZmL4
いつとなくしづ心なきわが戀のさみだれにしも亂れそむらむ(藤原敦忠)
320 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:31:29 ID:yp7fZmL4
人づてに知らせてしがなかくれ沼の水籠りにのみ戀ひや渡らむ(藤原朝忠)
321 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:35:03 ID:yp7fZmL4
風早き響きの灘(なだ)の船よりも生きがたかりしほどは聞ききや(藤原伊尹)
322 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:47:08 ID:yp7fZmL4
妹とわれねやの風戸に晝寢して日高き夏のかげを過さむ(曾根好忠)
323 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:48:02 ID:yp7fZmL4
百千鳥聲のかぎりは鳴きふりぬまだおとづれぬものは君のみ(惠慶法師)
324 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 16:49:50 ID:yp7fZmL4
夏刈の玉江の蘆を踏みしだき群れゐる鳥のたつそらぞなき(源重之)
325 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:03:58 ID:yp7fZmL4
花散らば起きつつも見むつねよりもさやけく照らせ春の夜の月(大中臣能宣)
326 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:07:17 ID:yp7fZmL4
露くだる星合(ほしあひ)の空をながめつついかで今年の秋を暮さむ(藤原義孝)
327 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:08:14 ID:yp7fZmL4
桂川かざしの花の影見えし昨日のふちぞ今日は戀しき(藤原實方)
328 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:42:17 ID:yp7fZmL4
近江にかありといふなる三稜草生ふる人くるしめの筑摩江の沼(藤原道信)
329 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:43:06 ID:yp7fZmL4
春の野につくるおもひのあまたあればいづれを君が燃ゆるとか見む(藤原道綱母)
330 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:44:51 ID:yp7fZmL4
ひとりぬる人や知るらむ秋の夜をながしと誰か君に告げつる(高階貴子)
331 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:45:41 ID:yp7fZmL4
秋深き汀の菊のうつろへば波の花さへ色まさりけり(藤原公任)
332 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 17:47:25 ID:yp7fZmL4
秋吹くはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ(和泉式部)
333 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:14:03 ID:yp7fZmL4
おぼつかなそれかあらぬか明暗のそらおぼれする朝顔の花(紫式部)
334 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:25:12 ID:yp7fZmL4
はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寢覺の心なりけり(大貳三位)
335 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:27:57 ID:yp7fZmL4
有明の月は袂に流れつつかなしき頃の蟲の聲かな(赤染衞門)
336 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:29:24 ID:yp7fZmL4
春の來ぬところはなきを白川のわたりにのみや花は咲くらむ(小式部内侍)
337 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:30:34 ID:yp7fZmL4
おきあかし見つつながむる萩の上の露吹き亂る秋の夜の風(伊勢大輔)
338 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:31:31 ID:yp7fZmL4
花もみな繁き梢になりにけりなどかわが身のなる方もなき(清少納言)
339 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:57:05 ID:yp7fZmL4
榊葉の木綿しでかげのそのかみにおしかへしてもわたる頃かな(藤原道雅)
340 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 18:59:41 ID:yp7fZmL4
梢には殘りもあらじ神無月なべて降りつる夜半のくれなゐ(藤原定頼)
341 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 19:03:59 ID:yp7fZmL4
わが袖を秋の草葉にくらべばやいづれか露のおきはまさると(相模)
342 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 19:26:42 ID:yp7fZmL4
木の間洩るかたわれ月のほのかにも誰かわが身を思ひいづべき(行尊)
343 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 19:31:28 ID:yp7fZmL4
朝な朝な折れば露にぞそぼちぬる戀の袖とや磐余野の萩(周防内侍)
344 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 19:32:54 ID:yp7fZmL4
あしひきの山のあなたに住む人は待たでや秋の月を見るらむ(三條天皇)
345 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 19:34:08 ID:yp7fZmL4
山里の春の夕暮來てみれば入相の鐘に花ぞ散りける(能因法師)
346 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:27:53 ID:yp7fZmL4
五月闇はなたちばなに吹く風は誰が里までか匂ひゆくらむ(良暹法師)
347 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:29:17 ID:yp7fZmL4
雲拂ふ比良の嵐に月冱えて冰かさぬる眞野の浦波(源經信)
348 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:31:25 ID:yp7fZmL4
袖の上の露けかりつる今宵かなこれや秋立つはじめなるらむ(祐子内親王家紀伊)
349 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:32:15 ID:yp7fZmL4
こほりゐし志賀の唐崎うちとけてさざなみよする春風ぞ吹く(大江匡房)
350 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:33:17 ID:yp7fZmL4
何となくものぞかなしき菅原や伏見の里の秋の夕暮(源俊ョ)
351 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:34:15 ID:yp7fZmL4
高圓の野路の篠原すゑさわぎそそやこがらし今日吹きぬなり(藤原基俊)
352 :
名無氏物語:2010/02/28(日) 22:36:04 ID:yp7fZmL4
思ひかねそなたの空をながむればただ山の端にかかる白雲(藤原忠通)
353 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 15:09:01 ID:Lm2lHDzQ
花は根に鳥は古巣にかへるなり春のとまりを知る人ぞなき(崇徳院)
354 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 15:28:00 ID:Lm2lHDzQ
夕霧に梢も見えず初瀬山入相の鐘の音ばかりして(源兼昌)
355 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 15:32:10 ID:Lm2lHDzQ
聲高しすこしたちのけきりぎりすさこそは草の枕なりとも(藤原顕輔)
356 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 15:35:06 ID:Lm2lHDzQ
たなばたの逢瀬絶えせぬ天の川いかなる秋か渡りそめけむ(待賢門院堀河)
357 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 15:43:41 ID:Lm2lHDzQ
なごの海の霞のまよりながむれば入日をあらふ沖つ白波(藤原実定)
358 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 15:48:32 ID:Lm2lHDzQ
くれなゐに涙の色のなりゆくをいくしほまでと君に問はばや(道因法師)
359 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 17:47:10 ID:Lm2lHDzQ
またや見む交野の御野の櫻狩花の雪散る春のあけぼの(藤原俊成)
360 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 17:50:05 ID:Lm2lHDzQ
夢のうちに五十の春は過ぎにけり今ゆくすゑは宵のいなづま(藤原清輔)
361 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 17:52:46 ID:Lm2lHDzQ
わが戀は今をかぎりと夕まぐれ荻吹く風のおとづれてゆく(俊惠法師)
362 :
名無氏物語:2010/03/01(月) 18:05:58 ID:Lm2lHDzQ
年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山(西行法師)
363 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 20:54:08 ID:7ogtYw0m
思ひ立つ鳥は古巣もたのむらむ馴れぬる花のあとの夕暮(寂蓮法師)
364 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 20:55:58 ID:7ogtYw0m
くれなゐにかたしく袖はなりにけり涙や夜はの時雨なるらむ(皇嘉門院別當)
365 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 20:56:45 ID:7ogtYw0m
かへりこぬ昔を今とおもひ寢の夢の枕に匂ふたちばな(式子内親王)
366 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:08:20 ID:7ogtYw0m
花もまた別れむ春は思ひ出よ咲き散るたびの心盡しを(殷富門院大輔)
367 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:09:56 ID:7ogtYw0m
幾夜われ波にしをれて貴船川袖に玉散るもの思ふらむ(藤原良経)
368 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:11:47 ID:7ogtYw0m
夢にだに人を見よとやうたた寢の袖吹きかへす秋の夕風(二條院讃岐)
369 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:13:06 ID:7ogtYw0m
來む年もたのめぬ上の空にだに秋風吹けば雁は來にけり(源実朝)
370 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:14:50 ID:7ogtYw0m
草枕むすびさだめむ方知らずならはぬ野邊の夢のかよひ路(藤原雅経)
371 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:29:10 ID:7ogtYw0m
戀ひそめし心はいつぞいそのかみ都のおくの夕暮の空(慈圓)
372 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:30:58 ID:7ogtYw0m
つくづくと思ひ明石の浦千鳥波の枕になくなくぞ聞く(藤原公経)
373 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:32:51 ID:7ogtYw0m
見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮(藤原定家)
374 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:34:21 ID:7ogtYw0m
明けばまた越ゆべき山の峰なれや空行く月の末の白雲(藤原家隆)
375 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:39:53 ID:whC1qTCr
376 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 21:40:09 ID:7ogtYw0m
み吉野の高嶺(たかね)の櫻散りにけり嵐も白き春の曙(後鳥羽院)
377 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:23:25 ID:7ogtYw0m
おきまよふ暁の露の袖の上を濡れながら吹く秋の山風(順徳院)
378 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:24:43 ID:7ogtYw0m
野邊はいまだ淺香の沼に刈る草のかつみるままに茂る頃かな(藤原雅経)
379 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:28:02 ID:7ogtYw0m
初時雨しのぶの山のもみぢ葉を嵐吹けとは染めずやありけむ(七條院大納言)
380 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:29:07 ID:7ogtYw0m
人知れず苦しきものはしのぶ山下はふ葛のうらみなりけり(藤原C輔)
381 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:30:20 ID:7ogtYw0m
消えねただしのぶの山の峰の雲かかる心のあともなきまで(藤原雅経)
382 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:32:20 ID:7ogtYw0m
日を經つつみやこしのぶの浦さびて波より外の音づれもなし(藤原兼実)
383 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 22:33:16 ID:7ogtYw0m
うちはへてくるしきものは人目のみしのぶの浦のあまの栲繩(二條院讃岐)
384 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:17:17 ID:7ogtYw0m
あやなくも曇らぬ宵をいとふかなしのぶの里の秋の夜の月(橘爲仲)
385 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:18:39 ID:7ogtYw0m
陸奥のいはでしのぶはえぞ知らぬかき盡してよつぼの石ぶみ(源頼朝)
386 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:19:33 ID:7ogtYw0m
思ひやるよその村雲しぐれつつあだちの原に紅葉しぬらむ(源重之)
387 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:20:45 ID:7ogtYw0m
松山と契りし人はつれなくて袖越す浪にのこる月かげ(藤原定家)
388 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:22:10 ID:7ogtYw0m
霞立つすゑのまつやまほのぼのと波にはなるるよこぐもの空(藤原家隆)
389 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:23:44 ID:7ogtYw0m
老の波越えける身こそあはれなれことしも今はすゑの松山(寂蓮法師)
390 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:25:34 ID:7ogtYw0m
ころも川みなれし人のわかれには袂までこそ浪は立ちけれ(源重之)
391 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:42:18 ID:7ogtYw0m
あはれいかに草葉の露のこぼるらむ秋風立ちぬ宮城野の原(西行法師)
392 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:43:46 ID:7ogtYw0m
荒く吹く風はいかにと宮城野のこ萩が上を人の問へかし(赤染衞門)
393 :
名無氏物語:2010/03/02(火) 23:45:02 ID:7ogtYw0m
歸り來むほど思ふにも武隈のまつわが身こそいたく老いぬれ(藤原基俊)
394 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:00:31 ID:L7BvisGP
おぼつかな霞たつらむたけくまの松の隈もる春の夜の月(加賀左衞門)
395 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:01:39 ID:L7BvisGP
行末にあふくま川のなかりせばいかにかせまし今日の別れを(高階經重)
396 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:02:34 ID:7ogtYw0m
君にまたあふくま川を待つべきに殘すくなきわれぞ悲しき(藤原範永)
397 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:17:41 ID:L7BvisGP
君が代にあふくま川のうもれ木も氷の下に春を待ちけり(藤原家隆)
398 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:18:34 ID:L7BvisGP
名取川やなせの浪ぞ騒ぐなる紅葉やいとどよりてせくらむ(源重之)
399 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:19:46 ID:L7BvisGP
ありとても逢はぬためしの名取川朽ちだにはてね瀬々の埋木(寂蓮法師)
400 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:21:02 ID:L7BvisGP
歎かずよいまはたおなじ名取川瀬々の埋木朽ちはてぬとも(藤原良経)
401 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:29:19 ID:L7BvisGP
夕されば汐風越してみちのくの野田の玉川ちどり鳴くなり(能因法師)
402 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:32:50 ID:L7BvisGP
見し人も十布の浦風おとせぬにつれなく澄める秋の夜の月(橘爲仲)
403 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:33:48 ID:L7BvisGP
松島やしほ汲む海士の秋の袖月はもの思ふならひのみかは(鴨長明)
404 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 00:35:14 ID:L7BvisGP
心あるをじまの海士のたもとかな月宿れとは濡れぬものから(宮内卿)
405 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 08:59:51 ID:L7BvisGP
秋の夜の月やをじまのあまのはら明がたちかき沖の釣舟(藤原家隆)
406 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:03:10 ID:L7BvisGP
立ちかへりまたも來て見む松島やをじまの苫屋波にあらすな(藤原俊成)
407 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:06:59 ID:L7BvisGP
松が根のをじまが磯のさ夜枕いたくな濡れそあまの袖かは(式子内親王)
408 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:08:17 ID:L7BvisGP
ふけゆかばけぶりもあらじしほがまのうらみなはてそ秋の夜の月(慈圓)
409 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:11:02 ID:L7BvisGP
降る雪にたく藻の煙かき絶えてさびしくもあるか鹽がまの浦(藤原兼実)
410 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:11:57 ID:L7BvisGP
見し人の煙になりしゆうべより名ぞむつまじき鹽竈のうら(紫式部)
411 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:13:38 ID:L7BvisGP
見わたせば霞のうちも霞みけりけぶりたなびく鹽竈の浦(藤原家隆)
412 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:44:38 ID:L7BvisGP
古への海人やけぶりとなりぬらむ人目も見えぬしほがまの浦(一條院皇后宮)
413 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:50:07 ID:L7BvisGP
鹽竈のまへに浮きたる浮島のうきておもひのある世なりけり(山口女王)
414 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:53:33 ID:L7BvisGP
立ちよれば涼しかりけり水鳥の羽の山のまつのゆふかぜ(藤原光範)
415 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 09:54:26 ID:L7BvisGP
忘れなむ世にも越路のかへる山いつはた人に逢はむとすらむ(伊勢)
416 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 10:04:47 ID:L7BvisGP
たのめてもはるけかるべきかへる山いくへの雲の下に待つらむ(賀茂重政)
417 :
名無氏物語:2010/03/03(水) 18:39:41 ID:iChQS9sO
とりあえずチョン死ね
418 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:04:20 ID:mguQNc9f
白山にとしふる雪やつもるらむ夜半にかたしく袂さゆなり(藤原公任)
419 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:05:35 ID:mguQNc9f
年經とも越の白山忘れずはかしらの雪をあはれとも見よ(藤原顯輔)
420 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:07:52 ID:mguQNc9f
世の中はうきふししげし篠原や旅にしあればいも夢に見ゆ(藤原俊成)
421 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:09:55 ID:mguQNc9f
わが戀はありその海の風をいたみ頻りによする波のまもなし(伊勢)
422 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:11:49 ID:mguQNc9f
おのが浪に同じ末葉ぞしをれぬる藤咲く田子のうらめしの身(慈圓)
423 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:14:32 ID:mguQNc9f
大江山傾く月のかげさえて鳥羽田の面に落つるかりがね(慈圓)
424 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:16:19 ID:mguQNc9f
大江山越えていく野の末とほみ道ある世にも逢ひにけるかな(藤原範兼)
425 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:19:12 ID:mguQNc9f
神代より今日のためとや八束穂に長田の稻のしなひそめけむ(藤原兼光)
426 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:48:37 ID:mguQNc9f
常磐なる松井の水をむすぶ手の雫ごとにぞ千代は見えける(藤原資實)
427 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 20:49:23 ID:mguQNc9f
蘆鴨のさわぐ入江の水の江の世にすみ難きわが身なりけり(柿本人麿)
428 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:09:45 ID:mguQNc9f
さみだれはをふの河原の眞菰草からでや波のしたに朽ちなむ(藤原兼実)
429 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:10:56 ID:mguQNc9f
水の江のよしのの宮は神さびてよはひたけたる浦の松風(藤原季能)
430 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:12:19 ID:mguQNc9f
鴎ゐるふぢ江の浦のおきつ洲に夜舟いさよふ月のさやけさ(源顯仲)
431 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:13:08 ID:mguQNc9f
つくづくと思ひあかしのうら千鳥浪の枕になくなくぞ聞く(藤原公經)
432 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:14:33 ID:mguQNc9f
あま小舟苫吹きかへす浦風にひとりあかしの月をこそ見れ(源俊頼)
433 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:15:33 ID:mguQNc9f
明石がた色なき人の袖を見よすずろに月もやどるものかは(藤原秀能)
434 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:47:01 ID:mguQNc9f
あまざかる鄙のなが路を漕ぎくれば明石のとよりやまと島見ゆ(柿本人麿)
435 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:47:44 ID:mguQNc9f
あけがたきふた見の浦に寄る浪の袖のみ濡れておきつしま人(藤原實方)
436 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 21:50:52 ID:mguQNc9f
高砂の松もむかしになりぬべしなほゆく末は秋の夜の月(寂蓮法師)
437 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:00:15 ID:mguQNc9f
吹く風の色こそ見えねたかさごの尾の上の松に秋は來にけり(藤原秀能)
438 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:01:10 ID:mguQNc9f
夕なぎにとわたる千鳥波間より見ゆるこじまの雲に消えぬる(藤原実定)
439 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:19:05 ID:mguQNc9f
常磐なる吉備の中山おしなべて千歳をまつのふかき色かな(よみ人知らず)
440 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:20:45 ID:mguQNc9f
もしほ草かくとも盡きじ君が代の數によみ置く和歌の浦波(源家長)
441 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:22:02 ID:mguQNc9f
和歌の浦に家の風こそなけれども波吹く色は月に見えけり(藤原範光)
442 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:23:00 ID:mguQNc9f
和歌の浦に月の出しほのさすままによる啼く鶴の聲ぞかなしき(慈圓)
443 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:24:26 ID:mguQNc9f
和歌の浦を松の葉ごしにながむればこずえに寄する海人の釣舟(寂蓮法師)
444 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:25:28 ID:mguQNc9f
和歌の浦や沖つ潮合に浮かび出づるあはれ吾身のよるべしらせよ(藤原家隆)
445 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:27:22 ID:mguQNc9f
月ぞ澄む誰かはここにきの國や吹上の千鳥ひとり鳴くなり(藤原良經)
446 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:30:06 ID:mguQNc9f
打ちよする波の聲にてしるきかな吹上の濱の秋の初かぜ(祝部成仲)
447 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:40:04 ID:mguQNc9f
世をそむく山のみなみの松風に苔のころもや夜寒なるらむ(安法法師)
448 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 22:41:35 ID:mguQNc9f
岩にむす苔ふみならすみ熊野の山のかひある行末もがな(後鳥羽院)
449 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:10:06 ID:mguQNc9f
熊野川くだす早瀬のみなれ棹さすが見なれぬ浪のかよひ路(後鳥羽院)
450 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:11:22 ID:mguQNc9f
み熊野の浦よりをちに漕ぐ舟のわれをばよそに隔てつるかな(伊勢)
451 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:27:46 ID:mguQNc9f
わくらばになどかかは人のとはざらむ音無川に住む身なりとも(行尊)
452 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:31:53 ID:mguQNc9f
蜑のかるみるめをなみにまがへつつ名草の濱を尋ねわびぬる(藤原俊成)
453 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:33:23 ID:mguQNc9f
行末は今いく夜とかいはしろの岡のかや根にまくら結ばむ(式子内親王)
454 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:34:21 ID:mguQNc9f
岩代の神は知るらむしるべせよたのむうき世の夢のゆく末(よみ人知らず)
455 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:35:20 ID:mguQNc9f
立ちのぼる鹽屋の煙うらかぜに靡くを神のこころともがな(藤原実定)
456 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:37:07 ID:mguQNc9f
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりも知らぬ沖つしほ風(藤原良經)
457 :
名無氏物語:2010/03/04(木) 23:42:24 ID:mguQNc9f
紀の國や由良の湊に拾ふてふたまさかにだにもあひ見てしがな(藤原長方)
458 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:04:42 ID:mguQNc9f
由良のとをわたる舟人かぢをたえ行方も知らぬ戀のみちかな(曾禰好忠)
459 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:06:15 ID:MUtRS4b1
古畑のそばのたつ木にゐる鳩の友よぶ聲のすごきゆふぐれ(西行法師)
460 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:10:44 ID:MUtRS4b1
淡路にてあはとはるかに見し月の近きこよひはところがらかも(凡河内躬恆)
461 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:13:09 ID:MUtRS4b1
秋ふかき淡路の島のありあけにかたぶく月をおくる浦かぜ(慈圓)
462 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:14:37 ID:MUtRS4b1
春といへば霞みにけりな昨日まで波間に見えし淡路島山(俊惠法師)
463 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:16:04 ID:MUtRS4b1
ながらへて猶君が代を松山の待つとせしまに年ぞ經にける(二條院讃岐)
464 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:17:11 ID:MUtRS4b1
しかの蜑の鹽燒く煙風をいたみ立ちはのぼらで山にたなびく(よみ人知らず)
465 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:18:11 ID:MUtRS4b1
刈萱の關守にのみ見えつるは人もゆるさぬ道べなりけり(菅原道真)
466 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:28:56 ID:MUtRS4b1
朝倉や木のまろ殿にわがをれば名のりをしつつ行くは誰が子ぞ(天智天皇)
467 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:30:13 ID:MUtRS4b1
ちはやぶる香椎宮の綾杉は神のみそぎに立てるなりけり(よみ人知らず)
468 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 00:31:07 ID:MUtRS4b1
すずしさはいきの松原まさるとも添ふる扇の風なわすれそ(枇杷皇太后宮)
469 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:44:36 ID:MUtRS4b1
西の海立つ白波の上にしてなに過ぐすらむかりのこの世を(よみ人知らず)
470 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:47:16 ID:MUtRS4b1
誰としも知らぬわかれの悲しきは松浦の沖を出づる舟人(藤原隆信)
471 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:48:07 ID:MUtRS4b1
秋近きけしきの森に鳴く蝉のなみだの露や下葉染むらむ(藤原良經)
472 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:49:03 ID:MUtRS4b1
みづぐきの岡の葛葉も色づきて今朝うらがなし秋のはつ風(顯昭法師)
473 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:50:09 ID:MUtRS4b1
水莖の岡の木の葉を吹きかへし誰かは君を戀ひむとおもひし(よみ人知らず)
474 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:51:19 ID:MUtRS4b1
鶯の鳴けどもいまだ降る雪に杉の葉しろきあふさかの關(後鳥羽院)
475 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:52:07 ID:MUtRS4b1
今朝よりはいとどおもひをたきましてなげきこりつむ逢ふ坂の山(高倉天皇)
476 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:53:07 ID:MUtRS4b1
あふさかやこずゑの花をふくからに嵐ぞかすむ關の杉むら(宮内卿)
477 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:57:36 ID:MUtRS4b1
逢坂の關にわが宿なかりせば別るる人はたのまざらまし(藤原兼輔)
478 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 19:59:02 ID:MUtRS4b1
鳰のうみや月のひかりのうつろへば浪の花にも秋は見えけり(藤原家隆)
479 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:00:35 ID:MUtRS4b1
あら玉の年にまかせて見るよりはわれこそ越えめ逢坂のせき(藤原伊尹)
480 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:01:41 ID:MUtRS4b1
眞木の板も苔むすばかりなりにけり幾世經ぬらむ瀬田の長橋(大江匡房)
481 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:03:00 ID:MUtRS4b1
見せばやな志賀の唐崎ふもとなるながらの山の春のけしきを(慈圓)
482 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:04:11 ID:MUtRS4b1
たのめ置く人もながらの山にだにさ夜ふけぬればまつ風の聲(鴨長明)
483 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:05:47 ID:MUtRS4b1
志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づるありあけの月(藤原家隆)
484 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:07:13 ID:MUtRS4b1
さざ波や志賀の濱松ふりにけり誰が世に引ける子日なるらむ(藤原俊成)
485 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:46:08 ID:MUtRS4b1
明日よりは志賀の花園まれにだに誰かは訪はむ春のふるさと(藤原良經)
486 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:47:49 ID:MUtRS4b1
さざなみや志賀のから崎風さえて比良の高嶺に霰降るなり(藤原忠通)
487 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:49:18 ID:MUtRS4b1
おしなべて日吉の影はくもらぬに涙あやしき昨日けふかな(慈圓)
488 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:50:26 ID:MUtRS4b1
わがたのむ七のやしろの木綿襷かけても六の道にかへすな(慈圓)
489 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:51:52 ID:MUtRS4b1
七十ぢにみつの濱松老いぬれど千代の殘りはなほぞはるけき(藤原C輔)
490 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:55:10 ID:MUtRS4b1
もろ人のねがひをみつの濱風にこころ涼しきしでの音かな(慈圓)
491 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 20:59:48 ID:MUtRS4b1
阿耨多羅三藐三菩提の佛たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ(傳教大師)
492 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:02:16 ID:MUtRS4b1
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ(村上天皇)
493 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:19:20 ID:MUtRS4b1
ももしきのうちのみ常に戀しくて雲の八重立つ山はすみ憂し(藤原高光)
494 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:20:31 ID:MUtRS4b1
さざなみや比良山風の海吹けば釣するあまの袖かへる見ゆ(よみ人知らず)
495 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:21:16 ID:MUtRS4b1
花さそふ比良の山風ふきにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで(宮内卿)
496 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:22:07 ID:MUtRS4b1
さざなみや志賀のから崎風さえて比良の高嶺に霰降るなり(藤原忠通)
497 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:29:35 ID:MUtRS4b1
あだに散る露のまくらに臥しわびて鶉鳴くなる床の山かぜ(俊成卿女)
498 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:33:48 ID:MUtRS4b1
すべらぎを常磐かきはにもる山のやま人ならし山かづらせり(藤原資業)
499 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:34:41 ID:MUtRS4b1
曇なきかがみの山の月を見て明らけき世を空に知るかな(藤原永範)
500 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:35:33 ID:MUtRS4b1
今日も又かくやいぶきのさしも草さらばわれのみ燃えや渡らむ(和泉式部)
501 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 21:36:51 ID:MUtRS4b1
逢ふ事はいつといぶきの嶺に生ふるさしも絶えせぬ思なりけり(藤原家房)
502 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:01:55 ID:MUtRS4b1
あかねさす朝日のさとの日影草豐のあかりのかざしなるべし(大中臣輔親)
503 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:21:18 ID:MUtRS4b1
都にも人や待つらむいし山のみねにのこれる秋の夜の月(藤原長能)
504 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:23:17 ID:MUtRS4b1
とやかへるたかの尾山の玉椿霜をば經とも色はかはらじ(大江匡房)
505 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:25:00 ID:MUtRS4b1
花咲かぬ朽木の杣の杣人のいかなるくれにおもひいづらむ(藤原仲文)
506 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:36:44 ID:MUtRS4b1
世の中はうきふししげし篠原や旅にしあればいも夢に見ゆ(藤原俊成)
507 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:38:12 ID:MUtRS4b1
郭公なほひとこゑはおもひ出でよ老曾の森の夜半のむかしを(藤原範光)
508 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:39:43 ID:MUtRS4b1
思ひ出づやみののを山のひとつ松契りしことはいつも忘れず(伊勢)
509 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:40:47 ID:MUtRS4b1
人住まぬ不破の關屋の板びさし荒れにし後はただ秋の風(藤原良經)
510 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:42:33 ID:MUtRS4b1
忘れなむ待つとな告げそなかなかにいなばの山の峯の秋風(藤原定家)
511 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 22:45:35 ID:MUtRS4b1
位山あとをたづねてのぼれども子をおもふ道になほ迷ひぬる(源通親)
512 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:05:35 ID:MUtRS4b1
立ちながら今宵は明けぬ薗原や伏屋といふもかひなかりけり(藤原輔尹)
513 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:07:41 ID:MUtRS4b1
その原やふせやに生ふる帚木のありとは見えて逢はぬ君かな(坂上是則)
514 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:08:56 ID:MUtRS4b1
さらしなや姨捨山の有明のつきずもものをおもふころかな(伊勢)
515 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:10:31 ID:MUtRS4b1
信濃なる淺間の嶽に立つけぶりをちこち人の見やはとがめぬ(在原業平)
516 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:11:46 ID:MUtRS4b1
嵯峨の山千世にふる道あととめてまた露わくる望月の駒(藤原定家)
517 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:12:52 ID:MUtRS4b1
駒とめて袖うち拂ふかげもなし佐野のわたりの雪のゆふぐれ(藤原定家)
518 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:18:21 ID:MUtRS4b1
なほ頼めしめぢが原のさしもぐさわれ世の中にあらむ限りは(よみ人知らず)
519 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:19:58 ID:MUtRS4b1
朝がすみふかく見ゆるや煙たつ室の八島のわたりなるらむ(藤原C輔)
520 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:24:18 ID:MUtRS4b1
風吹けば室の八島のゆふけぶり心の空に立ちにけるかな(藤原惟成)
521 :
名無氏物語:2010/03/05(金) 23:26:22 ID:MUtRS4b1
袖のうら波吹きかへす秋風に雲のうへまですずしからなむ(中務)
522 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 16:37:26 ID:Tqf27Nhw
散りぬとも香をだに残せ梅の花恋しきときの思ひでにせむ(詠み人知らず)
523 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:21:15 ID:ryAqCe/7
ながめばや神路の山に雲消えてゆふべの空を出でむ月かげ(後鳥羽院)
524 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:22:45 ID:ryAqCe/7
神路山月さやかなる誓ありて天の下をば照らすなりけり(西行法師)
525 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:24:15 ID:ryAqCe/7
神風や玉串の葉をとりかざし内外のみやに君をこそ祈れ(俊惠法師)
526 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:26:01 ID:ryAqCe/7
五十鈴川空やまだきに秋の聲したつ岩ねの松のゆふかぜ(大中臣明親)
527 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:27:05 ID:ryAqCe/7
神風や御裳裾川のそのかみに契りしことのすゑをたがふな(藤原良經)
528 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:28:33 ID:ryAqCe/7
立ちかへり又も見まくのほしきかな御裳裾川の瀬々の白波(源雅定)
529 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:30:36 ID:ryAqCe/7
契ありて今日みや川のゆふかずら長き世までもかけて頼まむ(藤原定家)
530 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:32:44 ID:ryAqCe/7
鈴鹿川ふかき木の葉に日かずへて山田の原の時雨をぞ聞く(後鳥羽院)
531 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:51:04 ID:ryAqCe/7
鈴鹿山うき世をよそにふり捨てていかになりゆくわが身なるらむ(西行法師)
532 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 20:52:30 ID:ryAqCe/7
さやかなる鷲の高嶺の雲井より影はやはらぐる月よみの森(西行法師)
533 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:00:10 ID:ryAqCe/7
聞かずともここをせにせむほととぎす山田の原の杉のむらだち(西行法師)
534 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:01:11 ID:ryAqCe/7
神風や山田の原のさかき葉に心のしめをかけぬ日ぞなき(越前)
535 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:02:42 ID:ryAqCe/7
神風の伊勢の濱荻をりふせてたび寝やすらむあらき濱邊に(よみ人知らず)
536 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:03:48 ID:ryAqCe/7
いく夜かは月をあはれとながめきて波におりしく伊勢の濱荻(越前)
537 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:15:41 ID:ryAqCe/7
知らざりし八十瀬の波を分け過ぎてかたしくものは伊勢の濱荻(宜秋門院丹後)
538 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:19:23 ID:ryAqCe/7
風寒み伊勢の濱荻分け行けばころもかりがね浪に鳴くなり(大江匡房)
539 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:20:56 ID:ryAqCe/7
櫻あさのをふの下草しげれただあかで別れし花の名なれば(持賢門院安藝)
540 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:34:18 ID:ryAqCe/7
片枝さす麻生の浦梨はつ秋になりもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿)
541 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:36:01 ID:ryAqCe/7
さくらあさのをふの浦波立ちかへり見れどもあかず山梨の花(源俊頼)
542 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:39:16 ID:ryAqCe/7
今日とてや磯菜摘むらむ伊勢島や一志の浦のあまのをとめ子(藤原俊成)
543 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:41:47 ID:ryAqCe/7
あけがたきふた見の浦に寄る浪の袖のみ濡れておきつしま人(藤原實方)
544 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 21:58:04 ID:ulX2f7Rs
545 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:00:17 ID:ryAqCe/7
み熊野の浦よりをちに漕ぐ舟のわれをばよそに隔てつるかな(伊勢)」
546 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:15:26 ID:ryAqCe/7
大淀の松はつらくもあらなくにうらみてのみもかへる波かな(よみ人知らず)
547 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:17:47 ID:ryAqCe/7
大淀の浦に立つ波かへらずは松のかはらぬ色を見ましや(徽子女王)
548 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:19:03 ID:ryAqCe/7
大淀の浦に刈りほすみるめだに霞にたえてかへる雁がね(藤原定家)
549 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:20:32 ID:ryAqCe/7
君戀ふとなるみの浦の濱ひさぎしをれてのみも年を經るかな(源俊頼)
550 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:25:54 ID:ryAqCe/7
さ夜千鳥聲こそ近くなるみ潟かたぶく月に汐や滿つらむ(藤原季能)
551 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:30:09 ID:ryAqCe/7
風吹けばよそになるみのかたおもひ思はぬ浪に鳴く千鳥かな(藤原秀能)
552 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:34:52 ID:ryAqCe/7
浦人のひもゆふぐれになるみ潟かへる袖より千鳥鳴くなり(源通光)
553 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:35:53 ID:ryAqCe/7
押しなべてうき身はさこそなるみ潟満ち干る汐の變るのみかは(崇コ院)
554 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 22:38:09 ID:ryAqCe/7
東路のさやの中山さやかにも見えぬ雲居に世をやつくさむ(壬生忠岑)
555 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:00:46 ID:ryAqCe/7
故郷の今日のおもかげさそひ來と月にぞ契る小夜のなか山(藤原雅經)
556 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:06:40 ID:ryAqCe/7
故郷に聞きしあらしの聲も似ずわすれぬ人をさやのなか山(藤原家隆)
557 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:07:30 ID:ryAqCe/7
岩がねの床にあらしをかたしきて獨や寝なむさよの中山(藤原有家)
558 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:08:57 ID:ryAqCe/7
年たけてまた越ゆべしと思ひきやいのちなりけりさ夜のなか山(西行法師)
559 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:09:53 ID:ryAqCe/7
あまのはら富士の煙の春のいろの霞になびくあけぼののそら(慈圓)
560 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:11:11 ID:ryAqCe/7
道すがら富士の煙もわかざりき晴るる間もなき空のけしきに(源頼朝)
561 :
名無氏物語:2010/03/06(土) 23:12:21 ID:ryAqCe/7
世の中を心高くもいとふかな富士のけぶりを身の思にて(慈圓)
562 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:42:55 ID:/RAkPnWz
風になびく富士の煙の空に消えて行方もしらぬわが思かな(西行法師)
563 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:43:59 ID:/RAkPnWz
しるしなき煙を雲にまがへつつ世を經て富士の燃えなむ(紀貫之)
564 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:45:36 ID:/RAkPnWz
煙立つおもひならねど人知れずわびては富士のねをのみぞなく(C原深養父)
565 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:48:25 ID:/RAkPnWz
富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなきものはおもひなりけり(藤原家隆)
566 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:49:53 ID:/RAkPnWz
時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ(在原業平)
567 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:51:06 ID:/RAkPnWz
田子の浦にうち出でて見れば白たへの富士の高嶺に雪は降りつつ(山部赤人)
568 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:52:14 ID:/RAkPnWz
見し人のおもかげとめよC見潟そでにせきもる浪のかよひぢ(藤原雅經)
569 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:53:19 ID:/RAkPnWz
C見がた月はつれなき天の戸を待たでもしらむ波の上かな(源通光)
570 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:54:06 ID:aZJswHtf
郭公一声ゆゑに武蔵野の野をなつかしみ過ぎもやられず(洞院実雄[続千載])
571 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 13:54:54 ID:aZJswHtf
今よりは若菜つむべき古里のみかきが原に雪は降りつつ(西園寺実兼[新後撰])
572 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:00:56 ID:/RAkPnWz
契らねど一夜は過ぎぬC見がた波にわかるるあかつきの空(藤原家隆)
573 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:02:22 ID:/RAkPnWz
駿河なる宇都の山邊のうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり(在原業平)
574 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:05:34 ID:/RAkPnWz
旅寝する夢路はゆるせ宇都の山關とは聞かずもる人もなし(藤原家隆)
575 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:07:08 ID:/RAkPnWz
みやこにも今や衣をうつの山ゆふ霜はらふ蔦の下みち(藤原定家)
576 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:08:18 ID:/RAkPnWz
袖にしも月かかれとは契り置かず涙は知るやうつの山ごえ(鴨長明)
577 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:09:59 ID:/RAkPnWz
沖つ風夜寒になれや田子の浦の海人の藻鹽火たきまさるらむ(越前)
578 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:11:39 ID:/RAkPnWz
消えわびぬうつろふ人の秋の色に身をこがらしの森の下露(藤原定家)
579 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:13:18 ID:/RAkPnWz
武藏野や行けども秋のはてぞなきいかなる風か末に吹くらむ(源通光)
580 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:49:35 ID:/RAkPnWz
行くすゑは空もひとつのむさし野に草の原より出づる月かげ(藤原良經)
581 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:53:37 ID:/RAkPnWz
時しもあれたのむの雁のわかれさへ花散るころのみ吉野の里(源具親)
582 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 14:55:22 ID:/RAkPnWz
筑波山端山繁山しげけれど思ひ入るにはさはらざりけり(源重之)
583 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:01:46 ID:/RAkPnWz
われならむ人に心をつくば山したに通はむ道だにやなき(大中臣能宣)
584 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:03:12 ID:/RAkPnWz
秋篠やとやまの里やしぐるらむ生駒のたけに雲のかかれる(西行法師)
585 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:05:42 ID:/RAkPnWz
鶉鳴く交野に立てる櫨紅葉散りぬばかりに秋かぜぞ吹く(藤原親隆)
586 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:07:52 ID:/RAkPnWz
狩りくらし交野の眞柴折りしきて川瀬の月を見るかな(藤原公衡)
587 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:09:13 ID:/RAkPnWz
御狩する交野のみ野に降る霰あなかままだき鳥もこそ立て(崇コ院)
588 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:29:41 ID:/RAkPnWz
またや見む交野のみ野のさくらがり花の雪散る春のあけぼの(藤原俊成)
589 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:54:22 ID:/RAkPnWz
逢ふことはかた野の里のささの庵しのに霧散る夜はの床かな(藤原俊成)
590 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:55:44 ID:/RAkPnWz
むかし聞く天の河原を尋ね來てあとなき水をながむばかりぞ(藤原良經)
591 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:56:31 ID:/RAkPnWz
日を經つつ音こそまされいづみなる信太の森の千枝の秋かぜ(藤原經衡)
592 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:57:35 ID:/RAkPnWz
うつろはでしばし信太の森を見よかへりもぞする葛のうら風(赤染衞門)
593 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:58:45 ID:/RAkPnWz
こととへよ思ひおきつの濱千鳥なくなく出でしあとの月影(藤原定家)
594 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 15:59:37 ID:/RAkPnWz
天つ風ふけひの浦にゐる鶴のなどか雲居にかへらざるべき(藤原C正)
595 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:00:29 ID:/RAkPnWz
難波人葦火たく屋にやどかりてすずろに袖のしほたるるかな(藤原俊成)
596 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:01:21 ID:/RAkPnWz
難波女の衣ほすとて刈りてたく葦火の煙立たぬ日ぞなき(紀貫之)
597 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:21:11 ID:/RAkPnWz
わすれじな難波の秋の夜半の空こと浦にすむ月は見るとも(宜秋門院丹後)
598 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:22:12 ID:/RAkPnWz
夕月夜しほ滿ちくらし難波江のあしの若葉を越ゆるしらなみ(藤原秀能)
599 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:23:16 ID:/RAkPnWz
あはれ人今日のいのちを知らませば難波の葦に契らざらまし(能因法師)
600 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:25:36 ID:/RAkPnWz
夏草のかりそめにとて來しかども難波のうらに秋ぞ暮れぬる(能因法師)
601 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:27:57 ID:/RAkPnWz
難波潟みじかき葦のふしのまもあはでこの世を過ぐしてよとや(伊勢)
602 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:30:13 ID:/RAkPnWz
難波潟かすまぬ浪もかすみけりうつるもくもるおぼろ月夜に(源具親)
603 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:39:36 ID:/RAkPnWz
難波がた汐干にあさるあしたづも月かたぶけば聲の恨むる(俊惠法師)
604 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 16:40:46 ID:/RAkPnWz
濁なき龜井の水をむすびあげて心の塵をすすぎつるかな(上東門院)
605 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:28:04 ID:/RAkPnWz
いざこどもはや日の本へ大伴の御津の濱松待ち戀ひぬらめ(山上憶良)
606 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:29:24 ID:/RAkPnWz
葦そよぐ鹽瀬の浪のいつまでかうき世の中にうかび渡らむ(行基)
607 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:32:21 ID:/RAkPnWz
朽ちにけるながらの橋を來て見れば葦の枯葉に秋風ぞ吹く(藤原実定)
608 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:33:42 ID:/RAkPnWz
春の日のながらの濱に船とめていづれか橋と問へど答えぬ(惠慶法師)
609 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:34:50 ID:/RAkPnWz
晴るる夜の星か河邊の螢かもわが住む方に海人のたく火か(在原業平)
610 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:36:27 ID:/RAkPnWz
いさり火の昔の光ほの見えてあしやの里に飛ぶほたるかな(藤原良經)
611 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:39:13 ID:/RAkPnWz
葦の屋の灘の鹽やき暇なみ黄楊のをぐしもささず來にけり (在原業平)
612 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 17:40:18 ID:/RAkPnWz
すみよしの戀忘草たね絶えてなき世に逢へるわれぞ悲しき(藤原元眞)
613 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:08:26 ID:/RAkPnWz
月は猶もらぬ木の間もすみよしの松をつくして秋風ぞ吹く(寂蓮法師)
614 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:09:42 ID:/RAkPnWz
わが道を守らば君を守らなむよはひはゆづれすみよしの松(藤原定家)
615 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:10:35 ID:/RAkPnWz
住吉の松はまつともおもほえで君が千年のかげぞ戀しき(大貳三位)
616 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:11:57 ID:/RAkPnWz
憂きながら久しくぞ世を過ぎにけるあはれやかけし住吉の松(藤原俊成)
617 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:24:22 ID:/RAkPnWz
住の江に生ひそふ松の枝ごとに君が千歳の數ぞこもれる(源隆國)
618 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:28:54 ID:/RAkPnWz
いかばかり年は經ぬとも住の江の松ぞふたたび生ひ變りぬる(よみ人知らず)
619 :
名無氏物語:2010/03/07(日) 18:31:39 ID:/RAkPnWz
夜や寒き衣や薄きかたそぎの行きあひの間より霜やおくらむ(よみ人知らず)
620 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:27:23 ID:A+dgozCa
むつまじと君はしらなみ瑞垣の久しき世より祝ひ初めてき(よみ人知らず)
621 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:28:23 ID:A+dgozCa
すみよしと思ひし宿は荒れにけり神のしるしをまつとせし間に(津守有基)
622 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:30:08 ID:A+dgozCa
船ながらこよひばかりは旅寝せむ敷津の浪に夢はさむとも(藤原實方)
623 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:30:59 ID:A+dgozCa
なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふおきつしら浪(藤原実定)
624 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:41:58 ID:A+dgozCa
しなが鳥猪名野を行けば有馬山ゆふ霧立ちぬ宿はなくして(よみ人知らず)
625 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:43:09 ID:A+dgozCa
昨日だに訪はむと思ひし津の國の生田の森に秋は來にけり(藤原家隆)
626 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:44:03 ID:A+dgozCa
みなかみの空に見ゆるは白雲のたつにまがへる布びきの瀧(藤原師通)
627 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:54:33 ID:A+dgozCa
ひさかたの天つをとめがなつごろも雲居にさらす布引の瀧(藤原有家)
628 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:55:48 ID:A+dgozCa
みしま江の入江の眞菰雨降ればいとどしをれて刈る人もなし(源經信)
629 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 15:56:58 ID:A+dgozCa
みしま江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむほどの春風ぞ吹く(源通光)
630 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:00:24 ID:A+dgozCa
須磨の蜑の浪かけ衣よそにのみ聞くはわが身になりにけるかな(藤原道信)
631 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:03:09 ID:A+dgozCa
須磨の蜑の袖に吹きこす鹽風のなるとはすれど手にもたまらず(藤原定家)
632 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:04:45 ID:A+dgozCa
馴れゆくはうき世なればや須磨の蜑の鹽燒衣まどほなるらむ(徽子女王)
633 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:05:49 ID:A+dgozCa
須磨の浦に蜑のこりつむ藻鹽木のからくも下にもえ渡るかな(藤原良經)
634 :
名無氏物語(訂正):2010/03/08(月) 16:06:49 ID:A+dgozCa
須磨の浦に蜑のこりつむ藻鹽木のからくも下にもえ渡るかな(藤原C正)
635 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:37:32 ID:A+dgozCa
戀をのみすまの浦人藻鹽垂れほしあへぬ袖のはてを知らばや(藤原良經)
636 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:39:06 ID:A+dgozCa
白波は立ち騒ぐともこりずまの浦のみるめは刈らむとぞ思ふ(よみ人知らず)
637 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:41:03 ID:A+dgozCa
藻汐くむ袖の月影おのづからよそにあかさぬ須磨のうらびと(藤原定家)
638 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:42:11 ID:A+dgozCa
須磨の浦のなぎたる朝は目もはるに霞にまがふ海人の釣舟(藤原孝善)
639 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:53:50 ID:A+dgozCa
秋風の關吹き越ゆるたびごとに聲うち添ふる須磨の浦なみ(壬生忠見)
640 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 16:54:50 ID:A+dgozCa
風さゆるとしまが磯のむらちどり立居は波の心なりけり(藤原季經)
641 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:00:39 ID:A+dgozCa
岩そそぐたるひの上のさ蕨の萌えいづる春になりにけるかな(志貴皇子)
642 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:03:26 ID:A+dgozCa
五月山卯の花月夜ほととぎす聞けども飽かずまたなかむかも(よみ人知らず)
643 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:05:39 ID:A+dgozCa
夜をかさね待ちかね山のほととぎす雲居のよそに一聲ぞ聞く(周防内侍)
644 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:06:59 ID:A+dgozCa
秋果つるはつかの山のさびしきに有明の月を誰と見るらむ(大江匡房)
645 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:08:01 ID:A+dgozCa
春日山みやこの南しかぞおもふ北の藤なみ春にあへとは(藤原良經)
646 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:09:56 ID:A+dgozCa
春日山谷のうもれ木朽ちぬとも君に告げこせ峰のまつかぜ(藤原家隆)
647 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:28:40 ID:A+dgozCa
春日野の下萌えわたる草のうへにつれなく見ゆる春のあわ雪(源國信)
648 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:29:58 ID:A+dgozCa
春日野の若紫のすりごろもしのぶのみだれかぎり知られず(在原業平)
649 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:31:32 ID:A+dgozCa
春日野のおどろの道のうもれみづ未だに神のしるしあらはせ(藤原俊成)
650 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:35:53 ID:A+dgozCa
いづれをか花とは分かむふるさとの春日の原にまだ消えぬ雪(凡河内躬恆)
651 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 17:40:22 ID:A+dgozCa
若菜摘む袖とぞ見ゆるかすが野の飛火の野邊の雪のむらぎえ(藤原教長)
652 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:00:54 ID:A+dgozCa
入日さす佐保の山べのははそ原曇らぬ雨とこの葉降りつつ(曾禰好忠)
653 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:22:11 ID:A+dgozCa
神無月しぐれ降るらし佐保山のまさきのかづら色まさりゆく(よみ人知らず)
654 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:25:09 ID:A+dgozCa
今日まつる神のこころや靡くらむしでに波立つ佐保の川風(藤原兼実)
655 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:26:54 ID:A+dgozCa
いくとせの春に心をつくし來ぬあはれと思へみよし野の花(藤原俊成)
656 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:28:10 ID:A+dgozCa
よし野山さくらが枝に雪降りて花おそげなる年にもあるかな(西行法師)
657 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:30:02 ID:A+dgozCa
吉野山去年のしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねむ(西行法師)
658 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:31:29 ID:A+dgozCa
今はわれ吉野の山の花をこそ宿のものとも見るべかりけれ(藤原俊成)
659 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:32:28 ID:A+dgozCa
吉野山やがて出でじと思ふ身を花ちりなばと人や待つらむ(西行法師)
660 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:33:39 ID:A+dgozCa
花ならでただ柴の戸をさして思ふ心のおくもみ吉野の山(慈圓)
661 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:45:13 ID:A+dgozCa
み吉野の山かき曇り雪ふればふもとの里はうちしぐれつつ(俊惠法師)
662 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 18:46:12 ID:A+dgozCa
世をいとふ吉野の奥のよぶこ鳥ふかき心のほどや知るらむ(法印幸C)
663 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:00:59 ID:A+dgozCa
今宵たれすず吹く風を身にしめて吉野の嶽の月を見るらむ(源頼政)
664 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:11:26 ID:A+dgozCa
みよし野の高嶺のさくら散りにけり嵐もしろき春のあけぼの(後鳥羽院)
665 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:13:44 ID:A+dgozCa
吉野川岸のやまぶき咲きにけり嶺のさくらは散りはてぬらむ(藤原家隆)
666 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:15:06 ID:A+dgozCa
音にのみありと聞きこしみ吉野の瀧は今日こそ袖に落ちけれ(よみ人知らず)
667 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:17:32 ID:A+dgozCa
みよし野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は來にけり(藤原良經)
668 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:18:55 ID:A+dgozCa
吉野山はなやさかりに匂ふらむふるさとさらぬ嶺のしらくも(藤原家衡)
669 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:26:53 ID:A+dgozCa
吉野山花のふるさとあと絶えてむなしき枝にはるかぜぞ吹く(藤原良經)
670 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:28:06 ID:A+dgozCa
時しもあれたのむの雁のわかれさへ花散るころのみ吉野の里(源具親)
671 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:29:02 ID:A+dgozCa
みよし野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒くころもうつなり(藤原雅經)
672 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:30:11 ID:A+dgozCa
花ぞ見る道のしばくさふみわけて吉野の宮の春のあけぼの(藤原季能)
673 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 19:31:14 ID:A+dgozCa
吉野なるなつみの川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山かげにして(湯原王)
674 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:02:09 ID:A+dgozCa
みよし野のおほ川のべの古柳かげこそ見えね春めきにけり(輔仁親王)
675 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:04:16 ID:A+dgozCa
高瀬さす六田の淀のやなぎ原みどりもふかくかすむ春かな(藤原公經)
676 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:15:31 ID:A+dgozCa
うばたまの夜のふけ行けば楸おふるCき川原に千鳥鳴くなり(山部赤人)
677 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:16:31 ID:A+dgozCa
しら雲のたえまになびくあをやぎの葛城山に春風ぞ吹く(藤原雅經)
678 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:17:25 ID:A+dgozCa
移りゆく雲にあらしの聲すなり散るかまさ木のかづらきの山(藤原雅經)
679 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:18:24 ID:A+dgozCa
飛鳥川もみぢ葉ながる葛城の山の秋かぜ吹きぞしくらし(柿本人麿)
680 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:19:13 ID:A+dgozCa
いかにせむくめぢの橋の中空に渡しも果てぬ身とやなりなむ(藤原實方)
681 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 20:20:11 ID:A+dgozCa
葛城や高間のさくら咲きにけり立田のおくにかかるしら雲(寂蓮法師)
682 :
名無氏物語:2010/03/08(月) 21:21:59 ID:6k/1p53m
Fランク大学って、どうしようもない経歴だよなあああああああ
クソの国学院だけには、負けたくねえよな・・・
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
/": : : : : : : : \
/-─-,,,_: : : : : : : : :\
/ '''-,,,: : : : : : : :i
/、 /: : : : : : : : i ________
r-、 ,,,,,,,,,,、 /: : : : : : : : : :i /
L_, , 、 \: : : : : : : : :i / 古文専攻してるって認めたら
/●) (●> |: :__,=-、: / < 負けかなと思ってる
l イ '- |:/ tbノノ \
l ,`-=-'\ `l ι';/ \ 二松学舎大学学生(20・男性)
ヽトェ-ェェ-:) -r'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヾ=-' / /
____ヽ::::... / ::::|
/ ̄ ::::::::::::::l `──'''' :::|
683 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 13:58:00 ID:lFmXV+Q4
よそにのみ見てややみなむ葛城や高間の山のみねのしら雲(よみ人知らず)
684 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:25:47 ID:lFmXV+Q4
行かむ人來む人しのべ春かすみ立田の山のはつざくら花(大伴家持)
685 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:26:52 ID:lFmXV+Q4
白雲のたつたの山の八重ざくらいづれを花とわきて折らまし(道命法師)
686 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:30:18 ID:lFmXV+Q4
からにしき秋のかたみやたつた山散りあへぬ枝に嵐吹くなり(宮内卿)
687 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:33:05 ID:lFmXV+Q4
立田山秋行く人の袖を見よ木木のこずゑはしぐれざりけり(慈圓)
688 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:46:45 ID:lFmXV+Q4
心とや紅葉はすらむたつた山松は時雨に濡れぬものかは(藤原俊成)
689 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:48:15 ID:lFmXV+Q4
立田山梢まばらになるままに深くも鹿のそよぐなるかな(俊惠法師)
690 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:49:27 ID:lFmXV+Q4
立田山あらしや峯によわるらむわたらぬ水も錦絶えけり(宮内卿)
691 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:51:12 ID:lFmXV+Q4
朝霧や立田の山の里ならで秋來にけりとたれか知らまし(藤原忠通)
692 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:52:07 ID:lFmXV+Q4
おのがつま戀ひつつ鳴くや五月やみ神なび山の山ほととぎす(よみ人知らず)
693 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 14:53:33 ID:lFmXV+Q4
神なびのみむろの山の葛かづらうら吹きかへす秋は來にけり(大伴家持)
694 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:00:24 ID:lFmXV+Q4
かくとだに思ふこころをいはせ山した行く水の草がくれつつ(藤原実定)
695 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:32:04 ID:lFmXV+Q4
いそのかみふる野のさくら誰植ゑて春は忘れぬ形見なるらむ(源通具)
696 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:33:55 ID:lFmXV+Q4
いそのかみ古き都を來て見れば昔かざしし花咲きにけり(よみ人知らず)
697 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:34:53 ID:lFmXV+Q4
いそのかみふるの神杉ふりぬれど色には出でず露も時雨も(藤原良經)
698 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:36:12 ID:lFmXV+Q4
深高らそひかねていかならむ間なくしぐれのふるの神杉(後鳥羽院)
699 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:37:39 ID:lFmXV+Q4
初雪のふるの神杉うづもれてしめゆふ野邊は冬ごもりせり(藤原長方)
700 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:39:11 ID:lFmXV+Q4
石の上布留のわさ田のほには出でず心のうちに戀ひや渡らむ(柿本人麿)
701 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:40:16 ID:lFmXV+Q4
いそのかみふるのわさ田をうち返し恨みかねたる春の暮れかな(俊成卿女)
702 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:44:21 ID:lFmXV+Q4
しきしまや高圓山の雲間よりひかりさしそふゆみはりの月(堀河院)
703 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:56:13 ID:lFmXV+Q4
高圓の野路のしの原末さわぎそそや木がらし今日吹きぬなり(藤原基俊)
704 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 15:57:19 ID:lFmXV+Q4
萩が花まそでにかけて高圓のをのへの宮に領巾ふるやたれ(顯昭法師)
705 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:00:34 ID:lFmXV+Q4
まきもくの檜原のいまだくもらねば小松が原にあわ雪ぞ降る(大伴家持)
706 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:01:52 ID:lFmXV+Q4
心こそゆくへも知らね三輪の山杉のこずゑのゆふぐれの空(慈圓)
707 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:03:02 ID:lFmXV+Q4
初瀬山夕越え暮れてやどとへば三輪の檜原に秋かぜぞ吹く(禪性法師)
708 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:04:29 ID:lFmXV+Q4
駒とめて袖うち拂ふかげもなし佐野のわたりの雪のゆふぐれ(藤原定家)
709 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:06:22 ID:lFmXV+Q4
初瀬山うつろう花に春暮れてまがひし雲ぞ峯にのこれる(藤原良經)
710 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:08:07 ID:lFmXV+Q4
いしばしる初瀬の川のなみ枕はやくも年の暮れにけるかな(藤原実定)
711 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:29:20 ID:lFmXV+Q4
すずしさは秋やかへりてはつせ川ふる川の邊の杉のしたかげ(藤原有家)
712 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:30:22 ID:lFmXV+Q4
たのめこし人をまつちの山の端にさ夜更けしかば月も入りにき(よみ人知らず)
713 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:31:13 ID:lFmXV+Q4
たれをかもまつちの山の女郎花秋とちぎれる人ぞあるらし(小野小町)
714 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:32:23 ID:lFmXV+Q4
ほのぼのと春こそ空に來にけらし天の香具山かすみたなびく(後鳥羽院)
715 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 16:33:16 ID:lFmXV+Q4
春過ぎて夏來にけらししろたへの衣ほすてふあまのかぐ山(持統天皇)
716 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:02:34 ID:lFmXV+Q4
雪降れば峯のまさかきうづもれて月にみがける天の香具山(藤原俊成)
717 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:09:05 ID:lFmXV+Q4
十市には夕立すらしひさかたの天の香具山雲隱れ行く(源俊頼)
718 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:35:22 ID:lFmXV+Q4
暮るる間も待つべき世かはあだし野の末葉の露に嵐たつなり(式子内親王)
719 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:37:40 ID:lFmXV+Q4
置く露もしづこころなく秋風にみだれて咲ける眞野の萩原(祐子内親王家紀伊)
720 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:41:38 ID:lFmXV+Q4
故郷へ歸らむことはあすか川わたらぬさきに淵瀬たがふな(素覺法師)
721 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:46:43 ID:lFmXV+Q4
飛ぶ鳥の飛鳥の里をおきていなば君が邊は見えずかもあらむ(元明天皇)
722 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:52:37 ID:lFmXV+Q4
衣うつおとは枕にすがはらやふしみの夢をいく夜のこしつ(慈圓)
723 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:54:18 ID:lFmXV+Q4
明けぬるかころもで寒しすがはらや伏見の里の秋の初風(藤原家隆)
724 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:55:13 ID:lFmXV+Q4
時鳥しのぶるものをかしは木のもりても聲の聞えけるかな(馬内侍)
725 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 17:56:15 ID:lFmXV+Q4
いかなればそのかみ山のあふひ草年は經れども二葉なるらむ(小侍從)
726 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:42:25 ID:lFmXV+Q4
ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
727 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:43:17 ID:lFmXV+Q4
枯れにける葵のみこそ悲しけれ哀と見ずや賀茂のみづがき(よみ人知らず)
728 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:44:11 ID:lFmXV+Q4
石川やせみの小川のCければ月もながれを尋ねてぞすむ(鴨長明)
729 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:45:26 ID:lFmXV+Q4
鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(よみ人知らず)
730 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:46:24 ID:lFmXV+Q4
年を經て憂き影をのみみたらしの變る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
731 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:47:13 ID:lFmXV+Q4
月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
732 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:48:03 ID:lFmXV+Q4
郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
733 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 18:51:37 ID:lFmXV+Q4
偽をただすのもりのゆふだすきかけつつ誓へわれを思はば(平定文)
734 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 19:18:48 ID:lFmXV+Q4
君を祈るこころの色を人問はばただすの宮のあけの玉垣(慈圓)
735 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 19:21:15 ID:lFmXV+Q4
有栖川おなじながれはかはらねど見しや昔のかげぞ忘れぬ(源雅定)
736 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 19:22:04 ID:lFmXV+Q4
忘れめやあふひを草にひき結びかりねの野邊の露のあけぼの(式子内親王)
737 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 19:25:48 ID:lFmXV+Q4
秋風の四方に吹き來る音羽山なにの草木かのどけかるべき(曾禰好忠)
738 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 19:27:29 ID:lFmXV+Q4
音羽山さやかにみする白雪を明けぬとつぐる鳥のこゑかな(高倉天皇)
739 :
名無氏物語:2010/03/09(火) 19:28:36 ID:lFmXV+Q4
ありとのみおとに聞きつつ音羽川わたらば袖に影も見えなむ(よみ人知らず)
740 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 19:42:23 ID:31fWJ190
あさからぬ心ぞ見ゆる音羽川せき入れし水の流ならねど(周防内侍)
741 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 20:29:26 ID:31fWJ190
暮れて行く春のみなとは知らねども霞に落つる宇治のしば舟(寂蓮法師)
742 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 20:30:50 ID:31fWJ190
鵜飼舟あはれとぞ見るもののふのやそ宇治川の夕闇のそら(慈圓)
743 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 20:32:13 ID:31fWJ190
かかるせもありけるものを宇治川の絶えぬばかりも歎きけるかな(藤原兼家)
744 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 20:34:15 ID:31fWJ190
さむしろや待つ夜の秋の風ふけて月をかたしく宇治の橋姫(藤原定家)
745 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 20:35:26 ID:31fWJ190
かたしきの袖をや霜にかさぬらむ月に夜がるる宇治の橋姫(法印幸C)
746 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 20:39:00 ID:31fWJ190
橋姫のかたしき衣さむしろに待つ夜むなしき宇治のあけぼの(後鳥羽院)
747 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:10:25 ID:31fWJ190
網代木にいさよふ波の音ふけてひとりや寝ぬる宇治のはし姫(慈圓)
748 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:12:39 ID:31fWJ190
嬉しさやかたしく袖につつむらむ今日待ちえたる宇治の橋姫(藤原隆房)
749 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:21:43 ID:31fWJ190
年經たる宇治の橋守こととはむ幾代になりぬ水のみなかみ(藤原C輔)
750 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:23:12 ID:31fWJ190
ふもとをば宇治の川霧たち籠めて雲居に見ゆる朝日山かな(藤原公實)
751 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:24:19 ID:31fWJ190
世をそむく方はいづくもありぬべし大原山はすみよかりきや(和泉式部)
752 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:25:30 ID:31fWJ190
思ふことおほ原山の炭竈はいとどなげきの數をこそ積め(少將井尼)
753 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 21:27:55 ID:31fWJ190
日數ふる雪げにまさる炭竈のけぶりもさびしおほはらの里(式子内親王)
754 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:00:59 ID:31fWJ190
ふるさとも秋は夕べをかたみとて風のみおくる小野の篠原(俊成卿女)
755 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:01:56 ID:31fWJ190
嵯峨の山千世にふる道あととめてまた露わくる望月の駒(藤原定家)
756 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:03:48 ID:31fWJ190
さらでだに露けき嵯峨の野邊に來て昔の跡にしをれぬるかな(藤原俊忠)
757 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:05:14 ID:31fWJ190
悲しさは秋のさが野のきりぎりすなほ古里に音をや鳴くらむ(藤原実定)
758 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:06:52 ID:MAkO8edD
名古屋。
759 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:07:21 ID:31fWJ190
今はさはうき世のさがの野邊をこそ露消えはてし跡と忍ばめ(俊成卿女)
760 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:09:40 ID:31fWJ190
頼もしな野の宮人の植うる花しぐるる月にあへずなるとも(源順)
761 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:14:27 ID:31fWJ190
大井河かがりさし行く鵜飼舟いく瀬に夏の夜を明かすらむ(藤原俊成)
762 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:46:11 ID:31fWJ190
いかだ士よ待てこと問はむ水上はいかばかり吹く山の嵐ぞ(藤原資宗)
763 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:49:17 ID:31fWJ190
散りかかる紅葉流れぬ大井河いづれゐぜきの水のしがらみ(源經信)
764 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 22:50:52 ID:31fWJ190
高瀬舟しぶくばかりにもみぢ葉の流れてくだる大井河かな(藤原家經)
765 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:12:22 ID:31fWJ190
大井川ゐせきの水のわくらばに今日とたのめし暮にやはあらぬ(C原元輔)
766 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:14:36 ID:31fWJ190
思ふ事なくてぞ見ましもみぢ葉をあらしの山の麓ならずは(藤原輔尹)
767 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:16:47 ID:31fWJ190
うき世には今はあらしの山風にこれや馴れ行くはじめなるらむ(藤原俊成)
768 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:18:15 ID:31fWJ190
思ひ出づる人もあらしの山の端にひとりぞ入りし有明の月(靜賢)
769 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:21:01 ID:31fWJ190
いづくにか今宵の月の曇るべきをぐらの山も名をやかふらむ(大江千里)
770 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:23:16 ID:31fWJ190
鳴く雁の音をのみぞ聞く小倉山霧たち晴るる時にしなければ(C原深養父)
771 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:24:29 ID:31fWJ190
いつとなきをぐらの山のかげを見て暮れぬと人の急ぐなるらむ(道命法師)
772 :
名無氏物語:2010/03/10(水) 23:26:31 ID:31fWJ190
をぐら山ふもとの野邊の花薄ほのかに見ゆる秋のゆふぐれ(よみ人知らず)
773 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:42:04 ID:yRwwGP0h
をぐら山ふもとの里に木の葉散れば梢に晴るる月を見るかな(西行法師)
774 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:43:04 ID:yRwwGP0h
時わかぬ浪さへ色にいづみ川ははその森にあらし吹くらし(藤原定家)
775 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:44:32 ID:yRwwGP0h
みかの原わきて流るるいづみ河いつ見きとてか戀しかるらむ(藤原兼輔)
776 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:45:27 ID:yRwwGP0h
柞原しづくも色やかはるらむ森のしたくさ秋ふけにけり(藤原良經)
777 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:47:04 ID:yRwwGP0h
あしびきの山吹の花散りにけり井手のかはづは今や鳴くらむ(藤原興風)
778 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:50:27 ID:yRwwGP0h
洩らさばやおもふ心をさてのみはえぞやましろの井手の柵(殷富門院大輔)
779 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:52:11 ID:yRwwGP0h
山城の井手の玉水手に汲みてたのみしかひもなき世なりけり(よみ人知らず)
780 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 00:53:48 ID:yRwwGP0h
駒とめてなほ水かはむ山吹のはなの露そふ井出の玉川(藤原俊成)
781 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:07:14 ID:yRwwGP0h
世の中を背きにとては來しかどもなほ憂き事はおほはらの里(よみ人知らず)
782 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:08:09 ID:yRwwGP0h
相生の小鹽の山のこ松原いまより千代のかげを待たなむ(大貳三位)
783 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:09:11 ID:yRwwGP0h
身をばかつをしほの山と思ひつついかに定めて人の入りけむ(大中臣能宣)
784 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:18:21 ID:yRwwGP0h
千世までも心して吹けもみぢ葉を神もをしほの山おろしの風(藤原伊家)
785 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:19:30 ID:yRwwGP0h
小鹽山神のしるしをまつの葉に契りし色はかへるものかは(慈圓)
786 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:21:36 ID:yRwwGP0h
見わたせば山もとかすむ水無瀬川夕べは秋となにおもひけむ(後鳥羽院)
787 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:22:25 ID:yRwwGP0h
おもひいる身はふかくさの秋の露たのめしすゑや木枯の風(藤原家隆)
788 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:23:34 ID:yRwwGP0h
深草の露のよすがをちぎりにて里をばかれず秋は來にけり(藤原良經)
789 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:25:32 ID:yRwwGP0h
ふかくさの里の月かげさびしさもすみこしままの野邊の秋風(源通具)
790 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 01:27:04 ID:yRwwGP0h
秋を經てあはれも露もふかくさの里とふものは鶉なりけり(慈圓)
791 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:27:01 ID:yRwwGP0h
伏見山松のかげよりみわたせばあくるたのもに秋風ぞ吹く(藤原俊成)
792 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:29:13 ID:yRwwGP0h
かりそめにふしみの野邊の草まくら露かかりきと人に語るな(よみ人知らず)
793 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:31:35 ID:yRwwGP0h
夢かよふ道さへ絶えぬくれたけの伏見の里の雪のしたをれ(藤原有家)
794 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:33:54 ID:yRwwGP0h
ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞ降る(藤原良經)
795 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:36:05 ID:yRwwGP0h
秋來れば常磐の山の松風もうつるばかりに身にぞしみける(和泉式部)
796 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:37:06 ID:yRwwGP0h
春秋も知らぬときはの山里は住む人さへやおもがはりせぬ(在原元方)
797 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:38:15 ID:yRwwGP0h
大み田のうるほふばかりせきかけてゐせきにおとせ河上の神(賀茂幸平)
798 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:40:16 ID:yRwwGP0h
降りつみし高嶺のみ雪解けにけりC瀧川の水のしらなみ(西行法師)
799 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:54:12 ID:yRwwGP0h
岩根越すきよたき川のはやければ波をりかくるきしの山吹(源國信)
800 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 13:55:25 ID:yRwwGP0h
水上やたえだえこほる岩間よりきよたき川にのこるしら波(藤原良經)
801 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:00:14 ID:yRwwGP0h
萬代をまつの尾山のかげしげみ君をぞ祈るときはかきはに(康資王母)
802 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:01:38 ID:yRwwGP0h
むらさきの雲の林を見わたせば法にあふちの花咲きにけり(肥後)
803 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:03:01 ID:yRwwGP0h
覺めぬれば思ひあはせて音をぞ泣く心づくしのいにしへの夢(慈圓)
804 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:07:50 ID:yRwwGP0h
山城の淀のわか菰かりに來て袖の濡れぬとはかこたざらなむ(源重之)
805 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:28:48 ID:yRwwGP0h
眞菰かる淀の澤水ふかけれどそこまで月のかげはすみけり(大江匡房)
806 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:34:37 ID:yRwwGP0h
狩りくらし交野の眞柴折りしきて淀の川瀬の月を見るかな(藤原公衡)
807 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:35:54 ID:yRwwGP0h
みやこをば秋とともにぞたちそめし淀の河霧いくよ隔てつ(大江匡房)
808 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:38:07 ID:yRwwGP0h
大荒木のもりの木の間をもりかねて人だのめなる秋の夜の月(俊成卿女)
809 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:40:15 ID:yRwwGP0h
馴れ馴れて見しはなごりの春ぞともなどしらかわの花の下蔭(藤原雅經)
810 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:41:21 ID:yRwwGP0h
今日來ずは見でややみなむ山里の紅葉も人も常ならぬよに(藤原公任)
811 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 14:42:36 ID:yRwwGP0h
思ふこと身にあまるまでなる瀧のしばしよどむを何恨むらむ(よみ人知らず)
812 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:00:24 ID:yRwwGP0h
誰がためか明日は殘さむ山ざくらこぼれて匂へ今日の形見に(C原元輔)
813 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:04:26 ID:yRwwGP0h
空はなほかすみもやらず風冴えて雪げにくもる春の夜の月(藤原良經)
814 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:06:04 ID:yRwwGP0h
霞立つすゑのまつやまほのぼのと波にはなるるよこぐもの空(藤原家隆)
815 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:07:32 ID:yRwwGP0h
今はとてたのむの雁もうちわびぬおぼろ月夜のあけぼのの空(寂蓮法師)
816 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:08:44 ID:yRwwGP0h
おもふどちそことも知らず行き暮れぬ花のやどかせ野べの鶯(藤原家隆)
817 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:10:26 ID:yRwwGP0h
吉野山花のふるさとあと絶えてむなしき枝にはるかぜぞ吹く(藤原良經)
818 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:11:57 ID:yRwwGP0h
鵜飼舟あはれとぞ見るもののふのやそ宇治川の夕闇のそら(慈圓)
819 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 15:18:24 ID:yRwwGP0h
鵜飼舟高瀬さし越す程なれやむすぼほれゆくかがり火の影(寂蓮法師)
820 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:00:52 ID:yRwwGP0h
かさねても涼しかりけり夏衣うすきたもとにやどる月かげ(藤原良經)
821 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:01:46 ID:yRwwGP0h
物おもはでかかる露やは袖に置くながめてけりな秋の夕暮(藤原良經)
822 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:02:43 ID:yRwwGP0h
風わたる淺茅がすゑの露にだにやどりもはてぬ宵のいなづま(藤原有家)
823 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:04:07 ID:yRwwGP0h
わきてなど庵守る袖のしをるらむ稻葉にかぎる秋の風かは(慈圓)
824 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:05:14 ID:yRwwGP0h
柞原しづくも色やかはるらむ森のしたくさ秋ふけにけり(藤原良經)
825 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:07:05 ID:yRwwGP0h
時わかぬ浪さへ色にいづみ川ははその森にあらし吹くらし(藤原定家)
826 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:08:05 ID:yRwwGP0h
立田姫いまはのころの秋かぜにしぐれをいそぐ人の袖かな(藤原良經)
827 :
名無氏物語:2010/03/11(木) 16:10:26 ID:yRwwGP0h
もみぢ葉はおのが染めたる色ぞかしよそげに置ける今朝の霜かな(慈圓)
828 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:46:03 ID:E7s3K3nR
東路の夜半のながめを語らなむみやこの山にかかる月かげ(慈圓)
829 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:47:31 ID:E7s3K3nR
靡かじなあまの藻鹽火たき初めて煙は空にくゆりわぶとも(藤原定家)
830 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:48:33 ID:E7s3K3nR
洩らすなよ雲ゐるみねの初しぐれ木の葉は下に色かはるとも(藤原良經)
831 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:49:35 ID:E7s3K3nR
ありとても逢はぬためしの名取川朽ちだにはてね瀬々の埋木(寂蓮法師)
832 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:52:12 ID:E7s3K3nR
逢ふ事はいつといぶきの嶺に生ふるさしも絶えせぬ思なりけり(藤原家房)
833 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:54:22 ID:E7s3K3nR
富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなきものはおもひなりけり(藤原家隆)
834 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:56:02 ID:E7s3K3nR
つれなさのたぐひまでやはつらからめ月をもめでじ有明の空(藤原有家)
835 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 07:57:02 ID:E7s3K3nR
幾夜われ波にしをれて貴船川そでに玉散るもの思ふらむ(藤原良經)
836 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 08:20:58 ID:E7s3K3nR
年も經ぬいのるちぎりははつせ山をのへの鐘のよそのゆふぐれ(藤原定家)
837 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 08:22:04 ID:E7s3K3nR
ただ頼めたとへば人のいつはりを重ねてこそは又も恨みめ(慈圓)
838 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 08:22:51 ID:E7s3K3nR
忘れずはなれし袖もや氷るらむ寝ぬ夜の床の霜のさむしろ(藤原定家)
839 :
名無氏物語:2010/03/12(金) 08:24:14 ID:E7s3K3nR
風吹かば峯に別れむ雲をだにありしなごりの形見とも見よ(藤原家隆)
840 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:41:24 ID:ZIecO5lG
思ひかねうちぬる宵もありなまし吹きだにすさめ庭の松風(藤原良經)
841 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:43:42 ID:ZIecO5lG
さらでだにうらみむとおもふ吾妹子が衣の裾に秋風ぞ吹く(藤原有家)
842 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:46:39 ID:ZIecO5lG
いつも聞くものとや人の思ふらむ來ぬ夕暮のまつかぜの聲(藤原良經)
843 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:48:04 ID:ZIecO5lG
心あらば吹かずもあらなむよひよひに人待つ宿の庭の松風(慈圓)
844 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:49:37 ID:ZIecO5lG
來ぬ人をあきのけしきやふけぬらむうらみによわるまつ虫の聲(寂蓮法師)
845 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:50:29 ID:ZIecO5lG
心こそゆくへも知らね三輪の山杉のこずゑのゆふぐれの空(慈圓)
846 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:51:55 ID:ZIecO5lG
曉のなみだやそらにたぐふらむ袖に落ちくる鐘のおとかな(慈圓)
847 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 09:53:15 ID:ZIecO5lG
さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮(寂蓮法師)
848 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:11:39 ID:ZIecO5lG
たぐへくる松の嵐やたゆむらむおのえにかへるさを鹿の聲(藤原良經)
849 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:13:39 ID:ZIecO5lG
鵲の雲のかけはし秋暮れて夜半には霜や冴えわたるらむ(寂蓮法師)
850 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:16:44 ID:ZIecO5lG
ふる里はあさぢがすゑになりはてて月に殘れる人のおもかげ(藤原良經)
851 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:18:04 ID:ZIecO5lG
極楽へまだわが心ゆきつかずひつじの歩みしばしとどまれ(慈圓)
852 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:19:42 ID:ZIecO5lG
奥山にひとりうき世は悟りにき常なき色を風にながめて(藤原良經)
853 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:21:33 ID:ZIecO5lG
むらさきのくもぢに誘ふ琴の音にうき世をはらふ峯の松風(寂蓮法師)
854 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:27:28 ID:ZIecO5lG
これやこのうき世の外の春ならむ花のとぼそのあけぼのの空(寂蓮法師)
855 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:29:28 ID:ZIecO5lG
春秋もかぎらぬ花に置く露はおくれさきだつ恨やはある(寂蓮法師)
856 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:40:15 ID:ZIecO5lG
たちかへり苦しき海に置く網も深きえにこそ心引くらめ(寂蓮法師)
857 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 10:41:48 ID:ZIecO5lG
憂き身にはながむるかひもなかりけり心に曇る秋の夜の月(慈圓)
858 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:23:59 ID:ZIecO5lG
月だにもなぐさめがたき秋の夜のこころも知らぬ松の風かな(藤原良經)
859 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:25:24 ID:ZIecO5lG
さむしろや待つ夜の秋の風ふけて月をかたしく宇治の橋姫(藤原定家)
860 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:26:09 ID:ZIecO5lG
ひと目見し野邊のけしきはうらがれて露のよすがに宿るつきかな(寂蓮法師)
861 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:28:25 ID:ZIecO5lG
有明の月のゆくへをながめてぞ野寺の鐘は聞くべかりける(慈圓)
862 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:31:58 ID:ZIecO5lG
すずしさは秋やかへりてはつせ川ふる川の邊の杉のしたかげ(藤原有家)
863 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:34:07 ID:ZIecO5lG
またや見む交野のみ野のさくらがり花の雪散る春のあけぼの(藤原俊成)
864 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:38:44 ID:ZIecO5lG
うちしめりあやめぞかをる郭公啼くやさつきの雨のゆふぐれ(藤原良經)
865 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 11:41:28 ID:ZIecO5lG
身にとまる思を荻のうは葉にてこのごろかなし夕ぐれの空(慈圓)
866 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 23:16:38 ID:ZIecO5lG
野邊ごとにおとづれわたる秋風をあだにもなびく花薄かな(八條院六條)
867 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 23:18:10 ID:ZIecO5lG
よそながらあやしとだにも思へかし戀せぬ人の袖の色かは(高松院右衞門佐)
868 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 23:19:46 ID:ZIecO5lG
志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づるありあけの月(藤原家隆)
869 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 23:21:26 ID:ZIecO5lG
夢かよふ道さへ絶えぬくれたけの伏見の里の雪のしたをれ(藤原有家)
870 :
名無氏物語:2010/03/13(土) 23:22:22 ID:ZIecO5lG
いづくにか今宵は宿をかりごろもひもゆふぐれの嶺の嵐に(藤原定家)
871 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:29:54 ID:8OHn4FMr
待つ人のふもとの道は絶えぬらむ軒端の杉に雪おもるなり(藤原定家)
872 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:47:15 ID:8OHn4FMr
來ぬ人を思ひ絶えたる庭の面の蓬がすゑぞ待つにまされる(寂蓮法師)
873 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:50:47 ID:8OHn4FMr
春日山みやこの南しかぞおもふ北の藤なみ春にあへとは(藤原良經)
874 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:52:03 ID:8OHn4FMr
忘れなむ待つとな告げそなかなかにいなばの山の峯の秋風(藤原定家)
875 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:53:09 ID:8OHn4FMr
空蝉の鳴く音やよそにもりの露ほしあへぬ袖を人のとふまで(藤原良經)
876 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:54:20 ID:8OHn4FMr
思あれば袖に螢をつつみてもいはばやものをとふ人はなし(寂蓮法師)
877 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 00:55:13 ID:8OHn4FMr
山の端を出でても松の木の間より心づくしのありあけの月(藤原業C)
878 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 13:54:58 ID:8OHn4FMr
草ふかき夏野わけ行くさを鹿の音をこそ立てね露ぞこぼるる(藤原良經)
879 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 13:55:47 ID:8OHn4FMr
山がつの麻のさ衣をさをあらみあはで月日やすぎ葺けるいほ(藤原良經)
880 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 13:56:56 ID:8OHn4FMr
面影のかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖のなみだに(俊成卿女)
881 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 13:57:55 ID:8OHn4FMr
床の霜まくらの氷消えわびぬむすびも置かぬ人のちぎりに(藤原定家)
882 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 13:58:50 ID:8OHn4FMr
何故と思ひも入れぬ夕べだに待ち出でしものを山の端の月(藤原良經)
883 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 13:59:41 ID:8OHn4FMr
聞くやいかにうはの空なる風だにもまつに音する習ありとは(宮内卿)
884 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:00:35 ID:8OHn4FMr
里は荒れぬ尾上の宮のおのづから待ち來し宵も昔なりけり(後鳥羽院)
885 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:01:58 ID:8OHn4FMr
物思はでただおほかたの露にだに濡るれば濡るる秋の袂を(藤原有家)
886 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:18:43 ID:8OHn4FMr
草枕結びさだめむかた知らずならはぬ野邊の夢のかよひ路(藤原雅經)
887 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:20:59 ID:8OHn4FMr
見し人のおもかげとめよC見潟そでにせきもる浪のかよひぢ(藤原雅經)
888 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:23:19 ID:8OHn4FMr
ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに(俊成卿女)
889 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:24:36 ID:8OHn4FMr
かよひ來しやどの道芝かれがれにあとなき霜のむすぼほれつつ(俊成卿女)
890 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:25:53 ID:8OHn4FMr
白栲の袖のわかれに露おちて身にしむいろの秋かぜぞ吹く(藤原定家)
891 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:28:18 ID:8OHn4FMr
おもひいる身はふかくさの秋の露たのめしすゑや木枯の風(藤原家隆)
892 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:30:22 ID:8OHn4FMr
野邊の露は色もなくてやこぼれつる袖より過ぐる荻の上風(慈圓)
893 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:31:22 ID:8OHn4FMr
木の葉散る宿にかたしく袖の色をありとも知らでゆく嵐かな(慈圓)
894 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 14:49:36 ID:8OHn4FMr
木の葉散るしぐれやまがふわが袖にもろき涙の色と見るまで(源通具)
895 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:00:13 ID:8OHn4FMr
移りゆく雲にあらしの聲すなり散るかまさ木のかづらきの山(藤原雅經)
896 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:01:28 ID:8OHn4FMr
初時雨しのぶの山のもみぢ葉を嵐吹けとは染めずやありけむ(七條院大納言)
897 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:02:41 ID:8OHn4FMr
しぐれつつ袖もほしあへずあしびきの山の木の葉に嵐吹くころ(信濃)
898 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:39:18 ID:8OHn4FMr
山里の風すさまじきゆふぐれに木の葉みだれてものぞ悲しき(藤原秀能)
899 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:40:24 ID:8OHn4FMr
冬の來て山もあらはに木の葉降りのこる松さへ峯にさびしき(祝部成茂)
900 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:41:08 ID:8OHn4FMr
霜こほる袖にもかげは殘りけり露より馴れしありあけの月 (源通具)
901 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:42:25 ID:8OHn4FMr
天の戸をおしあけがたの雲間より神代の月のかげぞ殘れる(藤原良經)
902 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:45:21 ID:8OHn4FMr
雲をのみつらきものとて明かす夜の月や梢にをちかたの山(藤原忠經)
903 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:47:49 ID:8OHn4FMr
入りやらで夜を惜しむ月のやすらひにほのぼの明くる山の端も憂し(藤原保季)
904 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:49:43 ID:8OHn4FMr
われながらおもふか物をとばかりに袖にしぐるる庭の松風(藤原有家)
905 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:50:52 ID:8OHn4FMr
春日山谷のうもれ木朽ちぬとも君に告げこせ峰のまつかぜ(藤原家隆)
906 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 15:58:10 ID:8OHn4FMr
なにとなく聞けばなみだぞこぼれぬる苔の袂に通ふ松風(宜秋門院丹後)
907 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:00:08 ID:8OHn4FMr
散りまがふ花のよそめはよし野山あらしにさわぐみねの白雲(藤原頼輔)
908 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:08:41 ID:8OHn4FMr
高瀬さす六田の淀のやなぎ原みどりもふかくかすむ春かな(藤原公經)
909 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:11:00 ID:8OHn4FMr
岩根ふみかさなる山を分けすてて花もいくへのあとのしら雲(藤原雅經)
910 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:14:29 ID:8OHn4FMr
五月雨の雲間の月の晴れゆくを暫し待ちけるほととぎすかな(二條院讃岐)
911 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:19:55 ID:8OHn4FMr
時しもあれふるさと人はおともせでみ山の月に秋風ぞ吹く(藤原良經)
912 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:21:03 ID:8OHn4FMr
あひ見しは昔がたりのうつつにてそのかねごとを夢になせとや(源通親)
913 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:30:29 ID:8OHn4FMr
あはれなる心の闇のゆかりとも見し夜の夢をたれかさだめむ(藤原公經)
914 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:48:36 ID:8OHn4FMr
契りきや飽かぬわかれに露おきし曉ばかりかたみなれとは(源通具)
915 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:53:25 ID:8OHn4FMr
恨みわび待たじいまはの身なれども思ひ馴れにし夕暮の空(寂蓮法師)
916 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 16:58:55 ID:8OHn4FMr
忘れじの言の葉いかになりにけむたのめし暮は秋風ぞ吹く(宜秋門院丹後)
917 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:00:26 ID:8OHn4FMr
春の夜の夢のうき橋とだえして峯にわかるるよこぐもの空(藤原定家)
918 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:03:05 ID:8OHn4FMr
大空は梅のにほひにかすみつつくもりもはてぬ春の夜の月(藤原定家)
919 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:05:18 ID:8OHn4FMr
霜まよふ空にしをれし雁がねのかへるつばさに春雨ぞ降る(藤原定家)
920 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:06:42 ID:8OHn4FMr
この程は知るも知らぬも玉鉾の行きかふ袖は花の香ぞする(藤原家隆)
921 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:10:18 ID:8OHn4FMr
時鳥むかしをかけて忍べとや花のね覺に一こゑぞする(顯昭法師)
922 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:33:38 ID:8OHn4FMr
有明の月待つやどの袖のうへに人だのめなる宵のいなづま(藤原家隆)
923 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:35:16 ID:8OHn4FMr
蟲の音もながき夜飽かぬふるさとになほ思ひそふ松風ぞ吹く(藤原家隆)
924 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:37:38 ID:8OHn4FMr
もみぢ葉の色にまかせて常磐木も風にうつろふ秋の山かな(藤原公繼)
925 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:39:01 ID:8OHn4FMr
身にかへていざさは秋を惜しみ見むさらでももろき露の命を(守覺法親王)
926 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:40:08 ID:8OHn4FMr
ひとり見る池の氷に澄む月のやがて袖にもうつりぬるかな(藤原俊成)
927 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 17:41:26 ID:8OHn4FMr
雪降れば峯のまさかきうづもれて月にみがける天の香具山(藤原俊成)
928 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:00:14 ID:8OHn4FMr
誰としも知らぬわかれの悲しきは松浦の沖を出づる舟人(藤原隆信)
929 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:12:09 ID:8OHn4FMr
夏刈の葦のかりねもあはれなり玉江の月のあけがたの空(藤原俊成)
930 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:13:44 ID:8OHn4FMr
立ちかへりまたも來て見む松島やをじまの苫屋波にあらすな(藤原俊成)
931 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:15:14 ID:8OHn4FMr
こととへよ思ひおきつの濱千鳥なくなく出でしあとの月影(藤原定家)
932 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:17:05 ID:8OHn4FMr
野邊の露うらわの浪をかこちてもゆくへも知らぬ袖の月影(藤原家隆)
933 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:18:16 ID:8OHn4FMr
風そよぐしのの小篠のかりのよを思ひ寝覺に露ぞこぼるる(守覺法親王)
934 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 18:19:23 ID:8OHn4FMr
誰かはと思ひ絶えてもまつにのみ音づれて行く風は恨めし(藤原有家)
935 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:17:53 ID:8OHn4FMr
わくらばに問はれし人も昔にてそれより庭の跡は絶えにき(藤原定家)
936 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:19:19 ID:8OHn4FMr
背きても猶憂きものは世なりけり身を離れたる心ならねば(寂蓮法師)
937 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:20:08 ID:8OHn4FMr
長らへて世に住むかひはなけれども憂きにかへたる命なりけり(守覺法親王)
938 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:21:37 ID:8OHn4FMr
世を捨つる心は猶ぞなかりける憂きを憂しとは思ひ知れども(藤原兼宗)
939 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:22:33 ID:8OHn4FMr
長らへて生けるをいかにもどかまし憂き身の程をよそに思はば(源師光)
940 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:23:35 ID:8OHn4FMr
散り散らず人もたづねぬふるさとの露けき花に春かぜぞ吹く(慈圓)
941 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:24:23 ID:8OHn4FMr
花さそふ比良の山風ふきにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで(宮内卿)
942 :
名無氏物語:2010/03/14(日) 19:25:18 ID:8OHn4FMr
あふさかやこずゑの花をふくからに嵐ぞかすむ關の杉むら(宮内卿)
943 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:38:31 ID:i3mAmsU0
大荒木のもりの木の間をもりかねて人だのめなる秋の夜の月(俊成卿女)
944 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:41:30 ID:i3mAmsU0
故郷のもとあらのこ萩咲きしより夜な夜な庭の月ぞうつろふ(藤原良經)
945 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:42:41 ID:i3mAmsU0
行くすゑは空もひとつのむさし野に草の原より出づる月かげ(藤原良經)
946 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:43:42 ID:i3mAmsU0
月をなほ待つらむものかむらさめの晴れゆく雲のすゑの里人(宮内卿)
947 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:45:08 ID:i3mAmsU0
大江山傾く月のかげさえて鳥羽田の面に落つるかりがね(慈圓)
948 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:46:14 ID:i3mAmsU0
霜を待つ籬の菊のよひの間に置きまよふいろは山の端の月(宮内卿)
949 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:47:12 ID:i3mAmsU0
秋ふけぬ鳴けや霜夜のきりぎりすやや影さむしよもぎふの月(後鳥羽院)
950 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:48:04 ID:i3mAmsU0
下もえに思ひ消えなむけぶりだにあとなき雲のはてぞ悲しき(俊成卿女)
951 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:54:31 ID:i3mAmsU0
山ざとに月は見るやと人は來ず空ゆく風ぞ木の葉をも訪ふ(慈圓)
952 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 19:56:00 ID:i3mAmsU0
山ふかみ春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水(式子内親王)
953 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:00:22 ID:i3mAmsU0
谷河のうち出づる波も聲たてつうぐひすさそへ春の山かぜ(藤原家隆)
954 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:01:19 ID:i3mAmsU0
鶯のなみだのつららうちとけてふる巣ながらや春を知るらむ(惟明親王)
955 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:05:13 ID:i3mAmsU0
梅の花にほひをうつす袖のうへに軒漏る月のかげぞあらそふ(藤原定家)
956 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:06:46 ID:i3mAmsU0
梅が香にむかしをとへば春の月こたへぬかげぞ袖にうつれる(藤原家隆)
957 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:19:26 ID:i3mAmsU0
ながめつる今日は昔になりぬとも軒端の梅はわれを忘るな(式子内親王)
958 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:20:20 ID:i3mAmsU0
歸る雁いまはのこころありあけに月と花との名こそ惜しけれ(藤原良經)
959 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:21:09 ID:i3mAmsU0
ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞ降る(藤原良經)
960 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:22:27 ID:i3mAmsU0
いま桜咲きぬと見えてうすぐもり春に霞める世のけしきかな(式子内親王)
961 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:23:16 ID:i3mAmsU0
白雲の春はかさねてたつた山をぐらのみねに花にほふらし(藤原定家)
962 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:24:32 ID:i3mAmsU0
山たかみ峯の嵐に散る花の月にあまぎるあけがたのそら(二條院讃岐)
963 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 20:27:03 ID:i3mAmsU0
花は散りその色となくながむればむなしき空にはるさめぞ降る(式子内親王)
964 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:00:30 ID:i3mAmsU0
初瀬山うつろう花に春暮れてまがひし雲ぞ峯にのこれる(藤原良經)
965 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:01:21 ID:i3mAmsU0
吉野川岸のやまぶき咲きにけり嶺のさくらは散りはてぬらむ(藤原家隆)
966 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:03:05 ID:i3mAmsU0
明日よりは志賀の花園まれにだに誰かは訪はむ春のふるさと(藤原良經)
967 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:04:31 ID:i3mAmsU0
郭公なほひとこゑはおもひ出でよ老曾の森の夜半のむかしを(藤原範光)
968 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:05:45 ID:i3mAmsU0
聲はして雲路にむせぶほととぎす涙やそそぐ宵のむらさめ(式子内親王)
969 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:06:57 ID:i3mAmsU0
かへり來ぬむかしを今とおもひ寝の夢の枕に匂ふたちばな(式子内親王)
970 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:08:12 ID:i3mAmsU0
たちばなの花散る軒のしのぶ草むかしをかけて露ぞこぼるる(藤原忠良)
971 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:09:51 ID:i3mAmsU0
いさり火の昔の光ほの見えてあしやの里に飛ぶほたるかな(藤原良經)
972 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:22:20 ID:i3mAmsU0
秋近きけしきの森に鳴く蝉のなみだの露や下葉染むらむ(藤原良經)
973 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:23:32 ID:i3mAmsU0
鳴く蝉のこゑも涼しきゆふぐれに秋をかけたる森のした露(二條院讃岐)
974 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:25:28 ID:i3mAmsU0
伏見山松のかげよりみわたせばあくるたのもに秋風ぞ吹く(藤原俊成)
975 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:28:06 ID:i3mAmsU0
うたたねの朝けの袖にかはるなりならすあふぎの秋の初風(式子内親王)
976 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:31:10 ID:i3mAmsU0
花薄まだ露ふかし穂に出でばながめじとおもふ秋のさかりを(式子内親王)
977 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 21:33:37 ID:emAGXqDH
祖おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーれ。
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
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978 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:00:22 ID:i3mAmsU0
荻の葉に吹けば嵐の秋なるを待ちける夜半のさをしかの聲(藤原良經)
979 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:01:23 ID:i3mAmsU0
おしなべて思ひしことのかずかずになほ色まさる秋の夕暮(藤原良經)
980 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:02:32 ID:i3mAmsU0
ながめわびぬ秋より外の宿もがな野にも山にも月やすむらむ(式子内親王)
981 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:03:47 ID:i3mAmsU0
秋の色はまがきにうとくなりゆけど手枕馴るるねやの月かげ(式子内親王)
982 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:07:00 ID:i3mAmsU0
山おろしに鹿の音高く聞ゆなり尾上の月にさ夜や更けぬる(藤原実房)
983 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:08:52 ID:i3mAmsU0
野分せし小野の草ぶし荒れはててみ山に深きさをしかの聲(寂蓮法師)
984 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:11:11 ID:i3mAmsU0
み山べの松のこずゑをわたるなり嵐にやどすさをしかの聲(惟明親王)
985 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:12:34 ID:i3mAmsU0
物思ふそでより露やならひけむ秋風吹けば堪へぬものとは(寂蓮法師)
986 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:44:05 ID:i3mAmsU0
跡もなき庭の淺茅にむすぼほれ露のそこなる松蟲のこゑ(式子内親王)
987 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:46:35 ID:i3mAmsU0
ふけにけり山の端ちかく月さえてとをちの里に衣うつこゑ(式子内親王)
988 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:49:23 ID:i3mAmsU0
秋を經てあはれも露もふかくさの里とふものは鶉なりけり(慈圓)
989 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 22:51:13 ID:i3mAmsU0
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む(藤原良經)
990 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:00:35 ID:i3mAmsU0
桐の葉もふみ分けがたくなりにけり必ず人を待つとならねど(式子内親王)
991 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:02:32 ID:i3mAmsU0
散りかかる紅葉の色は深けれど渡ればにごるやまがはの水(二條院讃岐)
992 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:07:28 ID:i3mAmsU0
折こそあれながめにかかる浮雲の袖も一つにうちしぐれつつ(二條院讃岐)
993 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:08:46 ID:i3mAmsU0
まきの屋に時雨の音のかはるかな紅葉や深く散り積るらむ(藤原実房)
994 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:09:56 ID:i3mAmsU0
吹きはらふ嵐の後の高峰より木の葉くもらで月や出づらむ(宜秋門院丹後)
995 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:11:02 ID:i3mAmsU0
笹の葉はみ山もさやにうちそよぎ氷れる霜を吹くあらしかな(藤原良經)
996 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:13:49 ID:i3mAmsU0
むかし思ふさ夜の寝覺の床さえて涙もこほるそでのうへかな(守覺法親王)
997 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:14:52 ID:i3mAmsU0
立ちぬるる山のしづくも音絶えてまきの下葉に垂氷しにけり(守覺法親王)
998 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:30:15 ID:i3mAmsU0
かたしきの袖の氷もむすぼほれとけて寝ぬ夜の夢ぞみじかき(藤原良經)
999 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:32:23 ID:i3mAmsU0
見るままに冬は來にけり鴨のゐる入江のみぎは薄氷りつつ(式子内親王)
1000 :
名無氏物語:2010/03/15(月) 23:33:33 ID:i3mAmsU0
さむしろの夜半のころも手さえさえて初雪しろし岡のべの松(式子内親王)
1001 :
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