1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:00:45 ID:AB1ZxA7I
3 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:15:36 ID:AB1ZxA7I
4 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:17:13 ID:AB1ZxA7I
5 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:20:22 ID:AB1ZxA7I
6 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:21:58 ID:AB1ZxA7I
7 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:25:12 ID:AB1ZxA7I
8 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:27:24 ID:AB1ZxA7I
9 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:28:21 ID:AB1ZxA7I
10 :
名無氏物語:2009/12/23(水) 00:00:29 ID:6iCxieiQ
白雲をつばさにかけて行く雁の門田のおもの友したふなり(西行[新古今])
11 :
名無氏物語:2009/12/23(水) 17:41:19 ID:6iCxieiQ
山嵐にうき行く雲の一とほり日かげさながら時雨ふるなり(儀子内親王[風雅])
12 :
名無氏物語:2009/12/23(水) 20:14:06 ID:6iCxieiQ
「源氏」っていうだけで、馬鹿が集まってくるところが「凄い」。
13 :
名無氏物語:2009/12/24(木) 23:15:52 ID:Z1K6SikA
冬ふかみさびしき色は猶そひぬかり田の面の霜の明け方(崇光院[新拾遺])
14 :
名無氏物語:2009/12/26(土) 20:52:03 ID:vCKOJJXX
15 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 00:29:58 ID:QZKUB0r+
16 :
名無氏物語:2009/12/30(水) 22:02:57 ID:egi8UH7+
よしさらばただ中々につれなかれうきにまけてや思ひよわると(藤原為氏[新後撰])
17 :
名無氏物語:2009/12/30(水) 22:21:01 ID:egi8UH7+
吹きおろす嵐の山に春暮れて井堰にむせぶ花の白波(今出川兼季[続千載])
18 :
名無氏物語:2009/12/30(水) 22:22:13 ID:egi8UH7+
初瀬川花のみなわの消えがてに春あらはるる瀬々の白波(西園寺実氏[続拾遺])
19 :
名無氏物語:2009/12/31(木) 01:16:38 ID:h2AbaHbR
和歌の浦にみがける玉をひろひ置きていにしへいまの数をみるかな(藤原為氏[続千載])
20 :
名無氏物語:2009/12/31(木) 01:17:58 ID:h2AbaHbR
しきしまややまとことばの海にしてひろひし玉はみがかれにけり(藤原良経[続古今])
21 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 15:36:51 ID:BE50CzhE
わが心なぐさめかねつ更科や姨捨山にてる月を見て(よみ人しらず[古今])
22 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 18:06:58 ID:BE50CzhE
老の身に吉野の嶺のすず分けてうき世をいづる道は知りにき(静仁法親王[続千載])
23 :
名無氏物語:2010/01/05(火) 15:16:06 ID:okuhE3u8
秋霧のむらむらはるるたえまよりぬれて色こき山の紅葉ば(永福門院[新千載])
24 :
名無氏物語:2010/01/05(火) 19:24:49 ID:prlagzHP
うづもれし庭の落葉に霜消えてまたあらはるる秋の色かな(三条西実清[新続古今])
25 :
名無氏物語:2010/01/06(水) 21:09:58 ID:3MXaw+2B
物思ふとすぐる月日もしらぬまにことしはけふにはてぬとかきく(藤原敦忠[後撰])
26 :
名無氏物語:2010/01/06(水) 21:31:38 ID:3MXaw+2B
世の中にあらましかばと思ふ人なきがおほくも成りにけるかな(藤原為頼[拾遺])
27 :
名無氏物語:2010/01/10(日) 19:45:08 ID:KHeirjSB
妹が島かたみのうらのさ夜千鳥おも影そへて妻や恋ふらむ(よみ人しらず[新続古今])
28 :
名無氏物語:2010/01/10(日) 20:51:20 ID:KHeirjSB
世の中はいつかは夢と思はねどうつつ少なき頃にもあるかな(具平親王[続千載])
29 :
名無氏物語:2010/01/10(日) 23:14:41 ID:KHeirjSB
夕日かげ田のもはるかにとぶ鷺のつばさのほかに山ぞくれぬる(光厳院[風雅])
30 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 21:07:19 ID:ZgHOYrJL
うす霧の籬の花の朝じめり秋は夕べと誰かいひけむ(藤原清輔[新古今])
31 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 20:31:56 ID:e+dSZeYu
世の中にふりぬる物は津の国のながらの橋と我となりけり(よみ人しらず[古今])
32 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 20:34:42 ID:e+dSZeYu
夕づくよさすや岡べの松の葉のいつともわかぬ恋もするかな(よみ人しらず[古今])
33 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 20:36:03 ID:e+dSZeYu
たちそむる霧かとみれば秋の雨のこまかにそそく夕ぐれの空(冷泉為秀[風雅])
34 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 22:05:23 ID:P+O2VH1x
重ねてもあかでやあけん独り寝に長かりし比の夜半のいくよを(素純)
35 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 22:07:25 ID:P+O2VH1x
槙の戸をおしあけ方の梅が香に憂き春風や夢さそふらむ(足利義尚)
36 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 22:08:44 ID:P+O2VH1x
槙の戸をおし明がたの空さえて庭白妙に雪降りにけり(慈円)
37 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 22:11:45 ID:P+O2VH1x
ほどぞなき秋にこしぢの月かげを花にかすめて帰る雁がね(足利義尚)
38 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 22:13:16 ID:P+O2VH1x
かへる雁たびの空にもわするなよ芳野の花にかすむ夜の月(後鳥羽院)
39 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:47:14 ID:P+O2VH1x
すり衣君が袖ふる春雨に紫野ゆき菫つみてむ(足利義尚)
40 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:48:28 ID:P+O2VH1x
夕がほの露の契りや小車のとこなつかしき形見なりけむ(足利義尚)
41 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:49:56 ID:P+O2VH1x
あやめ草おなじ姿に置き馴れて枕の露や光そふらむ(足利義尚)
42 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:50:43 ID:P+O2VH1x
月見よと簾うごかす秋風に君まちをれば夜ぞ更けにける(足利義尚)
43 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:51:35 ID:P+O2VH1x
伊勢の海や潮干のたづの声たけてわかの松原月冴えわたる(足利義尚)
44 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:52:32 ID:P+O2VH1x
露しぐれのこれる山のもみぢ葉に夕日をそめて秋風ぞ吹く(足利義尚)
45 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:59:31 ID:P+O2VH1x
一よさへ夢やは見ゆる呉竹のふしなれぬ床に木枯の風(足利義尚)
46 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 00:01:44 ID:JkUCejUs
夢かよふ道さへたえぬ呉竹のふしみの里の雪の下をれ(藤原有家)
47 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 00:02:48 ID:JkUCejUs
かりそめの道のたよりの梅の花その香にふれし袖ぞ忘れぬ(足利義尚)
48 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 00:03:53 ID:JkUCejUs
憂き人の心のあきの袂より月と露とはうらみはててき(足利義尚)
49 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 00:04:44 ID:JkUCejUs
憂き人の心のあきの初時雨いつことの葉の色をそめけん(宗尊親王)
50 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 03:40:20 ID:JkUCejUs
みな月の月影しろき小忌衣うたふさざ浪よるぞすずしき(藤原定家)
51 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 03:41:27 ID:JkUCejUs
咲く花のけふのあるじに身をなしてしのぶも悲し故郷の春(道堅)
52 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 03:43:49 ID:JkUCejUs
けふいくか花のあるじに身をなしておくるる人のとふをまつらん(法性寺為信)
53 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 03:44:59 ID:JkUCejUs
世の憂さもまたやあひみむ初瀬山いのりし道は花ぞふりしく(道堅)
54 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 04:55:08 ID:JkUCejUs
暮れゆけばただ春風の音羽川おとを聞きても花ぞ悲しき(道堅)
55 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 04:56:36 ID:JkUCejUs
吉野より外には出でず日数へて同じかげなる花は見ねども(道堅)
56 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 04:57:40 ID:JkUCejUs
難波江や芦のしげみの下くぐる音にもちかき水の秋風(道堅)
57 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 04:58:25 ID:JkUCejUs
里遠く野はなりにけり長き夜の月のゆくへをとふとせしまに(道堅)
58 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 04:59:09 ID:JkUCejUs
下くぐる水に秋こそかよふらしむすぶ泉の手さへ涼しき(中務)
59 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 04:59:58 ID:JkUCejUs
秋ふかくなるとの海の早汐におちゆく月のよどむ瀬もがな(道堅)
60 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:01:34 ID:JkUCejUs
ふかき夜の宿をば出でて我ながら行くかたしらぬ道の辺の月(道堅)
61 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:02:57 ID:JkUCejUs
ゆくへなく月に心のすみすみてはてはいかにかならんとすらん(西行)
62 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:11:27 ID:JkUCejUs
露の間と見るもはかなし鳴く虫の命の末のよもぎふの月(道堅)
63 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:12:33 ID:JkUCejUs
思ふこそ遠きも憂けれ行くとなれば我が路ならぬ海山もなし(道堅)
64 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:13:19 ID:JkUCejUs
住むとならば水の音する石のうへ木の下露のかかる所を(道堅)
65 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:14:52 ID:JkUCejUs
すむとならばその山水の末までも我が身にごらぬ心ともがな(三条西実隆)
66 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:21:24 ID:JkUCejUs
夕波の花にもかけて梅が香をさそふ難波のさとの春風(十市遠忠)
67 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 05:26:23 ID:JkUCejUs
花ぞなほ露まぎれなき梅が枝の若葉もにほふ春のあさ風(十市遠忠)
68 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 08:52:38 ID:JkUCejUs
春日山しづかなる世の春にあひて花さくころの宮めぐりかな(十市遠忠)
69 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 08:54:42 ID:JkUCejUs
浪風もしづかなる世の春にあひて網の浦人たたぬ日ぞなき(藤原家隆)
70 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 09:07:22 ID:JkUCejUs
なごりあれや野となりてだに菫咲く庭も籬も春のふるさと(十市遠忠)
71 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 09:09:07 ID:JkUCejUs
ほととぎす杜の下草枕にて夕べの月のかげにまちみむ(十市遠忠)
72 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 09:11:49 ID:JkUCejUs
くれうすき岡辺にかへる雲はみなしげる梢の色にきえつつ(十市遠忠)
73 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 09:17:23 ID:JkUCejUs
朝夕日うつるあふひの影すずしみどりのすだれ色をそへつつ(十市遠忠)
74 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 09:18:32 ID:JkUCejUs
露もまだおきあへぬ秋の夕べとややどるもうすき袖の月かげ(十市遠忠)
75 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 09:20:41 ID:JkUCejUs
露もまだ置きあへぬ床の朝じめりおぼえずかろき夏衣かな(正徹)
76 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:33:21 ID:JkUCejUs
影うつりあふ夜の星の泉河天の河より湧きていづらむ(十市遠忠)
77 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:35:11 ID:JkUCejUs
行きてみん道し知らねば天の川この世のなかの星崎の浜(十市遠忠)
78 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:36:35 ID:JkUCejUs
ねざめする枕にかすむ鹿の音はただ秋の夜の夢にやあるらん(十市遠忠)
79 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:37:38 ID:JkUCejUs
露霜の草木に色はなかりけり心をそむる秋の夕暮(十市遠忠)
80 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:38:35 ID:JkUCejUs
大比叡やかたぶく月の木の間より海なかばある影をしぞ思ふ(十市遠忠)
81 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:39:34 ID:JkUCejUs
志賀の浦やむかひの山は陰くれて木の間に海を寄する月かげ(十市遠忠)
82 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:49:39 ID:JkUCejUs
吹きすさぶ外山さびしく冬の夜の月に見えゆく木がらしの風(十市遠忠)
83 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:50:56 ID:JkUCejUs
我が袖はいつかほすべき逢ふ夜はのうれしきにさへあまる涙よ(十市遠忠)
84 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:52:09 ID:JkUCejUs
今夜しもいかなるすぢに黒髪のながきよかけて契りそめけん(十市遠忠)
85 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:54:06 ID:JkUCejUs
いつとなくわけゆく水のあはれ身にしらず逢瀬をたどりわびぬる(十市遠忠)
86 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 21:59:17 ID:JkUCejUs
世にはねをわびてなくだにある物をうれしきにさへおつる涙か(凡河内躬恒)
87 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:16:46 ID:JkUCejUs
夢もうしかへる朝にまどろめばいくたびみるも別れなりけり(十市遠忠)
88 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:17:48 ID:JkUCejUs
逢ふことや遠き野もせの秋の風ひとの心のすゑにふくらむ(十市遠忠)
89 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:19:19 ID:JkUCejUs
あふ事やかたののきぎす妻恋ははれぬ霞のたちゐなくらん(三条西実隆)
90 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:22:12 ID:JkUCejUs
河水のながれ入りては一すぢに白きぞ海の道と見えぬる(十市遠忠)
91 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:27:17 ID:JkUCejUs
山深くいとひくるのみ多けれど世をすてはつる人ぞ稀なる(十市遠忠)
92 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:28:26 ID:JkUCejUs
家ゐする人ぞすくなき世の中をいとひくるのみすまぬ山陰(正徹)
93 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:29:18 ID:JkUCejUs
行人にゆきおくれてん今日もまたみやま桜の春の夕暮(正親町天皇)
94 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:30:15 ID:JkUCejUs
鳴神のただ一とほり一里の風も涼しき夕立のあと(正親町天皇)
95 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:35:29 ID:JkUCejUs
いづれにかさだめて聞かん今日よりの草木が上の秋の初風(正親町天皇)
96 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:37:19 ID:JkUCejUs
いづくにも今朝立初むる秋かぜに草木が上の露もおくらん(烏丸光広)
97 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:39:24 ID:JkUCejUs
秋にやはかはらぬ雲の夕しぐれさすがに空の冬ごもりして(正親町天皇)
98 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:40:29 ID:JkUCejUs
空はなほ冬ごもりせる雪のうちにわれのみ春と鶯ぞなく(後醍醐天皇)
99 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:41:39 ID:JkUCejUs
千とせをも色香にこめて幾秋か花にさきいづる庭の白菊(正親町天皇)
100 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:43:14 ID:JkUCejUs
岩つつじ岩根の水にうつる火の影とみるまで眺めくらしぬ(毛利元就)
101 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:44:45 ID:JkUCejUs
入日さす遠山桜ひとむらは暮るるともなき花の蔭かな(今川義元)
102 :
名無氏物語:2010/01/13(水) 22:46:19 ID:JkUCejUs
昨日なし明日またしらぬ人はただ今日のうちこそ命なりけれ(今川義元)
103 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:43:32 ID:cyXlOzV+
夏山の遠きこずゑの涼しさを野中の水の緑にぞ見る(武田勝頼)
104 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:46:00 ID:cyXlOzV+
朧なる月もほのかに雲かすみ晴れてゆくへの西の山の端(武田勝頼)
105 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:47:21 ID:cyXlOzV+
まだき散る花と惜しむな遅くともつひにあらしの春の夕暮(武田信勝)
106 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:49:06 ID:cyXlOzV+
山がくれつひに嵐の音きかで心と花のいくかちるらん(正徹)
107 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:50:31 ID:cyXlOzV+
あだに見よ誰もあらしの桜花さき散るほどは春の夜の夢(武田信勝)
108 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:52:37 ID:cyXlOzV+
すずしさのいま誰(た)が方になりぬらんとほざかりゆく夕立の雲(一色直朝)
109 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:53:39 ID:cyXlOzV+
遠かたの空のむら雲それかともいひあへぬ間にかかる夕立(一色直朝)
110 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 13:56:07 ID:cyXlOzV+
風さむき尾花が末の浪の間にながれもあへぬ秋の日のかげ(一色直朝)
111 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:06:52 ID:cyXlOzV+
花ながす昔を汲みて山水の一葉をさそふ秋の涼しさ(朝倉義景)
112 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:08:45 ID:cyXlOzV+
花ながす瀬をも見るべき三日月のわれて入りぬる山のをちかた(坂上是則)
113 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:10:11 ID:cyXlOzV+
もののふの鎧の袖をかたしきて枕にちかき初雁のこゑ(上杉謙信)
114 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:11:12 ID:cyXlOzV+
わすれずよかりねに月をみやぎのの枕にちかきさをしかの声(藤原良経)
115 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:12:06 ID:cyXlOzV+
山里のみねの木の葉や散りぬらん枕に近き秋のかりがね(順徳院)
116 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:13:38 ID:cyXlOzV+
野伏する鎧の袖も楯の端もみなしろたへのけさの初雪(上杉謙信)
117 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:15:08 ID:cyXlOzV+
雪折の竹の下道ふみわけてすぐなる跡を世々に知らせむ(北条氏康)
118 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:16:50 ID:cyXlOzV+
なかなかに清めぬ庭は塵もなし風にまかする山の下庵(北条氏康)
119 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:54:00 ID:cyXlOzV+
我が身いま消ゆとやいかに思ふべき空より来りくうに帰れば(北条氏政)
120 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 14:54:44 ID:cyXlOzV+
雨雲のおほへる月も胸の霧も払ひにけりな秋の夕風(北条氏政)
121 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 15:10:24 ID:cyXlOzV+
天地の清きなかより生れ来てもとのすみかに帰るべらなり(北条氏照)
122 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 15:11:28 ID:cyXlOzV+
吹きと吹く風な恨みそ春の花もみぢの残る秋あらばこそ(北条氏照)
123 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 15:12:22 ID:cyXlOzV+
晴れ曇る光は空にさだまらで夕日をわたるむら時雨かな(新納忠元)
124 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 15:14:56 ID:cyXlOzV+
さぞな春つれなき老いと思ふらむ今年も花ののちに残れば(新納忠元)
125 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 15:16:09 ID:cyXlOzV+
けふもまた尋ね入りなむ山里の花に一夜の宿はなくとも(浅井長政)
126 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 15:17:27 ID:cyXlOzV+
もろ共に月も忘るな糸桜年の緒ながき契りと思はば(足利義昭)
127 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:03:09 ID:cyXlOzV+
君が代の時にあひあふ糸桜いともかしこき今日の言の葉(朝倉義景)
128 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:04:34 ID:cyXlOzV+
雪か雲かとばかり見せて山風の花に吹き立つ春の夕暮(蒲生氏郷)
129 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:05:34 ID:cyXlOzV+
限りあれば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山かぜ(蒲生氏郷)
130 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:06:48 ID:cyXlOzV+
万代の君が行幸になれなれむ緑木高き軒の玉松(豊臣秀吉)
131 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:07:38 ID:cyXlOzV+
なき人のかたみに涙残し置きて行方しらずに消えはつるかな(豊臣秀吉)
132 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:08:42 ID:cyXlOzV+
をしからぬ身をまぼろしとなすならば涙の玉の行方たづねん(細川幽斎)
133 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:09:26 ID:cyXlOzV+
露と落ち露と消えにし我が身かななにはの事も夢のまた夢(豊臣秀吉)
134 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:10:16 ID:cyXlOzV+
怠らず行かば千里の果ても見む牛の歩みのよし遅くとも(徳川家康)
135 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:23:29 ID:cyXlOzV+
ころは秋ころは夕ぐれ身はひとつ何に落葉のとまるべきかは(徳川家康)
136 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:24:29 ID:cyXlOzV+
人多し人の中にも人ぞなき人となせ人人となれ人(徳川家康)
137 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:48:56 ID:cyXlOzV+
ささずとて誰かは越えむあふ坂の関の戸うづむ夜半のしら雪(伊達政宗)
138 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:50:27 ID:cyXlOzV+
心なき身にだに月を松島や秋のもなかの夕ぐれの空(伊達政宗)
139 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:52:42 ID:cyXlOzV+
日の本の光を見せてはるかなる唐土(もろこし)までも春や立つらむ(細川幽斎)
140 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 16:57:41 ID:cyXlOzV+
さしいづるこの日の本の光より高麗唐土も春を知るらむ(本居宣長)
141 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:00:36 ID:cyXlOzV+
明けわたるとほ山かづらそのままに霞をかけて春や立つらむ(細川幽斎)
142 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:02:09 ID:cyXlOzV+
雲のゐるとほ山姫の花かづら霞をかけてふくあらしかな(源通光)
143 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:03:12 ID:cyXlOzV+
明けわたるとほ山かづらおのづからいまやかくらむ里のをとめご(正徹)
144 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:14:29 ID:cyXlOzV+
鶯の来鳴くみぎりの夕日影むらむらなびく窓のくれ竹(細川幽斎)
145 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:16:04 ID:cyXlOzV+
山あらしの杉の葉はらふ曙にむらむらなびく雪のしら雲(伏見院)
146 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:17:31 ID:cyXlOzV+
軒ちかき梅が香ながら玉すだれ隙もとめ入る春の夕風(細川幽斎)
147 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:18:40 ID:cyXlOzV+
玉すだれひまもとめ入る春風はいづくなりけんあやし梅が香(後水尾院)
148 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:20:55 ID:cyXlOzV+
吉野山すず吹く秋のかり寝より花ぞ身にしむ木々の下風(細川幽斎)
149 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:22:22 ID:cyXlOzV+
植ゑわたす麓の早苗ひとかたになびくと見れば山風ぞ吹く(細川幽斎)
150 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:23:14 ID:cyXlOzV+
うかりける人の契の浅茅原なびくと見れば秋風ぞふく(正徹)
151 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:24:05 ID:cyXlOzV+
うゑわたす早苗の末葉うちなびき田面すずしき夏の夕かぜ(大内政弘)
152 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:44:58 ID:cyXlOzV+
風の音むら雲ながらきほひきて野分に似たる夕立の空(細川幽斎)
153 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:45:58 ID:cyXlOzV+
なき人の面影そへて月のかほそぞろに寒き秋の風かな(細川幽斎)
154 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:46:41 ID:cyXlOzV+
目のまへに海をなしつつ朝霧のあらぬところに沖つ島山(細川幽斎)
155 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:47:38 ID:cyXlOzV+
風わたる洲崎のよもぎ冬がれて夕霜しろき遠の川波(細川幽斎)
156 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:48:38 ID:cyXlOzV+
かささぎのわたすやいづこ夕霜の雲井にしろき峰のかけ橋(藤原家隆)
157 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:49:40 ID:cyXlOzV+
花紅葉ちるあと遠き木の間より月は冬こそさかりなりけれ(細川幽斎)
158 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:50:38 ID:cyXlOzV+
更けにけり往き来たえたる夜の雨くらはし川の波も音して(細川幽斎)
159 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 17:51:36 ID:cyXlOzV+
山を我がたのしむ身にはあらねどもただ静けさをたよりにぞ住む(細川幽斎)
160 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:12:00 ID:cyXlOzV+
仙人の住家とやいはむみだれ碁の音してふくるともし火の影(細川幽斎)
161 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:13:10 ID:cyXlOzV+
明石潟かたぶく月もゆく舟もあかぬ眺めに島がくれつつ(細川幽斎)
162 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:14:33 ID:cyXlOzV+
海原やしほぢはるかに吹く風の香椎のわたり浪立つらしも(細川幽斎)
163 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:16:29 ID:cyXlOzV+
曙やふもとをめぐる雲霧に弥高山のすがたをぞ見る(細川幽斎)
164 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:17:17 ID:cyXlOzV+
水上に幾むらさめか飾磨河にごりは海に出でて来にけり(細川幽斎)
165 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:18:11 ID:cyXlOzV+
はるばると山をめぐりの夕月夜西に入江のかげを見るかな(細川幽斎)
166 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:09:59 ID:JNhZKIIT
君がため花の錦をしきしまや大和しまねもなびく霞に(細川幽斎)
167 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:11:11 ID:JNhZKIIT
月にちる花とや見まし吹く風もをさまる庭の初雪の空(細川幽斎)
168 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:12:40 ID:JNhZKIIT
月に散るみぎりの庭の初雪をながめしままにふくる(豊臣秀吉)
169 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:13:28 ID:JNhZKIIT
古へも今もかはらぬ世の中に心の種をのこす言の葉(細川幽斎)
170 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:14:17 ID:JNhZKIIT
いまさらにしきしのぶかな敷島の道のをしへにのこす言の葉(三条西実隆)
171 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:31:55 ID:JNhZKIIT
春の夜のかぎりなるべしあひにあひて月もおぼろに梅もかをれる(木下長嘯子)
172 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:41:40 ID:JNhZKIIT
ねやの外もさながらみつる梅が香や色によこぎる月のうす雲(木下長嘯子)
173 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:42:40 ID:JNhZKIIT
夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ(和泉式部)
174 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:43:39 ID:JNhZKIIT
梅が香に窓もる月をかた敷きて半ばさめゆく春の夜の夢(木下長嘯子)
175 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:45:04 ID:JNhZKIIT
ただならぬ朧月夜のかげ更けて袖にほのめく遠の梅が香(木下長嘯子)
176 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:46:06 ID:JNhZKIIT
月の比夜はすがらにわぎも子が手枕かれて花をみるかな(木下長嘯子)
177 :
名無氏物語:2010/01/15(金) 09:47:38 ID:JNhZKIIT
むらさきも朱もみどりも春の色はあるにもあらぬ山桜かな(木下長嘯子)
178 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:06:38 ID:5Lupqn+4
よもの空はふけしづまりて花の上にただおぼろなる月ひとりのみ(木下長嘯子)
179 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:10:44 ID:5Lupqn+4
なべて世は花咲きぬらし山の端をうすくれなゐに出づる月影(木下長嘯子)
180 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:12:03 ID:5Lupqn+4
桜花うつろはんとや山のはのうすくれなゐに今朝はかすめる(藤原良経)
181 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:14:05 ID:5Lupqn+4
しづかなる庭の木の間にかげおちて夜ふかき花に月わたる見ゆ(木下長嘯子)
182 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:16:07 ID:5Lupqn+4
主なしと花をや思ふ雨そそぐ桜が枝にかかるみの虫(木下長嘯子)
183 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:42:50 ID:5Lupqn+4
鶯のこゑのひびきに散る花のしづかに落つる春のゆふぐれ(木下長嘯子)
184 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:44:43 ID:5Lupqn+4
時鳥こゑのひびきにゆく雲のとまるとみればむらさめの空(下河辺長流)
185 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:45:32 ID:5Lupqn+4
山に鳴く鳥の音にさへ散る花のむなしき色は見えて淋しき(後水尾院)
186 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:46:32 ID:5Lupqn+4
古郷のまがきは野らとひろく荒れてつむ人なしになづな花さく(木下長嘯子)
187 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:47:49 ID:5Lupqn+4
故郷のあさぢが下のつぼすみれつむ人なしに花やさくらん(藤原兼宗)
188 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:49:55 ID:5Lupqn+4
水無瀬山我がふる里は荒れぬらむまがきは野らと人もかよはで(後鳥羽院)
189 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:52:45 ID:5Lupqn+4
音もせず春日のどけし時守のつづみや今日はうち忘るらむ(木下長嘯子)
190 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 18:53:41 ID:5Lupqn+4
常よりもをしき春かな時守のうつやつづみも今日なきかせそ(正徹)
191 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:21:04 ID:5Lupqn+4
鳩のなく外面の杉の夕がすみ春のさびしき色は見えけり(木下長嘯子)
192 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:22:01 ID:5Lupqn+4
のがれいでし焼野の雉子峰にまたおどろくばかりさく躑躅かな(木下長嘯子)
193 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:23:41 ID:5Lupqn+4
わが心いくしほ染めつ岩躑躅いはねばこそあれ深き色香に(木下長嘯子)
194 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:24:51 ID:5Lupqn+4
うず桜のこる鞍馬のつづらをり行くかとみれば帰る春かな(木下長嘯子)
195 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:27:50 ID:5Lupqn+4
夢路よりまづ聞きそめて時鳥遠ざかるままに声ぞきえゆく(木下長嘯子)
196 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:32:33 ID:5Lupqn+4
春風に梅も桜も散り果てて名のみぞ残る箕輪の山里(長野業盛)
197 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:33:20 ID:5Lupqn+4
まどろむとおもひもはてぬ夢路よりうつつにつづく初雁のこゑ(藤原定家)
198 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:43:43 ID:5Lupqn+4
あはれにもうち光りゆく蛍かな雨のなごりのしづかなる夜に(木下長嘯子)
199 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:48:26 ID:5Lupqn+4
夏草の花にぞのこる野宮やふりはへ問ひし神のうつり香(木下長嘯子)
200 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:53:21 ID:5Lupqn+4
夕立の杉の梢はあらはれて三輪の檜原ぞまたくもりゆく(木下長嘯子)
201 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:54:12 ID:5Lupqn+4
山風に先づさそはれて夕立の雲の行くてにさわぐ群鳥(木下長嘯子)
202 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 19:55:04 ID:5Lupqn+4
すまの浦や夕立つ浪のたちまちにうしろの山ぞ又くもり行く(契沖)
203 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:03:33 ID:5Lupqn+4
夕顔のさける軒ばの下涼み男はててれ女はふたのもの(木下長嘯子)
204 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:15:18 ID:5Lupqn+4
今朝よりはものあぢきなく心ぼそし人わびさする秋や来ぬらん(木下長嘯子)
205 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:16:42 ID:5Lupqn+4
露となる風となりてやなべて世の人わびさする秋はきぬらん(正徹)
206 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:18:26 ID:5Lupqn+4
衣手の涼しくもあるかさ夜更けて蛍とぶなり秋風のうへに(木下長嘯子)
207 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:22:08 ID:5Lupqn+4
色かはる木の葉ばかりの命もて蝉ぞなくなる秋風の上に(契沖)
208 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:23:45 ID:5Lupqn+4
ひぐらしの声もなれたる山里に今一入のさびしさもがな(木下長嘯子)
209 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:27:31 ID:5Lupqn+4
日ぐらしのこゑも稀なる山里に今ひとしほの寂しさもがな(烏丸光広)
210 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:29:57 ID:5Lupqn+4
秋の野に千はこの玉をなげすててとる人なしにみゆる白露(木下長嘯子)
211 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:35:30 ID:5Lupqn+4
末なびく浅茅が露やこぼるらん風の行く手にひろふ白玉(木下長嘯子)
212 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:41:11 ID:5Lupqn+4
山こえて入りぬと見えし秋の日のまたいづくよりてらす麓田(木下長嘯子)
213 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:43:03 ID:5Lupqn+4
一とほり時雨つきぬとみえし雲の又いづくより曇りきぬらん(三条西実隆)
214 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:44:34 ID:5Lupqn+4
里は荒れて燕ならびし梁の古巣さやかにてらす月かげ(木下長嘯子)
215 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:47:26 ID:5Lupqn+4
宿は猶燕ならびしうつはりに荒れてぞ月のひとりかかれる(正徹)
216 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:49:54 ID:5Lupqn+4
はるばると敷津の浦の月の夜は氷にうかぶ淡路しま山(木下長嘯子)
217 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:51:53 ID:5Lupqn+4
天地やさらにひらくる海山も玉もてつくる秋の夜の月(木下長嘯子)
218 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:53:26 ID:5Lupqn+4
枝も葉もかぞふばかりに月すめば影たしかなる庭のときは木(木下長嘯子)
219 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:54:40 ID:5Lupqn+4
吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峯たしかなるあらし山かな(藤原定家)
220 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 23:54:09 ID:JoI5JMfw
どうも、一人の方が
占拠してらっしゃる
ようですが……。
221 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:00:51 ID:wSRP2YvU
わがものと大和もろびとおごり見よ外に知られぬ秋の夜の月(木下長嘯子)
222 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:02:17 ID:wSRP2YvU
すべてただこれ皆秋のすることぞ月も夕べも虫も憂からず(木下長嘯子)
223 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:03:06 ID:wSRP2YvU
散りつもる庭の枯葉のそよそよとまだふりしめぬ村時雨かな(木下長嘯子)
224 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:04:58 ID:wSRP2YvU
朝まだき楢のかれ葉をそよそよと外山をいでてましら鳴くなり(源顕仲)
225 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:06:23 ID:wSRP2YvU
それながら雨とも言はじ初時雨いかに聞くべき夜半の寝覚ぞ(木下長嘯子)
226 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:07:05 ID:wSRP2YvU
ちりちらず木の葉夢とふ槙のやに時雨をかたる軒の玉水(木下長嘯子)
227 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:08:11 ID:wSRP2YvU
冬枯れの梢を松に吹きまぜてこまかにかはる風の音かな(木下長嘯子)
228 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:10:09 ID:wSRP2YvU
峰しらむ雪の光におき出でて後はるかなる鳥のはつ声(木下長嘯子)
229 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:10:39 ID:kEd8sHLR
おのづから染めぬ木の葉を吹きまぜて色々に行く木がらしの風(藤原為家[玉葉])
230 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:35:45 ID:wSRP2YvU
雲ふかき峰の朝明のいかならん槙の戸しらむ雪の光に(藤原良経)
231 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:37:04 ID:wSRP2YvU
白妙にいくへかさなる色ならん氷の上の雪の夜の月(木下長嘯子)
232 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:42:02 ID:wSRP2YvU
一色に玉しきかへて天地のまたひらく世や雪の明けぼの(木下長嘯子)
233 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:50:17 ID:wSRP2YvU
やどりをば明けぬと出でて雪も夜も深きにまよふ野べの旅人(木下長嘯子)
234 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:53:46 ID:kEd8sHLR
山かげや友を尋ねし跡ふりてただいにしへの雪の夜の月(藤原良経[玉葉])
235 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 14:58:47 ID:wSRP2YvU
日暮るればたつ面影を身にそへてそのままにこそ打ちふされけれ(木下長嘯子)
236 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 15:03:40 ID:wSRP2YvU
蘭の花うらむらさきの色に出でてうつり香さへもたえし中かな(木下長嘯子)
237 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 15:04:31 ID:wSRP2YvU
世々のひとの月はながめしかたみぞと思へば思へば物ぞかなしき(木下長嘯子)
238 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 15:06:00 ID:wSRP2YvU
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(徳川尋子)
239 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 15:57:22 ID:kEd8sHLR
夕つゆのいほりは月をあるじにてやどりおくるる野辺のたび人(藤原定家[続古今])
240 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:01:02 ID:wSRP2YvU
あらぬ世に身はふりはてて大空も袖よりくもる初しぐれかな(木下長嘯子)
241 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:02:06 ID:wSRP2YvU
汝よなれ汝はやせ僧時にあはず首うちなげて物欲しげなる(木下長嘯子)
242 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:03:05 ID:wSRP2YvU
亡き影にまた袖ぬれて仕へけん昔を今のしづのをだ巻(木下長嘯子)
243 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:04:06 ID:wSRP2YvU
黒髪もながかれとのみ掻き撫でしなど玉の緒のみじかかりけん(木下長嘯子)
244 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:05:27 ID:wSRP2YvU
うつつとも夢ともわかん折までは亡き人を我が亡き人にせじ(木下長嘯子)
245 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:08:25 ID:wSRP2YvU
思ひつつぬる夜も逢ふとみえぬかな夢まで人やなき世なるらん(木下長嘯子)
246 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:13:10 ID:wSRP2YvU
せめてわがぬる夜な夜なは逢ふとみえよ夢にやどかる君ならば君(木下長嘯子)
247 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:14:12 ID:wSRP2YvU
似たる人また世にあれなたづねゆきて慰むばかり見ても帰らん(木下長嘯子)
248 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:14:19 ID:kEd8sHLR
なきあとの面影をのみ身にそへてさこそは人の恋しかるらめ(西行[新古今])
249 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:35:10 ID:wSRP2YvU
すべて人をいかなる時にしのばざらんあはれ日又日あはれ夜また夜(木下長嘯子)
250 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:37:09 ID:wSRP2YvU
あらき風ふく夕暮はまづぞおもふ今よりたれにあてじとすらん(木下長嘯子)
251 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:41:20 ID:wSRP2YvU
なき人の来る夜と待ちし袖の上に涙の外の玉は見ざりき(木下長嘯子)
252 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:42:17 ID:wSRP2YvU
遊ぶ子の数にも入らで君ひとり苔の下にや今は歎かん(木下長嘯子)
253 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:48:53 ID:wSRP2YvU
まづ悲し花を見月をながめてもその面影はむかひ消えつつ(木下長嘯子)
254 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:49:59 ID:wSRP2YvU
ありて憂き身の思ひ出の月なればながめても又またもながめん(木下長嘯子)
255 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:52:50 ID:wSRP2YvU
山桜みれど心はなぐさまず花にもあまる憂き身なりけり(木下長嘯子)
256 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 16:55:26 ID:wSRP2YvU
身のほどを忘れてむかふ山桜花こそ人を世にあらせけれ(木下長嘯子)
257 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:18:05 ID:wSRP2YvU
春はただ花こそ人をとどめけれ関守なゐそ不破の中山(藤原有綱)
258 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:19:08 ID:wSRP2YvU
誰をまつ花ともなくてしづけさの老にかなへる浅茅生の宿(木下長嘯子)
259 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:20:36 ID:wSRP2YvU
誰をまつ宿ともみえぬ浅ぢふにくるれば人のころも打つなり(頓阿)
260 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:21:36 ID:wSRP2YvU
たれを待つ誰をさそはむ老が世に独りがための花のかげかな(三条西実隆)
261 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:22:55 ID:wSRP2YvU
今年わがよはひの数を人問はば老いてみにくくなると答へん(木下長嘯子)
262 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:24:35 ID:wSRP2YvU
鉢叩あかつき方の一こゑは冬の夜さへもなくほととぎす(木下長嘯子)
263 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:25:43 ID:wSRP2YvU
わがごとく物思ふときやほととぎす身をうの花のかげになくらん(藤原敦忠)
264 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 17:27:29 ID:wSRP2YvU
露の身の消えてもきえぬ置き所草葉のほかにまたもありけり(木下長嘯子)
265 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:32:29 ID:wSRP2YvU
きえぬべき露の憂き身のおき所いづれの野辺の草葉なるらん(殷富門院大輔)
266 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:33:27 ID:wSRP2YvU
世は春の民の朝けの烟より霞も四方の空に立つらん(後水尾院)
267 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:34:22 ID:wSRP2YvU
峰つづき都に遠き山々の限りもみえてのこる雪かな(後水尾院)
268 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:35:12 ID:wSRP2YvU
水無瀬川遠きむかしの面影も立つや霞にくるる山もと(後水尾院)
269 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:36:15 ID:wSRP2YvU
住の江や春のしらべは松風もひとつみどりの色にかすみて(後水尾院)
270 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:37:45 ID:wSRP2YvU
うき草のすゑより水の春風や世に吹きそめてのどけかるらん(後水尾院)
271 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:39:45 ID:wSRP2YvU
大空をおほはん袖につつむともあまるばかりの風の梅が香(後水尾院)
272 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:53:40 ID:wSRP2YvU
したはれて来にし心の雁ならばかへる雲路をいかでしるらん(後水尾院)
273 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:55:31 ID:wSRP2YvU
江の南梅さきそめておそくとくみどりにつづく岸の青柳(後水尾院)
274 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 18:59:29 ID:wSRP2YvU
分けみればおのがさまざま花ぞ咲くひとつ緑の野べの小草も(後水尾院)
275 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 19:00:51 ID:wSRP2YvU
春の夜の真砂ぢしめる沓の音に音なき雨を庭に聞くかな(後水尾院)
276 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 19:03:14 ID:wSRP2YvU
白雲に松も檜原も籠り江に初瀬の山ぞ花に明け行く(後水尾院)
277 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 19:05:47 ID:wSRP2YvU
花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは(後水尾院)
278 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 19:07:54 ID:wSRP2YvU
ことしげき世をもわすれてつくづくと心をわけぬ花にむかひて(後水尾院)
279 :
名無氏物語:2010/01/17(日) 19:09:09 ID:wSRP2YvU
長閑なる夕べの雨を光にて谷にも春の花は咲きけり(後水尾院)
280 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 14:42:08 ID:Iqnnndxe
花なれや春日うつろふ山の端にあたたかげなる雪の一むら(後水尾院)
281 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 14:44:27 ID:Iqnnndxe
過ぎかてにけふや暮らさん散りつもる花のうへ行く春の山みち(後水尾院)
282 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 14:46:50 ID:Iqnnndxe
うしやうし花にほふえに風かよひちりきて人のこととひはせず(後水尾院)
283 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:04:08 ID:Iqnnndxe
けふはその水上の月もめぐりあひて咲く影ふかき桃の波かな(後水尾院)
284 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:06:01 ID:Iqnnndxe
夕ひばり我がゐる山の風はやみ吹かれてこゑの空にのみする(後水尾院)
285 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:08:11 ID:Iqnnndxe
この夕べ花も残らぬ雨風にきほひて帰る春のさびしさ(後水尾院)
286 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:11:02 ID:Iqnnndxe
夏来てはひとつ緑もうすくこき梢におのが色は分かれて(後水尾院)
287 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:13:27 ID:Iqnnndxe
散る花の雪をたためる夏衣かへても春の名残やはなき(後水尾院)
288 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:14:36 ID:Iqnnndxe
玉かきの風もよきてや神まつる卯月にかかる花のゆふしで(後水尾院)
289 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:28:47 ID:Iqnnndxe
里まではさしもおくらぬ影なれや卯の花山のかへるさの月(後水尾院)
290 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:32:16 ID:Iqnnndxe
うとくなるおのが鳴くねも色みえば青葉の花の山ほととぎす(後水尾院)
291 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:33:41 ID:Iqnnndxe
常磐木に色をわかばの薄萌黄おなじ緑の中に涼しき(後水尾院)
292 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:36:42 ID:Iqnnndxe
夏の日のけしきをかへて降る音はあられに似たる夕立の雨(後水尾院)
293 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:39:41 ID:Iqnnndxe
俄にも波をたたへしにはたづみ乾くもやすき夕立のあと(後水尾院)
294 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:43:23 ID:Iqnnndxe
降る雨のなごり涼しく夏山の緑につづく雲の色かな(後水尾院)
295 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:44:10 ID:Iqnnndxe
うゑ渡す早苗の末葉しげるらし千草と共になびく夕風(後水尾院)
296 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 16:49:27 ID:Iqnnndxe
名残なほ昔おぼえて見し夢の後も枕にかをる橘(後水尾院)
297 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 17:50:55 ID:Iqnnndxe
とぶ蛍水の下にもありけりとおのが思ひをなぐさみやせん(後水尾院)
298 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 17:54:43 ID:Iqnnndxe
鳴く蝉のこゑも木ずゑにしづまりて涼しく暮るる森の下風(後水尾院)
299 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 17:56:07 ID:Iqnnndxe
色みえばこれや初しほ紅葉する秋のけしきの森の涼しさ(後水尾院)
300 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 17:57:55 ID:Iqnnndxe
いつしかとけふは紅葉の秋もきぬ見しはきのふの花の都に(後水尾院)
301 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 17:59:40 ID:Iqnnndxe
千々に身をわくともあかじ秋の花ひとつひとつにとまるこころは(後水尾院)
302 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 18:00:59 ID:Iqnnndxe
眺めこしいくよの秋のうさならむ我とはなしの夕暮の空(後水尾院)
303 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 18:02:53 ID:Iqnnndxe
世に絶えし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒(後水尾院)
304 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 18:04:09 ID:Iqnnndxe
そことなき霧のうち行く浪の音も一すじ見ゆる秋の川霧(後水尾院)
305 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:14:40 ID:Iqnnndxe
明けぼのや山本くらく立ちこめて霧にこゑある秋の川水(後水尾院)
306 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:16:49 ID:Iqnnndxe
水の面に吹く跡みえて山本の川風しろきなみのうき霧(後水尾院)
307 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:17:44 ID:Iqnnndxe
河波に月のかつらのさほさして明くるもしらずうたふ舟人(後水尾院)
308 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:19:22 ID:Iqnnndxe
浦人の夕べ暁行く舟に浪路をかへて月や見るらん(後水尾院)
309 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:20:24 ID:Iqnnndxe
月を友といはむもやさし雲の上にすむがすむにもあらぬ我が身は(後水尾院)
310 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:21:24 ID:Iqnnndxe
分け入れば麓にも似ず紅葉ばのふかきやふかき山路なるらん(後水尾院)
311 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:34:06 ID:Iqnnndxe
鳴く虫のこゑも哀れやつくすらむ暮れ行く秋のけふをかぎりに(後水尾院)
312 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:36:40 ID:Iqnnndxe
けふばかりいかでとどめん又来むはおもふに遠き秋の別れを(後水尾院)
313 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:38:59 ID:Iqnnndxe
ちりそひて山あらはるる木の間より紅葉にかへて滝ぞ落ちくる(後水尾院)
314 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 19:40:51 ID:Iqnnndxe
ふみ分くる山路にぞきく落葉して梢の風のまれになる声(後水尾院)
315 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:00:08 ID:Iqnnndxe
みる人の袖さへこほる小夜風に落葉がのちの月のくまなき(後水尾院)
316 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:01:03 ID:Iqnnndxe
枯るるより刈りもはらはぬ道みえて雪に跡ある野べの草むら(後水尾院)
317 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:02:37 ID:Iqnnndxe
枯るるより刈りもはらはぬ道みえて雪に跡ある野べの草むら(後水尾院)
318 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:04:38 ID:Iqnnndxe
千種にもなほかへつべし霜がれの中に一はな咲けるなでしこ(後水尾院)
319 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:05:29 ID:Iqnnndxe
山風や暮るるまにまに寒からしみぞれに雪の色ぞ添ひゆく(後水尾院)
320 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:07:14 ID:Iqnnndxe
庭の面は降りもたまらで真砂のみしろき梢の今朝の初雪(後水尾院)
321 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:08:22 ID:Iqnnndxe
みだれふす蘆間や消ゆる冬の池の波はすくなく積もるしら雪(後水尾院)
322 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:41:40 ID:Iqnnndxe
暮ふかくかへるや遠き道ならむ笠おもげなる雪の里人(後水尾院)
323 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:42:41 ID:Iqnnndxe
あま小舟はつ雪なれやわたつ海の波よりしろき奥津嶋山(後水尾院)
324 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:44:00 ID:Iqnnndxe
白妙の雪こそ光れ夕狩のあかぬ日影をつきてふらなむ(後水尾院)
325 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:45:38 ID:Iqnnndxe
声すなり夜のまに竹をうつみ火のあたりはしらぬ雪や折るらん(後水尾院)
326 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 20:47:06 ID:Iqnnndxe
よしや人それにつけても思ひしらば思はむ方のよそにだにあれ(後水尾院)
327 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 21:00:23 ID:Iqnnndxe
待ちいでてかへるこよひのつれなさはひとり見はつる有明の月(後水尾院)
328 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 21:01:58 ID:Iqnnndxe
おのづから見ゆらんものを恨むともしらず顔なるそれも一ふし(後水尾院)
329 :
名無氏物語:2010/01/18(月) 21:03:15 ID:Iqnnndxe
身にそへて又や寝なまし移り香もまださながらの今朝の袂を(後水尾院)
330 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:47:14 ID:i3mAmsU0
名残なほ逢ふと見えつる夢よりもさだかにむかふ夜半の面影(後水尾院)
331 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:48:18 ID:i3mAmsU0
うごきなき下つ岩根の宮柱身をたつる代々のためしならずや(後水尾院)
332 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:49:21 ID:i3mAmsU0
八百万神もさこそは守るらめ照る日の本の国津宮古を(後水尾院)
333 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:50:47 ID:i3mAmsU0
まもれなほよに住吉の神ならば此の敷島の道のまことを(後水尾院)
334 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:55:32 ID:i3mAmsU0
隠岐の海のあらき浪風しづかにて都の南宮つくりせり(後水尾院)
335 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:56:20 ID:i3mAmsU0
絶えせじなその神世より人の世にうけてただしき敷島の道(後水尾院)
336 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:57:14 ID:i3mAmsU0
開きみる文にぞしるきをさまれる御代のかたみや世々の古こと(後水尾院)
337 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:58:10 ID:i3mAmsU0
百敷や松のおもはんことのはの道をふるきにいかでかへさん(後水尾院)
338 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:58:58 ID:i3mAmsU0
散りうせぬためしときけばふるき世にかへるを松のことのはの道(後水尾院)
339 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 18:59:49 ID:i3mAmsU0
いかにして此の身ひとつをたださまし国ををさむる道はなくとも(後水尾院)
340 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:00:45 ID:i3mAmsU0
うけつぎし身の愚かさに何の道も廃れゆくべき我が世をぞ思ふ(後水尾院)
341 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:01:42 ID:i3mAmsU0
思ふより月日へにけり一日だに見ぬは多くの秋にやはあらぬ(後水尾院)
342 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:16:22 ID:i3mAmsU0
芦原やしげらば繁れ荻薄とても道ある世にすまばこそ(後水尾院)
343 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:20:35 ID:i3mAmsU0
曲木に柳の糸をよりかけて直ぐなる道を風にとはばや(後水尾院)
344 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:24:09 ID:i3mAmsU0
世の中はあしまの蟹のあしまとひ横にゆくこそ道のみちなれ(後水尾院)
345 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:26:32 ID:i3mAmsU0
みな人は上に目がつく横にゆく葦間のかにのあはれなる世や(後水尾院)
346 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:32:43 ID:i3mAmsU0
いにしへのちぎりにかけし帯ばかり一すじしろき遠の川なみ(後水尾院)
347 :
よしき:2010/01/20(水) 19:33:12 ID:FASlg7F+
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんたすけて
348 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:55:53 ID:i3mAmsU0
思ふぞよ千里の馬を尋ねてもしるらん人はさてもなき世を(後水尾院)
349 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:56:59 ID:i3mAmsU0
おもふより遠くきぬらし旅衣分くる夏野の草たかくなる(後水尾院)
350 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 19:58:08 ID:i3mAmsU0
波さわぐうきねのまくら又うきぬ都のゆめのかへる名残に(後水尾院)
351 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:00:26 ID:i3mAmsU0
ひらけなほ文の道こそ古へにかへらん跡は今はのこらめ(後水尾院)
352 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:01:11 ID:i3mAmsU0
見ずしらぬ昔人さへ忍ぶかなわがくらき世を思ふ余りに(後水尾院)
353 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:02:17 ID:i3mAmsU0
人もこれ草葉もしげし野も広しつむ菜となれば雨もすくなし(後水尾院)
354 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:04:21 ID:i3mAmsU0
みちみちの百の工のしわざまでむかしに及ぶ物はまれにて(後水尾院)
355 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:05:20 ID:i3mAmsU0
さまざまに見しよをかへす道なれや雨夜更け行くともし火の本(後水尾院)
356 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:39:59 ID:i34hi116
この海の色をどんなに探しても絵の具なんかじゃ表せなくて(東京都在住中学二年盗作少女)
357 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:47:45 ID:i3mAmsU0
こひつつも鳴くや四かへり百千鳥霞へだてて遠きむかしを(後水尾院)
358 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:49:33 ID:i3mAmsU0
南に事も夢の外なる世はなしと思ひしこともかきまぎれつつ(後水尾院)
359 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:51:23 ID:i3mAmsU0
無かひゐてたださながらの俤に一ことをだにかはさぬぞうき(後水尾院)
360 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:52:50 ID:i3mAmsU0
阿け暮れにありしながらのことわざも目の前さらに見る心地して(後水尾院)
361 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:54:24 ID:i3mAmsU0
弥ぬ世まで思ひのこさずとばかりも此の一ことを何にかふべき(後水尾院)
362 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 20:55:44 ID:i3mAmsU0
陀れに思ひ聞きてもみても驚かぬ世をばいつまで空たのみして(後水尾院)
363 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:00:22 ID:i3mAmsU0
仏たたびはめぐりあはむもたのまれずこの世を夢の契りかなしも(後水尾院)
364 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:02:11 ID:i3mAmsU0
うらやまし思ひ入りけむ山よりも深き心の奥のしづけさ(後水尾院)
365 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:31:14 ID:i3mAmsU0
いかで其すめる尾上の松風にわれもうき世の夢をさまさむ(後水尾院)
366 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:33:00 ID:i3mAmsU0
故郷にかへればかはる色もなし花も見し花山も見し山(後水尾院)
367 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:34:45 ID:i3mAmsU0
行き行きておもふもかなし末遠くこえし高根の峰の白雲(後水尾院)
368 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:36:45 ID:i3mAmsU0
山ふかみあはれ幾世の花なれや立つをだまきにかかる白雲(山本春正)
369 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:38:23 ID:i3mAmsU0
谷ふかみ日影にのこる白雪やたつをだまきの花と見ゆらむ(後嵯峨院)
370 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:39:54 ID:i3mAmsU0
山里はただおほかたの朝けだに都に知らぬ秋の夕暮(山本春正)
371 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:41:59 ID:i3mAmsU0
すまの浦や藻塩たれけむ昔まで煙に残る夕ぐれの空(山本春正)
372 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:43:40 ID:i3mAmsU0
はつ春の日影のどけき神岡の神の御かげをあふげもろもろ(荒木田久老)
373 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:50:58 ID:i3mAmsU0
初春の初日かがよふ神国の神のみかげを仰げもろもろ(荒木田久老)
374 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:02:41 ID:i3mAmsU0
若歴木いや若ゆべき時まけて大川のべに春立ちにけり(荒木田久老)
375 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:04:33 ID:i3mAmsU0
御占とふ大前を照らす月影のあかき心にあはつかはへな(荒木田久老)
376 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:05:38 ID:i3mAmsU0
戸隠の山に庵し朝戸出の真袖に払ふ天の白雲(荒木田久老)
377 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:17:07 ID:i3mAmsU0
伝へ聞く薬食まねど白雲の棚曳く上にわれは来にけり(荒木田久老)
378 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:19:32 ID:i3mAmsU0
あかぬ夜の春のともし火きゆる雨にねぶれる花よねぶらずを見む(藤原惺窩)
379 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:26:34 ID:i3mAmsU0
涼しさはなほむすぶ手の水よりもすむや心のしづかなる暮(藤原惺窩)
380 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:43:15 ID:i3mAmsU0
いひかはすものならなくに月にとふ古へのこと古への人(藤原惺窩)
381 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:47:10 ID:i3mAmsU0
薩摩潟八重の潮風つげやらんあはれ憂き身は親だにもなし(藤原惺窩)
382 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:52:17 ID:i3mAmsU0
けぶりたつ沖の小島やいにしへの思ひの色をなほ残しつつ(藤原惺窩)
383 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 22:54:00 ID:i3mAmsU0
たが情かくやは我をおくりゆかむ都の月のあづま路の空(藤原惺窩)
384 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:17:25 ID:K5xF0KrJ
四十あまり九年とて稲妻のひかりのうちをなに数へけむ(藤原惺窩)
385 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:26:46 ID:K5xF0KrJ
たが為のよはひをのべて秋風や吹上の菊の色もうらめし(藤原惺窩)
386 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:28:02 ID:K5xF0KrJ
時しもあれ散るやあな憂の花のいろは身にしむ秋の月に残りて(藤原惺窩)
387 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:30:19 ID:K5xF0KrJ
いはざりし今ひとことの悔しさよ永きわかれのそれも形見を(藤原惺窩)
388 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:31:27 ID:K5xF0KrJ
数たらでなく音はおなじかりのよを我も南の海よなみだよ(藤原惺窩)
389 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:57:27 ID:K5xF0KrJ
いづくより何の為とか野を遠み尾花にまじり人ひとりゆく(藤原惺窩)
390 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:58:22 ID:K5xF0KrJ
ひと夜あけて四方の草木のめもはるにうるふ時しる雨の長閑さ(中院通村)
391 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:59:08 ID:K5xF0KrJ
色どらぬただ一筆の墨がきを都の遠にかすむ峰かな(中院通村)
392 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 00:59:55 ID:K5xF0KrJ
墨がきのただ一筆の外なれや雨おつるえをわたる白さぎ(後柏原天皇)
393 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:00:45 ID:K5xF0KrJ
春の夜のみじかき軒端あけ初めて梅が香しろき窓の朝風(中院通村)
394 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:01:32 ID:K5xF0KrJ
吹き乱し止みがたになる春雨のしづくもさむき窓の朝風(徽安門院)
395 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:02:42 ID:K5xF0KrJ
朝露もこぼさで匂ふ花の上は心おくべき春風もなし(中院通村)
396 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:03:34 ID:K5xF0KrJ
こころだに花にみださじ露ばかり梢うごかす春風もなし(肖柏)
397 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:11:18 ID:K5xF0KrJ
あつからぬ程とぞいそぐのる駒のあゆみの塵も雨のしめりに(中院通村)
398 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:12:07 ID:K5xF0KrJ
ゆきなやむ牛のあゆみにたつ塵の風さへあつき夏のをぐるま(藤原定家)
399 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:13:07 ID:K5xF0KrJ
山風にきほふ木の葉のあとにまたおのれと落つる音ぞさびしき(中院通村)
400 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:14:06 ID:K5xF0KrJ
をかのべやさむき朝日のさしそめておのれとおつる松のしら雪(後伏見院)
401 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:15:33 ID:K5xF0KrJ
たれとなく草の枕をかりそめに行きあふ人も旅は親しき(中院通村)
402 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:16:46 ID:K5xF0KrJ
暮れにけり山より遠の夕日かげ雲にうつりし跡の光も(中院通村)
403 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 01:19:31 ID:K5xF0KrJ
初瀬山をのへのあらし音さえて霜夜にかへる暁の鐘((中院通村)
404 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:33:14 ID:K5xF0KrJ
まれにとひし人の跡さへ庭の面はいくへの苔の下にむもれて(中院通村)
405 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:34:41 ID:K5xF0KrJ
我が身には何ばかりなる思ひ出のありとてしのぶ昔なるらん(中院通村)
406 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:37:35 ID:K5xF0KrJ
筆の海に今朝うつしても先づぞ見るさかゆく御代の春といふ文字(岡本宗好)
407 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:38:42 ID:K5xF0KrJ
花にいさむ心の駒のなづむまで古里遠き春の山ぶみ(岡本宗好)
408 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:40:11 ID:K5xF0KrJ
庵しめて住める田面(たのも)のあぜつたひめぐれば遠し近き隣も(岡本宗好)
409 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:41:17 ID:K5xF0KrJ
つひに身のけぶりとならん果てやなほ花にたちそふ霞ならまし(元政)
410 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:51:55 ID:K5xF0KrJ
なほふかく見てこそやまめ山里のさびしさあかぬ秋の夜の月(元政)
411 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:53:18 ID:K5xF0KrJ
ほのぼのとあけゆく庭のおもしろく神代おぼゆる今朝の初雪(元政)
412 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:54:26 ID:K5xF0KrJ
里の犬のあとのみ見えてふる雪もいとど深草冬ぞさびしき(元政)
413 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 14:55:50 ID:K5xF0KrJ
のがれては山里ならぬ宿もなしただ我からの憂き世なりけり(元政)
414 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:02:52 ID:K5xF0KrJ
ものごとになほぞ忘れぬ出でし世を思ひ出でじと思ひ捨つれど(元政)
415 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:05:13 ID:K5xF0KrJ
身をさらぬ心を友とさだめずはひとり住むべき山の奧かは(元政)
416 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:06:09 ID:K5xF0KrJ
人の世を思ひ寝にのみまどろめばいやはかななる夢もみえけり(元政)
417 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:24:12 ID:K5xF0KrJ
まどろめばいやはかななる夢のうちの身をいく夜とてさめぬなげきぞ(藤原定家)
418 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:25:11 ID:K5xF0KrJ
心にもおよばぬものは何かあると心にとへば心なりけり(元政)
419 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:26:52 ID:K5xF0KrJ
先立たばなほいかばかり悲しさのおくるるほどはたぐひなけれど(元政)
420 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:28:04 ID:K5xF0KrJ
いまはただ深草山にたつ雲を夜半のけぶりの果てとこそ見め(元政)
421 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:29:16 ID:K5xF0KrJ
なにごとも昨日の夢としりながら思ひさまさぬ我ぞかなしき(元政)
422 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:32:09 ID:K5xF0KrJ
いかにしていかに報いん限りなき空を仰ぎて音には泣くとも(元政)
423 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 15:34:54 ID:K5xF0KrJ
たのもしなあまねき法の光には人の心の闇ものこらじ(元政)
424 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:00:50 ID:K5xF0KrJ
先立たばいかになげかんたらちねの子を思ふ道は我も知りぬる(木下長嘯子)
425 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:16:39 ID:K5xF0KrJ
惜しからぬ身ぞ惜しまるるたらちねの親ののこせる形見と思へば(元政)
426 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:19:36 ID:K5xF0KrJ
鷲の山つねにすむてふ峰の月かりにあらはれ仮にかくれて(元政)
427 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:24:59 ID:K5xF0KrJ
雨かすみ吹くとしもなき風のゆふべ花しめやかにかをりみちつつ(山名玉山)
428 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:27:43 ID:K5xF0KrJ
雨かすみ吹くとしもなき風のゆふべ花しめやかにかをりみちつつ(山名玉山)
429 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:28:54 ID:K5xF0KrJ
わたの原暮るれば見えぬ天地のさかひ知らせて出づる月影(山名玉山)
430 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:30:29 ID:K5xF0KrJ
この夕べ雪ふりぬべし薄曇り日の影よわみ風寒き空(山名玉山)
431 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:31:34 ID:K5xF0KrJ
夕日影雲のいづこに残るぞと暮るる色なき雪に見るかな(山名玉山)
432 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:33:18 ID:K5xF0KrJ
暮れやらで光をしばし残しけん雲に入日の雪にゆづりて(山名玉山)
433 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 16:52:22 ID:K5xF0KrJ
ふりつもる色より月のかげになりて夕ぐれみえぬ庭のしら雪(伏見院)
434 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:00:22 ID:K5xF0KrJ
あとさきと見えつ隠れつせし人も同じ里とふ夕暮の声(山名玉山)
435 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:01:14 ID:K5xF0KrJ
同じ松同じ山さへさびしきはいかなる風か暮に吹くらん(山名玉山)
436 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:05:33 ID:K5xF0KrJ
武蔵野やゆけども秋の果てぞなきいかなる風か末に吹くらむ(源通光)
437 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:07:17 ID:K5xF0KrJ
朝菜つむ野辺のをとめに家とへばぬしだに知らずあとの霞に(下河辺長流)
438 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:19:40 ID:K5xF0KrJ
くもりなく目にこそ見えね春雨のふるか朝けの風の露けき(下河辺長流)
439 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:21:24 ID:K5xF0KrJ
おひそむる草葉も末はかかれとて風になびきて小雨ふるなり(下河辺長流)
440 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:23:13 ID:K5xF0KrJ
たらちねのこがひはじむる初春に柳ぞはやくまゆ籠りする(下河辺長流)
441 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:26:18 ID:K5xF0KrJ
青柳のまゆにこもれる糸なれば春のくるにぞ色まさりける(藤原兼輔)
442 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:27:16 ID:K5xF0KrJ
よも山にあくがれぬべき此ごろの心おちゐる家桜かな(下河辺長流)
443 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:29:21 ID:K5xF0KrJ
花も根にかへるを見てぞ木のもとにわれも家路は思ひいでける(下河辺長流)
444 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:30:59 ID:K5xF0KrJ
尋ねつる人は家路もわすられて花のみけふは根に帰るかな(寂蓮)
445 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:00:17 ID:K5xF0KrJ
おもふ人すむとはなしに早蕨のをりなつかしき山のべの里(下河辺長流)
446 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:02:04 ID:K5xF0KrJ
しでの山くらきをいでて時鳥なほさみだれの闇になくなり(下河辺長流)
447 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:04:03 ID:K5xF0KrJ
しでの山おくりやきつる郭公魂まつる夜の空に鳴くなり(細川幽斎)
448 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:07:58 ID:K5xF0KrJ
古をしのぶねざめのとこ世物をりあはれにも香る夜半かな(下河辺長流)
449 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:09:16 ID:K5xF0KrJ
秋と聞く風のつかひはけふたちぬ今いくかあらば初雁の声(下河辺長流)
450 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:10:21 ID:K5xF0KrJ
たましひの入野のすすき初尾花わがあかざりし袖と見しより(下河辺長流)
451 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:11:33 ID:K5xF0KrJ
ふく風の身にしむ秋はこもりつつ見ぬものかなし此の頃の空(下河辺長流)
452 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:12:43 ID:K5xF0KrJ
吹く風に身をまかせじとつつむまに命にまさる花や散りなん(下河辺長流)
453 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:31:57 ID:K5xF0KrJ
身にしむもあまりになればふく風のあはれさめゆく冬の夕ぐれ(下河辺長流)
454 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:34:14 ID:K5xF0KrJ
小山田に冬の夕日のさしやなぎ枯れてみじかき影ぞのこれる(下河辺長流)
455 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:35:42 ID:K5xF0KrJ
夜といへばねられぬ恋も故やあると夢殿にこそきかまほしけれ(下河辺長流)
456 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:31:16 ID:syhrp8ei
わが為はつむもひろふもしるしなき恋わすれ草恋わすれ貝(下河辺長流)
457 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:32:56 ID:syhrp8ei
みだるべき世は誰々も遁るらん治まる時をひとりすてばや(下河辺長流)
458 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:34:18 ID:syhrp8ei
月かげに夜わたる雁のつらみても我が数たらぬ友ぞかなしき(下河辺長流)
459 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:35:21 ID:syhrp8ei
かずたらぬ歎きになきてわれはただかへりわびたる雁の一つら(宗良親王)
460 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:36:55 ID:syhrp8ei
いつかその雲をしのぎしあととめて我も高まのやまと言の葉(下河辺長流)
461 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:42:45 ID:syhrp8ei
つひにわがきてもかへらぬ唐錦たつ田や何のふるさとの空(下河辺長流)
462 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:44:47 ID:syhrp8ei
富士の嶺にのぼりてみれば天地はまだいくほどもわかれざりけり(下河辺長流)
463 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:46:30 ID:syhrp8ei
うすくこく茂るをままに吹き分けて風のゆくへの見えし夏草(葛岡宣慶)
464 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:57:12 ID:syhrp8ei
旅ぞ憂き一夜と思へど冬の夜は透間の風の吹きて身にしむ(葛岡宣慶)
465 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 08:58:30 ID:syhrp8ei
夕立の風にきほひて鳴る神のふみとどろかす雲のかけ橋(徳川光圀)
466 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:00:14 ID:syhrp8ei
見るがうちに風こそかはれこの山の峰越す雲のあとの夕立(徳川光圀)
467 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:03:17 ID:syhrp8ei
夕立のあとはとだえずなる神のふみとどろかす雲のかけはし(飛鳥井雅親)
468 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:04:46 ID:syhrp8ei
荒磯の岩にくだけてちる月を一つになしてかへる波かな(徳川光圀)
469 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:06:36 ID:syhrp8ei
よせかへり千々にくだけて荒磯やひとつもうせぬ波の月影(木下長嘯子)
470 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:10:04 ID:syhrp8ei
もろともに見しその人の形見ぞと思へば思へば月もなつかし(徳川光圀)
471 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:13:27 ID:syhrp8ei
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(徳川尋子)
472 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:22:32 ID:syhrp8ei
君があたり思ふ心の通ひ路をふりなうづみそ今朝の初雪(徳川光圀)
473 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:23:40 ID:syhrp8ei
時鳥なれも独りはさびしきに我をいざなへ死出の山路に(徳川光圀)
474 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:26:14 ID:syhrp8ei
なきかへるしでの山ぢのほととぎすうき世にまよふ我をいざなへ(相模)
475 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:28:18 ID:syhrp8ei
暮れかけて山路の花にたれか来ん入日をつなげささがにの糸(戸田茂睡)
476 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:32:22 ID:syhrp8ei
夕霧に谷中の寺は見えずなりて日暮の里にひびく入相(戸田茂睡)
477 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 19:47:21 ID:SKGh6szw
立ちよるもひとりさびしき木の下に花も去年見し人や恋しき(戸田茂睡)
478 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 19:50:21 ID:SKGh6szw
みそら行く光はさらにかはらぬにいつの月日の老となしけん(戸田茂睡)
479 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 19:51:32 ID:SKGh6szw
老いぬれば姿こそはといさめても心も花になりがたの身や(戸田茂睡)
480 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 19:52:32 ID:SKGh6szw
今は身にうとき人だにゆかしきは老の心の哀れはかなさ(戸田茂睡)
481 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:44:20 ID:SKGh6szw
過ぎやすき月日の数も身にとまる老となしてや年の行くらん(正徹)
482 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:46:15 ID:SKGh6szw
谷ごしにあなたもさこそながむらん友山住の暮の灯影を(戸田茂睡)
483 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:48:21 ID:SKGh6szw
いのらずよ身はかりそめの旅衣袖敷しまの道の外には(戸田茂睡)
484 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:49:21 ID:SKGh6szw
知る知らず宿りし人のわかれだに言葉のこりて晴るる夕立(宮川松堅)
485 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:50:16 ID:SKGh6szw
さびしさを人に見よとは結ばじを雨の夕べの小山田のいほ(宮川松堅)
486 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:51:25 ID:SKGh6szw
かへるかり空にもおもへ月花のふりすてがたき春のなごりを(徳川尋子)
487 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 20:59:22 ID:SKGh6szw
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(徳川尋子)
488 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:00:12 ID:SKGh6szw
思へども思はぬ人を思ひそめ思ふ心の思ふかひなき(徳川尋子)
489 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:01:42 ID:SKGh6szw
世々の人の月はながめしかたみぞとおもへばおもへば物ぞかなしき(木下長嘯子)
490 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:03:49 ID:SKGh6szw
今日はとひ明日はとはるる夢の世になき人しのぶ我もいつまで(徳川尋子)
491 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:07:54 ID:SKGh6szw
いつのまに十とて三の春秋を送り迎ふもただ夢のごと(徳川尋子)
492 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:09:57 ID:SKGh6szw
風になびく浅茅が末の露の世になき人恋ふるわれもいつまで(木下長嘯子)
493 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:11:10 ID:SKGh6szw
ころころとよべどかへらず引く綱は死出の山路や引きまさるらん(徳川尋子)
494 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:12:27 ID:SKGh6szw
何をこれと思ふことだにあらなくてひとよの夢ははやさめにけり(徳川尋子)
495 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:33:24 ID:SKGh6szw
梢よりあらそひ落つるもみぢ葉のもろくなりゆく我が身なりけり(徳川尋子)
496 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:34:35 ID:SKGh6szw
音にのみききしも今日は身の上にわけやのぼらん死出の山道(徳川尋子)
497 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:36:00 ID:SKGh6szw
はつせのや里のうなゐに宿とへば霞める梅の立枝をぞさす(契沖)
498 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 21:38:52 ID:SKGh6szw
朝菜つむ野辺のをとめに家とへば主だにしらずあとの霞に(下河辺長流)
499 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:00:24 ID:SKGh6szw
夕づく日霞こもりし影消えて寒き入江をわたる梅が香(契沖)
500 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:01:35 ID:SKGh6szw
かげろふの岩根のつつじ露ながらもえなんとする花の色かな(契沖)
501 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:04:38 ID:SKGh6szw
山陰はくれぬにくれてつつじ原てれる岡べはいり日をぞつぐ(契沖)
502 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:13:02 ID:SKGh6szw
橘の陰ふむ道にしのべども昔ぞいとど遠ざかりゆく(契沖)
503 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:16:14 ID:SKGh6szw
空の色は水よりすみて天の川ほたるながるる宵ぞ涼しき(契沖)
504 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:18:03 ID:SKGh6szw
難波がた霧間の小船こぎかへりけふもきのふもおなじ夕暮(契沖)
505 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:19:43 ID:SKGh6szw
夕けぶり麓の里にたなびきて月ぞのぼれる山風のうへに(契沖)
506 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:21:41 ID:SKGh6szw
山深み霜ふむ跡の一すぢや木の葉のおくの人の通ひ路(契沖)
507 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:23:15 ID:SKGh6szw
きのふまで何とはなくて思ふこと今日定まりぬ恋のひとつに(契沖)
508 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:25:36 ID:SKGh6szw
ともにたつ宿の梢の朝鳥のかへる夕べをいづくにかねん(契沖)
509 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:34:31 ID:SKGh6szw
出でてこしわが故里を人とはばいづれの雲をさしてこたへん(契沖)
510 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:00:31 ID:SKGh6szw
別れこし心まどひにふる里の山さへあとに行くかとぞみる(契沖)
511 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:02:36 ID:SKGh6szw
心ある人に一夜の宿かりて馴るるも悲し明日のふる里(契沖)
512 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:05:17 ID:SKGh6szw
草枕ゆふべゆふべに数ふれば野暮れ山暮れ我は来にけり(契沖)
513 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:07:26 ID:SKGh6szw
玉椿それもつひには朽ちぬべし千代も八千代も夢にやはあらぬ(契沖)
514 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:09:33 ID:SKGh6szw
朝顔のしほれし花をはかなしと夕露の身のおもふなりけり(契沖)
515 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:11:31 ID:SKGh6szw
きえぬ露しなぬ命のなき世とは誰かはしらで誰かしりたる(契沖)
516 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:13:31 ID:SKGh6szw
花紅葉その錦にも立よらじいないな我は世捨人なり(契沖)
517 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:15:01 ID:SKGh6szw
いかでわれ昔の人に似てしがな今の仏はたふとくもなし(契沖)
518 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:28:24 ID:SKGh6szw
野べの露山の雫もしかま川海に出でてはかはらざりけり(契沖)
519 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:29:38 ID:SKGh6szw
野べの露やまのしづくとたちぬれてかごとがましき旅衣かな(藤原雅経)
520 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 23:31:31 ID:SKGh6szw
ふじのねは山の君にて高御座空にかけたる雪のきぬがさ(契沖)
521 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:01:11 ID:yOW20eij
むすびぬる硯の氷今朝とけて筆にもしるき春ののどけさ(堀田一輝)
522 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:37:16 ID:yOW20eij
置く露も千種ながらにみだれゆくあだの大野の月かげはをし(堀田一輝)
523 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:38:15 ID:yOW20eij
いさり火と見えしひかりもみつ潮の波にはなれてのぼる月かげ(堀田一輝)
524 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:39:09 ID:yOW20eij
いさり火のうかべるかげと見えつるは波のよるしる蛍なりけり(藤原惟成)
525 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:40:23 ID:yOW20eij
夜船こぐ袖の下より出でにけり波をはなれてみゆる月影(山名玉山)
526 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:50:05 ID:yOW20eij
ながれゆく音ぞさびしき花鳥の春もとまらぬ庭のやり水(清水谷実業)
527 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:51:11 ID:yOW20eij
花鳥のにほひも声もとどまらず今宵ばかりの春のわかれに(順徳院)
528 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:51:56 ID:yOW20eij
草の上に見し夕露は暮るる夜を風の蛍の待ちえてや散る(清水谷実業)
529 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:52:57 ID:yOW20eij
荻の葉にひかりを花とみだれちる露や玉江の波の夕風(清水谷実業)
530 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:53:53 ID:yOW20eij
垣根にもおく霜さやぐ笹の葉のみ山はさぞな雪の朝風(清水谷実業)
531 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:01:12 ID:yOW20eij
都だに間なく時なくふる雪にみ山はさぞなつもり果つべき(後水尾院)
532 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:02:37 ID:yOW20eij
壁に見る我が影をのみともし火に向かふもさびし蓬生の宿(清水谷実業)
533 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:04:23 ID:yOW20eij
露の身の消えぬもかなしもろともに枯れゆく萩ぞうらやまれぬる(田捨女)
534 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:05:36 ID:yOW20eij
それながらうつろひはてて庭の面にきえぬもかなし花の白雪(三条西実隆)
535 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:06:31 ID:yOW20eij
思ひやるこの夕暮のはつ風にふかくなりゆく秋のあはれを(田捨女)
536 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:07:35 ID:yOW20eij
きし方を思ひ思へばまどろまぬ夢の枕にかよふ秋風(貞閑尼)
537 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:08:31 ID:yOW20eij
秋ならで露けきものは君を置きてむなしく帰る野辺のわか草(井上通女)
538 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:09:13 ID:yOW20eij
よし君があしたに道を聞きしより終り正しきゆふべをぞ見る(井上通女)
539 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:13:54 ID:yOW20eij
たのみこし君はあしたの雲となりゆふべの雨とふる涙かな(井上通女)
540 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 01:15:02 ID:yOW20eij
いづくにかあまがけるらん夢にだに見ること難き魂のゆくすゑ(井上通女)
541 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 05:25:33 ID:Y9M3p+Ks
あさみこそ袖はひつらめ涙河 身さへ流るときかばたのまむ-在原業平
542 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 13:54:57 ID:yOW20eij
のどけしな豊蘆原のけさの春風のすがたも水のこころも(祇園梶子)
543 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 13:57:54 ID:yOW20eij
見る人もなぎさの花はおもひいづやたえて桜といひしことの葉(祇園梶子)
544 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:03:42 ID:yOW20eij
一こゑは思ひなしかとながめやる雲のいづこぞ山ほととぎす(祇園梶子)
545 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:05:19 ID:yOW20eij
逢ふことははかなき春の夢路かなやがてうつろふ花のおもかげ(祇園梶子)
546 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:06:30 ID:yOW20eij
ちぎりあれば夢にも逢ふと思ふにぞさめしうつつのたのみなりける(祇園梶子)
547 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:07:52 ID:yOW20eij
見る人のあはれと思ひつらしとも心のままに月やすむらん(祇園梶子)
548 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:13:17 ID:yOW20eij
ながめつつ哀と思ひつらしとも人のままにや月はすむらん(正徹)
549 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:14:13 ID:yOW20eij
世々たえぬ星のちぎりにたぐへてよ一夜ばかりの中はたのまじ(祇園梶子)
550 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:33:23 ID:yOW20eij
さびしさもいかでいとはむ春雨にひもとく花のさかり待たれて(祇園百合子)
551 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:52:55 ID:yOW20eij
春雨のほどふる事も時にあへばひもとく花のつまとなりけり(壬生忠岑)
552 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:54:11 ID:yOW20eij
そこはかと行き交ふ人も咲く花のたもとをかざす春ののどけさ(祇園百合子)
553 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 14:55:43 ID:yOW20eij
霞しく木の芽はるさめふるごとに花のたもとはほころびにけり(藤原顕季)
554 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:00:15 ID:yOW20eij
夕波の立ちもかへらで涼しさのここを瀬にせむ河づらの里(祇園百合子)
555 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:01:37 ID:yOW20eij
うつつにもわたらまほしく思ひ寝に見し夜のままの夢の浮橋(祇園百合子)
556 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:03:24 ID:yOW20eij
面影は見しよのままのうつつにてちぎりは絶ゆる夢の浮橋(後崇光院)
557 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:24:50 ID:yOW20eij
憂きながらいつまでかくは世の中にすみの衣の身をもかへなで(祇園百合子)
558 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:26:31 ID:yOW20eij
花の名もあかぬ海辺のさくら貝はるのかたみにいざ拾ひ来む(有賀長伯)
559 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:27:29 ID:yOW20eij
伊勢の海の玉よる波のさくら貝かひある浦の春の色かな(藤原定家)
560 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:28:22 ID:yOW20eij
入日さす豊旗雲の影そめて紅葉をひたす秋の浦波(有賀長伯)
561 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:29:52 ID:yOW20eij
おくれくる空はしぐれの雲間より夕日をおひて落つる雁がね(有賀長伯)
562 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:31:36 ID:yOW20eij
稲荷山ほがらほがらとあくる夜を名のるからすの声も春なる(荷田春満)
563 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:32:58 ID:yOW20eij
あけぬとて名のる烏の声の中に山際かすみ春は来にけり(荷田蒼生子)
564 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:34:01 ID:yOW20eij
いひしらぬ神代の春の面かげを見せてかすむや天のかぐ山(荷田春満)
565 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:13:50 ID:yOW20eij
山はみなかをりし花の雲きえて青葉が上を風わたるなり(荷田春満)
566 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:16:05 ID:yOW20eij
山のはににほひし花の雲きえて春の日数は有明の月(慈円)
567 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:18:44 ID:yOW20eij
水上は夕立すらし見るがうちに一すぢにごる里のなか川(荷田春満)
568 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:20:08 ID:yOW20eij
ほのかにもあけゆく星の林まで秋の光と見れば身にしむ(荷田春満)
569 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:21:05 ID:yOW20eij
ふきかはる音ばかりかは風おこる雲のけしきも秋は見えけり(荷田春満)
570 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:22:11 ID:yOW20eij
来る秋は目に見えぬ風や幾千里あまはせ使おとに告ぐらむ(荷田春満)
571 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:24:34 ID:8SeDf9ky
井上和香
572 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:25:40 ID:yOW20eij
見る書はのこり多くも年くれて我がよふけゆく窓の燈火(荷田春満)
573 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:27:18 ID:yOW20eij
松杉もうゑばや家の北おもて雪みむためと人はしらじな(荷田春満)
574 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:53:02 ID:yOW20eij
はてはいさ始めもしらぬ天の原ただ大空と見て仰ぐのみ(荷田春満)
575 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:54:22 ID:yOW20eij
ふる雨と照る日の恵みまちまちに高田くぼ田も神のまにまに(荷田春満)
576 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:00:57 ID:yOW20eij
紫も朱の衣もはえはあれど清き神路の山あゐの袖(荷田春満)
577 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:03:21 ID:yOW20eij
ふりはへて行きかふ袖の追風に都大路はかすみかぬらむ(加藤枝直)
578 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:05:05 ID:yOW20eij
桜さくかた野やいづこ白雲の中に流るる天の河なみ(加藤枝直)
579 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:06:50 ID:yOW20eij
上つふさの海より出でて行く月の泊りはふじの高嶺なりけり(加藤枝直)
580 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:11:45 ID:yOW20eij
千尋ある谷の下ゆく水底もてらしのこさぬ月のひと時(加藤枝直)
581 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:16:32 ID:yOW20eij
人しれずあはれなりしも憂かりしも思ひぞかへす袖の月かげ(加藤枝直)
582 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:40:37 ID:yOW20eij
さびしさを色に出でにけり蔦かづらくる人もなき軒にかかりて(加藤枝直)
583 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:41:40 ID:yOW20eij
おもかげの月にかげろひ花にそひ夢に現に忘れやはする(加藤枝直)
584 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:43:17 ID:yOW20eij
まぎらはす時こそなけれ春の花めでてもやがて佐良科の月(正広)
585 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:44:10 ID:yOW20eij
月をめで花をみるにも面影のまづ先立ちてとふ思ひかな(正広)
586 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:45:15 ID:yOW20eij
かぢ枕とま洩る雨の音づれもまぎれぬほどの波のしづけさ(加藤枝直)
587 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:00:45 ID:yOW20eij
となりには初島みえて七島は潮気にくもる伊豆の海ばら(加藤枝直)
588 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:02:13 ID:yOW20eij
見わたしにさはらふ山のなければぞ早くも月のいづの海原(加藤枝直)
589 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:03:47 ID:yOW20eij
紀の海の南のはての空見れば汐けにくもる秋の夜の月(上田秋成)
590 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:19:04 ID:yOW20eij
伊豆の海のかつをつり船さちをおほみゆくらゆくらに漕ぎかへる見ゆ(加藤枝直)
591 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:19:55 ID:yOW20eij
神の代の昔よりしも在りかよふたぎつ走り湯の音のさやけさ(加藤枝直)
592 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:21:01 ID:yOW20eij
夕なぎに海人の釣舟幸ありて真間の入江にこぎかへる見ゆ(加藤枝直)
593 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:23:33 ID:yOW20eij
時津風吹きにけらしな真帆あげてとしまの江どに舟ぞ寄りくる(加藤枝直)
594 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:25:19 ID:yOW20eij
をつくばも遠つあしほも霞むなり嶺こし山こし春や来ぬらん(賀茂真淵)
595 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:36:15 ID:yOW20eij
菅の根の長見の浜の春の日にむれたつ鶴のゆたに見えけり(賀茂真淵)
596 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:37:12 ID:yOW20eij
すがのねのながみね山の桜花かさなる雲の末ぞはるけき(藤原俊光)
597 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:38:06 ID:yOW20eij
咲きちるは変はらぬ花の春をへてあはれと思ふことぞそひゆく(賀茂真淵)
598 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:25:16 ID:PBejkvEO
うらうらとのどけき春の心よりにほひいでたる山ざくら花(賀茂真淵)
599 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:26:52 ID:PBejkvEO
かげろふのもゆる春日の山桜あるかなきかの風にかをれり(賀茂真淵)
600 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:29:28 ID:PBejkvEO
み吉野を我が見にくれば落ちたぎつ滝のみやこに花散りみだる(賀茂真淵)
601 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:30:47 ID:PBejkvEO
吉野山我が越え来れば落ちたぎつ滝のみやこに花散りかかる(賀茂真淵)
602 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:33:29 ID:PBejkvEO
雲雀あがる春の朝けに見わたせばをちの国原霞棚引く(賀茂真淵)
603 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:34:16 ID:PBejkvEO
ふる里の野べ見にくれば昔わが妹とすみれの花咲きにけり(賀茂真淵)
604 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:35:27 ID:PBejkvEO
故郷の浅茅が原におなじくは君とすみれの花を摘まばや(肥後)
605 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:39:04 ID:PBejkvEO
故郷は春の暮こそあはれなれ妹に似るてふ山吹の花(賀茂真淵)
606 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:52:46 ID:PBejkvEO
陰ふかむ青葉のさくら若楓夏によりてもあかぬ庭かな(賀茂真淵)
607 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 20:54:27 ID:PBejkvEO
さなへ草植うる時とてさみだれの雲も山田におりたちにけり(賀茂真淵)
608 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:01:31 ID:PBejkvEO
あしびきの岩ね菅原いくつ夏しげりゆくらむ岩ね菅原(賀茂真淵)
609 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:02:43 ID:PBejkvEO
行く雲もほたるの影もかろげなり来む秋ちかき夕風のそら(賀茂真淵)
610 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:05:02 ID:PBejkvEO
大比叡や小比叡の雲のめぐり来て夕立すなり粟津野の原(賀茂真淵)
611 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:09:47 ID:PBejkvEO
高き屋はすずしかりけりあらがねの土てふものし夏にやあるらん(賀茂真淵)
612 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:12:02 ID:PBejkvEO
ふたご山みねに北行く雲みえて夕立すなり芦の海づら(村田春海)
613 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:44:20 ID:PBejkvEO
空高く蛍をさそふ夕風の身にしむまでになれる夏かな(賀茂真淵)
614 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:45:57 ID:PBejkvEO
わたの原豊さかのぼる朝日子のみかげかしこき六月の空(賀茂真淵)
615 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:47:13 ID:PBejkvEO
遠つあふみ浜名の橋の秋風に月すむ浦をむかし見しかな(賀茂真淵)
616 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:48:29 ID:PBejkvEO
天の原八重たな雲をふきわくる息吹もがもな月のかげ見む(賀茂真淵)
617 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 21:49:29 ID:PBejkvEO
秋の夜のほがらほがらと天の原てる月影に雁なきわたる(賀茂真淵)
618 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:00:42 ID:PBejkvEO
秋の夜のほがらほがらと天の原見つつし居れば月傾きぬ(平賀元義)
619 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:20:40 ID:PBejkvEO
こほろぎの鳴くや県の我が宿に月かげ清しとふ人もがも(賀茂真淵)
620 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:22:44 ID:PBejkvEO
県居の茅生の露原かき分けて月見に来つる都人かも(賀茂真淵)
621 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:24:25 ID:PBejkvEO
こほろぎの待ちよろこべる長月のきよき月夜はふけずもあらなん(賀茂真淵)
622 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:26:13 ID:PBejkvEO
にほとりの葛飾早稲の新しぼり酌みつつをれば月かたぶきぬ(賀茂真淵)
623 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:27:48 ID:PBejkvEO
野分してあがたの宿は荒れにけり月見に来よと誰につげまし(賀茂真淵)
624 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:35:32 ID:PBejkvEO
ちちの木のちちぶの山の薄もみぢうすきながらに散れる冬かな(賀茂真淵)
625 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:38:05 ID:PBejkvEO
露をだにもらさぬ松の下もみぢうすきながらに秋をみせけり(村田春海)
626 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:39:16 ID:PBejkvEO
神無月たちにし日より雲のゐるあふりの山ぞ先づしぐれける(賀茂真淵)
627 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 22:56:44 ID:PBejkvEO
相模嶺のいづれはあれど冬たてば雨降の山ぞ先づしぐれける(村田春海)
628 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:00:55 ID:PBejkvEO
神無月立ちにし日よりあしびきの山さへもろき色に見えつつ(加納諸平)
629 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:05:30 ID:PBejkvEO
神な月けふも時雨の晴れにけり曇りにけりと言ひて暮らしつ(賀茂真淵)
630 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:07:30 ID:PBejkvEO
神な月今日もいく度晴れにけりしぐれにけりと言ひて暮らしつ(賀茂真淵)
631 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:12:12 ID:PBejkvEO
冬枯に里の藁屋のあらはれて群鳥すだく梢さびしも(賀茂真淵)
632 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:14:39 ID:PBejkvEO
はしだての倉梯山に雲霧らひ高市国原雪ふりにけり(賀茂真淵)
633 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:15:58 ID:PBejkvEO
雲かかるみ山にふかき槙の戸の明けぬ暮れぬと時雨をぞきく(藤原雅経)
634 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:34:29 ID:PBejkvEO
おもふ人来(こ)てふに似たる夕かな初雪なびく篠の小薄(賀茂真淵)
635 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:38:10 ID:PBejkvEO
野も山も冬はさびしと思ひけり雪に心のうかるるものを(賀茂真淵)
636 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:39:21 ID:PBejkvEO
雪はるる朝けに見れば不二の嶺のふもとなりけり武蔵野の原(賀茂真淵)
637 :
名無氏物語:2010/01/25(月) 23:40:30 ID:PBejkvEO
くまもなく月すむ峰にながむれば千里は山の麓なりけり(藤原隆信)
638 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 00:00:47 ID:PBejkvEO
たふときやすべらみことは神ながら神をまつらす今日のにひなべ(賀茂真淵)
639 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 00:02:07 ID:R7bPIKMZ
ゆるしなき色とは知れど恋衣濃き紅にひとりそめつつ(賀茂真淵)
640 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 00:03:00 ID:R7bPIKMZ
茂りあふ松かげに君をおきしより風の音こそかなしかりけれ(賀茂真淵)
641 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 00:05:07 ID:R7bPIKMZ
色かはる萩の下葉をながめつつひとりある身となりにけるかも(賀茂真淵)
642 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:32:46 ID:R7bPIKMZ
我がのちをたのみし人はさきだちてふりにける身をいかにしてまし(賀茂真淵)
643 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:36:09 ID:R7bPIKMZ
を鹿なく岡辺の萩にうらぶれていにけむ君をいつとか待たん(賀茂真淵)
644 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:37:02 ID:R7bPIKMZ
信濃なるすがの荒野を飛ぶ鷲のつばさもたわに吹く嵐かな(賀茂真淵)
645 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:38:11 ID:R7bPIKMZ
不二の嶺のふもとを出でて行く雲は足柄山の峰にかかれり(賀茂真淵)
646 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:39:05 ID:R7bPIKMZ
駿河なる富士の高嶺はいかづちの音する雲の上にこそ見れ(賀茂真淵)
647 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:40:35 ID:R7bPIKMZ
み民われ生けるかひありてさすたけの君がみことを今日聞けるかも(賀茂真淵)
648 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:42:31 ID:R7bPIKMZ
みはかしを玉まき田ゐの五百しろに千五百の秋の初風ぞ吹く(賀茂真淵)
649 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:43:57 ID:R7bPIKMZ
よき言を一言主の大神の幸ひまさむ杖たてまつる(賀茂真淵)
650 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:56:37 ID:R7bPIKMZ
萩が花見ればかなしないにし人かへらぬ野べに匂ふとおもへば(賀茂真淵)
651 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:57:33 ID:R7bPIKMZ
立ちよりし袖にうつれる梅が香は木のもととほく過ぎてこそ知れ(萩原宗固)
652 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:00:26 ID:R7bPIKMZ
にほはずはいづれを梅とたどらましこのもと遠く霞む夕日に(冷泉為村)
653 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:01:29 ID:R7bPIKMZ
住みすててあはれ幾世の宿の花うゑつる木々は春も忘れず(澄月)
654 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:22:17 ID:R7bPIKMZ
世の中はかくこそ見ゆれつくづくと思へば仮の宿りなりけり(藤原高光)
655 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:23:32 ID:R7bPIKMZ
けぶりとも立たばさはらむ野辺の月思ひやるまで身は老いにけり(澄月)
656 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:25:22 ID:R7bPIKMZ
摘みやるはこの武蔵野の初若菜あづまの春をおもひこせとて(柳沢保光)
657 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:26:12 ID:R7bPIKMZ
わけなれし雪ふる里の初若菜きみがめぐみに此の春も見つ(石野広通)
658 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:28:34 ID:R7bPIKMZ
かへる雁春をよそなる谷陰は花なき里としばしやすらへ(石野広通)
659 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:29:36 ID:R7bPIKMZ
せく水の水上とへば若草の緑につづく野田の苗代(石野広通)
660 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:38:37 ID:R7bPIKMZ
わか草や先づもえ出でて苗代の緑をいそぐ小田のほそみち(中院通茂)
661 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:40:34 ID:R7bPIKMZ
暮ふかき森のそなたや寺ならむ灯火見えて鐘ひびく声(石野広通)
662 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 17:41:46 ID:R7bPIKMZ
陰ふかき松より奧や寺ならむ暮るる山路に人かへるなり(頓阿)
663 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:00:13 ID:R7bPIKMZ
月影も霞の空にしづまりて明け方ちかき遠の山の端(涌蓮)
664 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:01:39 ID:R7bPIKMZ
静かにとすむ身はいとどあけぼのの春ばかりなるあはれさもなし(涌蓮)
665 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:06:10 ID:R7bPIKMZ
浅茅生のきのふの露の色ながらゆふべ寂しき秋風ぞ吹く(涌蓮)
666 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:27:48 ID:R7bPIKMZ
草も木もきのふの露の色ぞかし人の心に秋は来にけり(順徳院)
667 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:46:28 ID:R7bPIKMZ
夕日影へだつる垣の外面より片枝さし出づる紅葉色こき(順徳院)
668 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:47:15 ID:R7bPIKMZ
夕日影へだつる垣の外面より片枝さし出づる紅葉色こき(涌蓮)
669 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:48:12 ID:R7bPIKMZ
さびしさはおなじ山路の雪のうちに隣の人も我を待つらし(涌蓮)
670 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:49:05 ID:R7bPIKMZ
山風もおなじ軒端に聞き馴れてさびしとだにも問はず問はれず(涌蓮)
671 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:50:27 ID:R7bPIKMZ
入相の鐘よりのちも立ち出でて寂しきままに向かふ山々(涌蓮)
672 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 18:51:30 ID:R7bPIKMZ
夢さめて思ふも夢か古郷のはるかになりぬ小よの中山(涌蓮)
673 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 19:27:38 ID:R7bPIKMZ
乱れ咲くちぐさの花の色まして帰るさ惜しき野路の夕ばえ(田安宗武)
674 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 20:57:02 ID:R7bPIKMZ
いつしかと春も暮れゆく水の面に散りてぞ浮かむ花のさかづき(田安宗武)
675 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 20:57:44 ID:R7bPIKMZ
追風に力もいれで舟人の帆かけてかへるけしきのどけき(田安宗武)
676 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 20:58:58 ID:R7bPIKMZ
永き代の橋を行きかふ諸人はおのづからにや姿ゆたけき(田安宗武)
677 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:00:00 ID:R7bPIKMZ
洲崎辺に漕ぎ出でて見れば安房の山の雲居なしつつ遥けく見ゆも(田安宗武)
678 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:00:55 ID:R7bPIKMZ
むら松の背向をのぼる月よみの半ばにわたる雲さへうまし(田安宗武)
679 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:01:54 ID:R7bPIKMZ
真帆ひきて寄せ来る船に月照れり楽しくぞあらむその舟人は(田安宗武)
680 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:03:50 ID:R7bPIKMZ
あま空のはれ間もあれな我が恋ふる今宵の月をはつかにも見む(田安宗武)
681 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:21:47 ID:R7bPIKMZ
いそのかみ古りにし唐の笛竹を吹き立て遊ぶ今宵たのしも(田安宗武)
682 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:23:09 ID:R7bPIKMZ
かくしあれと去年より欲りし我が心今宵の月と共に晴れけり(田安宗武)
683 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:25:41 ID:R7bPIKMZ
夕づく日はや隠ろひて旅衣ころも手さむく秋風ぞふく(田安宗武)
684 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:26:57 ID:R7bPIKMZ
昨日まで盛りを見むと思ひつる萩の花ちれり今日の嵐に(田安宗武)
685 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:27:58 ID:R7bPIKMZ
すがのねの永き春日に袖たれて見むと思ひし花ちりにけり(賀茂真淵)
686 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:29:29 ID:R7bPIKMZ
萩咲ける山辺の石は心ありと人や見るらむ仮に置きしを(田安宗武)
687 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:31:30 ID:R7bPIKMZ
心ありて植ゑたるやどの花なれば千年うつらぬ色にぞありける(紀貫之)
688 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:48:38 ID:R7bPIKMZ
酒のみて見ればこそあれこの夕べ雪ふみ分けて往き交ふ人は(田安宗武)
689 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:00:33 ID:R7bPIKMZ
富士の山見むとし欲りて山のべに作りし庵に入日さす見ゆ(田安宗武)
690 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:01:37 ID:R7bPIKMZ
吾や妹や子等はいましにあえぬべし汝はなほも松にあえてよ(田安宗武)
691 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:02:31 ID:R7bPIKMZ
学ばでもあるべくあるは生れながらの聖にてませどそれなほし学ぶ(田安宗武)
692 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:03:33 ID:R7bPIKMZ
書も読まで遊びわたるは網の中にあつまる魚の楽しむがごと(田安宗武)
693 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:05:56 ID:R7bPIKMZ
去年はさも思はざりしが青みます岩間の雪の清く見ゆかも(田安宗武)
694 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:07:36 ID:R7bPIKMZ
春雨は音しづけしも妹が家にい行きかたらひこの日暮らさむ(田安宗武)
695 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:09:04 ID:R7bPIKMZ
さざなみの比良の山べに花咲けば堅田にむれし雁かへるなり(田安宗武)
696 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:09:42 ID:fwMl4hR1
霞わけて雁かへる見ゆ行先の遥けきもへばあはれむ吾は(田安宗武)
697 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:10:59 ID:fwMl4hR1
やましろの井手の玉川みづ清みさやにうつろふ山吹の花(田安宗武)
698 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:11:54 ID:fwMl4hR1
何ゆゑと事はしらぬを葵ぐさ賀茂の祭に吾もかざせり(田安宗武)
699 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:12:39 ID:fwMl4hR1
かきつばた咲くなる池に風吹けば濃き紫にさざ波ぞよる(田安宗武)
700 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:13:24 ID:fwMl4hR1
夕日影にほへる雲のうつろへば蚊遣火くゆる山もとの里(田安宗武)
701 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:17:55 ID:fwMl4hR1
むらさきの色にぞ見ゆる杜若池のぬなはの這ひかかりつつ(源師時)
702 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:19:15 ID:fwMl4hR1
蓮おふる池のみぎはにたたずめば衣にほはし清き風吹く(田安宗武)
703 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:20:37 ID:fwMl4hR1
しじに生ふる池の蓮の花みれば風も吹かなくに心すずしも(田安宗武)
704 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:37:45 ID:fwMl4hR1
あしびきの岩間をしぬぎ湧く水の落ちたぎち行く風のすずしさ(田安宗武)
705 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:39:43 ID:fwMl4hR1
琴の緒をさ渡る風の響かすに秋さり来ぬと今はしるしも(田安宗武)
706 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:00:50 ID:fwMl4hR1
わが恋ふる妹が垣根の女郎花白露おもみかたむくもよし(田安宗武)
707 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:06:44 ID:fwMl4hR1
み吉野のとつ宮どころとめくればそことも知らに薄生ひにけり(田安宗武)
708 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:14:50 ID:fwMl4hR1
武蔵野を人は広しとふ吾はただ尾花分け過ぐる道とし思ひき(田安宗武)
709 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:16:12 ID:fwMl4hR1
我妹子と相ふしながら朝な朝な珍しみ見ぬ朝顔のよさ(田安宗武)
710 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:20:13 ID:fwMl4hR1
あした昇り夕べまかづる宮人の家によろしき朝がほの花(田安宗武)
711 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:21:43 ID:fwMl4hR1
荻はそもいかなる気よりなり出でしそよげる音の悲しくあるは(田安宗武)
712 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:24:00 ID:fwMl4hR1
春さればきそひていにし雁がねは心ぼそげに啼きて来にけり(田安宗武)
713 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:26:27 ID:fwMl4hR1
おほ原や小野のすみがま雪ふりて心ぼそげに立つけぶりかな(源師頼)
714 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:31:39 ID:fwMl4hR1
香久山に生ふる真さかき枝さやに冴えたる月は神も愛づらむ(田安宗武)
715 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:27:42 ID:XfsvimM1
東の山のもみぢ葉夕日にはいよいよ紅くいつくしきかも(田安宗武)
716 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:28:59 ID:XfsvimM1
天ぎらひ雪うちちれど諸人の星うたふなる声さやけしも(田安宗武)
717 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:30:14 ID:XfsvimM1
かへらむと吾がせし時に我が紐をむすびし姿いつか忘れむ(田安宗武)
718 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:32:06 ID:XfsvimM1
語らむと思ひしことの残れれば今日をいかでか吾暮らしてむ(田安宗武)
719 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:33:18 ID:XfsvimM1
常に見てやすらにありし吾妹子を旅をしすれば恋ひわぶるかも(田安宗武)
720 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:36:11 ID:XfsvimM1
大君のみことかしこみうつくしき妹を振り捨て旅する我は(田安宗武)
721 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:38:18 ID:XfsvimM1
相おもはぬ人は恨みじ四十余り七つ経にける我が年をのみ(田安宗武)
722 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:42:27 ID:XfsvimM1
四十あまりななとせへぬる雲の上にながめし月も夢の秋風(木下長嘯子)
723 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:57:19 ID:XfsvimM1
ひむがしに向へる家は朝あけに明け行く空を見つつ楽しき(田安宗武)
724 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:58:20 ID:XfsvimM1
二つなき富士の高根のあやしかも甲斐にも在りとふ駿河にも在りとふ(田安宗武)
725 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:00:27 ID:XfsvimM1
植ゑし時は枯れぬべく見えし我が庭のしだり柳のめでたくなりぬ(田安宗武)
726 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:04:36 ID:XfsvimM1
いにしへの慕はしきかもかづらせでただに見むかもこれの柳を(田安宗武)
727 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:08:33 ID:XfsvimM1
たまどりの八尋の垂尾ひらきたてめぐる姿は見れどあかずけり(田安宗武)
728 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:11:12 ID:XfsvimM1
もののふのかぶとに立てる鍬形のながめがしはは見れどあかずけり(田安宗武)
729 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:13:04 ID:XfsvimM1
今朝いたく雨乞鳥の啼けりしぞ早乙女まけて早苗とらさね(田安宗武)
730 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:15:03 ID:XfsvimM1
青雲の白肩の津は見ざれども今宵の月に思ほゆるかも(田安宗武)
731 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:29:31 ID:XfsvimM1
秋深き龍田の川はかくぞあらむ入日さす雲のうつる川づら(田安宗武)
732 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:30:28 ID:XfsvimM1
昼行きし川にしあれど夕されば静けくゆたに新しきごと(田安宗武)
733 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:31:51 ID:XfsvimM1
春がすみ立たるを見ればくぐもりし神代の昔思ほゆるかな(加藤宇万伎)
734 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:34:38 ID:XfsvimM1
梅の花ものがたりしは夢ならむ香ばかりさそふ春の手枕(加藤宇万伎)
735 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:35:36 ID:XfsvimM1
あしほ山夕立すらし筑波嶺のそがひの雲に雷の音する(加藤宇万伎)
736 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:00:14 ID:XfsvimM1
ぬば玉の夜更けて来鳴く雁がねは物思ひをる我ぞ聞きをる(加藤宇万伎)
737 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:02:49 ID:XfsvimM1
今日幾日山より山を見つつ来てともしくもあるか諏訪の湖(加藤宇万伎)
738 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:04:30 ID:XfsvimM1
もののふの草むす屍としふりて秋風さむしきちかうの原(加藤宇万伎)
739 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:06:15 ID:XfsvimM1
伊吹山いぶく朝風吹きたえてあふみは霧の海となりぬる(加藤宇万伎)
740 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:07:10 ID:XfsvimM1
関こえてうち出の浜にけさみれば淡海は霧の海にぞありける(下河辺長流)
741 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:08:14 ID:XfsvimM1
青海原霞みわたりてちはやぶる神代のままの春を見るかな(荷田蒼生子)
742 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:09:51 ID:XfsvimM1
わがくにの神代のままの春なれや霞みそめたるあはぢ島山(中院通勝)
743 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:10:38 ID:XfsvimM1
春なれや白浪わけてかづきする海人も霞の衣きてけり(荷田蒼生子)
744 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:48:06 ID:XfsvimM1
誰が袖もうべこそ薫れ行きかひの大路にたてる梅さきてけり(荷田蒼生子)
745 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:49:10 ID:XfsvimM1
みだれつつ物思ふ頃は常よりもうちまもらるる青柳の糸(荷田蒼生子)
746 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 16:50:13 ID:XfsvimM1
夜もすがらふるともよしや五月雨のしめやかにだに語りあかさば(荷田蒼生子)
747 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:04:19 ID:WuIqmGz1
ながむれば心の外のあはれさへ空に数そふ秋のゆふぐれ(荷田蒼生子)
748 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:13:18 ID:WuIqmGz1
秋といへば憂しとあはれとふたしへに夕べの空をながむるやなぞ(荷田蒼生子)
749 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:14:31 ID:WuIqmGz1
秋といへば夕べの風のなにすとか恋せぬ人の身にもしむらん(荷田蒼生子)
750 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:15:39 ID:WuIqmGz1
まちをしむ心々を夜もすがら月に言ひつつめで明かすかな(荷田蒼生子)
751 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:27:39 ID:WuIqmGz1
あかず見し千種の花もうつりゆきて紅葉になげく秋の暮かな(荷田蒼生子)
752 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:29:37 ID:WuIqmGz1
ほのにだに逢ひ見ぬ程は三日月のわれやまめやは片恋にして(荷田蒼生子)
753 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:31:20 ID:WuIqmGz1
皇神の天降りましける日向なる高千穂の岳やまづ霞むらむ(楫取魚彦)
754 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:33:48 ID:WuIqmGz1
とほしろく清くさやけき山河のかはらず絶えず常にもがもな(楫取魚彦)
755 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:36:48 ID:WuIqmGz1
天雲の向伏すをちのわたつみの霞める方ゆ船ぞみえくる(楫取魚彦)
756 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:37:37 ID:WuIqmGz1
奥山の木の実とりはむ猿すらも春は花咲く枝にまじれり(楫取魚彦)
757 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:00:16 ID:WuIqmGz1
春の野にひばりきかんととめくれば八重棚雲の上にぞありける(楫取魚彦)
758 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:01:17 ID:WuIqmGz1
秩父嶺を遠にみさけて久方の天ゆく月のてれる国原(楫取魚彦)
759 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:02:11 ID:WuIqmGz1
しばの野に葛引くをとめ家のらへ此野づかさに葛引くをとめ(楫取魚彦)
760 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:03:55 ID:WuIqmGz1
天の原吹きすさみたる秋風にはしる雲あればたゆたふ雲あり(楫取魚彦)
761 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:07:14 ID:WuIqmGz1
風の音のとほつ大浦にはをよみはららにうける海人の釣舟(楫取魚彦)
762 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:08:20 ID:WuIqmGz1
大海に島もあらなくに沖辺ゆも大島なして鯨寄り来も(楫取魚彦)
763 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:09:36 ID:WuIqmGz1
ちちの実の父いまさずて五十年に妻あり子ありその妻子あり(楫取魚彦)
764 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:10:29 ID:WuIqmGz1
吾がごとく今しも友やまどはせる夜わたる雁の声のかなしも(楫取魚彦)
765 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:19:45 ID:WuIqmGz1
水無瀬川かすみの水脈のあらはれて一筋深き遠の山もと(小沢蘆庵)
766 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:21:56 ID:WuIqmGz1
二本の杉のこずゑや泊瀬川霞のみをのしるしなるらむ(藤原家隆)
767 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:24:29 ID:WuIqmGz1
何ごとのはらだたしかる折にしも聞けばゑまるる鶯の声(小沢蘆庵)
768 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:53:42 ID:VifIpc3d
ともすれば花にまがひて散る雪に梅が香寒き二月の空(小沢蘆庵)
769 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:54:32 ID:VifIpc3d
さしてゆくかたもなけれど香にめでて梅咲く野べは遠く来にけり(小沢蘆庵)
770 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:55:21 ID:VifIpc3d
小雨ふる春の夕べの山がらす濡れて寝にゆく声ぞ淋しき(小沢蘆庵)
771 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:56:09 ID:VifIpc3d
夕まぐれこだかき森にすむ鳩のひとり友よぶ声ぞさびしき(藤原良経)
772 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:56:56 ID:VifIpc3d
巣をまもる外面の森の夕がらす友なしになく声ぞさびしき(伏見院)
773 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:58:02 ID:VifIpc3d
夕烏かへる翅やしめるらむ小雨そぼ降る春の山畑(海野幸典)
774 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 01:58:59 ID:VifIpc3d
春雨の音きくたびに窓あけて軒の桜の木の芽をぞ見る(小沢蘆庵)
775 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:00:37 ID:VifIpc3d
大井川月と花とのおぼろにてひとり霞まぬ波の音かな(小沢蘆庵)
776 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:21:25 ID:VifIpc3d
霞しくこのめはるさめふるごとに花のたもとはほころびにけり(藤原顕季)
777 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:24:45 ID:VifIpc3d
柴人の鎌とぎさしてをしへつる山路の花を尋ねてぞ入る(小沢蘆庵)
778 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:28:31 ID:VifIpc3d
妻木こるしづをにとへば花は見ゆ朝日あたりの峰にとぞ云ふ(覚性法親王)
779 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:37:36 ID:VifIpc3d
来む春はいかでか見むと思ふ身になほ惜しめとや花の散るらむ(小沢蘆庵)
780 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:39:59 ID:VifIpc3d
惜しみかねまどろむ夢のたましひや花の跡とふ胡蝶とはなる(小沢蘆庵)
781 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:42:06 ID:VifIpc3d
桜ちる春のみなとの追風に花つみそへていづる百舟(小沢蘆庵)
782 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:44:36 ID:VifIpc3d
種蒔きて幾日へぬらんみごもりに薄もえぎなる小田の苗代(小沢蘆庵)
783 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:45:59 ID:VifIpc3d
面影は時雨の秋のもみぢにて薄もえぎなる神なびのもり(藤原隆信)
784 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:53:23 ID:VifIpc3d
みどりなる広葉隠れの花ちりてすずしくかをる桐の下風(小沢蘆庵)
785 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 02:54:17 ID:VifIpc3d
きのふまで花にいとひし心さへ青葉にかはる風のいろかな(小沢蘆庵)
786 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:00:11 ID:VifIpc3d
ひびきくる田歌も今は友となりて稀に聞こえぬ暮ぞ淋しき(小沢蘆庵)
787 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:01:11 ID:VifIpc3d
渡殿のともしの火影(ほかげ)またたきて夕風ながらうつすやり水(小沢蘆庵)
788 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:02:49 ID:VifIpc3d
わがごとや老いて疲れししづの女がおくれてかへる小野の山道(小沢蘆庵)
789 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:21:28 ID:VifIpc3d
しづの女が門のほし瓜取りいれよ風ゆふだちて雨こぼれきぬ(小沢蘆庵)
790 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:22:35 ID:VifIpc3d
山陰の青みな月の江の水に釣する小舟すずしげにみゆ(小沢蘆庵)
791 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:23:40 ID:VifIpc3d
旅人のは山のすそにやすらへばあをみな月も涼しかりけり(曾禰好忠)
792 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:25:17 ID:VifIpc3d
麓よりかげろひゆきて粟田山みねの夕日のかげぞ涼しき(小沢蘆庵)
793 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:27:24 ID:VifIpc3d
霧りわたる苔路しめりてひややかに来る秋しるき庭の木隠れ(小沢蘆庵)
794 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:28:36 ID:VifIpc3d
我が庵に近き吉田のかぐら岡のぼりてぞ見る星合の空(小沢蘆庵)
795 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:30:52 ID:VifIpc3d
ほどちかき吉だの宮のかぐら岡さて松風のこゑしぼりけり(冷泉為尹)
796 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 03:32:40 ID:VifIpc3d
こん秋もなほ世にあらば槿の花をはかなと又こそは見め(小沢蘆庵)
797 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:00:31 ID:VifIpc3d
われ死なば我がなき魂は来ん秋の野べの尾花や招きてあらん(小沢蘆庵)
798 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:01:29 ID:VifIpc3d
我死なばわが父母のなき魂をむかへおくりて誰か祭らん(小沢蘆庵)
799 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:02:32 ID:VifIpc3d
衣うつ声は残りて夕霧にややかくれゆく山もとの里(小沢蘆庵)
800 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:03:50 ID:VifIpc3d
波となり小船となりて夕暮の雲のすがたぞはてはきえゆく(小沢蘆庵)
801 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:06:17 ID:VifIpc3d
憂しとてもいかがはすべき心もて入りにし山の秋の夕暮(小沢蘆庵)
802 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:09:10 ID:VifIpc3d
太秦の深き林をひびきくる風の音すごき秋の夕暮(小沢蘆庵)
803 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:10:50 ID:VifIpc3d
山遠くたなびく雲にうつる日もやや薄くなる秋の夕暮(小沢蘆庵)
804 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:12:34 ID:VifIpc3d
とぶ鳥の行くかた遠く見おくれば霧にかくるる秋の夕暮(小沢蘆庵)
805 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:30:21 ID:VifIpc3d
月ひとり天にかかりてあらがねの土もとほれと照る光かな(小沢蘆庵)
806 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:32:44 ID:VifIpc3d
月清み小簾の内外のへだてなくふたへに松の影ぞうつろふ(小沢蘆庵)
807 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 04:33:45 ID:VifIpc3d
見るがうちに秋風高くなりにけり松はなびかで雲のみぞ飛ぶ(小沢蘆庵)
808 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:00:23 ID:VifIpc3d
里の犬の声のみ空の月にすみて人はしづまる宇治の山陰(小沢蘆庵)
809 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:03:54 ID:VifIpc3d
さよふけて宿もる犬の声しげし人はしづまる里の一むら(伏見院)
810 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:06:19 ID:VifIpc3d
栗もゑみ柿も色づきうなゐらがほこらしげなる時も来にけり(小沢蘆庵)
811 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:10:52 ID:VifIpc3d
小鳥おふ鳴子の縄に手をかけて竹のは山の夕日をぞみる(小沢蘆庵)
812 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:13:20 ID:VifIpc3d
もみぢ葉を尋ねて入れば山もとの林にひびく鳥の一こゑ(小沢蘆庵)
813 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:16:58 ID:VifIpc3d
松にふく風もあらしになりにけり北窓ふたげ冬籠りせん(小沢蘆庵)
814 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:18:48 ID:VifIpc3d
降りつもる雪はうすゆき松竹もわかるるほどの夕ぐれの色(小沢蘆庵)
815 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:20:29 ID:VifIpc3d
有明の月と見しまに松竹もわかれぬ色ぞ雪にわかるる(後水尾院)
816 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:23:42 ID:VifIpc3d
ふりおもる竹のしづくも音更けて雨静かなる夜の山窓(小沢蘆庵)
817 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:25:21 ID:VifIpc3d
朝まだき立ち出でてみればわが庵の軒端の山に雲ぞわかるる(小沢蘆庵)
818 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 05:29:53 ID:VifIpc3d
我が松のこずゑのからす音になけば里の市人朝だちすなり(小沢蘆庵)
819 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:26:17 ID:VifIpc3d
ものの音は遠きまされり烏すらはるかに聞けばをかしかりけり(小沢蘆庵)
820 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:27:31 ID:VifIpc3d
朝がほの花の物いふ心地してみやびし妹が声ぞわすれぬ(小沢蘆庵)
821 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:28:31 ID:VifIpc3d
つくづくとひとりし物を思ふには問はずがたりぞ常にせらるる(小沢蘆庵)
822 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:29:14 ID:VifIpc3d
この国はことばの海のおほ八島いづくによるも和歌の浦波(小沢蘆庵)
823 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:30:02 ID:VifIpc3d
すなほなる心詞ぞ行末にのこらん道のすがたなりける(小沢蘆庵)
824 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:30:43 ID:VifIpc3d
ことの葉は人の心の声なれば思ひをのぶるほかなかりけり(小沢蘆庵)
825 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:31:46 ID:VifIpc3d
いにしへは大根はじかみ韮なすび蒜干し瓜も歌にこそよめ(小沢蘆庵)
826 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:32:32 ID:VifIpc3d
言ふことはみな心より出でながら心を言はんことの葉ぞなき(小沢蘆庵)
827 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:40:20 ID:VifIpc3d
蘆原やこの国ぶりのことの葉にさかゆる御代の声ぞきこゆる(小沢蘆庵)
828 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 19:41:48 ID:VifIpc3d
身の憂さをかたりてだにもなぐさめし君にさへこそまた別れけれ(小沢蘆庵)
829 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:00:08 ID:VifIpc3d
あなさびし狸つづみうて琴ひかむ我琴ひかば狸つづみうて(小沢蘆庵)
830 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:01:05 ID:VifIpc3d
浪の上を漕ぎくと思へば磯際に近くなるらし松の音高し(小沢蘆庵)
831 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:02:10 ID:VifIpc3d
かぎりなく来れどもおなじ春なればあかぬ心もかはらざりけり(土岐筑波子)
832 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:03:18 ID:VifIpc3d
吾が背子がときあらひ衣もぬはなくに荻の葉そよぎ秋風の吹く(土岐筑波子)
833 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:04:21 ID:VifIpc3d
別路の空にうちちるしら雪の心みだれてゆくへしらずも(土岐筑波子)
834 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:05:11 ID:VifIpc3d
おもひねの夢のすさびにならひ来てうつつともなき今宵なりけり(土岐筑波子)
835 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:06:17 ID:VifIpc3d
うつり香の残るばかりは夢ならで夢かとたどるよはのおも影(土岐筑波子)
836 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:07:12 ID:VifIpc3d
むすびつと見そむるほどもあらなくにはかなく消えし草の上の露(土岐筑波子)
837 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:14:58 ID:VifIpc3d
なき魂のあるを恋しと思ひせば夢路にだにもたちかへらなん(土岐筑波子)
838 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:16:34 ID:VifIpc3d
いはけなくいかなるさまにたどりてか死出の山路をひとりこゆらん(土岐筑波子)
839 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:18:04 ID:VifIpc3d
清らなる色こそは似め桜花などはかなさの雪にあえつる(鵜殿余野子)
840 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:47:02 ID:VifIpc3d
青葉より紅(くれなゐ匂ふ若楓もみぢむ秋の色ぞゆかしき(鵜殿余野子)
841 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:50:40 ID:VifIpc3d
物の音もながるる水に声すみて夏の外行く船のうちかな(鵜殿余野子)
842 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:02:32 ID:VifIpc3d
河浪の音にきほひて涼しきは秋の風てふしらべなるらし(鵜殿余野子)
843 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:03:45 ID:VifIpc3d
夕さればならの下風袖過ぎて夏のほかなる日ぐらしのこゑ(式子内親王)
844 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:06:08 ID:VifIpc3d
山かげや岩もるし水おとさえて夏のほかなるひぐらしのこゑ(慈円)
845 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:17:38 ID:VifIpc3d
ふるさとの佐保の河水ながれてのよにもかくこそ月はすみけれ(鵜殿余野子)
846 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:21:13 ID:VifIpc3d
ながれてのよにもかくこそ秋の月すみて久しき白河のみづ(小沢蘆庵)
847 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:22:35 ID:VifIpc3d
深き夜のあはれを見する月影にいるさの山のおくぞゆかしき(鵜殿余野子)
848 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:25:05 ID:VifIpc3d
暮れぬとも紅葉のかげしあかければかへる山路はいそがざらまし(鵜殿余野子)
849 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:26:51 ID:VifIpc3d
ほかげにも小春てふ名はかくれねどはつかに匂ふ夜の梅が香(鵜殿余野子)
850 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:28:31 ID:VifIpc3d
深き夜の道はしるべにまかせてもかをれる雪をいかで踏むべき(鵜殿余野子)
851 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 21:44:37 ID:VifIpc3d
あま雲の中にや君はまじりにし時雨るる空を見ればかなしも(鵜殿余野子)
852 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:06:13 ID:VifIpc3d
時雨ふる山辺をみればもみぢばの過ぎにし君がゆくへしのばゆ(鵜殿余野子)
853 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:14:00 ID:VifIpc3d
かげろふのもゆる春日の空みればゆくへもしらぬ君ぞ恋しき(鵜殿余野子)
854 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:50:42 ID:VifIpc3d
かげろふのもゆる春日の山桜あるかなきかの風にかをれり(賀茂真淵)
855 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:51:53 ID:VifIpc3d
朝な朝なけづるとすれど黒髪のおもひ乱るるすぢぞ多かる(鵜殿余野子)
856 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:52:57 ID:VifIpc3d
膝のうへに指さしてみし古の秋の月こそ恋しかりけれ(鵜殿余野子)
857 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:53:49 ID:VifIpc3d
夜もすがら月やあらぬとかこつかないそぢふりにし秋をこひつつ(鵜殿余野子)
858 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:54:46 ID:VifIpc3d
ながらへて今宵の空の月も見つまた来む秋は命なりけり(鵜殿余野子)
859 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:56:03 ID:VifIpc3d
月影も見し春の夜の夢ばかり霞に残るあけぼのの空(本居宣長)
860 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:57:09 ID:VifIpc3d
ながめやる遠里小野はほのかにて霞に残る松の風かな(藤原良経)
861 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 22:58:37 ID:VifIpc3d
朝日かげまちとるかたの梢より外山のさくら色ぞ添ひゆく(本居宣長)
862 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:00:20 ID:VifIpc3d
まちつけて初花見たるうれしさは物言はまほし物言はずとも(本居宣長)
863 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:01:18 ID:VifIpc3d
咲きにほふ春のさくらの花見ては荒らぶる神もあらじとぞ思ふ(本居宣長)
864 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:07:29 ID:VifIpc3d
日ぐらしに見ても折りてもかざしてもあかぬ桜を猶いかにせむ(本居宣長)
865 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:09:04 ID:VifIpc3d
桜花ちる木のもとに立ちよりてさらばとだにも言ひて別れむ(本居宣長)
866 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:10:39 ID:VifIpc3d
老いのくせ人や笑はむ桜花あはれあはれと同じ言して(本居宣長)
867 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:13:26 ID:VifIpc3d
敷島のやまと心を人とはば朝日ににほふ山ざくら花(本居宣長)
868 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:15:49 ID:VifIpc3d
六月に風にあつとてとり出ればやがて読ままくほしき書ども(本居宣長)
869 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:16:55 ID:VifIpc3d
菅の根の長き春日もみじかきぞ書よむ人のうれひなりける(本居宣長)
870 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:18:48 ID:VifIpc3d
からふみも見ればをかしき節おほし物のことわりこちたけれども(本居宣長)
871 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:45:46 ID:VifIpc3d
朝夕に物食ふほどもかたはらにひろげおきてぞ書はよむべき(本居宣長)
872 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:48:17 ID:VifIpc3d
おきわたす田の面の露も深き夜の稲葉におもる秋の月影(本居宣長)
873 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 23:54:37 ID:VifIpc3d
風あらきもとあらの小萩袖に見て更けゆく夜半におもる白露(藤原定家)
874 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:28:02 ID:fpa7HbXd
老いぞ憂きうかりける世の秋とても涙のひまはありし月夜を(本居宣長)
875 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:29:28 ID:fpa7HbXd
さし出づる影にちしほの色見えて夜の紅葉は月ぞ染めける(本居宣長)
876 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:30:44 ID:fpa7HbXd
島山はつもるも見えずかきくれて友船しろき雪の海原(本居宣長)
877 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:32:16 ID:fpa7HbXd
朝たちて比良の高根の雪見ればきぞの夜床はうべさえにけり(本居宣長)
878 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:33:14 ID:fpa7HbXd
朝戸出の庭もはだれに降りしきぬ昨夜(きそ)の夜床はうべさえにけり(鹿持雅澄)
879 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:35:19 ID:fpa7HbXd
むし衾なごやが下の埋み火に足さしのべて寝らくしよしも(本居宣長)
880 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:36:59 ID:fpa7HbXd
ちりぢりに夕ぐれかへる市人のわかれぞ今日は年の別れ路(本居宣長)
881 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:37:59 ID:fpa7HbXd
里人い桜うゑつぐ吉野山神の御ためと桜うゑつぐ(本居宣長)
882 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:41:46 ID:fpa7HbXd
たれもみな今日は暮れゆく年の数身にかひそへて帰る市人(本居宣長)
883 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:44:05 ID:fpa7HbXd
いや植ゑに植ゑよ桜を吉野山をのへも谷もあひだなきまで(本居宣長)
884 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:00:33 ID:fpa7HbXd
みくまりの峰ゆ延へたる尾のうへに家むらつづくみ吉野の里(本居宣長)
885 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:01:48 ID:fpa7HbXd
吉野山咲かむ桜の花待たず我やかへらむ雁ならなくに(本居宣長)
886 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:02:54 ID:fpa7HbXd
仏らは玉のうてなにいつかえて神は雨もる小屋のしき屋に(本居宣長)
887 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:06:36 ID:fpa7HbXd
この神よいかにふ神ぞ青雲のたなびく空に雪のつもれる(本居宣長)
888 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:11:29 ID:fpa7HbXd
わたらひの大河水をむすびあげて心も清くおもほゆるかも(本居宣長)
889 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:13:43 ID:fpa7HbXd
言挙せぬ国にはあれども枉説の言挙こちたみ言挙す吾は(本居宣長)
890 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:16:56 ID:fpa7HbXd
おもほさぬ隠岐のいでまし聞くときはしづのを我も髪さかだつを(本居宣長)
891 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:17:50 ID:fpa7HbXd
鎌倉の平の子らがたはれわざ蘇我の馬子に罪おとらめや(本居宣長)
892 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:18:43 ID:fpa7HbXd
吹きおくる風のきぬたも更くる夜はものにまぎれぬ音のさびしさ(日野資枝)
893 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:19:49 ID:fpa7HbXd
寂しさよものにまぎれぬ松の戸の心もしらぬ秋の夕風(烏丸光広)
894 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:20:44 ID:fpa7HbXd
友をこそ待つべかりけれ庭の雪見捨てていかが誰をとはまし(日野資枝)
895 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 04:43:59 ID:0/fssGBM
はじめまして
和歌の素晴らしさに感動しました
質問です
「あなたは私を疑ってるかもしれない
でも私は四六時中あなたの事を想ってます
ですがあなたにうまく伝えられない自分が恨めしい」
を和歌にするとどのように完成しますか?
お教え下されば幸いです
896 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:46:00 ID:fpa7HbXd
待つ人の今も来たらばいかがせん踏ままく惜しき庭の雪かな(和泉式部)
897 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:48:19 ID:fpa7HbXd
けふはもし君もや問ふとながむれどまだ跡もなき庭の雪かな(藤原俊成)
898 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:49:07 ID:fpa7HbXd
いにしへの詞(ことば)ならずは新しき心の花もいかで見ゆべき(日野資枝)
899 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:51:34 ID:fpa7HbXd
ありし世は衣にも摺りて服し人の印に立てる榛の木あはれ(横井千秋)
900 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:55:30 ID:fpa7HbXd
枯れて生ひ生ひて枯れつついつの間か三年霜ふる墓の上の草(横井千秋)
901 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:56:11 ID:fpa7HbXd
蚊遣り焼く吾し寝ればたらちねの母のさ寝ずてますが悲しさ(横井千秋)
902 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:57:21 ID:fpa7HbXd
花の色に心もそめぬうなゐ児の昔よりこそ春は待たれし(油谷倭文子)
903 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 18:58:50 ID:fpa7HbXd
手を折りて春待ちかねしうなゐ子の昔を恋ふる年の暮かな(鵜殿余野子)
904 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:26:22 ID:fpa7HbXd
玉垂れの小簾の外ちかき梅の花いとしもふれぬ袖も香れる(油谷倭文子)
905 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:28:03 ID:fpa7HbXd
衣手のかへまをしさも忘られて今年も花の香をぞしめてき(油谷倭文子)
906 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:29:20 ID:fpa7HbXd
秋の野はあはれなりけり夕風に尾花みだれてちれる白露(油谷倭文子)
907 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:30:41 ID:fpa7HbXd
月みればおふけなくしも成りぬかなしらぬ千里も思ひやられて(油谷倭文子)
908 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:32:27 ID:fpa7HbXd
おもなくもてらせる月の光かな中なる人やいかが見るらん(油谷倭文子)
909 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:33:38 ID:fpa7HbXd
月影にのれる心のままならばいづこの浦やとまりならまし(油谷倭文子)
910 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:35:41 ID:fpa7HbXd
袖の上におぼえずおつる涙にもすずろに月はやどりぬるかな(油谷倭文子)
911 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:55:00 ID:fpa7HbXd
さびしとはこれをいふらん木の葉ふり月影すめる夜はの山風(油谷倭文子)
912 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:55:51 ID:fpa7HbXd
柴の庵に夜はのしぐれの音聞きてぬらせる袖はいつかかわかん(油谷倭文子)
913 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:07:31 ID:fpa7HbXd
はかなくて明けば明けなんうつくしき言をば後も尽しこそせめ(油谷倭文子)
914 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:08:41 ID:fpa7HbXd
末いかに塵や重ねむ手枕の新しきほどにふた夜こぬ君(油谷倭文子)
915 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:10:20 ID:fpa7HbXd
一夜経といへばたやすし昨日今日おぼつかなさの数をやはしる(油谷倭文子)
916 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:13:43 ID:fpa7HbXd
よひよひに涙はゆるす折もあるをやるかたなきぞ心なりける(油谷倭文子)
917 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:16:52 ID:fpa7HbXd
三輪の山しかも霞はかくせども花は名にこそあらはれにけれ(油谷倭文子)
918 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:50:29 ID:fpa7HbXd
ひとり寝の夜な夜なゆるす涙よりやがてうき名のよそにもりぬる(飛鳥井雅有)
919 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:51:45 ID:fpa7HbXd
人もまだとひこぬほどの朝ぼらけ花のひかりぞいとど静けき(伴蒿蹊)
920 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:53:47 ID:fpa7HbXd
世ばなれてのどかにすめる山水にこのごろ桃の花も浮かべり(伴蒿蹊)
921 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:55:04 ID:fpa7HbXd
月の夜におのづからなる虫のねは糸竹よりもあはれとぞ聞く(伴蒿蹊)
922 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:56:23 ID:fpa7HbXd
あらざらむ我が世の後の秋までも思ひおかるるやどの月かげ(伴蒿蹊)
923 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:00:26 ID:fpa7HbXd
遠近の山もそのふの見わたしにまじる色なき雪の朝明け(伴蒿蹊)
924 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:02:04 ID:fpa7HbXd
もどかしと人は見るらしいはけなき心ながらに身はふりにける(伴蒿蹊)
925 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:04:52 ID:fpa7HbXd
よしさらばわらは心になりはてて老いの数そふ年も惜しまじ(伴蒿蹊)
926 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:15:25 ID:fpa7HbXd
風はやき山はけしきを立ちかへて横川の杉に霞たなびく(上田秋成)
927 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:17:30 ID:6wPrh6+h
大江山生野の道の遠ければまだふみもみず天橋立
928 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:17:58 ID:fpa7HbXd
我こそは面がはりすれ春霞いつも生駒の山に立ちけり(上田秋成)
929 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:19:57 ID:fpa7HbXd
春の雪あがきにくだき信濃なる菅のあら野の駒いさむなり(上田秋成)
930 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:21:52 ID:fpa7HbXd
曇り日はことにぞにほふ梅の花風吹きとづる深き霞に(上田秋成)
931 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:23:36 ID:fpa7HbXd
かげろふのもゆる春日の小松原鶯遊ぶ枝うつりして(上田秋成)
932 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:25:47 ID:fpa7HbXd
声の色をそへよ鶯梅はとく春しる花の枝うつりして(冷泉為村)
933 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:27:29 ID:fpa7HbXd
散り残る花もやあると桜村青葉の木かげ立ちぞやすらふ(冷泉為村)
934 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:29:52 ID:fpa7HbXd
九重もちかくやなりぬ道広きゆくてに萌ゆる春の青柳(上田秋成)
935 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:02:39 ID:fpa7HbXd
夕日影かがやく峰のさくら花けふもながめて暮るる庵かな(上田秋成)
936 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:06:09 ID:fpa7HbXd
さくらさく此山陰の夕曇り空さへ花の色にまがひて(上田秋成)
937 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:07:24 ID:fpa7HbXd
高砂のをのへにたてる桜花はやも嵐のさそひやはせむ(上田秋成)
938 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:10:42 ID:fpa7HbXd
桜花さけるを見ればかほよ人衣にとほるひかりなりけり(上田秋成)
939 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:12:04 ID:fpa7HbXd
夜にかくれ逢ひにし人に花山の道にゆきあふおもなしや我(上田秋成)
940 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:13:20 ID:fpa7HbXd
打ちむれてきのふは見しを桜ばな雨しづかなる陰となりにき(上田秋成)
941 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:15:08 ID:fpa7HbXd
ふりくらす雨しづかなる庭の面にちりてかたよる花の白波(鷹司基忠)
942 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:21:24 ID:fpa7HbXd
さくら花うれしくもあるかこの夕べ嵐にかへて小雨そぼふる(上田秋成)
943 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:41:26 ID:fpa7HbXd
桜ちる木の本見れば久方の星の林に我は来にけり(上田秋成)
944 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:42:28 ID:fpa7HbXd
夕されば蛙なくなり飛鳥川瀬々ふむ石のころび声して(上田秋成)
945 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:00:58 ID:fpa7HbXd
宮のうちは男をみなも白栲の衣ゆゆしみ夏立ちにけり(上田秋成)
946 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:03:16 ID:fpa7HbXd
かぐ山のをのへに立ちて見わたせば大和国はら早苗とるなり(上田秋成)
947 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:05:03 ID:fpa7HbXd
早苗とる時には成りぬをとめらが難波すが笠紐はつけてん(上田秋成)
948 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:10:02 ID:fpa7HbXd
さみだれは夜中に晴れて月に鳴くあはれその鳥あはれその鳥(上田秋成)
949 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:12:02 ID:fpa7HbXd
夏河に光をみせて飛ぶ魚の音するかたに月はすみけり(上田秋成)
950 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:15:06 ID:fpa7HbXd
明けぬれば樗花さく葉隠れにやめば次がるるひぐらしの声(上田秋成)
951 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:32:50 ID:lzrMHdhA
鳴く蝉のやどりの松の木の本にもぬけの衣の風に吹かるる(上田秋成)
952 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:34:06 ID:lzrMHdhA
朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)
953 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:38:23 ID:lzrMHdhA
てる月の影は浪もて砕けども光は海をわたるなりけり(上田秋成)
954 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:40:36 ID:lzrMHdhA
白雲に心をのせてゆくらくら秋の海原思ひわたらむ(上田秋成)
955 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:42:47 ID:lzrMHdhA
秋の雲風にただよひゆく見れば大はた小幡妹がたく領布(上田秋成)
956 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:44:11 ID:lzrMHdhA
ねざむれば比良の高峰に月落ちて残る夜くらし志賀の海づら(上田秋成)
957 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:49:22 ID:lzrMHdhA
いはけなき里のわらべが夕まとゐ月に指さし門遊びして(上田秋成)
958 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 14:54:45 ID:lzrMHdhA
千里まで照らせる影とゆふ波の汐のたたへに月さし昇る(上田秋成)
959 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:11:44 ID:lzrMHdhA
てる月に雁のまれ人なきわたる我がまつ友はこよひこなくに(上田秋成)
960 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:13:22 ID:lzrMHdhA
とぶ雁のゆくへは霧にうづもれて鳥羽田の千町夕暮れにけり(上田秋成)
961 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:14:48 ID:lzrMHdhA
大江山かたぶく月の影さえて鳥羽田のおもに落つる雁がね(慈円)
962 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:24:10 ID:lzrMHdhA
久方の天の河原も影きえて秋の夜くらく雁鳴きわたる(上田秋成)
963 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:25:16 ID:lzrMHdhA
越の海は浪たかからし百船のわたりかしこき冬は来にけり(上田秋成)
964 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:27:35 ID:lzrMHdhA
森深き神の社の古簾すけきにとまる風の落葉は(上田秋成)
965 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:28:48 ID:lzrMHdhA
見ぞわかぬ色のちくさを木の下に吹きあつめたる風の落葉は(烏丸光広)
966 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:30:13 ID:lzrMHdhA
夜のほどにふりしや雨の庭たづみ落葉を閉ぢてけさは氷れる(上田秋成)
967 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:47:50 ID:lzrMHdhA
みぞれふり夜のふけゆけば有馬山いで湯の室に人のともせぬ(上田秋成)
968 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:48:39 ID:lzrMHdhA
年ごとにやらへど鬼のまうでくる都は人のすむべかりける(上田秋成)
969 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:50:27 ID:lzrMHdhA
風の上に立ちまふ雲のゆくへなくあすのありかは翌ぞ定めむ(上田秋成)
970 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:51:25 ID:lzrMHdhA
我よりもまづしき人の世にもあれば茨からたちひまくぐるなり(上田秋成)
971 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:52:11 ID:lzrMHdhA
かが鳴きて夕はかへる荒鷲の翅にしのぐ筑波やま風(上田秋成)
972 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:53:06 ID:lzrMHdhA
信濃なるすがの荒野を飛ぶ鷲のつばさもたわに吹く嵐かな(賀茂真淵)
973 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:55:44 ID:lzrMHdhA
二見潟こちふく風に明けそめて神代のままの春は来にけり(加藤千蔭)
974 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 16:56:30 ID:lzrMHdhA
天の戸をあくればやがて日の光神代のままの春やたつらん(正広)
975 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:27:12 ID:lzrMHdhA
青海原霞みわたりてちはやぶる神代のままの春を見るかな(荷田蒼生子)
976 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:28:07 ID:lzrMHdhA
わたの原やや明けそめて磯山の花と波との色ぞわかるる(加藤千蔭)
977 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:29:13 ID:lzrMHdhA
明けぬれば色ぞわかるる山のはの雲と花とのきぬぎぬの空(惟宗光吉)
978 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:38:47 ID:lzrMHdhA
よる波に色ぞわかるる白菊はうつろひけりな吹上の浜(中院通勝)
979 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:40:23 ID:lzrMHdhA
隅田川蓑きてくだす筏士に霞むあしたの雨をこそ知れ(加藤千蔭)
980 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:50:37 ID:lzrMHdhA
根芹つむ野沢の水にかげ見えてひばり落ち来る春の夕ぐれ(加藤千蔭)
981 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:51:17 ID:lzrMHdhA
雲に入るそなたの声をながむればひばりおちくる曙の空(藤原隆信)
982 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:55:20 ID:Y13Yp+IP
誰が為とまだ朝霜の消ぬがうへに袖ふりはへて若菜つむらん(藤原定家[続後拾遺])
983 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:56:20 ID:Y13Yp+IP
しろたへの袖にぞまがふ都人若菜つむ野の春の淡雪(後鳥羽院[続拾遺])
984 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:57:08 ID:Y13Yp+IP
霞しく荻の焼原ふみわけて誰がため春の若菜摘むらん(九条道家[続後撰])
985 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:10:53 ID:lzrMHdhA
冬されば海にも出でずしかま川水上遠くこほりしにけり(藤原光俊)
986 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:12:30 ID:lzrMHdhA
隅田川堤にたちて舟待てば水上とほく鳴くほととぎす(加藤千蔭)
987 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:13:48 ID:lzrMHdhA
ほのみゆるうすくれなゐのひとむらは綾瀬の岸のねむの花かも(加藤千蔭)
988 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:39:45 ID:lzrMHdhA
葛飾の花にゆふべを残しつつ豊島のかたに日は入りにけり(加藤千蔭)
989 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:43:56 ID:lzrMHdhA
網代木におりゐる鷺の蓑毛のみ一むら白き宇治の川霧(加藤千蔭)
990 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:45:08 ID:lzrMHdhA
さみだれも月の行へはしられけり一むら白き山のはの雲(藤原行能)
991 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:46:05 ID:lzrMHdhA
玉川や千村五百村手づくりをさらしそふると見ゆる月かな(加藤千蔭)
992 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:47:24 ID:lzrMHdhA
玉川やをちの砧にならすなりこやさほしける手づくりの布(殷富門院大輔)
993 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:54:10 ID:lzrMHdhA
大御門ひらく鼓の音すみてみ橋の霜に月ぞうつろふ(加藤千蔭)
994 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 18:55:07 ID:lzrMHdhA
出づる日のひかりにむかふ武蔵嶺やをみねことごと雪ぞさやけき(加藤千蔭)
995 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:08:26 ID:Y13Yp+IP
若菜つむ我が衣手も白妙に飛火の野べは淡雪ぞふる(藤原為家[続古今])
996 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:09:34 ID:Y13Yp+IP
いざけふは衣手ぬれて降雪のあはづの小野に若菜つみてむ(藤原為家[新千載])
997 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:11:10 ID:Y13Yp+IP
今よりは若菜つむべきふる里のみかきが原に雪は降りつつ(西園寺実兼[新後撰])
998 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:12:00 ID:lzrMHdhA
うち日さす宮路の雪にあぢまさの車静けき朝ぼらけかな(加藤千蔭)
999 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:13:29 ID:lzrMHdhA
たそがれのしのび車のすき影もおもなきばかりつもる雪かな(加藤千蔭)
1000 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:14:18 ID:lzrMHdhA
花と散る大路の雪を小車の小簾かかげつつ見る人やたれ(加藤千蔭)
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