1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 15:50:56 ID:bIKj++Q7
3 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 15:51:45 ID:bIKj++Q7
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名無氏物語:2009/11/16(月) 16:03:02 ID:bIKj++Q7
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名無氏物語:2009/11/16(月) 16:03:55 ID:bIKj++Q7
6 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:04:46 ID:WoD1MogS
【朝鮮退散祈願心経】
増長恨国 哀号調伏 朝鮮退散 祈願心経
漢字文面 貼付写筆 木魚韻律 朗読推奨 無学小坊 読了困難 不逞鮮人 退散心経
常連往来 固定名無 毎日頭痛 妄想半島 驚愕唖然 年中無休
体質変容 喜怒哀楽 電波中毒 感情麻痺 禁断症状 接続患者
反日厨房 暴論展開 洗脳教育 常識解脱 左翼新聞 錯誤報道
高麗名物 抗議暴動 辛味成分 脳内醗酵 国旗焼却 集団手淫
祖帝檀君 獣姦神話 儒教両班 優越尊大 蒙昧従属 夜郎事大
太極図案 中華借用 元寇引率 蒙古煽動 心因外傷 豚足支配
文明伝導 強要感謝 検定制度 内政干渉 植民政策 補償要求
創氏改名 地位向上 強制連行 国外就職 従軍娼婦 戦地売春
統治併合 近代整備 日帝冤罪 光復欺瞞 歴史歪曲 自爆民族
即席建築 自然崩壊 金融経済 国際管理 元首裁判 事後立法
新造軍艦 虚栄調達 高速鉄道 誤算敷設 電網回線 唯一自慢
犯罪密航 贋作貨幣 不法滞在 強盗恐喝 斡旋留学 婦人暴行
漫画動画 海賊複製 電脳遊戯 泥棒市場 楽曲円盤 無法地帯
模倣改悪 滑稽千万 起源捏造 腹茶沸騰 伝統剽窃 宗家願望
倭色憧憬 矛盾葛藤 親日鮮人 圧殺差別 良心在日 帰化申請
韓流幻想 外国喧伝 妄言国家 看過不可 涅槃到達 閑話休題
外務大臣 無能典型 恥辱外交 売国奴隷 省内対立 御家騒動
熱烈待望 国民覚醒 恒久宣言 支援停止 威力執行 竹島奪還
南北半島 平定統一 民団総連 帰国解散 国交断絶 一心賛同 朝鮮退散 祈願心経
7 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:04:51 ID:bIKj++Q7
8 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:22:03 ID:bIKj++Q7
時鳥過ぎつる方の雲まより猶ながめよといづる月かげ(宜秋門院丹後[玉葉])
9 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:23:11 ID:bIKj++Q7
ほととぎす鳴きつる雲をかたみにてやがてながむる有明の空(式子内親王[玉葉])
10 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:24:11 ID:bIKj++Q7
時鳥いま一こゑを待ちえてや鳴きつるかたを思ひさだめむ(長舜[新後撰])
11 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:26:55 ID:bIKj++Q7
ほととぎす鳴きて過ぎ行く山の端に今一声と月ぞのこれる(浄弁[新拾遺])
12 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 18:10:13 ID:bIKj++Q7
こえかぬる岩根の道に宿とへば猶山ふかき鐘のおとかな(二条為藤[新続古今])
13 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 14:58:24 ID:lMhrZdfE
身をつめば老木の花ぞあはれなるいまいくとせか春にあふべき(藤原清輔)
14 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:00:24 ID:lMhrZdfE
大空にあかぬ心の満ちぬれば我が身のうちの月かとぞ見る(藤原兼実)
15 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:01:24 ID:lMhrZdfE
しほたるる伊勢をのあまの袖だにも干すなるひまはありとこそきけ(藤原親隆)
16 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:02:20 ID:lMhrZdfE
夕かけて帰る小島のあま衣ぬれにぞぬれし月やどれとは(藤原苫雄)
17 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:03:12 ID:lMhrZdfE
はかなしなただ君ひとり世の中にあるものとのみ思ふはや我(殷富門院大輔)
18 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:04:13 ID:lMhrZdfE
死なばやと思ふさへこそはかなけれ人のつらさは此の世のみかは(殷富門院大輔)
19 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:05:06 ID:lMhrZdfE
なほざりの空頼めだにせざりせばなかなか今は恋ひもしなまし(小弁)
20 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:05:59 ID:lMhrZdfE
露の身の消えてもきえぬ置き所草葉のほかにまたもありけり(木下長嘯子)
21 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:19:00 ID:V6EWSE8I
限りあれば五月の田子の袖だにも降り立たぬよりかくはしぼらじ(小倉公雄[続千載])
22 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:20:29 ID:V6EWSE8I
松島や雄島のあまに尋ねみん濡れては袖の色やかはると(藤原知家[続千載])
23 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:22:05 ID:lMhrZdfE
さもこそは短き夜半の友ならめ臥すかともなく消ゆる蚊遣火(二条院讃岐)
24 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:23:41 ID:lMhrZdfE
ひとりのみ岩井の水をむすびつつ底なる影も君を待つらし(二条院讃岐)
25 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:24:48 ID:lMhrZdfE
風そよぐ楢の木陰にたちよればうすき衣ぞまづしられける(二条院讃岐)
26 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:27:08 ID:lMhrZdfE
あはれなる山田の庵のねざめかな稲葉の風に初かりのこゑ(二条院讃岐)
27 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:30:31 ID:lMhrZdfE
難波がた汀の風も寒えぬれば氷ぞつなぐなだのすて舟(二条院讃岐)
28 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:32:27 ID:lMhrZdfE
難波潟汀の葦は霜がれてなだの捨舟あらはれにけり(二条院讃岐)
29 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:33:24 ID:lMhrZdfE
あまのすむうらみにくちぬいたづらに年をのみ積むなだのすて舟(藤原経朝)
30 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:34:37 ID:lMhrZdfE
おしてるや海人の捨てたる難波舟浦の潮干に朽ち残りつつ(藤原家良)
31 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:34:43 ID:V6EWSE8I
思ひやれなれたる海士の袖だにも波のうき寝はぬるる習ひを(藤原忠基[新拾遺])
32 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:35:55 ID:V6EWSE8I
大かたの秋の寝覚のながき夜も君をぞ祈る身を思ふとて(藤原家隆[新古今])
33 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:37:06 ID:V6EWSE8I
まばらなる槙の板屋に音はして漏らぬ時雨や木の葉なるらん(藤原俊成[千載])
34 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:38:46 ID:V6EWSE8I
さゆる夜の槙の板屋のひとり寝に心くだけと霰ふるなり(藤原良経[千載])
35 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:43:38 ID:lMhrZdfE
わが袖は水の下なる石なれや人にしられでかわくまもなし(和泉式部)
36 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:55:10 ID:V6EWSE8I
我が恋は海人の苅藻に乱れつつかわく時なき波の下草(藤原俊忠[千載])
37 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:04:44 ID:lMhrZdfE
せきかぬる涙の川のはやき瀬は逢ふよりほかのしがらみぞなき(源頼政)
38 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:05:36 ID:lMhrZdfE
あはれあはれはかなかりける契りかな唯うたたねの春の夜の夢(二条院讃岐)
39 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:08:02 ID:lMhrZdfE
我が袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らねかわく間ぞなき(二条院讃岐)
40 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:10:58 ID:lMhrZdfE
山里は野原につづく庭の面に植ゑぬ籬の花を見るかな(二条院讃岐)
41 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:13:04 ID:lMhrZdfE
呉竹にねぐらあらそふ村雀それのみ友と聞くぞさびしき(二条院讃岐)
42 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:14:17 ID:lMhrZdfE
身の憂さを月やあらぬとながむれば昔ながらの影ぞもりくる(二条院讃岐)
43 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:15:12 ID:lMhrZdfE
暁は独り寝覚に思ふことあはれ数そふ鴫のはねがき(源通具)
44 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:16:06 ID:lMhrZdfE
憂きもなほ昔のゆゑと思はずはいかに此の世を恨みはてまし(二条院讃岐)
45 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:16:29 ID:V6EWSE8I
足引の山下水の木隠れてたぎつ心をせきぞかねつる(読人不知[古今])
46 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:18:12 ID:V6EWSE8I
涙川おつる水上はやければせきぞかねつる袖のしがらみ(紀貫之[拾遺])
47 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:23:50 ID:V6EWSE8I
かへりこぬ昔を花にかこちてもあはれ幾世の春か経ぬらむ(西園寺実氏[続古今])
48 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:24:56 ID:V6EWSE8I
時しあればしづのをだまきくるる夜に昔を今と匂ふ橘(飛鳥井雅永[新続古今])
49 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:36:24 ID:lMhrZdfE
山ふかみなほ窓さむき風の音に春ともしらぬ竹の雪折れ(伏見院)
50 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:38:05 ID:lMhrZdfE
春もまづしるくみゆるは音羽山峰の雪より出づる日の色(式子内親王)
51 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:40:09 ID:lMhrZdfE
春きぬと空にしるきは春日山嶺の朝日のけしきなりけり(藤原俊成)
52 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:41:31 ID:lMhrZdfE
雲ゐより散りくる花はかつき消えてまだ雪さゆる谷の岩かげ(式子内親王)
53 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:43:02 ID:lMhrZdfE
峰の雪もまだふる年の空ながらかたへかすめる春のかよひ路(式子内親王)
54 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:44:12 ID:lMhrZdfE
色つぼむ梅の木のまの夕月夜春の光をみせそむるかな(式子内親王)
55 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 16:45:37 ID:lMhrZdfE
春くれば心もとけてあは雪のあはれふりゆく身をしらぬかな(式子内親王)
56 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:07:58 ID:lMhrZdfE
見渡せばこのもかのもにかけてけりまだ緯うすき春の衣を(式子内親王)
57 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:09:45 ID:lMhrZdfE
住吉の霞のうちに漕ぐ舟のまほにもみえぬあはぢ島山(藤原秀能)
58 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:11:14 ID:lMhrZdfE
梅が枝の花をばよそにあくがれて風こそかをれ春の夕闇(式子内親王)
59 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:12:09 ID:lMhrZdfE
出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな(源実朝)
60 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:21:44 ID:lMhrZdfE
こちふかば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春をわするな(菅原道真)
61 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:22:52 ID:lMhrZdfE
花はいさそこはかとなく見わたせば霞ぞかをる春の明けぼの(式子内親王)
62 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:23:41 ID:lMhrZdfE
花ならでまたなぐさむる方もがなつれなく散るをつれなくぞ見む(式子内親王)
63 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:25:19 ID:lMhrZdfE
この世にはわすれぬ春の面影よおぼろ月夜の花のひかりに(式子内親王)
64 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:26:43 ID:lMhrZdfE
花ゆゑに過ぎにし春をかぞふればあはれ八十路に成りにけるかな(藤原時房)
65 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:35:16 ID:lMhrZdfE
はかなくてすぎにしかたを思ふにもいまもさこそは朝顔の露(西行)
66 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:56:06 ID:lMhrZdfE
うち忘れはかなくてのみ過ぐしきぬあはれと思へ身につもる年(源実朝)
67 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 17:56:57 ID:lMhrZdfE
やへにほふ軒ばの桜うつろひぬ風よりさきにとふ人もがな(式子内親王)
68 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:08:51 ID:lMhrZdfE
つらきかなうつろふまでに八重桜とへともいはですぐる心は(惟明親王)
69 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:09:47 ID:lMhrZdfE
ふるさとの春を忘れぬ八重桜これや見し世にかはらざるらむ(式子内親王)
70 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:11:34 ID:lMhrZdfE
八重桜をりしる人のなかりせば見し世の春にいかで逢はまし(藤原良経)
71 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:12:36 ID:lMhrZdfE
夢のうちもうつろふ花に風吹きてしづ心なき春のうたた寝(式子内親王)
72 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:13:33 ID:lMhrZdfE
残りゆく有明の月のもる影にほのぼの落つる葉隠れの花(式子内親王)
73 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:14:36 ID:lMhrZdfE
花は散りてその色となくながむればむなしき空に春雨ぞふる(式子内親王)
74 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:26:15 ID:lMhrZdfE
ながむれば月はきえゆく庭の面にはつかに残る蛍ばかりぞ(式子内親王)
75 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:27:42 ID:lMhrZdfE
ながむれば思ひやるべきかたぞなき春のかぎりの夕暮の空(式子内親王)
76 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:28:30 ID:lMhrZdfE
ながむれば木の間うつろふ夕月夜ややけしきだつ秋の空かな(式子内親王)
77 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:29:19 ID:lMhrZdfE
ながむればわが心さへ果てもなく行方もしらぬ月のかげかな(式子内親王)
78 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:30:13 ID:lMhrZdfE
ながめつつ思ふもかなし帰る雁ゆくらむかたの夕ぐれの空(源実朝)
79 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:31:11 ID:lMhrZdfE
いにしへを花橘にまかすれば軒のしのぶに風かよふなり(式子内親王)
80 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 18:32:10 ID:lMhrZdfE
すぎにける昔を今とおもふまに今日も昨日となりぬべきかな(藤原為家)
81 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:39:24 ID:lMhrZdfE
いかがしる昔を今と見る夢のたえて人なき床の秋風(正徹)
82 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:41:11 ID:lMhrZdfE
きし方を思ひ思へばまどろまぬ夢の枕にかよふ秋風(田捨女)
83 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:42:13 ID:lMhrZdfE
誰となく空に昔ぞ偲ばるる花橘に風過ぐる夜は(式子内親王)
84 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:43:17 ID:lMhrZdfE
夜もすがら涙やそそくほととぎす今朝は露けき軒のたち花(後鳥羽院)
85 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:44:42 ID:lMhrZdfE
初雁の涙やそそく朝露になほ色まさる真野の萩原(九条道家)
86 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:46:36 ID:lMhrZdfE
五月雨の雲はひとつにとぢはててぬきみだれたる軒の玉水(式子内親王)
87 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:48:09 ID:lMhrZdfE
夏ふかみ野べのさゆりば風過ぎて秋おもほゆる森の蔭かな(藤原俊成)
88 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 19:49:19 ID:lMhrZdfE
秋きぬと荻の葉風のつげしより思ひしことのただならぬ暮(式子内親王)
89 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:03:38 ID:GMRJSosW
秋はなほ夕まぐれこそただならね荻の上風萩の下露(藤原義孝)
90 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:04:22 ID:GMRJSosW
袖の上につゆただならぬ夕かな思ひし事よ秋の初風(後鳥羽院)
91 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:06:27 ID:GMRJSosW
夕されば衣手すずし高円の尾上の宮の秋のはつかぜ(源実朝)
92 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:07:17 ID:GMRJSosW
夕まぐれそこはかとなき空にただあはれを秋の見せけるものを(式子内親王)
93 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:08:27 ID:GMRJSosW
秋はただ夕の雲のけしきこそそのこととなく詠められけれ(式子内親王)
94 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:09:50 ID:GMRJSosW
よせかへる波の花ずり乱れつつしどろにうつす真野の浦萩(式子内親王)
95 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:10:59 ID:GMRJSosW
おしこめて秋のあはれに沈むかな麓の里の夕霧の底(式子内親王)
96 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:12:09 ID:GMRJSosW
それながら昔にもあらぬ月影にいとどながめをしづのをだまき(式子内親王)
97 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:36:14 ID:GMRJSosW
くり返し昔にもあらぬ夕暮の色に思ひをしづのをだまき(正徹)
98 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:37:44 ID:GMRJSosW
いかにしてもの思ふ人のすみかには秋よりほかの里をもとめむ(相模)
99 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:38:41 ID:GMRJSosW
ながむれば涙しぐれと故郷に思ひもいれじ秋の夜の月(後鳥羽院)
100 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:40:22 ID:GMRJSosW
もみぢばをさそふ嵐にねをたえて露のそこなる庭の松虫(飛鳥井雅有)
101 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:48:07 ID:GMRJSosW
寝覚してきけば物こそかなしけれとをちの里に衣うつ声(藤原長方)
102 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:49:12 ID:GMRJSosW
秋の夜をねざめて聞けば風さむみとをちの里に衣うつなり(済円)
103 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:50:24 ID:GMRJSosW
ふけにけり外山の嵐さえさえてとをちの里にすめる月影(源実朝)
104 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:54:27 ID:GMRJSosW
秋の夜のしづかにくらき窓の雨打ちなげかれてひま白むなり(式子内親王)
105 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 13:55:23 ID:GMRJSosW
あと絶えていくへも霞め深く我が世をうぢ山の奧の麓に(式子内親王)
106 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:15:23 ID:GMRJSosW
しじまこそ今は我が身のつとめなれ幾重もとぢよ軒の蓬生(伊達千広)
107 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:16:20 ID:GMRJSosW
吹きとむる落葉が下のきりぎりすここばかりにや秋はほのめく(式子内親王)
108 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:18:03 ID:GMRJSosW
庭の雪もふみ分けがたくなりぬなりさらでも人をまつとなけれど(後鳥羽院)
109 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:19:14 ID:GMRJSosW
桐の葉もふみわけがたくなりにけり必ず人を待つとなけれど(式子内親王)
110 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:20:17 ID:GMRJSosW
とどまらぬ秋をや送るながむれば庭の木の葉のひと方へゆく(式子内親王)
111 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:26:04 ID:GMRJSosW
おもへども今宵ばかりの秋の空ふけゆく雲にうちしぐれつつ(式子内親王)
112 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:28:04 ID:GMRJSosW
荒れ暮らす冬の空かなかきくもり霙よこぎる風きほひつつ(式子内親王)
113 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:29:38 ID:GMRJSosW
色々の花も紅葉もさもあらばあれ冬の夜ふかき松風の音(式子内親王)
114 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:44:47 ID:GMRJSosW
おのれだにたえず音せよ松の風花も紅葉も見ればひととき(藤原良経)
115 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:45:40 ID:GMRJSosW
あやしくも武庫の嵐のさえさえて初雪しろし猪名の笹原(藤原範宗)
116 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:46:23 ID:GMRJSosW
あやしくも夜のまの風のさえさえて今朝雪しろし庭のあさぢふ(後鳥羽院)
117 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:47:12 ID:GMRJSosW
むばたまのよはのさ衣さえさえてうらめづらしき今朝の初雪(飛鳥井雅有)
118 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:57:54 ID:GMRJSosW
身にしむは庭火のかげにさえのぼる霜夜の星の明けがたの空(式子内親王)
119 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:59:01 ID:GMRJSosW
炭竈のたなびくけぶり一すぢに心ぼそきは大原の里(西行)
120 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 14:59:59 ID:GMRJSosW
炭竈のけぶりもさびし大原やふりにし里の雪の夕ぐれ(源実朝)
121 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:26:34 ID:GMRJSosW
せめてなほ心ぼそきは年月のいるがごとくに有明の空(式子内親王)
122 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:27:42 ID:GMRJSosW
尋ぬべき道こそなけれ人しれず心は慣れて行きかへれども(式子内親王)
123 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:28:41 ID:GMRJSosW
たのむかなまだ見ぬ人を思ひ寝のほのかになるる宵々の夢(式子内親王)
124 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:29:35 ID:GMRJSosW
ほのかにもあはれはかけよ思ひ草下葉にまがふ露ももらさじ(式子内親王)
125 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:31:19 ID:GMRJSosW
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする(式子内親王)
126 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:45:40 ID:GMRJSosW
乱れつつ絶えなば悲し冬の夜をわがひとりぬる玉の緒よわみ(曾禰好忠)
127 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:46:27 ID:GMRJSosW
いかにせむ絶えなば絶えね玉の緒は長き恨みに結ぼほれつつ(藤原範宗)
128 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:47:23 ID:GMRJSosW
ひたすらに絶えなば絶えね憂き中の忘れ形見に残る面影(花山院師兼)
129 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:48:21 ID:GMRJSosW
いかのぼり絶えなば絶えねなかぞらの父ひきしぼる春のすさのを(山中智恵子)
130 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:49:11 ID:GMRJSosW
なにとただ我のみしりて過ぐるまの憂きあらましに袖濡らすらむ(頓阿)
131 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:50:10 ID:GMRJSosW
わすれては又なげかるる夕かな聞きしにもあらぬ入相の鐘(後光厳天皇)
132 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:51:25 ID:GMRJSosW
夏ごろもひとへにうすき袂ぞよ我が忍びねの涙もらすな(今出川二条)
133 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:59:21 ID:GMRJSosW
しるといふ枕も人にかたらずは涙もらすな夜々の黒髪(正徹)
134 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:00:29 ID:GMRJSosW
夢にても見るべきものを稀にても物おもふ人のいを寝ましかば(和泉式部)
135 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:01:29 ID:GMRJSosW
おもふとは見ゆらむものをおのづから知れかし宵の夢ばかりだに(藤原定家)
136 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:02:47 ID:GMRJSosW
こりずまにあだなる花のもとにしも枕さだめぬうたたねはせじ(選子内親王)
137 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:03:43 ID:GMRJSosW
見えつるか見ぬ夜の月のほのめきてつれなかるべき面影ぞそふ(式子内親王)
138 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:04:54 ID:GMRJSosW
ただ今の夕べの雲を君も見ておなじ時雨や袖にかくらむ(式子内親王)
139 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:05:45 ID:GMRJSosW
みる人とおなじ心にふけぬれどねやへもいらぬ秋のよの月(木下長嘯子)
140 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:06:44 ID:GMRJSosW
待ち出でてもいかにながめむ忘るなといひしばかりの有明の空(式子内親王)
141 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:06:52 ID:KpuyRgVc
おさふべき袖は昔にくちはてぬ我が黒髪よ涙もらすな(少将内侍[続後撰])
142 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:07:39 ID:KpuyRgVc
君待つと幾夜の霜をかさぬらむ閨へも入らぬおなじ袂に(後醍醐天皇[続千載])
143 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:08:31 ID:KpuyRgVc
待ちわびて独ながむる夕暮はいかに露けき袖とかはしる(宗尊親王[続拾遺])
144 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:11:09 ID:KpuyRgVc
今はただ見ずしらざりしいにしへに人をも身をも思ひなさばや(今出川前右大臣室[風雅])
145 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:15:08 ID:GMRJSosW
生きてよも明日まで人もつらからじこの夕暮をとはばとへかし(式子内親王)
146 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:16:13 ID:GMRJSosW
あはれとも言はざらめやと思ひつつ我のみ知りし世を恋ふるかな(式子内親王)
147 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:17:08 ID:GMRJSosW
君をまだ見ず知らざりしいにしへの恋しきをさへ歎きつるかな(式子内親王)
148 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:17:54 ID:GMRJSosW
思ひわび見し面影はさておきて恋せざりけむ折ぞ恋しき(藤原俊成)
149 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:19:22 ID:GMRJSosW
恋ひ恋ひてよし見よ世にもあるべしと言ひしにあらず君も聞くらむ(式子内親王)
150 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:20:14 ID:GMRJSosW
つらしともあはれともまづ忘られぬ月日いくたびめぐりきぬらむ(式子内親王)
151 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:21:05 ID:GMRJSosW
恋ひ恋ひてそなたになびく煙あらばいひし契りのはてとながめよ(式子内親王)
152 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:21:58 ID:GMRJSosW
はかなくて雲となりぬるものならば霞まむ空をあはれとはみよ(小野小町)
153 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:04:43 ID:GMRJSosW
君ゆゑやはじめもはても限りなきうき世をめぐる身ともなりなむ(式子内親王)
154 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:06:03 ID:GMRJSosW
ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞ忘れぬ(式子内親王)
155 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:07:03 ID:GMRJSosW
山里にほのかたらひしほととぎす鳴く音ききつと伝へざらめや(藤原実方)
156 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:07:48 ID:GMRJSosW
さかづきに春の涙をそそきける昔に似たる旅のまとゐに(式子内親王)
157 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:08:51 ID:GMRJSosW
むかしおもふ春の涙も岩そそくたるひの上の袖のさわらび(尭恵)
158 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:09:51 ID:GMRJSosW
都にて雪まはつかにもえいでし草引きむすぶさやの中山(式子内親王)
159 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:10:50 ID:GMRJSosW
つたへ聞く袖さへぬれぬ浪の上夜ぶかくすみし四つの緒のこゑ(式子内親王)
160 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 17:12:10 ID:GMRJSosW
日に千たび心は谷に投げ果ててあるにもあらず過ぐる我が身は(式子内親王)
161 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:38:29 ID:nvDX0CsG
見しことも見ぬ行く末もかりそめの枕に浮ぶまぼろしの中(式子内親王)
162 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:41:19 ID:nvDX0CsG
浮雲を風にまかする大空の行方も知らぬ果てぞ悲しき(式子内親王)
163 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:44:24 ID:nvDX0CsG
はじめなき夢を夢とも知らずしてこの終りにや覚めはてぬべき(式子内親王)
164 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:48:14 ID:nvDX0CsG
あはれあはれ思へばかなしつひの果てしのぶべき人たれとなき身を(式子内親王)
165 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:49:04 ID:nvDX0CsG
今はとて影をかくさむ夕べにも我をばおくれ山の端の月(式子内親王)
166 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:50:13 ID:nvDX0CsG
暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山のはの月(和泉式部)
167 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:52:13 ID:nvDX0CsG
故郷をひとりわかるる夕にもおくるは月のかげとこそ聞け(式子内親王)
168 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 14:53:09 ID:nvDX0CsG
幾とせの幾よろづ代か君が代に雪月花の友を待ちみむ(式子内親王)
169 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:04:17 ID:nvDX0CsG
谷陰は春めきやらず風さえて消ゆればこほる雪の下水(守覚法親王)
170 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:05:28 ID:nvDX0CsG
かへるさのすゑ程遠き山路にもいかが見すてむ花の夕ばえ(守覚法親王)
171 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:07:41 ID:nvDX0CsG
さても世をすぐしけるかとよそに見し鄙の篠屋にいく夜とまりぬ(守覚法親王)
172 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:09:58 ID:nvDX0CsG
せきあへぬ涙はたぐひありけりと折しもむせぶ滝つ瀬の声(守覚法親王)
173 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:12:12 ID:nvDX0CsG
おくれゐてひとりながむる庭の雪に心までこそうづもれにけれ(守覚法親王)
174 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:25:40 ID:nvDX0CsG
色まさる松こそ見ゆれ君をいのる春の日吉の山のかひより(慈円)
175 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:27:12 ID:nvDX0CsG
なにとなくものがなしくぞ見えわたる鳥羽田の面の秋の夕暮(西行)
176 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:30:46 ID:nvDX0CsG
雲路より穂波におつるしら鳥のとば田に消ゆる秋の夕霧(正徹)
177 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:42:03 ID:nvDX0CsG
山もとの軒ばの夕日影さえて袂にちかく落つる雁がね(心敬)
178 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:42:59 ID:nvDX0CsG
友あまたおりゐる声にさそはれて葦辺はるかにおつる雁がね(冷泉為村)
179 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:45:37 ID:nvDX0CsG
山風のさそふ木の葉と見るばかり麓のを田に落つる雁がね(村田春海)
180 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:50:51 ID:nvDX0CsG
そむれども散らぬたもとに時雨きて猶色ふかき神無月かな(慈円)
181 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:58:46 ID:nvDX0CsG
明けばまづ木の葉に袖をくらぶべし夜半の時雨よ夜半の涙よ(慈円)
182 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:01:50 ID:nvDX0CsG
旅の空なにかわびしき世をすてて出でにし身にはふるさともなし(元政)
183 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:07:27 ID:nvDX0CsG
せめてなほうき世にとまる身とならば心のうちに宿はさだめむ(慈円)
184 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:08:40 ID:nvDX0CsG
おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染の袖(慈円)
185 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:09:25 ID:nvDX0CsG
散ればとて木の葉の衣袖なくはうき世の民におほひやはせむ(正徹)
186 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:10:41 ID:nvDX0CsG
おほけなく思ひあがれる心かなさてもぞ袖は染色のかげ(正広)
187 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:12:01 ID:nvDX0CsG
今宵なほ飽かず向ひておほけなくうき身の友とたのむ月かな(元政)
188 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:12:57 ID:KtRkM+Dm
雲ちかき峰の木の葉をかたしきて枕の下に嵐をぞ聞く(藤原忠良[玉葉])
189 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:14:33 ID:KtRkM+Dm
さ夜ふかき軒ばの嶺に月はいりて暗き檜原に嵐をぞ聞く(永福門院[玉葉])
190 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:15:34 ID:KtRkM+Dm
逢ふことのたえてしなくは中々に人をも身をも恨みざらまし(藤原朝忠[拾遺])
191 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:16:16 ID:KtRkM+Dm
今も猶わが立つ杣の朝がすみ世におほふべき袖かとぞみる(尊円親王[新千載])
192 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:17:03 ID:KtRkM+Dm
照る月の心の水にすみぬればやがて此の身に光をぞさす(藤原教長[千載])
193 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:17:54 ID:nvDX0CsG
墨染のわが衣手のゆたならばうき世の民におほはましものを(良寛)
194 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:19:56 ID:nvDX0CsG
世の中を心高くもいとふかな富士のけぶりを身の思ひにて(慈円)
195 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:21:23 ID:nvDX0CsG
山路ふかく憂き身のすゑをたどり行けば雲にあらそふ峰の松かぜ(慈円)
196 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:22:50 ID:nvDX0CsG
わが心奥までわれがしるべせよわが行く道はわれのみぞ知る(慈円)
197 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:24:15 ID:nvDX0CsG
里の犬のなほみ山べに慕ひくるを心の奥に思ひはなちつ(慈円)
198 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:26:21 ID:nvDX0CsG
月影に身をやかへましあはれてふ人の心にいりてみるべく(広幡御息所)
199 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:27:07 ID:nvDX0CsG
町くだりよろぼひ行きて世を見れば物のことわりみな知られけり(慈円)
200 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:40:55 ID:nvDX0CsG
たれならむ目をしのごひて立てる人ひとの世わたる道のほとりに(慈円)
201 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:41:53 ID:nvDX0CsG
それもいさ爪に藍しむ物はりのしばしとりおく襷すがたよ(慈円)
202 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:42:53 ID:nvDX0CsG
まことならでまた思ふことはなきものを知らぬ人をばなにかうらみむ(慈円)
203 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:43:46 ID:nvDX0CsG
いにしへにはやたちかへれ水無瀬川ふかき心のすゑの白浪(長慶天皇)
204 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:44:43 ID:nvDX0CsG
雲さそふ天つ春風かをるなり高間の山の花ざかりかも(鴨長明)
205 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:46:41 ID:nvDX0CsG
葛木の峰の白雲かをるなり高間の山の花ざかりかも(藤原良経)
206 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:47:30 ID:nvDX0CsG
宵の間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空(鴨長明)
207 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:48:13 ID:nvDX0CsG
ながむれば千々に物思ふ月に又我が身ひとつの嶺の松風(鴨長明)
208 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:48:19 ID:KtRkM+Dm
いはで思ふ心の色を人とはば折りてやみせむ山吹の花(宗尊親王[続古今])
209 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:54:36 ID:nvDX0CsG
さびしさはなほのこりけり跡たゆる落葉がうへに今朝は初雪(鴨長明)
210 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:56:51 ID:nvDX0CsG
見てもいとへ何か涙を恥ぢもせんこれぞ恋てふ心憂きもの(鴨長明)
211 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 16:58:51 ID:nvDX0CsG
忍ばんと思ひしものを夕暮の風のけしきにつひに負けぬる(鴨長明)
212 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:00:02 ID:nvDX0CsG
我はただ来ん世の闇もさもあらばあれ君だに同じ道に迷はば(鴨長明)
213 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:00:57 ID:nvDX0CsG
かへるべき道しなければこれやこの行くをかぎりの逢坂の関(源具行)
214 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:01:54 ID:nvDX0CsG
右の手もその面影もかはりぬる我をば知るやみたらしの神(鴨長明)
215 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:02:55 ID:nvDX0CsG
この世には又なぐさめもなきものを我をば知るや秋の夜の月(藤原俊成)
216 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:04:15 ID:nvDX0CsG
石川や瀬見の小川の清ければ月もながれをたづねてぞすむ(鴨長明)
217 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:12:06 ID:KtRkM+Dm
いきて世にいつまでぬれん袂ぞと涙はしるや秋の夕暮(西園寺実氏[続古今])
218 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:28:05 ID:nvDX0CsG
いつしかと汀ちかづく波の音に春風しるき志賀のあけぼの(藤原有家)
219 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:28:53 ID:nvDX0CsG
ちりぬれば匂ひばかりを梅の花ありとや袖に春かぜの吹く(藤原有家)
220 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:29:42 ID:nvDX0CsG
あさ日かげにほへる山の桜花つれなく消えぬ雪かとぞ見る(藤原有家)
221 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:30:44 ID:nvDX0CsG
春霞はやたちぬれや朝日かげにほへる山の空ぞのどけき(伏見院)
222 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:32:19 ID:nvDX0CsG
朝日影にほへる山の春風にふもとのさとは梅が香ぞする(一条兼良)
223 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:33:40 ID:nvDX0CsG
吉野山つれなくきえぬ白雪やまだ初春のあり明の月(一条兼良)
224 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:45:04 ID:nvDX0CsG
いとはやも花ぞまたるる朝日影にほへる山の峰の桜木(三条西実隆)
225 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:46:01 ID:nvDX0CsG
夕にも雨とはならじ朝日かげにほへる山の花のしら雲(松永貞徳)
226 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:46:46 ID:nvDX0CsG
花ならで花なるものは朝日かげにほへる山の木木のしら雪(小沢蘆庵)
227 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:47:59 ID:nvDX0CsG
朝日影にほへる山の桜花千代とことはに見ともあかめや(本居宣長)
228 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:48:55 ID:nvDX0CsG
橘の匂ひを風のさそひきて昔にかへす夜はのさ衣(藤原有家)
229 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:50:07 ID:nvDX0CsG
夕すずみ閨へもいらぬうたた寝の夢をのこしてあくるしののめ(藤原有家)
230 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:52:16 ID:nvDX0CsG
こぬ秋のいつ暮れはててうす氷むすぶばかりの山の井の水(藤原有家)
231 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:53:45 ID:nvDX0CsG
見し秋もあかでやくれしうす氷紅葉をむすぶ山の井の水(寂蓮)
232 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 18:54:13 ID:nvDX0CsG
月みてもわがよはすでに久方のあまねくてらせ秋の心を(藤原有家)
233 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 18:55:11 ID:nvDX0CsG
しばの庵まだすみなれぬ明ぼのの苔のたもとよ時雨せずとも(藤原有家)
234 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 18:58:50 ID:nvDX0CsG
忘れじといひしばかりの名残とてその夜の月はめぐりきにけり(藤原有家)
235 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 18:59:52 ID:nvDX0CsG
ことわりの袖の露かな岩木だにぬるればぬるる秋の夕暮(後水尾院)
236 :
坂本 恵子:2009/11/19(木) 19:00:43 ID:771Vxhak
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237 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 19:01:16 ID:nvDX0CsG
思ふことの身にしみまさるながめかな雲のはたての空の秋風(後水尾院)
238 :
名無氏物語(訂正):2009/11/19(木) 19:02:57 ID:nvDX0CsG
思ふことの身にしみまさるながめかな雲のはたての空の秋風(藤原有家)
239 :
名無氏物語(訂正):2009/11/20(金) 08:27:19 ID:j3vf8FYk
思ひ寝の心ひとつをしるべにて昔にかへる夢のかよひぢ(藤原有家)
240 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:28:29 ID:j3vf8FYk
恋ひわたる心ひとつをしるべにて昔にかよふ夢の浮橋(宗尊親王)
241 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:29:59 ID:j3vf8FYk
春の雨のあまねき御代をたのむかな霜にかれゆく草葉もらすな(藤原有家)
242 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:31:16 ID:j3vf8FYk
むかひゐて立ちもはなれじ今日よりは花さきそむる窓の梅が枝(藤原公衡)
243 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:36:55 ID:j3vf8FYk
へだてつる八重の潮路のうす霞きゆるややがて春の暮れぬる(藤原公衡)
244 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:42:48 ID:j3vf8FYk
すぎてゆく秋の日影は朝ごとにうつろふ菊の色に見えけり(藤原公衡)
245 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:45:16 ID:j3vf8FYk
み狩すと楢の真柴をふみしだき交野の里にけふも暮らしつ(源師頼)
246 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 08:46:36 ID:j3vf8FYk
かげろふのたち野の真柴をりしきてかへり見すれば花散りにけり(加納諸平)
247 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:03:19 ID:j3vf8FYk
夕日うつる梢の色のしぐるるに心もやがてかきくらすかな(建礼門院右京大夫)
248 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:05:09 ID:j3vf8FYk
物思へば心の春もしらぬ身に何うぐひすの告げに来つらむ(建礼門院右京大夫)
249 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:06:12 ID:j3vf8FYk
とにかくに心をさらず思ふこともさてもと思へばさらにこそ思へ(建礼門院右京大夫)
250 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:07:04 ID:j3vf8FYk
さそはれぬ心の程はつらけれどひとり見るべき花の色かは(小侍従)
251 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:33:56 ID:j3vf8FYk
風をいとふ花のあたりはいかがとてよそながらこそ思ひやりつれ(建礼門院右京大夫)
252 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:35:00 ID:j3vf8FYk
吹く風も枝にのどけき御代なれば散らぬもみぢの色をこそ見れ(建礼門院右京大夫)
253 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:36:27 ID:j3vf8FYk
年月の積もりはててもその折の雪のあしたはなほぞ恋しき(建礼門院右京大夫)
254 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:37:07 ID:j3vf8FYk
常よりも面影に立つ夕べかな今や限りと思ひなるにも(建礼門院右京大夫)
255 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:41:17 ID:j3vf8FYk
よしさらばさてやまばやと思ふより心弱さのまたまさるかな(建礼門院右京大夫)
256 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:42:01 ID:j3vf8FYk
みるままに雲ははれゆく月かげも心にかかる人ゆゑになほ(建礼門院右京大夫)
257 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:44:08 ID:j3vf8FYk
誰が香に思ひ移ると忘るなよ夜な夜ななれし枕ばかりは(建礼門院右京大夫)
258 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 09:45:43 ID:j3vf8FYk
心にも袖にもとまる移り香を枕にのみや契りおくべき(平資盛)
259 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:08:22 ID:j3vf8FYk
面影を心にこめてながむれば忍びがたくもすめる月かな(建礼門院右京大夫)
260 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:09:27 ID:j3vf8FYk
いにしへの面影をさへさしそへて忍びがたくもすめる月かな(源俊頼)
261 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:12:52 ID:j3vf8FYk
栗も笑みをかしかるらむと思ふにもいでやゆかしや秋の山里(建礼門院右京大夫)
262 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:14:19 ID:j3vf8FYk
このごろは柑子たちばななりまじり木の葉もみづや秋の山里(建礼門院右京大夫)
263 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:20:00 ID:j3vf8FYk
あはれされば此はまことか猶もただ夢にやあらむとこそ覚ゆれ(建礼門院右京大夫)
264 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:21:13 ID:j3vf8FYk
おなじ世となほ思ふこそかなしけれあるがあるにもあらぬこの世に(建礼門院右京大夫)
265 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:22:16 ID:j3vf8FYk
なべて世のはかなきことをかなしとはかかる夢見ぬ人やいひけむ(建礼門院右京大夫)
266 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 10:23:12 ID:j3vf8FYk
今や夢昔や夢とまよはれていかに思へどうつつとぞなき(建礼門院右京大夫)
267 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:04:40 ID:j3vf8FYk
月をこそながめなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる(建礼門院右京大夫)
268 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:08:22 ID:j3vf8FYk
恋ひしのぶ人に近江の海ならば荒き波にもたちまじらまし(建礼門院右京大夫)
269 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:09:18 ID:j3vf8FYk
いかにせむわが後の世はさてもなほ昔の今日を問ふ人もがな(建礼門院右京大夫)
270 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:10:44 ID:j3vf8FYk
聞かばやなふたつの星の物語たらひの水に映らましかば(建礼門院右京大夫)
271 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:16:12 ID:j3vf8FYk
書きつけばなほもつつまし思ひ嘆く心のうちを星よ知らなむ(建礼門院右京大夫)
272 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:17:08 ID:j3vf8FYk
今はただしひて忘るるいにしへを思ひ出でよと澄める月影(建礼門院右京大夫)
273 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:18:13 ID:j3vf8FYk
もろともにながめし夜はのむつごとを思ひ出でよとすめる月かな(藤原隆信)
274 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:59:13 ID:C59HbQz6
石ばしる水の白玉数見えて清滝川にすめる月影(藤原俊成[千載])
275 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 21:59:42 ID:j3vf8FYk
峯の雪たにの氷もとけぬらむ鶯さそへむめのした風(藤原雅経)
276 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:01:03 ID:j3vf8FYk
朝露もちりかひなびく柳風鶯さそへ池の浮草(正徹)
277 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:02:17 ID:j3vf8FYk
江の南梅も柳もかすむ日に鶯さそへ春のうらかぜ(冷泉為村)
278 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:03:15 ID:j3vf8FYk
花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草のはるを見せばや(藤原家隆)
279 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:04:23 ID:j3vf8FYk
ながめやる沖つ島山ほのかにて波よりはるる横雲の空(藤原雅経)
280 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:05:30 ID:j3vf8FYk
わが袖にあめも涙もふりそひぬ都わかるる横雲の空(飛鳥井雅有)
281 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:17:14 ID:j3vf8FYk
しがらきのと山の霞ほのぼのと春にあけゆくよこ雲のそら(惟宗光吉)
282 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:37:26 ID:j3vf8FYk
あけわたる高ねの花に風過ぎて春にわかるるよこ雲の空(飛鳥井雅親)
283 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:38:10 ID:j3vf8FYk
こがらしに枝をわかるるもみぢ葉もほのぼの見ゆるよこ雲の空(本居宣長)
284 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:38:54 ID:j3vf8FYk
すむ人もうつればかはる古郷の昔ににほふ軒の梅が枝(藤原家隆)
285 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:39:46 ID:j3vf8FYk
桜ばなさきぬる時は三吉野の山のかひより波ぞこえける(源俊頼)
286 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:40:45 ID:j3vf8FYk
ことさらにつくりなしてや昨日みぬ山のすがたに霞たなびく(三条西公条)
287 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:41:40 ID:j3vf8FYk
かづらきの山のすがたに打靡きたてりともなき春霞かな(香川景樹)
288 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 22:42:34 ID:j3vf8FYk
逢坂や明ぼのしるき花の色におのれ夜ぶかき関の杉むら(藤原家隆)
289 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:01:26 ID:j3vf8FYk
あふ坂やこずゑの花を吹くからに嵐ぞかすむ関の杉むら(宮内卿)
290 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:31:18 ID:j3vf8FYk
などてかく思ひそめけむ桜花山とし高くなりはつるまで(藤原家隆)
291 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:32:39 ID:j3vf8FYk
鐘のおとも明けゆく空に匂ふなり今日もやありて花を見るべき(藤原家隆)
292 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:33:50 ID:j3vf8FYk
朝日山きしの山ぶきさきにけり花のした行くうぢの柴舟(冷泉為尹)
293 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:35:13 ID:j3vf8FYk
よしの川さくらながれて行く春もここぞ泊りとさける山吹(飛鳥井雅親)
294 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:36:21 ID:j3vf8FYk
神なびの岸の山ぶき咲きにけりみむろの嵐ふかずもあらなむ(橘千蔭)
295 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:37:24 ID:j3vf8FYk
蘆鴨の跡もさわがぬ水の江になほすみがたく春やゆくらむ(藤原家隆)
296 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:42:09 ID:j3vf8FYk
いかにせむこぬ夜あまたの袖の露に月をのみまつ夕暮の空(後鳥羽院)
297 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:43:45 ID:j3vf8FYk
今はただこぬ夜あまたのさ夜ふけてまたじと思ふに松風の声(藤原雅経)
298 :
名無氏物語:2009/11/20(金) 23:59:49 ID:j3vf8FYk
ちかき音もほのかに聞くぞ哀れなる我が世ふけゆく山ほととぎす(藤原家隆)
299 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:00:41 ID:j3vf8FYk
むら雨の風にぞなびくあふひ草向ふ日かげはうすぐもりつつ(藤原家隆)
300 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:01:37 ID:j3vf8FYk
むば玉の闇のうつつの鵜飼舟月のさかりや夢もみるべき(藤原家隆)
301 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:02:52 ID:j3vf8FYk
山里は門田の稲葉見わたせば一穂出でたる夏の朝露(藤原家隆)
302 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:03:49 ID:j3vf8FYk
蝉の羽のうすき衣のひとへ山青葉涼しき風の色かな(藤原家隆)
303 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:04:54 ID:j3vf8FYk
年月をすつるしるしはみそぎ川夏こそなけれ水のしら波(松永貞徳)
304 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:06:49 ID:j3vf8FYk
風わたるならの小河の夕すずみみそぎもあへずなつぞながるる(小沢蘆庵)
305 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:13:57 ID:xmljeqqT
のどかなる風のけしきに青柳のなびくぞ春のしるしなりける(源経信)
306 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:26:41 ID:xmljeqqT
風そよぐならの葉かげのこけむしろ夏を忘るるまとゐをぞする(藤原教長)
307 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:41:03 ID:xmljeqqT
花も葉ももろく散り行く萩が枝にむら雨かかる秋の夕ぐれ(藤原家隆)
308 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:42:51 ID:xmljeqqT
軒ちかき山の下荻こゑたてて夕日がくれに秋風ぞふく(藤原家隆)
309 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 00:44:10 ID:xmljeqqT
露や花はなや露なる秋くれば野原にさきて風にちるらむ(藤原家隆)
310 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 08:55:51 ID:xmljeqqT
暮れぬまに山の端とほくなりにけり空よりいづる秋の夜の月(藤原家隆)
311 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 08:57:51 ID:xmljeqqT
をとめごが玉裳のすそに満つ潮のひかりをよする浦の月かげ(藤原家隆)
312 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:04:49 ID:xmljeqqT
はつせ山ふる川のべも霧はれて月にぞたてる二もとの杉(藤原家隆)
313 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:08:09 ID:xmljeqqT
しるべせよおくる心の帰るさも月の道吹く秋の山風(藤原家隆)
314 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:09:51 ID:xmljeqqT
天の川秋の一夜のちぎりだに交野に鹿のねをや鳴くらむ(藤原家隆)
315 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:16:15 ID:xmljeqqT
鹿のねはなほ遠き野に吹きすててひとり空行く秋の夕風(藤原家隆)
316 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:17:17 ID:xmljeqqT
吹く風にあたりの空をはらはせてひとりもあゆむ秋の月かな(源俊頼)
317 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:44:47 ID:7ROtR714
秋風は梢をはらふ夕暮に雲もかからぬ山のはの月(進子内親王[新拾遺])
318 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:45:28 ID:7ROtR714
あしびきの山のあらしに雲きえてひとり空ゆく秋の夜の月(九条教実[新勅撰])
319 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 15:16:14 ID:QwT7Jda/
和歌も好きだけど、詞書きも好き。
320 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 13:54:36 ID:f/0OLPhs
志賀の浦や氷らぬ波の音はして月の御舟ぞ遠ざかりゆく(藤原隆祐)
321 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 13:55:25 ID:f/0OLPhs
志賀の浦や秋しく月の氷にも遠ざかりゆく波の音かな(順徳院)
322 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 13:56:11 ID:f/0OLPhs
冬枯れの木の葉さはらぬ高嶺より氷りて出づる月ぞまぢかき(花園院)
323 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 13:57:08 ID:f/0OLPhs
遠ざかるゆくへも月の影さえて氷はてなき志賀の浦波(本居春庭)
324 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 13:59:20 ID:f/0OLPhs
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
325 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 13:59:31 ID:wdmCkc5C
雨はるる高嶺は空にあらはれて山もとのぼる富士の河霧(性助法親王[新後撰])
326 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:00:04 ID:f/0OLPhs
世の人の及ばぬものは富士の嶺の雲居に高き思ひなりけり(村上天皇)
327 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:20:55 ID:f/0OLPhs
入るまでに月はながめつ稲妻のひかりの間にも物思ふ身の(藤原家隆)
328 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:23:13 ID:f/0OLPhs
とこはあれぬいたくな吹きそ秋風の目にみぬ人を夢にだにみむ(藤原家隆)
329 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:26:51 ID:f/0OLPhs
君待つと山の端いでて山の端に入るまで月をながめつるかな(橘為義)
330 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:31:33 ID:f/0OLPhs
夢かとぞなほたどらるるさ夜衣うらみなれたる袖をかさねて(藤原家隆)
331 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:32:38 ID:f/0OLPhs
たえはつる心のうちを恨みても猶たどらるる夢のうきはし(俊成卿女)
332 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:34:13 ID:f/0OLPhs
夢かとぞなほ辿らるるおいらくの子は先だてむものとやはみし(木下長嘯子)
333 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:50:11 ID:f/0OLPhs
おのづからたのむ夢路はむなしくていつかうつつの恋はさむべき(藤原家隆)
334 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:52:46 ID:f/0OLPhs
みるままに昨日の雲の村時雨冬にもめぐる山かぜぞふく(後柏原天皇)
335 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:54:18 ID:f/0OLPhs
この朝け山風にほふ花の色に昨日の雲の空めをぞしる(三条西実隆)
336 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:55:49 ID:f/0OLPhs
さえくれし昨日の雲のあとなれや明けゆくをちの峰の白雪(小沢蘆庵)
337 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:00:22 ID:f/0OLPhs
恨みても心づからの思ひかなうつろふ花に春の夕暮(藤原家隆)
338 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:01:47 ID:f/0OLPhs
篠原やしらぬ野中のかり枕まつもひとりの秋風の声(藤原家隆)
339 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:02:38 ID:f/0OLPhs
おもへども人の心のあさぢふに置きまよふ霜のあへず消ぬべし(藤原家隆)
340 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:26:57 ID:f/0OLPhs
時すぎて小野の浅茅にたつ煙知りぬや今も思ひありとは(藤原家隆)
341 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:28:05 ID:f/0OLPhs
友千鳥むれて鳴くなる声たかし夕たつ波のあらき磯辺に(伏見院)
342 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:29:18 ID:f/0OLPhs
かへすとも雲の衣はうらもあらじ一夜夢かせ岑の木がらし(藤原家隆)
343 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:30:24 ID:f/0OLPhs
君すみてとはにみるべき宿なれば田の面はるかに松風ぞふく(藤原家隆)
344 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:31:09 ID:f/0OLPhs
いにしへの幾世の花に春暮れて奈良の都のうつろひにけむ(藤原家隆)
345 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:32:23 ID:f/0OLPhs
わしの山ふもとはるかにてらす月しらぬ山路の道しるべせよ(藤原基俊)
346 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:37:20 ID:f/0OLPhs
いつか我このよの空をへだたらむあはれあはれと月を思ひて(西行)
347 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:00:46 ID:f/0OLPhs
いとひてもなほ故郷を思ふかな槙のを山の夕霧の空(藤原家隆)
348 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:09:03 ID:f/0OLPhs
神垣やもとの光を尋ねきてみねにも君をなほいのるかな(藤原家隆)
349 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:10:22 ID:f/0OLPhs
春日山おどろの道も中たえぬ身をうぢばしの秋の夕暮(藤原家隆)
350 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:11:43 ID:f/0OLPhs
八幡山さかゆく峰は越え果てて君をぞ祈る身のうれしさに(源通光)
351 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:15:30 ID:f/0OLPhs
和歌の浦やおきつしほあひにうかび出づるあはれ我が身のよるべ知らせよ(藤原家隆)
352 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:17:14 ID:f/0OLPhs
寝覚してきかぬを聞きてかなしきは荒礒波の暁のこゑ(藤原家隆)
353 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:18:16 ID:f/0OLPhs
さびしさはまだ見ぬ島の山里を思ひやるにもすむ心ちして(藤原家隆)
354 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:19:11 ID:f/0OLPhs
契りあれば難波の里にやどりきて波の入日を拝みけるかな(藤原家隆)
355 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:25:58 ID:f/0OLPhs
かすみあへず猶ふる雪にそらとぢて春ものふかきうづみ火のもと(藤原定家)
356 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:27:37 ID:f/0OLPhs
春の夜のゆめのうき橋とだえして峰にわかるる横雲のそら(藤原定家)
357 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 16:28:47 ID:f/0OLPhs
おほぞらは梅のにほひにかすみつつくもりもはてぬ春のよの月(藤原定家)
358 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:00:34 ID:f/0OLPhs
梅の花にほひをうつす袖のうへに軒もる月のかげぞあらそふ(藤原定家)
359 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:03:55 ID:f/0OLPhs
花の香のかすめる月にあくがれて夢もさだかに見えぬ頃かな(藤原定家)
360 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:04:55 ID:f/0OLPhs
花の香はかをるばかりを行方とて風よりつらき夕やみの空(藤原定家)
361 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:07:27 ID:f/0OLPhs
霜まよふ空にしをれし雁がねのかへるつばさに春雨ぞふる(藤原定家)
362 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:08:12 ID:f/0OLPhs
くりかへし春のいとゆふいく世へておなじみどりの空にみゆらん(藤原定家)
363 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:09:36 ID:f/0OLPhs
鳥のこゑ霞の色をしるべにておもかげ匂ふ春の山ぶみ(藤原定家)
364 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:37:45 ID:f/0OLPhs
霞たつ峰の桜の朝ぼらけくれなゐくくる天の川浪(藤原定家)
365 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:39:11 ID:f/0OLPhs
屋戸ごとに心ぞみゆるまとゐする花のみやこの弥生きさらぎ(藤原定家)
366 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:40:24 ID:f/0OLPhs
山のはの月まつ空のにほふより花にそむくる春のともし火(藤原定家)
367 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:41:48 ID:f/0OLPhs
花の色のをられぬ水にさす棹のしづくもにほふ宇治の河をさ(藤原定家)
368 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 17:43:44 ID:f/0OLPhs
おのづからそこともしらぬ月は見つ暮れなばなげの花をたのみて(藤原定家)
369 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:00:17 ID:f/0OLPhs
なとり川春の日数はあらはれて花にぞしづむせぜの埋れ木(藤原定家)
370 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:01:05 ID:f/0OLPhs
きのふまでかをりし花に雨すぎてけさは嵐のたまゆらの色(藤原定家)
371 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:01:51 ID:f/0OLPhs
木のもとは日数ばかりを匂ひにて花も残らぬ春のふる郷(藤原定家)
372 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:02:38 ID:f/0OLPhs
にほふより春は暮れゆく山吹の花こそ花のなかにつらけれ(藤原定家)
373 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:06:11 ID:f/0OLPhs
ふりにけりたれか砌のかきつばたなれのみ春の色ふかくして(藤原定家)
374 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:07:31 ID:f/0OLPhs
あはれいかに霞も花もなれなれて雲しく谷にかへる鶯(藤原定家)
375 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:08:29 ID:f/0OLPhs
春はいぬあを葉の桜おそき日にとまるかたみの夕ぐれの花(藤原定家)
376 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:09:26 ID:f/0OLPhs
わがこころ弥生ののちの月の名に白き垣根のはなざかりかな(藤原定家)
377 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:17:57 ID:f/0OLPhs
まきの戸をたたくくひなの明ぼのに人やあやめの軒のうつりが(藤原定家)
378 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:19:05 ID:f/0OLPhs
たまぼこの道行きびとのことづてもたえてほどふる五月雨のそら(藤原定家)
379 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 18:22:47 ID:f/0OLPhs
夕暮はいづれの雲のなごりとてはなたちばなに風の吹くらん(藤原定家)
380 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:01:41 ID:f/0OLPhs
うつり香の身にしむばかり契るとて扇の風の行へたづねば(藤原定家)
381 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:02:41 ID:f/0OLPhs
夕立のくもまの日影はれそめて山のこなたをわたる白鷺(藤原定家)
382 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:04:00 ID:f/0OLPhs
立ちのぼり南のはてに雲はあれど照る日くまなき頃の大空(藤原定家)
383 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:06:05 ID:f/0OLPhs
泉川かは波きよくさす棹のうたかた夏をおのれ消ちつつ(藤原定家)
384 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:07:36 ID:f/0OLPhs
秋とだに吹きあへぬ風に色かはる生田の杜の露の下草(藤原定家)
385 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:09:06 ID:f/0OLPhs
天の原おもへばかはる色もなし秋こそ月の光なりけれ(藤原定家)
386 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:18:29 ID:f/0OLPhs
明けば又秋の半ばも過ぎぬべしかたぶく月のをしきのみかは(藤原定家)
387 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:20:52 ID:f/0OLPhs
こしかたはみな面影にうかびきぬ行末てらせ秋の夜の月(藤原定家)
388 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:22:36 ID:f/0OLPhs
しのべとやしらぬ昔の秋をへておなじ形見にのこる月影(藤原定家)
389 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 19:24:44 ID:f/0OLPhs
いこま山あらしも秋の色にふく手ぞめの糸のよるぞかなしき(藤原定家)
390 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:46:29 ID:3q02nCkz
夕づく日むかひの岡の薄紅葉まだきさびしき秋の色かな(藤原定家)
391 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:54:09 ID:3q02nCkz
見渡せば花ももみぢもなかりけり浦のとまやの秋の夕暮(藤原定家)
392 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:55:09 ID:3q02nCkz
さむしろや待つ夜の秋の風ふけて月をかたしく宇治の橋姫(藤原定家)
393 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:56:04 ID:3q02nCkz
ひとりぬる山鳥のをのしだりをに霜おきまよふ床の月影(藤原定家)
394 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:57:07 ID:3q02nCkz
夕づく日うつる木の葉や時雨にしさざ浪そむる秋の浦風(藤原定家)
395 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:58:19 ID:3q02nCkz
小倉山しぐるるころの朝な朝な昨日はうすき四方のもみぢ葉(藤原定家)
396 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:59:15 ID:3q02nCkz
時わかぬ浪さへ色に泉河ははその杜にあらし吹くらし(藤原定家)
397 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 16:59:28 ID:aSDBi+7v
君がゆきけながくなりぬ奈良路なる山斎(しま)の木立も神さびにけり(吉田宜[万葉])
398 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:00:01 ID:3q02nCkz
吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峯たしかなるあらし山かな(藤原定家)
399 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:12:41 ID:3q02nCkz
秋はいぬ夕日がくれの峰の松四方の木の葉の後もあひ見ん(藤原定家)
400 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:14:25 ID:3q02nCkz
おのづから秋のあはれを身につけてかへる小坂の夕暮の歌(藤原定家)
401 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:15:57 ID:3q02nCkz
松虫の声だにつらき夜な夜なをはては梢に風よわるなり(藤原定家)
402 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:17:19 ID:3q02nCkz
花すすき草のたもとも朽ちはてぬなれて別れし秋を恋ふとて(藤原定家)
403 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:18:27 ID:3q02nCkz
人とはぬ冬の山路のさびしさよ垣根のそばにしとと下りゐて(藤原定家)
404 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:20:15 ID:3q02nCkz
風のうへに星のひかりは冴えながらわざともふらぬ霰をぞ聞く(藤原定家)
405 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:21:27 ID:3q02nCkz
冴えくらす都は雪もまじらねど山の端しろきゆふぐれの雨(藤原定家)
406 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:22:32 ID:3q02nCkz
かきくらす軒端の空に数みえてながめもあへずおつるしら雪(藤原定家)
407 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:31:32 ID:3q02nCkz
をはつせや峰のときは木ふきしをり嵐にくもる雪の山もと(藤原定家)
408 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:33:54 ID:3q02nCkz
駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮(藤原定家)
409 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:00:52 ID:3q02nCkz
待つ人の麓の道やたえぬらん軒端の杉に雪おもるなり(藤原定家)
410 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:03:40 ID:3q02nCkz
白妙のいろはひとつに身に沁めど雪月花のをりふしは見つ(藤原定家)
411 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:08:21 ID:3q02nCkz
おもひいづる雪ふる年よ己のみ玉きはるよの憂きに堪へたる(藤原定家)
412 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:10:51 ID:3q02nCkz
昨日けふ雲のはたてにながむとて見もせぬ人の思ひやはしる(藤原定家)
413 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:12:43 ID:3q02nCkz
初雁のとわたる風のたよりにもあらぬ思ひを誰につたへん(藤原定家)
414 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:13:55 ID:3q02nCkz
うへしげる垣根がくれの小笹原しられぬ恋はうきふしもなし(藤原定家)
415 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:15:08 ID:3q02nCkz
さゆりばのしられぬ恋もあるものを身よりあまりてゆく蛍かな(藤原定家)
416 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:16:05 ID:3q02nCkz
なびかじな海士の藻塩火たきそめて煙は空にくゆりわぶとも(藤原定家)
417 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:28:05 ID:3q02nCkz
久方のあまてる神のゆふかづらかけて幾世を恋ひわたるらん(藤原定家)
418 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:29:29 ID:3q02nCkz
年もへぬ祈る契りは初瀬山をのへの鐘のよその夕暮(藤原定家)
419 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 18:37:43 ID:3q02nCkz
こぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ(藤原定家)
420 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:01:37 ID:3q02nCkz
あぢきなく辛きあらしの声もうしなど夕暮に待ちならひけん(藤原定家)
421 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:04:59 ID:3q02nCkz
帰るさのものとや人のながむらん待つ夜ながらの有明の月(藤原定家)
422 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:05:52 ID:3q02nCkz
久方の月ぞかはらで待たれける人には言ひし山の端の空(藤原定家)
423 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:07:08 ID:3q02nCkz
夜もすがら月にうれへてねをぞなく命にむかふ物思ふとて(藤原定家)
424 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:11:46 ID:3q02nCkz
ふる里を出でしにまさる涙かな嵐の枕ゆめに別れて(藤原定家)
425 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:12:53 ID:3q02nCkz
浜木綿やかさなる山の幾重ともいさしら雲のそこの面影(藤原定家)
426 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:17:25 ID:3q02nCkz
わすれずは馴れし袖もや氷るらん寝ぬ夜の床の霜のさむしろ(藤原定家)
427 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:18:13 ID:3q02nCkz
契りおきし末のはら野のもと柏それともしらじよその霜枯(藤原定家)
428 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:32:01 ID:3q02nCkz
消えわびぬうつろふ人の秋の色に身をこがらしの杜の下露(藤原定家)
429 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:33:06 ID:3q02nCkz
むせぶとも知らじな心かはら屋に我のみ消たぬ下の煙は(藤原定家)
430 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 19:38:58 ID:3q02nCkz
思ひいでよ誰がきぬぎぬの暁もわがまたしのぶ月ぞ見ゆらん(藤原定家)
431 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:08:04 ID:3q02nCkz
なく涙やしほの衣それながら馴れずは何の色かしのばむ(藤原定家)
432 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:09:02 ID:3q02nCkz
白妙の袖の別れに露おちて身にしむ色の秋風ぞ吹く(藤原定家)
433 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:09:53 ID:3q02nCkz
かきやりしその黒髮のすぢごとにうち臥すほどは面影ぞたつ(藤原定家)
434 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:10:57 ID:3q02nCkz
たづね見るつらき心の奥の海よ潮干のかたのいふかひもなし(藤原定家)
435 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:11:43 ID:3q02nCkz
心をばつらきものとて別れにし世々のおもかげ何したふらん(藤原定家)
436 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:20:59 ID:3q02nCkz
わすれぬやさは忘れけり逢ふことを夢になせとぞいひて別れし(藤原定家)
437 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:21:49 ID:3q02nCkz
心からあくがれそめし花の香になほ物思ふ春の曙(藤原定家)
438 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:25:43 ID:3q02nCkz
たまゆらの露も涙もとどまらず亡き人こふる宿の秋風(藤原定家)
439 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 20:36:40 ID:3q02nCkz
面影のひたふるかたにかへりみる都は山の月繊くして(藤原定家)
440 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:00:09 ID:3q02nCkz
下もゆるなげきの煙空に見よ今も野山の秋の夕暮(藤原定家)
441 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:00:55 ID:3q02nCkz
忘るなよ宿るたもとはかはるともかたみにしぼる夜はの月影(藤原定家)
442 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:01:50 ID:3q02nCkz
こととへよ思ひおきつの浜千鳥なくなく出でし跡の月かげ(藤原定家)
443 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:02:48 ID:3q02nCkz
秋の日のうすき衣に風たちて行く人またぬをちの白雲(藤原定家)
444 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:03:44 ID:3q02nCkz
旅人の袖ふきかへす秋風に夕日さびしき山のかけはし(藤原定家)
445 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:04:34 ID:3q02nCkz
都にもいまや衣をうつの山夕霜はらふ蔦の下道(藤原定家)
446 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:05:29 ID:3q02nCkz
藻塩くむ袖の月影おのづからよそに明かさぬ須磨の浦人(藤原定家)
447 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:06:34 ID:3q02nCkz
そよくれぬ楢の木の葉に風おちて星いづる空の薄雲のかげ(藤原定家)
448 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:45:34 ID:3q02nCkz
思ひかね我が夕暮の秋の日に三笠の山はさし離れにき(藤原定家)
449 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:47:05 ID:3q02nCkz
なきかげの親のいさめは背きにき子を思ふ道の心よわさに(藤原定家)
450 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:48:12 ID:3q02nCkz
思ふことむなしき夢の中空に絶ゆとも絶ゆなつらき玉の緒(藤原定家)
451 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 21:50:24 ID:3q02nCkz
たらちめや又もろこしに松浦舟今年も暮れぬ心づくしに(藤原定家)
452 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:00:06 ID:3q02nCkz
ももしきのとのへを出づる宵々は待たぬに向かふ山のはの月(藤原定家)
453 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:01:00 ID:3q02nCkz
契りありてけふみや河のゆふかづら永き世までにかけてたのまむ(藤原定家)
454 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:02:06 ID:3q02nCkz
つくづくと明けゆく窓のともし火の有りやとばかりとふ人もなし(藤原定家)
455 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:03:08 ID:3q02nCkz
しるや月やどしめそむる老いらくのわが山のはの影やいく夜と(藤原定家)
456 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:13:15 ID:3q02nCkz
里人の家をも名をも花がたみかたみにとひて若菜をぞつむ(飛鳥井雅親)
457 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:14:06 ID:3q02nCkz
朝菜つむ野辺のをとめに家とへばぬしだに知らずあとの霞に(下河辺長流)
458 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:15:07 ID:3q02nCkz
しばの野に葛引くをとめ家のらへ此野づかさに葛引くをとめ(楫取魚彦)
459 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:16:12 ID:3q02nCkz
霞たつ春野のさはに袖ひぢて若菜つむ子が家とはましを(本居宣長)
460 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:17:25 ID:3q02nCkz
我が岡の雪間にもゆる初わかな家も名のらで摘むは誰が子ぞ(幽真)
461 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:18:21 ID:3q02nCkz
みはかしをつるぎの池の花蓮さきのさかりは今日にしあるらし(本居宣長)
462 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:19:10 ID:3q02nCkz
夏草のあひ寝の浜の真砂路は八百夜ゆくともあかじとぞ思ふ(加納諸平)
463 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 22:21:03 ID:3q02nCkz
夏草のあひねの浜によする波千重の契をかけなたがへそ(加納諸平)
464 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:00:10 ID:3q02nCkz
ながれゆく音ぞさびしき花鳥の春もとまらぬ庭のやり水(清水谷実業)
465 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:01:08 ID:3q02nCkz
花鳥のにほひも声もとどまらず今宵ばかりの春のわかれに(順徳院)
466 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:02:03 ID:3q02nCkz
草の上に見し夕露は暮るる夜を風の蛍の待ちえてや散る(清水谷実業)
467 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:05:01 ID:3q02nCkz
荻の葉にひかりを花とみだれちる露や玉江の波の夕風(清水谷実業)
468 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:06:08 ID:3q02nCkz
垣根にもおく霜さやぐ笹の葉のみ山はさぞな雪の朝風(清水谷実業)
469 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:07:12 ID:3q02nCkz
都だに間なく時なくふる雪にみ山はさぞなつもり果つべき(後水尾院)
470 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:08:07 ID:3q02nCkz
壁に見る我が影をのみともし火に向かふもさびし蓬生の宿(清水谷実業)
471 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:33:50 ID:3q02nCkz
忍び妻おきゆく床に匂ひきて軒ばの梅ぞ名残がほなる(寂然)
472 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:35:15 ID:3q02nCkz
み吉野の霞のうちに雪散りて行末とほき花の奥かな(藤原忠良)
473 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:36:14 ID:3q02nCkz
たづねばや誰がすむ里の一むらぞ主おぼほゆる花の奥かな(藤原良経)
474 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:37:30 ID:3q02nCkz
浅茅原春雨すがる若葉よりみどりをうつす玉ぞこぼるる(藤原忠良)
475 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:41:18 ID:3q02nCkz
花になれし名残を雲にながむれば弥生の暮の春雨の空(藤原忠良)
476 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:44:46 ID:3q02nCkz
あふち咲く山田の木蔭風すぎて見るも涼しくとる早苗かな(飛鳥井雅有)
477 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:00:19 ID:c2XRHG3Y
露はらふ風ぞ涼しきあふち咲く外面のかげの夏の夕暮(二条為親)
478 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:01:11 ID:c2XRHG3Y
あふち咲くそともの木陰くらき夜も聞かでや明けむ山ほととぎす(下冷泉持為)
479 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:06:32 ID:c2XRHG3Y
夏深き杜の下陰風すぎて梢をわたる日ぐらしの声(藤原忠良)
480 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:07:24 ID:SLHBqAPi
夕づく日さすや庵の柴の戸にさびしくもあるか日ぐらしの声(藤原忠良)
481 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:14:52 ID:SLHBqAPi
秋近き片山林人は来でさびしくもあるか日ぐらしの声(千種有功)
482 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:17:15 ID:SLHBqAPi
ひぐらしの声ばかりする柴の戸は入日のさすにまかせてぞ見る(藤原顕季)
483 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:18:30 ID:SLHBqAPi
さらにまた時雨をそむる紅葉かな散りしく上の露のいろいろ(藤原忠良)
484 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:19:25 ID:SLHBqAPi
くれなゐに木のはの色のなりぬれば時雨をそむるもみぢなりけり(慈円)
485 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:20:09 ID:SLHBqAPi
露霜にまがきの萩は枯れはてて木の葉の底にのこる虫の音(藤原忠良)
486 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:21:09 ID:SLHBqAPi
虫のねのよわりはてぬる庭のおもに荻の枯葉の音ぞのこれる(殷富門院大輔)
487 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:31:38 ID:SLHBqAPi
なにとかや契りし人はかくれぬの下よりおふる草の名ぞ憂き(藤原家隆)
488 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 00:33:19 ID:SLHBqAPi
恋ひ恋ひてそなたに靡く煙あらばいひし契りの果てとながめよ(式子内親王)
489 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:00:09 ID:SLHBqAPi
思ひ寝に我が心からみる夢も逢ふ夜は人のなさけなりけり(藤原忠良)
490 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:01:00 ID:SLHBqAPi
池水の氷のひまに打ちはぶきよるなくをしの声の寒けさ(頓阿)
491 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:02:00 ID:SLHBqAPi
しほ風のわかの松原吹きしをりなきたつ鶴の声のさむけさ(三条西実隆)
492 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:04:03 ID:SLHBqAPi
みよしのは山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり(藤原良経)
493 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:05:18 ID:SLHBqAPi
空はなほかすみもやらず風さえて雪げにくもる春の夜の月(藤原良経)
494 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:06:09 ID:SLHBqAPi
木の間より日かげや春をもらすらむ松のいはねの水のしらなみ(藤原良経)
495 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:07:41 ID:SLHBqAPi
見ぬ世まで思ひのこさぬながめより昔にかすむ春のあけぼの(藤原良経)
496 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:22:51 ID:SLHBqAPi
わするなよたのむの沢をたつ雁もいなばの風の秋の夕暮(藤原良経)
497 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:26:39 ID:SLHBqAPi
かへる雁いまはの心ありあけに月と花との名こそをしけれ(藤原良経)
498 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 01:28:08 ID:SLHBqAPi
ながむればかすめる空のうき雲とひとつになりぬかへる雁がね(藤原良経)
499 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:49:22 ID:SLHBqAPi
吉野山このめもはるの雪きえてまたふるたびは桜なりけり(藤原良経)
500 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:50:20 ID:SLHBqAPi
昔誰かかる桜の花をうゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良経)
501 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:51:13 ID:SLHBqAPi
かすみゆくやどの梢ぞあはれなるまだ見ぬ山の花のかよひぢ(藤原良経)
502 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:52:29 ID:SLHBqAPi
桜さく比良の山風ふくままに花になりゆく志賀のうら浪(藤原良経)
503 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:53:21 ID:SLHBqAPi
またも来む花にくらせるふるさとの木のまの月に風かをるなり(藤原良経)
504 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:54:17 ID:SLHBqAPi
鈴鹿川波と花との道すがら八十瀬をわけし春はわすれず(藤原良経)
505 :
名無氏物語:2009/11/24(火) 08:56:40 ID:SLHBqAPi
雲のなみ煙のなみやちる花のかすみにしづむ鳰のみづうみ(藤原良経)
506 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:26:48 ID:PGMSBx9p
ちる花も世をうきくもとなりにけりむなしき空をうつす池水(藤原良経)
507 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:29:24 ID:PGMSBx9p
なほちらじみ山がくれの遅桜またあくがれむ春のくれがた(藤原良経)
508 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:31:18 ID:PGMSBx9p
よしの山花のふるさと跡たえてむなしき枝に春風ぞふく(藤原良経)
509 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:32:26 ID:PGMSBx9p
あすよりは志賀の花園まれにだに誰かはとはん春のふるさと(藤原良経)
510 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:34:17 ID:PGMSBx9p
ちる花をけふのまとゐの光にて浪間にめぐる春のさかづき(藤原良経)
511 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:38:08 ID:PGMSBx9p
うちしめりあやめぞかをる郭公なくや五月の雨の夕暮(藤原良経)
512 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:40:21 ID:PGMSBx9p
小山田にひくしめなはのうちはへて朽ちやしぬらん五月雨の比(藤原良経)
513 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:41:16 ID:PGMSBx9p
さつき山雨にあめそふ夕風に雲よりしたをすぐる白雲(藤原良経)
514 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 01:52:47 ID:PGMSBx9p
いさり火のむかしの光ほの見えてあしやの里にとぶ蛍かな(藤原良経)
515 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:00:11 ID:PGMSBx9p
窓わたる宵のほたるもかげきえぬ軒ばにしろき月のはじめに(藤原良経)
516 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:07:58 ID:PGMSBx9p
かさねてもすずしかりけり夏衣うすき袂にうつる月かげ(藤原良経)
517 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:22:11 ID:PGMSBx9p
すずみにとわけいる道は夏ふかし裾野につづくもりの下草(藤原良経)
518 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:23:21 ID:PGMSBx9p
おく山に夏をばとほくはなれきて秋の水すむ谷のこゑかな(藤原良経)
519 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:24:29 ID:PGMSBx9p
手にならす夏のあふぎとおもへどもただ秋風のすみかなりけり(藤原良経)
520 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:25:26 ID:PGMSBx9p
かげふかきそとものならの夕すずみひと木がもとに秋風ぞふく(藤原良経)
521 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:26:34 ID:PGMSBx9p
おしなべて思ひしことの数々になほ色まさる秋のゆふぐれ(藤原良経)
522 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:27:44 ID:PGMSBx9p
もの思はでかかる露やは袖におくながめてけりな秋のゆふぐれ(藤原良経)
523 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:29:22 ID:PGMSBx9p
秋をあきと思ひ入りてぞながめつる雲のはたてのゆふぐれの空(藤原良経)
524 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:40:42 ID:PGMSBx9p
水あをき麓の入江霧はれて山ぢ秋なる雲のかけはし(藤原良経)
525 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 02:42:46 ID:PGMSBx9p
山とほき門田のすゑは霧はれてほなみにしづむ有明の月(藤原良経)
526 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:44:44 ID:PGMSBx9p
うすぎりの麓にしづむ山のはにひとりはなれてのぼる月かげ(藤原良経)
527 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:51:01 ID:PGMSBx9p
三日月の秋ほのめかすゆふぐれは心にをぎの風ぞこたふる(藤原良経)
528 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:51:58 ID:PGMSBx9p
故郷のもとあらの小萩さきしより夜な夜な庭の月ぞうつろふ(藤原良経)
529 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:52:45 ID:PGMSBx9p
庭ふかきまがきの野べのむしのねを月と風とのしたにきくかな(藤原良経)
530 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:53:27 ID:PGMSBx9p
雲はみなはらひはてたる秋かぜを松にのこして月をみるかな(藤原良経)
531 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:54:09 ID:PGMSBx9p
ゆくすゑは空もひとつの武蔵野に草の原よりいづる月かげ(藤原良経)
532 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:55:59 ID:PGMSBx9p
とこよにていづれの秋か月は見し都わすれぬ初雁のこゑ(藤原良経)
533 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 11:59:10 ID:PGMSBx9p
さびしさやおもひよわると月見れば心のそらぞ秋ふかくなる(藤原良経)
534 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:32:54 ID:PGMSBx9p
いとふ身ものちのこよひと待たれけりまたこむ秋は月もながめじ(藤原良経)
535 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:34:24 ID:PGMSBx9p
うつの山こえしむかしの跡ふりてつたのかれ葉に秋風ぞふく(藤原良経)
536 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:35:51 ID:PGMSBx9p
時しもあれふるさと人はおともせでみ山の月に秋かぜぞふく(藤原良経)
537 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:38:19 ID:PGMSBx9p
たぐへくる松の嵐やたゆむらん峯のへにかへるさを鹿の声(藤原良経)
538 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:39:40 ID:PGMSBx9p
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む(藤原良経)
539 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:41:05 ID:PGMSBx9p
ことし見るわがもとゆひの初霜にみそぢあまりの秋のふけぬる(藤原良経)
540 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:42:21 ID:PGMSBx9p
はるかなる峰の雲間のこずゑまでさびしきいろの冬は来にけり(藤原良経)
541 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 12:44:01 ID:PGMSBx9p
みし秋をなににのこさむ草の原ひとつにかはる野辺のけしきに(藤原良経)
542 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 13:06:06 ID:PGMSBx9p
ささの葉はみ山もさやにうちそよぎこほれる霜をふく嵐かな(藤原良経)
543 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 13:08:29 ID:PGMSBx9p
あらしふき空にみだるる雪もよにこほりぞむすぶ夢はむすばず(藤原良経)
544 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 13:09:49 ID:PGMSBx9p
きえかへりいはまにまよふ水のあわのしばしやどかる薄氷かな(藤原良経)
545 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 13:17:21 ID:PGMSBx9p
かたしきの袖の氷もむすぼほれとけてねぬ夜の夢ぞみじかき(藤原良経)
546 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 13:18:59 ID:PGMSBx9p
月ぞすむたれかはここにきのくにや吹上の千鳥ひとりなくなり(藤原良経)
547 :
名無氏物語:2009/11/25(水) 13:20:12 ID:PGMSBx9p
里わかぬ雪のうちにも菅原やふしみの暮はなほぞさびしき(藤原良経)
548 :
狂雲( ̄ー ̄):2009/11/26(木) 10:06:56 ID:tscekrlw
国のため 国の鏡となるばかり みがけますらお大和魂 明治天皇
549 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:53:09 ID:VcQulP/r
さびしきはいつもながめのものなれど雲まの峰の雪の明けぼの(藤原良経)
550 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:54:22 ID:VcQulP/r
さゆる夜のまきのいたやのひとり寝に心くだけと霰ふるなり(藤原良経)
551 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:55:04 ID:VcQulP/r
いそのかみふるののをざさ霜をへてひと夜ばかりにのこる年かな(藤原良経)
552 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:55:52 ID:VcQulP/r
おほかたにながめし暮の空ながらいつよりかかる思ひそめけむ(藤原良経)
553 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:56:41 ID:VcQulP/r
うつせみのなくねやよそにもりの露ほしあへぬ袖を人のとふまで(藤原良経)
554 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:57:26 ID:VcQulP/r
もらすなよ雲ゐるみねのはつしぐれ木の葉はしたに色かはるとも(藤原良経)
555 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:58:20 ID:VcQulP/r
かぢをたえゆらの湊による舟のたよりもしらぬ沖つしほ風(藤原良経)
556 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 15:59:02 ID:VcQulP/r
なげかずよいまはたおなじなとり川せぜの埋木くちはてぬとも(藤原良経)
557 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:13:03 ID:VcQulP/r
身にそへるそのおもかげもきえななむ夢なりけりとわするばかりに(藤原良経)
558 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:14:03 ID:VcQulP/r
それはなほ夢のなごりもながめけり雨のゆふべも雲のあしたも(藤原良経)
559 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:15:24 ID:VcQulP/r
いく夜われなみにしをれてきぶね川袖に玉ちるもの思ふらむ(藤原良経)
560 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:17:47 ID:VcQulP/r
なにゆゑと思ひもいれぬ夕だに待ちいでしものを山のはの月(藤原良経)
561 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:19:49 ID:VcQulP/r
めぐりあはむかぎりはいつとしらねども月なへだてそよそのうき雲(藤原良経)
562 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:20:51 ID:VcQulP/r
きみがあたりわきてと思ふ時しもあれそこはかとなきゆふぐれの空(藤原良経)
563 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:22:17 ID:VcQulP/r
きみもまた夕やわきてながむらん忘れずはらふ荻の風かな(藤原良経)
564 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:24:06 ID:VcQulP/r
わが涙もとめて袖にやどれ月さりとて人のかげは見ねども(藤原良経)
565 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:41:17 ID:VcQulP/r
月やそれほのみし人のおもかげをしのびかへせば有明の空(藤原良経)
566 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 16:42:15 ID:VcQulP/r
いはざりきいまこむまでのそらの雲月日へだてて物おもへとは(藤原良経)
567 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:00:06 ID:VcQulP/r
いつもきくものとや人の思ふらむこぬゆふぐれの秋風の声(藤原良経)
568 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:00:58 ID:VcQulP/r
われとこそながめなれにし山のはにそれもかたみの有明の月(藤原良経)
569 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:02:11 ID:VcQulP/r
見し人の袖にうきにしわがたまのやがてむなしき身とやなりなむ(藤原良経)
570 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:03:16 ID:VcQulP/r
恋ひ死なむわがよのはてににたるかなかひなくまよふゆふ暮の雲(藤原良経)
571 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:05:36 ID:VcQulP/r
のちもうししのぶにたへぬ身とならばそのけぶりをも雲にかすめよ(藤原良経)
572 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:07:25 ID:VcQulP/r
おしなべてこのめも春のあさみどり松にぞ千代の色はこもれる(藤原良経)
573 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:08:39 ID:VcQulP/r
しきしまややまとしまねも神代より君がためとやかためおきけむ(藤原良経)
574 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:09:44 ID:VcQulP/r
もろともにいでし空こそわすられね都の山のありあけの月(藤原良経)
575 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:18:30 ID:VcQulP/r
わすれじとちぎりていでしおもかげは見ゆらむものをふるさとの月(藤原良経)
576 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:23:49 ID:VcQulP/r
くにかはるさかひいくたびこえすぎておほくの民に面なれぬらむ(藤原良経)
577 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:26:44 ID:VcQulP/r
ふるさとは浅茅がすゑになりはてて月にのこれる人のおもかげ(藤原良経)
578 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:30:46 ID:VcQulP/r
夕なぎに浪間の小島あらはれてあまのふせ屋をてらすもしほ火(藤原良経)
579 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 17:34:29 ID:6gpecgW2
熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな(額田王/万葉集 八)
580 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:00:10 ID:VcQulP/r
人すまぬふはの関屋の板びさしあれにしのちはただ秋の風(藤原良経)
581 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:01:43 ID:VcQulP/r
はるの田に心をつくる民もみなおりたちてのみ世をぞいとなむ(藤原良経)
582 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:03:11 ID:VcQulP/r
おのづからをさまれる世やきこゆらむはかなくすさむ山人のうた(藤原良経)
583 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:13:11 ID:VcQulP/r
わが心そのいろとしはそめねども花やもみぢをながめきにける
584 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:14:21 ID:VcQulP/r
うきしづみこむ世はさてもいかにぞと心に問ひてこたへかねぬる(藤原良経)
585 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:15:51 ID:VcQulP/r
をはり思ふすまひかなしき山かげにたまゆらかかるあさがほの露(藤原良経)
586 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:17:39 ID:VcQulP/r
あまのとをおしあけがたの雲まより神代の月のかげぞのこれる(藤原良経)
587 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:18:30 ID:VcQulP/r
神風やみもすそ河のそのかみにちぎりしことの末をたがふな(藤原良経)
588 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:50:34 ID:VcQulP/r
わが国はあまてる神のすゑなれば日のもととしもいふにぞありける(藤原良経)
589 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 18:54:08 ID:VcQulP/r
わかの浦のちぎりもふかしもしほ草しづまむ世々をすくへとぞ思ふ(藤原良経)
590 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:00:08 ID:VcQulP/r
たまつ島たえぬながれをくむ袖にむかしをかけよわかのうらなみ(藤原良経)
591 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:01:00 ID:VcQulP/r
おく山にひとりうき世はさとりにきつねなきいろを風にながめて(藤原良経)
592 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:02:06 ID:VcQulP/r
みし夢の春のわかれのかなしきはながきねぶりのさむときくまで(藤原良経)
593 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:03:33 ID:VcQulP/r
白雲のたえまになびく青柳のかづらき山に春風ぞ吹く(藤原雅経)
594 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:04:51 ID:VcQulP/r
みふゆつぎ春しきぬれば青柳のかづらき山に霞たなびく(源実朝)
595 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:15:18 ID:VcQulP/r
春がすみ絶間になびく青柳のめより色にはあらはれにけり(香川景樹)
596 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:17:11 ID:VcQulP/r
またも来む花に暮らせるふるさとの木の間の月に風かをるなり(藤原良経)
597 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:18:59 ID:VcQulP/r
おほえ山こかげもとほくなりにけりいく野のすゑの夕立の空(藤原雅経)
598 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:20:36 ID:VcQulP/r
み吉野の山の秋風さ夜ふけて古郷さむく衣うつなり(藤原雅経)
599 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:21:43 ID:VcQulP/r
月の色も山のはさむしみよし野の故郷人や衣うつらん(順徳院)
600 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:23:08 ID:VcQulP/r
みよし野の山した風のさむきよをたれ故郷に衣うつらん(源実朝)
601 :
名無氏物語:2009/11/26(木) 19:25:02 ID:VcQulP/r
夜をさむみ誰かはひとりみよし野の山下風に衣うつらん(二条為定)
602 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:38:18 ID:zxGzU1Bs
みよし野のすず吹く風は夜さむにてふもとの里に衣うつなり(源頼武)
603 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:41:35 ID:zxGzU1Bs
衣うつよし野のおくの秋の風身にしむ色や花にふく声(三条西公条)
604 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:43:40 ID:zxGzU1Bs
秋はけふくれなゐくくるたつた川神よもしらずすぐる月かは(後鳥羽院)
605 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:48:32 ID:zxGzU1Bs
思ひいるみ山にふかきまきのとのあけくれしのぶ人はふりにき(藤原定家)
606 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:49:39 ID:zxGzU1Bs
葦辺ゆく鴨の羽風もさむき夜にまづ影こほる三島江の月(藤原雅経)
607 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:52:11 ID:zxGzU1Bs
山里のまさきのかづら暮るる日のそともがくれに嵐吹くなり(道助法親王)
608 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:53:52 ID:zxGzU1Bs
面影はなほあり明の月草にぬれてうつろふ袖の朝つゆ(藤原雅経)
609 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 11:55:20 ID:zxGzU1Bs
消えねただしのぶの山の木隠れに袖のみぬらす下草のつゆ(本居宣長)
610 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:00:33 ID:zxGzU1Bs
いかにねて夢もむすばむ草枕あらしふく夜のさやの中山(宗尊親王)
611 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:09:55 ID:zxGzU1Bs
まだしらずそのかみかけてふりぬれど月と雪との夜半の白木綿(藤原雅経)
612 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:12:00 ID:zxGzU1Bs
いかにせむ行方もしらぬ玉くしげふたたび逢はぬこの世なりけり(藤原雅経)
613 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:13:24 ID:zxGzU1Bs
なれなれて見しはなごりのふることもさすがに花の春は忘れず(飛鳥井雅康)
614 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:21:39 ID:zxGzU1Bs
高瀬さす六田の淀の柳原みどりもふかく霞む春かな(藤原公経)
615 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:23:00 ID:zxGzU1Bs
みよし野やむつだのよどの川柳みどりをくくる春の岩なみ(後鳥羽院)
616 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:24:14 ID:zxGzU1Bs
ほのぼのと花の横雲あけそめて桜にしらむみ吉野の山(藤原公経)
617 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:26:10 ID:zxGzU1Bs
我がやどに花たちばなをうゑおかむなからんあとの忘れがたみに(慈円)
618 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:43:39 ID:sklE7Fza
浪の花おきからさきてちりくめり水の春とは風やなるらむ(伊勢[古今])
619 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:50:34 ID:zxGzU1Bs
いかにして結びさだめむ波枕うきたる舟の夜の契を(花山院家賢)
620 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:51:26 ID:zxGzU1Bs
時鳥なほ疎まれぬ心かな汝が鳴く里のよその夕ぐれ(藤原公経)
621 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:00:06 ID:zxGzU1Bs
露すがる庭の玉笹うちなびきひとむらすぎぬ夕立の雲(藤原公経)
622 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:00:56 ID:zxGzU1Bs
露すがる小笹が下のきりぎりす乱れてかかるねをや鳴くらむ(源顕仲)
623 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:18:19 ID:zxGzU1Bs
あはれなる心長さのゆくへとも見し夜の夢をたれかさだめん(俊成卿女)
624 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:19:24 ID:zxGzU1Bs
花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり(藤原公経)
625 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:20:21 ID:zxGzU1Bs
あはれなる心の闇のゆかりとも見し夜の夢をたれかさだめむ(藤原公経)
626 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:21:34 ID:zxGzU1Bs
吹きさそふ嵐の庭の花よりもわが身世にふる春ぞつもれる(正徹)
627 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:22:25 ID:zxGzU1Bs
一とせの残る日数は雪ならでつもりもあへず年ぞくれける(後柏原天皇)
628 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:24:17 ID:zxGzU1Bs
ふりつもる雪をさながらてらす月今夜なりけり白川の関(八条院高倉)
629 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:25:10 ID:zxGzU1Bs
わすれめやみがく氷はとぢそへていづる関戸の明くる月かげ(藤原定家)
630 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:27:40 ID:zxGzU1Bs
ながき夜に衣かたしきふしわびぬまどろむ程の涙ならねば(八条院高倉)
631 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:45:10 ID:zxGzU1Bs
神なびのみむろの梢いかならむなべて野山も時雨する比(八条院高倉)
632 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 13:46:17 ID:zxGzU1Bs
思ひ出でて恋しかるべき都かはなにゆゑやどる袖の月ぞも(八条院高倉)
633 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:00:10 ID:zxGzU1Bs
梅の花あかぬ色香もむかしにておなじかたみの春の夜の月(俊成卿女)
634 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:00:56 ID:zxGzU1Bs
風かよふねざめの袖の花の香にかをる枕の春の夜の夢(俊成卿女)
635 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:02:49 ID:zxGzU1Bs
恨みずやうき世を花のいとひつつ誘ふ風あらばと思ひけるをば(俊成卿女)
636 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:04:07 ID:zxGzU1Bs
にほのうみ春はかすみの志賀の波花に吹きなす比良の山風(俊成卿女)
637 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:05:44 ID:zxGzU1Bs
月影もうつろふ花にかはる色の夕べを春もみよしの山(俊成卿女)
638 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:14:14 ID:zxGzU1Bs
ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月(俊成卿女)
639 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:15:16 ID:zxGzU1Bs
つもりぬる別れは春にならへども慰めかねて暮るる空かな(俊成卿女)
640 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:17:49 ID:zxGzU1Bs
暮れはつる空さへ悲し心からいとひし春のながめせしまに(俊成卿女)
641 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:20:06 ID:zxGzU1Bs
折ふしもうつればかへつ世の中の人のこころの花ぞめの袖(俊成卿女)
642 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:23:58 ID:zxGzU1Bs
橘のにほふあたりのうたたねは夢もむかしの袖の香ぞする(俊成卿女)
643 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:25:12 ID:zxGzU1Bs
しのばじな我もむかしの夕まぐれ花橘に風はすぐらん(俊成卿女)
644 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 14:26:41 ID:zxGzU1Bs
秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる(俊成卿女)
645 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:00:05 ID:zxGzU1Bs
大荒木の杜の木の間をもりかねて人だのめなる秋の夜の月(俊成卿女)
646 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:00:53 ID:zxGzU1Bs
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(俊成卿女)
647 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:02:01 ID:zxGzU1Bs
波のうへは千里のほかに雲さえて月影かよふ秋の潮風(俊成卿女)
648 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:03:05 ID:zxGzU1Bs
稲葉ふく風にまかせてすむ庵は月ぞまことにもり明かしける(俊成卿女)
649 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:04:07 ID:zxGzU1Bs
あくがれて寝ぬ夜の塵のつもるまで月にはらはぬ床のさむしろ(俊成卿女)
650 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:05:45 ID:zxGzU1Bs
すみまさる月ばかりこそ変はりゆくうき世の秋をなほしのびけれ(俊成卿女)
651 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:08:28 ID:zxGzU1Bs
吹きまよふ雲ゐをわたる初雁のつばさにならす夜はの秋風(俊成卿女)
652 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:10:21 ID:zxGzU1Bs
あだに散る露の枕にふしわびて鶉なくなりとこの山風(俊成卿女)
653 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:28:21 ID:zxGzU1Bs
とふ人も嵐吹きそふ秋はきて木の葉にうづむ宿の道芝(俊成卿女)
654 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:29:39 ID:zxGzU1Bs
色かはる露をば袖に置きまよひうらがれてゆく野辺の秋風(俊成卿女)
655 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 15:31:46 ID:zxGzU1Bs
真木の屋のあられ降る夜の夢よりもうき世をさませ四方の木枯し(俊成卿女)
656 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:37:33 ID:zxGzU1Bs
さえわびてさむる枕に影みれば霜ふかき夜の有明の月(俊成卿女)
657 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:38:20 ID:zxGzU1Bs
霜枯れはそことも見えぬ草の原たれにとはまし秋のなごりを(俊成卿女)
658 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:39:09 ID:zxGzU1Bs
花をみし秋の嵯峨野の露の色も枯葉の霜にかはる月影(俊成卿女)
659 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:40:04 ID:zxGzU1Bs
かきくらし日数ふるやの軒とぢて空には深き雪の白雲(俊成卿女)
660 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:41:07 ID:zxGzU1Bs
まがへ来し月と花とのあはれまで雪にこもれるみ吉野の山(俊成卿女)
661 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:42:17 ID:zxGzU1Bs
へだて行くよよの面かげかきくらし雪とふりぬるとしの暮かな(俊成卿女)
662 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:43:11 ID:zxGzU1Bs
下もえに思ひ消えなむ煙だに跡なき雲のはてぞかなしき(俊成卿女)
663 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:44:13 ID:zxGzU1Bs
しられじな夕べの雲をそれとだにいはで思ひの下に消えなば(俊成卿女)
664 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:52:36 ID:zxGzU1Bs
いかなりし風のたよりに聞きそめて身にしむ恋のつまとなりけん(俊成卿女)
665 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 21:57:00 ID:zxGzU1Bs
面影のかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に(俊成卿女)
666 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:02:39 ID:zxGzU1Bs
露はらふ寝覚は秋の昔にて見はてぬ夢にのこる面影(俊成卿女)
667 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:05:50 ID:zxGzU1Bs
とへかしな浅茅ふきこす秋風にひとりくだくる露の枕を(俊成卿女)
668 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:24:09 ID:zxGzU1Bs
ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに(俊成卿女)
669 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:25:45 ID:zxGzU1Bs
かよひこし宿の道芝かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ(俊成卿女)
670 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:27:00 ID:zxGzU1Bs
夢かとよ見し面影も契りしも忘れずながらうつつならねば(俊成卿女)
671 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:30:26 ID:zxGzU1Bs
ふきすぐる夕べもとはぬ荻の葉に待つ宵ふけし秋風の声(俊成卿女)
672 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:37:52 ID:zxGzU1Bs
いかにせんしのぶの山に道たえて思ひいれども露のふかさを(俊成卿女)
673 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:38:51 ID:zxGzU1Bs
ながれての名をさへしのぶ思ひ川あはでもきえね瀬々のうたかた(俊成卿女)
674 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:40:03 ID:zxGzU1Bs
暮れはつる尾花がもとの思ひ草はかなの野辺の露のよすがや(俊成卿女)
675 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:41:56 ID:zxGzU1Bs
さきにけり君がみるべき行末は遠里小野の秋萩の花(俊成卿女)
676 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:00:07 ID:zxGzU1Bs
君が代は遠里小野の秋萩も散らさぬほどの風ぞ吹きける(藤原俊成)
677 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:00:55 ID:zxGzU1Bs
今はさはうき世のさがの野辺をこそ露きえはてし跡としのばめ(俊成卿女)
678 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:31:12 ID:zxGzU1Bs
消えはつる夕べもかなしあけ暮の夢にまよひし春のふるさと(俊成卿女)
679 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:32:40 ID:zxGzU1Bs
見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮(俊成卿女)
680 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:33:46 ID:zxGzU1Bs
あるはなくなきは数そふ世の中にあはれいつまであらんとすらん(小大君)
681 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:36:39 ID:zxGzU1Bs
古里も秋はゆふべをかたみとて風のみおくる小野の篠原(俊成卿女)
682 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:50:24 ID:zxGzU1Bs
風に散る花ゆゑ悲しうつりゆく色はむなしとそむく世なれど(俊成卿女)
683 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:51:52 ID:zxGzU1Bs
葛の葉のうらみにかへる夢の世をわすれがたみの野辺の秋風(俊成卿女)
684 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:52:51 ID:zxGzU1Bs
をしむともなみだに月も心からなれぬる袖に秋をうらみて(俊成卿女)
685 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:53:36 ID:zxGzU1Bs
真柴たく笹のいほりの夕けぶりいとどかすかに吹く嵐かな(俊成卿女)
686 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:54:26 ID:zxGzU1Bs
めぐりあはむ我がかねごとの命だに心にかなふ春の暮かは(俊成卿女)
687 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 23:55:22 ID:zxGzU1Bs
梅の花たが袖ふれしにほひぞと春やむかしの月に問はばや(源通具)
688 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:00:44 ID:0O3mukpC
いその神ふるのの桜たれ植ゑて春は忘れぬかたみなるらむ(源通具)
689 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:02:19 ID:zxGzU1Bs
ゆくすゑをたれしのべとて夕風に契りかおかむ宿のたちばな(源通具)
690 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:13:30 ID:0O3mukpC
あはれ又いかにしのばむ袖のつゆ野原の風に秋は来にけり(源通具)
691 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:14:28 ID:0O3mukpC
深草の里の月かげさびしさもすみこしままの野べの秋風(源通具)
692 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:16:25 ID:0O3mukpC
秋の夜は宿かる月も露ながら袖に吹きこす荻のうは風(源通具)
693 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:17:54 ID:0O3mukpC
人は来ずはらはぬ庭の桐の葉に音なふ雨のおとのさびしさ(源通具)
694 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:19:39 ID:0O3mukpC
木の葉ちる時雨やまがふ我が袖にもろき涙の色と見るまで(源通具)
695 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:21:30 ID:0O3mukpC
霜こほる袖にもかげは残りけり露よりなれし有明の月(源通具)
696 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:22:49 ID:0O3mukpC
我が恋は逢ふをかぎりのたのみだに行方もしらぬ空のうき雲(源通具)
697 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:23:52 ID:0O3mukpC
今来むと契りしことは夢ながら見しよに似たる有明の月(源通具)
698 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:29:08 ID:0O3mukpC
とへかしな尾花がもとの思ひ草しをるる野べの露はいかにと(源通具)
699 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:33:06 ID:0O3mukpC
けふごとに天つ星あひをかぞふればよそぢあまりの秋ぞへにける(能因)
700 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:36:52 ID:0O3mukpC
藻塩草かくともつきじ君が代の数によみおく和歌の浦波(源家長)
701 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:39:00 ID:0O3mukpC
しきたへの枕のうへにすぎぬなり露をたづぬる秋の初風(源具親)
702 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:42:50 ID:0O3mukpC
木枯しやいかに待ちみむ三輪の山つれなき杉の雪折れの声(源具親)
703 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:44:07 ID:0O3mukpC
咲きかかる軒端の藤のしづくより色ふかくなる春のむら雨(藤原保季)
704 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:45:03 ID:0O3mukpC
過ぎにけり信太の森の時鳥たえぬしづくを袖に残して(藤原保季)
705 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:46:17 ID:0O3mukpC
山ふかき秋を見るにも思ふかなこれより奧の夕暮の空(藤原保季)
706 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:47:18 ID:0O3mukpC
山人の峰の桜を折りそへてかへるかざしもにほふ春風(藤原範宗)
707 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:51:23 ID:RqK2XNOE
山ふかく又たがかよふ道ならんこれより奥の峯の梯(鷹司冬平[玉葉])
708 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 14:52:17 ID:RqK2XNOE
わするなよほどは雲ゐに成りぬとも空行く月の廻りあふまで(橘忠幹[拾遺])
709 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:00:08 ID:0O3mukpC
山桜かざしの花に折りそへてかぎりの春のいへづとにせむ(西行)
710 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:00:57 ID:0O3mukpC
つま木には野辺のさわらび折りそへて春の夕にかへる山人(藤原家隆)
711 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:02:11 ID:0O3mukpC
日かげみぬ深山隠れに流れきて雪げの水のまた氷りぬる(藤原公継)
712 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:03:22 ID:0O3mukpC
日かげみぬ岩まがくれのかたそばにまだありけりなこぞのふる雪(藤原親隆)
713 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:05:00 ID:0O3mukpC
いまさらに花ゆゑなにか思ひ出でむ忘るる時のあらばこそあらめ(藤原公継)
714 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:06:21 ID:0O3mukpC
秋きぬとおどろかれけり窓ちかくいささ群竹かぜそよぐ夜は(藤原実定)
715 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:09:55 ID:0O3mukpC
よそにては軒の橘かをる夜に昔語りをしのぶとや見む(藤原公継)
716 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:11:51 ID:0O3mukpC
室の海や瀬戸のはや舟なみたてて片帆にかくる風のすずしさ(藤原信実)
717 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:31:06 ID:0O3mukpC
霧隠れうたふ舟人声ばかりするがの海の沖にでにけり(藤原信実)
718 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:34:52 ID:0O3mukpC
さみだれも月の行くへはしられけり一むら白き山の端の雲(藤原行能)
719 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:47:29 ID:0O3mukpC
ながめおくる心をやがてさそひつつ雲の古巣に帰るうぐひす(惟明親王)
720 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:00:04 ID:0O3mukpC
きのふより荻の下葉にかよひきて今朝あらはるる秋の初風(惟明親王)
721 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:01:04 ID:0O3mukpC
ほのぼのと春こそ空にきにけらし天のかぐ山霞たなびく(後鳥羽院)
722 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:02:15 ID:0O3mukpC
いつしかと霞める空のけしきにてゆくすゑ遠しけさの初春(後鳥羽院)
723 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:03:12 ID:0O3mukpC
鶯のなけどもいまだふる雪に杉の葉しろきあふ坂の山(後鳥羽院)
724 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:04:18 ID:0O3mukpC
見わたせば山もとかすむ水無瀬川夕べは秋となにおもひけん(後鳥羽院)
725 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:06:05 ID:0O3mukpC
春ゆけば霞のうへに霞みして月に果つらし小野の山みち(後鳥羽院)
726 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:07:08 ID:0O3mukpC
を泊瀬や宿やはわかん吹きにほふ風の上ゆく花の白雲(後鳥羽院)
727 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:23:07 ID:0O3mukpC
桜咲く遠山鳥のしだり尾のなかながし日もあかぬ色かな(後鳥羽院)
728 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:24:53 ID:0O3mukpC
吉野山さくらにかかる夕がすみ花もおぼろの色はありけり(後鳥羽院)
729 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:26:34 ID:0O3mukpC
吹く風もをさまれる世のうれしきは花みる時ぞまづおぼえける(後鳥羽院)
730 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 16:29:40 ID:0O3mukpC
われならで見し世の春の人ぞなきわきてもにほへ雲の上の花(後鳥羽院)
731 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:00:08 ID:0O3mukpC
春はただ軒端の花をながめつついづち忘るる雲の上かな(後鳥羽院)
732 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:01:04 ID:0O3mukpC
春雨も花のとだえぞ袖にもる桜つづきの山の下道(後鳥羽院)
733 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:02:02 ID:0O3mukpC
み吉野の高嶺のさくら散りにけり嵐もしろき春の明けぼの(後鳥羽院)
734 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:03:45 ID:0O3mukpC
治めけんふるきにかへる風ならば花散るとても厭はざらまし(後鳥羽院)
735 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:14:11 ID:0O3mukpC
風は吹くとしづかに匂へ乙女子が袖ふる山に花の散る頃(後鳥羽院)
736 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:15:38 ID:0O3mukpC
なにとなく過ぎこしかたの恋しきにこころともなふ遅桜かな(後鳥羽院)
737 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:16:29 ID:0O3mukpC
あやめふく萱が軒端に風すぎてしどろに落つる村雨の露(後鳥羽院)
738 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:17:47 ID:0O3mukpC
難波江やあまのたくなは燃えわびて煙にしめる五月雨のころ(後鳥羽院)
739 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:18:36 ID:0O3mukpC
ほととぎす雲ゐのよそに過ぎぬなり晴れぬ思ひの五月雨のころ(後鳥羽院)
740 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:21:02 ID:0O3mukpC
神山にゆふかけてなくほととぎす椎柴がくれしばし語らへ(後鳥羽院)
741 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:22:10 ID:0O3mukpC
夕立のはれゆく峰の雲間より入日すずしき露の玉笹(後鳥羽院)
742 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 17:23:52 ID:0O3mukpC
呉竹の葉ずゑかたよりふる雨にあつさひまある水無月の空(後鳥羽院)
743 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:00:16 ID:0O3mukpC
見るからにかたへ涼しき夏衣日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
744 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:01:20 ID:0O3mukpC
秋の露やたもとにいたくむすぶらん長き夜あかずやどる月かな(後鳥羽院)
745 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:02:44 ID:0O3mukpC
露は袖に物おもふ頃はさぞなおくかならず秋のならひならねど(後鳥羽院)
746 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:03:57 ID:0O3mukpC
野原より露のゆかりを尋ねきてわが衣手に秋風ぞふく(後鳥羽院)
747 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:06:03 ID:0O3mukpC
ものや思ふ雲のはたての夕暮に天つ空なる初雁の声(後鳥羽院)
748 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:07:41 ID:0O3mukpC
はつ雁のとばたの暮の秋風におのれとうすき山の端の雲(後鳥羽院)
749 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:08:44 ID:0O3mukpC
いにしへの千世のふる道年へてもなほ跡ありや嵯峨の山風(後鳥羽院)
750 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:17:39 ID:0O3mukpC
里のあまのたくものけぶり心せよ月のでしほの空晴れにけり(後鳥羽院)
751 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:20:23 ID:0O3mukpC
うす雲のただよふ空の月かげはさやけきよりもあはれなりけり(後鳥羽院)
752 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:22:17 ID:0O3mukpC
秋の雲千里をかけて消えぬらし行くこと遅き夜半の月かな(後鳥羽院)
753 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 18:25:15 ID:0O3mukpC
ひさかたの桂のかげになく鹿はひかりをかけて声ぞさやけき(後鳥羽院)
754 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:44:47 ID:gks56gVD
さびしさはみ山の秋の朝ぐもり霧にしをるる真木の下露(後鳥羽院)
755 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:46:38 ID:gks56gVD
秋ふけぬ鳴けや霜夜のきりぎりすややかげ寒しよもぎふの月(後鳥羽院)
756 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:47:23 ID:gks56gVD
山の蝉なきて秋こそふけにけれ木々の梢の色まさりゆく(後鳥羽院)
757 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:48:55 ID:gks56gVD
思ひ入る色は木の葉にあらはれてふかき山路の有明の月(後鳥羽院)
758 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:50:36 ID:gks56gVD
山もとの里のしるべの薄紅葉よそにもをしき夕嵐かな(後鳥羽院)
759 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:51:43 ID:gks56gVD
月ぞ今はもる山道の夕時雨のこる下葉も嵐吹くなり(後鳥羽院)
760 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:54:07 ID:gks56gVD
鈴鹿河ふかき木の葉に日数へて山田の原の時雨をぞきく(後鳥羽院)
761 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 13:56:12 ID:gks56gVD
深緑あらそひかねていかならむ間なく時雨のふるの神杉(後鳥羽院)
762 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:09:05 ID:gks56gVD
水無瀬山木の葉あらはになるままに尾上の鐘の声ぞちかづく(後鳥羽院)
763 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:10:04 ID:gks56gVD
わたつ海の浪の花をば染めかねて八十島とほく雲ぞ時雨るる(後鳥羽院)
764 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:16:15 ID:gks56gVD
物おもへばしらぬ山路にいらねどもうき身にそふは時雨なりけり(後鳥羽院)
765 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:45:10 ID:gks56gVD
をしねほす伏見のくろにたつ鴫の羽音さびしき朝霜の空(後鳥羽院)
766 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:46:35 ID:gks56gVD
橋姫のかたしき衣さむしろに待つ夜むなしき宇治の明けぼの(後鳥羽院)
767 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:47:53 ID:gks56gVD
この比は花も紅葉も枝になししばしな消えそ松のしら雪(後鳥羽院)
768 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:49:22 ID:gks56gVD
思ひかねなほ妹がりとゆきもよにわが友千鳥空に鳴くなり(後鳥羽院)
769 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:50:07 ID:gks56gVD
雪つもる民の家ゐに立つ煙これも世にふる道や苦しき(後鳥羽院)
770 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:51:32 ID:gks56gVD
冬の夜のしののめの空は明けやらでおのれぞ白き山の端の雪(後鳥羽院)
771 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 14:52:16 ID:gks56gVD
我が恋は真木の下葉にもるしぐれぬるとも袖の色に出でめや(後鳥羽院)
772 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:47:48 ID:gks56gVD
たのめずは人をまつちの山なりと寝なましものをいざよひの月(後鳥羽院)
773 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:49:33 ID:gks56gVD
思ひつつ経にける年のかひやなきただあらましの夕暮の空(後鳥羽院)
774 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:50:27 ID:gks56gVD
袖の中に人の名残をとどめおきて心もゆかぬしののめの道(後鳥羽院)
775 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:51:16 ID:gks56gVD
風の音のそれかとまがふ夕暮の心のうちをとふ人もがな(後鳥羽院)
776 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:52:16 ID:gks56gVD
袖の露もあらぬ色にぞきえかへるうつればかはる歎せしまに(後鳥羽院)
777 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:53:34 ID:gks56gVD
里は荒れぬ尾上の宮のおのづから待ちこし宵も昔なりけり(後鳥羽院)
778 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:54:33 ID:gks56gVD
思ふことそなたの雲となけれども生駒の山の雨の夕暮(後鳥羽院)
779 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 21:55:39 ID:gks56gVD
わくらばにとひこし比におもなれてさぞあらましの庭の松風(後鳥羽院)
780 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:09:12 ID:gks56gVD
思ひ出づる折りたく柴の夕煙むせぶもうれし忘れ形見に(後鳥羽院)
781 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:13:37 ID:gks56gVD
なき人のかたみの雲やしをるらん夕の雨に色は見えねど(後鳥羽院)
782 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:15:19 ID:gks56gVD
見わたせば村の朝けぞ霞みゆく民のかまども春にあふ頃(後鳥羽院)
783 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:17:54 ID:gks56gVD
さびしさをいつより馴れてながむらんまだ見ぬ山の秋の夕暮(後鳥羽院)
784 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:19:07 ID:gks56gVD
見るままに山風あらくしぐるめり都も今は夜寒なるらむ(後鳥羽院)
785 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:39:15 ID:gks56gVD
みづがきやわが世のはじめ契りおきしそのことのはを神やうけけん(後鳥羽院)
786 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:40:11 ID:gks56gVD
ながめばや神路の山に雲きえて夕べの空を出でん月かげ(後鳥羽院)
787 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:41:11 ID:gks56gVD
神風や豊みてぐらになびくしでかけて仰ぐといふもかしこし(後鳥羽院)
788 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:42:29 ID:gks56gVD
万代の末もはるかに見ゆるかなみもすそ川の春の明けぼの(後鳥羽院)
789 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 22:43:46 ID:gks56gVD
岩にむす苔ふみならす三熊野の山のかひある行末もがな(後鳥羽院)
790 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:00:09 ID:gks56gVD
くまの川くだす早瀬のみなれざをさすがみなれぬ波の通ひ路(後鳥羽院)
791 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:01:02 ID:gks56gVD
ちぎりあればうれしきかかる折にあひぬ忘るな神も行末の空(後鳥羽院)
792 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:02:23 ID:gks56gVD
おしなべて空しき空のうすみどり迷へばふかきよものむら雲(後鳥羽院)
793 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:22:14 ID:gks56gVD
大空にちぎる思ひの年もへぬ月日もうけよ行末の空(後鳥羽院)
794 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:24:48 ID:gks56gVD
思ふべし下りはてたる世なれども神の誓ひぞなほも朽ちせぬ(後鳥羽院)
795 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:26:31 ID:gks56gVD
昔には神も仏もかはらぬを下れる世とは人のこころぞ(後鳥羽院)
796 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:34:50 ID:gks56gVD
いにしへの人のこころにゐし堰はいづれの世より跡絶えにけん(後鳥羽院)
797 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:35:51 ID:gks56gVD
見ず知らぬ昔の人の恋しきはこの世を嘆くあまりなりけり(後鳥羽院)
798 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:37:41 ID:gks56gVD
よそにては恨むべしとも見えじ世を袖しをれつつ嘆きこしかな(後鳥羽院)
799 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:39:10 ID:gks56gVD
人ごころ恨みわびぬる袖のうへをあはれとや思ふ山の端の月(後鳥羽院)
800 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:53:40 ID:gks56gVD
人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は(後鳥羽院)
801 :
名無氏物語:2009/11/29(日) 23:55:00 ID:gks56gVD
大方のうつつは夢になしはてつぬるがうちには何をかも見ん(後鳥羽院)
802 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:00:21 ID:gks56gVD
夏山のしげみにはへる青つづら苦しやうき世わが身ひとつに(後鳥羽院)
803 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:01:20 ID:gks56gVD
ながめのみしづのをだまきくりかへし昔を今の夕暮の空(後鳥羽院)
804 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:02:47 ID:gks56gVD
奥山のおどろが下も踏み分けて道ある世ぞと人にしらせむ(後鳥羽院)
805 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:03:42 ID:gks56gVD
かすみゆく高嶺を出づる朝日影さすがに春の色をみるかな(後鳥羽院)
806 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:04:36 ID:s57K6S8t
遠山路いくへもかすめさらずとてをちかた人のとふもなければ(後鳥羽院)
807 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:06:04 ID:s57K6S8t
古郷をしのぶの軒に風すぎて苔のたもとににほふたち花(後鳥羽院)
808 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:38:34 ID:s57K6S8t
見し世にもあらぬ袂のあはれとやおのれしをれてとふ時雨かな(後鳥羽院)
809 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:40:03 ID:s57K6S8t
冬ごもるさびしさ思ふ朝な朝なつま木の道をうづむ白雪(後鳥羽院)
810 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:41:21 ID:s57K6S8t
とへかしな雲の上より来し雁のひとり友なき浦になく音を(後鳥羽院)
811 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:45:18 ID:s57K6S8t
浪間よりおきの湊に入る舟の我ぞこがるる絶えぬ思ひに(後鳥羽院)
812 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:46:28 ID:s57K6S8t
里とほみきねが神楽の音すみておのれも更くる窓の灯(後鳥羽院)
813 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:47:14 ID:s57K6S8t
暁の夢をはかなみまどろめばいやはかななる松風ぞ吹く(後鳥羽院)
814 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 00:48:20 ID:s57K6S8t
過ぎにける年月さへぞ恨めしき今しもかかる物思ふ身は(後鳥羽院)
815 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:09:36 ID:s57K6S8t
夕月夜入江に塩や満ちぬらん芦のうら葉のたづのもろ声(後鳥羽院)
816 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:35:14 ID:s57K6S8t
ことづてむ都までもし誘はればあなしの風にまがふ村雲(後鳥羽院)
817 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:37:16 ID:s57K6S8t
われこそは新島守よ隠岐の海のあらき波かぜ心してふけ(後鳥羽院)
818 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:40:18 ID:s57K6S8t
なびかずは又やは神に手向くべき思へば悲し和歌の浦浪(後鳥羽院)
819 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:41:08 ID:s57K6S8t
手折りてもたれにか見せむ山ざくら花もかひなき旅の空かな(後鳥羽院下野)
820 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:42:04 ID:s57K6S8t
風の音に耐へてもいかがす住みはてむ山のおくまで秋は来にけり(後鳥羽院下野)
821 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:43:52 ID:s57K6S8t
忘られぬ昔は遠く成りはてて今年も冬ぞ時雨きにける(後鳥羽院下野)
822 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:48:08 ID:s57K6S8t
桜咲くながらの山のながき日も昔を恋ひぬ時のまぞなき(後鳥羽院下野)
823 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 01:50:54 ID:s57K6S8t
散りぬれどかたみは久し梅の花とまる面かげ袖のうつり香(嘉陽門院越前)
824 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 08:46:59 ID:s57K6S8t
春風に梅も桜も散り果てて名のみぞ残る箕輪の山里(長野業盛)
825 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 08:47:49 ID:s57K6S8t
おもひ寝の枕になれてほととぎすうつつも夢もひとこゑの空(嘉陽門院越前)
826 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 08:50:48 ID:s57K6S8t
うたたねの夢より先に明けぬなり山ほととぎす一声の空(藤原良経)
827 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 08:52:48 ID:s57K6S8t
秋はただ心よりおく夕露を袖のほかとも思ひけるかな(嘉陽門院越前)
828 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 08:54:23 ID:s57K6S8t
草木には見えぬ色しも秋来ぬとおもひの露ぞ心よりおく(三条西実隆)
829 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 08:57:29 ID:s57K6S8t
いつとなく心よりおく露をこそなべての秋も尋ねきぬらむ(三条西実隆)
830 :
名無氏物語:2009/11/30(月) 09:09:24 ID:s57K6S8t
もろ人の心は月にすみぬらし都の秋のふかき夜の空(嘉陽門院越前)
831 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:49:46 ID:YTm0LDSd
散りにけり山は苔路の錦にて紅葉をあらふ谷の岩水(嘉陽門院越前)
832 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:50:44 ID:YTm0LDSd
明けばまづ木の葉に袖をくらぶべし夜半の時雨よ夜半の涙よ(慈円)
833 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:51:38 ID:YTm0LDSd
かよひこし枕に虫の声たえて嵐に秋の暮ぞ聞こゆる(嘉陽門院越前)
834 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:52:41 ID:YTm0LDSd
木の葉さへ山めぐりする夕べかな時雨をおくる峰の嵐に(嘉陽門院越前)
835 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:53:41 ID:YTm0LDSd
夜もすがらさえつる床のあやしさにいつしか見れば峰の初雪(嘉陽門院越前)
836 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:54:30 ID:YTm0LDSd
おのづからまどろむ程に忘らるる恋を夢こそおどろかしつれ(嘉陽門院越前)
837 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:55:29 ID:YTm0LDSd
思ふことなきだにやすくそむく世にあはれ捨てても惜しからぬ身を(嘉陽門院越前)
838 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:56:24 ID:YTm0LDSd
すてやらぬ我が身のうらのうつせ貝むなしき世とは思ふものから(嘉陽門院越前)
839 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:12:41 ID:YTm0LDSd
さを鹿の朝たちすだく萩原に心のしめはいふかひもなし(和泉式部)
840 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:14:12 ID:YTm0LDSd
いかにして神のうけつぐ程ばかり心のしめをかけてたのまむ(元可)
841 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:17:22 ID:YTm0LDSd
かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそ見えね春は来にけり(宮内卿)
842 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:20:43 ID:YTm0LDSd
しら雪の猶かきくらしふるさとの吉野のおくも春は来にけり(嘉喜門院)
843 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:21:49 ID:YTm0LDSd
かきくらしなほふる郷のみよし野はいつの雪間に春の来ぬらむ(貞常親王)
844 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:22:47 ID:YTm0LDSd
うすくこき野辺のみどりの若草に跡までみゆる雪のむら消え(宮内卿)
845 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:26:20 ID:YTm0LDSd
枯るるより刈りもはらはぬ道みえて雪に跡ある野べの草むら(後水尾院)
846 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:27:09 ID:YTm0LDSd
花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎゆく舟のあと見ゆるまで(宮内卿)
847 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:39:21 ID:YTm0LDSd
軒しろき月の光に山かげの闇をしたひてゆく蛍かな(宮内卿)
848 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 02:40:28 ID:YTm0LDSd
鵜飼舟月もをぐらの山かげに闇をしたひてかがりさすなり(一条兼良)
849 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:42:38 ID:YTm0LDSd
見わたせば浪もゆるがぬ夏の日に松かげ遠き磯のほそ道(宮内卿)
850 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:43:37 ID:YTm0LDSd
片枝さすをふのうらなし初秋になりもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿)
851 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:45:08 ID:YTm0LDSd
思ふことさしてそれとはなけれども秋にはそふる心ちこそすれ(源道済)
852 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:46:58 ID:YTm0LDSd
天の川もみぢの橋やわたすらむ色づく西の夕暮の空(宮内卿)
853 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:47:48 ID:YTm0LDSd
月きよみ竹の葉しろくふる雪はそよぐ風にもこぼれざりけり(殷富門院大輔)
854 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:48:36 ID:YTm0LDSd
わすれじの人の心の限をもみ山の里のけさのしら雪(肖柏)
855 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:51:32 ID:YTm0LDSd
さても又慰むやとてながむべきそなたの空も薄がすみつつ(宮内卿)
856 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:53:40 ID:YTm0LDSd
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来んものならなくに(和泉式部)
857 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:58:49 ID:N+AhQr1e
吉野川こほりとけ行く春風にあらはれそむる波の初花(式乾門院御匣[新続古今])
858 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 15:59:34 ID:N+AhQr1e
ふりつみしこぞの白雪むら消えてあらはれそむる野べの通ひ路(日野俊光[新続古今])
859 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:35:58 ID:YTm0LDSd
我が恋は人しらぬまのあやめ草あやめぬほどぞねをも忍びし(宮内卿)
860 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:39:05 ID:YTm0LDSd
落ちつもる涙の露はさよ衣さえても袖にみえけるものを(宮内卿)
861 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:40:12 ID:YTm0LDSd
すさめねど心のかぎりおひたるは人しらぬまのあやめなりけり(和泉式部)
862 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:43:02 ID:YTm0LDSd
わが恋は人しらぬまのうきぬなはくるしやいとどみごもりにして(俊恵)
863 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:43:45 ID:YTm0LDSd
聞くやいかに嵐の音もくれ竹のふしみの里の秋の夜の月(信覚)
864 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:45:19 ID:YTm0LDSd
晴れゆくかただよふ雲のたえまより星みえそむるむら雨の空(宮内卿)
865 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:46:10 ID:YTm0LDSd
秋風にただよふ雲のたえまよりもれ出づる月の影のさやけさ(藤原顕輔)
866 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 16:46:51 ID:YTm0LDSd
今よりは昔がたりは心せむあやしきまでに袖しをれけり(西行)
867 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:16:35 ID:YTm0LDSd
いやましに風ぞ身にしむあきの浦の朝みつ潮の波のかよひぢ(長慶天皇)
868 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:17:29 ID:YTm0LDSd
昔思ふ草の庵の夜の雨に涙なそへそ山時鳥(藤原俊成)
869 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:18:16 ID:YTm0LDSd
今もなほ心にかかる別れかな髪かきやりし人のうしろで(藤原知家)
870 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:19:26 ID:YTm0LDSd
五月雨に池の汀やまさるらむ蓮の浮葉をこゆる白波(後鳥羽院)
871 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:20:10 ID:YTm0LDSd
浦とほく塩みちくらしたちならぶ松の梢にかかる白波(藤原経顕)
872 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:21:18 ID:YTm0LDSd
夕されば塩みちくらし芦の屋の深江のはしにかかる白波(飛鳥井雅有)
873 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:22:10 ID:YTm0LDSd
来ぬ人をあすも待つべきさむしろに桜吹きしく夜はの山風(藤原秀能)
874 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:22:59 ID:YTm0LDSd
水な月のなかばに消えし白雪のいつしか白き富士の山風(藤原秀能)
875 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:36:28 ID:YTm0LDSd
うたた寝のうすき袂に秋たちて心の色ぞまづかはりける(藤原秀能)
876 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:37:17 ID:YTm0LDSd
吹く風の目にこそ見えね神々は此の天地にかむづまります(橘曙覧)
877 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:12:29 ID:YTm0LDSd
葦の葉に風秋なりと聞きしより月すさまじくすむ心かな(藤原秀能)
878 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:13:30 ID:YTm0LDSd
月のもるね屋の板まに露みえて寝覚夜ぶかき蓬生の宿(花山院長親)
879 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:15:50 ID:YTm0LDSd
散り初むる桐の一葉の露の上にねざめ夜深き月を見るかな(蓮月)
880 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:53:21 ID:YTm0LDSd
涙のみうきつの波のなみまくら月にひたせる袖ぞかなしき(藤原秀能)
881 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:54:09 ID:YTm0LDSd
下紅葉うつろひゆけば玉ぼこの道の山風さむく吹くらむ(藤原秀能)
882 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:54:57 ID:YTm0LDSd
ひさかたの雲井ながらも逢ひ見しをしぐれにけりな天の香久山(藤原秀能)
883 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:55:50 ID:YTm0LDSd
山里の桐の落葉にすむ月のかげさだめなく吹く嵐かな(藤原秀能)
884 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:56:38 ID:YTm0LDSd
今は又よそになるみのかたし貝我ぞしをるるあふよしをなみ(花山院長親)
885 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:57:27 ID:YTm0LDSd
藻塩やく海人の磯屋のたぐひかは波にぬれても胸こがすらむ(藤原家隆)
886 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 18:58:24 ID:YTm0LDSd
うちたゆむ夢を嵐にまがへても深山さびしき夜はのむらさめ(藤原秀能)
887 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:00:17 ID:YTm0LDSd
命とは契らざりしを石見なるおきの白島また見つるかな(藤原秀能)
888 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:09:39 ID:YTm0LDSd
袖の上におぼえずおつる涙にもすずろに月はやどりぬるかな(油谷倭文子)
889 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:10:34 ID:YTm0LDSd
憂へても泣きてもいはむ友もがなこたへぬ月にながめわびぬる(藤原秀能)
890 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:11:26 ID:YTm0LDSd
山もとのあけのそほ船ほのぼのとこぎいづる沖は霧こめてけり(藤原良経)
891 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:12:13 ID:YTm0LDSd
散る花の忘れがたみの嶺の雲そをだにのこせ春の山風(藤原良平)
892 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:13:13 ID:YTm0LDSd
けふよりは秋のけしきの森なれややがて身にしむ山おろしの風(藤原良平)
893 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:14:07 ID:YTm0LDSd
夕されば玉散る野べの女郎花枕さだめぬ秋風ぞ吹く(藤原良平)
894 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:15:04 ID:YTm0LDSd
明けばまた行きてとふべき梅が香を夜のまもおくる窓の春風(藤原基良)
895 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:16:07 ID:YTm0LDSd
秋の月もの思ふ人のためとてや憂き面影にそへていづらむ(西行)
896 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:31:40 ID:YTm0LDSd
滝川や落ちてみだるる玉笹の葉わけすずしき水の色かな(中山忠定)
897 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:32:41 ID:YTm0LDSd
三島江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむほどの春風ぞ吹く(源通光)
898 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:48:27 ID:CEDyJN76
雲のゐる遠山姫の花かづら霞をかけて吹く嵐かな(源通光)
899 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:50:15 ID:CEDyJN76
まきもくのあなしのひばら春くれば霞をかけて山かづらせり(寂蓮)
900 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:51:04 ID:CEDyJN76
わたつ海のかざしの浪の花かづら霞をかけて浦風ぞ吹く(正徹)
901 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:54:06 ID:CEDyJN76
明けわたる遠山かづらそのままに霞をかけて春や立つらむ(細川幽斎)
902 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:55:03 ID:CEDyJN76
花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは(後水尾院)
903 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:55:54 ID:CEDyJN76
あだにやは麓の庵にながむべき花より出づる峰の月かげ(源通光)
904 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:57:20 ID:CEDyJN76
春の夜はおぼろにかすむみよしのの花よりいづる山のはの月(藤原範宗)
905 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 15:58:09 ID:CEDyJN76
山のはや桜にこめて見えざらん花より出づる有明の月(順徳院)
906 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:16:33 ID:CEDyJN76
数ならぬ深山がくれを尋ねてぞ心の末の花も見るべき(源通光)
907 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:17:44 ID:CEDyJN76
今はとて鶯かへる春雨にぬれてぞ花の跡は見るべき(源通光)
908 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:18:55 ID:CEDyJN76
誰がための涙なるらむ夕暮のまがきの露に秋は来にけり(源通光)
909 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:19:52 ID:CEDyJN76
遠ざかる声こそいとど哀れなれ野べより山にかへるさを鹿(他阿)
910 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:20:54 ID:CEDyJN76
名残ありと跡吹きおくる山風の声をうづまでかへるしら雲(下冷泉政為)
911 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:22:25 ID:CEDyJN76
武蔵野やゆけども秋の果てぞなきいかなる風かすゑに吹くらむ(源通光)
912 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:23:14 ID:CEDyJN76
さらにまた暮をたのめと明けにけり月はつれなき秋の夜の空(源通光)
913 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:48:15 ID:CEDyJN76
入日さす麓の尾花うちなびき誰が秋風に鶉なくらむ(源通光)
914 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:52:36 ID:CEDyJN76
花すすきしげみが中を分けゆけば袂を越えて鶉鳴くなり(俊恵)
915 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:54:15 ID:CEDyJN76
から衣すそののいほの旅枕袖よりしぎのたつ心ちする(藤原定家)
916 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:00:48 ID:CEDyJN76
夕づくよさほの河風身にしみて袖より過ぐる千鳥鳴くなり(源実朝)
917 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:12:35 ID:CEDyJN76
かぎりあればしのぶの山のふもとにも落葉がうへの露ぞ色づく(源通光)
918 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:13:27 ID:CEDyJN76
ながめ侘びそれとはなしに物ぞ思ふ雲のはたての夕暮の空(源通光)
919 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:14:19 ID:CEDyJN76
秋をあきと思ひ入れてぞながめつる雲のはたての夕暮の空(藤原良経)
920 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:16:32 ID:CEDyJN76
消えわぶる霜の衣を返しても見る夜まれなる夢の通ひ路(源通光)
921 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:17:53 ID:CEDyJN76
しのびあへず我や行かむのいざよひに昔語りの夕暮の空(源通光)
922 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:19:05 ID:CEDyJN76
日数さへしののをふぶき立ちかさねあふみちとほき行末の空(源通光)
923 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:39:20 ID:CEDyJN76
しらがしのしらぬ山路に入りぬともおくれじと思ふ嶺の松風(源通光)
924 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:40:21 ID:CEDyJN76
世の中をいでぬとなどかつげざりしおくれじと思ふ心あるものを(藤原実定)
925 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:41:52 ID:CEDyJN76
八幡山さかゆく峰も越えはてて君をぞ祈る身のうれしさに(源通光)
926 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 17:43:42 ID:CEDyJN76
今朝みれば山もかすみて久方の天の原より春は来にけり(源実朝)
927 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:00:18 ID:CEDyJN76
梅が香を夢の枕にさそひきてさむる待ちける春の山風(源実朝)
928 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:01:23 ID:CEDyJN76
梅が香をまやのあまりにさそひきて有りとや袖に春風ぞ吹く(後鳥羽院)
929 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:02:19 ID:CEDyJN76
この寝ぬる朝けの風にかをるなり軒ばの梅の春のはつ花(源実朝)
930 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:03:10 ID:CEDyJN76
咲きしよりかねてぞ惜しき梅の花散りのわかれは我が身と思へば(源実朝)
931 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:15:21 ID:CEDyJN76
水たまる池のつつみのさし柳この春雨にもえ出でにけり(源実朝)
932 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:24:39 ID:CEDyJN76
かづらきや高間の桜ながむれば夕ゐる雲に春雨ぞ降る(源実朝)
933 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:25:56 ID:CEDyJN76
木のもとに宿りをすれば片しきの我が衣手に花はちりつつ(源実朝)
934 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:27:51 ID:CEDyJN76
木のもとの花の下ぶし夜ごろへてわが衣手に月ぞなれぬる(源実朝)
935 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:28:58 ID:CEDyJN76
春ふかみ花ちりかかる山の井はふるき清水にかはづなくなり(源実朝)
936 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:30:04 ID:CEDyJN76
ながめつつ思ふもかなし帰る雁ゆくらんかたの夕暮の空(源実朝)
937 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:31:46 ID:CEDyJN76
あぢきなくうつし心のかへりこでゆくらんかたの夕暮の空(藤原雅経)
938 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:00:13 ID:CEDyJN76
我が心いかにせよとか山吹のうつろふ花に嵐たつらむ(源実朝)
939 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:01:14 ID:CEDyJN76
散りのこる岸の山吹春ふかみこの一枝をあはれといはなむ(源実朝)
940 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:03:15 ID:CEDyJN76
おのづからあはれともみよ春ふかみ散り残る岸の山吹の花(源実朝)
941 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:06:00 ID:CEDyJN76
春すぎていくかもあらねど我がやどの池の藤波うつろひにけり(源実朝)
942 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:08:09 ID:CEDyJN76
さみだれに夜のふけゆけば時鳥ひとり山辺を鳴きて過ぐなり(源実朝)
943 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:10:33 ID:CEDyJN76
いにしへをしのぶとなしにふる里の夕べの雨ににほふ橘(源実朝)
944 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:14:41 ID:CEDyJN76
ほととぎす聞けどもあかず橘の花ちる里の五月雨のころ(源実朝)
945 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:17:11 ID:CEDyJN76
ほととぎす心して鳴けたちばなの花散る里の五月雨の空(後鳥羽院)
946 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:37:57 ID:CEDyJN76
秋ちかくなるしるしにや玉だれのこすの間とほし風のすずしき(源実朝)
947 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:39:19 ID:CEDyJN76
昨日まで花の散るをぞ惜しみこし夢かうつつか夏も暮れにけり(源実朝)
948 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:40:43 ID:CEDyJN76
いつまでか跡をも雪に惜しみこし春にまかする柴の庵かな(後鳥羽院)
949 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 19:49:49 ID:CEDyJN76
いつまでか跡をも雪に惜しみこし春にまかする柴の庵かな(源実朝)
950 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:02:18 ID:CEDyJN76
秋ちかくなりやしぬらし足曳の山の蝉なきて風ぞ涼しき(宗尊親王)
951 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:03:38 ID:CEDyJN76
した紅葉色づきそむるあしびきの山の蝉なきて秋風ぞ吹く(惟宗光吉)
952 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:05:33 ID:CEDyJN76
おほかたに物思ふとしもなかりけりただ我がための秋の夕暮(源実朝)
953 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:07:33 ID:CEDyJN76
たが秋のねざめとはむとわかずともただ我がためのさを鹿の声(藤原良経)
954 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:29:23 ID:CEDyJN76
たそがれに物思ひをれば我が宿の荻の葉そよぎ秋風ぞ吹く(源実朝)
955 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:30:28 ID:CEDyJN76
萩の花くれぐれまでもありつるが月いでて見るになきがはかなさ(源実朝)
956 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:32:32 ID:CEDyJN76
暮れかかる夕べの空をながむれば木高き山に秋風ぞ吹く(源実朝)
957 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:33:22 ID:CEDyJN76
天の原ふりさけみれば月きよみ秋の夜いたく更けにけるかな(源実朝)
958 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:35:06 ID:CEDyJN76
わたのはら八重のしほぢにとぶ雁のつばさのなみに秋風ぞ吹く(源実朝)
959 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:36:38 ID:CEDyJN76
ながめやる心もたえぬわたのはら八重のしほぢの秋の夕暮(源実朝)
960 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:00:58 ID:CEDyJN76
山里にすみぬべしやとならはせる心もたへぬ秋の夕暮(平忠度)
961 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:15:55 ID:CEDyJN76
とまりとふ日さへみじかく成りにけり八重の塩ぢの秋の夕暮(藤原家隆)
962 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:16:58 ID:CEDyJN76
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
963 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:20:03 ID:CEDyJN76
東路や今朝立ちくれば蝉の声たかしの山に今ぞ鳴くなる(藤原仲実)
964 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:21:04 ID:CEDyJN76
月をのみあはれと思ふをさ夜ふけて深山がくれに鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
965 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:22:24 ID:CEDyJN76
ながれゆく木の葉のよどむ江にしあれば暮れての後も秋は久しき(源実朝)
966 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:23:33 ID:CEDyJN76
秋はいぬ風に木の葉は散りはてて山さびしかる冬は来にけり(源実朝)
967 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:24:19 ID:CEDyJN76
もののふの矢並つくろふ籠手のうへに霰たばしる那須の篠原(源実朝)
968 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:32:18 ID:CEDyJN76
ありま山うき立つ雲に風そひて霰たばしる印南野の原(賀茂真淵)
969 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:33:14 ID:CEDyJN76
ささの葉に霰さやぎてみ山べは峰の木がらししきりて吹きぬ(源実朝)
970 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 21:34:27 ID:CEDyJN76
夕されば潮風さむし浪間より見ゆる小島に雪はふりつつ(源実朝)
971 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:51:10 ID:qMly01qL
我のみぞかなしとは思ふ浪のよる山のひたひに雪のふれれば(源実朝)
972 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:52:49 ID:qMly01qL
うち忘れはかなくてのみ過ぐしきぬあはれと思へ身につもる年(源実朝)
973 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:54:00 ID:qMly01qL
ちぶさ吸ふまだいとけなきみどりごとともに泣きぬる年の暮かな(源実朝)
974 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:55:06 ID:qMly01qL
はかなくて今宵あけなば行く年の思ひ出でもなき春にやあはなむ(源実朝)
975 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:56:21 ID:qMly01qL
夕月夜おぼつかなきを雲間よりほのかに見えしそれかあらぬか(源実朝)
976 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:57:16 ID:qMly01qL
月影のそれかあらぬかかげろふのほのかに見えて雲がくれにし(源実朝)
977 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:58:28 ID:qMly01qL
奧山の岩垣沼に木の葉おちてしづめる心人しるらめや(源実朝)
978 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 13:59:17 ID:qMly01qL
わが恋は百島めぐり浜千鳥ゆくへもしらぬかたに鳴くなり(源実朝)
979 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:15:56 ID:qMly01qL
ゆひそめて馴れしたぶさの濃むらさき思はず今も浅かりきとは(源実朝)
980 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:33:42 ID:qMly01qL
湊風いたくな吹きそしながどり猪名の水うみ船とむるまで(源実朝)
981 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:34:53 ID:qMly01qL
やらのさき月影さむし沖つ鳥鴨といふ舟うき寝すらしも(源実朝)
982 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:43:18 ID:qMly01qL
旅をゆきし跡の宿守おのおのにわたくしあれや今朝はいまだ来ぬ(源実朝)
983 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:44:24 ID:qMly01qL
玉くしげ箱根のみ海けけれあれやふた国かけて中にたゆたふ(源実朝)
984 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:45:21 ID:qMly01qL
箱根路を我が越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよる見ゆにたゆたふ(源実朝)
985 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:46:19 ID:qMly01qL
百くまのあらき箱根路越え来ればこよろぎの磯に浪のよる見ゆ(賀茂真淵)
986 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:47:35 ID:qMly01qL
碓氷山わが越え来ればさ衣のを筑波山に雲かかる見ゆ(加藤宇万伎)
987 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:48:39 ID:qMly01qL
伊豆の海を漕ぎつつくれば浪高み沖の小島よ見えかくれする(上田秋成)
988 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:49:48 ID:qMly01qL
箱根路を我が越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよる見ゆ(源実朝)
989 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:15:10 ID:qMly01qL
わたつ海のなかにむかひて出づる湯のいづのお山とむべも言ひけり(源実朝)
990 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:16:21 ID:qMly01qL
伊豆の国や山の南に出づる湯のはやきは神のしるしなりけり(源実朝)
991 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:17:21 ID:qMly01qL
大日の種子よりいでて三昧耶形さまやぎやう又尊形となる(源実朝)
992 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:18:41 ID:qMly01qL
塔をくみ堂をつくるも人のなげき懺悔にまさる功徳やはある(源実朝)
993 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:21:07 ID:qMly01qL
ほのほのみ虚空にみてる阿鼻地獄ゆくへもなしといふもはかなし(源実朝)
994 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:22:13 ID:qMly01qL
ながむれば吹く風すずし三輪の山杉の木ずゑを出づる月影(源実朝)
995 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:23:13 ID:qMly01qL
神風や朝日の宮の宮うつしかげのどかなる世にこそありけれ(源実朝)
996 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:24:33 ID:qMly01qL
東路の関守る神の手向とて杉に矢たつる足柄の山(源実朝)
997 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 22:06:34 ID:qMly01qL
空やうみ海や空ともえぞわかぬ霞も波もたちみちにつつ(源実朝)
998 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 22:15:36 ID:qMly01qL
磯の松いくひささにかなりぬらんいたく木高き風の音かな(源実朝)
999 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 22:16:47 ID:qMly01qL
大海の磯もとどろによする浪われてくだけて裂けて散るかも(源実朝)
1000 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 22:17:48 ID:qMly01qL
蹴球の男罌粟の實刻刻に跳ねて彈けて裂けて散るかも(塚本邦雄)
1001 :
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