1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 01:24:29 ID:eF0LA+rv
3 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 01:25:54 ID:eF0LA+rv
4 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 01:28:09 ID:eF0LA+rv
5 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 01:29:06 ID:eF0LA+rv
6 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 01:39:24 ID:eF0LA+rv
一しきり嵐はすぎて桐の葉のしづかにおつる夕ぐれの庭(昭訓門院権大納言[風雅])
7 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 01:40:21 ID:eF0LA+rv
鳩のなく杉の木ずゑのうす霧に秋の日よわきゆふぐれの山(花園院一条[風雅])
8 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 02:17:38 ID:eF0LA+rv
山かげや友を尋ねし跡ふりてただいにしへの雪の夜の月(藤原良経[玉葉])
9 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 02:22:05 ID:lc+lHsIE
隠岐の海のあらき浪風しづかにて都の南宮つくりせり(後水尾院)
10 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 02:23:52 ID:lc+lHsIE
絶えせじなその神世より人の世にうけてただしき敷島の道(後水尾院)
11 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 02:24:41 ID:lc+lHsIE
開きみる文にぞしるきをさまれる御代のかたみや世々の古こと(後水尾院)
12 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 02:26:02 ID:lc+lHsIE
百敷や松のおもはんことのはの道をふるきにいかでかへさん(後水尾院)
13 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:40:58 ID:lc+lHsIE
散りうせぬためしときけばふるき世にかへるを松のことのはの道(後水尾院)
14 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:43:27 ID:lc+lHsIE
いかにして此の身ひとつをたださまし国ををさむる道はなくとも(後水尾院)
15 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:44:36 ID:lc+lHsIE
うけつぎし身の愚かさに何の道も廃れゆくべき我が世をぞ思ふ(後水尾院)
16 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:45:33 ID:lc+lHsIE
思ふより月日へにけり一日だに見ぬは多くの秋にやはあらぬ(後水尾院)
17 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:48:30 ID:lc+lHsIE
芦原やしげらば繁れ荻薄とても道ある世にすまばこそ(後水尾院)
18 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:50:32 ID:lc+lHsIE
曲木に柳の糸をよりかけて直ぐなる道を風にとはばや(後水尾院)
19 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 14:52:32 ID:lc+lHsIE
世の中はあしまの蟹のあしまとひ横にゆくこそ道のみちなれ(後水尾院)
20 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 15:40:52 ID:MDJHjoAO
弱い者いじめが許せない人はコピ協力してほしい
俺は陰険な心理的負荷を与えるパワハラや社内イジメが大嫌いだ!
かつがれて妄想理由、妄想差別で嫌がらせをする奴には腸煮え繰り返る!
こと既婚男上司が特定の女性(容姿年齢に関係なく)にだけやる弱い者いじめは許せない!
大きな日本の印刷会社の○○!お前のことだ!故意に失業者を増やしたいのか!
広めてやる!てめえが会社や世間、身内に知られたくないことも広めまくってやる。
2ちゃん以外にも広めまくる!当然の報復だ!
貴様のせいで会社や身内に迷惑がかかる。自業自得だ!
会社が○○を粛清するまで、俺の余命が尽きるまで続けてやる!
21 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:04:07 ID:lc+lHsIE
みな人は上に目がつく横にゆく葦間のかにのあはれなる世や(後水尾院)
22 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:04:50 ID:lc+lHsIE
いにしへのちぎりにかけし帯ばかり一すじしろき遠の川なみ(後水尾院)
23 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:05:39 ID:lc+lHsIE
思ふぞよ千里の馬を尋ねてもしるらん人はさてもなき世を(後水尾院)
24 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:06:23 ID:lc+lHsIE
ともかくもなさば成りなむ心もて此身ひとつをなげくおろかさ(後水尾院)
25 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:07:12 ID:lc+lHsIE
おもふより遠くきぬらし旅衣分くる夏野の草たかくなる(後水尾院)
26 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:08:04 ID:lc+lHsIE
波さわぐうきねのまくら又うきぬ都のゆめのかへる名残に(後水尾院)
27 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:10:14 ID:lc+lHsIE
ひらけなほ文の道こそ古へにかへらん跡は今はのこらめ(後水尾院)
28 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:37:54 ID:lc+lHsIE
見ずしらぬ昔人さへ忍ぶかなわがくらき世を思ふ余りに(後水尾院)
29 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:39:20 ID:lc+lHsIE
人もこれ草葉もしげし野も広しつむ菜となれば雨もすくなし(後水尾院)
30 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:41:59 ID:lc+lHsIE
みちみちの百の工のしわざまでむかしに及ぶ物はまれにて(後水尾院)
31 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:43:14 ID:lc+lHsIE
さまざまに見しよをかへす道なれや雨夜更け行くともし火の本(後水尾院)
32 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:44:39 ID:lc+lHsIE
こひつつも鳴くや四かへり百千鳥霞へだてて遠きむかしを(後水尾院)
33 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:46:49 ID:lc+lHsIE
南に事も夢の外なる世はなしと思ひしこともかきまぎれつつ(後水尾院)
34 :
名無氏物語:2009/08/04(火) 16:48:18 ID:lc+lHsIE
無かひゐてたださながらの俤に一ことをだにかはさぬぞうき(後水尾院)
35 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:41:13 ID:W62KpWF2
阿け暮れにありしながらのことわざも目の前さらに見る心地して(後水尾院)
36 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:42:46 ID:W62KpWF2
弥ぬ世まで思ひのこさずとばかりも此の一ことを何にかふべき
37 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:45:08 ID:W62KpWF2
陀れに思ひ聞きてもみても驚かぬ世をばいつまで空たのみして(後水尾院)
38 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:46:42 ID:W62KpWF2
仏たたびはめぐりあはむもたのまれずこの世を夢の契りかなしも(後水尾院)
39 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:56:03 ID:W62KpWF2
うらやまし思ひ入りけむ山よりも深き心の奥のしづけさ(後水尾院)
40 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:56:55 ID:W62KpWF2
いかで其すめる尾上の松風にわれもうき世の夢をさまさむ(後水尾院)
41 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:57:43 ID:W62KpWF2
故郷にかへればかはる色もなし花も見し花山も見し山(後水尾院)
42 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:58:46 ID:W62KpWF2
行き行きておもふもかなし末遠くこえし高根の峰の白雲(後水尾院)
43 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 16:59:28 ID:W62KpWF2
ひと夜あけて四方の草木のめもはるにうるふ時しる雨の長閑さ(中院通村)
44 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:00:28 ID:W62KpWF2
色どらぬただ一筆の墨がきを都の遠にかすむ峰かな(中院通村)
45 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:02:39 ID:W62KpWF2
墨がきのただ一筆の外なれや雨おつるえをわたる白さぎ(後柏原天皇)
46 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:07:42 ID:W62KpWF2
春の夜のみじかき軒端あけ初めて梅が香しろき窓の朝風(中院通村)
47 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:11:22 ID:W62KpWF2
吹き乱し止みがたになる春雨のしづくもさむき窓の朝風(徽安門院)
48 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:13:31 ID:W62KpWF2
朝露もこぼさで匂ふ花の上は心おくべき春風もなし(中院通村)
49 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:15:25 ID:W62KpWF2
こころだに花にみださじ露ばかり梢うごかす春風もなし(肖柏)
50 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:16:27 ID:W62KpWF2
朝露にそのまま匂ふ花の上は心おくべき春風もなし(中院通村)
51 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:20:47 ID:W62KpWF2
あつからぬ程とぞいそぐのる駒のあゆみの塵も雨のしめりに(中院通村)
52 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:21:57 ID:W62KpWF2
山風にきほふ木の葉のあとにまたおのれと落つる音ぞさびしき(中院通村)
53 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:25:33 ID:W62KpWF2
たれとなく草の枕をかりそめに行きあふ人も旅は親しき(中院通村)
54 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:42:36 ID:W62KpWF2
暮れにけり山より遠(をち)の夕日かげ雲にうつりし跡の光も(中院通村)
55 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:43:58 ID:W62KpWF2
初瀬山をのへのあらし音さえて霜夜にかへる暁の鐘(中院通村)
56 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:45:40 ID:W62KpWF2
まれにとひし人の跡さへ庭の面はいくへの苔の下にむもれて(中院通村)
57 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:47:04 ID:W62KpWF2
我が身には何ばかりなる思ひ出のありとてしのぶ昔なるらん(中院通村)
58 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:49:00 ID:W62KpWF2
橘のにほふ五月の郭公いかにしのぶる昔なるらん(源通忠)
59 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:49:57 ID:W62KpWF2
筆の海に今朝うつしても先づぞ見るさかゆく御代の春といふ文字(岡本宗好)
60 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:50:56 ID:W62KpWF2
花にいさむ心の駒のなづむまで古里遠き春の山ぶみ(岡本宗好)
61 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 17:58:10 ID:W62KpWF2
庵しめて住める田面のあぜつたひめぐれば遠し近き隣も(岡本宗好)
62 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:00:03 ID:W62KpWF2
つひに身のけぶりとならん果てやなほ花にたちそふ霞ならまし(元政)
63 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:01:07 ID:W62KpWF2
なほふかく見てこそやまめ山里のさびしさあかぬ秋の夜の月(元政)
64 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:02:57 ID:W62KpWF2
ほのぼのとあけゆく庭のおもしろく神代おぼゆる今朝の初雪(元政)
65 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:04:33 ID:W62KpWF2
里の犬のあとのみ見えてふる雪もいとど深草冬ぞさびしき(元政)
66 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:06:17 ID:W62KpWF2
のがれては山里ならぬ宿もなしただ我からの憂き世なりけり(元政)
67 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:07:50 ID:W62KpWF2
ものごとになほぞ忘れぬ出でし世を思ひ出でじと思ひ捨つれど(元政)
68 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:17:49 ID:W62KpWF2
身をさらぬ心を友とさだめずはひとり住むべき山の奧かは(元政)
69 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:18:47 ID:W62KpWF2
人の世を思ひ寝にのみまどろめばいやはかななる夢もみえけり(元政)
70 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:19:43 ID:W62KpWF2
まどろめばいやはかななる夢のうちの身をいく夜とてさめぬなげきぞ(藤原定家)
71 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:20:37 ID:W62KpWF2
心にもおよばぬものは何かあると心にとへば心なりけり(元政)
72 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:21:56 ID:W62KpWF2
先立たばなほいかばかり悲しさのおくるるほどはたぐひなけれど(元政)
73 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:23:44 ID:W62KpWF2
いまはただ深草山にたつ雲を夜半のけぶりの果てとこそ見め(元政)
74 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:53:23 ID:W62KpWF2
なにごとも昨日の夢としりながら思ひさまさぬ我ぞかなしき(元政)
75 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:54:40 ID:W62KpWF2
いかにしていかに報いん限りなき空を仰ぎて音には泣くとも(元政)
76 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:55:28 ID:W62KpWF2
たのもしなあまねき法の光には人の心の闇ものこらじ(元政)
77 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:56:16 ID:W62KpWF2
先立たばいかになげかんたらちねの子を思ふ道は我も知りぬる(木下長嘯子)
78 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 18:59:44 ID:W62KpWF2
惜しからぬ身ぞ惜しまるるたらちねの親ののこせる形見と思へば(元政)
79 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:01:17 ID:W62KpWF2
鷲の山つねにすむてふ峰の月かりにあらはれ仮にかくれて(元政)
80 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:02:14 ID:W62KpWF2
雨かすみ吹くとしもなき風のゆふべ花しめやかにかをりみちつつ(山名玉山)
81 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:06:07 ID:W62KpWF2
わたの原暮るれば見えぬ天地のさかひ知らせて出づる月影(山名玉山)
82 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:18:33 ID:W62KpWF2
この夕べ雪ふりぬべし薄曇り日の影よわみ風寒き空(山名玉山)
83 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:19:39 ID:W62KpWF2
夕日影雲のいづこに残るぞと暮るる色なき雪に見るかな(山名玉山)
84 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:24:46 ID:W62KpWF2
暮れやらで光をしばし残しけん雲に入日の雪にゆづりて(山名玉山)
85 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:26:02 ID:W62KpWF2
あとさきと見えつ隠れつせし人も同じ里とふ夕暮の声(山名玉山)
86 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:29:47 ID:W62KpWF2
同じ松同じ山さへさびしきはいかなる風か暮に吹くらん(山名玉山)
87 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:34:12 ID:W62KpWF2
武蔵野やゆけども秋の果てぞなきいかなる風か末に吹くらむ(源通光)
88 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:35:20 ID:W62KpWF2
朝菜つむ野辺のをとめに家とへばぬしだに知らずあとの霞に(下河辺長流)
89 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:36:19 ID:W62KpWF2
くもりなく目にこそ見えね春雨のふるか朝けの風の露けき(下河辺長流)
90 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:56:19 ID:W62KpWF2
おひそむる草葉も末はかかれとて風になびきて小雨ふるなり(下河辺長流)
91 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:57:40 ID:W62KpWF2
たらちねのこがひはじむる初春に柳ぞはやくまゆ籠りする(下河辺長流)
92 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 19:59:37 ID:W62KpWF2
青柳のまゆにこもれる糸なれば春のくるにぞ色まさりける(藤原兼輔)
93 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 20:00:39 ID:W62KpWF2
よも山にあくがれぬべき此ごろの心おちゐる家桜かな(下河辺長流)
94 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 20:01:39 ID:W62KpWF2
花も根にかへるを見てぞ木のもとにわれも家路は思ひいでける(下河辺長流)
95 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 20:02:46 ID:W62KpWF2
尋ねつる人は家路もわすられて花のみけふは根に帰るかな(寂蓮)
96 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 20:09:55 ID:W62KpWF2
おもふ人すむとはなしに早蕨のをりなつかしき山のべの里(下河辺長流)
97 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 20:10:51 ID:W62KpWF2
しでの山くらきをいでて時鳥なほさみだれの闇になくなり(下河辺長流)
98 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:01:51 ID:W62KpWF2
しでの山おくりやきつる郭公魂まつる夜の空に鳴くなり(細川幽斎)
99 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:04:46 ID:W62KpWF2
古をしのぶねざめのとこ世物をりあはれにも香る夜半かな(下河辺長流)
100 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:05:54 ID:W62KpWF2
秋と聞く風のつかひはけふたちぬ今いくかあらば初雁の声(下河辺長流)
101 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:06:57 ID:W62KpWF2
たましひの入野のすすき初尾花わがあかざりし袖と見しより(下河辺長流)
102 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:08:02 ID:W62KpWF2
ふく風の身にしむ秋はこもりつつ見ぬものかなし此の頃の空(下河辺長流)
103 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:09:42 ID:W62KpWF2
吹く風に身をまかせじとつつむまに命にまさる花や散りなん(下河辺長流)
104 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:12:26 ID:W62KpWF2
身にしむもあまりになればふく風のあはれさめゆく冬の夕ぐれ(下河辺長流)
105 :
名無氏物語:2009/08/05(水) 21:13:12 ID:W62KpWF2
小山田に冬の夕日のさしやなぎ枯れてみじかき影ぞのこれる(下河辺長流)
106 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:40:36 ID:QHv9uiu4
夜といへばねられぬ恋も故やあると夢殿にこそきかまほしけれ(下河辺長流)
107 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:41:23 ID:QHv9uiu4
わが為はつむもひろふもしるしなき恋わすれ草恋わすれ貝(下河辺長流)
108 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:45:26 ID:QHv9uiu4
みだるべき世は誰々も遁るらん治まる時をひとりすてばや(下河辺長流)
109 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:46:51 ID:QHv9uiu4
月かげに夜わたる雁のつらみても我が数たらぬ友ぞかなしき(下河辺長流)
110 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:56:17 ID:QHv9uiu4
かずたらぬ歎きになきてわれはただかへりわびたる雁の一つら(宗良親王)
111 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:57:13 ID:QHv9uiu4
いつかその雲をしのぎしあととめて我も高まのやまと言の葉(下河辺長流)
112 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:58:12 ID:QHv9uiu4
つひにわがきてもかへらぬ唐錦たつ田や何のふるさとの空(下河辺長流)
113 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:59:07 ID:QHv9uiu4
富士の嶺にのぼりてみれば天地はまだいくほどもわかれざりけり(下河辺長流)
114 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 06:59:49 ID:QHv9uiu4
うすくこく茂るをままに吹き分けて風のゆくへの見えし夏草(葛岡宣慶)
115 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 07:00:53 ID:QHv9uiu4
旅ぞ憂き一夜と思へど冬の夜は透間の風の吹きて身にしむ(葛岡宣慶)
116 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 07:03:08 ID:QHv9uiu4
夕立の風にきほひて鳴る神のふみとどろかす雲のかけ橋(徳川光圀)
117 :
名無氏物語:2009/08/06(木) 07:03:59 ID:QHv9uiu4
見るがうちに風こそかはれこの山の峰越す雲のあとの夕立(徳川光圀)
118 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:28:55 ID:mHFHoFpC
夕立のあとはとだえずなる神のふみとどろかす雲のかけはし(飛鳥井雅親)
119 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:30:28 ID:mHFHoFpC
荒磯の岩にくだけてちる月を一つになしてかへる波かな(徳川光圀)
120 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:31:57 ID:mHFHoFpC
よせかへり千々にくだけて荒磯やひとつもうせぬ波の月影(木下長嘯子)
121 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:33:11 ID:mHFHoFpC
もろともに見しその人の形見ぞと思へば思へば月もなつかし(徳川光圀)
122 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:34:52 ID:mHFHoFpC
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(徳川尋子)
123 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:36:39 ID:mHFHoFpC
君があたり思ふ心の通ひ路をふりなうづみそ今朝の初雪(徳川光圀)
124 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:37:39 ID:mHFHoFpC
時鳥なれも独りはさびしきに我をいざなへ死出の山路に(徳川光圀)
125 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:46:13 ID:mHFHoFpC
なきかへるしでの山ぢのほととぎすうき世にまよふ我をいざなへ(相模)
126 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:47:09 ID:mHFHoFpC
ひく琴に声も惜しまぬほととぎす感に堪へかね我もねになく(戸田茂睡)
127 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:47:55 ID:mHFHoFpC
暮れかけて山路の花にたれか来ん入日をつなげささがにの糸(戸田茂睡)
128 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:53:34 ID:mHFHoFpC
夕霧に谷中の寺は見えずなりて日暮の里にひびく入相(戸田茂睡)
129 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 00:58:16 ID:mHFHoFpC
立ちよるもひとりさびしき木の下に花も去年見し人や恋しき(戸田茂睡)
130 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:01:11 ID:mHFHoFpC
みそら行く光はさらにかはらぬにいつの月日の老となしけん(戸田茂睡)
131 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:13:38 ID:mHFHoFpC
老いぬれば姿こそはといさめても心も花になりがたの身や(戸田茂睡)
132 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:17:26 ID:mHFHoFpC
今は身にうとき人だにゆかしきは老の心の哀れはかなさ(戸田茂睡)
133 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:18:46 ID:mHFHoFpC
過ぎやすき月日の数も身にとまる老となしてや年の行くらん(正徹)
134 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:20:38 ID:mHFHoFpC
谷ごしにあなたもさこそながむらん友山住の暮の灯影を(戸田茂睡)
135 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:23:59 ID:mHFHoFpC
いのらずよ身はかりそめの旅衣袖敷しまの道の外には(戸田茂睡)
136 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:27:27 ID:mHFHoFpC
知る知らず宿りし人のわかれだに言葉のこりて晴るる夕立(宮川松堅)
137 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:28:22 ID:mHFHoFpC
さびしさを人に見よとは結ばじを雨の夕べの小山田のいほ(宮川松堅)
138 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 01:29:45 ID:mHFHoFpC
かへるかり空にもおもへ月花のふりすてがたき春のなごりを(徳川尋子)
139 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:10:04 ID:mHFHoFpC
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(徳川尋子)
140 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:10:44 ID:mHFHoFpC
思へども思はぬ人を思ひそめ思ふ心の思ふかひなき(徳川尋子)
141 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:13:15 ID:mHFHoFpC
世々の人の月はながめしかたみぞとおもへばおもへば物ぞかなしき(木下長嘯子)
142 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:27:59 ID:mHFHoFpC
今日はとひ明日はとはるる夢の世になき人しのぶ我もいつまで(徳川尋子)
143 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:28:55 ID:mHFHoFpC
いつのまに十とて三の春秋を送り迎ふもただ夢のごと(徳川尋子)
144 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:30:32 ID:mHFHoFpC
風になびく浅茅が末の露の世になき人恋ふるわれもいつまで(木下長嘯子)
145 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:32:28 ID:mHFHoFpC
ころころとよべどかへらず引く綱は死出の山路や引きまさるらん(徳川尋子)
146 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:33:42 ID:mHFHoFpC
何をこれと思ふことだにあらなくてひとよの夢ははやさめにけり(徳川尋子)
147 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:43:25 ID:mHFHoFpC
梢よりあらそひ落つるもみぢ葉のもろくなりゆく我が身なりけり(徳川尋子)
148 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 02:46:04 ID:mHFHoFpC
音にのみききしも今日は身の上にわけやのぼらん死出の山道(徳川尋子)
149 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 08:58:00 ID:mHFHoFpC
はつせのや里のうなゐに宿とへば霞める梅の立枝をぞさす(契沖)
150 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 08:59:54 ID:mHFHoFpC
朝菜つむ野辺のをとめに家とへば主だにしらずあとの霞に(下河辺長流)
151 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 09:00:53 ID:mHFHoFpC
夕づく日霞こもりし影消えて寒き入江をわたる梅が香(契沖)
152 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 09:01:52 ID:mHFHoFpC
かげろふの岩根のつつじ露ながらもえなんとする花の色かな(契沖)
153 :
名無氏物語:2009/08/07(金) 09:02:47 ID:mHFHoFpC
山陰はくれぬにくれてつつじ原てれる岡べはいり日をぞつぐ(契沖)
154 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:27:31 ID:kB9rGkm4
橘の陰ふむ道にしのべども昔ぞいとど遠ざかりゆく(契沖)
155 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:30:45 ID:kB9rGkm4
空の色は水よりすみて天の川ほたるながるる宵ぞ涼しき(契沖)
156 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:31:51 ID:kB9rGkm4
難波がた霧間の小船こぎかへりけふもきのふもおなじ夕暮(契沖)
157 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:33:03 ID:kB9rGkm4
夕けぶり麓の里にたなびきて月ぞのぼれる山風のうへに(契沖)
158 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:56:11 ID:kB9rGkm4
山深み霜ふむ跡の一すぢや木の葉のおくの人の通ひ路(契沖)
159 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:57:04 ID:kB9rGkm4
きのふまで何とはなくて思ふこと今日定まりぬ恋のひとつに(契沖)
160 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:58:08 ID:kB9rGkm4
ともにたつ宿の梢の朝鳥のかへる夕べをいづくにかねん(契沖)
161 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:58:58 ID:kB9rGkm4
出でてこしわが故里を人とはばいづれの雲をさしてこたへん(契沖)
162 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 00:59:39 ID:kB9rGkm4
別れこし心まどひにふる里の山さへあとに行くかとぞみる(契沖)
163 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 01:00:34 ID:kB9rGkm4
心ある人に一夜の宿かりて馴るるも悲し明日のふる里(契沖)
164 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 01:01:37 ID:kB9rGkm4
草枕ゆふべゆふべに数ふれば野暮れ山暮れ我は来にけり(契沖)
165 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 01:03:26 ID:kB9rGkm4
玉椿それもつひには朽ちぬべし千代も八千代も夢にやはあらぬ(契沖)
166 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:13:31 ID:kB9rGkm4
朝顔のしほれし花をはかなしと夕露の身のおもふなりけり(契沖)
167 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:17:10 ID:kB9rGkm4
きえぬ露しなぬ命のなき世とは誰かはしらで誰かしりたる(契沖)
168 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:18:59 ID:kB9rGkm4
花紅葉その錦にも立よらじいないな我は世捨人なり(契沖)
169 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:20:06 ID:kB9rGkm4
いかでわれ昔の人に似てしがな今の仏はたふとくもなし(契沖)
170 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:22:14 ID:kB9rGkm4
野べの露山の雫もしかま川海に出でてはかはらざりけり(契沖)
171 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:24:21 ID:kB9rGkm4
野べの露やまのしづくとたちぬれてかごとがましき旅衣かな(藤原雅経)
172 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:25:15 ID:kB9rGkm4
ふじのねは山の君にて高御座空にかけたる雪のきぬがさ(契沖)
173 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:26:06 ID:kB9rGkm4
露の身の消えぬもかなしもろともに枯れゆく萩ぞうらやまれぬる(田捨女)
174 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:37:28 ID:kB9rGkm4
それながらうつろひはてて庭の面にきえぬもかなし花の白雪(三条西実隆)
175 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 14:39:53 ID:kB9rGkm4
思ひやるこの夕暮のはつ風にふかくなりゆく秋のあはれを(田捨女)
176 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 15:29:21 ID:kB9rGkm4
きし方を思ひ思へばまどろまぬ夢の枕にかよふ秋風(田捨女)
177 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 15:31:28 ID:kB9rGkm4
秋ならで露けきものは君を置きてむなしく帰る野辺のわか草(井上通女)
178 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 15:32:30 ID:kB9rGkm4
よし君があしたに道を聞きしより終り正しきゆふべをぞ見る(井上通女)
179 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 15:34:20 ID:kB9rGkm4
たのみこし君はあしたの雲となりゆふべの雨とふる涙かな(井上通女)
180 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 15:37:42 ID:kB9rGkm4
いづくにかあまがけるらん夢にだに見ること難き魂のゆくすゑ(井上通女)
181 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:12:32 ID:kB9rGkm4
のどけしな豊葦原のけさの春風のすがたも水のこころも(祇園梶子)
182 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:13:22 ID:kB9rGkm4
見る人もなぎさの花はおもひいづやたえて桜といひしことの葉(祇園梶子)
183 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:19:33 ID:kB9rGkm4
一こゑは思ひなしかとながめやる雲のいづこぞ山ほととぎす(祇園梶子)
184 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:20:45 ID:kB9rGkm4
逢ふことははかなき春の夢路かなやがてうつろふ花のおもかげ(祇園梶子)
185 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:21:44 ID:kB9rGkm4
ちぎりあれば夢にも逢ふと思ふにぞさめしうつつのたのみなりける(祇園梶子)
186 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:22:33 ID:kB9rGkm4
見る人のあはれと思ひつらしとも心のままに月やすむらん(祇園梶子)
187 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:23:24 ID:kB9rGkm4
ながめつつ哀と思ひつらしとも人のままにや月はすむらん(正徹)
188 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:27:26 ID:kB9rGkm4
世々たえぬ星のちぎりにたぐへてよ一夜ばかりの中はたのまじ(祇園梶子)
189 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:29:33 ID:kB9rGkm4
さびしさもいかでいとはむ春雨にひもとく花のさかり待たれて(祇園百合子)
190 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:30:31 ID:kB9rGkm4
春雨のほどふる事も時にあへばひもとく花のつまとなりけり(壬生忠岑)
191 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 16:37:12 ID:kB9rGkm4
そこはかと行き交ふ人も咲く花のたもとをかざす春ののどけさ(祇園百合子)
192 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:11:00 ID:kB9rGkm4
霞しく木の芽はるさめふるごとに花のたもとはほころびにけり(藤原顕季)
193 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:12:11 ID:kB9rGkm4
夕波の立ちもかへらで涼しさのここを瀬にせむ河づらの里(祇園百合子)
194 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:13:26 ID:kB9rGkm4
うつつにもわたらまほしく思ひ寝に見し夜のままの夢の浮橋(祇園百合子)
195 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:15:06 ID:kB9rGkm4
面影は見しよのままのうつつにてちぎりは絶ゆる夢の浮橋(後崇光院)
196 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:16:39 ID:kB9rGkm4
憂きながらいつまでかくは世の中にすみの衣の身をもかへなで(祇園百合子)
197 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:19:30 ID:kB9rGkm4
花の名もあかぬ海辺のさくら貝はるのかたみにいざ拾ひ来ん(有賀長伯)
198 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:20:17 ID:kB9rGkm4
伊勢の海の玉よる波のさくら貝かひある浦の春の色かな(藤原定家)
199 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:21:44 ID:kB9rGkm4
入日さす豊旗雲の影そめて紅葉をひたす秋の浦波(有賀長伯)
200 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 17:42:24 ID:kB9rGkm4
おくれくる空はしぐれの雲間より夕日をおひて落つる雁がね(有賀長伯)
201 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 18:02:45 ID:kB9rGkm4
あけぬとて名のる烏の声の中に山際かすみ春は来にけり(荷田蒼生子)
202 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 18:03:44 ID:kB9rGkm4
いひしらぬ神代の春の面かげを見せてかすむや天のかぐ山(荷田春満)
203 :
名無氏物語:2009/08/08(土) 18:04:47 ID:kB9rGkm4
稲荷山ほがらほがらとあくる夜を名のるからすの声も春なる(荷田春満)
204 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 11:09:28 ID:TlgeTsM/
205 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 18:59:17 ID:CKJmmrRy
山はみなかをりし花の雲きえて青葉が上を風わたるなり(荷田春満)
206 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 18:59:59 ID:CKJmmrRy
山のはににほひし花の雲きえて春の日数は有明の月(慈円)
207 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:01:26 ID:CKJmmrRy
水上は夕立すらし見るがうちに一すぢにごる里のなか川(荷田春満)
208 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:03:33 ID:CKJmmrRy
涼しやといふ程もなく過ぐるなりけしきばかりの風の夕立(荷田春満)
209 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:05:34 ID:CKJmmrRy
ほのかにもあけゆく星の林まで秋の光と見れば身にしむ(荷田春満)
210 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:08:14 ID:CKJmmrRy
ふきかはる音ばかりかは風おこる雲のけしきも秋は見えけり(荷田春満)
211 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:09:32 ID:CKJmmrRy
来る秋は目に見えぬ風や幾千里あまはせ使おとに告ぐらむ(荷田春満)
212 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:11:01 ID:CKJmmrRy
松杉もうゑばや家の北おもて雪みむためと人はしらじな(荷田春満)
213 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:29:56 ID:CKJmmrRy
はてはいさ始めもしらぬ天の原ただ大空と見て仰ぐのみ(荷田春満)
214 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:31:47 ID:CKJmmrRy
ふる雨と照る日の恵みまちまちに高田くぼ田も神のまにまに(荷田春満)
215 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:32:41 ID:CKJmmrRy
紫も朱の衣もはえはあれど清き神路の山あゐの袖(荷田春満)
216 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 19:34:08 ID:CKJmmrRy
ふりはへて行きかふ袖の追風に都大路はかすみかぬらむ(加藤枝直)
217 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 20:58:27 ID:CKJmmrRy
桜さくかた野やいづこ白雲の中に流るる天の河なみ(加藤枝直)
218 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 20:59:10 ID:CKJmmrRy
上つふさの海より出でて行く月の泊りはふじの高嶺なりけり(加藤枝直)
219 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 20:59:53 ID:CKJmmrRy
千尋ある谷の下ゆく水底もてらしのこさぬ月のひと時(加藤枝直)
220 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 21:00:47 ID:CKJmmrRy
人しれずあはれなりしも憂かりしも思ひぞかへす袖の月かげ(加藤枝直)
221 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 21:02:06 ID:CKJmmrRy
さびしさを色に出でにけり蔦かづらくる人もなき軒にかかりて(加藤枝直)
222 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 21:53:48 ID:CKJmmrRy
おもかげの月にかげろひ花にそひ夢に現に忘れやはする(加藤枝直)
223 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 21:54:44 ID:CKJmmrRy
かぢ枕とま洩る雨の音づれもまぎれぬほどの波のしづけさ(加藤枝直)
224 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:00:08 ID:CKJmmrRy
まぎらはす時こそなけれ春の花めでてもやがて佐良科の月(正広)
225 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:01:07 ID:CKJmmrRy
月をめで花をみるにも面影のまづ先立ちてとふ思ひかな(正広)
226 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:02:41 ID:CKJmmrRy
かぢ枕とま洩る雨の音づれもまぎれぬほどの波のしづけさ(加藤枝直)
227 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:04:05 ID:CKJmmrRy
となりには初島みえて七島は潮気にくもる伊豆の海ばら(加藤枝直)
228 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:05:22 ID:CKJmmrRy
見わたしにさはらふ山のなければぞ早くも月のいづの海原(加藤枝直)
229 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:06:15 ID:CKJmmrRy
紀の海の南のはての空見れば汐けにくもる秋の夜の月(上田秋成)
230 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:34:59 ID:CKJmmrRy
伊豆の海のかつをつり船さちをおほみゆくらゆくらに漕ぎかへる見ゆ(加藤枝直)
231 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:36:29 ID:CKJmmrRy
神の代の昔よりしも在りかよふたぎつ走り湯の音のさやけさ(加藤枝直)
232 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:38:29 ID:CKJmmrRy
夕なぎに海人の釣舟幸ありて真間の入江にこぎかへる見ゆ(加藤枝直)
233 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:39:59 ID:CKJmmrRy
時津風吹きにけらしな真帆あげてとしまの江どに舟ぞ寄りくる(加藤枝直)
234 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:41:11 ID:CKJmmrRy
をつくばも遠つあしほも霞むなり嶺こし山こし春や来ぬらん(賀茂真淵)
235 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:44:30 ID:CKJmmrRy
菅の根の長見の浜の春の日にむれたつ鶴のゆたに見えけり(賀茂真淵)
236 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:45:22 ID:CKJmmrRy
咲きちるは変はらぬ花の春をへてあはれと思ふことぞそひゆく(賀茂真淵)
237 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 22:46:21 ID:CKJmmrRy
すがのねのながみね山の桜花かさなる雲の末ぞはるけき(藤原俊光)
238 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:45:37 ID:CKJmmrRy
咲きちるは変はらぬ花の春をへてあはれと思ふことぞそひゆく(賀茂真淵)
239 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:46:18 ID:CKJmmrRy
うらうらとのどけき春の心よりにほひいでたる山ざくら花(賀茂真淵)
240 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:47:13 ID:CKJmmrRy
かげろふのもゆる春日の山桜あるかなきかの風にかをれり(賀茂真淵)
241 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:48:05 ID:CKJmmrRy
み吉野を我が見にくれば落ちたぎつ滝のみやこに花散りみだる(賀茂真淵)
242 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:48:59 ID:CKJmmrRy
吉野山我が越え来れば落ちたぎつ滝のみやこに花散りかかる(賀茂真淵)
243 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:49:58 ID:CKJmmrRy
雲雀あがる春の朝けに見わたせばをちの国原霞棚引く(賀茂真淵)
244 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:51:36 ID:CKJmmrRy
ふる里の野べ見にくれば昔わが妹とすみれの花咲きにけり(賀茂真淵)
245 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:52:00 ID:0YUbPLlA
甲斐が嶺をねこし山こし吹く風を人にもがもや言づてやらむ(古今集・東歌)
246 :
名無氏物語:2009/08/09(日) 23:52:46 ID:0YUbPLlA
今更に雪ふらめやもかげろふの燃ゆる春日となりにしものを(新古今集・よみ人しらず)
247 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:02:49 ID:9UeQnerk
故郷の浅茅が原におなじくは君とすみれの花を摘まばや(肥後)
248 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:04:01 ID:9UeQnerk
故郷は春の暮こそあはれなれ妹に似るてふ山吹の花(賀茂真淵)
249 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:04:48 ID:9UeQnerk
陰ふかむ青葉のさくら若楓夏によりてもあかぬ庭かな(賀茂真淵)
250 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:05:57 ID:9UeQnerk
さなへ草植うる時とてさみだれの雲も山田におりたちにけり(賀茂真淵)
251 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:07:52 ID:9UeQnerk
あしびきの岩ね菅原いくつ夏しげりゆくらむ岩ね菅原(賀茂真淵)
252 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:08:57 ID:9UeQnerk
行く雲もほたるの影もかろげなり来む秋ちかき夕風のそら(賀茂真淵)
253 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:09:54 ID:9UeQnerk
大比叡や小比叡の雲のめぐり来て夕立すなり粟津野の原(賀茂真淵)
254 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:10:57 ID:9UeQnerk
ふたご山みねに北行く雲みえて夕立すなり芦の海づら(村田春海)
255 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:36:11 ID:9UeQnerk
高き屋はすずしかりけりあらがねの土てふものし夏にやあるらん(賀茂真淵)
256 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 00:37:41 ID:9UeQnerk
空高く蛍をさそふ夕風の身にしむまでになれる夏かな(賀茂真淵)
257 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 01:02:24 ID:9UeQnerk
わたの原豊さかのぼる朝日子のみかげかしこき六月の空(賀茂真淵)
258 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 01:04:02 ID:9UeQnerk
遠つあふみ浜名の橋の秋風に月すむ浦をむかし見しかな(賀茂真淵)
259 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 01:06:43 ID:9UeQnerk
曇りなく豊さかのぼる朝日には君ぞつかへんよろづ代までも(源俊頼)
260 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 01:09:03 ID:9UeQnerk
さらしなや姨捨山に旅寝してこよひの月をむかし見しかな(能因)
261 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:05:50 ID:9UeQnerk
天の原八重たな雲をふきわくる息吹もがもな月のかげ見む(賀茂真淵)
262 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:07:23 ID:9UeQnerk
秋の夜のほがらほがらと天の原てる月影に雁なきわたる(賀茂真淵)
263 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:10:30 ID:9UeQnerk
秋の夜のほがらほがらと天の原見つつし居れば月傾きぬ(平賀元義)
264 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:14:11 ID:9UeQnerk
こほろぎの鳴くや県の我が宿に月かげ清しとふ人もがも(賀茂真淵)
265 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:15:42 ID:9UeQnerk
県居の茅生の露原かき分けて月見に来つる都人かも(賀茂真淵)
266 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:17:45 ID:9UeQnerk
こほろぎの待ちよろこべる長月のきよき月夜はふけずもあらなん(賀茂真淵)
267 :
名無氏物語:2009/08/10(月) 09:20:27 ID:9UeQnerk
にほとりの葛飾早稲の新しぼり酌みつつをれば月かたぶきぬ(賀茂真淵)
268 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:25:59 ID:ukaXUMX9
野分してあがたの宿は荒れにけり月見に来よと誰につげまし(賀茂真淵)
269 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:27:58 ID:ukaXUMX9
ちちの木のちちぶの山の薄もみぢうすきながらに散れる冬かな(賀茂真淵)
270 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:29:21 ID:ukaXUMX9
露をだにもらさぬ松の下もみぢうすきながらに秋をみせけり(村田春海)
271 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:31:14 ID:ukaXUMX9
神無月たちにし日より雲のゐるあふりの山ぞ先づしぐれける(賀茂真淵)
272 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:32:47 ID:ukaXUMX9
相模嶺のいづれはあれど冬たてば雨降の山ぞ先づしぐれける(村田春海)
273 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:35:38 ID:ukaXUMX9
神無月立ちにし日よりあしびきの山さへもろき色に見えつつ(加納諸平)
274 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:36:47 ID:ukaXUMX9
神な月けふも時雨の晴れにけり曇りにけりと言ひて暮らしつ(賀茂真淵)
275 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:37:49 ID:ukaXUMX9
冬枯に里の藁屋のあらはれて群鳥すだく梢さびしも(賀茂真淵)
276 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:52:15 ID:ukaXUMX9
はしだての倉梯山に雲霧らひ高市国原雪ふりにけり(賀茂真淵)
277 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 00:56:03 ID:ukaXUMX9
おもふ人来てふに似たる夕かな初雪なびく篠の小薄(賀茂真淵)
278 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:00:18 ID:ukaXUMX9
野も山も冬はさびしと思ひけり雪に心のうかるるものを(賀茂真淵)
279 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:06:19 ID:ukaXUMX9
雪はるる朝けに見れば不二の嶺のふもとなりけり武蔵野の原(賀茂真淵)
280 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:07:52 ID:ukaXUMX9
くまもなく月すむ峰にながむれば千里は山の麓なりけり(藤原隆信)
281 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:09:52 ID:ukaXUMX9
たふときやすべらみことは神ながら神をまつらす今日のにひなべ(賀茂真淵)
282 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:41:51 ID:ukaXUMX9
ゆるしなき色とは知れど恋衣濃き紅にひとりそめつつ(賀茂真淵)
283 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:43:49 ID:ukaXUMX9
茂りあふ松かげに君をおきしより風の音こそかなしかりけれ(賀茂真淵)
284 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:44:52 ID:ukaXUMX9
色かはる萩の下葉をながめつつひとりある身となりにけるかも(賀茂真淵)
285 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:46:19 ID:ukaXUMX9
我がのちをたのみし人はさきだちてふりにける身をいかにしてまし(賀茂真淵)
286 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:47:48 ID:ukaXUMX9
を鹿なく岡辺の萩にうらぶれていにけむ君をいつとか待たん(賀茂真淵)
287 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 01:49:01 ID:ukaXUMX9
信濃なるすがの荒野を飛ぶ鷲のつばさもたわに吹く嵐かな(賀茂真淵)
288 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 02:01:02 ID:ukaXUMX9
不二の嶺のふもとを出でて行く雲は足柄山の峰にかかれり(賀茂真淵)
289 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 02:01:51 ID:ukaXUMX9
駿河なる富士の高嶺はいかづちの音する雲の上にこそ見れ(賀茂真淵)
290 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 16:27:37 ID:ukaXUMX9
み民われ生けるかひありてさすたけの君がみことを今日聞けるかも(賀茂真淵)
291 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 16:29:20 ID:ukaXUMX9
みはかしを玉まき田ゐの五百しろに千五百の秋の初風ぞ吹く(賀茂真淵)
292 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 16:30:56 ID:ukaXUMX9
よき言を一言主の大神の幸ひまさむ杖たてまつる(賀茂真淵)
293 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 16:36:40 ID:ukaXUMX9
萩が花見ればかなしないにし人かへらぬ野べに匂ふとおもへば(賀茂真淵)
294 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 16:45:28 ID:ukaXUMX9
立ちよりし袖にうつれる梅が香は木のもととほく過ぎてこそ知れ(萩原宗固)
295 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 16:46:26 ID:ukaXUMX9
にほはずはいづれを梅とたどらましこのもと遠く霞む夕日に(冷泉為村)
296 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:10:18 ID:ukaXUMX9
住みすててあはれ幾世の宿の花うゑつる木々は春も忘れず(澄月)
297 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:11:26 ID:ukaXUMX9
杖にする竹の心のつくづくとおもへば老いをたすけ来にけり(澄月)
298 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:12:30 ID:ukaXUMX9
世の中はかくこそ見ゆれつくづくと思へば仮の宿りなりけり(藤原高光)
299 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:13:26 ID:ukaXUMX9
けぶりとも立たばさはらむ野辺の月思ひやるまで身は老いにけり(澄月)
300 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:15:08 ID:ukaXUMX9
摘みやるはこの武蔵野の初若菜あづまの春をおもひこせとて(柳沢保光)
301 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:16:31 ID:ukaXUMX9
わけなれし雪ふる里の初若菜きみがめぐみに此の春も見つ(石野広通)
302 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:17:40 ID:ukaXUMX9
かへる雁春をよそなる谷陰は花なき里としばしやすらへ(石野広通)
303 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:18:28 ID:ukaXUMX9
せく水の水上とへば若草の緑につづく野田の苗代(石野広通)
304 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:53:33 ID:ukaXUMX9
わか草や先づもえ出でて苗代の緑をいそぐ小田のほそみち(中院通茂)
305 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 17:54:32 ID:ukaXUMX9
暮ふかき森のそなたや寺ならん灯火見えて鐘ひびく声(石野広通)
306 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:12:11 ID:ukaXUMX9
陰ふかき松よりおくや寺ならん暮るる山路に人かへるなり(頓阿)
307 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:15:42 ID:ukaXUMX9
月影も霞の空にしづまりて明け方ちかき遠の山の端(涌蓮)
308 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:16:52 ID:ukaXUMX9
静かにとすむ身はいとどあけぼのの春ばかりなるあはれさもなし(涌蓮)
309 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:19:52 ID:ukaXUMX9
浅茅生のきのふの露の色ながらゆふべ寂しき秋風ぞ吹く(涌蓮)
310 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:27:54 ID:ukaXUMX9
草も木もきのふの露の色ぞかし人の心に秋は来にけり(順徳院)
311 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:42:08 ID:ukaXUMX9
夕日影へだつる垣の外面より片枝さし出づる紅葉色こき(涌蓮)
312 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:43:18 ID:ukaXUMX9
さびしさはおなじ山路の雪のうちに隣の人も我を待つらし(涌蓮)
313 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:46:10 ID:ukaXUMX9
山風もおなじ軒端に聞き馴れてさびしとだにも問はず問はれず(涌蓮)
314 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:47:11 ID:ukaXUMX9
入相の鐘よりのちも立ち出でて寂しきままに向かふ山々(涌蓮)
315 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 18:48:14 ID:ukaXUMX9
夢さめて思ふも夢か古郷のはるかになりぬ小よの中山(涌蓮)
316 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 19:59:14 ID:ukaXUMX9
旅の世にまた旅寝して草まくら夢のうちにも夢をみるかな(慈円)
317 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:01:11 ID:ukaXUMX9
乱れ咲くちぐさの花の色まして帰るさ惜しき野路の夕ばえ(田安宗武)
318 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:01:58 ID:ukaXUMX9
いつしかと春も暮れゆく水の面に散りてぞ浮かむ花のさかづき(田安宗武)
319 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:23:49 ID:ukaXUMX9
追風に力もいれで舟人の帆かけてかへるけしきのどけき(田安宗武)
320 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:25:24 ID:ukaXUMX9
永き代の橋を行きかふ諸人はおのづからにや姿ゆたけき(田安宗武)
321 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:27:22 ID:ukaXUMX9
君が為すなどりせむと漕ぎつ行けば万代の橋のまづぞ見えぬる(田安宗武)
322 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:28:15 ID:ukaXUMX9
深川を漕出でて見れば入日さし富士の高根のさやけく見ゆかも(田安宗武)
323 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:29:18 ID:ukaXUMX9
洲崎辺に漕ぎ出でて見れば安房の山の雲居なしつつ遥けく見ゆも(田安宗武)
324 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:32:48 ID:ukaXUMX9
むら松の背向をのぼる月よみの半ばにわたる雲さへうまし(田安宗武)
325 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:33:45 ID:ukaXUMX9
帆ひきて寄せ来る船に月照れり楽しくぞあらむその舟人は(田安宗武)
326 :
名無氏物語:2009/08/11(火) 20:35:27 ID:ukaXUMX9
あま空のはれ間もあれな我が恋ふる今宵の月をはつかにも見む(田安宗武)
327 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:48:48 ID:YblF/X+D
いそのかみ古りにし唐の笛竹を吹き立て遊ぶ今宵たのしも(田安宗武)
328 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:49:49 ID:YblF/X+D
かくしあれと去年より欲りし我が心今宵の月と共に晴れけり(田安宗武)
329 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:50:51 ID:YblF/X+D
夕づく日はや隠ろひて旅衣ころも手さむく秋風ぞふく(田安宗武)
330 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:53:19 ID:YblF/X+D
昨日まで盛りを見むと思ひつる萩の花ちれり今日の嵐に(田安宗武)
331 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:57:04 ID:YblF/X+D
すがのねの永き春日に袖たれて見むと思ひし花ちりにけり(賀茂真淵)
332 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:57:49 ID:YblF/X+D
萩咲ける山辺の石は心ありと人や見るらむ仮に置きしを(田安宗武)
333 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:58:40 ID:YblF/X+D
心ありて植ゑたるやどの花なれば千年うつらぬ色にぞありける(紀貫之)
334 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 18:59:25 ID:YblF/X+D
酒のみて見ればこそあれこの夕べ雪ふみ分けて往き交ふ人は(田安宗武)
335 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:32:35 ID:YblF/X+D
富士の山見むとし欲りて山のべに作りし庵に入日さす見ゆ(田安宗武)
336 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:33:53 ID:YblF/X+D
吾や妹や子等はいましにあえぬべし汝はなほも松にあえてよ(田安宗武)
337 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:35:20 ID:YblF/X+D
学ばでもあるべくあるは生れながらの聖にてませどそれなほし学ぶ(田安宗武)
338 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:36:06 ID:YblF/X+D
書も読まで遊びわたるは網の中にあつまる魚の楽しむがごと(田安宗武)
339 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:36:58 ID:YblF/X+D
去年はさも思はざりしが青みます岩間の雪の清く見ゆかも(田安宗武)
340 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:37:58 ID:YblF/X+D
春雨は音しづけしも妹が家にい行きかたらひこの日暮らさむ(田安宗武)
341 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:38:54 ID:YblF/X+D
さざなみの比良の山べに花咲けば堅田にむれし雁かへるなり(田安宗武)
342 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:52:08 ID:YblF/X+D
霞わけて雁かへる見ゆ行先の遥けきもへばあはれむ吾は (田安宗武)
343 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:53:52 ID:YblF/X+D
やましろの井手の玉川みづ清みさやにうつろふ山吹の花(田安宗武)
344 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 19:55:02 ID:YblF/X+D
何ゆゑと事はしらぬを葵ぐさ賀茂の祭に吾もかざせり(田安宗武)
345 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:01:36 ID:YblF/X+D
かきつばた咲くなる池に風吹けば濃き紫にさざ波ぞよる(田安宗武)
346 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:02:20 ID:YblF/X+D
むらさきの色にぞ見ゆる杜若池のぬなはの這ひかかりつつ(源師時)
347 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:12:08 ID:YblF/X+D
夕日影にほへる雲のうつろへば蚊遣火くゆる山もとの里(田安宗武)
348 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:12:58 ID:YblF/X+D
蓮おふる池のみぎはにたたずめば衣にほはし清き風吹く(田安宗武)
349 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:13:45 ID:YblF/X+D
しじに生ふる池の蓮の花みれば風も吹かなくに心すずしも(田安宗武)
350 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:14:30 ID:YblF/X+D
あしびきの岩間をしぬぎ湧く水の落ちたぎち行く風のすずしさ(田安宗武)
351 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:15:25 ID:YblF/X+D
琴の緒をさ渡る風の響かすに秋さり来ぬと今はしるしも(田安宗武)
352 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:16:09 ID:YblF/X+D
わが恋ふる妹が垣根の女郎花白露おもみかたむくもよし(田安宗武)
353 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:47:34 ID:YblF/X+D
み吉野のとつ宮どころとめくればそことも知らに薄生ひにけり(田安宗武)
354 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 20:48:51 ID:YblF/X+D
武蔵野を人は広しとふ吾はただ尾花分け過ぐる道とし思ひき(田安宗武)
355 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:01:46 ID:YblF/X+D
我妹子と相ふしながら朝な朝な珍しみ見ぬ朝顔のよさ(田安宗武)
356 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:02:48 ID:YblF/X+D
あした昇り夕べまかづる宮人の家によろしき朝がほの花(田安宗武)
357 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:03:36 ID:YblF/X+D
荻はそもいかなる気よりなり出でしそよげる音の悲しくあるは(田安宗武)
358 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:04:36 ID:YblF/X+D
春さればきそひていにし雁がねは心ぼそげに啼きて来にけり(田安宗武)
359 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:05:25 ID:YblF/X+D
おほ原や小野のすみがま雪ふりて心ぼそげに立つけぶりかな(源師頼)
360 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:06:16 ID:YblF/X+D
香久山に生ふる真さかき枝さやに冴えたる月は神も愛づらむ(田安宗武)
361 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:26:18 ID:YblF/X+D
ひむがしの山のもみぢ葉夕日にはいよいよ紅くいつくしきかも(田安宗武)
362 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:30:32 ID:YblF/X+D
天ぎらひ雪うちちれど諸人の星うたふなる声さやけしも(田安宗武)
363 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:32:40 ID:YblF/X+D
かへらむと吾がせし時に我が紐をむすびし姿いつか忘れむ(田安宗武)
364 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 21:34:20 ID:YblF/X+D
語らむと思ひしことの残れれば今日をいかでか吾暮らしてむ(田安宗武)
365 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:05:34 ID:YblF/X+D
常に見てやすらにありし吾妹子を旅をしすれば恋ひわぶるかも(田安宗武)
366 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:06:52 ID:YblF/X+D
大君のみことかしこみうつくしき妹を振り捨て旅する我は(田安宗武)
367 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:09:27 ID:YblF/X+D
相おもはぬ人は恨みじ四十余り七つ経にける我が年をのみ(田安宗武)
368 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:10:18 ID:YblF/X+D
四十あまりななとせへぬる雲の上にながめし月も夢の秋風(木下長嘯子)
369 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:17:30 ID:YblF/X+D
ひむがしに向へる家は朝あけに明け行く空を見つつ楽しき(田安宗武)
370 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:19:04 ID:YblF/X+D
二つなき富士の高根のあやしかも甲斐にも在りとふ駿河にも在りとふ(田安宗武)
371 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:21:22 ID:YblF/X+D
植ゑし時は枯れぬべく見えし我が庭のしだり柳のめでたくなりぬ(田安宗武)
372 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:22:51 ID:YblF/X+D
いにしへの慕はしきかもかづらせでただに見むかもこれの柳を(田安宗武)
373 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:25:42 ID:YblF/X+D
たまどりの八尋の垂尾ひらきたてめぐる姿は見れどあかずけり(田安宗武)
374 :
名無氏物語:2009/08/12(水) 22:27:29 ID:YblF/X+D
今朝いたく雨乞鳥の啼けりしぞ早乙女まけて早苗とらさね(田安宗武)
375 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:45:04 ID:aq/XwovF
青雲の白肩の津は見ざれども今宵の月に思ほゆるかも(田安宗武)
376 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:46:52 ID:aq/XwovF
秋深き龍田の川はかくぞあらむ入日さす雲のうつる川づら(田安宗武)
377 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:49:42 ID:aq/XwovF
昼行きし川にしあれど夕されば静けくゆたに新しきごと(田安宗武)
378 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:53:01 ID:aq/XwovF
春がすみ立たるを見ればくぐもりし神代の昔思ほゆるかな(加藤宇万伎)
379 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:53:52 ID:aq/XwovF
梅の花ものがたりしは夢ならむ香ばかりさそふ春の手枕(加藤宇万伎)
380 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:56:23 ID:aq/XwovF
あしほ山夕立すらし筑波嶺のそがひの雲に雷の音する(加藤宇万伎)
381 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 14:59:17 ID:aq/XwovF
ぬば玉の夜更けて来鳴く雁がねは物思ひをる我ぞ聞きをる(加藤宇万伎)
382 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:43:12 ID:aq/XwovF
今日幾日山より山を見つつ来てともしくもあるか諏訪の湖(加藤宇万伎)
383 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:44:04 ID:aq/XwovF
もののふの草むす屍としふりて秋風さむしきちかうの原(加藤宇万伎)
384 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:45:43 ID:aq/XwovF
伊吹山いぶく朝風吹きたえてあふみは霧の海となりぬる(加藤宇万伎)
385 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:46:35 ID:aq/XwovF
関こえてうち出の浜にけさみれば淡海は霧の海にぞありける(下河辺長流)
386 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:47:22 ID:aq/XwovF
青海原霞みわたりてちはやぶる神代のままの春を見るかな(荷田蒼生子)
387 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:48:10 ID:aq/XwovF
わがくにの神代のままの春なれや霞みそめたるあはぢ島山(中院通勝)
388 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 15:49:07 ID:aq/XwovF
春なれや白浪わけてかづきする海人も霞の衣きてけり(荷田蒼生子)
389 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:32:05 ID:/gDd5aNv
人はみな戦に出でしかりの野に梅ばかりこそ春をしるらむ
って誰の歌かわかりませんか?
390 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:34:46 ID:aq/XwovF
誰が袖もうべこそ薫れ行きかひの大路にたてる梅さきてけり(荷田蒼生子)
391 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:36:10 ID:aq/XwovF
みだれつつ物思ふ頃は常よりもうちまもらるる青柳の糸(荷田蒼生子)
392 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:37:32 ID:aq/XwovF
夜もすがらふるともよしや五月雨のしめやかにだに語りあかさば(荷田蒼生子)
393 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:39:14 ID:aq/XwovF
ながむれば心の外のあはれさへ空に数そふ秋のゆふぐれ(荷田蒼生子)
394 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:40:08 ID:aq/XwovF
秋といへば憂しとあはれとふたしへに夕べの空をながむるやなぞ(荷田蒼生子)
395 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:41:15 ID:aq/XwovF
秋といへば夕べの風のなにすとか恋せぬ人の身にもしむらん(荷田蒼生子)
396 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:42:10 ID:aq/XwovF
まちをしむ心々を夜もすがら月に言ひつつめで明かすかな(荷田蒼生子)
397 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:50:10 ID:aq/XwovF
あかず見し千種の花もうつりゆきて紅葉になげく秋の暮かな(荷田蒼生子)
398 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:51:32 ID:aq/XwovF
ほのにだに逢ひ見ぬ程は三日月のわれやまめやは片恋にして(荷田蒼生子)
399 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 16:52:32 ID:aq/XwovF
皇神の天降りましける日向なる高千穂の岳やまづ霞むらむ(楫取魚彦)
400 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 17:00:59 ID:aq/XwovF
とほしろく清くさやけき山河のかはらず絶えず常にもがもな(楫取魚彦)
401 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 17:01:57 ID:aq/XwovF
天雲の向伏すをちのわたつみの霞める方ゆ船ぞみえくる(楫取魚彦)
402 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 17:04:03 ID:aq/XwovF
奥山の木の実とりはむ猿すらも春は花咲く枝にまじれり(楫取魚彦)
403 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 17:06:13 ID:aq/XwovF
春の野にひばりきかんととめくれば八重棚雲の上にぞありける(楫取魚彦)
404 :
名無氏物語:2009/08/13(木) 17:07:11 ID:aq/XwovF
秩父嶺を遠にみさけて久方の天ゆく月のてれる国原(楫取魚彦)
405 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:48:47 ID:KyYDSd84
しばの野に葛引くをとめ家のらへ此野づかさに葛引くをとめ(楫取魚彦)
406 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:50:13 ID:KyYDSd84
天の原吹きすさみたる秋風にはしる雲あればたゆたふ雲あり(楫取魚彦)
407 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:55:01 ID:KyYDSd84
風の音のとほつ大浦にはをよみはららにうける海人の釣舟(楫取魚彦)
408 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:55:53 ID:KyYDSd84
大海に島もあらなくに沖辺ゆも大島なして鯨寄り来も(楫取魚彦)
409 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:57:46 ID:KyYDSd84
ちちの実の父いまさずて五十年に妻あり子ありその妻子あり(楫取魚彦)
410 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:58:29 ID:KyYDSd84
吾がごとく今しも友やまどはせる夜わたる雁の声のかなしも(楫取魚彦)
411 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 08:59:29 ID:KyYDSd84
水無瀬川かすみの水脈のあらはれて一筋深き遠の山もと(小沢蘆庵)
412 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 09:52:59 ID:KyYDSd84
二本の杉のこずゑや泊瀬川霞のみをのしるしなるらむ(藤原家隆)
413 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 09:54:10 ID:KyYDSd84
何ごとのはらだたしかる折にしも聞けばゑまるる鶯の声(小沢蘆庵)
414 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 09:55:03 ID:KyYDSd84
ともすれば花にまがひて散る雪に梅が香寒き二月の空(小沢蘆庵)
415 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 09:55:52 ID:KyYDSd84
さしてゆくかたもなけれど香にめでて梅咲く野べは遠く来にけり(小沢蘆庵)
416 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 09:56:49 ID:KyYDSd84
小雨ふる春の夕べの山がらす濡れて寝にゆく声ぞ淋しき(小沢蘆庵)
417 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 09:57:49 ID:KyYDSd84
夕まぐれこだかき森にすむ鳩のひとり友よぶ声ぞさびしき(藤原良経)
418 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:33:06 ID:KyYDSd84
巣をまもる外面の森の夕がらす友なしになく声ぞさびしき(伏見院)
419 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:34:29 ID:KyYDSd84
夕烏かへる翅やしめるらむ小雨そぼ降る春の山畑(海野幸典)
420 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:35:26 ID:KyYDSd84
春雨の音きくたびに窓あけて軒の桜の木の芽をぞ見る(小沢蘆庵)
421 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:52:19 ID:KyYDSd84
大井川月と花とのおぼろにてひとり霞まぬ波の音かな(小沢蘆庵)
422 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:53:10 ID:KyYDSd84
霞しくこのめはるさめふるごとに花のたもとはほころびにけり(藤原顕季)
423 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:54:25 ID:KyYDSd84
柴人の鎌とぎさしてをしへつる山路の花を尋ねてぞ入る(小沢蘆庵)
424 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 22:56:47 ID:KyYDSd84
妻木こるしづをにとへば花は見ゆ朝日あたりの峰にとぞ云ふ(覚性法親王)
425 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:09:08 ID:KyYDSd84
来む春はいかでか見むと思ふ身になほ惜しめとや花の散るらむ(小沢蘆庵)
426 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:10:24 ID:KyYDSd84
惜しみかねまどろむ夢のたましひや花の跡とふ胡蝶とはなる(小沢蘆庵)
427 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:11:28 ID:KyYDSd84
桜ちる春のみなとの追風に花つみそへていづる百舟(小沢蘆庵)
428 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:12:28 ID:KyYDSd84
種蒔きて幾日へぬらんみごもりに薄もえぎなる小田の苗代(小沢蘆庵)
429 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:13:34 ID:KyYDSd84
面影は時雨の秋のもみぢにて薄もえぎなる神なびのもり(藤原隆信)
430 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:15:56 ID:KyYDSd84
みどりなる広葉隠れの花ちりてすずしくかをる桐の下風(小沢蘆庵)
431 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:17:46 ID:KyYDSd84
きのふまで花にいとひし心さへ青葉にかはる風のいろかな(小沢蘆庵)
432 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:38:48 ID:KyYDSd84
ひびきくる田歌も今は友となりて稀に聞こえぬ暮ぞ淋しき(小沢蘆庵)
433 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:39:38 ID:KyYDSd84
うづまさの杜にひびきて聞こゆなり四方の田歌の夕暮の声(小沢蘆庵)
434 :
名無氏物語:2009/08/14(金) 23:41:30 ID:KyYDSd84
渡殿のともしの火影またたきて夕風ながらうつすやり水(小沢蘆庵)
435 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:10:31 ID:IIuODoYd
わがごとや老いて疲れししづの女がおくれてかへる小野の山道(小沢蘆庵)
436 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:12:17 ID:IIuODoYd
しづの女が門のほし瓜取りいれよ風ゆふだちて雨こぼれきぬ(小沢蘆庵)
437 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:13:13 ID:IIuODoYd
山陰の青みな月の江の水に釣する小舟すずしげにみゆ(小沢蘆庵)
438 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:15:34 ID:IIuODoYd
麓よりかげろひゆきて粟田山みねの夕日のかげぞ涼しき(小沢蘆庵)
439 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:16:42 ID:IIuODoYd
旅人のは山のすそにやすらへばあをみな月も涼しかりけり(曾禰好忠)
440 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:18:11 ID:IIuODoYd
霧りわたる苔路しめりてひややかに来る秋しるき庭の木隠れ(小沢蘆庵)
441 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:37:03 ID:IIuODoYd
我が庵に近き吉田のかぐら岡のぼりてぞ見る星合の空(小沢蘆庵)
442 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:40:11 ID:IIuODoYd
ほどちかき吉だの宮のかぐら岡さて松風のこゑしぼりけり(冷泉為尹)
443 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:41:30 ID:IIuODoYd
こん秋もなほ世にあらば槿の花をはかなと又こそは見め(小沢蘆庵)
444 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 00:45:42 ID:IIuODoYd
われ死なば我がなき魂は来ん秋の野べの尾花や招きてあらん(小沢蘆庵)
445 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:02:36 ID:IIuODoYd
我死なばわが父母のなき魂をむかへおくりて誰か祭らん(小沢蘆庵)
446 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:14:22 ID:IIuODoYd
衣うつ声は残りて夕霧にややかくれゆく山もとの里(小沢蘆庵)
447 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:15:43 ID:IIuODoYd
波となり小船となりて夕暮の雲のすがたぞはてはきえゆく(小沢蘆庵)
448 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:17:00 ID:IIuODoYd
憂しとてもいかがはすべき心もて入りにし山の秋の夕暮(小沢蘆庵)
449 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:18:25 ID:IIuODoYd
太秦の深き林をひびきくる風の音すごき秋の夕暮(小沢蘆庵)
450 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:22:20 ID:IIuODoYd
山遠くたなびく雲にうつる日もやや薄くなる秋の夕暮(小沢蘆庵)
451 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:23:20 ID:IIuODoYd
とぶ鳥の行くかた遠く見おくれば霧にかくるる秋の夕暮(小沢蘆庵)
452 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:24:34 ID:IIuODoYd
月ひとり天にかかりてあらがねの土もとほれと照る光かな(小沢蘆庵)
453 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 01:26:24 ID:IIuODoYd
月清み小簾の内外のへだてなくふたへに松の影ぞうつろふ(小沢蘆庵)
454 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:06:57 ID:IIuODoYd
見るがうちに秋風高くなりにけり松はなびかで雲のみぞ飛ぶ(小沢蘆庵)
455 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:08:03 ID:IIuODoYd
里の犬の声のみ空の月にすみて人はしづまる宇治の山陰(小沢蘆庵)
456 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:09:29 ID:IIuODoYd
さよふけて宿もる犬の声しげし人はしづまる里の一むら(伏見院)
457 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:10:39 ID:IIuODoYd
栗もゑみ柿も色づきうなゐらがほこらしげなる時も来にけり(小沢蘆庵)
458 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:11:53 ID:IIuODoYd
小鳥おふ鳴子の縄に手をかけて竹のは山の夕日をぞみる(小沢蘆庵)
459 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:13:32 ID:IIuODoYd
もみぢ葉を尋ねて入れば山もとの林にひびく鳥の一こゑ(小沢蘆庵)
460 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:14:34 ID:IIuODoYd
松にふく風もあらしになりにけり北窓ふたげ冬籠りせん(小沢蘆庵)
461 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:15:30 ID:IIuODoYd
降りつもる雪はうすゆき松竹もわかるるほどの夕ぐれの色(小沢蘆庵)
462 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:41:04 ID:IIuODoYd
有明の月と見しまに松竹もわかれぬ色ぞ雪にわかるる(後水尾院)
463 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 14:41:55 ID:IIuODoYd
ふりおもる竹のしづくも音更けて雨静かなる夜の山窓(小沢蘆庵)
464 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 15:00:15 ID:IIuODoYd
朝まだき立ち出でてみればわが庵の軒端の山に雲ぞわかるる(小沢蘆庵)
465 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 15:02:52 ID:IIuODoYd
我が松のこずゑのからす音になけば里の市人朝だちすなり(小沢蘆庵)
466 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 15:05:16 ID:IIuODoYd
ものの音は遠きまされり烏すらはるかに聞けばをかしかりけり(小沢蘆庵)
467 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 15:06:40 ID:IIuODoYd
朝がほの花の物いふ心地してみやびし妹が声ぞわすれぬ(小沢蘆庵)
468 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 15:11:32 ID:IIuODoYd
つくづくとひとりし物を思ふには問はずがたりぞ常にせらるる(小沢蘆庵)
469 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:43:49 ID:IIuODoYd
今ははや浜のまさごの道たえてよるかたもなき和歌の浦波(栂井道敏)
470 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:44:42 ID:IIuODoYd
この国はことばの海のおほ八島いづくによるも和歌の浦波(小沢蘆庵)
471 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:46:43 ID:IIuODoYd
すなほなる心詞ぞ行末にのこらん道のすがたなりける(小沢蘆庵)
472 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:48:26 ID:IIuODoYd
ことの葉は人の心の声なれば思ひをのぶるほかなかりけり(小沢蘆庵)
473 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:50:13 ID:IIuODoYd
いにしへは大根はじかみ韮なすび蒜干し瓜も歌にこそよめ(小沢蘆庵)
474 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:51:31 ID:IIuODoYd
言ふことはみな心より出でながら心を言はんことの葉ぞなき(小沢蘆庵)
475 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:52:32 ID:IIuODoYd
芦原や此の国ぶりのことの葉にさかゆる御代の声ぞきこゆる(小沢蘆庵)
476 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 16:53:37 ID:IIuODoYd
身の憂さをかたりてだにもなぐさめし君にさへこそまた別れけれ(小沢蘆庵)
477 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:24:01 ID:IIuODoYd
あなさびし狸つづみうて琴ひかむ我琴ひかば狸つづみうて(小沢蘆庵)
478 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:25:32 ID:IIuODoYd
浪の上を漕ぎくと思へば磯際に近くなるらし松の音高し(小沢蘆庵)
479 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:27:06 ID:IIuODoYd
かぎりなく来れどもおなじ春なればあかぬ心もかはらざりけり(土岐筑波子)
480 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:28:29 ID:IIuODoYd
吾が背子がときあらひ衣もぬはなくに荻の葉そよぎ秋風の吹く(土岐筑波子)
481 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:29:36 ID:IIuODoYd
別路の空にうちちるしら雪の心みだれてゆくへしらずも(土岐筑波子)
482 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:30:28 ID:IIuODoYd
おもひねの夢のすさびにならひ来てうつつともなき今宵なりけり(土岐筑波子)
483 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:31:12 ID:IIuODoYd
ほのかにも見し人ならばおもひねになぐさむ夢もあらましものを(土岐筑波子)
484 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 17:32:11 ID:IIuODoYd
うつり香の残るばかりは夢ならで夢かとたどるよはのおも影(土岐筑波子)
485 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:02:50 ID:IIuODoYd
むすびつと見そむるほどもあらなくにはかなく消えし草の上の露(土岐筑波子)
486 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:04:50 ID:IIuODoYd
なき魂のあるを恋しと思ひせば夢路にだにもたちかへらなん(土岐筑波子)
487 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:05:50 ID:IIuODoYd
いはけなくいかなるさまにたどりてか死出の山路をひとりこゆらん(土岐筑波子)
488 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:06:59 ID:IIuODoYd
清らなる色こそは似め桜花などはかなさの雪にあえつる(鵜殿余野子)
489 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:08:05 ID:IIuODoYd
青葉より紅匂ふ若楓もみぢむ秋の色ぞゆかしき(鵜殿余野子)
490 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:09:08 ID:IIuODoYd
物の音もながるる水に声すみて夏の外行く船のうちかな(鵜殿余野子)
491 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:10:17 ID:IIuODoYd
夕さればならの下風袖過ぎて夏のほかなる日ぐらしのこゑ(式子内親王)
492 :
名無氏物語:2009/08/15(土) 18:11:14 ID:IIuODoYd
河浪の音にきほひて涼しきは秋の風てふしらべなるらし(鵜殿余野子)
493 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 13:59:00 ID:JEdSwrNd
ふるさとの佐保の河水ながれてのよにもかくこそ月はすみけれ(鵜殿余野子)
494 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 13:59:57 ID:JEdSwrNd
ながれてのよにもかくこそ秋の月すみて久しき白河のみづ(小沢蘆庵)
495 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 14:00:53 ID:JEdSwrNd
深き夜のあはれを見する月影にいるさの山のおくぞゆかしき(鵜殿余野子)
496 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 14:02:05 ID:JEdSwrNd
暮れぬとも紅葉のかげしあかければかへる山路はいそがざらまし(鵜殿余野子)
497 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 14:03:36 ID:JEdSwrNd
ほかげにも小春てふ名はかくれねどはつかに匂ふ夜の梅が香(鵜殿余野子)
498 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 14:04:21 ID:JEdSwrNd
深き夜の道はしるべにまかせてもかをれる雪をいかで踏むべき(鵜殿余野子)
499 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 14:06:30 ID:JEdSwrNd
あま雲の中にや君はまじりにし時雨るる空を見ればかなしも(鵜殿余野子)
500 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 14:08:08 ID:JEdSwrNd
時雨ふる山辺をみればもみぢばの過ぎにし君がゆくへしのばゆ(鵜殿余野子)
501 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:18:40 ID:JEdSwrNd
かげろふのもゆる春日の空みればゆくへもしらぬ君ぞ恋しき(鵜殿余野子)
502 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:20:14 ID:JEdSwrNd
かげろふのもゆる春日の山桜あるかなきかの風にかをれり(賀茂真淵)
503 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:21:14 ID:JEdSwrNd
朝な朝なけづるとすれど黒髪のおもひ乱るるすぢぞ多かる(鵜殿余野子)
504 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:22:10 ID:JEdSwrNd
膝のうへに指さしてみし古の秋の月こそ恋しかりけれ(鵜殿余野子)
505 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:23:11 ID:JEdSwrNd
夜もすがら月やあらぬとかこつかないそぢふりにし秋をこひつつ(鵜殿余野子)
506 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:24:08 ID:JEdSwrNd
ながらへて今宵の空の月も見つまた来む秋は命なりけり(鵜殿余野子)
507 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:46:01 ID:JEdSwrNd
月影も見し春の夜の夢ばかり霞に残るあけぼのの空(本居宣長)
508 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:47:26 ID:JEdSwrNd
朝日かげまちとるかたの梢より外山のさくら色ぞ添ひゆく(本居宣長)
509 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:48:13 ID:JEdSwrNd
まちつけて初花見たるうれしさは物言はまほし物言はずとも(本居宣長)
510 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 16:50:28 ID:JEdSwrNd
咲きにほふ春のさくらの花見ては荒らぶる神もあらじとぞ思ふ(本居宣長)
511 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:01:52 ID:JEdSwrNd
日ぐらしに見ても折りてもかざしてもあかぬ桜を猶いかにせむ(本居宣長)
512 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:03:08 ID:JEdSwrNd
桜花ちる木のもとに立ちよりてさらばとだにも言ひて別れむ(本居宣長)
513 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:10:34 ID:JEdSwrNd
老いのくせ人や笑はむ桜花あはれあはれと同じ言して(本居宣長)
514 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:42:06 ID:JEdSwrNd
敷島のやまと心を人とはば朝日ににほふ山ざくら花(本居宣長)
515 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:46:19 ID:JEdSwrNd
六月に風にあつとてとり出ればやがて読ままくほしき書ども(本居宣長)
516 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:47:08 ID:JEdSwrNd
菅の根の長き春日もみじかきぞ書よむ人のうれひなりける(本居宣長)
517 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:48:27 ID:JEdSwrNd
からふみも見ればをかしき節おほし物のことわりこちたけれども(本居宣長)
518 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:49:16 ID:JEdSwrNd
朝夕に物食ふほどもかたはらにひろげおきてぞ書はよむべき(本居宣長)
519 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:51:06 ID:JEdSwrNd
おきわたす田の面の露も深き夜の稲葉におもる秋の月影(本居宣長)
520 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 17:54:59 ID:JEdSwrNd
風あらきもとあらの小萩袖に見て更けゆく夜半におもる白露(藤原定家)
521 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:21:57 ID:JEdSwrNd
老いぞ憂きうかりける世の秋とても涙のひまはありし月夜を(本居宣長)
522 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:23:16 ID:JEdSwrNd
さし出づる影にちしほの色見えて夜の紅葉は月ぞ染めける(本居宣長)
523 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:26:18 ID:JEdSwrNd
島山はつもるも見えずかきくれて友船しろき雪の海原(本居宣長)
524 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:27:48 ID:JEdSwrNd
朝たちて比良の高根の雪見ればきぞの夜床はうべさえにけり(本居宣長)
525 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:30:04 ID:JEdSwrNd
むし衾なごやが下の埋み火に足さしのべて寝らくしよしも(本居宣長)
526 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:31:16 ID:JEdSwrNd
朝戸出の庭もはだれに降りしきぬ昨夜の夜床はうべさえにけり(鹿持雅澄)
527 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:33:09 ID:JEdSwrNd
ちりぢりに夕ぐれかへる市人のわかれぞ今日は年の別れ路(本居宣長)
528 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:49:07 ID:JEdSwrNd
たれもみな今日は暮れゆく年の数身にかひそへて帰る市人(本居宣長)
529 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:49:52 ID:JEdSwrNd
里人い桜うゑつぐ吉野山神の御ためと桜うゑつぐ(本居宣長)
530 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 18:50:59 ID:JEdSwrNd
いや植ゑに植ゑよ桜を吉野山をのへも谷もあひだなきまで(本居宣長)
531 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:07:03 ID:JEdSwrNd
みくまりの峰ゆ延へたる尾のうへに家むらつづくみ吉野の里(本居宣長)
532 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:08:09 ID:JEdSwrNd
吉野山咲かむ桜の花待たず我やかへらむ雁ならなくに(本居宣長)
533 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:09:10 ID:JEdSwrNd
仏らは玉のうてなにいつかえて神は雨もる小屋のしき屋に(本居宣長)
534 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:10:10 ID:JEdSwrNd
この神よいかにふ神ぞ青雲のたなびく空に雪のつもれる(本居宣長)
535 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:10:58 ID:JEdSwrNd
わたらひの大河水をむすびあげて心も清くおもほゆるかも(本居宣長)
536 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:11:59 ID:JEdSwrNd
言挙せぬ国にはあれども枉説の言挙こちたみ言挙す吾は(本居宣長)
537 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:13:12 ID:JEdSwrNd
おもほさぬ隠岐のいでまし聞くときはしづのを我も髪さかだつを(本居宣長)
538 :
名無氏物語:2009/08/16(日) 19:14:09 ID:JEdSwrNd
鎌倉の平の子らがたはれわざ蘇我の馬子に罪おとらめや(本居宣長)
539 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:32:14 ID:bCbwqxR/
吹きおくる風のきぬたも更くる夜はものにまぎれぬ音のさびしさ(日野資枝)
540 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:38:45 ID:bCbwqxR/
寂しさよものにまぎれぬ松の戸の心もしらぬ秋の夕風(烏丸光広)
541 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:40:13 ID:bCbwqxR/
友をこそ待つべかりけれ庭の雪見捨てていかが誰をとはまし(日野資枝)
542 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:41:57 ID:bCbwqxR/
いにしへの詞ならずは新しき心の花もいかで見ゆべき(日野資枝)
543 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:43:23 ID:bCbwqxR/
ありし世は衣にも摺りて服し人の印に立てる榛の木あはれ(横井千秋)
544 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:44:26 ID:bCbwqxR/
枯れて生ひ生ひて枯れつついつの間か三年霜ふる墓の上の草(横井千秋)
545 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:45:28 ID:bCbwqxR/
蚊遣り焼く吾し寝ればたらちねの母のさ寝ずてますが悲しさ(横井千秋)
546 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:46:21 ID:bCbwqxR/
花の色に心もそめぬうなゐ児の昔よりこそ春は待たれし(油谷倭文子)
547 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:55:24 ID:bCbwqxR/
手を折りて春待ちかねしうなゐ子の昔を恋ふる年の暮かな(鵜殿余野子)
548 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 14:56:23 ID:bCbwqxR/
玉垂れの小簾の外ちかき梅の花いとしもふれぬ袖も香れる(油谷倭文子)
549 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:02:59 ID:bCbwqxR/
衣手のかへまをしさも忘られて今年も花の香をぞしめてき(油谷倭文子)
550 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:04:13 ID:bCbwqxR/
秋の野はあはれなりけり夕風に尾花みだれてちれる白露(油谷倭文子)
551 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:05:44 ID:bCbwqxR/
月みればおふけなくしも成りぬかなしらぬ千里も思ひやられて(油谷倭文子)
552 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:13:20 ID:bCbwqxR/
おもなくもてらせる月の光かな中なる人やいかが見るらん(油谷倭文子)
553 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:15:30 ID:bCbwqxR/
月影にのれる心のままならばいづこの浦やとまりならまし(油谷倭文子)
554 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:16:53 ID:bCbwqxR/
袖の上におぼえずおつる涙にもすずろに月はやどりぬるかな(油谷倭文子)
555 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:18:08 ID:bCbwqxR/
さびしとはこれをいふらん木の葉ふり月影すめる夜はの山風(油谷倭文子)
556 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:19:59 ID:bCbwqxR/
柴の庵に夜はのしぐれの音聞きてぬらせる袖はいつかかわかん(油谷倭文子)
557 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:20:56 ID:bCbwqxR/
はかなくて明けば明けなんうつくしき言をば後も尽しこそせめ(油谷倭文子)
558 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 15:22:04 ID:bCbwqxR/
末いかに塵や重ねむ手枕の新しきほどにふた夜こぬ君(油谷倭文子)
559 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:02:56 ID:bCbwqxR/
一夜経といへばたやすし昨日今日おぼつかなさの数をやはしる(油谷倭文子)
560 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:04:15 ID:bCbwqxR/
よひよひに涙はゆるす折もあるをやるかたなきぞ心なりける(油谷倭文子)
561 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:05:19 ID:bCbwqxR/
三輪の山しかも霞はかくせども花は名にこそあらはれにけれ(油谷倭文子)
562 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:06:42 ID:bCbwqxR/
ひとり寝の夜な夜なゆるす涙よりやがてうき名のよそにもりぬる(飛鳥井雅有)
563 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:07:39 ID:bCbwqxR/
人もまだとひこぬほどの朝ぼらけ花のひかりぞいとど静けき(伴蒿蹊)
564 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:09:10 ID:bCbwqxR/
世ばなれてのどかにすめる山水にこのごろ桃の花も浮かべり(伴蒿蹊)
565 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:10:09 ID:bCbwqxR/
月の夜におのづからなる虫のねは糸竹よりもあはれとぞ聞く(伴蒿蹊)
566 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:11:07 ID:bCbwqxR/
あらざらむ我が世の後の秋までも思ひおかるるやどの月かげ(伴蒿蹊)
567 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:21:33 ID:bCbwqxR/
遠近の山もそのふの見わたしにまじる色なき雪の朝明け(伴蒿蹊)
568 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 16:24:11 ID:bCbwqxR/
もどかしと人は見るらしいはけなき心ながらに身はふりにける(伴蒿蹊)
569 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:01:33 ID:bCbwqxR/
よしさらばわらは心になりはてて老いの数そふ年も惜しまじ(伴蒿蹊)
570 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:02:38 ID:bCbwqxR/
風はやき山はけしきを立ちかへて横川の杉に霞たなびく(上田秋成)
571 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:03:24 ID:bCbwqxR/
我こそは面がはりすれ春霞いつも生駒の山に立ちけり(上田秋成)
572 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:04:14 ID:bCbwqxR/
春の雪あがきにくだき信濃なる菅のあら野の駒いさむなり(上田秋成)
573 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:05:48 ID:bCbwqxR/
曇り日はことにぞにほふ梅の花風吹きとづる深き霞に(上田秋成)
574 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:06:52 ID:bCbwqxR/
かげろふのもゆる春日の小松原鶯遊ぶ枝うつりして(上田秋成)
575 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:07:53 ID:bCbwqxR/
声の色をそへよ鶯梅はとく春しる花の枝うつりして(冷泉為村)
576 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:08:48 ID:bCbwqxR/
九重もちかくやなりぬ道広きゆくてに萌ゆる春の青柳(上田秋成)
577 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:15:32 ID:bCbwqxR/
大寺の門辺にたてる古柳土はくまでに枝は垂れにけり(上田秋成)
578 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 17:16:39 ID:bCbwqxR/
夕日影かがやく峰のさくら花けふもながめて暮るる庵かな(上田秋成)
579 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:01:11 ID:bCbwqxR/
さくらさく此山陰の夕曇り空さへ花の色にまがひて(上田秋成)
580 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:02:05 ID:bCbwqxR/
高砂のをのへにたてる桜花はやも嵐のさそひやはせむ(上田秋成)
581 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:03:16 ID:bCbwqxR/
桜花さけるを見ればかほよ人衣にとほるひかりなりけり(上田秋成)
582 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:04:27 ID:bCbwqxR/
夜にかくれ逢ひにし人に花山の道にゆきあふおもなしや我(上田秋成)
583 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:05:27 ID:bCbwqxR/
打ちむれてきのふは見しを桜ばな雨しづかなる陰となりにき(上田秋成)
584 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:06:15 ID:bCbwqxR/
さくら花うれしくもあるかこの夕べ嵐にかへて小雨そぼふる(上田秋成)
585 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:07:11 ID:bCbwqxR/
ふりくらす雨しづかなる庭の面にちりてかたよる花の白波(鷹司基忠)
586 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:08:02 ID:bCbwqxR/
桜ちる木の本見れば久方の星の林に我は来にけり(上田秋成)
587 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:15:37 ID:bCbwqxR/
夕されば蛙なくなり飛鳥川瀬々ふむ石のころび声して(上田秋成)
588 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 18:16:40 ID:bCbwqxR/
宮のうちは男をみなも白栲の衣ゆゆしみ夏立ちにけり(上田秋成)
589 :
名無氏物語:2009/08/17(月) 22:52:50 ID:9ar/xuEM
好鳥枝頭皆朋友 落花流水皆文章
590 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:12:49 ID:n5l1W2gW
かぐ山のをのへに立ちて見わたせば大和国はら早苗とるなり(上田秋成)
591 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:14:40 ID:n5l1W2gW
早苗とる時には成りぬをとめらが難波すが笠紐はつけてん(上田秋成)
592 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:15:32 ID:n5l1W2gW
さみだれは夜中に晴れて月に鳴くあはれその鳥あはれその鳥(上田秋成)
593 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:18:15 ID:n5l1W2gW
夏河に光をみせて飛ぶ魚の音するかたに月はすみけり(上田秋成)
594 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:19:26 ID:n5l1W2gW
明けぬれば樗花さく葉隠れにやめば次がるるひぐらしの声(上田秋成)
595 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:20:38 ID:n5l1W2gW
朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)
596 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:30:02 ID:n5l1W2gW
鳴く蝉のやどりの松の木の本にもぬけの衣の風に吹かるる(上田秋成)
597 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:31:48 ID:n5l1W2gW
てる月の影は浪もて砕けども光は海をわたるなりけり(上田秋成)
598 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:32:34 ID:n5l1W2gW
白雲に心をのせてゆくらくら秋の海原思ひわたらむ(上田秋成)
599 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 06:33:20 ID:n5l1W2gW
秋の雲風にただよひゆく見れば大はた小幡妹がたく領布(上田秋成)
600 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:51:29 ID:n5l1W2gW
ねざむれば比良の高峰に月落ちて残る夜くらし志賀の海づら(上田秋成)
601 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:52:16 ID:n5l1W2gW
いはけなき里のわらべが夕まとゐ月に指さし門遊びして(上田秋成)
602 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:53:12 ID:n5l1W2gW
千里まで照らせる影とゆふ波の汐のたたへに月さし昇る(上田秋成)
603 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:54:06 ID:n5l1W2gW
てる月に雁のまれ人なきわたる我がまつ友はこよひこなくに(上田秋成)
604 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:54:51 ID:n5l1W2gW
とぶ雁のゆくへは霧にうづもれて鳥羽田の千町夕暮れにけり(上田秋成)
605 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:55:38 ID:n5l1W2gW
久方の天の河原も影きえて秋の夜くらく雁鳴きわたる(上田秋成)
606 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:56:24 ID:n5l1W2gW
越の海は浪たかからし百船のわたりかしこき冬は来にけり(上田秋成)
607 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 14:57:14 ID:n5l1W2gW
森深き神の社の古簾すけきにとまる風の落葉は(上田秋成)
608 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:04:49 ID:n5l1W2gW
見ぞわかぬ色のちくさを木の下に吹きあつめたる風の落葉は(烏丸光広)
609 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:05:43 ID:n5l1W2gW
夜のほどにふりしや雨の庭たづみ落葉を閉ぢてけさは氷れる(上田秋成)
610 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:07:15 ID:n5l1W2gW
みぞれふり夜のふけゆけば有馬山いで湯の室に人のともせぬ(上田秋成)
611 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:09:53 ID:n5l1W2gW
年ごとにやらへど鬼のまうでくる都は人のすむべかりける(上田秋成)
612 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:13:49 ID:n5l1W2gW
我よりもまづしき人の世にもあれば茨からたちひまくぐるなり(上田秋成)
613 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:15:02 ID:n5l1W2gW
風の上に立ちまふ雲のゆくへなくあすのありかは翌ぞ定めむ(上田秋成)
614 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:17:12 ID:n5l1W2gW
かが鳴きて夕はかへる荒鷲の翅にしのぐ筑波やま風(上田秋成)
615 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:18:09 ID:n5l1W2gW
信濃なるすがの荒野を飛ぶ鷲のつばさもたわに吹く嵐かな(賀茂真淵)
616 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:28:04 ID:n5l1W2gW
二見潟こちふく風に明けそめて神代のままの春は来にけり(橘千蔭)
617 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 15:28:57 ID:n5l1W2gW
天の戸をあくればやがて日の光神代のままの春やたつらん(正広)
618 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:00:50 ID:n5l1W2gW
青海原霞みわたりてちはやぶる神代のままの春を見るかな(荷田蒼生子)
619 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:01:56 ID:n5l1W2gW
わたの原やや明けそめて磯山の花と波との色ぞわかるる(橘千蔭)
620 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:03:22 ID:n5l1W2gW
明けぬれば色ぞわかるる山のはの雲と花とのきぬぎぬの空(惟宗光吉)
621 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:16:37 ID:n5l1W2gW
よる波に色ぞわかるる白菊はうつろひけりな吹上の浜(中院通勝)
622 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:17:28 ID:n5l1W2gW
隅田川蓑きてくだす筏士に霞むあしたの雨をこそ知れ(橘千蔭)
623 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:19:09 ID:n5l1W2gW
根芹つむ野沢の水にかげ見えてひばり落ち来る春の夕ぐれ(橘千蔭)
624 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:20:16 ID:n5l1W2gW
雲に入るそなたの声をながむればひばりおちくる曙の空(藤原隆信)
625 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:21:25 ID:n5l1W2gW
隅田川堤にたちて舟待てば水上とほく鳴くほととぎす(橘千蔭)
626 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:22:16 ID:n5l1W2gW
冬されば海にも出でずしかま川水上遠くこほりしにけり(藤原光俊)
627 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 16:23:37 ID:n5l1W2gW
ほのみゆるうすくれなゐのひとむらは綾瀬の岸のねむの花かも(橘千蔭)
628 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:01:22 ID:n5l1W2gW
葛飾の花にゆふべを残しつつ豊島のかたに日は入りにけり(橘千蔭)
629 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:02:24 ID:n5l1W2gW
網代木におりゐる鷺の蓑毛のみ一むら白き宇治の川霧(橘千蔭)
630 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:03:13 ID:n5l1W2gW
さみだれも月の行へはしられけり一むら白き山のはの雲(藤原行能)
631 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:04:40 ID:n5l1W2gW
玉川や千村五百村手づくりをさらしそふると見ゆる月かな(橘千蔭)
632 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:05:44 ID:n5l1W2gW
玉川やをちの砧にならすなりこやさほしける手づくりの布(殷富門院大輔)
633 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:07:26 ID:n5l1W2gW
大御門ひらく鼓の音すみてみ橋の霜に月ぞうつろふ(橘千蔭)
634 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:09:21 ID:n5l1W2gW
出づる日のひかりにむかふ武蔵嶺やをみねことごと雪ぞさやけき(橘千蔭)
635 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:10:19 ID:n5l1W2gW
うち日さす宮路の雪にあぢまさの車静けき朝ぼらけかな(橘千蔭)
636 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:16:55 ID:n5l1W2gW
たそがれのしのび車のすき影もおもなきばかりつもる雪かな(橘千蔭)
637 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 17:18:07 ID:n5l1W2gW
と散る大路の雪を小車の小簾かかげつつ見る人やたれ(橘千蔭)
638 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:19:02 ID:n5l1W2gW
隅田川岸のむらあし枯れふして甲斐が嶺遠き雪をみるかな(橘千蔭)
639 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:20:29 ID:n5l1W2gW
すみだ河夕こぎ渡り筑波嶺の端山につづく雪をみるかな(橘千蔭)
640 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:21:23 ID:n5l1W2gW
わたの原夕浪黒く立ち来めり熊野の沖に鯨寄るころ(橘千蔭)
641 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:22:15 ID:n5l1W2gW
伊勢の海や二見の浦の二つなき玉にたぐへし人をしぞ思ふ(橘千蔭)
642 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:23:34 ID:n5l1W2gW
わくらばにおなじ世にしも立ち経つつあひもみざりし事のくやしさ(橘千蔭)
643 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:24:36 ID:n5l1W2gW
古ことの道明らめしいさをこそ万代までの形見なりけれ(橘千蔭)
644 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:26:24 ID:n5l1W2gW
大路行く人のおとなひ絶えはてて軒端にかへる家鳩のこゑ(橘千蔭)
645 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:27:49 ID:n5l1W2gW
大御代はのどけかりけり春がすみ二荒の山に立ちそめしより(橘千蔭)
646 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:33:19 ID:n5l1W2gW
豊秋津みづほの国にみづ枝さし咲き栄えゆく花はこの花(栗田土満)
647 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 18:34:35 ID:n5l1W2gW
杜若さきたる影のさやけきに今より水はすずしかりけり(栗田土満)
648 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:54:29 ID:n5l1W2gW
杜若あさざは沼のぬま水にかげをならべて咲きわたるかな(源師頼)
649 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:55:14 ID:n5l1W2gW
五月雨のをやめばつぎて立つ雲の底もとどろに滝の音聞こゆ(栗田土満)
650 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:56:23 ID:n5l1W2gW
打ちきらし雲まも見えぬ五月雨に乱れてたぎつ音まさりけり(栗田土満)
651 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:57:13 ID:n5l1W2gW
阿波々山ただに向へるさやの山木の葉さやげる秋たつらしも(栗田土満)
652 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:58:13 ID:n5l1W2gW
川の辺のしぬのむら竹うちさやぎ涼しくもあるか秋の初風(栗田土満)
653 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:58:57 ID:n5l1W2gW
久方の天の八重雲かきわけて秋津しまべに雁は来にけり(栗田土満)
654 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 22:59:46 ID:n5l1W2gW
常に見し野山は雪にうづもれて知らぬ里にぞすむ心地する(栗田土満)
655 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:03:06 ID:n5l1W2gW
枝高き木末をつたふむささびのあやふき恋も我はするかも(栗田土満)
656 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:11:37 ID:n5l1W2gW
はろばろに海山こえて来ぬれども恋の奴はおくれざりけり(栗田土満)
657 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:12:42 ID:n5l1W2gW
思ほえぬ罪はありとも荒汐の汐の八百合にさすらへなまし(栗田土満)
658 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:15:09 ID:n5l1W2gW
みちのくの阿武隈川のももくまの道ゆく旅のかぎりしらずも(海量)
659 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:16:21 ID:n5l1W2gW
そことなく霞む夕べも沓の音にやがて雨しる庭の真砂地(塙保己一)
660 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:17:16 ID:n5l1W2gW
春の夜の真砂ぢしめる沓の音に音なき雨を庭に聞くかな(後水尾院)
661 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:18:21 ID:n5l1W2gW
ただひとへ小枝の霜と降り初めてなびくもあかぬ雪の村竹(塙保己一)
662 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:19:05 ID:n5l1W2gW
松の火も木の間に見えて箱根山明けゆく峯ぞなほ遥かなる(塙保己一)
663 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:32:56 ID:n5l1W2gW
言の葉の及ばぬ身には目に見ぬもなかなかよしや雪の富士の嶺(塙保己一)
664 :
名無氏物語:2009/08/18(火) 23:33:54 ID:n5l1W2gW
何事も見ぬいにしへの人なれど涙こぼるる不尽の言の葉(橘曙覧)
665 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:19:17 ID:gMJXOhK/
もみぢ葉のうすひの御坂越えしよりなほ深からむ山路をぞ思ふ(塙保己一)
666 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:22:18 ID:gMJXOhK/
つくばねの高嶺のみゆき霞みつつ隅田河原に春たちにけり(村田春海)
667 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:50:46 ID:gMJXOhK/
いつしかと都の野べはかすみつつ若菜つむべき春は来にけり(藤原定家)
668 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:52:06 ID:gMJXOhK/
大空はそこはかとなく霞む野に声のみ落つる夕ひばりかな(村田春海)
669 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:52:58 ID:gMJXOhK/
若菜つむ荒田のおもの夕霞分くる袂にひばりおつなり(藤原家隆)
670 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:53:48 ID:gMJXOhK/
あくまでも花見るたびにうれしきは世にいとなみのなき身なりけり(村田春海)
671 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:54:38 ID:gMJXOhK/
咲き咲かぬほどをあはれと思ふかな春も奧ある花の日数に(村田春海)
672 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:55:32 ID:gMJXOhK/
咲き散るをしたふ桜の花ゆゑに夢とすぐさぬ春はなかりき(村田春海)
673 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:56:28 ID:gMJXOhK/
いつしかと秋の千草の花数もなかば見えゆく夏の野辺かな(村田春海)
674 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 00:57:34 ID:gMJXOhK/
桂人鵜川たつとや波のうへにみだれてみゆる瀬々の篝火(村田春海)
675 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:04:37 ID:gMJXOhK/
桂人鵜川立つらし五月やみ列らに浮ける篝火のかげ(橘千蔭)
676 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:05:25 ID:gMJXOhK/
かくながら月や宿さむ夕立のなごりとどむる玉ざさの露(村田春海)
677 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:06:44 ID:gMJXOhK/
夜もすがらおきゐてぞみる照る月の光にまがふ玉ざさの露(源師時)
678 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:09:02 ID:gMJXOhK/
夕立のひとむら過ぐる玉ざさに露もくもらぬ月を見るかな(清水浜臣)
679 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:11:33 ID:gMJXOhK/
おのづから月の光となりにけり雲ふきはらふ夜はの秋風(村田春海)
680 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:14:02 ID:gMJXOhK/
山里は秋のなごりぞあはれなる落葉まじりに尾花散る頃(村田春海)
681 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:16:54 ID:gMJXOhK/
刈りすてし山田にのこる藻屑火の煙さびしき秋の夕暮(村田春海)
682 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:17:54 ID:gMJXOhK/
暮れぬ間は虫の音うとき浅茅生に月待つ程ぞ秋は寂しき(村田春海)
683 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:27:52 ID:gMJXOhK/
沖つ風雲居に吹きて有明の月にみだるる村千鳥かな(村田春海)
684 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 01:29:06 ID:gMJXOhK/
陰は又すぐろの色とみえにけり月にみだるる野べの小薄(松永貞徳)
685 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:52:43 ID:gMJXOhK/
泊り舟苫のしづくの音たえて夜半のしぐれぞ雪になりゆく(村田春海)
686 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:53:52 ID:gMJXOhK/
つらからぬ言葉ぞつらき中々に思ひこりよと言ひもはなたで(村田春海)
687 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:55:01 ID:gMJXOhK/
見し世にはただなほざりの一言も思ひ出づればなつかしきかな(村田春海)
688 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:56:24 ID:gMJXOhK/
世にふればただなほざりの言の葉もなさけあるこそ忘れがたけれ(衣笠家良)
689 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:57:21 ID:gMJXOhK/
雪ふれば千里もちかし欄干のもとよりつづく不二の柴山(村田春海)
690 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:58:14 ID:gMJXOhK/
雪はるる朝けに見れば不二の嶺のふもとなりけり武蔵野の原(賀茂真淵)
691 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 07:59:10 ID:gMJXOhK/
あさま山神のいぶきの霧はれて雲居にたてる夕けぶりかな(村田春海)
692 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:02:22 ID:i2yKKD0f
ニマツクソ野郎!
国学院クソ野郎。
手前らは,クズだ。
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● ● ● ●::::::::::::::::::: ・ ....:::::::彡''ヘ::::/
● ●:::::::::::::::::::::::::::::;;;;;,, ---‐'' "^~
●●●●●-‐‐
693 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:07:03 ID:gMJXOhK/
信濃路や見つつ我が来し浅間山雲は煙のよそめなりけり(宗良親王)
694 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:08:17 ID:gMJXOhK/
いぶき山いぶく朝風吹きたえてあふみは霧の海となりぬる(加藤宇万伎)
695 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:09:44 ID:gMJXOhK/
玉簾あくるも知らぬ枕よりあとより香る窓の梅が香(賀茂季鷹)
696 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:10:32 ID:gMJXOhK/
水にすむ蛙も花に声すなり桜ながるる小田の苗代(賀茂季鷹)
697 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:11:50 ID:gMJXOhK/
少女子が扇の風に靡きつつなかなか高く行く蛍かな(賀茂季鷹)
698 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:13:28 ID:gMJXOhK/
夕涼みあふぎの風によこぎれて又空たかく行く蛍かな(契沖)
699 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:14:14 ID:gMJXOhK/
うなゐらがきそふ扇を打ちやめてあがる蛍を悔しとぞ見る(小沢蘆庵)
700 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:15:05 ID:gMJXOhK/
秋よただ夕べは物にまぎれても手枕しめる暁の空(賀茂季鷹)
701 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:22:26 ID:gMJXOhK/
薪つみすずしろ掘りて山里はかきこもるべき冬さりにけり(賀茂季鷹)
702 :
名無氏物語:2009/08/19(水) 08:23:19 ID:gMJXOhK/
鶯の声を聞きつるあしたより春の心になりにけるかも(良寛)
703 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:52:01 ID:zW4Ys0ia
あしびきのこの山里の夕月夜ほのかに見るは梅の花かも(良寛)
704 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:53:13 ID:zW4Ys0ia
あしびきの片山かげの夕月夜ほのかに見ゆる山梨の花(良寛)
705 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:54:17 ID:zW4Ys0ia
雪の夜にねざめて聞けば雁がねも天つみ空をなづみつつゆく(良寛)
706 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:55:19 ID:zW4Ys0ia
ひさかたの雲居をわたる雁がねも羽しろたへに雪や降るらむ(良寛)
707 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:56:20 ID:zW4Ys0ia
ちんばそに酒に山葵に給はるは春はさびしくあらせじとなり(良寛)
708 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:57:14 ID:zW4Ys0ia
百鳥の木伝ひて鳴く今日しもぞ更にや飲まむ一つきの酒(良寛)
709 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:58:41 ID:zW4Ys0ia
さすたけの君がいほりに来てみれば春ものどかに百鳥のなく(阿部定珍)
710 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 00:59:47 ID:zW4Ys0ia
草の庵に足さしのべて小山田の山田のかはづ聞くがたのしさ(良寛)
711 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:10:54 ID:zW4Ys0ia
むらぎもの心楽しも春の日に鳥のむらがり遊ぶを見れば(良寛)
712 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:12:53 ID:zW4Ys0ia
むらぎもの心はなぎぬ永き日にこれのみ園の林を見れば(良寛)
713 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:14:58 ID:zW4Ys0ia
霞立つ長き春日を子供らと手まりつきつつ今日もくらしつ(良寛)
714 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:16:37 ID:zW4Ys0ia
霞立つ永き春日に子供らと手毬つきつつこの日暮らしつ(良寛)
715 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:18:46 ID:zW4Ys0ia
子供等と鞠つき遊びたはむれし良寛思へばわれは寂しゑ(吉井勇)
716 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:21:33 ID:zW4Ys0ia
この里に手まりつきつつ子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし(良寛)
717 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:24:04 ID:zW4Ys0ia
春の野に菫つみつつ鉢の子を忘れてぞ来しあはれ鉢の子(良寛)
718 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:26:01 ID:zW4Ys0ia
鉢の子と鞠といづれぞ陽にあてて鞠はすみれの花の香のする(北原白秋)
719 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:39:43 ID:zW4Ys0ia
鉢の子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてむ(良寛)
720 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 01:41:27 ID:zW4Ys0ia
この心天津空にも花そなふ三世の仏に奉らばや(道元)
721 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:05:26 ID:zW4Ys0ia
かぐはしき桜の花の空に散る春のゆふべは暮れずもあらなむ(良寛)
722 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:10:41 ID:zW4Ys0ia
あしびきの青山越えてわが来れば雉子鳴くなりその山もとに(良寛)
723 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:25:10 ID:zW4Ys0ia
山住みのあはれを誰に語らましあかざ籠に入れかへるゆふぐれ(良寛)
724 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:27:58 ID:zW4Ys0ia
行く秋のあはれを誰に語らましあかざ籠に満てかへる夕暮(良寛)
725 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:29:17 ID:zW4Ys0ia
老いが身のあはれを誰に語らまし杖を忘れて帰る夕暮(良寛)
726 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:36:30 ID:zW4Ys0ia
夕暮のあはれを誰にかたらまし人もとひこぬ山のすみかを(藤原季経)
727 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:39:04 ID:zW4Ys0ia
相連れて旅かしつらむほととぎす合歓の散るまで声のせざるは(良寛)
728 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:39:56 ID:zW4Ys0ia
あしびきの国上の山を今もかも鳴きて越ゆらむ山ほととぎす(良寛)
729 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:40:46 ID:zW4Ys0ia
国上山松風すずし越え来れば山ほととぎすをちこちに鳴く(良寛)
730 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 02:41:35 ID:zW4Ys0ia
さ苗ひくをとめを見ればいそのかみ古りにし御代の思ほゆるかも(良寛)
731 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:27:03 ID:zW4Ys0ia
あしびきの山田の爺がひねもすにいゆきかへらひ水運ぶ見ゆ(良寛)
732 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:28:24 ID:zW4Ys0ia
ひさかたの雨の晴れ間にいでて見れば青みわたりぬ四方の山々(良寛)
733 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:30:21 ID:zW4Ys0ia
三笠山さしても見えず夏なればいづくともなく青みわたれり(曾禰好忠)
734 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:34:08 ID:zW4Ys0ia
五月雨の晴れ間に出でて眺むれば青田涼しく風わたるなり(良寛)
735 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:35:48 ID:zW4Ys0ia
風は清し月はさやけしいざともに踊り明かさむ老のなごりに(良寛)
736 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:38:03 ID:zW4Ys0ia
月よみの光を待ちてかへりませ山路は栗のいがの多きに(良寛)
737 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:54:09 ID:zW4Ys0ia
夕霧にをちの里べはうづもれぬ杉立つ宿にかへるさの道(良寛)
738 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:55:27 ID:zW4Ys0ia
秋もややうらさびしくぞなりにける小笹に雨のそそぐを聞けば(良寛)
739 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:56:25 ID:zW4Ys0ia
秋の雨の晴れまに出でて子どもらと山路たどれば裳のすそ濡れぬ(良寛)
740 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 19:57:22 ID:zW4Ys0ia
秋の日の光りかがやく薄の穂これの高屋にのぼりてみれば(良寛)
741 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:02:21 ID:zW4Ys0ia
秋山をわが越えくればたまほこの道も照るまでもみぢしにけり(良寛)
742 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:03:16 ID:zW4Ys0ia
水や汲まむ薪や伐らむ菜や摘まむ朝の時雨の降らぬその間に(良寛)
743 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:04:08 ID:zW4Ys0ia
飯乞ふと里にも出でずこの頃はしぐれの雨の間なくし降れば(良寛)
744 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:05:11 ID:zW4Ys0ia
日は暮れて浜辺をゆけば千鳥啼くどうとは知らず心細さよ(良寛)
745 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:18:04 ID:zW4Ys0ia
うづみ火に足さしくべて臥せれどもこよひの寒さ腹にとほりぬ(良寛)
746 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:19:48 ID:zW4Ys0ia
夜もすがら草のいほりにわれ居れば杉の葉しぬぎ霰降るなり(良寛)
747 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:20:59 ID:zW4Ys0ia
きて見ればわが古里は荒れにけり庭もまがきも落葉のみして(良寛)
748 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:23:23 ID:zW4Ys0ia
いにしへを思へば夢かうつつかも夜はしぐれの雨を聞きつつ(良寛)
749 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:48:50 ID:zW4Ys0ia
むかし見し妹が垣根は荒れにけりつばなまじりの菫のみして(藤原公実)
750 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 20:49:57 ID:zW4Ys0ia
なにとなく心さやぎていねられずあしたは春のはじめとおもへば(良寛)
751 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:02:39 ID:zW4Ys0ia
かいなでて負ひてひたして乳ふふめて今日は枯野におくるなりけり(良寛)
752 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:11:50 ID:zW4Ys0ia
人の子の遊ぶを見ればにはたづみ流るる涙とどめかねつも(良寛)
753 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:13:00 ID:zW4Ys0ia
秋のゆふべ虫の音ききに僧ひとり遠方里は霧にうづまる(良寛)
754 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:15:31 ID:zW4Ys0ia
秋のゆふ虫音を聞きに僧ひとりおほ方里は霧にうづまる(良寛)
755 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:16:19 ID:zW4Ys0ia
これぞこの仏の道に遊びつつつくやつきせぬ御のりなるらむ(貞心尼)
756 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:18:07 ID:zW4Ys0ia
つきてみよひふみよいむなやここのとを十とをさめてまた始まるを(良寛)
757 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:19:30 ID:zW4Ys0ia
おのづから冬の日かずの暮れゆけば待つともなきに春は来にけり(貞心尼)
758 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:20:47 ID:zW4Ys0ia
天が下にみつる玉より黄金より春のはじめの君がおとづれ(良寛)
759 :
名無氏物語:2009/08/20(木) 21:22:22 ID:zW4Ys0ia
来て見れば人こそ見えね庵守りてにほふ蓮の花のたふとさ(貞心尼)
760 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 17:51:17 ID:v85/NchY
みあへするものこそなけれ小瓶なる蓮の花を見つつしのはせ(良寛)
761 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 17:54:40 ID:v85/NchY
歌や詠まむ手毬やつかむ野にや出でむ君がまにまになして遊ばむ(貞心尼)
762 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 17:55:33 ID:v85/NchY
歌もよまむ手毬もつかむ野にも出む心ひとつを定めかねつも(良寛)
763 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 17:58:43 ID:v85/NchY
そのままになほたへしのべ今更にしばしの夢をいとふなよ君(貞心尼)
764 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 17:59:44 ID:v85/NchY
あづさゆみ春になりなば草の庵をとく出て来ませ逢ひたきものを(良寛)
765 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 18:31:47 ID:v85/NchY
あしびきの山の椎柴折り焼(た)きて君と語らむ大和言の葉(良寛)
766 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 18:32:44 ID:v85/NchY
いついつと待ちにし人は来りけり今はあひ見てなにかおもはむ(良寛)
767 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 18:37:01 ID:v85/NchY
武蔵野の草葉の露のながらひてながらひ果つる身にしあらねば(良寛)
768 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 18:40:47 ID:v85/NchY
紀の国の高野のおくの古寺に杉のしづくを聞きあかしつつ(良寛)
769 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 18:43:07 ID:v85/NchY
たらちねの母がかたみと朝夕に佐渡の島べをうち見つるかも(良寛)
770 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 18:44:37 ID:v85/NchY
いにしへにかはらぬものは有磯海とむかひに見ゆる佐渡の島なり(良寛)
771 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:21:41 ID:v85/NchY
いざここにわが身は老いむあしびきの国上の山の松の下いほ(良寛)
772 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:24:07 ID:v85/NchY
いざここにわがよはへなむくかみのや乙子の宮の森の下いほ(良寛)
773 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:25:00 ID:v85/NchY
里べには笛や太鼓の音すなり深山はさはに松の音して(良寛)
774 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:25:47 ID:v85/NchY
山かげの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも(良寛)
775 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:26:38 ID:v85/NchY
あしびきの山べにすめばすべをなみ樒摘みつつこの日暮らしつ(良寛)
776 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:27:34 ID:v85/NchY
夕顔も糸瓜も知らぬ世の中はただ世の中にまかせたらなむ(良寛)
777 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:47:45 ID:v85/NchY
世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞ我はまされる
778 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:49:29 ID:v85/NchY
みづぐきの筆紙もたぬ身ぞつらき昨日は寺へけふは医者どの(良寛)
779 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:51:20 ID:v85/NchY
かしましと面伏せには言ひしかど此の頃見ねばさびしかりけり(良寛)
780 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 19:59:21 ID:v85/NchY
草叢の蛍とならば宵々に黄金の水を妹たまうてよ(良寛)
781 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:03:18 ID:v85/NchY
寒くなりぬ今は蛍も光なしこがねの水を誰かたまはむ(良寛)
782 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:05:03 ID:v85/NchY
身がやけて夜は蛍とほとれども昼は何ともないとこそすれ(良寛)
783 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:06:55 ID:v85/NchY
笠はそらに草鞋はぬげぬ蓑はとぶわが身一つはいへのつととて(良寛)
784 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:08:09 ID:v85/NchY
あまつたふ日はかたぶきぬたまほこの家路は遠しふくろは重し(良寛)
785 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:33:26 ID:v85/NchY
良寛僧がけさの朝花もてにぐるおんすがた後の世まで残らむ(良寛)
786 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:35:04 ID:v85/NchY
大めしを食うて眠りし報いにやいわしの身とぞなりにけるかな(良寛)
787 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:36:08 ID:v85/NchY
初とれの鰯のやうな良法師やれ来たといふ子らがこゑごゑ(山田杜皐)
788 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:37:04 ID:v85/NchY
乙宮の森の下屋の静けさにしばしとてわが杖うつしけり(良寛)
789 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:37:58 ID:v85/NchY
乙宮の森の木下にわが居れば鐸ゆらぐもよ人来たるらし(良寛)
790 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 20:39:39 ID:v85/NchY
逢坂の関のこなたにあらねども往き来の人にあこがれにけり(良寛)
791 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:32:10 ID:v85/NchY
松之尾の松の間を思ふどち歩きしことは今も忘れず(良寛)
792 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:33:20 ID:v85/NchY
いそのかみ古のふる道しかすがにみ草ふみわけ行く人なしに(良寛)
793 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:34:16 ID:v85/NchY
ますらをの踏みけむ世々のふる道は荒れにけるかも行く人なしに(良寛)
794 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:35:09 ID:v85/NchY
捨てし身をいかにと問はばひさかたの雨ふらば降れ風ふかば吹け(良寛)
795 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:37:06 ID:v85/NchY
法の塵にけがれぬ人はありと聞けどまさ目に一目見しことはあらず(良寛)
796 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:38:32 ID:v85/NchY
ありそみの上に朝ごと立つ市のいよいよ行けばいよよ消にけり(良寛)
797 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 21:39:50 ID:v85/NchY
あわ雪のなかに顕ちたる三千大千世界またその中に沫雪ぞ降る(良寛)
798 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:39:29 ID:v85/NchY
めづらしきためしにひかむ越路にも雪なき春の野べのひめ松(貞心尼)
799 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:40:24 ID:v85/NchY
越路にも雪なき春はめづらしきためしに引かむ野辺の姫松(貞心尼)
800 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:41:59 ID:v85/NchY
向かひゐて千代も八千代も見てしがな空ゆく月のこと問はずとも(貞心尼)
801 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:42:50 ID:v85/NchY
白たへの衣手さむし秋の夜の月なかぞらにすみわたるかも(良寛)
802 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:44:05 ID:v85/NchY
心さへかはらざりせば這ふ蔦のたえず向かはむ千代も八千代も(良寛)
803 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:45:00 ID:v85/NchY
立ちかへりまたもとひこむ玉ぼこの道の芝草たどりたどりに(貞心尼)
804 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:46:34 ID:v85/NchY
またも来よ山のいほりをいとはずば薄尾花の露をわけわけ(良寛)
805 :
名無氏物語:2009/08/21(金) 22:55:34 ID:v85/NchY
いづくへかさしてゆきけん雨の夜にぬすみにきたるかつぱからかさ(貞心尼)
806 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:14:15 ID:Jdv/NkAg
しらなみのよるの嵐に立ち入りてけさはころもの一つだになし(貞心尼)
807 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:15:10 ID:Jdv/NkAg
提灯を何の為とやぬすみけん闇をたのみのわざをしながら(貞心尼)
808 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:16:05 ID:Jdv/NkAg
軽からぬ罪を背負ひて死出の山こえゆく時はくるしかるらむ(貞心尼)
809 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:17:07 ID:Jdv/NkAg
わが為にあだなすものも憎からで後の世までをあはれとぞ思ふ(貞心尼)
810 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:17:51 ID:Jdv/NkAg
立ちそひて今しも更に恋しきはしるしの石に残るおもかげ(貞心尼)
811 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:21:28 ID:Jdv/NkAg
浮雲のすがたはここにとどむれど心はもとの空にすむらむ(貞心尼)
812 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:32:38 ID:Jdv/NkAg
浮雲の身にしありせば時鳥しばなく頃はいづこに待たむ(良寛)
813 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:34:56 ID:Jdv/NkAg
となへます星の手向のともし火に夜深く春の光をぞ見る(本居大平)
814 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:36:45 ID:Jdv/NkAg
すべらぎの星をとなふる雲のうへに光のどけき春は来にけり(二条良基)
815 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 13:38:04 ID:Jdv/NkAg
まさるらむ空の色とも見えなくに花にあやしき春の夕ばえ(本居大平)
816 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 14:16:48 ID:Jdv/NkAg
花の陰なれしも夢か空蝉の羽衣うすく夏は来にけり(本居大平)
817 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:07:05 ID:Jdv/NkAg
雨はれてよそなる空をゆく雲もあらしの末に見ゆる月かげ(本居大平)
818 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:08:00 ID:Jdv/NkAg
こがれこし我が心をもさればよと峯のもみぢの色に見るかな(本居大平)
819 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:08:57 ID:Jdv/NkAg
遠御代の世のありさまもまさやかにその書見れば見るごと見えけり(本居大平)
820 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:12:01 ID:Jdv/NkAg
春寒みうつる日かげのかた枝のみ木伝ひてなく今朝の鶯(本居春庭)
821 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:15:09 ID:Jdv/NkAg
風たえてかすむとはなき梅が香もうつるはうすき袖の月影(本居春庭)
822 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:16:41 ID:Jdv/NkAg
咲きそめて夜のまの夢のまさしくもにほふ朝けの庭ざくらかな(本居春庭)
823 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:17:49 ID:Jdv/NkAg
さめやらぬ夢かとばかり庭ざくら散りぬる花にたどる朝戸出(本居春庭)
824 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 15:18:55 ID:Jdv/NkAg
山桜命にかへて惜しめとや見はてぬ夢と花の散るらむ(本居春庭)
825 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:45:00 ID:Jdv/NkAg
さびしさはそことも見えず立ちこめてただ秋霧の夕ぐれの空(本居春庭)
826 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:47:28 ID:Jdv/NkAg
水上はそことも見えず立ちこめて霧より暮るる秋の川波(冷泉為村)
827 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:48:53 ID:Jdv/NkAg
てりそひて一しほ色のこま錦日もいりかたの峯のもみぢ葉(本居春庭)
828 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:50:07 ID:Jdv/NkAg
村時雨過ぎこしかたの色見ればゆくさきうすき山のもみぢ葉(本居春庭)
829 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:51:57 ID:Jdv/NkAg
沖遠くかきくらすより音たててまだき時雨るる磯の松風(本居春庭)
830 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:53:22 ID:Jdv/NkAg
散り過ぎし人の世悲しこぞの色に帰る紅葉を見るにつけても(本居春庭)
831 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:55:25 ID:Jdv/NkAg
藤衣かふる月日はきてもなほ涙はてなき我が袂かな(本居春庭)
832 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:56:21 ID:Jdv/NkAg
大比叡やをひえのおくのさざなみの比良の高嶺ぞ霞みそめたる(香川景樹)
833 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:57:25 ID:UUFl6+y/
石ばしる水の白玉数見えて清滝川にすめる月影(藤原俊成[千載])
834 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 16:58:13 ID:UUFl6+y/
おほぞらは梅の匂にかすみつつくもりもはてぬ春の夜の月(藤原定家[新古今])
835 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:06:57 ID:Jdv/NkAg
はるばると霞める空をうちむれてきのふもけふも帰るかりがね(香川景樹)
836 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:09:47 ID:Jdv/NkAg
おぼつかなおぼろおぼろと我妹子が垣根も見えぬ春の夜の月(香川景樹)
837 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:10:44 ID:Jdv/NkAg
天の原おぼろおぼろと春の夜の明くるにほひは霞なりけり(高橋残夢)
838 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:12:10 ID:Jdv/NkAg
山雀のつつく岡べのうつほ木のえだも一枝春めきにけり(香川景樹)
839 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:13:24 ID:Jdv/NkAg
大空にたはるる蝶の一つがひ目にもとまらずなりにけるかな(香川景樹)
840 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:15:51 ID:Jdv/NkAg
常みればくぬぎ交りの柞原春はさくらの林なりけり(香川景樹)
841 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:17:00 ID:Jdv/NkAg
大堰河かへらぬ水に影見えてことしもさける山桜かな(香川景樹)
842 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:22:42 ID:UUFl6+y/
あらざらむこの世のほかの思ひ出に今一たびの逢ふこともがな(和泉式部[後拾遺])
843 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:23:32 ID:UUFl6+y/
唐衣ひもゆふぐれになる時はかへすがへすぞ人は恋しき(よみ人しらず[古今])
844 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 17:24:44 ID:UUFl6+y/
今はとてかげをかくさん夕べにも我をばおくれ山のはの月(式子内親王[玉葉])
845 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 20:37:49 ID:Jdv/NkAg
久かたの天つ空吹く風の上にことしも咲ける山桜かな(千種有功)
846 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 20:39:51 ID:Jdv/NkAg
逢坂の関の杉むらしげけれど木の間よりちる山桜かな(香川景樹)
847 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 20:40:51 ID:Jdv/NkAg
梢ふく風も夕べはのどかにて数ふるばかりちる桜かな(香川景樹)
848 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 20:42:23 ID:Jdv/NkAg
照る月のかげにてみれば山ざくら枝うごくなり今かちるらむ(香川景樹)
849 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 20:43:10 ID:Jdv/NkAg
語らはむ友にもあらぬ燕すら遠く来たるはうれしかりけり(香川景樹)
850 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 20:43:56 ID:Jdv/NkAg
大空のおなじ所にかすみつつゆくとも見えぬ春の日の影(香川景樹)
851 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:44:50 ID:Jdv/NkAg
大空のみどりになびく白雲のまがはぬ夏になりにけるかな(香川景樹)
852 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:46:42 ID:Jdv/NkAg
茜さす日はてりながら白菅の湊にかかる夕立の雨(香川景樹)
853 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:48:09 ID:Jdv/NkAg
浦風は夕べ涼しくなりにけり海人の黒髪いまかほすらむ(香川景樹)
854 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:49:06 ID:Jdv/NkAg
大空に月はてりながら夏の夜はゆく道くらし物陰にして(香川景樹)
855 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:49:54 ID:Jdv/NkAg
山の端にすばるかがやく六月のこの夜はいたく更けにけらしな(香川景樹)
856 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:50:53 ID:Jdv/NkAg
鴫のゐる沢辺の水はすみにけり草かげみゆる秋の夕ぐれ(香川景樹)
857 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:51:47 ID:Jdv/NkAg
山の端のとよはた雲にうちなびき夕日のうへをわたる雁がね(香川景樹)
858 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 21:52:59 ID:Jdv/NkAg
雨にとくなりぬるものを鈴鹿山霧の降るのと思ひけるかな(香川景樹)
859 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 22:06:27 ID:Jdv/NkAg
松陰に立ちかくれても見つるかなあまりに月の隈しなければ(香川景樹)
860 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 22:07:25 ID:Jdv/NkAg
行く水の末はさやかにあらはれて川上くらき月のかげかな(香川景樹)
861 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 22:08:19 ID:Jdv/NkAg
今すめる月や都の空ならむ思ふ人みな見えわたるかな(香川景樹)
862 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 22:09:24 ID:Jdv/NkAg
あらざらむ後と思ひし長月のこよひの月も此の世にてみし(香川景樹)
863 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 22:11:30 ID:Jdv/NkAg
月てれる浅茅が上に影見えて羽きる虫の声さやかなり(香川景樹)
864 :
名無氏物語:2009/08/22(土) 22:12:28 ID:Jdv/NkAg
秋風のさむき夕べに津の国のさびえの橋をわたりけるかな(香川景樹)
865 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 06:54:30 ID:RGk4yXYa
山川の岸をひたして行く水にぬるでの紅葉ちらぬ日ぞなき(香川景樹)
866 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 06:55:18 ID:RGk4yXYa
鵙のなく末の原野を見わたせば一むらばやし薄紅葉せり(香川景樹)
867 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 06:56:12 ID:RGk4yXYa
木がらしのすゑのはら野のはじ紅葉かつさそはれて暮るる秋かな(藤原為家)
868 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 06:57:14 ID:RGk4yXYa
浮雲は影もとどめぬ大空の風に残りて降るしぐれかな(香川景樹)
869 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 06:58:00 ID:RGk4yXYa
てる月の影の散り来る心地して夜ゆく袖にたまる雪かな(香川景樹)
870 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 06:58:54 ID:RGk4yXYa
しぐるるはみぞれなるらし此の夕べ松の葉しろくなりにけるかな(香川景樹)
871 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:00:10 ID:RGk4yXYa
さ牡鹿の啼きて離れにし朝より雪のみつもる信楽の里(香川景樹)
872 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:12:21 ID:RGk4yXYa
うづみ火のにほふあたりは長閑にて昔がたりも春めきにけり(香川景樹)
873 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:13:39 ID:RGk4yXYa
うづみ火の外に心はなけれども向かへば見ゆるしら鳥の山(香川景樹)
874 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:15:17 ID:RGk4yXYa
初雪は夜もぞふると起きいでて山の高嶺をあさなあさな見る(香川景樹)
875 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:16:28 ID:RGk4yXYa
雪折れの声さへたてぬなよ竹はよにふしたりとしる人もなし(香川景樹)
876 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:19:45 ID:RGk4yXYa
夢なるか我が手枕に我がふれて人のと思ひし閨のくろかみ(香川景樹)
877 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:21:48 ID:RGk4yXYa
若草を駒にふませて垣間見しをとめも今は老いやしぬらむ(香川景樹)
878 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 07:23:08 ID:RGk4yXYa
袖のうへに人の涙のこぼるるは我がなくよりも悲しかりけり(香川景樹)
879 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:24:23 ID:RGk4yXYa
山おろし日も夕かげに吹くときぞしみじみ人は恋しかりける(香川景樹)
880 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:25:30 ID:RGk4yXYa
思ふこと寝覚の空に尽きぬらむあした空しきわが心かな(香川景樹)
881 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:26:51 ID:RGk4yXYa
暮るるより松に吹きたつ我が山のあらしの末をたれか聞くらむ(香川景樹)
882 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:28:02 ID:RGk4yXYa
ともすればふせ籠にこもる鶏のせばくも世をば思ひけるかな(香川景樹)
883 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:29:19 ID:RGk4yXYa
大空に飛びたちかねて打ち羽ぶきかけろと鳴くがあはれなりけり(香川景樹)
884 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:30:08 ID:RGk4yXYa
殊更につばさはよわき庭鳥の空にかけろと鳴くぞはかなき(熊谷直好)
885 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:31:53 ID:RGk4yXYa
燈のかげにて見ると思ふまに文のうへしろく夜は明けにけり(香川景樹)
886 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:39:52 ID:RGk4yXYa
いなごとぶ浅茅が下を行く水の音おもしろしここに暮らさむ(香川景樹)
887 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:41:37 ID:RGk4yXYa
ただよへる朝の雲はふるさとへ帰りし夢の行くへなりけり(香川景樹)
888 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 21:43:03 ID:RGk4yXYa
玉の緒は長くみじかき世なりけり又あはざらむまたや逢ふらむ(香川景樹)
889 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:00:20 ID:RGk4yXYa
いづくかは思ひの家にあらざらむよそめ楽しき世にこそありけれ(香川景樹)
890 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:01:11 ID:RGk4yXYa
はかなくて木にも草にもいはれぬは心の底の思ひなりけり(香川景樹)
891 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:34:47 ID:RGk4yXYa
無きを夢有るをうつつと思ひけりなほ世の中を世の中にして(香川景樹)
892 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:36:11 ID:RGk4yXYa
まづゆくを慕ひ慕ひてつひに皆とまらぬ世こそ悲しかりけれ(香川景樹)
893 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:37:34 ID:RGk4yXYa
追ひしきて取りかへすべき物ならばよもつひら坂道はなくとも(香川景樹)
894 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:40:26 ID:RGk4yXYa
子はなくてあるがやすしと思ひけりありてののちになきが悲しさ(香川景樹)
895 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:42:30 ID:RGk4yXYa
世の中にあはぬ調べはさもあらばあれ心にかよふ峯の松風(香川景樹)
896 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:43:19 ID:RGk4yXYa
みな月の有明づくよつくづくとおもへばをしき此の世なりけり(香川景樹)
897 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:45:00 ID:RGk4yXYa
世の中の調べによしやあはずとも我が腹つづみうちてあそばむ(秋園古香)
898 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 22:47:04 ID:RGk4yXYa
すむ月に水のこころもかよふらし高くなりゆく波の音かな(香川景樹)
899 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:01:59 ID:RGk4yXYa
白雲にわが山陰はうづもれぬかへるさ送れ秋のよの月(香川景樹)
900 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:04:17 ID:RGk4yXYa
身はつかる道はた遠しいかにして山のあなたの花は見るべき(香川景樹)
901 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:09:27 ID:RGk4yXYa
年をへし我だにいまだ見ぬ花をいととく君は折りてけるかな(小沢蘆庵)
902 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:11:03 ID:RGk4yXYa
月に寝ぬやもめ烏やうかれ鳥うたへ歌はむ明けぬともよし(香川景樹)
903 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:16:21 ID:RGk4yXYa
汲みすてて人影もせぬふるさとの板井の水に秋風ぞふく(香川景樹)
904 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:17:38 ID:RGk4yXYa
月にねぬやもめがらすのねにたてて秋の砧ぞ霜にうつなる(藤原為家)
905 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:18:25 ID:RGk4yXYa
道もせにしげる蓬生うちなびき人影もせぬ秋風ぞふく(藤原定家)
906 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:19:37 ID:RGk4yXYa
菜の花に蝶もたはれてねぶるらん猫間のさとの春の夕ぐれ(香川景樹)
907 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:27:12 ID:RGk4yXYa
花ちりて春より夏にとぶ蝶の羽袖も白し木がくれの里(香川景樹)
908 :
名無氏物語:2009/08/23(日) 23:28:12 ID:RGk4yXYa
山賤もうまき昼寝の時ならし瓜はむからす追ふ人もなし(香川景樹)
909 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:06:13 ID:/wD3joMS
花見ればとびたつ小野のいなごまろ人の子にこそかはらざりけれ(香川景樹)
910 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:07:27 ID:/wD3joMS
よき人をよしとよく見し夕べより吉野の花の面影にたつ(香川景樹)
911 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:08:28 ID:/wD3joMS
召せや召せゆふげの妻木はやく召せかへるさ遠し大原の里(香川景樹)
912 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:10:07 ID:/wD3joMS
ゑのころははやもあるじを見しりけり呼べば尾ふりの嬉し顔なる(香川景樹)
913 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:11:34 ID:/wD3joMS
猫の子はねずみ捕るまでなりにけり何にくらせし月日なるらむ(香川景樹)
914 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:13:17 ID:/wD3joMS
かけすてし鏡の面に影ふれてたそやと我をおどろかれぬる(香川景樹)
915 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:14:30 ID:/wD3joMS
霞みつつ暮るると思ひし春の日は朧月夜になりにけるかな(香川景樹)
916 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:15:51 ID:/wD3joMS
ゆけどゆけど限りなきまで面白し小松がはらのおぼろ月夜は(香川景樹)
917 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:24:38 ID:/wD3joMS
うたた寝にうちながむれば蘆垣のしだり柳に月はかかりぬ(香川景樹)
918 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 00:25:49 ID:/wD3joMS
妹と出でて若菜摘みにし岡崎のかきね恋しき春雨ぞふる(香川景樹)
919 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:04:24 ID:/wD3joMS
胡蝶だにいまだねむれる朝かげの花を起き出でて独りこそ見れ(香川景樹)
920 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:05:25 ID:/wD3joMS
青海のうづまさ寺にきて見れば身もなげつべき花の蔭かな(香川景樹)
921 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:06:11 ID:/wD3joMS
野の宮の樫の下道けふくれば古葉とともに散るさくらかな(香川景樹)
922 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:07:54 ID:/wD3joMS
春の野のうかれ心ははてもなし止まれといひし蝶はとまりぬ(香川景樹)
923 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:09:54 ID:/wD3joMS
蝶よ蝶よ花といふ花のさくかぎり汝がいたらざる所なきかな(香川景樹)
924 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:11:20 ID:/wD3joMS
ちちこ草ははこ草おふる野辺に来て昔恋しく思ひけるかな(香川景樹)
925 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:12:18 ID:/wD3joMS
白樫の瑞枝うごかす朝風にきのふの春の夢はさめにき(香川景樹)
926 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:13:57 ID:/wD3joMS
夜半の風麦の穂だちにおとづれて蛍とぶべく野はなりにけり(香川景樹)
927 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:30:28 ID:/wD3joMS
郭公しばしば鳴きし明け方の山かき曇り小雨ふり来ぬ(香川景樹)
928 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 01:31:32 ID:/wD3joMS
さみだれの雲吹きすさぶ朝風に桑の実おつる小野原の里(香川景樹)
929 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:39:10 ID:/wD3joMS
夏の夜の月のかげなる桐の葉を落ちたるのかと思ひけるかな(香川景樹)
930 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:40:02 ID:/wD3joMS
なびくだに涼しきものを夏河の玉藻を見れば花咲きにけり(香川景樹)
931 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:40:59 ID:/wD3joMS
夕日さす浅茅が原に乱れけり薄くれなゐの秋のかげろふ(香川景樹)
932 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:41:56 ID:/wD3joMS
里人は巌切り落す白河の奧に聞ゆるさをしかの声(香川景樹)
933 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:42:55 ID:/wD3joMS
こともなき野辺を出でても見つるかな鵙が鳴く音のあわたたしさに(香川景樹)
934 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:43:43 ID:/wD3joMS
白川の末の草河冬がれてほそき流れに千鳥鳴くなり(香川景樹)
935 :
名無氏物語:2009/08/24(月) 08:44:34 ID:/wD3joMS
一むらの氷魚かと見えて網代木の浪にいざよふ月の影かな(香川景樹)
936 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 20:39:58 ID:HckoQbo8
けさ見れば汀のこほりうづもれて雪の中ゆく白河の水(香川景樹)
937 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 20:42:41 ID:HckoQbo8
春くれば汀の氷うちとけて霞ぞとづる志賀の浦波(藤原家隆)
938 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 20:45:18 ID:HckoQbo8
玉の緒の絶えぬばかりの思ひ出に待たるる春はあはれなりけり(香川景樹)
939 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 20:48:32 ID:HckoQbo8
なにごとも此のころにはと思ひつる三十の年の果てぞ悲しき(香川景樹)
940 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 20:53:15 ID:HckoQbo8
富士のねを木の間木の間にかへり見て松の蔭ふむ浮島が原(香川景樹)
941 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 20:55:02 ID:HckoQbo8
夕づく日今はとしづむ浪の上にあらはれ初むる淡路島山(香川景樹)
942 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:03:13 ID:HckoQbo8
梟の声をしるべに帰るかな夕べをぐらき岡崎の里(香川景樹)
943 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:12:12 ID:HckoQbo8
山ふかみけぢかき鳥の音はせで物おそろしきふくろふの声(香川景樹)
944 :
訂正:2009/08/26(水) 21:13:53 ID:HckoQbo8
山ふかみけぢかき鳥の音はせで物おそろしきふくろふの声(西行)
945 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:15:10 ID:HckoQbo8
ながめやる心は知るや武蔵野の尾花が末の三日月の影(香川景樹)
946 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:37:02 ID:HckoQbo8
墨染の夕べの山をながむれば松の立てるもさびしかりけり(香川景樹)
947 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:40:27 ID:HckoQbo8
墨染の夕の山の山松の見えずなるまで眺めつるかな(木下幸文)
948 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:44:58 ID:HckoQbo8
敷島の歌のあらす田荒れにけりあらすきかへせ歌の荒樔田(香川景樹)
949 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:46:46 ID:HckoQbo8
古へのあらすき返せ言の葉の道は狭くもなりにけるかな(戸田茂睡)
950 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 21:48:30 ID:HckoQbo8
山かげの氷や今朝はとけぬらん久しく聞かぬ水の音する(木下幸文)
951 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 22:01:55 ID:HckoQbo8
玉ぼこの道にちりしく花を見てあふげば梅の木蔭なりけり(木下幸文)
952 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 22:03:32 ID:HckoQbo8
遠く行く人をおくりてやすらへば堤の柳うちかすみつつ(木下幸文)
953 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 22:05:09 ID:HckoQbo8
いつしかと待ちし桜の花なれど咲きぬる見ればおどろかれけり(木下幸文)
954 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:06:38 ID:HckoQbo8
鶯もけふは来鳴かで春雨の雫ぞ花の枝つたひたる(木下幸文)
955 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:09:27 ID:HckoQbo8
つみすてて帰らんとする春の野のすみれの花に夕日さすなり(木下幸文)
956 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:10:50 ID:HckoQbo8
春の色すみれにのみぞ残りける片山畑の麦の中道(木下幸文)
957 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:12:27 ID:HckoQbo8
ここかしこ岸根のいばら花咲きて夏になりぬる川ぞひの道(木下幸文)
958 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:14:16 ID:HckoQbo8
賤の男が刈りつかねたる夏ぐさの中にまじれる月草の花(木下幸文)
959 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:15:12 ID:HckoQbo8
なでしこの花もまじれる夏草をおしまろめても荷ふ里人(大隈言道)
960 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:17:05 ID:HckoQbo8
我が宿のむぐらが下のわすれ水よるは蛍のたづねてぞくる(木下幸文)
961 :
名無氏物語:2009/08/26(水) 23:25:56 ID:HckoQbo8
きのふにも色は変はるとなけれどもまばらになりぬ秋萩の花(木下幸文)
962 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:47:13 ID:jSSLJW5t
土にふす庭の秋萩かきおこし見れば花こそ咲きそめにけれ(木下幸文)
963 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:48:30 ID:jSSLJW5t
有明の月の光に見えわたる野原の露のかぎりなきかな(木下幸文)
964 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:50:54 ID:jSSLJW5t
立ちかへりまた見ん秋も遠ければ一夜は寝なんははそばのもと(木下幸文)
965 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:52:49 ID:jSSLJW5t
かにかくに思へば苦し秋の田のただひたぶるに思ひ立ちてん(木下幸文)
966 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:54:01 ID:jSSLJW5t
このたびの別れに知りぬ虫の音の弱りはてたる我が心をば(木下幸文)
967 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:55:22 ID:jSSLJW5t
ふるさとに惜しき別れやなかりけん雁ははやくも渡り来にけり(木下幸文)
968 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:56:21 ID:jSSLJW5t
野も山もみな暮れはてて夕風の悲しき音ぞ空にのこれる(木下幸文)
969 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 00:57:16 ID:jSSLJW5t
このひと夜はやく明けなん皆人のはつよろこびの声を聞くべく(木下幸文)
970 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:21:09 ID:jSSLJW5t
たらちねの母の病も癒ゆときく思ふことなき年の暮かな(木下幸文)
971 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:22:21 ID:jSSLJW5t
飛ぶ鳥のかげは絶えたる夕ぐれの野沢の水に浮ぶしら雲(木下幸文)
972 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:23:29 ID:jSSLJW5t
かげ見えて一村過ぐる浮雲に雨打ちそそく野べの沢水(正徹)
973 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:24:43 ID:jSSLJW5t
千早振る神のみ国とさだまれるこのおほみ国うごきあらめや(木下幸文)
974 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:35:17 ID:jSSLJW5t
今年さへかくて暮れぬとふるさとの空をあふぎて歎きつるかな(木下幸文)
975 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:36:10 ID:jSSLJW5t
かにかくに疎くぞ人のなりにける貧しきばかり悲しきはなし(木下幸文)
976 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:39:17 ID:jSSLJW5t
いかにしてわれはあるぞと故郷におもひ出づらん母しかなしも(木下幸文)
977 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:40:17 ID:jSSLJW5t
かたちはも山のましらとなりぬれど人にしあれば心かなしも(木下幸文)
978 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:41:35 ID:jSSLJW5t
おもふことわが書きつけし故郷の橋の柱は朽ちやしぬらん(木下幸文)
979 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 01:43:13 ID:jSSLJW5t
まどしきも嬉しかりけりかくまでに人の心のくまを知らめや(木下幸文)
980 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 02:03:38 ID:jSSLJW5t
憂きことも嬉しきことも知らざらむあはれ此の世に富み足れる人(木下幸文)
981 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 02:04:59 ID:jSSLJW5t
天地の心ぞやがてひだたくみ何のことばのよきを求めん(木下幸文)
982 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 02:05:03 ID:CM4jmJkP
とにかくに物は思はずひだたくみうつ墨縄のただひとすぢに(柿本人丸[拾遺])
983 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 02:06:01 ID:CM4jmJkP
ほととぎす今朝鳴く声におどろけば君に別れし時にぞありける(紀貫之[古今])
984 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 02:08:30 ID:CM4jmJkP
かねてわが思ひしよりも吉野山なほたちまさる花の白雲(房観[新拾遺])
985 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:19:15 ID:jSSLJW5t
うぐひすの鳴く声きけば故郷を出でにし春にまたなりにけり(熊谷直好)
986 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:20:15 ID:jSSLJW5t
鶯の鳴く声きけばいそのかみふりし都の春ぞ恋しき(小沢蘆庵)
987 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:22:05 ID:jSSLJW5t
咲く花も滝もましろにあらはれて暮れゆく山のおくぞ淋しき(熊谷直好)
988 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:24:35 ID:jSSLJW5t
花にうぐひすなけどおく山の春はこのよの物としもなき(熊谷直好)
989 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:25:37 ID:jSSLJW5t
名も知らずところも聞かず逢ふや誰ことしも同じ花陰にして(熊谷直好)
990 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:27:08 ID:jSSLJW5t
立ちかへり我が子率てこん片岡の沢辺のすみれ今さかりなり(熊谷直好)
991 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 14:32:19 ID:jSSLJW5t
かねてわが思ひしよりもさびしきは入りぬる山の春雨の頃(熊谷直好)
992 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 15:11:02 ID:jSSLJW5t
をとめ子が手に折りもたる山吹の花もしとどに春雨ぞふる(熊谷直好)
993 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 15:12:10 ID:jSSLJW5t
風ふけば楓の若葉ひるがへりこころに物の思はるるころ(熊谷直好)
994 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:14:33 ID:NiyKVirV BE:1931076375-2BP(25)
995 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:17:52 ID:jSSLJW5t
椎の花みな山水に吹き入れてもとの青葉にかへす風かな(熊谷直好)
996 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:19:09 ID:jSSLJW5t
日ざかりに夏野をくればいくたびかおどろく蛇の草隠れゆく(熊谷直好)
997 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:20:12 ID:jSSLJW5t
はるばると蓮の立葉ぞさわぐなる風わたるらし大くらの池(熊谷直好)
998 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:21:24 ID:jSSLJW5t
遥かにもなりぬと思へば初雁のまた峰越ゆる声ぞ聞ゆる(熊谷直好)
999 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:22:57 ID:jSSLJW5t
我が門の西の阜にのぼり立ち四方に晴れたる月を見るかな(熊谷直好)
1000 :
名無氏物語:2009/08/27(木) 16:26:15 ID:jSSLJW5t
影を追ひ影に追はれて往きかへる月の夜道は遥けくもなし(熊谷直好)
1001 :
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