1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 02:32:36 ID:bQgCxV8C
3 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 02:33:39 ID:bQgCxV8C
4 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 02:34:34 ID:bQgCxV8C
5 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 02:35:32 ID:bQgCxV8C
6 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 03:20:28 ID:bQgCxV8C
葦の葉に風秋なりと聞きしより月すさまじくすむ心かな(如願)
7 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 03:21:15 ID:bQgCxV8C
月のもるね屋の板まに露みえて寝覚夜ぶかき蓬生の宿(花山院長親)
8 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 03:22:43 ID:bQgCxV8C
吹く風の目にこそ見えね神々は此の天地にかむづまります(橘曙覧)
9 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 03:23:28 ID:bQgCxV8C
散り初むる桐の一葉の露の上にねざめ夜深き月を見るかな(蓮月)
10 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 03:24:44 ID:bQgCxV8C
涙のみうきつの波のなみまくら月にひたせる袖ぞかなしき(藤原秀能)
11 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 03:25:33 ID:bQgCxV8C
下紅葉うつろひゆけば玉ぼこの道の山風さむく吹くらむ(如願)
12 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:06:45 ID:bQgCxV8C
ひさかたの雲井ながらも逢ひ見しをしぐれにけりな天の香久山(如願)
13 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:08:20 ID:bQgCxV8C
山ふかくなほいとへとて衣手のぬるるがうへにふる時雨かな(如願)
14 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:09:18 ID:bQgCxV8C
山里の桐の落葉にすむ月のかげさだめなく吹く嵐かな(如願)
15 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:10:22 ID:bQgCxV8C
今は又よそになるみのかたし貝我ぞしをるるあふよしをなみ(花山院長親)
16 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:11:18 ID:bQgCxV8C
藻塩やく海人の磯屋のたぐひかは波にぬれても胸こがすらむ(藤原家隆)
17 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:12:30 ID:bQgCxV8C
つくば山は山しげ山しげけれど思ひ入るにはさはらざりけり(源重之)
18 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:16:05 ID:bQgCxV8C
うちたゆむ夢を嵐にまがへても深山さびしき夜はのむらさめ(如願)
19 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:26:39 ID:bQgCxV8C
命とは契らざりしを石見なるおきの白島また見つるかな(如願)
20 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:27:56 ID:bQgCxV8C
月やどる藻塩の袖を人とはばわぶとこたへよ須磨の浦波(源通光)
21 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:28:38 ID:bQgCxV8C
袖の上におぼえずおつる涙にもすずろに月はやどりぬるかな(油谷倭文子)
22 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:30:14 ID:bQgCxV8C
憂へても泣きてもいはむ友もがなこたへぬ月にながめわびぬる(如願)
23 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:31:11 ID:bQgCxV8C
山もとのあけのそほ船ほのぼのとこぎいづる沖は霧こめてけり(藤原良経)
24 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:32:07 ID:bQgCxV8C
けふよりは秋のけしきの森なれややがて身にしむ山おろしの風(藤原良平)
25 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:33:14 ID:bQgCxV8C
明けばまた行きてとふべき梅が香を夜のまもおくる窓の春風(藤原基良)
26 :
名無氏物語:2009/06/24(水) 09:34:09 ID:bQgCxV8C
秋の月もの思ふ人のためとてや憂き面影にそへていづらむ(西行)
27 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:16:22 ID:kG9PGe4B
滝川や落ちてみだるる玉笹の葉わけすずしき水の色かな(中山忠定)
28 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:17:17 ID:kG9PGe4B
雲のゐる遠山姫の花かづら霞をかけて吹く嵐かな(源通光)
29 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:18:01 ID:kG9PGe4B
まきもくのあなしのひばら春くれば霞をかけて山かづらせり(寂蓮)
30 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:28:04 ID:kG9PGe4B
わたつ海のかざしの浪の花かづら霞をかけて浦風ぞ吹く(正徹)
31 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:29:19 ID:kG9PGe4B
明けわたる遠山かづらそのままに霞をかけて春や立つらむ(細川幽斎)
32 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:30:46 ID:kG9PGe4B
花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは(後水尾院)
33 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:32:13 ID:kG9PGe4B
あだにやは麓の庵にながむべき花より出づる峰の月かげ(源通光)
34 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:34:11 ID:kG9PGe4B
春の夜はおぼろにかすむみよしのの花よりいづる山のはの月(藤原範宗)
35 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:35:33 ID:kG9PGe4B
山のはや桜にこめて見えざらん花より出づる有明の月(順徳院)
36 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:36:46 ID:kG9PGe4B
数ならぬ深山がくれを尋ねてぞ心の末の花も見るべき(源通光)
37 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:37:50 ID:kG9PGe4B
今はとて鶯かへる春雨にぬれてぞ花の跡は見るべき(源通光)
38 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:49:46 ID:kG9PGe4B
誰がための涙なるらむ夕暮のまがきの露に秋は来にけり(源通光)
39 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:50:57 ID:kG9PGe4B
遠ざかる声こそいとど哀れなれ野べより山にかへるさを鹿(他阿)
40 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:52:08 ID:kG9PGe4B
名残ありと跡吹きおくる山風の声をうづまでかへるしら雲(下冷泉政為)
41 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:54:00 ID:kG9PGe4B
武蔵野やゆけども秋の果てぞなきいかなる風かすゑに吹くらむ(源通光)
42 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:56:08 ID:kG9PGe4B
入日さす麓の尾花うちなびき誰が秋風に鶉なくらむ(源通光)
43 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 00:59:45 ID:kG9PGe4B
夕づくよさほの河風身にしみて袖より過ぐる千鳥鳴くなり(源実朝)
44 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:02:01 ID:kG9PGe4B
花すすきしげみが中を分けゆけば袂を越えて鶉鳴くなり(俊恵)
45 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:03:42 ID:kG9PGe4B
から衣すそののいほの旅枕袖よりしぎのたつ心ちする(藤原定家)
46 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:10:50 ID:kG9PGe4B
かぎりあればしのぶの山のふもとにも落葉がうへの露ぞ色づく(源通光)
47 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:11:39 ID:kG9PGe4B
ながめ侘びそれとはなしに物ぞ思ふ雲のはたての夕暮の空(源通光)
48 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:12:35 ID:kG9PGe4B
秋をあきと思ひ入れてぞながめつる雲のはたての夕暮の空(藤原良経)
49 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:13:37 ID:kG9PGe4B
消えわぶる霜の衣を返しても見る夜まれなる夢の通ひ路(源通光)
50 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:14:49 ID:kG9PGe4B
しのびあへず我や行かむのいざよひに昔語りの夕暮の空(源通光)
51 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 01:16:04 ID:kG9PGe4B
日数さへしののをふぶき立ちかさねあふみちとほき行末の空(源通光)
52 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 03:09:54 ID:/vog0NNq
ハゲてる方だけに言いたいことがある。
遂にリアッ●のニューバージョンが販売された。
これって、本当に髪の毛が生えるのだろうか・・?
調べてみたところ、てっぺんハゲには高い効果があるらしい・・
そして、ハゲ疑惑がある、あの若手有名人も利用しているらしい・・
でも、海外には、もっとすごい商品があるらしい・・
ロゲインとか、倍毛DXとか、かなり生えるらしい・・
53 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:13:19 ID:kG9PGe4B
しらがしのしらぬ山路に入りぬともおくれじと思ふ嶺の松風(源通光)
54 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:14:22 ID:kG9PGe4B
世の中をいでぬとなどかつげざりしおくれじと思ふ心あるものを(藤原実定)
55 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:15:44 ID:kG9PGe4B
八幡山さかゆく峰も越えはてて君をぞ祈る身のうれしさに(源通光)
56 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:17:35 ID:kG9PGe4B
今朝みれば山もかすみて久方の天の原より春は来にけり(源実朝)
57 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:18:50 ID:kG9PGe4B
梅が香を夢の枕にさそひきてさむる待ちける春の山風(源実朝)
58 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:21:56 ID:kG9PGe4B
梅が香をまやのあまりにさそひきて有りとや袖に春風ぞ吹く(後鳥羽院)
59 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:22:52 ID:kG9PGe4B
咲きしよりかねてぞ惜しき梅の花散りのわかれは我が身と思へば(後鳥羽院)
60 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:36:30 ID:kG9PGe4B
咲きしよりかねてぞ惜しき梅の花散りのわかれは我が身と思へば(源実朝)orz
61 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:37:33 ID:kG9PGe4B
水たまる池のつつみのさし柳この春雨にもえ出でにけり(源実朝)
62 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:40:15 ID:kG9PGe4B
木のもとに宿りをすれば片しきの我が衣手に花はちりつつ(源実朝)
63 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:41:07 ID:kG9PGe4B
秋の野にやどりをすれば蛬かたしく袖の下に鳴くなり(源兼昌)
64 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:42:12 ID:kG9PGe4B
木のもとの花の下ぶし夜ごろへてわが衣手に月ぞなれぬる(源実朝)
65 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:43:27 ID:kG9PGe4B
春ふかみ花ちりかかる山の井はふるき清水にかはづなくなり(源実朝)
66 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:44:35 ID:kG9PGe4B
ながめつつ思ふもかなし帰る雁ゆくらんかたの夕暮の空(源実朝)
67 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 15:46:51 ID:kG9PGe4B
あぢきなくうつし心のかへりこでゆくらんかたの夕暮の空(藤原雅経)
68 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:23:09 ID:kG9PGe4B
我が心いかにせよとか山吹のうつろふ花に嵐たつらむ(源実朝)
69 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:24:05 ID:kG9PGe4B
散りのこる岸の山吹春ふかみこの一枝をあはれといはなむ(源実朝)
70 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:24:51 ID:kG9PGe4B
おのづからあはれともみよ春ふかみ散り残る岸の山吹の花(源実朝)
71 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:25:39 ID:kG9PGe4B
春すぎていくかもあらねど我がやどの池の藤浪うつろひにけり(源実朝)
72 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:27:11 ID:kG9PGe4B
時鳥まつとせしまに我がやどの池の藤波うつろひにけり(藤原家隆)
73 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:28:15 ID:kG9PGe4B
さみだれに夜のふけゆけば時鳥ひとり山辺を鳴きて過ぐなり(源実朝)
74 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:30:28 ID:kG9PGe4B
いにしへをしのぶとなしにふる里の夕べの雨ににほふ橘(源実朝)
75 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 18:38:36 ID:z5u1TgwO
76 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:41:19 ID:kG9PGe4B
ほととぎす聞けどもあかず橘の花ちる里の五月雨のころ(源実朝)
77 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:44:36 ID:kG9PGe4B
ほととぎす心して鳴けたちばなの花散る里の五月雨の空(後鳥羽院)
78 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:46:42 ID:kG9PGe4B
秋ちかくなるしるしにや玉だれのこすの間とほし風のすずしき(源実朝)
79 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:50:20 ID:kG9PGe4B
昨日まで花の散るをぞ惜しみこし夢かうつつか夏も暮れにけり(源実朝)
80 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:53:03 ID:kG9PGe4B
いつまでか跡をも雪に惜しみこし春にまかする柴の庵かな(後鳥羽院)
81 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:55:24 ID:kG9PGe4B
吹く風のすずしくもあるかおのづから山の蝉鳴きて秋は来にけり(源実朝)
82 :
名無氏物語:2009/06/25(木) 23:57:46 ID:kG9PGe4B
秋ちかくなりやしぬらし足曳の山の蝉なきて風ぞ涼しき(宗尊親王)
83 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 00:40:18 ID:G0/AyrQu
した紅葉色づきそむるあしびきの山の蝉なきて秋風ぞ吹く(惟宗光吉)
84 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 00:41:51 ID:G0/AyrQu
おほかたに物思ふとしもなかりけりただ我がための秋の夕暮(源実朝)
85 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 00:52:48 ID:G0/AyrQu
たが秋のねざめとはむとわかずともただ我がためのさを鹿の声(藤原良経)
86 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 00:59:37 ID:G0/AyrQu
萩の花くれぐれまでもありつるが月いでて見るになきがはかなさ(源実朝)
87 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:01:28 ID:G0/AyrQu
暮れかかる夕べの空をながむれば木高き山に秋風ぞ吹く(源実朝)
88 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:03:23 ID:G0/AyrQu
天の原ふりさけみれば月きよみ秋の夜いたく更けにけるかな(源実朝)
89 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:06:16 ID:G0/AyrQu
ふきまよふ雲井をわたる初雁のつばさにならす夜はの秋風(俊成卿女)
90 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:07:05 ID:G0/AyrQu
山里にすみぬべしやとならはせる心もたへぬ秋の夕暮(平忠度)
91 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:07:50 ID:G0/AyrQu
とまりとふ日さへみじかく成りにけり八重の塩ぢの秋の夕暮(藤原家隆)
92 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:10:42 ID:G0/AyrQu
東路や今朝立ちくれば蝉の声たかしの山に今ぞ鳴くなる(藤原仲実)
93 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:22:59 ID:G0/AyrQu
月をのみあはれと思ふをさ夜ふけて深山がくれに鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
94 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:31:43 ID:G0/AyrQu
ながれゆく木の葉のよどむ江にしあれば暮れての後も秋は久しき(源実朝)
95 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:32:41 ID:G0/AyrQu
もののふの矢並つくろふ籠手のうへに霰たばしる那須の篠原(源実朝)
96 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:33:47 ID:G0/AyrQu
ありま山うき立つ雲に風そひて霰たばしる印南野の原(賀茂真淵)
97 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:34:43 ID:G0/AyrQu
ささの葉に霰さやぎてみ山べは峰の木がらししきりて吹きぬ(源実朝)
98 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:36:02 ID:G0/AyrQu
我のみぞかなしとは思ふ浪のよる山のひたひに雪のふれれば(源実朝)
99 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:38:11 ID:G0/AyrQu
うち忘れはかなくてのみ過ぐしきぬあはれと思へ身につもる年(源実朝)
100 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 01:39:09 ID:G0/AyrQu
ちぶさ吸ふまだいとけなきみどりごとともに泣きぬる年の暮かな(源実朝)
101 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 07:40:25 ID:G0/AyrQu
はかなくて今宵あけなば行く年の思ひ出でもなき春にやあはなむ(源実朝)
102 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 07:42:00 ID:G0/AyrQu
夕月夜おぼつかなきを雲間よりほのかに見えしそれかあらぬか(源実朝)
103 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 07:44:36 ID:G0/AyrQu
月影のそれかあらぬかかげろふのほのかに見えて雲がくれにし(源実朝)
104 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 07:46:05 ID:G0/AyrQu
奧山の岩垣沼に木の葉おちてしづめる心人しるらめや(源実朝)
105 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 07:48:09 ID:G0/AyrQu
わが恋は百島めぐり浜千鳥ゆくへもしらぬかたに鳴くなり(源実朝)
106 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 07:51:32 ID:G0/AyrQu
ゆひそめて馴れしたぶさの濃むらさき思はず今も浅かりきとは(源実朝)
107 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 08:17:54 ID:G0/AyrQu
湊風いたくな吹きそしながどり猪名の水うみ船とむるまで(源実朝)
108 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 08:18:42 ID:G0/AyrQu
やらのさき月影さむし沖つ鳥鴨といふ舟うき寝すらしも(源実朝)
109 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 08:24:32 ID:G0/AyrQu
旅をゆきし跡の宿守おのおのにわたくしあれや今朝はいまだ来ぬ(源実朝)
110 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 08:26:52 ID:G0/AyrQu
玉くしげ箱根のみ海けけれあれやふた国かけて中にたゆたふ(源実朝)
111 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 08:27:56 ID:G0/AyrQu
箱根路を我が越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよる見ゆ(源実朝)
112 :
名無氏物語:2009/06/26(金) 08:32:47 ID:G0/AyrQu
百くまのあらき箱根路越え来ればこよろぎの磯に浪のよる見ゆ(賀茂真淵)
113 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 02:43:51 ID:qOAWhY8f
碓氷山わが越え来ればさ衣のを筑波山に雲かかる見ゆ(加藤宇万伎)
114 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 02:45:02 ID:qOAWhY8f
伊豆の海を漕ぎつつくれば浪高み沖の小島よ見えかくれする(上田秋成)
115 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 02:47:22 ID:qOAWhY8f
わたつ海のなかにむかひて出づる湯のいづのお山とむべも言ひけり(源実朝)
116 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 02:48:34 ID:qOAWhY8f
大日の種子よりいでて三昧耶さまやぎやう又尊形となる(源実朝)
117 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 02:49:31 ID:qOAWhY8f
塔をくみ堂をつくるも人のなげき懺悔にまさる功徳やはある(源実朝)
118 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:42:43 ID:qOAWhY8f
ほのほのみ虚空にみてる阿鼻地獄ゆくへもなしといふもはかなし(源実朝)
119 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:43:59 ID:qOAWhY8f
ながむれば吹く風すずし三輪の山杉の木ずゑを出づる月影(源実朝)
120 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:45:48 ID:qOAWhY8f
東路の関守る神の手向とて杉に矢たつる足柄の山(源実朝)
121 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:46:51 ID:qOAWhY8f
空やうみ海や空ともえぞわかぬ霞も波もたちみちにつつ(源実朝)
122 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:47:48 ID:qOAWhY8f
大海の磯もとどろによする波われてくだけて裂けて散るかも(源実朝)
123 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:48:46 ID:qOAWhY8f
世の中は常にもがもな渚こぐ海人の小舟の綱手かなしも(源実朝)
124 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:49:47 ID:qOAWhY8f
蹴球の男罌粟の實刻刻に跳ねて彈けて裂けて散るかも(塚本邦雄)
125 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:57:41 ID:qOAWhY8f
いつもかくさびしきものか葦の屋にたきすさびたる海人の藻塩火(源実朝)
126 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:58:26 ID:qOAWhY8f
紅のちしほのまふり山の端に日の入るときの空にぞありける(源実朝)
127 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 06:59:09 ID:qOAWhY8f
いつもかくさびしきものか津の国の芦屋の里の秋のゆふぐれ(藤原家隆)
128 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 07:00:02 ID:qOAWhY8f
思ひ出でて夜はすがらに音をぞなく有りし昔の世々のふるごと(源実朝)
129 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 07:01:00 ID:qOAWhY8f
道とほし腰はふたへにかがまれり杖にすがりてここまでも来る(源実朝)
130 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 07:01:50 ID:qOAWhY8f
かくてのみありてはかなき世の中を憂しとやいはむあはれとやいはむ(源実朝)
131 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 07:03:01 ID:qOAWhY8f
神といひ仏といふも世の中の人の心のほかのものかは(源実朝)
132 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:14:25 ID:qOAWhY8f
いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母をたづぬる(源実朝)
133 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:16:53 ID:qOAWhY8f
物いはぬ四方のけだものすらだにもあはれなるかなや親の子を思ふ(源実朝)
134 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:23:18 ID:qOAWhY8f
時によりすぐれば民のなげきなり八大龍王雨やめたまへ(源実朝)
135 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:25:23 ID:qOAWhY8f
大君の勅をかしこみちちわくに心はわくとも人に言はめやも(源実朝)
136 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:46:05 ID:qOAWhY8f
ひんがしの国にわがをれば朝日さすはこやの山のかげとなりにき(源実朝)
137 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:46:59 ID:qOAWhY8f
山はさけ海はあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも(源実朝)
138 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:48:18 ID:qOAWhY8f
出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな(源実朝)
139 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:49:39 ID:qOAWhY8f
山寺に秋のあかつき寝ざめして虫とともにぞなきあかしつる(明恵)
140 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:50:57 ID:qOAWhY8f
くまもなくすめる心のかかやけば我が光とや月おもふらむ(明恵)
141 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:53:55 ID:qOAWhY8f
昔みし道はしげりて跡たえぬ月の光をふみてこそ入れ(明恵)
142 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:54:52 ID:qOAWhY8f
あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月(明恵)
143 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 21:55:45 ID:qOAWhY8f
おのづからいそしの御井やくもるらむ織れる錦を春の山かげ(行意)
144 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:08:16 ID:qOAWhY8f
海原や千里の沖にすむ月の雲ふきはらへ大和島みむ(行意)
145 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:09:21 ID:qOAWhY8f
さてもまた忍ばむとこそ思ひつれたが心よりおつる涙ぞ(蓮生)
146 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:10:24 ID:qOAWhY8f
人の世を思ひつづけてながむれば昨日も暮れぬ今日も暮れぬる(慈円)
147 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:11:18 ID:qOAWhY8f
梅の花あたりもしるく風すぎてにほひにはるる春の夜の闇(信生)
148 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:12:41 ID:qOAWhY8f
見るたびに思ひぞまさるみなしごの心あるにも心なきにも(信生)
149 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:13:52 ID:qOAWhY8f
はぐくみし母もなき巣のひとり子を見捨てていかが帰らざるべき(信生)
150 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:17:01 ID:qOAWhY8f
春たけて紀の川しろくながるめり吉野のおくに花や散るらむ(北条泰時)
151 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:18:32 ID:qOAWhY8f
霧はるる浜名の橋のたえだえにあらはれわたる松のしき浪(藤原定家)
152 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:27:26 ID:qOAWhY8f
山桜おちても水のあはれまたしばしとどめぬ瀬々の岩波(藤原為家)
153 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:28:59 ID:qOAWhY8f
年を経てみはしの前に立ちなれし花たちばなも昔わするな(衣笠家良)
154 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 22:59:56 ID:qOAWhY8f
ももしきやみはしのもとの橘になれし昔ぞいまも恋しき(衣笠家良)
155 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:01:15 ID:qOAWhY8f
織女の夜戸出のすがた立ちかくす霧のとばりに秋風ぞ吹く(衣笠家良)
156 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:02:12 ID:qOAWhY8f
たをやめの夜戸出の姿おもほえて眉より青き玉柳かな(藤原俊成)
157 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:03:42 ID:qOAWhY8f
鷺のとぶ川辺のほたでくれなゐに日かげさびしき秋の水かな(衣笠家良)
158 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:05:12 ID:qOAWhY8f
夜をさむみうら葉かれゆく庭草にさびしかれどもすめる月かな(衣笠家良)
159 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:17:27 ID:qOAWhY8f
なく千鳥我さへかなし白菅のおふの河風さむくふく夜に(衣笠家良)
160 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:18:52 ID:qOAWhY8f
知られじな霞にもるる三日月のほのみし人に恋ひわびぬとも(衣笠家良)
161 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:19:47 ID:qOAWhY8f
秋風の露吹く風の葛蔓つらしうらめし人の心は(衣笠家良)
162 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:22:11 ID:qOAWhY8f
吉野川岩もと桜めもはるに波にたちそふ花の面影(九条道家)
163 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:23:31 ID:qOAWhY8f
山川の岩もと桜かげ見れば雪をぞあらふたぎつ白波(藤原良平)
164 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:29:57 ID:qOAWhY8f
わけきつる深き心の色を見よ春は吉野の花ぞめの袖(九条道家)
165 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:32:11 ID:qOAWhY8f
夏の夜は物おもふ人の宿ごとにあらはにもえてとぶ蛍かな(九条道家)
166 :
名無氏物語:2009/06/27(土) 23:33:44 ID:qOAWhY8f
下にのみむせぶ思ひもあるものをあらはにもえてゆく蛍かな(如願)
167 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 00:27:20 ID:Atj5w/8f
さ夜ふかき軒ばの草に露おちて秋をかけたるうたたねの夢(九条道家)
168 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 00:28:49 ID:Atj5w/8f
たのめおきしふるさと人の跡もなくふかき木の葉の霜のした道(九条道家)
169 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 00:29:46 ID:Atj5w/8f
天にます豊岡姫のをとめごが雪に袖ふるさゆる夜の空(藤原道家)
170 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 00:32:14 ID:Atj5w/8f
秋の夜の手枕なれし月かげの面影ながらつもる雪かな(藤原道家)
171 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:26:11 ID:Atj5w/8f
ながめやる空のただぢもかよふやと伊駒の山に雲なへだてそ(藤原道家)
172 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:27:06 ID:Atj5w/8f
おくれじと慕ひし月日うきながら今日もつれなくめぐりあひつつ(藤原定家)
173 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:28:08 ID:Atj5w/8f
老ののちまた思ふことはなきものを人の心になほなげくかな(藤原道家)
174 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:29:11 ID:Atj5w/8f
日暮るればうたふ乙女が声すみてとほき田面に早苗とるなり(藤原隆祐)
175 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:30:14 ID:Atj5w/8f
吹く風もけふ立ちそめて泊瀬女のゆふ花ちらす秋の川波(藤原隆祐)
176 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:31:58 ID:Atj5w/8f
難波がた蘆のかりねに見し夢のなほさめやらぬ秋の初風(藤原隆祐)
177 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:32:43 ID:Atj5w/8f
秋かぜのすすき吹きしく庭の面にあけがたちかき月ぞさびしき(熊谷直好)
178 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 01:33:54 ID:Atj5w/8f
かぎりある秋の夜のまも明けやらずなほ霧ふかき窓の灯し火(藤原隆祐)
179 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 14:22:19 ID:Atj5w/8f
水上はこほりをくぐる飾磨川海にいでてや波はたつらむ(藤原隆祐)
180 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 14:23:18 ID:Atj5w/8f
初瀬山嵐はたゆむ明け方に雪わけのこる鐘のおとかな(藤原隆祐)
181 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 14:24:17 ID:Atj5w/8f
さらにまた契りし月もしのばれず稀なる夢の有明の空(藤原隆祐)
182 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 14:25:44 ID:Atj5w/8f
この世には数ならぬ身のことの葉をいさめし道もまた絶えにけり(藤原隆祐)
183 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 14:26:47 ID:Atj5w/8f
なれなれておきつ島もりいかばかり君もなぎさに袖ぬらすらむ(藤原隆祐)
184 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 14:27:52 ID:Atj5w/8f
世の中になきをおくりし御幸こそかへるもつらき都なりけれ(藤原隆祐)
185 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:35:56 ID:Atj5w/8f
いづかたの梅の立ち枝に風ふれて思はぬ袖に香をとどむらん(小侍従)
186 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:36:53 ID:Atj5w/8f
夕暮はいかなる時ぞめに見えぬ風の音さへあはれなるかな(和泉式部)
187 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:38:06 ID:Atj5w/8f
百敷の庭の橘おもひ出でてさらに昔をしのぶ袖かな(土御門院)
188 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:39:23 ID:Atj5w/8f
深山路や暁かけて鳴く鹿のこゑすむ方に月ぞかたぶく(土御門院)
189 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:40:23 ID:Atj5w/8f
暮れてゆく春やこれより過ぎつらん花散りつもる青柳の橋(藤原頼宗)
190 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:42:35 ID:Atj5w/8f
あかつきの涙ばかりを形見にてわかるる袖をしたふ月かげ(土御門院)
191 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:43:52 ID:Atj5w/8f
ゆきかはる時につけてはおのづから哀をみする山のかげかな(藤原定家)
192 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 15:48:22 ID:Atj5w/8f
深き夜のあはれをみする月影にいるさの山のおくぞゆかしき(鵜殿余野子)
193 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:02:44 ID:Atj5w/8f
をちかへり鳴けや五月の時鳥やみのうつつの道まどふがに(西園寺実氏)
194 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:04:31 ID:Atj5w/8f
里わかず鳴けや五月のほととぎすしのびし頃は恨みやはせし(土御門院小宰相)
195 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:07:00 ID:Atj5w/8f
こゑたえず鳴けや五月の時鳥花たちばなの花のさかりに(宗良親王)
196 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:09:11 ID:Atj5w/8f
露ながらあだにはをらじわぎもこが見そめのさきの秋はぎの花(藤原家隆)
197 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:11:24 ID:Atj5w/8f
なぞもかく我が身にそはぬかげろふの燃ゆる思ひを胸にしるらむ(土御門院小宰相)
198 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:12:31 ID:Atj5w/8f
ふる里のたよりも知らぬ荒磯に涙ばかりぞ袖にかけける(土御門院小宰相)
199 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:13:19 ID:Atj5w/8f
日数さへしののをふぶき立ちかさねあふみち遠き行末の空(源通光)
200 :
名無氏物語:2009/06/28(日) 16:14:14 ID:Atj5w/8f
うつつにや恋ひわたるべき逢ふことはただ宵の間の夢の浮橋(藻壁門院但馬)
201 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 13:59:51 ID:nV4qIWVo
たをやめのうちたれ髪の花かづら曙かけてにほふ春風(藤原家隆)
202 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:04:58 ID:nV4qIWVo
久かたの空さへかけてまきもくのあなしの山は花かづらせり(浄弁)
203 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:06:12 ID:nV4qIWVo
よしさらば夢路はたえね草枕月を都の面影にして(頓阿)
204 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:07:23 ID:nV4qIWVo
ねぬる夜も目はさめにけり夕暮の花のにほひを面影にして(飛鳥井雅親)
205 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:08:28 ID:nV4qIWVo
恨みても心づからの思ひかなうつろふ花に春の夕暮(藤原家隆)
206 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:11:22 ID:nV4qIWVo
いかならむ絶えて桜の世なりとも曙かすむ春の心は(藤原定家)
207 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:22:48 ID:nV4qIWVo
咲きしより花にうつろふ山里の春のこころはちるかたもなし(本居宣長)
208 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:24:08 ID:nV4qIWVo
初瀬風谷吹きのぼる梅が香にかすむ尾上の月ぞいざよふ(正徹)
209 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:27:14 ID:nV4qIWVo
峰の雲ふもとの雪にうつろひて花をぞたどる志賀の山越え(藤原為家)
210 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:28:01 ID:nV4qIWVo
今ひと日あらましかばと思ふにも春のかぎりの雨ぞかなしき(藤原為家)
211 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 14:30:36 ID:nV4qIWVo
袖したふかた野の露や天の川遠き渡りの秋の夕暮(正徹)
212 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:04:46 ID:nV4qIWVo
まだきより秋かとぞ思ふ小倉山夕暮いそぐ松の下風(藤原為家)
213 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:12:34 ID:nV4qIWVo
山人のかへる嵯峨野のおひかぜに夕ぐれいそぐをぐら山かな(藤原為家)
214 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:14:20 ID:nV4qIWVo
まだきより秋とぞ名のるたそかれや朝倉山のよその松風(藤原家隆)
215 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:15:25 ID:nV4qIWVo
をぐら山松にかくるる草の庵の夕暮いそぐ夏ぞすずしき(藤原定家)
216 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:16:35 ID:nV4qIWVo
うすくこくちる紅葉ばをこきまぜて色々に吹く秋の山風(源頼行)
217 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:20:12 ID:nV4qIWVo
うすくこき紅葉を宿にこきまぜておのれとまらぬ山おろしの風(藤原定家)
218 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 15:21:25 ID:nV4qIWVo
思ひ出づるかひこそなけれ世々ふるき豊明の冬の夜の月(藤原為家)
219 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:26:58 ID:nV4qIWVo
おちたぎつ岩瀬をこゆる三河(みつかは)の枕をあらふ暁の夢(藤原為家)
220 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:28:15 ID:nV4qIWVo
思ふことなるとしならば初瀬山夢の世さませ暁の鐘(藤原為家)
221 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:29:07 ID:nV4qIWVo
花の雲はや立ちかはれ白雪はきえていくかのみよし野の山(本居宣長)
222 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:32:21 ID:nV4qIWVo
佐保姫の染めゆく野べはみどり子の袖もあらはに若菜つむらし(順徳院)
223 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:33:52 ID:nV4qIWVo
夢さめてまだ巻きあげぬ玉だれのひま求めてもにほふ梅が香(順徳院)
224 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:35:44 ID:nV4qIWVo
玉すだれまだまきあげぬ春の夜の夢の枕にうぐひすぞなく(藤原政範)
225 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:36:32 ID:nV4qIWVo
玉すだれ隙もとめてもかひぞなきかけはなれたる人の心に(花山院長親)
226 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 16:37:24 ID:nV4qIWVo
かざしをる人もかよはずなりにけり三輪の檜原の五月雨の空(藤原家隆)
227 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:05:31 ID:nV4qIWVo
かざしをる袖もやけさはこほるらんみわの檜原の雪の明ぼの(後鳥羽院)
228 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:06:33 ID:nV4qIWVo
駿河なる宇津の山べにちる花よ夢のうちにもたれ惜しめとて(順徳院)
229 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:08:34 ID:nV4qIWVo
蝉の羽のうすくれなゐの遅桜をるとはすれど花もたまらず(順徳院)
230 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:09:57 ID:nV4qIWVo
山桜おほふばかりのかひもなし霞の袖は花もたまらず(藤原家隆)
231 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:14:23 ID:nV4qIWVo
さかりをぞをるべかりける山桜うつろふ枝は花もたまらず(頓阿)
232 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:15:19 ID:nV4qIWVo
五月雨のはれまも青き大空にやすらひ出づる夏の夜の月(順徳院)
233 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:16:15 ID:nV4qIWVo
夏の日の木の間もりくる庭の面にかげまでみゆる松のひとしほ(順徳院)
234 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:17:09 ID:nV4qIWVo
それながら春は雲井に高砂の霞の上の松のひとしほ(藤原定家)
235 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:56:20 ID:nV4qIWVo
みなと川夏のゆくては知らねども流れてはやき瀬々のゆふしで(順徳院)
236 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 17:57:23 ID:nV4qIWVo
みそぎするけふみな月の河の瀬にしらゆふかけて流す麻の葉(藤原為世)
237 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 18:00:18 ID:nV4qIWVo
夏衣おりはへてほす川浪をみそぎにそふる瀬々のゆふしで(藤原定家)
238 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 18:04:02 ID:nV4qIWVo
風になびく雲のゆくてに時雨れけりむらむら青き木々の紅葉ば(順徳院)
239 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 18:05:57 ID:nV4qIWVo
冬がれのもとのよもぎもまじりつつむらむら青き道の若草(冷泉為尹)
240 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 18:06:58 ID:nV4qIWVo
さえのこる雪まばかりは春めきてむらむら青き野辺の若草(蓮愉)
241 :
名無氏物語:2009/06/29(月) 18:08:34 ID:nV4qIWVo
ひとめ見しとをちの村のはじ紅葉またも時雨れて秋風ぞ吹く(順徳院)
242 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 13:58:24 ID:/i8L5I5M
谷ふかき八峰の椿いく秋の時雨にもれて年の経ぬらむ(順徳院)
243 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 13:59:39 ID:/i8L5I5M
天つ星光をそへよ夕暮の菊は籬にうつろひぬとも(順徳院)
244 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:01:34 ID:/i8L5I5M
紅葉ばをあるかなきかに吹き捨てて梢にたかき冬の木枯し(順徳院)
245 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:02:48 ID:/i8L5I5M
冬の色よそれとも見えぬささ島の磯こす浪に千鳥たつなり(順徳院)
246 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:03:39 ID:/i8L5I5M
夜もすがら潮風さえてささ島の磯こす浪にたつ千鳥かな(二条教頼)
247 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:05:24 ID:/i8L5I5M
ささ島の磯こす浪にたつ千鳥こころとぬれてなかぬ日ぞなき(藤原光経)
248 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:22:28 ID:/i8L5I5M
おきつ風あかつきかけてささ島の磯こす波に千鳥なくなり(飛鳥井雅有)
249 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:23:47 ID:/i8L5I5M
夕狩の交野の真柴むらむらにまだひとへなる初雪の空(順徳院)
250 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:25:10 ID:/i8L5I5M
里わかぬ春の隣となりにけり雪まの梅の花の夕風(順徳院)
251 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:26:43 ID:/i8L5I5M
忘ればや風は昔の秋の露ありしにも似ぬ人の心に(順徳院)
252 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:27:49 ID:/i8L5I5M
月もなほ見し面影はかはりけり泣きふるしてし袖の涙に(順徳院)
253 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:49:23 ID:/i8L5I5M
暮をだになほ待ちわびし有明のふかきわかれになりにけるかな(順徳院)
254 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 14:51:02 ID:/i8L5I5M
暮れぬともなほ行末は空の雲何をかぎりの山路なるらむ(順徳院)
255 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:05:28 ID:MTOXtmOy
256 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:34:58 ID:/i8L5I5M
難波江の塩干のかたや霞むらむ蘆まに遠きあまのいさり火(順徳院)
257 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:36:06 ID:/i8L5I5M
憂しとても身をばいづくにおくの海の鵜のゐる岩も波はかからむ(順徳院)
258 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:37:21 ID:/i8L5I5M
神垣のよもの木陰を頼むかなはげしき頃の嵐なりとも(順徳院)
259 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:38:33 ID:/i8L5I5M
雲ゐぢもなほ同じ世とたのみしをさてだにあらで別れぬるかな(契沖)
260 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:39:28 ID:/i8L5I5M
秋をへてふるき軒ばのしのぶ草忍びに露のいくよ置くらむ(禅信)
261 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:40:49 ID:/i8L5I5M
小泊瀬やふるき軒端のむかしをも忍ぶの露に匂ふむめがか(源高門)
262 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:41:47 ID:/i8L5I5M
月うすくふるきのきばの梅にほひ昔しのべとなれる夜半かな(源親子)
263 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:43:46 ID:/i8L5I5M
都にはありし忍ぶのみだれよりふるき軒ばのまれになりぬる(姉小路基綱)
264 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:56:42 ID:E2qn14cy
浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき(源等[後撰])
265 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 15:57:40 ID:E2qn14cy
ももしきや古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり(順徳院[続後撰])
266 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:06:37 ID:/i8L5I5M
いにしへをふるき軒端のしのぶ夜はもらぬ袂もうちしぐれつつ(本居宣長)
267 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:07:45 ID:/i8L5I5M
春の月涙の外にみる人やかすめるかげのあはれしるらむ(宗尊親王)
268 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:09:22 ID:/i8L5I5M
さやかなる月さへうとくなりぬべし涙の外に見るよなければ(永福門院)
269 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:10:31 ID:/i8L5I5M
今年みる我がもとゆひの初霜にみそぢあまりの秋ぞふけぬる(藤原良経)
270 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:12:20 ID:/i8L5I5M
山桜かつさく色かくれなゐのうす花ぞめに雲のかかれる(浄喜)
271 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:13:45 ID:/i8L5I5M
紅のうす花ぞめの山ざくらなどしら雲にまがへきぬらむ(源成直)
272 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:54:30 ID:E2qn14cy
人ごころうす花ぞめのかり衣さてだにあらで色やかはらむ(三条院女蔵人左近[新古今])
273 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:55:06 ID:/i8L5I5M
さくら色のかたみの衣ぬぎかへてふたたび春に別れぬるかな(雅成親王)
274 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:56:08 ID:/i8L5I5M
さを鹿のつめもかくれぬ春草のはつかに見えて逢はぬ君かな(雅成親王)
275 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 16:57:10 ID:/i8L5I5M
かへりみるわがふるさとの山の端を雲ゐになして出づる月かげ(雅成親王)
276 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:05:21 ID:/i8L5I5M
白雲のやへ山こえて見わたせば暮るるも惜しきふるさとの空(雅成親王)
277 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:06:15 ID:/i8L5I5M
ねても夢ねぬにも夢の心地してうつつなる世をみぬぞかなしき(雅成親王)
278 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:07:40 ID:/i8L5I5M
大方にいとひなれたる夏の日のくるるもをしきなでしこの花(藤原定家)
279 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:10:16 ID:/i8L5I5M
さびしくてふりぬるものは美濃山のひと木の松とわれとなりけり(雅成親王)
280 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:11:19 ID:/i8L5I5M
つひにゆく道よりもけにかなしきは命のうちの別れなりけり(雅成親王)
281 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:31:04 ID:/i8L5I5M
あらたまの年も変はらで立つ春は霞ばかりぞ空に知りける(後堀河院)
282 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:32:38 ID:/i8L5I5M
草の庵夏のはじめの衣がへ涼しき簾のかかるばかりぞ(道元)
283 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:33:55 ID:/i8L5I5M
我が庵は越のしらやま冬こもり凍も雪も雲かかりけり(道元)
284 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:35:25 ID:/i8L5I5M
わが宿は越のしら山冬ごもり往き来の人のあとかたもなし(良寛)
285 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:36:12 ID:/i8L5I5M
冬草も見えぬ雪野のしらさぎはおのが姿に身をかくしけり(道元)
286 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:40:23 ID:/i8L5I5M
峯の色渓の響もみなながら我が釈迦牟尼の声と姿と(道元)
287 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:45:16 ID:heSXCRIE
定家の糞歌を書き込むな
288 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:49:02 ID:/i8L5I5M
春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷しかりけり(道元)
289 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:50:31 ID:/i8L5I5M
形見とて何かのこさむ春は花山ほととぎす秋はもみぢ葉(良寛)
290 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:52:56 ID:/i8L5I5M
故郷におなじ雲井の月をみば旅の空をやおもひいづらむ(待賢門院堀河)
291 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 17:54:49 ID:/i8L5I5M
伏見山田面の末を吹く風に穂なみをわたる宇治の川舟(葉室光俊)
292 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:03:33 ID:/i8L5I5M
はるばると鳥羽田の末をながむれば穂なみにうかぶ淀の川舟(木下長嘯子)
293 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:04:23 ID:/i8L5I5M
この山の麓にぞ見る呉竹の葉室の里のよよの面影(真観)
294 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:05:44 ID:/i8L5I5M
ふかき夜のあはれ知りけむいにしへの春のあふぎの月はかはらじ(藤原基家)
295 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:06:36 ID:/i8L5I5M
なきぬべき夜半はたのまじ郭公待つらむとこそ猶しのぶらめ(兼好)
296 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:07:50 ID:/i8L5I5M
思ひ寝の夢てふものにさそはれてたのまぬ中にゆく月日かな(藤原基家)
297 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:08:49 ID:/i8L5I5M
ふきはらふ嵐の後のたかねより木の葉くもらで月やいづらん(宜秋門院丹後)
298 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:09:49 ID:/i8L5I5M
大かたの昔はことのいはれにて我が見し世こそまづ恋しけれ(藤原基家)
299 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:15:45 ID:E2qn14cy
逢ふことはこれやかぎりの旅ならむ草の枕も霜枯れにけり(馬内侍[新古今])
300 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:18:26 ID:/i8L5I5M
おほかたの昔は知らず見し人のありし頃こそまづ恋しけれ(宗尊親王)
301 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:22:16 ID:/i8L5I5M
筑波嶺の山のをのへも霞みつつ春はあづまに立ちはじめけり(笠間時朝)
302 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:23:21 ID:/i8L5I5M
夕立は山のあなたを過ぐれどもこの里までもすずしかりけり(笠間時朝)
303 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:24:35 ID:/i8L5I5M
東路の足柄こえて武蔵野の山もへだてぬ月を見るかな(笠間時朝)
304 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:25:32 ID:/i8L5I5M
足柄の山のをのへにのぼりてぞ空なる月も近づきにける(笠間時朝)
305 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:26:45 ID:/i8L5I5M
たかし山夕越えはててやすらへば麓の浜に藻塩やく見ゆ(藤原為家)
306 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:27:52 ID:/i8L5I5M
あだに散る野原の露に思ふかな今いくかあらば秋の夕風(宜秋門院丹後)
307 :
名無氏物語:2009/06/30(火) 18:29:29 ID:/i8L5I5M
秋と聞く風のつかひはけふたちぬ今いくかあらば初雁の声(下河辺長流)
308 :
名無氏物語:2009/07/01(水) 08:41:13 ID:QFA1fDhC
いつしかと思ひし秋はまちつけつ今いくかあらば星合の空(小沢蘆庵)
309 :
名無氏物語:2009/07/01(水) 08:50:35 ID:QFA1fDhC
山風の吹きまく空にかつきえて庭までふらぬ春のあは雪(冷泉為相)
310 :
名無氏物語:2009/07/01(水) 08:51:26 ID:QFA1fDhC
かつきえて庭には跡もなかりけり空にみだるる春のあは雪(後村上天皇)
311 :
名無氏物語:2009/07/01(水) 08:53:41 ID:QFA1fDhC
暮るる空のながめはここにかかれとや霞のしたにのこる山の端(伏見院)
312 :
名無氏物語:2009/07/01(水) 08:54:37 ID:QFA1fDhC
見てしかな見ぬ面影の玉津島きくにもうかぶ春のあけぼの(大内政弘)
313 :
名無氏物語:2009/07/01(水) 08:55:36 ID:QFA1fDhC
けさはまづ山のはばかりうづもれて都のよもにふれるしら雪(頓阿)
314 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:31:46 ID:slriv9tl
人とはぬ夕の山の柴の庵雲こそかへれ峰のあらしに(定為)
315 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:33:33 ID:slriv9tl
あだにのみうつろひぞゆくかげろふの夕花ざくら風にまかせて(一条実経)
316 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:34:56 ID:slriv9tl
梅の花あはれなる香にいつとしもわかぬ昔の春ぞ恋しき(平親清四女)
317 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:36:08 ID:slriv9tl
露むすぶ門田の稲葉風すぎて見し東路に似たる秋かな(平親清四女)
318 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:38:14 ID:slriv9tl
石のはし松のはしらも苔むしてふりにしかたを恋ひわたるかな(平親清四女)
319 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:40:26 ID:slriv9tl
かへりこぬ昔をまたも見るべきに夢路ゆるさぬ山おろしかな(平親清四女)
320 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:50:22 ID:slriv9tl
秋の色にみねの嵐のかはるより夢路ゆるさぬ松のこゑかな(藤原定家)
321 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:51:34 ID:slriv9tl
さびしさはなれぬ程ぞと忍べどもあまりはげしき椎柴の音(平親清四女)
322 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:53:07 ID:slriv9tl
月だにもあり明ならば暮れてゆく秋のなごりは空に見てまし(後深草院弁内侍)
323 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 01:54:54 ID:slriv9tl
しるといふ枕も人にかたらずは涙もらすな夜々の黒髪(正徹)
324 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:01:25 ID:slriv9tl
けふ桜折らば折らなむ風吹かば夜のまもしらぬ花の梢に(安嘉門院高倉)
325 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:03:17 ID:slriv9tl
夢にだにかよはぬ中の忍ぶ山心のおくを誰にとはまし(安嘉門院高倉)
326 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:10:41 ID:slriv9tl
こきまぜに草の花咲く秋の野の露にしたがふ月の色々(安嘉門院四条)
327 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:12:48 ID:slriv9tl
はかなしな短き夜はの草枕結ぶともなきうたたねの夢(阿仏尼)
328 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:19:52 ID:slriv9tl
秋ふかき草の枕にわれぞ泣くふりすててこし鈴虫のねを(阿仏尼)
329 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:21:01 ID:slriv9tl
山ふかみしられぬ恋をすがのねのながくや人に思ひみだれむ(藤原家隆)
330 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:21:47 ID:slriv9tl
思ふには負くるならひをよしやそのしのぶといふもつらさなりけり(平親清五女)
331 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:22:42 ID:slriv9tl
散り残る青葉の山のさくら花風よりのちをたづねざりせば(源通具)
332 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:24:21 ID:slriv9tl
さばへなすあらぶる神にみそぎして民しづかにと祈るけふかな(後嵯峨院)
333 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 02:25:35 ID:slriv9tl
いかばかり心をそへて政すぐなる代ぞと人にいはれむ(後花園院)
334 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:41:49 ID:slriv9tl
とけそむる氷もけさは音たてて垂氷のうへに春風ぞ吹く(蓮愉)
335 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:42:50 ID:slriv9tl
とけそめし雪の下水猶さえて軒のたるひに春風ぞ吹く(宗良親王)
336 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:43:55 ID:slriv9tl
のどかなる波路の春もあらはれて霞によわる志賀の浦風(蓮愉)
337 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:45:31 ID:slriv9tl
わたのはらなぎたる浪も長閑にて霞によわる沖つ潮風(二条為重)
338 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:46:17 ID:slriv9tl
あまつ空かすみに見ゆる玉づさの墨がれうすき春の雁がね(蓮愉)
339 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:48:07 ID:slriv9tl
たづねくる苔の跡まで見えわかで昔をうづむ山桜かな(蓮愉)
340 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 16:49:18 ID:slriv9tl
春ごとの花のわかれになほたへて命ながくも見る桜かな(蓮愉)
341 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:06:21 ID:slriv9tl
春ごとの花に心をなぐさめてむそぢあまりの年をへにける(西行)
342 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:19:50 ID:slriv9tl
見わたせばすずしくなりぬ夕立の雲にかげろふ峰の松原(蓮愉)
343 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:20:54 ID:slriv9tl
浦風や雪の白浪吹きはれてしばし霞める遠しまの松(永福門院)
344 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:21:41 ID:slriv9tl
秋の色もまだふかからぬもみぢ葉のうすくれなゐにふる時雨かな(蓮愉)
345 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:22:49 ID:slriv9tl
けふもまた夕日になりぬ長月のうつりとまらぬ秋のもみぢ葉(蓮愉)
346 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:24:37 ID:slriv9tl
をぐら山木の葉しぐれてゆく秋の嵐のうへにのこる月かげ(蓮愉)
347 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:25:57 ID:slriv9tl
暮るるより尾上のしろく見ゆるかな今朝のしぐれは雪げなりけり(蓮愉)
348 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:27:00 ID:slriv9tl
狩人のたもとにはらふ白雪のふる野のとだち日も暮れにけり(蓮愉)
349 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:46:02 ID:slriv9tl
けふもなほゆけばさすがに武蔵野の尾花がすゑに山ぞちかづく(蓮愉)
350 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 17:47:02 ID:slriv9tl
君まもる鶴の岡べの神垣によろづ代かけよ月のしらゆふ(蓮愉)
351 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 18:01:43 ID:slriv9tl
住吉の松の梢を見わたせば今宵ぞかくる月のしらゆふ(藤原盛方)
352 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 18:03:01 ID:slriv9tl
雲も行き風もとまらぬ大空にきはなき色はかすみなりけり(他阿)
353 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 18:03:53 ID:slriv9tl
ふけば空に雲をはなるる影見えて風よりのちぞ月はさやけき(他阿)
354 :
名無氏物語:2009/07/02(木) 18:05:16 ID:slriv9tl
あはれげに遁れても世はうかりけり命ながらぞ捨つべかりける(他阿)
355 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 02:44:57 ID:5J75LE84
月はさし水鶏はたたく槙の戸をあるじがほにてあくる山風(仏国)
356 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 02:45:56 ID:5J75LE84
しげりあふ峰の椎しば吹きわけて風のいれたる窓の月影(仏国)
357 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 02:48:09 ID:5J75LE84
いづる峰いる山の端のとほければ露にやどかるむさしのの月(仏国)
358 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 02:49:21 ID:5J75LE84
うかれいづる心のゆくへたづぬれば浅茅が原の雪の白雲(鑁也)
359 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 02:56:09 ID:5J75LE84
月ならばをしまれてまし山のはにかたぶきかかる老いのわが身を(仏国)
360 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:22:03 ID:5J75LE84
山かげにたのむ庵も荒れねとや嵐にかろき槙の板ぶき(寂西)
361 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:26:50 ID:5J75LE84
いかにせむ霞める空をあはれとも言はばなべての春のあけぼの(宗尊親王)
362 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:29:14 ID:5J75LE84
霞めるをあはれとばかり見し世だに物は思ひき春のあけぼの(宗尊親王)
363 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:30:42 ID:5J75LE84
人待たで寝なましものを梅の花うたて匂ひの夜はの春風(宗尊親王)
364 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:31:33 ID:5J75LE84
春の夜の有明の月に棹さして河よりをちの宿やからまし(宗尊親王)
365 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:32:34 ID:5J75LE84
見ても猶おぼつかなきは春の夜のかすみをわけていづる月かげ(小式部内侍)
366 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:45:41 ID:5J75LE84
ひびきくる河音ふけて明日香風そでふく夜はの月ぞ身にしむ(伏見院)
367 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 03:48:00 ID:5J75LE84
さびしさのかぎりとぞ見るわたつ海のとほ島かすむ春の夜の月(宗尊親王)
368 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:03:59 ID:5J75LE84
わたせばしらゆふかけてちはやぶる神がきやまに雪ふりにけり(宗尊親王)
369 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:05:39 ID:5J75LE84
あはれことし我が身の春も末ぞとはしらで弥生の花を見しかな(宗尊親王)
370 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:06:54 ID:5J75LE84
うぐひすは物うかるねにうらぶれて野上のかたに春ぞ暮れゆく(宗尊親王)
371 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:08:00 ID:5J75LE84
不破の関朝こえゆけば霞たつ野上のかたに鶯ぞなく(藤原隆信)
372 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:09:14 ID:5J75LE84
あらたまる春になるらし冬枯の野上のかたに鶯のなく(藤原知家)
373 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:10:25 ID:5J75LE84
いとどまた夢てふものをたのめとや思ひねになくほととぎすかな(宗尊親王)
374 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 04:11:14 ID:5J75LE84
なげきわび物思ふ頃はほととぎす我がためにのみ鳴くかとぞ聞く(宗尊親王)
375 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:18:46 ID:5J75LE84
時鳥ものおもふ頃はおのづから待たねど聞きつ夜はのひとこゑ(和泉式部)
376 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:20:35 ID:5J75LE84
夕さればみどりの苔に鳥降りてしづかになりぬ苑の秋風(宗尊親王)
377 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:22:14 ID:5J75LE84
あればこそ物をも思へいづかたに行き隠れなむ秋の夕暮(宗尊親王)
378 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:23:12 ID:5J75LE84
舟出して今こそ見つれ玉の浦のはなれ小島の秋の夜の月(宗尊親王)
379 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:24:09 ID:5J75LE84
秋の夜は月にぞながる桜川花はむかしのあとの白波(宗尊親王)
380 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:40:22 ID:5J75LE84
桜川ながるる花をせきとめてとまらぬ春の思ひ出にせむ(藤原公相)
381 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:42:04 ID:5J75LE84
秋の夜はうつつのうさの数そへてぬる夢もなき荻のうは風(宗尊親王)
382 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:43:10 ID:5J75LE84
鶴の岡や秋のなかばの神祭ことしは余所に思ひこそやれ(宗尊親王)
383 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:44:42 ID:5J75LE84
世を憂しと厭ひはてぬる秋もなほ心にのこる峰の朝霧(宗尊親王)
384 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 18:47:56 ID:5J75LE84
吹きおろす安蘇山嵐けさ冴えて冬野をひろみ雪ぞつもれる(宗尊親王)
385 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:39:26 ID:5J75LE84
阿倍の島岩うつ波のよるさえて住むとも聞かぬ千鳥鳴くなり(宗尊親王)
386 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:41:14 ID:5J75LE84
いはでおもふ心はさぞないとどしく恋ひまさるてふ山吹の花(藤原良教)
387 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:42:43 ID:5J75LE84
思ふにもよらぬ命をしばしとてあはれつれなき君にやあるらむ(俊恵)
388 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:43:36 ID:5J75LE84
ながしとぞ思ひはてぬる逢はでのみひとり月見る秋の夜な夜な(宗尊親王)
389 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:46:27 ID:5J75LE84
いつはりのなき世なりともいかがせむ契らでとはぬ夕暮の空(順徳院)
390 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:47:27 ID:5J75LE84
忘れめや鳥の初音に立ちわかれなくなく出でしふるさとの空(宗尊親王)
391 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:48:52 ID:5J75LE84
忘れめや宿たちわかれ今はとて出でし夕べの秋のむらさめ(宗尊親王)
392 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:56:37 ID:5J75LE84
甲斐が嶺はかすかにだにも見えざりき涙にくれしさやの中山(宗尊親王)
393 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:57:42 ID:5J75LE84
年へたる杉の木陰に駒とめて夕立すぐす不破の中山(宗尊親王)
394 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 19:58:48 ID:5J75LE84
山陰の木々の雫に袖ぬれて暁ごとに出でし旅かな(宗尊親王)
395 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:05:52 ID:5J75LE84
しげりあふ蔦も楓もあとぞなき宇津の山べは道ほそくして(藤原良経)
396 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:06:55 ID:5J75LE84
夏虫のともしすてたる光さへのこりて明くるしののめの空(二条院讃岐)
397 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:07:50 ID:5J75LE84
何となき世のいとなみも哀れなり水のうへゆく宇治の柴舟(宗尊親王)
398 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:10:51 ID:5J75LE84
なにとなくかよふ兎もあはれなり片岡山の庵の垣根に(慈円)
399 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:32:51 ID:5J75LE84
虎とのみ用ゐられしは昔にて今はねずみのあなう世の中(宗尊親王)
400 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:33:58 ID:5J75LE84
いまは世にあるもまれなる奧布のもちゐられしは昔なりけり(宗尊親王)
401 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:34:54 ID:5J75LE84
いまは世にあるもまれなる奧布のもちゐられしは昔なりけり(藤原光俊) 間違えた・・・orz
402 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:35:58 ID:5J75LE84
忘れずよあくがれそめし山里のその夜の雨の音のはげしさ(宗尊親王)
403 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 20:36:56 ID:5J75LE84
いにしへを昨日の夢とおどろけばうつつの外にけふも暮れぬる(宗尊親王)
404 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 21:05:21 ID:5J75LE84
われならで見し世の春の人ぞなきわきてもにほへ雲の上の花(後鳥羽院)
405 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 21:07:01 ID:5J75LE84
誰がかたに夜なく雁の音にたてて涙うつろふ武蔵野の原(藤原定家)
406 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 21:07:59 ID:5J75LE84
氷室山木の間もわくる夏の日の氷によわる影ぞさむけき(藤原隆祐)
407 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 22:18:39 ID:5J75LE84
むばたまの夜はの山風ふけぬらし氷によわる滝のしら浪(藤原光経)
408 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 22:19:44 ID:5J75LE84
なぞもかくつらきはさらにつらからで思はぬ人を思ふ心ぞ(覚性法親王)
409 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 22:20:50 ID:5J75LE84
あけやすきなごりぞをしき春の夜の夢より後の梅のにほひは(亀山院)
410 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 22:22:00 ID:5J75LE84
あまつかぜ空にたちつつあらかねの土の色にぞ秋もみえける(亀山院)
411 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 22:24:24 ID:5J75LE84
色々にうつろはんとや宮城野の花のちくさの秋のしら露(藤原為氏)
412 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 23:16:24 ID:5J75LE84
とどまらぬならひありとはなぐさめて秋も別れぬきぬぎぬの空(亀山院)
413 :
名無氏物語:2009/07/03(金) 23:17:10 ID:5J75LE84
思ひ寝のおもふままなる夢の中にさめてまさらぬうつつなりけり(亀山院)
414 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:11:13 ID:RRJR5fsA
思ひ寝の心のままに夢は見つうつつぞ歎くかひなかりける(津守国冬)
415 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:12:28 ID:RRJR5fsA
物や思ふ雲のはたての夕暮に天つ空なる初雁のこゑ(後鳥羽院)
416 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:13:29 ID:RRJR5fsA
田のもより山もとさしてゆく鷺のちかしとみればはるかにぞとぶ(伏見院)
417 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:14:34 ID:RRJR5fsA
人はいさ思ひも出でじ我のみやあくがれし夜の月を恋ふらん(飛鳥井雅有)
418 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:15:36 ID:RRJR5fsA
吹く風のなるをにたてる一松さびしくもあるか友なしにして(宗尊親王)
419 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:38:43 ID:RRJR5fsA
霞たつ山わけ衣さくら色にみだれてそむる花の下かぜ(藤原為家)
420 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:43:25 ID:RRJR5fsA
鳴神のとほちの雲の絶え間よりときどき見ゆる宵の稲妻(宇都宮景綱)
421 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:44:27 ID:RRJR5fsA
月はまだにほひもそめぬ軒の空に松風くらき夜はの山かげ(伏見院)
422 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:45:24 ID:RRJR5fsA
花鳥のなさけもすぐる故郷はかすみばかりに春ぞのこれる(今出河公顕)
423 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 00:46:21 ID:RRJR5fsA
みそぎせしみたらし川の清き瀬にけさ立ちかはる秋の初風(藤原為家)
424 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:18:22 ID:RRJR5fsA
あらましに思ひしよりもながらへて花と月とにながめなれぬる(衣笠家良)
425 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:20:02 ID:RRJR5fsA
逢ふことはいつともわかぬ松の色の夕べはなどか風もかなしき(豊原統秋)
426 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:21:11 ID:RRJR5fsA
心すむわがよの秋のながめかな月を嵐の空にまかせて(覚助法親王)
427 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:22:26 ID:RRJR5fsA
明けわたる入江の波もしづかにて荻の末葉に残る浦風(二条為定)
428 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:23:19 ID:RRJR5fsA
篝火のかげをうつしておほゐ河鵜舟くださぬ夜ははあらじな(藤原為業)
429 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:24:17 ID:RRJR5fsA
宮人のにほひ残れる志賀の山花に越えゆく袖ぞやさしき(橘千蔭)
430 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:25:07 ID:RRJR5fsA
緒をよわみたえて乱るる玉よりもぬきとめがたし人の命は(和泉式部)
431 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 03:26:09 ID:RRJR5fsA
ならびふす尾花の袖のかさなりて穂末をつたふ秋のしら露(京極為兼)
432 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:15:19 ID:RRJR5fsA
西の峰にうつろひそむる朝づく日よもの山にぞ影はみちゆく(西園寺実兼)
433 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:16:13 ID:RRJR5fsA
ながむればみぬ世の事もおぼえけり月や昔の鏡なるらん(源師光)
434 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:17:16 ID:RRJR5fsA
広沢の池にやどれる月かげや昔をうつす鏡なるらむ(後鳥羽院)
435 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:20:52 ID:RRJR5fsA
見せ聞かせ言はせ思はせはたらかせ我が身をつかふものぞ心よ(西園寺実兼)
436 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:22:11 ID:RRJR5fsA
さまざまにたづねもとめし我が心つひにしらずぞ袖はなりぬる(西園寺実兼)
437 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:23:49 ID:RRJR5fsA
もとめねば心のおくもあるものをたづぬればこそ遠ざかりけれ(西園寺実兼)
438 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 07:25:40 ID:RRJR5fsA
霞みくるる夕日の空にふりそめて静かになれる宵の春雨(京極為兼)
439 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:17:54 ID:RRJR5fsA
春の夜の明くる光のうすにほひ霞の底ぞ花になりゆく(京極為兼)
440 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:18:45 ID:RRJR5fsA
夏浅きみどりの木立庭遠み雨ふりしむる日ぐらしの宿(京極為兼)
441 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:19:35 ID:RRJR5fsA
春のなごりながむる浦の夕なぎにこぎわかれゆく舟もうらめし(京極為兼)
442 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:21:40 ID:RRJR5fsA
めぐりゆかば春にはまたも逢ふとても今日のこよひは後にしもあらじ(京極為兼)
443 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:22:45 ID:RRJR5fsA
月残るねざめの空の郭公さらにおき出てなごりをぞ聞く(京極為兼)
444 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:24:17 ID:RRJR5fsA
松をはらふ風は裾野の草におちて夕立雲に雨きほふなり(京極為兼)
445 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:25:25 ID:RRJR5fsA
なる神の音ほのかなる夕立のくもる方より風ぞはげしき(京極為兼)
446 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 09:26:30 ID:RRJR5fsA
枝にもる朝日の影のすくなさに涼しさふかき竹のおくかな(京極為兼)
447 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:18:31 ID:RRJR5fsA
河むかひ柳のあたり水みえて涼しきかげに鷺あそぶなり(京極為兼)
448 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:19:58 ID:RRJR5fsA
あをみわたる芝生の色も涼しきは茅花さゆるぐ夏の夕暮(京極為兼)
449 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:21:09 ID:RRJR5fsA
月のぼる峯の秋風吹きぬらし麓の霧ぞ色くだりゆく(京極為兼)
450 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:22:11 ID:RRJR5fsA
かなしさはなれゆくままの秋風に今いくたびのさても夕暮(京極為兼)
451 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:23:11 ID:RRJR5fsA
秋の名残ながめし空の有明におもかげちかき冬の三日月(京極為兼)
452 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:24:11 ID:RRJR5fsA
とぢはてぬ水ひとすぢの道見えてあたりはこほる冬の山川(京極為兼)
453 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:25:08 ID:RRJR5fsA
来ずも来ず頼まじ待たじ忘れむと思ひながらも月にながめて(京極為兼)
454 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:40:12 ID:RRJR5fsA
ふけゆけば千里の外もしづまりて月にすみぬる夜のけしきかな(京極為兼)
455 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:44:19 ID:RRJR5fsA
さびしさもしばしは思ひ忍べどもなほ松風のうすくれの空(京極為兼)
456 :
名無氏物語:2009/07/04(土) 23:45:11 ID:RRJR5fsA
及びがたく高きすがたをあらはして山といふ名はありはじめけり(京極為兼)
457 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:12:43 ID:FmF88/2e
暮れかかる遠山すがたあはれなり雲のたちなすままにのみして(京極為兼)
458 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:13:39 ID:FmF88/2e
暮れぬるか遠つ高嶺は空に消えて近き林のうすくなりゆく(京極為兼)
459 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:26:15 ID:FmF88/2e
降りよわりまた降りまさり夜もすがらたゆまぬ雨の音に明けぬる(京極為兼)
460 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:27:12 ID:FmF88/2e
影うつす夕日のなごり海晴れてなほ里みゆる遠方の里(京極為兼)
461 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:28:07 ID:FmF88/2e
いさり舟またほのかにも見えくるは風にむかひの漕ぎ帰りけり(京極為兼)
462 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:29:05 ID:FmF88/2e
朝嵐雲吹きはらふ海晴れて麓の市に人いそぐなり(京極為兼)
463 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:30:13 ID:FmF88/2e
立ちかへり人まちがほに響くなり遠山寺の木隠れの鐘(京極為兼)
464 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:31:07 ID:FmF88/2e
暮れがたき春の霞も秋の日のさびしき色もなさけをぞ見る(京極為兼)
465 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:32:07 ID:FmF88/2e
夜の雨のなごりの花も色々の千草の庭もめかれやはする(京極為兼)
466 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 00:33:17 ID:FmF88/2e
野辺遠き霧の夕べもうす雪の枯野の原も心ありけり(京極為兼)
467 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:14:08 ID:FmF88/2e
とどめえぬ身をうき草のとばかりも思ほえずゆく水の白波(京極為兼)
468 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:15:36 ID:FmF88/2e
荒海のいかなる魚の餌ぞと身をなさばや思ふ頃も忍びし(京極為兼)
469 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:16:52 ID:FmF88/2e
都をばさすらひ出でて今宵しもうきに名立の月を見るかな(京極為兼)
470 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:18:27 ID:FmF88/2e
年を経てつもりし越のみづうみは五月雨山の森の雫か(京極為兼)
471 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:19:28 ID:FmF88/2e
なさけなき身をば限りつほどもなく別れを告ぐる夏の夕風(京極為兼)
472 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:20:43 ID:FmF88/2e
あだなりと形見ばかりぞ空蝉の空しき空にとまるうつり香(京極為兼)
473 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:21:44 ID:FmF88/2e
露消えし紅葉のかげにあくがれて立ちまふ袖に時雨をぞ待つ(京極為兼)
474 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:22:45 ID:FmF88/2e
嵐吹く宿の花の枝むらむらにつもれる露の雪かとぞ見し(京極為兼)
475 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:34:25 ID:FmF88/2e
見し人にあふ日なみだのふる里は夕の雨をかたみとは見つ(京極為兼)
476 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 01:36:00 ID:FmF88/2e
峯の色たもとにまがふ薄雲や消えぬる人のなごりなるらむ(京極為兼)
477 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 07:27:08 ID:FmF88/2e
道絶えて立ち出でむ空もなかりけり夕霧深き小野の山べに(京極為兼)
478 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 07:28:45 ID:FmF88/2e
ほのぼのとまよふ軒端のかげろふの常なき世をばありとや思ふ(京極為兼)
479 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 07:30:12 ID:FmF88/2e
とふ人も涙かきやる手習を昔の友に思ふばかりか(京極為兼)
480 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 07:31:21 ID:FmF88/2e
来し方の恋しきうちに恋しきはとよのあかりを月に見し頃(京極為兼)
481 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 07:32:16 ID:FmF88/2e
思ひみる心のままに言の葉のゆたかにかなふ時ぞうれしき(京極為兼)
482 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:29:46 ID:FmF88/2e
種となる人の心のいつもあらば昔におよべやまとことのは(京極為兼)
483 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:30:43 ID:FmF88/2e
ももちどり声ものどかにかすむ日に花とはしるしよもの白雲(藤原定家)
484 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:31:57 ID:FmF88/2e
ながむればわが身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月(俊成卿女)
485 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:32:55 ID:FmF88/2e
人もつつみ我もしのぶる中なればうときをたれにかこつともなし(伏見院)
486 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:34:02 ID:FmF88/2e
咲きわけし花の名はなほ知られけり秋の末野の霜枯れの頃(延政門院新大納言)
487 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:34:53 ID:FmF88/2e
山人の爪木にさせる岩つつじ心ありてや手折りぐしつる(慈円)
488 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 09:36:12 ID:FmF88/2e
薩摩潟おきの小島に我ありと親には告げよ八重のしほ風(平康頼)
489 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:39:52 ID:FmF88/2e
いく声も聞かまほしきをあやにくに鳴きすててゆく時鳥かな(正親町実明女)
490 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:40:54 ID:FmF88/2e
いく声も聞かまほしきに時鳥今一こゑとなど思ふらむ(桜井基佐)
491 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:41:35 ID:FmF88/2e
秋よりも月にぞなるる涼むとてうたた寝ながら明かす夜な夜な(伏見院新宰相)
492 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:42:26 ID:FmF88/2e
山里の寝覚の時雨嶺はれて木の葉にかかる有明の月(宗尊親王)
493 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:43:59 ID:FmF88/2e
今宵さへ来ずなりぬよと思ひつづけ涙ににほふ灯火の色(伏見院新宰相)
494 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:56:09 ID:FmF88/2e
物をのみ思ひ寝覚めにつくづくと見るも悲しき灯し火の色(遊義門院)
495 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:57:00 ID:FmF88/2e
恋しさも憂さも初めにかへりけりよしなき夢の覚むる朝は(伏見院新宰相)
496 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:57:59 ID:FmF88/2e
さそふべき風はかすみに隔たりて梅が香しらぬ窓のあけぼの(冷泉為相)
497 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:58:52 ID:FmF88/2e
岸とほき川瀬の霞すゑはれて柳にみゆる春風のいろ(冷泉為相)
498 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 22:59:32 ID:FmF88/2e
ふかくたつ霞ばかりに雲とぢて見えぬ空よりそそく春雨(冷泉為相)
499 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:00:23 ID:FmF88/2e
山里は窓のうちまでかすむ夜に月の色なる春のともし火(冷泉為相)
500 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:01:12 ID:FmF88/2e
暮れぬ間はなかなか霞む山のはに入日さやかに花ぞいろづく(冷泉為相)
501 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:02:08 ID:FmF88/2e
はつせ川しらゆふ浪にすずみしてかげ立ちならすふたもとの杉(藤原為家)
502 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:26:49 ID:FmF88/2e
はるかなるながめもすずし難波がた生駒の雲のゆふだちの空(冷泉為相)
503 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:29:04 ID:FmF88/2e
霧のうへにあまた聞きつる声よりもみればすくなき雁の一つら(冷泉為相)
504 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:30:17 ID:FmF88/2e
暮れぬより月のすがたはあらはれて光ばかりぞ空に待たるる(冷泉為相)
505 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:31:08 ID:FmF88/2e
風すさむ垣ほの草の下葉までおつれば露をしたふ月かげ(冷泉為相)
506 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:32:12 ID:FmF88/2e
朝まだき日かげをさふる庭の松のえだのすがたにのこる霜かな(冷泉為相)
507 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:33:02 ID:FmF88/2e
山もとの竹よりおくに家居して田面をかよふ道の一すぢ(冷泉為相)
508 :
名無氏物語:2009/07/05(日) 23:34:37 ID:FmF88/2e
六十あまり四とせの冬のながき夜にうき世の夢を見はてつるかな(冷泉為守)
509 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:06:15 ID:9KxSqhBO
あけがたは池のはちすもひらくれば玉のすだれに風かよふなり(藤原俊成)
510 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:07:17 ID:9KxSqhBO
旅人の袂を霧にしをりして月にぞこゆるさやの中山(順徳院)
511 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:11:21 ID:9KxSqhBO
夕ぐれはさらでもさすがすずしきに松風たかき山のしたかげ(日野俊光)
512 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:12:12 ID:9KxSqhBO
いくつらぞ霧のひまゆく初雁のしげき声きく数は知られず(他阿)
513 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:13:02 ID:9KxSqhBO
雨そそく柳の糸に露かけてなびくもおもき春の夕風(後崇光院)
514 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:14:04 ID:9KxSqhBO
たが里にまづうつろひてながむらん我がすむ峰をいづる月かげ(飛鳥井雅有)
515 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:49:54 ID:9KxSqhBO
花の跡はさびしかるべき春の色をかすみに残す木々の明ぼの(楊梅兼行)
516 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:51:11 ID:9KxSqhBO
おきてみれば窓の光はつれなくて夜深き雨の音ぞ過ぎぬる(楊梅兼行)
517 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:51:58 ID:9KxSqhBO
明けぬやと寝ざめてきけば秋の夜のさもまだふかき鐘の音かな(伏見院)
518 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 00:53:16 ID:9KxSqhBO
鐘の音にあくるか空とおきてみれば霜夜の月ぞ庭しづかなる(後伏見院)
519 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:01:04 ID:9KxSqhBO
その下のきりぎりすだに音もせで冬がれ蓬たてるすごしも(源具顕)
520 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:14:53 ID:9KxSqhBO
こぼれちる雪の村雲たえだえにあはれさびしき年のはてかな(源具顕)
521 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:16:34 ID:9KxSqhBO
はれうつる峰より峰はあらはれて梢をつたふ秋のあさ霧(日野俊光)
522 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:17:45 ID:9KxSqhBO
雲こほる空は雪げにさえくれて嵐にたかき入相のこゑ(日野俊光)
523 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:20:01 ID:9KxSqhBO
さみだれも月の行くへはしられけり一むら白き山のはの雲(藤原行能)
524 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:21:34 ID:9KxSqhBO
おきてみる軒端の霜のしろたへにこずゑもさむき冬の朝あけ(伏見院)
525 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:22:50 ID:9KxSqhBO
あふち咲くそともの木かげ露おちて五月雨はるる風わたるなり(藤原忠良)
526 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:24:14 ID:9KxSqhBO
うぢま山なほ春さむき朝風にかさねてこほる去年のしら雪(中臣祐臣)
527 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 01:25:29 ID:9KxSqhBO
芳野山なほおくふかきほどみえて春につづかぬ峰のしら雲(中臣祐臣)
528 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 14:20:06 ID:9KxSqhBO
おきつ風ふくかときけばささじまの月に磯こす秋の浦浪(中臣祐臣)
529 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 14:22:17 ID:9KxSqhBO
雨そそく園のくれ竹枝たれてゆふべしづかにうぐひすぞ鳴く(洞院実泰)
530 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 14:23:44 ID:9KxSqhBO
あかず見し昨日の雨の露そへてけささく花の一しほの色(洞院実泰)
531 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 14:27:03 ID:9KxSqhBO
花をみし面かげさらで吉野山月にみがける峰のしら雪(洞院公敏)
532 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 14:29:16 ID:9KxSqhBO
別れ路にまた来む秋の空とだにせめては契れ春の雁がね(公順)
533 :
名無氏物語:2009/07/06(月) 14:30:34 ID:9KxSqhBO
霧ふかき苑生の竹もうすずみの夕べかなしき山の奥かな(公順)
534 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 13:59:26 ID:2pE4mkaD
九重に久しくめぐれもろ人の老いせぬ秋の菊のさかづき(藤原為氏)
535 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:00:12 ID:2pE4mkaD
なが月や老いせぬ菊の下水にたまきはるよは外の白露(藤原定家)
536 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:05:13 ID:2pE4mkaD
うちつけにくもりもあへず神無月冬の空ともふる時雨かな(藤原為氏)
537 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:06:04 ID:2pE4mkaD
あつめおくことばの林ちりもせで千とせ変はらじ和歌の浦松(後宇多院)
538 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:34:21 ID:2pE4mkaD
春をうくる時のこころはひとしきを柳桜のおのがいろいろ(伏見院)
539 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:35:06 ID:2pE4mkaD
春とてや山郭公なかざらん青葉の木々のむらさめの宿(伏見院)
540 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:44:35 ID:2pE4mkaD
鳴きぬべき夕暮ごとのあらましに聞かでなれぬる郭公かな(伏見院)
541 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:45:55 ID:2pE4mkaD
こぼれ落つる池のはちすの白露はうき葉の玉と又なりにけり(伏見院)
542 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:48:46 ID:2pE4mkaD
風はやみ雲の一むら峰こえて山見えそむる夕立の跡(伏見院)
543 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:49:38 ID:2pE4mkaD
月や出づる星の光のかはるかな涼しき風の夕やみの空(伏見院)
544 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:51:39 ID:2pE4mkaD
涼みつるあまたの宿もしづまりて夜更けてしろき道の辺の月(伏見院)
545 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 14:53:27 ID:2pE4mkaD
ほかにのみ夏をば知るや滝つ瀬のあたりは秋のむら雨のこゑ(伏見院)
546 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:06:31 ID:2pE4mkaD
あしの葉にひと夜の秋を吹きこして今日より涼し池の夕風(伏見院)
547 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:07:46 ID:2pE4mkaD
秋よ今のこりのあはれ措かじとや雲と風との夕暮の時(伏見院)
548 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:09:11 ID:2pE4mkaD
民やすく国をさまりて天地のうけやはらぐる心をぞ知る(伏見院)
549 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:10:13 ID:2pE4mkaD
そのかたちその草木まで全くして神の心はなほ盛りなり(伏見院)
550 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:11:21 ID:2pE4mkaD
神やしる世のためとてぞ身をも思ふ身のためにして世をば祈らず(伏見院)
551 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:12:10 ID:2pE4mkaD
もとがしは神のすごもにふりそそぎ白酒黒酒の御酒たてまつる(伏見院)
552 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:13:10 ID:2pE4mkaD
遠近の鶯の音ものどかにて花ひらけそふ宿の夕暮(永福門院)
553 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:14:40 ID:2pE4mkaD
峰のかすみ麓の花に鳥のこゑ野山の春は夕べなりけり(永福門院)
554 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:49:14 ID:2pE4mkaD
散るとなみ花おちすさぶ夕暮の風ゆるき日の二月の空(永福門院)
555 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 15:50:13 ID:2pE4mkaD
峰つづき暮れて吹きたつ山風にさかぬ野辺まで花ぞ散りしく(永福門院)
556 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:02:48 ID:2pE4mkaD
岩がくれ咲けるつつじの人しれず残れる春の色もめづらし(永福門院)
557 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:03:57 ID:2pE4mkaD
薄緑まじるあふちの花みれば面影にたつ春の藤浪(永福門院)
558 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:07:44 ID:2pE4mkaD
ほととぎす空に声して卯の花の垣根もしろく月ぞ出でぬる(永福門院)
559 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:08:33 ID:2pE4mkaD
ほととぎす声もたかねのよこ雲になきすてて行く明ぼのの空(永福門院)
560 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:10:12 ID:2pE4mkaD
かげしげき木のした闇のくらき夜に水の音して水鶏鳴くなり(永福門院)
561 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:27:45 ID:2pE4mkaD
草の末に花こそみえね雲風も野分ににたる夕暮の雨(永福門院)
562 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:29:20 ID:2pE4mkaD
夕立の雲も残らず空晴れてすだれをのぼる宵の月影(永福門院)
563 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:31:22 ID:2pE4mkaD
夜の雨に竹の葉末はなびき伏して朝けの窓の風の涼しさ(永福門院)
564 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 16:34:32 ID:2pE4mkaD
秋風のひびきは峰にさ夜更けて影遠くなる入りがたの月(永福門院)
565 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:17:59 ID:2pE4mkaD
はるばると渡るや雁の声遠し雲に色ある西の山の端(永福門院)
566 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:39:25 ID:2pE4mkaD
末高き籬の花はかたぶきて露おちつづく雨の夕暮(永福門院)
567 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:40:21 ID:2pE4mkaD
露しげき草のうへより明けそめて霧の山べぞしばし夜深き(永福門院)
568 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:42:10 ID:2pE4mkaD
その色とささぬ夕べの悲しきは尾花が風に薄雲の空(永福門院)
569 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:43:46 ID:2pE4mkaD
浮雲は軒ばの峰をこえかかりしばし時雨てまた過ぎぬなり(永福門院)
570 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:45:45 ID:2pE4mkaD
さやかなる光もぬれて見ゆるかな時雨の後の庭の月影(永福門院)
571 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:49:00 ID:2pE4mkaD
朝戸あけの軒ばに近く聞こゆなり梢のからす雪ふかきこゑ(永福門院)
572 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:53:26 ID:2pE4mkaD
降る雪にしられぬ程にまじる雨の暮れゆく軒に音をたてぬる(永福門院)
573 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 17:54:43 ID:2pE4mkaD
契りけり待ちけりあはれその時のことのは残る水茎の跡(永福門院)
574 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:22:37 ID:2pE4mkaD
濡れまさる草葉の色にしられけりそそくも見えぬ夕暮の雨(永福門院)
575 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:23:54 ID:2pE4mkaD
月も入り鐘も声やむ明ぐれの空しづかなる星の影かな(永福門院)
576 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:25:00 ID:2pE4mkaD
聞きしをる寝覚の窓は夜ぶかくて槙の葉くらき暁の雨(永福門院)
577 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:26:17 ID:2pE4mkaD
たちみだれ風に浮きゆく雨雲に半ば色こき夕暮の山(永福門院)
578 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:28:33 ID:2pE4mkaD
天乙女袖ひるがへす夜な夜なの月を雲ゐに思ひやるかな(永福門院)
579 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:29:48 ID:2pE4mkaD
昔とは遠きをのみは何かいはん近き昨日もけふはむかしを(永福門院)
580 :
名無氏物語:2009/07/07(火) 18:30:46 ID:2pE4mkaD
人のうへのはかなき事を聞くにしも身は行く末のよよのかねごと(永福門院)
581 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 15:42:44 ID:NhZL4Xm1
日にそへて憂きふししげみ呉竹の世に経がたくもなりまさるかな(永福門院)
582 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 15:45:50 ID:NhZL4Xm1
手すさびにつけおく墨も行く末は誰かあはれと水茎の跡(永福門院)
583 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 15:46:59 ID:NhZL4Xm1
わすられぬ昔語りもおしこめてつひにさてやのそれぞかなしき(永福門院)
584 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 15:48:58 ID:NhZL4Xm1
はるけずてさてやと思ふうらみのみふかき歎きにそへてかなしき(永福門院内侍)
585 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 15:49:50 ID:NhZL4Xm1
世の中を思ふもくるし思はじと思ふも身には思ひなりけり(本院侍従)
586 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 15:50:47 ID:NhZL4Xm1
物をのみ思ひねざめにつくづくと見るもかなしき燈火の色(遊義門院)
587 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:18:02 ID:NhZL4Xm1
花はなほ春をもわくや時しらぬ身のみ物憂き頃のながめを(伏見院)
588 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:19:04 ID:NhZL4Xm1
朝あけの窓吹きいるる春風にいづくともなき梅が香ぞする(二条為世)
589 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:20:16 ID:NhZL4Xm1
月うすくふるき軒ばの梅にほひ昔しのべとなれる夜半かな(北畠親子)
590 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:22:00 ID:NhZL4Xm1
日影さす木の下しろき朝霜の消えゆくかたは落葉にぞなる(後崇光院)
591 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:23:34 ID:NhZL4Xm1
人もうく我もくやしきなぐさめは世々のちぎりのむくひばかりぞ(藤原忠良)
592 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:24:46 ID:NhZL4Xm1
山たかみ梢にあらき風たちて谷よりのぼるゆふだちの雲(西園寺実氏)
593 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:26:15 ID:NhZL4Xm1
見ずしらぬむかしの人の心まで嵐にこもる夕ぐれの空(藤原良経)
594 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:48:09 ID:NhZL4Xm1
ももしきのとのへをいづる宵々は待たぬにむかふ山のはの月(藤原定家)
595 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:49:29 ID:NhZL4Xm1
夜もすがら月にうれへてねをぞなく命にむかふ物おもふとて(藤原定家)
596 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 16:50:19 ID:NhZL4Xm1
なにとなくあはれにみゆる大空の雲に心をけふは暮らしぬ(北畠親子)
597 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:03:19 ID:NhZL4Xm1
けふも又ただ大空の雲にのみ我がながめをばつくしぬるかな(永福門院小兵衛督)
598 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:05:55 ID:NhZL4Xm1
かへり行くもとどまる人も思ふらん又逢ふことのさだめなの世や(西行)
599 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:07:43 ID:NhZL4Xm1
ちる花にをしむ心はつきにしを又なげかるる春の暮かな(飛鳥井雅有)
600 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:08:51 ID:NhZL4Xm1
きゆるかと見えつる夜はの灯のまた寝ざめてもおなじかげなる(伏見院新宰相)
601 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:57:50 ID:NhZL4Xm1
よしさらば思ひの外の人もとへまつは木ずゑの梅のにほひを(二条為子)
602 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:58:41 ID:NhZL4Xm1
暮の秋梢に月はかたぶきて嵐にまよふ有明の雲(慈円)
603 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 17:59:23 ID:NhZL4Xm1
暮れはてぬ後までのこれ行く春のかすみがくれの有明の月(二条為子)
604 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:00:12 ID:NhZL4Xm1
袖の香は花たちばなにかへりきぬ面影みせようたたねの夢(二条為子)
605 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:01:14 ID:NhZL4Xm1
大井河空にもゆるや篝火にあらぬ蛍のおもひなるらん(二条為子)
606 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:02:11 ID:NhZL4Xm1
やがてまた草葉の露もおきとめず風よりすぐる夕立の空(二条為子)
607 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:03:38 ID:NhZL4Xm1
まだきより秋のやどりやしりぬらん涼しき風をさそふ扇は(二条為子)
608 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:05:34 ID:NhZL4Xm1
手にならす夏の扇とおもへどもただ秋風のすみかなりけり(藤原良経)
609 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:15:08 ID:NhZL4Xm1
夢ならでまたもろこしのまぢかきは月みる夜半の心なりけり(二条為子)
610 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:16:40 ID:NhZL4Xm1
霜はけさあだちのまゆみちりはててのこらぬ色を何に染むらん(順徳院)
611 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:17:55 ID:NhZL4Xm1
あはれなりいまはののちの夕ぐれも我が心のみその世にぞ似る(章義門院小兵衛督)
612 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:21:36 ID:NhZL4Xm1
いつまでとかくるたのみぞあだし野に風まつ露を玉の緒にして(公順)
613 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:24:10 ID:NhZL4Xm1
とはばやな猶山ふかき宿もあらばこれより月やさびしかるらむ(藤原隆信)
614 :
名無氏物語:2009/07/08(水) 18:26:49 ID:NhZL4Xm1
明けぬれば色ぞわかるる山のはの雲と花とのきぬぎぬの空(惟宗光吉)
615 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:44:07 ID:Bj3d4IjY
雨はるるなごりの露やおもからし下枝かずそふ山ざくらかな(惟宗光吉)
616 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:45:13 ID:Bj3d4IjY
富士の山同じ雪げの雲路よりすそ野を分けて夕立ぞする(後鳥羽院)
617 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:46:03 ID:Bj3d4IjY
みし秋の尾花の波にこえてけり真野の入江の雪のあけぼの(惟宗光吉)
618 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:46:54 ID:Bj3d4IjY
いつしかとほのめかさばや初尾花たもとに露のかかるおもひを(惟宗光吉)
619 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:47:39 ID:Bj3d4IjY
ふくる夜の軒端の月は出でぬれど木の下くらき山かげの宿(伏見院)
620 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:48:29 ID:Bj3d4IjY
ふりにける世々にかはらぬ跡とめてふたたび越えし関の白雪(鷹司冬平)
621 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:49:20 ID:Bj3d4IjY
ふりにけるあとをし代々にたづぬれば道こそたえね関のしら雪(鷹司冬平)
622 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:54:27 ID:Bj3d4IjY
山ふかき秋を見るにも思ふかなこれより奥の夕暮の空(藤原保季)
623 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:55:16 ID:Bj3d4IjY
へだてつる園ふの竹はをれふしてそともにつづく峰の白雪(伏見院)
624 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 14:56:19 ID:Bj3d4IjY
あくる夜のをのへに色はあらはれて霞にあまる花のよこ雲(慈道法親王)
625 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:01:16 ID:Bj3d4IjY
おもひおく種だにしげれこの宿のわがすみすてんあとの夏草(慈道法親王)
626 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:02:01 ID:Bj3d4IjY
風かよふ松は軒ばにうづもれて閨しづかなる雪のあけぼの(慈道法親王)
627 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:03:04 ID:Bj3d4IjY
唐崎の松をもこえてにほの海やみぎはにたかき雪のさざ波(慈道法親王)
628 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:29:54 ID:Bj3d4IjY
しがの浦のこほりをはらふ山風にまたとほざかる雪のさざ波(定為)
629 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:31:57 ID:Bj3d4IjY
唐崎やこほる汀のほどみえて波の跡よりつもる白雪(慈道法親王)
630 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:33:34 ID:Bj3d4IjY
風のおとは花のかをりにひとつにてのどかにひびく入相の鐘(伏見院)
631 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:34:28 ID:Bj3d4IjY
ながき日をふりくらしたる春雨はさびしきことのかぎりなりけり(後二条院)
632 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:36:16 ID:Bj3d4IjY
人はこずさそふ風だに音たえて心と庭にちる桜かな(後二条院)
633 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:38:39 ID:Bj3d4IjY
鳴神のこゑのとほちになるままにふりすぎてゆく夕立の雨(後二条院)
634 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 15:40:35 ID:Bj3d4IjY
五月雨のはれま待ち出で山のはに雲よりたかく鳴くほととぎす(後二条院)
635 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:45:21 ID:BERHJHw+
五月雨の雲まの月のはれゆくをしばし待ちける時鳥かな(二条院讃岐[新古今])
636 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:47:57 ID:Bj3d4IjY
いとはやもすずしき風かをとめごが袖ふる山に秋たつらしも(後二条院)
637 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:49:20 ID:Bj3d4IjY
袖ふるはほのかに見えて織女のかへる八十瀬の波ぞ明けゆく(後二条院)
638 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:50:21 ID:Bj3d4IjY
ながめわびぬ鳴きすててゆく初雁のつばさにうすき山のはの雲(後二条院)
639 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:51:03 ID:Bj3d4IjY
初時雨ふりぬる寺の鐘のおとに暮れて色そふ山のもみぢ葉(後二条院)
640 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:52:07 ID:Bj3d4IjY
吹く風にちりかひくもる冬の夜の月のかつらの花のしら雪(後二条院)
641 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:53:07 ID:Bj3d4IjY
夕潮のさしける跡と見ゆるかな汀をおきてつもる白雪(後二条院)
642 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:54:14 ID:Bj3d4IjY
むかしべとなりゆく年の惜しさこそ花紅葉にもなほまさりけれ(後二条院)
643 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:55:19 ID:Bj3d4IjY
わりなしやいつを思ひのはてにして月日を送る我が身なるらん(西行)
644 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 16:55:24 ID:BERHJHw+
あふと見てさめにしよりもはかなきはうつつの夢のなごりなりけり(俊成卿女[続後撰])
645 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:10:23 ID:Bj3d4IjY
うきをうしと思はざるべき我が身かは何とて人の恋しかるらん(西行)
646 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:11:20 ID:Bj3d4IjY
春はただかすむ色よりおしこめて花鳥までのなさけをぞみる(伏見院)
647 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:12:15 ID:Bj3d4IjY
春くれし昨日もおなじ浅みどりけふやはかはる夏山の色(後伏見院)
648 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:13:26 ID:Bj3d4IjY
心ある夏のけしきの今宵かな木のまの月にくひな声して(後伏見院)
649 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:14:26 ID:Bj3d4IjY
更くる夜の庭のまさごは月しろし木陰ののきに水鶏声して(花園院)
650 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:15:18 ID:Bj3d4IjY
くちのこる老木の梅はさきやらで春待ちえても花ぞ稀なる(源有房)
651 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:24:14 ID:Bj3d4IjY
月も見ず嵐も聞かずのどかなるみ山の庵の夜すがらの雨(伏見院)
652 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:26:19 ID:Bj3d4IjY
友もなくなすわざもなくつくづくとかかげてひとりむかふともし火(冷泉為村)
653 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:27:18 ID:Bj3d4IjY
明けぬやと寝ざめてきけば秋の夜のさもまだふかき鐘の音かな(伏見院)
654 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 20:28:14 ID:Bj3d4IjY
明けぬやと鐘よりのちにおきてみればまだ山暗ししののめの空(楊梅兼行)
655 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:01:09 ID:Bj3d4IjY
夜をながみよもの思ひのいくうつりさめてもおなじ窓の灯し火(伏見院)
656 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:02:08 ID:Bj3d4IjY
つくづくと見ぬ空までもかなしきはひとりきく夜の軒の春雨(伏見院)
657 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:03:46 ID:Bj3d4IjY
吹く風も今朝よりしるき春の声をおのがねのみと鶯ぞ鳴く(貞常親王)
658 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:04:46 ID:Bj3d4IjY
今はよも枝にこもれる花もあらじ木のめ春雨時をしる比(後醍醐天皇)
659 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:05:44 ID:Bj3d4IjY
ここにても雲井の桜さきにけりただかりそめの宿と思ふに(後醍醐天皇)
660 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:06:55 ID:Bj3d4IjY
都だにさびしかりしを雲はれぬ芳野のおくの五月雨の比(後醍醐天皇)
661 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:08:11 ID:Bj3d4IjY
聞き侘びぬ八月九月ながき夜の月の夜さむに衣うつ声(後醍醐天皇)
662 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:12:26 ID:Bj3d4IjY
うつろはぬ色こそみゆれ白菊の花と月とのおなじまがきに(後醍醐天皇)
663 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:40:39 ID:Bj3d4IjY
いづれをか花とはわかむ長月の有明の月にまがふ白菊(紀貫之)
664 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 21:42:29 ID:Bj3d4IjY
わきかねつ色も光もしら菊のおなじまがきに月をやどして(九条隆博)
665 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:01:21 ID:Bj3d4IjY
ふしわびぬ霜さむき夜の床はあれて袖にはげしき山おろしの風(後醍醐天皇)
666 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:02:47 ID:Bj3d4IjY
ながむるをおなじ空ぞとしらせばや古郷人も月はみるらん(後醍醐天皇)
667 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:05:05 ID:Bj3d4IjY
これまでは猶も都のちかければおなじ空なる月をこそみれ(後醍醐天皇)
668 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:06:47 ID:Bj3d4IjY
てらしみよ御裳濯川にすむ月もにごらぬ波の底の心を(後醍醐天皇)
669 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:07:52 ID:Bj3d4IjY
まだなれぬいたやの軒のむら時雨おとを聞くにもぬるる袖かな(後醍醐天皇)
670 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:10:37 ID:Bj3d4IjY
夜な夜なのなぐさめなりし月だにも待どほになる夕ぐれの空(後醍醐天皇)
671 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:29:24 ID:Bj3d4IjY
命あればこやの軒ばの月も見つ又いかならん行末の空(後醍醐天皇)
672 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:31:59 ID:Bj3d4IjY
うづもるる身をば歎かずなべて世のくもるぞつらき今朝のはつ雪(後醍醐天皇)
673 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:33:21 ID:Bj3d4IjY
うき寝するゐなのみなとに聞こゆなり鹿のねおろす峰の松風(藤原隆信)
674 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 22:34:36 ID:Bj3d4IjY
うたたねの夢やうつつにかよふらむさめてもおなじ時雨をぞきく(藤原隆信)
675 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:29:07 ID:Bj3d4IjY
雲はれてのちもしぐるる柴の戸や山風はらふ松のした露(藤原隆信)
676 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:30:06 ID:Bj3d4IjY
われゆゑの涙とこれをよそに見ばあはれなるべき袖のうへかな(藤原隆信)
677 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:31:05 ID:Bj3d4IjY
あはれともたれかは恋をなぐさめん身よりほかには知る人もなし(藤原隆信)
678 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:36:45 ID:Bj3d4IjY
君やたれありしつらさは誰なれば恨みけるさへ今はくやしき(藤原隆信)
679 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:37:54 ID:Bj3d4IjY
恋ひ死なむのちのうき世はしらねども生きてかひなき物は思はじ(藤原隆信)
680 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:38:41 ID:Bj3d4IjY
わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも(藤原隆信)
681 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:39:38 ID:Bj3d4IjY
くれ竹のむなしととける言の葉は三世の仏の母とこそきけ(藤原隆信)
682 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:40:57 ID:Bj3d4IjY
いま見るはこぞわかれにし花やらん咲きてまた散るゆゑぞしられぬ(夢窓疎石)
683 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:57:08 ID:Bj3d4IjY
たわむほどしばしは枝につもりつつ二たびにふる松のしら雪(夢窓疎石)
684 :
名無氏物語:2009/07/09(木) 23:58:23 ID:Bj3d4IjY
かずならぬ身をばあるじと思はでや心のままに華のちりゆく(夢窓疎石)
685 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:11:09 ID:q4MzKpgk
たのしみの中のまことの楽しみは物を思はぬ心なりけり(夢窓疎石)
686 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:12:12 ID:q4MzKpgk
まろくてもまろかるべきは心かな角のあるには物のかかるに(夢窓疎石)
687 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:15:58 ID:q4MzKpgk
わがさきにすみけん人のさびしさを身に聞きそふる軒の松風(夢窓疎石)
688 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:16:57 ID:q4MzKpgk
雲のいろにわかれもゆくか逢坂の関路の花のあけぼのの空(兼好)
689 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:26:28 ID:q4MzKpgk
うちなびく草葉すずしく夏の日のかげろふままに風たちぬなり(兼好)
690 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:27:50 ID:q4MzKpgk
夏の日もかげろふままにかぜ落ちて草の葉山の色ぞ涼しき(武者小路実陰)
691 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:32:32 ID:q4MzKpgk
しるべせよ田上河のあじろもりひをへてわが身よる方もなし(兼好)
692 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:34:09 ID:q4MzKpgk
こよろぎの磯よりとほくひく潮にうかべる月は沖にいでにけり(兼好)
693 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:35:48 ID:q4MzKpgk
そむきてはいかなる方にながめまし秋の夕べもうき世にぞうき(兼好)
694 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 00:38:12 ID:q4MzKpgk
ちぎりおく花とならびの岡のべにあはれいくよの春をすぐさむ(兼好)
695 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:01:52 ID:q4MzKpgk
朝ぼらけ霞へだてて田子のうらに打ち出でてみれば山のはもなし(頓阿)
696 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:02:58 ID:q4MzKpgk
梅の花にほひや空にみちぬらん夜わたる月に春風ぞふく(頓阿)
697 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:15:03 ID:q4MzKpgk
菅原や伏見の暮の面影にいづくの山もたつ霞かな(頓阿)
698 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:16:31 ID:q4MzKpgk
槙の戸をささでぬるよの手枕に梅が香ながら月ぞうつれる(頓阿)
699 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:17:50 ID:q4MzKpgk
遠ざかる声をしるべにながめずはかすみやはてん雁の一つら(頓阿)
700 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:19:28 ID:q4MzKpgk
立ちこめてくれぬる空も春の月かすむにつけて影ぞみえ行く(頓阿)
701 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:20:43 ID:q4MzKpgk
分けきつる山はいくへとしられぬに花の香ふかく袖ぞなりゆく(頓阿)
702 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:22:23 ID:q4MzKpgk
くれなばと思ひし花の木のもとに聞きすてがたき鐘の音かな(頓阿)
703 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:23:47 ID:q4MzKpgk
をしからぬ身をいたづらに捨てしより花は心にまかせてぞみる(頓阿)
704 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 01:24:51 ID:q4MzKpgk
いく里の夢のまくらを過ぎぬらんまだふかき夜の山ほととぎす(頓阿)
705 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:13:00 ID:q4MzKpgk
ほととぎす夢のまくらを鳴き過ぎてききおくるねぞほのかなりける(藤原為理)
706 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:14:10 ID:q4MzKpgk
時鳥夢うつつともわくべきをいま一声はとほざかりつつ(頓阿)
707 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:15:09 ID:q4MzKpgk
さらでだにさだかならぬを郭公いま一声はとほざかりつつ(二条為藤)
708 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:16:09 ID:q4MzKpgk
しづかなる心だにこそ涼しきにわがすむ里は山風ぞふく(頓阿)
709 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:18:21 ID:q4MzKpgk
宮城野や朝たつ鹿もみゆるまで花の千草に秋風ぞふく(頓阿)
710 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:19:09 ID:q4MzKpgk
かぎりなき空もしられて富士のねの煙のうへにいづる月かげ(頓阿)
711 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:20:07 ID:q4MzKpgk
更くる夜の川音ながら山城のみづ野の里にすめる月かげ(頓阿)
712 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 02:21:04 ID:q4MzKpgk
さ枝より月はもりきて竹の葉のかげさへ窓にうつる夜半かな(頓阿)
713 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 03:56:02 ID:q4MzKpgk
更くるまで誰をまちてか月まつといひつる人の衣うつらん(頓阿)
714 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 03:56:54 ID:q4MzKpgk
うすくこくうつろふ菊のまがきかなこれも千草の花とみるまで(頓阿)
715 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 03:57:42 ID:q4MzKpgk
うつろふも猶白妙の色なれやまがきの菊をてらす月かげ(頓阿)
716 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 03:58:27 ID:q4MzKpgk
関の戸のあくればみえて足柄のやへ山とほくふれるしら雪(頓阿)
717 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 03:59:10 ID:q4MzKpgk
置く霜もなほ白妙の菊の花いかなる色にうつりそめけん(順徳院)
718 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:01:01 ID:q4MzKpgk
つもれただ道はたゆとも山里に日をふる雪を友とたのまん(藤原俊成)
719 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:02:21 ID:q4MzKpgk
野も山もさだかにみえてむば玉の闇のうつつにふれるしら雪(頓阿)
720 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:15:27 ID:q4MzKpgk
白妙のゆふつけ鳥もうづもれてあくる木末の雪に鳴くなり(頓阿)
721 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:16:39 ID:q4MzKpgk
ながめこし花より雪のひととせもけふにはつ瀬のいりあひの鐘(頓阿)
722 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:17:22 ID:q4MzKpgk
ながめてもむなしき空の秋霧にいとどおもひのゆく方もなし(頓阿)
723 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:18:10 ID:q4MzKpgk
水鳥の下やすからぬわが中にいつか玉藻の床をならべん(頓阿)
724 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:19:06 ID:q4MzKpgk
跡しめてみぬ世の春をしのぶかなその如月の花の下かげ(頓阿)
725 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:19:56 ID:q4MzKpgk
願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃(西行)
726 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 04:20:55 ID:q4MzKpgk
雁のくる朝けの霧に嶺こえて思ひつきせぬ旅のそらかな(頓阿)
727 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:42:55 ID:q4MzKpgk
くるるまで嵐にこゆるうつの山さぞな今宵も夢はみざらん(頓阿)
728 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:44:36 ID:q4MzKpgk
隔てきてそなたとみゆる山もなし雲のいづこか故郷の空(頓阿)
729 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:45:47 ID:q4MzKpgk
思へただつねなき風にさそはれし歎きのもとは言の葉もなし(頓阿)
730 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:47:16 ID:q4MzKpgk
思ひやる苔の下だにかなしきにふかくも雪のなほうづむかな(頓阿)
731 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:50:54 ID:q4MzKpgk
白雪のふりぬるわが身いつまでかのこりて人の跡をとはまし(頓阿)
732 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:52:11 ID:q4MzKpgk
わが跡もとふべき人はさきだてて山路の雪をわくるかなしさ(頓阿)
733 :
名無氏物語:2009/07/10(金) 07:53:07 ID:q4MzKpgk
後の世に此の身をかへて捨てしよりなかなか市の中もいとはず(頓阿)
734 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:52:48 ID:hlADpUkB
憂き身には思ひ出ぞなき敷島の道に忘れぬ昔ならでは(頓阿)
735 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:53:44 ID:hlADpUkB
いにしへを思ひ出でては霞む夜の月に涙の程をしるかな(浄弁)
736 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:54:33 ID:hlADpUkB
風さゆる神がき山のささのはに夕しもさやぎかくるしらゆふ(藤原為家)
737 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:55:36 ID:hlADpUkB
けふといへば雪げの雲も打ちなびき春くる空に霞みぬるかな(慶運)
738 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:57:01 ID:hlADpUkB
けふしはや春来る空に出づる日も光のどかに霞たなびく(冷泉為村)
739 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:57:44 ID:hlADpUkB
雲こほる空にはしばし消えやらで風のうへなる春のあは雪(慶運)
740 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:58:28 ID:hlADpUkB
柞ちる石田の小野の朝あらしに山路しぐれて冬は来にけり(慶運)
741 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 13:59:17 ID:hlADpUkB
草も木もうづもれはつる雪にこそ中々山はあらはなりけれ(慶運)
742 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:26:04 ID:hlADpUkB
鐘の音にかへる袂も墨染の夕さびしき野べの遠かた(慶運)
743 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:27:14 ID:hlADpUkB
波にたぐふ鐘のおとこそ哀なれ夕さびしき志賀の山でら(藤原良経)
744 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:47:03 ID:hlADpUkB
吹く風のめにみぬ色となりにけり花も紅葉もつひにとまらで(慶運)
745 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:49:19 ID:hlADpUkB
かへりみる都のかたも雲とぢてなほ遠ざかる五月雨の空(世尊寺行房)
746 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:50:20 ID:hlADpUkB
かへりみるわが故郷は霧こめていやとほざかる大よどの浦(藤原長綱)
747 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:52:30 ID:hlADpUkB
かへるべき道しなければこれやこの行くをかぎりの逢坂の関(北畠具行)
748 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:53:42 ID:hlADpUkB
ひとり見てなぐさみぬべき花になどしづこころなく人を待つらん(北畠親房)
749 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 14:55:39 ID:hlADpUkB
わればかりみるにかひなき花なれば憂身ぞいとど人もまたるる(宗良親王)
750 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:36:18 ID:hlADpUkB
いく里の月に心をつくすらん都の秋を見ずなりしより(北畠親房)
751 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:37:04 ID:hlADpUkB
かぎりなくとほくきぬらし秋霧の空にしほれて雁もなくなり(北畠親房)
752 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:38:22 ID:hlADpUkB
露にぬれ霧にしほれて足引の山分衣ほすひまもなし(北畠親房)
753 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:47:42 ID:hlADpUkB
分けてみぬ山路の袖の露ならばほさぬと聞くもゆかしからまし(宗良親王)
754 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:48:39 ID:hlADpUkB
秋草の露わけ衣おきもせずねもせぬ袖はほすひまもなし(藤原定家)
755 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:50:01 ID:hlADpUkB
よそに聞きあらましにせしみ吉野の岩のかけみち見ぬ隈ぞなき(北畠親房)
756 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:51:22 ID:hlADpUkB
思ひきや仕へながらにみよし野のおくよりおくをたづぬべしとは(宗良親王)
757 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 15:52:10 ID:hlADpUkB
我が上に月日はてらせ神路山あふぐ心にわたくしはなし(北畠親房)
758 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:12:18 ID:hlADpUkB
くもりなき月日もさぞな神路山あふぐ心をまづてらすらむ(宗良親王)
759 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:13:51 ID:hlADpUkB
神ぢ山あふぐ心のふかきをもいはでおもへば色にみゆらん(後鳥羽院)
760 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:14:36 ID:hlADpUkB
さきだてし心もよしやなかなかに憂き世のことを思ひ忘れて(北畠親房)
761 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:16:32 ID:hlADpUkB
歎けとて老の身をこそ残しけめあるは数々あらずなる世に(北畠親房)
762 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:18:05 ID:hlADpUkB
なげけとてなきはかずそふ浮世にもあるわかれこそ身はまさりけれ(藤原家隆)
763 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:18:55 ID:hlADpUkB
かすが野に咲くや梅がえ雪間よりけふは春べと若菜摘みつつ(藤原定家)
764 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:19:42 ID:hlADpUkB
天の河空より消えてとまらぬや流るるみをの春のあは雪(二条為定)
765 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:22:26 ID:hlADpUkB
おのがねは誰がためとてもやすらはず鳴きすててゆく郭公かな(二条為定)
766 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:46:18 ID:hlADpUkB
小山田の露吹きたててなびく穂の色こき時とわたる秋風(正徹)
767 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 16:47:16 ID:hlADpUkB
はれてなほ残るか嶺の雨の音に露吹きたててわたる松風(武者小路実陰)
768 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:13:34 ID:hlADpUkB
雲さそふ空にしられて神無月嵐のうへをゆく時雨かな(二条為定)
769 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:14:24 ID:hlADpUkB
偽りのかぎりはいつとしらぬこそしひて待つよの頼みなりけれ(二条為定)
770 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:15:23 ID:hlADpUkB
みよしののみ山は雲にうづもれてをのへににほふ四方の春風(藤原為家)
771 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:16:13 ID:hlADpUkB
世とともに春の別れをしたひきてあくればかふる花染の袖(二条為明)
772 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:17:10 ID:hlADpUkB
をりふしもうつればかへつ世の中の人のこころの花ぞめの袖(俊成卿女)
773 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:18:05 ID:hlADpUkB
たちばなのにほふあたりのうたたねは夢もむかしの袖の香ぞする(俊成卿女)
774 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:19:42 ID:hlADpUkB
かきくらしおもひもあへぬ夕立に市人さわぐみわの山もと(定円)
775 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:20:33 ID:hlADpUkB
とへかしな我のみたえぬあらましにまつを契りの夕ぐれの空(二条為明)
776 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:43:27 ID:hlADpUkB
思ひきやわが敷島の道ならでうき世の事をとはるべしとは(二条為明)
777 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 19:44:17 ID:hlADpUkB
思ひなすほかには春の暮もなしかすめる空にむかふ心は(伏見院)
778 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:00:37 ID:hlADpUkB
春雨のゆふぐれしほる花のうへにひびきもおもき入相の鐘(伏見院)
779 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:01:40 ID:hlADpUkB
夕立の雲とびわくる白鷺のつばさにかけて晴るる日のかげ(花園院)
780 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:02:30 ID:hlADpUkB
空はれて梢色こき月の夜の風におどろく蝉のひと声(花園院)
781 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:21:17 ID:hlADpUkB
風わたる梢の露やかかるらん月におどろく蝉の一声(正徹)
782 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:22:07 ID:hlADpUkB
照る月に夏を忘れし木間よりおどろかしける蝉の一声(香川景樹)
783 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:23:19 ID:hlADpUkB
みそぎ河ながれてはやく過ぐる日のけふみなづきは夜も更けにけり(花園院)
784 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:24:07 ID:hlADpUkB
おきてみる朝けの軒ば霜しろし音せぬ風は身にさむくして(花園院)
785 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:26:15 ID:hlADpUkB
おきてみる軒端の霜のしろたへにこずゑもさむき冬の朝あけ(伏見院)
786 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:27:01 ID:hlADpUkB
庭の雪はすだれへだつるねやのうちにまた奥深き埋火のもと(伏見院)
787 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 20:27:49 ID:hlADpUkB
時鳥なごりしばしのながめより鳴きつる峰は雲あけぬなり(伏見院)
788 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:49:41 ID:hlADpUkB
花はまだ柳のいとの浅みどりくる人あれな此頃の春(進子内親王}
789 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:50:25 ID:hlADpUkB
みちのべや柳むらむらみどりにて花はまだしきこのごろの春(伏見院)
790 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:51:11 ID:hlADpUkB
のどかなる夕べのながめ春にして音せぬ雨の暮ぞさびしき(伏見院)
791 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:52:03 ID:hlADpUkB
山あらしのあらくすぎつる一とほり花のふぶきに空とぢぬなり(進子内親王)
792 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:52:50 ID:hlADpUkB
山嵐にうき行く雲の一とほり日かげさながら時雨ふるなり(儀子内親王)
793 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:53:34 ID:hlADpUkB
早苗とる山もと小田に雨はれて夕日の峰をわたる浮雲(進子内親王)
794 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:54:26 ID:hlADpUkB
雨はれて露ふきはらふ梢より風にみだるる蝉のもろごゑ(進子内親王)
795 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:55:13 ID:hlADpUkB
雨はれて雲ふく風になく蝉の声もみだるる森のした露(俊成卿女)
796 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:57:01 ID:cfSmeUpa
吹きよわるあらしの庭の木のもとに一むらしろく花ぞ残れる(中山家親[玉葉])
797 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 21:57:56 ID:cfSmeUpa
いりがたの月はすくなき柴の戸にあけぬ夜ふかき嵐をぞ聞く(二条教良女[玉葉])
798 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:05:26 ID:hlADpUkB
もりかぬる月はすくなき木の下に夜ぶかき水の音ぞすずしき(進子内親王)
799 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:06:19 ID:hlADpUkB
見わたせばはるかにつづく小山田の色こきかたは刈りそめにけり(進子内親王)
800 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:07:08 ID:hlADpUkB
はかなくも命にかくる思ひかなとばかり見まし夏虫の身を(藤原定家)
801 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:08:19 ID:hlADpUkB
鳩のなく外面の杉の夕がすみ春のさびしき色は見えけり(木下長嘯子)
802 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:09:06 ID:hlADpUkB
庭のおもは霜の色よりしらみそめてうすくきえゆく有明のかげ(伏見院)
803 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:10:08 ID:hlADpUkB
夕がすみ光にほへる山のはに入日のあとのなごりをぞみる(伏見院)
804 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:11:11 ID:hlADpUkB
あさみどり柳のいとの引きはへてながきは春の日影なりけり(藤原為家)
805 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:12:32 ID:hlADpUkB
しほれあふ花のすゑずゑ色さびて秋の日さむき草のうへの雨(伏見院)
806 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:13:33 ID:cfSmeUpa
色々にほむけの風を吹きかへてはるかにつづく秋の小山田(安嘉門院四条[玉葉])
807 :
名無氏物語:2009/07/11(土) 22:14:25 ID:cfSmeUpa
はつせ山をのへの雪げ雲はれて嵐にちかき暁の鐘(宇都宮景綱[玉葉])
808 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:53:19 ID:PyDsQNh0
山かげや雨はるらしも谷ごしの向ひの峯に雲のぼるみゆ(伏見院)
809 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:54:18 ID:PyDsQNh0
わすれずよかりねに月をみやぎのの枕にちかきさをしかの声(藤原良経)
810 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:55:44 ID:PyDsQNh0
日かず待つ春をおそしとしら雪の下よりにほふ梅の初花(衣笠家良)
811 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:57:02 ID:PyDsQNh0
つくづくと見ぬ空までもかなしきはひとりきく夜の軒のはるさめ(伏見院)
812 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:58:00 ID:PyDsQNh0
時鳥さやかにを鳴け夕づくよ雲間のかげはほのかなりとも(正親町公蔭)
813 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:58:59 ID:PyDsQNh0
今よりの秋とは風にききそめつ目にはさやかにみか月のかげ(正親町公蔭)
814 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 13:59:39 ID:PyDsQNh0
あはれのみいや年のはに色まさる月と露との野べのささ原(藤原定家)
815 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:08:28 ID:PyDsQNh0
おほえ山いくののみちの長き夜に露をつくしてやどる月かな(後鳥羽院)
816 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:09:19 ID:PyDsQNh0
たれか又こよひも友をたづぬらん月と雪とのおなじ光に(後村上天皇)
817 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:10:11 ID:PyDsQNh0
明くるかと見えつる空のさらにまた霧に夜ぶかき秋のしののめ(正親町公蔭)
818 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:11:27 ID:PyDsQNh0
あけぬれどなほはれやらずたちこめて霧に夜ぶかきしののめの山(大江茂重)
819 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:12:54 ID:PyDsQNh0
星きよき夜はのうす雪空はれて吹きとほす風を梢にぞ聞く(伏見院)
820 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:14:47 ID:PyDsQNh0
星きよき霜夜の木ずゑ風こしてくち葉のおとぞ庭にきこゆる(伏見院)
821 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:15:36 ID:PyDsQNh0
恋しさをすすむる暮の風の色よつれなき人の身にもしまなむ(正親町公蔭)
822 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:48:50 ID:PyDsQNh0
それをだにおもひさまさじ恋しさのすすむままなる夕暮の空(伏見院)
823 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 14:50:58 ID:PyDsQNh0
山陰にこころばかりは春の色のつつじのけたみ花咲きにけり(藤原信実)
824 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:03:19 ID:PyDsQNh0
ひとむらの梢も消ゆる雨のうちにすゑは雲なる野べのをちかた(伏見院)
825 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:04:13 ID:PyDsQNh0
かやり火のけぶり一すぢ見ゆるしも月にはれたる里のをちかた(光厳院)
826 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:05:12 ID:PyDsQNh0
水鶏なく森ひとむらは木暗くて月にはれたる野べのをちかた(正親町実明女)
827 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:08:36 ID:PyDsQNh0
雨おもき籬の竹のをれかへりくだればのぼる露の白玉(藤原為家)
828 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:40:32 ID:PyDsQNh0
誰ならむやさしの人の帰るさや暁ふかきを車の音(伏見院)
829 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:41:55 ID:PyDsQNh0
思ふことなくてぞ見ましほのぼのと有明の月の志賀の浦波(花山院師賢)
830 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:43:02 ID:PyDsQNh0
いにしへは露分けわびし虫の音をたづねぬ草の枕にぞきく(花山院師賢)
831 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:44:07 ID:PyDsQNh0
わけわびぬ袂の露も虫の音もしげき野原の秋の夕暮(藤原雅経)
832 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:44:55 ID:PyDsQNh0
かげよわる柞の紅葉いかならん木の下道のあれはてしより(花山院師賢)
833 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 15:46:20 ID:PyDsQNh0
むべしこそ雪も深けれなべて世のうれへの雲の空にみちつつ(花山院師賢)
834 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:27:56 ID:PyDsQNh0
空にみつうれへの雲のかさなりて冬の雪ともつもるなりけり(藤原俊成)
835 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:29:04 ID:PyDsQNh0
この里にみゆきせし世の面影ぞけふは涙とともにさきだつ(花山院師賢)
836 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:30:47 ID:PyDsQNh0
海山をみる空もなしわが心さながら君にそへてこしかば(花山院師賢)
837 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:32:20 ID:PyDsQNh0
言問ひていざさはここにすみだ川鳥の名きくも都なりけり(花山院師賢)
838 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:33:06 ID:PyDsQNh0
古郷のおなじ空とは思ひ出でじかたみの月のくもりもぞする(花山院師賢)
839 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:33:48 ID:PyDsQNh0
雲の色にしぐれ雪げはみえわかでただかきくらすけふの空かな(花山院師賢)
840 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:34:41 ID:PyDsQNh0
死出の山こえんもしらで都人なほさりともと我やまつらん(花山院師賢)
841 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:35:48 ID:PyDsQNh0
風むかふ憂きねもしらず都人日数かずへて我やまつらん(慶運)
842 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:54:26 ID:/MgrrRTm
名にしおはばいざ事とはむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと(在原業平[古今])
843 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 16:56:28 ID:/MgrrRTm
清見潟ふじの煙や消えぬらむ月影みがく三保のうら波(後鳥羽院[玉葉&風雅])
844 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:33:13 ID:PyDsQNh0
秋は暮れ君は都へかへりなばあはれなるべき旅の空かな(西行)
845 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:34:13 ID:PyDsQNh0
吹きとふく風にまかせてけふはみむちるべくもあらぬ花の盛を(三条西実隆)
846 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:35:14 ID:PyDsQNh0
けふのみと秋をしたへばくれうつる夕日のかげもうたてほどなき(正親町実明女)
847 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:36:04 ID:PyDsQNh0
夕まぐれ小萩が上の露もみずこまかにそそく秋の村雨(正徹)
848 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:37:13 ID:PyDsQNh0
むらむらにつもるとみるやしら雪のふる河水の瀬だえなるらん(冷泉為尹)
849 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:38:23 ID:PyDsQNh0
われが身やふる河水のうすごほり昔はきよき流れなれども(源頼政)
850 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:39:59 ID:PyDsQNh0
折にふるるうさつらさしもあはれなりなれゆくうちのすさびと思へば(伏見院)
851 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:41:54 ID:/MgrrRTm
あまつ風こほりをわたる冬の夜のをとめの袖をみがく月かげ(式子内親王[新勅撰])
852 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:42:53 ID:/MgrrRTm
すまのうらに秋をとどめぬ関守ものこる霜夜の月は見るらん(藤原信実[新勅撰])
853 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 18:43:45 ID:/MgrrRTm
あひみしはありしうつつを限にて今は夢にもことのはぞなき(九条教実[新続古今])
854 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 21:37:18 ID:8tFmxi5v
月やあらぬ
855 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 22:19:05 ID:IqLLpGyC
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○(○○○○)
856 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:30:51 ID:PyDsQNh0
ひと夜かすのがみの里の草枕むすびすてける人の契を(藤原定家)
857 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:31:42 ID:PyDsQNh0
なさけある友こそかたき世なりけれ独り雨きく秋の夜すがら(冷泉為秀)
858 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:32:30 ID:PyDsQNh0
なさけある昔の人はあはれにてみぬわが友とおもはるるかな(伏見院)
859 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:33:20 ID:PyDsQNh0
世は春にさけるさかざる里はあれど梅が香ならで吹く風もなし(後水尾院)
860 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:34:36 ID:PyDsQNh0
いめびとの伏見の里を朝ゆけば梅が香ならぬ風なかりけり(八田知紀)
861 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:36:07 ID:PyDsQNh0
麻の葉に波のしらゆふかけそへてこの夕べよりかよふ秋風(足利尊氏)
862 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:37:52 ID:PyDsQNh0
みそぎする麻の葉末のなびくより人の心にかよふ秋風(俊成卿女)
863 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:39:08 ID:PyDsQNh0
なびきかへる花のすゑより露ちりて萩の葉しろき庭の秋風(伏見院)
864 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:49:14 ID:/MgrrRTm
みそぎ川なみのしらゆふ秋かけてはやくぞすぐるみな月のそら(藤原良経[続後撰])
865 :
名無氏物語:2009/07/12(日) 23:51:34 ID:/MgrrRTm
冬ふかみさびしき色は猶そひぬかり田の面の霜の明け方(崇光院[新拾遺])
866 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:06:36 ID:LajA21+A
山のはの松よりうへになりにけり嵐をわけてのぼる月かげ(伏見院)
867 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:07:32 ID:LajA21+A
さびしさにさびしき声ぞ友となる嵐になるる山かげの庵(足利尊氏)
868 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:11:25 ID:LajA21+A
なびけどもさそひもはてぬ春風にみだれてまさる青柳のいと(藤原定家)
869 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:12:39 ID:LajA21+A
さても身の春や昔にかはるらんありしにもあらず霞む月かな(洞院公泰)
870 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:14:58 ID:LajA21+A
五月雨ににごりておつる滝の上の御ふねの山は雲ぞかかれる(洞院公泰)
871 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:16:32 ID:LajA21+A
五月雨はこのした露もかずかずににごりておつる山の谷川(藤原為家)
872 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:42:19 ID:LajA21+A
月かげにみがきておつる滝のうへのみふねの山は雲もかからず(伏見院)
873 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:46:11 ID:LajA21+A
ふりそむる御垣の雪はあさけれどつかへてしるき跡やのこらん(洞院公泰)
874 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:47:22 ID:LajA21+A
わすれめやみかきにちかき丹生川のながれにうきてくだる秋霧(洞院公泰)
875 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 00:48:57 ID:LajA21+A
色も香も千代までにほへ百敷やこりさく梅は今さかりなり(洞院公泰)
876 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 01:02:13 ID:LajA21+A
夏と秋とゆきあひの早稲のほのぼのとあくる門田の風ぞ身にしむ(二条為忠)
877 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 01:03:17 ID:LajA21+A
君すめば峰にも尾にも家居してみ山ながらの都なりけり(二条為忠)
878 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 01:04:47 ID:LajA21+A
君すめばここも雲ゐの月なれどなほ恋しきは宮こなりけり(平行盛)
879 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 01:06:15 ID:LajA21+A
君すめばやへたつ雲も九重のみかきが原と花さきにけり(源頼武)
880 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:45:00 ID:LajA21+A
世の憂さを空にもしるや神無月ことわりすぎてふる時雨かな(尊良親王)
881 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:46:18 ID:LajA21+A
かかるべき時はさなれど神無月ことわりすぎてふる時雨かな(宗尊親王)
882 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:47:51 ID:LajA21+A
わが庵は土佐の山風さゆる夜に軒もる月もかげこほるなり(尊良親王)
883 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:49:12 ID:LajA21+A
せめてげに杜のうつせみもろ声になきてもかひのある世なりせば(尊良親王)
884 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:50:34 ID:LajA21+A
聞きなるる契りもつらし衣うつ民のふせ屋に軒をならべて(尊良親王)
885 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:52:26 ID:LajA21+A
はるばると朝満つ潮のみなと舟こぎ出づるかたはなほ霞みつつ(宗良親王)
886 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:53:26 ID:LajA21+A
夕暮は湊もそことしらすげの入海かけてかすむ松原(宗良親王)
887 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:54:59 ID:LajA21+A
霞めただいづれ都のさかひとも見ゆべきほどの旅の空かは(宗良親王)
888 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:57:46 ID:0d890UyT
思ひいでもなきふるさとの山なれどかくれゆくはたあはれなりけり(大江正言[詞花])
889 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 14:58:35 ID:0d890UyT
わが宿とたのむ吉野に君しいらばおなじかざしをさしこそはせめ(伊勢[後撰])
890 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:27:29 ID:LajA21+A
諏訪の海や氷のうへは霞めどもなほうちいでぬ春の白波(宗良親王)
891 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:28:52 ID:LajA21+A
すはの海のこほりのうへの通ひ路は神のわたりてとくるなりけり(源顕仲)
892 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:30:19 ID:LajA21+A
宿からに霞むとのみや嘆かれむ都の春の月見ざりせば(宗良親王)
893 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:31:48 ID:LajA21+A
かへる雁なにいそぐらむ思ひ出もなき古郷の山と知らずや(宗良親王)
894 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:34:12 ID:LajA21+A
ふるさとと聞きし越路の空をだになほ浦とほくかへる雁がね(宗良親王)
895 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:36:29 ID:LajA21+A
朝日いでてのどけき峰の山ざくら花も久かたの光なりけり(宗良親王)
896 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:37:33 ID:LajA21+A
古郷は恋しくとてもみ吉野の花のさかりをいかが見捨てむ(宗良親王)
897 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:38:24 ID:LajA21+A
君をのみたのむ吉野の宮人の同じかざしは桜なりけり(宗良親王)
898 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:52:55 ID:0d890UyT
あやめ草いつのさ月にひきそめてながきためしのねをもかくらむ(亀山院[続拾遺])
899 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 15:54:09 ID:0d890UyT
忘れては夢かとぞ思ふおもひきや雪ふみわけて君を見むとは(在原業平[古今])
900 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 16:59:21 ID:LajA21+A
春わけし跡にしをりを残しおきて桜はしるき夏木立かな(宗良親王)
901 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 17:06:41 ID:LajA21+A
時鳥いつのさ月のいつの日か都に聞きしかぎりなりけむ(宗良親王)
902 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 17:09:38 ID:LajA21+A
今更に我に惜しむなほととぎす六十あまりの古声ぞかし(宗良親王)
903 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 17:13:30 ID:LajA21+A
天つ空わが思ふ人かほととぎす雲のはたてに声の聞こゆる(宗良親王)
904 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 17:15:38 ID:LajA21+A
思ひやれ木曾の御坂も雲とづる山のこなたの五月雨の頃(宗良親王)
905 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 17:19:00 ID:LajA21+A
へだてゆくゐな野の原の夕霧に宿ありとても誰かとふべき(宗良親王)
906 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 17:24:53 ID:LajA21+A
いづかたも山の端ちかき柴の戸は月見る空やすくなかるらむ(宗良親王)
907 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:52:12 ID:LajA21+A
いかがせむ月もみやこと光そふ君すみのえの秋のゆかしさ(宗良親王)
908 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:53:42 ID:LajA21+A
年へぬるひなのすまひの秋はあれど月はみやこと思ひだにやれ(後村上天皇)
909 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:54:54 ID:LajA21+A
帰るさをはやいそがなん名にしおふ山の桜は心とむとも(二条為定)
910 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:55:52 ID:LajA21+A
月に君思ひ出でけり秋ふかく我をばすての山となげくに(宗良親王)
911 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:56:41 ID:LajA21+A
契りおきしことをばすての山なれどよもさらしなとなほ頼むかな(源俊頼)
912 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:57:28 ID:LajA21+A
面影も見しにはいかに変はるらむ姨捨ならぬ山の端の月(二条教頼)
913 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 22:58:27 ID:LajA21+A
身のゆくへなぐさめかねし心には姨捨山の月も憂かりき(宗良親王)
914 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:23:12 ID:LajA21+A
都には風のつてにもまれなりし砧の音を枕にぞ聞く(宗良親王)
915 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:24:38 ID:LajA21+A
都にも時雨やすらむ越路には雪こそ冬のはじめなりけれ(宗良親王)
916 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:26:01 ID:LajA21+A
片敷のとふのすがごも冴えわびて霜こそむすべ夢はむすばず(宗良親王)
917 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:27:29 ID:LajA21+A
嵐ふき空にみだるる雪もよに氷ぞむすぶ夢はむすばず(藤原良経)
918 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:28:41 ID:LajA21+A
山たかみ我のみふりてさびしきは人もすさめぬ雪の朝あけ(宗良親王)
919 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:31:11 ID:LajA21+A
忘れめや都のたぎつ白河の名にふりつみし雪の明ぼの(宗良親王)
920 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:32:37 ID:LajA21+A
かかる世のためしもいまだ白雪にうづもれやせむ園のくれ竹(宗良親王)
921 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:33:44 ID:LajA21+A
おのづから雪ふみわけて問ひこしも都にちかき山路なりけり(宗良親王)
922 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:49:17 ID:LajA21+A
雪つもる越のしら山冬ふかし夢にもたれか思ひおこせむ(宗良親王)
923 :
名無氏物語:2009/07/13(月) 23:50:44 ID:LajA21+A
山里の年の暮こそあはれなれ人のたてたる門の松かは(宗良親王)
924 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:02:52 ID:ZfFYiJP1
この暮もとはれむ事はよもぎふの末葉の風の秋のはげしさ(宗良親王)
925 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:03:50 ID:ZfFYiJP1
ありそ海のうら吹く風もよわれかし言ひしままなる波の音かは(宗良親王)
926 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:34:31 ID:ZfFYiJP1
憂きほどはさのみ涙のあらばこそ我が袖ぬらせよその村雨(宗良親王)
927 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:35:21 ID:ZfFYiJP1
北になし南になしてけふいくか富士の麓をめぐりきぬらむ(宗良親王)
928 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:36:36 ID:ZfFYiJP1
富士の山いくかすぎぬとかぞふれば同じ麓に有明の月(顕昭)
929 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:38:27 ID:ZfFYiJP1
木曾路河あらしにさえて行く浪のとどこほるまをしばし待たなむ(宗良親王)
930 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:40:37 ID:ZfFYiJP1
旅の空うきたつ雲やわれならむ道もやどりもあらしふく頃(宗良親王)
931 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:42:05 ID:ZfFYiJP1
ひとり行く旅の空にもたらちねの遠きまもりをなほたのむかな(宗良親王)
932 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:43:33 ID:ZfFYiJP1
老の波また立ち別れいな舟ののぼればくだる旅のくるしさ(宗良親王)
933 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 00:44:33 ID:ZfFYiJP1
忘れずよ一夜ふせやの月の影なほその原の旅心ちして(宗良親王)
934 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:04:43 ID:ZfFYiJP1
ははきぎのよそめばかりは道たえて一夜ふせやの影もしられず(後柏原天皇)
935 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:06:25 ID:ZfFYiJP1
おくれじと思ひし道もかひなきはこの世のほかのみよし野の山(宗良親王)
936 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:08:16 ID:ZfFYiJP1
思ふにはなほ色あさき紅葉かなそなたの山はいかがしぐるる(宗良親王)
937 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:32:08 ID:ZfFYiJP1
この秋の涙をそへてしぐれにし山はいかなる紅葉とかしる(四条隆資)
938 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:33:11 ID:ZfFYiJP1
あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春かまた見む(宗良親王)
939 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:34:37 ID:ZfFYiJP1
我こそはあらき風をもふせぎしに独りや苔の露はらはまし(宗良親王)
940 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:36:30 ID:ZfFYiJP1
時雨より猶さだめなくふる物はおくるる親の涙なりけり(宗良親王)
941 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 01:37:52 ID:ZfFYiJP1
五十鈴川その人なみにかけずともただよふ水のあはれとは見よ(宗良親王)
942 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:41:02 ID:ZfFYiJP1
おなじくは散るまでを見てかへる雁花の都のことかたらなむ(宗良親王)
943 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:42:59 ID:ZfFYiJP1
いづて舟はや来寄すらしあなし吹く駿河の海の三保の興津に(宗良親王)
944 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:44:03 ID:ZfFYiJP1
いづて舟おひ風はやく成りぬらしみほの浦わによする白波(順徳院)
945 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:45:17 ID:ZfFYiJP1
信濃路や見つつわがこし浅間山雲は煙のよそめなりけり(宗良親王)
946 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:46:25 ID:ZfFYiJP1
いほざきや松原しづむ波間より山はふじのね雲もかからず(宗良親王)
947 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:48:54 ID:ZfFYiJP1
をはつ瀬の鐘のひびきぞ聞こゆなる伏見の夢のさむる枕に(宗良親王)
948 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 09:50:05 ID:ZfFYiJP1
夢の世にかさねて夢を見せじとや尾上の鐘のおどろかすらむ(宗良親王)
949 :
名無氏物語:2009/07/14(火) 16:33:23 ID:mymCWOUk
瓶の原わきて流るる泉川いつ見きとてか恋しかるらむ(藤原兼輔)
950 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:00:01 ID:KFRfHGZb
われを世にありやととはば信濃なるいなとこたへよ嶺の松風(宗良親王)
951 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:04:57 ID:KFRfHGZb
思ひきや手もふれざりし梓弓おきふし我が身なれむものとは(宗良親王)
952 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:05:50 ID:KFRfHGZb
君がため世のため何か惜しからむ捨ててかひある命なりせば(宗良親王)
953 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:19:30 ID:KFRfHGZb
惜しからぬ命なりせば世の中の人の偽になりもしなまし(紀貫之)
954 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:20:28 ID:KFRfHGZb
あはれてふことにつけつつ口の端に我がたらちねのかからぬはなし(宗良親王)
955 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:23:53 ID:KFRfHGZb
歎かじなしのぶばかりの思ひ出は身の昔にもありしものなり(宗良親王)
956 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:27:02 ID:KFRfHGZb
浅緑みじかき草の色ぬれてふるとしもなき庭の春雨(光厳院)
957 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:28:04 ID:KFRfHGZb
長閑なるむつきの今日の雨のおとに春の心ぞ深くなりぬる(光厳院)
958 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:29:51 ID:KFRfHGZb
花も見ず鳥をもきかぬ雨のうちのこよひの心何ぞ春なる(光厳院)
959 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 00:31:19 ID:KFRfHGZb
夕霞かすみまさるとみるままに雨になりゆく入あひの空(光厳院)
960 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:28:38 ID:KFRfHGZb
何事をうれふとなしにのどかなる春の雨夜は物ぞ佗しき(光厳院)
961 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:29:21 ID:KFRfHGZb
軒ふかき花のかをりにかすまれてしらみもやらぬ宿の曙(光厳院)
962 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:33:43 ID:KFRfHGZb
鶯のわすれがたみの声はあれど花は跡なき夏木立かな(光厳院)
963 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:34:50 ID:KFRfHGZb
吹きすぐる梢の風のひとはらひここまで涼しよその夕立(光厳院)
964 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:35:46 ID:KFRfHGZb
花もまだき草の籬のあさぼらけ露のけしきに秋は来にけり(光厳院)
965 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:36:36 ID:KFRfHGZb
世の色のあはれはふかくなりゆくよ秋はいくかもいまだあらなくに(光厳院)
966 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:37:43 ID:KFRfHGZb
夕日さす梢の色に秋見えてそともの森にひぐらしの声(光厳院)
967 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 01:39:46 ID:KFRfHGZb
夜はさむみ嵐の音はせぬにしもかくてや雪のふらんとすらん(光厳院)
968 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:08:31 ID:KFRfHGZb
冬枯の草木の時をあはれとや花をあまねくふれる白雪(光厳院)
969 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:10:03 ID:KFRfHGZb
ひびき残るとほちの鐘はかすかにて霜にうすぎる曙の空(光厳院)
970 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:12:21 ID:KFRfHGZb
おきてみねど霜ふかからし人の声の寒してふ聞くもさむき朝明(光厳院)
971 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:18:40 ID:KFRfHGZb
夜もすがら雪やとおもふ風の音に霜だにふらぬ今朝のさむけさ(光厳院)
972 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:19:44 ID:KFRfHGZb
星きよき木ずゑの嵐雲晴れて軒のみ白きうす雪の夜半(光厳院)
973 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:23:14 ID:KFRfHGZb
雲のゆふべ嵐のこよひふりそめぬ明けなば雪のいくへかも見む(光厳院)
974 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:24:39 ID:KFRfHGZb
うつりにほふ雪の梢の朝日影今こそ花の春はおぼゆれ(光厳院)
975 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:43:40 ID:KFRfHGZb
軒の上はうす雪しろしふりはるる空には星のかげきよくして(光厳院)
976 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:44:33 ID:KFRfHGZb
浪の上はあまぎる雪にかきくれて松のみしろき浦の遠方(光厳院)
977 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 08:45:50 ID:KFRfHGZb
ときは木のその色となき雪の中も松は松なるすがたぞみゆる(光厳院)
978 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 22:40:41 ID:KotcXswX
979 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 23:56:09 ID:KFRfHGZb
降りつもる雪の梢にゐる鳥の羽かぜもをしき庭の朝明(光厳院)
980 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 23:57:46 ID:KFRfHGZb
起きいでぬ閨ながらきく犬のこゑのゆきにおぼゆる雪の朝明(光厳院)
981 :
名無氏物語:2009/07/15(水) 23:58:59 ID:KFRfHGZb
年くると世はいそぎたつ今夜しものどかにもののあはれなるかな(光厳院)
982 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:00:42 ID:GfGZDTIm
あすのうさも我が心からかなしきに今夜よ今夜とへやとぞ思ふ(光厳院)
983 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:07:16 ID:GfGZDTIm
里の犬のこゑをきくにも人しれずつつみし道のよはぞ恋しき(光厳院)
984 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:18:06 ID:GfGZDTIm
如何になるけさのながめぞこよひ我みるとしもなき夢のなごりに(光厳院)
985 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:19:19 ID:GfGZDTIm
なにぞこのうはの空より吹く風の身にあたるさへ物のかなしき(光厳院)
986 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:20:45 ID:GfGZDTIm
雲の色星のひかりも同じ空の長閑になるやあかつきになる(光厳院)
987 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:21:55 ID:GfGZDTIm
ももしきや庭に見馴れし呉竹のみじかきよこそ猶あはれなれ(光厳院)
988 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:23:01 ID:GfGZDTIm
たびにして妹を恋しみながめをれば都の方に雲たなびけり(光厳院)
989 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:29:03 ID:GfGZDTIm
さ夜ふくる窓の灯つくづくとかげもしづけし我もしづけし(光厳院)
990 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:30:52 ID:GfGZDTIm
心とてよもにうつるよ何ぞこれただ此れむかふともし火のかげ(光厳院)
991 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 00:31:56 ID:GfGZDTIm
むかひなす心に物やあはれなるあはれにもあらじ灯のかげ(光厳院)
992 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:31:03 ID:GfGZDTIm
ふくる夜の灯のかげをおのづから物のあはれにむかひなしぬる(光厳院)
993 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:33:45 ID:GfGZDTIm
過ぎにし世いまゆくさきと思ひうつる心よいづらともし火の本(光厳院)
994 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:35:26 ID:GfGZDTIm
ともし火に我もむかはず灯も我にむかはずおのがまにまに(光厳院)
995 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:36:35 ID:GfGZDTIm
しのぶべき昔はさりな何となく過ぎにし事のなぞあはれなる(光厳院)
996 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:37:50 ID:GfGZDTIm
ただしきをうけつたふべき跡にしもうたてもまよふ敷島の道(光厳院)
997 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:39:26 ID:GfGZDTIm
霜にさゆる月かげさむし里の犬の声ふけすめる冬のさよなか(伏見院)
998 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:40:21 ID:GfGZDTIm
あやしくもながめがちなる夕べかな我が心こそ日ごろにもにぬ(飛鳥井雅有)
999 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:41:14 ID:GfGZDTIm
我ながら物思ふともしらぬ身にあやしくなぞやながめがちなる(直仁親王)
1000 :
名無氏物語:2009/07/16(木) 01:51:28 ID:GfGZDTIm
はつせ山をのへの鐘のあけがたに花よりしらむ横雲の空(藤原良経)
1001 :
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