1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 14:57:44 ID:os4FQUxt
3 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 14:58:36 ID:os4FQUxt
4 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:00:59 ID:os4FQUxt
5 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:12:07 ID:os4FQUxt
6 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:14:20 ID:os4FQUxt
入日さす山のあなたは知らねども心をかねて送りおきつる(西行)
7 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:16:15 ID:os4FQUxt
住の江のこほりと見ゆる月かげにとけやしぬらむ神の心も(藤原公重)
8 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:18:09 ID:os4FQUxt
ながむれば涙も袖にむすぼほれ空さへこほる冬の夜の月(藤原家隆)
9 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:19:49 ID:os4FQUxt
霜はらふ庭のたまざさあられふり空さへさゆる冬の夜の月(後鳥羽院)
10 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:20:49 ID:os4FQUxt
ふる雪にかすみあひてやいたるらむ年ゆきちがふ夜はの大空(恵慶)
11 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:21:49 ID:os4FQUxt
古郷の苔の岩橋いかばかりおのれあらでも恋ひわたるらん(後鳥羽院)
12 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:23:50 ID:os4FQUxt
夜もすがら物思ふ頃は明けやらで閨のひまさへつれなかりけり(俊恵)
13 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:29:36 ID:YJRK5632
いづくにか世をばいとはむ心こそ野にも山にもまどふべらなれ(古今947)
14 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:30:37 ID:YJRK5632
鶯の谷よりいづる声なくは春来ることを誰か知らまし(古今14)
15 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:31:34 ID:YJRK5632
跡たえてしづけき宿に咲く花の散りはつるまで見る人ぞなき(続千載176)
16 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:32:29 ID:YJRK5632
照りもせず曇りもはてぬ春の夜のおぼろ月夜にしく物ぞなき(新古今55)
17 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:33:12 ID:os4FQUxt
秋の夜のしづかにくらきまどの雨打ちなげかれてひましらむらん(式子内親王)
18 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:33:55 ID:YJRK5632
うゑし時花まちどほにありし菊うつろふ秋にあはむとや見し(古今271)
19 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:34:06 ID:os4FQUxt
袖の上もいくたびばかりしめるらん物おもふ宿の有明の月(順徳院)
20 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 15:34:51 ID:YJRK5632
月みれば千々に物こそ悲しけれ我が身ひとつの秋にはあらねど(古今193)
21 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:04:30 ID:os4FQUxt
いまはとて古巣にかへる鶯よ都の春の物語りせよ(藤原実房)
22 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:05:23 ID:os4FQUxt
つまこふる鹿のしがらむ秋萩における白露われもけぬべし(紀貫之)
23 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:06:10 ID:os4FQUxt
暮れはつる年惜しみかねうちふさば夢みむほどに春は来ぬべし(安法法師)
24 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:07:02 ID:os4FQUxt
夕狩の交野の真柴むらむらにまだひとへなる初雪の空(順徳院)
25 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:08:09 ID:os4FQUxt
紅葉ふる木の下風に夢さめてうらなき鹿の音をもきくかな(安法法師)
26 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:09:06 ID:os4FQUxt
時雨ゆく生田の森の秋の色をとはでぞよそに見るべかりける(俊成卿女)
27 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:10:02 ID:os4FQUxt
かきくらす床の涙の水鏡われさへ我にとほざかりゆく(大内政弘)
28 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:11:18 ID:os4FQUxt
岩の上のたねにまかせてまつ程はいかに久しき物とかはしる(和泉式部)
29 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:19:42 ID:os4FQUxt
まどろまであかすとおもへばみじか夜もいかにくるしき物とかはしる(和泉式部)
30 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 16:20:22 ID:os4FQUxt
うらみつつひとりぬる夜の秋風に身にしむものといかでしらせむ(藤原秀能)
31 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 18:56:57 ID:os4FQUxt
秋の田の庵もるよはのあくるまはいかに露けき月とかはしる(弁内侍)
32 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 18:58:51 ID:os4FQUxt
ね覚して松のとぼそのあくるまは花にひさしきをはつせの山(木下長嘯子)
33 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 19:00:50 ID:os4FQUxt
高砂の尾上ならでも時鳥まつは久しき物とかはしる(後水尾院)
34 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 19:03:09 ID:os4FQUxt
暮るるまのいかに久しき影ならん独ぬるよにあらぬ春日も(武者小路実陰)
35 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 19:05:53 ID:os4FQUxt
はては又わがねをそへて笛の名のこまかに物を思ふ夜半かな(大内政弘)
36 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 19:07:39 ID:os4FQUxt
袖のうへにふりこそまされはるの雨のこまかに物を思ひくだけば(三条西実隆)
37 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 19:11:47 ID:os4FQUxt
都人ねで待つらめやほととぎす今ぞ山べをなきてすぐなる(藤原道綱母)
38 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 19:21:48 ID:os4FQUxt
さみだれやこぐらき宿の夕ざれを面てるまでもてらす蛍か(藤原道綱母)
39 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:24:59 ID:YJRK5632
露わけし袂ほす間もなきものをなど秋風のまだき吹くらむ(後撰222)
40 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:25:45 ID:YJRK5632
山さむし秋も暮れぬとつぐるかも槙の葉ごとにおける朝霜(風雅1586)
41 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:27:50 ID:os4FQUxt
とぶ蛍まことの恋にあらねども光ゆゆしきゆふやみの空(馬内侍)
42 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:29:37 ID:os4FQUxt
いかなれば知らぬにおふる浮きぬなはくるしや心人しれずのみ(馬内侍)
43 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:31:02 ID:os4FQUxt
かりの世をしらぬにおふる菖蒲草けふこそいとふねをばかけつれ(寂然)
44 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:33:23 ID:os4FQUxt
みし人をしらぬにおふる白菅のしげるや恋のこころなるらむ(藤原公重)
45 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:34:17 ID:os4FQUxt
我が恋にくらべてしがな雨ふれば庭のうたかた数をかぞへて(馬内侍)
46 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:35:53 ID:os4FQUxt
こよひ君しでの山ぢの月をみてくものうへをやおもひいづらん(西行)
47 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:37:49 ID:os4FQUxt
こよひ君みやこにたれとながむらんなれし名残は有明の月(藤原隆信)
48 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:38:19 ID:YJRK5632
ねになきてひちにしかども春雨にぬれにし袖ととはばこたへむ(古今577)
49 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:39:30 ID:YJRK5632
今朝はしもおきけん方も知らざりつ思ひいづるぞ消えてかなしき(古今643)
50 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 20:49:30 ID:YJRK5632
葦鶴のひとりおくれて鳴く声は雲のうへまで聞こえつがなむ(古今998)
51 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:26:02 ID:cU4TTlim
ちはやぶる かみよもしらず たつたがわ からくれないに みずくくるとは
52 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:27:49 ID:os4FQUxt
かくばかりあくるわびしきみじか夜になどかくめぢの夢の浮橋(尭孝)
53 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:28:34 ID:os4FQUxt
かづらきの神のすがたや是ならんあくるわびしき朝がほの花(木下長嘯子)
54 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:29:43 ID:os4FQUxt
たなばたにゆかしきほどのあふことは待つもかへすも物をこそ思へ(相模)
55 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:31:47 ID:os4FQUxt
世の中にあらましかばと思ふ人なきが多くもなりにけるかな(藤原為頼)
56 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:33:35 ID:os4FQUxt
あるはなくなきは数そふ世の中にあはれいつまであらむとすらむ(小大君)
57 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:34:51 ID:os4FQUxt
なげけとてなきは数そふ浮世にもあるわかれこそ身はまさりけれ(藤原家隆)
58 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:36:10 ID:os4FQUxt
見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮(俊成卿女)
59 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:37:04 ID:os4FQUxt
あるはなくなきはある世のさがの山冬たちくればちる木の葉かな(正徹)
60 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:37:48 ID:YJRK5632
おなじ枝をわきて木の葉のうつろふは西こそ秋のはじめなりけれ(古今255)
61 :
名無氏物語:2009/05/16(土) 21:38:40 ID:YJRK5632
白浪のあとなき方に行く舟も風ぞたよりのしるべなりける(古今472)
62 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:02:52 ID:IJj+0l67
ふる年の星のひかりは消えゆきて今年の朝日さし昇るなり(大国隆正)
63 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:04:06 ID:IJj+0l67
追ひつぎて花もながれむ角田川つつみの桜かげ青みゆく(大国隆正)
64 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:06:32 ID:IJj+0l67
ひと声をききそめしより時鳥ただ大空のなつかしきかな(大国隆正)
65 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:07:44 ID:IJj+0l67
はかなしと月や見るらむ昔よりかはらぬ空にかはりゆく世を(大国隆正)
66 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:09:10 ID:IJj+0l67
大君のかはらぬ国にうまれきて昔ながらの月を見るかな(大国隆正)
67 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:10:39 ID:IJj+0l67
すめらぎのたがはぬ国の春に逢ひて御祖の朝日あふぐ尊さ(大国隆正)
68 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:13:19 ID:IJj+0l67
見えにけり見えずなりけり雲早くしぐるる方の松のむら立ち(大国隆正)
69 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:33:02 ID:IJj+0l67
五月雨はわたりをとほみ泉川こま山見えず雲ぞかかれる(藤原家隆)
70 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:34:14 ID:IJj+0l67
泉河ははその梢見わたせばわたりを遠み紅葉しにけり(藤原信実)
71 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:35:28 ID:IJj+0l67
いとどなほ渡りぞ遠き泉川ゆくへも見えぬ瀬々の夕霧(涌蓮)
72 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:37:13 ID:IJj+0l67
遠からぬ身の古にかぞへてもなきは数そふ人のおもかげ(武者小路実陰)
73 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:49:22 ID:IJj+0l67
忘れじのゆく末かはるけふまでもあればあふよを猶たのみつつ(藤原家隆)
74 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:52:01 ID:IJj+0l67
逢ひみむの行末まではかた糸のよりよりかこつ中のうきふし(堯孝)
75 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:53:31 ID:IJj+0l67
鶯は惜しむとや啼く朝ぐもり散りゆく雪の花のなごりに(賀茂保憲女)
76 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:54:27 ID:IJj+0l67
ちる花を惜しむとや啼く鶯の折しれりとも見ゆる春かな(源重之)
77 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:55:16 ID:IJj+0l67
ゆふつけのしだりも永き春の日の明けばうららに啼くぞ悲しき(賀茂保憲女)
78 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:56:08 ID:IJj+0l67
うき世には花ともがなやとどまらで我が身を風にまかせはつべき(賀茂保憲女)
79 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:56:54 ID:IJj+0l67
山里にしる人もなきほととぎす馴れにし里をあはれとぞ啼く(賀茂保憲女)
80 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 14:58:48 ID:IJj+0l67
秋風のさむき宵間に荻の葉にそそのかされて人ぞ恋しき(賀茂保憲女)
81 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:15:05 ID:IJj+0l67
あえよとて菊の白露のごへども過ぎにし齢かへらざりけり(賀茂保憲女)
82 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:16:02 ID:IJj+0l67
曇りつつ涙しぐるる我が目にも猶もみぢ葉は赤く見えけり(賀茂保憲女)
83 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:17:00 ID:IJj+0l67
冬ごもり人もかよはぬ山里のまれの細道ふたぐ雪かも(賀茂保憲女)
84 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:19:35 ID:IJj+0l67
冬の夜をひとり寝覚におきたればおなじ心に雁も啼くなり(賀茂保憲女)
85 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:22:02 ID:IJj+0l67
思へども我が身はよそに飛ぶ鳥のなど人なれぬ恋にかあるらむ(賀茂保憲女)
86 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:24:52 ID:IJj+0l67
逢ふことを雲ゐとほくて我が恋は命にかよふほどに悲しき(賀茂保憲女)
87 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:26:28 ID:IJj+0l67
恋ひわびて面影にのみ恋ひをればひとつ身になる心地こそすれ(賀茂保憲女)
88 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 15:27:25 ID:IJj+0l67
年ごとに人はやらへど目に見えぬ心の鬼はゆく方もなし(賀茂保憲女)
89 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:14:26 ID:IJj+0l67
身に近くならす扇も楢の葉の下吹く風に行方しらずも(藤原家隆)
90 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:16:40 ID:IJj+0l67
見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮(俊成卿女)
91 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:18:51 ID:IJj+0l67
親しきは亡きがあまたになりぬれど惜しとは君を思ひけるかな(香川景樹)
92 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:20:08 ID:IJj+0l67
思ふ人なきが多くの年をへて今はた濡らす袖や何なり(加納諸平)
93 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:21:22 ID:IJj+0l67
今夜より万代めぐれもちながら光さしそふ秋のさかづき(藤原為家)
94 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:22:27 ID:IJj+0l67
菊の上にけさおく露をもちながら千世もめぐらん花のさかづき(三条西公条)
95 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:23:47 ID:IJj+0l67
春の夜の月にまがへる梅の花ただ香ばかりぞしるべなりける(源顕仲)
96 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:25:15 ID:IJj+0l67
夕まぐれ霧立ちわたる鳥辺山そこはかとなく物ぞ悲しき(藤原俊成)
97 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:38:25 ID:IJj+0l67
いつまでかへがたくみゆる世にすみて羨しとも月をかこたん(宗尊親王)
98 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:41:49 ID:IJj+0l67
立ちつづく桐原の駒越ゆれども音は隠れぬ関の岩かど(藤原定家)
99 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:44:55 ID:IJj+0l67
身にかへてつらきと何に思ふらむ生けらばなびく人もこそあれ(藤原実家)
100 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:45:43 ID:IJj+0l67
身にかへて花も惜しまじ君が代にみるべき春の限りなければ(参河内侍)
101 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:47:47 ID:IJj+0l67
桜花うき身にかふるためしあらば生きて散るをば惜しまざらまし(源通親)
102 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 16:48:43 ID:IJj+0l67
ふりかくす雪うちはらひ仙人の名もかぐはしき花を見るかな(千種有功)
103 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:04:36 ID:IJj+0l67
夏くれば山ほととぎす鳴きやせむと思ふ心ぞ目はさましける(藤原長能)
104 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:05:50 ID:IJj+0l67
さばへなすあらぶる神にみそぎして民しづかにと祈るけふかな(後嵯峨院)
105 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:08:27 ID:IJj+0l67
わがためは稲荷の神もなかりけり人のうへとは祈らざりしを(藤原為頼)
106 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:10:18 ID:IJj+0l67
憂きことは我が身一つの憂きなれば処かへてもかひなかりけり(藤原長能)
107 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:12:09 ID:IJj+0l67
さいたづままだうら若きみ吉野の霞がくれにきぎすなくなり(平忠度)
108 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:13:38 ID:IJj+0l67
秋はなほ夕まぐれこそただならね荻の上風はぎの下露(藤原義孝)
109 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:14:59 ID:IJj+0l67
秋きぬと荻のうは風うたがひて萩のした露こころおかるな(源通親)
110 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:17:11 ID:IJj+0l67
霧のまも荻のうは風おとたかししらねば野べの萩のした露(覚性法親王)
111 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:27:53 ID:IJj+0l67
秋きぬと荻の葉風のつげしより思ひしことのただならぬ暮(式子内親王)
112 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:29:51 ID:IJj+0l67
夕まぐれ木の葉みだれて荻の上にきかぬ嵐もただならぬかな(貞常親王)
113 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:31:59 ID:IJj+0l67
露くだる星合の空をながめつついかで今年の秋をくらさむ(藤原義孝)
114 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:35:40 ID:IJj+0l67
わびぬればつれなし顔はつくれども袂にかかる雨のわびしさ(藤原義孝)
115 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:37:12 ID:zYsx+WnG
有人会看汉文吗?
116 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:43:19 ID:IJj+0l67
君がため命をさへも惜しまずはさらにつらさを歎かざらまし(藤原定家)
117 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:44:47 ID:IJj+0l67
あへば先づをしからざりし命よりながくもがなとおもふ夜半かな(松永貞徳)
118 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:46:10 ID:IJj+0l67
人しれぬ心ひとつをなげきつつ黄楊の小櫛をさすかひぞなき(藤原義孝)
119 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 17:47:21 ID:IJj+0l67
夢ならで夢なることをなげきつつ春のはかなき物思ふかな(藤原義孝)
120 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 18:16:42 ID:IJj+0l67
春雨も年にしたがふ世の中にいまはふるよと思ふかなしな(藤原義孝)
121 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 18:18:31 ID:IJj+0l67
着てなれし匂ひを色にうつしもてしぼるも惜しき花染の袖(藤原定家)
122 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 18:19:26 ID:IJj+0l67
此の世をば我が世とぞ思ふ望月の虧たる事も無しと思へば(藤原道長)
123 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 18:20:12 ID:IJj+0l67
行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵のあるじならまし(平忠度)
124 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 18:22:22 ID:IJj+0l67
うれしくも桃の初花見つるかなまた来む春もさだめなき世に(藤原公任)
125 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 18:23:17 ID:IJj+0l67
いづかたに秋のゆくらん我が宿にこよひばかりの雨やどりせよ(藤原公任)
126 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:36:23 ID:IJj+0l67
み吉野の山よりおちし滝の糸のたえて久しくこほるころかな(吉田兼好)
127 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:37:36 ID:IJj+0l67
今宵なほ名こそ流れて滝の糸のたえぬ光も月にそひけり(三条西実隆)
128 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:39:41 ID:IJj+0l67
秋の月影のどけくも見ゆるかなこや長きよの契りなるらむ(藤原公任)
129 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:41:01 ID:IJj+0l67
ここにきえかしこにもゆる夏虫のひかりはかなき夕やみの空(契沖)
130 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:44:16 ID:IJj+0l67
数ならぬ深山がくれを尋ねてぞ心の末の花も見るべき(源通光)
131 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:45:41 ID:IJj+0l67
袖をうすみ露置きとほす心ちして月も身にしむ暁の床(伏見院)
132 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:46:24 ID:IJj+0l67
霞むとて道やは変はる帰る雁たれゆゑまよふ別れなるらむ(今出河院近衛)
133 :
名無氏物語:2009/05/17(日) 23:47:10 ID:IJj+0l67
ありし夜を見はてぬ夢の枕にも猶うらめしき鐘の音かな(源通親)
134 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:08:00 ID:JaLZGm9i
明けぬれば暮るるはやすくしぐるれどなほうらめしき神無月かな(藤原家隆)
135 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:09:16 ID:JaLZGm9i
おほかたの月もつれなき鐘の音に猶うらめしき在明の空(藤原定家)
136 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:11:51 ID:JaLZGm9i
秋すぎて猶うらめしき朝ぼらけ空行く雲もうち時雨れつつ(藤原定家)
137 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:12:58 ID:JaLZGm9i
花の色も暮るるものとはしら雲の嶺のわかれは猶恨みつつ(藤原隆祐)
138 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:17:45 ID:JaLZGm9i
待ちかぬるさ夜のねざめの床にさへなほうらめしき風の音かな(後鳥羽院)
139 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:33:38 ID:JaLZGm9i
白雲の絶えまにみゆる深山路をたのむこととは打ちながめつつ(寂蓮)
140 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:34:22 ID:JaLZGm9i
里のあまの波かけ衣よるさへや月にも秋はもしほたるらむ(蓮生)
141 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:37:03 ID:JaLZGm9i
いかでかは尾花がもとの草の名の思ひありとも穂にはいづべき(宗良親王)
142 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:38:44 ID:JaLZGm9i
さしも草さしもしのびぬ中ならば思ひありとも言はましものを(藤原俊成)
143 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:40:33 ID:JaLZGm9i
あさましやなどか思ひのさしも草つゆもおきあへず果ては燃ゆらむ(寂蓮)
144 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 00:41:44 ID:JaLZGm9i
知られじな霞の下にこがれつつ君にいぶきのさしもしのぶと(藤原定家)
145 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:01:59 ID:JaLZGm9i
秋をへて色にぞみゆるい吹山もえて久しき下の思ひも(藤原定家)
146 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:03:09 ID:JaLZGm9i
色にいでてうつろふ春をとまれともえやはいぶきの山吹の花(藤原定家)
147 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:04:53 ID:JaLZGm9i
さしも草さしも燃ゆてふ春にあひてえやはいぶきの山のしら雪(藤原為家)
148 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:06:08 ID:JaLZGm9i
瓦屋の下たく煙むせびつつまだ忘れずよ思ひこがれて(藤原忠良)
149 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:07:31 ID:JaLZGm9i
忘れずやまだ忘れずよ二人して心にとめし青柳の糸(熊谷直好)
150 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:08:30 ID:JaLZGm9i
庭のおものつちさへさくる夏の日にひとり露けきひめゆりの花(土御門院)
151 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:09:13 ID:JaLZGm9i
むべしこそ帰りし空もかすみつつ花のあたりは立ち憂かりしか(藤原実方)
152 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 01:10:59 ID:JaLZGm9i
みかり野や雪はふりきぬこれもまたぬるとも花の春のおもかげ(藤原雅経)
153 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:53:28 ID:JaLZGm9i
桜がりふりこし雨のやどりよりぬれていくかの花の下陰(二条為重)
154 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:54:11 ID:JaLZGm9i
立ちよらむぬるとも花の色になほそめよなべての山のしづくも(三条西実隆)
155 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:54:58 ID:JaLZGm9i
桜がり雨はいとはぬ木のもとにうたて雪ふる花のあらしよ(下河辺長流)
156 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:55:52 ID:JaLZGm9i
荻の葉のそよとつげしはいつなれや晦日のすぐる夜半の秋風(藤原輔尹)
157 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:56:48 ID:JaLZGm9i
もろともに出でずは憂しと契りしをいかがなりにし山の端の月(藤原輔尹)
158 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:57:46 ID:JaLZGm9i
君待つと山の端出でて山の端に入るまで月をながめつるかな(橘為義)
159 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:58:33 ID:JaLZGm9i
入るまでに月はながめつ稲妻のひかりの間にも物思ふ身の(藤原家隆)
160 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 13:59:29 ID:JaLZGm9i
郭公あさくら山の明ぼのにとふ人もなきなのりすらしも(祝部成仲)
161 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 14:48:15 ID:JaLZGm9i
尋ねこししらぬ旅ねはさとなれて山時鳥一こゑぞきく(藤原家隆)
162 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 14:49:32 ID:JaLZGm9i
ほととぎすねざめににほふ橘のかはたれどきに名のりすらしも(藤原為家)
163 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 14:51:11 ID:JaLZGm9i
春雨はふりにし人のかたみかも嘆きもえいづるここちこそすれ(道命)
164 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 14:52:17 ID:JaLZGm9i
春のうちは塵つもるとも清めせじ花にけがるる宿と言はれむ(源兼澄)
165 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 14:53:47 ID:JaLZGm9i
卯の花に咲きこめられて山里に恋ひし都も忘られにけり(源道済)
166 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 14:56:21 ID:JaLZGm9i
大空のつねより広く見ゆるかな散れる雲なく照りみてる月(源道済)
167 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:10:24 ID:JaLZGm9i
あけばきてなほ狩りゆかむ小塩山小松が原の雪の夕暮(藤原家隆)
168 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:11:09 ID:JaLZGm9i
ぬれつつもなほ狩りゆかん桜花春もいくかの夕ぐれの雨(太田道灌)
169 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:12:12 ID:JaLZGm9i
そなたにと猶かりゆかん箸鷹の外山に移る村鳥の声(武者小路実陰)
170 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:13:03 ID:JaLZGm9i
衣手のかわくまもなきいにしへの五月雨よりや恋ひはじめけん(源道済)
171 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:14:32 ID:JaLZGm9i
ある時は憂きことしげき古郷にいそぐや何の心なるらん(源道済)
172 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:16:07 ID:JaLZGm9i
人待たぬ時だに物のかなしきに来むとたのめし秋の夕暮(宗尊親王)
173 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:17:25 ID:JaLZGm9i
ながむればいとど物こそ悲しけれ月は憂き世の外と聞きしに(俊恵)
174 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 16:18:51 ID:JaLZGm9i
よそながら外よりゆかぬ我が宿の月も憂き世の道芝の露(藤原家隆)
175 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:18:30 ID:JaLZGm9i
おくれゐて何か明日まで世にもへん今日をわが日にまづやなさまし(大江匡衡)
176 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:19:35 ID:JaLZGm9i
思ひ出でもなきふるさとの山なれど隠れゆくはたあはれなりけり(大江正言)
177 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:20:52 ID:JaLZGm9i
帰る雁なにいそぐらむ思ひ出もなき故郷の山としらずや(宗良親王)
178 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:43:19 ID:JaLZGm9i
いでぬまに山のあなたに思ひこす心いくたび月を見るらむ(源頼政)
179 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:44:11 ID:JaLZGm9i
時鳥なきゆくかたにそへてやる心いくたび声を聞くらむ(藤原俊成)
180 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:45:47 ID:JaLZGm9i
待ちわびぬたづねやゆかむ秋の夜の月の光のあふところまで(大江嘉言)
181 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:46:52 ID:JaLZGm9i
あはれにも衣うつなりふしみ山松風さむき秋のねざめに(慈円)
182 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:48:11 ID:JaLZGm9i
いつのまにもみぢしぬらむ昨日こそ時雨そめしか神なびの森(衣笠家良)
183 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:49:38 ID:JaLZGm9i
秋風の木の葉の色にうつりきぬ昨日か花の春の山水(三条西実隆)
184 :
名無氏物語:2009/05/18(月) 23:50:44 ID:JaLZGm9i
いふ人もなき我が宿の桜ばな風の心にまかせてぞ見る(源道済)
185 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:11:14 ID:389HckRr
ちりぬともなに惜しみけむ卯の花の垣根の春の色ならぬかは(寂蓮)
186 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:12:19 ID:389HckRr
暮れぬとて何惜しみけむ秋の色は梢にのこる神無月かな(橘千蔭)
187 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:14:01 ID:389HckRr
世にふればしづのをだまきはては又月にいくたび衣うつらむ(藤原家隆)
188 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:15:33 ID:389HckRr
秋をへて物思ふことはなけれども月にいくたび袖ぬらすらむ(後鳥羽院)
189 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:16:48 ID:389HckRr
風の音身にしむ色はかはらねど月にいく度秋を待つらん(順徳院)
190 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:44:45 ID:389HckRr
こころみにほかの月をも見てしがな我が宿からのあはれなるかと(花山院)
191 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:46:48 ID:389HckRr
木のもとの住処も今は荒れぬべし春し暮れなば誰かとひこむ(行尊)
192 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:48:19 ID:389HckRr
おのづから花の下にしやすらへば逢はばやと思ふ人も来にけり(源頼政)
193 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:49:40 ID:389HckRr
木のもとに住みけむ跡をみつるかな那智の高嶺の花を尋ねて(西行)
194 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 00:56:33 ID:389HckRr
木のもとにやどりをすれば片しきの我が衣手に花は散りつつ(源実朝)
195 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:02:53 ID:389HckRr
尋ねきてうきをのがるる木のもとも棲とすればまつ風ぞ吹く(頓阿)
196 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:06:55 ID:389HckRr
今はとてそむくうき世を仮の庵に秋はくもらぬ月のみぞすむ(俊成卿女)
197 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:08:06 ID:389HckRr
来む世には逢はむ逢はじもしら露の消えてかなしき野辺の秋風(木下長嘯子)
198 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:22:48 ID:389HckRr
うきしづみ逢はむ逢はじも知らぬ身をみつのかしはに定めてもみむ(武者小路実陰)
199 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:24:16 ID:389HckRr
秋もいなば恋しかるべき今夜かなたのめかおきし有明の月(後鳥羽院)
200 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:25:47 ID:389HckRr
定めなき世にも我が身のながらへば幾たび春の別れしたはむ(衣笠家良)
201 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:26:30 ID:389HckRr
心にもあらで今宵の月を見てふけぬさきにと誰を待つらむ(少将内侍)
202 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:27:29 ID:389HckRr
心にもあらでうき世の老の波身はすてぶねのすゑの浦風(三条西実隆)
203 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:28:37 ID:389HckRr
人はいさ我は忘れずほどふれど秋の夕暮ありし逢ふこと(敦道親王)
204 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 01:29:47 ID:389HckRr
くれぐれと秋の日ごろのふるままに思ひ知られぬあやしかりしも(和泉式部)
205 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 13:27:37 ID:+XklLGDz
春霞
たなびく山の桜花
見れどもあかぬ君にもあるかな(紀友則)
206 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:26:13 ID:389HckRr
もろ人の袖をつらぬる紫の庭にや春も立ちはそむらむ(藤原定家)
207 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:27:26 ID:389HckRr
紫の袖をつらねし面影のかすみもいくへ今日の初春(崇光院)
208 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:28:46 ID:389HckRr
つむも惜しつまであせなむ色も憂し芝生の菫あかぬ夕露(三条西実隆)
209 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:30:01 ID:389HckRr
君とこそ春来ることも待たれしか梅も桜もたれとかは見む(赤染衛門)
210 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:32:53 ID:389HckRr
こぞの春ちりにし花は咲きにけりあはれ別れのかからましかば(赤染衛門)
211 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:34:07 ID:389HckRr
やすらはで寝なまし月に我なれて心づからの露の明ぼの(藤原定家)
212 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:35:07 ID:389HckRr
やすらはで寝なましものを梅の花こぬ人の香に匂はざりせば(土御門院小宰相)
213 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:46:01 ID:389HckRr
人待たで寝なましものを梅の花うたて匂ひの夜はの春風(宗尊親王)
214 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:48:16 ID:389HckRr
思ふことなくてぞみまし紅葉ばを嵐の山の麓ならずは(藤原輔尹)
215 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 14:51:26 ID:389HckRr
思ふことなくてぞみましほのぼのと有明の月の志賀の浦波(花山院師賢)
216 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:00:34 ID:389HckRr
よさのうら松の中なるいそ清水都なりせば君もくみみむ(細川幽斎)
217 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:01:27 ID:389HckRr
とこも淵ふちも瀬ならぬ涙川そでのわたりはあらじとぞ思ふ(清少納言)
218 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:02:17 ID:389HckRr
関の戸は鳥の空音に明けつれどふままくをしき雪ぞふりぬる(俊恵)
219 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:04:34 ID:389HckRr
関の戸を鳥のそら音にはかれども有明の月はなほぞさしける(藤原定家)
220 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:16:23 ID:389HckRr
鳥のねを聞くよりやがて相坂のせきとめがたききぬぎぬの空(飛鳥井雅親)
221 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:17:12 ID:389HckRr
まれにきてあふさか山のかひもなく鳥の空ねにはかられにける(三条西実隆)
222 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:18:56 ID:389HckRr
煙とも雲ともならぬ身なれども草葉の露をそれとながめよ(藤原定子)
223 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:20:35 ID:389HckRr
草ふかみさしもあれたる宿なるを露をかたみに尋ねこしかな(源実朝)
224 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:22:17 ID:389HckRr
浅茅生の露をかたみにのこしおきてよそにわかるる夕立の雲(飛鳥井雅有)
225 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 15:23:20 ID:389HckRr
てる月のかくるるにつけて思ふかな雲がくれにしよはのかなしさ(源通親)
226 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:23:41 ID:389HckRr
月影のそれかあらぬかかげろふのほのかにみえて雲がくれにし(源実朝)
227 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:24:45 ID:389HckRr
めぐりあひておなじ雲井にながめばやあかで別れし九重の月(尊良親王)
228 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:28:38 ID:389HckRr
たづねても人ぞたどらむ面影をみしや其ともおぼえざりせば(下冷泉持為)
229 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:30:35 ID:389HckRr
あやしくもむすぼふれぬる心かなみしやそれともまだわかぬまに(烏丸光広)
230 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:31:20 ID:389HckRr
いかにして思ひ出づらむ俤のみしやそれともわかぬ契りを(武者小路実陰)
231 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:32:24 ID:389HckRr
めぐりこし月にとはばやこぞのけふ雲がくれにし人のゆくへを(本居宣長)
232 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:48:21 ID:389HckRr
めぐりあひて見し夜の空もみづぐきに月かげながらうつしとめけむ(加納諸平)
233 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:49:15 ID:389HckRr
夕顔の光をそへし白露の消えにしかげぞ面影にたつ(源通親)
234 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:50:21 ID:389HckRr
心あてに露も光やそへつらむ月に色なき夕顔の花(源具親)
235 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 22:52:51 ID:389HckRr
たそかれにほのぼのみえし夕顔の花の露にや光そへけむ(西園寺実材母)
236 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:00:44 ID:389HckRr
むらさめの露けき花の夕顔に光そへてもゆく蛍かな(飛鳥井雅有)
237 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:01:37 ID:389HckRr
心あてに見し夕顔の花散りて尋ねぞ迷ふたそがれの宿(松平定信)
238 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:02:21 ID:389HckRr
思へただ逢ふ夜稀なるあけくれに露きえわびし人の面影(後鳥羽院)
239 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:31:53 ID:389HckRr
消えわぶる霜の衣を返しても見る夜まれなる夢の通ひ路(源通光)
240 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:33:07 ID:389HckRr
見てもまた程なくあくるしののめにやがてまぎるる村雲の月(長慶天皇)
241 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:34:15 ID:389HckRr
咲けば散る夜のまの花の夢のうちにやがてまぎれぬ嶺の白雲(正徹)
242 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:36:21 ID:389HckRr
思ひかね草の原とてわけきても心をくだく苔の下かな(藤原俊成)
243 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:38:15 ID:389HckRr
消えはてむ草の原までとはずとも露の哀れはかけむとすらむ(藤原実定)
244 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:39:15 ID:389HckRr
霜の下にかきこもりなば草の原秋の夕べもとはじとやさは(藤原公経)
245 :
名無氏物語:2009/05/19(火) 23:40:30 ID:389HckRr
霜枯れはそことも見えぬ草の原誰にとはまし秋のなごりを(俊成卿女)
246 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:00:25 ID:TJnaWkAz
よしさらばきえなばきえねうき身世にとはれむものか草の原まで(藻壁門院但馬)
247 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:06:24 ID:BxQ//cdK
秋風やさてもとはまし草の原露の旅寝におもひきえなば(後崇光院)
248 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:07:37 ID:BxQ//cdK
おきの海をひとりやきつるさよ千鳥なく音にまがふ磯の松風(後鳥羽院)
249 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:09:46 ID:BxQ//cdK
袖ぬれていくよあかしのうら風におもふ方より月も出でにけり(後鳥羽院)
250 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:13:32 ID:BxQ//cdK
恋ひわびてなくねにまがへ友千鳥思ふかたよりせめてかよはば(宗良親王)
251 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:15:01 ID:BxQ//cdK
河浪のよる瀬にわたる村千鳥なくねにまがふ水の音かな(後崇光院)
252 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:17:06 ID:BxQ//cdK
思ひいづることは現かおぼつかな見はてでさめし明暮の夢(弁乳母)
253 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:20:41 ID:BxQ//cdK
さめやする今はとみえし秋の夜の夢路かたしくさよの手枕(藤原家隆)
254 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:24:18 ID:BxQ//cdK
消えはつる夕べも悲し明け暮の夢にまよひし春の故郷(俊成卿女)
255 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:34:08 ID:BxQ//cdK
浪風に吹上の千鳥打佗びて鳴く音悲しき暁の空(源通光)
256 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 00:36:08 ID:BxQ//cdK
夕づく夜沢辺にたてるあしたづの鳴くね悲しき冬は来にけり(源実朝)
257 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:23:45 ID:BxQ//cdK
はま千鳥なくねかなしき明暮にたが衣々の袖のうら人(正徹)
258 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:25:15 ID:BxQ//cdK
けさ見れば岩間をくぐる山川のよどむともなき薄氷かな(藤原雅経)
259 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:27:29 ID:BxQ//cdK
梅の香を君によそへてみるからに花のをり知る身ともなるかな(和泉式部)
260 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:31:12 ID:BxQ//cdK
われがなほ折らまほしきは白雲の八重にかさなる山吹の花(和泉式部)
261 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:33:34 ID:BxQ//cdK
世の中は暮れゆく春の末なれやきのふは花の盛とか見し(和泉式部)
262 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:35:11 ID:BxQ//cdK
桜色にそめし衣を卯の花のしらがさねにぞたちかへてける(平忠盛)
263 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:40:05 ID:BxQ//cdK
桜色のかたみのころもぬぎかへてふたたび春に別れぬるかな(雅成親王)
264 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:43:48 ID:BxQ//cdK
なれ行くもあだなる花のうき世とや染めし衣を今朝かふるらむ(花山院長親)
265 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:56:10 ID:BxQ//cdK
思ふことみなつきねとて御祓する河瀬の波も袖ぬらしけり(藤原俊成)
266 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 01:57:37 ID:BxQ//cdK
麻の葉にゆふしでかけて思ふことみなつきねとてはらひつるかな(但馬)
267 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 02:00:47 ID:BxQ//cdK
たれにかはみせもきかせももみぢばのちる山ざとのあり明の月(藤原定家)
268 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 02:01:33 ID:BxQ//cdK
一葉ちる桐の立枝に秋をはやみせもきかせもわたる朝風(飛鳥井雅親)
269 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 02:02:21 ID:BxQ//cdK
今はとて立つ霧さへぞあはれなるありし朝の空に似たれば(和泉式部)
270 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 02:03:12 ID:BxQ//cdK
もみぢ葉もましろに霜のおける朝は越の白嶺ぞ思ひやらるる(和泉式部)
271 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 02:04:08 ID:BxQ//cdK
行く秋の末ののあさぢ霜がれてまだきに冬の色ぞみえける(頓阿)
272 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 02:05:12 ID:BxQ//cdK
思ひかね柴をりくぶる山里を猶さびしとやひたきなくなり(寂蓮)
273 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:50:01 ID:BxQ//cdK
朝夕に柴をりくぶるけぶりさへ猶ぞさびしき冬の山里(慈円)
274 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:50:58 ID:BxQ//cdK
雪の中に柴をりくぶる夕煙さびしき色の空にみえぬる(慈円)
275 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:52:25 ID:BxQ//cdK
さびしさに柴をりくぶる山ざとにおもひしりける小野の炭やき(藤原家隆)
276 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:53:15 ID:BxQ//cdK
さびしさに柴折りくぶる夕煙さとのしるべとみやはとがめぬ(飛鳥井雅有)
277 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:54:07 ID:BxQ//cdK
竹の葉にあられ降るなりさらさらに独りは寝べき心地こそせね(和泉式部)
278 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:55:47 ID:BxQ//cdK
寝る人をおこすともなき埋火を見つつはなかく明かす夜な夜な(和泉式部)
279 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 15:57:14 ID:BxQ//cdK
埋火のおこすともなき冬の夜にねられぬ程のさもぞひさしき(衣笠家良)
280 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:09:29 ID:BxQ//cdK
せこが来て臥ししかたはら寒き夜はわが手枕を我ぞして寝る(和泉式部)
281 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:10:47 ID:BxQ//cdK
長からむ心も知らず黒髪のみだれて今朝は物をこそ思へ(待賢門院堀河)
282 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:12:00 ID:BxQ//cdK
かきやりしその黒髪のすぢごとにうち臥すほどは面影ぞたつ(藤原定家)
283 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:13:06 ID:BxQ//cdK
うば玉の闇のうつつにかきやれどなれてかひなき床の黒髪(藤原定家)
284 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:15:36 ID:BxQ//cdK
雲風のみだれもしらず空にのみたのめし月のゆくへかなしも(三条西実隆)
285 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:16:43 ID:BxQ//cdK
くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪おもひ乱れかつおもひ乱るる(与謝野晶子)
286 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 16:18:36 ID:BxQ//cdK
いたづらに身をぞ捨てつる人をおもふ心やふかき谷となるらむ(和泉式部)
287 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:20:23 ID:BxQ//cdK
逢ふことを息の緒にする身にしあれば絶ゆるもいかが悲しと思はぬ(和泉式部)
288 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:21:14 ID:BxQ//cdK
絶え果てば絶え果てぬべし玉の緒に君ならむとは思ひかけきや(和泉式部)
289 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:22:59 ID:BxQ//cdK
身はひとつ心はちぢにくだくればさまざま物のなげかしきかな(和泉式部)
290 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:23:52 ID:BxQ//cdK
よせかへり千々にくだけてあら磯やひとつもうせぬ波の月影(木下長嘯子)
291 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:25:40 ID:BxQ//cdK
芹つみし沢辺のほたるおのれ又あらはにもゆと誰にみすらむ(藤原定家)
292 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:27:18 ID:BxQ//cdK
下にのみむせぶ思ひもあるものをあらはにもえてゆく蛍かな(藤原秀能)
293 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:28:24 ID:BxQ//cdK
夏の夜は物おもふ人の宿ごとにあらはにもえてとぶ蛍かな(九条道家)
294 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:36:04 ID:BxQ//cdK
ともかくも言はばなべてになりぬべし音になきてこそ見せまほしけれ(和泉式部)
295 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:39:30 ID:BxQ//cdK
いかにせむ霞める空をあはれともいはばなべての春の明けぼの(宗尊親王)
296 :
名無氏物語:2009/05/20(水) 23:41:04 ID:BxQ//cdK
まぼろしも夢も久しき逢ふことをいかに名づけてそれと頼まむ(木下長嘯子)
297 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:01:02 ID:xNKe4FuU
ながむらむ空をだに見ず七夕にあまるばかりの我が身と思へば(和泉式部)
298 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:12:15 ID:xNKe4FuU
秋風はけしき吹くだに悲しきにかきくもる日は言ふかたぞなき(和泉式部)
299 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:14:40 ID:xNKe4FuU
なげきつつ秋のみ空をながむれば雲うちさわぎ風ぞはげしき(敦道親王)
300 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:16:19 ID:xNKe4FuU
まどろまであはれ幾日になりぬらむただ雁がねを聞くわざにして(和泉式部)
301 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:17:31 ID:xNKe4FuU
秋の夜の有明の月の入るまでにやすらひかねてかへりにしかな(敦道親王)
302 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:30:36 ID:xNKe4FuU
惜しまるる涙にかげはとまらなむ心も知らず秋はゆくとも(和泉式部)
303 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:32:38 ID:xNKe4FuU
霜がれは侘しかりけり秋風の吹くには荻のおとづれもしき(和泉式部)
304 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:33:41 ID:xNKe4FuU
君は君われはわれとも隔てねばこころごころにあらむものかは(和泉式部)
305 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:51:44 ID:xNKe4FuU
絶えしころ絶えねと思ひし玉の緒の君によりまた惜しまるるかな(和泉式部)
306 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 00:53:26 ID:xNKe4FuU
いとどしく物ぞかなしきさだめなき君はわが身のかぎりと思ふに(和泉式部)
307 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:07:19 ID:xNKe4FuU
わが魂のかよふばかりの道もがなまどはむほどに君をだに見む(和泉式部)
308 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:08:46 ID:xNKe4FuU
津の国のこやとも人を言ふべきにひまこそなけれ葦の八重葺き(和泉式部)
309 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:10:06 ID:xNKe4FuU
ひまなくぞなにはのこともなげかるるこや津の国の葦の八重葺き(相模)
310 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:11:18 ID:xNKe4FuU
津の国の葦のやへぶき五月雨はひまこそなけれ軒の玉水(藤原為家)
311 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:12:34 ID:xNKe4FuU
人しれず物をぞ思ふつのくにのこやのしの屋や隙もなきまで(後村上天皇)
312 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:18:51 ID:xNKe4FuU
とぶ蛍ひまこそなけれ五月雨に蘆の八重ぶき朽ちやはつらむ(木下長嘯子)
313 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:19:52 ID:xNKe4FuU
とことはにあはれあはれはつくすとも心にかなふものか命は(和泉式部)
314 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:20:58 ID:xNKe4FuU
なげきあまりあくがれ出づる玉なりと君がつまにしむすびとどめば(源通親)
315 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:22:05 ID:xNKe4FuU
さゆりばのしられぬ恋もあるものを身よりあまりてゆく蛍かな(藤原定家)
316 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 01:23:13 ID:xNKe4FuU
ものおもへばあくがれいづる玉河のうき瀬にもえてとぶ蛍かな(飛鳥井雅有)
317 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:23:50 ID:xNKe4FuU
行く蛍あくがれいづる玉ならばつれなき袖の中にとどまれ(正徹)
318 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:24:56 ID:xNKe4FuU
もえわたる沢の蛍をうき人に見せばや身にもあまるおもひと(祇園梶子)
319 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:26:23 ID:xNKe4FuU
花ゆゑにあかぬ別れはならひけむ思ひしらずもかへる春かな(丹後)
320 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:29:53 ID:xNKe4FuU
いかでわれ此の世の外の思ひ出に風をいとはで花をながめむ(西行)
321 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:33:08 ID:xNKe4FuU
あらざらむ後の世までを怨みてもその面影をえこそ疎まね(藤原定家)
322 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:34:19 ID:xNKe4FuU
せめておもふ今一度のあふことはわたらむ河や契なるべき(藤原定家)
323 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:35:48 ID:xNKe4FuU
あらざらむ我が世の後の秋までも思ひおかるるやどの月かげ(伴蒿蹊)
324 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:46:25 ID:xNKe4FuU
あらざらむ後と思ひし長月のこよひの月も此の世にてみし(香川景樹)
325 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:47:56 ID:xNKe4FuU
在らざらむこの夜ののちを言はなくに天心秋をひたす面影(山中智恵子)
326 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 14:48:58 ID:xNKe4FuU
荻の葉のそよそのこととなけれども秋風吹けば物ぞかなしき(衣笠家良)
327 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 23:56:34 ID:xNKe4FuU
かたらひし声ぞ恋しき俤はありしそながら物も言はねば(和泉式部)
328 :
名無氏物語:2009/05/21(木) 23:58:18 ID:xNKe4FuU
はかなしとまさしく見つる夢の世をおどろかでぬる我は人かは(和泉式部)
329 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:00:13 ID:xNKe4FuU
ひたすらに別れし人のいかなれば胸にとまれる心地のみする(和泉式部)
330 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:25:25 ID:KQ2ZCi5M
あまてらす神も心あるものならば物思ふ春は雨なふらせそ(和泉式部)
331 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:27:00 ID:KQ2ZCi5M
身よりかく涙はいかがながるべき海てふ海は潮やひぬらむ(和泉式部)
332 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:45:10 ID:KQ2ZCi5M
身をわけて涙の川のながるればこなたかなたの岸とこそなれ(和泉式部)
333 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:47:27 ID:KQ2ZCi5M
君をまたかく見てしがなはかなくて去年は消えにし雪も降るめり(和泉式部)
334 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:52:49 ID:KQ2ZCi5M
君がため若菜つむとて春日野の雪まをいかにけふはわけまし(和泉式部)
335 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:53:53 ID:KQ2ZCi5M
夕暮はいかなる時ぞ目にみえぬ風の音さへあはれなるかな(和泉式部)
336 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:55:09 ID:KQ2ZCi5M
なぐさめて光の間にもあるべきを見えては見えぬ宵の稲妻(和泉式部)
337 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:56:03 ID:KQ2ZCi5M
寝覚する身を吹きとほす風の音を昔は耳のよそに聞きけむ(和泉式部)
338 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:57:27 ID:KQ2ZCi5M
すまのあまの身を吹きとほす浦風にもしほの袖やいとどさむけき(後鳥羽院)
339 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 00:58:17 ID:KQ2ZCi5M
夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ(和泉式部)
340 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:35:47 ID:KQ2ZCi5M
明けぬとや今こそ見つれ暁の空は恋しき人ならねども(和泉式部)
341 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:38:15 ID:KQ2ZCi5M
おちそひてあはれのこさぬ涙かな寝覚や恋のかぎりなるらむ(後花園院)
342 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:39:20 ID:KQ2ZCi5M
我が恋ふる人は来たりといかがせむおぼつかなしや明けぐれの空(和泉式部)
343 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:40:54 ID:KQ2ZCi5M
などて君むなしき空に消えにけむあは雪だにもふればふるよに(和泉式部)
344 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:42:06 ID:KQ2ZCi5M
この身こそ子のかはりには恋しけれ親恋しくは親を見てまし(和泉式部)
345 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:43:35 ID:KQ2ZCi5M
もろともに苔の下にはくちずして埋もれぬ名を見るぞかなしき(和泉式部)
346 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:53:54 ID:KQ2ZCi5M
かき撫でて生ほしし髪のすじことになりはてぬるを見るぞ悲しき(和泉式部)
347 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:55:04 ID:KQ2ZCi5M
たらちめの諌めしものをつれづれとながむるをだに問ふ人もなし(和泉式部)
348 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:56:25 ID:KQ2ZCi5M
笹の葉の露ばかりだに足乳根のいさめしものを酔ひに酔ひつつ(千種有功)
349 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 01:57:35 ID:KQ2ZCi5M
るりの地と人も見つべしわが床は涙の玉としきにしければ(和泉式部)
350 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:01:47 ID:KQ2ZCi5M
暮れぬなり幾日をかくてすぎぬらむ入相の鐘のつくづくとして(和泉式部)
351 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:06:29 ID:KQ2ZCi5M
すみなれし人かげもせぬ我が宿に有明の月の幾夜ともなく(和泉式部)
352 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:07:09 ID:KQ2ZCi5M
おしなべて花は桜になしはてて散るてふことのなからましかば(和泉式部)
353 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:08:38 ID:KQ2ZCi5M
みな人をおなじ心になしはてて思ふ思はぬなからましかば(和泉式部)
354 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:21:33 ID:KQ2ZCi5M
世の中に憂き身はなくてをしと思ふ人の命をとどめましかば(和泉式部)
355 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:22:21 ID:KQ2ZCi5M
我に誰あはれをかけむ思ひ出のなからむのちぞ悲しかりける(和泉式部)
356 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:24:47 ID:KQ2ZCi5M
いかにしていかがはすべきなげきわびそむけばかなしふればうらめし(藤原高遠)
357 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:26:44 ID:KQ2ZCi5M
しのぶべき人もなき身はある時にあはれあはれと言ひやおかまし(和泉式部)
358 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:27:46 ID:KQ2ZCi5M
あはれあはれ思へばかなしつひの果てしのぶべき人たれとなき身を(式子内親王)
359 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 02:29:21 ID:KQ2ZCi5M
かへらぬは齢なりけり年のうちにいかなる花かふたたびは咲く(和泉式部)
360 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:23:11 ID:KQ2ZCi5M
あさましやつるぎの枝のたわむまでこは何の身のなれるなるらむ(和泉式部)
361 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:25:43 ID:KQ2ZCi5M
五月闇こかげ山陰くらきよりくらきに入りて照射すらしも(契沖)
362 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:26:54 ID:KQ2ZCi5M
生くべくも思ほえぬかな別れにし人の心ぞ命なりける(和泉式部)
363 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:28:04 ID:KQ2ZCi5M
かつきえぬ涙が磯のあはびゆゑ海てふ海はかづきつくしつ(坂上是則)
364 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:29:27 ID:KQ2ZCi5M
浅みどり野原の霞ほのぼのと遠かた人の袖ぞ消えゆく(後鳥羽院)
365 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:30:36 ID:KQ2ZCi5M
明けぼのや河瀬の浪の高瀬舟くだすか人の袖の秋霧(源通光)
366 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 09:31:43 ID:KQ2ZCi5M
明けぬなり遠かた人もあぶくまの河せの霧に袖の見えゆく(兵衛内侍)
367 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:50:13 ID:KQ2ZCi5M
舟よする遠かた人の袖みえて夕霧うすき秋の川浪(宗尊親王)
368 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:51:29 ID:KQ2ZCi5M
野べの尾花きえもてくれや夕霧にをちかた人の袖ぞちかづく(正徹)
369 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:54:38 ID:KQ2ZCi5M
明けぬるか松原づたひゆく人の菅の小笠の白く見ゆるは(足代弘訓)
370 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:56:01 ID:KQ2ZCi5M
山の端はそこともわかぬ夕ぐれに霞をいづる春の夜の月(宗尊親王)
371 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:57:26 ID:KQ2ZCi5M
おほえ山いく野の道のとほければまだふみもみず天の橋立(小式部内侍)
372 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:58:31 ID:KQ2ZCi5M
ふみもみぬいく野のよそにかへる雁かすむ浪間のまつとつたへよ(藤原定家)
373 :
名無氏物語:2009/05/22(金) 23:59:32 ID:KQ2ZCi5M
おほえ山こかげもとほくなりにけりいく野のすゑの夕立の空(藤原雅経)
374 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:11:17 ID:qVk6Z9Qv
おほえ山いく野の道の長き夜に露をつくしてやどる月かな(後鳥羽院)
375 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:13:38 ID:qVk6Z9Qv
草の原いくのの末にしらるらん秋風ぞ吹く天の橋立(順徳院)
376 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:15:13 ID:qVk6Z9Qv
夏草は繁りにけりな大江山こえていく野の道もなきまで(藤原忠定)
377 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:16:30 ID:qVk6Z9Qv
大江山こえていく野の末とほみ道ある世にもあひにけるかな(藤原範兼)
378 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:17:57 ID:qVk6Z9Qv
ふる雪に生野の道の末まではいかがふみみん天の橋立(正親町院右京大夫)
379 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:19:45 ID:qVk6Z9Qv
思ふよりいとどいく野の道たえてまだふみもみずつもる雪かな(少将内侍)
380 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:42:44 ID:qVk6Z9Qv
おほえ山いく野の道もまだ見ねばただ恋ひわたる天の橋立(飛鳥井雅有)
381 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:50:28 ID:qVk6Z9Qv
大江山過ぎしいく野のなぐさめに日をわたるべき天の橋立(後柏原院)
382 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:51:14 ID:qVk6Z9Qv
かけていはば遠き道かは人の世も神代のままの天の浮橋(三条西実隆)
383 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 00:52:21 ID:qVk6Z9Qv
大江山とほしとみえしほどもなくいく野のすゑにかかる夕立(中院通勝)
384 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:06:57 ID:qVk6Z9Qv
たよりありて待たれし雲の上人もけふふみそむる天の橋立(細川幽斎)
385 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:08:23 ID:qVk6Z9Qv
恋ひわたる天の橋立ふみみても猶つれなしや与謝のうら松(松永貞徳)
386 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:10:01 ID:qVk6Z9Qv
浪の音に聞きつたへても思ふぞよふみ見ばいかに天の橋立(後水尾院)
387 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:11:09 ID:qVk6Z9Qv
さらにその天のはしだてふみも見じいく野の末にかすむ雁がね(契沖)
388 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:40:15 ID:qVk6Z9Qv
年をへて思ひわたりししるしにや今日ふみ見たる天の橋立(田捨女)
389 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:41:23 ID:qVk6Z9Qv
おほえ山いくへかすみて丹波路やいく野のすゑに春風ぞふく(清水浜臣)
390 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:42:28 ID:qVk6Z9Qv
春を惜しみ折る一枝の八重桜ここのへにもと思ふばかりぞ(藤原雅経)
391 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:43:12 ID:qVk6Z9Qv
形見とはならの都の八重ざくら昔もとほくふりぬ色かな(木下長嘯子)
392 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 01:44:33 ID:qVk6Z9Qv
八重桜色はむかしにかよへども奈良の都ぞ荒れまさりゆく(契沖)
393 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:07:13 ID:qVk6Z9Qv
世に似ずよけふ九重に咲く菊の花にやどれる露の光は(冷泉為村)
394 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:09:03 ID:qVk6Z9Qv
九重を一重散らせし八重桜けふこの里に匂ひぬるかな(遊女玉つる)
395 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:10:24 ID:qVk6Z9Qv
ききつともいかがかたらん郭公をちの山べのよはのひと声(藤原教長)
396 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:13:09 ID:qVk6Z9Qv
ききつともおもひさだめずほととぎす今一声はしのばずもがな(村田春海)
397 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:15:40 ID:qVk6Z9Qv
あまつ空おのが羽風やはらふらむ雲にわかるる初雁のこゑ(冷泉為尹)
398 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:17:23 ID:qVk6Z9Qv
霧まよふ秋の空にはことごとにたつとも見えぬ恋のけぶりを(伊勢大輔)
399 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 02:18:24 ID:qVk6Z9Qv
世をすつる我がすみぞめの袖ふれてをるもやさしき女郎花かな(慈円)
400 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:46:12 ID:qVk6Z9Qv
天の原へだてぬ月をしるべにてもろこしまでも行く心かな(寂然)
401 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:47:10 ID:qVk6Z9Qv
月清みねられぬ夜しももろこしの雲の夢までみる心ちする(藤原定家)
402 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:48:24 ID:qVk6Z9Qv
夢ならでまたもろこしのまぢかきは月みる夜半の心なりけり(二条為子)
403 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:49:26 ID:qVk6Z9Qv
限りなく悲しきものは燈火の消えての後の寝覚なりけり(香川景樹)
404 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:50:31 ID:qVk6Z9Qv
すはゑする小笹が原のそよまさに人忘るべきわが心かは(曾禰好忠)
405 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:52:01 ID:qVk6Z9Qv
もろともに猪名の笹原道たえてただふく風の音にきけとや(藤原定家)
406 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 09:53:12 ID:qVk6Z9Qv
行き暮らす猪名の笹原そよさらに霰ふりきぬ宿はなくして(藤原為家)
407 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:08:23 ID:qVk6Z9Qv
風わたる猪名の笹原そよさらにうきふししげく露ぞ乱るる(九条教実)
408 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:09:06 ID:qVk6Z9Qv
うらみばや猪名の笹原とにかくにいでそよつらきふしのしげさを(宗尊親王)
409 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:09:56 ID:qVk6Z9Qv
鹿のこゑ虫の音もまだ有馬山ゐなの笹原そよや初雪(木下長嘯子)
410 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:11:55 ID:qVk6Z9Qv
荻の葉に秋風たちし夕べよりいでそよさらに誰か恋しき(木下長嘯子)
411 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:16:39 ID:qVk6Z9Qv
暮るる日の猪名のささ原風たちぬいでそよ夏を忘るばかりに(中院通勝)
412 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:17:31 ID:qVk6Z9Qv
風吹けばいでそよ今もささがにの袖にかかりし暮ぞ忘れぬ(下河辺長流)
413 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:18:22 ID:qVk6Z9Qv
春風はそよとばかりの音もなし霞みわたれる猪名の笹原(契沖)
414 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:19:45 ID:qVk6Z9Qv
春といひし人に見せばや津の国の遠里をのの秋萩の花(藤原俊成)
415 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:21:21 ID:qVk6Z9Qv
見せばやな海づら遠くかすみゆく難波の御津の春のあけぼの(武田信玄)
416 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 10:23:03 ID:qVk6Z9Qv
夕附日かすみの西にかたぶきて入あひの鐘に春ぞのこれる(土御門院)
417 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:31:41 ID:qVk6Z9Qv
暮れかかる入会の鐘の声きけば寺もふる木の花ぞちりける(他阿)
418 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:32:59 ID:qVk6Z9Qv
きのふこそ花もちりしかいとはやも梢の夏に成りにけるかな(宗尊親王)
419 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:34:38 ID:qVk6Z9Qv
わが宿のこずゑの夏に春ならぬ春をみせたる遅桜かな(松永貞徳)
420 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:35:56 ID:qVk6Z9Qv
しぐれふるみむろの山のもみぢ葉はたがおりかけし錦なるらん(大江匡房)
421 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:37:05 ID:qVk6Z9Qv
嵐吹く大江の山のもみぢ葉は生野におれる錦なるらん(俊盛法師)
422 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:38:08 ID:qVk6Z9Qv
秋にあへぬみむろの山のもみぢばは草葉をかけていつしぐれけん(藤原為家)
423 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:39:17 ID:qVk6Z9Qv
紅葉ばは立田の河の水のあやにかさねておれる錦なりけり(二条為藤)
424 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:53:27 ID:qVk6Z9Qv
虫のねも月のひかりも風のおともわが恋ますは秋にぞありける(能因)
425 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:54:16 ID:qVk6Z9Qv
わび人は外つ国ぞよき咲きて散る花の都はいそぎのみして(能因)
426 :
名無氏物語:2009/05/23(土) 23:55:14 ID:qVk6Z9Qv
月草に衣はそめよ都びと妹を恋ひつついやかへるがに(能因)
427 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:02:55 ID:SjdD2vXC
光そふ野田の玉川月きよみ夕しほ千鳥よはに鳴くなり(後鳥羽院)
428 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:05:32 ID:SjdD2vXC
幾とせにかへりきぬらむ引きうゑし松の木蔭にけふ涼むかな(能因)
429 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:18:45 ID:SjdD2vXC
あふ坂の杉まもりくる月ゆゑにをぶちにみゆる甲斐のくろ駒(惟明親王)
430 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:19:30 ID:SjdD2vXC
さえかへり猶ふる雪にまきの名のをぶちにみゆる春の若こま(橘千蔭)
431 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:20:21 ID:SjdD2vXC
雁かへる初瀬の花のいかなれや月はいづくも同じ春の夜(後鳥羽院)
432 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:22:08 ID:SjdD2vXC
松風はいづくもおなじ声なるを高津の宮の秋の夕暮(慈円)
433 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:23:21 ID:SjdD2vXC
をしみかねて花なき里をながむればいづくもおなじ春の山風(慈円)
434 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:26:53 ID:SjdD2vXC
柴のいほにすみえて後ぞ思ひしるいづくもおなじ夕暮の空(慈円)
435 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 00:27:58 ID:SjdD2vXC
秋よただながめすてても出でなましこの里のみの夕べと思はば(藤原定家)
436 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:01:57 ID:SjdD2vXC
春やあらぬ宿をかごとに立出づればいづこもおなじかすむ夜の月(藤原定家)
437 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:03:58 ID:SjdD2vXC
とはばやないづくも同じながめかと高麗もろこしの秋のゆふ暮(大内政弘)
438 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:05:47 ID:SjdD2vXC
あしがちる難波の里の夕ぐれはいづくもおなじ秋かぜぞふく(賀茂真淵)
439 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:07:21 ID:SjdD2vXC
いかにせむいづくも同じさびしさと聞きてもたへぬ秋の夕暮(本居宣長)
440 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:08:18 ID:SjdD2vXC
さびしさに草の庵を出でてみれば稲葉おしなみ秋風ぞ吹く(良寛)
441 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:09:18 ID:SjdD2vXC
あまつ風雲吹払ふ秋の夜は月よりほかの物なかりけり(藤原顕輔)
442 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:11:05 ID:SjdD2vXC
跡もなくやがてぞ霞む夕日影いるまで見つるをちの山の端(頓阿)
443 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:12:08 ID:SjdD2vXC
今よりは心ゆるさじ月かげの行方もしらず人さそひけり(藤原家経)
444 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:21:52 ID:SjdD2vXC
音にのみ聞く高砂の松風に都の秋を思ひ出でよ君(藤原家経)
445 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 01:22:49 ID:SjdD2vXC
夕暮のひとむら雲の山めぐり時雨はつれば軒端もる月(藤原良経)
446 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:49:08 ID:SjdD2vXC
もろともに山辺をめぐる村時雨さても憂き世にふるぞ悲しき(聖覚)
447 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:51:44 ID:SjdD2vXC
みちのくの安達の真弓そりたかみおしかへしても惜しき春かな(衣笠家良)
448 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:52:39 ID:SjdD2vXC
秋もいなばいとど故郷あれまくもおしかへしてもいかがとどめむ(藤原為家)
449 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:53:52 ID:SjdD2vXC
忘れねよこれは限りぞとばかりの人づてならぬ思ひ出でも憂し(藤原定家)
450 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:54:47 ID:SjdD2vXC
おなじくは思ひ絶えなむ言の葉を人づてならで言ふにかへばや(藤原助連)
451 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:55:35 ID:SjdD2vXC
遥かなる生駒の山のほととぎす人伝ならで聞くよしもなし(熊谷直好)
452 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 13:56:20 ID:SjdD2vXC
さだめなき時雨の雲のたえまかなさてや紅葉のうすくこからむ(藤原定家)
453 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:07:13 ID:SjdD2vXC
おく霜や染めはづすらむ紅葉ばのむらごに見ゆるはした山かな(源俊頼)
454 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:11:09 ID:SjdD2vXC
木枯しに嶺の木の葉やたぐふらんむらごに見ゆる滝のしらいと(西行)
455 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:12:50 ID:SjdD2vXC
ゆふ日さすかたより霜のかつ消えてむらごにみゆる庭の紅葉葉(細川幽斎)
456 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:14:26 ID:SjdD2vXC
あはれにも恋こそ人のいのりとはけふやはじめて神もしるらむ(慈円)
457 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:15:23 ID:SjdD2vXC
よしたのめ恋こそ人のいのるとも御祓をうけぬ神はしるらん(正徹)
458 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:16:17 ID:SjdD2vXC
すむ人もなき山里の池のおもはやどる月さへさびしかりけり(藤原定頼)
459 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:17:08 ID:SjdD2vXC
霧はるる浜名の橋のたえだえにあらはれわたる松のしき浪(藤原定家)
460 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:18:08 ID:SjdD2vXC
隔てつるまきのを山もたえだえに霞ながるる宇治の川なみ(源家長)
461 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:29:32 ID:SjdD2vXC
時雨れつる峰の村雲たえだえにあらはれわたる冬の夜の月(藤原信実)
462 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 14:30:44 ID:SjdD2vXC
日影さす嶺のかけ橋たえだえにあらはれわたる秋の夕霧(二条為氏)
463 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:36:51 ID:SjdD2vXC
たえだえにあまの家島あらはれて浦わの霧に浪のよるみゆ(正徹)
464 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:38:38 ID:SjdD2vXC
つつまれし野中の水のたえだえにかげあらはれてのこる冬草(烏丸光広)
465 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:40:04 ID:SjdD2vXC
つつみこし思ひの霧のたえだえに身をうぢ川の瀬瀬の網代木(後水尾院)
466 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:42:29 ID:SjdD2vXC
おきつ風あかつきかけて笹島の磯こす波に千鳥鳴くなり(飛鳥井雅有)
467 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:43:23 ID:SjdD2vXC
なにか思ふなにをか嘆く春の野に君よりほかに菫つませじ(相模)
468 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:44:33 ID:SjdD2vXC
梅が枝に軒のしがらみかけてけり花の関守ささがにの糸(寂蓮)
469 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:46:39 ID:SjdD2vXC
この頃の空なつかしき春風に世は梅が香のほかなかりけり(木下長嘯子)
470 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:48:16 ID:SjdD2vXC
五月雨の空なつかしく立花の匂ひをさそふ軒の夕風(田安宗武)
471 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:56:24 ID:SjdD2vXC
五月雨は美豆の御牧の深き江にすみかへりぬる我が心かな(慈円)
472 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 22:57:30 ID:SjdD2vXC
船とむる美豆の御牧の真菰草からでかりねの枕にぞしく(俊成卿女)
473 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:02:30 ID:SjdD2vXC
大あらきの森の下風吹くままに一葉づつ散る本柏かな(覚性法親王)
474 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:03:58 ID:SjdD2vXC
峰に吹く風にこたふる下紅葉一葉の音に秋ぞ聞こゆる(藤原定家)
475 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:05:15 ID:SjdD2vXC
手にならす扇の風も忘られて閨もる月の影ぞすずしき(藻壁門院但馬)
476 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:07:44 ID:SjdD2vXC
沖つ風よさむになれや田子浦のあまのもしほ火たきまさるらむ(越前)
477 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:10:25 ID:SjdD2vXC
比えの根に初雪ふれり今よりや小野の炭がまたき増るらむ(香川景樹)
478 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:24:12 ID:SjdD2vXC
あはれなり暮れゆく年の日かずかな老のつもりは八十路あまれば(蓮如)
479 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:25:11 ID:SjdD2vXC
今こむとただなほざりのことのはを待つとはなくて夕暮の空(宮内卿)
480 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:26:15 ID:SjdD2vXC
思ひ侘び絶ゆる命もあるものをあふ名のみやは儚かるべき(小侍従)
481 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:27:56 ID:SjdD2vXC
ちつかまでたつる錦木いたづらにあはで朽ちなむ名こそ惜しけれ(藤原定家)
482 :
名無氏物語:2009/05/24(日) 23:29:18 ID:SjdD2vXC
春ごとに吉野の嶽にかかる雲の心そらなる山桜かな(後鳥羽院)
483 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:11:27 ID:1VZnk5nt
かづらきや花のさかりをよそに見て心そらなる峰の白雲(兼好)
484 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:12:20 ID:1VZnk5nt
生くべくもおもほえぬかな別れにし人の心ぞ命なりける(和泉式部)
485 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:13:29 ID:1VZnk5nt
ありふるも苦しかりけり長からぬ人の心を命ともがな(相模)
486 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:15:21 ID:1VZnk5nt
うきてのみ末も流れぬ沼ならば影見る折あらじとぞ思ふ(相模)
487 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:16:46 ID:1VZnk5nt
あぢきなくうつし心のかへりこでゆくらむかたの夕暮の空(藤原雅経)
488 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:18:39 ID:1VZnk5nt
かへる雁ゆくらむかたを山の端のかすみのよそに思ひやるかな(津守国助)
489 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:37:45 ID:1VZnk5nt
秋のいま行くらむかたを紅葉ちる嵐につけて思ひこそやれ(藤原行家)
490 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:43:42 ID:1VZnk5nt
光あらむ玉の男子見てしがな掻き撫でつつも生ほしたつべき(相模)
491 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:52:16 ID:1VZnk5nt
いづれをかまづ憂へまし心にはあたはぬことの多くもあるかな(相模)
492 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 00:54:32 ID:1VZnk5nt
しのぶれど心のうちにうごかれてなほ言の葉にあらはれぬべし(相模)
493 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:09:24 ID:1VZnk5nt
手にとらむと思ふ心はなけれどもほの見し月の影ぞこほしき(相模)
494 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:10:53 ID:1VZnk5nt
いつくしき君が面影あらはれてさだかにつぐる夢をみせなむ(相模)
495 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:12:24 ID:1VZnk5nt
寝る魂のうちにあはせしよきことをゆめゆめ神よちがへざらなむ(相模)
496 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:16:57 ID:1VZnk5nt
いにしへもひとりながめし月なれどかくやは袖の露けかりける(小沢蘆庵)
497 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:17:56 ID:1VZnk5nt
なほざりの人の契の夕暮にいでて入りぬる月もうらめし(藤原家隆)
498 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:18:52 ID:1VZnk5nt
人の子の親になりてぞ我が親の思ひはいとど思ひ知らるる(康資王母)
499 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:21:15 ID:1VZnk5nt
たらちねの親をば捨ててこはいかに人の子をのみ思ふ我こそ(伊勢大輔)
500 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:22:23 ID:1VZnk5nt
子を思ふ親の心は人の子の親となりてぞ思ひ知りてき(賀茂季鷹)
501 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:40:01 ID:1VZnk5nt
もろこしも天の下にぞありと聞くこの日の本は忘れざらなん(成尋阿闍梨母)
502 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 01:42:18 ID:1VZnk5nt
涙川なくなくなりて絶えぬとも流れけりとはあとに来て見よ(成尋阿闍梨母)
503 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:01:59 ID:1VZnk5nt
荒ましき雨の音にも遥かなるこのもといかが時雨ふるらん(成尋阿闍梨母)
504 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:03:42 ID:1VZnk5nt
拝むともまつにいり日の暮れぬめり猶いとはしき天の下かな(成尋阿闍梨母)
505 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:05:29 ID:1VZnk5nt
朝日まつ露の罪なく消えはてば夕べの月はさそはざらめや(成尋阿闍梨母)
506 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:06:15 ID:1VZnk5nt
世の中を何にたとへんあかねさす朝日待つ間の萩の上の露(源順)
507 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:07:29 ID:1VZnk5nt
月も出でで闇に暮れたる姨捨になにとて今宵たづね来つらむ(菅原孝標女)
508 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:08:21 ID:1VZnk5nt
あはれいかでいづれの世にか巡り逢ひてありし有明の月を見るべき(菅原孝標女)
509 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:18:31 ID:1VZnk5nt
吉野山花やちるらむあまの川雲のつつみをくづす白波(藤原俊成)
510 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:29:38 ID:1VZnk5nt
みなかみに花やちるらむ吉野山にほひをそふる滝の白糸(藤原定家)
511 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 02:30:37 ID:1VZnk5nt
春たけて紀の川しろくながるめり吉野のおくに花や散るらむ(北条泰時)
512 :
し:2009/05/25(月) 08:20:05 ID:+hqB9y0g
殺害者の一致も和歌にみえます
513 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 09:48:14 ID:1VZnk5nt
ふきのぼる木曾の御坂の谷風に梢もしらぬ花をみるかな(鴨長明)
514 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 09:58:26 ID:1VZnk5nt
草枕おもかげさらぬ古郷の夢路になどか遠ざかるらむ(頓阿)
515 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:00:22 ID:1VZnk5nt
幾世とも宿はこたへず門田吹く稲葉の風の秋のおとづれ(藤原定家)
516 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:01:59 ID:1VZnk5nt
野中なる葦のまろやに秋すぎてかたぶく軒に雪おもるなり(藤原良経)
517 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:03:47 ID:1VZnk5nt
稲葉吹く葦の丸屋の秋風にねぬ夜をさむみすめる月かげ(藤原行家)
518 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:05:51 ID:1VZnk5nt
夜半の風麦の穂だちにおとづれて蛍とぶべく野はなりにけり(香川景樹)
519 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:07:27 ID:1VZnk5nt
夕されば雲雀の声のさざなみを麦生によせて春風ぞ吹く(加納諸平)
520 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:10:07 ID:1VZnk5nt
さすらふる身はなにぞとよ秋深み生駒の山の月しみつれば(源経信)
521 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 10:10:59 ID:1VZnk5nt
おのづから月の光となりにけり雲ふきはらふ夜はの秋風(村田春海)
522 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:11:21 ID:mS1VhDL/
木の葉ちる下やすぎつる旅人の菅のを笠に錦かけたり(藤原教長)
523 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:13:49 ID:mS1VhDL/
志賀のやま花の下ゆく旅人のすげのを笠につもる白雪(後鳥羽院)
524 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:15:26 ID:mS1VhDL/
初雪になりにけるかな神な月朝くもりかと眺めつるまに(源経信)
525 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:16:42 ID:mS1VhDL/
雲はらふ比良のあらしに月さえて氷かさぬる真野のうら波(源経信)
526 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:32:32 ID:8WL6YXXI
心にもあらで憂き世に存へば恋しかるべき夜半の月かな(三条院)
527 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:38:31 ID:mS1VhDL/
忘れずやかざしの花の夕ばえも赤紐かけし小忌の姿は(源経信)
528 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:40:29 ID:mS1VhDL/
さらでだにつきじとぞ思ふ君が代を御裳すそ川になほ祈るかな(宗尊親王)
529 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:41:44 ID:mS1VhDL/
君が代はあまつ日影のくもりなくてらむかぎりはつきじとぞ思ふ(後崇光院)
530 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:44:34 ID:mS1VhDL/
なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふ沖つ白波(藤原実定)
531 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:48:20 ID:mS1VhDL/
春の色はけふこそ三津のうらわかみ葦のうら葉をあらふ白波(藤原定家)
532 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 00:50:02 ID:mS1VhDL/
かもめなく入江に塩のみつなへに蘆のうら葉をあらふ白波(後鳥羽院)
533 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:02:54 ID:mS1VhDL/
立ちよればすずしくなりぬ松かげのきよき渚をあらふ白浪(蓮愉)
534 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:04:02 ID:mS1VhDL/
わたの原とほき磯辺の岩こえてこゆるは雲をあらふ白浪(正徹)
535 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:39:32 ID:mS1VhDL/
もろともに老木の梅の陰にきてまたこの春も花をみるかな(玄誉)
536 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:41:15 ID:mS1VhDL/
吉野山もみぢ散るらし我が宿の木ずゑゆるぎて秋風のふく(源頼実)
537 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:42:53 ID:mS1VhDL/
夏の夜はならの葉そよぐ風よりも月のかつらの影ぞ涼しき(藤原家隆)
538 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:45:12 ID:mS1VhDL/
旅衣夜はのかたしきさえさえて野中の庵に雪降りにけり(源実朝)
539 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:48:12 ID:mS1VhDL/
相坂も花咲くころは吹く風をなこその関といひやかへまし(木下長嘯子)
540 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:49:07 ID:mS1VhDL/
散りかかる花やむかしのわぎもこが重ねし袖の匂ひなるらむ(菅原在良)
541 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:52:36 ID:mS1VhDL/
年ふれど老いもせずして和歌の浦にいく代になりぬ玉津島姫(津守国基)
542 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 01:54:00 ID:mS1VhDL/
わぎもこが額の髪の乱れよりたわき眉根を見しが恋しき(津守国基)
543 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:10:50 ID:mS1VhDL/
しでの山わけもならはぬ道しばの露もろともに君や越ゆらん(木下長嘯子)
544 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:11:59 ID:mS1VhDL/
月かげにみな白妙の心ちしてうつろふ色は明けてこそ見め(橘為仲)
545 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:13:34 ID:mS1VhDL/
舟とめて見れどもあかず松風に波よせかくる天の橋立(祐子内親王家紀伊)
546 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:14:28 ID:mS1VhDL/
行く末もはるかにや見むさくら花岩間をいづる水にやどして(四条宮下野)
547 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:16:53 ID:mS1VhDL/
鶯をたづぬと思へば雪消えぬ深山がくれは春ぞうれしき(四条宮下野)
548 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:18:22 ID:mS1VhDL/
こぞもさぞただうたた寝の手枕にはかなくかへる春の夜の夢(藤原定家)
549 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 02:19:39 ID:mS1VhDL/
たがかたによるのまくらの雁のこゑ名残も春の夢ばかりなる(三条西実隆)
550 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:30:13 ID:mS1VhDL/
見果つるを思へばあやし春の夜の夢ばかりなる夢の枕に(中院通村)
551 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:31:43 ID:mS1VhDL/
春の夜の夢ばかりなる枕頭にあっあかねさす召集令状(恂{邦雄)
552 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:34:59 ID:mS1VhDL/
古へはついゐし宿もあるものを何をか忍ぶしるしにはせん(西行)
553 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:35:52 ID:mS1VhDL/
かすみゆくままに汀やへだつらむまた遠ざかる志賀の浦波(藤原雅経)
554 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:37:39 ID:mS1VhDL/
峰さむき比良の山おろし雪散りて汀氷れる志賀の浦波(藤原雅経)
555 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:38:29 ID:mS1VhDL/
明方は遠の汀に氷してかへりて近き志賀の浦波(後鳥羽院)
556 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:39:52 ID:mS1VhDL/
汀よりむすぶ氷やとどむらむよせてかへらぬ志賀の浦波(源実朝)
557 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:53:32 ID:mS1VhDL/
遠ざかるみぎはも分かずにほてるや月の氷の秋のうら波(藤原為家)
558 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:57:43 ID:mS1VhDL/
埼玉の池のみぎはやこほるらむ鴨の羽音の遠ざかりゆく(加藤枝直)
559 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 14:59:03 ID:mS1VhDL/
まどはずなくららの花のくらきよに我もたなびけ燃えんけぶりに(藤原顕綱)
560 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:01:54 ID:mS1VhDL/
きて見ればわが古里は荒れにけり庭もまがきも落葉のみして(良寛)
561 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:02:37 ID:mS1VhDL/
むかし見し妹が垣根は荒れにけり茅花まじりの菫のみして(藤原公実)
562 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:04:51 ID:mS1VhDL/
我もさは入りやしなまし時鳥山路にかへる一声により(藤原公実)
563 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:09:56 ID:mS1VhDL/
しをりしてゆく人もがな秋はぎの花のみだれに道もしられず(藤原公実)
564 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:12:54 ID:mS1VhDL/
遠妻は野辺のはつ草かりそめの夢のうちにも逢ふぞうれしき(藤原公実)
565 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:15:26 ID:mS1VhDL/
ほのぼのと花はと山にあらはれて雲にかすみのあけはなれゆく(藤原良経)
566 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 15:16:51 ID:mS1VhDL/
高砂の尾上のはなの雲井には外山の霞およぶものかは(後柏原院)
567 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:47:36 ID:mS1VhDL/
山鳥のをのへの桜咲きにけり長き日さらず雲のかかれる(小沢蘆庵)
568 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:49:44 ID:mS1VhDL/
いづれをかわきて折らまし梅の花枝もたわわにふれる白雪(凡河内躬恒)
569 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:52:12 ID:mS1VhDL/
別れにしそのよの空のけしきより憂きは今日まで思ひしりにき(藤原公衡)
570 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:53:05 ID:mS1VhDL/
片岡のあしたの原をうちみれば山ほととぎす今ぞなくなる(伊勢)
571 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:54:32 ID:mS1VhDL/
吉野山花の香まどふ朝霧にしをれもはてぬ鶯のこゑ(加納諸平)
572 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:55:34 ID:mS1VhDL/
朝曇りおぼつかなくも降る雨に独りしをれぬ鶯のこゑ(幽真)
573 :
名無氏物語:2009/05/26(火) 23:56:45 ID:mS1VhDL/
花なれや山の高ねの雲居より春のみおとす滝の白糸(藤原良経)
574 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:11:43 ID:yYx479xd
那智の山雲井にみゆる岩ねより千尋にかかる滝のしら糸(九条道家)
575 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:13:26 ID:yYx479xd
桜花咲きそめしより高砂の尾上に雲のたたぬ日ぞなき(衣笠家良)
576 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:14:37 ID:yYx479xd
山桜咲きそめしよりかづらきや霞ににほふ峰のしら雲(飛鳥井雅有)
577 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:15:56 ID:yYx479xd
桜花咲きそめしより白雲もい行きはばかるみ吉野の山(賀茂季鷹)
578 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:17:21 ID:yYx479xd
我がこころ花の木ずゑに旅ゐして身のゆくへをも知らじとすらむ(源俊頼)
579 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:18:26 ID:yYx479xd
月影も秋のみそらの心地して夜こそ夏のたえまなりけれ(登蓮)
580 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:32:01 ID:yYx479xd
一しほのたえまの松もあをによき奈良の都の花桜かな(藤原家隆)
581 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:33:36 ID:yYx479xd
塩釜の浦の波風月冴えて松こそ雪のたえまなりけれ(藤原定家)
582 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:44:34 ID:yYx479xd
みよし野や花の雪間を見渡せば緑はつかにまじる山松(本居大平)
583 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 00:52:09 ID:yYx479xd
雨ふると藤のうら葉に袖ふれて花にしほるる我が身と思はむ(源俊頼)
584 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:33:13 ID:yYx479xd
桜あさの麻生の浦波たちかへり見れどもあかぬ山梨の花(源俊頼)
585 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:34:20 ID:yYx479xd
卯の花も神のひもろきときてけりとぶさもたわに木綿かけてみゆ(源俊頼)
586 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:35:40 ID:yYx479xd
みさび江の菱のうき葉にかくろへて蛙鳴くなり夕立の空(藤原良経)
587 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:36:52 ID:yYx479xd
池水のひしのうき葉にとぢられて影みぬ岸の山吹の花(冷泉為尹)
588 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:44:06 ID:yYx479xd
夕されば蓮の浮き葉に風こえてうつしぞかふる露の白玉(俊恵)
589 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:46:33 ID:yYx479xd
蓮葉ににごらぬ露の玉こえてすずしくなりぬ水無月の影(後鳥羽院)
590 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:48:43 ID:yYx479xd
御祓するいぐしのしでに風過ぎて涼しくなりぬ水無月の空(藤原隆信)
591 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:50:35 ID:yYx479xd
あぢさゐの花のよひらにもる月を影もさながらをる身ともがな(源俊頼)
592 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:51:24 ID:yYx479xd
日ざかりはあそびてゆかむ影もよし真野の萩はら風たちにけり(源俊頼)
593 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 01:52:35 ID:yYx479xd
朝まだき庭もまがきも野分して露おきあがる草の葉もなし(藤原有家)
594 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:33:49 ID:yYx479xd
今もかも夕立すらし舟木山野坂の西に雲のかかれる(宗尊親王)
595 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:38:03 ID:yYx479xd
矢田の野は夕立すらし吹く風のあらちの峰に雲さわぐなり(契沖)
596 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:44:58 ID:yYx479xd
けふもまた夕立すらし山のはのとほき梢の雲がくれゆく(小沢蘆庵)
597 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:46:02 ID:yYx479xd
さがみぢは夕立すらし久かたのあふりの嶺に雲ぞおほへる(橘千蔭)
598 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:46:47 ID:yYx479xd
夕まぐれ恋しき風におどろけば荻の葉そよぐ秋にはあらずや(源俊頼)
599 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:47:28 ID:yYx479xd
夕されば萩をみなへしなびかしてやさしの野べの風のけしきや(源俊頼)
600 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:49:48 ID:yYx479xd
たかまどの野ぢの篠原すゑさわぎそそや秋風けふ吹きぬなり(藤原基俊)
601 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 02:52:08 ID:yYx479xd
さまざまに心ぞとまるむら紅葉うすきもこきも下の青葉も(覚性法親王)
602 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 09:56:23 ID:yYx479xd
難波潟あしの葉末に風ふきて蛍なみよる夕まぐれかな(登蓮)
603 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 09:57:30 ID:yYx479xd
浜風にいまや衣をうづらなく真野の入江の秋の夕暮(後鳥羽院)
604 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 09:58:54 ID:yYx479xd
秋風に尾花なみよる我が宿ぞ山里よりも露けかりける(輔仁親王)
605 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 09:59:45 ID:yYx479xd
うづらなく野ぢのたま川けふみれば萩こす波に秋風ぞふく(藤原家隆)
606 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:01:35 ID:yYx479xd
今ぞみる野ぢの玉川尋ねきて色なる浪の秋の夕ぐれ(宗尊親王)
607 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:03:57 ID:yYx479xd
紫の色なる波もくくるらし萩ちる頃ののぢの玉がは(宗良親王)
608 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:51:03 ID:yYx479xd
鷺あさる野ぢの玉川きてみればつばさ色なる萩が花ずり(木下長嘯子)
609 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:51:48 ID:yYx479xd
萩が枝の末はさざれに流れあひて波も花なる野路の玉川(上田秋成)
610 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:52:36 ID:yYx479xd
吹く風にあたりの空をはらはせてひとりもあゆむ秋の月かな(源俊頼)
611 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:53:33 ID:yYx479xd
鹿の音はなほ遠き野に吹きすててひとり空行く秋の夕かぜ(藤原家隆)
612 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:54:25 ID:yYx479xd
松風にたぐへてさびし玉川の里のをとめが衣うつ音(田安宗武)
613 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:55:20 ID:yYx479xd
いにしへを花橘にまかすれば軒のしのぶに風かよふなり(式子内親王)
614 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:56:24 ID:yYx479xd
なきかへせ秋におくるるきりぎりす暮れなば声のよわるのみかは(源俊頼)
615 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 10:57:25 ID:yYx479xd
虫の音のよわるのみかは過ぐる秋を惜しむ我が身ぞまづ消えぬべき(近衛天皇)
616 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 11:29:06 ID:yYx479xd
しぐるれば夕くれなゐの花ころも誰がそめかけし遠のたかねぞ(源俊頼)
617 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 11:30:03 ID:yYx479xd
墨染の衣を袖にかさぬれば目も共にきるものにぞありける(源俊頼)
618 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 11:31:51 ID:yYx479xd
今日もまた世をうみわたる帆柱の折れぬる舟の身をいかにせむ(源俊頼)
619 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 11:33:08 ID:yYx479xd
いとほしやまた憂きことをそひ舟にうつし心もなくなりにけり(源俊頼)
620 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 11:36:00 ID:yYx479xd
なごろには漕ぎもどりけりあはれ我が別れの道にこちもふかなむ(源俊頼)
621 :
名無氏物語:2009/05/27(水) 11:37:36 ID:yYx479xd
死なばやと思ひあかしの浦を出ていく田の森をよそにこそみれ(源俊頼)
622 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:11:50 ID:S3rDUOQM
あらぬ世にふる心ちして悲しきにまた年をさへへだてつるかな(源俊頼)
623 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:14:15 ID:S3rDUOQM
霜がれの蘆間にみゆるさざれ水あらはれてだに猶氷りつつ(藤原家隆)
624 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:28:15 ID:S3rDUOQM
玉がしはうづもれはつる難波江のもにあらはるる秋の夜の月(宮内卿)
625 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:30:08 ID:S3rDUOQM
涙をや玉にぬかましあや莚をになるまでとしきしのびても(頓阿)
626 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:32:02 ID:S3rDUOQM
待つにうき契あやなしあやむしろこぬよの床に敷忍びても(冷泉為村)
627 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:36:46 ID:S3rDUOQM
数ならぬしづはた帯のかなしきはかたむすびにも身をぞかけにし(肖柏)
628 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:38:26 ID:S3rDUOQM
わが恋ふる人ににほひの庭ざくら折れば心のゆきもするかな(源俊頼)
629 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:41:11 ID:S3rDUOQM
時鳥きなけとぞ思ふおもひ草葉末にむすぶ露のまなりと(松永貞徳)
630 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:44:49 ID:S3rDUOQM
故郷にたまたま来つる我を見てこぼれかかれる庭のしら露(香川景樹)
631 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 00:46:27 ID:S3rDUOQM
けふこそは秋のはつせの山颪にすずしくひびく鐘の音かな(藤原定家)
632 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:06:05 ID:S3rDUOQM
を初瀬の太山おろしのはげしさを猶身にしめて月やみるらむ(藤原為家)
633 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:07:35 ID:S3rDUOQM
冬もきぬさこそはげしくしぐるらめ哀はつせの山おろしの風(宗尊親王)
634 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:11:04 ID:S3rDUOQM
けふといへば入相の鐘に木の葉ふり秋ぞはつせの山おろしの風(宗良親王)
635 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:11:56 ID:S3rDUOQM
初瀬路や末吹きよわる山颪はげしかりしぞ今は恋しき(正徹)
636 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:15:10 ID:S3rDUOQM
うかりける我がみの程にはつせぢのくるしかれとて祈りやはせし(堯孝)
637 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:16:20 ID:S3rDUOQM
よしやふけ月に初瀬の山おろしはげしからずは嶺のうき雲(正広)
638 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:17:33 ID:S3rDUOQM
うかりけり祈るかひなく散る花の春もはつせの山颪のかぜ(松永貞徳)
639 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:18:30 ID:S3rDUOQM
うかりける秋よりもけに淋しきは冬のはつせの山おろしの風(松平定信)
640 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:51:11 ID:S3rDUOQM
心あてに見し夕顔の花散りて尋ねぞ迷ふたそがれの宿(松平定信)
641 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 01:53:35 ID:S3rDUOQM
白河の清きに魚のすみかねてもとの濁りの田沼こひしき(大田南畝)
642 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:05:47 ID:S3rDUOQM
つくづくとひとり笑みをもしつるかなあらましごとを思ひつづけて(源俊頼)
643 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:06:35 ID:S3rDUOQM
世の中を思ひはてなば放ち鳥とびたちぬべき心ちこそすれ(源俊頼)
644 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:07:57 ID:S3rDUOQM
世の中を思ひつづけてながむれば身はくづほるる物にぞありける(源俊頼)
645 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:09:04 ID:S3rDUOQM
かもめゐる沖の白洲にふる雪のはれゆく空の月のさやけさ(源実朝)
646 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:09:59 ID:S3rDUOQM
朝まだき楢の枯葉をそよそよと外山を出でてましら鳴くなり(源顕仲)
647 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:10:59 ID:S3rDUOQM
しばのとを立出でて見ればかた岡のならの葉がくれましら鳴くなり(藤原実房)
648 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:20:26 ID:S3rDUOQM
ひきつらね雁は別れぬ有明の月のみおくる山路なりけり(寂然)
649 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 02:21:16 ID:S3rDUOQM
時雨すと梢にみえし片岡のならの落葉に霰ふるなり(鴨長明)
650 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:09:46 ID:S3rDUOQM
吹くままにくもると見ればやがて又嵐にはるるむら時雨かな(頓阿)
651 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:10:53 ID:S3rDUOQM
巻向の檜原の霞ただならず曇ると見れば春雨ぞふる(契沖)
652 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:12:05 ID:S3rDUOQM
高師山くもると見れば程もなく浜名の橋にかかる夕立(本居宣長)
653 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:14:08 ID:S3rDUOQM
山おろしの身にしむ風のけはしさにたのむ木の葉もちりはてにけり(行尊)
654 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:15:05 ID:S3rDUOQM
群鳥のたのむ木の葉もちりはてて空に別るるここちこそすれ(大江匡房)
655 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:34:54 ID:7pge0nZe
すりおろしみにしむまらのけはしさにたのむまんこもちりはてにける (いかんそん)
656 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:36:31 ID:7pge0nZe
むれたとてたのむものなきこのはにもそらにさすればちじみこそすれ(大根国房)
657 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:36:53 ID:S3rDUOQM
木のもとぞつひの住みかと聞きしかど生きてはよもと思ひしものを(行尊)
658 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:38:03 ID:S3rDUOQM
山桜いつを盛りとなくしてもあらしに身をもまかせつるかな(行尊)
659 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:39:04 ID:S3rDUOQM
折りふせて後さへ匂ふ山桜あはれ知れらん人に見せばや(行尊)
660 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:39:34 ID:7pge0nZe
たかきまらさするといえどほどもなくはしにかからぬゆうだちならん (本当よノリ長いの)
661 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:41:15 ID:7pge0nZe
おりふせてあとさえにおうやまざくらあはれしられんほものみさらす (イクのかい)
662 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:43:01 ID:7pge0nZe
うばさくらいつをさかりとなすのやらみをまかせるあらしなるとは (いかないの)
663 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:43:50 ID:S3rDUOQM
もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし(行尊)
664 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 14:46:48 ID:S3rDUOQM
このもとは花よりほかの友もなしたれを見おきて春のゆくらん(寂然)
665 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:02:34 ID:S3rDUOQM
もろともにあはれとおもへ秋の月見て久しくもなりにけるかな(藤原季経)
666 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:03:15 ID:S3rDUOQM
心あらばあはれとおもへ桜花ひとりながむる宿のけしきを(藤原実定)
667 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:05:08 ID:S3rDUOQM
あはれともたれかは恋をなぐさめん身より外にはしる人もなし(藤原隆信)
668 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:07:18 ID:S3rDUOQM
ちらすなよ涙かたしく枕よりほかには恋をしる人もなし(藤原為家)
669 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:12:34 ID:S3rDUOQM
にほひくる花よりほかの友ぞなきかすみこめたる富士の山里(作者不明)
670 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:15:04 ID:S3rDUOQM
山里は花より外の友もなしちりなん後をいかに忍ばむ(藤原基名)
671 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:18:04 ID:S3rDUOQM
なれきつるよよを雲井にかぞふれば花より外のみし友もなし(三条西実隆)
672 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 15:19:25 ID:S3rDUOQM
きのふけふ里をあまたに契りきぬあはれとおもへ山桜花(幽真)
673 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 16:21:00 ID:7pge0nZe
きのふけふまんこあらたにちぎきぬあはれとおもえうばざくらばな (幽冥真)
674 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 16:22:02 ID:7pge0nZe
なれきつるよよとうごめくあらまらにはなよりほかにしげみともかな (幽冥真)
675 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 23:54:28 ID:S3rDUOQM
露もらぬいはやも袖はぬれけりと聞かずはいかにあやしからまし(西行)
676 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 23:55:10 ID:S3rDUOQM
朝まだき霞み果てぬと見てしより我も山路に立ちぞしぬべき(行尊)
677 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 23:56:06 ID:S3rDUOQM
まとゐしてもの思はざりしいにしへも静かなりしか夜半の春雨(行尊)
678 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 23:57:06 ID:S3rDUOQM
静けしと言ひこそせしか春雨に厭ふばかりのながめやはせし(遠江御乳母)
679 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 23:58:09 ID:S3rDUOQM
山桜木高き花も散りにしになど隠れゆく春はおほきぞ(藤原実宗)
680 :
名無氏物語:2009/05/28(木) 23:59:03 ID:S3rDUOQM
伏しまろび春てふ名さへ惜しきかなまたも見るべき花の影かは(行尊)
681 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:10:30 ID:yvrIdj7h
三島江の水鳥さわぐ夕暮に袖うちぬらし今ぞ過ぎゆく(行尊)
682 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:11:28 ID:yvrIdj7h
(人のすむ里の気色になりにけり山路の末のしづの焼け畑行尊)
683 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:12:11 ID:yvrIdj7h
里ちかく山路の末はなりにけり野飼ひの牛の子を思ふ声(寂蓮)
684 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:14:03 ID:yvrIdj7h
人のすむ里の気色になりにけり山路の末のしづの焼け畑(行尊)
685 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:15:59 ID:yvrIdj7h
心こそ心をこらすものなれや思はぬ人をなに思ふらん(隆源)
686 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:16:51 ID:yvrIdj7h
木のもとに八重ちりしける桜花庭までつらき風の音かな(木下長嘯子)
687 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:31:39 ID:yvrIdj7h
かきつばた浅沢沼のぬま水に影をならべて咲きわたるかな(源師頼)
688 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:32:54 ID:yvrIdj7h
朝ぼらけやなせのなみの音はしてわたりやいづこやすの川霧(藤原為家)
689 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:34:16 ID:yvrIdj7h
み狩すと楢の真柴をふみしだき交野の里にけふも暮らしつ(源師頼)
690 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:37:57 ID:yvrIdj7h
日かげさす豊の明のみかりすと交野の小野にけふも暮らしつ(源俊頼)
691 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:49:09 ID:JF2UhMCd
あさぼらけやなせのなみのおとはせどいずこのながれにみをまかせてや (フシダラの低下)
692 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:50:41 ID:JF2UhMCd
みかりとはまらのしばふみしどけどもかたののさとのおんなのしつけ (皆もとの年寄り)
693 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 00:53:28 ID:JF2UhMCd
けがけさすゆたかのまらのみかりすとまわすおのこのたまはふくらむ (皆 元の春撚)
694 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:00:22 ID:yvrIdj7h
下もゆる春日の野辺の草の上につれなしとても雪のむらぎえ(後鳥羽院)
695 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:01:21 ID:yvrIdj7h
恨みてもかひなかりけり今はただ人を忘るることを知らばや(源国信)
696 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:02:58 ID:bB0A0XG9
二松馬鹿 必死にスレを 荒らしてる 下手な日本語 書き込みながら
697 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:03:42 ID:yvrIdj7h
道のべの暁おきの白露にぬれてぞかへる花ぞめの袖(藤原為家)
698 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:04:28 ID:yvrIdj7h
中々に浮世は夢のなかりせば忘るるひまもあらましものを(源国信)
699 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:05:11 ID:yvrIdj7h
まどろまで昔を恋ふるしののめに鳴く音をそふる鶯の声(源国信)
700 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:05:59 ID:yvrIdj7h
彼の岸にこがね色に咲く山吹はこの世のほかの花にやあるらむ(源国信)
701 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:06:49 ID:yvrIdj7h
つくりおける罪を蛍のこの世にて尽くす炎を見るぞ悲しき(源国信)
702 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 01:10:56 ID:yvrIdj7h
はかなしと思ひ知るとも今はただ命は夢にかかるなりけり(源国信)
703 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 08:50:44 ID:yvrIdj7h
桜咲くうしろのかたの里ばやし春はむかひになりにけるかな(源仲正)
704 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 08:51:50 ID:yvrIdj7h
すみれ咲く奈良のみやこの跡とては礎のみぞ形見なりける(源仲正)
705 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 08:52:57 ID:yvrIdj7h
野辺みれば春の日暮のおほ空に雲雀とともにあそぶ糸遊(源仲正)
706 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 08:54:41 ID:yvrIdj7h
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)
707 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 08:56:04 ID:yvrIdj7h
夏来れば賤の麻衣ときわくる片田舎こそ心やすけれ(源仲正)
708 :
名無氏物語:2009/05/29(金) 08:57:08 ID:yvrIdj7h
かりそめの夕涼みなるうたた寝にやがて有明の月を見るかな(源仲正)
709 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:19:57 ID:tOUZVop9
白波は夜半に立ちきて汀なる萩のしづえの花やぬすまむ(源仲正)
710 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:23:13 ID:tOUZVop9
さを鹿は命を妻にかへんとや猟夫が笛になくなくもよる(源仲正)
711 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:25:08 ID:tOUZVop9
雲雀とるこのり手に据ゑ駒なべて秋の刈田にいでぬ日ぞなき(源仲正)
712 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:26:24 ID:tOUZVop9
時ならぬ雪のつつみと見ゆるまで池をめぐりて咲ける白菊(源仲正)
713 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:27:15 ID:tOUZVop9
梢よりひと時雨して過ぎぬなりしづえの紅葉ぬれもはてぬに(源仲正)
714 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:29:31 ID:tOUZVop9
うなゐ子が流れに浮くる笹舟のとまりは冬のこほりなりけり(源仲正)
715 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:41:13 ID:tOUZVop9
夜もすがら伏屋がうへにつむ雪をいくたび掻きつ越の里人(源仲正)
716 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:42:36 ID:tOUZVop9
思ふとは摘み知らせてきひひな草わらは遊びの手たはぶれより(源仲正)
717 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 01:44:16 ID:tOUZVop9
浅からぬ思ひを人にそめしより涙の色は濃躑躅の花(源仲正)
718 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 02:09:58 ID:tOUZVop9
住まばやな峯のしきみの花を折り谷の水くむ山の小寺に(源仲正)
719 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 02:11:30 ID:tOUZVop9
郭公は山のすそを尋ねつつまだ里なれぬ初音をぞきく(源俊頼)
720 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 02:26:59 ID:tOUZVop9
われのみやききてかたらむ郭公まだ里なれぬ暮の一こゑ(藤原定家)
721 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 02:28:33 ID:tOUZVop9
五月まつほどとやしばし時鳥まだ里なれぬしのびねの声(後崇光院)
722 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:26:35 ID:tOUZVop9
郭公まだ里なれぬ夕やみにしのびもあへずとぶほたるかな(香川景樹)
723 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:27:50 ID:tOUZVop9
もずのゐるはじの立枝のひと葉よりさそひそめぬる秋の木がらし(伏見院)
724 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:29:09 ID:tOUZVop9
もずのゐるはじの立枝は色付きて岡辺さびしき夕日影かな(飛鳥井雅親)
725 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:32:33 ID:tOUZVop9
たたらたて吹けば真金もわくものを恋にとけせぬ人や何なる(藤原仲実)
726 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:33:41 ID:tOUZVop9
沢田川まきの継橋うきぬれば人もわたらず五月雨のころ(慈円)
727 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:35:25 ID:tOUZVop9
沢田河まきの継橋中たえて霞みぞわたる春の明ぼの(藤原家隆)
728 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:36:37 ID:tOUZVop9
しらせばやすがたの池の花かつみかつみるままに浪にしをるる(式子内親王)
729 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:49:37 ID:tOUZVop9
野辺はいまだあさかの沼に刈る草のかつ見るままにしげる頃かな(藤原雅経)
730 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:50:31 ID:tOUZVop9
知らせばや新桑まゆのかきこもりいぶせきまでに忍ぶ心を(藤原顕仲)
731 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 06:51:20 ID:tOUZVop9
朝日子や今朝はうららにさしつらん田面の鶴の空に群れ鳴く(藤原顕仲)
732 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:46:34 ID:tOUZVop9
遅桜にほふ梢の鶯は初声よりもめづらしきかな(源兼昌)
733 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:48:05 ID:tOUZVop9
夏こだち青葉まじりの花もあれば猶染めかへじ今日の袂は(藤原隆信)
734 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:49:25 ID:tOUZVop9
いまはよも花もあらしの夏山に青葉まじりの峰の白雲(藤原家隆)
735 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:50:29 ID:tOUZVop9
おそ桜ちりしみやまの時鳥青葉まじりの一声もがな(木下長嘯子)
736 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:52:33 ID:tOUZVop9
桜戸や青葉まじりの花よりも猶めづらしきほととぎすかな(松永貞徳)
737 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:53:37 ID:tOUZVop9
春霞たちしは昨日いつのまに今日は山辺のすぐろ刈るらむ(曾禰好忠)
738 :
名無氏物語:2009/05/30(土) 23:56:14 ID:tOUZVop9
水の音にはては心もすむばかり岩がね枕いくむすびしつ(加納諸平)
739 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:10:53 ID:Tdw9cQFC
秋風はややはださむく成りにけりひとりや寝なん長きこの夜を(源実朝)
740 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:12:11 ID:Tdw9cQFC
蝉のこゑは風にみだれて吹きかへす楢の広葉に雨かかるなり(尊胤法親王)
741 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:13:24 ID:Tdw9cQFC
玉だれのこすのひまもる秋風はいもこひしらに身にぞしみける(源実朝)
742 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:14:06 ID:Tdw9cQFC
浜荻を妹こひしらにをりしきて幾夜かいとふ袖の潮風(順徳院)
743 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:15:31 ID:Tdw9cQFC
唐衣うらみわぶらん一夜ねしいも恋ひしらに天の川風(肖柏)
744 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:49:36 ID:Tdw9cQFC
初雁の心そらなる旅寝にはわが故郷ぞ夢にみえける(藤原基俊)
745 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:50:30 ID:Tdw9cQFC
晴れくもりさだめなければ初時雨いもが袖笠かりてきにけり(藤原基俊)
746 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:51:10 ID:Tdw9cQFC
人しれぬ袖の涙のしらたまも三世まであはぬためしとやみん(元政)
747 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:52:55 ID:Tdw9cQFC
あはれことし我が身の春も末ぞとはしらで弥生の花を見しかな(宗尊親王)
748 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 00:54:03 ID:Tdw9cQFC
老が世はけふかあすかの露の間をいそがしがほに秋もいぬめり(三条西実隆)
749 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 01:23:09 ID:Tdw9cQFC
朝日影させもが露を命にてかきねの霜に残る虫の音(松永貞徳)
750 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 01:27:22 ID:Tdw9cQFC
置きかへむ霜夜やうらむ蛬させもが露をいのちばかりに(望月長孝)
751 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 01:28:22 ID:Tdw9cQFC
秋はつる枯野の虫の初霜にむすぼほれゆく声のはかなさ(後鳥羽院)
752 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:12:26 ID:Tdw9cQFC
祝ひつつしめゆふ竹の色見れば御代のけしきは空にしるしも(藤原俊忠)
753 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:13:28 ID:Tdw9cQFC
ゆきて見しそのかみ山のさくら花ふりにし春ぞ恋しかりける(藤原俊忠)
754 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:14:53 ID:Tdw9cQFC
心して見るべかりけり春の月ことぞともなく昔恋ひらる(輔仁親王)
755 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:15:54 ID:Tdw9cQFC
ふるさとの浅茅が原におなじくは君とすみれの花を摘まばや(肥後)
756 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:20:20 ID:Tdw9cQFC
ふる里の野べ見に来れば昔わが妹とすみれの花咲きにけり(賀茂真淵)
757 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:21:21 ID:Tdw9cQFC
花を見ておもふ心のままならば散るにとまりてかくは嘆かじ(小侍従)
758 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:22:42 ID:Tdw9cQFC
月影にのれる心のままならばいづこの浦やとまりならまし(油谷倭文子)
759 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 02:23:39 ID:Tdw9cQFC
たまさかに逢瀬はなくてみなの川涙の淵にしづむ恋かな(肥後)
760 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:07:23 ID:Tdw9cQFC
冬のよの月は都の友ながらあはれうちそふ浪まくらかな(慈円)
761 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:08:49 ID:Tdw9cQFC
磯の松あらしにたへぬ折しもあれあはれうちそふ浪の音かな(後鳥羽院)
762 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:10:17 ID:Tdw9cQFC
芦火たく恋にやつるる閨の上に白くもりくる月の影かな(肥後)
763 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:15:02 ID:Tdw9cQFC
ありし世の恋しきままに古郷の花にむかひて音をのみぞ泣く(堀河院中宮上総)
764 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:16:38 ID:Tdw9cQFC
狩人の夏の夜ふかくいるさ山ともしの影の見えみ見えずみ(二条太皇太后宮大弐)
765 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:17:31 ID:Tdw9cQFC
衣手は涙に濡れぬ紅のやしほは恋の染むるなりけり(二条太皇太后宮大弐)
766 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:18:25 ID:Tdw9cQFC
あとたえて雪ふりつもる深山には細谷川ぞ道とみえける(皇后宮摂津)
767 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:39:03 ID:Tdw9cQFC
三笠山細谷川に影さしてさやかに見ゆる冬の夜の月(源頼綱)
768 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:41:19 ID:Tdw9cQFC
みなかみに桜ちるらし吉野河いはこす浪の花と見えつつ(郁芳門院安芸)
769 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 21:43:11 ID:Tdw9cQFC
玉椿ひかりをみがく君が代に百かへり咲く優曇華の花(郁芳門院安芸)
770 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:00:30 ID:Tdw9cQFC
うちかへし思ひぞわぶるながからむ契もしらずいひし恨は(武者小路実陰)
771 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:03:01 ID:Tdw9cQFC
ながからむいのちもしらず白みゆくこのわが髪を誰かいとしめ(山中智恵子)
772 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:04:04 ID:Tdw9cQFC
今はただつれなき人も恋をして我がなげきをも思ひしれかし(待賢門院堀河)
773 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:06:10 ID:Tdw9cQFC
すむかひもなきよながらの思ひ出は浮雲かけぬ山の端の月(待賢門院堀河)
774 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:07:11 ID:Tdw9cQFC
夏川の浮き藻の裾の水波にほたるのかげをやどしてしがな(加納諸平)
775 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:15:34 ID:Tdw9cQFC
秋の夜は空ゆく月にさそはれて雲の果てまで心をぞやる(肥後)
776 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:16:24 ID:Tdw9cQFC
秋の夜の月のひかりにさそはれてしらぬ雲路に行く心かな(藤原顕輔)
777 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:17:17 ID:Tdw9cQFC
玉よする岬が沖に波間よりたちいづる月のかげのさやけさ(鴨長明)
778 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:18:06 ID:Tdw9cQFC
霜こほる山風あらき雲間よりもれいづる月の影ぞさむけき(藤原隆祐)
779 :
名無氏物語:2009/05/31(日) 22:18:51 ID:Tdw9cQFC
吹きはらふ雪げの雲のたえだえをまちける月の影のさやけさ(順徳院)
780 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:31:47 ID:Cjg4CuJx
もれ出づる今ひときはのさやけさに空こそ月の光とは見れ(後水尾院)
781 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:32:44 ID:Cjg4CuJx
秋かぜの雲吹きつくす山の端にさしのぼる月のかげのさやけさ(冷泉為村)
782 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:34:15 ID:Cjg4CuJx
よひの雨にぬるる水枝をもれ出づる月の色こそなまめきにけれ(橘千蔭)
783 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:35:47 ID:Cjg4CuJx
暮の秋月の姿はたらねども光は空にみちにけるかな(藤原顕輔)
784 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:46:10 ID:Cjg4CuJx
人まねの恋にぞ老は忘れぬる昔の心いまだありけり(藤原顕輔)
785 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:47:12 ID:Cjg4CuJx
命あれば多くの秋になりぬれど今年ばかりの花は見ざりき(藤原顕輔)
786 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:48:13 ID:Cjg4CuJx
かばかりの花の匂ひをおきながら又も見ざらんことぞ悲しき(藤原顕輔)
787 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:49:09 ID:Cjg4CuJx
秋をやく心ちこそすれ山里の紅葉ちりかふ木がらしの風(源師時)
788 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 05:50:56 ID:Cjg4CuJx
秋をやく色にぞみゆるいぶき山もえてひさしき下のおもひに(藤原定家)
789 :
名無氏物語:2009/06/01(月) 19:53:45 ID:oYxBILqT
790 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 15:54:58 ID:4r44S7dc
秋をやく木の葉の色やのこるらん嵐にたえぬやどの埋み火(藤原雅経)
791 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 15:57:34 ID:4r44S7dc
秋をやくひばらの山のもみぢ葉の我もこがるる色をみせばや(冷泉為尹)
792 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 15:58:36 ID:4r44S7dc
時鳥夢うつつともわくべきをいま一声はとほざかりつつ(頓阿)
793 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 15:59:36 ID:4r44S7dc
玉垂の御簾さわぐまで風ふけばよどののうちも涼しかりけり(源兼昌)
794 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:02:29 ID:4r44S7dc
夕立にをちの溝河まさりつつふらぬ里までながれきにけり(源兼昌)
795 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:04:10 ID:4r44S7dc
真葛原もみぢの色のあか月にうら悲しかる風の音かな(源兼昌)
796 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:05:46 ID:4r44S7dc
望月の山の端いづるよそほひにかねても光る秋の空かな(源兼昌)
797 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:47:01 ID:4r44S7dc
夕暮のみぞれにしみやとけぬらん垂氷づたひに雫落つなり(源兼昌)
798 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:48:09 ID:4r44S7dc
月すみて深くる千鳥の声すなり心くだくや須まの関守(西行)
799 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:49:11 ID:4r44S7dc
旅寝する夢路は絶えぬ須磨の関かよふ千鳥の暁の声(藤原定家)
800 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:50:34 ID:4r44S7dc
淡路島わたる千鳥もしろたへの波間にかざすおきつ汐風(藤原家隆)
801 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 16:55:30 ID:4r44S7dc
月もいかに須磨の関守詠むらん夢は千鳥の声にまかせて(藤原家隆)
802 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:25:03 ID:4r44S7dc
淡路島ふきかふすまの浦風にいくよの千鳥声かよふらん(後鳥羽院)
803 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:26:50 ID:4r44S7dc
さ夜千鳥ゆくへをとへば須磨のうら関守さます暁のこゑ(後鳥羽院)
804 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:29:23 ID:4r44S7dc
淡路島かよふ千鳥のしばしばも羽かくまなく恋ひやわたらむ(源実朝)
805 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:30:16 ID:4r44S7dc
須磨の浦や千鳥鳴くなり関守のいとどうちぬるひまやなからん(頓阿)
806 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:35:12 ID:4r44S7dc
さよ千鳥あはぢ島風たゆむよりとわたり消ゆるすまの一こゑ(木下長嘯子)
807 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:40:23 ID:4r44S7dc
まどろまで我のみぞ聞く小夜千鳥枕ならぶるすまの関守(木下長嘯子)
808 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:58:45 ID:4r44S7dc
千鳥にも幾夜ねざめぬ村しぐれ袖にや通ふ須磨の関守(望月長孝)
809 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 17:59:26 ID:4r44S7dc
仮初の海人とぞせめてなりなまし人をみるめになぐさむやとて(宗良親王)
810 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:00:17 ID:4r44S7dc
今日みれば夜のまに花は咲きにけり昨日にも似ぬ峰の白雲(藻壁門院但馬)
811 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:01:31 ID:4r44S7dc
涼しさをいづくにこめて吹く風の昨日にも似ぬ秋を告ぐらむ(後水尾院)
812 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:02:21 ID:4r44S7dc
のどけさは袖にしられて唐衣きのふにも似ぬ春の初風(本居宣長)
813 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:03:57 ID:4r44S7dc
長き夜の夢の内にてみる夢はいづれうつつといかで定めむ(永縁法師)
814 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:04:55 ID:4r44S7dc
名にたてる秋もかひなしあたら夜の月を残して明くる東雲(殷富門院大輔)
815 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:06:43 ID:4r44S7dc
夕涼み閨へもいらぬうたた寝の夢を残してあくる東雲(藤原有家)
816 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 18:22:07 ID:4r44S7dc
短か夜の空行く月のやすらひを誘ひ残してあくる東雲(衣笠家良)
817 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 19:52:51 ID:4r44S7dc
ほのぼのとかすめる山のしののめに月を残して帰るかりがね(衣笠家良)
818 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 19:54:25 ID:4r44S7dc
かざごしの峰の桜や咲きぬらむ麓に花のふらぬ日ぞなき(藤原実定)
819 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 19:55:43 ID:4r44S7dc
白雲のたつたの桜咲きにけり外山をかけてにほふ春風(後鳥羽院)
820 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 19:57:23 ID:4r44S7dc
三島江や蘆の枯葉の下ごとに羽がひの霜をはらふをし鳥(藤原忠通)
821 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 20:01:20 ID:4r44S7dc
限りなくうれしと思ふことよりもおろかの恋ぞなほまさりける(藤原忠通)
822 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 20:05:12 ID:4r44S7dc
思ひかねそなたの空をながむれば雲さへ我を隔てけるかな(藤原実定)
823 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 20:07:01 ID:4r44S7dc
わたの原漕ぎ出でて見れば久方の雲ゐも波のうちにぞありける(藤原家隆)
824 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 20:08:26 ID:4r44S7dc
わたのはら八重の潮路を見わたせば雲につらなる沖つ白波(惟明親王)
825 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:00:17 ID:4r44S7dc
わたの原ながめの果てはひとつにてむら雲わくる沖つ白波(藤原良平)
826 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:01:28 ID:4r44S7dc
和田の原うち出でて見れば山梨の花とやいはん沖つ白波(正徹)
827 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:02:55 ID:4r44S7dc
和田の原空もひとつにほのぼのと霞へだつる沖つ白波(冷泉為村)
828 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:04:12 ID:4r44S7dc
古りにける朧の清水結びあげて昔の人の心をぞくむ(藤原俊成)
829 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:04:55 ID:4r44S7dc
のこりける都の春の光かな昔語りの志賀の花園(藤原良経)
830 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:05:56 ID:4r44S7dc
ふりにけるあととも今朝はみえぬかな志賀の都の雪の花園(藤原雅経)
831 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:07:36 ID:4r44S7dc
面影をのち偲べとや有明の月をのこして花のちるらむ(二条良基)
832 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 21:09:22 ID:4r44S7dc
逢ふことを今はかぎりとみわの山すぎのすぎにしかたぞ恋しき(皇太后宮陸奥)
833 :
名無氏物語:2009/06/02(火) 23:02:34 ID:4r44S7dc
君恋ふる涙や空にかよふらむ思ひはてける宵の村雨(後鳥羽院)
834 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 16:43:53 ID:sd4Wm0Dg
わきかねし同じ緑の夏草を花にあらはす秋の夕暮(小侍従)
835 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 16:45:59 ID:sd4Wm0Dg
咲きにほふ梢をとへば苔の下のその名も花にあらはれにけり(三条西実隆)
836 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 16:58:45 ID:sd4Wm0Dg
おのづから花の下にしやすらへば逢はばやと思ふ人も来にけり(源頼政)
837 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 17:02:32 ID:sd4Wm0Dg
忍びつつ霞と共にながめしもあらはれにけり花の木のもと(豊臣秀吉)
838 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 17:18:50 ID:sd4Wm0Dg
散りはてて後や我が身にかへりこむ花さく宿にとまる心は(源頼政)
839 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 17:20:46 ID:sd4Wm0Dg
暮れぬ間は花にたぐへて散らしつる心あつむる春の夜の月(源頼政)
840 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 17:39:22 ID:sd4Wm0Dg
めづらしき人にも逢ひぬ早蕨の折よく我と野辺に来にけり(源頼政)
841 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 18:19:20 ID:sd4Wm0Dg
恋するかなにぞと人やとがむらん山ほととぎす今朝は待つ身を(源頼政)
842 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 18:20:49 ID:sd4Wm0Dg
都には待つらむものを時鳥いづるを惜しむ深山べの里(源頼政)
843 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 18:22:41 ID:sd4Wm0Dg
香をとめて山ほととぎす落ちくやと空までかをれ宿の橘(源頼政)
844 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 18:32:47 ID:sd4Wm0Dg
うき草を雲とやいとふ夏の池の底なる魚も月をながめば(源頼政)
845 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 18:52:53 ID:sd4Wm0Dg
暮れぬるか遠の山かげわたりきて今ぞ戸無瀬の河辺すずしき(源頼政)
846 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:31:23 ID:sd4Wm0Dg
住吉の松の木間よりながむれば月おちかかる淡路島山(源頼政)
847 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:32:15 ID:sd4Wm0Dg
浦づたひ鳴尾の松のかげに来てまた隈もなき月をみるかな(源頼政)
848 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:34:31 ID:sd4Wm0Dg
今宵たれすずのしのやに夢さめて吉野の月に袖ぬらすらん(藤原良経)
849 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:36:25 ID:sd4Wm0Dg
吉野山すず吹く秋のかり寝より花ぞ身にしむ木々の下風(細川幽斎)
850 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:38:16 ID:sd4Wm0Dg
こよひたれ伏見の里に寝覚して夢路悔しき月をみるらん(望月長孝)
851 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:39:33 ID:sd4Wm0Dg
漕ぎ出でて月はながめむさざなみや志賀津の浦は山の端ちかし(源頼政)
852 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:40:30 ID:sd4Wm0Dg
いにしへの人は汀に影たえて月のみすめる広沢の池(藤原頼政)
853 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 19:41:27 ID:sd4Wm0Dg
いにしへの人は汀に影たえて月のみすめる広沢の池(源頼政)・・・・orz
854 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:12:13 ID:sd4Wm0Dg
宵の間に思ひしことを思ふかな二十日の月のすみのぼるまで(源頼政)
855 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:13:54 ID:sd4Wm0Dg
石清水ながれに放ついろくづの鰭ふりゆくも見ゆる月影(源頼政)
856 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:15:09 ID:sd4Wm0Dg
白露も色そめあへぬ龍田山まだあを葉にて秋風ぞふく(藤原良経)
857 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:18:10 ID:sd4Wm0Dg
槙ながす丹生の川瀬にゐる鴨は目なれにけりな立ちもさわがず(源頼政)
858 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:22:27 ID:sd4Wm0Dg
忍びづまかへらん跡もしるからし降らばなほ降れしののめの雪(源頼政)
859 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:23:47 ID:sd4Wm0Dg
こひしともいはでしのぶのすり衣袖になみだの露ぞみだるる(西園寺実材母)
860 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:25:29 ID:sd4Wm0Dg
恋ひ恋ひてまれにうけひく玉章を置きうしなひてまた歎くかな(源頼政)
861 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 20:26:29 ID:sd4Wm0Dg
いづこぞや妹が玉づさ隠し置きて覚えぬほどに老ぼれにけり(源頼政)
862 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:49:21 ID:sd4Wm0Dg
みちのくの金をば恋ひてほる間なく妹がなまりの忘られぬかな(源頼政)
863 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:50:15 ID:sd4Wm0Dg
妹ならばひたひの髪をふりかけて伝ふ泪を玉とぬかまし(源頼政)
864 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:51:25 ID:sd4Wm0Dg
東路を朝たちゆけば葛飾の真間の継橋かすみわたれり(源頼政)
865 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:52:17 ID:sd4Wm0Dg
月清みしのぶる道ぞしのばれぬ世に隠れてとなに思ひけん(源頼政)
866 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:53:14 ID:sd4Wm0Dg
埋れ木の花さく事もなかりしに身のなる果ぞ悲しかりける(源頼政)
867 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:55:08 ID:sd4Wm0Dg
夕汐に由良の門わたる海人小舟霞の底に漕ぎぞ入りぬる(藤原清輔)
868 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:56:03 ID:sd4Wm0Dg
塩竃のうらがなしくも見ゆるかな霞にすける海人の釣舟(藤原清輔)
869 :
名無氏物語:2009/06/03(水) 21:57:43 ID:sd4Wm0Dg
かざしをる三輪の檜原の木の間より領布ふる花や神の八乙女(藤原清輔)
870 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:34:21 ID:C31qeY+U
身をつめば老木の花ぞあはれなる今幾とせか春に逢ふべき(藤原清輔)
871 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:35:20 ID:C31qeY+U
わきて見ん老木は花もあはれなり今いくたびか春に逢ふべき(西行)
872 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:37:02 ID:C31qeY+U
風すずしなくうつ蝉のからころも日もゆふだちの雲のきえがた(藤原定家)
873 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:38:07 ID:C31qeY+U
吹く風のすずしくもあるかおのづから山の蝉鳴きて秋は来にけり(源実朝)
874 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:47:29 ID:C31qeY+U
風涼しぬるともゆかむ夏衣日も夕立の雨はふりきぬ(大内政弘)
875 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:48:22 ID:C31qeY+U
吹きほさぬ雫もすずし夏ごろも日も夕だちの杉の下風(肖柏)
876 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:49:11 ID:C31qeY+U
見わたせば山本かすむ水無瀬川夕べは秋となにおもひけん(後鳥羽院)
877 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:50:06 ID:C31qeY+U
露むすぶ小萩が花の夕しめり月のみ秋となに思ひけん(後崇光院)
878 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:51:14 ID:C31qeY+U
霧のまに明石の瀬戸に入りにけり浦の松風音にしるしも(藤原清輔)
879 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 07:52:11 ID:C31qeY+U
ゆく駒のつめの隠れぬ白雪や千里のそとにすめる月かげ(藤原清輔)
880 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:18:00 ID:C31qeY+U
夜とともに山の端いづる月影のこよひ見そむる心地こそすれ(藤原清輔)
881 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:19:07 ID:C31qeY+U
夏のせし蓬の門は霜枯れてむぐらの下は風もたまらず(和泉式部)
882 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:21:01 ID:C31qeY+U
おのづからおとなふものは庭のおもに浅茅なみよる秋の夕風(藤原範兼)
883 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:21:55 ID:C31qeY+U
月影はさえにけらしな神垣のよるべの水もつららゐるまで(藤原清輔)
884 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:22:43 ID:C31qeY+U
吹く風にちりかひくもる冬の夜の月のかつらの花のしら雪(後二条院)
885 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:23:43 ID:C31qeY+U
妹背川かへらぬ水の別れには聞きわたるとも袖ぞぬれける(藤原清輔)
886 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:24:41 ID:C31qeY+U
月みても雲井へだつと恨みこしその世の秋ぞ今は恋しき(惟宗光吉)
887 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:25:29 ID:C31qeY+U
おのづからつてに通ひし言の葉につらかりし世ぞ今は恋しき(千種有光)
888 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 08:27:05 ID:8hzkmUa9
ながらへばまたこの頃やしのばれん憂しと見し世ぞ今は恋しき(新古1843/百人一首)
889 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:25:32 ID:C31qeY+U
数しらぬ昔をきけば見しほどもすたれたる世の今は恋しき(正徹)
890 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:27:22 ID:C31qeY+U
忘れずよ憂しと見しよの春をさへ又このごろの花にしのびて(有賀長伯)
891 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:29:01 ID:C31qeY+U
ともすれば君がみけしきそこなひて叱られし世ぞ今は恋しき(野村望東尼)
892 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:30:43 ID:C31qeY+U
木の下にやどらざりせば見ましやは月さしかはす花の光を(藤原教長)
893 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:32:15 ID:C31qeY+U
ちる花に惜しむ心は尽くしてき暮れゆく春は人にまかせん(藤原教長)
894 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:34:29 ID:C31qeY+U
夜もすがら春をのこせる灯し火の名残はけさも消たじとぞ思ふ(藤原教長)
895 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:35:31 ID:C31qeY+U
あられふる大あらき野の笹の音にはげしさそふる杜の下風(契沖)
896 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 15:36:18 ID:C31qeY+U
敷妙の枕はかへじわぎもこが寝くたれ髪にふれてしものを(藤原教長)
897 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:13:15 ID:C31qeY+U
秋風にあふ芭蕉葉のくだけつつあるにもあらぬ世とはしらずや(藤原教長)
898 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:15:02 ID:C31qeY+U
下紐はとけずはとけず小夜衣そのうつり香にしむ身ともがな(藤原公能)
899 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:17:23 ID:C31qeY+U
住吉のちぎのかたそぎ行きもあはで霜おきまよふ冬は来にけり(源俊頼)
900 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:18:30 ID:C31qeY+U
なつかしき移り香ぞする藤袴われよりさきに妹やきて見し(藤原頼輔)
901 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:20:52 ID:C31qeY+U
涙だに心にかなふ秋ならばさやけきままの月はみてまし(宗尊親王)
902 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:22:06 ID:C31qeY+U
秋の日は糸よりよわきささがにの雲のはたてに荻のうは風(正徹)
903 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:47:41 ID:C31qeY+U
露霜にあへずかれ行く秋草の糸よりよわき虫のこゑかな(正徹)
904 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:49:25 ID:C31qeY+U
いつしかとかすみにけりな塩竈のうらゆく舟のみえまがふまで(源俊頼)
905 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:51:50 ID:C31qeY+U
かぎりなく霞みぞわたる与謝の海の波まにみえし天の橋立(藤原公清)
906 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 16:55:22 ID:C31qeY+U
けふといへば雪げの雲も打ちなびき春くる空に霞みぬるかな(慶運)
907 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 17:05:25 ID:C31qeY+U
おしなべて霞みにけりな海山もみなわが国と春やたつらむ(正徹)
908 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 17:07:38 ID:C31qeY+U
今朝までは見えし小島も霞たつ波間やいづく春の夕なぎ(貞常親王)
909 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:11:40 ID:C31qeY+U
すみれ草つみ暮らしつる春の野に家路教ふる夕づくよかな(俊恵)
910 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:13:23 ID:C31qeY+U
いかにせむ山の青葉になるままに遠ざかりゆく花の姿を(俊恵)
911 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:17:10 ID:C31qeY+U
卯の花の盛りなるらし袖たれて遠方人の波を分けゆく(俊恵)
912 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:18:22 ID:C31qeY+U
今こそは入りちがふなれ時鳥尋ねかねつつ帰る山路に(俊恵)
913 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:20:24 ID:C31qeY+U
ゆふだちも晴れあへぬほどの雲間よりさもあやにくに澄める月かな(俊恵)
914 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:21:44 ID:C31qeY+U
今ぞ知る一むらさめの夕立は月ゆゑ雲のちりあらひけり(俊恵)
915 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:23:00 ID:C31qeY+U
宿さむと岩間の水草はらふ手にやがてむつるる夜半の月かな(俊恵)
916 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:37:43 ID:C31qeY+U
夏ふかみ野原を行けば程もなく先立つ人の草がくれぬる(俊恵)
917 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:38:45 ID:C31qeY+U
ひさぎおふる山片かげの石井筒ふみならしてもすむ心かな(源俊頼)
918 :
名無氏物語:2009/06/04(木) 23:41:31 ID:C31qeY+U
荻の葉に風うちそよぐ夕暮は音せぬよりもさびしかりけり(俊恵)
919 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:04:15 ID:C31qeY+U
花すすきしげみが中を分けゆけば袂を越えて鶉たつなり(俊恵)
920 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:17:53 ID:Ea3U7ju1
夕づくよしばしほのめけ咲きそむる小萩が花の数もかぞへむ(俊恵)
921 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:34:24 ID:Ea3U7ju1
久方の天の川辺に雲消えてなぎたる夜半の月を見るかな(俊恵)
922 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:36:12 ID:Ea3U7ju1
天の川八十の浦わに雲消えてなぎたる夜半の月を見るかな(俊恵)
923 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:37:10 ID:Ea3U7ju1
水無瀬山木の葉まばらになるままに尾上の鐘の声ぞちかづく(後鳥羽院)
924 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:44:32 ID:Ea3U7ju1
谷ふかみ降りつむ雪に夜やさむきひとつに見ゆる妹と背の山(俊恵)
925 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:45:55 ID:Ea3U7ju1
あはれてふ言の葉もがなそれにだに消なむ命をかへつと思はむ(俊恵)
926 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:46:55 ID:Ea3U7ju1
あけやらぬ閨のひまのみ待たれつつ老いぬる身には朝寐せられず(藤原知家)
927 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:47:40 ID:Ea3U7ju1
あけそめし閨のひまさへ埋もれて猶夜ぶかしとふれるしら雪(宗良親王)
928 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 00:49:14 ID:Ea3U7ju1
時鳥待つ夜はいく夜ただにあけてつれなからぬは閨のひまかな(木下長嘯子)
929 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:40:28 ID:Ea3U7ju1
しののめはまだあけやらでふる雪の光にしらむ閨のひまかな(木下長嘯子)
930 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:41:32 ID:Ea3U7ju1
むらしぐれいく度きかば冬の夜のつれなき閨のひま白むべき(小沢蘆庵)
931 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:42:20 ID:Ea3U7ju1
侘びつつは逢ふと見る夜の夢をだに君が情けと思はましかば(俊恵)
932 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:43:53 ID:Ea3U7ju1
見ぬも憂し見てもわりなし夢ゆゑに物を思はぬ暁もがな(俊恵)
933 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:45:07 ID:Ea3U7ju1
はるばると山また山を思ひやる心さへこそ苦しかりけれ(俊恵)
934 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:46:20 ID:Ea3U7ju1
君がため玉串の葉をとりかざし星さゆるまで歌ひ明かさん(俊恵)
935 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:47:03 ID:Ea3U7ju1
かへり見し都の山もへだてきぬただ白雲に向かふばかりぞ(俊恵)
936 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:48:50 ID:Ea3U7ju1
桜花散りなむ後のおもかげに朝ゐる雲のたたむとすらむ(登蓮)
937 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:56:32 ID:Ea3U7ju1
淡路船しほのととみを待つほどにすずしくなりぬ瀬戸の夕風(登蓮)
938 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 01:57:26 ID:Ea3U7ju1
藤袴ねざめの床にかをりけり夢路ばかりと思ひつれども(登蓮)
939 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:03:27 ID:Ea3U7ju1
故郷を思ひやりつつながむれば心ひとつにくもる月かな(登蓮)
940 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:05:10 ID:Ea3U7ju1
君も憂し逢はずは我も忘れなでつれなき人ぞふたりなりける(登蓮)
941 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:06:08 ID:Ea3U7ju1
五月闇おのが光をしるべにて山のかけぢを行く蛍かな(寂念)
942 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:09:06 ID:Ea3U7ju1
闇路にもおのが光をしるべにて心のままにゆくほたるかな(藤原光章)
943 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:11:36 ID:Ea3U7ju1
暗き夜もおのが光をしるべにて野沢の水に飛ぶほたるかな(禅信)
944 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:12:45 ID:Ea3U7ju1
雪の色におなじ白良の浜千鳥こゑさへさゆる曙の空(寂念)
945 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:26:28 ID:Ea3U7ju1
旅衣うらがなしかる浅茅生に夜半の時雨よいかにせよとぞ(寂超)
946 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:28:06 ID:Ea3U7ju1
みぎの手もその面影も変はりぬる我をば知るやみたらしの神(鴨長明)
947 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:31:09 ID:Ea3U7ju1
花のもと露のなさけは程もあらじ酔ひなすすめそ春の山風(寂然)
948 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 02:32:18 ID:Ea3U7ju1
野べに出でて春日つめどもたまらぬはまだうらわかき若菜なりけり(藤原公実)
949 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 16:09:56 ID:Ea3U7ju1
春日野の雪げの沢に袖たれて君がためにと小芹をぞ摘む(藤原仲実)
950 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 16:11:31 ID:Ea3U7ju1
まちわぶる桜の花は思ひ寝の夢路よりまづ咲きそめにけり(本居宣長)
951 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 16:13:20 ID:Ea3U7ju1
花も根にかへるを見てぞ木のもとにわれも家路は思ひいでける(下河辺長流)
952 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 16:14:29 ID:Ea3U7ju1
清見潟おきの岩こす白浪に光をかはす秋の夜の月(西行)
953 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 16:15:54 ID:Ea3U7ju1
秋の田の穂波も見えぬ夕霧に畔づたひして鶉なくなり(崇徳院)
954 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 16:21:26 ID:Ea3U7ju1
山田もる木曽の伏屋に風ふけば畔づたひして鶉おとなふ(源俊頼)
955 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:28:56 ID:Ea3U7ju1
あすよりは秋もあらしのおとは山かた見となしにちる紅葉かな(藤原定家)
956 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:30:37 ID:Ea3U7ju1
今いくか秋もあらしのよこ雲にいづればしらむ山のはの月(藤原定家)
957 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:32:58 ID:Ea3U7ju1
なが月や秋もあらしの夕時雨そめてもをしくちる木の葉かな(後崇光院)
958 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:35:37 ID:Ea3U7ju1
うちはらふ共寝ならねばをしどりの上毛の霜も今朝はさながら(和泉式部)
959 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:36:49 ID:Ea3U7ju1
瀬をはやみ岩きる浪のよとともに玉ちるばかりくだけてぞふる(藤原定家)
960 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:40:55 ID:Ea3U7ju1
春のゆくみ吉野川の瀬をはやみせくもかひなき花のいは波(後鳥羽院)
961 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:42:08 ID:Ea3U7ju1
めぐりあはむ雲のはつかにみか月のわれても末に影へだつなよ(三条西実隆)
962 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 17:43:39 ID:Ea3U7ju1
恋ひ死なば鳥ともなりて君がすむ宿の梢にねぐらさだめむ(崇徳院)
963 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:00:41 ID:Ea3U7ju1
吹く風も木々の枝をばならさねど山は久しき声ぞ聞こゆる(崇徳院)
964 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:02:29 ID:Ea3U7ju1
吹く風は枝も鳴らさで万世とよばふ声のみ音高の山(藤原俊成)
965 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:04:06 ID:Ea3U7ju1
闇のうちに和幣をかけし神あそび明星よりや明けそめにけむ(崇徳院)
966 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:05:15 ID:Ea3U7ju1
浜ちどり跡は都へかよへども身は松山に音をのみぞなく(崇徳院)
967 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:05:55 ID:Ea3U7ju1
松山に波こえざらば浜千鳥かへりてあとは残らざらまし(香川景樹)
968 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:07:03 ID:Ea3U7ju1
日の本の光を見せてはるかなる唐土までも春や立つらむ(細川幽斎)
969 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 19:08:11 ID:Ea3U7ju1
雲がくれ鳴きてゆくなる初雁のはつかにみてぞ人はこひしき(源実朝)
970 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:08:05 ID:Ea3U7ju1
ともしびを花の光にさきだてて窓の白雪春いそぐなり(足利義尚)
971 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:08:48 ID:Ea3U7ju1
行き行きておもふもかなし末遠くこえし高根の峰の白雲(後水尾院)
972 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:10:07 ID:Ea3U7ju1
いくとせの春に心をつくし来ぬあはれと思へみ吉野の花(藤原俊成)
973 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:12:02 ID:Ea3U7ju1
春風や梅のにほひをさそふらむ行方さだめぬ鶯の声(源具親)
974 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:12:57 ID:Ea3U7ju1
またや見む明石の瀬戸のうき枕波間の月のあけがたの影(藤原忠良)
975 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:14:25 ID:Ea3U7ju1
忘れめや片野の花もかつ見ゆる淀のわたりの春の明けぼの(千種有功)
976 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:15:29 ID:Ea3U7ju1
玉ふくむ井手の山吹あはれあはれ駒にかふちふ露なこぼしそ(和田厳足)
977 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:16:44 ID:Ea3U7ju1
風はやきあぶくま川の小夜千鳥涙なそへそ袖の氷に(後鳥羽院)
978 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:39:49 ID:Ea3U7ju1
きりぎりす涙なそへそ草の戸の露に袂はくたしはててき(加納諸平)
979 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 20:40:54 ID:Ea3U7ju1
まどろめば野をちかづけて枕べにあるここちする菫さわらび(大隈言道)
980 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:38:47 ID:Ea3U7ju1
わが心いかにせよとか山吹のうつろふ花の嵐たつらむ(源実朝)
981 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:39:39 ID:Ea3U7ju1
吹ききつる花橘の身にしめば我も昔の袖の香やする(小侍従)
982 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:40:56 ID:Ea3U7ju1
しのばじな我もむかしの夕まぐれ花橘に風はすぐらむ(俊成卿女)
983 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:45:53 ID:Ea3U7ju1
五月雨は鹿火屋のけぶりうちしめり山田のくれにかはづ鳴くなり(藤原家隆)
984 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:48:00 ID:Ea3U7ju1
降る雨に蚊遣りの煙うちしめりいぶせくみゆる薮浪の里(小沢蘆庵)
985 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:57:29 ID:Ea3U7ju1
八重葎さしこもりにしふるさとは世を鶯のねをのみぞきく(飛鳥井雅有)
986 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:58:18 ID:Ea3U7ju1
かぢの葉におきけるものをよしやさは水かげ草の露の玉づさ(正徹)
987 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 21:59:15 ID:Ea3U7ju1
かきながす涙ながらぞ手向けつる物思ふ袖の露の玉づさ(藤原良平女)
988 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:00:01 ID:Ea3U7ju1
たづねても誰かはとはむ鶉鳴く野辺にあはれを深草の里(藤原兼宗)
989 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:00:51 ID:Ea3U7ju1
入日さす麓の尾花うちなびき誰が秋風に鶉鳴くらむ(源通光)
990 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:03:46 ID:Ea3U7ju1
石ばしる水のしら玉手にとりてかぞふばかりもすめる月かな(三条西実隆)
991 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:05:01 ID:Ea3U7ju1
まばらなるまきの板屋に影もりて手にとるばかりすめる夜の月(後鳥羽院)
992 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:06:19 ID:Ea3U7ju1
月きよみさ夜更け行けば伊勢島や一志の浦に千鳥鳴くなり(源実朝)
993 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:16:56 ID:Ea3U7ju1
沖つ風ふき上の浜のさむければ冬の夜すがら千鳥鳴くなり(永縁)
994 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:18:10 ID:Ea3U7ju1
もしほやく難波の御津に鳴く千鳥からきうき世はなれもかなしや(宗尊親王)
995 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:19:57 ID:Ea3U7ju1
いまぞきく心は跡もなかりけり雪かき分けておもひやれども(藤原実定)
996 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 22:22:17 ID:Ea3U7ju1
このごろは色なき草に波こえて月にみがける野路の玉川(藤原為家)
997 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 23:02:01 ID:Ea3U7ju1
身にしめてなどあながちに恋をのみしかまの市にそめかへぬらむ(俊成卿女)
998 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 23:03:12 ID:Ea3U7ju1
頼めおかむたださばかりを契りにてうき世の中の夢になしてよ(藤原定家母)
999 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 23:04:02 ID:Ea3U7ju1
恋せずは人の心もなからまし物のあはれもこれよりぞ知る(藤原俊成)
1000 :
名無氏物語:2009/06/05(金) 23:05:30 ID:Ea3U7ju1
恋せずはあはれも知らじとばかりの身をうの花の雨にかこちて(祇園梶子)
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