1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 22:59:16 ID:l2M7Duga
3 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:01:31 ID:l2M7Duga
4 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:02:49 ID:l2M7Duga
5 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:06:17 ID:l2M7Duga
今宵てふしるしの杉はひかりにてとぶらひきませ我がやどの月(木下長嘯子)
6 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:07:25 ID:l2M7Duga
ひとりふす荒れたる宿の床のうへに哀れいくよの寝ざめなるらむ(能因)
7 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:08:28 ID:l2M7Duga
荒れはてぬ払はば袖のうき身のみあはれいく世の床のうら風(藤原定家)
8 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:11:51 ID:l2M7Duga
橘の花の軒ばも荒れにけりあはれいくよの宿の昔ぞ(宗尊親王)
9 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:45:38 ID:l2M7Duga
住みすててあはれ幾世の宿の花うゑつる木々は春も忘れず(澄月)
10 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:46:32 ID:l2M7Duga
たつた山よはにや君がひとりとて寝し夜の夢のゆくへをぞ知る(慈円)
11 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:47:14 ID:l2M7Duga
忘らるる身をば思はでたつた山こころにかかる沖つ白波(寂蓮)
12 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 23:48:05 ID:l2M7Duga
風吹けば浅沢小野の花薄ひとつにつづく沖つ白波(藤原為家)
13 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:15:29 ID:+4fSBPll
風吹けば空にひがたの塩津山花ぞみちくる沖つ白波(藤原基家)
14 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:18:26 ID:+4fSBPll
露霜のおきつ白波たつた山もみぢの錦そめぬまぞなき(後宇多院)
15 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:22:54 ID:+4fSBPll
わたつ海に見れば幾重ぞたつた山峰こす雲の奥つしら波(正広)
16 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:29:05 ID:+4fSBPll
さみだれは晴れぬ日数のたつた山越え行く雲や奥つしら波(松永貞徳)
17 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:31:23 ID:+4fSBPll
えこそかの遠かた人にものまうすわれそのそこにしろくさけるは何の花ぞも(凡河内躬恒)
18 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:42:45 ID:+4fSBPll
渡りするをちかた人の袖かとや美豆野にしろき夕がほの花(藤原定家)
19 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:43:29 ID:+4fSBPll
しげり行く色は緑の夏山になにの花ぞものこる白雲(正徹)
20 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:47:22 ID:+4fSBPll
雲とみる梢や花と山桜遠方人にとひつつぞ行く(武者小路実陰)
21 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:48:23 ID:+4fSBPll
二もとの杉のこずゑは初時雨ふるかはのべにいろもかはらず(藤原良経)
22 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 00:49:11 ID:+4fSBPll
夕立のふる川のべのふかみどりぬれてすずしきふたもとの杉(藤原道家)
23 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 13:57:22 ID:+4fSBPll
茂からぬ木かげもすずしふる川やただ二本の杉の下かぜ(中臣祐臣)
24 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 13:58:09 ID:+4fSBPll
深山には霰ふるらし聞く人の袖さへやがて冴え渡りけり(藤原俊成)
25 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 13:58:52 ID:+4fSBPll
風はやみ庭火のかげも寒けきはまこと深山も霰ふるらし(田安宗武)
26 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:00:27 ID:+4fSBPll
あけぬとて君をばやらじあぢきなし暮をまつまもさだめなきよに(藤原教長)
27 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:04:33 ID:+4fSBPll
人しれずおもへばくるしたけくまの松とはまたじまてばすべなし(源実朝)
28 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:05:32 ID:+4fSBPll
あぶくまに瀬瀬の水かさもまさるなり君をばやらじ五月雨の比(宗良親王)
29 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:06:21 ID:+4fSBPll
天河けふ七夕のあふくまに霧たちわたる思ひそふらむ(三条西実隆)
30 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:08:14 ID:+4fSBPll
明けぬともたれをやらじとあぶくまにむすぼほれたる今朝の河霧(三条西実隆)
31 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:30:26 ID:+4fSBPll
月影のいづくはあれど春のよの霞にくもる塩がまのうら(行意)
32 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:31:19 ID:+4fSBPll
春のくるいづくはあれど朝霞けぶりに深きしほがまの浦(定為)
33 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:32:09 ID:+4fSBPll
をぐろ崎都のつとはやぶれにき霧につつみしみつの浦風(正徹)
34 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:34:45 ID:+4fSBPll
さそはれていはばや月にうきねするみつの小島の人ならずとも(宗祇)
35 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 14:35:42 ID:+4fSBPll
宮ぎ野のこの下露に郭公ぬれてやきつる涙かるとて(藤原定家)
36 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:25:37 ID:+4fSBPll
みやぎののこの下露にくらべばや雨よりけなる袖のしづくを(藤原定家)
37 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:26:22 ID:+4fSBPll
みやぎ野のこのしたつゆをかたしきて袖に小萩のかたみをや見む(藤原良経)
38 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:29:37 ID:+4fSBPll
とにかくにみかさと申せ夏ふかきすゑのはら野に日てり雨ふる(藤原光俊)
39 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:39:04 ID:+4fSBPll
もがみ河かげこそおなじ稲舟ののぼればくだす岸の青柳(藤原雅経)
40 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:42:27 ID:+4fSBPll
あひみしもしばしばかりぞいな舟のいなとて人はとほざかりにき(宗尊親王)
41 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:43:39 ID:+4fSBPll
いそげなほ穂波をわたる稲舟のこの月ばかり秋の初雁(正徹)
42 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:45:15 ID:+4fSBPll
稲舟のうき世なりけり最上川のぼればくだる旅の心は(細川幽斎)
43 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 15:47:17 ID:+4fSBPll
松山にまつ波こえていにけれどいかが思はむあだしごころを(元良親王)
44 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:42:25 ID:+4fSBPll
つくば山このもかのもの紅葉ばは秋はくれどもあかずぞありける(壬生忠見)
45 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:44:05 ID:+4fSBPll
暮れぬともいざ越えゆかむつくばねのこのもかのもにかかる月かげ(藤原家隆)
46 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:46:47 ID:+4fSBPll
つくばねのこのもかのもの嵐にも君が御かげをなほやたのまむ(藤原雅経)
47 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:47:28 ID:+4fSBPll
分けもみずともに心はつくばねやこのもかのもの人めしげきを(正徹)
48 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:48:18 ID:+4fSBPll
東ぢやよこほりふせる山の名もさやかに見せてはるる白雲(藤原家隆)
49 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:49:16 ID:+4fSBPll
思ふともこふともなにのかひがねよよこほりふせる山をへだてて(藤原定家)
50 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:50:03 ID:+4fSBPll
甲斐が嶺はかすかにだにも見えざりき涙にくれしさやの中山(宗尊親王)
51 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 21:51:07 ID:+4fSBPll
甲斐がねやさ山のともし影白しよこほりふせる鹿やなからむ(心敬)
52 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:03:32 ID:+4fSBPll
旅人はさやにも見しか雲はるる甲斐が嶺出づる秋の夜の月(後土御門院)
53 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:04:33 ID:+4fSBPll
鹿の音をねこし山こしことづてよ妻にもがもや秋の夕風(藤原雅経)
54 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:05:24 ID:+4fSBPll
ふく風にことづてやらむ東路のねこし山こしおもふこころを(宗尊親王)
55 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:06:26 ID:+4fSBPll
夕立はふりくる空のまたるやとねこし山こし風や告ぐらむ(後柏原天皇)
56 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:07:08 ID:+4fSBPll
をつくばも遠つあしほも霞むなりねこし山こし春や来ぬらむ(賀茂真淵)
57 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:08:06 ID:+4fSBPll
かくれなき身とはしるしる山梨のをふの浦まで思ひやるかな(藤原実方)
58 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:09:11 ID:+4fSBPll
むそぢまでなりもならずも今はわが年こそ身にはをふのうらなし(蓮瑜)
59 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:10:03 ID:+4fSBPll
をふのうらの友なし千鳥みつ塩になりもならずも浪に鳴く声(正徹)
60 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:19:55 ID:+4fSBPll
白波の梢おほふと見るばかり苧生の浦梨花咲きにけり(石川依平)
61 :
名無氏物語:2009/03/22(日) 22:21:09 ID:+4fSBPll
袖ひちて結ぶしら波立ちかへりこほるばかりの松の夕風(藤原家隆)
62 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:02:48 ID:9Culzo0q
天の下めぐむ草木の芽も春に限りも知らぬ御代の末々(式子内親王)
63 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:03:41 ID:9Culzo0q
霞たちこのめ春雨きのふまでふるのの若菜けさはつみてむ(藤原定家)
64 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:04:52 ID:9Culzo0q
松の葉の白きを見れば春日山木の芽もはるの雪ぞ降りける(源実朝)
65 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:06:21 ID:9Culzo0q
ひと夜あけて四方の草木のめもはるにうるふ時しる雨ののどけさ(中院通村)
66 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:08:24 ID:9Culzo0q
誰が為とまだ朝霜のけぬがうへに袖ふりはへて若菜つむらむ(藤原定家)
67 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:10:27 ID:9Culzo0q
墨染の袖ふりはへて峰たかき夕の寺に帰る雲かな(正徹)
68 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:12:47 ID:9Culzo0q
白妙の袖ふりはへて武蔵野にいざ雪見むとおもひ立たずや(荷田蒼生子)
69 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:15:42 ID:9Culzo0q
ふりはへて若菜つみにと行く野辺の袂ゆたかに見ゆる春かな(本居大平)
70 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:25:45 ID:9Culzo0q
浅緑霞たなびく山がつの衣はるさめ色にいでつつ(藤原定家)
71 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 14:27:00 ID:9Culzo0q
我がせこが衣春雨ふるさとにひとりながむる花ぞうつろふ(木下長嘯子)
72 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:03:04 ID:9Culzo0q
山おろしにみだれて花の散りけるを岩はなれたる滝と見たれば(西行)
73 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:05:00 ID:9Culzo0q
すむ人もうつればかはる古郷の昔ににほふ窓の梅かな(藤原家隆)
74 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:05:56 ID:9Culzo0q
花の香も風こそよもにさそふらめ心もしらぬ古里の春(藤原定家)
75 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:06:53 ID:9Culzo0q
散りぬればとふ人もなし故郷は花ぞ昔のあるじなりける(源実朝)
76 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:07:33 ID:9Culzo0q
里はあれて春は幾世か霞むらむ花ぞむかしの志賀の古郷(藤原行能)
77 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:17:24 ID:9Culzo0q
人はいさ心もしらずとばかりににほひ忘れぬ宿の梅が香(正徹)
78 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:18:15 ID:9Culzo0q
ことの葉の花ぞ昔の春になほにほふ初瀬の里の梅が香(三条西実隆)
79 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:19:08 ID:9Culzo0q
にほひをば風こそおくれ人はいさ心もしらぬ宿の梅が枝(足利義尚)
80 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:19:55 ID:9Culzo0q
人はいさ心もしらず我はただいつも今宵の月をしぞおもふ(松永貞徳)
81 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 15:20:38 ID:9Culzo0q
暮ると明くと見ても目かれず池水の花の鏡の春の面影(藤原実有)
82 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:29:56 ID:9Culzo0q
暮ると明くと目かれぬ花に鶯の鳴きてうつろふ声なをしへそ(藤原定家)
83 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:31:24 ID:9Culzo0q
暮ると明くと目かれぬ空も霞みけりいつの人まに春はきぬらむ(宗良親王)
84 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:32:10 ID:9Culzo0q
あしひきの山のかひより吹く風に雪と見るまで花ぞ散りける(藤原家隆)
85 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:33:12 ID:9Culzo0q
桜花咲けるやいづら時鳥山のかひよりいづる初こゑ(木下長嘯子)
86 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:34:50 ID:9Culzo0q
いかさまに待つとも誰か三輪の山人にしられぬ宿の霞は(藤原定家)
87 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:36:04 ID:9Culzo0q
庭のおもぞ夜のあやとはなりにける木の下陰の月のまにまに(能因)
88 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:37:35 ID:9Culzo0q
信濃路や見つつ我がこし浅間山雲は煙のよそめなりけり(宗良親王)
89 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:38:32 ID:9Culzo0q
山たかみ見つつこえゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶天皇)
90 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:47:24 ID:9Culzo0q
山たかみかかれる雲の消えゆくは見つつ我がこし花やちるらむ(花山院長親)
91 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 20:48:31 ID:9Culzo0q
ほととぎす卯の花山のあかずして空にしられぬ月に鳴くなり(守覚法親王)
92 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:07:55 ID:9Culzo0q
花ざかり空にしられぬ白雲はたなびきのこす山のはもなし(藤原定家)
93 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:21:19 ID:9Culzo0q
花のゆき空にしられぬ色ながら木の下風に月ぞさえゆく(藤原雅経)
94 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:22:21 ID:9Culzo0q
雪のあした木の下風は寒けれど桜もしらぬ花ぞ散りける(後鳥羽院)
95 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:23:03 ID:9Culzo0q
春ふかき木の下風は名のみして空にしらるる花のしら雪(堯孝)
96 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:24:34 ID:9Culzo0q
みよし野に春の嵐やわたるらむ道もさりあへず花のしら雪(後鳥羽院)
97 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:25:34 ID:9Culzo0q
さして行く道もさりあへず三笠山紅葉ぞぬさと散りまがひける(越前)
98 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:28:04 ID:9Culzo0q
春の野にはなるる駒は雪とのみ散りかふ花に人やまどへる(藤原定家)
99 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:29:08 ID:9Culzo0q
かり人のいる野の露を命にて散りかふ花にきぎすなくなり(藤原良経)
100 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:33:10 ID:9Culzo0q
かへるさや散りかふ花にまがふらむ若菜つむ野の春のあは雪(順徳院)
101 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:42:15 ID:9Culzo0q
春の野に若菜摘まむときて見れば浅沢水はいまだ氷れり(熊谷直好)
102 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:58:36 ID:9Culzo0q
こむらさきにほへる藤の花みれば水なき空に波ぞたちける(大中臣能宣)
103 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 21:59:31 ID:9Culzo0q
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯(正徹)
104 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:00:14 ID:9Culzo0q
こほりとく池のさざ波今朝見えて水なき空も春風ぞふく(飛鳥井雅親)
105 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:01:11 ID:9Culzo0q
春はいぬくらまの山の雲珠桜水なき空にのこる色かな(木下長嘯子)
106 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:01:52 ID:9Culzo0q
天つ風さえくらしたるなごりには水なき空にあわ雪ぞふる(下河辺長流)
107 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:02:51 ID:9Culzo0q
旅の世にまた旅寝して草枕夢のうちにも夢を見るかな(慈円)
108 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:03:31 ID:9Culzo0q
散りまがふこのもとながらまどろめば桜にむすぶ春の夜の夢(藤原定家)
109 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:11:29 ID:9Culzo0q
駿河なる宇津の山べにちる花よ夢のうちにも誰惜しめとて(順徳院)
110 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:13:05 ID:9Culzo0q
やどりして春の山べに見し夜半の夢もまさしき朝嵐かな(本居大平)
111 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:14:57 ID:9Culzo0q
吉野川はやくも暮れてゆく春に花はさかりの岸の山吹(足利尊氏)
112 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:17:44 ID:9Culzo0q
忘れじの雁は越ぢにかへるなりかたも定めず花は散りつつ(藤原家隆)
113 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:19:07 ID:9Culzo0q
神な月かたもさだめずちる紅葉けふこそ秋のかたみとも見め(藤原定家)
114 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:21:11 ID:9Culzo0q
しのびねははや過ぎにけりほととぎす空もとどろに啼き渡らなむ(源経信)
115 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:22:21 ID:9Culzo0q
をりはへて今ぞ啼くなる時鳥五月のさよの空もとどろに(覚性法親王)
116 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:23:23 ID:9Culzo0q
時鳥空もとどろに啼くころは夜ただ雨ふる袖のうへかな(慈円)
117 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:50:58 ID:9Culzo0q
うちつけにそれかとぞきく時鳥人まつ山にしのびねのこゑ(藤原家隆)
118 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:52:25 ID:9Culzo0q
五月山弓末ふりたてともす火に鹿やはかなく目をあはすらむ(崇徳院)
119 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:56:10 ID:9Culzo0q
荒ち男がゆつきが下にともす火に鹿の立ちどのしるくもあるかな(藤原家隆)
120 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:57:07 ID:9Culzo0q
見るからにかたへ涼しき夏衣日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
121 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:58:16 ID:9Culzo0q
吹く風の涼しくもあるかおのづから山の蝉鳴きて秋は来にけり(源実朝)
122 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 22:59:10 ID:9Culzo0q
たが秋にあらぬ光をやどしきて月よ涙に袖ぬらすらむ(藤原家隆)
123 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:00:46 ID:9Culzo0q
袖ふれし人の形見かふるさとににほひをのこす軒の橘(西園寺実材母)
124 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:01:46 ID:9Culzo0q
世にたえし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒(後水尾院)
125 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:11:23 ID:9Culzo0q
ふりしける雪かと見ゆる月なれど濡れて冴えたる衣手ぞなき(紀貫之)
126 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:12:11 ID:9Culzo0q
月影も雪かと見つつ弾く琴の消えて積めども知らずやあるらむ(紀貫之)
127 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:13:11 ID:9Culzo0q
あすよりは秋も嵐の音羽山かたみとなしに散る木の葉かな(藤原定家)
128 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:13:54 ID:9Culzo0q
白露も時雨もいたくふる里は軒の梢も濃さまさりけり(後鳥羽院)
129 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:14:35 ID:9Culzo0q
時雨のみもる山影の下葉かは物おもふ袖も色はかはらず(順徳院)
130 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:15:35 ID:9Culzo0q
物思へば雲のはたてをかぎりにて時雨もいたくふる涙かな(藤原信成)
131 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:17:30 ID:9Culzo0q
この秋は時雨もいたく染めてけりあかみの山の峰の紅葉ば(笠間時朝)
132 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:23:51 ID:9Culzo0q
およばじな袖より外にもる山の下葉のこさぬ露も時雨も(中院通勝)
133 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:25:26 ID:9Culzo0q
暮れにけり秋の日かずもあらし山もみぢをわけて入あひの鐘(後鳥羽院)
134 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:26:22 ID:9Culzo0q
秋山の麓の小田のかりいほに紅葉をわけて月ぞもりける(俊成卿女)
135 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:27:12 ID:9Culzo0q
声にのみ散ると聞こゆるもみぢ葉の夜の錦はかひなかりけり(凡河内躬恒)
136 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:28:03 ID:9Culzo0q
見ぬほどの紅葉は夜の錦にて秋さへ過ぎむと思ひけむやは(村上天皇)
137 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:29:46 ID:9Culzo0q
見る人もなくて散りにき時雨のみふりにし里に秋萩の花(源実朝)
138 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:36:24 ID:9Culzo0q
折りつくす紅葉は夜の錦にて君をぞ恋ひし秋の山かげ(平清親四女)
139 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:40:28 ID:9Culzo0q
高砂のをのへの松の秋風に泊りもしらず散る紅葉かな(藤原家隆)
140 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:41:55 ID:9Culzo0q
落ちとまる紅葉をみればももとせに秋のとまりは嵐なりけり(紀貫之)
141 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:43:32 ID:9Culzo0q
冬の夜の川風さむみ氷して思ひかねたる友千鳥かな(後鳥羽院)
142 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:45:17 ID:9Culzo0q
人待たばいかにとはましさ夜千鳥川風さむみ冬の明ぼの(宮内卿)
143 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:55:39 ID:9Culzo0q
うちわたす川風さむみ鳴く千鳥たがゆく袖の夜半にきくらむ(藤原為家)
144 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:56:34 ID:9Culzo0q
み吉野や石跡柏(いはどがしは)もうづもれて河風さむみふれる白雪(頓阿)
145 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:57:22 ID:9Culzo0q
水こほり月のながるる汀にて思ひかねてや千鳥なくらむ(東常縁)
146 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:58:34 ID:9Culzo0q
冬の夜も千鳥はきかず思ひかね我が泣き明かす袖の川風(大内政弘)
147 :
名無氏物語:2009/03/23(月) 23:59:14 ID:9Culzo0q
三笠山はや木高かれ峰の松ちよのかげとぞ神もまつらむ(高階宗成)
148 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:00:13 ID:W5IlfLg4
うゑし植ゑばはや木高かれ山桜白雲まがふ花とみるまで(正徹)
149 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:24:27 ID:sHn/dKIh
われがなほ折らまほしきは白雲の八重にかさなる山吹の花(和泉式部)
150 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:25:45 ID:sHn/dKIh
岩根ふみいく重の峰をこえぬとも思ひもいでむ心へだつな(源実朝)
151 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:27:07 ID:sHn/dKIh
浅茅原かつ霜がれて別れてふことは色にも見ゆる秋かな(慶雲)
152 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:28:52 ID:sHn/dKIh
草も木もうつろひはてて別れてふことは色にもくるる秋かな(姉小路基綱)
153 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:29:54 ID:sHn/dKIh
逢坂は行くもかへるも別れ路の人だのめなる名のみふりつつ(藤原為家)
154 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 00:30:45 ID:sHn/dKIh
花を待つ外山の梢かつ越えて別れもゆくか春の雁がね(宗尊親王)
155 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:45:31 ID:sHn/dKIh
雲の色にわかれもゆくか逢坂の関路の花のあけぼのの空(兼好)
156 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:47:07 ID:sHn/dKIh
かつこえて春にわかるる逢坂は人だのめなる花や散るらむ(宗良親王)
157 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:48:18 ID:sHn/dKIh
袖ひちてせく手ににごる山水の澄むを待つとや月のやすらふ(俊恵)
158 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:49:32 ID:sHn/dKIh
手に結ぶ程だにあかぬ山の井のかけはなれ行く袖のしら玉(藤原定家)
159 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:51:11 ID:sHn/dKIh
夏山やゆくてにむすぶ清水にもあかで別れし古里をのみ(藤原定家)
160 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:52:35 ID:sHn/dKIh
あかざりし山井の清水手にくめばしづくも月の影ぞやどれる((藤原定家)
161 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:54:31 ID:sHn/dKIh
夏の夜はげにこそあかね山の井のしづくにむすぶ月の暉も(藤原定家)
162 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 20:55:28 ID:sHn/dKIh
あかざりし雲と雨とのかたみかは花の滴ににごる山の井(正徹)
163 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:22:24 ID:sHn/dKIh
夏はつるみそぎにちかき川風に岩波たかくかくる白木綿(藤原定家)
164 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:23:11 ID:sHn/dKIh
吉野川岩波たかくなる神に山風きほふ花の夕だち(正徹)
165 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:24:27 ID:sHn/dKIh
とこは荒れぬいたくな吹きそ秋風の目にみぬ人を夢にだに見む(藤原家隆)
166 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:35:45 ID:sHn/dKIh
吹く風の目に見ぬ人も軒端なる梅咲く頃は待たれけるかな(堯孝)
167 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:37:26 ID:sHn/dKIh
花の色にうつる心は山桜かすみのまより思ひそめてき(藤原隆信)
168 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:38:13 ID:sHn/dKIh
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
169 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:39:28 ID:sHn/dKIh
山桜霞のまよりうつろへば色のちくさに春風ぞ吹く(順徳院)
170 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:40:25 ID:sHn/dKIh
身にぞしむ霞にもるる面影のさだかに見えし花の下風(正徹)
171 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:42:30 ID:sHn/dKIh
たが春にあくまでかみし山桜霞のまよりそふおもひかな(後柏原院)
172 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:44:29 ID:sHn/dKIh
我もよにしぐれ心ちの晴れやらで三とせふり行く神無月かな(宗尊親王)
173 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:45:19 ID:sHn/dKIh
片恋をするがのふじの山よりも胸の火のまづ燃えまさるかな(紀友則)
174 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:53:59 ID:sHn/dKIh
月もなほつれなき人のかげとめよ冬もこほらぬ袖の涙に(西園寺実氏)
175 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:54:57 ID:sHn/dKIh
春秋のながれしままにあまの川冬もこほらぬ月をしぞ思ふ(三条西実隆)
176 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:58:36 ID:sHn/dKIh
夕暮はなくね空なるほととぎす心のかよふ宿やしるらむ(藤原定家)
177 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 21:59:21 ID:sHn/dKIh
初春のはつねのけふの百千鳥鳴くね空なる朝がすみかな(順徳院)
178 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:03:54 ID:sHn/dKIh
いづくよりあがるも見えず霞む日に啼く音そらなる夕雲雀かな(慶雲)
179 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:24:52 ID:sHn/dKIh
ほととぎすなく声きけば山里につねよりことに人ぞまたるる(源道済)
180 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:27:59 ID:sHn/dKIh
思ひきや雲井の花の咲き咲かず人づてにのみ聞かむものとは(二条院讃岐)
181 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:29:53 ID:sHn/dKIh
越えぬまはくるしきものを吉野山いかにか匂ふ花の面影(三条西実隆)
182 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:30:56 ID:sHn/dKIh
露ならぬ心を荻の上風にさのみくだけて物思ふかな(宗良親王)
183 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:32:50 ID:sHn/dKIh
ちらすなよ小萩が上の露ならぬ心も花に置きあまるまで(望月長孝)
184 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:42:58 ID:sHn/dKIh
何ゆゑに思ひそめけむしら玉と見えし涙の色かはるまで(花山院師継)
185 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:44:36 ID:sHn/dKIh
つらさこそ色もかはらね白玉と見えしはいつの涙なりけむ(後水尾院)
186 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 22:47:50 ID:sHn/dKIh
かくしつついつをかぎりとしら真弓おきふしすぐす月日なるらむ(兼好)
187 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:14:50 ID:sHn/dKIh
思ひきや手もふれざりし梓弓おきふし我が身なれむものとは(宗良親王)
188 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:18:39 ID:sHn/dKIh
敷島や大和とにはあらぬ撫子の花はむべこそ世に似ざりけれ(藤原公任)
189 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:19:38 ID:sHn/dKIh
身にしみてふかきあはれの色ならばうつるばかりや春のあけぼの(宗尊親王)
190 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:20:55 ID:sHn/dKIh
色ならばうつるばかりに吹きかへて音ぞ身にしむ秋の初風(中院通村)
191 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:22:20 ID:sHn/dKIh
いかにして花にみえまし色ならば移るばかりに向ふ心も(武者小路実陰)
192 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:29:53 ID:sHn/dKIh
風吹けばとはに波こすみ熊野の浦路の月に千鳥なくなり(源具親)
193 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:31:02 ID:sHn/dKIh
よしさらばこぬみの浜の浦松のとはに波越すねをもしのばじ(藤原為家)
194 :
名無氏物語:2009/03/24(火) 23:32:20 ID:sHn/dKIh
風吹けばとはに波こす石見潟かたぶく月もぬるるがほなる(藤原隆祐)
195 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:01:31 ID:rZYtzYNj
朝霜のおきて侘しき別れ路にしばしはたゆめ鴫のはねがき(藤原家隆)
196 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:03:07 ID:sHn/dKIh
しら露のおきてわびしき別れをもあふにぞかこつ在明の月(後鳥羽院)
197 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:04:20 ID:rZYtzYNj
ももはかく鴫のはねがきいくかへり朝わびしき秋にあふらむ(藤原家隆)
198 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:05:47 ID:rZYtzYNj
庭もせにうつろふ比のさくら花あしたわびしき数まさりつつ(藤原定家)
199 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:07:05 ID:rZYtzYNj
とりべ山あすをばしらで暮れぬ間のけふの煙をあはれとぞ見る(飛鳥井雅有)
200 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:10:12 ID:rZYtzYNj
暮れぬ間の今日をもしらぬ命もて明日より後を契るはかなさ(中院通村)
201 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:12:30 ID:rZYtzYNj
露霜のおくての山田かりねして袖ほしわぶるいほのさむしろ(藤原定家)
202 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:14:30 ID:rZYtzYNj
塩竃のうらがなしくも見ゆるかな霞にすける海人の釣舟(藤原清輔)
203 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:32:29 ID:rZYtzYNj
須磨の海人のたく藻の煙たえだえにうらさびしくも見えまがふかな(慈円)
204 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:34:35 ID:rZYtzYNj
打ちなびく蘆のうら葉にとひ見ばやかかるみゆきをいつかみしまえ(伊勢大輔)
205 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:35:28 ID:rZYtzYNj
雪つもる越のしら山冬ふかし夢にもたれか思ひおこせむ(宗良親王)
206 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:36:20 ID:rZYtzYNj
灯し火のほかげにかよふ身をみればあるかなきかの世にこそありけれ(藤原高遠)
207 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:40:45 ID:rZYtzYNj
花の色もうつりにけりとしら雲の道行ぶりにかをる山風(順徳院)
208 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:53:04 ID:rZYtzYNj
うき世にもことやつぐると初雁の道行ぶりに山べをやとふ(松永貞徳)
209 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:55:19 ID:rZYtzYNj
色見えで春にうつろふ心かな闇はあやなき梅のにほひに(藤原定家)
210 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:56:08 ID:rZYtzYNj
蘆の屋の蔦はふ軒のむら時雨音こそたてね色はかくれず(藤原定家)
211 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:57:17 ID:rZYtzYNj
夏の夜も闇はあやなし橘をながめぬ空に風かをるなり(藤原良経)
212 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:58:05 ID:rZYtzYNj
梅が香は霞の袖につつめども香やはかくるる野べの夕風(後鳥羽院)
213 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:58:47 ID:rZYtzYNj
梅の花いろこそ見えね風吹けば月の光のにほふなりけり(飛鳥井雅有)
214 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 00:59:28 ID:rZYtzYNj
これもまた色こそ見えね春の夜の月はあやなし匂ふ梅が枝(木下長嘯子)
215 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 07:38:33 ID:rZYtzYNj
色もいろ匂ひも月の光にて闇こそ梅は人に知らるれ(木下長嘯子)
216 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 07:39:37 ID:rZYtzYNj
奥山の花見がてらにとひし庵ちりなむ後としめてましかば(宗良親王)
217 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 07:41:15 ID:rZYtzYNj
咲きぬともよそに知られぬ山里は花見がてらに来る人もなし(長慶天皇)
218 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 07:45:11 ID:rZYtzYNj
なれなれし花の木陰の草莚ちりなむ後ぞしきしのぶべき(松永貞徳)
219 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 07:46:31 ID:rZYtzYNj
人しれぬ心のゆきて見る花はのこる山べもあらじとぞ思ふ(源師光)
220 :
名無氏物語:2009/03/25(水) 07:48:11 ID:rZYtzYNj
河波のくくるも見えぬくれなゐをいかにちれとか峰の木がらし(藤原定家)
221 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:33:29 ID:IOM0mej+
雪とのみふるからをのの桜花なほこのもとは忘れざりけり(後嵯峨院)
222 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:34:14 ID:IOM0mej+
いかにせむ高根の桜雪とのみふるだにあるを春の曙(宗尊親王)
223 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:34:58 ID:IOM0mej+
鶯はいたくなわびそ梅の花ことしのみちるならひならねば(源実朝)
224 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:35:53 ID:IOM0mej+
山ざくら尋ねてかへる春の夜は夢にも花のすがたをぞ見る(藤原公重)
225 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:37:53 ID:IOM0mej+
春こゆるうつの山道うつつにも夢にも花のちるやみゆらむ(中院通勝)
226 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:39:19 ID:IOM0mej+
うつつにも夢にも花のちる比は山にだに世のうきめをぞみる(契沖)
227 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 00:53:39 ID:Bn2kBkBc
おきふして惜しむかひなくうつつにも夢にも花の散る夜なりけり(金葉初度本98/みつね)
228 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:09:58 ID:Bn2kBkBc
桜花ちりぬるときは見もはてでさめぬる夢の心地こそすれ(金葉初度本105/みつね)
229 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:32:45 ID:IOM0mej+
み吉野の花のかげにてくれはてておぼろ月よの道やまどはむ(藤原良経)
230 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:34:08 ID:IOM0mej+
花ならぬならの木かげも夏くればたつことやすき夕まぐれかは(俊恵)
231 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:34:55 ID:IOM0mej+
夏衣たつことやすきかげもなしなほ花思ふ庭の梢に(藤原家隆)
232 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:35:54 ID:IOM0mej+
花の陰の心をしらば月も日もたつことやすき春はあらじを(後柏原院)
233 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:36:39 ID:IOM0mej+
清見潟そでにも浪の月を見てかたへもまたぬ風ぞすずしき(藤原定家)
234 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:38:53 ID:IOM0mej+
夏と秋とゆきかふ風やすぎぬらし露ちりそむるしののめの道(藤原雅経)
235 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:44:01 ID:IOM0mej+
夏と秋とゆきかふ夜半の浪の音のかたへすずしきかもの河かぜ(後鳥羽院)
236 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:55:04 ID:IOM0mej+
みるからにかたへ涼しき夏ごろも日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
237 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:56:10 ID:IOM0mej+
露の色ももりのしめ縄秋かけてかたへ涼しきせみのは衣(順徳院)
238 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:57:04 ID:IOM0mej+
夏の日のかたへすずしき風にしもおくれぬ秋や空にきぬらむ(中院通勝)
239 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 01:58:18 ID:IOM0mej+
夏ふかき野原の露もゆく水も近き沢辺ぞかたへ冷しき(冷泉為村)
240 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 23:42:09 ID:IOM0mej+
雪きえてうらめづらしきはつ草のはつかに野べも春めきにけり(式子内親王)
241 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 23:44:17 ID:IOM0mej+
山風の霞のころもふきかへしうらめづらしき花の色かな(九条道家)
242 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 23:45:09 ID:IOM0mej+
秋きぬと海ふく比良の山風もうらめづらしきあまの衣手(本居宣長)
243 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 23:48:09 ID:IOM0mej+
いまはよにもとの心の友もなし老いてふるえの秋萩の花(頓阿)
244 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 23:48:50 ID:IOM0mej+
いはれのの古枝の真萩はなさけば池にももとの心をぞしる(宗祇)
245 :
名無氏物語:2009/03/26(木) 23:51:02 ID:IOM0mej+
なれきつるもとの心は忘れずと萩の古枝をてらす月かげ(木下長嘯子)
246 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:00:11 ID:IOM0mej+
もしほ草しきつの浪にうき枕きけすみよしの松を秋風(慈円)
247 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:01:04 ID:IOM0mej+
住吉の浜辺のみそぎくれゆけば松を秋風けふよりぞふく(下河辺長流)
248 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:02:02 ID:IOM0mej+
かをらずは折りやまどはむ長月の月夜にあへる白菊の花(大中臣能宣)
249 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:02:46 ID:IOM0mej+
月影に色わきがたきしら菊は折りてもをらぬここちこそすれ(凡河内躬恒)
250 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:04:02 ID:IOM0mej+
ももしきの大宮ながら八十島を見るここちする秋の夜の月(凡河内躬恒)
251 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:05:30 ID:/2oRsaQZ
いづれをか花とはわかむ長月の有明の月にまがふ白菊(紀貫之)
252 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:06:58 ID:/2oRsaQZ
心あてにをらばやをらむ夕づくひさすや小倉の峰のもみぢば(藤原家隆)
253 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:08:15 ID:/2oRsaQZ
しらすげのまのの萩原あさなあさな置きまどはせる秋のはつ霜(藤原家隆)
254 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:51:05 ID:/2oRsaQZ
心あてにわくともわかじ梅の花散りかふ里の春のあは雪(藤原定家)
255 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:51:58 ID:/2oRsaQZ
白菊の籬の月の色ばかりうつろひ残る秋の初霜(藤原定家)
256 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:52:48 ID:/2oRsaQZ
心あてに誰かはをらむ山がつのかきほの萩の露のふかさを(藤原為家)
257 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:53:39 ID:/2oRsaQZ
心あてにをらばや夜半の梅の花かをる軒ばの風を尋ねて(宗良親王)
258 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:54:55 ID:/2oRsaQZ
袖かけてをらばやをらむ榊ばのかをなつかしみ露をしるべに(正徹)
259 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:55:54 ID:/2oRsaQZ
心あての色もかすみの吉野山我まどはすな花のしら雲(三条西実隆)
260 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:56:45 ID:/2oRsaQZ
あともなき波の上ながら心あてにゆけばまどはぬ舟ぢなりけり(小沢蘆庵)
261 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 00:57:24 ID:/2oRsaQZ
初霜はまだおきなれぬ宵々の月にうつろふ白菊の花(香川景樹)
262 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:05:37 ID:/2oRsaQZ
老いの目はまぎらはしさに折りかねつ月夜の霜の白菊の花(安藤野雁)
263 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:06:21 ID:/2oRsaQZ
もみぢばを幣にたむけて行く秋ををしみとめぬや神なびの森(慈円)
264 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:07:03 ID:/2oRsaQZ
みそぎ川あさのたちえのゆふしでを幣とたむけて夏はいぬめり(藤原為家)
265 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:07:48 ID:/2oRsaQZ
初雁のはつかにききしことづても雲路にたえてわぶるころかな(源高明)
266 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:08:37 ID:/2oRsaQZ
いとどまた夢てふ物をたのめとや思ひねになくほととぎすかな(宗尊親王)
267 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:09:38 ID:/2oRsaQZ
惜しめどもたちもとまらぬ秋霧のゆくへもしらぬ恋もするかな(源俊頼)
268 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:21:59 ID:/2oRsaQZ
芳野山あふをかぎりの桜花ゆくへもしらぬ道やまどはむ(藤原家隆)
269 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:23:40 ID:/2oRsaQZ
あひみてもなほ行くへなき思ひかな命や恋のかぎりなるらむ(藤原定家)
270 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:25:02 ID:/2oRsaQZ
いつしかの行へもしらぬ詠めより逢ふを限りのはてをしぞ思ふ(藤原雅経)
271 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 01:27:34 ID:/2oRsaQZ
行へなきあふをかぎりの白雲もたえて分かるる峰の松かぜ(俊成卿女)
272 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:02:46 ID:/2oRsaQZ
さても又あふを限りのはてもなし恋は命ぞかぎりなりける(藤原為家)
273 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:07:59 ID:/2oRsaQZ
思ひあまりあふをかぎりの詠めしてゆくへもしらぬ夕暮の空(宗尊親王)
274 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:09:09 ID:/2oRsaQZ
わたの原ゆくへもしらずはてもなし沖つ霞の春のあけぼの(後二条院)
275 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:10:17 ID:/2oRsaQZ
恋ひしなむそれまでと猶歎くかなあふを限の思ひたえても(頓阿)
276 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:11:26 ID:/2oRsaQZ
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風(正徹)
277 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:12:49 ID:/2oRsaQZ
くれはつる秋こそやがてしらせけれあふ人からの夜半のならひは(藤原家隆)
278 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:18:39 ID:/2oRsaQZ
むつごとも逢ふ人からのならひかもいづらは夜半も長月の空(後鳥羽院)
279 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:19:52 ID:/2oRsaQZ
ながしとぞ思ひはてぬる逢はでのみひとり月見る秋の夜な夜な(宗尊親王)
280 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:20:39 ID:/2oRsaQZ
またいつにこよひもまたむ月をしも逢ふ人からのしののめの空(三条西実隆)
281 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:21:36 ID:/2oRsaQZ
よの中はさてもやうきと桜花ちらぬ春にもあひ見てしがな(飛鳥井雅有)
282 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:22:42 ID:/2oRsaQZ
露分くる夏野の草のぬれ衣なるとはすれど色もかはらず(順徳院)
283 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 02:26:12 ID:/2oRsaQZ
あま衣なるとはすれどいせ島やあはぬうつせはいふかひもなし(後水尾院)
284 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 03:02:17 ID:/2oRsaQZ
よそにのみきくの長浜ながらへて心づくしにこひやわたらむ(藤原為家)
285 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 03:05:15 ID:/2oRsaQZ
何ゆゑに雪みるべくもあらぬ身のこしぢの冬をみとせ経ぬらむ(宗良親王)
286 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 03:08:20 ID:/2oRsaQZ
ふりつもる雪みるべくもなき人の跡をも今朝はおもひやりつつ(宗良親王)
287 :
名無氏物語:2009/03/27(金) 03:09:18 ID:/2oRsaQZ
かへるかり跡はしたへどしら山のゆきみるべくもなき雲路かな(下河辺長流)
288 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 21:56:03 ID:+plEFCdx
わび人のたもとしなくは紅葉葉のひとりや雨にぬれて染めまし(藤原為家)
289 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 21:57:18 ID:+plEFCdx
今朝ぞこの山のかひあるみむろ山絶えせぬ道の跡を尋ねて(藤原定家)
290 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 21:58:26 ID:+plEFCdx
大君は神にしませば赤駒の腹這ふ田居を都と成しつ(大伴御行)
291 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 22:00:25 ID:+plEFCdx
磯のうへは心してゆけ真砂ぢや根はふつままに駒ぞつまづく(藤原信実)
292 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 22:01:45 ID:+plEFCdx
秋風に雲のかけはし吹き断えて駒ぞ跌く家思ふかも(岡倉天心)
293 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 22:02:47 ID:+plEFCdx
霧隠れうたふ舟人声ばかりするがの海の沖にでにけり(藤原信実)
294 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 22:04:40 ID:+plEFCdx
室の海や瀬戸のはや舟なみたてて片帆にかくる風のすずしさ(藤原信実)
295 :
名無氏物語:2009/03/28(土) 22:48:28 ID:+plEFCdx
散り残る花もやあると桜村青葉の木かげ立ちぞやすらふ(冷泉為村)
296 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 01:28:33 ID:XwIJPQJk
見渡せばこのもかのもにかけてけりまだぬきうすき春の衣を(式子内親王)
297 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 01:34:42 ID:XwIJPQJk
佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ(後鳥羽院)
298 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 01:46:26 ID:XwIJPQJk
これもまた忘れじ物をたちかへり因幡の山の秋の夕暮(藤原定家)
299 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 01:48:40 ID:XwIJPQJk
風吹けばさもあらぬ峰の松も憂し恋せむ人は都にを住め(藤原定家)
300 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:30:06 ID:XwIJPQJk
一声もなきていなばの峰におふるまつかひあれや山ほととぎす(藤原有家)
301 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:32:16 ID:XwIJPQJk
すゑとほき朝日の山の峰におふる松には風も常磐なりけり(藤原良経)
302 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:35:40 ID:XwIJPQJk
よしやさは頼めぬ宿の庭に生ふるまつとなつげそ秋の夕風(後鳥羽院)
303 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:37:51 ID:XwIJPQJk
夜半の月いづる外山の嶺におふる松をもはらへ秋ふかき風(後鳥羽院)
304 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:38:57 ID:XwIJPQJk
程もなく出でていなばの嶺におふるまつとしつれば有明の月(後鳥羽院)
305 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:40:22 ID:XwIJPQJk
君が代にくらぶの山の峰に生ふるまつは千とせをかぎるばかりぞ(源実朝)
306 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:41:46 ID:XwIJPQJk
峰に生ふる松吹きこしていなば山月の桂にかへる秋風(堯孝)
307 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 02:52:48 ID:XwIJPQJk
都にもまつとしきかばいでさのみ紀の関守よ人なとどめそ(木下長嘯子)
308 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:05:54 ID:XwIJPQJk
網いれて大魚とるらむ舟あそびまつとしきかば来む日頃へず(橘曙覧)
309 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:07:02 ID:XwIJPQJk
放蕩のすゑの松山、母ひとり待つとし聞けば今から逃けむ(恂{邦雄)
310 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:08:16 ID:XwIJPQJk
須磨のうら関吹きこゆる春風に霞みだるる明けぼのの空(藤原範宗)
311 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:09:28 ID:XwIJPQJk
須磨の浦や波に面影たちそひて関吹きこゆる風ぞかなしき(藤原定家)
312 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:10:32 ID:XwIJPQJk
須磨の海人のなれにし袖もしほたれぬ関吹きこゆる秋の浦風(藤原定家)
313 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:12:24 ID:XwIJPQJk
逢坂の関吹きこゆる風のうへにゆくへもしらずちる桜かな(兼好)
314 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:14:21 ID:XwIJPQJk
面影の君にしられぬ音をぞなく問ふ人あらば月にこたへよ(藤原家隆)
315 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:15:47 ID:XwIJPQJk
藻塩たれひるまもなきをわくらばにとへどもまたじすまの波風(藤原家隆)
316 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:26:16 ID:XwIJPQJk
滝つ瀬も憂き事あれやわが袖の涙に似つつおつる白玉(紀貫之)
317 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:28:53 ID:XwIJPQJk
この比の涙にかりてひろふべき滝の白玉霧なくもがな(藤原家隆)
318 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:30:17 ID:XwIJPQJk
こきちらす滝の白玉からねども涙はつきぬ物にぞありける(後鳥羽院)
319 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:32:07 ID:XwIJPQJk
さびしさは秋の嵯峨野の野辺の露月に跡とふ千代のふる道(後鳥羽院)
320 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:33:17 ID:XwIJPQJk
いにしへの千世のふるみち年へてもなほ跡ありや嵯峨の山風(後鳥羽院)
321 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:34:11 ID:XwIJPQJk
芹河の千代の古道すなほなる昔の跡は今や見ゆらむ(兼好)
322 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:35:00 ID:XwIJPQJk
嵯峨山の松も君にしとはれずは誰に語らむ千世のふるごと(香川景樹)
323 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 03:36:25 ID:XwIJPQJk
咲きにけり風の来ぬ間にけふ桜こころのほどに手折りつつ見む(後鳥羽院)
324 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:16:48 ID:XwIJPQJk
けふ桜折らば折らなむ風吹かば夜のまもしらぬ花の梢に(安嘉門院高倉)
325 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:18:10 ID:XwIJPQJk
けふ桜めがれせぬまもそふ老を思ひも出でぬ花の陰かな(正徹)
326 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:19:23 ID:XwIJPQJk
いかにせむ都はるかにながむればしのぶもぢずり心みだれて(慈円)
327 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:20:12 ID:XwIJPQJk
露のをはり玉の衣にみだるなよ浮世の秋のしのぶもぢずり(藤原家隆)
328 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:22:05 ID:XwIJPQJk
袖ぬらすしのぶもぢずり誰が為に乱れてもろき宮城野の露(藤原定家)
329 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:23:30 ID:XwIJPQJk
逢ふことはしのぶの衣あはれなど稀なる色に乱れそめけむ(藤原定家)
330 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:24:13 ID:XwIJPQJk
みちのくのしのぶもぢずり乱れつつ色にを恋ひむ思ひそめてき(藤原定家)
331 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 14:26:35 ID:XwIJPQJk
ふみしだく浅香の沼の夏草にかつみだれそふしのぶもぢずり(藤原定家)
332 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:05:04 ID:XwIJPQJk
春の色のしのぶもぢずりたが袖にみだれて落つる春のあは雪(順徳院)
333 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:06:20 ID:XwIJPQJk
霞たつしのぶもぢずり衣手にみだれて帰る春の雁が音(正徹)
334 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:07:21 ID:XwIJPQJk
袖の色のまづたが方にみだれましおなじ涙をしのぶもぢずり(飛鳥井雅親)
335 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:08:50 ID:XwIJPQJk
みちのくのしのぶもぢずり五月雨は都の雲につづく比かな(正広)
336 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:09:49 ID:XwIJPQJk
いはぬ色をしのぶの里の花になどみだれ初めにし山吹の露(烏丸光広)
337 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:10:53 ID:XwIJPQJk
ぬしやたれいさしら露のふぢばかま忘れがたみに秋風ぞふく(藤原為家)
338 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:13:55 ID:XwIJPQJk
もれぬべき袖の涙にしらせばやとへど白玉いはぬならひを(二条為定)
339 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:15:30 ID:XwIJPQJk
ぬしや誰とへど白波春たてば霞にそむる布引の滝(長慶天皇)
340 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 15:28:00 ID:XwIJPQJk
人心なににつながむ色かはるまさきのつなのよるもたまらず(藤原家隆)
341 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:14:57 ID:XwIJPQJk
山にてもとどめぬ月の恨みをもまさきのつなのよるよるの風(後柏原院)
342 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:18:44 ID:XwIJPQJk
故郷のもとあらの小萩いたづらに見る人なしみ咲きか散りなむ(源実朝)
343 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:20:20 ID:XwIJPQJk
山深み年をふる木の桜花さてや散りなむ見る人なしに(小沢蘆庵)
344 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:21:48 ID:XwIJPQJk
うづら鳴くふりにし里の桜花見る人なしに散りかすぎなむ(本居宣長)
345 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:41:53 ID:XwIJPQJk
いにしへの人がいひたる如くにし萩が花散る見る人なしに(斎藤茂吉)
346 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:44:54 ID:XwIJPQJk
かしましと面伏せには言ひしかどこの頃見ねばさびしかりけり(良寛)
347 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 16:45:46 ID:XwIJPQJk
又さらに折り焚く柴のしひがたりさすがに夜さへあくべくはなし(加納諸平)
348 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:00:29 ID:XwIJPQJk
いつしかと衣ほすめりかげろふの夏きにけらし天のかご山(藤原隆季)
349 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:10:30 ID:XwIJPQJk
白妙の衣ほすてふ夏の来て垣根もたわに咲ける卯の花(藤原定家)
350 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:11:20 ID:XwIJPQJk
大井川かはらぬゐぜきおのれさへ夏きにけりと衣ほすなり(藤原定家)
351 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:12:03 ID:XwIJPQJk
花ざかり霞の衣ほころびてみねしろたへの天のかご山(藤原定家)
352 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:27:00 ID:XwIJPQJk
雲晴るる雪の光や白妙の衣干すてふ天のかぐ山(藤原良経)
353 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:27:52 ID:XwIJPQJk
白雲の衣ほすてふ山がつの垣ほの谷は日影やはさす(藤原家隆)
354 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:29:11 ID:XwIJPQJk
白妙の衣ほすなり郭公天のかぐ山おりはへてなけ(藤原家隆)
355 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:30:05 ID:XwIJPQJk
春ををしみ天の香具山袖ぬれてあすは卯月の衣ほすとも(藤原家隆)
356 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:30:55 ID:XwIJPQJk
いまよりの秋風たちぬしろたへの衣吹きほすあまのかぐ山(藤原家隆)
357 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 17:43:25 ID:XwIJPQJk
みねたかき天のかご山しろたへのたが衣手を雲にほすらん(藤原信実)
358 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 18:02:08 ID:XwIJPQJk
かぐ山のあまぢのかすみおりはへて神もやむかし衣ほしけむ(藤原基家)
359 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 18:03:14 ID:XwIJPQJk
五月雨は雲のおりはへ夏衣ほさでいくかぞあまのかご山(藤原為家)
360 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 18:05:09 ID:XwIJPQJk
香久山やあまぎる雪の朝がすみそれとも見えずほす衣かな(正徹)
361 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 18:19:24 ID:XwIJPQJk
さくら花よそめは雲になりはてて衣はほさじ天の香久山(木下長嘯子)
362 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 18:20:05 ID:XwIJPQJk
水無月のテラス手負のラガー出て白妙の裂帛を干したり(塚本邦雄)
363 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 22:01:29 ID:XwIJPQJk
鴬の氷れる涙とけぬれどなほ我が袖はむすぼほれつつ(藤原良経)
364 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 22:02:28 ID:XwIJPQJk
おもかげの霞める月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に(俊成卿女)
365 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 22:03:43 ID:XwIJPQJk
月残る弥生の山の霞む夜をよよしとつげよまたずしもあらず(後鳥羽院)
366 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 22:04:41 ID:XwIJPQJk
さても又慰むやとてながむべきそなたの空も薄がすみつつ(宮内卿)
367 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 22:06:18 ID:XwIJPQJk
夢にだにみぬ夜な夜なを恨みきて衣はる雨しをれてぞふる(藤原有家)
368 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 22:08:54 ID:XwIJPQJk
人しれずおさへてむせぶひまごとに涙打ちいづる袖の春かぜ(藤原雅経)
369 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:31:16 ID:XwIJPQJk
忘れめや花にたちまよふ春霞それかとばかり見えし明ぼの(藤原定家)
370 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:32:33 ID:XwIJPQJk
わかれつる床に心はとどめおきて霞にまよふ春の明ぼの(藤原俊成)
371 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:34:19 ID:XwIJPQJk
恨みても心づからのおもひかなうつろふ花に春のゆふぐれ(藤原家隆)
372 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:37:14 ID:XwIJPQJk
恋もせでながめましかばいかならん花の梢におぼろ月夜を(慈円)
373 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:38:13 ID:XwIJPQJk
思ひきや匂ひを送る梅がえの移りがをのみみにしめんとは(藤原公継)
374 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:38:58 ID:XwIJPQJk
さてもいかに岩かき沼のあやめ草あやめもしらぬ袖の玉水(後鳥羽院)
375 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:39:49 ID:XwIJPQJk
はかなしや夢も程なき夏の夜のねざめばかりの忘れがたみは(俊成卿女)
376 :
名無氏物語:2009/03/29(日) 23:40:40 ID:XwIJPQJk
みに余る思ひをさても夏虫のわれひとりとや色にいづべき(宮内卿)
377 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:06:49 ID:Bo/SECmD
しのびあまりなくや五月のあま雲のよそにてのみや山郭公(藤原有家)
378 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:08:34 ID:Bo/SECmD
よそにては軒の橘かをる夜にむかし語りをしのぶとやみむ(藤原公継)
379 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:09:36 ID:Bo/SECmD
きかじ只人待つ山の郭公我もうちつけのさよの一こゑ(藤原雅経)
380 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:10:23 ID:Bo/SECmD
郭公人まつ山になくなれば我うちつけに恋まさりけり(紀貫之)
381 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:25:24 ID:Bo/SECmD
草ふかき夏野分け行くさをしかの音にこそたてね露ぞこぼるる(藤原良経)
382 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:26:49 ID:Bo/SECmD
しのぶればねにこそたてねさをしかのいる野の露のけぬべきものを(鴨長明)
383 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:28:01 ID:Bo/SECmD
時ぞとや夜半の蛍をながむらんとへかし人のしたの思ひを(藤原家隆)
384 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:29:49 ID:Bo/SECmD
夢にだにかさねぞかぬる夏衣かへすとすれば明くるしののめ(慈円)
385 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:31:03 ID:Bo/SECmD
夏の夜のふすかとすれば郭公なくひとこゑに明くるしののめ(紀貫之)
386 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 00:34:43 ID:Bo/SECmD
郭公空につたへよ恋ひわびてなくや五月のあやめわかずと(藤原定家)
387 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:00:23 ID:Bo/SECmD
よしやさは頼めぬ宿の庭に生ふるまつとなつげそ秋の夕かぜ(後鳥羽院)
388 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:01:05 ID:Bo/SECmD
野べの露は色もなくてやこぼれつる袖よりすぐる荻の上風(慈円)
389 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:02:06 ID:Bo/SECmD
わが心いかにかすべきさらぬだに秋の思ひはかなしき物を(藤原公継)
390 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:10:36 ID:Bo/SECmD
みるもうしいかにかすべき我が心かかる報いの罪やありける(西行)
391 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:11:49 ID:Bo/SECmD
今宵しも月やはあらぬ大かたの秋はならひを人ぞつれなき(藤原定家)
392 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:12:40 ID:Bo/SECmD
なき渡る雲ゐの雁の涙さへ露おく袖の夜半のかたしき(俊成卿女)
393 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:13:30 ID:Bo/SECmD
ながめしや心づくしの秋の月露のかごとも袖ふかきころ(藤原雅経)
394 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:14:30 ID:Bo/SECmD
せく袖に涙の色やあまるらんながむるままの萩の上の露(藤原良経)
395 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:15:33 ID:Bo/SECmD
物思はでただおほかたの露にだにぬるればぬるる秋の袂を(藤原有家)
396 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 01:16:24 ID:Bo/SECmD
おほかたの露には何のなるならむ袂に置くは涙なりけり(西行)
397 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:23:31 ID:Bo/SECmD
物思ふたもとはいはず鹿のねはただおほかたのね覚なりけり(宮内卿)
398 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:24:15 ID:Bo/SECmD
おほかたに秋のねざめの露けくは又たが袖に有明の月(二条院讃岐)
399 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:25:15 ID:Bo/SECmD
思ひ入る身は深草の秋の露たのめし末やこがらしの風(藤原家隆)
400 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:26:10 ID:Bo/SECmD
芦鴨のはらふ翅に置く霜のきえかへりてもいくよへぬらん(藤原良経)
401 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:27:45 ID:Bo/SECmD
霜ははや布留の中道中々にかれなで人を何したふらん(藤原雅経)
402 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:28:33 ID:Bo/SECmD
わがやどの菊のかきねにおく霜のきえかへりてぞ恋しかりける(紀友則)
403 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:29:29 ID:Bo/SECmD
いそのかみふるのなか道なかなかに見ずはこひしと思はましやは(紀貫之)
404 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:35:44 ID:Bo/SECmD
見るめなきわが身をうらとしらねばやかれなであまのあしたゆくくる(小野小町)
405 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:36:37 ID:Bo/SECmD
落ちつもる涙の露はさよ衣さえても袖にみえけるものを(宮内卿)
406 :
名無氏物語:2009/03/30(月) 08:37:19 ID:Bo/SECmD
しばしこそよそにみぎはの薄氷とけではやまじ結ぼるるとも(藤原有家)
407 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:39:18 ID:g0BOTpr5
うつり行くまがきの菊も折々はなれこしころの秋をこふらし(後鳥羽院)
408 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:40:22 ID:g0BOTpr5
冬の夜は幾度ばかり寝覚すといふもまどろむひまやなからん(藤原公継)
409 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:46:27 ID:g0BOTpr5
冬の夜にいくたびばかり寝覚して物思ふやどのひましらむらん(増基法師)
410 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:47:09 ID:g0BOTpr5
いたづらに千鳥鳴くなる河風におもひかねても行くかたぞなき(慈円)
411 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:48:29 ID:g0BOTpr5
思ひかねいもがりゆけば冬の夜の河風さむみちどりなくなり(紀貫之)
412 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:49:26 ID:g0BOTpr5
恋をのみ菅のねしのぎふる雪の消えだにやらず山もしののに(藤原家隆)
413 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:50:12 ID:g0BOTpr5
かよひこし宿の道柴かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ(俊成卿女)
414 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:50:59 ID:g0BOTpr5
あともなき庭のあさぢにむすぼほれ露のそこなる松虫の声(式子内親王)
415 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:58:27 ID:g0BOTpr5
床の霜枕の氷消え侘びぬむすびもおかぬ人のちぎりに(藤原定家)
416 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 01:59:20 ID:g0BOTpr5
忘れずよいまはの心つくばねの峯のあらしに有明の月(藤原家隆)
417 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:01:10 ID:g0BOTpr5
あけぬとて今はの心つくからになどいひしらぬ思ひそふらむ(藤原国経)
418 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:02:07 ID:g0BOTpr5
涙さへ鴫の羽がきかきもあへず君がこぬ夜のあかつきの空(藤原雅経)
419 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:03:24 ID:g0BOTpr5
白露のおきてわびしき別れをも逢ふにぞかこつ有明の月(後鳥羽院)
420 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:05:01 ID:g0BOTpr5
暁のなからましかば白露のおきてわびしき別れせましや(紀貫之)
421 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:06:34 ID:g0BOTpr5
またこんといひて別れしなごりのみながむる月に有明の空(藤原有家)
422 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:07:20 ID:g0BOTpr5
今こむといひしばかりに長月のありあけの月をまちいでつるかな(素性法師)
423 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:22:14 ID:g0BOTpr5
今こむといひてわかれし朝より思ひくらしのねをのみぞなく(僧正遍昭)
424 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:23:38 ID:g0BOTpr5
たのめつる夜半もいまはの袖の雨に月さへ曇る有明の空(慈円)
425 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:24:25 ID:g0BOTpr5
をしみかね別れしよりも数々におもふかたみの暁の空(俊成卿女)
426 :
名無氏物語:2009/03/31(火) 02:25:10 ID:g0BOTpr5
あかでこし袖のしづくは秋のよの月さへくもる物にぞ有りける(藤原公任)
427 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:41:43 ID:begc0Dlg
をしみかねげにいひしらぬ別れかな月もいまはのあり明のそら(藤原兼実)
428 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:42:32 ID:begc0Dlg
のりのため摘みける花をかずかずにいまはこのよのかたみとぞおもふ(選子内親王)
429 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:43:20 ID:begc0Dlg
今はただかぜやはらはんうき人の通ひ絶えにし庭の朝霜(宮内卿)
430 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:44:08 ID:begc0Dlg
俤もまつ夜むなしき別れにてつれなくみゆる有明のそら(藤原定家)
431 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:44:50 ID:begc0Dlg
有明のつれなく見えし別れより暁ばかりうきものはなし(壬生忠岑)
432 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:46:33 ID:begc0Dlg
橋ひめのかたしき衣さむしろに待つ夜むなしき宇治の明ぼの(後鳥羽院)
433 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:53:43 ID:begc0Dlg
もりあかす水のしら玉今はとてたゆむもしらぬ袖のうへかな(藤原良経)
434 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:54:31 ID:begc0Dlg
明くるまを何恨みけむ逢ふ事のなごりに今は恋しき物を(藤原公継)
435 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 21:55:28 ID:begc0Dlg
いかにせんこぬ夜あまたの袖の露に月をのみまつ夕暮の空(後鳥羽院)
436 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:01:04 ID:begc0Dlg
たのめつつ来ぬ夜あまたになりぬれば待たじと思ふぞ待つにまされる(柿本人麻呂)
437 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:02:11 ID:begc0Dlg
いかにせんこぬ夜あまたの時鳥またじと思へば村雨のそら(藤原家隆)
438 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:03:25 ID:begc0Dlg
ながめつつまたばと思ふ雲の色をたが夕暮と君たのむらん(藤原定家)
439 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:04:09 ID:begc0Dlg
今こんと只なほざりの言の葉をまつとはなくて夕暮の空(宮内卿)
440 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:05:31 ID:begc0Dlg
あぢきなくそへし心のかへりこでゆくらんかたの夕暮の空(藤原雅経)
441 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:08:46 ID:begc0Dlg
夕暮れはまたれしものを今はただゆくらむ方を思ひこそやれ(相模)
442 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:22:34 ID:begc0Dlg
何ゆゑと思ひもいれぬ夕だに待ち出でし物を山のはの月(藤原良経)
443 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:23:56 ID:begc0Dlg
いかにせむ待つべしとだに思ひよらで暮れ行く鐘に打ちしをれつつ(慈円)
444 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:24:54 ID:begc0Dlg
身にぞしむ人なき床の夕まぐれ涙の露をはらふ秋風(俊成卿女)
445 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:26:57 ID:begc0Dlg
今はただまたれしあとの夕暮の曇るばかりぞかたみなりける(藤原家隆)
446 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 22:56:34 ID:begc0Dlg
荻の葉に風うちそよぐ夕ぐれや人を恋しと思ひそめけん(藤原公継)
447 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:00:28 ID:begc0Dlg
荻のはに風うちそよぐ夕ぐれはおとせぬよりもさびしかりけり(俊恵)
448 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:01:13 ID:begc0Dlg
はりまなるしかまにそむるあながちに人をこひしとおもふころかな(曾禰好忠)
449 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:02:19 ID:begc0Dlg
おもふ事みにしみまさるながめかな雲のはたての空のあき風(藤原有家)
450 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:03:06 ID:begc0Dlg
よをかさね身にしみまさる嵐かな松の梢に秋やすぐらん(藤原定家)
451 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:04:07 ID:begc0Dlg
君ならぬ木のはもつらし旅衣はらひもあへず露こぼれつつ(藤原定家)
452 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:05:27 ID:begc0Dlg
篠原やしらぬ野中のかり枕松もひとりのあきかぜの声(藤原家隆)
453 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:06:37 ID:begc0Dlg
武蔵野やひとり思ひにむせぶかなきつつなれにし妻も籠らで(藤原有家)
454 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:11:40 ID:begc0Dlg
草枕むすびさだめんかたしらずならはぬ野べの夢の通ひぢ(藤原雅経)
455 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:14:25 ID:begc0Dlg
君ももしながめやすらん旅衣朝たつ月をそらにまがへて(後鳥羽院)
456 :
名無氏物語:2009/04/01(水) 23:16:05 ID:begc0Dlg
うつの山うつつかなしき道たえて夢に都の人はわすれず(藤原良経)
457 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:08:03 ID:LUOQ97xq
古郷のたよりおもはぬながめかな花ちる比のうつのやまごえ(宮内卿)
458 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:08:58 ID:LUOQ97xq
旅ねするゆめぢはゆるせうつの山せきとはきかずもる人もなし(藤原家隆)
459 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:10:47 ID:LUOQ97xq
我妹子が家路にかへる心かなかさなる山をしひてすぐれば(藤原公継)
460 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:12:12 ID:LUOQ97xq
わすれじの契り結びし枕さへあらぬかりねの夢ぞはかなき(俊成卿女)
461 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:13:15 ID:LUOQ97xq
蔦の色に袖をあらそふ旅ねにはうつつもかなし宇津の山ごえ(慈円)
462 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:14:20 ID:LUOQ97xq
廻りあはん程をばいつといふべきぞ便りだになし宇津の山越え(宮内卿)
463 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:30:28 ID:LUOQ97xq
人とはぬころだにつらき山里の松に心のあきかぜのこゑ(俊成卿女)
464 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:31:45 ID:LUOQ97xq
わすらるる人めはつひにかれにけり誰山里の冬とまつらん(藤原家隆)
465 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:33:35 ID:LUOQ97xq
山里は冬ぞさびしさまさりけり人目も草もかれぬと思へば(源宗于)
466 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 00:34:44 ID:LUOQ97xq
山がつの麻のさごろもをさをあらみあはで月日や杉ふける庵(藤原良経)
467 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 15:49:08 ID:LUOQ97xq
風吹けばさもあらぬ峯の松もうし恋せん人は都にをすめ(藤原定家)
468 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 15:50:22 ID:LUOQ97xq
身をしれば思ひもよらで杉の庵に猶さりともと松風ぞふく(後鳥羽院)
469 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 15:59:50 ID:LUOQ97xq
おもひわび涙ふりそふ嶺の庵にかたしく雲やうちしぐるらん(藤原有家)
470 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 16:01:05 ID:LUOQ97xq
月さへに旅の空とやおもふらん雲の衣をかたしきてけり(源有房)
471 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 16:02:10 ID:LUOQ97xq
山ふかき雲の衣をかたしきて千里のみちに秋かぜぞふく(藤原良経)
472 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 16:10:27 ID:LUOQ97xq
山陰や山鳥の尾のながきよを我ひとりかもあかしかねつつ(慈円)
473 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 16:11:38 ID:LUOQ97xq
あしひきの山鳥の尾のしだりをのながながし夜をひとりかも寝む(柿本人麻呂)
474 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:12:22 ID:LUOQ97xq
君しるや都もよそに嶺の雲はれぬ思ひにながめわびつつ(藤原雅経)
475 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:15:10 ID:LUOQ97xq
ひとりふすまやのすきまの雨そそき落つる涙の数そへんとや(藤原公継)
476 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:18:00 ID:LUOQ97xq
物思はぬ人はたえける山里に我が身ひとつの秋のゆふぐれ(宮内卿)
477 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:19:31 ID:LUOQ97xq
袖のうへにたれかはかかるつゆはおくわが身ひとつの秋のゆふぐれ(藤原有家)
478 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:23:54 ID:LUOQ97xq
里はあれぬ尾上の宮のおのづから待ちこし宵も昔なりけり(後鳥羽院)
479 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:25:19 ID:LUOQ97xq
さとはあれぬむなしき床のあたりまで身はならはしの秋かぜぞふく(寂蓮)
480 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:27:27 ID:LUOQ97xq
高円のをのへの宮の秋萩をたれきて見よとまつむしのこゑ(藤原良経)
481 :
名無氏物語:2009/04/02(木) 18:37:17 ID:LUOQ97xq
たれ見よと露のそむらん高円の尾上の宮の秋はぎのはな(後鳥羽院)
482 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:21:58 ID:4X58/RgT
末までと契りてとはぬ故里にむかしがたりのまつ風ぞふく(藤原良経)
483 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:22:49 ID:4X58/RgT
あだ人の心よりまづあれそめて庭もまがきも野べの秋かぜ(藤原有家)
484 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:23:44 ID:4X58/RgT
さざ波や志賀の古郷いくかへりわすれがたみの袖ぬらすらん(藤原家隆)
485 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:24:41 ID:4X58/RgT
色にみよ袖にしぐれの故里のみかきが原の秋のおもひは(慈円)
486 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:26:10 ID:4X58/RgT
飛ぶ鳥のあすかのさとに秋ふけぬ出でにし人は音づれもせで(俊成卿女)
487 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:38:39 ID:4X58/RgT
まがきには鹿もなれきて妻とふをきくに袂ぞいとど露けき(藤原公継)
488 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:39:24 ID:4X58/RgT
契りしもあらずなりけり面影はありしながらの渡りなれども(宮内卿)
489 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:40:05 ID:4X58/RgT
つれなきを待つとせしまの春の草かれぬ心のふる里の霜(藤原定家)
490 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:41:02 ID:4X58/RgT
わがやどは道もなきまであれにけりつれなき人をまつとせしまに(遍昭)
491 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 17:42:19 ID:4X58/RgT
人ふるす里をも何かいとふべき我が身ひとつのうき名なりけり(藤原雅経)
492 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:14:25 ID:4X58/RgT
人ふるす里をいとひてこしかども奈良の都もうき名なりけり(二条)
493 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:15:06 ID:4X58/RgT
都おもふ心のはてもゆくへなき芦やの沖のうきねなりけり(俊成卿女)
494 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:15:56 ID:4X58/RgT
はるかなるあしやの沖のうきねにもゆめぢはちかき都なりけり(藤原俊成)
495 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:16:47 ID:4X58/RgT
いまはとてあかで出でにし曙にゐなのみなとも月ぞかはらぬ(宮内卿)
496 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:17:46 ID:4X58/RgT
しるらめや風のたよりをまち侘びて袖に波たつ梶まくらすと(藤原公継)
497 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:18:30 ID:4X58/RgT
わすれぬは浪路の月に愁へては身をうしまどにとまる舟人(藤原定家)
498 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:21:02 ID:4X58/RgT
おもふ人をうきねの夢にみなと川さむる袂にのこるおも影(後鳥羽院)
499 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:55:51 ID:4X58/RgT
おもひねの夢路に人をみなと川さむればもとの浮きねなりけり(藤原有家)
500 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:57:00 ID:4X58/RgT
ふねとむるむしあけの磯の松の風たが夢路にか又かよふらん(慈円)
501 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 18:58:23 ID:4X58/RgT
うき枕なみに波しく袖のうへに月ぞかさなるなれしおも影(藤原家隆)
502 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:07:02 ID:4X58/RgT
まてとしもたのめぬ磯のかぢ枕虫あけの波のねぬよとふなり(藤原良経)
503 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:08:49 ID:4X58/RgT
片しきの袖もうきねの浪枕ひとりあかしのうらめしの身や(藤原雅経)
504 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:11:18 ID:4X58/RgT
東路やひとり旅ねの日数へて涙せきあへぬあしがらの関(慈円)
505 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:12:19 ID:4X58/RgT
遠ざかるままに都のしのばれて涙せきあへぬあしがらの関(慈円)
506 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:13:11 ID:4X58/RgT
いかで云はんかくこそ有りけれ関守もいづら勿来のなを答へけん(藤原公継)
507 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:30:48 ID:4X58/RgT
わすらるるうきなもすすげ清見がた関の岩こす波の月影(藤原家隆)
508 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:31:41 ID:4X58/RgT
みし人のおも影とめよ清見がた袖に関もるなみのかよひぢ(藤原雅経)
509 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:32:21 ID:4X58/RgT
相坂の木綿付鳥よなれをしぞ哀れと思ひねになきてこし(俊成卿女)
510 :
名無氏物語:2009/04/03(金) 19:33:12 ID:4X58/RgT
相坂の木綿つけ鳥にあらばこそ君が行き来をなくなくも見め(閑院)
511 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 11:46:40 ID:mi0hprOG
風通ふ寝ざめの袖の花の香にかをるまくらの春の夜の夢(俊成卿女)
512 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:15:02 ID:k2IhHoDZ
たえはつる人やはつらき心からなさへうらめし相坂の関(宮内卿)
513 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:17:45 ID:k2IhHoDZ
我が恋やこのよを関と鈴鹿川すずろに袖のかくはしをれし(藤原良経)
514 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:19:19 ID:k2IhHoDZ
難波人あし火たくやにやどかりてすずろに袖のしほたるるかな(藤原俊成)
515 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:20:03 ID:k2IhHoDZ
誰も又関もれとやは清見がたみせばや袖のなみの月影(藤原有家)
516 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:32:01 ID:k2IhHoDZ
恋をのみすまの関屋の板びさしさして袖とも波はわかじを(後鳥羽院)
517 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:32:55 ID:k2IhHoDZ
はりまぢや須磨の関屋のいたびさし月もれとてやまばらなるらん(源師俊)
518 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:33:49 ID:k2IhHoDZ
すまの浦や波におも影立ちそひて関ふきこゆる風ぞかなしき(藤原定家)
519 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:35:04 ID:k2IhHoDZ
契りしを我がみひとつに松島やをじまの浪の音ばかりして(俊成卿女)
520 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:39:07 ID:k2IhHoDZ
松島やをじまの磯にあさりせしあまの袖こそかくはぬれしか(源重之)
521 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 18:43:43 ID:k2IhHoDZ
松島や恋せぬあまのぬれ衣(ごろも)ぬれてもしばしほさぬ物かは(藤原有家)
522 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:13:00 ID:k2IhHoDZ
いかにせん思ひありその忘れ貝かひもなぎさに波よする袖(後鳥羽院)
523 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:14:03 ID:k2IhHoDZ
友とみて伊勢をのあまに宿からん物思ふみは袖もかわかず(宮内卿)
524 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:16:26 ID:k2IhHoDZ
いかにせん室の八島に宿もがな恋のけぶりを空にまがへん(藤原俊成)
525 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:28:28 ID:k2IhHoDZ
打ち忘れもにすむ虫はよそにしてすまの余りに恨みかけつる(藤原良経)
526 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:30:04 ID:k2IhHoDZ
あまのかるもにすむむしの我からとねをこそなかめ世をばうらみじ(藤原直子)
527 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:31:53 ID:k2IhHoDZ
契りきなさてやは頼む末の松まつにいくよの波はこえつつ(藤原雅経)
528 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:33:27 ID:k2IhHoDZ
ちぎりきなかたみにそでをしぼりつつすゑのまつ山なみこさじとは(清原元輔)
529 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:34:46 ID:k2IhHoDZ
心あるいせをの海士のぬれ衣ほすべき波の折をしらばや(慈円)
530 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:46:42 ID:k2IhHoDZ
しほたるるいせをのあまの袖だにもほすなるひまはありとこそきけ(藤原親隆)
531 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 19:47:56 ID:k2IhHoDZ
別れのみを島の海士の袖ぬれて又はみるめをいつか刈るべき(藤原定家)
532 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:00:54 ID:k2IhHoDZ
さみだれの日をふるままに鈴鹿河やそせの波ぞ声まさるなる(皇嘉門院治部卿)
533 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:02:11 ID:k2IhHoDZ
すずか山伊勢をのあまのすて衣しほなれたりと人やみるらん(藤原伊尹)
534 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:13:21 ID:k2IhHoDZ
しほたるる伊勢をのあまやわれならんさらばみるめをかるよしもがな(藤原実国)
535 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:15:04 ID:k2IhHoDZ
磯なつむいせのあま人我が袖をたぐひとみらんことぞ悲しき(藤原公継)
536 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:16:23 ID:k2IhHoDZ
藻塩たれひるまもなきをわくらばにとへどもまたじすまの波風(藤原家隆)
537 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:17:15 ID:k2IhHoDZ
わくらばにとふ人あらばすまの浦にもしほたれつつわぶとこたへよ(在原行平)
538 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:18:52 ID:k2IhHoDZ
泊瀬川ゐでこす波の岩の上におのれくだけて人ぞ強面き(藤原良経)
539 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:20:39 ID:k2IhHoDZ
風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな(源重之)
540 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:21:33 ID:k2IhHoDZ
なとり川わたればつらし朽ち果つる袖のためしのせぜの埋れ木(藤原定家)
541 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 20:23:46 ID:k2IhHoDZ
ありとても逢はぬためしの名取川朽ちだにはてね瀬々の埋れ木(寂蓮)
542 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:00:43 ID:k2IhHoDZ
我が袂さて山河の瀬になびく玉もかりそめにかわくまぞなき(後鳥羽院)
543 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:01:40 ID:k2IhHoDZ
河のせになびくたまものみがくれて人にしられぬこひもするかな(紀友則)
544 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:03:42 ID:k2IhHoDZ
ながれての契りをよそに水無瀬川かげはなれ行く水のしら波(俊成卿女)
545 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:06:19 ID:k2IhHoDZ
かつ見つつ影はなれゆく水のおもにかく数ならぬ身をいかにせん(斎宮女御)
546 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:09:38 ID:k2IhHoDZ
飛鳥川契りしことはむかしにてかはるなのみやせに残るらん(宮内卿)
547 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:11:07 ID:k2IhHoDZ
篠のくまひのくま河にぬるる袖ほさでや人の面かげもみん(藤原雅経)
548 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:23:01 ID:k2IhHoDZ
しらざりつみはすゑまつる御秡河神さへうけぬ思ひせんとは(藤原公継)
549 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:24:51 ID:k2IhHoDZ
しらざりつ袖のみぬれてあやめぐさかかるこひぢにおひん物とは(小一条院)
550 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 21:33:44 ID:k2IhHoDZ
千鳥なく河べのちはら風さえてあはでぞかへる有明のそら(藤原家隆)
551 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 22:00:26 ID:k2IhHoDZ
ともすればなき名立たの河波にげにぬれ衣をしぼりつるかな(慈円)
552 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 22:01:28 ID:k2IhHoDZ
あやなくてまだきなきなのたつた河わたらでやまむ物ならなくに(御春有助)
553 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 22:02:17 ID:k2IhHoDZ
これやこのなきなたつたの里ならむなみのぬれぎぬきたる卯の花(藤原忠良)
554 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 22:03:05 ID:k2IhHoDZ
音羽川せき入るる水の瀬をあさみたえ行く人の心をぞみる(藤原有家)
555 :
名無氏物語:2009/04/04(土) 22:04:13 ID:k2IhHoDZ
おとは河せきいれておとすたきつせに人の心の見えもするかな(伊勢)
556 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:43:53 ID:zI6/D07b
雨ふれば軒の雫のかずかずに思ひみだれてはるるまぞなき(藤原公継)
557 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:44:37 ID:zI6/D07b
ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに(俊成卿女)
558 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:45:21 ID:zI6/D07b
あれまもる雨も涙もふるままにえならぬ床に水たまりつつ(藤原有家)
559 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:46:10 ID:zI6/D07b
荒間もる軒ばの月は露しげきしのぶよりこそやどりそめけれ(守覚法親王)
560 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:47:10 ID:zI6/D07b
ゆくへなき宿はととへば涙のみさののわたりのむらさめの空(藤原定家)
561 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:47:58 ID:zI6/D07b
おもふことそなたの空となけれども伊駒の山のあめの夕暮(後鳥羽院)
562 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:56:04 ID:zI6/D07b
ながめわびたえぬ涙や雨とふるしぐるる空にまがふ夜の袖(藤原雅経)
563 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:56:47 ID:zI6/D07b
はれぬ雨の曇りそめけん雲やなに恋よりたてし烟なりけり(慈円)
564 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:57:53 ID:zI6/D07b
年へたる思ひはいとどふかきよの窓うつ雨も音しのぶなり(宮内卿)
565 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 14:58:54 ID:zI6/D07b
こぬ人を待つ夜ながらの軒の雨に月をよそにてわびつつやねん(藤原良経)
566 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:02:35 ID:zI6/D07b
わびつつもうちやはねぬる宵の雨にやがて更け行く鐘の音かな(藤原家隆)
567 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:04:26 ID:zI6/D07b
きくやいかにうはの空なる風だにも松に音する習ひ有りとは(宮内卿)
568 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:05:43 ID:zI6/D07b
打ちなびく草葉にもろき露のまも涙ほしあへぬ袖の秋風(藤原有家)
569 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:07:11 ID:zI6/D07b
ひとりのみ富士の山風やむごなく恋をなどてかするがなるらん(藤原公継)
570 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:19:02 ID:zI6/D07b
いかにせん身はならはしの物とても軒端の松に秋風ぞふく(藤原家隆)
571 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:20:13 ID:zI6/D07b
里はあれぬむなしき床のあたりまで身はならはしの秋風ぞ吹く(寂蓮)
572 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:21:15 ID:zI6/D07b
わくらばにとひこし比におもなれてさぞあらましの庭の松風(後鳥羽院)
573 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:22:08 ID:zI6/D07b
いかにせんなぐさむやとてむすぶ庵に猶松風のみねに吹くなり(慈円)
574 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:23:05 ID:zI6/D07b
荻原や余所に聞きこし秋の風もの思ふくれは我が身ひとつに(藤原良経)
575 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 15:24:04 ID:zI6/D07b
きえかへり露ぞみだるる下荻の末こす風はとふにつけても(俊成卿女)
576 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:04:48 ID:zI6/D07b
白妙の袖のわかれに露落ちて身にしむいろの秋風ぞふく(藤原定家)
577 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:06:11 ID:zI6/D07b
秋ふくはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ(和泉式部)
578 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:07:19 ID:zI6/D07b
今はただこぬ夜あまたの小夜更けてまたじと思ふに松風の声(藤原雅経)
579 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:08:26 ID:zI6/D07b
たのめつつこぬ夜あまたに成りぬればまたじと思ふぞまつにまされる(柿本人麻呂)
580 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:13:40 ID:zI6/D07b
み吉野の花のさかりをけふ見れば越の白根に春風ぞ吹く(藤原俊成)
581 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:14:32 ID:zI6/D07b
またや見ん交野の御野の桜がり花の雪ちる春の曙(藤原俊成)
582 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:15:26 ID:zI6/D07b
消えはつる時しなければ越路なるしら山の名は雪にぞありける(凡河内躬恒)
583 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:16:08 ID:zI6/D07b
もみぢ葉もましろに霜のおける朝は越の白根ぞ思ひやらるる(和泉式部)
584 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:35:58 ID:zI6/D07b
秋の野に置く白露をけさ見れば玉や敷けるとおどろかれつつ(壬生忠岑)
585 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 16:36:57 ID:zI6/D07b
今日といへば唐土までもゆく春を都にのみと思ひけるかな(藤原俊成)
586 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:19:23 ID:zI6/D07b
遥かなるもろこしまでも行く物は秋の寝覚の心なりけり(大弐三位)
587 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:20:23 ID:zI6/D07b
山高み雲井に見ゆる桜花心のゆきて折らぬ日ぞなき((凡河内躬恒)
588 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:21:12 ID:zI6/D07b
山桜咲きそめしより久かたの雲ゐにみゆる滝のしら糸(源俊頼)
589 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:22:12 ID:zI6/D07b
ひざかりはあそびてゆかん影もよし真野のはぎはら風たちにけり(源俊頼)
590 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:29:28 ID:zI6/D07b
うづら鳴く真野の入江のはま風にを花なみよる秋の夕暮(源俊頼)
591 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:31:28 ID:zI6/D07b
数しらず君が齢を延ばへつつ名だたる宿の露とならなん(伊勢)
592 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:32:15 ID:zI6/D07b
露だにも名だたる宿の菊ならば花のあるじや幾世なるらん(藤原雅正)
593 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:36:03 ID:zI6/D07b
思ひつつぬればや人の見えつらむ夢としりせばさめざらましを(小野小町)
594 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:37:42 ID:zI6/D07b
思ひ出て恋しき時ははつかりの鳴きてわたると人はしらずや(大伴黒人)
595 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 17:38:37 ID:zI6/D07b
月やあらぬ春やむかしの春ならぬわがみひとつはもとの身にして(在原業平)
596 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:20:13 ID:zI6/D07b
霜氷る夜風をさむみ埼玉の尾崎の沼に鴨ぞ鳴くなる(宗尊親王)
597 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:21:02 ID:zI6/D07b
しでの山こえつる宵に里なれて今もなかなむあはれその鳥(藤原隆季)
598 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:21:48 ID:zI6/D07b
さみだれは夜中に晴れて月に鳴くあはれその鳥あはれその鳥(上田秋成)
599 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:24:30 ID:zI6/D07b
霞たち木のめもはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける(紀貫之)
600 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:27:31 ID:zI6/D07b
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる(凡河内躬恒)
601 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:28:34 ID:zI6/D07b
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし(壬生忠岑)
602 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:29:47 ID:zI6/D07b
時鳥なくやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな (読人しらず)
603 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:41:56 ID:zI6/D07b
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春たつけふの風やとくらん(紀貫之)
604 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:47:23 ID:zI6/D07b
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平)
605 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 22:48:05 ID:zI6/D07b
わが宿の花みがてらに来る人は散りなむのちぞ恋しかるべき(凡河内躬恒)
606 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 23:00:21 ID:zI6/D07b
思ひ川絶えず流るる水の泡のうたかた人に逢はで消えめや(伊勢)
607 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 23:02:11 ID:zI6/D07b
侘びぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はんとぞ思ふ(元良親王)
608 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 23:04:10 ID:zI6/D07b
つつめども隠れぬものは夏虫の身より余れる思ひなりけり(読人不知)
609 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 23:05:02 ID:zI6/D07b
くやくやと待つ夕暮と今はとて帰るあしたといづれまされり(元良親王)
610 :
名無氏物語:2009/04/05(日) 23:52:06 ID:zI6/D07b
直き木にまがれる枝もあるものを毛をふき疵をいふがわりなさ(高津内親王)
611 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 00:01:23 ID:YyOnQjgG
足引の山鳥の尾のしだり尾の長々し夜を独りかも寝ん(柿本人麿)
612 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 00:54:16 ID:YyOnQjgG
思ひかね妹がりゆけば冬の夜の川風寒み千鳥鳴くなり(紀貫之)
613 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 01:06:49 ID:YyOnQjgG
忍ぶれど色に出にけり我が恋は物や思ふと人の問ふまで(平兼盛)
614 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 01:24:45 ID:YyOnQjgG
桜ちる木の下風はさむからで空にしられぬ雪ぞふりける(紀貫之)
615 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 01:38:23 ID:YyOnQjgG
ゆきやらで山路くらしつほととぎす今ひと声の聞かまほしさに(源公忠)
616 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 01:40:30 ID:YyOnQjgG
いづ方になきてゆくらむほととぎす淀のわたりのまだ夜ぶかきに(壬生忠見)
617 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 02:23:11 ID:YyOnQjgG
朝まだき嵐の山の寒ければ紅葉の錦着ぬ人ぞなき(藤原公任)
618 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 02:24:28 ID:YyOnQjgG
黒髪のみだれも知らずうちふせばまづ掻きやりし人ぞ恋しき(和泉式部)
619 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 02:26:23 ID:YyOnQjgG
恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋にくちなん名こそ惜しけれ(相模)
620 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 15:54:38 ID:YyOnQjgG
やすらはで寝なましものをさ夜更けてかたぶくまでの月を見しかな(赤染衛門)
621 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 15:57:30 ID:YyOnQjgG
薄墨にかくたまづさと見ゆるかな霞める空に帰るかりがね(津守国基)
622 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 15:58:38 ID:YyOnQjgG
わがやどの梢の夏になるときは生駒の山ぞ見えずなりぬる(能因)
623 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 15:59:38 ID:YyOnQjgG
住む人もなき山里の秋の夜は月の光もさびしかりけり(藤原範永)
624 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 16:01:30 ID:YyOnQjgG
鳴けや鳴け蓬が杣のきりぎりすすぎゆく秋はげにぞかなしき(曾禰好忠)
625 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 16:02:49 ID:YyOnQjgG
木の葉散るやどは聞きわくことぞなき時雨する夜も時雨せぬ夜も(源頼実)
626 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:00:51 ID:YyOnQjgG
都をば霞とともにたちしかど秋風ぞふく白河の関(能因)
627 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:11:54 ID:YyOnQjgG
七重八重花はさけども山吹のみのひとつだになきぞあやしき(兼明親王)
628 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:13:32 ID:YyOnQjgG
物思へば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞみる(和泉式部)
629 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:14:57 ID:YyOnQjgG
夕されば門田の稲葉音づれて芦のまろ屋に秋風ぞ吹く(源経信)
630 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:16:07 ID:YyOnQjgG
うづら鳴く真野の入江のはま風に尾花なみよる秋の夕暮 (源俊頼)
631 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:17:19 ID:YyOnQjgG
もろともに哀れと思へ山桜花よりほかに知る人もなし(行尊)
632 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:20:06 ID:YyOnQjgG
春ごとに松の緑にうづもれて風にしられぬ花桜かな(花園左大臣)
633 :
名無氏物語:2009/04/06(月) 17:22:42 ID:YyOnQjgG
万代のためしと見ゆる花の色をうつしとどめよ白川の水(上西門院兵衛)
634 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 17:36:45 ID:gIw7NHYs
春雨にぬれてたづねむ山桜雲のかへしの嵐もぞふく(藤原頼宗)
635 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 17:49:32 ID:gIw7NHYs
夏山の青葉まじりの遅桜初花よりもめづらしきかな(藤原盛房)
636 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 17:51:14 ID:gIw7NHYs
聞くたびにめづらしければほととぎすいつも初音の心ちこそすれ(永縁)
637 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 17:52:02 ID:gIw7NHYs
万代にかはらぬ物はさみだれの雫にかをるあやめなりけり(源経信)
638 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 20:56:12 ID:gIw7NHYs
夏衣すそのの草葉ふく風におもひもあへず鹿やなくらむ(藤原顕季)
639 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 20:57:46 ID:gIw7NHYs
有明の月もあかしの浦風に波ばかりこそよると見えしか(平忠盛)
640 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:05:40 ID:gIw7NHYs
しらせばやほのみしま江に袖ひちて七瀬の淀に思ふ心を(源顕仲)
641 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:07:31 ID:gIw7NHYs
あふと見てうつつのかひはなけれどもはかなき夢ぞ命なりける(藤原顕輔)
642 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:08:31 ID:gIw7NHYs
住みわびて我さへ軒の忍ぶ草しのぶかたがたしげき宿かな(周防内侍)
643 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:09:46 ID:gIw7NHYs
胸は富士袖は清見が関なれやけぶりも波も立たぬ日ぞなき(平祐挙)
644 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:10:41 ID:gIw7NHYs
いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな(伊勢大輔)
645 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:56:45 ID:gIw7NHYs
瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ(崇徳院)
646 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:57:52 ID:gIw7NHYs
わたの原漕ぎ出でてみれば久方の雲井にまがふ沖つ白波(藤原忠通)
647 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 21:59:20 ID:gIw7NHYs
氷りゐし志賀の唐崎うちとけてさざ波よする春風ぞふく(大江匡房)
648 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 22:01:22 ID:gIw7NHYs
昨日かもあられふりしは信楽のと山の霞春めきにけり(藤原惟茂)
649 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 22:03:30 ID:gIw7NHYs
雪消えばゑぐの若菜も摘むべきに春さへ晴れぬ深山辺の里(曾禰好忠)
650 :
名無氏物語:2009/04/07(火) 22:05:58 ID:gIw7NHYs
吹きくれば香をなつかしみ梅の花散らさぬほどの春風もがな(源時綱)
651 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 22:28:16 ID:z/Gtxab/
深山木のその梢とも見えざりし桜は花にあらはれにけり(源頼政)
652 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 22:29:27 ID:z/Gtxab/
種まきしわが撫子の花ざかりいく朝露のおきて見つらん(藤原顕季)
653 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 22:31:00 ID:z/Gtxab/
山深み落ちて積もれるもみぢ葉のかわける上に時雨ふるなり(大江嘉言)
654 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 22:33:25 ID:z/Gtxab/
もろともに山めぐりする時雨かなふるにかひなき身とはしらずや(藤原道雅)
655 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 22:37:37 ID:z/Gtxab/
魂祭る年の終りになりにけり今日にやまたもあはむとすらむ(曾禰好忠)
656 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 22:39:25 ID:z/Gtxab/
木のもとをすみかとすればおのづから花見る人となりぬべきかな(花山院)
657 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:06:12 ID:z/Gtxab/
夕まぐれ木繁き庭をながめつつ木の葉とともにおつる涙か(藤原義孝)
658 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:07:20 ID:z/Gtxab/
去年の春ちりにし花も咲きにけりあはれ別れのかからましかば(赤染衛門)
659 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:10:01 ID:z/Gtxab/
難波江の葦間にやどる月みればわが身ひとつもしづまざりけり(藤原顕輔)
660 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:11:50 ID:z/Gtxab/
百とせは花にやどりて過ぐしてきこの世は蝶の夢にぞありける(大江匡房)
661 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:47:41 ID:z/Gtxab/
うかりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを(源俊頼)
662 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:49:25 ID:z/Gtxab/
夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里(藤原俊成)
663 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:50:56 ID:z/Gtxab/
塩竃の浦ふく風に霧はれて八十島かけてすめる月影(藤原清輔)
664 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:53:08 ID:z/Gtxab/
池水に汀の桜散りしきて浪の花こそさかりなりけれ(後白河院)
665 :
名無氏物語:2009/04/08(水) 23:58:29 ID:z/Gtxab/
吹く風をなこその関と思へども道もせに散る山桜かな(源義家)
666 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:40:39 ID:dAZ3Opqt
都にはまだ青葉にて見しかども紅葉散りしく白河の関(源頼政)
667 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:43:46 ID:dAZ3Opqt
薩摩潟沖の小島に我ありと親には告げよ八重の潮風(平康頼)
668 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:44:40 ID:dAZ3Opqt
かねてより思ひしことぞ伏柴のこるばかりなる歎きせむとは(待賢門院堀河)
669 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:45:32 ID:dAZ3Opqt
思ひわびさても命はあるものを憂きにたへぬは涙なりけり(道因)
670 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:46:15 ID:dAZ3Opqt
桜咲く遠山鳥のしだり尾のながながし日もあかぬ色かな(後鳥羽院)
671 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:47:04 ID:dAZ3Opqt
年もへぬ祈る契りは初瀬山尾上の鐘のよその夕暮(藤原定家)
672 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:55:15 ID:dAZ3Opqt
いく夜われ波にしをれて貴舟川袖に玉散る物思ふらむ(藤原良経)
673 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 00:56:43 ID:dAZ3Opqt
山ふかみ春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水(式子内親王)
674 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:01:06 ID:dAZ3Opqt
なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふ沖つ白波(藤原実定)
675 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:04:03 ID:dAZ3Opqt
見わたせば山本かすむ水無瀬川夕べは秋となにおもひけん(後鳥羽院)
676 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:05:10 ID:dAZ3Opqt
春の夜の夢の浮橋とだえして峯に別るる横雲の空(藤原定家)
677 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:06:24 ID:dAZ3Opqt
樗咲くそともの木陰露おちて五月雨はるる風わたるなり(藤原忠良
678 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:07:36 ID:dAZ3Opqt
待つ宵にふけゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥は物かは(小侍従)
679 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:08:30 ID:dAZ3Opqt
心なき身にもあはれは知られけり鴫たつ沢の秋の夕暮(西行)
680 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:23:07 ID:dAZ3Opqt
見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮(藤原定家)
681 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:27:23 ID:dAZ3Opqt
にほの海や霞のをちにこぐ舟のまほにも春のけしきなるかな(式子内親王)
682 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:28:28 ID:dAZ3Opqt
このねぬる朝けの風にかをるなり軒ばの梅の春の初花(源実朝)
683 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 01:29:40 ID:dAZ3Opqt
いく里か月のひかりも匂ふらん梅さく山の峰のはる風(藤原家隆)
684 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 17:38:39 ID:dAZ3Opqt
花はみな霞のそこにうつろひて雲に色づくをはつせの山(藤原良経)
685 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 17:39:53 ID:dAZ3Opqt
かくしつつ今はとならん時にこそ悔しきことのかひもなからめ(花山院)
686 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:42:26 ID:dAZ3Opqt
ささがにのくもの糸すぢ代々かけてたえぬ言葉の玉つしま姫(二条為重)
687 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:44:05 ID:dAZ3Opqt
いざさらばこん世をかねて契りおかむ限りもしらぬ月のひかりに(八条院高倉)
688 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:45:06 ID:dAZ3Opqt
和歌の浦の契りもふかしもしほ草しづまむ世々をすくへとぞ思ふ(藤原良経)
689 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:46:53 ID:dAZ3Opqt
紀の海や由良の湊の朝ぼらけ霞の底に舟こぐらしも(後小松院)
690 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:48:01 ID:dAZ3Opqt
何となく涙の玉やこぼれけん峰の木の実をひろふ袂に(寂然)
691 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:49:18 ID:dAZ3Opqt
菅原や伏見の暮の面影にいづくの山もたつ霞かな(頓阿)
692 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:51:30 ID:dAZ3Opqt
志賀の浦やよせてかへらぬ浪のまに氷うちとけ春はきにけり(後小松院)
693 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 18:52:31 ID:dAZ3Opqt
難波がた塩やく煙立ちそひて霞もなびくうら風ぞふく(飛鳥井雅世)
694 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:05:52 ID:dAZ3Opqt
玉島や川瀬の浪の音はして霞にうかぶ春の月かげ(順徳院)
695 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:07:07 ID:dAZ3Opqt
近江路やまのの浜べに駒とめて比良の高ねの花をみるかな(源頼政)
696 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:08:28 ID:dAZ3Opqt
へだてつる霞はよそになりはてて花にこもれる志賀の山ざと(宮内卿)
697 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:09:31 ID:dAZ3Opqt
あだにやは麓の庵にながむべき花より出づる嶺の月影(源通光)
698 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:10:19 ID:dAZ3Opqt
花薄草の袂も朽ちはてぬなれて別れし秋をこふとて(藤原定家)
699 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:14:04 ID:dAZ3Opqt
さびしさをとひこぬ人の心まであらはれそむる雪の明ぼの(宮内卿)
700 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 19:15:46 ID:dAZ3Opqt
思ひねに我が心からみる夢もあふ夜は人のなさけなりけり(藤原忠良)
701 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:46:06 ID:dAZ3Opqt
しはつ山風吹きすさぶならの葉にたえだえのこる日ぐらしのこゑ(守覚法親王)
702 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:47:12 ID:dAZ3Opqt
朝ぼらけ野沢の霧のたえ間よりたつ白鷺の声のさむけさ(藤原忠良)
703 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:48:04 ID:dAZ3Opqt
春雨に野沢の水はまさらねどもえ出づる草ぞふかく成り行く(源家長)
704 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:48:59 ID:dAZ3Opqt
桜花さけるやいづこみ吉野のよしのの山はかすみこめつつ(伏見院)
705 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:51:07 ID:dAZ3Opqt
水くらき岩まにまよふ夏虫のともしけたでも夜を明かすかな(式子内親王)
706 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:52:04 ID:dAZ3Opqt
跡つけしその昔こそ恋しけれのどかにつもる雪をみるにも(小侍従)
707 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 20:55:47 ID:dAZ3Opqt
和田の原八十島かけてしるべせよ遥かにかよふ沖の釣舟(如願)
708 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:08:07 ID:dAZ3Opqt
宿もがなさののわたりのさのみやはぬれてもゆかん春雨の比(源家長)
709 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:17:19 ID:dAZ3Opqt
嵐ふく高嶺の雲をかたしきて夢路も遠しうつの山ごえ(藤原忠良)
710 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:18:18 ID:dAZ3Opqt
涼しやと風のたよりを尋ぬればしげみになびく野べのさゆりば(式子内親王)
711 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:19:46 ID:dAZ3Opqt
ながむれば木のまうつろふ夕づくよやや気色だつ秋の空かな(式子内親王)
712 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:21:04 ID:dAZ3Opqt
花の香のかすめる月にあくがれて夢もさだかに見えぬ比かな(藤原定家)
713 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:22:23 ID:dAZ3Opqt
なにはがた汀の葦は霜がれてなだの捨舟あらはれにけり(二条院讃岐)
714 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:48:42 ID:dAZ3Opqt
恋ひ死なば又も此の世にめぐりきて二たび君をよそにだにみん(守覚法親王)
715 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 21:52:49 ID:dAZ3Opqt
夏衣うすくや人のなりぬらん空蝉のねにぬるる袖かな(俊成卿女)
716 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:28:34 ID:dAZ3Opqt
咲きそめてわが世にちらぬ花ならばあかぬ心の程はみてまし(二条院讃岐)
717 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:29:21 ID:dAZ3Opqt
しづかなる心のうちも久堅の空にくまなき月やしるらん(土御門院)
718 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:31:49 ID:dAZ3Opqt
うき世をもなぐさめながらいかなれば物悲しかる秋の夜の月(殷富門院大輔)
719 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:33:10 ID:dAZ3Opqt
野も山もおなじ緑に染めてけり霞よりふるこのめ春雨(藤原良経)
720 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:34:36 ID:dAZ3Opqt
花をまつ俤みゆるあけぼのは四方の梢にかをる白雲(式子内親王)
721 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:49:20 ID:dAZ3Opqt
昨日より荻の下葉に通ひきて今朝あらはるる秋の初かぜ(惟明親王)
722 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 22:50:28 ID:dAZ3Opqt
ながめおくる心をやがてさそひつつ雲の古巣に帰るうぐひす(惟明親王)
723 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:00:18 ID:dAZ3Opqt
今日にあけて昨日に似ぬはみな人の心に春の立ちにけらしな(紀貫之)
724 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:03:34 ID:dAZ3Opqt
軒白き月の光に山かげのやみをしたひてゆく蛍かな(宮内卿)
725 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:06:25 ID:dAZ3Opqt
物ごとにうれへにもるる色もなしすべてうき世をあきの夕暮(永福門院)
726 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:07:10 ID:dAZ3Opqt
風さやぐさ夜のねざめのさびしきははだれ霜ふり鶴さはになく(藤原俊成)
727 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:08:20 ID:dAZ3Opqt
年くれしそのいとなみは忘られてあらぬさまなるいそぎをぞする(西行)
728 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:09:06 ID:dAZ3Opqt
ほととぎすなれも心やなぐさまぬをば捨山の月に鳴く夜は(宜秋門院丹後)
729 :
名無氏物語:2009/04/09(木) 23:10:06 ID:dAZ3Opqt
ひぐらしの鳴く音に風を吹きそへて夕日涼しき岡のべの松(藤原良経)
730 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:30:03 ID:bcSmK1bz
忘れねよ夢ぞといひしかねごとをなどそのままにたのまざりけん(藤原為家)
731 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:31:18 ID:bcSmK1bz
白妙にゆふかけてけり榊葉に桜さきそふあまのかぐ山(藤原俊成)
732 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:32:08 ID:bcSmK1bz
ながむれば空やはかはる秋の月みしよをうつせ袖の涙に(俊成卿女)
733 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:34:35 ID:bcSmK1bz
捨てやらぬ我が身の浦のうつせ貝むなしき世とは思ふ物から(嘉陽門院越前)
734 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:35:34 ID:bcSmK1bz
春はなほかすむにつけて深き夜のあはれをみする月の影かな(土御門院小宰相)
735 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:54:37 ID:bcSmK1bz
春風にしられぬ花や残るらん猶雲かかるをはつせの山(宜秋門院丹後)
736 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:55:30 ID:bcSmK1bz
夢のうちもうつろふ花に風ふけばしづ心なき春のうたたね(式子内親王)
737 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:56:16 ID:bcSmK1bz
匂ふより春はくれ行く山ぶきの花こそ花の中につらけれ(藤原定家)
738 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:57:05 ID:bcSmK1bz
咲きにけりをちかた人にこととひて名をしりそめし夕顔の花(小侍従)
739 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 11:58:12 ID:bcSmK1bz
と山なる楢の葉までははげしくて尾花が末によわる秋風(宮内卿)
740 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:08:33 ID:bcSmK1bz
夕まぐれ鴫(しぎ)たつ沢の忘れ水思ひいづとも袖はぬれなん(慈円)
741 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:09:18 ID:bcSmK1bz
夕されば小倉の山に啼く鹿のこよひはなかずいねにけらしも(舒明天皇)
742 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:46:31 ID:bcSmK1bz
くちなしの一入染のうす紅葉いはでの山はさぞしぐるらん(藤原為家)
743 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:47:17 ID:bcSmK1bz
木の葉さへ山めぐりする夕べかな時雨を送る嶺のあらしに(嘉陽門院越前)
744 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:48:05 ID:bcSmK1bz
思ふ事なきだにやすくそむく世にあはれ捨てても惜しからぬ身を(嘉陽門院越前)
745 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:49:54 ID:bcSmK1bz
明けわたる外山の桜夜の程に花さきぬらしかかる白雲(藤原為家)
746 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:51:24 ID:bcSmK1bz
ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月(俊成卿女)
747 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:52:13 ID:bcSmK1bz
なきぬべき夕の空をほととぎす待たれんとてやつれなかるらん(藤原基家)
748 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:53:05 ID:bcSmK1bz
日影さす岡べの松の秋風に夕ぐれかけて鹿ぞ鳴くなる(後鳥羽院)
749 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 12:54:06 ID:bcSmK1bz
下をれの音のみ杉のしるしにて雪の底なる三輪の山もと(藤原信実)
750 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:06:18 ID:bcSmK1bz
しられじな夕べの雲をそれとだにいはで思ひの下に消えなば(俊成卿女)
751 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:07:06 ID:bcSmK1bz
久堅のあまてる神のゆふかづらかけていくよを恋ひわたるらん(藤原定家)
752 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:08:04 ID:bcSmK1bz
見し人もなきが数そふ露のよにあらましかばの秋の夕暮(俊成卿女)
753 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:08:58 ID:bcSmK1bz
玉にぬく露はこぼれて武蔵野の草の葉むすぶ秋の初風(西行)
754 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:10:41 ID:bcSmK1bz
思ひ河いはまによどむ水ぐきをかきながすにも袖はぬれけり(皇嘉門院別当)
755 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:18:42 ID:bcSmK1bz
袖のうへの涙ぞ今はつらからぬ人にしらるるはじめと思へば(宜秋門院丹後)
756 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:22:49 ID:bcSmK1bz
ながれての名をさへ忍ぶ思ひ川あはでもきえねせぜのうたかた(俊成卿女)
757 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 13:25:16 ID:bcSmK1bz
思ひ河身をはやながら水のあわのきえてもあはん浪のまもがな(藤原家隆)
758 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:26:26 ID:bcSmK1bz
おのが音につらき別れはありとだに思ひもしらで鳥やなくらむ(藻壁門院少将)
759 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:27:56 ID:bcSmK1bz
あはれあはれはかなかりける契りかなただうたたねの春のよのゆめ(二条院讃岐)
760 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:29:45 ID:bcSmK1bz
めぐりあはむ我がかねごとの命だに心にかなふ春のくれかは(俊成卿女)
761 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:31:50 ID:bcSmK1bz
白雲の絶え間になびく青柳の葛城山に春風ぞ吹く(藤原雅経)
762 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:32:44 ID:bcSmK1bz
いく年の春に心をつくし来ぬあはれと思へみ吉野の花(藤原俊成)
763 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:34:18 ID:bcSmK1bz
さくら色の庭の春風跡もなしとはばぞ人の雪とだに見ん(藤原定家)
764 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:35:11 ID:bcSmK1bz
散る花の忘れがたみの花の雲そをだにのこせ春の山風(藤原良平)
765 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:36:29 ID:bcSmK1bz
片枝さす麻生の浦梨はつ秋になりもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿)
766 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 14:57:34 ID:bcSmK1bz
入り日さす麓の尾花うちなびき誰秋風に鶉鳴くらむ(源通光)
767 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 15:02:56 ID:bcSmK1bz
露時雨もる山陰の下紅葉ぬるとも折らん秋の形見に(藤原家隆)
768 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 15:04:16 ID:bcSmK1bz
世にふるは苦しきものを槙の屋にやすくも過ぐる初時雨かな(二条院讃岐)
769 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 15:07:15 ID:bcSmK1bz
下もえに思ひ消えなん煙だに跡なき雲のはてぞ悲しき(俊成卿女)
770 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:11:49 ID:bcSmK1bz
ながめ侘びそれとはなしに物ぞ思ふ雲のはたての夕暮の空(源通光)
771 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:37:16 ID:bcSmK1bz
霜枯はそことも見えぬ草の原誰に問はまし秋のなごりを(俊成卿女)
772 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:40:20 ID:bcSmK1bz
身にそへるその面影も消えななん夢なりけりと忘るばかりに(藤原良経)
773 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:41:06 ID:bcSmK1bz
我が恋は逢ふをかぎりのたのみだに行方もしらぬ空のうき雲(源通具)
774 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:42:00 ID:bcSmK1bz
思ひ出でよ誰がかねごとの末ならん昨日の雲のあとの山風(藤原家隆)
775 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:42:56 ID:bcSmK1bz
とへかしな尾花がもとの思ひ草しをるる野辺の露はいかにと(源通具)
776 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:44:04 ID:bcSmK1bz
あはれなりうたた寝にのみ見し夢の長き思ひに結ぼほれなん(藤原俊成)
777 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:53:52 ID:bcSmK1bz
めぐり逢ひて見しやそれともわかぬまに雲隠れにし夜はの月影(紫式部)
778 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:55:06 ID:bcSmK1bz
浮きしづみ来ん世はさてもいかにぞと心に問ひて答へかねぬる(藤原良経)
779 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 21:56:18 ID:bcSmK1bz
ひと方に思ひとりにし心にはなほ背かるる身をいかにせん(慈円)
780 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 22:49:08 ID:bcSmK1bz
風かをる花のあたりにきてみれば雲もまがはずみよし野の山(二条院讃岐)
781 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 22:50:43 ID:bcSmK1bz
御祓するあさの葉末のなびくより人の心にかよふ秋かぜ(俊成卿女)
782 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 23:17:51 ID:bcSmK1bz
色かへぬ竹の葉しろく月さえてつもらぬ雪をはらふ秋風(宮内卿)
783 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 23:42:18 ID:bcSmK1bz
むら時雨もるや板まのときのまも思ひさだめぬ月の影かな(徽安門院一条)
784 :
名無氏物語:2009/04/10(金) 23:54:02 ID:bcSmK1bz
たのむぞよ五つのさはりふかくとも捨てぬ仏のちかひひとつを(徽安門院)
785 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 00:20:56 ID:R8WlapwB
鐘の音は明ぬときけど高野山猶はるかなるあかつきの空(宗尊親王)
786 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 00:26:30 ID:R8WlapwB
いざさらば行くへもしらずあくがれん跡とどむればかなしかりけり(建礼門院右京大夫)
787 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 00:27:43 ID:R8WlapwB
芦原やただしき国の風としてやまと言の葉末もみだれず(花園院)
788 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 00:58:26 ID:R8WlapwB
立ちかへり又きさらぎの空さえてあまぎる雪にかすむ山のは(京極為兼)
789 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 00:59:28 ID:R8WlapwB
いつしかと冬をや告ぐる初時雨庭の木の葉におとづれて行く(永福門院)
790 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 01:00:21 ID:R8WlapwB
宿もがなさののわたりのさのみやはぬれてもゆかん春雨の比(源家長)
791 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:03:15 ID:R8WlapwB
降りかかる梢の雪の朝あけにくれなゐうすき梅の初花(二条良基)
792 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:04:05 ID:R8WlapwB
かつきゆるをちかた野べの雪まより袖みえ初めて若菜つむなり(二条為定)
793 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:04:49 ID:R8WlapwB
木の間よりうつる夕日の影ながら袖にぞあまるむめの下風(伏見院)
794 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:16:54 ID:R8WlapwB
袖の上に垣ねの梅はおとづれて枕にきゆるうたたねの夢(式子内親王)
795 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:34:34 ID:R8WlapwB
春雨に野沢の水はまさらねどもえ出づる草ぞふかく成り行く(源家長)
796 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:35:34 ID:R8WlapwB
つもりぬる別れは春にならへどもなぐさめかねて暮るる空かな(俊成卿女)
797 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:36:21 ID:R8WlapwB
湊川うは波はやくかつこえて潮までにごる五月雨の比(冷泉為相)
798 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:37:18 ID:R8WlapwB
風さむき入江の芦の夕霜に枯れてもさやぐ音ぞ残れる(藤原満親)
799 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:38:03 ID:R8WlapwB
有明の影をしるべにさそはれて夜ぶかくいづる須磨のうら舟(崇賢門院)
800 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 14:38:49 ID:R8WlapwB
最上川いなとこたへていな舟のしばしはかりは心をも見ん(後鳥羽院下野)
801 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:08:27 ID:R8WlapwB
八雲たつ出雲やへがきかきつけて昔がたりをみるぞかしこき(後嵯峨院)
802 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:09:10 ID:R8WlapwB
秋の月こたへばいかにかたらまし心にうかぶ代々のあはれを(正親町公蔭)
803 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:10:05 ID:R8WlapwB
十年あまり世をたすくべき名はふりて民をしすくふ一事もなし(光厳院)
804 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:15:28 ID:R8WlapwB
雲よりも高き所に出でてみよしばしも月にへだてやはある(夢窓国師)
805 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:16:15 ID:R8WlapwB
住吉の松の村立いくかへり波にむかしの花さきぬらん(藤原敏行)
806 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:45:42 ID:R8WlapwB
まさかきの春のみどりの色なれや霞ぞにほふあまのかぐ山(後崇光院)
807 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:46:40 ID:R8WlapwB
長閑なる日影とともに軒近き木ずゑに移る鶯のこゑ(足利義教)
808 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:48:01 ID:R8WlapwB
夢さそふ風のやどりと成りにけり枕にちかき庭の荻原(二条為明)
809 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 15:49:05 ID:R8WlapwB
水無瀬山玉をみがきし跡とめて忘れぬ郷と月やすむらん(飛鳥井雅縁)
810 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:00:19 ID:R8WlapwB
今朝は猶ははその色もうす霧のしたにまたるる佐保の山風(飛鳥井雅縁)
811 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:01:10 ID:R8WlapwB
神垣にぬさと散りかふ紅葉かなしめをもこえて秋や行くらん(一条兼良)
812 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:02:18 ID:R8WlapwB
さびしさは色も光も更けはてて枯野の霜にあり明の月(亀山院)
813 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:03:04 ID:R8WlapwB
啼きそむる外面の鳥も声さむみ霜にかたぶく杜の月かげ(光厳院)
814 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:04:44 ID:R8WlapwB
しほれふす笆の霜の下荻や音せし風の秋の故郷(冷泉為尹)
815 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:06:11 ID:R8WlapwB
いづる日に春のひかりはあらはれて年たちかへるあまのかぐ山(後村上天皇)
816 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:07:16 ID:R8WlapwB
かつきえて庭には跡もなかりけり空にみだるる春のあは雪(後村上天皇)
817 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 16:08:12 ID:R8WlapwB
かへる雁なにいそぐらん思ひ出もなき古郷の山としらずや(宗良親王)
818 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:05:05 ID:R8WlapwB
今はよも枝にこもれる花もあらじ木のめ春雨時をしる比(後醍醐天皇)
819 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:06:10 ID:R8WlapwB
わが宿とたのまずながら芳野山花になれぬる春もいくとせ(長慶院)
820 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:07:42 ID:R8WlapwB
おのづからふる郷人のことづても有りけるものを花のさかりは(後村上天皇)
821 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:13:30 ID:R8WlapwB
ふるさとの八本の桜おもひ出でよ我がみし春は昔なりとも(花山院長親)
822 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:16:01 ID:R8WlapwB
帰るさをはやいそがなん名にしおふ山の桜は心とむとも(二条為定)
823 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:18:09 ID:R8WlapwB
ふる郷は恋しくとてもみよしのの花のさかりをいかがみすてん(宗良親王)
824 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:20:21 ID:R8WlapwB
あらしふく花ちるころは世のうきめみえぬ山ぢもかひなかりけり(嘉喜門院)
825 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:21:05 ID:R8WlapwB
都だにさびしかりしを雲はれぬ芳野のおくの五月雨の比(後醍醐天皇)
826 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:26:01 ID:R8WlapwB
おもひやれ木曾の御坂も雲とづる山のこなたの五月雨の比(宗良親王)
827 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 17:27:18 ID:R8WlapwB
茂りあふ桜がしたのゆふすずみ春はうかりし風ぞまたるる(花山院長親)
828 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:23:25 ID:R8WlapwB
夏と秋とゆきあひのわせのほのぼのとあくる門田の風ぞ身にしむ(二条為忠)
829 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:24:14 ID:R8WlapwB
わすれめやみかきにちかき丹生川のながれにうきてくだる秋霧(洞院公泰)
830 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:25:07 ID:R8WlapwB
年をふるひなのすまひの秋はあれど月は都を思ひやらなん(後村上天皇)
831 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:26:10 ID:R8WlapwB
いかにせん月もみやことひかりそふ君すみのえの秋のゆかしさ(宗良親王)
832 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:28:26 ID:R8WlapwB
ききなるる契りもつらし衣うつ民のふせやに軒をならべて(尊良親王)
833 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:29:55 ID:R8WlapwB
うつろはぬ色こそみゆれ白菊の花と月とのおなじまがきに(後醍醐天皇)
834 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:30:48 ID:R8WlapwB
都にも時雨やすらん越路には雪こそ冬のはじめなりけれ(宗良親王)
835 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:31:38 ID:R8WlapwB
ふしわびぬ霜さむき夜の床はあれて袖にはげしき山おろしの風(後醍醐天皇)
836 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:52:03 ID:R8WlapwB
名をとへばつかさづかさも心して雲井にしるきけさの初雪(後村上天皇)
837 :
名無氏物語:2009/04/11(土) 21:53:03 ID:R8WlapwB
み吉野は風さえくれて雲まよりみゆる高嶺に雪はふりつつ(長慶院)
838 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:13:45 ID:9omk21l+
山たかみわれのみふりてさびしきは人もすさめぬ雪の朝あけ(宗良親王)
839 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:15:35 ID:9omk21l+
うきほどはさのみ涙のあらばこそ我が袖ぬらせよその村雨(宗良親王)
840 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:17:07 ID:9omk21l+
海山をみる空もなしわが心さながら君にそへてこしかば(花山院師賢)
841 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:18:17 ID:9omk21l+
旅の空うきたつ雲やわれならん道もやどりも嵐ふく比(読人不知)
842 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:19:18 ID:9omk21l+
かへるべき道しなければこれやこのゆくをかぎりの逢坂の関(北畠具行)
843 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:20:21 ID:9omk21l+
北になし南になしてけふいくか富士の麓をめぐりきぬらん(宗良親王)
844 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:21:29 ID:9omk21l+
いく里の月に心をつくすらん都の秋を見ずなりしより(北畠親房)
845 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:36:30 ID:9omk21l+
忘れめやよるべも波のあら磯を御舟のうへにとめし心を(後醍醐天皇)
846 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:37:43 ID:9omk21l+
てらしみよみもすそ川にすむ月もにごらぬ波の底の心を(後醍醐天皇)
847 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 14:40:25 ID:9omk21l+
いすず川たのむ心はにごらぬをなどわたるせの猶よどむらん(祥子内親王)
848 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:03:41 ID:9omk21l+
いすず川その人なみにかけずともただよふ水の哀とはみよ(宗良親王)
849 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:06:03 ID:9omk21l+
行すゑを思ふもひさし天つ社くにつ社のあらんかぎりは(後村上天皇)
850 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:06:57 ID:9omk21l+
あまをぶねのりしる人はさきだちつくるしき海を誰かわたさん(花山院家賢)
851 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:08:12 ID:9omk21l+
なげきつつひとりやさねん葦辺ゆく鴨のはがひも霜さゆる夜に(花山院長親)
852 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:09:24 ID:9omk21l+
ほのかにも見しは夢かとたどられてさめぬ思ひやうつつなるらん(祥子内親王)
853 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:10:41 ID:9omk21l+
このくれもとはれむ事はよもぎふの末葉の風の秋のはげしさ(宗良親王)
854 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:12:15 ID:9omk21l+
うかりける身のならはしの夕べかな入相の鐘に物忘れせで(花山院長親)
855 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:13:51 ID:9omk21l+
ありそ海のうら吹く風もよわれかしいひしままなる波のおとかは(宗良親王)
856 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:37:20 ID:9omk21l+
忘れめやかりほの笹のふしどころさてだにありし夜半の契を(花山院長親)
857 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 15:39:48 ID:9omk21l+
高御座とばりかかげてかし原の宮の昔もしるき春かな(後村上天皇)
858 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:46:41 ID:9omk21l+
おなじくはちるまでをみて帰るかり花の都のことかたらなん(宗良親王)
859 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:47:31 ID:9omk21l+
をさまらぬ世の人ごとのしげければ桜かざしてくらす日もなし(長慶院)
860 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:48:23 ID:9omk21l+
花山のはつもとゆひの春の庭わがたちまひし昔恋ひつつ(後村上天皇)
861 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:49:10 ID:9omk21l+
思ふことなくてぞみましほのぼのと有明の月の志賀のうら波(花山院師賢)
862 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:49:57 ID:9omk21l+
世のうさを空にもしるや神無月ことわりすぎてふる時雨かな(尊良親王)
863 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:50:46 ID:9omk21l+
まだなれぬ板屋の軒のむら時雨おとを聞くにもぬるる袖かな(後醍醐天皇)
864 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:51:34 ID:9omk21l+
夜な夜なのなぐさめなりし月だにも待どほになる夕ぐれの空(後醍醐天皇)
865 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 21:52:22 ID:9omk21l+
我が庵はとさの山風さゆる夜に軒もる月もかげこほるなり(尊良親王)
866 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:00:45 ID:9omk21l+
うづもるる身をば歎かずなべて世のくもるぞつらきけさのはつ雪後醍醐天皇)
867 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:02:25 ID:9omk21l+
むべしこそ雪も深けれなべて世のうれへの雲の空にみちつつ(花山院師賢)
868 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:03:14 ID:9omk21l+
鳥の音におどろかされて暁の寝覚しづかに世を思ふかな(後村上天皇)
869 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:05:26 ID:9omk21l+
年ふれば思ひぞ出づる芳野山またふる郷の名や残るらん(後村上天皇)
870 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:06:12 ID:9omk21l+
君すめば峰にも尾にも家居してみ山ながらの都なりけり(二条為忠)
871 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:07:01 ID:9omk21l+
思ひきや手もふれざりし梓弓おきふし我が身なれんものとは(宗良親王)
872 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:08:37 ID:9omk21l+
君がため世のため何かをしからんすててかひある命なりせば(宗良親王)
873 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:23:52 ID:9omk21l+
この里にみゆきせしよのおも影ぞけふは涙とともにさきだつ(花山院師賢)
874 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:25:35 ID:9omk21l+
よしやそのをりをりごとの思ひ出でも忘れね今はかかるうき身に(花山院師賢)
875 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 22:27:24 ID:9omk21l+
いかにせん春のみやまのむかしより雲井までみし世の恋しさを(北畠親房)
876 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:03:10 ID:9omk21l+
おもひつつぬれば見し世にかへるなり夢ぢやいつも昔なるらん(長慶院)
877 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:04:03 ID:9omk21l+
おくれじと思ひし道もかひなきはこの世のほかのみ吉野の山(宗良親王)
878 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:05:14 ID:9omk21l+
み吉野は見し世にもあらず荒れにけりあだなる花は猶のこれども(新待賢門院)
879 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:07:00 ID:9omk21l+
今年こそいとどまたるれ時鳥しでの山路の事やかたると(新待賢門院)
880 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:10:17 ID:9omk21l+
思ふには猶色あさきもみぢかなそなたの山はいかがしぐるる(四条隆資)
881 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:12:04 ID:9omk21l+
雲の色にしぐれ雪げはみえわかでただかきくらすけふの空かな(花山院師賢)
882 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:14:31 ID:9omk21l+
しでの山こえんもしらで都人なほさりともと我やまつらん(花山院師賢)
883 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:15:21 ID:9omk21l+
歎けとて老の身をこそ残しけめ有るはかずかずあらずなる世に(北畠親房)
884 :
名無氏物語:2009/04/12(日) 23:28:08 ID:9omk21l+
九重の玉のうてなも夢なれや苔の下にし君を思へば(新待賢門院)
885 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 01:12:59 ID:QaO4ln4V
飽きもせず延々とペーストして楽しい?
886 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:32:36 ID:2F0Xrrm8
ひきつれし百のつかさの独りだに今はつかへぬ道ぞ悲しき(新待賢門院)
887 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:34:56 ID:2F0Xrrm8
さびしさもつひのすみかと思ふには心ぞとまる峰の松風(新待賢門院)
888 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:36:07 ID:2F0Xrrm8
四の海波もをさまるしるしとて三のたからを身にぞつたふる(後村上天皇)
889 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:37:46 ID:2F0Xrrm8
九重にいまもますみのかがみこそ猶世をてらす光なりけれ(後村上天皇)
890 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:38:51 ID:2F0Xrrm8
色も香も千代までにほへ百敷やこりさく梅は今さかりなり(洞院公泰)
891 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:39:50 ID:2F0Xrrm8
ふみ分けて猶もつかへよしら雪の跡ある道はむもれはてじを(洞院実雄)
892 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:42:06 ID:2F0Xrrm8
さまざまにこころぞとまる宮城野の花のいろいろ虫の声々(源俊頼)
893 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:43:47 ID:2F0Xrrm8
宮城野の萩や牡鹿の妻ならむ花咲きしより声の色なる(藤原基俊)
894 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:53:24 ID:2F0Xrrm8
あはれいかに草葉の露のこぼるらむ秋風立ちぬ宮城野の原(西行)
895 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 14:54:26 ID:2F0Xrrm8
夕されば汐風こえてみちのくの野田の玉川鵆なくなり(能因)
896 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:10:26 ID:2F0Xrrm8
我恋はしほひに見えぬ沖の石の人こそしらねかはく間もなし(二条院讃岐)
897 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:14:10 ID:2F0Xrrm8
君をおきてあだし心をわが持たば末の松山波も越えなむ(よみ人しらず)
898 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:16:09 ID:2F0Xrrm8
契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは(藤原元輔)
899 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:17:39 ID:2F0Xrrm8
みちのくはいづくはあれど塩蒲の浦こぐ舟の綱手かなしも(よみ人しらず)
900 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:19:20 ID:2F0Xrrm8
我せこをみやこにやりて塩がまの笆の島にまつぞわびしき(よみ人しらず)
901 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:23:08 ID:2F0Xrrm8
世の中は常にもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも(源実朝)
902 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:24:50 ID:2F0Xrrm8
いつみてかつげずは知らん東路と聞きこそわたれ佐野の舟橋(和泉式部)
903 :
名無氏物語:2009/04/13(月) 15:26:12 ID:2F0Xrrm8
東路の佐野の舟橋くちぬとも妹しさだめばかよはざらめや(藤原顕季)
904 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 00:09:06 ID:MB2u9NQL
無氏物語:2009/04/13(月) 15:17:39 ID:2F0Xrrm8
みちのくはいづくはあれど塩蒲の浦こぐ舟の綱手かなしも(よみ人しらず)
900 :名無氏物語:2009/04/13(月) 15:19:20 ID:2F0Xrrm8
我せこをみやこにやりて塩がまの笆の島にまつぞわびしき(よみ人しらず)
901 :名無氏物語:2009/04/13(月) 15:23:08 ID:2F0Xrrm8
世の中は常にもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも(源実朝)
902 :名無氏物語:2009/04/13(月) 15:24:50 ID:2F0Xrrm8
いつみてかつげずは知らん東路と聞きこそわたれ佐野の舟橋(和泉式部)
903 :名無氏物語:2009/04/13(月) 15:26:12 ID:2F0Xrrm8
東路の佐野の舟橋くちぬとも妹しさだめばかよはざらめや(藤原顕季)
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905 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 01:48:57 ID:4PaVo38w
いかでかは思ひありとも知らすべき室の八嶋の煙ならでは(藤原実方)
906 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 01:51:09 ID:4PaVo38w
人を思ふ思ひを何にたとへまし室の八島も名のみ也けり(源重之女)
907 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 01:52:25 ID:4PaVo38w
下野や室の八島に立つ煙思ひありとも今日こそは知れ(大江朝綱)
908 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 01:55:39 ID:4PaVo38w
煙たつ室の八嶋にあらぬ身はこがれしことぞくやしかりける(大江匡房)
909 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 01:56:51 ID:4PaVo38w
いかにせん室の八島に宿もがな恋の煙を空にまがへん(藤原俊成)
910 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:00:17 ID:4PaVo38w
恋ひ死なば室の八島にあらずとも思ひの程は煙にも見よ(藤原忠定)
911 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:14:56 ID:MB2u9NQL
いかでかは思ひありとも知らすべき室の八嶋の煙ならでは(藤原実方)
906 名前:名無氏物語 :2009/04/14(火) 01:51:09 ID:4PaVo38w
人を思ふ思ひを何にたとへまし室の八島も名のみ也けり(源重之女)
907 名前:名無氏物語 :2009/04/14(火) 01:52:25 ID:4PaVo38w
下野や室の八島に立つ煙思ひありとも今日こそは知れ(大江朝綱)
908 名前:名無氏物語 :2009/04/14(火) 01:55:39 ID:4PaVo38w
煙たつ室の八嶋にあらぬ身はこがれしことぞくやしかりける(大江匡房)
909 名前:名無氏物語 :2009/04/14(火) 01:56:51 ID:4PaVo38w
いかにせん室の八島に宿もがな恋の煙を空にまがへん(藤原俊成)
910 名前:名無氏物語 :2009/04/14(火) 02:00:17 ID:4PaVo38w
恋ひ死なば室の八島にあらずとも思ひの程は煙にも見よ(藤原忠定)
912 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:15:56 ID:MB2u9NQL
名前:名無氏物語 2009/03/03(火) 03:02:17 ID:oaMtyaGd S★(780001)
暫定る〜る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前レスの(読みではなく)最後の漢字を取ってつなげていく。
例:四字熟語→語学研修→修了証書→書道教室
・ 同時に書き込まれていた場合は先着のレスを優先とする。
・ 同一IDによる連続レス、あまりにも意味不明なものは無効とする。
・ 20レス以内(しりとり以外のレスは除く)の既出のものは無効とする。
・ 無効の指摘は20レス以内(しりとり以外のレスは除く)に行った場合のみ有効とする。
・ マイナーなものには簡単な説明を、難読語には読み仮名を添えること。
・ 熟語として頭に殆ど使われない漢字(「者」など)につなげる場合のみ読みで続けても可とする。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前スレ:漢字四文字しりとり3
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/kobun/1233530576/ 250 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 00:11:42 ID:zK3Go/0f
246 :名無氏物語:2009/04/12(日) 22:59:37 ID:8ogW8Gzo
>>244 及廉価?・・・「?」
248 :名無氏物語:2009/04/12(日) 23:45:38 ID:ECSy8Azn
>>246 囈言囈語...「囈」 ・・・???
もう、しょーもないスレになったな
913 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:16:58 ID:MB2u9NQL
77】【儒教戦隊】松門の狂生【くるいなま】
1 名前:名無氏物語 2009/04/09(木) 22:41:31 ID:dVKwDfjq
目の据わっているキモイ男なら誰でも俺だ。俺は最強、三度の飯
より道義道徳! ピッピッピッピッ! 規則正しく笛で歩く!
ハローワークも ピッピッピッ! 論語読むのもピッピッピ!
今こそ最強の古典、『知障外伝 松門の狂生』を読もう!
68 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 17:06:18 ID:+1jikwGu
ID:GzyHJwEG は痛い奴
24時間ここを監視してるんだろうな
69 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 18:02:15 ID:/y6Z8wmO
ID:GzyHJwEG=ID:2F0Xrrm8
70 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 18:40:27 ID:QaO4ln4V
>>65 見苦しいからいい加減消えろよ。自分と会話するのももうやめろ。
71 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 22:28:55 ID:qzi8F19T
>>65
914 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:18:37 ID:MB2u9NQL
915 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:19:26 ID:MB2u9NQL
前レスの(読みではなく)最後の漢字を取ってつなげていく。
例:四字熟語→語学研修→修了証書→書道教室
・ 同時に書き込まれていた場合は先着のレスを優先とする。
・ 同一IDによる連続レス、あまりにも意味不明なものは無効とする。
・ 20レス以内(しりとり以外のレスは除く)の既出のものは無効とする。
・ 無効の指摘は20レス以内(しりとり以外のレスは除く)に行った場合のみ有効とする。
・ マイナーなものには簡単な説明を、難読語には読み仮名を添えること。
・ 熟語として頭に殆ど使われない漢字(「者」など)につなげる場合のみ読みで続けても可とする。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前スレ:漢字四文字しりとり3
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/kobun/1233530576/ 250 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 00:11:42 ID:zK3Go/0f
246 :名無氏物語:2009/04/12(日) 22:59:37 ID:8ogW8Gzo
>>244 及廉価?・・・「?」
248 :名無氏物語:2009/04/12(日) 23:45:38 ID:ECSy8Azn
>>246
916 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 02:20:15 ID:MB2u9NQL
276 名前:名無氏物語 :2009/04/12(日) 09:53:32 ID:MQ1wEwT2
質問なのですが、あめかんむりに革と月で何と読むのでしょうか?
携帯だと変換出来ないし、手元に辞書がないものですから…
277 名前:名無氏物語 :2009/04/12(日) 12:04:05 ID:IhpYO2z1
霸 「覇」の異体字
278 名前:名無氏物語 :2009/04/13(月) 20:46:00 ID:kMgN1e3g
糸偏に
浅いや銭の右側の漢字ってなんて読むか知ってる人いませんか?
中国で使われてるっぽいんですが…
パソコンで出す場合どうやったらいいのか…
917 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:44:17 ID:4PaVo38w
ふりにける身をこそよそにいとふとも黒髪山も雪を待つらん(道興)
918 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:45:20 ID:4PaVo38w
もののふの矢並つくろふ小手の上に霰たばしる那須の篠原(源実朝)
919 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:47:34 ID:4PaVo38w
わが上へ越の立山傾くと思ふばかりの夜のあられかな(与謝野晶子)
920 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:50:02 ID:4PaVo38w
布施の海や春深からし垂姫の霞の袖もおもがくしせり(村田春海)
921 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:50:52 ID:4PaVo38w
旅の空晴れぬながめにうつる日もはやつき川を越ゆる白波(尭恵)
922 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:51:38 ID:4PaVo38w
見るままに人の心のうさか川渡る瀬多しいかが頼まん(衣笠家良)
923 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:52:35 ID:4PaVo38w
惜しめどもたちもとまらずゆく春を勿来の関のせきもとめなむ(紀貫之)
924 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 03:53:26 ID:4PaVo38w
たのめこし人の心は通ふやと問ひても見ばやうやむやの関(土御門院)
925 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:06:28 ID:4PaVo38w
涙をば衣川にぞ流しつる古き都を思ひ出でつつ(西行)
926 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:07:11 ID:4PaVo38w
聞きもせずたばしね山の桜花吉野の外にかかるべしとは(西行)
927 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:08:35 ID:4PaVo38w
便りあらば津軽の奧にとめられてえぞ帰らぬと妹に告げばや(道因)
928 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:12:26 ID:4PaVo38w
船に酔ひてやさしくなれる
いもうとの眼見ゆ
津軽の海を思へば
(石川啄木)
929 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:13:11 ID:4PaVo38w
やはらかに柳あをめる
北上の岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに
(石川啄木)
930 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:14:11 ID:4PaVo38w
たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言へり(河野裕子)
931 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:16:16 ID:4PaVo38w
蒲生野の標野の原のをみなへし野守に見すな妹が袖ふる(大江匡房)
932 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 04:17:37 ID:4PaVo38w
わくらばに行きて見てしか醒が井の古き清水にやどる月影(源実朝)
933 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 20:28:39 ID:MB2u9NQL
934 :
名無氏物語:2009/04/14(火) 20:32:06 ID:MB2u9NQL
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名無氏物語:2009/04/14(火) 20:35:39 ID:MB2u9NQL
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名無氏物語:2009/04/14(火) 20:37:09 ID:MB2u9NQL
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名無氏物語:2009/04/15(水) 00:18:26 ID:TW1tMVj/
age馬鹿、必死すぎwww
939 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 00:52:40 ID:kaALZaSW
うちしぐれふる里思ふ袖ぬれて行くさき遠き野路の篠原(阿仏尼)
940 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 00:54:10 ID:kaALZaSW
望月の駒ひきわたす音すなり瀬田の長道橋もとどろに(平兼盛)
941 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 00:55:16 ID:kaALZaSW
明日も来む野路の玉川萩越えて色なる波に月やどりけり(源俊頼)
942 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 00:57:16 ID:kaALZaSW
大比叡やをひえの山も秋くれば遠目も見えず霧のまがきに(曾禰好忠)
943 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:19:47 ID:kaALZaSW
やはらぐる光さやかに照らし見よ頼む日吉の七のみやしろ(藤原定家)
944 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:20:58 ID:kaALZaSW
浅みどり三上の山の春霞たつや千歳のはじめなるらん(大江匡房)
945 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:25:19 ID:kaALZaSW
水茎の岡の葛原吹きかへしころも手うすき秋の初風(藤原定家)
946 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:27:06 ID:kaALZaSW
ほととぎす三津の浜辺に待つ声を比良のたかねに鳴き過ぐべしや(俊恵)
947 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:28:04 ID:kaALZaSW
うち渡る野洲の河原になく千鳥さやかにみえず明けがたの空(源頼政)
948 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:29:13 ID:kaALZaSW
雲晴るる比良山風に余呉の海の沖かけてすむ夜半の月影(藤原公重)
949 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:30:06 ID:kaALZaSW
あづさ弓磯間の浦にひく網のめにかけながら逢はぬ恋かな(藤原定家)
950 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:55:25 ID:kaALZaSW
いとか山くる人もなき夕暮に心ぼそくもよぶこ鳥かな(前斎院尾張)
951 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 01:57:07 ID:kaALZaSW
風寒み夜のふけゆけば妹が島形見の浦に千鳥なくなり(源実朝)
952 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:00:55 ID:kaALZaSW
はるばるとさかしき峰を分けすぎて音無川をけふ見つるかな(後鳥羽院)
953 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:02:15 ID:kaALZaSW
行末はいまいく夜とかいはしろの岡のかや根に枕結ばん(式子内親王)
954 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:03:54 ID:BGQi+fY+
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955 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:05:09 ID:kaALZaSW
こほりみな水といふ水はとぢつれば冬はいづくも音無の里(和泉式部)
956 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:07:00 ID:kaALZaSW
み熊野の神倉山の石たたみのぼりはてても猶祈るかな(西園寺実氏)
957 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:07:19 ID:BGQi+fY+
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958 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:09:43 ID:kaALZaSW
見わたせばきりべの山もかすみつつあきつの里も春めきにけり(平忠盛)
959 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:12:17 ID:kaALZaSW
熊野川くだす早瀬のみなれ棹さすがみなれぬ波の通ひ路(後鳥羽院)
960 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:18:29 ID:kaALZaSW
黒牛潟こぎいづるあまの友船はすずき釣るにや波間わくらん(源顕仲)
961 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:22:03 ID:kaALZaSW
波たてる松はみどりの色なるをいかで白良の浜といふらん(大中臣能宣)
962 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:25:00 ID:kaALZaSW
玉津島絶えぬながれをくむ袖に昔をかけよ和歌の浦浪(藤原良経)
963 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:26:34 ID:kaALZaSW
暁を高野の山に待つほどや苔のしたにも有明の月(寂蓮)
964 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 02:26:58 ID:BGQi+fY+
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名無氏物語:2009/04/15(水) 02:28:08 ID:BGQi+fY+
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名無氏物語:2009/04/15(水) 02:35:58 ID:BGQi+fY+
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名無氏物語:2009/04/15(水) 13:06:54 ID:kaALZaSW
もの思ふを名草の浜の岩千鳥なぐさむだにぞ鳴きまさりける(藤原兼輔)
968 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 13:08:06 ID:kaALZaSW
石走る滝にまがひて那智の山高嶺をみれば花の白雲(花山院)
969 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 13:11:32 ID:kaALZaSW
天の原雲なき空の雪と雨ととはに見せたる那智の大滝(佐伯長穂)
970 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 13:26:59 ID:BGQi+fY+
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971 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 13:29:33 ID:kaALZaSW
木の国や花のいはやに引縄の長くたえせぬ里の神わざ(本居宣長)
972 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:08:30 ID:kaALZaSW
藤代や山の端かけて秋風の吹上の波に出づる月影(藤原雅経)
973 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:09:14 ID:kaALZaSW
熊野路や雪のうちにもわきかへる湯の峰かすむ冬の山風(正徹)
974 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:10:04 ID:kaALZaSW
紀の国や由良の湊に拾ふてふたまさかにだに逢ひ見てしがな(藤原長方)
975 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:11:55 ID:kaALZaSW
はるばるといづち行くらん和歌の浦の波路に消ゆるあまの釣舟(藤原清輔)
976 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:12:57 ID:kaALZaSW
和歌の浦や沖つ潮合に浮び出づるあはれ我が身のよるべ知らせよ(藤原家隆)
977 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:13:56 ID:kaALZaSW
春がすみ霞の浦をゆく舟のよそにも見えぬ人を恋ひつつ(藤原定家)
978 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:14:51 ID:kaALZaSW
恋瀬川つれなき中にゆく水は年もせかれぬ涙なりけり(藤原家隆)
979 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:35:58 ID:kaALZaSW
伊勢島や一志の浦の海人をとめ春を迎へて袖やほすらん(後鳥羽院)
980 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:37:19 ID:kaALZaSW
涙川船出やせまし伊勢の海の三河へ渡る湊たづねて(大中臣輔親)
981 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 14:38:12 ID:kaALZaSW
ます鏡二見の浦にみがかれて神風きよき夏の夜の月(藤原定家)
982 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 20:44:17 ID:BGQi+fY+
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983 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:03:28 ID:kaALZaSW
宮川の春たつ空の初風にうちいづる波の花や散るらん(後鳥羽院)
984 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:21:26 ID:kaALZaSW
聞かずともここをせにせむほととぎす山田の原の杉のむら立ち(西行)
985 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:22:13 ID:kaALZaSW
愛宕山しきみの原に雪つもり花つむ人の跡だにぞなき(曾禰好忠)
986 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:23:21 ID:kaALZaSW
吹きはらふもみぢの上の霧晴れて峰たしかなる嵐山かな(藤原定家)
987 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:25:17 ID:kaALZaSW
有栖川いつきの庭の秋の花千代をかねたる松虫の声(藤原俊成)
988 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:32:55 ID:kaALZaSW
いづくにも帰るさまのみ渡ればやもどり橋とは人のいふらん(和泉式部)
989 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:33:56 ID:kaALZaSW
春深み井手の川波たちかへり見てこそゆかめ山吹の花(源順)
990 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:34:46 ID:kaALZaSW
ひとりのみ我が越えなくに稲荷山春の霞のたちかくすらん(紀貫之)
991 :
名無氏物語:2009/04/15(水) 23:35:40 ID:kaALZaSW
石清水きよき心を峰の月照らさばうれし和歌の浦風(後鳥羽院)
992 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:10:54 ID:fOOlqqZW
霧はれてあすも来て見んうづら鳴く石田の小野はもみぢしぬらん(順徳院)
993 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:11:44 ID:fOOlqqZW
梅津川岩間の波のたちかへり春の花かとうたがはれつつ(曾禰好忠)
994 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:12:52 ID:fOOlqqZW
ゆく人をとどめかねてや瓜生山峰たちならし鹿も鳴くらん(藤原伊尹)
995 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:14:16 ID:fOOlqqZW
大江山生野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立(小式部内侍)
996 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:15:37 ID:fOOlqqZW
大沢の池のけしきは古りゆけどかはらず澄める秋の月かな(藤原俊成)
997 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:16:23 ID:fOOlqqZW
小塩山松の上葉にけふやさは峰のうす雪花と見ゆらん(紫式部)
998 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:17:22 ID:fOOlqqZW
五月雨は水上まさる泉川笠置の山も雲隠れつつ(藤原俊成)
999 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:25:39 ID:fOOlqqZW
みそぎする賀茂の川風吹くらしも涼みにゆかむ妹をともなひ(曾禰好忠)
1000 :
名無氏物語:2009/04/16(木) 00:26:22 ID:fOOlqqZW
逢坂の杉より杉に霞みより祇園精舎の春のあけぼの(藤原俊成)
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