1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 14:51:30 ID:6Gw3RZns
3 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 14:52:04 ID:6Gw3RZns
4 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 14:53:08 ID:6Gw3RZns
5 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 14:56:44 ID:6Gw3RZns
濡れてほす山路の菊の露の間にいつか千年を我は経にけむ(素性法師)
6 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 14:57:36 ID:6Gw3RZns
年えたる玉田の稲をかけ積みて千代の例に舂きぞはじむる(慶滋為政)
7 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 15:28:31 ID:6Gw3RZns
奥山にたぎりておつる滝つ瀬の玉ちるばかり物な思ひそ(貴船明神)
8 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 15:32:37 ID:6Gw3RZns
山県に蒔ける青菜も吉備人と共にし摘めば楽しくもあるか(仁徳天皇)
9 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 15:33:39 ID:6Gw3RZns
難波人あし火たく屋はすすたれどおのが妻こそとこめづらなれ(柿本人麻呂)
10 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 15:34:13 ID:6Gw3RZns
松島や雄島の磯にあさりせし海人の袖こそかくは濡れしか(源重之)
11 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 15:34:48 ID:6Gw3RZns
夏刈の玉江の芦をふみしだき群れゐる鳥のたつ空ぞなき(源重之)
12 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:44:28 ID:6Gw3RZns
夕汐に由良の門わたる海人小舟霞の底に漕ぎぞ入りぬる(藤原清輔)
13 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:45:05 ID:6Gw3RZns
塩竃のうらがなしくも見ゆるかな霞にすける海人の釣舟(藤原清輔)
14 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:45:45 ID:6Gw3RZns
かざしをる三輪の檜原の木の間より領布ふる花や神の八乙女(藤原清輔)
15 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:46:16 ID:6Gw3RZns
身をつめば老木の花ぞあはれなる今幾とせか春に逢ふべき(藤原清輔)
16 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:47:28 ID:6Gw3RZns
わきて見ん老木は花もあはれなり今いくたびか春に逢ふべき(西行)
17 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:59:00 ID:6Gw3RZns
霧のまに明石の瀬戸に入りにけり浦の松風音にしるしも(藤原清輔)
18 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 16:59:51 ID:6Gw3RZns
わたのはら八十島かけて漕ぎ出でぬと人にはつげよ海人の釣舟(小野篁)
19 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:01:43 ID:6Gw3RZns
ゆく駒のつめの隠れぬ白雪や千里のそとにすめる月かげ(藤原清輔)
20 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:02:19 ID:6Gw3RZns
夜とともに山の端いづる月影のこよひ見そむる心地こそすれ(藤原清輔)
21 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:03:06 ID:6Gw3RZns
年ふれど老いもせずして和歌の浦にいく代になりぬ玉津島姫(津守国基)
22 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:03:39 ID:6Gw3RZns
妹背川かへらぬ水の別れには聞きわたるとも袖ぞぬれける(藤原清輔)
23 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:09:40 ID:6Gw3RZns
ともすれば君がみけしきそこなひて叱られし世ぞ今は恋しき(野村望東尼)
24 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:10:38 ID:6Gw3RZns
むめがえに鶯さそふたよりにや谷の氷も風にとくらむ(藤原家隆)
25 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:11:15 ID:6Gw3RZns
谷ふかく鶯さそふ春風にまづ花の香や空にとぶらむ(藤原定家)
26 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:11:50 ID:6Gw3RZns
今日ぞとふ志賀津のあまのすむ里を鶯さそふ花のしるべに(藤原定家)
27 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 17:13:17 ID:6Gw3RZns
谷風の鶯さそふたよりをや山里人も春をしるらむ(後鳥羽院)
28 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:04:14 ID:cI32CVMs
谷ふかく鶯さそふ春魔螺にまづ花の香や空にとぶらむ(藤原鄭家)
29 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:21:48 ID:6Gw3RZns
をる人の袖こそかはれ色もかもおなじ昔ににほふ梅がえ(寂身)
30 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:22:27 ID:6Gw3RZns
花やただ年ふる人ぞあらたまるなごりはしらむ春の木の本(三条西実隆)
31 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:23:01 ID:6Gw3RZns
見るほどに散らば散らなむ梅の花しづ心なく思ひおこせし(和泉式部)
32 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:23:36 ID:6Gw3RZns
いかにしてしづ心なく散る花ののどけき春の色と見ゆらむ(藤原定家)
33 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:26:08 ID:6Gw3RZns
よもの海風をさまりてひさかたの光のどけき春は来にけり(宗尊親王)
34 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:26:44 ID:6Gw3RZns
ひとり見てなぐさみぬべき花になどしづこころなく人を待つらむ(北畠親房)
35 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:40:03 ID:6Gw3RZns
いづる日も光のどけき久方の天の宮人春を知るらし(正徹)
36 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 18:40:43 ID:6Gw3RZns
木の間より花にかすみて久堅の光のどけき鳥の声かな(正徹)
37 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 19:15:53 ID:6Gw3RZns
かくばかり待つとしらずやほととぎす梢はるかに鳴きわたらなむ(清原元輔)
38 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 19:17:30 ID:6Gw3RZns
ほととぎす逢坂こえてたづぬれば今ぞ音羽の山に鳴くなる(慈円)
39 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 19:22:45 ID:6Gw3RZns
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
40 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:42:41 ID:6Gw3RZns
いかでかく思ふ心をほととぎす夜ぶかくなきてきかせやはせぬ(村上天皇)
41 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:43:14 ID:6Gw3RZns
五月雨に物おもふやどは時鳥なく一こゑもなほぞ夜ぶかき(慈円)
42 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:45:16 ID:6Gw3RZns
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)
43 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:46:23 ID:6Gw3RZns
夕やみのたづたづしきにほととぎす声うらがなし道やまどへる(源実朝)
44 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:47:55 ID:6Gw3RZns
吉野山あさせ白浪いはこえて音せぬ水は桜なりけり(鴨長明)
45 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:48:35 ID:6Gw3RZns
秋はなほ浅瀬しら波たどるまで霧立渡るかささぎの橋(順徳院)
46 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:49:08 ID:6Gw3RZns
さを鹿の朝たつ山のとよむまで泣きぞしぬべき妻恋ひなくに(和泉式部)
47 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:55:09 ID:6Gw3RZns
さを鹿の友まどはせる声するはつまや恋しき秋の山べに(恵慶)
48 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 21:55:59 ID:6Gw3RZns
誰がための錦も見えぬ秋霧にそめし時雨の山ぞかひなき(藤原定家)
49 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 22:02:31 ID:6Gw3RZns
折る人の老いせぬ秋の露の間に千歳をめぐる菊のさかづき(俊成卿女)
50 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 22:03:09 ID:6Gw3RZns
白菊の花の鏡の池水に老いせぬ秋のかげぞ久しき(藤原範宗)
51 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 22:03:49 ID:6Gw3RZns
梅が枝のにほひうれしき直路かな木ごとに花の雪のあけぼの(慈円)
52 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 22:12:50 ID:6Gw3RZns
野も山もおなじ雪とはまがへども春は木ごとに匂ふ梅が枝(藤原定家)
53 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:17:17 ID:6Gw3RZns
冬ごもる雪も木ごとに吹く風の匂ふや梅のたち枝なるらむ(藤原為家)
54 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:17:58 ID:6Gw3RZns
花といふはなの木ごとにうつしてもあまりやあらむ梅の匂ひは(三条西実隆)
55 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:18:43 ID:6Gw3RZns
こころおそき花の木ごとに梅が香の春をつたふる苑の朝風(橘千蔭)
56 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:19:18 ID:6Gw3RZns
常陸帯の道のおくなる遠妻にゆきめぐりてもあはむとぞ思ふ(藤原基俊)
57 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:20:00 ID:6Gw3RZns
思ひおくる心ばかりは下帯の道はかたがたゆきめぐるとも(藤原雅経)
58 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:20:41 ID:6Gw3RZns
朝露をわけそほちつつ夕月夜かすむ山路の花の面影(肖柏)
59 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:21:23 ID:6Gw3RZns
秋ちかう野はなりぬとて常夏のつゆもおよばぬ花の色かな(下冷泉政為)
60 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:22:04 ID:6Gw3RZns
秋ちかう成りも行くかな故郷の野らにと宿はすみはそめねど(上田秋成)
61 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:36:07 ID:6Gw3RZns
鶯の来やどる花に飛ぶ蝶はいづれ心のまどひまされる(契沖)
62 :
名無氏物語:2009/03/08(日) 23:36:49 ID:6Gw3RZns
ものおもへば壁にそむくるともしびの消えかへりてぞあかしかねつる(藤原実定)
63 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:08:36 ID:TO3XaYsG
早瀬川なびく玉藻の下乱れ苦しや心みがくれてのみ(藤原良経)
64 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:09:34 ID:TO3XaYsG
我が袂さて山河の瀬になびく玉藻かりそめにかわくまぞなき(後鳥羽院)
65 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:10:09 ID:TO3XaYsG
乱れゆく蛍のかげや河の瀬になびく玉藻の光なるらむ(細川幽斎)
66 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:10:41 ID:TO3XaYsG
水を浅みちひさき魚も河の瀬になびく玉藻の影たのむなり(中院通勝)
67 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:11:20 ID:TO3XaYsG
しきたへの枕の下にみなぎりてやがても下すみなの川かな(藤原定家)
68 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:12:07 ID:TO3XaYsG
桜花なにそは露のあだ物をおなじいのちにかへてとどめむ(藤原家隆)
69 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:32:51 ID:TO3XaYsG
いのちやはなにぞは露のあだしのにあふにしかへぬまつむしの声(藤原家隆)
70 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:33:30 ID:TO3XaYsG
風ふけば磯うつ波の立ちかへり見れどもあかぬ君にもあるかな(藤原仲実)
71 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:34:15 ID:TO3XaYsG
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
72 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 00:34:48 ID:TO3XaYsG
夏衣うすくや人のおもふらむわれはあつれてすぐす月日を(曾禰好忠)
73 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:19:56 ID:TO3XaYsG
夏衣うすくや人のなりぬらむうつせみのねにぬるる袖かな(俊成卿女)
74 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:20:58 ID:TO3XaYsG
うらみむと思ひしものを夏衣ひとへにうすくなりにけるかな(藤原秀能)
75 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:22:15 ID:TO3XaYsG
虫の声聞けばかなしな秋の夜のながきおもひのたぐひと思へば(花山院長親)
76 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:23:40 ID:TO3XaYsG
雲もなくなぎたる波にけさぞみるしらぬ千里の沖つ島山(武者小路実陰)
77 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:24:16 ID:TO3XaYsG
梅の花にほふ夕べは身を分けて空にこころの春風ぞ吹く(肖柏)
78 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:25:00 ID:TO3XaYsG
寝ても見ゆゐても見えけり桜花はかなの春の夢の枕や(藤原家隆)
79 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:35:59 ID:TO3XaYsG
夢路にはたれ植ゑおきて桜花ねても見ゆらむ春の夜すがら(長慶天皇)
80 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:36:40 ID:TO3XaYsG
秋のきてほころびにける藤袴うつり香こくも猶にほふかな(藤原俊成)
81 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:43:56 ID:TO3XaYsG
ふく風に移り香こくも匂ふかなはな橘のよその衣手(藤原家隆)
82 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 14:44:39 ID:TO3XaYsG
ふるさとは見しごともあらず荒れにけり影ぞ昔の春の夜の月(源実朝)
83 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:38:58 ID:TO3XaYsG
とりもあへぬ年は水にや流れそふ老いの心の浅くなりゆく(紀友則)
84 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:40:47 ID:TO3XaYsG
いかでかは尾花がもとの草の名の思ひありとも穂にはいづべき(宗良親王)
85 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:41:18 ID:TO3XaYsG
さしも草さしもしのびぬ中ならば思ひありとも言はましものを(藤原俊成)
86 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:42:28 ID:TO3XaYsG
あさましやなどか思ひのさしも草つゆもおきあへず果ては燃ゆらむ(寂蓮)
87 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:43:17 ID:TO3XaYsG
知られじな霞の下にこがれつつ君にいぶきのさしもしのぶと(藤原定家)
88 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:53:52 ID:TO3XaYsG
秋をへて色にぞみゆるい吹山もえて久しき下の思ひも(藤原定家)
89 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:54:25 ID:TO3XaYsG
色にいでてうつろふ春をとまれともえやはいぶきの山吹の花(藤原定家)
90 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:55:07 ID:TO3XaYsG
さしも草さしも燃ゆてふ春にあひてえやはいぶきの山のしら雪(藤原為家)
91 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:55:47 ID:TO3XaYsG
瓦屋の下たく煙むせびつつまだ忘れずよ思ひこがれて(藤原忠良)
92 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 19:56:19 ID:TO3XaYsG
忘れずやまだ忘れずよ二人して心にとめし青柳の糸(熊谷直好)
93 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:08:15 ID:TO3XaYsG
庭のおものつちさへさくる夏の日にひとり露けきひめゆりの花(土御門院)
94 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:09:09 ID:TO3XaYsG
いにしへの山井の水に影みえてなほそのかみの袂恋しも(藤原実方)
95 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:09:55 ID:TO3XaYsG
いにしへの山井の衣なかりせば忘らるる身となりやしなまし(藤原道信)
96 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:10:30 ID:TO3XaYsG
むべしこそ帰りし空もかすみつつ花のあたりは立ち憂かりしか(藤原実方)
97 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:11:19 ID:TO3XaYsG
みかり野や雪はふりきぬこれもまたぬるとも花の春のおもかげ(藤原雅経)
98 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:12:37 ID:TO3XaYsG
桜がりふりこし雨のやどりよりぬれていくかの花の下陰(二条為重)
99 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:13:19 ID:TO3XaYsG
立ちよらむぬるとも花の色になほそめよなべての山のしづくも(三条西実隆)
100 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:13:57 ID:TO3XaYsG
桜がり雨はいとはぬ木のもとにうたて雪ふる花のあらしよ(下河辺長流)
101 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:29:47 ID:TO3XaYsG
夏草の野島が崎の朝凪にあまの乙女子玉藻かる見ゆ(飛鳥井雅有)
102 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 20:31:06 ID:TO3XaYsG
都おもふ野島が崎の旅衣ひもふきかへす秋のうら風(行意)
103 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:19:25 ID:TO3XaYsG
すずきつる海人とだによも人は見じあるにもあらで旅をこしかば(宗尊親王)
104 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:20:21 ID:TO3XaYsG
あけわたる明石のとより見渡せば浦ぢの霧に島隠れつつ(藤原為家)
105 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:21:24 ID:TO3XaYsG
ともしびのあかしの門より見渡せばやまと島辺は霞かをれり(田安宗武)
106 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:22:35 ID:TO3XaYsG
網代木にこほればやがてくだくなり八十宇治川の水の白波(藤原家隆)
107 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:23:25 ID:TO3XaYsG
つきせじな八十宇治川の網代守よる年波のひをかぞふとも(藤原家隆)
108 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:24:10 ID:TO3XaYsG
あじろ木や波のきりまに袖見えて八十氏人は今かとふらん(藤原定家)
109 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:24:42 ID:TO3XaYsG
ふりし世をいかにしのべとあふみの海夕波千鳥今も鳴くらむ(加藤枝直)
110 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 21:25:27 ID:TO3XaYsG
あもりつく香具山見ればひさかたの天に有りけむ神世しおもほゆ(本居宣長)
111 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:09:01 ID:TO3XaYsG
みくま野の浦の浜木綿夕されば我もひとへに恨みやはせし(藤原兼輔)
112 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:10:16 ID:TO3XaYsG
よろづ代とみ熊野の浦の浜木綿のかさねてもなほつきせざるべし(後鳥羽院)
113 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:10:48 ID:TO3XaYsG
あま雲や人は心をみくまののうらの浜ゆふいくへならぬを(三条西実隆)
114 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:13:33 ID:TO3XaYsG
わぎもこが袖ふる山の桜花昔にかへる春風ぞふく(藤原家隆)
115 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:16:38 ID:TO3XaYsG
ながめてもいかにかもせむわぎもこが袖ふる山の春の曙(後鳥羽院)
116 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:17:18 ID:TO3XaYsG
わぎもこが袖ふる山のうす紅葉それかとまがふ秋の夕暮(後鳥羽院)
117 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:21:54 ID:TO3XaYsG
いとはやもすずしき風かをとめごが袖ふる山に秋たつらしも(後二条院)
118 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:22:54 ID:TO3XaYsG
別れ来てかへりみすれば吉野山山ぞかくさふなびけこの山(本居宣長)
119 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:36:46 ID:TO3XaYsG
草枕夕露はらふ笹の葉のみ山もさやにいく夜しほれぬ(藤原定家)
120 :
名無氏物語:2009/03/09(月) 22:37:20 ID:TO3XaYsG
ささ枕み山もさやに照る月の千世もふばかり影のひさしさ(藤原定家)
121 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:09:26 ID:rkQxo8a2
この山は夕露ふかき笹の葉の都もよそに乱れてぞ思ふ(藤原家隆)
122 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:10:13 ID:rkQxo8a2
笹の葉に霰さやぎてみ山べの嶺の木枯らししきりて吹きぬ(源実朝)
123 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:10:58 ID:rkQxo8a2
さざ波の志賀の大わだよどめりし恨もなしやこよひあふみは(橘千蔭)
124 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:12:34 ID:rkQxo8a2
ふじ川の絶ゆることなく行きかへり見るとも飽かじ雪の高嶺は(契沖)
125 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:13:27 ID:rkQxo8a2
いはばしる滝つ山川とこなめに絶ゆることなく逢ふよしもがな(賀茂真淵)
126 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:15:14 ID:rkQxo8a2
みくまりの神のさきはふ命あらば又かへりみむみ吉野の山(本居宣長)
127 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:15:46 ID:rkQxo8a2
をとめごが玉ものすそに満つしほのひかりをよする浦の月かげ(藤原家隆)
128 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:38:16 ID:rkQxo8a2
をみの浦の玉ものすそに満つしほのひるまばかりの程だにもなし(藤原秀能)
129 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:39:02 ID:rkQxo8a2
はるひの春日の野辺にけふもかも里のをとめら菫摘むらん(田安宗武)
130 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 00:39:35 ID:rkQxo8a2
神島の磯間は西に打見えてかへりみすれば玉の浦みゆ(平賀元義)
131 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:02:54 ID:rkQxo8a2
かげろふのたち野の真柴をりしきてかへり見すれば花散りにけり(加納諸平)
132 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:04:13 ID:rkQxo8a2
もつれ合う内部湛えて酒を飲む東に炎の立つ夜明けまで(佐佐木幸綱)
133 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:04:54 ID:rkQxo8a2
かきつはた衣に摺り付けますらをの着そひ狩する月は来にけり(大伴家持)
134 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:06:27 ID:rkQxo8a2
うべしこそ桜は花の君なれや天つ霞を衣笠にせり(賀茂季鷹)
135 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:20:24 ID:rkQxo8a2
山城の美豆野の里に妹をおきていくたび淀に舟よばふらん(源頼政)
136 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:21:24 ID:rkQxo8a2
雲の波かけてもよると見えぬかなあたりを払ふ月のみ船は(待賢門院堀河)
137 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:22:28 ID:rkQxo8a2
天の海の月のみ舟を名ぐはしき大湊べにきみ見るらむか(荷田蒼生子)
138 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:23:34 ID:rkQxo8a2
かざし折る三輪の檜原の木の間よりひれふる花や神の八乙女(藤原清輔)
139 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:24:08 ID:rkQxo8a2
神さぶるみわの檜原に立ちまじりかざし折りけむむかしとはばや(橘千蔭)
140 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 01:31:01 ID:rkQxo8a2
荒魂の淡海県の物語廃帝ののち生れたりしか(山中智恵子)
141 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:36:28 ID:rkQxo8a2
ひさかたの雲居に春のたちぬれば空にぞかすむあまのかご山(藤原良経)
142 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:37:18 ID:rkQxo8a2
月影のそれかあらぬかかげろふのほのかにみえて雲がくれにし(源実朝)
143 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:38:11 ID:rkQxo8a2
よしの川紅葉ばながる滝のうへのみふねの山に嵐吹くらし(源実朝)
144 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:39:03 ID:rkQxo8a2
山陰や山鳥の尾のながきよを我ひとりかもあかしかねつつ(慈円)
145 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:39:42 ID:rkQxo8a2
花みつつけふもくらしつ足引の山鳥の尾の長き日影を(藤原家隆)
146 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:40:39 ID:rkQxo8a2
山鳥のすゑをの里もふしわびぬ竹の葉しだり長き夜の霜(藤原家隆)
147 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:41:24 ID:rkQxo8a2
秋はまだ遠山鳥のしだり尾のあまりてをしき有明の空(藤原家隆)
148 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 02:42:12 ID:rkQxo8a2
うかりける山鳥の尾の独り寝に秋ぞ契りし長き夜半とも(藤原定家)
149 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:15:21 ID:rkQxo8a2
ふるさとは遠山鳥の尾のへより霜置く鐘の長き夜の空(藤原定家)
150 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:15:58 ID:rkQxo8a2
なきぬなり木綿付け鳥のしだり尾のおのれにも似ぬ夜半の短さ(藤原定家)
151 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:16:36 ID:rkQxo8a2
ねをかけよ鳴くや軒ばの山鳥のしだり尾ながきあやめをぞふく(正徹)
152 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:17:29 ID:rkQxo8a2
たへてすむ山鳥の尾のながき夜もいづらは月のあかず更けぬる(木下長嘯子)
153 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:18:14 ID:rkQxo8a2
しぐるらし紅葉の錦しきしまの山どりのをのなが月の空(後二条院)
154 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:18:57 ID:rkQxo8a2
奧山の岩垣沼に木の葉おちてしづめる心人しるらめや(源実朝)
155 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:19:40 ID:rkQxo8a2
恋ひ死なば恋ひも死ねとか我妹子が我家の門を過ぎて行くらむ(柿本人麻呂)
156 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:20:19 ID:rkQxo8a2
恋ひ死なば恋ひも死ねとや思ふらむ逢はば逢ふべき程のすぎぬる(藤原教長)
157 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:42:50 ID:rkQxo8a2
荒ち男の狩る矢のさきに猛る猪も人の憂きにぞ身をば棄つなる(宗良親王)
158 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:43:23 ID:rkQxo8a2
幾度か言ひはなちつる荒ち男の狩る矢のさきに身を忘るらむ(武者小路実陰)
159 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 03:58:16 ID:rkQxo8a2
ほととぎすなくや雲まの夕月夜はつ卯の花のかげやしのばむ(順徳院)
160 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:10:17 ID:rkQxo8a2
やたの野に霰ふりきぬあらち山嵐も寒く色かはるまで(藤原家隆)
161 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:11:03 ID:rkQxo8a2
あらち山やたのの野べも春めきぬ峰のあは雪きえやしぬらむ(後鳥羽院)
162 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:11:50 ID:rkQxo8a2
あらち山みねのあは雪ふるままにやたのの浅茅うちしぐれつつ(九条道家)
163 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:12:29 ID:rkQxo8a2
あらち山みねのあは雪きえなくにやたの野原は若菜つみけり(飛鳥井雅有)
164 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:13:11 ID:rkQxo8a2
あらち山峰の白雪やたののに浅ぢをかけてうづむ比かな(正徹)
165 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:36:57 ID:rkQxo8a2
朝戸あくる袖にさえ来てあらち山はらふばかりの峰のあは雪(宗祇)
166 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 04:37:38 ID:rkQxo8a2
あらち山ふもとのあさぢ露のまにはやくもふれる峰の淡雪(三条西実隆)
167 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 07:49:18 ID:rkQxo8a2
春といへば今はの心つくからに峯をはるかに帰る雁がね(藤原隆信)
168 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 07:49:54 ID:rkQxo8a2
忘れずよ今はの心つくばねの峯の嵐に有明の月(藤原家隆)
169 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 07:51:12 ID:rkQxo8a2
しののめも思ひならひぬ暮れぬとていまはの心花につくより(契沖)
170 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 07:52:14 ID:rkQxo8a2
つつめども袖よりほかにこぼれいでてうしろめたきは涙なりけり(西行)
171 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 07:52:56 ID:rkQxo8a2
つねの秋は草の葉にのみおく露をことしは袖のうへに見るかな(藤原興風)
172 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:09:49 ID:rkQxo8a2
深山路は紅葉もふかき心あれや嵐のよそにみゆき待ちける(藤原定家)
173 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:10:23 ID:rkQxo8a2
声たてぬ嵐もふかき心あれや深山の紅葉みゆき待ちけり(藤原定家)
174 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:11:41 ID:rkQxo8a2
をぐら山峰の木の葉や色にいでてふりにしみゆき今も待つらむ(藤原忠定)
175 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:13:32 ID:rkQxo8a2
をぐら山峰のもみぢは鳴く鹿の涙にそめて色にいづらし(藤原為家)
176 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:14:12 ID:rkQxo8a2
いたづらに今は染めけり小倉山いつの秋まで行幸待ちけむ(姉小路基綱)
177 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:14:53 ID:rkQxo8a2
をぐら山もみぢにとめし小車も跡こそたゆれみゆき降りつつ(契沖)
178 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:16:01 ID:rkQxo8a2
小倉山御幸もあらばいかがせむ紅葉をすてて秋はいぬめり頃(千種有功)
179 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 08:16:49 ID:rkQxo8a2
吉野山岸のもみぢし心あらばまれのみゆきを色かへでまて(藤原忠房)
180 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:24:49 ID:rkQxo8a2
時は今は冬になりぬとしぐるめりとほき山べに雲のかかれる(宗尊親王)
181 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:25:29 ID:rkQxo8a2
時は今はまだき木の芽も春の色に霞のそむる四方の山かな(中院通村)
182 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:26:59 ID:rkQxo8a2
里人の家をも名をも花がたみかたみにとひて若菜をぞつむ(飛鳥井雅親)
183 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:27:35 ID:rkQxo8a2
朝菜つむ野辺のをとめに家とへばぬしだに知らずあとの霞に(下河辺長流)
184 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:28:09 ID:rkQxo8a2
しばの野に葛引くをとめ家のらへ此野づかさに葛引くをとめ(楫取魚彦)
185 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:29:01 ID:rkQxo8a2
霞たつ春野のさはに袖ひぢて若菜つむ子が家とはましを(本居宣長)
186 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:30:25 ID:rkQxo8a2
我が岡の雪間にもゆる初わかな家も名のらで摘むは誰が子ぞ(幽真)
187 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:31:39 ID:rkQxo8a2
美豆山の青垣山の神樹葉の茂みが奥に吾が魂こもる(橘曙覧)
188 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:42:01 ID:rkQxo8a2
たかきやにけむりをのぞむ古にたちもおよばぬ身をなげきつつ(長慶天皇)
189 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:42:38 ID:rkQxo8a2
かまどよりたつや煙も高き屋にのぼる霞の色とみゆらん(正徹)
190 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 09:43:26 ID:rkQxo8a2
これまでやなにはの宮のたかき屋に煙をそへてみつの浜松(正徹)
191 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:00:47 ID:rkQxo8a2
世は春の民の朝けの烟より霞も四方の空に立つらん(後水尾院)
192 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:01:33 ID:rkQxo8a2
高き家に君とのぼれば春の国河遠白し朝の鐘なる(与謝野晶子)
193 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:02:15 ID:rkQxo8a2
桜ゆゑ片岡山にふせる身も思ひしとけばあはれ親なし(鴨長明)
194 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:02:45 ID:rkQxo8a2
今も世にいまされざらむ齢にもあらざるものをあはれ親なし(橘曙覧)
195 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:03:15 ID:rkQxo8a2
冬の来て降りみ降らずみ大和にはむら山ありて行く時雨かな(正広)
196 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:06:43 ID:rkQxo8a2
飛火もり見かもとがめむ蚊遣火のけむり立ちたつ遠かたの里(田安宗武)
197 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:07:19 ID:rkQxo8a2
高見山ことにし有りけりのぼりたちかへり見すれど国見えなくに(本居宣長)
198 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:07:52 ID:rkQxo8a2
倭には村山あれどたふときは畝火耳なし天の香具やま(大橋長広)
199 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:08:46 ID:rkQxo8a2
鹿のねは近くすれども山田守おどろかさぬはいねにけらしも(藤原行家)
200 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:09:22 ID:rkQxo8a2
すさのをのみことを祈るともなしに越えてぞみまし波の八重垣(和泉式部)
201 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:09:58 ID:rkQxo8a2
思ひあればへだつる雲もなかりけり妻もこもれり出雲八重垣(寂蓮)
202 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:10:47 ID:rkQxo8a2
しきしまや大和言の葉たづぬれば神の御代よりいづも八重垣(藤原良経)
203 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:11:43 ID:rkQxo8a2
八雲立つ出雲八重垣ひまもなくめぐみにこめよ君がよろづ代(源家長)
204 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:19:38 ID:rkQxo8a2
そのままに神代もとほくへだたりて跡やふりぬる出雲八重垣(宗良親王)
205 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:20:23 ID:rkQxo8a2
世にこえて猶ぞさかえんことの葉を神のさだめし出雲八重垣(正徹)
206 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:21:46 ID:rkQxo8a2
もろ神のぬれてやつどふけふよりは時雨の雲のいづも八重がき(下河辺長流)
207 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:22:33 ID:rkQxo8a2
わが心すがすがしてふ跡とめて今も八雲の道は汚さじ(桜町院)
208 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:24:10 ID:rkQxo8a2
鶯のつまやこもるとゆかしきは梅咲きかこむ庵の八重がき(蓮月)
209 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:27:08 ID:rkQxo8a2
妻籠に籠りし神の神代より清の熊野にたてる雲かも(平賀元義)
210 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 10:27:57 ID:rkQxo8a2
八重垣のむかしのままに霞むらし出雲の宮の春のあけぼの(千種有功)
211 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:17:33 ID:rkQxo8a2
月影のくまなき夜はも小倉山妻まきかねて牡鹿鳴くらん(橘千蔭)
212 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:18:50 ID:rkQxo8a2
月影によもの島辺を見渡せば潮もかなひぬ舟出せよ君(藤原基俊)
213 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:19:24 ID:rkQxo8a2
月待ちて船乗りすべき夕庭のしづけき海に春雨ぞふる(中島広足)
214 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:19:59 ID:rkQxo8a2
妹が門かへり見すれば赤駒の足掻くを惜しといたたせり見ゆ(和田厳足)
215 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:20:37 ID:rkQxo8a2
あかず見し千種の花もうつりゆきて紅葉になげく秋の暮かな(荷田蒼生子)
216 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:21:14 ID:rkQxo8a2
青きをばおきてなげかん陰もなしそむる千入の岡のもみぢ葉(村田春海)
217 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:39:49 ID:rkQxo8a2
山見れば雪もけなくになかざりし鳥こそきなけ春来たるらし(本居宣長)
218 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:41:30 ID:rkQxo8a2
そめざらんものとはなしに秋山の青きをおきてなげくころかな(加納諸平)
219 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 15:42:43 ID:rkQxo8a2
春日山峰にも尾にも声はしてしかもかくすか秋の夕霧(澄覚法親王)
220 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:01:41 ID:rkQxo8a2
三輪山をしかもてらせる月影にかくさふべしや杉たてる門(荷田蒼生子)
221 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:02:26 ID:rkQxo8a2
そなたぞと見つつしのばん山の端をしかもかくすかあま雲の空(鵜殿余野子)
222 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:03:06 ID:rkQxo8a2
蒲生野の標野の原のをみなへし野守に見すな妹が袖ふる(大江匡房)
223 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:04:04 ID:rkQxo8a2
いざや君袖ふりはへてすみれ草むらさきのゆきしめの雪みん(藤原家隆)
224 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:09:07 ID:rkQxo8a2
消えやらぬ紫野ゆき標野ゆきそれかとまがふ春の夕暮(藤原為家)
225 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:11:43 ID:rkQxo8a2
標野ゆき紫野ゆき秋萩の花にしほるる袖ぞ色こき(宗良親王)
226 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:12:42 ID:rkQxo8a2
袖ふりし昔もかくや標野ゆき紫の野の春のまどゐは(豊原統秋)
227 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:13:19 ID:rkQxo8a2
春がすみ真袖にわけてしめの行き紫野ゆき子日するかも(橘千蔭)
228 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:13:54 ID:rkQxo8a2
夕涼みあだ寝の床の明け方にすだれうごかし秋は来にけり(殷富門院大輔)
229 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 16:14:34 ID:rkQxo8a2
軒は荒れて簾うごかし吹く風に閨のおくまで月ぞいざよふ(後崇光院)
230 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:13:04 ID:rkQxo8a2
古に恋ふらむ鳥の声待ちて花橘は花咲きにけり(加納諸平)
231 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:14:05 ID:rkQxo8a2
鶯も言の葉そへてみ吉野の玉松が枝のはしき春かな(千種有功)
232 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:14:46 ID:rkQxo8a2
ほととぎすいたくな鳴きそ独りゐていの寝らえぬに聞けば苦しも(大伴坂上郎女)
233 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:15:20 ID:rkQxo8a2
時鳥とよはた雲に過ぎぬなり今宵の月に又や待たれむ(頓阿)
234 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:17:00 ID:rkQxo8a2
月もげにすめる今宵かわたつ海や豊はた雲の跡の浦風(二条為重)
235 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:18:04 ID:rkQxo8a2
入日さす豊はた雲の色暮れてうす雲なびく秋の海原(中島広足)
236 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:19:13 ID:rkQxo8a2
露だにもおけばたまらぬ秋の田のかりほの庵に時雨降るなり(藤原家隆)
237 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:26:57 ID:rkQxo8a2
唐衣かりいほのとこの露寒み萩のにしきを重ねてぞ着る(藤原定家)
238 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:27:40 ID:rkQxo8a2
秋の田のかりほの庵に露おきてひまもあらはに月ぞもりくる(後鳥羽院)
239 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:28:40 ID:rkQxo8a2
苫をあらみ露は袂におきゐつつかりほの庵に月をみしかな(後鳥羽院)
240 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:31:40 ID:rkQxo8a2
足引の山田もるいほの苫をあらみ木の下露や袖にもるらむ(後鳥羽院)
241 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:33:56 ID:rkQxo8a2
旅寝するあまの苫屋のとまをあらみ寒き嵐に千鳥さへなく(後鳥羽院)
242 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:35:35 ID:rkQxo8a2
小山田のかりほのいほのとことはに我が衣手は秋の白露(順徳院)
243 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:38:22 ID:rkQxo8a2
秋の田のかり庵の露はおきながら月にぞしぼる夜はの衣手(藤原為家)
244 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 17:40:00 ID:rkQxo8a2
ことわりに過ぎてぞぬるる秋の田のかりほの庵の露のやどりは(藤原為家)
245 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:13:03 ID:rkQxo8a2
秋の田のかりほの苫にふく稲のほの上渡る軒の月かげ(正徹)
246 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:13:53 ID:rkQxo8a2
苫をあらみ小田もる老の心にはなほたへかねて露はらふらん(東常縁)
247 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:14:33 ID:rkQxo8a2
晴るる間の雨にかりほのとまをあらみ漏りにし程は漏らぬ月影(藤原惺窩)
248 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:15:07 ID:rkQxo8a2
思へ世は玉しくとても秋の田の仮庵ならぬ宿りやはある(後水尾院)
249 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:15:41 ID:rkQxo8a2
橘の木の丸殿にかをる香はとはぬに名乗るものにぞありける(源俊頼)
250 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:16:19 ID:rkQxo8a2
磐代の岸の松が枝結びけむ人は還りてまた見けむかも(長意吉麻呂)
251 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:16:54 ID:rkQxo8a2
磐代の野中に立てる結び松心も解けずいにしへ思ほゆ(長意吉麻呂)
252 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 18:17:30 ID:rkQxo8a2
鳥翔成あり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ(山上憶良)
253 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:26:03 ID:rkQxo8a2
月も見よ旅にしあれば椎の葉にもるいひしらぬ宿にかりねて(上冷泉為広)
254 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:28:16 ID:rkQxo8a2
椎の葉にかれ飯もるとやすらへば山風そへて雨こぼれ来ぬ(加納諸平)
255 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:30:34 ID:rkQxo8a2
たまくしげみむろど山のさねかづらさねずはつひにありとみましや(藤原鎌足)
256 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:31:36 ID:rkQxo8a2
かたらばや吉野よくみてかへりこむ人にもけふの花の夕を(三条西実隆)
257 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:32:14 ID:rkQxo8a2
よしの山雪か雲かのけぢめをもよく見てきませよき人よ君(加藤美樹)
258 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:33:18 ID:rkQxo8a2
よき人のよしといひつる吉野山よく見て行きてよしとかたらむ(本居宣長)
259 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:34:07 ID:rkQxo8a2
よき人をよしとよく見し夕べより吉野の花の面影にたつ(香川景樹)
260 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:34:54 ID:rkQxo8a2
淑き人のよく見と言ひし芳野山よく見て行かな淑き人のため(鹿持雅澄)
261 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:51:41 ID:rkQxo8a2
淑き人のよく見と言ひし芳野山よく見て行かな淑き人のため(鹿持雅澄)
262 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 21:57:24 ID:rkQxo8a2
かしましと面伏せには言ひしかどこの頃見ねばさびしかりけり(良寛)
263 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:03:15 ID:rkQxo8a2
又さらに折り焚く柴のしひがたりさすがに夜さへあくべくはなし(加納諸平)
264 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:04:26 ID:rkQxo8a2
いつしかと衣ほすめりかげろふの夏きにけらし天のかご山(藤原隆季)
265 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:04:59 ID:rkQxo8a2
白妙の衣ほすてふ夏の来て垣根もたわに咲ける卯の花(藤原定家)
266 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:25:13 ID:rkQxo8a2
大井川かはらぬゐぜきおのれさへ夏きにけりと衣ほすなり(藤原定家)
267 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:27:28 ID:rkQxo8a2
花ざかり霞の衣ほころびてみねしろたへの天のかご山(藤原定家)
268 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:28:11 ID:rkQxo8a2
雲晴るる雪の光や白妙の衣干すてふ天のかぐ山(藤原良経)
269 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:29:50 ID:rkQxo8a2
白雲の衣ほすてふ山がつの垣ほの谷は日影やはさす(藤原家隆)
270 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:30:49 ID:rkQxo8a2
白妙の衣ほすなり郭公天のかぐ山おりはへてなけ(藤原家隆)
271 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:31:57 ID:rkQxo8a2
春ををしみ天の香具山袖ぬれてあすは卯月の衣ほすとも(藤原家隆)
272 :
名無氏物語:2009/03/10(火) 22:33:07 ID:rkQxo8a2
いまよりの秋風たちぬしろたへの衣吹きほすあまのかぐ山(藤原家隆)
273 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:11:13 ID:5SgpxF5G
みねたかき天のかご山しろたへのたが衣手を雲にほすらん(藤原信実)
274 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:12:50 ID:5SgpxF5G
五月雨は雲のおりはへ夏衣ほさでいくかぞあまのかご山(藤原為家)
275 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:13:26 ID:5SgpxF5G
香久山やあまぎる雪の朝がすみそれとも見えずほす衣かな(正徹)
276 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:14:17 ID:5SgpxF5G
さくら花よそめは雲になりはてて衣はほさじ天の香久山(木下長嘯子)
277 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:15:04 ID:5SgpxF5G
水無月のテラス手負のラガー出て白妙の裂帛を干したり(塚本邦雄)
278 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:17:07 ID:5SgpxF5G
さざ浪や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな(平忠度)
279 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:18:16 ID:5SgpxF5G
霧はるる紅葉にまがふ山本のあけのそほ舟こがれてぞ行く(藤原家隆)
280 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 01:19:25 ID:u0MAVMoL
塚本がアリなら、この季節は
さくら花いのち一ぱいに咲くからに生命をかけてわが眺めたり(岡本かの子)
281 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:34:15 ID:5SgpxF5G
山もとのあけのそほ船ほのぼのとこぎいづる沖は霧こめてけり(藤原良経)
282 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:39:22 ID:5SgpxF5G
山もとのあけのそほ舟紅葉ばに色わかれゆく秋のうらかぜ(心敬)
283 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:40:36 ID:5SgpxF5G
若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴きわたる(山部赤人)
284 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:41:08 ID:5SgpxF5G
見わたせば穂の上にきらふさくら田へ雁なきわたる秋の夕暮(賀茂真淵)
285 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:42:31 ID:5SgpxF5G
しはつ山うちいでて見ればかさゆひのしまこぎかくるたななしをぶね(高市黒人)
286 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:57:56 ID:5SgpxF5G
いそざきをこぎてめぐれば近江路や八十のみなとにたづさはになく(高市黒人)
287 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:59:07 ID:5SgpxF5G
行末も知られざりけり高島や勝野の原の雪の曙(藤原季経)
288 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 03:59:44 ID:5SgpxF5G
旅衣露のけわぶる夏草にかちのの原は日もくれにけり(藤原為家)
289 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:00:23 ID:5SgpxF5G
とくきてもみてましものを山城のたかつきむらのちりにけるかも(高市黒人)
290 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:01:11 ID:5SgpxF5G
朝まだき霞みにけりな武庫の浦に出づる友舟かずかくれゆく(源師光)
291 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:02:37 ID:5SgpxF5G
あしひきの山のしづくに立ちぬれぬしかまちあかす夏の夜すがら(藤原良経)
292 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:03:55 ID:5SgpxF5G
いはけなくいかなるさまにたどりてか死出の山路をひとりこゆらん(土岐筑波子)
293 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:21:19 ID:5SgpxF5G
潮みちぬ 常世の雁の風の書を見すべききみがありといはなくに(山中智恵子)
294 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:23:43 ID:5SgpxF5G
しぐれふる紅葉の錦たてもなくぬきもさだめぬ玉ぞこぼるる(藤原為家)
295 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:24:26 ID:5SgpxF5G
いかにせん我たちぬれぬわぎもこにあはでの森のこの下露に(藤原顕季)
296 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:25:06 ID:5SgpxF5G
妹まつと人やみるらむかりそめにやすらふほどの山のしづくも(橘千蔭)
297 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:26:17 ID:5SgpxF5G
浪あらふ浜松が枝の手向草年ふる恋に袖ぞかわかぬ(藤原長方)
298 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:27:25 ID:5SgpxF5G
秋といへば浜松が枝の手向草わりなき露もやどる月かな(藤原家隆)
299 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:28:59 ID:5SgpxF5G
風わたる浜松が枝の手向草なびくにつけて夏やすぎぬる(藤原定家)
300 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 04:29:36 ID:5SgpxF5G
年へたる浜松が枝の手向草かはらぬ色も春は見えけり(後鳥羽院)
301 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 05:01:58 ID:5SgpxF5G
年ふりて花も咲きけり手向ぐさ浜松が枝の冬の白雪(伏見院)
302 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 05:03:54 ID:5SgpxF5G
山のはに豊旗雲をさしあげて恋のやつこのせめくるをみよ(正徹)
303 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 05:04:44 ID:5SgpxF5G
国見山かすみきらひて遥々に海原も見ゆ国のほも見ゆ(鹿持雅澄)
304 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 05:06:08 ID:5SgpxF5G
難波江にさくやこの花白妙の秋なき浪をてらす月かげ(藤原定家)
305 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 05:06:42 ID:5SgpxF5G
難波津にさくやこの花朝霞春たつ波にかをる春風(後鳥羽院)
306 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 05:07:13 ID:5SgpxF5G
時ならぬうつ木垣根の冬籠り咲くや此の花雪とみえつつ(宗良親王)
307 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:13:17 ID:5SgpxF5G
難波津のむかしをかけて匂ふなりあれにし里に咲くや此の花(後崇光院)
308 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:14:15 ID:5SgpxF5G
民の戸のけぶりを見てもなには人なみになこひそさくや此の花(正徹)
309 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:14:47 ID:5SgpxF5G
散るもののさりとてたえぬながめかな春いくかへり咲くやこの花(細川幽斎)
310 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:15:53 ID:5SgpxF5G
春といへばなにはのことも種となる心の花にさくやこの花(飛鳥井雅章)
311 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:16:25 ID:5SgpxF5G
蘆がきのまぢかき春の隣より雪にまじりて咲くや此の花(後西院)
312 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:17:01 ID:5SgpxF5G
豊秋津みづほの国にみづ枝さし咲き栄えゆく花はこの花(栗田土満)
313 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:17:37 ID:5SgpxF5G
桜さへ今はさかせて難波人梅が香そふる冬ごもりかな(加納諸平)
314 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 09:18:10 ID:5SgpxF5G
うれしくも年のはじめのけふの日の名におひいでてさくやこの花(大隈言道)
315 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:13:47 ID:5SgpxF5G
冬ごもりこらへこらへて一時に花咲きみてる春は来るらし(野村望東尼)
316 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:15:09 ID:5SgpxF5G
難波津に咲く木の花の道ながら葎繁りき君が行くまで(与謝野晶子)
317 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:22:53 ID:5SgpxF5G
みよしのの山した風のさむき夜をたれ故郷に衣うつらん(源実朝)
318 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:24:03 ID:5SgpxF5G
みよしのの山下風の故郷を花よりぞもる春の夜の月(順徳院)
319 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:24:44 ID:5SgpxF5G
はげしさはこの比よりもたつた山松の嵐に紅葉みだれて(藤原定家)
320 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:25:22 ID:5SgpxF5G
たつた山あらしや嶺によわるらんわたらぬ水も錦たえけり(宮内卿)
321 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:25:57 ID:5SgpxF5G
是も又都の秋の紅葉ばをわたらば錦中川の水(正徹)
322 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:27:04 ID:5SgpxF5G
から錦もみぢみだれてうづむらんわたらぬ橋の中はたえけり(後柏原天皇)
323 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 18:27:50 ID:5SgpxF5G
いく里もおなじながめのうぢま山朝かぜさむし雪の川なみ(正徹)
324 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:49:53 ID:5SgpxF5G
花の香の別をしるもうぢま山衣はかへし袖のあさかぜ(正広)
325 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:50:37 ID:5SgpxF5G
さわらびのもえ出づる春の夕暮は霞のうへに煙立ちけり(小式部内侍)
326 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:51:15 ID:5SgpxF5G
岩そそぐ清水も春の声たててうちや出でつる谷のさわらび(藤原定家)
327 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:53:56 ID:5SgpxF5G
さわらびの萌え出づる春になりぬれば野辺の霞もたなびきにけり(源実朝)
328 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:54:33 ID:5SgpxF5G
雪きゆる垂水のうへはもえ初めてまだ春しらぬ谷のさわらび(堯孝)
329 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:55:22 ID:5SgpxF5G
草枕都をとほみいたづらにゆききの月のやどる白露(藤原定家)
330 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:55:56 ID:5SgpxF5G
わぎもこが袖吹きかへす秋風のまだうらなれぬ涙とふらむ(後鳥羽院)
331 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 20:56:30 ID:5SgpxF5G
明日香風袖吹きかへす夕暮に都へだつる佐保の川霧(藤原秀能)
332 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 21:05:58 ID:5SgpxF5G
飛鳥川桜吹きかへす春の風なほたをやめの袖の香ぞする(藤原為家)
333 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 21:06:32 ID:5SgpxF5G
穂に出でて招く薄のあすか風袖吹き返す秋の夕暮(藤原為家)
334 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 21:07:04 ID:5SgpxF5G
明日香風かは音ふけてたをやめの袖にかすめる春の夜の月(宗尊親王)
335 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 21:07:44 ID:5SgpxF5G
たわやめの袖吹き返す夕風に涼しくすめる鈴の音のよさ(鹿持雅澄)
336 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 21:08:15 ID:5SgpxF5G
たをやめの袖吹きかへす夕風に湯の香つたふる山中の里(橘曙覧)
337 :
名無氏物語:2009/03/11(水) 21:08:46 ID:5SgpxF5G
葦辺ゆく鴨の羽がひの夕霜をよそには鳴かぬさよ千鳥かな(藤原家隆)
338 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:29:42 ID:EdKIP1d3
葦辺ゆく鴨の羽風もさむき夜にまづかげこほる三島江の月(藤原雅経)
339 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:31:48 ID:EdKIP1d3
さ夜更けて鴨が音寒し差し交はす羽交の霜やいたく置きにけむ(横井千秋)
340 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:32:39 ID:EdKIP1d3
大君は神にしませば赤駒の腹這ふ田居を都と成しつ(大伴御行)
341 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:33:20 ID:EdKIP1d3
あま乙女たななし小舟こぎ出づらし旅のやどりにかぢのおときこゆ(笠金村)
342 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:33:53 ID:EdKIP1d3
磯のうへは心してゆけ真砂ぢや根はふつままに駒ぞつまづく(藤原信実)
343 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:34:29 ID:EdKIP1d3
秋風に雲のかけはし吹き断えて駒そ跌く家思ふかも(岡倉天心)
344 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:45:11 ID:EdKIP1d3
故郷のもとあらの小萩いたづらに見る人なしみ咲きか散りなん(源実朝)
345 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:45:59 ID:EdKIP1d3
やま深みとしをふる木の桜花さてやちりなん見る人なしに(小沢蘆庵)
346 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 14:46:33 ID:EdKIP1d3
うづらなくふりにし里のさくら花見る人なしにちりかすぎなむ(本居宣長)
347 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:00:35 ID:EdKIP1d3
いにしへの人がいひたる如くにし萩が花散る見る人なしに(斎藤茂吉)
348 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:02:14 ID:EdKIP1d3
たかまどの野べの秋はぎいたづらにちりかすぐらんみる人なしに(笠金村)
349 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:03:07 ID:EdKIP1d3
暮れゆけばさしてぞ恋ふるひのもとのみつの浜松いつとわきける(藤原家隆)
350 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:03:47 ID:EdKIP1d3
大伴の御津の浜風吹きはらへまつとも見えじうづむ白雪(藤原定家)
351 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:04:19 ID:EdKIP1d3
梅がえの花も氷やとぢつらん鶯の涙いまだひなくに(亀山院)
352 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:04:54 ID:EdKIP1d3
大野山ふもとのうらは霧はれておきその風は月ぞさやけき(藤原信実)
353 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:05:30 ID:EdKIP1d3
そめしより散らまく惜しむ世の人のおきその霧や山かくすらむ(加藤枝直)
354 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:06:29 ID:EdKIP1d3
わがなげくおきその霧もはれぬべし君が袖ふる心しるくば(本居宣長)
355 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:13:56 ID:EdKIP1d3
わかれをしむおきその風に霧たたばせめてやすらへ天の河ぶね(村田春海)
356 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 15:22:24 ID:EdKIP1d3
雉食へばましてしのばゆ再た娶りあかあかと冬も半裸のピカソ(塚本邦雄)
357 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:27:09 ID:EdKIP1d3
白金も金も玉も天地の賜はる国ぞなにかなげかん(楫取魚彦)
358 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:28:37 ID:EdKIP1d3
銀も金も玉もよしゑやし飲みての後は欲しけくもなし(鹿持雅澄)
359 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:29:51 ID:EdKIP1d3
香をとめて人も見に来ぬ梅の花待ちくらしつつ独りをるかな(壬生忠見)
360 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:30:23 ID:EdKIP1d3
春くれば先づさく宿の梅の花香をなつかしみうぐひすぞ鳴く(源実朝)
361 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:30:55 ID:EdKIP1d3
むかへ舟八十瀬をかけてこぎ出でぬと妻にはつげよ天の河風(下河辺長流)
362 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:31:29 ID:EdKIP1d3
野べにいでて見れどもあかず萩が花をばな葛花いまさかりなり(藤原光俊)
363 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:32:07 ID:EdKIP1d3
せりなづなごぎやうはこべら仏のざすずなすずしろ是は七種(梵灯)
364 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:55:23 ID:EdKIP1d3
まとひあひて尾花くず花なでしこの花にもさける朝がほの花(大隈言道)
365 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:56:26 ID:EdKIP1d3
風まじり涙の雨のあめまじりかしらの雪のくるるとしかな(藤原惺窩)
366 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 20:57:01 ID:EdKIP1d3
世の中を思ひはてなば放ち鳥とびたちぬべき心ちこそすれ(源俊頼)
367 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:00:46 ID:EdKIP1d3
丈夫や命死ぬとも万代に名は朽ちめやも波頭迦志美思倍(楫取魚彦)
368 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:01:27 ID:EdKIP1d3
春の野にすみれつみにとこし人も見しは少なくなりにけるかな(藤原秀能)
369 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:02:06 ID:EdKIP1d3
春ごとにすみれつみにとくる人ぞ荒れゆく宿の哀れしるらむ(宗良親王)
370 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:02:46 ID:EdKIP1d3
一夜しもねての朝露わけわびぬこや妹と我菫さく野べ(貞常親王)
371 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:04:39 ID:EdKIP1d3
手枕の野をなつかしみつぼすみれ一夜ねてこそつむべかりけれ(契沖)
372 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:19:12 ID:EdKIP1d3
くだら野のふる枝の萩の花みればことしばかりの秋としもなし(土御門院)
373 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:45:04 ID:EdKIP1d3
くだら野の萩の花ちる夕風に花づまこへる鹿の音聞こゆ(田安宗武)
374 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:45:54 ID:EdKIP1d3
あべの島いはうつ波のよるさえてすむともきかぬ千鳥なくなり(宗尊親王)
375 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:46:36 ID:EdKIP1d3
夕づく日残らぬ色やあべの島鵜のすむ石のうへにみゆらん(後柏原天皇)
376 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 21:47:37 ID:EdKIP1d3
あべのしま鵜のゐる岩ほかげ高み夕日かくれる波のすずしさ(三条西実隆)
377 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 22:57:23 ID:EdKIP1d3
朝ぼらけ霞へだてて田子の浦に打出でてみれば山の端もなし(頓阿)
378 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 22:59:30 ID:EdKIP1d3
深川を漕ぎ出でて見れば入日さし冨士の高根のさやけく見ゆかも(田安宗武)
379 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:02:29 ID:EdKIP1d3
田子の浦にいでましありて富士の嶺の雪みそなはす時もあらなむ(佐久良東雄)
380 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:03:00 ID:EdKIP1d3
土肥の海漕ぎ出でて見れば白雪を天に懸けたり富士の高嶺は(島木赤彦)
381 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:03:44 ID:EdKIP1d3
和歌の浦の葦辺のたづのさしながら千年をかけて遊ぶころかな(藤原良経)
382 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:04:16 ID:EdKIP1d3
和歌の浦の芦間に潮やみちぬらむ千世をこめたるたづのもろ声(後鳥羽院)
383 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:05:00 ID:EdKIP1d3
和歌の浦のあしまの波にたちかへり昔ににたるたづの声かな(後鳥羽院)
384 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:32:38 ID:EdKIP1d3
夕づくよみつ潮あひのかたをなみ浪にしをれてなく千鳥かな(源実朝)
385 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:34:27 ID:EdKIP1d3
和歌の浦あし辺のたづの鳴く声に夜わたる月のかげぞ久しき(後堀河院)
386 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:38:12 ID:EdKIP1d3
ひさぎおふる小野の浅茅におく霜のしろきをみれば夜やふけぬらん(藤原基俊)
387 :
名無氏物語:2009/03/12(木) 23:39:32 ID:EdKIP1d3
夜ぐたちに千鳥しばなく楸生ふる清き川原に風やふくらん(藤原顕季)
388 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 01:45:51 ID:Df6wPkf4
ひさぎおふるあその川原の川おろしにたぐふ千鳥の声のさやけさ(藤原清輔)
389 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 01:49:38 ID:Df6wPkf4
ひさぎおふる佐保の河原にたつ千鳥空さへ清き月になくなり(藤原家隆)
390 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 01:50:12 ID:Df6wPkf4
楸おふるかげをやおのが友ちどり月の氷も清き川原に(後柏原院)
391 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 01:50:50 ID:Df6wPkf4
とのもりのともの宮つこいとまあれや日かずふりゆく五月雨のそら(平忠盛)
392 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 01:57:53 ID:Df6wPkf4
思ふどち桜かざしてくらす日を花なき里の人にみせばや(藤原家隆)
393 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 01:58:40 ID:Df6wPkf4
蘆の屋のなだの塩やきいとまあれや磯山桜かざすあま人(藤原良経)
394 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:00:55 ID:Df6wPkf4
万代の春をかさねていとまあれや桜をかざす神のみや人(藤原為家)
395 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:10:06 ID:Df6wPkf4
相坂の関のせき守いとまあれや人をとどむる花にまかせて(頓阿)
396 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:10:44 ID:Df6wPkf4
をさまらぬ世の人ごとのしげければ桜かざしてくらす日もなし(後村上天皇)
397 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:11:22 ID:Df6wPkf4
我が宿の梅の花さけり春雨はいたくなふりそちらまくもをし(源実朝)
398 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:11:59 ID:Df6wPkf4
春雨はいたくなふりそ旅人の道ゆきごろもぬれもこそすれ(源実朝)
399 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:12:34 ID:Df6wPkf4
秋風はいたくな吹きそわが宿のもとあらの小萩ちらまくもをし(源実朝)
400 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:13:08 ID:Df6wPkf4
春風はいたくなふきそ鶯のきなく山吹ちらまくもをし(宗尊親王)
401 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:14:00 ID:Df6wPkf4
時つ風いたくな吹きそ田子のうらに咲ける藤波ちらまくもをし(田安宗武)
402 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:23:42 ID:Df6wPkf4
いよよ清く成りにしといひし象川は今いかならむ見まほしきかも(田安宗武)
403 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:24:33 ID:Df6wPkf4
吾が盛りくだつともよし吾妹子が玉の光儀の旧りずありせば(鹿持雅澄)
404 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 02:25:14 ID:Df6wPkf4
橘の花ちる里のかぜとめばむかしの人とねぬべしや君(藤原基俊)
405 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:02:16 ID:Df6wPkf4
たち花の花ちる里のすまひかなわれもさこそは昔がたりよ(慈円)
406 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:02:44 ID:Df6wPkf4
橘の花ちる里の夕風に山ほととぎす声かをるなり(藤原家隆)
407 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:03:29 ID:Df6wPkf4
橘の花ちる里の夕づくよ空にしられぬ影やのこらん(藤原定家)
408 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:04:08 ID:Df6wPkf4
橘の花ちる里の夕ぐれにわすれそめぬる春のあけぼの(藤原良経)
409 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:04:42 ID:Df6wPkf4
ほととぎすきけどもあかず橘の花ちる里の五月雨の頃(源実朝)
410 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:10:47 ID:Df6wPkf4
世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くひて猿にかも似る(正岡子規)
411 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:13:04 ID:Df6wPkf4
大井川朝風寒み大丈夫と念ひてありし吾ぞ鼻ひる(平賀元義)
412 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:13:46 ID:Df6wPkf4
ここにありて春日やいづち雨つつみ出でてゆかねば恋ひつつぞをる(藤原八束)
413 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:14:43 ID:Df6wPkf4
来むと言ひて来ぬがつらさに比ぶれば来じとて来ぬは嬉しかりけり(俊恵)
414 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:15:21 ID:Df6wPkf4
来じといはば来む夜もありと待たましを来むとたのめて来しやいつなる(油谷倭文子)
415 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 03:16:04 ID:Df6wPkf4
忍びても我が袖ひめや姫ゆりのしられぬ草の下のしら露(藤原家隆)
416 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 18:11:27 ID:Df6wPkf4
あしひきの国上の山を今もかも鳴きて越ゆらむ山ほととぎす(良寛)
417 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 18:12:02 ID:Df6wPkf4
潮みたぬ真野の浜路のさゆりばも入りぬる磯は五月雨のころ(寂蓮)
418 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 18:12:59 ID:Df6wPkf4
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに(正徹)
419 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 18:13:37 ID:Df6wPkf4
しでの山こえつる宵に里なれて今もなかなむあはれその鳥(藤原隆季)
420 :
名無氏物語:2009/03/13(金) 18:22:51 ID:Df6wPkf4
さみだれは夜中に晴れて月に鳴くあはれその鳥あはれその鳥(上田秋成)
421 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 08:17:16 ID:LboTrYZv
雪ふかきまののかやはら跡たえてまだこととほし春のおもかげ(藤原定家)
422 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 08:18:05 ID:LboTrYZv
みちのくの真野のかや原かりにだにこぬ人をのみまつがくるしさ(源実朝)
423 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 08:19:00 ID:LboTrYZv
人しれぬしたのみだれやかよふらん真野のかや原程とほくとも(藤原為家)
424 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 08:19:36 ID:LboTrYZv
霜枯のまののかや原風さえて面かげにのみ残る秋かな(頓阿)
425 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 08:20:13 ID:LboTrYZv
里人の夢のおもかげしたふとも雪に跡みしまののかや原(正徹)
426 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 08:20:50 ID:LboTrYZv
かりねせしまののかや原分出でて見し面影にまよふ夢かな(三条西実隆)
427 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:41:15 ID:LboTrYZv
おほ海の磯もとどろによする波われてくだけてさけて散るかも(源実朝)
428 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:41:45 ID:LboTrYZv
山寺の寝よとの鐘もうちはてて後こそ虫の音はすみにけれ(木下幸文)
429 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:48:00 ID:LboTrYZv
夢にても夢としりせば寝ざめしてあかぬなごりをなげかざらまし(安法法師)
430 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:49:02 ID:LboTrYZv
さめてこそみるべかりけれうつつにもあとはかもなき夢としりせば(和泉式部)
431 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:56:35 ID:LboTrYZv
思ひつつぬるよかたらふ時鳥さめざらましの夢か現か(俊成卿女)
432 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:57:10 ID:LboTrYZv
おのづからさめざらましの夢もうしぬればや人をたのむ枕に(藤原信実)
433 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:59:15 ID:LboTrYZv
人はいさ思ひも出でじ歎きつつぬればや逢ふと夢にみゆらむ(宗尊親王)
434 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 16:59:49 ID:LboTrYZv
思ひつつぬればや人のとばかりに夜な夜なたのむ夢もはかなし(宗尊親王)
435 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:00:26 ID:LboTrYZv
思ひつつぬれども見えぬことぞある夢や心の道たがふらむ(正徹)
436 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:13:59 ID:LboTrYZv
月みつつぬればや袖の露の間もみえぬ夢野の秋のたまくら(貞常親王)
437 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:14:58 ID:LboTrYZv
思ひつつぬればやみえし俤にけささく花の春のよの夢(松永貞徳)
438 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:15:32 ID:LboTrYZv
明けぬまに散りもやせむと思ひつつぬればや花の夢に見ゆらむ(読人不知)
439 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:16:06 ID:LboTrYZv
思ひつつぬればあやしなそれとだにしらぬ人をも夢にみてげり(賀茂真淵)
440 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:17:16 ID:LboTrYZv
さめてのちことかよはさむ道をだにとはましものを夢としりせば(小沢蘆庵)
441 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:34:53 ID:LboTrYZv
たのまれぬ夢てふ物のうき世には恋しき人のえやはみえける(藤原定家)
442 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:35:30 ID:LboTrYZv
思ひ寝の夢てふものに誘はれてたのまぬ中にゆく月日かな(藤原基家)
443 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:36:06 ID:LboTrYZv
いとどまた夢てふ物をたのめとや思ひねになくほととぎすかな(宗尊親王)
444 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 17:36:51 ID:LboTrYZv
恋しとも思ふ心のなければや夜の衣をかへさざるらむ(藤原定頼)
445 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 18:01:07 ID:LboTrYZv
夢にだにあひ見むことをいのるかな夜の衣をかへすがへすも(慈円)
446 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 18:03:59 ID:LboTrYZv
いとせめて恋しきころとふるさとにかすみの衣かへる雁がね(兼好)
447 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:42:29 ID:LboTrYZv
夢にだにせめてや逢ふとさ夜衣まちよわる床にかへしてぞぬる(後崇光院)
448 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:43:11 ID:LboTrYZv
草まくらあひ見る夢もむすぶやとかへしてぞぬる旅の衣手(冷泉為村)
449 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:43:56 ID:LboTrYZv
よるもなほ夢路にだにと見しけふの花染衣かへしてぞぬる(本居宣長)
450 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:45:28 ID:LboTrYZv
夏の境を鳥渡るかなあさき夢にみゆれば逢ひぬみねば忘れぬ(山中智恵子)
451 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:46:09 ID:LboTrYZv
うつつにはさもこそあらめほととぎす夢ぢにさへも一声はなけ(飛鳥井雅有)
452 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:46:41 ID:LboTrYZv
逢見むといひてしものをうつそみの人めをもると月ぞへにける(本居宣長)
453 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:47:17 ID:LboTrYZv
かぎりありてあしもやすめず春や行く夢までをしきけふの別れぢ(小倉公雄)
454 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 19:47:47 ID:LboTrYZv
恋ひ死ねとするわざならば夢よりも現にひと目みゆべきものを(宗良親王家京極)
455 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:31:12 ID:LboTrYZv
旅衣うちぬるままの古里にかよふ夢路は足もやすめず(後水尾院)
456 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:31:57 ID:LboTrYZv
宵々の夢のたましひ足たゆくありても待たむとぶらひにこよ(小野小町)
457 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:32:40 ID:LboTrYZv
よひよひの夢のたましひ足たかくありかで待たむとぶらひにこよ(小大君)
458 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:33:19 ID:LboTrYZv
君が代に逢ふたのみこそ嬉しけれ庵もる雨の時もたがはず(俊成卿女)
459 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:34:01 ID:LboTrYZv
おろかなるうき寝やわぶる鴛鴨のわれはせきあへず氷る池水(三条西実隆)
460 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:34:33 ID:LboTrYZv
あだにゆく水の心に誘はれてなほ浮草と人に語らむ(源俊頼)
461 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:35:08 ID:LboTrYZv
風をいたみただよふ池のうきくさもさそふ水なくつららゐにけり(藤原良経)
462 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:44:39 ID:LboTrYZv
よのうさのねをやたえなむ山川にうれしく水のさそふ浮草(藤原良経)
463 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:45:14 ID:LboTrYZv
春の夜の夢のうき草根ぞたゆる浮世をさそふ水の涙に(藤原家隆)
464 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 20:46:16 ID:LboTrYZv
さそはれぬ身を浮草のかなしきはゆくかたもなき宿の池水(藤原雅経)
465 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:00:52 ID:LboTrYZv
いまはたださそふ水あらばと思へども袖のみぞうく五月雨の空(藤原雅経)
466 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:01:20 ID:LboTrYZv
荻の葉をさそふ風あれば夜もすがらむすびたえたる夢のうき草(貞常親王)
467 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:02:03 ID:LboTrYZv
さそふ水あるにはあらで浮草のながれてわたる身こそやすけれ(蓮月)
468 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:20:38 ID:LboTrYZv
たづね見る花のところもかはりけり身はいたづらのながめせしまに(藤原定家)
469 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:21:10 ID:LboTrYZv
春よただ露のたまゆらながめしてなぐさむ花の色はうつりぬ(藤原定家)
470 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:21:42 ID:LboTrYZv
さくら花うつりにけりなとばかりを歎きもあへずつもる春かな(藤原定家)
471 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:22:37 ID:LboTrYZv
さくら色の袖もひとへにかはるまでうつりにけりな過ぐる月日は(藤原定家)
472 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:24:07 ID:LboTrYZv
あしひきの山路にはあらずつれづれと我が身世にふるながめする里(藤原定家)
473 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:24:47 ID:LboTrYZv
暮れはつる空さへ悲し心からいとひし春のながめせしまに(俊成卿女)
474 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:25:17 ID:LboTrYZv
いたづらに春暮れにける花の色のうつるも惜しむなげきせしまに(後鳥羽院)
475 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 21:26:15 ID:LboTrYZv
あはれうき我が身世にふるならひかなうつろふ花の時のまもみず(藤原為家)
476 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:36:10 ID:LboTrYZv
沢水に蛙もなけば咲きぬらむゐでのわたりの山ぶきの花(相模)
477 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:36:55 ID:LboTrYZv
うゑおきしたがなさけより山ぶきの井でのわたりの花となりけむ(伏見院)
478 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:38:10 ID:LboTrYZv
春深きゐでのわたりの夕ま暮霞む汀にかはづ鳴くなり(小沢蘆庵)
479 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:38:48 ID:LboTrYZv
ふきすさむ風は昔の秋ながらありしにもにぬ宿の夕暮(藤原秀能)
480 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:40:21 ID:LboTrYZv
忘ればや風は昔の秋の露ありしにも似ぬ人の心に(順徳院)
481 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:40:59 ID:LboTrYZv
みなれぬる月はいつもの秋ながらわが面影やあらずなりなむ(伏見院)
482 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:41:45 ID:LboTrYZv
あぢきなく春は命のをしきかな花ぞこの世のほだしなりける(和泉式部)
483 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:42:21 ID:LboTrYZv
しかはあれど思ひたたれぬ心こそつみふかき身のほだしなりけれ(源俊頼)
484 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:47:57 ID:lFuClKXG
485 :
名無氏物語:2009/03/14(土) 23:54:23 ID:LboTrYZv
もろともに思はばいかに世の中を思ひはなれぬほだしならまし(藤原俊成)
486 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:04:54 ID:gPFDf96f
しらざりし我が身のはては見えにけり空行く雲にながめせしまに(藤原家隆)
487 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:13:48 ID:gPFDf96f
折しもあれながめのすゑのうす煙わが身のはてを思ふ夕に(徽安門院)
488 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:14:45 ID:gPFDf96f
あさみどり露の玉のをぬきもあへず柳のいとに春雨ぞふる(藤原定家)
489 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:15:44 ID:gPFDf96f
今よりはみどり色そふ青柳の糸よりかけて春雨ぞふる(正徹)
490 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:16:30 ID:gPFDf96f
露の色を玉にもぬける青柳の枝をもうつす花の匂に(後柏原天皇)
491 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:17:19 ID:gPFDf96f
こぼさじと月かげながら白露を玉にもぬけるいとすすきかな(木下長嘯子)
492 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:18:21 ID:gPFDf96f
香をだにと思ひし花の霞より色をもおくる春の山風(慈円)
493 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:26:01 ID:gPFDf96f
いそのかみふるの山べの桜花こぞみし花の色やのこれる(藤原季方)
494 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 00:28:48 ID:gPFDf96f
いそのかみ布留の山べの山おろし幾重の春の花さそひきぬ(後鳥羽院)
495 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:01:36 ID:gPFDf96f
昔より植ゑけむ時を人しれず花にふりぬるいそのかみ寺(宮内卿)
496 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:02:16 ID:gPFDf96f
朝夕のなるるたぶさにささげても心のままに花たてまつる(藤原雅経)
497 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:02:49 ID:gPFDf96f
このもとの紅葉の錦たてながら道のたよせに幣たてまつる(源家長)
498 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:03:45 ID:gPFDf96f
たてながらみよの仏にたてまつる花かもをるな春の山人(後鳥羽院)
499 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:04:30 ID:gPFDf96f
この心天つ空にも花そなふ三世の仏に奉らばや(道元)
500 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:05:25 ID:gPFDf96f
この寺に三世の仏やすむ月もちらすひかりを花たてまつる(後花園院)
501 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:06:02 ID:gPFDf96f
鉢之子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてむ(良寛)
502 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 01:06:32 ID:gPFDf96f
みる人をなどやかへさぬ藤の花はひまつはれよとかばをしへし(源頼政)
503 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:48:20 ID:gPFDf96f
心すむ池のみぎはの蓮こそにごりにしまぬ色も見えけれ(慈円)
504 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:48:58 ID:gPFDf96f
露の身を玉ともなさむはちす葉のにごりにしまぬわが心より(慈円)
505 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:49:49 ID:gPFDf96f
夏の池にもとよりたねのあればこそにごりにしまぬ花もさくらめ(慈円)
506 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:50:32 ID:gPFDf96f
露をさへ玉とあざむくはちす葉のにごりにしまぬ夏の夜の月(藤原雅経)
507 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:51:09 ID:gPFDf96f
はちす葉の露のしら玉みがくれてにごりにしまぬ夏の池水(土御門院)
508 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:51:52 ID:gPFDf96f
池水のにごりにしまぬ色みえてしげるはちすにみがく白玉(藤原為家)
509 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:52:37 ID:gPFDf96f
蓮葉のかげにならびてたつ鷺もにごりにしまぬ雪の毛衣(木下長嘯子)
510 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:58:53 ID:gPFDf96f
風こえてちるぞ涼しき蓮葉になにかは露を玉とのみ見む(本居宣長)
511 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:59:23 ID:gPFDf96f
きみをわれ恋ひそめしより名にめでてあふ坂山はゆかぬ日ぞなき(慈円)
512 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 13:59:53 ID:gPFDf96f
手折るとも人にかたるな山吹の花にわけくる露はおちにき(正徹)
513 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:13:17 ID:gPFDf96f
故郷の主の涙やおきつらむ庭もまがきも秋のしら露(慈円)
514 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:13:51 ID:gPFDf96f
をぎのはに庭も籬もうづもれてあはれ荒行く風の音かな(藤原家隆)
515 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:14:30 ID:gPFDf96f
声ばかり木の葉の雨はふる里の庭もまがきも月のはつ霜(藤原定家)
516 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:15:07 ID:gPFDf96f
あだ人の心よりまづあれそめて庭もまがきも野べの秋風(藤原有家)
517 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:15:58 ID:gPFDf96f
里はあれて庭も籬も秋の露やどりなれたる月の影かな(俊成卿女)
518 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:16:44 ID:gPFDf96f
なごりあれや野となりてだに菫咲く庭も籬も春のふるさと(十市遠忠)
519 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:17:23 ID:gPFDf96f
きて見ればわが古里は荒れにけり庭もまがきも落葉のみして(良寛)
520 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:38:12 ID:mU+9De5C
これやこの行くも帰るも別れつつしるもしらぬも逢坂の関(蝉丸)
521 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:56:27 ID:gPFDf96f
しぐれゆくかた野の原の紅葉がりたのむかげなくふく嵐かな(藤原家隆)
522 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:57:10 ID:gPFDf96f
これまでもたのむかげなくなりにけり花にしほるる雨のゆふぐれ(藤原秀能)
523 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 14:57:44 ID:gPFDf96f
唐錦君に見よとやまつら山のこるもみぢも枝に一むら(慈円)
524 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:13:54 ID:gPFDf96f
から錦秋のかたみをたたじとや霜までのこる庭のひとむら(後鳥羽院)
525 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:14:32 ID:gPFDf96f
さをしかの朝たつ野べの唐錦枝に一むら秋風ぞふく(順徳院)
526 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:15:29 ID:gPFDf96f
待つとせし人のためとはながめねどしげる夏草道もなきまで(藤原定家)
527 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:16:26 ID:gPFDf96f
つれもなき人やは待ちし山里はのきの下草みちもなきまで(藤原良経)
528 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:24:57 ID:gPFDf96f
都人まつとせしまに山里のみちもなきまで花ぞふりしく(正徹)
529 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:38:37 ID:gPFDf96f
またこむといひて別れしなごりのみながむる月に有明の空(藤原有家)
530 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:40:12 ID:gPFDf96f
いまこむといひてわかれし雁がねの思ひ出でてや月に鳴くらむ(宗良親王)
531 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:43:39 ID:gPFDf96f
老いらくの千とせの坂もこえぬべしはこやの山の月にまかせて(藤原家隆)
532 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 15:46:53 ID:gPFDf96f
時鳥よそにはすぎじ卯の花のまがきは山と暮れば見えなむ(飛鳥井雅有)
533 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:07:48 ID:gPFDf96f
夕暮は鳴くねもたかしきりぎりす籬は山と茂る草葉に(二条為藤)
534 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:09:53 ID:gPFDf96f
うの花のさけるあたりや夕暮のまがきの山の月とみゆらむ(鷹司冬平)
535 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:12:16 ID:gPFDf96f
とまるべき跡をもみばや夕ぐれのまがきは山とふれるしら雪(堯孝)
536 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:12:53 ID:gPFDf96f
山かぜのさくら吹きまきちる花のみだれてみゆる志賀のうら波(源実朝)
537 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:14:43 ID:gPFDf96f
山かぜにさくら吹きまきゆく春のしばしやすらふ谷の下道(藤原秀能)
538 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:17:01 ID:gPFDf96f
山ふかき桜ふきまく風の音の花のまぎれに春や行くらむ(順徳院)
539 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 16:26:05 ID:gPFDf96f
あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春か又見む(宗良親王)
540 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:03:31 ID:gPFDf96f
すみ染を花の衣にたちかへし涙の色はあはれともみき(藤原定家)
541 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:04:37 ID:gPFDf96f
天つ風氷をわたる冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王)
542 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:07:03 ID:gPFDf96f
あまつ風さはりし雲は吹きとぢつ乙女のすがた花ににほひて(藤原定家)
543 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:07:40 ID:gPFDf96f
しろたへのあまの羽衣つらねきて乙女まちとる雲の通路(藤原定家)
544 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:08:20 ID:gPFDf96f
ふかき夜にをとめのすがた風とぢて雲路にみてる万代の声(藤原定家)
545 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:08:58 ID:gPFDf96f
天つ風をとめの袖にさゆる夜は思ひ出でても寝られざりけり(藤原定家)
546 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:10:14 ID:gPFDf96f
天つ風雲井の空を吹くからに乙女の袖に宿る月かげ(後鳥羽院)
547 :
名無氏物語:2009/03/15(日) 17:10:47 ID:gPFDf96f
雁かへる雲のかよひぢ吹きとぢて花にとどめよ天つ春風(木下長嘯子)
548 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 07:55:41 ID:Qij9bj6c
きみとわれいかなる雲の末ならむ夢の切り口春吹きとぢよ(山中智恵子)
549 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:01:36 ID:Qij9bj6c
わび人のわが宿からの松風になげきくははるさをしかの声(藤原定家)
550 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:03:14 ID:Qij9bj6c
春ちかみあらばといとどしのばれて歎きくははる年の暮かな(木下長嘯子)
551 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:05:31 ID:Qij9bj6c
女郎花なまめきたてるすがたをやうつくしよしと蝉のなくらむ(源俊頼)
552 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:06:11 ID:Qij9bj6c
いつまでぞなまめきたてる女郎花はなも一とき露も一とき(慈円)
553 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:06:53 ID:Qij9bj6c
かさぬべき霞の袖もただひとへいかにやどらむ山の夕かげ(藤原良経)
554 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:07:25 ID:Qij9bj6c
あはれとてはぐくみたてし古へは世をそむけとも思はざりけむ(行尊)
555 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:12:16 ID:Qij9bj6c
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな(正徹)
556 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:12:47 ID:Qij9bj6c
かかれとてたがたらちねの撫でつらむ尾花がもとに残る黒かみ(心敬)
557 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 08:13:40 ID:Qij9bj6c
ちると見ればまたさく花のにほひにもおくれさきだつためしありけり(西行)
558 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:40:54 ID:Qij9bj6c
末の露もとのしづくも鳥べ山おくれ先だつけぶりなりけり(藤原家隆)
559 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:42:00 ID:Qij9bj6c
露雫おくれさきだつもとすゑをひとつみ法の花にもらすな(藤原為家)
560 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:43:07 ID:Qij9bj6c
見てもしれいづれこの世はつねならむおくれさきだつ花ものこらず(良寛)
561 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:43:47 ID:Qij9bj6c
けふもなほ雪はふりつつ春霞たてるやいづく若菜つみてん(藤原家隆)
562 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:45:17 ID:Qij9bj6c
春霞たてるやいづこ朝日かげさしゆく舟をまつがうら島(後鳥羽院)
563 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:47:42 ID:Qij9bj6c
山風もかすむふもとの夕波にたてるやいづこ志賀の浜松(正徹)
564 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 14:49:28 ID:Qij9bj6c
秋の風たてるやいづこみそぎせし昨日も涼しよもの川浪(正徹)
565 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:03:32 ID:Qij9bj6c
あらち山谷のうぐひす野べに出でてなけどもいまだ春のあは雪(藤原家隆)
566 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:04:45 ID:Qij9bj6c
鶯はなけどもいまだふる里の雪の下草春をやはしる(藤原定家)
567 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:05:34 ID:Qij9bj6c
村雨の跡こそみえね山のせみなけどもいまだもみぢせぬ比(藤原良経)
568 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:07:07 ID:Qij9bj6c
みよしのの山の鶯春かけてなけどもいまだ花ぞ物うき(土御門院)
569 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:08:22 ID:Qij9bj6c
心ざしふかく染めてしたつたひめおるや錦の山のもみぢば(藤原家隆)
570 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:09:01 ID:Qij9bj6c
世の常の色とやは見る心ざしふかくそめてし手折る紅葉を(頓阿)
571 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:10:19 ID:Qij9bj6c
かへりみる雲ゐのつまはこもるともやかばややかむむさしのの原(藤原家隆)
572 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:11:12 ID:Qij9bj6c
消ゆるまで雪にこもりしわか草のつまもあらはに春風ぞ吹く(三条西実隆)
573 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:15:38 ID:Qij9bj6c
声もせず月をもいとへ野べの鹿夕のきりに妻ぞこもれる(正徹)
574 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 15:16:15 ID:Qij9bj6c
夕すずみとぶひの野守この比やいまいくかありて秋の初風(藤原定家)
575 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:52:47 ID:Qij9bj6c
若菜つむとぶひの野守春日野にけふ降る雨のあすや待つらむ(藤原定家)
576 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:53:22 ID:Qij9bj6c
春霞たちいでて見よ吉野山いまいくかありて桜さきなむ(後鳥羽院)
577 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:53:58 ID:Qij9bj6c
春日野のとぶひの野守けふとてや昔かたみに若菜つむらむ(源実朝)
578 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:54:33 ID:Qij9bj6c
うぐひすのとぶひの野べの初声にたれさそはれてわかな摘むらむ(宗良親王)
579 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:55:12 ID:Qij9bj6c
かへりみる都は野辺のあさ霞たてるいづくに若菜つむらむ(順徳院)
580 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:55:42 ID:Qij9bj6c
二葉より都は野べの若菜つめその神山の草のはつかに(尭恵)
581 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:56:48 ID:Qij9bj6c
あづさ弓おして春雨をやまだに苗代水もいまやひくらむ(藤原良経)
582 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 22:57:29 ID:Qij9bj6c
あづさ弓おして春雨いる方もさだかにみえぬ春の夜の月(後鳥羽院)
583 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:06:58 ID:Qij9bj6c
山風も花の香ながら真木の戸をおして春雨曙の空(正徹)
584 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:07:37 ID:Qij9bj6c
百ちどりさへづる空はかはらねど我が身の春はあらたまりつつ(後鳥羽院)
585 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:08:17 ID:Qij9bj6c
もも千鳥こゑやむかしのそれならぬ我が身ふり行く春雨の空(藤原定家)
586 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:08:56 ID:Qij9bj6c
もも千鳥さへづる春のかずかずにいくよの花のみてふりぬらむ(藤原定家)
587 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:09:30 ID:Qij9bj6c
物ごとにあらたまれども鶯のさへづる春は身のみふりつつ(藤原為家)
588 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:10:12 ID:Qij9bj6c
おのがねはあらたまれども鶯の谷のねぐらぞいとどふり行く(宗良親王)
589 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:10:51 ID:Qij9bj6c
時しありと聞くもうれしき百千鳥さへづる春をけふは待ちえて(後水尾院)
590 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:12:06 ID:Qij9bj6c
花の香はありとやここにをとめ子が袖ふる山にうぐひすのなく(藤原範宗)
591 :
名無氏物語:2009/03/16(月) 23:34:01 ID:Qij9bj6c
散らすなよ笠置の山の桜花おほふばかりの袖ならずとも(藤原定家)
592 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:02:10 ID:LlcpXqP7
たちわたる霞の袖や大空におほふばかりの春のあけぼの(藤原雅経)
593 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:03:01 ID:LlcpXqP7
契りあらば六の巷にまてしばしおくれ先立つ事はありとも(大谷吉継)
594 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:04:05 ID:LlcpXqP7
名のために棄つる命は惜しからじ終にとまらぬ浮世と思へば(平塚為広)
595 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:05:34 ID:LlcpXqP7
風さそふ花橘をそらにしておほふも雲の袖の香やせむ(正徹)
596 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:07:13 ID:LlcpXqP7
みかのはら川風ふかばさく花におほふばかりの衣かせやま(松永貞徳)
597 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:15:46 ID:LlcpXqP7
大空をおほはむ袖につつむともあまるばかりの風の梅が香(後水尾院)
598 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:16:40 ID:LlcpXqP7
いやたかく生ひそふままに大空もおほふばかりの窓のくれ竹(後水尾院)
599 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:17:30 ID:LlcpXqP7
天地におほふばかりのつばさもが憂世の人をはぐくみなまし(加藤宇万伎)
600 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 00:22:05 ID:LlcpXqP7
あら玉の年にまれなる人まてど桜にかこつ春もすくなし(藤原定家)
601 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:03:18 ID:LlcpXqP7
花散りてしげる桜のかげにだに年にまれなる山ほととぎす(正徹)
602 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:08:27 ID:LlcpXqP7
にほひをも夢の枕にうつし佗びぬ年に稀なる花の衣手(肖柏)
603 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:09:34 ID:LlcpXqP7
いかにせむ年に稀なるあふ事を待ちし桜に人もならはば(後水尾院)
604 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:11:07 ID:LlcpXqP7
桜花うつろはむとや山のはのうすくれなゐに今朝はかすめる(藤原良経)
605 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:12:38 ID:LlcpXqP7
契ありてうつろはむとや白菊のもみぢのしたの花にさきけむ(藤原定家)
606 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:13:14 ID:LlcpXqP7
雨風に心あはせて春の花うつろはむとやおもひたつらむ(正徹)
607 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:13:51 ID:LlcpXqP7
桜花ちりのまがひに日はくれていづちもとほし志賀の山ごえ(後鳥羽院)
608 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:20:43 ID:LlcpXqP7
桜がり家路忘れて日は暮れぬ月見の床は花の下臥(他阿)
609 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:21:59 ID:LlcpXqP7
行く春も山路やすらへ名もしらぬ木草の花のちりのまがひに(肖柏)
610 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 01:22:45 ID:LlcpXqP7
花も根にかへるを見てぞ木のもとにわれも家路は思ひいでける(下河辺長流)
611 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 03:02:00 ID:B9tHX1wR
面影のかすめる月ぞ宿りける
春や昔の袖の涙に
612 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:27:37 ID:LlcpXqP7
山かげはなほまちわびぬさくら花いたりいたらぬ春をうらみて(藤原定家)
613 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:28:10 ID:LlcpXqP7
春のきてあひみむことは命ぞと思ひし花ををしみつるかな(藤原定家)
614 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:28:49 ID:LlcpXqP7
またの春あひみむ事は命にてことしも花に別れぬるかな(宗尊親王)
615 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:29:59 ID:LlcpXqP7
ながらへて今宵の空の月も見つまた来む秋は命なりけり(鵜殿余野子)
616 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:30:33 ID:LlcpXqP7
ちる花はゆきとのみこそ故郷を心のままにかぜぞ吹きしく(藤原定家)
617 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:31:27 ID:LlcpXqP7
たち花の小島がさきのたび衣ぬれてぞかをる款冬の花(藤原家隆)
618 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:32:06 ID:LlcpXqP7
船とめしこ島がさきのこととへば猶山吹のいはぬ色なる(宗良親王)
619 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:43:03 ID:LlcpXqP7
春すぎていくかもあらねどわがやどの池の藤浪うつろひにけり(源実朝)
620 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:43:43 ID:LlcpXqP7
わが宿の池の藤波さきしより山郭公またぬ日ぞなき(凡河内躬恒)
621 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 15:44:53 ID:LlcpXqP7
時鳥待つよかさなる雲路より初音にかへる去年の古声(藤原家隆)
622 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:00:10 ID:LlcpXqP7
いにしへを花橘にまかすれば軒のしのぶに風かよふなり(式子内親王)
623 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:00:42 ID:LlcpXqP7
橘の花のしづくに袖ぬれて雨なつかしき五月雨の空(慈円)
624 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:01:14 ID:LlcpXqP7
こととはむ五月ならでも橘に昔の袖の香はのこるやと(建礼門院右京大夫)
625 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:01:50 ID:LlcpXqP7
ほととぎすこぞ宿かりしふるさとの花橘にさ月わするな(藤原家隆)
626 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:02:32 ID:LlcpXqP7
百敷の庭の橘おもひ出でてさらにむかしをしのぶ袖かな(土御門院)
627 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:08:40 ID:LlcpXqP7
袖の香を花たちばなに残してもわが昔には思ひ出もなし(後崇光院)
628 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:09:13 ID:LlcpXqP7
時しもあれ花たちばなに忍ぶかな五月もまたぬ人の昔を(正徹)
629 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:09:50 ID:LlcpXqP7
おもふから猶うとまれぬ藤の花さくより春のくるるならひに(藤原定家)
630 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:10:30 ID:LlcpXqP7
秋ふかきもみぢの色のくれなゐにふりいでてなく鹿の声かな(凡河内躬恒)
631 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 16:11:12 ID:LlcpXqP7
くれなゐのあさはの野らの夕露にふり出でてなくすず虫のこゑ(順徳院)
632 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 18:48:39 ID:LlcpXqP7
我が袖ぞかへればぬるる声はして涙はみえぬ春のかりがね(藤原家隆)
633 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 18:49:26 ID:LlcpXqP7
秋の野に涙はみえぬ鹿の音はわくるをがやの露をからなむ(藤原定家)
634 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 18:50:34 ID:LlcpXqP7
さをしかの涙は見えぬ夕まぐれほしえぬ袖の露をからなむ(後鳥羽院)
635 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 18:51:31 ID:LlcpXqP7
うらめしやまたれまたれて時鳥それかあらぬかむらさめの空(藤原定家)
636 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 18:52:06 ID:LlcpXqP7
村雨の雲まの月のほのぼのとそれかあらぬか山ほととぎす(徽安門院)
637 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 18:52:45 ID:LlcpXqP7
夕さればいなばそよぎて吹く風にあしのまろ屋を問ふ人もがな(後鳥羽院)
638 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:11:12 ID:LlcpXqP7
かりてほすいなばそよぎて小山田をわたる秋さのおとのさびしさ(正徹)
639 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:12:18 ID:LlcpXqP7
月やどるいなばそよぎて影きよみ見し雲いかに秋のさよ風(下冷泉政為)
640 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:13:36 ID:LlcpXqP7
ほととぎす鳥羽田のおもにきのふこそ早苗とりしか初雁のこゑ(下河辺長流)
641 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:14:07 ID:LlcpXqP7
木の葉ちる秋のはじめをけふとてや身にしみそむる峯の松風(藤原為家)
642 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:15:07 ID:LlcpXqP7
いとどしく心づくしの秋しまれ世をうらみても月を見るかな(源俊頼)
643 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:15:49 ID:LlcpXqP7
まちわびぬ心づくしの春霞花のいざよふ山のはの空(藤原定家)
644 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:16:33 ID:LlcpXqP7
その色とおもひわけとや秋の風心づくしの月にふくらむ(藤原良経)
645 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:17:15 ID:LlcpXqP7
山風の木の間の雪をふくからに心づくしの冬の夜の月(後鳥羽院)
646 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:22:34 ID:LlcpXqP7
月はまだ木の間にみえぬ夕暮も心づくしの秋の空かな(頓阿)
647 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 19:23:13 ID:LlcpXqP7
霞むよも心づくしの光かなかならず月は木の間ならねど(香川景樹)
648 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:40:05 ID:LlcpXqP7
さびしさの時はわかねど夕づくよをぐらの山の松の秋風(飛鳥井雅有)
649 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:41:48 ID:LlcpXqP7
ほととぎすしひても名のれいつはとは時はわかねどたそがれの声(木下長嘯子)
650 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:42:31 ID:LlcpXqP7
池水のもなかにいでてあそぶ魚の数さへみゆる秋の夜の月(源公忠)
651 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:43:23 ID:LlcpXqP7
月きよみ羽うちかはしとぶ雁のこゑ哀なる秋風の空(藤原定家)
652 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:44:01 ID:LlcpXqP7
思ひたつ山のいく重もしら雲に羽うちかはし帰る雁がね(藤原定家)
653 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:44:47 ID:LlcpXqP7
くもりなき浜のまさごに君が世の数さへみゆる冬の月影(藤原定家)
654 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:53:14 ID:LlcpXqP7
なく雁のなみだなるらし月影に数さへみゆる庭のしら露(宗良親王)
655 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:54:20 ID:LlcpXqP7
青葉よりもれてたえだえ散る花の数さへ見ゆる庭の木の本(大内政弘)
656 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 21:54:59 ID:LlcpXqP7
むすぶ手をはなれておつる白玉の数さへみゆる山のゐの月(木下長嘯子)
657 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:07:00 ID:LlcpXqP7
山陰の塵なき庭にちり初めて数さへ見ゆる今朝の初雪(香川景樹)
658 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:07:51 ID:LlcpXqP7
露しげみ草にやつるる故郷は袖にぞ虫のこゑはみだるる(後鳥羽院)
659 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:08:24 ID:LlcpXqP7
はらはねばふけゆくままに露ぞおく草にやつるる庭のかよひぢ(土御門院)
660 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:08:56 ID:LlcpXqP7
松虫の声するかたにやどりしてなほ長き夜ぞうれしかりける(清原元輔)
661 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:09:27 ID:LlcpXqP7
をしむらむ人の心をなく雁の声するかたに月ぞ残れる(順徳院)
662 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:09:59 ID:LlcpXqP7
日はくれぬと思ふは山のかげ野よりまづなきそむる松虫の声(宗良親王)
663 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:10:33 ID:LlcpXqP7
あばれたる草のいほりのさびしさは風よりほかにとふ人ぞなき(西行)
664 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:11:14 ID:LlcpXqP7
木のはちる風よりほかに問ふ人もなき山ざとぞ秋はかなしき(藤原家隆)
665 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:17:25 ID:LlcpXqP7
春来ては風より外にとふ人のなき山里に散る桜かな(俊成卿女)
666 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 22:17:59 ID:LlcpXqP7
初しぐれ色どる木木もあらはれて絵島が秋の紅葉をぞみる(蓮瑜)
667 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:05:10 ID:LlcpXqP7
立ちそむる秋霧のうへに鳴く雁の声ほのかなるいざよひの月(藤原家隆)
668 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:05:58 ID:LlcpXqP7
初雁も雲井にいまぞなき渡る浜名の橋の秋霧の上に(俊成卿女)
669 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:06:30 ID:LlcpXqP7
さえのぼるつちのひびきに夜や寒き衣かりがね空になくなり(藤原家隆)
670 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:07:32 ID:LlcpXqP7
とぶ雁の涙もいとどそほちけりささわけし野べの萩の上の露(藤原定家)
671 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:08:09 ID:LlcpXqP7
せく袖に涙の色やあまるらむながむるままの萩のうへの露(藤原良経)
672 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:08:52 ID:LlcpXqP7
下葉には色なる玉やくだくらむ風の吹きしく萩の上の露(後鳥羽院)
673 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:09:47 ID:LlcpXqP7
なき渡る雲ゐの雁の涙さへ露おく袖の夜半のかたしき(俊成卿女)
674 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:10:30 ID:LlcpXqP7
秋はなほ物おもふ宿の萩がえに雁の涙の露やそふらむ(順徳院)
675 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:13:19 ID:LxiNkHwF
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ(前川佐美雄)
676 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:15:08 ID:LlcpXqP7
鶯をさそふしるべの春風も花のあたりは猶もよかなむ(後鳥羽院)
677 :
名無氏物語:2009/03/17(火) 23:15:45 ID:LlcpXqP7
あやなしや露ふきむすぶ夕かぜにちるらむをのの秋萩の花(藤原雅経)
678 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:09:45 ID:Joh6XFSC
わきかねしおなじみどりの夏草を花にあらはす秋の夕暮(小侍従)
679 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:11:54 ID:Joh6XFSC
夏野をばおなじみどりに分けしかど秋ぞおりつる七草の花(藤原隆房)
680 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:13:10 ID:Joh6XFSC
秋をまつひとつ草葉とみし程にみどりを分けて咲くすみれかな(藤原家隆)
681 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:14:14 ID:Joh6XFSC
みどりなる春はひとつのわか草も秋あらはるるむさしのの原(順徳院)
682 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:15:13 ID:Joh6XFSC
はるばると一つ梢と見し里も今朝はいろいろのもみぢしにけり(後嵯峨院)
683 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:16:48 ID:Joh6XFSC
咲く花の千種の露も数見えて秋は色々の月ぞやどれる(飛鳥井雅世)
684 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:25:51 ID:Joh6XFSC
咲き分けし花の名はなほしられけり秋の末野の霜がれの頃(延政門院新大納言)
685 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:26:24 ID:Joh6XFSC
秋も猶ひとつ草葉とみゆるかなみだれてまじる花の色々(頓阿)
686 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:27:53 ID:Joh6XFSC
春はなほ柳にしるしみどりなるひとつ草木のあるが中にも(後水尾院)
687 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 00:28:58 ID:Joh6XFSC
夏木立ひとつみどりにみし山も秋は色々の峰のもみぢ葉(下河辺長流)
688 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:07:12 ID:Joh6XFSC
消えそめし雪間ばかりと見し色もひとつに青む野べの若草(本居大平)
689 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:08:14 ID:Joh6XFSC
緑なる一つ若葉と春は見し秋はいろいろにもみぢけるかも(良寛)
690 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:08:56 ID:Joh6XFSC
片山のすそ野のまゆみ朝霧のたなびくみれば紅葉しぬらむ(藤原為家)
691 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:09:38 ID:Joh6XFSC
我が門のわさ田かりねの草の庵に夢路うつろふ神なびの森(慈円)
692 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:10:54 ID:Joh6XFSC
時雨るなりかねてうつろふ神なびの森の梢の日ぐらしの声(藤原家隆)
693 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:11:31 ID:Joh6XFSC
神なびの森の木の葉はしぐれねどかねてうつろふ秋の夜の月(順徳院)
694 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:12:40 ID:Joh6XFSC
かねてより月もうつろふ川浪にみそぎ涼しき神なみの森(後水尾院)
695 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:13:42 ID:Joh6XFSC
置く露にかねてうつろふ秋萩の下葉までこそ月は問ひけれ(香川景樹)
696 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:35:09 ID:Joh6XFSC
月影のよるさへみよと照らさずは花に宿かるかひやなからむ(頓阿)
697 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 01:35:55 ID:Joh6XFSC
もみぢ葉を夜さへ見よと照る月の光さやけき神なびの森(飛鳥井雅有)
698 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:43:06 ID:Joh6XFSC
心ありて夜さへ見よと花盛りさのみ霞まぬ春の月かげ(大内政弘)
699 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:43:41 ID:Joh6XFSC
桜花よるさへ見よと照りそひて人のこころを知れる月かな(木下長嘯子)
700 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:44:23 ID:Joh6XFSC
さまざまの色ににほへるむら菊は夜さへ見よと月やてらせる(村田春海)
701 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:45:00 ID:Joh6XFSC
滝おとし水はしらする島山を夜さへ見よととぶ蛍かも(加納諸平)
702 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:46:06 ID:Joh6XFSC
秋はきぬ行方もしらぬ歎きかなたのめしことは木の葉ふりつつ(式子内親王)
703 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:46:38 ID:Joh6XFSC
秋はきぬとふ人はなしふるさとの荻ふく風は音まさりゆく(飛鳥井雅有)
704 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:47:17 ID:Joh6XFSC
山里の花もかすみのながめより道ふみ分けてくる人はなし(中院通勝)
705 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:47:59 ID:Joh6XFSC
たのむべき花のあるじも道たえぬさらにやとはむ春の山ざと(藤原定家)
706 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 07:57:52 ID:Joh6XFSC
春はまたさらにきにけり白雪のふりかくしてし道はなけれど(藤原為家)
707 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:01:38 ID:Joh6XFSC
紅葉ばはふりみふらずみおく霜のさえ行く霜に秋風ぞ吹く(順徳院)
708 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:02:21 ID:Joh6XFSC
むら時雨ふりみふらずみ紅のはつ花ぞめのみねの紅葉葉(九条教実)
709 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:03:45 ID:Joh6XFSC
冬のきてふりみふらずみ大和にはむら山有りて行く時雨かな(正広)
710 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:04:50 ID:Joh6XFSC
もみぢばをふきこす風はたつた山みねの松にも錦おりかく(源経信)
711 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:13:01 ID:Joh6XFSC
かすみたつ春の錦のをりを見よ柳さくらをたてぬきにして(藤原雅経)
712 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:13:57 ID:Joh6XFSC
さくら色に錦おりかく吉野川春ふく風をたてぬきにして(藤原為家)
713 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:14:50 ID:Joh6XFSC
七夕のいほはた衣けふぞおる恋やうらみをたてぬきにして(伏見院)
714 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:15:33 ID:Joh6XFSC
なるみ潟しほひの道をあけ行けば浪のなごりぞまづこほりける(飛鳥井雅有)
715 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:16:13 ID:Joh6XFSC
冬ふかみかもの川風さゆるよはみぎはの波ぞまづこほりける(洞院公賢)
716 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 08:16:45 ID:Joh6XFSC
いほりさす野島がさきの浜風にすすきおしなみ雪はふりきぬ(藤原家隆)
717 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:14:41 ID:Joh6XFSC
わが宿のすすきおしなみふる雪にまがきの野べの道ぞたえぬる(藤原良経)
718 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:15:13 ID:Joh6XFSC
山ざとのすすきおしなみ降る雪に年さへあやなつもりぬるかな(後鳥羽院)
719 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:15:51 ID:Joh6XFSC
しら雪のなべてふれれば梅の花冬さく色はかひなかりけり(慈円)
720 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:16:23 ID:Joh6XFSC
久方のあまぎる雪の峰よりもそれかとみえて霞む春かな(家隆)
721 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:16:58 ID:Joh6XFSC
冬ごもりそれともみえずみわの山杉の葉しろく雪のふれれば(源実朝)
722 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:17:39 ID:Joh6XFSC
冬の夜のながきかぎりはしられにきねなくにあくる袖のつららに(藤原定家)
723 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:18:15 ID:Joh6XFSC
夢よりもなほぞはかなき時鳥ねなくにあくるよはの一こゑ(平親清四女)
724 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:39:24 ID:Joh6XFSC
ほととぎす寝覚の声を聞きしよりあやめもしらぬ物をこそ思へ(大中臣能宣)
725 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:45:05 ID:Joh6XFSC
かやり火の下にもえつつあやめ草あやめもしらぬ恋のかなしき(曾根好忠)
726 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 09:46:46 ID:Joh6XFSC
おのが音も袖ぬらしけり時鳥鳴くやさ月のあやめひきつつ(藤原家隆)
727 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:46:05 ID:Joh6XFSC
郭公空につたへよ恋ひわびてなくや五月のあやめわかずと(藤原定家)
728 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:46:40 ID:Joh6XFSC
たがためにまちし五月のあやめ草あやめもしらぬほととぎすかな(藤原雅経)
729 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:47:19 ID:Joh6XFSC
きのふより軒ばにふける草の名のあやめもしらぬ五月雨の比(順徳院)
730 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:47:50 ID:Joh6XFSC
あやめ草ふきそめしより時鳥なくやさ月のこゑかをるなり(木下長嘯子)
731 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:49:03 ID:Joh6XFSC
朝風にうばらかをりて時鳥なくや卯月の志賀の山越(蓮月)
732 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:50:15 ID:Joh6XFSC
ほととぎす咲くやそのかみ潔癖の母癇癪の父にまみえし(塚本邦雄)
733 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:51:37 ID:Joh6XFSC
おほゐ河くだす筏のみなれざをさしいづる物は涙なりけり(和泉式部)
734 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 20:53:29 ID:Joh6XFSC
よそにのみ恋ひてふことのみなれざを今日は我が手にとりてけるかな(覚性法親王)
735 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:00:06 ID:Joh6XFSC
よそにのみみてややみなむ山ざくら花のこころのよのましらぬに(凡河内躬恒)
736 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:01:47 ID:Joh6XFSC
かづらきや高間の山の時鳥雲ゐのよそに鳴きわたるなり(源実朝)
737 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:02:22 ID:Joh6XFSC
雲をよそにすみこそわたれかづらきや高間の山の秋のよの月(東常縁)
738 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:03:00 ID:Joh6XFSC
くりかへしたのめてもなほ逢ふことのかた糸をやは玉の緒にせむ(藤原良経)
739 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:03:42 ID:Joh6XFSC
あはれ又けふも暮れぬとながめする雲のはたてに秋風ぞ吹く(藤原定家)
740 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:04:17 ID:Joh6XFSC
天つ空雲のはたてに飛ぶ鳥のあすかの里をおきや別れむ(藤原家隆)
741 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:04:52 ID:Joh6XFSC
天つ空我が思ふ人か郭公雲のはたてに声の聞ゆる(宗良親王)
742 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:05:31 ID:Joh6XFSC
夕暮は雲のはたてにおり立ちてそはの山田にとる早苗かな(正徹)
743 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:16:48 ID:Joh6XFSC
あすよりは天つ空にや恋ひ佗びむ雲のはたてに春はくれにき(肖柏)
744 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 21:18:13 ID:Joh6XFSC
白露の置くとは野辺の花を見て寝(ぬ)とはしのばむ荻の上風(藤原隆信)
745 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:00:54 ID:Joh6XFSC
小山田のいなばの露の袖の上に置くとは歎きもりあかすかな(宗良親王)
746 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:01:37 ID:Joh6XFSC
朝露の置くとはなげき寝ともなき夢路よぶかく出でし空かな(三条西実隆)
747 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:02:52 ID:Joh6XFSC
ちはやぶる賀茂の社のゆふだすきちとせを君にかけよとぞ思ふ(藤原良平)
748 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:03:34 ID:Joh6XFSC
わが恋は行かたもなきながめよりむなしき空に秋風ぞふく(慈円)
749 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:04:16 ID:Joh6XFSC
五月雨はむなしき空にみちぬらしゆくかたみえずあくるしら雲(藤原基家)
750 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:05:13 ID:Joh6XFSC
ながめてもむなしき空の秋霧にいとどおもひのゆく方もなし(頓阿)
751 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:05:50 ID:Joh6XFSC
朝づく日さすや岡べの草の葉にすがれる露をよそにやはみる(慈円)
752 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 22:06:34 ID:Joh6XFSC
ゆふ日かげさすや岡べの玉篠を一夜のやどりたのみてぞかる(藤原定家)
753 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:18:21 ID:Joh6XFSC
夕附日さすや岡辺の桃の花空もうつろふ色にみえつつ(順徳院)
754 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:18:53 ID:Joh6XFSC
逢ふことはいつともわかぬ松の色の夕べはなどか風もかなしき(豊原統秋)
755 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:19:35 ID:Joh6XFSC
松の葉のいつともわかぬ岡のべに今一しほの下もみぢかな(細川幽斎)
756 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:20:26 ID:Joh6XFSC
松の葉のいつともわかぬこのまより雪もときはの富士をみるかな(本居宣長)
757 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:21:07 ID:Joh6XFSC
しのばるるときはの山の岩つつじ春のかたみの数ならねども(藤原定家)
758 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:22:34 ID:Joh6XFSC
思ふこといはねばこそあれ人しれぬ心のうちはくるしきものを(藤原基家)
759 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:23:07 ID:Joh6XFSC
恋しくもいかがなからむ岩つつじいはねばこそあれ有りしその世は(宗尊親王)
760 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:23:37 ID:Joh6XFSC
わが心いくしほそめつ岩つつじいはねばこそあれ深き色香に(木下長嘯子)
761 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:41:42 ID:Joh6XFSC
わが恋やすゑつむ花の色ならむ紅にのみぬるる袖かな(藤原時房)
762 :
名無氏物語:2009/03/18(水) 23:42:15 ID:Joh6XFSC
忍ぶればくるしきものを河内めの手染の糸の色に出でなむ(藤原実経)
763 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:38:03 ID:1MkXkt58
たなばたの天の河原に恋せじと秋をむかふるみそぎすらしも(藤原良経)
764 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:38:53 ID:1MkXkt58
恋せじとするにはあらず神風になびけみそぎの瀬々のゆふしで(正徹)
765 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:39:31 ID:1MkXkt58
ゆく水にあつさながすとせしみそぎ神はうけたる川風ぞふく(下河辺長流)
766 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:40:03 ID:1MkXkt58
虫のねもしのぶることぞまくずはらうらみや秋の色にいづらむ(藤原雅経)
767 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:40:47 ID:1MkXkt58
くるしさはしのぶることぞ人の身にたえて涙のなき世ならねば(松永貞徳)
768 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:42:03 ID:1MkXkt58
日数ふる山より落つる滝の糸はなに水上を五月雨の比(中院通勝)
769 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:55:24 ID:1MkXkt58
たねしあればほとけの身ともなりぬべし岩にも松はおひけるものを(藤原良経)
770 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:56:10 ID:1MkXkt58
八幡山木だかき松のたねしあれば千とせの後もたえじとぞ思ふ(源実朝)
771 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 00:56:49 ID:1MkXkt58
しらざりつ袖にながるる涙川うきておもひのかかりけるよを(藤原家隆)
772 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:01:21 ID:1MkXkt58
空にのみたつ朝霧の波のうへにうきて思ひのあまのつりぶね(藤原雅経)
773 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:02:05 ID:1MkXkt58
いつとなき心も空の雲霧にうきて思ひのさみだれのころ(三条西実隆)
774 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:02:43 ID:1MkXkt58
から衣かへすがへすぞうらめしき夢にも人の見えぬと思へば(熊谷直好)
775 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:03:29 ID:1MkXkt58
山おろし日も夕かげにふくときぞしみじみ人は恋しかりける(香川景樹)
776 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:04:05 ID:1MkXkt58
ふしわびぬいかに寝し夜か草枕ふるさと人も夢に見えけむ(宗尊親王)
777 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:04:54 ID:vZDT/ZRF
777
778 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:11:37 ID:1MkXkt58
今はただ我のみかよふ夢路かないかに寝し夜か人の見えけむ(宗尊親王)
779 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:12:12 ID:1MkXkt58
人も又いかに寝し夜のゆくへにて覚めざらましの夢に見えけむ(正徹)
780 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:12:56 ID:1MkXkt58
目のまへにかはりぬめりとみるものをまた忘れずやありしよのこと(和泉式部)
781 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:13:40 ID:1MkXkt58
つらしともたれにかいはむ目のまへにつれなき人の昔がたりを(藤原秀能)
782 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 01:59:30 ID:1MkXkt58
月よめばはやくも年のゆく水に数かきとむるしがらみぞなき(藤原良経)
783 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:00:20 ID:1MkXkt58
やどりこしたもとは夢かとばかりにあらばあふ夜のよその月影(藤原定家)
784 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:01:05 ID:1MkXkt58
年きはる身のゆくへこそかなしけれあらばあふよの春をやはまつ(藤原雅経)
785 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:01:58 ID:1MkXkt58
風さむみ声よわりゆく虫よりもいはで物思ふわれぞかなしき(壬生忠岑)
786 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:02:37 ID:1MkXkt58
神山のやました水のわきかへりいはで物思ふ我ぞかなしき(源実朝)
787 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:03:28 ID:1MkXkt58
月見てもおぼろけにやはなぐさまむ霞のうちの更科の里(藤原為家)
788 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:05:31 ID:1MkXkt58
ともすれば親のいさめしうたたねの袖とふ月になみだ落ちつつ(下冷泉持為)
789 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:06:57 ID:1MkXkt58
うたたねの夢ばかりだにしらすなよ親のいさめし人もたがへじ(正徹)
790 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:11:13 ID:1MkXkt58
恋しきにうきもつらきも忘られて心なき身に成りにけるかな(藤原俊成)
791 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:11:45 ID:1MkXkt58
あはれなりうきもつらきもききながらたへ忍びける人の心は(後嵯峨院)
792 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:14:32 ID:1MkXkt58
めぐりあはむ契もしらぬひたち帯のひた道にのみ恋ひやわたらむ(藤原家隆)
793 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 02:15:26 ID:1MkXkt58
ひたちおびのかごともいとどまとはれて恋こそ道のはてなかりけれ(藤原定家)
794 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 06:50:03 ID:DiqyTE7X
m
795 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 06:52:07 ID:DiqyTE7X
o
796 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:41:01 ID:1MkXkt58
命あらばめぐりあひなむひたち帯の結びそめてし契くちずは(後鳥羽院)
797 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:43:31 ID:1MkXkt58
たのめつつこぬよのとこに恋ひしねとするわざならし君がつれなさ(後二条院)
798 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:44:31 ID:1MkXkt58
恋ひしねとするわざならば夢よりもうつつに一目みゆべきものを(宗良親王家京極)
799 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:47:16 ID:1MkXkt58
しきたへの枕ながるる床の上にせきとめがたく人ぞ恋しき(藤原定家)
800 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:48:05 ID:1MkXkt58
をし鳥の床もさだめぬうきねして枕ながるる冬のいけ水(頓阿)
801 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:49:03 ID:1MkXkt58
秋の日のあやしきほどの夕暮に荻ふく風のおとぞきこゆる(徽子女王)
802 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:49:35 ID:1MkXkt58
そのこととさしておもはぬ袖の上もげにあやしきは秋の夕暮(二条院讃岐)
803 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 07:52:19 ID:1MkXkt58
草葉だに露おきあへぬ夕ぐれの袖にあやしき秋のはつかぜ(伏見院)
804 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:07:26 ID:1MkXkt58
限りなき袖の涙もあやしきは浮世のうへの秋の夕ぐれ(肖柏)
805 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:08:10 ID:1MkXkt58
稲妻の光のまにも鳴神の声にとくらむ法をきかばや(源俊頼)
806 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:08:50 ID:1MkXkt58
入るまでに月はながめつ稲妻のひかりの間にも物思ふ身の(藤原家隆)
807 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:09:55 ID:1MkXkt58
うつせみはむなしきからも残りけりきえて跡なき朝がほの露(二条為定)
808 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:11:06 ID:1MkXkt58
恋ひしなばむなしきからを枕よりあとよりたれか哀ともみむ(正徹)
809 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:12:18 ID:1MkXkt58
聞きつるは夢かうつつか時鳥ねてか覚めてか夜の一声(他阿)
810 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:12:56 ID:1MkXkt58
花の夢さむる青葉のうつつしる我さへに又ねてかさめてか(木下長嘯子)
811 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:14:15 ID:1MkXkt58
梅の花よるは夢にも見てしがな闇のうつつのにほふばかりに(平忠度)
812 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:22:40 ID:1MkXkt58
つかのまの闇のうつつもまだしらぬ夢より夢にまよひぬるかな(式子内親王)
813 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 08:23:13 ID:1MkXkt58
あぢきなくなにと身にそふ面影ぞそれとも見えぬ闇のうつつに(藤原定家)
814 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:06:08 ID:1MkXkt58
いつはりのたが面影か身にそはむ夢にまさらぬ闇のうつつに(藤原定家)
815 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:06:58 ID:1MkXkt58
さだかなる夢もむかしとむばたまの闇のうつつににほふたちばな(藤原雅経)
816 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:07:42 ID:1MkXkt58
いかにせむ闇のうつつをいとひても夢にまさらぬみじか夜の月(宗尊親王)
817 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:08:12 ID:1MkXkt58
野も山もさだかにみえてむば玉の闇のうつつにふれるしら雪(頓阿)
818 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:08:52 ID:1MkXkt58
夢にだにあひみぬ中を後のよの闇のうつつにまたやしたはむ(慶運)
819 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:09:28 ID:1MkXkt58
夢も見じ憂き人づての一言に闇のうつつは寝てあかせども(正徹)
820 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:10:04 ID:1MkXkt58
むば玉の闇のうつつに見ても知れ夢にぞかきし烏羽の文(正徹)
821 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:10:38 ID:1MkXkt58
みし夢を闇のうつつになす物はけさ手枕にのこるうつり香(木下長嘯子)
822 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:14:15 ID:1MkXkt58
春の夜の夢のまくらをとひすてて闇のうつつに帰る雁金(小沢蘆庵)
823 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 09:15:01 ID:1MkXkt58
名取川わたればつらし朽ちはつる袖のためしの瀬々の埋れ木(藤原定家)
824 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:40:59 ID:1MkXkt58
よる波もたかしの浜の松風のねにあらはれて君が名も惜し(式子内親王)
825 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:41:29 ID:1MkXkt58
風吹けば波うつ岸の岩なれやかたくもあるか人のこころの(源実朝)
826 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:42:04 ID:1MkXkt58
七夕の秋さり衣ぬれぬまはけふの今夜の玉のをばかり(俊恵)
827 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:42:58 ID:1MkXkt58
今朝はしもおきけむかたも白露の玉のをばかりあるはあるかは(順徳院)
828 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:45:57 ID:1MkXkt58
浅ましやあさかの沼の花かつみかつみなれても袖はぬれけり(式子内親王)
829 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:47:55 ID:1MkXkt58
夏はまたあさかの沼の花かつみかつみる色にうつる恋かな(藤原家隆)
830 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:53:36 ID:1MkXkt58
ささ分けしあさかの沼の花かつみかつみる夢のあくるほどなさ(後鳥羽院)
831 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 22:55:25 ID:1MkXkt58
をちかたやはるけきみちに雪つもり待つ夜かさなる宇治の橋姫(藤原定家)
832 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 23:58:45 ID:1MkXkt58
かたしきの袖のなみだに見る月はかすむもしらじ宇治のはし姫(頓阿)
833 :
名無氏物語:2009/03/19(木) 23:59:31 ID:1MkXkt58
明けば又思ひの色や染めまさむ木の葉かた敷く宇治の橋ひめ(正徹)
834 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:00:05 ID:/90wyAtY
むめがかの夜床にほはすうれしくぞ槙の板戸もささずねにける(藤原教長)
835 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:00:15 ID:/90wyAtY
むめがかの夜床にほはすうれしくぞ槙の板戸もささずねにける(藤原教長)
836 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:01:15 ID:/90wyAtY
しのびあへず我や行かむのいざよひに昔語りの夕暮の空(源通光)
837 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:04:40 ID:/90wyAtY
冬やこむ秋やゆかむのいざよひに我が衣手もうち時雨れつつ(順徳院)
838 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:36:59 ID:/90wyAtY
槙の戸をささでぬるよの手枕に梅が香ながら月ぞうつれる(頓阿)
839 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:39:08 ID:/90wyAtY
月よよし夜よしと誰につげやらむ花あたらしき春の故郷(後鳥羽院)
840 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:42:19 ID:/90wyAtY
月残る弥生の山の霞む夜をよよしとつげよ待たずしもあらず(後鳥羽院)
841 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:43:42 ID:/90wyAtY
雲はれて山のはいづる月夜よし夜よしと今し誰かみざらむ(正親町公蔭)
842 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:45:04 ID:/90wyAtY
咲きにほふ花の春日の影もよし夜よしといひし月は霞みて(正徹)
843 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:45:37 ID:/90wyAtY
一こゑは待たずしもあらず月影に夜よしとつぐる時鳥かな(正徹)
844 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:48:57 ID:/90wyAtY
難波潟あけぬみなとを月夜よし夜よしと出づる春の舟人(木下長嘯子)
845 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 00:51:32 ID:/90wyAtY
この里の卯花月夜よよしとはつげぬ垣根も人ぞとひくる(本居宣長)
846 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:07:26 ID:/90wyAtY
山里にひとりも月を見つるかな夜よしと待たむ人もなければ(蓮月)
847 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:08:31 ID:/90wyAtY
山寺の鐘はしじまに鳴りななむ夜よしとうたふ月のこの頃(千種有功)
848 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:09:05 ID:/90wyAtY
風あらきもとあらの小萩袖にみてふけ行く夜はにおもるしら露(藤原定家)
849 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:09:48 ID:/90wyAtY
里はあれて時ぞともなき庭のおもももとあらの小萩秋はみえけり(藤原定家)
850 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:14:39 ID:/90wyAtY
宮木野の木の下露に色かはるもとあらの小萩秋ぞ深けぬる(後鳥羽院)
851 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:16:14 ID:/90wyAtY
山がつのかきほにさけるなでしこの花の心をしる人のなさ(源実朝)
852 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:18:02 ID:/90wyAtY
山がつのかきほにさける花までもこころにかかる夕顔の露(蓮瑜)
853 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:20:09 ID:/90wyAtY
ちらぬまに今もみてしが高円の野の上にさけるやまとなでしこ(宗尊親王)
854 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:29:37 ID:/90wyAtY
たれゆゑぞ月を哀といひかねて鳥のねおそきさよの手枕(藤原定家)
855 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 01:35:48 ID:/90wyAtY
天の戸をおしあけ方の冬の月氷はおのがひかりなりけり(後鳥羽院)
856 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:04:08 ID:/90wyAtY
やすらひに出でにしままの天のとをおし明方の月にまかせて(俊成卿女)
857 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:05:19 ID:/90wyAtY
あしのやのなだのしほやの天の戸をおし明け方ぞ春はさびしき(順徳院)
858 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:11:30 ID:/90wyAtY
あまの原ふみとどろかしなる神の音にはなどかおどろきもせぬ(仏国)
859 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:12:04 ID:/90wyAtY
夏引の手びきのいとのをりからや風もさはらぬ蝉の羽衣(順徳院)
860 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:13:26 ID:/90wyAtY
夏引の手びきの糸のををよわみみだるるたまととぶほたるかな(頓阿)
861 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:14:51 ID:/90wyAtY
風をいたみ春もやけさは船出して思はぬ方にとまりしつらむ(源俊頼)
862 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:15:43 ID:/90wyAtY
すまの浦のあまりにもゆる思ひかな塩やくけぶり人はなびかで(藤原定家)
863 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:17:13 ID:/90wyAtY
すまの浦やしほかぜさえて春とだにおもはぬかたにたつ霞かな(二条良基)
864 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:20:04 ID:/90wyAtY
吹きまよふ磯山松のかぜをいたみ思はぬ方に立つ霞かな(後花園院)
865 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 02:21:31 ID:/90wyAtY
友千鳥立行くすまの風をいたみ思はぬかたに浦つたふらむ(後水尾院)
866 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:37:45 ID:/90wyAtY
いかばかりうれしからまし秋の夜の月すむ空に雲なかりせば(西行)
867 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:38:35 ID:/90wyAtY
さはる事なき世なりせば偽りの幾夜なぐさめしひてまためや(飛鳥井雅親)
868 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:39:19 ID:/90wyAtY
うつりゆく世にしありせばうつせみのひとのことのはうれしげもなし(良寛)
869 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:40:35 ID:/90wyAtY
たがまこと世の偽のいかならむたのまれぬべき筆の跡かな(藤原定家)
870 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:42:29 ID:/90wyAtY
なれぬればたのむるまでもいつはりと思ふものからなほぞまたるる(飛鳥井雅有)
871 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:43:44 ID:/90wyAtY
忘れなむと思ふにつけてこがるれば恋はけつべきかたもしらずな(上西門院兵衛)
872 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:44:18 ID:/90wyAtY
いとふべき物とはしらずみても又またもみまくの秋のよの月(宗尊親王)
873 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:45:03 ID:/90wyAtY
馴れゆくを又も見まくのとばかりは思はじ物のいとひはつらむ(後水尾院)
874 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:46:17 ID:/90wyAtY
つみしらばむくひをおもへ花がたみめならぶ人はひとりならぬを(慈円)
875 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 03:46:59 ID:/90wyAtY
春の野にすみれつむてふ花がたみめならぶ人のあまたむれつつ(藤原為家)
876 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:47:54 ID:/90wyAtY
我のみの思ひの色に花がたみめならぶ人の数ならずとも(後柏原天皇)
877 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:49:27 ID:/90wyAtY
誰か先づ若菜摘むらむ花がたみめならぶ人の袖のゆききに(細川幽斎)
878 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:50:03 ID:/90wyAtY
わびぬれば暁かけてかへりたるしぎの羽がき我ぞかずかく(元真)
879 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:51:18 ID:/90wyAtY
旅枕よはのあはれもももはがきしぎたつ野べのあかつきの空(慈円)
880 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:54:13 ID:/90wyAtY
まどろまぬ霜おくよはのももはがき羽かく鴫のくだけてぞなく(藤原定家)
881 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:55:28 ID:/90wyAtY
忘れ草露ふかきよの夢ぢにやかよへる袖のひるよしもなし(順徳院)
882 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 17:55:59 ID:/90wyAtY
古へのあらすき返せ言の葉の道は狭くもなりにけるかな(戸田茂睡)
883 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:13:41 ID:/90wyAtY
しき島の歌のあらす田あれにけりあらすきかへせ歌の荒す田(香川景樹)
884 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:14:20 ID:/90wyAtY
わすれじの心の色や秋風のふきとふきぬる武蔵野の原(藤原家隆)
885 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:14:53 ID:/90wyAtY
まつらがた袖のみなとにこぎよせむもろこし船のとまりもとめば(藤原有家)
886 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:23:04 ID:/90wyAtY
まよひきて見しよの夢の浮橋もとだゆる頃の我は我かは(西園寺実材母)
887 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:23:43 ID:/90wyAtY
うごきなきさざれいし山むべしこそちよにやちよに数もそひけれ(藤原正宗)
888 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:24:58 ID:/90wyAtY
さざれ石の苔むす岩となりて又雲かかるまで君ぞみるべき(慈円)
889 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:30:18 ID:JFmPgteF
わが君は千代に八千代にさざれ石のいはほとなりて苔のむすまで(古今343/よみ人しらず)
890 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:36:48 ID:/90wyAtY
さざれ石のいはほとなりてあすか川ふちせのこゑをきかぬ御代かな(藤原定家)
891 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 18:37:23 ID:/90wyAtY
君が代はからくれなゐのふかき色に八千とせ椿もみぢするまで(読人不知)
892 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:08:48 ID:/90wyAtY
今日よりは君にひかれてあふひ草二葉の松の千よに八千世に(細川幽斎)
893 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:09:46 ID:/90wyAtY
さざれ石のいはほをかけし新枕こけのむすまでとはぬ君かな(松永貞徳)
894 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:15:57 ID:/90wyAtY
すがるなく野べの夕暮あはれなり尾花がすゑに風をまかせて(慈円)
895 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:17:26 ID:/90wyAtY
とどめあへず朝たつ袖の白露もすがるなく野の秋の萩原(藤原為家)
896 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:19:58 ID:/90wyAtY
ほさばやな秋の萩原今朝たちて片敷くままの袖の花ずり(宗良親王)
897 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:21:21 ID:/90wyAtY
を鹿鳴く秋の萩原かりにだになびかぬ妻をいつとか待たむ(長慶天皇)
898 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:23:37 ID:/90wyAtY
を鹿鳴く岡べの萩にうらぶれていにけむ君をいつとか待たむ(賀茂真淵)
899 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:25:30 ID:/90wyAtY
故郷を別れ路におふる葛の葉の風は吹けどもかへる世もなし(後鳥羽院)
900 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:32:08 ID:/90wyAtY
あか月はうらみてのみやかへるらむ別ぢにおふる葛のした風(宗尊親王)
901 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 20:33:27 ID:/90wyAtY
かへりこむ葛の葉ならで露けきは別れ路におふる道の芝草(正徹)
902 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:11:59 ID:/90wyAtY
今はとてはひまつはれよ行く秋の別れ路におふる葛の葉かづら(細川幽斎)
903 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:12:47 ID:/90wyAtY
暁の露やいかなる露ならむおきてしゆけばわびしかりけり(源実朝)
904 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:15:46 ID:/90wyAtY
我が宿の軒端の木の葉そめしよりたつ日はきかじ四方の山風(藤原隆祐)
905 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:26:16 ID:/90wyAtY
惜しめどもとまらぬ君を桜花わかるる道の見えぬまで散れ(藤原元真)
906 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:26:55 ID:/90wyAtY
神な月なべて紅葉はちりしきぬいづれを道とわきてゆかまし(藤原教長)
907 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:31:03 ID:/90wyAtY
ふる雪にあとこそみえね草の原いづれを道とたれにとはまし(飛鳥井雅有)
908 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:41:30 ID:/90wyAtY
都いでて朝こえゆけば風まぜに雪ふりむかふ衣かせ山(俊恵)
909 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:43:13 ID:/90wyAtY
つつみあまる袖の涙のいづみ河くちなむはては衣かせ山(源家長)
910 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:43:52 ID:/90wyAtY
都にもあかでやむすぶ泉川てる日に雲のころもかせ山(藤原隆祐)
911 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 21:44:25 ID:/90wyAtY
五月きてけふみかの原ほととぎすしばしはここにやどをかせ山(藤原為家)
912 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:06:51 ID:/90wyAtY
波の花こほりのひまをいづみ川けふみかのはら春たちにけり(藤原為家)
913 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:13:17 ID:/90wyAtY
春たちてけふみかの原みわたせばいつしかかすむ泉川かな(飛鳥井雅有)
914 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:16:22 ID:/90wyAtY
泉川かは風寒し今よりや久迩の都は衣うつらむ(宗尊親王)
915 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:16:53 ID:/90wyAtY
みかのはら川風ふかばさく花におほふばかりの衣かせ山(松永貞徳)
916 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:18:53 ID:/90wyAtY
泉川水のすずしさたちこめてけふより夏の衣かせ山(下河辺長流)
917 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:22:13 ID:/90wyAtY
明石がた舟のむかしにこととへば島隠れゆくあとのしら波(慈円)
918 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:26:35 ID:/90wyAtY
はるかなる波路の春の明ぼのにしばし霞の島がくれゆく(慈円)
919 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:27:36 ID:/90wyAtY
明石潟かすみて帰る雁が音も島がくれゆく春のあけぼの(藤原良経)
920 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 22:32:40 ID:/90wyAtY
明石潟かへる浪路やかすむらむ島がくれ行く春の雁がね(藤原伊平)
921 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:02:20 ID:/90wyAtY
淡路潟かすみぞ白き行く船の島隠れにも花やさくらむ(飛鳥井雅俊)
922 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:02:55 ID:/90wyAtY
淡路がた哀は雪に残し置きて島隠れゆく年の暮かな(松永貞徳)
923 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:03:58 ID:/90wyAtY
時鳥島がくれゆく一こゑをあかしの浦のあかずしぞ思ふ(後水尾院)
924 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:05:01 ID:/90wyAtY
はかなしや今日も暮れぬといひいひて夜はのけぶりといつかのぼらむ(慈円)
925 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:06:46 ID:/90wyAtY
あはぢしま千鳥とわたる声ごとにいふかひもなき物ぞかなしき(藤原定家)
926 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:17:09 ID:/90wyAtY
かぎりあれば今日も暮れぬとながめつつきのふの鐘の暁の声(藤原雅経)
927 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:21:24 ID:/90wyAtY
鐘の音に今日も暮れぬとながむればあらぬ露ちる袖の秋風(後鳥羽院)
928 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:27:54 ID:/90wyAtY
いくたびかしぐるる空の鐘のおとに今日も暮れぬと打ちながめつつ(順徳院)
929 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:29:06 ID:/90wyAtY
春暮るる入逢の鐘の声ごとに老は涙を袖におくかな(宗良親王)
930 :
名無氏物語:2009/03/20(金) 23:29:55 ID:/90wyAtY
春のゆく入逢の鐘を大かたに今日もくれぬと誰か聞くらむ(飛鳥井雅世)
931 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:09:01 ID:l2M7Duga
春のきるたもとゆたかにたつ霞めぐみあまねきよもの山のは(藤原定家)
932 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:10:15 ID:l2M7Duga
から錦たもとゆたかに立田姫秋はまちえつさこそつつまめ(木下長嘯子)
933 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:11:20 ID:l2M7Duga
うれしさも袂ゆたかにあらはるる衣の玉をなににつつまむ(中院通村)
934 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:23:17 ID:l2M7Duga
紫の色には咲くな武蔵野の草のゆかりと人もこそ見れ(藤原義孝)
935 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:26:13 ID:l2M7Duga
武蔵野のゆかりの色もとひわびぬみながらかすむ春の若草(藤原定家)
936 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:28:03 ID:l2M7Duga
武蔵野にむすべる草のゆかりとや一夜の枕つゆなれにけり(藤原良経)
937 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:32:59 ID:l2M7Duga
武蔵野の草のゆかりに鳴く雉子春はむかしのつまならねども(俊成卿女)
938 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:33:56 ID:l2M7Duga
武蔵野の草のゆかりも遠ければ露消えぬともたれかつげまし(宗良親王)
939 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:34:56 ID:l2M7Duga
紫の花なつかしみ武蔵野の草はみながらすみれともがな(本居宣長)
940 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 00:36:00 ID:l2M7Duga
秋もなほ小松が原は緑にて草はみながら花ぞ咲きける(千種有功)
941 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:02:06 ID:l2M7Duga
を初瀬の山の端ながらかすむなりふしみの暮に出づる月影(頓阿)
942 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:02:47 ID:l2M7Duga
里はあれて秋風さむみすが原やふしみの暮に衣うつなり(頓阿)
943 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:03:30 ID:l2M7Duga
菅原や伏見の暮の面影にいづくの山もたつ霞かな(頓阿)
944 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:04:14 ID:l2M7Duga
菅原や伏見の暮にたつ雲は初瀬の山の花にぞ有りける(宗良親王)
945 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:05:01 ID:l2M7Duga
見つつ我なぐさめかねつ更科の姨捨山に照りし月かも(凡河内躬恒)
946 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:06:18 ID:l2M7Duga
姨捨の月はいかにか出でたりしなぐさめがたき人は見るらむ(馬内侍)
947 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:14:15 ID:l2M7Duga
なぐさまずいづれの山もすみなれし宿姨捨の月の旅寝は(藤原定家)
948 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:15:43 ID:l2M7Duga
わが心なぐさめかねていく世へぬ姨捨山の月は見ねども(後鳥羽院)
949 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:16:22 ID:l2M7Duga
いとどなほ待つ夜更け行くつらささへなぐさめかねてみつる月かな(後醍醐天皇)
950 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 01:17:06 ID:l2M7Duga
妻恋をなぐさめかねて姨捨の山ならぬ月に鹿や鳴くらむ(後水尾院)
951 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:47:48 ID:l2M7Duga
わすれじの心の色や秋風のふきとふきぬる武蔵野の原(藤原家隆)
952 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:48:32 ID:l2M7Duga
あらそひて吹きと吹きぬるのちはただともに枯野の葛のうら風(霊元院)
953 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:49:16 ID:l2M7Duga
身のゆくへなぐさめかねし心には姨捨山の月も憂かりき(宗良親王)
954 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:49:49 ID:l2M7Duga
かをるなり吉野のたきの雲のなみそのみなかみを雲のみをにて(藤原良経)
955 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:50:23 ID:l2M7Duga
冬の日は雲のみをにてはやければながるる年のしがらみもなし(土御門院)
956 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:51:57 ID:l2M7Duga
逢ふ事のなどよどむらむ天の河雲のみをにてはやきせなれど(木下長嘯子)
957 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:52:48 ID:l2M7Duga
月はなほ雲のみをにて滝つせの中にやよどむ影やなからむ(後水尾院)
958 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:53:28 ID:l2M7Duga
年をへて野中の清水ぬるけれどさえたる月の影ぞやどれる(覚性法親王)
959 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:58:30 ID:l2M7Duga
秋の夜は野中の清水ぬるけれど月すみぬればつららゐにけり(藤原有家)
960 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 13:59:08 ID:l2M7Duga
こほりゐし野中の清水うちとけてもとの心にかへる春かな(元政)
961 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:01:46 ID:l2M7Duga
おのづからさかゆく時もありなまし八十もちかき山路ならずは(藤原家隆)
962 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:02:47 ID:l2M7Duga
七そぢの老のさかゆくこの春はよしやよしのの山の桜も(藤原為家)
963 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:14:42 ID:l2M7Duga
今こそは昔にこえて男山さかゆく君が御代とみえけれ(宗尊親王)
964 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:16:00 ID:l2M7Duga
君が代の春をむかへて男山さかゆく時にたちかへるらし(中院通勝)
965 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:17:22 ID:l2M7Duga
秋かぜやまづ吹きそめし男山さかゆく光月にそへとて(中院通村)
966 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:18:53 ID:l2M7Duga
さびしくてふりぬるものは美濃山のひと木の松と我となりけり(雅成親王)
967 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:19:28 ID:l2M7Duga
津の国のながらの橋とわれとこそ跡なき名をば世に残しけれ(宗尊親王)
968 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:20:04 ID:l2M7Duga
花さかでふりぬる物は奥山のかげの朽木と我となりけり(宗尊親王)
969 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:21:05 ID:l2M7Duga
老いぬればのこらぬ物とおほあらきの杜のした草かれやはてなむ(宗良親王)
970 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:21:46 ID:l2M7Duga
老いぬとも駒もすさめずみし色を霜はのこさぬ森の下草(後柏原天皇)
971 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 14:29:43 ID:WscFnz20
あ
972 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:05:15 ID:l2M7Duga
年ふとも宇治の橋守我ならばあはれとおもふ人もあらまし(藤原俊成)
973 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:05:57 ID:l2M7Duga
年ふれば老ぞたふれて朽ちぬべき身はすみの江の松ならなくに(源実朝)
974 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:07:02 ID:l2M7Duga
ゆくすゑも今はたおなじ高砂のまつことなくて世をや尽くさむ(宗尊親王)
975 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:08:20 ID:l2M7Duga
ゆくすゑもただいたづらに高砂の松を友にて世をや尽くさむ(飛鳥井雅有)
976 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:09:01 ID:l2M7Duga
春きては淡路島山みえわかず波もてゆへるかたもかすみて(覚性法親王)
977 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:11:12 ID:l2M7Duga
かざすてふ波もてゆへる山やそれ霞ふきとけ須磨の浦風(藤原定家)
978 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:24:32 ID:l2M7Duga
わたつみの波もてゆへる橋立の松をかざしに手折りつるかな(賀茂真淵)
979 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:25:40 ID:l2M7Duga
五月雨にけふも暮れぬるあすか川いとど淵せやかはりはつらむ(藤原定家)
980 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:26:34 ID:l2M7Duga
淵は瀬にかはるのみかはあすか川きのふの波ぞけふはこほれる(藤原雅経)
981 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 15:27:07 ID:l2M7Duga
昨日までおもはざりきなあすか川けふに瀬になる恨みせむとは(宗尊親王)
982 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 20:39:20 ID:l2M7Duga
あすか川きのふの淵もけふの瀬も我が身ひとつにうきしづみつつ(宗良親王)
983 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 20:42:52 ID:l2M7Duga
もとむれどありがたきかなうき身には巌のなかも山のあなたも(周防内侍)
984 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 20:44:42 ID:l2M7Duga
足引の山のあなたを見てしがな世のうき時のかくれがにせむ(清原深養父)
985 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 20:45:42 ID:l2M7Duga
み吉野や世のうき時の道絶えて山のあなたもつもるしら雪(宗尊親王)
986 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 20:48:57 ID:l2M7Duga
もとむれど巌の中のかたければ我もこの世になほこそはふれ(和泉式部)
987 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 20:59:20 ID:l2M7Duga
うきことはいはほの中もきこゆなりいかなる道もありがたのよや(式子内親王)
988 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:03:05 ID:l2M7Duga
うづらなくをりにしなれば霧こめてあはれさびしき深草の里(西行)
989 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:04:29 ID:l2M7Duga
深草や契うらみて住みかはるふしみの里も鶉なくなり(藤原家隆)
990 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:12:30 ID:l2M7Duga
かりにこしうづらの床もあれはてて冬深草の野べぞさびしき(後鳥羽院)
991 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:13:08 ID:l2M7Duga
ふか草や秋のうづらの床の夢えやはふしみむ野べの木がらし(正徹)
992 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:15:48 ID:l2M7Duga
露霜のいとどふか草床あれてくれゆく秋にうづら鳴くらむ(後水尾院)
993 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:19:16 ID:l2M7Duga
なにとなく物ぞかなしき菅原やふしみの里の秋の夕ぐれ(源俊頼)
994 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:20:40 ID:l2M7Duga
いざここにわが世はへなむみくま野の山のさくらは咲きそめにけり(後鳥羽院)
995 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:23:41 ID:l2M7Duga
いざここにわが世はへなむ久堅のかつらのさとの月のよなよな(後鳥羽院)
996 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:24:17 ID:l2M7Duga
いざここにわが身は老いむあしひきの国上の山の松の下いほ(良寛)
997 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 21:41:09 ID:l2M7Duga
いかならむ三輪の山もと年ふりて過行く秋のくれがたの空(藤原定家)
998 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 22:08:43 ID:l2M7Duga
いつかこの月日を杉のしるしとて我がまつ人を三輪の山もと(藤原定家)
999 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 22:09:19 ID:l2M7Duga
木枯しやいかに待ちみむ三輪の山つれなき杉の雪折れの声(源具親)
1000 :
名無氏物語:2009/03/21(土) 22:09:48 ID:l2M7Duga
しるしなき心の杉をたよりにて思ひぞやりし三輪の山本(宗良親王)
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