1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2009/01/04(日) 17:59:18 ID:ap2wZQJL
3 :
名無氏物語:2009/01/04(日) 17:59:37 ID:ap2wZQJL
4 :
名無氏物語:2009/01/04(日) 18:00:26 ID:ap2wZQJL
5 :
名無氏物語:2009/01/04(日) 18:35:20 ID:OubNswBd
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6 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 14:50:39 ID:K93EL2IK
帰るさをはやいそがなん名にしおふ山の桜は心とむとも(二条為定)
7 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 14:51:20 ID:K93EL2IK
古郷は恋しくとてもみ吉野の花のさかりをいかがみすてん(宗良親王)
8 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:09:35 ID:K93EL2IK
天つ空わが思ふ人かほととぎす雲のはたてに声の聞こゆる(宗良親王)
9 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:09:59 ID:K93EL2IK
おもひやれ木曾の御坂も雲とづる山のこなたの五月雨の頃(宗良親王)
10 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:10:34 ID:K93EL2IK
へだてゆくゐな野の原の夕霧に宿ありとても誰かとふべき(宗良親王)
11 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:11:07 ID:K93EL2IK
いづかたも山のはちかき柴の戸は月みる空やすくなかるらむ(宗良親王)
12 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:24:03 ID:K93EL2IK
年へぬるひなのすまひの秋はあれど月はみやこと思ひだにやれ(後村上天皇)
13 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:24:28 ID:K93EL2IK
いかがせむ月もみやこと光そふ君すみのえの秋のゆかしさ(宗良親王)
14 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:24:56 ID:K93EL2IK
月に君思ひいでけり秋ふかく我をばすての山となげくに(宗良親王)
15 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 15:25:30 ID:K93EL2IK
契りおきしことをばすての山なれどよもさらしなとなほ頼むかな(源俊頼)
16 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:45:33 ID:K93EL2IK
かかる世のためしもいまだ白雪にうづもれやせん園のくれ竹(宗良親王)
17 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:46:26 ID:K93EL2IK
おのづから雪ふみわけて問ひこしも都にちかき山路なりけり(宗良親王)
18 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:47:07 ID:K93EL2IK
雪つもる越のしら山冬ふかし夢にもたれか思ひおこせん(宗良親王)
19 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:47:32 ID:K93EL2IK
山里の年の暮こそあはれなれ人のたてたる門の松かは(宗良親王)
20 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:50:09 ID:K93EL2IK
この暮もとはれむ事はよもぎふの末葉の風の秋のはげしさ(宗良親王)
21 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:50:37 ID:K93EL2IK
ありそ海のうら吹く風もよわれかしいひしままなる波の音かは(宗良親王)
22 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:51:14 ID:K93EL2IK
うきほどはさのみ涙のあらばこそ我が袖ぬらせよその村雨(宗良親王)
23 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 16:51:46 ID:K93EL2IK
北になし南になしてけふいくか富士の麓をめぐりきぬらん(宗良親王)
24 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 18:45:17 ID:K93EL2IK
あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春かまた見ん(宗良親王)
25 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 18:46:22 ID:K93EL2IK
我こそはあらき風をもふせぎしに独りや苔の露はらはまし(宗良親王)
26 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 18:46:52 ID:K93EL2IK
時雨より猶さだめなくふる物はおくるる親の涙なりけり(宗良親王)
27 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 18:47:31 ID:K93EL2IK
いすず川その人なみにかけずともただよふ水のあはれとはみよ(宗良親王)
28 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 21:49:47 ID:CKs7xReq
ケツの穴,女に舐めさせ穴掃除,クソが付いても丁寧に舐め(デリヘル嬢)
29 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:10:46 ID:K93EL2IK
浅緑みじかき草の色ぬれてふるとしもなき庭の春雨(光厳院)
30 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:33:05 ID:K93EL2IK
長閑なるむつきの今日の雨のおとに春の心ぞ深くなりぬる(光厳院)
31 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:33:51 ID:K93EL2IK
花も見ず鳥をもきかぬ雨のうちのこよひの心何ぞ春なる(光厳院)
32 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:34:26 ID:K93EL2IK
夕霞かすみまさるとみるままに雨になりゆく入あひの空(光厳院)
33 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:35:09 ID:K93EL2IK
何事をうれふとなしにのどかなる春の雨夜は物ぞ佗しき(光厳院)
34 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:35:36 ID:K93EL2IK
軒ふかき花のかをりにかすまれてしらみもやらぬ宿の曙(光厳院)
35 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:35:59 ID:K93EL2IK
吹きすぐる梢の風のひとはらひここまで涼しよその夕立(光厳院)
36 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:36:39 ID:K93EL2IK
花もまだき草の籬のあさぼらけ露のけしきに秋は来にけり(光厳院)
37 :
名無氏物語:2009/01/05(月) 23:36:59 ID:K93EL2IK
世の色のあはれはふかくなりゆくよ秋はいくかもいまだあらなくに(光厳院)
38 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:02:42 ID:G5PCr9RW
夕日さす梢の色に秋見えてそともの森にひぐらしの声(光厳院)
39 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:08:10 ID:G5PCr9RW
夜はさむみ嵐の音はせぬにしもかくてや雪のふらんとすらん(光厳院)
40 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:10:39 ID:G5PCr9RW
冬枯の草木の時をあはれとや花をあまねくふれる白雪(光厳院)
41 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:11:22 ID:G5PCr9RW
ひびき残るとほちの鐘はかすかにて霜にうすぎる曙の空(光厳院)
42 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:12:52 ID:G5PCr9RW
おきてみねど霜ふかからし人の声の寒してふ聞くもさむき朝明(光厳院)
43 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:26:35 ID:G5PCr9RW
夜もすがら雪やとおもふ風の音に霜だにふらぬ今朝のさむけさ(光厳院)
44 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:27:04 ID:G5PCr9RW
星きよき木ずゑの嵐雲晴れて軒のみ白きうす雪の夜半(光厳院)
45 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:27:45 ID:G5PCr9RW
雲のゆふべ嵐のこよひふりそめぬ明けなば雪のいくへかも見む(光厳院)
46 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:28:30 ID:G5PCr9RW
うつりにほふ雪の梢の朝日影今こそ花の春はおぼゆれ(光厳院)
47 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 00:30:34 ID:G5PCr9RW
軒の上はうす雪しろしふりはるる空には星のかげきよくして(光厳院)
48 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:51:04 ID:G5PCr9RW
ときは木のその色となき雪の中も松は松なるすがたぞみゆる(光厳院)
49 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:51:26 ID:G5PCr9RW
降りつもる雪の梢にゐる鳥の羽かぜもをしき庭の朝明(光厳院)
50 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:51:59 ID:G5PCr9RW
起きいでぬ閨ながらきく犬のこゑのゆきにおぼゆる雪の朝明(光厳院)
51 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:52:33 ID:G5PCr9RW
年くると世はいそぎたつ今夜しものどかにもののあはれなるかな(光厳院)
52 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:53:31 ID:G5PCr9RW
あすのうさも我が心からかなしきに今夜よ今夜とへやとぞ思ふ(光厳院)
53 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:53:55 ID:G5PCr9RW
里の犬のこゑをきくにも人しれずつつみし道のよはぞ恋しき(光厳院)
54 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 06:54:17 ID:G5PCr9RW
如何になるけさのながめぞこよひ我みるとしもなき夢のなごりに(光厳院)
55 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:09:06 ID:G5PCr9RW
なにぞこのうはの空より吹く風の身にあたるさへ物のかなしき(光厳院)
56 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:09:38 ID:G5PCr9RW
雲の色星のひかりも同じ空の長閑になるやあかつきになる(光厳院)
57 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:10:12 ID:G5PCr9RW
ももしきや庭に見馴れし呉竹のみじかきよこそ猶あはれなれ(光厳院)
58 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:10:33 ID:G5PCr9RW
たびにして妹を恋しみながめをれば都の方に雲たなびけり(光厳院)
59 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:11:21 ID:G5PCr9RW
さ夜ふくる窓の灯つくづくとかげもしづけし我もしづけし(光厳院)
60 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:11:45 ID:G5PCr9RW
心とてよもにうつるよ何ぞこれただ此れむかふともし火のかげ(光厳院)
61 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:12:08 ID:G5PCr9RW
むかひなす心に物やあはれなるあはれにもあらじ灯のかげ(光厳院)
62 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:26:41 ID:G5PCr9RW
ふくる夜の灯のかげをおのづから物のあはれにむかひなしぬる(光厳院)
63 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:27:08 ID:G5PCr9RW
過ぎにし世いまゆくさきと思ひうつる心よいづらともし火の本(光厳院)
64 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 17:27:33 ID:G5PCr9RW
ともし火に我もむかはず灯も我にむかはずおのがまにまに(光厳院)
65 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:22:33 ID:U/B7eaw6
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝[新勅撰])
66 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:23:39 ID:U/B7eaw6
東路や今朝立ちくれば蝉の声たかしの山に今ぞ鳴くなる(藤原仲実[永久百首])
67 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:24:35 ID:U/B7eaw6
夜だにあけばたづねてきかむほととぎす信田の森のかたになくなり(能因法師[後拾遺])
68 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:25:53 ID:U/B7eaw6
世の中は常にもがもな渚こぐ海人の小舟の綱手かなしも(源実朝[新勅撰])
69 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:26:36 ID:U/B7eaw6
山はさけ海はあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも(源実朝[新勅撰])
70 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:27:21 ID:U/B7eaw6
こちふかば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春をわするな(菅原道真[拾遺])
71 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 19:28:09 ID:U/B7eaw6
ながめつるけふは昔になりぬとも軒端の梅はわれを忘るな(式子内親王[新古今])
72 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:53:52 ID:U/B7eaw6
書きつくる跡に光のかかやけば冥き道にも闇ははるらむ(明恵[新勅撰])
73 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:54:45 ID:U/B7eaw6
おのづからいそしの御井やくもるらむ織れる錦を春の山かげ(行意[建保四年内裏百番歌合])
74 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:55:26 ID:U/B7eaw6
山城のときはの杜の夕時雨そめぬみどりに秋ぞ暮れぬる(行意[新勅撰])
75 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:56:42 ID:U/B7eaw6
世の中に麻はあとなくなりにけり心のままのよもぎのみして(北条泰時[新勅撰])
76 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:57:33 ID:U/B7eaw6
たまぼこの道のゆくての春風にたが里しらぬむめの香ぞする(衣笠家良[新勅撰])
77 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:58:15 ID:U/B7eaw6
霧はるる浜名の橋のたえだえにあらはれわたる松のしき浪(藤原定家[最勝四天王院障子和歌])
78 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 20:59:14 ID:U/B7eaw6
たをやめの夜戸出の姿おもほえて眉より青き玉柳かな(藤原俊成[五社百首])
79 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 21:00:10 ID:U/B7eaw6
夜をさむみうら葉かれゆく庭草にさびしかれどもすめる月かな(衣笠家良[宝治百首])
80 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:38:31 ID:U/B7eaw6
しられじな霞にもるる三日月のほのみし人に恋ひわびぬとも(衣笠家良[宝治百首])
81 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:39:29 ID:U/B7eaw6
秋風の露ふく風のくず葛つらしうらめし人の心は(衣笠家良[宝治百首])
82 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:42:47 ID:U/B7eaw6
ながめやる空のただぢもかよふやと伊駒の山に雲なへだてそ(九条道家[洞院摂政家百首])
83 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:51:10 ID:U/B7eaw6
立ちかへりつれなき世ぞとしりながら人の思ひにまた歎くかな(二条良実[続古今])
84 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:52:04 ID:U/B7eaw6
ねをぞなくやよひの花のかれしよりをしへぬ庭のあとをながめて(九条道家[続古今])
85 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:54:16 ID:U/B7eaw6
日暮るればうたふ乙女が声すみてとほき田面に早苗とるなり(藤原隆祐[宝治百首])
86 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:55:17 ID:U/B7eaw6
夕日さす遠山もとの里みえて薄ふきしく野べの秋風(藤原隆祐[風雅])
87 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 22:57:26 ID:U/B7eaw6
とはばやな心よいかにともすればながめられぬる春雨のそら(西園寺実氏[宝治百首])
88 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 23:54:51 ID:U/B7eaw6
かへりこぬむかしをいまとおもひねの夢の枕ににほふ橘(式子内親王[新古今])
89 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 23:56:07 ID:U/B7eaw6
みなと河秋ゆくみづのいろぞこきのこる山なく時雨ふるらし(西園寺実氏[新勅撰])
90 :
名無氏物語:2009/01/06(火) 23:58:46 ID:U/B7eaw6
雪のうちに春はありともつげなくにまづしるものはうぐひすの声(土御門院[続後撰])
91 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 00:00:35 ID:U/B7eaw6
いかにねてみえつる夢の面かげぞさしもゆるさぬ中の契に(西園寺実衡女[新千載])
92 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 00:01:41 ID:hRW7VSPm
なぞもかく我が身にそはぬかげろふのもゆる思ひをむねにしるらむ(土御門院小宰相[宝治百首])
93 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 00:03:00 ID:hRW7VSPm
ふる里のたよりもしらぬあら磯に涙ばかりぞ袖にかけける((土御門院小宰相[遠島御歌合])
94 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 00:08:28 ID:hRW7VSPm
日数さへしののをふぶき立ちかさねあふみち遠き行末の空(源通光[遠島御歌合])
95 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 04:18:38 ID:hRW7VSPm
うつつにや恋ひわたるべき逢ふことはただ宵の間の夢の浮橋(藻壁門院但馬[宝治百首])
96 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 04:20:18 ID:hRW7VSPm
吉野山みねの桜や咲きぬらん麓のさとににほふ春風(藤原忠通[金葉])
97 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 04:21:07 ID:hRW7VSPm
恨みても心づからのおもひかなうつろふ花に春のゆふぐれ(藤原家隆[水無瀬恋十五首歌合])
98 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 04:21:42 ID:hRW7VSPm
波のうへは雨にかすみてながめやる沖の白洲に松ぞ残れる(為子[玉葉])
99 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 04:22:38 ID:hRW7VSPm
いさしらずなるみの浦にひく汐の早くも人はとほざかりにし(藤原為家[続古今])
100 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 04:23:08 ID:hRW7VSPm
追風にまかぢしげぬき行く舟のはやくぞ人は遠ざかりぬる(源貞世[新拾遺])
101 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 11:39:31 ID:fD793MN+
しのぶべき昔はさりな何となく過ぎにし事のなぞあはれなる(光厳院)
102 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 11:39:51 ID:fD793MN+
ただしきをうけつたふべき跡にしもうたてもまよふ敷島の道(光厳院)
103 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 11:42:52 ID:fD793MN+
霜にさゆる月かげさむし里の犬の声ふけすめる冬のさよなか(伏見院)
104 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 11:43:24 ID:fD793MN+
あやしくもながめがちなる夕べかな我が心こそ日ごろにもにぬ(飛鳥井雅有)
105 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 11:43:59 ID:fD793MN+
我ながら物思ふともしらぬ身にあやしくなぞやながめがちなる(直仁親王)
106 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 11:44:26 ID:fD793MN+
はつせ山をのへの鐘のあけがたに花よりしらむ横雲の空(藤原良経)
107 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 12:38:45 ID:fD793MN+
花霞色わかれつるをちかたはかをるばかりに暮なりにけり(藤原為子)
108 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 12:39:25 ID:fD793MN+
ふりよわる折々空のうすひかりさてしもはれぬ五月雨のころ(徽安門院)
109 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 12:40:09 ID:fD793MN+
おもひこし不破の関屋の旅ねかなぬるともよしや夕暮の雨(肖柏)
110 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 12:40:43 ID:fD793MN+
めぐりゆく雲にしたがふ村時雨いく里かけて冬をつぐらん(伏見院)
111 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 12:42:32 ID:fD793MN+
うきながら年ふる中もさすがなるあはれのふしのつもらずはなし(伏見院)
112 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:15:52 ID:fD793MN+
見わたせば秋の夕日のかげはれて色こき山をわたる白鷺(伏見院)
113 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:16:40 ID:fD793MN+
山あらしのあらくすぎつる一とほり花のふぶきに空とぢぬなり(進子内親王)
114 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:17:16 ID:fD793MN+
さえとほる風のうへなる夕づくよあたる光に霜ぞちりくる(藤原定家)
115 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:17:44 ID:fD793MN+
さえとほる霜夜の袖はうすくして月ぞはだへにしむ心ちする(伏見院)
116 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:18:26 ID:fD793MN+
つくづくと見ぬそらまでもかなしきは独りきく夜の軒の春雨(伏見院)
117 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:19:03 ID:fD793MN+
あめつちのひらけしことも春のたつはじめややがてはじめなりけん(覚誉法親王)
118 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:19:53 ID:fD793MN+
ふりはるる空ともみえず山ふかき嵐の木々の雪のしたみち(伏見院)
119 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 13:20:55 ID:fD793MN+
時しらぬ歎きのもとにいかにしてかはらぬ色に花のさくらむ(阿野廉子)
120 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:48:51 ID:fD793MN+
今年こそいとどまたるれ時鳥しでの山路の事やかたると(阿野廉子)
121 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:49:19 ID:fD793MN+
みよし野は見し世にもあらず荒れにけりあだなる花は猶のこれども(阿野廉子)
122 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:49:53 ID:fD793MN+
さびしさもつひのすみかと思ふには心ぞとまる峰の松風(阿野廉子)
123 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:51:15 ID:fD793MN+
九重の玉のうてなも夢なれや苔の下にし君を思へば(阿野廉子)
124 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:53:47 ID:fD793MN+
ひきつれし百のつかさの独だに今はつかへぬ道ぞ悲しき(阿野廉子)
125 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:54:40 ID:fD793MN+
春雨のけふの日ぐらし見るうちに柳しだりて花ぞちかづく(徽安門院一条)
126 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:55:02 ID:fD793MN+
あさがほの花のまがきは明けにけり月に見えつる露もさながら(徽安門院一条)
127 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 16:55:42 ID:fD793MN+
さびしさのながめは明日もかくやあらむ秋と冬との名はかはるとも(徽安門院一条)
128 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:11:15 ID:fD793MN+
さびしさのながめはわきつ夕日さす岡べの松の秋のはつ風(藤原家隆)
129 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:11:50 ID:fD793MN+
けふよりは春とは知りぬ然りとて昨日にかはる事はしもなし(京極為兼)
130 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:12:30 ID:fD793MN+
月影のさしくるおなじ板間より音してもるはむら時雨かも(俊恵)
131 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:13:06 ID:fD793MN+
雪となりしぐれとなりてうき雲のふりもさだめぬ神な月かな(宇都宮景綱)
132 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:13:42 ID:fD793MN+
しられじな霞にもるる三日月のほのみし人にこひわびぬとも(衣笠家良)
133 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:14:41 ID:fD793MN+
春きてや山のかすみの中におつるいもせの川もこほりとくらむ(二条良基)
134 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 18:15:24 ID:fD793MN+
長閑なる春のまつりの花しづめ今年も春におくれざりけり(藤原知家)
135 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:48:00 ID:fD793MN+
おもかげを後しのべとや有明の月をのこして花のちるらん(二条良基)
136 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:48:41 ID:fD793MN+
秋ふかく音さへまさる滝つせにうたてふきそふ峰の松風(徳大寺実定)
137 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:49:11 ID:fD793MN+
秋の夜はわきぞかねつる清滝の波にともなふ峰の松風(明恵)
138 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:49:40 ID:fD793MN+
なくせみの声もひとつにひびききて松かげすずし山の滝つせ(頓阿)
139 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:50:52 ID:fD793MN+
思ひ出でのなきにはなさじ雲の上の月はこころにまかせてぞみる(二条良基)
140 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:51:32 ID:fD793MN+
とまるべき宿はなくして暮れぬとも花野の月になほやゆかまし(二条良基)
141 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:52:10 ID:fD793MN+
ふけぬともあはれをかはす友しあらば残りの月になほや行かまし(三条西実隆)
142 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 19:52:44 ID:fD793MN+
庭のおもは霜の色よりしらみそめてうすくきえゆく有明のかげ(伏見院)
143 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:01:18 ID:fD793MN+
よしの山花をのどかに見ましやはうきがうれしき我が身なりけり(西行)
144 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:02:03 ID:fD793MN+
かへらじとかねて思へば梓弓なき数にいる名をぞとどむる(楠木正行)
145 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:50:38 ID:fD793MN+
風かよふあすかのさとの梅が香にきみがあたりは春ぞすぎうき(二条為重)
146 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:54:08 ID:fD793MN+
すぎぬなりかすむ雲路の春の雁きえゆくほどを面影にして(二条為重)
147 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:54:36 ID:fD793MN+
ちりつもる花のみなわを堰きかけて桜にむせぶ春の山川(二条為重)
148 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:55:06 ID:fD793MN+
うづもれぬ波もひとつに白妙のふぢえのうらの雪の明ぼの(頓阿)
149 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:55:44 ID:fD793MN+
春きぬとたつやかすみも猶さえて雪にあけゆく山のはの雲(宇都宮景綱)
150 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:56:12 ID:fD793MN+
さびしさは思ひしままの宿ながら猶ききわぶる軒の松風(頓阿)
151 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:56:39 ID:fD793MN+
大空の星のくらゐもひとつにて君をぞまもる七の神垣(頓阿)
152 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 20:57:25 ID:fD793MN+
神まつる今日ぞ吹きける朝東風のたより待ちつる旅の船出は(今川了俊)
153 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:06:31 ID:fD793MN+
勝つことは千里のほかにあらはれぬ浦吹く風のしるべ待ちえて(今川了俊)
154 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:07:06 ID:fD793MN+
世にすまば実にかくもがなつれなくて残るを惜しむ有明の月(今川了俊)
155 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:12:02 ID:fD793MN+
世にすまばめぐりあふべき月だにもあかぬなごりは有明の空(寂然)
156 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:13:13 ID:fD793MN+
草ふかみみえぬ野沢の埋水ありとやここにとぶ蛍かな(頓阿)
157 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:14:01 ID:fD793MN+
行末を思ふもひさし君が代はいはねの山の峰の若松(藤原俊成)
158 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:20:05 ID:fD793MN+
九重にいまもますみの鏡こそなほ世をてらす光なりけれ(後村上天皇)
159 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:20:56 ID:fD793MN+
しるやいかによを秋風の吹くからに露もとまらぬわが心かな(懐良親王)
160 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:21:42 ID:fD793MN+
草も木もなびくとぞ聞くこの比のよを秋かぜとなげかざらなん(宗良親王)
161 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:22:51 ID:fD793MN+
いすず川たのむ心しふかければあまてる神ぞ空にしるらむ(後鳥羽院)
162 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:23:53 ID:fD793MN+
わすれめや神のいがきの榊葉にゆふかけそへし雪の曙(祥子内親王)
163 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:24:56 ID:fD793MN+
白雪のなほかきくらしふるさとの吉野のおくも春はきにけり(嘉喜門院)
164 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:25:28 ID:fD793MN+
雪きゆる沢べの水のあさ風になびくほどなき春のわか草(嘉喜門院)
165 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:32:32 ID:fD793MN+
心をば色にも香にも染めはてつ軒ばの梅にありあけの月(嘉喜門院)
166 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:34:44 ID:fD793MN+
山たかみ空にのみして吹く風のめに見ぬかたに行く時雨かな(二条為藤)
167 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:35:34 ID:fD793MN+
わけゆけばはや声たてて夕づく日さすや岡べの松虫ぞなく(嘉喜門院)
168 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:36:10 ID:fD793MN+
かひなしや人の気はひもたえけれど声きくまでの中河の宿(嘉喜門院)
169 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:38:56 ID:fD793MN+
さびしさはまだなれざりし昔にて松のあらしにすむ心かな(嘉喜門院)
170 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:39:30 ID:fD793MN+
山ふかみひとりながめてさびしきは日もくれわたる岨のかけはし(嘉喜門院)
171 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:40:36 ID:fD793MN+
身をかくす人もこそあれ雲ふかき山のおくまで尋ねてぞ見ん(嘉喜門院)
172 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:41:21 ID:fD793MN+
つらかりしやよひの夜半の涙より袖にや月のかすみそめけん(新宣陽門院)
173 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:42:13 ID:fD793MN+
あま小船のりしる人はさきだちつ苦しき海を誰かわたさん(花山院家賢)
174 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 21:46:10 ID:fD793MN+
いとせめて老いぬる身こそ悲しけれこの別れぢをかぎりとおもへば(花山院長親母)
175 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 22:36:44 ID:fD793MN+
さき匂ふ花も時ある萩の戸の昔にかへる朝まつりごと(花山院師兼)
176 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:38:34 ID:fD793MN+
わきて猶あはれやそはむ大空におなじながめの夕べと思はば(花山院師兼)
177 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:39:19 ID:fD793MN+
きみがあたりわきてと思ふ時しもあれそこはかとなき夕暮の空(藤原良経)
178 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:39:48 ID:fD793MN+
さても我たれにゆづりて故郷の真木の柱に立ち別れけん(花山院師兼)
179 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:41:10 ID:fD793MN+
紫の袖をつらねし面影のかすみもいくへ今日の初春(崇光院)
180 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:42:52 ID:fD793MN+
なほさゆるおなじ雪げの空の雲たたまくをしき春がすみかな(藤原雅経)
181 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:43:34 ID:fD793MN+
あやめ草ぬれぬれふきし雫よりたえせぬ軒の雨そそきかな(鴨長明)
182 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:47:44 ID:CVoMAdn4
瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあわむとぞ思ふ
(崇徳院)
183 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:51:04 ID:fD793MN+
わが宿とたのまずながら吉野山花になれぬる春もいくとせ(長慶院)
184 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:51:34 ID:fD793MN+
をさまらぬ世の人ごとのしげければ桜かざしてくらす日もなし(長慶院)
185 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:51:57 ID:fD793MN+
をぐら山みねの朝霧たちならし思ひつきせぬさをしかのこゑ(長慶院)
186 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:52:37 ID:fD793MN+
むすぶ手のしづくぞかをる白菊の花の露そふ谷のしたみづ(長慶院)
187 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:53:08 ID:fD793MN+
みよし野は風さえくれて雲まよりみゆる高嶺に雪はふりつつ(長慶院)
188 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:53:33 ID:fD793MN+
白菊の色も匂ひもうつるらん花の露そふ谷川のみづ(花山院師兼)
189 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:54:05 ID:fD793MN+
山たかみ見つつ越えゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶院)
190 :
名無氏物語:2009/01/07(水) 23:54:32 ID:fD793MN+
あつめては国の光と成りやせんわが窓てらす夜はの蛍は(長慶院)
191 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:50:29 ID:J8Zc1gR2
ふりまさる音につけても恋しきは昔の人や雨となりけむ(長慶院)
192 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:51:04 ID:J8Zc1gR2
いかにせんしぐれてわたる冬の日のみじかき心くもりやすさを(長慶院)
193 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:53:53 ID:J8Zc1gR2
思ひつつぬれば見し世にかへるなり夢路やいつも昔なるらん(長慶院)
194 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:54:21 ID:J8Zc1gR2
いにしへにはやたちかへれ水無瀬川ふかき心のすゑの白浪(長慶院)
195 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:57:15 ID:J8Zc1gR2
みよし野の滝のしら玉数そひてかつちる花にはる風ぞふく(後亀山院)
196 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:57:55 ID:J8Zc1gR2
さだめなき浮世を風にながむればかつ散る花にやどる白露(藤原家隆)
197 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 06:59:23 ID:J8Zc1gR2
なりはひにたのむ所や多からん日をへてつきずとる早苗かな(後亀山院)
198 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:43:30 ID:J8Zc1gR2
さだめなくかはるならひのうき世ともしらずがほなる月のかげかな(公順)
199 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:49:15 ID:J8Zc1gR2
山里もかくやは思ふさびしさの心にかなふ秋の夕ぐれ(二条為遠)
200 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:51:46 ID:J8Zc1gR2
ふるさとの八本の桜おもひ出でよ我がみし春は昔なりとも(花山院長親)
201 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:52:55 ID:J8Zc1gR2
しら河の花も我をば思ひ出でよいづれの年の春かみざりし(俊恵)
202 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:53:26 ID:J8Zc1gR2
うゑたてしまろが桜も哀なりともに老木の春はいつまで(耕雲)
203 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:54:15 ID:J8Zc1gR2
うつしうゑてともに老木の桜花なれも昔の春や恋しき(太田道灌)
204 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 13:54:51 ID:J8Zc1gR2
老の世の外なる春をたづねばやわが身ひとつかおぼろ夜の月(耕雲)
205 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:31:19 ID:J8Zc1gR2
人もまたかくやはなげくかなしさはわが身ひとつか秋の夕ぐれ(二条為世)
206 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:32:42 ID:J8Zc1gR2
み吉野の山ほととぎす今しはや都に出づる声きこゆなり(花山院長親)
207 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:33:33 ID:J8Zc1gR2
みよし野の山ほととぎす鳴くまでと花みし人をとめやおかまし(宗良親王)
208 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:34:10 ID:J8Zc1gR2
茂りあふ桜がしたの夕すずみ春はうかりし風ぞまたるる(花山院長親)
209 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:35:09 ID:J8Zc1gR2
風をまつ桜が下の夕すずみ花の時よりめづらしきかな(宗良親王)
210 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:36:00 ID:J8Zc1gR2
夏ふかき桜がしたに水せきて心のほどを風にみえぬる(藤原定家)
211 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 16:37:24 ID:J8Zc1gR2
私語のつくべき秋の一夜かは七夕ばかりうき中はなし(耕雲)
212 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 19:11:54 ID:KQey2IMl
年賀状に書ける和歌あるかい?
213 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 20:23:58 ID:KQey2IMl
あと彼女に送る和歌あるかい?
214 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:01:47 ID:J8Zc1gR2
暁の空にや秋のつきぬらん時雨にきほふ鐘の声々(耕雲)
215 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:03:05 ID:J8Zc1gR2
詠むれば涙ももろし神無月時雨にきほふ木の葉のみかは(藤原家隆)
216 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:03:34 ID:J8Zc1gR2
をはつ瀬や桜にまじるひばらまで花さきつづく雪の朝あけ(耕雲)
217 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:04:17 ID:J8Zc1gR2
なげきつつひとりやさねん葦辺ゆく鴨のはがひも霜さゆる夜に(花山院長親)
218 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:05:10 ID:J8Zc1gR2
親の親のためしをみつる我が身かな君の君なる代につかふとて(花山院長親)
219 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:05:22 ID:KQey2IMl
申し訳ないのですが意味も教えてください。
220 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:09:11 ID:J8Zc1gR2
みとせまでほさぬ涙の藤衣こは又いかにそむる袂ぞ(花山院長親)
221 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 22:16:35 ID:J8Zc1gR2
み吉野やわが山ぶみぞ年へぬるうき世をいづる道はしらねど(耕雲)
222 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:07:04 ID:J8Zc1gR2
峰たかくわが身をおきて月よりも人にまたるる光はなたむ(花山院長親)
223 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:08:14 ID:J8Zc1gR2
西へ行く道より外はいまの世に憂世をいづるかどやなからん(頓阿)
224 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:10:32 ID:J8Zc1gR2
遠近の入相の声のうちおもりのどけき空ぞ雨になりぬる(冷泉為尹)
225 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:12:54 ID:J8Zc1gR2
春さめの夕ぐれしほる花のうへにひびきもおもき入相のかね(伏見院)
226 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:13:33 ID:J8Zc1gR2
ながめやる野べのかすみのおち草に声かすかなる夕ひばりかな(安嘉門院四条)
227 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:14:04 ID:J8Zc1gR2
花見つつことたりぬべき夕暮に月もむかひの岡のべの里(冷泉為尹)
228 :
名無氏物語:2009/01/08(木) 23:14:56 ID:J8Zc1gR2
枝はみな枝にかかりて咲きおもり庭にうづまぬ花の白雪(冷泉為尹)
229 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:38:24 ID:A5s/4Hi5
むかしとて遠くはゆかぬ夢なれや匂にさむる風のたち花(冷泉為尹)
230 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:42:40 ID:A5s/4Hi5
有明の月のほそみちほのぼのと小野よりいづるさをしかの声(冷泉為尹)
231 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:44:08 ID:A5s/4Hi5
年の暮さもいそがしとあふ人のただ一言に行きわかれぬる(冷泉為尹)
232 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:45:09 ID:A5s/4Hi5
いとけなきそのかたらひになぐさみぬつらきゆくへの中河の宿(冷泉為尹)
233 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:45:55 ID:A5s/4Hi5
雲の浪八重たつ方のおくの海も今あらはるる朝なぎの空(冷泉為尹)
234 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:46:27 ID:A5s/4Hi5
雲の浪霞のなみにまがへつつ吉野の花の奥をみぬかな(藤原定家)
235 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 09:47:20 ID:A5s/4Hi5
おもひでの心にとまる数なれやうす雪ふりて明ぼのの空(冷泉為尹)
236 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 19:51:46 ID:Xsakf8Rm
なだかくも夢にふごいてう里への彼方ほ思ふさだよせんきぬなり
(氷漸海蘊)
237 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 21:09:39 ID:WD2jwvqW
238 :
名無氏物語:2009/01/09(金) 23:38:49 ID:ENo0aK7h
池沼の相手すんなよ
239 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:17:14 ID:77OT4OLX
あまの河雲のしがらみたえにけり花ちりつもるを初瀬の山(大江匡房)
240 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:19:33 ID:77OT4OLX
しぐれつつくれてきのふの秋篠やと山の雲のうつりやすさよ(後小松院)
241 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:20:50 ID:77OT4OLX
ひと夜かす野上の里の草枕むすびすてける人の契を(藤原定家)
242 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:21:20 ID:77OT4OLX
葦の芽と見えしかたちをはじめにて国つ社の神のかしこさ(後小松院)
243 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:21:52 ID:77OT4OLX
あしかびの顕れ出でし昔より神をば君もあふぎそめてき(藤原顕輔)
244 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:22:14 ID:77OT4OLX
いまは身の年も五十鈴の川浪を千たび百たびわたらへの神(足利義満)
245 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 00:22:42 ID:77OT4OLX
さくとみし花の梢はほのかにて霞ぞにほふ夕暮の空(藤原定家)
246 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:16:16 ID:77OT4OLX
真榊のみどりの色にかすむなり神路の山のあけぼのの空(後花園院)
247 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:17:04 ID:77OT4OLX
思ひそめしあけぼのよりも桜花心うつろふ夕ばえの色(後崇光院)
248 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:17:35 ID:77OT4OLX
かすめるを月やあらぬとうらむれば我が身一つの涙なりけり(後崇光院)
249 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:18:29 ID:77OT4OLX
今よりや伏見の花になれてみん都の春も思ひわすれて(後崇光院)
250 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:19:00 ID:77OT4OLX
根にかへるなごりをみせて木のもとに花の香うすき春のくれがた(後崇光院)
251 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:19:33 ID:77OT4OLX
かすめただおぼろ月夜の別れだにおし明がたの春の名残に(後崇光院)
252 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:20:31 ID:77OT4OLX
かすめただ月もいまはの有明よ弥生の空のわすれがたみに(後崇光院)
253 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 01:21:38 ID:77OT4OLX
霞めただ弥生の末の有明よそをだに春の忘れがたみに(栄仁親王)
254 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:23:23 ID:77OT4OLX
袖の香を花たちばなに残してもわが昔には思ひ出でもなし(後崇光院)
255 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:24:07 ID:77OT4OLX
あし火たく影は消えゆく浦風にのこるひかりや蛍なるらん(後崇光院)
256 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:24:40 ID:77OT4OLX
浦つたふなにはのみつのはま風に消えぬあし火やほたるなるらん(宇都宮景綱)
257 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:25:06 ID:gfv5pOhW
露しげき野上の里のかり枕しほれていづる袖のわかれ路(冷泉為秀「新拾遺集」)
258 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:25:16 ID:77OT4OLX
秋風やさてもとはまし草の原露の旅寝におもひきえなば(後崇光院)
259 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:25:51 ID:77OT4OLX
明がたはなれもや月をおもひいるみ山に鹿の声かへるなり(後崇光院)
260 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:26:37 ID:77OT4OLX
心なき草木の色もしをるらしなべて浮世を秋の嵐に(後崇光院)
261 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:27:02 ID:77OT4OLX
なが月やすゑ葉の荻もうちしをれあはれをくだく雨のおとかな(後崇光院)
262 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:34:14 ID:77OT4OLX
冬はまだあさけの空もみし秋の面影ながらうち時雨れける(後崇光院)
263 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:34:48 ID:77OT4OLX
さくら花をしみし暮もまだちかき面かげながら時雨する冬(藤原定家)
264 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:35:53 ID:77OT4OLX
日影さす木の下しろき朝霜の消えゆくかたは落葉にぞなる(後崇光院)
265 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 02:37:05 ID:77OT4OLX
身を秋のちぎりかれゆく道芝をわけこし露ぞ袖にのこれる(後崇光院)
266 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 04:20:14 ID:U800COoy
やる前から敗けること考える馬鹿いるかオイッ!
(アントニオ猪之木)
267 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 09:51:01 ID:77OT4OLX
いづかたに月はかたみをとどむらん涙をわくる袖の別れに(後崇光院)
268 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 09:57:19 ID:77OT4OLX
面影はみし夜のままのうつつにてちぎりはたゆる夢のうき橋(後崇光院)
269 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 09:57:47 ID:77OT4OLX
恋ひわたるとだえばかりはうつつにてみるもはかなき夢のうき橋(藤原忠良)
270 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 09:58:28 ID:77OT4OLX
かたみとて見るもなみだの玉匣あくるわかれの有明の月(後崇光院)
271 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 09:59:34 ID:77OT4OLX
やどれ月衣手おもし旅枕たつや後瀬の山のしづくに(藤原定家)
272 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:24:31 ID:77OT4OLX
橘にむかしの風は残れども身はふる里にとふ人もなし(後崇光院)
273 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:25:08 ID:77OT4OLX
伏見山昔のあとにすむならばみしよにかへれ宿の月影(後崇光院)
274 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:25:43 ID:77OT4OLX
はなもみぢ見し春秋の夢ならでうきこと忍ぶ思ひ出でぞなき(後崇光院)
275 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:26:32 ID:77OT4OLX
おしなべて霞みにけりな海山もみなわが国と春やたつらん(正徹)
276 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:27:11 ID:77OT4OLX
春来てはまづ咲く花の都ぞと思ひなしにも空ぞのどけき(正徹)
277 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:28:00 ID:77OT4OLX
風やしるいづくにさける梅ならんただ香ばかりの春のよの闇(正徹)
278 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:28:47 ID:77OT4OLX
天の原春のみどりの色にすむ月の光はかすむともなし(正徹)
279 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 10:29:58 ID:77OT4OLX
春の夜にくもると見つつまどろめば夢ぢかすめる在明の月(正徹)
280 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:29:47 ID:77OT4OLX
いくさとの花鳥の音もかすむ日の光のうちに籠る春かな(正徹)
281 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:30:10 ID:77OT4OLX
夕まぐれ野がひの牛は歩みきてかすめる道に逢ふ人もなし(正徹)
282 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:30:38 ID:77OT4OLX
山おろし初瀬の霞吹きまよひこもりもはてぬ花の色々(正徹)
283 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:31:09 ID:77OT4OLX
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風(正徹)
284 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:31:44 ID:77OT4OLX
おくれ猶まだ花の香もとどまらぬ山路暮れ行く袖の月影(正徹)
285 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:32:08 ID:77OT4OLX
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな(正徹)
286 :
名無氏物語:2009/01/10(土) 11:32:38 ID:77OT4OLX
山風の松に木ぶかき音はして花の香くらき明ぼのの雨(正徹)
287 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:47:02 ID:X4boyNlx
高ねこす木のまの夕日影消えて桜にかへる花の色かな(正徹)
288 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:49:43 ID:X4boyNlx
まぎるべき風さへふかで散りかかる花の音きく窓のうちかな(正徹)
289 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:50:17 ID:X4boyNlx
咲けばちる夜のまの花の夢のうちにやがてまぎれぬ嶺の白雲(正徹)
290 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:51:03 ID:X4boyNlx
さくら花ちりかひかくす高ねより嵐をこえていづる月かげ(正徹)
291 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:52:06 ID:X4boyNlx
山ざくら苔の莚にちりぞしく夢はふたたびかへる枕を(正徹)
292 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:52:36 ID:X4boyNlx
つれなくて有明過ぎぬ郭公この三か月にきえし一こゑ(正徹)
293 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 00:53:14 ID:X4boyNlx
光もて卯月の月のしらがさねかさねようすし夜はのさ衣(正徹)
294 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:07:41 ID:o8yCwtuK
すぎきにし四そぢの春の夢のよはうきよりほかの思ひ出でぞなき(覚審法師「千載集」)
295 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:20:48 ID:X4boyNlx
涼しさはま清水あさみさざれ石もながるる月の有明のこゑ(正徹)
296 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:21:20 ID:X4boyNlx
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに(正徹)
297 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:21:43 ID:X4boyNlx
小百合葉のしられぬし水くみたえて野中の草を結ぶ山風(正徹)
298 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:23:15 ID:X4boyNlx
風さそふ花橘をそらにしておほふも雲の袖の香やせん(正徹)
299 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:23:52 ID:X4boyNlx
樗さく雲一村のきえしよりむらさき野ゆく風ぞ色こき(正徹)
300 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:24:55 ID:o8yCwtuK
かたみとや袖のわかれにとどめけん涙にうかぶありあけの月(真昭法師「続古今集」)
301 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:25:27 ID:X4boyNlx
五月雨はむら雲いでてくらき夜の北にながるる星のかげかな(正徹)
302 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:25:59 ID:X4boyNlx
吹きしをり野分をならす夕立の風の上なる雲よ木の葉よ(正徹)
303 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:37:41 ID:X4boyNlx
草も木もぬれて色こき山なれや見しより近き夕立のあと(正徹)
304 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:39:19 ID:X4boyNlx
山づたひ夕立うつる風さきに木の葉も鳥もふかれてぞ行く(正徹)
305 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:39:42 ID:o8yCwtuK
あかつきの涙ばかりをかたみにて別るる袖にしたふ月かげ(土御門院「続後撰集」)
306 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:39:46 ID:X4boyNlx
時のまに明くるは五月さまざまに見えてのこらぬ夢は秋の夜(正徹)
307 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:40:10 ID:X4boyNlx
学びえよこひねがはしきみな月の風のすがたを大和ことのは(正徹)
308 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:41:59 ID:X4boyNlx
沖つ風西ふく浪ぞ音かはる海の宮古も秋やたつらん(正徹)
309 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:42:13 ID:o8yCwtuK
きぬぎぬの袂にわけし月かげはたが涙にかやどりはつらん(藤原信実「続古今集」)
310 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:42:30 ID:X4boyNlx
友ぞなき四十余のこの山に初風なれし秋もわすれず(正徹)
311 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:44:31 ID:X4boyNlx
みるままにむなしき空の秋の風さはる声なき雲ぞ身にしむ(正徹)
312 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:44:48 ID:o8yCwtuK
かよひこし宿の道柴かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ(俊成卿女「新古今集」)
313 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:45:02 ID:X4boyNlx
秋草の露とこたふる風もなしただしら玉をみがく月かげ(正徹)
314 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 01:47:02 ID:o8yCwtuK
身を秋のわがよやいたくふけぬらん月をのみやはまつとなけれど(飛鳥井雅経「新古今集」)
315 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:02:33 ID:2HecsDC3
虫といひ蜥蜴といふも世の中のひとのこころのほかのものかは(未発刊「現代短歌集」)
316 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:41:49 ID:X4boyNlx
露霜にあへずかれ行く秋草の糸よりよわき虫のこゑかな(正徹)
317 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:42:20 ID:X4boyNlx
すみのぼる心にすめる月をみて月をわするる秋のさ夜中(正徹)
318 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:42:56 ID:X4boyNlx
にほの海の霧ふきたつる程ばかり月に見えたる秋のしほかぜ(正徹)
319 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:44:29 ID:X4boyNlx
窓の月にいとまありともむかはめやおのれにくらき文字の関守(正徹)
320 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:45:03 ID:X4boyNlx
むかしよりいく世の人かあかずしてながめすてけん故郷の月(正徹)
321 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 02:45:42 ID:X4boyNlx
しろたへの色とも見えず朝ぼらけ音ゆく水のあやの河霧(正徹)
322 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 07:10:38 ID:+zx6iHPq
まいたけの匂ひとともにひりかせぬぷろれす馬鹿も今はは人
(剛竜馬)
323 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:07:34 ID:X4boyNlx
夕暮はそれしもかなし秋の色のかくれかねたる山のうす霧(正徹)
324 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:09:53 ID:X4boyNlx
うしとてもよもいとはれじわが身世にあらむ限の秋の夕暮(正徹)
325 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:10:48 ID:X4boyNlx
うかびきぬうきを心にかさぬれば去年の夕の秋の面かげ(正徹)
326 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:11:12 ID:X4boyNlx
身のうさも今いくほどとなぐさめて思ひすつれば秋の夕ぐれ(正徹)
327 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:11:42 ID:X4boyNlx
さそふともいなばにさむき初霜よからずは何の夢の秋かぜ(正徹)
328 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:12:08 ID:X4boyNlx
友ぞなきさらむ此世も生れしもよしや独と月をのみみて(正徹)
329 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 15:12:37 ID:X4boyNlx
すみのぼる心にすめる月をみて月をわするる秋のさ夜中(正徹)
330 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 19:15:17 ID:v5XpCUF+
何この糞スレ
331 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:11:28 ID:X4boyNlx
にほの海の霧ふきたつる程ばかり月に見えたる秋のしほかぜ(正徹)
332 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:12:23 ID:X4boyNlx
白玉かなにぞととへば萩のうへの影はこたへずふるさとの月(正徹)
333 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:12:55 ID:X4boyNlx
水無川秋のかたみをおきの海に開きうつろはぬしら菊の花(正徹)
334 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:13:17 ID:X4boyNlx
秋やときはじめは雨をしぐれとも思はぬ月のはれくもり行く(正徹)
335 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:13:39 ID:X4boyNlx
したふとや翅はやめて行く秋のみねの入日にくもる雁がね(正徹)
336 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:14:09 ID:X4boyNlx
まどろまでさ夜もはるかに竹のはの霜にさえたる風の音かな(正徹)
337 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 21:14:46 ID:X4boyNlx
嵐ふく空は木の葉の村立にこの比雲のゆききをも見ず(正徹)
338 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:22:42 ID:X4boyNlx
山嵐峰の白雲ふきまぜてくれなゐうすく行くもみぢかな(正徹)
339 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:23:15 ID:X4boyNlx
風きけば峰の木の葉の中空に吹きすてられて落つるこゑごゑ(正徹)
340 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:23:44 ID:X4boyNlx
月のうちにひびきのぼると思ふまで霜夜の鐘に影ぞさえ行く(正徹)
341 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:26:43 ID:X4boyNlx
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯(正徹)
342 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:27:03 ID:X4boyNlx
やきはつるまきの炭がまぬりこめて煙たえ行く山のさびしさ(正徹)
343 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:27:25 ID:X4boyNlx
風まぜにあらく落ちしはしづまりてこまかにつもる庭の白雪(正徹)
344 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:27:49 ID:X4boyNlx
梢もる入日の影は消えながらゆふぐれとほきみねのしら雪(正徹)
345 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 22:28:23 ID:X4boyNlx
わたりかね雲も夕を猶たどる跡なき雪の嶺のかけはし(正徹)
346 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:05:37 ID:X4boyNlx
時雨までくもりてふかくみし山の雪におくなき木々の下折(正徹)
347 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:06:03 ID:X4boyNlx
しら鷺の雲ゐはるかに飛びきえておのが羽こぼす雪のあけぼの(正徹)
348 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:06:29 ID:X4boyNlx
くる人のむかふふぶきに物いはで雪ふむ音のさゆる道のべ(正徹)
349 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:34:40 ID:X4boyNlx
黒髪もさやけかりきやたく櫛のほかげにみえし夜はの乙女子(正徹)
350 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:35:05 ID:X4boyNlx
しらざりき緑の空にあふぎても遠きを冬といへる心を(正徹)
351 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:35:38 ID:X4boyNlx
となふてふ三世の仏の道はあれどくる春もなくさる年もなし(正徹)
352 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:36:04 ID:X4boyNlx
くるるまの花のおもかげ身にそはばねても別れじ春のよの夢(正徹)
353 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:36:30 ID:X4boyNlx
ゆふしでも我になびかぬ露ぞちるたがねぎごとの末の秋風(正徹)
354 :
名無氏物語:2009/01/11(日) 23:36:54 ID:X4boyNlx
宿りかる一村雨を契にて行くへもしほる袖の別路(正徹)
355 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 00:04:54 ID:qhWJM8Cy
々のちかきかたみはねし床の涙もいまだあたたかにして(正徹)
356 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 00:07:54 ID:qhWJM8Cy
ゆきて我が心のおくをかたらばやたとへばえぞが千島なりとも(正徹)
357 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 00:23:01 ID:qhWJM8Cy
おもひねの夢路を遠み覚めゆけば分けこしむねにさわぐささはら(正徹)
358 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 00:30:06 ID:f8l8U8Ua
八十神も役ち守らひ山川も依りて仕ふるいでましの道(大熊弁玉)
359 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 14:41:06 ID:qhWJM8Cy
よりあはん契とまではかけざりきまだあげまきの年の思ひを(正徹)
360 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 14:44:23 ID:qhWJM8Cy
夕ま暮それかと見えし面影も霞むぞかたみ在明の月(正徹)
361 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 14:44:47 ID:qhWJM8Cy
二たびの名残もかなしおき出でて別ると見しは夢に別れて(正徹)
362 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 14:45:18 ID:qhWJM8Cy
しののめの道のべ遠く行きつれて衣々よりもうき別かな(正徹)
363 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 14:45:39 ID:qhWJM8Cy
花の香もうつろふ月の手枕に覚めざらましの春のよの夢(正徹)
364 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:13:02 ID:f8l8U8Ua
枝かはし五十の駅の並松も天の御蔭とみゆき仕へり(大熊弁玉)
365 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:25:41 ID:qhWJM8Cy
わたつ海の雲のはたてに消えかへる心よせなむ遠の夕浪(正徹)
366 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:27:40 ID:qhWJM8Cy
身にぞしむむなしき雲の塵ばかりはらふたよりの床のあき風(正徹)
367 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:28:48 ID:qhWJM8Cy
はらへ風ゆるさぬ中のゆかりうきははその森のあらき言の葉(正徹)
368 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:29:33 ID:qhWJM8Cy
人ぞうき待つと別の二道にうらみられても月ぞ残れる(正徹)
369 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:30:44 ID:qhWJM8Cy
おくれ風花さくら戸のやすらひに出で行く袖のあかぬ匂を(正徹)
370 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:33:42 ID:qhWJM8Cy
人心うつろふ花に遠ざかるうき身や風の姿なるらん(正徹)
371 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:56:37 ID:qhWJM8Cy
哀にも鳥のしづまる林かな夕とどろきの里はのこりて(正徹)
372 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 15:57:09 ID:qhWJM8Cy
むら雨のふる江をよそに飛ぶさぎの跡まで白きおもだかの花(正徹)
373 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:29:27 ID:qhWJM8Cy
月くもる千里しづかに音もせず明くるさかひや人もまどろむ(正徹)
374 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:30:02 ID:qhWJM8Cy
おもひ入る心の色も暮ごとに遠ざかるなり山はうごかで(正徹)
375 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:30:40 ID:qhWJM8Cy
住みすててのこる庵もかたぶきぬかり田さびしき四方の嵐に(正徹)
376 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:31:05 ID:qhWJM8Cy
物毎に心をとめし山里の岩木もしるや人のはかなさ(正徹)
377 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:31:33 ID:qhWJM8Cy
ひとり立つ波やのどけき世の中をはなれ小島の松の心は(正徹)
378 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:31:57 ID:qhWJM8Cy
あふげとてむなしき空にさす指をまもりて月をみる人もなし(正徹)
379 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:32:29 ID:qhWJM8Cy
こゑぞせぬ三世の仏の名をとへばたれぞ心のおくにこたふる(正徹)
380 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 17:32:56 ID:qhWJM8Cy
かつみゆる月にこの手をあはせても先づ立ちむかへ出づる山のは(正徹)
381 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 19:40:04 ID:qhWJM8Cy
中空の月まちえてぞ四方の人匂へる花の光をもみる(正徹)
382 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 19:41:23 ID:qhWJM8Cy
おもひつつかたりいださぬ古をひとりしのぶとしる人もなし(正徹)
383 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 19:43:19 ID:qhWJM8Cy
ことのはをえらぶ数にはいらず共只かばかりを哀ともみよ(正徹)
384 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 19:43:54 ID:qhWJM8Cy
世々を見し夢の面影たつちりのいそぢの床をはらふ松かぜ(正徹)
385 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 19:44:37 ID:qhWJM8Cy
あととめてさむるか夢の中空に孤の雲の残るをぞ見る(正徹)
386 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 21:01:31 ID:qhWJM8Cy
くもりなきただ大空にむかひても君を八千代と祈るばかりぞ(正徹)
387 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 21:03:07 ID:qhWJM8Cy
天の河春行く水のあはゆきやおちても袖にきえんとすらん(飛鳥井雅世)
388 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 21:03:51 ID:qhWJM8Cy
春をへてなほ分け入らむ山桜わがことのはの花にあふまで(飛鳥井雅世)
389 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 21:04:26 ID:qhWJM8Cy
おなじくはなほわけいらむ吉野山おくにも花の色をのこさで(宇都宮景綱)
390 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 21:05:03 ID:qhWJM8Cy
山風の限りのみかはちるを惜しみ暮るるをしたふ花の木かげは(飛鳥井雅世)
391 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:48:47 ID:qhWJM8Cy
初瀬山檜原の嵐うづもれて入相の鐘にかかる白雲(飛鳥井雅世)
392 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:49:32 ID:qhWJM8Cy
立ちのぼる霧より下のまがきより又あらはるる庭のもみぢ葉(飛鳥井雅世)
393 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:50:17 ID:qhWJM8Cy
心のみなほひく琴の緒をよわみ音にたてわぶる身とはしりきや(飛鳥井雅世)
394 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:50:44 ID:qhWJM8Cy
いとせめて我が手枕の玉ゆらも見る夜をしたふ夢の契ぞ(飛鳥井雅世)
395 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:51:40 ID:qhWJM8Cy
けふいくか花にやどりを契りきぬ春はさながら旅ごこちして(堯孝)
396 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:52:15 ID:qhWJM8Cy
分けゆかむ花にあけのの俤もかすみに残るしののめの道(堯孝)
397 :
名無氏物語:2009/01/12(月) 22:52:46 ID:qhWJM8Cy
帰るかり霞みていぬる山のはにおもかげのこるしののめの月(藤原行能)
398 :
名無氏物語:2009/01/13(火) 00:58:27 ID:ezoQCJWA
399 :
名無氏物語:2009/01/13(火) 08:01:58 ID:7AHRYfob
しののめや外山のかすみほのぼのと花の色にぞあけうつりゆく(伏見院)
400 :
名無氏物語:2009/01/13(火) 08:02:50 ID:7AHRYfob
月影になべてまさごの照りぬれば夏の夜ふれる霜かとぞみる(大江千里)
401 :
名無氏物語:2009/01/13(火) 08:06:01 ID:7AHRYfob
峰に生ふる松吹きこしていなば山月の桂にかへる秋風(堯孝)
402 :
名無氏物語:2009/01/13(火) 08:07:18 ID:7AHRYfob
吹きにけりむべも嵐とゆふ霜もあへずみだるる野べのあさぢふ(堯孝)
403 :
名無氏物語:2009/01/13(火) 23:59:31 ID:xucPd9el
404 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 01:37:54 ID:G+1wRNBq
ふるほどは小野のあさぢふあさけれどあまりてつもる峰の初雪(木下長嘯子)
405 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 01:38:24 ID:G+1wRNBq
峰たかみ雪のひかりも月影もおなじ雲間に明ぼのの空(堯孝)
406 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 01:39:03 ID:G+1wRNBq
月はいまくもりはてぬとながむれば雪のひかりも有明の空(藤原雅経)
407 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 01:40:04 ID:G+1wRNBq
あくるよの雲にふもとはうづもれて空にぞつもる嶺のしら雪(堯孝)
408 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 01:40:31 ID:G+1wRNBq
みよし野や明けゆく雪の山のはに面影残る月の色かな(堯孝)
409 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 01:41:03 ID:G+1wRNBq
白雲のはれまもおなじ色ながら朝風寒き雪の遠山(堯孝)
410 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:21:16 ID:G+1wRNBq
おきいづる昨日の暮の雨ならし外山をうづむ雪の白雲(堯孝)
411 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:23:20 ID:G+1wRNBq
しばしだにいかでかさねんよとともに月はこととふ袖のなみだを(堯孝)
412 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:31:00 ID:G+1wRNBq
おもへなほけふのうつつに身をかへて昨日の夢をわするべしやは(堯孝)
413 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:31:44 ID:G+1wRNBq
猶まもれ今も神代の名残とてさすがにたえぬ敷島の道(頓阿)
414 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:33:00 ID:G+1wRNBq
影さむみかさねて袖におく霜のしろたへ衣月にうつなり(二条持基)
415 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:34:38 ID:G+1wRNBq
紫の庭ものどかにかすむ日の光ともなふ鶯のこゑ(藤原良経)
416 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:35:19 ID:G+1wRNBq
夕立の雲の衣はつつめども袖にたまらぬかぜのしら玉(木下長嘯子)
417 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 02:49:33 ID:B+hy2dN1
井上和香
418 :
名無氏物語:2009/01/14(水) 13:15:31 ID:Qt4KfQVc
かさねてもうらみやはれぬ七夕のあふ夜まどほの雲の衣は(正親町忠季「新拾遺集」)
419 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 01:17:46 ID:ALiE6UZz
とりとむる物にもがなや梅が香を枕のうへにすぐる春風(東常縁)
420 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 01:18:19 ID:ALiE6UZz
あさなあさな雲たちそひて小倉山みねふく風は花の香ぞする(東常縁)
421 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 01:18:41 ID:ALiE6UZz
世はなにとうつろひかはるふるさとの昔ながらの夕ぐれの花(東常縁)
422 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 01:19:14 ID:ALiE6UZz
吹く風や空にかよへる夏山の峯よりたかき蝉の声かな(東常縁)
423 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 01:19:48 ID:ALiE6UZz
雲居までひびきやすらん夏山の峰よりたかき蝉のもろごゑ(藤原有家)
424 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 02:12:17 ID:v52TDIxA
さざ浪や志賀の都はあれにしをむかしながらの山ざくらかな(平忠度「千載集」)
425 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 12:31:47 ID:X+yomFS0
426 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 16:39:02 ID:ALiE6UZz
今はとて暮れゆく秋を山かげや木の葉に迷ひ小鹿なくらむ(東常縁)
427 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 16:39:31 ID:ALiE6UZz
ふる里の吉野の宮は今もかも見し世ながらに雪は降りつつ(東常縁)
428 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 16:39:58 ID:ALiE6UZz
故郷のよしのの宮はしら雪の山かぜさむみふらぬ日はなし(藤原為家)
429 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 16:40:32 ID:ALiE6UZz
夢ならば覚むる枕や頼ままし思ひにたどる朝の別れ路(東常縁)
430 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 16:40:56 ID:ALiE6UZz
月にゆくさよの中山なかなかに明けてはくらき霧の下道(東常縁)
431 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 16:41:24 ID:ALiE6UZz
ふみわけんものともみえず朝ぼらけ竹のは山の霧の下道(藤原家隆)
432 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 17:31:32 ID:ALiE6UZz
月に行くさよの中山中中に明けばふもとに宿やからまし(薬師寺公義)
433 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 17:32:25 ID:ALiE6UZz
暮れわたる入江の波もすて舟もありとて明日もたれかすさめむ(東常縁)
434 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 17:32:49 ID:ALiE6UZz
今朝の山路きのふの野べも忘られて夕波荒き浜辺をぞゆく(東常縁)
435 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 17:33:25 ID:ALiE6UZz
松島や雄島の苫屋くれはててなほおもかげに浦風ぞ吹く(東常縁)
436 :
名無氏物語:2009/01/15(木) 17:34:05 ID:ALiE6UZz
あけぬとも猶おもかげに立田山恋しかるべき夜はの空かな(藤原定家)
437 :
名無氏物語:2009/01/16(金) 06:14:23 ID:djgiHZ7L
春ながら今年の空は初雪にふりはへ神のめぐみをや見ん(下冷泉持為)
438 :
名無氏物語:2009/01/16(金) 06:24:56 ID:djgiHZ7L
冴えかへり立ちつる春や時つ風霞みもあへぬ空に吹くなり(下冷泉持為)
439 :
名無氏物語:2009/01/16(金) 06:25:17 ID:djgiHZ7L
憂き秋の涙もみちぬ和歌の浦や磯がくれなる宿の夕潮(下冷泉持為)
440 :
名無氏物語:2009/01/16(金) 06:25:51 ID:djgiHZ7L
和歌のうらや磯がくれなるあしたづの鳴くねもけふぞ人にしらるる(飛鳥井雅有)
441 :
名無氏物語:2009/01/16(金) 06:26:18 ID:djgiHZ7L
つもるべき雪のゆくへはしら雲にかげみぬ庭のありあけの月(下冷泉持為)
442 :
名無氏物語:2009/01/16(金) 06:26:47 ID:djgiHZ7L
面影ぞなほ身にちかき秋をへて人はふりにし蓬生の月(下冷泉持為)
443 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 01:41:52 ID:c5pVCHa9
臥しわびぬ我がふるさとを思ひ草をばながもとの夢もつたへよ(下冷泉持為)
444 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 01:42:41 ID:c5pVCHa9
さめてこそかぎりしらるれ草枕夢のうちなるむさしのの原(飛鳥井雅世)
445 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 01:43:23 ID:c5pVCHa9
朝日影にほへる山の春風にふもとの里は梅が香ぞする(一条兼良)
446 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 01:43:57 ID:c5pVCHa9
いにしへをみきのつかさの袖の香や奈良の都にのこる橘(一条兼良)
447 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 01:44:27 ID:c5pVCHa9
この夕べほのみか月の宵々に影そふごとく恋やまさらん(一条兼良)
448 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 01:44:55 ID:c5pVCHa9
あかざりし人の契りのあさねがみ我が手枕にまたもみだれず(一条兼良)
449 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:27:28 ID:c5pVCHa9
今朝はまだ霞まぬ山も昨日より遠きばかりを春の色かな(心敬)
450 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:28:05 ID:c5pVCHa9
今朝よりはかすまぬ山もなかりけり花のみやこに春やたつらん(西園寺実氏)
451 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:28:32 ID:c5pVCHa9
ふかき夜の梅のにほひに夢さめてこす巻きあへぬ軒の春風(心敬)
452 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:29:16 ID:c5pVCHa9
夢さめてまだ巻きあげぬ玉だれのひま求めてもにほふ梅が香(順徳院)
453 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:29:45 ID:c5pVCHa9
面影は春やむかしの空ながらわが身ひとつに霞む月かな(心敬)
454 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:30:12 ID:c5pVCHa9
佐保姫の霞の袖に髪すぢをみだすばかりの春雨の空(心敬)
455 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 02:30:41 ID:c5pVCHa9
さほひめの霞の袖もしほるらし猶ふりくらす春雨のそら(藤原為子)
456 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 12:19:48 ID:Vw/5clrY
今朝はまだ霞まぬ山も昨日より遠きばかりを春の色かな(心敬)
457 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 13:41:39 ID:c5pVCHa9
花ならぬ身をもいづちにさそふらん乱れたる世の末の春風(心敬)
458 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 13:42:18 ID:c5pVCHa9
なき玉やふりにし宿にかへるらん花たちばなに夕風ぞふく(心敬)
459 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 13:42:52 ID:c5pVCHa9
おぼつかなたが身をなげし魂ならん千尋の谷に蛍飛ぶかげ(心敬)
460 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 13:43:22 ID:c5pVCHa9
月のみぞ形見にうかぶ紀の河や沈みし人の跡のしら浪(心敬)
461 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 13:44:07 ID:c5pVCHa9
世は色におとろへぞゆく天人のうれへやくだる秋の夕ぐれ(心敬)
462 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 13:44:36 ID:c5pVCHa9
夕ぐれは遠ざかりゆく山のはを軒ばにかへすさを鹿の声(心敬)
463 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 14:57:42 ID:c5pVCHa9
絶えまなくさそふ風よりただ一葉心とおつる庭ぞさびしき(心敬)
464 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 14:58:19 ID:c5pVCHa9
神無月嵐のふかぬ夕ぐれも心とおつる木木のもみぢば(宗尊親王)
465 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 14:58:44 ID:c5pVCHa9
山里はやもめ烏の鳴く声に霜夜の月の影を知るかな(心敬)
466 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 15:01:40 ID:c5pVCHa9
月に鳴くやもめがらすのねにたてて秋のきぬたぞ霜にうつなる(藤原為家)
467 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 15:02:46 ID:c5pVCHa9
ふけにけりかたぶく月も遠き江の氷におつる雁の一声(心敬)
468 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 15:03:34 ID:c5pVCHa9
ふけにけり音せぬ月に水さび江の棚なしを舟ひとりながれて(心敬)
469 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 15:03:59 ID:c5pVCHa9
から崎や夕なみ千鳥ひとつ立つ洲崎の松も友なしにして(心敬)
470 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 15:04:37 ID:c5pVCHa9
山もとの杉の一むらうづみかね嵐も青くおつる雪かな(心敬)
471 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:39:33 ID:c5pVCHa9
思ひたえ待たじとすれば鳥だにも声せぬ雪の夕暮の山(心敬)
472 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:40:05 ID:c5pVCHa9
よもぎふに残るもかなしおき出でしあかつき露のあとの面影(心敬)
473 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:40:32 ID:c5pVCHa9
うつの山つたの葉もろき秋風に夢路もほそきあかつきの空(心敬)
474 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:41:13 ID:c5pVCHa9
月にただ見ぬ海山をかたるかなさても都の人は知らじを(心敬)
475 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:41:46 ID:c5pVCHa9
忘られぬ心づからの夢もうし古郷人は思ひ出でじを(心敬)
476 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:42:23 ID:c5pVCHa9
三十よりこの世の夢は破れけり松吹く風やよその夕暮(心敬)
477 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:42:53 ID:c5pVCHa9
かかれとて誰がたらちねの撫でつらん尾花がもとに残る黒髪(心敬)
478 :
名無氏物語:2009/01/17(土) 16:43:15 ID:c5pVCHa9
わが心ただ花のみを幻とおもひわくれば乱れてぞちる(心敬)
479 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:01:17 ID:G12GQPkx
月にあく心のなどかなかるらん皆うきことは見はてぬる世に(心敬)
480 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:01:43 ID:G12GQPkx
うらめしな世はくらやみの空の月ながむとすれば胸にさわぎて(心敬)
481 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:03:08 ID:G12GQPkx
天の戸をあくればやがて日の光神代のままの春やたつらん(正広)
482 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:03:47 ID:G12GQPkx
天の戸のあくればやがてくる春は鳥の音よりぞ聞きはじめける(守覚法親王)
483 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:04:19 ID:G12GQPkx
花にふく山風よりも夕月夜ひかりにとほく行くにほひかな(正広)
484 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:21:41 ID:G12GQPkx
今朝みれば天つ乙女のあまくだる袂かうすき蝉のは衣(正広)
485 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:22:12 ID:G12GQPkx
いづくにか花はのがれん夏きても風の使の青葉ふく声(正広)
486 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:22:42 ID:G12GQPkx
あらく吹く風の使も夏山によきかくれがと憑む花かな(正広)
487 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:23:12 ID:G12GQPkx
花ちらす昔はむかし今はいましたしくなりぬ木々の下風(正広)
488 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 06:23:47 ID:G12GQPkx
さびしさの限りを月にみ山風それもしづまる嶺のかり庵(正広)
489 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 15:12:24 ID:G12GQPkx
さびしさのかぎりは雪にふりとめつ竜田の里のしかの通ひ路(慈円)
490 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 15:12:54 ID:G12GQPkx
さびしさのかぎりなりけり杣山のこやさす月の有明の空(冷泉為尹)
491 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 15:13:26 ID:G12GQPkx
雲ゐよりひとつに落ちてみなの川月は氷のちる嵐かな(正広)
492 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 15:14:04 ID:G12GQPkx
雲間よりひとつに落ちてみなの河月は氷をしく嵐かな(正広)
493 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 15:14:38 ID:G12GQPkx
消えずとも皆淡雪ぞ天地にこぬ春ひらく園の梅が香(正広)
494 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 15:14:58 ID:G12GQPkx
またや夢春はあすかの寺の鐘ことしもけふに声ぞ暮れゆく(正広)
495 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:18:47 ID:G12GQPkx
小簾のとにひとりや月の更けぬらん日比の袖の涙たづねて(正広)
496 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:19:13 ID:G12GQPkx
車よりおりつる人よまゆばかり扇のつまにすこし見えぬる(正広)
497 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:19:46 ID:G12GQPkx
灯火をよするに人のまばゆきやすこしそばめて顔をふりぬる(正広)
498 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:20:16 ID:G12GQPkx
はかなくもかたらふ声よ鳥のきてならぶ梢の夕暮のやど(正広)
499 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:20:49 ID:G12GQPkx
いにしへにあはぬ板間の月ひとりなきがおほかる夢ぞかなしき(正広)
500 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:21:23 ID:G12GQPkx
杉の屋のあはぬ板まの霜はいさむすばぬ夢の月をしぞおもふ(慈円)
501 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:21:54 ID:G12GQPkx
見し人のなきがおほかる古郷にあるははかなき道芝の露(正徹)
502 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:22:29 ID:G12GQPkx
尋ねみよ蓬が島ぞ和歌の道心をのべて人は老せず(正広)
503 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 16:34:29 ID:9kL2Mr40
つくばねの峰よりおつるみなの川恋ぞつもりて淵となりける(陽成天皇・後撰集/百人一首)
504 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:34:15 ID:G12GQPkx
このごろの風のにほひになしはてて花にはうすき四方の梅が香(後花園院)
505 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:34:48 ID:G12GQPkx
うつりきて軒端の花に成りにけり嵐にふかきよもの梅が香(正徹)
506 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:35:22 ID:G12GQPkx
恨みじなおのが心の天つ雁よそに都の春のわかれも(後花園院)
507 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:35:51 ID:G12GQPkx
はなに花なびきかさねて八重桜しづえをわきてにほふ比かな(後花園院)
508 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:36:19 ID:G12GQPkx
きのふこそ春はくれしにぬぎかへて花の香とほき夏ごろもかな(足利尊氏)
509 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:36:47 ID:G12GQPkx
くだけちる千々のこがねの波なれや岩根にかかる磯の月かげ(後花園院)
510 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 17:37:14 ID:G12GQPkx
袖ぬらすほどだにもなし朝顔の花をかごとのあけぼのの露(後花園院)
511 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 19:06:04 ID:G12GQPkx
おちそひてあはれのこさぬ涙かな寝覚や恋のかぎりなるらん(後花園院)
512 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 19:06:32 ID:G12GQPkx
たのまめやことのははそのうす紅葉あだに散り来るなげのなさけは(後花園院)
513 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 19:07:06 ID:G12GQPkx
松ばらの嵐やよわるほの見てし尾上の緑またかすむなり(後花園院)
514 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 19:07:44 ID:G12GQPkx
思へただ空にひとつの日のもとに又たぐひなく生れこし身を(後花園院)
515 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 19:10:01 ID:G12GQPkx
とけのこる石間の春の朝氷影みし水の月かあらぬか(貞常親王)
516 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:02:11 ID:G12GQPkx
すみれ草つみつつかへる春の野にたがためとなく袖ぬらしけり(貞常親王)
517 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:02:34 ID:G12GQPkx
山里にすむ身となれば帰るさを忘れし花の春ぞ恋しき(貞常親王)
518 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:03:02 ID:G12GQPkx
夜もすがら咲きちる花の下陰に木の間さだめず月ぞもりくる(貞常親王)
519 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:03:31 ID:G12GQPkx
さだかにぞ寝覚のとこに残りけるかすみて暮れし花の面影(貞常親王)
520 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:04:01 ID:G12GQPkx
ほととぎす鳴く一声のなみだにはあまりおほかる村雨の空(貞常親王)
521 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:04:25 ID:G12GQPkx
月みつつぬればや袖の露の間もみえぬ夢野の秋のたまくら(貞常親王)
522 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:04:59 ID:G12GQPkx
床の上の光に月のむすびきてやがてさえ行く秋の手枕(藤原定家)
523 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:13:42 ID:9kL2Mr40
君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪は降りつつ(光孝天皇・古今集/百人一首)
524 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:18:39 ID:G12GQPkx
へだて行くおのがすがたは薄霧の籬にちかきはつかりの声(貞常親王)
525 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:19:05 ID:G12GQPkx
はげしさをききしにそへて秋よりもつらき嵐の夕暮の声(貞常親王)
526 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:20:22 ID:G12GQPkx
山里のみねの木の葉や散りぬらん枕に近き秋のかりがね(順徳院)
527 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 21:49:06 ID:++a7qn3P
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
528 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:33:24 ID:G12GQPkx
夢かとも雪よりさきにとひてみよ小野の千種の霜枯の色(貞常親王)
529 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:36:07 ID:G12GQPkx
おくもまたふかくは見えず山人の薪におへるけさの薄雪(貞常親王)
530 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:37:24 ID:G12GQPkx
分けそむる小篠が露の一ふしもしらぬさきより袖ぬらすかな(貞常親王)
531 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:37:52 ID:G12GQPkx
涙よりかすむとならば我ぞげに春の名だての袖の月影(貞常親王)
532 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:38:18 ID:G12GQPkx
きかじただそのかねごとは昔にてつらきかたみの夕暮の声(貞常親王)
533 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:39:02 ID:G12GQPkx
しるべとや越の白根にむかふらんかすめど雁の行すゑの空(飛鳥井雅親)
534 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:39:34 ID:G12GQPkx
桜さく山辺をすぐる雁がねはこしのしらねを越えぬとや思ふ(俊恵)
535 :
名無氏物語:2009/01/18(日) 22:40:01 ID:G12GQPkx
おもかげはくらき軒端にみゆれども花に月まつ春のうたたね(飛鳥井雅親)
536 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 12:59:10 ID:J7rAbELG
木をめぐりねぐらにさわぐ夕烏すずしきかたの枝やあらそふ(飛鳥井雅親)
537 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 12:59:32 ID:J7rAbELG
一葉ちる桐の立枝に秋をはや見せも聞かせもわたる朝風(飛鳥井雅親)
538 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 13:00:05 ID:J7rAbELG
雲ふかき深山の里の夕闇にねぐらもとむる烏なくなり(藤原良経)
539 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 13:00:33 ID:J7rAbELG
みだれあふ花より花に露ちりて野原のまはぎ秋風ぞふく(飛鳥井雅親)
540 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 13:01:07 ID:J7rAbELG
風わたる野べの千草におく露のいくたび花の色にちるらん(飛鳥井雅親)
541 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 13:01:42 ID:J7rAbELG
露ふかみ花はむもれて野べはただ色の千種の玉をしくころ(飛鳥井雅親)
542 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 17:18:31 ID:J7rAbELG
きりぎりす夜をへて秋やさむからし枕のかべにこゑのちかづく(飛鳥井雅親)
543 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 17:19:02 ID:J7rAbELG
おどろきてまたつぐ夢の末もなし朝けの窓は打ちしぐれつつ(飛鳥井雅親)
544 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 17:19:32 ID:J7rAbELG
きりぎりすかべの中にぞこゑはする蓬が杣に風やさむけき(上西門院兵衛)
545 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 17:20:01 ID:J7rAbELG
ながめわぶるこころの空を夕時雨むなしきいろに染めて過ぐなり(飛鳥井雅親)
546 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 17:20:25 ID:J7rAbELG
きぬぎぬの夢のうき橋たどりきて命あやふき程をとへかし(飛鳥井雅親)
547 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 17:21:01 ID:J7rAbELG
袖の色のまづ誰が方にみだれましおなじ涙をしのぶもぢずり(飛鳥井雅親)
548 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 20:26:48 ID:i7N99Myv
ふむ
549 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 21:49:52 ID:J7rAbELG
あはれなり夜はに捨子のなきやむは親にそひねの夢やみるらん(飛鳥井雅親)
550 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 21:50:19 ID:J7rAbELG
色香しる君もなき世にさく梅の花のうへまであはれなるかな(飛鳥井雅親)
551 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 21:50:52 ID:J7rAbELG
月はなほ涙うちそへかすむなり雲がくれにし影さだかにて(飛鳥井雅親)
552 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 21:51:34 ID:J7rAbELG
さすがみな歎きしづまるほどならば遅れてきくを哀れとはしれ(飛鳥井雅親)
553 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 21:52:09 ID:J7rAbELG
四の海しづかになりぬもののふの矢なみをさまる御代を待ちえて(飛鳥井雅親)
554 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 21:52:39 ID:J7rAbELG
玉津島玉ひろふより立つ波もしづかに成りぬ四方の浦風(頓阿)
555 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:19:21 ID:J7rAbELG
消えもあへずけさやは桜雪とのみ思へばかをる春の山風(宗祇)
556 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:19:55 ID:J7rAbELG
かすめただ咲きも咲かずも春の山ただおしこめて桜とをみむ(宗祇)
557 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:20:32 ID:J7rAbELG
明くる夜の月と花との哀をもただおしこめてかすむ春かな(正徹)
558 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:21:02 ID:J7rAbELG
おもかげはかすめる花もとほからでこずゑにまよふ春の山ごえ(宗祇)
559 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:21:29 ID:J7rAbELG
思ひすてぬ草のやどりのはかなさもうき身ににたる夕雲雀かな(宗祇)
560 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:21:49 ID:J7rAbELG
さびしさも身になれはてて山里は秋ふく風の夕暮もなし(宗祇)
561 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:44:12 ID:J7rAbELG
身になれて年はへぬれど今更にあはれさびしき秋の夕ぐれ(真観)
562 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:44:33 ID:J7rAbELG
身は老いぬ何の思ひの露にてもかからじとすれば秋の夕暮(宗祇)
563 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:45:04 ID:J7rAbELG
袖のうへにとすればかかる涙かなあないひしらず秋の夕暮(宗尊親王)
564 :
名無氏物語:2009/01/19(月) 23:45:32 ID:J7rAbELG
老はなほ夕かげまたぬ露ながらうつろふ花をはかなくやみん(宗祇)
565 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:08:30 ID:9DxCb8Sl
道たえてはらふ人なき谷の戸の夕日がくれにちる木の葉かな(宗祇)
566 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:13:14 ID:9DxCb8Sl
妹が島ちぎりなくとも折からの夕なみ千鳥おとづれてゆけ(宗祇)
567 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:25:42 ID:9DxCb8Sl
を笹原ひろはば袖にはかなさもわするばかりの玉あられかな(宗祇)
568 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:26:30 ID:9DxCb8Sl
つもるかとおき出でてみれば冴えし夜の月よりうすき峰のはつ雪(宗祇)
569 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:26:53 ID:9DxCb8Sl
梢ふく風のたえまかかすむよの月よりうすき庭のうめが香(本居宣長)
570 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:28:49 ID:9DxCb8Sl
庭はまだ浜木綿ばかりふる雪にいくへ高嶺の遠のしら雲(宗祇)
571 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:36:08 ID:9DxCb8Sl
はまゆふもいく重かしたに成りぬらん雪ふりしける三熊野の浦(藤原俊成)
572 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 00:37:14 ID:9DxCb8Sl
人しれぬきははおよびも中空にかからできえよ夕ぐれの雲(宗祇)
573 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 08:00:51 ID:9DxCb8Sl
なにか思ふたとへば君がおもかげも鏡のうちのかりのかたちを(宗祇)
574 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 08:06:44 ID:9DxCb8Sl
世の中にわがある物と思ひしは鏡のうちの影にぞ有りける(藤原公任)
575 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 08:07:29 ID:9DxCb8Sl
いづくとか又もながめむ古里のかたみの雲は山風ぞふく(宗祇)
576 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 08:08:37 ID:9DxCb8Sl
しらぬ野べあらぬ庵もやどるまの契り思へば古里もなし(宗祇)
577 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 08:09:29 ID:9DxCb8Sl
ことのはの道こそ憂けれさらでやは心のきはを人にしられん(宗祇)
578 :
名無氏物語:2009/01/20(火) 08:13:47 ID:9DxCb8Sl
おもかげの残る朝の雲もうし花よなかなか夢と見ましを(中院通秀)
579 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 01:54:51 ID:N2ATglyK
あかつきの夢をかけつつ一声にうつつすくなきほととぎすかな(中院通秀)
580 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 01:56:32 ID:N2ATglyK
高砂や秋もいまはの鐘の音ををのへの雲につつみてぞゆく(中院通秀)
581 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 01:57:05 ID:N2ATglyK
夜の雨のこるともし火いたづらになれて五十年の窓はふりにき(中院通秀)
582 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:00:14 ID:N2ATglyK
夢にだに契むなしき灯の窓うつ色のくらき夜の雨(正徹)
583 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:01:06 ID:N2ATglyK
春の色の碧にうかぶ富士のねは高天の原も雪かとぞみる(堯恵)
584 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:05:46 ID:N2ATglyK
浪の上は千里に晴れて汀なる木末にしづむ夕立のそら(堯恵)
585 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:06:19 ID:N2ATglyK
埋れ行く野原の水の声なきもおちてしらする萩の下露(堯恵)
586 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:06:50 ID:N2ATglyK
波のうへは千里のほかに雲きえて月かげかよふ秋のしほ風(俊成卿女)
587 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:10:02 ID:N2ATglyK
山ふかみ人もはらはぬ橋の上のあやふき暮に積る雪かな(堯恵)
588 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:10:39 ID:N2ATglyK
われながら昨日にかはる心とはいまだおもはぬ夕暮の空(堯恵)
589 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 02:59:52 ID:N2ATglyK
君がわたり思ひやれども行きなやむ心の末や峰のかけはし(堯恵)
590 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:00:14 ID:N2ATglyK
浪の上のむかしをとへばすみだ河かすむや白き鳥の涙に(堯恵)
591 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:00:44 ID:N2ATglyK
思ひやる心いくへの峰こえてしのぶのおくを尋ね侘ぶらん(藤原家隆)
592 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:01:11 ID:N2ATglyK
散るもみぢありて行く水絶えせずや今も水無瀬にうかぶことのは(堯恵)
593 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:02:01 ID:N2ATglyK
待ちあへぬ命に花をみ吉野やよし立ちかくせ峰のしら雲(太田道灌)
594 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:02:41 ID:N2ATglyK
うつしうゑてともに老木の桜花なれも昔の春や恋しき(太田道灌)
595 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:11:52 ID:N2ATglyK
うゑたてしまろが桜も哀なりともに老木の春はいつまで(耕雲)
596 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:12:27 ID:N2ATglyK
一こゑの夢をももらせ東路の関のあなたの山ほととぎす(太田道灌)
597 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:39:47 ID:N2ATglyK
秋の野の千種にわけし心をもひとつになして月を見るかな(太田道灌)
598 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:40:21 ID:N2ATglyK
里はあれ野となる露の深草や鶉がねやをてらす月影(太田道灌)
599 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 03:41:00 ID:N2ATglyK
世の中に鳥も聞えぬ里もがなふたりぬる夜の隠家にせん(太田道灌)
600 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:01:39 ID:N2ATglyK
梓弓思ひなれしもにくみしも絶えて我のみ月を見るかな(太田道灌)
601 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:21:26 ID:N2ATglyK
明けわたる外山は雪の色そへて麓にさゆる夜の春雨(木戸孝範)
602 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:21:53 ID:N2ATglyK
たが袖に契りおきてか梅のはな夕べの空を匂ひ行くらん(木戸孝範)
603 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:22:20 ID:N2ATglyK
うすくこき色香もわかぬ梅の花ひとつにかをる春のあけぼの(木戸孝範)
604 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:23:08 ID:N2ATglyK
夢のうちの夢のたはぶれ夢ならでしたふ衣々などうつつなる(木戸孝範)
605 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:24:19 ID:N2ATglyK
かけはなれ思はぬ人はつらからずつらきも契り憂きもなぐさめ(木戸孝範)
606 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:24:53 ID:N2ATglyK
こと色はふりくる雨にくれはてて入江をわたる鷺のひとつら(木戸孝範)
607 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:25:23 ID:N2ATglyK
見わたせば秋の夕日のかげはれて色こき山をわたる白鷺(伏見院)
608 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 09:26:07 ID:N2ATglyK
しらむをもおのが色とやあくる夜に山の端はこゆる鷺のひとつら(下冷泉持為)
609 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 23:43:32 ID:N2ATglyK
おろかにも思ひはすてじたらちねにうくるこの身ぞおのづからなる(木戸孝範)
610 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 23:44:40 ID:N2ATglyK
春来ぬとふりさけみれば天の原あかねさし出づる光かすめり(足利義政)
611 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 23:45:18 ID:N2ATglyK
今日はまた咲き残りけり古里のあすか盛りの秋萩の花(足利義政)
612 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 23:45:53 ID:N2ATglyK
置きまよふ野原の露にみだれあひて尾花が袖も萩が花摺り(足利義政)
613 :
名無氏物語:2009/01/21(水) 23:46:21 ID:N2ATglyK
人もきぬ尾花が袖もまねかればいとどあだなる名をやたちなむ(伊勢)
614 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:23:41 ID:pVrGW74g
見し花の色を残して白妙の衣うつなり夕がほのやど(足利義政)
615 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:24:17 ID:pVrGW74g
今日はまづ思ふばかりの色みせて心の奧をいひはつくさじ(足利義政)
616 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:26:44 ID:pVrGW74g
つらきかな曽我の河原にかる草のつかのまもなく思ひみだれて(足利義政)
617 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:27:23 ID:pVrGW74g
さやかなる影はそのよの形見かはよしただくもれ袖の上の月(足利義政)
618 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:28:08 ID:pVrGW74g
こぎわかれゆけばかなしき志賀の浦やわが古郷にあらぬ都も(足利義政)
619 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:46:06 ID:pVrGW74g
わが思ひ神さぶるまでつつみこしそのかひなくて老いにけるかな(足利義政)
620 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:46:42 ID:pVrGW74g
そめつくす秋はもみぢのかたはらのまた深山木となる桜かな(飛鳥井雅康)
621 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:47:11 ID:pVrGW74g
水にのみふるをやは言ふ月にだに光きえゆく庭のうす雪(飛鳥井雅康)
622 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:47:44 ID:pVrGW74g
人やしらむあらぬ筆には書きなせど心のみゆるわが玉づさは(飛鳥井雅康)
623 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 00:48:18 ID:pVrGW74g
たのめてし言の葉なるる玉づさをあらぬ筆かと人に見せばや(冷泉為相)
624 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:29:10 ID:pVrGW74g
しひてなどしたふ心ぞ一夜こそこの世のちの世かくるなさけを(飛鳥井雅康)
625 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:31:13 ID:pVrGW74g
さびしさの種をぞうゑし宵々に夢おどろかす庭の荻原(桜井基佐)
626 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:31:50 ID:pVrGW74g
花を見ておもひ忘るる時あれど立ちされば又おもふ君かな(桜井基佐)
627 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:33:30 ID:pVrGW74g
花をみる心はよそにへだたりて身につきたるは君がおもかげ(西行)
628 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:34:17 ID:pVrGW74g
水のあわにきえぬ色香やうかぶらむ落ちても梅の花の下風(姉小路基綱)
629 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:37:55 ID:pVrGW74g
消えゆくも霞むもわかず峰の雪色うすくなる春雨の空(姉小路基綱)
630 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:45:45 ID:pVrGW74g
風よわくややくもりきてふる雨の音までかすむ春の明ぼの(姉小路基綱)
631 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 01:47:19 ID:pVrGW74g
見るがうちに光を花の色ぞそふ遠山ざくら月いづるころ(姉小路基綱)
632 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:47:24 ID:pVrGW74g
大方もあだなる花の一時をこよひの夢につくす春かな(姉小路基綱)
633 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:47:54 ID:pVrGW74g
下枝まで志賀の浜松なみ越えて水海ひろき五月雨の頃(姉小路基綱)
634 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:52:38 ID:pVrGW74g
夕べよりながめわぶるや秋の夜のながき思ひのはじめなるらむ(姉小路基綱)
635 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:53:51 ID:pVrGW74g
むらむらに花の籬をかこふかな野べの千草にまよふ夕霧(姉小路基綱)
636 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:54:28 ID:pVrGW74g
夜をこめてたつ秋霧の朝じめり紅葉の奥もふかき山かな(姉小路基綱)
637 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:55:03 ID:pVrGW74g
ひましらむ窓の扉の光よりまだ見ぬ庭の雪ぞ知らるる(姉小路基綱)
638 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 06:55:36 ID:pVrGW74g
おきつ浪緑にはるる雪のいろにけさはまぢかき淡路島山(姉小路基綱)
639 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:42:31 ID:pVrGW74g
つつまじよ硯の墨のみづからと見せし涙の色もこそあれ(姉小路基綱)
640 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:43:06 ID:pVrGW74g
つつまじよおもふ思ひはいかにとも色そめがたき袖にまかせて(正徹)
641 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:43:34 ID:pVrGW74g
袖の色も人はことなる吾亦紅かれゆく野べに猶やしをれむ(姉小路基綱)
642 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:44:46 ID:pVrGW74g
朝まだき春のものとて天の原ふりさけみれば霞みそめつつ(後土御門天皇)
643 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:45:22 ID:pVrGW74g
待ちわぶる人に咲きぬと告げんまも立ちさりがたき花の明けぼの(後土御門天皇)
644 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:45:54 ID:pVrGW74g
見ぬ人にさきぬとつげむ程だにもたちさりがたき花のかげかな(兼好法師)
645 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 13:46:28 ID:pVrGW74g
咲きもそひ散りもはじめて花桜うきうれしさのまじる雨かな(後土御門天皇)
646 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 14:09:35 ID:pVrGW74g
夕まぐれ花もなごりを思へばや面影おくるかへるさの道(後土御門天皇)
647 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 14:10:54 ID:pVrGW74g
旅ごろも袖のわかれに立ちそひて面影おくる有明の月(二条為世)
648 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 14:11:56 ID:pVrGW74g
くるるまで見つる名残に山桜かへるさおくる花の面かげ(二条為世)
649 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 14:21:46 ID:pVrGW74g
郭公声きくまでと山道にまよへる我ぞいまだ旅なる(後土御門天皇)
650 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 14:22:42 ID:pVrGW74g
なる神の音は高雄の山ながらあたごの峰にかかる夕立(後土御門天皇)
651 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 14:24:35 ID:pVrGW74g
なる神の音はたかをの山風に雨よりも猶雲ぞさきだつ(小倉公雄)
652 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:03:52 ID:pVrGW74g
夕立のふりくる音のあらち山矢田野をかけて風ぞはげしき(後土御門天皇)
653 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:05:01 ID:pVrGW74g
我が涙なにこぼるらん吹く風も袖のほかなる秋の夕暮(後土御門天皇)
654 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:06:02 ID:pVrGW74g
旅人はさやにも見しか雲はるる甲斐が嶺出づる秋の夜の月(後土御門天皇)
655 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:10:35 ID:pVrGW74g
わすれずも袖とふかげか十年あまりよそに忍びし雲の上の月(後土御門天皇)
656 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:28:25 ID:pVrGW74g
分け入りししげき野中のつらさをや月になぐさむ人の面影(後土御門天皇)
657 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:29:22 ID:pVrGW74g
思ひ寝にみるとはすれどあや莚(むしろ)あやめもわかぬ夢ぞはかなき(後土御門天皇)
658 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:30:25 ID:pVrGW74g
いたづらに名のみながれて水無瀬川おろかなる身ぞありてかひなき(後土御門天皇)
659 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 15:36:56 ID:pVrGW74g
梅の花にほふ夕べは身を分けて空にこころの春風ぞ吹く(肖柏)
660 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 16:10:41 ID:pVrGW74g
ゆきてをる心のかへさいかならむ千里にかすむ山桜かな(肖柏)
661 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 16:12:55 ID:pVrGW74g
ゆく春の名残はあれど見る人も遠山なしの花やさびしき(肖柏)
662 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 16:15:58 ID:pVrGW74g
あすよりは天つ空にや恋ひ佗びむ雲のはたてに春は暮れにき(肖柏)
663 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:19:47 ID:pVrGW74g
うつしみよ山はあらしもやはらかにならのわか葉を言の葉の道(肖柏)
664 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:20:19 ID:pVrGW74g
放ちかふ夏野の牛もかたよるや水草清き杜の下道(肖柏)
665 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:20:51 ID:pVrGW74g
やどりこし野原の小萩露をおきてうつろひゆかむ花の心よ(肖柏)
666 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:21:50 ID:pVrGW74g
独りすむ市の仮屋の月かげに世わたる人のあはれをぞ知る
667 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:23:44 ID:pVrGW74g
町くだりよろぼひ行きて世を見れば物のことわりみなしられけり(慈円)
668 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:24:19 ID:pVrGW74g
さびしきはあるる垣ねの薄紅葉木の下てらす秋の日のかげ(肖柏)
669 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:24:57 ID:pVrGW74g
秋の日のよわき影とや紅葉ばにやどるもうすき梢なるらん(正徹)
670 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 17:25:18 ID:pVrGW74g
雪はらふ野中の杉の一むらや嵐にやどる夕暮の色(肖柏)
671 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:07:22 ID:pVrGW74g
山もとの杉の一むらうづみかね嵐も青くおつる雪かな(心敬)
672 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:08:02 ID:pVrGW74g
軒ばよりあまりて落つる雪の音に夕暮ふかくなれる宿かな(肖柏)
673 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:08:37 ID:pVrGW74g
ほの見しにそのこととなく詠めわびぬこれをや恋の春の夕暮(肖柏)
674 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:09:21 ID:pVrGW74g
雲の色風のけしきにながめても心のとはば憂き夕べかな(肖柏)
675 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:10:30 ID:pVrGW74g
月にさへ物はおもはじ夕暮を限にたのむならひともがな(肖柏)
676 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:11:04 ID:pVrGW74g
せめくるは憂き身の何ぞつれなきに心あはする秋の夕暮(肖柏)
677 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:12:05 ID:pVrGW74g
世のならひ秋のためしも身のうさにあまる夕ぞいとどせめくる(正徹)
678 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:59:20 ID:pVrGW74g
あやなくもたのむ夜くるし雨の音に心すむべき灯のもと(肖柏)
679 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 18:59:59 ID:pVrGW74g
言の葉にのこす心を折りそへし野分の跡の花とだに見よ(肖柏)
680 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 19:01:08 ID:pVrGW74g
水くらき木陰にうすく見え初めて夜になるままにそふ蛍かな(大内政弘)
681 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 19:02:27 ID:pVrGW74g
野辺よりも思へばふかきあはれかなうつす虫籠の夕暮の声(大内政弘)
682 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 19:02:57 ID:pVrGW74g
ゆき暮れてうちぬる市の仮やかた都の夢を売る人もがな(大内政弘)
683 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 19:03:24 ID:pVrGW74g
わきかねつ心にもあらで十とせあまりありし都は夢かうつつか(大内政弘)
684 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 19:04:18 ID:pVrGW74g
あかなくの心をおきて見し世よりいくとせ春の明ぼのの空(下冷泉政為)
685 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:20:01 ID:el8+tOlr
い
686 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:20:19 ID:el8+tOlr
ろ
687 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:20:29 ID:el8+tOlr
は
688 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:20:38 ID:el8+tOlr
に
689 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:20:48 ID:el8+tOlr
ほ
690 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:21:42 ID:el8+tOlr
へ
691 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:22:00 ID:el8+tOlr
つ
692 :
名無氏物語:2009/01/22(木) 21:27:18 ID:el8+tOlr
痩せ蛙 負けるな 負けるな 和尚さんに 負けるな (小林 紅茶)
693 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 11:20:13 ID:OoBjjxfL
花かすむ夕べをとへばおぼろ夜の月にもなりぬをちかたの里(下冷泉政為)
694 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 11:20:51 ID:OoBjjxfL
色にそむならひと思へば春はただ花ぞ心の空になりぬる(下冷泉政為)
695 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 11:21:27 ID:OoBjjxfL
また見むと思はぬ花のかげならばしひて手折らむけふの夕べを(下冷泉政為)
696 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 11:21:49 ID:OoBjjxfL
ちらばまた花にうつらむ恨みまでかすめる月に思ひわびぬる(下冷泉政為)
697 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 11:22:34 ID:OoBjjxfL
さく花にうつる心やうらむらん去年の桜のふかき面影(正徹)
698 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:52:04 ID:OoBjjxfL
見るからに花も露けきふる里の春をばさても思ひすてしか(下冷泉政為)
699 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:52:32 ID:OoBjjxfL
すずしさや色にもみゆる吹く風はたえまがちなる木々の夕かげ(下冷泉政為)
700 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:52:56 ID:OoBjjxfL
むすびこし清水がもとは秋ながらくるるを夏と思ふころかな(下冷泉政為)
701 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:53:21 ID:OoBjjxfL
心なほ夕とどろきの橋柱たつ秋風も身にしみて行く(下冷泉政為)
702 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:53:50 ID:OoBjjxfL
おき出づる身もあだし世の名残思ふ月は有明あさがほの花(下冷泉政為)
703 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:54:12 ID:OoBjjxfL
おきいづる袖さへ霜の朝床にながきよいかで老はたへけん(下冷泉政為)
704 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 12:54:37 ID:OoBjjxfL
秋風にのこりおほかる夢さめて又あはれそふねやの月かげ(下冷泉政為)
705 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:47:20 ID:OoBjjxfL
みる夢は荻の葉風にとだえして思ひもあへぬねやの月かげ(藤原定家)
706 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:47:59 ID:OoBjjxfL
冬くれば霜の鐘きく初瀬山もろき木の葉にひびくとはなし(下冷泉政為)
707 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:48:26 ID:OoBjjxfL
ふり行くを身におどろかす小夜時雨おもへや冬にうつるほどなさ(下冷泉政為)
708 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:48:58 ID:OoBjjxfL
雪にとふ人こそなけれ冬ごもる里のならひは我もしれども(下冷泉政為)
709 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:49:20 ID:OoBjjxfL
うつろふとみる色もなき白雪のこぼるる枝にをしき暮かな(下冷泉政為)
710 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:49:49 ID:OoBjjxfL
いかにともとふべくはあらぬ雪のうちの思ひやおなじとほつ里人(下冷泉政為)
711 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 13:50:25 ID:OoBjjxfL
消えかへる涙ぞつらきひとり寝の我がうづみ火はかきおこしても(下冷泉政為)
712 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 14:59:52 ID:OoBjjxfL
しらずその逢瀬やいつのみなせ川たのむ契りはありて行くとも(下冷泉政為)
713 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:00:23 ID:OoBjjxfL
色にそむ心よりみる花やなほ目にさやかなる春をしるらん(下冷泉政為)
714 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:01:11 ID:OoBjjxfL
思ひ寝になれこし花や今朝さくもなほ覚めやらぬ夢の面影(上冷泉為広)
715 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:01:49 ID:OoBjjxfL
帰るさの朝霧ふかし虫の音を夕露かけてたづねこし野に(上冷泉為広)
716 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:02:27 ID:OoBjjxfL
日影まつ山下露の朝じめり風だにしらぬ花をみるかな(豊原統秋)
717 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:02:58 ID:OoBjjxfL
うつつこそさもあやにくにさそふとも夢路はゆるせ花の下風(豊原統秋)
718 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:03:25 ID:OoBjjxfL
朝戸あけに山の尾上をこす雁のこゑきく雲に秋風ぞふく(豊原統秋)
719 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 15:03:54 ID:OoBjjxfL
逢ふことはいつともわかぬ松の色の夕べはなどか風もかなしき(豊原統秋)
720 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 16:15:26 ID:m4Op75l0
ぶんぶんぶん
721 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 16:16:03 ID:m4Op75l0
ぶんぶんぶんぶん
722 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 16:16:36 ID:m4Op75l0
ぶんぶんぶんぶんぶん
723 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 17:55:37 ID:J5F0zWde
スレ違いと知りつつ失礼します。
読み人知らずの和歌で
「あなたを想ってはいるけれども、あなたと一緒に行くことはできないので、
私の想いだけをあなたに付き添わせます」
という意味合いの和歌があったと思うのですが、
どなたかご存知でしたら教えてください。
724 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:43:06 ID:OoBjjxfL
かすみつつ空には見えぬ春雨のこまかにそそく水の面かな(兼載)
725 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:45:10 ID:OoBjjxfL
日をふれば海をたたへて中々に河音たゆるさみだれの比(兼載)
726 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:45:42 ID:OoBjjxfL
あさき瀬にせかれし波は岩こえて川音たゆる五月雨の比(藤原経高)
727 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:46:06 ID:OoBjjxfL
荻の葉を時々風の露ふけば夜半の枕の夢のむらぎえ(兼載)
728 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:46:33 ID:OoBjjxfL
たて残す槙の戸口のさむしろにひとすぢうつる月の影かな(兼載)
729 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:47:03 ID:OoBjjxfL
ふかき夜の雨にかへりし君ゆゑに残る袖までしほれつるかな(兼載)
730 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 21:47:31 ID:OoBjjxfL
月はしづみにほひはうかぶ江の水を梅さく庭にせきもとめばや(玄誉)
731 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 22:09:26 ID:OoBjjxfL
花みずはうごかむものか我が心さしもしづけき春の夕べに(玄誉)
732 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 22:10:09 ID:OoBjjxfL
もろともに老木の梅の陰にきてまたこの春も花をみるかな(玄誉)
733 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 22:10:32 ID:OoBjjxfL
山里は心づくしもなぐさみもひとつ木の間の秋の夜の月(素純)
734 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:34:22 ID:OoBjjxfL
村時雨くもりみ晴れみ秋の日のうす花薄袖ほさぬころ(素純)
735 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:34:54 ID:OoBjjxfL
たがために色どる露のうすくこくならびの岡の木々の紅葉(素純)
736 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:35:29 ID:OoBjjxfL
村霞くもりみはれみ行く月に見し世の事もつづきやはする(正徹)
737 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:35:53 ID:OoBjjxfL
重ねてもあかでやあけん独り寝に長かりし比の夜半のいくよを(素純)
738 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:36:50 ID:OoBjjxfL
槙の戸をおし明け方の梅が香にうき春風や夢さそふらむ(足利義尚)
739 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:37:22 ID:OoBjjxfL
槙の戸をおし明がたの空さえて庭白妙に雪降りにけり(慈円)
740 :
名無氏物語:2009/01/23(金) 23:37:48 ID:OoBjjxfL
ほどぞなき秋にこしぢの月かげを花にかすめて帰る雁がね(足利義尚)
741 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:12:36 ID:dvBabXEF
かへる雁たびの空にもわするなよ芳野の花にかすむ夜の月(後鳥羽院)
742 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:13:02 ID:dvBabXEF
すり衣君が袖ふる春雨に紫野ゆき菫つみてむ(足利義尚)
743 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:13:28 ID:dvBabXEF
夕がほの露の契りや小車のとこなつかしき形見なりけむ(足利義尚)
744 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:13:57 ID:dvBabXEF
あやめ草おなじ姿に置き馴れて枕の露や光そふらむ(足利義尚)
745 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:14:23 ID:dvBabXEF
月見よと簾うごかす秋風に君まちをれば夜ぞ更けにける(足利義尚)
746 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:14:52 ID:dvBabXEF
伊勢の海や潮干のたづの声たけてわかの松原月冴えわたる(足利義尚)
747 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 00:15:20 ID:dvBabXEF
露しぐれのこれる山のもみぢ葉に夕日をそめて秋風ぞ吹く(足利義尚)
748 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:22:35 ID:dvBabXEF
一よさへ夢やは見ゆる呉竹のふしなれぬ床に木枯の風(足利義尚)
749 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:23:03 ID:dvBabXEF
かりそめの道のたよりの梅の花その香にふれし袖ぞ忘れぬ(足利義尚)
750 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:23:31 ID:dvBabXEF
うき人の心のあきの袂より月と露とはうらみはててき(足利義尚)
751 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:24:22 ID:dvBabXEF
うき人の心のあきの初時雨いつことの葉の色をそめけん(宗尊親王)
752 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:24:48 ID:dvBabXEF
神楽歌にうたふさざ波よるなれど日吉のちかひ曇らぬものを(足利義尚)
753 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:25:17 ID:dvBabXEF
みな月の月影しろき小忌衣うたふさざ浪よるぞすずしき(藤原定家)
754 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:43:11 ID:dvBabXEF
咲く花のけふのあるじに身をなしてしのぶも悲し故郷の春(道堅)
755 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:44:06 ID:dvBabXEF
けふいくか花のあるじに身をなしておくるる人のとふをまつらん(法性寺為信)
756 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:44:35 ID:dvBabXEF
世のうさもまたやあひみん初瀬山いのりし道は花ぞふりしく(道堅)
757 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 02:45:04 ID:dvBabXEF
暮れゆけばただ春風の音羽川おとを聞きても花ぞ悲しき(道堅)
758 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 03:13:01 ID:dvBabXEF
吉野より外には出でず日数へて同じかげなる花は見ねども(道堅)
759 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 03:33:02 ID:dvBabXEF
難波江や芦のしげみの下くぐる音にもちかき水の秋風(道堅)
760 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 03:40:15 ID:dvBabXEF
里遠く野はなりにけり長き夜の月のゆくへをとふとせしまに(道堅)
761 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 03:40:39 ID:dvBabXEF
秋ふかくなるとの海のはや汐におちゆく月のよどむ瀬もがな(道堅)
762 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 03:41:29 ID:dvBabXEF
ふかき夜の宿をばいでて我ながら行くかたしらぬ道の辺の月(道堅)
763 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 08:13:58 ID:dvBabXEF
露の間とみるもはかなし鳴く虫の命の末のよもぎふの月(道堅)
764 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:14:55 ID:dvBabXEF
思ふこそ遠きも憂けれ行くとなれば我が路ならぬ海山もなし(道堅)
765 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:22:14 ID:dvBabXEF
住むとならば水の音する石のうへ木の下露のかかる所を(道堅)
766 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:22:44 ID:dvBabXEF
すむとならばその山水の末までも我が身にごらぬ心ともがな(三条西実隆)
767 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:23:42 ID:dvBabXEF
夕波の花にもかけて梅が香をさそふ難波のさとの春風(十市遠忠)
768 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:24:34 ID:dvBabXEF
花ぞなほ露まぎれなき梅が枝の若葉もにほふ春のあさ風(十市遠忠)
769 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:25:14 ID:dvBabXEF
春日山しづかなる世の春にあひて花さくころの宮めぐりかな(十市遠忠)
770 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:25:42 ID:dvBabXEF
浪風もしづかなる世の春にあひて網の浦人たたぬ日ぞなき(藤原家隆)
771 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:40:09 ID:1rATp8+W
ちんちんこ まんまんこ そんなんばっか ニュー速VIP
772 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:53:50 ID:dvBabXEF
なごりあれや野となりてだに菫咲く庭も籬も春のふるさと(十市遠忠)
773 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:54:27 ID:dvBabXEF
ほととぎす杜の下草枕にて夕べの月のかげにまちみむ(十市遠忠)
774 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 22:55:01 ID:dvBabXEF
くれうすき岡辺にかへる雲はみなしげる梢の色にきえつつ(十市遠忠)
775 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 23:07:47 ID:dvBabXEF
朝夕日うつるあふひの影すずしみどりのすだれ色をそへつつ(十市遠忠)
776 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 23:08:46 ID:dvBabXEF
露もまだおきあへぬ秋の夕べとややどるもうすき袖の月かげ(十市遠忠)
777 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 23:12:29 ID:dvBabXEF
露もまだ置きあへぬ床の朝じめりおぼえずかろき夏衣かな(正徹)
778 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 23:13:52 ID:dvBabXEF
影うつりあふ夜の星の泉河天の河より湧きていづらむ(十市遠忠)
779 :
名無氏物語:2009/01/24(土) 23:46:23 ID:w0RCMPGI
いやあああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
780 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:09:02 ID:qWdWrdNf
行きてみん道し知らねば天の川この世のなかの星崎の浜(十市遠忠)
781 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:11:02 ID:qWdWrdNf
ねざめする枕にかすむ鹿の音はただ秋の夜の夢にやあるらん(十市遠忠)
782 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:11:24 ID:qWdWrdNf
露霜の草木に色はなかりけり心をそむる秋の夕暮(十市遠忠)
783 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:11:55 ID:qWdWrdNf
大比叡やかたぶく月の木の間より海なかばある影をしぞ思ふ(十市遠忠)
784 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:12:21 ID:qWdWrdNf
志賀の浦やむかひの山は陰くれて木の間に海を寄する月かげ(十市遠忠)
785 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:12:55 ID:qWdWrdNf
吹きすさぶ外山さびしく冬の夜の月に見えゆく木がらしの風(十市遠忠)
786 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 00:13:26 ID:qWdWrdNf
我が袖はいつかほすべき逢ふ夜はのうれしきにさへあまる涙よ(十市遠忠)
787 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 06:25:43 ID:qWdWrdNf
世にはねをわびてなくだにある物をうれしきにさへおつる涙か(凡河内躬恒)
788 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 06:26:28 ID:qWdWrdNf
いつとなくわけゆく水のあはれ身にしらず逢瀬をたどりわびぬる(十市遠忠)
789 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 06:27:10 ID:qWdWrdNf
夢もうしかへる朝にまどろめばいくたびみるも別れなりけり(十市遠忠)
790 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 06:27:58 ID:qWdWrdNf
逢ふことや遠き野もせの秋の風ひとの心のすゑにふくらむ十市遠忠)
791 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:17:03 ID:qWdWrdNf
あふ事やかたののきぎす妻恋ははれぬ霞のたちゐなくらん(三条西実隆)
792 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:17:55 ID:qWdWrdNf
河水のながれ入りては一すぢに白きぞ海の道と見えぬる(十市遠忠)
793 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:18:48 ID:qWdWrdNf
山深くいとひくるのみ多けれど世をすてはつる人ぞ稀なる(十市遠忠)
794 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:19:25 ID:qWdWrdNf
家ゐする人ぞすくなき世の中をいとひくるのみすまぬ山陰(正徹)
795 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:21:19 ID:qWdWrdNf
行人にゆきおくれてん今日もまたみやま桜の春の夕暮(正親町院)
796 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:21:59 ID:qWdWrdNf
鳴神のただ一とほり一里の風も涼しき夕立のあと(正親町院)
797 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 13:22:29 ID:qWdWrdNf
いづれにかさだめて聞かん今日よりの草木が上の秋の初風(正親町院)
798 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:09:45 ID:qWdWrdNf
秋にやはかはらぬ雲の夕しぐれさすがに空の冬ごもりして(正親町院)
799 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:10:12 ID:qWdWrdNf
空はなほ冬ごもりせる雪のうちにわれのみ春と鶯ぞなく(後醍醐天皇)
800 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:10:36 ID:qWdWrdNf
千とせをも色香にこめて幾秋か花にさきいづる庭の白菊(正親町院)
801 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:11:12 ID:qWdWrdNf
岩つつじ岩根の水にうつる火の影とみるまで眺めくらしぬ(毛利元就)
802 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:13:08 ID:qWdWrdNf
入日さす遠山桜ひとむらは暮るるともなき花の蔭かな(今川義元)
803 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:13:31 ID:qWdWrdNf
昨日なし明日またしらぬ人はただ今日のうちこそ命なりけれ(今川義元)
804 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:14:03 ID:qWdWrdNf
夏山の遠きこずゑの涼しさを野中の水の緑にぞ見る(武田勝頼)
805 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 16:14:36 ID:qWdWrdNf
朧なる月もほのかに雲かすみ晴れてゆくへの西の山の端(武田勝頼)
806 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 17:55:05 ID:qWdWrdNf
まだき散る花と惜しむな遅くともつひにあらしの春の夕暮(武田信勝)
807 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 17:55:42 ID:qWdWrdNf
山がくれつひに嵐の音きかで心と花のいくかちるらん(正徹)
808 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 17:56:14 ID:qWdWrdNf
あだに見よ誰もあらしの桜花さき散るほどは春の夜の夢(武田信勝)
809 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 17:56:48 ID:qWdWrdNf
すずしさのいま誰が方になりぬらんとほざかりゆく夕立の雲(一色直朝)
810 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 17:57:20 ID:qWdWrdNf
遠かたの空のむら雲それかともいひあへぬ間にかかる夕立(一色直朝)
811 :
名無氏物語:2009/01/25(日) 17:57:51 ID:qWdWrdNf
風さむき尾花が末の浪の間にながれもあへぬ秋の日のかげ(一色直朝)
812 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 07:26:52 ID:aZeGI2Zk
花ながす昔を汲みて山水の一葉をさそふ秋の涼しさ(朝倉義景)
813 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 07:27:30 ID:aZeGI2Zk
もののふの鎧の袖をかたしきて枕にちかき初雁のこゑ(上杉謙信)
814 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 07:27:54 ID:aZeGI2Zk
わすれずよかりねに月をみやぎのの枕にちかきさをしかの声(藤原良経)
815 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 07:28:19 ID:aZeGI2Zk
山里のみねの木の葉や散りぬらん枕に近き秋のかりがね(順徳院)
816 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:50:19 ID:aZeGI2Zk
野伏する鎧の袖も楯の端もみなしろたへのけさの初雪(上杉謙信)
817 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:50:53 ID:aZeGI2Zk
雪折の竹の下道ふみわけてすぐなる跡を世々に知らせむ(北条氏康)
818 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:51:23 ID:aZeGI2Zk
なかなかに清めぬ庭は塵もなし風にまかする山の下庵(北条氏康)
819 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:52:16 ID:aZeGI2Zk
我が身いま消ゆとやいかに思ふべき空より来りくうに帰れば(北条氏政)
820 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:52:48 ID:aZeGI2Zk
雨雲のおほへる月も胸の霧も払ひにけりな秋の夕風(北条氏政)
821 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:53:50 ID:aZeGI2Zk
天地の清きなかより生れ来てもとのすみかに帰るべらなり(北条氏照)
822 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 13:54:23 ID:aZeGI2Zk
吹きと吹く風な恨みそ春の花もみぢの残る秋あらばこそ(北条氏照)
823 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:32:04 ID:aZeGI2Zk
晴れ曇る光は空にさだまらで夕日をわたるむら時雨かな(新納忠元)
824 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:32:42 ID:aZeGI2Zk
さぞな春つれなき老いと思ふらむ今年も花ののちに残れば(新納忠元)
825 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:33:13 ID:aZeGI2Zk
けふもまた尋ね入りなむ山里の花に一夜の宿はなくとも(浅井長政)
826 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:37:28 ID:aZeGI2Zk
もろ共に月も忘るな糸桜年の緒ながき契りと思はば(足利義昭)
827 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:38:23 ID:aZeGI2Zk
君が代の時にあひあふ糸桜いともかしこき今日の言の葉(朝倉義景)
828 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:39:58 ID:aZeGI2Zk
雪か雲かとばかり見せて山風の花に吹き立つ春の夕暮(蒲生氏郷)
829 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:40:33 ID:aZeGI2Zk
限りあれば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山かぜ(蒲生氏郷)
830 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 14:41:33 ID:aZeGI2Zk
万代の君が行幸になれなれむ緑木高き軒の玉松(豊臣秀吉)
831 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:05:47 ID:aZeGI2Zk
なき人のかたみに涙残し置きて行方しらずに消えはつるかな(豊臣秀吉)
832 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:06:25 ID:aZeGI2Zk
をしからぬ身をまぼろしとなすならば涙の玉の行方たづねん(細川幽斎)
833 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:09:04 ID:aZeGI2Zk
露と落ち露と消えにし我が身かななにはの事も夢のまた夢(豊臣秀吉)
834 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:11:46 ID:aZeGI2Zk
怠らず行かば千里の果ても見む牛の歩みのよし遅くとも(徳川家康)
835 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:13:15 ID:aZeGI2Zk
ささずとて誰かは越えむあふ坂の関の戸うづむ夜半のしら雪(伊達政宗)
836 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:14:15 ID:aZeGI2Zk
心なき身にだに月を松島や秋のもなかの夕ぐれの空(伊達政宗)
837 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:14:57 ID:aZeGI2Zk
日の本の光を見せてはるかなる唐土までも春や立つらむ(細川幽斎)
838 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:15:32 ID:aZeGI2Zk
さしいづるこの日の本の光より高麗唐土も春を知るらむ(本居宣長)
839 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:58:22 ID:aZeGI2Zk
明けわたるとほ山かづらそのままに霞をかけて春や立つらむ(細川幽斎)
840 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 15:58:59 ID:aZeGI2Zk
雲のゐるとほ山姫の花かづら霞をかけてふくあらしかな(源通光)
841 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:14:54 ID:aZeGI2Zk
明けわたるとほ山かづらおのづからいまやかくらむ里のをとめご(正徹)
842 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:15:31 ID:aZeGI2Zk
鶯の来鳴くみぎりの夕日影むらむらなびく窓のくれ竹(細川幽斎)
843 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:16:22 ID:aZeGI2Zk
軒ちかき梅が香ながら玉すだれ隙もとめ入る春の夕風(細川幽斎)
844 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:17:09 ID:aZeGI2Zk
玉すだれひまもとめ入る春風はいづくなりけんあやし梅が香(後水尾院)
845 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:19:48 ID:aZeGI2Zk
吉野山すず吹く秋のかり寝より花ぞ身にしむ木々の下風(細川幽斎)
846 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:20:26 ID:aZeGI2Zk
植ゑわたす麓の早苗ひとかたになびくと見れば山風ぞ吹く(細川幽斎)
847 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:21:10 ID:aZeGI2Zk
うかりける人の契の浅茅原なびくと見れば秋風ぞふく(正徹)
848 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:47:41 ID:aZeGI2Zk
うゑわたす早苗の末葉うちなびき田面すずしき夏の夕かぜ(大内政弘)
849 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:48:11 ID:aZeGI2Zk
風の音むら雲ながらきほひきて野分に似たる夕立の空(細川幽斎)
850 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 16:49:33 ID:aZeGI2Zk
なき人の面影そへて月のかほそぞろに寒き秋の風かな(細川幽斎)
851 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 17:09:23 ID:aZeGI2Zk
目のまへに海をなしつつ朝霧のあらぬところに沖つ島山(細川幽斎)
852 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 17:09:52 ID:aZeGI2Zk
風わたる洲崎のよもぎ冬がれて夕霜しろき遠の川波(細川幽斎)
853 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:08:35 ID:aZeGI2Zk
かささぎのわたすやいづこ夕霜の雲井にしろき峰のかけ橋(藤原家隆)
854 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:12:13 ID:aZeGI2Zk
更けにけり往き来たえたる夜の雨くらはし川の波も音して(細川幽斎)
855 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:12:44 ID:aZeGI2Zk
山を我がたのしむ身にはあらねどもただ静けさをたよりにぞ住む(細川幽斎)
856 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:13:54 ID:aZeGI2Zk
仙人の住家とやいはむみだれ碁の音してふくるともし火の影(細川幽斎)
857 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:14:27 ID:aZeGI2Zk
明石潟かたぶく月もゆく舟もあかぬ眺めに島がくれつつ(細川幽斎)
858 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:15:26 ID:aZeGI2Zk
海原やしほぢはるかに吹く風の香椎のわたり浪立つらしも(細川幽斎)
859 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:15:48 ID:aZeGI2Zk
曙やふもとをめぐる雲霧に弥高山のすがたをぞ見る(細川幽斎)
860 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:18:58 ID:/hFMBA9c
さまざまの虫の声にもしられけり生きとしいけるもののおもいは(明治天皇)
861 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:36:52 ID:aZeGI2Zk
水上に幾むらさめか飾磨河にごりは海に出でて来にけり(細川幽斎)
862 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:38:44 ID:aZeGI2Zk
はるばると山をめぐりの夕月夜西に入江のかげを見るかな(細川幽斎)
863 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 18:39:17 ID:aZeGI2Zk
君がため花の錦をしきしまや大和しまねもなびく霞に(細川幽斎)
864 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:06:57 ID:aZeGI2Zk
月に散るみぎりの庭の初雪をながめしままにふくる夜半かな(豊臣秀吉)
865 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:07:29 ID:aZeGI2Zk
月にちる花とや見まし吹く風もをさまる庭の初雪の空(細川幽斎)
866 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:07:53 ID:aZeGI2Zk
花紅葉ちるあと遠き木の間より月は冬こそさかりなりけれ(細川幽斎)
867 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:08:28 ID:aZeGI2Zk
古へも今もかはらぬ世の中に心の種をのこす言の葉(細川幽斎)
868 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:09:28 ID:aZeGI2Zk
いまさらにしきしのぶかな敷島の道のをしへにのこす言の葉(三条西実隆)
869 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:11:48 ID:aZeGI2Zk
春の夜のかぎりなるべしあひにあひて月もおぼろに梅もかをれる(木下長嘯子)
870 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 20:12:28 ID:aZeGI2Zk
夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ(和泉式部)
871 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 21:20:59 ID:m+l+tRT1
872 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 21:23:38 ID:aZeGI2Zk
梅が香に窓もる月をかた敷きて半ばさめゆく春の夜の夢(木下長嘯子)
873 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 21:24:26 ID:aZeGI2Zk
ただならぬ朧月夜のかげ更けて袖にほのめく遠の梅が香(木下長嘯子)
874 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 21:24:56 ID:aZeGI2Zk
月の比夜はすがらにわぎも子が手枕かれて花をみるかな(木下長嘯子)
875 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 21:25:36 ID:aZeGI2Zk
むらさきも朱もみどりも春の色はあるにもあらぬ山桜かな(木下長嘯子)
876 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:17:27 ID:aZeGI2Zk
よもの空はふけしづまりて花の上にただおぼろなる月ひとりのみ(木下長嘯子)
877 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:18:05 ID:aZeGI2Zk
なべて世は花咲きぬらし山の端をうすくれなゐに出づる月影(木下長嘯子)
878 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:18:52 ID:aZeGI2Zk
桜花うつろはんとや山のはのうすくれなゐに今朝はかすめる(藤原良経)
879 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:19:26 ID:aZeGI2Zk
しづかなる庭の木の間にかげおちて夜ふかき花に月わたる見ゆ(木下長嘯子)
880 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:19:56 ID:aZeGI2Zk
主なしと花をや思ふ雨そそぐ桜が枝にかかるみの虫(木下長嘯子)
881 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:20:33 ID:aZeGI2Zk
鶯のこゑのひびきに散る花のしづかに落つる春のゆふぐれ(木下長嘯子)
882 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:21:13 ID:aZeGI2Zk
恨みじな世のはなかさを添へて咲く花はまことに思ふ心あり(木下長嘯子)
883 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:21:39 ID:aZeGI2Zk
時鳥こゑのひびきにゆく雲のとまるとみればむらさめの空(下河辺長流)
884 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:36:39 ID:aZeGI2Zk
山に鳴く鳥の音にさへ散る花のむなしき色は見えて淋しき(後水尾院)
885 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:37:13 ID:aZeGI2Zk
古郷のまがきは野らとひろく荒れてつむ人なしになづな花さく(木下長嘯子)
886 :
名無氏物語:2009/01/26(月) 22:49:00 ID:hjwLu0Hq
しみるものあわのおとひめけつをあげさらすたろうのこのよのけむり(安房武家和歌集 浦島の長者)
887 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 07:47:43 ID:jyauGzy2
故郷のあさぢが下のつぼすみれつむ人なしに花やさくらん(藤原兼宗)
888 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 07:53:13 ID:jyauGzy2
水無瀬山我がふる里は荒れぬらむまがきは野らと人もかよはで(後鳥羽院)
889 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 07:54:12 ID:jyauGzy2
音もせず春日のどけし時守のつづみや今日はうち忘るらむ(木下長嘯子)
890 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 07:56:14 ID:jyauGzy2
常よりもをしき春かな時守のうつやつづみも今日なきかせそ(正徹)
891 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 07:56:59 ID:jyauGzy2
鳩のなく外面の杉の夕がすみ春のさびしき色は見えけり(木下長嘯子)
892 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 07:57:42 ID:jyauGzy2
のがれいでし焼野の雉子峰にまたおどろくばかりさく躑躅かな(木下長嘯子)
893 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 13:55:33 ID:jyauGzy2
わが心いくしほ染めつ岩躑躅いはねばこそあれ深き色香に(木下長嘯子)
894 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 13:56:06 ID:jyauGzy2
うず桜のこる鞍馬のつづらをり行くかとみれば帰る春かな(木下長嘯子)
895 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 13:56:40 ID:jyauGzy2
夢路よりまづ聞きそめて時鳥遠ざかるままに声ぞきえゆく(木下長嘯子)
896 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 13:57:05 ID:jyauGzy2
まどろむとおもひもはてぬ夢路よりうつつにつづく初雁のこゑ(藤原定家)
897 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 13:57:34 ID:jyauGzy2
あはれにもうち光りゆく蛍かな雨のなごりのしづかなる夜に(木下長嘯子)
898 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 13:58:06 ID:jyauGzy2
夏草の花にぞのこる野宮やふりはへ問ひし神のうつり香(木下長嘯子)
899 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:12:12 ID:eqC9OmMd
のこるものいきるしるしのにおひとてはなまんかいのけむりおひつつ
(安房武家和歌集 野辺のやどかり)
900 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:47:41 ID:jyauGzy2
夕立の杉の梢はあらはれて三輪の檜原ぞまたくもりゆく(木下長嘯子)
901 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:48:12 ID:jyauGzy2
山風に先づさそはれて夕立の雲の行くてにさわぐ群鳥(木下長嘯子)
902 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:48:41 ID:jyauGzy2
すまの浦や夕立つ浪のたちまちにうしろの山ぞ又くもり行く(契沖)
903 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:49:13 ID:jyauGzy2
夕顔のさける軒ばの下涼み男はててれ女はふたのもの(木下長嘯子)
904 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:49:50 ID:jyauGzy2
今朝よりはものあぢきなく心ぼそし人わびさする秋や来ぬらん(木下長嘯子)
905 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:50:29 ID:jyauGzy2
露となる風となりてやなべて世の人わびさする秋はきぬらん(正徹)
906 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 14:51:04 ID:jyauGzy2
衣手の涼しくもあるかさ夜更けて蛍とぶなり秋風のうへに(木下長嘯子)
907 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:55:58 ID:jyauGzy2
色かはる木の葉ばかりの命もて蝉ぞなくなる秋風の上に(契沖)
908 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:56:24 ID:jyauGzy2
ひぐらしの声もなれたる山里に今一入のさびしさもがな(木下長嘯子)
909 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:57:08 ID:jyauGzy2
秋の野に千はこの玉をなげすててとる人なしにみゆる白露(木下長嘯子)
910 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:57:39 ID:jyauGzy2
山こえて入りぬと見えし秋の日のまたいづくよりてらす麓田(木下長嘯子)
911 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:58:11 ID:jyauGzy2
一とほり時雨つきぬとみえし雲の又いづくより曇りきぬらん(三条西実隆)
912 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:58:36 ID:jyauGzy2
里は荒れて燕ならびし梁の古巣さやかにてらす月かげ(木下長嘯子)
913 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 15:59:08 ID:jyauGzy2
宿は猶燕ならびしうつはりに荒れてぞ月のひとりかかれる(正徹)
914 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 17:03:44 ID:jyauGzy2
はるばると敷津の浦の月の夜は氷にうかぶ淡路しま山(木下長嘯子)
915 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 17:04:28 ID:jyauGzy2
天地やさらにひらくる海山も玉もてつくる秋の夜の月(木下長嘯子)
916 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 17:04:58 ID:jyauGzy2
枝も葉もかぞふばかりに月すめば影たしかなる庭のときは木(木下長嘯子)
917 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 17:05:34 ID:jyauGzy2
吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峯たしかなるあらし山かな(藤原定家)
918 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 17:06:10 ID:jyauGzy2
わがものと大和もろびとおごり見よ外に知られぬ秋の夜の月(木下長嘯子)
919 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 17:06:47 ID:jyauGzy2
すべてただこれ皆秋のすることぞ月も夕べも虫も憂からず(木下長嘯子)
920 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:06:47 ID:jyauGzy2
散りつもる庭の枯葉のそよそよとまだふりしめぬ村時雨かな(木下長嘯子)
921 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:07:16 ID:jyauGzy2
それながら雨とも言はじ初時雨いかに聞くべき夜半の寝覚ぞ(木下長嘯子)
922 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:07:45 ID:jyauGzy2
朝まだき楢のかれ葉をそよそよと外山をいでてましら鳴くなり(源顕仲)
923 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:08:19 ID:jyauGzy2
ちりちらず木の葉夢とふ槙のやに時雨をかたる軒の玉水(木下長嘯子)
924 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:08:51 ID:jyauGzy2
冬枯れの梢を松に吹きまぜてこまかにかはる風の音かな(木下長嘯子)
925 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:10:14 ID:jyauGzy2
峰しらむ雪の光におき出でて後はるかなる鳥のはつ声(木下長嘯子)
926 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:48:27 ID:jyauGzy2
白妙にいくへかさなる色ならん氷の上の雪の夜の月(木下長嘯子)
927 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:48:50 ID:jyauGzy2
一色に玉しきかへて天地のまたひらく世や雪の明けぼの(木下長嘯子)
928 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:49:22 ID:jyauGzy2
やどりをば明けぬと出でて雪も夜も深きにまよふ野べの旅人(木下長嘯子)
929 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 18:50:12 ID:jyauGzy2
日暮るればたつ面影を身にそへてそのままにこそ打ちふされけれ(木下長嘯子)
930 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 19:04:34 ID:jyauGzy2
蘭の花うらむらさきの色に出でてうつり香さへもたえし中かな(木下長嘯子)
931 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 19:05:20 ID:jyauGzy2
世々のひとの月はながめしかたみぞと思へば思へば物ぞかなしき(木下長嘯子)
932 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 20:03:53 ID:jyauGzy2
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき(徳川尋子)
933 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 20:04:41 ID:jyauGzy2
あらぬ世に身はふりはてて大空も袖よりくもる初しぐれかな(木下長嘯子)
934 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 20:05:12 ID:jyauGzy2
汝よなれ汝はやせ僧時にあはず首うちなげて物欲しげなる(木下長嘯子)
935 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 20:05:45 ID:jyauGzy2
亡き影にまた袖ぬれて仕へけん昔を今のしづのをだ巻(木下長嘯子)
936 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 20:08:33 ID:jyauGzy2
黒髪もながかれとのみ掻き撫でしなど玉の緒のみじかかりけん(木下長嘯子)
937 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 20:09:12 ID:jyauGzy2
うつつとも夢ともわかん折までは亡き人を我が亡き人にせじ(木下長嘯子)
938 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 21:39:44 ID:jyauGzy2
思ひつつぬる夜も逢ふとみえぬかな夢まで人やなき世なるらん(木下長嘯子)
939 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 21:40:39 ID:jyauGzy2
せめてわがぬる夜な夜なは逢ふとみえよ夢にやどかる君ならば君(木下長嘯子)
940 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 21:41:34 ID:jyauGzy2
似たる人また世にあれなたづねゆきて慰むばかり見ても帰らん(木下長嘯子)
941 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 21:42:11 ID:jyauGzy2
すべて人をいかなる時にしのばざらんあはれ日又日あはれ夜また夜(木下長嘯子)
942 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 21:42:48 ID:jyauGzy2
あらき風ふく夕暮はまづぞおもふ今よりたれにあてじとすらん(木下長嘯子)
943 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 21:43:38 ID:jyauGzy2
なき人の来る夜と待ちし袖の上に涙の外の玉は見ざりき(木下長嘯子)
944 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 22:02:36 ID:eqC9OmMd
かってなるおもひにあきれかのひとはじごくでもよかきがねなきせい (右門の介弓手勤)
945 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 22:29:04 ID:jyauGzy2
遊ぶ子の数にも入らで君ひとり苔の下にや今は歎かん(木下長嘯子)
946 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 22:30:04 ID:jyauGzy2
まづ悲し花を見月をながめてもその面影はむかひ消えつつ(木下長嘯子)
947 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 22:32:23 ID:jyauGzy2
ありて憂き身の思ひ出の月なればながめても又またもながめん(木下長嘯子)
948 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 22:33:29 ID:jyauGzy2
山桜みれど心はなぐさまず花にもあまる憂き身なりけり(木下長嘯子)
949 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 22:36:21 ID:jyauGzy2
身のほどを忘れてむかふ山桜花こそ人を世にあらせけれ(木下長嘯子)
950 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 23:28:46 ID:jyauGzy2
春はただ花こそ人をとどめけれ関守なゐそ不破の中山(藤原有綱)
951 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 23:34:09 ID:jyauGzy2
誰をまつ花ともなくてしづけさの老にかなへる浅茅生の宿(木下長嘯子)
952 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 23:35:14 ID:jyauGzy2
誰をまつ宿ともみえぬ浅ぢふにくるれば人のころも打つなり(頓阿)
953 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 23:36:05 ID:jyauGzy2
たれを待つ誰をさそはむ老が世に独りがための花のかげかな(三条西実隆)
954 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 23:38:55 ID:jyauGzy2
今年わがよはひの数を人問はば老いてみにくくなると答へん(木下長嘯子)
955 :
名無氏物語:2009/01/27(火) 23:39:52 ID:jyauGzy2
鉢叩あかつき方の一こゑは冬の夜さへもなくほととぎす(木下長嘯子)
956 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:23:07 ID:QBgWF4d/
露の身の消えてもきえぬ置き所草葉のほかにまたもありけり(木下長嘯子)
957 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:24:27 ID:QBgWF4d/
世は春の民の朝けの烟より霞も四方の空に立つらん(後水尾院)
958 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:25:05 ID:QBgWF4d/
峰つづき都に遠き山々の限りもみえてのこる雪かな(後水尾院)
959 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:27:38 ID:QBgWF4d/
水無瀬川遠きむかしの面影も立つや霞にくるる山もと(後水尾院)
960 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:28:34 ID:QBgWF4d/
住の江や春のしらべは松風もひとつみどりの色にかすみて(後水尾院)
961 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:51:32 ID:QBgWF4d/
うき草のすゑより水の春風や世に吹きそめてのどけかるらん(後水尾院)
962 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:53:21 ID:QBgWF4d/
大空をおほはん袖につつむともあまるばかりの風の梅が香(後水尾院)
963 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:53:55 ID:QBgWF4d/
したはれて来にし心の雁ならばかへる雲路をいかでしるらん(後水尾院)
964 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:54:25 ID:QBgWF4d/
江の南梅さきそめておそくとくみどりにつづく岸の青柳(後水尾院)
965 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 00:55:04 ID:QBgWF4d/
分けみればおのがさまざま花ぞ咲くひとつ緑の野べの小草も(後水尾院)
966 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 01:06:53 ID:QBgWF4d/
春の夜の真砂ぢしめる沓の音に音なき雨を庭に聞くかな(後水尾院)
967 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 01:07:39 ID:QBgWF4d/
白雲に松も檜原も籠り江に初瀬の山ぞ花に明け行く(後水尾院)
968 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 01:08:35 ID:QBgWF4d/
花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは(後水尾院)
969 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 01:13:26 ID:QBgWF4d/
ことしげき世をもわすれてつくづくと心をわけぬ花にむかひて(後水尾院)
970 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 01:14:04 ID:QBgWF4d/
長閑なる夕べの雨を光にて谷にも春の花は咲きけり(後水尾院)
971 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:10:12 ID:JK7U0Z98
ばかうたをならべてうれしあほのくにだれがみるのかはきだしおりつ (前太政大臣橘の隆道)
972 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:18:01 ID:QBgWF4d/
花なれや春日うつろふ山の端にあたたかげなる雪の一むら(後水尾院)
973 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:18:57 ID:QBgWF4d/
過ぎかてにけふや暮らさん散りつもる花のうへ行く春の山みち(後水尾院)
974 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:19:44 ID:QBgWF4d/
うしやうし花にほふえに風かよひちりきて人のこととひはせず(後水尾院)
975 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:20:19 ID:QBgWF4d/
けふはその水上の月もめぐりあひて咲く影ふかき桃の波かな(後水尾院)
976 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:21:40 ID:QBgWF4d/
夕ひばり我がゐる山の風はやみ吹かれてこゑの空にのみする(後水尾院)
977 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:22:27 ID:QBgWF4d/
この夕べ花も残らぬ雨風にきほひて帰る春のさびしさ(後水尾院)
978 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 02:23:12 ID:QBgWF4d/
夏来てはひとつ緑もうすくこき梢におのが色は分かれて(後水尾院)
979 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 03:23:09 ID:CN3zZFdH
新たしき年の初めの初春のけふ降る雪のいや重け吉事(大伴家持)
980 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:03:05 ID:QBgWF4d/
散る花の雪をたためる夏衣かへても春の名残やはなき(後水尾院)
981 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:03:32 ID:QBgWF4d/
玉かきの風もよきてや神まつる卯月にかかる花のゆふしで(後水尾院)
982 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:39:39 ID:QBgWF4d/
里まではさしもおくらぬ影なれや卯の花山のかへるさの月(後水尾院)
983 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:40:28 ID:QBgWF4d/
うとくなるおのが鳴くねも色みえば青葉の花の山ほととぎす(後水尾院)
984 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:41:08 ID:QBgWF4d/
常磐木に色をわかばの薄萌黄おなじ緑の中に涼しき(後水尾院)
985 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:41:40 ID:QBgWF4d/
夏の日のけしきをかへて降る音はあられに似たる夕立の雨(後水尾院)
986 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:42:10 ID:QBgWF4d/
俄にも波をたたへしにはたづみ乾くもやすき夕立のあと(後水尾院)
987 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:42:53 ID:QBgWF4d/
降る雨のなごり涼しく夏山の緑につづく雲の色かな(後水尾院)
988 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 11:43:34 ID:QBgWF4d/
うゑ渡す早苗の末葉しげるらし千草と共になびく夕風(後水尾院)
989 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 12:05:58 ID:QBgWF4d/
名残なほ昔おぼえて見し夢の後も枕にかをる橘(後水尾院)
990 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 12:06:35 ID:QBgWF4d/
とぶ蛍水の下にもありけりとおのが思ひをなぐさみやせん(後水尾院)
991 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 12:07:20 ID:QBgWF4d/
鳴く蝉のこゑも木ずゑにしづまりて涼しく暮るる森の下風(後水尾院)
992 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 12:07:50 ID:QBgWF4d/
色みえばこれや初しほ紅葉する秋のけしきの森の涼しさ(後水尾院)
993 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 12:09:00 ID:QBgWF4d/
いつしかとけふは紅葉の秋もきぬ見しはきのふの花の都に(後水尾院)
994 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 12:10:00 ID:QBgWF4d/
千々に身をわくともあかじ秋の花ひとつひとつにとまるこころは(後水尾院)
995 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 13:27:43 ID:7d1sLwdp
あきもせずばかうたならべちほになるそのかおあげてあめふるつきを (堀川院法王)
996 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 13:50:49 ID:QBgWF4d/
眺めこしいくよの秋のうさならむ我とはなしの夕暮の空(後水尾院)
997 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 13:51:16 ID:QBgWF4d/
世に絶えし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒(後水尾院)
998 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 13:51:40 ID:QBgWF4d/
そことなき霧のうち行く浪の音も一すじ見ゆる秋の川霧(後水尾院)
999 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 13:52:19 ID:QBgWF4d/
明けぼのや山本くらく立ちこめて霧にこゑある秋の川水(後水尾院)
1000 :
名無氏物語:2009/01/28(水) 13:52:44 ID:QBgWF4d/
水の面に吹く跡みえて山本の川風しろきなみのうき霧(後水尾院)
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