1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2008/08/17(日) 23:40:51 ID:d3YcFlim
3 :
名無氏物語:2008/08/17(日) 23:41:42 ID:d3YcFlim
4 :
名無氏物語:2008/08/17(日) 23:42:40 ID:d3YcFlim
5 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 15:28:24 ID:k0NJR8Hl
わが君は千代に八千代にさざれ石のいはほとなりて苔のむすまで(読人不知)
6 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 15:29:53 ID:k0NJR8Hl
さざれ石のいはほをかけし新枕こけのむすまでとはぬ君かな(松永貞徳)
7 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 19:16:34 ID:4VIIvBgX
山のはも見えぬ明石のうら千どり島がくれゆく月になくなり(読人不知[玉葉])
8 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 19:18:41 ID:4VIIvBgX
かねてしる秋の別を今さらにけふもくれぬとなにうらむらん(藤原有家[新千載])
9 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 19:20:01 ID:4VIIvBgX
いはね山やまあゐにすれるをみ衣袂ゆたかにたつぞうれしき(大江匡房[新千載])
10 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 19:21:58 ID:4VIIvBgX
花すすきおほかる野べは唐衣たもとゆたかに秋風ぞふく(宗尊親王[続古今])
11 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 19:23:39 ID:4VIIvBgX
つたへてもいかに知らせむおなじ野の尾花がもとの草のゆかりに(藤原公衡[新勅撰])
12 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 21:51:09 ID:4VIIvBgX
武蔵野の春のけしきも知られけり垣根にめぐむ草のゆかりに(慈円[新勅撰])
13 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 21:52:37 ID:4VIIvBgX
いづれぞと草のゆかりもとひわびぬ霜枯れはつる武蔵野のはら(土御門院[続古今])
14 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 21:53:45 ID:4VIIvBgX
紫は一もとならで秋萩の花も色こき武蔵野の原(二条為忠[新葉])
15 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 21:58:24 ID:4VIIvBgX
を初瀬や霞にまがふ花の色をふしみの暮に誰ながむらん(後鳥羽院[新拾遺])
16 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 21:59:38 ID:4VIIvBgX
更級の山よりほかにてる月もなぐさめかねつこの頃の空(凡河内躬恒[古今])
17 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 22:02:43 ID:4VIIvBgX
更科やをばすて山にたびねしてこよひの月をむかし見しかな(能因[新勅撰])
18 :
名無氏物語:2008/08/19(火) 22:05:20 ID:4VIIvBgX
更科やをばすて山に月みると都にたれかわれをしるらん(藤原季通[千載])
19 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:20:30 ID:snzCL3Kv
忘るなよをばすて山の月見ても都を出づる有明の空(源頼実[千載])
20 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:21:21 ID:snzCL3Kv
ほととぎすなれも心やなぐさまぬ姨捨山の月に鳴く夜は(宜秋門院丹後[続拾遺])
21 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:22:31 ID:snzCL3Kv
あぢきなくなぐさめかねつ更科やかからぬ山も月はすむらん(後鳥羽院[続古今])
22 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:23:39 ID:snzCL3Kv
さらしなや夜わたる月の里人もなぐさめかねて衣擣つなり(順徳院[続古今])
23 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:25:08 ID:snzCL3Kv
風の音もなぐさめがたき山のはに月まちいづる更科の里(土御門院小宰相[新後撰])
24 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:26:22 ID:snzCL3Kv
秋ごとになぐさめがたき月ぞとはなれてもしるやをばすての山(二条為氏[続後撰])
25 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 00:27:27 ID:snzCL3Kv
いとどなほ待つ夜深行くつらささへなぐさめかねてみつる月かな(後醍醐天皇[新葉])
26 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 14:32:28 ID:f8IYAtgc
すがるなく野べのゆふ暮あはれなり尾花がすゑに風をまかせて(慈円)
27 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 14:33:14 ID:f8IYAtgc
とどめあへず朝たつ袖のしら露もすがるなく野の秋のはぎはら(藤原為家)
28 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 14:34:39 ID:f8IYAtgc
ほさばやな秋のはぎ原今朝たちて片敷くままの袖の花ずり(宗良親王)
29 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 14:35:50 ID:f8IYAtgc
をしかなく秋のはぎはらかりにだになびかぬつまをいつとかまたん(長慶天皇)
30 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 14:36:53 ID:f8IYAtgc
をしか鳴くをかべの萩にうらぶれていにけん君をいつとかまたん(賀茂真淵)
31 :
名無氏物語:2008/08/20(水) 14:38:33 ID:f8IYAtgc
故郷を別れ路におふる葛の葉の風は吹けどもかへる世もなし(後鳥羽院)
32 :
名無氏物語:2008/08/21(木) 01:48:42 ID:Iavxaj2C
あか月はうらみてのみやかへるらん別ぢにおふる葛のした風(宗尊親王)
33 :
名無氏物語:2008/08/21(木) 01:49:38 ID:Iavxaj2C
かへりこむ葛の葉ならで露けきは別れ路におふる道の芝草(正徹)
34 :
名無氏物語:2008/08/21(木) 01:50:59 ID:Iavxaj2C
今はとてはひまつはれよ行く秋の別れ路におふる葛の葉かづら(細川幽斎)
35 :
名無氏物語:2008/08/21(木) 01:53:14 ID:Iavxaj2C
あか月の露やいかなる露ならんおきてしゆけばわびしかりけり(源実朝)
36 :
名無氏物語:2008/08/21(木) 01:54:03 ID:Iavxaj2C
わがやどの軒端の木の葉そめしよりたつ日はきかじ四方の山かぜ(藤原隆祐)
37 :
名無氏物語:2008/08/21(木) 01:55:05 ID:Iavxaj2C
惜しめどもとまらぬ君を桜花わかるる道の見えぬまで散れ(藤原元真)
38 :
名無氏物語:2008/08/22(金) 03:53:42 ID:mQ8KwwGe
神な月なべて紅葉はちりしきぬいづれを道とわきてゆかまし(藤原教長)
39 :
名無氏物語:2008/08/22(金) 03:56:29 ID:mQ8KwwGe
ふる雪にあとこそみえね草の原いづれを道とたれにとはまし(飛鳥井雅有)
40 :
名無氏物語:2008/08/22(金) 03:57:56 ID:mQ8KwwGe
都いでて朝こえゆけば風まぜに雪ふりむかふ衣かせ山(俊恵)
41 :
名無氏物語:2008/08/22(金) 04:00:22 ID:mQ8KwwGe
つつみあまる袖の涙のいづみ河くちなんはては衣かせ山(源家長)
42 :
名無氏物語:2008/08/22(金) 04:02:48 ID:mQ8KwwGe
都にもあかでやむすぶ泉川てる日に雲のころもかせ山(藤原隆祐)
43 :
名無氏物語:2008/08/22(金) 04:09:27 ID:mQ8KwwGe
五月きてけふみかの原ほととぎすしばしはここにやどをかせ山(藤原為家)
44 :
名無氏物語:2008/08/23(土) 02:41:25 ID:3s6i20NB
波の花こほりのひまをいづみ川けふみかのはら春たちにけり(藤原為家)
45 :
名無氏物語:2008/08/23(土) 02:42:56 ID:3s6i20NB
春たちてけふみかの原みわたせばいつしかかすむ泉川かな(飛鳥井雅有)
46 :
名無氏物語:2008/08/23(土) 02:44:03 ID:3s6i20NB
泉川かは風寒し今よりや久迩の都は衣うつらん(宗尊親王)
47 :
名無氏物語:2008/08/23(土) 02:45:00 ID:3s6i20NB
みかのはら川風ふかばさく花におほふばかりの衣かせ山(松永貞徳)
48 :
名無氏物語:2008/08/23(土) 02:48:22 ID:3s6i20NB
泉川水のすずしさたちこめてけふより夏の衣かせ山(下河辺長流)
49 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 16:22:05 ID:0pV2H2/x
明石がた舟のむかしにこととへば島がくれゆくあとのしら波(慈円)
50 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 16:23:33 ID:0pV2H2/x
はるかなる浪ぢの春の明ぼのにしばし霞の島がくれゆく(慈円)
51 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 16:25:31 ID:0pV2H2/x
明石潟かすみて帰る雁が音も島がくれゆく春のあけぼの(藤原良経)
52 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 16:27:31 ID:0pV2H2/x
明石潟かへる浪路やかすむらむ島がくれ行く春の雁がね(藤原伊平)
53 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 16:28:34 ID:0pV2H2/x
淡路潟かすみぞ白き行く船の島隠れにも花やさくらむ(飛鳥井雅俊)
54 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 16:29:46 ID:0pV2H2/x
淡路がた哀は雪に残し置きて島隠れゆく年のくれかな(松永貞徳)
55 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 17:58:57 ID:+2n3eXA9
身のゆくへなぐさめかねし心にはをばすて山の月もうかりき(宗良親王[新葉])
56 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 18:03:42 ID:+2n3eXA9
天の河ひかりとどめずゆく月のはやくも人に恋ひやわたらむ(藤原資季[新後拾遺])
57 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 18:08:56 ID:+2n3eXA9
したにすむもとの心をしらぬかな野中の清水み草ゐぬれば(道宝[新後撰])
58 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 18:10:07 ID:+2n3eXA9
思ひ出でよ野なかの水の草がくれもとすむ程のかげはみずとも(二条為重[新後拾遺])
59 :
名無氏物語:2008/08/24(日) 18:11:08 ID:+2n3eXA9
八幡山さかゆくみねも越え果てて君をぞ祈る身のうれしさに(源通光[玉葉])
60 :
名無氏物語:2008/08/25(月) 00:44:05 ID:PtIThQLr
時鳥島がくれゆく一こゑをあかしの浦のあかずしぞ思ふ(後水尾院)
61 :
名無氏物語:2008/08/25(月) 00:45:44 ID:PtIThQLr
はかなしやけふもくれぬといひいひて夜はのけぶりといつかのぼらむ(慈円)
62 :
名無氏物語:2008/08/25(月) 00:47:13 ID:PtIThQLr
あはぢしま千鳥とわたる声ごとにいふかひもなき物ぞかなしき(藤原定家)
63 :
名無氏物語:2008/08/25(月) 00:48:47 ID:PtIThQLr
かぎりあればけふもくれぬとながめつつきのふの鐘の暁の声(藤原雅経)
64 :
名無氏物語:2008/08/25(月) 00:50:05 ID:PtIThQLr
鐘のおとにけふもくれぬとながむればあらぬ露ちる袖の秋かぜ(後鳥羽院)
65 :
名無氏物語:2008/08/25(月) 00:51:45 ID:PtIThQLr
いくたびかしぐるる空の鐘のおとにけふもくれぬと打ちながめつつ(順徳院)
66 :
名無氏物語:2008/08/27(水) 23:49:47 ID:kbc6WUTW
春くるる入逢のかねの声ごとに老は涙を袖におくかな(宗良親王)
67 :
名無氏物語:2008/08/27(水) 23:50:39 ID:kbc6WUTW
春の行く入逢の鐘を大かたに今日もくれぬと誰かきくらむ(飛鳥井雅世)
68 :
名無氏物語:2008/08/27(水) 23:51:43 ID:kbc6WUTW
春のきるたもとゆたかにたつ霞めぐみあまねきよもの山のは(藤原定家)
69 :
名無氏物語:2008/08/27(水) 23:52:31 ID:kbc6WUTW
から錦たもとゆたかに立田姫秋はまちえつさこそつつまめ(木下長嘯子)
70 :
名無氏物語:2008/08/27(水) 23:53:37 ID:kbc6WUTW
うれしさも袂ゆたかにあらはるる衣の玉をなににつつまむ(中院通村)
71 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 02:14:01 ID:pSXmLG0Q
紫の色には咲くな武蔵野の草のゆかりと人もこそ見れ(藤原義孝)
72 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 02:15:02 ID:pSXmLG0Q
武蔵野のゆかりの色もとひわびぬみながらかすむ春の若草(藤原定家)
73 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 02:16:51 ID:pSXmLG0Q
武蔵野にむすべる草のゆかりとや一夜の枕つゆなれにけり(藤原良経)
74 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 02:17:59 ID:pSXmLG0Q
武蔵野の草のゆかりに鳴く雉子春はむかしのつまならねども(俊成卿女)
75 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 02:18:59 ID:pSXmLG0Q
武蔵野の草のゆかりも遠ければ露消えぬともたれかつげまし(宗良親王)
76 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 02:19:54 ID:pSXmLG0Q
紫の花なつかしみ武蔵野の草はみながらすみれともがな(本居宣長)
77 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 13:11:15 ID:hUGbOCsx
78 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 21:45:32 ID:SZcfDJa9
男山おいてさかゆく契りあらばつくべき杖も神ぞきるらむ(後嵯峨院[続拾遺])
79 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 21:47:01 ID:SZcfDJa9
難波なる長柄の橋もつくるなり今は我が身をなににたとへむ(伊勢[古今])
80 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 21:48:19 ID:SZcfDJa9
ゆく末を思へばかなし津の国のながらの橋も名はのこりけり(源俊頼[千載])
81 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 22:07:29 ID:SZcfDJa9
花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆく物はわが身なりけり(藤原公経[新勅撰])
82 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 22:15:48 ID:SZcfDJa9
夏ふかくなりぞしにけるおほあらきの森の下草なべて人かる(平兼盛[後拾遺])
83 :
名無氏物語:2008/08/28(木) 22:17:35 ID:SZcfDJa9
わが恋は年ふるかひもなかりけりうらやましきは宇治の橋守(源顕方[千載])
84 :
名無氏物語:2008/08/29(金) 01:01:15 ID:iySy+5EE
年へたる宇治の橋もりこととはむ幾世に成りぬ水のみなかみ(藤原清輔[新古今])
85 :
名無氏物語:2008/08/29(金) 01:02:17 ID:iySy+5EE
うの花のさきぬる時は白妙の波もてゆへるかきねとぞみる(藤原重家[新古今])
86 :
名無氏物語:2008/08/29(金) 01:03:50 ID:iySy+5EE
あはぢ島なみもてゆへる山のはにこほりて月のさえわたるかな(藤原忠良[続後撰])
87 :
名無氏物語:2008/08/29(金) 01:06:07 ID:iySy+5EE
みちのくのまがきの島は白妙の浪もてゆへる名にこそ有りけれ(藤原為家[続後撰])
88 :
名無氏物語:2008/08/29(金) 01:07:20 ID:iySy+5EE
飛鳥川ふちにもあらぬ我が宿も瀬にかはり行く物にぞありける(伊勢[古今])
89 :
名無氏物語:2008/08/29(金) 01:08:16 ID:iySy+5EE
かつら川かざしの花のかげ見えしきのふのふちぞけふはこひしき(藤原実方[続後撰])
90 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 00:04:27 ID:kuZMjNC0
おりたちてたのむとなればあすか川ふちも瀬になる物とこそきけ(平忠度[風雅])
91 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 00:07:18 ID:kuZMjNC0
あすか川けふの淵瀬もいかならむさらぬわかれはまつほどもなし(八条院高倉[新勅撰])
92 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 00:14:57 ID:kuZMjNC0
あすか川あすともしらぬはかなさによし流れての世をもたのまじ(院新宰相[玉葉])
93 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 00:16:39 ID:kuZMjNC0
わが恋はあまのかるもにみだれつつかわく時なき浪のしたくさ(藤原俊忠[千載])
94 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 00:21:25 ID:kuZMjNC0
いへば猶人こそうけれいく世しもあらじ我が身をなど忘るらむ(定円[新続古今])
95 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 07:49:06 ID:kuZMjNC0
今はわれ吉野の山の花をこそ宿の物とも見るべかりけれ(藤原俊成[新古今])
96 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 07:50:37 ID:kuZMjNC0
うれしくぞまだ見ぬ山の奥も見し世のうき時の宿もとむとて(西園寺実氏[続千載])
97 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 07:51:35 ID:kuZMjNC0
身をさらぬ同じうき世と思はずは巌の中もたづね見てまし(式乾門院御匣[続後撰])
98 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 07:52:21 ID:kuZMjNC0
夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里(藤原俊成[千載])
99 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 07:53:30 ID:kuZMjNC0
秋をへてあはれも露もふか草の里とふ物は鶉なりけり(慈円[新古今])
100 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 07:54:19 ID:kuZMjNC0
鶉なくゆふべの空を名残にて野となりにける深草の里(藤原定家[新拾遺])
101 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 17:59:43 ID:nz9/8+7/
ふか草や鶉の床は跡たえて春の里とふうぐひすの声(藤原良経[新拾遺])
102 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:00:37 ID:nz9/8+7/
かりにきてたつ秋霧の曙にかへるなごりも深草の里(鷹司基忠[玉葉])
103 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:04:30 ID:nz9/8+7/
風はらふうづらの床は夜さむにて月かげさびし深草のさと(恒明親王[新千載])
104 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:05:58 ID:nz9/8+7/
みわの山いかに待ち見む年ふともたづぬる人もあらじと思へば(伊勢[古今])
105 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:06:57 ID:nz9/8+7/
杉むらといひてしるしもなかりけり人もたづねぬみわの山もと(読人不知[拾遺])
106 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:16:46 ID:85XN9csZ
を初瀬の山の端ながらかすむなりふしみの暮に出づる月影(頓阿)
107 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:17:54 ID:85XN9csZ
里はあれて秋風さむみすが原やふしみの暮に衣うつなり(頓阿)
108 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:19:06 ID:85XN9csZ
菅原や伏見の暮の面影にいづくの山もたつ霞かな(頓阿)
109 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:19:52 ID:85XN9csZ
菅原や伏見の暮にたつ雲は初瀬の山の花にぞ有りける(宗良親王)
110 :
名無氏物語:2008/08/30(土) 18:21:04 ID:85XN9csZ
みつつ我なぐさめかねつ更科のをばすて山にてりし月かも(凡河内躬恒)
111 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 08:23:37 ID:/UBqiBd/
をばすての月はいかにかいでたりしなぐさめがたき人はみるらむ(馬内侍)
112 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 08:25:06 ID:/UBqiBd/
なぐさまずいづれの山もすみなれし宿をばすての月の旅ねは(藤原定家)
113 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 08:26:58 ID:/UBqiBd/
わが心なぐさめかねていく世へぬをばすて山の月はみねども(後鳥羽院)
114 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 08:28:00 ID:/UBqiBd/
妻恋をなぐさめかねてをば捨の山ならぬ月に鹿や鳴くらむ(後水尾院)
115 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 08:29:15 ID:/UBqiBd/
かをるなり吉野のたきの雲のなみそのみなかみを雲のみをにて(藤原良経)
116 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 08:31:31 ID:/UBqiBd/
冬の日は雲のみをにてはやければながるる年のしがらみもなし(土御門院)
117 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 17:56:43 ID:3NVqTvYd
ふる雪に杉の青葉もうづもれてしるしも見えずみわの山もと(皇后宮摂津[金葉])
118 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 17:58:18 ID:3NVqTvYd
春くれば杉のしるしもみえぬかな霞ぞたてるみわの山もと(藤原頼輔[千載])
119 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 17:59:18 ID:3NVqTvYd
みわたせばそことしるしの杉もなし霞のうちやみわの山もと(藤原隆房[千載])
120 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 18:00:21 ID:3NVqTvYd
したをれの音のみ杉のしるしにて雪のそこなるみわの山もと(藤原信実[続後撰])
121 :
名無氏物語:2008/08/31(日) 18:07:16 ID:3NVqTvYd
杉たてる門田の面の秋風に月影さむき三輪の山本(浄弁[新拾遺])
122 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 17:41:00 ID:s7YxNeJL
逢ふ事のなどよどむらむ天の河雲のみをにてはやきせなれど(木下長嘯子)
123 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 17:44:45 ID:s7YxNeJL
月はなほ雲のみをにて滝つせの中にやよどむ影やなからむ(後水尾院)
124 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 17:47:28 ID:s7YxNeJL
年をへて野中の清水ぬるけれどさえたる月の影ぞやどれる(覚性法親王)
125 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 17:48:59 ID:s7YxNeJL
秋の夜は野中の清水ぬるけれど月すみぬればつららゐにけり(藤原有家)
126 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 17:52:52 ID:s7YxNeJL
こほりゐし野中の清水うちとけてもとの心にかへる春かな(元政)
127 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 17:54:03 ID:s7YxNeJL
おのづからさかゆく時もありなまし八十もちかき山路ならずは(藤原家隆)
128 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 18:03:33 ID:T2EwMPZj
すむ人もあはれ幾世のふるさとに荒れまくしらぬ花の色かな(藤原秀能[続後撰])
129 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 18:05:50 ID:T2EwMPZj
浅茅原ぬしなき宿の庭のおもにあはれ幾世の月かすみけむ(源実朝[新勅撰])
130 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 18:07:43 ID:T2EwMPZj
荒れにけりたれと住みこしかげならむあはれいくよの蓬生の月(西園寺実兼[新千載])
131 :
名無氏物語:2008/09/01(月) 18:17:28 ID:T2EwMPZj
うちわたすをちかた人にこととへど答へぬからにしるき花かな(小弁[新古今])
132 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 15:47:01 ID:raPYUH+t
七そぢの老のさかゆくこの春はよしやよしのの山の桜も(藤原為家)
133 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 15:48:33 ID:raPYUH+t
今こそは昔にこえて男山さかゆく君が御代とみえけれ(宗尊親王)
134 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 15:53:52 ID:raPYUH+t
君が代の春をむかへて男山さかゆく時にたちかへるらし(中院通勝)
135 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 15:54:58 ID:raPYUH+t
秋かぜやまづ吹きそめし男山さかゆく光月にそへとて(中院通村)
136 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 15:57:14 ID:raPYUH+t
さびしくてふりぬるものはみの山のひと木の松と我となりけり(雅成親王)
137 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 15:59:15 ID:raPYUH+t
津の国のながらの橋とわれとこそ跡なき名をば世に残しけれ(宗尊親王)
138 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 18:30:11 ID:080YbJ1U
さきにけり遠かた人にこととひて名をしりそめし夕がほの花(小侍従[続古今])
139 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 18:31:57 ID:080YbJ1U
すずしさは秋やかへりて初瀬河ふる河のへの杉の下かげ(藤原有家[新古今])
140 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 18:33:28 ID:080YbJ1U
五月雨はふる川のべに水こえて浪まにたてる二もとの杉(飛鳥井雅有[続拾遺])
141 :
名無氏物語:2008/09/02(火) 18:35:25 ID:080YbJ1U
よそながらふる川のべに立つ杉も又あひみじと契やはせし(二条為藤[新続古今])
142 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 13:17:47 ID:Xs2tnZ+p
花さかでふりぬる物は奥山のかげの朽木と我となりけり(宗尊親王)
143 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 13:19:31 ID:Xs2tnZ+p
老いぬればのこらぬ物とおほあらきの杜のした草かれやはてなむ(宗良親王)
144 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 13:21:06 ID:Xs2tnZ+p
老いぬとも駒もすさめずみし色を霜はのこさぬ森の下草(後柏原天皇)
145 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 13:23:04 ID:Xs2tnZ+p
年ふとも宇治の橋守我ならばあはれとおもふ人もあらまし(藤原俊成)
146 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 13:24:08 ID:Xs2tnZ+p
春きては淡路島山みえわかず波もてゆへるかたもかすみて(覚性法親王)
147 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 13:25:11 ID:Xs2tnZ+p
かざすてふ浪もてゆへる山やそれ霞ふきとけすまのうら風(藤原定家)
148 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 23:49:27 ID:zKq3rELm
世中はつねにもがもな渚こぐあまのを舟のつなでかなしも(源実朝[新勅撰])
149 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 23:50:54 ID:zKq3rELm
人ならぬ岩木もさらにかなしきはみつの小島の秋の夕ぐれ(順徳院[続古今])
150 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 23:52:35 ID:zKq3rELm
さそふべきみつの小島の人もなしひとりぞかへる都こひつつ(九条道家[新後撰])
151 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 23:54:09 ID:zKq3rELm
宮城野の小萩をわけて行く水や木のした露の流なるらむ(藤原季経[続後拾遺])
152 :
名無氏物語:2008/09/03(水) 23:56:51 ID:zKq3rELm
わかるるもとまるもおなじ宮城野の木の下露はかさもとりあへず(藤原長能[新続古今])
153 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 00:35:34 ID:83EY2KDC
わたつみの浪もてゆへるはし立の松をかざしに手をりつるかな(賀茂真淵)
154 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 00:36:53 ID:83EY2KDC
五月雨にけふも暮れぬるあすか川いとど淵せやかはりはつらむ(藤原定家)
155 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 00:38:14 ID:83EY2KDC
ふちはせにかはるのみかはあすか川きのふの波ぞけふはこほれる(藤原雅経)
156 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 00:39:09 ID:83EY2KDC
昨日までおもはざりきなあすか川けふにせになる恨せむとは(宗尊親王)
157 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 00:40:25 ID:83EY2KDC
あすか川きのふのふちもけふの瀬も我が身ひとつにうきしづみつつ(宗良親王)
158 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 00:41:55 ID:83EY2KDC
もとむれどありがたきかなうき身には巌のなかも山のあなたも(周防内侍)
159 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:43:21 ID:kiEWJcJP
宮城野の木の下露や落ちぬらむ草葉にあまる秋のよの月(雅成親王[新拾遺])
160 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:45:20 ID:kiEWJcJP
宮城野の木の下露も色見えてうつりぞまさる秋はぎの花(亀山院[続拾遺])
161 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:46:56 ID:kiEWJcJP
宮城野のこのした露に立ちぬれていく夜か鹿の妻をこふらむ(飛鳥井雅有[新後撰])
162 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:48:31 ID:kiEWJcJP
秋はぎの花さきしより宮城野のこのした露のおかぬ日ぞなき(吉田為経[玉葉])
163 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:50:08 ID:kiEWJcJP
最上川いなとこたへていな舟のしばしばかりは心をも見む(後鳥羽院下野[新後拾])
164 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:51:23 ID:kiEWJcJP
老の波またたちわかれいな舟ののぼればくだる旅のくるしさ(宗良親王[新葉])
165 :
名無氏物語:2008/09/04(木) 21:52:31 ID:kiEWJcJP
ちかくふりくる雪は白浪の末の松山こすかとぞ見る(藤原興風[古今])
166 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:27:55 ID:PX8xH/tL
ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪こさじとは(清原元輔[後拾遺])
167 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:28:59 ID:PX8xH/tL
白浪のこゆらむ末の松山は花とや見ゆる春の夜の月(加賀左衛門[新古今])
168 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:30:45 ID:PX8xH/tL
鶴のゐる松とて何かたのむべき今は梢に浪もこえなむ(待賢門院堀河[新拾遺])
169 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:35:57 ID:PX8xH/tL
老のなみこえける身こそあはれなれことしも今は末の松山(寂蓮[新古今])
170 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:38:15 ID:PX8xH/tL
霞たつ末の松山ほのぼのと波にはなるる横雲の空(藤原家隆[新古今])
171 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:39:22 ID:PX8xH/tL
つくばねの木の本ごとに立ちぞよる春のみ山のかげをこひつつ(宮路潔興[古今])
172 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 12:40:18 ID:PX8xH/tL
ねやのうへに片枝さしおほひそともなる葉びろ柏に霰ふるなり(能因[新古今])
173 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 22:14:27 ID:PX8xH/tL
桜あさのをふのうらなみ立ちかへり見れどもあかず山なしの花(源俊頼[新古今])
174 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 22:29:01 ID:PX8xH/tL
かたえさすをふのうらなし初秋になりもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿[新古今])
175 :
名無氏物語:2008/09/05(金) 23:52:07 ID:PX8xH/tL
霞しく松浦の沖にこぎ出でてもろこしまでの春を見るかな(慈円[新勅撰])
176 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 00:49:21 ID:zSWxO7km
敷島ややまと島ねの朝霞もろこしまでも春は立つらし(後嵯峨院[続後撰])
177 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 00:50:10 ID:zSWxO7km
衣手にすずしき風をさきだてて曇りはじむる夕立の空(宮内卿[玉葉])
178 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 07:06:43 ID:zSWxO7km
過ぎやすき時雨を風にさきだてて雲の跡行く冬の夜の月(中臣祐臣[続千載])
179 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 07:12:18 ID:zSWxO7km
月さゆるをみの衣を先だてて霜におきふす雲の上人(洞院公賢[新千載])
180 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 08:03:57 ID:zSWxO7km
木ずゑより散りかふ花を先だてて風の下行く志賀の山道(伏見院新宰相[新拾遺])
181 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 08:05:30 ID:zSWxO7km
又や見む明石の瀬戸のうき枕波間の月のあけがたの影(藤原忠良[正治初度百首])
182 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 08:06:28 ID:zSWxO7km
山吹の花の露そふ玉川のながれてはやき春の暮かな(後鳥羽院[風雅])
183 :
名無氏物語:2008/09/06(土) 08:07:34 ID:zSWxO7km
思ひ寝の涙なそへそ夜はの月くもるといはば人もこそしれ(藻壁門院少将[続古今])
184 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 01:04:02 ID:g71/b0ih
面影に花のすがたを先だてて幾重越えきぬ峯の白雲(藤原俊成[新勅撰])
185 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 01:05:15 ID:g71/b0ih
かきながす涙ながらぞ手向けつる物思ふ袖の露の玉づさ(九条良平女[続拾遺])
186 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 01:06:15 ID:g71/b0ih
うづら鳴く夕べの空をなごりにて野となりにけり深草の里(藤原定家[新拾遺])
187 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 01:07:14 ID:g71/b0ih
入日さす麓の尾花うちなびき誰が秋風に鶉鳴くらむ(源通光[新古今])
188 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 01:08:10 ID:g71/b0ih
かきくらす軒ばの空に数見えてながめもあへずおつる白雪(藤原定家[玉葉])
189 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 01:09:01 ID:g71/b0ih
卯の花の露に光をさしそへて月にみがける玉川の里(京極為教[玉葉])
190 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 21:42:49 ID:xFKD7PAl
はるかなる芦屋の沖のうき寝にも夢路はちかき都なりけり(藤原俊成[新勅撰])
191 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 21:45:17 ID:xFKD7PAl
波かくる雄島のとまや秋をへてあるじもしらず月やすむらむ(津守国助[続千載])
192 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 21:46:50 ID:xFKD7PAl
君をまだ見ず知らざりしいにしへの恋しきをさへ歎きつるかな(式子内親王[続古今])
193 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 21:50:42 ID:xFKD7PAl
山のはに入日のかげはさしながら麓の里はしぐれてぞゆく(藤原公重[新勅撰])
194 :
名無氏物語:2008/09/07(日) 21:52:37 ID:xFKD7PAl
柴の戸に入日の影はさしながらいかにしぐるる山べなるらむ(藤原清輔[新古今])
195 :
名無氏物語:2008/09/08(月) 06:45:06 ID:vMnbklDq
見しこともかはらぬ月の面かげやただめのまへの昔なるらん(藤原忠資[続千載])
196 :
名無氏物語:2008/09/08(月) 06:46:47 ID:vMnbklDq
かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそみえね春は来にけり(宮内卿[新古今])
197 :
名無氏物語:2008/09/08(月) 06:47:43 ID:vMnbklDq
こぬ人を待つとはなくて待つ宵の更けゆく空の月もうらめし(藤原有家[新古今])
198 :
名無氏物語:2008/09/08(月) 06:48:45 ID:vMnbklDq
いつはりと思ひながらも待つ宵の更くるはつらき山の端の月(大江頼重[続後拾遺])
199 :
名無氏物語:2008/09/08(月) 06:50:43 ID:vMnbklDq
雲となり雨となりても身にそはばむなしき空を形見とやみん(小侍従[新勅撰])
200 :
名無氏物語:2008/09/08(月) 06:52:17 ID:vMnbklDq
君恋ふとうきぬる魂のさ夜ふけていかなる褄にむすばれぬらん(小侍従[千載])
201 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:24:27 ID:Iiqffn0l
ながめわびぬ秋よりほかの宿もがな野にも山にも月やすむらむ(式子内親王)
202 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:28:09 ID:Iiqffn0l
み吉野や世のうき時の道絶えて山のあなたもつもるしら雪(宗尊親王)
203 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:31:24 ID:Iiqffn0l
もとむれど巌の中のかたければ我もこの世になほこそはふれ(和泉式部)
204 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:32:56 ID:Iiqffn0l
うきことはいはほの中もきこゆなりいかなる道もありがたのよや(式子内親王)
205 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:36:31 ID:Iiqffn0l
うづらなくをりにしなれば霧こめてあはれさびしき深草の里(西行)
206 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:39:06 ID:Iiqffn0l
深草や契うらみて住みかはるふしみの里も鶉なくなり(藤原家隆)
207 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:42:06 ID:Iiqffn0l
かりにこしうづらの床もあれはてて冬深草の野べぞさびしき(後鳥羽院)
208 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 15:43:22 ID:Iiqffn0l
ふか草や秋のうづらの床の夢えやはふしみむ野べの木がらし(正徹)
209 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 18:18:33 ID:sL07lH0L
いくめぐりすぎゆく秋に逢ひぬらん変はらぬ月の影をながめて(小侍従[新勅撰])
210 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 18:20:49 ID:sL07lH0L
いかなりし時ぞや夢に見しことはそれさへにこそ忘られにけれ(小侍従[新勅撰])
211 :
名無氏物語:2008/09/09(火) 18:22:14 ID:sL07lH0L
ことの葉の露におもひをかけし人身こそはきゆれ心きえめや(小侍従[玉葉])
212 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 13:41:08 ID:ZDt/b7Zb
露霜のいとどふか草床あれてくれゆく秋にうづら鳴くらむ(後水尾院)
213 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 13:42:34 ID:ZDt/b7Zb
なにとなく物ぞかなしき菅原やふしみの里の秋の夕ぐれ(源俊頼)
214 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 13:43:44 ID:ZDt/b7Zb
いざここにわが世はへなむみくま野の山のさくらは咲きそめにけり(後鳥羽院)
215 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 13:45:49 ID:ZDt/b7Zb
いざここにわが世はへなむ久堅のかつらのさとの月のよなよな(後鳥羽院)
216 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 13:47:31 ID:ZDt/b7Zb
いざここにわが身は老いむあしひきの国上の山の松の下いほ(良寛)
217 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 13:48:39 ID:ZDt/b7Zb
いかならむ三輪の山もと年ふりて過行く秋のくれがたの空(藤原定家)
218 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 17:56:27 ID:QngiCqkX
春の夜のおぼろ月夜やこれならん霞にくもる有明の空(宜秋門院丹後[新勅撰])
219 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 17:57:27 ID:QngiCqkX
よしあしと人に語るな難波潟こと浦にすむあまのしわざを(玄円[新千載])
220 :
名無氏物語:2008/09/10(水) 18:00:07 ID:QngiCqkX
冬の夜はあまぎる雪に空さえて雲の波路にこほる月かげ(宜秋門院丹後[新勅撰])
221 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 14:58:19 ID:IRP4FSH3
いつかこの月日を杉のしるしとて我がまつ人を三輪の山もと(藤原定家)
222 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 15:00:12 ID:IRP4FSH3
しるしなき心の杉をたよりにて思ひぞやりし三輪の山本(宗良親王)
223 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 15:02:02 ID:IRP4FSH3
ひとりふす荒れたる宿の床のうへに哀れいくよの寝ざめなるらむ(能因)
224 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 15:03:23 ID:IRP4FSH3
荒れはてぬ払はば袖のうき身のみあはれいく世の床のうら風(藤原定家)
225 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 15:04:54 ID:IRP4FSH3
橘の花の軒ばも荒れにけりあはれいくよの宿の昔ぞ(宗尊親王)
226 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 15:07:53 ID:IRP4FSH3
住みすててあはれ幾世の宿の花うゑつる木々は春も忘れず(澄月)
227 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 17:58:51 ID:Gd9mVceA
立ちかへり又きさらぎの空さえてあまぎる雪にかすむ山の端(京極為兼[新拾遺])
228 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 17:59:47 ID:Gd9mVceA
木の間もる有明の月のおくらずは独りや山の峰を出でまし(覚性法親王[千載])
229 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 18:00:50 ID:Gd9mVceA
ふるさとを独り別るる夕べにもおくるは月のかげとこそきけ(式子内親王[千載])
230 :
名無氏物語:2008/09/11(木) 18:07:27 ID:Gd9mVceA
袖のうへの涙ぞ今はつらからぬ人に知らるる始めと思へば(宜秋門院丹後[新勅撰])
231 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:13:45 ID:1H5jq4q0
渡りするをちかた人の袖かとや美豆野にしろき夕がほの花(藤原定家)
232 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:15:09 ID:1H5jq4q0
しげり行く色は緑の夏山になにの花ぞものこる白雲(正徹)
233 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:16:06 ID:1H5jq4q0
雲とみる梢や花と山桜遠方人にとひつつぞ行く(武者小路実陰)
234 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:24:18 ID:A5zrdxYN
二もとの杉のこずゑは初時雨ふるかはのべにいろもかはらず(藤原良経)
235 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:27:30 ID:A5zrdxYN
夕立のふる川のべのふかみどりぬれてすずしきふたもとの杉(九条道家)
236 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:28:56 ID:A5zrdxYN
茂からぬ木かげもすずしふる川やただ二本の杉の下かぜ(中臣祐臣)
237 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:30:42 ID:A5zrdxYN
あけぬとて君をばやらじあぢきなし暮をまつまもさだめなきよに(藤原教長)
238 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:31:42 ID:A5zrdxYN
人しれずおもへばくるしたけくまの松とはまたじまてばすべなし(源実朝)
239 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:32:32 ID:A5zrdxYN
あぶくまに瀬瀬の水かさもまさるなり君をばやらじ五月雨の比(宗良親王)
240 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:33:17 ID:A5zrdxYN
天河けふ七夕のあふくまに霧たちわたる思ひそふらむ(三条西実隆)
241 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:34:21 ID:A5zrdxYN
明けぬともたれをやらじとあぶくまにむすぼほれたる今朝の河霧(三条西実隆)
242 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:54:21 ID:QeLlMjZW
思ひ川いはまによどむ水茎をかきながすにも袖はぬれけり(皇嘉門院別当[新勅撰])
243 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:57:24 ID:QeLlMjZW
うれしきもつらきも同じ涙にてあふ夜も袖はなほぞかわかぬ(皇嘉門院別当[新勅撰])
244 :
名無氏物語:2008/09/12(金) 17:58:26 ID:QeLlMjZW
難波江の葦のかりねの一よゆゑ身をつくしてや恋ひわたるべき(皇嘉門院別当[千載])
245 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 08:15:06 ID:lFvxuja0
月影のいづくはあれど春のよの霞にくもる塩がまのうら(行意)
246 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 08:16:16 ID:lFvxuja0
春のくるいづくはあれど朝霞けぶりに深きしほがまの浦(定為)
247 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 08:18:37 ID:lFvxuja0
をぐろ崎都のつとはやぶれにき霧につつみしみつの浦風(正徹)
248 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 08:19:32 ID:lFvxuja0
さそはれていはばや月にうきねするみつの小島の人ならずとも(宗祇)
249 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 08:20:27 ID:lFvxuja0
宮ぎ野のこの下露に郭公ぬれてやきつる涙かるとて(藤原定家)
250 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 08:22:44 ID:lFvxuja0
みやぎののこの下露にくらべばや雨よりけなる袖のしづくを(藤原定家)
251 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 18:05:32 ID:juJAA9sn
難波なる身をつくしてもかひぞなき短き葦の一夜ばかりは(藤原定家[続後拾遺])
252 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 18:08:43 ID:juJAA9sn
思ひ侘び身をつくしてや同じ江に又立ち返り恋ひわたりなん(藤原成実[続後撰])
253 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 18:10:00 ID:juJAA9sn
いかさまに身をつくしてか難波江に深き思ひのしるしみすべき(京極為兼[新後撰])
254 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 18:11:16 ID:juJAA9sn
夢にてもみつとないひそ難波なる芦のかりねの一よばかりは(藤原為道女[続後拾遺])
255 :
名無氏物語:2008/09/13(土) 18:12:26 ID:juJAA9sn
雲もなくなぎたる空のあさみどりむなしき色も今ぞしりぬる(皇嘉門院別当[続後撰])
256 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:22:46 ID:yZXwSdh1
みやぎ野のこのしたつゆをかたしきて袖に小萩のかたみをや見む(藤原良経)
257 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:23:46 ID:yZXwSdh1
とにかくにみかさと申せ夏ふかきすゑのはら野に日てり雨ふる(藤原光俊)
258 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:24:41 ID:yZXwSdh1
もがみ河かげこそおなじいな舟ののぼればくだす岸の青柳(藤原雅経)
259 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:25:35 ID:yZXwSdh1
あひみしもしばしばかりぞいな舟のいなとて人はとほざかりにき(宗尊親王)
260 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:27:00 ID:yZXwSdh1
いそげなほほなみをわたる稲舟の此月ばかり秋のはつ雁(正徹)
261 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:58:05 ID:R5OaFo95
あはれなる遠山畑の庵かな柴の煙のたつにつけても(順徳院[玉葉])
262 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 17:59:03 ID:R5OaFo95
夕まぐれ鴫たつ沢の忘れ水思ひ出づとも袖はぬれなむ(慈円[続古今])
263 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 18:01:04 ID:R5OaFo95
山里は秋のすゑにぞ思ひしる悲しかりけり木がらしの風(西行[新勅撰])
264 :
名無氏物語:2008/09/14(日) 18:02:02 ID:R5OaFo95
ともすればかこちがほなる涙かな老となる身は人のとがかは(禅心[続後拾遺])
265 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 00:14:07 ID:Xt3Aznls
いな舟のうき世なりけりもがみ川のぼればくだる旅の心は(細川幽斎)
266 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 00:15:42 ID:Xt3Aznls
松山にまつ波こえていにけれどいかがおもはむあだしごころを(元良親王)
267 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 00:17:41 ID:Xt3Aznls
つくば山このもかのもの紅葉ばは秋はくれどもあかずぞありける(壬生忠見)
268 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 00:18:41 ID:Xt3Aznls
暮れぬともいざ越えゆかむつくばねのこのもかのもにかかる月かげ(藤原家隆)
269 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 00:19:38 ID:Xt3Aznls
つくばねのこのもかのもの嵐にも君が御かげをなほやたのまむ(藤原雅経)
270 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 18:04:15 ID:GMzQuHac
なげけとて月やはものを思はするかこちがほなる我が涙かな(西行[千載])
271 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 18:05:04 ID:GMzQuHac
夕まぐれ木だかき森にすむ鳩のひとり友よぶ声ぞさびしき(藤原良経[玉葉])
272 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 18:06:20 ID:GMzQuHac
身を捨つる人はまことに捨つるかは捨てぬ人こそ捨つるなりけれ(西行[詞花])
273 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 18:07:20 ID:GMzQuHac
つれづれとながめながめて暮るる日の入相の鐘の声ぞさびしき(祝子内親王[風雅])
274 :
名無氏物語:2008/09/15(月) 18:08:48 ID:GMzQuHac
ながめばや神路の山に雲消えて夕べの空を出でむ月かげ(後鳥羽院[新古今])
275 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 15:02:45 ID:TrqssYLh
分けもみずともに心はつくばねやこのもかのもの人めしげきを(正徹)
276 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 15:03:55 ID:TrqssYLh
東ぢやよこほりふせる山の名もさやかに見せてはるる白雲(藤原家隆)
277 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 15:05:12 ID:TrqssYLh
思ふともこふともなにのかひがねよよこほりふせる山をへだてて(藤原定家)
278 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 15:06:39 ID:TrqssYLh
甲斐が嶺はかすかにだにも見えざりき涙にくれしさやの中山(宗尊親王)
279 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 15:09:30 ID:TrqssYLh
甲斐がねやさ山のともし影白しよこほりふせる鹿やなからむ(心敬)
280 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 15:11:37 ID:TrqssYLh
旅人はさやにも見しか雲はるる甲斐が嶺出づる秋の夜の月(後土御門院)
281 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:09:16 ID:nL75UN8J
身のうさを思ひ知らでややみなまし背くならひのなき世なりせば(西行[新古今])
282 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:11:42 ID:nL75UN8J
春風を滝つ岩ねにせきかねて霞におつる花の白波(藤原公経[新千載])
283 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:16:19 ID:nL75UN8J
朝日山まだ影くらき曙に霧の下ゆく宇治の柴舟(日野資明[風雅])
284 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:19:42 ID:nL75UN8J
伏見山裾野をかけて見渡せば遥かに下る宇治の柴舟(永福門院内侍[新後拾遺])
285 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:21:11 ID:nL75UN8J
とへかしな槙たつ山の夕しぐれ色こそ見えね深き心を(土御門院[続古今])
286 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:22:27 ID:nL75UN8J
あはれさもその色となき夕暮の尾花が末に秋ぞうかべる(京極為兼[風雅])
287 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 19:24:43 ID:nL75UN8J
さびしさはたがよそめにも知りぬらん我がゐる山の秋の夕暮(冷泉為相[新千載])
288 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 20:48:21 ID:nL75UN8J
さびしさはなれぬる物と思へども又今さらの秋の夕暮(冷泉為尹[新続古今])
289 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 20:54:39 ID:nL75UN8J
おもひすてて我が身ともなき心にもなほ昔なる山桜かな(藤原忠良[新勅撰])
290 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 20:58:32 ID:nL75UN8J
たのめつつ来ぬ夜つもりのうらみてもまつより外のなぐさめぞなき(平忠度[新勅撰])
291 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 21:00:59 ID:nL75UN8J
かへりみるわが古郷の雲の波けぶりも遠し八重の塩風(九条左大臣女[玉葉])
292 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 21:02:16 ID:nL75UN8J
春霞かすむ浪ぢはへだつともたよりしらせよ八重の塩風(尊良親王[新葉])
293 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 22:17:24 ID:nL75UN8J
ながれての名だにもとまれゆく水のあはれはかなき身はきえぬとも(平行盛[新勅撰])
294 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 22:20:12 ID:nL75UN8J
ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞのこれる(藤原実定[千載])
295 :
名無氏物語:2008/09/16(火) 22:21:24 ID:nL75UN8J
時鳥過ぎつる方の雲まより猶ながめよといづる月かげ(宜秋門院丹後[玉葉])
296 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 00:32:53 ID:u2CSyo/q
ほととぎす鳴きつる雲をかたみにてやがてながむる有明の空(式子内親王[玉葉])
297 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 00:35:20 ID:u2CSyo/q
時鳥いま一こゑをまちえてや鳴きつるかたを思ひさだめん(長舜[新後撰])
298 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 07:45:07 ID:u2CSyo/q
恋ひ死なむのちのうき世はしらねども生きてかひなき物は思はじ(藤原隆信[新勅撰])
299 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 08:38:41 ID:u2CSyo/q
こえかぬる岩根の道に宿とへば猶山ふかき鐘のおとかな(二条為藤[新続古今])
300 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 08:46:11 ID:u2CSyo/q
なにかその心の外にしをりせん立ちかへるべき恋路ならねば(藤原実房[新続古今])
301 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 08:51:51 ID:u2CSyo/q
たまさかに秋のひと夜を待ち得ても明くる程なき星合の空(藤原隆房[新勅撰])
302 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 14:19:21 ID:knoYTrWi
鹿の音をねこし山こしことづてよ妻にもがもや秋の夕風(藤原雅経)
303 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 14:20:05 ID:knoYTrWi
ふく風にことづてやらむ東路のねこし山こしおもふこころを(宗尊親王)
304 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 14:21:31 ID:knoYTrWi
夕立はふりくる空のまたるやとねこし山こし風や告ぐらむ(後柏原天皇)
305 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 14:22:55 ID:knoYTrWi
をつくばも遠つあしほも霞むなりねこし山こし春や来ぬらむ(賀茂真淵)
306 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 14:23:58 ID:knoYTrWi
かくれなき身とはしるしるやまなしのをふの浦まで思ひやるかな(藤原実方)
307 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 14:24:47 ID:knoYTrWi
むそぢまでなりもならずも今はわが年こそ身にはをふのうらなし(蓮瑜)
308 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 17:55:09 ID:udyGm0GT
人しれぬうき身にしげき思ひ草おもへば君ぞ種はまきける(藤原隆房[新勅撰])
309 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 17:59:03 ID:udyGm0GT
松島や雄島のあまに尋ねみん濡れては袖の色やかはると(藤原知家[続千載])
310 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 17:59:46 ID:udyGm0GT
限りあれば五月の田子の袖だにも降り立たぬよりかくはしぼらじ(小倉公雄[続千載])
311 :
名無氏物語:2008/09/17(水) 18:00:28 ID:udyGm0GT
思ひやれなれたる海士の袖だにも波のうき寝はぬるる習ひを(藤原忠基[新拾遺])
312 :
名無氏物語:2008/09/18(木) 15:59:22 ID:zlonPRwE
をふのうらの友なし千鳥みつ塩になりもならずも浪に鳴く声(正徹)
313 :
名無氏物語:2008/09/18(木) 16:00:23 ID:zlonPRwE
日の本の光を見せてはるかなる唐土までも春や立つらむ(細川幽斎)
314 :
名無氏物語:2008/09/18(木) 16:01:04 ID:zlonPRwE
雲がくれ鳴きてゆくなる初雁のはつかにみてぞ人はこひしき(源実朝)
315 :
名無氏物語:2008/09/18(木) 16:02:05 ID:zlonPRwE
ともしびを花の光にさきだてて窓の白雪春いそぐなり(足利義尚)
316 :
名無氏物語:2008/09/18(木) 16:02:50 ID:zlonPRwE
行き行きておもふもかなし末遠くこえし高根の峰の白雲(後水尾院)
317 :
名無氏物語:2008/09/18(木) 16:03:33 ID:zlonPRwE
玉ふくむ井手の山吹あはれあはれ駒にかふちふ露なこぼしそ(和田厳足)
318 :
名無氏物語:2008/09/23(火) 21:24:45 ID:cCxxFcCb
ほととぎすいまぞさ渡る声すなる我告げざるに人や聞くらむ(藤原道綱母)
319 :
名無氏物語:2008/09/29(月) 16:49:02 ID:/5MntSPf
逢ひみてもさらぬ別れのあるものをつれなしとても何歎くらん(殷富門院大輔[新勅撰])
320 :
名無氏物語:2008/09/29(月) 16:50:40 ID:/5MntSPf
いかにせん今ひとたびの逢ふことを夢にだに見てねざめずもがな(殷富門院大輔[新勅撰])
321 :
名無氏物語:2008/09/29(月) 16:51:55 ID:/5MntSPf
命ありてあひ見むこともさだめなく思ひし春になりにけるかな(殷富門院大輔[新勅撰])
322 :
名無氏物語:2008/09/29(月) 16:53:05 ID:/5MntSPf
見せばやな雄島の海人の袖だにもぬれにぞぬれし色はかはらず(殷富門院大輔[千載])
323 :
名無氏物語:2008/09/29(月) 23:59:40 ID:/5MntSPf
今はとて見ざらん秋の空までも思へばかなし夜半の月影(殷富門院大輔[新勅撰])
324 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 00:23:35 ID:SsbhV++R
大かたの秋の寝覚のながき夜も君をぞ祈る身を思ふとて(藤原家隆[新古今])
325 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 00:26:04 ID:SsbhV++R
まばらなる槙の板屋に音はして漏らぬ時雨や木の葉なるらん(藤原俊成[千載])
326 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 00:27:49 ID:SsbhV++R
さゆる夜の槙の板屋のひとり寝に心くだけと霰ふるなり(藤原良経[千載])
327 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 00:32:20 ID:SsbhV++R
我が恋は海人の苅藻に乱れつつかわく時なき波の下草(藤原俊忠[千載])
328 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 05:27:44 ID:SsbhV++R
涙川おつる水上はやければせきぞかねつる袖のしがらみ(紀貫之[拾遺])
329 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 05:28:19 ID:SsbhV++R
足引の山下水の木隠れてたぎつ心をせきぞかねつる(読人不知[古今])
330 :
名無氏物語:2008/09/30(火) 05:31:04 ID:SsbhV++R
あはれあはれはかなかりける契りかな唯うたたねの春の夜の夢(二条院讃岐[新勅撰])
331 :
名無氏物語:2008/10/06(月) 23:14:58 ID:fr8B/qVE
忘れじの行く末まではかたければ今日をかぎりの命ともがな(儀同三司母[後拾遺集])
332 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 14:56:04 ID:mU/DZxao
風はやきあぶくま川の小夜千鳥涙なそへそ袖の氷に(後鳥羽院)
333 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 14:57:37 ID:mU/DZxao
きりぎりす涙なそへそ草の戸の露に袂はくたしはててき(加納諸平)
334 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 18:52:36 ID:mU/DZxao
まどろめば野をちかづけて枕べにあるここちする菫さわらび(大隈言道)
335 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 18:57:42 ID:mU/DZxao
わが心いかにせよとか山吹のうつろふ花の嵐たつらむ(源実朝)
336 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 18:59:35 ID:mU/DZxao
吹ききつる花橘の身にしめば我も昔の袖の香やする(小侍従)
337 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 19:00:02 ID:mU/DZxao
しのばじな我もむかしの夕まぐれ花橘に風はすぐらむ(俊成卿女)
338 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 19:00:51 ID:mU/DZxao
五月雨は鹿火屋のけぶりうちしめり山田のくれにかはづ鳴くなり(藤原家隆)
339 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 19:02:29 ID:mU/DZxao
降る雨に蚊遣りの煙うちしめりいぶせくみゆる薮浪の里(小沢蘆庵)
340 :
名無氏物語:2008/10/13(月) 23:38:23 ID:0Tnoh/Zq
逢坂の関のせき風吹く声はむかし聞きしに変はらざりけり (菅原孝標女)
341 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 06:34:32 ID:b6ImQUB5
八重葎さしこもりにしふるさとは世を鶯のねをのみぞきく(飛鳥井雅有)
342 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 06:35:26 ID:b6ImQUB5
かぢの葉におきけるものをよしやさは水かげ草の露の玉づさ(正徹)
343 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 06:38:02 ID:b6ImQUB5
たづねても誰かはとはむ鶉鳴く野辺にあはれを深草の里(中山兼宗)
344 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 06:40:17 ID:b6ImQUB5
石ばしる水のしら玉手にとりてかぞふばかりもすめる月かな(三条西実隆)
345 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 16:32:04 ID:b6ImQUB5
まばらなるまきの板屋に影もりて手にとるばかりすめる夜の月(後鳥羽院)
346 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 16:32:46 ID:b6ImQUB5
月きよみさ夜更け行けば伊勢島や一志の浦に千鳥鳴くなり(源実朝)
347 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 16:33:48 ID:b6ImQUB5
もしほやく難波の御津に鳴く千鳥からきうき世はなれもかなしや(宗尊親王)
348 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 16:35:34 ID:b6ImQUB5
このごろは色なき草に波こえて月にみがける野路の玉川(藤原為家)
349 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 16:37:34 ID:b6ImQUB5
かへるさのたが涙とはしらねども月にみがける道芝の露(順徳院)
350 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 16:38:46 ID:b6ImQUB5
みわたせば降りつむ雪を有明の月にみがける多摩の横山(橘千蔭)
351 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 19:10:02 ID:FehNRk28
にほの海や霞のをちにこぐ舟のまほにも春のけしきなるかな(式子内親王[新勅撰])
352 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 19:12:02 ID:FehNRk28
ながむれば見ぬいにしへの春までも面影かをる屋戸の梅が枝(式子内親王[新続古今])
353 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 19:19:48 ID:FehNRk28
花ゆゑに過ぎにし春をかぞふればあはれ八十路に成りにけるかな(藤原時房[続詞花集])
354 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 19:21:39 ID:FehNRk28
はかなくてすぎにしかたを思ふにもいまもさこそは朝顔の露(西行[山家集])
355 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:10:29 ID:nPaBwsBG
天皇、蒲生に遊獵しましし時、額田王の作れる歌
あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
356 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:11:23 ID:FehNRk28
時しあればしづのをだまきくるる夜に昔を今と匂ふ橘(飛鳥井雅永[新続古今])
357 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:13:41 ID:FehNRk28
いかにしてもの思ふ人のすみかには秋よりほかの里をもとめむ(相模[新勅撰])
358 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:14:53 ID:FehNRk28
秋の夜をねざめて聞けば風さむみとをちの里に衣うつなり(済円[続詞花集])
359 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:16:14 ID:FehNRk28
秋こそあれ人はたづねぬ松の戸をいくへもとぢよ蔦のもみぢ葉(式子内親王[新勅撰])
360 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:17:38 ID:nPaBwsBG
額田王、近江天皇を思ひて作れる歌一首
君待つとわが戀ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く
361 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:17:43 ID:FehNRk28
おのれだにたえず音せよ松の風花も紅葉も見ればひととき(藤原良経[秋篠月清集])
362 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 22:34:41 ID:94dKKblV
ことのは深くなりにけるかな
これって誰の歌?
363 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 23:07:14 ID:FehNRk28
天つ風氷をわたる冬の夜の乙女の袖をみがく月かげ(式子内親王[新勅撰])
364 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 23:14:21 ID:FehNRk28
おさふべき袖は昔にくちはてぬ我が黒髪よ涙もらすな(少将内侍[続後撰])
365 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 23:16:37 ID:FehNRk28
こりずまにあだなる花のもとにしも枕さだめぬうたたねはせじ(選子内親王[大斎院前御集])
366 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 23:17:12 ID:FehNRk28
待ちわびて独ながむる夕暮はいかに露けき袖とかはしる(宗尊親王[続拾遺])
367 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 23:17:47 ID:FehNRk28
君待つと幾夜の霜をかさぬらん閨へも入らぬおなじ袂に(後醍醐天皇[続千載])
368 :
名無氏物語:2008/10/14(火) 23:18:21 ID:FehNRk28
今はただ見ずしらざりしいにしへに人をも身をも思ひなさばや(今出川前右大臣室[風雅])
369 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 00:35:12 ID:zKjIWdON
しはつ山風吹きすさぶならの葉にたえだえのこる日ぐらしのこゑ(守覚法親王[新続古今])
370 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 00:37:11 ID:zKjIWdON
ふじのねは問はでも空にしられけり雲より上にみゆるしら雪(守覚法親王[新勅撰])
371 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 00:39:14 ID:zKjIWdON
雲ちかき峰の木の葉をかたしきて枕の下に嵐をぞ聞く(藤原忠良[玉葉])
372 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 00:39:52 ID:zKjIWdON
さ夜ふかき軒ばの嶺に月はいりて暗き檜原に嵐をぞ聞く(永福門院[玉葉])
373 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 00:42:06 ID:zKjIWdON
今も猶わが立つ杣の朝がすみ世におほふべき袖かとぞみる(尊円親王[新千載])
374 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 00:44:31 ID:zKjIWdON
いはで思ふ心の色を人とはば折りてやみせむ山吹の花(宗尊親王[続古今])
375 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 08:52:20 ID:zKjIWdON
我はただ来ん世の闇もさもあらばあれ君だに同じ道に迷はば(鴨長明[新続古今])
376 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 09:00:31 ID:zKjIWdON
いきて世にいつまでぬれん袂ぞと涙はしるや秋の夕暮(西園寺実氏[続古今])
377 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 09:02:23 ID:zKjIWdON
見し秋もあかでやくれしうす氷紅葉をむすぶ山の井の水(寂蓮[正治初度百首])
378 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 09:03:15 ID:zKjIWdON
月みてもわがよはすでに久方のあまねくてらせ秋の心を(藤原有家[建保二年内裏歌合])
379 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 09:04:12 ID:zKjIWdON
しばの庵まだすみなれぬ明ぼのの苔のたもとよ時雨せずとも(藤原有家[院四十五番歌合])
380 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 09:05:04 ID:zKjIWdON
思ふことの身にしみまさるながめかな雲のはたての空の秋風(藤原有家[水無瀬恋十五首歌合])
381 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 13:13:01 ID:tLl8+K/T
かり寝する玉えの月のあけ方に声もさやかに鳴く千鳥かな(後鳥羽院)
382 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 13:14:40 ID:tLl8+K/T
たちかへり又も来て見むはし鷹のとやのをいづる秋の夜の月(藤原家隆)
383 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 13:17:58 ID:tLl8+K/T
思ひきやあるにもあらぬ身のはてに君なきのちの夢を見むとは(藤原俊成)
384 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 13:18:50 ID:tLl8+K/T
なげくべきその数にだにあらねども思ひ知らぬは涙なりけり(藤原俊成)
385 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 13:19:46 ID:tLl8+K/T
くやしくぞ久しく人に馴れにける別れも深く悲しかりけり(藤原俊成)
386 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 13:20:35 ID:tLl8+K/T
おのづからしばし忘るる夢もあればおどろかれてぞさらに悲しき(藤原俊成)
387 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 23:05:05 ID:tLl8+K/T
いつまでかこの世の空をながめつつ夕べの雲をあはれとも見む(藤原俊成)
388 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 23:06:18 ID:tLl8+K/T
思ひかね草の原とてわけ来ても心をくだく苔の下かな(藤原俊成)
389 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 23:07:20 ID:tLl8+K/T
苔の下とどまる玉もありといふ行きけむ方はそこと教へよ(藤原俊成)
390 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 23:08:19 ID:tLl8+K/T
しのぶとて恋ふとてこの世かひぞなき長くて果てぬ苔の行方に(藤原俊成)
391 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 23:09:03 ID:tLl8+K/T
忘るなよ舟まつほどの川岸にことかたらふも世々の契りを(正徹)
392 :
名無氏物語:2008/10/15(水) 23:10:14 ID:tLl8+K/T
忘るなよただ今のまの逢ふことも思へばさきの世々の契りを(中院通村)
393 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:16:55 ID:AYjzER5G
身にしめてなどあながちに恋をのみしかまの市にそめかへぬらむ(俊成卿女)
394 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:19:01 ID:AYjzER5G
恋せずはあはれも知らじとばかりの身をうの花の雨にかこちて(祇園梶子)
395 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:19:35 ID:AYjzER5G
恋ひかぬる心のはてやみ吉野の山のおくにも思ひ入るべき(藤原公衡)
396 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:20:24 ID:AYjzER5G
思ひ入る人は絶えたる奥山になきても鹿のひとりすむらむ(元政)
397 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:21:02 ID:AYjzER5G
忘れじよ忘るなとだに言の葉にいはぬを残す水ぐきの跡(正徹)
398 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:21:58 ID:AYjzER5G
昔より秋の暮をば惜しみしが今年は我ぞ先立ちぬべき(藤原俊成)
399 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 00:23:32 ID:AYjzER5G
山のはに入日の影はさしながら一むらくもるゆふだちの空(藤原隆信)
400 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 13:45:03 ID:AYjzER5G
ただひとへ嵐の上にうき雲の日はてりながら時雨てぞ行く(素純)
401 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 13:53:46 ID:AYjzER5G
おもふてふたださばかりを我が身にて雪にへだたる山かげもがな(藤原定家)
402 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 13:57:02 ID:AYjzER5G
わすれぬやさは忘れけり逢ふことを夢になせとぞいひて別れし(藤原定家)
403 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 13:59:41 ID:AYjzER5G
滝川や浪も氷のひま出でて霞をながす春の山風(一条冬良)
404 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:00:19 ID:AYjzER5G
折る袖に染まざりけりな梅の花思ふ心の深さばかりは(小侍従)
405 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:01:09 ID:AYjzER5G
たのみこしそのかみ山の葵草思へばかけぬ年のなきかな(二条院讃岐)
406 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:01:55 ID:AYjzER5G
さみだれは田中の井戸の水越えてこなぎ摘むべき方もしられず(源有房)
407 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:42:33 ID:AYjzER5G
すみとげむ我が世ぞしらぬ秋ごとにかはらぬ月のかげをみるにも(伏見院)
408 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:43:11 ID:AYjzER5G
みなかみやうすこほるらむ小夜ふけてかけひにうつる水まれになる(小侍従)
409 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:43:47 ID:AYjzER5G
待つよひの更行くかねのうさまでは恨みもあへぬほととぎすかな(花山院師兼)
410 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:47:47 ID:AYjzER5G
月もなほわが身のかたやかすめるとこと浦にすむあまにとはばや(平親清四女)
411 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:55:20 ID:AYjzER5G
秋の月ここをあかしとおもへどもこと浦にすむ人もみるらむ(中園公賢)
412 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:58:47 ID:AYjzER5G
明石がた猶やたづねん秋の夜のこと浦にすむ月もかくやと(後宇多院)
413 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 14:59:48 ID:AYjzER5G
押し照るや難波の葦は枯れぬればこと浦よりも寂しかりけり(賀茂真淵)
414 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:00:43 ID:AYjzER5G
ふけゆけば木の葉くもらで出でにけりたかつの山の秋の夜の月(覚助法親王)
415 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:24:16 ID:AYjzER5G
月ぞ猶木の葉くもらで残りける秋のかたみはとめぬ嵐に(頓阿)
416 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:25:24 ID:AYjzER5G
志賀のうみや暮れ行く春もふかきえに身をつくしてや又も相ひみん(藤原家隆)
417 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:26:49 ID:AYjzER5G
忘るなよさらぬちぎりぞ我も旅人もかりねの一夜なりとも(飛鳥井雅親)
418 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:27:47 ID:AYjzER5G
いかにして氷りとぢたる柴の戸にもりくる春の苔の下水(俊成卿女)
419 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:28:38 ID:AYjzER5G
なにとなく春になりぬと聞く日より心にかかるみ吉野の山(西行)
420 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:29:37 ID:AYjzER5G
春ごとに花のさかりに逢ひ来つつ思ひ出おほき我が身なりけり(西行)
421 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:30:20 ID:AYjzER5G
み吉野は草のはつかに浅緑たかねのみ雪いまや消ゆらむ(藤原良経)
422 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 15:31:02 ID:AYjzER5G
水上の高嶺の雪も今日とけて清滝川に春風ぞ吹く(千種有功)
423 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:17:04 ID:AYjzER5G
すぎてゆく羽風なつかし鶯よなづさひけりな梅の立枝に(西行)
424 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:17:50 ID:AYjzER5G
花見ればそのいはれとはなけれども心のうちぞ苦しかりける(西行)
425 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:19:18 ID:AYjzER5G
心のみわけこむ花の都には去年のしをりのかひやなからむ(下冷泉政為)
426 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:20:10 ID:AYjzER5G
空はるる雲なりけりな吉野山花もてわたる風と見たれば(西行)
427 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:20:47 ID:AYjzER5G
いかで我この世のほかの思ひいでに風をいとはで花をながめむ(西行)
428 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:21:33 ID:AYjzER5G
もろともに我をも具して散りね花うき世をいとふ心ある身ぞ(西行)
429 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:22:56 ID:AYjzER5G
思へただ花のちりなむ木のもとをなにを蔭にて我が身すぐさむ(西行)
430 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:23:52 ID:AYjzER5G
桜花ちるわかれこそ憂きものと思ひなれにし暁の空(藤原範宗)
431 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 16:48:29 ID:AYjzER5G
待ちしより散る別れこそ悲しけれ春も限りの花となごりに(他阿)
432 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:34:18 ID:AYjzER5G
風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり(西行)
433 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:35:20 ID:AYjzER5G
夕波の立ちもかへらで涼しさのここを瀬にせむ河づらの里(祇園百合子)
434 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:35:56 ID:AYjzER5G
さみだれの雲まの軒の時鳥雨にかはりて声のおちくる(慈円)
435 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:36:59 ID:AYjzER5G
雲路までにほひやいづるほととぎす花橘に声のおちくる(藤原家隆)
436 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:37:43 ID:AYjzER5G
五月闇おぼつかなきに郭公ふかき峰より鳴きていづなり(源実朝)
437 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:38:29 ID:AYjzER5G
初雁のつばさにかかる白雲の深き峰より出づる月かげ(藤原秀能)
438 :
名無氏物語:2008/10/16(木) 17:39:32 ID:AYjzER5G
雲雀あがる大野の茅原夏くればすずむ木陰をねがひてぞ行く(西行)
439 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:15:46 ID:Jij+JILX
すずしさもここにはしかじ稲筵しみづながるる山の岩が根(伏見院)
440 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:20:29 ID:Jij+JILX
あふ坂や春にぞあくる柳陰し水ながるる関の岩かど(正徹)
441 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:20:59 ID:Jij+JILX
よられつる草もすずしき色に見えてうれしがほなるむら雨の庭(正親町公蔭)
442 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:41:49 ID:Jij+JILX
よられつる千種百草葉をのべて名残すずしき野辺の夕立(上冷泉為広)
443 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:42:36 ID:Jij+JILX
水無月のてる日にいたくよられつる草葉も今や野べの夕風(松永貞徳)
444 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:45:15 ID:Jij+JILX
夕立の雨より先におとづれて柴の網戸を風たたくなり(藤原公重)
445 :
名無氏物語:2008/10/17(金) 08:46:09 ID:Jij+JILX
いそぎおきて庭の小草の露踏まむやさしきかずに人や思ふと(西行)
446 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:39:34 ID:2iOPB4NH
播磨潟なだのみ沖に漕ぎ出でてあたり思はぬ月をながめむ(西行)
447 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:42:58 ID:2iOPB4NH
うちつけにまた来む秋の今宵まで月ゆゑ惜しくなる命かな(西行)
448 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:43:32 ID:2iOPB4NH
荒れわたる草の庵に漏る月を袖にうつしてながめつるかな(西行)
449 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:44:14 ID:2iOPB4NH
かかる世に影も変はらず澄む月を見る我が身さへ恨めしきかな(西行)
450 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:45:20 ID:2iOPB4NH
月もなほおなじかげにてすむものをいかにかはれる我が世なるらむ(宗尊親王)
451 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:47:09 ID:2iOPB4NH
ゆくへなく月に心のすみすみて果てはいかにかならむとすらむ(西行)
452 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 01:47:53 ID:2iOPB4NH
いまははや鴫たつ沢のかげも見ずこほりにむかふ冬の夜の月(冷泉為尹)
453 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 10:53:34 ID:2iOPB4NH
あはれをばただ夕暮におもひしを鴫たつ沢の有明の月(冷泉為尹)
454 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 10:55:30 ID:2iOPB4NH
ふかくなる鴫たつ沢の秋の水すみのえよりやながれそふらむ(木下長嘯子)
455 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 10:56:17 ID:2iOPB4NH
なにとかく心をさへは尽くすらむ我がなげきにて暮るる秋かは(西行)
456 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 10:57:22 ID:2iOPB4NH
つねよりも心ぼそくぞ思ほゆる旅の空にて年の暮れぬる(西行)
457 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 11:01:13 ID:2iOPB4NH
行く春のいはぬをしたふ人やあると色にやいづる山吹の花(藤原家隆)
458 :
名無氏物語:2008/10/18(土) 11:02:07 ID:2iOPB4NH
弓はりの月にはづれて見しかげのやさしかりしはいつか忘れむ(西行)
459 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 07:51:22 ID:wblHphHc
憂へつくす月のおもてにしるしあれな眺めは人のあはれしるべく(正親町公蔭)
460 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 07:52:05 ID:wblHphHc
思ひやるそなたの空もしぐるなりかこちがほなる雲の色かな(順徳院)
461 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 07:55:51 ID:wblHphHc
つらかりし人ならなくに打佗びてかこちがほなる秋の夕ぐれ(木下長嘯子)
462 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 07:56:30 ID:wblHphHc
葉隠れに散りとどまれる花のみぞしのびし人に逢ふ心ちする(西行)
463 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 07:58:35 ID:wblHphHc
さまざまに思ひみだるる心をば君がもとにぞ束ねあつむる(西行)
464 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 07:59:25 ID:wblHphHc
人は憂し嘆きはつゆもなぐさまずさはこはいかにすべき心ぞ(西行)
465 :
名無氏物語:2008/10/19(日) 08:00:11 ID:wblHphHc
あはれあはれこの世はよしやさもあらばあれ来む世もかくや苦しかるべき(西行)
466 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:13:52 ID:gTFrexFO
いとほしやさらに心のをさなびて魂ぎれらるる恋もするかな(西行)
467 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:15:21 ID:gTFrexFO
はらはらと落つる涙ぞあはれなるたまらずものの悲しかるべし(西行)
468 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:16:34 ID:gTFrexFO
誰か知るうき世をすてて柴の戸をやがて出でじと思ふ身ぞとは(慈円)
469 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:17:14 ID:gTFrexFO
松風の音せぬ山の奥もがなさびしさ知らでうき世いとはむ(花山院長親)
470 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:17:53 ID:gTFrexFO
身をつめば老木の花ぞあはれなるいまいくとせか春にあふべき(藤原清輔)
471 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:18:50 ID:gTFrexFO
うらうらと死なむずるなと思ひとけば心のやがてさぞとこたふる(西行)
472 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 00:40:32 ID:gTFrexFO
人の世は思へばなべてあだし野のよもぎがもとのひとつ白露(藤原良経)
473 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 14:42:42 ID:gTFrexFO
老が世を思へばなべて散ることもひとりのための花とこそ見れ(三条西実隆)
474 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 14:46:00 ID:gTFrexFO
その折の蓬がもとの枕にもかくこそ虫の音にはむつれめ(西行)
475 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 14:49:17 ID:gTFrexFO
空になる心は春のかすみにて世にあらじとも思ひ立つかな(西行)
476 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 14:51:47 ID:gTFrexFO
ここをまた我住み憂くて浮かれなば松はひとりにならむとすらむ(西行)
477 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 14:52:34 ID:gTFrexFO
照らすらむ神路の山の朝日かげあまつ雲居をのどかなれとは(藤原定家)
478 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 14:53:31 ID:gTFrexFO
うなゐ子がすさみにならす麦笛のこゑにおどろく夏の昼臥し(西行)
479 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:29:21 ID:gTFrexFO
昔かな炒粉かけとかせしことよあこめの袖に玉だすきして(西行)
480 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:29:59 ID:gTFrexFO
竹むまを杖にも今日はたのむかなわらは遊びを思ひ出でつつ(西行)
481 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:30:59 ID:gTFrexFO
昔せし隠れ遊びになりなばや片すみもとによりふせりつつ(西行)
482 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:32:17 ID:gTFrexFO
篠ためて雀弓はる男のわらはひたひ烏帽子のほしげなるかな(西行)
483 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:33:13 ID:gTFrexFO
我もさぞ庭のいさごの土遊びさて生ひたてる身にこそありけれ(西行)
484 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:33:53 ID:gTFrexFO
いたきかな菖蒲かぶりの茅巻馬はうなゐわらはのしわざとおぼえて(西行)
485 :
名無氏物語:2008/10/20(月) 23:34:33 ID:gTFrexFO
恋しきをたはぶれられしそのかみのいはけなかりし折の心は(西行)
486 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 01:54:40 ID:gLPdQCHa
なによりは舌ぬく苦こそ悲しけれ思ふことをも言はせじの刑(西行)
487 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 01:56:30 ID:gLPdQCHa
なべてなき黒きほむらの苦しみは夜の思ひの報いなるべし(西行)
488 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 01:57:24 ID:gLPdQCHa
塵灰に砕け果てなばさてもあらでよみがへらする言の葉ぞ憂き(西行)
489 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 01:59:26 ID:gLPdQCHa
あはれみし乳房のことも忘れけり我が悲しみの苦のみおぼえて(西行)
490 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 02:00:01 ID:gLPdQCHa
たらちをのゆくへを我も知らぬかな同じ炎にむせぶらめども(西行)
491 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 02:02:33 ID:gLPdQCHa
をとめごが真袖につめるつぼすみれ野に見るよりもなつかしきかな(源有房)
492 :
名無氏物語:2008/10/22(水) 02:03:18 ID:gLPdQCHa
霧のうちに鳩ふけうなゐたづねゆく山田のいほの道のみえぬに(源有房)
493 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:46:01 ID:WPQeKWpr
すみなれぬ宿にぞわくる言の葉ぞ野分の風のつてもうれしき(源有房)
494 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:47:17 ID:WPQeKWpr
ひとたびは風に散りにしもみぢ葉をとなせの滝のなほおとすかな(源有房)
495 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:48:18 ID:WPQeKWpr
もみぢ葉は井関にとめよ大井がは空にくれゆく秋をこそあらめ(源有房)
496 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:49:04 ID:WPQeKWpr
まゆみ散るあだちが原に朝たてば木の葉沓はく駒のつま音(源有房)
497 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:50:46 ID:WPQeKWpr
思ひやる心は道に旅寝してかつがつ君を夢にみつらん(源有房)
498 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:51:23 ID:WPQeKWpr
こひはただふたもぢなれど玉づさにかきもつくさぬ心ちこそすれ(源有房)
499 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 01:51:56 ID:WPQeKWpr
さらぬだに世のうき時はいらばやと思ふ山べによぶこ鳥なく(源有房)
500 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:24:45 ID:WPQeKWpr
日をさふる真野の若竹影うすしいつまでのこるこぞの雪かも(覚性法親王)
501 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:25:39 ID:WPQeKWpr
三笠山細谷川に影さしてさやかに見ゆる冬の夜の月(源頼綱)
502 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:26:21 ID:WPQeKWpr
山風の吹きだにやめばとだえけり細谷川の花の浮橋(藤原盛方)
503 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:30:47 ID:WPQeKWpr
桜さく峯に嵐やわたるらん細谷川の花のうき橋(覚性法親王)
504 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:36:56 ID:WPQeKWpr
妻木こるしづをにとへば花は見ゆ朝日あたりの峰にとぞ云ふ(覚性法親王)
505 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:37:30 ID:WPQeKWpr
夕顔のかかる垣ねに木陰とりふせればすずし麦の秋風(覚性法親王)
506 :
名無氏物語:2008/10/23(木) 19:38:09 ID:WPQeKWpr
小簾の外に宵のともしび消えやらでほのめくかげは蛍なりけり(覚性法親王)
507 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:04:47 ID:E+0BGG3i
淡路潟かぢ音すなりちたの江の朝あけの霧に片帆かくれて(覚性法親王)
508 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:07:25 ID:E+0BGG3i
ふるさとに我がなれ衣かさぬらん秋風さむし鄙の荒野も(覚性法親王)
509 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:08:03 ID:E+0BGG3i
ふる雪にひれふる袖も見えじかしあまざかりゆく君が舟出は(覚性法親王)
510 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:09:23 ID:E+0BGG3i
よそにのみ恋てふことのみなれざをけふは我が手にとりてけるかな(覚性法親王)
511 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:10:04 ID:E+0BGG3i
むかひゐて幾とせすぎぬこの宿にあるじもひとり松もひともと(覚性法親王)
512 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:10:49 ID:E+0BGG3i
誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに(藤原興風)
513 :
名無氏物語:2008/10/24(金) 09:11:28 ID:E+0BGG3i
秋くればさやけき月とたつ霧と歌いづれをかさきによむべき(覚性法親王)
514 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:03:04 ID:ihgtH7hX
霜こほる朝けの窓の竹の葉に霰くだくる音のさやけさ(頓阿)
515 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:03:37 ID:ihgtH7hX
北になし南になして今日いくか不二の麓をめぐりきぬらん(宗良親王)
516 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:05:17 ID:ihgtH7hX
春雨の露もまだひぬ梅が枝にうは毛しをれて鶯ぞなく(源実朝)
517 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:05:58 ID:ihgtH7hX
五月雨の露もまだひぬ奥山の槙の葉がくれなくほととぎす(源実朝)
518 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:06:37 ID:ihgtH7hX
夕ぐれの山もまがきとなりにけり霧たちのぼる峰の遠かた(飛鳥井雅世)
519 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:07:27 ID:ihgtH7hX
牛の子に踏まるな庭のかたつぶり角のあるとて身をば頼みそ(寂蓮)
520 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 02:08:39 ID:ihgtH7hX
ながめわびて今はと思ふ山里の有明の月に衣うつなり(慈円)
521 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 21:41:31 ID:DzycAtn4
むめの花よるは夢にも見てしがな闇のうつつのにほふばかりに(平忠度)
522 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 21:43:48 ID:DzycAtn4
身のほどに思ひあまれるけしきにていづちともなくゆく蛍かな(平忠度)
523 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 21:45:48 ID:DzycAtn4
かからじと思ひしことを忍びかね恋に心をまかせはてつる(平忠度)
524 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 21:46:43 ID:DzycAtn4
恋ひわたる妹がすみかは思ひ寝の夢路にさへぞはるけかりける(平忠度)
525 :
名無氏物語:2008/10/25(土) 21:47:16 ID:DzycAtn4
月影の入るをかぎりに分け行けばいづこかとまり野原しのはら(平忠度)
526 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 05:51:52 ID:I2T37ZNU
旅ごろもかへす夢路はむなしくて月をぞ見つる有明の空(藤原有家[新勅撰])
527 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 05:54:57 ID:I2T37ZNU
契りしにかはる恨みもわすられてその面影はなほとまるかな(藤原公衡[新勅撰])
528 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 05:56:20 ID:I2T37ZNU
思ひ寝のわれのみかよふ夢路にもあひ見てかへる暁ぞなき(藤原公衡[新勅撰])
529 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 05:57:08 ID:I2T37ZNU
ますかがみ心もうつるものならばさりとも今はあはれとやみん(藤原公衡[千載])
530 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 21:26:50 ID:I2T37ZNU
夕けぶり野辺にも見えばつひにわが君にかへつる命とを知れ(藤原公衡[新勅撰])
531 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 21:28:58 ID:I2T37ZNU
昨日みし夢かとぞ思ふ寝ざめして昔をしのぶあかつきの空(藤原公衡[新続古今])
532 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 21:30:00 ID:I2T37ZNU
石ばしる水の白玉数見えて清滝川にすめる月影(藤原俊成[千載])
533 :
名無氏物語:2008/10/26(日) 21:31:55 ID:I2T37ZNU
いく里か月の光もにほふらむ梅さく山のみねの春風(藤原家隆[新勅撰])
534 :
名無氏物語:2008/10/27(月) 02:43:24 ID:auU/iYKJ
風そよぐならの小川の夕ぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける(藤原家隆[新勅撰])
535 :
名無氏物語:2008/10/27(月) 02:45:42 ID:auU/iYKJ
松の戸をおしあけがたの山風に雲もかからぬ月を見るかな(藤原家隆[新勅撰])
536 :
名無氏物語:2008/10/27(月) 02:46:42 ID:auU/iYKJ
秋風は梢をはらふ夕暮に雲もかからぬ山のはの月(進子内親王[新拾遺])
537 :
名無氏物語:2008/10/27(月) 07:15:14 ID:auU/iYKJ
あしびきの山のあらしに雲きえてひとり空ゆく秋の夜の月(九条教実[新勅撰])
538 :
名無氏物語:2008/10/27(月) 08:14:55 ID:dNRNYsoY
政権交代こそ景気対策
ほとんどの国民は早期解散を望んでいる!権力にしがみつく麻生は国賊!皆、怒りの声をあげよう!!
もはや自民党・公明党の政策は賞味期限切れ。
金融危機・経済危機を乗り切るには、日本という国の「形」を再構築しなければならない。
高級官僚に支配された政治、ますます拡大する格差社会の是正、お年寄りを大切にする社会を作るために、自民党はもはやふさわしくないということ。
危機をあおってどさくれまぎれに悪法の成立とバラマキを行なうことは、将来に禍根を残す。
もちろん、そんな自民党・公明党に未練を残す人たちもいるでしょうから、
総選挙をもって自民党か、それとも民主党を中心とする連合内閣かを選ぶ権利を、国民に早急に行使させるべき。
麻生さんや自民党・公明党の「権力しがみつき体質」には、ほとほとうんざりだ。
539 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:52:56 ID:QE6vtR6/
風のおとに秋の夜ぶかく寝覚して見はてぬ夢のなごりをぞ思ふ(平忠度)
540 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:53:26 ID:QE6vtR6/
あたら夜の月をひとりぞながめつる思はぬ磯に波枕して(平経正)
541 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:54:06 ID:QE6vtR6/
なごの海の荒れたる朝の島がくれ風にかたよるすがの群鳥(平経正)
542 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:56:38 ID:QE6vtR6/
いかにせん思ひなぐさむかたぞなきあらまし事もかぎりこそあれ(平経正)
543 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:58:56 ID:QE6vtR6/
我ゆゑにぬるるにはあらじおほかたの秋のさがにて露ぞおくらん(平経正)
544 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:59:34 ID:QE6vtR6/
さまざまに思ふ寝覚のうらかぜにおなじこゑなる波の音かな(平経正)
545 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 13:59:57 ID:QE6vtR6/
きえやらで浪にただよふうたかたのよるべしらせよ八重の塩風(後鳥羽院)
546 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:16:13 ID:QE6vtR6/
薩摩潟八重の潮風つげやらんあはれ憂き身は親だにもなし(藤原惺窩)
547 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:17:09 ID:QE6vtR6/
見わたせばあしたの原の薄がすみ薄きや春のはじめなるらん(惟宗広言)
548 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:17:48 ID:QE6vtR6/
きぬぎぬにならむ歎きといひなしてあらぬ涙を君にかけつる(惟宗広言)
549 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:22:27 ID:QE6vtR6/
こぎいでて生田の浦にうきながら心は月のみ舟にぞのる(藤原季経)
550 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:23:02 ID:QE6vtR6/
しらぬ世の人のなさけもかくこそと花にむかしの春ぞしたしき(伏見院)
551 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:23:28 ID:QE6vtR6/
故郷の花にむかしのこととへど答へぬ色はかひなかりけり(鵜殿余野子)
552 :
名無氏物語:2008/10/28(火) 23:25:48 ID:QE6vtR6/
故郷をおもひやるこそあはれなれ鶉なく野となりやしぬらむ(宗尊親王)
553 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:38:48 ID:tg95CAU/
夜もすがら思ひやるこそかなしけれいかなる世にて月を見るらむ(香川景樹)
554 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:41:42 ID:tg95CAU/
竹の葉にそそやあられの音すなりさらでも夢のさむる折しも(藤原長方)
555 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:42:32 ID:tg95CAU/
なごの海のいる日をあらふ浪のうへに春の別れの色をそへつつ(後鳥羽院)
556 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:44:35 ID:tg95CAU/
見渡せば空のかぎりもなごの海の霞にかかる沖つしら波(頓阿)
557 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:45:07 ID:tg95CAU/
時鳥なきつるあとにあきれたる後徳大寺の有明の顔(蜀山人)
558 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:46:09 ID:tg95CAU/
ゆく秋のたむけに紅葉ちりまがひかむなび山をともにこえつる(藤原実定)
559 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 15:46:57 ID:tg95CAU/
思はじと思ひさだめて寝る夜しもはかなくみゆる夢ぞかなしき(藤原親盛)
560 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:51:18 ID:tg95CAU/
野辺の色はみな薄墨になりにけりしばしとみつる夕霧の空(藤原隆信)
561 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:51:53 ID:tg95CAU/
くもりなく月すむ峰にきてみれば千里は山のふもとなりけり(藤原隆信)
562 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:52:41 ID:tg95CAU/
もろともにながめし夜はのむつごとを思ひ出でよとすめる月かな(藤原隆信)
563 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:53:10 ID:tg95CAU/
もろともに契りし夜はのむつごとを思ひいでよとすめる月影(藤原隆信)
564 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:54:31 ID:tg95CAU/
もろともにながむるよはのむつごとをおもひいでよとすめる月かな(藤原隆信)
565 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:55:09 ID:tg95CAU/
そむく身はさすがにやすきあらましに猶山ふかき宿もいそがず(吉田兼好)
566 :
名無氏物語:2008/10/29(水) 23:56:25 ID:tg95CAU/
みちのくのちかの塩竃近ながら遥けくのみも思ほゆるかな(伊勢)
567 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:21:18 ID:8SVLlmHE
恋ひ死なばうかれん魂よしばしだに我が思ふ人のつまにとどまれ(藤原隆房)
568 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:22:03 ID:8SVLlmHE
君ゆゑにしらぬ山路にまよひつつうきねの床に旅寝をぞする(小督)
569 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:22:36 ID:8SVLlmHE
あなこひし恋しやこひしこひしさをいかにやいかにいかにせんせん(藤原隆房)
570 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:24:37 ID:8SVLlmHE
あさからぬこの世ひとつのなげきかは夢よりのちの罪のふかさよ(藤原隆房)
571 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:29:09 ID:8SVLlmHE
夕かけて帰る小島のあま衣ぬれにぞぬれし月やどれとは(藤原苫雄)
572 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:29:49 ID:8SVLlmHE
はかなしなただ君ひとり世の中にあるものとのみ思ふはや我(殷富門院大輔)
573 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 14:30:56 ID:8SVLlmHE
露の身の消えてもきえぬ置き所草葉のほかにまたもありけり(木下長嘯子)
574 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 17:22:00 ID:Rit4wKOZ
独り身に濡れて悲しむこの世をば遠く誘い咲く春を待つ(俺のオリジナル)
575 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:02:59 ID:8SVLlmHE
さもこそは短き夜半の友ならめ臥すかともなく消ゆる蚊遣火(二条院讃岐)
576 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:05:09 ID:8SVLlmHE
さもこそは短き夜半の友ならめ臥すかともなく消ゆる蚊遣火(二条院讃岐)
577 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:05:53 ID:8SVLlmHE
風そよぐ楢の木陰にたちよればうすき衣ぞまづしられける(二条院讃岐)
578 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:08:13 ID:8SVLlmHE
あまのすむうらみにくちぬいたづらに年をのみ積むなだのすて舟(藤原経朝)
579 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:09:42 ID:8SVLlmHE
おしてるや海人の捨てたる難波舟浦の潮干に朽ち残りつつ(藤原家良)
580 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:10:28 ID:8SVLlmHE
わが袖は水の下なる石なれや人にしられでかわくまもなし(和泉式部)
581 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 20:12:43 ID:8SVLlmHE
せきかぬる涙の川のはやき瀬は逢ふよりほかのしがらみぞなき(源頼政)
582 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:29:20 ID:8SVLlmHE
山ふかみなほ窓さむき風の音に春ともしらぬ竹の雪折れ(伏見院)
583 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:31:26 ID:8SVLlmHE
春もまづしるくみゆるは音羽山峰の雪より出づる日の色(式子内親王)
584 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:35:08 ID:8SVLlmHE
雲ゐより散りくる花はかつき消えてまだ雪さゆる谷の岩かげ(式子内親王)
585 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:36:22 ID:8SVLlmHE
峰の雪もまだふる年の空ながらかたへかすめる春のかよひ路(式子内親王)
586 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:37:00 ID:8SVLlmHE
色つぼむ梅の木のまの夕月夜春の光をみせそむるかな(式子内親王)
587 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:37:42 ID:8SVLlmHE
春くれば心もとけてあは雪のあはれふりゆく身をしらぬかな(式子内親王)
588 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:39:33 ID:8SVLlmHE
見渡せばこのもかのもにかけてけりまだ緯うすき春の衣を(式子内親王)
589 :
名無氏物語:2008/10/30(木) 22:40:13 ID:8SVLlmHE
住吉の霞のうちに漕ぐ舟のまほにもみえぬあはぢ島山(藤原秀能)
590 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:19:42 ID:nbe+2lQe
梅が枝の花をばよそにあくがれて風こそかをれ春の夕闇(式子内親王)
591 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:22:58 ID:nbe+2lQe
出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな(源実朝)
592 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:30:52 ID:nbe+2lQe
花はいさそこはかとなく見わたせば霞ぞかをる春の明けぼの(式子内親王)
593 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:43:56 ID:nbe+2lQe
この世にはわすれぬ春の面影よおぼろ月夜の花のひかりに(式子内親王)
594 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:44:35 ID:nbe+2lQe
うち忘れはかなくてのみ過ぐしきぬあはれと思へ身につもる年(源実朝)
595 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:45:53 ID:nbe+2lQe
残りゆく有明の月のもる影にほのぼの落つる葉隠れの花(式子内親王)
596 :
名無氏物語:2008/10/31(金) 07:46:42 ID:nbe+2lQe
ながめつつ思ふもかなし帰る雁ゆくらんかたの夕ぐれの空(源実朝)
597 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:52:10 ID:l4qrriRa
いにしへを花橘にまかすれば軒のしのぶに風かよふなり(式子内親王)
598 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:53:08 ID:l4qrriRa
すぎにける昔を今とおもふまに今日も昨日となりぬべきかな(藤原為家)
599 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:54:11 ID:l4qrriRa
いかがしる昔を今と見る夢のたえて人なき床の秋風(正徹)
600 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:55:49 ID:l4qrriRa
きし方を思ひ思へばまどろまぬ夢の枕にかよふ秋風(田捨女)
601 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:56:59 ID:l4qrriRa
夜もすがら涙やそそくほととぎす今朝は露けき軒のたち花(後鳥羽院)
602 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:57:52 ID:l4qrriRa
初雁の涙やそそく朝露になほ色まさる真野の萩原(九条道家)
603 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 05:58:54 ID:l4qrriRa
五月雨の雲はひとつにとぢはててぬきみだれたる軒の玉水(式子内親王)
604 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:24:48 ID:l4qrriRa
秋きぬと荻の葉風のつげしより思ひしことのただならぬ暮(式子内親王)
605 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:25:29 ID:l4qrriRa
袖の上につゆただならぬ夕かな思ひし事よ秋の初風(後鳥羽院)
606 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:28:11 ID:l4qrriRa
夕されば衣手すずし高円の尾上の宮の秋のはつかぜ(源実朝)
607 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:29:03 ID:l4qrriRa
よせかへる波の花ずり乱れつつしどろにうつす真野の浦萩(式子内親王)
608 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:29:37 ID:l4qrriRa
秋はただ夕の雲のけしきこそそのこととなく詠められけれ(式子内親王)
609 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:30:16 ID:l4qrriRa
おしこめて秋のあはれに沈むかな麓の里の夕霧の底(式子内親王)
610 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 16:30:56 ID:l4qrriRa
くり返し昔にもあらぬ夕暮の色に思ひをしづのをだまき(正徹)
611 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 18:17:45 ID:l4qrriRa
ながむれば涙しぐれと故郷に思ひもいれじ秋の夜の月(後鳥羽院)
612 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 18:18:20 ID:l4qrriRa
もみぢばをさそふ嵐にねをたえて露のそこなる庭の松虫(飛鳥井雅有)
613 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 18:19:44 ID:l4qrriRa
ふけにけり外山の嵐さえさえてとをちの里にすめる月影(源実朝)
614 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 18:20:24 ID:l4qrriRa
秋の夜のしづかにくらき窓の雨打ちなげかれてひま白むなり(式子内親王)
615 :
名無氏物語:2008/11/01(土) 18:22:12 ID:l4qrriRa
あと絶えていくへも霞め深く我が世をうぢ山の奧の麓に(式子内親王)
616 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 16:45:30 ID:Q9vZ+pN1
しじまこそ今は我が身のつとめなれ幾重もとぢよ軒の蓬生(伊達千広)
617 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 16:48:34 ID:Q9vZ+pN1
吹きとむる落葉が下のきりぎりすここばかりにや秋はほのめく(式子内親王)
618 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 16:49:14 ID:Q9vZ+pN1
庭の雪もふみ分けがたくなりぬなりさらでも人をまつとなけれど(後鳥羽院)
619 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 16:49:47 ID:Q9vZ+pN1
とどまらぬ秋をや送るながむれば庭の木の葉のひと方へゆく(式子内親王)
620 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 16:50:33 ID:Q9vZ+pN1
荒れ暮らす冬の空かなかきくもり霙よこぎる風きほひつつ(式子内親王)
621 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 16:51:09 ID:Q9vZ+pN1
色々の花も紅葉もさもあらばあれ冬の夜ふかき松風の音(式子内親王)
622 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 18:33:23 ID:Q9vZ+pN1
おのれだにたえず音せよ松の風花も紅葉も見ればひととき(藤原良経)
623 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 18:34:06 ID:Q9vZ+pN1
あやしくも武庫の嵐のさえさえて初雪しろし猪名の笹原(藤原範宗)
624 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 18:34:47 ID:Q9vZ+pN1
あやしくも夜のまの風のさえさえて今朝雪しろし庭のあさぢふ(後鳥羽院)
625 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 18:35:25 ID:Q9vZ+pN1
むばたまのよはのさ衣さえさえてうらめづらしき今朝の初雪(飛鳥井雅有)
626 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 18:35:59 ID:Q9vZ+pN1
身にしむは庭火のかげにさえのぼる霜夜の星の明けがたの空(式子内親王)
627 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:16:22 ID:Q9vZ+pN1
炭竈のけぶりもさびし大原やふりにし里の雪の夕ぐれ(源実朝)
628 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:17:03 ID:Q9vZ+pN1
せめてなほ心ぼそきは年月のいるがごとくに有明の空(式子内親王)
629 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:17:38 ID:Q9vZ+pN1
尋ぬべき道こそなけれ人しれず心は慣れて行きかへれども(式子内親王)
630 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:18:11 ID:Q9vZ+pN1
たのむかなまだ見ぬ人を思ひ寝のほのかになるる宵々の夢(式子内親王)
631 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:18:48 ID:Q9vZ+pN1
ほのかにもあはれはかけよ思ひ草下葉にまがふ露ももらさじ(式子内親王)
632 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:19:26 ID:Q9vZ+pN1
いかにせむ絶えなば絶えね玉の緒は長き恨みに結ぼほれつつ(藤原範宗)
633 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:20:10 ID:Q9vZ+pN1
ひたすらに絶えなば絶えね憂き中の忘れ形見に残る面影(花山院師兼)
634 :
名無氏物語:2008/11/02(日) 21:20:41 ID:Q9vZ+pN1
いかのぼり絶えなば絶えねなかぞらの父ひきしぼる春のすさのを(山中智恵子)
635 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 16:54:20 ID:Ylqdc7sg
なにとただ我のみしりて過ぐるまの憂きあらましに袖濡らすらん(頓阿)
636 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 16:55:01 ID:Ylqdc7sg
わすれては又なげかるる夕かな聞きしにもあらぬ入相の鐘(後光厳天皇)
637 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 16:56:03 ID:Ylqdc7sg
夏ごろもひとへにうすき袂ぞよ我が忍びねの涙もらすな(今出川二条)
638 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 17:05:50 ID:Ylqdc7sg
しるといふ枕も人にかたらずは涙もらすな夜々の黒髪(正徹)
639 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 17:06:51 ID:Ylqdc7sg
乱れつつ絶えなば悲し冬の夜をわがひとりぬる玉の緒よわみ(曾禰好忠)
640 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 17:07:30 ID:Ylqdc7sg
夢にても見るべきものを稀にても物おもふ人のいを寝ましかば(和泉式部)
641 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 17:08:37 ID:Ylqdc7sg
おもふとは見ゆらんものをおのづから知れかし宵の夢ばかりだに(藤原定家)
642 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:12:02 ID:Ylqdc7sg
見えつるか見ぬ夜の月のほのめきてつれなかるべき面影ぞそふ(式子内親王)
643 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:12:37 ID:Ylqdc7sg
ただ今の夕べの雲を君も見ておなじ時雨や袖にかくらむ(式子内親王)
644 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:13:10 ID:Ylqdc7sg
みる人とおなじ心にふけぬれどねやへもいらぬ秋のよの月(木下長嘯子)
645 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:14:01 ID:Ylqdc7sg
あはれとも言はざらめやと思ひつつ我のみ知りし世を恋ふるかな(式子内親王)
646 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:14:44 ID:Ylqdc7sg
恋ひ恋ひてよし見よ世にもあるべしと言ひしにあらず君も聞くらん(式子内親王)
647 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:15:29 ID:Ylqdc7sg
つらしともあはれともまづ忘られぬ月日いくたびめぐりきぬらん(式子内親王)
648 :
名無氏物語:2008/11/03(月) 18:16:09 ID:Ylqdc7sg
さかづきに春の涙をそそきける昔に似たる旅のまとゐに(式子内親王)
649 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:00:29 ID:WmofszLr
むかしおもふ春の涙も岩そそくたるひの上の袖のさわらび(尭恵)
650 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:01:18 ID:WmofszLr
つたへ聞く袖さへぬれぬ浪の上夜ぶかくすみし四つの緒のこゑ(式子内親王)
651 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:01:58 ID:WmofszLr
日に千たび心は谷に投げ果ててあるにもあらず過ぐる我が身は(式子内親王)
652 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:02:54 ID:WmofszLr
見しことも見ぬ行く末もかりそめの枕に浮ぶまぼろしの中(式子内親王)
653 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:04:18 ID:WmofszLr
浮雲を風にまかする大空の行方も知らぬ果てぞ悲しき(式子内親王)
654 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:05:38 ID:WmofszLr
はじめなき夢を夢とも知らずしてこの終りにや覚めはてぬべき(式子内親王)
655 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 16:06:12 ID:WmofszLr
あはれあはれ思へばかなしつひの果てしのぶべき人たれとなき身を(式子内親王)
656 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:21:08 ID:WmofszLr
幾とせの幾よろづ代か君が代に雪月花の友を待ちみむ(式子内親王)
657 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:23:09 ID:WmofszLr
谷陰は春めきやらず風さえてきゆればこほる雪のした水(守覚法親王)
658 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:24:05 ID:WmofszLr
かへるさのすゑほど遠き山路にもいかが見すてん花の夕ばえ(守覚法親王)
659 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:25:11 ID:WmofszLr
さても世をすぐしけるかとよそに見し鄙の篠屋にいく夜とまりぬ(守覚法親王)
660 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:26:02 ID:WmofszLr
せきあへぬ涙はたぐひありけりと折しもむせぶたきつせの声(守覚法親王)
661 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:26:46 ID:WmofszLr
おくれゐてひとりながむる庭の雪に心までこそうづもれにけれ(守覚法親王)
662 :
名無氏物語:2008/11/04(火) 23:27:28 ID:WmofszLr
ふきなれし玉の横笛ぬしなくてさもあらぬ鐘の音ぞかなしき(守覚法親王)
663 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 02:29:49 ID:L+P2bjV4
色まさる松こそ見ゆれ君をいのる春の日吉の山のかひより(慈円)
664 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 02:31:10 ID:L+P2bjV4
雲路より穂波におつるしら鳥のとば田に消ゆる秋の夕霧(正徹)
665 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 02:33:01 ID:L+P2bjV4
山もとの軒ばの夕日影さえて袂にちかく落つるかりがね(心敬)
666 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 02:33:38 ID:L+P2bjV4
友あまたおりゐる声にさそはれて蘆べはるかにおつる雁金(冷泉為村)
667 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 02:39:14 ID:L+P2bjV4
山風のさそふ木の葉とみるばかりふもとのを田に落つるかりがね(村田春海)
668 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 02:39:59 ID:L+P2bjV4
そむれども散らぬたもとに時雨きて猶色ふかき神無月かな(慈円)
669 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 08:16:25 ID:D1FfW2CB
石麻呂に吾物申す夏痩に良しといふ物ぞ鰻とり食せ(大伴家持)
670 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 08:26:59 ID:D1FfW2CB
痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻をとると川に流るな(大伴家持)
671 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 08:41:56 ID:D1FfW2CB
澁渓をさして我が行くこの濱に月夜飽きてむ馬暫しとめ(大伴家持)
672 :
名無氏物語:2008/11/05(水) 09:34:00 ID:D1FfW2CB
剣刀いよよ研ぐべし古ゆ清けく負ひて来にしその名ぞ(大伴家持)
673 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 01:51:14 ID:e5YrVStm
明けばまづ木の葉に袖をくらぶべし夜半の時雨よ夜半の涙よ(慈円)
674 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 01:52:14 ID:e5YrVStm
旅の空なにかわびしき世をすてて出でにし身にはふるさともなし(元政)
675 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 01:52:57 ID:e5YrVStm
せめてなほうき世にとまる身とならば心のうちに宿はさだめむ(慈円)
676 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 01:54:09 ID:e5YrVStm
ちればとて木の葉の衣袖なくはうき世の民におほひやはせむ(正徹)
677 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 01:54:59 ID:e5YrVStm
おほけなく思ひあがれる心かなさてもぞ袖は染色のかげ(正広)
678 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 10:21:44 ID:58qOhTel
しがらきの外山のあられふりすさびあれゆくころの雲の色かな(藤原定家)
679 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 10:29:27 ID:58qOhTel
かくばかりすみがたき世を秋の夜の月はひかりにしらずや有らん(藤原家隆)
680 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 10:32:37 ID:58qOhTel
なけやなけよもぎが杣のきりぎりす過行秋はげにぞかなしき(曽禰好忠)
681 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 10:45:35 ID:58qOhTel
見わたせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける(素性法師)
682 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:23:48 ID:e5YrVStm
今宵なほ飽かず向ひておほけなくうき身の友とたのむ月かな(元政)
683 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:24:28 ID:e5YrVStm
墨染のわが衣手のゆたならばうき世の民におほはましものを(良寛)
684 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:25:07 ID:e5YrVStm
山路ふかく憂き身のすゑをたどり行けば雲にあらそふ峰の松かぜ(慈円)
685 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:27:08 ID:e5YrVStm
わが心奥までわれがしるべせよわが行く道はわれのみぞ知る(慈円)
686 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:30:34 ID:e5YrVStm
里の犬のなほみ山べに慕ひくるを心の奥に思ひはなちつ(慈円)
687 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:32:11 ID:e5YrVStm
町くだりよろぼひ行きて世を見れば物のことわりみなしられけり(慈円)
688 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 13:33:33 ID:e5YrVStm
たれならむ目をしのごひてたてる人ひとの世わたる道のほとりに(慈円)
689 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 21:20:37 ID:EfgHPPD5
ふるさとの庭の日かげもさえくれて桐の落葉にあられふるなり(藤原家隆[新勅撰])
690 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 21:22:39 ID:EfgHPPD5
かささぎのわたすやいづこ夕霜の雲ゐにしろき峰のかけ橋(藤原家隆[新勅撰])
691 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 21:24:47 ID:EfgHPPD5
あけわたる雲まの星のひかりまで山の端さむし峰の白雪(藤原家隆[新勅撰])
692 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 23:33:08 ID:xbktQJ4g
693 :
名無氏物語:2008/11/06(木) 23:44:16 ID:EfgHPPD5
おもひ河身をはやながら水の泡のきえてもあはむ浪のまもがな(藤原家隆[新勅撰])
694 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 00:55:57 ID:CSMyON0f
いにしへの幾世の花に春暮れて奈良の都のうつろひぬらむ(藤原家隆[新勅撰])
695 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 00:59:23 ID:CSMyON0f
天の原おもへばかはる色もなし秋こそ月の光なりけれ(藤原定家[新勅撰])
696 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 01:00:52 ID:CSMyON0f
明けば又秋の半ばも過ぎぬべしかたぶく月のをしきのみかは(藤原定家[新勅撰])
697 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 01:04:03 ID:1fgYB6z5
ことし見る我もとゆひの初霜に三十あまりの秋ぞ深ぬる(九条良経)
698 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 01:28:05 ID:1fgYB6z5
川かみやあらふの池のうきぬなはうき事あれやくる人もなし(曽禰好忠)
699 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 01:41:06 ID:1fgYB6z5
川かみにあらふ若菜の流れきて妹があたりの瀬にこそ寄らめ(読人しらず)
700 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 08:10:29 ID:CSMyON0f
しのべとやしらぬ昔の秋をへておなじ形見にのこる月影(藤原定家[新勅撰])
701 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 08:18:38 ID:CSMyON0f
花すすき草のたもとも朽ちはてぬなれて別れし秋を恋ふとて(藤原定家[新続古今])
702 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 08:20:23 ID:CSMyON0f
こぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ(藤原定家[新勅撰])
703 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 22:32:26 ID:1fgYB6z5
をろかにも思やるかな君ももしひとりやこよひ月をみるらん(慈円)
704 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 22:48:49 ID:1fgYB6z5
つれなさの心くらべもけふよりは我身によはる夕暮の空(藤原家隆)
705 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 23:32:20 ID:1fgYB6z5
わすられぬ人の中にはわすれぬをまつらむ人のなかにまつやは(藤原実方)
706 :
名無氏物語:2008/11/07(金) 23:35:03 ID:1fgYB6z5
契こしことのたがふぞたのもしきつらさもかくやかはるとおもへば(藤原実方)
707 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:27:37 ID:QcGIN5M0
ももしきのとのへを出づる宵々は待たぬに向かふ山のはの月(藤原定家[新勅撰])
708 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:29:25 ID:QcGIN5M0
斧の柄もかくてや人はくたしけむ山路おぼゆる春の空かな(藤原兼宗[新勅撰])
709 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:30:02 ID:QcGIN5M0
あふちさく梢に雨はややはれて軒のあやめにのこる玉水(平経親[風雅])
710 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:30:45 ID:QcGIN5M0
花になれし名残を雲にながむれば弥生の暮の春雨の空(藤原忠良[千五百番歌合])
711 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:31:37 ID:QcGIN5M0
夏深き杜の下陰風すぎて梢をわたる日ぐらしの声(藤原忠良[正治初度百首])
712 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:32:29 ID:QcGIN5M0
みよし野の霞のうちに雪ちりて行すゑとほき花のおくかな(藤原忠良[正治初度百首])
713 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:45:13 ID:QcGIN5M0
あさぢ原春雨すがる若葉よりみどりをうつす玉ぞこぼるる(藤原忠良[老若五十首歌合])
714 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 00:46:11 ID:QcGIN5M0
さらにまた時雨をそむる紅葉かな散りしく上の露のいろいろ(藤原忠良[正治初度百首])
715 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:02:31 ID:vCJ9YMp/
遥かなるもろこしまでも行物は秋のね覚めの心なりけり(大弐三位)
716 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:04:45 ID:QcGIN5M0
露霜にまがきの萩は枯れはてて木の葉の底にのこる虫の音(藤原忠良[正治初度百首])
717 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:06:42 ID:QcGIN5M0
思ひ寝に我が心からみる夢も逢ふ夜は人のなさけなりけり(藤原忠良[新続古今])
718 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:09:09 ID:QcGIN5M0
朝ぼらけ野ざはの霧のたえまよりたつ白鷺の声のさむけさ(藤原忠良[新続古今])
719 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:19:47 ID:vCJ9YMp/
ますらをや片戀せむと嘆けども醜のますらをなほ戀ひにけり(舍人皇子)
720 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:22:26 ID:QcGIN5M0
おもひすてて我が身ともなき心にもなほ昔なる山桜かな(藤原忠良[新勅撰])
721 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:26:07 ID:QcGIN5M0
魂まつる年の終りになりにけり今日にやまたもあはむとすらむ(曾禰好忠[詞花])
722 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:27:41 ID:QcGIN5M0
さざ浪や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな(平忠度[千載])
723 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:28:24 ID:QcGIN5M0
さめやらであはれ夢かとたどるまにはかなく年の暮れにけるかな(藤原忠良[続拾遺])
724 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:29:59 ID:QcGIN5M0
はかなくて我が世すぎぬとながむれば月もいまはの西の山の端(藤原忠良[玉葉])
725 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:30:54 ID:QcGIN5M0
ながき夜にまよふ夢路もさむばかり心をあらふ滝の音かな(藤原忠良[玉葉])
726 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:32:22 ID:vCJ9YMp/
ぬばたまの夜霧は立ちぬ衣手を高屋の上にたなびくまでに(舍人皇子)
727 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 01:32:40 ID:QcGIN5M0
昔誰かかる桜の花をうゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良経[新勅撰])
728 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 02:04:21 ID:vCJ9YMp/
闇の夜の行く先知らず行く吾をいつ来まさむと問ひし兒らはも(防人の歌)
729 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 02:44:22 ID:QcGIN5M0
うつの山こえしむかしの跡ふりてつたのかれ葉に秋風ぞふく(藤原良経[新続古今])
730 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 06:48:49 ID:QcGIN5M0
さびしきはいつもながめのものなれど雲まの峰の雪の明けぼの(藤原良経[新勅撰])
731 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 06:50:13 ID:QcGIN5M0
をはり思ふすまひかなしき山かげにたまゆらかかるあさがほの露(藤原良経[新勅撰])
732 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 06:51:27 ID:QcGIN5M0
故郷の月をいくよかみよし野の山風さむみ衣うつらん(藤原師信[続千載])
733 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 06:53:24 ID:QcGIN5M0
秋は今日くれなゐくくるたつた河ゆくせの波も色かはるらん(藤原雅経[新勅撰])
734 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:06:21 ID:QcGIN5M0
秋はけふくれなゐくくるたつた川神よもしらずすぐる月かは(後鳥羽院[建保四年二月御百首])
735 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:07:41 ID:QcGIN5M0
かり衣すそ野もふかしはし鷹のとがへる山の峰のしら雪(藤原雅経[新勅撰])
736 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:09:30 ID:QcGIN5M0
おもかげはなほあり明の月草にぬれてうつろふ袖の朝つゆ(藤原教雅[新勅撰])
737 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:10:55 ID:QcGIN5M0
わすれじの契りばかりをむすびてやあはん日までの野べの夕露(藤原雅経[新続古今])
738 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:12:11 ID:QcGIN5M0
恨みじな難波の御津に立つけぶり心からたくあまの藻塩火(藤原雅経[新勅撰])
739 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:13:42 ID:QcGIN5M0
みよし野やむつだのよどの川柳みどりをくくる春の岩なみ(後鳥羽院[建保四年二月御百首])
740 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 07:14:42 ID:QcGIN5M0
うらむべき方こそなけれ春風のやどりさだめぬ花のふるさと(藤原公経[新勅撰])
741 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:19:39 ID:Yss85jiC
白雲のやへ山桜さきにけりところもさらぬ春のあけぼの(藤原公経[新勅撰])
742 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:20:52 ID:Yss85jiC
あすよりのなごりをなににかこたましあひもおもはぬ秋のわかれぢ(藤原公経[新勅撰])
743 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:21:52 ID:Yss85jiC
つま木こる山ぢもいまやたえぬらん里だにふかきけさの白雪(藤原公経[新勅撰])
744 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:22:52 ID:Yss85jiC
花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり(藤原公経[新勅撰])
745 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:25:01 ID:Yss85jiC
わが庵はをぐらの山のちかければうき世をしかとなかぬ日ぞなき(八条院高倉[新勅撰])
746 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:26:07 ID:Yss85jiC
すぎはてぬいづらなが月名のみしてみじかかりける秋のほどかな(八条院高倉[新勅撰])
747 :
名無氏物語:2008/11/08(土) 22:27:05 ID:Yss85jiC
里のあまのさだめぬ宿も埋もれぬよするなぎさの雪の白浪(八条院高倉[新勅撰])
748 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:32:06 ID:FGCBCUUp
吹くからに身にぞしみける君はさは我をや秋のこがらしの風(八条院高倉[新勅撰])
749 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:32:51 ID:FGCBCUUp
わすれじのただひとことを形見にてゆくもとまるもぬるる袖かな(八条院高倉[新勅撰])
750 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:33:39 ID:FGCBCUUp
いざさらばこむ世をかねて契りおかむ限りもしらぬ月の光に(八条院高倉[新続古今])
751 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:35:19 ID:FGCBCUUp
あだに散る露の枕にふしわびて鶉なくなりとこの山風(俊成卿女[新古今])
752 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:36:07 ID:FGCBCUUp
とふ人も嵐吹きそふ秋はきて木の葉にうづむ宿の道芝(俊成卿女[新古今])
753 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:54:45 ID:FGCBCUUp
色かはる露をば袖に置きまよひうらがれてゆく野辺の秋風(俊成卿女[新古今])
754 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 04:56:37 ID:FGCBCUUp
いかなりし風のたよりに聞きそめて身にしむ恋のつまとなりけん(俊成卿女[新千載])
755 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:17:14 ID:pggb7uTF
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756 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:40:30 ID:FGCBCUUp
面影のかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に(俊成卿女[新古今])
757 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:41:21 ID:FGCBCUUp
とへかしな浅茅ふきこす秋風にひとりくだくる露の枕を(俊成卿女[新勅撰])
758 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:42:06 ID:FGCBCUUp
ながれての名をさへしのぶ思ひ川あはでもきえね瀬々のうたかた(俊成卿女[新勅撰])
759 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:42:59 ID:FGCBCUUp
さきにけり君がみるべき行末は遠里小野の秋萩の花(俊成卿女[新後撰])
760 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:43:48 ID:FGCBCUUp
秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる(俊成卿女[風雅])
761 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:44:50 ID:FGCBCUUp
ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月(俊成卿女[続後撰])
762 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:45:36 ID:FGCBCUUp
つもりぬる別れは春にならへども慰めかねて暮るる空かな(俊成卿女[新後拾遺])
763 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 07:46:34 ID:FGCBCUUp
めぐりあはむ我がかねごとの命だに心にかなふ春の暮かは(俊成卿女[新勅撰])
764 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:02:25 ID:V+4VGebo
それもいさ爪に藍しむ物はりのしばしとりおく襷すがたよ(慈円)
765 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:03:27 ID:V+4VGebo
まことならでまた思ふことはなきものを知らぬ人をばなにかうらみむ(慈円)
766 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:04:08 ID:V+4VGebo
いにしへにはやたちかへれ水無瀬川ふかき心のすゑの白浪(長慶院)
767 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:06:13 ID:V+4VGebo
見てもいとへ何か涙を恥ぢもせんこれぞ恋てふ心憂きもの(鴨長明)
768 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:07:03 ID:V+4VGebo
忍ばんと思ひしものを夕暮の風のけしきにつひに負けぬる(鴨長明)
769 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:09:43 ID:V+4VGebo
春霞はやたちぬれや朝日かげにほへる山の空ぞのどけき(伏見院)
770 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:36:11 ID:V+4VGebo
朝日影にほへる山の春風にふもとのさとは梅が香ぞする(一条兼良)
771 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:36:47 ID:V+4VGebo
吉野山つれなくきえぬ白雪やまだ初春のあり明の月(一条兼良)
772 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 18:37:44 ID:V+4VGebo
いとはやも花ぞまたるる朝日影にほへる山の峰の桜木(三条西実隆)
773 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 19:19:05 ID:V+4VGebo
夕にも雨とはならじ朝日かげにほへる山の花のしら雲(松永貞徳)
774 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 19:26:53 ID:V+4VGebo
花ならで花なるものは朝日かげにほへる山の木木のしら雪(小沢蘆庵)
775 :
名無氏物語:2008/11/09(日) 19:27:46 ID:V+4VGebo
朝日影にほへる山の桜花千代とことはに見ともあかめや(本居宣長)
776 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 13:54:04 ID:odkQgAqe
ことわりの袖の露かな岩木だにぬるればぬるる秋の夕暮(後水尾院)
777 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 14:03:27 ID:odkQgAqe
恋ひわたる心ひとつをしるべにて昔にかよふ夢の浮橋(宗尊親王)
778 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 14:04:33 ID:odkQgAqe
むかひゐて立ちもはなれじ今日よりは花さきそむる窓の梅が枝(藤原公衡)
779 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 14:05:35 ID:odkQgAqe
すぎてゆく秋の日影は朝ごとにうつろふ菊の色に見えけり(藤原公衡)
780 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 14:09:54 ID:odkQgAqe
かげろふのたち野の真柴をりしきてかへり見すれば花散りにけり(加納諸平)
781 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 14:11:59 ID:odkQgAqe
夕日うつる梢の色のしぐるるに心もやがてかきくらすかな(建礼門院右京大夫)
782 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 14:24:36 ID:odkQgAqe
物思へば心の春もしらぬ身に何うぐひすの告げに来つらむ(建礼門院右京大夫)
783 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:17:52 ID:odkQgAqe
とにかくに心をさらず思ふこともさてもと思へばさらにこそ思へ(建礼門院右京大夫)
784 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:18:40 ID:odkQgAqe
さそはれぬ心の程はつらけれどひとり見るべき花の色かは(小侍従)
785 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:19:23 ID:odkQgAqe
風をいとふ花のあたりはいかがとてよそながらこそ思ひやりつれ(建礼門院右京大夫)
786 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:20:06 ID:odkQgAqe
吹く風も枝にのどけき御代なれば散らぬもみぢの色をこそ見れ(建礼門院右京大夫)
787 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:20:40 ID:odkQgAqe
年月の積もりはててもその折の雪のあしたはなほぞ恋しき(建礼門院右京大夫)
788 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:21:18 ID:odkQgAqe
常よりも面影に立つ夕べかな今や限りと思ひなるにも(建礼門院右京大夫)
789 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:21:52 ID:odkQgAqe
よしさらばさてやまばやと思ふより心弱さのまたまさるかな(建礼門院右京大夫)
790 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 15:22:23 ID:odkQgAqe
みるままに雲ははれゆく月かげも心にかかる人ゆゑになほ(建礼門院右京大夫)
791 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:23:28 ID:odkQgAqe
誰が香に思ひ移ると忘るなよ夜な夜ななれし枕ばかりは(建礼門院右京大夫)
792 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:27:53 ID:odkQgAqe
心にも袖にもとまる移り香を枕にのみや契りおくべき(平資盛)
793 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:28:28 ID:odkQgAqe
面影を心にこめてながむれば忍びがたくもすめる月かな(建礼門院右京大夫)
794 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:29:20 ID:odkQgAqe
栗も笑みをかしかるらむと思ふにもいでやゆかしや秋の山里(建礼門院右京大夫)
795 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:30:26 ID:odkQgAqe
このごろは柑子たちばななりまじり木の葉もみづや秋の山里(建礼門院右京大夫)
796 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:32:02 ID:odkQgAqe
あはれされば此はまことか猶もただ夢にやあらむとこそ覚ゆれ(建礼門院右京大夫)
797 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 16:32:48 ID:odkQgAqe
おなじ世となほ思ふこそかなしけれあるがあるにもあらぬこの世に(建礼門院右京大夫)
798 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:02:37 ID:odkQgAqe
なべて世のはかなきことをかなしとはかかる夢見ぬ人やいひけむ(建礼門院右京大夫)
799 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:03:26 ID:odkQgAqe
今や夢昔や夢とまよはれていかに思へどうつつとぞなき(建礼門院右京大夫)
800 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:05:19 ID:odkQgAqe
月をこそながめなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる(建礼門院右京大夫)
801 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:06:03 ID:odkQgAqe
恋ひしのぶ人に近江の海ならば荒き波にもたちまじらまし(建礼門院右京大夫)
802 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:06:39 ID:odkQgAqe
いかにせむわが後の世はさてもなほ昔の今日を問ふ人もがな(建礼門院右京大夫)
803 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:09:31 ID:odkQgAqe
聞かばやなふたつの星の物語たらひの水に映らましかば(建礼門院右京大夫)
804 :
名無氏物語:2008/11/10(月) 21:10:50 ID:odkQgAqe
書きつけばなほもつつまし思ひ嘆く心のうちを星よ知らなむ(建礼門院右京大夫)
805 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 13:48:02 ID:bZ80l/NH
今はただしひて忘るるいにしへを思ひ出でよと澄める月影(建礼門院右京大夫)
806 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 14:03:16 ID:bZ80l/NH
もろともにながめし夜はのむつごとを思ひ出でよとすめる月かな(藤原隆信)
807 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 14:05:16 ID:bZ80l/NH
峯の雪たにの氷もとけぬらむ鶯さそへむめのした風(飛鳥井雅経)
808 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 14:06:34 ID:bZ80l/NH
朝露もちりかひなびく柳風鶯さそへ池の浮草(正徹)
809 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 14:08:26 ID:bZ80l/NH
江の南梅も柳もかすむ日に鶯さそへ春のうらかぜ(冷泉為村)
810 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 14:17:37 ID:bZ80l/NH
花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草のはるを見せばや(藤原家隆)
811 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:05:56 ID:bZ80l/NH
ながめやる沖つ島山ほのかにて浪よりはるる横雲の空(飛鳥井雅経)
812 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:06:39 ID:bZ80l/NH
わが袖にあめも涙もふりそひぬ都わかるる横雲の空(飛鳥井雅有)
813 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:08:02 ID:bZ80l/NH
しがらきのと山の霞ほのぼのと春にあけゆくよこ雲のそら(惟宗光吉)
814 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:09:25 ID:bZ80l/NH
あけわたる高ねの花に風過ぎて春にわかるるよこ雲の空(飛鳥井雅親)
815 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:11:22 ID:bZ80l/NH
こがらしに枝をわかるるもみぢ葉もほのぼの見ゆるよこ雲の空(本居宣長)
816 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:12:35 ID:bZ80l/NH
すむ人もうつればかはる古郷の昔ににほふ軒の梅が枝(藤原家隆)
817 :
名無氏物語:2008/11/11(火) 23:15:55 ID:bZ80l/NH
ことさらにつくりなしてや昨日みぬ山のすがたに霞たなびく(三条西公条)
818 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:00:14 ID:lKV1M7Eq
かづらきの山のすがたに打靡きたてりともなき春霞かな(香川景樹)
819 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:00:50 ID:lKV1M7Eq
逢坂や明ぼのしるき花の色におのれ夜ぶかき関の杉むら(藤原家隆)
820 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:01:33 ID:lKV1M7Eq
などてかく思ひそめけむ桜花山とし高くなりはつるまで(藤原家隆)
821 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:02:10 ID:lKV1M7Eq
鐘のおとも明けゆく空に匂ふなり今日もやありて花を見るべき(藤原家隆)
822 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:02:41 ID:lKV1M7Eq
朝日山きしの山ぶきさきにけり花のした行くうぢの柴舟(冷泉為尹)
823 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:03:22 ID:lKV1M7Eq
よしの川さくらながれて行く春もここぞ泊りとさける山吹(飛鳥井雅親)
824 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 01:04:06 ID:lKV1M7Eq
神なびの岸の山ぶき咲きにけりみむろの嵐ふかずもあらなむ(橘千蔭)
825 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:01:42 ID:lKV1M7Eq
葦鴨の跡もさわがぬ水の江になほすみがたく春やゆくらむ(藤原家隆)
826 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:02:21 ID:lKV1M7Eq
なにとなく涙ぞおつるむら雨の夕べの雲になくほととぎす(藤原俊成)
827 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:03:01 ID:lKV1M7Eq
いかにせむこぬ夜あまたの袖の露に月をのみまつ夕暮の空(後鳥羽院)
828 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:04:12 ID:lKV1M7Eq
今はただこぬ夜あまたのさ夜ふけてまたじと思ふに松風の声(藤原雅経)
829 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:05:14 ID:lKV1M7Eq
ちかき音もほのかにきくぞ哀れなる我が世ふけゆく山郭公(藤原家隆)
830 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:06:06 ID:lKV1M7Eq
むら雨の風にぞなびくあふひ草向ふ日かげはうすぐもりつつ(藤原家隆)
831 :
名無氏物語:2008/11/12(水) 08:06:50 ID:lKV1M7Eq
むば玉の闇のうつつの鵜飼舟月のさかりや夢もみるべき(藤原家隆)
832 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:41:17 ID:8PHBLj7X
山里は門田の稲葉見わたせば一穂出でたる夏の朝露(藤原家隆)
833 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:42:03 ID:8PHBLj7X
蝉の羽のうすき衣のひとへ山青葉涼しき風の色かな(藤原家隆)
834 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:42:51 ID:8PHBLj7X
のどかなる風のけしきに青柳のなびくぞ春のしるしなりける(源経信)
835 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:43:39 ID:8PHBLj7X
風そよぐならの葉かげのこけむしろ夏を忘るるまとゐをぞする(藤原教長)
836 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:44:21 ID:8PHBLj7X
年月をすつるしるしはみそぎ川夏こそなけれ水のしら波(松永貞徳)
837 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:45:14 ID:8PHBLj7X
風わたるならの小河の夕すずみみそぎもあへずなつぞながるる(小沢蘆庵)
838 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 00:46:25 ID:8PHBLj7X
軒ちかき山の下荻こゑたてて夕日がくれに秋風ぞふく(藤原家隆)
839 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:02:20 ID:8PHBLj7X
花も葉ももろく散り行く萩が枝にむら雨かかる秋の夕ぐれ(藤原家隆)
840 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:03:12 ID:8PHBLj7X
露や花はなや露なる秋くれば野原にさきて風にちるらむ(藤原家隆)
841 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:04:00 ID:8PHBLj7X
暮れぬまに山の端とほくなりにけり空よりいづる秋の夜の月(藤原家隆)
842 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:04:45 ID:8PHBLj7X
をとめごが玉裳のすそに満つ潮のひかりをよする浦の月かげ(藤原家隆)
843 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:05:36 ID:8PHBLj7X
はつせ山ふる川のべも霧はれて月にぞたてる二もとの杉(藤原家隆)
844 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:06:24 ID:8PHBLj7X
しるべせよおくる心の帰るさも月の道ふく秋の山風(藤原家隆)
845 :
名無氏物語:2008/11/13(木) 14:09:49 ID:8PHBLj7X
天の川秋の一夜のちぎりだに交野に鹿のねをや鳴くらむ(藤原家隆)
846 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 15:04:01 ID:jvz6BESW
鹿のねはなほ遠き野に吹きすててひとり空行く秋の夕風(藤原家隆)
847 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 15:07:56 ID:jvz6BESW
志賀のうらやこほらぬ浪のおとはして月の御舟ぞとほざかりゆく(藤原隆祐)
848 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 15:08:48 ID:jvz6BESW
志賀の浦や秋しく月のこほりにも遠ざかり行く浪の音かな(順徳院)
849 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 15:10:02 ID:jvz6BESW
冬がれの木葉さはらぬ高ねよりこほりて出づる月ぞまぢかき(花園院)
850 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 15:12:01 ID:jvz6BESW
遠ざかるゆくへも月の影さえて氷はてなき志賀の浦波(本居春庭)
851 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:10:53 ID:jvz6BESW
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
852 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:11:32 ID:jvz6BESW
入るまでに月はながめつ稲妻のひかりの間にも物思ふ身の(藤原家隆)
853 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:12:21 ID:jvz6BESW
とこはあれぬいたくな吹きそ秋風の目にみぬ人を夢にだにみむ(藤原家隆)
854 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:13:02 ID:jvz6BESW
たえはつる心のうちを恨みても猶たどらるる夢のうきはし(俊成卿女)
855 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:13:45 ID:jvz6BESW
夢かとぞなほ辿らるるおいらくの子は先だてむものとやはみし(木下長嘯子)
856 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:14:41 ID:jvz6BESW
おのづからたのむ夢路はむなしくていつかうつつの恋はさむべき(藤原家隆)
857 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:15:43 ID:jvz6BESW
みるままに昨日の雲の村時雨冬にもめぐる山かぜぞふく(後柏原天皇)
858 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 16:16:14 ID:jvz6BESW
この朝け山風にほふ花の色に昨日の雲の空めをぞしる(三条西実隆)
859 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 21:21:54 ID:Ngwq5Crz
着る人も世になきものは秋山に風の吹きたつ錦なりけり(曾禰好忠)
860 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 21:27:48 ID:Ngwq5Crz
ねらひする冬の狩人待ちかねておのが心と寒しとや思ふ(曾禰好忠)
861 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 21:31:47 ID:Ngwq5Crz
あづま山みのの中道絶えしよりわが身にあきのくると知りにき(曾禰好忠)
862 :
名無氏物語:2008/11/14(金) 22:19:15 ID:Ngwq5Crz
日暮るれば下葉こぐらき木のもとのものおそろしき夏の夕暮れ(曾禰好忠)
863 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 00:24:04 ID:leXzMloi
さえくれし昨日の雲のあとなれや明けゆくをちの峰の白雪(小沢蘆庵)
864 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 00:25:19 ID:leXzMloi
おもへども人の心のあさぢふに置きまよふ霜のあへず消ぬべし(藤原家隆)
865 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 00:26:00 ID:leXzMloi
時すぎて小野の浅茅にたつ煙知りぬや今も思ひありとは(藤原家隆)
866 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 00:26:58 ID:leXzMloi
友千鳥むれて鳴くなる声たかし夕たつ波のあらき磯辺に(伏見院)
867 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 00:28:09 ID:leXzMloi
かへすとも雲の衣はうらもあらじ一夜夢かせ木枯のかぜ(藤原家隆)
868 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 00:28:54 ID:leXzMloi
君すみてとはにみるべき宿なれば田の面はるかに松風ぞふく(藤原家隆)
869 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:02:12 ID:leXzMloi
わしの山ふもとはるかにてらす月しらぬ山路の道しるべせよ(藤原基俊)
870 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:02:59 ID:leXzMloi
いつか我このよの空をへだたらむあはれあはれと月を思ひて(西行)
871 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:03:45 ID:leXzMloi
いとひてもなほ故郷を思ふかな槙のを山の夕霧の空<藤原家隆)
872 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:04:25 ID:leXzMloi
神垣やもとの光を尋ねきてみねにも君をなほいのるかな(藤原家隆)
873 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:04:59 ID:leXzMloi
春日山おどろの道も中たえぬ身をうぢばしの秋の夕暮(藤原家隆)
874 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:05:34 ID:leXzMloi
八幡山さかゆくみねも越え果てて君をぞ祈る身のうれしさに(源通光)
875 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 10:06:15 ID:leXzMloi
寝覚してきかぬを聞きてかなしきは荒礒浪の暁のこゑ(藤原家隆)
876 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 23:17:27 ID:leXzMloi
さびしさはまだ見ぬ島の山里を思ひやるにもすむ心ちして(藤原家隆)
877 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 23:18:10 ID:leXzMloi
花の香のかすめる月にあくがれて夢もさだかに見えぬ頃かな(藤原定家)
878 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 23:18:49 ID:leXzMloi
花の香はかをるばかりを行方とて風よりつらき夕やみの空(藤原定家)
879 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 23:19:34 ID:leXzMloi
くりかへし春のいとゆふいく世へておなじみどりの空にみゆらん(藤原定家)
880 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 23:20:34 ID:leXzMloi
屋戸ごとに心ぞみゆるまとゐする花のみやこの弥生きさらぎ(藤原定家)
881 :
名無氏物語:2008/11/15(土) 23:21:49 ID:leXzMloi
おのづからそこともしらぬ月は見つ暮れなばなげの花をたのみて(藤原定家)
882 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:27:38 ID:BOEoYgXX
きのふまでかをりし花に雨すぎてけさは嵐のたまゆらの色(藤原定家)
883 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:28:16 ID:BOEoYgXX
ふりにけりたれか砌のかきつばたなれのみ春の色ふかくして(藤原定家)
884 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:29:04 ID:BOEoYgXX
あはれいかに霞も花もなれなれて雲しく谷にかへる鶯(藤原定家)
885 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:29:48 ID:BOEoYgXX
春はいぬあを葉の桜おそき日にとまるかたみの夕ぐれの花(藤原定家)
886 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:30:26 ID:BOEoYgXX
わがこころ弥生ののちの月の名に白き垣根のはなざかりかな(藤原定家)
887 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:31:03 ID:BOEoYgXX
まきの戸をたたくくひなの明ぼのに人やあやめの軒のうつりが(藤原定家)
888 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 00:31:43 ID:BOEoYgXX
うつり香の身にしむばかり契るとて扇の風の行へたづねば(藤原定家)
889 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 09:20:33 ID:xFwc+PdP
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890 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 13:57:53 ID:BOEoYgXX
泉川かは波きよくさす棹のうたかた夏をおのれ消ちつつ(藤原定家)
891 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 13:58:49 ID:BOEoYgXX
いこま山あらしも秋の色にふく手ぞめの糸のよるぞかなしき(藤原定家)
892 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 13:59:49 ID:BOEoYgXX
夕づく日むかひの岡の薄紅葉まだきさびしき秋の色かな(藤原定家)
893 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 14:01:55 ID:BOEoYgXX
夕づく日うつる木の葉や時雨にしさざ浪そむる秋の浦風(藤原定家)
894 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 14:03:05 ID:BOEoYgXX
吹きはらふ紅葉のうへの霧はれて峯たしかなるあらし山かな(藤原定家)
895 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 14:03:45 ID:BOEoYgXX
秋はいぬ夕日がくれの峰の松四方の木の葉の後もあひ見ん(藤原定家)
896 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 14:04:17 ID:BOEoYgXX
松虫の声だにつらき夜な夜なをはては梢に風よわるなり(藤原定家)
897 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 21:14:19 ID:BOEoYgXX
人とはぬ冬の山路のさびしさよ垣根のそばにしとと下りゐて(藤原定家)
898 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 21:15:10 ID:BOEoYgXX
風のうへに星のひかりは冴えながらわざともふらぬ霰をぞ聞く(藤原定家)
899 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 21:16:07 ID:BOEoYgXX
白妙のいろはひとつに身に沁めど雪月花のをりふしは見つ(藤原定家)
900 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 21:18:00 ID:BOEoYgXX
おもひいづる雪ふる年よ己のみ玉きはるよの憂きに堪へたる(藤原定家)
901 :
名無氏物語:2008/11/16(日) 21:19:03 ID:BOEoYgXX
初雁のとわたる風のたよりにもあらぬ思ひを誰につたへん(藤原定家)
902 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:02:04 ID:HymI/9Ia
さゆりばのしられぬ恋もあるものを身よりあまりてゆく蛍かな(藤原定家)
903 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:02:52 ID:HymI/9Ia
久方の月ぞかはらで待たれける人には言ひし山の端の空(藤原定家)
904 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:06:48 ID:HymI/9Ia
ふる里を出でしにまさる涙かな嵐の枕ゆめに別れて(藤原定家)
905 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:07:58 ID:HymI/9Ia
浜木綿やかさなる山の幾重ともいさしら雲のそこの面影(藤原定家)
906 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:08:37 ID:HymI/9Ia
契りおきし末のはら野のもと柏それともしらじよその霜枯(藤原定家)
907 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:09:22 ID:HymI/9Ia
なく涙やしほの衣それながら馴れずは何の色かしのばむ(藤原定家)
908 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:55:12 ID:HymI/9Ia
心をばつらきものとて別れにし世々のおもかげ何したふらん(藤原定家)
909 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:55:53 ID:HymI/9Ia
わすれぬやさは忘れけり逢ふことを夢になせとぞいひて別れし(藤原定家)
910 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:56:36 ID:HymI/9Ia
面影のひたふるかたにかへりみる都は山の月繊くして(藤原定家)
911 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 15:57:20 ID:HymI/9Ia
下もゆるなげきの煙空に見よ今も野山の秋の夕暮(藤原定家)
912 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:30:30 ID:HymI/9Ia
思ひかね我が夕暮の秋の日に三笠の山はさし離れにき(藤原定家)
913 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:31:03 ID:HymI/9Ia
思ふことむなしき夢の中空に絶ゆとも絶ゆなつらき玉の緒(藤原定家)
914 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:33:19 ID:HymI/9Ia
たらちめや又もろこしに松浦舟今年も暮れぬ心づくしに(藤原定家)
915 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:35:14 ID:vTTDZd0X
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916 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:36:15 ID:HymI/9Ia
しるや月やどしめそむる老いらくのわが山のはの影やいく夜と(藤原定家)
917 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:37:12 ID:HymI/9Ia
あふちさく山田の木蔭風すぎてみるもすずしくとる早苗かな(飛鳥井雅有)
918 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 19:37:52 ID:HymI/9Ia
露はらふ風ぞ涼しきあふち開く外面のかげの夏の夕暮(二条為親)
919 :
名無氏物語:2008/11/17(月) 20:18:34 ID:vTTDZd0X
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920 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 00:11:42 ID:uD7s9jej
池水の氷のひまに打ちはぶきよるなくをしの声の寒けさ(頓阿)
921 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 00:12:23 ID:uD7s9jej
しほ風のわかの松原吹きしをりなきたつ鶴の声のさむけさ(三条西実隆)
922 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 00:15:14 ID:h8YbXm7W
木の間より日かげや春をもらすらむ松のいはねの水のしらなみ(藤原良経)
923 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 00:16:03 ID:h8YbXm7W
吉野山このめもはるの雪きえてまたふるたびは桜なりけり(藤原良経)
924 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 00:16:34 ID:h8YbXm7W
かすみゆくやどの梢ぞあはれなるまだ見ぬ山の花のかよひぢ(藤原良経)
925 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 00:17:08 ID:h8YbXm7W
またも来む花にくらせるふるさとの木のまの月に風かをるなり(藤原良経)
926 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:06:21 ID:h8YbXm7W
鈴鹿川波と花との道すがら八十瀬をわけし春はわすれず(藤原良経)
927 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:12:36 ID:h8YbXm7W
雲のなみ煙のなみやちる花のかすみにしづむ鳰のみづうみ(藤原良経)
928 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:13:34 ID:h8YbXm7W
ちる花も世をうきくもとなりにけりむなしき空をうつす池水(藤原良経)
929 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:18:01 ID:h8YbXm7W
なほちらじみ山がくれの遅桜またあくがれむ春のくれがた(藤原良経)
930 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:26:52 ID:h8YbXm7W
ちる花をけふのまとゐの光にて浪間にめぐる春のさかづき(藤原良経)
931 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:41:01 ID:h8YbXm7W
さつき山雨にあめそふ夕風に雲よりしたをすぐる白雲(藤原良経)
932 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 01:42:35 ID:h8YbXm7W
窓わたる宵のほたるもかげきえぬ軒ばにしろき月のはじめに(藤原良経)
933 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 14:51:32 ID:h8YbXm7W
すずみにとわけいる道は夏ふかし裾野につづくもりの下草(藤原良経)
934 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 15:21:45 ID:h8YbXm7W
おく山に夏をばとほくはなれきて秋の水すむ谷のこゑかな(藤原良経)
935 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 15:24:28 ID:h8YbXm7W
手にならす夏のあふぎとおもへどもただ秋風のすみかなりけり(藤原良経)
936 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 15:25:21 ID:h8YbXm7W
秋をあきと思ひ入りてぞながめつる雲のはたてのゆふぐれの空(藤原良経)
937 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 15:29:52 ID:h8YbXm7W
うすぎりの麓にしづむ山のはにひとりはなれてのぼる月かげ(藤原良経)
938 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 15:31:12 ID:h8YbXm7W
三日月の秋ほのめかすゆふぐれは心にをぎの風ぞこたふる(藤原良経)
939 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 15:32:20 ID:h8YbXm7W
庭ふかきまがきの野べのむしのねを月と風とのしたにきくかな(藤原良経)
940 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:17:36 ID:h8YbXm7W
とこよにていづれの秋か月は見し都わすれぬ初雁のこゑ(藤原良経)
941 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:18:17 ID:h8YbXm7W
さびしさやおもひよわると月見れば心のそらぞ秋ふかくなる(藤原良経)
942 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:21:15 ID:h8YbXm7W
いとふ身ものちのこよひと待たれけりまたこむ秋は月もながめじ(藤原良経)
943 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:22:15 ID:h8YbXm7W
みし秋をなににのこさむ草の原ひとつにかはる野辺のけしきに(藤原良経)
944 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:23:25 ID:h8YbXm7W
あらしふき空にみだるる雪もよにこほりぞむすぶ夢はむすばず(藤原良経)
945 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:30:59 ID:h8YbXm7W
おほかたにながめし暮の空ながらいつよりかかる思ひそめけむ(藤原良経)
946 :
名無氏物語:2008/11/18(火) 23:32:57 ID:h8YbXm7W
それはなほ夢のなごりもながめけり雨のゆふべも雲のあしたも(藤原良経)
947 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:10:59 ID:lQD/wDmQ
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ヽ、 '´ .` :,:ノ //',/
`ヽ、 ,.,.ィ'´ / /
`~/ ヽ、 /ノ
948 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:46:05 ID:kBAdLK7w
きみがあたりわきてと思ふ時しもあれそこはかとなきゆふぐれの空(藤原良経)
949 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:46:39 ID:kBAdLK7w
きみもまた夕やわきてながむらむわすれずはらふ荻の風かな(藤原良経)
950 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:49:42 ID:kBAdLK7w
月やそれほのみし人のおもかげをしのびかへせば有明の空(藤原良経)
951 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:50:42 ID:kBAdLK7w
恋ひ死なむわがよのはてににたるかなかひなくまよふゆふ暮の雲(藤原良経)
952 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:51:14 ID:kBAdLK7w
のちもうししのぶにたへぬ身とならばそのけぶりをも雲にかすめよ(藤原良経)
953 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:52:06 ID:kBAdLK7w
くにかはるさかひいくたびこえすぎておほくの民に面なれぬらむ(藤原良経)
954 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 00:54:09 ID:kBAdLK7w
夕なぎに浪間の小島あらはれてあまのふせ屋をてらすもしほ火(藤原良経)
955 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 01:57:02 ID:Q0e8aUid
有名だけど 恋すてふ 我名はまだき立ちにけり ってやつ
956 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:21:14 ID:kBAdLK7w
はるの田に心をつくる民もみなおりたちてのみ世をぞいとなむ(藤原良経)
957 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:26:06 ID:kBAdLK7w
おのづからをさまれる世やきこゆらむはかなくすさむ山人のうた(藤原良経)
958 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:28:13 ID:kBAdLK7w
わが心そのいろとしはそめねども花やもみぢをながめきにける(藤原良経)
959 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:28:55 ID:kBAdLK7w
わかの浦のちぎりもふかしもしほ草しづまむ世々をすくへとぞ思ふ(藤原良経)
960 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:30:07 ID:kBAdLK7w
たまつ島たえぬながれをくむ袖にむかしをかけよわかのうらなみ(藤原良経)
961 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:30:47 ID:kBAdLK7w
みし夢の春のわかれのかなしきはながきねぶりのさむときくまで(藤原良経)
962 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 11:42:28 ID:kBAdLK7w
みふゆつぎ春しきぬれば青柳のかづらき山に霞たなびく(源実朝)
963 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:33:44 ID:kBAdLK7w
春がすみ絶間になびく青柳のめより色にはあらはれにけり(香川景樹)
964 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:38:34 ID:kBAdLK7w
おほえ山こかげもとほくなりにけりいく野のすゑの夕立の空(藤原雅経)
965 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:39:05 ID:kBAdLK7w
月の色も山のはさむしみよし野の故郷人や衣うつらん(順徳院)
966 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:39:50 ID:kBAdLK7w
みよし野の山した風のさむきよをたれ故郷に衣うつらん(源実朝)
967 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:41:11 ID:kBAdLK7w
夜をさむみ誰かはひとりみよし野の山下風に衣うつらん(二条為定)
968 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:41:57 ID:kBAdLK7w
みよし野のすず吹く風は夜さむにてふもとの里に衣うつなり(源頼武)
969 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 22:45:02 ID:kBAdLK7w
衣うつよし野のおくの秋の風身にしむ色や花にふく声(三条西公条)
970 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 23:43:27 ID:kBAdLK7w
葦辺ゆく鴨の羽風もさむき夜にまづ影こほる三島江の月(藤原雅経)
971 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 23:47:11 ID:kBAdLK7w
山里のまさきのかづらくるる日のそともがくれに嵐ふくなり(道助法親王)
972 :
名無氏物語:2008/11/19(水) 23:50:55 ID:kBAdLK7w
おもかげはなほあり明の月草にぬれてうつろふ袖の朝つゆ(藤原雅経)
973 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 00:10:24 ID:vt4LIjWQ
いかにねて夢もむすばん草枕あらしふく夜のさやの中山(宗尊親王)
974 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 00:19:13 ID:vt4LIjWQ
まだしらずそのかみかけてふりぬれど月と雪との夜半の白木綿(藤原雅経)
975 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 00:19:59 ID:vt4LIjWQ
いかにせむゆくへもしらぬたまくしげふたたび逢はぬこの世なりけり(藤原雅経)
976 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:11:52 ID:vt4LIjWQ
我がやどに花たちばなをうゑおかむなからんあとの忘れがたみに(慈円)
977 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:19:38 ID:vt4LIjWQ
あはれなる心長さのゆくへとも見し夜の夢をたれかさだめん(俊成卿女)
978 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:20:32 ID:vt4LIjWQ
吹きさそふ嵐の庭の花よりもわが身世にふる春ぞつもれる(正徹)
979 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:21:20 ID:vt4LIjWQ
一とせの残る日数は雪ならでつもりもあへず年ぞくれける(後柏原天皇)
980 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:22:14 ID:vt4LIjWQ
ふりつもる雪をさながらてらす月今夜なりけり白川の関(八条院高倉)
981 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:23:23 ID:vt4LIjWQ
ながき夜に衣かたしきふしわびぬまどろむ程の涙ならねば(八条院高倉)
982 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 15:24:08 ID:vt4LIjWQ
にほのうみ春はかすみの志賀の波花に吹きなす比良の山風(俊成卿女)
983 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 18:06:55 ID:39LV+nIt
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984 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:38:32 ID:vt4LIjWQ
月影もうつろふ花にかはる色の夕べを春もみよしの山(俊成卿女)
985 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:39:15 ID:vt4LIjWQ
暮れはつる空さへ悲し心からいとひし春のながめせしまに(俊成卿女)
986 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:40:26 ID:vt4LIjWQ
しのばじな我もむかしの夕まぐれ花橘に風はすぐらん(俊成卿女)
987 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:42:20 ID:vt4LIjWQ
波のうへは千里のほかに雲さえて月影かよふ秋の潮風(俊成卿女)
988 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:43:05 ID:vt4LIjWQ
すみまさる月ばかりこそ変はりゆくうき世の秋をなほしのびけれ(俊成卿女)
989 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:43:44 ID:vt4LIjWQ
真木の屋のあられ降る夜の夢よりもうき世をさませ四方の木枯し(俊成卿女)
990 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 20:45:46 ID:vt4LIjWQ
花をみし秋の嵯峨野の露の色も枯葉の霜にかはる月影(俊成卿女)
991 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:11:10 ID:vt4LIjWQ
かきくらし日数ふるやの軒とぢて空には深き雪の白雲(俊成卿女)
992 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:11:52 ID:vt4LIjWQ
まがへ来し月と花とのあはれまで雪にこもれるみ吉野の山(俊成卿女)
993 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:12:34 ID:vt4LIjWQ
ふきすぐる夕べもとはぬ荻の葉に待つ宵ふけし秋風の声(俊成卿女)
994 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:13:16 ID:vt4LIjWQ
暮れはつる尾花がもとの思ひ草はかなの野辺の露のよすがや(俊成卿女)
995 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:14:01 ID:vt4LIjWQ
消えはつる夕べもかなしあけ暮の夢にまよひし春のふるさと(俊成卿女)
996 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:14:41 ID:vt4LIjWQ
風に散る花ゆゑ悲しうつりゆく色はむなしとそむく世なれど(俊成卿女)
997 :
名無氏物語:2008/11/20(木) 23:15:22 ID:vt4LIjWQ
真柴たく笹のいほりの夕けぶりいとどかすかに吹く嵐かな(俊成卿女)
998 :
名無氏物語:2008/11/21(金) 01:17:56 ID:AXZiD4sh
年も経ぬ祈る契は初瀬山尾上の鐘のよその夕暮
999 :
名無氏物語:2008/11/21(金) 02:27:45 ID:B7RwJlVp
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名無氏物語:2008/11/21(金) 02:28:20 ID:B7RwJlVp
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