1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 17:48:16 ID:YRw99inM
3 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 17:49:02 ID:YRw99inM
4 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 17:50:06 ID:YRw99inM
5 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:29:31 ID:zAKMbpIv
来じといはば来む夜もありと待たましを来むとたのめて来しやいつなる(油谷倭文子)
6 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:40:00 ID:zAKMbpIv
忍びても我が袖ひめや姫ゆりのしられぬ草の下のしら露(藤原家隆)
7 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:47:03 ID:zAKMbpIv
あしひきの国上の山を今もかも鳴きて越ゆらむ山ほととぎす(良寛)
8 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:50:30 ID:zAKMbpIv
潮みたぬ真野の浜路のさゆりばも入りぬる磯は五月雨のころ(寂蓮)
9 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:51:02 ID:zAKMbpIv
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに(正徹)
10 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:51:59 ID:zAKMbpIv
思ひ出でて夜はすがらに音をぞなく有りし昔の世々のふるごと(源実朝)
11 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:54:01 ID:zAKMbpIv
こがれつつ春のなかばになりぬなりいまやさくらん山吹の花(大中臣能宣)
12 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:54:46 ID:zAKMbpIv
春くれぬいまかさくらむかはづなく神なび川の山吹の花(藤原俊成)
13 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:55:39 ID:zAKMbpIv
大堰河かへらぬ水に影見えてことしもさける山ざくらかな(香川景樹)
14 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:56:52 ID:zAKMbpIv
七車つむ恋草のおもければうしとみれどもやるかたもなし(大江匡房)
15 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:00:36 ID:zAKMbpIv
恋草のちから車を引く牛のくるしむいきを我がむねにして(肖柏)
16 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:01:57 ID:zAKMbpIv
五月雨はわたりをとほみ泉川こま山見えず雲ぞかかれる(藤原家隆)
17 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:02:42 ID:zAKMbpIv
泉河ははその梢見わたせばわたりを遠み紅葉しにけり(藤原信実)
18 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:03:40 ID:zAKMbpIv
世の中の憂き人の子をはぐくまむ翅かしてよあめの鶴むら(加藤宇万伎)
19 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:20:45 ID:7iJc1g8Q
雪ふかきまののかやはら跡たえてまだこととほし春のおもかげ(藤原定家)
20 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:32:33 ID:K3JdMoi7
みちのくの真野のかや原かりにだにこぬ人をのみまつがくるしさ(源実朝)
21 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:34:35 ID:dJxE2666
人しれぬしたのみだれやかよふらん真野のかや原程とほくとも(藤原為家)
22 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:45:16 ID:dJxE2666
霜枯のまののかや原風さえて面かげにのみ残る秋かな(頓阿)
23 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:45:48 ID:dJxE2666
里人の夢のおもかげしたふとも雪に跡みしまののかや原(正徹)
24 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:46:40 ID:dJxE2666
かりねせしまののかや原分出でて見し面影にまよふ夢かな(三条西実隆)
25 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:02:52 ID:dJxE2666
おほ海の磯もとどろによする波われてくだけてさけて散るかも(源実朝)
26 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:05:40 ID:dJxE2666
奧山の岩垣沼に木の葉おちてしづめる心人しるらめや(源実朝)
27 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:06:31 ID:dJxE2666
思ひ出でよ忘れやしぬる若狭路や後瀬の山と契りしものを(藤原俊成)
28 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:07:03 ID:dJxE2666
たのめおきし後瀬の山のひとことや恋をいのりの命なりける(藤原定家)
29 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:08:02 ID:dJxE2666
うちきらし雪はふりきぬ高円の山の桜に風やふくらむ(雅成親王)
30 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:19:13 ID:g5B9ZFML
三日月に紅にほふ桃の花ひかりもいとどまされとぞ思ふ(大江匡房)
31 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:22:11 ID:g5B9ZFML
楢柴も枯れゆくきぎすかげをなみ立つや狩場のおのがありかを(藤原定家)
32 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:22:43 ID:g5B9ZFML
おのが妻こひわびにけり春の野にあさるきぎすの朝な朝ななく(源実朝)
33 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:33:08 ID:g5B9ZFML
春日野やいづくみむろの梅がえに霞たなびき鶯ぞなく(藤原家隆)
34 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:33:42 ID:g5B9ZFML
うちなびく春さりくれば春日野に霞たなびきうぐひす鳴くも(本居宣長)
35 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:35:52 ID:g5B9ZFML
萬高フなかに獨りのおのれゐてうらがなし鳥のゆく道を思へ(前川佐美雄)
36 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:41:02 ID:g5B9ZFML
風ふけばいささむら竹うちそよぎさしも秋めく夜半のけしきよ(藤原惟方)
37 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:42:02 ID:g5B9ZFML
秋きぬとおどろかれけり窓ちかくいささ群竹かぜそよぐ夜は(徳大寺実定)
38 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:43:20 ID:g5B9ZFML
わが宿のいささむら竹うちなびき夕暮しるき風の音かな(藤原為家)
39 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:43:53 ID:g5B9ZFML
山本のいささむら竹うちなびきちらぬ紅葉に夕風ぞふく(冷泉為尹)
40 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:44:51 ID:g5B9ZFML
深き夜の風は音して灯の窓しづかなるいささむら竹(肖柏)
41 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:51:05 ID:zXofJy+b
佐保山のははその紅葉ちりぬべみ夜さへ見よと照らす月影(読人不知[古今])
42 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:51:38 ID:zXofJy+b
楸生ふる小野のあさぢに置く霜の白きをみれば夜や更けぬらん(藤原基俊[千載])
43 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:52:11 ID:zXofJy+b
冬の夜は霜をかさねて鵲のわたせる橋にこほる月影(二条為氏[続後拾遺])
44 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:52:44 ID:zXofJy+b
朝ごとに我が元結におく霜のしろきをみれば秋ぞ暮れ行く(中御門経継[新千載])
45 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:53:32 ID:zXofJy+b
吉野川いはきりとほし行く水の音にはたてじ恋ひは死ぬとも(読人不知[古今])
46 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:17:17 ID:jbz1duFW
うらうらに照らす春日はあしひきの山も霞みて遠くなりぬる(源道済)
47 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:18:00 ID:jbz1duFW
うらうらと天に雲雀は啼きのぼり雲斑らなる山に雲ゐず(斎藤茂吉)
48 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:24:48 ID:1X/iaRGl
山たかみ見つつこえゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶天皇)
49 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:25:25 ID:1X/iaRGl
埴生坂花咲く岸にたつ未通女春の永日の誰が愛しき妻(保田與重郎)
50 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:26:08 ID:1X/iaRGl
千とせふとわがきくなへに蘆たづの鳴きわたるなる声のはるけさ(紀貫之)
51 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:28:46 ID:1X/iaRGl
天の原ふりさけみればますかがみきよき月よに雁鳴きわたる(源実朝)
52 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:29:55 ID:1X/iaRGl
をかみ川ねじろたかがや踏みしだきとる葦付もせながためとぞ(源俊頼)
53 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:31:03 ID:1X/iaRGl
うつつにはさらにもいはずぬる玉の夢の中にもはなれやはする(藤原俊成)
54 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 13:53:30 ID:wGRWCIsy
秋ぞみるこがね花さくみちのくの山の木の葉の色をひとつに(正徹)
55 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 13:54:12 ID:wGRWCIsy
いづくをも秋やかまくら山とみん金花さく下紅葉かな(正徹)
56 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 14:14:14 ID:yd9cdUMY
君がよのこがね花さくみちのおくの同じ名におふみよしのの山(細川幽斎)
57 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 14:15:03 ID:yd9cdUMY
はしきやし有田の山は冬枯に青葉しげりてこがね花さく(本居宣長)
58 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 16:01:54 ID:cZlHbd97
神な月しぐれてきたるかささぎの羽に霜おきさゆる夜の袖(藤原定家)
59 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 16:02:56 ID:cZlHbd97
天の河夜わたる月もこほるらむ霜にしもおくかささぎの橋(藤原定家)
60 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 16:03:59 ID:cZlHbd97
月きよみ有明の霜の萩の葉に白きをみれば嵐なりけり(藤原家隆)
61 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 16:04:32 ID:cZlHbd97
秋の霜白きを見れば鵲の渡せる橋に月の冴えける(後鳥羽院)
62 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 17:45:52 ID:pY521FEd
咳をしてもひとり(種田山頭火)
63 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 17:49:39 ID:q3SUv369
月影のしろきを見ればかささぎのわたせる橋に霜ぞ置きにける(源実朝)
64 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 17:50:57 ID:q3SUv369
松の葉の白きを見れば春日山木の芽もはるの雪ぞ降りける(源実朝)
65 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 17:51:42 ID:q3SUv369
かさ鷺のわたせる橋の霜消えて天つ日影や今朝しぐるらん(正徹)
66 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:02:56 ID:BqSg/gEs
難波とをこぎ出でてみれば時雨ふる生駒のたけは紅葉してけり(藤原基家[続後拾遺])
67 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:03:29 ID:BqSg/gEs
故郷となりにしかども桜さく春や昔の志賀の花園(俊成卿女[新千載])
68 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:05:04 ID:BqSg/gEs
神さびて幾世を過ぎぬ古郷となりにしならの山のはの月(藤原光俊[新続古今])
69 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:05:39 ID:BqSg/gEs
たつた山あらしや嶺によわるらんわたらぬ水も錦たえけり(宮内卿[新古今])
70 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:11:16 ID:CrF8ui8Y
くさぐさの花は咲けどもかぞいろのなきよの春は寂しかりけり(鵜殿余野子)
71 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:13:23 ID:CrF8ui8Y
野にかへり春億万の花のなかに探したづぬるわが母はなし(前川佐美雄)
72 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:16:38 ID:CrF8ui8Y
草枕ゆふべゆふべに数ふれば野くれ山くれ我は来にけり(契沖)
73 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:19:51 ID:CrF8ui8Y
ふるさとといかでなりけむ花みれば昔今とも春はわかれで(斎宮女御)
74 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:20:52 ID:CrF8ui8Y
とまらじなよもの時雨の古郷となりにしならの霜のくちばは(藤原定家)
75 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:27:27 ID:YdMJF3lI
古郷と成りにしをのの朝露にぬれつつにほふやまとなでしこ(源実朝)
76 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:28:43 ID:YdMJF3lI
とればけぬわくればこぼる枝ながらよしみやぎのの萩の下露(藤原定家)
77 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:29:30 ID:YdMJF3lI
秋萩に玉ぬくのべの夕露をよしやみださで宿ながらみん(藤原定家)
78 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:31:37 ID:YdMJF3lI
はげしさはこの比よりもたつた山松の嵐に紅葉みだれて(藤原定家)
79 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 11:55:24 ID:Dd/6DGS4
是も又都の秋の紅葉ばをわたらば錦中川の水(正徹)
80 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 11:56:04 ID:Dd/6DGS4
から錦もみぢみだれてうづむらんわたらぬ橋の中はたえけり(後柏原天皇)
81 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:02:13 ID:Dd/6DGS4
山たかみ我がたつ杣にたておきし瑠璃のとぼそは曇るともなし(藤原家隆)
82 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:02:51 ID:Dd/6DGS4
跡ふかき我がたつ杣にすぎふりてながめすずしきにほの湖(藤原定家)
83 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:03:32 ID:Dd/6DGS4
故郷のさほの川水いかならん柞の色は風も残らず(順徳院)
84 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:05:33 ID:Dd/6DGS4
故郷のさほの河水ながれてのよにもかくこそ月はすみけれ(鵜殿余野子)
85 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 13:12:41 ID:cd8L/Twn
津の国のなにはたたまくをしぞなく下の思ひにこがれわびつつ(後鳥羽院)
86 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 17:59:40 ID:nUbqDGy9
おほけなくうき世のたみにおほふかな我が立つ杣に墨染の袖(慈円[千載])
87 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 18:00:35 ID:nUbqDGy9
契りあれば此山もみつ阿耨多羅三藐三菩提の種や植ゑけん(津守国夏[太平記])
88 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 18:03:23 ID:nUbqDGy9
難波めのすくもたく火の下焦れ上はつれなき我が身なりけり(藤原清輔[千載])
89 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 18:04:42 ID:nUbqDGy9
難波めがすくもたく火の深き江に上にもえてもゆく蛍かな(藤原雅経[新勅撰])
90 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 20:26:44 ID:cuMsEnht
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
91 :
名無氏物語:2008/03/15(土) 13:58:39 ID:L2DiWE7F
限りなくみまくほしかる我がためやさらぬ別れの花の山かぜ(正徹)
92 :
名無氏物語:2008/03/15(土) 14:00:17 ID:L2DiWE7F
ことづてん人はなけれど時鳥やよやしばしといはれぬるかな(俊恵)
93 :
名無氏物語:2008/03/15(土) 14:01:21 ID:L2DiWE7F
わたのはらかへる波にもことづてん都恋しみ我しほれぬと(伏見院)
94 :
名無氏物語:2008/03/15(土) 14:02:25 ID:L2DiWE7F
やよやまて人にもつげん時鳥ひとりはきくもをしき初音を(後崇光院)
95 :
名無氏物語:2008/03/15(土) 14:03:07 ID:L2DiWE7F
時鳥かへる山べにことづてん先すむこころ待ちもわぶると(木下長嘯子)
96 :
名無氏物語:2008/03/15(土) 14:04:46 ID:L2DiWE7F
思ひせく滝ならなくに冬さむみ氷りて波の音もきこえず(頓阿)
97 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 10:27:20 ID:5pJwXgaQ
こぎいでぬと人につぐべきたよりだに八十島遠きあまのつり舟(藤原家隆)
98 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 10:28:01 ID:5pJwXgaQ
月かげにむしあけの瀬戸をこぎ出づれば八十島かけておくる鹿の音(後鳥羽院)
99 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 10:29:31 ID:5pJwXgaQ
わたの原をちの霞の春の色に八十島かけてかへるかりがね(後鳥羽院)
100 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 10:30:02 ID:5pJwXgaQ
わたつ海の浪の花をば染めかねて八十島とほく雲ぞ時雨るる(後鳥羽院)
101 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 10:30:55 ID:5pJwXgaQ
むかへ舟八十瀬をかけてこぎ出でぬと妻にはつげよ天の河風(下河辺長流)
102 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 16:15:57 ID:w0b3yrnQ
虎とのみ用ゐられしは昔にて今はねずみのあなう世の中(宗尊親王)
103 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 16:46:59 ID:j9unkwWi
ちらす風あだなる桜かたがたにうらみもはてずあなう世の中(木下長嘯子)
104 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 16:47:56 ID:j9unkwWi
おく山のいはかき紅葉いたづらに時雨にそほちをる人もなし(後鳥羽院)
105 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 16:48:49 ID:j9unkwWi
まだしらぬ人に見せばやおく山のいはかき紅葉ちりまがふころ(藤原秀能)
106 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 16:49:20 ID:j9unkwWi
奥山の岩垣紅葉此ごろはあした霜おき夕べ散りかふ(上田秋成)
107 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:21:00 ID:WoSYuvEp
もろく見し霜と露とのたてぬきは風のおりける錦なりけり(慈円)
108 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:22:47 ID:WoSYuvEp
霜のたて山の錦をおりはへてなくねもよわる野べの松むし(藤原定家)
109 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:23:51 ID:WoSYuvEp
ながめわびぬ立田の里の神無月紅葉ふみわけとふ人はなし(慈円)
110 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:24:24 ID:WoSYuvEp
おのづから紅葉ふみ分けとふ人も道たえそむる庭の霜かな(藤原家隆)
111 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:25:02 ID:WoSYuvEp
我がやどの紅葉踏分けとふ人も都になれぬさをしかの声(藤原家隆)
112 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:25:35 ID:WoSYuvEp
さをしかのもみぢふみわけたつた山いく秋風にひとりなくらん(藤原雅経)
113 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:44:46 ID:4INXMdXU
立田山もみぢふみわけたづぬればゆふつけ鳥のこゑのみぞする(藤原定家)
114 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:45:22 ID:4INXMdXU
秋山は紅葉ふみわけとふ人も声きく鹿の音にぞなきぬる(藤原定家)
115 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:46:55 ID:4INXMdXU
ちりしける詠はこれも絶えぬべしもみぢふみ分けかへる山人(後鳥羽院)
116 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:48:51 ID:4INXMdXU
たつた山あかつきさむき秋風に紅葉ふみわけ鹿のなくらむ(土御門院小宰相)
117 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:49:29 ID:4INXMdXU
おく山は木の葉ふみわけ鹿ばかり我が道まよふ音こそなかるれ(藤原為家)
118 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:50:02 ID:4INXMdXU
なく鹿の声聞くときの山ざとを紅葉ふみ分けとふ人もがな(宗尊親王)
119 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 16:59:14 ID:4INXMdXU
河霧のみやこのたつみふかければそこともみえぬ宇治の山里(大江匡房)
120 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:04:59 ID:V+RPBn0X
逢ひみてもさらぬ別れのある物をつれなしとても何歎くらん(殷富門院大輔[新勅撰])
121 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:05:32 ID:V+RPBn0X
たらちねのさらぬ別れの涙よりみしよ忘れずぬるる袖かな(慶融[新後撰])
122 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:06:24 ID:V+RPBn0X
忘らるるひまなき物は面影もさらぬ別れの名残なりけり(実甚[新後拾遺])
123 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:07:30 ID:V+RPBn0X
やよや待てかたぶく月にことづてんわれも西にはいそぐ心あり(顕昭[玉葉])
124 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:11:17 ID:V+RPBn0X
うき世には我住みわびぬ郭公出でけん山のおくををしへよ(正親町公蔭[新千載])
125 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:11:53 ID:V+RPBn0X
滝つせに人の心をみることは昔に今もかはらざりけり(後朱雀院[新古今])
126 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:26:32 ID:V+RPBn0X
思ひせく心のうちのしがらみも堪えずなりゆく涙川かな(藤原親盛[千載])
127 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 18:28:56 ID:V+RPBn0X
思ひせく心の滝のあらはれて落つとは袖の色にみえぬる(藤原雅経[続古今])
128 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:03:50 ID:rib14003
わがいほは都のいぬゐすみわびぬうき世のさがと思ひなせども(寂蓮)
129 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:05:28 ID:rib14003
道をえて世をうぢ山といひし人のあとに跡そふ君とこそ見れ(慈円)
130 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:06:01 ID:rib14003
春日野やまもるみ山のしるしとて都の西も鹿ぞすみける(藤原定家)
131 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:07:02 ID:rib14003
わが庵は峯の笹原しかぞかる月にはなるな秋の夕露(藤原定家)
132 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:07:34 ID:rib14003
宇治の山雲ふきはらふ秋風にみやこのたつみ月もすみけり(後鳥羽院)
133 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:08:10 ID:rib14003
秋といへば都のたつみ鹿ぞ鳴く名も宇治山の夕ぐれの空(順徳院)
134 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:28:41 ID:yLomvtUQ
人はなし都のたつみ月ぞすむ世をうぢ山も秋の庵は(宗良親王)
135 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:57:25 ID:yNsMeqxW
思ひせく袖より落つる滝つせはいつの人まの涙なるらん(今出川院近衛[続拾遺])
136 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:58:29 ID:yNsMeqxW
思ひせく心しられて滝つせの中なる淀にとぶ蛍かな(源光正[新続古今])
137 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 18:07:24 ID:yNsMeqxW
夏衣春におくれてさく花の香をだににほへおなじ形みに(藤原家隆[新拾遺])
138 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 18:07:57 ID:yNsMeqxW
くり返しくやしきものは君にしも思ひよりけむしづの苧環(源師光[千載])
139 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 18:41:11 ID:MTLq58aN
月のすむ都のたつみ里の名をたが身にしれと時雨ふるらん(正徹)
140 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 22:33:34 ID:al0/F0Ha
ヘタレ、必死だなwww
141 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 22:36:24 ID:al0/F0Ha
ヘタレ、必死だなwww
142 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 22:37:45 ID:al0/F0Ha
ヘタレ、必死だなwww
143 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 22:39:20 ID:al0/F0Ha
ヘタレ、必死だなwww
144 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:36:38 ID:YQT/LB6f
ほのぼのと宇治の山もと霞むなり都のたつみ春やきぬらん(木下長嘯子)
145 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:37:38 ID:YQT/LB6f
わが菴はみやこの辰巳午未申酉戌亥子丑寅う治(四方赤良)
146 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:54:45 ID:KTmEPZW/
わが菴はみやこの辰巳午未申酉戌亥子丑寅う治(四方赤良)
147 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:55:51 ID:KTmEPZW/
今よりはみどり色そふ青柳の糸よりかけて春雨ぞふる(正徹)
148 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:56:45 ID:KTmEPZW/
露の色を玉にもぬける青柳の枝をもうつす花の匂に(後柏原天皇)
149 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:57:43 ID:KTmEPZW/
こぼさじと月かげながら白露を玉にもぬけるいとすすきかな(木下長嘯子)
150 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:59:24 ID:KTmEPZW/
香をだにと思ひし花の霞より色をもおくる春の山風(慈円)
151 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 02:00:44 ID:KTmEPZW/
いそのかみふるの山べの桜花こぞみし花の色やのこれる(藤原季方)
152 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 11:18:57 ID:ZaRfMEcK
花の色はうつりにけりないたづらに
153 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 16:47:18 ID:GXXNRGIK
花の色はかすみにこめて見せずとも香をだにぬすめ春の山風(古今91)
154 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:05:26 ID:EXGD6Vnr
朝夕のなるるたぶさにささげても心のままに花たてまつる(藤原雅経)
155 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:06:01 ID:EXGD6Vnr
このもとの紅葉の錦たてながら道のたよせに幣たてまつる(源家長)
156 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:06:32 ID:EXGD6Vnr
たてながらみよの仏にたてまつる花かもをるな春の山人(後鳥羽院)
157 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:07:08 ID:EXGD6Vnr
この心天つ空にも花そなふ三世の仏に奉らばや(道元)
158 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:08:29 ID:EXGD6Vnr
この寺に三世の仏やすむ月もちらすひかりを花たてまつる(後花園院)
159 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:09:02 ID:EXGD6Vnr
鉢之子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてむ(良寛)
160 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 17:09:34 ID:EXGD6Vnr
みる人をなどやかへさぬ藤の花はひまつはれよとかばをしへし(源頼政)
161 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 18:04:26 ID:/dn2GtjJ
くりかへし思ふ心はありながらかひなき物はしづのをだ巻(大江匡房[玉葉])
162 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 18:05:12 ID:/dn2GtjJ
和田の原八十島かけてしるべせよ遥にかよふ沖の釣舟(藤原秀能[新拾遺])
163 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 18:05:48 ID:/dn2GtjJ
わたの原吹くればさゆる汐風に八十島かけて千鳥なく也(源通方[続古今])
164 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 18:06:20 ID:/dn2GtjJ
わたの原八十島かけてすむ月にあくがれ出づる秋の舟人(藤原行房[続後拾遺])
165 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 18:07:32 ID:/dn2GtjJ
天の原八十島かけて照る月のみちたる汐に夜舟こぐなり(洞院公泰[風雅])
166 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:16:58 ID:atMC9A+G
ヘタレ様(別名、二松(ふたまつ)様)登場
ID:w0b3yrnQ=ID:j9unkwWi=ID:chkBEbpE=ID:q4e/smMY(3月16日)
ID:8NVBk1tV(3月17日)
ID:m8xExGgv=ID:al0/F0Ha=ID:CYw25Pjy(3月18日)
ID:4yhQmRLY=ID:2PR2j7UH=ID:pe8ObzEu(3月19日)
バリエーションがでてきているが、いいのか、悪いのか?
167 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:37:48 ID:atMC9A+G
とうとう逃げて逝ったらしい、ヘタレ様は。
168 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:45:47 ID:HQ2v9hn8
思ひきや鄙のわかれにおとろへて海人のなはたきいさりせむとは(古今961/小野篁)
169 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 00:55:53 ID:skBqe1OD
心すむ池のみぎはの蓮こそにごりにしまぬ色も見えけれ(慈円)
170 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 00:56:44 ID:skBqe1OD
露の身を玉ともなさんはちす葉のにごりにしまぬわが心より(慈円)
171 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 00:57:17 ID:skBqe1OD
夏の池にもとよりたねのあればこそにごりにしまぬ花もさくらめ(慈円)
172 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 00:57:50 ID:skBqe1OD
露をさへ玉とあざむくはちす葉のにごりにしまぬ夏の夜の月(藤原雅経)
173 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 00:58:23 ID:skBqe1OD
はちす葉の露のしら玉みがくれてにごりにしまぬ夏の池水(土御門院)
174 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 01:04:17 ID:CRmjqTmX
池水のにごりにしまぬ色みえてしげるはちすにみがく白玉(藤原為家)
175 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 01:04:50 ID:CRmjqTmX
蓮葉のかげにならびてたつ鷺もにごりにしまぬ雪の毛衣(木下長嘯子)
176 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 01:05:22 ID:CRmjqTmX
風こえてちるぞ涼しき蓮葉になにかは露を玉とのみ見む(本居宣長)
177 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 01:05:55 ID:CRmjqTmX
きみをわれ恋ひそめしより名にめでてあふ坂山はゆかぬ日ぞなき(慈円)
178 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 14:38:22 ID:S+4njh3n
手折るとも人にかたるな山吹の花にわけくる露はおちにき(正徹)
179 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 15:49:37 ID:4Nv4dAa2
故郷の主の涙やおきつらむ庭もまがきも秋のしら露(慈円)
180 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 15:50:55 ID:4Nv4dAa2
をぎのはに庭も籬もうづもれてあはれ荒行く風の音かな(藤原家隆)
181 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 15:51:28 ID:4Nv4dAa2
声ばかり木の葉の雨はふる里の庭もまがきも月のはつ霜(藤原定家)
182 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 15:53:17 ID:4Nv4dAa2
あだ人の心よりまづあれそめて庭もまがきも野べの秋風(藤原有家)
183 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 15:54:04 ID:4Nv4dAa2
里はあれて庭も籬も秋の露やどりなれたる月の影かな(俊成卿女)
184 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 15:56:23 ID:4Nv4dAa2
なごりあれや野となりてだに菫咲く庭も籬も春のふるさと(十市遠忠)
185 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 17:42:28 ID:B4B3AJFZ
しぐれゆくかた野の原の紅葉がりたのむかげなくふく嵐かな(藤原家隆)
186 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 17:50:31 ID:B4B3AJFZ
これまでもたのむかげなくなりにけり花にしほるる雨のゆふぐれ(藤原秀能)
187 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 18:14:15 ID:iRuNXW1G
思ひきやあひみぬ事をいつよりと数ふばかりになさん物とは(源信明[後撰])
188 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 18:14:46 ID:iRuNXW1G
思ひきや君が衣をぬぎかへてこきむらさきの色を着んとは(藤原師輔[後撰])
189 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 18:15:46 ID:iRuNXW1G
春の夜の夢の中にも思ひきや君なき宿を行きてみんとは(藤原忠平[後撰])
190 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 18:16:18 ID:iRuNXW1G
かけてだにわが身のうへと思ひきやこんとし春の花をみしとは(伊勢[後撰])
191 :
名無氏物語:2008/03/20(木) 18:16:52 ID:iRuNXW1G
思ひきや別れし秋にめぐりあひて又もこの世の月を見んとは(藤原俊成[新古今])
192 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 02:49:10 ID:27/diaQh
唐錦君に見よとやまつら山のこるもみぢも枝に一むら(慈円)
193 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 02:50:30 ID:27/diaQh
から錦秋のかたみをたたじとや霜までのこる庭のひとむら(後鳥羽院)
194 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 02:51:14 ID:27/diaQh
さをしかの朝たつ野べの唐錦枝に一むら秋風ぞふく(順徳院)
195 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 03:46:39 ID:bZXuj8Sl
待つとせし人のためとはながめねどしげる夏草道もなきまで(藤原定家)
196 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 03:47:21 ID:bZXuj8Sl
つれもなき人やは待ちし山里はのきの下草みちもなきまで(藤原良経)
197 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 03:48:16 ID:bZXuj8Sl
都人まつとせしまに山里のみちもなきまで花ぞふりしく(正徹)
198 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 03:49:52 ID:bZXuj8Sl
またこんといひて別れしなごりのみながむる月に有明の空(藤原有家)
199 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 03:50:36 ID:bZXuj8Sl
いまこんといひてわかれし雁がねの思ひ出でてや月に鳴くらん(宗良親王)
200 :
名無氏物語:2008/03/21(金) 03:53:12 ID:bZXuj8Sl
老いらくの千とせの坂もこえぬべしはこやの山の月にまかせて(藤原家隆)
201 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 01:34:27 ID:JV/OqZUX
夕暮のまがきは山と見えななむ夜はこえじと宿りとるべく(古今392)
202 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 01:57:45 ID:VyfQA3QE
時鳥よそにはすぎじ卯の花のまがきは山と暮れば見えなん(飛鳥井雅有)
203 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 01:58:17 ID:VyfQA3QE
夕暮は鳴くねもたかしきりぎりす籬は山と茂る草葉に(二条為藤)
204 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 01:58:50 ID:VyfQA3QE
うの花のさけるあたりや夕暮のまがきの山の月とみゆらん(鷹司冬平)
205 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 02:02:43 ID:VyfQA3QE
とまるべき跡をもみばや夕ぐれのまがきは山とふれるしら雪(堯孝)
206 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 02:03:58 ID:VyfQA3QE
山かぜのさくら吹きまきちる花のみだれてみゆる志賀のうら波(源実朝)
207 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 02:05:21 ID:VyfQA3QE
山かぜにさくら吹きまきゆく春のしばしやすらふ谷の下道(藤原秀能)
208 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:03:10 ID:XCzQAOLK
山ふかき桜ふきまく風の音の花のまぎれに春や行くらん(順徳院)
209 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:03:48 ID:XCzQAOLK
あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春か又見ん(宗良親王)
210 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:10:49 ID:6xn53EuW
すみ染を花の衣にたちかへし涙の色はあはれともみき(藤原定家)
211 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:11:36 ID:6xn53EuW
あまつ風さはりし雲は吹きとぢつ乙女のすがた花ににほひて(藤原定家)
212 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:12:17 ID:6xn53EuW
しろたへのあまのは衣つらねきてをとめまちとる雲の通路(藤原定家)
213 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:13:14 ID:6xn53EuW
ふかき夜にをとめのすがた風とぢて雲路にみてる万代の声(藤原定家)
214 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:14:30 ID:6xn53EuW
天つ風をとめの袖にさゆる夜はおもひいでてもおねられざりけり(藤原定家)
215 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 15:16:29 ID:6xn53EuW
天つ風氷をわたる冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王)
216 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 18:26:34 ID:7vcBuBrI
春の花さきては散りぬ秋の月みちてはかけぬあなう世の中(殷富門院大輔[玉葉])
217 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 18:27:13 ID:7vcBuBrI
老となるつらさは知りぬしかりとてそむかれなくに月をみる哉(藤原信実[続後撰])
218 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 18:27:43 ID:7vcBuBrI
奥山の岩垣紅葉ちりはてて朽葉が上に雪ぞつもれる(大江匡房[詞花])
219 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 18:28:17 ID:7vcBuBrI
山がつの夜寒の秋の露のぬき霜のたてまでうつ衣かな(良聖[新千載])
220 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 18:28:52 ID:7vcBuBrI
世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる(藤原俊成[千載])
221 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 18:29:56 ID:7vcBuBrI
我が庵は小倉の山の近ければ浮世をしかとなかぬ日ぞなき(八条院高倉[新勅撰])
222 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:11:09 ID:7vcBuBrI
うぢ山のむかしの庵の跡とへば都のたつみ名ぞふりにける(慶融[玉葉])
223 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:11:38 ID:CPrE1LNO
http://asahiru.net http://asahiru.org http://asahiru.jp http://asahiru.info ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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あさひ-る 【 アサヒる 】
捏造すること。
事実でないことを事実のようにこしらえていうこと。
ないことをあるようにいつわってつくりあげること。
「記事をアサヒる」
「歴史をアサヒる」
「えーっ!これってアサヒなの?」
224 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:12:13 ID:7vcBuBrI
あさみどり玉ぬきみだる青柳の枝もとををに春雨ぞふる(藤原定家[続千載])
225 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:12:56 ID:7vcBuBrI
浅みどり柳の枝のかたいともてぬきたる玉の春のあさ露(藤原為家[玉葉])
226 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:13:32 ID:7vcBuBrI
山風の花の香かどふ麓には春の霞ぞほだしなりける(藤原興風[後撰])
227 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:14:42 ID:7vcBuBrI
昔誰かかる桜の花をうゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良経[新勅撰])
228 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:16:36 ID:7vcBuBrI
みがきなす光もうれしはちす葉のにごりにしまぬ露のしら玉(洞院公賢[風雅])
229 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:17:12 ID:7vcBuBrI
名にめでてまよひもぞする女郎花にほふ宿をばよきてゆかなん(二条為明[風雅])
230 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:42:47 ID:7vcBuBrI
名にめでて妻や恋ふらむ女郎花おほかる野べのさを鹿の声(藤原雅家[新拾遺])
231 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:51:53 ID:7vcBuBrI
心とめしかたみの色もあはれなり人はふりにしやどの紅葉ば(伏見院[風雅])
232 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:52:24 ID:7vcBuBrI
梢さへたのむかげなく枯れにけり花の姿の根にしかへれば(崇徳院[新拾遺])
233 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 19:53:08 ID:7vcBuBrI
秋かけてふりにしやどの村時雨たのむかげなくぬるる袖かな(実伊[玉葉])
234 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 20:19:00 ID:7vcBuBrI
今こむといひしばかりに長月の有明の月をまちいでつるかな(素性[古今])
235 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 20:20:04 ID:7vcBuBrI
限なきはこやの山のかげなれば千とせの坂も猶こえぬべし(藤原範光[続拾遺])
236 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 20:46:38 ID:7vcBuBrI
まがきだに山かと見ゆる夕暮は尾上につづく庭の白雪(亀山院[続古今])
237 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 20:47:33 ID:7vcBuBrI
乙女子が雲のかよひぢ空はれて豊のあかりも光そへけり(藤原俊成[玉葉])
238 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 20:49:01 ID:7vcBuBrI
忘れめや雲のかよひぢ立ちかへり乙女の袖を月に見し夜は(後鳥羽院[続古今])
239 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 20:50:25 ID:7vcBuBrI
天津空雲の通ひ路それならぬ乙女の姿いつか待ち見ん(八条院高倉[新勅撰])
240 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 21:28:39 ID:7vcBuBrI
天津袖ふるしら雪に乙女子が雲のかよひぢ花ぞ散りかふ(藤原家隆[新後撰])
241 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 21:29:12 ID:7vcBuBrI
月のゆく雲のかよひぢかはれども乙女のすがた忘れしもせず(西園寺公経[続後撰])
242 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 21:31:23 ID:7vcBuBrI
天津風雲吹きとづな乙女子が袖ふる山の秋の月影(津守国夏[続千載])
243 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 21:32:01 ID:7vcBuBrI
乙女子が雲の通ひ路ふく風にめぐらす雪ぞ袖にみだるる(二条為藤[風雅])
244 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 22:31:42 ID:7vcBuBrI
天津風なほ吹きとぢよ七夕の明くるわかれの雲の通ひ路(中原師員[続後撰])
245 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 22:32:28 ID:7vcBuBrI
あられふる雲の通ひ路風さえて乙女のかざし玉ぞ乱るる(足利義氏[続拾遺])
246 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 22:33:06 ID:7vcBuBrI
天津風いかに吹くらん久方の雲のかよひぢ月ぞさやけき(二条為定[新後拾遺])
247 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 22:37:26 ID:7vcBuBrI
琴の音も歎きくははる契りとてをだえの橋に中もたえにき(藤原定家[新千載])
248 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 22:56:22 ID:7vcBuBrI
岩の上の苔の衣もうづもれずただ一重なる今朝の初雪(西園寺実氏[玉葉])
249 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 23:39:50 ID:7vcBuBrI
我が涙かかれとてしも黒髪の長くや人に乱れそめにし(今出河院近衛[新千載])
250 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 23:40:24 ID:7vcBuBrI
世の中はとてもかくても同じこと宮もわら屋もはてしなければ(蝉丸[新古今])
251 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 23:40:54 ID:7vcBuBrI
風早み荻の葉ごとにおく露のおくれさきだつ程のはかなさ(具平親王[新古今])
252 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 23:41:48 ID:7vcBuBrI
春秋もかぎらぬ花におく露はおくれさきだつ恨やはある(寂蓮[新古今])
253 :
名無氏物語:2008/03/22(土) 23:43:06 ID:7vcBuBrI
六道の道の衢に待てよ君後れ先立つ習ありとも(弁慶[義経記])
254 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:07:37 ID:CmBjUpJF
年つもるかしらの雪は大空のひかりにあたる今日ぞうれしき(伊勢大輔[後拾遺])
255 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:08:19 ID:CmBjUpJF
春くれどきえせぬものは年をへてかしらにつもる雪にぞ有りける(花山院[後拾遺])
256 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:09:01 ID:CmBjUpJF
木の葉ちるむべ山風のあらしより時雨になりぬ峰の浮雲(藤原有家[新拾遺])
257 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:10:11 ID:CmBjUpJF
ふくからに身にぞしみける君はさは我をや秋の凩の風(八条院高倉[新勅撰])
258 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:15:16 ID:CmBjUpJF
あふ坂や木ずゑの花を吹くからに嵐ぞかすむ関のすぎむら(宮内卿[新古今])
259 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:15:54 ID:CmBjUpJF
吹くからに秋の光のあらはれてむべ山風にすめる月哉(二条為明[新千載])
260 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:18:57 ID:CmBjUpJF
にほの海や月の光のうつろへば浪の花にも秋はみえけり(藤原家隆[新古今])
261 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:32:10 ID:CmBjUpJF
はれくもり時雨ふりおける片岡のならの葉そよぎ冬はきにけり(西園寺公相[新拾遺])
262 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:33:49 ID:CmBjUpJF
みちのくの忍ぶもぢずり忍びつつ色には出でじ乱れもぞする(寂然[千載])
263 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:44:17 ID:CmBjUpJF
君にかく乱れそめぬとしらせばや心のうちに忍ぶもぢずり(藤原兼実[続拾遺])
264 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:45:08 ID:CmBjUpJF
下にのみ忍ずもぢずりくるしきは心のうちのみだれなりけり(藤原忠良[続古今])
265 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 01:45:40 ID:CmBjUpJF
春日野の霞の衣山風にしのぶもぢずりみだれてぞゆく(藤原定家[新拾遺])
266 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 07:01:08 ID:CmBjUpJF
誰ゆゑに思ふとか知る初瀬めの手にひく糸のおのれ乱れて(藤原為家[続後拾遺])
267 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 07:01:52 ID:CmBjUpJF
まなくちる袖の白玉たれゆゑにみだれそめぬる涙とかしる(一条実経[続拾遺])
268 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 07:02:38 ID:CmBjUpJF
心のみかぎりしられぬ乱れにていく年月を忍ずもぢずり(後嵯峨院[新後撰])
269 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 07:03:10 ID:CmBjUpJF
いつの間に乱るる色の見えつらん忍ぶもぢずりころもへずして(後醍醐院[続後拾遺])
270 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 07:03:41 ID:CmBjUpJF
心こそたへぬ思ひにみだるとも色にな出でそ忍ずもぢずり(藤原藤経[新後拾遺])
271 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 07:04:43 ID:CmBjUpJF
宮城野の朝露分けて秋萩の色にみだるる忍ぶもぢずり(頓阿[新続古今])
272 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:50:12 ID:CmBjUpJF
山吹の花色衣ぬしやたれとへどこたへずくちなしにして(素性[古今])
273 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:50:43 ID:CmBjUpJF
かひもなし問へど白玉みだれつつ答へぬ袖の露の形見は(民部卿典侍[続拾遺])
274 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:51:14 ID:CmBjUpJF
霞たつ春の衣のぬきをうすみ花ぞ乱るるよもの山風(藤原雅経[続拾遺])
275 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:51:45 ID:CmBjUpJF
橋姫の霞の衣ぬきをうすみまださむしろの宇治の河風(藤原家隆[新後拾遺])
276 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:52:17 ID:CmBjUpJF
暮かたの秋さり衣ぬきをうすみたえぬ夜寒に今ぞうつなる(源家清[玉葉])
277 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:52:52 ID:CmBjUpJF
忘れなむまつとな告げそ中々に因幡の山の峰の秋風(藤原定家[新古今])
278 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:53:31 ID:CmBjUpJF
かひなしや因幡の山の松とても又帰りこむ昔ならねば(二条為氏[続拾遺])
279 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 08:54:13 ID:CmBjUpJF
鳴すてて因幡の山の郭公なほ立ちかへりまつとしらなん(藤原経平[新後撰])
280 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 10:26:01 ID:Upx7/cio
天つ風雲井の空を吹くからに乙女の袖に宿る月かげ(後鳥羽院)
281 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 10:26:45 ID:Upx7/cio
雁かへる雲のかよひぢ吹きとぢて花にとどめよ天つ春風(木下長嘯子)
282 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 10:27:17 ID:Upx7/cio
きみとわれいかなる雲の末ならむ夢の切り口春吹きとぢよ(山中智恵子)
283 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 10:27:49 ID:Upx7/cio
わび人のわが宿からの松風になげきくははるさをしかの声(藤原定家)
284 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 10:28:20 ID:Upx7/cio
春ちかみあらばといとどしのばれて歎きくははる年の暮かな(木下長嘯子)
285 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 10:28:54 ID:Upx7/cio
女郎花なまめきたてるすがたをやうつくしよしと蝉のなくらん(源俊頼)
286 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 15:47:45 ID:ax237gXW
いつまでぞなまめきたてる女郎花はなも一とき露も一とき(慈円)
287 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 18:08:01 ID:9+aH+Zjj
別路ぞ今は慰む君がかく待つとしきかば千世もへぬべし(源季広[続千載])
288 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 18:08:39 ID:9+aH+Zjj
都人まつとしきかば言伝てよ独りいなばの嶺の嵐に(伏見院[新千載])
289 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 18:09:10 ID:9+aH+Zjj
秋風の関吹きこゆる度ごとに声うちそふる須磨の浦波(壬生忠見[新古今])
290 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 18:09:43 ID:9+aH+Zjj
我が如く我を尋ねば海士を舟人もなぎさの跡と答へよ(行尊[新古今])
291 :
名無氏物語:2008/03/23(日) 18:10:14 ID:9+aH+Zjj
故郷にとふ人あらば紅葉ばのちりなむ後をまてとこたへよ(素意[千載])
292 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 13:55:29 ID:0XlPKaY6
かさぬべき霞の袖もただひとへいかにやどらむ山の夕かげ(藤原良経)
293 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:13:28 ID:YU/S3qrR
あはれとてはぐくみたてし古へは世をそむけとも思はざりけん(行尊)
294 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:14:29 ID:YU/S3qrR
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな(正徹)
295 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:15:19 ID:YU/S3qrR
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな(正徹)
296 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:16:38 ID:YU/S3qrR
かかれとてたがたらちねの撫でつらん尾花がもとに残る黒かみ(心敬)
297 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:17:48 ID:YU/S3qrR
ちると見ればまたさく花のにほひにもおくれさきだつためしありけり(西行)
298 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:18:46 ID:YU/S3qrR
末の露もとのしづくも鳥べ山おくれ先だつけぶりなりけり(藤原家隆)
299 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:23:25 ID:mcNd5vUk
露雫おくれさきだつもとすゑをひとつみ法の花にもらすな(藤原為家)
300 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 15:24:26 ID:mcNd5vUk
見てもしれいづれこの世はつねならむおくれさきだつ花ものこらず(良寛)
301 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 07:55:11 ID:7NRtGSuc
消えがたきかしらの雪をかこちても先やむかはん春の光に(肖柏)
302 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 07:56:03 ID:7NRtGSuc
向ふ中はかしらの雪もおもはでぞ春の光にあたる埋火(武者小路実陰)
303 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 08:12:42 ID:q2OigQ9B
冬のきてむべ山風のあらしより雪ぞ木のはに散りかはりける(慈円)
304 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 08:13:26 ID:q2OigQ9B
ふくからにむべ山風もしほるなりいまはあらしの袖を恨みて(藤原家隆)
305 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 08:14:15 ID:q2OigQ9B
しをるべきよもの草木もおしなべて今日よりつらき荻の上風(藤原定家)
306 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 08:14:50 ID:q2OigQ9B
山姫のころも秋かぜふくからに色ことごとに野べぞなり行く(後鳥羽院)
307 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 08:15:26 ID:q2OigQ9B
草の原つゆのやどりを吹くからに嵐にかはる道芝のしも(後鳥羽院)
308 :
名無氏物語:2008/03/25(火) 08:16:05 ID:q2OigQ9B
山かぜの木の間の雪をふくからに心づくしの冬の夜のつき(後鳥羽院)
309 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 02:52:29 ID:h2QQks+I
吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ(古今249)
310 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 03:40:04 ID:2Zd8wie/
住みわぶるむべ山風のあらし山花のさかりは猶うかりけり(藤原為家)
311 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 03:40:38 ID:2Zd8wie/
神な月けふは冬とて嵐山草木もむべぞ吹きしをるらむ(藤原為家)
312 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 03:42:51 ID:2Zd8wie/
草木吹くむべ山風と聞きしかど猶ぞかりねの袖はしほるる(藤原為家)
313 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 03:43:55 ID:2Zd8wie/
草も木もさぞなあらしの山風にひとりしをれぬ荻のおとかな(道助法親王)
314 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 03:45:32 ID:2Zd8wie/
草木ふくむべ山かぜの夕ぐれにしぐれてさむき秋のむら雲(宗尊親王)
315 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 03:48:57 ID:2Zd8wie/
吹きにけりむべも嵐とゆふ霜もあへずみだるる野べのあさぢふ(堯孝)
316 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 09:55:31 ID:Zyof/Ggv
あさみどり
糸よりかけて白露を
貫き留めし春の柳か
古今和歌集より
うろ覚えすみません
317 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 14:14:37 ID:PjemQIEI
しをれこし秋の草木の末つひにたへぬ嵐の冬はきにけり(三条西実隆)
318 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 14:17:30 ID:PjemQIEI
吹きしをる秋の草木の色よりも冬ぞあらしの音ははげしき(中院通村)
319 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 14:18:57 ID:PjemQIEI
わたつ海の秋なき波の花になほ霜おくものは夜半の月かげ(慈円)
320 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 14:20:19 ID:PjemQIEI
時しあれば秋なき浪の花の色も月にうつろふ浦かぜぞふく(宗良親王)
321 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 14:24:07 ID:PjemQIEI
もも草の野島が崎の夕風に秋なき波の花も散るなり(道堅)
322 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 14:24:50 ID:PjemQIEI
風かをる浪の花には夏もなし秋かととはん海づらのさと(武者小路実陰)
323 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:08:56 ID:2y4S/cd4
さらにまたつもれる雪にうづもれぬ時雨ふりおけるならの枯葉も(俊成卿女)
324 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:09:57 ID:2y4S/cd4
ならの葉の名におふ月も今宵とやしぐるる雲をはらふ秋かぜ(後崇光院)
325 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:11:11 ID:2y4S/cd4
さきにけり風のこぬ間にけふ桜こころのほどに手折りつつみむ(後鳥羽院)
326 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:12:10 ID:2y4S/cd4
けふ桜をらばをらなむ風ふかば夜のまもしらぬ花の木ずゑに(安嘉門院高倉)
327 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:17:15 ID:BK41K8iI
けふ桜をらばをらなむ風ふかば夜のまもしらぬ花の木ずゑに(安嘉門院高倉)
328 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:18:12 ID:BK41K8iI
けふ桜めがれせぬまもそふ老を思ひも出でぬ花の陰かな(正徹)
329 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:18:45 ID:BK41K8iI
いかにせん都はるかにながむればしのぶもぢずり心みだれて(慈円)
330 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:19:36 ID:BK41K8iI
露のをはり玉の衣にみだるなよ浮世の秋のしのぶもぢずり(藤原家隆)
331 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:20:11 ID:BK41K8iI
袖ぬらすしのぶもぢずり誰が為に乱れてもろき宮城野の露(藤原定家)
332 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:20:44 ID:BK41K8iI
逢ふことはしのぶの衣あはれなど稀なる色に乱れそめけん(藤原定家)
333 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:21:26 ID:BK41K8iI
みちのくのしのぶもぢずり乱れつつ色にを恋ひん思ひそめてき(藤原定家)
334 :
名無氏物語:2008/03/28(金) 07:22:11 ID:BK41K8iI
ふみしだく浅香の沼の夏草にかつみだれそふしのぶもぢずり(藤原定家)
335 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:40:41 ID:rKwxSTUz
春の色のしのぶもぢずりたが袖にみだれて落つる春のあは雪(順徳院)
336 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:41:18 ID:rKwxSTUz
霞たつしのぶもぢずり衣手にみだれて帰る春の雁が音(正徹)
337 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:41:54 ID:rKwxSTUz
袖の色のまづたが方にみだれましおなじ涙をしのぶもぢずり(飛鳥井雅親)
338 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:42:29 ID:rKwxSTUz
みちのくのしのぶもぢずり五月雨は都の雲につづく比かな(正広)
339 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:43:11 ID:rKwxSTUz
いはぬ色をしのぶの里の花になどみだれ初めにし山吹の露(烏丸光広)
340 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:44:08 ID:rKwxSTUz
ぬしやたれいさしら露のふぢばかま忘れがたみに秋風ぞふく(藤原為家)
341 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:56:19 ID:rKwxSTUz
もれぬべき袖の涙にしらせばやとへど白玉いはぬならひを(二条為定)
342 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:56:57 ID:rKwxSTUz
ぬしや誰とへど白波春たてば霞にそむる布引の滝(長慶天皇)
343 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 14:59:33 ID:rKwxSTUz
人心なににつながん色かはるまさきのつなのよるもたまらず(藤原家隆)
344 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 15:01:12 ID:rKwxSTUz
山にてもとどめぬ月の恨みをもまさきのつなのよるよるの風(後柏原院)
345 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 15:02:02 ID:rKwxSTUz
渡せばこのもかのもにかけてけりまだぬきうすき春の衣を(式子内親王)
346 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 15:03:28 ID:rKwxSTUz
佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ(後鳥羽院)
347 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 15:06:54 ID:rKwxSTUz
これも又わすれじ物をたちかへり因幡の山の秋の夕暮(藤原定家)
348 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 15:08:56 ID:rKwxSTUz
風ふけばさもあらぬ峯の松も憂し恋せん人はみやこにを住め(藤原定家)
349 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 17:52:49 ID:IgdiXzam
恋しさに死ぬる命を思ひ出て問ふ人あらばなしと答へよ(読人不知[新古今])
350 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 17:53:37 ID:IgdiXzam
帰りきて問ふ人あらば見すばかり絵島をこれに写せとぞ思ふ(藤原惟方[玉葉])
351 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 17:54:11 ID:IgdiXzam
涙とてからぬ時さへきてみれば袖にぞかかるたきの白玉(典侍親子[続拾遺])
352 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 17:55:39 ID:IgdiXzam
せきあへぬ袖よりおちてうき事の数にもあまる滝の白玉(二条為遠[新続古今])
353 :
名無氏物語:2008/03/30(日) 08:57:08 ID:igyiEEcg
一声もなきていなばの峰におふるまつかひあれや山ほととぎす(藤原有家)
354 :
名無氏物語:2008/03/30(日) 08:58:01 ID:igyiEEcg
すゑとほき朝日の山の峰におふる松には風もときはなりけり(藤原良経)
355 :
名無氏物語:2008/03/30(日) 09:01:06 ID:igyiEEcg
よしやさは頼めぬ宿の庭に生ふるまつとなつげそ秋の夕かぜ(後鳥羽院)
356 :
名無氏物語:2008/03/30(日) 09:01:44 ID:igyiEEcg
夜半の月いづるとやまの嶺におふる松をもはらへ秋ふかき風(後鳥羽院)
357 :
名無氏物語:2008/03/30(日) 09:03:02 ID:igyiEEcg
程もなくいでていなばの嶺におふるまつとしつれば有明の月(後鳥羽院)
358 :
名無氏物語:2008/03/30(日) 09:04:01 ID:igyiEEcg
君が代にくらぶの山の峰に生ふるまつは千とせをかぎるばかりぞ(源実朝)
359 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 08:06:40 ID:pLoq6afP
峰に生ふる松吹きこしていなば山月の桂にかへる秋風(堯孝)
360 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 08:07:35 ID:pLoq6afP
都にもまつとしきかばいでさのみ紀のせきもりよ人なとどめそ(木下長嘯子)
361 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 08:08:09 ID:pLoq6afP
網いれて大魚とるらん舟あそびまつとしきかば来む日頃へず(橘曙覧)
362 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 08:10:07 ID:pLoq6afP
すまのうら関ふきこゆる春風にかすみみだるるあけぼのの空(藤原範宗)
363 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 08:19:41 ID:pLoq6afP
すまの浦や浪に面影たちそひて関吹きこゆる風ぞかなしき(藤原定家)
364 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 08:20:43 ID:pLoq6afP
須磨の海人のなれにし袖もしほたれぬ関吹きこゆる秋の浦風(藤原定家)
365 :
名無氏物語:2008/03/31(月) 19:08:27 ID:9Z89ROJo
かけたるは うしとこそおもへ
たまさかに くるまはなにの 心をぞやる (和泉式部)
366 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 02:39:25 ID:AstLVvin
あふさかの関ふきこゆる風のうへにゆくへもしらずちる桜かな(吉田兼好)
367 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 02:40:06 ID:AstLVvin
面影の君にしられぬ音をぞなく問ふ人あらば月にこたへよ(藤原家隆)
368 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 02:41:56 ID:AstLVvin
藻塩たれひるまもなきをわくらばにとへどもまたじすまの波風(藤原家隆)
369 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 02:42:30 ID:AstLVvin
この比の涙にかりてひろふべき滝のしら玉霧なくもがな(藤原家隆)
370 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 13:58:46 ID:IKo2Ktl4
こきちらす滝のしらたまからねども涙はつきぬ物にぞ有りける(後鳥羽院)
371 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 20:16:55 ID:iarCCyZQ
さがの山千代のふるみち跡とめて又露わくるもち月の駒(藤原定家[新古今])
372 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 20:24:11 ID:iarCCyZQ
春くれば千世のふる道ふみわけてたれせり河の若菜つむらん(藤原家隆[新続古今])
373 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 20:37:07 ID:iarCCyZQ
千世ふべき君がすみかの嵯峨の山今も昔の跡ぞかしこき(良覚[続千載])
374 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 20:37:44 ID:iarCCyZQ
嵯峨の山今もかさなる跡みえて行末遠し代々のふる道(法印定為[続後拾遺])
375 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 20:42:04 ID:iarCCyZQ
思はずよ花をかたみの嵯峨の山雪に跡とふ千世の古道(源満元[新続古今])
376 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 23:45:28 ID:iarCCyZQ
春の心のどけしとても何かせん絶えて桜のなき世なりせば(慈円[風雅])
377 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 23:46:00 ID:iarCCyZQ
山里にたえて桜のなくはこそ花にみやこの春もしのばめ(藤原経高[新葉])
378 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 23:47:39 ID:iarCCyZQ
けふこずは庭にやあとのいとはれんとへかし人の花のさかりを(藤原良経[続古今])
379 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 23:48:11 ID:iarCCyZQ
けふだにも庭をさかりとうつる花きえずはありとも雪かともみよ(後鳥羽院[新古今])
380 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 23:48:42 ID:iarCCyZQ
けふこずは明日ともまたじ桜花いたづらにのみちらばちらなん(西園寺公経[新千載])
381 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 00:20:18 ID:O3ReTx2F
しひて猶袖ぬらせとや藤の花春はいくかの雨にさくらん(藤原定家[続拾遺])
382 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 00:21:24 ID:O3ReTx2F
さきにけり濡れつつをりし藤の花幾日もあらぬ春をしらせて(宗尊親王[続古今])
383 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 00:22:05 ID:2jowfHfx
ながむれば思ひやるべき方ぞなき春の限りの夕暮の空(式子内親王[千載])
384 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 00:23:24 ID:O3ReTx2F
霞たつ峯の桜の朝ぼらけくれなゐくくる天の川波(藤原定家[新拾遺])
385 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 00:23:59 ID:O3ReTx2F
これも又神代は聞かず龍田河月のこほりに水くぐるとは(藤原良経[新拾遺])
386 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 00:26:58 ID:O3ReTx2F
秋はけふくれなゐくくる龍田河ゆくせの波も色かはるらん(藤原雅経[新勅撰])
387 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 03:26:37 ID:O3ReTx2F
立田河くれなゐくくる秋の水色もながれも袖の外かは(藤原道家[新後撰])
388 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 03:27:20 ID:O3ReTx2F
天の原日も夕しほのから衣はるばるきぬる浦の松かぜ(藤原道家[続拾遺])
389 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 03:27:53 ID:O3ReTx2F
夢ぢにはなれし宿みゆうつつにはうつの山べの蔦ふける庵(藤原俊成[玉葉])
390 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 03:29:10 ID:O3ReTx2F
さぞなげく恋をするがのうつの山うつつの夢の又と見えねば(藤原定家[続後撰])
391 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 03:30:20 ID:O3ReTx2F
ふみわけし昔は夢かうつの山あととも見えぬ蔦のしたみち(藤原雅経[続古今])
392 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:25:43 ID:O3ReTx2F
人を猶うらみつべしや都鳥ありやとだにも問ふをきかねば(徽子女王[新古今])
393 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:26:14 ID:O3ReTx2F
言とはばありのまにまに都鳥みやこのことを我にきかせよ(和泉式部[後拾遺])
394 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:26:47 ID:O3ReTx2F
おぼつかな都にすまぬ都鳥こととふ人にいかが答へし(宜秋門院丹後[新古今])
395 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:27:36 ID:O3ReTx2F
都鳥なに言問はむ思ふ人ありやなしやは心こそ知れ(後嵯峨院[続古今])
396 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:28:10 ID:O3ReTx2F
言問ひていざさはここにすみ田川鳥の名きくも都なりけり(花山院師賢[新葉])
397 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:28:41 ID:O3ReTx2F
今こそあれすむべきよよの都鳥わが行末のことやとはまし(長慶天皇[新葉])
398 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 05:29:12 ID:O3ReTx2F
限なく遠くきにけりすみだ河こととふ鳥の名をしたひつつ(後光厳院[新拾遺])
399 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 06:27:37 ID:O3ReTx2F
いたづらに立つや浅間の夕けぶり里とひかぬるをちこちの山(藤原雅経[新古今])
400 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 06:28:50 ID:O3ReTx2F
よとともに消えぬ思ひを信濃なる同じ煙のあさましの身や(源家長[新続古今])
401 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 06:29:26 ID:O3ReTx2F
狩りくらし交野の真柴をりしきて淀の河瀬の月をみるかな(藤原公衡[新古今])
402 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 06:29:58 ID:O3ReTx2F
春日野の霞のころも山風に忍ずもぢずりみだれてぞ行く(藤原定家[新拾遺])
403 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 06:30:33 ID:O3ReTx2F
見ずもあらずさめにし夢の別れよりあやなくとむる人の面影(今出川院近衛[続千載])
404 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 06:31:49 ID:O3ReTx2F
あやなくや雲にまがへん見ずもあらずみもせぬ花に山ぢくらして(三条西公保[新続古今])
405 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:25:24 ID:O3ReTx2F
起きもせずねもせであかす床の上に夢ともなしの人の面影(正親町公蔭[新千載])
406 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:27:01 ID:O3ReTx2F
かくしつつうき身消えなばありし夜の夢をはかなみあはれとをみよ(藤原公経[新続古今])
407 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:27:36 ID:O3ReTx2F
あはれなる心の闇のゆかりとも見し夜の夢をたれかさだめん(藤原公経[新古今])
408 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:28:09 ID:O3ReTx2F
生きてかく君につかふる老いが身をたぐひなしとは世人さだめよ(西園寺実氏[続古今])
409 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:30:19 ID:O3ReTx2F
しのぶ山しのびてかよふ道もがな人のこころのおくも見るべく(在原業平[新勅撰])
410 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:31:39 ID:O3ReTx2F
を山田にまかする水のあさみこそ袖はひつらめ早苗とるとて(弁内侍[続古今])
411 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:52:44 ID:O3ReTx2F
いたづらに身さへながるる涙河あふ瀬や猶もたのみなるらん(源資栄[新千載])
412 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:57:15 ID:O3ReTx2F
みし人に忘られてふる袖にこそ身をしる雨はいつもをやまね(和泉式部[後拾遺])
413 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 07:59:08 ID:O3ReTx2F
のちの世の身をしる雨のかきくもり苔の袂にふらぬ日ぞなき(二条院讃岐[新勅撰])
414 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:00:15 ID:O3ReTx2F
あふことのむなしき空のうき雲は身をしる雨のたよりなりけり(惟明親王[新古今])
415 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:07:30 ID:O3ReTx2F
みたらしや禊にながす大幣のつひによるせは秋風ぞ吹く(二条為定[新千載])
416 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:19:43 ID:O3ReTx2F
昔見し春は昔の春ながら我が身ひとつのあらずもあるかな(清原深養父[新古今])
417 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:20:17 ID:O3ReTx2F
花の香のにほふに物のかなしきは春や昔の形見なるらん(藤原長家[続古今])
418 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:20:51 ID:O3ReTx2F
君やあらぬ我が身やあらぬおぼつかな頼めしことの皆変りぬる(俊恵[千載])
419 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:24:54 ID:O3ReTx2F
身のうさを月やあらぬとながむれば昔ながらの影ぞもりくる(二条院讃岐[新古今])
420 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:26:40 ID:O3ReTx2F
里はあれて月やあらぬと恨みても誰あさぢふに衣うつらむ(藤原良経[新古今])
421 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:32:10 ID:O3ReTx2F
梅の花たが袖ふれしにほひぞと春やむかしの月にとはばや(源通具[新古今])
422 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:32:43 ID:O3ReTx2F
面影のかすめる月ぞやどりける春や昔の袖の涙に(俊成卿女[新古今])
423 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:39:25 ID:O3ReTx2F
何とかは月やあらぬと辿るべき我がもとの身を思ひ知りなば(後嵯峨院[続古今])
424 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:40:38 ID:O3ReTx2F
さても身の春や昔にかはるらんありしにもあらず霞む月かな(洞院公泰[新葉])
425 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 08:47:12 ID:O3ReTx2F
桜花ちりかひかすむ久かたの雲井にかをる春の山かぜ(藤原家隆[新千載])
426 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 09:21:40 ID:O3ReTx2F
今は身にこんといふなる老いらくの春より近き年の暮かな(二条良基[新後拾遺])
427 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:31:35 ID:GEJNqJnM
さびしさは秋のさが野ののべの露月に跡とふ千代のふる道(後鳥羽院)
428 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:32:22 ID:GEJNqJnM
いにしへの千世のふるみち年へても猶あとありやさがの山かぜ(後鳥羽院)
429 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:33:05 ID:GEJNqJnM
せり川の千代の古道すなほなるむかしの跡はいまやみゆらん(吉田兼好)
430 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:33:44 ID:GEJNqJnM
嵯峨山の松も君にしとはれずは誰に語らん千世のふるごと(香川景樹)
431 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:34:17 ID:GEJNqJnM
いかならんたえて桜の世なりともあけぼのかすむ春の心は(藤原定家)
432 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:34:54 ID:GEJNqJnM
あくがれて花をやみましこの里にたえて桜のなきよなりせば(飛鳥井雅有)
433 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:56:27 ID:XZUkGseF
つれなさのたぐひまでやはつらからぬ月をもめでじ有明の空(藤原有家[新古今])
434 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:58:11 ID:XZUkGseF
雪の内にくれ行く年をかぞふればこれぞつもりて老と成る物(正親町公蔭[新千載])
435 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:59:27 ID:XZUkGseF
おくるるは世のことわりの道なれどさらぬ別れは猶ぞ悲しき(藤原忠良[続古今])
436 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 18:02:34 ID:XZUkGseF
いかなればつらきならひの夢の世にさらぬ別れのうつつなるらん(覚宗[続古今])
437 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 18:04:13 ID:XZUkGseF
悔しくぞさらぬ別れに先立ちてしばしも人に遠ざかりぬる(安嘉門院四条[風雅])
438 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 14:41:06 ID:3d6Ih3PT
よの中に絶えて春風なくもあれなふかでも花の香は匂ひけり(三条西実隆)
439 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 14:43:32 ID:3d6Ih3PT
春といへどのどかならずも物ぞ思ふ絶えて桜のなきよなりとも(松永貞徳)
440 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 14:45:15 ID:3d6Ih3PT
我ならぬ人も待ちけりほととぎす年にまれなる初音とおもへば(後二条院)
441 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 14:46:15 ID:3d6Ih3PT
あすもなほきえずはありとも桜花ふりだにそはん庭の雪かは(藤原家隆)
442 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:16:26 ID:Np4ysGzY
かざしをる花の色香にうつろひてけふのこよひにあかぬもろ人(藤原定家)
443 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:17:04 ID:Np4ysGzY
花にあかぬなげきばかりに年をへし昔に猶や袖はぬれけむ(後鳥羽院)
444 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:17:45 ID:Np4ysGzY
春よりも花はいくかもなきものをしひてもをしめ鶯のこゑ(順徳院)
445 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:18:49 ID:Np4ysGzY
ぬれつつぞしひてやをらん田子の浦の底さへにほふ春の藤波(順徳院)
446 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:19:25 ID:Np4ysGzY
いざけふはぬるともをらん藤浪の下葉の松にかかる春雨(尭恵)
447 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:20:00 ID:Np4ysGzY
ぬれつつもなほ狩りゆかん桜花春もいくかの夕ぐれの雨(太田道灌)
448 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 17:59:24 ID:Bx/XWJSe
大原や神代の松のふかみどり千代もと祈る末のはるけさ(鷹司基忠[風雅])
449 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 18:00:37 ID:Bx/XWJSe
あしのやに蛍やまがふあまやたく思ひも恋も夜は燃えつつ(藤原定家[続後撰])
450 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 18:02:38 ID:Bx/XWJSe
おく露のいとど深草里はあれて月のすむ野と成りにけるかな(少将内侍[続千載])
451 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 18:03:13 ID:Bx/XWJSe
今はとてつま木こるべきやどの松千代をば君と猶いのるかな(藤原俊成[新古今])
452 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 18:04:02 ID:Bx/XWJSe
難波津をけふこそみつの浦ごとにこれやこの世をうみわたる舟(在原業平[後撰])
453 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 20:34:07 ID:a28ZhkGF
百人一首で一番人気のあるのはどれですか?
454 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 13:10:24 ID:Do/Nydbc
455 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 14:33:59 ID:j+bQG5Lj
また見むと思はぬ花のかげならばしひて手折らむけふの夕べを(下冷泉政為)
456 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 14:35:24 ID:j+bQG5Lj
冬はけふいくかもあらぬ雪のうちにしひて折りつる峰のゆづるは(下河辺長流)
457 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 14:36:39 ID:j+bQG5Lj
今ひと日あらましかばと思ふにも春のかぎりの雨ぞかなしき(藤原為家)
458 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 14:37:59 ID:j+bQG5Lj
しらざりき春の限の夕暮を尾上の鐘にしたふべしとは(正徹)
459 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 14:39:24 ID:j+bQG5Lj
うたがひし心の秋の風たたば蛍とびかふ空につげこせ(藤原定家)
460 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 14:58:14 ID:rIsmgvGq
とぶ蛍かりにつげこせ夕まぐれ秋風ちかし芦の屋の里(藤原為家)
461 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:07:42 ID:jlVd0t3d
龍田姫てぞめの露の紅に神世もきかぬ峯の色かな(藤原定家)
462 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:08:15 ID:jlVd0t3d
立田河いはねのつつじかげ見えてなほ水くくる春のくれなゐ(藤原定家)
463 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:08:48 ID:jlVd0t3d
龍田川神代も聞かでふりにけり唐紅の瀬々のうき浪(藤原定家)
464 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:09:21 ID:jlVd0t3d
夕暮は山かげすずし竜田川みどりの影をくくる白浪(藤原定家)
465 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:10:21 ID:jlVd0t3d
霞たつ峯の桜の朝ぼらけくれなゐくくる天の川波(藤原定家)
466 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:50:52 ID:XB3egmI1
あやなしや恋すてふ名は立田河袖をぞくくる紅の波(藤原俊成)
467 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 16:51:26 ID:XB3egmI1
神無月みむろの山の山颪にくれなゐくくる龍田川かな(式子内親王)
468 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 18:11:51 ID:ABtKNqIp
思ふこと言はでぞただにやみぬべき我とひとしき人しなければ(在原業平[新勅撰])
469 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 18:13:24 ID:ABtKNqIp
白玉か露かととはむ人もがな物思ふ袖をさしてこたへむ(藤原元真[新古今])
470 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 18:14:03 ID:ABtKNqIp
つひに行く道もいまはの時なれや羊のあゆみ身にぞちかづく(託阿[新後拾遺])
471 :
名無氏物語:2008/04/05(土) 18:14:40 ID:ABtKNqIp
思ひつつぬればなるべし夢にさへつらく見えつるけさのわびしさ(盛明親王[玉葉])
472 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:17:39 ID:W4n0jGm7
立田山神代も秋の木のまより紅くくる月やいでけん(藤原家隆)
473 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:18:13 ID:W4n0jGm7
春の池のみぎはの梅のさきしより紅くくるさざ波ぞたつ(藤原良経)
474 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:18:50 ID:W4n0jGm7
秋はけふくれなゐくくる龍田川神代もしらずすぐる月かは(後鳥羽院)
475 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:19:23 ID:W4n0jGm7
武蔵野やひとり思ひにむせぶかなきつつなれにしつまもこもらで(藤原有家)
476 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:20:49 ID:W4n0jGm7
から衣きつつなれにし跡ふりてけふぞみかはの沼の八橋(後鳥羽院)
477 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:21:37 ID:W4n0jGm7
宮古いでてはるばるきぬるかひがねや雲ゐの雪のさやの中山(肖柏)
478 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 17:39:27 ID:g5+EAkDz
きみもおもへ我もしのばんたび衣きつつなれにしことかたるまで(木下長嘯子)
479 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 18:04:20 ID:muoNG5l9
結ばでもあらまし物を馴れしよの契を今の夢としりせば(冷泉為相[続千載])
480 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 18:05:24 ID:muoNG5l9
思ひつつぬれば見し世にかへるなり夢路やいつも昔なるらん(長慶天皇[新葉])
481 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 18:06:35 ID:muoNG5l9
いかにねてみえしなるらむうたたねの夢よりのちは物をこそ思へ(赤染衛門[新古今])
482 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 18:07:18 ID:muoNG5l9
うたたねの夢にあひみて後よりは人もたのめぬ暮ぞまたるる(源慶[千載])
483 :
名無氏物語:2008/04/06(日) 18:08:08 ID:muoNG5l9
逢ふとみて頼むぞ難きうたたねの夢てふ物は誠ならねば(藤原景家[続拾遺])
484 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 14:38:53 ID:eOoeqhHZ
うつの山うつつかなしき道たえて夢に都の人はわすれず(藤原良経)
485 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 14:58:50 ID:cRELGQ5Y
日くるれば逢ふ人もなし宇津の山うつつもつらし夢もみえぬに(後鳥羽院)
486 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 14:59:35 ID:cRELGQ5Y
かきくらす雪こそこえしうつの山うつつか夢か跡ものこらず(宗良親王)
487 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 15:01:20 ID:cRELGQ5Y
時しらぬ里は玉川いつとてか夏のかきねをうづむしら雪(藤原定家)
488 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 15:01:59 ID:cRELGQ5Y
花や雪かすみや煙時しらぬふのたかねにさゆる春風(藤原忠良)
489 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 15:02:53 ID:cRELGQ5Y
おしなべてかのこまだらに見ゆるかな雪むらぎゆる猪名の笹原(上西門院兵衛)
490 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 15:03:39 ID:cRELGQ5Y
時しらぬ山は雪げの雲ながら有明の月のうき島の原(順徳院)
491 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 17:48:02 ID:E1X4GGwa
時しらぬふじの裾野の卯の花をこぼれてきたる雪かとぞみる(安嘉門院四条)
492 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 17:48:40 ID:E1X4GGwa
ふじのねの煙やともしよるとなき鹿の子まだらの雪のしば山(正徹)
493 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 17:49:18 ID:E1X4GGwa
ふじのねのいつとてふれる雪もみじ木のまの月のかのこまだらに(木下長嘯子)
494 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 17:56:56 ID:Ty/xJd1b
歎き侘び独りぬる夜の慰めに夢てふ物はある世なりけり(藤原実伊[続後拾遺])
495 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 18:04:22 ID:Ty/xJd1b
いとせめて恋しきたびの唐衣ほどなくかへす人もあらなん(源公忠[後撰])
496 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 18:06:36 ID:Ty/xJd1b
ねざめまでなほぞ苦しきゆきかへり足もやすめぬ夢の通ひ路(藤原有家[続古今])
497 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 18:07:14 ID:Ty/xJd1b
むつごともまだつきなくに明けぬめりいづらは秋の長してふ夜は(凡河内躬恒[古今])
498 :
名無氏物語:2008/04/07(月) 18:08:06 ID:Ty/xJd1b
あふと見てことぞともなく明けぬなりはかなの夢の忘れ形見や(藤原家隆[新古今])
499 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 14:02:15 ID:0h/uxotD
名にしおはばしらじなわだの都鳥心づくしのかたはどことも(源俊頼)
500 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 14:03:39 ID:0h/uxotD
わぎもこがうへかたらはむ都鳥さこそ昔の人もとひけめ(藤原実定)
501 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 14:05:02 ID:0h/uxotD
信濃なるあさまのたけのあさましや思ひくまなき君にもあるかな(源順)
502 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 14:06:09 ID:0h/uxotD
信濃なるあさまの山のあやしきは雪とぞきゆる火やはもえやむ(源重之)
503 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 14:15:32 ID:0h/uxotD
あさましやあさまのたけにたつ煙たえぬおもひをしる人もなし(藤原定家)
504 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 14:40:24 ID:INgCqvue
これやさはもゆる思ひを信濃なるわが身あさまの夕暮の空(藤原雅経)
505 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 18:55:29 ID:E9Uke2lP
秋の夜を事ぞともなく明けぬとは七夕つめや思ひしるらん(藤原親子[新続古今])
506 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 18:56:02 ID:E9Uke2lP
さりともと待ちし月日ぞうつりゆく心の花の色にまがへて(式子内親王[新古今])
507 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 18:56:41 ID:E9Uke2lP
折節もうつればかへつ世の中の人の心の花染の袖(俊成卿女[新古今])
508 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 18:58:11 ID:E9Uke2lP
月草のうつろふ色の深ければ人の心の花ぞしほるる(中宮但馬[新勅撰])
509 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 18:58:52 ID:E9Uke2lP
あだにのみうつろふ色のつらければ人の心の花は頼まじ(長舜[続千載])
510 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 19:53:59 ID:E9Uke2lP
うつり行く人の心の花葛永き世かけて何たのみけん(小倉実教[続後拾遺])
511 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 20:33:30 ID:E9Uke2lP
恨みずや浮世を花の厭ひつつ誘ふ風あらばと思ひけるをば(俊成卿女[新古今])
512 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 20:34:00 ID:E9Uke2lP
待ちわびぬ身を浮草のうきながら逢瀬に誘ふ水の便りを(源盛実[新千載])
513 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 20:34:36 ID:E9Uke2lP
おく山の松葉にこほる雪よりも我が身世にふる程ぞ悲しき(紫式部[続後撰])
514 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 20:35:07 ID:E9Uke2lP
わが身よにふるともなしのながめしていく春風に花のちるらん(藤原定家[玉葉])
515 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 20:36:36 ID:E9Uke2lP
春の夜の月も有明になりにけりうつろふ花にながめせしまに(藤原雅経[新勅撰])
516 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 20:39:03 ID:E9Uke2lP
我が身世にふるの山辺の山桜うつりにけりな眺めせしまに(後鳥羽院[風雅])
517 :
名無氏物語:2008/04/08(火) 22:12:53 ID:E9Uke2lP
いたづらに我が身世にふる春雨のはれぬ眺めに袖はぬれつつ(二条良実[続後撰])
518 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 00:19:36 ID:2/05irUh
咲きにけりまやの軒ばの桜花あまり程ふるながめせしまに(月花門院[続拾遺])
519 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 01:02:36 ID:2/05irUh
花は皆眺めせしまに散り果てて我が身世にふる慰めもなし(静仁法親王[続拾遺])
520 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 01:15:38 ID:2/05irUh
八十ぢまで我が身世にふる恨みさへ積りにけりな花の白雪(浄弁[新続古今])
521 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 01:43:13 ID:2/05irUh
思ひいでて昔をしのぶ袖の上にありしにもあらぬ月ぞやどれる(源実朝[新勅撰])
522 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 07:33:29 ID:2/05irUh
松に吹く風は昔の秋ながら半ばの月や面がはりせし(長慶天皇[新葉])
523 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 07:34:07 ID:2/05irUh
あはれなりいかに我が身のなるとても誰かはをしみ誰かしのばむ(京極為子[玉葉])
524 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 07:35:22 ID:2/05irUh
恋ひわびぬしばしも寝ばや夢のうちに見ゆればあひぬ見ねば忘れぬ(小野小町[新千載])
525 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 07:36:17 ID:2/05irUh
はかなくも枕さだめず明かすかな夢語りせし人を待つとて(小野小町[玉葉])
526 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 07:37:17 ID:2/05irUh
春雨のさはへふるごと音もなく人にしられでぬるる袖かな(小野小町[玉葉])
527 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 11:21:03 ID:8PSopyeu
昨日は凄い暴風雨だったね・・・
528 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 12:02:38 ID:hM+FI+A8
昔みし雲井ははやくたえにしをうらやましくもかへるかりがね(源師光)
529 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 12:03:39 ID:hM+FI+A8
日にそへてさてあらまうき世のなかにうらやましくもかへる春かな(伏見院)
530 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 12:04:16 ID:hM+FI+A8
狩りくらしいまはとだちもかたのなるふみならしばの雪の下をれ(藤原雅経)
531 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 12:06:02 ID:hM+FI+A8
きのふ見ししのぶの乱れ誰ならん心の程ぞかぎりしられぬ(藤原顕輔)
532 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 12:06:35 ID:hM+FI+A8
つむもうし若紫の菫草しのぶのみだれのこる朝露(正徹)
533 :
名無氏物語:2008/04/09(水) 12:07:13 ID:hM+FI+A8
たなびきて帯をぞ継げる春日のの若紫の衣かりがね(心敬)
534 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:04:13 ID:r5huybGn
きえねただ忍ぶのみだれ限あらば露もいかなる涙とかみん(後柏原天皇)
535 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:04:59 ID:r5huybGn
かすが野の若紫の初わらびたがゆかりよりもえいでにけむ(香川景樹)
536 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:05:40 ID:r5huybGn
昨日けふ雲のはたてにながむとて見もせぬ人の思ひやはしる(藤原定家)
537 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:06:30 ID:r5huybGn
見ずもあらずみもせぬ人のゆかりとや夕の空ぞかたみがほなる(後鳥羽院)
538 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:07:57 ID:r5huybGn
白雲の色にまがへて見ずもあらず見もせぬ花にけふもくらしつ(二条為明)
539 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:08:53 ID:r5huybGn
見ずもあらず見もせぬだにもあやなきをほの聞初めて袖のぬるらん(飛鳥井雅世)
540 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 15:20:19 ID:WgTGi7TE
見ずもあらず見もせぬ月のふくるまであやなく空のかすむ夜はかな(正徹)
541 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 17:53:53 ID:5kmKvwti
露の命はかなきものを朝夕にいきたるかぎりあひみてしがな(小野小町[続後撰])
542 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 17:54:35 ID:5kmKvwti
木がらしの風にもちらで人しれずうきことのはのつもる比かな(小野小町[新古今])
543 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 17:55:34 ID:5kmKvwti
色も香もなつかしきかな蛙かはづなくゐでのわたりの山吹の花(小野小町[新後拾遺])
544 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 17:56:13 ID:5kmKvwti
卯の花のさける垣ねに時ならでわがごとぞなくうぐひすのこゑ(小野小町[続古今])
545 :
名無氏物語:2008/04/10(木) 17:56:45 ID:5kmKvwti
山里にあれたる宿をてらしつついくよへぬらむ秋の月影(小野小町[続後拾遺])
546 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 03:12:45 ID:m8XdORQB
はかなくて過ぎにしかたを数ふれば花に物思ふ春ぞへにける(式子内親王)
547 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 14:47:33 ID:oQfrTosJ
吹きむすぶ風は昔の秋ながらありしにもあらぬ袖のつゆかな(小野小町[新古今])
548 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 14:48:14 ID:oQfrTosJ
はかなくて雲となりぬるものならば霞まむ空をあはれとはみよ(小野小町[続後撰])
549 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 15:16:28 ID:oQfrTosJ
雪ふればかねてぞ見ゆる鏡山ちりかふ花の春のおもかげ(二条為子[新続古今])
550 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 15:17:22 ID:oQfrTosJ
誰が為とまだ朝霜の消ぬがうへに袖ふりはへて若菜つむらん(藤原定家[続後拾遺])
551 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 15:17:50 ID:oQfrTosJ
しろたへの袖にぞまがふ都人若菜つむ野の春の淡雪(後鳥羽院[続拾遺])
552 :
名無氏物語:2008/04/19(土) 20:02:56 ID:nt+/bCYO
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553 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 00:13:33 ID:+6QksfFD
里人のすそのの雪をふみ分けてただわがためと若菜摘むらん(後鳥羽院[遠島百首])
554 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 00:14:22 ID:+6QksfFD
霞しく荻の焼原ふみわけて誰がため春の若菜摘むらん(九条道家[続後撰])
555 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 00:15:33 ID:+6QksfFD
若菜つむ我が衣手も白妙に飛火の野べは淡雪ぞふる(藤原為家[続古今])
556 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 00:17:45 ID:+6QksfFD
いざけふは衣手ぬれて降雪のあはづの小野に若菜つみてん(藤原為家[新千載])
557 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 00:18:55 ID:+6QksfFD
今よりは若菜つむべきふる里のみかきが原に雪は降りつつ(西園寺実兼[新後撰])
558 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 00:21:22 ID:+6QksfFD
山桜たちのみかくす春霞いつしかはれて見るよしもがな(光孝天皇[新勅撰])
559 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:22:38 ID:+6QksfFD
いたづらにうつりもゆくかわぎもこが衣にすらん秋はぎの花(藤原基政[玉葉])
560 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:49:01 ID:+6QksfFD
煙だにしばしたなびけ鳥辺山たち別れにし形見ともみむ(寂然[千載])
561 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:50:03 ID:+6QksfFD
白玉をつつむ袖のみ流るるは春は涙もさえぬなりけり(伊勢[後撰])
562 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:50:26 ID:+6QksfFD
いつしかと初秋風の吹きしより袖にたまらぬ露のしら玉(後二条院[続千載])
563 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:56:09 ID:+6QksfFD
みるほどにちらばちらなむ梅の花しづ心なく思ひおこせじ(和泉式部[玉葉])
564 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:57:38 ID:+6QksfFD
けふこずはあすともまたじ桜花いたづらにのみちらばちらなん(西園寺公経[続千載])
565 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 02:58:45 ID:+6QksfFD
花にふる日数もしらずけふとてや古郷人の我を待つらん(宮内卿[新後拾遺])
566 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 10:27:11 ID:+6QksfFD
春は花冬は雪とてしら雲のたえずたなびくみよしのの山(西園寺公経[新勅撰])
567 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 10:28:40 ID:+6QksfFD
家の風吹き伝へずはこのもとにあたら紅葉のくちやはてまし(藤原顕輔[玉葉])
568 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 10:29:13 ID:+6QksfFD
かたみとてかへすも世々の家の風吹き伝へよと思ふとをしれ(後二条院[玉葉])
569 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 10:29:41 ID:+6QksfFD
家の風ふきぞつたへん春日山末葉の藤もかげなびくまで(三条公秀[新拾遺])
570 :
名無氏物語:2008/04/20(日) 10:30:53 ID:+6QksfFD
霞ゐる高間の山の白雲は花かあらぬかかへる旅人(式子内親王[新勅撰])
571 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:38:19 ID:I9GqJTjM
中々に明けだにはてよ起きもせず寝もせぬ夜はの村雨の空(藤原家隆)
572 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:38:55 ID:I9GqJTjM
秋草の露わけ衣おきもせずねもせぬ袖はほすひまもなし(藤原定家)
573 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:39:27 ID:I9GqJTjM
花を思ふよもの白露おきもせずねもせぬころの床の山風(藤原雅経)
574 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:41:34 ID:I9GqJTjM
暁に夢をはかなみまどろめばいやはかななる松風ぞふく(後鳥羽院)
575 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:42:08 ID:I9GqJTjM
覚めにけり逢ひみてかたる時のまの夢をはかなみおもひやるかな(木下長嘯子)
576 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:42:49 ID:I9GqJTjM
かきくらす心の闇にまどひつつうしと見る世にふるぞわびしき(曾禰好忠)
577 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:43:20 ID:I9GqJTjM
月影に身をやかへましあはれてふ人の心にいりてみるべく(源計子)
578 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:44:04 ID:I9GqJTjM
ともしする人やしるらむしのぶ山しのびてかよふ奥の思ひを(藤原家隆)
579 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:44:37 ID:I9GqJTjM
涙川ぬれにし袖は頼まれず身さへながるといかでしらせむ(藤原隆祐)
580 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:45:18 ID:I9GqJTjM
つれづれと思へばかなし数ならぬ身をしる雨のをやみだにせよ(源俊頼)
581 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:50:30 ID:I9GqJTjM
春にあはぬ身をしる雨のふりこめて昔の門の跡やたえなん(藤原俊成)
582 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:52:29 ID:I9GqJTjM
おほ空のながめをだにもせざりけり身をしる雨の雲にまよひて(慈円)
583 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:53:54 ID:I9GqJTjM
色かへぬ青葉の竹のうきふしに身をしる雨のあはれ世の中(藤原定家)
584 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:54:56 ID:I9GqJTjM
降りくるも身を知る雨はうきことのこれや限の秋の夕暮(後水尾院)
585 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:55:29 ID:I9GqJTjM
月ぞすむ霞のうちにながれてもつひによる瀬は有明のかげ(正徹)
586 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:56:21 ID:I9GqJTjM
かよひ行く夢路にすぶる関もりはうちもねぬよの我が身なりけり(慈円)
587 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:57:01 ID:I9GqJTjM
清見がた我が通路の関なれやうちぬる人もなみのよるよる(藤原家隆)
588 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:57:37 ID:I9GqJTjM
うつつこそぬる宵々もかたからめそをだにゆるせ夢の関もり(後鳥羽院)
589 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:58:19 ID:I9GqJTjM
梅が香も身にしむころは昔にて人こそあらね春の夜の月(藤原俊成)
590 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:58:58 ID:I9GqJTjM
梅が香になれぬる袖をかたしけば夢も昔の春の夜の夢(藤原俊成)
591 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 14:59:34 ID:I9GqJTjM
袖の香に梅はかはらずかをりけり春は昔の春ならねども(藤原俊成)
592 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:02:49 ID:I9GqJTjM
昔みし心の色はかはれども月はひとつの光なりけり(藤原家隆)
593 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:04:35 ID:I9GqJTjM
春やあらぬ宿をかことにたちいづれどいづこも同じかすむ夜の月(藤原定家)
594 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:05:12 ID:I9GqJTjM
今宵しも月やはあらぬおほかたの秋はならひぞ人ぞつれなき(藤原定家)
595 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:06:35 ID:I9GqJTjM
いかならむ世にかはまたは松風の今は昔の秋とふきぬる(藤原雅経)
596 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:07:23 ID:I9GqJTjM
旅衣きつつなれゆく月やあらぬ春は都とかすむ夜の空(後鳥羽院)
597 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:08:37 ID:I9GqJTjM
月やあらぬむかしや誰と匂ふらむ花橘ももとの身にして(藤原基家)
598 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:09:16 ID:I9GqJTjM
月やあらぬ昔の人の面影とすめる宿とふ軒の松かぜ(正徹)
599 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:10:21 ID:I9GqJTjM
身やはあらぬ露もくもれば恨みこし月にあはれぶ春の夜の空(宗祇)
600 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:11:10 ID:I9GqJTjM
里ふりぬなに中々の梅が香は春やむかしも忘れぬる世に(木戸孝範)
601 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:12:26 ID:I9GqJTjM
暮れて行く秋も山路のみえぬまでちりかひくもれ峰のもみぢば(藤原定家)
602 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:14:18 ID:I9GqJTjM
いかにせん春にはあはでおいらくのこんといふなる年の暮れ方(藤原雅経)
603 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:15:49 ID:I9GqJTjM
さくら花ちりかひかくす高ねより嵐をこえていづる月かげ(正徹)
604 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:21:04 ID:I9GqJTjM
夕日影山とほからじ桜花ちりかひくもる鐘のこゑかな(三条西公条)
605 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:22:40 ID:I9GqJTjM
暮れはつる空ぞかなしき老いらくのこんといふなる春もしられず(一色直朝)
606 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:23:36 ID:I9GqJTjM
夕ひばり床もわすれて桜花ちりかひかすむ空になくなり(肖柏)
607 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:25:29 ID:I9GqJTjM
おほかたにつもれば人のとばかりにながめし月も袖やぬれけん(藤原定家)
608 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:26:12 ID:I9GqJTjM
いたづらにつもれば人のながき夜も月みてあかす秋ぞすくなき(藤原定家)
609 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:27:32 ID:I9GqJTjM
世をすてていとふとならばひさかたの月をもめでし秋の山里(藤原秀能)
610 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:28:31 ID:I9GqJTjM
つもりては月だに老いとなるものをつらくも年の暮れてゆくらむ(頓阿)
611 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:29:38 ID:I9GqJTjM
さてもよに誰かは老とならざらんめですはつらし夜な夜なの月(心敬)
612 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:33:00 ID:I9GqJTjM
是やこのさらぬ別れにますらをのかへり見しけん桜井の里(加納諸平)
613 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:34:04 ID:I9GqJTjM
ぬきみだる玉かとぞみる岸ちかみ草葉にまがふ夜はの蛍は(大弐三位)
614 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:34:46 ID:I9GqJTjM
ぬきみだるしら玉かとぞ思ひける木の葉の上にふれる霰は(河内)
615 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:35:37 ID:I9GqJTjM
ぬきみだるちるやしら玉白妙の衣手涼し布引の滝(藤原家隆)
616 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:36:16 ID:I9GqJTjM
布引の滝より外にぬきみだるまなく玉ちる床の上かな(藤原定家)
617 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:37:00 ID:I9GqJTjM
ぬきみだる滝の白糸くりはへてよるとも見せぬ月の影かな(後鳥羽院)
618 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:38:11 ID:I9GqJTjM
はるる夜の星のやどりもひとつにて光あまたにとぶ蛍かな(覚助法親王)
619 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:38:51 ID:I9GqJTjM
よる鹿の星かともしの光かも嶺たつ雲に明くる短か夜(正徹)
620 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:39:46 ID:I9GqJTjM
はるる夜の天の川べの蛍かとつまむかひ火の影ぞまがへる(太田資早)
621 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:40:25 ID:I9GqJTjM
はるる夜の星かとみれば松の葉にすがるほたるの光なりけり(後水尾院)
622 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:41:50 ID:I9GqJTjM
朝霞ふかくや峰をへだつらむ山のはにげてみえぬ春かな(宗尊親王)
623 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:42:36 ID:I9GqJTjM
つくづくとふりもすさめぬ春の雨に山のはにげてかすむ夕暮(木下長嘯子)
624 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:43:31 ID:I9GqJTjM
ふるさとの秋をばかれず人もとへ苦しきものとまつむしのこゑ(藤原雅経)
625 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:44:20 ID:I9GqJTjM
待つ人の里をばかれずとふ月や苦しきものはいつならひけん(木下長嘯子)
626 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:45:12 ID:I9GqJTjM
わすれては雲かとぞおもふ雪わけてけぶりたなびく小野の炭がま(藤原雅経)
627 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:45:45 ID:I9GqJTjM
わすれては冬かとぞおもふ卯の花の雪ふみわくる小野の通ひ路(源家長)
628 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:46:35 ID:I9GqJTjM
あとまでも夢うつつともなかりけり尋ねし小野の雪のふるみち(藤原為家)
629 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:47:11 ID:I9GqJTjM
わすれては雪かとぞ思ふ卯の花のさきてあとなき小野の細道(花山院長親)
630 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:47:49 ID:I9GqJTjM
夢かとも雪よりさきにとひてみよ小野の千種の霜枯れの色(貞常親王)
631 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:48:43 ID:I9GqJTjM
人めさへいとど深草かれぬとや冬まつ霜にうづらなくらん(藤原定家)
632 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:49:40 ID:I9GqJTjM
あれはてていとど深草秋の野に人やはかへるくずのうらかぜ(藤原信実)
633 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:50:14 ID:I9GqJTjM
里の犬のあとのみ見えてふる雪もいとど深草冬ぞさびしき(元政)
634 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:52:04 ID:I9GqJTjM
すみわびて妻木こるべきやどならばさびしさのみはなげかざらまし(後鳥羽院)
635 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:52:37 ID:I9GqJTjM
春の色はけふこそ三津のうらわかみあしのうら葉をあらふ白波(藤原定家)
636 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:53:21 ID:I9GqJTjM
いづこかもつひの泊りと契るらんわれ世の中とうみわたる舟(宗尊親王)
637 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:53:52 ID:I9GqJTjM
秋草の露とこたふる風もなしただしら玉をみがく月かげ(正徹)
638 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:54:25 ID:I9GqJTjM
白玉かなにぞととへば荻のうへの影はこたへずふるさとの月(正徹)
639 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:55:08 ID:I9GqJTjM
とはばその露とこたへて別れ行く袖にやきえん秋の面かげ(後柏原天皇)
640 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:56:46 ID:I9GqJTjM
白玉かとばかりまがふ草のうへに露とこたへてとぶほたるかな(中院通勝)
641 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:57:19 ID:I9GqJTjM
草の上に今朝ぞ消えゆく白玉か露かとまがふ夜の蛍は(後水尾院)
642 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:57:49 ID:I9GqJTjM
しら玉の数珠屋町とはいづかたぞ中京こえて人に問はまし(山川登美子)
643 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:58:38 ID:I9GqJTjM
さきだちておつる涙やつひに行くむなしき野べの道柴の露(慈円)
644 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:59:15 ID:I9GqJTjM
つひにゆく道をばたれもしりながらこぞの桜に風をまちつつ(藤原定家)
645 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 15:59:50 ID:I9GqJTjM
つひにゆく道よりも猶かなしきは命のうちのわかれなりけり(雅成親王)
646 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:00:21 ID:I9GqJTjM
夢にても夢としりせば寝ざめしてあかぬなごりをなげかざらまし(安法法師)
647 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:00:50 ID:I9GqJTjM
さめてこそみるべかりけれうつつにもあとはかもなき夢としりせば(和泉式部)
648 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:01:17 ID:I9GqJTjM
思ひつつぬるよかたらふ時鳥さめざらましの夢か現か(俊成卿女)
649 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:01:47 ID:I9GqJTjM
おのづからさめざらましの夢もうしぬればや人をたのむ枕に(藤原信実)
650 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:02:18 ID:I9GqJTjM
人はいさ思ひも出でじ歎きつつぬればや逢ふと夢にみゆらん(宗尊親王)
651 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:02:46 ID:I9GqJTjM
思ひつつぬればや人のとばかりに夜な夜なたのむ夢もはかなし(宗尊親王)
652 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:08:19 ID:I9GqJTjM
思ひつつぬれども見えぬことぞある夢や心の道たがふらん(正徹)
653 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:08:54 ID:I9GqJTjM
月みつつぬればや袖の露の間もみえぬ夢野の秋のたまくら(貞常親王)
654 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:09:27 ID:I9GqJTjM
思ひつつぬればやみえし俤にけささく花の春のよの夢(松永貞徳)
655 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:16:49 ID:I9GqJTjM
あけぬまにちりもやせんと思ひつつぬればや花の夢に見ゆらん(読人不知)
656 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:17:23 ID:I9GqJTjM
思ひつつぬればあやしなそれとだにしらぬ人をも夢にみてげり(賀茂真淵)
657 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:18:01 ID:I9GqJTjM
さめてのちことかよはさん道をだにとはましものを夢としりせば(小沢蘆庵)
658 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:18:28 ID:I9GqJTjM
たのまれぬ夢てふ物のうき世には恋しき人のえやはみえける(藤原定家)
659 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:19:00 ID:I9GqJTjM
おもひねの夢てふものにさそはれてたのまぬ中にゆく月日かな(藤原基家)
660 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:36:39 ID:nHI9ZFlP
いとどまた夢てふ物をたのめとや思ひねになくほととぎすかな(宗尊親王)
661 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:46:06 ID:JFfU+aRJ
恋しとも思ふ心のなければや夜の衣をかへさざるらむ(藤原定頼)
662 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:47:49 ID:JFfU+aRJ
夢にだにあひ見むことをいのるかな夜の衣をかへすがへすも(慈円)
663 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:48:44 ID:JFfU+aRJ
いとせめて恋しきころとふるさとにかすみの衣かへる雁がね(兼好)
664 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:51:14 ID:TiNuARd/
夢にだにせめてや逢ふとさ夜衣まちよわる床にかへしてぞぬる(後崇光院)
665 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:54:36 ID:TiNuARd/
草まくらあひ見る夢もむすぶやとかへしてぞぬる旅の衣手(冷泉為村)
666 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:58:06 ID:TiNuARd/
よるもなほ夢路にだにと見しけふの花染衣かへしてぞぬる(本居宣長)
667 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:59:02 ID:TiNuARd/
夏の境を鳥渡るかなあさき夢にみゆれば逢ひぬみねば忘れぬ(山中智恵子)
668 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:59:27 ID:TiNuARd/
うつつにはさもこそあらめほととぎす夢ぢにさへも一声はなけ(飛鳥井雅有)
669 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:59:52 ID:TiNuARd/
逢見むといひてしものをうつそみの人めをもると月ぞへにける(本居宣長)
670 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 17:00:32 ID:TiNuARd/
かぎりありてあしもやすめず春や行く夢までをしきけふの別れぢ(小倉公雄)
671 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 14:38:41 ID:shyb0QDp
恋ひ死ねとするわざならば夢よりも現にひと目みゆべきものを(宗良親王家京極)
672 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 14:39:21 ID:shyb0QDp
旅衣うちぬるままの古里にかよふ夢路は足もやすめず(後水尾院)
673 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 14:39:58 ID:shyb0QDp
あだにゆく水の心に誘はれてなほ浮草と人に語らむ(源俊頼)
674 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 14:40:27 ID:shyb0QDp
風をいたみただよふ池のうきくさもさそふ水なくつららゐにけり(藤原良経)
675 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 14:41:21 ID:shyb0QDp
よのうさのねをやたえなむ山川にうれしく水のさそふ浮草(藤原良経)
676 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:50:02 ID:nEBzM5HB
秋の山紅葉をぬさとたむくればすむ我さへぞたび心ちする(紀貫之[古今])
677 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:50:29 ID:nEBzM5HB
もみぢばを風にまかする手向山ぬさもとりあへず秋はいぬめり(藤原信実[続後撰])
678 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:51:27 ID:nEBzM5HB
みそぎするぬさもとりあへず六月の空にしられぬ秋風ぞふく(西園寺公経[続拾遺])
679 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:52:37 ID:nEBzM5HB
ゆふだたみ手向の山の桜花ぬさもとりあへず春風ぞ吹く(九条道家[新千載])
680 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:53:12 ID:nEBzM5HB
そめもあへずしぐるるままにたむけ山紅葉をぬさと秋風ぞふく(藤原為家[続後撰])
681 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:54:01 ID:nEBzM5HB
ふるさとのくち木の柳いにしへの名ごりは我もあるかひぞなき(飛鳥井雅有[続拾遺])
682 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 19:55:01 ID:nEBzM5HB
榊葉にふるしら雪はきえぬめり神の心も今やとくらむ(藤原伊房[後拾遺])
683 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:18:06 ID:nEBzM5HB
年くれし涙のつららとけにけり苔の袖にも春やたつらん(藤原俊成[新古今])
684 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:18:32 ID:nEBzM5HB
鶯の涙のつららうちとけて古巣ながらや春をしるらん(惟明親王[新古今])
685 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:18:58 ID:nEBzM5HB
海人の刈る藻にすむ虫の名はきけどただ我からのつらきなりけり(読人不知[拾遺])
686 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:19:27 ID:nEBzM5HB
秋風のいたりいたらぬ袖はあらじただわれからの露の夕ぐれ(鴨長明[新古今])
687 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:20:34 ID:nEBzM5HB
いかにせんねをなく虫のから衣人もとがめぬ袖の涙を(藤原範宗[新勅撰])
688 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:21:39 ID:nEBzM5HB
藻にすまぬ野原の虫も我からと長き夜すがら露に鳴くなり(藤原良経[新後撰])
689 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 22:22:09 ID:nEBzM5HB
あぢきなや海士の刈る藻の我からか憂しとて世をも恨みはてねば(藤原為氏[続後拾遺])
690 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 23:27:01 ID:nEBzM5HB
あまのたく藻にすむ虫にあらねどもわれから恋に身を焦がすかな(藤原為清[新拾遺])
691 :
名無氏物語:2008/04/22(火) 23:29:29 ID:nEBzM5HB
ふじのねの空にや今はまがへましわが身にけたぬむなし煙を(西園寺公経[新勅撰])
692 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 00:39:58 ID:qWhbMyfJ
消えはつる行へともみよ思ひわびかへぬ命のむなしけぶりを(定為[新千載])
693 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 00:41:55 ID:qWhbMyfJ
花の香に衣はふかくなりにけり木の下陰の風のまにまに(紀貫之[新古今])
694 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 00:46:14 ID:qWhbMyfJ
桜色のはつ花染めのかり衣きつつやなれん春の木のもと(西園寺実氏[続古今])
695 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 00:46:49 ID:qWhbMyfJ
墨染に咲かぬもつらし山桜花はなげきの外の物かは(平親世[新後撰])
696 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 00:47:33 ID:qWhbMyfJ
小初瀬の花のさかりやみなの河峰よりおつる水の白波(藤原清輔[新後拾遺])
697 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 00:48:08 ID:qWhbMyfJ
つくばねの嶺の桜やみなの河ながれて淵と散りつもるらん(飛鳥井雅有[続拾遺])
698 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 07:43:31 ID:qWhbMyfJ
うたた寝にもろこしまでも見つるかな夢はうつつに猶まさりけり(源季広[続後拾遺])
699 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 07:44:38 ID:qWhbMyfJ
咲かぬまは花と見よとやみ吉野の山の白雪きえがてにする(二条院讃岐[新勅撰])
700 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 07:46:07 ID:qWhbMyfJ
そことなき花の所も春ふかみ空に知られで匂ふ春風(洞院公賢[新拾遺])
701 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 07:46:41 ID:qWhbMyfJ
いざ桜散るをつらさに言ひなさで梢のほかの盛りともみん(藤原基任[新拾遺])
702 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 07:47:03 ID:qWhbMyfJ
時ありて花も紅葉も一さかりあはれに月のいつもかはらぬ(藤原為子[風雅])
703 :
名無氏物語:2008/04/23(水) 07:47:26 ID:qWhbMyfJ
ふりつみし高嶺のみ雪とけにけり清滝川の水の白波(西行[新古今])
704 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 14:53:57 ID:VmJH5ilJ
春の夜の夢のうき草根ぞたゆる浮世をさそふ水の涙に(藤原家隆)
705 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 14:56:27 ID:VmJH5ilJ
さそはれぬ身を浮草のかなしきはゆくかたもなき宿の池水(藤原雅経)
706 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 14:57:34 ID:VmJH5ilJ
いまはたださそふ水あらばと思へども袖のみぞうく五月雨の空(藤原雅経)
707 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 14:58:25 ID:VmJH5ilJ
荻の葉をさそふ風あれば夜もすがらむすびたえたる夢のうき草(貞常親王)
708 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 14:59:15 ID:VmJH5ilJ
さそふ水あるにはあらで浮草のながれてわたる身こそやすけれ(蓮月)
709 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 14:59:46 ID:VmJH5ilJ
たづね見る花のところもかはりけり身はいたづらのながめせしまに(藤原定家)
710 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:07:18 ID:8pnX4cw7
清滝や瀬々の岩波たかを山人もあらじの風ぞ身にしむ(高弁[新勅撰])
711 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:11:15 ID:8pnX4cw7
山姫の滝の白糸くりためて織るてふ布は夏衣かも(藤原良経[続後撰])
712 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:24:13 ID:8pnX4cw7
くりためて今朝や氷に結ぶらん清滝河の瀬々の白糸(行意[新続古今])
713 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:29:16 ID:8pnX4cw7
梅の花あかぬ色香もむかしにて同じ形見の春の夜の月(俊成卿女[新古今])
714 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:29:47 ID:8pnX4cw7
世々へてもあかぬ色香は残りけり春やむかしの宿の梅が枝(範憲[風雅])
715 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:32:06 ID:8pnX4cw7
散る花のあかぬ色香を身にかへてさも慕はるる山桜かな(二条道良[続千載])
716 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:32:38 ID:8pnX4cw7
袖のうへにあかぬ色香はとどめおけ暮れなば春の花の形見に(西園寺公経[続千載])
717 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:33:04 ID:8pnX4cw7
ふく風をいはばいはなん桜花ちりかふころの春の山守(藤原信実[続後撰])
718 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:33:30 ID:8pnX4cw7
吹く風はやどりもしらず谷川の花のゆくへを行きて恨みむ(道助法親王[続拾遺])
719 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:33:51 ID:8pnX4cw7
恨むべき風のやどりをしらねばやちるをば花のうきになすらん(近衛基平[続古今])
720 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:43:01 ID:L+FYhQ9u
春よただ露のたまゆらながめしてなぐさむ花の色はうつりぬ
721 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:43:32 ID:L+FYhQ9u
さくら花うつりにけりなとばかりを歎きもあへずつもる春かな
722 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:44:00 ID:L+FYhQ9u
さくら色の袖もひとへにかはるまでうつりにけりな過ぐる月日は
723 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:45:12 ID:L+FYhQ9u
あしひきの山路にはあらずつれづれと我が身世にふるながめする里
724 :
名無氏物語:2008/04/24(木) 18:45:46 ID:L+FYhQ9u
書き忘れたが(720-723は藤原定家の和歌です)
725 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:18:04 ID:DamAqZKT
暮れはつる空さへ悲し心からいとひし春のながめせしまに(俊成卿女)
726 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:18:57 ID:DamAqZKT
いたづらに春暮れにける花の色のうつるも惜しむなげきせしまに(後鳥羽院)
727 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:19:41 ID:DamAqZKT
あはれうき我が身世にふるならひかなうつろふ花の時のまもみず(藤原為家)
728 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:20:02 ID:DamAqZKT
沢水に蛙もなけば咲きぬらむゐでのわたりの山ぶきの花(相模)
729 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:20:38 ID:DamAqZKT
うゑおきしたがなさけより山ぶきの井でのわたりの花となりけん(伏見院)
730 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:21:18 ID:DamAqZKT
春深きゐでのわたりの夕ま暮霞む汀にかはづ鳴くなり(小沢蘆庵)
731 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:21:56 ID:DamAqZKT
ふきすさむ風は昔の秋ながらありしにもにぬ宿の夕暮(藤原秀能)
732 :
名無氏物語:2008/04/25(金) 09:22:46 ID:DamAqZKT
みなれぬる月はいつもの秋ながらわが面影やあらずなりなん(伏見院)
733 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:28:35 ID:X57CU3Yd
あぢきなく春は命のをしきかな花ぞこの世のほだしなりける(和泉式部)
734 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:29:05 ID:X57CU3Yd
しかはあれど思ひたたれぬ心こそつみふかき身のほだしなりけれ(源俊頼)
735 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:29:44 ID:X57CU3Yd
しらざりし我が身のはてはみえにけり空行く雲にながめせしまに(藤原家隆)
736 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:31:26 ID:X57CU3Yd
をりしもあれながめのすゑのうす煙わが身のはてを思ふ夕に(徽安門院)
737 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:31:59 ID:X57CU3Yd
こよひねてあふみへゆくとみし夢のかなしと袖にふるは涙か(源信明)
738 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:32:24 ID:X57CU3Yd
あかなくにかへる雲井に春雨のふるは涙か雁ぞなくなる(俊成卿女)
739 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:32:48 ID:X57CU3Yd
曇る夜の月ををしまぬ人はなしふるは涙か秋のむら雨(木下長嘯子)
740 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:33:12 ID:X57CU3Yd
おもひいでてなきこそわたれ秋風にちぎりし空の初雁の声(俊成卿女)
741 :
名無氏物語:2008/04/26(土) 21:46:50 ID:6MkeIAA+
おほしまやをちの塩あひを行く舟のかぢとりあへぬ恋もするかな(恵慶)
742 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 10:17:19 ID:Df3m8q8+
君がため出づる野原のかたみにやしひても春の若菜つむらん(順徳院)
743 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 10:17:56 ID:Df3m8q8+
すみれ草つみつつかへる春の野にたがためとなく袖ぬらしけり(貞常親王)
744 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 10:18:59 ID:Df3m8q8+
人心うつりもゆくか朝顔の花のうへなる露をみしまに(藤原秀能)
745 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 10:19:44 ID:Df3m8q8+
つもる雪のすこしたかきや人のいほ道こそなけれけぶりだにたて(慈円)
746 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 10:21:44 ID:Df3m8q8+
まれにきてかへらむ人をほととぎすとめむとめじは声のまにまに(藤原教長)
747 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 10:22:15 ID:Df3m8q8+
はる風におほふかすみの袖もがなちらさば花のうきにやはあらぬ(細川幽斎)
748 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:00:15 ID:XDVvxcSx
雪とくるけさからことに音そふや春をしらぶる山の滝つせ(後水尾院)
749 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:09:27 ID:XDVvxcSx
よそにだにみぬめの浦にすむあまは袖にたまらぬ玉やひろはん(藤原家隆)
750 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:10:08 ID:XDVvxcSx
あだしののわか葉の草におく露の袖にたまらぬ物をこそおもへ(藤原定家)
751 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:10:32 ID:XDVvxcSx
見ても猶あかぬ匂ひはつつめども袖にたまらぬ梅のした風(吉田兼好)
752 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:11:00 ID:XDVvxcSx
夕立のくもの衣はつつめども袖にたまらぬかぜのしら玉(木下長嘯子)
753 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:24:46 ID:XDVvxcSx
たづねても故郷人のみぬさくらをしまぬ花に春風ぞふく(藤原家隆)
754 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:25:17 ID:XDVvxcSx
まつ人はこじまのさきの春風にちらばちらなむ山ぶきのはな(藤原為家)
755 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:25:45 ID:XDVvxcSx
月影もすめばすみけりしら雲の絶えずたなびく峰の木がらし(藤原家隆)
756 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:26:15 ID:XDVvxcSx
夢かとも里の名のみやのこるらん雪も跡なき小野のあさぢふ(藤原定家)
757 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:28:37 ID:XDVvxcSx
世をうしと思はざりけむ昔こそ此頃よりもはかなかりけれ(雅成親王)
758 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:30:37 ID:XDVvxcSx
月もいかにあはれとや思ふわれ昔桂をりてし一もとゆゑに(藤原範光)
759 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:31:01 ID:XDVvxcSx
世にしげき言の葉ぐさを吹きわけて家の風をも伝へてしがな(荷田春満)
760 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:31:54 ID:v4VFNNLF
中年だと思ってない中年じじー死ね 中年だと思ってない中年じじー死ね
中年だと思ってない中年じじー死ね 中年だと思ってない中年じじー死ね
中年だと思ってない中年じじー死ね 中年だと思ってない中年じじー死ね
中年だと思ってない中年じじー死ね 中年だと思ってない中年じじー死ね
その老いたすがた気持ち悪すぎ
その老いたすがた気持ち悪すぎ
その老いたすがた気持ち悪すぎ
その老いたすがた気持ち悪すぎ
761 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:38:46 ID:XDVvxcSx
ながめつるけふは昔になりぬとも軒端の梅はわれを忘るな(式子内親王)
762 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:39:09 ID:XDVvxcSx
出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな(源実朝)
763 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:39:34 ID:XDVvxcSx
うす氷けふとけそめつ東風ふかば池のこころも春をしれとや(飛鳥井雅親)
764 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:40:16 ID:XDVvxcSx
沖つ風吹上の浜にたつ千鳥いさしら浪の花かあらぬか(藤原家隆)
765 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:40:45 ID:XDVvxcSx
ゆゑもなし心にぞとふ春きての我が物おもひよ花かあらぬか(木下長嘯子)
766 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:41:19 ID:XDVvxcSx
一こゑは手向の山のほととぎす幣もとりあへずあくる夜はかな(藤原家隆)
767 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:41:41 ID:XDVvxcSx
手向してかひこそなけれ神な月もみぢはぬさと散りまがへども(藤原定家)
768 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:42:09 ID:XDVvxcSx
秋萩のゆくての錦これもまたぬさもとりあへぬ手向にぞをる(藤原定家)
769 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:42:42 ID:XDVvxcSx
たつ嵐いづれの神に手向山花の錦のかたもさだめず(藤原定家)
770 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:43:45 ID:XDVvxcSx
風吹けばさくらの宮の神垣にぬさも取りあへず花や散るらん(頓阿)
771 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:44:30 ID:XDVvxcSx
神しうけばぬさもとりあへず手向けおく此ことのはも色や見えまし(正徹)
772 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:45:00 ID:XDVvxcSx
とりあへず紅葉をぬさと手向山神のこころを神やうけけむ(契沖)
773 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:45:25 ID:XDVvxcSx
しかりとてなみだの袖やきりたたんむすぶの神にぬさもとりあへず(加納諸平)
774 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:53:55 ID:XDVvxcSx
君が代をたえせずてらせ五十鈴河われはみくづとしづみはつとも(宗良親王)
775 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:54:21 ID:XDVvxcSx
旅の空うきていでにし野山にて道もやどりも月ぞともなふ(藤原為家)
776 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:54:47 ID:XDVvxcSx
天つ空みちもやどりもしら雲の明くるもしらで月を見るかな(順徳院)
777 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:55:17 ID:XDVvxcSx
旅の空うきたつ雲やわれならん道もやどりも嵐ふく比(宗良親王)
778 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:55:46 ID:XDVvxcSx
みちのべの野原の柳したもえぬあはれ歎の煙くらべに(藤原定家)
779 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:56:29 ID:XDVvxcSx
猶さゆる雪につつめるこゑながら梅がえわきてうぐひすぞ鳴く(後鳥羽院)
780 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:57:31 ID:XDVvxcSx
みちのべの野原の柳したもえぬあはれ歎の煙くらべに(藤原定家)
781 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:58:12 ID:XDVvxcSx
われのみやさてもふりなむ道のべのくち木のやなぎ春めきにけり(藤原秀能)
782 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:58:49 ID:XDVvxcSx
昔おもふくち木の柳なにゆゑにみどりの髪をけづるなるらん(土御門院)
783 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 17:59:29 ID:XDVvxcSx
故郷の朽木の柳冬くればしぐるる色もしのばれぞする(順徳院)
784 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:00:04 ID:XDVvxcSx
をかべなるくち木の柳さすが猶春とばかりの色は見えけり(伏見院)
785 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:01:10 ID:XDVvxcSx
ふきそめぬ柳にしるき時つ風なびくを春の初しほにして(後西院)
786 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:01:40 ID:XDVvxcSx
草も木も西吹く風にくる秋のみにしむいろを初しほにして(姉小路基綱)
787 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:17:49 ID:XDVvxcSx
春来ぬとけさ告げ渡る鶯は涙の氷まづやとけぬる(俊恵)
788 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:18:15 ID:XDVvxcSx
鶯のこほれる涙とけぬれば花の上にや露とおくらむ(二条院讃岐)
789 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:18:36 ID:XDVvxcSx
鶯の涙の氷いつとけて今朝は雪まの梅のはつ花(藤原家隆)
790 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:19:00 ID:XDVvxcSx
鶯の氷れる涙とけぬれどなほ我が袖はむすぼほれつつ(藤原良経)
791 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:19:35 ID:XDVvxcSx
春きぬと涙ばかりやとけぬらん谷の雪まをいづるうぐひす(藤原為家)
792 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:20:16 ID:XDVvxcSx
鶯のなみだの雨も紅に落ちそふむめの花のした露(正徹)
793 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:20:45 ID:XDVvxcSx
ときやらで涙の滝もつららゐぬ身を鶯の春の山かぜ(正徹)
794 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:21:09 ID:XDVvxcSx
こひこひてまた一とせもくれにけり涙の氷あすやとけなん(祇園梶子)
795 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:21:30 ID:XDVvxcSx
河上の浅篠原の葉ごもりにうぐひすなくやこほりとくらむ(香川景樹)
796 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:22:58 ID:XDVvxcSx
果てはただあまの刈る藻を宿りにて枕さだむる宵々ぞなき(藤原定家)
797 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:23:22 ID:XDVvxcSx
あまのすむ里のしるべの幾年にわれから絶えて見るめなりけり(藤原定家)
798 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:25:49 ID:XDVvxcSx
のがれては山里ならぬ宿もなしただ我からの憂き世なりけり(元政)
799 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:27:08 ID:XDVvxcSx
我のみや燃えてかへらむ世と共に思ひもならぬ富士の嶺のごと(平貞文)
800 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:27:30 ID:XDVvxcSx
恋ひしなんむなし煙をせめてただならぬおもひのはてとだにみよ(頓阿)
801 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:27:55 ID:XDVvxcSx
つれなくはそれゆゑになど果てざらんさらで消えんも空しけぶりを(宗祇)
802 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:28:33 ID:XDVvxcSx
花ちらむのちもみるべく桜色にそめし衣をぬぎやかふべき(恵慶)
803 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:29:00 ID:XDVvxcSx
さくら色に染めし袂をぬぎかへて山ほととぎす今日よりぞ待つ(和泉式部)
804 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:29:32 ID:XDVvxcSx
桜色の衣にもまた別るるに春をのこせる宿の藤浪(式子内親王)
805 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:30:17 ID:XDVvxcSx
桜色のかたみのころもぬぎかへてふたたび春に別れぬるかな(雅成親王)
806 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:31:04 ID:XDVvxcSx
桜色のころもはうすし心こそ春のかたみよふかくそめてき(大内政弘)
807 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:38:39 ID:XDVvxcSx
みよしのの山わけ衣桜色にこころのおくもふかくそめてき(木下長嘯子)
808 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:41:04 ID:XDVvxcSx
あはれをもあまたにやらぬ花の香の山もほのかに残る三日月(藤原定家)
809 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:41:36 ID:XDVvxcSx
花は春ちりにし峰にあはれてふことをあまたにやらぬしら雲(藤原雅経)
810 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:43:03 ID:XDVvxcSx
あはれてふことのちぐさは霜がれてあまたにやらぬ白菊の花(契沖)
811 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:46:35 ID:XDVvxcSx
けふ別れあすはと人を思ふだにみぬまは袖のかわくものかは(宗良親王)
812 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:47:01 ID:XDVvxcSx
さだめなき世にやをしまむけふ別れあすはあふみの別れなりとも(花山院師兼)
813 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:47:21 ID:XDVvxcSx
世にふれど君におくれてをる花はにほひて見えず墨染にして(和泉式部)
814 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:47:42 ID:XDVvxcSx
墨染にさかぬさくらもこの春は心あればや露けかるらむ(惟宗光吉)
815 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:51:44 ID:XDVvxcSx
飽かなくにまだきも月の隠るるか山の端逃げて入れずもあらなん(在原業平)
816 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:53:25 ID:XDVvxcSx
我が心めにこそ見えねくもる日の影と君にはそへてしものを(俊恵)
817 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:55:10 ID:XDVvxcSx
たまさかに逢瀬はなくてみなの川涙の淵に沈む恋かな(肥後)
818 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:55:51 ID:XDVvxcSx
袖のうへも恋ぞつもりてふちとなる人をば見ねのよそのたぎつせ(藤原定家)
819 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:56:51 ID:XDVvxcSx
みなの河みねよりおつる桜花にほひのふちのえやはせかるる(藤原定家)
820 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:57:13 ID:XDVvxcSx
このままに程なき世をやつくばねのみねよりおつるふちぞかなしき(藤原為家)
821 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:57:49 ID:XDVvxcSx
みなの河ふちにはよらじつくばねの峰より落つる雁の一つら(正徹)
822 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:58:23 ID:XDVvxcSx
筑波嶺やしげればいとどみなの川峯よりおつる音ばかりして(正徹)
823 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:58:47 ID:XDVvxcSx
河音はかすみもはてずつくばねのみねより落つる月にすみつつ(三条西実隆)
824 :
名無氏物語:2008/04/27(日) 18:59:13 ID:XDVvxcSx
つくばねの峰よりおつる時鳥待ちし恨みのふちもせになけ(木下長嘯子)
825 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:51:11 ID:XiDjt70M
唐も夢みぬ程や遠からんこはよるかたの道とこそきけ(藤原公任)
826 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:52:03 ID:XiDjt70M
遥かなるもろこしまでもゆくものは秋の寝覚めの心なりけり(大弐三位)
827 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:53:02 ID:XiDjt70M
もろこしもちかのうらわの夜の夢おもはぬ中に遠つ舟人(藤原家隆)
828 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:53:24 ID:XiDjt70M
もろこしも夢に見しかばとばかりを夜な夜なごとにたのむはかなさ(宗尊親王)
829 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:53:56 ID:XiDjt70M
夢ならでまたもろこしのまぢかきは月みる夜半の心なりけり(二条為子)
830 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:54:23 ID:XiDjt70M
君ぞ憂きわたらずしらぬもろこしも夢に見るよの秋つ島人(正徹)
831 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:58:42 ID:XiDjt70M
いづれとも声きかまほし夢にだにみぬもろこしの山時鳥(肖柏)
832 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 16:59:18 ID:XiDjt70M
近してふ夢にはあらでもろこしの梅咲く山を壁に見るかな(木下長嘯子)
833 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:00:18 ID:XiDjt70M
憂き目のみ見てこそ過ぐれ一盛りありなば桜散るは何ぞは(大隈言道)
834 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:00:46 ID:XiDjt70M
春霞おもひたちにしあしたよりまたるるものは鴬のこゑ(藤原敦忠)
835 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:01:06 ID:XiDjt70M
ほととぎすなくべき枝とみゆれどもまたるるものは鶯の声(藤原道綱)
836 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:01:25 ID:XiDjt70M
鶯のこゑ聞きそむるあしたより待たるる物は桜なりけり(本居宣長)
837 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:01:48 ID:XiDjt70M
鶯の声を聞きつるあしたより春の心になりにけるかも(良寛)
838 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:02:16 ID:XiDjt70M
鶯の鳴きてつげつるあしたより春の心はさだまりにけり(高橋残夢)
839 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:03:26 ID:XiDjt70M
春ならば花とやみらむ冬ごもりみやまをわけてふれる白雪(藤原長能)
840 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:04:31 ID:XiDjt70M
千年ふる山路のきくも露の間の花とやみらん秋のよの月(松永貞徳)
841 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:07:26 ID:XiDjt70M
花蓮あかぬ色香は折りてとも思ひぞかけぬ池のもなかに(契沖)
842 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:08:34 ID:XiDjt70M
我が袖ににほひかうつせむめの花咲きちる岡の春の夕風(飛鳥井雅有)
843 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:08:57 ID:XiDjt70M
梅の花恋しきことの色ぞそふうたてにほひのきえぬ衣に(式子内親王)
844 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:09:23 ID:XiDjt70M
散ると見てあるべき春もなきものをうたて桜を風の吹くらん(藤原家隆)
845 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:09:45 ID:XiDjt70M
玉桙のゆくてばかりを梅の花うたてにほひの人したふらん(藤原定家)
846 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:10:09 ID:XiDjt70M
人待たで寝なましものを梅の花うたて匂ひのよはの春風(宗尊親王)
847 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:10:34 ID:XiDjt70M
惜しむなよ誰もうき世の花ざかり散ると見てこそあるべきものを(宗良親王)
848 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:11:00 ID:XiDjt70M
みてのみやけふもすぎなん白雲の夕ゐる嶺の花の下陰(西園寺公相)
849 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:21:17 ID:XiDjt70M
見てのみや山路に千世を送るべきいざ折りとらん白菊の花(飛鳥井雅親)
850 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:21:45 ID:XiDjt70M
卯の花を手ごとにをりてかへらまし山郭公聞きししるしに(賀茂真淵)
851 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:22:12 ID:XiDjt70M
山もりもをらばやいはむ高砂のをのへの桜宿しばしかせ(藤原家隆)
852 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:23:43 ID:XiDjt70M
庭の面は柳桜をこきまぜん春のにしきの数ならずとも(藤原定家)
853 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:24:09 ID:XiDjt70M
みわたせば松に紅葉をこきまぜて山こそ秋の錦なりけれ(藤原良経)
854 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:24:29 ID:XiDjt70M
たつた姫松にもみぢをこきまぜて都の外の錦とぞみる(宗良親王)
855 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:24:57 ID:XiDjt70M
こきまぜし柳さくらの春の夢見わたせばまた雪の初花(正徹)
856 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:25:21 ID:XiDjt70M
こきまぜし柳桜を宮城野の秋の錦ぞ春にまされる(正広)
857 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:25:44 ID:XiDjt70M
秋も又千種の花をこきまぜて都の野べぞ錦なりける(松永貞徳)
858 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:26:25 ID:XiDjt70M
我もまた心そらなり都人やなぎさくらをもてはやすとき(木下長嘯子)
859 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:27:09 ID:XiDjt70M
これも又錦なりけりこきまぜて萩も薄もなびく秋風(後水尾院)
860 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:27:44 ID:XiDjt70M
春ならぬ錦を木々にこきまぜて都の山も紅葉する比(武者小路実陰)
861 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:35:46 ID:XiDjt70M
都人柳さくらにこきまぜて袖のにしきもかをる春かな(香川景樹)
862 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:37:07 ID:XiDjt70M
吉野山こずゑの空に花さそふ風のやどりは峰のしら雲(藤原範宗)
863 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:38:06 ID:XiDjt70M
秋と吹く風のやどりはうき人のこころなりけり行きてうらみん(宗良親王)
864 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:38:52 ID:XiDjt70M
しらざりし風のやどりは荻の葉にありとも秋はなにに恨みん(後崇光院)
865 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:39:16 ID:XiDjt70M
よもしらじ風のやどりは尋ぬとも夕の雲の帰るところを(正徹)
866 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:39:39 ID:XiDjt70M
ほりうゑて見るはうれしき花の木のうつろふにこそならひわびぬれ(慈円)
867 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:40:54 ID:XiDjt70M
年へてもまつとはたれかうゑおきしつれなき色に人ならひけり(土御門院)
868 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:41:25 ID:XiDjt70M
秋萩も今はほりうゑじ宮城野は千里のみちに人なやみけり(下河辺長流)
869 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 17:45:24 ID:qixVm/fZ
おのづからそこともしらぬ月は見つ暮れなばなげの花をたのみて(藤原定家)
870 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:08:14 ID:W4auImrO
今は又花のかげとも頼まれず暮れなばなげの春の日数に(信実[新後撰])
871 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:08:55 ID:W4auImrO
いかにしてしばしとどめむ桜花散りなばなげの春の日数を(洞院実雄[続千載])
872 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:09:56 ID:W4auImrO
梅がえに降りつむ雪は鶯の羽風に散るも花かとぞみる(藤原顕輔[千載])
873 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:11:35 ID:W4auImrO
梅が香のたが里わかず匂ふ夜はぬしさだまらぬ春風ぞ吹く(行念[新勅撰])
874 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:20:41 ID:W4auImrO
我がためと聞きやなさまし霍公鳥ぬしさだまらぬ己が初音を(冷泉為相[風雅])
875 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:21:33 ID:W4auImrO
たが里の垣ねもおなじ匂ひとてぬしさだまらぬ梅の下風(藤原宗秀[新千載])
876 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:22:25 ID:W4auImrO
心あてにそれかとばかり伝へ来てぬしさだまらぬ夕顔の花(丹波忠守[新続古今])
877 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:23:35 ID:W4auImrO
荒れにけり籬の苔の深緑たがぬぎかけし衣なるらん(後嵯峨院[新続古今])
878 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:24:24 ID:W4auImrO
山人の折る袖にほふ菊の露うちはらふにも千代はへぬべし(藤原俊成[新古今])
879 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:24:44 ID:W4auImrO
わけ過ぐる山ぢの菊の花のかにぬれてもほさぬ袖の白露(二条為定[新後拾遺])
880 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:27:09 ID:W4auImrO
もみぢ葉のちりかひくもる夕時雨いづれか道と秋のゆくらむ(源有長[新勅撰])
881 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:27:46 ID:W4auImrO
我が宿の菊の白露万世の秋のためしにおきてこそみめ(清原元輔[続後撰])
882 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:28:48 ID:W4auImrO
とくみのり菊の白露夜はおきてつとめて消えんことをしぞ思ふ(慈円[新古今])
883 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:29:23 ID:W4auImrO
忘れじといひしばかりのなごりとてそのよの月はめぐりきにけり(藤原有家[新古今])
884 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:38:53 ID:W4auImrO
あぢきなく頼めぬ月の影もうしいひしばかりの有明の空(藤原忠良[新続古今])
885 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:39:18 ID:W4auImrO
いはざりき今こむまでの空の雲月日へだてて物思へとは(藤原良経[新古今])
886 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:40:05 ID:W4auImrO
月見ばといひしばかりの人はこで槙の戸たたく庭の松かぜ(藤原良経[新古今])
887 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:40:32 ID:W4auImrO
ふりにけり時雨は袖に秋かけて言ひしばかりを待つとせしまに(俊成卿女[新古今])
888 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:40:59 ID:W4auImrO
今こむとたのめしことを忘れずはこの夕暮の月や待つらむ(藤原秀能[新古今])
889 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:41:26 ID:W4auImrO
今こむと契りしことは夢ながら見し夜に似たる有明の月(源通具[新古今])
890 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:42:07 ID:W4auImrO
今こんと言はぬばかりぞ子規有明の月のむら雨の空(順徳院[続後撰])
891 :
名無氏物語:2008/04/28(月) 18:42:35 ID:W4auImrO
頼めてもむなしき空のいつはりにふけゆく月をまちいでつるかな(道助法親王[続後撰])
892 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:30:54 ID:Upmi+842
み吉野やなげの桜をたのみにてしをりもしらぬ山の夕暮(後鳥羽院)
893 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:31:25 ID:Upmi+842
今いくか春の山辺にまじりても花の色にはあかずぞあらまし(花山院長親)
894 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:31:47 ID:Upmi+842
よしやふけ暮なばなげの桜花ちるをだにみん春の夕風(小沢蘆庵)
895 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:32:15 ID:Upmi+842
よとともに野べに心やあくがれんもとあらの萩の花しちらずは(藤原顕季)
896 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:32:36 ID:Upmi+842
鶯のはつねを松にさそはれてはるけき野べに千世も経ぬべし(藤原定家)
897 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:33:44 ID:Upmi+842
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらん(順徳院)
898 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:34:08 ID:Upmi+842
妻こふる野辺に心のあくがれて牡鹿なくなり秋の夕暮(嘉喜門院)
899 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:34:31 ID:Upmi+842
野べに出でて花しちらずは千世もとは幾春秋をながめきつらん(三条西実隆)
900 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:35:16 ID:Upmi+842
身をすてぬ心よわさのすることをたれにおほせて世をうらむらん(源有房)
901 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:36:14 ID:Upmi+842
思ふどちそこともしらず行暮れぬ花の宿かせのべの鶯(藤原家隆)
902 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:37:00 ID:Upmi+842
思ふどち春のかたみにすみれ摘む野原のまとゐ雨はそほ降る(藤原定家)
903 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:37:47 ID:Upmi+842
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらん(順徳院)
904 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:38:30 ID:Upmi+842
おもふどち野をなつかしみうちむれて春の日ぐらし菫をぞつむ(西園寺実材母)
905 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:39:20 ID:Upmi+842
おもふどちむれてぞきつる春の山かすみの袖にたなびかれつつ(三条西実隆)
906 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:40:04 ID:Upmi+842
おもふどち春の円ゐのあかぬ野に暮るるも惜しき花の下陰(武者小路実陰)
907 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:40:47 ID:Upmi+842
山風にさけるつつじは佐保姫にたがぬぎかけしゆるし色めも(待賢門院安芸)
908 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:41:18 ID:Upmi+842
ぬししらぬ香こそ袂に移りぬれ垣ねのうめに春風ぞふく(平忠盛)
909 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:41:54 ID:Upmi+842
故郷のみかきが原の藤袴たがぬぎかけしにほひなるらん(宗尊親王)
910 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:42:56 ID:Upmi+842
人もがな見せも聞かせも萩の花さく夕かげのひぐらしの声(和泉式部)
911 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:43:25 ID:Upmi+842
日ぐらしのなく夕かげの秋萩に露おきかはす大和なでしこ(藤原家隆)
912 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:43:59 ID:Upmi+842
ひぐらしの鳴く木隠れの山かげに夕露にほふ大和撫子(後鳥羽院)
913 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:44:41 ID:Upmi+842
草葉にも哀はかけよ松虫のなく夕かげの秋の初霜(正徹)
914 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:46:45 ID:Upmi+842
きりぎりすなく夕かげの花のうへも心にかへる庭のしら雪(三条西実隆)
915 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:47:15 ID:Upmi+842
きりぎりすなく夕かげの秋風も心にかよふせみのこゑかな(三条西実隆)
916 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:47:39 ID:Upmi+842
きりぎりす鳴く夕かげの山風によわり初めぬる日ぐらしの声(小沢蘆庵)
917 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:48:02 ID:Upmi+842
たづねつつ山ぢの菊を折る袖に露もいく千世おかんとすらん(藤原家隆)
918 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:48:43 ID:Upmi+842
かぎりなき山ぢの菊のかげなれば露もや千世を契りおくらん(藤原定家)
919 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:49:12 ID:Upmi+842
いく千代も結びかさねよ秋の露山ぢの菊のほしあへぬまで(宗良親王)
920 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:49:33 ID:Upmi+842
山姫の形見にそむる紅葉ばを袖にこきいるるよもの秋かぜ(藤原定家)
921 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:50:00 ID:Upmi+842
もみぢ葉を袖にこきいれてかへりけん人の心のいろをみるかな(藤原雅経)
922 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:56:02 ID:nsXocJih
今こむとたのめし人のいつはりをいくあり明の月に待つらん(宗尊親王[続拾遺])
923 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:57:02 ID:nsXocJih
今こんとたのめぬ夜はの月をだに猶まち出づる在明の空(洞院実雄[続拾遺])
924 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:57:35 ID:nsXocJih
さらでだに紅葉に飽ける神なびのみむろの山はなほ時雨るなり(後嵯峨院[新千載])
925 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:58:04 ID:nsXocJih
ながめわびぬ秋よりほかの宿もがな野にも山にも月やすむらん(式子内親王[新古今])
926 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 17:59:47 ID:nsXocJih
おほ空は梅のにほひにかすみつつくもりもはてぬ春のよの月(藤原定家[新古今])
927 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:06:23 ID:nsXocJih
秋の月ちぢに心をくだききてこよひ一よにたへずも有るかな(荒木田氏良[千載])
928 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:07:00 ID:nsXocJih
ながむれば千々に物思ふ月に又我が身ひとつの嶺の松風(鴨長明[新古今])
929 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:08:16 ID:nsXocJih
妻こふる我が身一つの秋とてや夜な夜な月に鹿の鳴くらん(式乾門院御匣[新続古今])
930 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:09:48 ID:nsXocJih
いつまでか我が身ひとつの出がてに故郷かすむ月をみるべき(二条為藤[新千載])
931 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:10:26 ID:nsXocJih
わきてなほふけゆく影のさやけきは西こそ秋と月やすむらん(源資平[続古今])
932 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:10:53 ID:nsXocJih
都より尋ねてきけば小倉山西こそ秋と鹿もなくなれ(津守国冬[新後撰])
933 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:11:27 ID:nsXocJih
しるべせよ跡なき波に漕ぐ舟の行方もしらぬ八重の潮風(式子内親王[新古今])
934 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:13:13 ID:nsXocJih
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりもしらぬ沖つ潮風(藤原良経[新古今])
935 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:22:26 ID:nsXocJih
いつしかと荻の葉むけの片寄にそそや秋とぞ風も聞こゆる(崇徳院[新古今])
936 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:23:32 ID:nsXocJih
浅茅生の露けくもあるか秋きぬと目にはさやかに見えけるものを(守覚法親王[千載])
937 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:23:55 ID:nsXocJih
窓近きいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢(藤原公継[新古今])
938 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:24:20 ID:nsXocJih
吹く風の色こそ見えね高砂の尾の上の松に秋は来にけり(藤原秀能[新古今])
939 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:24:45 ID:nsXocJih
吹く風の竹になるよは秋きぬとおどろくばかり袖にすずしき(源有房[玉葉])
940 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:25:11 ID:nsXocJih
あは雪はふりもやまなんまだきよりまたるる花のちるとまがふに(藤原為家[玉葉])
941 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:25:34 ID:nsXocJih
恋ひわびてうちぬる宵の夢にだに逢ふとは人の見えばこそあらめ(藤原成範[千載])
942 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:25:58 ID:nsXocJih
いかにしてうつつの憂さとなりにけん見しや昔の夢の通ひ路(宗尊親王[続拾遺])
943 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:27:15 ID:nsXocJih
はかなしなみつの浜松おのづから見えこし夢の浪の通ひ路(藤原家隆[続拾遺])
944 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:27:40 ID:nsXocJih
見し人の面影とめよ清見潟袖にせきもる波の通ひ路(藤原雅経[新古今])
945 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:28:38 ID:nsXocJih
立田川岩こす浪のこほるかとまだき無き名の月にみゆらん(藤原親子[続拾遺])
946 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:29:50 ID:nsXocJih
繁き野をいく一むらに分けなしてさらに昔を忍びかへさむ(西行[新古今])
947 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:30:36 ID:nsXocJih
薮し分かぬ春とやなれも花の咲くその名もしらぬ山の下草(花園院[風雅])
948 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:31:34 ID:nsXocJih
もる山の時雨の秋を見てしがな心づからや紅葉はつると(藤原定家[拾遺愚草])
949 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:31:56 ID:nsXocJih
このねぬる朝けの風も心あらば花のあたりをよきて吹かなん(九条道家[続後撰])
950 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:32:20 ID:nsXocJih
たちまよふ吉野の桜よきて吹け雲に待たるる春の山風(九条教実[新勅撰])
951 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:32:45 ID:nsXocJih
心から散るといふ名の惜しければうつろふ花に風もいとはず(藤原為理[新後撰])
952 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:33:52 ID:nsXocJih
うつろふも心づからの花ならばさそふ嵐をいかがうらみん(伏見院[続千載])
953 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:35:24 ID:nsXocJih
谷川のうち出づる波も声たてつ鶯さそへ春の山風(藤原家隆[新古今])
954 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:35:54 ID:nsXocJih
谷川をうち出づる波にみし花の峰の梢になりにけるかな(藤原良経[続後拾遺])
955 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:36:29 ID:nsXocJih
花に飽かでつひに消えなば山桜あたりをさらぬ霞とならん(藤原俊成[風雅])
956 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:37:10 ID:nsXocJih
花すすきまだ露ふかし穂に出でて眺めじと思ふ秋のさかりを(式子内親王[新古今])
957 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:38:57 ID:nsXocJih
白川のたえぬ流れを尋ねきて万代契る友千鳥かな(覚助法親王[新千載])
958 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:39:23 ID:nsXocJih
我が恋はしる人もなしせく床の涙もらすなつげのを枕(式子内親王[新古今])
959 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:40:00 ID:nsXocJih
忍びあまり落つる涙をせき返し抑ふる袖ようき名もらすな(読人不知[新古今])
960 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:40:28 ID:nsXocJih
葛の葉にあらぬ我が身も秋風の吹くにつけつつ恨みつるかな(村上天皇[新古今])
961 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:41:12 ID:nsXocJih
葛の葉の恨みにかへる夢の世を忘れがたみの野辺の秋風(俊成卿女[新古今])
962 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:41:46 ID:nsXocJih
今よりの秋の夜風やいかならむ今朝だに葛のうらみ顔なる(寂蓮[続後撰])
963 :
名無氏物語:2008/04/29(火) 18:43:07 ID:nsXocJih
旅衣みやこの月のおくらずはなにか別れのかたみならまし(頓阿[新続古今])
964 :
名無氏物語:2008/04/30(水) 07:36:57 ID:8J7FAzb8
風ふけばこきいれぬ袖もつつむまで都のつとにちるもみぢかな(契沖)
965 :
名無氏物語:2008/04/30(水) 07:37:49 ID:8J7FAzb8
白露とおきゐつつのみあるべきをいづちみすてて秋のゆくらむ(和泉式部)
966 :
名無氏物語:2008/04/30(水) 07:38:44 ID:8J7FAzb8
ながらへてかひ有ることをまつなれや君が千とせのかげにかくれて(慈円)
967 :
名無氏物語:2008/04/30(水) 07:39:27 ID:8J7FAzb8
今こむと頼めてかはる秋の夜のあくるもしらぬ松虫のこゑ(藤原家隆)
968 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 14:43:31 ID:KKpjPIQS
ちたび打つきぬたの音に夢さめてものおもうふ袖の露ぞくだくる
969 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 15:09:18 ID:uQgcSYc8
山の端に月も待ちいでぬ夜をかさねなほ雲のぼる五月雨の空(藤原定家)
970 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 15:09:46 ID:uQgcSYc8
かはらずも待ちいでつるかな郭公月にほのめくこぞのふる声(藤原定家)
971 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 15:10:13 ID:uQgcSYc8
長月のありあけの月のあけがたを誰まつ人のながめわぶらむ(藤原良経)
972 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 15:11:03 ID:uQgcSYc8
今こむとたのめやはせし郭公ふけぬる夜半をなに恨むらむ(藤原良経)
973 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 18:03:59 ID:2j8p4ihi
かからずは何か別れのをしからむなれぬるばかり悔しきはなし(安喜門院大弐[玉葉])
974 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 18:04:26 ID:2j8p4ihi
穂に出でてまねくとならば花薄過ぎ行く秋をえやは止めぬ(藤原教長[風雅])
975 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 18:05:24 ID:2j8p4ihi
ももしきの大宮人もむれゐつつこぞとや今日をあすはかたらん(藤原師氏[新勅撰])
976 :
名無氏物語:2008/05/01(木) 18:06:30 ID:2j8p4ihi
草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする(源通具[新古今])
977 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 12:42:29 ID:RHpa9E1d
今こむと頼めやおきし郭公月ぞたちいづる有明の声(後鳥羽院)
978 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 12:50:02 ID:RHpa9E1d
長月の有明の月をみてもまづ今こむまでの秋をこそまて(藤原為家)
979 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 12:50:39 ID:RHpa9E1d
秋もいまはしぐるるほどになりにけり山の木の葉の空にうつろふ(藤原雅経)
980 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 12:51:03 ID:RHpa9E1d
おのれさへうつろふばかりそめてけり山の木の葉の秋のしら露(正徹)
981 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 12:51:31 ID:RHpa9E1d
春風にあかずちりぬる花よりもちぎりしことのはこそわすれね(大江匡房)
982 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 12:51:55 ID:RHpa9E1d
ねになきて我恋ひ死なばうつせみのむなしきからを哀ともみよ(藤原行家)
983 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:18:33 ID:AMhmx6N2
手向けする紅葉に飽けるみかみ山つづりの袖をあはれとも見よ(藤原為顕)
984 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:18:57 ID:AMhmx6N2
植ゑ置きてもみぢにあける主や誰ただ深山木のかげの家ゐに(後柏原院)
985 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:19:22 ID:AMhmx6N2
いざさらば花のぬさをや手向山もみぢにあける神の心に(細川幽斎)
986 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:19:51 ID:AMhmx6N2
ふきはらふ風もとがめずさもこそはもみぢにあける神なびの森(下河辺長流)
987 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:20:29 ID:AMhmx6N2
露霜のかぎりを見せよ手向山もみぢにあける秋のにしきも(霊元院)
988 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:21:05 ID:AMhmx6N2
おぼつかな谷より出づる鶯のそこにありとはきかするものを(源頼政)
989 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:21:33 ID:AMhmx6N2
うぐひすの谷より出づるはつ声にまづ春しるは深山べの里(藤原教長)
990 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:25:07 ID:NrQxhniU
あし引の山のはかすむ明ぼのに谷よりいづる鳥の一こゑ(式子内親王)
991 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:28:40 ID:NrQxhniU
あきらけき御代の春しる鶯も谷よりいづる声きこゆなり(宗良親王)
992 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:29:09 ID:NrQxhniU
うらやまし谷よりいづる鶯よわが山里は春もしらぬに(後崇光院)
993 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:29:41 ID:NrQxhniU
さゆる夜はまだ冬ながら月かげのくもりもはてぬけしきなるかな(藤原定家)
994 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:30:04 ID:NrQxhniU
志賀の浦のおぼろ月夜の名残とてくもりもはてぬ曙の空(後鳥羽院)
995 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:30:46 ID:NrQxhniU
空も猶おぼろ月夜の比とてやくもりも果てぬ春雨ぞふる(藤原為家)
996 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:34:40 ID:JQCpG2xg
月影はくもりもはてぬうす雲のたえまがちにもふるあられかな(飛鳥井雅有)
997 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:35:39 ID:JQCpG2xg
むらさめはくもりもはてぬひとそそきはれ行く空に鳴く郭公(進子内親王)
998 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:36:05 ID:JQCpG2xg
月ぞ猶くもりもはてぬ山のははあるかなきかにかすむ夕べに(頓阿)
999 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:36:39 ID:JQCpG2xg
ながめやる遠の高ねの花の色にくもりも果てぬ夕月夜かな(慶運)
1000 :
名無氏物語:2008/05/02(金) 13:37:05 ID:JQCpG2xg
てりもせずくもりもはてぬ冬の日の空ゆく雲はうちしぐれつつ(宗良親王)
1001 :
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