1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 01:26:39 ID:+Qr70nFj
3 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 01:27:26 ID:+Qr70nFj
4 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 01:57:55 ID:9mbeadXt
5 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 01:59:16 ID:9mbeadXt
玉桙のゆくてばかりを梅の花うたてにほひの人したふらん(藤原定家)
6 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 02:00:38 ID:9mbeadXt
人またでねなましものを梅花うたて匂ひのよはの春風(宗尊親王)
7 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 02:17:28 ID:9mbeadXt
みてのみやけふもすぎなん白雲の夕ゐる嶺の花の下陰(西園寺公相)
8 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:22:24 ID:m48Xw+X8
見てのみや山路に千世を送るべきいざ折りとらん白菊の花(飛鳥井雅親)
9 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:38:44 ID:qLpMCAbD
山もりもをらばやいはむ高砂のをのへの桜宿しばしかせ(藤原家隆)
10 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:39:48 ID:qLpMCAbD
みわたせば松に紅葉をこきまぜて山こそ秋の錦なりけれ(藤原良経)
11 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:40:43 ID:qLpMCAbD
たつた姫松にもみぢをこきまぜて都の外の錦とぞみる(宗良親王)
12 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:42:02 ID:qLpMCAbD
こきまぜし柳さくらの春の夢見わたせばまた雪の初花(正徹)
13 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:43:34 ID:qLpMCAbD
秋も又千種の花をこきまぜて都の野べぞ錦なりける(松永貞徳)
14 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 10:44:35 ID:qLpMCAbD
これも又錦なりけりこきまぜて萩も薄もなびく秋風(後水尾院)
15 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:09:30 ID:OrCsnNMn
春ならぬ錦を木々にこきまぜて都の山も紅葉する比(武者小路実陰)
16 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:10:58 ID:OrCsnNMn
みやこ人柳さくらにこきまぜて袖のにしきもかをる春かな(香川景樹)
17 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:17:36 ID:CNKHewjr
吉野山こずゑの空に花さそふ風のやどりは峰のしら雲(藤原範宗)
18 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:18:18 ID:CNKHewjr
秋と吹く風のやどりはうき人のこころなりけり行きてうらみん(宗良親王)
19 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:19:04 ID:CNKHewjr
ほりうゑて見るはうれしき花の木のうつろふにこそならひわびぬれ(慈円)
20 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:19:45 ID:CNKHewjr
年へてもまつとはたれかうゑおきしつれなき色に人ならひけり(土御門院)
21 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:20:53 ID:CNKHewjr
おのづからそこともしらぬ月は見つ暮れなばなげの花をたのみて(藤原定家)
22 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 11:24:34 ID:CNKHewjr
み吉野やなげの桜をたのみにてしをりもしらぬ山の夕暮(後鳥羽院)
23 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 19:20:27 ID:/rsrBKQk
時ありて花も紅葉も一さかりあはれに月のいつもかはらぬ(藤原為子[風雅])
24 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 19:21:48 ID:/rsrBKQk
ふりつみし高嶺のみ雪とけにけり清滝川の水の白波(西行[新古今])
25 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 19:22:56 ID:/rsrBKQk
清滝や瀬々の岩波たかを山人もあらじの風ぞ身にしむ(高弁[新勅撰])
26 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 19:24:57 ID:/rsrBKQk
山姫の滝の白糸くりためて織るてふ布は夏衣かも(藤原良経[続後撰])
27 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 19:26:08 ID:/rsrBKQk
くりためて今朝や氷に結ぶらん清滝河の瀬々の白糸(行意[新続古今])
28 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 21:49:32 ID:/rsrBKQk
梅の花あかぬ色香もむかしにて同じ形見の春の夜の月(俊成卿女[新古今])
29 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 21:51:38 ID:/rsrBKQk
世々へてもあかぬ色香は残りけり春やむかしの宿の梅が枝(範憲[風雅])
30 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 21:52:30 ID:/rsrBKQk
散る花のあかぬ色香を身にかへてさも慕はるる山桜かな(道良[続千載])
31 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 21:54:23 ID:/rsrBKQk
袖のうへにあかぬ色香はとどめおけ暮れなば春の花の形見に(西園寺公経[続千載])
32 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 22:04:29 ID:/rsrBKQk
ふく風をいはばいはなん桜花ちりかふころの春の山守(藤原信実[続後撰])
33 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 22:05:41 ID:/rsrBKQk
吹く風はやどりもしらず谷川の花のゆくへを行きて恨みむ(道助法親王[続拾遺])
34 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 22:06:39 ID:/rsrBKQk
恨むべき風のやどりをしらねばやちるをば花のうきになすらん(近衛基平[続古今])
35 :
名無氏物語:2007/06/22(金) 22:08:07 ID:/rsrBKQk
今は又花のかげとも頼まれず暮れなばなげの春の日数に(信実[新後撰])
36 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 01:12:18 ID:P6CAjw9f
敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山ざくら花(本居宣長)
37 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 01:16:29 ID:tDF/N15e
いかにしてしばしとどめむ桜花散りなばなげの春の日数を(実雄[続千載])
38 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 01:17:42 ID:tDF/N15e
梅がえに降りつむ雪は鶯の羽風に散るも花かとぞみる(藤原顕輔[千載])
39 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 01:22:12 ID:tDF/N15e
梅が香のたが里わかず匂ふ夜はぬしさだまらぬ春風ぞ吹く(行念[新勅撰])
40 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 01:45:43 ID:tDF/N15e
我がためと聞きやなさまし霍公鳥ぬしさだまらぬ己が初音を(冷泉為相[風雅])
41 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 01:59:58 ID:tDF/N15e
たが里の垣ねもおなじ匂ひとてぬしさだまらぬ梅の下風(宗秀[新千載])
42 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 06:33:39 ID:tDF/N15e
心あてにそれかとばかりつたへきてぬしさだまらぬ夕がほの花(忠守[新続古今])
43 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 09:15:50 ID:tDF/N15e
荒れにけり籬の苔の深緑たがぬぎかけし衣なるらん(後嵯峨院[新続古今])
44 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 09:17:38 ID:tDF/N15e
山人の折る袖にほふ菊の露うちはらふにも千代はへぬべし(藤原俊成[新古今])
45 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 09:18:43 ID:tDF/N15e
わけ過ぐる山ぢの菊の花のかにぬれてもほさぬ袖の白露(二条為定[新後拾遺])
46 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 09:19:49 ID:tDF/N15e
もみぢ葉のちりかひくもる夕時雨いづれか道と秋のゆくらむ(源有長[新勅撰])
47 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 11:22:41 ID:P6CAjw9f
天の原吹きすさみける秋風に走る雲あればたゆたふ雲あり(楫取魚彦)
48 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 23:34:04 ID:tDF/N15e
我が宿の菊の白露万世の秋のためしにおきてこそみめ(清原元輔[続後撰])
49 :
名無氏物語:2007/06/23(土) 23:35:21 ID:tDF/N15e
とくみのり菊の白露夜はおきてつとめて消えんことをしぞ思ふ(慈円[新古今])
50 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 00:21:05 ID:kas2n4v8
しき嶋の やまとごころを 人とはば 朝日ににほふ 山ざくら花(本居宣長)
51 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 04:21:12 ID:OnG5OTa4
忘れじといひしばかりのなごりとてそのよの月はめぐりきにけり(藤原有家[新古今])
52 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 04:22:33 ID:OnG5OTa4
あぢきなく頼めぬ月の影もうしいひしばかりの有明の空(藤原忠良[新続古今])
53 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 06:48:07 ID:OnG5OTa4
いはざりきいまこむまでの空の雲月日へだててものおもへとは(藤原良経[新古今])
54 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 06:52:00 ID:OnG5OTa4
今こむとたのめしことを忘れずはこの夕暮の月や待つらむ(藤原秀能[新古今])
55 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 12:24:35 ID:dbTSkSKW
おほかたに花のすがたを見ましかば露も心のおかれましやは
いづれぞと露の宿りをわかむまに小笹が原に風もこそ吹け(源氏物語「花宴」帖)
56 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 23:11:51 ID:Dggo9LzH
旅人の宿りせむ野に霜降らばわが子はぐぐめ天の鶴群(よみ人しらず・万葉集)
57 :
名無氏物語:2007/06/24(日) 23:13:42 ID:Dggo9LzH
平瀬には小網差し渡し早き瀬に鵜をかづけつつ月に日に然し遊ばね愛しき我が背子(大伴家持・万葉集)
58 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:25:41 ID:xy0E2dgg
今いくか春の山辺にまじりても花の色にはあかずぞあらまし(花山院長親)
59 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:26:40 ID:xy0E2dgg
よしやふけ暮なばなげの桜花ちるをだにみん春の夕風(小澤蘆庵)
60 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:52:06 ID:Pzny8XaN
よとともに野べに心やあくがれんもとあらの萩の花しちらずは(藤原顕季)
61 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:53:16 ID:Pzny8XaN
鶯のはつねを松にさそはれてはるけき野べに千世も経ぬべし(藤原定家)
62 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:54:17 ID:Pzny8XaN
野べに出でて花しちらずは千世もとは幾春秋をながめきつらん(三条西実隆)
63 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:55:33 ID:Pzny8XaN
身をすてぬ心よわさのすることをたれにおほせて世をうらむらん(源有房)
64 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:56:17 ID:Pzny8XaN
思ふどちそこともしらず行暮れぬ花の宿かせのべの鶯(藤原家隆)
65 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:56:59 ID:Pzny8XaN
思ふどち春のかたみにすみれ摘む野原のまとゐ雨はそほ降る(藤原定家)
66 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 14:57:46 ID:Pzny8XaN
たれしかも野べに心のあくがれてそこともいはぬ花をみるらん(順徳院)
67 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:07:19 ID:Ri4x3j2F
今こむと契りしことは夢ながら見し夜に似たる有明の月(源通具[新古今])
68 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:08:29 ID:Ri4x3j2F
今こんと言はぬばかりぞ子規有明の月のむら雨の空(順徳院[続後撰])
69 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:09:55 ID:Ri4x3j2F
頼めてもむなしき空のいつはりにふけゆく月をまちいでつるかな(道助法親王[続後撰])
70 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:11:11 ID:Ri4x3j2F
今こむとたのめし人のいつはりをいくあり明の月に待つらん(宗尊親王[続拾遺])
71 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:12:15 ID:Ri4x3j2F
今こんとたのめぬ夜はの月をだに猶まち出づる在明の空(洞院実雄[続拾遺])
72 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:13:02 ID:Ri4x3j2F
おほ空は梅のにほひにかすみつつくもりもはてぬ春のよの月(藤原定家[新古今])
73 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:15:49 ID:DpFVKyo6
おもふどち野をなつかしみうちむれて春の日ぐらし菫をぞつむ(西園寺実材母)
74 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:16:29 ID:DpFVKyo6
おもふどちむれてぞきつる春の山かすみの袖にたなびかれつつ(三条西実隆)
75 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:17:17 ID:DpFVKyo6
おもふどち春の円ゐのあかぬ野に暮るるも惜しき花の下陰(武者小路実陰)
76 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:18:01 ID:DpFVKyo6
ぬししらぬ香こそ袂に移りぬれ垣ねのうめに春風ぞふく(平忠盛)
77 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:18:48 ID:DpFVKyo6
故郷のみかきが原の藤袴たがぬぎかけしにほひなるらん(宗尊親王)
78 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:19:33 ID:DpFVKyo6
人もがな見せも聞かせも萩の花さく夕かげのひぐらしの声(和泉式部)
79 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:20:15 ID:DpFVKyo6
日ぐらしのなく夕かげの秋萩に露おきかはす大和なでしこ(藤原家隆)
80 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:22:45 ID:RBbUcWOJ
ひぐらしの鳴く木隠れの山かげに夕露にほふ大和撫子(後鳥羽院)
81 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:25:01 ID:RBbUcWOJ
草葉にも哀はかけよ松虫のなく夕かげの秋の初霜(正徹)
82 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:27:47 ID:RBbUcWOJ
きりぎりすなく夕かげの花のうへも心にかへる庭のしら雪(三条西実隆)
83 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:29:15 ID:RBbUcWOJ
きりぎりすなく夕かげの秋風も心にかよふせみのこゑかな(三条西実隆)
84 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:32:36 ID:RBbUcWOJ
きりぎりす鳴く夕かげの山風によわり初めぬる日ぐらしの声(小沢蘆庵)
85 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:37:08 ID:RBbUcWOJ
たづねつつ山ぢの菊を折る袖に露もいく千世おかんとすらん(藤原家隆)
86 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:38:50 ID:RBbUcWOJ
かぎりなき山ぢの菊のかげなれば露もや千世を契りおくらん(藤原定家)
87 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:39:40 ID:RBbUcWOJ
いく千代も結びかさねよ秋の露山ぢの菊のほしあへぬまで(宗良親王)
88 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:43:39 ID:FkXNvYnk
山姫の形見にそむる紅葉ばを袖にこきいるるよもの秋かぜ(藤原定家)
89 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:46:55 ID:FkXNvYnk
もみぢ葉を袖にこきいれてかへりけん人の心のいろをみるかな(藤原雅経)
90 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:48:39 ID:FkXNvYnk
風ふけばこきいれぬ袖もつつむまで都のつとにちるもみぢかな(契沖)
91 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:49:26 ID:FkXNvYnk
白露とおきゐつつのみあるべきをいづちみすてて秋のゆくらむ(和泉式部)
92 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:51:29 ID:FkXNvYnk
今こむと頼めてかはる秋の夜のあくるもしらぬ松虫のこゑ(藤原家隆)
93 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:52:20 ID:FkXNvYnk
山の端に月も待ちいでぬ夜をかさねなほ雲のぼる五月雨の空(藤原定家)
94 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:54:02 ID:FkXNvYnk
かはらずも待ちいでつるかな郭公月にほのめくこぞのふる声(藤原定家)
95 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:58:58 ID:U9lsBM7N
今こむとたのめやはせし郭公ふけぬる夜半をなに恨むらむ(藤原良経)
96 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 15:59:45 ID:U9lsBM7N
長月のありあけの月のあけがたをたれまつ人のながめわぶらむ(藤原良経)
97 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 16:00:46 ID:U9lsBM7N
今こむと頼めやおきし郭公月ぞたちいづる有明の声(後鳥羽院)
98 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 16:01:57 ID:U9lsBM7N
秋もいまはしぐるるほどになりにけり山の木の葉の空にうつろふ(藤原雅経)
99 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 16:04:36 ID:U9lsBM7N
おのれさへうつろふばかりそめてけり山の木の葉の秋のしら露(正徹)
100 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 16:06:44 ID:U9lsBM7N
春風にあかずちりぬる花よりもちぎりしことのはこそわすれね(大江匡房)
101 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 16:11:20 ID:U9lsBM7N
ねになきて我恋ひ死なばうつせみのむなしきからを哀ともみよ(藤原行家)
102 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 17:50:05 ID:t8A8+MSO
おぼつかな谷より出づる鶯のそこにありとはきかするものを(源頼政)
103 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 17:52:02 ID:t8A8+MSO
うぐひすの谷より出づるはつ声にまづ春しるは深山べの里(藤原教長)
104 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 17:53:15 ID:t8A8+MSO
あし引の山のはかすむ明ぼのに谷よりいづる鳥の一こゑ(式子内親王)
105 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 17:55:36 ID:t8A8+MSO
あきらけき御代の春しる鶯も谷よりいづる声きこゆなり(宗良親王)
106 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:04:26 ID:8HVZTFQs
秋の月ちぢに心をくだききてこよひ一よにたへずも有るかな(荒木田氏良[千載])
107 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:06:38 ID:8HVZTFQs
ながむれば千々に物思ふ月に又我が身ひとつの嶺の松風(鴨長明[新古今])
108 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:07:50 ID:8HVZTFQs
妻こふる我が身一つの秋とてや夜な夜な月に鹿の鳴くらん(式乾門院御匣[新続古今])
109 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:09:23 ID:8HVZTFQs
いつまでか我が身ひとつの出がてに故郷かすむ月をみるべき(二条為藤[新千載])
110 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:30:23 ID:h62oisO5
うらやまし谷よりいづる鶯よわが山里は春もしらぬに(後崇光院)
111 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:31:43 ID:h62oisO5
さゆる夜はまだ冬ながら月かげのくもりもはてぬけしきなるかな(藤原定家)
112 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:32:33 ID:h62oisO5
志賀の浦のおぼろ月夜の名残とてくもりもはてぬ曙の空(後鳥羽院)
113 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:33:24 ID:h62oisO5
空も猶おぼろ月夜の比とてやくもりも果てぬ春雨ぞふる(藤原為家)
114 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:35:12 ID:h62oisO5
月影はくもりもはてぬうす雲のたえまがちにもふるあられかな(飛鳥井雅有)
115 :
名無氏物語:2007/06/25(月) 18:36:08 ID:h62oisO5
むらさめはくもりもはてぬひとそそきはれ行く空に鳴く郭公(進子内親王)
116 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 10:34:06 ID:xVQzqiHk
ケツの穴舐めさせアナルはすべすべにチンポもおかげでビンビンぞなもし
117 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 13:39:22 ID:Wi7ntn85
月ぞ猶くもりもはてぬ山のははあるかなきかにかすむ夕べに(頓阿)
118 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 13:40:46 ID:Wi7ntn85
ながめやる遠の高ねの花の色にくもりも果てぬ夕月夜かな(慶運)
119 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 13:42:58 ID:Wi7ntn85
てりもせずくもりもはてぬ冬の日の空ゆく雲はうちしぐれつつ(宗良親王)
120 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 13:43:49 ID:Wi7ntn85
かすみつつくもりもはてずながき日に朧月夜を待ちくらしぬる(飛鳥井雅親)
121 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:12:20 ID:HqtL35t1
長月の有明の月夜ありつつも君が来まさば吾恋ひめやも(作者不明「万葉集」巻十」
122 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:15:39 ID:HqtL35t1
今こむといひてわかれしあしたより思ひくらしのねをのみぞなく(遍昭「古今集」)
123 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:16:48 ID:HqtL35t1
今こむと言ひしばかりを命にて待つにけぬべしさくさめの刀自(作者不詳「後撰集」)
124 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:23:44 ID:ToQIFnYE
夕立の菊のしをれ葉はらふとて花まちどほに人やあざける(藤原定家)
125 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:25:24 ID:ToQIFnYE
今朝みれば垣ねの菊もうつろひぬ花まちどほにいつ思ひけん(土御門院小宰相)
126 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:26:17 ID:ToQIFnYE
詠むればいとど物こそかなしけれ月は浮世のほかと聞きしに(俊恵)
127 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:27:48 ID:ToQIFnYE
夕霧も心のそこにむせびつつわが身ひとつの秋ぞ更けゆく(式子内親王)
128 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:28:39 ID:ToQIFnYE
いく秋を千々にくだけて過ぎぬらん我が身ひとつを月にうれへて(藤原定家)
129 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:30:42 ID:ToQIFnYE
秋をへて昔は遠き大空に我が身ひとつのもとの月影(藤原定家)
130 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:31:38 ID:ToQIFnYE
千々におもふ心は月にふけにけり我が身ひとつの秋とながめて(藤原忠良)
131 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:53:30 ID:r+S6itE8
ちぢにのみ思ふ思ひも心からわが身ひとつの秋の夜の月(飛鳥井雅経)
132 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:56:57 ID:r+S6itE8
月かげをわが身ひとつとながむれば千々にくだくる萩のうへの露(後鳥羽院)
133 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:58:37 ID:r+S6itE8
月みても千々にくだくる心かな我が身ひとつの昔ならねど(俊成卿女)
134 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 14:59:32 ID:r+S6itE8
年を経て我が身ひとつと歎きても見れば忘るる秋の夜の月(藤原為家)
135 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:07:20 ID:LxRn91is
わきてなほふけゆく影のさやけきは西こそ秋と月やすむらん(源資平[続古今])
136 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:08:04 ID:LxRn91is
都より尋ねてきけば小倉山西こそ秋と鹿もなくなれ(津守国冬[新後撰])
137 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:09:33 ID:LxRn91is
しるべせよ跡なき波に漕ぐ舟の行方もしらぬ八重の潮風(式子内親王[新古今])
138 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:11:04 ID:LxRn91is
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりもしらぬ沖つ潮風(藤原良経[新古今])
139 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:11:58 ID:LxRn91is
桜がり雨はふりきぬ同じくは濡るとも花の蔭に隠れん(読人不知[拾遺])
140 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:12:49 ID:LxRn91is
いつしかと荻の葉むけの片寄にそそや秋とぞ風も聞こゆる(崇徳院[新古今])
141 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:40:41 ID:qsxI9U0W
我ひとり月に向かふと思ひけりこよひの月を誰か見ざらむ(香川景樹)
142 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:42:47 ID:qsxI9U0W
をぐら山西こそ秋とたづぬれば夕日にまがふ峰のもみぢば(藤原家隆)
143 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:44:49 ID:qsxI9U0W
すずしさを月に吹きこせ住の江や西こそ秋のおきつ塩風(肖柏)
144 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:46:42 ID:qsxI9U0W
尋ねみんさぞな涼しき大井川西こそ秋の水のみなかみ(木下長嘯子)
145 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:48:46 ID:qsxI9U0W
夕まぐれほのみるからに悲しきは西こそ秋の初月の影(下河辺長流)
146 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:51:05 ID:qsxI9U0W
のどけしな西こそ秋のおなじえをわかずも春ににほふむめがか(中院通茂)
147 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 15:51:47 ID:qsxI9U0W
都へとさそふしるべもしら波のあとなきかたに月ぞやどれる(如願)
148 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 16:01:46 ID:oC+/WAe2
おなじ枝をわきて木の葉のうつろふは西こそ秋のはじめなりけれ(古今255)
149 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 16:02:33 ID:oC+/WAe2
白浪のあとなき方に行く舟も風ぞたよりのしるべなりける(古今472)
150 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 17:19:26 ID:JtrjecCv
来むというも来ぬ時あるを来じというを来むとは待たじ来じというものを(坂上郎女)
151 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 17:58:28 ID:AHNUzaRR
浅茅生の露けくもあるか秋きぬと目にはさやかに見えけるものを(守覚法親王[千載])
152 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 17:59:25 ID:AHNUzaRR
窓近きいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢(藤原公継[新古今])
153 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:00:39 ID:AHNUzaRR
吹く風の色こそ見えね高砂の尾の上の松に秋は来にけり(藤原秀能[新古今])
154 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:03:37 ID:AHNUzaRR
吹く風の竹になるよは秋きぬとおどろくばかり袖にすずしき(源有房[玉葉])
155 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:04:46 ID:AHNUzaRR
あは雪はふりもやまなんまだきよりまたるる花のちるとまがふに(藤原為家[玉葉])
156 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:11:05 ID:Zf1zvjK8
春くれば霞をおのがたよりとてあとなきかたにかへる雁金(藤原為家)
157 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:11:53 ID:Zf1zvjK8
うき雲の跡なき方にしぐるるは風をたよりの木の葉なりけり(宗尊親王)
158 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:12:41 ID:Zf1zvjK8
荻の葉に風ぞたよりの音たててものおもふ秋のしるべなりける(宗尊親王)
159 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:14:48 ID:Zf1zvjK8
和田の原かぎりもいとど白波の跡なきかたにたつ霞かな(頓阿)
160 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:15:35 ID:Zf1zvjK8
山里は風ぞたよりのしるべとも梅が香にほふ比やしるらん(宗良親王)
161 :
名無氏物語:2007/06/26(火) 18:16:22 ID:Zf1zvjK8
おのれかつちるを雪とや思ふらんみのしろごろも花もきてけり(源俊頼)
162 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:22:38 ID:gktxL92A
雪のうちに春をきたりとしらするはみのしろ衣梅の花がさ(藤原定家)
163 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:23:47 ID:gktxL92A
旅人のみのしろ衣うちはらひふぶきをわたる雲のかけはし(藤原良経)
164 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:31:10 ID:gktxL92A
秋きぬと荻の葉風にしられても春の別れやおどろかるらん(藤原俊成)
165 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:38:06 ID:O4AJDpEE
秋きぬと風やつぐらん朝まだきまがきの荻のそよとこたふる(平忠盛)
166 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:40:21 ID:O4AJDpEE
秋きぬとおどろかれけり窓ちかくいささ群竹かぜそよぐ夜は(藤原実定)
167 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:41:33 ID:O4AJDpEE
秋きぬと荻の葉風のつげしより思ひしことのただならぬ暮(式子内親王)
168 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:42:46 ID:O4AJDpEE
秋きぬとおどろく風をたづぬれば目にさやかなる萩のうは葉を(慈円)
169 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:43:50 ID:O4AJDpEE
風の音はいまとほ山の木の間より目にはさやかに月ぞもりくる(藤原家隆)
170 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:45:21 ID:O4AJDpEE
秋きぬと荻の葉風はなのるなり人こそとはねたそかれの空(藤原定家)
171 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:46:14 ID:O4AJDpEE
なほざりの秋風よりも木枯のめに見ぬ冬ぞおどろかれぬる(飛鳥井雅世)
172 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:50:29 ID:BV+I11ba
荻の葉のうちそよぐにも秋きぬとおどろかれぬる人のわかれぢ(木下長嘯子)
173 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:51:34 ID:BV+I11ba
目にも見えずわたらふ秋は栗の木のなりたる毬のつばらつばらに(長塚節)
174 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:52:37 ID:BV+I11ba
木のもとにやどりはすべし桜花ちらまくをしみ旅ならなくに(源実朝)
175 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:53:51 ID:BV+I11ba
よそに見てをらでは過ぎじ女郎花名をむつましみ露にぬるとも(源実朝)
176 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:54:45 ID:BV+I11ba
藤ばかまきてぬぎかけし主やたれとへどこたへず野べの秋風(源実朝)
177 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:55:58 ID:BV+I11ba
ぬぎかけし主はたれともしらねども一野にたてる藤ばかまかな(大江匡房)
178 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:56:40 ID:BV+I11ba
つゆのそめて色色になすもみぢ葉のまたいろいろに露をそむらむ(慈円)
179 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 09:57:44 ID:BV+I11ba
波の音に宇治のさと人よるさへや寝てもあやふき夢の浮橋(藤原定家)
180 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 10:14:30 ID:+MFo/64F
恋ひわびてうちぬる宵の夢にだに逢ふとは人の見えばこそあらめ(藤原成範[千載])
181 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 10:19:44 ID:+MFo/64F
いかにしてうつつの憂さとなりにけん見しや昔の夢の通ひ路(宗尊親王[続拾遺])
182 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 10:21:57 ID:+MFo/64F
はかなしなみつの浜松おのづから見えこし夢の浪の通ひ路(藤原家隆[続拾遺])
183 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 10:23:26 ID:+MFo/64F
見し人の面影とめよ清見潟袖にせきもる波の通ひ路(藤原雅経[新古今])
184 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 10:24:19 ID:+MFo/64F
立田川岩こす浪のこほるかとまだき無き名の月にみゆらん(親子[続拾遺])
185 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 10:25:15 ID:+MFo/64F
繁き野をいく一むらに分けなしてさらに昔を忍びかへさむ(西行[新古今])
186 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:20:02 ID:xiuUdVbz
住の江の松のねたくやよる浪のよるとはなげく夢をだに見で(藤原定家)
187 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:21:17 ID:xiuUdVbz
松かげや岸による浪よるばかりしばしぞ涼む住吉の浜(藤原定家)
188 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:22:31 ID:xiuUdVbz
すがはらやふしみの里のささ枕夢もいくよの人めよくらん(順徳院)
189 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:23:56 ID:xiuUdVbz
住の江の浪の通ひ路たがために春は霞の人めよくらん(藤原為家)
190 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:25:17 ID:xiuUdVbz
よし野河きしによる波山吹の花を名残の春なさそひそ(肖柏)
191 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:34:15 ID:LQjg6m39
五月雨はさてもくれにきつれづれのながめにまさる昨日今日かな(和泉式部)
192 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:35:28 ID:LQjg6m39
なみだ川ながめにまさる袖のうへにせきかぬばかり人ぞ恋しき(藤原家隆)
193 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:42:24 ID:LQjg6m39
八大かたのながめにまさるたもとかな軒のしのぶの秋の村雨(順徳院)
194 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:49:24 ID:LQjg6m39
あやなしや恋すてふ名はたつた川袖をぞくくるくれなゐの波(藤原俊成)
195 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:53:02 ID:LQjg6m39
行く水のあはれとぞ思ふ三瀬川わたらでやまん人しなければ(慶運)
196 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 14:56:23 ID:LQjg6m39
人もとへ荒れなむのちの虫の音も植ゑおく薄秋し絶えずは(藤原定家)
197 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 15:04:05 ID:LQjg6m39
むら薄植ゑけむ跡も古りにけり雲井を近くまもる住処に(藤原定家)
198 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 23:41:49 ID:uWkWgCly
初時雨そめしもみぢの唐錦にはにうちはふ風ぞしくめる(藤原教長)
199 :
名無氏物語:2007/06/27(水) 23:42:45 ID:uWkWgCly
稲筵ほなみはるかに打ちなびきおきふしみえて風ぞしくめる(二条為明)
200 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:00:28 ID:xHSbtxbx
日のひかり薮し分かねばいそのかみふりにし里に花もさきけり(古今870)
201 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:02:17 ID:6QMuo9vR
しりにけむききてもいとへ世の中は波のさわぎに風ぞしくめる(古今946)
202 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:37:51 ID:sKeKQZp1
薮し分かぬ春とやなれも花の咲くその名もしらぬ山の下草(花園院[風雅])
203 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:38:50 ID:sKeKQZp1
もる山の時雨の秋を見てしがな心づからや紅葉はつると(藤原定家[拾遺愚草])
204 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:39:48 ID:sKeKQZp1
このねぬる朝けの風も心あらば花のあたりをよきて吹かなん(九条道家[続後撰])
205 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:41:10 ID:sKeKQZp1
たちまよふ吉野の桜よきて吹け雲に待たるる春の山風(九条教実[新勅撰])
206 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:43:14 ID:sKeKQZp1
心から散るといふ名の惜しければうつろふ花に風もいとはず(藤原為理[新後撰])
207 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:58:25 ID:leHvuCi8
よしや人みまれ見ずまれ今はただめづらしげなき恋の煙を(後嵯峨院)
208 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 00:59:29 ID:leHvuCi8
月影をみまれみずまれ秋といへばめづらしげなく落つるなみだか(宗尊親王)
209 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:01:42 ID:leHvuCi8
花の色はみまれみずまれ分けゆかんかすめる山に風にほふなり(宗良親王)
210 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:03:57 ID:leHvuCi8
すはの海や氷のうへは霞めども猶うちいでぬ春のしら浪(宗良親王)
211 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:05:19 ID:leHvuCi8
いはそそぐ清水も春の声たてて打ちてや出づる谷の早蕨(藤原定家)
212 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:06:20 ID:leHvuCi8
吉野山かすまぬ方の谷水も打ち出づる波に春は立つなり(藤原定家)
213 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:07:13 ID:leHvuCi8
おく霜の氷吹きとく松風にうちいづる波や梅の初花(正徹)
214 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:11:02 ID:Yll1T6YY
ありはてぬ命をさぞと知りながらはかなくも世を明け暮らす哉(藤原定家)
215 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:12:35 ID:Yll1T6YY
暁の鳥よりさきに鳴きそめてなれも別れや惜しむ雁金(後水尾院)
216 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:13:27 ID:Yll1T6YY
たえしとき心にかなふ物ならば我が玉の緒によりかへてまし(和泉式部)
217 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:15:24 ID:Yll1T6YY
うぐひすの物うかるねに鳴くなるは春にしられぬ宿の印か(俊恵)
218 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:17:53 ID:Yll1T6YY
ももちどりさへづりくらす春の日を物うかるねにうちながめつつ(藤原雅経)
219 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:19:28 ID:Yll1T6YY
鶯の物うかる音にうらぶれて野上の方に春ぞ暮れ行く(宗尊親王)
220 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 01:23:56 ID:Yll1T6YY
鶯のものうかるねになかぬまで花とぞみゆる野べの淡雪(木下長嘯子)
221 :
名無氏物語:2007/06/28(木) 14:18:30 ID:gPgixCIB
春風は花のあたりをよきてふけ心づからやうつろふと見む(古今85)
222 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 04:28:29 ID:U+xwo+Pp
うつろふも心づからの花ならばさそふ嵐をいかがうらみん(伏見院[続千載])
223 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 04:29:29 ID:U+xwo+Pp
谷川のうち出づる波も声たてつ鶯さそへ春の山風(藤原家隆[新古今])
224 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 04:30:21 ID:U+xwo+Pp
谷川をうち出づる波にみし花の峰の梢になりにけるかな(藤原良経[続後拾遺])
225 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 04:31:02 ID:U+xwo+Pp
花に飽かでつひに消えなば山桜あたりをさらぬ霞とならん(藤原俊成[風雅])
226 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 04:33:17 ID:U+xwo+Pp
花すすきまだ露ふかし穂に出でて眺めじと思ふ秋のさかりを(式子内親王[新古今])
227 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 04:36:48 ID:U+xwo+Pp
白川のたえぬ流れを尋ねきて万代契る友千鳥かな(覚助法親王[新千載])
228 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 05:00:41 ID:HlPoaDe0
白河のしらずともいはじ底きよみながれて世々にすまむと思へば(古今666)
229 :
名無氏物語:2007/06/29(金) 23:20:51 ID:BuaN1/JZ
風わたる浅茅が末の露にだに宿りも果てぬ宵の稲妻(藤原有家・新古今集)
230 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 02:49:23 ID:qIpf2YbT
我が恋はしる人もなしせく床の涙もらすな黄楊のを枕(式子内親王[新古今])
231 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 02:51:00 ID:qIpf2YbT
忍びあまり落つる涙をせき返し抑ふる袖ようき名もらすな(読人不知[新古今])
232 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 02:53:21 ID:qIpf2YbT
葛の葉にあらぬ我が身も秋風の吹くにつけつつ恨みつるかな(村上天皇[新古今])
233 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 02:54:55 ID:qIpf2YbT
葛の葉の恨みにかへる夢の世を忘れがたみの野辺の秋風(俊成卿女[新古今])
234 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 02:55:15 ID:OQDuXXLX
埴生坂我が立ち見ればかぎろひの燃ゆる家群妻が家のあたり(履中天皇)
235 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 03:17:16 ID:qIpf2YbT
今よりの秋の夜風やいかならむ今朝だに葛のうらみ顔なる(寂蓮[続後撰])
236 :
名無氏物語:2007/06/30(土) 03:18:39 ID:qIpf2YbT
かからずは何か別れのをしからむなれぬるばかり悔しきはなし(安喜門院大弐[玉葉])
237 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:13:01 ID:Non6Bdbu
旅衣みやこの月のおくらずはなにか別れのかたみならまし(頓阿[新続古今])
238 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:17:13 ID:Non6Bdbu
穂に出でてまねくとならば花薄過ぎ行く秋をえやは止めぬ(教長[風雅])
239 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:18:09 ID:Non6Bdbu
ももしきの大宮人もむれゐつつこぞとや今日をあすはかたらん(藤原師氏[新勅撰])
240 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:23:56 ID:Non6Bdbu
草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする(源通具[新古今])
241 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:42:18 ID:I71ilL3N
花すすき草の袂もくちはてぬ馴れて別れし秋を恋ふとて(藤原定家)
242 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:43:26 ID:I71ilL3N
年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かかれる峰のしら雲(藤原俊成)
243 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 04:46:17 ID:I71ilL3N
鶯もまだ出でやらぬ春の雲ことしともいはず山風ぞ吹く(藤原定家)
244 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:40:52 ID:aN8mmtNy
年のうちに餅はつきけり一年をこぞとや食はん今年とや食はん(二条良基)
245 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:42:57 ID:aN8mmtNy
いづこぞと梅がか深し年の内も立枝尋ねて春風やふく(武者小路実陰)
246 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:43:56 ID:aN8mmtNy
年のうちに春きぬめりと梅やさく梅さけりとて春やきぬらん(小沢蘆庵)
247 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:50:56 ID:JCu9zj/P
はかなくもなにをしむらん行く年のとどまらなくにせく涙かな(如願)
248 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:52:14 ID:JCu9zj/P
くらま山月のひかりのあかければいかなりし夜のなにかとぞみる(赤染衛門)
249 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:53:46 ID:JCu9zj/P
このやどに雪も我が身もふりはてぬ明けぬ暮れぬとつもるながめに(伏見院)
250 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 05:54:40 ID:JCu9zj/P
春の野の若菜つむとて塩法の坂のこなたにこの日暮らしつ(良寛)
251 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 10:52:25 ID:X0abgftP
ただ百済ねえ,分けのわからねえ言葉を並べて,どこが楽しいんかエ?
このスレは,最低につまらねえぞ,クソ以下だ。
252 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 17:39:59 ID:rCdJbmm3
年のうちに春はきにけりひととせをこぞとやいはん今年とやいはん(古今1)
253 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 18:05:58 ID:ArQdjifY
おほぞらの月のひかりしあかければ槙の板戸も秋はさされず(源為善[後拾遺])
254 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 18:07:12 ID:ArQdjifY
白妙に雪もわが身もふりはてぬあはれ名残の有明の月(西園寺公経[続古今])
255 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 18:08:05 ID:ArQdjifY
都には聞ふりぬらん郭公関のこなたの身こそつらけれ(藤原実方[続後撰])
256 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 18:11:21 ID:ArQdjifY
音羽河雪げの波も岩こえて関のこなたに春はきにけり(藤原定家[続古今])
257 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 18:18:16 ID:ArQdjifY
今朝かはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
258 :
名無氏物語:2007/07/02(月) 04:31:26 ID:V8wUC7LJ
逢ふことのなぎさなればや都鳥かよひし跡も絶えて問ひこず(道長[続後撰])
259 :
名無氏物語:2007/07/02(月) 04:33:51 ID:V8wUC7LJ
逢ふことのなぎさにひろふ石なれや見れば涙のまづかかるらん(輔相[新拾遺])
260 :
名無氏物語:2007/07/02(月) 04:36:49 ID:V8wUC7LJ
武蔵野や人の心のあさ露につらぬきとめぬ袖の白玉(九条道家[新勅撰])
261 :
名無氏物語:2007/07/02(月) 04:41:06 ID:V8wUC7LJ
紅葉せぬときはの山に住む鹿はおのれ鳴きてや秋を知るらん(大中臣能宣[拾遺])
262 :
名無氏物語:2007/07/02(月) 04:43:44 ID:V8wUC7LJ
花咲かぬときはの山のうぐひすは霞を見てや春をしらなん(大中臣能宣[新千載])
263 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 01:36:57 ID:L9TDZb/Y
雲ゐよりつらぬきかくる白玉をたれ布引の滝といひけん(藤原隆季)
264 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 01:38:20 ID:L9TDZb/Y
白露のつらぬきかくるときにこそ玉柳とはいふべかりけれ(藤原教長)
265 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 01:39:01 ID:L9TDZb/Y
春くればみどりの糸の筋ごとにつらぬきかくる玉柳かな(花園左大臣家小大進)
266 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 01:49:03 ID:OASPu/kP
朝まだきくるすのをののいと萩につらぬきかくる露のしら玉(藤原範光)
267 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 01:51:03 ID:OASPu/kP
糸萩のなみよるばかりおく露はつらぬきかくる玉かとぞ見る(皇后宮摂津)
268 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 01:53:14 ID:OASPu/kP
野辺ごとにたれにみせんとささがにのつらぬきかくる萩の白露(藤原為家)
269 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:05:22 ID:OASPu/kP
てづくりやさらすかきねの朝露をつらぬきとめぬ玉川の里(藤原定家)
270 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:07:39 ID:OASPu/kP
むさし野につらぬきとめぬ白露の草はみながら月ぞこぼるる(藤原定家)
271 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:10:41 ID:OASPu/kP
山風にあられうちちる音はしてつらぬきとめぬ庭の玉笹(三条西実隆)
272 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:13:13 ID:OASPu/kP
露むすぶみどりの糸に風絶えてつらぬきとむる玉のを柳(木下長嘯子)
273 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:44:04 ID:B+y774tU
紅葉せぬときはの山は吹く風のおとにや秋をききわたるらん(大中臣能宣[拾遺])
274 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:46:20 ID:B+y774tU
秋来れば常磐の山の松風もうつるばかりに身にぞしみける(和泉式部[新古今])
275 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:47:40 ID:B+y774tU
浅みどり霞める空のけしきにやときはの山も春をしらなん(少将公教母[金葉])
276 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:50:38 ID:B+y774tU
橘にあやめの枕にほふ夜ぞ昔をしのぶかぎりなりける(藤原俊成[新後撰])
277 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:51:47 ID:B+y774tU
山ざとの暁がたの鹿のねは夜はのあはれのかぎりなりけり(慈円[千載])
278 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 02:52:44 ID:B+y774tU
ひとめさへ霜がれにける宿なればいとど有明の月ぞさびしき(具平親王[玉葉])
279 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:00:51 ID:J2I4Z3pm
まくず原露も玉まく夕風につらぬきとめぬ秋ぞちりける(松永貞徳)
280 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:01:35 ID:J2I4Z3pm
わが為はつむもひろふもしるしなき恋わすれ草恋わすれ貝(下河辺長流)
281 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:02:38 ID:J2I4Z3pm
いつしかと人めも草も枯れねとやおろす嵐の今朝ははげしき(俊恵)
282 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:10:05 ID:PR5Avh3B
霜おかぬ人めも今はかれはてて松にとひくる風ぞかはらぬ(藤原有家)
283 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:11:29 ID:PR5Avh3B
春も又かれし人めにまちわびぬ草葉はしげる雨につけても(藤原定家)
284 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:12:41 ID:PR5Avh3B
人目さへいとど深草かれぬとや冬待つしもに鶉なくらん(藤原定家)
285 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:14:42 ID:PR5Avh3B
宿からぞ都の内もさびしさは人目かれにし庭の月かげ(藤原定家)
286 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:18:53 ID:PR5Avh3B
夢路まで人目はかれぬ草の原おきあかす霜にむすぼほれつつ(藤原定家)
287 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:21:01 ID:PR5Avh3B
我が宿は人目も草も草は猶かれても立てる心ながさよ(藤原定家)
288 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 03:23:42 ID:PR5Avh3B
庭しげき草葉の下の道たえてとはぬ人めは夏もかれけり(藤原定家)
289 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 13:49:32 ID:TRbb4e7G
花ちればやがて人目もかれはつる深山の里の春のくれがた(藤原良経)
290 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 13:50:40 ID:TRbb4e7G
いつとてもかかる人目の山里は草の原にぞ冬はしりける(藤原為家)
291 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 13:51:57 ID:TRbb4e7G
山里はしらぬ人目もいまさらに霜にかれゆく庭の冬草(藤原為家)
292 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:13:16 ID:E2fhPmAs
あはれまた人めも草も枯れにけりみ山の庵ぞ秋はさびしき(順徳院)
293 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:14:35 ID:E2fhPmAs
垣ねなる草も人めも霜がれぬ秋のとなりや遠ざかるらん(後嵯峨院)
294 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:20:04 ID:E2fhPmAs
我すめば人めもかれず山里に猶ききすてぬ朝まつりごと(後宇多院)
295 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:23:49 ID:E2fhPmAs
たまさかの人めも草も秋はなほ跡見えし庭に峰のこがらし(宗祇)
296 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:26:03 ID:E2fhPmAs
たれかとふ冬ぞさびしさまさ木ちる外山の庵は風にまかせて(木下長嘯子)
297 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:27:21 ID:E2fhPmAs
木の葉ちる人めもかれて山里の四の時には冬こそありけれ(木下長嘯子)
298 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 14:29:35 ID:E2fhPmAs
秋くれて冬ぞさびしさわすれけるみ雪ちりぼひ梅かをるころ(小沢蘆庵)
299 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 20:56:54 ID:+p4aGEQn
夕立のはれゆく峰の木の間より入日涼しき露の玉ざさ(後鳥羽院・続拾遺集)
300 :
名無氏物語:2007/07/03(火) 21:00:42 ID:+p4aGEQn
露ふかき庭のあさぢに風過ぎて名残すずしき夕立の空(京極為教・続拾遺集)
301 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:33:20 ID:BsnMj2qp
海神の豊旗雲に入日さしこよいの月夜まさやかにこそ(中大兄皇子)
302 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:34:08 ID:BsnMj2qp
わたつみの豊旗雲に入日さしこよいの月夜まさやかにこそ(中大兄皇子)
303 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:36:55 ID:7AuQAkXk
年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かかれる峰の白雪(藤原俊成)
304 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:37:38 ID:7AuQAkXk
夏きぬといふばかりにやあしびきの山も霞の衣かふらむ(藤原良経)
305 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:38:25 ID:7AuQAkXk
春たつといふばかり見しいづくとて行手に霞むのべの曙(藤原家隆)
306 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:53:34 ID:nUM2Out0
み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春はきにけり(藤原良経[新古今])
307 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:55:13 ID:nUM2Out0
うちきらし猶ふる雪も春たつといふばかりにや花とみゆらん(藤原家経[玉葉])
308 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 12:57:36 ID:nUM2Out0
桜花今やさくらんみ吉野の山もかすみて春雨ぞふる(後円融院[新後拾遺])
309 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 13:05:21 ID:nUM2Out0
ひとりぬる我にてしりぬ池水につがはぬ鴛鴦のおもふ心を(藤原公実[千載])
310 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 13:14:05 ID:nUM2Out0
夢よりもはかなきものはかげろふのほのかに見えしかげにぞありける(読人不知[拾遺])
311 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 13:20:13 ID:nUM2Out0
おほあらきのもりのした草おいぬれば駒もすさめずかる人もなし(読人不知[古今])
312 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 14:14:22 ID:q/lDcpCb
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313 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 00:48:27 ID:C0YtHISp
春たつといふばかりなる月日にてけふより空や霞みそむらむ(藤原雅経)
314 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 00:50:16 ID:C0YtHISp
花はただなほ白雲に霞みぬといふばかりにやみ吉野の山(藤原雅経)
315 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 00:51:07 ID:C0YtHISp
春たつといふばかりには霞めども猶雪ふかしみ吉野の山(宗良親王)
316 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 00:51:52 ID:C0YtHISp
冬きぬと人はいへども朝氷むすばぬほどはあらじとぞおもふ(曾禰好忠)
317 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 00:55:22 ID:HkrobpN8
郭公なかぬかぎりはたちばなのにほふ垣ねぞ人だのめなる(兼好)
318 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:04:53 ID:HkrobpN8
なぐさめぬ我にてしりぬよの人もかくやみるらん秋のよの月(宗尊親王)
319 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:06:36 ID:HkrobpN8
立ちかへり我にてしりぬうらみわびなやます花の心づくしを(木下長嘯子)
320 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:08:21 ID:HkrobpN8
暮るるかとおもへば明けぬ兼てよりいづら待ちつる秋の一よは(俊恵)
321 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:09:43 ID:HkrobpN8
暮るるかとみれば明けぬる山のはにかたぶくほども夏の夜の月(後鳥羽院)
322 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:39:15 ID:P6nv/a4x
きのふとやけふとやいはん暮るるかとみればあかしの浦の月影(藤原為家)
323 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:50:17 ID:P6nv/a4x
暮るるかとみしは霞のくもるにて夜になる程の雨ぞ日ながき(中院通勝)
324 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:52:50 ID:P6nv/a4x
袖の香の花にやどかれほととぎすいまもこひしき昔とおもはば(藤原定家)
325 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:54:57 ID:P6nv/a4x
月かげはうつつながらに夢よりもはかなきものと短夜の空(飛鳥井雅有)
326 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 01:56:33 ID:P6nv/a4x
夢よりもけにはかなしやおもひつつぬればとたのむ心よわさは(堯孝)
327 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:00:34 ID:F7ftI0nx
時しあれば夜を長月の夢よりもうつつはかなく暮るる秋かな(正徹)
328 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:02:35 ID:F7ftI0nx
夢よりもはかなき夢におき出でてかへる空にぞ鳥も鳴きける(三条西実隆)
329 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:03:34 ID:F7ftI0nx
夏はつる扇に露もおきそめてみそぎすずしきかもの川かぜ(藤原定家)
330 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:04:42 ID:F7ftI0nx
夏はつるあふぎのさきにおきそめて草葉ならはす秋の白露(藤原為家)
331 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:05:49 ID:F7ftI0nx
夏はつるあふぎの風にみを秋の涙の露やさきにおくらん(足利義教)
332 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:06:50 ID:F7ftI0nx
よひの間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空(鴨長明)
333 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:09:02 ID:F7ftI0nx
久方の月の桂のしたもみぢ宿借る袖ぞ色にいでゆく(藤原定家)
334 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:21:06 ID:MLzVVyfi
夏の夜の月の桂の下紅葉かつがつ秋の光をぞまつ(二条院讃岐[新続古今])
335 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:23:12 ID:MLzVVyfi
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(俊成卿女[新古今])
336 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:24:17 ID:MLzVVyfi
秋の色を払ひはててや久かたの月の桂に木枯しの風(藤原雅経[新古今])
337 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 02:26:55 ID:MLzVVyfi
見るままに色かはりゆく久方の月の桂の秋のもみぢ葉(藤原資季[新勅撰])
338 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:03:53 ID:UNKjUM6/
紅葉する月のかつらにさそはれて下のなげきも色ぞうつろふ(藤原定家)
339 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:05:25 ID:UNKjUM6/
ながめつつ月の桂の紅葉葉は時雨せぬにぞ秋まさりける(順徳院)
340 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:18:07 ID:UNKjUM6/
照りまさる月の桂のもみぢばはちらぬ高根に秋風ぞふく(正徹)
341 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:21:00 ID:UNKjUM6/
秋くればいなおほせ鳥の涙かも草の葉ごとに露ぞこぼるる(二条太皇太后宮大弐)
342 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:40:33 ID:YRawCuKL
露けさもおのが涙か秋の田のいなおほせ鳥はなかずもあらなむ(藤原為家)
343 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:46:58 ID:YRawCuKL
露ならぬいなおほせ鳥の涙さへさもひちまさる秋の袖かな(藤原知家)
344 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:48:05 ID:YRawCuKL
秋の田は涙ならでも置く露をいなおほせ鳥におほせつるかな(宗良親王)
345 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:49:28 ID:YRawCuKL
霞分け入りにし人の音信も花にほどふるみよしのの山(藤原家隆)
346 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 14:50:29 ID:YRawCuKL
よしの山いりにし人のおとづれもたえてひさしき雪のかよひ路(順徳院)
347 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 18:04:49 ID:QOlQkZd3
なく鹿の声にめざめて偲ぶかな見はてぬ夢の秋の思ひを(慈円[新古今])
348 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 18:05:56 ID:QOlQkZd3
山里は秋の寝覚ぞあはれなるそことも知らぬ鹿の鳴くねに(後白河院[続古今])
349 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 18:07:41 ID:QOlQkZd3
侘び人の秋の寝覚はかなしきに鹿の音遠き山里も哉(今出河院近衛[続千載])
350 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 18:08:34 ID:QOlQkZd3
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ(斎宮女御[拾遺])
351 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 18:09:49 ID:QOlQkZd3
袖におく露をば露と忍べどもなれゆく月や色を知るらむ(源通具[新古今])
352 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:16:31 ID:chy/LJCm
吉野山嶺の白雪踏み分けて入りにし人の跡ぞ恋しき(静御前)
353 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:17:30 ID:chy/LJCm
さきいでて花に世やうき吉野山入りにし人のあとうづむなり(正徹)
354 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:21:11 ID:8LlW5/qP
下もゆる雪間の草のめづらしく我が思ふ人にあひ見てしがな(和泉式部)
355 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:24:42 ID:8LlW5/qP
山の端に待たれて出づる月影のはつかに見えし夜半の恋しさ(藤原定家)
356 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:26:06 ID:8LlW5/qP
枕とて草のはつかに結べども夢もみじかき春のうたた寝(藤原定家)
357 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:28:22 ID:8LlW5/qP
有明のつれなく見えし浅茅生におのれも名のみまつむしのこゑ(家隆)
358 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:33:15 ID:8LlW5/qP
おほかたの月もつれなき鐘の音に猶うらめしき有明の空(藤原定家)
359 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:35:29 ID:8LlW5/qP
花の香も霞みてしたふ有明をつれなく見えてかへる雁がね(藤原定家)
360 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:36:52 ID:8LlW5/qP
面影も待つ夜むなしき別れにてつれなく見ゆる有明の空(藤原定家)
361 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:48:24 ID:gZCh+vAL
今よりの露をばつゆと荻の葉に涙かつ散る秋風ぞ吹く(津守国助[続拾遺])
362 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:49:10 ID:gZCh+vAL
袖の上の露をばつゆと払ひても涙数そふ秋の夕暮(道応[新後拾遺])
363 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:50:30 ID:gZCh+vAL
芳野山今朝ふる雪やつもるらん入りにし人の跡だにもなし(土御門院[新続古今])
364 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:56:54 ID:gZCh+vAL
かた岡の雪まにねざす若草のほのかに見てし人ぞ恋しき(曽禰好忠[新古今])
365 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:57:36 ID:gZCh+vAL
跡をだに草のはつかに見てしがな結ぶばかりの程ならずとも(和泉式部[新古今])
366 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:09:25 ID:UODDWujg
有明のあかつきよりも憂かりけり星のまぎれの宵のわかれは(藤原定家)
367 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:10:23 ID:UODDWujg
おもかげを幾夜の月にのこすらんつれなくみえし人の名残に(後鳥羽院)
368 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:11:10 ID:UODDWujg
有明のつれなく見えし空のみやなれし名残のかたみなるべき(後鳥羽院)
369 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:14:55 ID:cKEkXvVr
起き別れつれなくみえしあかつきの憂かりし空ぞかたみなりける(藤原秀能)
370 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:15:28 ID:cKEkXvVr
私語の尽くべき秋の一夜かは七夕ばかり憂き中はなし(耕雲)
371 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:16:25 ID:cKEkXvVr
つれなくて有明過ぎぬ郭公この三か月にきえし一こゑ(正徹)
372 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:17:18 ID:cKEkXvVr
つれなさの面影かくせ三か月のわれて又みる有明の雲(正徹)
373 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:18:24 ID:cKEkXvVr
しの薄つれなく見えし夕かな月もほのめくあだし野の露(肖柏)
374 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:20:06 ID:cKEkXvVr
夢さむる老の枕に有明のつれなきかげは我もさながら(下冷泉政為)
375 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 02:22:26 ID:cKEkXvVr
待ちいづる月は有明の窓のうちにしひてつれなき夜の灯(三条西実隆)
376 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 10:55:07 ID:FrdF9k99
深き夜のあはれを知るも入る月のおぼろげならぬ契りとぞ思ふ
世に知らぬ心地こそすれ有明の月のゆくへを空にまがへて(源氏物語・花宴帖)
377 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 11:10:35 ID:4vwHFXXn
クソ,ニマツ,国学院野郎
378 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 22:19:32 ID:d5Y9vLXA
春の夜の夢の浮橋とだえして峰にわかるる横雲の空(藤原定家[新古今])
379 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 22:20:32 ID:d5Y9vLXA
桜花夢かうつつか白雲の絶えてつれなき峯の春風(藤原家隆[新古今])
380 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 22:21:40 ID:d5Y9vLXA
横雲の風にわかるるしののめに山飛びこゆる初雁の声(西行[新古今])
381 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 22:43:26 ID:d5Y9vLXA
風ふかば峯に別れむ雲をだにありし名残の形見とも見よ(藤原家隆[新古今])
382 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 22:44:29 ID:d5Y9vLXA
あひ見ても峯にわかるる白雲のかかる此の世のいとはしきかな(源季広[新古今])
383 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 22:58:32 ID:d5Y9vLXA
うつりゆく人の心は白雲のたえてつれなき契りなりけり(藤原良経[新続古今])
384 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 23:57:03 ID:bgrg+W+2
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函 知 北 北 札 駒 尚 恵 立 道 函 札 岩 札 苫
有 学 第 庭 命 日 幌
斗 内 園 照 一 苫 志 北 館 栄 工 大 内 南 東
385 :
名無氏物語:2007/07/07(土) 00:54:27 ID:14RbbSnN
暁やまだ深からし松のうれに別るともなき嶺の白雲(藤原為基[風雅])
386 :
名無氏物語:2007/07/07(土) 00:55:13 ID:14RbbSnN
有明のつれなく見えし月は出でぬ山郭公待つ夜ながらに(藤原良経[新古今])
387 :
名無氏物語:2007/07/07(土) 08:45:26 ID:14RbbSnN
つれなさのたぐひまでやはつらからぬ月をもめでじ有明の空(藤原有家[新古今])
388 :
名無氏物語:2007/07/07(土) 08:46:50 ID:14RbbSnN
契りきやあかぬ別れに露おきし暁ばかり形見なれとは(源通具[新古今])
389 :
名無氏物語:2007/07/07(土) 08:59:08 ID:14RbbSnN
更にまた暮をたのめと明けにけり月はつれなき秋の夜の空(源通光[新古今])
390 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 08:19:26 ID:QzF/VxuW
別れ路の有明の月のうきにこそたへて命はつれなかりけれ(藤原為家[続拾遺])
391 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 08:20:57 ID:QzF/VxuW
つれなさのたぐひならじと有明の月にしも鳴く時鳥かな(西園寺実兼[新拾遺])
392 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 08:21:43 ID:QzF/VxuW
つれなくて世に有明の月もみつただ我ばかり憂きものはなし(玄忠[続千載])
393 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 08:22:42 ID:QzF/VxuW
過ぎぬればうつつも夢にかはらぬをぬるがうちとも思ひけるかな(源具房[続古今])
394 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 08:23:17 ID:QzF/VxuW
ぬるがうちに逢ふとみつるも頼まれず心のかよふ夢路ならねば(長舜[風雅])
395 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 08:24:11 ID:QzF/VxuW
ぬるがうちに見るより外のうつつさへいやはかななる夢になりぬる(為基[風雅])
396 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:49:02 ID:QzF/VxuW
忍ばじよ岩間づたひの谷川も瀬をせくにこそ水まさりけれ(藤原公継[新古今])
397 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:49:53 ID:QzF/VxuW
冬川の淵ともならで淀めるはいかに瀬をせく氷なるらん(藤原実伊[続古今])
398 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:50:35 ID:QzF/VxuW
もらさじと思ふ心やせきかへす涙の川にかくるしがらみ(藤原兼宗[続拾遺])
399 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:51:14 ID:QzF/VxuW
みな人のつひに行くなるみつせ河その瀬にかへるしがらみぞなき(藤原光俊[新千載])
400 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:51:59 ID:QzF/VxuW
思ひせく涙の川の淀はあれど絶えん命のしがからみぞなき(惟賢[新続古今])
401 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:53:30 ID:QzF/VxuW
万代のためしと見ゆる花の色を映しとどめよ白川の水(上西門院兵衛[金葉])
402 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 09:54:41 ID:QzF/VxuW
郭公まだうちとけぬ忍びねはこぬ人を待つ我のみぞきく(白河院[新古今])
403 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 16:52:01 ID:GXEtopCx
花の香を風のたよりにたぐへてぞ鶯さそふしるべにはやる(紀友則・古今13)
404 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 20:31:09 ID:GXEtopCx
春のきる霞の衣ぬきをうすみ山風にこそ乱るべらなれ(在原行平・古今23)
405 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 23:29:52 ID:u2nYQ9yx
待つほどはつれなくみえし山のはも月の麓にとほざかりつつ(霊元院)
406 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 23:30:48 ID:u2nYQ9yx
待出でて帰るこよひぞつれなさは人に見はつる有明の月(後水尾院)
407 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 23:34:35 ID:u2nYQ9yx
大かたのうつつは夢になしはてつぬるがうちには何をかもみん(後鳥羽院)
408 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 23:36:19 ID:u2nYQ9yx
春や夢さきそめしよりぬるがうちにみるにもあらぬ花ぞ散り行く(正徹)
409 :
名無氏物語:2007/07/08(日) 23:45:03 ID:u2nYQ9yx
東路のさやの中山さやかにもみぬ人いかで恋しかるらむ(香川景樹)
410 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:25:23 ID:6j5oEkWT
くもりなき池の鏡の底きよみうつしとどめよ花のおもかげ(藤原長方)
411 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:26:07 ID:6j5oEkWT
かつしかのわさ田のおしねこきたれてなきもたらじとつきぬ涙か(源俊頼)
412 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:29:20 ID:ZazG1C+n
雁がねの涙も花もこきたれて帰る道にやふりまさるらん(藤原為家)
413 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:31:55 ID:ZazG1C+n
初かりも鳴きこそわたれ吹く風の身にしむばかり秋のうければ(宗尊親王)
414 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:44:38 ID:HpFsBqzY
山がつとなりても猶ぞ郭公なくねにあかで年はへにける(寂超[続拾遺])
415 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:45:13 ID:HpFsBqzY
かはらずと人にかたらん郭公むかしのこゑは我のみぞきく(実氏[続古今])
416 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:46:15 ID:HpFsBqzY
ちりつもる紅葉ならねど立田川月にも水の秋は見えけり(藤原能清[続拾遺])
417 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:47:13 ID:HpFsBqzY
吉野山花やさかりに匂ふらむ古里たえぬ峯の白雪(藤原家衡[新古今])
418 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:49:18 ID:HpFsBqzY
み吉野の山の秋風さ夜更けて古里さむく衣うつなり(藤原雅経[新古今])
419 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 00:50:27 ID:HpFsBqzY
今よりは雲ゐの雁も声たてて秋風さむく成まさるなり(覚仁法親王[続拾遺])
420 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:22:17 ID:nMYpogzp
かるかやのみだれて物を思ふかな野原のかぜを袖にまかせて(慈円)
421 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:23:36 ID:nMYpogzp
かるかやのみだれて物をおもへども君が下葉の露ぞつれなき(後鳥羽院)
422 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:25:43 ID:nMYpogzp
たつた山峰のもみぢの散らぬまはそこにぞ水の秋はみえけり(藤原家隆)
423 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:28:50 ID:nMYpogzp
神なびの山のあらしやたつた河みづの秋のみふかき色かな(藤原雅経)
424 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:36:50 ID:nMYpogzp
もみぢ葉ぞ岩きりとほる吉野河おとして水の秋やゆくらん(藤原基家)
425 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:39:03 ID:nMYpogzp
立田河水の秋をやいそぐらん峰の木の葉に山風ぞふく(邦高親王)
426 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 01:41:30 ID:nMYpogzp
夕月夜よしのの里にふる雪のつもりてのこる有明のかげ(藤原家隆)
427 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 14:39:49 ID:MHvb5pGh
み吉野のみ雪ふりしく里からは時しもわかぬ有明の空(藤原定家)
428 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 14:41:58 ID:MHvb5pGh
み空ゆく月もまぢかしあしがきのよし野の里の雪のあさけに(藤原定家)
429 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 14:44:04 ID:MHvb5pGh
影うすき有明の月の残るかとおもへば庭にふれるしら雪(頓阿)
430 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 14:50:30 ID:MHvb5pGh
空にのみ在明の月と見し程におぼえずはらふ袖の露かな(飛鳥井雅世)
431 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 16:55:24 ID:ZzhETCAU
物思ひの深さくらべにきてみれば夏のしげりもものならなくに(藤原道綱母)
432 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 16:56:57 ID:ZzhETCAU
花をおもふ深さくらべにみにゆかば吉野のおくもは山ならまし(契沖)
433 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 16:59:17 ID:ZzhETCAU
人の世にくらぶの山の桜花はなは中々風も待ちけり(木下長嘯子)
434 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:01:36 ID:ZzhETCAU
をしかふす夏のの草の露よりもしらじなしげき思ひありとは(源実朝)
435 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:02:21 ID:ZzhETCAU
しげりあふ秋の野中の忘れ水たえだえ見えてやどる月かな(二条為明)
436 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:03:28 ID:ZzhETCAU
桜木の葉守の神はしらねども風のかけたる花のしらゆふ(藤原顕輔)
437 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:11:11 ID:DHdbmpx7
山川に風の懸けたるしがらみの色にいでてもぬるる袖かな(藤原家隆)
438 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:13:13 ID:DHdbmpx7
木の葉もて風のかけたるしがらみにさてもよどまぬ秋の色かな(藤原定家)
439 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:14:23 ID:DHdbmpx7
岩つたふ山のさくらのしき波に風のかけたる布引の滝(藤原基家)
440 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:15:38 ID:DHdbmpx7
谷川に岸の木のはを吹きためて風のかけたる瀬瀬の浮橋(後崇光院)
441 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:19:02 ID:DHdbmpx7
天の原春立つ雲の浪こえて風のかけたるしがらみもなし(正徹)
442 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:20:35 ID:DHdbmpx7
さそはれていとど思ひの露ぞもる風のかけたる袖のしがらみ(正徹)
443 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:27:10 ID:DHdbmpx7
風さむきを花が末の浪の間にながれもあへぬ秋の日のかげ(一色直朝)
444 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 17:58:13 ID:zaQ/U9cw
よしの山くもらぬ雪とみるまでに有明の空に花ぞちりける(後鳥羽院[続千載])
445 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 18:00:07 ID:zaQ/U9cw
さらでだにそれかとまがふ山の端の有明の月にふれる白雪(藤原為家[続古今])
446 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 18:04:31 ID:zaQ/U9cw
これも又有明のかげとみゆるかなよしのの山の花のしら雪(後嵯峨院[新拾遺])
447 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 18:06:01 ID:zaQ/U9cw
冬ごもる芳野の岳に降る雪をたれ在明の月とだにみん(覚助法親王[新千載])
448 :
名無氏物語:2007/07/09(月) 18:06:52 ID:zaQ/U9cw
はるばると野中に見ゆる忘れ水たえまたえまを歎く頃かな(大和宣旨[後拾遺])
449 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 00:09:25 ID:Q55WUKlY
こほりつつ流れもあへぬ山川につもればかかる雪のしがらみ(望月長孝)
450 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 00:23:47 ID:Q55WUKlY
さそひきて紅葉をしけば是も又風のかけたる山河の橋(後西院)
451 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 01:20:42 ID:9gXfXWqg
住吉の浅沢小野の忘れ水たえだえならで逢ふよしもがな(藤原範綱[詞花])
452 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 01:22:08 ID:9gXfXWqg
山陰やくらき岩間の忘れ水たえだえ見えて飛ぶほたるかな(藤原為理[玉葉])
453 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 01:25:13 ID:9gXfXWqg
紅葉ばの流れもやらぬ大井河かは瀬は波の音にこそ聞け(源資綱[新勅撰])
454 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 01:27:52 ID:9gXfXWqg
散りかかる紅葉流れぬ大井川いづれ井ぜきの水のしがらみ(源経信[新古今])
455 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 01:28:55 ID:9gXfXWqg
龍田川木の葉の後のしがらみも風のかけたる氷なりけり(藤原家隆[続後拾遺])
456 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 02:25:57 ID:r6e3gUbh
457 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 13:48:07 ID:e1KNGh1g
むめがえに鶯さそふたよりにや谷の氷も風にとくらむ(藤原家隆)
458 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 13:51:26 ID:e1KNGh1g
谷ふかく鶯さそふ春風にまづ花のかや空にとぶらん(藤原定家)
459 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 13:52:27 ID:e1KNGh1g
けふぞとふ志賀津のあまのすむ里を鶯さそふ花のしるべに(藤原定家)
460 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 13:55:15 ID:e1KNGh1g
谷かぜの鶯さそふたよりをや山ざと人も春をしるらむ(後鳥羽院)
461 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 17:07:50 ID:JAdIq7WZ
をる人の袖こそかはれ色もかもおなじ昔ににほふ梅がえ(寂身)
462 :
名無氏物語:2007/07/10(火) 17:09:14 ID:JAdIq7WZ
花やただ年ふる人ぞあらたまるなごりはしらん春の木の本(三条西実隆)
463 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 12:14:32 ID:PJuvGUvP
見るほどに散らば散らなむ梅の花しづ心なく思ひおこせし(和泉式部)
464 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 12:16:14 ID:PJuvGUvP
いかにしてしづ心なく散る花ののどけき春の色と見ゆらむ(藤原定家)
465 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 12:19:14 ID:PJuvGUvP
よものうみ風をさまりてひさかたのひかりのどけき春はきにけり(宗尊親王)
466 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 12:21:22 ID:PJuvGUvP
ひとりみてなぐさみぬべき花になどしづこころなく人をまつらん(北畠親房)
467 :
◆xjdceGkRZc :2007/07/11(水) 12:57:43 ID:wRvBb4f0
いづる日も光のどけき久方の天の宮人春をしるらし(正徹)
468 :
◆xjdceGkRZc :2007/07/11(水) 12:58:25 ID:wRvBb4f0
木の間より花にかすみて久堅の光のどけき鳥の声かな(正徹)
469 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 13:27:10 ID:qe8OUqBU
かくばかり待つとしらずやほととぎす梢はるかになきわたらなむ(清原元輔)
470 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 13:28:02 ID:qe8OUqBU
ほととぎすあふ坂こえてたづぬれば今ぞおとはの山に鳴くなる(慈円)
471 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 13:29:22 ID:qe8OUqBU
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
472 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 13:45:24 ID:XGwcKPZp
いかでかく思ふ心をほととぎす夜ぶかくなきてきかせやはせぬ(村上天皇)
473 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 13:47:00 ID:XGwcKPZp
五月雨に物おもふやどは時鳥なく一こゑもなほぞ夜ぶかき(慈円)
474 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:00:35 ID:zgibAWtQ
散ればかつ浪のかけたるしがらみや井手こす風の款冬の花(藤原為家[続拾遺])
475 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:01:19 ID:zgibAWtQ
山川に春ゆく水はよどめども風にとまらぬ花のしがらみ(源通光[続拾遺])
476 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:02:33 ID:zgibAWtQ
石ばしる初瀬の川の波枕はやくも年の暮れにけるかな(徳大寺実定[新古今])
477 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:04:17 ID:zgibAWtQ
とどめばや流れて早き年波の淀まぬ水はしがらみもなし(道助法親王[新勅撰])
478 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:06:31 ID:zgibAWtQ
けふといひ昨日とくらす夢の中に五十あまりの過る程なさ(飛鳥井教定[続拾遺])
479 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:20:47 ID:m93m8Oo2
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)
480 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:21:32 ID:m93m8Oo2
夕やみのたづたづしきにほととぎす声うらがなし道やまどへる(源実朝)
481 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:23:41 ID:m93m8Oo2
よしの山あさせ白浪いはこえて音せぬ水はさくらなりけり(鴨長明)
482 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:26:21 ID:m93m8Oo2
秋はなほあさせしら波たどるまで霧立渡るかささぎのはし(順徳院)
483 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 14:27:23 ID:m93m8Oo2
さをしかの友まどはせる声するはつまや恋しき秋の山べに(恵慶)
484 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 15:29:40 ID:KgF/ECS3
たがための錦も見えぬ秋ぎりにそめししぐれの山ぞかひなき(藤原定家)
485 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:20:18 ID:Sv/Bq0zu
をる人の老いせぬ秋の露の間に千とせをめぐる菊のさかづき(藤原俊成女)
486 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:22:19 ID:Sv/Bq0zu
白菊の花の鏡の池水に老いせぬ秋のかげぞひさしき(藤原範宗)
487 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:22:57 ID:Sv/Bq0zu
梅がえのにほひうれしき直路かな木ごとに花の雪のあけぼの(慈円)
488 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:23:28 ID:Sv/Bq0zu
野も山もおなじ雪とはまがへども春は木ごとに匂ふ梅がえ(定家)
489 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:24:19 ID:Sv/Bq0zu
冬ごもる雪も木ごとに吹く風の匂ふや梅のたち枝なるらむ(藤原為家)
490 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:26:37 ID:Sv/Bq0zu
花といふはなの木ごとにうつしてもあまりやあらん梅の匂ひは(三条西実隆)
491 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:27:40 ID:Sv/Bq0zu
こころおそき花の木ごとに梅が香の春をつたふる苑の朝風(橘千蔭)
492 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:34:43 ID:cuW1h49t
常陸帯の道のおくなる遠妻にゆきめぐりてもあはむとぞ思ふ(藤原基俊)
493 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:36:25 ID:cuW1h49t
思ひおくる心ばかりは下帯の道はかたがたゆきめぐるとも(藤原雅経)
494 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:37:45 ID:cuW1h49t
朝露をわけそほちつつ夕月夜かすむ山路の花の面影(肖柏)
495 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:39:21 ID:cuW1h49t
ものおもへば壁にそむくるともしびの消えかへりてぞあかしかねつる(藤原実定)
496 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:40:40 ID:cuW1h49t
497 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:50:00 ID:Pn8fo1ye
君こずは誰にみせまし我が宿の垣根に咲ける朝がほの花(読人不知[拾遺])
498 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:52:27 ID:Pn8fo1ye
つらからん方こそあらめ君ならで誰にか見せん白菊の花(大弐三位[後拾遺])
499 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 17:57:14 ID:Pn8fo1ye
梅の花なににほふらん見る人の色をも香をも忘れぬる世に(大弐三位[新古今])
500 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:06:25 ID:Pn8fo1ye
独りのみ眺めて散りぬ梅の花しるばかりなる人はとひこず(八条院高倉[新古今])
501 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:07:30 ID:Pn8fo1ye
夢のうちもうつろふ花に風ふけばしづ心なき春のうたたね(式子内親王[続古今])
502 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:15:00 ID:bJPGPhWa
はやせ河なびく玉藻のしたみだれくるしや心みがくれてのみ(藤原良経)
503 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:15:58 ID:bJPGPhWa
我が袂さて山河の瀬になびく玉もかりそめにかわくまぞなき(後鳥羽院)
504 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:18:12 ID:bJPGPhWa
しきたへの枕のしたにみなぎりてやがてもくだすみなの川かな(藤原定家)
505 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:19:37 ID:bJPGPhWa
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
506 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:20:43 ID:bJPGPhWa
夏ごろもうすくや人のおもふらんわれはあつれてすぐす月日を(曾禰好忠)
507 :
名無氏物語:2007/07/11(水) 18:21:34 ID:bJPGPhWa
夏ごろもうすくや人のなりぬらんうつせみのねにぬるる袖かな(俊成卿女)
508 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:13:37 ID:D/Ag3uao
さらでだにしづ心なくちる花をあかずや風のなほさそふらん(性助法親王[続古今])
509 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:14:43 ID:D/Ag3uao
いづ方になきてゆくらむ郭公よどのわたりのまだ夜ぶかきに(壬生忠見[拾遺])
510 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:17:10 ID:D/Ag3uao
我が宿の花橘や匂ふらん山ほととぎす過ぎがてに鳴く(藤原顕季[風雅])
511 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:23:35 ID:D/Ag3uao
夕闇にあさせ白波たどりつつみをさかのぼる鵜飼舟かな(後嵯峨院[続拾遺])
512 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:24:30 ID:D/Ag3uao
草深き狩場の小野をたちいでて友まどはせる鹿ぞなくなる(素覚[新古今])
513 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:25:39 ID:D/Ag3uao
紅葉見にやどれる我としらねばやさほの河霧たちかくすらん(恵慶[拾遺])
514 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:44:21 ID:Mt2xXDZf
うらみむとおもひしものを夏衣ひとへにうすくなりにけるかな(如願)
515 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:45:33 ID:Mt2xXDZf
桜花なにそは露のあだ物をおなじいのちにかへてとどめむ(藤原家隆)
516 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 03:51:11 ID:Mt2xXDZf
いのちやはなにぞは露のあだしのにあふにしかへぬまつむしの声(藤原家隆)
517 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 13:58:01 ID:gxjIQSMW
雲もなくなぎたる波にけさぞみるしらぬ千里の沖つ島山(武者小路実陰)
518 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 13:58:46 ID:gxjIQSMW
ふるさとは見しごともあらず荒れにけり影ぞ昔の春の夜の月(源実朝)
519 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 13:59:17 ID:gxjIQSMW
袖ひちて結ぶしら波立ちかへりこほるばかりの松の夕風(藤原家隆)
520 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:00:03 ID:gxjIQSMW
天の下めぐむ草木の芽も春に限りも知らぬ御代の末々(式子内親王)
521 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:06:55 ID:u9F1WF33
霞たちこのめ春雨きのふまでふるのの若菜けさはつみてむ(藤原定家)
522 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:10:26 ID:u9F1WF33
松の葉の白きを見れば春日山木の芽もはるの雪ぞ降りける(源実朝)
523 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:12:19 ID:u9F1WF33
誰が為とまだ朝霜のけぬがうへに袖ふりはへて若菜つむらん(藤原定家)
524 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:17:57 ID:u9F1WF33
墨染の袖ふりはへて峰たかき夕の寺に帰る雲かな(正徹)
525 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:32:54 ID:u9F1WF33
白妙の袖ふりはへて武蔵野にいざ雪見むとおもひ立たずや(荷田蒼生子)
526 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:34:26 ID:u9F1WF33
浅緑霞たなびく山がつの衣はるさめ色にいでつつ(藤原定家)
527 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 14:35:05 ID:u9F1WF33
すむ人もうつればかはる古郷の昔ににほふ窓の梅かな(藤原家隆)
528 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:22:41 ID:zHgSWE2B
花の香も風こそよもにさそふらめ心もしらぬ古里の春(藤原定家)
529 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:23:33 ID:zHgSWE2B
ちりぬればとふ人もなし故郷ははなぞむかしのあるじなりける(源実朝)
530 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:33:36 ID:DciBbQbN
いづれをかわきてとはまし山里の垣根つづきに咲ける卯の花(大江匡房[金葉])
531 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:34:47 ID:DciBbQbN
白雲のたなびく山のやま桜いづれを花と行きて折らまし(藤原師実[新古今])
532 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:36:05 ID:DciBbQbN
春の夜は吹きまふ風の移り香を木ごとに梅と思ひけるかな(崇徳院[千載])
533 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:37:13 ID:DciBbQbN
あづまぢのさやの中山中中にあひ見てのちぞわびしかりける(宗于[後撰])
534 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:38:51 ID:DciBbQbN
命やはあだのおほ野の草枕はかなき夢もをしからぬ身を(順徳院[新続古今])
535 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:46:17 ID:4GJFVXQd
秋ならで露けきものは君を置きてむなしく帰る野辺のわか草(往時集)
536 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:47:55 ID:4GJFVXQd
いづくにかあまがけるらん夢にだに見ること難き魂のゆくすゑ(往時集)
537 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 00:48:47 ID:4GJFVXQd
よし君があしたに道を聞きしより終り正しきゆふべをぞ見る(往時集)
538 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:06:13 ID:9EgYRzJf
里はあれて春はいく世かかすむらん花ぞむかしのしがの古郷(藤原行能)
539 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:07:18 ID:9EgYRzJf
人はいさ心もしらずとばかりににほひ忘れぬ宿の梅がか(正徹)
540 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:08:52 ID:9EgYRzJf
ことの葉の花ぞ昔の春に猶にほふはつせのさとの梅が香(三条西実隆)
541 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:09:51 ID:9EgYRzJf
にほひをば風こそおくれ人はいさ心もしらぬ宿の梅が枝(足利義尚)
542 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:11:16 ID:9EgYRzJf
人はいさ心もしらず我はただいつも今夜の月をしぞおもふ(松永貞徳)
543 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:13:06 ID:9EgYRzJf
くるとあくとめかれぬ花に鶯の鳴きてうつろふ声なをしへそ(藤原定家)
544 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 01:14:01 ID:9EgYRzJf
くるとあくとめかれぬ空も霞みけりいつの人まに春はきぬらん(宗良親王)
545 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 02:50:37 ID:4MMLlQq/
人問はば見ずとやいはむ玉津島かすむ入江の春のあけぼの(藤原為氏・続後撰集)
546 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 14:43:12 ID:iFPd2Dxk
あし引の山のかひより吹く風に雪とみるまで花ぞちりける(藤原家隆)
547 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 14:44:14 ID:iFPd2Dxk
いかさまにまつとも誰か三輪の山人にしられぬ宿の霞は(藤原定家)
548 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:20:25 ID:ZPDFvzNe
雲もなくなぎたる空の浅緑むなしき色も今ぞしりぬる(皇嘉門院別当[続後撰])
549 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:22:26 ID:ZPDFvzNe
ねても夢ねぬにも夢の心ちしてうつつなる世をみるぞかなしき(雅成親王[続後撰])
550 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:23:12 ID:ZPDFvzNe
斧の柄のくちし昔は遠けれど有りしにあらぬ世をもふるかな(式子内親王[新古今])
551 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:23:57 ID:ZPDFvzNe
袖ひちて我が手に結ぶ水の面に天つ星合の空を見るかな(藤原長能[新古今])
552 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:24:33 ID:ZPDFvzNe
夏の夜は岩がき清水月さえてむすべばとくる氷なりけり(賀茂重保[風雅])
553 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:25:30 ID:ZPDFvzNe
うちむれて若菜つむ野の花かたみこのめも春の雪はたまらず(藤原家隆[続古今])
554 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 20:29:04 ID:ZPDFvzNe
おしなべて木の芽も春のあさ緑松にぞ千世の色はこもれる(藤原良経[新古今])
555 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 21:57:58 ID:ZPDFvzNe
白妙の袖にぞまがふ都びと若菜つむ野の春のあは雪(後鳥羽院[続拾遺])
556 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 22:04:57 ID:ZPDFvzNe
春雨のふりそめしより青柳の糸の緑ぞ色まさりける(凡河内躬恒[新古今])
557 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 22:11:10 ID:ZPDFvzNe
春風の霞吹きとく絶え間より乱れてなびく青柳の糸(殷富門院大輔[新古今])
558 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 22:15:20 ID:ZPDFvzNe
青柳の糸を緑によりかけて逢はずは春に何を染めまし(西園寺公経[続拾遺])
559 :
名無氏物語:2007/07/13(金) 23:39:53 ID:ZPDFvzNe
君こひて世をふる宿の梅の花昔の香にぞ猶匂ひける(読人不知[続後撰])
560 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 00:02:11 ID:wcGjS7AJ
くるとあくとみてもめかれず池水の花の鏡の春の面影(藤原実有[万代集])
561 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 00:09:00 ID:wcGjS7AJ
春も猶雪はふれれどあし引の山のかひより霞たつらし(藤原道家[続後撰])
562 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 00:14:09 ID:wcGjS7AJ
吉野山たえず霞のたなびくは人にしられぬ花やさくらん(中務[拾遺])
563 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 00:29:51 ID:wcGjS7AJ
みよしのの山のあなたの桜花人にしられぬ人やみるらん(順徳院[玉葉])
564 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 01:08:27 ID:wcGjS7AJ
今朝みれば宿の梢に風過ぎてしられぬ雪のいくへともなく(式子内親王[風雅])
565 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 02:55:46 ID:wcGjS7AJ
花ざかりまだもすぎぬに吉野河影にうつろふ岸の山吹(読人不知[後撰])
566 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 02:56:55 ID:wcGjS7AJ
吉野川岸の山吹さきにけり嶺の桜やちりはてぬらん(家隆[新古今])
567 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 07:59:08 ID:wcGjS7AJ
山桜かたもさだめずたづぬれば花より先にちる心かな(源雅実[新勅撰])
568 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 08:21:35 ID:wcGjS7AJ
花も皆ちりにし宿の深緑をしまぬ色を春雨ぞふる(順徳院[新続古今])
569 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 08:25:01 ID:wcGjS7AJ
三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや(額田王[万葉])
570 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 09:04:37 ID:wcGjS7AJ
龍田山見つつ越え来し桜花散りか過ぎなむ我が帰るとに(大伴家持[万葉])
571 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 09:20:38 ID:wcGjS7AJ
郭公鳴くや五月の玉くしげ二声聞きて明くる夜もがな(藤原雅経[新勅撰])
572 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 09:25:39 ID:wcGjS7AJ
さらぬだにふす程もなき夏の夜を待たれても鳴くほととぎすかな(藤原俊成[新勅撰])
573 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 10:32:09 ID:wcGjS7AJ
郭公ただ一こゑと契りけり暮るれば明くる夏の夜の月(藤原良平[続拾遺])
574 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 10:33:16 ID:wcGjS7AJ
夏草はしげりにけりな玉鉾の道行人も結ぶばかりに(藤原元真[新古今])
575 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 10:34:05 ID:wcGjS7AJ
おのづから凉しくもあるか夏衣日も夕暮の雨の名残に(藤原清輔[新古今])
576 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 10:34:46 ID:wcGjS7AJ
おのづから凉しくもあるか夏衣日も夕暮の雨の名残に(清輔[新古今])
577 :
名無氏物語:2007/07/16(月) 22:56:36 ID:uvL5sA25
暮れてゆく春のみなとは知らねども霞に落つる宇治の芝舟(寂連法師・新古今集)
578 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 14:06:48 ID:wScVuPUB
山たかみ見つつこえゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶天皇)
579 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 14:08:59 ID:wScVuPUB
雪のあした木のした風は寒けれど桜もしらぬ花ぞちりける(後鳥羽院)
580 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 14:25:59 ID:wScVuPUB
春ふかき木のしたかぜは名のみして空にしらるる花のしら雪(堯孝)
581 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 14:47:25 ID:wScVuPUB
みよし野に春の嵐やわたるらん道もさりあへず花のしら雪(後鳥羽院)
582 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 16:13:39 ID:wScVuPUB
さして行く道もさりあへず三笠山紅葉ぞぬさとちりまがひける(越前)
583 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 16:15:29 ID:wScVuPUB
春の野にはなるる駒は雪とのみちりかふ花に人やまどへる(藤原定家)
584 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 16:47:44 ID:QoD1n8Bp
かり人のいる野の露を命にてちりかふ花にきぎすなくなり(藤原良経)
585 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 17:01:34 ID:QoD1n8Bp
かへるさやちりかふ花にまがふらん若菜つむ野の春のあは雪(順徳院)
586 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 01:51:41 ID:biKRHgEf
こむらさきにほへる藤の花みれば水なき空に波ぞたちける(大中臣能宣)
587 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 07:35:52 ID:9JsnNys/
test
588 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:01:28 ID:yFoEnZZl
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯(正徹)
589 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:17:30 ID:l30smI+o
こほりとく池のさざ波今朝見えて水なき空も春風ぞふく(飛鳥井雅親)
590 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:30:04 ID:xxqEJrBe
春はいぬくらまの山の雲珠(うず)桜水なき空にのこる色かな(木下長嘯子)
591 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:31:36 ID:xxqEJrBe
天つ風さえくらしたるなごりには水なき空にあわ雪ぞふる(下河辺長流)
592 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:32:17 ID:xxqEJrBe
旅の世にまた旅寝して草枕夢のうちにも夢を見るかな(慈円)
593 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:33:23 ID:xxqEJrBe
散りまがふこのもとながらまどろめば桜にむすぶ春の夜の夢(定家)
594 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 14:34:24 ID:xxqEJrBe
駿河なる宇津の山辺にちる花よ夢のうちにも誰をしめとて(順徳院)
595 :
名無氏物語:2007/07/19(木) 23:56:07 ID:LadBLfM8
吉野川はやくも暮れてゆく春に花はさかりの岸の山吹(足利尊氏)
596 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 00:06:50 ID:qDntaXHU
忘れじの雁は越ぢにかへるなりかたも定めず花はちりつつ(藤原家隆)
597 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 00:10:02 ID:qDntaXHU
神な月かたもさだめずちる紅葉けふこそ秋のかたみとも見め(藤原定家)
598 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 00:43:43 ID:IeUEKQR3
しのびねははや過ぎにけりほととぎす空もとどろに鳴き渡らなむ(源経信)
599 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 00:44:32 ID:IeUEKQR3
をりはへて今ぞなくなる時鳥五月のさよの空もとどろに(覚性法親王)
600 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 00:45:33 ID:IeUEKQR3
郭公空もとどろになくころは夜ただ雨ふる袖のうへかな(慈円)
601 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 00:51:32 ID:IeUEKQR3
うちつけにそれかとぞきく郭公人まつ山にしのびねのこゑ(藤原家隆)
602 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 10:20:25 ID:srDBfYcz
あらちをがゆつきが下にともす火に鹿の立ちどのしるくもあるかな(藤原家隆)
603 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 10:26:22 ID:srDBfYcz
見るからにかたへ涼しき夏衣日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
604 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 16:40:08 ID:OJLRJfBi
吹く風の涼しくもあるかおのづから山の蝉鳴きて秋は来にけり(源実朝)
605 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 16:48:30 ID:ilsXq48e
たが秋にあらぬ光をやどしきて月よ涙に袖ぬらすらん(藤原家隆)
606 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 18:21:46 ID:AqTXkqAQ
お知りの穴
607 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 19:03:06 ID:7m3xNqg1
よる波の涼しくもあるか敷妙の袖師の浦の秋の初風(藤原信実[新勅撰])
608 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 19:05:19 ID:7m3xNqg1
色変る野原の小萩たが秋にあらぬものゆゑ鹿のなくらん(藤原為氏[続古今])
609 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 19:06:17 ID:7m3xNqg1
逢坂の杉のむらだち引くほどはをぶちに見ゆる望月の駒(良暹[後拾遺])
610 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 19:07:04 ID:7m3xNqg1
逢坂の関立ち出づる影見ればこよひぞ秋の望月の駒(源雅具[続後撰])
611 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 19:07:52 ID:7m3xNqg1
相坂の関のむら杉葉をしげみ絶間にみゆる望月の駒(源国信[続後拾遺])
612 :
名無氏物語:2007/07/20(金) 19:08:34 ID:7m3xNqg1
秋風のよそに吹きくるおとは山なにの草木かのどけかるべき(曾禰好忠[新古今])
613 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:13:05 ID:DeQqE2KY
けさかはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
614 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:14:31 ID:DeQqE2KY
をしめどもよもの紅葉はちりはてて戸無瀬ぞ秋のとまりなりける(藤原公実[金葉])
615 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:15:21 ID:DeQqE2KY
別れても心へだつな旅衣いくへかさなる山ぢなりとも(藤原定家[千載])
616 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:27:11 ID:DeQqE2KY
結ぶ手に影乱れゆく山の井のあかでも月のかたぶきにけり(慈円[新古今])
617 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:32:49 ID:DeQqE2KY
かはりゆく影に昔を思ひ出でて涙をむすぶ山の井の水(藤原親盛[新勅撰])
618 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:55:08 ID:DeQqE2KY
契りあらば又も結ばん山の井のあかで別れし影な忘れそ(後深草院少将内侍[続古今])
619 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 00:56:29 ID:DeQqE2KY
結ぶ手に月をやどして山の井のそこの心に秋やみゆらん(源通方[風雅])
620 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 02:16:32 ID:DeQqE2KY
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆[千五百番歌合]
621 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 02:20:24 ID:DeQqE2KY
いにしへの春にもかへる心かな雲ゐの花に物忘れせで(二条院讃岐[続後撰])
622 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 07:16:22 ID:DeQqE2KY
むかしいま思ひのこさぬ寝覚かな暁ばかり物忘れせで(西園寺実氏[続古今])
623 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 07:21:37 ID:DeQqE2KY
待ちしよに又立ちかへる夕べかな入逢の鐘に物忘れせで(二条良基[新拾遺])
624 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 07:24:26 ID:DeQqE2KY
にほひても分かばぞ分かむ梅の花それとも見えず春の夜の月(大江匡房[千載])
625 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 07:28:59 ID:DeQqE2KY
梅が香もあまぎる月にまがへつつそれとも見えず霞む頃かな(九条道家[新勅撰])
626 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 07:36:39 ID:DeQqE2KY
梅が香におどろかれつつ春の夜の闇こそ人はあくがらしけれ(和泉式部[千載])
627 :
名無氏物語:2007/07/21(土) 07:37:20 ID:DeQqE2KY
梅が香におどろかれつつ春の夜の闇こそ人はあくがらしけれ(和泉式部[千載])
628 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 05:09:56 ID:pTfcQXYY
暮れにけり秋の日かずもあらし山もみぢをわけて入あひの鐘(後鳥羽院)
629 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 05:11:07 ID:pTfcQXYY
秋山の麓の小田のかりいほに紅葉をわけて月ぞもりける(俊成卿女)
630 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 05:12:50 ID:pTfcQXYY
世にたえし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒(後水尾院)
631 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 05:44:14 ID:YQMABlz5
あすよりは秋も嵐の音は山かたみとなしに散る木の葉かな(藤原定家)
632 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 05:47:27 ID:YQMABlz5
しら露も時雨もいたく故郷は軒の梢もこさまさりけり(後鳥羽院)
633 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 05:48:32 ID:YQMABlz5
物おもへば雲のはたてをかぎりにて時雨もいたくふる涙かな(藤原信成)
634 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 15:44:49 ID:DjAI8+j6
この秋はしぐれもいたく染めてけりあかみの山の峰の紅葉葉(笠間時朝)
635 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:41:18 ID:sIM5VvUV
みぬほどの紅葉は夜の錦にて秋さへすぎむと思ひけむやは(村上天皇)
636 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:41:59 ID:sIM5VvUV
みる人もなくて散りにき時雨のみふりにし里に秋萩の花(源実朝)
637 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:42:32 ID:sIM5VvUV
折りつくす紅葉は夜の錦にて君をぞ恋ひし秋の山かげ(平清親四女)
638 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:43:10 ID:sIM5VvUV
高砂のをのへのまつの秋風に泊もしらず散る紅葉かな(藤原家隆)
639 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:44:06 ID:sIM5VvUV
冬の夜の川風さむみ氷して思ひかねたる友千鳥かな(後鳥羽院)
640 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:44:50 ID:sIM5VvUV
人またばいかにとはましさ夜千鳥川風さむみ冬の明ぼの(宮内卿)
641 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:45:21 ID:sIM5VvUV
うちわたす川風さむみなく千鳥たがゆく袖のよはにきくらん(藤原為家)
642 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:51:04 ID:KeIlcQuj
ふる雪を空にぬさとぞたむけつる春のさかひに年のこゆれば(新勅撰442)
643 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:56:10 ID:KeIlcQuj
唐衣うつ声きけば月きよみまだ寝ぬ人をそらにしるかな(新勅撰323)
644 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 17:00:02 ID:KeIlcQuj
春ちかくなりぬる冬の大空は花をかねてぞ雪はふりける(続古今680)
645 :
名無氏物語:2007/07/23(月) 09:11:09 ID:0CKMVzO6
みよし野やいはどがしはもうづもれて河風さむみふれる白雪(頓阿)
646 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 00:53:09 ID:o7UZL7l0
春さればまづ咲く宿の梅の花ひとり見つつや春日くらさむ(山上憶良「万葉集」)
647 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 01:37:42 ID:Elhi1vNd
われがなほ折らまほしきは白雲の八重にかさなる山吹の花(和泉式部)
648 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 01:38:13 ID:Elhi1vNd
岩根ふみいく重の峰をこえぬとも思ひもいでむ心へだつな(源実朝)
649 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 01:38:44 ID:Elhi1vNd
浅茅原かつ霜がれて別れてふことは色にも見ゆる秋かな(慶雲)
650 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 01:39:31 ID:Elhi1vNd
草も木もうつろひはてて別れてふことは色にもくるる秋かな(姉小路基綱)
651 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 01:40:17 ID:Elhi1vNd
袖ひちてせく手ににごる山水の澄むを待つとや月のやすらふ(俊恵)
652 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 14:35:35 ID:r4WocdX6
あかざりし雲と雨とのかたみかは花の滴ににごる山の井(正徹)
653 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 14:52:07 ID:XK+6kp4a
手に結ぶ程だにあかぬ山の井のかけはなれ行く袖のしら玉(藤原定家)
654 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 14:55:59 ID:XK+6kp4a
夏山やゆくてにむすぶ清水にもあかで別れし古里をのみ(藤原定家)
655 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 14:57:12 ID:XK+6kp4a
あかざりし山井の清水手にくめばしづくも月の影ぞやどれる(藤原定家)
656 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 14:57:50 ID:XK+6kp4a
夏の夜はげにこそあかね山の井のしづくにむすぶ月の暉も(藤原定家)
657 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 15:17:16 ID:XK+6kp4a
夏はつるみそぎにちかき川風にいは浪たかくかくるしらゆふ(藤原定家)
658 :
名無氏物語:2007/07/24(火) 15:28:19 ID:XK+6kp4a
とこはあれぬいたくな吹きそ秋風の目にみぬ人を夢にだにみん(藤原家隆)
659 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 00:11:29 ID:qqYQ8ZlH
吹く風の目にみぬ人も軒端なる梅さくころは待たれけるかな(堯孝)
660 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 00:49:38 ID:12MRdfD/
身にぞしむ霞にもるる面影のさだかにみえし花の下風(正徹)
661 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 14:57:27 ID:Mn4+mbjy
ゆふ暮はなくね空なる時鳥心のかよふ宿やしるらん(藤原定家)
662 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 14:59:58 ID:Mn4+mbjy
初春のはつねのけふの百千鳥鳴くね空なる朝がすみかな(順徳院)
663 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 15:45:30 ID:0xa3mY9O
いづくよりあがるも見えず霞む日に啼く音そらなる夕雲雀かな(慶雲)
664 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 16:12:12 ID:Z2sFAy5y
ほととぎすなく声きけば山里につねよりことに人ぞまたるる(源道済)
665 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 16:23:13 ID:Z2sFAy5y
浦風やとはに浪こすはま松のねにあらはれて鳴く千鳥かな(藤原定家)
666 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 16:23:52 ID:Z2sFAy5y
庭もせにうつろふ比のさくら花あしたわびしき数まさりつつ(藤原定家)
667 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 16:24:38 ID:Z2sFAy5y
ももはかく鴫のはねがきいくかへり朝わびしき秋にあふらん(藤原家隆)
668 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 16:25:26 ID:Z2sFAy5y
よしさらばこぬみの浜の浦松のとはに波越すねをもしのばじ(藤原為家)
669 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 18:03:20 ID:gvzO43lA
白雲のたえまにかすむ山桜色こそみえねにほふ春風(白河院[新後拾遺])
670 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 18:04:11 ID:gvzO43lA
朝霞梅のたち枝は見えねどもそなたの風に香やはかくるる(藤原隆季[続拾遺])
671 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 18:06:16 ID:gvzO43lA
かすめどもかやはかくるるこもりえの初瀬の里の春の梅がえ(源有房「新千載])
672 :
名無氏物語:2007/07/25(水) 18:06:57 ID:gvzO43lA
雪とのみさそふもおなじ河風に氷りてとまれ花の白浪(飛鳥井雅世[新続古今])
673 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:32:30 ID:zIW8P3r9
須磨の海人のたく藻の煙たえだえにうらさびしくも見えまがふかな(慈円)
674 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:35:03 ID:zIW8P3r9
花の色もうつりにけりとしら雲の道行ぶりにかをる山風(順徳院)
675 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:36:00 ID:zIW8P3r9
うき世にもことやつぐると初雁の道行ぶりに山べをやとふ(松永貞徳)
676 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:44:55 ID:GRaUTSC0
色見えで春にうつろふ心かな闇はあやなき梅のにほひに(藤原定家)
677 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:45:34 ID:GRaUTSC0
蘆の屋の蔦はふ軒のむら時雨音こそたてね色はかくれず(藤原定家)
678 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:46:25 ID:GRaUTSC0
夏の夜も闇はあやなし橘をながめぬ空に風かをるなり(藤原良経)
679 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:47:27 ID:GRaUTSC0
梅がかは霞の袖につつめども香やはかくるる野べの夕かぜ(後鳥羽院)
680 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 00:48:26 ID:GRaUTSC0
むめの花いろこそみえね風吹けば月の光のにほふなりけり(飛鳥井雅有)
681 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:06:17 ID:VGW36rUL
これも又色こそみえね春のよの月はあやなし匂ふ梅がえ(木下長嘯子)
682 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:08:49 ID:VGW36rUL
色もいろ匂ひも月の光にて闇こそ梅は人に知らるれ(木下長嘯子)
683 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:10:55 ID:VGW36rUL
奥山の花みがてらにとひし庵ちりなん後としめてましかば(宗良親王)
684 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:12:33 ID:VGW36rUL
さきぬともよそにしられぬ山ざとは花みがてらにくる人もなし(長慶天皇)
685 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:13:11 ID:VGW36rUL
なれなれし花の木陰の草莚ちりなん後ぞしきしのぶべき(松永貞徳)
686 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:14:18 ID:VGW36rUL
人しれぬ心のゆきてみる花はのこる山べもあらじとぞおもふ(源師光)
687 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 01:17:09 ID:VGW36rUL
河波のくくるも見えぬくれなゐをいかにちれとか峰の木がらし(藤原定家)
688 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 13:48:06 ID:y1JdOZ66
雪とのみふるからをのの桜花なほこのもとはわすれざりけり(後嵯峨院)
689 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 13:55:24 ID:DbwZOd7d
いかにせむ高根の桜雪とのみふるだにあるを春の曙(宗尊親王)
690 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:05:59 ID:DbwZOd7d
鶯はいたくなわびそ梅の花ことしのみちるならひならねば(源実朝)
691 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:06:50 ID:DbwZOd7d
山ざくら尋ねてかへる春の夜は夢にも花のすがたをぞ見る(藤原公重)
692 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:07:23 ID:DbwZOd7d
春こゆるうつの山道うつつにも夢にも花のちるやみゆらん(中院通勝)
693 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:08:31 ID:DbwZOd7d
うつつにも夢にも花のちる比は山にだに世のうきめをぞみる(契沖)
694 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:22:26 ID:jno01aEo
おきふしてをしむかひなくうつつにも夢にも花のちる夜なりけり(金葉集初度本98)
695 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:23:33 ID:jno01aEo
桜花ちりぬるときは見もはてでさめぬる夢の心地こそすれ(金葉集初度本105)
696 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 14:25:02 ID:jno01aEo
みる人にいかにせよとか月影のまだ宵のまにたかくなりゆく(玉葉2158)
697 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:38:44 ID:AKuVKNkt
み吉野の花のかげにてくれはてておぼろ月よの道やまどはむ(藤原良経)
698 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:41:22 ID:AKuVKNkt
花ならぬならの木かげも夏くればたつことやすき夕まぐれかは(俊恵)
699 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:42:15 ID:AKuVKNkt
夏衣たつことやすきかげもなしなほ花思ふ庭の梢に(藤原家隆)
700 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:42:54 ID:AKuVKNkt
花の陰の心をしらば月も日もたつことやすき春はあらじを(後柏原天皇)
701 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:43:33 ID:AKuVKNkt
清見潟そでにも浪の月を見てかたへもまたぬ風ぞすずしき(藤原定家)
702 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:44:15 ID:AKuVKNkt
夏と秋とゆきかふ風やすぎぬらし露ちりそむるしののめの道(藤原雅経)
703 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:51:38 ID:Z6KVwVSk
夏と秋とゆきかふ夜半の浪の音のかたへすずしきかもの河かぜ(後鳥羽院)
704 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:52:23 ID:Z6KVwVSk
みるからにかたへ涼しき夏ごろも日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
705 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:52:56 ID:Z6KVwVSk
露の色ももりのしめ縄秋かけてかたへ涼しきせみのは衣(順徳院)
706 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:53:41 ID:Z6KVwVSk
夏の日のかたへすずしき風にしもおくれぬ秋や空にきぬらん(中院通勝)
707 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:54:13 ID:Z6KVwVSk
夏ふかき野原の露もゆく水も近き沢辺ぞかたへ冷しき(冷泉為村)
708 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:54:53 ID:Z6KVwVSk
雪きえてうらめづらしきはつ草のはつかに野べも春めきにけり(式子内親王)
709 :
名無氏物語:2007/07/26(木) 15:55:26 ID:Z6KVwVSk
山風の霞のころもふきかへしうらめづらしき花の色かな(九条道家)
710 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 00:51:22 ID:3zkoIjU8
秋きぬと海ふく比良の山風もうらめづらしきあまの衣手(本居宣長)
711 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 00:52:06 ID:3zkoIjU8
いまはよにもとの心の友もなし老いてふるえの秋萩の花(頓阿)
712 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 00:52:43 ID:3zkoIjU8
いはれのの古枝の真萩はなさけば池にももとの心をぞしる(宗祇)
713 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 00:53:23 ID:3zkoIjU8
なれきつるもとの心は忘れずと萩の古枝をてらす月かげ(木下長嘯子)
714 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 00:58:11 ID:lH8uWf1R
もしほ草しきつの浪にうき枕きけすみよしの松を秋風(慈円)
715 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 00:58:44 ID:lH8uWf1R
住吉の浜辺のみそぎくれゆけば松を秋風けふよりぞふく(下河辺長流)
716 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:05:05 ID:lH8uWf1R
かをらずは折りやまどはむ長月の月夜にあへる白菊の花(大中臣能宣)
717 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:05:51 ID:lH8uWf1R
心あてにをらばやをらん夕づくひさすや小倉の峰のもみぢば(藤原家隆)
718 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:06:28 ID:lH8uWf1R
しらすげのまのの萩原あさなあさな置きまどはせる秋のはつ霜(藤原家隆)
719 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:10:29 ID:lH8uWf1R
心あてにわくともわかじ梅の花散りかふ里の春のあは雪(藤原定家)
720 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:11:49 ID:lH8uWf1R
白菊の籬の月の色ばかりうつろひ残る秋の初霜(藤原定家)
721 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:44:34 ID:P+HNfbu7
心あてに誰かはをらむ山がつのかきほの萩の露のふかさを(藤原為家)
722 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:58:33 ID:P+HNfbu7
心あてにをらばや夜半の梅の花かをる軒ばの風を尋ねて(宗良親王)
723 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 01:59:37 ID:P+HNfbu7
袖かけてをらばやをらん榊ばのかをなつかしみ露をしるべに(正徹)
724 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 02:00:55 ID:P+HNfbu7
心あての色もかすみの吉野山我まどはすな花のしら雲(三条西実隆)
725 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:53:18 ID:8vPME4nU
あともなき波の上ながら心あてにゆけばまどはぬ舟ぢなりけり(小沢蘆庵)
726 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:53:52 ID:8vPME4nU
初霜はまだおきなれぬ宵々の月にうつろふ白菊の花(香川景樹)
727 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:54:25 ID:8vPME4nU
老いの目はまぎらはしさに折りかねつ月夜の霜の白菊の花(安藤野雁)
728 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:54:58 ID:8vPME4nU
もみぢばを幣にたむけて行く秋ををしみとめぬや神なびの森(慈円)
729 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:55:30 ID:8vPME4nU
みそぎ川あさのたちえのゆふしでを幣とたむけて夏はいぬめり(藤原為家)
730 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:56:04 ID:8vPME4nU
初雁のはつかにききしことづても雲路にたえてわぶるころかな(源高明)
731 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:57:04 ID:8vPME4nU
芳野山あふをかぎりの桜花ゆくへもしらぬ道やまどはん(藤原家隆)
732 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 08:57:40 ID:8vPME4nU
あひみてもなほ行くへなき思ひかな命や恋のかぎりなるらん(藤原定家)
733 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:09:09 ID:8vPME4nU
行へなきあふをかぎりの白雲もたえて分かるる峰の松かぜ(俊成卿女)
734 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:09:42 ID:8vPME4nU
さても又あふを限りのはてもなし恋は命ぞかぎりなりける(藤原為家)
735 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:10:15 ID:8vPME4nU
思ひあまりあふをかぎりの詠めしてゆくへもしらぬ夕暮の空(宗尊親王)
736 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:10:48 ID:8vPME4nU
恋ひしなむそれまでと猶歎くかなあふを限の思ひたえても(頓阿)
737 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:11:24 ID:8vPME4nU
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風(正徹)
738 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:11:59 ID:8vPME4nU
くれはつる秋こそやがてしらせけれあふ人からの夜半のならひは(藤原家隆)
739 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:12:44 ID:8vPME4nU
むつごとも逢ふ人からのならひかもいづらは夜半も長月の空(後鳥羽院)
740 :
名無氏物語:2007/07/27(金) 09:13:22 ID:8vPME4nU
またいつにこよひもまたん月をしも逢ふ人からのしののめの空(三条西実隆)
741 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 03:15:25 ID:FZxbDqiG
よの中はさてもやうきと桜花ちらぬ春にもあひ見てしがな(飛鳥井雅有)
742 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:10:18 ID:FZxbDqiG
露分くる夏野の草のぬれ衣なるとはすれど色もかはらず(順徳院)
743 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:18:56 ID:KdbZsjve
あま衣なるとはすれどいせ島やあはぬうつせはいふかひもなし(後水尾院)
744 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:19:37 ID:KdbZsjve
よそにのみきくの長浜ながらへて心づくしにこひやわたらん(藤原為家)
745 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:20:09 ID:KdbZsjve
何ゆゑに雪みるべくもあらぬ身のこしぢの冬をみとせ経ぬらむ(宗良親王)
746 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:20:50 ID:KdbZsjve
ふりつもる雪みるべくもなき人の跡をも今朝はおもひやりつつ(宗良親王)
747 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:21:23 ID:KdbZsjve
かへるかり跡はしたへどしら山のゆきみるべくもなき雲路かな(下河辺長流)
748 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:22:43 ID:KdbZsjve
わび人のたもとしなくは紅葉葉のひとりや雨にぬれて染めまし(藤原為家)
749 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 04:23:26 ID:KdbZsjve
今朝ぞこの山のかひあるみむろ山絶えせぬ道の跡を尋ねて(藤原定家)
750 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 14:46:45 ID:1uDz9Ip0
水鳥のうへはこほれる羽衣いでいりあらふ波のまもなし(賀茂保憲女)
751 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 14:47:54 ID:1uDz9Ip0
世中ようへはこほれる冬川のしられぬにこそわたりかねぬれ(三条西実隆)
752 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 14:49:07 ID:1uDz9Ip0
かねてよりおもひこしぢのあらち山ことわり過ぐる峰の白雪(藤原知家)
753 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 14:49:52 ID:1uDz9Ip0
はるかにも思ひこしぢの春の雁かへる山をば都にぞ見る(後柏原天皇)
754 :
名無氏物語:2007/07/28(土) 14:50:39 ID:1uDz9Ip0
人をのみ思ひこしぢのはてなれや身を白雪のつもる恨みは(宗良親王)
755 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 08:16:22 ID:pbQKCMrq
君が思ひ雪とつもらばたのまれず春よりのちはあらじとおもへば
756 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 02:52:53 ID:VSSvoFnn
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来んものならなくに(和泉式部)
757 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 03:13:42 ID:VSSvoFnn
見ずもあらずみもせぬ人の形見かは五月の空の夕暮の雲(藤原家隆)
758 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 03:28:20 ID:VSSvoFnn
かた見かはしるべにもあらず君恋ひてただつくづくとむかふ大空(藤原定家)
759 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 03:31:33 ID:VSSvoFnn
おほ空はくれゆく秋のかたみかはをしむ袂もうちしぐれつつ(後鳥羽院)
760 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 03:38:23 ID:VSSvoFnn
朝夕にむなしき空をながめてもたかく仰ぎし君を恋ひつつ(宗尊親王)
761 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 03:55:44 ID:8Xq0mBWB
そなたともたがゆふ暮の空なれば恋しきたびに詠めやるらん(宗良親王)
762 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 04:11:23 ID:8Xq0mBWB
かたみかはそなたのそらの峰の雲恋しきたびにうちながめつつ(後崇光院)
763 :
名無氏物語:2007/07/30(月) 04:14:15 ID:8Xq0mBWB
わぎもこは月の都へいらなくに暮るれば空のながめらるらん(井上文雄)
764 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 00:46:07 ID:lN/QppMJ
さく花は千種ながらに時過ぎて枯れゆくをのの霜のさむけさ(宗尊親王)
765 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 00:58:08 ID:/K0IhdBd
花いへばちくさながらにあだならぬ色香にうつる野べの露かな(三条西実隆)
766 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 00:59:53 ID:/K0IhdBd
さまざまに心うつりて咲く花は千種ながらにあかずしぞおもふ(後水尾院)
767 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 01:00:25 ID:/K0IhdBd
冬枯の草葉にも見よ色といへば千種ながらにあだの世の中(後水尾院)
768 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 01:01:48 ID:/K0IhdBd
さく花の千種ながらにうちなびきかぎりもみえぬのべの秋かぜ(霊元院)
769 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 01:02:20 ID:/K0IhdBd
夕霞たなびく山の春よりも色の千種にさけるなでしこ(順徳院)
770 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 16:43:36 ID:c0cO1LqQ
あけわたるとやまの花にうつろひて色の千草にたつかすみかな(藤原泰綱)
771 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 16:44:09 ID:c0cO1LqQ
見わたせば色の千種にうつろひて霞をそむる山ざくらかな(藤原行家)
772 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 19:44:26 ID:hMXRUlP+
桜花うつろふ色は雪とのみふるの山風ふかずもあらなむ(尊円[風雅])
773 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 19:45:36 ID:hMXRUlP+
昨日をば花の陰にてくらしてきけふこそいにし春はをしけれ(和泉式部[続千載])
774 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 19:46:07 ID:hMXRUlP+
ちらぬまの花のかげにてくらすひは老の心も物思ひもなし(二条良実[続古今])
775 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 19:52:31 ID:hMXRUlP+
ちりはてて花のかげなきこのもとにたつことやすき夏衣かな(慈円[新古今])
776 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 19:58:14 ID:hMXRUlP+
夏衣かたへ涼しくなりぬなり夜や更けぬらむ行き合ひの空(慈円[新古今])
777 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 19:58:44 ID:hMXRUlP+
山もとのをちの日かげはさだかにてかたへすずしき夕立の雲(藤原為家[風雅])
778 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 22:18:32 ID:hMXRUlP+
秋くれば萩もふるえにさくものを人こそかはれもとの心は(藤原惟方[風雅])
779 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 22:19:10 ID:hMXRUlP+
さこそわれ萩のふるえの秋ならめもとの心を人のとへかし(阿仏尼[風雅])
780 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 22:19:41 ID:hMXRUlP+
秋風の関吹きこゆるたびごとに声うちそふる須磨のうら波(壬生忠見[新古今])
781 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 22:20:42 ID:hMXRUlP+
住吉の松のしづえは神さびてゆふしでかくる沖つ白波(藤原光頼[続後撰])
782 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 22:21:12 ID:hMXRUlP+
いづれをかわきて折るべき月影に色みえまがふ白菊の花(大弐三位[新勅撰])
783 :
名無氏物語:2007/07/31(火) 22:23:38 ID:hMXRUlP+
月影に色もわかれぬ白菊は心あてにぞ折るべかりける(藤原公行[新勅撰])
784 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 06:58:29 ID:djLu03RR
霜を待つ籬の菊の宵の間におきまがふ色は山の端の月(宮内卿[新古今])
785 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 07:01:41 ID:djLu03RR
袖ふれてをらばやをらむ我妹子が裾ひく庭に匂ふ梅がえ(藤原為経[新千載])
786 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 07:02:11 ID:djLu03RR
もみぢばを幣とたむけてちらしつつ秋とともにやゆかんとすらん(大輔[後撰])
787 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 07:02:51 ID:djLu03RR
恋しきは逢ふを限りと聞きしかどさてしもいとど思ひそひけり(藤原教長[千載])
788 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 07:03:22 ID:djLu03RR
我が恋は逢ふをかぎりのたのみだに行方もしらぬ空のうき雲(源通具[新古今])
789 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 07:05:04 ID:djLu03RR
おのづからあふをかぎりの命とて年月ふるも涙なりけり(藤原為家[続古今])
790 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 07:05:46 ID:djLu03RR
徒に立つや煙のはてもなし逢ふを限りともゆる思ひは(源親長[続拾遺])
791 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:31:29 ID:djLu03RR
我が涙逢ふを限りと思ひしに猶いひしらぬ袖の上かな(後嵯峨院[続拾遺])
792 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:32:04 ID:djLu03RR
こむ世には契ありやと恋ひしなんあふをかぎりの命をしまで(後宇多院[新後撰])
793 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:32:38 ID:djLu03RR
すまの海士の袖にふきこす潮風のなるとはすれどてにもたまらず(藤原定家[新古今])
794 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:33:18 ID:djLu03RR
あふことをはつかに見えし月影のおぼろけにやはあはれともおもふ(村上天皇[新古今])
795 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:33:56 ID:djLu03RR
岩にむす苔ふみならす三熊野の山のかひある行末もがな(後鳥羽院[新古今])
796 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:34:27 ID:djLu03RR
亀のをの山のかひある山桜万代ふべきためしとぞみる(西園寺公相[続拾遺])
797 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:34:58 ID:djLu03RR
ただ一重上は氷れる河の面にぬれぬ木の葉ぞ風に流るる(九条左大臣女[玉葉])
798 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 08:35:55 ID:djLu03RR
つれづれとながめのみするこのごろは空も人こそ恋しかるらし(藤原定頼[風雅])
799 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:01:05 ID:djLu03RR
花もまだにほはぬ比の朝な朝ななけや鶯春と思はん(鷹司院按察[玉葉])
800 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:01:37 ID:djLu03RR
あぢきなく春はいのちのをしきかな花ぞこの世のほだしなりける(和泉式部[風雅])
801 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:03:13 ID:djLu03RR
思へどもつらくもあるかな七夕のなどか一夜と契りそめけん(基長[新勅撰])
802 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:04:21 ID:djLu03RR
あかれじの心や深き七夕の年に一たびまれにのみ逢ふ(花山院[玉葉])
803 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:04:52 ID:djLu03RR
玉川の里の垣ねの卯の花はおよばぬ波のこすかとぞみる(二条道平[新千載])
804 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:05:23 ID:djLu03RR
物おもふ涙の河の身をつくしふかきしるしは袖にみゆらん(中臣祐春[続千載])
805 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:05:55 ID:djLu03RR
恨みても泣きても何をかこたまし見しよの月の辛さならでは(少将内侍[続古今])
806 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:28:02 ID:djLu03RR
山水に老せぬ千世をせきとめておのれうつろふしら菊の花(藤原定家[新千載])
807 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:28:44 ID:djLu03RR
桜花梢さびしくちりすきてのこれる枝に春ぞすくなき(九条師教[玉葉])
808 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 09:29:15 ID:djLu03RR
うき身をも思ひな捨てそ秋の月むかしより見し友ならぬかは(藤原隆房[続後撰])
809 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 11:29:52 ID:nPNI+yg3
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【政治】 「小沢氏なぜ出てこない」 田原総一朗ら、怒りや批判…「私では役不足ですが」と民主・菅氏★5
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1185840645/
810 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:31:56 ID:id5q0Eor
さぬらくは玉の緒ばかり恋ふらくは富士の高嶺の鳴沢のごと(「万葉集」)
811 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:36:52 ID:JYO0/5il
消えぬべき命も生くやと試みむ玉の緒ばかり逢はむと云はなむ(「新撰万葉集」)
812 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:53:23 ID:Blw4nY30
秋も又色の千くさのおなじ野に霞みし花のかげぞわすれぬ(津守国道)
813 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:54:08 ID:Blw4nY30
春の色を千種にこめて天の原かぎりもしらず立つ霞かな(肖柏)
814 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:54:45 ID:Blw4nY30
やまやはるなけや鶯すみがまの煙も空にかすむけしきを(衲叟馴窓)
815 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:55:41 ID:Blw4nY30
移り来てなけや鶯うららなる南のかたえ木のめ春風(冷泉為村)
816 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:56:25 ID:Blw4nY30
染めつくす峰の紅葉をいづる日のあからさまにしあふは逢ふかは(加藤千蔭)
817 :
名無氏物語:2007/08/01(水) 12:56:58 ID:Blw4nY30
み山にも秋はかぎりになりにけりおちくる水の色かはるまで(土御門院小宰相)
818 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 16:14:24 ID:w7at8NnT
白浪のこすかとぞみる卯花のさける垣ねや末の松山(藤原長方)
819 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 16:17:59 ID:w7at8NnT
しら浪のこえてかへると見えつるや雪に風吹くすゑの松山(慈円)
820 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 16:37:53 ID:w7at8NnT
さざなみのこすかとぞみる唐崎や松のしづえにふれる白雪(澄覚法親王)
821 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 17:24:02 ID:l60I5vwl
松かげに咲ける桜は末の山したより浪のこすかとぞみる(小沢蘆庵)
822 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 17:27:58 ID:OqzFDkBE
年をへてつれなき人を恋ふる身は涙の河の身をつくしかな(能因)
823 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 17:34:43 ID:OqzFDkBE
きみゆゑに涙の川にゆらさるるみをつくしともなりはてねとや(藤原経家)
824 :
名無氏物語:2007/08/02(木) 17:37:18 ID:OqzFDkBE
涙川あふせもしらぬ身をつくしたけこす程に成りにけるかな(慈円)
825 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 01:19:19 ID:bx2K0un5
るけつげに、をてしかむかむ、でのるてい、わがんらかわも、とこいといてい。(慈円?)
826 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:07:37 ID:g8elO6Gj
身をつくし忍ぶ涙のみごもりにこの世をかくてくちやはてなん(藤原定家)
827 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:08:24 ID:g8elO6Gj
いかにせむ今はたたえて春の夜の人だのめなる夢をだにみず(藤原家隆)
828 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:09:55 ID:g8elO6Gj
かきつめて誰しのぶべきかたみとは涙の底のもくづなれども(俊成卿女)
829 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:10:40 ID:g8elO6Gj
夜な夜なのまくらのちりをもくづにて涙の床や海とならまし(頓阿)
830 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:11:49 ID:g8elO6Gj
かたみとて涙にうかぶもくづをばかへすをみても袖やぬれなん(飛鳥井雅親)
831 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:14:55 ID:g8elO6Gj
そなたにもとめてやはみぬあふことのいまは涙のもくづなりとも(三条西実隆)
832 :
名無氏物語:2007/08/03(金) 04:17:13 ID:g8elO6Gj
涙川うかぶもくづのうたかたもあはれはかなきかたみなりけり(木下長嘯子)
833 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:07:28 ID:brTM6p3/
雁がねのなきてもいはむ方ぞなきむかしのつらの今の夕暮(藤原定家)
834 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:08:07 ID:brTM6p3/
老をせく菊のした水手にむすぶこのさと人ぞ千世もすむべき(藤原定家)
835 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:08:44 ID:brTM6p3/
天つ星光をうつすみかは水老せぬ菊のかげやせくらん(順徳院)
836 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:20:29 ID:4rT7mlMn
よしの川はやくのとしをかへさめや菊の下水老をせくとも(後水尾院)
837 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:22:05 ID:4rT7mlMn
老をせくためしまでこそくみしらねこのたに河も菊のしたみづ(霊元院)
838 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:44:11 ID:4rT7mlMn
まちをしむ花にまぎれし心からすぐす月日の春ぞすくなき(藤原為家)
839 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 07:45:03 ID:4rT7mlMn
けふのこる花のかとりの白がさねあすたちかへむ春ぞすくなき(正徹)
840 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:21:01 ID:4rT7mlMn
高砂のをのへの松や君がへん千代のともとはならむとすらん(藤原俊成)
841 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:22:08 ID:4rT7mlMn
いかにせん鏡のそこにみづはぐむかげもむかしの友ならなくに(鴨長明)
842 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:24:10 ID:4rT7mlMn
高砂の松をともとて鳴く千鳥きみがやちよのこゑやそふらん(藤原良経)
843 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:38:13 ID:njc0E4dg
友と見しよそのもみぢは散りはててひとりしぐるる高砂のまつ(藤原為家)
844 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:38:47 ID:njc0E4dg
みよしのの吉野の宮はふりにけり松も昔の松やすくなき(順徳院)
845 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:39:26 ID:njc0E4dg
子の日せし代代のみゆきのあとふりて松もむかしの春や恋しき(宗尊親王)
846 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:39:58 ID:njc0E4dg
知る人と松をもいかがたのむべきうきよをいとふ友ならなくに(宗尊親王)
847 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:40:31 ID:njc0E4dg
風かよふ松もむかしの友とてやおなじ軒端ににほふたち花(飛鳥井雅世)
848 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:41:09 ID:njc0E4dg
年こゆる色やはかへん高砂の松もむかしの沖つしらなみ(正徹)
849 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 08:41:43 ID:njc0E4dg
したふなよ松もむかしのとばかりにあだなる花の春の別れは(後柏原天皇)
850 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:30:55 ID:3FO7sqQk
君が代は雲井はるかに高砂の松もむかしの友づるのこゑ三条西(実隆)
851 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:33:39 ID:3FO7sqQk
高砂の松をためしも雪のけさいたづらにふる友とやはみん(木下長嘯子)
852 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:34:30 ID:3FO7sqQk
夏の夜はまだ宵ながら明けぬとやゆふつけ鳥の暁のこゑ(慈円)
853 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:35:21 ID:3FO7sqQk
大和路や都も遠きひむろ山まだ宵ながら岩戸あくなり(藤原家隆)
854 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:35:55 ID:3FO7sqQk
夏の月はまだ宵の間とながめつつぬるや河辺のしののめの空(藤原定家)
855 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:36:26 ID:3FO7sqQk
宵ながら雲のいづことをしまれし月をながしと恋ひつつぞぬる(藤原定家)
856 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:36:57 ID:3FO7sqQk
折しもあれ雲のいづくに入る月の空さへをしきしののめの途(藤原定家)
857 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:44:39 ID:JniFyZft
山路行く雲のいづこの旅枕ふすほどもなく月ぞ明け行く(藤原定家)
858 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:50:04 ID:JniFyZft
夕づくよかたぶく空はよひながら雲のいづくにありあけの月(藤原忠良)
859 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 07:57:18 ID:JniFyZft
夏の夜は雲のいづくにやどるともわがおもかげに月はのこさむ(藤原良経)
860 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 08:02:56 ID:JniFyZft
郭公まだ宵ながら明くる夜の雲のいづくになきわたるらん(後鳥羽院)
861 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 08:03:29 ID:JniFyZft
あかなくに雲のいづくにやどりつつはるればあくる夏の夜の月(後鳥羽院)
862 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 08:04:26 ID:JniFyZft
月だにも雲のいづくに夏の夜のやみはあやなし曙の空(順徳院)
863 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 16:39:02 ID:xzTjunJD
よひのまに明けなば明けよ天つ空雲のいづくと月はたどらじ(正徹)
864 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:16:05 ID:Liqlvubj
庭しろき玉をのべたる光かなこほれる雪をみがく月夜に(正徹)
865 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:17:17 ID:Liqlvubj
雲さゆるよし野の里は冬ながら空より花のふらぬひはなし(祝部成茂)
866 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:50:12 ID:Amt/eOME
高砂の松も昔になりぬべしなほ行末は秋の夜の月(寂蓮[新古今])
867 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:51:24 ID:Amt/eOME
高砂の松もかひなし誰をかもあはれ歎きのしる人にせん(藤原忠定[続拾遺])
868 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:52:09 ID:Amt/eOME
冬きては雪の底なる高砂の松を友とぞいとどふりぬる(藤原為家[続拾遺])
869 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:53:43 ID:Amt/eOME
月だにも老の涙のへだてずはむかしの秋の友とみてまし(一条実経[続拾遺])
870 :
名無氏物語:2007/08/05(日) 17:55:23 ID:Amt/eOME
高砂の松を友ともなぐさまで猶妻ごひに鹿ぞ鳴くなる(尊円親王[新拾遺])
871 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 07:45:16 ID:rNtirfXW
日影みずさきてとくちる色もなし谷は蛍ぞ光なりける(藤原定家)
872 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 07:46:01 ID:rNtirfXW
春もまだよそにぞ寒き谷の戸に咲きてとくちる花の淡雪(望月長孝)
873 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 07:46:34 ID:rNtirfXW
ひかりなき谷にも風はよそならで咲きてとくちる山桜かな(本居宣長)
874 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:29:18 ID:LDzcNE/O
紅葉ちることやわびしきみ熊野の山のあらしに鹿ぞなくなる(慈円)
875 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:29:49 ID:LDzcNE/O
ねにたてて秋の夜かこつきりぎりす長きね覚の枕にぞきく(藤原為家)
876 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:31:25 ID:LDzcNE/O
しるべなきおきつの浜になくたづのゑをあはれと神はきかなむ(兼好)
877 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:32:55 ID:LDzcNE/O
春はとし霞かかれる梢より花ぞおそきと鶯のなく(慈円)
878 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:33:26 ID:LDzcNE/O
鶯のはつねをもらせ春やとき花やおそきと思ひさだめん(後鳥羽院)
879 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:57:33 ID:LSIXhsj8
春やとき谷の鶯うち羽ぶき今日しら雪のふる巣いづなり(藤原定家)
880 :
名無氏物語:2007/08/06(月) 14:58:11 ID:LSIXhsj8
春やときとばかり聞きし鶯の初音を我と今日やながめむ(藤原定家)
881 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 00:28:30 ID:hisTK1Zf
白雪のふる枝の梅を花とみて春やおそきときゐる鶯(藤原為家)
882 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 00:29:05 ID:hisTK1Zf
木々の雪花かと見えて花やとき春やおそきとあやまたれぬる(三条西実隆)
883 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 00:30:23 ID:hisTK1Zf
さねかづらいまはたゆとや逢坂のゆふつけ鳥のくり返し鳴く(藤原家隆)
884 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 00:31:08 ID:hisTK1Zf
いかにせん相坂山のさねかづらはぶきあまたにうつりはてなば(藤原家隆)
885 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 00:35:59 ID:hisTK1Zf
くる人をいかがいとはむさねかづらたえずはすゑも逢坂の関(蓮瑜)
886 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 00:37:26 ID:hisTK1Zf
さねかづらかけのたれをの長路しるあふ坂山の関の行末(正徹)
887 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:26:27 ID:HaNx/6hp
さねかづら末葉にむすぶ露かけてもとくる人のありとしられじ(常縁)
888 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:29:30 ID:HaNx/6hp
あふさかや夢にもさねんさねかづらくるよを人にせきなとどめそ(後柏原天皇)
889 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:35:10 ID:HaNx/6hp
霞たつあふ坂山のさねかづらまたくりかへし春はきにけり(木下長嘯子)
890 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:39:57 ID:HaNx/6hp
夏の夜ののどけき雨をあしびきの山の松風ふくかとぞきく(曾根好忠)
891 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:40:33 ID:HaNx/6hp
石見のや高津のやまの松風のここに通ひて吹くかとぞきく(木下幸文)
892 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:48:21 ID:HaNx/6hp
みかの原ながるる河のいつみきとおぼえぬせにもぬるる袖かな(藤原基家)
893 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:51:16 ID:HaNx/6hp
いづみ川ゆくせの波の程にのみききこし人に恋ひやわたらむ(宗尊親王)
894 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:53:41 ID:HaNx/6hp
春はただみきともいはじ泉河わきてかすめる波の上の月(慶運)
895 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 14:58:59 ID:6w6MI5/d
泉川こほりにけりなゆく水のわきて流るるかたもなきまで(二条良基)
896 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:02:10 ID:6w6MI5/d
かけとめよ雲まの月を三かの原袂にわきていづみ川なみ(正徹)
897 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:03:50 ID:6w6MI5/d
ほのかにも山より月のいづみ川ひかりぞ四方にわきて流るる(三条西実隆)
898 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:05:50 ID:6w6MI5/d
袖かけて夕波すずしいづみ川秋のこころや分きてながるる(上冷泉為和)
899 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:06:42 ID:6w6MI5/d
みかの原こよひの月の光さへわきてながるるいづみ川かな(松永貞徳)
900 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:07:14 ID:6w6MI5/d
泉川わきて秋こそかなしけれはらへばむすぶかせの山霧(加納諸平)
901 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:07:46 ID:6w6MI5/d
いつみきかいつみきとてか泉なる空にうつせば満目の花(山中智恵子)
902 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:20:59 ID:nt4HihTn
白雲のここのへにたつ峰なればおほうち山といふにぞありける(新勅撰1265)
903 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:26:54 ID:nt4HihTn
くれ竹の世々の宮こときくからに君は千年のうたがひもなし(新勅撰453)
904 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 15:28:23 ID:nt4HihTn
こぬ人をまつ秋風のねざめには我さへあやな旅ごこちする(新拾遺744)
905 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 17:57:17 ID:Z/4pnPMK
さきやらぬ花の梢はたかさごの松を友とやつれなかるらむ(直明王[新続古今])
906 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 18:00:30 ID:Z/4pnPMK
郭公雲のいづくにやすらひて明がたちかき月になくらん(後鳥羽院[続拾遺])
907 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 18:03:36 ID:Z/4pnPMK
卯の花の籬は雲のいづくとてあけぬる月の影やどすらむ(藤原為家[続古今])
908 :
名無氏物語:2007/08/07(火) 18:04:29 ID:Z/4pnPMK
暁の空とはいはじ夏の夜はまだ宵ながら有明の月(西園寺公相[続古今])
909 :
名無氏物語:2007/08/08(水) 11:18:42 ID:B2wqGFdM
子を思ふ道こそ闇と聞きしかど親の跡にもまよはれにけり(選子内親王)
910 :
名無氏物語:2007/08/08(水) 11:19:19 ID:B2wqGFdM
花をらむ心もそらに成りにけり子を思ふ道におもひみだれて(大江匡衡)
911 :
名無氏物語:2007/08/08(水) 11:20:26 ID:B2wqGFdM
敷島やこの道なくば子の道に迷ふ心のやみははるけし(正徹)
912 :
名無氏物語:2007/08/08(水) 23:54:31 ID:xajGbSiH
しらざりし誰もねざめの秋の雨の子をおもふ道にふるは涙を(藤原惺窩)
913 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 00:25:00 ID:+mwwkfhP
さきにほひ風まつほどの山ざくら人の世よりは久しかりけり(新勅撰1225)
914 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 00:27:03 ID:+mwwkfhP
みかの原わきてながるる泉河いつ見きとてか恋しかるらむ(新古今996)
915 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 14:43:03 ID:J0rsiYZP
桜ちる春の末には成りにけりあままもしらぬながめせしまに(新古今759)
916 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 16:54:37 ID:k8L862FD
まだきより花を見すててゆく雁やかへりて春のとまりをば知る(藤原定家)
917 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 16:56:36 ID:k8L862FD
問はばやな花なき里にすむ人も春はけふとやなほ眺むらん(藤原定家)
918 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 17:04:32 ID:k8L862FD
秋によする心とやみむ春霞たつを見すてて雁もきにけり(後水尾院)
919 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 17:46:29 ID:A4p4FvbF
天つ風氷を渡る冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王[新勅撰])
920 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 17:56:54 ID:A4p4FvbF
麓をば宇治の川霧たちこめて雲ゐにみゆる朝日山かな(藤原公実[新古今])
921 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 18:03:36 ID:A4p4FvbF
朝まだき御法の庭にふる雪は空より花のちるかとぞみる(中原清重[千載])
922 :
名無氏物語:2007/08/09(木) 18:04:30 ID:A4p4FvbF
法の庭空に楽こそきこゆなれ雲のあなたに花やちるらん(慶政[風雅])
923 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 04:55:15 ID:374Zal1i
花の色の折られぬ水にこすさほの雫も匂ふ宇治の河長(藤原定家)
924 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 04:56:18 ID:374Zal1i
龍田河折られぬ水の紅に流れてはやき秋の影かな(藤原定家)
925 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:06:00 ID:374Zal1i
石ばしる滝ついはねのさくらばなをられぬ水に枝なびきけり(藤原為家)
926 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:10:00 ID:374Zal1i
岸かげや折られぬ花のにほひをも波によせくる春の河水(村田春海)
927 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:17:14 ID:374Zal1i
梅が香やまづ映るらむ影きよき玉島川の花の鏡に(藤原定家)
928 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:18:14 ID:374Zal1i
春をへて門田にしむる苗代に花の鏡の影ぞかはらぬ(藤原定家)
929 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:23:34 ID:374Zal1i
ゆく水の花の鏡の影もうしあだなる色のうつりやすさは(藤原定家)
930 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:35:35 ID:9OuLWAeW
つくばねの高嶺のみゆき霞みつつ隅田河原に春たちにけり(琴後集)
931 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:36:40 ID:9OuLWAeW
大空はそこはかとなく霞む野に声のみ落つる夕ひばりかな(琴後集)
932 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:38:04 ID:9OuLWAeW
あくまでも花見るたびにうれしきは世にいとなみのなき身なりけり(琴後集)
933 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:38:45 ID:9OuLWAeW
いつしかと秋の千草の花数もなかば見えゆく夏の野辺かな(琴後集)
934 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:39:21 ID:9OuLWAeW
桂人鵜川たつとや波のうへにみだれてみゆる瀬々の篝火(琴後集)
935 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:39:57 ID:9OuLWAeW
かくながら月や宿さむ夕立のなごりとどむる玉ざさの露(琴後集)
936 :
名無氏物語:2007/08/10(金) 05:40:28 ID:9OuLWAeW
おのづから月の光となりにけり雲ふきはらふ夜はの秋風(琴後集)
937 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 01:57:36 ID:uhyp22xP
しづたまき夕はたぐものたてぬきにあやおりみだる春雨の空(藤原秀能)
938 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:01:42 ID:uhyp22xP
夕がすみ消えゆく雁や雲とりのあやおりみだる春の衣手(順徳院)
939 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:06:22 ID:uhyp22xP
行きゆかずきかまほしきをいづかたにふみさだむらんあしうらの山(藤原定頼)
940 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:15:54 ID:r4qNsomJ
さくら花春くははれる年しもぞつねよりも猶ちりまさりける(藤原高遠)
941 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:16:29 ID:r4qNsomJ
世の人の心の花もあひにあひぬ春くははれる春を待ちえて(烏丸光広)
942 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:24:37 ID:oHQXF97Z
山里は秋のなごりぞあはれなる落葉まじりに尾花散る頃(琴後集)
943 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:25:16 ID:oHQXF97Z
沖つ風雲居に吹きて有明の月にみだるる村千鳥かな(琴後集)
944 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:25:47 ID:oHQXF97Z
泊り舟苫のしづくの音たえて夜半のしぐれぞ雪になりゆく(琴後集)
945 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:26:42 ID:oHQXF97Z
つらからぬ言葉ぞつらき中々に思ひこりよと言ひもはなたで(琴後集)
946 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:27:23 ID:oHQXF97Z
見し世にはただなほざりの一言も思ひ出づればなつかしきかな(琴後集)
947 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:28:16 ID:oHQXF97Z
雪ふれば千里もちかし欄干のもとよりつづく不二の柴山(琴後集)
948 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 02:28:54 ID:oHQXF97Z
あさま山神のいぶきの霧はれて雲居にたてる夕けぶりかな(琴後集)
949 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 03:05:38 ID:l5eIn9em
雪はるる朝けに見れば不二の嶺のふもとなりけり武蔵野の原(賀茂真淵「賀茂翁家集」)
950 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 03:06:33 ID:l5eIn9em
いぶき山いぶく朝風吹きたえてあふみは霧の海となりぬる(加藤宇万伎「しづのや家集」)
951 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 12:48:53 ID:BmhGZZEn
和歌を歌って感傷にふけるのはオナニーといっしょだ。
952 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 14:04:55 ID:CcycS8jB
みる人もなき山里の花のいろはなかなか風ぞをしむべらなる(藤原道信)
953 :
名無氏物語:2007/08/11(土) 14:05:26 ID:CcycS8jB
みる人もなき山里の秋の夜は月のひかりもさびしかりけり(藤原範永)
954 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 02:30:44 ID:Jh9bSZsy
ともかくも言はばなべてになりぬべしねになきてこそ見せまほしけれ(和泉式部)
955 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 02:56:03 ID:eKglQC+d
枕だに知らねばいはじ見しままに君かたるなよ春の夜の夢(和泉式部)
956 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:31:34 ID:8v0sLnaj
天の河あれにし床をけふばかりうちはらふ袖のあはれいくとせ(藤原定家)
957 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:32:33 ID:8v0sLnaj
山風のあれにし床をはらふ夜はうきてぞこほる袖の月影(藤原定家)
958 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:38:19 ID:8v0sLnaj
あひにあひて物思ふ春はかひもなし花も霞もめにしたたねば(和泉式部)
959 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:38:53 ID:8v0sLnaj
をみなへし池のさ波に枝ひちて物思ふ袖のぬるる顔なる(西行)
960 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:40:47 ID:8v0sLnaj
あひにあひて物おもふ比の夕暮に鳴くやさ月の山ほととぎす(藤原家隆)
961 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:50:36 ID:pw/ZlbeF
秋はまた濡れこし袖のあひにあひて雄島の海人ぞ月になれける(藤原定家)
962 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:51:09 ID:pw/ZlbeF
なれし夜の月ばかりこそ身にはそへ濡れても濡るる袖にやどりて(藤原定家)
963 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 16:51:41 ID:pw/ZlbeF
秋の月袖になれにし影ながら濡るる顔なる布引の滝(藤原定家)
964 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:00:56 ID:pw/ZlbeF
袖のうへにぬるる顔なる光かな月こそ旅の心しりけれ(藤原俊成女)
965 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:01:49 ID:pw/ZlbeF
すがまくら玉ちる閨の袖のうへにぬるるがほなる床の月かげ(後鳥羽院)
966 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:14:45 ID:pw/ZlbeF
いまぞしるあひそめ川の水上はたえずながるる涙なりけり(源仲綱)
967 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:15:19 ID:pw/ZlbeF
おもひ河身をはやながら水のあわのきえてもあはむ波のまもがな(藤原家隆)
968 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:51:17 ID:tBo7eIeH
恋ひ死なば我がゆゑとだに思ひ出でよさこそは辛き心なりとも(実国[千載])
969 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:51:50 ID:tBo7eIeH
桜花咲きてとくちるならひこそ我が身の春の物思ひなれ(嘉喜門院[新葉])
970 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:53:07 ID:tBo7eIeH
こと問へよ思ひおきつの浜千鳥なくなく出でしあとの月影(藤原定家[新古今])
971 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:53:39 ID:tBo7eIeH
人を思ふ思ひを何にたとへまし室の八島も名のみ也けり(源重之女[続後拾遺])
972 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 17:54:49 ID:tBo7eIeH
忍ぶれど思ふ思ひのあまりには色に出でぬる物にぞありける(大江嘉言[風雅])
973 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 18:02:41 ID:tBo7eIeH
さてもわが思ふ思ひよつひにいかに何のかひなき眺めのみして(永福門院[風雅])
974 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 18:03:53 ID:tBo7eIeH
君ゆゑに思ふ思ひは大海の波をば袖にかけぬまもなし(公蔭[風雅])
975 :
名無氏物語:2007/08/12(日) 18:05:40 ID:tBo7eIeH
春やくる花や咲くとも知らざりき谷のそこなる埋木の身は(和泉式部[新勅撰])
976 :
名無氏物語:
わくらばにあふ坂山のさねかづらくるをたえずと誰か頼まん(九条道家[新勅撰])