1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2007/02/28(水) 15:43:58 ID:c4EpxtsS
3 :
名無氏物語:2007/02/28(水) 17:57:35 ID:HMgYaqhM
アナル洋一こと、ニ松クソ野郎
4 :
「勇俊(冬のオイラ):2007/02/28(水) 21:44:00 ID:wXp1DAYR
オイラ4様
5 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:05:01 ID:RD21hqRx
もる山の時雨の秋を見てしがな心づからや紅葉はつると(藤原定家[拾遺愚草])
6 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:06:38 ID:RD21hqRx
このねぬる朝けの風も心あらば花のあたりをよきて吹かなん(九条道家[続後撰])
7 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:07:18 ID:RD21hqRx
たちまよふ吉野の桜よきて吹け雲に待たるる春の山風(九条教実[新勅撰])
8 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:11:46 ID:RD21hqRx
心から散るといふ名の惜しければうつろふ花に風もいとはず(藤原為理[新後撰])
9 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:20:28 ID:tKcmVkt/
春風は花のあたりをよきてふけ心づからやうつろふと見む(古今85)
10 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:23:58 ID:hM0ztbzS
木がらしやいかにまちみんみわの山つれなき杉の雪折れのこゑ
11 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:24:37 ID:hM0ztbzS
さきかかる軒端のふぢのしづくより色ふかくなる春のむら雨
12 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:25:49 ID:hM0ztbzS
山ふかき秋をみるにも思ふかなこれよりおくの夕ぐれの空
13 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:27:11 ID:hM0ztbzS
山人の峰の桜ををりそへてかへるかざしもにほふはる風
14 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:27:52 ID:hM0ztbzS
山桜かざしの花に折りそへてかぎりの春のいへづとにせん
15 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:29:31 ID:hM0ztbzS
つま木には野辺のさわらび折りそへて春の夕にかへる山人
16 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 08:30:28 ID:hM0ztbzS
日かげみぬ深山がくれにながれきて雪げの水の又こほりぬる
17 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 14:58:45 ID:9n4JXgCJ
日かげみぬ岩まがくれのかたそばにまだありけりなこぞのふる雪(藤原親隆「久安百首」)
18 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:12:01 ID:VLkW1jGI
もろともに山めぐりする時雨かなふるにかひなき身とはしらずや(詞花149)
19 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:13:35 ID:VLkW1jGI
逢坂はあづま路とこそききしかど心づくしの関にぞありける(後拾遺748)
20 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:14:21 ID:VLkW1jGI
榊葉のゆふしでかけしそのかみにおしかへしてもにたる頃かな(後拾遺749)
21 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:15:37 ID:VLkW1jGI
今はただ思ひ絶えなんとばかりを人づてならで言ふよしもがな(後拾遺750)
22 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:17:09 ID:VLkW1jGI
みちのくの緒絶の橋やこれならんふみみふまずみ心まどはす(後拾遺751)
23 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:18:20 ID:VLkW1jGI
涙やはまたも逢ふべきつまならん泣くよりほかのなぐさめぞなき(後拾遺742)
24 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:32:35 ID:7EUTusYH
遥かなる生駒の山のほととぎす人伝ならで聞くよしもなし(熊谷直好)
25 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:41:29 ID:7EUTusYH
おなじくは思ひ絶えなむ言の葉を人づてならでいふにかへばや(藤原助連)
26 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:42:42 ID:7EUTusYH
もろともに山辺をめぐる村時雨さても憂き世にふるぞ悲しき(聖覚)
27 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:44:49 ID:7EUTusYH
跡もなくやがてぞかすむ夕日影いるまでみつるをちの山のは(頓阿)
28 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:45:23 ID:7EUTusYH
あまつ風雲吹払ふ秋の夜は月よりほかの物なかりけり(藤原顕輔)
29 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:46:08 ID:7EUTusYH
さびしさに草の庵を出でてみれば稲葉おしなみ秋風ぞ吹く(良寛)
30 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 15:59:33 ID:RuHw8A71
いその神ふるのの桜たれうゑて春はわすれぬかたみなるらむ(新古96)
31 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 16:00:37 ID:RuHw8A71
ゆくすゑをたれしのべとて夕風に契りかおかむやどのたちばな(新古239)
32 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 16:01:11 ID:RuHw8A71
あはれ又いかにしのばむ袖のつゆ野原の風に秋はきにけり(新古294)
33 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 16:01:46 ID:RuHw8A71
深草のさとの月かげさびしさもすみこしままの野べの秋風(新古374)
34 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 16:02:22 ID:RuHw8A71
秋のよはやどかる月も露ながら袖に吹きこす荻のうは風(新古424)
35 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 16:05:44 ID:RuHw8A71
木の葉ちる時雨やまがふ我が袖にもろき涙の色とみるまで(新古560)
36 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 16:06:38 ID:RuHw8A71
霜こほる袖にもかげは残りけり露よりなれし有明の月(新古594)
37 :
名無氏物語:2007/03/01(木) 22:05:53 ID:L8q4V5n+
うつろふも心づからの花ならばさそふ嵐をいかがうらみん(伏見院[続千載])
38 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 01:10:00 ID:0G7X3759
谷川のうち出づる波も声たてつ鶯さそへ春の山風(藤原家隆[新古今])
39 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 01:16:46 ID:0G7X3759
谷川をうち出づる波にみし花の峰の梢になりにけるかな(藤原良経[続後拾遺])
40 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 01:21:22 ID:0G7X3759
花に飽かでつひに消えなば山桜あたりをさらぬ霞とならん(藤原俊成[風雅])
41 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 01:39:13 ID:0G7X3759
花すすきまだ露ふかし穂に出でて眺めじと思ふ秋のさかりを(式子内親王[新古今])
42 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 03:56:16 ID:0G7X3759
白川のたえぬ流れを尋ねきて万代契る友千鳥かな(覚助法親王[新千載])
43 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 03:57:13 ID:0G7X3759
我が恋はしる人もなしせく床の涙もらすな黄楊のを枕(式子内親王[新古今])
44 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 03:58:00 ID:0G7X3759
忍びあまり落つる涙をせき返し抑ふる袖ようき名もらすな(読人不知[新古今])
45 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 04:48:23 ID:x1pfwTsY
ありはてぬ命をさぞと知りながらはかなくも世を明け暮らす哉(藤原定家)
46 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 04:53:57 ID:0G7X3759
葛の葉にあらぬ我が身も秋風の吹くにつけつつ恨みつるかな(村上天皇[新古今])
47 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 05:06:07 ID:dYg3CKd5
枕よりまたしる人もなき恋を涙せきあへずもらしつるかな(古今670/平貞文)
48 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 05:15:03 ID:0G7X3759
葛の葉の恨みにかへる夢の世を忘れがたみの野辺の秋風(俊成女[新古今])
49 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 08:57:38 ID:0G7X3759
今よりの秋の夜風やいかならむ今朝だに葛のうらみ顔なる(寂蓮[続後撰])
50 :
名無氏物語:2007/03/02(金) 19:46:07 ID:tnR1PfFv
ヌルハチ
51 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 00:19:49 ID:+cB+VWNq
かからずは何か別れのをしからむなれぬるばかり悔しきはなし(安喜門院大弐[玉葉])
52 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 00:22:14 ID:+cB+VWNq
旅衣みやこの月のおくらずはなにか別れのかたみならまし(頓阿[新続古今])
53 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 00:29:40 ID:+cB+VWNq
穂に出でてまねくとならば花薄過ぎ行く秋をえやは止めぬ(教長[風雅])
54 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 00:35:01 ID:ltFe0dzP
鶯の物うかる音にうらぶれて野上の方に春ぞ暮れ行く(宗尊親王)
55 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 01:19:35 ID:+cB+VWNq
ももしきの大宮人もむれゐつつこぞとや今日をあすはかたらん(藤原師氏[新勅撰])
56 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 01:24:36 ID:+cB+VWNq
草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする(源通具[新古今])
57 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 01:25:23 ID:+cB+VWNq
おほぞらの月のひかりしあかければ槙の板戸も秋はさされず(源為善[後拾遺])
58 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 01:26:32 ID:+cB+VWNq
白妙に雪もわが身もふりはてぬあはれ名残の有明の月(西園寺公経[続古今])
59 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 01:27:11 ID:+cB+VWNq
都には聞ふりぬらん郭公関のこなたの身こそつらけれ(実方[続後撰])
60 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 01:42:31 ID:+cB+VWNq
音羽河雪げの波も岩こえて関のこなたに春はきにけり(定家[続古今])
61 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 07:27:10 ID:+cB+VWNq
今朝かはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
62 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 07:33:19 ID:+cB+VWNq
逢ふことのなぎさなればや都鳥かよひし跡も絶えて問ひこず(道長[続後撰])
63 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 07:33:53 ID:+cB+VWNq
逢ふことのなぎさにひろふ石なれや見れば涙のまづかかるらん(輔相[新拾遺])
64 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 07:37:15 ID:+cB+VWNq
武蔵野や人の心のあさ露につらぬきとめぬ袖の白玉(九条道家[新勅撰])
65 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 07:41:10 ID:+cB+VWNq
紅葉せぬときはの山に住む鹿はおのれ鳴きてや秋を知るらん(大中臣能宣[拾遺])
66 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:51:06 ID:+cB+VWNq
花咲かぬときはの山のうぐひすは霞を見てや春をしらなん(大中臣能宣[新千載])
67 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:53:36 ID:+cB+VWNq
秋来れば常磐の山の松風もうつるばかりに身にぞしみける(和泉式部[新古今])
68 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:55:14 ID:+cB+VWNq
浅みどり霞める空のけしきにやときはの山も春をしらなん(少将公教母[金葉])
69 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:56:22 ID:+cB+VWNq
橘にあやめの枕にほふ夜ぞ昔をしのぶかぎりなりける(藤原俊成[新後撰])
70 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:57:05 ID:+cB+VWNq
山ざとの暁がたの鹿のねは夜はのあはれのかぎりなりけり(慈円[千載])
71 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:57:54 ID:+cB+VWNq
ひとめさへ霜がれにける宿なればいとど有明の月ぞさびしき(具平親王[玉葉])
72 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 08:58:33 ID:+cB+VWNq
み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春はきにけり(藤原良経[新古今])
73 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 13:53:52 ID:RywQ/0Po
うちきらし猶ふる雪も春たつといふばかりにや花とみゆらん(藤原家経[玉葉])
74 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 13:54:32 ID:RywQ/0Po
桜花今やさくらんみ吉野の山もかすみて春雨ぞふる(後円融院[新後拾遺])
75 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 17:02:27 ID:RywQ/0Po
ひとりぬる我にてしりぬ池水につがはぬ鴛鴦のおもふ心を(藤原公実[千載])
76 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 17:03:19 ID:RywQ/0Po
夏の夜の月の桂の下紅葉かつがつ秋の光をぞまつ(二条院讃岐[新続古今])
77 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 17:45:32 ID:RywQ/0Po
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(俊成女[新古今])
78 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 18:30:59 ID:RywQ/0Po
秋の色を払ひはててや久かたの月の桂に木枯しの風(藤原雅経[新古今])
79 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 20:46:47 ID:RywQ/0Po
見るままに色かはりゆく久方の月の桂の秋のもみぢ葉(藤原資季[新勅撰])
80 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:14:06 ID:RywQ/0Po
なく鹿の声にめざめて偲ぶかな見はてぬ夢の秋の思ひを(慈円[新古今])
81 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:30:08 ID:RywQ/0Po
山里は秋の寝覚ぞあはれなるそことも知らぬ鹿の鳴くねに(後白河院[続古今])
82 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:30:42 ID:RywQ/0Po
侘び人の秋の寝覚はかなしきに鹿の音遠き山里も哉(今出河院近衛[続千載])
83 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:31:10 ID:oaKkdljL
ながめつつ月の桂の紅葉葉は時雨せぬにぞ秋まさりける(順徳院)
84 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:34:00 ID:RywQ/0Po
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ(斎宮女御[拾遺])
85 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:51:42 ID:RywQ/0Po
袖におく露をば露と忍べどもなれゆく月や色を知るらむ(源通具[新古今])
86 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:52:42 ID:RywQ/0Po
今よりの露をばつゆと荻の葉に涙かつ散る秋風ぞ吹く(津守国助[続拾遺])
87 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:53:31 ID:RywQ/0Po
袖の上の露をばつゆと払ひても涙数そふ秋の夕暮(道応[新後拾遺])
88 :
名無氏物語:2007/03/03(土) 22:54:04 ID:RywQ/0Po
芳野山今朝ふる雪やつもるらん入りにし人の跡だにもなし(土御門院[新続古今])
89 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 03:44:03 ID:riGjWRaG
かた岡の雪まにねざす若草のほのかに見てし人ぞ恋しき(曽禰好忠[新古今])
90 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 03:48:11 ID:riGjWRaG
跡をだに草のはつかに見てしがな結ぶばかりの程ならずとも(和泉式部[新古今])
91 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 03:49:09 ID:riGjWRaG
春の夜の夢の浮橋とだえして峰にわかるる横雲の空(定家[新古今])
92 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 03:49:56 ID:riGjWRaG
桜花夢かうつつか白雲の絶えてつれなき峯の春風(家隆[新古今])
93 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 03:50:32 ID:riGjWRaG
横雲の風にわかるるしののめに山飛びこゆる初雁の声(西行[新古今])
94 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 03:51:07 ID:riGjWRaG
風ふかば峯に別れむ雲をだにありし名残の形見とも見よ(家隆[新古今])
95 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 06:23:07 ID:riGjWRaG
あひ見ても峯にわかるる白雲のかかる此の世のいとはしきかな(源季広[新古今])
96 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 07:51:52 ID:riGjWRaG
うつりゆく人の心は白雲のたえてつれなき契りなりけり(良経[新続古今])
97 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 09:43:46 ID:riGjWRaG
暁やまだ深からし松のうれに別るともなき嶺の白雲(藤原為基[風雅])
98 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 09:44:29 ID:riGjWRaG
有明のつれなく見えし月は出でぬ山郭公待つ夜ながらに(良経[新古今])
99 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 18:14:57 ID:riGjWRaG
更にまた暮をたのめと明けにけり月はつれなき秋の夜の空(源通光[新古今])
100 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 18:16:00 ID:riGjWRaG
つれなさのたぐひまでやはつらからぬ月をもめでじ有明の空(藤原有家[新古今])
101 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 18:16:33 ID:riGjWRaG
契りきやあかぬ別れに露おきし暁ばかり形見なれとは(通具[新古今])
102 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 18:18:03 ID:riGjWRaG
別れ路の有明の月のうきにこそたへて命はつれなかりけれ(為家[続拾遺])
103 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 18:19:26 ID:riGjWRaG
つれなさのたぐひならじと有明の月にしも鳴く時鳥かな(西園寺実兼[新拾遺])
104 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 20:14:35 ID:DEJ478sg
吉野山嶺の白雪踏み分けて入りにし人の跡ぞ恋しき(静御前)
105 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 21:24:35 ID:riGjWRaG
過ぎぬればうつつも夢にかはらぬをぬるがうちとも思ひけるかな(源具房[続古今])
106 :
名無氏物語:2007/03/04(日) 21:38:10 ID:riGjWRaG
ぬるがうちに逢ふとみつるも頼まれず心のかよふ夢路ならねば(長舜[風雅])
107 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:17:27 ID:8MrW5Ubd
ぬるがうちに見るより外のうつつさへいやはかななる夢になりぬる(為基[風雅])
108 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:25:17 ID:2Hw+nwF1
おぼろなる月もほのかに雲かすみ 晴れてゆくゑの西の山の端(武田勝頼・辞世の和歌)
109 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:35:25 ID:8MrW5Ubd
忍ばじよ岩間づたひの谷川も瀬をせくにこそ水まさりけれ(藤原公継[新古今])
110 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:36:08 ID:2Hw+nwF1
おもかけのみおしはなれぬ月なれば いづるも入るも同じ山の端(
>>108の折に土屋昌恒が唱和した返歌)
111 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:36:19 ID:8MrW5Ubd
冬川の淵ともならで淀めるはいかに瀬をせく氷なるらん(藤原実伊[続古今])
112 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:40:32 ID:8MrW5Ubd
もらさじと思ふ心やせきかへす涙の川にかくるしがらみ(藤原兼宗[続拾遺])
113 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 00:40:57 ID:2Hw+nwF1
あたに見よたれも嵐の桜花 咲き散るほとは春の夜の夢(
>>108&
>>110の折に武田信勝(勝頼の長男)が詠んだ辞世の和歌)
114 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 03:44:26 ID:8MrW5Ubd
みな人のつひに行くなるみつせ河その瀬にかへるしがらみぞなき(藤原光俊[新千載])
115 :
名無氏物語:2007/03/05(月) 10:41:23 ID:8MrW5Ubd
思ひせく涙の川の淀はあれど絶えん命のしがからみぞなき(惟賢[新続古今])
116 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:10:14 ID:bM3vvt4O
チンカス野郎
117 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:25:36 ID:OHDVUFFA
くるるかとみしは霞のくもるにて夜になる程の雨ぞ日ながき(中院通勝)
118 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:48:26 ID:RgGx6+do
万代のためしと見ゆる花の色を映しとどめよ白川の水(上西門院兵衛[金葉])
119 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:49:03 ID:RgGx6+do
郭公まだうちとけぬ忍びねはこぬ人を待つ我のみぞきく(白河院[新古今])
120 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:49:37 ID:RgGx6+do
山がつとなりても猶ぞ郭公なくねにあかで年はへにける(寂超[続拾遺])
121 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:50:55 ID:RgGx6+do
かはらずと人にかたらん郭公むかしのこゑは我のみぞきく(実氏[続古今])
122 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:51:38 ID:RgGx6+do
ちりつもる紅葉ならねど立田川月にも水の秋は見えけり(藤原能清[続拾遺])
123 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:10:50 ID:HooMHPoX
桜花けふよく見てむくれ竹のひとよのほどに散りもこそすれ(後撰54)
124 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:12:22 ID:HooMHPoX
花の色をうつしとどめよ鏡山春よりのちの影や見ゆると(拾遺73)
125 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:15:03 ID:CruoLdL+
くもりなき池の鏡の底きよみうつしとどめよ花のおもかげ(藤原長方)
126 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:15:42 ID:CruoLdL+
かつしかのわさ田のおしねこきたれてなきもたらじとつきぬ涙か(源俊頼)
127 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:16:16 ID:CruoLdL+
雁がねの涙も花もこきたれて帰る道にやふりまさるらん(藤原為家)
128 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:17:03 ID:CruoLdL+
初かりも鳴きこそわたれ吹く風の身にしむばかり秋のうければ(宗尊親王)
129 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:17:35 ID:CruoLdL+
かるかやのみだれて物を思ふかな野原のかぜを袖にまかせて(慈円)
130 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:18:08 ID:CruoLdL+
かるかやのみだれて物をおもへども君が下葉の露ぞつれなき(後鳥羽院)
131 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:18:40 ID:CruoLdL+
たつた山峰のもみぢの散らぬまはそこにぞ水の秋はみえけり(藤原家隆)
132 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:19:13 ID:CruoLdL+
神なびの山のあらしやたつた河みづの秋のみふかき色かな(藤原雅経)
133 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:30:28 ID:UPD31v9K
鴬の氷れる涙とけぬれどなほ我が袖はむすぼほれつつ
134 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:31:17 ID:UPD31v9K
おもかげの霞める月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に
135 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:32:04 ID:UPD31v9K
月残る弥生の山の霞む夜をよよしとつげよまたずしもあらず
136 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:32:37 ID:UPD31v9K
さても又慰むやとてながむべきそなたの空も薄がすみつつ
137 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:33:19 ID:UPD31v9K
夢にだにみぬ夜な夜なを恨みきて衣はる雨しをれてぞふる
138 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:33:50 ID:UPD31v9K
人しれずおさへてむせぶひまごとに涙打ちいづる袖の春かぜ
139 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:36:18 ID:/6XKSMIo
もみぢ葉ぞ岩きりとほる吉野河おとして水の秋やゆくらん(藤原基家)
140 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:37:12 ID:/6XKSMIo
立田河水の秋をやいそぐらん峰の木の葉に山風ぞふく(邦高親王)
141 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:37:48 ID:/6XKSMIo
夕月夜よしのの里にふる雪のつもりてのこる有明のかげ(藤原家隆)
142 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:38:33 ID:/6XKSMIo
影うすき有明の月の残るかとおもへば庭にふれるしら雪(頓阿)
143 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:39:11 ID:/6XKSMIo
空にのみ在明の月と見し程におぼえずはらふ袖の露かな(飛鳥井雅世)
144 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:39:48 ID:/6XKSMIo
物思ひの深さくらべにきてみれば夏のしげりもものならなくに(藤原道綱母)
145 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:40:23 ID:/6XKSMIo
花をおもふ深さくらべにみにゆかば吉野のおくもは山ならまし(契沖)
146 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:40:58 ID:/6XKSMIo
人の世にくらぶの山の桜花はなは中々風も待ちけり(木下長嘯子)
147 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 01:48:36 ID:WWzJFYqr
をしかふす夏のの草の露よりもしらじなしげき思ひありとは(源実朝)
148 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 12:43:09 ID:8mfXBWgG
吉野山花やさかりに匂ふらむ古里たえぬ峯の白雪(藤原家衡[新古今])
149 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 12:43:53 ID:8mfXBWgG
み吉野の山の秋風さ夜更けて古里さむく衣うつなり(藤原雅経[新古今])
150 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 12:44:36 ID:8mfXBWgG
今よりは雲ゐの雁も声たてて秋風さむく成まさるなり(覚仁法親王[続拾遺])
151 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 12:45:46 ID:8mfXBWgG
よしの山くもらぬ雪とみるまでに有明の空に花ぞちりける(後鳥羽院[続千載])
152 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 12:50:42 ID:8mfXBWgG
さらでだにそれかとまがふ山の端の有明の月にふれる白雪(藤原為家[続古今])
153 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 13:56:03 ID:1fZi7jsV
しげりあふ秋の野中の忘れ水たえだえ見えてやどる月かな(二条為明)
154 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:10:41 ID:Gr5as9Wi
忘れめや花にたちまよふ春霞それかとばかり見えし明ぼの
155 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:11:53 ID:Gr5as9Wi
恨みても心づからのおもひかなうつろふ花に春のゆふぐれ
156 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:13:47 ID:Gr5as9Wi
恋もせでながめましかばいかならん花の梢におぼろ月夜を
157 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:15:03 ID:Gr5as9Wi
思ひきや匂ひを送る梅がえの移りがをのみみにしめんとは
158 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:17:12 ID:Gr5as9Wi
さてもいかに岩かき沼のあやめ草あやめもしらぬ袖の玉水
159 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:18:11 ID:Gr5as9Wi
はかなしや夢も程なき夏の夜のねざめばかりの忘れがたみは
160 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:21:52 ID:Dd8wCvJW
東路のさやの中山さやかにもみぬ人いかで恋しかるらむ(香川景樹)
161 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:24:19 ID:Dd8wCvJW
春や夢さきそめしよりぬるがうちにみるにもあらぬ花ぞ散り行く(正徹)
162 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:25:48 ID:Dd8wCvJW
つれなくて有明過ぎぬ郭公この三か月にきえし一こゑ(正徹)
163 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:26:41 ID:Dd8wCvJW
さきいでて花に世やうき吉野山入りにし人のあとうづむなり(正徹)
164 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:28:09 ID:Dd8wCvJW
秋くればいなおほせ鳥の涙かも草の葉ごとに露ぞこぼるる(二条太皇太后宮大弐)
165 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:29:06 ID:Dd8wCvJW
露けさもおのが涙か秋の田のいなおほせ鳥はなかずもあらなむ(藤原為家)
166 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:29:45 ID:Dd8wCvJW
露ならぬいなおほせ鳥の涙さへさもひちまさる秋の袖かな(藤原知家)
167 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:30:18 ID:Dd8wCvJW
秋の田は涙ならでも置く露をいなおほせ鳥におほせつるかな(宗良親王)
168 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:33:57 ID:ulCJJqZf
もろくともいざしら露に身をなして君があたりの草にきえなむ(新勅撰883)
169 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:37:14 ID:ulCJJqZf
わび人や神な月とはなりにけむ涙のごとくふる時雨かな(新勅撰364)
170 :
名無氏物語:2007/03/07(水) 14:37:48 ID:ulCJJqZf
よそながら思ひしよりも夏の夜のみはてぬ夢ぞはかなかりける(新勅撰1378)
171 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 00:52:13 ID:8DFtTcXk
これも又有明のかげとみゆるかなよしのの山の花のしら雪(後嵯峨院[新拾遺])
172 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 00:54:29 ID:8DFtTcXk
冬ごもる芳野の岳に降る雪をたれ在明の月とだにみん(覚助法親王[新千載])
173 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 00:56:02 ID:8DFtTcXk
はるばると野中に見ゆる忘れ水たえまたえまを歎く頃かな(大和宣旨[後拾遺])
174 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 00:56:40 ID:8DFtTcXk
住吉の浅沢小野の忘れ水たえだえならで逢ふよしもがな(藤原範綱[詞花])
175 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 00:57:35 ID:8DFtTcXk
山陰やくらき岩間の忘れ水たえだえ見えて飛ぶほたるかな(藤原為理[玉葉])
176 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:05:23 ID:YRHRMYZr
みに余る思ひをさても夏虫のわれひとりとや色にいづべき
177 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:06:31 ID:YRHRMYZr
しのびあまりなくや五月のあま雲のよそにてのみや山郭公
178 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:07:32 ID:YRHRMYZr
よそにては軒の橘かをる夜にむかし語りをしのぶとやみむ
179 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:08:08 ID:YRHRMYZr
きかじ只人待つ山の郭公我もうちつけのさよの一こゑ
180 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:09:18 ID:YRHRMYZr
草ふかき夏野分け行くさをしかの音にこそたてね露ぞこぼるる
181 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:10:06 ID:YRHRMYZr
時ぞとや夜半の蛍をながむらんとへかし人のしたの思ひを
182 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:37:05 ID:Ldp2U9pM
桜木の葉守の神はしらねども風のかけたる花のしらゆふ(藤原顕輔)
183 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:38:30 ID:Ldp2U9pM
山川に風の懸けたるしがらみの色にいでてもぬるる袖かな(藤原家隆)
184 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:39:05 ID:Ldp2U9pM
岩つたふ山のさくらのしき波に風のかけたる布引の滝(藤原基家)
185 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:40:07 ID:Ldp2U9pM
谷川に岸の木のはを吹きためて風のかけたる瀬瀬の浮橋(後崇光院)
186 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:40:54 ID:Ldp2U9pM
天の原春立つ雲の浪こえて風のかけたるしがらみもなし(正徹)
187 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:41:47 ID:Ldp2U9pM
さそはれていとど思ひの露ぞもる風のかけたる袖のしがらみ(正徹)
188 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:45:14 ID:Ldp2U9pM
風さむきを花が末の浪の間にながれもあへぬ秋の日のかげ(一色直朝)
189 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:45:53 ID:Ldp2U9pM
こほりつつ流れもあへぬ山川につもればかかる雪のしがらみ(望月長孝)
190 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 01:52:10 ID:OLDIBpvX
191 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 02:06:19 ID:cWGxI37P
紅葉ばの流れもやらぬ大井河かは瀬は波の音にこそ聞け(源資綱[新勅撰])
192 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 02:09:28 ID:cWGxI37P
散りかかる紅葉流れぬ大井川いづれ井ぜきの水のしがらみ(源経信[新古今])
193 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 02:10:20 ID:cWGxI37P
龍田川木の葉の後のしがらみも風のかけたる氷なりけり(藤原家隆[続後拾遺])
194 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 02:12:05 ID:cWGxI37P
散ればかつ浪のかけたるしがらみや井手こす風の款冬の花(藤原為家[続拾遺])
195 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 02:13:46 ID:cWGxI37P
山川に春ゆく水はよどめども風にとまらぬ花のしがらみ(源通光[続拾遺])
196 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 02:20:53 ID:ieWOMPBP
?
197 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 13:50:57 ID:bbrxh47S
さそひきて紅葉をしけば是も又風のかけたる山河の橋(後西院)
198 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 14:05:11 ID:YQX11r1r
石ばしる初瀬の川の波枕はやくも年の暮れにけるかな(徳大寺実定[新古今])
199 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 14:06:18 ID:YQX11r1r
とどめばや流れて早き年波の淀まぬ水はしがらみもなし(道助法親王[新勅撰])
200 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 14:08:25 ID:YQX11r1r
けふといひ昨日とくらす夢の中に五十あまりの過る程なさ(飛鳥井教定[続拾遺])
201 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:02:27 ID:1hUrY6fv
秋山の樹の下隠り行く水の我こそまさめ思ほすよりは(万2-92)
202 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:04:05 ID:1hUrY6fv
玉櫛笥覆ふを安み明けていなば君が名はあれど我が名し惜しも(万2-93)
203 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:05:46 ID:1hUrY6fv
神奈備の石瀬の社の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋まさる(万8-1419)
204 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:47:49 ID:rrMPh7IQ
そらならばたづねきなまし梅の花まだ身にしまぬ匂ひとぞみる(新勅撰45)
205 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:49:36 ID:rrMPh7IQ
有明の月だにあれやほととぎすただ一こゑのゆくかたも見ん(後拾遺192)
206 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:51:03 ID:rrMPh7IQ
見もはてでさめけん夢を思ふにもこれぞうつつといかでしらせん(玉葉1516)
207 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:52:36 ID:rrMPh7IQ
春雨にぬれてたづねん山ざくら雲のかへしの嵐もぞふく(金葉55)
208 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 15:53:58 ID:rrMPh7IQ
人よりも心のかぎりながめつる月はたれとも分かじものゆゑ(新古384)
209 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:05:06 ID:QeFozpMU
君こずは誰にみせまし我が宿の垣根に咲ける朝がほの花(読人不知[拾遺])
210 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:06:23 ID:QeFozpMU
つらからん方こそあらめ君ならで誰にか見せん白菊の花(大弐三位[後拾遺])
211 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:07:31 ID:QeFozpMU
梅の花なににほふらん見る人の色をも香をも忘れぬる世に(大弐三位[新古今])
212 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:08:09 ID:QeFozpMU
独りのみ眺めて散りぬ梅の花しるばかりなる人はとひこず(八条院高倉[新古今])
213 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:09:16 ID:QeFozpMU
夢のうちもうつろふ花に風ふけばしづ心なき春のうたたね(式子内親王[続古今])
214 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:16:39 ID:kHrR0mnQ
むめがえに鶯さそふたよりにや谷の氷も風にとくらむ(藤原家隆)
215 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:17:23 ID:kHrR0mnQ
谷かぜの鶯さそふたよりをや山ざと人も春をしるらむ(後鳥羽院)
216 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:19:14 ID:kHrR0mnQ
をる人の袖こそかはれ色もかもおなじ昔ににほふ梅がえ(寂身)
217 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:20:03 ID:kHrR0mnQ
花やただ年ふる人ぞあらたまるなごりはしらん春の木の本(三条西実隆)
218 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:20:49 ID:kHrR0mnQ
見るほどに散らば散らなむ梅の花しづ心なく思ひおこせし(和泉式部)
219 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:21:32 ID:kHrR0mnQ
よものうみ風をさまりてひさかたのひかりのどけき春はきにけり(宗尊親王)
220 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:22:31 ID:kHrR0mnQ
ひとりみてなぐさみぬべき花になどしづこころなく人をまつらん(北畠親房)
221 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:35:58 ID:mYqhCltt
いづる日も光のどけき久方の天の宮人春をしるらし(正徹)
222 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 18:37:15 ID:mYqhCltt
木の間より花にかすみて久堅の光のどけき鳥の声かな(正徹)
223 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:07:42 ID:HG3R+Mrq
かくばかり待つとしらずやほととぎす梢はるかになきわたらなむ(清原元輔)
224 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:08:22 ID:HG3R+Mrq
ほととぎすあふ坂こえてたづぬれば今ぞおとはの山に鳴くなる(慈円)
225 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:10:23 ID:HG3R+Mrq
雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞ鳴くなる(源実朝)
226 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:12:06 ID:HG3R+Mrq
いかでかく思ふ心をほととぎす夜ぶかくなきてきかせやはせぬ(村上天皇)
227 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:12:51 ID:HG3R+Mrq
五月雨に物おもふやどは時鳥なく一こゑもなほぞ夜ぶかき(慈円)
228 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:13:47 ID:HG3R+Mrq
ほととぎす五月の空やなつかしき雲にむつれて過ぎがてに鳴く(源仲正)
229 :
名無氏物語:2007/03/08(木) 19:15:46 ID:HG3R+Mrq
夕やみのたづたづしきにほととぎす声うらがなし道やまどへる(源実朝)
230 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 08:32:34 ID:IIkAJkKU
ひさかたの光のどかに桜花ちらでぞ匂ふ春の山風(藤原家隆[新後撰])
231 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 08:33:10 ID:IIkAJkKU
さらでだにしづ心なくちる花をあかずや風のなほさそふらん(性助親王[続古今])
232 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 08:35:38 ID:IIkAJkKU
いづ方になきてゆくらむ郭公よどのわたりのまだ夜ぶかきに(壬生忠見[拾遺])
233 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 08:39:46 ID:IIkAJkKU
我が宿の花橘や匂ふらん山ほととぎす過ぎがてに鳴く(藤原顕季[風雅])
234 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 08:40:37 ID:IIkAJkKU
夕闇にあさせ白波たどりつつみをさかのぼる鵜飼舟かな(後嵯峨院[続拾遺])
235 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 08:42:57 ID:IIkAJkKU
草深き狩場の小野をたちいでて友まどはせる鹿ぞなくなる(素覚[新古今])
236 :
二松皇帝:2007/03/09(金) 13:25:18 ID:s3U7ZMmd
最強の 二松学舎の 皇帝よ ユアネットをば ふみにじりなむ
ユアネット 二松学舎の 窓を割る 慌てて逃走 今は懊悩
237 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 14:40:34 ID:31OmWHhQ
↑本学一の阿呆がご迷惑をおかけいたしますwww
238 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:00:53 ID:qB9JDFy8
239 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:24:17 ID:JFfK7ZHP
夢にだにかさねぞかぬる夏衣かへすとすれば明くるしののめ
240 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:25:09 ID:JFfK7ZHP
郭公空につたへよ恋ひわびてなくや五月のあやめわかずと
241 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:26:02 ID:JFfK7ZHP
よしやさは頼めぬ宿の庭に生ふるまつとなつげそ秋の夕かぜ
242 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:26:37 ID:JFfK7ZHP
野べの露は色もなくてやこぼれつる袖よりすぐる荻の上風
243 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:27:09 ID:JFfK7ZHP
わが心いかにかすべきさらぬだに秋の思ひはかなしき物を
244 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:28:30 ID:JFfK7ZHP
今宵しも月やはあらぬ大かたの秋はならひを人ぞつれなき
245 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:33:12 ID:dDKU7W8l
よしの山あさせ白浪いはこえて音せぬ水はさくらなりけり(鴨長明)
246 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:33:50 ID:dDKU7W8l
秋はなほあさせしら波たどるまで霧立渡るかささぎのはし(順徳院)
247 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:34:53 ID:dDKU7W8l
さをしかの友まどはせる声するはつまや恋しき秋の山べに(恵慶)
248 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:35:42 ID:dDKU7W8l
をる人の老いせぬ秋の露の間に千とせをめぐる菊のさかづき(藤原俊成女)
249 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:37:36 ID:dDKU7W8l
白菊の花の鏡の池水に老いせぬ秋のかげぞひさしき(藤原範宗)
250 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:38:12 ID:dDKU7W8l
梅がえのにほひうれしき直路かな木ごとに花の雪のあけぼの(慈円)
251 :
名無氏物語:2007/03/09(金) 15:38:47 ID:dDKU7W8l
冬ごもる雪も木ごとに吹く風の匂ふや梅のたち枝なるらむ(藤原為家)
252 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:00:24 ID:MjH+wiXN
紅葉見にやどれる我としらねばやさほの河霧たちかくすらん(恵慶[拾遺])
253 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:00:59 ID:MjH+wiXN
いづれをかわきてとはまし山里の垣根つづきに咲ける卯の花(大江匡房[金葉])
254 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:01:53 ID:MjH+wiXN
白雲のたなびく山のやま桜いづれを花と行きて折らまし(藤原師実[新古今])
255 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:02:54 ID:MjH+wiXN
春の夜は吹きまふ風の移り香を木ごとに梅と思ひけるかな(崇徳院[千載])
256 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:05:17 ID:MjH+wiXN
あづまぢのさやの中山中中にあひ見てのちぞわびしかりける(宗于[後撰])
257 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:06:35 ID:MjH+wiXN
雪ふれば木ごとに花ぞさきにけるいづれを梅とわきてをらまし(紀友則[古今])
258 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:15:38 ID:C0Lbbeos
花といふはなの木ごとにうつしてもあまりやあらん梅の匂ひは(三条西実隆)
259 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:16:30 ID:8YcucZ0z
260 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:17:40 ID:C0Lbbeos
こころおそき花の木ごとに梅が香の春をつたふる苑の朝風(橘千蔭)
261 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:19:17 ID:C0Lbbeos
常陸帯の道のおくなる遠妻にゆきめぐりてもあはむとぞ思ふ(藤原基俊)
262 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:21:03 ID:C0Lbbeos
思ひおくる心ばかりは下帯の道はかたがたゆきめぐるとも(藤原雅経)
263 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:23:24 ID:C0Lbbeos
朝露をわけそほちつつ夕月夜かすむ山路の花の面影(肖柏)
264 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:25:23 ID:C0Lbbeos
ものおもへば壁にそむくるともしびの消えかへりてぞあかしかねつる(藤原実定)
265 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:27:14 ID:C0Lbbeos
はやせ河なびく玉藻のしたみだれくるしや心みがくれてのみ(藤原良経)
266 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:33:36 ID:FG7eIMmJ
よひのまもはかなく見ゆる夏虫にまどひまされるこひもするかな(古今561)
267 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:36:22 ID:FG7eIMmJ
ゆふされば蛍よりけにもゆれどもひかり見ねばや人のつれなき(古今562)
268 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:38:07 ID:FG7eIMmJ
ささのはにおく霜よりもひとりぬるわが衣手ぞさえまさりける(古今563)
269 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:39:42 ID:FG7eIMmJ
わがやどの菊のかきねにおく霜のきえかへりてぞこひしかりける(古今564)
270 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:40:53 ID:FG7eIMmJ
河のせになびく玉ものみがくれて人にしられぬ恋もするかな(古今565)
271 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:43:04 ID:FG7eIMmJ
よひよひにぬぎてわがぬるかり衣かけておもはぬ時のまもなし(古今593)
272 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:44:01 ID:FG7eIMmJ
あづまぢのさやの中山なかなかになにしか人を思ひそめけむ(古今594)
273 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:54:11 ID:IxhTPrYM
なき渡る雲ゐの雁の涙さへ露おく袖の夜半のかたしき
274 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:55:57 ID:IxhTPrYM
ながめしや心づくしの秋の月露のかごとも袖ふかきころ
275 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:56:35 ID:IxhTPrYM
せく袖に涙の色やあまるらんながむるままの萩の上の露
276 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:57:17 ID:IxhTPrYM
物思はでただおほかたの露にだにぬるればぬるる秋の袂を
277 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:57:56 ID:IxhTPrYM
物思ふたもとはいはず鹿のねはただおほかたのね覚なりけり
278 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 03:59:47 ID:IxhTPrYM
思ひ入る身は深草の秋の露たのめし末やこがらしの風
279 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 04:07:59 ID:tQWiN+wh
命やはあだのおほ野の草枕はかなき夢もをしからぬ身を(順徳院[新続古今])
280 :
名無氏物語:2007/03/10(土) 10:23:46 ID:cjYnFJEV
19歳のヘルス嬢がチンポしゃぶり
281 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:17:50 ID:UkCtVaB5
雲もなくなぎたる空の浅緑むなしき色も今ぞしりぬる(皇嘉門院別当[続後撰])
282 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:19:42 ID:UkCtVaB5
ねても夢ねぬにも夢の心ちしてうつつなる世をみるぞかなしき(雅成親王[続後撰])
283 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:20:24 ID:UkCtVaB5
斧の柄のくちし昔は遠けれど有りしにあらぬ世をもふるかな(式子内親王[新古今])
284 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:21:10 ID:UkCtVaB5
袖ひちて我が手に結ぶ水の面に天つ星合の空を見るかな(藤原長能[新古今])
285 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:21:49 ID:UkCtVaB5
夏の夜は岩がき清水月さえてむすべばとくる氷なりけり(賀茂重保[風雅])
286 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:22:23 ID:UkCtVaB5
うちむれて若菜つむ野の花かたみこのめも春の雪はたまらず(藤原家隆[続古今])
287 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:30:43 ID:VsE2fvkK
我が袂さて山河の瀬になびく玉もかりそめにかわくまぞなき(後鳥羽院)
288 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:31:31 ID:VsE2fvkK
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆)
289 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:32:10 ID:VsE2fvkK
夏ごろもうすくや人のおもふらんわれはあつれてすぐす月日を(曾禰好忠)
290 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:33:01 ID:VsE2fvkK
夏ごろもうすくや人のなりぬらんうつせみのねにぬるる袖かな(藤原俊成女)
291 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:33:55 ID:VsE2fvkK
うらみむとおもひしものを夏衣ひとへにうすくなりにけるかな(如願)
292 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:34:44 ID:VsE2fvkK
桜花なにそは露のあだ物をおなじいのちにかへてとどめむ(藤原家隆)
293 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:35:24 ID:VsE2fvkK
いのちやはなにぞは露のあだしのにあふにしかへぬまつむしの声(藤原家隆)
294 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:41:32 ID:EOfcVz3S
芦鴨のはらふ翅に置く霜のきえかへりてもいくよへぬらん
295 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:43:57 ID:EOfcVz3S
霜ははや布留の中道中々にかれなで人を何したふらん
296 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:45:28 ID:EOfcVz3S
落ちつもる涙の露はさよ衣さえても袖にみえけるものを
297 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:46:05 ID:EOfcVz3S
しばしこそよそにみぎはの薄氷とけではやまじ結ぼるるとも
298 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:47:14 ID:EOfcVz3S
うつり行くまがきの菊も折々はなれこしころの秋をこふらし
299 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:48:09 ID:EOfcVz3S
冬の夜は幾度ばかり寝覚すといふもまどろむひまやなからん
300 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:54:57 ID:DX4BDXCR
しきたへの枕のしたに海はあれど人を見るめはおひずぞ有りける(古今595)
301 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:56:19 ID:DX4BDXCR
年をへてきえぬおもひはありながら夜のたもとは猶こほりけり(古今596)
302 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:56:57 ID:DX4BDXCR
事にいでていはぬばかりぞみなせ河したにかよひてこひしきものを(古今607)
303 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:57:31 ID:DX4BDXCR
紅の色にはいでじかくれぬのしたにかよひてこひはしぬとも(古今661)
304 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:58:44 ID:DX4BDXCR
春霞たなびく山のさくら花見れどもあかぬ君にもあるかな(古今684)
305 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 02:59:39 ID:DX4BDXCR
蝉のこゑきけばかなしな夏衣うすくや人のならむと思へば(古今715)
306 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 03:00:22 ID:DX4BDXCR
いのちやはなにぞは露のあだものをあふにしかへばをしからなくに(古今615)
307 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 10:15:44 ID:6fb+RIkI
雲もなくなぎたる波にけさぞみるしらぬ千里の沖つ島山(武者小路実陰)
308 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 10:16:47 ID:6fb+RIkI
ふるさとは見しごともあらず荒れにけり影ぞ昔の春の夜の月(源実朝)
309 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 10:17:29 ID:6fb+RIkI
袖ひちて結ぶしら波立ちかへりこほるばかりの松の夕風(藤原家隆)
310 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 10:18:08 ID:6fb+RIkI
天の下めぐむ草木の芽も春に限りも知らぬ御代の末々(式子内親王)
311 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 10:18:52 ID:6fb+RIkI
松の葉の白きを見れば春日山木の芽もはるの雪ぞ降りける(源実朝)
312 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 10:19:48 ID:6fb+RIkI
墨染の袖ふりはへて峰たかき夕の寺に帰る雲かな(正徹)
313 :
名無氏物語:2007/03/11(日) 23:57:55 ID:gVofofRF
オナグッス
314 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 07:51:14 ID:tntXUgMP
おしなべて木の芽も春のあさ緑松にぞ千世の色はこもれる(藤原良経[新古今])
315 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 07:52:00 ID:tntXUgMP
白妙の袖にぞまがふ都びと若菜つむ野の春のあは雪(後鳥羽院[続拾遺])
316 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 07:53:21 ID:tntXUgMP
春雨のふりそめしより青柳の糸の緑ぞ色まさりける(凡河内躬恒[新古今])
317 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 07:55:05 ID:tntXUgMP
春風の霞吹きとく絶え間より乱れてなびく青柳の糸(殷富門院大輔[新古今])
318 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 07:56:37 ID:tntXUgMP
青柳の糸を緑によりかけて逢はずは春に何を染めまし(西園寺公経[続拾遺])
319 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 07:58:13 ID:tntXUgMP
君こひて世をふる宿の梅の花昔の香にぞ猶匂ひける(読人不知[続後撰])
320 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 15:36:53 ID:hr/VgsxS
白妙の袖ふりはへて武蔵野にいざ雪見むとおもひ立たずや(荷田蒼生子)
321 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 15:38:46 ID:hr/VgsxS
すむ人もうつればかはる古郷の昔ににほふ窓の梅かな(藤原家隆)
322 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 15:39:46 ID:hr/VgsxS
ちりぬればとふ人もなし故郷ははなぞむかしのあるじなりける(源実朝)
323 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 15:42:45 ID:hr/VgsxS
里はあれて春はいく世かかすむらん花ぞむかしのしがの古郷(藤原行能)
324 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 16:22:39 ID:fGxwZGui
人はいさ心もしらずとばかりににほひ忘れぬ宿の梅がか(正徹)
325 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 16:30:49 ID:fGxwZGui
ことの葉の花ぞ昔の春に猶にほふはつせのさとの梅が香(三条西実隆)
326 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 17:30:21 ID:fGxwZGui
にほひをば風こそおくれ人はいさ心もしらぬ宿の梅が枝(足利義尚)
327 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 17:31:30 ID:fGxwZGui
人はいさ心もしらず我はただいつも今夜の月をしぞおもふ(松永貞徳)
328 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 17:53:07 ID:hHfxduxR
くるとあくとみてもめかれず池水の花の鏡の春の面影(藤原実有[万代集])
329 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 17:55:45 ID:hHfxduxR
春も猶雪はふれれどあし引の山のかひより霞たつらし(藤原道家[続後撰])
330 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 17:58:04 ID:hHfxduxR
吉野山たえず霞のたなびくは人にしられぬ花やさくらん(中務[拾遺])
331 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 17:59:15 ID:hHfxduxR
みよしのの山のあなたの桜花人にしられぬ人やみるらん(順徳院[玉葉])
332 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:04:48 ID:hHfxduxR
今朝みれば宿の梢に風過ぎてしられぬ雪のいくへともなく(式子内親王[風雅])
333 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:10:53 ID:WR0Nmsns
本当に場違いですいません。他に質問するところが見当たらなかったもので^^;
『川の流れは分かれてしまうけどまた海でひとつになるように私もあなたといつか巡り会いたい。』こんな感じの和歌がありませんでした?
知っているかたがいれば教えてもらいたいんですが。お願いします。
334 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:15:42 ID:oczX7ROZ
いたづらに千鳥鳴くなる河風におもひかねても行くかたぞなき
335 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:16:17 ID:oczX7ROZ
恋をのみ菅のねしのぎふる雪の消えだにやらず山もしののに
336 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:18:36 ID:oczX7ROZ
かよひこし宿の道柴かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ
337 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:21:27 ID:oczX7ROZ
床の霜枕の氷消え侘びぬむすびもおかぬ人のちぎりに
338 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:22:10 ID:oczX7ROZ
忘れずよいまはの心つくばねの峯のあらしに有明の月
339 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:24:20 ID:oczX7ROZ
涙さへ鴫の羽がきかきもあへず君がこぬ夜のあかつきの空
340 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:28:30 ID:WR0Nmsns
341 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:30:02 ID:JDp3SfMd
下にのみこふればくるし玉の緒のたえてみだれむ人なとがめそ(古今667)
342 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:31:26 ID:JDp3SfMd
雲もなくなぎたるあさの我なれやいとはれてのみ世をばへぬらむ(古今753)
343 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:32:02 ID:JDp3SfMd
秋風は身をわけてしも吹かなくに人の心のそらになるらむ(古今787)
344 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:33:01 ID:JDp3SfMd
水のあわのきえでうき身といひながら流れて猶もたのまるるかな(古今792)
345 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:33:40 ID:JDp3SfMd
ねても見ゆねでも見えけりおほかたは空蝉の世ぞ夢にはありける(古今833)
346 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:35:01 ID:JDp3SfMd
ことならば事のはさへもきえななむ見れば涙のたぎまさりけり(古今854)
347 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:36:04 ID:JDp3SfMd
蝉のはのよるの衣はうすけれどうつりがこくもにほひぬるかな(古今876)
348 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:38:55 ID:NHdeJo+P
くるとあくとめかれぬ空も霞みけりいつの人まに春はきぬらん(宗良親王)
349 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:40:31 ID:NHdeJo+P
あし引の山のかひより吹く風に雪とみるまで花ぞちりける(藤原家隆)
350 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:41:59 ID:NHdeJo+P
山たかみ見つつこえゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶天皇)
351 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:42:40 ID:NHdeJo+P
雪のあした木のした風は寒けれど桜もしらぬ花ぞちりける(後鳥羽院)
352 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:44:38 ID:NHdeJo+P
春ふかき木のしたかぜは名のみして空にしらるる花のしら雪(堯孝)
353 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:46:38 ID:NHdeJo+P
みよし野に春の嵐やわたるらん道もさりあへず花のしら雪(後鳥羽院)
354 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 18:47:33 ID:NHdeJo+P
さして行く道もさりあへず三笠山紅葉ぞぬさとちりまがひける(越前)
355 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 19:07:33 ID:1K27kanj
かり人のいる野の露を命にてちりかふ花にきぎすなくなり(良経)
356 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 19:08:48 ID:1K27kanj
かへるさやちりかふ花にまがふらん若菜つむ野の春のあは雪(順徳院)
357 :
名無氏物語:2007/03/12(月) 19:23:56 ID:tvFXZqZz
こむらさきにほへる藤の花みれば水なき空に波ぞたちける(大中臣能宣)
358 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:23:15 ID:1KLPaFz9
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯(正徹)
359 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:26:00 ID:1KLPaFz9
こほりとく池のさざ波今朝見えて水なき空も春風ぞふく(飛鳥井雅親)
360 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:27:00 ID:1KLPaFz9
春はいぬくらまの山の雲珠(うず)桜水なき空にのこる色かな(木下長嘯子)
361 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:30:14 ID:vqK25CC9
天つ風さえくらしたるなごりには水なき空にあわ雪ぞふる(下河辺長流)
362 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:33:38 ID:vqK25CC9
旅の世にまた旅寝して草枕夢のうちにも夢を見るかな(慈円)
363 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:34:29 ID:vqK25CC9
駿河なる宇津の山辺にちる花よ夢のうちにも誰をしめとて(順徳院)
364 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:40:24 ID:cS8MIzbI
吉野川はやくも暮れてゆく春に花はさかりの岸の山吹(足利尊氏)
365 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:43:00 ID:cS8MIzbI
忘れじの雁は越ぢにかへるなりかたも定めず花はちりつつ(藤原家隆)
366 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:44:09 ID:cS8MIzbI
しのびねははや過ぎにけりほととぎす空もとどろに鳴き渡らなむ(源経信)
367 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:45:04 ID:cS8MIzbI
をりはへて今ぞなくなる時鳥五月のさよの空もとどろに(覚性法親王)
368 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:47:00 ID:cS8MIzbI
郭公空もとどろになくころは夜ただ雨ふる袖のうへかな(慈円)
369 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 00:48:09 ID:cS8MIzbI
うちつけにそれかとぞきく郭公人まつ山にしのびねのこゑ(藤原家隆)
370 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:08:10 ID:3JLXVQsr
花ざかりまだもすぎぬに吉野河影にうつろふ岸の山吹(読人不知[後撰])
371 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:08:55 ID:3JLXVQsr
吉野川岸の山吹さきにけり嶺の桜やちりはてぬらん(藤原家隆[新古今])
372 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:09:49 ID:3JLXVQsr
山桜かたもさだめずたづぬれば花より先にちる心かな(源雅実[新勅撰])
373 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:12:20 ID:3JLXVQsr
花も皆ちりにし宿の深緑をしまぬ色を春雨ぞふる(順徳院[新続古今])
374 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:18:42 ID:Scb5dyeb
白露のおきてわびしき別れをも逢ふにぞかこつ有明の月
375 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:19:19 ID:Scb5dyeb
またこんといひて別れしなごりのみながむる月に有明の空
376 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:20:38 ID:Scb5dyeb
たのめつる夜半もいまはの袖の雨に月さへ曇る有明の空
377 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:21:46 ID:Scb5dyeb
をしみかね別れしよりも数々におもふかたみの暁の空
378 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:23:02 ID:Scb5dyeb
今はただかぜやはらはんうき人の通ひ絶えにし庭の朝霜
379 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:23:42 ID:Scb5dyeb
俤もまつ夜むなしき別れにてつれなくみゆる有明のそら
380 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:28:43 ID:qWwzy0Ci
袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ(古今2)
381 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:29:28 ID:qWwzy0Ci
霞たちこのめもはるの雪ふれば花なきさとも花ぞちりける(古今9)
382 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:30:22 ID:qWwzy0Ci
かすがののわかなつみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ(古今22)
383 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:30:59 ID:qWwzy0Ci
わがせこが衣はるさめふるごとにのべのみどりぞいろまさりける(古今25)
384 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:33:14 ID:qWwzy0Ci
あをやぎのいとよりかくる春しもぞみだれて花のほころびにける(古今26)
385 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:34:20 ID:qWwzy0Ci
人はいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける(古今42)
386 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 01:36:47 ID:qWwzy0Ci
暮ると明くと目かれぬものを梅の花いつの人まにうつろひぬらむ(古今45)
387 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:01:52 ID:SzEjG5up
郭公鳴くや五月の玉くしげ二声聞きて明くる夜もがな(藤原雅経[新勅撰])
388 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:03:11 ID:SzEjG5up
さらぬだにふす程もなき夏の夜を待たれても鳴くほととぎすかな(藤原俊成[新勅撰])
389 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:07:27 ID:SzEjG5up
郭公ただ一こゑと契りけり暮るれば明くる夏の夜の月(藤原良平[続拾遺])
390 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:08:04 ID:SzEjG5up
夏草はしげりにけりな玉鉾の道行人も結ぶばかりに(藤原元真[新古今])
391 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:08:52 ID:SzEjG5up
おのづから凉しくもあるか夏衣日も夕暮の雨の名残に(藤原清輔[新古今])
392 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:18:19 ID:xjAfFRmn
あらちをがゆつきが下にともす火に鹿の立ちどのしるくもあるかな(藤原家隆)
393 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 02:23:12 ID:xjAfFRmn
見るからにかたへ涼しき夏衣日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
394 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:24:32 ID:Qsug0efy
吹く風の涼しくもあるかおのづから山の蝉鳴きて秋は来にけり(源実朝)
395 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:26:09 ID:Qsug0efy
たが秋にあらぬ光をやどしきて月よ涙に袖ぬらすらん(藤原家隆)
396 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:27:27 ID:Qsug0efy
暮れにけり秋の日かずもあらし山もみぢをわけて入あひの鐘(後鳥羽院)
397 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:29:34 ID:Qsug0efy
秋山の麓の小田のかりいほに紅葉をわけて月ぞもりける(俊成卿女)
398 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:30:25 ID:Qsug0efy
世にたえし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒(後水尾院)
399 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:31:12 ID:Qsug0efy
しら露も時雨もいたく故郷は軒の梢もこさまさりけり(後鳥羽院)
400 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:32:31 ID:Qsug0efy
物おもへば雲のはたてをかぎりにて時雨もいたくふる涙かな(藤原信成)
401 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 17:58:19 ID:hei280/P
よる波の涼しくもあるか敷妙の袖師の浦の秋の初風(藤原信実[新勅撰])
402 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 18:02:24 ID:hei280/P
色変る野原の小萩たが秋にあらぬものゆゑ鹿のなくらん(藤原為氏[続古今])
403 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 18:03:11 ID:hei280/P
逢坂の杉のむらだち引くほどはをぶちに見ゆる望月の駒(良暹[後拾遺])
404 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 18:04:21 ID:hei280/P
逢坂の関立ち出づる影見ればこよひぞ秋の望月の駒(源雅具[続後撰])
405 :
名無氏物語:2007/03/13(火) 18:23:33 ID:cS4LAOVW
あふさかの関のし水に影見えて今やひくらむもち月のこま(拾遺170)
406 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:21:09 ID:ojfd3/1p
この秋はしぐれもいたく染めてけりあかみの山の峰の紅葉葉(笠間時朝)
407 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:22:07 ID:ojfd3/1p
みぬほどの紅葉は夜の錦にて秋さへすぎむと思ひけむやは(村上天皇)
408 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:22:50 ID:ojfd3/1p
みる人もなくて散りにき時雨のみふりにし里に秋萩の花(源実朝)
409 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:24:39 ID:ojfd3/1p
折りつくす紅葉は夜の錦にて君をぞ恋ひし秋の山かげ(平清親四女)
410 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:33:23 ID:bWYNEkwt
相坂の関のむら杉葉をしげみ絶間にみゆる望月の駒(源国信[続後拾])
411 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:34:27 ID:bWYNEkwt
秋風のよそに吹きくるおとは山なにの草木かのどけかるべき(曾禰好忠[新古今])
412 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:35:33 ID:bWYNEkwt
けさかはる秋とは風の音羽山おとに聞くより身にぞしみける(亀山院[続拾遺])
413 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:36:49 ID:bWYNEkwt
をしめどもよもの紅葉はちりはてて戸無瀬ぞ秋のとまりなりける(藤原公実[金葉])
414 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:38:45 ID:bWYNEkwt
別れても心へだつな旅衣いくへかさなる山ぢなりとも(藤原定家[千載])
415 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:39:38 ID:bWYNEkwt
結ぶ手に影乱れゆく山の井のあかでも月のかたぶきにけり(慈円[新古今])
416 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:42:08 ID:UNXEZlfl
桜花さきにけらしもあしひきの山のかひより見ゆる白雲(古今59)
417 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:42:43 ID:UNXEZlfl
三輪山をしかもかくすか春霞人にしられぬ花やさくらむ(古今94)
418 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:43:41 ID:UNXEZlfl
山たかみ見つつわがこしさくら花風は心にまかすべらなり(古今87)
419 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:44:24 ID:UNXEZlfl
あづさゆみはるの山辺をこえくれば道もさりあへず花ぞちりける(古今115)
420 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:45:29 ID:UNXEZlfl
春ののにわかなつまむとこしものをちりかふ花にみちはまどひぬ(古今116)
421 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:46:08 ID:UNXEZlfl
さくら花ちりぬる風のなごりには水なきそらに浪ぞたちける(古今89)
422 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:46:42 ID:UNXEZlfl
やどりして春の山辺にねたる夜は夢の内にも花ぞちりける(古今117)
423 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:50:12 ID:tr1BYnF4
もりあかす水のしら玉今はとてたゆむもしらぬ袖のうへかな
424 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:50:50 ID:tr1BYnF4
明くるまを何恨みけむ逢ふ事のなごりに今は恋しき物を
425 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:51:38 ID:tr1BYnF4
いかにせんこぬ夜あまたの袖の露に月をのみまつ夕暮の空
426 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:52:13 ID:tr1BYnF4
ながめつつまたばと思ふ雲の色をたが夕暮と君たのむらん
427 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:53:53 ID:tr1BYnF4
今こんと只なほざりの言の葉をまつとはなくて夕暮の空
428 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:54:47 ID:tr1BYnF4
あぢきなくそへし心のかへりこでゆくらんかたの夕暮の空
429 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 04:58:35 ID:bIa5imFe
唐衣うつ声きけば月きよみまだねぬひとをそらにしるかな(新勅撰323)
430 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 05:00:02 ID:bIa5imFe
ふる雪をそらにぬさとぞたむけつるはるのさかひにとしのこゆれば(新勅撰442)
431 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 05:03:44 ID:bIa5imFe
むまれしもかへらぬものをわが宿に小松のあるをみるがかなしさ(土左日記)
432 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 05:04:21 ID:bIa5imFe
みし人の松のちとせにみましかばとほくかなしき別れせましや(土左日記)
433 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 10:29:34 ID:1/SrsfQD
高砂のをのへのまつの秋風に泊もしらず散る紅葉かな(藤原家隆)
434 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 10:30:43 ID:1/SrsfQD
夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寐ねにけらしも(崗本天皇)
435 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 10:31:44 ID:1/SrsfQD
夕されば小椋の山に臥す鹿は今夜は鳴かず寐ねにけらしも(雄略天皇)
436 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:01:44 ID:GF0hecD0
きぬたうつ音はからころ唐衣ころもふけゆく遠の山ざと(大田垣蓮月)
437 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:03:03 ID:GF0hecD0
冬の夜の川風さむみ氷して思ひかねたる友千鳥かな(後鳥羽院)
438 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:03:45 ID:GF0hecD0
人またばいかにとはましさ夜千鳥川風さむみ冬の明ぼの(宮内卿)
439 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:06:59 ID:GF0hecD0
うちわたす川風さむみなく千鳥たがゆく袖のよはにきくらん(藤原為家)
440 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:17:10 ID:IvX/9RO4
みよし野やいはどがしはもうづもれて河風さむみふれる白雪(頓阿)
441 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:20:28 ID:IvX/9RO4
われがなほ折らまほしきは白雲の八重にかさなる山吹の花(和泉式部)
442 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:21:01 ID:IvX/9RO4
岩根ふみいく重の峰をこえぬとも思ひもいでむ心へだつな(源実朝)
443 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:21:52 ID:IvX/9RO4
浅茅原かつ霜がれて別れてふことは色にも見ゆる秋かな(慶雲)
444 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 16:28:12 ID:vgzLfBYg
草も木もうつろひはてて別れてふことは色にもくるる秋かな(姉小路基綱)
445 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 17:52:07 ID:zHoS6b/y
かはりゆく影に昔を思ひ出でて涙をむすぶ山の井の水(藤原親盛[新勅撰])
446 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 18:06:51 ID:zHoS6b/y
契りあらば又も結ばん山の井のあかで別れし影な忘れそ(後深草院少将内侍[続古今])
447 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 18:07:55 ID:zHoS6b/y
結ぶ手に月をやどして山の井のそこの心に秋やみゆらん(源通方[風雅])
448 :
名無氏物語:2007/03/14(水) 18:09:38 ID:zHoS6b/y
ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも(藤原家隆[千五百番歌合])
449 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:42:24 ID:LCCOnhLt
いにしへの春にもかへる心かな雲ゐの花に物忘れせで(二条院讃岐[続後撰])
450 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:43:52 ID:LCCOnhLt
むかしいま思ひのこさぬ寝覚かな暁ばかり物忘れせで(西園寺実氏[続古今])
451 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:45:00 ID:LCCOnhLt
待ちしよに又立ちかへる夕べかな入逢の鐘に物忘れせで(二条良基[新拾遺])
452 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:46:31 ID:LCCOnhLt
いにしへの春にもかへる心かな雲ゐの花に物忘れせで(二条院讃岐[続後撰])
453 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:47:35 ID:LCCOnhLt
世の中といひつるものかかげろふのあるかなきかのほどにぞ有りける(読人不知[古今])
454 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:48:38 ID:LCCOnhLt
にほひても分かばぞ分かむ梅の花それとも見えず春の夜の月(大江匡房[千載])
455 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:52:49 ID:NaBZwgQs
何ゆゑと思ひもいれぬ夕だに待ち出でし物を山のはの月
456 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:53:44 ID:NaBZwgQs
いかにせむ待つべしとだに思ひよらで暮れ行く鐘に打ちしをれつつ
457 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:54:29 ID:NaBZwgQs
身にぞしむ人なき床の夕まぐれ涙の露をはらふ秋風
458 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:56:17 ID:NaBZwgQs
今はただまたれしあとの夕暮の曇るばかりぞかたみなりける
459 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:56:59 ID:NaBZwgQs
荻の葉に風うちそよぐ夕ぐれや人を恋しと思ひそめけん
460 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 06:57:30 ID:NaBZwgQs
おもふ事みにしみまさるながめかな雲のはたての空のあき風
461 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:01:10 ID:Fe3CAgkP
吉野河岸の山吹ふくかぜにそこの影さへうつろひにけり(古今124)
462 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:02:11 ID:Fe3CAgkP
夏の夜のふすかとすればほととぎすなくひとこゑにあくるしののめ(古今156)
463 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:02:44 ID:Fe3CAgkP
五月雨のそらもとどろに郭公なにをうしとかよただなくらむ(古今160)
464 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:03:26 ID:Fe3CAgkP
郭公人まつ山になくなれば我うちつけにこひまさりけり(古今162)
465 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:04:43 ID:Fe3CAgkP
河風のすずしくもあるかうちよする浪とともにや秋は立つらむ(古今170)
466 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:05:29 ID:Fe3CAgkP
たが秋にあらぬものゆゑをみなへしなぞ色にいでてまだきうつろふ(古今232)
467 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:07:20 ID:Fe3CAgkP
やどりせし人のかたみかふぢばかまわすられがたきかににほひつつ(古今240)
468 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:10:48 ID:llupfWBB
袖ひちてせく手ににごる山水の澄むを待つとや月のやすらふ(俊恵)
469 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:11:36 ID:llupfWBB
あかざりし雲と雨とのかたみかは花の滴ににごる山の井(正徹)
470 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:12:12 ID:llupfWBB
とこはあれぬいたくな吹きそ秋風の目にみぬ人を夢にだにみん(藤原家隆)
471 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:13:27 ID:llupfWBB
吹く風の目にみぬ人も軒端なる梅さくころは待たれけるかな(堯孝)
472 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:14:04 ID:llupfWBB
身にぞしむ霞にもるる面影のさだかにみえし花の下風(正徹)
473 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:14:51 ID:llupfWBB
初春のはつねのけふの百千鳥鳴くね空なる朝がすみかな(順徳院)
474 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:15:41 ID:llupfWBB
いづくよりあがるも見えず霞む日に啼く音そらなる夕雲雀かな(慶雲)
475 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:19:34 ID:vh+W0ekH
ほととぎすなく声きけば山里につねよりことに人ぞまたるる(源道済)
476 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:20:43 ID:vh+W0ekH
よしさらばこぬみの浜の浦松のとはに波越すねをもしのばじ(為家)
477 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:21:27 ID:vh+W0ekH
ももはかく鴫のはねがきいくかへり朝わびしき秋にあふらん(家隆)
478 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:22:06 ID:vh+W0ekH
須磨の海人のたく藻の煙たえだえにうらさびしくも見えまがふかな(慈円)
479 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:22:41 ID:vh+W0ekH
花の色もうつりにけりとしら雲の道行ぶりにかをる山風(順徳院)
480 :
名無氏物語:2007/03/15(木) 07:23:57 ID:vh+W0ekH
うき世にもことやつぐると初雁の道行ぶりに山べをやとふ(松永貞徳)
481 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:35:05 ID:VKo7q1WX
梅が香もあまぎる月にまがへつつそれとも見えず霞む頃かな(九条道家[新勅撰])
482 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:38:03 ID:VKo7q1WX
梅が香におどろかれつつ春の夜の闇こそ人はあくがらしけれ(和泉式部[千載])
483 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:39:10 ID:VKo7q1WX
白雲のたえまにかすむ山桜色こそみえねにほふ春風(白河院[新後拾遺])
484 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:40:50 ID:VKo7q1WX
朝霞梅のたち枝は見えねどもそなたの風に香やはかくるる(藤原隆季[続拾遺])
485 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:41:47 ID:VKo7q1WX
かすめどもかやはかくるるこもりえの初瀬の里の春の梅がえ(源有房「新千載])
486 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:50:00 ID:/kDMyFdJ
君ならぬ木のはもつらし旅衣はらひもあへず露こぼれつつ
487 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:51:04 ID:/kDMyFdJ
篠原やしらぬ野中のかり枕松もひとりのあきかぜの声
488 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:52:13 ID:/kDMyFdJ
武蔵野やひとり思ひにむせぶかなきつつなれにし妻も籠らで
489 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:53:14 ID:/kDMyFdJ
草枕むすびさだめんかたしらずならはぬ野べの夢の通ひぢ
490 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:53:48 ID:/kDMyFdJ
君ももしながめやすらん旅衣朝たつ月をそらにまがへて
491 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 00:54:43 ID:/kDMyFdJ
うつの山うつつかなしき道たえて夢に都の人はわすれず
492 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:12:55 ID:LJT5k4m2
秋風のふきにし日よりおとは山峰のこずゑも色づきにけり(古今256)
493 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:14:30 ID:LJT5k4m2
しらつゆも時雨もいたくもる山はしたばのこらず色づきにけり(古今260)
494 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:15:23 ID:LJT5k4m2
ちはやぶる神のいがきにはふくずも秋にはあへずうつろひにけり(古今262)
495 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:16:23 ID:LJT5k4m2
秋の菊にほふかぎりはかざしてむ花よりさきとしらぬわが身を(古今276)
496 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:17:55 ID:LJT5k4m2
見る人もなくてちりぬるおく山の紅葉はよるのにしきなりけり(古今297)
497 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:23:07 ID:LJT5k4m2
年ごとにもみぢばながす龍田河みなとや秋のとまりなるらむ(古今311)
498 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:25:01 ID:LJT5k4m2
ゆふづく夜をぐらの山になくしかのこゑの内にや秋はくるらむ(古今312)
499 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:31:45 ID:9JkgNojL
夏の夜も闇はあやなし橘をながめぬ空に風かをるなり(藤原良経)
500 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:33:17 ID:9JkgNojL
梅がかは霞の袖につつめども香やはかくるる野べの夕かぜ(後鳥羽院)
501 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:34:02 ID:9JkgNojL
むめの花いろこそみえね風吹けば月の光のにほふなりけり(飛鳥井雅有)
502 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:34:58 ID:9JkgNojL
これも又色こそみえね春のよの月はあやなし匂ふ梅がえ(木下長嘯子)
503 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:37:47 ID:9JkgNojL
色もいろ匂ひも月の光にて闇こそ梅は人に知らるれ(木下長嘯子)
504 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:40:25 ID:9JkgNojL
奥山の花みがてらにとひし庵ちりなん後としめてましかば(宗良親王)
505 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 01:41:10 ID:9JkgNojL
さきぬともよそにしられぬ山ざとは花みがてらにくる人もなし(長慶天皇)
506 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 11:53:54 ID:Vo1EL5Uc
桜花うつろふ色は雪とのみふるの山風ふかずもあらなむ(尊円[風雅])
507 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 11:54:46 ID:Vo1EL5Uc
雪とのみさそふもおなじ河風に氷りてとまれ花の白浪(飛鳥井雅世[新続古今])
508 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 11:56:47 ID:Vo1EL5Uc
昨日をば花の陰にてくらしてきけふこそいにし春はをしけれ(和泉式部[続千載])
509 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 11:57:32 ID:Vo1EL5Uc
ちらぬまの花のかげにてくらすひは老の心も物思ひもなし(二条良実[続古今])
510 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:04:09 ID:le1r0BwA
なれなれし花の木陰の草莚ちりなん後ぞしきしのぶべき(松永貞徳)
511 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:05:42 ID:le1r0BwA
人しれぬ心のゆきてみる花はのこる山べもあらじとぞおもふ(源師光)
512 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:06:28 ID:le1r0BwA
雪とのみふるからをのの桜花なほこのもとはわすれざりけり(後嵯峨院)
513 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:07:30 ID:le1r0BwA
いかにせむ高根の桜雪とのみふるだにあるを春の曙(宗尊親王)
514 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:08:09 ID:le1r0BwA
鶯はいたくなわびそ梅の花ことしのみちるならひならねば(源実朝)
515 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:09:01 ID:le1r0BwA
山ざくら尋ねてかへる春の夜は夢にも花のすがたをぞ見る(藤原公重)
516 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:15:40 ID:0JAooocP
春こゆるうつの山道うつつにも夢にも花のちるやみゆらん(中院通勝)
517 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:16:36 ID:0JAooocP
うつつにも夢にも花のちる比は山にだに世のうきめをぞみる(契沖)
518 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:17:11 ID:0JAooocP
み吉野の花のかげにてくれはてておぼろ月よの道やまどはむ(藤原良経)
519 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:17:51 ID:0JAooocP
花ならぬならの木かげも夏くればたつことやすき夕まぐれかは(俊恵)
520 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:18:34 ID:0JAooocP
夏衣たつことやすきかげもなしなほ花思ふ庭の梢に(藤原家隆)
521 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:19:23 ID:0JAooocP
花の陰の心をしらば月も日もたつことやすき春はあらじを(後柏原天皇)
522 :
名無氏物語:2007/03/16(金) 15:20:03 ID:0JAooocP
夏と秋とゆきかふ風やすぎぬらし露ちりそむるしののめの道(藤原雅経)
523 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:00:04 ID:44UDUgOe
ちりはてて花のかげなきこのもとにたつことやすき夏衣かな(慈円[新古今])
524 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:05:40 ID:44UDUgOe
山もとのをちの日かげはさだかにてかたへすずしき夕立の雲(藤原為家[風雅])
525 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:07:15 ID:44UDUgOe
秋くれば萩もふるえにさくものを人こそかはれもとの心は(藤原惟方[風雅])
526 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:09:47 ID:44UDUgOe
さこそわれ萩のふるえの秋ならめもとの心を人のとへかし(阿仏尼[風雅])
527 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:10:44 ID:44UDUgOe
秋風の関吹きこゆるたびごとに声うちそふる須磨のうら波(壬生忠見[新古今])
528 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:11:22 ID:44UDUgOe
住吉の松のしづえは神さびてゆふしでかくる沖つ白波(藤原光頼[続後撰])
529 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:24:00 ID:sbItReOh
夏と秋とゆきかふ夜半の浪の音のかたへすずしきかもの河かぜ(後鳥羽院)
530 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:24:36 ID:sbItReOh
みるからにかたへ涼しき夏ごろも日も夕暮のやまとなでしこ(後鳥羽院)
531 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:28:45 ID:swZArrx6
夏の日のかたへすずしき風にしもおくれぬ秋や空にきぬらん(中院通勝)
532 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:31:56 ID:swZArrx6
夏ふかき野原の露もゆく水も近き沢辺ぞかたへ冷しき(冷泉為村)
533 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:32:48 ID:swZArrx6
雪きえてうらめづらしきはつ草のはつかに野べも春めきにけり(式子内親王)
534 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:33:39 ID:swZArrx6
山風の霞のころもふきかへしうらめづらしき花の色かな(九条道家)
535 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:36:35 ID:swZArrx6
秋きぬと海ふく比良の山風もうらめづらしきあまの衣手(本居宣長)
536 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:37:49 ID:swZArrx6
いまはよにもとの心の友もなし老いてふるえの秋萩の花(頓阿)
537 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:38:35 ID:swZArrx6
いはれのの古枝の真萩はなさけば池にももとの心をぞしる(宗祇)
538 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:42:57 ID:+nm/pJqy
雪ふれば冬ごもりせる草も木も春にしられぬ花ぞさきける(古今323)
539 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:44:55 ID:+nm/pJqy
ふゆごもり思ひかけぬをこのまより花とみるまで雪ぞふりける(古今331)
540 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:46:09 ID:+nm/pJqy
白雪のふりしく時はみよしのの山した風に花ぞちりける(古今363)
541 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:48:58 ID:+nm/pJqy
春くればやどにまづさく梅の花きみがちとせのかざしとぞみる(古今352)
542 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:50:03 ID:+nm/pJqy
しらくものやへにかさなるをちにてもおもはむ人に心へだつな(古今380)
543 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:51:36 ID:+nm/pJqy
わかれてふ事はいろにもあらなくに心にしみてわびしかるらむ(古今381)
544 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:52:39 ID:+nm/pJqy
秋はぎの花をば雨にぬらせども君をばましてをしとこそおもへ(古今397)
545 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:58:12 ID:yhIS3Oxa
我妹子が家路にかへる心かなかさなる山をしひてすぐれば
546 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:58:49 ID:yhIS3Oxa
わすれじの契り結びし枕さへあらぬかりねの夢ぞはかなき
547 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 04:59:52 ID:yhIS3Oxa
蔦の色に袖をあらそふ旅ねにはうつつもかなし宇津の山ごえ
548 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:00:37 ID:yhIS3Oxa
廻りあはん程をばいつといふべきぞ便りだになし宇津の山越え
549 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:01:19 ID:yhIS3Oxa
人とはぬころだにつらき山里の松に心のあきかぜのこゑ
550 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:04:59 ID:yhIS3Oxa
わすらるる人めはつひにかれにけり誰山里の冬とまつらん
551 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:27:36 ID:Pn36As24
なれきつるもとの心は忘れずと萩の古枝をてらす月かげ(木下長嘯子)
552 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:28:14 ID:Pn36As24
もしほ草しきつの浪にうき枕きけすみよしの松を秋風(慈円)
553 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:28:59 ID:Pn36As24
住吉の浜辺のみそぎくれゆけば松を秋風けふよりぞふく(下河辺長流)
554 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:29:40 ID:Pn36As24
かをらずは折りやまどはむ長月の月夜にあへる白菊の花(大中臣能宣)
555 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:30:17 ID:Pn36As24
心あてにをらばやをらん夕づくひさすや小倉の峰のもみぢば(藤原家隆)
556 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:35:42 ID:WY2iJw1e
いづれをかわきて折るべき月影に色みえまがふ白菊の花(大弐三位[新勅撰])
557 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:36:58 ID:WY2iJw1e
月影に色もわかれぬ白菊は心あてにぞ折るべかりける(藤原公行[新勅撰])
558 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:38:16 ID:WY2iJw1e
霜を待つ籬の菊の宵の間におきまがふ色は山の端の月(宮内卿[新古今])
559 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:39:06 ID:WY2iJw1e
袖ふれてをらばやをらむ我妹子が裾ひく庭に匂ふ梅がえ(藤原為経[新千載])
560 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:54:43 ID:8Q7wIBrf
心あてに誰かはをらむ山がつのかきほの萩の露のふかさを(藤原為家)
561 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:55:19 ID:8Q7wIBrf
心あてにをらばや夜半の梅の花かをる軒ばの風を尋ねて(宗良親王)
562 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:56:01 ID:8Q7wIBrf
袖かけてをらばやをらん榊ばのかをなつかしみ露をしるべに(正徹)
563 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:56:42 ID:8Q7wIBrf
心あての色もかすみの吉野山我まどはすな花のしら雲(三条西実隆)
564 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:57:34 ID:8Q7wIBrf
あともなき波の上ながら心あてにゆけばまどはぬ舟ぢなりけり(小沢蘆庵)
565 :
名無氏物語:2007/03/17(土) 05:58:49 ID:8Q7wIBrf
初霜はまだおきなれぬ宵々の月にうつろふ白菊の花(香川景樹)
566 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 02:19:55 ID:gqp2lOvI
老いの目はまぎらはしさに折りかねつ月夜の霜の白菊の花(安藤野雁)
567 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 02:44:27 ID:HFT7lfg9
もみぢばを幣にたむけて行く秋ををしみとめぬや神なびの森(慈円)
568 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 02:46:35 ID:HFT7lfg9
みそぎ川あさのたちえのゆふしでを幣とたむけて夏はいぬめり(藤原為家)
569 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:03:58 ID:eLog6hAy
もみぢばを幣とたむけてちらしつつ秋とともにやゆかんとすらん(大輔[後撰])
570 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:04:59 ID:eLog6hAy
恋しきは逢ふを限りと聞きしかどさてしもいとど思ひそひけり(藤原教長[千載])
571 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:06:16 ID:eLog6hAy
我が恋は逢ふをかぎりのたのみだに行方もしらぬ空のうき雲(源通具[新古今])
572 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:07:01 ID:eLog6hAy
おのづからあふをかぎりの命とて年月ふるも涙なりけり(藤原為家[続古今])
573 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:07:57 ID:eLog6hAy
徒に立つや煙のはてもなし逢ふを限りともゆる思ひは(源親長[続拾遺])
574 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:08:37 ID:eLog6hAy
我が涙逢ふを限りと思ひしに猶いひしらぬ袖の上かな(後嵯峨院[続拾遺])
575 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:13:23 ID:YpmJOydi
山がつの麻のさごろもをさをあらみあはで月日や杉ふける庵
576 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:14:13 ID:YpmJOydi
風吹けばさもあらぬ峯の松もうし恋せん人は都にをすめ
577 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:17:41 ID:YpmJOydi
身をしれば思ひもよらで杉の庵に猶さりともと松風ぞふく
578 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:18:50 ID:YpmJOydi
おもひわび涙ふりそふ嶺の庵にかたしく雲やうちしぐるらん
579 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:19:37 ID:YpmJOydi
山陰や山鳥の尾のながきよを我ひとりかもあかしかねつつ
580 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:20:08 ID:YpmJOydi
君しるや都もよそに嶺の雲はれぬ思ひにながめわびつつ
581 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:25:16 ID:6DW29aHa
かつこえてわかれもゆくかあふさかは人だのめなる名にこそありけれ(古今390)
582 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:26:06 ID:6DW29aHa
むすぶてのしづくににごる山の井のあかでも人にわかれぬるかな(古今404)
583 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:26:44 ID:6DW29aHa
吉野河いは浪みたかく行く水のはやくぞ人を思ひそめてし(古今471)
584 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:27:29 ID:6DW29aHa
世の中はかくこそありけれ吹く風のめに見ぬ人もこひしかりけり(古今475)
585 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:28:11 ID:6DW29aHa
逢ふ事はくもゐはるかになる神のおとにききつつこひ渡るかな(古今482)
586 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:28:50 ID:6DW29aHa
山ざくら霞のまよりほのかにも見てし人こそこひしかりけれ(古今479)
587 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 03:30:21 ID:6DW29aHa
君こふる涙しなくは唐衣むねのあたりは色もえなまし(古今572)
588 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 04:01:43 ID:eKjZbNE/
初雁のはつかにききしことづても雲路にたえてわぶるころかな(源高明)
589 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 04:02:28 ID:eKjZbNE/
芳野山あふをかぎりの桜花ゆくへもしらぬ道やまどはん(藤原家隆)
590 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 04:03:27 ID:eKjZbNE/
いつしかの行へもしらぬ詠めより逢ふを限りのはてをしぞ思ふ(藤原雅経)
591 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 04:05:14 ID:eKjZbNE/
行へなきあふをかぎりの白雲もたえて分かるる峰の松かぜ(俊成卿女)
592 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 09:13:39 ID:EO0bbMjT
さても又あふを限りのはてもなし恋は命ぞかぎりなりける(藤原為家)
593 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 09:14:14 ID:EO0bbMjT
思ひあまりあふをかぎりの詠めしてゆくへもしらぬ夕暮の空(宗尊親王)
594 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 09:15:29 ID:EO0bbMjT
恋ひしなむそれまでと猶歎くかなあふを限の思ひたえても(頓阿)
595 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 09:17:06 ID:EO0bbMjT
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風(正徹)
596 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 10:13:50 ID:8x87G/wb
くれはつる秋こそやがてしらせけれあふ人からの夜半のならひは(藤原家隆)
597 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 10:15:30 ID:8x87G/wb
むつごとも逢ふ人からのならひかもいづらは夜半も長月の空(後鳥羽院)
598 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 10:17:21 ID:8x87G/wb
またいつにこよひもまたん月をしも逢ふ人からのしののめの空(三条西実隆)
599 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 10:18:13 ID:8x87G/wb
よの中はさてもやうきと桜花ちらぬ春にもあひ見てしがな(飛鳥井雅有)
600 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 10:18:58 ID:8x87G/wb
露分くる夏野の草のぬれ衣なるとはすれど色もかはらず(順徳院)
601 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 10:19:48 ID:8x87G/wb
あま衣なるとはすれどいせ島やあはぬうつせはいふかひもなし(後水尾院)
602 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:35:43 ID:z5L7lTom
よそにのみきくの長浜ながらへて心づくしにこひやわたらん(藤原為家)
603 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:46:02 ID:+Q4wr8LL
何ゆゑに雪みるべくもあらぬ身のこしぢの冬をみとせ経ぬらむ(宗良親王)
604 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:47:00 ID:+Q4wr8LL
ふりつもる雪みるべくもなき人の跡をも今朝はおもひやりつつ(宗良親王)
605 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:47:39 ID:+Q4wr8LL
かへるかり跡はしたへどしら山のゆきみるべくもなき雲路かな(下河辺長流)
606 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:49:57 ID:+Q4wr8LL
わび人のたもとしなくは紅葉葉のひとりや雨にぬれて染めまし(藤原為家)
607 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:54:15 ID:/XDWzMZB
こむ世には契ありやと恋ひしなんあふをかぎりの命をしまで(後宇多院[新後撰])
608 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:55:51 ID:/XDWzMZB
すまの海士の袖にふきこす潮風のなるとはすれどてにもたまらず(定家[新古今])
609 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:56:42 ID:/XDWzMZB
あふことをはつかに見えし月影のおぼろけにやはあはれともおもふ(村上天皇[新古今])
610 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:57:30 ID:/XDWzMZB
岩にむす苔ふみならす三熊野の山のかひある行末もがな(後鳥羽院[新古今])
611 :
名無氏物語:2007/03/18(日) 17:58:21 ID:/XDWzMZB
亀のをの山のかひある山桜万代ふべきためしとぞみる(西園寺公相[続拾遺])
612 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 08:22:44 ID:RcmTQ8DY
なくとても花やはとまるはかなくも暮れゆく春のうぐひすの声(続後撰149)
613 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 08:23:27 ID:RcmTQ8DY
五月雨のたそかれ時の月かげのおぼろけにやはわれ人をまつ(玉葉1397)
614 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 15:49:06 ID:Zc6GkCPV
水鳥のうへはこほれる羽衣いでいりあらふ波のまもなし(賀茂保憲女)
615 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 15:49:59 ID:Zc6GkCPV
世中ようへはこほれる冬川のしられぬにこそわたりかねぬれ(三条西実隆)
616 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:02:02 ID:4H+IwHAk
ただ一重上は氷れる河の面にぬれぬ木の葉ぞ風に流るる(九条左大臣女[玉葉])
617 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:03:51 ID:4H+IwHAk
つれづれとながめのみするこのごろは空も人こそ恋しかるらし(藤原定頼[風雅])
618 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:04:25 ID:4H+IwHAk
花もまだにほはぬ比の朝な朝ななけや鶯春と思はん(鷹司院按察[玉葉])
619 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:05:13 ID:4H+IwHAk
あぢきなく春はいのちのをしきかな花ぞこの世のほだしなりける(和泉式部[風雅])
620 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:05:55 ID:4H+IwHAk
思へどもつらくもあるかな七夕のなどか一夜と契りそめけん(基長[新勅撰])
621 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:11:33 ID:UAW92qPH
かねてよりおもひこしぢのあらち山ことわり過ぐる峰の白雪(知家)
622 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:13:10 ID:UAW92qPH
はるかにも思ひこしぢの春の雁かへる山をば都にぞ見る(後柏原天皇)
623 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:15:54 ID:UAW92qPH
人をのみ思ひこしぢのはてなれや身を白雪のつもる恨みは(宗良親王)
624 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:17:11 ID:UAW92qPH
つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来んものならなくに(和泉式部)
625 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:17:41 ID:UAW92qPH
見ずもあらずみもせぬ人の形見かは五月の空の夕暮の雲(藤原家隆)
626 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:19:50 ID:UAW92qPH
かた見かはしるべにもあらず君恋ひてただつくづくとむかふ大空(藤原定家)
627 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:20:26 ID:UAW92qPH
おほ空はくれゆく秋のかたみかはをしむ袂もうちしぐれつつ(後鳥羽院)
628 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:25:52 ID:LQPio0G8
朝夕にむなしき空をながめてもたかく仰ぎし君を恋ひつつ(宗尊親王)
629 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:26:29 ID:LQPio0G8
そなたともたがゆふ暮の空なれば恋しきたびに詠めやるらん(宗良親王)
630 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:27:03 ID:LQPio0G8
かたみかはそなたのそらの峰の雲恋しきたびにうちながめつつ(後崇光院)
631 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:27:57 ID:LQPio0G8
わぎもこは月の都へいらなくに暮るれば空のながめらるらん(井上文雄)
632 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:28:37 ID:LQPio0G8
さく花は千種ながらに時過ぎて枯れゆくをのの霜のさむけさ(宗尊親王)
633 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:29:11 ID:LQPio0G8
花いへばちくさながらにあだならぬ色香にうつる野べの露かな(三条西実隆)
634 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:30:01 ID:LQPio0G8
さく花の千種ながらにうちなびきかぎりもみえぬのべの秋かぜ(霊元院)
635 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:32:56 ID:cnfUbwpL
世とともに流れてぞ行く涙河冬もこほらぬみなわなりけり(古今573)
636 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:33:54 ID:cnfUbwpL
夢ぢにもつゆやおくらむよもすがらかよへる袖のひちてかわかぬ(古今574)
637 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:35:15 ID:cnfUbwpL
さ月山こずゑをたかみ郭公なくねそらなるこひもするかな(古今579)
638 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:36:01 ID:cnfUbwpL
秋ののにみだれてさける花の色のちぐさに物を思ふころかな(古今583)
639 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:36:32 ID:cnfUbwpL
まこもかるよどのさは水雨ふればつねよりことにまさるわがこひ(古今587)
640 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:37:40 ID:cnfUbwpL
こえぬまはよしのの山のさくら花人づてにのみききわたるかな(古今588)
641 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:38:41 ID:cnfUbwpL
露ならぬ心を花におきそめて風吹くごとに物思ひぞつく(古今589)
642 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:45:41 ID:3rlO5geU
さまざまに心うつりて咲く花は千種ながらにあかずしぞおもふ(後水尾院)
643 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:47:53 ID:3rlO5geU
冬枯の草葉にも見よ色といへば千種ながらにあだの世の中(後水尾院)
644 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 16:49:47 ID:3rlO5geU
夕霞たなびく山の春よりも色の千種にさけるなでしこ(順徳院)
645 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 17:09:58 ID:TmaHpZNJ
ひとりふすまやのすきまの雨そそき落つる涙の数そへんとや
646 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 17:11:09 ID:TmaHpZNJ
物思はぬ人はたえける山里に我が身ひとつの秋のゆふぐれ
647 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 17:13:21 ID:TmaHpZNJ
里はあれぬ尾上の宮のおのづから待ちこし宵も昔なりけり
648 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 17:14:30 ID:TmaHpZNJ
末までと契りてとはぬ故里にむかしがたりのまつ風ぞふく
649 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 17:15:15 ID:TmaHpZNJ
あだ人の心よりまづあれそめて庭もまがきも野べの秋かぜ
650 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 17:16:59 ID:TmaHpZNJ
さざ波や志賀の古郷いくかへりわすれがたみの袖ぬらすらん
651 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 18:06:03 ID:12mHtGJD
あかれじの心や深き七夕の年に一たびまれにのみ逢ふ(花山院[玉葉])
652 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 18:06:54 ID:12mHtGJD
玉川の里の垣ねの卯の花はおよばぬ波のこすかとぞみる(二条道平[新千載])
653 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 18:07:39 ID:12mHtGJD
物おもふ涙の河の身をつくしふかきしるしは袖にみゆらん(中臣祐春[続千載])
654 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 18:08:23 ID:12mHtGJD
恨みても泣きても何をかこたまし見しよの月の辛さならでは(少将内侍[続古今])
655 :
名無氏物語:2007/03/19(月) 18:09:15 ID:12mHtGJD
山水に老せぬ千世をせきとめておのれうつろふしら菊の花(定家[新千載])
656 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:24:35 ID:aVnE6h53
あけわたるとやまの花にうつろひて色の千草にたつかすみかな(藤原泰綱)
657 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:25:46 ID:aVnE6h53
見わたせば色の千種にうつろひて霞をそむる山ざくらかな(藤原行家)
658 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:27:26 ID:aVnE6h53
秋も又色の千くさのおなじ野に霞みし花のかげぞわすれぬ(津守国道)
659 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:39:44 ID:aVnE6h53
春の色を千種にこめて天の原かぎりもしらず立つ霞かな(肖柏)
660 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:51:02 ID:w5AplC+X
桜花梢さびしくちりすきてのこれる枝に春ぞすくなき(九条師教[玉葉])
661 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:51:45 ID:w5AplC+X
うき身をも思ひな捨てそ秋の月むかしより見し友ならぬかは(藤原隆房[続後撰])
662 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:52:59 ID:w5AplC+X
高砂の松も昔になりぬべしなほ行末は秋の夜の月(寂蓮[新古今])
663 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:54:23 ID:w5AplC+X
高砂の松もかひなし誰をかもあはれ歎きのしる人にせん(藤原忠定[続拾遺])
664 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:55:10 ID:w5AplC+X
冬きては雪の底なる高砂の松を友とぞいとどふりぬる(藤原為家[続拾遺])
665 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 00:56:31 ID:w5AplC+X
月だにも老の涙のへだてずはむかしの秋の友とみてまし(一条実経[続拾遺])
666 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:00:55 ID:9eFxYYkY
色にみよ袖にしぐれの故里のみかきが原の秋のおもひは
667 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:01:35 ID:9eFxYYkY
飛ぶ鳥のあすかのさとに秋ふけぬ出でにし人は音づれもせで
668 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:02:11 ID:9eFxYYkY
まがきには鹿もなれきて妻とふをきくに袂ぞいとど露けき
669 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:02:52 ID:9eFxYYkY
契りしもあらずなりけり面影はありしながらの渡りなれども
670 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:03:46 ID:9eFxYYkY
つれなきを待つとせしまの春の草かれぬ心のふる里の霜
671 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:04:29 ID:9eFxYYkY
人ふるす里をも何かいとふべき我が身ひとつのうき名なりけり
672 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:07:41 ID:mrRuM+J5
白玉とみえし涙も年ふればから紅にうつろひにけり(古今599)
673 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:08:17 ID:mrRuM+J5
つのくにのなにはのあしのめもはるにしげきわがこひ人しるらめや(古今604)
674 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:09:45 ID:mrRuM+J5
手もふれで月日へにけるしらま弓おきふしよるはいこそねられね(古今605)
675 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:12:23 ID:mrRuM+J5
しのぶれどこひしき時はあしひきの山より月のいでてこそくれ(古今633)
676 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:13:59 ID:mrRuM+J5
しきしまややまとにはあらぬ唐衣ころもへずしてあふよしもがな(古今697)
677 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:14:37 ID:mrRuM+J5
色もなき心を人にそめしよりうつろはむとはおもほえなくに(古今729)
678 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:15:14 ID:mrRuM+J5
いにしへに猶立ちかへる心かなこひしきことに物忘れせで(古今734)
679 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:18:15 ID:6jQbWJ3C
やまやはるなけや鶯すみがまの煙も空にかすむけしきを(衲叟馴窓)
680 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:19:27 ID:6jQbWJ3C
移り来てなけや鶯うららなる南のかたえ木のめ春風(冷泉為村)
681 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:21:10 ID:6jQbWJ3C
染めつくす峰の紅葉をいづる日のあからさまにしあふは逢ふかは(加藤千蔭)
682 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:22:16 ID:6jQbWJ3C
み山にも秋はかぎりになりにけりおちくる水の色かはるまで(土御門院小宰相)
683 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:23:14 ID:6jQbWJ3C
白浪のこすかとぞみる卯花のさける垣ねや末の松山(藤原長方)
684 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:24:36 ID:6jQbWJ3C
しら浪のこえてかへると見えつるや雪に風吹くすゑの松山(慈円)
685 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 01:25:22 ID:6jQbWJ3C
さざなみのこすかとぞみる唐崎や松のしづえにふれる白雪(澄覚法親王)
686 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 12:45:07 ID:aSCavmXE
松かげに咲ける桜は末の山したより浪のこすかとぞみる(小沢蘆庵)
687 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 12:46:04 ID:aSCavmXE
年をへてつれなき人を恋ふる身は涙の河の身をつくしかな(能因)
688 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 12:46:54 ID:aSCavmXE
きみゆゑに涙の川にゆらさるるみをつくしともなりはてねとや(藤原経家)
689 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 12:47:45 ID:aSCavmXE
涙川あふせもしらぬ身をつくしたけこす程に成りにけるかな(慈円)
690 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 12:49:21 ID:aSCavmXE
いかにせむ今はたたえて春の夜の人だのめなる夢をだにみず(藤原家隆)
691 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 12:50:43 ID:aSCavmXE
かきつめて誰しのぶべきかたみとは涙の底のもくづなれども(俊成卿女)
692 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 13:12:56 ID:RHue4dgt
夜な夜なのまくらのちりをもくづにて涙の床や海とならまし(頓阿)
693 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 13:13:51 ID:RHue4dgt
かたみとて涙にうかぶもくづをばかへすをみても袖やぬれなん(飛鳥井雅親)
694 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 13:15:01 ID:RHue4dgt
そなたにもとめてやはみぬあふことのいまは涙のもくづなりとも(実隆)
695 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 13:17:51 ID:RHue4dgt
涙川うかぶもくづのうたかたもあはれはかなきかたみなりけり(木下長嘯子)
696 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 13:19:07 ID:RHue4dgt
天つ星光をうつすみかは水老せぬ菊のかげやせくらん(順徳院)
697 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 13:20:12 ID:RHue4dgt
よしの川はやくのとしをかへさめや菊の下水老をせくとも(後水尾院)
698 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 14:50:52 ID:lpAQlFx1
老をせくためしまでこそくみしらねこのたに河も菊のしたみづ(霊元院)
699 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 14:52:14 ID:lpAQlFx1
まちをしむ花にまぎれし心からすぐす月日の春ぞすくなき(藤原為家)
700 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 14:53:02 ID:lpAQlFx1
けふのこる花のかとりの白がさねあすたちかへむ春ぞすくなき(正徹)
701 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 14:53:56 ID:lpAQlFx1
高砂のをのへの松や君がへん千代のともとはならむとすらん(藤原俊成)
702 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 14:54:33 ID:lpAQlFx1
いかにせん鏡のそこにみづはぐむかげもむかしの友ならなくに(鴨長明)
703 :
名無氏物語:2007/03/20(火) 14:56:46 ID:lpAQlFx1
高砂の松をともとて鳴く千鳥きみがやちよのこゑやそふらん(藤原良経)
704 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:13:04 ID:CZfHIyFC
友と見しよそのもみぢは散りはててひとりしぐるる高砂のまつ(藤原為家)
705 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:13:58 ID:CZfHIyFC
みよしのの吉野の宮はふりにけり松も昔の松やすくなき(順徳院)
706 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:16:13 ID:CZfHIyFC
子の日せし代代のみゆきのあとふりて松もむかしの春や恋しき(宗尊親王)
707 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:17:34 ID:CZfHIyFC
知る人と松をもいかがたのむべきうきよをいとふ友ならなくに(宗尊親王)
708 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:18:21 ID:CZfHIyFC
風かよふ松もむかしの友とてやおなじ軒端ににほふたち花(飛鳥井雅世)
709 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:25:23 ID:YzXeg6tP
高砂の松を友ともなぐさまで猶妻ごひに鹿ぞ鳴くなる(尊円親王[新拾遺])
710 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:26:38 ID:YzXeg6tP
さきやらぬ花の梢はたかさごの松を友とやつれなかるらむ(直明王[新続古今])
711 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:29:26 ID:YzXeg6tP
郭公雲のいづくにやすらひて明がたちかき月になくらん(後鳥羽院[続拾遺])
712 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:30:46 ID:YzXeg6tP
卯の花の籬は雲のいづくとてあけぬる月の影やどすらむ(藤原為家[続古今])
713 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 06:51:54 ID:YzXeg6tP
暁の空とはいはじ夏の夜はまだ宵ながら有明の月(西園寺公相[続古今])
714 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:10:11 ID:BbXfabI/
都おもふ心のはてもゆくへなき芦やの沖のうきねなりけり
715 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:11:36 ID:BbXfabI/
いまはとてあかで出でにし曙にゐなのみなとも月ぞかはらぬ
716 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:14:34 ID:BbXfabI/
しるらめや風のたよりをまち侘びて袖に波たつ梶まくらすと
717 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:15:31 ID:BbXfabI/
わすれぬは浪路の月に愁へては身をうしまどにとまる舟人
718 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:16:57 ID:BbXfabI/
おもふ人をうきねの夢にみなと川さむる袂にのこるおも影
719 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:19:26 ID:BbXfabI/
おもひねの夢路に人をみなと川さむればもとの浮きねなりけり
720 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:23:08 ID:kxJ51cdP
あすしらぬわが身とおもへどくれぬまのけふは人こそかなしかりけれ(古今838)
721 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:24:11 ID:kxJ51cdP
あさ露のおくての山田かりそめにうき世の中を思ひぬるかな(古今842)
722 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:25:27 ID:kxJ51cdP
郭公けさなくこゑにおどろけば君に別れし時にぞありける(古今849)
723 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:27:04 ID:kxJ51cdP
思ひやるこしのしら山しらねどもひと夜も夢にこえぬよぞなき(古今980)
724 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:27:40 ID:kxJ51cdP
春くれば雁かへるなり白雲の道ゆきぶりにことやつてまし(古今30)
725 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:28:38 ID:kxJ51cdP
月夜にはそれとも見えず梅の花香をたづねてぞしるべかりける(古今40)
726 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:29:41 ID:kxJ51cdP
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそみえね香やはかくるる(古今41)
727 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:35:38 ID:lKgZqgqM
年こゆる色やはかへん高砂の松もむかしの沖つしらなみ(正徹)
728 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:36:28 ID:lKgZqgqM
君が代は雲井はるかに高砂の松もむかしの友づるのこゑ(三条西実隆)
729 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:37:04 ID:lKgZqgqM
高砂の松をためしも雪のけさいたづらにふる友とやはみん(木下長嘯子)
730 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:37:41 ID:lKgZqgqM
夏の夜はまだ宵ながら明けぬとやゆふつけ鳥の暁のこゑ(慈円)
731 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:38:31 ID:lKgZqgqM
大和路や都も遠きひむろ山まだ宵ながら岩戸あくなり(藤原家隆)
732 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:39:10 ID:lKgZqgqM
夕づくよかたぶく空はよひながら雲のいづくにありあけの月(藤原忠良)
733 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:47:07 ID:YUWf3VLz
夏の夜は雲のいづくにやどるともわがおもかげに月はのこさむ(藤原良経)
734 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:48:08 ID:YUWf3VLz
郭公まだ宵ながら明くる夜の雲のいづくになきわたるらん(後鳥羽院)
735 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:49:48 ID:YUWf3VLz
あかなくに雲のいづくにやどりつつはるればあくる夏の夜の月(後鳥羽院)
736 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:51:37 ID:YUWf3VLz
月だにも雲のいづくに夏の夜のやみはあやなし曙の空(順徳院)
737 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:52:16 ID:YUWf3VLz
久方の雲のいづくの影ならで木のまあけ行くみじか夜の月(伏見院)
738 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 07:53:31 ID:YUWf3VLz
よひのまに明けなば明けよ天つ空雲のいづくと月はたどらじ(正徹)
739 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 16:45:54 ID:X4GEc9Jj
庭しろき玉をのべたる光かなこほれる雪をみがく月夜に(正徹)
740 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 16:46:49 ID:X4GEc9Jj
雲さゆるよし野の里は冬ながら空より花のふらぬひはなし(祝部成茂)
741 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 16:47:32 ID:X4GEc9Jj
春もまだよそにぞ寒き谷の戸に咲きてとくちる花の淡雪(望月長孝)
742 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 16:48:12 ID:X4GEc9Jj
ひかりなき谷にも風はよそならで咲きてとくちる山桜かな(本居宣長)
743 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:00:14 ID:mvXzdYJO
天つ風氷を渡る冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王[新勅撰])
744 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:01:31 ID:mvXzdYJO
麓をば宇治の川霧たちこめて雲ゐにみゆる朝日山かな(藤原公実[新古今])
745 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:02:12 ID:mvXzdYJO
朝まだき御法の庭にふる雪は空より花のちるかとぞみる(中原清重[千載])
746 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:02:52 ID:mvXzdYJO
法の庭空に楽こそきこゆなれ雲のあなたに花やちるらん(慶政[風雅])
747 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:04:58 ID:mvXzdYJO
恋ひ死なば我がゆゑとだに思ひ出でよさこそは辛き心なりとも(実国[千載])
748 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:05:46 ID:mvXzdYJO
桜花咲きてとくちるならひこそ我が身の春の物思ひなれ(嘉喜門院[新葉])
749 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:53:28 ID:HBXSo7sG
こと問へよ思ひおきつの浜千鳥なくなく出でしあとの月影(藤原定家[新古今])
750 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:55:01 ID:HBXSo7sG
人を思ふ思ひを何にたとへまし室の八島も名のみ也けり(源重之女[続後拾遺])
751 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:56:31 ID:HBXSo7sG
忍ぶれど思ふ思ひのあまりには色に出でぬる物にぞありける(大江嘉言[風雅])
752 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:57:19 ID:HBXSo7sG
さてもわが思ふ思ひよつひにいかに何のかひなき眺めのみして(永福門院[風雅])
753 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 17:57:57 ID:HBXSo7sG
君ゆゑに思ふ思ひは大海の波をば袖にかけぬまもなし(公蔭[風雅])
754 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:20:09 ID:AlRBqgj3
紅葉ちることやわびしきみ熊野の山のあらしに鹿ぞなくなる(慈円)
755 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:20:58 ID:AlRBqgj3
ねにたてて秋の夜かこつきりぎりす長きね覚の枕にぞきく(藤原為家)
756 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:21:41 ID:AlRBqgj3
しるべなきおきつの浜になくたづのゑをあはれと神はきかなむ(兼好)
757 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:22:25 ID:AlRBqgj3
春はとし霞かかれる梢より花ぞおそきと鶯のなく(慈円)
758 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:23:20 ID:AlRBqgj3
鶯のはつねをもらせ春やとき花やおそきと思ひさだめん(後鳥羽院)
759 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:24:03 ID:AlRBqgj3
白雪のふる枝の梅を花とみて春やおそきときゐる鶯(藤原為家)
760 :
名無氏物語:2007/03/21(水) 18:24:58 ID:AlRBqgj3
木々の雪花かと見えて花やとき春やおそきとあやまたれぬる(三条西実隆)
761 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:10:32 ID:szfPj3CS
春やくる花や咲くとも知らざりき谷のそこなる埋木の身は(和泉式部[新勅撰])
762 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:14:20 ID:szfPj3CS
わくらばにあふ坂山のさねかづらくるをたえずと誰か頼まん(九条道家[新勅撰])
763 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:30:17 ID:Ss3o7A9F
さねかづらいまはたゆとや逢坂のゆふつけ鳥のくり返し鳴く(藤原家隆)
764 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:31:15 ID:Ss3o7A9F
いかにせん相坂山のさねかづらはぶきあまたにうつりはてなば(藤原家隆)
765 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:32:04 ID:Ss3o7A9F
くる人をいかがいとはむさねかづらたえずはすゑも逢坂の関(蓮瑜)
766 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:33:10 ID:Ss3o7A9F
さねかづらかけのたれをの長路しるあふ坂山の関の行末(正徹)
767 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:33:53 ID:Ss3o7A9F
さねかづら末葉にむすぶ露かけてもとくる人のありとしられじ(東常縁)
768 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:34:31 ID:Ss3o7A9F
あふさかや夢にもさねんさねかづらくるよを人にせきなとどめそ(後柏原天皇)
769 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:38:37 ID:K3rU/zBv
ふねとむるむしあけの磯の松の風たが夢路にか又かよふらん
770 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:39:27 ID:K3rU/zBv
うき枕なみに波しく袖のうへに月ぞかさなるなれし面影
771 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:40:34 ID:K3rU/zBv
まてとしもたのめぬ磯のかぢ枕虫あけの波のねぬよとふなり
772 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:41:13 ID:K3rU/zBv
片しきの袖もうきねの浪枕ひとりあかしのうらめしの身や
773 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:41:59 ID:K3rU/zBv
東路やひとり旅ねの日数へて涙せきあへぬあしがらの関
774 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:42:45 ID:K3rU/zBv
いかで云はんかくこそ有りけれ関守もいづら勿来のなを答へけん
775 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:47:23 ID:ubuCnuZ0
わが宿の花見がてらに来る人はちりなむのちぞ恋しかるべき(古今67)
776 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:48:28 ID:ubuCnuZ0
雪とのみふるだにあるを桜花いかにちれとか風のふくらむ(古今86)
777 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:49:22 ID:ubuCnuZ0
花みれば心さへにぞうつりける色にはいでじ人もこそしれ(古今104)
778 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:50:15 ID:ubuCnuZ0
しるしなき音をもなくかな鶯の今年のみちる花ならなくに(古今110)
779 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:51:07 ID:ubuCnuZ0
わが宿にさける藤なみ立ちかへりすぎがてにのみ人の見るらむ(古今120)
780 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:51:42 ID:ubuCnuZ0
とどむべき物とはなしにはかなくもちる花ごとにたぐふ心か(古今132)
781 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:52:46 ID:ubuCnuZ0
けふのみと春をおもはぬ時だにも立つことやすき花のかげかは(古今134)
782 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:58:33 ID:rqeV215y
おきふしてをしむかひなくうつつにも夢にも花のちる夜なりけり(金葉初度本98)
783 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 04:59:05 ID:rqeV215y
桜花ちりぬるときは見もはてでさめぬる夢の心地こそすれ(金葉初度本105)
784 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 05:00:07 ID:rqeV215y
うつつにも夢にも人に夜しあへば暮れゆくばかりうれしきはなし(亭子院歌合)
785 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 05:00:36 ID:rqeV215y
我が心春の山辺にあくがれてながながし日を今日もくらしつ(亭子院歌合)
786 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 08:20:26 ID:eZE1+I+G
霞たつあふ坂山のさねかづらまたくりかへし春はきにけり(木下長嘯子)
787 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 08:21:03 ID:eZE1+I+G
夏の夜ののどけき雨をあしびきの山の松風ふくかとぞきく(曾根好忠)
788 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 08:22:09 ID:eZE1+I+G
石見のや高津のやまの松風のここに通ひて吹くかとぞきく(木下幸文)
789 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 08:22:57 ID:eZE1+I+G
みかの原ながるる河のいつみきとおぼえぬせにもぬるる袖かな(藤原基家)
790 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 08:23:27 ID:eZE1+I+G
いづみ川ゆくせの波の程にのみききこし人に恋ひやわたらむ(宗尊親王)
791 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 14:15:27 ID:ZfJS1b7l
春はただみきともいはじ泉河わきてかすめる波の上の月(慶運)
792 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 14:16:01 ID:ZfJS1b7l
泉川こほりにけりなゆく水のわきて流るるかたもなきまで(二条良基)
793 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 14:18:57 ID:ZfJS1b7l
かけとめよ雲まの月を三かの原袂にわきていづみ川なみ(正徹)
794 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 16:10:07 ID:jJ0Qq1cZ
ほのかにも山より月のいづみ川ひかりぞ四方にわきて流るる(三条西実隆)
795 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 16:11:02 ID:jJ0Qq1cZ
袖かけて夕波すずしいづみ川秋のこころや分きてながるる(上冷泉為和)
796 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 16:11:43 ID:jJ0Qq1cZ
みかの原こよひの月の光さへわきてながるるいづみ川かな(松永貞徳)
797 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 16:12:17 ID:jJ0Qq1cZ
泉川わきて秋こそかなしけれはらへばむすぶかせの山霧(加納諸平)
798 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 16:13:59 ID:jJ0Qq1cZ
いつみきかいつみきとてか泉なる空にうつせば満目の花(山中智恵子)
799 :
名無氏物語:2007/03/22(木) 16:15:01 ID:jJ0Qq1cZ
子を思ふ道こそ闇と聞きしかど親の跡にもまよはれにけり(選子内親王)
800 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:00:39 ID:m7m4sCnb
たえぬるか相坂山のさねかづら知られぬ程を何嘆きけん(源兼康[新後撰])
801 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:01:45 ID:m7m4sCnb
相坂の関路におふるさねかづらかれにし後はくる人もなし(宗良親王[続後拾遺])
802 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:03:11 ID:m7m4sCnb
身にしらぬ逢坂山のさねかづら関をばこえてくる人もなし(源頼言[新後拾遺])
803 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:03:43 ID:m7m4sCnb
笛竹の夜ふかき声ぞ聞こゆなる峯の松風吹きやそふらむ(藤原斉信[千載])
804 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:04:42 ID:m7m4sCnb
なき影の親のいさめはそむきにき子を思ふ道の心よわさに(藤原定家[続拾遺])
805 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:05:46 ID:m7m4sCnb
位山跡を尋ねてのぼれども子をおもふ道になほまよひぬる(源通親[新古今])
806 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:21:44 ID:Lo+euR7M
わすらるるうきなもすすげ清見がた関の岩こす波の月影
807 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:22:35 ID:Lo+euR7M
みし人のおも影とめよ清見がた袖に関もるなみのかよひぢ
808 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:24:25 ID:Lo+euR7M
相坂の木綿付鳥よなれをしぞ哀れと思ひねになきてこし
809 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:26:01 ID:Lo+euR7M
たえはつる人やはつらき心からなさへうらめし相坂の関
810 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:27:13 ID:Lo+euR7M
我が恋やこのよを関と鈴鹿川すずろに袖のかくはしをれし
811 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:28:45 ID:Lo+euR7M
誰も又関もれとやは清見がたみせばや袖のなみの月影
812 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:39:15 ID:wySeU9oS
ほととぎす我とはなしに卯の花のうき世の中になきわたるらむ(古今164)
813 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:40:11 ID:wySeU9oS
ちりをだにすゑじとぞ思ふさきしより妹とわがぬるとこ夏の花(古今167)
814 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:41:33 ID:wySeU9oS
夏と秋と行きかふ空のかよひ路はかたへすずしき風やふくらむ(古今168)
815 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:43:22 ID:wySeU9oS
たなばたにかしつる糸のうちはへて年の緒ながく恋ひやわたらむ(古今180)
816 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:45:10 ID:wySeU9oS
うきことを思ひつらねて雁がねのなきこそわたれ秋の夜な夜な(古今213)
817 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:46:14 ID:wySeU9oS
秋萩のふるえにさける花みれば本の心はわすれざりけり(古今219)
818 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 05:47:27 ID:wySeU9oS
住の江の松を秋風ふくからに声うちそふる沖つ白波(古今360)
819 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 07:52:37 ID:5Saa3pfq
花をらむ心もそらに成りにけり子を思ふ道におもひみだれて(大江匡衡)
820 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 07:53:12 ID:5Saa3pfq
敷島やこの道なくば子の道に迷ふ心のやみははるけし(正徹)
821 :
名無氏物語:2007/03/23(金) 07:54:17 ID:5Saa3pfq
しらざりし誰もねざめの秋の雨の子をおもふ道にふるは涙を(藤原惺窩)
822 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:09:48 ID:Kkc/Hxqe
人のおやの心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな(後撰1102)
823 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:19:16 ID:hJl9wR0h
まよひこし心の闇をしるべにて子を思ふ道に月をみる哉(玄覚[新続古今])
824 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:21:18 ID:hJl9wR0h
影みえて汀にたてる白菊は折られぬ波の花かとぞみる(村上天皇[新勅撰])
825 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:22:43 ID:hJl9wR0h
波かくる井手の山吹さきしより折られぬ水に蛙なくなり(土御門院[続後撰])
826 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:23:16 ID:hJl9wR0h
吉野川折られぬ水に袖ぬれて浪にうつろふ岸の山吹(藤原知家[続拾遺])
827 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:31:34 ID:gfo/OhgQ
心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花(古今277)
828 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:33:26 ID:gfo/OhgQ
風ふけばおつるもみぢ葉水きよみちらぬ影さへそこにみえつつ(古今304)
829 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:34:33 ID:gfo/OhgQ
道しらばたづねもゆかむもみぢ葉を幣とたむけて秋はいにけり(古今313)
830 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:35:36 ID:gfo/OhgQ
雪ふりて人もかよはぬ道なれやあとはかもなく思ひきゆらむ(古今329)
831 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:37:07 ID:gfo/OhgQ
初雁のはつかに声をききしよりなかぞらにのみ物を思ふかな(古今481)
832 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:39:32 ID:gfo/OhgQ
秋霧のはるる時なき心には立ちゐの空もおもほえなくに(古今580)
833 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:40:37 ID:gfo/OhgQ
ひとりして物をおもへば秋の夜の稲葉のそよといふ人のなき(古今584)
834 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:49:08 ID:ffS5qvL6
恋をのみすまの関屋の板びさしさして袖とも波はわかじを
835 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:50:31 ID:ffS5qvL6
すまの浦や波におも影立ちそひて関ふきこゆる風ぞかなしき
836 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:51:12 ID:ffS5qvL6
契りしを我がみひとつに松島やをじまの浪の音ばかりして
837 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:52:16 ID:ffS5qvL6
松島や恋せぬあまのぬれ衣ぬれてもしばしほさぬ物かは
838 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:52:54 ID:ffS5qvL6
いかにせん思ひありその忘れ貝かひもなぎさに波よする袖
839 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 03:54:20 ID:ffS5qvL6
友とみて伊勢をのあまに宿からん物思ふみは袖もかわかず
840 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 04:07:22 ID:kNCwdmi4
秋によする心とやみむ春霞たつを見すてて雁もきにけり(後水尾院)
841 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 04:09:41 ID:kNCwdmi4
石ばしる滝ついはねのさくらばなをられぬ水に枝なびきけり(藤原為家)
842 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 04:10:47 ID:kNCwdmi4
しづたまき夕はたぐものたてぬきにあやおりみだる春雨の空(藤原秀能)
843 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 04:11:39 ID:kNCwdmi4
夕がすみ消えゆく雁や雲とりのあやおりみだる春の衣手(順徳院)
844 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 04:17:13 ID:kNCwdmi4
行きゆかずきかまほしきをいづかたにふみさだむらんあしうらの山(藤原定頼)
845 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 04:18:14 ID:kNCwdmi4
さくら花春くははれる年しもぞつねよりも猶ちりまさりける(藤原高遠)
846 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 10:59:39 ID:UHiHMmaJ
847 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 12:09:15 ID:8rwHBbyU
世の人の心の花もあひにあひぬ春くははれる春を待ちえて(烏丸光広)
848 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 12:10:59 ID:8rwHBbyU
みる人もなき山里の花のいろはなかなか風ぞをしむべらなる(藤原道信)
849 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 12:14:34 ID:8rwHBbyU
みる人もなき山里の秋の夜は月のひかりもさびしかりけり(藤原範永)
850 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 12:21:19 ID:8rwHBbyU
ともかくも言はばなべてになりぬべしねになきてこそ見せまほしけれ(和泉式部)
851 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:12:00 ID:4h5qmBcn
かげきよき花の鏡と見ゆるかな長閑にすめる白川の水(源有仁[千載])
852 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:12:59 ID:4h5qmBcn
散りかかる花の鏡の水の面にかさねてくもる春の夜の月(源資平[続古今])
853 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:13:44 ID:4h5qmBcn
散りかかる影もはかなく行く水に数かきあへぬ花の白波(憲実[続拾遺])
854 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:14:56 ID:4h5qmBcn
春雨のあやおりかけし水のおもに秋はもみぢの錦をぞしく(道命[詞花])
855 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:15:34 ID:4h5qmBcn
ちりちらず人もたづねぬ古郷の露けき花に春風ぞふく(慈円[新古今])
856 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:21:04 ID:Lgo2O3Vk
さきにほひ風まつほどの山ざくら人の世よりは久しかりけり(新勅撰1225)
857 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:25:03 ID:Lgo2O3Vk
くれ竹の世々の宮こときくからに君は千年のうたがひもなし(新勅撰453)
858 :
名無氏物語:2007/03/24(土) 18:27:01 ID:Lgo2O3Vk
白雲のここのへにたつ峰なればおほうち山といふにぞありける(新勅撰1265)
859 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:47:11 ID:FivoXSLN
つねよりものどけくにほへ桜花春くははれる年のしるしに(藤原顕季[風雅])
860 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:48:00 ID:FivoXSLN
光なき谷には春もおそ桜ほかのちりなん後やみるべき(花山院長親母[新葉])
861 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:48:48 ID:FivoXSLN
知るやとて枕だにせぬ宵々のこころの外にもる涙かな(知家[続後撰])
862 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:50:11 ID:FivoXSLN
我が涙露ももらすな枕だにまだしらすげの真野の秋風(後嵯峨院[続拾遺])
863 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:51:04 ID:FivoXSLN
夢をだにみつとはいはじ難波なる葦のしのやの夜はの秋かぜ(二条為氏[続千載])
864 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:52:15 ID:FivoXSLN
夢にだにみつとはいはじおのづから思ひあはする人もこそあれ(源俊定[風雅])
865 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:57:56 ID:et4j/q1a
枕だに知らねばいはじ見しままに君かたるなよ春の夜の夢(和泉式部)
866 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:58:28 ID:et4j/q1a
あひにあひて物思ふ春はかひもなし花も霞もめにしたたねば(和泉式部)
867 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:59:05 ID:et4j/q1a
をみなへし池のさ波に枝ひちて物思ふ袖のぬるる顔なる(西行)
868 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 02:59:44 ID:et4j/q1a
あひにあひて物おもふ比の夕暮に鳴くやさ月の山ほととぎす(藤原家隆)
869 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:00:55 ID:et4j/q1a
袖のうへにぬるる顔なる光かな月こそ旅の心しりけれ(藤原俊成女)
870 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:10:09 ID:DfO3DxG7
打ち忘れもにすむ虫はよそにしてすまの余りに恨みかけつる
871 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:10:51 ID:DfO3DxG7
契りきなさてやは頼む末の松まつにいくよの波はこえつつ
872 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:11:25 ID:DfO3DxG7
心あるいせをの海士のぬれ衣ほすべき波の折をしらばや
873 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:12:13 ID:DfO3DxG7
別れのみを島の海士の袖ぬれて又はみるめをいつか刈るべき
874 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:12:50 ID:DfO3DxG7
磯なつむいせのあま人我が袖をたぐひとみらんことぞ悲しき
875 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:13:26 ID:DfO3DxG7
藻塩たれひるまもなきをわくらばにとへどもまたじすまの波風
876 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:16:06 ID:mApvsZSo
夏虫をなにか言ひけむ心から我も思ひにもえぬべらなり(古今600)
877 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:16:53 ID:mApvsZSo
君をのみおもひねにねし夢なれば我が心から見つるなりけり(古今608)
878 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:17:30 ID:mApvsZSo
わが恋はゆくへもしらずはてもなし逢ふを限りとおもふばかりぞ(古今611)
879 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:18:11 ID:mApvsZSo
ながしとも思ひぞはてぬ昔より逢ふ人からの秋の夜なれば(古今636)
880 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:18:44 ID:mApvsZSo
わがごとく我を思はむ人もがなさてもや憂きと世をこころみむ(古今750)
881 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:19:14 ID:mApvsZSo
よそにのみ恋ひやわたらむしら山の雪みるべくもあらぬわが身は(古今383)
882 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 03:20:06 ID:mApvsZSo
夜をさむみおく初霜をはらひつつ草の枕にあまたたびねぬ(古今416)
883 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 09:20:31 ID:BDFcUC6L
たえぬるか相坂山のさねかづら知られぬ程を何嘆きけん(源兼康[新後撰])
884 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 09:21:47 ID:BDFcUC6L
相坂の関路におふるさねかづらかれにし後はくる人もなし(宗良親王[続後拾遺])
885 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:07:05 ID:zkS03mFC
すがまくら玉ちる閨の袖のうへにぬるるがほなる床の月かげ(後鳥羽院)
886 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:08:21 ID:zkS03mFC
いまぞしるあひそめ川の水上はたえずながるる涙なりけり(源仲綱)
887 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:09:02 ID:zkS03mFC
おもひ河身をはやながら水のあわのきえてもあはむ波のまもがな(藤原家隆)
888 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:09:43 ID:zkS03mFC
夏むしの身よりあまれる思ひかはあはできえめや浪のうたかた(後鳥羽院)
889 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:14:37 ID:sdTgMQEu
秋きぬといはぬをしるは吹く風の身にしむ時の心なりけり(少将内侍[続古今])
890 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:15:26 ID:sdTgMQEu
何となく昔恋しき我が袖のぬれたるうへにやどる月影(藤原秀能[風雅])
891 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:16:00 ID:sdTgMQEu
あはれなる時を夕べと思ふより時雨にそひてふる涙かな(心円[玉葉])
892 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:16:37 ID:sdTgMQEu
うつつにはとはで年ふるみわの山いかに待ちみん夢のかよひぢ(資平[新拾遺])
893 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:17:12 ID:sdTgMQEu
尋ねてもいかに待ちみん郭公初音つれなき三輪の山本(宗尊親王[新続古今])
894 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:20:45 ID:5AxrjBH9
おのづからむすぶ契も夏川のうたかた人に消えつつぞふる(順徳院)
895 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:21:23 ID:5AxrjBH9
めぐり行く床の涙のうたかたに秋さへ冬にあはで消えめや(正徹)
896 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:22:03 ID:5AxrjBH9
たづねてもいかに待ちみんほととぎすみわの山べの夕暮の空(藤原家隆)
897 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:22:36 ID:5AxrjBH9
我が身なほいかにまちみん三輪の山つれなくてのみすぎのむらだち(藤原雅経)
898 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:23:09 ID:5AxrjBH9
木がらしやいかにまち見むみわの山つれなき杉の雪折のこゑ(源具親)
899 :
名無氏物語:2007/03/25(日) 10:23:44 ID:5AxrjBH9
夏の夜はみじかき葦のふしの間にいつしかかはる秋の初風(藤原雅経)
900 :
名無氏物語:
難波江やうきてものおもふ夏の夜のみじかき葦のふしのまもなし(藤原雅経)