1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2006/11/25(土) 08:22:43 ID:aNFMuCap
3 :
名無氏物語:2006/11/25(土) 08:26:53 ID:aNFMuCap
忍びつつ霞と共にながめしもあらはれにけり花の木のもと(豊臣秀吉)
4 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 02:49:26 ID:epJpM5X6
月の行く波のしがらみかけとめよ天の河原のみじか夜の空(後二条院[新拾遺])
5 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 02:51:58 ID:epJpM5X6
船とむる美豆の御牧の真菰草からでかりねの枕にぞしく(俊成女[玉葉])
6 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 02:59:46 ID:sR3NSZ8/
ひとむらの霞の底ぞにほひゆく梅の梢の花になるころ(風雅70)
7 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:01:01 ID:sR3NSZ8/
心うつすなさけよこれも夢なれや花うぐひすの一ときの春(風雅1491)
8 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:01:46 ID:sR3NSZ8/
そことなき霞の色にくれなりてちかき梢の花もわかれず(風雅204)
9 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:02:31 ID:sR3NSZ8/
行きなやみてる日くるしき山道にぬるともよしや夕だちの雨(風雅409)
10 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:03:57 ID:sR3NSZ8/
月をまつくらき籬の花のうへに露をあらはす宵のいなづま(風雅577)
11 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:05:17 ID:sR3NSZ8/
くまもなく閨のおくまでさしいりぬむかひの山をのぼる月かげ(風雅585)
12 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:20:22 ID:HIfRoF/w
空にもや人はしるらんよとともに天つ雲ゐをながめくらせば(続千載1113)
13 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:22:06 ID:HIfRoF/w
さりともと思ふ心にひかされて今まで世にもふる我が身かな(後拾遺653)
14 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:23:45 ID:HIfRoF/w
七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞあやしき(後拾遺1154)
15 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:26:02 ID:HIfRoF/w
忘るなよ程は雲ゐになりぬとも空行く月のめぐり逢ふまで(拾遺470)
16 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:27:04 ID:HIfRoF/w
見わたせば比良の高ねに雪きえて若菜つむべく野はなりにけり(続後撰34)
17 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:27:53 ID:HIfRoF/w
けふよりは荻のやけ原かきわけて若菜つみにと誰をさそはん(後撰3)
18 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:34:40 ID:z3u8c5ht
都にはまだ青葉にて見しかども紅葉ちりしく白河の関(千載365)
19 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:35:47 ID:z3u8c5ht
山めぐる雲の下にやなりぬらむすそ野の原に時雨すぐなり(千載408)
20 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:36:35 ID:z3u8c5ht
思へどもいはで忍ぶのすり衣心の中にみだれぬるかな(千載663)
21 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:37:45 ID:z3u8c5ht
あさましやおさふる袖の下くぐる涙の末を人や見つらん(千載693)
22 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:39:28 ID:z3u8c5ht
人はいさあかぬ夜床にとどめつる我が心こそ我をまつらめ(千載805)
23 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:41:22 ID:z3u8c5ht
水ぐきはこれをかぎりとかきつめてせきあへぬものは涙なりけり(千載868)
24 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 03:42:54 ID:z3u8c5ht
山城の美豆野の里に妹をおきていくたび淀に舟よばふらん (千載887)
25 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 04:12:05 ID:Rf+zj5VB
また、チポが消えたな・・・
26 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 17:16:09 ID:Xiaye/Au
五月雨はみづのみまきのふかきえにすみかへりぬるわが心かな(慈円)
27 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 17:37:56 ID:BPpPlkUk
大あらきの森の下風吹くままに一葉づつ散る本柏かな(覚性法親王)
28 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 17:39:09 ID:BPpPlkUk
峰に吹く風にこたふる下紅葉一葉の音に秋ぞ聞こゆる(定家)
29 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 17:49:01 ID:pXFSTQ1e
此比の空なつかしき春風に世は梅がかのほかなかりけり(木下長嘯子)
30 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 17:49:47 ID:pXFSTQ1e
五月雨の空なつかしく立花の匂ひをさそふ軒の夕かぜ(田安宗武)
31 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 17:56:36 ID:FJGWYE++
かすむより緑もふかし真菰生ふる美豆の御牧の春の河浪(藤原雅経[新続古今])
32 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 18:38:17 ID:GoxAMEK9
梅が枝に軒のしがらみかけてけり花の関守ささがにの糸(寂蓮)
33 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 18:38:51 ID:GoxAMEK9
沖つ風よさむになれや田子浦のあまのもしほ火たきまさるらん(越前)
34 :
名無氏物語:2006/11/26(日) 18:39:36 ID:GoxAMEK9
比えの根に初雪ふれり今よりや小野の炭がまたき増るらむ(香川景樹)
35 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 16:20:44 ID:DzXp01TE
うたたねの朝けの袖にかはるなりならす扇の秋の初風(式子内親王[新古今])
36 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 16:22:01 ID:DzXp01TE
手にならす扇の風も忘られて閨もる月の影ぞすずしき(藻壁門院但馬[続拾遺])
37 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 16:23:59 ID:DzXp01TE
たまゆらの露も涙もとどまらずなき人恋ふる宿の秋風(定家[新古今])
38 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 16:24:37 ID:DzXp01TE
恨みわび絶えぬ涙にそぼちつつ色変はりゆく袖を見せばや(肥後[新拾遺])
39 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:01:50 ID:6oO4iNfr
しほりつる野分はやみてしののめの雲にしたがふ秋のむらさめ(風雅649)
40 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:02:51 ID:6oO4iNfr
こほるかと空さへみえて月のあたりむらむら白き雲もさむけし(風雅781)
41 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:04:16 ID:6oO4iNfr
うすぐもりまだはれやらぬ朝あけの雲にまがへる雪のとほ山(風雅845)
42 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:06:05 ID:6oO4iNfr
いつとなく硯にむかふ手ならひよ人にいふべき思ひならねば(風雅977)
43 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:06:56 ID:6oO4iNfr
大かたになれし日ごろもうときかなかかる心をおもひけるよと(風雅1012)
44 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:08:45 ID:6oO4iNfr
思ふてふことはかくこそ覚えけれまだしらざりし人のあはれの(風雅1016)
45 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:13:30 ID:6au2QXPD
わが宿の梅のたちえや見えつらん思ひの外に君が来ませる(拾遺15)
46 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:14:23 ID:6au2QXPD
道とほみ行きてはみねど桜花心をやりて今日はかへりぬ(後拾遺97)
47 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:15:44 ID:6au2QXPD
山桜あくまでいろを見つるかな花ちるべくも風ふかぬよに(続古今104)
48 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:17:49 ID:6au2QXPD
世の中にうれしき物は思ふどち花みてすぐす心なりけり(拾遺1047)
49 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:19:33 ID:6au2QXPD
花見ると家路におそくかへるかな待ちどきすぐと妹やいふらん(後拾遺109)
50 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:20:27 ID:6au2QXPD
み山出でて夜はにやきつる時鳥暁かけて声のきこゆる(拾遺101)
51 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:27:28 ID:jMJdgGHc
聞きもせず我もきかれじ今はただひとりびとりが世になくもがな(玉葉1756)
52 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:28:44 ID:jMJdgGHc
人知れぬ大内山の山もりは木がくれてのみ月をみるかな(千載978)
53 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:29:37 ID:jMJdgGHc
花ちればとふ人まれになりはてて厭ひし風の音のみぞする(新古125)
54 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:31:17 ID:jMJdgGHc
あけやらぬ寝覚の床にきこゆなり籬の竹の雪の下をれ(新古667)
55 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:32:48 ID:jMJdgGHc
玉椿みどりの色も見えぬまで巨勢の冬野は雪ふりにけり(新勅撰416)
56 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:33:59 ID:jMJdgGHc
君が代にあへるは誰もうれしきを花は色にも出でにけるかな(新古732)
57 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:35:16 ID:jMJdgGHc
大江山こえていく野の末とほみ道ある世にもあひにけるかな(新古752)
58 :
名無氏物語:2006/11/27(月) 17:54:24 ID:UU/xQKTV
立ちのぼるふじの煙のゆくへとも心そらなる身のおもひかな(二条為定[新千載])
59 :
名無氏物語:2006/11/28(火) 07:54:39 ID:oNyReVLf
あくがるる心のままに尋ねきて山ぢのはてを花にみるかな(能誉[続千載])
60 :
名無氏物語:2006/11/28(火) 07:55:31 ID:oNyReVLf
なほざりの空頼めとて待ちし夜の苦しかりしぞ今は恋しき(殷富門院大輔[千載])
61 :
名無氏物語:2006/11/28(火) 07:56:35 ID:oNyReVLf
この世にはつれなき恋に身をかへて長くやはれぬ闇にまよはん(後醍醐院少将内侍[新続古今])
62 :
名無氏物語:2006/11/28(火) 08:01:04 ID:oNyReVLf
山ざくら心のままにたづねきてかへさぞ道のほどはしらるる(小弁[後拾遺])
63 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:32:19 ID:rrnIvSC2
唐衣うつ声きけば月きよみまだねぬひとをそらにしるかな(紀貫之[新勅撰])
64 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:36:27 ID:rrnIvSC2
さてもいかに岩垣沼のあやめ草あやめもしらぬ袖の玉水(後鳥羽院[新続古今])
65 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:48:34 ID:4q/xO8SB
かり衣我とはすらじ露しげき野原の萩の花にまかせて(頼政集)
66 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:50:12 ID:4q/xO8SB
住吉の松の木間よりながむれば月おちかかる淡路島山(頼政集)
67 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:51:24 ID:4q/xO8SB
浦づたひ鳴尾の松のかげに来てまた隈もなき月をみるかな(頼政集)
68 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:52:16 ID:4q/xO8SB
漕ぎ出でて月はながめむさざなみや志賀津の浦は山の端ちかし(頼政集)
69 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:53:09 ID:4q/xO8SB
いにしへの人はみぎはに影たえて月のみすめる広沢の池(頼政集)
70 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:54:11 ID:4q/xO8SB
まき流す丹生の河瀬にゐる鴨は目なれにけりな立ちもさわがず(頼政集)
71 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:55:20 ID:4q/xO8SB
忍びづまかへらん跡もしるからしふらばなほふれしののめの雪(頼政集)
72 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 02:58:14 ID:4q/xO8SB
月清みしのぶる道ぞしのばれぬ世にかくれてとなに思ひけん(頼政集)
73 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:05:14 ID:T0o43CY1
なにか思ふなにをか嘆く春の野に君よりほかに菫つませじ(相模集)
74 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:06:48 ID:T0o43CY1
光あらん玉の男子見てしがな掻き撫でつつも生ほしたつべき(相模集)
75 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:07:59 ID:T0o43CY1
いづれをかまづ憂へまし心にはあたはぬことの多くもあるかな(相模集)
76 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:09:15 ID:T0o43CY1
しのぶれど心のうちにうごかれてなほ言の葉にあらはれぬべし(相模集)
77 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:10:17 ID:T0o43CY1
手にとらむと思ふ心はなけれどもほの見し月の影ぞこほしき(相模集)
78 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:11:27 ID:T0o43CY1
いつくしき君が面影あらはれてさだかにつぐる夢をみせなむ(相模集)
79 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:12:42 ID:T0o43CY1
をる袖にしまざりけりな梅の花思ふこころのふかさばかりは(小侍従集)
80 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:15:27 ID:T0o43CY1
みなかみやうすこほるらん小夜ふけてかけひにうつる水まれになる(小侍従集)
81 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:29:08 ID:Tu/uIn4E
月まつと人にはいひてながむればなぐさめがたき夕暮の空(千載873)
82 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:30:48 ID:Tu/uIn4E
わすれゆく人ゆゑ空をながむればたえだえにこそ雲もみえけれ(新古1295)
83 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:33:18 ID:Tu/uIn4E
月をなど待たれのみすと思ひけむげに山の端はいでうかりけり(新古1504)
84 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:34:08 ID:Tu/uIn4E
若菜つむ袖とぞみゆる春日野のとぶひの野べの雪のむらぎえ(新古13)
85 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:35:05 ID:Tu/uIn4E
山ざくら霞こめたるありかをばつらきものから風ぞしらする(千載57)
86 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:36:01 ID:Tu/uIn4E
秋のうちはあはれ知らせし風の音のはげしさそふる冬は来にけり(千載393)
87 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 03:46:05 ID:Tu/uIn4E
よしさらば君に心はつくしてんまたも恋しき人もこそあれ(千載953)
88 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:02:40 ID:xYTKmgkM
うからぬもましてうきにもあはれあはれよしなかりける人にちぎるを(風雅1177)
89 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:04:13 ID:xYTKmgkM
あはれなるふしもさすがにありけるよ思ひ出でなき契と思へど(風雅1178)
90 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:04:53 ID:xYTKmgkM
まよひそめし契おもふがつらきしも人にあはれの世々にかへるよ(風雅1329)
91 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:05:31 ID:xYTKmgkM
夕日さす峰はみどりのうすくみえて影なる山ぞ分きて色こき(風雅1649)
92 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:06:08 ID:xYTKmgkM
ともし火は雨夜の窓にかすかにて軒のしづくを枕にぞきく(風雅1675)
93 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:06:47 ID:xYTKmgkM
みどりこき日影の山のはるばるとおのれまがはずわたる白鷺(風雅1739)
94 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:13:37 ID:pShcZd8H
幾千代と岩垣沼のあやめ草ながきためしに今日やひかれむ(公経[新勅撰])
95 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:23:45 ID:L1aVpECO
あやしくも鹿のたちどの見えぬかなをぐらの山に我やきぬらん(拾遺128)
96 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:24:34 ID:L1aVpECO
あれはてて月もとまらぬわが宿に秋の木の葉を風ぞふきける(詞花136)
97 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:25:11 ID:L1aVpECO
くれてゆく秋の形見におく物はわが元結の霜にぞありける(拾遺214)
98 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:25:52 ID:L1aVpECO
見わたせば松の葉しろき吉野山いく世つもれる雪にかあるらむ(拾遺250)
99 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:26:28 ID:L1aVpECO
かぞふればわが身につもる年月を送り迎ふとなにいそぐらむ(拾遺261)
100 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:27:12 ID:L1aVpECO
しのぶれど色にいでにけりわが恋は物や思ふと人のとふまで(拾遺622)
101 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:34:33 ID:ZYlygNqm
なほざりの人の契の夕暮にいでて入りぬる月もうらめし(家隆)
102 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:37:52 ID:ZYlygNqm
色にいでていはぬ思ひのなぐさめは人のつらさを知らぬばかりぞ(家隆)
103 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:38:50 ID:ZYlygNqm
いかにして忍びならはむ程だにも物や思ふと人にとはれじ(家隆)
104 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:39:25 ID:ZYlygNqm
とふ人は忍ぶ中とや思ふらむこたへかねたる袖のけしきを(良経)
105 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:40:06 ID:ZYlygNqm
ふく風もものや思ふととひがほにうちながむれば松のひと声(良経)
106 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:41:37 ID:ZYlygNqm
うつせみの鳴く音やよそにもりの露ほしあへぬ袖を人のとふまで(良経)
107 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:42:25 ID:ZYlygNqm
おのれだに言問ひこなんさ夜千鳥須磨のうきねに物や思ふと(良経)
108 :
名無氏物語:2006/11/29(水) 15:43:31 ID:ZYlygNqm
哀また物や思ふととふ程の人にしられぬ夕ぐれもがな(順徳院)
109 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:34:10 ID:/AUYP9aF
郭公すがたは水にやどれども声はうつらぬ物にぞありける(忠通[金葉])
110 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:34:48 ID:/AUYP9aF
ふきのぼる木曾の御坂の谷風に梢もしらぬ花をみるかな(鴨長明[続古今])
111 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:39:36 ID:5Tbso04k
恋ひそめし心をのみぞうらみつる人のつらさを我になしつつ(後拾遺638)
112 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:40:34 ID:5Tbso04k
雨やまぬ軒の玉水かずしらず恋しきことのまさるころかな(後撰578)
113 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:41:34 ID:5Tbso04k
つらくのみ見ゆる君かな山のはに風まつ雲のさだめなき世に(続千載1545)
114 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:42:42 ID:5Tbso04k
さしながら人の心をみ熊野の浦のはまゆふいくへなるらん(拾遺890)
115 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:43:33 ID:5Tbso04k
たよりあらばいかで都へつげやらむけふ白河の関はこえぬと(拾遺339)
116 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:45:10 ID:5Tbso04k
面影に色のみのこる桜花いく世の春を恋ひむとすらん(拾遺1275)
117 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:54:05 ID:/kvgxQYy
身こそあらめ心を塵のほかになしてうき世の色に染まじとぞ思ふ(風雅1816)
118 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:56:00 ID:/kvgxQYy
吹きしをる千草の花は庭にふして風にみだるる初雁の声(風雅528)
119 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:56:53 ID:/kvgxQYy
風におつる草葉の露もかくれなくまがきにきよき入りがたの月(風雅630)
120 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:57:55 ID:/kvgxQYy
山あらしにうき行く雲の一とほり日かげさながら時雨ふるなり(風雅731)
121 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 06:59:12 ID:/kvgxQYy
吹くとだにしられぬ風は身にしみて影さえとほる霜のうへの月(風雅779)
122 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:00:09 ID:/kvgxQYy
うすぐもりをりをりさむくちる雪にいづるともなき月もすさまじ(風雅848)
123 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:03:13 ID:4RTjhTXs
てる月の心の水にすみぬればやがてこの身に光をぞさす(千載1218)
124 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:04:04 ID:4RTjhTXs
我が恋は千木のかたそぎ難くのみ行き逢はで年のつもりぬるかな(新古1114)
125 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:04:51 ID:4RTjhTXs
なぐさむる方もなくてややみなまし夢にも人のつれなかりせば(詞花194)
126 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:06:22 ID:4RTjhTXs
ちりまがふ花のよそめは吉野山嵐にさわぐ峯の白雲(新古132)
127 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:08:37 ID:4RTjhTXs
身のうさの秋は忘るる物ならば涙くもらで月はみてまし(千載298)
128 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:09:58 ID:4RTjhTXs
わたの原しほぢはるかに見わたせば雲と浪とはひとつなりけり(千載530)
129 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 07:10:46 ID:4RTjhTXs
恋ひ死なむ命はなほもをしきかな同じ世にあるかひはなけれど(新古1229)
130 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 18:06:31 ID:mQricF3E
門田ふく稲葉の風や寒からんあしのまろやに衣うつ也(藤原家隆[新後撰])
131 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 18:08:33 ID:mQricF3E
なごりなく夜半の嵐に雲晴れて心のままにすめる月かな(源行宗[金葉])
132 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 18:47:26 ID:e99iKQrm
しのぶれど色にやいづるをみなへし物やおもふと露のおくまで(源具親)
133 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 18:48:47 ID:e99iKQrm
若菜つむ都の野べも松の雪いく世つもれる年とかはしる(慈円)
134 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 18:50:11 ID:e99iKQrm
かすめども芳野の雪の猶さえて松の葉しろきふるさとの春(後鳥羽院)
135 :
名無氏物語:2006/11/30(木) 18:51:38 ID:e99iKQrm
みよし野の松の葉しろき山のはにかかりもやらぬうす霞かな(後鳥羽院)
136 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:26:56 ID:HOYY6NOl
天の原雲吹きはらふ秋風に山の端高く出づる月影(後鳥羽院[続拾遺])
137 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:27:59 ID:HOYY6NOl
谷河のいはねかたしく青柳のうちたれ髪をあらふ白波(九条良経[新千載])
138 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:28:42 ID:HOYY6NOl
風そよぐならの小川の夕暮はみそぎぞ夏のしるしなりける(藤原家隆[新古今])
139 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:30:09 ID:HOYY6NOl
遠ざかる音はせねども月清み氷と見ゆる志賀の浦浪(藤原重家[千載])
140 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:42:43 ID:AljFy2v2
あさみどり春はきぬとやみよしのの山の霞の色にみゆらむ(続後撰3)
141 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:44:55 ID:AljFy2v2
やかずとも草はもえなむ春日野をただ春の日にまかせたらなむ(新古78)
142 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:46:55 ID:AljFy2v2
さ夜ふけて寝ざめざりせば郭公人づてにこそきくべかりけれ(拾遺104)
143 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:47:39 ID:AljFy2v2
いづ方になきてゆくらむ郭公淀のわたりのまだ夜ぶかきに(拾遺113)
144 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:48:33 ID:AljFy2v2
恋すてふわが名はまだき立ちにけり人しれずこそ思ひそめしか(拾遺621)
145 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 02:52:10 ID:AljFy2v2
夢のごとなどか夜しも君を見む暮るる待つまもさだめなき世に(拾遺734)
146 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:15:28 ID:UmZDhRfk
われと人あはれ心のかはるとてなどかはつらき何か恋しき(風雅1180)
147 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:18:11 ID:UmZDhRfk
思ふほどは書かじとおもふたまづさに猶ともすればすすむ言の葉(風雅1216)
148 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:21:57 ID:UmZDhRfk
すべてこの涙のひまやいつならんあはれはあはれうきはうしとて(風雅1249)
149 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:25:12 ID:UmZDhRfk
ふけにけりまだうたたねにみる月のかげもすだれに遠くなりゆく(風雅1520)
150 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:26:16 ID:UmZDhRfk
つくづくと独りきく夜の雨の音はふりをやむさへさびしかりけり(風雅1670)
151 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:28:02 ID:UmZDhRfk
山松はみるみる雲にきえはててさびしさのみの夕ぐれの雨(風雅1695)
152 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:30:55 ID:rY7rQqjq
恋ひ死なば世のはかなきに言ひおきてなきあとまでも人にしらせじ(千載666)
153 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:31:53 ID:rY7rQqjq
花見るもくるしかりけり青柳の糸よりよわき老のちからは(新続古今1641)
154 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:33:36 ID:rY7rQqjq
花ゆゑにしらぬ山路はなけれどもまどふは春の心なりけり(千載62)
155 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:35:24 ID:rY7rQqjq
ちる花を身にかふばかり思へどもかなはで年の老いにけるかな(千載95)
156 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:36:18 ID:rY7rQqjq
山のはに雲のよこぎる宵のまは出でても月ぞなほ待たれける(新古414)
157 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:37:09 ID:rY7rQqjq
みなと川夜ぶねこぎいづるおひ風に鹿のこゑさへ瀬戸わたるなり(千載315)
158 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 03:37:53 ID:rY7rQqjq
夕まぐれさてもや秋は悲しきと鹿のねきかぬ人にとはばや(千載321)
159 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 15:24:27 ID:2STFj8nE
桜咲く比良の山かぜ吹くままに花になりゆく志賀の浦浪(九条良経[千載])
160 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 15:30:06 ID:2STFj8nE
志賀の浦や遠ざかり行く波間より氷りて出づる有明の月(藤原家隆[新古今])
161 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 15:30:52 ID:2STFj8nE
河霧の麓をこめて立ちぬれば空にぞ秋の山はみえける(深養父[拾遺])
162 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 19:13:00 ID:2STFj8nE
昨日こそ年は暮れしか春霞春日の山にはや立ちにけり(赤人[拾遺])
163 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 19:25:54 ID:2STFj8nE
霞しく木の芽春雨ふるごとに花の袂はほころびにけり(顕季[新勅撰])
164 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 19:53:25 ID:2STFj8nE
霞たちこのめ春雨きのふまでふる野の若菜今朝は摘みてん(定家[新後撰])
165 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 19:54:35 ID:2STFj8nE
野も山もおなし緑に染てけり霞よりふるこのめ春雨(良経[続千載])
166 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 19:56:22 ID:2STFj8nE
霞たち木のめ春雨ふる里の吉野の花も今や咲らん(後鳥羽院[続後撰])
167 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 22:46:01 ID:2STFj8nE
閉ぢはつるみ山の奥の松の戸をうらやましくも出づる月かな(源光行[新勅撰])
168 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 23:35:14 ID:2STFj8nE
住吉の浜松がえのたえまよりほのかにみゆる花のゆふしで(藤原実定[続拾遺])
169 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 23:35:54 ID:2STFj8nE
見わたせば松のたえまに霞みけり遠里小野の花の白雲(式乾門院御匣[新後撰])
170 :
名無氏物語:2006/12/01(金) 23:36:46 ID:2STFj8nE
みどりなる外山の松のたえまよりあらはれてさく花桜かな(衣笠家良[新続古今])
171 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 00:24:31 ID:f10QwfM8
今はとてたのむの雁もうち侘びぬ朧月夜の曙の空(寂蓮[新古今])
172 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 06:11:35 ID:f10QwfM8
御祓するいぐしのしでに風過ぎて涼しくなりぬ水無月の空(藤原隆信[続後撰])
173 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 10:16:43 ID:f10QwfM8
あはぢしま夕立すらし住吉の浦のむかひにかかる村雲(藤原基家[続拾遺])
174 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 10:17:14 ID:f10QwfM8
いましかも夕立すらし足びきの山のはかくす雲のひとむら(源顕氏[風雅])
175 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 10:19:06 ID:f10QwfM8
あしびきの山のあらしに雲きえてひとり空ゆく秋の夜の月(九条教実[新勅撰])
176 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 10:24:48 ID:f10QwfM8
すまの海士の袖にふきこす汐風のなるとはすれど手にもたまらず(定家[新古今])
177 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 10:25:26 ID:f10QwfM8
天の河水かけ草の露のまにたまたま来ても明けぬ此夜は(九条道家[続後撰])
178 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 10:26:11 ID:f10QwfM8
年もへぬ祈る契りは初瀬山をのへの鐘のよその夕暮(定家[新古今])
179 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 20:14:00 ID:4I3JyeNn
池水のひしのうき葉にとぢられて影みぬ岸の山吹の花(冷泉為尹)
180 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 23:22:45 ID:f10QwfM8
さらぬだに寝覚がちなる冬の夜をならの枯葉に霰ふるなり(顕輔[続後撰])
181 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:54:21 ID:+jBz+G1+
いくとせの春に心をつくしきぬあはれと思へみよしのの花(藤原俊成[新古今])
182 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:55:48 ID:+jBz+G1+
あはれともたれかは恋をなぐさめん身より外にはしる人もなし(藤原隆信[新後撰])
183 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:56:22 ID:+jBz+G1+
山里は花より外の友もなしちりなん後をいかに忍ばむ(藤原基名[新拾遺])
184 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:57:12 ID:+jBz+G1+
御狩すととだちの原をあさりつつ交野の野辺にけふも暮らしつ(藤原忠通[新古今])
185 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:57:46 ID:+jBz+G1+
しきみつむ山ぢの露にぬれにけり暁おきの墨染の袖(小侍従[新古今])
186 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:59:04 ID:+jBz+G1+
乙女子が袖ふる山をきてみれば花の袂はほころびにけり(藤原清輔[続拾遺])
187 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 04:59:38 ID:+jBz+G1+
うちなびき春たちきぬと鶯のまだ里なれぬ初音なくなり(藤原顕輔[新後撰])
188 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 05:00:27 ID:+jBz+G1+
遅桜にほふ梢の鶯は初声よりもめづらしきかな(源兼昌[永久百首])
189 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 05:16:28 ID:+jBz+G1+
狩りくらし交野の真柴折り敷きて淀の川瀬に月を見るかな(公衡[新古今])
190 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 05:17:30 ID:+jBz+G1+
筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる(陽成院[後撰])
191 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 08:31:53 ID:+jBz+G1+
河水にとわたる雁のかげみえて書き流したる秋の玉章(基家[続拾遺])
192 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 10:36:54 ID:+jBz+G1+
ねをぞなく遠山鳥のます鏡みてはかひなき物思ふとて(宗尊親王[続千載])
193 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 10:37:24 ID:+jBz+G1+
我が中は遠山鳥のます鏡よそにも人の影をやはみる(法印定為[新拾遺])
194 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 10:38:19 ID:+jBz+G1+
うす雲のただよふ空の月かげはさやけきよりもあはれなりけり(後鳥羽院[風雅])
195 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 10:38:51 ID:+jBz+G1+
さきいづる八重山吹の色ぬれて桜なみよる春雨の庭(為子[玉葉])
196 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 11:04:13 ID:+jBz+G1+
ちはやぶるいつきの宮の有栖川松とともにぞ影は澄むべき(師実[千載])
197 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 11:05:05 ID:+jBz+G1+
梅の花にほひを道のしるべにてあるじもしらぬ宿にきにけり(公行[詞花])
198 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 11:06:00 ID:+jBz+G1+
吹く風のさそふ匂ひをしるべにて行方定めぬ花の頃かな(後嵯峨院[続拾遺])
199 :
名無氏物語:2006/12/03(日) 11:07:06 ID:+jBz+G1+
思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞふる(俊成[新古今])
200 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 17:58:26 ID:FJ5L/KzM
わたの原しほ路遥かに見渡せば雲と浪とはひとつなりけり(藤原頼輔[千載])
201 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 17:59:45 ID:FJ5L/KzM
わたの原波と空とはひとつにて入日をうくる山の端もなし(藤原定家[風雅])
202 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:35:40 ID:COfFP9VV
枯れはてん後しのべとや夏草のふかくは人のたのめおきけん(実朝[新拾遺])
203 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:39:42 ID:COfFP9VV
別れての後しのべとや行く春の日数に花のさきあまるらむ(衣笠家良[新拾遺])
204 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:45:07 ID:COfFP9VV
木枯のすず吹く峰の夕時雨そめぬ色しも身にはしみけり(後鳥羽院[新千載])
205 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:47:36 ID:COfFP9VV
み吉野やすず吹く音はうづもれて槙の葉はらふ雪の朝風(津守国夏[風雅])
206 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:54:28 ID:yqG9o0b6
吹く風にちるものならば菊の花雲ゐなりとも色はみてまし(拾遺1121)
207 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:55:17 ID:yqG9o0b6
ことのはの中をなくなくたづぬれば昔の人にあひみつるかな(新古1729)
208 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:56:49 ID:yqG9o0b6
たがために明日はのこさむ山桜こぼれてにほへ今日のかたみに(新古150)
209 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:59:13 ID:yqG9o0b6
物もいはでながめてぞふる山吹の花に心ぞうつろひぬらん(拾遺70)
210 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 18:59:45 ID:yqG9o0b6
春はをし郭公はたきかまほし思ひわづらふしづごころかな(拾遺1066)
211 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:00:22 ID:yqG9o0b6
天の川あふぎの風に霧はれて空すみわたるかささぎの橋(拾遺1089)
212 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:04:49 ID:LRaRkHfS
野べはまだ去年みしままの冬枯にきゆるを春と沫雪ぞふる(新拾遺1533)
213 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:05:30 ID:LRaRkHfS
をちかたの霧のうちより聞きそめて月にちかづく初雁の声(新後拾遺340)
214 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:06:24 ID:LRaRkHfS
ふりはるる朝けの空はのどかにて日かげにおつる木々の白雪(風雅868)
215 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:06:59 ID:LRaRkHfS
のがれきて人めをいとふ心にもあまりさびしき山のおくかな(新続古今1853)
216 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:07:57 ID:LRaRkHfS
時しらぬ歎きのもとにいかにしてかはらぬ色に花のさくらむ(新葉1332)
217 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:09:12 ID:LRaRkHfS
今年こそいとどまたるれ時鳥しでの山路の事やかたると(新葉1343)
218 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:12:30 ID:6lSpc5iv
おほゐ川ながれておつる紅葉かなさそふは峰の嵐のみかは(千載371)
219 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:13:34 ID:6lSpc5iv
嵐ふくひらの高ねのねわたしにあはれ時雨るる神な月かな(千載410)
220 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:14:44 ID:6lSpc5iv
岩こゆるあら磯浪にたつ千どり心ならずや浦づたふらむ(千載426)
221 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:15:16 ID:6lSpc5iv
月のすむ空には雲もなかりけりうつりし水は氷へだてて(千載441)
222 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:16:54 ID:6lSpc5iv
思ひわびさても命はあるものを憂きにたへぬは涙なりけり(千載818)
223 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:18:09 ID:6lSpc5iv
なれてのち死なん別れのかなしきに命にかへぬ逢ふこともがな(千載725)
224 :
名無氏物語:2006/12/04(月) 19:19:35 ID:6lSpc5iv
紅に涙の色のなりゆくをいくしほまでと君にとはばや(新古1123)
225 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:18:41 ID:uQZOXJIS
春日野に若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ(貫之[古今])
226 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:21:15 ID:uQZOXJIS
春日野の飛火の野守いでてみよいまいく日ありて若菜つみてん(読人不知[古今])
227 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:22:11 ID:uQZOXJIS
秋かぜはさてもや物のかなしきと荻の葉ならぬ夕暮もがな(家隆[続古今])
228 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:23:33 ID:uQZOXJIS
世中のうきもつらきもつげなくにまづ知る物は涙なりけり(読人不知[古今])
229 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:44:29 ID:udoP2Bhu
月みればまづ都こそ恋しけれ待つらむとおもふ人はなけれど(千載521)
230 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:46:05 ID:udoP2Bhu
いつとても身のうきことはかはらねど昔は老をなげきやはせし(千載1080)
231 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:47:25 ID:udoP2Bhu
身につもる我がよの秋のふけぬれば月みてしもぞ物はかなしき(玉葉702)
232 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:49:06 ID:udoP2Bhu
年をへてつれなきものは桜花散るに耐へたる心なりけり(続後拾遺113)
233 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:50:05 ID:udoP2Bhu
山がつとなりてもなほぞ郭公鳴く音にあかで年はへにける(続拾遺169)
234 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:51:12 ID:udoP2Bhu
命をば逢ふにかへんと思ひしを恋ひ死ぬとだに知らせてしがな(千載734)
235 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:51:57 ID:udoP2Bhu
ひさかたの月ゆゑにやは恋ひそめしながむればまづ濡るる袖かな(千載930)
236 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 03:58:07 ID:iB/k1OQx
みよし野は見し世にもあらず荒れにけりあだなる花は猶のこれども(新葉1333)
237 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:00:14 ID:iB/k1OQx
さびしさもつひのすみかと思ふには心ぞとまる峰の松風(新葉1375)
238 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:00:45 ID:iB/k1OQx
昨日けふ世はのどかにてふる雨に柳が枝ぞしだりまされる(風雅110)
239 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:02:56 ID:iB/k1OQx
窓しろき寝覚の月のいりがたに声もさやかにわたる雁がね(風雅548)
240 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:04:05 ID:iB/k1OQx
むら時雨もるや板まのときのまも思ひさだめぬ月の影かな(新千載610)
241 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:04:56 ID:iB/k1OQx
秋みしはそれとばかりの萩がえに霜の朽葉ぞ一葉のこれる(風雅759)
242 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:19:18 ID:3DTpBWRq
いろいろの花のひもとく夕暮に千世まつ虫のこゑぞきこゆる(後拾遺266)
243 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:20:35 ID:3DTpBWRq
月影の田上川にきよければ網代にひをのよるもみえけり(拾遺1133)
244 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:22:07 ID:3DTpBWRq
冬をあさみまだき時雨とおもひしをたえざりけりな老の涙も(新古578)
245 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:23:00 ID:3DTpBWRq
高砂の松にすむ鶴冬くればをのへの霜やおきまさるらむ(拾遺237)
246 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:24:40 ID:3DTpBWRq
音なしの河とぞつひにながれける言はで物おもふ人の涙は(拾遺750)
247 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 04:27:52 ID:3DTpBWRq
うつり香のうすくなりゆくたき物のくゆる思ひにきえぬべきかな(後拾遺756)
248 :
名無氏物語:2006/12/05(火) 22:37:34 ID:pYjGq97Q
にまつチンカス野郎、糞を喰らえ
249 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 03:50:53 ID:k6560G/x
つらさには思ひ絶えなむと思へどもかなはぬ物は涙なりけり(忠教[堀河艶書歌合])
250 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 03:54:56 ID:k6560G/x
春たつと霞みにけりなひさかたのあまのいはとの明ぼのの空(一条実経[新後撰])
251 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 03:55:36 ID:k6560G/x
花すすき招く袂はあまたあれど秋はとまらぬものにぞありける(清原元輔[新千載])
252 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 03:56:10 ID:k6560G/x
みるままに紅葉吹きおろす嵐山梢まばらに冬はきにけり(法印長舜[新千載])
253 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:11:19 ID:gmS8q7TB
有明の月よりほかに誰をかは山路の友と契りおくべき(新古1543)
254 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:18:02 ID:gmS8q7TB
ふるさとの宿もる月にこととはん我をば知るや昔住みきと(新古1551)
255 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:19:17 ID:gmS8q7TB
朽ちはつる袖にはいかが包ままし空しと説ける御法ならずは(千載1233)
256 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:20:23 ID:gmS8q7TB
秋はきぬ年もなかばに過ぎぬとや荻吹く風のおどろかすらん(千載230)
257 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:25:45 ID:gmS8q7TB
尋ねきて道わけわぶる人もあらじ幾重もつもれ庭の白雪(新古682)
258 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:36:14 ID:gmS8q7TB
みだれずと終り聞くこそうれしけれさても別れはなぐさまねども(千載604)
259 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 04:37:12 ID:gmS8q7TB
この春ぞ思ひはかへす桜花むなしき色にそめし心を(千載1068)
260 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:42:10 ID:PlmWoYLh
逢ふことは波ぢはるかに漕ぐ舟のほのみし人に恋ひやわたらむ(新拾遺1032)
261 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:42:55 ID:PlmWoYLh
さすがいかに人の思はばやすからんつつむがうへの夢のあふせも(風雅1027)
262 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:44:12 ID:PlmWoYLh
つつむ中はまれの逢ふ夜もふけはてぬ人のしづまる程をまつまに(風雅1106)
263 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:46:50 ID:PlmWoYLh
人よされば誰か夜がるる夜がれとて逢はぬたえまをうしといふらむ(風雅1160)
264 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:48:27 ID:PlmWoYLh
人のかよふあはれになしてあはれなるよ夢はわがみる思ひ寝なれど(風雅1184)
265 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:51:05 ID:PlmWoYLh
をちかたの里は朝日にあらはれて煙にうすき竹のひとむら(風雅1641)
266 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:58:09 ID:1rh3sJMJ
大井川いぜきの水のわくらばに今日はたのめし暮にやはあらぬ(新古1194)
267 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 06:58:48 ID:1rh3sJMJ
思ひいづや人めなかりし山里の月と水との秋のおもかげ(玉葉1989)
268 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 07:00:29 ID:1rh3sJMJ
ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪こさじとは(後拾遺770)
269 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 07:01:03 ID:1rh3sJMJ
朝まだききりふの岡にたつきじは千代の日つぎのはじめなりけり(拾遺266)
270 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 07:01:53 ID:1rh3sJMJ
三輪の山しるしの杉はありながら教へし人はなくて幾世ぞ(拾遺486)
271 :
名無氏物語:2006/12/06(水) 07:04:41 ID:1rh3sJMJ
けふよりは天の河霧たちわかれいかなる空に逢はんとすらん(詞花399)
272 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 01:37:57 ID:9urewCJ1
薪こり峰の木の実をもとめてぞ得難き法は聞きはじめける(俊成[玉葉])
273 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 01:40:24 ID:9urewCJ1
ねにかへる花とはきけどみる人のこころのうちにとまるなりけり(藤原重家[風雅])
274 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 01:41:13 ID:9urewCJ1
ねにかへる花かとみれば木の本を又吹きたつる庭の春かぜ(正親町公蔭[新拾遺])
275 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 01:43:37 ID:9urewCJ1
柴の戸に入日の影はさしながらいかにしぐるる山べなるらむ(藤原清輔[新古今])
276 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 01:55:12 ID:XrRyp5KK
いかばかり思ふらんとか思ふらむ老いてわかるる遠き別れを(拾遺333)
277 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 01:56:59 ID:XrRyp5KK
ほのかにぞ鳴きわたるなる郭公み山をいづるけさのはつ声(拾遺100)
278 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:00:49 ID:XrRyp5KK
たづのすむ沢べの蘆のした根とけ汀もえいづる春はきにけり(後拾遺9)
279 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:05:18 ID:XrRyp5KK
千年までかぎれる松もけふよりは君にひかれて万代やへん(拾遺24)
280 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:07:21 ID:XrRyp5KK
むめの花にほふあたりの夕暮はあやなく人にあやまたれつつ(後拾遺51)
281 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:08:14 ID:XrRyp5KK
花ちらばおきつつもみむ常よりもさやけく照らせ春の夜の月(続後拾遺132)
282 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:17:28 ID:YcQe1QCF
春といへばやがて霞のなかにおつる妹背の川も氷とくらし(新後拾遺4)
283 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:18:21 ID:YcQe1QCF
降りかかる梢の雪の朝あけにくれなゐうすき梅のはつ花(新後拾遺22)
284 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:21:29 ID:YcQe1QCF
のどかなる春のまつりの花しづめ風をさまれと猶いのるらし(新拾遺1404)
285 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:23:59 ID:YcQe1QCF
涼しさはいづれともなし松風の声のうちなる山の滝つせ(新後拾遺273)
286 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:25:36 ID:YcQe1QCF
朝戸あけの軒ばの荻に吹きてけり一葉のさきの秋の初風(新後拾遺285)
287 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:34:03 ID:YcQe1QCF
今しはやまたるる月ぞにほふらし村雲しろき山のはの空(風雅584)
288 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:42:19 ID:hg9g99Xu
心ありて見るとしもなき難波江の春のけしきはをしくもあるかな(風雅1431)
289 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:50:45 ID:hg9g99Xu
なにとなく涙の玉やこぼれけん峰の木の実をひろふ袂に(新続古今837)
290 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:53:24 ID:hg9g99Xu
道のべの蛍ばかりをしるべにて独りぞ出づる夕やみの空(新古1951)
291 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:58:40 ID:hg9g99Xu
吹く風に花橘やにほふらん昔おぼほゆるけふの庭かな(新古1953)
292 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 02:59:42 ID:hg9g99Xu
けふ過ぎぬ命もしかとおどろかす入相の鐘の声ぞ悲しき(新古1955)
293 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 03:00:55 ID:hg9g99Xu
そむかずはいづれの世にかめぐりあひて思ひけりとも人に知られん(新古1957)
294 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 03:02:35 ID:hg9g99Xu
別れにしその面影の恋しきに夢にもみえよ山の端の月(新古1960)
295 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 15:26:41 ID:x++CPKkn
たまに見る(名古屋?の)竹石圭佑ってどんな奴だ…
っていうか実在すんのか?20なら成人式に出るのか
296 :
名無氏物語:2006/12/07(木) 23:31:58 ID:axIsQDI4
フェラチオしれや
297 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 13:40:32 ID:O87qjLmU
しぐれする生田の杜の初紅葉日をへてまさる色に恋ひつつ(新拾遺1045)
298 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 13:43:47 ID:O87qjLmU
待ちしよにまた立ちかへる夕べかな入逢のかねに物わすれせで(新拾遺1290)
299 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 13:49:44 ID:O87qjLmU
夕月夜かげろふ窓はすずしくて軒のあやめに風わたるみゆ(風雅348)
300 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 13:50:34 ID:O87qjLmU
有明の月と霜との色のうちにおぼえず空もしらみそめぬる(風雅785)
301 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 13:51:26 ID:O87qjLmU
かくてしも思ひやよわるとばかりにうきがうれしき方もありけり(風雅1308)
302 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 13:57:25 ID:O87qjLmU
わたつうみの波もひとつにさゆる日の雪ぞかざしの淡路島山(新後拾遺562)
303 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:42:01 ID:HDHzS4mP
見しこともかはらぬ月の面かげやただめのまへの昔なるらん(藤原忠資[続千載])
304 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:43:43 ID:HDHzS4mP
かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそみえね春は来にけり(宮内卿[新古今])
305 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:44:35 ID:HDHzS4mP
こぬ人を待つとはなくて待つ宵の更けゆく空の月もうらめし(有家[新古今])
306 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:46:39 ID:HDHzS4mP
いつはりと思ひながらも待つ宵の更くるはつらき山の端の月(大江頼重[続後拾遺])
307 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:50:51 ID:O87qjLmU
思ひ出でよ野なかの水の草がくれもとすむ程のかげはみずとも(新後拾遺1192)
308 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:53:34 ID:O87qjLmU
ささがにのくものいとすぢ代々かけてたえぬこと葉の玉津島姫(新続古今2143)
309 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:54:25 ID:O87qjLmU
月はなほ雲まに残るかげながら雪にあけ行く遠の山のは(新後拾遺535)
310 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:55:02 ID:O87qjLmU
さびしさは思ひしままの山里にいとふ人めのなどまたるらん(新後拾遺1340)
311 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:56:10 ID:O87qjLmU
空にすむ星となりても君が代をともにぞまもる七の神がき(新続古今2124)
312 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:57:11 ID:O87qjLmU
ちる花をせめてたもとに吹きとめよそをだに風のなさけとおもはん(風雅1473)
313 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 14:59:56 ID:c+Hff9yy
さらぬだにおもきがうへのさ夜衣わがつまならぬつまな重ねそ(新古1963)
314 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:00:57 ID:c+Hff9yy
花のもと露のなさけは程もあらじ酔ひなすすめそ春の山風(新古1964)
315 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:01:33 ID:c+Hff9yy
けふ見ずはあすも尋ねん山桜夜のまのほどにさきもこそすれ(続拾遺55)
316 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:02:07 ID:c+Hff9yy
ふた声ときかずはいでじ郭公いく夜あかしのとまりなりとも(新古206)
317 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:02:49 ID:c+Hff9yy
ゆふしでの風にみだるる音さえて庭しろたへに雪ぞつもれる(新古1890)
318 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:03:19 ID:c+Hff9yy
山のはに入日のかげはさしながら麓の里はしぐれてぞゆく(新勅撰386)
319 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:04:06 ID:c+Hff9yy
を初瀬の花のさかりを見わたせば霞にまがふみねの白雲(千載74)
320 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:08:14 ID:LCtD+yEF
昨日までよそに思ひしあやめ草けふ我が宿のつまとみるかな(拾遺109)
321 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:09:05 ID:LCtD+yEF
もみぢせぬときはの山にすむ鹿はおのれなきてや秋をしるらん(拾遺190)
322 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:09:47 ID:LCtD+yEF
ちはやぶる平野の松の枝しげみ千世も八千世も色はかはらじ(拾遺264)
323 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:11:04 ID:LCtD+yEF
ゆひそむる初元結のこむらさき衣の色にうつれとぞ思ふ(拾遺272)
324 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:12:06 ID:LCtD+yEF
ゆくすゑの命もしらぬ別れぢはけふ逢坂やかぎりなるらん(拾遺315)
325 :
名無氏物語:2006/12/08(金) 15:21:55 ID:LCtD+yEF
秋霧のたつ旅ごろもおきて見よ露ばかりなる形見なりとも(新古860)
326 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 01:34:28 ID:rGwwW3eJ
待つよひの更行くかねのうさまでは恨みもあへぬほととぎすかな(花山院師兼)
327 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:08:41 ID:DbYsS82v
よしあしと人に語るな難波潟こと浦にすむあまのしわざを(玄円[新千載])
328 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:13:13 ID:DbYsS82v
立ちかへり又きさらぎの空さえてあまぎる雪にかすむ山の端(為兼[新拾遺])
329 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:14:44 ID:DbYsS82v
難波なる身をつくしてもかひぞなき短き葦の一夜ばかりは(藤原定家[続後拾遺])
330 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:17:53 ID:DbYsS82v
思ひ侘び身をつくしてや同じ江に又立ち返り恋ひわたりなん(藤原成実[続後撰])
331 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:20:01 ID:DbYsS82v
いかさまに身をつくしてか難波江に深き思ひのしるしみすべき(京極為兼[新後撰])
332 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:30:24 ID:/SyDOd9y
分けゆけば花にかぎりもなかりけり雲をかさぬるみ吉野の山(新千載99)
333 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:35:08 ID:/SyDOd9y
みるままに門田のおもはくれはてて稲葉にのこる風の音かな(新後拾遺321)
334 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:35:55 ID:/SyDOd9y
いづる日に春のひかりはあらはれて年たちかへるあまのかぐ山(新葉1)
335 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:37:37 ID:/SyDOd9y
かつきえて庭には跡もなかりけり空にみだるる春のあは雪(新葉9)
336 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:39:22 ID:/SyDOd9y
おのづから故郷人のことづてもありけるものを花のさかりは(新葉110)
337 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 02:42:35 ID:/SyDOd9y
夏草のしげみが下のむもれ水ありとしらせて行く蛍かな(新葉233)
338 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:00:48 ID:cfHrnldF
忘るなよさらぬちぎりぞ我も旅人もかりねの一夜なりとも(飛鳥井雅親)
339 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:19:32 ID:aYuJy48V
みかきもり衛士のたく火の夜はもえ昼はきえつつ物をこそ思へ(詞花225)
340 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:22:26 ID:aYuJy48V
我ならぬ人に心をつくば山したにかよはむ道だにやなき(新古1014)
341 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:26:26 ID:aYuJy48V
いくかへり咲き散る花をながめつつ物思ひくらす春にあふらん(新古1017)
342 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:27:48 ID:aYuJy48V
かくばかりねであかしつる春の夜にいかにみえつる夢にかあるらむ(新古1385)
343 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:29:37 ID:aYuJy48V
絶えにけるはつかなる音をくりかへしかづらの緒こそきかまほしけれ(後拾遺1149)
344 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:34:40 ID:aYuJy48V
みしま江につのぐみわたる蘆の根のひとよのほどに春めきにけり(後拾遺42)
345 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:42:18 ID:ZMhPXeOG
月見れば思ひぞあへぬ山たかみいづれの年の雪にかあるらむ(新古388)
346 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:43:11 ID:ZMhPXeOG
恋ひ死なむことぞはかなき渡り川あふ瀬ありとは聞かぬものゆゑ(千載762)
347 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:44:27 ID:ZMhPXeOG
三笠山道ふみそめし月かげに今ぞ心の闇ははれぬる(新勅撰1856)
348 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:46:35 ID:ZMhPXeOG
いかなればそのかみ山のあふひ草年はふれども双葉なるらん(新古183)
349 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:47:32 ID:ZMhPXeOG
まれにあふ秋の七日のくれはとりあやなくやがて明けぬこの夜は(玉葉477)
350 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:50:51 ID:ZMhPXeOG
さきにけり遠かた人にこととひて名をしりそめし夕がほの花(続古今273)
351 :
名無氏物語:2006/12/09(土) 03:52:10 ID:ZMhPXeOG
いくめぐりすぎゆく秋にあひぬらん変はらぬ月の影をながめて(新勅撰294)
352 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 02:57:11 ID:BIWUNwV5
夢にてもみつとないひそ難波なる芦のかりねの一よばかりは(藤原為道女[続後拾遺])
353 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 02:58:33 ID:BIWUNwV5
身のうさを思ひ知らでややみなまし背くならひのなき世なりせば(西行[新古今])
354 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:00:09 ID:BIWUNwV5
春くればたのむの雁も今はとてかへる雲路に思ひたつなり(俊頼[千載])
355 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:01:13 ID:BIWUNwV5
春風を滝つ岩ねにせきかねて霞におつる花の白波(公経[新千載])
356 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:15:06 ID:mIArL3B2
桜麻の麻生の下草露しあれば明かしてい行け母は知るとも(万11-2687)
357 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:35:50 ID:xplOZUEq
年をふる鄙のすまひの秋はあれど月は都を思ひやらなん(新葉321)
358 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:37:23 ID:xplOZUEq
きくたびにおどろかされてねぬる夜の夢をはかなみふる時雨かな(新葉423)
359 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:38:03 ID:xplOZUEq
行末を思ふもひさし天つ社くにつ社のあらんかぎりは(新葉612)
360 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:38:40 ID:xplOZUEq
高御座とばりかかげて橿原の宮の昔もしるき春かな(新葉1006)
361 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:40:13 ID:xplOZUEq
花山のはつもとゆひの春の庭わがたちまひし昔恋ひつつ(新葉1033)
362 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:41:44 ID:xplOZUEq
鳥の音におどろかされて暁の寝覚しづかに世を思ふかな(新葉1141)
363 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:45:15 ID:Ieh8x9vy
雪きえばゑぐの若菜もつむべきに春さへはれぬ深山べの里(詞花5)
364 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:48:12 ID:Ieh8x9vy
荒小田のこぞの古跡の古よもぎいまは春べとひこばえにけり(新古77)
365 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:49:15 ID:Ieh8x9vy
花ちりし庭の木の葉もしげりあひてあまてる月の影ぞまれなる(新古186)
366 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:50:14 ID:Ieh8x9vy
榊とる卯月になれば神山のならの葉がしはもとつ葉もなし(後拾遺169)
367 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:51:25 ID:Ieh8x9vy
みたやもりけふは五月になりにけりいそげや早苗おいもこそすれ(後拾遺204)
368 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:52:11 ID:Ieh8x9vy
夏衣たつた川原の柳かげすずみにきつつならすころかな(後拾遺220)
369 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:54:59 ID:WWzKrieI
かきくもりあまぎる雪のふる里をつもらぬさきに問ふ人もがな(新古678)
370 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 03:56:15 ID:WWzKrieI
跡つけしその昔こそ恋しけれのどかにつもる雪をみるにも(新後拾遺558)
371 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:08:50 ID:WWzKrieI
恋ひそめし心の色のなになれば思ひかへすにかへらざるらん(千載892)
372 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:09:51 ID:WWzKrieI
まつ宵のふけゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥はものかは(新古1191)
373 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:10:38 ID:WWzKrieI
みし夢のさめぬやがてのうつつにて今日とたのめし暮をまたばや(千載835)
374 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:11:16 ID:WWzKrieI
たのめしをまつ夜の雨の明方にをやむしもこそつらくきこゆれ(玉葉1414)
375 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:19:58 ID:WWzKrieI
つらきをも恨みぬ我にならふなようき身を知らぬ人もこそあれ(新古1227)
376 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:25:37 ID:WWzKrieI
君恋ふとうきぬる魂のさ夜ふけていかなる褄にむすばれぬらん(千載924)
377 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:26:11 ID:WWzKrieI
雲となり雨となりても身にそはばむなしき空を形見とやみん(新勅撰830)
378 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:27:54 ID:WWzKrieI
いかなりし時ぞや夢に見しことはそれさへにこそ忘られにけれ(新勅撰831)
379 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:33:30 ID:WWzKrieI
草枕おなじ旅ねの袖にまた夜半のしぐれも宿はかりけり(千載528)
380 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:34:07 ID:WWzKrieI
しきみつむ山ぢの露にぬれにけり暁おきの墨染の袖(新古1666)
381 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:34:45 ID:WWzKrieI
色にのみそめし心のくやしきをむなしととける法のうれしさ(新古1936)
382 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 04:35:34 ID:WWzKrieI
ことの葉の露におもひをかけし人身こそはきゆれ心きえめや(玉葉2464)
383 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 05:01:46 ID:WWzKrieI
春の夜のおぼろ月夜やこれならん霞にくもる有明の空(新勅撰47)
384 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 06:10:45 ID:+JSHz+io
月もなほわが身のかたやかすめるとこと浦にすむあまにとはばや(平親清四女)
385 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 06:11:58 ID:+JSHz+io
秋の月ここをあかしとおもへどもこと浦にすむ人もみるらむ(中園公賢)
386 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 06:12:38 ID:+JSHz+io
明石がた猶やたづねん秋の夜のこと浦にすむ月もかくやと(後宇多院)
387 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 06:13:50 ID:+JSHz+io
ふけゆけば木の葉くもらで出でにけりたかつの山の秋の夜の月(覚助法親王)
388 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 06:14:35 ID:+JSHz+io
月ぞ猶木の葉くもらで残りける秋のかたみはとめぬ嵐に(頓阿)
389 :
名無氏物語:2006/12/10(日) 09:27:35 ID:TA6DSL6W
肉体便器=精液処理女
390 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:17:10 ID:XDafvcW4
朝日山まだ影くらき曙に霧の下ゆく宇治の柴舟(資明[風雅])
391 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:20:33 ID:XDafvcW4
伏見山裾野をかけて見渡せば遥かに下る宇治の柴舟(永福門院内侍[新後拾遺])
392 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:22:54 ID:XDafvcW4
とへかしな槙たつ山の夕しぐれ色こそ見えね深き心を(土御門院[続古今])
393 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:26:22 ID:XDafvcW4
あはれさもその色となき夕暮の尾花が末に秋ぞうかべる(為兼[風雅])
394 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:34:11 ID:X8BTPaLF
かすみつつ花ちる峯の朝ぼらけのちにや風のうさもしられん(続古今149)
395 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:38:56 ID:fLAr0lr8
春風にしられぬ花やのこるらんなほ雲かかる小初瀬の山(続古今145)
396 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:39:50 ID:fLAr0lr8
ほととぎすなれも心やなぐさまぬ姨捨山の月になく夜は(新後撰191)
397 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:41:17 ID:fLAr0lr8
時鳥すぎつる方の雲間よりなほ眺めよと出づる月かげ(玉葉330)
398 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:42:03 ID:fLAr0lr8
忘れじな難波の秋のよはの空こと浦にすむ月は見るとも(新古400)
399 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:43:20 ID:fLAr0lr8
吹きはらふ嵐ののちの高嶺より木の葉くもらで月や出づらん(新古593)
400 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:43:53 ID:fLAr0lr8
冬の夜はあまぎる雪に空さえて雲の波路にこほる月かげ(新勅撰402)
401 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:45:07 ID:fLAr0lr8
しらざりし八十瀬の浪を分け過ぎてかたしくものは伊勢の浜荻(新古944)
402 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:45:57 ID:fLAr0lr8
都をば天つ空とも聞かざりき何ながむらむ雲のはたてを(新古959)
403 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:49:48 ID:fNpPQU7f
年ふれば思ひぞ出づる吉野山またふるさとの名や残るらん(新葉1167)
404 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:50:20 ID:fNpPQU7f
あはれはや浪をさまりて和歌の浦にみがける玉をひろふ世もがな(新葉1197)
405 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:51:26 ID:fNpPQU7f
四つの海波もをさまるしるしとて三つの宝を身にぞつたふる(新葉1425)
406 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:52:04 ID:fNpPQU7f
日にそへてのがれんとのみ思ふ身にいとどうき世のことしげきかな(新葉1276)
407 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:53:05 ID:fNpPQU7f
名にしおふ花のたよりにことよせてたづねやせましみ吉野の山(新葉78)
408 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:53:54 ID:fNpPQU7f
いすず川たのむ心はにごらぬをなどわたる瀬の猶よどむらん(新葉580)
409 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:57:12 ID:7QHoVWrV
そま川の筏のとこの浮まくら夏はすずしきふしどなりけり(詞花76)
410 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:57:50 ID:7QHoVWrV
川上に夕立すらし水屑せく梁瀬のさ波たちさわぐなり(詞花78)
411 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:58:55 ID:7QHoVWrV
きてみよと妹が家路につげやらん我がひとりぬるとこ夏の花(後拾遺227)
412 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 07:59:39 ID:7QHoVWrV
山城の鳥羽田のおもを見わたせばほのかに今朝ぞ秋風はふく(詞花82)
413 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 08:00:59 ID:7QHoVWrV
朝ぼらけ荻のうは葉の露みればやや肌さむし秋の初風(新古311)
414 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 08:01:47 ID:7QHoVWrV
山里に霧のまがきのへだてずはをちかた人の袖も見てまし(新古495)
415 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 16:07:35 ID:JKk6GfZS
あけぬるか川瀬の霧のたえまよりをちかた人の袖のみゆるは
416 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 16:15:13 ID:RMtKZyRK
橋立と名を高砂の松なれど身は牛窓によする白波
417 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 16:15:58 ID:RMtKZyRK
白波のたづきありせばすべらぎの大宮人となりもしなまし
418 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 16:16:49 ID:RMtKZyRK
死なましの心にかなふ身なりせば何をかねたる命とか知る
419 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 16:17:34 ID:RMtKZyRK
あさかやまかげさへみゆるやまのゐのあさくはひとをおもふものかは
420 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 16:18:19 ID:RMtKZyRK
なにはづにさくやこのはなふゆごもりいまははるべとさくやこのはな
421 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 17:52:31 ID:Zsad7+kk
さらに又うすき衣に月さえて冬をやこふるをののすみやき(後鳥羽院)
422 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 17:53:04 ID:Zsad7+kk
むすびおきし雲雀の床も草かれてあらはれわたる武蔵野の原(後鳥羽院)
423 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 17:53:38 ID:Zsad7+kk
宿さびて庭に木の葉のつもるより人まつむしも声よわるなり(藤原良経)
424 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 17:54:11 ID:Zsad7+kk
秋はいぬ風に木の葉は散りはてて山さびしかる冬は来にけり(源実朝)
425 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 18:07:16 ID:uagP3Pet
さびしさはたがよそめにも知りぬらん我がゐる山の秋の夕暮(為相[新千載])
426 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 18:08:07 ID:uagP3Pet
さびしさはなれぬる物と思へども又今さらの秋の夕暮(為尹[新続古今])
427 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 18:15:56 ID:bPrs9kO9
梶をたえ行末もしらず由良の戸をわたる舟路の春の霞に(正徹)
428 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 18:17:09 ID:bPrs9kO9
音あらき浪の手玉もゆらの戸をわたる舟人心くだけて(正徹)
429 :
名無氏物語:2006/12/11(月) 18:18:36 ID:bPrs9kO9
宇治川や氷のくさびうつたへに水の車ぞ絶えてめぐらぬ(正徹)
430 :
中央委員会 ◆/HV2b6TqMw :2006/12/12(火) 02:23:46 ID:I7QoIQ3c
いざ子どもたはわざなせそマーシーのいませる国そ大和島根は
431 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 08:09:48 ID:nLE3883d
あだなれど桜のみこそ故郷の昔ながらの物にはありけれ(紀貫之[拾遺])
432 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 08:10:54 ID:nLE3883d
名をきけば昔ながらの山なれどしぐるる秋は色まさりけり(源順[拾遺])
433 :
中央委員会 ◆/HV2b6TqMw :2006/12/12(火) 12:48:15 ID:I7QoIQ3c
マーシーは神にしませばミニにタコいかづちのうへにいほらせるかも
434 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 14:34:44 ID:ducEN+zd
神なびのみむろの山をけふ見れば下草かけて色づきにけり(拾遺188)
435 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 14:36:20 ID:ducEN+zd
なけやなけ蓬が杣のきりぎりすすぎゆく秋はげにぞかなしき(後拾遺273)
436 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 14:36:55 ID:ducEN+zd
人はこず風に木の葉はちりはてて夜な夜な虫は声よわるなり(新古535)
437 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 14:38:04 ID:ducEN+zd
なにごともゆきていのらむと思ひしに神な月にもなりにけるかな(詞花140)
438 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 14:41:46 ID:ducEN+zd
ひさぎおふる沢べの茅原冬くればひばりの床ぞあらはれにける(詞花141)
439 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 14:42:29 ID:ducEN+zd
と山なる柴のたち枝にふく風の音きくをりぞ冬はものうき(詞花147)
440 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 15:43:26 ID:TGrPRp0e
面影ぞなほ忘られぬあだなりし契りは夢のうちになしても(新葉899)
441 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 15:44:45 ID:TGrPRp0e
ほのかにも見しは夢かとたどられてさめぬ思ひやうつつなるらん(新葉905)
442 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 15:46:18 ID:TGrPRp0e
いかにせん後の世とだに契らねば恋ひ死ぬとても頼りなき身を(新葉752)
443 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 15:48:08 ID:TGrPRp0e
わすれめや神のいがきの榊葉にゆふかけそへし雪の曙(新葉574)
444 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 15:49:33 ID:TGrPRp0e
いきうしと思はぬ旅の空なれや人やりならぬ春の雁がね(新葉58)
445 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 15:51:28 ID:TGrPRp0e
あらしふく花ちるころは世のうきめみえぬ山ぢもかひなかりけり(新葉141)
446 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:11:33 ID:EE5tg04e
夕暮は雲のはたてに物ぞ思ふ天つ空なる人を恋ふとて(読人不知「古今集」)
447 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:20:25 ID:KIRQR0oE
夜はの月われのみおくる山路ぞとなれし都の友につげこせ(玉葉1136)
448 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:23:46 ID:KIRQR0oE
思ひ寝の夢になぐさむ恋なれば逢はねど暮の空ぞまたるる(千載898)
449 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:25:17 ID:KIRQR0oE
袖のうへの涙ぞ今はつらからぬ人に知らるる始めと思へば(新勅撰668)
450 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:27:20 ID:KIRQR0oE
忘れじの言の葉いかになりにけん頼めし暮は秋風ぞふく(新古1303)
451 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:29:31 ID:KIRQR0oE
夜もすがら浦こぐ舟は跡もなし月ぞのこれる志賀の辛崎(新古1507)
452 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:35:15 ID:KIRQR0oE
憂しとてもいとひもはてぬ世の中をなかなか何におもひしりけむ(千載1114)
453 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:36:24 ID:KIRQR0oE
山里は世の憂きよりも住み侘びぬことの外なる峯の嵐に(新古1623)
454 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:58:56 ID:R3lGc72Y
宵のまに身をなげはつる夏虫は燃えてや人に逢ふと聞きけむ(伊勢集)
455 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 16:59:29 ID:R3lGc72Y
萩の月ひとへに飽かぬものなれば涙をこめてやどしてぞみる(伊勢集)
456 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:00:04 ID:R3lGc72Y
沖つ藻をとらでややまむほのぼのと舟出しことは何によりてぞ(伊勢集)
457 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:00:46 ID:R3lGc72Y
もみぢ葉に色みえわかずちる物はもの思ふ秋の涙なりけり(伊勢集)
458 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:01:27 ID:R3lGc72Y
かくばかりおつる涙のつつまれば雲のたよりに見せましものを(伊勢集)
459 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:06:50 ID:zffUPnsK
我が宿とたのむ吉野に君し入らば同じかざしをさしこそはせめ(後撰809)
460 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:07:48 ID:zffUPnsK
年月の行くらむ方もおもほえず秋のはつかに人の見ゆれば(拾遺906)
461 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:08:56 ID:zffUPnsK
思ひきやあひ見ぬほどの年月をかぞふばかりにならむものとは(拾遺907)
462 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:09:30 ID:zffUPnsK
遥かなる程にもかよふ心かなさりとて人の知らぬものゆゑ(拾遺908)
463 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:10:31 ID:zffUPnsK
沖つ波 あれのみまさる 宮の内は 年へて住みし 伊勢のあまも 舟流したる
心地して 寄らむかたなく かなしきに 涙の色の くれなゐは 我らがなかの
時雨にて 秋のもみぢと 人々は おのがちりぢり わかれなば たのむかげなく
なりはてて とまるものとは 花すすき 君なき庭に むれたちて 空をまねかば
初雁の なき渡りつつ よそにこそ見め(古今1006)
464 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:11:19 ID:zffUPnsK
山川の音にのみ聞くももしきを身をはやながら見るよしもがな(古今1000)
465 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 17:57:54 ID:h5qDKIQE
おもひすてて我が身ともなき心にもなほ昔なる山桜かな(藤原忠良[新勅撰])
466 :
名無氏物語:2006/12/12(火) 18:13:32 ID:0rERLpxr
楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも
(高市黒人『万葉集』1-33)
467 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 00:41:33 ID:n3nFV9rJ
かへりみるわが古郷の雲の波けぶりも遠し八重の塩風(九条左大臣女[玉葉])
468 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 00:43:23 ID:n3nFV9rJ
春霞かすむ浪ぢはへだつともたよりしらせよ八重の塩風(尊良親王[新葉])
469 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 00:45:21 ID:n3nFV9rJ
時鳥過ぎつる方の雲まより猶ながめよといづる月かげ(宜秋門院丹後[玉葉])
470 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 00:47:02 ID:n3nFV9rJ
ほととぎす鳴きつる雲をかたみにてやがてながむる有明の空(式子内親王[玉葉])
471 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 00:48:32 ID:n3nFV9rJ
時鳥いま一こゑをまちえてや鳴きつるかたを思ひさだめん(長舜[新後撰])
472 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:07:57 ID:YGo2nF7w
吹く風のめに見ぬかたにさそはれて花とともにや春の行くらん(新葉161)
473 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:09:30 ID:YGo2nF7w
わすれじよわするな神も月雪の夜半にたむくる松風の声(新葉603)
474 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:11:06 ID:YGo2nF7w
つらかりしやよひの夜半の涙より袖にや月のかすみそめけん(新葉1329)
475 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:12:51 ID:YGo2nF7w
めぐりあふ今日はやよひのみかは水名にながれたる花のさかづき(新続古今179)
476 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:14:41 ID:YGo2nF7w
あま小船のりしる人はさきだちつ苦しき海を誰かわたさん(新葉626)
477 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:16:40 ID:YGo2nF7w
いとせめて老いぬる身こそ悲しけれこの別れぢをかぎりとおもへば(新葉531)
478 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:29:08 ID:lZY0ixq7
草のうへにここら玉ゐし白露を下葉の霜とむすぶ冬かな(新古619)
479 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:30:20 ID:lZY0ixq7
岩間には氷のくさびうちてけり玉ゐし水もいまはもりこず(後拾遺421)
480 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:32:40 ID:lZY0ixq7
みやま木を朝な夕なにこりつめてさむさをこふる小野の炭焼(拾遺1144)
481 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:34:01 ID:lZY0ixq7
にほ鳥の氷の関にとぢられて玉藻の宿をかれやしぬらん(拾遺1145)
482 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:36:41 ID:lZY0ixq7
たままつる年のをはりになりにけり今日にやまたもあはむとすらむ(詞花160)
483 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:39:35 ID:lZY0ixq7
片岡の雪まにねざす若草のほのかに見えし人ぞ恋しき(新古1022)
484 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:52:48 ID:rOTxLSa8
ひととせの都の人のそら頼め思ひはてぬる冬の山里(玉葉2218)
485 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:53:40 ID:rOTxLSa8
なにとなく聞けば涙ぞこぼれぬる苔の袂にかよふ松風(新古1795)
486 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:55:16 ID:rOTxLSa8
何とかく置きどころなく歎くらんあり果つまじき露の命を(玉葉2515)
487 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 01:57:35 ID:rOTxLSa8
むなしきも色なるものと悟れとや春のみ空のみどりなるらん(千載1229)
488 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 02:00:23 ID:rOTxLSa8
しのびねのたもとは色にいでにけり心にもにぬわが涙かな(千載694)
489 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 02:02:35 ID:rOTxLSa8
おもひ川いはまによどむ水ぐきをかきながすにも袖はぬれけり(新勅撰667)
490 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 02:05:07 ID:rOTxLSa8
うれしきもつらきもおなじ涙にてあふ夜も袖はなほぞかわかぬ(新勅撰787)
491 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 17:28:58 ID:P5jSOU44
難波潟みじかき葦のふしのまも逢はで此の世を過ぐしてよとや(伊勢「新古今和歌集」)
492 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 17:49:38 ID:L9z6JPDs
ほととぎす鳴きて過行く山のはに今一声と月ぞのこれる(浄弁[新拾遺])
493 :
名無氏物語:2006/12/13(水) 17:51:05 ID:L9z6JPDs
こえかぬる岩根の道に宿とへば猶山ふかき鐘のおとかな(二条為藤[新続古今])
494 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 14:55:39 ID:CblLrol1
そむく身はさすがにやすきあらましに猶山ふかき宿もいそがず(兼好)
495 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:08:51 ID:dH2CNcuo
大かたの秋の寝覚のながき夜も君をぞ祈る身を思ふとて(家隆[新古今])
496 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:11:14 ID:dH2CNcuo
まばらなる槙の板屋に音はして漏らぬ時雨や木の葉なるらん(俊成[千載])
497 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:12:51 ID:dH2CNcuo
さゆる夜の槙の板屋のひとり寝に心くだけと霰ふるなり(良経[千載])
498 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:13:22 ID:dH2CNcuo
我が恋は海人の苅藻に乱れつつかわく時なき波の下草(俊忠[千載])
499 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:27:48 ID:5BHlWsOu
なほさゆる雪げの空のあさ緑わかでもやがてかすむ春かな(新後拾遺10)
500 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:28:34 ID:5BHlWsOu
五月雨はあやめの草のしづくより猶おちまさる軒の玉水(新後拾遺209)
501 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:29:31 ID:5BHlWsOu
見わたせば山田の穂波かたよりになびけばやがて秋風ぞ吹く(新後拾遺322)
502 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:30:50 ID:5BHlWsOu
有明の影をしるべにさそはれて夜ぶかくいづる須磨のうら舟(新後拾遺911)
503 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:32:16 ID:5BHlWsOu
わが宿とたのまずながら吉野山花になれぬる春もいくとせ(新葉109)
504 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 15:33:23 ID:5BHlWsOu
をさまらぬ世の人ごとのしげければ桜かざしてくらす日もなし(新葉1032)
505 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:20:00 ID:ZsBBdfaL
あぢきなし我が身にまさる物やあると恋せし人をもどきしものを(後拾遺775)
506 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:20:44 ID:ZsBBdfaL
かやり火のさ夜ふけがたの下こがれ苦しやわが身人しれずのみ(新古1070)
507 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:21:34 ID:ZsBBdfaL
由良のとをわたる舟人かぢをたえ行方もしらぬ恋の道かな(新古1071)
508 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:22:13 ID:ZsBBdfaL
わがせこがきまさぬ宵の秋風はこぬ人よりもうらめしきかな(拾遺833)
509 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:23:00 ID:ZsBBdfaL
雁がねのかへるをきけば別れ路は雲ゐはるかに思ふばかりぞ(拾遺304)
510 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:24:48 ID:ZsBBdfaL
浅みどり野べの霞にうづもれてあるかなきかの身をいかにせん(続後撰1036)
511 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:28:46 ID:YWUEGr9g
なには江のあしのかりねの一よゆゑ身をつくしてや恋ひわたるべき(千載807)
512 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:29:26 ID:YWUEGr9g
かへるさは面影をのみ身にそへて涙にくらす有明の月(玉葉1448)
513 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:30:18 ID:YWUEGr9g
雲もなくなぎたる空のあさみどりむなしき色も今ぞしりぬる(続後撰608)
514 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:30:55 ID:YWUEGr9g
をしめどもかひもなぎさに春くれて波とともにぞ立ち別れぬる(千載133)
515 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:31:41 ID:YWUEGr9g
ときはなる青葉の山も秋くれば色こそかへねさびしかりけり(千載273)
516 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:32:40 ID:YWUEGr9g
さらぬだに心ぼそきを山里のかねさへ秋のくれをつくなり(千載382)
517 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 16:33:52 ID:YWUEGr9g
神無月木々の木の葉は散りはてて庭にぞ風のおとはきここゆる(新古571)
518 :
名無氏物語:2006/12/14(木) 20:19:27 ID:Ps/mcdeC
人はこず風に木の葉は散りはてて夜な夜な虫は声よわるなり(曾禰好忠『新古今和歌集』)
519 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:36:31 ID:6awbOPab
涙川おつる水上はやければせきぞかねつる袖のしがらみ(貫之[拾遺])
520 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:37:22 ID:6awbOPab
足引の山下水の木隠れてたぎつ心をせきぞかねつる(読人不知[古今])
521 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:39:04 ID:6awbOPab
雲ちかき峰の木の葉をかたしきて枕の下に嵐をぞ聞く(忠良[玉葉])
522 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:40:15 ID:6awbOPab
さ夜ふかき軒ばの嶺に月はいりて暗き檜原に嵐をぞ聞く(永福門院[玉葉])
523 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:44:38 ID:Q1xhm0a+
をぐら山みねの朝霧たちならし思ひつきせぬさをしかのこゑ(新葉291)
524 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:45:54 ID:Q1xhm0a+
みよし野は風さえくれて雲まよりみゆる高嶺に雪はふりつつ(新葉472)
525 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:48:02 ID:Q1xhm0a+
あつめては国の光と成りやせんわが窓てらす夜はの蛍は(新葉1079)
526 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:49:09 ID:Q1xhm0a+
いかにせんしぐれてわたる冬の日のみじかき心くもりやすさを(新葉1249)
527 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:49:56 ID:Q1xhm0a+
思ひつつぬれば見し世にかへるなり夢路やいつも昔なるらん(新葉1319)
528 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 00:51:03 ID:Q1xhm0a+
見るからになぐさめかぬる心ともしらずがほなる月の影かな(新続古今2034)
529 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 01:03:05 ID:HxeYjPIm
吉野山みねのしら雪いつきえて今朝は霞のたちかはるらん(拾遺4)
530 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 01:03:48 ID:HxeYjPIm
鶯のきゐる羽風にちる花をのどけく見んと思ひけるかな(玉葉218)
531 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 01:04:28 ID:HxeYjPIm
春雨のそぼふる空のをやみせずおつる涙に花ぞちりける(新古119)
532 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 01:05:00 ID:HxeYjPIm
花の色にそめし袂のをしければ衣かへうき今日にもあるかな(拾遺81)
533 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 01:05:46 ID:HxeYjPIm
夏草はむすぶばかりになりにけり野がひし駒やあくがれぬらん(後拾遺168)
534 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 01:07:35 ID:HxeYjPIm
音もせで思ひにもゆる蛍こそなく虫よりもあはれなりけれ(後拾遺216)
535 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:08:12 ID:zIA957nC
たび衣あさたつ小野の露しげみしぼりもあへずしのぶもぢずり(千載524)
536 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:09:20 ID:zIA957nC
よをてらす仏のしるしありければまだ灯もきえぬなりけり(千載1211)
537 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:11:40 ID:zIA957nC
ほととぎすしのぶる頃は山びこのこたふる声もほのかにぞする(千載150)
538 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:13:03 ID:zIA957nC
夕まぐれすがるなく野の風のおとにことぞともなく物ぞかなしき(風雅1538)
539 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:13:56 ID:zIA957nC
人しれず思ふ心はふかみ草花さきてこそ色にいでけれ(千載684)
540 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:14:32 ID:zIA957nC
君をいのるねがひを空にみてたまへ別雷の神ならば神(千載1273)
541 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 02:16:35 ID:zIA957nC
花はみなよもの嵐にさそはれてひとりや春のけふはゆくらん(千載131)
542 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 13:36:28 ID:p8Az3GXU
うき世をば我もさこそはあきはつれ理りなくも惜しきけふかな(月詣集)
543 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 20:53:30 ID:wMOFZANV
宮木ののもとあらのこ萩つゆをおもみ風をまつごと君をこそまて (古今694)
544 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 23:42:39 ID:ys3c0eyy
思ひ出もなき我が身さへこし方はさぞな恋しき帰る雁がね(治承三十六人歌合)
545 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:29:18 ID:SZV3u9+p
今も猶わが立つ杣の朝がすみ世におほふべき袖かとぞみる(尊円親王[新千載])
546 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:30:30 ID:SZV3u9+p
いはで思ふ心の色を人とはば折りてやみせん山吹の花(宗尊親王[続古今])
547 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:31:20 ID:SZV3u9+p
いきて世にいつまでぬれん袂ぞと涙はしるや秋の夕暮(実氏[続古今])
548 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:33:24 ID:SZV3u9+p
秋風は梢をはらふ夕暮に雲もかからぬ山のはの月(進子内親王[新拾遺])
549 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:45:13 ID:SZV3u9+p
あしびきの山のあらしに雲きえてひとり空ゆく秋の夜の月(教実[新勅撰])
550 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:50:12 ID:SZV3u9+p
あふちさく梢に雨はややはれて軒のあやめにのこる玉水(平経親[風雅])
551 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 00:51:32 ID:SZV3u9+p
故郷の月をいくよかみよし野の山風さむみ衣うつらん(藤原師信[続千載])
552 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:05:20 ID:QN2UkJ57
今もなほ咲けばさかりの色みえて名のみ古りゆく志賀の花園(新後拾遺94)
553 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:05:54 ID:QN2UkJ57
せきあへぬ袖よりおちて憂きことの数にもあまる滝の白玉(新続古今1081)
554 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:06:45 ID:QN2UkJ57
ふるさとの八本の桜おもひ出でよ我がみし春は昔なりとも(新葉112)
555 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:10:40 ID:QN2UkJ57
茂りあふ桜がしたの夕すずみ春はうかりし風ぞまたるる(新葉239)
556 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:12:09 ID:QN2UkJ57
しられじなしのぶの山の初しぐれ心のおくにそむる紅葉ば(新続古今1042)
557 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:13:29 ID:QN2UkJ57
なげきつつひとりやさねん葦辺ゆく鴨のはがひも霜さゆる夜に(新葉662)
558 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:18:06 ID:6zZwqKCH
うゑたてしまろが桜も哀なりともに老木の春はいつまで(耕雲百首)
559 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:18:52 ID:6zZwqKCH
老の世の外なる春をたづねばやわが身ひとつかおぼろ夜の月(耕雲百首)
560 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:19:55 ID:6zZwqKCH
私語のつくべき秋の一夜かは七夕ばかりうき中はなし(耕雲百首)
561 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:21:52 ID:6zZwqKCH
暁の空にや秋のつきぬらん時雨にきほふ鐘の声々(耕雲千首)
562 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:22:48 ID:6zZwqKCH
をはつ瀬や桜にまじるひばらまで花さきつづく雪の朝あけ(耕雲千首)
563 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:25:11 ID:6zZwqKCH
み吉野やわが山ぶみぞ年へぬるうき世をいづる道はしらねど(耕雲千首)
564 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:25:51 ID:6zZwqKCH
峰たかくわが身をおきて月よりも人にまたるる光はなたむ(別本耕雲百首)
565 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:26:52 ID:6zZwqKCH
見るほども老の心のなぐさまで花に涙のなどうかぶらん(耕雲百首)
566 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:44:56 ID:EajljzcM
夏刈の玉江のあしをふみしだきむれゐる鳥のたつ空ぞなき(後拾遺219)
567 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:45:36 ID:EajljzcM
秋風はむかしの人にあらねども吹きくる宵はあはれとぞ思ふ(玉葉1957)
568 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:47:13 ID:EajljzcM
葦の葉にかくれてすみし津の国のこやもあらはに冬は来にけり(拾遺223)
569 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:55:50 ID:EajljzcM
風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな(詞花211)
570 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:56:36 ID:EajljzcM
荻の葉にふく秋風をわすれつつ恋しき人のくるかとぞ思ふ(玉葉1662)
571 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 01:57:17 ID:EajljzcM
よどのへとみま草かりにゆく人も暮にはただにかへるものかは(後拾遺685)
572 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:39:59 ID:0gff2mSH
身のうさを思ひしらでややみなまし逢ひみぬ先のつらさなりせば(千載896)
573 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:40:53 ID:0gff2mSH
あかなくにまたもこの世にめぐりこば面がはりすな山のはの月(千載996)
574 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:41:47 ID:0gff2mSH
さきまじる花をわけとや白雲の山をはなれて立ちのぼるらん(玉葉151)
575 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:42:27 ID:0gff2mSH
山ざくら散るをみてこそ思ひ知れたづねぬ人は心ありけり(千載97)
576 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:43:12 ID:0gff2mSH
身のうさも花みしほどはわすられき春の別れをなげくのみかは(千載128)
577 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:43:47 ID:0gff2mSH
心さへ我にもあらずなりにけり恋は姿のかはるのみかは(千載878)
578 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 02:45:53 ID:0gff2mSH
さきだちし人は闇にやまよふらんいつまで我も月をながめん(千載998)
579 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 03:23:33 ID:LSG5k8JM
2006年12月16日(土) 午後1時30分より
立教大学池袋キャンパス 7号館7101教室
池袋駅下車徒歩十分。
西口中央の地下道を利用し、C3出口を出て右へ進む。
『定家八代抄』初撰本について
―百首歌との関連―
大阪大学(院) 細川知佐子
「浮世」にして「憂き世」であること
―『古今集』九六四貞文歌「うき世には」をめぐってー
大塚英子
建久二年若宮社歌合の性格
埼玉学園大学 中村 文
※研究発表終了後、委員会があります。
580 :
名無氏物語:2006/12/16(土) 23:29:09 ID:y8VWlYe5
クソスレ
581 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:00:12 ID:iBBdFr+H
山ふかく又たがかよふ道ならんこれより奥の峯の梯(冬平[玉葉])
582 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:05:24 ID:iBBdFr+H
旅人の朝たつ後や積るらん跡こそ見えね野辺の白雪(小倉実教[新続古今])
583 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:09:30 ID:iBBdFr+H
我宿をとふとはなしに春のきて庭に跡ある雪の村消え(夢窓国師[風雅])
584 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:34:39 ID:hB7z8Oxu
親の親のためしをみつる我が身かな君の君なる代につかふとて(新葉1243)
585 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:35:24 ID:hB7z8Oxu
みとせまでほさぬ涙の藤衣こは又いかにそむる袂ぞ(新葉1349)
586 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:36:22 ID:hB7z8Oxu
春雨のふる日やけふもくれぬらしまだおちやまぬ軒の玉水(新後拾遺60)
587 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:37:17 ID:hB7z8Oxu
うす氷猶とぢやらで池水の鴨のうきねをしたふ波かな(新後拾遺513)
588 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:39:32 ID:hB7z8Oxu
たのむかな我がみなもとの石清水ながれの末を神にまかせて(新後拾遺1517)
589 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:40:32 ID:hB7z8Oxu
春さむみ猶ふきあげの浜風にかすみもはてぬ紀ぢの遠山(新続古今29)
590 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:44:21 ID:O24hNLkE
つくば山は山しげ山しげけれど思ひ入るにはさはらざりけり(新古1013)
591 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:44:59 ID:O24hNLkE
松島やをじまの磯にあさりせし海人の袖こそかくはぬれしか(後拾遺827)
592 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:46:11 ID:O24hNLkE
年ごとにむかしは遠くなりゆけど憂かりし秋はまたも来にけり(後拾遺597)
593 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:47:17 ID:O24hNLkE
水のおもにうきたる泡をふく風のともに我が身もきえやしなまし(続後拾遺1230)
594 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:48:24 ID:O24hNLkE
春の日は花に心のあくがれて物思ふ人とみえぬべきかな(続千載88)
595 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:48:59 ID:O24hNLkE
人を思ふおもひを何にたとへまし室の八島も名のみなりけり(続後拾遺639)
596 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:53:57 ID:ZaB9VUUh
よろづ代をちぎりそめつるしるしにはかつがつけふの暮ぞ久しき(千載797)
597 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:54:37 ID:ZaB9VUUh
思ひきや年のつもるは忘られて恋に命の絶えんものとは(千載866)
598 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:55:17 ID:ZaB9VUUh
露の命きえなましかばかくばかりふる白雪をながめましやは(新古1581)
599 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:56:27 ID:ZaB9VUUh
夜もすがら花のにほひを思ひやる心や峰に旅寝しつらん(千載59)
600 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:57:09 ID:ZaB9VUUh
さ夜ふけて砧の音ぞたゆむなる月を見つつや衣うつらん(千載338)
601 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:58:15 ID:ZaB9VUUh
木の葉ちるとばかり聞きてやみなましもらで時雨の山めぐりせば(千載405)
602 :
名無氏物語:2006/12/17(日) 02:59:10 ID:ZaB9VUUh
たとへてもいはむかたなし月影に薄雲かけてふれる白雪(千載450)
603 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 03:39:23 ID:NnXDW4QY
吉野川こほりとけ行く春風にあらはれそむる波の初花(式乾門院御匣[新続古今])
604 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:01:51 ID:0dw1wvvh
雪とのみさそふもおなじ河風に氷りてとまれ花の白波(新続古今162)
605 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:03:05 ID:0dw1wvvh
水無瀬山玉をみがきし跡とめて忘れぬ郷と月やすむらん(新続古今458)
606 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:05:09 ID:0dw1wvvh
今朝は猶ははその色もうす霧のしたにまたるる佐保の山風(新続古今546)
607 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:06:21 ID:0dw1wvvh
かすみつる空こそあらめ草の原おちてもみえぬ夕雲雀かな(新続古今182)
608 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:07:34 ID:0dw1wvvh
しほれふすまがきの霜の下荻や音せし風の秋の故郷(新続古今647)
609 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:08:26 ID:0dw1wvvh
桜花いまやさくらんみ吉野の山も霞みて春雨ぞふる(新後拾遺78)
610 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:17:02 ID:etCv0VnS
いへば世のつねのこととや思ふらん我はたぐひもあらじと思ふに(玉葉1523)
611 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:18:02 ID:etCv0VnS
ひとりねにありし昔のおもほえて猶なき床をもとめつるかな(玉葉2347)
612 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:19:09 ID:etCv0VnS
時すぎて霜に消えにし花なれどけふは昔のここちこそすれ(新古1583)
613 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:19:44 ID:etCv0VnS
遠近の風とぞ今はなりなましかひなき物は我が身なりけり(新続古今1559)
614 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:20:26 ID:etCv0VnS
逢ふことははつかにみえし月影のおぼろけにやはあはれとも思ふ(新古1256)
615 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:21:28 ID:etCv0VnS
山がつの垣ほにおふる撫子に思ひよそへぬ時のまぞなき(拾遺830)
616 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:29:09 ID:3axP2exF
なき人を思ひ出でたる夕暮はうらみしことぞくやしかりける(千載954)
617 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:29:41 ID:3axP2exF
古郷にけふこざりせば時鳥たれと昔を恋ひてなかまし(千載588)
618 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:30:12 ID:3axP2exF
はかなさをうらみもはてじ桜花うき世は誰も心ならねば(千載1053)
619 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:30:54 ID:3axP2exF
木のまもる有明の月のおくらずはひとりや山の峰を出でまし(千載1001)
620 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:31:38 ID:3axP2exF
雪つもる嶺にふぶきやわたるらむ越のみ空にまよふ白雲(千載455)
621 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:32:17 ID:3axP2exF
などやかくさも暮れがたき大空ぞわが待つことはありとしらずや(千載744)
622 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 04:32:49 ID:3axP2exF
いかでわれ人をわすれん忘れゆく人こそかくは恋しかりけれ(風雅1343)
623 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 17:53:22 ID:qMUIY+zV
みそぎせしみゆきの空も心ありてあめのしたこそ今日くもりけれ(玉葉2176)
624 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 17:53:59 ID:qMUIY+zV
空はれし豊のみそぎに思ひしれなほ日の本のくもりなしとは(玉葉2177)
625 :
名無氏物語:2006/12/18(月) 18:05:27 ID:UFWzfIZp
ふりつみしこぞの白雪むら消えてあらはれそむる野べの通路(日野俊光[新続古今])
626 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 15:32:14 ID:9mcouaDr
できればこう・・・その和歌の意味内容やなぜ自分がすきなのかを書いたほうが
より盛り上がるのではないでしょうか・・・
627 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 17:35:36 ID:jo2P04JO
五月雨に池の汀やまさるらん蓮の浮葉をこゆる白波(後鳥羽院[遠島百首])
628 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 17:36:16 ID:jo2P04JO
浦とほく塩みちくらしたちならぶ松の梢にかかる白波(藤原経顕[宝治百首])
629 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 17:37:06 ID:jo2P04JO
立ち返り幾たび袖をぬらすらむよそになるみの沖つ白浪(藤原雅朝[続千載])
630 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 17:42:45 ID:jo2P04JO
立ちかへりつれなき世ぞとしりながら人の思ひにまた歎くかな(良実[続古今])
631 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:07:59 ID:/tvSo4l4
吉野山みねの桜や咲きぬらん麓のさとににほふ春風(忠通[金葉])
632 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:08:49 ID:/tvSo4l4
波のうへは雨にかすみてながめやる沖の白洲に松ぞ残れる(為子[玉葉])
633 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:14:57 ID:lEghVy03
天の川雲のしがらみもれ出でてみどりの瀬々にすめる月かげ(新後拾遺378)
634 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:15:45 ID:lEghVy03
夕汐のさすにはつれし影ながら干潟にのこる秋の夜の月(新後拾遺387)
635 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:16:49 ID:lEghVy03
志賀の浦やよせてかへらぬ浪のまに氷うちとけ春はきにけり(新続古今2)
636 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:19:22 ID:lEghVy03
又むすぶ契りもしらで消えかへる野上の露のしののめの空(新続古今1338)
637 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:20:15 ID:lEghVy03
まさかきの春のみどりの色なれや霞ぞにほふあまのかぐ山(新続古今9)
638 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:21:11 ID:lEghVy03
榊とる卯月きぬらし子規そのかみ山にゆふかけてなく(新続古今246)
639 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:25:25 ID:0G15RfhX
吹く風の音にききつつ桜花目には見えずもすぐる春かな(玉葉1250)
640 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:26:12 ID:0G15RfhX
逢ふことはいつにかあらん明日香河さだめなき世ぞおもひわびぬる(続古今1091)
641 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:27:03 ID:0G15RfhX
思へども猶あやしきは逢ふ事のなかりし昔なに思ひけん(玉葉1455)
642 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:28:20 ID:0G15RfhX
今こんとたのめつつふることのはぞ常磐にみゆる紅葉なりける(新古1247)
643 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:28:50 ID:0G15RfhX
忘るらんことをばいさや知らねども問はぬやそれと問ひしばかりぞ(玉葉1608)
644 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:29:53 ID:0G15RfhX
天の原そこともしらぬ大空におぼつかなさをなげきつるかな(新古1411)
645 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:32:26 ID:yxfzcAWX
さびしさにあはれもいとどまさりけり独りぞ月は見るべかりける(千載993)
646 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:33:44 ID:yxfzcAWX
萩が花ま袖にかけて高円の尾上の宮に領布ふるや誰(新古331)
647 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:34:23 ID:yxfzcAWX
舟出する比良のみなとの朝ごほり棹にくだくる音のさやけさ(続後拾遺474)
648 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:35:03 ID:yxfzcAWX
つらきをも憂きをも夢になしはてて逢ふ夜ばかりをうつつともがな(新勅撰977)
649 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:35:38 ID:yxfzcAWX
なぐさめし月にも果ては音をぞなく恋やむなしき空にみつらん(続古今1141)
650 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:36:16 ID:yxfzcAWX
たらちめやとまりて我を惜しままし代はるに代はる命なりせば(千載602)
651 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:37:21 ID:yxfzcAWX
我がこころ池水にこそ似たりけれ濁りすむことさだめなくして(続後拾遺1315)
652 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:54:43 ID:miPBrjAM
思ひそめしあけぼのよりも桜花心うつろふ夕ばえの色(砂玉集)
653 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:58:40 ID:miPBrjAM
かすめるを月やあらぬとうらむれば我が身一つの涙なりけり(砂玉集)
654 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 18:59:50 ID:miPBrjAM
今よりや伏見の花になれてみん都の春も思ひわすれて(砂玉集)
655 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:00:51 ID:miPBrjAM
根にかへるなごりをみせて木のもとに花の香うすき春のくれがた(砂玉集)
656 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:02:35 ID:miPBrjAM
かすめただおぼろ月夜の別れだにおし明がたの春の名残に(砂玉集)
657 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:03:49 ID:miPBrjAM
あし火たく影は消えゆく浦風にのこるひかりや蛍なるらん(砂玉集)
658 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:05:30 ID:miPBrjAM
秋風やさてもとはまし草の原露の旅寝におもひきえなば(砂玉集)
659 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:06:35 ID:miPBrjAM
明がたはなれもや月をおもひいるみ山に鹿の声かへるなり(砂玉集)
660 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:17:52 ID:rgUIASEp
袖の香を花たちばなに残してもわが昔には思ひ出でもなし(永享百首)
661 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 19:27:52 ID:HR2A+OA9
月影のいたらぬ里はなけれどもながむる人の心にぞすむ(続千載981)
662 :
名無氏物語:2006/12/19(火) 23:01:24 ID:YUKVnhi8
ずるむけチンポしゃぶってみいや。
663 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:35:08 ID:Ee/e4QZR
追風にまかぢしげぬき行く舟のはやくぞ人は遠ざかりぬる(源貞世[新拾遺])
664 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:35:58 ID:Ee/e4QZR
山桜おほふばかりのかひもなし霞の袖は花もたまらず(家隆[道助法親王家五十首])
665 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:37:35 ID:Ee/e4QZR
それながら春は雲井に高さごの霞の上の松のひとしほ(定家[建保百首])
666 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:38:15 ID:Ee/e4QZR
夏衣おりはへてほす川浪をみそぎにそふるせぜのゆふしで(定家[寛喜元年十一月女御入内御屏風和歌])
667 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:43:40 ID:xlwjpe4l
その色とわかぬあはれもふか草や竹のは山の秋の夕ぐれ(新続古今425)
668 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:45:11 ID:xlwjpe4l
やどれ月露わけきつる旅衣たちし都のわすれがたみに(新続古今924)
669 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:46:37 ID:xlwjpe4l
伏見山むかしの跡は名のみしてあれまくをしき代々の古郷(新続古今2007)
670 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:47:13 ID:xlwjpe4l
難波がた塩やく煙立ちそひて霞もなびくうら風ぞふく(新続古今24)
671 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:48:23 ID:xlwjpe4l
言の葉の花橘にしのぶぞよ代々のむかしの風の匂ひを(新続古今281)
672 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:50:44 ID:xlwjpe4l
木の葉のみちりしく頃の山河にくれなゐくぐる鳰の通ひ路(新続古今633)
673 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:54:10 ID:54vuM9ZK
心なき草木の色もしをるらしなべて浮世を秋の嵐に(砂玉集)
674 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:54:49 ID:54vuM9ZK
なが月やすゑ葉の荻もうちしをれあはれをくだく雨のおとかな(砂玉集)
675 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:55:38 ID:54vuM9ZK
冬はまだあさけの空もみし秋の面影ながらうち時雨れける(砂玉集)
676 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:56:22 ID:54vuM9ZK
日影さす木の下しろき朝霜の消えゆくかたは落葉にぞなる(砂玉集)
677 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:57:40 ID:54vuM9ZK
身を秋のちぎりかれゆく道芝をわけこし露ぞ袖にのこれる(砂玉集)
678 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:58:28 ID:54vuM9ZK
いづかたに月はかたみをとどむらん涙をわくる袖の別れに(砂玉集)
679 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:59:10 ID:54vuM9ZK
いづかたにしをれまさると有明に袖のわかれの露をとはばや(砂玉集)
680 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 00:59:50 ID:54vuM9ZK
面影はみし夜のままのうつつにてちぎりはたゆる夢のうき橋(砂玉集)
681 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:15:22 ID:n2X0gSNK
わかるれば心をのみぞつくし櫛さしてあふべきほどをしらねば(拾遺320)
682 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:16:40 ID:n2X0gSNK
秋風になびく草葉の露よりもきえにし人をなににたとへん(拾遺1286)
683 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:17:54 ID:n2X0gSNK
都より雲の八重たつおく山の横河の水はすみよかるらん(新古1718)
684 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:18:56 ID:n2X0gSNK
をしへおくことたがはずは行末の道とほくとも跡はまどはじ(後撰1379)
685 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:19:57 ID:n2X0gSNK
あまといへどいかなるあまの身なればか世ににぬ潮を垂れわたるらん(拾遺1298)
686 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:20:45 ID:n2X0gSNK
よそへつつ見れど露だになぐさまずいかにかすべき撫子の花(新古1494)
687 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:31:59 ID:gee1gfQU
我がためはつらき心の奥の海にいかなる海人のみるめかるらむ(後鳥羽院)
688 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:36:28 ID:EkkxEqHw
今はとてたのむの雁もうちわびぬ朧月夜の明ぼのの空(新古58)
689 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:37:04 ID:EkkxEqHw
思ひたつ鳥はふる巣もたのむらんなれぬる花の跡の夕暮(新古154)
690 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:37:48 ID:EkkxEqHw
散りにけりあはれうらみの誰なれば花の跡とふ春の山風(新古155)
691 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:39:46 ID:EkkxEqHw
暮れてゆく春の湊はしらねども霞におつる宇治の柴舟(新古169)
692 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:41:31 ID:EkkxEqHw
鵜かひ舟高瀬さしこすほどなれや結ぼほれゆくかがり火の影(新古252)
693 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:45:31 ID:EkkxEqHw
尾上より門田にかよふ秋風に稲葉をわたるさを鹿の声(千載325)
694 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 01:47:36 ID:EkkxEqHw
さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮(新古361)
695 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 02:13:06 ID:x780VupT
山もとの軒ばの夕日影さえて袂にちかく落つるかりがね(心敬)
696 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 02:14:50 ID:x780VupT
山もとのあけのそほ舟紅葉ばに色わかれゆく秋のうらかぜ(心敬)
697 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 02:15:53 ID:x780VupT
帯にせる細谷川の朝風にむすぼほれぬる鶯の声(心敬)
698 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 02:16:38 ID:x780VupT
春のはて花の湊や尋ぬともむなしき舟の跡のしらなみ(心敬)
699 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 02:17:33 ID:x780VupT
たなびきて帯をぞ継げる春日のの若紫の衣かりがね(心敬)
700 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 03:33:02 ID:x780VupT
甲斐がねやさ山のともし影白しよこほりふせる鹿やなからん(心敬)
701 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 03:33:42 ID:x780VupT
けさはまだかすまぬ山も昨日より遠きばかりを春の色かな(心敬)
702 :
名無氏物語:2006/12/20(水) 03:34:49 ID:x780VupT
春とだにまだあへぬ色を朝ぼらけとほきばかりにかすむ山かな(心敬)
703 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 03:03:16 ID:Pv1i0+nm
704 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 03:58:34 ID:F8rpy45F
暮れかかる伏見の門田うちなびきほなみをわたるうぢの河舟(京極為教[玉葉])
705 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 03:59:59 ID:F8rpy45F
なきぬべき雲のけしきに待ちなしていまやとたのむ時鳥かな(道潤[玉葉])
706 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:01:04 ID:F8rpy45F
かつきえて庭には跡もなかりけり空にみだるる春のあは雪(後村上院[新葉])
707 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:02:37 ID:F8rpy45F
そことしも麓は見えぬ朝霧に残るもうすき秋の山のは(一条内経[玉葉])
708 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:12:01 ID:jGaiOREI
白妙の真砂のうへにふりそめて思ひしよりも積もる雪かな(新続古今686)
709 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:12:56 ID:jGaiOREI
昔だに昔といひし宇津の山こえてぞしのぶ蔦の下道(新続古今952)
710 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:14:44 ID:jGaiOREI
見るままに鐘のね遠くなりにけり雲もかさなる峰の古寺(新続古今2013)
711 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:15:51 ID:jGaiOREI
鳥はいまねぐらをしむる梢にも花はとまらぬ春風ぞ吹く(新続古今168)
712 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:16:41 ID:jGaiOREI
月もなほ残るみぎりの朝きよめ夏さへ霜をはらふとぞみる(新続古今311)
713 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:17:52 ID:jGaiOREI
ふけにけりおきそふ露も玉だれのこすのおほ野の夜はの月かげ(新続古今472)
714 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:25:20 ID:kBdaPtHQ
わくらばにあまの川波よるながら明くる空にはまかせずもがな(新古325)
715 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:27:52 ID:kBdaPtHQ
かくれぬにおふるあやめのうきねして果はつれなくなる心かな(後拾遺871)
716 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:30:11 ID:kBdaPtHQ
かつ見つつ影はなれゆく水のおもにかく数ならぬ身をいかにせん(拾遺879)
717 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:31:34 ID:kBdaPtHQ
なれゆくはうき世なればやすまのあまの塩やき衣まどほなるらん(新古1210)
718 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:32:09 ID:kBdaPtHQ
かすむらん程をもしらずしぐれつつすぎにし秋の紅葉をぞみる(新古1246)
719 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:33:30 ID:kBdaPtHQ
なげくらむ心を空に見てしがな立つあさ霧に身をやなさまし(新古1412)
720 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:49:05 ID:O8XhtGnU
月はなほもらぬ木の間も住吉の松をつくして秋風ぞふく(新古396)
721 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:50:31 ID:O8XhtGnU
野分せし小野の草ぶしあれはててみ山に深きさを鹿の声(新古439)
722 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:52:09 ID:O8XhtGnU
物思ふ袖より露やならひけむ秋風吹けばたへぬものとは(新古469)
723 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:53:28 ID:O8XhtGnU
ひとめ見し野辺のけしきはうら枯れて露のよすがにやどる月かな(新古488)
724 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:54:09 ID:O8XhtGnU
むら雨の露もまだひぬ槙の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮(新古491)
725 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:54:58 ID:O8XhtGnU
野辺はみな思ひしよりもうら枯れて雲間にほそき有明の月(新拾遺445)
726 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 04:55:37 ID:O8XhtGnU
かささぎの雲のかけはし秋くれて夜半はには霜やさえわたるらん(新古522)
727 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 05:19:03 ID:pyMbgHBL
あらたまの年もかはらでたつ春は霞ばかりぞ空にしりける(新勅撰1)
728 :
名無氏物語:2006/12/21(木) 05:19:56 ID:pyMbgHBL
わかの浦あし辺のたづのなくこゑに夜わたる月のかげぞひさしき(新勅撰271)
729 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 02:59:41 ID:Kg+bhwoZ
雲かかるかづらき山に降りそめてよそにつもらぬけさの白雪(近衛道嗣[新拾遺])
730 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:01:36 ID:Kg+bhwoZ
暮れかかる山の下道わけ行けば雲こそかへれあふ人はなし(尊円[新続古今])
731 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:04:29 ID:Kg+bhwoZ
(西園寺寝覚にもさすが驚く暁を思ひしらずと鳥や鳴くらむ前内大臣女[新後拾遺])
732 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:17:04 ID:mC5boS9i
おのがねにつらき別れはありとだに思ひもしらで鳥やなくらむ(新勅撰794)
733 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:20:19 ID:mC5boS9i
暁のゆふつけ鳥もしら露のおきてかなしきためしにぞなく(新勅撰806)
734 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:26:37 ID:izjeOLVn
ふる程もあさぢにまじりさく花のなびくとぞみる今朝の初雪(新続古今688)
735 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:28:00 ID:izjeOLVn
草枕わが故郷のほかにまたとほつ飛鳥のみやこ恋しも(新続古今962)
736 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:32:35 ID:izjeOLVn
なほまもれ和歌の浦波かかる世にあへるや道の神もうれしき(新続古今2138)
737 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:34:21 ID:izjeOLVn
のどかなる日影とともに軒ちかき梢にうつる鶯のこゑ(新続古今44)
738 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:35:36 ID:izjeOLVn
夕立の雲の衣はかさねても空に涼しき風のおとかな(新続古今321)
739 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 03:36:23 ID:izjeOLVn
おなじくは思ふ心のおくの海を人にしらせでしづみはてなん(新続古今1383)
740 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:14:19 ID:Y2SdkQcI
こち風になびきもはてぬあま舟の身をうらみつつこがれてぞふる(玉葉1492)
741 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:15:33 ID:Y2SdkQcI
ささがにのいとはるかなる雲ゐにもたえん中とは思ひやはせし(玉葉1818)
742 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:16:35 ID:Y2SdkQcI
かれはつる浅茅がうへの霜よりもけぬべきほどを今かとぞまつ(後拾遺901)
743 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:17:22 ID:Y2SdkQcI
我ならでまたうち払ふ人もなきよもぎが原をながめてぞふる(玉葉2249)
744 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:18:05 ID:Y2SdkQcI
袖にさへ秋の夕べはしられけりきえし浅茅が露をかけつつ(新古778)
745 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:19:39 ID:Y2SdkQcI
琴のねに峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけん(拾遺451)
746 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:24:39 ID:PrTUqIHN
たえだえに里わく月の光かな時雨をおくる夜はのむら雲(新古599)
747 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:25:37 ID:PrTUqIHN
ふりそむる今朝だに人の待たれつるみ山の里の雪の夕暮(新古663)
748 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:26:27 ID:PrTUqIHN
老のなみこえける身こそあはれなれことしも今は末の松山(新古705)
749 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:27:17 ID:PrTUqIHN
思ひあれば袖に蛍をつつみても言はばや物をとふ人はなし(新古1032)
750 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:27:59 ID:PrTUqIHN
ありとても逢はぬためしの名取川くちだにはてね瀬々の埋れ木(新古1118)
751 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:28:42 ID:PrTUqIHN
うらみわび待たじ今はの身なれども思ひなれにし夕暮の空(新古1302)
752 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 04:32:05 ID:PrTUqIHN
里はあれぬ空しき床のあたりまで身はならはしの秋風ぞふく(新古1312)
753 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 17:13:31 ID:ElfoVO1N
手枕のすきまの風もさむかりき身はならはしの物にぞありける(読人不知「拾遺集」)
754 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 17:46:26 ID:SsWNqCC7
影さむみかさねて袖におく霜のしろたへ衣月にうつなり(永享百首)
755 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 18:00:15 ID:eHsxLM3x
明けわたる入江の波もしづかにて荻の末葉に残る浦風(為定[藤川百首])
756 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 18:00:57 ID:eHsxLM3x
朝あけの窓吹く風はさむけれど春にはあれや梅の香ぞする(源親子[玉葉])
757 :
名無氏物語:2006/12/22(金) 23:05:19 ID:tsDFk1R1
風通ふ
寝覚めの袖の
春の香に
かをる枕の
春の夜の夢
(小野小町
758 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:46:17 ID:CMUC4M8N
八雲立つ出雲八重垣けふまでも昔の跡は隔てざりけり(九条良経[続古今])
759 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:47:31 ID:CMUC4M8N
八雲立つ出雲八重垣かきつけて昔語りを見るぞ畏き(後嵯峨院[新後拾遺])
760 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:48:41 ID:CMUC4M8N
難波津に冬ごもりせし花なれや平野の松にふれる白雪(藤原家隆[続古今])
761 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:49:22 ID:CMUC4M8N
難波津に咲くやむかしの梅の花今も春なるうら風ぞ吹く(九条良経[新勅撰])
762 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:56:45 ID:ZBu0CUOj
神垣にぬさと散りかふ紅葉かなしめをもこえて秋や行くらん(新続古今604)
763 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:57:40 ID:ZBu0CUOj
けさよりは袂もうすく立ちかへて花の香とほき夏ごろもかな(新続古今221)
764 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:58:18 ID:ZBu0CUOj
月も今み山出づらしほととぎすふけゆく空に声のきこゆる(新続古今256)
765 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 03:59:26 ID:ZBu0CUOj
ぬれつつもとふべき人の心かはそをだにくもれむら雨の空(新続古今1233)
766 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:03:11 ID:ZBu0CUOj
霜こほる竹の葉わけに月さえて庭しづかなる冬のさ夜中(風雅762)
767 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:03:41 ID:ZBu0CUOj
物おもふと我だにしらぬこの頃のあやしく常はながめがちなる(風雅965)
768 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:09:34 ID:bi3fOMa4
よそながらたつ秋霧は何なれや野辺に袂はわかれぬものを(続古今834)
769 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:10:09 ID:bi3fOMa4
世にふればまたも越えけり鈴鹿山むかしの今になるにやあるらん(拾遺495)
770 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:10:44 ID:bi3fOMa4
秋もくれ都もとほくなりしより空の時雨ぞひまなかりける(続古今900)
771 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:11:15 ID:bi3fOMa4
夢のごとおぼめかれゆく世の中にいつとはんとか音づれもせぬ(後拾遺879)
772 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:12:07 ID:bi3fOMa4
大空に風まつほどの蜘蛛のいの心ぼそさを思ひやらなん(後拾遺1002)
773 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:12:43 ID:bi3fOMa4
わが宿はそこともなにかをしふべきいはでこそ見め尋ねけりやと(新古1006)
774 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:18:04 ID:GrvuozzI
涙川身もうきぬべき寝覚かなはかなき夢の名残ばかりに(新古1386)
775 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:18:56 ID:GrvuozzI
契りきなまた忘れずよ初瀬川ふる河のべの二もとの杉(続後撰898)
776 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:19:35 ID:GrvuozzI
高砂の松も昔になりぬべしなほ行末は秋の夜の月(新古740)
777 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:20:11 ID:GrvuozzI
尋ねきていかにあはれとながむらん跡なき山の嶺のしら雲(新古836)
778 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:20:55 ID:GrvuozzI
岩根ふみ峰の椎柴をりしきて雲に宿かるゆふ暮の空(千載544)
779 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:21:38 ID:GrvuozzI
さびしさに憂き世をかへて忍ばずはひとり聞くべき松の風かは(千載1138)
780 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 04:22:11 ID:GrvuozzI
立ち出でてつま木折り来し片岡のふかき山路となりにけるかな(新古1634)
781 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 15:59:23 ID:T4/QjA2B
梅がえを吹きくる風の末なれや物なつかしき春のあけぼの(正治初度百首)
782 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 16:00:49 ID:T4/QjA2B
今はわが住家とすべき吉野山花ゆゑにこそ入りはじめけれ(正治初度百首)
783 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:25:14 ID:sPahzeQO
難波江や冬ごもりせし梅が香のよもにみちくる春の汐風(藤原為家[続千載])
784 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:26:33 ID:sPahzeQO
難波津の昔の風はことなれど我が世春べとさくや梅がえ(後宇多院[新千載])
785 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:27:11 ID:sPahzeQO
見渡せば村の朝けぞ霞みゆく民のかまども春にあふ比(後鳥羽院[玉葉])
786 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:28:05 ID:sPahzeQO
高き屋に治まれる世を空にみて民のかまども煙立つなり(藤原雅経[続後撰])
787 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:36:53 ID:oyiw02nq
おしなべて霞みにけりな海山もみなわが国と春やたつらん
788 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:38:13 ID:oyiw02nq
春来てはまづ咲く花の都ぞと思ひなしにも空ぞのどけき
789 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:41:33 ID:oyiw02nq
風やしるいづくにさける梅ならんただ香ばかりの春のよの闇
790 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:43:00 ID:oyiw02nq
天の原春のみどりの色にすむ月の光はかすむともなし
791 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:45:17 ID:oyiw02nq
霞み行く光ぞうつる春の夜の月のかつらの花染の袖
792 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 00:47:48 ID:oyiw02nq
春の夜にくもると見つつまどろめば夢ぢかすめる在明の月
793 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:38:46 ID:AcoVzrRi
世の中を思ふもくるし思はじとおもふも身には思ひなりけり(玉葉2545)
794 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:41:10 ID:AcoVzrRi
山吹の花のさかりに井手にきてこの里人になりぬべきかな(拾遺69)
795 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:42:58 ID:AcoVzrRi
わが宿のそともにたてる楢の葉のしげみにすずむ夏はきにけり(新古250)
796 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:43:47 ID:AcoVzrRi
あさぢはら玉まく葛のうら風のうらがなしかる秋はきにけり(後拾遺236)
797 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:44:42 ID:AcoVzrRi
やへむぐらしげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋はきにけり(拾遺140)
798 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:45:40 ID:AcoVzrRi
すだきけん昔の人もなき宿にただ影するは秋の夜の月(後拾遺253)
799 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:51:17 ID:sMK/g5zJ
難波江にさくやこの花白妙の秋なき浪をてらす月かげ(藤原定家)
800 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:51:54 ID:sMK/g5zJ
難波津にさくやこの花朝霞春たつ波にかをる春風(後鳥羽院)
801 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:52:33 ID:sMK/g5zJ
時ならぬうつ木垣根の冬籠さくや此花雪とみえつつ(宗良親王)
802 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:54:10 ID:sMK/g5zJ
難波津のむかしをかけて匂ふなりあれにし里に咲くや此花(後崇光院)
803 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:54:51 ID:sMK/g5zJ
民の戸のけぶりを見てもなには人なみになこひそさくや此花(正徹)
804 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 02:59:35 ID:U+mgX1P/
世の中の憂きは今こそうれしけれ思ひ知らずはいとはましやは(千載1146)
805 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 03:00:27 ID:U+mgX1P/
数ならぬ身はなき物になしはてつ誰がためにかは世をも恨みん(新古1838)
806 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 03:01:25 ID:U+mgX1P/
紫の雲路にさそふ琴の音にうき世をはらふ嶺の松風(新古1937)
807 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 03:03:13 ID:U+mgX1P/
これや此のうき世のほかの春ならん花のとぼその明ぼのの空(新古1938)
808 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 03:04:06 ID:U+mgX1P/
わび人の宿にはうゑじ桜花ちればなげきの数つもりけり(続後撰121)
809 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 03:05:07 ID:U+mgX1P/
時雨ゆくをちの外山の峰つづきうつりもあへず雲がくるらん(千載409)
810 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 03:06:51 ID:U+mgX1P/
きく人もなくて時雨や過ぎぬらんかり田の庵に雲ぞかかれる(新続古今1765)
811 :
名無氏物語:2006/12/24(日) 21:50:51 ID:o2BQu553
難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花(古今集仮名序)
812 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:20:43 ID:YumMxb3g
足曳の山田の早苗とりどりに民のしわざはにぎはひにけり(後嵯峨院[続後拾遺])
813 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:21:20 ID:YumMxb3g
今も猶民のかまどの煙までまもりやすらん我が国のため(後宇多院[新千載])
814 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:22:54 ID:YumMxb3g
別れにし人は来べくもあらなくにいかに振舞ふ細蟹ぞこは(源師房女[後拾遺])
815 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:24:15 ID:YumMxb3g
ささがにのくものふるまひ哀れなり是も心の条はみえつつ(後嵯峨院[玉葉])
816 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:52:15 ID:rEEpT36S
いくさとの花鳥の音もかすむ日の光のうちに籠る春かな
817 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:52:48 ID:rEEpT36S
夕まぐれ野がひの牛は歩みきてかすめる道に逢ふ人もなし
818 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:54:08 ID:rEEpT36S
山おろし初瀬の霞吹きまよひこもりもはてぬ花の色々
819 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:54:49 ID:rEEpT36S
しら雲の八重山遠く匂ふなり逢ふをかぎりの花の春風
820 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:57:43 ID:rEEpT36S
おくれ猶まだ花の香もとどまらぬ山路暮れ行く袖の月影
821 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 00:58:54 ID:rEEpT36S
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな
822 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:06:13 ID:txM+kwdz
月のいる山のあなたの里人とこよひばかりは身をやなさまし(続千載518)
823 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:07:18 ID:txM+kwdz
あまの原空さへさえやわたるらん氷と見ゆる冬の夜の月(拾遺242)
824 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:08:23 ID:txM+kwdz
わぎもこが旅寝の衣うすき程よきてふかなん夜はの山風(新古921)
825 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:10:44 ID:txM+kwdz
春をあさみ旅の枕にむすぶべき草葉もわかきころにもあるかな(新続古今921)
826 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:12:31 ID:txM+kwdz
苔の庵さしてきつれど君まさでかへるみ山の道のつゆけさ(新古1630)
827 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:14:31 ID:txM+kwdz
一巻にちぢのこがねをこめたれば人こそなけれ声はのこれり(後拾遺1084)
828 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:45:32 ID:4DmLgGCM
散るもののさりとてたえぬながめかな春いくかへり咲くやこの花(細川幽斎)
829 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:46:27 ID:4DmLgGCM
蘆がきのまぢかき春の隣より雪にまじりて咲くや此花(後西院)
830 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:47:47 ID:4DmLgGCM
桜さへ今はさかせて難波人梅が香そふる冬ごもりかな(加納諸平)
831 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:49:07 ID:4DmLgGCM
うれしくも年のはじめのけふの日の名におひいでてさくやこの花(大隈言道)
832 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:50:03 ID:4DmLgGCM
難波津に咲く木の花の道ながら葎繁りき君が行くまで(与謝野晶子)
833 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:56:04 ID:qyw0lGf9
恋しさを憂き身なりとてつつみしはいつまでありし心なるらん(千載681)
834 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:57:08 ID:qyw0lGf9
恋しとも又つらしとも思ひやる心いづれか先にたつらん(千載735)
835 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 01:58:32 ID:qyw0lGf9
今はただ生けらぬものに身をなして生まれぬのちの世にもふるかな(千載1088)
836 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 02:01:38 ID:qyw0lGf9
桜花うき身にかふるためしあらば生きて散るをば惜しまざらまし(千載92)
837 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 02:02:09 ID:qyw0lGf9
いましばし空だのめにもなぐさめて思ひ絶えぬる宵の玉づさ(千載777)
838 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 02:04:13 ID:qyw0lGf9
あひみしは昔がたりのうつつにてそのかねごとを夢になせとや(新古1299)
839 :
名無氏物語:2006/12/25(月) 02:05:56 ID:qyw0lGf9
死ぬとても心をわくるものならば君にのこしてなほや恋ひまし(千載903)
840 :
名無氏物語:2006/12/27(水) 22:40:01 ID:Qz4dtMUA
今更にくべき宵とも頼まれず契り絶えにしささがにの糸(津守棟国[続千載])
841 :
名無氏物語:2006/12/27(水) 22:44:33 ID:Qz4dtMUA
頼めても来る宵かたきささがにの糸の乱れて物をこそ思へ(正親町実明女[新千載])
842 :
名無氏物語:2006/12/27(水) 22:45:40 ID:Qz4dtMUA
ささがにの雲のはたての郭公くべき宵とや空に待つらん(三条実重[新後拾遺])
843 :
名無氏物語:2006/12/27(水) 22:47:08 ID:Qz4dtMUA
ささがにの蛛のふるまひ兼ねてよりしるしも見えば猶や頼まん(後光厳院[新後拾遺])
844 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 00:54:01 ID:wE1mc3iN
とこしへに 君も遇へやも いさなとり 海の浜藻の 寄る時々を(日本書紀)
845 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 01:34:03 ID:aAhxXY1p
吉野川いはなみたかく行く水のはやくぞ人を思ひそめてし(貫之[古今])
846 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 01:36:40 ID:aAhxXY1p
時々の花は咲けども何すれそ母とふ花の咲き出来ずけむ(丈部真麻呂[万葉])
847 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 01:44:45 ID:uUjrSOSQ
きぎす鳴くすだ野に君がくちすゑて朝踏ますらむいざ行きてみむ(源俊頼)
848 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 01:46:12 ID:uUjrSOSQ
朝狩りにいまたつらしも 拠点いくつふかい朝から狩りいだすべく(岡井隆)
849 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 01:47:01 ID:uUjrSOSQ
ひるがへりひるがへしゆく歌ありて来む世も風の朝踏ますらむ(山中智恵子)
850 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:03:46 ID:OGcUJ8K6
高ねこす木のまの夕日影消えて桜にかへる花の色かな
851 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:04:34 ID:OGcUJ8K6
まぎるべき風さへふかで散りかかる花の音きく窓のうちかな
852 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:05:26 ID:OGcUJ8K6
咲けばちる夜のまの花の夢のうちにやがてまぎれぬ嶺の白雲
853 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:06:40 ID:OGcUJ8K6
さくら花ちりかひかくす高ねより嵐をこえていづる月かげ
854 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:07:36 ID:OGcUJ8K6
山ざくら苔の莚にちりぞしく夢はふたたびかへる枕を
855 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:08:24 ID:OGcUJ8K6
つれなくて有明過ぎぬ郭公この三か月にきえし一こゑ
856 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:13:19 ID:yChmPBjY
いにしへを思ひやりてぞ恋ひわたる荒れたる宿の苔の石橋(新古1685)
857 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:14:25 ID:yChmPBjY
冬の夜にいくたびばかりねざめして物思ふ宿のひま白むらん(後拾遺392)
858 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:15:24 ID:yChmPBjY
都いづる今朝ばかりだにはつかにも逢ひ見て人を別れましかば(後拾遺464)
859 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:17:19 ID:yChmPBjY
都のみかへりみられて東路を駒の心にまかせてぞゆく(後拾遺508)
860 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:18:11 ID:yChmPBjY
このごろはねでのみぞまつ時鳥しばし都の物がたりせよ(後拾遺186)
861 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:19:39 ID:yChmPBjY
いとどしくなげかしき世を神な月旅の空にもふる時雨かな(新続古今929)
862 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:28:01 ID:zfcelwjK
世にしらぬ秋の別れにうちそへて人やりならず物ぞかなしき(千載949)
863 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:29:01 ID:zfcelwjK
ちりつもる苔の下にも桜花をしむ心やなほのこるらん(千載1155)
864 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:30:26 ID:zfcelwjK
朝ごとに汀の氷ふみわけて君につかふる道ぞかしこき(新古1578)
865 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:32:28 ID:zfcelwjK
さざ浪や志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな(千載66)
866 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:33:37 ID:zfcelwjK
恋ひ死なん後の世までの思ひ出はしのぶ心のかよふばかりか(新拾遺945)
867 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:34:28 ID:zfcelwjK
たのめつつ来ぬ夜つもりのうらみてもまつより外のなぐさめぞなき(新勅撰852)
868 :
名無氏物語:2006/12/28(木) 02:36:56 ID:zfcelwjK
我のみやいふべかりける別れ路は行くもとまるもおなじ思ひを(玉葉1116)
869 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:01:06 ID:O3HLOUAC
狩人の朝踏む小野の草わかみかくろへかねてきぎす鳴くなり(俊恵[風雅])
870 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:03:55 ID:O3HLOUAC
みわ山をしかもかくすか春霞人にしられぬ花やさくらむ(紀貫之[古今])
871 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:04:39 ID:O3HLOUAC
寝られずや妻を恋ふらん標野ゆき紫野ゆき鹿ぞ鳴くなる(後嵯峨院[続古今])
872 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:05:23 ID:O3HLOUAC
たそかれに物思ひをれば我が宿の荻の葉そよぎ秋風ぞ吹く(源実朝[玉葉])
873 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:06:25 ID:O3HLOUAC
入日さすとよはた雲に分きかねつたかまの山の嶺の紅葉ば(崇徳院[新拾遺])
874 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:07:08 ID:O3HLOUAC
はては又とよはた雲の跡もなしこよひの月の秋のうらかぜ(津守国冬[続千載])
875 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:08:12 ID:O3HLOUAC
入日さす塩瀬もとほしわたつ海やとよはた雲の末のしら波(藤原経宣[新千載])
876 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:09:12 ID:O3HLOUAC
待つ人は今夜もいさや入日さすとよはた雲の夕ぐれの空(大江忠幸[新拾遺])
877 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:56:59 ID:W7utimZv
薩摩潟おきの小島に我ありと親にはつげよ八重のしほ風(千載542)
878 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:57:40 ID:W7utimZv
思ひやれしばしとおもふ旅だにも猶ふるさとは恋しきものを(玉葉1140)
879 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 08:58:22 ID:W7utimZv
ながれての名だにもとまれゆく水のあはれはかなき身はきえぬとも(新勅撰1194)
880 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:49:37 ID:fmCFZoLO
光もて卯月の月のしらがさねかさねようすし夜はのさ衣
881 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:50:19 ID:fmCFZoLO
涼しさはま清水あさみさざれ石もながるる月の有明のこゑ
882 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:51:16 ID:fmCFZoLO
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに
883 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:51:56 ID:fmCFZoLO
小百合葉のしられぬし水くみたえて野中の草を結ぶ山風
884 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:52:27 ID:fmCFZoLO
風さそふ花橘をそらにしておほふも雲の袖の香やせん
885 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:53:02 ID:fmCFZoLO
樗さく雲一村のきえしよりむらさき野ゆく風ぞ色こき
886 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:57:46 ID:oQ1MiYQL
浦風にわが苔衣ほしわびて身にふりつもる夜はの雪かな(新千載1833)
887 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:58:26 ID:oQ1MiYQL
我をとふ人こそなけれ昔みし都の月はおもひいづらん(玉葉2508)
888 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 22:59:23 ID:oQ1MiYQL
身をつめばあはれとぞきく時鳥よをへていかに思へばかなく(玉葉1930)
889 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:00:23 ID:oQ1MiYQL
神な月時雨ばかりを身にそへてしらぬ山ぢに入るぞかなしき(後撰453)
890 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:00:56 ID:oQ1MiYQL
身はとめつ心はおくる山ざくら風のたよりに思ひおこせよ(新古1472)
891 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:01:37 ID:oQ1MiYQL
夏衣まだひとへなるうたたねに心してふけ秋のはつ風(拾遺137)
892 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:20:34 ID:vR8Ckdof
風さゆるとしまが磯のむら千鳥たちゐは波の心なりけり(新古651)
893 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:21:10 ID:vR8Ckdof
思ひ出づるそのなぐさめもありなまし逢ひ見て後のつらさなりせば(千載701)
894 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:21:46 ID:vR8Ckdof
をしへおく形見をふかくしのばなん身は青海の浪にながれぬ(千載494)
895 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:22:43 ID:vR8Ckdof
ながらへば我が世の春の思ひいでにかたるばかりの花桜かな(続古今1516)
896 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:23:46 ID:vR8Ckdof
心をぞつくし果てつるほととぎすほのめく宵のむら雨の空(千載167)
897 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:25:22 ID:vR8Ckdof
八百日ゆく浜のまさごを敷きかへて玉になしつる秋の夜の月(千載292)
898 :
名無氏物語:2006/12/29(金) 23:28:16 ID:vR8Ckdof
あすか川瀬々に波よる紅やかづらき山の木がらしの風(新古542)
899 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 00:26:21 ID:ERKiATdh
秋の田の庵に葺ける苫を荒みもりくる露のいやは寝らるる(和泉式部[続後撰])
900 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 00:27:28 ID:ERKiATdh
草の庵なに露けしと思ひけむもらぬ岩屋も袖はぬれけり(行尊[金葉])
901 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 00:28:12 ID:ERKiATdh
秋の田に庵さすしづの苫をあらみ月と友にや守りあかすらん(藤原顕輔[新古今])
902 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 00:28:56 ID:ERKiATdh
ひとりのみ木の丸殿にあらませば名のらで闇に迷はましやは(藤原実方[後拾遺])
903 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:08:22 ID:g1PXzEgS
五月雨はむら雲いでてくらき夜の北にながるる星のかげかな
904 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:09:06 ID:g1PXzEgS
吹きしをり野分をならす夕立の風の上なる雲よ木の葉よ
905 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:10:02 ID:g1PXzEgS
草も木もぬれて色こき山なれや見しより近き夕立のあと
906 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:10:41 ID:g1PXzEgS
山づたひ夕立うつる風さきに木の葉も鳥もふかれてぞ行く
907 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:12:11 ID:g1PXzEgS
時のまに明くるは五月さまざまに見えてのこらぬ夢は秋の夜
908 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:12:54 ID:g1PXzEgS
学びえよこひねがはしきみな月の風のすがたを大和ことのは
909 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:16:27 ID:+XZ70WtO
あまくだるあら人神のあひおひを思へば久し住吉の松(拾遺589)
910 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:17:18 ID:+XZ70WtO
世をそむく山のみなみの松風に苔の衣や夜さむなるらん(新古1663)
911 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:18:22 ID:+XZ70WtO
今はとて世をのがれけん程よりも思ひこそやれ木の葉ちる比(続後拾遺1045)
912 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:19:01 ID:+XZ70WtO
ももとせの秋のあらしはすぐしきぬいづれの暮の露ときえなん(新古1570)
913 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:20:04 ID:+XZ70WtO
大空の雨はわきてもそそがねどうるふ草木はおのがさまざま(千載1250)
914 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:21:04 ID:+XZ70WtO
我だにもまづ極楽にむまれなばしるもしらぬも皆むかへてん(新古1925)
915 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:25:21 ID:WWWvIZmS
はつ雪のふるの神杉うづもれてしめゆふ野べは冬ごもりせり(新古660)
916 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:26:19 ID:WWWvIZmS
宮木ひく杣山人は跡もなし檜原杉はら雪ふかくして(新勅撰412)
917 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:27:28 ID:WWWvIZmS
つれなきを猶さりともとなぐさむる我が心こそ命なりけれ(続古今1067)
918 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:28:53 ID:WWWvIZmS
紀の国やゆらのみなとににひろふてふたまさかにだに逢ひみてしがな(新古1075)
919 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:29:55 ID:WWWvIZmS
なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふ沖つ白波(新古35)
920 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:30:49 ID:WWWvIZmS
はかなさをほかにもいはじ桜花さきては散りぬあはれ世の中(新古141)
921 :
名無氏物語:2006/12/30(土) 01:31:27 ID:WWWvIZmS
ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞのこれる(千載161)
922 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:05:37 ID:TWV4ilou
名のりせば人知りぬべし名のらずは木の丸殿をいかで過ぎまし(赤染衛門[後拾遺])
923 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:06:08 ID:TWV4ilou
さ夜ふかみ山時鳥なのりして木のまろ殿を今ぞすぐなる(藤原公行[新勅撰])
924 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:08:53 ID:TWV4ilou
白妙にゆふかけてけり榊葉に桜さきそふ天のかぐ山(藤原俊成[続拾遺])
925 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:09:30 ID:TWV4ilou
名に高き天のかぐ山けふしこそ雲ゐにかすめ春やきぬらん(藤原定家[続古今])
926 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:27:48 ID:G+LEo74M
沖つ風西ふく浪ぞ音かはる海の宮古も秋やたつらん
927 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:29:09 ID:G+LEo74M
友ぞなき四十余のこの山に初風なれし秋もわすれず
928 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:31:05 ID:G+LEo74M
みるままにむなしき空の秋の風さはる声なき雲ぞ身にしむ
929 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:32:06 ID:G+LEo74M
秋草の露とこたふる風もなしただしら玉をみがく月かげ
930 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:37:01 ID:G+LEo74M
露霜にあへずかれ行く秋草の糸よりよわき虫のこゑかな
931 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:37:51 ID:G+LEo74M
夕暮はそれしもかなし秋の色のかくれかねたる山のうす霧
932 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:52:42 ID:Ct+3r2uy
君すまばとはましものを津の国のいくたの森の秋のはつ風(詞花83)
933 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:53:25 ID:Ct+3r2uy
ふたつなき心を君にとどめおきて我さへわれに別れぬるかな(詞花182)
934 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:54:02 ID:Ct+3r2uy
心ざしふかきみぎはにかる菰は千とせの五月いつかわすれん(拾遺1172)
935 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:55:11 ID:Ct+3r2uy
思ひつつ恋ひつつはねじあふとみる夢はさめてはわびしかりけり(玉葉1592)
936 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:56:37 ID:Ct+3r2uy
とどまらぬ心ぞみえんかへる雁花のさかりを人にかたるな(後拾遺70)
937 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 01:57:28 ID:Ct+3r2uy
思ひやりあまの河原をながむればたえまがちなる雲ぞわたれる(玉葉471)
938 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:00:12 ID:Yey9P+p+
いつもきく麓の里とおもへども昨日にかはる山おろしの風(新古288)
939 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:00:55 ID:Yey9P+p+
住吉の松のうれよりひびき来て遠里小野に秋風ぞふく(続後撰267
940 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:02:50 ID:Yey9P+p+
夕されば荻の葉むけを吹く風にことぞともなく涙おちけり(新古304)
941 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:03:56 ID:Yey9P+p+
夕なぎに門渡る千鳥波間より見ゆる小島の雲に消えぬる(新古645)
942 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:05:24 ID:Yey9P+p+
今ぞきく心は跡もなかりけり雪かきわけて思ひやれども(新古665)
943 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:06:24 ID:Yey9P+p+
さめてのち夢なりけりと思ふにもあふは名残のをしくやはあらぬ(新古1125)
944 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 02:07:33 ID:Yey9P+p+
うき人の月はなにぞのゆかりぞと思ひながらもうちながめつつ(新古1266)
945 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 22:14:09 ID:5uMAgvuk
山藤の花序の昏れゆく車窓にぞ師のみいのちは天垂らしたり(山中智恵子)
946 :
名無氏物語:2006/12/31(日) 22:14:47 ID:5uMAgvuk
その問ひを負へよ夕日は降ちゆき幻日のごと青旗なびく(山中智恵子)
947 :
名無氏物語:2007/01/01(月) 00:13:58 ID:Q8hMYjfF
月も見よ旅にしあれば椎の葉にもるいひしらぬ宿にかりねて(上冷泉為広)
948 :
名無氏物語:2007/01/01(月) 00:14:47 ID:Q8hMYjfF
椎の葉にかれ飯もるとやすらへば山風そへて雨こぼれ来ぬ(加納諸平)
949 :
名無氏物語:2007/01/01(月) 00:16:48 ID:Q8hMYjfF
磐代の岸の松が枝結びけむ人は還りてまた見けむかも(長意吉麻呂)
950 :
名無氏物語:2007/01/01(月) 00:17:27 ID:Q8hMYjfF
磐代の野中に立てる結び松心も解けずいにしへ思ほゆ(長意吉麻呂)
951 :
名無氏物語:2007/01/01(月) 00:18:09 ID:Q8hMYjfF
鳥翔成あり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ(山上憶良)
952 :
名無氏物語:2007/01/01(月) 00:21:01 ID:Q8hMYjfF
橘の木の丸殿にかをる香はとはぬに名乗るものにぞありける(源俊頼)
953 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 03:43:38 ID:0YeuMd7I
春霞しのに衣をおりかけていくかほすらん天のかご山(藤原良経[続後撰])
954 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 03:48:16 ID:0YeuMd7I
白妙の衣ふきほす木枯しのやがて時雨るる天のかぐ山(藤原雅経[続古今])
955 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 03:51:13 ID:0YeuMd7I
朝あけの霞の衣ほしそめて春たちなるる天のかぐ山(土御門院[続古今])
956 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 03:59:48 ID:5+g0y7V2
うしとてもよもいとはれじわが身世にあらむ限の秋の夕暮
957 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:00:42 ID:5+g0y7V2
うかびきぬうきを心にかさぬれば去年の夕の秋の面かげ
958 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:02:02 ID:5+g0y7V2
身のうさも今いくほどとなぐさめて思ひすつれば秋の夕ぐれ
959 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:02:35 ID:5+g0y7V2
さそふともいなばにさむき初霜よからずは何の夢の秋かぜ
960 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:03:29 ID:5+g0y7V2
友ぞなきさらむ此世も生れしもよしや独と月をのみみて
961 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:03:59 ID:5+g0y7V2
すみのぼる心にすめる月をみて月をわするる秋のさ夜中
962 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:04:47 ID:5+g0y7V2
にほの海の霧ふきたつる程ばかり月に見えたる秋のしほかぜ
963 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:12:47 ID:TN4sP0nP
ねざめして誰かきくらん此のごろの木の葉にかかる夜半のしぐれを(千載402)
964 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:13:19 ID:TN4sP0nP
ちはやぶる賀茂のやしろの神もきけ君わすれずは我もわすれじ(千載909)
965 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:14:55 ID:TN4sP0nP
あふことはこれやかぎりの旅ならむ草の枕も霜がれにけり(新古1209)
966 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:16:28 ID:TN4sP0nP
こよひ君いかなる里の月を見て都にたれを思ひいづらむ(拾遺792)
967 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:17:08 ID:TN4sP0nP
かきくもれしぐるとならば神な月心そらなる人やとまると(後拾遺938)
968 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:17:55 ID:TN4sP0nP
くもでさへかき絶えにけるささがにの命をいまは何にかけまし(後拾遺769)
969 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:19:13 ID:TN4sP0nP
玉くしげ身はよそよそになりぬとも二人ちぎりしことな忘れそ(後拾遺923)
970 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:23:54 ID:9z1R4sLV
はかなくも来ん世をかねて契るかなふたたびおなじ身ともならじを(千載921)
971 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:24:35 ID:9z1R4sLV
恋ひ死なんゆくへをだにも思ひ出でよ夕べの雲はそれとなくとも(続拾遺890)
972 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:25:43 ID:9z1R4sLV
心こそうとくもならめ身にそへる面影だにも我をはなるな(玉葉1531)
973 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:26:36 ID:9z1R4sLV
悲しさは秋のさが野のきりぎりすなほ古郷にねをや鳴くらん(新古786)
974 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 04:27:33 ID:9z1R4sLV
をしへおくその言の葉を見るたびに又問ふかたのなきぞかなしき(千載590)
975 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 05:34:38 ID:9z1R4sLV
かぞふれば八とせ経にけりあはれ我がしづみしことは昨日と思ふに(千載1262)
976 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 06:34:49 ID:9z1R4sLV
かぞふれば八とせ経にけりあはれ我がしづみしことは昨日と思ふに(千載1262)
977 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 18:17:03 ID:MR5w3fA5
冬きては衣ほすてふひまもなく時雨るる空の天のかぐ山(後嵯峨院[続後撰])
978 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 18:18:34 ID:MR5w3fA5
佐保姫の衣ほすらし春の日のひかりに霞む天のかぐ山(宗尊親王[続後拾遺])
979 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 18:20:20 ID:MR5w3fA5
佐保姫の霞の衣をりかけてほす空たかき天のかぐ山(二条為重[新後拾遺])
980 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 18:21:01 ID:MR5w3fA5
世の中は常にもがもな渚こぐ海人の小舟の綱手かなしも(実朝[新勅撰])
981 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:34:03 ID:r4gJQ0ZJ
香久山やあまぎる雪の朝がすみそれとも見えずほす衣かな(正徹)
982 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:37:51 ID:r4gJQ0ZJ
郭公とよはた雲に過ぎぬなり今宵の月に又やまたれん(頓阿)
983 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:38:34 ID:r4gJQ0ZJ
月もげにすめるこよひかわたつ海や豊はた雲の跡のうら風(二条為重)
984 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:41:18 ID:GI5hFCxU
秋の田のかりほの庵に露おきてひまもあらはに月ぞもりくる(後鳥羽院)
985 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:42:04 ID:GI5hFCxU
苫をあらみ露は袂におきゐつつかりほの庵に月をみしかな(後鳥羽院)
986 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:43:05 ID:GI5hFCxU
足引の山田もるいほの苫をあらみ木の下露や袖にもるらむ(後鳥羽院)
987 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:44:31 ID:GI5hFCxU
旅寝するあまの苫屋のとまをあらみ寒き嵐に千鳥さへなく(後鳥羽院)
988 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:45:08 ID:GI5hFCxU
小山田のかりほのいほのとことはに我が衣手は秋の白露(順徳院)
989 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:46:03 ID:GI5hFCxU
唐衣かりいほのとこの露寒み萩のにしきを重ねてぞ着る(藤原定家)
990 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:46:48 ID:GI5hFCxU
露だにもおけばたまらぬ秋の田のかりほの庵に時雨降るなり(藤原家隆)
991 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:49:18 ID:IZ3dH4Q6
秋の田のかり庵の露はおきながら月にぞしぼる夜はの衣手(藤原為家)
992 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:50:11 ID:IZ3dH4Q6
ことわりに過ぎてぞぬるる秋の田のかりほの庵の露のやどりは(藤原為家)
993 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:51:20 ID:IZ3dH4Q6
秋の田のかりほの苫にふく稲のほの上渡る軒の月かげ(正徹)
994 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:52:48 ID:IZ3dH4Q6
苫をあらみ小田もる老の心にはなほたへかねて露はらふらん(東常縁)
995 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:53:50 ID:IZ3dH4Q6
思へ世は玉しくとても秋の田の仮庵ならぬ宿りやはある(後水尾院)
996 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:54:28 ID:IZ3dH4Q6
橘の木の丸殿にかをる香はとはぬに名乗るものにぞありける(源俊頼)
997 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 21:55:18 ID:IZ3dH4Q6
五月雨は雲のおりはへ夏衣ほさでいくかぞあまのかご山(藤原為家)
998 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 22:01:55 ID:Lpz6fTOp
白雲の衣ほすてふ山がつの垣ほの谷は日影やはさす(藤原家隆)
999 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 22:02:32 ID:Lpz6fTOp
白妙の衣ほすなり郭公天のかぐ山おりはへてなけ(藤原家隆)
1000 :
名無氏物語:2007/01/02(火) 22:03:08 ID:Lpz6fTOp
春ををしみ天の香具山袖ぬれてあすは卯月の衣ほすとも(藤原家隆)
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。