漢詩を『我的翻訳』してみます
<注意>
スレ主が書き込むのは、決して正当な訳文ではありません
漢詩そのものも、IMEでは出ない漢字が有る為、当て字になっていたり、
読み下しも全くの適当、つまりデタラメです
なので、他人様の役にはちっとも立ちません
悪しからずご了承ください
『月下獨酌』 by李白
花間 一壷の酒
獨りで酌んで 相親しむ無し
杯を擧げて 名月を邀え
影に對して 三人になる
月既に 飲を解せず
影 徒らに 我が身に隋う
暫く 月と影とを伴い
行楽 須べからく 春に及ぶべし
我歌えば 月徘徊し
我舞えば 影零乱す
醒時はともに交歡し
醉後は各々分散す
永く無情の遊を結び
相期して 雲漢はるかなり
満開の花を前にして、旨い酒があるのだが、
悲しい事に一緒に楽しんでくれる相手が無い…orz
はっ、そうだ!
盃を見せびらかして月を誑かし
影も引き摺り込んで三人で飲もう yes!
but、月は下戸だし、影は遠慮する
いいや、無問題(モウ・マンタイ)
春とは楽しむ事と見つけたり
私が歌えば月は弾むし
私が踊れば影はぷるるんwww
ほろ酔い気分で一緒に楽しみ
酔っ払えばサヨナラねー
今宵一夜の友でなく
一生涯の友として
遥かミルキーウェイでまた飲もう、うん
4 :
冬のオイラ:2006/10/08(日) 21:06:25 ID:26qXri3A
♪ /.i /.i /.i
♪ ∠__ノ ∠__ノ ∠__ノ
〈 (・ω・)(・ω・).(・ω・)ノ
└i===|┘i===|┘.i===|┘
〈__〈 〈__〈 〈__〈
ふしぎっ
ふしぎっ
ふしぎっ
5 :
名無氏物語:2006/10/11(水) 12:08:21 ID:jS60jgBu
おお、留守の間にお客様が♪
>>4 ようこそお出で下さいましたよ
その上、賑やかしの踊りまで披露して下さるとは、なんと優しき方なのでしょうね
これからも宜しくお願い致します
>>5 おおお、これはこれは、お誘いありがとうございますよ
ただ、私があちらに参りますと、たぶんスレ違いと言うことになりそうですので、
しばらくはこちらでやらせて頂こうかと思っております
もし、ご覧になってあちらの方が向いていると言う事でありましたら、その時は
お手数ですがどうぞご教示願えませんでしょうか
さて、本日の犠牲者は杜甫さんなのですよ
文字の違っている部分がありますが、IMEの所為ですのでご容赦下さいね
『江畔独歩尋花 其一』 by杜甫
江上 花に悩まされ徹せず
告訴するに処無く 只だ顛狂す
走いて南隣の酒を愛する伴を覓むれば
旬を経て出飲して 独り空牀のみ
※顛の偏は、本当は眞です
川みたいに人が流れるいつもの道で
ひょいと見かけた天使に惚れて
何一つ手につかなくなったオレ
告りたいけど告れない
どうすりゃ良いかわからねえ
何にも思いつかなくて ただその辺をうろつくばっか…
閃いた!(うぉっしゃあぁああ!!)
酒好きだけど頼りになる あの先輩ん家へひとっ走り
必死こいて行ってみりゃ
「飲みに行く」そう言って10日以上帰ってねえ だと orz…
誰方のお咎めもないのを良い事に、さあ、今日も妄想を膨らませましょうねえ♪
『田園楽』 by王維
桃は紅にして 復た宿雨を含み
柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ
花落ちて 家僮 未だに掃わず
鶯啼いて 山客 猶お眠る
今朝の私は美しい
昨夜あなたに愛されたから
あなたの余韻が 体中をまだ熱らせる
床に散らばる衣(きぬ)の島々
名前をそっと呼んでみるけど
愛しいあなたは夢の中
10 :
名無氏物語:2006/10/14(土) 20:34:48 ID:MoKl10MS
おもしろいかも
リクエストとかってできますか?
おや、お客様ですね
いらっしゃいませ
リクエストですね
さて、ご期待に沿えるかどうかわかりませんが、トライしてみましょう
何がお望みでしょうか
12 :
10:2006/10/15(日) 00:16:22 ID:n99K6QNp
返事ありがとうございます
リクエストは 「飲酒 其七」 by 陶淵明
でお願いします
秋菊 佳色有り
露に濡れて 其の英(はなぶさ)を採る
此を忘優の物に汎(うか)べ
我が 世を遺るるの情を遠かにす
一觴 独り進むと雖(いえど)も
杯 尽きて 壺 自ずから傾く
日入りて 群動息み
帰鳥 林に趨(おもむ)いて鳴く
嘯遨(しょうごう)す 東軒の下
聊(いささ)か復た 此の正を得たり
PCで書いて見たらけっこう大変だった^^;
>>12 深夜の書き込み、ご苦労様でした
さっそく、今日1日じっくり引き篭もってやらせて頂きましたよ
まずは普通の訳文を(と言ってもわたくしの勝手な解釈ですがw)お届けします
秋菊が色美しく咲いている
しっとりと露に濡れた 香り高いそのはなびらを摘んで
世俗の憂さを忘れさせる妙薬(酒)に浮かべて飲めば
俗世を厭い 遠ざかった私の気持ちを 更に深める
一杯 一杯 また一杯と 独りで觴(サカズキ)を運ぶ
酒が残り少なくなれば 壺も自然と傾いてくる
陽が落ちかかれば 昼間のいろんな音が静かになって
ねぐらに帰る鳥が 林に向かって鳴きながら飛んで行く
東の窓辺で 自分もまた緩やかに歌い くつろぐ
しばし 天命に順ってこの生を過ごすとしよう
続いて、ふふふふ♪
『休日お色気大作戦』でやってみました
あなたのお気に召すと良いのですが…
秋菊のように美しく装った女(ひと)よ
その濡れたような唇が 無言で私に愛をねだる
忘憂の妙薬は 貴女の吐息と 蜜酒の味
世俗の事など知るものか
今はひたすら 腕の中の貴女を愛するのみ
誰にも認められなくていい
だが ずっと側にいる事は出来ない
空になった酒器が やがて片付けられるように
時が過ぎ 貴女が去ってしまった後には
愛を語る相手も無く ただ火照りだけが身体に残る
ねぐらに帰る鳥たちよ あの女を見守っておくれ
祈りを込め 軒下で歌う 届くまいとは思うけれど
またしばらく 夢を見ながら暮らすとしよう
15 :
10:2006/10/16(月) 09:51:03 ID:JDOZsQAH
>>1さん
ありがとうございます
酒を女性に見立てるとは感服しました
かなりお気に入りです
自分の中の漢詩の世界が広がった気分です
もう一度漢詩を読み直して、自分なりの妄ゲフゲフ・・・想像をしてみます
これからも、楽しく拝見させていただきます
>>15 そのように好意的に解釈して頂けて、大変嬉しく思いますよ
カキコしてみたものの、実はかなりビクビクものでしたので
また、楽しそうな詩を見つけましたら、妄想に満ち満ちた翻訳をしてみますね
どうもありがとうございました
はいはい、今夜はね、ちょっと有名どころでやろうと思いますよ
『対酒』 by 白楽天
蝸牛角上 何事をか争う
石火光中 此の身を寄す
富に随い 貧に随いて 且らく歓楽せん
口を開いて笑わざるは 是れ痴人
そう、『蝸牛角上の争い』と言う、格言にもなっていますね
とても意味深い詩なのですが、私が訳するとどうなるか
普通だと、まあこのようになりましょうね
カタツムリの角の上で 一体何を争おうと言うのか
火打石から飛ぶ火のように 束の間の人生なのに
富裕な者はそのように 貧しい者もそれなりに 楽しくやろう
口を開けて笑わないのは 馬鹿なやつだ
しかし、私のはこうなるのですよ
わはははは☆
つまんない事でとんがって ギャースカやると疲れるよ
花の命は短くて カラスの足跡なぜ怖い?
お金や恋人 持ってたって 持たなくたって こだわんないで
みんなで一緒に コンパしようよ
お腹の底から笑えなきゃ 人間終わっちゃうよ
しまった、自スレへ誤爆しましたよ
とほほ…
さてさて、自分ちもちゃんとやりませんとね
この詩、とてもほのぼのしていて私好みなのですよ
『梅村』 by呉偉業
枳籬 茅舎 蒼苔掩う
竹を乞い 花を分かち 手自ら栽う
人に詣るを好まず 客の過るを貪り
遅くに答を作すに慣れて 書の来るを愛す
閑窓に雨を聴きつ 詩巻を攤げ
獨樹に雲を看つつ 嘯台に上る
桑落の酒香ばしくして 盧橘美し
釣舟 斜めに繋いで 草堂開く
枳殻の垣根の中 青い苔に包まれた茅葺き小屋がマイハウス
分けてもらった竹や花を 自分好みに植えてみる
お呼ばれするより お招きしたい
返事はゆっくりだけどちゃんと書くよ 手紙をもらうの大好きだから
雨の日は 窓辺で好きな本を読んだり
天気の良い日は 木の上の雲を見ながら歌ったり
甘い金柑をおつまみに 香ばしい桑落のお酒を飲むのも好き
目印は斜めに繋いだ釣舟 そこが私のお家なの
今夜の気分はちょっとホロ酔いです、ふふふふふ☆
『清明』 by杜牧
清明の時節 雨紛々
路上の行人 魂を断たんと欲す
借問す 酒家は何れの処に有る
牧童 遥かに指さす 杏花の村
春の盛りに 小糠雨がしきりに降っている
道行く旅人は 心をすっかり落ち込ませ
居酒屋はどこかと訪ねると
牧童が 遥か彼方 杏の花咲く村を指さす
(私的翻訳)
しとしと雨が降り続く 遊びに行きたし 連れは無し
杏露酒のグラス片手に ネットでプチ旅探してみれば
牧童(ナビ)が指差す“杏花村”
氷がゆらりと身じろいで 彼方と此方で広がる香り
25 :
名無氏物語:2006/10/30(月) 14:38:49 ID:tSR5DuWi
Y(^o^)Y
霜月、なのですね既に
しかし、そんな気には微塵もなれません
半袖Tシャツとイージーパンツで、うろうろしております
なので、詩もまた、まだ秋のままお届けしましょう
『南歌子』 by李清照
天上 星河 転じ
人間 簾幕 垂る
涼 生じて 枕簟 涙痕滋く
起ちて羅衣 解きつつ いささか問う
夜 何ぞ いかばかりならん
翠貼れる 蓮蓬小さくして
金銷の藕葉 稀なり
旧時の天気 旧時の衣
只だ 情懐のみは似ずに有り むかしの時に
天上の星々が動く程の時が過ぎ
地上ではそろそろ誰もが寝む時間となった
もう 秋が来ようとしているけれど
夏の敷物には 夏の間に付けた涙の跡が 幾つも残っている
起き上がり 夏の着物を脱ぎ捨てながら そっと独りごちてみる
どうして 夜はすぐに明けてしまうのかしら
蓮の実の刺繍は 何時しか貼り付けたように 色艶を失ない
蓮の葉の金糸の刺繍は ずいぶん縫い取が剥げてしまっている
相変わらずの季節の様子に 昔ながらの季節の衣装
繰り返す日々の中 私の気持ちだけが変わってしまった
訳も無いのに
ひさしぶりですよ
寒くなってからの雨は淋しいですね
今日はそんな詩をひとつ、お届けしますよ
『声声慢』 by李清照
尋ね尋ね 覓め覓めて
冷冷たり 清清たり
凄凄たり 慘慘たり 戚戚たり
暖にして 乍ち還(ま)た寒き時候
最もやすらい難し
三杯 両盞の淡酒
怎んぞ敵わん それ晩来の風 急なるに
雁は過ぐるや
正に傷心す
却って是れ 旧時の相識たり
満地に黄花は堆積すれど
憔悴して 損はれ
今や 誰ぞ 摘むに堪えん
窓に守著し
獨り 黒れゆくを いかに生し得ん
梧桐 更に細雨を兼え
黄昏に到りても 点点 滴滴
かくなる次第
いかでか 一個の「愁」字に了し得ん
言い様のない物寂しさを どうにか紛らせたくて
あちこちを尋ね尋ね 求め求めてみたけれど
儚く問いは消えて行き ただ静寂があるばかり
憂いだけが増してゆく
物思うこの季節 虚しい追憶の数々に似て
暖かくまた寒く 天候さえも定まらず
心身もまた落ち着かない
気の抜けたいささかのお酒で どうやって
戸の内外で吹き荒れる夜半の嵐に抗えるのか
雁はもう 渡って行ってしまったか
置き去りにされたような気分になる
あれらを旧知のの友のように思っていたから
大地に積もるほど 菊花が咲き誇っている
嘗てはあの中の一輪であったものを
心を占める哀しみに疲れ果て 今は面影すらない
我が事など 誰も心に留めないだろう
終日窓辺に寄りかかり あなたの帰りを待っている
けれど無常に時は過ぎ やがて独りで日暮れを迎える
葉の枯れた梧桐に 小雨が降りかかる
夜になっても降り止まず しとしと しとしと
こんな悲しい有様を
どうして「愁」の一文字で表わせるのか
30 :
名無氏物語:2006/11/13(月) 17:25:17 ID:ooXuDZ6q
(><)わかんないですぅ!
31 :
名無氏物語:2006/11/14(火) 23:30:35 ID:qLXu3v33
井伏鱒二や松下緑みたいな人がいるスレですね。
まあそれぞれ自分流の訳し方があるのだろうね。
上記の二人は七五調なのが面白いけどね
>>31 どうもありがとうございます
わたくしめのフィーリングのみでやっておりますので、それはもう無茶苦茶なのですよ
よろしければ、またお立ち寄り下さいませ
いつでも歓迎いたします
さてさて、またサボっていましたよ
でもあんまりサボりすぎると、ぐーたらグセがついて起き上がれなくなってしまうので
この辺でどっこらせするべきですね
恋愛も失恋も、春夏秋冬いつでも良さそうなのですが、何故か春秋が似合うような気がしますよ
『蘇幕遮』 by范仲淹
碧雲の天
黄葉の地
秋色の連波
波上の寒煙は 翠なり
山は斜陽に映じて 天は水に接す
芳草は 情無く
更に 斜陽の外に 在り
闇たる ク魂
旅思を 追う
夜々 除くに
好夢 人を留めて睡るに非ざれば
明月 樓高 獨り倚るを休めよ
酒 愁腸に入りて
化して 相思の涙と作る
青く高く澄んだ空
見渡す限り 黄葉に染まった大地
秋が世界に広がっている
水面に立つ霧は 翡翠色に染まり
山々は夕陽に朱く染められて
天は水平線で水とまじわる
かつて恋を語った相手は 今はつれなく
見遥かす遠い空の彼方の人だ
幾度も挫折して その度に故郷を思い
また 旅路であったことをも思い出してみる
夜毎 美女と枕をともにする
そんな楽しい夢を描きながら 独り眠る
月の冴えた美しい夜
ベランダに出 手摺にもたれて景色を眺め
物思いに耽りたいが 止めておこう
今は どんな酒であろうとも
きっと酔えはしないだろう
愁いに満ちた我が身に入れば それらはみんな
あなたを想う涙になるから
35 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2006/11/25(土) 08:51:53 ID:zs+XT08C
人はどんな人でも矛盾を持ってますねえ
この人の矛盾はとても面白いです
『短歌行』 by曹操
酒に対しては 當に 歌うべし
人生 幾何(イクバク)ぞ
譬えば 朝露の如く
去日 苦だ 多し
慨して 當に以って慷す
憂思 忘れ難し
何を以ってか 憂いを解かん
唯だ 杜康の有るのみ
青々たる 子の衿
悠々たる 我が心
但だ 君が為故
沈吟して 今に至る
ようようと 鹿は鳴き
野の苹を 食う
我に 嘉賓有り
瑟を鼓し 笙を吹く
36 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2006/11/25(土) 08:52:38 ID:zs+XT08C
明々たること 月の如きも
何の時か 輟る可けんや
憂いは 中從'り来たり
断絶す可からず
陌を越え 阡を度り
枉げて用いて 相い存わば
契闊談讌して
心に 旧恩を念わん
月 明るく 星 稀にして
烏鵲 南に飛ぶ
樹を 繞ること 三匝
何れの枝にか 依る可き
山 高きを厭わず
水 深きを厭わず
周公 哺を 吐きて
天下 心を帰せり
37 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2006/11/25(土) 08:54:14 ID:zs+XT08C
【わたくしの勝手な訳】ですよ
酒を飲むなら 歌えるほどに 楽しく飲もう
人生がどれほどあるかと考えたら
朝露に譬えていいほど 儚いもので
なのに 大部分がもう過ぎ去ってしまってる
慨(イキドオ)り 慷(ナゲ)きが心に澱(ヨド)んでいる
憂いがいつも側にある
どうやって その憂さを晴らそうか
それにはただ 酒あるのみ
学問にいそしむ 青い襟の君よ
その成長を 遠くから見守ろう
ただ 君の才能の故に
そう呟いて どれほどの時が経ったのだろう
友を求め 要々(ヨウヨウ)と鹿は鳴き
広がる沃野で 共に豊かなヨモギを食べる
今 私の元に 価値ある人々がやって来た
彼等の為に 楽を奏してもてなそう
38 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2006/11/25(土) 08:54:54 ID:zs+XT08C
夜空の満月のように はっきり見えているようでも
いつ 小休止に踏み切ろうか 迷っている
心配の種は 内側から出てくるものだ
断ち切れぬものが そこにあるから
東西路 南北道 多くの道を乗り越え
わざわざ見舞ってくれた君よ
万里を遠しとせず 訪問してくれた賓客を歓待しよう
久しぶりに懐かしい 積もる話をしようではないか
月が明るいと 綺羅星も霞んでしまう
カササギは 南に飛んで 樹の周りを三度廻る
そして どの枝に止まろうか 思案している
まるで 誰がその陣営に所属しようか 悩んでいるように
山は 自らが高くなる事を厭わない
海は 自らが深くなる事を厭わない
周公は 食事を中断してでも 人に会い
民衆の心を 自らに引き付けた
自分もまた 斯く有りたいと思う
39 :
国重高暁:2006/11/30(木) 22:40:33 ID:ejCYg+QF
ルビー・Dさんを真似て、僕も
自分なりの漢詩和訳に挑戦してみましょう。
なお、ユニコード文字についてはご容赦を。
「桃夭」from詩経
桃之夭々 灼々其華
之子于帰 宜其室家
桃之夭々 有※其実
之子于帰 宜其家室
桃之夭々 其葉蓁々
之子于帰 宜其家人
※=草冠に賁
40 :
国重高暁:2006/11/30(木) 22:47:08 ID:ejCYg+QF
<自分なりの和訳>
彼女は若くて桃のよう その真赤っ赤の花のよう
この子もついに嫁入りした 立派な妻となるだろう
彼女は若くて桃のよう そのよく熟した果実のよう
この子もついに嫁入りした 立派な妻となるだろう
彼女は若くて桃のよう その青々した葉っぱのよう
この子もついに嫁入りした 立派な妻となるだろう
以上、大昔のウェディングソングでした(*^^*)
国重高暁さま、どうもありがとうございます
実はこの詩、「嫁入りした」と言う部分を変えると、新郎側からのスピーチにも使えるのですよ
こんな風に♪
燃えるように咲いている 桃の花のような子を娶る
きっとこの家に相応しく 家はいっそう華やぐだろう。
実がたくさん生っている 桃の木のような子を娶る
きっとこの家に相応しく 子宝に恵まれるだろう
艶やかに生い茂る 桃の葉のような子を娶る
きっとこの家に相応しく 家はますます繁栄するだろう
ね?嫁を誉めながら、実は自分の家の自慢にもなっているんです
なんてヤツラなのでしょうw
42 :
名無氏物語:2006/12/02(土) 06:16:35 ID:PVYyyu6C
>>42 それはご親切にどうもありがとうございます
あちらへ貼って下さったのが何方か存じませんが、こんなスレを覗いて下さっているということ、
このルビー・D、大変嬉しく思いますよ
どうぞ、皆様にも宜しくお伝え下さいませね
皆さんご存知でしたか
今日は生憎の雨ですが、この3日程、本当に月が美しかったのですよ
なので、今夜は李白です
『静夜思』 by李白
牀前 月光を看る
疑うらくは 是れ地上の霜かと
頭を挙げて 山月を望み
頭を低れ 故郷を思う
何もかも投げ出したい夜 ふと月光に誘われて 出て見れば
冴え冴えと地上に降り敷く銀の砂 隔てなく 果てしなく
山並みのように続く甍の向こうに 飛び出して来た故郷
空しい夢を追う日々に そろそろ別れを告げようか
45 :
名無氏物語:2006/12/15(金) 08:04:03 ID:vl0TLiAQ
ルビーちゃん元気かい?
>>45 ありがとうございます、ええ、元気ですよ
わたくし、『逢引』と言う言葉が大好きなのです
光とさざめきから少し離れた日陰の辺りで、大人同士がそっと忍び会う
決して不倫ではないけれど、年齢的に少し高めのシングルが世間を憚って落ち合う
そんな響きを感じてしまうのです
ただ、どうして『逢引』なのでしょう?
『逢う』は男女が抱擁しあう姿として理解出来ますが、『引く』とは何なのでしょう
それをずっと悩んで居ります
さて、悩みついでに少し悩ましい詩を選んでみました
『紫藤樹』 by李白
紫藤 雲木に掛り
花蔓 陽春に宜しい
密葉 歌鳥を隱し
香風 美人を留む
あっさり訳せばこのようになるのですが
紫の花の咲いた藤が 背の高い木に纏わり付いている
花房のある蔓は 陽気の満ちた暖かな春に好ましい
生い茂った葉は 囀っている鳥の姿を隠し
芳しい風は 美人の足を留めている
わたくしらしく訳しますと、こうなるのですよ♪
藤色の衣装の淑女が 背の高い貴公子にしなだれかかる
袖から覗く白い手が そっと背中に回される
陽気な季節の アバンチュール
生い茂る藤の葉が 恋を囁く二人を隠し
香る風が 時を過ごす二人の衣に染み込んで行く
いよいよ明日はイブ・イブですね☆
昔の恋の歌を引っ張り出して来ましたよ
「上邪」 by読み人知らず(漢代)
上や
我 君と相知らんと欲す
命 長く 絶え衰ふること無し
山に陵無く
江水 為に竭き
冬雷 震震として
夏に雪 雨(ふ)り
天地合すれば
即ち 敢えて君を絶たん
天よ、聞いてくれ
私はあの人と恋がしたいのだ
この思いは永遠に 衰えも絶えもしないだろう
全ての山が平らに成り
それで河の水が涸れ
冬に雷鳴が轟き渡って
真夏に雪が降り積もり
天地の合わさるこの世の終わりが来たならば
あの人を想う事が出来なくなるが
>>48をもう少しルビー風に捻じ曲げて訳してみますよ
天に誓います
あなたを愛しています
わが命続く限り 全身全霊で 愛しています
山が無くなり 河が消え
冬に台風 夏に豪雪
天変地異で とうとうこの世が滅びようと
あなたを愛する私の身体は無くなりますが
私の心は永遠に あなたを愛し続けます
…まあ、リアルで言われると引くでしょうね、きっとw
50 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 15:15:10 ID:oeHc5cam
50
51 :
名無氏物語:2007/01/08(月) 13:21:04 ID:pclSsDB9
あけおめ
52 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/01/08(月) 14:29:43 ID:N7E1geWT
ご無沙汰していますよ
私、失恋なぞして旅行して参りました
でもまだ抜け出せていませんよ、困りましたね
昨日、雪が降って少し積もりましたが、あんな風にきれいに埋めちまいたいですよ
『春望詞 其三』 by薛濤
風に散る花は 日毎に風情を失っていく
嬉しい約束の日は 遥かに遠い
心を通わせる恋人とは結ばれず
ただ、草だけを同心に結んでいる
元の詩はこれです
風花 日に将に老いんとす
佳期 猶渺渺
結ばず 同心の人
空しく結ぶ 同心の草
53 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/01/08(月) 14:31:22 ID:N7E1geWT
>>51 おや、失礼致しましたよ
あけおめです、はい
54 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/01/08(月) 14:31:29 ID:N7E1geWT
>>51 おや、失礼致しましたよ
あけおめです、はい
55 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/01/18(木) 22:33:42 ID:ZZ43oTfl
>>53>>54 繰り返してますね、あら、恥ずかしやw
こんな時には、こっそり自分を励ますのですよ
ええ、昔の人ももちろんやってたでしょう、こんな風に
『行行重行行』 (古詩…詠人知らず)
昨日今日 明日へ向かう旅をするうち
いつか あなたと違う道を選んでいた
今や二人の間には 平原万里 遥かに隔たる
それぞれの世界の片隅で
道の険しさまた長さ そんな事を思いつつ
逢えれば良いなと思ってみる
胡の馬が北風に向かって嘶くように、
越の鳥が南側の枝を選んで巣をかけるように
別れてから もうどの位になるのか
あれから自分は随分痩せた
浮雲が一瞬で 人目から太陽を隠すように
あなたは振り向きもせず 行ってしまった
あなたを思う度 老人のように昔に浸ってしまう
楽しかった日々は一瞬に蘇り また埋もれていく
ああ 取り留めもない繰言は止めよう
そして明日の為に ご飯を食べよう
56 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/01/18(木) 22:34:30 ID:ZZ43oTfl
読み下しも載せておきましょう☆
『行行重行行』 (古詩…詠人知らず)
行き行きて重ねて行き行く
君と生きながら別離す
相去ること万余里
各々天の一涯に在り
道路阻しく且つ長し
会面安くんぞ知るべき
胡馬は北風により
越鳥は南枝に巣くう
相去ること日に已に遠く
衣帯 日に已に緩し
浮雲 白日を蔽い
游子 顧返せず
君を思えば人をして老いしむ
歳月 忽ち已に晩る
棄捐して復た道(い)うこと勿かれ
努力して餐飯を加えよ
57 :
名無氏物語:2007/01/27(土) 14:45:30 ID:b9qdrx05
58 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/01/28(日) 10:41:27 ID:E8/EvHh3
おはようございますよ
>>57 お誘いどうもありがとうございます
さて、今朝はちょっと趣を変えて見ましょうか
『萬空歌』 by悟空
天も空 地も空 人生 渺々(ビョウビョウ)として其の中に在り
日も空 月も空 東昇 西墜 誰が為の功
金も空 銀も空 死後 何ぞかつて手中に在りや
妻も空 子も空 黄泉の路上に相ひ逢はず
権も空 名も空 眼を轉ずれば 荒郊に土に一封せらる
天も空 地もまた空
人の世の営みは果てし無く続き 天地の間にある
太陽も空 月輪も空
太陽が東から昇り西へ沈むと言う事は 誰のお陰なのだろうか
黄金(財産)も空 白銀(財富)も空
生前の富を 死後も手の中に持っておられようか
妻も空 子も空
縁あって家族となった者達とも あの世の途上では出逢わない
権力も空 名声も空
死んでしまえば瞬く間に 郊外の荒れ果てた草むらに埋葬される
59 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/05(月) 22:40:57 ID:73VFe3sk
立春は昨日でしたが、雪の日はまだしばらく続きますよ
『江雪』 by柳宗元
千山 鳥飛ぶこと絶え
萬徑 人蹤滅す
孤舟 簑笠の翁
獨り釣る 寒江の雪に
降り積もる雪に籠められ 山々の鳥も飛ばず
街道も小道も野辺も 歩む人無し
水面に浮かぶ小船一艘 中には蓑笠姿の翁が独り
黙って糸を垂れる河は 凍りもせず ただ静かに流れ行く
60 :
名無氏物語:2007/02/06(火) 02:24:08 ID:ifIgf5ZY
やっと、還暦だね・・・
61 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/06(火) 20:56:01 ID:0w0qK97v
はい、やっと…と申し上げたいのですが、私まだその歳には程遠いのですよ
ああ、その時まで生きられるかしら?
佳人薄命と言いますので
今日はずいぶん暖かで、梅の花が一気に開きましたよ
なのでそれに因んだものをひとつ
『探春』 by戴益
終日 春を尋ねて春を見ず
杖藜 踏破す 幾重の雲
帰来 試みに梅梢を把って看れば
春は枝頭に在りて 已に十分
どこかに もう春は来たかと 探してみたが見つからない
よたよた杖を突きながら 雲の彼方の山にまで行って見たのに
がっかりしながら家に帰り 何気に庭の梅の枝を手に取ってみれば
なあんだ 春はもう来てるじゃないか 蕾がふっくらしてるじゃないか
※杖藜:アカザの杖
62 :
名無氏物語:2007/02/06(火) 22:28:29 ID:URVROK77
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ|
|i i| }! }} //| あ、ありのままに今起こったことを話すぜ
|l、{ j} /,,ィ//| Googleで『著作権ゴロ』を検索したら
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 一番上のページがJASRACだった
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な、何を言ってるか解らねぇと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ | ヽトiゝ オレも何が起きたか解らなかった・・・
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 著作権保護団体とか、NPOだとか
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ そんなチャチなもんじゃ断じて無ぇ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ ・・・・もっと恐ろしいものの
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ ) 片鱗を味わったぜ
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ
63 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/10(土) 21:07:20 ID:Zm3yTBt8
今、『十八史略』を読み返してます
人は儚いものですね
帝王であれ、庶民であれ、栄枯盛衰の果てに待つのはただ“死”のみ
自分の意思など、死の前にはあって無きが如きものです
では、死の前に、愛は真実でしょうか?
真実であって欲しいと、願う私はお馬鹿でしょうか
by 項羽&虞美人
<項羽>
力は山を抜き 気は世を蓋ふ
時利あらず 騅逝かず
騅の逝かざるを 奈何すべき
虞や虞や 若を奈何せん
<虞美人>
漢兵 已に地を略す
四方 楚歌の声
大王 意気尽く
賤妾 何ぞ生に聊んぜん
64 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/10(土) 21:09:08 ID:Zm3yTBt8
<項羽>
敵方の勢力は 既に我が軍を上回り
もはやこれまで と言うしかない
我が愛馬騅でさえ その事を覚って進もうとはしない
愛する者よ 私はお前を無事守ってやる事さえ出来ないのか
<虞美人>
ああ 既にこの国は漢のものなのですね
四方を囲む敵陣から 楚の歌声が聞こえますもの
あなたが嘆いておられるのを見るのは 辛く悲しい事ですわ
どうぞ あなたの手で私の命を終わらせて下さいな
歴史にもしもはありませんが、二人が市井の夫婦であったなら、あるいは…
65 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/16(金) 21:47:34 ID:Hp9I8pm7
そこかしこから、梅の香が漂って来るようになりましたよ
漢詩では、梅は大変よく詠まれています
今日の詩もそのうちの一つです
『梅花』 by高啓
瓊姿 只だ合に 瑤台に在るべし
誰か江南に向かって処処に栽えし
雪は山中に満ちて高士臥し
月明の林下に美人来る
寒に疎影に依るは 蕭蕭たる竹
春に残香を掩うは 漠漠たる苔
何郎の去りてより好詠無く
東風に愁寂として幾回か開きし
その美しさは 瑶地の女仙(玉女)のようだ
この江南の地のそこかしこに それを殖やしたのは誰だろう
雪の山中で独り暮らす高潔の士のように 凛として
名月の夜に庭園をそぞろ歩く美女のように 艶かしい
花も枝葉も無い時でさえ その側には囁き続ける竹が寄り添い
花が終わってなお残る香りを 一面の苔が自らの裡へ抱き取っている
何遜が身罷って後は 良い詩が詠まれる事もなくなり
春誘う東風の中 この梅たちは何度寂しく咲いたのだろう
66 :
名無氏物語:2007/02/17(土) 18:25:28 ID:Xkl9LFUh
この文章を見た人は2日以内に死にます。死にたくなければ、この文章を、コピペでもいいので100個のスレに書き込んで下さい。
これを守らなかった子が、何人も、交通事故で死亡しています。これは本当の話です。そのリストがありますので、見て下さい。
67 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/17(土) 20:39:03 ID:RI/n617y
これはまた、古いコピペですねえ
おなつかしやw
最近、また流行り出しているのでしょうか?
おやおや、事故が交通事故だけに限定されたのですか
では、改訂版ですね
どうせなら、この板らしく、古文か漢文でやれば皆さん喜ばれたのでしょうに
ああ、勿体無い…
68 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/17(土) 20:42:18 ID:RI/n617y
『弘道館賞梅花』 by徳川景山
弘道館中 千樹の梅
清香馥郁 十分に開く
好文 豈に威武無しと謂わんや
雪裡春を占む 天下の魁
弘道館に植えられた沢山の梅は もう十分に開いていると見え
清々しい香りがふんわり優しく漂っている
文を好む事が 武士の力を失くしてしまうなどとは戯けた事
この雪の中に春を謳うが如き梅のように
我らもまた天下の魁となりたいものだ
今日のように寒い日は、沈丁花がよく匂いますよ
この後の花は、桃を思い浮かべる人も多いでしょうが、私は白木蓮の方に魅かれます
それで、木蓮の詩と思ったのですが、見当たりませんでしたので、代わりにこちらを
『木蘭詩』 by無名氏(北魏)
喞々(そくそく) 復た 喞々
木蘭 戸に当たって織る
機杼の声を聞かず
惟だ 女(むすめ)の歎息を聞くのみ
女に問う 何の思う所ぞ
女に問う 何の憶う所ぞ
女に亦た 思う所無く
女に亦た 憶う所無く
昨夜 軍帖を見るに
可汗 大いに兵を点ず
軍書十二巻
巻々に 爺の名有り
阿爺に大児無く
木蘭に長兄無し
願わくは 為に鞍馬を市(あきな)い
此より 爺に替わって征かん
東市に駿馬を買い
西市に鞍薦(あんせん)を買い
南市に轡頭(ひとう)を買い
北市に長鞭を買い
朝に爺嬢を辞し去りて
暮には黄河の辺りに宿る
爺嬢の女を喚ぶ声聞こえず
但だ黄河の流水鳴って 濺々(せんせん)たるを聞くのみ
旦(あした)に黄河を辞し去りて
暮れには黒山の頭に至る
爺嬢の女を喚ぶ声聞こえず
但だ燕山の胡騎の声 啾々(しゅうしゅう)たるを聞くのみ
万里 戎機(じゅうき)に赴き
関山度(わた)って飛ぶが若し
朔気 金柝(きんたく)を伝え
寒光 鉄衣を照らす
将軍百戦して死し
壮士十年にして帰る
帰り来たって天子に見ゆれば
天子明堂に坐す
策勲十二転し
賞賜百千彊(きょう)なり
可汗 欲する所を問えば
木蘭用いず 尚書郎
願わくは 明駝 千里の足を馳せ
児を送りて故郷に還らしめよ
爺嬢は女の来たるを聞きて
郭を出でて相扶将す
阿姉は妹の来たるを聞きて
戸に当たって紅妝(こうしょう)を理(おさ)む
小弟は姉の来たるを聞きて
刀を磨きて霍々(かくかく)として豬羊(ちょよう)に向かう
我が東閣の門を開き
我が西閣の牀に坐し
我が戦時の袍を脱ぎ
我が旧時の裳を着け
窓に当たって雲鬢(うんぴん)を理め
鏡に対して 花黄を帖(つ)く
門を出でて火伴(かはん)を看れば
火伴 始めて驚惶(きょうこう)す
同行十二年
知らず 木蘭は是れ女郎なるを
雄兎は 脚 撲朔(ぼくさく)たり
雌兎は 瞳 迷離たり
両兎 地に傍(そ)うて走れば
安(いずく)んぞ 能(よ)く我は是雄雌なるを弁ぜん
72 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/24(土) 18:55:22 ID:Zvx5UN3X
訳してみましたよ
パタンパタンまたパタン
木蘭は戸口で機を織る
今日は機を織る音が聞こえない
ただ木蘭の溜息だけが聞こえてくる
木蘭に聞いた 誰を思っているの?
木蘭に聞いた 誰を憶いだしているの?
思っているのじゃない
憶い出しているのじゃない
昨夜 軍の召集名簿を見たの
王が大掛かりに兵隊を集めている
軍書十二巻
その巻には父の名前があった
大きな男の子がいなくて
木蘭には兄はいない
自分の為に鞍と馬を買って
父の替わりに出征できたら・・と願っている
東の市場で駿馬を買って
西の市場で鞍や鞍鞍を買い入れて
南の市場で手綱を買って
北の市場で鞭を買い入れた
朝、父や母と別れて
日暮れには黄河のほとりに宿っている
73 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/24(土) 18:57:19 ID:Zvx5UN3X
父母の木蘭を呼ぶ声は聞こえない
ただ黄河の流れる音が聞こえるだけ
夜明けには黄河を後に
夕暮れには黒山のほとりに着く
父母の木蘭を呼ぶ声は聞こえない
ただ聞こえるのは胡の馬の悲しい泣き声
万里も遠い戦場に赴き
山々を飛ぶようにやってきた
北からの風はドラの音を伝え
冷たい光が鉄の鎧を照らしている
将軍は百戦して死に
兵士は十年にして帰る
戦場から帰って皇帝にまみえると
天子は明堂に坐している
論功行賞十二階進み
百千余りの賞与をもらった
王は、なお、『欲しいものはないか』とお尋ねになった
木蘭は答える 『尚書郎は要りません
足の速いラクダをお与え下さい
私を故郷に帰して欲しいのです』
74 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/02/24(土) 19:00:31 ID:Zvx5UN3X
両親は 木蘭が帰って来ると聞き
城郭を出 寄り添いながら待っていた
姉は妹が帰ると聞いて 化粧を直し
弟は姉が帰ると聞いて
包丁を磨いてすばやく豚や羊に向かう
東の門を開き
西の寝台に腰掛けて
軍服を脱いで
昔の衣装を着けて
窓辺で豊かな黒髪を整え
鏡に向かい 花黄をつけた姿になり
門を出て戦友に会うと
彼はとても驚いた
共に過ごした十二年
知らなかった 木蘭が女であるなんて
雄兎は脚がふらついている
雌兎は瞳の視点が定まらないと言うが
二羽の兎が一緒に走る時
どうして雌雄が見分けられようか
75 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/03(土) 22:44:05 ID:phjyVgnb
今日は桃の節句☆
桃を詠んだ詩もけっこうあるのですよ
中でも、いろんな読み方が出来るこの詩は、私のお気に入りのひとつですw
『人面桃花』 by崔護
去年の今日 此の門の中
人面 桃花 相映じて紅なり
人面 ただ今 何れの処か去る
桃花 旧に依りて春風に笑む
(直訳)
去年の今日 この門の中で
娘と桃の花は 互いに競うように美しかった
彼女は今 どこへ行ったのだろう
桃の花だけが 昔のように春風に微笑んでいる
(ルビー訳)
覚えているのは 去年の今日
満開の桃花の下 幸せそうに笑う君
僕らはいったい 何時から違う道を歩んでいたんだろう
愛を誓わなかった桃だけが 去年と同じに咲いている
76 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/10(土) 21:08:36 ID:ZoRqulyl
お久しぶりに、杜甫センセ、行ってみましたよ
『絶句漫興 其五』 by杜甫
断腸す 江春 尽んとするの頭(ほとり)
藜を杖突き 徐ろに歩して 芳洲に立つ
顛狂の柳絮 風に随いて舞い
軽薄の桃花 水を逐いて流る
流れる河を取り巻く春が もう過ぎ去ろうとしている
なんと儚く 切ない事か
杖を頼りに ゆっくりと まだ花の残る中州に行ってみる
恋に狂った柳の綿は 誘われるまま風に舞い
恋を求める桃の花は 去り行く水を追い求める
ちゃんと訳すと、こんな風なんですが
川の辺りで 春の尽きようとするのを眺めていると 断腸の思いだ
それでも 杖をついてぶらぶらと 花の咲いている中州に立ってみる
物狂いの柳の綿は 風に乗って舞い
浮気者の桃の花は 水の流れを追っかけて去って行く
77 :
「勇俊(冬のオイラ):2007/03/11(日) 13:06:31 ID:9mdNzxnp
@ノノヽヽヽ@ ミ _ ドスッ
( 0^〜^)─┴┴─┐
/ つ 7 7 │
/_____|└─┬┬─┘
∪ ∪ ││ _ε3
78 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/15(木) 21:42:35 ID:sP6pJffG
桃の花と言えば、李白のこの詩も良く知られていますよ
『山中問答』 by李白
余に問う何の意ぞ 碧山に栖むと
笑って答えず 心自ずから閑なり
桃花流水 杳然として去り
別に天地の 人閧ノ非ざる有り
どうしてこんな僻地に住んでるの?って聞かれるけど
そんな時は笑ってるだけ
だって、ここじゃあくせくしなくていいんだもの
桃源郷から流れてくる花びらが 誰も知らない所へ行くように
都会の決まりと無関係な 自分らしい世界だからよ
ちゃんと訳せばこんな感じです、余り変わりませんけれどw
人が問う、君はどう言う訳でこんな深い山にいるのかと
ただ 私は笑う 心は長閑だ
桃の花びらは水に浮かび 何処か遠くへ流れて行く
ここには世俗とは異なった天地があるのだ
79 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/23(金) 22:07:42 ID:nHZgMeFa
もうすぐ4月です
新生活に入る人も多いのではありませんか
『遊子吟』 by孟郊
慈母 手中の線
遊子 身上の衣
行に臨んで密々に縫う
意は恐る 遅々として帰らんことを
誰か言う 寸草の心
三春の暉に報い得んとは
優しい母が繕うのは 旅立つ我が子の服の数々
一針一針 万感の思いを籠めている
何時の日か 立派になって帰って来て欲しい
でも これが今生の別れになってしまったらどうしよう
期待と心配を繰り返しながら 黙って母は手を動かす
人が言う 心配は要らないと
風に弄られる小さな草でさえ
春の光を浴びれば それなりに花を咲かせるものだから
80 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/29(木) 21:10:46 ID:bt/FAYcz
ずいぶん寒さが和らぎました
春ですよ
春と言えば恋ですよ
真面目な詞も、読みようによっては恋の詞に出来ますね
『采蓮曲』 by唐 賀知章
稽山 霧罷み 鬱として嵯峨たり
鏡水 風無きもまた 自ら波あり
言う勿れ 春度りて 芳菲尽きたりと
別に中流に荷花を采るあり
会稽山は霧も晴れ こんもりとそびえたっている
湖は 風がなくとも自らさざ波を立てている
言わないでほしい 春が過ぎたから美しい花々は尽きてしまったなどと
春とは別に 水の中でハスの花を摘み取ることができるのだから
81 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/29(木) 21:12:12 ID:bt/FAYcz
>>80をね、こんな風に変えちゃいましたw
やっかみや憶測を除けてしまえば
どっしり構えた本当のあなたが見えるわ
おかしなものね 噂にも上らない私なのに
何故か心が騒いでしまう
わかってないのね あなたがたは
恋多き女には奴なんか物足りないだろうって?
恋にセオリーはないのよ
駆け引きは 見えない所でとっくに始まっているわ
82 :
名無氏物語:2007/03/30(金) 20:20:12 ID:EajpRGXn
なんかバカみたいな人がやってるスレだな
こういうバカがもっと居れば漢文のファンも増えるだろうに
もったいない もったいない
83 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/03/31(土) 22:32:24 ID:WauODgmw
おや、久々のお客様でしたよ
感想どうもありがとうございます
宜しかったらまたお越し下さい
あなたのお好きな漢詩など教えて頂けると有り難いです
84 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/03(火) 22:23:48 ID:Iu0H4dpe
春なのに、今夜はずいぶん冷えますよ
こんな日はついつい人の温もりが欲しくなります
離れ離れの恋人さんたちは、とても切ない思いをしているのではありませんか?
少し前までは、ケイタイなどと言う便利グッズが普及していませんでしたから、その侘しさも
寂しさも一入だったと思いますね
その、女性の気持ちを李白がこんな風に詠っています
『春思』 by李白
燕草は 碧絲の如く
秦桑は 克}を低(た)る
君の帰るを 懷(おも)う日に当るは
是れ 妾(しょう)が断腸の時
春風 相い識(し)らず
何事ぞ 羅幃(らい)に 入れる
85 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/03(火) 22:25:37 ID:Iu0H4dpe
普通に訳せばこんな感じです
北国である燕国の草は 緑色の糸のように生えて春を迎えたことでしょう
ここ長安の桑は もう緑色の枝を重そうに垂らしています
あなたが故郷へ戻れるだろうと考えていた日は
私が腸(はらわた)を断ち切られるばかりの辛い思いをする時です
春風は親しい顔見知りの誰かではないのに
どうしたことか 私の寝床の羅幃(薄絹のとばり)の内に入って来るのです
で、私がアレンジするとこんな風に・・・
春の遅い北国 燕国でさえ 春草が緑の糸のように萌えている事でしょう
長安の桑は もう濃い緑の葉が生い茂り 枝が重たげに垂れています
あなたが戻る筈だった日は 次第次第に遠ざかり
ただ待つこの身は遣る瀬無く 虚しい思いで過ごすばかりの日々
春風は そんな私の気持ちを察してくれたのでしょうか
心を覆う愁いの帳を ふわりひらり 吹きそよがしてくれました
86 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/09(月) 21:59:56 ID:Kr7Z49ZW
こんばんは、ですよ
今日の詩は、春の詩の中でもよく知られているでしょう
どうか、怒らないで下さいねw
『春夜』 by蘇軾
春宵一刻 値千金
花にC香有り 月に陰有り
歌管 樓臺 聲寂寂
鞦韆 院落 夜沈沈
春の夜は一刻千金の値打ちが有る
花は清々しい香りを放ち 月は朧に霞んでいる
歌や管絃で賑やかだった楼台も 今は静まりかえっている
ぶらんこのある中庭に夜はしんしんと更けていく
87 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/09(月) 22:01:14 ID:Kr7Z49ZW
さあ、勝手に訳すと、こんな風になりましたよw
春の夜更けは とても味わい深い
冬を耐えた草木が花を咲かせ 良い香りを辺りに漂わせるように
刃のように輝いていた月も 何時しかふんわり穏やかに
さっきまではしゃいでいた子供達が 夢の世界に落ちてしまえば
家の中は嘘のように静かだ
ブランコのある庭を見ながら グラスを傾ける
穏やかに更け行く夜
88 :
名無氏物語:2007/04/12(木) 00:17:12 ID:TgVbBxgp
春望
国敗れて山河あり
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を流し
鳥にも心驚かす
烽火三月に連なり家書万鈞にあたる
白頭掻けば更に短く
全て心に耐えざらんとほっす
杜甫
89 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/12(木) 00:44:13 ID:hX4VbAHy
国は都長安までもが破壊され ただ山河のかたちを残すのみ
↑をお節介にも訳してみましたよw
春になった街中は 草木が茫々と生い茂り 荒れ果てている
人の世は戦乱が相次ぎ 時節すら定かではない
にも関わらず 自然は変わることなく春を告げる
国家の運命を嘆く身は 春の麗しい花を見ても涙がこぼれ
家族との別離を恨む身は 自由に飛び交う鳥を見ても心が痛む
戦火が三ヶ月も続いている中で 家族から届く便りは掛替えのない物だ
苦労で老けた白髪頭を掻けば 髪は一層短く少なく
ほとんど 簪を挿すにも耐えないようになってしまった
で、もひとつお節介なのですが、
>心に耐えざらん
この部分、心情的にはとてもよく判るのですが、本当は
>簪に勝へざらん
なのですよ
90 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/12(木) 00:46:01 ID:hX4VbAHy
おや、ちょっと変なことになってますね
失礼
改めますね
国は都長安までもが破壊され ただ山河のかたちを残すのみ
春になった街中は 草木が茫々と生い茂り 荒れ果てている
人の世は戦乱が相次ぎ 時節すら定かではない
にも関わらず 自然は変わることなく春を告げる
国家の運命を嘆く身は 春の麗しい花を見ても涙がこぼれ
家族との別離を恨む身は 自由に飛び交う鳥を見ても心が痛む
戦火が三ヶ月も続いている中で 家族から届く便りは掛替えのない物だ
苦労で老けた白髪頭を掻けば 髪は一層短く少なく
ほとんど 簪を挿すにも耐えないようになってしまった
91 :
名無氏物語:2007/04/12(木) 02:05:28 ID:uiChTbRW
9条は改憲してはならない。日本の為にならない。
日本人ではない朝鮮総連や民団でさえ、日本を心配して改憲への反対運動を行ってくれている。
私は日本人だが、「改憲すべき」などという者は、日本人として彼らに恥ずかしいと思います。
Q.中国から身を守る為、戦争に対する抑止力が必要では?
A.前提から間違っています。そもそも、中国は日本に派兵しようと思えばいつでもできました。
なぜなら、日本は9条があるため、空母や長距離ミサイル等「他国を攻撃する手段」がない。
つまり、日本に戦争を仕掛けても、命令をだした幹部の命や本国の資産は絶対に安全なのです。
にも関わらず、中国は、今まで攻めずにいてくれたのです。
Q.日米安保も絶対ではないのでは?
A.いえ、絶対です。
知り合いの韓国人の評論家もそう言っていますし、私も同じ考えです。
そして日米安保が絶対なら、日本を攻める国はなく、改憲の必要はありません。
米国と戦争をしたい国はないからです。
Q.9条が本当に平和憲法なら、世界中で(日本以外に)1国も持とうとしないのはなぜか
A.誤解を恐れずに言うなら、日本以外のすべての国が誤っているとも言えます。
「敵国に反撃できる手段を持つ国は攻められづらい」というのは、誤った負の考え方です。
(もっとも韓国や中国の軍に関しては、日本の右傾化阻止の為でもあるので例外ですが)
さらに日本の場合、隣国が韓国・中国・ロシアと、GDP上位の安定した国ばかりです。
憲法改正議論は日中関係の妨げにならないだろうか?
ttp://news21.2ch.net/test/read.cgi/news2/1168160167/l50 【地域/京都】電光掲示板で「平和大好き!憲法9条変えないで!」…JR京都駅前
ttp://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1175832934/l50
92 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/13(金) 23:02:48 ID:3iBcbMw4
>>91 わざわざコピペして下さってありがとうございます
でもね、たまーに思います
このような能天気な事を宣う方々は、かの国が誇る名著『六韜』を目にした事がないのだろうなと
ま、それはさておいて、ここは一応漢詩を扱うスレなので、以後は無用に願います
93 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/13(金) 23:06:13 ID:3iBcbMw4
さて、今日の詩もちょっと有名ですよ
『送元二使安西』 by王維
渭城の朝 雨 軽塵を潤す
客車の音 青柳 色新たなり
君に勧む 更に尽くせ 一杯の酒
西のかた 陽関を出れば 故人無からん
渭城に降った朝雨に 土埃は潤されたし
旅館の前の 柳の新緑もきれいに見える
君にもう一杯 酒を勧めよう
この陽関より西に 君の知り合いは居ないだろうから
ルビー風ではこんな具合に…
雨が 渭城の町の埃を洗ってくれた
建物も 柳並木も 今朝は生き生きしている
旅立つ君と 餞(はなむけ)の盃を交わそう
これより西は蛮地になる
願わくば無事戻り来たれ 我が友よ
94 :
名無氏物語:2007/04/14(土) 10:38:24 ID:FQb65IXA
95 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/14(土) 10:58:03 ID:9fmUVH9G
>>94 漢字だけではねーですよ?!
アラビア数字もアルファベットも、ギリシャ文字だって取り入れて使ってますよ?
それに中国から入れた漢字の他に国字も作ってますし、漢字を変形させてかな文字も作ってますよ
良いものは、国や人種を超えてイイ!
だからこそ世界に広まっているんだ
そう思ってどっしり構えてこそ『大人(たいじん)』なのではねーですか?
それから、自分の言いたい事は自分の言葉で述べねーと、全然意味ねーですよ
96 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/14(土) 11:10:53 ID:9fmUVH9G
ああ、漢詩スレで関係ねー話をするのは伯母加算な事ですよ…って書き忘れましたorz
ま、気を取り直して、勝手に解釈続けますよ
雄大な物を端的に表現する
これって、盆栽にも匹敵する“すげーコト”だと思いますね
『龍門』 by杜甫
龍門 野に横たわりて絶え
駅樹 城を出でて来たる
気色 皇居近く
金銀 仏寺開く
往来 時しばしば改まり
川陸 日に悠なるかな
相閲す 征途の上
生涯 幾回か尽くす
何処までも広がる野辺に 昂然と聳える龍門
城内から城外へ 道は果てなく続く
雅な雰囲気溢れる皇都
ここでは 仏寺さえ 金銀で華やかに彩られる
積もる月日の中で 私は何度この門を往来しただろう
目に映る景色は 昔のまま 悠々として変わらない
時には 旅の人と目が合う事もあるけれど
その人は 生涯で何度ここを往来するのだろう
97 :
名無氏物語:2007/04/14(土) 11:23:50 ID:tVlP9i8N
白居易の琵琶行
98 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:13:41 ID:uOMyvNcp
>>97 リクエストありがとうございます
大変お待たせしましたよ
ただ、実はこの詩、まだあまりこなれていないので、ほぼ直訳です
申し訳ねーですよ
いつか機会があれば、もちっとルビー風に改めますのでご勘弁を
それと、これ、結構なげーので、勝手にブチブチ切ります
そこんとこ宜しくですよ
でわでわ
99 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:14:04 ID:uOMyvNcp
『琵琶行』 by白居易
潯陽江 頭 夜 客を送る
楓葉 荻花 秋 瑟瑟
主人は 馬より下り 客は 船に 在り
酒を舉げ 飮まんと欲すも 管絃無し
酔 成さずして 歓 慘として将に別れんとす
別るる時 茫茫として 江は月を浸す
忽ち聞く 水上 琵琶の聲
主人は帰るを忘れ 客は発せず。
声を尋ねて 闇に問う 弾く者は誰ぞと
琵琶 声 停みて 語らんと欲して 遅し
船を移し 相い近づきて 邀えて相い見
酒を添え 燈を迴らし 重ねて宴を開く
千呼 萬喚 始めて 出で来たり
なお 琵琶を抱き 半ば面を遮る
100 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:14:26 ID:uOMyvNcp
潯陽江(長江)のほとりで ある夜 知人の送別会を開いた時の事
色付いた楓や 萩の花に 秋風がもの寂しく吹いている
自分(主人)が馬を下りた時 知人はもう船の中だった
盃を挙げ 酒を酌み交わしたが 音楽がなかったので
酔うに酔えず 楽しめないまま 宴はひっそりお開きになった
別れ際に辺りを見れば 果てしなく広がる潯陽江に 今しも月が沈もうとしている
その時だった 水上を琵琶の音が走った
自分も 知人も 足が止まった
琵琶の音のする暗がりに問うてみる 「琵琶を弾いておられるのは誰方ですか?」と
琵琶の音は止んだが 返事はなかなか返って来ない
それで 船を動かし 近づいてみて 弾き手を此方に招く事にした
酒を追加し 灯りを増やし 「もう一度宴をやり直したいんだ」と言って
何度も呼びかけ 頼んで ようやくその人が姿を現した
しかし その人は それでもなお 琵琶を抱え込み 顔を半ば隠すようにしている
101 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:14:57 ID:uOMyvNcp
軸を 轉(し)め 絃を 撥いて 三両声
未だ 曲調を成さざるに 先ず 情有り
絃絃 掩抑して 声声に思い
平生 志を得ざるを 訴うるに似たり
眉を低れ 手に信せて 續續と彈き
説き盡くす 心中無限の事
102 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:15:19 ID:uOMyvNcp
演奏前に弦の調律をし 二・三の音を出してみる
ただそれだけで まだ曲ですらないのに もう心が動いている
どの糸の音も抑えられているのに 籠められた情が感じ取れる
まるで 不遇な日々の恨みが 抑えきれずに溢れるように
菩薩のように柔和な表情で 思いのまま 次から次へ
まるで 我々の心中の 尽きせぬ思いを汲むかのように
103 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:15:55 ID:uOMyvNcp
軽く*締め 慢く撚りて抹み 復た挑い
初めは霓裳を為し 後は麹俘
大絃は *騒騒として 急雨の如く,
小絃は 切切として 私語の如し,
騒騒と 切切と 錯雜して彈き
大珠 小珠 玉盤に 落つ
間關たる 鶯語 花底に滑かに
幽咽せる泉流は 氷下に難む
氷泉冷澀して 絃 凝絶し
凝絶通ぜず 声 暫し歇(や)む
別に 幽愁の暗恨 生ずる有り
此の時 声無きは 声有るに勝る
銀瓶 乍ち破れ 水漿迸(ほとばし)り
鉄騎突出して 刀槍鳴る
曲 終らんとして 撥(ばち)を收め 当心を書き
四絃 一声 裂帛の如し
東船 西舫 悄として 言(ことば)無く
唯だ見る 江心に 秋月の白きを
*締め…本当は 手偏に龍 です
*騒騒…本当は 口偏に曹 です
104 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:16:19 ID:uOMyvNcp
左手と右手が繰り出す あらゆる技
初めは『『霓裳羽衣』を奏し 後は六幺『麹』を演ずる
太い弦は騒々しく 夕立が降り掛かるように
細い弦はひそやかに まるで内緒話を囁くように
この二つの音が入り乱れ 絡み合って 曲になる
大小の真珠が 大皿に散らばり落ちる音のように
滑らかなウグイスの声が 花々の間を流れるように
微かな湧き水が 氷の下で時を待つように
弦の音は 泉が凍てついて行くように 次第次第に滞り
やがて ぱったり途絶えてしまう
この無音の間に 我々の心に秘めた憂いが 恨みとなって湧き上がる
ああ 静寂は雄弁に勝るのだ
白銀の器が 突如割れ その中身が辺りに迸り出るように
鉄の鎧に覆われた馬が突撃し 剣戟や時の声が辺りに響き渡るように
曲の終わりに 撥を払って 琵琶の中程が掻き鳴らされ
四本の弦は 一斉に 激しく鳴り響く
ふと見渡せば 周りの船は ひっそりと静かで
ただ 潯陽江の真ん中に 秋の月が白く輝いているばかり
105 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:16:50 ID:uOMyvNcp
沈吟して 撥を 放ち 絃中に挿(さしはさ)み
衣裳を整頓し 起ちて容(かたち)を斂(おさ)む
自(みづか)ら 言う 本(もと)是れ京城の女
家は 蝦蟆陵下に在りて住む
十三に 琵琶を学び得て成り
名は 教坊の第一部に屬す
曲 罷(おわ)りては 曾(かつ)て 善才をして伏さしめ
粧成りては 毎(つね)に 秋娘に妬(ねた)まる
五陵の少年 争いて纏頭し
一曲に *紅絹は数知れず。
鈿頭の雲篦は 節を撃ちて砕け
血色の羅裙は 酒を翻(ひるがえ)して汚(けが)る
今年の歓笑 復た明年
秋月 春風 等閧ノ度(す)ぐ
*紅絹…本当は 紅せう。せうは 糸偏に肖 で生絹の事です
106 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:18:03 ID:uOMyvNcp
最後の一節を静かに歌い終わると 撥を弦の中へ収め
演者は衣装を整え その形を改めた
そして語るには 自分は元は都にいたのだと
蝦蟆陵下と言う所に家があって そこに住んでいた
十三歳の時には 既に琵琶の腕は一流で
その名は 教坊(※教室)でも常に上位にあった
曲の演奏が終わった後 師匠を感服させた事もあった
化粧したなら いつも杜秋娘(※美妓)に妬まれた
五陵に住む金持ちの若者は 競って私に金品を贈って来たし
曲が終わる度毎の紅い絹の心付けは それこそ数え切れない程
螺鈿の笄は 拍子を取るのに使って壊してしまうし
紅の薄絹のスカートは いつも酒を零して汚れている
そんな歓楽の日々が何年も続いていた
秋の月や 春の風 季節の風物を眺め 漠然と送る日々
107 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:18:23 ID:uOMyvNcp
弟は走りて 軍に従い 阿姨は死し
暮去り 朝(あした)来たりて 顏色故(ふ)る
門前 冷落して 鞍馬稀(まれ)に
老大 嫁して 商人の婦(つま)と作(な)る
商人は 利を重んじて別離を軽んじ
前月 浮梁に 茶を買いに去る
江口に去来して 空船を守り
船を遶(めぐ)る名月に 江水寒し
夜 深くして 忽ち夢むは少年の事
夢に啼けば 粧涙 紅 闌干たり
108 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:18:47 ID:uOMyvNcp
その内に 弟は従軍し 阿姨(※妓女達を監督する女性)は死し
月日が過ぎ去った分 自分の容色は衰えてしまった
人で溢れた門の前は 落ちぶれて 馬で来るような上客も稀になった頃
そろそろいい歳になったので 嫁に行き 商人の妻となった
商人と言うものは 利益が一番で情愛は二の次なので
別れて暮らす事を何とも思っていない
その夫は 先月 浮梁に 茶を買いに行ったまま
私は川辺を行き来して 主の居ない船を守っている
月明かりに誘われて 船をめぐらせて見たものの
やはり川の水は寒々としている
夜更けにまどろめば すぐ 若かった日の事ばかり夢に見る
夢の中で泣けば 本当の涙が 化粧の上をとめどなく流れて行く
109 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/15(日) 11:20:24 ID:uOMyvNcp
以上、お粗末で申し訳ない事ですよ
しかし、この『琵琶行』、詩って言うよりラノベっぽくねーですか?
110 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/22(日) 15:14:45 ID:UVKvAhzV
最近、“花散らせ”が多い事ですよ
しかし、それはまた、新たな花を呼ぶ“誘い”でもあるのですが
『金陵圖』 by韋莊
江雨 霏霏として 江草 齊(ひと)し
六朝 夢の如く 鳥 空しく啼く
無情 最も是れ 臺城の柳
舊に依りて 烟を籠む 十里の堤
長江に雨がしとしとと降り、岸辺の草は同じように生え揃っている
六朝の栄華は夢のようで 今は鳥が空しく鳴いているだけ
悲劇の歴史を知りながら 情が無いのは 宮城の柳
昔と変わらず 十里の堤を緑色の霞で包んでいる
ちゃんと訳せば↑ですが、もちっと捻ってみましたよ
雨が静かに降っている
春深く 青々と茂る草木の上にも ただ静かに降っている
幾つもの王朝がここを都とし 栄え 滅んでいった
その栄華を偲ぶものは何一つ無く
かつての人々のざわめきの代わりに 今は小鳥達が啼き交わす
移ろう時に拘る事無く 泰然と過ごす城址の柳
自らの 廻り来たる季節のまま
今年もまた 十里の長い堤を新緑で覆い尽くす
111 :
名無氏物語:2007/04/22(日) 15:41:36 ID:67TfGypN
111
112 :
名無氏物語:2007/04/23(月) 19:02:33 ID:SeHaEMbh
113 :
名無氏物語:2007/04/23(月) 20:06:20 ID:9S4WjtYz
>>112 >>94で概出
同じスレへ何度も同じ物を貼ってどうするの?
リロードぐらいしなさい
頭が悪いって白状してるのと同じだよ
114 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/26(木) 23:19:09 ID:AktdxO9l
早いもので、もう数日もすれば季節は初夏へと移ってしまいますよ
春の名残を惜しめるのは、あと少しだけ
季節は幾度も巡りますが、今はこの瞬間しかないのです
今日はちょっとしみじみ、杜牧さんと物思いしてみましょうか
『漢江』 by杜牧
溶々漾々として 白鴎飛び
此トく 春深くして好く衣を染む
南去北来 人自ずから老い
夕陽長く送る 釣船の帰るを
115 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/26(木) 23:21:58 ID:AktdxO9l
漢江は盛んに波立ち流れ その上を白い鴎が飛んでいる
緑色の清らかな流れは 晩春の色であり衣を染める程である
しかし世の人は南へ北へと忙しく往来し いつの間にか老いて行く
西に傾いた太陽に照らされ 戻って来る釣り船の影が長く伸びている
もうちょい、オカルティックにやってみますよw
漢江は滔々と流れ続け 白いカモメがいつものように飛んで行く
碧玉のようなその色は 川が纏った晩春の色だ
しかし 多くの人々は四季の移ろいに心を留める事無く
日々を 徒にあくせく駆けずり回り
身の上の歳月に気が付かないまま ただ老いて行く
悲しくも 振り返れば もはや既に夕暮れ
残照を受け 魂の舟は人生の水面に影を長々引きながら
まもなく 帰るべき処へ帰ろうとしている
116 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/30(月) 15:24:29 ID:s92rTnwu
今日の日差しはまるで初夏、初夏と言えば牡丹ですよ
『清平調 三首之二』 by李白
一枝の紅艷 露 香を凝らす
雲雨 巫山 枉(むな)しく斷腸
借問す「漢宮 誰か似たるを得ん」
可憐の飛燕 新粧に倚る
一枝の紅の牡丹に降りた露は 香を凝聚させたようである
楚の襄王は夢で巫山の神女と契り 覚めては虚しく断腸の思いをした
少しお尋ねするが 漢代の宮中では誰がこの牡丹に似通っているだろうか
可憐な趙飛燕が美しく装ったような あの牡丹の花に
117 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/04/30(月) 15:31:56 ID:s92rTnwu
上の訳をもう少し、私風にふくらませますよw
誇らかに咲く 紅色牡丹一輪
その高い香りを凍らせたような露が
花の上できらきら煌いている
巫山の神女との契りは 覚めれば虚しい夢だが
ここには夢ではない 美しい女性達が居る
少し尋ねてみようか
この宮中に あの牡丹に似た美しい女性は居ますか
趙飛燕が艶やかに美しく装い 凛として佇む風情のある人は
(余談ですが、この歌は楊貴妃の美しさを、漢の成帝の寵妃・趙飛燕に例えています
しかし、飛燕は後に寵を失っているので、この詩は貴妃に対する不敬の作と見做される
事になり、李白失脚の一因になったと言われています)
118 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/08(火) 21:06:18 ID:oT955XM+
この季節、草も萌えますが、恋心も萌えますねえ
今も昔も変りなく、人は恋してきたのですね
中国には、詩経と呼ばれる、紀元前9世紀から8世紀頃にかけての詩を集めて成された
書物があります
そこには、こんな詩もあるのですよ
『狡童』 by詩經
彼(か)の狡童(こうどう)は
我(われ)と 言(かた)らず
維(ただ) 子(し)の故(ゆえ)に
我(われ)をして 餐(さん)する能(あた)わざらしむ
彼(か)の狡童(こうどう)は
我(われ)と 食(く)わず
維(ただ) 子(し)の故に
我(われ)をして 息(いこ)う能(あた)わざらしむ
あの顔が美しくて心が邪な男の人は
私と言葉を交わしてくれない
ただ あの人故に
私は食事が出来ない
あの顔が美しくて心が邪な男の人は
私と一緒に食べようとしない
ただ あの人故に
私は安らぎを得られない
119 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/08(火) 21:09:08 ID:oT955XM+
さて、ちょいと訳をいじりますよw
ちょっと気になるイケメンは
いつも私に素っ気ない
話なんかもしてくれない
そんな彼が気になって
御飯が喉を通らない
ちょっと気になるイケメンは
いつも私に素っ気ない
食事も一緒にしてくれない
そんな彼が気になって
あれもこれも上の空
昔から女の子は、ちょいワルのイケメンに弱いって事ですね
120 :
名無氏物語:2007/05/09(水) 00:21:07 ID:y0U1KncD
二松馬鹿の餌
つ「二度目の還暦」
121 :
名無氏物語:2007/05/10(木) 02:44:23 ID:UpqHA2ny
詩経だったか、楚辞だったか。
「且」の字が用いられてる詩で普通はそのまま「かつ」と読むんですが。
実はこの「且」は男性性器の象形文字だったと判明したとか。
なんの詩だったか誰かご存じだったら教えて下さいませ。
122 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/10(木) 21:02:32 ID:Yicu/KUH
こんばんはですよ
>>121 お探しのものかどうかわかりませんが、こんなものがあります
『山有扶蘇』 by詩経
山有扶蘇 *湿有荷華 (山に扶蘇有り 湿に荷華有り)
不見子都 乃見狂且 (子都を見ず 乃ち狂且を見る)
山有喬松 *湿有游龍 (山に喬き松有り 湿に游龍有り)
不見子充 乃見狡童 (子充を見ず 乃ち狡童を見る)
*の湿の字は、本当はさんずい偏と、日の下にいとがしら2個、その下に連火を書く旧字体です
扶蘇:植物の名ですが、よくわかりませんでした
荷華:ハス
游龍:イヌタデ
123 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/10(木) 21:06:13 ID:Yicu/KUH
>>122を訳すと、こんな感じですね
山にはランが咲いていて 川にはハスが咲いている
すてきな彼を探しに行ったら ヤリたいだけの野郎が居た…
山には高いマツがあって 川には可愛いイヌタデがある
誠実な人を探しに行ったら 不実の極みだけがそこに居た…
( Θ_Θ) はぁ…イイ人何処かにいないかしら…?
そんな女の子の溜め息が聞こえて来そうで、個人的にとても好きな詩です
124 :
名無氏物語:2007/05/14(月) 03:34:37 ID:Qbcrex7z
125 :
名無氏物語:2007/05/15(火) 20:19:33 ID:dhiwaP8Q
『無根樹』詩 張三丰真人 道教丹詩
第一首
無根樹、花正幽、貪戀榮華誰肯休。浮生事、苦海舟、蕩去漂來不自由。
無邊無岸難泊繋、常在魚龍險處遊。肯回首、是岸頭、莫待風波壊了舟。
拙訳
無根樹、花正に幽れたり、貪恋の栄華誰が休むのを肯じよう。浮生の事は、苦海の舟、蕩去漂来に不自由す。
無辺無岸は繋ぎ泊め難し、常に魚龍険しい処に遊ぶ在り。後ろを肯ずれば、是れ岸頭、風波に舟が壊れるのを待つこと莫れ。
花(はな)正(まさ)に幽(かく)れたり、肯(がえん)じよう、莫(なか)れ
貪恋=恋恋とする事
126 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/15(火) 21:56:47 ID:MZtiab3U
>>125 こんばんは、ようこそお出で下さいました
すてきな詩をありがとうございます
道教の丹詩と言う事ですから、きっと深い意味があるのでしょうね
いつか自分なりに訳してみたいものですよ
さてさて、今夜お送りするのは、ちょっと時期ハズレの晩春の詩です
『柳花詞 其一』 by劉禹錫
開くこと緑条の上よりし
散じて香風の遠きを逐う
故(ことさら)に花落つるの時を取り
悠揚として春晩を占む
127 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/15(火) 21:59:46 ID:MZtiab3U
まずは普通に訳しますよ
柳絮(りゅうじょ)は 緑の枝から白く柔らかな花を開き
花の香りを追う様に 風に乗って飛んでゆく
多くの花が散る時を殊更に選び
ゆったりと晩春の主役を演じている
それをルビー風に致しますと、このようにw
いろんな花が終わり 周りが少し落ち着いた頃
華やかに淑やかに現われ ふんわりと香る
散り際は鮮やかに潔く 風に乗って遠ざかる
殊更に他の花と競い合う事無く
悠々と独り賛辞を受けている
128 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/19(土) 21:22:08 ID:aY5UbmJo
さてさて、天気の定まらない事ですよ
本当は、一番爽やかな季節ですのにね
傷春と言うのはこう言う事でしょうか
女性ならではの心の動きを、李C照がこんな風に詠んでいますよ
『好事近』 by李C照
風 定(しず)まりて 落花 深く
簾外 紅を擁して 雪を堆(つ)む
長(とこしえ)に記す 海棠(かいどう)開きし後
正に是れ 傷春の時節
酒 闌(つ)き 歌 罷(や)み 玉尊(ぎょくそん)空しく
き缸(ともしび) 暗(ひそ)かに明滅す
魂夢 幽(ひそやか)かなる怨に 堪えず
更に 一聲(いっせい)啼くホトトギス
129 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/19(土) 21:22:50 ID:aY5UbmJo
直訳しますね
吹いていた強い風が収まり 散り落ちた花びらがうず高い
窓の外は赤い花びらが まるで雪のように積もっている
とこしえに覚えている カイドウの花が開いた後の情景を
まさに 春の憂いの時期そのものだった
酒が尽き 歌が止み 美しい酒器も空になった
青く輝く灯火が ひっそりと明滅する
夢の中の魂は 心に秘めた恨み言を我慢出来ない
その上に 更にホトトギスが一声 悲しみを告げる
130 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/19(土) 21:25:25 ID:aY5UbmJo
さて、もうひとひねりw
あなたを亡くした悲しみが ほんの少し静まって
見渡せば 追憶に埋もれた私がここに居る
思い出箱を紐解けば あなたと過ごした日々は
降り積もる雪のように 上へ上へと重なって行く
今もはっきり覚えている 初めてあなたの手で女になった日を
含羞と喜びとが綯い交ぜになった まさに春の憂いそのもの
お酒を飲むのも 歌うのも 何でもあなたと一緒だった
人生の楽しみは 全てあなたと私のものだった
美しい玉の酒器より 素晴らしいあなたの笑顔がそこにあった
今は独り 何をしても独り
逢いたくて 胸の奥で 情念の青い炎がちろちろ燃えている
愁いながら眠りに就けば 夢の中の魂は 遮るもの無く解き放たれ
心に秘めた悲しみが 鳥になって 一声叫ぶ
「不如帰!」
最後の語句は、あなたの心のままに
131 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/22(火) 21:14:02 ID:Ydul3di1
5月もあと1週間ばかりでお終いですよ
この時季、日本では爽やかな良い季節なのですが、昔の中国では、五月と言うのは『悪月』と
されていました
だから端午の祭りを行い、厄払いを行う事になっていたのですね
死者でさえ、五月生まれの霊魂(5月に亡くなった人の魂)は大変凶暴で、十二分な供養が
必要とされていたくらいです(笑
そんな五月を、あえて美しく詠んだのが今日の詩です
『五月』 by李賀
雕玉 簾額に雄し
輕穀 虚門を籠む
井に汲む 鉛華の水
扇に織る 鴛鴦の紋
回雪 涼殿に舞い
甘露 空緑を洗う
羅袖 徊翔に従い
香汗 宝粟 潤う
132 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/22(火) 21:15:21 ID:Ydul3di1
普通に訳しても、十分綺麗です
彫刻のある玉を 簾(すだれ)の重石にし
薄布(うすぎぬ)で 開け放しの入口を覆い隠す
井戸で化粧の水を汲もう
扇に織り込まれているのは 仲睦まじい鴛鴦(おしどり)模様
白い衣装が 雪のように宮殿に舞えば
窓から降り注ぐ甘露が 乾いた緑の葉を洗う
透ける衣の長い袖は 舞い手に従いひらひらと
美しい人の香(かぐわ)しい汗は 宝玉の粒のように肌を潤す
133 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/05/22(火) 21:16:28 ID:Ydul3di1
さて、私の駄訳は、このように
未だ夏ではないけれど 一足先に模様替え
風で簾がそよがないよう 飾り玉を裾に付け
開け放した扉は レースのカーテンで隠しましょう
冷たい井戸水で肌を引き締めれば お化粧乗りもばっちりね
夏の必須アイテム扇子には 清流で遊ぶ鴛鴦の刺繍
雪色のお仕着せをまとい 清涼殿をあちらへこっちらへ
通り雨が 埃にまみれた庭の樹木のシャワーになるわ
宮女達のシースルーの袖が 彼女らの往来につれて翻る
その肌を伝うのは 宝玉の粒のような芳ばしい汗
134 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/01(金) 00:01:36 ID:GeQgGEFe
明日からいよいよ6月ですよ
梅雨空としばらくお付合いすることになるのですね
と言う訳で、雨の詩をひとつ
『浪淘沙令』 by李U
簾外に雨潺潺(せんせん)たり
春意 闌珊(らんさん)たり
羅衾は耐えず 五更の寒きに
夢の裏(うち)に 身は是客たることを知らずして
一餉(しばし)歓びを貪りぬ
独り自ら 欄に憑ること莫れ
無限の江山
別るる時は容易にして 見ゆる時は難し
流水 落花 春去りゆきぬ
天上 人間(じんかん)
135 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/01(金) 00:02:55 ID:GeQgGEFe
直訳しますね
簾の外 雨は降りしきる
春の気配は やるせなく衰えて行く
薄絹の夜具に 耐え難い明け方の寒さ
夢の中では 己が放浪の境遇であることを忘れ
しばしの歓びに浸ったものを
独りで欄干に寄りかかって眺めるのはよそう
無限に連なる山や川
別離は簡単にやって来るが 巡り合いは滅多に無い
流水や落花と共に春は過ぎ去ってしまった
天上と人の世の隔たりのように
136 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/01(金) 00:05:24 ID:GeQgGEFe
ふふふ、さあ曲訳しちゃいましょうw
窓の向こうは降りしきる雨
遠ざかる春の気配が切なくて
冷めたさに 暖かな肌を求めた 虚しい夜明け
あなたの腕の中にいたのは 夢の中
戻らない日々の追憶
頬杖をついて 外を眺めていてもしかたない
無限に連なる山河のように 時は刻々過ぎて行く
別れはあっけない 邂り逅いは難しいのに
水が流れ去るように 花が落ちてしまうように
あなたと私の恋は終わった
今ではもう 天上と人の世の間程 遠い遠い物語
137 :
名無氏物語:2007/06/13(水) 02:32:42 ID:5tMTDh65
『詩経』鄭風の「山有芙蘇」の「且」についての論文を探してます。知ってる方いましたら教えて下さい。
138 :
名無氏物語:2007/06/13(水) 07:39:21 ID:GDBw0LOY
139 :
名無氏物語:2007/06/13(水) 09:56:22 ID:OvOoHQqt
140 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:41:57 ID:Urk0mX7Z
おや、留守中にお客様でしたか
どうも失礼致しました
>>137 いい資料が見付かると良いですね
>>138、
>>139 どうもありがとうございました
さてさて、今日はちょっと大物うpしちゃいましょうか
白居易の『長恨歌』です
では参りましょうか、ふふふふふ♪
141 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:42:18 ID:Urk0mX7Z
『長恨歌』 by白居易
漢皇 色を重んじて 傾国を思う
御宇 多年 求むれども得ず
楊家に 女(むすめ)有り 初めて長成し
養われて 深閨に在り 人 未だ識らず
天生の麗質は 自(おのづ)から棄て難く
一朝 選ばれて 君王の側(かたわら)に在り
眸を回して一笑すれば 百媚生じ
六宮(りくきゅう)の粉黛 顏色無し
春 寒うして 浴を賜う 華清の池
温泉 水 滑かに 凝脂を洗う
侍兒 扶け起こすに 嬌(きょう)として 力 無し
始めて 是れ 新たに恩澤を承けしの時
142 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:42:44 ID:Urk0mX7Z
雲鬢 花顏 金歩搖
芙蓉の帳 暖にして 春宵を度る
春宵 短きを苦しみて 日 高くして起きる
此れ従り 君王 早朝せず
歓を承け 宴に侍して 濶ノ(かんか)無く
春は 春遊に従い 夜は 夜を專らにす
後宮の佳麗 三千人
三千の 寵愛 一身に在り
金屋 妝(よそお)い成して 嬌として 夜に侍り
玉樓 宴 罷(や)んで 酔いて 春の如し
姉妹 弟兄 皆 土(くに)を列ね
憐む可し 光彩の 門戸に生ずるを
遂に 天下の父母の心をして
男を生むを重んぜずして 女を生むを重んぜ令(し)む
143 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:43:14 ID:Urk0mX7Z
驪宮(りきゅう) 高き処の青雲に入り
仙楽 風に飄って 処々に聞こゆ
緩歌 謾舞 絲竹を凝らし
尽日 君王 看れども足らず
漁陽の*兵鼓 地を動(どよ)もして来る
驚破す 霓裳羽衣の曲
九重の城闕 煙塵生じ
千乗万騎 西南に行く
翠華 搖々として 行きて 復た止る
西 都門を出づること 百余里
六軍 発せず 奈何(いかん)ともする無く
宛転(えんてん)たる蛾眉 馬前に死す
花鈿 地に委して 人の收むる無く
翠翹 金雀 玉掻頭
君王 面を掩いて 救い得ず
回り看れば 血涙 相い和して流る
*兵…本当は鼓の下に卑と言う字です
144 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:43:34 ID:Urk0mX7Z
黄埃 散漫として 風 蕭索
雲棧 ?紆(えいう)して 剣閣に登る
峨嵋山下 人の行くこと少(まれ)に
旌旗 光 無くして 日色 薄し
蜀江は 水 碧にして 蜀山は青く
聖主 朝々 暮々の情
行宮(あんぐう)に 月を見れば 心を傷ましむるの色あり
夜雨に 鈴を聞けば 腸断の声
天 旋り 地 転じて 龍馭を迴(めぐ)らす
此に到りて 躊躇して 去ること能わず
馬嵬坡(ばかいは)の下 泥土の中
玉顏を見ず 空しく死せし処
君臣 相い顧えりみて 尽く衣を霑(うるお)す
145 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:44:05 ID:Urk0mX7Z
東 都門を望みて 馬に信(まか)せて帰る
帰り来たれば 池苑 皆 旧に依る
太液の芙蓉 未央(びおう)の柳
芙蓉は面の如く 柳は眉の如し
此に対して 如何ぞ 涙 垂れざらん
春風 桃李 花 開く日
秋雨 梧桐 葉 落つる時
西宮の南苑 秋草多く
落葉 階に滿ちて 紅(くれない)掃(はら)わず
*梨園の 子弟 白髮 新たに
*椒房(しょうぼう)の 阿監 青娥 老いたり
夕殿 螢 飛びて 思い悄然(しょうぜん)たり
孤燈 挑(か)き尽くして 未だ眠りを成さず
遅々たる鐘鼓 初めて長き夜
耿々たる星河 曙(あけ)んと欲するの天
鴛鴦の瓦 冷にして 霜華重く
翡翠の衾 寒くして 誰与(だれと)共にかせん
悠々たる生死 別れて年を経
魂魄 曾て来(きた)りて 夢にも入らず
*梨園…音楽の教坊
*椒房(しょうぼう)の 阿監…皇后に仕える女官の取締役
146 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:44:31 ID:Urk0mX7Z
臨?(りんきょう)の道士 鴻キ(こうと)の客
能く 精誠を以って 魂魄を致(まね)く
君王の 輾転の思いに感ずる為に
遂に 方士をして 殷勤に覓め 教えむ
空を排し 気を馭して 奔ること電の如く
天に升り 地に入りて 之を求むること遍し
上は 碧落を窮め 下は黄泉
両処 茫々として 皆 見えず
忽ち聞く 海上に 仙山有ると
山は 虚無縹緲(ひょうびょう)の間に在り
樓閣 玲瓏として 五雲起り
其の中 綽約として 仙子多し
中に 一人有り 字(あざな)は太真
雪膚 花貌 參差として 是(これ)なり
147 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:44:55 ID:Urk0mX7Z
金闕の西廂に 玉?を叩き
転じて 小玉をして 双成に 報ぜ教ん
聞く道(なら)く 漢家 天子の使いと
九華帳裡 夢魂 驚く
衣を攬(と)り 枕を推して 起って徘徊す
珠箔 銀屏 ??(いり)として 開く
雲鬢 半ば偏りて 新たに 睡りより覚め
花冠 整わずして 堂を下りて来たる
風は 仙袂を吹きて 飄々として挙がり
猶も 霓裳 羽衣の舞に似たり
玉容 寂寞として 涙 闌干
梨花 一枝 春 雨を帯ぶ
情を含み 睇を凝らして 君王に謝す
一別 音容 両つながら 渺茫(びょうぼう)たり
昭陽殿(しょうようでん)裡 恩愛 絶え
蓬莱宮(ほうらいきゅう)中 日月 長し
頭を回らし 下 人寰の処を望めば
長安を見ず 塵霧を見る
148 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:45:23 ID:Urk0mX7Z
唯だ 旧物を將(も)って 深情を表す
鈿合 金釵 寄せ將ちて 去らしむ
釵は 一股を留め 合は 一扇
釵は 黄金を擘ち 合は鈿を分つ
但だ 心をして 金鈿の堅きに 似せ教(し)めれば
天上 人間 會(かなら)ず 相ひ見(まみ)えん
別れに臨みて 殷勤に 重ねて詞(ことば)を寄す
詞中 誓い有り 両心のみ知る
七月七日 長生殿
夜半 人 無く 私語せし時
「天に在りては 願わくは 比翼の鳥と作(な)り
地に在りては 願わくは 連理の枝と為(な)らん」
天は長く 地は久しきも 時有りて尽く
此の恨は 綿々として 尽くる期 無からん
149 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:50:06 ID:Urk0mX7Z
(^^;) えとですね、訳に移りますけど、真面目な方や、長恨歌を愛してお出での方は
この次より8レスを見ないで下さい
変訳 ちょwwwwwww GONE かwwwwwww?! になってますから
宜しくお願いします
150 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:50:36 ID:Urk0mX7Z
皇帝は思った「大美人が欲しーーーっ!」
金掛けて 手間隙掛けても 見付かんない
そん時 楊家のお嬢が 宮廷デビュー
世間知らずの 深窓お嬢
だけど 天然色っぽい
当然 皇帝「待ってた、ホイ!」
チョット流し目 むっちゃエロイ!
他の妃嬪たちの色気も駄目ぽ
春寒い頃 皇帝同伴 華清温泉
すべすべお肌が いっそうすべすべ
ぐったりしてるのを メイドが起こしたけど なんかエッチ…
ヲイヲイ 皇帝(おっさん) 最初っからヤリ過ぎだよぉw
151 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:51:07 ID:Urk0mX7Z
流行の髪にしっかりメイク 金のアクセがセレブじゃん
B・Rはゴージャス&ヌクヌク 寒さなんて なにそれー?
夜じゅう セクロスしてるから 朝が起きられないんだじょ
だーら 皇帝さん 朝の会議は全スルー
イイコトも宴会も 一人でするから めっちゃビジー
春のピクニックのお供も 毎晩のお勤めも独占しちゃう
皇帝のハレムには 綺麗なおねーさんが3000人
みんなに行ってたチョビ愛を 楊貴妃独りが完全ゲット
AAA御殿でお洒落して うっふん パパぁ早く来てン…
ハイソな所でパーティするでそ 後は酔ってて ヘケヘケなのよ
兄弟姉妹はみんな出世 金持ち 土地持ち 名誉持ち
いいよねえ バックが皇帝だもん
帝国中の親たちが心に決めた
出世出来ない跡継ぎよりも 妾でもいい玉の輿
152 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:52:17 ID:Urk0mX7Z
高く聳える驪山の離宮
世間を離れて ひたすら雅な音楽三昧
ゆっくり ゆったり パラダイス
贅沢慣れした皇帝でさえ これにはうっとり
だけど 遊んでる間に 兵乱勃発
仙人の歌も天女の舞いも んなコトやってる場合じゃない
首都は間もなく 敵の手に落ち
官軍は 皇帝奉じ 都を離れて西南へ
ガタゴト道を進んで行ったが やがて途中で自然と止まる
百里余りの恨み言(誰が為に…)
動かない軍を 再び動かす方法 それはたった一つだけ
艶やかな美女は 皇帝の前で死んで行った
花の簪 するりと抜けて もう誰の髪も飾らない
翡翠や黄金の櫛や笄も
その瞬間 顔を覆い 彼女の姿を見まいとする皇帝
何が天子 情け無さに絶望し 流す涙は血の涙
153 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:52:40 ID:Urk0mX7Z
砂塵が舞い飛び 景色が霞む
参道は高く険しく 難所へ続く
峨嵋山の下は 行き交う人などほとんど無く
旗は萎れて 日も暗い そんな気がする
蜀の取り得は風光明媚
皇帝は 何かにつけ 楊貴妃を懐かしむ
仮宮で月を見れば ウルウルするし
雨の夜に鈴の音聞けば 思わずオヨヨ…と泣いてしまう
そのうちに 官賊形成逆転成って 皇帝都へリターンOK
だけど 途中で STOP WAIT MOMENT!
馬嵬坡の下 この土の中に
もう会えない 愛しい人が眠っているんだ
皇帝は貴妃を思って泣き 臣下はそんな皇帝に泣く
154 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:53:22 ID:Urk0mX7Z
東に門が見えれば 馬は勝手にそっちへ走る
戻ってみれば 池や庭は昔のまま
太液池の芙蓉 未央宮の柳
芙蓉の花は貴妃の顔のよう 柳は貴妃の眉のよう
これを見て 涙無しにいられるものか
春にいろんな花が咲く頃
秋に木の葉が落ちる頃
西宮の南苑には たくさんの秋草
主無き館の入り口は その紅葉で埋まっている
梨園の音学生も 爺いになって
阿監もすっかり婆あになった
夕方 ふわりとホタルが飛べば 何やら心寂しくなる
眠れない皇帝の 手元の灯りが点いたまま
時を告げる鐘の音に 夜の長さを 初めて知った
煌く星空が やがて夜明けになって行く
オシドリの瓦は 冷たい霜で覆われて
翡翠の布団は 独りで寝るには寒過ぎる
この世とあの世は遠いと言うが
あれ以来 貴妃の魂 とんとご無沙汰 何故に
155 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:53:44 ID:Urk0mX7Z
臨?の道士が 鴻キに滞在していた
彼の得意は交霊術
眠れない皇帝の為に
どうぞ お願い HELP HE
OK 合点 お任せあれと 道士引き受け
天上天下 地上地下 変幻自在に駆け巡る
上は空の極みまで 下は黄泉まで
どちらも FARAWAY 終わりが見えない
誰かが言ってた 東海に仙人の住む山があるって
広い広い仙界にあるその山には
摩天楼が建ち並び 彩雲が湧いているって
そこには 優しく淑やかな仙人や仙女が住んでいる
その中にいる太真と言う仙女は
何もかも貴妃そっくりらしい
156 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:54:19 ID:Urk0mX7Z
お城の西のお屋敷を訪れる
女中から奥へ報せが走る
天子様のお使いだそうです と
奥深い部屋でまどろんでいた太真は驚き
焦って飛び起き 身支度する
簾や屏風が次々開いて
髪がイマイチなってないまま
それでも冠乗っけて 太真が姿を現した
駆け寄る袂が舞い上がり
まるで 霓裳羽衣の舞を見るようだった
美しい顔が淋しさに曇り 涙が流れ落ちている
梨の花が雨に打たれているのを思わせる
太真は一生懸命訴えた
「あれ以来 お会い出来ないんだけど
昭陽殿でのラブラブな日も終わっちゃったし
蓬莱宮でのバイバイからもずいぶんよね
ここから人界見たいんだけど
長安は見えなくって 霧しか見えない
157 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 18:54:59 ID:Urk0mX7Z
昔もらった物で 私のキモチ届けてくれない?
螺鈿の小箱と黄金の簪 これでよろ!
簪は足から片っぽ 小箱は身の方
簪は黄金で 小箱は螺鈿よ
二人の心がこんな風にガチだったら
どっかできっと会える筈」
帰り際の道士に 彼女はもう少し言葉を託した
「詞の中に誓いがあるの 二人だけしか知らない事よ
七月七日に 長生殿で
二人っきりでお話したの
『天に生まれたら比翼の鳥になりましょう
地に生まれたら連理の枝となりましょう』って
天地の寿命は長いけど いつか終わりの日が来るわ
だけどこの愛は ずっとずっと 永遠なの」
158 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:01:20 ID:Urk0mX7Z
( ̄▽ ̄)凸 さて、あれだけでは本当に叱られるかもしれません
もうちっと小マシな訳も載せておきます
でわ
159 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:01:36 ID:Urk0mX7Z
『長恨歌』 by白居易
玄宗は 帝国に相応しき絶世の美女を望んだ
天下に勅令(ふれ)は回ったが 時は虚しく流れ流れ
そして 楊家から 一人の娘が宮中へ上がる
世間を知らず 世間も知らない 深窓の令嬢
しかし 天与の美貌は忽ち皆に知れ渡り
玄宗の目にも留まって ある朝 貴妃に
目を動かし 微笑むだけで 溢れ出る艶麗さ
それには 六つの後宮の誰一人とて敵わない
早春の頃 華清宮の湯泉へ供を命じられた貴妃
滑らかな湯が 更に滑らかな彼女の肌を磨き上げる
恥じらいながら倒れ伏す彼女を 侍女がそっと助け起こす
これが 玄宗から改めて愛された時のワンシーン
160 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:01:55 ID:Urk0mX7Z
ふんわり結った髪と 華やぐ顔の間で 黄金の髪飾りが揺れる
虹色の絹の帳の内側は暖かで 春の夜寒を寄せ付けない
夜更けの戯れ 明けの眠り そして目覚めは昼近く
玄宗は 朝議に出られない
貴妃は 玄宗の歓心を買い 宴会の場に侍り続ける
季節の宴も 閨での愛も 今や貴妃一人のもの
後宮の選りすぐられた佳人や麗人 その数およそ三千人
彼女らへの寵愛を 貴妃は全て奪ってしまった
豪華な館の中で装い 艶かしく夜伽を務め
贅沢な高殿の宴が済めば 酔って心地良い眠りに落ちる
貴妃のお陰で 兄弟姉妹は出世し それぞれ国を賜った
ああ羨ましいねえ 家の中の太陽で 戸口や窓まで眩しいよ
とうとう 世間の親たちは考えを変え
男児を尊重しないで 女児を有り難がるようになった
161 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:02:17 ID:Urk0mX7Z
驪宮は雲に届かんばかりの高さに聳え
そこから 妙なる調べが風に乗り 四方八方へ流れて行く
ゆっくりと歌い ゆったりと舞い 技を極めた楽曲は
贅沢に慣れた玄宗でさえ 飽きの来ないものばかり
そこに安禄山の乱が起き 兵火が漁陽から迫る
驚いて 伶人も舞手も楽を捨て 皆一斉に逃げ出した
壮大な王城も 豊かな都も 全て戦塵に包まれる
玄宗は多くの車と騎馬に守られ 西南の蜀を目指し落ちて行く
力なくはためく天子の旗 ゆるゆる進む軍団
(誰の為に、こんな…何故、俺達がこんな目に…)
怨嗟が兵士の足を止めた
都の西 城門よリ百里余りの 馬嵬での事
皆の怒りは貴妃へ向かい 玄宗ですら止められない
眉の美しい麗人は 玄宗の目の前で 二度と帰らぬ人となった
髪から滑り落ちた螺鈿の櫛を 形見とて拾う者なく
翡翠の簪 黄金の孔雀の髪飾り 玉の笄さえそのままに
愛人の命乞いさえ出来ぬ男は その瞬間 顔を覆った
窺い見れば 悲と哀と 綯い交ぜの血涙が頬を伝っている
162 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:02:38 ID:Urk0mX7Z
黄塵が広く舞い散り 風は物寂しげに吹くばかり
二剣に続く 九十九折れの桟道を登り 蜀に入る
峨嵋山麓に広がる蜀は 人の出入りが少ない田舎
帝王旗には輝きがなく 心なしか日輪も色褪せて見える
しかし 蜀の自然は豊かで 江は清く 山は緑に恵まれる
そんな中 玄宗は朝な夕なに 貴妃を懐かしむ
仮御所で 月を見れば いつかの記憶に心を傷め
夜雨の鈴を降るような音に 死にたいほど切なくなる
やがて 時運が廻り 都へ戻れる日がやって来た
だが 途中で玄宗はためらい 進めなくなる
この馬嵬の坡の下 泥土の中に 貴妃がいるから
最後に顔を見る事も無く 貴妃は虚しくここで死んだ
滂沱の涙を流す君主に 家臣も思わずほろりとする
163 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:03:03 ID:Urk0mX7Z
東に城門が見えれば 馬でさえ自然にそちらへ向かう
戻ってみれば 庭も池も みな昔のまま
太液池の芙蓉の花 未央宮の柳
芙蓉も 柳も 全て貴妃の笑顔を偲ばせる
どうして涙無しにいられよう
春の風に 桃や李(すもも)の花が開く日
秋の雨に 梧(あおぎり)や桐の葉が落ちる時
西宮の南の御苑には 秋草が多く生い茂る
しかし 紅葉は入り口に満ちたまま
梨園の学生も すっかり白髪になり
阿監の臈長けた美貌も 今は昔
宵闇に ホタルが飛べば 思い出に胸が塞がれる
玄宗の寝所の灯りは 何時まで経っても点っている
時を告げる鐘の数に 初めて夜の長さを知る
天に輝く星々が 夜明けの光に消え行く頃
鴛鴦の対の瓦は 一面の霜で冷たく
翡翠の夜具も冷々と 侘しさを分かち合う者もない
既に遠く生死を隔て 幾年もが過ぎ去ったが
貴妃の魂魄は 夢にも現れない
164 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:03:22 ID:Urk0mX7Z
臨?の道士が 鴻キ(長安)に滞在していた
彼は精魂を傾け 魂を招致することが出来ると言う
家臣達は あれ以来 安らかに眠れぬ主君の為に
遂に 方士に 貴妃の霊魂を探すように頼み込んだ
空を飛び 気を御して 稲妻のように駆け回り
天に昇り 地に潜り 貴妃を探して 遍く世界を廻る
上は天の極みまで 下は黄泉の底まで
どちらも果てしなく広がり 全て見渡す事は難しい
そんな時 東海に仙山があると 話に聞いた
それは 遥かに遠い仙界にあり
高殿は輝くばかりに美しく 五色の雲が湧き出ずる
そこは 優しく淑やかな仙人・仙女たちの住まう所
その中の一人 太真という字の者は
雪の膚も花の顔も まさに楊貴妃そっくり
165 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:03:43 ID:Urk0mX7Z
立派な城門の西側の お屋敷の御門を叩くと
女中から奥女中へ 順々に来訪が取り次がれる
皇帝からの使者と言う報せに
幾重もの美しい帳の中で 夢見ていた魂は驚いた
着物を引寄せ 枕を押し退け 急いで身形を整える
幾重もの簾や屏風が 次々中から開かれた
髷が幾らか偏っているのは 慌てて昼寝から覚めた所為
飾りの美しい冠も少し歪んだまま 太真が奥から姿を現す
仙女の袂が風に煽られ ひらひら舞い上がる
その姿は 死しても尚 霓裳羽衣の舞を見るようだ
玉のように美しいが寂しげな面を 涙が止めどなく滴り落ちる
ちょうど 一輪の梨の花が 春の雨に打たれているように
太真は思いを込め 玄宗への無沙汰を謝した
「あれ以来 お声もお姿も拝見いたしません
昭陽殿でのご寵愛も 絶えて無くなってしまい
蓬莱宮でお別れしてより 長い月日が流れました
いくらここから人間世界を眺めても
長安を見ることは出来ず ただ塵や霧が見えるだけです
166 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 19:04:28 ID:Urk0mX7Z
昔頂いた物で この深い思いを伝えましょう
螺鈿の小箱と黄金の簪を 送り届けて下さい
簪は足から裂いて片側を残し 小箱は蓋の側を残します
簪は黄金を裂き 小箱は螺鈿を分けます
二人の心が これら金鈿のように堅ければ
天上界か人間界で 必ずお会い出来ましょう」
別れに臨み 太真は道士に 鄭重にもう一言 言葉を託した
「その詞の中に誓いがあります 二人だけしか知りません
七月七日 長生殿にて
夜半 周りに誰もいなくなった時 二人だけでお話致しました
『天にあっては比翼の鳥となりましょう
地にあっては連理の枝となりましょう』と
天は悠長で地は久遠ですが いつかは時の尽きる事もあるでしょう
ですが この愛情は 細く長く 永遠に尽きる事が無いでしょう」
167 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/17(日) 21:53:05 ID:Urk0mX7Z
余談ですが、楊貴妃は梨の木の下で、高力士の手によって37年の生涯を閉じたと
されています
168 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/22(金) 21:11:15 ID:E96G1Iay
沖縄はもう梅雨明けだそうですよ
一足早く夏ですね
「夏の海は静かなり」と言う事で、古来、大陸と沖縄の間の往来は夏が多かったとか
なので、今夜は沖縄を詠んだ詩を選んでみました
『送人之官外島』 by阮超叙
六月 南風 君を送らんと欲す
岐(ワカ)れに臨みて 人語 那んぞ聞くに堪えん
扁舟(ヘンシュウ) 明日 千余里
首(コウベ)を回(メグ)らすも 中山 只白雲に(あり)
※中山:沖縄本島の事
169 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/06/22(金) 21:14:05 ID:E96G1Iay
六月の初夏の風の中 あなたを見送りに行く
あなたとの別れを惜しむみんなの言葉を聞きたくない
寂しさが一層募るから
この小さな船は 明日はずっと遠くに行ってしまうけれど
振り返ってごらん 島はきっと白雲に包まれているだろう
私があなたを想う気持ちで 島を隠してしまうから
これはストレートに訳しても、そう変わりはありません
こんな具合です
六月 南風が吹く中で 君を見送りに行く
別れの時に臨んで 人々が餞(はなむけ)の言葉を贈っているが
それを聞いていると 物悲しい気持ちになる
この小船は 明日にはもう千余里を進んでいる
その時 船の上から振り返っても こちらはきっと白雲の中だろう
170 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 02:50:10 ID:vz1j+x8n
嬌として華清の浴後の姿に似たり
断腸の人は立つ夕陽の時
前身の薄命誰に憑りて訴えん
今日紅妝自ら持さず
傍砌墻に依りて寂莫を憐れみ
啼烟泣露臙脂に滴る
多情なるは本より是深宮の種
仍ち秋風に向かいて所思を繋ぐ
171 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/01(日) 14:54:06 ID:jsnk2VGc
>>170 いらっしゃいませ、ようこそですよ
素敵な詩ですが、私は題名も作者も存じません
宜しければ、教えてやって下さいませ
……と言いつつ、勝手に訳してみましたよ
その姿は 華清で湯浴みした楊貴妃のように艶かしいが
日暮れ時 彼女は大きな悲しみを抱えて立ち尽くす
儚った前世の事を 誰に依って訴えようか
今日は華やかな化粧をしなかった
傍らの垣根に近寄り もの寂しさに絶えられず
迸る泣き声と 涙が化粧に滴り落ちる
移り気なのは 最初からこの世界の慣わし
だから 別れに臨んで 愛しい人の事を思う
なんだか、色町の遊女さんを詠んだ詩のようになってしまいましたが(^^;)
えー、啼烟と言う言葉がわかりませんでしたので、勝手に啼咽としました
and 4節目で「本日スッピン」と言いながら、6節目「化粧の上に涙が滴る」って、あなた、
それ思い切り矛盾してるではねーですか!と思いましたので、前者を異訳してます
172 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/01(日) 15:01:58 ID:jsnk2VGc
さて、今日はもうひとつ、長恨歌&季節に因んでホタルの出て来る詩をお届けしましょう
『玉階怨』 by謝?
夕殿 珠簾を下し
流螢飛びて 復た息(イコ)う
長夜 羅衣を縫い
君を思う事 ここに何ぞ 極(キワ)まらん
※作者の名前は 月偏に兆と言う字です
普通に訳せば、こんな風です
夕方の宮殿では、玉で作ったスダレが下され
表を飛び交うホタルが、時々そこにとまったりする
夜もすがら あなたの薄帛の衣を縫っている
あなたを思う気持ちは いつか終わる時があるのだろうか
ふふふ、拙訳ではこんな感じです
宵闇がしっとり辺りを包む頃
宮殿のあちこちに、目隠しの玉(ギョク)の簾がかけられる
そぞろなる宮女達の 胸から上がる恋の蛍が今宵も飛び交い
恋人のいる房の簾をそっと潜る
私はと言えば 夜更けまで あなたの夏の衣装を仕立てている
(あなたを思う心の蛍を じっと胸にとまらせたまま)
173 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/01(日) 15:02:55 ID:jsnk2VGc
さて、今日はもうひとつ、長恨歌&季節に因んでホタルの出て来る詩をお届けしましょう
『玉階怨』 by謝?
夕殿 珠簾を下し
流螢飛びて 復た息(イコ)う
長夜 羅衣を縫い
君を思う事 ここに何ぞ 極(キワ)まらん
※作者の名前は 月偏に兆と言う字です
普通に訳せば、こんな風です
夕方の宮殿では、玉で作ったスダレが下され
表を飛び交うホタルが、時々そこにとまったりする
夜もすがら あなたの薄帛の衣を縫っている
あなたを思う気持ちは いつか終わる時があるのだろうか
ふふふ、拙訳ではこんな感じです
宵闇がしっとり辺りを包む頃
宮殿のあちこちに、目隠しの玉(ギョク)の簾がかけられる
そぞろなる宮女達の 胸から上がる恋の蛍が今宵も飛び交い
恋人のいる房の簾をそっと潜る
私はと言えば 夜更けまで あなたの夏の衣装を仕立てている
(あなたを思う心の蛍を じっと胸にとまらせたまま)
174 :
名無氏物語:2007/07/01(日) 17:56:49 ID:vz1j+x8n
>>171 お見事。
作者は断腸亭主人の父、永井久一郎、題は『秋海棠です。』
>>174 ありがとうございます
他人様からものを教えて頂けるのは、本当に嬉しい事です
しっかり記録しておきますね
176 :
名無氏物語:2007/07/02(月) 22:17:50 ID:+eytxqOL
これは稀に見る良スレ
こんなめちゃくちゃ読みやすい訳は初めて見た
177 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/03(火) 22:06:53 ID:jmFbWYUk
>>176 なんと暖かいお言葉でしょう
私め、思わず感涙に咽んでしまいましたよ
ええ、本当に
では、今宵はもうひとつの『玉階怨』をお届けしましょう
『玉階怨』 by李白
玉階に 白露生じ
夜 久しくして 羅襪を侵す
却下す 水精(すいしょう)の簾
玲瓏 秋月を望む
178 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/03(火) 22:09:43 ID:jmFbWYUk
後宮の立派な階段(きざはし)に 夜露が降りて来た
皇帝の御成を待つ夜は長く 夜露が薄絹の足袋に浸みて来る
諦めて部屋に入り 水晶の簾を下ろし
秋の澄んだ月光が玉(ぎょく)のように光り輝くのを眺めている
さあ、イジりましょうかねえ♪
こんな夜には あなたが来るかと
そっと部屋を抜け出してみる
表へ続く階段で あなたの影を待ちわびて
長い夜
舞い降りたのは露 薄絹の足袋を濡らす
今宵は縁なし ため息ひとつ
部屋の窓辺に腰を降ろし
透き通る水晶の簾をすり抜ける
冷たい玉のような月光を ぼんやり眺めて
あなたを思う 秋の夜
179 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 00:33:55 ID:tA9KuU5r
>>178 いいですねぇ。スレ主さん艶っぽいの絶品ですね。
万事 心を傷むること目前にあり
一身憔悴して花に対して眠る
黄金用い尽して歌舞を教え
他人に留与して少年を楽しましむ
病中遺妓 司空曙
180 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/04(水) 22:14:45 ID:AIzD6KMK
>>179 いえいえ、単に妄想が逞しいだけの事です、ハイ
ああ、これはまた、哀しい詩ですね
病を得て落魄し、家妓を売り払わねばならないとは
しかも、題中に「遺」とありますから、作者の葬式費用の足しにと手放さなければならなかった
のでしょうか
恥かしながら、ちょっと変訳してみますね
この世の全て 何もかも 見ても聞いても 哀しくなるのだ
打ちひしがれたこの身は 愛しいおまえを前にしながら
もはや 目を閉ざす事しか 出来ないのだよ
おまえに 惜しみなく 金銭を注ぎ込み
ようやく 一流の技女に 育てあげたものを
むざむざ 世間知らずの若造に 譲らねばならないとは
如何でしょうか?
181 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/04(水) 22:25:28 ID:AIzD6KMK
さて、それでは今夜は司馬つながりでお届けしましょうか
『白頭吟』 by卓文君
皚(がい)たること 山上の雪の 如く
皎(こう)たること 雲間の月の若(ごと)し
聞く 君 両意有りと
故(ことさら)に来たりて 相(あ)い決絶す
今日 斗酒の会 明旦 溝水の頭(ほとり)
御溝の上に小渫(しょうちょう)すれば 溝水は東西に流る
淒々(せいせい) 復(ま)た淒々たるも
嫁娶(かしゅ)に 啼(な)くを須(もち)いんや
願わくは 一心の人を得て
白頭まで 相(あ)い離れざらん
竹竿 何ぞ 嫋々(じょうじょう)たる
魚尾 何ぞ 篩々(しし)たる
男児は 意気を重んず
何ぞ 錢刀を用いるを為(な)さんや
※卓文君:前漢時代、臨の大富豪である卓王孫の娘。司馬相如と恋に落ちて
駆け落ちをする。二人は「家居徒四壁立」という中で苦労を共にし、やがて
妻の父から財産を分けてもらい、それで成功の基礎が出来たのだが、
晩年、茂陵に住んだ時、夫の司馬相如が妾を持ったので、卓文君は
この詩を以て夫を諫め、詰め寄った。
※錢刀:昔、お金が刀の形をしていた事から、銭貨をこのように表現した。
※小渫:渫の字は、本当は足偏です
182 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/04(水) 22:28:10 ID:AIzD6KMK
直訳すればこのように…
私の心は 山上の雪のように白い
私の心は 雲間の月のように真っ白だ
あなたは浮気をし わたしを裏切る心を抱いていると聞く
だから 私はわざわざあなたに永久の別れを告げにやって来た
今日は 二人にとって 最後のお酒を飲む機会だ
明日は 小川の畔に出掛けて行こう
小川の畔へ小走りに行き 東と西に別れて流れよう
冷ややかな上にも冷ややかな暮らし
嫁入りは 必ずしも泣く(悲しむ)ものではない
願わくば、嘘をつかないで愛し続けてくれる人を見つけ
白髪頭になるまで添い遂げたい
釣り竿は 何としなやかなことだろう
魚は 何とピチピチとしていることか
男とは 心意気を重んずるものだ
どうして 金銭を私に使おうとするのか
183 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/04(水) 22:31:51 ID:AIzD6KMK
もう少し、普通の言葉って言うより、奥さんに啖呵切ってもらいましょうw
私の心は 山上の雪のように高潔で
私の心は 雲間の月のように潔白なのに
どうしてあなたは そのように汚い真似をするのかしら
聞けば あなたは浮気をし 私を裏切る気でいるらしい
それならこっちにも覚悟があるわ
別れましょう あなた 永遠に
今日が二人の最後の日 別れのお酒を飲みましょう
明日は別れの小川の中ね
さっさと行って 東と西 それぞれの人生 別々に流れましょう
寒々した生活を続け 隠れて涙する事が結婚生活だとは思わない
願わくば 愛情深い人を見つけ 一生愛し愛され暮らしたい
夫は 妻のことを思うべきよ
こんなに生き生きして素晴らしい妻なのに それがわからないなんて
真の男なら 情義を重んずるものでしょうに
どうして 御金銭で解決しようとするの
(いい加減になさい!)
184 :
名無氏物語:2007/07/04(水) 23:15:22 ID:He5OVsqi
急ぎです!!
現代の読み方っていうか現代仮名遣いで
「障子」
「男」
ってなんて読むんですか??
185 :
名無氏物語:2007/07/05(木) 13:21:53 ID:jGySpdJ8
>>184 スレ違い&マルチ
だから、答は返って来ない
186 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/05(木) 21:13:18 ID:mOWYWFfl
>>184 おやおや、これはフィッシングなのでしょうか?
U良太郎になら、喜んで釣られてあげますけれど
んー、少々考えておりました
>>180で
>>179の『病中遺妓』を訳しましたが、その際、2行目の『花』を『愛しいおまえ』と
訳しましたけれど、これはあくまで家妓に対しての言葉なので『可愛いおまえ』の方が
適切な気がします
なので、たいして変わりませんが、このように改めます
この世の全て 何もかも 見ても聞いても 哀しくなるのだ
打ちひしがれたこの身は
もはや 可愛いおまえの 夢を見る事しか 出来ないのだよ
おまえに 惜しみなく 金銭を注ぎ込み
ようやく 一流の技女に 育てあげたものを
むざむざ 世間知らずの若造に 譲らねばならないとは
187 :
名無氏物語:2007/07/06(金) 01:30:18 ID:sQZgIBmO
>>186 ご丁寧にありがとうございます。妄想だなどと。
妄想の為せる業ならば、それこそ妄想乙です。
時期は早いのですが、好きな詩です。
碧樹煙の如く晩波を覆う
清秋尽くる無く客重て過ぐ
故園今即ち煙樹の如し
鴻雁来らず風雨多し
姜逢元
間もなく七月七日ですね。
188 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/06(金) 22:40:46 ID:LOk6gRZ5
>>187 何か、絵画を見るような詩ですね
試みに、少し弄ってみましょうか(何時も通り、出鱈目ですけれどw)
まずは直訳
緑の木々は ゆっくりした波に覆われるように 霞んで行く
爽やかな秋は終わろうとし 客は幾人も通り過ぎる
かつて美しかった庭は 煙樹のようにぼんやりとかすんでいる
コウノトリやガンは来ないで 雨風だけが強く当たる
そして変訳
木々の深い緑は ゆっくり移ろい
爽やかな秋は過ぎ 訪れる者もなくなった
華やかな時は去り 今はセピア色の思い出
便りも来ないで 風雨だけが扉を叩く
※2句目の『清秋尽くる無く』の部分ですが、少々繋がりが悪いように思いましたので
勝手に『清秋尽きんと欲す』と読み替えて訳しました
189 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/06(金) 22:47:45 ID:LOk6gRZ5
そうですね、明日は七夕
残念ながら、天気は悪そうですが…
天の川繋がりで、こんな詩は如何でしょうか?
『更漏子』 by温庭芍
相ひ見ゆること 稀に
相ひ憶ふこと 久し
眉 淺く(あさ)く 淡く烟(かす)めること柳の如し
翠の幕を垂らし 同心を結ぶ
郎(きみ)を待ちて 綉(うすぎぬ)の衾(しとね)を燻(くん)ず
城上の月 白きこと雪の如し
蝉鬢(せんびん)の美人 愁絶す
宮樹暗く 鵲橋(じゃっきょう)たはる
玉籤(ぎょくせん) 初めて明を報ず
190 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/06(金) 22:48:51 ID:LOk6gRZ5
まず、そのまま訳
逢うことが稀になり
その分 想いが募っている
眉の化粧が薄くなり 柳のように淡く霞んでいる
閨の帳の結い紐を 同心結に結んでみる
あなたを待って 薄絹の掛け布団に香を焚く
街の上の月は白く 雪のようだ
艶やかな髪を流行の形に結い上げた宮女が 嘆いている
宮中の樹木は夜目にもなおくらく
夜空には天の川が横たわる
待つ程に 水時計が夜明けを告げる
191 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/06(金) 22:50:26 ID:LOk6gRZ5
で、私的訳
愛しいあなたと逢えなくなって
ただ想いばかりが募る日々
化粧する気力さえ失せ 形ばかりの眉を引く
再びの契りを願い 閨の帳を同心結に結んでみる
そして何時もしていたように
あなたの帰りを待ちながら 寝床を設え 香を焚く
昔 あなたと見た月も 白い雪のように輝いていた
あの頃は あなたの為に美しく より美しく装ったもの
あなたのいない日が来ようとは 夢にも思わず
宮中の樹木がなお黒々と陰を落とす真夜中
夜空に横たわる天の川に カササギの橋はいつ渡されるのだろう
眺めるうちに時が移り いつしか空が白んでくる
192 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/11(水) 22:33:32 ID:6MuOnTO5
さて、隔てられながらも認められている恋人たちには、まだ、心を告げる術がありますが、
隠れた恋、公に出来ない恋をしている人たちは、とても切ない思いをしているのですね
それが、女性でなくて、男性でも
今夜は、そんな詩をお届けしましょう
『荷葉杯』 by韋莊
記し得たり 那の年 花の下
深夜
初めて 謝娘(しゃじょう)を識(し)りし時
水堂の西面に 画簾(がれん)は垂れ
手を携(たずさ)え 暗(ひそか)に相(あ)い期(き)す
惆悵(ちゅうちょう)たり 暁(あかつき)の鶯 残(なごり)の月
相(あ)い別れ
此れ従(よ)り 音塵(おんじん)を隔(へだ)つ
如今(いま)倶(とも)に 是れ異クの人
相(あ)い見(まみ)ゆるに 更に因(よし)無し
193 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/11(水) 22:35:46 ID:6MuOnTO5
普通の訳です
覚えている あの年 あの花の下
真夜中
初めて謝娘と知り合った時
水辺の館の西面に 綺麗に彩色を施した簾が掛けてあり
そこで 手を繋ぎ 密かに落ち合った
恨み嘆いて居れば 明け方になり
鶯は鳴き始め 月は沈みかけている
別れが来て
以来ずっと 音信はない
今 共に異郷の人となってしまい
会いたくても 手立てがない
ああ、そうそう
謝娘と言うのは、詩では若くて美しい女性を指し、特に男性から見て素敵な人の事をも
このように呼びます
194 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/11(水) 22:36:33 ID:6MuOnTO5
妄想しますよwww
憶えている 彼の年の あの花の下
真夜中の事だった
初めて 本当のあの人を知った
水辺の館の西側 絵簾の裏で
手を取り合い 密やかに 愛を交わした
恨めしいのは 明けのウグイス 有明の月
独り寝の侘しさ
別れてから あれっきり 音信は途絶えたまま
今はもう 二人は 遠く隔てられ
逢って 心を告げたくても どうにも出来ない
195 :
名無氏物語:2007/07/12(木) 11:35:09 ID:hF566J/x
使用前・使用後といったところでしょうか。
残書を収拾して幾篇を剩す
軽狂の蹤跡廿年前
笑いて犀首に傾く花間の盞
酔いて蛾眉を扶く月下の船
黄祖怒る時偏に自喜し
紅児の癡処絶えて憐むに堪えたり
如今興味銷磨し尽す
剩愛す銅鑪一しゅ(火主)の烟
疑雨集 王次回
196 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/13(金) 23:11:42 ID:qqx+N189
>>195 正直言って、訳しようがわかりませんでしたよ
しかし、そう言う時は『行き当たりばったり』でやってしまうのがルビー流
何、間違ってたらエロイ人が指摘してくれるでしょう
と言う訳で、ちょ〜テキト〜に!
昔の手紙を整理して 幾つかが整理しきれない
それは 勢いだけがあった20年前 若かりし日の足跡
笑いながら 花の下で 美女に酒を注ぎ
月の下 酔って ふらつく美人を支えた 船の上
黄祖のように 後先を省みず 独善的に突き進み
赤子のような 愚かな振る舞いばかり よく出来たものだ
今はもう興味も薄れ 擦り切れ 消え果てた
火鉢にくべた愛の名残が 煙になって虚空へ還る
>黄祖怒る時偏に自喜し
>紅児の癡処絶えて憐むに堪えたり
この所を少しいぢると、結構エチ〜!なのです
こんな具合に
ほとばしる思いを抑え切れず ただ遮二無二突き進み
敵娼の痴態の極みを演じさせる 自分を得意に思っていた
…なんてね
197 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/13(金) 23:23:41 ID:qqx+N189
さて、他人事ではないのですが、台風さんが来るらしいのですよ
その所為かどうか、パソコンの機嫌が良くありません
止まらない内に書き込んでしまいましょう
ここは一つ安直に「大風歌」を
『大風歌』 by劉邦
大風 起きて 雲 飛揚す
威は 海内に加わりて 故クに帰る
安(いず)くにか 猛士を得て 四方を守らしめん
大風が起こり 暗雲が乱れ飛んでいたが
自分の威光は天下を制し 今この故郷に帰って来た
さあ 勇猛な士を集め 国の四方を守らせよう
つ【雑学ですよん】
秦の始皇帝没後は、天下の覇者たらんと欲する人々がたくさん
現われ、中原はあちこちで戦火が上がっていました
その中で、最後まで戦に勝ち残ったのが、漢の高祖『劉邦』です
この歌は、彼が淮難王黥布の反乱を鎮定し、郷里の沛に立ち寄った
際に作ったもので、「高祖はすなわち立ちて舞い、慷慨傷懐して、
泣(なみだ)数行下る」と史記高祖本紀にありますよ
天下統一を実感出来て、よほど嬉しかったんでしょうか
この後、漢は前漢・後漢を合わせて約400年程続きます
しかし、皇帝の座についてからの劉邦の半生を考えてみれば、
最後の一行が、ずいぶん違う意味に聞こえて来ませんか?
198 :
名無氏物語:2007/07/14(土) 00:01:03 ID:1zqXYNC3
いい訳ですね。紅玉亭さんにもわかりにくいとは、疑雨集ってやはり変わってるのかな。
「天上大風」って、何かにありませんでしたっけ?
おはようございますよ
>>198 いえ、本当にでまかせなので、もしかしたらとんでもない誤りをしているやもしれません
それと、言葉使いが現代的と言うか、固いような感じがしますので
「天上大風」は、良寛さんがよく書いてませんでしたっけ?
あとでググりに行って来ます
200 :
名無氏物語:2007/07/15(日) 01:24:50 ID:ZRbGxjxb
こんばんは、台風ですね。
良寛さんでしたか。荘子かと思ってました。
肌寒いし雨風の音が、耳について眠れません・・・・
連雲塞に接して迢逓を添え
幕に灑ぎ燈を侵して寂寥を送る
一夜眠らず孤客の耳
主人の窓外芭蕉あり
樊川外集 雨 杜牧
201 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/15(日) 21:45:26 ID:LNSOmlhy
こんばんは、ですよ
台風の所為でベランダの植木鉢を移動させなきゃならなくて、すっかり腰が痛〜!ですよ
だから、違う意味で眠れませんでしたよ
>>200 またまた、素敵な詩をありがとうございます
例によって変体させて見ましたが、おかしな箇所にお気づきでしたら、どうぞ遠慮なく
ビシバシやって下さいねw
連なる雲は 砦の上に 遥かに続き
天を覆って 陽を遮り 物寂しさを募らせる
戸外からの囁きに 夜通し悩む 孤独な旅人
それは 主の部屋の窓の外 芭蕉に当たる 雨音の所為
202 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/15(日) 21:47:56 ID:LNSOmlhy
では、作者繋がりで、このようなモノをひとつ
『雲』 by杜牧
尽日 雲を看て 首を回らさず
無心 都て道う 才無きに似たりと
憐れむべし 光彩 一片の玉
万里青天 何れの処より来るか
ひねもす 余所見もせず 雲を見つめている
心に邪気がないとは 才が無いのと同じだと 皆が言う
光を浴びた 一片の雲に感動する
晴れ渡った青空の 何処から雲は来たのだろう
<駄約>
一日中 何もせず ただ 雲を見ていた
何も考えないのは 馬鹿と同じだと他人は言う
可哀想だね あの玉にも似た 光の彩が解らないんだ
雲ってさあ この青く広がる天空の 何処からやって来るんだろう
203 :
名無氏物語:2007/07/15(日) 23:00:52 ID:ZRbGxjxb
『雲』のルビーさん訳みていたら、兼好さんの「迷ひの心をもちて名利
の要を求むるに、かくの如し。万事は皆非なり。言ふに足らず、願ふにた
らず。」
雲が流れ空も晴れて、星が見えます。@東京
尽日に雲を望めば心繋がれず
時ありて月を見れば夜正に閑かなり
幽棲 元槇(本字ノギヘン)
腰お大事に
204 :
名無氏物語:2007/07/15(日) 23:04:14 ID:ZRbGxjxb
追。
徒然草の一節を、思いだしました、と言おうとして、文が抜けてしまいま
した。失礼。
205 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/15(日) 23:37:32 ID:LNSOmlhy
>>203 どうもありがとうございます
世の中に、美しい言葉はたくさん有るのですね
こんなスレを訪れて下さる方々がいて下さり、色々な事を教えて下さって、本当に嬉しく
またありがたく思いますよ
>>204 いえいえ
そんな、ご丁寧にもったいないことですよ
206 :
名無氏物語:2007/07/18(水) 00:32:39 ID:VE4dJDsJ
こんばんは台風は去りましたが、雨模様ですね。なんだか好きなものをひとつ。
佳人尽く晨粧を飾る
魏宮に鐘動く
遊子なお残月に行く
函谷に鶏鳴く
暁賦 賈嵩
207 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/18(水) 22:09:53 ID:OlrjmZrY
こんばんはですよ
いきなり突然、アッチッチになって困ります
>>206 さてさて、『函谷に鶏』と来れば、遊子は『孟嘗君』と短絡的に考えましたよ
で、このように
女官達が一斉に 朝の化粧に 取り掛かる頃
魏の王宮に 夜明けを告げる 鐘が響く
薄青く 白み始める天空に 未だ輝く 残んの月
その昔 歩みを止めぬ 旅人の為
函谷関に ニセ鶏の音が 響いたそうな
208 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/18(水) 22:19:18 ID:OlrjmZrY
さあ、谷と来れば山ですねw
『酔下祝融峰』 by朱熹
我 来たって万里 長風に駕す
絶壑の層雲 許(か)く胸を盪(うご)かす
濁酒三杯 豪気発す
朗吟 飛び下る祝融峰
私は最も高い祝融峰までやって来た 遠くから風が吹いてくる
深く険しい谷に雲が湧き起こる風景は 心を動かし掻き立てる
濁り酒を三杯も飲むと たちまち豪快な気分になって
高らかに詩を吟じながら 一気に祝融峰を下った
*祝融峰というのは、湖南省衡山県の西北にある衡山最高峰だそうです
山中に名勝古跡が多く、歴代の文人が多くの詩文や石刻を残していて、頂上の祝融殿
からのご来光が、それはそれはスバラシイのだとか
209 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/18(水) 22:21:30 ID:OlrjmZrY
さ、さ、さ、イジりましょー♪
遙か遠い道を経て 頂上で山嶺を渡る風に吹かれる
鋭く深い渓谷より湧き上がる雲に 畏敬の念すら抱いてしまう
たった三杯の濁り酒に酔ったと見え 気分は既に神仙だ
さあ 謡いながら雲に乗り 祝融峰を降りて行こう
(おまけ)
朱熹は“濁酒三杯”なんて書いてるけど、山頂でこんな事しちゃいけません
心臓が走ったり止まったりするし、人によっては真後ろに首吊り死体があるような気分に
なるそうですよ
お酒は下界に降りてからに致しませう
210 :
紫雪:2007/07/19(木) 00:33:44 ID:DLRjU6nf
>>207 いい訳ですね。
深草少将の百夜通いではありませんが、夜な夜なお邪魔してるので、コテ
つけます。
>>208 北斎の「凱風快晴」を見るようですね。
おやすみなさい。
>>207 紫雪とは、また素敵な名を選ばれましたね
朝夕に天空を彩る色である上、その裡に沈香をも秘めておられる
その性は冷静
如何にもあなたに相応しい名だと、わたくし感心致しました
>いい訳ですね。
いえ、いい加減なだけです
楽しんで頂くのは構いませんが、お信じになってはいけませんよw
212 :
紫雪:2007/07/20(金) 01:06:11 ID:ZBOht0DL
欝陶しい天気が続きますね。去年、東京の梅雨明けは、18日だったのですが。
夏の陽射しが、恋しくなります。
別院深々夏簟清し
石榴開くこと遍く簾を透して明らかなり
樹陰地に満ちて日は午に当たる
夢覚むれば流鴬時に一声
夏意 蘇舜欽
213 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/21(土) 00:05:13 ID:BErQHHki
そうですね
しかしながら、天から水を授からねば、これまた困った事になりますので
もう少し、時の至るのを待つと致しましょうよ
さて、夏は昼寝、これがとても良いのですね
子供の頃を思い出しますよ
では
>>212の拙訳をば
離れはひっそり 静まりかえり 夏の茣蓙が涼を誘う
咲き誇る 石榴の花が 簾の向こうで 朱色に燃える
緑濃き木々の陰が 大地を覆う 昼下がり
午睡から目覚めれば 通りすがりのウグイスが 一声
214 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/21(土) 00:08:45 ID:BErQHHki
“朱色の花”繋がりで、こう言うのは如何でしょう
但し、こちらは“朝寝”ですがw
『如夢令』 by李清照
昨夜 雨 疏(そ)にして 風 驟(しゅう)なり
濃き睡(ねむ)りも消さず 残酒を
試みに問ふ 簾を卷く人に
却(かえ)って道(い)う 海棠(かいどう)は旧に依ると
知るや 否や?
知るや 否や?
應(まさ)に是れ 香@肥え 紅 痩せたるべし
215 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/21(土) 00:10:26 ID:BErQHHki
先ずは普通に訳しますね
昨夜の雨は疎らで 風は速やかだった
深い眠りも消せなかった 昨晩飲んだ酒の酔い
試しに 使用人に聞いてみる
雨が降っていたようだが 海棠の赤い花は昔のままだろうか
知っているか どうか
ちゃんと確かめたか どうか
きっと 雨に洗われて 緑の葉は艶々茂り
花は雨に散って 赤い色が減っただろう
そしてルビー風異訳
昨夜の恋は 本当の驟雨のようにあっさりしていて
深く眠って忘れるつもりが 却って余韻を残してしまった
部屋を片付けに来たメイドに聞いてみる
ちょっと疲れちゃったけど 私 綺麗?
ねえ どう思う?
よく見てよ?
きっと あの人の色が濃く移って
私の色が抑えられてるはずだから
216 :
紫雪:2007/07/21(土) 08:47:55 ID:OVD0ZcgY
おはようございます。
なるほど雨も大切ですね。なんだか艶っぽい詩ですが、海棠だから、秋に近いのかな?
「雲雨」という位だから、雨にはそういうニュアンスもあるんですね。寝起きのしどけなさ、まさに「昨日の花は今日の夢」ですね
こんばんは、紫雪さん
いえいえ、海棠は春なのですよ
秋海棠は秋なのですが
この詩が色っぽいのは、雨の所為もありましょうが、作者の女性ならではの感性が
溢れ出ている為だと思われます
しなやかな歌が多くて、李白さんと並んで好きな人です
218 :
紫雪:2007/07/22(日) 00:32:27 ID:pe+Voijb
こんばんは。
咲く季節が違う花だと、初めて知りました。ありがとうございます。
夜遊び好きな自分が、好きなものを一つ。
姑蘇の台上烏棲む時
呉王の宮裏西施を酔わしむ
呉歌楚舞歓び未だ畢らず
青山猶お銜む半辺の日
銀箭金壷漏水多し
起って看る秋月の江波に墜つるを
東方漸く高し楽しみを奈何せん
烏棲曲 李白
こんばんは、ですよ
紫雪さんは夜遊びがお好きですか
私は夜遊びより、旅が好きです
温泉と日本酒と美味しい御飯が好きですよ
さて、この訳があなたのお気に召すかどうか
カラスがもう そろそろねぐらに帰る頃
姑蘇台の 宮殿の中 呉王は西施を酔わせている
呉の歌や 楚の舞は 華やかに艶やかに 終わりを知らぬ
青き山の 峰の向こうに 陽は半ば隠れ
時を告げる銀の矢も 金の壺から 水のように流れて行く
水面に沈み行く 秋の月を 眺めていると
東の空が ようやく 白く明るくなり始める
気分はまだ 夜宴の続きなのだが
220 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/22(日) 23:19:30 ID:jel2IyDf
では、時計と月で行って見ましょうか
『浣溪沙 其五』 by韋荘
夜夜 相い思いて 更漏(こうろう)殘(すた)れ
明月に 傷心して 欄干に凭(よ)る
君を想うに 我を思いて 錦の衾(しとね)寒からん
咫尺(しせき)の画堂 深きこと海に似る
憶い来って 唯だ 旧き書(ふみ)を把(と)りて看(み)る
幾(いず)れの時か 手を携えて長安に入らん
※更漏:水時計
※咫尺:僅かの距離
221 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/22(日) 23:21:00 ID:jel2IyDf
普通にやりますよ
夜毎 大事な人を思い偲んでいると
夜明けまでの時間が残り少なくなってくる
明るい月に 物思いしてしまい 高殿の手すりに寄りかかる
あなたに想いを馳せば きっとあなたも私の事をおもって
独り寝で 夜を過ごしているのだろうか
狭い画堂が 海のように深く感じられる
あなたとの事を思い出し 昔交わした手紙を手に取ってみる
何時の日か 一緒に手を取り合って長安へ帰ろう
はい、変形しませう!
夜毎にあなたを思えば 時が瞬く間に過ぎて行く
月の光に照らされて 欄干に凭れながら いろんな事を思う
あなたも今頃 こうやって 私の事を思いながら
独り淋しい夜を過ごしているんだろうか
仮住まいの小さな画堂が 海のように深く感じる寂しい日は
思い出すまま 昔の手紙を手に取って ただ追憶に浸る
いつの日か 手を取り合い あなたと都へ帰れる時を夢見て
222 :
名無氏物語:2007/07/23(月) 09:07:52 ID:0CKMVzO6
二松へタレage馬鹿の餌
つ「222ゲット」
223 :
紫雪:2007/07/25(水) 02:00:11 ID:FLaFilrL
今夜は宵の内、月が綺麗でした。
前掲の詩は夜の想いなんですね。明けての物思いの〈詞〉。
小山 重畳し 金 明滅す
鬢雲 度らんと欲す 香腮の雪
起きて蛾眉を画くに懶し
弄妝 梳洗すること遅し
花を照らす 前後の鏡
花面 交交相映ず
新たに帖く 繍羅の襦
双双 金の鷓鴣
菩薩蠻 温庭いん
224 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/26(木) 00:27:16 ID:fJHUov0f
こんばんはですよ
紫雪さん、また色っぽいものを持ってこられましたねw
こう言うの、大好きです私♪
開いて見れば、このように
緩やかに隆起した小山が 幾つも重なったような 屏風の向こう
目覚めて身じろぐ あなたの額に 金の飾りが揺れている
寝乱れた髪がかかる 雪のように白い あなたの頬
物憂げに起き直り 身仕舞いを整えるさえ 億劫そうに
ゆっくりゆっくり 顔を洗い 髪を梳り 化粧する
装い成った姿を 二枚の鏡に映してみる
麗しい顔と 華やかな衣装が 鏡の中で 美しさを競い合う
縫い取りをした 新しい 薄絹の上着
寄り添う金の鷓鴣の模様に 少し切ない気持ちになる
225 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/26(木) 00:29:18 ID:fJHUov0f
では、眉つながりで行きますね(笑
『更漏子』 by温庭芍
相い見ゆること 稀に
相い憶うこと 久し
眉 淺(あさ)く 淡く烟(かす)めること柳の如し
翠の幕を垂らし 同心を結ぶ
郎(きみ)を待ちて 綉(うすぎぬ)の衾(しとね)を燻(くん)ず
城上の月 白きこと雪の如し
蝉鬢(せんびん)の美人 愁絶す
宮樹暗く 鵲橋(じゃっきょう)たわる
玉籤(ぎょくせん) 初めて明を報ず
226 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/26(木) 00:29:40 ID:fJHUov0f
逢うことが稀になり
その分 想いが募っている
眉の化粧が薄くなり 柳のように淡く霞んでいる
閨の帳の結い紐を 同心結に結んでみる
あなたを待って 薄絹の掛け布団に香を焚く
街の上の月は白く 雪のようだ
艶やかな髪を流行の形に結い上げた宮女が 嘆いている
宮中の樹木は夜目にもなおくらく
夜空には天の川が横たわる
待つ程に 水時計が夜明けを告げる
227 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/26(木) 00:30:44 ID:fJHUov0f
さほど変わりはしませんが、イジッって見たい年頃でして
愛しいあなたと逢えなくなって
ただ想いばかりが募る日々
化粧する気力さえ失せ 形ばかりの眉をひく
再びの契りを願い 閨の帳を同心結に結んでみる
そして何時もしていたように
あなたの帰りを待ちながら 寝床を設え 香を焚く
昔 あなたと見た月も 白い雪のように輝いていた
あの頃は あなたの為に美しく より美しく装ったもの
あなたのいない日が来ようとは 夢にも思わず
宮中の樹木がなお黒々と陰を落とす真夜中
夜空に横たわる天の川に カササギの橋はいつ渡されるのだろう
眺めるうちに時が移り いつしか空が白んでくる
228 :
紫雪:2007/07/26(木) 11:19:36 ID:1r7af2P9
真昼間にこんにちは
まさに、閨のひまさへつれなかりけり、ですね。
しかし、崑嶺の玉は採れども余り、とう林の材は伐れども尽きずで、艶っぽいものだけでも、いくらでも出てきますね。
当時の士大夫階級の妻妾(まあ砧打つよな方も)って、物思いの宵っ張りで朝寝勝ちが多いような。
見ようによっては、文化・文政頃の、遊女みたいにも思えますがw
オーソドックスに、座右の詩を一つ。
江湖に落魄して 酒を載せて行く
楚腰繊細 掌中に軽ろし
十年一覚 揚州の夢
贏ち得たり 青楼薄倖の名
遣懐 杜牧
229 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/27(金) 00:05:05 ID:Gz+E+ZMM
こんばんはですよ
おやおや、紫雪さんはプレイボーイなのですか?
そいつは剣呑剣呑w
2行目“腸断”を補足して訳しますね
江南で 自堕落に暮らし 何時も酒浸りだった あの頃
楚の霊王のように ほっそりと可愛い女性に 入れ込んでいた
十年が経ち ようやく 揚州での放蕩生活から 目覚めたが
手に入れたのは 妓楼の薄情者 その徒名だけだった
230 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/27(金) 00:10:16 ID:Gz+E+ZMM
私には、まだ、座右の詩と言う程のものはありません
太洋を彷徨う椰子の実の如く、ほよりんほよりんと詩の世界を漂っています
艶っぺー詩も好きですが、このようにほのぼのしたのも好きですよ
『竹枝』 by劉禹錫
楊柳青々として 江水(こうすい)平(たいら)けく
カの 江上に 歌を唱(うた)う聲(こえ)を聞く
東邊(とうへん)日(ひ)出(い)でて 西邊(せいへん)雨降る
道(い)うは是れ 晴無きは却(かえ)って晴有りと
柳が青々として 川の流れは静かだ
あの人が川上で歌う声が聞こえて来る
東の方では日が出ている 西の方では雨降りだ
昔から言う 晴れない時こそ晴れるものだ
(変訳)
穏やかで平穏な そんな風に見える日々
そっと確かめる あなたの気持ち
こんな娘が好み あんな娘はイマイチ
人にはそんな風に言うけれど 私に優しいのは何故?
231 :
紫雪:2007/07/29(日) 00:33:41 ID:ACKRMbxe
鼓腹撃壌の、じい様の心境のような。
川開きの日は、いつもナーバスになります。
天は北斗を回らして西楼に挂く
金屋人無く蛍火流る
月光到らんと欲す長門殿
別に作す深宮一段の愁いを
長門怨 李白
232 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/29(日) 11:13:56 ID:aHplseR4
こんにちはですよ
>川開きの日は、いつもナーバスになります
紫雪さん、鮎でしょうか、山女でしょうか、それとも岩魚?
私は釣りはしませんが、食べる方は好きですよ
今はどうか知りませんが、軽井沢の近く、白糸の滝の側で売ってた岩魚の塩焼きは、
塩加減も焼き具合も申し分なくて、とっても好みでしたよ
さてさて、李白が織り成す光と影の巧みな詩を、何処までお伝え出来るでしょうか
不安ですよ
北斗の柄杓が 天を廻り やがて 西楼の上にかかる真夜中
人影のない宮殿を 行き交うのは ホタルの小さな灯りだけ
月影は 隔てなく この長門殿にも 降り注ぐのに
光の届かぬ我が身を嘆く 思いはひとしお 深まるばかり
233 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/29(日) 11:20:03 ID:aHplseR4
同じ題名ですが、こちらは春の色繋がりですよ
長門怨 by賈至
獨り坐して 千里を思えば
春庭 暁景 長し
鶯は 翡翠の幕(とばり)に 喧(かまびす)しく
柳は 鬱金(うこん)の堂を 覆う
舞える蝶は 愁緒をめぐり
繁れる花は せい妝(せいそう)に対す
深情 瑤瑟(ようしつ)に托さんとして
絃 断じて 章を成さず
*めぐり:螢の字の中の虫の部分が糸になった字です
*せい妝:せいの字は青偏に見ると書きます
234 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/29(日) 11:21:02 ID:aHplseR4
直訳しますよ
一人だけで静かに坐り 遥かなところに思いを致している
春の庭の朝景色は 時間の経つのがゆっくりとしている
ウグイスがやかましく鳴きだしたのが
寝台の翡翠の帷(とばり)の中まで聞こえてくる
柳は 鬱金に囲まれた堂に覆い被さっている
ひらひらと舞うように飛ぶ蝶々は 淋しい気持ちにまといつく
繁った花は 化粧した人に向いている
深い思いを大琴の音に託し 伝えようとしたが
琴の糸が切れたので 章をやり終えることが出来なかった
235 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/29(日) 11:22:21 ID:aHplseR4
↑
なんかねえ、ぼそぼそしてますので、ちょっと変えますね
一人きりで坐り 彼方に思いを馳せている
春の庭に ゆっくり流れる 朝の時間
鳴き交わす ウグイスの声が
翡翠色の帷を回らした ベッドの中へも 聞こえて来る
柳は チューリップに囲まれた 御堂を覆うように 揺れている
ひらひらと舞う蝶々は 不安な心を辿るように 宙を彷徨い
咲き誇る花々は 美しく装った人に 挑むかのように 相対する
琴を弾き 愛しい人に 伝えたかった真情は
ぷっつり切れた 弦と共に 虚しく行き場を失った
236 :
紫雪:2007/07/29(日) 19:39:13 ID:ACKRMbxe
>>232 爆笑しました!ありがとうございますw
川開きとは、隅田川の花火大会の事でして、過去に様々な思い出があった
ので、浴衣の男女を見ると色々思い出す、と言いたかったのです。
ルビーさんのお陰で、心が晴れました。
ちなみにに、自分は鮎が好きですw
237 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/29(日) 21:08:56 ID:H88CzH2E
>>236 ( ̄□ ̄;)!!
>川開きとは、隅田川の花火大会の事でして
それは思い至りませんでした
川開きと言えば ↓ こう言うものだとばかり…
(;`ー´)o/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ >°))))彡 ツレタ
住まう所が違えば、同じ言葉であっても、全く違う事を思い浮かべるのですね
訳にもそれが言えるかもしれません
自分がしたり顔で訳して来た分にも、そのような箇所がたぶんあると思います
紫雪さん、また普段ROMって下さってる方々、お手数ですが、若しそれに気付かれたなら、
どうか、指摘しては頂けますまいか
宜しくお願い致します
238 :
紫雪:2007/07/30(月) 23:44:43 ID:DuDqm0Os
ルビーさんこんばんは。いつも、楽しいレスと、労作の名訳をありがとうございます。
自分には、翻訳の才能もありませんし、浅学にして、ルビーさんの嗜好に叶う引用もできません。
ただ、感謝の気持ちで、スレ違いは承知で、大好きな詩をお贈りします。
夜空こそわがこゝろ
闇けれど いよゝ深しや、
歎かひに かつは愁ひに
閉さるゝ身にしあれども
こゝに三つ かしこに五つ
秘めたるは煌めける星。
夜空こそわがこゝろ
闇けれど いよゝ涯なし、
煩悩は星と散らへど
こゝろ海 千尋の底に
宿れるは かの海王の
青白き面ざしにして。
夜空こそわがこゝろ
ひとすぢに白く光りて
横たへる銀河を胸に
たゆたひて 流れ絶えせず、
夢 傳説 夜々織りなして
わが小さき幸にこそ副へ。
夜空こそわがこゝろ
夕星は 過ぎし日の愛
暁に残れる星ぞ
わがけふの見出でし希望、
東雲の空はなたれて
よしや 影失はるとも。
239 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/31(火) 22:23:11 ID:NYZzLQsS
こんばんはですよ
紫雪さん、素敵な詩をありがとうございます
これは訳しますまい
己が胸にしまっておいて、時折、星明りに透かし見ると致しましょう
自分が今までに訳した詩は、どれもこれも自分好みです
まあ、好みでなければ手を出さないと言うのもありますが
淡々と詠う、次のような詩も好きです
240 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/31(火) 22:26:11 ID:NYZzLQsS
『風入松』 by呉文英
風を聴き 雨を聴いて 清明を過(おく)り
愁いつつ草(そう)す 花を埋める銘を
楼前 緑は暗し 分携の路(ミチ)
一絲(すじ)の柳 一寸の柔情
料峭(りょうしょう)たる春寒 酒に中(あた)り
交々(こもごも)加(くわ)う 暁夢の啼鶯(ていおう)
西園 日々に林亭(りんてい)を掃く
旧によって新晴を賞す
黄蜂(こうほう) 頻(しきろ)に撲(う)つ 鞦韆(しゅうせん)の策(つな)
当時の繊手の香り 凝(こ)りし有らん
惆悵(ちゅうちょう)す 雙鴛(そうえん)の到らずして
幽階 一夜にして苔の生ずるを
241 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/31(火) 22:26:38 ID:NYZzLQsS
風を聴き 雨を聴き 清明節も過ごし
愁いながら 花を葬る銘文を考えた
屋敷の前の緑は暗い 別れを惜しんだ道
一筋の柳に 一筋の恋心
春の肌寒さを お酒で暖める
寒さと暖かさが入り混じる中
明け方の夢にウグイスの声を聞く
西の庭の四阿を掃きながら
昔のように 雨上がりを愛でている
黄いろい蜂が ブランコの綱を頻りに突付くのは
あの時のあなたの手の香りが残っているからなのだろう
嘆かわしく思うのは 小さな靴が踏み入らなくなったから
階段に 一夜にして苔が生えてしまったことだ
242 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/07/31(火) 22:29:27 ID:NYZzLQsS
さあ、私風にw
あなたと一緒に 風を聴き 雨を聴き 清明節も過ごした
今はそんな事を哀しく思い出しながら
心を葬る銘文を考えている
屋敷の前の緑が 何故か暗く感じられる
道で別れを惜しんだ時は もっと明るく思っていたのに
風に揺らめく一筋の柳 一滴の恋心
厳しさの残る春の夜明けに 暖めたお酒を少し飲む
いろんな思いが交錯する中 うつつに春告鳥の声を聞く
西の庭の四阿を 毎日掃除しながら
昔と同じように 雨上がりを嬉しく思う
黄いろい蜂が ブランコの綱を頻りに突付くのは
あの時そこで遊んでいた あなたの小さな手の香りが
まだそこにあるからなのだろう
悲しく思うのは そこで遊ぶ人が居なくなったから
静かな小径を 一夜で苔が覆ってしまったこと
243 :
名無氏物語:2007/08/04(土) 00:51:09 ID:dJThzCYA
文学板の犬スレ
244 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/05(日) 09:59:14 ID:ImLuEbJf
おはようございますよ
>>243 それだけじゃ、何の事だか全然わかんねーですよ
その言葉について、共通の認識がねーと、どんな言葉であっても落書きとおんなじです
何か伝えたいから書き込むんだと思いますが、そんならそれで他人に意味がわかるように
書かねーと
他人の考えてる事は、その人がある程度表明しない限り、わかんねーですよ
殊に、こう言う文字しか無いような場所じゃなおさらです
少し親しくなれば、幾らかは推察しますし、出来ますけども
それでも完全にって訳にはいかねーです
だからギャップが生じて喧嘩になるんですけど、それを修復するのはやっぱ意思の表明と、
その磨り合わせしかねー訳で
次回から、そこんとこヨロシクですよ
245 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/05(日) 10:13:45 ID:ImLuEbJf
昨日、映画を観てて思ったです
男の人が、さりげなく上着を貸してくれると、女としては非常に嬉しい気持ちになるですよ
言葉でごちゃごちゃ言われなくても、態度で自分に対する思いやり=愛情を示して
くれた訳なので
嬉しいから、なお優しさを返します
そんで、イイ関係が一層深まって行く訳で
今も昔も、その気持ちは変わらねーようです
『無衣』 by詩経
豈(あ)に 衣(ころも)七つ無しと 曰(いわ)んや
子(し)の衣の 安けくて 且つ 吉(よ)きに如(し)かず
豈(あ)に 衣(ころも)六つ無しと 曰(いわ)んや
子(し)の衣の 安けくて 且つ 燠(あたた)かきに如(し)かず
<直訳>
どうして 着物の7枚くらい 持っていない事がありましょうか
しかし あなたが下さった着物が 好みに合って その上立派です
どうして 着物の6枚くらい 持っていない事がありましょうか
しかし あなたが下さった着物が 好みに合って その上暖かいのです
<偏訳>
着物なら 幾枚かは持っています
でも あなたから頂いた着物が 最高に好きで 一番素敵です
着物なら 幾枚かは持っています
でも あなたから頂いた着物が 何よりも嬉しい
あなたの 暖かな愛を感じるから
246 :
紫雪:2007/08/06(月) 01:55:12 ID:+CtaVrx8
こんばんは
おやおや、久しぶりに来て見れば・・・夏休みでしょうか?
どんな映画をご覧になったんでしょうかね。お話だけだと、全く違いますが、
『恋するシェイクスピア』の、ジュディ・デンチを想像してしまいます。
君に勧む惜しむなかれ金縷の衣
君に勧む須らく惜しむべし少年の時
花開いて折るに堪えなば直ちに須らく折るべし
花無きを待ちて空しく枝を折る莫れ
金縷衣
247 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/06(月) 23:25:53 ID:nJAwnE9S
こんばんはですよ
>どんな映画をご覧になったんでしょうかね。
聞かぬが花、言わぬが花
知ればきっと、思い切り脱力されると思いますからw
杜秋娘もまた、女性らしい詩が多いですね
直訳と意訳に差が出易いので、楽しいですよ
こんな具合に
(直訳)
あなたに勧めます 金糸で縫い取りをした衣服に拘らないように
あなたに勧めます 若い時を大事にしなさい
花が開き 折り取るにふさわしい時期なら 直ちに折り取るべきです
花が散ってから 花のない枝を折ってはいけません
(ルビー訳)
言っておくわ 地位や名誉 お金なんかに拘らないで
それともうひとつ 一度っきりの人生だから 今を大切にして
いい頃合だと思ったら さっさと行動に移しなさい
誰かの妻になってから 慌てたって遅いんだから
248 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/06(月) 23:36:11 ID:nJAwnE9S
春夏秋冬、ビールは美味しいですが、やっぱり屋外で飲んで気持ちいいのは
夏が一番な気がします
我々ですと単刀直入な誘いも、詩人がやると、下記のようになるんですね
『江楼夕望招客』 by白居易
海天 東に望めば 夕べ茫々たり
山勢 川形(せんけい) 濶(ひろ)くして復た長し
灯火 万家 城の四畔(しはん)
星河(せいか)一道 水の中央
風 古木を吹けば 晴天の雨
月 平沙を照らせば 夏夜(かや)の霜
よく江楼に就きて 暑を鎮せんや否や
君が茅舎(ぼうしゃ)に比すれば 校(やや)清涼
249 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/06(月) 23:39:30 ID:nJAwnE9S
まずは直訳
大きな湖の東側に立てば 夕景色が広がる
山や川の景色が ずうっと広がっている
灯りを灯した沢山の家が 町の東西南北にあり
星の河の一筋が 湖に横たわっている
古木を風が吹いて まるで天気雨のような音がする
月が砂原を照らせば まるで夏の夜に降りた霜のようだ
この江楼に来て 共に涼まないか
君のあばら家より ずいぶん涼しいから
で、私訳
広大な湖の東には 黄昏の景色が果てしなく続く
山々の連なり うねる河 天に続く
町中の全ての家に 明かりが灯り
それが映って 天の川が降りて来たように
湖の中央が 一筋 輝いている
風が古木を吹いて 晴天の雨のような音をさせ
月が湖面を照らせば 夏の夜に霜を見るようだ
友よ この高殿で一緒に涼まないか
きっと 君の粗末な家より 格段に涼しいはずだから
しかし、幾ら仲がいいからって、他人の家を『茅舎』だなんて…
しかも、『比すれば 校(やや)清涼』って…
(^^;)ゞ白居易さん……
250 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/11(土) 07:38:57 ID:pJFxLs6r
おはようございますよ
もうお盆ですね
日頃は不信心な人も、この時期はご先祖や亡くなられた方の事に想いを馳せ、
手を合わせられる事が多いと思います
なので、今日は戦で亡くなった夫を偲ぶ詩を
『葛生』 by詩經
葛(くず)生え 楚(いばら)を蒙(おお)い
かずら 野に蔓(はびこ)る
予(あ)が美しきひと 此(こ)こに亡(ねむ)る
誰と與(とも)にかせん 獨り處(お)り
葛生え 棘(こなつめ)を蒙い
かづら 域(はか)に蔓る
予が美しきひと 此こに亡る
誰と與にかせん 獨り息(いこ)う
角枕 粲(きらめ)き
錦衾 爛(かがや)く
予が美しきひと 此こに亡る
誰と與にかせん 獨り旦(あさ)す
夏の日 冬の夜
百歳の後 其の居(はか)に帰る
冬の夜 夏の日
百歳の後 其の室(はか)に帰る
251 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/11(土) 07:39:45 ID:pJFxLs6r
普通に訳しますね
クズが生え イバラを覆ってしまった
カズラが 野に蔓延っている
私の大切な人が ここに眠っている
誰とともにいるのですか?独りだけで居るのですね
クズが生え コナツメを覆ってしまった
カズラが 墓域に蔓延っている
私の大切な人が ここに眠っている
誰とともにいるのですか?独りだけで休んでいるのですね
ツノの飾りのある枕は美しく
錦の掛け布団は光り輝く
私の大切な人が ここに眠っている
誰とともにいるのですか?独りだけで朝を迎えているのですね
夏の日々
冬の夜々
百年の後(人生の終焉の後)
その(本来の)居場所である墓に帰っていく
夏の日々
冬の夜々
百年の後(人生の終焉の後)
その(本来の)居場所である墓に帰っていく
252 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/11(土) 07:43:10 ID:pJFxLs6r
さてさて、もう少しじっくり、想いを深く訳してみませうw
庭も野もいつしか葛に覆われて
可憐なイバラはもう見えない
私の大切な人はここに眠っている
あなたは誰かと一緒にいるのかしら
心の中でそう問えば
苦笑いするあなたの姿が眼に浮かぶ
心配するな 独りきりでここにいるよ
庭も野もいつしか葛に覆われて
可愛いナツメはもう見えない
私の大切な人はここに眠っている
あなたは誰かと一緒にいるのかしら
心の中でそう問えば
苦笑いするあなたの姿が眼に浮かぶ
心配するな 独りでのんびりやってるよ
立派な角付き枕は美しく飾られて
金襴の掛け布団はお日様のように輝いていた
私の大切な人はここに眠っている
あなたは誰かと一緒にいるのかしら
心の中でそう問えば
苦笑いするあなたの姿が眼に浮かぶ
心配するな いつも独りで朝を迎える
253 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/11(土) 07:43:25 ID:pJFxLs6r
夏の日々
冬の夜々
繰り返し繰り返し
いつか人生の終焉を迎えたなら
きっとあなたの元へ駆けつけるから
冬の夜々
夏の日々
繰り返し繰り返し
いつか人生の終焉を迎えたなら
きっとあなたの元へ駆けつけるから
254 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/19(日) 20:33:28 ID:i6BQSePV
もう、暦の上では秋なのですが、まだまだ残暑厳しい折柄
夏の恋の思い出を、ひとつお届けすると致しましょう
『如夢令』 by李清照
嘗(かつ)て記(き)す 溪亭(けいてい)の日暮
沈酔して 帰路を 知らず
興(きょう) 尽(つ)きて 晩く舟を回らす
誤りて入る 藕花(ぐうか)の深き処(ところ)
争いて渡る
争いて渡る
驚き起(た)つ 一灘(いったん)の鴎鷺(おうろ)
※溪亭:現山東省の済南七十二名泉の一で大明湖畔
※藕花:ハスの花
255 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/19(日) 20:35:10 ID:i6BQSePV
そのまま訳せば、ただの思い出です
そう、こんな風に
かつての 溪亭の日暮を憶えている
酩酊し 帰る道が分からなくなった
充分楽しんだが 遅く舟を 帰らせることになった
誤って 蓮の花の生い茂る辺りへ 船が入ってしまった
急いで帰路を辿った
急いで帰路を辿っていると
それに驚いて 中洲から 水鳥たちが飛び出した
256 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/19(日) 20:39:31 ID:i6BQSePV
でも、このひとは、とても艶めかしい詩を得意としています
そして、特徴的なリフレイン
そこに隠された意味をなぞれば、ほら、こんな具合に
昔のことを思い出す 溪亭のあの夕暮を
慣れないお酒に酔って 帰り道を忘れてしまった
遊び疲れた所為もあるし
寄り道しながら 舟を操っていた
思いがけない出会いがあって 束の間恋して
だめよ 急いで戻らなきゃ
戻らなきゃ……
あの時 中洲から飛び立つ水鳥のように
いつもの私は いったい 何処にいたのだろう
257 :
名無氏物語:2007/08/23(木) 01:20:22 ID:anFICVfh
おお、何故か非常に少ない漢詩のスレが。
一年前からあったとは・・・気付きませんでした。
私の好きな桃夭、静夜思、春夜、江雪が!
李白は良いですね。飄々として明るい感じが良いです。
こちらでは(多分)まだ出ていないようですが、秋浦歌なんかが好きです。
>>257 ようこそいらっしゃいませ
こんなところでよろしければ、いつでもお越し下さい
お茶の一つも出ませんが、一緒に楽しくやりましょう
259 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/24(金) 22:04:07 ID:VpM64tWL
(;-_-)ゝ” えー、『秋浦歌』やろうかどうしようか、ずいぶん悩みました……
別に難しい詩ではありません
とてもシンプルです
そして短い
しかし、李白が言葉を選んで仕上げた詩ですから、恣意な異訳がし難いのです
誤魔化しが利かないのです
大変困ります
…と言いつつ、やってみました
妄想全開!
260 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/08/24(金) 22:10:10 ID:VpM64tWL
秋浦歌 by李白
白髮 三千丈
愁いに縁(よ)りて 箇(か)くの似(ごと)く 長し
知らず 明鏡の裏(うち)
何(いづ)れの処にか 秋霜を得たる
【直訳】
白髮が三千丈にもなった
愁いのためにこのように長くなった
澄んだ鏡を見ていても、気づかなかった
一体どこで白髪を得たのだろか
【異訳】
姫神の 三千丈もの白髪は
深き嘆きのその果てに 天に横たう川となる
静かに微笑む佳人の胸の 裡なる嘆きを誰が知るや
嘗ての碧の黒髪が 白銀の霜と変じし その訳を
【おまけ】
長からむ心も知らず 黒髪の乱れて 今朝はものをこそ思へ
(by 待賢門院堀川)
261 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/01(土) 00:17:59 ID:umf/dpp6
一週間ぶりです、ご無沙汰ですよ
先週はあれほどセミが鳴いていたと言うのに、もはや、何処にも見えないのです
暑くても、秋なのですねえ
さて、それでは秋の口開けは杜甫から参りましょう
『促織』 by杜甫
促織(そくしょく)は 甚(はなは)だ微細なるに
哀音(あいおん)は 何ぞ 人を動かすや
草根(そうこん)に吟ずること 穏やかならず
牀下(しょうか)に 意は相親しむ
久客(きゅうかく) 涙無きを得んや
故妻(こさい) 晨(あした)に及び難し
悲糸(ひし)と 急管(きゅうかん)と
感激は天真(てんしん)に異なれり
※促織:コオロギ
262 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/01(土) 00:18:32 ID:umf/dpp6
(普通の訳)
コオロギは極めて小さいが
その鳴き声は悲しくて 私の心を揺り動かす
草の根元で落ち着きなく鳴いていたが
今は寝台の下へ来て鳴いている
コオロギの声に 長期の旅人は涙を流すだろうし
捨てられた妻は 夜明けを待つ事が出来ないだろう
悲しげな弦楽器の音と 急調子の管楽器
作られた音で得る感激は 天然のそれには及ばない
263 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/01(土) 00:19:12 ID:umf/dpp6
(私的訳)
コオロギは 本当に小さい虫なのに
哀しそうな鳴き声が 人の心を打たずにいられない
さっきまで 草の根元で盛んに鳴いていたが
気が付けば ベッドの下から 私に語りかけている
久しく旅をしている人は 涙せずにはいられないだろうし
帰らぬ夫を待つ妻は 哀しさが募って 眠れぬ夜を過ごすだろう
管弦で 如何に優れた演奏が為されようと
感動の大きさは 自然のものにはとても及ばない
264 :
紫雪:2007/09/02(日) 23:39:59 ID:/wUbg7hm
ご無沙汰しております。
秋の虫の音が、聞こえる季節になりましたね。
来るとは是れ空言 去って踪を絶つ、
月は楼上に斜めなり 五更の鐘。
夢に遠別を為し 啼けども喚び難し、
書は催されて成り 墨未だ濃からず。
蝋照 半ば籠む金翡翠、
麝薫 微かに度る繍芙蓉。
劉郎已に恨む 蓬山の遠きを、
更に隔つ 蓬山 一万重。
無題 李商隠
265 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/04(火) 22:54:28 ID:KPPIrfrL
>>264 こんばんは、紫雪さん
お元気でしたか?
この詩はまた、のっけから大胆ですね
『来るとは是れ空言 去って踪を絶つ』
とても千二百年も前の詩だとは思えません
さくさく纏めていますから、気が付きにくいのですが、結構ウェットな内容を湿っぽくせず、
ずばっと言ってのける
本当に凄いです
おっと、関心ばかりしてもいられません
ちょっと翻訳してみましょう
逢いに来るなんて 嘘だったのですね
あなたの姿は何処にもない
今来るか もう来るか 一夜中待ちわびて もはや朝
月は館に落ち懸かり 夜明けを告げる鐘の音も
夢で見たように お別れなのですね
幾ら泣いて叫んでも あなたは振り返って下さらなかった
お文をよく見れば わかりました
誰方かが書き方を教えて下さったのですね
あなたが本気でなかった証拠に 墨色が不足ですわ
それでもまだ あなたが下さった金翡翠は 半ば輝いております
あの時の 蝋燭のように燃える思いを閉じこめたかのように
閨の内に立ち籠める 麝香の香りは
永久の愛の誓いを見ていた 帳の刺繍の芙蓉の花から
一時の里心で 二度と仙女の許に戻れなかった劉晨は
どんなに 蓬莱山に戻りたいと望んだ事でしょう
でも 今の私は 彼の一万倍も あなたに会いたいと願っています
266 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/04(火) 22:57:13 ID:KPPIrfrL
さて、
>>264の対の詩ではありませんが、彼の無題の詩をもう一つお届けしましょう
無題 by李商隠
相見る時難く 別るるも亦難し
東風力無く 百花残る
春蚕死に到りて 糸まさに尽き
蝋炬 灰と成りて 涙始めて乾く
曉鏡に 但(た)だ愁う 雲鬢の改まるを
夜吟 まさに覚ゆべし 月光の寒きを
蓬山 此より去ること 多路なし
青鳥 殷勤 為に探り看よ
やっと逢え 絶対離れないと誓ったものを
人生の春に吹く風は 前触れもなく ぱったり止んで
思い出だけが 虚しく心に残っている
春の蚕が 糸を吐き尽くして死ぬように
私も嘆き叫んで死にたかった
蝋燭が灰になるまで 滴を垂らすように
私の涙も 死ぬまで止まらない
朝が来て 鏡を覗くあなたは愁えているだろう
もう 私の為に髪を整え 化粧する事は無いのだと
夜空に詩を吟じても 月光が冴え冴えと輝くばかり
肩を抱いてくれる温もりはないのだと 寂しい思いをしているだろう
蓬莱山は ここからそう遠くないと聞いている
人間の夫をもつ 青鷺の仙女よ
どうかそのよしみで あの人の様子を見て来てはもらえまいか
267 :
紫雪:2007/09/05(水) 21:48:25 ID:aPCPbZbn
うう〜む、ルビーさんらしい、大胆な名訳ですな。
李商隠は好きな詩人ですが、これほど面白いとは思わなんだ。
268 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/05(水) 22:26:09 ID:RvxEjDWc
>ルビーさんらしい、大胆な名訳ですな
とんでもな事です、ただの妄想ですよ
本当の訳を知ってる人がご覧になったら、きっと開いた口が塞がらないに決まっていますw
269 :
紫雪:2007/09/07(金) 01:47:17 ID:OFFfYK34
超訳はもちろん承知ですが、それにしても素晴らしい想像力。感心しきりです。
嵐ですね。こんな晩は詩ではありませんが、薛用弱の「碁をうつ嫁と姑」という、
玄宗時代の静かで不思議な話を思い出します。
今夜は李白で。
南湖 秋水 夜 煙無し
耐ぞ 流れに乗じて直ちに天に上る可けんや
且く洞庭に就いて 月色を「か」り
船を将って酒を買わん 白雲の辺
族叔刑部侍郎曄 及び
中書賈舎人至に陪して 洞庭に遊ぶ 其二 李白
「か」本字は貝余
270 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/08(土) 10:06:25 ID:lklASOQd
おはようございますよ
李白の言葉は、いつも自由に空を飛ぶのですね
サツキとメイがトトロに掴まって中空を行く、あの場面を思い出してしまいます
では、拙訳をば
南湖の水は すっかり秋色 続く夜空はすっきり透明
さあ 吹き渡る風に乗り 天へ遊びに行こうじゃないか
取り敢えず ここ(洞庭)で 月をお銭(あし)の代わりに
船でお酒を買いに行こう あの仙人が居る辺りまで
271 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/08(土) 10:15:25 ID:lklASOQd
1日早いのですが、九月九日を詠ったこんな詩があります
お酒の李白に対する訳ではないのですがw
『九日与陸処士羽飲茶』 by皎然
九日(きゅうじつ) 山僧の院
東籬(とうり) 菊また黄なり
俗人 多く酒に泛(うか)ぶ
誰か 茶香(ちゃこう)を助くるを解(かい)せん
※陸処士羽:中国茶のバイブルとも言われる『茶経』を著わした陸羽の事です
官職についていない人を処士と言います
※九日 :陰暦の九月九日を『重陽(ちょうよう』といい、この日は至る所から邪気が
発散するので、高い所へ登って(登高)邪気払いの菊酒を飲むと良い
とされています
272 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/08(土) 10:16:46 ID:lklASOQd
(普通の訳)
九月九日 山間の寺で
東の籬(まがき)の菊が 今年も黄色く咲いている
世間の多くの人々は この菊を酒に浮かべて飲んでいるが
本当は 菊の香と言うものは 茶の香を助けるものだ
(私の訳)
今日は重陽 山のお寺へ詣でてみれば
東の籬の菊は 今年も黄色く鮮やかに咲いている
俗人は 仙人を見習い 酒に菊を浮かべて飲むけれど
本当は 菊の香は茶の香を助けるものだってこと
解ってほしいなあ
273 :
名無氏物語:2007/09/08(土) 11:51:24 ID:jQR1ZWhS
重いスレッドですなぁ・・・
274 :
名無氏物語:2007/09/08(土) 11:52:02 ID:jQR1ZWhS
154KBとは・・・
275 :
名無氏物語:2007/09/09(日) 23:23:55 ID:rZ949Oqt
こんばんは。
トトロが出るとは、李白もびっくり。まだあの森にいるのかな。
お茶に菊の香りも、いいかもしれませんね。広東の鳳凰単叢や、台湾の凍頂などに合うかも。
海上 名月生じ
天涯 此の時を共にす
情人 遙夜を怨み
竟夕 起って相思う
燭を滅して光の満つるを憐れみ
衣を披って露の滋きを覚ゆ
手に盈ちて贈るに堪えず
還り寝ねて佳期を夢みむ
望月懐遠 張九齡
276 :
紫雪:2007/09/09(日) 23:28:29 ID:rZ949Oqt
コテ忘れてた( ̄▽ ̄;)
277 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/12(水) 00:49:19 ID:NEjNvSKl
こんばんはですよ
いきなり秋風が吹くと驚いてしまいます
日本の季節と言うものは、薄紙を剥ぐが如くに来てくれなくては
秋は月
真に美しいのは真冬の月だと思いますが、詩が多いのはやはり秋でしょうか
さて、今日の訳はどうなりますやらw
望月懐遠 by張九齡
海の上には 煌めく月
遙か遠い空の下 あなたも天を仰いでいる筈
恋人よ 隔てられた日々を想い
夜もすがら 窓辺に立って あなたの事を考える
明かりを消せば 月影が 金と銀の砂になり
夜露のようにしっとりと 被った上着に 染み込んで行く
天降(あも)り来る月の光は 降り積もる想いに似て
掌より 溢れるほどにあるものを
出来るなら あなたの許へ届けたい
月に祈り 今宵は眠ろう
どうか夢で逢えますように
278 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/12(水) 00:54:01 ID:NEjNvSKl
紫雪さんが紹介して下さった「望月懐遠」は、離れ離れになってしまった恋人を思う
詩でしたが、これもまた別れ別れになっている、今度は夫婦の詩です
結構有名なので、ご存じの方が多いのでは?
『子夜呉歌 其三』 by李白
長安 一片の月
万戸 衣(ころも)を擣(う)つの聲(こえ)
秋風 吹きて盡(つ)きず
総(すべ゙)て是れ 玉関(ぎょくかん)の情
何(いず)れの日か 胡虜(こりょ)を平(たいら)げ
良人(りょうじん) 遠征を罷(や)めん
279 :
名無氏物語:2007/09/12(水) 00:54:10 ID:r/rSvS/l
ん?
280 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/12(水) 00:55:31 ID:NEjNvSKl
(フツーの訳)
長安の夜空に浮かぶ半月
全ての家から 砧(きぬた)を打つ音が聞こえてくる
秋風が吹いて尽きる時がない
みんな 玉門関に遠征している家族を思い 偲んでいる
いつになったら 蛮族を退治して
夫は遠征をやめて 帰ってくるだろうか
(るびぃの訳)
都の夜を照らすのは 離れ離れのあなたと私のような半月
どこの家でも冬支度 砧の音が聞こえてくる
もう 秋風が 日がな一日吹き続けるから
月も風も何もかも 遠い玉門関にいるあの人の事を思わせる
何時になったら 蛮族との戦さが終わり
あの人は遠征から解放され 私の許に戻るのだろう
281 :
紫雪:2007/09/14(金) 01:51:05 ID:HqRmUNbZ
こんばんは
子夜呉歌、せつないですね。
長安 一片の月 万戸 衣を擣つの聲
まさに絶唱。
282 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/14(金) 22:00:34 ID:scGTR/h3
こんばんはですよ
ええ、人の思いは時代や国を越えて、何処でも同じだと思います
だのに、なーんで“国家”と言う物になると、途端に訳が分からなくなるのでしょう
悲しい事です
で、こんな詩を見つけました
『避賊書事 其二』 by左緯
妻と児と 一区を共にす
日夜 謹しんで相守る
遥かに白旗の来るに驚き
覚えず 四散して走れり
汝死するも 吾は知らざらん
吾れ亡するも 汝に何の咎ある
林を隔てて 哭声を聞く
相見ること 真に偶を成せり
283 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/14(金) 22:03:10 ID:scGTR/h3
これはもう、直訳の方がよろしいかと思います
妻と子と 一つ所に集まって
日夜 息を潜めて互いに守り合っていたが
遠くに賊の白旗が来るのに驚いて
思わず 散り散りになって逃げた
お前が死んでも 自分は知らなかっただろう
自分が死んでも お前に罪があるはずがない
林の向こうに 泣き声を聞きつけ
出会えたのは ほんとに偶然だった
何時だって、人は一生懸命生き抜いて来たのです
だから我々がここにいる
考えたら、こんなすげぇコトねーですよ
本当に
284 :
紫雪:2007/09/17(月) 12:43:44 ID:832Zmr56
こんにちは。東京は残暑です。まだまだ暑い!
あんまり有名なので、どうかと思いましたが、つながりで「涼州詞」貼ります。
葡萄の美酒 夜光の杯
飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す
酔うて沙場に臥す 君笑うこと莫れ
古来 征戦 幾人か回る
涼州詞 王ゆ(輸の正字)
285 :
紫雪:2007/09/17(月) 12:52:42 ID:832Zmr56
訂正
×王ゆ(輸の正字)
○王翰
286 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/17(月) 21:41:52 ID:+3ss27Oe
こんばんはですよ
大阪も然り、まだまだ暑い日々が続いています
今日の最高気温は35度、明日は34度だとか
まったく、珠のお肌が焼けてしまいますよ
『涼州詞』 この訳はこちらでは初めてですが、以前他スレに貼りましたので、憶えておいでの
方もあるやもしれません
まずは普通に参りましょう
葡萄酒を夜光杯で飲もうとしていると
誰かが馬上で琵琶をかきならし始めた
酔って砂の上に寝てしまっても 君よ笑ってくれるな
昔から西域へ出征した人で 無事に帰った者は少ないのだから
287 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/17(月) 21:44:37 ID:+3ss27Oe
涼州と言うのはこのような所なのですね
※涼州は今の甘粛省で、省都は欄州。
古来、天山山脈を越えヨーロッパに通じる南路、北路の交通の起点であった。
有名な所に、敦煌の千仏洞などがある。
※唐代には度々、異民族との戦闘が繰り返された。
さて、では変訳をばw
はるばる来たる遠い砂漠 凍る夜空に月や星
夜光の杯に葡萄の美酒をなみなみ注ぎ
飲もうとすれば 誰かが琵琶を弾き始める
懐かしき故郷の歌を口ずさみ 合間 合間に 杯を干す
そして酔い 砂の上に倒れ伏しても どうか誰も笑ってくれるな
征戦に駆り出された我々は 明日の命も知れぬ身だから
288 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/17(月) 21:48:04 ID:+3ss27Oe
さて、それでは長征繋がりでこれをお届けしましょう
『従軍行』 by王昌齢
秦時の明月 漢時の関
万里 長征して 人いまだ還らず
ただ竜城の飛将をしてあらしめば
胡馬をして陰山を度らしめず
昔から遠い遠い道のりを
たくさんの兵士達が遠征して行ったが
未だに誰も帰って来ない。
もし飛将が生きていて 龍城にいてくれたら
匈奴の胡馬などに陰山を渡らせないのだが
※秦時の明月 漢時の関:昔から変らぬものの例えで、転じて、ずっと長い間と言う意味。
※竜城の飛将:李廣。漢の時代の将軍。
289 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/17(月) 21:48:50 ID:+3ss27Oe
さあ、お約束の私的訳ですw
秦の時代 夜空の月は美しく 今になってもなお美しい
漢の時代 堅固に築かれた関は 未だ有って人を守る
今に至るまで 幾度となく 蛮族を討つ兵が出されたが
それらの人々は さあ 戦場に散ったのか
病に倒れ 路傍で骸となったのか 誰も戻って来はしない
もし 伝説の飛将がこの龍城にいてくれたら
蛮族どもを蹴散らして 陰山の向こうに追いやり
これ以上家族を失わなくて済むものを
290 :
紫雪:2007/09/21(金) 23:20:51 ID:b2uUNrzJ
こんばんは、月が綺麗です。
紅旗征戎わが事に非ず
とはいえ、物情騒然として、暗いニュースが多いですね。
軽いものを貼ります。
玉楼 天半 笙歌起こり
風送って 宮嬪 笑語和らぐ
月殿 影開いて 夜漏を聞き
水晶の簾捲いて 秋河に近し
宮詞 顧況
291 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/22(土) 21:15:03 ID:GU78C0xg
こんばんはですよ
>>290 本当に暗いニュースが多い事です
少し考えれば、ほんのちょっと加減するだけで回避出来る事なのですが、最近の人の
思考と言うものが恐ろしく短絡的になっているような気がします
表面に出ている事と、それが含む意味内容について考えると言う事が、家庭でも社会でも
全く疎かにされている所為では無いでしょうかと思ってしまいます
意味の薄っぺらい現代文学を教える前に、深みのある古典を充分に教え、知識でなく教養を
与えると言う事は出来ない物でしょうか
さて、紫雪さんが貼って下さった美しい言葉、どれほどイメージのままにお届け出来るでしょうか
摩天楼から流れ出す 楽の音と和する歌
風に乗る 女官達の笑いとさざめき
まるで 月の都の幻が現れたような 長い夜
光の粒を集めた珠簾は 地上に降りた天の川
292 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/22(土) 21:25:38 ID:GU78C0xg
脳天気と言えば、この詩も明るいものですw
『食茘枝 其二』 by蘇軾
羅浮山下 四時の春
盧橘(ろきつ) 楊梅(ようばい) 次第に新たなり
日に啖(くら)う 茘枝(れいし) 三百顆
妨げず 長(とこしえ)に 嶺南の人と作(な)るを
※羅浮山:広東省恵州にある山
羅浮山の麓では 一年中春のような気候で
ビワやヤマモモなどが次々と実る
茘枝も毎日 もう三百個も食べた
この嶺南で一生を送るのも悪くない
(補足)
しかしながら、ですね、実は詩ほどのんびりした状況で生まれた訳ではねーそうです
これは蘇軾が59歳の時、二度目の弾圧で広東省恵州に流された時に作ったものの一つ
なんですが、当時、 嶺南地方はもう熱帯で、中国では人外魔境のように思われていて、
こんなに遠くまで流されたのは蘇軾が最初だと言うのですよ
だけど、そんな風に思われていた辺境の地にあっても「随処に楽しむ」とは…
蘇軾の大らかな人間性がよく出てると思われませんか?
ただ、こんな詩が中央に伝わってしまったので、蘇軾は懲りない奴だと言うことになり、
彼は更に南の海南島へ移されることになってしまうのですよ
。・゚・(ノД`)ヽ(;Д; ) ナンテイエバイイノデショウ・・・
293 :
紫雪:2007/09/25(火) 18:59:26 ID:4HfCCQu6
こんばんは
地上に降りた天の川、いいですね。しかし、茘枝三百顆って、やけ食いにしても・・・w
巨峰三十個もきついのに、スケールが違いますね。
今宵は仲秋の名月ですね。東京は風が強いせいか、一点隈なく晴れ渡っております。
294 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/25(火) 20:32:52 ID:Eg7s1awd
こんばんはですよ
大阪もまた、一片の雲すらなく、満月が穏やかな光を遍く地上に投げかけております
海上ではなく、天涯でもありませんが、まさに『此の時を共にす』ですね
>しかし、茘枝三百顆って、やけ食いにしても・・・w
山のような茘枝(ああああああ……)
想像するだけでも、わたくしはニマニマしてしまうのですが、やはり殿方は冷静なのですね
同じ月を眺め、美しいと感じながら、この差は大きなものですよ(^^;)
さあ、美しい月と言えば、月並みですが彼の人に御登場願いましょうか
『把酒問月』 by李白
青天 月有りて このかた 幾時ぞ
我 今 杯を停(とど)めて之に一問す
人 明月に 攀(よ)づるは得(う)可(べ)からずも
月行 卻(かえ)って 人と相い隨う
皎として 飛鏡の丹闕(たんけつ)に臨むが如く
拷戟@滅し盡(つ)くして 清輝発す
但(た)だ見る宵に 海上より来たり
寧(いずく)んぞ知らん 暁に 雲(うんかん)に向いて沒するを
白兔 藥を搗く 秋 復(ま)た春
嫦娥 孤(ひと)り棲(す)み 誰と隣りせん
今人 見ず 古時の月を
今月 曾經(かつ)て 古人を照らす
古人 今人 流水の若(ごと)く
共に 明月を看る 皆 此(か)くの如し
唯だ願わくば 歌に当てたり 酒に対するの時
月光 長(とこし)えに 金樽の裏(うち)を照らさんことを
295 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/09/25(火) 20:34:26 ID:Eg7s1awd
今日はのっけから私訳です、にょほほほほ♪
紺碧の夜空に 月が輝いて 一体どのくらいになるんだろう
今しばし 盃を持つ手を止め 月に聞いてみるとしよう
あの澄んだ月に 人が攀じ登って行く事は不可能だが
人がどこへ行こうが 月影はお構いなしについて来る
大空を飛ぶ鏡のように月は白く輝いて
仙界の丹塗りの門のように赤い 夕焼け空に昇って行き
黄昏の残光がすっかり消え去ると 清らかな光を放つ
我々は いつも 夕方に海の上へ昇って来るのを見ているが
明け方 雲の中へ隠れて行くさまをどうして知っていようか
月に棲む白ウサギは 秋も春も仙薬を搗き続け
不死の仙薬を飲んだ嫦娥は月に昇ったが
隣人も無く 独りぼっちで住んでいる
今の時代の者が 昔の月を見ることは出来ないが
今のこの月は かつては昔の時代の人々を照らしていた
昔も今も人々は 流れる水のように
こうして月を眺めては 時のままに移り変わって行く
ただ願うことは 歌って飲んで楽しんでいる間
月は酒と共にあって 金色に輝いていて欲しい
紫雪さん、ご無事ですか?
297 :
名無氏物語:2007/10/01(月) 14:15:37 ID:Vaoa4JDh
ビルマ(ミャンマー)の人ですか?
298 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/01(月) 22:29:58 ID:c3mhPmMP
>>297 おお、ご心配頂きありがとうございます
ただ、そちらではなく、今朝の地震の事が気がかりでしたので
未だ書き込みはありませんが、他の友人たちも比較的大丈夫だったようですので、紫雪
さんも大丈夫だと信じる事にします
299 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/01(月) 22:31:58 ID:c3mhPmMP
さて、本日より10月です
10月と言えば神無月と誰もが思うところですが、実はこやつめ、初霜月と言う名も持って
いやがるのですよ
なので、それにちなんで『霜』の名句と行きましょう
『楓橋夜泊』 by張継
月 落ち 烏 啼いて 霜 天に満つ
江楓漁火 愁眠に対す
姑蘇 城外の 寒山寺
夜半の鐘声 客船に到る
(普通の訳)
月は沈み カラスが鳴いて 夜空は霜が降りたように冷え冷えしている
川辺の楓と漁り火が映え 旅愁でぼんやりかすむ目に映る
呉の都“姑蘇”の郊外の寒山寺から
夜半を告げる鐘の音が こちらの小舟にも届いた
(ルビーの訳)
大地に月の影が落ち 虚空にカラスが時を告げる
天に満ちるは 冷気に煌めく霜を纏う 幾千億の星の数々
そんな景色の中に灯るのは 橋の袂の紅い楓と 遠く瞬く明い漁り火
今は昔の都 姑蘇 その郊外にある寒山寺から
夜更けを知らせる鐘が響き 船に泊まる旅人の愁いをいっそう深くする
300 :
紫雪:2007/10/01(月) 22:37:12 ID:Yj57JnWU
>>298 こんばんは。御心配いただき、ありがとうございます。こちらも何事もなく、大丈夫です。最近地震が多いですね。
せっかくなので一つ。
君帰期を問うも未だ期有らず
巴山の夜雨 秋池に漲る
何つか当に共に西窗の燭を翦って
却って巴山夜雨の時を語るべき
夜雨寄北 李商隠
301 :
紫雪:2007/10/01(月) 22:42:12 ID:Yj57JnWU
>>299 その詩は自分も好きです。能の大曲『道成寺』の、重要な場面の謡に使われていますね。
302 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/01(月) 22:47:32 ID:c3mhPmMP
ここに詠われる「寒山寺」に憧れて、昔、ちょっくら団体旅行で行ってみましたのですよ
バスの中で、当然この詩も出ますし、お寺の長老様が健康を酷く損なわれ、この2年
ばかりは枕も上がらない状態だと伺いました
ですので我々は、寒山寺は静謐が上にも静謐であろうと想像していたのですが……
行ってみりゃあ、なんのこたあない
国内外からの観光バスがどんどん入って、至る所で団体客がガイドされまくりだわ、庫裡
(お坊様が生活しておられる建物)の隣の塔で、観光客がガンゴンガンゴン鐘を撞きまくり
だわ、鶏小屋の中にスピッツを放したようなと言うか、遠足の小学生を公共機関の乗り物に
乗せた無法ジャングル状態に近い状態だったのです
本当にこの時は目が点になりました
まあ、開き直って自分もしっかり鐘を撞いて来ましたがw
303 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/01(月) 22:52:01 ID:c3mhPmMP
ああ、紫雪さん
ご無事でしたか、安堵致しました
『夜雨寄北』
この詩も良いですね
李商隠らしい情感に溢れていて、私も好きです
何時お帰りですかとお前は尋ねるが まだ何時とは言えない
巴山は今夜も秋雨が降り続き 池の水が溢れそうだ
いつか 西の窓辺で二人 夜更けまで灯を灯し
巴山の雨の夜の寂しさを おまえに語って聞かせたい
このような旦那様であれば、離れていても、寂しいですが待っていられると思います
304 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/01(月) 22:55:56 ID:c3mhPmMP
花のほかには 松ばかり
花のほかには 松ばかり
暮れ初めて 鐘や響くらん
でしたか
305 :
紫雪:2007/10/02(火) 01:44:26 ID:1CxvpTJT
>>302 『蘇州夜曲』に、♪鐘が鳴ります 寒山寺、ってありますが、なんかイメージがガラガラ音をたてて・・・・(゜▽゜)
306 :
名無氏物語:2007/10/02(火) 02:53:18 ID:qijYiJlV
地震で死者は出とらんで・・・
307 :
名無氏物語:2007/10/04(木) 21:49:17 ID:Et7NYFH/
三日前に覚えたばかりの楓橋夜泊が上がってて嬉しい。
夜なら月は昇るはずなのに何故落ちるのかなーと
疑問でしたがルビーさん訳なら納得です。
ところで食茘支にあった盧橘は
私の手持ちの本では 金柑 となっていましたが
どちらなんでしょうね
308 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/04(木) 22:17:09 ID:QrxcYbcj
>>307 私の訳はでたらめですから、信じてはいけませんですよ〜
>ところで食茘支にあった盧橘は 私の手持ちの本では 金柑 となっていましたが
私の使用している漢和辞典「漢語林(大修館書店)」によりますと、盧橘の意味は
@びわ A金柑 となっておりましたので、正直言ってどっちにしようか迷ったのです
が、それに続くのが 楊梅 ですので時期的にいって びわ の方が良いかと判断
した訳です
ここは私が【勝手に】感じで漢詩【解釈】 するスレッドですので ( ̄ー ̄)
309 :
紫雪:2007/10/04(木) 23:13:43 ID:qGXzyg9D
秋の夜長の、のどかなやり取りで、なんだかいいですね。
『楓橋夜泊』で杜牧の詩を思い出したので貼ります。
旅館 良伴無く
凝情 自ずから悄然
寒燈 旧事を思い
断雁 愁眠を警ます
遠夢帰って暁を侵し
家書到ること年を隔つ
滄江 烟月好し
門に繋ぐ 釣魚の船
旅宿 杜牧
310 :
名無氏物語:2007/10/05(金) 11:43:04 ID:GIUQyt7h
佐藤君?
311 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/05(金) 23:16:58 ID:pBgbbmu2
こんばんはですよ
このところ、お客様が多くて嬉しい事です
え〜、佐藤さん
もしこのスレをご覧になりましたら、
>>310さんが捜しておいでですので連絡して上げて
下さいませね
>>309 紫雪さん、いつも素敵な詩を見つけて来て下さってありがとうございます
それでは、いつものように妄訳させて頂きますw
旅の宿には 友すら居らず
寂しさだけが いや増すばかり
寒々した灯りに 昔の事を偲んでいると
鋭い雁の叫び声に 愁いの国から引き戻された
遙かな夢に引き摺られ 眠らぬうちに夜が明ける
家族とは便りを交わすだけ こんな暮らしも三年目
広く深き大河に懸かる 朧の月の美しさ
水門には 釣り船が一艘 繋がれている
312 :
名無氏物語:2007/10/05(金) 23:46:43 ID:cJb/MWqz
誰だよ?
佐藤って?
313 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/08(月) 18:48:57 ID:dD86jbCy
こんばんはですよ
昨夜、ここまでもが落ちていたのでビクーリしましたよ
>>312 佐藤さんは私のお友達ではありませんが、
>>310さんのお友達のようです
さてさて、川繋がりで今夜はこの詩をお届けするですよ
『南陵道中』 by杜牧
南陵の 水面 漫 悠悠として
風 緊(きつ)く 雲 軽やかに 秋に変ぜんと欲す
正(まさ)に是(こ)れ 客心 孤(ひと)り迥(はる)かなる処
誰(た)が家の 紅袖ぞ 江樓に凭(よ)るは
314 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/08(月) 18:52:40 ID:dD86jbCy
人間素直が一番です
なので、素直に直訳しましょう
南陵への川面は 水が広々 悠々としている
風が強く雲が軽やかに流れ 秋になろうとしている
ちょうど旅情が 一人遥かな処へ思いを馳せている時
どこの若い女性だろうか 川沿いの建物の欄干に寄り添っているのは
しかし、せっかくですから、もちーっと偏ってみましょうw
と言う訳で、私訳をばポチっとな
南陵へ続く川は 水をたっぷり湛え 悠々と流れている
吹く風は強く 流れる雲は軽やかに
季節は巡り もう秋が来ようとしている
そんな旅情を味わいながら 独り遥かな処を行く
川沿いの建物の 赤い欄干に凭れる若い女性が
いるはずのないあなたに見えて 胸が切なくなった
315 :
紫雪:2007/10/08(月) 20:38:06 ID:OFtS7fda
こんばんは。金木犀の香りが満ちる季節になりました。
落ち鮎はいいけど、落ち鯖は食えませんね。
おばしまに凭るねえさんつながりの小品です。
三日 厨下に入り
手を洗って羹湯を作る
未だ姑の食性を諳んぜず
先ず小姑をして嘗めしむ
新嫁娘 王建
下世話に落ちそうでいて、かわいらしい詩だと思います。
316 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/08(月) 21:49:08 ID:dD86jbCy
こんばんは、紫雪さん
ええ、本当に落ち鯖と言うものは、生き腐れより始末が悪いです
早い復旧で本当に良かったと思いますよ
これはまた、何とも初々しさに溢れた詩ですね
嫁いで来て三日目 お料理に挑戦よ
手を綺麗に洗って 暖かいスープを作ってみたの
お義母さんの好みが まだよくわかんないから
お義姉さんに頼んで 味見してもらっちゃった
(お口に合うといいんだけど……)
一生懸命婚家に馴染もうとしているのがよくわかりますし、小姑も力になってやろうと
しているのがわかります
人間、逃げ道が少しでもあれば、なんとか頑張れますから
ずうっと昔の事なのに、どうか幸せになって欲しい、そんな風に思える詩ですね
317 :
名無氏物語:2007/10/09(火) 14:39:48 ID:yJJO6qof
318 :
名無氏物語:2007/10/09(火) 16:26:23 ID:aW+gH/O+
175KB
319 :
紫雪:2007/10/10(水) 01:01:20 ID:BNbu60e2
こんばんは、ルビーさん。
そうですね、人の幸せは時代にかかわらず、案外同じなのかも知れません。
現代では、選択肢が増した為、かえってわかりにくくなりましたが。
寒露ですね。暦では晩秋ですが、紅葉は師走にずれ込むみたいですよ。
秋の夜長し
夜長くして眠ることなければ天も明けず
耿々たる残燈の壁に背けたる影
蕭々たる暗雨の窓を打つ声
上陽白髪人 雑言句 白居易
320 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/10(水) 22:03:51 ID:ie5S4enA
こんばんはですよ
今夜は上天気で何よりでした
もう少しこの日が前後にずれ込んで休日に当たってくれていたなら、飛騨高山のお祭りを
見に行きたかったのですけれども……
山車の美しい所はあちらこちらに有りますが、ここの山車の上で演じられるからくりは、
見ておいて損はありません
本当に素晴らしいものです
春と秋の2回お祭りが有りますが、景色も食べ物も大変に良い時期ですから、また出掛けて
みたいものですよ
>>319 紫雪さん
初めてこの詩に出会った時、なんと、俳句のような漢詩があったものかと驚いたのを覚えて
います
一瞬、枕草子の真似かとも思いましたが、此の詩の方が古いのですから、それは無理
逆に、清少納言の方が何処かで目にしていたかも…などと妄想に耽ってしまいましたw
321 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/10(水) 22:06:32 ID:ie5S4enA
妄想が飛び火して、こんな訳が出て来ました( ̄▽ ̄)つ
長い長い秋の夜
湧き出ずる想いを巡らせ 時を過ごす
眠りも夜明けも どこかに放って
情熱の残り火が 虚しい影を壁に映す
闇夜を埋ずめる静かな雨が 窓の向こうに降っている
一応、ノーマル訳も乗せて置きましょうか
秋の夜は長い
だから いつまでも物思いに耽り続け 眠らずにいても 夜明けが来ない
残り僅かな灯火に照らされて 壁に影が映っている
夜の雨が物寂しく 窓を打ち続けている
322 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/10(水) 22:10:01 ID:ie5S4enA
では、白居易繋がりで、おひとつどうぞ
『村夜』 by白居易
霜草(そうそう) 蒼々(そうそう)として 蟲(むし)切々たり
村南 村北 行人絶(た)ゆ
獨(ひと)り 前門に出でて 野田を 望めば
月明の蕎麥(きょうばく) 花は雪の如し
直訳ですよん
霜の降りた草は まだ青々としていて 秋の虫の音が胸に迫る
村のあちらもこちらも 道行く人は絶え 静まりかえっている
独り門の外に出て ひろがる田畑を見渡せば
月明かりの下 蕎麦の白い小さな花が 雪のように畑を覆っている
私好みに、ちょいイジリ♪
夜露が霜のように降りた草は 静かに項垂れ
その葉陰で 虫共が命の詩を歌っている
村中を見渡しても もう歩いている人は だあれも居ない
独り屋敷の外へ出 遠く向こうを見晴るかせば
月明かりに 蕎麦の花が 真っ白な雪のように輝いている
323 :
紫雪:2007/10/11(木) 01:19:32 ID:IZWKSCzm
素敵な訳ですね。『上陽人』の、ポジティブなところなんか、特にルビーさんらしい。
高山、なんかウマソーな物がいっぱいみたいで、いいな〜。上越市から車で、金沢まで行ったこ
とがありますが、高山寄らなかった。是非行ってみたいですね。
〉逆に、清少納言の方が何処かで目にしていたかも…などと妄想に耽ってしまいましたw
お見事。さすがの妄想力w
『枕草子』にも『白氏文集』は出てきますし、例の「香炉峯の雪」の件からも、清少納言はこれら
の詩を熟知していたと思われます。
『上陽人』は、『かげろふ日記』、『源氏物語』幻巻、『和泉式部日記』などにも引かれています。
324 :
名無氏物語:2007/10/11(木) 13:37:15 ID:pbVvYN60
二松馬鹿の餌
つ「煩悩の三倍」
頼むから、死んでくれ!
325 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/11(木) 22:49:51 ID:XVlGdVTi
こんばんは、ですよ
連夜の出現は、月の所為としておきましょうか
今宵は新月、14日まで大潮ですよ
>>323 ええ、是非、祭りの時に行ってみて下さい
人出は多いですが、夜の街々に入る灯りもまた大変に美しい物です
美味しい物もたくさんあります
観光大使ではありませんが、お勧めしますよ
さて、清少納言と言えば「香炉峯の雪」がもれなく憑いて参ります
で、嘗てのノオト・ブックなぞ開いてみましたら、きっちりそこに居やがりましたので、
さっそくお縄を掛けてやりましたですw
それそれ、ここに出でませい!
『香爐峯下新卜山居草堂初成偶題東壁』 by 白居易
日 高く 睡り足れるも なお 起きるに物憂し
小閣 しとねを重ねて 寒を 怕れず
遺愛寺の鐘は 枕を そばだてて 聴き
香爐峰の雪は 簾を 撥ねて 看る
匡廬は 便ち是れ 名を逃るるの地
司馬 なおも 老いを送るの官なり
心 泰く 身 寧きは 是れ帰処
故クは 何ぞ獨り 長安にのみ 在らんや
326 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/11(木) 22:53:02 ID:XVlGdVTi
ゆっくり たっぷり眠ったのに なんだかまだ起きたくない
私がオッサンだったなら、きっとこんな風に思ったでしょう
小さな部屋で しとねを重ねているから ちっとも寒さは感じないが
遺愛寺の鐘は 立てた枕に半身を預け 身に響かせて聴くのがいい
香爐峰の雪は 簾をすっきり上げ 寒さも共に楽しもう
盧山と言うのはこんな風に 名誉・名声から逃れられる場所だし
司馬というのは 悠々自適の老後を過ごす役職だよ
のんびり ゆったり過ごせるのが 心の求める在所なのさ
どうして 長安(みやこ)だけが 自分の居場所だと思う必要があるだろう
まあ、普通のオッサンもこんな風に思うようですが
太陽が高く昇るまで寝て 睡眠が充分であるのに
それでもまだ 起き上がるのに億劫だ
小さな建物で 布団を重ねているので 寒気は恐くない
遺愛寺の鐘の音は枕を斜めにして(蒲団に入ったままで)聴き
香炉峰の雪のさまは 簾を撥ねあげ 部屋の窓越しに眺めている
匡廬と呼ばれる盧山とは 名誉・名声を得ないように努めるところだ
司馬の官職は 老いの日々を送る官職になる
心が安らかで 身体が寛げる所が 安住の地である
故郷が 長安(帝都)だけだと 何故思わねばならないか
327 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/11(木) 22:54:26 ID:XVlGdVTi
あら、
>>326の最初の訳、ちょいと並びが変ですよ
申し訳ない
訂正です
ゆっくり たっぷり眠ったのに なんだかまだ起きたくない
小さな部屋で しとねを重ねているから ちっとも寒さは感じないが
遺愛寺の鐘は 立てた枕に半身を預け 身に響かせて聴くのがいい
香爐峰の雪は 簾をすっきり上げ 寒さも共に楽しもう
盧山と言うのはこんな風に 名誉・名声から逃れられる場所だし
司馬というのは 悠々自適の老後を過ごす役職だよ
のんびり ゆったり過ごせるのが 心の求める在所なのさ
どうして 長安(みやこ)だけが 自分の居場所だと思う必要があるだろう
328 :
名無氏物語:2007/10/11(木) 23:44:11 ID:+oQVXYww
大潮はいいけど、朝潮(高砂親方)は駄目だなw
329 :
紫雪:2007/10/14(日) 23:03:54 ID:FwpMil1w
こんばんは。
夜に入って、雨が降って来ました。「香炉峯」いいですね。白氏の気概より、「小閣」の快適さに
惹かれてしまいます。
「醪」ではなく、清酒のうまい季節になりました。
秋醪 雨中に熟す
寒斎 落葉の中
幽人 本と睡り多し
更に酌みて 一樽空し
酔眠 杜牧
樽(本字 缶へん)
330 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/15(月) 21:44:53 ID:hEb0ZVhO
こんばんはですよ
>「醪」ではなく、清酒のうまい季節になりました。
ええ、本当にそうですね
炊き立ての新米を肴に、冷たいのをクイっと一杯
あああ、考えただけでヨダレ者の世界です ( ^ρ^ )アゥー
お陰でこんな訳が湧いて来ましたよw
秋 ながめせしまに ねびゆく酒
降り積む落ち葉に 埋もれし丸屋(まろや)
隠れ住まいの気楽さは 夢と現の区別無し
興ずるままに酒を汲めば はや一樽が幻と消ゆ
ノーマルですと、烏賊のようにあっさり味なのですがねえ…
秋の雨が続く中 濁り酒が熟している
貧しい部屋の中で 落ち葉の音を聞いている
世捨て人は のんびりと眠ったような生活をしている
さらに酒を飲み続けて また一樽 空になった
331 :
紫雪:2007/10/17(水) 00:45:18 ID:Rj6VCekm
こんばんは。
降り積もる落ち葉に埋もれる、林の中の丸屋。岡鹿之助の絵のような訳で
すね。いいなあ。
こじんまりした小堂で、酒と読書三昧、いい!でも三日目位で、夜の街が
恋しくなるだろうなw
まろや、という言葉、久々に聞きました。大納言経信の歌を思い出しました。
332 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/17(水) 23:21:53 ID:GT8w57gS
こんばんはですよ
>まろや、という言葉、久々に聞きました。大納言経信の歌を思い出しました。
やはりバレてしまいましたかw
そうです、その言葉は仰る通り、大納言経信の歌 『夕されば 門田の稲葉 おとづれて
蘆のまろやに 秋風ぞ伏く』から引っ張って参りました
実は、最初の「秋 ながめせしまに」と言う言葉がするンと生まれてしまいましたので、
これは何となく平安チックで行きたいなと思いまして (^ ^;)ゞ
しかし、「丸屋」を平仮名にしておけば、「ながめ」が「長雨」と「眺め」を掛けたように、
本来の「丸屋」と「麻呂也」を掛けられたのになあ、と後で思いついた次第ですorz
さて、お酒と言えば言わずと知れた李白ですね
しかも、今宵の月はほんのり琥珀色
と来れば、これはもうアレしかありません、ええ
と言う訳で、アレ、参りましょうw
333 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/17(水) 23:33:04 ID:GT8w57gS
『客中行』 by李白
蘭陵の美酒 鬱金香(うっこんこう)
玉碗 盛り来る 琥珀(こはく)の光
但(た)だ 主人をして 能く客を酔わしめば
知らず 何(いず)れの処か 是れ他ク(たきょう)なるを
普通に訳しますね
蘭陵産の美酒に鬱金香を入れる
玉杯に 琥珀色に輝く酒をいっぱいに入れて
ただ 主人が客を酔っぱらわせてしまえれば
(客には)どこが異郷であるのか分からない
ちょっと変えてみましたデス
蘭陵の名高き酒に ひとひらの鬱金香をそっと浮かべる
玉杯に たちまち満ちる輝きは 月を映した琥珀色
主人から 勧められるまま 快く重ねる杯に酔いしれて
此処は何処? 他郷だって構わない 全て忘れて没関係
334 :
紫雪:2007/10/18(木) 00:56:19 ID:kwiux3lF
こんばんは。
正に、例のアレ、ですねw
蘭陵王長恭は、その美貌ゆえに、戦に赴く際は恐ろしい仮面を着け、軍を
鼓舞したとか。
ルビーさんが紹介してくれた、茘枝の詩を見た時、楊貴妃の好物で、なんか
そんな詩があったなと、思ったんですが、出てきました〜。
長安より廻望すれば 繍 堆を成す
山頂の千門 次第に開く
一騎の紅塵 妃子笑う
人の 是れ茘枝の来たるを知る無し
過華清宮絶句 其一 杜牧
傷みやすい茘枝を、嶺南から運ぶため、多くの人馬が倒れたそうです。
335 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/18(木) 23:08:00 ID:5OyX9caH
こんばんはですよ
楊貴妃と言えば茘枝、我儘と贅沢の見本のようなものですね
でも、私は思うのですよ
楊貴妃という人は、欲も得も無く、玄宗をただ一人の恋しい男としてみていたのでは
ないかと
だからずっと側に付いていたくて、だのに用事が出来て置いて行かれるから、次に
会った時にちょっと怨じて難しい事をねだってみる
で、悪い事に玄宗は皇帝ですから、ほとんど何でも叶える事が出来てしまうし、貴妃は
そこに新たに惚れ直してしまう
大体、楊貴妃が悪いとされていますが、真実は玄宗の勝手が半分以上であるような
気がしますよ
336 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/18(木) 23:16:36 ID:5OyX9caH
怒っていてはお肌に良くねーです、ちょっっと訳してみましょうか
ますは普段の役をば
長安からふり返って華清宮の方を眺めると
美しい山並みが幾重にも堆(うずたか)く積もっている
山頂の多くの門が次つぎと開かれて行く
一騎の馬が激しく埃を巻き上げながらやってくるのを
楊貴妃は笑顔で出迎える
誰も知らないだろうが 楊貴妃の好物の茘枝が届いたのだ
さあ、妄想アワーですよ〜〜〜〜!
長安から見晴るかす 遙か地平の彼方より
厳重に守られた一隊が その姿を現した
狼煙を受け 各関門が扉を開いて待ち受ける
地上の塵を 己が血で染めながら 駆ける早馬
しかし貴妃の微笑みが 彼らに向けられる事はない
彼の隊が 貴妃の茘枝の為だとは 一体誰が思おうか
337 :
名無氏物語:2007/10/19(金) 04:17:21 ID:WbwnwVt9
漢字で漢詩?
338 :
名無氏物語:2007/10/21(日) 04:50:52 ID:tqF57riQ
病骨は真に験雨の方と成り
燈背に呻吟して啼しょうに和す
凝塵 落葉 無妻の院
乱帙 残香 独客の牀
附贅は嫌わず巨瓠の如きを
徒ゆうは安ぞ忍べんや枯腸を累すを
唯応に三復すべし南華の語
井に鑑みへんせんするは是れ薬王
339 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/21(日) 20:18:15 ID:9cz+v8Ac
こんばんはですよ
>>338 何だか凄い詩ですねえ
全然ちんぷんかんぷんなのですが、雰囲気的にとても侘びしいものを感じます
例えて言えば、料理屋のゴミ箱から漁って来た煮干しや昆布の出汁ガラを、橋の下の
灯りが届かない辺りで、早朝の盛り場のゴミ捨て場に出してあった酒瓶の中身を集めた
物をちびちびやりながら、しょぼしょぼ囓っている、そんな雰囲気が漂って来ますよ
これは一体、誰方の何と言う詩なのでしょうか?
教えて頂けると有り難いです
さて、何時もにも増して、雰囲気だけで訳してみますよ
(正しい訳をご存じの方がお出ででしたら、どうかうpして頂きたいと思います)
悩みの種は 験雨が祈れば降るように 物思うたび湧き出でる
灯りに背を向け 戸外の“しょう”と同じように 唸り倒す
塵は積み 落ち葉は重なる やもめ暗し
部屋は乱雑 籠もった臭気 旅暮らしのような独り寝
役立たずとののしられた人なら 無能と呼ばれた自分を笑わないかも
世間の人は どうやって 空きっ腹を満たしてるんだろう
今自分が出来るのは お経を繰り返し3度詠むこと
教えに従い 書き記すのは 皮肉なもので『薬王菩薩品』だ
340 :
名無氏物語:2007/10/22(月) 17:47:59 ID:FG0IDzMx
188KB
341 :
名無氏物語:2007/10/23(火) 00:39:06 ID:/TgWtJ3f
ここってルビーとかいうやつがブログでやれば良いのでは?
レスの9割こいつじゃん。
342 :
紫雪:2007/10/23(火) 14:30:22 ID:aTJnekSy
松風蘿月に言葉を交わす賓客も 去って来たることなし
翠帳紅閨に枕を並べし妹背も いつの間にかは隔つらん
心なき草木 情けある人倫 いづれあはれを遁るべき
思えば仮りの宿り、ここでの縁も、いいではありませんか(笑)。
343 :
紫雪:2007/10/23(火) 14:40:54 ID:aTJnekSy
真昼間からこんにちは。
日光に行ったら、全山見事な紅葉でした。心配しなくても、季節は巡るんですね(笑)。
という訳で、教科書もんの有名なやつです。
遠く寒山に上れば 石径斜めなり
白雲生ずる処 人家有り
車を停めて坐ろに愛す 楓林の晩
霜葉は 二月の花よりも紅なり
山行 杜牧
大渋滞で、「車を停められて」の紅葉狩でしたw
344 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/23(火) 22:30:51 ID:wSVdTRL+
こんばんは
>>341 あなたを不愉快にさせて申し訳ないことです
お目障りであれば、どうぞコテなりスレタイなりをNG指定してやって下さい
>>342、
>>343 美しいフォローありがとうございます
錦秋とは言いますが、本当に秋の山は美しいと思います
一樹の葉が全て紅に染まる楓や紅葉はとても奇麗ですが、七色に変化する木々の葉も
これまた大変に美しいものですね
何も無ければ退屈ですが、日々、それは変化します
その美しさは、人が作り出せないものです
大渋滞はおイヤだったでしょうが、その分紅葉を愛でられたので、収支はトントンと
言った所ですね
345 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/23(火) 22:40:45 ID:wSVdTRL+
それでは『山行』、ストレート、マジ&カルバージョンで訳してます
<ストレート>
遠い遥かな晩秋の山に登ってみれば くねくね道が続いている
見渡せば 仙境ともいうべき深山にも 人が住んでいる
車を停めて 漫然と楓の林に訪れた夕暮れを味わう
霜のあたった葉は 二月に咲く花よりも紅い
<真面目バージョン>
いつもの世界を抜け出して 遠い山へ行ってみる
径はくねくね 誰にも出会わない
こんな別天地なのに 人が住んでいる不思議
足を止め 晩秋の楓の林を歩いてみる
天にも地にも 紅く燃える葉
白い霜に磨かれた葉は
如月の春の花よりもっと赤い
<ちょい軽バージョン>
いつもの世界を忘れたくて 静かな山へ行ってみた
誰にも出会わない 細いカーブが幾つも続く
そんな仙境のような深山なのに 人家がある不思議
車を停め 晩秋の風情を楽しもう
紅に染まる楓の林は まるで地上の夕暮れ
白い霜に磨かれて なお鮮やかに色増す葉は
如月の春を知らせる花たちより もっともっと燃えている
346 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/23(火) 22:50:17 ID:wSVdTRL+
紅つながりで、こんなのは如何でしょう?
『蓼花』 by陸游
十年詩酒 刀州に客たり
常に名花の為に 燭をとりて遊ぶ
老いて 漁翁と作(な)るも 猶お事(こと)を喜ぶ
数枝の紅蓼 清秋に酔う
<真面目バージョン>
刀州(蜀の地)での十年は 詩と酒に夢中だった日々
常に 美妓を求め 徹夜で遊び暮らした
年老いた漁師となった今もまだ 楽しもうとする気持ちは有って
数本の赤い蓼に 秋を感じて 喜びに浸る
<ちょい軽バージョン>
刀州にいた十年は 詩と酒で 大いに名前を売ったものさ
何時だって 玄人美人と 一晩中大騒ぎして遊んでた
今じゃすっかり爺ちゃんだけど 色気はちょいと残ってるw
好みがずいぶん素朴になったが 秋には秋の恋があるんだよ
347 :
紫雪:2007/10/23(火) 23:08:49 ID:aTJnekSy
こんばんは
陸游の詩は、好きなものの一つです。
「山行」でヴァリアントが三つ並ぶとは、さすがルビーさん。最後のは、ユーミンみたいだな。
十三夜、佳い月ですね。
348 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/24(水) 21:19:56 ID:rb+C73Vo
こんばんはですよ
>>347 いえいえ、ちょっと遊びが過ぎましたねw
これからは、夜空の月がいっそう美しい季節です
窓を開け放ち、綿入れにくるまりながら、酒杯を傾けるのに絶好ですね
そしてちょっと賢しげに、物思いして見ましょうか
夜光 何んの徳ありて
死すれば 則ち また育(いく)する
厥(そ)の利(り)は 維(こ)れ何(な)んぞ
而(すなわ)ち 顧莵(こと) 腹に在る
(『楚辞』より「天問」)
349 :
紫雪:2007/10/24(水) 23:26:52 ID:tQW1ePWt
こんばんは
楚辞は、難しいですね。月の満ち欠けに物思うのは、昔も今も変わらないのでしょう。
よにふれば物思ふとしもなけれども月にいくたびながめしつらん 具平親王
350 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/25(木) 00:10:35 ID:R4Qypx3+
昔の中国の人は、月を「生死するもの」と捉えていたようです
月には 何の徳があるから
死んではまた生まれて来る事が出来るんだろう
月には どんな利があるから
その腹に 繰り返し振り返り仰ぎ見る 兎が棲んでいるんだろう
案外、田畑を耕す者だけでなく、漁りする者にとっても、月の運行の方が大きな意味を
持っていたのかも知れません
嘆けとて 月やは ものを思はする かこち顔成る わが涙かな 西行法師
351 :
名無氏物語:2007/10/26(金) 00:10:18 ID:T6NnaY/X
月つながりで手伝っていただけませんか
相見観 李U
言なく一人せいろうに登れば
月は鉤の如し
寂莫たる梧桐の深院 清秋を鎖す
翦れども断れず
理(ととの)うれどもまた乱る
これぞ離愁
別に是れ一般の滋味心頭に在り
言葉もなく一人西の高楼に登れば、月は鉤の様だ。
寂しく梧桐の立つ奥深い中庭が、すがすがしい秋を閉じ込めている。
はさみで切っても切れぬ。揃えようとしてもまた乱れる。
それこそが離愁というものだろう。
それとは別に、ちょうど同じような味わいが私の胸にある。
最後の一行が何のことか全くわからないんです。
352 :
紫雪:2007/10/26(金) 01:08:05 ID:l6vO66Kv
こんばんは
作者の李いくは、南唐最後の天子で、南唐は宋に滅ぼされ、李いくは開封(べん京)に幽囚の身と
なり、その地で没しました。
陳の後主ではありませんが、亡国の天子として、虜囚の身で秋を眺める様々な思いが、最後の一行
に込められているのではないでしょうか。
詳しい事は、スレ主さんからどぞ(笑)。
353 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/26(金) 22:11:30 ID:fjIod+ET
こんばんはですよ
>>351 初めまして
春夏秋冬 妄想三昧のスレ主 ルビー・Dと申します
なぞなぞひとつ、行きましょうか
「振り払っても振り払ってもやって来るもの、なーんだ?」
ヒント:座禅
にょほほ♪もうお解りでそ?
答えは 【煩悩】 です
何故でしょうかと聞かれたら「西」の「高い」建物、そして「月」が大きなカギなのですねえ
つまり「西」とは「西方」で、「高い」とは穢れ多き娑婆世界を離れた高みにある世界、則ち
「浄土」で、それらを併せた「西方浄土」とは、阿弥陀如来と言う光の仏のおわす苦悩無き
世界の事だと考えられる訳です
その中で、道を求めようと考える人間が振り切ろう、乱れを整えようとするのは、まさに
煩悩に対しての事であると思うのですよ
しかし、この煩悩と言う奴、振り切るのが非常にムズイ奴でして、座禅して心を鎮めている
最中でさえワラワラと湧いて来るんですね
失礼だったらありゃしない
354 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/26(金) 22:25:17 ID:fjIod+ET
しかし、しかし、しかし諸君!
それではちぃーっとも面白く無い訳ですよ
折角の紫雪さんの
>>352の解説が勿体ない事になりますデス
それは イ カ ー ン !! ので、煩悩の中の最大煩悩、かつ、陳の後主になぞらえ
られる人物であるなら、それにふさわしい物があるはずです
で、思いついたのが 恋 ですよ
ひとつの恋が終わって、男は言葉もなく、無人の西楼へ上がってみる訳です
夜空には欠け行く三日月
心を癒しに来たのに、全然癒されないどころか、落ち込むばかり
気分を変えようとしても、やっぱり恋人の事を思い出してしまう
そうしてしみじみしているな〜と思っていたら、実は新しい恋人の事を考えて
いたり……
なぁんてシチュエーション考えてみましたデス。はい。
355 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/26(金) 22:36:04 ID:fjIod+ET
この 『相見歓』には、 『烏夜啼』 と言う名前もあるんです
(ストレート訳)
無言で独り 西の楼に上れば
鎌のような 三日月が見える
寂しげな アオギリの繁る奥庭には
ただ秋の悲しさが満ちるばかり
切っても断ち切れない
整えても また すぐ乱れる
それは 別離の愁いである
言い難い 独特のあじわいが 心にまた生じてくる
(意訳)
明かせぬ想いを胸にして 西の櫓へ一人上がる
月は弦月 天に映った我が心
別れを告げた奥庭は 今宵もひっそり静まりかえる
想い出を落ち葉の如く 振り落として
薙ぎ払っても 断ち切れぬ 愛しい人の優しい面影
理(ことわり)は解せても 情(こころ)は諾(うべな)わず
引き裂かれる愛を ただ愁えるのみ
その傍らでふと想う 彼(か)の女(ひと)もまた 捨て難いと
356 :
紫雪:2007/10/27(土) 03:39:20 ID:VlmbXSb7
ルビー節ですね〜
夜遊びから戻りました〜
煩悩の犬は追えども去らず 菩提の鹿は招けども来たらず
計らずも「明け烏」を連想してしまいました〜
357 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/27(土) 08:56:40 ID:UgS3uDBX
おはようございますよ
おやおや、カラスは夜通し煩悩に啼いているのでしょうかw
358 :
名無氏物語:2007/10/27(土) 21:38:26 ID:0FHlYZPB
>>352、353 ありがとうございました
新しい恋人説、なんかこれなら納得。
途中まで感情移入してたのですよ。
ところが、最後の一行で
「まあ、それはおいといてこんな感覚そっくりの気分が今の私〜」
といわれたような気がして、???でした。
力を入れたいのが6行目までなのか
それとも7行目なのかも判らなくて。
基本ストレート訳、心理的にルビーさん的意訳で飲み込めそうです。
359 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/27(土) 22:00:42 ID:OfcllMvH
こんばんは
>>358 お役に立てて、大変嬉しいですよ
力を入れたいのは、やはり7行目では無いでしょうか
その1行で、それまでの6行を覆してしまうのですから
そんな風に思います
ただ、私のは『本っ当に適当!』なので、どうぞご注意下さいね
360 :
紫雪:2007/10/29(月) 02:54:26 ID:ZRJ1cM2o
かぁ〜
というわけで、こんばんは(笑)。お気に入りを一つ。
人生は根蔕無く
飄として陌上の塵の如し
分散し風を逐って転じ
此れ已に常の身に非ず
地に落ちて兄弟となる
何ぞ必ずしも骨肉の親のみならんや
歓を得ては当に楽しみを作すべし
斗酒 比隣を聚めよ
盛年 重ねて来たらず
一日 再び晨なり難し
時に及んで当に勉励すべし
歳月人を待たないぜ
雑詩 其一 陶淵明
最終行 正確には「歳月は人を待たず」
361 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/30(火) 00:04:30 ID:hW43yvHz
こんばんはですよ
>>360 まさに、歳月は人を待ってくれませんねえ
気が付けば、このスレッドも既に2年目に突入しているのですよ
この詩は最後の2行の言葉が大変よく知られていますよね
でも最初の行と最後の行で、これ程ふいんき(←何故か変換出来ないw)が変わるのは、
とても面白いと思います
では、まず普通の訳を
人生を 繋ぎとめておけるものはない
人生は 風に吹かれて漂う 道の上の塵のようなもの
我が人生も 風に追われて転がるのみ
この身は 既に常住不変にあらず
この世に生まれしものは すべて兄弟も同様
肉親だけが運命共同体ではない
慶事があれば それを祝って宴を催し
近隣の人々をも集め たっぷり酒を振る舞うがいい
人生の盛りの時は 二度と再び来ないもの
一日に二度の朝が来るなど 無理な事
時期を読み チャンスを掴んで突き進め
歳月は 人の都合に関わりなく 勝手に流れて行くから
362 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/10/30(火) 00:05:41 ID:hW43yvHz
ちょっと遊んでこんな変なのも♪
人生に家なし
人は 風に吹かれる塵の如く
行方定めず 転々と
常に移ろい行くばかり
是れ 生まれしもの 全て等し
決して 肉親に限らじ
歓び有らば 宴を開け
近しきものと 杯を交わせ
夏は過ぎれば秋となる
朝の後から夜明けは来ず
時に乗じ 利を得るべし
歳月は流れゆくのみ
363 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/01(木) 00:07:56 ID:0MVz8Y+2
こんばんはですよ
11月になってしまいました、本年も残すところ後2ヶ月です
月日と言うのは、気付かぬうちに過ぎて行くのですね
王者も貧民も、時は分け隔てを致しません
『秋風辞』 by武帝
秋風(しゅうふう)起こりて 白雲飛び
草木(そうもく)黄落して 雁(かり)南帰す
蘭(らん)に秀(はな)有り 菊(きく)に芳(かおり)有り
佳人を懷(なつか)しみて 忘る能(あた)わず
樓船(ろうせん)を汎(うか)べて 汾河を済(わた)り
中流にたわりて 素(しろ)き波を揚げる
簫鼓(しょうこ)鳴りて 櫂歌(とうか)発(お)こる
歓楽極まりて 哀情多し
少壯(しょうそう)幾時(いくとき)ぞ
老いを奈何(いかん)せん
364 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/01(木) 00:11:40 ID:0MVz8Y+2
まず、普通の訳を
秋風が吹いて 白雲が飛ぶ
草木が黄ばんで散り 雁が南の方へ帰っていく
秋蘭は美しく 秋菊はよい薫りがする
美しい女性を懐かしく思い 忘れる事が出来ない
二階造りの船を浮かべて汾河を渡る
川の流れの中程を横切れば 白い波が揚がる
簫と太鼓を鳴らせば 舟歌が起こる
楽しみごとが極まれば 哀しみの思いが多くなる
年若く意気盛んな時がどれほどの時間になろうか
老いて行く事をどうしようか
では、妄想をw
秋風が立って 白い雲が流れ
草木は黄葉して落ち 雁は南方へ再び帰って行く
欄は愛らしい花盛りで 菊は馥郁と香り立つ
それら美しい女人の思い出が 次から次へと溢れ出す
屋形船を浮かべ 汾河を渡れば
舟は流れの半ばを横切り 白波が上がる
音楽が始まり 威勢のいい舟歌が流れ出す
だが この喜びを極めながら 哀しみも等しく感じている
若く盛んなこの時は いったい何時まで続くのか
忍び寄る老いの影を どうあしらえばよいのだろう
365 :
紫雪:2007/11/01(木) 00:42:55 ID:eUwFa4NQ
こんばんは
武帝が、こんな詩を詠んだんですね。でも、極めたものにしか、解らぬ心境なんでしょうね。
平安時代の今様を思い出しました。
きのふはさかゆと みしかども けふはかなしび きたるめり
にんげんおもへば あぢきなし 天にも五すゐぞ まのがれぬ
生ある者は必ず滅す
釈尊いまだ栴檀の煙を免れたまはず
楽しみ尽きて哀しみ来たる
天人もなほ五衰の日に逢へり
重明親王室家四十九日為御願文 大江 朝綱
366 :
名無氏物語:2007/11/01(木) 14:39:17 ID:5nh3uDIi
200KBを超えました。
367 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/01(木) 23:10:02 ID:EPhjX9XL
こんばんはですよ
権勢も老いも、ハッキリした区切りは誰にも見えないものです
後になってみれば、あの頃が最高潮だったと思う事は出来ますが
夜更けて長夜に至る程 洲鶴眠りて春の水 娑婆の故き郷に同じ
塞鴻啼きては秋の風 閻浮の昔の日に似たり
(梁塵秘抄より)
368 :
名無氏物語:2007/11/05(月) 15:21:58 ID:XpIs1pvu
重たいスレッドだなwww
369 :
名無氏物語:2007/11/05(月) 16:27:53 ID:5Cmf3mts
203KB
370 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/05(月) 21:49:40 ID:q87dwR5k
こんばんは、ですよ
>>368 スレ主の頭が軽い分、中身を詰め込んでおります
さて、今夜は秋の雨から連想して、『水龍吟をお届け致しましょう
371 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/05(月) 21:50:18 ID:q87dwR5k
『水龍吟(登建康賞心亭)』 by辛棄疾
楚天 千里の清秋
水は 天に隨(したが)い去りて 秋は際(きわま)り無し
遙(はる)けき岑(みね)を 遠目すれば
愁(うれ)いを獻(けん)じ 恨(うら)みを供する
玉簪(ぎょくしん) 螺髻(らけい)
落日の樓頭(ろうとう)
斷鴻(だんこう)の聲裏(せいり)
江南の游子(ゆうし)
呉鉤(ごこう)を把(と)って 看(み)了(お)え
欄干 拍(う)つこと 遍(あまね)し
人の 會(わか)る無し 登臨せる意(こころ)を
説(い)うを休(や)めよ 鱸魚(ろぎょ)は膾(なます)に堪(た)えると
西風 儘(つ)き
季鷹(きよう) 帰りきや 未(いま)だしや
求田(きゅうでん)問舎(もんしゃ)
怕(おそら)く 應(まさ)に見(まみ)ゆるを羞(は)ずべし
劉カ(りゅうろう)の才気に
惜しむ可(べ)し 流(うつ)ろう年
風雨に憂愁す
樹 猶(な)お此(か)くの如し
請(こ)う 何人(なんびと)か
紅巾(こうきん)翠袖(すいしゅう)を 喚(よ)び取りて
拭(ぬぐ゙)えかし 英雄の涙を
372 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/05(月) 21:51:10 ID:q87dwR5k
普通に訳しますねw
江南の空は遥かに広がり 清らかな秋の気配に満ちている
川の流れは遙か地平線の彼方 天に接するように流れ去り
秋の景色が極まりなく広がっている
遥かな峰に目をやれば 婦人の髪型のような山並みは
各々 愁いや恨みを訴えてくる
夕映えの高殿の上
群を失った雁の声
江南の旅人は 刀剣を手にしたまま
景色に感動して何度も手摺を叩いた
私が登臨する気持ちを理解する者は 誰もいない
言わないでほしい
スズキは 刺身にして食べるのに旬の時期になったと
秋風が立った
季鷹はもう帰郷したのだろうか
大志も抱かず 田舎で暮らすというが
もし彼に出会ったら おそらく会うのを恥じ入るだろう
彼の蜀の劉備のような才気に
過ぎ行く年月を残念に思う
難局を憂える
樹木でさえも このように立派になるのに
誰か頼む 麗しい女性を連れてきて
悲憤の余り涙している英雄の涙を拭ってほしい
373 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/05(月) 21:54:35 ID:q87dwR5k
もひとつ、気軽に訳しましょうか
楚国の空は どこまでも秋色に染まり
河は流れ流れて天に続き
大地にもまた秋が無限に広がっている
遠く見える山稜に目をやれば
婦人の巻貝のように結い上げた髪に 玉の簪を留めたような山々が
幾つもの愁いや恨みを語りかける
夕陽に染まる高殿の上を 二つ三つ 雁が鳴きながら飛んで行く
江南の旅人は剣を携えたまま しばし景色に見とれていたが
やがて 感極まって何度も欄干を叩いた
彼が此処に来る気持ちは 誰にも理解されるまい
言わないで欲しい 官を辞めるかなどと
秋風が終日吹いていたが
季鷹のような彼は もう帰郷したのかなどと
このまま田舎へ帰り 平凡な暮らしに埋もれてしまったら
おそらくきっと 友に会うことを恥じ入るに違いない
蜀の劉備のような才気ある者が
徒らに 難局に憂えたまま 年月が流れていく事を
非常に口惜しく思う
樹木でさえ 年輪を重ねれば 立派に成長するものを
人は何故 いつまでも愚かしくあるのだろう
お願いだ 誰か 優しい女性を連れて来て
悲嘆にくれる男を慰め 涙を拭ってやって欲しい
374 :
紫雪:2007/11/07(水) 20:00:43 ID:y62QaD6Z
こんばんは、重た増しに協力w
朝晩寒くなってきました。暦の上では、立冬ですね。
幾行か塞に帰り尽くるに
念う 爾 独り何にか之く
暮雨 相呼んで失い
寒塘下らんと欲すること遅し
渚雲低れて暗に度り
関月冷ややかにして相随う
未だ必ずしもそうしゃくに逢わず
孤飛 自ら疑うべし
孤雁 催塗
(そう=矢曾、しゃく=糸偏の激、 いぐるみ)
375 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/08(木) 00:14:06 ID:17aNy5EZ
こんばんはですよ
本当にめっきり冷えて来ました
しかし、今年はまだ寒さが足りないようで、渡り鳥の姿が未だ見えません
せめて、詩の中でかいま見る事に致しましょうか
孤雁 by催塗
仲間たちはみな 北へ帰ってしまったと言うのに
雁よ お前は独り 何処へ行く
夕暮れ時の雨の中 友を呼ぶ声は虚しく宙に消え
冷たい池に帰ろうとして ためらっている
雲は低く 暗く 水辺に沿うように横たわり
その上に 冷たく輝く月が載る
猟師に狙われなかった訳ではあるまい
おそらく 自分でも信じられない事だろう
376 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/08(木) 00:17:59 ID:17aNy5EZ
秋の農村風景は如何ですか?
『秣陵道中口占 其二』 by王安石
歳 熟(みの)って 田家楽しみ
秋風 客 自ずから悲しむ
茫々たり 曲城の路
帰馬 日斜めなる時
(直訳ですw)
稲が実(みの)って 農家は楽しんでいるとき
秋風に 旅人は悲しみにそそられる
茫々とひろがる曲城のみち
馬に乗って家路をたどる日暮れ時
(変にしました)
季節が廻り 豊かな実りの秋となる
農家は豊作を喜んでいるが
旅人は 吹く秋風に冬を思い
離れて暮らす家族を思って 寂しくなる
見晴かす限りの草の海
その中に延びる曲城の道
馬の背に揺られて帰る 残光の中
377 :
紫雪:2007/11/08(木) 01:19:00 ID:tyyu79hy
変にしました、は奮ってますね(笑)。
きのふこそ早苗とりしかいつのまに稲葉そよぎて秋風のふく
いつもながらの楽しい訳、ありがとうございます。
378 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/08(木) 21:08:01 ID:MDH6GdYT
とんでもないことです
物知らずが無謀な事をして面白がっているだけの事ですよ
むしろ、お礼を申し上げるのは、わたくしの方です
紫雪さんのお陰で、日毎に世界が広がって行くのですから
これほど幸せな事はありません
幾ら感謝をしても足りないほどですよ
ただ過ぎに過ぐるもの
帆かけたる船、人の齢、春、夏、秋、冬
徒に過ぎない日々に巡り会えて、大変嬉しく思っております
379 :
名無氏物語:2007/11/10(土) 02:17:28 ID:kA0ZO0Xo
209KB
380 :
紫雪:2007/11/10(土) 21:54:11 ID:70tv4W2o
こんばんは。
立冬らしく寒くなり、暮れも近くなりました。
寸善尺魔の世の中ですが、一片の氷心は、どこかに保っていようと思います。
寒雨 江に連なって 夜 呉に入る
平明 客を送れば 楚山孤なり
洛陽の親友 如し相問わば
一片の氷心 玉壺に在り
芙蓉楼にて辛漸を送る 王昌齢
381 :
名無氏物語:2007/11/11(日) 09:11:48 ID:CPXNWX8S
別に立冬だからって寒くならないのが最近の・・・傾向なのだけどね・・・
382 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/11(日) 22:10:03 ID:TZhzSqyW
こんばんはですよ
>>381 そう、ずいぶんと未だ暖かな気はしますけれども、やはり冬は冬
それなりに冷えているように思いますよ
>>380 ええ、願わくばそのようにありたいものです
しかしながら現実は、「自分は良かれ他人は悪しかれ」ですから、ずいぶん情けなく思います
さて、この詩を直訳すると、こんな感じです
寒々した雨が長江に降り注ぐ中 夜になって 我々は呉の地にやって来た
やがて夜明けの時が来て 客(辛漸)を見送ると 楚の山がひとつだけ見えている
落陽の親友が もし自分(王昌齢)のことを尋ねてくれたら
私の心境は 一片の澄み切った氷が玉で作った壷にあるようなものだと伝えて欲しい
で、お約束のわたくしバージョン
寂しい雨が降りしきり その雨足は長江に連なっている
そんな夜 辛漸と連れ立って 呉の芙蓉楼にやって来た
夜明け頃 彼を見送ろうと表へ出れば
まだ薄暗い景色の中 見えるのは たったひとつの楚の山ばかり
辛漸よ 落陽に戻り 親しい人々から 私の様子を聞かれたら
彼の心は 玉壺の中の氷のように 透き通って静かですと伝えてくれ
383 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/11(日) 22:12:34 ID:TZhzSqyW
送別の詩繋がりで、こう言うものを拾って来ましたw
『送友人』 by李白
青山 北郭に たわり
白水 東城を遶(めぐ)る
此地 一度(ひとたび)別れを為し
孤蓬 萬里に征(ゆ)く
浮雲 遊子の意
落日 故人の情
手を 揮(ふる)いて 茲(ここ)より去れば
蕭蕭(しょうしょう)として 班馬(はんば)鳴く
384 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/11(日) 22:17:19 ID:TZhzSqyW
普通に訳すと、こんなものでしょうか
草木が青々と茂っている山が 街の城郭の北側に横たわって
澄んだ水が 都市(城市)の東側をめぐっている
今 この地で一度別れる事になれば
君は 風に飛ばされて転がってゆく蓬のように 万里の道を行く事になる
浮かび漂う雲は 旅立つ人(君)の心であり
夕陽は 知人(私)の感情である
互いに手を振って ここより去り行こうとすれば
寂しそうに 別れる馬が嘶いた
それをまあ、ちょいと弄ってみたところ
緑深き山が 街の城郭の北に横たわり
白く輝く川が 城市(街)の東を巡る
今ここで君と別れたなら 次はいつ何処で会えるのか
万里を彷徨う飛蓬のように 君は遠く旅をする
風に吹かれて流れる雲は ここを去り行く君の思い
地平線に沈む陽は ここに残る私の心
互いに手を振り 別れ別れに歩み出せば
人の気持ちを察したらしい 馬が寂しそうに嘶いた
385 :
名無氏物語:2007/11/12(月) 13:55:21 ID:fq3Qv0mG
212KB・・・
386 :
名無氏物語:2007/11/12(月) 13:56:07 ID:fq3Qv0mG
このペースだと、850レスくらいで容量オーバーになりそうですね・・・。
387 :
名無氏物語:2007/11/12(月) 13:56:39 ID:fq3Qv0mG
このスレッドは・・・。
388 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/14(水) 21:50:19 ID:qxv8QMXt
こんばんはですよ
>>385-387 ご心配頂いてありがとうございます
そうですね、やはり1000までは無理でしょう
ただ、ネタがあるかどうか、心配なのはそこなのですが(笑
さてさて、鍋の美味しい季節になって来ましたね
この季節は何となく人恋しくなります
家族と離れている人なら尚更でしょう
その気持ちは今も昔も変わりないようです
『夢帰 其の一』 by高啓
何事ぞ 頻頻(ひんぴん)として夢裏(むり)に帰る
只だ 未だ天涯に客(かく)たるに慣れざるに縁(よ)る
覚(さ)め来れば 家人の面(おも)を見ず
恰(あたか)も前朝 始めて別れし時に似たり
どうしてだろう 度々 夢の中で家に帰っている
家族と離れ ただ独り
遠い町で暮らす事に 未だ慣れない所為だろうか
目覚めれば 家族の笑顔は儚く消える
ちょうど あの旅立ちの日と同じような切なさ
389 :
名無氏物語:2007/11/15(木) 00:52:24 ID:DbHdSian
1レス10行以内でやりましょうよ・・・
390 :
紫雪:2007/11/15(木) 04:18:46 ID:TDXrM2ZS
>>388 こんばんは おはようかな
崑嶺の玉、之を採れども余り有り
とう林の材、之を伐れども尽くることなし
大丈夫、お気に召すまま、ゆるゆる頑張ってください。
続けたければ、新たにスレを立てるのは、わけもないこと。
明け烏、応援してます カ〜
391 :
紫雪:2007/11/15(木) 04:27:53 ID:TDXrM2ZS
漢詩ではありませんが
夢の世に月日儚く明け暮れて
または得難き身をいかにせむ
藤原 良経
おやすみなさい
392 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/15(木) 21:31:52 ID:k8etIISX
こんばんはですよ
>>389 私はあなたのパソコンに負担を掛けてしまっているのでしょうね
申し訳ない事です
10行以内にしてレス数を増やす方が、負担はかかりにくいのでしょうか?
よくわからなくてすみません
393 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/15(木) 21:52:58 ID:k8etIISX
>>390、
>>391 紫雪さん、いつもながらありがとうございます
本日は勝手ながら、訳はお休みデス
独りただ 仏の御名や 辿るらん 各々かえる 法(のり)の庭人
by 一遍上人
394 :
名無氏物語:2007/11/17(土) 02:35:01 ID://lA4wnf
長文は携帯だと読みにくいよね。
395 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/17(土) 05:50:34 ID:ZmuJlIag
>>394 ああ、なるほど
そうですね
どうもありがとうございます
わかりました、短いものはなるべく10行以内にするようにします
ですが、切ってしまうと都合の悪いものは、申し訳ねーですが、長文になってしまうですよ
そこんとこ宜しく了解願います
396 :
名無氏物語:2007/11/17(土) 12:20:42 ID:+VfI4vPz
柘榴
397 :
名無氏物語:2007/11/17(土) 22:22:39 ID:4pWAxqr2
このスレのこの雰囲気を楽しみにしているので、
いままでと変えないで欲しい。
読み難いからと書き手に強要しているレスを
2ちゃんではじめて見たよ
398 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/17(土) 22:34:56 ID:8FllJSl+
>>397 おお、こんな所に関心を持って下さっていたのですね
ありがとうございます
大変嬉しく思います
>読み難いからと書き手に強要しているレスを
いえ、強要されてる訳ではねーのですよ
ただ、私はお銚子乗りでパ〜ですから、ついつい不必要に長くしてしまう嫌いがあります
その点を反省したまでです
どうか、誤解を解いて下さいね
399 :
紫雪:2007/11/17(土) 23:57:00 ID:QY/7pLub
不必要に長いとも思われませんが。
400 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 00:09:52 ID:3GAGLmDU
>>399 ええ、でも、今までこういう言葉のやりとりの後に、そのまま訳を繋げていたりしました
その辺を少し変えるだけでも違ってくるのでは無いでしょうか?
あっと、そうそう
>>396 すみません、決して無視していた訳ではねーのです
ザクロを詠った詩はなかったかと、昔のノオトをガサゴソしてて時間を食っちまいました
と言う事で、今夜の詩は 『翠鳥』 をお届けします
401 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 00:11:07 ID:3GAGLmDU
『翠鳥』 by蔡伯
庭陬(ていすう)に 若榴(じゃくりゅう)有り
漉tに 丹榮を含む
翠鳥 時に来たり集い
翼を振(おさ)め 容形を修(おさ)む
回顧すれば 碧色を生じ
動搖すれば 縹青(ひょうせい)を揚ぐ
幸(さいわ)いに 虞人(ぐじん)の機を脱して
君子の庭に 親しむを 得(う)
心を馴らして 君が素(もと)に託し
雌雄 百齡を 保たん
402 :
紫雪:2007/11/18(日) 00:11:26 ID:unIgCRkR
かりそめに手折らむ花の枝も見で月の隠るるまでを待つとは
皆さん、ぶいきなことはいいっこなし。ケセラセラですよ。
長空 碧杳杳たり
万古 一飛鳥
生前 酒 閑に伴う
愁い酔えば 閑は多少ぞ
煙は深し 随家の寺
殷葉 暗かに相照らす
独り一壺を佩びて遊べば
秋毫 泰山を小なりとす
独酌 杜牧
403 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 00:13:22 ID:3GAGLmDU
直訳、行きますよw
庭の隅に若榴の木がある
緑の木の葉の中に赤い花がある
カワセミが時々飛んできて集まっている
翼を整えて姿形をきっちりと整える
振り返れば 青緑色が生じて
揺れ動けば 縹(はなだ)色になる
幸いにも虞人機から脱することが出来
君子の庭に親しく居ることが出来た
従順な心で 君主の真心に任せて
夫婦揃って百歳の長寿を保ちたいものだ
404 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 00:14:18 ID:3GAGLmDU
はい、お約束w
庭園の一隅に 柘榴の木がある
緑滴る葉の中で 花が朱色に燃えている
そこへ時々 カワセミたちが寄って来て
羽根を休め 優雅にくつろいでいる
振り向けば 緑青の輝きが生まれ
飛翔すれば 縹色の風になる
運良く 野山の罠に掛ることなく
心ある方の庭に 憩う事が出来た幸せ
心を落ち着け 主の許に身を寄せて
夫婦で百まで長生きしたい
405 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 00:16:15 ID:3GAGLmDU
ちょっとメモなど…
※蔡伯:蔡よう、「胡歌十八拍」で名高い蔡文姫の父上です
※若榴:柘榴の事です
※縹色:空色、薄い水色
※虞人機:鳥や獣を捕る仕掛け
406 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 00:20:06 ID:3GAGLmDU
今宵は眠くなりました
紫雪さんの挙げて下さった『独酌』は、また明日のお楽しみと言う事で宜しくですよ
ではでは、お先に (つ∀-) オヤスミナサイ☆
407 :
名無氏物語:2007/11/18(日) 15:34:58 ID:1wCrcexi
>>397 そういう書き込みは何度か別板で見たことあるよ。
408 :
名無氏物語:2007/11/18(日) 15:36:08 ID:1wCrcexi
でも、それ以外の
「読みにくいから市ね」
って、書き込みの方が圧倒的に多いけどね。
409 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 22:32:57 ID:j91SxLbl
こんばんは、おまたせですよ
今夜はお約束通り、杜牧の『独酌』と行きませう!
しかしですね、最初に言っておきます
6行目『殷葉 暗かに相照らす』の意味が、私ぜ〜んぜんわかりませんでした
わはははは☆
なので、思いっきり当てずっぽうなのですよ
えっへん (;`∀´)b
正しい訳をご存じの方、教えて頂けるととても嬉しく思いますデス
はい
410 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 22:33:52 ID:j91SxLbl
では、普通の訳から参りましょうか
高い空は 見渡せば無限に青く
広がる空は どこまでも青く続き
大昔から変わらない天に 一羽の鳥が飛ぶ
有限の人生に於いて 酒を暇潰しの供にする
愁いながら酒を飲めば 時間はすぐにたってしまう
人家に並んだ寺からは 絶えず香の煙が立ち上る
殷の時代と今の時代と 暗に互いを照らしている
独りで 酒を一壷携え 気ままに野山を歩き回れば
普段の小心はどこへやら 泰山など小さいと思う始末
411 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 22:35:39 ID:j91SxLbl
さあ、イジリましょうw
広がる空は どこまでも青く無限に続き
悠久の天を 横切る鳥が一羽
有限の命の中 暇を見つけて酒を飲む
愁いの数だけ杯を干せば いつしか時は過ぎていて
天へ消え行く祈りの煙は 傍らの寺院から
殷代と現代を こっそり比べて考える
独り 野山へ遊びに出掛け 気の向くままに酒を飲めば
愁いは晴れ 泰山すらも些細に思える
412 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/18(日) 22:39:11 ID:j91SxLbl
おっと、いけません
>>410の3行目
>広がる空は どこまでも青く続き
これ、不要です
面目ない(-_-,,)
413 :
紫雪:2007/11/19(月) 01:56:31 ID:7xtb5rUk
こんばんは
「殷」は「あん」で暗紅色、「殷葉」で紅葉だそうです。
でも、商(殷)代と繋げた方が、広がりが出ていいですね。
414 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/19(月) 05:52:37 ID:N8eIrGVh
おはようございますよ
>>413 ありがとうございます
なるほど、やはり全然違いましたw
ではここは 『紅葉はそっと互いを照らし合い』 とでもすべきですね
みなさん、いい加減な事を書いてすみませんでした
415 :
紫雪:2007/11/21(水) 03:13:36 ID:Av1TBOvW
こんばんは
今夜は貼りませんが、夜遊びから帰って、世情を見れば・・・
人間愁いの花盛り、ですねorz
静かなる暁ごとに見渡せばまだ深き夜の夢ぞかなしき
式子内親王
おやすみなさ〜い
416 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/23(金) 18:30:03 ID:mI5dmpgp
こんばんはですよ
>>415 式子内親王、懐かしい名です
実は私事ながら、能楽の『定家』が卒論のテーマでして、時雨降る初冬に己の苦を綿々と
語るその姿に、涙しながら用紙の升目を埋めた覚えがあります
昨日は時雨こそ降りませんでしたが、本当によく冷え込み、濃紺の夜空に輝く月はまさに
一片の氷心 玉壺に在り を表わしたかのようでしたよ
さて、月が関わる詩で、ちょいと面白いものを見つけましたw
それはこんなものです
417 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/23(金) 18:30:20 ID:mI5dmpgp
『蕎麦麺』 by新井白石
磨き落つ玉屑(ぎょくせつ) 白皚々(はくがいがい)
素餅(そべい) 団々 月様に開く
蘆(こ)は孤洲(こしゅう)に倒れ 雪を吹きて下り
蓬(ほう)は平野に飄(ひるがえ)りて 雲を捲いて来る
鸞刀(らんとう) 揮(ふる)う処 遊絲(ゆうし)乱れ
翠釜(すいふ) 烹(に)る時 畳浪(じょうろう)堆(うずたか)し
莱箙(らいふく) 葷葱(くんそう) 香 碗に満ち
肯(あ)えて麻飯(まーふぁん)を将(も)って 天台を訪(おとな)わんや
418 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/23(金) 18:31:06 ID:mI5dmpgp
石臼で挽かれると まるで玉石の粉のように真っ白に光り
丸められた白い餅は 満月のように広げられる
アシが岸辺に吹き倒されるように伸されたその上に
雪が降るように粉が振られる
そして 平野にそよぐ枯れヨモギや雲が
風に転がされるように くるくる捲いて行かれる
輝く刀が揮われるたび 細い糸が乱れ落ち
それが碧の釜で煮られる時は 重なる波が沸き立つようだ
大根おろしや葱の香りが 椀からあふれ 広がれば
有名な胡麻飯を食べるために 天台山に行く必要もないだろう
419 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/23(金) 18:36:39 ID:mI5dmpgp
新井白石ってどっかで聞いた事のある人は多いでしょう?
ええ、江戸時代の政治家、学者(朱子学、歴史学、地理学、言語学、文学)です
この方は、詩人でもあったのですね
具体的にどんな方かと言えば、徳川家宣に仕え、側用人・間部詮房と共に正徳の治と
呼ばれる政治改革 ↓(こんな事) をしました
@先代将軍綱吉の時代に大量に鋳造された元禄金銀を回収し、良質の正徳金銀を鋳造
して、インフレの沈静につとめた
A開幕依頼の長崎貿易で大量の金銀が海外に流失したため、長崎貿易縮小政策(長崎
新令)を取った
新井殿は、学者ですが、お堅いだけの人物ではなかったのですね
人って、意外な所があるからオモシロイ☆と思いますw
420 :
名無氏物語:2007/11/23(金) 19:29:34 ID:JaVJMjLw
該当スレが見当たらないのでこちらで聞かせてください
随分前に、NHKの漢詩の5分番組をなんとなく見てた頃がありました
その時、聞いた(読んだ)あとにグッと来た漢詩があったんですが
流し見してたので誰の作かも、使われてた単語やら文やら何一つ
覚えていなくて、その漢詩を探したいのに探せません
訳文すらうろ覚えなんですがこんな感じ
空には名月が出ている/欄干にあかりをともさないでくれ/
月を見ていたいから/ …的な内容でした。月や欄干などで
検索してみたりしたのですがどうも違う漢文しか出てきません
膨大な量の書籍の中からうろ覚えの漢詩一つを探し出すのも無理っぽい
どなたか、上記のような感じの漢詩をご存知のかたいらっしゃいませんか?
どんな漢詩だったかもう一度読んでみたいのです、ぜひお願いします
スレ違い申し訳在りません
421 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/23(金) 20:48:34 ID:mI5dmpgp
422 :
名無氏物語:2007/11/23(金) 23:21:01 ID:JaVJMjLw
>>421 ナビありがとうござます!リンク先をたよりに色々見まわってみたら
見つけました!探していたのは李Uの玉樓春でした!
まさか見つけることが出来るなんて…嬉しい〜
本当にありがとうございました!
423 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/24(土) 19:30:25 ID:j51vVIbj
>>422 ああ、良かったですね
お役に立てて嬉しいですよ
さてさて、せっかくですから李Uの玉樓春、やりましょうか
424 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/24(土) 19:31:26 ID:j51vVIbj
『玉樓春』 by李U
晩粧(ばんしょう) 初めて了(おわ)り 肌雪(きせつ)明らかに
春殿に 嬪娥(ひんが) 魚貫(ぎょかん)して列す
鳳簫(ほうしょう) 吹断して 水雲(すいうん)閨iしずか)なり
重ねて 霓裳(げいしょう)を按じて 歌遍(かへん)徹す
春に臨み 誰か更に香屑(こうせつ)を飄(ひるがえ)す
酔いて 闌干を拍(う)てば 情味(じょうみ)切なり
帰りゆく時 照らすを休(や)めよ 燭花(しょくか)の紅きを
馬蹄(ばてい)を放たんとす 清き夜の月に
425 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/24(土) 19:33:06 ID:j51vVIbj
まずはストレートに行きましょうか
夜の化粧が漸く終わり 雪のような肌がまぶしい
春の宮殿に 宮中の美女が串刺しの魚のように並ぶ
笛の音が鳴り止むと 水と雲が静まり返る
笛が再び霓裳の曲を奏でると これで演奏は終了
春というので 誰が更に香りよき花びらを撒いたのだろう
酔って欄干を叩けば 更にものの哀れを感じる
帰る時には 紅い灯を照らすのをやめてくれ
澄んだ夜の月の下 馬の蹄の音に浸りたいから
426 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/24(土) 19:35:21 ID:j51vVIbj
では、私風に行きますよw
夜の装いが漸く整い 白く美しい肌が輝いてみえる
春の宮殿には そんな美女たちがずらりと並ぶ
素晴らしい楽の音が 次々と 天地の間に広がって行く
そして 再び霓裳羽衣の曲が奏でられ 夢の宴は終わりを告げる
春だから 誰かが更に花びらを撒き散らしたのだろう
美酒に酔い 鼓の代わりに欄干を打てば 切ないほどに気持ちが高ぶる
どうか 帰り道には明かりをつけないでくれ
清らかな月光の中 空に響く馬の蹄の音を楽しみたいから
427 :
名無氏物語:2007/11/24(土) 21:21:17 ID:uUozxRtK
李Uはいいですねー
甘美さの影に悲しみと倦怠が控えていて
でもそれを表に出し過ぎない抑制があって。
宮中の美女を目刺みたいな物に例えるほど贅に慣れ、
なのに月と蹄の音に頼るほどの孤独
いつも自嘲しているような苦さが底にある気がします
428 :
名無氏物語:2007/11/25(日) 08:38:56 ID:7umXxt1C
美しく儚い詩ですね…
429 :
紫雪:2007/11/29(木) 20:48:53 ID:Ua7uh1Lr
こんばんは
もう暮れ、早いですね。嬌奢な詩の後に現実的ですが、明末の「疑雨集」から、ヘタレ系ですw
父無く妻無く百病の身
孤舟 風雪 銅塾に阻む
残冬尽きんと欲して帰るに猶お嬾し
料是(おもえば) 人の門に倚りて望むこと無し
歳暮客懐 王次回
430 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/30(金) 21:55:22 ID:xAo9i6Oc
こんばんはですよ
何となく、紫雪さんのおっしゃる“ヘタレ系”のふいんきは掴めるのですが、はて、「銅塾に
阻む 」とは何ぞやと思いつつ、ええい、や〜っておしまい!と突っ走ってみました
多分また、恐ろしい曲解をやらかしている事でしょう
どうぞ皆様、お笑い下さいw
『歳暮客懐』 by王次回
親父はとっくに亡くなったし 嫁もいないし 体が弱くて病だらけ
孤独な小舟のように 人生を当て所無く彷徨う自分に
世間の風は冷たくて お金銭もままならない
12月も終わる頃 実家へ帰ろうかと思ったが それも何だか面倒だ
それに 自分の事を心配して待っててくれる人など 誰もいないし
431 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/30(金) 22:04:14 ID:xAo9i6Oc
何と言いますか、如何にもこう“だら〜ん……”系ですねえ
メリハリが無いと言うか、コシが無いと言うか
何がと指摘出来るほど、極端ではなく、どことなく漂っているような情けなさ……
しかし他人事ではなく、私は自分自身に _| ̄|○iiilllll です
なんせ
>>429の題を見て
『 歳 暮 の 客 が 懐 か し い ……orz 』
と、読んでしまったのですから
我が無意識のさもしさに、思い切り脱力しましたよ
432 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/30(金) 22:08:15 ID:xAo9i6Oc
面倒で帰らない人もいれば、帰りたくても帰れない人もいます
自分ではどうする事も出来ない流れの中では、思いはひとしおだったでしょう
『帰雁』 by杜甫
東来 千里の客
乱定まりて 幾年にか帰らん
腸は断つ 江城の雁
高高 正に北に飛ぶ
433 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/30(金) 22:09:50 ID:xAo9i6Oc
(そのまんま)
東から 千里も遠くへやって来た私
乱が定まって 帰れるのは幾年後だろう
江城の雁が高々と 正に北に飛んで行くのみると
はらわたも断ち切れんばかりに悲しい
(ちょっと変え)
東より 戦火を逃れ 千里の旅路を越えて来た
何時の日に乱は静まり 帰り支度が出来るのか
江城の雁は 移ろう時を知り 既に蒼天を高々と飛んでいる
ああ 彼らの飛び行く彼方こそ 我が故郷のある辺り
434 :
紫雪:2007/11/30(金) 23:24:47 ID:g9olHHf2
>>431 ちょぉwwwwワロタwww
いやあ、歳暮の客の懐かしさ、いいですね。
よき友は、物くるる友、と兼好さんも言ってますし。
自分も銅塾って?なんですが、科挙に合格出来ない貧書生が、間借りの私
塾で糊口をしのぐ、といった感じでしょうか。難しいですね。
435 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/11/30(金) 23:56:21 ID:xAo9i6Oc
>>434 いくら考えてもわからないものですから
銅=御金銭
塾=門の脇の小部屋
と考えて、お金が門を通過出来ずに追い返される=お金が入って来ない、ままならない
としましたw
思い切り“適当”ですねえ
436 :
紫雪:2007/12/01(土) 00:34:34 ID:i5oq9CkK
その‘思い切り’のよさが、ルビー訳の素晴らしさの素、大事にしてください。
主を讃え仏に暮れて神で明け
437 :
名無氏物語:2007/12/01(土) 11:25:52 ID:5A2LB150
仙道貴生,無量度人
見素抱樸,少私寡欲
道法自然 與 自然之道不可違
我命在我不在天
反者道之動
周窮救急
438 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/02(日) 11:29:02 ID:FYWsTT9A
こんにちはですよ
>>437 何処の道士様か存じませんが、これ、こんな所でやっても宜しいのでしょうか?
……と言いつつ、やってしまうのが私のオソロシイ所なのですが (^^;)ゞ
まず、適当に読みますよw
仙道は生を貴(とうと)び 人を度すること無量なり
素を見(あらわ)し樸(ぼく)を抱く 私を少(すくの)うして欲寡(すくな)し
道は自然に法(のっと)り 與(また) 自然の道に違うべからず
我が命は我に在り 天に在らじ
反は道の動なり
周く救急を窮(きわ)む
439 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/02(日) 11:37:06 ID:FYWsTT9A
訳してみましたが……
神仙になろうとする方法 仙道は 生きる事を大切にし
限りなく人を助けようとするものである
偏見無く物事の本質を見抜き 個人の生まれながらの性質を保とうとする
それでいて 我独り善しの気持ちを減らし 無闇矢鱈と物欲しがりしない
仙道に於ける道とは 周囲の自然のように自らそう成るものであり
また 自然を無視し相反するような道は 仙道ではない
自分の命は自分で大切にするべきものであって
天から与えられたものでは有るが 何もせず放っておいて良いと言う物ではない
物事に無理な力を加えれば それは返って道理を歪めてしまう事になる
真の仙道とは 困り苦しむ者全てに救いの手を差し伸べるものだ
440 :
名無氏物語:2007/12/02(日) 18:33:14 ID:Wpoq3Yfw
獅子脅し
441 :
ロータス・S:2007/12/03(月) 19:52:14 ID:Ctn1g5P1
仙の道を生きるは貴く
無量の人を度するなり
その人(仙人)の素養を見るに
素直(他人を馬鹿にしない)であり 我執少なく 欲に耐える力有り
道に法ること自然に興りて 自然の道に違わぜり
我が命我に在りて天に在らんと
道に背く者 これ動(落ち着かない、考えがコロコロ変わり 行いもコロコロ変わる)
仙道(自然の道)=静(正しい道を理解し歩んでいるので動じない)に対して言う。
周りに窮するもの在らば急ぎ救わん
なんだか自信ないけど こんな感じじゃね。
442 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/06(木) 22:02:03 ID:HFEPwoaJ
こんばんはですよ
おや、新しいお客様ですね、ようこそ
…って遅過ぎますね、すみません
>>440 えーとですねえ、私はライオンさんに酷い目に遭わされた覚えがありませんので、自分に
何もしていない相手をビビらせると言う、そんなヤクザな事をしては勘当の身ケテーイ!と
なってしまいますから、それはちょっと致しかねます
折角ですが、どうか他の方へ当たって下さい
>>441 おお、ご協力ありがとうございます
このようなものは、独特な言い回しや比喩がありますので、素養のない私には何の事だか
よく掴めないのですよ
宜しければ、今後もどうぞご参加お願い致します
443 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/06(木) 22:09:30 ID:HFEPwoaJ
さてさて、所によってはもう雪が積もっている今日この頃、所によっては川霧も立ち
ましょうと言う事で、今夜はこの詩をお届けします
『泊秦淮』 by杜牧
煙は 寒水に籠(こ)もり
月は 沙(すな)に籠もる
夜泊す 秦淮(しんわい) 酒家(しゅか)に近し
商女は知らず 亡國の恨
江を隔て 猶(なお)も唱(うた)う後庭花(こうていか)
※後庭花と言うのは『玉樹後庭花』の事で、南朝の陳の後主が作った淫靡な詩です
(本来は音楽でした)
かつて、この地に都を構えていた南朝の陳の後主は、日々の酒色に耽り、最後は
隋の軍勢に国を攻め滅ぼされてしまうのです
444 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/06(木) 22:11:00 ID:HFEPwoaJ
(普通)
靄が寒々とした冬の川にたちこめて
月光が河の砂州辺りを明るくしている
夜は秦淮河の畔 歓楽街の酒家が近くにある所に泊まった
妓女は 陳王朝の 亡国の哀しい出来事を知らないので
川向こうより亡国の歌曲である『玉樹後庭花』を唱っている
445 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/06(木) 22:11:54 ID:HFEPwoaJ
(ちょっとヘン)
夕靄が冷たい川の上に立ちこめ
月の光は白々と岸の砂を照らす
今宵 船泊りをしたのは 秦淮の料亭の近く
妓女たちは それが陳の亡国の恨みの歌だとも知らずに
川向こうで『玉樹後庭花』を歌い 笑いさざめいている
446 :
紫雪:2007/12/07(金) 00:52:26 ID:lVaegSHo
こんばんは
おや、無沙汰解きに来てみればw
なんだか、道観に迷い込んで、北斗経を聴いているようですねw
精進落としに、夢のまた夢
麗宇 芳林 高閣に対し
新妝の艶質は本より城を傾く
戸に映じ 嬌を凝らして 乍ち進まず
帷を出でて 態を含みて 笑って相迎う
妖姫の臉(かお)は花の露を含むに似たり
玉樹 流光 後庭を照らす
玉樹後庭歌 陳後主
447 :
名無氏物語:2007/12/07(金) 15:10:17 ID:K07vGtbL
国破山河在 国破れて 山河あり
城春草木深 城春にして 草木深し
感時花濺涙 時に感じては 花にも涙をそそぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは 鳥にも心を驚かす
448 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/07(金) 23:09:22 ID:CZ71t2Z0
こんばんはですよ
今夜は (*´д`*)ハァハァ し過ぎて少々やつれ気味の私です
オープンすけべの私は、「玉樹後庭歌」の一行目で既に鼻血を吹きました
後は一語紐解く、では無い、繙く度に Σ(〃▽〃;)アアア… な気持ちになってしまい、
最終的には「腎虚」になるかと思いました……
素直に訳せば、おそらく全年齢板に相応しからぬものになりますので、今回は
朴念仁風とさせて頂きます
449 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/07(金) 23:10:06 ID:CZ71t2Z0
まっすぐ訳
美しい屋根や香ばしい林が 立派な建物と向き合っている
新しく化粧した女性の艶やかさは 昔から城をも傾けると言う
扉に映った影でいろいろしなを作り それを見る為に立ち止まる
やっと部屋を出てくれば 媚びを含んで 笑いながら出迎える
妖しい美女の顔は 花が露を含んでいるのにも似ている
月の光は美しい木立を通し 裏庭をも照らしている
450 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/07(金) 23:10:36 ID:CZ71t2Z0
妄想訳
美しく髪を結い 衣装に香を焚きしめた女性達が
玉座に坐す天子の前に 林のように立ち並ぶ
最新の化粧と衣装で 身を美しく飾った彼女らは
一人一人がそれぞれ傾国の美女に値するもの
支度が出来ても 扉に影を映し 心をそそる仕草を演じるから
その歩みは遅々として進まない
漸く部屋から出れば たちまち媚びを含んだ態度になり
朋輩同士 互いに笑って迎え合う
艶めかしい美女の顔は 花が露を含んだ時のようにしっとりし
なお一層の芳香を放つかのようだ
今宵もまた 美女の林をくぐり抜ける月光のように 天子は後宮を巡る
人知れず咲く花はないかと探しながら
451 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/07(金) 23:13:54 ID:CZ71t2Z0
>>447 ようこそ、いらっしゃいませ
何もありませんが、どうぞごゆっくり
あなたの書き込んで下さった詩なら、このスレの
>>88〜
>>90で触れていますので、
宜しかったら見てやって下さい
452 :
紫雪:2007/12/08(土) 14:14:31 ID:qZQjnmtu
こんにちは
う〜ん、ほんとにスケベな、もとい妖艶な歌ですね。意を汲んで訳されたら、どーしようかとw
小杜・大杜の後に、不謹慎だったかなwルビーさんの引用された、『泊秦淮』のように、後
庭歌はやはり、懐古の情を詠じるのに用いる位がいいかもですね。
玉樹の歌 残りて 王気終わる
景陽 兵合わせて 戍楼空し
松楸 遠近 千官の家(つか)
禾黍 高低 六代の宮
石燕 雲を払って 晴亦た雨
江豚 浪を吹いて 夜還た風
英雄 一たび去って 豪華尽き
惟 青山の洛中に似たる有り
金陵懐古 許渾
453 :
名無氏物語:2007/12/08(土) 17:18:28 ID:fNHUPoIT
素晴らしいスレですね。
自分は学生の時 教科書に載っていた「桃夭」がすごく好きで、
一生懸命覚えたんだけどテストにはまったく出なかったという
しょーもない想い出がありますw
このスレの
>>39-41に出ていたのを読んで、大変懐かしく思いました。
教科書に載っていた訳は、確か嫁に行く娘の父が、嫁に行く日の朝に
庭の桃の木を娘にたとえて読んだ詩、という感じでした。
父親が娘と、娘が嫁ぐ先の家の幸福を思って詠んだ素晴らしい詩だと感動したもの
です。
解釈の仕方で、色んな読み方が出来るものですね。奥深いです漢詩。
454 :
名無氏物語:2007/12/08(土) 21:56:14 ID:+bAdh070
人を知る者は智
自ら知る者は明なり
人に勝つ者は力あり
自ら勝つ者は強し
足るを知る者は富む
老子の言葉なのですがいまいち意味がわからないのでマトモな訳お願いします
455 :
名無氏物語:2007/12/08(土) 22:41:47 ID:+bAdh070
後ほどよくスレタイ見たら微妙にスレ違いでした
すいません
でもスレ進行が速そうなのはここくらいな気がするので親切な方お願いします
456 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/09(日) 23:47:50 ID:qtg0WHG1
こんばんはですよ
>>452 いえいえ、不謹慎など、とんでもない事です
ただ、紫雪さんが仰るように「懐古の情を詠じるのに用いる位」でちょうど良いと思います
>>453 いらっしゃいませ
お褒め頂いてありがとうございます
まだ妄想は続きますので、宜しければどうぞこのままお付き合い下さい
>>454 「マトモな訳」ですか?
うーん、一番難しい事ですよ、それは……
457 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/09(日) 23:50:24 ID:qtg0WHG1
さて、では『金陵懐古』から行きましょうか
(素直に)
玉樹後庭歌は残ったが 王者の居場所ではなくなった
景陽宮には嘗てたくさんの兵もいたが 今では物見櫓も空っぽだ
松と楸(ひさぎ)が辺り一面 いろんな人達のお墓に植えられている
稲やキビの 背の高いものや低いものが 六朝の宮殿の後に生えている
石燕が 雨風の中を飛んで 晴れまた雨
江豚が 潮を吹いて 夜にまた風が吹く
英雄がこの地を去ってから この地が豊かに栄える事はなくなり
ただ 木々に覆われた山が 都の雰囲気を残しているばかりだ
458 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/09(日) 23:51:21 ID:qtg0WHG1
(妄想して)
爛熟の玉樹の歌は残っても 都の命は絶え果てた
景陽の宮を守った多くの兵も今は夢 望楼だけが虚しく残る
遠く近く もはや貴賤無く眠る者達の側で 数知れぬ松と楸が揺れている
高く低く 雑草が生い茂る 嘗ての六朝の宮跡
石燕が雲を払えば 晴れていても雨になるように
江豚が浪を吹けば 夜にはまた風が強くなるように
英雄から見捨てられたこの地には 栄光も富も再び巡り来る事はない
ただ草木だらけの荒地の中に 都の面影を見るばかり
459 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/09(日) 23:57:13 ID:qtg0WHG1
老子様の言葉
他人の事を理解出来る人は、物事を分別し、決断する心の働きが優れた人だ
自分の事を理解出来る人は、心が澄んで曇り無く、公平で偏りのない人だ
他人に勝てる人は 勢いや働きが他人より勝っている人だ
自分に勝てる人は、私欲がなく、静かで事象をありのままに識別出来る人だ
どんな場合に於いても、不平不満を言わない人は、心の宝に満ちている人だ
私にはこんな風に読めましたが、もし、わかる方がおられましたら、どうか教えて
頂きたいと思います
宜しくお願い致します
460 :
紫雪:2007/12/11(火) 01:43:26 ID:k6/8fDV0
こんばんは
既に引用されていますが、黙って貼ります。訳は
>>44 牀前 月光を看る
疑うらくは是れ地上の霜かと
頭を挙げて 山月を望み
頭を低れて 故郷を思う
静夜思 李白
すさまじく牀も枕もなりはてて
幾夜ありあけの月を宿しつ
藤原 良経
461 :
名無氏物語:2007/12/11(火) 02:32:22 ID:dVRVQ65e
ナンカ、不恰好。
462 :
名無氏物語:2007/12/13(木) 09:27:05 ID:ntX+1vxL
はじめまして。
これを訳して欲しいのですがお願い出来るでしょうか?
逢雪宿芙蓉山主人 劉長卿
日暮蒼山遠
天寒白屋貧
柴門聞犬吠
風雪夜帰人
463 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/13(木) 21:15:58 ID:+gQ3/UMm
>>460 >すさまじく牀も枕もなりはてて
何やら「聞いてみたいケド、聞いてわイケナイ…」ような情景ですねえ
独りこっそり妄想しますw
>>461 申し訳ねーですよ
>>462 いらっしゃませ
ご期待に添えるかどうかわかりませんが、やってみましたよ
464 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/13(木) 21:21:09 ID:+gQ3/UMm
まず、読み下してみますね
日 暮れて 蒼山遠く
天 寒く 白屋 貧し
柴門 犬の吠ゆるを聞き
風雪 夜に 人 帰る
しかし、これ、「雪に出会って芙蓉山の主人宅に泊まる」って言うタイトルです
泊まるって言うからには、当然そこは他人様のお宅な訳なのですが、その他人の家を
詩の上とは言え「白屋:薄い屋根」、しかも「貧しい」だなんて……
465 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/13(木) 21:22:33 ID:+gQ3/UMm
直訳行きますね
日が暮れて 深いみどりの山が 遠くなって見える
天の気候は寒く 茅屋も貧寒としている
柴扉の所から 犬が吠える声が聞こえて
吹雪の中 夜に人が帰って来た
さて、ルビー変です
日が暮れて 深い山の姿さえ 闇の帳に隠される
天は冷たく 地は凍え 茅葺き屋根にしんしんと 空の華が降り積もる
静かに更け行く冬の夜 犬が柴戸の向こうで吠えた
こんな吹雪の夜を衝いて 家族が家に戻って来たのだ
466 :
名無氏物語:2007/12/14(金) 13:16:13 ID:F+eZ9FbS
467 :
名無氏物語:2007/12/16(日) 16:29:42 ID:aTLLaKz2
ニュートリノ?
468 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/16(日) 18:34:54 ID:T0OIR5SC
こんばんはですよ
先週、会社の忘年会がありました
フグチリでしたので、フグ限定・特定鍋奉行として、点火から雑炊製作に至るまで全て
仕切って参りました
私の鍋には何人たりとも余分な口出しも箸も入れさせません
折角のチャンスですので、美味しい物はより美味しく頂きたいですから
逆らった物には、出汁一匙、エノキ1本、雑炊一粒とて食べさせません
御奉行様の権限です
その代わり、絶対極上の味をお約束します
年末年始と言うのは、こうした腕の振るい甲斐があって大変嬉しい事ですよ
鍋の具合を見ながら呑むと言うのは、不思議な緊張感があるのですが、気の置けない
友人と仕切合う事無く鍋をつつくと言うのは、もっとお酒が進むものです
今夜は白居易の『問劉十九』をお届けします
469 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/16(日) 18:36:39 ID:T0OIR5SC
『問劉十九』 by白居易
緑蟻 新バイの酒
紅泥 小火の爐
晩来 天 雪降らんと欲し
能く 一杯 飲むや無(いな)や
緑蟻:蟻の字は、本当は虫偏に豈と書きます。緑色の蟻の事です。
新バイ:バイの字は酉(サケノトリ)+倍−イです。新しく醸すと言う意味です。
470 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/16(日) 18:40:40 ID:T0OIR5SC
ストレートに行くと、こんな風ですね
緑の蟻そっくりな酒滓の浮いた 醸し立ての酒がある
赤い泥で出来た炉には 小さな火が燃えている
夜には 雪が降りそうな空模様だ
一杯呑みに来られないだろうか
ちょっとイジるとこうなります
手元には 緑の蟻粒浮かんだ新酒
紅泥の炉には 熄った炭がたっぷりと
今夜は雪になりそうだから
うちで一杯飲らないか
花鳥風月、節句に近況
呑兵衛には、全てがお酒に通じるものですw
471 :
紫雪:2007/12/17(月) 00:25:51 ID:9c9EpTRu
こんばんは。
いいな〜、好きなんですよ、ふぐ雑炊♪燗酒がおいしい季節になりました。
TVでワーキング・プアを取り上げていたので。
蓬門 未だ識らず 綺羅の香
良媒に託せんと擬するも亦自ら傷む
誰か愛せん 風流の高格調
共に憐れむ 時世の倹梳妝
敢えて十指を将て鍼の巧みなるを誇らんや
双眉を把って画くことの長きを鬪わさず
苦だ恨む 年年金線を圧し
他人の為に嫁衣裳を作るを
貧女 秦 韜玉
472 :
名無氏物語:2007/12/17(月) 00:27:40 ID:KejVGJDy
チェンジアップだとどうなるの?
473 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/17(月) 23:41:10 ID:BFRSAqRx
こんばんはですよ
ワーキング・プア、おかしな事です
一生懸命働いておられるのに、御金銭がままならないとは
とても矛盾を観じます
貧しいと言う事は、金品との縁だけでなく、赤い糸さえ遠ざかるものなのでしょうか
>>471の詩にあるように
それでは訳してみましょうか
わからない所もありますが、そこはそれ、適当にw
474 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/17(月) 23:41:41 ID:BFRSAqRx
貧乏な家に生まれ育ち 贅沢の香りすら知らない
良い仲人に巡り会えればと思うが それも叶わず 独り悲しくなる
誰か 清貧の高潔さを良しとし 楽しんでくれる人はいないだろうか
私と一緒に このご時世の 卑しさに満ちた形振りを憐れもうではないか
敢えて 我が指の針使いが巧みな事を誇ろう
装う事に費やした日数を競ったりしない
ただ恨めしく思うのは 毎年毎年 金の糸を作り
他人の為に 花嫁衣装を作り続けている事
475 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/17(月) 23:48:34 ID:BFRSAqRx
傍目には羨ましく思えるような身分の人でさえ、その身分故の悲しみと言うものが
生じる事があります
『悲愁歌』 by烏孫公主 劉細君
吾が家 我を嫁がす 天の一方
遠く 異國に託す 烏孫(うそん)王
穹盧(きゅうろ)は室と為(な)し 氈(せん)は牆(しょう)と為し
肉を以って食と為し 酪(らく)を漿(しょう)と為す
居常 土(くに)を思い 心 内に傷(いた)め
願わくば 黄鵠(こうこく)と為りて故クに帰らん
476 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/17(月) 23:50:58 ID:BFRSAqRx
劉細君は江都王・劉建の娘で、漢の武帝の従孫になる人です
当時、漢王朝は対西域政策と軍略の一環として、塞外の民族や部族、諸侯との
和親を図る為に政略結婚を奨めており、劉細君は西域の伊犂地方に住んでいた
トルコ系民族国家・烏孫国に嫁がされました
そのまま訳しますね
私の家(漢王室)は 天の彼方(地の果ての西域)私を嫁がそうとしている
遠く異民族の国である烏孫の王の許へ嫁ぎ行かせる
テントを住まいとし 毛氈(フェルト)を境の壁として
(獣)肉を(常)食とし 酪(乳製飲料)を飲み物とする
普段から故郷を思い偲び 心の中では痛ましい思いがする
願わくば黄鵠となり 故郷に帰りたい
477 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/17(月) 23:52:06 ID:BFRSAqRx
ルビー風ではこのように
私の嫁き先は 行方も知らぬ空の下
遥か西域 烏孫と言う えびすの国の王の許
丸いテントが家だと言う
ごついフェルトが壁だと言う
口にするのは獣の肉と どろりと濁った乳ばかり
常に心に思うのは 遠い故郷での暮らし
どうして私はここにいるのだろう
日々繰り返す 虚しき問いに 答えはただ 涙あるのみ
願わくば 神仙よ 我が身を(仙)鶴と化し給え
翼折れるまで羽ばたいて 私は故郷に帰るから
478 :
紫雪:2007/12/19(水) 00:17:54 ID:C41bBlYN
こんばんは
人生色々、王昭君といい、富貴な身分が幸せとも限りませんね。
ルビーさんの引用された『問劉十九』とともに、好きな詩を。
窓外 正に風雪
炉を擁して 酒缸を開く
何如ぞや 釣船の雨
篷底 秋江に睡るに
独酌 杜牧
正に閑雲野鶴ですね。
479 :
紫雪:2007/12/19(水) 00:18:25 ID:C41bBlYN
こんばんは
人生色々、王昭君といい、富貴な身分が幸せとも限りませんね。
ルビーさんの引用された『問劉十九』とともに、好きな詩を。
窓外 正に風雪
炉を擁して 酒缸を開く
何如ぞや 釣船の雨
篷底 秋江に睡るに
独酌 杜牧
正に閑雲野鶴ですね。
480 :
紫雪:2007/12/19(水) 00:34:53 ID:C41bBlYN
ひゃー 二度貼りゴメン
481 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/20(木) 23:18:48 ID:5BM2klHd
こんばんはですよ
ああ、お酒が飲みたくなりますねえ
一夜干しのイカなど炙りながら、ゆっくりと
私の場合は春夏秋冬冷や酒なので、殊に冬は冷え具合が良い感じなのですよ
さあ、訳してみましょうか
窓の外では まさに吹雪
炉の前にしゃがんで 酒の甕を開ける
どちらがいいだろう
雨の降る中で魚釣りをしたり
秋の川辺に船を泊めて眠るのと
482 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/20(木) 23:21:16 ID:5BM2klHd
山と川、どっちの暮らしが良いかと問われたら、私なら迷わず山ですね
この詩だと、川にはお酒が出て来ませんw
で、もっと山の方に贔屓して訳すと、こんな具合に
窓の向こうで 雪が風に激しく舞う
炎の踊る炉の前に陣取って 新しい酒甕をあける
そんな暮らしと どっちが素敵だろう
そぼ降る雨に濡れながら 魚を釣ったり
船の中 秋の景色を楽しみながら いつしか眠りに落ちたりするのと
483 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/20(木) 23:25:28 ID:5BM2klHd
雪と船、と来れば柳宗元の『江雪』が有名ですが、もう先にやってしまいましたので、
雪繋がりでこんなのは如何でしょうか
『塞上聞吹笛』 by高適
雪浄く 胡天 馬を牧して還れば
月は明らかに 羌笛(きょうてき) 戌楼(じゅろう)の間
借問す 梅花何れの処より落つる
風吹いて 一夜 関山に満つ
484 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/20(木) 23:26:46 ID:5BM2klHd
最初にストレート訳、続いてヘン訳行きますよ
清らかに雪の降り積もった 北の異国の地で
放牧した馬を追って 城塞に戻れば
月は明るく 物見の塔の辺りで 蛮族の笛の音がしている
試みに問うてみよう 梅の花はどこから散って来るのかと
それは 風が吹けば一夜で 関所の有る山に満ち渡るのだ
真っ白な雪に覆われた 北の大地で 馬を砦へ連れ帰れば
月は皓々と輝き 異国の笛が 物見櫓の辺りに響く
聞いてみようか この一面の梅の花は 一体何処から降って来たのかと
それは風が運ぶ花 砦も山も 一夜で全て銀世界
485 :
名無氏物語:2007/12/21(金) 11:11:58 ID:RV2QIgqH
フォークボール訳きぼんぬ
486 :
名無氏物語:2007/12/23(日) 19:50:21 ID:D7amwI39
およよ???
487 :
名無氏物語:2007/12/23(日) 19:57:50 ID:bC2drnIV
488 :
名無氏物語:2007/12/23(日) 20:08:53 ID:4w4/ujQA
?
489 :
名無氏物語:2007/12/24(月) 11:04:16 ID:bWN5fxWr
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI さんに質問したいことがあるんですけど・・・
全板規制に巻き込まれてしまいました・・・orz
このレスは代行して貰っていますが・・・
いつ規制があけるのかなぁ・・・
また、改めて・・・orz
490 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/24(月) 22:24:16 ID:X/AEa1ro
こんばんはですよ
>>485 すみません、私は野球やサッカーが全然わからねえのですよ
ついこの間まで、ナイフと言う変化球があると信じていたようなくらいです
>>489 どんなご質問でしょうか?
dkdkしますが、最初に言っておきます
私、かーなーり、馬鹿ですよ?
どうかがっかりしないで下さいね
491 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/24(月) 22:28:01 ID:X/AEa1ro
さてさて、世間はクリスマスとやらで浮かれておりますが、私にはあまり関係ねーです
と言って、僻んでいる訳でも何でもねーです
昔から、やはりそう言う御仁は居たようですね
こんな詩があります
『土牀』 by楊時
土牀 煙 足りて 紬衾(ちゅうきん) 暖かに
瓦釜(がふ) 泉 乾きて 豆粥(とうじゅく) 新たなり
万事 温飽(おんぽう)の外(ほか)を思わず
漫然たり 清世の一閑人
492 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/24(月) 22:30:42 ID:X/AEa1ro
普通に訳してみますね
土牀(オンドル)に熱い煙が行き渡っているので
床に敷いた紬の布団が暖かい
素焼きの釜の中では 水気が無くなり
豆のお粥が煮えたところだ
暖まる事と 腹が満ちる事以外は 全く頭にない
太平の世に のんびりしている 一人の閑人
続いて、私的に訳しますよ
床暖房がよく利いてるから 紬の布団はぽかぽかしてる
土鍋の中で豆粥も いい具合に出来上がった
暖かい部屋と ご飯があれば 他には何も望まない
ゆったり過ごすさ 平和な時代の閑人だから
493 :
紫雪:2007/12/27(木) 00:42:36 ID:JOy3Pl3T
こんばんは
こじんまりとした快適さって、『重題』なんかもそうですが、いいですね。
季節的に、こんなのを。
千里の長河 初めて凍る時
玉珂 瑶珮 響き参差たり
浮生は恰も似たり 氷底の水に
日夜東流して 人知らず
べん河阻凍 杜牧
べんはさんずいに卞
494 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/28(金) 00:20:58 ID:h28nFrZT
こんばんはですよ
今夜もいい冷え具合ですw
>>493 詩の世界にくらべ、現実世界は忙し過ぎて、訳わかんねー間に時が過ぎて行くですよ
この3日ばかりは特にね
さてさて、美しい詩ですね
瞬間に、信州・諏訪湖の御神渡りを連想してしまい、そのまま訳してしまいましたよ
千里の長河が初めて凍る時
世界は玉珂や瑶珮が入り交じり 触れ合うような音を立てながら
全て白一色に染め上げられる
人の生は その氷結した大河の底を通う水に似て
誰も気付かぬけれど 絶える事無く 東を目指して流れ続ける
495 :
紫雪:2007/12/28(金) 06:19:12 ID:YgvZMxDC
朝帰りも朝ですが(笑)
お御渡り、素晴らしい着想ですね。氷の清烈さがよく伝わります。
世の中、色々。以下は詩ではないので、訳には及びません(笑)
人は名位の楽しみたるを知りて 名なく位なきの楽しみの最も真たるを知らず。
人は饑寒の憂いたるを知りて 饑えず寒えざるの憂いの更に甚だしきたるを知らず。
496 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/29(土) 11:32:32 ID:HJF52ycu
こんにちはですよ
>>495 紫雪さん、もしや後朝の……うらやま、いえ、何でもありません (^^;)ゞ
「世を捨て、風月を友とする」と言うのは、現実には、なかなか難しいものですね
我々は世の中で生きて在るものですから
時折、美しいものに出会って心動かされるのが関の山、と言うところです
自分の心の嫌なものを、綺麗に覆い隠し、凍結してくれる万年雪のようなものは
ないでしょうかねえ?
497 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/29(土) 11:36:32 ID:HJF52ycu
雪と言えば、蘇東坡のこの詩は如何でしょうか
『雪詩』 by蘇東坡
石泉 凍合し 竹に風無し
気色沈々 万境空(むな)し
試みに 静中に向(おい)て 閨iしずか)に耳を測(そばだ)つれば
窓を隔てて 撩乱として春虫(しゅんちゅう)撲(う)つ
※最後の行の「春虫」ですが、本によっては「飛虫」としているものもあるようです
498 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/29(土) 11:41:09 ID:HJF52ycu
そのまんま訳
石の上を流れる清水も凍り 竹を吹く風もない
夜の気配が深まり まわりはすべて空しいほど
試みに 静寂の中で精神を集中し 耳を澄ませる
外では 春の虫がしきりに窓を打ち続けているようだ
それなり訳
石の間から湧き出る水も凍り 竹の葉擦れを呼ぶ風もない
夜は静かに更けて行き 全ての音が虚空に還る
(本当ニ 何モ 聞コエナイ……?)
ふと思い 静かな世界に じっと耳を澄ませてみれば
窓の向こうで たくさんのカゲロウが 透明の羽根で空を打つ音がする
このように「雪を聞く」と言うのは、日本人の感性にとても訴えるものがあると思います
499 :
紫雪:2007/12/29(土) 15:30:56 ID:PglrTFAc
こんにちは
きぬぎぬなんて!年末恒例野郎同士の飲み会で、色気の無いこと夥しいもんですw
雪舟の秋冬山水図を思わせる、佳い詩ですね。
万年雪ねえ。降ってしまうといつまでも白くは・・・
和歌ですが
ふればかく憂さのみまさる世を知らで荒れたる庭に積もる初雪
紫式部
彼女の境涯を考えると、趣深いものがあります。
500 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/29(土) 20:21:25 ID:7m+gdkEg
こんばんはですよ
>万年雪ねえ。降ってしまうといつまでも白くは・・・
そのようですね
ですが私のように、雪が殆ど降らず、積もったところで2センチ足らずと言う地方に
住んでいる者にとっては、積雪と言えば、信州や北海道の一面の白い世界でしてw
赤染衛門が清少納言に贈った歌なども、やはり雪が隠匿・浄化の意味を持って
いると思われるのですが
あともなく雪ふる里は荒れにけり いづれ昔の垣根なるらん
501 :
名無氏物語:2007/12/30(日) 07:35:03 ID:Uvwzf9dy
>>500 おはようございます かな
本日マジで朝帰り、寝過ごした電車の中で、拝見してます。
赤染衛門の返しは後日常考。まずは、無事に帰宅&これにて年越し。
ルビーさんのスレに出会えて、楽しい世界が拡がりました、感謝!
道中とて漢持ち合わせなく、これにて!
年々にわが哀しみは深くして
いよよ華やぐいのちなりけり
よいお年を!
502 :
紫雪:2007/12/30(日) 08:11:50 ID:Uvwzf9dy
503 :
名無氏物語:2007/12/30(日) 13:22:52 ID:yM0Lumx9
?
504 :
名無氏物語:2007/12/30(日) 14:55:49 ID:tGcjj4k6
何じゃこりゃ?
505 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/31(月) 06:51:30 ID:Xpkuj4Fg
おはようございますよ
今年もいよいよ本日限りとなりました
みなさま、今年も色々お世話になりました
どうもありがとうございました
こんな早朝からなんなんですが、年末のご挨拶とさせて頂きます
みなさま、どうぞ良い年越しをなさいますように
ご機嫌良うの言葉と、新年のご挨拶代わりに、詩をひとつおいてまいります
506 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/31(月) 06:51:44 ID:Xpkuj4Fg
『新春』 by真山民
余凍 わずかに乾き
初晴 日 にわかに暄(あたた)かなり
人心 新歳月
春意 旧乾坤
煙は緑にして 柳 色を回(かえ)し
焼(やけあと)は青くして 草 魂を返す
東風 厚薄無く
例に随って 衡門に至る
507 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/31(月) 06:52:15 ID:Xpkuj4Fg
名残の寒さに残った雪が 僅かに乾き始め
ルビー訳
初めての晴天に輝く太陽の所為で 急に暖かくなったような気がする
人の心は 歳月と共に新たとなり
春の陽気は 天地を冬枯れ前の姿に戻す
霞は緑の息吹を帯び 柳は 葉 鮮やかに萌え出で
野焼きの跡は蒼くなり 草の命がまた蘇る
春風は 天をも地をも 吹き渡り
今年もまた 侘びしき我が家の門にも来た
508 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2007/12/31(月) 06:53:57 ID:Xpkuj4Fg
おっと、本年最後のミスミスですよ(笑
どうも失礼しました
正しくはこうですね
ルビー訳
名残の寒さに残った雪が 僅かに乾き始め
初めての晴天に輝く太陽の所為で 急に暖かくなったような気がする
人の心は 歳月と共に新たとなり
春の陽気は 天地を冬枯れ前の姿に戻す
霞は緑の息吹を帯び 柳は 葉 鮮やかに萌え出で
野焼きの跡は蒼くなり 草の命がまた蘇る
春風は 天をも地をも 吹き渡り
今年もまた 侘びしき我が家の門にも来た
509 :
名無氏物語:2007/12/31(月) 14:26:35 ID:T6WNxM8e
もう、年が明けたのか?
510 :
名無氏物語:2008/01/01(火) 16:32:44 ID:wQjBlDL6
2008年
(~ヽ 初春の御慶び γ~)
|ヽJ 申し上げます し' |
| (~ヽ γ~) |
(~ヽー|ヽJ し' |..ーγ~)
|ヽJ | | | | し' |
| | |―| |―| | |
ミリ===子==彡 ∧,,▲ ミ===子===ノ彡
》======《 (;;・∀・) 》======《
|_|_|_|_|_|_|_| @(;;;;uuノ |_|_|_|_|_|_|_|
511 :
ハニーB:2008/01/02(水) 06:37:39 ID:5/P38QV2
('-^ )/
あけましておめでとう
みんな よろしく
って言っても
一回しか レスしたこと ないのだ
512 :
名無氏物語:2008/01/06(日) 19:10:42 ID:eM0ovDjA
>>125-126 無根樹 道教内丹詞 張三丰 作
第二首
無根樹,花正微,樹老重新接嫩枝。梅寄柳,桑接梨,傅與修真作様幾。
自古神仙栽接法,人老原來有藥醫。訪名師,問方兒,下手速修猶太遅。
513 :
リア・秘蔵映像:2008/01/06(日) 21:16:03 ID:QQ6SWR3y
514 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/06(日) 22:29:16 ID:ZOz+hRM0
明けましておめでとうございますよ
本年もどうぞよろしくお願いしますね
>>512 ようこそいらっしゃいませ
出来れば読み下しや意味を教えて欲しいのですが、お願いできませんでしょうか?
>>513 もしかして、お年玉なのでしょうか?
dkdkモノで、まだふみも見ず 謎のURLなのですが
515 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/06(日) 22:34:23 ID:ZOz+hRM0
さて、年始に少し旅をしてきました
その土地と縁のある人の詩をご紹介します
読み下しも訳も、例によって適当ですw
『黄昏』 by胡志明
風は利剣の如く 山石を磨き
寒は尖鋒に似て 樹枝を刺すごとし
遠寺の鐘声に 客 歩みを催(うなが)され
牧童は笛を吹し 牛を引きて帰らん
516 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/06(日) 22:36:17 ID:ZOz+hRM0
517 :
名無氏物語:2008/01/07(月) 14:27:17 ID:KH223MN8
あん?
518 :
名無氏物語:2008/01/07(月) 14:27:52 ID:KH223MN8
あん??
519 :
紫雪:2008/01/09(水) 21:58:42 ID:1lJNyR+c
>>514 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
越南へおいででしたか?食べ物が美味しそうですね。
開歳 倏ち五日
吾が生 行々帰休せんとす
之れを念えば中懐を動がせ
辰に及んで茲の遊びを為す
気は和やかに天は惟れ澄み
坐を班ちて遠流に依る
弱湍には文魴馳せ
閑谷には鳴鴎矯(あ)がる
迥かなる沢に遊目を散じ
緬然として曾丘を睇る
九重の秀は微(な)しと雖も
顧瞻(かえりみ)れば匹儔無し
壺を提げて賓侶に接し
満を引いて更々(こもごも)献酬す
未だ知らず 今より去りて
当に復た此くの如かるべきや不やを
中觴遥かなる情を縱にし
彼の千載の憂いを忘る
且らく今朝の楽しみを極めん
明日は求むる所に非ず
遊斜川 陶 淵明
520 :
名無氏物語:2008/01/10(木) 14:45:08 ID:ZNrR6cSm
赤毛のアン
521 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/11(金) 00:32:38 ID:vwepP24K
こんばんはですよ
>>519 こちらこそ宜しくお願い致しますね
>越南へおいででしたか?
ええ、過去と未来が交錯した、不思議な国でした
食べ物は大抵甘めで、女性が喜びそうな味でした
陶淵明には不思議な精神の高みがありますね
感動詞ながらも、そこに溺れる事無く、平静な目で自他を見詰めている
そんな気がします
522 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/11(金) 00:33:59 ID:vwepP24K
それでは早速、変訳をw
年が明け 最早五日目となった
時の行くままに 私の人生も終わりに向かう
そう思うと 心中穏やかではいられない
思いあぐね 斜川に出て 気晴らしをする
穏やかな日和で 空はすっきり晴れている
川の流れを見渡せる場所に 腰を下ろす
緩やかな早瀬には 魴魚が競うように泳いでいるし
静かな谷間には カモメが鳴きながら舞っている
遙かな沢に目をやれば
じっと佇む 曾の丘が見える
崑崙山の搶驍フように 九重の立派さはないが
振り帰り仰ぎ見れば それに敵う物はない
酒壺を手に 客達の相手を務める
杯に満たされた酒を干し 注いで注がれて注ぎ返す
私が死んだらどうなるか 答えは全く不明だが
こんな風に 酒をやりとり出来るのだろうか
全て飲み尽くさない内に 心は早や世俗の思惑を越えて行く
永遠の愁い 死とその千年後の暮らしを悩むのは止めよう
しばらく この人生の楽しみを追い掛けよう
明日は明日のままに任せて
523 :
紫雪:2008/01/12(土) 02:23:48 ID:VhTwDzGo
>>522 蓋し、名訳ですね。
この詩の、見事な叙景と明るい諦感が、余す所なく表されていると思います。
最後の聯の、明日は明日のままに任せて、を拝見して、朔太郎の、うら若
草の萌え出づる 心まかせに、を連想しました。
ありがとう。
524 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/14(月) 22:47:24 ID:ZRuECBVJ
525 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/14(月) 22:50:32 ID:ZRuECBVJ
梅繋がりで、このような詩は如何でしょうか?
寒夜 by杜秉
寒夜 客(かく)来たって 茶を酒に当(あ)つ
竹爐(ちくろ) 湯沸いて 火 初めて紅なり
尋常一様 窓前の月
わずかに梅花ありて 便(すなわ)ち同じからず
直訳です
寒い夜 客が来たが 酒の代わりに茶を出した
竹爐に湯を沸かすと 火はやっと赤く燃える
窓の外には いつものように月が出ているが
少し梅の花が咲いているので 趣が違う
ハイ、適当訳ですw
寒い夜に訪れた 風流な客を 酒の代わりに茶でもてなす
湯を沸かそうと 出して来た竹爐の中で 火が赤々と燃え始める
窓の向こうの夜空には いつも通りに浮かぶ月
だが 咲き初めた梅花が有り 冬の終わりを告げている
526 :
紫雪:2008/01/15(火) 22:33:21 ID:fQK23t+P
こんばんは
台湾、いいですねえ。食べ物もお茶も、美味しいしw凍頂烏龍大好きで
す。そのカードでポーカーなんかしたら、罰が当たりそうwやはり梅で。
軽盈として 渓水を照らし
掩斂として 瑤台を下る
雪を妬みて 聊か相比べ
春を欺りて 逐い来らず
偶たま佳客と同にみれば
凍醪の為に開くに似たり
若し秦楼の畔に在らば
弄玉の媒と為るに堪えたり
梅 杜牧
秦楼:秦の穆公の娘、弄玉の住まい
527 :
名無氏物語:2008/01/16(水) 01:25:58 ID:qMdMaW2U
監視ってスゴイ・・・
528 :
名無氏物語:2008/01/16(水) 02:52:36 ID:ynXeE0d3
ん?????
529 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/17(木) 22:23:17 ID:37nBYc8Z
こんばんはですよ
>>526 いえいえ、かえって面白いかも知れませんよ
「君子、勝負す」とか「平常心、是れ如何」とか(笑
梅は古来より春を告げる花として愛されて来ましたね
本当か嘘かは知りませんが、日本も中国も韓国も、2番目に好きな花として梅を挙げる人が
多いのだそうです
今回、紫雪さんの挙げてくださった杜牧の「梅」は、私の拙い直訳では余計にわかりにくく
なってしまうと思いますので、変訳のみにしますね
530 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/17(木) 22:25:02 ID:37nBYc8Z
『梅』 by杜牧
その香りは 谷川の上に ふんわりと広がり
その色は 淑やかに瑤池から降りて来る仙女のようだ
その花は 真冬の雪を嫌がって 陽が長くなるのを心持ちにし
春たけなわを侮って いつまでも咲き続けたりはしない
偶然にも 沈丁花と同じ時期に見頃となるが
それは 冬仕込みの酒が出来上がる日を知っているようだ
もし この梅が 秦楼のすぐ側に植わっていたなら
香りと色に魅せられて 弄玉が現れ 簫を奏でたことだろう
531 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/17(木) 22:29:53 ID:37nBYc8Z
さて、梅繋がりで何か…と思ったのですが、このところずいぶん冷えていますね
今朝は東京でも雪が降っていたとか
暖冬だと言われていましたが、節分が済むまでは、やはり冬なのですねえ
と言う事で、雪に因んだものをお送りしましょう
『冬夜読書』 by菅茶山
雪は山堂を擁して 樹影深し
檐鈴動かず 夜沈沈
閑に乱帙を収めて 疑義を思う
一穂の青灯 万古の心
532 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/17(木) 22:32:45 ID:37nBYc8Z
直訳です
雪はすっぽり我が家を包み 木々はそこに黒々と影を落としている
軒端の風鈴も動かないまま 夜はしんしんと更けて行く
書物を片付けながら 思案にふけっていると
稲穂にも似た灯火が、古の聖賢の心を表しているような気がする
偏訳です
山の木立の奥深く 降り積もる雪は山荘を覆い
軒端の風鈴さえ音も立てず ただ夜は静かに更けて行く
広げた書物を静かに閉じて 遠い世界に思いを馳せる
古の賢者と呼ばれた人たちは
本当に 闇夜の灯火のような存在だったのだ
533 :
名無氏物語:2008/01/22(火) 13:18:06 ID:I4lR1u2w
534 :
名無氏物語:2008/01/22(火) 14:24:46 ID:IHWlmRIk
?
535 :
名無氏物語:2008/01/23(水) 22:16:07 ID:xnAYou26
なんかね、
>>437の漢文が年末にオカ板の仙道スレにコピペされてたから。
もしかしたら、書き込みのやり取りベタな人が居るのかな?…って感じですよ。
536 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/23(水) 23:55:14 ID:o3+gTM0C
こんばんはですよ
うーん、
>>533の人は
>>535の人と同じ事が言いたかったんでしょうか?
よく分かりませんが
まあ、私の訳はテンプレにもことわってありますように、正当な訳ではありませんし、
仙道であるなら尚の事、一つ一つの言葉に隠された意味がありますから、ここから
幾ら引っ張って行っても、全然無意味だと思いますよ
さてさて、今日もまだ雪が降っている所も多々ありますが、西の方では既に様々な
花が咲き始めています
と言う訳で、春の花、水仙に因んだ漢詩を探してみました
537 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/23(水) 23:55:41 ID:o3+gTM0C
『美人陰有水仙花香』 by一休宗純
楚台 應(まさ)に望むべく
更に應(まさ)に攀(よ)づべし
半夜 玉牀(ぎょくしょう) 愁夢(しゅうむ)の顏
花は綻(ほころ)ぶ 一茎 梅樹の下
凌波(りょうは)仙子(せんし) 腰間を 繞(めぐ)る
538 :
紫雪:2008/01/24(木) 00:02:46 ID:tBDTFp0m
こんばんは
>>535 そんなスレがあるんですねw
仙道には縁がないなあ。
東風 未だ肯(あえ)て東門に入らず
馬を走らせて還た尋ぬ 去歳の村
人は秋鴻に似て 来ること信有り
事は春夢の如く 了に痕無し
江城の白酒 三杯にして釀(あじこ)く
野老の蒼顔 一笑にして温かし
已に約す 年年此の会を為すを
故人 用いず 招魂を賦するを
正月二十日與潘郭二生出郊尋春忽記去年是日同至女王城作詩乃和前韻
蘇軾
539 :
紫雪:2008/01/24(木) 00:04:18 ID:XW7AW5B9
貼りが重なってしまいました。失礼!
540 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/24(木) 00:05:24 ID:o3+gTM0C
この『美人陰有水仙花香』、実は思い切りエロいです
かの『玉樹後庭歌』より、ずーっとストレートです
R18になってもおかしくありません(^^;)ゞ
だから、思い切り違訳しました
そこんとこヨロシク!ですよ
541 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/24(木) 00:05:50 ID:o3+gTM0C
楚の霸王・項羽のように 高みから天下へ号令したい
また その位へ駆け上がりたいと 男なら誰しも望むだろう
しかし お前が野望にかまけている間
物みな眠る静かな夜 愛しい女は夢まで愁いに満たされるのだ
天下に何の価値があろうか 人生を傾ける意味があろうか
男なら ただ丈高き樹木より 梅樹となって春を告げ
根本に抱いた草花の 一輪の優しき花を開かせよ
そこから 水仙の花に似た 洛水の女神が生まれて来るだろう
542 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/24(木) 00:13:13 ID:BViSx+jj
おや、紫雪さん
お久しぶりです、お元気でしたか?
>貼りが重なってしまいました。失礼!
いえいえ、どう致しまして
また素敵な詩をありがとうございます
今宵はこのまま楽しんで、近い内にうpさせて頂きますね
543 :
紫雪:2008/01/24(木) 00:25:09 ID:XW7AW5B9
こちらこそ、何時も楽しい訳をありがとうございます。
一休さんのその詩はヤバイですよw
なにしろ『悟』で
仏は法を売り
祖師は仏を売り
末世の僧は祖師を売り
汝五尺の中子を売って
一切衆生煩悩を安んず
花は紅柳は緑の色々か
池の面に月は夜な夜な通えども
水も濁さず影も留めず
ってやったひとですからねw
544 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/24(木) 00:35:25 ID:BViSx+jj
皆が目を瞑っていること、目を逸らしていることを、敢えてさらけ出す
それは禅の一つの在り方なのかもしれませんが
中途半端な人間が同じ事をすれば、世間からは、ただの興味本位からの行動としか
受け止められなかったでしょう
一休禅師ならではの事だったと思います
545 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:11:35 ID:K47ZggJ9
自己満足?
546 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:12:12 ID:K47ZggJ9
自己満足?
547 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:13:07 ID:K47ZggJ9
自己満足?
548 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:13:38 ID:K47ZggJ9
自己満足?
549 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:14:28 ID:K47ZggJ9
自己満足?
550 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:15:02 ID:K47ZggJ9
自己満足?
551 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:16:13 ID:K47ZggJ9
自己満足?
552 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:16:45 ID:K47ZggJ9
自己満足?
553 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:27:48 ID:N51GdB/C
キーワード【 思い 愁い たる 長安 漢詩 遠く 李白 】
554 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:28:12 ID:N51GdB/C
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【新旧】中国人女性との国際結婚38【正月】 [中国]
555 :
名無氏物語:2008/01/24(木) 17:29:08 ID:N51GdB/C
555
556 :
名無氏物語:2008/01/26(土) 05:40:34 ID:9fXEZqAG
このスレには大満足
557 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/27(日) 00:02:38 ID:OC8Ap09z
こんばんはですよ
>>556 どうもありがとうございます、すんげー嬉しーですよ♪
さてさて、紫雪さんの置いてって下さった
>>538の訳、行ってみましょうか
春の風が まだ 春だと告げない頃
馬を走らせ 去年訪れた村を 再び訪れた
友からの便りには 秋の渡り鳥のように 同じ時期に訪れるとあった
あの頃の事は 春の夜の夢のように もはや跡形もないが
江城の白酒を 駆け付け三杯飲み干せば 時は再び昔に戻る
宮仕えを辞めた 老いた友が見せる 暖かな笑顔
別れる前に また来る年も その次の年も 此処で会おうと約束した
これで友は 魂を招く詩を歌って自分を慰めるような 淋しい日々を送らないだろう
558 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 02:05:24 ID:QDkUaVLZ
277KB
559 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:15:53 ID:x+Qvfibr
い
560 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:16:40 ID:x+Qvfibr
ろ
561 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:17:11 ID:x+Qvfibr
は
562 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:17:48 ID:x+Qvfibr
に
563 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:18:23 ID:x+Qvfibr
ほ
564 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:18:55 ID:x+Qvfibr
へ
565 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 03:20:04 ID:x+Qvfibr
と
566 :
名無氏物語:2008/01/27(日) 17:48:41 ID:6KKND627
何やねん? コレは?
567 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/29(火) 22:35:47 ID:ArCOygsw
こんばんはですよ
先日買って来た漢詩のトランプを捲ってみましたら、早速、こんなのがありました
侮れません、なかなかd(^∀^)
雑詩 by王維
君自故郷来
應知故郷事
来日綺窗前
寒梅著花未
568 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/29(火) 22:37:10 ID:ArCOygsw
雑詩 by王維
君(きみ) 故郷自(よ)り来たる
應(まさ)に 故郷の事を知るべし
来日(らいじつ) 綺窗(きそう)の前
寒梅 花著(つ)けしや 未(いまだ)だしや
<訳>
あなたは 私の故郷から こちらへ出て来られたそうですね
だったら あちらの近況をご存じでしょう
あなたが向こうを出立される時 妻の待つ我が家の窓辺では
寒梅はもう咲いていたでしょうか 未だだったでしょうか
569 :
名無氏物語:2008/01/31(木) 00:00:09 ID:FCSWD2MP
登楼逃盛夏,万象正埃尘。对面雷嗔树,当街雨趁人。
檐疏蛛网重,地湿燕泥新。吟罢清风起,荷香满四邻。
夏日対雨 by裴度
全唐詩を見てたら見つけました
これって夏の日の雨の詩・・・なんですかね?
ルビー・Dさんの解釈が聞いてみたいです
570 :
ハニーB:2008/01/31(木) 01:04:56 ID:st/aaRCj
571 :
名無氏物語:2008/01/31(木) 08:20:31 ID:yUgyTiG2
>>569 マルチ↓すんなよ、どっちのスレにも失礼だろうが
331 :名無氏物語:2008/01/31(木) 00:04:34 ID:FCSWD2MP
登楼逃盛夏,万象正埃尘。对面雷嗔树,当街雨趁人。
檐疏蛛网重,地湿燕泥新。吟罢清风起,荷香满四邻。
全唐詩にある裴度さんの漢詩なのですが、書き下し文と現代語訳が探しても見つかりません…。
どうかよろしくお願いします。
332 :名無氏物語:2008/01/31(木) 00:05:05 ID:FCSWD2MP
あ、題名は「夏日対雨」です
572 :
名無氏物語:2008/01/31(木) 13:41:05 ID:YeM12aMV
マルチ小僧は死んでくれwww
573 :
名無氏物語:2008/01/31(木) 17:18:24 ID:zrsEfsqV
朝の教育テレビの「漢詩紀行」って好きなのよね
この前月下独酌やってていいなぁっておもた
574 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/31(木) 22:43:38 ID:VhmHeBAk
こんばんはですよ
>>569 たぶん、正しい物と崩した物の双方をお知りになりたかったんだと思いますが、
この板に限らず、マルチはよくねーので、次回から避けて下さいね
>>570 いえいえ、あながち間違いではねーのですよ
このスレのタイトルは 【勝手に】感じで漢詩【解釈】 ですから
>>573 朝、5時頃の番組でしたか
ずいぶん早起きなのですね
575 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/31(木) 22:50:45 ID:VhmHeBAk
さて、折角のリクエストですから、喜んでやらせて頂きましたですよ、はい
たーだーし、本当に適当です(いつもの事ですが) (^^;)ゞ
間違いはどんどん突っ込んで下さい、どうぞヨロシク!
でわ、読み下しから参りましょうか
夏日 雨に対(むか)う by裴度
盛夏 登楼に逃(の)がる
万象 正(まさ)に 埃塵(じんあい)
対面に雷 嗔(いかり)て樹(た)つ
当街の雨 人に乗ず
檐(えん)を疏(とお)り 蛛網 重し
地には 燕泥 新たに湿(しめ)る
清風起ち 吟じて罷(とお)らば
荷香 四隣に満つ
576 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/01/31(木) 22:54:29 ID:VhmHeBAk
訳はこんな感じです
真夏の盛りの日差しを避けて 高い所で涼むとしよう
世の中全部 埃で真っ白 そしてカラカラ カサカサ
そんな時 向こうの方で稲妻が煌めき 激しい雷が轟いた
たちまち降り出す雨 街を冷やし 人の上にも降り注ぐ
軒端を掠める雨粒に 蜘蛛の網は重くなり
大地はまた 燕泥のようにしっとり潤う
雨上がり 涼しい風が巻き起こり 歌うように街を抜けると
蓮の花の良い香りが 辺り一面に満ちていた
なので、
>>569、あなたの言う通り『夏の日の雨の詩』で良いと思いますよ
577 :
名無氏物語:2008/02/01(金) 00:24:14 ID:NRq4q4AM
幸せでんなw
578 :
紫雪:2008/02/01(金) 15:47:40 ID:eF/6q7eE
こんにちは
何だか賑やかですね。先日、先考の墓を払って浮かんだ詩を貼りますね。
去る者は日に以て疎く
来る者は日に以て親しむ
郭門を出でて直視すれば
但だ丘と墳とを見るのみ
古墓は犂かれて田と為り
松柏は摧かれて薪と為る
白楊 悲風多く
蕭蕭として人を愁殺す
故里の閭に還らんと思い
帰らんと欲するも道因る無し
去者日以疎 無名氏
579 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/02(土) 23:29:03 ID:jyxo+AFq
こんばんはですよ
明日は節分、明後日は立春だというのに、まだまだ寒さが厳しいですねえ
>>578 『去る者は日に疎し』 有名な故事成語ですね
それでは、やってみましょうか
580 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/02(土) 23:30:41 ID:jyxo+AFq
まずは真面目にやりましょう
死んでこの世を去り行く者は 日々に疎(うと)くなって行き
新たにこの世に来たる者は 日々に親しいものとなる
町を囲む城門を出 まっすぐ郊外を見詰めれば
墓場の丘と その上に多くの墓碑が見えるだけ
古い墓は 掘り返されて田畑になり
不滅のしるしの松柏は 切り倒されて薪となった
墓地を囲うハコヤナギには 始終 無情の風が吹き
寂しげに悲有悲有と鳴る虎落笛が 悲しみの淵に人を落とす
死者は 暖かな故郷へ帰りたいと願うのに
帰りたくても目印がなく 道を辿る術もない
581 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/02(土) 23:32:05 ID:jyxo+AFq
さてさて、これを失恋の詩に変えますよw
会えなくなったあの人は 日毎に遠くなって行き
新たに出会ったあの人と 日毎に仲良くなって行く
虚しい夢から目を覚まし ありのままを見詰めれば
そこはただ 凍てついた記憶の欠片があるばかり
二人で探した素敵な事は 何にも無かった事になり
永遠だった筈の誓いは 灰の影さえ見あたらない
折に触れ蘇る思い出 そして傷む心
何気ない会話すら 楽しかったのに
懐かしいあの頃に 出来る事なら還りたい
けれど 時は戻らない 二人は万里を隔てるばかり
582 :
名無氏物語:2008/02/03(日) 19:08:59 ID:j1F14ClE
>>574 あんた、人良すぎ・・・
宿題を丸投げしたマルチ君に教えてあげるとは・・・
583 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/04(月) 00:25:19 ID:pm2jpE9l
こんばんはですよ
立春になりましたねえ
>>582 いえ、別に人が良い訳でも何でもねーのですよ
自分がやりたいからやっただけで
あれ、宿題だったのですか?
ですが、テンプレにうたっています通り、私の読みも訳もまるきりデタラメです
そんなリスク100%の代物を、ノートして持ってった日にゃ大恥こくだけの事ですよw
584 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/04(月) 00:27:39 ID:pm2jpE9l
さて、立春と言えば有名な、シンプルなので変訳さえ出来ないこんな詩があります
『人日立春』 by羅隠
一二三四五六七
萬木 芽を生ずるは 是れ今日(こんにち)
遠天の帰雁 雲を拂(はら)いて飛び
近水の遊魚 氷を迸って出(い)づ
一二三四五六七 あっと言う間に日が過ぎて
全ての木々が芽吹くのは これ今日の立春の日
遠く北へ帰る雁は 群れを成し 雲を払って高みへ飛び
近くの水辺の魚たちは 迸る水のように 氷から解放される
585 :
名無氏物語:2008/02/04(月) 13:53:36 ID:NmKwJBRC
>>584 マルチ君的発想なら・・・宿題忘れて、怒られるよりもマシだと思ったんじゃないの?
586 :
名無氏物語:2008/02/04(月) 15:17:11 ID:9vaF02aY
587 :
名無氏物語:2008/02/04(月) 15:30:27 ID:2IeWhwGw
削除人が大人の対応をしてるよwww
588 :
名無氏物語:2008/02/05(火) 15:40:15 ID:N5DsgcTc
589 :
名無氏物語:2008/02/05(火) 20:31:31 ID:vIeeiUWy
590 :
名無氏物語:2008/02/06(水) 00:46:52 ID:LX926T+2
>>586 普通、「5」「4」って順番に書くか?
削除依頼のやり方知らないなw
フォームから書き込めばそういう風にはないからなw
591 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/06(水) 21:38:33 ID:3PGIL0DR
こんばんはですよ
あのですね、遊び場で目くじら立てるとスッゲエつまんねーと思うのです
リアルでもそうですが、考え方の違う人は幾らだっています
その一々に取り合っていたら、ホント、たまんねーですよ
気分はわりーし、お肌にもわりーし、自分の若さと美貌が台無しになってしまうですから
私は全然気にしねー事にしてるです
まあ、一言ぐらいカキコする事もありますが(汗
私のバカさ加減に笑い過ぎてお腹が痛い人、頭が痛くて熱を出した人、怖いモノ見たさの人、
いろんな人がおられると思いますが、皆さんにお願いします
【どーんと構えていて下さい】
どうぞヨロシクです (*^ー゚)b
592 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/06(水) 21:41:17 ID:3PGIL0DR
さてさて、今夜の詩は陶クンで行ってみましょうか
諸人共游周家墓柏下 by陶淵明
今日 天気佳(よ)し
清吹と 鳴弾を 与(とも)にす
彼の柏下の人に感じ
安(いずく)んぞ 歓(よろこ)びを 為さざるを得んや
清歌 新声を散じ
克 芳顏を開く
未だ 明日の事を知らざるも
余が襟(おもい) 良(まこと)以(すで)に殫(つ)きぬ
593 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/06(水) 21:42:09 ID:3PGIL0DR
あっさり訳でやってみましたw
今日は ご先祖の祀り事をするのにふさわしい
晴れやかに 笛と琴を一緒に奏でよう
懐かしい人々の事を思い出し 人生の儚さを思うなら
尚の事 限りある生 生きている今を楽しもう
清らかな歌は 新しい歌声に引き継がれ
醸し立ての一番搾りは みんなの顔を綻ばせる
明日がどんな日なのか わからないが
私の心中は もう思い残す事が何もない
594 :
名無氏物語:2008/02/07(木) 00:05:53 ID:SYEtLna0
595 :
紫雪:2008/02/07(木) 23:08:40 ID:gg//IDZS
こんばんは
寒さが続きますが、陽射しは春ですね。
春花 秋月 何れの時か了らん
往事は 知らず多少ぞ
小楼 昨夜 又東風
故国 首を回らすに堪えず 月明の中
雕闌 玉砌 応に猶お在るべし
只だ是れ 朱顔改まる
君に問う能く幾多の愁いか有る
恰も似たり 一江の春水 東に向かって流るるに
虞美人 李いく
596 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/08(金) 23:57:25 ID:A6YVJdBp
こんばんはですよ
>>594 買い被り過ぎです、私はただのおバカですから
考えてもみて下さい
名無しがデフォの板で、コテの上にトリまで付け、書き込む度に天辺へ上げる
バカと煙は何とやらを地で行ってるようなものですよ
>>595 もう春の花も咲こうと言うのに、今宵の冷たさは格別です
咲き始めた梅に、雪が掛かる風情もまた格別の趣がありますね
雪月花とは、春の花が咲いた所へ雪が降り、それを客間へ飾る物だそうです
597 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/08(金) 23:58:38 ID:A6YVJdBp
さあ、訳して見ましょうか
春の花と秋の月
流れる時が尽きるのは いったい何日の事だろう
思い出は 尽きる事を知らない
こじんまりした高殿を 昨夜 春の風が訪れた
望郷の念に 胸締付けられる まだ冷やかな月の下
彫刻のある欄干 玉のように輝く階(きざはし)
それらは変らず 在り続けるだろう
しかし 私は そうはいかない
教えて欲しい 私の生は まだ悲しみが続くのか
雪解け水が 川いっぱいに広がりながら
やがては海へ注ぐように 最後まで続くのだろうか
598 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/11(月) 21:49:24 ID:8DX4lHT1
こんばんはですよ
今日はとても穏やかな日で、一昨日の雪が嘘のようでした
大阪でも結構積もりましたので、近所のおガキどもが出てくる前に、そこいら中に足跡を
付け倒して遊んでおりました
で、それにも飽きたので、ベランダの雪を集めて雪ダルマふたつと、雪ウサギひとつ拵え、
目玉にするのにビー玉探したんですが、全然見付からなくてすっげー悲しかったです
単色ばかりのビー玉、1個玉から6個玉まで、30幾つか空き缶に入れて持ってまして、
絶対に捨ててねー筈なんですが……
さてさて
虞美人と言えば、その亡くなった跡に美しい花が咲き、それが虞美人草(漢語の別名は
麗春花)と呼ばれるようになったと言う事ですが、その花を詠んだ詩をご紹介しましょう
599 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/11(月) 21:50:01 ID:8DX4lHT1
『虞美人草』 by曾鞏
鴻門の玉斗 紛(ふん)として 雪の如く
十萬の降兵 夜 流血す
咸陽の宮殿 三月(さんげつ)の紅(くれない)
覇業 已(すで)に 煙燼に隨(したが)いて滅ぶ
剛強なるは 必ず死して 仁義なるは王たり
陰陵に道を失うは 天の亡(ほろぼ)すに 非ず
英雄 本より学ぶ 万人の敵
何ぞ用いん 屑々(せつせつ)として 紅粧を 悲しむ
三軍 散じ尽くして 旌旗倒れ
玉帳の佳人 坐中に 老ゆ
香魂 夜 剣光を逐(お)いて 飛び
青血(せいけつ) 化して 原上の草と 為る
芳心 寂莫として 寒枝に寄り
旧曲 聞き来りて 眉を斂(おさ)むるに似たり
哀怨 徘徊 愁えど 語らず
恰も 初めて楚歌(そか)を 聴きし時の如し
滔々たる逝水 今古に 流れ
漢楚の興亡 両(ふた)つながら丘土
当年の遺事 久しく 空と成り
樽前に 慷慨して 誰(た)が為にか舞わん
600 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/11(月) 21:50:59 ID:8DX4lHT1
今日も少し真面目な訳ですw
鴻門で 玉の柄杓は雪片程に 粉々にされ
十万からの投降兵は 真夜中に殺された
咸陽の阿房宮は火を放たれ 三月の間 炎上したが
覇王の武力の天下も また ここに燃え尽き滅び去る
陰陵で道を見失ったのは 天意ではなく その所行ゆえ
もとより 万人を敵と見做す兵法を学んだ英雄が
どうして 一人の女の行く末など 心に掛けたりしたのか
全ての兵力は失われ 旗印すら倒れてしまい
陣中に伴われていた美女は 持てる命を枯らしてしまう
夜 その清らかな魂は 剣戟の煌めきを追って 飛んで行き
暖かだったその血潮は やがて 野原の花になった
美しい人の魂は 寂しげに か細い枝に寄り掛かり
思い出の歌を耳にして 悲しげに眉を顰める
悲しさと切なさに 身悶えしながら 何も語らぬその姿は
彼女が初めて覇王の下で 楚歌を聴いた時のよう
時は 永遠に往く川のように 過去から未来へ流れ続け
存亡を賭けて戦った漢と楚は 今やただの二つの墳丘
あの時代が 後世に遺そうとしたものは 永遠に失われたのに
私は酒樽を前にして 何に激し 誰の為に舞っているのだろう
601 :
名無氏物語:2008/02/12(火) 14:53:37 ID:RLT37E4f
このペースだと975レスくらいで容量オーバーだなw
602 :
名無氏物語:2008/02/16(土) 17:29:46 ID:uMb7JSAy
風邪でもひいたのかw
603 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/17(日) 18:39:21 ID:JrCtvivg
こんばんはですよ
>>601 なあに、次スレを立てれば無問題ですよ
>>602 ご心配頂いてありがとうございます
私も世間並みに、ヴァレンタインデーを満喫しておりましたのです、ハイ
しかし、アレですね
この季節のチョコ売り場などと言うものは、女性の戦場だと思っておりましたが、意外に
男の方も恋人さんや奥様と一緒におられて、少々驚きましたですよ
特売品の様に買う物が決まっていればともかく、商品未定の場合、女の買い物と言うのは
何度も同じ所をぐるぐる経巡り、決まるまでにひっじょーに時間が掛かります
それにお付き合いなさるとは、皆さん、物凄い忍耐力をお持ちなのだと感服致しました
とあるカップルなど、30分ぐらい同じ売り場の前にいましたので、私、お嬢さんのストールを
隣のワゴンに結んであげたくなりましたですよ
604 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/17(日) 18:45:35 ID:JrCtvivg
この『愛』と言うのはいったい何なのでしょうね
今日で二十歳を越えて数年目になりますが、未だに答えがわかりません
私の好きな女流詩人も、こんな詩を残しています
『玉樓春』 by李清照
紅く酥(やわら)かきもの
肯て放(ひら)きて 瓊苞(けいほう) 碎(ほころ)び
南枝に探る 開くこと遍しや 未しや
知らず 蘊藉(うんしゃ)は幾多の時なるを
但だ見る 包蔵(ほうぞう)無限の意
道人 憔悴す 春窓の底(もと)
悶え 損ねて 闌干に愁いて倚らず
小酌(さかもり)を 来(な)さんと要せば 便(すなわ)ち来(な)せ
未だ必ずしも 明朝 風 起こらざるべし
605 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/17(日) 18:46:46 ID:JrCtvivg
今日は変訳のみにしてみましょうw
赤くて柔らかいもの
それは 時を知って 開き始めた梅の蕾
陽光に恵まれた 南の枝を 調べてみる
もう満開かしら? どうかしら?
馥郁とした深い香りは いつまで続くことでしょう
あの固い蕾たちの中に まだまだ入ってるように思えるけれど
真実の愛を探して 疲れ果て 春の窓辺に独り佇む
思い悩んで途方にくれ 景色を楽しむ気にもなれない
でも 少し飲んで気分を変えれば 新たな道が開けるかも
そうね 明日 景色を変える風が 私の上にも吹くかもしれない
606 :
名無氏物語:2008/02/18(月) 14:02:18 ID:TCZHagbu
607 :
名無氏物語:2008/02/18(月) 14:02:50 ID:TCZHagbu
すまん・・・
誤爆です・・・orz
608 :
名無氏物語:2008/02/18(月) 15:13:07 ID:CqZezBO/
295KB
609 :
名無氏物語:2008/02/18(月) 15:14:12 ID:CqZezBO/
この板で二番目に重いスレッドだね・・・
610 :
名無氏物語:2008/02/18(月) 17:07:50 ID:ha+X4BDL
そうだねw
611 :
紫雪:2008/02/21(木) 23:32:42 ID:oEx8XJoT
>>604 こんばんは
「恋愛の王国には地図がありません。それ故この国に迷い込んで、幸せに成るのは、至難の技なの
です」ラクロ『危険な関係』
この時期になると浮かぶ詩があります。落花に別れではなく、再会で涙、が珍しいからでしょうか。
少し早いですが。
年年 相見ず
相見れば 却って悲しみを成す
我をして 涙 霰の如く
君が髪の 糸に似たるを嗟かしむ
正に傷む 手を携う処
況(たまた)ま値(あ)う 落花の時
惜しむ莫かれ 今宵の酔い
人間 忽忽たる期なれば
逢故人 杜牧
612 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/22(金) 21:57:28 ID:ffHq5u9H
こんばんはですよ
なんと、恋愛というものは「幸せになる」為のステップだと思っていたのですが、違って
いたのですね
それはそれは( ̄□ ̄;)オドロキ!
ビクーリ、「目鱗!」な世界ですよ
さてさて、杜牧のこの詩ですが、タイトルがコレでなければ、6行目の『況(たまた)ま
値(あ)う 落花の時』を「偶然にも来てしまった別れの時と訳してしまいそうでした
言葉と言うのは奥深いですねえ
613 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/22(金) 21:59:11 ID:ffHq5u9H
それじゃあ、訳行ってみましょうかw
いつもいつも 逢いたいものだと思っていたのに
やっと逢えれば 嬉しさより 悲しみばかりがこみ上げる
柄にもなく 涙がぽろぽろ 止まらない
ああ あなたの 絹のような髪は昔のまま
手を取り合い 心を通わせた日々は既に遠い
それなのに 過ぎ行く時の間で あなたとまた会えようとは
今宵 どれほど酔おうとも 決して恥とは思うまい
こんなに心乱れる事は 滅多に有りはしないのだから
614 :
紫雪:2008/02/26(火) 00:27:09 ID:JDzTcd+Q
こんばんは
風寒みなにをか春といはしろや〜、で中々暖かくなりませんが、岩波文庫
から『玉台新詠集』が復刊されたので、中から軽いのを貼ります。
春は何處より來るや
水を拂い 梅を驚かす
雲は障す 青瑣の闥
風は吹く 承露の臺
美人 千里を隔つ
羅幃 閉じて開かず
共に語るを得るに由なし
空しく對す 相思の杯
春詠 呉均
615 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/26(火) 21:40:52 ID:sIMyeuSm
こんばんはですよ
紫雪さん、素敵な詩をありがとうございます
いつも思うのですが、新しいものを教わる時と言うのは、本当に胸がときめくものです
まるで恋のようですよ
さてさて、それではお訳を果たしましょうかw
例によってハチャメチャですよん
春は何処から来るのだろう
水はたちまち流れ出すし 梅は急いで花綻ばす
白い雲は 天空の青い門の前を 頓着せずに横切って行き
風は 不老長寿の露を湛えた台の上を 知らん顔で通り過ぎる
季節は再び巡り来たのに 愛しいひととは遠く隔てられたまま
閨の帳をそよがせる風さえ 此処には吹かなくて
溢れ出る慕情を 語り合う相手すら見出せない
溜め息を吐きながら 虚しく眺める 一対の杯の片割れ
616 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/27(水) 22:33:20 ID:Ii1oWQqe
こんばんはですよ
三月が目前だと言うのに、未だ未だ冷える事ですねえ
思わず縮こまりそうですが、ひとつ此処で踏ん張りませう
それが美学と言うものでしょう
やせ我慢とも言いますがw
さあ、冷たい風に会って胸を張るのはこの花ですね
陸游さんの詩を一つ、行ってみましょうか
617 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/27(水) 22:35:43 ID:Ii1oWQqe
『梅花絶句 其三』 by陸游
聞く道(なら)く 梅花 暁風(ぎょうふう)にひらき
雪は堆(うずたか)く 遍く四山(しざん)の中に満つると
何(いず)れの方ありてか 身を千億に化し
一樹の梅前 一放翁なるべき
訳す必要もなさそうですが、ま、ま、お約束ですので(^^;)ゞ
聞けば 春の夜明けの風に会い 梅の花が咲き出したらしい
枝に積もった雪花のように 四方の山を埋めているとか
何処かに 私の千億の分身を作れるような 素敵な術はないだろうか
そうすればきっと 我々一人一人が 其処此処で
心ゆくまでぼんやりと 梅を眺めていられるだろうから
618 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:28:31 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
619 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:29:07 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
620 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:29:38 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
621 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:30:46 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
622 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:31:18 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
623 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:32:03 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
624 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:32:34 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
625 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:33:41 ID:XHBEReSn
|∧,,∧
| ・ω・)
|⊂ ノ
|ωJ
パンツの脇から亀頭がこんにちわ
626 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:53:40 ID:H6XRqqWT
荒らし?
627 :
名無氏物語:2008/02/28(木) 15:54:11 ID:H6XRqqWT
誤爆?
628 :
名無氏物語:2008/02/29(金) 18:15:16 ID:qmtN6hkM
300KB
629 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/02/29(金) 23:21:03 ID:aZhxdNLg
こんばんはですよ
今宵で今年の如月が終いとは、何かもののあはれを感じてしまいますね
んな訳で、今夜は和歌を一つ置いて行きますよ
梅の花 匂ひを移す袖の上に 軒もる月の影ぞ争ふ (藤原定家)
630 :
紫雪:2008/03/03(月) 23:47:47 ID:lAVJnUuG
こんばんは
梅も見ごろになりました。定家卿の歌、いいですね。袖の香を、女性の側
から詠んだ詩を一つ。
遺簪は玳瑁に雕す
贈綺には鴛鴦を織る
未だ若かず華滋の樹の
枝を蕩子の房に交ゆるに
別前 秋已に落つ
別後 春更に芳し
思う所には寄す可からず
惟だ憐む盈袖の香
賦得遺所思 劉孝綽
631 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/04(火) 23:03:05 ID:0M15d6Ln
こんばんはですよ
紫雪さん、おみなの節句におみな心溢れる詩とは、なかなか素敵な贈り物ですね
そう、昨日はお雛祭りでありました
わたくし、かなり久し振りに某所で“白酒”をお呼ばれしたのですよ
……
こう言っては何ですが、あれはたいそうマズイ代物でありました
私、自分が子供で味がわからない所為だと思っていたのですが、実は本当にマズイの
だと、はっきり理解致しました
あれはイケマセン
子供が初手からあんなものを味わって、お酒が嫌いになったらどうするのでしょう
思い込みと言うのはなかなか厄介な代物なのですよ、本当に
あれならば、度数低めの、本物の濁り酒を味あわせた方が絶対に良いです
ええ
632 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/04(火) 23:08:56 ID:0M15d6Ln
さてさて、では訳の方へ飛んでみましょうかw
あなたが残して下さった簪は 透かし彫りの入った鼈甲
あなたが贈って下さった服には 美しい鴛鴦の模様
生き生きと葉を茂らせた樹が 枝をうんと伸ばしているけど
出掛けたきり戻らない あなたの部屋へはまだ届かない
あなたとお別れする前は 季節は秋も深まり行く頃
あなたとお別れしてもう今は 春たけなわの麗らかな頃
思い出は溢れるだけ だからどうなるものでもないのに
ただ あなたの服の袖から薫る 懐かしい香に涙が零れる
633 :
紫雪:2008/03/04(火) 23:29:04 ID:pQh363v2
こんばんは
いつも素敵な訳ありがとうです。後で考えたら、お雛様に貼るような詩で
はなかったかもw
今日回り道して、近所の紅梅の老木を見ましたが、満開の花が桃色の雲の
様で、佳い香りでした。
君ならでたれにか見せむ梅の花いろをも香をも知る人ぞ知る 紀友則
634 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/05(水) 00:05:42 ID:hyrodowX
いえいえ、どういたしまして
折角の詩に、好き勝手な色を付けているだけの事ですから
梅の花は清雅ですが、色と薫りが付けば微妙なニュアンスを含むのですね
梅の花 立ち寄るばかりありしより 人の咎むる香にぞ染みぬる (詠み人しらず)
635 :
紫雪:2008/03/05(水) 00:49:19 ID:JtHfe2Gc
そうですね。紅梅は特に、男女の機微をやり取りするのに詠まれますね。
梅に限らず、これから様々な花が咲きますね。正に、花の時 天 花に酔え
り、天下が薄紅に染まるって、酒も美味しくなりますw
636 :
紫雪:2008/03/07(金) 20:23:27 ID:tgw7DrTi
春眠をむさぼりて悔いなかりけり
こんばんは
最近陽気がよくなってきたせいか、眠い眠い病勃発。春の野郎め!という
わけで、有名ですが。
春眠 暁を覚えず
処処 啼鳥を聞く
夜来 風雨の声
花落つること知る多少ぞ
春暁 孟浩然
637 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/08(土) 00:14:54 ID:Y2b1CJAu
こんばんはですよ
>最近陽気がよくなってきたせいか、眠い眠い病勃発
う〜ん、羨ましいですよ、紫雪さん
私など、未だに夜明け前の冷え込みで目覚めてしまいます
『春暁』、まだやっていなかったのですね
驚きです
では、あまり弄らずに、さっくり参りましょうか
春の目覚めは 夢うつつ
小鳥がもう 彼方此方で鳴いている
そう言えば 昨夜は雨が降ったような
庭園の花も 幾らか落ちた事だろう
638 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 17:46:50 ID:JGiuLWdz
お初にお目にかかります。
よろしくお願いいたします。
「小園春に遊ぶ」邵雍
小隠園中 百本の花
各々紅紫に随いて新芽を発す
東君 陽和の力を借さるること
公侯富貴の家に滅せず
639 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 17:50:58 ID:YRw99inM
何をお願いするんだい?
640 :
638:2008/03/11(火) 17:52:33 ID:JGiuLWdz
「小園春に逢う」の間違いでした。
もとの詩は以下の通りです。
小園逢春 邵雍
小隠園中百本花
各隨紅紫發新芽
東君見借陽和力
不滅公侯富貴家
よろしくお願いいたします。
641 :
638:2008/03/11(火) 18:21:35 ID:JGiuLWdz
>>639 漢詩を訳してもらおうと思いました。
訳文は手元の本にもありますが、
他の方の訳も見てみたいなと思いまして。
スレ違いであればすみません。
642 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/11(火) 21:06:42 ID:w+MFZSyT
こんばんはですよ
>>638 ようこそ、いらっしゃいませですよ
>スレ違いであればすみません。
とんでもない
テンプレにも有ります通り、ここは漢詩を『我的翻訳』してみるスレッドです
但し、正当な訳文ではありませんので、悪しからずご了承下さいね
643 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/11(火) 21:11:30 ID:w+MFZSyT
さて、でわ参りませうかw
ひっそりした小さな庭にも たくさんの花がある
それぞれに芽を伸ばし きれいな花を咲かせている
うららかな春の日差しは いっそう暖かく降り注ぎ
妍を競う花々を ますます艶やかに咲き誇らせる
644 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 12:50:11 ID:ZSqa5apF
>>641 そういって、宿題をやって貰ったのね・・・w
645 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 13:37:41 ID:B+lQdpd8
大化の改新
646 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 14:17:06 ID:BzrzZPYh
>>644 ルビーさんは気にしないだろうけどね
たぶん、最初から「宿題なんですが…」って言っても、怒らずやってくれると思う
647 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 14:19:34 ID:zNN2ZWTC
648 :
638:2008/03/12(水) 14:30:37 ID:PVMvFvGo
ルビーさん、丁寧な訳をありがとうございます。
この詩は、私が購入した「伊川撃壌集」に載っていたもので、訳文は手元にあります。
どうあっても宿題と邪推する、愚かで心の賎しい輩のことは、さっくり無視することにいたします。
ちなみにルビーさんの訳は、おそらく宿題であれば不合格をもらうでしょうね。
私がリクエストしたのも、そういう個性的な訳です。
ルビーさん、大変ありがとうございます。とても感謝しています。
649 :
638:2008/03/12(水) 14:48:44 ID:PVMvFvGo
私自身が宿題でないなどと言っても、誰も信じないでしょうから、私の訳文を付けます。
小さな目立たない庭の百本の花は
それぞれ紅のものは紅に、紫のものは紫にと、新芽が出てきた
春の神である東君は、春ののどかさを与える力を貸して下さった。
富み栄えた高貴の方の家々にも負けないほどに
650 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 14:48:50 ID:zAKMbpIv
651 :
638:2008/03/12(水) 14:50:43 ID:PVMvFvGo
>>650 「気にしない」という言葉を撤回いたします。
自分の立場を守るために必死になることは、必要でしょう?
652 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 14:52:40 ID:zAKMbpIv
まあ、ヒントを貰った後なら訳すのは簡単だよなwww
653 :
638:2008/03/12(水) 14:54:13 ID:PVMvFvGo
>>652 「伊川撃壌集」を図書館で借りるなどして、確かめてみなさい。
「ヒントをもらった後で」などというアホなことは言えないはずですが?
654 :
638:2008/03/12(水) 14:56:21 ID:PVMvFvGo
そもそも、私の訳にとってルビーさんの訳がどのように参考になったのか、
あなたのご意見をお聞かせ願いたいですね。
655 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 14:58:53 ID:zAKMbpIv
もし、そうだとしたら、
>>638の質問はマナー違反ですねwww
ルビーさんを試そうとした、悪意が感じられますよwww
656 :
638:2008/03/12(水) 14:59:50 ID:PVMvFvGo
>>655 「感じる」のはどうぞご勝手に。そこまで面倒見切れません。
657 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 14:59:53 ID:zAKMbpIv
解答を持っているのに質問をするなんて、マルチポストと大差ないと思うけどねwww
658 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:00:14 ID:BYJOp3Uj
659 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:00:16 ID:oKBoCyyW
おい、力抜けよ
顔真っ赤だぜ
660 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:00:33 ID:RE3hngFe
宿題ぐらい自分でやりましょう(笑)
661 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:00:51 ID:zAKMbpIv
638 名前: 名無氏物語 投稿日: 2008/03/11(火) 17:46:50 ID:JGiuLWdz
お初にお目にかかります。
よろしくお願いいたします。
「小園春に遊ぶ」邵雍
小隠園中 百本の花
各々紅紫に随いて新芽を発す
東君 陽和の力を借さるること
公侯富貴の家に滅せず
↑
こういう質問の仕方をしておいて・・・
よく言いますねwww
662 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:01:33 ID:zAKMbpIv
640 名前: 638 投稿日: 2008/03/11(火) 17:52:33 ID:JGiuLWdz
「小園春に逢う」の間違いでした。
もとの詩は以下の通りです。
小園逢春 邵雍
小隠園中百本花
各隨紅紫發新芽
東君見借陽和力
不滅公侯富貴家
よろしくお願いいたします。
663 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:02:15 ID:yr6ryNUw
我高級来
664 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:02:37 ID:zAKMbpIv
665 :
638:2008/03/12(水) 15:04:29 ID:PVMvFvGo
訴えるならご勝手にどうぞ。
666 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:06:08 ID:w8tji6TB
VIPからきましたが
>>638は生きる価値がないと思います
667 :
638:2008/03/12(水) 15:07:15 ID:PVMvFvGo
繰り返し言いますが「思う」のは自由ですよ。
668 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:07:15 ID:zAKMbpIv
669 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:08:37 ID:zAKMbpIv
>>638っていうのは何処まで常識がないんだよwww
670 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:08:59 ID:cQf2BI/T
>665
わかったぁ
671 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:09:11 ID:zAKMbpIv
開き直りって、醜いねwww
672 :
638:2008/03/12(水) 15:09:28 ID:PVMvFvGo
>>668 665 はちょっと頭に来ていたから暴走してしまいました。すみません。
673 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:09:44 ID:gN9SoE7m
674 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:10:10 ID:zAKMbpIv
こういう奴が「殺人予告」とかするんだろうなwww
675 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:10:24 ID:ne9NXJSP
vipからきますた
宿題は自分でやってこそ意味のあるものだおwwwww
676 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:10:43 ID:tgwKH4fX
VIPからきましたけど
高尚なスレッドですね
お邪魔しました帰ります
677 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:10:51 ID:l/utB89E
638はいい年齢のおじいさんと見た
678 :
638:2008/03/12(水) 15:11:12 ID:PVMvFvGo
679 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:11:25 ID:OmmFNHiC
VIPからきましたが宿題を丸投げする様な奴は生きる価値がない
680 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:11:56 ID:zAKMbpIv
どう見ても、開き直りだろうがwww
681 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:12:51 ID:yr6ryNUw
>>638 宿題丸投げして、指摘されたら逆ギレするのも自由なんすかね?w
682 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:13:15 ID:K0e7BIIw
お前ら殺す
683 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:13:47 ID:VdbIJyoi
VIPから来ますた
>>638は大人気ないと思います。でもスレが高尚過ぎてついていけないので
屑どものすくつへ帰りますwwwwwwwwww
684 :
638:2008/03/12(水) 15:14:09 ID:PVMvFvGo
「宿題を丸投げ」かどうかは、御自身でご判断願います。
簡単に頭に血が上った私はしばらく人間を修行し直してきます。皆さんすみません。
685 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:15:43 ID:DX4xRcUd
顔真っ赤にしてる
>>638がいると聞いてやって参りました
686 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:16:40 ID:8JZ0Gs7m
>>638 恥ずかしい人間ですね。
もうこのスレには来れないでしょうが言ってあげましょう。
ゆとり必死だなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
687 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:16:52 ID:zAKMbpIv
大人かも知れんが精神レベルは小学生以下ってことですねwww
688 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:17:06 ID:X4IuWWGT
VIPからき☆すた。
必死な638がいると聞いて
プギャー! m9(^Д^)
>>638 ( ( 9m
< \
689 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:17:37 ID:zYsMM/FJ
ミニ四駆の話ができると聞いてとんできました
690 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:17:41 ID:OmmFNHiC
>>684 残りの宿題忙しいだろうから誰も逃げたなんて思わないよノシ
691 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:17:50 ID:CBUtR1KX
>>638 こんなのがいるからゆとり乙って言われるんだろうな
692 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:18:28 ID:P26Jy7f4
つまり
>>638はこのスレには不要なんですね。わかります。
VIPからき☆すた
693 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:18:36 ID:K0e7BIIw
ID:7rE4AmRw0
がVIPで必死だな
694 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:18:44 ID:ne9NXJSP
人間の修行場所として是非vipへwwwwww
しかし人間の修行って何だ?腹筋でもするのかお?wwwww
695 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:18:49 ID:sTtNrrVr
696 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:18:57 ID:5eE50cqx
なにやってんの?
勉強だからいいんじゃね?
697 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:19:55 ID:zYsMM/FJ
ちくしょう、だまされた・・・
誰もミニ四駆の話してないじゃないか・・・・
698 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:20:53 ID:zAKMbpIv
大人のマナーwww
699 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:21:38 ID:OnJiqLC1
ジョリ・・・・ジョリジョリ・・
ジョリジョリジョリジョリジョリジョリ・・・・・・・・・!!!!!!!!
フ・・フォオオオオ!!!
フォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブブブブブブブブブロッコリィィィィィィン・・・・・・・・!!!!
700 :
638:2008/03/12(水) 15:22:07 ID:PVMvFvGo
>>698 大人のマナーを中心に、修行し直してきます。すみません。
701 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:22:39 ID:kRJEUx9B
犬生から来ましたがvipのゆとりしかいないようなので帰ります
702 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:24:27 ID:zAKMbpIv
単発質問スレを立てる奴と同じレベルだなwww
703 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:25:32 ID:p75PIFme
VIPかr・・・・ry
638悪くない 俺は見方だ
704 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:25:46 ID:g2ihjsrF
VIPで呼ばれたのでわざわざ来てやりました☆
705 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:26:49 ID:tHhROxiX
たいしたことなかったね。
つまんなかった。
706 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:28:16 ID:sjNgh2yM
707 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:28:17 ID:OmmFNHiC
708 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:28:45 ID:zAKMbpIv
まあ、ルビーさんが泣いているよwww
709 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:29:38 ID:QzHfdvwM
犬生から
710 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:29:38 ID:RHI4BFi0
VIPで宣伝してるヤツうぜーからしね
711 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:30:58 ID:0WjDjwcg
712 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:31:18 ID:V4f14Ym6
なんで俺をVIPから呼んだの?
713 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:31:39 ID:zAKMbpIv
714 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:31:39 ID:PQP8fM+9
つまらん 実につまらんよ
715 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:33:05 ID:YlvDQ1En
>>638叩かれすぎだろwwww
ID:zAKMbpIvのほうが痛い
716 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:36:01 ID:zAKMbpIv
717 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:36:05 ID:w6XMLnt0
こんなところにまで迷惑かけんなよ・・・
早く帰って来い
718 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:37:57 ID:zAKMbpIv
719 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:39:07 ID:Jaw96KBR
720 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:39:17 ID:CQZwSodz
必死な
>>638がいると聞いて飛んで聞いてきますたwwwww
721 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:39:37 ID:PQP8fM+9
>>716 流れ的に他板にここ張ったのお前だろwwwwwwwwwwww
も っ と や れ
722 :
♀д♀:2008/03/12(水) 15:40:17 ID:W4FHHT5h
東大生だけど何かしつもんある?
723 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:40:36 ID:pqHqDz6P
724 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:42:26 ID:zAKMbpIv
725 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:42:58 ID:zAKMbpIv
726 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:45:14 ID:pqHqDz6P
安www価wwwwwミスwwwwww
727 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:45:21 ID:PQP8fM+9
728 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:45:37 ID:FaNg6Jug
必死過ぎてワロタ
729 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:46:12 ID:zAKMbpIv
そうか・・・
>>638を擁護する奴は「宿題丸投げ」で叩かれた経験をお持ちなのですねwww
730 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:47:19 ID:PQP8fM+9
俺がいつ擁護したってんだ・・・
731 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:49:04 ID:zAKMbpIv
732 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:51:43 ID:cDU5IJGs
733 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:54:49 ID:cwtCzckY
一通り読んできたけど
>>638きめぇwwwwwwwww
頭大丈夫? 精子からやりなおせよ
734 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:55:24 ID:LpCxaNSW
ダイナマから来ますた^^
宿題丸投げとか勝手に決めつけるのはどうかと。
>>638からは特に悪意は感じないけどなぁ
てかこんなコアな板あったんだねww
735 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:56:27 ID:l/utB89E
ID:zAKMbpIv
いいからもう俺達の巣に帰ろうぜ
736 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:56:38 ID:pqHqDz6P
なにこの板ってID意味ねーの?
737 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:56:43 ID:MSvn+mgw
vipから来ましたが、ただの言い合いみたい
ですので帰ります。
お邪魔しました
738 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 15:58:23 ID:zAKMbpIv
帰れよwww
VIPってウザイなwww
739 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:00:02 ID:zAKMbpIv
>>734 >>638だけ読めばなwww
あとから、実は訳を持っていて(ry
ってやられたら、気持ちいいか?
740 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:03:09 ID:cwtCzckY
アッー ンギモヂイイ!
741 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:03:37 ID:clD8M98U
どうみても ID:zAKMbpIv が悪い
VIPにマルチポストまでして必死すぎてキモすぎwwww
そのくっせえ口閉じてろwwwwwww
742 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:04:47 ID:zAKMbpIv
>>741 お前がやったんだろwww
責任転嫁するなよwww
二松馬鹿君www
743 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:04:55 ID:7iAV/f0e
>人間を修行し直してきます
↑
誰か訳してくれwww
744 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:09:14 ID:p4QVR3tV
745 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:13:23 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
746 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:13:57 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
747 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:14:47 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
748 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:15:25 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
749 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:15:56 ID:VTNHjluI
誰か次スレつくれー
俺は作らない
ま、
>>638は悪くない
750 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:16:07 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
751 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:16:49 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
752 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:17:21 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
753 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:17:53 ID:1IxLUZwj
あひゃひゃ
754 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:21:38 ID:wlvkOwkc
>>648 >>ちなみにルビーさんの訳は、おそらく宿題であれば不合格をもらうでしょうね。
教えてもらっておいてよくこんな失礼なこと言えるな……
755 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:22:43 ID:7iJc1g8Q
756 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:23:16 ID:7iJc1g8Q
現在324KB・・・
757 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:24:27 ID:7iJc1g8Q
このペースでは900レス前後で容量オーバーで書き込めなくなりそうなこのスレッドを1000まで書き込めるようにしてくれた・・・
758 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:24:58 ID:7iJc1g8Q
名古屋ゲット・・・
759 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:25:30 ID:7iJc1g8Q
760 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:27:02 ID:uPb9kW39
こんばんは惣菜です
761 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:27:20 ID:p4QVR3tV
762 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:29:21 ID:FCLrRQzB
>>638を叩きたくなるのは分かる気もするがが
それにしてもID:zAKMbpIvの粘着っぷりはキモイ
763 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:29:45 ID:K3JdMoi7
>>754 酷ぇな・・・。
何様のつもりなんだろうね。
764 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:30:46 ID:l/utB89E
お前らこんなところまで来てVIPPERがVIPPERを叩いてたら
この板の人たちに迷惑だぞ
早々に撤退するんだ
765 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:31:27 ID:K3JdMoi7
766 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:34:04 ID:uPb9kW39
':, ', _____,,.. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' ー 、., /
':, ', >' ´ `ヽ. / し バ
':, / ヽ. ,' な カ
':, ,:' / / ,'´ ヽ. ':,/Ti i. い に
. \ ,' / / ,' ! ; ', ヽ__ /::::| | | で
\ / ,' ,'! /! ! ; /! i 「:::|'´::::::::| | .!. く
∠__,! / !メ、」_,,./| /! / ! ハ! |__」<:::::」」 |. れ
`"'' 、..,,_ ! / ,ァ7´, `iヽ| / |ヽ、」ニイ、 | ! |^ヽ、」」 |. る
i,/レイ i┘ i. レ' 'ア´!_」 ハヽ| | | ∠ ! ?
─-- / ! ゝ- ' ! ! ! | | `ヽ.
/ 7/l/l/ 、 `'ー‐ '_ノ! | i | ` ' ー---
,. -──-'、 ,人 `i`ァー-- 、 /l/l/l | !. | |
ヽ.ソ `: 、. レ' ', u ,/| | ! |
そ 知 i /ーナ= 、 '、 ノ ,.イ,カ ! | |
の っ .|ヘ./|/レへ`>-r =ニi´、.,_ | i ハ ! ,'
く て ! _,.イ´ヽ.7 / /:::| /レ' レ'レ'
ら る | /7:::::! ○O'´ /::::::レ'ヽ.
い .わ .| / /:::::::レ'/ムヽ. /::::::::/ ヽ.
! ! よ ! ./ ,':::::::::::!/ ハ:::::`´:::::::::::;' ',
767 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:34:14 ID:VTNHjluI
768 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:34:52 ID:Sa6D22B7
お前ら
>>638を攻めるのはもうやめてやれ!!
フツーなら宿題なんて友達と分担してやるもんなのに
友達もいないからできねーんだろ
かわいそうだからそっとしといてやろうぜ
769 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:35:31 ID:dJxE2666
はいはいw
770 :
平和 ◆PeaceMMzBo :2008/03/12(水) 16:36:45 ID:LgQduBAK BE:1953429179-2BP(3472)
別にどっちの味方でもないですが記念真紀子
771 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:39:15 ID:Ch/X9Uch
VIPからきましたが帰ります
772 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:47:58 ID:dJxE2666
ルビーさんなら許してくれるよw
神様みたいな人だからねw
773 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:49:33 ID:dJxE2666
でも、現実の社会では
>>638のようなことをしたら通用しないよw
契約するときに・・・
「実は・・・」
なんてやったら、社会的に抹殺されるよw
774 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:54:03 ID:lsT9QHdD
すげぇ必死な奴がいるな
775 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:54:51 ID:dv7rLB6K
776 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:58:22 ID:q27ICwro
777 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:59:13 ID:2O8EvqiO
778 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 16:59:36 ID:D2rYNswr
はいはい、バーボンバーボン・・・
あれ?
779 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:00:08 ID:kAoisyxf
実況から来ました
宿題は自分でやれよwwwww
780 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:00:22 ID:z+XNBN7h
あれ?もう終わりっすか?
781 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:09:21 ID:EA8jo4B7
神社・仏閣から来ました。
で、別にどうでもよくね?解釈してやれよ(・∀・)
782 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:20:25 ID:g5B9ZFML
>>781 よく読みましょう!
回答はされていますよ!
783 :
638:2008/03/12(水) 17:22:12 ID:PVMvFvGo
ルビーさんは自分の訳が宿題の役に立たないことは百も承知だと思っています。
それで
>>643 のような個性的な訳をしたものと思います。
(自分の訳が宿題に使われないように)
>>773 漢詩の訳文くらい、世の中に幾らでも転がっていますよ。それを言いたかっただけです。
それを書き込んだことで、ルビーさんが怒られるのであれば、謝ります。
784 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:25:09 ID:D2rYNswr
>>783 >それで
>>643 のような個性的な訳をしたものと思います。
>(自分の訳が宿題に使われないように)
そうか、ルビーさんも宿題の丸投げだと思ってたんだなw
785 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:28:19 ID:bL1ahmqi
786 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:29:46 ID:vmKMKtNq
また騙されてきました・・・あれ?
787 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:35:14 ID:aUhneSXQ
宿題を丸投げして叩かれてる638が必死だと聞いて
788 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:36:26 ID:BzrzZPYh
>>783 もう止めとけよ
荒しに構うヤツも荒しだぞ
>>591でルビーさんがみんなにどんなお願いをしたか、わかってるか?
ルビーさんは漢文を訳すのを楽しんでる
世間によくある訳も承知して、その上で遊んでる
(自分の訳が宿題に使われないように)なんて、小さな気持じゃないと思う
おまえがここに居座って言い訳を繰り返せば、それを叩く連中のレスが付き、
俺達が楽しんでるこのスレが無駄に埋められる事になるって気付いてるか?
このスレに迷惑を掛けたいのでなければ消えてくれないか
789 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:36:44 ID:Ch/X9Uch
790 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:37:41 ID:g5B9ZFML
風ふけばいささむら竹うちそよぎさしも秋めく夜半のけしきよ(藤原惟方)
791 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:38:08 ID:3nzHq7CC
こんなスレ初めてきた
学生の時漢文はやらなかったがちょっと面白そうだな
で
>>638は宿題終わったのかい?
終わったんなら歯磨いて寝ろ
792 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:39:41 ID:g5B9ZFML
>>790は誤爆・・・
上に上がってるから・・・
間違えて書き込んじゃった・・・orz
793 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:40:36 ID:/QdxTS1y
あれ?漢詩?新作エロゲの情報はどこだい?
794 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 17:49:23 ID:D2rYNswr
宿題丸投げが事実か事実ではないかはどうでもいいことなんだけどね。
回答もらえたんだからお礼書いて、宿題丸投げでした。ごめんなさい。消えます。
で終わればいいのに。何でこんなに必死なん?
部外者なんで私も消えまーす。ごめんなさいね。
795 :
638:2008/03/12(水) 17:58:45 ID:PVMvFvGo
正論を吐くことが「言い訳」なのですか?
「宿題の丸投げではない」ということを納得していただきたいだけです。
私の非ではないことで、迷惑をかけたことで、私が謝らないといけないと言うことは、
どうにも納得がいかないのですよ。
私は
>>649 で訳を書いたことで、宿題の丸投げではない証明の代わりとして、
幕を引くことにいたします。
796 :
638:2008/03/12(水) 18:04:10 ID:PVMvFvGo
漢詩の訳など、探せばいくらでも転がっているということをもって、結びとさせていただきます。
お騒がせいたしました。
797 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:06:32 ID:GKaieCJl
往生際が悪いなぁ・・・
798 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:07:28 ID:yhzdVHU7
学歴板から飛んできましたw
799 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:08:11 ID:GKaieCJl
800 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:08:47 ID:GKaieCJl
おっと、800や・・・
801 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:12:25 ID:D2rYNswr
>>796 >私は
>>649 で訳を書いたことで、宿題の丸投げではない証明
との矛盾に気づいてないのかw
どこでも転がっているということは宿題丸投げ疑惑が出た後にあわてて調べて
見つけてきたと解釈することもできるわけで。
ごめんね。まだいたんだ、私。
802 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:13:46 ID:po+CXjju
誤解されるような質問でスレを荒れさせた。
ちっぽけなプライドのためかどうでもいいことの証明にこだわり荒れさせた。
しつこく粘ることが迷惑をかけているということに気付いていない。
取り敢えず終わったみたいですね
803 :
638:2008/03/12(水) 18:14:57 ID:PVMvFvGo
>>801 そのように解釈したいのであれば、どうぞ。
804 :
638:2008/03/12(水) 18:16:22 ID:PVMvFvGo
>>802 どうでも良いことかどうかは、各個人が決めることです。
805 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:18:14 ID:kAoisyxf
だから、宿題は自分でやれよ
806 :
638:2008/03/12(水) 18:18:34 ID:PVMvFvGo
「迷惑をかけている」と、「責任を取らなくてはいけない」ということは、別個に考えています。
807 :
638:2008/03/12(水) 18:19:27 ID:PVMvFvGo
宿題ではないと、言い続けますよ。
808 :
638:2008/03/12(水) 18:20:37 ID:PVMvFvGo
もう撤退した方が良さそうですね。
>>807 は撤回します。
809 :
638:2008/03/12(水) 18:22:11 ID:PVMvFvGo
でも私は宿題丸投げなどやっていない。
810 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:24:06 ID:awrr9+q9
>>796 + .、
/.:.:\ + ,..-──- 、
く\ノ.:.:.:.:.:.: \ /. : : : : : : : : : \
\\:.:.:.:.:.:.:__ヽ /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
\\:./ ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :', ________
\\ {:: : : : :i '⌒_, ,_⌒' i: : : : :} /
\\ {:: : : : | ェェ ェェ |: : : : :} < 一言よけいなんだよ
. \\. { : : : :| ,.、 |:: : : :;! \
rヘ \_ ..ヾ: :: :i r‐-ニ-┐ | : : :ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
} >'´.-!、 ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐′
| −! \` ー一'´丿
ノ ,二!\ \___/ /`丶、
/\ / \\ /~ト、 / l \
/ 、 `ソ! \\l::::|ハ/ l-7 _ヽ
/\ ,へi r''ー-ゝ_`ヽ、 |_厂 _゙:、
∧  ̄ ,ト| >‐ ̄` \. | .r'´ ヽ、
,ヘ \_,. ' | | 丁二_
811 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:24:06 ID:D2rYNswr
まとめて書けばいいのに何でチャットみたいに細切れに書くん?
ここはチャットではないですよ
812 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:24:13 ID:MOIdiR8x
誰かが書き込んでいるけど・・・
往 生 際 が 悪 い で す ね (笑
813 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:25:39 ID:MOIdiR8x
コレが2008年にヒットするドラマ
「 宿 題 丸 投 げ 男 」 で す か ?
814 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:27:31 ID:MOIdiR8x
よく読んでみると・・・
6 3 8 っ て 滅 茶 苦 茶 だ な ( 笑
815 :
638:2008/03/12(水) 18:29:26 ID:PVMvFvGo
迷惑をかけた最終的な責任が僕にあるとは思っていません。
816 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:30:55 ID:EP5sX+CD
それでも僕は丸投げしてない
817 :
638:2008/03/12(水) 18:31:07 ID:PVMvFvGo
もうつかれました。二度と書き込みません
818 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:31:38 ID:MOIdiR8x
宿 題 丸 投 げ 男 、 必 死 だ な ( 笑
819 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:31:42 ID:EP5sX+CD
ガンガレ638
820 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:33:14 ID:MOIdiR8x
図 星 か よ ( 笑
821 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:34:54 ID:MOIdiR8x
ル ビ ー さ ん が 泣 い て い る ぞ ( 笑
822 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:38:22 ID:EA8jo4B7
まあ、一番悪いのは面白がって他板にまで出張して
ここのリンク貼り付けてる粘着βακα..._〆(゚▽゚*)って事で結論。
823 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:40:35 ID:MOIdiR8x
ど っ ち も ど っ ち だ よ ( 笑
824 :
638:2008/03/12(水) 18:41:11 ID:PVMvFvGo
825 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:41:25 ID:9ytDcmwF
宿題丸投げで、批判受けたら顔真っ赤にして逃げるのかよwwww
826 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:43:45 ID:mLGzFM3b
今北産業
827 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:43:46 ID:mi2Qm/mr
ミトコンドリアからやり直したほうがいい
>>638がいると聞いて飛んできますた☆
828 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:44:08 ID:eP0EtKNx
829 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:44:19 ID:mLGzFM3b
どの宿題やればいいんだ!
830 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:45:48 ID:MOIdiR8x
書 き 込 ん で る ジ ャ ン ( 笑
831 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:46:48 ID:mLGzFM3b
ちょっと待て!宿題はどれだ!
832 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:47:01 ID:MOIdiR8x
し か も 、 書 き 込 み が a g e ( 笑
833 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:47:41 ID:mLGzFM3b
俺が宿題やってやるよ!
834 :
638:2008/03/12(水) 18:47:59 ID:PVMvFvGo
835 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:48:15 ID:mLGzFM3b
どんどん揚げてやるぜ!
836 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:50:21 ID:MOIdiR8x
s a g e に し て も な ぁ ・ ・ ・ ( 笑
837 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:50:51 ID:mLGzFM3b
で、ここは何板なんだ!
838 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:52:29 ID:MOIdiR8x
恥 ず か し い 過 去 を 消 す た め に 埋 め 立 て か よ ( 笑
839 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:52:46 ID:D2rYNswr
お前ら釣られすぎ。
俺もプギャー
他に張ってるのも自称638だろうな
840 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 18:53:50 ID:MOIdiR8x
6 3 8 が 最 初 に 書 き 込 ん で か ら 2 0 0 レ ス が 付 き ま し た よ ( 笑
841 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 19:15:28 ID:O0aEoKvP
最近変な奴が増えたと思ってたけど、
>>638みたいな池沼以下の平成生まれがここ数年で本格的に出てきたんだな
昨年の閣議でゆとり教育廃止が決まったが、
ゆとり教育で育った連中があと10年は世に輩出され続けるわけだ
借金以外で国が沈む要素がこんなところにあるなんて、ゆとり考えた奴は考えもしないんだろな
842 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 20:05:51 ID:rSvs4Pix
漢文、
>>638の言い訳だけは正に中国的だなwww
843 :
638:2008/03/12(水) 20:40:02 ID:OOzz0RBn
もう
844 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 20:51:33 ID:Bq9Z3uvu
さらしあげ
845 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 21:21:56 ID:7MXKLVAI
vipからきますた
846 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 21:47:40 ID:1G+bzV3Y
歯茎スレから来ました記念カキコ
847 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 22:33:04 ID:kzSLyJ9o
( ´・ω・) 良スレだったのに
848 :
紫雪:2008/03/12(水) 22:40:56 ID:4R+JHPq5
おやおや、春の嵐でしょうか。
ルビーさん、また春永に(笑)
かぎりあれば吹かねど花は散るものをこころ短き春の山風
849 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 22:44:40 ID:d8d4HOz4
>>638 ν速からきました
/::::;:::::::/:;/l!|::::;:::::;:::ヽ::l!::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::`
__ ,'::,:;l!l!::/:;イ l! !:::ハ:::l!:::::!:::l!:::::; r''" ̄ `ヽ::::;:::::
,r'" `ヽ !::l!|;l!::;'::;!l! l! l:l!| '!::l!'l!:|l!::!:;r' ヽl!!:::
ヽ. !::l!::l!::;!::!l!. l!. l;::! !;:::l!:;!l!:|:! ふ !l!'::
は あ .!. |::|:::l!:;'|::!l! l! !:| ヾ;:l!:ト;::|;! ふ |l!:::
は は ! |::|:::!:;',!:|l! l! ';| ヾ;::| !::|', っ ,!::::::
は は !. !:L;!:H;!- 、 ' ヾ;! !::! lヽ, ノ::::::::
は / ';::::::| ,r=、 _`'' V'!':`..ー..''":::::::::::
. ゝ, ';:::::! ;r=ミ , ,___ `ヽ |::::::::::::::::::::::::::::;
.、_ _ /, i ';::::! i ;r==、ヽ ,!:::::::::::::::::::::::::/
,/ マ ~ ヽ. i | ';:::| { ` |::::::::::::::::::::::::/
ジ l ! ! ;::.、 、`_ ,:::::::::::::::::::::::::!
ツ i 、ヽ ;:::ヽ ヽ ニニフ ,::;::::::::::::::::;::i:i:|
マ | ヽ` !::::i` 、 ` - ''" , イ:;':::::::::::::;/!:ト;!!
. ン | /|::::|::!:::...7'ヽ'' " /;/::::::::/:;>'-`、
ヽ ネ .ノ .{ !::;!:|:::::::l ! /:/:::::/::/ ヽ
. `ー一 " ヽ !/:リ:::::::ト、 ' _/:/::/:::::/
850 :
名無氏物語:2008/03/12(水) 23:22:43 ID:DEkvEzBS
人として終わっている最低な
>>638がいると聞いて飛んできますた
851 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/12(水) 23:22:45 ID:EYKdM4TE
こんばんはですよ
今更ですが、私はあなたが宿題を丸投げしたとは思っていません>638
そのつもりなら、ここよりもっとまともな答えの返って来る質問スレがいくつも有りますから
それと、後であなたの訳を書き出して下さった事に付いては、決して怒ったりしていません
どうか安心して下さい
>>848 ええ、紫雪さん
一足早く春、ですねえ
先の土曜日にウグイスの初音を聞きました
と言う訳で、山方面へ参りましょうかw
852 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/12(水) 23:23:36 ID:EYKdM4TE
『登太白峯』 by李白
西の上(かた) 太白峯に上り
夕陽 登攀を窮む
太白 我と与に語り
我が為に天関を開く
願くば冷風に乗りて去り
直ちに浮雲の間に出で
手を挙げて月に近づく可く
前行して山無きが若(ごと)からん
一たび 武功に別れて去らば
何れの時か 復た更に還らん
853 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/12(水) 23:27:09 ID:EYKdM4TE
はいはい、拙訳ですよ〜
都より西に有る 太白と言う山に登ってみる
沈む夕日を眺めながら 山頂を極める
宵闇の中 金星と一緒にいろんな話しをし
天の関を開けてもらった
願わくば 颯爽と風に乗り
たちまち 雲の隙間をぬい
手を伸ばせば すっと月に届くように
何一つ 遮る物無い天空を 飛び回りたい
仙人になったら 一旦 この武功の地を去ったとしても
いつかまた もう一度ここへ戻って来よう
些末事はすっぱり捨て、身は何処に在ろうとも、心は自在に世界を駆け回る
そんな李白の風が好きです
854 :
638:2008/03/12(水) 23:56:44 ID:PVMvFvGo
ルビーさん、ありがとうございます。
少なくとも一人は理解して下さる方がいて助かりました。
多くのバカどもにこれ以上相手にされたくないので、僕は撤退いたします。
855 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 00:40:29 ID:/CuZxkRL
856 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 00:51:26 ID:SeuE+pxx
ID:zAKMbpIvも十分痛い
857 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 00:53:24 ID:SeuE+pxx
ID:MOIdiR8xと同一人物かな
858 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 06:53:56 ID:lYZv9mSF
遅ればせながら飛んできたお
もっとやれwwwwwwww
859 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:05:25 ID:jbz1duFW
また、二松かよ・・・
860 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:22:49 ID:KHzpicRE
861 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:40:08 ID:HAdeyL3r
>>638は一言多いんだよ・・・
>>854で余計なことを書き込まなければ、まだ信憑性があったんだけどね・・・
実社会でも一言多くて失敗すると思いますよ・・・
最後に挑発していくなんて最低の人種ですね・・・
862 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:53:20 ID:gUg5N3An
馬
863 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:53:53 ID:gUg5N3An
鹿
864 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:54:25 ID:gUg5N3An
は
865 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:55:25 ID:gUg5N3An
死
866 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:56:09 ID:gUg5N3An
ね
867 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:56:45 ID:gUg5N3An
よ
868 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 07:57:16 ID:gUg5N3An
!
869 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 13:43:44 ID:wGRWCIsy
ヘタレ、乙!
870 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 14:08:12 ID:yd9cdUMY
どうせ638は、二松出身の馬鹿だろwww
大学院でたのに暇だから、一般人のルビーさんをからかいに来たんだろwww
871 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 15:52:21 ID:cZlHbd97
>>638って、「もう書き込みません」と言ってからも、書き込んでいますねwww
嘘を付いていますねwww
ということは、「宿題じゃない」というのも嘘ですねwww
872 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 17:46:29 ID:q3SUv369
嘘吐きは泥棒のはじまり
873 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 18:09:18 ID:CrF8ui8Y
「ヘタレは三年ロムってろ」っていうことですねw
874 :
名無氏物語:2008/03/13(木) 20:36:44 ID:bFyilCPP
今北産業
宿題だという証拠が出るのは何番のレスか教えてくれ
一から読むの面倒だ
875 :
紫雪:2008/03/13(木) 23:43:55 ID:atMILFyd
>>851 こんばんは
鶯かあ、まだ初音を聞いてません。去年は今頃だったんですが。
李白らしい、天衣無縫で雄大な佳い詩ですね。初めて拝見しましたよ。李
白といえば酒、というわけで、これを。
世に処ること 大夢の若し
胡為(なんす)れぞ 其の生を労するや
所以(ゆえ)に終日酔い
頽然として前楹に臥す
覚め来って庭前を眄むれば
一鳥 花間に鳴く
借問す 此れ何れの時ぞ
春風 流鶯に語る
之に感じて歎息せんと欲す
酒に対して還た自ら傾く
浩歌して明月を待ち
曲尽きて已に情を忘る
春日酔起言志 李白
876 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 03:12:03 ID:3Jj2DElP
初めてきますた。正に
落花狼藉たり 風狂じて後 だね。
良スレだから、止足の分を弁えますスマソ。
877 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:04:47 ID:8/g4KAyv
嵐の後の静けさ
878 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:24:51 ID:YdMJF3lI
879 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:56:58 ID:DGuaOPal
急にレスが増えたと思ったら・・・
880 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 10:57:36 ID:DGuaOPal
馬鹿が暴れたのね・・・
881 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:11:21 ID:olBOqDeX
先日、大阪の地下鉄で会社員の男性が、男と女の2人組に痴漢にでっち上げられる事件がありました。
男性は逮捕され、警察で厳しい取調べを受けたといいます。
男性がその悔しさを語りました。
「私はやっていない。これはえん罪やと腹くくってました。
自分にも信念ありましたから」(痴漢に仕立てられた・国分和生さん)
堺市の会社員・国分和生さんは先月、大阪の地下鉄御堂筋線で女性の尻を触ったとして現行犯逮捕されました。
尻を触られたという女は泣き出し近くにいた若い男が詰め寄ってきましたが、国分さんにはまったく身に覚えのないことでした。
「女性にはちょっとおかしいなと。なんか自分からよろけてきて『さわりましたよね?』と、それはないやろと。
『今さわりましたよね?』と男性が言ってきましたのでね、これは瞬時に私の直感で、
これはグルではめられたとちゃうんかなと」(痴漢に仕立てられた・国分和生さん)
国文さんは痴漢はしていないと否定し続け22時間、警察に拘留されました。
しかし、家族や会社はいっときも国分さんを疑うことなく信じてくれたと言います。
「これは周防監督の映画じゃないけど『戦え』と言ってくれました。
家族も社長も…。悔しかったですわ。犯罪者ですからね。
自分の胸の苦しみは癒えませんでした」(痴漢に仕立てられた・国分和生さん)
事件から6日後。女が「国分さんに申し訳ない」と、警察に出頭してきました。
交際していた甲南大学4年生の蒔田文幸容疑者(24)に示談金を取る目的で犯行を持ちかけられたといいます。
蒔田容疑者は虚偽告訴の疑いで逮捕されました。
「この男性(蒔田容疑者)は許せんなと、今、沸々とわいてきています。
徹底的に罪の償いはしてほしい」(痴漢に仕立てられた・国分和生さん)
蒔田容疑者は今も容疑を否認しています。
◆前スレ:【事件】痴漢でっち上げ男性胸の内語る。「怪しい、グルだと思った」「悔しかった」…一方、大学生は容疑を否認[3/14]
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1205421616/ http://www.mbs.jp/news/kansai_GE080313151400096619.shtml
882 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:12:22 ID:olBOqDeX
883 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:13:34 ID:olBOqDeX
名神高速で事故、男性死亡 居眠り運転?の車と衝突
2004.12.24 共同通信 (全324字)
二十四日午前四時五分ごろ、大阪府島本町東大寺の名神高速道上り線で、右側のガードレールにぶつかった京都市山科区の甲南大二年蒔田文幸(まきた・ふみゆき)さん(20)
の乗用車と、後ろから来たトラックが衝突。トラックは弾みで左側壁にぶつかり横転、運転していた男性が胸を強く打ち死亡した。蒔田さんは腰に軽い打撲。
大阪府警高速隊によると、免許証から死亡したのは兵庫県加古川市の高橋剛(たかはし・つよし)さん(58)とみられ、確認を急いでいる。
同隊の調べでは、現場は片側二車線の直線。蒔田さんは「ガードレールにぶつかった記憶がない」と話しており、同隊は居眠り運転の可能性があるとみて捜査している。
事故で名神高速道天王山トンネルの右ルートが約四時間、通行止めになった。
884 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 12:21:55 ID:IofjTNbb
前科持ちで父親が警察官で・・・
大学も卒業できるらしいね・・・
885 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 13:14:56 ID:cd8L/Twn
甲南大学は金持ちや有力者の馬鹿息子が多く通っているから、窃盗・恐喝・殺人未遂くらいなら、単位さえ取っていれば寄付金で卒業できますよ。
886 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 15:16:56 ID:/X+EXM5S
李白はいいですね、自分も好きです。
「独坐敬亭山」李白
衆鳥高く飛びて尽き 孤雲独り去つて閑かなり
相看て両に厭はざるは 只だ敬亭山有るのみ
887 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 16:10:04 ID:yLW77M2H
何日か来ないうちに祭りがあったとは・・・
888 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 16:10:40 ID:yLW77M2H
888ゲット・・・
889 :
名無氏物語:2008/03/14(金) 17:47:29 ID:TFtjJzfh
へぇ・・・
890 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/14(金) 22:32:56 ID:VLqyw/Xy
こんばんはですよ
>>875 今年の鶯は既に上手に鳴いておりました
出初めの頃は、大抵切れたりつっかえたりするものなのですが、実に滑らかな谷渡りを聞かせて
くれましたよ
それにしても、李白を読むと、ついついお酒を傍らに置きたくなりますね
先日、友人の所へ行きましたらば、「上善如水」と言う辛口で淡麗のお酒をガラスの器に入れ、
そこにリンゴの薄切りを浮かべて出してくれました
人により嗜好は異なるものですが、私にとってはとても美味に感じられました
で、その飲んだ後ですが、紹興酒ならば濃いめの龍井茶が美味しいのですが、日本酒であれば
なんと言ってもお味噌汁が旨い!と思うのです
熱々のお味噌汁を頂く時、しみじみ幸せを感じますねえ
おっと、馬鹿を言っていないで、訳に移りましょうか
891 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/14(金) 22:33:30 ID:VLqyw/Xy
この世で暮らして行く事は 長い夢を見ているようなもの
だのに どうして一生懸命苦労しようとするのか
だから 自分は朝から晩まで ひねもす酒を飲んで酔い
眠くなれば 前の太い円柱の側で横になる
そんなある日 ふと 眠りから覚め 目前の庭に目をやれば
一羽の鳥が 咲き乱れる花の間で鳴いている
なんと素晴らしい 風情ある情景か
梢を渡るウグイスに 春の風が和している
感動に言葉を失い 溜め息を吐くばかり
湧き上がる情感に動かされ 再び目の前の酒杯を重ねる
気持ちよく 晴れ晴れと歌いながら 美しい月の出を待っていたが
曲が終わる頃には その気持ちも忘れ ただ気分良く酔っていた
892 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/14(金) 22:38:53 ID:VLqyw/Xy
>>876 ようこそ、いらっしゃいませですよ
こんな所でよろしければ、どうぞ楽しんで下さいね
>>886 これまた、先の李白とは趣が変わっていますね
有り難く、弄らせて頂きます
拙訳で申し訳ないのですが
独坐敬亭山 李白
鳥の群は 遙かな空の高みへ飛び去って
はぐれ雲も何処かへ流れ 今は心に掛かるもの無し
互いに心を晒し なお 離れたいと思わないのは
私の信を裏切らない 敬亭山があるのみだ
893 :
ヤクザ:2008/03/15(土) 14:12:13 ID:WSyj1Cz9
ヤクザ
894 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/16(日) 10:39:18 ID:ZDQYcWAK
こんにちはですよ
お酒と言えば、陶淵明もこんな詩を書いています
『読山海経 其五』 by陶淵明
翩々(へんぺん)たり 三青鳥(さんせいちょう)
毛色(もうしょく) 奇にして 憐れむべし
朝(あした)に 王母が使いとなり
暮れに 三危(さんき)の山に帰る
我は欲す この鳥に因って
具(つぶさ)に 王母に向かいて言わん
世に在って求むる所無し
惟(た)だ 酒と 長年(ちょうねん)のみと
895 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/16(日) 10:41:33 ID:ZDQYcWAK
ほのぼの訳してみました
軽やかに 翼広げて天を舞う 瑶池の三羽の青い鳥
鮮やかに 海と空を映した羽根の色に 心が奪われる
夜明けには 金母の命を受けて飛び立ち
日暮れには 三危の山に戻って休むと言う
ひとつ思う事がある
この鳥たちに言付けて 金母様にしっかりお願い申し上げたい
わたくしは 人生に望むものは何も有りません
ただ お酒が飲めて 長生き出来れば それだけで結構ですと
【メモ】
三青鳥:敦厚の東方、三危山に棲む三羽の青い鳥で、西王母の食物を探す役目を負っている
王母:崑崙山に住み、仙女達の頂点に君臨する女仙、西王母の事で、その宮殿が瑶池に在る
ところから瑶池金母とも呼ばれる
896 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 12:55:27 ID:9FQM1SW5
897 :
名無氏物語:2008/03/16(日) 16:27:25 ID:w0b3yrnQ
オリンピックは開催されるのかな?
898 :
紫雪:2008/03/16(日) 21:53:53 ID:XGs5H6lp
>>894 こんばんは
『山海経』はいろんなもの(化け物)が出てきて、楽しいですね。
西王母というと、例の猿が貪り喰った、不老不死の蟠桃を連想します。桃
繋がりですが(笑)。
昨夜 風に開く露井の桃
未央の前殿 月輪高し
平陽の歌舞 新たに寵を承け
簾外 春寒うして 錦袍を賜う
春宮曲 王昌齢
899 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 14:34:07 ID:W9nsoOWF
899
900 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 14:34:41 ID:W9nsoOWF
900ゲット!
901 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 15:24:40 ID:61XfVczY
?
902 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 17:51:21 ID:8NVBk1tV
ヘタレ、必死だなwww
903 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 17:51:56 ID:8NVBk1tV
ヘタレ、必死だなwww
904 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 17:52:27 ID:8NVBk1tV
ヘタレ、必死だなwww
905 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 17:53:07 ID:8NVBk1tV
ヘタレ、必死だなwww
906 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 17:57:12 ID:lxgsqhiN
?
907 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/17(月) 22:40:59 ID:9PLZL53L
こんばんはですよ
>>898 不思議な繋がりですね、紫雪さん
あなたは西王母から孫悟空を連想し、蟠桃を思い起こされました
ふっふっふ
実は、3月16日と言う日は、道教に於いて、唐の玄奘三蔵の誕生日だとされているのですよ
偶然と言えば偶然なのですが、私は大変面白いと感じました
908 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/17(月) 22:44:44 ID:9PLZL53L
あれま、送ってしまいましたデスよ
ま、いっかー(6´∀`)
訳に参りましょう♪
人知れず 夜の内に春風が吹き 表の井戸の側では桃が花開く
未央宮の前庭を 空に高く昇った月が 明るく優しく照らし出す
時は春 平陽公主の妓女が一人 新たに武帝に見初められ
夜寒を防ぐ錦の上着を賜って その温もりに包まれている
909 :
名無氏物語:2008/03/17(月) 22:47:10 ID:SkaBbh+L
ここにもいましたな、ヘタレ様=ID:8NVBk1tV(3月17日)。
でも、ワンパターンね。
910 :
紫雪:2008/03/18(火) 00:02:49 ID:TFOrBcV4
>>907 へぇーっ!!それは知りませんでした。面白いですね。春の夜長、じゃない短い春宵に、道教と猿
の本でも繙いてみますかw訳不要のを置いてきます。
燭を背けては 共に憐れむ深夜の月
花を踏んでは 同じく惜しむ少年の春
911 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/18(火) 00:15:10 ID:qx62vtnu
>>910 道教では様々な神仏の誕生日を祝います
太陽も、太陽星君(俗称 太陽公)と呼ばれ、3月19日がお誕生日なのですよ
でも一体、誰がそんなコトを決めたのか、知りたいところです(^^;)ゞ
912 :
紫雪:2008/03/18(火) 00:24:51 ID:TFOrBcV4
>>911 『西遊記』も陰陽五行説に則って書かれてるらしいのですが、何がなにやらw
>>912 そのようですね
私も良く知らないのですが、西遊記は元々「東西南北」の「四遊記」の内の一つだったとか
どんなお話なのか、知りたいものです
914 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 15:36:38 ID:CYw25Pjy
チベット弾圧・・・
915 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 15:37:44 ID:CYw25Pjy
北京五輪、終わったな・・・
916 :
名無氏物語:2008/03/18(火) 17:31:51 ID:yLomvtUQ
東京とソウルで十月に代替共同開催ってマジ?
917 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 01:20:08 ID:pe8ObzEu
また、変なage馬鹿が・・・
918 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:17:32 ID:atMC9A+G
ヘタレ様(別名、二松(ふたまつ)様)登場
ID:w0b3yrnQ=ID:j9unkwWi=ID:chkBEbpE=ID:q4e/smMY(3月16日)
ID:8NVBk1tV(3月17日)
ID:m8xExGgv=ID:al0/F0Ha=ID:CYw25Pjy(3月18日)
ID:4yhQmRLY=ID:2PR2j7UH=ID:pe8ObzEu(3月19日)
バリエーションがでてきているが、いいのか、悪いのか?
919 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:20:32 ID:atMC9A+G
>>917 ヘタレ様が、人様を「変なage馬鹿」呼ばわりするとは、世も末
920 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:25:18 ID:TGqoK+RV
age馬鹿、必死だなwww
921 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 22:34:21 ID:atMC9A+G
ヘタレ様(別名、二松(ふたまつ)様)登場
ID:w0b3yrnQ=ID:j9unkwWi=ID:chkBEbpE=ID:q4e/smMY(3月16日)
ID:8NVBk1tV(3月17日)
ID:m8xExGgv=ID:al0/F0Ha=ID:CYw25Pjy(3月18日)
ID:4yhQmRLY=ID:2PR2j7UH=ID:pe8ObzEu=ID:TGqoK+RV(3月19日)
バリエーションがでてきているが、いいのか、悪いのか?
922 :
名無氏物語:2008/03/19(水) 23:11:48 ID:HQ2v9hn8
ルビーさんのスレッドで暴れるなよ・・・馬鹿!
923 :
紫雪:2008/03/20(木) 02:12:07 ID:7rAQf2+a
こんばんは
東京は雨で、少し寒いようです。三寒四温とはよく言ったものですが、総体としては暖かいらしく、
開花予想が早まりました。
夜雨 明に連なって春水生じ
嬌雲 濃暖 微晴を弄す
簾空しく日薄く 花竹静かなり
時に乳鳩有り 相対して鳴く
初晴游滄浪亭 蘇舜欽
924 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/20(木) 13:12:45 ID:Hwlfi+1Z
こんにちはですよ
>>903 良い詩ですね、紫雪さん
滄浪亭と言えば、留園・拙政園・獅子林と並んで、中国・蘇州四大名園のひとつ
私は留園しか知らないのですが、そこから推し量るに、やはり見応えのある所だと思います
日本の庭園が自然に繋がる庭園なら、中国の庭園は自然を人の下へ引き寄せた庭園だと
言えると思います
蘇州は名庭園の宝庫だと聞きます
何時か機会があれば、留園をも含めた四大庭園とその近辺の庭園を巡ってみたいものです
こんな折りにと思われるかも知れませんが、文化は人種も民族も国境も、時代さえも越えて
人の心を打つものですから
925 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/20(木) 13:15:02 ID:Hwlfi+1Z
さて、では節約の反対、拙訳に参りましょうw
明け方まで降った雨は 池の水をすっかり温ませ
青空は ぽってりした灰色雲に “いない いない ばあ”をされている
日差しは柔らかで 簾はまだ出番待ち
そして 庭はとても静かだ
何処かに鳩の雛がいるらしい
可愛らしく鳴き交わすのが聞こえる
926 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/20(木) 13:18:39 ID:Hwlfi+1Z
さあ、春水と言えば、この詩もよく知られているでしょう
しかし、このスレでは初出の筈
『府西池』 by白居易
柳 気力無くして 枝 先ず動き
池 波紋有りて 氷 尽(ことごと)く開く
今日知らず 誰か計会するを
春風春水 一時に来たる
柳はぼーっと突っ立っていたが 枝が少しそよいだなと思ったら
今度は 池にさざ波が立って 張っていた薄氷がぜ〜んぶ溶けちまった
(ああ、おっ魂消た!)
今日みたいな こんな事 一体誰が仕組んだんだろう?
暖かい風を吹かせて 水を温ませ 一気にそこら中を春にするなんて
927 :
紫雪:2008/03/21(金) 23:52:31 ID:rD1LPDLK
紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ
>>926 こんばんは
留園は、例の鐘ゴンゴンの時のお話でしょうか(笑)
TVの『世界遺産』で四名園を見ましたが、それぞれ趣を異にして素晴らしいですね。
これも有名ですが。
千里 鶯啼いて 緑 紅に映ず
水村 山郭 酒旗の風
南朝 四百 八十寺
多少の楼台 煙雨の中
江南春絶句 杜牧
928 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/22(土) 22:22:54 ID:7vsODW9V
こんばんはですよ
>>927 >留園は、例の鐘ゴンゴンの時のお話でしょうか(笑)
えええ、よく覚えておられますね
その時の話です
さあ、訳に行ってみましょうか
豊かな大地に ウグイスの声がゆったり広がって行く
若葉の緑は初々しく 春爛漫に咲く花と 映しあって美しい
水辺の村も 山辺の里も 風は長閑に吹き渡り
酒屋の旗が おいでおいでと誘うように翻る
南朝の頃 この辺りには 沢山の寺が建てられた
その数は 四百八十にも及ぶと言う
今は昔 栄華の夢は 形ばかりの楼閣となり
しっとり煙る霧雨の中 やるせなく ただ佇んでいる
929 :
紫雪:2008/03/23(日) 00:12:04 ID:aqPQhB7r
>>928 素晴らしい訳ですね、ありがとうございます。
花に寝てわが家遠き野道かな
930 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/23(日) 00:35:22 ID:nSOI7iKx
>>929 とんでもない事ですよ
むしろ、私の方がお礼を申さねばなりませんのに
本当に、どれほど楽しませて頂いている事でしょう
ありがとうございます
931 :
名無氏物語:2008/03/24(月) 13:45:06 ID:0XlPKaY6
救済
932 :
名無氏物語:2008/03/26(水) 04:10:27 ID:Le+mzBt/
?
933 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/26(水) 20:53:14 ID:wHsw5/8C
こんばんはですよ
何やら今、宗像の方でよい河豚が上がっているらしいです
我々など、河豚と言えば冬のものだと思っておりましたが、なんと春のものらしいです
それが証拠(?)の詩があります
『恵崇春江暁景』 by蘇軾
竹外(ちくがい)の桃花 三両枝(さんりょうし)
春江(しゅんこう) 水 暖かにして 鴨 先(ま)ず知る
婁蒿(ろこう)は地に満ち 蘆芽(ろが)は短し
正(まさ)に是れ 河豚の上らんと欲する時
※婁蒿:正しくは最初の文字に草冠が必要で、ヨモギの事です
934 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/26(水) 20:57:42 ID:wHsw5/8C
河豚の前に鴨だなんて…
ああ、ヨダレものの詩ですよ ( ´ρ`)
訳は適当に、後は皆様の想像力で補って下さいね(笑
竹林の向こうに 花を付けた桃の枝が少しのぞいている
川の水が温かくなった事を 一番先に知るのは鴨
ヨモギが一斉に生え揃い 短い蘆の芽が一杯出ている
ああ 豚の美味しい季節が来たんだ
935 :
紫雪:2008/03/27(木) 01:17:27 ID:bjJKSgnL
こんばんは
河豚、間違えてカバと読みそうにw古い時代でも、河豚の調理法はあった
のですね。何だか不思議な感じがします。春水つながりで。
春陰 野に垂れて草青青たり
時に幽花の 一樹に明らかなる有り
晩に孤舟を泊す 古祠の下
満川の風雨 潮の生ずるを看る
淮中晩泊犢頭 蘇舜欽
936 :
名無氏物語:2008/03/27(木) 13:45:24 ID:vfdTEDxi
海豚って美味いのかな?
937 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/27(木) 21:20:47 ID:mBNXkUya
こんばんはですよ
あきゃ〜〜〜っ!やっちまいましたぜい!
>>934の最終行、河豚は確かに川を上がりましたが、フグとブタでは全然違いますっ!!
正しくは【河豚】でごぜぇます
((;-_- )ゝ” も、申し訳ねーですよ
>>935 そうですね、一体どのような料理だったのか、とても気になる所です
酢豚風とか、東坡肉風とか、野菜あんかけとか
いろいろ考えてしまいますね
>>936 私が食べたものは、結構不味かったです
鯨と同じ仲間なのに、こうも差があるとは不思議でした
938 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/27(木) 21:22:29 ID:mBNXkUya
さて、『淮中晩泊犢頭』の訳に参りましょうか
春なのに 雨の気配が垂れ込めて 草の蒼さが濃くなった
静かで辺鄙なこんな場所でも 満開の花を咲かせた木がある
日も落ちた頃 舟を一艘 古びた祠の下へ泊め
川面を走る雨風の中 じっと潮時を待っている
939 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/27(木) 21:26:56 ID:mBNXkUya
春の雨、そして風
こんな詩は如何でしょうか?
『漁歌子』 by張志和
西塞山前 白鷺(はくろ)飛び
桃花流水 厥魚(けつぎょ)肥ゆ
青き若笠(じゃくりゅう) 高フ蓑衣(さい)
斜風 細雨 帰るを 須(もち)いず
※厥魚:ケツの字は、本当は魚偏が付きます
※若笠:本当は若の字の上に草冠が付きます
(訳)
西塞山の前を シラサギがゆったりと横切る
桃の花びらが流れる川の中には 丸々した春告魚
青い笠と 緑の蓑
春の些細な風と雨を 漁夫は気にも留めていない
940 :
名無氏物語:2008/03/29(土) 15:43:49 ID:fx7dY3tb
およよw
941 :
紫雪:2008/03/31(月) 00:13:48 ID:erS5nfEo
こんばんは
東京は花冷えで雨です。
はるの雨すずりにうけてかな書くかん
なんて句もありますが。
今日のは色々な意味で、貼ろうか迷ったのですが、やはり好きな一詩ではあるので貼りますね。
942 :
紫雪:2008/03/31(月) 00:14:35 ID:erS5nfEo
洛陽城東 桃李の花
飛び来たり飛び去りて誰が家にか落つ
洛陽の女児 顔色を惜しみ
行くゆく落花に逢いて長く歎息す
今年花落ちて顔色改まり
明年花開いて復た誰か在る
已に見る 松柏の摧かれて薪と為るを
更に聞く 桑田の変じて海と成るを
古人 復た洛城の東に無く
今人 還た対す落花の風
年年歳歳 花相似たり
歳歳年年 人同じからず
言を寄す 全盛の紅顔子
応に憐れむべし 半死の白頭翁
此の翁白頭 真に憐れむべし
伊れ昔 紅顔の美少年
公子王孫 芳樹の下
清歌妙舞す 落花の前
光禄の池台 錦繍を開き
将軍の楼閣 神仙を画く
一朝 病に臥して相識る無し
三春の行楽 誰が辺にか在る
宛転たる蛾眉 能く幾時ぞ
須臾にして 鶴髪乱れて糸の如し
但だ看る 古来歌舞の地
惟だ 黄昏鳥雀悲しむ有るのみ
代悲白頭翁 劉廷芝
943 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/31(月) 23:46:54 ID:FDhlg79n
こんばんはですよ
>>941 大阪も昨日は終日雨でした
今日は雨なのか、晴れなのか、はっきりしない上に冷え込んでしまって
あー、湯豆腐が美味でした!
『代悲白頭翁』
この詩は題名よりも、途中の「年年歳歳 花相似たり 歳歳年年 人同じからず」及び
その前の「古人 復た洛城の東に無く 今人 還た対す落花の風」の部分の方がよく
知られていますね
実は私も取り上げようか、どうしようか、悩んでいたんですw
何処までふいんきを壊さずにお届け出来るかどうか、心配なのですが…
944 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/03/31(月) 23:48:12 ID:FDhlg79n
(訳)
洛陽の町の東は 桃や李の花盛り
花びらは 風に舞い 風に吹かれて 何処へ行く
洛陽の少女は 若さと美貌を留めたいと願ったが
時は 彼女をも晩春に押しやり 長い溜め息を吐かせる
今年の花は散り 美しい時は去ってしまった
来年の花が咲く頃は 別な誰かが嘆いているだろう
我々は 松や柏のような千年樹でさえも 薪にされてしまうと知っている
桑田が いきなり海に変わってしまう そんな事もあると聞いた
古い友はもう誰も 洛陽の東の辺りにはいない
自分独りが 浮き世の風と向き合っている
毎々年々 同じ頃に花は咲き 同じように散り果てるが
繰り返す季節に 咲き誇る花を見る人が ずっと同じ訳ではない
なあ 命の輝きに溢れた若者達よ
よぼよぼの年寄りの言う事に 少しだけ耳を貸してくれまいか
この爺さんは すっかり髪も白くなり 本当に哀れだろう
けれども 昔は 若く美しい少年だったのだ
王族・貴族の子や孫が 満開の花をつけた樹の下で
清らかな歌や 妙なる舞を 花吹雪の中 楽しんでいる
高官は 居宅の池の畔の高台に 錦の幕を張り巡らせ
将軍は 邸宅に神仙の像を描かせ 部屋を飾る
しかし 一旦病に臥せれば 訪れる知人もめっきり減り
春の季節の行楽が どんな具合なのかさえ わからない
どんな麗人も 若く美しい時は ほんの束の間
すぐに 髪は細く白くなり 糸のように乱れてしまう
かつては 歌舞の地として栄えたこの町でさえ
今はただ 黄昏に 小鳥が悲しく啼くばかり
945 :
紫雪:2008/04/01(火) 00:05:24 ID:3nk1YsWO
こんばんは
むつかしいところ、ありがとうございます。やはり、選ぶか迷いますよね。
今日は送別会でした。別逢の季節ですね。
花吹雪ふりしきる彼方光満ち風のまへ人すみやかに老ゆ
946 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/04/01(火) 00:25:33 ID:6vneSol9
いえいえ、まだまだ言葉の練り様が不十分で、恥ずかしい事ですよ
>今日は送別会でした。別逢の季節ですね
吉田兼好の言葉を借りるなら 『万の事も、始終こそをかしけれ』 と申します
縁と、いつの間にかそこに生まれ、育まれた情の不思議ですね
947 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 01:19:02 ID:sMZA5uA+
ふに〜
948 :
名無氏物語:2008/04/01(火) 14:40:49 ID:THvTe6Rc
(^_^;)
949 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 17:44:19 ID:vi81WJPK
?
950 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 18:15:41 ID:xCuAdBHW
950
951 :
名無氏物語:2008/04/02(水) 18:49:31 ID:1EtALJnx
四月一日に送別会???
と思ったら・・・エイプリル・フールじゃなくて・・・
単に三月三十一日のことを日付が替わってから書き込んだのね・・・
952 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 14:05:35 ID:AiKXI+O6
?????
953 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 14:25:05 ID:GGh/SCXY
?
954 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:03:39 ID:0cVhxxSF
(つд`)
955 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:04:25 ID:0cVhxxSF
(つд`)
956 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:05:08 ID:0cVhxxSF
(つд`)
957 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:06:30 ID:0cVhxxSF
(つд`)
958 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:07:17 ID:0cVhxxSF
(つд`)
959 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:08:03 ID:0cVhxxSF
(つд`)
960 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:08:36 ID:0cVhxxSF
(つд`)
961 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:09:11 ID:0cVhxxSF
(つд`)
962 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 15:32:53 ID:hB4gK4ZO
ふ〜んw
963 :
名無氏物語:2008/04/03(木) 16:31:55 ID:PXdK+pL7
?
964 :
紫雪:2008/04/04(金) 01:40:39 ID:pAfpwDMM
こんばんは
春ですねぇ、いろんな意味で。軽いのを貼りますね。
金炉の香燼き 漏声残(つ)く
剪剪たる軽風 陣陣に寒し
春色 人を悩まして眠り得ず
月は花影を移して欄干に上らしむ
夜直 王安石
965 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 13:54:37 ID:sJWs3ryk
♪ わたしのおはかのまえでぇ〜♪ なかないでください〜♪
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,__ | 泣いてねぇよ! ボケ! 五月蝿いぞ!
/ ./\ \_______________
/ ./( ・ ).\ o〇 ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .(´ー`) ,\ ∧∧ |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄ (,, ) ナモナモ |;;;;::iii|
|| || || ||./,,, |ゝ iii~ ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
| ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 ( ,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
966 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:02:06 ID:uX6xBG5H
さもありなん
967 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:08:56 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
968 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:09:59 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
969 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:10:30 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
970 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:11:02 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
971 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:12:10 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
972 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:12:42 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
973 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:14:00 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
974 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:16:21 ID:J5tTpYOS
( -ω-)モフモフ
975 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 16:44:58 ID:PKPpt44I
?
976 :
名無氏物語:2008/04/04(金) 22:35:44 ID:aYmU92/O
?
977 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2008/04/04(金) 23:12:48 ID:hLhRY0Tm
こんばんはですよ
もうスレも残り少なくなりました
大切に使いましょうねえ
>>964 春と言うのは、何故こうも人々を悩ますのでしょう
悩むと夜が眠れなくなり、そして明け方に睡魔が来るのですよw
訳してみれば、こんな風でしょうか
金の香炉から 立ち上る薫りは消え
水時計の 時を刻む滴りだけが聞こえる
風はまだ 切り裂くような冬の名残の鋭さを帯び
途切れ途切れに吹いては 人を震わせる
未だ寒いとわかっているのに
そぞろに浮かれ 彷徨いたくて眠れず
ゆっくりと月は天を行き 地上の花影をさりげなく動かし
窓辺からは 欄干の上へ上へと昇るように見える
978 :
ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :
春は出会いと別れの季節
そして、過去と現在が交差する季節でもあるのですね
こんな詩があります
『登楼望水』 by顧況
鳥は啼き 花は発(ひら)いて 柳 煙を含む
風光は卻(かえ)って 少年の憶(おも)いを擲(う)つ
更に高樓に上り 江水を望めば
故郷は何処(いずこ)ならん 船一つ 帰す
(訳)
小鳥たちが鳴き交わし 花々はとりどりに咲いて
芽吹いた柳は風にそよいで 春霞のように揺らいでいる
そんな景色が 少年の日の思い出を呼び覚ます
なんだか じっとしては居れなくなって
川縁の高楼へ上がり 滔々と流れる河を眺めれば
何処から来て 何処へ帰って行くのだろう
船が一艘 遠ざかる