お気に入りの和歌はありますか？　巻第十七

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>>1-2
乙！

ありとても逢はぬためしの名取川くちだにはてね瀬々の埋れ木（新古1118）

うらみわび待たじ今はの身なれども思ひなれにし夕暮の空（新古1302)

里はあれぬ空しき床のあたりまで身はならはしの秋風ぞふく（新古1312）

涙川身もうきぬべき寝覚かなはかなき夢の名残ばかりに（新古1386）

契りきなまた忘れずよ初瀬川ふる河のべの二もとの杉（続後撰898）

>>4-8
何つーか…大丈夫かぁ――？

オナニーをすればチンポも喜んでとろろのごとき液を出すかな（珍宝法師）

きく人もなくて時雨や過ぎぬらんかり田の庵に雲ぞかかれる（新続古今1765）

かへりみるわが古郷の雲の波けぶりも遠し八重の塩風(九条左大臣女[玉葉])

春霞かすむ浪ぢはへだつともたよりしらせよ八重の塩風(尊良親王[新葉])

ひとり立つ波やのどけき世の中をはなれ小島の松の心は

あふげとてむなしき空にさす指をまもりて月をみる人もなし

こゑぞせぬ三世の仏の名をとへばたれぞ心のおくにこたふる

かつみゆる月にこの手をあはせても先づ立ちむかへ出づる山のは

中空の月まちえてぞ四方の人匂へる花の光をもみる

おもひつつかたりいださぬ古をひとりしのぶとしる人もなし

千とせをも色香にこめて幾秋か花にさきいづる庭の白菊

岩つつじ岩根の水にうつる火の影とみるまで眺めくらしぬ

君ならで誰かあぐべきつつゐつの井筒にさける桃の下水

入日さす遠山桜ひとむらは暮るるともなき花の蔭かな

うちなびく水かげ草の露のまも契はつきぬ星合のそら

誰も見よ満つればやがて欠く月のいざよふ空や人の世の中

ながれての名だにもとまれゆく水のあはれはかなき身はきえぬとも（新勅撰1194)

もろともにみし世の人は波の上に面影うかぶ月ぞかなしき（玉葉2318）

ワシはだーーーーーーーーーーーれじゃ？
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見わたせばあしたの原の薄がすみ薄きや春のはじめなるらん（惟宗広言集）

きぬぎぬにならむ歎きといひなしてあらぬ涙を君にかけつる（惟宗広言集）

こぎいでて生田の浦にうきながら心は月のみ舟にぞのる（季経入道集）

時鳥過ぎつる方の雲まより猶ながめよといづる月かげ(宜秋門院丹後[玉葉])

ほととぎす鳴きつる雲をかたみにてやがてながむる有明の空(式子内親王[玉葉])

時鳥いま一こゑをまちえてや鳴きつるかたを思ひさだめん(長舜[新後撰])

ほととぎす鳴きて過行く山のはに今一声と月ぞのこれる(浄弁[新拾遺])

なごの海のいる日をあらふ浪のうへに春の別れの色をそへつつ(後鳥羽院)

見渡せば空のかぎりもなごの海の霞にかかる沖つしら波(頓阿)

時鳥なきつるあとにあきれたる後徳大寺の有明の顔(蜀山人)

そむく身はさすがにやすきあらましに猶山ふかき宿もいそがず(兼好)

もろともにながめし夜はのむつごとを思ひ出でよとすめる月かな（寿永本隆信集）

くもりなく月すむ峰にきてみれば千里は山のふもとなりけり（寿永本隆信集）

野辺の色はみな薄墨になりにけりしばしとみつる夕霧の空（元久本隆信集）

恋ひ死なむのちのうき世はしらねども生きてかひなき物は思はじ（新勅撰838）

たれすみて宿の梢とながむらん時雨にくもる遠の山もと（正治初度百首）

ことのはをえらぶ数にはいらず共只かばかりを哀ともみよ

世々を見し夢の面影たつちりのいそぢの床をはらふ松かぜ

あととめてさむるか夢の中空に孤の雲の残るをぞ見る

くもりなきただ大空にむかひても君を八千代と祈るばかりぞ

難波がた塩やく煙立ちそひて霞もなびくうら風ぞふく

天の河春行く水のあはゆきやおちても袖にきえんとすらん

いかにせむかすめる空をあはれともいはばなべての春の明けぼの（柳葉集）

かすめるをあはれとばかり見し世だに物は思ひき春のあけぼの（竹風抄）

人またでねなましものを梅の花うたて匂ひのよはの春風（竹風抄）

梅がえのしぼめる花に露おちて匂ひ残れる春雨の比（玉葉82）

山のははそこともわかぬ夕ぐれに霞をいづる春の夜の月（玉葉121）

春のよの有明の月に棹さして河よりをちの宿やからまし（竹風抄）

思はじと思ひさだめて寝る夜しもはかなくみゆる夢ぞかなしき（親盛集）

ゆく秋のたむけに紅葉ちりまがひかむなび山をともにこえつる（林下集）

からころもきつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞおもう

竹の葉にそそやあられの音すなりさらでも夢のさむるをりしも（長方集）

ワシはだーーーーーーーーーーーれじゃ？
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宮木ひく杣山人は跡もなし檜原杉はら雪ふかくして（新勅撰412）

ながらへば我が世の春の思ひいでにかたるばかりの花桜かな（続古今1516）

心をぞつくし果てつるほととぎすほのめく宵のむら雨の空（千載167）

八百日ゆく浜のまさごを敷きかへて玉になしつる秋の夜の月（千載292）

あすか川瀬々に波よる紅やかづらき山の木がらしの風（新古542）

はつ雪のふるの神杉うづもれてしめゆふ野べは冬ごもりせり（新古660）

高円の野路の篠原末さわぎそそや木枯けふ吹きぬなり(藤原基俊「新古今集」)

石上布留の早稲田を秀でずともしめだにはへよもりつつ居らむ(「万葉集」巻七)

杣人は宮木ひくらしあしひきの山のやまびこ声とよむなり(貫之「拾遺集」)

逢ふまでとせめて命の惜しければ恋こそ人の命なりけれ(藤原頼宗「後拾遺集」)

沖つ風吹きにけらしな住吉の松のしづ枝をあらふ白波(源経信「後拾遺集」)

ほのかなる声をすてては郭公鳴きつるかたをまづぞもとむる(作者不明「民部卿家歌合」)

はかなさは外にもいはじ百歌のその人かずは足らずなりにき(崇徳院「久安百首」)

いつもきく風とはきけど荻のはのそよぐ音にぞ秋はきにける(紀貫之「古今六帖」)

とどまらむことこそ春のかたからめゆくへをだにも知らせましかば(源俊頼「散木奇歌集」)

こえかぬる岩根の道に宿とへば猶山ふかき鐘のおとかな(二条為藤[新続古今])

つれなきを猶さりともとなぐさむる我が心こそ命なりけれ（続古今1067)

紀の国やゆらのみなとににひろふてふたまさかにだに逢ひみてしがな（新古1075）

なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふ沖つ白波（新古35）

はかなさをほかにもいはじ桜花さきては散りぬあはれ世の中（新古141）

ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞのこれる（千載161）

いつもきく麓の里とおもへども昨日にかはる山おろしの風（新古288）

なにかその心の外にしをりせん立ちかへるべき恋路ならねば（新続古今1024）

ひたぶるに恨みつるかな恋ひそめし心のとがを人に負ほせて（正治初度百首）

夕立の晴るれば月ぞやどりける玉ゆりすうる蓮の浮葉に(西行「山家集」)

ふる袖は涙にぬれてくちにしをいかにたちまふわが身なるらん(藤原隆房[玉葉])

人しれぬうき身にしげき思ひ草おもへば君ぞ種はまきける（新勅撰774）

わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも（新勅撰1044）

たまさかに秋のひと夜を待ち得ても明くる程なき星合の空（新勅撰220）

妻木こるしづをにとへば花は見ゆ朝日あたりの峰にとぞ云ふ（出観集）

桜さく峯に嵐やわたるらん細谷川の花のうき橋（出観集）

夕顔のかかる垣ねに木陰とりふせればすずし麦の秋風（出観集）

小簾の外に宵のともしび消えやらでほのめくかげは蛍なりけり（出観集）

淡路潟かぢ音すなりちたの江の朝あけの霧に片帆かくれて（出観集）

ふるさとに我がなれ衣かさぬらん秋風さむし鄙の荒野も（出観集）

今や夢昔や夢とまよはれていかに思へどうつゝとぞなき（建礼門院右京大夫集）

大かたの秋の寝覚のながき夜も君をぞ祈る身を思ふとて(家隆[新古今])

まばらなる槙の板屋に音はして漏らぬ時雨や木の葉なるらん(俊成[千載])

さゆる夜の槙の板屋のひとり寝に心くだけと霰ふるなり(良経[千載])

あすか風かは音ふけてたをやめの袖にかすめる春のよの月（続古今79）

さびしさのかぎりとぞみるわたつ海のとほ島かすむ春の夜の月（中書王御詠）

見わたせばしらゆふかけて咲きにけり神をか山の初ざくら花（玉葉138）

あはれことし我が身の春も末ぞとはしらで弥生の花をみしかな（竹風抄）

ちればただ花も跡なき山のはのかすみばかりに春ぞのこれる（竹風抄）

うぐひすは物うかるねにうらぶれて野上のかたに春ぞ暮れゆく（文応三百首）

はるばると朝みつ潮のみなと舟こぎ出づるかたはなほ霞みつつ（李花集）

夕暮は湊もそことしらすげの入海かけてかすむ松原（李花集）

霞めただいづれ都のさかひとも見ゆべきほどの旅の空かは（李花集）

すはの海や氷のうへは霞めども猶うちいでぬ春のしら浪（李花集）

宿からにかすむとのみやなげかれん都の春の月見ざりせば（新葉52）

かへる雁なにいそぐらん思ひ出もなき古郷の山としらずや（新葉59）

今はとて見ざらん秋の空までも思へばかなし夜半の月影（新勅撰1090）

命ありてあひ見むこともさだめなく思ひし春になりにけるかな（新勅撰1028）

いかにせん今ひとたびの逢ふことを夢にだに見てねざめずもがな（新勅撰976）

逢ひみてもさらぬ別れのあるものをつれなしとても何歎くらん（新勅撰749）

もらさばや思ふ心をさてのみはえぞ山しろの井手のしがらみ（新古1089）

ながむるに物思ふことの慰むは月は憂き世の外よりやゆく(大江為基「拾遺集」)

あさみどりみだれてなびく青柳の色にぞ春の風もみえける(藤原元真「後拾遺集」)

思ひやれ霞こめたる山里の花待つほどの春のつれづれ(上東門院中将「後拾遺集」)

月まつと人にはいひてながむれば慰めがたき夕暮の空(藤原範兼「千載集」)

菅原や伏見の暮にみわたせば霞にまがふをはつせの山(読人不知「後撰集」)

千とせまで限れる松もけふよりは君にひかれて万代やへん(大中臣能宣「拾遺集」)

身をつめば老木の花ぞあはれなるいまいくとせか春にあふべき(藤原清輔「清輔集」)

わたの原こぎ出でてみれば久方の雲居にまがふ沖つ白波(藤原忠通「詞花集」)

いにしへに猶立帰る心かな恋しきことに物わすれせで(紀貫之「古今集」)

ひとりのみ岩井の水をむすびつつ底なる影も君を待つらし（二条院讃岐集）

あなこひし恋しやこひしこひしさをいかにやいかにいかにせんせん（隆房集）

あさからぬこの世ひとつのなげきかは夢よりのちの罪のふかさよ（隆房集）

風そよぐ楢の木陰にたちよればうすき衣ぞまづしられける（二条院讃岐集）

谷陰は春めきやらず風さえてきゆればこほる雪のした水（御室五十首）

ふじのねは問はでも空にしられけり雲より上にみゆるしら雪（新勅撰1296）

しはつ山風吹きすさぶならの葉にたえだえのこる日ぐらしのこゑ（新続古今1690）

秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行「古今集」)

身にかへてあやなく花を惜しむかな生けらば後の春もこそあれ(藤原長能「拾遺集」)

身にかへて惜しむにとまる花ならばけふや我が世のかぎりならまし(源俊頼「詞花集」)

足引の山のしづくに妹待つと吾が立ち濡れぬ山のしづくに(大津皇子「万葉集」)

雲ちかき峰の木の葉をかたしきて枕の下に嵐をぞ聞く(忠良[玉葉集])

さ夜ふかき軒ばの嶺に月はいりて暗き檜原に嵐をぞ聞く(永福門院[玉葉集])

雲路より穂波におつるしら鳥のとば田に消ゆる秋の夕霧(正徹)

山もとの軒ばの夕日影さえて袂にちかく落つるかりがね(心敬)

友あまたおりゐる声にさそはれて蘆べはるかにおつる雁金(冷泉為村)

山風のさそふ木の葉とみるばかりふもとのを田に落つるかりがね(村田春海)

なにとなくものがなしくぞ見えわたる鳥羽田の面の秋の夕暮(西行「山家集」)

山城の鳥羽田の面をみわたせばほのかに今朝ぞ秋風はふく(曾禰好忠「詞花集」)

おほえ山かたぶく月の影さえて鳥羽田の面におつるかりがね（新古503）

身のうさの秋はわするる物ならば涙くもらで月はみてまし(藤原頼輔「千載集」)

けふのみと春を思はぬ時だにもたつことやすき花の陰かは(凡河内躬恒「古今集」)

逢ふことのたえてしなくは中々に人をも身をも恨みざらまし(朝忠[拾遺])

今も猶わが立つ杣の朝がすみ世におほふべき袖かとぞみる(尊円親王[新千載])

阿耨多羅三みやく三菩提の仏たち我が立つ杣に冥加あらせたまへ(伝教大師[新古今])

おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染の袖(慈円[千載])

ふる郷と聞きし越路の空をだになほ浦とほくかへる雁がね（李花集）

朝日いでてのどけき峰の山ざくら花も久かたの光なりけり（宗良親王千首）

古郷は恋しくとてもみ吉野の花のさかりをいかがみすてん（新葉113）

君をのみたのむ吉野の宮人の同じかざしは桜なりけり（宗良親王千首）

春わけし跡にしをりを残しおきて桜はしるき夏木立かな（新葉167）

郭公いつのさ月のいつの日か都にききしかぎりなりけん（李花集）

雲のゐる遠山鳥のおそ桜心ながくものこる色かな（続古今185）

明けぬとも猶かげ残せ白妙の卯の花山のみじか夜の月（新千載201）

いとどまた夢てふ物をたのめとや思ひねになくほととぎすかな（文応三百首）

なげきわび物思ふころはほととぎすわがためにのみなくかとぞきく（柳葉集）

ゆきやらでくらせる山のほととぎすいまひとこゑは月になくなり（続古今211）

五月雨は晴れぬとみゆる雲まより山の色こき夕ぐれの空（玉葉354）

ちればとて木の葉の衣袖なくはうき世の民におほひやはせん(正徹)

おほけなく思ひあがれる心かなさてもぞ袖は染色のかげ(正広)

墨染のわが衣手のゆたならばうき世の民におほはましものを(良寛)

山路ふかく憂き身のすゑをたどり行けば雲にあらそふ峰の松かぜ（拾玉集）

わが心奥までわれがしるべせよわが行く道はわれのみぞ知る（拾玉集）

里の犬のなほみ山べに慕ひくるを心の奥に思ひはなちつ（拾玉集）

町くだりよろぼひ行きて世を見れば物のことわりみなしられけり（拾玉集）

いはで思ふ心の色を人とはば折りてやみせん山吹の花(宗尊親王[続古今])

何ごとを思ふ人ぞと人とはば答へぬさきに袖ぞぬるべき（新古1754）

いたづらに過ぎにしことや歎かれん受けがたき身の夕暮の空（新古1755）

うち絶えて世にふる身にはあらねどもあらぬ筋には罪ぞかなしき（新古1756）

思ふことなどとふ人のなかるらむ仰げば空に月ぞさやけき（新古1782）

ひと方に思ひとりにし心には猶そむかるる身をいかにせん（新古1825）

花すすきおほかる野辺はからころも袂ゆたかに秋風ぞふく（続古今346）

夢路にぞ咲くべかりけるおきてみむと思ふをまたぬ朝がほの花（続古今347）

下葉ちる柳の梢うちなびき秋風たかし初かりのこゑ（玉葉581）

夕さればみどりの苔に鳥おりてしづかになりぬそのの秋かぜ（竹風抄）

あればこそ物をも思へいづかたに行きかくれなん秋のゆふぐれ（竹風抄）

さやけきは思ひしままの秋なれやわがかねごとの秋のよの月（竹風抄）

今更に我にをしむなほととぎす六十あまりの古声ぞかし（宗良親王千首）

天つ空わが思ふ人かほととぎす雲のはたてに声の聞こゆる（宗良親王千首）

おもひやれ木曾の御坂も雲とづる山のこなたの五月雨の頃（新葉218）

へだてゆくゐな野の原の夕霧に宿ありとても誰かとふべき（李花集）

いづかたも山のはちかき柴の戸は月みる空やすくなかるらむ（李花集）

いかがせむ月もみやこと光そふ君すみのえの秋のゆかしさ（李花集）

夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふあまつそらなる人をこふとて(読人しらず「古今集」)

あやめ草いつのさ月にひきそめてながきためしのねをもかくらん(亀山院「続拾遺集」)

わが宿とたのむ吉野に君しいらばおなじかざしをさしこそはせめ(伊勢「後撰集」)

思ひいでもなきふるさとの山なれどかくれゆくはたあはれなりけり(弓削嘉言「詞花集」)

すはの海のこほりのうへの通ひ路は神のわたりてとくるなりけり(源顕仲「堀河百首」)

谷風にとくる氷のひまごとにうちいづる浪や春のはつ花(源当純「古今集」)

いにしへにはやたちかへれ水無瀬川ふかき心のすゑの白浪(長慶院)

月影に身をやかへましあはれてふ人の心にいりてみるべく広幡御息所『村上御集』）

照る月の心の水にすみぬればやがて此の身に光をぞさす(藤原教長『千載集』）

初瀬川さよの枕におとづれて明くる檜原に嵐をぞきく（玉葉1193）

心ざし君にふかくて年もへぬまたむまれても又やいのらん（玉葉2591）

立ちかへる世と思はばや神風やみもすそ川のすゑの白波（玉葉2800）

まことふかく思ひいづべき友もがなあらざらん世の跡のなさけに（玉葉2590）

わが恋はゆくかたもなきながめよりむなしき空に秋風ぞ吹く（風雅1517）

色まさる松こそ見ゆれ君をいのる春の日吉の山のかひより（拾玉集）

まことならでまた思ふことはなきものを知らぬ人をばなにかうらみん（拾玉集）

それもいさ爪に藍しむ物はりのしばしとりおく襷すがたよ（拾玉集）

たれならむ目をしのごひてたてる人ひとの世わたる道のほとりに（拾玉集）

せめてなほうき世にとまる身とならば心のうちに宿はさだめん（拾玉集）

明けばまづ木の葉に袖をくらぶべし夜半の時雨よ夜半の涙よ（拾玉集）

月みれば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど(大江千里「古今集」)

久方の月の桂も秋はなほ紅葉すればやてりまさるらむ(壬生忠岑『古今集』)

春の色の至り至らぬ里はあらじ咲ける咲かざる花の見ゆらむ(読人不知「古今集」)

あまのかるもにすむ虫の名はきけどただ我からのつらきなりけり(読人不知「拾遺集」)

見てもいとへ何か涙を恥ぢもせんこれぞ恋てふ心憂きもの（鴨長明集）

しのばんと思ひしものを夕ぐれの風のけしきにつひに負けぬる（鴨長明集）

さびしさはなほのこりけり跡たゆる落葉がうへに今朝は初雪（無名抄）

よひの間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空（三体和歌）

古郷のやどもる月にこととはむ我をばしるや昔すみきと(寂超法師「新古今集」)

この世には又なぐさめもなきものを我をばしるや秋のよの月(俊成「五社百首」)

世の中はいづれかさしてわがならんゆきとまるをぞ宿とさだむる(読人不知「古今集」)

嵐ふき空にみだるる雪もよに氷ぞむすぶ夢はむすばず(九条良経「千五百番歌合」)

みちのくのとふのすがごもななふには君をねさせてわれみふにねん(読人不知「夫木和歌抄」)

わすれては夢かとぞ思ふおもひきや雪ふみわけて君を見むとは(在原業平「古今集」)

いそがれぬ年のくれこそあはれなれ昔はよそにききし春かは(西園寺公経「新古今集」)

思ひやるこしの白山しらねどもひと夜も夢にこえぬよぞなき(紀貫之「古今集」)

山たかみ人もすさめぬさくら花いたくなわびそ我見はやさむ(読人しらず「古今集」)

我が心なぐさめかねつをさらしなや姨捨山に照る月を見て(読人しらず「古今集」)

夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふあまつそらなる人をこふとて(読人しらず「古今集」)

富士の山いくかすぎぬとかぞふれば同じ麓に有明の月(顕昭「三百六十番歌合」)

いきて世にいつまでぬれん袂ぞと涙はしるや秋の夕暮(実氏[続古今])

天漢八十瀬霧らへり彦星の時まつ舟は今しこぐらし (『万葉集』巻10・2053)

ひととせに一夜と思へど七夕のあひみむ秋のかぎりなきかな　(紀貫之 『和漢朗詠集』上・219)

あまつ星道もやどりもありながら空にうきても思ほゆるかな(菅原道真「拾遺集」)

もがみ河のぼればくだるいな舟のいなにはあらずこの月ばかり(「古今集」みちのく歌)

山風に桜吹きまきみだれなむ花のまぎれに立ちとまるべく(遍昭『古今集』)

さよふくるままに汀や凍るらん遠ざかりゆく志賀の浦波(快覚法師[後拾遺])

氷ゐし志賀の唐崎うちとけてさざ浪よする春風ぞ吹く(大江匡房[詞花])

春霞はやたちぬれや朝日かげにほへる山の空ぞのどけき(伏見院)

朝日影にほへる山の春風にふもとのさとは梅が香ぞする(一条兼良)

吉野山つれなくきえぬ白雪やまだ初春のあり明の月(一条兼良)

いとはやも花ぞまたるる朝日影にほへる山の峰の桜木(三条西実隆)

夕にも雨とはならじ朝日かげにほへる山の花のしら雲(松永貞徳)

花ならで花なるものは朝日かげにほへる山の木木のしら雪(小沢蘆庵)

朝日影にほへる山の桜花千代とことはに見ともあかめや(本居宣長)

ことわりの袖の露かな岩木だにぬるればぬるる秋の夕暮(後水尾院)

この秋の涙をそへてしぐれにし山はいかなる紅葉とかしる(四条隆資)

恋ひわたる心ひとつをしるべにて昔にかよふ夢の浮橋(宗尊親王)

いづて舟おひ風はやく成りぬらしみほの浦わによする白波(順徳院)

ははきぎのよそめばかりは道たえて一夜ふせやの影もしられず(後柏原天皇)

見ぬ世まで思ふもさびしいそのかみ布留の山辺の雨の夕暮(有家[風雅])

春の雨のあまねき御代をたのむかな霜にかれゆく草葉もらすな（新古1478）

われながら思ふか物をとばかりに袖にしぐるる庭の松風（新古1638）

ひさかたのあまつをとめが夏ごろも雲井にさらす布引の滝（新古1653）

月に君思ひいでけり秋ふかく我をばすての山となげくに（李花集）

身のゆくへなぐさめかねし心にはをばすて山の月もうかりき（新葉332）

都には風のつてにもまれなりし砧の音を枕にぞきく（新葉371）

都にも時雨やすらんこしぢには雪こそ冬のはじめなりけれ（新葉410）

かたしきのとふのすがごも冴えわびて霜こそむすべ夢はむすばず（李花集）

山たかみ我のみふりてさびしきは人もすさめぬ雪の朝あけ（新葉479）

ふなでしていまこそみつれたまの浦のはなれ小島の秋のよの月（文応三百首）

秋の夜はうつつのうさの数そへてぬる夢もなき荻のうは風（柳葉集）

つるの岡や秋のなかばの神祭ことしは余所に思ひこそやれ（竹風抄）

雲かかる高ねの檜原音たてて村雨わたる秋の山もと（玉葉726）

しぐれぬとみゆる空かな雁鳴きて色づく山の秋のむら雲（続古今507）

世をうしといとひはてぬる秋もなほ心に残る峰の朝霧（竹風抄）

思ふことの身にしみまさるながめかな雲のはたての空の秋風（水無瀬恋十五首歌合）

思ひ寝の心ひとつをしるべにて昔にかへる夢のかよひぢ（三百六十番歌合）

しばの庵まだすみなれぬ明ぼのの苔のたもとよ時雨せずとも（院四十五番歌合）

旅ごろもかへす夢路はむなしくて月をぞ見つる有明の空（新勅撰970）

契りしにかはる恨みもわすられてその面影はなほとまるかな（新勅撰925）

思ひ寝のわれのみかよふ夢路にもあひ見てかへる暁ぞなき（新勅撰973）

み狩すと楢の真柴をふみしだき交野の里にけふも暮らしつ(源師頼「堀河百首」)

五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(読人不知「古今集」)

むかひゐて立ちもはなれじ今日よりは花さきそむる窓の梅が枝（公衡集）

すぎてゆく秋の日影は朝ごとにうつろふ菊の色に見えけり（公衡集）

心にも袖にもとまる移り香を枕にのみや契りおくべき（建礼門院右京大夫集）

花をのみまつらん人に山ざとの雪まの草のはるをみせばや（壬二集）

あふ坂や明ぼのしるき花の色におのれ夜ぶかき関の杉むら（壬二集）

鐘のおとも明けゆく空に匂ふなりけふもやありて花をみるべき（壬二集）

峯の雪たにの氷もとけぬらん鶯さそへむめのした風(飛鳥井雅経)

ながめやる沖つ島山ほのかにて浪よりはるる横雲の空(飛鳥井雅経)

わが袖にあめも涙もふりそひぬ都わかるる横雲の空(飛鳥井雅有)

朝露もちりかひなびく柳風鶯さそへ池の浮草(正徹)

江の南梅も柳もかすむ日に鶯さそへ春のうらかぜ(冷泉為村)

あけわたる高ねの花に風過ぎて春にわかるるよこ雲の空(飛鳥井雅親)

いく里か月の光もにほふらん梅さく山のみねの春風（新勅撰40）

夕けぶり野辺にも見えばつひにわが君にかへつる命とを知れ（新勅撰996）

昨日みし夢かとぞ思ふ寝ざめして昔をしのぶあかつきの空（新続古今1969）

しがらきのと山の霞ほのぼのと春にあけゆくよこ雲のそら(惟宗光吉)

こがらしに枝をわかるるもみぢ葉もほのぼの見ゆるよこ雲の空(本居宣長)

ことさらにつくりなしてや昨日みぬ山のすがたに霞たなびく(三条西公条)

かづらきの山のすがたに打靡きたてりともなき春霞かな(香川景樹)

朝日山きしの山ぶきさきにけり花のした行くうぢの柴舟(冷泉為尹)

よしの川さくらながれて行く春もここぞ泊りとさける山吹(飛鳥井雅親)

もろともにながめし夜はのむつごとを思ひ出でよとすめる月かな(藤原隆信「隆信集」)

あふ坂やこずゑの花を吹くからに嵐ぞかすむ関の杉むら(宮内卿「仙洞句題五十首」)

桜ばなさきぬる時は三吉野の山のかひより浪ぞこえける(源俊頼「堀河百首」)

君をおきてあだし心を我がもたば末の松山波も越えなん(「古今集」東歌)

人はいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける(紀貫之「古今集」)

思ふどち春の山辺にうちむれてそこともいはぬ旅寝してしが(素性法師「古今集」)

石ばしる水の白玉数見えて清滝川にすめる月影(俊成[千載])

秋風は梢をはらふ夕暮に雲もかからぬ山のはの月(進子内親王[新拾遺])

神なびの岸の山ぶき咲きにけりみむろの嵐ふかずもあらなん(橘千蔭)

いかにせんこぬ夜あまたの袖の露に月をのみまつ夕暮の空(後鳥羽院)

今はただこぬ夜あまたのさ夜ふけてまたじと思ふに松風の声(飛鳥井雅経)

年月をすつるしるしはみそぎ川夏こそなけれ水のしら波(松永貞徳)

風わたるならの小河の夕すずみみそぎもあへずなつぞながるる(小沢蘆庵)

むら雨の風にぞなびくあふひ草向ふ日かげはうすぐもりつつ（老若五十首歌合）

なぞもかく思ひそめけむ桜花山とし高くなりはつるまで（遠島御歌合）

花も葉ももろく散り行く萩が枝にむら雨かかるあきのゆふぐれ（定家家隆両卿撰歌合）

をとめごが玉ものすそに満つしほのひかりをよする浦の月かげ（家隆卿百番自歌合）

はつせ山ふる川のべも霧はれて月にぞたてる二もとの杉（千五百番歌合）

天の川秋の一夜のちぎりだに交野に鹿のねをや鳴くらん（遠島御歌合）

風そよぐならの小川のゆふぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける（新勅撰192）

松の戸をおしあけがたの山かぜに雲もかからぬ月を見るかな（新勅撰267）

ふるさとの庭の日かげもさえくれて桐のおち葉にあられふるなり（新勅撰393）

ほのみてし君にはしかじ春霞たなびく山の桜なりとも（千五百番歌合）

かささぎのわたすやいづこ夕霜の雲井にしろき峰のかけ橋（新勅撰375）

あけわたる雲まの星のひかりまで山の端さむし峰の白雪（新勅撰424）

おもひ河身をはやながら水の泡のきえてもあはん浪のまもがな（新勅撰707）

あさ日さすたかねのみ雪空はれて立ちもおよばぬふじの川霧(家隆[続後撰])

志賀のうらやこほらぬ浪のおとはして月の御舟ぞとほざかりゆく(隆祐)

志賀の浦や秋しく月のこほりにも遠ざかり行く浪の音かな(順徳院)

冬がれの木葉さはらぬ高ねよりこほりて出づる月ぞまぢかき(花園院)

たえはつる心のうちを恨みても猶たどらるる夢のうきはし(俊成女)

夢かとぞなほ辿らるるおいらくの子は先だてんものとやはみし(長嘯子)

世の中はかくこそ有りけれ吹く風のめに見ぬ人もこひしかりけり(紀貫之「古今集」)

山河のおとにのみきくももしきを身をはやながら見るよしもがな(伊勢「古今集」)

思ひ川たえずながるる水のあわのうたかた人にあはできえめや(伊勢「拾遺集」)

秋の田の穂のへをてらす稲妻の光のまにも我やわするる(よみ人しらず「古今集」)

君待つと山の端いでて山の端に入るまで月をながめつるかな(藤原為義「詞花集」)

入るまでに月はながめつ稲妻のひかりの間にも物思ふ身の（千五百番歌合）

夢かとぞなほたどらるるさ夜衣うらみなれたる袖をかさねて（三百六十番歌合）

おのづからたのむ夢路はむなしくていつかうつつの恋はさむべき（千五百番歌合）

恨みても心づからのおもひかなうつろふ花に春のゆふぐれ（水無瀬恋十五首歌合）

しの原やしらぬ野中のかり枕まつもひとりの秋風の声（水無瀬恋十五首歌合）

おもへども人のこころのあさぢふにおきまよふ霜のあへずけぬべし（千五百番歌合）

わすれめや都のたぎつ白河の名にふりつみし雪の明ぼの（李花集）

おのづから雪ふみわけて問ひこしも都にちかき山路なりけり（李花集）

かかる世のためしもいまだ白雪にうづもれやせん園のくれ竹(李花集）

雪つもる越のしら山冬ふかし夢にもたれか思ひおこせん（李花集）

山里の年の暮こそあはれなれ人のたてたる門の松かは（宗良親王千首）

この暮もとはれむ事はよもぎふの末葉の風の秋のはげしさ（新葉921）

風はやみうきたる雲の行きかへり空にのみしてふる時雨かな（続古今587）

ひかげさす枯野のまくず霜とけてすぎにし秋にかへる露かな（続古今593）

けさみれば遠山しろしみやこまで風のおくらぬ夜はの初雪（玉葉950）

大井河すさきの葦はうづもれて波にうきたる雪の一村（玉葉971）

ふきおろすあそ山あらしけさ冴えて冬野をひろみ雪ぞつもれる（文応三百首）

あへの島岩うつ波のよるさえてすむともきかぬ千鳥なくなり（文応三百首

春風は花のあたりをよきてふけ心づからやうつろふと見む(藤原好風「古今集」)

世の人の及ばぬものは富士の嶺の雲居に高き思ひなりけり(村上天皇「拾遺集」)

山ざくら霞のまよりほのかにも見てし人こそこひしかりけれ(紀貫之「古今集」)

かささぎのわたせる橋におく霜のしろきをみれば夜ぞふけにける(大伴家持「新古今集」)

さよふくるままに汀や凍るらん遠ざかりゆく志賀の浦波(快覚法師「後拾遺集」)

しらつゆも時雨もいたくもる山はしたばのこらず色づきにけり(紀貫之「古今集」)

鈴虫の声のかぎりを尽しても長き夜あかずふる涙かな(『源氏物語』「桐壺」靭負の命婦)

都をば霞とともにたちしかど秋風ぞ吹く白河の関(能因法師 『後拾遺集』羈旅・５１８)

我が心誰に語らむ秋の空荻に夕風雲に雁がね(権大僧都心敬『竹林抄』秋連歌)

誰にかは秋の心も愁へまし友なき宿の夕暮の空（五条為実『玉葉集』・秋歌上４８４）

ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 (佐佐木信綱「心の花」)

さをしかの夜はの草ぶし明けぬれどかへる山なき武蔵野の原（新拾遺469）

あしびきの山のあらしに雲きえてひとり空ゆく秋の夜の月(教実[新勅撰])

さを鹿の小野の草伏いちしろく我がとはなくに人の知れらく(「万葉集」巻十)

しぐれつつかつちる山のもみぢ葉をいかにふくよのあらしなるらん(藤原顕季「金葉集」)

草も木も色かはれどもわたつ海の波の花にぞ秋なかりける(文屋康秀「古今集」)

春風は花のあたりをよきてふけ心づからやうつろふと見む(藤原好風「古今集」)

秋の夜も名のみなりけり逢ふといへばことぞともなく明けぬるものを(小野小町「古今集」)

時すぎてかれゆく小野の浅茅には今は思ひぞ絶えず燃えける(小町姉「古今集」)

いかでかは思ひありとはしらすべき室の八島のけぶりならでは(藤原実方「金葉集」)

みるままに昨日の雲の村時雨冬にもめぐる山かぜぞふく(後柏原天皇)

この朝け山風にほふ花の色に昨日の雲の空めをぞしる(三条西実隆)

さえくれし昨日の雲のあとなれや明けゆくをちの峰の白雪(小沢蘆庵)

友千鳥むれて鳴くなる声たかし夕たつ波のあらき磯辺に(伏見院)

わしの山ふもとはるかにてらす月しらぬ山路の道しるべせよ(基俊)

いつか我このよの空をへだたらんあはれあはれと月を思ひて(西行)

あさぼらけ家路も見えずたづねこし槙の尾山は霧こめてけり(『源氏物語』「橋姫」)

わたつ海のおきつしほあひにうかぶあわのきえぬものからよる方もなし(よみ人しらず「古今集」)

いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな(伊勢大輔「詞花集」)

世の中を常なきものと今ぞ知る奈良の都のうつろふ見れば(作者不審「万葉集」巻六)

あふちさく梢に雨はややはれて軒のあやめにのこる玉水(平経親[風雅])

ありそ海のうら吹く風もよわれかしいひしままなる波の音かは（新葉964）

うきほどはさのみ涙のあらばこそ我が袖ぬらせよその村雨（新葉513）

北になし南になしてけふいくか富士の麓をめぐりきぬらん（新葉540）

木曾路河あらしにさえて行く浪のとどこほるまをしばしまたなん（李花集）

旅の空うきたつ雲やわれならん道もやどりもあらしふく頃（李花集）

ひとり行く旅の空にもたらちねの遠きまもりをなほたのむかな（李花集）

いはでおもふ心の色を人とはばをりてやみせんやまぶきの花（続古今964）

思ふにもよらぬ命のつれなさは猶ながらへて恋ひやわたらん（続拾遺876）

ながしとぞ思ひはてぬるあはでのみひとり月みる秋の夜な夜な（文応三百首）

まつ人とともにぞ見ましいつはりのなきよなりせば山のはの月（続古今1143）

忘れめや宿たちわかれ今はとて出でし夕の秋のむらさめ（竹風抄）

山陰の木々の雫に袖ぬれて暁ごとにいでしたびかな（竹風抄）

八幡山さかゆくみねも越え果てて君をぞ祈る身のうれしさに(源通光)

老の波またたちわかれいな舟ののぼればくだる旅のくるしさ（新葉525）

わすれずよ一夜ふせやの月の影なほその原の旅心ちして（新葉557）

おくれじと思ひし道もかひなきはこの世のほかのみよし野の山（新葉1324)

思ふにはなほ色あさきもみぢかなそなたの山はいかがしぐるる（新葉1357）

あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春かまた見ん（李花集）

我こそはあらき風をもふせぎしに独りや苔の露はらはまし（新葉1388）

みよしのは山もかすみて白雪のふりにし里に春はきにけり(良経[新古今])

雲のゐると山のすゑのひとつ松めにかけてゆく道ぞはるけき（続古今857）

いかにねて夢もむすばん草枕あらしふく夜のさやの中山（続古今923）

旅人のともしすてたる松の火のけぶりさびしき野ぢの明ぼの（玉葉1175)

見わたせば塩風あらし姫島や小松がうれにかかる白波（続古今1657）

わすれずよあくがれそめし山ざとのその夜の雨の音のはげしさ（竹風抄）

何となき世のいとなみも哀なり水のうへゆくうぢの柴ぶね（竹風抄）

はかなくてわが世すぎぬとながむれば月もいまはの西の山のは（玉葉2006）

ながき夜にまよふ夢ぢもさむばかり心をあらふ滝の音かな（玉葉2710）

さめやらであはれ夢かとたどるまにはかなく年のくれにけるかな（続拾遺1313）

世のうさをいまはなげかじと思ふこそ身をしりはつるかぎりなりけれ（続後撰1158）

萩が花うつろひて行けば高砂の尾の上の鹿の鳴かぬ日ぞなき(源実朝『金槐和歌集』秋・193)

思ひ寝に我が心からみる夢もあふ夜は人のなさけなりけり（新続古今1318）

おもひすてて我が身ともなき心にもなほ昔なる山桜かな（新勅撰1039）

みよしののかすみのうちに雪ちりて行すゑとほき花のおくかな（正治初度百首）

あさぢ原春雨すがるわか葉よりみどりをうつす玉ぞこぼるる（老若五十首歌合）

花になれし名残を雲にながむればやよひの暮の春雨の空（千五百番歌合）

夏深き杜のした陰風すぎて梢をわたる日ぐらしの声（正治初度百首）

さらにまた時雨をそむるもみぢかな散りしく上の露のいろいろ（正治初度百首）

露霜にまがきの萩はかれはてて木の葉の底にのこる虫のね（正治初度百首）

あふちさく山田の木蔭風すぎてみるもすずしくとる早苗かな(飛鳥井雅有)

露はらふ風ぞ涼しきあふち開く外面のかげの夏の夕暮(二条為親)

池水の氷のひまに打ちはぶきよるなくをしの声の寒けさ(頓阿)

しほ風のわかの松原吹きしをりなきたつ鶴の声のさむけさ(三条西実隆)

おもひいでよ夕べの雲もたなびかばこれや歎きにたへぬけぶりと(忠良[千載])

明けぬるか川瀬の霧のたえまより遠方人の袖のみゆるは(大納言経信母『後拾遺集』)

魂まつる年の終りになりにけり今日にやまたもあはむとすらむ(曾禰好忠『詞花集』)

さめやらであはれ夢かとたどるまにはかなく年のくれにけるかな（続拾遺1313）

そむかばやまことの道は知らずともうき世をいとふしるしばかりに（千載1111）

嵐ふくたかねの雲をかたしきて夢路も遠しうつの山越え（新千載818）

これはみな思ひしことぞなれしよりあはれ名残をいかにせんとは（千載902)

おもひいでよ夕べの雲もたなびかばこれや歎きにたへぬけぶりと（千載922）

たのめおきしあさぢが露に秋かけて木の葉ふりしく宿のかよひぢ（新古1128）

や雲立つ　出雲八重垣　妻隠みに　八重垣作る　その八重垣を　(古事記上つ巻)

折にあへばこれもさすがにあはれなり小田のかはづの夕暮の声（新古1477）

あふちさくそとものこかげ露おちて五月雨はるる風わたるなり（新古234）

君をのみ思ひねにねし夢なればわが心から見つるなりけり(凡河内躬恒[古今])

虎とのみもちゐられしは昔にて今はねずみのあなう世の中（竹風抄）

さらぬ世のならひをつらきかぎりにて命のうちは別れずもがな（新後拾遺850）

かなしさはわがまだしらぬ別れにて心もまどふしののめの道（風雅1968)

梅が香はみし世の春のなごりにて苔の袂にかすむ月かげ（玉葉1858）

いにしへを昨日の夢とおどろけばうつつの外にけふも暮れぬる（中書王御詠）

うき世をば花みてだにと思へどもなほすぎがたく春風ぞふく（続古今1515）

★在日の徴用者はたった245人！終戦後75％が帰国！（朝日新聞）

■1959年7月13日　朝日新聞
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■記事内容と補足「在日朝鮮人の徴用者は245人」
・終戦直前、日本には200万人の朝鮮人がいた。
・その内、140万人は終戦直後に朝鮮に帰った。
・更に北朝鮮帰還事業などで10万人が朝鮮に帰った。
・つまり200万人のうち、150万人…つまり75％が帰国した。
・国民徴用令は1939年7月から施行された。（日本人と台湾人）
・しかし朝鮮人には1944年9月まで適用されなかった。（つまり優遇されていた）
・1945年3月には日韓フェリーが停止されたので、徴用が可能だった時期はたったの7ヶ月。
・1959年の調査では在日における「徴用者」の人数は…たった245人だった。
・現在、日本に残留している朝鮮人は「自由意志」による残留である。（犯罪者を除く）

■まとめ
「徴用」や「徴兵」で日本に来た人は元々、僅かです。
「徴用」や「徴兵」によって「朝鮮の家族や友人や恋人から引き離された人」が、どうして日本に残るのですか？
家族に会いたくないのでしょうか？
200万人の内、140万人が終戦直後に帰国しています。
僅かな徴用者、徴兵者は、その時、帰国していると考えるのが当然です。
つまり日本に残った人は「家族で日本に移住して来た人」です。
つまり「自由意志」で日本に来て、「自由意志」で日本に残ったのです。

それなのに「強制連行された！戦後は帰りたくても帰れなかった！嫌々ながら住んでやってるんだ！」と叫んでいるのです。

いすず川その人なみにかけずともただよふ水のあはれとはみよ（新葉582）

おなじくはちるまでをみて帰るかり花の都のことかたらなん（新葉1025）

いづて舟はや来寄すらしあなし吹くするがの海の三保の興津に（宗良親王千首）

信濃路や見つつわがこしあさま山雲は煙のよそめなりけり（新葉1176）

いほざきや松原しづむ波まより山はふじのね雲もかからず（新葉1177）

をはつ瀬の鐘のひびきぞきこゆなる伏見の夢のさむる枕に（李花集）

みふゆつぎ春しきぬれば青柳のかづらき山に霞たなびく(源実朝)

春がすみ絶間になびく青柳のめより色にはあらはれにけり(香川景樹)

月の色も山のはさむしみよし野の故郷人や衣うつらん(順徳院)

みよし野の山した風のさむきよをたれ故郷に衣うつらん(実朝)

夢の世にかさねて夢を見せじとや尾上の鐘のおどろかすらん（李花集）

われを世にありやととはば信濃なるいなとこたへよ嶺の松風（李花集）

思ひきや手もふれざりし梓弓おきふし我が身なれんものとは（新葉1234）

君がため世のため何かをしからんすててかひある命なりせば（新葉1235）

あはれてふことにつけつつ口のはに我がたらちねのかからぬはなし（宗良親王千首）

歎かじなしのぶばかりの思ひ出は身の昔にもありしものなり（李花集）

故郷の月をいくよかみよし野の山風さむみ衣うつらん(藤原師信[続千載])

みよし野の山の秋風さ夜ふけて古郷さむく衣うつなり（新古483）

夜をさむみ誰かはひとりみよし野の山下風に衣うつらん(二条為定)

みよし野のすず吹く風は夜さむにてふもとの里に衣うつなり(源頼武)

衣うつよし野のおくの秋の風身にしむ色や花にふく声(三条西公条)

山里のまさきのかづらくるる日のそともがくれに嵐ふくなり(道助法親王)

秋はけふくれなゐくくるたつた河ゆくせの波も色かはるらん（新勅撰359）

かり衣すそ野もふかしはし鷹のとがへる山の峰のしら雪（新勅撰431）

恨みじななにはのみつに立つけぶり心からたくあまのもしほ火（新勅撰761）

葦辺ゆく鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ(志貴皇子「万葉集」)

思ひいるみ山にふかきまきのとのあけくれしのぶ人はふりにき(藤原定家「拾遺愚草」)

秋はけふくれなゐくくるたつた川神よもしらずすぐる月かは(後鳥羽院「建保四年二月御百首」)

おほえ山いくのの道のとほければまだふみもみずあまのはしだて(小式部内侍「金葉集」)

大江山こえていく野の末とほみ道ある世にもあひにけるかな(藤原範兼「新古今集」)

あし鴨の跡もさわがぬ水の江になほすみがたく春やゆくらん（壬二集）

ちかき音もほのかにきくぞ哀れなる我が世ふけゆく山郭公（壬二集）

むば玉の闇のうつつの鵜飼舟月のさかりや夢もみるべき（壬二集）

山ざとは門田のいなば見わたせば一ほ出でたる夏のあさ露（壬二集）

せみのはのうすき衣のひとへ山青葉涼しき風の色かな（壬二集）

軒ちかき山の下荻こゑたてて夕日がくれに秋風ぞふく（壬二集）

世にふるに物思ふとしもなけれども月にいくたびながめしつらん(具平親王「拾遺集」)

おほえ山こかげもとほくなりにけりいく野のすゑの夕立の空（明日香井集）

あしべゆく鴨の羽風もさむき夜にまづ影こほる三島江の月（明日香井集）

おもかげはなほあり明の月草にぬれてうつろふ袖の朝つゆ（明日香井集）

まだしらずそのかみかけてふりぬれど月と雪との夜半の白木綿（明日香井集）

いかにせむゆくへもしらぬたまくしげふたたび逢はぬこの世なりけり（明日香井集）

みよし野やむつだのよどの川柳みどりをくくる春の岩なみ(後鳥羽院「建保四年二月御百首」)

我がやどに花たちばなをうゑおかむなからんあとの忘れがたみに(慈円「堀河題百首」)

露すがる小ざさが下のきりぎりすみだれてかかるねをや鳴くらん(源顕仲「永久百首」)

世の中にふりぬる物は津の国のながらの橋と我となりけり(よみ人しらず「古今集」)

天の川もみぢを橋にわたせばやたなばたつめの秋をしも待つ(よみ人しらず「古今集」)

吹きさそふ嵐の庭の花よりもわが身世にふる春ぞつもれる(正徹)

一とせの残る日数は雪ならでつもりもあへず年ぞくれける(後柏原天皇)

はかなくもこん世をかねて契るかな二たび同じ身ともならじを(藤原実定［千載］)

吹くからに秋の草木のしほるればむべ山風をあらしといふらむ(文屋康秀［古今］)

花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり（新勅撰1052）

つま木こる山ぢもいまやたえぬらん里だにふかきけさの白雪（新勅撰430）

あすよりのなごりをなににかこたましあひもおもはぬ秋のわかれぢ（新勅撰360）

わが庵はをぐらの山のちかければうき世をしかとなかぬ日ぞなき（新勅撰306）

すぎはてぬいづらなが月名のみしてみじかかりける秋のほどかな（新勅撰361）

里のあまのさだめぬ宿も埋もれぬよするなぎさの雪の白浪（新勅撰425）

白雲のやへ山桜さきにけりところもさらぬ春のあけぼの（新勅撰61）

山桜みねにもをにもうゑおかむ見ぬ世の春を人やしのぶと（新勅撰1040）

うらむべき方こそなけれ春風のやどりさだめぬ花のふるさと（新勅撰116）

立ちかへりつれなき世ぞとしりながら人の思ひにまた歎くかな(良実[続古今])

山川の岩もとざくらかげ見れば雪をぞあらふたぎつしらなみ(九条良平「千五百番歌合」)

したにのみむせぶ思ひもあるものをあらはにもえてゆく蛍かな(藤原秀能「如願法師集」)

人の身も恋にはかへつ夏虫のあらはに燃ゆと見えぬばかりぞ(和泉式部「後拾遺集」)

なくせみのこゑもすずしき夕暮に秋をかけたるもりの下露(二条院讃岐「新古今集」)

わたの原霞もいくへたつ波のゆたのたゆたに浦風ぞふく（新千載14）

よしの川岩もと桜めもはるに波にたちそふ花の面影（道家百首）

わけきつるふかき心の色をみよ春はよしのの花ぞめの袖（道家百首）

夏の夜は物おもふ人の宿ごとにあらはにもえてとぶ蛍かな（現存和歌六帖）

さよふかき軒ばの草につゆおちて秋をかけたるうたたねの夢（道家百首）

夕さればいやとほざかり飛ぶ雁の雲より雲に跡ぞきえゆく（玉葉590）

梅の花あかぬ色香もむかしにておなじかたみの春の夜の月（新古47）

風かよふねざめの袖の花の香にかをる枕の春の夜の夢（新古112)

なべて世の花ともいはじ小初瀬の山の桜のあけぼのの色（俊成卿女集）

うらみずやうき世を花のいとひつつさそふ風あらばと思ひけるをば（新古140）

にほの海はるは霞のしがの波花に吹きなすひらの山風（俊成卿女集）

月影もうつろふ花にかはる色の夕べを春もみよしの山（俊成卿女集補遺）

吹くからに身にぞしみける君はさは我をや秋のこがらしの風（新勅撰909）

わすれじのただひとことを形見にてゆくもとまるもぬるる袖かな（新勅撰802）

いざさらばこん世をかねて契りおかん限りもしらぬ月の光に（新続古今2035）

思ひ出でて恋しかるべき都かはなにゆゑやどる袖の月ぞも（万代集）

ながき夜に衣かたしきふしわびぬまどろむ程の涙ならねば（冬題歌合）

ふりつもる雪をさながらてらす月今夜なりけり白川の関（冬題歌合）

さびしさはまだみぬ島の山ざとを思ひやるにもすむ心ちして（壬二集）

ね覚してきかぬを聞きてかなしきは荒礒浪の暁のこゑ（壬二集）

春日山おどろのみちも中たえぬ身をうぢばしの秋の夕暮（壬二集）

神垣やもとの光を尋ねきてみねにも君をなほいのるかな（壬二集）

いとひてもなほ故郷を思ふかなまきのを山の夕ぎりの空（壬二集)

君すみてとはにみるべき宿なれば田のもはるかに松風ぞふく（壬二集）

いにしへのいく世の花に春くれてならの都のうつろひにけむ（日吉社撰歌合）

かへすとも雲の衣はうらもあらじ一夜夢かせ岑の木がらし（雲葉集）

契りあれば難波の里にやどりきて浪のいり日ををがみけるかな（古今著聞集）

消え果てて煙は空にかすむとも雲のけしきをわれと知らじな「狭衣物語」

かすめよな思ひ消えなむ煙にも立ち遅れてはくゆらざらまし「狭衣物語」

秋かけて言ひしながらもあらなくに木の葉ふりしくえにこそありけれ「伊勢物語」

いにしへの秋の夕べの恋しきに今はと見えしあけぐれの空(「源氏物語」御法)

あるはなくなきは数そふ世の中にあはれいつまであらんとすらん(小大君「栄花物語」)

尋ぬべき草の原さへ霜枯れて誰に問はまし道芝の露「狭衣物語」

ももしきのとのへを出づる宵々は待たぬに向かふ山のはの月（新勅撰1168）

こぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ（新勅撰849）

しのべとやしらぬ昔の秋をへておなじ形見にのこる月影（新勅撰1080）

しのびづまかへるなごりのうつりがを袖にあらそふ窓の梅がえ（玉葉1860）

をののえもかくてや人はくたしけむ山路おぼゆる春の空かな（新勅撰2-118）

忍び妻おきゆく床に匂ひきて軒ばの梅ぞ名残がほなる(寂然「玄玉集」)

梅の花にほひをうつす袖のうへに軒もる月のかげぞあらそふ(藤原定家「新古今集」)

ながむれば我が身ひとつのあらぬ世に昔に似たる春の夜の月（続後撰146）

つもりぬる別れは春にならへども慰めかねて暮るる空かな（新後拾遺159）

折ふしもうつればかへつ世の中の人のこころの花ぞめの袖（新古179）

橘のにほふあたりのうたたねは夢もむかしの袖の香ぞする（新古245）

しのばじな我もむかしの夕まぐれ花橘に風はすぐらん（俊成卿女集）

秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる（風雅400）

すまの浦やあまとぶ雲の跡はれて波よりいづる秋の月かげ（玉葉655）

たのめおきしふるさと人のあともなくふかき木の葉の霜のした道（道家百首）

あめにますとよをか姫のをとめごが雪に袖ふるさゆる夜の空（道家百首）

秋のよのたまくらなれし月かげの面影ながらつもる雪かな（道家百首）

ながめやる空のただぢもかよふやと伊駒の山に雲なへだてそ（洞院摂政家百首）

よのつねの人より君をたのめとや契かなしき身とむまれけん（続後撰1198）

千早ぶる神のいがきにはふ蔦も秋にはあへず移ろひにけり(紀貫之[古今])

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして(在原業平「古今集」)

けふごとに天つ星あひをかぞふればよそぢあまりの秋ぞへにける(能因法師「能因集」)

朽ちはつる尾花が本の思ひ草はかなの野べの露のよすがや(俊成卿女「俊成卿女集」)

わするなよほどは雲ゐに成りぬとも空行く月の廻りあふまで(橘忠幹「拾遺集」)

今こむと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな(素性法師「古今集」)

大荒木の杜の木の間をもりかねて人だのめなる秋の夜の月（新古375）

ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に（新古391)

波のうへはちさとのほかに雲さえて月かげかよふ秋のしほ風（俊成卿女集補遺）

いなば吹く風にまかせてすむ庵は月ぞまことにもり明かしける（新古428）

すみまさる月ばかりこそ変はりゆくうき世の秋をなほしのびけれ（俊成卿女集）

吹きまよふ雲ゐをわたる初雁のつばさにならす夜はの秋風（新古505）

故郷におなじ雲井の月をみば旅の空をやおもひいづらん(待賢門院堀河「久安百首」)

あゆの風いたく吹くらし奈呉の海人の釣する小舟漕ぎ隠る見ゆ(大伴家持「万葉集」)

うき世をば花みてだにと思へどもなほすぎがたく春風ぞふく（続古今1515）

いかがせん死なば共にとおもふ身におなじかぎりの命ならずは（続古今1207）

月を見ばおなじ空ともなぐさまでなど古郷の恋しかるらん（続古今883）

月出でて今こそかへれ奈呉の江に夕べわするるあまのつり舟（続古今1731）

世をばさて何ゆゑ捨てし我なればうきにとまりて月をみるらん（続拾遺608）

なにゆゑに今まで世にはふる身ぞと心のとへばねこそなかるれ（続古今1857）

暮れかかる伏見の門田うちなびきほなみをわたるうぢの河舟(京極為教[玉葉])

伏見山田面の末を吹く風にほなみをわたる宇治の川舟（洞院摂政家百首）

この山の麓にぞみるくれ竹の葉室の里のよよのおも影（宝治百首）

木がらしやいかにまちみんみわの山つれなき杉の雪折れのこゑ（千五百番歌合）

さきかかる軒端のふぢのしづくより色ふかくなる春のむら雨（通親亭影供歌合）

山ふかき秋をみるにも思ふかなこれよりおくの夕ぐれの空（千五百番歌合）

日かげみぬ深山がくれにながれきて雪げの水の又こほりぬる（千五百番歌合）

いまさらに花ゆゑなにか思ひ出でむわするる時のあらばこそあらめ（三百六十番歌合）

よそにては軒の橘かをる夜にむかし語りをしのぶとやみむ（水無瀬恋十五首歌合）

はるかなるほどは雲ゐの月日のみ思はぬなかにゆきめぐりつつ（新勅撰999）

ながき夜の夢路たえゆく窓のうちに猶のこりける秋のともし火（新勅撰1184）

もみぢ葉のちりかひくもる夕しぐれいづれか道と秋のゆくらん（新勅撰1099）

さみだれも月の行くへはしられけり一むら白き山のはの雲（洞院摂政家百首）

ながめおくる心をやがてさそひつつ雲のふるすに帰るうぐひす（千五百番歌合）

風の音にたへてもいかがすみはてん山のおくまで秋はきにけり（建長三年影供歌合）

わすられぬ昔は遠く成りはててことしも冬ぞ時雨きにける（遠島御歌合）

さくらさくながらの山のながき日も昔をこひぬ時のまぞなき（遠島御歌合）

たをりてもたれにかみせむ山ざくら花もかひなき旅のそらかな（現存和歌六帖）

山ざくらさきちるときの春をへてよはひは花のかげにふりにき（新勅撰110）

あすもこむ風しづかなるみよしのの山の桜はけふくれぬとも（新勅撰95）

かた糸のあはずはさてや絶えなまし契りぞ人のながき玉の緒（新勅撰1009）

有明の月は涙にくもれどもみしよににたる梅が香ぞする（新勅撰1037）

あふ人にとへどかはらぬおなじ名の幾日になりぬむさしのの原（続古今929）

かきくもれたのむる宵の村雨にさはらぬ人のこころをもみん（続古今1148）

最上川いなとこたへていな舟のしばしばかりは心をも見ん（新後拾遺998）

あだに散る露の枕にふしわびて鶉なくなりとこの山風（新古514）

とふ人も嵐吹きそふ秋はきて木の葉にうづむ宿の道芝（新古515）

色かはる露をば袖に置きまよひうらがれてゆく野辺の秋風（新古516）

真木の屋のあられ降る夜の夢よりもうき世をさませ四方の木枯し（俊成卿女集）

さえわびてさむる枕に影みれば霜ふかき夜の有明の月（新古608）

霜枯れはそことも見えぬ草の原たれにとはまし秋のなごりを（新古617）

ねをぞなくやよひの花のかれしよりをしへぬ庭のあとをながめて（続古今1412）

老ののちまた思ふことはなきものを人の心になほなげくかな（万代集）

たが里のむめのたちえをすぎつらん思ひのほかににほふ春風（続古今62）

かへりこぬ昔を花にかこちてもあはれいくよの春かへぬらん（続古今118）

とはばやな心よいかにともすればながめられぬる春雨のそら（宝治百首）

山たかみ梢にあらき風たちて谷よりのぼるゆふだちの雲（玉葉412）

み山よりおちくる水の色みてぞ秋は限りと思ひしりぬる(藤原興風[古今])

みなと河秋ゆくみづのいろぞこきのこる山なく時雨ふるらし（新勅撰341）

たまぼこの道のゆくての春風にたが里しらぬむめの香ぞする（新勅撰38）

かきつくるあとに光のかかやけばくらき道にも闇ははるらむ（新勅撰624）

あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月（明恵上人集）

昔みし道はしげりてあとたえぬ月の光をふみてこそいれ（明恵上人集）

くまもなくすめる心のかかやけばわが光とや月おもふらむ（明恵上人集）

山でらに秋のあかつき寝ざめして虫とともにぞなきあかしつる（明恵上人集）

たき川や落ちてみだるる玉ざさの葉わけすずしき水の色かな（内裏百番歌合）

ながめこし山のすゑ野の夕がすみその色となくをしき春かな（続古今169）

あけば又ゆきてとふべき梅がかを夜のまもおくる窓の春風（宝治百首)

ぬれてをる藤の下かげ露ちりて春やいくかの夕ぐれの雨（玉葉277）

さても又いかなる夜はの月影にうき面影をさそひそめけん（新後撰1065）

山もとのあけのそほ船ほのぼのとこぎいづる沖は霧こめてけり(九条良経「正治初度百首」)

秋の月ものおもふ人のためとてやうき面影にそへていづらん(西行「山家集」)

花ならでをらまほしきは難波江の葦の若葉にふれる白雪(藤原範永「後拾遺集」)

沖つ風吹きにけらしな住吉の松のしづ枝をあらふ白波(源経信「後拾遺集」)

五月雨に玉江の水やまさるらむ葦の下葉のかくれゆくかな(源経信「金葉集」)

春の色はけふこそ三津のうら若み葦のうら葉をあらふ白波(藤原定家「名所障子和歌」)

涙のみうきつの浪のなみまくら月にひたせる袖ぞかなしき（道助法親王家五十首）

けふよりは秋のけしきの森なれややがて身にしむ山おろしの風（千五百番歌合）

春のよのあけのそほぶねほのぼのといく山もとをかすみきぬらん（続古今48）

ちる花のわすれがたみの嶺の雲そをだにのこせ春の山かぜ（新古144）

ゆふされば玉ちる野べの女郎花枕さだめぬ秋風ぞふく（新古338）

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こぬ人をあすもまつべきさむしろに桜ふきしく夜はの山かぜ（如願法師集）

みなづきのなかばにきえし白雪のいつしか白きふじのやま風（如願法師集)

うたたねのうすきたもとに秋たちてこころのいろぞまづかはりける（如願法師集）

あしの葉に風秋なりとききしより月すさまじくすむ心かな（如願法師集）

下もみぢうつろひゆけば玉ぼこの道の山風さむくふくらむ（如願法師集）

ひさかたの雲井ながらもあひみしをしぐれにけりな天のかぐ山（如願法師集）

五月雨に池の汀やまさるらん蓮の浮葉をこゆる白波(後鳥羽院[遠島百首])

浦とほく塩みちくらしたちならぶ松の梢にかかる白波(藤原経顕[宝治百首])

夕されば塩みちくらし芦の屋の深江のはしにかかる白波(飛鳥井雅有)

月のもるね屋の板まに露みえてね覚夜ぶかきよもぎふの宿(花山院長親)

散り初むる桐の一葉の露の上にねざめ夜深き月を見るかな(蓮月)

今は又よそになるみのかたし貝我ぞしをるるあふよしをなみ(花山院長親)

袖の上におぼえずおつる涙にもすずろに月はやどりぬるかな(油谷倭文子)

幾めぐりすぎゆく秋にあひぬらむかはらぬ月のかげをながめて(小侍従)

夕月夜しほみちくらし難波江のあしのわか葉にこゆる白浪（新古26）

身にかへて思ふもくるし桜花さかぬみ山にやどもとめてん（新拾遺123）

暮れかかるしのやの軒の雨の中にぬれてこととふ郭公かな（続拾遺178）

夕されば麻の葉ながるみよしののたぎつ河内にみそぎすらしも（玉葉448）

ふく風の色こそ見えねたかさごの尾上の松に秋は来にけり（新古290）

あしひきの山ぢの苔の露のうへにねざめ夜ぶかき月をみるかな（新古398）

風ふけばよそになるみのかた思ひおもはぬ波になく千鳥かな（新古649）

もしほやく海人のいそ屋の夕煙たつ名もくるしおもひたえなで（新古1116）

袖のうへに誰ゆゑ月はやどるぞとよそになしても人のとへかし（新古1139）

立ち返り幾たび袖をぬらすらむよそになるみの沖つ白浪(藤原雅朝[続千載])

花をみし秋の嵯峨野の露の色も枯葉の霜にかはる月影（俊成卿女集補遺）

かきくらし日数ふるやの軒とぢて空には深き雪の白雲（俊成卿女集）

まがへ来し月と花とのあはれまで雪にこもれるみ吉野の山（俊成卿女集）

へだて行くよよの面かげかきくらし雪とふりぬるとしの暮かな（新古693）

下もえに思ひ消えなむ煙だに跡なき雲のはてぞかなしき（新古1081）

しられじな夕べの雲をそれとだにいはで思ひの下に消えなば（続後撰674）

山川をなはしろ水にまかすれば田のもにうきて花ぞながるる（風雅263）

色々にほむけの風を吹きかへてはるかにつづく秋の小山田（玉葉624）

はかなしなみじかき夜はの草枕結ぶともなきうたたねの夢（うたたね）

あかざりし闇のうつつをかぎりにて又も見ざらん夢ぞはかなき（風雅1097）

たましひはうつつの夢にあくがれて見しもみえしも思ひわかれず（風雅1102）

夢にさへたちもはなれず露きえし草のかげよりかよふ面影（風雅2015）

咲きぬればかならず花の折にともたのめぬ人の待たれけるかな（新後撰102）

有明はなほぞかなしき逢ふまでのかたみとてこそ月はみれども（続拾遺959）

あかざりし袖かと匂ふむめが香に思ひなぐさむあか月の空（続拾遺978）

ちかひてし命にかへてわするるはうき我からに身をや捨つらむ（続古今1369）

まきもくのあなしのひばら春くれば霞をかけて山かづらせり(寂蓮「千五百番歌合」)

わたつ海のかざしの浪の花かづら霞をかけて浦風ぞ吹く(正徹)

明けわたるとほ山かづらそのままにかすみをかけて春や立つらむ(細川幽斎)

花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは(後水尾院)

春の夜はおぼろにかすむみよしのの花よりいづる山のはの月(範宗)

山のはや桜にこめて見えざらん花より出づる有明の月(順徳院)

夕づくよさほの河風身にしみて袖より過ぐる千鳥鳴くなり(源実朝)

たがための涙なるらん夕ぐれの籬の露に秋はきにけり（承久元年内裏百番歌合）

消えわぶる霜の衣を返してもみるよまれなる夢の通ひぢ（建保五年十一月内裏冬題歌合）

しのびあへずわれやゆかんのいざよひに昔語りの夕ぐれの空（千五百番歌合）

みしま江や霜もまだひぬあしの葉につのぐむほどの春風ぞふく（新古25）

あだにやはふもとの庵にながむべき花より出づる峰の月かげ（新続古今143）

清見がた月はつれなきあまのとをまたでもしらむ浪の上かな（新古259）

あけぬとて野べより山にいる鹿のあと吹きおくる萩の下かぜ（新古351)

むさし野やゆけども秋のはてぞなきいかなる風かすゑに吹くらん（新古378）

たつた山よはにあらしの松ふけば雲にはうとき峰の月かげ（新古412）

数ならぬ深山がくれを尋ねてぞ心の末の花も見るべき（遠島御歌合）

日数さへしののをふぶき立ちかさねあふみちとほき行末の空（遠島御歌合）

しらがしのしらぬ山路に入りぬともおくれじとおもふ嶺の松風（遠島御歌合）

八幡山さかゆく峰もこえはてて君をぞいのる身のうれしさに（宝治元年内裏歌合）

秋をあきと思ひ入れてぞながめつる雲のはたての夕ぐれの空(藤原良経「老若五十首歌合」)

世の中をいでぬとなどかつげざりしおくれじとおもふ心あるものを(徳大寺実定「寂蓮法師集」)

大かたの秋の寝覚の長き夜も君をぞいのる身を思ふとて(藤原家隆「新古今集」)

今こそあれ我も昔はをとこ山さかゆく時も有りこしものを(よみ人しらず「古今集」)

君やこむ我やゆかむのいさよひにまきのいたどもささずねにけり(よみ人しらず「古今集」)

夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふあまつそらなる人をこふとて(よみ人しらず「古今集」)

夕されば野べのあきかぜ身にしみてうづら鳴くなりふか草のさと([千載])

有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂き物はなし(壬生忠岑[古今])

>>709は、作者・藤原俊成を書き込み忘れたｗ

今はとてうつりはてにし菊の花かへる色をばたれかみるべき(よみ人しらず「後撰集」)

三島江につのぐみわたる蘆の根のひとよのほどに春めきにけり(曾禰好忠「後拾遺集」)

うちなびき春さりくればひさぎおふるかた山かげに鶯ぞなく(源実朝[玉葉])

みづのえの吉野の宮はかみさびてよはひたけたるうらの松風(藤原季能『千五百番歌合』)

いかなりし風のたよりに聞きそめて身にしむ恋のつまとなりけん（新千載1036）

面影のかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖の涙に（新古1136）

露はらふ寝覚は秋の昔にて見はてぬ夢にのこる面影（新古1326）

ふりにけり時雨は袖に秋かけていひしばかりを待つとせしまに（新古1334）

かよひこし宿の道芝かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ（新古1335）

夢かとよ見し面影も契りしも忘れずながらうつつならねば（新古1391)

いつもかくさびしきものか津の国の芦屋の里の秋のゆふぐれ(藤原家隆「建仁元年五十首歌合」)

たが秋のねざめとはむとわかずともただ我がためのさを鹿の声(九条良経「老若五十首歌合」)

とまりとふ日さへみじかく成りにけり八重の塩ぢの秋の夕ぐれ(藤原家隆「壬二集」)

山里にすみぬべしやとならはせる心もたへぬ秋の夕ぐれ(平忠度「忠度集」)

さらにまたくれをたのめと明けにけり月はつれなき秋のよの空（新古434）

あけぼのや河せの浪のたかせ舟くだすか人の袖の秋霧（新古493）

入日さすふもとのをばなうちなびきたが秋風に鶉なくらん（新古513）

浦人の日もゆふぐれになるみがたかへる袖より千鳥鳴くなり（新古650）

かぎりあればしのぶの山のふもとにも落葉がうへの露ぞ色づく（新古1095）

ながめわびそれとはなしに物ぞおもふ雲のはたての夕ぐれの空（新古1106）

朝がすみたてるをみればみづのえのよしのの宮に春はきにけり(源実朝[続後撰])

仏造る真朱足らずは水渟る池田の朝臣が鼻の上をほれ(大神奥守『万葉集』)

くれぐれと秋はひごろのふるままに思ひしぐれぬあやしかりしも(『和泉式部集』)

常知らぬ道の長手をくれくれといかにか行かむかりてはなしに(山上憶良『万葉集』)

みる人もなくて散りぬるおく山の紅葉は夜の錦なりけり(紀貫之[古今])

秋ちかくなりやしぬらし足曳の山の蝉なきて風ぞ涼しき(宗尊親王)

した紅葉色づきそむるあしびきの山の蝉なきて秋風ぞふく(惟宗光吉)

ふきすぐる夕べもとはぬ荻の葉に待つ宵ふけし秋風の声（俊成卿女集）

いかにせんしのぶの山に道たえて思ひいれども露のふかさを（続後撰667）

ながれての名をさへしのぶ思ひ川あはでもきえね瀬々のうたかた（新勅撰704）

くれはつる尾花がもとの思ひ草はかなの野辺の露のよすがや（俊成卿女集）

さきにけり君がみるべき行末は遠里小野の秋萩の花（新後撰1587）

今はさはうき世のさがの野辺をこそ露きえはてし跡としのばめ（新古787）

浅茅生や袖にくちにし秋の霜わすれぬ夢をふく嵐かな（新古1564）

わたのはら朝みつ潮のいやましにすずしくなりぬ秋のはつ風（続後撰241)

むかし思ふたかのの山のふかき夜にあかつきとほくすめる月かげ（続後撰1118）

月かげのもりこしほどぞつもりける尾上の松の雪のしたみち（続古今671）

いまもなほ心にかかる別れかな髪かきやりし人のうしろで（新撰和歌六帖）

この春のわかれやかぎりとまる身の老いてひさしき命ならねば（続古今1540）

高野山あか月とほく松の戸にひかりをのこす法の灯(二品法親王深勝「新葉集」)

君はよし行末とほしとまる身のまつほどいかがあらむとすらん(源満中「拾遺集」)

いやましに風ぞ身にしむあきの浦の朝みつ潮の波のかよひぢ(長慶天皇)

ありま山うき立つ雲に風そひて霰たばしる印南野の原(賀茂真淵)

河の上のゆつ岩むらに草むさず常にもがもな常処女にて(吹黄刀自「万葉集」)

このねぬるあさけの風にかをるなり軒ばの梅の春のはつ花〔新勅撰〕

玉もかる井手のしがらみ春かけて咲くや川瀬のやまぶきの花〔新勅撰〕

雲のゐる梢はるかに霧こめてたかしの山に鹿ぞなくなる〔新勅撰〕

東路や今朝立ちくれば蝉の声たかしの山に今ぞ鳴くなる(藤原仲実「永久百首」)

昨日こそ早苗とりしかいつのまに稲葉そよぎて秋風のふく(読人不知「古今集」)

音羽山けさこえくれば郭公梢はるかに今ぞなくなる(紀友則「古今集」)

かぞへねど今宵の月のけしきにて秋のなかばを空にしるかな(西行「宮河歌合」)

玉垂の小簾の間通し独り居て見る験なき夕月夜かも(作者不詳「万葉集」)

我はただ来ん世の闇もさもあらばあれ君だに同じ道に迷はば（新続古今1292）　

世の中はつねにもがもな渚こぐあまの小舟のつなでかなしも〔新勅撰〕

山はさけ海はあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも〔新勅撰〕

消えはつる夕べもかなしあけ暮の夢にまよひし春のふるさと（俊成卿女集）

見し人もなきが数そふ露の世にあらましかばの秋の夕暮（続後撰1222）

古里も秋はゆふべをかたみとて風のみおくる小野の篠原（新古957）

風に散る花ゆゑ悲しうつりゆく色はむなしとそむく世なれど（俊成卿女集）

葛の葉のうらみにかへる夢の世をわすれがたみの野辺の秋風（新古1565）

をしむともなみだに月も心からなれぬる袖に秋をうらみて（新古1764）

ひさかたの天のかぐ山このゆふべ霞たなびく春たつらしも〔新勅撰〕

にほの海や霞のをちにこぐ舟のまほにも春のけしきなるかな〔新勅撰〕

いく里か月のひかりも匂ふらん梅さく山の峰のはる風〔新勅撰〕

世の中に麻はあとなくなりにけり心のままのよもぎのみして（新勅撰1152）

山しろのときはの杜の夕時雨そめぬみどりに秋ぞくれぬる（新勅撰1270）　

おのづからいそしの御井やくもるらむ織れる錦を春の山かげ（建保四年内裏百番歌合）

海原やちさとの沖にすむ月の雲ふきはらへやまと島みむ（高良玉垂宮神秘書紙背和歌）

いまぞしるあゆむ草葉にすてはてし露の命は君がためとも（建保二年内裏歌合）

なく千鳥我さへかなししらすげのおふの河風さむくふく夜に（建長八年百首歌合）

夜をさむみうら葉かれゆく庭草にさびしかれどもすめる月かな（宝治百首）

しられじな霞にもるる三日月のほのみし人に恋ひわびぬとも（宝治百首）

まどろむもおなじ心のみればこそさめても夢のわすれざるらめ（続古今1803）

しらせても猶つれなくはいかがせんいはぬをとがに人や恋ひまし（続拾遺765）

むら時雨いくしほそめてわたつ海のなぎさの杜のもみぢしぬらん（続古今527）

旅人の朝たつ後や積るらん跡こそ見えね野辺の白雪(小倉実教[新続古今])

我宿をとふとはなしに春のきて庭に跡ある雪の村消え(夢窓国師[風雅])

うまさけの三輪の祝がいはふ杉手触れし罪か君にあひかたき（万葉）

しら雪の猶かきくらしふるさとの吉野のおくも春はきにけり(嘉喜門院)

かきくらしなほふる郷のみよし野はいつの雪間に春のきぬらん(貞常親王)

枯るるより刈りもはらはぬ道みえて雪に跡ある野べの草むら(後水尾院)

かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそみえね春は来にけり（新古4)

うすくこき野辺のみどりの若草に跡までみゆる雪のむら消え（新古79）

花さそふひらの山かぜ吹きにけりこぎゆく舟のあと見ゆるまで（新古128）

世の中を何にたとへん朝ぼらけ漕ぎゆく舟の跡なきがごと(沙弥満誓「万葉」)

吹くからに秋の草木のしほるればむべ山風をあらしといふらむ(文屋康秀「古今集」)

見わたせば浪もゆるがぬ夏の日に松かげ遠き磯のほそ道（千五百番歌合）

天の川もみぢの橋やわたすらん色づく西の夕ぐれの空（千五百番歌合）

さても又慰むやとてながむべきそなたの空も薄がすみつつ（水無瀬恋十五首歌合）

落ちつもる涙の露はさよ衣さえても袖にみえけるものを（水無瀬恋十五首歌合）

さびしさをとひこぬ人の心まであらはれそむる雪の明ぼの(宮内卿[新続古今])

吉野川こほりとけ行く春風にあらはれそむる波の初花(式乾門院御匣[新続古今])

ふりつみしこぞの白雪むら消えてあらはれそむる野べの通路(日野俊光[新続古今])

真柴たく笹のいほりの夕けぶりいとどかすかに吹く嵐かな（俊成卿女集）

めぐりあはむわがかねごとの命だに心にかなふ春のくれかは（新勅撰1054）

むめの花たが袖ふれしにほひぞと春やむかしの月に問はばや（新古46）

いその神ふるのの桜たれうゑて春はわすれぬかたみなるらむ（新古96）

ゆくすゑをたれしのべとて夕風に契りかおかむやどのたちばな（新古239）

あはれ又いかにしのばむ袖のつゆ野原の風に秋はきにけり（新古294）

わすれじの人の心の限をもみ山の里のけさのしら雪(肖柏)

鵜飼舟月もをぐらの山かげにやみをしたひてかがりさすなり(一条兼良)

夕月夜しほみちくらし難波江のあしのわか葉にこゆる白浪（新古26）

こぬ人をあすもまつべきさむしろに桜ふきしく夜はの山かぜ（如願法師集）

身にかへて思ふもくるし桜花さかぬみ山にやどもとめてん（新拾遺123）

暮れかかるしのやの軒の雨の中にぬれてこととふ郭公かな（続拾遺178）

みなづきのなかばにきえし白雪のいつしか白きふじのやま風（如願法師集）

夕されば麻の葉ながるみよしののたぎつ河内にみそぎすらしも（玉葉448）

かきつくるあとに光のかかやけばくらき道にも闇ははるらむ（新勅撰624）

ケツの穴舐めさせ今日も夢心地ついでに玉の裏筋も舐め（金玉王）

聞くやいかに初句切れつよき宮内卿の恋を知らざるつよさと思ふ(米川千嘉子)

すさめねど心のかぎりおひたるは人しらぬまのあやめなりけり(和泉式部「和泉式部続集」)

あふ坂や梢の花を吹くからに嵐ぞかすむ関の杉むら（新古129)

柴の戸をさすや日かげのなごりなく春くれかかる山のはの雲（新古173)

軒しろき月の光に山かげの闇をしたひてゆく蛍かな（玉葉403）

片枝さすおふのうらなし初秋になりもならずも風ぞ身にしむ（新古281）

思ふことさしてそれとはなきものを秋の夕べを心にぞとふ（新古365）

心あてに折らばや折らん初霜の置きまどはせる白菊の花

からにしき枝に一むら残れるは秋の形見をたたぬなるべし(遍昭[拾遺])

時鳥なくやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな(読人不知「古今集」)

ケツの穴舐めさせ今日も夢心地ついでに玉の裏筋も舐め（金玉王）

つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天くだり来んものならなくに(和泉式部)

立田川紅葉みだれて流るめり渡らば錦中や絶えなむ(読人不知「古今集」)

深草のさとの月かげさびしさもすみこしままの野べの秋風（新古374）

秋のよはやどかる月も露ながら袖に吹きこす荻のうは風（新古424）

人はこずはらはぬ庭のきりのはに音なふ雨のおとのさびしさ（建保二年内裏歌合）

木の葉ちる時雨やまがふ我が袖にもろき涙の色とみるまで（新古560）

霜こほる袖にもかげは残りけり露よりなれし有明の月（新古594）

我が恋はあふをかぎりのたのみだにゆくへもしらぬ空のうき雲（新古1135）

我が恋はゆくへもしらずはてもなし逢ふをかぎりと思ふばかりぞ(凡河内躬恒[古今])

心あるをじまのあまの袂かな月やどれとはぬれぬ物から（新古399）

月をなほ待つらんものかむら雨の晴れ行く雲の末の里人（新古423）

まどろまでながめよとてのすさびかな麻のさ衣月にうつ声（新古479)

と山なるならの葉までははげしくて尾花がすゑによわる秋風（続古今345）

色かへぬ竹の葉しろく月さえてつもらぬ雪をはらふ秋風（新千載416）

霜をまつ籬の菊の宵のまにおきまよふ色は山のはの月（新古507）

松島や雄島の磯にあさりせし海人の袖こそかくは濡れしか(源重之「後拾遺集」)

バカ女チンポしゃぶらせむせ返るのどの奥にぞ精液を出す（飲ませ大王）

君はよし行末とほしとまる身のまつほどいかがあらむとすらん(源満中[拾遺集])

見ても又逢ふ夜まれなる夢のうちにやがてまぎるる我が身ともがな(『源氏物語』「若紫」)

風ふけばおきつ白浪たつた山よはにや君がひとりこゆらむ(よみ人しらず[古今])

たつた山あらしや嶺によわるらんわたらぬ水も錦たえけり（新古530）

からにしき秋のかたみや立田山ちりあへぬ枝に嵐ふくなり（新古566）

さびしさをとひこぬ人の心まであらはれそむる雪の明ぼの（新続古今692）

我が恋は人しれぬまのあやめ草あやめぬほどぞねをも忍びし（玉葉1273）

きくやいかにうはの空なる風だにも松に音するならひありとは（新古1199）

竹の葉に風ふきよわる夕ぐれの物のあはれは秋としもなし（新古1805）

今こんとちぎりしことは夢ながら見しよににたる有明の月（新古1276）

とへかしな尾花がもとの思ひぐさしをるる野べの露はいかにと（新古1340）

春雨に野沢の水はまさらねどもえ出づる草ぞふかくなりゆく（新後拾遺61）

宿もがな佐野のわたりのさのみやはぬれてもゆかん春雨の比（新拾遺811）

いづこにもふりさけいまやみかさ山もろこしかけていづる月かげ（新勅撰1277）

秋の月しのに宿かるかげたけて小笹がはらに露ふけにけり（新古425）

苦しくも降り来る雨か神の崎狭野の渡りに家もあらなくに(長意吉麻呂)

天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも(安倍仲麿「古今集」)

不尽の嶺に降り置く雪は六月の十五日に消ぬればその夜降りけり(高橋虫麻呂「万葉集」)

山川も依りて仕ふる神ながらたぎつ河内に船出せすかも(柿本人麻呂「万葉集」)

バカ女チンポしゃぶらせむせ返るのどの奥にぞ精液を出す（飲ませ大王）

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行「古今集」)

千とせふる尾上の松は秋風のこゑこそかはれ色はかはらず(凡河内躬恒「新古今集」)

山ふかくなほいとへとて衣手のぬるるがうへにふる時雨かな

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟(小野篁「古今集」)

玉桙のみちの山かぜさむからばかたみがてらにきなんとぞおもふ(紀貫之「新古今集」)

ゆふさればわが身のみこそかなしけれいづれの方に枕さだめむ(兼茂朝臣女「後撰集」)

ケツの毛を掻き分けアナル舐めさせる菊の御紋を若いおなごに（アナル王）

ぬれつつぞしひて折りつる年の内に春はいくかもあらじと思へば

君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をもしる人ぞしる(紀友則[古今])

竹の葉に風ふきよわる夕ぐれの物のあはれは秋としもなし（新古1805）

晴れゆくかただよふ雲のたえまより星みえそむるむら雨の空（玉葉2181）

さほひめの衣はる風なほさえてかすみの袖にあは雪ぞふる（続後撰20）

月かげは氷と見えてよしの川いはこすなみに秋かぜぞふく（続後撰342）

板まより袖にしらるる山おろしにあらはれわたるうづみ火のかげ（新勅撰435）

木の葉さへ山めぐりする夕べかなしぐれをおくる峯のあらしに（続古今552）

よろづ代をひかりにこめてあさひ山のどかにかすむ初春の空（老若歌合）

ちりぬれどかたみは久しむめの花とまる面かげ袖のうつりが（建保四年内裏歌合）

おもひ寝の枕になれてほととぎすうつつも夢もひとこゑの空（千五百番歌合）

もろ人の心は月にすみぬらし都の秋のふかき夜のそら（建保四年内裏歌合）

ちりにけり山はこけぢのにしきにて紅葉をあらふ谷の岩水（老若歌合）

かよひこし枕に虫の声たえてあらしに秋の暮ぞきこゆる（千五百番歌合）

かぞふれば四十あまりの秋の霜身のふりゆかむはてをしらばや（続拾遺617）

もみぢ葉のちりかひくもる夕しぐれいづれか道と秋のゆくらん（新勅撰1099）

けふは又しらぬ野原に行きくれぬいづれの山か月はいづらん（新古956）

もしほぐさかくともつきじ君が代の数によみおくわかの浦なみ（新古741）

難波がたかすまぬ浪もかすみけりうつるもくもるおぼろ月夜に（新古57）

時しもあれたのむの雁のわかれさへ花ちる比のみよしのの里（新古121）

うたたねの夢より先に明けぬなり山ほととぎす一声の空(良経『六百番歌合』)

民主党は“全て中国の言う通り”がモットー。
公明党は創価学会とともに日本を朝鮮のものにしようとしてる。
創価学会は日本の大手メディアを間接支配していて、 社民党は朝鮮総連とともに拉致の存在を否定し、被害者の活動を妨害した。
共産党は北朝鮮に関して社民党と同じ。それに加えて反自衛隊・反米である。
朝鮮総連と民潭は日本を解体して朝鮮にしようと参政権を狙っているし、
統一教会は売国政党の社民党を支援している。
☆朝日新聞などは中国と朝鮮の代弁者、つまり日本最大手の売国新聞だし、
日教組は基本理念のレベルから反資本主義・反体制であり、残る自民党にも中国の顔色ばかり窺っている者が潜んでいるのである。
今後は『人権擁護法案』成立を契機に公明党は民主党に鞍替えして連立し、 実質外国人与党が誕生して第二期工作の完結となるのが彼らの筋書きである。 （今、実際にそのように動きつつある）
そうすればあっという間に外国人参政権を成立させて日本の国政は全て
朝鮮人が牛耳り、朝鮮に歯向かう日本人の政治介入する隙間を残さない
新たな制度が完成することだろう。
そしてこれらの売国組織に必ず関与し、彼らの侵略行為の結果において
最も利益を享受する立場にあるのが『在日朝鮮人』である。
http://hisazin-up.dyndns.org/up/src/14540.wmv 在日特権の真相にせまる21.68MiB

如何せむわが身くだれるいな舟のしばしばかりのいのちたえずは(円融天皇「拾遺集」)

おのづからまどろむ程に忘らるる恋を夢こそおどろかしつれ（新続古今1314）