1 :
名無氏物語:
2 :
名無氏物語:2006/05/04(木) 14:04:45 ID:fFLmeM7n
え〜っと、ゲームとは全く関係が無い事なのですが・・・
このブログを見てくれている方の中にはご存知の人もいらっしゃると思うのですが、神奈川県平塚市で起きたアパートから男女と乳幼児3名の遺体が見つかったというニュースが世間を騒がせています。
その自殺を計った男性は俺と普段から仲良くしていた友達なんです・・・
このブログを書いている際に使用しているPCも彼と一緒に組み立てた物です、
最後に彼と会ったのは警察の死亡推定日のほんの何日か前に俺の家にあるサイトのページをプリントアウトしたいのでプリンターを使わせてくれ、と言い遊びに来たのが最後でした、どうやらその数日後に行為に及んだようです・・・
色々とニュースを見ていたんですが、次々に新たな事実が発覚していく中で
俺の中でも彼の思いと行動が繋がっていくのが分かります、
あぁ、あの時はこういう事を思っていたんだろうなぁ、とか・・・
ただ、一番驚いたのが亡くなった女性は10月に死亡していたそうなので、
友達の男性は部屋に遺体がある状態で俺の家に遊びに来たり、一緒に食事に
行ったりしてたんだなぁと、俺は何も気がついてやれず・・・
彼と俺は職場の同僚で、彼は去年の10月くらいに退職したんです、理由は
仕事がシンドイ、と言っていたのですが女性が亡くなったかだったんだなと
今になって分かりました・・・職場を辞めた後も彼とは何度も会ったし、
遊びにも行ったんだよなぁ・・・すごい複雑な気持ち・・・
そして、約1ヵ月半程前に彼は音信不通で連絡が取れなくなってしまいました。
なぜ彼は俺に何も言ってくれなかったんだろう・・・
話すと迷惑をかけてしまうと思ったのかな・・・
今思うと、彼が最後にプリンター使わせてくれって遊びに来たのは
最後に・・・自殺する前に会いに来てくれたんだろうなって・・・
色々考えると涙が止まらない・・・
3 :
名無氏物語:2006/05/04(木) 19:37:03 ID:xpYAyA2i
ふか草や秋のうづらの床の夢えやはふしみん野べの木がらし(正徹)
4 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:04:40 ID:4/4ZPgMy
最上川いなとこたへていな舟のしばしばかりは心をも見ん(後鳥羽院下野[新後拾])
5 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:05:18 ID:4/4ZPgMy
老の波またたちわかれいな舟ののぼればくだる旅のくるしさ(宗良親王[新葉])
6 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:21:57 ID:IFgR8jja
いはそそぐ清水も春の声たてて打ちてや出づる谷の早蕨
7 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:22:57 ID:IFgR8jja
吉野山かすまぬ方の谷水も打ち出づる波に春は立つなり
8 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:23:27 ID:IFgR8jja
うつりあへぬ花の千草にみだれつつ風のうへなる宮城野の露
9 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:25:10 ID:IFgR8jja
我が宿は人目も草も草は猶かれても立てる心ながさよ
10 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:26:51 ID:IFgR8jja
庭しげき草葉の下の道たえてとはぬ人めは夏もかれけり
11 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:28:16 ID:IFgR8jja
袖の香の花にやどかれほととぎすいまもこひしき昔とおもはば
12 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:28:57 ID:IFgR8jja
夏はつる扇に露もおきそめてみそぎすずしきかもの川かぜ
13 :
定家厨:2006/05/05(金) 18:29:35 ID:IFgR8jja
久方の月の桂のしたもみぢ宿借る袖ぞ色にいでゆく
14 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:33:30 ID:IkZ0Rowl
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(俊成女[新古今])
15 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:34:01 ID:IkZ0Rowl
夏の夜の月の桂の下紅葉かつがつ秋の光をぞまつ(二条院讃岐[新続古今])
16 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:34:33 ID:IkZ0Rowl
見るままに色かはりゆく久方の月の桂の秋のもみぢ葉(藤原資季[新勅撰])
17 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:42:31 ID:JQ9kahIB
よひの間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空(鴨長明)
18 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:43:15 ID:JQ9kahIB
ながめつつ月の桂の紅葉葉は時雨せぬにぞ秋まさりける(順徳院)
19 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:44:27 ID:JQ9kahIB
照りまさる月の桂のもみぢばはちらぬ高根に秋風ぞふく(正徹)
20 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:49:39 ID:75lmy0nj
秋の色を払ひはててや久かたの月の桂に木枯しの風(雅経[新古今])
21 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:50:19 ID:75lmy0nj
ちかくふりくる雪は白浪の末の松山こすかとぞ見る(藤原興風[古今])
22 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:51:29 ID:75lmy0nj
ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪こさじとは(清原元輔[後拾遺])
23 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:52:06 ID:75lmy0nj
白浪のこゆらん末の松山は花とやみゆる春の夜の月(加賀左衛門[新古今])
24 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:52:58 ID:75lmy0nj
鶴のゐる松とて何かたのむべき今は梢に浪もこえなん(待賢門院堀河[新拾遺])
25 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:57:16 ID:Za/X/w35
松山にまつ波こえていにけれどいかがおもはむあだしごころを(元良親王)
26 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:58:09 ID:Za/X/w35
つくば山このもかのもの紅葉ばは秋はくれどもあかずぞありける(壬生忠見)
27 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 18:59:14 ID:Za/X/w35
暮れぬともいざ越えゆかんつくばねのこのもかのもにかかる月かげ(家隆)
28 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:02:54 ID:nN3k9Pop
をぐろさきみつの小島の人ならば宮このつとにいざといはましを(古今1090)
29 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:03:37 ID:nN3k9Pop
みさぶらひみかさと申せ宮木野のこのしたつゆは雨にまされり(古今1091)
30 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:04:47 ID:nN3k9Pop
もがみ河のぼればくだるいな舟のいなにはあらずこの月ばかり(古今1092)
31 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:07:09 ID:nN3k9Pop
君をおきてあだし心をわがもたばすゑの松山浪もこえなむ(古今1093)
32 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:07:51 ID:nN3k9Pop
つくばねのこのもかのもに影はあれど君がみかげにますかげはなし(古今1095)
33 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:14:13 ID:LVZQBCE2
老のなみこえける身こそあはれなれことしも今は末の松山(寂蓮[新古今])
34 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:15:08 ID:LVZQBCE2
霞たつ末の松山ほのぼのと波にはなるる横雲の空(家隆[新古今])
35 :
名無氏物語:2006/05/05(金) 19:34:09 ID:JulatMz1
あぶくまに瀬瀬の水かさもまさるなり君をばやらじ五月雨の比(宗良親王)
さと人のことは夏野のしげくても
かれゆく君に逢はざらめやは[古今集704]
37 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 06:57:36 ID:4S86tEdT
つくばねの木の本ごとに立ちぞよる春のみ山のかげをこひつつ(宮路潔興[古今])
38 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:19:51 ID:WT3UhKv+
ねやのうへに片枝さしおほひそともなる葉びろ柏に霰ふるなり(能因[新古今])
39 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:20:45 ID:WT3UhKv+
桜あさのをふのうらなみ立ちかへり見れどもあかず山なしの花(俊頼[新古今])
40 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:22:23 ID:WT3UhKv+
かたえさすをふのうらなし初秋になりもならずも風ぞ身にしむ(宮内卿[新古今])
41 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:37:00 ID:4N06SJ4s
つくば山このもかのもの紅葉ばは秋はくれどもあかずぞありける(壬生忠見)
42 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:37:39 ID:4N06SJ4s
暮れぬともいざ越えゆかんつくばねのこのもかのもにかかる月かげ(家隆)
43 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:38:12 ID:4N06SJ4s
つくばねのこのもかのもの嵐にも君が御かげをなほやたのまむ(雅経)
44 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:38:45 ID:4N06SJ4s
分けもみずともに心はつくばねやこのもかのもの人めしげきを(正徹)
45 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:41:43 ID:Vc0ZtIYe
世は春の民の朝けの烟より霞も四方の空に立つらん
46 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:42:29 ID:Vc0ZtIYe
峰つづき都に遠き山々の限りもみえてのこる雪かな
47 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:43:00 ID:Vc0ZtIYe
水無瀬川遠きむかしの面影も立つや霞にくるる山もと
48 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:43:49 ID:Vc0ZtIYe
住の江や春のしらべは松風もひとつみどりの色にかすみて
49 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:44:27 ID:Vc0ZtIYe
うき草のすゑより水の春風や世に吹きそめてのどけかるらん
50 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:45:00 ID:Vc0ZtIYe
大空をおほはん袖につつむともあまるばかりの風の梅が香
51 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:48:03 ID:NfNyKXvh
しらゆきのいやかたまれる庭の面をはらひかねたるともの宮つこ
52 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:48:38 ID:NfNyKXvh
忍ぶともうはの空にやしられましこひにけぶりの立つよなりせば
53 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:49:22 ID:NfNyKXvh
こぬ人によそへて待ちしゆふべより月てふものはうらみそめてき
54 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:49:55 ID:NfNyKXvh
敷島ややまとしまねのあさがすみもろこしかけてはるやきぬらん
55 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:50:31 ID:NfNyKXvh
はなも又ながき別やをしむらん後の春とも人をたのまで
56 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 07:51:03 ID:NfNyKXvh
いざさらば涙くらべんほととぎす我もうき世になかぬ日はなし
57 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:52:58 ID:vcdHXWbN
紅葉する月のかつらにさそはれて下のなげきも色ぞうつろふ
58 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:53:30 ID:vcdHXWbN
山の端に待たれて出づる月影のはつかに見えし夜半の恋しさ
59 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:54:05 ID:vcdHXWbN
枕とて草のはつかに結べども夢もみじかき春のうたた寝
60 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:54:38 ID:vcdHXWbN
春の夜の夢の浮橋とだえして峰にわかるる横雲の空
61 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:55:10 ID:vcdHXWbN
おほかたの月もつれなき鐘の音に猶うらめしき有明の空
62 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:55:43 ID:vcdHXWbN
花の香も霞みてしたふ有明をつれなく見えてかへる雁がね
63 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:56:17 ID:vcdHXWbN
面影も待つ夜むなしき別れにてつれなく見ゆる有明の空
64 :
定家厨:2006/05/06(土) 07:57:10 ID:vcdHXWbN
有明のあかつきよりも憂かりけり星のまぎれの宵のわかれは
65 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 08:03:07 ID:pYrprV/n
東ぢやよこほりふせる山の名もさやかに見せてはるる白雲(家隆)
66 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 08:03:46 ID:pYrprV/n
しかのねをねこし山こしことづてよつまにもがもや秋の夕かぜ(雅経)
67 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 08:04:22 ID:pYrprV/n
甲斐がねやさ山のともし影白しよこほりふせる鹿やなからん(心敬)
68 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 08:05:15 ID:pYrprV/n
旅人はさやにも見しか雲はるる甲斐が嶺出づる秋の夜の月(後土御門院)
69 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 17:36:03 ID:L31RNghc
ふく風にことづてやらん東路のねこし山こしおもふこころを(宗尊親王)
70 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 17:37:15 ID:L31RNghc
夕立はふりくる空のまたるやとねこし山こし風や告ぐらん(後柏原天皇)
71 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 17:39:50 ID:L31RNghc
をつくばも遠つあしほも霞むなりねこし山こし春や来ぬらん(賀茂真淵)
72 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 17:45:52 ID:alpa5hmr
かひがねをさやにも見しがけけれなくよこほりふせるさやの中山(古今1097)
73 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 17:46:43 ID:alpa5hmr
かひがねをねこし山こし吹く風を人にもがもやことづてやらむ(古今1098)
74 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 17:47:35 ID:alpa5hmr
をふの浦に片枝さしおほひなるなしのなりもならずもねてかたらはむ(古今1099)
75 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:02:32 ID:2pnKrfEa
日くるれば山のは出づる夕づつの星とは見れどはるけきやなぞ(忠岑集)
76 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:03:19 ID:2pnKrfEa
わが玉を君が心にいれかへて思ふとだににも知らせてしがな(忠岑集)
77 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:06:46 ID:pYrprV/n
かくれなき身とはしるしるやまなしのをふのうらまでおもひやるかな(実方)
78 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:07:27 ID:pYrprV/n
むそぢまでなりもならずも今はわが年こそ身にはをふのうらなし(蓮瑜)
79 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:09:03 ID:pYrprV/n
をふのうらの友なし千鳥みつ塩になりもならずも浪に鳴く声(正徹)
80 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:18:07 ID:1rmhSxbV
有明のつれなく見えし月は出でぬ山郭公待つ夜ながらに(良経[新古今])
81 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:18:40 ID:1rmhSxbV
更にまた暮をたのめと明けにけり月はつれなき秋の夜の空(源通光[新古今])
82 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:19:11 ID:1rmhSxbV
つれなさのたぐひまでやはつらからぬ月をもめでじ有明の空(藤原有家[新古今])
83 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:19:59 ID:1rmhSxbV
契りきやあかぬ別れに露おきし暁ばかり形見なれとは(通具[新古今])
84 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:20:33 ID:1rmhSxbV
別れ路の有明の月のうきにこそたへて命はつれなかりけれ(為家[続拾遺])
85 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:21:03 ID:1rmhSxbV
つれなさのたぐひならじと有明の月にしも鳴く時鳥かな(西園寺実兼[新拾遺])
86 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:24:07 ID:GO87Mz+X
つれなくて有明過ぎぬ郭公この三か月にきえし一こゑ(正徹)
87 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:44:47 ID:ik5NlO8b
桜花夢かうつつか白雲の絶えてつれなき峯の春風(家隆[新古今])
88 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:45:30 ID:ik5NlO8b
横雲の風にわかるるしののめに山飛びこゆる初雁の声(西行[新古今])
89 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:46:10 ID:ik5NlO8b
風ふかば峯に別れむ雲をだにありし名残の形見とも見よ(家隆[新古今])
90 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:53:14 ID:77hSG2mU
あひ見ても峯にわかるる白雲のかかる此の世のいとはしきかな(源季広[新古今])
91 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:53:56 ID:77hSG2mU
うつりゆく人の心は白雲のたえてつれなき契りなりけり(良経[新続古今])
92 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:54:35 ID:77hSG2mU
暁やまだ深からし松のうれに別るともなき嶺の白雲(藤原為基[風雅])
93 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 18:55:31 ID:77hSG2mU
かた岡の雪まにねざす若草のほのかに見てし人ぞ恋しき(曽禰好忠[新古今])
94 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:13:55 ID:77hSG2mU
跡をだに草のはつかに見てしがな結ぶばかりの程ならずとも(和泉式部[新古今])
95 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:31:49 ID:yBbIZjcx
下もゆる雪間の草のめづらしく我が思ふ人にあひ見てしがな(和泉式部)
96 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:36:10 ID:yBbIZjcx
霞分け入りにし人の音信も花にほどふるみよしのの山(藤原家隆)
97 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:37:34 ID:yBbIZjcx
よしの山いりにし人のおとづれもたえてひさしき雪のかよひ路(順徳院)
98 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:39:06 ID:yBbIZjcx
吉野山嶺の白雪踏み分けて入りにし人の跡ぞ恋しき(静御前)
99 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:39:43 ID:yBbIZjcx
さきいでて花に世やうき吉野山入りにし人のあとうづむなり(正徹)
100 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:45:39 ID:E1frfW5q
芳野山今朝ふる雪やつもるらん入りにし人の跡だにもなし(土御門院[新続古今])
101 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:46:17 ID:E1frfW5q
袖におく露をば露と忍べどもなれゆく月や色を知るらむ(源通具[新古今])
102 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:47:02 ID:E1frfW5q
今よりの露をばつゆと荻の葉に涙かつ散る秋風ぞ吹く(津守国助[続拾遺])
103 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:47:35 ID:E1frfW5q
袖の上の露をばつゆと払ひても涙数そふ秋の夕暮(道応[新後拾遺])
104 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:48:48 ID:E1frfW5q
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ(斎宮女御[拾遺])
105 :
名無氏物語:2006/05/06(土) 19:49:48 ID:E1frfW5q
侘び人の秋の寝覚はかなしきに鹿の音遠き山里も哉(今出河院近衛[続千載])
106 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:02:52 ID:hY6AW087
山里は秋の寝覚ぞあはれなるそことも知らぬ鹿の鳴くねに(後白河院[続古今])
107 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:04:08 ID:hY6AW087
なく鹿の声にめざめて偲ぶかな見はてぬ夢の秋の思ひを(慈円[新古今])
108 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:06:35 ID:hY6AW087
夏の夜の月の桂の下紅葉かつがつ秋の光をぞまつ(二条院讃岐[新続古今])
109 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:13:23 ID:6SAVNKsZ
よひの間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空(鴨長明)
110 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:14:24 ID:6SAVNKsZ
ながめつつ月の桂の紅葉葉は時雨せぬにぞ秋まさりける(順徳院)
111 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:15:33 ID:6SAVNKsZ
照りまさる月の桂のもみぢばはちらぬ高根に秋風ぞふく(正徹)
112 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:20:50 ID:+PL/06hF
ことわりの秋にはあへぬ涙かな月の桂もかはる光に(俊成女[新古今])
113 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:21:43 ID:+PL/06hF
秋の色を払ひはててや久かたの月の桂に木枯しの風(雅経[新古今])
114 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:22:17 ID:+PL/06hF
見るままに色かはりゆく久方の月の桂の秋のもみぢ葉(藤原資季[新勅撰])
115 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:24:40 ID:+PL/06hF
黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば(作者未詳[万葉集])
116 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:28:18 ID:Quco9ygY
み吉野のみ雪ふりしく里からは時しもわかぬ有明の空
117 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:29:12 ID:Quco9ygY
み空ゆく月もまぢかしあしがきのよし野の里の雪のあさけに
118 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:30:06 ID:Quco9ygY
木の葉もて風のかけたるしがらみにさてもよどまぬ秋の色かな
119 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:31:01 ID:Quco9ygY
あじろ木や波のきりまに袖見えて八十氏人はいまかとふらん
120 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:32:09 ID:Quco9ygY
幾千世ぞ袖ふる山の水がきも及ばぬ池にすめる月影
121 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:33:07 ID:Quco9ygY
草枕夕露はらふ笹の葉のみ山もさやにいく夜しほれぬ
122 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:33:48 ID:Quco9ygY
ささ枕み山もさやに照る月の千世もふばかり影のひさしさ
123 :
定家厨:2006/05/07(日) 08:34:54 ID:Quco9ygY
幾とせのかざしをりけむいにしへの三輪の檜原の苔の通ひ路
124 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:37:41 ID:3zZX0hk9
したはれて来にし心の雁ならばかへる雲路をいかでしるらん
125 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:38:19 ID:3zZX0hk9
江の南梅さきそめておそくとくみどりにつづく岸の青柳
126 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:39:03 ID:3zZX0hk9
分けみればおのがさまざま花ぞ咲くひとつ緑の野べの小草も
127 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:39:55 ID:3zZX0hk9
白雲に松も檜原も籠り江に初瀬の山ぞ花に明け行く
128 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:40:43 ID:3zZX0hk9
花なれや遠山かづら白妙に霞をかけて明くるひかりは
129 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:41:25 ID:3zZX0hk9
ことしげき世をもわすれてつくづくと心をわけぬ花にむかひて
130 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:44:30 ID:sls/9J4N
空はれて月すみのぼる遠山のふもとよこぎるよはのしら雲
131 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:45:34 ID:sls/9J4N
いかにして身をかへてみむ秋の月なみだのはるる此世ならねば
132 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:46:12 ID:sls/9J4N
あきの田のをしね色付く今よりやねられぬ庵の夜寒なるらん
133 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:47:06 ID:sls/9J4N
むば玉の夜風をさむみふる郷に独ある人のころもうつらむ
134 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:48:51 ID:sls/9J4N
よの中はふち瀬もあるをよしの河我のみふかきみくづなりけり
135 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:49:46 ID:sls/9J4N
ねても夢ねぬにも夢の心ちしてうつつなるよをみるぞかなしき
136 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:53:53 ID:Om1Fw/26
み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春はきにけり(藤原良経[新古今])
137 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:54:29 ID:Om1Fw/26
うちきらし猶ふる雪も春たつといふばかりにや花とみゆらん(藤原家経[玉葉])
138 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:55:03 ID:Om1Fw/26
桜花今やさくらんみ吉野の山もかすみて春雨ぞふる(後円融院[新後拾遺])
139 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:55:40 ID:Om1Fw/26
ひとりぬる我にてしりぬ池水につがはぬ鴛鴦のおもふ心を(藤原公実[千載])
140 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:57:30 ID:+PL/06hF
夢よりもはかなきものはかげろふのほのかに見えしかげにぞありける(読人不知[拾遺])
141 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:58:10 ID:+PL/06hF
過ぎぬればうつつも夢にかはらぬをぬるがうちとも思ひけるかな(源具房[続古今])
142 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:58:43 ID:+PL/06hF
ぬるがうちに逢ふとみつるも頼まれず心のかよふ夢路ならねば(長舜[風雅])
143 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:59:16 ID:+PL/06hF
ぬるがうちに見るより外のうつつさへいやはかななる夢になりぬる(為基[風雅])
144 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 08:59:52 ID:+PL/06hF
忍ばじよ岩間づたひの谷川も瀬をせくにこそ水まさりけれ(藤原公継[新古今])
145 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:00:29 ID:+PL/06hF
冬川の淵ともならで淀めるはいかに瀬をせく氷なるらん(藤原実伊[続古今])
146 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:01:03 ID:+PL/06hF
もらさじと思ふ心やせきかへす涙の川にかくるしがらみ(藤原兼宗[続拾遺])
147 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:01:37 ID:+PL/06hF
みな人のつひに行くなるみつせ河その瀬にかへるしがらみぞなき(藤原光俊[新千載])
148 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:04:34 ID:ufwXKtwX
年のうちに春立ちぬとや吉野山霞かかれる峰の白雪(藤原俊成)
149 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:05:50 ID:ufwXKtwX
夏きぬといふばかりにやあしびきの山も霞の衣かふらむ(藤原良経)
150 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:06:41 ID:ufwXKtwX
春たつといふばかり見しいづくとて行手に霞むのべの曙(藤原家隆)
151 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:07:38 ID:ufwXKtwX
>>459 サボりって意味だろ・・・
そういう子がいると●●●ちゃんが言っていたよ・・・
152 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:08:15 ID:ufwXKtwX
誤爆すまん
153 :
名無氏物語:2006/05/07(日) 09:08:49 ID:ufwXKtwX
春たつといふばかりなる月日にてけふより空や霞みそむらむ(藤原雅経)
154 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:12:49 ID:7YSUWUrE
花はただなほ白雲に霞みぬといふばかりにやみ吉野の山(藤原雅経)
155 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:14:11 ID:7YSUWUrE
春たつといふばかりには霞めども猶雪ふかしみ吉野の山(宗良親王)
156 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:27:17 ID:/8AJK7yZ
うちきらし猶ふる雪も春たつといふばかりにや花とみゆらん(藤原家経[玉葉])
157 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:27:55 ID:/8AJK7yZ
桜花今やさくらんみ吉野の山もかすみて春雨ぞふる(後円融院[新後拾遺])
158 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:34:32 ID:bVUYXxGg
長閑なる夕べの雨を光にて谷にも春の花は咲きけり
159 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:35:23 ID:bVUYXxGg
花なれや春日うつろふ山の端にあたたかげなる雪の一むら
160 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:36:44 ID:bVUYXxGg
過ぎかてにけふや暮らさん散りつもる花のうへ行く春の山みち
161 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:37:44 ID:bVUYXxGg
うしやうし花にほふえに風かよひちりきて人のこととひはせず
162 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:38:43 ID:bVUYXxGg
この夕花も残らぬ朝風にきほひて帰る春のさびしさ
163 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:40:19 ID:bVUYXxGg
けふはその水上の月もめぐりあひて咲く影ふかき桃の波かな
164 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:43:31 ID:UmKx1KJu
つひにゆく道よりも猶かなしきは命のうちのわかれなりけり
165 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:44:42 ID:UmKx1KJu
世をうしとおもはざりけむむかしこそ此ごろよりもはかなかりけれ
166 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:45:17 ID:UmKx1KJu
春雨はふりにけらしな遠つ江のあど川やなぎふかみどりなり
167 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:46:25 ID:UmKx1KJu
ときはなる松にもおなじはる風のいかにふけばか花の散るらむ
168 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:47:06 ID:UmKx1KJu
都をも住みうしとてや人やりのみちならなくにかりの行くらむ
169 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 07:47:49 ID:UmKx1KJu
たえだえにかげをばみせて飛鳥井のみま草がくれとぶ蛍かな
170 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:49:25 ID:ReDzVIyR
独りぬる山鳥の尾のしだり尾に霜おきまよふ床の月かげ
171 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:50:00 ID:ReDzVIyR
うかりける山鳥の尾の独り寝に秋ぞ契りし長き夜半とも
172 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:50:34 ID:ReDzVIyR
ふるさとは遠山鳥の尾のへより霜置く鐘の長き夜の空
173 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:51:16 ID:ReDzVIyR
なきぬなり木綿付け鳥のしだり尾のおのれにも似ぬ夜半の短さ
174 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:51:49 ID:ReDzVIyR
あらち山峰の木がらしさきだてて雲のゆくてに落つる白雪
175 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:52:55 ID:ReDzVIyR
待ち恋ひしむかしは今も忍ばれてかたみ久しきみつの浜松
176 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:53:45 ID:ReDzVIyR
大伴の御津の浜風吹きはらへまつとも見えじうづむ白雪
177 :
定家厨:2006/05/08(月) 07:55:56 ID:ReDzVIyR
橘の花ちる里の夕づくよ空にしられぬ影やのこらん
178 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 08:03:06 ID:PplcPeH4
冬きぬと人はいへども朝氷むすばぬほどはあらじとぞおもふ(曾禰好忠)
179 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 08:05:27 ID:PplcPeH4
郭公なかぬかぎりはたちばなのにほふ垣ねぞ人だのめなる(兼好)
180 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:19:50 ID:WA5Yohdm
ひとりぬる我にてしりぬ池水につがはぬ鴛鴦のおもふ心を(藤原公実[千載])
181 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:36:43 ID:3FYu0uVE
故郷のもとあらの小萩いたづらに見る人なしみ咲きか散りなん(源実朝)
182 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:37:32 ID:3FYu0uVE
やま深みとしをふる木の桜花さてやちりなん見る人なしに(小沢蘆庵)
183 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:38:33 ID:3FYu0uVE
うづらなくふりにし里のさくら花見る人なしにちりかすぎなむ(本居宣長)
184 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:39:21 ID:3FYu0uVE
いにしへの人がいひたる如くにし萩が花散る見る人なしに(斎藤茂吉)
185 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:45:00 ID:57UKQid5
磯のうへは心してゆけ真砂ぢや根はふつままに駒ぞつまづく(藤原信実)
186 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:46:04 ID:57UKQid5
秋風に雲のかけはし吹き断えて駒そ跌(つまづ)く家思ふかも(岡倉天心)
187 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:51:01 ID:fH3DOte+
高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに(万2-231)
188 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:52:15 ID:fH3DOte+
御笠山野辺行く道はこきだくも繁く荒れたるか久にあらなくに(万2-232)
189 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:54:02 ID:fH3DOte+
高円の野辺の秋萩な散りそね君が形見に見つつ偲はむ(万2-233)
190 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 14:55:48 ID:fH3DOte+
御笠山野辺ゆ行く道こきだくも荒れにけるかも久にあらなくに(万2-234)
191 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 15:04:01 ID:+JrZPhhe
くらはしの山をたかみるこがくれていでくる月のかたまちがたき(はしうとのおほうら「古今六帖」)
192 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 15:05:05 ID:+JrZPhhe
くらはしの山をたかみかよをこめていでくる月のひかりともしも(「猿丸集」)
193 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 15:17:45 ID:TsHbxmbW
一むらの雲こそかかれ山のはの遠き梢の花や咲くらん(小沢蘆庵)
194 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:11:16 ID:FrsM7aL4
うちなびき春さりくらし山のべのまきのこずゑのさき行くみれば(作者不明記「古今六帖」)
195 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:12:19 ID:FrsM7aL4
うちなびき春はきぬらし山ぎはのとほき梢のさきゆくみれば(よみびとしらず「風雅集」)
196 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:13:47 ID:FrsM7aL4
いにし年ねこじてうゑしわがやどの若木の梅は花さきにけり(中納言安倍広庭「拾遺集」)
197 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:21:25 ID:j26vGT2f
花みんとねこじてうゑし若桜咲きにけらしな風ふかぬまに(顕季)
198 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:22:51 ID:j26vGT2f
うぐひすの声も若木の梅がえをねこじてうゑし人ぞふりゆく(家隆)
199 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:23:59 ID:j26vGT2f
同じくは千とせもゆづれ山路よりねこじてうゑし宿の白菊(後二条院)
200 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:37:14 ID:2O+kQn+1
このねぬる夜のまに秋はきにけらしあさけの風の昨日にも似ぬ(季通[新古今])
201 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:40:15 ID:2O+kQn+1
このねぬる朝けの山の松風は霞をわけて花の香ぞする(定家[新続古今])
202 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:40:48 ID:2O+kQn+1
このねぬる朝けの風のをとめごが袖ふる山に秋やきぬらん(後鳥羽院[続後撰])
203 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:41:35 ID:2O+kQn+1
このねぬる朝けの風にかをるなり軒端の梅の春のはつ花(実朝[新勅撰])
204 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:42:45 ID:2O+kQn+1
このねぬる朝けの風も心あらば花のあたりをよきてふかなん(道家[続後撰])
205 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:44:02 ID:2O+kQn+1
昨日みし梢の花はこのねぬる朝けの風にふれる白雪(平斉時[続千載])
206 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:44:40 ID:2O+kQn+1
此ねぬる朝けの露に袖ぬれて我がためつらき秋はきにけり(知家[新千載])
207 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:46:11 ID:2O+kQn+1
このねぬる朝けの風は身にさむし今やきなかん衣かりがね(雅顕[新千載])
208 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:50:50 ID:2O+kQn+1
このねぬる朝けの風のかはるより荻の葉そよぎ秋やきぬらん(尊氏[新後拾遺])
209 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:52:00 ID:2O+kQn+1
橘の花ちる里の庭の雨に山時鳥むかしをぞとふ(藤原良経[玉葉])
210 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:56:23 ID:2O+kQn+1
花さそふ比良の山風吹きにけりこぎゆく舟の跡みゆるまで(宮内卿[新古今])
211 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:57:01 ID:2O+kQn+1
世の中を何にたとへん秋の田をほのかにてらす宵の稲妻(源順[後拾遺])
212 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 16:58:33 ID:2O+kQn+1
世の中を何にたとへん風ふけばゆくへもしらぬ峯のしら雲(源順[続古今])
213 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:01:51 ID:2O+kQn+1
春の野に若菜つまんと来しものを散りかふ花に道はまどひぬ(紀貫之[古今])
214 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:02:52 ID:2O+kQn+1
郭公一声ゆゑに武蔵野の野をなつかしみ過ぎもやられず(洞院実雄[続千載])
215 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:03:31 ID:2O+kQn+1
月夜にはそれとも見えず梅の花かをたづねてぞしるべかりける(凡河内躬恒[古今])
216 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:04:02 ID:2O+kQn+1
梅の花それともみえず久かたのあまぎる雪のなべてふれれば(読人不知[古今])
217 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:07:34 ID:ReDzVIyR
とほざかる人の心はうなばらの奥行くふねの跡のしら浪
218 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:08:16 ID:ReDzVIyR
橘の花ちる里の夕づくよ空にしられぬ影やのこらん
219 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:09:19 ID:ReDzVIyR
このねぬる朝けの山の松風は霞をわけて花の香ぞする
220 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:10:23 ID:ReDzVIyR
霜雪のしろ髪までにつかへきぬ君の八千代を祝ひおくとて
221 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:11:28 ID:ReDzVIyR
月にふす伊勢の浜荻こよひもや荒き磯辺の秋をしのばん
222 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:13:09 ID:ReDzVIyR
さしのぼる三笠の山の峰からに又たぐひなくさやかなる月
223 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:18:53 ID:ReDzVIyR
たのまれぬ夢てふ物のうき世には恋しき人のえやはみえける
224 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:19:38 ID:ReDzVIyR
たづね見る花のところもかはりけり身はいたづらのながめせしまに
225 :
定家厨:2006/05/08(月) 17:46:14 ID:Z3asW5SO
跡もなくこぎ行く船のみゆるかなすぎぬる事はこれにたとへん(慈円)
226 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:47:14 ID:Z3asW5SO
これも又なににたとへむ朝ぼらけ花ふく風のあとのしらなみ(鴨長明)
227 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:47:55 ID:Z3asW5SO
朝ぼらけ沖行く舟のほのぼのと霞にのこるあとのしら浪(正徹)
228 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:48:58 ID:Z3asW5SO
行く舟のあとの白浪かすむ日はこの世の中をなににたとへん(正徹)
229 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:50:46 ID:Z3asW5SO
春のはて花の湊や尋ぬともむなしき舟の跡のしらなみ(心敬)
230 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:51:40 ID:Z3asW5SO
浪の上をこぎ行く舟の跡もなき人を見ぬめのうらぞ悲しき(賀茂真淵)
231 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:52:34 ID:Z3asW5SO
何事かおもひのこさん朝びらきこぎゆく舟の真帆のおひかぜ(加納諸平)
232 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:53:07 ID:Z3asW5SO
世の中は何にたとへむ弥彦にたゆたふ雲の風のまにまに(良寛)
233 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 17:56:06 ID:8Tn5dwU6
今よりは若菜つむべき古里のみかきが原に雪は降りつつ(西園寺実兼[新後撰])
234 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:06:37 ID:8Tn5dwU6
秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑし屋戸の撫子咲きにけるかも(大伴家持[万葉])
235 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:09:00 ID:8Tn5dwU6
わたの原こき出でてみれば久かたの雲ゐにまがふ沖つ白浪(藤原忠通[詞花])
236 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:13:52 ID:mhV+GbMF
春の野にすみれつみにとこし人も見しは少なくなりにけるかな(藤原秀能)
237 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:14:43 ID:mhV+GbMF
春ごとにすみれつみにとくる人ぞ荒れゆく宿の哀れしるらむ(宗良親王)
238 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:15:42 ID:mhV+GbMF
一夜しもねての朝露わけわびぬこや妹と我菫さく野べ(貞常親王)
239 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:16:32 ID:mhV+GbMF
手枕の野をなつかしみつぼすみれ一夜ねてこそつむべかりけれ(契沖)
240 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:17:14 ID:mhV+GbMF
くだら野のふる枝の萩の花みればことしばかりの秋としもなし(土御門院)
241 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:22:58 ID:YkIR8tFy
くだら野の萩の花ちる夕風に花づまこへる鹿の音聞こゆ(田安宗武)
242 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:23:41 ID:YkIR8tFy
あべの島いはうつ波のよるさえてすむともきかぬ千鳥なくなり(宗良親王)
243 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:24:30 ID:YkIR8tFy
夕づく日残らぬ色やあべの島鵜のすむ石のうへにみゆらん(後柏原天皇)
244 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:25:14 ID:YkIR8tFy
あべのしま鵜のゐる岩ほかげ高み夕日かくれる波のすずしさ(三条西実隆)
245 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:31:19 ID:wDaNuVQz
初霜のおき出てみれは白妙の衣手さむき月の影かな(道昭[新千載])
246 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:32:02 ID:wDaNuVQz
矢田の野に打出でてみれば山風の有乳の嶺は雪ふりにけり(藤原為家[新後拾遺])
247 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:33:42 ID:wDaNuVQz
さざなみや打出でてみれば白妙の雪をかけたる瀬田の長橋(惟賢[新拾遺])
248 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:42:17 ID:UmKx1KJu
朝ぼらけ霞へだてて田子の浦に打出でてみれば山の端もなし(頓阿)
249 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:43:15 ID:UmKx1KJu
深川を漕ぎ出でて見れば入日さし冨士の高根のさやけく見ゆかも(田安宗武)
250 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:44:42 ID:UmKx1KJu
土肥の海漕ぎ出でて見れば白雪を天に懸けたり富士の高嶺は(島木赤彦)
251 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:45:49 ID:UmKx1KJu
世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くひて猿にかも似る(正岡子規)
252 :
名無氏物語:2006/05/08(月) 18:46:48 ID:UmKx1KJu
大井川朝風寒み大丈夫と念ひてありし吾ぞ鼻ひる(平賀元義)
253 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:13:12 ID:y9681xvX
ここにありて春日やいづち雨つつみ出でてゆかねば恋ひつつぞをる(藤原八束)
254 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:21:10 ID:6AK07WI+
橘の花ちる里のかぜとめばむかしの人とねぬべしや君(藤原基俊)
255 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:22:27 ID:6AK07WI+
たち花の花ちる里のすまひかなわれもさこそは昔がたりよ(慈円)
256 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:23:38 ID:6AK07WI+
橘の花ちる里の夕風に山ほととぎす声かをるなり(藤原家隆)
257 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:24:19 ID:6AK07WI+
橘の花ちる里の夕ぐれにわすれそめぬる春のあけぼの(良経)
258 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:24:53 ID:6AK07WI+
ほととぎすきけどもあかず橘の花ちる里の五月雨の頃(源実朝)
259 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:31:46 ID:o9ltB9QD
君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる黄楊の小櫛も取らむとも思はず(万9-1777)
260 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:40:07 ID:00c+UdiX
夕ひばり我がゐる山の風はやみ吹かれてこゑの空にのみする
261 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:41:26 ID:00c+UdiX
夏来てはひとつ緑もうすくこき梢におのが色は分かれて
262 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:42:17 ID:00c+UdiX
玉かきの風もよきてや神まつる卯月にかかる花のゆふしで
263 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:43:16 ID:00c+UdiX
里まではさしもおくらぬ影なれや卯の花山のかへるさの月
264 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:44:07 ID:00c+UdiX
うとくなるおのが鳴くねも色みえば青葉の花の山ほととぎす
265 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:44:45 ID:00c+UdiX
常磐木に色をわかばの薄萌黄おなじ緑の中に涼しき
266 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:48:45 ID:0aey+Suy
涙にはあきの夕もつげなくにあはれしらする袖のうへかな
267 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:49:31 ID:0aey+Suy
あきの夜は月にぞながる桜川はなはむかしのあとの白なみ
268 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:50:32 ID:0aey+Suy
しながどりゐなのしば山雲きえてみなとにきよき秋のよの月
269 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:51:21 ID:0aey+Suy
にふのやまあらしのながす紅葉葉にしぐれぬまきも色付きにけり
270 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:52:42 ID:0aey+Suy
ふる郷のかはらの千鳥うらぶれてとほ風さむし有明の月
271 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 01:53:47 ID:0aey+Suy
時雨にぞつれなき松はあるものをなみだにたへぬわがたもとかな
272 :
定家厨:2006/05/09(火) 01:57:25 ID:Cyo6JlZx
春よただ露のたまゆらながめしてなぐさむ花の色はうつりぬ
273 :
定家厨:2006/05/09(火) 01:57:59 ID:Cyo6JlZx
さくら花うつりにけりなとばかりを歎きもあへずつもる春かな
274 :
定家厨:2006/05/09(火) 01:58:46 ID:Cyo6JlZx
さくら色の袖もひとへにかはるまでうつりにけりな過ぐる月日は
275 :
定家厨:2006/05/09(火) 01:59:19 ID:Cyo6JlZx
あしひきの山路にはあらずつれづれと我が身世にふるながめする里
276 :
定家厨:2006/05/09(火) 02:00:01 ID:Cyo6JlZx
わが身よにふるともなしのながめしていく春風に花のちるらん
277 :
定家厨:2006/05/09(火) 02:00:38 ID:Cyo6JlZx
これも又わすれじ物をたちかへり因幡の山の秋の夕暮
278 :
定家厨:2006/05/09(火) 02:01:11 ID:Cyo6JlZx
風ふけばさもあらぬ峯の松も憂し恋せん人はみやこにを住め
279 :
定家厨:2006/05/09(火) 02:01:56 ID:Cyo6JlZx
忘れなむまつとな告げそ中々に因幡の山の峰の秋風
280 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 02:06:54 ID:QPYrfK9e
春の夜の月も有明になりにけりうつろふ花にながめせしまに(雅経[新勅撰])
281 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 02:09:21 ID:QPYrfK9e
風さむみ夜のふけゆけば妹が島かたみのうらに千鳥なくなり(実朝[新勅撰])
282 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 02:20:50 ID:We/TvWvN
難波門を漕ぎ出でて見れば神さぶる生駒高嶺に雲ぞ棚引く(大田部三成[万葉])
283 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 14:32:17 ID:1/SWEZaL
暮れはつる空さへ悲し心からいとひしも春のながめせしまに(俊成女)
284 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 14:32:51 ID:1/SWEZaL
あはれうき我が身世にふるならひかなうつろふ花の時のまもみず(藤原為家)
285 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:02:59 ID:BeHfRsjZ
我が身世にふるの山辺の山桜うつりにけりな眺めせしまに(後鳥羽院[風雅])
286 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:03:50 ID:BeHfRsjZ
いたづらに我が身世にふる春雨のはれぬ眺めに袖はぬれつつ(二条良実[続後撰])
287 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:04:38 ID:BeHfRsjZ
咲にけりまやの軒ばの桜花あまり程ふるながめせしまに(月花門院[続拾遺])
288 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:06:28 ID:BeHfRsjZ
花は皆眺めせしまに散り果てて我が身世にふる慰めもなし(静仁法親王[続拾遺])
289 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:07:18 ID:BeHfRsjZ
八十まで我が身世にふる恨みさへ積りにけりな花の白雪(浄弁[新続古今])
290 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:19:59 ID:l5+obVEK
沢水に蛙もなけば咲きぬらむゐでのわたりの山ぶきの花(相模)
291 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:21:12 ID:l5+obVEK
うゑおきしたがなさけより山ぶきの井でのわたりの花となりけん(伏見院)
292 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:22:24 ID:l5+obVEK
春深きゐでのわたりの夕ま暮霞む汀にかはづ鳴くなり(小沢蘆庵)
293 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:23:51 ID:l5+obVEK
さそふ水あるにはあらで浮草のながれてわたる身こそやすけれ(蓮月)
294 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:27:30 ID:S1RhiJUE
おく山の松葉にこほる雪よりも我が身世にふる程ぞ悲しき(紫式部[続後撰])
295 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:28:18 ID:S1RhiJUE
恨みずや浮世を花の厭ひつつ誘ふ風あらばと思ひけるをば(俊成女[新古今])
296 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:29:01 ID:S1RhiJUE
待ちわびぬ身を浮草のうきながら逢瀬に誘ふ水の便りを(源盛実[新千載])
297 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:38:56 ID:1/SWEZaL
あだにゆく水の心に誘はれてなほ浮草と人に語らむ(源俊頼)
298 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:39:40 ID:1/SWEZaL
風をいたみただよふ池のうきくさもさそふ水なくつららゐにけり(藤原良経)
299 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:40:30 ID:1/SWEZaL
よのうさのねをやたえなむ山川にうれしく水のさそふ浮草(藤原良経)
300 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:41:41 ID:1/SWEZaL
春の夜の夢のうき草根ぞたゆる浮世をさそふ水の涙に(家隆)
301 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:42:23 ID:1/SWEZaL
さそはれぬ身を浮草のかなしきはゆくかたもなき宿の池水(藤原雅経)
302 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:43:11 ID:1/SWEZaL
いまはたださそふ水あらばと思へども袖のみぞうく五月雨の空(藤原雅経)
303 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:43:59 ID:1/SWEZaL
荻の葉をさそふ風あれば夜もすがらむすびたえたる夢のうき草(貞常親王)
304 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:53:37 ID:5wqwotvT
和歌の浦に年へてすみし芦田鶴の雲ゐにのぼる今日のうれしさ(藤原重家[玉葉])
305 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:54:17 ID:5wqwotvT
明石潟塩風あらき夕波に遠島かけてたづ鳴きわたる(祝部成胤[新続古今])
306 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 15:59:52 ID:Ce5M7XnE
和歌の浦の葦辺のたづのさしながら千年をかけて遊ぶころかな(藤原良経)
307 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:05:40 ID:AYPBQ8Uy
308 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:10:05 ID:Ce5M7XnE
和歌の浦の芦間に潮やみちぬらむ千世をこめたるたづのもろ声(後鳥羽院)
309 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:10:42 ID:Ce5M7XnE
和歌の浦のあしまの波にたちかへり昔ににたるたづの声かな(後鳥羽院)
310 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:18:54 ID:Ce5M7XnE
夕づくよみつ潮あひのかたをなみ浪にしをれてなく千鳥かな(源実朝)
311 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:19:29 ID:Ce5M7XnE
とのもりのともの宮つこいとまあれや日かずふりゆく五月雨のそら(平忠盛)
312 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:20:05 ID:Ce5M7XnE
思ふどち桜かざしてくらす日を花なき里の人にみせばや(藤原家隆)
313 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:21:11 ID:Ce5M7XnE
蘆の屋のなだの塩やきいとまあれや磯山桜かざすあま人(藤原良経)
314 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:21:57 ID:Ce5M7XnE
万代の春をかさねていとまあれや桜をかざす神のみや人(藤原為家)
315 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:23:59 ID:Ce5M7XnE
相坂の関のせき守いとまあれや人をとどむる花にまかせて(頓阿)
316 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:26:01 ID:Ce5M7XnE
をさまらぬ世の人ごとのしげければ桜かざしてくらす日もなし(後村上天皇)
317 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:34:44 ID:Ce5M7XnE
我が宿の梅の花さけり春雨はいたくなふりそちらまくもをし(源実朝)
318 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:35:31 ID:Ce5M7XnE
春雨はいたくなふりそ旅人の道ゆきごろもぬれもこそすれ(源実朝)
319 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:36:19 ID:Ce5M7XnE
秋風はいたくな吹きそわが宿のもとあらの小萩ちらまくもをし(源実朝)
320 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:38:31 ID:Ce5M7XnE
春風はいたくなふきそ鶯のきなく山吹ちらまくもをし(宗尊親王)
321 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:43:42 ID:c2C8jbKB
山もとに雪はふりつつしかすがにこのかはやなぎもえにけるかも(新勅撰22)
322 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:57:17 ID:qwvYonig
時つ風いたくな吹きそ田子のうらに咲ける藤波ちらまくもをし(田安宗武)
323 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 16:58:27 ID:qwvYonig
ゐても恋ひふしても恋ふるかひもなくかく浅ましくみゆる山の井(源順)
324 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:08:45 ID:NN1M7wq0
山の井のあさき心も思はぬに影ばかりのみ人のみゆらん(読人不知[古今])
325 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:09:43 ID:NN1M7wq0
山の井の浅き心をしりぬれば影みんことは思ひ絶えにき(待賢門院堀河[玉葉])
326 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:10:29 ID:NN1M7wq0
くやしくぞ結びそめけるそのままにさて山の井のあさき契りを(藤原為子[続後撰])
327 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:11:15 ID:NN1M7wq0
八雲たつ道はふかきを安積山あさくも人のおもひいる哉(藤原基家[続古今])
328 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:11:47 ID:NN1M7wq0
花かつみかつみても猶頼まれず安積の沼の浅き心は(小倉公雄[続千載])
329 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:12:21 ID:NN1M7wq0
山の井の水の心は浅けれどあかで年ふる柴の庵かな(寂真[新続古今])
330 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:15:34 ID:YZt+2KRW
風にちる花たちばなを袖にうけて君がためにと思ひけるかな(新拾遺245)
331 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:16:24 ID:YZt+2KRW
しらま弓いまはる山に行く雲のゆきやわかれむ恋しきものを(新千載1422)
332 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:17:27 ID:YZt+2KRW
ま袖もてゆかうちはらひ君まつとをりつるほどに月かたぶきぬ(玉葉1399)
333 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:18:18 ID:YZt+2KRW
あしびきのやへ山こえてほととぎす卯の花がくれなきわたるなり(続古今212)
334 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:19:01 ID:YZt+2KRW
山のはに月のいざよふ夕ぐれはひばらがうへもかすみわたれり(続古今40)
335 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:19:46 ID:YZt+2KRW
春雨はいたくなふりそ桜花まだみぬ人にちらまくもをし(新古110)
336 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:26:48 ID:syN8OIv9
降る雪の白髪までに大君に仕へまつれば貴くもあるか(万17-3922)
337 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:35:02 ID:uXwmAc/z
霜雪のしろ髪までにつかへきぬ君の八千代を祝ひおくとて(藤原定家[続古今])
338 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:35:42 ID:uXwmAc/z
あたら夜を伊勢の浜荻折り敷きて妹恋しらに見つる月かな(基俊[千載])
339 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:37:27 ID:uXwmAc/z
しらざりし八十瀬の浪を分け過ぎてかたしくものは伊勢の浜荻(丹後[新古今])
340 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:38:16 ID:uXwmAc/z
いく夜かは月をあはれとながめきて浪にをりしく伊勢の浜荻(越前[新古今])
341 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:39:07 ID:uXwmAc/z
をりしかんひまこそなけれ沖つかぜ夕たつ波のあらき浜荻(家隆[新拾遺])
342 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:45:02 ID:PTjL/vw9
色かはる白髪までにながらへてそむくかひなき後のみじかさ(長綱)
343 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:46:06 ID:PTjL/vw9
をりしかむ旅ねもつらし浪まくら名はむつましき伊勢の浜荻(後鳥羽院)
344 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 17:58:14 ID:BeHfRsjZ
千年ふとわがきくなへに蘆たづの鳴きわたるなる声の遥けさ(貫之[新千載])
345 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:02:28 ID:Mpl+EtDv
なつみ川かはおとたえて氷る夜に山かげさむく鴨ぞ鳴くなる(伏見院[新後撰])
346 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:03:29 ID:Mpl+EtDv
春もなほなつみのかはのあさ氷まだ消えやらず山かげにして(西音[玉葉])
347 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:04:33 ID:Mpl+EtDv
わきて猶こほりやすらん大井河さむる嵐の山陰にして(基嗣[風雅])
348 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:15:37 ID:pd5chIwW
み民われ生けるかひありてさすたけの君がみことを今日聞けるかも(賀茂真淵)
349 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:16:12 ID:pd5chIwW
御民われ楽しくもあるか天地のたらへる御世にあらくし思へば(長田鶴夫)
350 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:16:50 ID:pd5chIwW
夏山の木末の繁に霍公鳥鳴きとよむなる声の遥けさ(家持)
351 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:18:00 ID:pd5chIwW
あはぢ島吹きこす秋の浪かぜにたぐふをしかの声のはるけさ(家隆)
352 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:18:38 ID:pd5chIwW
なつみ川こほりかねたる早きせをうきねの床と鴨ぞ鳴くなる(宗良親王)
353 :
名無氏物語:2006/05/09(火) 18:19:38 ID:pd5chIwW
なつみ川山陰にして見し雪ののこるがさくか岸の卯花(正徹)
354 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 08:43:04 ID:Qlz0D3dE
すむ鴨ぞ猶たちさらぬなつみ川山陰にしてなくほたるかな(長嘯子)
355 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 08:58:19 ID:JJtVQIkY
目には見て手にはとられぬ月のうちの桂のごとき妹いかにせん(湯原王[新勅撰])
356 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:14:48 ID:9DDCD/Ju
玉もかるしほひのかたにたづ鳴きて夕日かすめるわかの松原(大江頼重)
357 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:18:13 ID:BiL4pSlf
夏の日のけしきをかへて降る音はあられに似たる夕立の雨
358 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:18:48 ID:BiL4pSlf
俄にも波をたたへしにはたづみ乾くもやすき夕立のあと
359 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:19:44 ID:BiL4pSlf
降る雨のなごり涼しく夏山の緑につづく雲の色かな
360 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:20:35 ID:BiL4pSlf
うゑ渡す早苗の末葉しげるらし千草と共になびく夕風
361 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:21:16 ID:BiL4pSlf
とぶ蛍水の下にもありけりとおのが思ひをなぐさみやせん
362 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:21:50 ID:BiL4pSlf
鳴く蝉のこゑも木ずゑにしづまりて涼しく暮るる森の下風
363 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:25:26 ID:H9O1XQlo
春は野にまだもえやらぬ若草のけぶりみじかき荻のやけ原
364 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:26:21 ID:H9O1XQlo
しら露の玉江のあしのよひよひに秋風とほくゆく蛍かな
365 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:27:03 ID:H9O1XQlo
荻のはに風の音せぬ秋もあらばなみだのほかの月はみてまし
366 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:27:50 ID:H9O1XQlo
白露の色に出でゆく秋はぎの物おもふくさのたもとなるらむ
367 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:28:30 ID:H9O1XQlo
契りおく山路の奥のあかつきをなほうき物と鹿ぞ啼くなる
368 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:30:21 ID:H9O1XQlo
わがやどのきくの朝露色もなしこぼさでにほへ庭のあき風
369 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:40:26 ID:Qlz0D3dE
ことの葉の実さへ花さへ橘のこれとさだめてにほふ宿かも(三条西実隆)
370 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:41:10 ID:Qlz0D3dE
ことの葉のたねにもうつせ橘の実さへ花さへあかぬにほひを(中院通勝)
371 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:41:43 ID:Qlz0D3dE
山姫や君がためにと時わかぬ実さへ花さへさらにをりけん(中院通村)
372 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:42:15 ID:Qlz0D3dE
枝にみちてかをるもあかぬ立花は実さへ花さへ常盤にをみん(霊元院)
373 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 09:42:56 ID:Qlz0D3dE
言の葉の昔の風も知るやいかに実さへ花さへ匂ふ橘(武者小路実陰)
374 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 10:23:08 ID:YNsK09tk
伊勢島やわかの松原みわたせば夕しほかけて秋かぜぞふく(九条道家[続古今])
375 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 10:26:43 ID:YNsK09tk
我が宿の撫子の花さかりなり手折りて一目見せむ児もがも(家持[万葉])
376 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:10:09 ID:1X7RfcWG
山さびし秋もすぎぬとつぐるかも槙の葉ごとにおける朝じも(和漢朗詠集)
377 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:10:59 ID:1X7RfcWG
七車積むともつきじ思ふにも言ふにもあまるわが恋草は(狭衣物語)
378 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:13:41 ID:1X7RfcWG
水底へ沈く白玉誰がゆゑに心尽して我が思はなくに(歌経標式)
379 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:21:55 ID:7T+MMbAC
児らしあらば二人聞かむを沖つ洲に鳴くなる鶴の暁の声(万6-1000)
380 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:29:17 ID:zdLvF75f
あわ雪は消なば消ぬがに降りたれば眼悲しく消ぬらくを見む(斎藤茂吉)
381 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:30:17 ID:zdLvF75f
影たかみ今もふりさけ御笠山遠き神代にいでし月かも(堯孝)
382 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:30:56 ID:zdLvF75f
水や汲まむ薪や伐らむ菜や摘まむ朝の時雨の降らぬその間に(良寛)
383 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:33:04 ID:zdLvF75f
来むと言ひて来ぬがつらさに比ぶれば来じとて来ぬは嬉しかりけり(俊恵)
384 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:33:40 ID:zdLvF75f
来じといはば来む夜もありと待たましを来むとたのめて来しやいつなる(油谷倭文子)
385 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:36:40 ID:7GT5tCgH
何処にもふりさけ今や三笠山もろこしかけていづる月影(源家長[新勅撰])
386 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:38:45 ID:7GT5tCgH
はつ時雨ふりさけ見ればあかねさす三笠の山は紅葉しにけり(源家長[続後撰])
387 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:39:22 ID:7GT5tCgH
天の原ふりさけみれば月清み秋のよいたく深けにけるかな(源実朝[新拾遺])
388 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:40:46 ID:7GT5tCgH
夢にても見つとはいはじ朝な朝なわが俤にはづる身なれば(伊勢[伊勢集])
389 :
名無氏物語:2006/05/10(水) 16:42:08 ID:7GT5tCgH
蟋蟀いたくななきそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる(藤原忠房[古今])
390 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 00:47:42 ID:or0wiN4r
忍びても我が袖ひめや姫ゆりのしられぬ草の下のしら露(藤原家隆)
391 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:00:17 ID:iF3xffU/
みるめこそ入りぬる磯の草ならめ袖さへ波の下に朽ちぬる(讃岐[新古今])
392 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:01:25 ID:iF3xffU/
五月雨に入りぬる磯の草よりも雲まの月ぞ見らく少なき(兼氏[新後撰])
393 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:02:05 ID:iF3xffU/
とまり舟入りぬる磯の波の音に今夜も夢は見らく少なし(頼氏[風雅])
394 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:06:59 ID:uGgeOqM3
色みえばこれや初しほ紅葉する秋のけしきの森の涼しさ
395 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:07:54 ID:uGgeOqM3
いつしかとけふは紅葉の秋もきぬ見しはきのふの花の都に
396 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:08:27 ID:uGgeOqM3
千々に身をわくともあかじ秋の花ひとつひとつにとまるこころは
397 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:09:17 ID:uGgeOqM3
眺めこしいくよの秋のうさならむ我とはなしの夕暮の空
398 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:10:39 ID:uGgeOqM3
世に絶えし道踏み分けていにしへのためしにもひけ望月の駒
399 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:11:59 ID:uGgeOqM3
そことなき霧のうち行く浪の音も一すじ見ゆる秋の川霧
400 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:14:57 ID:23LfNMOS
とどめばやながれてはやきとしなみのよどまぬ露はしがらみもなし
401 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:15:39 ID:23LfNMOS
雲ふかき岩のかけみち日数へてみやこのやまもとほざかりつつ
402 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:16:17 ID:23LfNMOS
はつせやまあらしのみちの遠ければいたりいたらぬ鐘の音かな
403 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:16:53 ID:23LfNMOS
君がすむあたりの草にやどしてもみせばやそでにあらましの露
404 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:17:32 ID:23LfNMOS
山ふかみ春ともしらぬまつの戸にたえだえかかるゆきの玉水
405 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:18:38 ID:23LfNMOS
詠めつるけふはむかしになりぬとも軒ばのむめよ我をわするな
406 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:24:05 ID:VD+r24kN
潮みてば入りぬる磯の草なれや見らく少なく恋ふらくの多き(拾遺15-967)
407 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:24:48 ID:VD+r24kN
志賀の海人の釣にともせる漁り火のほのかに人を見るよしもがな(拾遺15-968)
408 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:25:25 ID:VD+r24kN
岩根ふみ重なる山はなけれども逢はぬ日数を恋ひやわたらむ(拾遺15-969)
409 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:31:05 ID:rOruru87
潮みたぬ真野の浜路のさゆりばも入りぬる磯は五月雨のころ(寂蓮)
410 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 01:32:17 ID:rOruru87
いづれうき入りぬる磯の夏の夜はみらくすくなき月と夢とに(正徹)
411 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:22:51 ID:WWTqYDlA
石根踏み重成山はあらねども逢はぬ日まねみ恋ひわたるかも(作者不明記「万葉集」11-2422)
412 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:24:57 ID:WWTqYDlA
思香のあまの釣し燭せるいざり火のほのかに妹を見むよしもがも(作者不明記「万葉集」12-3170)
413 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:37:58 ID:0/0fJLH1
みそぎするならの小川の河風に祈りぞわたる下に絶えじと(新古1376)
414 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:45:44 ID:hdMyzxs4
逢坂の関の清水に影見えて今やひくらむ望月の駒(貫之[拾遺])
415 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:46:18 ID:hdMyzxs4
春ふかみ神なび河に影見えてうつろひにけり山吹の花(長実[金葉])
416 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:46:59 ID:hdMyzxs4
月さゆるみたらし川に影見えて氷にすれる山藍の袖(俊成[新古今])
417 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:47:48 ID:hdMyzxs4
かはづなく神なび河にさく花のいはぬ色をも人のとへかし(二条院讃岐[新勅撰])
418 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:56:20 ID:nxEqsk5m
こがれつつ春のなかばになりぬなりいまやさくらん山吹の花(能宣)
419 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:56:51 ID:nxEqsk5m
春くれぬいまかさくらむかはづなく神なび川の山吹の花(俊成)
420 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:57:31 ID:nxEqsk5m
大堰河かへらぬ水に影見えてことしもさける山ざくらかな(香川景樹)
421 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:58:48 ID:nxEqsk5m
七車つむ恋草のおもければうしとみれどもやるかたもなし(大江匡房)
422 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 07:59:27 ID:nxEqsk5m
恋草のちから車を引く牛のくるしむいきを我がむねにして(肖柏)
423 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 14:50:18 ID:BC8YYyEJ
人しれぬわが恋草の七車思ひみだれてやる方もなし(後村上院[新葉])
424 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:03:13 ID:hdMyzxs4
泉河とほきわたりの月かげに声をつくしてなく時鳥(後宇多院[新千載])
425 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:08:47 ID:NDMmIij2
妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は露霜寒み盛り過ぎゆく(万8-1600)
426 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:10:03 ID:NDMmIij2
めづらしき君が家なる花すすき穂に出づる秋の過ぐらく惜しも(万8-1601)
427 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:11:27 ID:NDMmIij2
撫子が花取り持ちてうつらうつら見まくの欲しき君にもあるかも(万20-4449)
428 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:16:01 ID:q9CXEgoN
五月雨はわたりをとほみ泉川こま山見えず雲ぞかかれる(藤原家隆)
429 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:16:49 ID:q9CXEgoN
泉河ははその梢見わたせばわたりを遠み紅葉しにけり(藤原信実)
430 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:35:26 ID:q9CXEgoN
みちのくの真野のかや原かりにだにこぬ人をのみまつがくるしさ(実朝)
431 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:36:08 ID:q9CXEgoN
人しれぬしたのみだれやかよふらん真野のかや原程とほくとも(為家)
432 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:42:22 ID:cNhtgf+f
まだみねば面影もなしなにしかも真野の萱原つゆみだるらん(藤原顕朝[続古今])
433 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:43:23 ID:cNhtgf+f
古郷の人の面かげ月にみて露わけあかすまののかや原(宗尊親王[新続古今])
434 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 15:45:42 ID:cNhtgf+f
冬枯のまののかや原ほに出でし面かげみせておける霜かな(大江忠広[新拾遺])
435 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:06:08 ID:cNhtgf+f
やすらひに出でけむ方もしら鳥のとば山松の音にのみぞ鳴く(定家[続後撰])
436 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:06:58 ID:cNhtgf+f
かすまずは春ともえやはしら鳥のとば山松に雪はふりつつ(大江頼重[風雅])
437 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:12:16 ID:J7iaThFa
霜枯のまののかや原風さえて面かげにのみ残る秋かな(頓阿)
438 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:15:42 ID:J7iaThFa
里人の夢のおもかげしたふとも雪に跡みしまののかや原(正徹)
439 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:16:40 ID:J7iaThFa
かりねせしまののかや原分出でて見し面影にまよふ夢かな(実隆)
440 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:17:37 ID:J7iaThFa
おほ海の磯もとどろによする波われてくだけてさけて散るかも(実朝)
441 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:42:46 ID:hdMyzxs4
庭におふる夕かげ草の下露や暮を待つまの涙なるらん(藤原道経[新古今])
442 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:43:26 ID:hdMyzxs4
水無瀬山夕かげ草の下露や秋なく鹿の涙なるらん(源通光[続千載])
443 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 16:54:48 ID:hdMyzxs4
逢ひ見てし後瀬の山の後もなど通はぬ道の苦しかるらん(良覚[新後撰])
444 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 17:37:16 ID:i6wXNvId
思ひ出でよ忘れやしぬる若狭路や後瀬の山と契りしものを(俊成)
445 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 17:48:28 ID:tZdQ3bV0
うちきらし雪はふりきぬ高円の山の桜に風やふくらむ(雅成親王)
446 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 17:49:38 ID:tZdQ3bV0
三日月に紅にほふ桃の花ひかりもいとどまされとぞ思ふ(大江匡房)
447 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 17:58:48 ID:xO7s3YVI
風まぜに雪は降りつつしかすがに霞たなびき春はきにけり(読人不知[新古今])
448 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 18:03:48 ID:xO7s3YVI
うちきらし猶風さむしいそのかみふるのやまべの春のあは雪(道家[続後撰])
449 :
名無氏物語:2006/05/11(木) 18:04:38 ID:xO7s3YVI
梅の花くれなゐにほふ夕暮に柳なびきて春雨ぞふる(京極為兼[玉葉])
450 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:03:43 ID:aqnhnNUz
おのが妻こひわびにけり春の野にあさるきぎすの朝な朝ななく(源実朝)
451 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:04:53 ID:aqnhnNUz
春日野やいづくみむろの梅がえに霞たなびき鶯ぞなく(藤原家隆)
452 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:09:39 ID:6SBKviTt
萩原も霜枯れにけり御狩野はあさるきぎすのかくれなきまで(長済[後拾遺])
453 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:10:18 ID:6SBKviTt
音にたてぬかり庭の雉さのみやはおのがありかを忍びはつべき(実甚[新続古今])
454 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:11:29 ID:6SBKviTt
窓近きいささむら竹風ふけば秋におどろく夏の夜の夢(公継[新古今])
455 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:12:11 ID:6SBKviTt
山たかみ見つつ我がこし桜花風は心にまかすべらなり(貫之[古今])
456 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:12:53 ID:6SBKviTt
うつつにはさらにもいはず桜花夢にもちるとみえばうからむ(躬恒[新後拾遺])
457 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:15:47 ID:vqA4AFtJ
明けぼのや山本くらく立ちこめて霧にこゑある秋の川水
458 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:16:51 ID:vqA4AFtJ
水の面に吹く跡みえて山本の川風しろきなみのうき霧
459 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:17:38 ID:vqA4AFtJ
河波に月のかつらのさほさして明くるもしらずうたふ舟人
460 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:18:07 ID:vqA4AFtJ
浦人の夕べ暁行く舟に浪路をかへて月や見るらん
461 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:18:44 ID:vqA4AFtJ
月を友といはむもやさし雲の上にすむがすむにもあらぬ我が身は
462 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:19:27 ID:vqA4AFtJ
分け入れば麓にも似ず紅葉ばのふかきやふかき山路なるらん
463 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:22:05 ID:FOMgRri4
更くるまでながむればこそかなしけれおもひもいれじ秋のよの月
464 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:22:49 ID:FOMgRri4
桐の葉もふみ分けがたくなりにけりかならず人をまつとなけれど
465 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:23:28 ID:FOMgRri4
玉の緒よ絶えなばたえねながらへば忍ぶることのよわりもぞする
466 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:23:59 ID:FOMgRri4
わすれてはうちなげかるる夕かな我のみしりて過ぐる月日を
467 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:24:32 ID:FOMgRri4
夢にても見ゆらむものをなげきつつうちぬるよひの袖のけしきは
468 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:25:06 ID:FOMgRri4
逢ふ事を今日まつがえの手向草いくよしをるる袖とかはしる
469 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:29:55 ID:FHwlcPbE
うちなびく春さりくれば春日野に霞たなびきうぐひす鳴くも(本居宣長)
470 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:31:17 ID:FHwlcPbE
萬高フなかに獨りのおのれゐてうらがなし鳥のゆく道を思へ(前川佐美雄)
471 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:31:54 ID:FHwlcPbE
風ふけばいささむら竹うちそよぎさしも秋めく夜半のけしきよ(惟方)
472 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 09:32:59 ID:FHwlcPbE
秋きぬとおどろかれけり窓ちかくいささ群竹かぜそよぐ夜は(実定)
473 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:15:17 ID:FKadHQuz
わが宿のいささむら竹うちなびき夕暮しるき風の音かな(為家)
474 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:15:48 ID:FKadHQuz
山本のいささむら竹うちなびきちらぬ紅葉に夕風ぞふく(冷泉為尹)
475 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:16:27 ID:FKadHQuz
深き夜の風は音して灯の窓しづかなるいささむら竹(肖柏)
476 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:17:13 ID:FKadHQuz
うらうらに照らす春日はあしひきの山も霞みて遠くなりぬる(源道済)
477 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:20:24 ID:AqWg6+Z4
うらうらと天に雲雀は啼きのぼり雲斑らなる山に雲ゐず(斎藤茂吉)
478 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:22:32 ID:AqWg6+Z4
山たかみ見つつこえゆく峰の松かへりこむまで面がはりすな(長慶天皇)
479 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:24:41 ID:AqWg6+Z4
埴生坂花咲く岸にたつ未通女春の永日の誰が愛しき妻(保田與重郎)
480 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:25:21 ID:AqWg6+Z4
千とせふとわがきくなへに蘆たづの鳴きわたるなる声のはるけさ(貫之)
481 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:26:07 ID:AqWg6+Z4
天の原ふりさけみればますかがみきよき月よに雁鳴きわたる(源実朝)
482 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 10:27:01 ID:AqWg6+Z4
うつつにはさらにもいはずぬる玉の夢の中にもはなれやはする(俊成)
483 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 17:45:31 ID:wGxxzZlg
秋ぞみるこがね花さくみちのくの山の木の葉の色をひとつに(正徹)
484 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 17:46:37 ID:wGxxzZlg
いづくをも秋やかまくら山とみん金花さく下紅葉かな(正徹)
485 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 17:47:26 ID:wGxxzZlg
君がよのこがね花さくみちのおくの同じ名におふみよしのの山(幽斎)
486 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 17:48:17 ID:wGxxzZlg
はしきやし有田の山は冬枯に青葉しげりてこがね花さく(宣長)
487 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:06:31 ID:QgpjD+A8
楸生ふる小野のあさぢに置く霜の白きをみれば夜や更けぬらん(藤原基俊[千載])
488 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:19:50 ID:9xPycXvY
月きよみ有明の霜の萩の葉に白きをみれば嵐なりけり(家隆)
489 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:21:19 ID:9xPycXvY
秋の霜白きを見れば鵲の渡せる橋に月の冴えける(後鳥羽院)
490 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:22:14 ID:9xPycXvY
月影のしろきを見ればかささぎのわたせる橋に霜ぞ置きにける(実朝)
491 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:23:14 ID:9xPycXvY
松の葉の白きを見れば春日山木の芽もはるの雪ぞ降りける(実朝)
492 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:24:25 ID:9xPycXvY
かさ鷺のわたせる橋の霜消えて天つ日影や今朝しぐるらん(正徹)
493 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:29:04 ID:1T0bQkey
冬の夜は霜をかさねて鵲のわたせる橋にこほる月影(二条為氏[続後拾遺])
494 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:29:40 ID:1T0bQkey
朝ごとに我が元結におく霜のしろきをみれば秋ぞ暮れ行く(中御門経継[新千載])
495 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:43:40 ID:y7t/sDA5
くさぐさの花は咲けどもかぞいろのなきよの春は寂しかりけり(鵜殿余野子)
496 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:44:13 ID:y7t/sDA5
野にかへり春億万の花のなかに探したづぬるわが母はなし(前川佐美雄)
497 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:49:33 ID:y7t/sDA5
ふるさとといかでなりけむ花みれば昔今とも春はわかれで(斎宮女御)
498 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:50:14 ID:y7t/sDA5
古郷と成りにしをのの朝露にぬれつつにほふやまとなでしこ(源実朝)
499 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:51:21 ID:y7t/sDA5
是も又都の秋の紅葉ばをわたらば錦中川の水(正徹)
500 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 18:52:45 ID:y7t/sDA5
から錦もみぢみだれてうづむらんわたらぬ橋の中はたえけり(後柏原天皇)
501 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 19:00:14 ID:Kghp7geN
たつた山あらしや嶺によわるらんわたらぬ水も錦たえけり(宮内卿[新古今])
502 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 19:05:57 ID:Kghp7geN
神さびて幾世を過ぎぬ古郷となりにしならの山のはの月(藤原光俊[新続古今])
503 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 19:06:35 ID:Kghp7geN
故郷となりにしかども桜さく春や昔のしがの花ぞの(藤原俊成女[新千載])
504 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 19:07:27 ID:Kghp7geN
難波とをこぎ出でてみれば時雨ふる生駒のたけは紅葉してけり(藤原基家[続後拾遺])
505 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 19:13:23 ID:Kghp7geN
おほけなくうき世のたみにおほふかな我が立つ杣に墨染の袖(慈円[千載])
506 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 19:13:57 ID:Kghp7geN
契りあれば此山もみつ阿耨多羅三藐三菩提の種や植ゑけん(津守国夏[太平記])
507 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 20:04:39 ID:rlqcrzvu
山たかみ我がたつ杣にたておきし瑠璃のとぼそは曇るともなし(藤原家隆)
508 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 20:05:24 ID:rlqcrzvu
故郷のさほの川水いかならん柞の色は風も残らず(順徳院)
509 :
名無氏物語:2006/05/12(金) 20:07:38 ID:rlqcrzvu
故郷のさほの河水ながれてのよにもかくこそ月はすみけれ(鵜殿余野子)
510 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 00:49:12 ID:6HBlZ9Mm
津の国のなにはたたまくをしぞなく下の思ひにこがれわびつつ(後鳥羽院)
511 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:01:59 ID:1v/2BJas
難波めのすくもたく火の下焦れ上はつれなき我が身なりけり(藤原清輔[千載])
512 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:02:40 ID:1v/2BJas
難波めがすくもたく火の深き江に上にもえてもゆく蛍かな(藤原雅経[新勅撰])
513 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:08:55 ID:oc7TwX1s
鳴く虫のこゑも哀れやつくすらむ暮れ行く秋のけふをかぎりに
514 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:09:33 ID:oc7TwX1s
けふばかりいかでとどめん又来むはおもふに遠き秋の別れを
515 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:10:16 ID:oc7TwX1s
ちりそひて山あらはるる木の間より紅葉にかへて滝ぞ落ちくる
516 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:10:52 ID:oc7TwX1s
ふみ分くる山路にぞきく落葉して梢の風のまれになる声
517 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:11:31 ID:oc7TwX1s
みる人の袖さへこほる小夜風に落葉がのちの月のくまなき
518 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:12:06 ID:oc7TwX1s
枯るるより刈りもはらはぬ道みえて雪に跡ある野べの草むら
519 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:17:35 ID:tw2PQdPO
津の国のなには立たまくをしみこそすくもたく火のしたにこがるれ(後撰769)
520 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:18:28 ID:tw2PQdPO
言繁ししばしは立てれ宵の間におけらん露はいでてはらはむ(後撰1080)
521 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:19:17 ID:tw2PQdPO
うつろはぬ心の深くありければここらちる花春にあへるごと(後撰1156)
522 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:20:27 ID:tw2PQdPO
老いぬればさらぬ別れもありといへばいよいよ見まくほしき君かな(古今900)
523 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:24:49 ID:JQujZoQf
いきてよもあすまで人はつらからじ此夕ぐれをとはばとへかし
524 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:25:21 ID:JQujZoQf
ながめ佗びぬあきより外の宿もがな野にもやまにも月やすむらむ
525 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:26:07 ID:JQujZoQf
みよしのの山もかすみてしら雪のふりにしさとにはるはきにけり
526 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:26:56 ID:JQujZoQf
空は猶かすみもやらず風さえてゆきげにくもる春のよの月
527 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:27:41 ID:JQujZoQf
難波津にさくやむかしの梅の花今もはるなる浦風ぞふく
528 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:28:34 ID:JQujZoQf
むかしたれかかる桜のはなをうゑて吉野を春の山となしけむ
529 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:32:23 ID:AegY28+R
逢ひみてもさらぬ別れのある物をつれなしとても何歎くらん(殷富門院大輔[新勅撰])
530 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:34:24 ID:AegY28+R
たらちねのさらぬ別れの涙よりみしよ忘れずぬるる袖かな(慶融[新後撰])
531 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:35:40 ID:AegY28+R
忘らるるひまなき物は面影もさらぬ別れの名残なりけり(実甚[新後拾遺])
532 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:41:30 ID:1v/2BJas
やよや待てかたぶく月にことづてんわれも西にはいそぐ心あり(顕昭[玉葉])
533 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:44:07 ID:1v/2BJas
うき世には我住みわびぬ郭公出でけん山のおくををしへよ(正親町公蔭[新千載])
534 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:48:08 ID:oc7TwX1s
千種にもなほかへつべし霜がれの中に一はな咲けるなでしこ
535 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:49:03 ID:oc7TwX1s
山風や暮るるまにまに寒からしみぞれに雪の色ぞ添ひゆく
536 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:49:44 ID:oc7TwX1s
庭の面は降りもたまらで真砂のみしろき梢の今朝の初雪
537 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:50:18 ID:oc7TwX1s
みだれふす蘆間や消ゆる冬の池の波はすくなく積もるしら雪
538 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:51:00 ID:oc7TwX1s
暮ふかくかへるや遠き道ならむ笠おもげなる雪の里人
539 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:51:41 ID:oc7TwX1s
あま小舟はつ雪なれやわたつ海の波よりしろき奥津嶋山
540 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:55:23 ID:oc7TwX1s
白妙の雪こそ光れ夕狩のあかぬ日影をつきてふらなむ
541 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:55:50 ID:HIZUiQy+
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲(佐佐木信綱)
542 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 01:56:18 ID:oc7TwX1s
声すなり夜のまに竹をうつみ火のあたりはしらぬ雪や折るらん
543 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:04:46 ID:tw2PQdPO
やよや待て山時鳥ことつてむわれ世の中に住みわびぬとよ(古今152)
544 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:06:09 ID:tw2PQdPO
ふるさとの佐保の河水けふも猶かくてあふせはうれしかりけり(後撰1181)
545 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:07:05 ID:tw2PQdPO
思ひせく心の内の滝なれや落つとは見れど音のきこえぬ(古今930)
546 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:07:41 ID:tw2PQdPO
花の色は雪にまじりてみえずとも香をだににほへ人のしるべく(古今335)
547 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:12:29 ID:K1tR8wck
限りなくみまくほしかる我がためやさらぬ別れの花の山かぜ(正徹)
548 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:13:27 ID:K1tR8wck
ことづてん人はなけれど時鳥やよやしばしといはれぬるかな(俊恵)
549 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:14:00 ID:K1tR8wck
わたのはらかへる波にもことづてん都恋しみ我しほれぬと(伏見院)
550 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:14:43 ID:K1tR8wck
やよやまて人にもつげん時鳥ひとりはきくもをしき初音を(後崇光院)
551 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:15:21 ID:K1tR8wck
時鳥かへる山べにことづてん先すむこころ待ちもわぶると(木下長嘯子)
552 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:16:14 ID:K1tR8wck
思ひせく滝ならなくに冬さむみ氷りて波の音もきこえず(頓阿)
553 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:19:27 ID:vNS01iLd
滝つせに人の心をみることは昔に今もかはらざりけり(後朱雀院[新古今])
554 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:20:24 ID:vNS01iLd
思ひせく心のうちのしがらみも堪えずなりゆく涙川かな(藤原親盛[千載])
555 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:21:06 ID:vNS01iLd
思ひせく心の滝のあらはれて落つとは袖の色にみえぬる(藤原雅経[続古今])
556 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:21:36 ID:vNS01iLd
思ひせく袖より落つる滝つせはいつの人まの涙なるらん(今出川院近衛[続拾遺])
557 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:22:18 ID:vNS01iLd
思ひせく心しられて滝つせの中なる淀にとぶ蛍かな(源光正[新続古今])
558 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:22:54 ID:vNS01iLd
夏衣春におくれてさく花の香をだににほへおなじ形みに(藤原家隆[新拾遺])
559 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 02:48:59 ID:suzajgif
名ぐはしき印南の海の沖つ波千重に隠りぬ大和島根は(柿本人麻呂)
560 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:25:01 ID:c1Jl2xYS
和田の原八十島かけてしるべせよ遥にかよふ沖の釣舟(藤原秀能[新拾遺])
561 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:25:47 ID:c1Jl2xYS
わたの原吹くればさゆる汐風に八十島かけて千鳥なく也(源通方[続古今])
562 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:26:39 ID:c1Jl2xYS
わたの原八十島かけてすむ月にあくがれ出づる秋の舟人(藤原行房[続後拾遺])
563 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:27:23 ID:c1Jl2xYS
天の原八十島かけて照る月のみちたる汐に夜舟こぐなり(洞院公泰[風雅])
564 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:30:08 ID:P+6166HH
こぎいでぬと人につぐべきたよりだに八十島遠きあまのつり舟(家隆)
565 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:30:49 ID:P+6166HH
月かげにむしあけの瀬戸をこぎ出づれば八十島かけておくる鹿の音(後鳥羽院)
566 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:31:35 ID:P+6166HH
わたの原をちの霞の春の色に八十島かけてかへるかりがね(後鳥羽院)
567 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:33:07 ID:P+6166HH
わたつ海の浪の花をば染めかねて八十島とほく雲ぞ時雨るる(後鳥羽院)
568 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:33:47 ID:P+6166HH
むかへ舟八十瀬をかけてこぎ出でぬと妻にはつげよ天の河風(下河辺長流)
569 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:40:18 ID:/n4AXAwo
くり返しくやしきものは君にしも思ひよりけむしづの苧環(源師光[千載])
570 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:41:20 ID:/n4AXAwo
くりかへし思ふ心はありながらかひなき物はしづのをだ巻(大江匡房[玉葉])
571 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:43:19 ID:/n4AXAwo
思ひきや別れし秋にめぐりあひて又もこの世の月を見んとは(藤原俊成[新古今])
572 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:44:00 ID:/n4AXAwo
春の花さきては散りぬ秋の月みちてはかけぬあなう世の中(殷富門院大輔[玉葉])
573 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:46:56 ID:e0qgfrzc
思ひきやあひみぬ事をいつよりと数ふばかりになさん物とは(源信明[後撰])
574 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:47:49 ID:e0qgfrzc
思ひきや君が衣をぬぎかへてこきむらさきの色を着んとは(藤原師輔[後撰])
575 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:48:20 ID:e0qgfrzc
春の夜の夢の中にも思ひきや君なき宿を行きてみんとは(藤原忠平[後撰])
576 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:48:56 ID:e0qgfrzc
かけてだにわが身のうへと思ひきやこんとし春の花をみしとは(伊勢[後撰])
577 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 08:50:02 ID:e0qgfrzc
老となるつらさは知りぬしかりとてそむかれなくに月をみる哉(藤原信実[続後撰])
578 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 09:57:22 ID:ODLB9jjF
虎とのみ用ゐられしは昔にて今はねずみのあなう世の中(宗尊親王)
579 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 09:58:09 ID:ODLB9jjF
ちらす風あだなる桜かたがたにうらみもはてずあなう世の中(木下長嘯子)
580 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 10:11:25 ID:ZxXNtI0K
わたの原八十島かけて漕ぎいでぬと人にはつげよあまのつり舟(古今407)
581 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 10:35:50 ID:QiwsNzA4
おく山のいはかき紅葉いたづらに時雨にそほちをる人もなし(後鳥羽院)
582 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 10:36:41 ID:QiwsNzA4
もろく見し霜と露とのたてぬきは風のおりける錦なりけり(慈円)
583 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 10:37:23 ID:QiwsNzA4
まだしらぬ人に見せばやおく山のいはかき紅葉ちりまがふころ(如願)
584 :
名無氏物語:2006/05/13(土) 10:37:58 ID:QiwsNzA4
奥山の岩垣紅葉此ごろはあした霜おき夕べ散りかふ(上田秋成)
585 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 01:54:09 ID:oery8/aj
奥山の岩垣紅葉ちりはてて朽葉が上に雪ぞつもれる(大江匡房[詞花])
586 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 01:55:21 ID:oery8/aj
山がつの夜寒の秋の露のぬき霜のたてまでうつ衣かな(良聖[新千載])
587 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:03:55 ID:PbXkPcA7
秋はぎのうつろふをしとなく鹿のこゑきく山はもみぢしにけり(家持[新勅撰])
588 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:06:10 ID:PbXkPcA7
世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる(藤原俊成[千載])
589 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:13:31 ID:ZhNQykJG
よしや人それにつけても思ひしらば思はむ方のよそにだにあれ
590 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:14:21 ID:ZhNQykJG
待ちいでてかへるこよひのつれなさはひとり見はつる有明の月
591 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:15:05 ID:ZhNQykJG
おのづから見ゆらんものを恨むともしらず顔なるそれも一ふし
592 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:15:53 ID:ZhNQykJG
身にそへて又や寝なまし移り香もまださながらの今朝の袂を
593 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:16:57 ID:ZhNQykJG
名残なほ逢ふと見えつる夢よりもさだかにむかふ夜半の面影
594 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:17:56 ID:ZhNQykJG
百敷や松のおもはんことのはの道をふるきにいかでかへさん
595 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:21:49 ID:S2FE1T32
雲はみなはらひはてたるあき風をまつにのこして月をみるかな
596 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:22:31 ID:S2FE1T32
さらぬだにふくるはをしき秋の夜の月よりにしにかかるしら雲
597 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:23:33 ID:S2FE1T32
人すまぬ不破の関屋の板びさしあれにし後はただ秋のかぜ
598 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:24:12 ID:S2FE1T32
いはざりき今こむまでの空のくも月日へだててものおもへとは
599 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:25:01 ID:S2FE1T32
いつもきく物とや人のおもふらむこぬ夕ぐれの松風のこゑ
600 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:25:48 ID:S2FE1T32
天の戸をおし明がたの雲間より神代の月のかげぞのこれる
601 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:30:19 ID:R+aWUSvJ
ながめわびぬ立田の里の神無月紅葉ふみわけとふ人はなし(慈円)
602 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:30:50 ID:R+aWUSvJ
おのづから紅葉ふみ分けとふ人も道たえそむる庭の霜かな(藤原家隆)
603 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:31:23 ID:R+aWUSvJ
我がやどの紅葉踏分けとふ人も都になれぬさをしかの声(藤原家隆)
604 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:36:18 ID:T/k9Q1tv
さをしかのもみぢふみわけたつた山いく秋風にひとりなくらん(藤原雅経)
605 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:36:57 ID:T/k9Q1tv
ちりしける詠はこれも絶えぬべしもみぢふみ分けかへる山人(後鳥羽院)
606 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:37:36 ID:T/k9Q1tv
たつた山あかつきさむき秋風に紅葉ふみわけ鹿のなくらむ(土御門院小宰相)
607 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:38:14 ID:T/k9Q1tv
おく山は木の葉ふみわけ鹿ばかり我が道まよふ音こそなかるれ(藤原為家)
608 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:39:16 ID:T/k9Q1tv
なく鹿の声聞くときの山ざとを紅葉ふみ分けとふ人もがな(宗尊親王)
609 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:45:38 ID:0dAi95lp
我庵は小倉の山の近ければ浮世をしかとなかぬ日ぞなき(八条院高倉[新勅撰])
610 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:47:48 ID:0dAi95lp
うぢ山のむかしの庵の跡とへば都のたつみ名ぞふりにける(慶融[玉葉])
611 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:51:58 ID:cx3mza6o
わがいほは都のいぬゐすみわびぬうき世のさがと思ひなせども(寂蓮)
612 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:52:48 ID:cx3mza6o
道をえて世をうぢ山といひし人のあとに跡そふ君とこそ見れ(慈円)
613 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:53:46 ID:cx3mza6o
秋といへば都のたつみ鹿ぞ鳴く名も宇治山の夕ぐれの空(順徳院)
614 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 02:54:18 ID:cx3mza6o
わが菴はみやこの辰巳午未申酉戌亥子丑寅う治(四方赤良)
615 :
名無氏物語:2006/05/14(日) 21:20:02 ID:dtXgSEr/
歌合戦ですな
616 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:21:02 ID:aSaWw8s0
木の間より見ゆるは谷の蛍かもいさりにあまの海へ行くかも(玉葉400)
617 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:29:56 ID:F7DpZWhL
浅みどり柳の枝のかたいともてぬきたる玉の春のあさ露(藤原為家[玉葉])
618 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:44:34 ID:6SaITm9z
今よりはみどり色そふ青柳の糸よりかけて春雨ぞふる(正徹)
619 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:45:10 ID:6SaITm9z
露の色を玉にもぬける青柳の枝をもうつす花の匂に(後柏原天皇)
620 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:46:43 ID:6SaITm9z
こぼさじと月かげながら白露を玉にもぬけるいとすすきかな(木下長嘯子)
621 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:52:22 ID:V27xdyu0
山風の花の香かどふ麓には春の霞ぞほだしなりける(藤原興風[後撰])
622 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:53:10 ID:V27xdyu0
昔誰かかる桜の花をうゑて吉野を春の山となしけむ(藤原良経[新勅撰])
623 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:57:21 ID:5JkHLMqN
散りうせぬためしときけばふるき世にかへるを松のことのはの道
624 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:58:17 ID:5JkHLMqN
うけつぎし身の愚かさに何の道も廃れゆくべき我が世をぞ思ふ
625 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 00:59:16 ID:5JkHLMqN
芦原やしげらば繁れ荻薄とても道ある世にすまばこそ
626 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:00:40 ID:5JkHLMqN
曲木に柳の糸をよりかけて直ぐなる道を風にとはばや
627 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:01:30 ID:5JkHLMqN
世の中はあしまの蟹のあしまとひ横にゆくこそ道のみちなれ
628 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:02:09 ID:5JkHLMqN
みな人は上に目がつく横にゆく葦間のかにのあはれなる世や
629 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:06:01 ID:qsxJgcWk
うちきらし猶風さむしいそのかみふるのやまべの春のあは雪
630 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:06:46 ID:qsxJgcWk
霞しくをぎの焼原ふみわけてたが為春のわかなつむらん
631 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:08:11 ID:qsxJgcWk
岩戸明けておもしろしといふためしにや天のかぐやま月はいづらむ
632 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:09:12 ID:qsxJgcWk
あまの河水かげぐさのつゆのたまたまたまきても明けぬこのよは
633 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:09:57 ID:qsxJgcWk
伊勢島や和歌の松原見わたせば夕塩みちて秋風ぞふく
634 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:10:42 ID:qsxJgcWk
夕波をいかがはらはむふなびとのとわたるかぢのあとはみえねど
635 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:16:19 ID:i6fL6bSn
香をだにと思ひし花の霞より色をもおくる春の山風(慈円)
636 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 01:17:00 ID:i6fL6bSn
いそのかみふるの山べの桜花こぞみし花の色やのこれる(藤原季方)
637 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:21:03 ID:dl0twW6x
朝夕のなるるたぶさにささげても心のままに花たてまつる(藤原雅経)
638 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:21:59 ID:dl0twW6x
このもとの紅葉の錦たてながら道のたよせに幣たてまつる(源家長)
639 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:22:44 ID:dl0twW6x
たてながらみよの仏にたてまつる花かもをるな春の山人(後鳥羽院)
640 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:23:40 ID:dl0twW6x
この心天つ空にも花そなふ三世の仏に奉らばや(道元)
641 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:33:00 ID:T5denIus
この寺に三世の仏やすむ月もちらすひかりを花たてまつる(後花園院)
642 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:35:40 ID:T5denIus
鉢之子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてむ(良寛)
643 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:36:27 ID:T5denIus
みる人をなどやかへさぬ藤の花はひまつはれよとかばをしへし(源頼政)
644 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:42:31 ID:L7BSCN/y
心すむ池のみぎはの蓮こそにごりにしまぬ色も見えけれ(慈円)
645 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:44:03 ID:L7BSCN/y
露の身を玉ともなさんはちす葉のにごりにしまぬわが心より(慈円)
646 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:44:41 ID:L7BSCN/y
夏の池にもとよりたねのあればこそにごりにしまぬ花もさくらめ(慈円)
647 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:45:20 ID:L7BSCN/y
露をさへ玉とあざむくはちす葉のにごりにしまぬ夏の夜の月(雅経)
648 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:45:52 ID:L7BSCN/y
はちす葉の露のしら玉みがくれてにごりにしまぬ夏の池水(土御門院)
649 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 07:46:27 ID:L7BSCN/y
池水のにごりにしまぬ色みえてしげるはちすにみがく白玉(為家)
650 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 15:40:04 ID:B9G2QSfC
みがきなす光もうれしはちす葉のにごりにしまぬ露のしら玉(洞院公賢[風雅])
651 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 15:48:39 ID:i6fL6bSn
蓮葉のかげにならびてたつ鷺もにごりにしまぬ雪の毛衣(長嘯子)
652 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 15:49:30 ID:i6fL6bSn
風こえてちるぞ涼しき蓮葉になにかは露を玉とのみ見む(本居宣長)
653 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:01:32 ID:GRZCZTTQ
きみをわれ恋ひそめしより名にめでてあふ坂山はゆかぬ日ぞなき(慈円)
654 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:02:12 ID:GRZCZTTQ
手折るとも人にかたるな山吹の花にわけくる露はおちにき(正徹)
655 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:02:51 ID:GRZCZTTQ
見るに我も折れるばかりぞ女郎花(芭蕉)
656 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:04:22 ID:GRZCZTTQ
657 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:10:11 ID:c7qRv3Ww
名にめでてまよひもぞする女郎花にほふ宿をばよきてゆかなん(二条為明[風雅])
658 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:11:49 ID:c7qRv3Ww
名にめでて妻や恋ふらむ女郎花おほかる野べのさを鹿の声(藤原雅家[新拾遺])
659 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:24:00 ID:c7qRv3Ww
心とめしかたみの色もあはれなり人はふりにしやどの紅葉ば(伏見院[風雅])
660 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:39:13 ID:OyC38vcE
故郷の主の涙やおきつらむ庭もまがきも秋のしら露(慈円)
661 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:39:48 ID:OyC38vcE
をぎのはに庭も籬もうづもれてあはれ荒行く風の音かな(家隆)
662 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:40:19 ID:OyC38vcE
あだ人の心よりまづあれそめて庭もまがきも野べの秋風(藤原有家)
663 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:41:28 ID:OyC38vcE
里はあれて庭も籬も秋の露やどりなれたる月の影かな(藤原俊成女)
664 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:47:09 ID:x9pEKrka
梢さへたのむかげなく枯れにけり花の姿の根にしかへれば(崇徳院[新拾遺])
665 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:48:21 ID:x9pEKrka
秋かけてふりにしやどの村時雨たのむかげなくぬるる袖かな(実伊[玉葉])
666 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:50:29 ID:x9pEKrka
今こむといひしばかりに長月の有明の月をまちいでつるかな(素性[古今])
667 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 16:59:38 ID:ig3sK+A3
しぐれゆくかた野の原の紅葉がりたのむかげなくふく嵐かな(家隆)
668 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:01:40 ID:ig3sK+A3
これまでもたのむかげなくなりにけり花にしほるる雨のゆふぐれ(藤原秀能)
669 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:07:01 ID:lLSA5HbS
唐錦君に見よとやまつら山のこるもみぢも枝に一むら(慈円)
670 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:08:12 ID:lLSA5HbS
から錦秋のかたみをたたじとや霜までのこる庭のひとむら(後鳥羽院)
671 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:08:57 ID:lLSA5HbS
さをしかの朝たつ野べの唐錦枝に一むら秋風ぞふく(順徳院)
672 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:09:52 ID:lLSA5HbS
つれもなき人やは待ちし山里はのきの下草みちもなきまで(良経)
673 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:10:30 ID:lLSA5HbS
都人まつとせしまに山里のみちもなきまで花ぞふりしく(正徹)
674 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:19:15 ID:BSQbsiae
またこんといひて別れしなごりのみながむる月に有明の空(有家)
675 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:19:57 ID:BSQbsiae
いまこんといひてわかれし雁がねの思ひ出でてや月に鳴くらん(宗良親王)
676 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:36:23 ID:zr4IkJdu
老いらくの千とせの坂もこえぬべしはこやの山の月にまかせて(家隆)
677 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:41:16 ID:BLLvRWn6
時鳥よそにはすぎじ卯の花のまがきは山と暮れば見えなん(飛鳥井雅有)
678 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:42:15 ID:BLLvRWn6
夕暮は鳴くねもたかしきりぎりす籬は山と茂る草葉に(二条為藤)
679 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:43:44 ID:BLLvRWn6
うの花のさけるあたりや夕暮のまがきの山の月とみゆらん(鷹司冬平)
680 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:44:28 ID:BLLvRWn6
とまるべき跡をもみばや夕ぐれのまがきは山とふれるしら雪(堯孝)
681 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:45:06 ID:BLLvRWn6
山かぜのさくら吹きまきちる花のみだれてみゆる志賀のうら波(源実朝)
682 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:45:57 ID:BLLvRWn6
山かぜにさくら吹きまきゆく春のしばしやすらふ谷の下道(藤原秀能)
683 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:49:51 ID:HLzrFPxh
限なきはこやの山のかげなれば千とせの坂も猶こえぬべし(藤原範光[続拾遺])
684 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:51:05 ID:HLzrFPxh
まがきだに山かと見ゆる夕暮は尾上につづく庭の白雪(亀山院[続古今])
685 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:56:07 ID:2dhed9jr
乙女子が雲のかよひぢ空はれて豊のあかりも光そへけり(藤原俊成[玉葉])
686 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:56:41 ID:2dhed9jr
忘れめや雲のかよひぢ立ちかへり乙女の袖を月に見し夜は(後鳥羽院[続古今])
687 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 17:57:11 ID:2dhed9jr
天津空雲の通ひ路それならぬ乙女の姿いつか待ち見ん(八条院高倉[新勅撰])
688 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 18:09:34 ID:lLSA5HbS
山ふかき桜ふきまく風の音の花のまぎれに春や行くらん(順徳院)
689 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 18:10:23 ID:lLSA5HbS
あかで散る花のまぎれに別れにし人をばいつの春か又見ん(宗良親王)
690 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 18:12:05 ID:lLSA5HbS
天つ風氷をわたる冬の夜の乙女の袖をみがく月影(式子内親王)
691 :
名無氏物語:2006/05/15(月) 18:12:38 ID:lLSA5HbS
天つ風雲井の空を吹くからに乙女の袖に宿る月かげ(後鳥羽院)
692 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:14:42 ID:2FugY/js
天津袖ふるしら雪に乙女子が雲のかよひぢ花ぞ散りかふ(家隆[新後撰])
693 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:19:18 ID:l4w2A3iG
月のゆく雲のかよひぢかはれども乙女のすがた忘れしもせず(西園寺公経[続後撰])
694 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:23:20 ID:l4w2A3iG
天津風雲吹きとづな乙女子が袖ふる山の秋の月影(津守国夏[続千載])
695 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:24:41 ID:l4w2A3iG
乙女子が雲の通ひ路ふく風にめぐらす雪ぞ袖にみだるる(為藤[風雅])
696 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:25:18 ID:l4w2A3iG
天津風なほ吹きとぢよ七夕の明くるわかれの雲の通ひ路(中原師員[続後撰])
697 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:26:09 ID:l4w2A3iG
あられふる雲の通ひ路風さえて乙女のかざし玉ぞ乱るる(足利義氏[続拾遺])
698 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:30:27 ID:1HztLlOm
いにしへのちぎりにかけし帯ばかり一すじしろき遠の川なみ
699 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:31:40 ID:1HztLlOm
ともかくもなさば成りなむ心もて此身ひとつをなげくおろかさ
700 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:32:18 ID:1HztLlOm
おもふより遠くきぬらし旅衣分くる夏野の草たかくなる
701 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:33:09 ID:1HztLlOm
波さわぐうきねのまくら又うきぬ都のゆめのかへる名残に
702 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:33:42 ID:1HztLlOm
ひらけなほ文の道こそ古へにかへらん跡は今はのこらめ
703 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:34:32 ID:1HztLlOm
人もこれ草葉もしげし野も広しつむ菜となれば雨もすくなし
704 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:37:55 ID:+VToOxg+
つくばねのそがひにたてる小男鹿の妻ふく風にこゑもをしまず
705 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:38:46 ID:+VToOxg+
我がこひのもえても空にまどひなばふじのけぶりといづれたかけむ
706 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:39:18 ID:+VToOxg+
老の後又思ふことはなきものを人のこころになほなげくかな
707 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:40:09 ID:+VToOxg+
岩そそくたるひとやみむ滝川のせのぼる月のかげこほるなり
708 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:40:43 ID:+VToOxg+
立ちそむる霞のころもうすけれどはるきてみゆるよもの山のは
709 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:41:39 ID:+VToOxg+
たかせさす六田のよどの柳原みどりもふかくかすむ春かな
710 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:44:14 ID:gRM2Yrry
天津風いかに吹くらん久方の雲のかよひぢ月ぞさやけき(二条為定[新後拾遺])
711 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:44:54 ID:gRM2Yrry
岩の上の苔の衣もうづもれずただ一重なる今朝の初雪(西園寺実氏[玉葉])
712 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:52:59 ID:8RriWXXb
きみとわれいかなる雲の末ならむ夢の切り口春吹きとぢよ(山中智恵子)
713 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:53:34 ID:8RriWXXb
春ちかみあらばといとどしのばれて歎きくははる年の暮かな(長嘯子)
714 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:54:34 ID:8RriWXXb
女郎花なまめきたてるすがたをやうつくしよしと蝉のなくらん(源俊頼)
715 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:55:05 ID:8RriWXXb
いつまでぞなまめきたてる女郎花はなも一とき露も一とき(慈円)
716 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 07:56:15 ID:8RriWXXb
かさぬべき霞の袖もただひとへいかにやどらむ山の夕かげ(良経)
717 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 09:51:52 ID:+qzlEK8A
山吹の花もえいずる山清水くみにいかねど道を知ら鳴く(万葉集・武市皇子)
718 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 19:59:13 ID:hC298UnT
朝露はかかれとてしも消えざりし夕の風に散るさくらかな(正徹)
719 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:00:02 ID:hC298UnT
かかれとてたがたらちねの撫でつらん尾花がもとに残る黒かみ(心敬)
720 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:14:20 ID:Vu/dnhG9
我が涙かかれとてしも黒髪の長くや人に乱れそめにし(今出河院近衛[新千載])
721 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:31:44 ID:Vu/dnhG9
世の中はとてもかくても同じこと宮もわら屋もはてしなければ(蝉丸[新古今])
722 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:32:16 ID:Vu/dnhG9
風早み荻の葉ごとにおく露のおくれさきだつ程のはかなさ(具平親王[新古今])
723 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:32:46 ID:Vu/dnhG9
春秋もかぎらぬ花におく露はおくれさきだつ恨やはある(寂蓮[新古今])
724 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:33:54 ID:Vu/dnhG9
六道の道の衢に待てよ君後れ先立つ習ありとも(弁慶[義経記])
725 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:45:28 ID:fCY9ldkj
ちると見ればまたさく花のにほひにもおくれさきだつためしありけり(西行)
726 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:46:05 ID:fCY9ldkj
末の露もとのしづくも鳥べ山おくれ先だつけぶりなりけり(家隆)
727 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:47:04 ID:fCY9ldkj
露雫おくれさきだつもとすゑをひとつみ法の花にもらすな(為家)
728 :
名無氏物語:2006/05/16(火) 20:47:53 ID:fCY9ldkj
見てもしれいづれこの世はつねならむおくれさきだつ花ものこらず(良寛)
729 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:16:57 ID:yP5biGIa
春の日のひかりにあたる我なれどかしらの雪となるぞわびしき(古今8)
730 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:22:26 ID:FHVt2+BN
年つもるかしらの雪は大空のひかりにあたる今日ぞうれしき(伊勢大輔[後拾遺])
731 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:23:02 ID:FHVt2+BN
春くれどきえせぬものは年をへてかしらにつもる雪にぞ有りける(花山院[後拾遺])
732 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:23:42 ID:FHVt2+BN
木の葉ちるむべ山風のあらしより時雨になりぬ峰の浮雲(藤原有家[新拾遺])
733 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:24:23 ID:FHVt2+BN
ふくからに身にぞしみける君はさは我をや秋の凩の風(八条院高倉[新勅撰])
734 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:29:33 ID:rfpA8EvA
消えがたきかしらの雪をかこちても先やむかはん春の光に(肖柏)
735 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:30:11 ID:rfpA8EvA
向ふ中はかしらの雪もおもはでぞ春の光にあたる埋火(武者小路実陰)
736 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:30:43 ID:rfpA8EvA
冬のきてむべ山風のあらしより雪ぞ木のはに散りかはりける(慈円)
737 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:31:14 ID:rfpA8EvA
ふくからにむべ山風もしほるなりいまはあらしの袖を恨みて(藤原家隆)
738 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:31:47 ID:rfpA8EvA
山姫のころも秋かぜふくからに色ことごとに野べぞなり行く(後鳥羽院)
739 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:32:31 ID:rfpA8EvA
草の原つゆのやどりを吹くからに嵐にかはる道芝のしも(後鳥羽院)
740 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:36:21 ID:+gESnjfc
みちみちの百の工のしわざまでむかしに及ぶ物はまれにて
741 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:36:54 ID:+gESnjfc
さまざまに見しよをかへす道なれや雨夜更け行くともし火の本
742 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:37:26 ID:+gESnjfc
うごきなき下つ岩根の宮柱身をたつる代々のためしならずや
743 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:38:00 ID:+gESnjfc
八百万神もさこそは守るらめ照る日の本の国津宮古を
744 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:38:38 ID:+gESnjfc
まもれなほよに住吉の神ならば此の敷島の道のまことを
745 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:39:19 ID:+gESnjfc
隠岐の海のあらき浪風しづかにて都の南宮つくりせり
746 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:41:46 ID:946BmvS4
しら雲の八重山ざくら咲きにけりところもさらぬ春のあけぼの
747 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:42:53 ID:946BmvS4
ほととぎす猶うとまれぬこころかなながなく里のよその夕ぐれ
748 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:43:33 ID:946BmvS4
星合のゆふべすずしき天の川もみぢのはしをわたる秋風
749 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:44:28 ID:946BmvS4
風さむみ夜半のね覚のとことはになれてもさびしころもうつなり
750 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:45:01 ID:946BmvS4
明くるより名残をなににかたらまし折もおよばぬあきの別路
751 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:45:40 ID:946BmvS4
和田の原波もひとつにみくまののはまの南は山のはもなし
752 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:48:13 ID:L+28yHrc
山かぜの木の間の雪をふくからに心づくしの冬の夜のつき(後鳥羽院)
753 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:48:56 ID:L+28yHrc
住みわぶるむべ山風のあらし山花のさかりは猶うかりけり(藤原為家)
754 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:49:45 ID:L+28yHrc
神な月けふは冬とて嵐山草木もむべぞ吹きしをるらむ(藤原為家)
755 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:50:19 ID:L+28yHrc
草木吹くむべ山風と聞きしかど猶ぞかりねの袖はしほるる(藤原為家)
756 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:51:01 ID:L+28yHrc
草も木もさぞなあらしの山風にひとりしをれぬ荻のおとかな(道助法親王)
757 :
名無氏物語:2006/05/17(水) 07:51:56 ID:L+28yHrc
草木ふくむべ山かぜの夕ぐれにしぐれてさむき秋のむら雲(宗尊親王)
758 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 00:47:43 ID:NL32eXDO
吹きにけりむべも嵐とゆふ霜もあへずみだるる野べのあさぢふ(堯孝)
759 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 00:51:38 ID:NL32eXDO
しをれこし秋の草木の末つひにたへぬ嵐の冬はきにけり(三条西実隆)
760 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 00:52:27 ID:NL32eXDO
吹きしをる秋の草木の色よりも冬ぞあらしの音ははげしき(中院通村)
761 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 00:57:57 ID:e6DVqeb0
あふ坂や木ずゑの花を吹くからに嵐ぞかすむ関のすぎむら(宮内卿[新古今])
762 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 00:58:46 ID:e6DVqeb0
吹くからに秋の光のあらはれてむべ山風にすめる月哉(二条為明[新千載])
763 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:10:03 ID:BdovTENp
草も木も色かはれどもわたつうみの浪の花にぞ秋なかりける(古今250)
764 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:10:42 ID:BdovTENp
花の木にあらざらめども咲きにけり古りにしこのみなる時もがな(古今445)
765 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:19:26 ID:E1LWRsNN
にほの海や月の光のうつろへば浪の花にも秋はみえけり(家隆[新古今])
766 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:23:43 ID:SwXP3Iks
絶えせじなその神世より人の世にうけてただしき敷島の道
767 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:24:19 ID:SwXP3Iks
開きみる文にぞしるきをさまれる御代のかたみや世々の古こと
768 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:25:01 ID:SwXP3Iks
こひつつも鳴くや四かへり百千鳥霞へだてて遠きむかしを
769 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:25:37 ID:SwXP3Iks
南に事も夢の外なる世はなしと思ひしこともかきまぎれつつ
770 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:26:38 ID:SwXP3Iks
無かひゐてたださながらの俤に一ことをだにかはさぬぞうき
771 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:27:20 ID:SwXP3Iks
阿け暮れにありしながらのことわざも目の前さらに見る心地して
772 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:31:12 ID:nXn2f+1H
いかばかりくもりなき世をてらすらむ名にあらはるる月よみのもり
773 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:31:46 ID:nXn2f+1H
つま木こる山路も今や絶えぬらむ里だにふかき今朝のしらゆき
774 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:32:26 ID:nXn2f+1H
三島江やしももまだひぬあしのはにつのぐむほどのはる風ぞふく
775 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:33:12 ID:nXn2f+1H
まがふとていとひしみねのしら雲はちりてぞはなのかたみなりける
776 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:33:54 ID:nXn2f+1H
明けぬとて野べより山にいるしかのあとふきおくる萩の下かぜ
777 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:34:38 ID:nXn2f+1H
むさし野やゆけども秋のはてぞなきいかなるかぜの末にふくらむ
778 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:38:53 ID:gHYtddGv
わたつ海の秋なき波の花になほ霜おくものは夜半の月かげ(慈円)
779 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:39:38 ID:gHYtddGv
時しあれば秋なき浪の花の色も月にうつろふ浦かぜぞふく(宗良親王)
780 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:40:20 ID:gHYtddGv
もも草の野島が崎の夕風に秋なき波の花も散るなり(道堅)
781 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 01:40:56 ID:gHYtddGv
風かをる浪の花には夏もなし秋かととはん海づらのさと(武者小路実陰)
782 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 07:51:23 ID:DzZXbf2w
さらにまたつもれる雪にうづもれぬ時雨ふりおけるならの枯葉も(俊成卿女)
783 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 07:51:53 ID:DzZXbf2w
ならの葉の名におふ月も今宵とやしぐるる雲をはらふ秋かぜ(後崇光院)
784 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 07:57:25 ID:Uux1kOQb
はれくもり時雨ふりおける片岡のならの葉そよぎ冬はきにけり(西園寺公相[新拾遺])
785 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:02:55 ID:Uux1kOQb
みちのくの忍ぶもぢずり忍びつつ色には出でじ乱れもぞする(寂然[千載])
786 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:05:30 ID:Mu7eaFLM
さきにけり風のこぬ間にけふ桜こころのほどに手折りつつみむ(後鳥羽院)
787 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:06:06 ID:Mu7eaFLM
けふ桜をらばをらなむ風ふかば夜のまもしらぬ花の木ずゑに(安嘉門院高倉)
788 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:06:37 ID:Mu7eaFLM
けふ桜めがれせぬまもそふ老を思ひも出でぬ花の陰かな(正徹)
789 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:13:43 ID:NL32eXDO
ぬしやたれいさしら露のふぢばかま忘れがたみに秋風ぞふく(為家)
790 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:14:39 ID:NL32eXDO
もれぬべき袖の涙にしらせばやとへど白玉いはぬならひを(二条為定)
791 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:15:10 ID:NL32eXDO
ぬしや誰とへど白波春たてば霞にそむる布引の滝(長慶天皇)
792 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:17:13 ID:O018GVAQ
みちのくのしのぶもぢずり乱れつつ色にを恋ひん思ひそめてき
793 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:17:59 ID:O018GVAQ
逢ふことはしのぶの衣あはれなど稀なる色に乱れそめけん
794 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:18:31 ID:O018GVAQ
袖ぬらすしのぶもぢずり誰が為に乱れてもろき宮城野の露
795 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:19:05 ID:O018GVAQ
春日野の霞の衣山風にしのぶもぢずりみだれてぞゆく
796 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:19:41 ID:O018GVAQ
しをるべきよもの草木もおしなべて今日よりつらき荻の上風
797 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:20:15 ID:O018GVAQ
わび人のわが宿からの松風になげきくははるさをしかの声
798 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:20:48 ID:O018GVAQ
琴の音も歎きくははる契りとてをだえの橋に中もたえにき
799 :
定家厨:2006/05/18(木) 08:21:26 ID:O018GVAQ
天つ風をとめの袖にさゆる夜はおもひいでてもおねられざりけり
800 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:24:17 ID:Z/Gjersp
君にかく乱れそめぬとしらせばや心のうちに忍ぶもぢずり(藤原兼実[続拾遺])
801 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:24:51 ID:Z/Gjersp
下にのみ忍ずもぢずりくるしきは心のうちのみだれなりけり(藤原忠良[続古今])
802 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:26:03 ID:Z/Gjersp
誰ゆゑに思ふとか知る初瀬めの手にひく糸のおのれ乱れて(藤原為家[続後拾遺])
803 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:26:45 ID:Z/Gjersp
心のみかぎりしられぬ乱れにていく年月を忍ずもぢずり(後嵯峨院[新後撰])
804 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:27:35 ID:Z/Gjersp
いつの間に乱るる色の見えつらん忍ぶもぢずりころもへずして(後醍醐院[続後拾遺])
805 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 08:28:12 ID:Z/Gjersp
心こそたへぬ思ひにみだるとも色にな出でそ忍ずもぢずり(藤原藤経[新後拾遺])
806 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:35:43 ID:NL32eXDO
佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ(後鳥羽院)
807 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:42:30 ID:BdovTENp
はるのきるかすみの衣ぬきをうすみ山風にこそみだるべらなれ(古今23)
808 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:44:07 ID:BdovTENp
ぬしやたれ問へどしら玉いはなくにさらばなべてやあはれと思はむ(古今873)
809 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:44:40 ID:BdovTENp
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑにみだれむと思ふ我ならなくに(古今724)
810 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:49:23 ID:03gaRh5A
宮城野の朝露分けて秋萩の色にみだるる忍ぶもぢずり(頓阿[新続古今])
811 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:50:06 ID:03gaRh5A
山吹の花色衣ぬしやたれとへどこたへずくちなしにして(素性[古今])
812 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:50:50 ID:03gaRh5A
かひもなし問へど白玉みだれつつ答へぬ袖の露の形見は(民部卿典侍[続拾遺])
813 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:51:22 ID:03gaRh5A
霞たつ春の衣のぬきをうすみ花ぞ乱るるよもの山風(藤原雅経[続拾遺])
814 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 17:52:39 ID:03gaRh5A
橋姫の霞の衣ぬきをうすみまださむしろの宇治の河風(藤原家隆[新後拾遺])
815 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:04:25 ID:TuGIgLIB
暮かたの秋さり衣ぬきをうすみたえぬ夜寒に今ぞうつなる(源家清[玉葉])
816 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:11:29 ID:nXn2f+1H
かひなしや因幡の山の松とても又帰りこむ昔ならねば(二条為氏[続拾遺])
817 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:12:02 ID:nXn2f+1H
鳴すてて因幡の山の郭公なほ立ちかへりまつとしらなん(藤原経平[新後撰])
818 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:12:34 ID:nXn2f+1H
別路ぞ今は慰む君がかく待つとしきかば千世もへぬべし(源季広[続千載])
819 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:13:10 ID:nXn2f+1H
都人まつとしきかば言伝てよ独りいなばの嶺の嵐に(伏見院[新千載])
820 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:18:54 ID:7sUVIla4
一声もなきていなばの峰におふるまつかひあれや山ほととぎす(藤原有家)
821 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:19:25 ID:7sUVIla4
すゑとほき朝日の山の峰におふる松には風もときはなりけり(藤原良経)
822 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:20:02 ID:7sUVIla4
よしやさは頼めぬ宿の庭に生ふるまつとなつげそ秋の夕かぜ(後鳥羽院)
823 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:20:37 ID:7sUVIla4
夜半の月いづるとやまの嶺におふる松をもはらへ秋ふかき風(後鳥羽院)
824 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:21:31 ID:7sUVIla4
程もなくいでていなばの嶺におふるまつとしつれば有明の月(後鳥羽院)
825 :
名無氏物語:2006/05/18(木) 18:22:41 ID:7sUVIla4
君が代にくらぶの山の峰に生ふるまつは千とせをかぎるばかりぞ(源実朝)
826 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:34:04 ID:94SWsT9D
都人まつとしきかば言伝てよ独りいなばの嶺の嵐に(伏見院[新千載])
827 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:43:08 ID:94SWsT9D
秋風の関吹きこゆる度ごとに声うちそふる須磨の浦波(壬生忠見[新古今])
828 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:47:04 ID:kJQ/4huF
龍田山よはにあらしのまつふけばくもにはうときみねの月かげ
829 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:47:53 ID:kJQ/4huF
入日さす麓の尾ばなうちなびきたがあき風にうづらなくらむ
830 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:48:50 ID:kJQ/4huF
限あればしのぶのやまのふもとにも落ばがうへの露もいろづく
831 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:49:32 ID:kJQ/4huF
浦人のひも夕ぐれになるみ潟かへる袖より千鳥なくなり
832 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:50:29 ID:kJQ/4huF
ながめ佗びぬそれとはなしに物ぞおもふくものはたての夕ぐれの空
833 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:51:03 ID:kJQ/4huF
幾めぐり空行く月もめぐりきぬ契りしなかはよそのうき雲
834 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:53:30 ID:nhAHlIVP
弥ぬ世まで思ひのこさずとばかりも此の一ことを何にかふべき
835 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:54:18 ID:nhAHlIVP
陀れに思ひ聞きてもみても驚かぬ世をばいつまで空たのみして
836 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:54:53 ID:nhAHlIVP
仏たたびはめぐりあはむもたのまれずこの世を夢の契りかなしも
837 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:55:27 ID:nhAHlIVP
うらやまし思ひ入りけむ山よりも深き心の奥のしづけさ
838 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:56:00 ID:nhAHlIVP
いかで其すめる尾上の松風にわれもうき世の夢をさまさむ
839 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 07:56:43 ID:nhAHlIVP
行き行きておもふもかなし末遠くこえし高根の峰の白雲
840 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 08:00:47 ID:Dl4HsFFL
峰に生ふる松吹きこしていなば山月の桂にかへる秋風(堯孝)
841 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 08:01:20 ID:Dl4HsFFL
都にもまつとしきかばいでさのみ紀のせきもりよ人なとどめそ(木下長嘯子)
842 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 08:01:54 ID:Dl4HsFFL
網いれて大魚とるらん舟あそびまつとしきかば来む日頃へず(橘曙覧)
843 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 08:02:31 ID:Dl4HsFFL
放蕩のすゑの松山、母ひとり待つとし聞けば今から逃(ふ)けむ(恂{邦雄)
844 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 08:03:14 ID:Dl4HsFFL
すまのうら関ふきこゆる春風にかすみみだるるあけぼのの空(藤原範宗)
845 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:30:19 ID:7KNWF2Js
あふさかの関ふきこゆる風のうへにゆくへもしらずちる桜かな(兼好)
846 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:39:04 ID:Dl4HsFFL
たび人はたもとすずしくなりにけり関ふきこゆるすまの浦風(続古今868)
847 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:40:23 ID:Dl4HsFFL
こきちらす滝のしらたまからねども涙はつきぬ物にぞ有りける(後鳥羽院)
848 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:44:19 ID:PcOKmh04
面影の君にしられぬ音をぞなく問ふ人あらば月にこたへよ(家隆)
849 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:45:08 ID:PcOKmh04
藻塩たれひるまもなきをわくらばにとへどもまたじすまの波風(家隆)
850 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:45:43 ID:PcOKmh04
この比の涙にかりてひろふべき滝のしら玉霧なくもがな(家隆)
851 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:46:17 ID:PcOKmh04
さびしさは秋のさが野ののべの露月に跡とふ千代のふる道(後鳥羽院)
852 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:47:07 ID:PcOKmh04
いにしへの千世のふるみち年へても猶あとありやさがの山かぜ(後鳥羽院)
853 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:47:41 ID:PcOKmh04
せり川の千代の古道すなほなるむかしの跡はいまやみゆらん(兼好)
854 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:49:13 ID:Kpq8+/Sq
さがの山千代のふるみち跡とめて又露わくるもち月の駒
855 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:49:46 ID:Kpq8+/Sq
須磨の海人のなれにし袖もしほたれぬ関吹きこゆる秋の浦風
856 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:50:23 ID:Kpq8+/Sq
すまの浦や浪に面影たちそひて関吹きこゆる風ぞかなしき
857 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:50:54 ID:Kpq8+/Sq
風ふけばさもあらぬ峯の松も憂し恋せん人はみやこにを住め
858 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:51:30 ID:Kpq8+/Sq
これも又わすれじ物をたちかへり因幡の山の秋の夕暮
859 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:52:32 ID:Kpq8+/Sq
忘れなむまつとな告げそ中々に因幡の山の峰の秋風
860 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:53:23 ID:Kpq8+/Sq
ふかき夜にをとめのすがた風とぢて雲路にみてる万代の声
861 :
定家厨:2006/05/19(金) 21:54:00 ID:Kpq8+/Sq
しろたへのあまのは衣つらねきてをとめまちとる雲の通路
862 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 21:56:12 ID:d2OHINSX
恋しさに死ぬる命を思ひ出て問ふ人あらばなしと答へよ(読人不知[新古今])
863 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:05:35 ID:m7sVS93i
我が如く我を尋ねば海士を舟人もなぎさの跡と答へよ(行尊[新古今])
864 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:06:09 ID:m7sVS93i
故郷にとふ人あらば紅葉ばのちりなむ後をまてとこたへよ(素意[千載])
865 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:06:56 ID:m7sVS93i
帰りきて問ふ人あらば見すばかり絵島をこれに写せとぞ思ふ(藤原惟方[玉葉])
866 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:07:47 ID:m7sVS93i
涙とてからぬ時さへきてみれば袖にぞかかるたきの白玉(典侍親子[続拾遺])
867 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:08:27 ID:m7sVS93i
せきあへぬ袖よりおちてうき事の数にもあまる滝の白玉(二条為遠[新続古今])
868 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:09:05 ID:m7sVS93i
春くれば千世のふる道ふみわけてたれせり河の若菜つむらん(家隆[新続古今])
869 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:14:04 ID:l1gGXaOp
千世ふべき君がすみかの嵯峨の山今も昔の跡ぞかしこき(良覚[続千載])
870 :
名無氏物語:2006/05/19(金) 22:14:41 ID:l1gGXaOp
嵯峨の山今もかさなる跡みえて行末遠し代々のふる道(法印定為[続後拾遺])
871 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 01:40:16 ID:b5xzyfak
嵯峨山の松も君にしとはれずは誰に語らん千世のふるごと(香川景樹)
872 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 01:50:37 ID:IilfZust
思はずよ花をかたみの嵯峨の山雪に跡とふ千世の古道(源満元[新続古今])
873 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 01:58:39 ID:6BrJ7CZH
をつくばも遠つあしほも霞むなり嶺こし山こし春や来ぬらん
874 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 01:59:20 ID:6BrJ7CZH
菅の根の長見の浜の春の日にむれたつ鶴のゆたに見えけり
875 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 01:59:56 ID:6BrJ7CZH
咲きちるはかはらぬ花の春をへてあはれと思ふことぞそひゆく
876 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:00:45 ID:6BrJ7CZH
うらうらとのどけき春の心よりにほひいでたる山ざくら花
877 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:01:32 ID:6BrJ7CZH
かげろふのもゆる春日の山桜あるかなきかの風にかをれり
878 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:02:04 ID:6BrJ7CZH
み吉野を我が見にくれば落ちたぎつ滝のみやこに花散りみだる
879 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:06:59 ID:RMwwKJxi
嵯峨の山みゆきたえにしせり河の千世のふるみち跡はありけり(後撰1075)
880 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:07:48 ID:RMwwKJxi
おきなさび人なとがめそ狩衣けふばかりとぞたづもなくなる(後撰1076)
881 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:14:46 ID:awUgnlTf
あくがれて花をやみましこの里にたえて桜のなきよなりせば(飛鳥井雅有)
882 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:15:19 ID:awUgnlTf
世の中にたえて桜の吉野山さかぬ春やはむかしにも聞く(藤原経通)
883 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:16:47 ID:awUgnlTf
春といへどのどかならずも物ぞ思ふ絶えて桜のなきよなりとも(松永貞徳)
884 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:22:11 ID:2vMd6WcC
わけゆけばそれともみえず朝ぼらけとほきぞ春のにしきなりける
885 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:22:54 ID:2vMd6WcC
さもこそははるはさくらの色ならめうつりやすくもゆく月日かな
886 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:23:37 ID:2vMd6WcC
よしの河ながるる水に散るはなのかへらぬはるをなにをしむらむ
887 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:24:22 ID:2vMd6WcC
村雨に秋の露かるたまざさのみじかきよはのあかつきもなし
888 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:25:02 ID:2vMd6WcC
虫の音もうらがれまさる浅茅生にかげさへよわる有明のつき
889 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:25:33 ID:2vMd6WcC
志賀の浦や氷のひまを行くふねの浪も道あるよとや知るらむ
890 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:32:00 ID:+kmHlajp
春の心のどけしとても何かせん絶えて桜のなき世なりせば(慈円[風雅])
891 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:32:36 ID:+kmHlajp
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(業平[古今])
892 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:34:16 ID:7SmGUsa5
春の夜の夢のうきはしとだえして峰にわかるるよこ雲の空
893 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:34:49 ID:7SmGUsa5
花の色に一はるかけてかへるかりことし越路のそらだのめして
894 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:35:40 ID:7SmGUsa5
啼きぬなり夕付鳥のしだり尾のおのれにもにぬよはのみじかさ
895 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:36:30 ID:7SmGUsa5
見渡せばはなも紅葉もなかりけりうらのとま屋の秋のゆふぐれ
896 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:37:07 ID:7SmGUsa5
わすれなむまつとなつげそ中中にいなばの山のみねのあき風
897 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:37:42 ID:7SmGUsa5
明けば又あきのなかばも過ぎぬべしかたぶく月のをしきのみかは
898 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:38:18 ID:7SmGUsa5
こぬ人をまつほのうらの夕なぎにやくやもしほの身もこがれつつ
899 :
定家大好き男:2006/05/20(土) 02:38:54 ID:7SmGUsa5
あぢきなくつらきあらしのこゑもうしなど夕ぐれを待ちならひけむ
900 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:43:47 ID:65GJM68C
けふこずは庭にやあとのいとはれんとへかし人の花のさかりを(藤原良経[続古今])
901 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:44:19 ID:65GJM68C
けふだにも庭をさかりとうつる花きえずはありとも雪かともみよ(後鳥羽院[新古今])
902 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:44:59 ID:65GJM68C
けふこずは明日ともまたじ桜花いたづらにのみちらばちらなん(西園寺公経[新千載])
903 :
名無氏物語:2006/05/20(土) 02:55:30 ID:5C+u6bZH
あすもなほきえずはありとも桜花ふりだにそはん庭の雪かは(藤原家隆)
904 :
名無氏物語:
花にあかぬなげきばかりに年をへし昔に猶や袖はぬれけむ(後鳥羽院)