+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
また、ランダムで選ばれた<武器>が1つから3つ、渡される。
<ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る(FFUのポシェポケみたいなものです)
・生存者が一名になった時点で、主催者が待っている場所への旅の扉が現れる。この旅の扉には時間制限はない。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。
+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・日没時に発表される『禁止技』を使ってしまうと、爆発する。
・日の出時に現れる『旅の扉』を二時間以内に通らなかった場合も、爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても(盗聴されても)爆発する。
・なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
・たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止魔法が使えるようにもならない。
+魔法・技に関して+
・MPを消費する=疲れる。
・全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる敵と判断された人物。
・回復魔法は効力が半減します。召喚魔法は魔石やマテリアがないと使用不可。
・初期で禁止されている魔法・特技は「ラナルータ」
・それ以外の魔法威力や効果時間、キャラの習得魔法などは書き手の判断と意図に任せます。
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは精神統一と一定の時間が必要。
X-2のキャラのみ戦闘中でもジョブチェンジ可能。
ただし、X-2のスペシャルドレスは、対応するスフィアがない限り使用不可。
その他の使用可能ジョブの範囲は書き手の判断と意図に任せます。
+GF継承に関するルール+
「1つの絶対的なルールを設定してそれ以外は認めない」ってより
「いくつかある条件のどれかに当てはまって、それなりに説得力があればいいんじゃね」
って感じである程度アバウト。
例:
・遺品を回収するとくっついてくるかもしれないね
・ある程度の時間、遺体の傍にいるといつの間にか移ってることもあるかもね
・GF所持者を殺害すると、ゲットできるかもしれないね
・GF所持者が即死でなくて、近親者とか守りたい人が近くにいれば、その人に移ることもあるかもね
・GFの知識があり、かつ魔力的なカンを持つ人物なら、自発的に発見&回収できるかもしれないね
・FF8キャラは無条件で発見&回収できるよ
+戦場となる舞台について+
・このバトルロワイアルの舞台は日毎に変更される。
・毎日日の出時になると、参加者を新たなる舞台へと移動させるための『旅の扉』が現れる。
・旅の扉は複数現れ、その出現場所はランダムになっている。
・旅の扉が出現してから2時間以内に次の舞台へと移らないと、首輪が爆発して死に至る。
現在の舞台は闇の世界(DQ4)
http://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/up/source5/No_0097.png ━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
(今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6〜8割といったところです)
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はイクナイ(・A・)!
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
+修正に関して+
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NGや修正を申し立てられるのは、
「明らかな矛盾がある」「設定が違う」「時間の進み方が異常」「明らかに荒らす意図の元に書かれている」
「雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)」
以上の要件のうち、一つ以上を満たしている場合のみです。
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
+議論の時の心得+
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
+読み手の心得+
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、モーグリ(ぬいぐるみも可)をふかふかしてマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
参加者名簿(名前の後についている数字は投票数)
FF1 4名:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド、白魔道士
FF2 6名:フリオニール(2)、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード、ミンウ
FF3 8名:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン(2)、エリア、ウネ、ザンデ
FF4 7名:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5 7名:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴、ギード、ファリス
FF6 12名:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ、シャドウ、トンベリ
FF7 10名:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8 6名:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9 8名:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10 3名:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2 3名:ユウナ、パイン、リュック
FFT 4名:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ、アグリアス
DQ1 3名:勇者、ローラ、竜王
DQ2 3名:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3 6名:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4 9名:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ、ロザリー
DQ5 15名:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア、ゲマ、プサン
DQ6 11名:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア(2)、アモス、ランド
DQ7 5名:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM 5名:わたぼう、ルカ、イル、テリー、わるぼう
DQCH 4名:イクサス、スミス、マチュア、ドルバ
FF 78名 DQ 61名
計 139名
生存者リスト
FF1 0/4名:(全滅)
FF2 0/6名:(全滅)
FF3 1/8名:エリア
FF4 1/7名:カイン
FF5 2/7名:バッツ、ギード
FF6 4/12名:リルム、マッシュ、ロック、ケフカ
FF7 2/10名:ザックス、セフィロス
FF8 3/6名:スコール、アーヴァイン、サイファー
FF9 1/8名:サラマンダー
FF10 1/3名:ティーダ
FF10-2 2/3名:ユウナ、リュック
FFT 2/4名:アルガス、ラムザ
DQ1 0/3名:(全滅)
DQ2 0/3名:(全滅)
DQ3 1/6名:セージ
DQ4 3/9名:ソロ、ピサロ、ロザリー
DQ5 3/15名:ヘンリー、パパス、プサン
DQ6 2/11名:クリムト、ターニア
DQ7 1/5名:フィン
DQM 1/5名:ルカ
DQCH 1/4名:スミス
FF 19/78名 DQ 12/61名
計 31/139名
■現在までの死亡者状況
ゲーム開始前(1人)
「マリア(FF2)」
アリアハン朝〜日没(31人)
「ブライ」「カンダタ」「アモス」「ローラ」「イル」「クルル」「キノック老師」「ビッケ」「ガーネット」「ピピン」
「トルネコ」「ゲマ」「バレット」「ミンウ」「アーロン」「竜王」「宝条」「ローザ」「サンチョ」「ジークフリート」
「ムース」「シャドウ」「リヴァイアサンに瞬殺された奴」「リチャード」「ティナ」「ガーランド」「セシル」「マチュア」「ジオ」「エアリス」
「マリベル」
アリアハン夜〜夜明け(20人)
「アレフ」「ゴルベーザ」「デュラン」「メルビン」「ミレーユ」「ラグナ」「エーコ」「マリア(DQ5)」「ギルバート」「パイン」
「ハイン」「セリス」「クラウド」「レックス」「キーファ」「パウロ」「アルカート」「ケット・シー」「リディア」「ミネア」
アリアハン朝〜終了(6人)
「アイラ」「デッシュ」「ランド」「サリィ」「わるぼう」「ベアトリクス」
浮遊大陸朝〜日没(21人)
「フライヤ」「レオ」「ティファ」「ドルバ」「ビアンカ」「ギルダー」「はぐりん」「クジャ」「イクサス」「リノア」
「アグリアス」「ロラン」「バーバラ」「シンシア」「ローグ」「シド」「ファリス」「エッジ」「フルート」「ドーガ」
「デール」
浮遊大陸夜〜夜明け(19+1人)
「テリー(DQ6)」「トンベリ」「ゼル」「レオンハルト」「ゴゴ」「アリーナ2」「わたぼう」「レナ」「エドガー」「イザ」
「オルテガ」「フリオニール」「ユフィ」「リュカ」「ピエール」「ハッサン」「ビビ」「ブオーン」「ジタン」「ライアン」
浮遊大陸朝〜終了(7人 ※うち脱落者1人)
「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ウィーグラフ」「マティウス」「アリーナ」 ※「ザンデ」(リタイア)
闇の世界朝〜 (3人)
「サックス」「タバサ」「テリー(DQM)」
闇の果て、わずかに開かれたままの扉に手をかけて、押す。
どこか赤みがかった光と、生ぬるい風が、身体を包む。
むせ返りそうな独特の匂いと、踏みしだかれた草の中心――
そこに、あいつはいた。
いつもの自信に満ちた笑みの代わりに、青白い能面のような表情を張り付かせ、
何かを憂うかのような瞳を、じっと折れた草に向けていた。
ぼさぼさになった長い髪を整えようともせず、ところどころ破けた衣服は乾いた血と泥で汚れ、
俺の記憶にある"あいつ"の姿とは、あまりにもかけ離れていた。
だが、それでも、こいつがアーヴァインだと思えたのは……
「ちょ……なんか、顔色悪いけど、大丈夫?」
そう言った時の表情だった。
狼狽を隠そうともせず、目を見開いて、おろおろと手を差し伸べる仕草は、記憶の中のあいつと同じだった。
「数時間前に毒を食らっただけだ。
解毒もしたし、命に関わるほどじゃない」
「……解毒してるのにそんな真っ青になる毒って、すんごい心当たりがあるんだけど。
もしかして、イクサスとか、バーバラにやられたんじゃないの?」
「いいや。サックスって名前の、赤髪の男だ」
無駄な情報を与える気などなかったのに、気づけば口が動いてしまう。
「サックス……だったらやっぱり、イクサスから奪った毒薬だと思う。
無理しないで座った方がいいよ」
「いや、いい」
アーヴァインの勧めを断ったのは、俺の中にある猜疑心の、最後の抵抗だった。
アルガスの恐怖と、ヘンリーの疑問と、そして何よりこいつ自身が口にした言葉――
それが、こいつに対する警戒を崩す事を執拗に拒んだ。
俺はライオンハートの先端を地面に突き刺した。
杖の代わりに身体を預け、ふう、と息をつく。
同時に、ざくっ、と草を踏み潰す音がした。
顔を上げると、いつの間にかアーヴァインはそっぽを向いていて、一歩、二歩と、足を動かしていた。
「最初はね、謝ろうって思ってた」
踏まれて折れた茎の間から、赤紫や緑白の液体がにじむのが、やけに鮮明に映る。
そこから視線を上にずらしていけば、斑に染まったローブの裾から垢と泥に塗れた右手が伸び、
名も知れぬ草の天辺から白い花のようなものを摘み取っていた。
「ちゃんと、頭下げて、ごめんねってさ――」
アーヴァインは器用に左手だけを使って、花びらを裂いていく。
右腕はぶらぶらと垂れ下がったままだ。
折れているのだ、と思い当たるまでには、さして時間はかからない。
「でも、やっぱり止めた。
嘘ついて誤魔化すとか……そんなことをしたら、余計に戻れなくなるだろ?」
そう言った、あいつの指の間で、花が悶えた。
雄しべに見えたものがうぞうぞと蠢き、残り僅かな花びら――ベルベットのような薄い羽から、大量の燐粉を撒き散らす。
それは、虫だった。
青空の無い世界でどんな進化を遂げたのか、蛾の羽と、蜘蛛と同じ数の脚と、蟻の体を持つ、掌サイズの虫。
それをアーヴァインは捕まえて、玩具を壊す子供のように甚振っていたのだ。
あからさまに楽しんでいる風でもなく、嫌悪を抱いている風でもなく、ただ、呼吸をするように。
でたらめにもがく脚を、伸びた爪で弾いて千切り取り、びくんびくんと暴れる腹を、掌でゆっくりと押しつぶしていく。
「今更、仲間だの友達だの、なんて持ち出せないことはわかってる。
それでも――教えてほしいんだ」
振り向いたあいつの顔は、限りなく自嘲に近い、寂しげな笑みを刻んでいた。
その一方で、あいつの手の中は、虫の上半身がひときわ大きく身を捩った。
ぱきゅっ、と硬い音と同時に、緑色の体液と潰れた中身が指の隙間から零れ出す。
ぐったりとうなだれた頭を、アーヴァインの右手は解放しようとしなかった。
短くなった鉛筆を繰るように、残った部分をすっぽりと包み込み――同じように、握りつぶした。
ばらばらと掌から堕ちていく外骨格の破片に、一瞬、錯乱して泣き喚くアルガスの姿と、包帯ににじんだ血の痕が重なる。
「脅しか?」
俺の言葉に、しかしアーヴァインは、眉をひそめるだけだ。
「脅しって……何が?」
何を言っているのか本気でわからない――きょとんとした表情は、そう語っている。
嫌悪感や怒りよりも先に、耐え難いまでに強烈な違和感を覚えながら、俺は、無言で虫だったものの欠片を指差した。
「……あ、ああ、そういうこと? 脅しって。
いや、これは、その、違うよ。全然違うよ。
ただ、ちょっと、イライラが止まらなかったから」
「イライラ?」
何かの八つ当たりだとしても、もう少し、まともな方法があるだろう。
悪趣味にも程がある、と言おうとした時だ。
「お腹が空いた時みたいに――ああ、もちろん、こんな虫食べるわけないけど。
なんていえばいいのかなあ……」
アーヴァインは呟きながら、汚れた手をローブの裾で拭き、それからぽりぽりと頭を掻いた。
うーん、と唸り、腕を組む姿は、紛れも無く俺の知ったものだ。
なのに、何故だろう。
俺の記憶にあるこいつと、目の前にいるこいつが重ならない。
何故だろう。『人を化物に変える病気』――
ヘンリーが呟いた、こいつ自身の言葉が、頭の中でこだまして、消えない。
「ごめん、説明したくないや。
あんまり、わかってほしくない」
アーヴァインはそう言って、悲しげに俯いた。
吐き気が喉元にこみ上げる。
(……きっと、毒のせいだ)
そう思い込んで、俺は不愉快な感覚を腹の底に押し戻した。
「それよりさ、スコール。聞きたいことがあるんだ」
(聞きたいこと?)
救いを求めるような眼差しに、嫌な予感を覚える。
こういう場面で出てくる問いは、大抵の場合答えようの無い事か、聞かれても困ることだ。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、あいつは目を伏せたまま、口を開いた。
「あんたが、僕と同じ道を選ばなかった理由。そいつを知りたい」
その言葉で、俺はやっと悟ることができた。
俺とサイファーを呼び出そうとした意味を――この男が真に求めるものを。
(まみむめも、か)
妙な挨拶を流行らせようとしていた、仲間の顔が思い浮かぶ。
(だから、あんたは一人でも帰りたいのか。
でもな、そんなの、みんな同じなんだぞ。
誰だって帰りたいさ、俺だって――例え、そこに待つ人がいなくても)
アーヴァインは俺をちらりと見やり、ふう、とため息を付いた。
それから、俺の答えを待とうともせずに、ゆっくりと話し出す。
「スコール。僕は、アルティミシアを殺せるって思ってないんだよ」
人の返事を遮った声音は、どこまでも深い絶望に満たされていた。
「殺しても蘇って、こうやって僕らを余裕で捕らえた相手を殺す方法なんて、思いつかない。
だから……だから、僕は、殺し合いに乗ったんだ。
なのに、僕は僕が思ってた以上に弱かった」
一瞬、ルナティックパンドラでサイファーと剣を交えた時を思い出す。
自暴自棄と自嘲と、もう引き返せないというある種の諦め。
あの時、サイファーが浮かべていたのと同じ表情を、目の前に居るこいつも浮かべていた。
(――ああ、だからか)
怒鳴りつける気力も沸いてこなければ、殴る気にもなれなかったのは。
「友達は……ティーダは、ゼルは、僕を許してくれたよ。
その上で、みんなで一緒に帰ろうって、魔女を倒して帰ろうって、誘ってくれた。
……嬉しかったよ。
そうやって、何も思い出さずに、友達を信じて、同じ夢を見ていたかった。
そうでなければ――狂ったまま、自分も過去も未来も見失ったまま、一人で死んで行きたかった」
遠くを見つめる瞳は、二度と戻らない時間に思いを馳せているようだった。
あるいは、何もかもが幻想に過ぎなかったのだと嘆いているようにも見えた。
「たった一日過ごしただけの友達が優しいから、そんな理由で、彼女を諦めることはできない。
ここにいない子に会いたいから、そんな理由で、僕を助けてくれた友達を裏切ることもできない。
――もっと別の理由が、僕には必要なんだ」
そう言って、あいつは、俺を見た。
「教えてくれよ、スコール。
あの魔女を這い蹲らせて、下らない野望ごとぶち壊す方法を。
勝算があるから、あんたはそうしてそこに居るんだろう?」
ああ、と俺は、何度目になるかわからないため息を吐いた。
そんなことを聞くために、こいつは人を傷つけてきたのか。
「――下らないな」
思わずこぼれた本心に、アーヴァインが眉をひそめる。
「…今、なんて?」
「下らないと言ったんだ。
勝算なんてあるものか。
俺は、俺のやるべきことを為すために、ここにいるってだけだ」
そうとだけ答えて、踵を返す。
言いたい事は山ほどあったが、喋る時間すら無駄に思えた。
どうせこいつは――
「それがあんたの答えなら、失望したよ! スコール!」
あいつの声が背中に響く。
それと同時に、周囲の空気が一変し、流れていた風が動きを止める。
"さきがけ"の効果が発動したのだ。
「マヌーサ!」
俺は振り向きざまに、素早く魔法を発動させた。
紫色の霧が、幾多の幻影を生み出す。
だが、その先に、あいつの姿は無かった。
「虫みたいに足掻いてるだけなら、僕のためにここで死ね!」
咆哮は、空から。
顔を上げれば、何かが煌きながら降り注いできた。
矢だ。金属の輝きを放ちながら、重力に引き寄せられて、一直線に、俺へと。
「甘い!」
俺はガンブレードのトリガーを引きながら中空で一回転し、全力で薙いだ。
爆発と共に振動が大気を切り裂き、震わせ、衝撃と化して迫り来る矢を弾き飛ばす。
(魔女が生きている理由? 聞きたいのは俺だ。
サイファーにもあんたにもわからないことを、なんで俺が知ってなきゃいけないんだ)
「新技とか卑怯じゃな〜い?」
着地したアーヴァインが口を尖らせる。
その手には、まだ、二本の矢が十字に握られていた。
「お前が言うな」
俺は数歩後じさりながら、ライオンハートを構えなおす。
気分は相変わらず優れない、むしろ最悪に近いコンディションだが、そのせいで逆に大技を出す気力を振り絞っていける。
(そもそも、そんなことを俺に聞きに来ること自体がナンセンスすぎる。
俺が殺せるといえば仲間になって、殺せないといえばまた殺し合いに乗るのか?)
だが――相手の状態と得物を考えれば、接近戦こそ不利。
片手のみで弓を使うよりも、矢そのもので刺殺を狙ってくるだろうからだ。
加えて、今のあいつから、GFをジャンクションしている雰囲気は感じ取れない。
つまりベストの戦略は、魔法による遠距離攻撃……
「撃たせるか!」
俺の思考を読み取ったか、アーヴァインが疾る。
縦ではなく横に地面を蹴ったのだ、と気づく頃には、奴は俺の懐に入り込んでいた。
「GOOD BYE!」
握られた鏃が心臓を狙い済ます、その瞬間に、俺はサイファーからドローしていた魔法を発動させる。
「ファイア!」
至近距離で撃てばこちらも巻き込まれるが、そんなことを言っている場合ではない。
(いろいろ理由付けたところで、結局、俺の判断に寄りかかって、失敗した時の責任を押し付けたいだけじゃないか。
……そんなものが仲間か? 俺は認めないからな!)
小さな炎に巻かれ、アーヴァインが怯んだ隙に、重い身体を気合で動かし、腹に一発、全力の蹴りをくれてやる。
「うぐぅっ!」
うめき声を上げながらあいつは転がり、しかし、どうにか受身を取れたのか、すぐに立ち上がった。
「……さすが、はんちょー…かんたんには、やらせて、……」
げほ、と咳き込んだ口元から、赤い液体が零れる。
どうやら、俺が思っている以上に、あいつの体はボロボロだったらしい。
俺はライオンハートを肩にかつぐ。
「どうする? まだやるか?」
「そう、したいけど、……ゲホッ、うげぇっ……」
膝を付いて屈み込み、鮮血と胃の中身が混ざったものを何度か吐き戻しながら、アーヴァインは首を横に振った。
手加減できる状況でなかったから本気を出したのだが……少しばかり、やりすぎたようだ。
「きのう、ズンドーおんなに……ゴフッ…やられたばかりなのゲホッゲボッガハッ!!」
「……悪かった」
『ズンドー女』というフレーズで、一度だけ見かけたアリーナの姿が浮かんだ。
もしかしたら彼女か、噂の偽者という奴に腹部をやられていたのかもしれない。
それでなくとも、これだけの吐血となると内臓が損傷してしまっているだろう。
放置していては命に関わりかねない。
「立てるか?」
そういって差し伸べた手を、アーヴァインは右手で跳ね除けた。
「いい……情けなんて、いらない」
赤く染まった口元を左手の裾で拭き、あいつはゆっくりと立ち上がった。
普通の人間なら激痛で意識を失っていてもおかしくない状況で、だ。
(――アンデッド化、してるのか?)
攻撃性の増大と、痛覚の欠如は、ゾンビーの魔法を使用してアンデッド体質に変化した際に良く見られる副作用。
回復魔法の効果が大幅に制限されているこの世界では、ゾンビーを自分にかけることは決して悪手ではない。
しかし、それにしては、血色が良すぎる気がするが……
「エスナが必要なら、バッツに頼んでやるが」
「要・ら・な・い。
僕が欲しいのは、答え、だけだよ……」
アーヴァインはそう言って、数歩ほどふらふらと歩き――すぐに、よろめいた。
「そんなナリで何が出来る?
治療してやるから、大人しく武器を置いて、俺の指示に従え」
(……頼りたいのか、頼りたくないのか、はっきりしろ)
「助けてくれるのか、突き放すつもりなのか、はっきりしてくれよ……」
人の思考を読んだかのように、アーヴァインが呟く。
その肩から、背負っていたザックがずれるように落ちた。
俺は全身を縛り付ける倦怠感を気力で押さえ込み、あいつの手を引いて、肩を支えてやる。
「あんたみたいな、果てしなく迷惑な大バカ野郎、全力で突き放したいに決まってるだろ。
だが……どんな奴でも殺さないと、約束したんだ」
「さっすが、伝説のSeeD……ずいぶんとご立派なことで」
ぼくにはとてもまねできない、と棒読みのようにこぼしてから、アーヴァインはがっくりとうなだれた。
一瞬、気絶したのかと思ったが、ただ体重を預けてきただけらしい。
「あーあ……今のあんたにすら負けるなんて、思わなかった」
耳元で、ひひ、と自嘲の笑いが響く。
「GFも銃も装備してないくせに、今の俺に勝てると?」
杖代わりにしたライオンハートの青い刀身に目をくれながら、俺はすっかり呆れ帰る。
それでもアーヴァインは、言葉を継いだ。
「どんな状況でも、勝たなきゃ……勝てなきゃ、意味がないんだ。
負けたら、そこで、GAMEOVERなんだからさ。
こっちが不利でも……相手が仲間でも、友達でも……」
(――まだ言うか、こいつ)
どうして極端から極端に走るのか、とてもじゃないが理解できない。
(……いや、理解できないんじゃない。したくないんだ)
帰りたいとか、会いたいとか、そういう気持ちはわかる。
その目的を達成するためには自分が頑張らなきゃいけないと、思いつめる気持ちもわかる。
出来るだけ可能性の高い道を選びたいって気持ちも、
見つかった道は大事なものを犠牲にしなきゃいけないってわかった時の絶望感も、何もかも――わかる。
わかるけど、わかりたくない。認めるわけにはいかないんだ。
だって認めてしまったら、止められなくなるだろう?
そうなったら、本当に、完全に、絶対に、戻れない。
死んだとかじゃなく、生きてるのに過去形で『仲間だった』って――
「嫌に決まってるだろ、そんなの!」
「……は?」
アーヴァインの間抜けな声で、俺は我に帰る。
しまった。久々にやってしまった。
「考え事するのはいいけど、急に叫ぶ癖は直しなよ……
ホント、心臓に悪いから」
悪かったな、と心の中で一人ごちてから、俺は息を吐く。
そして、祠の手前まで歩いたところで、アーヴァインに話しかけた。
「なあ……一つだけ聞いておきたい。
なんであんたは、アルティミシアを信じる?」
「え?」
「あんたは生き残れば帰れると信じてる。
それはつまり、生き残れば帰してくれるほど、あの魔女は優しい相手だと信じてるわけだろう」
俺の言葉に、アーヴァインは口を噤む。
そこまで考えていなかったのか、そうと思わなければ自分を支えきれなかったのか――
多分、後者なのだろう。
俺の予想を裏付ける返事が戻ってきたのは、祠の中、出入口から一番近い小部屋に入った後のことだ。
「絶望を贈るのがそんなに好きだなんて、知らなかったよ」
壁にもたれかかったアーヴァインは、そうとだけ言って、目を閉ざした。
「俺はただ、現実を口にしてるだけだ」
嘘をついてだますのは簡単だ。
こいつが望む道に進めるよう、背中を押すのも簡単だ。
(だけど――失敗した時、後悔するのはこいつだ)
俺が言ったから、そんな理由で道を選んで挫折したら……余計に悔しい思いをするだけだろう?
だから、俺は、甘い言葉や奇麗事は言わない。
現実しか口にする気はない。
それが仲間にしてやれる、唯一のことだ。
「ティーダは、今、どこにいるんだろう」
唐突にアーヴァインが呟いた。
わずかに残っていた回復魔法を使いながら、もしかしたら独り言なのかもしれないと思いつつ、俺は問う。
「会いたいのか?」
「……別に。ただ、心配なだけ」
ぱちぱち、と目をしばたたかせ、それから、袖で瞼をごしごしとこする。
相変わらずひねくれものだ。こいつは。
「あんたは、大人しく、先のことでも考えてろ。
最良の選択って奴をするためには、ゆっくりすることが必要だって言うからな」
俺はそう声をかけて、一旦、部屋を後にした。
ケアルのストックが切れてしまった。補充が必要だ。
それに、ティーダって奴の行方も、リルムとアルガスに確認しなければならない。
そろそろ、サイファー達も、デスキャッスルだかに到着している頃だろう。
二人が近い位置にいるのであれば、合流を依頼するとしよう。
【サイファー(右足軽傷)
所持品:破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能) 白マテリア 正宗 ケフカのメモ ひそひ草
レオの支給品袋(アルテマソード 鉄の盾 果物ナイフ 君主の聖衣 鍛冶セット 光の鎧) 】
第一行動方針:ロザリー達を探す
基本行動方針:マーダーの撃破(セフィロス、アリーナ、サックス優先)
最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ソロ(HP3/5 魔力少量)
所持品:ラミアスの剣(天空の剣) 天空の盾 さざなみの剣
ジ・アベンジャー(爪) 水のリング 天空の兜
第一行動方針:ロザリー達を探す
基本行動方針:PKK含むこれ以上の殺人を防ぐ+仲間を探す
※但し、真剣勝負が必要になる局面が来た場合の事は覚悟しつつあり】
【現在位置:デスキャッスル南東の平原部】
【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力0、アビリティ:白魔法)
所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
第一行動方針:首輪を調べる
基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【マッシュ(気絶、重症、右腕欠損) 所持品:なし】
第一行動方針:休憩
第二行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男、及びエドガーを探す
第三行動方針:ゲームを止める】
【ヘンリー (重傷から回復、リジェネ状態)
所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク
キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ 命のリング(E)
基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【リルム(HP1/3、右目失明、魔力消費)
所持品:絵筆、不思議なタンバリン、エリクサー、攻略本(落丁あり) 首輪×2 研究メモ
レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 ブロンズナイフ
第一行動方針:ヘンリー達と同行する
第二行動方針:仲間と合流
最終行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:南東の祠(奥)】
【アーヴァイン(変装中@白魔もどき、右腕骨折、右耳失聴、冷静状態、重症)
所持品:竜騎士の靴 手帳 首輪 弓 木の矢28本 聖なる矢20本 ふきとばしの杖[0]
第一行動方針:???
第二行動方針:アルガスの口を塞ぐ、場合によってはヘンリーに仕返しする
最終行動方針:生還してセルフィに会う
備考:理性の種を服用したことで、記憶が戻っています】
【スコール (HP2/3、微〜軽度の毒状態、手足に痺れ)
所持品:ライオンハート ひそひ草 エアナイフ、ビームライフル
G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)、G.F.パンデモニウム(召喚×)
吹雪の剣、ガイアの剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング
第一行動方針:アーヴァインの監視と治療
第二行動方針:サックスを警戒/首輪の研究
基本行動方針:ゲームを止める】
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・前スレ投下分と合わせて三連作です。
・状態表はAからCまで含めたものです。
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ほしゅ
ほしゅ
ゅしほ
ほっしゅほっしゅ
八時半。あの忌々しい化物に会う。
九時を回った頃。人殺しと化物のオトモダチ共と、空気を読まないロザリーに会う。
十時過ぎ。カインの奴と、アマちゃんのラムザに会う。
それから約三十分後。祠にたどり着き、新生ナントカ団のス・リ・バとやらに保護される。
そして――
時計を見る。
秒針はきちんと一秒刻みで動いている。短針と長針は十一時十分を指している。
あたりを見回す。
広がるのは青空。輝くのは太陽。足元には花畑。舞うのは純白の蝶。
陰気くさい石壁も、湿った祠の空気も、どこにも存在しない。
(――おいおいおいおいッ!? どういうことなんだッ!?)
妥当に考えれば夢でも見ているんだろうが、それならこの風の感触は? ほのかに漂う花の匂いは?
ここまでリアルな夢なんて、生まれてこの方見たことがない。
だが、現実では有り得ないのも確か。
たった十五分かそこらで別世界にワープできるなら、さっさと魔女の手を逃れて、それこそ家にでも帰ってるさ。
俺は、草原を歩き始めた。
柄じゃあないとは思うが、それでも気持ちがいいのは確かだ。
風は涼しく、日差しはほどよく暖かく、虫けら共も俺の傍には決して近づかず、花と一緒に目を楽しませることに徹している。
そして、少し休みたいと思った矢先に、程よい影を作る大木と、座るために存在するような切り株が見えた。
喉が渇いた、と思えば、視界の端に泉が見えた。
(夢か、やっぱり)
泉のほとりまで歩き、澄んだ水を掬い上げて一口分を飲み干してから、俺はため息をつく。
なんでも思い通りになるってのは気分がいいが、結局は一人遊びみたいなもんだ。
目を覚ませば血なまぐさい現実が広がっているわけで、その辺りを考えると途端に空しくなってくる。
(……そういや、前にウネの婆さんが変なことを言っていたな)
夢の世界でウネを呼べば連絡ができるとか、そんな話だ。
しかし、当の本人は何故か化物に変身していた挙句くたばったわけで、今更思い出したところでどうにもならない――
「そんなことはないさね」
「!!?」
予想外の声に、俺は後ろを振り向く。
そこには何故か一羽のオウムが俺を見つめていて、その足は腰の曲がった婆さんの肩に止まっていて、つまり――
そこに、ウネがいた。
「どうしたんだい? 幽霊を見たような顔をして」
「な、だっ、あ、う、な、なん……!!」
「ああ、あたしは死んだじゃないかって言いたいのかい?」
俺は全力で首を縦に振った。
そう、死んだんだ、この婆さんは。
よくわからない化物の姿になって、竜巻や吹雪が荒れ狂う無茶苦茶な戦いを繰り広げた末に、
思い出したくもないほど醜い肉塊に成り果てて死んだんだ。
そいつがなんで、今更俺の夢に出てくるんだッ?!
俺の心を読んだかのように、ウネは答える。
「あたしがここにいるのは、ここが夢の世界だからさ。
現実のあたしが殺せたからといって、夢の世界のあたしまで殺せるもんかね!
そしてあんたがこの世界を自由に動けるのは、あたしが作った鍵を持っているから。おわかりかい?」
言われて、俺は反射的にポケットに手をつっこんだ。
取り出した鍵は、淡い光を放っている。
理屈はよくわからないが、要するに、クリスタルと同じでアビリティを引き継げるってことか?
それともう一つ。
俺は確かに、ウネの婆さんを呼び出せばどうとかって話を思い出しはしたが、それだけで呼んだことになるのか?
その二点を問いただしてみると、ウネはいつかのように豪快に笑った。
「まあ、あんたの解釈でも間違っちゃあいないよ。
その鍵はあたしの魔力で出来ているから、持っていればだいたいあたしと同じことが出来るさね。
それと、夢の世界は、ある意味その人の願いそのものだからね!
ちょっとでも『こうだったらいいな』なーんて考えれば、それがそのまま反映されちまうのさ」
「じゃあ、例えば、俺が婆さんがいなければいいとか思ったら?」
「あんたの夢からは出て行くことになるだろうねえ。
もちろん、もう一回呼べばいつでも来るけどね」
「俺が、他の奴の"夢の世界"とやらを見に行くことは?」
「相手が寝ていれば可能だよ。
ただ、相手の夢にちょっかいは出せないけどね」
「ロザリーみたいに、メッセージを送るとかは? できないのか?」
「前に言ったとおりだよ。
人の夢にゃ干渉しないのが夢の世界の大原則だが、夢で呼ぶなら話は別。
相手があたしかあんたのことを知っていて、向こうから呼んでくれれば、遠く離れた相手との連絡もできるさね」
そのあたりは前にも聞いたが、やはり、少々面倒だな。
ノーリスクで距離を越えて連絡を取れるというのは魅力的だが……
いや、待てよ?
「婆さんよ。例えばだが、夢の中で死んだり殺されたりしたらどうなるんだ?」
俺の質問に、ウネは珍しく真剣な眼差しでこちらを睨む。
「アルガス、あんたは良くも悪くも聡いねえ」
"良くも悪くも"は余計だ、と思ったが、そんな口を挟む余裕はなかった。
「夢の死は精神の死。夢が死んだら、身体は抜け殻のまま、死ぬまで眠り続けるんだ。
それに、誰かの夢に干渉するってことは、その誰かにあんたの夢が干渉されるってこと。
相手を殺せる状況なら、相手に殺されることも有り得るのさ」
その言葉には、ただの脅しとは思えない、奇妙な迫力が伴っていた。
正直、夢の中でアーヴァインの奴だとか、アルティミシアを暗殺できれば楽でいいんじゃねえかと思ったんだが……
わかってるさ、現実って奴はそんなに甘くないもんだ。
「夢への干渉が禁忌とされるのは、相手だけじゃなくて、自分にも危険が及ぶからなんだよ。
着眼点は悪くないけど、あたしがやらなかったという点で察するべきだねえ」
チッ……忌々しいが、もっともな話だな。
「他人の夢を見る、相手の了解があれば話ができる。
それはわかったが、他に何か出来たりしないのか?
例えば――そうだな、婆さんとは言わない。ここにある水を現実に持っていくとか」
「残念ながら、夢の世界にあるものを現実に持ってくるには、召喚術と一緒で特別な魔力と技術が必要なのさ。
あんたじゃあ人はもちろん、岩とかでも難しいだろうし……それに、夢で出来たものは食べても腹なんて膨れないよ!」
……色々な意味でダメじゃねえか。
「逆はどうなんだ? 現実のものを夢の世界に持ち込むってのは」
「それは可能だけれど、当分の間は、人間を連れ込むのはやめておいた方がいいねえ」
「なんでだ?」
俺の問いに、ウネは呆れたように肩をすくめた。
「あんたの首に巻かれているものが何なのかお忘れかい?
この夢の世界は、アルティミシアの手が届かない場所だよ」
言われて、俺は自分の首に手を当てる。
会場外に出れば爆発する――そう、確かに、魔女の手下がそんなことを説明していたじゃないかッ!
「ああ、今のあんたは、正確にはあんたが見ている夢だからね。
首輪もなけりゃあ、爆発だってするわけがないさ。
現実のあんたは、ぐうぐう寝息を立ててるだけだからね」
驚かせやがって……
だが、裏を返せば、首輪がなくなれば夢の世界に逃げ込めるってことだ。
上手く使えば、魔女の手から逃れることも出来るかもしれない。
戦いに巻き込まれるわ、ピサロの奴に恨まれるわ、化物に目をつけられるわと散々だったが、やっと運が回ってきたらしいな。
……そうだ。
こうなったら、こいつを利用して、もっと役立つ情報を集めてやろうじゃないか。
「婆さんよ。どうやったら他の奴の夢を見に行ける?」
「簡単だよ、相手のことを考えればいいのさ。
相手が寝ていれば、夢の扉が現れるからね。
普通はぴったり閉じているけど、あたしが作った鍵を使えば、あんたでも開けられるよ」
「なるほどな」
俺は鍵をぎゅっと握り締めながら、『そいつ』を思い浮かべる。
そいつがいつ寝ているかなんて知らないが……今、寝ている可能性は、決して低くないはずだ。
今までも、派手な戦闘が起こるのはたいてい夜や明け方だった。
どうせ観戦して楽しんでいるんだろうし、夜更かしした女が一休みするとしたら、今頃のはず。
そんな俺の読み通り――浮かび上がるように、真っ黒な扉が現れた。
「だ、誰の夢を見に行くつもりだい?!」
ウネが少し焦ったような声を出す。この扉の持ち主に気づいたのだろう。
ああ、危険なのはわかってるさ。
だけど夢ってのは、願望の写し鏡だったり、記憶を整理するためのものだって言うじゃないか。
とびっきりの情報が手に入るかもしれない以上、一度は試してみる価値があるだろう?
それに、『あの女』が、夢の世界に手出しできないってことははっきりしてるんだ。
だからこそ、ウネの婆さんがここにいるわけだしな。
「なぁに、ちょっと覗いてみるだけだよ。
どうして俺たちがこんな目にあわなきゃならないのか、いい加減気になるからな」
俺は『危険だ』とか騒ぎ立てるウネを無視して、鍵を扉に近づけた。
一瞬、扉が呼応するように輝き――そして、音もなく開いた。
****************************************
そこは、見覚えのある大広間だった。
老若男女、種族を問わず、無数の人間が(二日ほど前の俺と同じように)不安げに佇んでいた。
そして、黒いローブを着込み、白い仮面を付けた一人の男が、壇上の王座に腰掛けていた。
男はゆっくりと周囲を見回し、機械的に告げた。
「今日は貴様等に殺し合いをしてもらう」
男の声が響くと同時に、風景がぶれた。
次の瞬間、場所は同じまま――しかし、あれほどたくさんいた人々は消えうせ、一人の少女がぽつんと座り込んでいた。
煌く銀の髪は血で穢れ、黒を基調にしたドレスはぼろぼろに破けている。
見るも無残な姿の少女に、仮面の男は手を叩きながら歩み寄った。
「おめでとう。君が優勝者だ」
少女はじっと男を見上げた。
「君が望むならば、元の世界に戻してあげよう。
生き残った君には、それを願う権利がある」
男は何の感情も篭らない声で言った。
けれども、少女は首を横に振ると、金色の瞳からぽろぽろと涙をこぼし、ひざを抱えてうつむいた。
「帰りたくない。帰っても、一人ぼっちだもの」
少女の言葉に、男は驚いたようだった。
「帰りたく……ない?」
くぐもった声には明らかな狼狽がにじんでいた。
少女はうなずいて、男にすがりつくように、その手を握る。
「誰も傍にいてくれない。魔女は生きていたらいけないんだって、皆、私を殺そうとする。
魔女だから死ぬことも出来ない……一人はイヤなのに、誰も傍にいてくれない。
あんな……あんな世界、帰りたくなんてない! みんな壊れてなくなっちゃえばいいんだ!!」
静かに泣く少女に、男は戸惑うように、ためらうように、片手を動かした。
そしてゆっくりと、掌を少女の頭に置いた。
「……ならば、私と共に生きるか?」
男は言った。
「私は長い時を孤独に過ごしてきた。
『遊戯』を行う時以外は、誰も私の傍にいてくれなかった。
だが……君が私の傍にいてくれるというなら、私も君の傍にいよう。
無限に等しい時を、君のためだけに費やそう」
その言葉には、許しを乞う罪人の懺悔にも似た、哀しいぐらいに切実な――孤独から逃れたいという思いが込められていた。
少女は顔を上げ、しばしの間じっと男を見つめていたが、やがて小さく頷いた。
【――それが私と彼との出会い】
誰かの声が、頭の中に響く。
同時に視界が乱れ、色々な光景がめまぐるしく切り替わりながら流れ始めた。
ある時、男と少女は、共に殺し合いを眺めていた。
【彼は、巨大なクリスタルを中心に据えた、不思議な装置を持っていた。
それを動かすと、勝手に大地を作り、勝手に人々を集めた。
その時は首輪などなかったけれど、それでも皆、勝手に殺しあった。
生き延びた者は男に挑みかかるか、あるいは帰りたいと命乞いをしたけれど、辿った運命は皆同じだった。
彼がその手を血で汚すたびに、クリスタルは漆黒の輝きを強めていった】
ある時、男と少女はクリスタルの前に立っていた。
【彼は私の望みならば、どんなつまらぬことでも受け入れた。
私のいた世界が壊れていくところを見たいといえば、会場の一つにセントラの大地を造ってみせた。
子供同士で殺しあう様を見たいといえば、年端もいかない子供だけを集めてみせた。
彼はクリスタルに己の魔力を注ぎ込むことで、私が口にした願いを全て叶えてくれた。
――彼自身が抱いていた願いだけは、叶えることができなかったと知ったのは、ずっと後だ】
ある時、男と少女は二人きりで語らっていた。
【私は事あるごとに彼の名前を尋ねた。
彼はいつも違う名を口にした。100と33回尋ねて、同じ名前を出すことは一度も無かった。
それらは全て殺し合いで生き延びた者の名で、男が自ら殺めた者の名だった】
ある時、男と少女は、寄り添って眠っていた。
【彼の目的を私は知らない。今でもわからない。
私達はただ、互いの孤独を癒すためだけにそこにいた。
孤独な生に飽いた男と、孤独な死を嫌った魔女には、それだけで十分だった】
――俺は思った。
(さすが魔女の夢、狂ってやがる)、ってな。
心の中で吐き捨てると同時に、またまた、風景がぐらりと揺れた。
気づけば、そこには、男と少女と、十代後半と思わしき青髪の剣士と、三十手前ぐらいの妙な黒服を着たヌンチャク女がいた。
「帰ろう、君のいるべき世界に! みんな、君を待ってる!」
剣士が声を荒げる。その視線の先には、剣を構える男と、彼の手に縋りつく少女がいた。
女が戸惑うように、しかし必死の形相で訴える。
「ちょ、ちょっと?! 忘れちゃったの、あたしたちのこと!」
だが、男は二人をせせら笑いながら、少女を庇うように立ちはだかる。
「貴様らが何者かなど知らぬし、私達が求めるものは二人きりの世界だけだ!」
男は吼えると同時に、天に向かって剣を掲げた。
黒い稲妻にも似た闇の波動が、剣士と女を押しつぶすように包み込む。
「招かれざる愚かな客人達よ! その魂、我が手で『闇』の一部に変えてやろう!
そして我等の夢の礎となるがいい!」
剣士は迫り来る闇を前に、絶望に満ちた表情でうつむき――不意に、剣から手を離した。
「ここに辿りつくまでに、色々な世界を回って、幾人かの神様に会ったよ。
彼らの言葉を、信じたくなんてなかったけど……君は、もう、僕達の知る君じゃないんだなッ!!」
若者の手に光が集う。
それは次の瞬間、長大な剣と化し、衝撃波を巻き起こしながらあたり一面をなぎ払った。
黒と白、二つは真っ向からぶつかり、お互いを喰らいあいながら爆発し――そして、暗闇が全てを包んだ。
闇が晴れた時、男と若者の姿は無かった。
そこは城ですらなかった。
枯れた花畑と、崩れかけた石の家がぽつんと見えるだけの、海辺だった。
【彼はどこにもいなかった。共にいると誓ったのに、彼は私を一人にした】
声がした。絶望と憎しみに満ちた声が。
【私は一人になった。彼が私を捨てたせいで。
そう、私を捨てた。帰りたくないと願った世界に、私を一人、捨てていった】
(……無茶苦茶だな。半分は言いがかりじゃないか)
そんな俺の感想を当然のごとく無視しながら、幻影の少女は静かに歩き出す。
【でも――男の元に戻りたくても、魔女の力ではあの城に辿りつけなかった。
どれほど足掻いても過去に戻れないように。運命を覆すことができないように】
その隣に一匹の竜が寄り添うように舞い降りる。
【私は力を求め、G.F.を手なずけた。
G.F.はまだ弱かった私に力を与えてくれたけれど、代償に、私から男の記憶を奪った。
あの掌の感触、あの時の言葉、あの時の想い――繋ぎ止めたかったものは全て消えて、憎しみだけが残った】
少女に、黒翼を背負う魔女の影が重なる。
灰色の海岸に、鎖でつながれた城が現れる。
【私は世界を憎んでいた。男と出会う遥か以前から、ひたすらに憎み続けていた。
男と出会おうが出会わなかろうが、いつかは魔女を拒む世界を消し去りたいと願い、同じ道を歩んだだろう。
それほどに強く、叶えたい願いなのに……eed、SeeD、SeeD、SeeD!!!!
どうして私の邪魔をする!! どうして自由にさせてくれない!!】
魔女の激高に反応するように、視界が突然めちゃくちゃに乱れ出した。
機械だらけの場所に立つ魔女が映る。筋肉ダルマという表現がしっくりくる奇妙な女が映る。
【時間圧縮――それで世界を思い通りに作り変え、SeeDの存在を消し去る。
そうして――そうして?】
兵士らしき一軍の前に立つサイファーが映る。何かの図面を見つめる、アルティミシアではない魔女が映る。
【ガルバディアの拘束装置。
彼の首にこれを嵌めて、他の人間たちとともに殺し合わせるのも一興かもしれない。
でも――……彼とは、誰?】
赤い飛竜のような船に乗る中年の男が映る。崩れた階段を駆け上る金髪のトサカ頭やアーヴァインのヤツが映る。
【邪魔! 邪魔! 邪魔!
時の果てに消えろ! 思い出も存在も魂すらも消えてしまえ!!!
私は一人でいい! 唯一にして絶対の存在は私一人でいい!!】
空洞の衣装に朽ちた肉体をぶら下げた、異形の魔女が映る。
そいつに向かい、巨大な隕石を落とす、白翼を広げた女が映る。
瞬きさえ許さぬほどの疾さで青い剣を振り回し、魔女を切り刻むスコールの姿が映る。
そして――最後に、石造りの家の傍で、見知らぬ女の手に抱かれる、瀕死の魔女の姿が映った。
【私は負けた。……運命が描いたシナリオ通り、SeeDに負けた。
過去の魔女に力を奪われ、時の流れに飲み込まれて、そこで死に行くはずだった。
なのに――】
何の脈絡も泣く、風景が切り替わる。
見覚えのある広間、真っ黒に輝くクリスタル、二つの死体、仮面をつけた男、そしてなぜか生きている魔女。
呆然と立ちすくむ魔女に、仮面の男は、咳き込みながら呟いた。
「君は……アルティミシア、か?
……少し、見ないうちに……ずいぶんと、美しくなったものだ……」
「――誰だ、お前は? 見知らぬ者に気安く名を呼ばれる覚えはないが」
「……忘れたなら、その方がいい。
思い出さぬ方が、幸せなことも、ある……特に、愛だの、友情だの、そんな感情はな……」
男の腹は剣で切り裂かれていて、大量の血がにじんでいた。
きっと、少し離れた場所で死体になっている剣士と女にやられたのだろう。
そう――その広間は、魔女が少女だった頃から、数刻の時しか流れていないらしかった。
魔女はまだ、男のことに気づかない。ただいぶかしげに、そして憎々しげに男を睨むだけだ。
その眼差しには当然、愛なんて甘ったるいものは一欠けらも存在しなかった。
だが、男の方は違っていた。
「すまない……私は、君に、重い荷を、背負わせて、しまった、……
……誰かに、運命を、押し付けるのが嫌で……一人で、ここに、留まって、いたのに」
強い絶望と後悔が刻まれた声に、さしもの魔女も眉を潜める。
「何の……何の、ことだ?」
その声が震えていたのは、俺の気のせいだったのか。
死にかけの男は魔女の動揺にも気づかずに、ゆっくりとクリスタルのある場所を指し示す。
「『クリスタル』が……君を、新たな主に、選んだのだ……
人を、殺し合わせ……闇を、生み出す、『遊戯』の……虜囚に………」
「……!!
お前は――貴方は、まさか?!」
不意に魔女の目が見開かれ、金の瞳が大きく揺れた。
全てを思い出したらしい魔女に、男は仮面に隠れた顔を向けた。
「主を倒すか……一人、生き延びたことを、クリスタルに、認め、られるか……それが、主の、資格。
私と、……共に、前の主を、倒した、二人が、死に……資格を、持つもの、は……もはや、君、一人だ……
クリスタルは、君を、この城に、縛り付ける、だろう……遊戯の主……王座に座る、駒として……死ぬまで、永遠に……」
(――っておいおいおいおいッ!?)
その話を聞いた時は耳を疑った。冗談じゃないと叫びたかったし、冗談であってほしかった。
「はは……愚かな、話だな……
時の無い、城で……誓いも、決意も、忘れ……それでも、希望を、抱いた……その、結末が、これ、とは……」
俺は悟った。
放っておけば死ぬ運命だった魔女を救ったのは、男の意思でもなんでもなく、
主という名の生贄を失った『クリスタル』が、資格を持つ犠牲者候補を呼び寄せただけだったってことを。
それは魔女も同じだったらしかった。
「貴方は……」
蔑む様な、凍てつく眼差しを注ぐ魔女に、それでも男は告げる。
「……あと、一回、だったんだ。
あと一回で、必要なだけの、闇が、集まって……『クリスタル』を、砕いて……『遊戯』を、真に、終わ、らせる、ことが……
そうして……自由に、なれたら……そうした、ら……」
仮面に隠された表情は見えない。
だが、多分、男は笑っていたのだろう。――そうでなければ、泣いていたのだろう。
「甘い、幻想、さ……君と、共に……限られた、時を、生きたい、と……」
そう告げた直後、男が派手に咳き込み、仮面の隙間から血がこぼれた。
最早、男を救う手立てなど残されてはいないのだ。魔女がこの城に呼ばれたことこそが、何よりの証拠。
魔女は男の傍に駆け寄り、その腕に抱きながら叫ぶ。
感情も露にして、死に行く男に罵声を浴びせる。
「今更……今更ッ! そんなことを言うぐらいなら、何故私を捨てた!?
傍にいると約束したのに、何故!! 何故!!?」
その怒りと憎悪を前に、男は静かにうなだれた。
「……すま、ない」
ため息をつくように呟いて、震える手を、今一度、水晶のある方へ向ける。
「あと……一回、……それで……全て、終わる。
……終わらせて、くれ」
それだけを言い残して、男の身体から力と魂が抜け落ちた。
魔女はしばらく男を抱きしめていたが、やがて、唇の端をゆっくりと吊り上げた。
ああ――その微笑の、なんて邪悪さだッ!
「貴方は知らないのですね」
魔女は笑った。高らかに笑った。
これが夢でなかったら気を失うか狂うかしていたんじゃないかと思うほど、禍々しい表情で。
「私はアルティミシア。
全ての時間を圧縮し、全ての存在を否定する魔女」
歌うように呟きながら、魔女はゆっくりと、黒いクリスタルに近づく。
「恐ろしげな衣装を身にまとい、残酷な儀式で善良な人間を呪い殺す、魔女……
その私が、貴方の願いを素直に叶えるとでも御思いですか?」
その手が、漆黒の表面に触れた。
すると水晶は淡く輝いて、たちまちのうちに、色を失っていく。
同時に、魔女の傷が有り得ないスピードで癒えてゆき、はっきり見えるほど濃い魔霧<ミスト>をまとい始める。
――ああ、ああ、その光景の持つ意味ぐらい、俺にだってわかるさッ!!
この魔女は、仮面の男が忌々しいクリスタルを壊すために必死こいて集めた力を、全部自分のために使ったんだってな!!
魔女は哄笑と共に叫んだ。
死に満ちた広間の中心で、叫んだ。
「虜囚だと!? 駒だと!? 愚かな、愚かな、愚かな!!
私はこの力で絶対にして永遠の存在となり、運命も歴史さえも覆してみせよう!」
(最悪だな……この魔女はッ!!)
とっくの昔にわかりきっていたことだが――そう、わかりきっていたことだがッ!
吐き気がもよおすほどの邪悪ってのは、真の邪悪ってのは、こういう奴を指すんだッ!!
――視界が揺らぐ。
映ったのは、一度透明になったはずの、しかしまた闇色に濁り始めたクリスタル。
「貴方が開放を望むなら、私は貴方を縛り付けよう。
貴方が教えた133の名と、私が憎んだ6の命。
その魂を闇に変えて、貴方を今一度、このやさしくない現実へ呼び戻そう。
私のためだけに存在する、栄えある魔女の騎士として」
その真下で魔女が謡う。
命を失った男の身体を抱き、白蝋の肌に指を滑らせながら、静かに謡う。
「器に闇を満たしながら、二人で証明してみせよう。
時を支配するものが誰なのかを。運命など何処にも存在しないということを。
腐った庭に撒かれた種に、魔女を拒んだ世界に、私を殺す歴史に――全ての時空に証明してみせよう」
冷たい手と手を取り合う姿に、昔見た宗教画を思い出す。
かつて愛したという巫女を片翼に捕えた死の天使、あるいは、赤子の悪魔王を抱く堕ちた聖天使。
ある種の美しささえ孕んだ、どうしようもないおぞましさと邪悪さが、そこにあった。
「そして全てを終えた後は、共に、幻想の中で舞い続けよう。
生も死も甘美な夢と化す究極の幻想……圧縮された時と世界の果てで、永遠に――」
――その、魂さえも凍てつくような笑い声を最後に、全てがはじけて消えた。
*********************************
俺は草原に立っていた。
黒い扉は消えていた。
「アルティミシアが目を覚ましたんだよ」
ウネの婆さんがいささか疲れたように呟いた。
「どちらかといえば慎重な方だと思っていたのに、とんでもないことを考え付く子だね、あんたは。
アリーナのことをとやかく言えないんじゃないかい?」
「あんな女と一緒にするなッ!」
支援
婆さんを怒鳴りつけてから、俺は口を押さえた。
くそったれ。
吐き気も止まらなければ、イライラも収まらない。
世の中には怒りより恐怖を感じる時ってのがあるが、あれがさらに180度回転して元に戻ってしまった、そんな感じだ。
……なあ、アリーナよ、認めたくはないが俺が間違ってたよ。
お前の事を魔女より性質が悪い偽善者だって思っていたが、とんでもないッ!
あの魔女より性質が悪い輩なんて、この世に存在するものかッ!
アルティミシアに比べれば、お前なんて単なるバカで向こう見ずではた迷惑なだけの脳筋娘だよッ!
「しかし厄介なことになったねえ。
無数の世界と時間軸から人を召喚して殺し合いを行わせるクリスタルなんて、あたしでさえ聞いたことがないよ」
ウネがオウムの羽をなでながら、ぽつりぽつりと呟きはじめる。
もしかしたら情報を整理したかったのかもしれないが、生憎、俺には婆さんの言葉を聞くだけの余裕は無かった。
――だって、そうだろ?
一人で勝ち残れば、間違いなく魔女に殺される。
アマちゃんどもと協力して逃げても、誰かを生贄に仕立て上げない限り、一生クリスタルの奴隷。
体よく俺以外の誰かに居残らせたとしても、そいつが死ねば呼び戻される運命らしいじゃないか。
ちくしょう! ちくしょうッ!! ふざけんなッ!!
どこのどいつだ、こんな厄介な装置を作りやがったのは!?
こんな世界で一人老いて死ぬなんて真っ平ごめんだ!!
……いや、待てよ?
そもそもあの城、世間一般で言うところの"時間"なんて存在しているのか?
男が言っていた、"長い孤独"、"時の無い城"、"限られた時を生きたい"――
それらはつまり、主となってあの城にいる限り、年を取るとか老いるってことがない、そういう意味なんじゃないのかッ?!
解放される時が来るのは、クリスタルを砕くか、誰かに殺されるかの二択でッッ!!
「……ってことで…………となると、クリスタルを砕いちまうのが一番いいわけだけど。
あんたはどう思う?」
「最悪だッ!!」
ウネの言葉なんて聴いちゃいなかったが、俺は反射的に答えた。
そう、最悪だ。どうやったって死ぬ以外に逃げ場がないんだ。
クリスタルを砕くだけの力が溜まるまで、どれぐらい殺し合いを続ければいい?
いや、それ以前に生き残った連中を殺す実力がなけりゃあ、返り討ちにされて終わりじゃないか?
殺す……ダメだダメだダメだ、無理だッ! 主なんぞにされた時点で、人生終わったも同然だッ!
なら、どうする?
他の誰かを主に仕立て上げる……やはり、それしかない。
俺以外の誰かがクリスタルを砕くことを期待するしかないッ!
となると……この夢の事は極力秘密にした方がいいのか?
ギリギリまで黙っておいて、『その時』が来てからバラして、ラムザやイザみたいなアマちゃんに押しつけて――
「――アルガス、あんた人の話聞いてるのかい?」
「うるさいッ! 考え中だ、黙ってろッ!」
「……」
ボカッという音がして、頭に激痛が走る。
振り向けば嘴を振りかざすオウムがいて、次の瞬間、もう一発くらった。
痛い……夢の中なのになんで痛いんだ?!
そもそも人の夢に干渉するのはナシだとか自分で言ってなかったか、この婆さん!
「覚えておきな、年寄りの話は聞くモンだってね」
ウネは俺に指をつきつけ、それからカッカッカと笑う。
だが、こっちが言い返そうとした瞬間、また痛みが走った。
頭にではない。――何故か、誰も触れていないはずの肩口にだ。
それから衝撃。揺さぶられるような感覚。
「…おや? お仲間が呼んでるみたいだね」
ウネがとぼけたような声を上げる。
世界が急激に色を失い、ぼやけ、消えていく――
「おーい、おっきろーーー!」
「………んあ?」
目がしばしばする。
眠い。まだ、頭はぼうっとしている。
目の前には何故だかバッツがいて、人の肩を掴んで遠慮も手加減もなく揺さぶっている。
ウネの姿はどこにもない。
「……おい、婆さんはどうした?」
「ば、婆さん? そんな人、ここにはいないぞ?」
戸惑い気味にバッツは答える。
「あ、もしかして、近所のおばあちゃんの夢でも見てたのか?
うんうん、あるよな、そーゆーの。小さい頃の懐かしい思い出が夢になってさ」
「懐かしくなんてねえよ」
勝手に納得しているバッツを一瞥してから、俺は改めて周囲を見回した。
陰気くさい石壁、湿った祠の空気、せまっくるしい部屋。
青空はおろか、草原や蝶や澄んだ風など、当たり前のように存在しない。
ただ、ポケットに手を突っ込んでみると、小さな鍵が輝いていた。
(夢の世界……ね)
ここに来る前の俺ならメルヘンかファンタジーだと笑い飛ばしていただろう。
だが、実際に体験してしまえば、話は別だ。
夢の世界は実在する。
そしてウネの婆さんも、――恐らくは仮面の男も、死者の魂を喰らって闇に変えるクリスタルも。
「悪いな、寝てたのに、起こしちゃってさ。
ただ、スコールの奴が、あんたに聞きたいことがあるらしいんだ」
バッツがぽりぽりと頭を掻いた。
「スコールが?」
「ああ、なんでも、ティーダとかいう奴の居場所が知りたいらしい。
あと、ほれ、お前追っかけてた奴、……アーバインだっけ?
あいつ、とっ捕まえたらしくてさ」
「……は?」
誰が誰を捕まえたって?
問い詰めようとした俺の動きを止めたのは、部屋の外から聞こえた声だった。
「ごるぁーーーーー!! うそつきヤローはどこだーー!!」
「止めろ、リルム! リールームー! そっち行ったらダメだー!」
「リルム様を甘く見るなー! にがおえ、描き溜めたんだからね!」
「『イオ!』」
「うわっ!」
「お、おい、ヘンリー!?」
どうもガキが暴れているらしいが……リルム? どっかで聞いたような名前だ。
だが、俺がそいつをどこで聞いたのか思い出す前に、その子供は紙と筆とを握り締めながら、弾丸のように飛び込んできた。
「見つけたっ! お前がモヤシとユウナをおとしいれよーとしたうそつきヤローだな!」
「……は?」
「止めろ、リルム!」
金髪の少女を追ってスコールが駆け込んでくる。
一瞬、吐き気がフラッシュバックするが、俺の精神以上に目の前の事態の方が悪化の一途を辿っていた。
「くらえ、こうりゃくぼん見て描いた似顔絵だー!」
スコールがリルムを羽交い絞めにするより早く、筆が紙の上を走る。
その途端、俺が――いや、俺そっくりな幻影が現れた。
「『アーマーブレイク!』」
「なッ!!?」
とっさによけたその横、俺の後ろにあった壁を、幻影の剣がなぎ払う。
かつての俺が揮っていた、しかし今の俺では絶対に放てない迷いの無い一撃に、びしり、と音を立てて壁が砕ける。
そんな明らかに物理的な破壊をもたらした幻は、だが、次の瞬間には、何の痕跡も残さず消えうせた。
「次はモヤシの――アーヴァインの似顔絵描くぞ!
さあ、ウソついてごめんなさいってユウナに謝れ! そんで二度とウソつかないって約束しろー!」
ガキが叫ぶ。よりによって一番聞きたくない化物の名前を呼びながら。
俺が冷静な状態だったら、恐怖の記憶に負けて泣き喚いていたかもしれない。
だが、幸運なことに、俺の頭は立て続けに起こる事態に追いつけず、ひたすら混乱していた。
だからリルムの言葉を理解できなかったし、理解する前に――
「いい加減にしろ!」
スコールの強烈な拳骨が、リルムの頭を捕えた。
「済まなかった、アルガス。
……この子供も、俺達の方で監視しておく」
奴はそう言って、痛みでうずくまる子供の首根っこを引っつかみ、部屋の外へと放り出す。
外にはヘンリーがいたらしく、奴の騒ぎ声とガキの喚き声がやかましく響いた。
「……なんなんだ、一体? ユウナの居場所だと?」
何が起きてるんだ? アーヴァインが追ってきたのか?
だとしても、なんであんなガキが付いてくる?
リルム、リルム……その名前は、ラムザが保護していたガキじゃないのか?
何がどうしてどうなってるんだッ!?
「落ち着いてくれ、アルガス」
混乱する俺の肩を、スコールが掴む。
「アーヴァインは戦闘不能に追いやった上で拘束した。
あんたの安全は俺とリュックとバッツが保障するし、あの子も野放しにはしない。
だから、落ち着いて、俺の質問に『正確に、正直に』答えてくれ」
「あ、ああ……」
俺はそう答えるしかなかった。
事態の把握なんて出来るわけがなかったが、ウネの婆さんにどつかれたみたいに、妙なことで怒りを買うわけにはいかない。
何せ目の前にいるのは、夢の中であの魔女を一度倒した、化物以上にとんでもない奴だ。
できるだけ奴の目を見ないように視線をそらしながら、質問とやらに耳を傾ける。
「リュックのために、ティーダって奴を探してサイファーと合流させたい。
あんた、ユウナという女と一緒に、そいつと会ったみたいに言っていたじゃないか。
行き先を知っているなら教えてくれないか?」
……なんだ、そんなことか。
俺は心の中でほっと胸をなでおろす。
真剣な表情をしていたからどんな問いかと焦ったが、それぐらいなら、隠し立てする必要は無いだろう。
そう。ポケットの中の鍵や、俺が見たものや、クリスタルの存在と違って――
「ああ、そいつらなら、ロザリーと一緒に城から西の方角へ――」
【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力0、アビリティ:白魔法)
所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
第一行動方針:首輪を調べる
基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【アルガス(左目失明)
所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵 ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
第一行動方針:今後のことを考える
最終行動方針:とにかく生き残って元の世界に帰る】
【リルム(HP1/3、右目失明、魔力消費)
所持品:絵筆、不思議なタンバリン、エリクサー、攻略本(落丁あり) 首輪×2 研究メモ
レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 ブロンズナイフ
第一行動方針:ヘンリー達と同行する
第二行動方針:仲間と合流
最終行動方針:ゲームの破壊】
【ヘンリー (重傷から回復、リジェネ状態)
所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク
キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ 命のリング(E)
第一行動方針:リルムが暴れないように見張る
基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【現在位置:南東の祠(奥)】
【スコール (HP2/3、微〜軽度の毒状態、手足に痺れ)
所持品:ライオンハート ひそひ草 エアナイフ、ビームライフル
G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)、G.F.パンデモニウム(召喚×)
吹雪の剣、ガイアの剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング
第一行動方針:アーヴァインの監視と治療
第二行動方針:サックスを警戒/首輪の研究
基本行動方針:ゲームを止める】
【現在位置:南東の祠(入り口付近の小部屋)】
*時間軸は625話(627話)より前になります。
もう少し保守
50 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/09/07(月) 22:07:17 ID:0OGRjCOFO
ほ
↓が冷静に一言
サラマンダーがマジになればアルティミシアやセフィロスなど瞬殺
と、呟くサラマンダーであった
しかたないので保守をするサラマンダー
55 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/09/26(土) 14:20:21 ID:mAOYSmq7O
保守
ターニアはただただ必死に走り続けた。
黒霞と血霧と流血のイメージは彼女の思念の奥底にまで浸透し、
ときおり銃口やタバサ、アーヴァインのイメージがそれらと共に現れる程度。
逃げるという行動のみを遂行せよという、極度に単純化された思考は正常な判断力を奪う。
道なき道を走り続けられた理由は、ただ彼女が山奥育ちだったから、ということ以外に何もない。
今どこにいるのか、どこに向かっているのかすら分かっていないのだ。
「そこの小娘、止まれ」
だから、突然の呼びかけに対応できるはずもない。
目の前の人影を知覚してなお、足は前へ前へと歩を進め、手は草の茎をかき分け続け、だが頭は立ち止まれという命令を体全体へと流し、
命令と行動とがかみ合わなくなったことで肉体はバランスを崩し、足がもつれて前方斜め前へと転んでしまう。
それでも脳は必死に逃亡を命令するが、肉体の動かし方を指示することはなく、結果手と足をバタバタさせるだけ。
ようやくずるずると後ずさっても、丈夫な雑草の茎が進行を阻む。
声を出そうにも、その声で助けを呼ぶわけでもなく、命乞いをするわけでもない。
そもそも何をすればいいのか自分でも分からない現状では、かすれた悲鳴が喉の奥で響きわたるだけだ。
ターニアが目の前に見ているのは、美しい銀髪をたなびかせた長身の男。名はマティウス。
怯えきったターニアを前にして、その端整な顔立ちに哀れさとほんの少しの後悔がにじみ出る。
だがそれもつかの間、ザックから瞬時に水を取り出し、ターニアに頭から冷水をぶっかけた。
痛みとは異なる外部からの刺激。熱気の中を走り回って、熱暴走に陥っていたかのような肉体が一気に冷却された。
「やれやれ、少しは落ち着いたか? 私は話をしたいだけなのだが」
ようやく落ち着いたターニアに対し、マティウスはややあきれ気味だ。
ターニアは先ほどまでの醜態を認識し、やや赤面する。
「何を慌てていたというのだ。追われていたのか? お前の後ろには誰もいないが」
そう言われて、ターニアはやっと自分の置かれている状況を見つめなおす。
まわりにはタバサもアーヴァインもピサロもいない。
何より、スコールが自分の傍にはいない。はぐれたとは言わない。見捨てて逃げてきてしまったのだ。
みずからのおこないへの深い後悔と、信用を失ってしまったのではないかといういい知れぬ不安がよぎる。
そんなターニアの心の内には気付いていないのだろう、マティウスは話を続ける。
「人探しをしている。このあたりでアリーナという小娘を見かけなかったか?」
名前は聞いたことがある。ソロやピサロの知り合いだとか。
だが、どういった関係なのかまでは思い出すような心のゆとりもない。
「思い出せんのなら仕方がないな。
魔法使いのようなつばの広い帽子をかぶった殺人鬼だ。見かけたら気をつけるんだな。
それはそうと、何があったのだ?」
いいたいことはたくさんある。が、言葉を選ぶことができなかった。
あちこちでかみながらも、紡ぎだした言葉は、近くにスコールがいないか、ということ。
けれどもマティウスはスコールに出会っていない。
というより、他人と関わらないようにしているようなのだ。
ターニアに話しかけたのも、誰かが追ってきているのではないか、それがアリーナではないかと思ったかららしい。
地図を見せられて、ようやく今の場所が祠を結ぶ外周との合流地点だということが分かった。
ここまでは一本道だが、道は広いしターニア自身も現在位置までまっすぐ逃げてきたわけでもない。
スコールが魔法の絨毯でこちらの方角へまっすぐ進めば、とっくに追い抜かれていてもおかしくないのだ。
つまり、スコールは今どこにいるのかは分からない。
時間とともに気分は落ち着いてきた。
そういえば、何があったのか、というマティウスの質問にはターニアは何も答えていない。
南東で何が起こったのかを説明しようとする。
スコールのこともタバサのことも、マティウスはほとんど知らなかったが、
ピサロの名前を出した途端にマティウスの顔が曇った。
「ピサロか。昨日しばらく共に行動したが、危険な男だった。
アリーナと組んでいたこともある。何か企んでいるのかも知れんな」
ターニアにはそれが信じられなかった。危険といっても、気難しい、程度の意味なのだと思った。
ピサロといえば、初日に助けてもらってから長い間一緒に行動していた人物。
厳しくて、不器用な一面はあったが、決してゲームに乗るような人物だとは思えなかった。
「お前にはあれがゲームに乗らないように見えるのか?
ちょうど先ほどまで、やつらに殺されそうになっていたのではないのか?」
言われてみればそうかもしれないが、それでもあれは何かの間違いに違いない、そう信じようとした。
(心変わりは誰だってある。それを忘れた者から死んでいく)
スコールにはそう忠告されたが、否定しようとした。
けれども、それを否定するように思い浮かんだのがエリアとアーヴァイン。
エリアが、空砲とはいえ銃口をターニアに向けたのは事実。
ターニアの見知った記憶を失った気弱で心優しい青年と、先ほど見たアーヴァインはまるで一致しない。
さらに、思いがけぬ言葉がマティウスから発せられる。
「それにやつは我々の目の前でイザやライアンを自らの手で殺害して見せたうえ、
殺人鬼のアリーナとも手を組んでいるのだぞ」
何の重みもなく、ターニアが用心する間もなくさらりと発せられた一言だった。
マティウスは「やつ」、すなわちピサロが「イザ」を殺害して見せたと言わなかっただろうか?
聞き違いであって欲しかった。たとえ聞き違いであってもイザは蘇らない。それでも聞き違いであってほしかった。
「何と言ったか、だと? ピサロがアリーナと手を組んでいると……その前?
私と同行者の前で、イザとライアンを殺した……おい、どうした?」
イザの死は、今朝の放送と対する仲間達の反応で、嫌というほど心に刻み込まれた。
そのときどう思ったかは覚えていない。ただ、涙が枯れるまで泣いたことだけをターニアの体が覚えている。
それでも、信じあえる人々がいるなら、きっと立ち直って前に進んでいけるはずだった。
また一つ、基礎が崩れかけている。
ターニアは何度もイザのことをピサロに話した。ターニアが兄を探しているということをピサロが知らないはずがない。
それに、ライアンという人もピサロの知り合いとかだという記憶があるのだ。
そう、まだマティウスが言っているだけのことなのだ。見間違いとかウソの可能性もある。
「知り合いでもいたか? だが、私はウソをついてなどいないぞ。
ロザリーやアルガスに会えば、同じ話を聞けるだろう」
信じたくはないのに、こうもはっきり言われてしまうと否定できなくなってしまう。
ロザリーという名だって聞き知っている。これもピサロの知り合いだったはずだ。
事実だとしたら、もうピサロが殺し合いに積極的に参加しているというのは確定事項ではないか。
「まあ、私のターゲットはアリーナだけだ。他がどうなろうと、お前にどう思われようと知ったことではない。
助けがほしいなら、西のほうにいた緑髪と金髪の二人組にでも求めるのだな」
つまりは足手まといや面倒ごとを引き連れて行きたくないという考え。
それでも、道を示してくれただけ、一人放置されるよりはありがたい。
ターニアが簡素なあいさつを済ませるとマティウスは時間を惜しむように茂みの中へと消えていった。
思いもかけぬことを聞かされてしまい、ターニアの思考力は随分すり減ってしまっていた。
精神力がすり減ったまま、次にどうするかを自発的に考えるのも難しい。
あまり深く考えることもできず、流されるままに南西に進んでいく。
イザの死を知ってからわずか数時間、ターニアの心は確実に削り取られ、小さくもろいものに変質していた。
数分後、マティウスの消えた茂みの中から別の男が現れる。名をカインという。
ターニアが見えなくなったのを確認すると、以前に潜んでいた岩山の上に向かって大きくジャンプ。
そこから見渡してもターニアの姿は見えない。もう行ってしまったのだ。
「いやはや、他人をマネるというのは案外苦労するものだな。
スコールの話をふられたときには、ピサロの話に持っていけなくなるかと思って冷や汗物だった。
時間もギリギリだったし、やはりお前に任せればよかったか?」
「任せるってったって、僕はマティウスってやつに会ったこともないんだよ? そりゃムリってもんだ」
カインが一際大きな岩陰に向かって話しかける。そこから出てきたのは、スミス。
絨毯に乗って北西へ進んでいたが、スライムの低い背丈が災いし、
本当にターニアを見落として追い抜いてしまっていたのだ。
そのあとは魔法の絨毯を狙ったカインに奇襲され、殺されかけたりした。
カインが睡眠不足だったため、甘い息で完封することができたけれど。
そのあとはひたすら昨日の非について謝り倒して、ようやく関係修復に持っていった次第だ。
「会ったことがないのなら、俺の記憶から読み取ればいいのではないのか。丸見えなのだろう?」
「知ってたにしろ、僕じゃダメさ。才能がない。
今朝もタバサのマネをしてみたら、多分100点満点で40点の評価をいただいちゃったからね」
もう、種族はドラゴンライダーではない。今は転身直後の移行期間。徐々に種族独自の特性は失われていくだろう。
それがバレないように、スミスは軽い口調で話を流す。
「才能がないとは意外だな。
…ターニアのあの様子では、俺と出会った時刻も正確には覚えていまい。
あとはソロとサイファーに無事に出会って、『真実』を広めてくれるのを待つだけだな」
「いやあ、相変わらずやることがセコいね!」
「フッ、ほめ言葉として受け取っておこう」
ターニアがイザの妹だったというのはカインには予想外だった。
本来ならアリーナ関連からピサロを陥れるように攻めるつもりだったが、予想を上回っていい成果を出せそうに思う。
マティウスに化けたのは、本人に出くわす確率が0に近く、しかも元々ピサロと同行していたという情報をアルガスから得ていたからだ。
次の放送で十中八九呼ばれるが、ターニアと出会った直後にアリーナと相打ちになった、で筋も通るのだから。
改めて思い返すと、他人に興味はないといいながら興味を持って話を聞いていた気もするが、あの程度なら大丈夫だろう。
もうマティウスの姿は使えない。次は別の方向から、ピサロへの包囲網を作る。
「さて、じゃあ僕もそろそろ行くね。
せっかくタバサも殺してくれたんだから、うまく利用させてもらわないと。
なんせ、タバサを殺したくてうずうずしてたやつが何人もいるんだから」
変化の杖の効果を知っており、かつ実力も高いピサロはスミスにとってはおお邪魔虫。
しかもその高い実力を、ゲームの転覆へと注いでいるとカインから聞いた。
そしてカインもピサロを邪魔に思っているらしい。是非ともこの機に潰したい人物だ。
アーヴァインのほうは非常に有能な参加者だが、カイン以上に裏切りと状況の応用が得意らしいので、大丈夫だろう。
ピサロはヘンリーの治療をしていた。重症だったし、気絶もしていたのだから当分は動けないだろう。
手を下したのは厳密にはアーヴァインだが、タバサを殺したというのもいいポイント。
仲間どころか復讐の対象までも失ったフィンやザックスを、いい感じに手駒にできるのではないだろうか。
フィンなら今どこにいるかも知っている。タバサがスミスの後ろから現れたということは、来た道を逆にたどれば会えるはずだ。
行動は早いほうがいい。そんなわけで、疲れているカインを残して一人で、この世界に降り立った場所へと向かう。
カインはスミスが立ち去ったのを見て、ようやく緊張を解く。
両天秤で動く場合、心が読めるスミスの存在は邪魔になる。
かつて聞いたように、警戒していれば心の内を悟られることはないとは確信したが、またも精神面に大きく負担をかけてしまった。
なにやら理不尽なパワーアップを遂げていたようだし、正面から戦うのはマズい。
それに、まだ脱出できると決まったわけでもない。勝ち残る場合にはやはり役立つパートナーなのだ。
関係を維持したまま別れるには、作戦にかこつけて追い出すしかなかったのだ。
フィンという男に会うために、自分から離れていってくれたのはありがたかった。
ピサロを殺す理由は、一人では倒せない相手に際しては時間が経つほどこちらが不利になるからだと説明した。
だが、それは建前。カインの目的は一人で勝ち残ることではなく、なんとしても生き残る方向へとシフトしている。
ピサロはおそらく魔女討伐を目指している。目的は半分は同じだ。だが、カインとピサロは二度も戦った。
性格柄、相容れるようには到底思えない。ピサロは自分に逆らったものに容赦はしない。
アーヴァインはなぜかピサロと同行しているようだが、それならさらにこちらに敵意を持っているだろう。
アーヴァインがカインに有利な情報を流すはずもないからだ。むしろ排除させるべく、あることないこと吹き込んでいるだろう。
とにかく、ピサロと仲良くできるとは到底思えない。
表立って衝突せずとも、不和をもたらしかねない要因として排除しようとするかもしれない。
タバサを迷いなく殺しにかかり、借りを返しただけのアルガスをも殺そうと動いているのだ、そのくらいは予想できる。
そのとき、他の脱出派メンバーはどちらに傾くだろうか?
それまで殺人者として動き、肉弾戦以外に能のないカインか、それとも脱出派として動き、剣も魔法もこなし、頭も冴えるピサロか。
そんなものは、考えるまでもない。カインとて、ピサロと殺人者の二択ならピサロに傾く。
脱出するにせよ、優勝するにせよ、ピサロの存在はカインにとって邪魔なのだ。
それに、殺してしまっても脱出が不可能になるとは思えない。
殺される危険を考えれば、成果くらいどこかにメモとして記してあるのが普通だ。
なにより、アルガスを追うアーヴァインに同行するような暇な男なのだ。研究自体ロクにおこなっていないだろう。
もちろん、万が一乗っているというなら殺したところで何も問題ない。
さて、スミスから魔法の絨毯を得られなかったのは痛手だが、それは考えても仕方がない。
次にスミスに会ったときにどうするかはまだ考えていない。だが、早急に対応策を練らねばならない。
スミスはカインが見えなくなったのを確認し、ようやく緊張を解く。
カインに読心能力が失われていくのを悟られるとマズいと思ったのだ。
カインのスミスに対する態度、昨日と違う。
嫌われる心当たりは残念なことにある。
プライベートゾーンに立ち入られるのが嫌なのは誰しも当たり前。
しかもすでに二回もヘマをやらかし、信頼度も下がっているのだろう。
再会時に話をしたところ、カズスに戻ってこなかったのは、スミスが裏切ったからだとすら考えていたらしい。
敵対するスタンスに変わったなら、眠らせた際に殺している、と反論したら、
お前はそんなに優しくない、得るものがなくなるまでとことん搾り取るタイプだと返されたのには閉口した。
否定できなかった、むしろ納得してしまったのは事実だが。
固く心を閉ざし、侵入を拒むのも当然といえば当然か。
ただ、カインが「裏切った」とか、スミスを利用して何かを企んでいるとか、
カインのこれまでの行動を顧みると、そっちの方面にも考えを寄せなければならないのは残念なことだ。
正面から挑まれた際でも、実は怪我だらけのこの体では苦戦は必至。カインならば色々と搦め手も使うだろう。
なれば、やはりスミスとしても自身に関する情報をすべて伝えるわけには行かない。
カインは抜けているくせに、妙な部分で目ざとい。
あまりに役立たずだったり、怪しい行動をとれば容赦なく後ろから突き刺してくるだろう。
一部の能力が変質していることは伏せてある。
転身して約半日。もう半日もすれば新しい体に精神が一気に馴染み、過去の特性は急速に消滅していくだろう。
いずれにせよ、これではコンビとしては長くないのかもしれない。
今後の身の振り方を今の内から考えるのがよいのかもしれない。
【ターニア(血と銃口への恐怖)
所持品:スタングレネード×3 ちょこザイナ&ちょこソナー
第一行動方針:マティウス(カイン)の助言に従って移動
基本行動方針:リュック達と合流したい】
【現在位置:デスキャッスル南東から西へ移動】
【カイン(HP1/2、左肩負傷、肉体、精神ともに疲労回復気味)
所持品:ランスオブカイン ミスリルの篭手 プロテクトリング レオの顔写真 ドラゴンオーブ ミスリルシールド
第一行動方針:検討中
第二行動方針:ピサロを始末してもらう
基本行動方針:どんな手段を使っても生き残る】
【現在位置:南東の祠への分かれ道南の岩山】
【スミス@(HP1/5 左翼軽傷、全身打撲、洗脳状態)
所持品:変化の杖 魔法の絨毯 波動の杖 ドラゴンテイル スコールのカードデッキ(コンプリート済み)
基本行動方針:脱出メンバーの始末
第一行動方針:フィンを利用し、手駒にする
最終行動方針:ゲームを成功させる】
【現在位置:南東の祠への分かれ道南の岩山→北東の塔へ】
ほしゅ
保守
砕く。一つずつ砕く。石壁を砕き、柱を砕き、床を砕く。
水の呪文を一点に集中させ、石材を爆砕する。
倒壊したときの衝撃にも耐え、未だくすぶり続けるたいまつが唯一の光源。
フローミやうみどりのめを用いていちいち位置を確認し、
魔力が尽くたびに少し休憩して、また活動を再開する。
山賊に生き埋めにされたときの経験はあまり役に立っていない。
何時間経っただろう。実に不毛な時間だったが、ようやくたいまつ以外の光源が見えた。
高い気温と高い湿度のせいでこのうえなく不愉快な空間をようやく抜けられる。そう思うと気持ちははやる。
だが、再び崩れては困る。
除去するガレキを慎重に決め、光源を見つけてから数十分、ようやくガレキの外へ這い出ることができた。
「なあんだ、やっぱりアルスじゃなかったんだ」
不意に、落胆したような声が向けられた。いつの間にか、見覚えのない男がたたずんでいた。
「なんか、随分失礼な「黒髪のツンツン頭の男の子を見なかったかい? アルスっていうんだけどさ」
買い言葉の一つも唱えてやろうとしたフィンにはまるで構わず、男、セージは質問を投げかけてくる。
フィンのほうに視線は向いているが、フィンのほうを見ていない。
立て札だとか、よく町の入り口で旅人に挨拶してくれる案内嬢に接するときのような視線。
つまりセージはフィンには何一つ興味を持っていない。アルスという男にしか興味を持っていない。
「……見てないよ。この辺で見たのはタバサってやつ一人だけ」
おそらくフィンの知っていることに関しては、何を言っても興味を持たないだろう。
今のフィンには、タバサの討伐以外にやることがないのだ。行きずれの余計な仲間を増やしても邪魔なだけ。
「タバサ……タバサかあ。しばらく会ってない気がするんだよねえ。別れたのは今朝だけど。
元気そうだった? ……元気なわけがないかあ」
予想外にも話に食いついてきたセージの、予想外の返答。
タバサの所業を知らないのか、それともショックで記憶が飛んでしまったのか。
そののんきな返答に、少しイラッと来る。
「……元気だよ。僕と違ってね。彼女ほどこの世界にうまく適応していけてる人間なんて、はじめて見た。
どんな教育を施されてきたか、是非とも知りたいよ」
「へえ、元気だったんだ。それはよかった」
元々こんなに嫌味や皮肉を言ったりはしなかったと思うのだが、マリベルに似てきてしまったのだろうか。
ただ、どうにも思い通りの反応は得られない。
「それとも、皮肉ってたりするのかな? 僕も二日間くらい彼女に色々と教えてたんだけど」
思いが顔に出てしまったのだろう。セージが不快感を示したところで、フィンにとっては何の得もないのだが。
肝心のセージは、やはり涼しい表情を崩さない。
皮肉や侮辱に動じないような余裕があるというのではない。
タバサの名が出たから話をしているだけで、セージにとってはフィンの感情などどうでもいいということなのだ。
「にしても、僕がいなくても元気でやってるんだ。ちょっとショックかもねえ」
タバサが何をやってきたのか、まるで意に介していない様子。知っているのかそうでないのか。
いずれにせよ、タバサに好意的であるセージとこのまま一緒にいるなんてフィンには考えられない。
「もう君に話すこともないから、行っていいでしょ。僕は急いでるからさ」
一時より治まったとはいえ、なお体調は悪くて気分もよくない。
タバサの知り合いだからという理由でセージを排除しようという気はフィンにはないし、
タバサとのを関係を話して、墓穴を掘るような真似もする気はない。
ただ、一緒にいるとイライラが募ってしまうというだけだ。
セージに目を向けることも無く、フィンは彼の隣をすたすたと通り過ぎていってしまう。
「ところでさ、エビプリの塔だっけ? なんで壊れてんの?」
「大事な柱にやつあたりしたら崩れたんだよ。欠陥持ちだっただけさ」
その数十分後、塔から少し南西の位置。二人の男が言葉数少なく、南へとくだっていた。
「なんで付いて来んのさ」
「付いて行ってるつもりはないんだけどねえ。ただ僕の行こうとする方向に君が進んでるだけ」
会話はかわしているが、二人とも相手の顔すら見ていない。
「…だったら、少し離れてくれないかな? あんまり他の人を連れ添いたくないんだよ」
「君のほうが僕から離れれば済むことじゃないの?」
あくまで正面に向かって独り言のように話しかけている二人。
「人探しの真ッ最中なんだ。わざわざ貴重な時間を割く気なんてないよ」
「奇遇だねえ。僕も人探しの途中なんだけど、本当にアルスのこと知らないのかな?」
形としては、大体はフィンが発した言葉にセージが返答するという形だ。
「だから知らないよ。聞いたこともない。……そんなに急いでるんなら、走ればいいじゃないか。健康そうだし」
「僕ってさあ、体力ないんだよねえ。今呪文使うのはさすがにもったいないし」
熱っぽくなっているフィンと、あくまで涼しげな表情を崩さないセージ。
「へー、そうなんだ。もし疲れたら、勝手に休んでていいからね。僕のことはお構いなく」
「そっちこそお構いなく」
珍妙なやりとりは、どこかの分かれ道で別れるまでずっと続くことだろう。
【フィン(HP3/4ほど、MPほとんどカラ、風邪+体力消費)
所持品:陸奥守、マダレムジエン、ボムのたましい
第一行動方針:タバサを探し出して殺す
第二行動方針:風邪を治す】
【セージ(HP4/5 魔力1/2程度 精神疲弊)
所持品:ハリセン、ナイフ、ギルダーの形見の帽子、イエローメガホン
英雄の薬、厚手の鎧、般若の面、釘バット(FF7)、グラディウス、聖なるナイフ、マテリア(かいふく)
第一行動方針:めぼしい拠点へ行き、アルスを探す。
基本行動方針:アルスと再会し、その後二人でタバサを探す】
【現在位置:エビプリの塔跡南西の分かれ道から南へ】
hoshu
ほ
保守
↓
|
| ≡ ∧_∧
|≡ (・∀・ )ひゃっ!
| ≡ / つ_つ
|≡ 人 Y
| ≡し'ー(_)
↓
↓
ほしゅ
↓
乾し湯
ほしゅ
↓
保守
圧縮来る前に保守
保守
FF13対策保守
新スレの量がすごいので保守
今日もきっと圧縮
最下層を目指して保守
hosu
保守ー
FF13警戒保守
ほっしゅどぽてと
ほす
ほしゅ
保守
雑談落ちた?
落ちたみたいだな
保守
落ちたしもうこっち一本でもいいか?
一応立てるべき。
双方が双方のDat落ちからの回復を担う力があるんだし。
それにFF13祭やってるから片方落ちるのも仕方ないんだよね。
ころノワ終わる頃にはFF15出てるんだろうなー…
必要ないよ
双方とも保守カキコしかない現実をみなさいよ
1、2ヶ月に一度しか動かない現状、二つもスレは必要ないでしょ
スレの維持というなら、したらばを避難所にすれば充分再建できる
それなりに賑わってた昔とは状況が違いすぎる
確かにもっと活気のある他ロワもしたらばを作って、本スレは一つだからな。
いっそのこと、ドラクエロワと共同のしたらばを作れないか?
FFDQロワの避難所として。
間を取って、新作が投下されてから立てればいいよ。
したらばで雑談スレをやると管理する人の負担が増えるし
ずっと1スレ進行だと作品と感想のログ分けが面倒な上、落ちた時のリカバリーが大変だしね
2ndが落ちた事もあるし、今まで何度も片方が落ちてた。
正直、あまり楽観視できるような状態じゃないんだよね。
>>101 ドラクエと統合は大反対。
両企画は住人の気質とかスレの雰囲気がまるで違うから、壊したくない。
105 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/12/26(土) 15:05:22 ID:1BcCwtIe0
進展がないのなら打ち切りにして新しいのを作るか、
誰か物語が収束に向かう形がいいのでは
別にいいじゃん
のんびり進めば
まぁあれだ。保守ついでに今のキャラの動向を整理したりでもしないかい?
正直なところ、蔦のように絡み合ってわかんない奴が多いw
一応、ザンデあたりは目先の目標が解るからいいんだけども。
アーヴァインやスミス、ケフカ達になると……w
こんな感じでゆっくりしてるのもいいじゃないかw
>>107 複雑なヤツら多いよねw
何これ、すっげえ!w
>>109 すげえ!これ良いな
位置が一目でわかるのはかなり嬉しい
保守
こんなのがあったんだ!?
>>109の自作かな?
まとめて見ると結構人数が減ってきてるのね!
これを見るまでピサロの立ち位置を知らなかったけど
ピサロ包囲網がどう動くかで終盤戦がかなり変わりそう
首輪解除組はいるけど脱出までもっていけそうなのもいないし…
ザンデに賭けるしか!?
>>113 ピサロが実験とかについてある程度書き残してて、
ロザリーが実験のやり方とかザンデの考えを書いたメモを持ってて、
ケフカがザンデの実験を全部理解してるから大丈夫だろ
そもそも初代旅の扉の製作者がいるし
首輪解除フラグも脱出フラグも立ってるのかー
あとはマーダーたちを掻い潜りつつどう合流するかだな
ステルスや完全マーダーではないやつも合わせると
ユウナ、サラマンダー、ケフカ、スミス、カイン、アービン、セフィロスか
フィンセージ組も不安定だしピサロ包囲網はあるしで
残り人数の割に爆弾が多すぎるわwww
保守
あけましておめでとうございます。
保守
今のところFFDQ板で完結したロワってFFDQ1stだけ?
DQロワはどうなったの?
FFロワはロケットで突き抜けました。
DQは脱出確定したところで二年くらい止まってる感じ
首輪外せて今からラスボス戦ってところなのに進まない
保守
保守
保守
規制解かれた?
ネタは3パート分あるけどまとまらない・・・
保守!
激しく揺り動かされてまぶたを開くと、四つの目が私を心配そうに覗き込んでいました。
「お、ようやくお目覚めだな。俺のことは覚えてるかい?」
そう声をかけてくれたのは尖った黒髪をした空色の瞳を持つ男の人です。
「確か、ザックスさん、ですよね?」
「覚えていてくれたんだ、嬉しいねえ」
彼が喋っていたので自信はありませんでしたが、この印象的な瞳は間違いありません。
でもどうして彼が私を起こしたのでしょうか?
まわりにいるのはザックスさんにユウナさん。ティーダさんは近くで横になっています。
テリー君の姿が見えません。驚かそうとしているとか? でも彼はやんちゃだけど、そんな性格じゃありません。
眠る前に、赤い髪が印象的な男の人とティーダさんが話をしていたような気がします。
なんだかあまり考えたくない考えが頭の片隅に浮かんできます。
「あの、テリー君は…?」
恐る恐る尋ねます。ユウナさんとザックスさんがアイコンタクトを取ったのが分かりました。
眠る前の記憶も鮮明になってきました。何かの攻撃を受けて倒れ伏していたユウナさん。今まだ目覚めていないティーダさん。
ユウナさんが近付いてきますが、どうにも話を切り出しにくそうにしています。
顛末は理解できてしまいました。
説明を受けました。事態を知っても気持ちが高まらないのは、
私が眠っている間の出来事だったからでしょうか。
今の私に感傷に浸る余裕がないからでしょうか?
それとも、人の死に慣れてしまったからなのでしょうか。
かつて、イザさんも同じようなことを漏らしたことがありました。
それがいいことなのか悪いことなのか、それは分かりません。
その後、ザックスさんに連れて行かれたのは少し離れた場所。
背丈の高い草がいくつか切り倒され、一箇所に積まれています。お墓なのです。
この一帯は背の高い丈夫な草が地面に根を張り巡らせているので、穴は掘れないしそんな時間もありません。
だから、切り倒した草のベッドで遺体を包み、自然葬としているのです。
ザックスさんがテリー君を包み込んでいる草葉を掻き分け、顔を見せてくれました。
整えられてはいるものの、表情は穏やかとはいいがたいものでした。
祈りを捧げます。あの塔でおこなっていたように捧げるのです。
「ではザックスさん、ロザリーさんをお願いします」
「なあに、任せときなって。彼女は俺が責任持って彼氏のところにまで送り届けるからさ。
そっちこそ気を付けろよ。どんなやつが通りがかるか分からないんだからな」
ユウナさんのところへ戻ると、ザックスさんとユウナさんでこのような会話が交わされました。
事態をよく飲み込めないのですが、これは私と、ユウナさんとティーダさんは別行動をとるということなのでしょうか。
二人が私に補足の説明をしてくれます。
「ユウナに頼まれたんだ。君を一刻も早く彼氏んとこに送ってあげてほしいってな」
「ティーダが疲れ果ててるから、むりやり起こすのもどうかなって思ったんです。
でも私の都合に貴女を巻き込むわけにはいかないのでザックスさんに相談してみたら、
貴女と同行してくれるということになりまして」
「俺は4人で動くほうがいいんじゃないかと言ったんだが、断られた。
動けるうちに動くほうがいいって言われてね。行くか残るかは君に任せるけどな」
「ロザリーさんは私たちのことは気にせず、
早くピサロさんに会いに行ってあげてください。そのほうがきっと喜ぶはずですから」
「…ありがとうございます」
二人には笑顔で承諾の意思を伝えます。
早くピサロさまに会いたいから、というよりはなんだかここにいてはいけないような気がするからです。
私はユウナさんやティーダさんの足手まといではないかというマイナスな考え方が浮かんでしまうのです。
「お礼なんかいいから、それよりも、早く出発しないと。
モタモタしているとすれ違いを起こしてしまうかもしれないでしょう?」
ユウナさんは私に笑顔――テリー君が死んだことで沈みがちな場の雰囲気を保つためのはずの笑顔――を見せますが、
なんだか彼女の心からの笑顔であるように思えてしまうのです。
けれども、これは私の邪推にしかすぎません。
彼女が、私がピサロさまの元に早くたどり着けるように取り計らってくれているというのは事実なのです。
それに、いつ何が起こるか分からないというのは今先ほど思い知らされたことでもあるのです。
テリー君が死んでしまったことをきっかけに、ネガティブなことを考えてしまうようになっているのかもしれません。
いずれにせよ、悩み立ち止まることは許されません。
私は私にできることをやらなければいけません。
私の役割はザンデさんから託された書をピサロさまのような脱出を試みる人々に届けることです。
それが早ければ早いほど、より多くの命を救えるはずなのです。
そしてなにより、ひどく不安になってしまったのです。
私が眠らされているほんのわずかな時間に、テリー君はあっけなく命を落としてしまいました。
みんなで北西に向かって、いなければ南西に向かえば出会えるだろう、とそれまでは考えていました。
しかし、今はそんなふうに悠長に動いているうちにピサロさまが……というような、
決して実現して欲しくない光景が浮かんでくるのです。
少しでも立ち止まると、もう二度と会えなくなるのではないかと考えてしまうのです。
それを振り払うように、私はいつの間にか歩を進めていました。
はっと我に返ると、ザックスさんがユウナさんに別れを告げ、慌てて私を追ってきているのでした。
テリー君はきちんと役割を果たして逝ってくれた。
けれど、ここで新たな不安が首をもたげてきた。
テリー君が死んだのを知れば、ティーダ、キミはどうするのかな? ということ。
私を責める? それだけだったら構わない。それでキミが落ち着くなら、いくら責められてもいい。
けど、きっとそれだけじゃないよね。キミは優しいから、テリー君のことを守れなかったと後悔するんだろうね。
そして、生き残ったロザリーさんを、まるでお姫さまのように扱うようになるかもしれない。
まるで本当の恋人みたいに守り抜こうとするかもしれない。おとぎばなしにでてくるような、ガードと召喚師の関係のように。
そうはならないと信じてあげられないのは私が悪いんだけど、だからといってロザリーさんをこの場に残すなんて絶対イヤなの。
だから、私にはザックスさんが救世主のように思えた。
何しろ、ロザリーさんの知り合いなんだから。
ちょっと話をしてみても、仲間が一人増えても問題ないくらいの強さだと分かったし、
それなりに好感の持てる相手だったし、十分にロザリーさんを任せていいと思った。
私が彼におこなったお願いは二つ。
ロザリーさんを連れてピサロさんの元へ向かってほしいということ。
そして、テリー君の墓を少し離れた、見つけにくいところに作ってほしいということ。
前者は、キミはあんまり休めてないから、もう少し休ませてあげたくなってしまったというのと、
テリー君の死で思い詰めて、ロザリーさんを過剰に気にかけるようになると危ういから、という理由をつけて。
後者は、死体を掘り返すような人がいる中で通りがかりの人に墓を見つけてほしくないからという理由をつけて。
ザックスさんは私(たち)を道端に置いていくのが主義に反すると言っていたけれど、
その辺は察してくれたのか、それとも私が言葉に出した理由で納得してくれたのか、折れてくれた。
きっと彼の目の前でテリー君が死んでいなかったら、折れてはくれなかったんじゃないかな。
そうそう、キミには悪いけど、テリー君のことを伝えるつもりはないし、墓に案内するつもりもないからね。
そんなことをしたら、またキミの心が私以外の誰かで占められてしまうかもしれないでしょ?
ロザリーさんはピサロさんに早く会いたいと言っていたし、
テリー君も『 』が心配だけど、ティーダ兄ちゃんも疲れてそうだから休ませてあげたいと言っていた。
だから二人とも、私たちをピンチから救ってくれた強い人について行っちゃった。
こんな感じに伝えれば大丈夫だよね?
キミは守ろうと思っていた人たちに、逆に心配されたり迷惑をかけたと思って、少し残念に思うかもしれない。
守りきれなかったという事実を突きつけられて、落ち込んじゃうかもしれない。
けれど、それでいいの。キミが守るのは自分だけでいいの。
キミは優しい人だけれど、それを他の人に向けなくてもいいの。
私にだけ向けていてくれればいい。みんなを等しく守ろうだなんて、無茶なことなんかしないでいい。
私だってウソはあんまりつきたくないんだよ? でも、こうしないとキミはすぐに離れていっちゃうもんね?
テリー君は死んで、ロザリーさんたちもここを離れて、『 』も西側にいないことは分かってる。
私ね、テリー君のこと結構嫌いだったんだけど、彼が死んだとき、そういう感情はほとんど消えてしまってたんだ。
ゼル君のときだって、後で埋葬しようと言いながらキミは忘れていたよね。
多分、言われないと思い出せないと思うんだ。
ああ、これが「死」っていうのかなって改めて実感しちゃった。
けれど、それが私にも来るんじゃないかと考えたとき、怖くなってしまったの。
キミが死んだら、キミのすべては思い出となって、その思い出も時と共に風化していくのかな。
私が死んだら、キミは私のことは一生忘れないと言いながらも、たくさんの思い出の下へとうずもれるんじゃないかな。
ずっと一緒にいることができないなんてことは分かってる。
でも許される限りは、キミと一緒にいたいの。
再会して本格的に二人きりになったのって今が初めてなのは気付いてくれるかな?
いずれは私一人でギードさんやプサンさんたちを殺さないといけない時が来ると思う。
そうなると、キミとは離れ離れにならないといけないんだろうね。
けれど、そのときまで。そのときまでは、二人きりでいたい。
【ザックス(HP3/8程度、左肩に矢傷、右足負傷)
所持品:バスターソード 風魔手裏剣(11) ドリル ラグナロク 官能小説一冊 厚底サンダル 種子島銃 デジタルカメラ
デジタルカメラ用予備電池×3 ミスリルアクス りゅうのうろこ
第一行動方針:ロザリーをピサロの元へ送り届ける
第二行動方針:タバサを始末
基本行動方針:同志を集める
最終行動方針:ゲームを潰す】
【ロザリー
所持品:守りのルビー、力のルビー、破壊の鏡、クラン・スピネル、E猫耳&しっぽアクセ ウィークメーカー
ルビスの剣 妖精の羽ペン 再研究メモ、研究メモ2(盗聴注意+アリーナ2の首輪について) 、ザンデのメモ、世界結界全集
第一行動方針:ピサロを追う
第二行動方針:脱出のための仲間を探す[ザンデのメモを理解できる人、ウィークメーカー(機械)を理解できる人]
最終行動方針:ゲームからの脱出】
※ザンデのメモには旅の扉の制御+干渉のための儀式及び操作が大体記してあります。
【現在位置:デスキャッスル北西の茂みから南西の祠へ】
【ユウナ(ガンナー、MP2/5)(ティーダ依存症)
所持品:銀玉鉄砲(FF7)、やまびこの帽子、官能小説2冊、 対人レーダー
天空の鎧、ラミアの竪琴、血のついたお鍋、ライトブリンガー 雷鳴の剣
第一行動方針:もう少し二人でいる
第二行動方針:あわよくば邪魔なギードとアーヴァインをティーダに悟られないように葬る
基本行動方針:脱出の可能性を密かに潰し、ティーダを優勝させる】
【ティーダ(変装中@シーフもどき、睡眠)
所持品:フラタニティ 青銅の盾 首輪 ケフカのメモ 着替え用の服(数着) 自分の服 リノアのネックレス
第一行動方針:アーヴァインを追う
基本行動方針:仲間を探しつつ人助け/アルティミシアを倒す】
【現在位置:デスキャッスル北西の茂み】
新作乙!
ユウナ…どこまでヤンデレ街道を突き進むんだ
ティーダはいい加減気づいてほしいけどニブチンだから無理だろうなー
ザックスとロザリーが無事だったのは嬉しいけどテリーと約一名の扱いがテラヒドス
なんか誰も彼も報われないなー…
『』が誰だか思い出せなくなってきた…
ユウナ視点でのアーヴァインの呼び方が
彼→『彼』→『 』と順調に変化してるな
某みたいだ
新作キター!!
と同時に官能小説もキター!!www
人数的に少々不安だが、こいつらが分かれたのは色んな意味で正解かもな
ユウナさんテラコワス
ユウナ怖いよユウナ
それでもティーダならティーダなら…………いやぁ
保守っとこうか
読み返してて思ったんだけどさ、
ライアンの死体って主催が回収してなければこのフィールドに来てるよな?
何かに埋まってるかもよ?
「かべのなかにいる」
みたいな。
来てるな。
舞台の構築にさらに巻き込まれてなければ
遺体がそのままどっかに残ってるかもしれん。
首輪解除について思いついたネタがあるので聞いておきたいんだが
・スケッチの応用で人体に着色することは可能か (時間が経つと消える魔法の血のり、みたいなことはできるのか)
・エンカウント低下系統(トヘロスやエンカウントなし)のアビリティで、対人レーダーの反応を消したり弱めることは可能か
・ロザリーの結界全集に『あらゆる監視を妨害する結界』が載っているという設定は有りか
・ミッシーの観戦は会場中の小動物の視界をスクリーンに映している、という設定を追加するのは有りか
・首輪について、魔力で起爆する爆弾部分以外は外装部も含め全てG国製品と考えていいのか
・爆弾部分と機械装置(盗聴器など)は完全に独立していて、機械装置の停止に反応して首輪が爆発することはない、としていいのか
・外したり過剰な衝撃を与えると爆発する=外そうとせず、過剰な衝撃を与えなければ首輪をいじっても爆発しない でいいのか
1
可能
2
レーダーは人じゃなくて首輪(の魔力?)に反応してるみたいだから、きついかも
首輪になんでもいいから魔力当てて磁場を乱せば反応は消えるけど
3
それくらい載ってるでしょ
4
いんじゃね? 小動物はアルティミシア作製だろうし
5
それでいいはず
魔力のないアリーナ2の首輪は爆発しないし
レーダーはG国じゃないかもしれないけど
6
描写ないから自由にいけるでしょ
7
外そうとしなければそりゃ問題ないし、調べるためにいじくる程度ならみんなやってる
時間判定だから一瞬なら過剰な衝撃を与えても大丈夫だけど
1 不明。
2 不可能。
3 ミシアがその気になっても破れない結界ってのならなし。
機械的な監視は適用外の方がいい気も。
4 微妙なところ。
場所によって見れたり見れなかったりじゃあまり意味ないし。
残りは特に問題ないように思う。
アルティミシアって万能なんだか違うんだかよくわからない魔女だからなー
命の創造、洗脳、身体操作、読心術、時間圧縮、魔獣の使役…
でも戦闘ダメ、自分の運命変えられない、ママ先生を出し抜けない…
「ママ先生がすごかった」だけで能力全否定されそうなラスボスなんだもんよ…
能力はあるけど性格的な問題があって生かしきれてないんじゃ
見方によるんじゃないか?
少なくとも戦闘に関してはシステムに忠実に沿うと、
レベル5デス一発で参加者の大半は一斉に瞬殺されるわけだし、
そうしようと思えば普通にどこまでもチートにできるキャラ。
そもそも「こいつなら何やっても大丈夫なイメージあるよね」で主催者に選ばれたしなw
そういや、そろそろ放送いける?
やっぱまだどこか時間軸のズレあるかな?
まだどこも無理だろ。
進んでるところでも6時間程度しか経ってないし。
なんか読み返して思ったんだけど、
アルティミシアと今すぐガチバトルできる方法があるんだね
最終手段にはするべきなんだろうけど
夢世界で夢ミッシーと殴りあうとか
ザンデが首輪解除に成功した上でアルティミシア城に乗り込んで首輪関連の機械を止めて旅の扉を作るとか
盗聴されてるのを逆手にとって爆死覚悟でミッシーを挑発→殺しにくるのを待つとか
その気になればいくらでもガチバトルになだれ込ませられるけど
リレーである以上、まだまだ自重しないとまずいのよね
保守
>・ミッシーの観戦は会場中の小動物の視界をスクリーンに映している、という設定を追加するのは有りか
過去に野生の鳥が出てくる話があっけど
ロワ用の自作会場に参加者以外の生物が存在してるのは違和感だなぁーと思ってたんだよね
だもんで、このこじつけを聞いて電撃が走ったわ
採用されたら長ーーーーいフラグ回収ということで感動してしまうな…
保守
ネタを思いついたが別のパートを動かさないとたどり着けないから保守
テキストビューアで読むためにテキストファイル化+勝手に文章校正してるけど
短いと思ってた3章ですら300ページの新書1冊分あって、4章に至っては3冊出せるんだな……
自分専用と割り切って、誤字脱字や感感俺俺な文章は片っ端から書き換えてるから
形式訂正のみの無校正文ならもうちょっと減るのかもしれないが
予想以上の分量にビックリした
参加人数が多いってのもあるけどこのロワの文章量は異常だわなぁw
他のとこで300話くらいで終わっててもボリューミィだと感じるけど
このロワはその倍をいきつつまだまだ終わらないという…。
1stの555話も多かったけど3rdはどこまでいくのやらw
1stは555話といっても分割とか統合が多かったけどな
2+2+1+3+3+1+2と仮定して、現在14巻目ぐらいか。
スレイヤーズ本編(文庫15巻)より長いとかハンパないな
>>158 他のところが300話で終わっててもボリューミィだと感じるのは、
それは一話が長いからだww
一話がここの10話分くらいある作品がガンガン出るだろ
個人的にはここくらいの長さの方が読みやすいし書きやすいな。
気軽に読み返すことができるのは利点だ。
ほ
ただでさえ人数が多いから、会場移動で地理情報をリセットできるのも個人的に有り難い
同一会場だと、ここに三日前に落としたアレがあってそこに死体があって云々…
の地理情報の管理が大変だったろうからな
他のロワを書いている方々を尊敬する
保守
すぐ隣で、気持ち良さそうな寝息を立てられていると、こっちまで眠くなってくる。
気を紛らわせようにも、話し相手はもういない。
「仕方ない、かあ」
バッツは自分に言い聞かせるように呟いて、また、部屋の入り口に目を移す。
乱入してきた子供――リルムは、スコールに捕まえられて追いかけてきたヘンリーに渡された。
スコールはしばらくアルガスと話をして、一緒に調べたいことがあるからとリュックを連れて行った。
結局、男二人だけが残された。祠の中で一番広い部屋だというのに、空間の無駄遣いにもほどがある。
「寝たいなー、ああ寝たいなー。俺も寝ちゃおうかなー」
冗談めかして、聞こえるように独り言をこぼしてみても、リアクションは帰ってこない。
同室の相手は寝ているのだから当然だ。
空しさだけが増した気がして、バッツはため息を一つ吐いた。
アルガスも、最初の十分ぐらいは起きていた。
バッツに状況を聞いてきたり、1人で何か考え事をしていたり、参加者リストを見ていたり。
なんだか色々やっていたと思ったら、突然、変なことを聞いてきたり。
『夢の管理人ってのを呼んだら他人の夢の世界に行けて、遠くにいる奴とも話ができる……なんて話、お前は信じるか?』
「……どうなんだろうなあ」
奇妙な問いを思い返しながら、バッツは答えた時と同じ台詞をこぼす。
それから、アルガスの寝顔に目をやった。
左目を覆う血の滲んだ包帯が痛々しいが、呼吸は落ち着いているし、表情も安らかなものだ。
(夢の中、ね)
バッツは思う。疲れきった心を癒すために眠りにつくのは、決して悪いことではない。
恐怖と殺意に満ちた現実で精神をすり減らし続けるより、楽しい夢を見ているほうが幸せだろう。
けれど、夢は現実にはなり得ない。人が生きていけるのは現実だけで、夢に逃げ込むなんてことはできやしない。
それでも夢を見続けたいというなら……
「オレが起きてて見張ってやらなきゃ、ってか」
一つ大きなあくびをしてから、仕方がないな、とバッツは独りごちた。
数時間前までと同じ広い視界を満喫しながら、椅子に体重を預け、指を鳴らす。
虚空から現れたティーポットは、おぼろげに揺れながら中の液体を白磁のカップに注ぐ。
匂いたつ香りは、そして口に含んで広がる味は、記憶の中にあるものと寸分違わない。
渇きを癒すことは出来なくても、このささくれだった心を癒すには十分だ。
「フン……夢の世界ってのも、慣れれば悪くないな」
無くなった片目もこの世界では『有る』し、殆どのものが俺の思い通りになる。
親から伝え聞いた在りし日のサダルファス家、そのイメージを元に作り出した夢の部屋で、ささやかな安らぎを享受しながら
俺は卓上の冊子――参加者リストを手に取った。
こいつと筆記具だけは、俺の夢じゃない。
『現実の物体を夢の世界に持ってくることは可能である』という話の真偽を確かめるために、
わざわざザックから引っ張り出してきたものだ。
もし、バッツが俺の行動を一部始終観察していたら、参加者リストが消えたと騒いでいたかもしれないが……
起こされていないってことは、これっぽっちも気づいていないんだろう。
俺はぺらぺらと無為にページをめくりながら、眼前の、宙に浮かぶ五つの扉に目をやる。
右端の、シンプルな木製の扉はマッシュとかいう奴の夢。
その隣の、森の中に湧いている泉をそのまま固めたような青い扉は、ティーダの夢。
その隣の、少女趣味丸出しとしか形容できない、柔らかいピンク色の扉は、ロザリーの夢。
左端の、古びた血のように赤黒い金属の扉は……思い出すのも嫌になる、あの化物の夢。
相手のことを考えれば、夢の扉が現れる、というのが婆さんの説明だった。
つまり参加者リストの名前やら顔写真やらをじっと見ていて、扉が出てきたら、相手は寝ているということ。
それがわかるだけでも夢の世界には価値がある。扉を開けて夢を覗けば更なる情報を手に入れられる。
だが、ロクでもないとわかっている夢に飛び込む趣味は、俺には無い。
だいたい情報収集なんざ、腰の曲がった婆さん1人で事足りる。
床に落ちたスプーンを自分の手で拾う貴族がいるか? そういうことさ。
(……ん?)
ピンクの扉がぼやけて消える。どうやら、夢の持ち主が目覚めたらしい。
それと同時に、見覚えのある極彩色の鳥が、何故か窓を叩き割って飛び込んできた。
「うわっ!」
飛び散るガラスに驚いて椅子から立ち上がる。
鳥は気にした素振りもみせず、ニ、三度宙を旋回すると、ぽわんと煙を立てながら人の姿に戻った。
「まったく、最近の若いもんは人使いが荒いねえ。
年よりは労わるもんだって教わらなかったのかい?
ほらほら、老体に鞭打ってやったんだ、茶菓子の一つぐらい用意しとくれよ!」
好き勝手なことを言いながら、ウネはどっこいしょ、と空いている椅子に腰掛けた。
俺はため息を吐きながら、指を鳴らしてクッキーを取り出す。
無論『夢』だ。本物なんか持っていないし、仮にあったとしても、死に損ないの婆さんになどくれてやるものか。
「もぐもぐ……うーん、変わった味だねえ。
あんたの故郷じゃ、こういうのが普通なのかい?」
「嫌なら食うな。俺の知ってるクッキーはこういう味だ」
「おっと、ケチつけてるわけじゃないよ。これはこれでイケるさ。
ただ、世界が違うと似てる料理でも別物になるんだと思ってね」
「そりゃあそうだろ。紅茶だって、東国の奴は緑だったり真っ黒かったりするじゃねえか。
侯爵様お抱えの商人が、良く刀と一緒に持ち込んでたぜ。気色悪いから俺は買わなかったけどな」
「そんなこと言って、本当は高くて買えなかったんじゃないのかい?」
「………」
意地悪く笑う婆さんから目を逸らし、俺は紅茶の残りを飲み干す。
ふう、と息をつき、カップを置いてから、机の端に避けておいた紙片を引き寄せた。
「ん? 何か書き物でもしてたのかい?」
「まあな」
ウネの問いに、俺は素っ気無く答える。
「意外だねえ。あんたのことだから、人をこき使って自分は休んでると思ったんだけど」
……どういう意味だ、婆さんよ。
「休んでる余裕なんかあるものか」
貴族には貴族の役目があり、平民には平民の役目がある――
他人に任せればいいことを自分でやる奴は馬鹿だが、己がすべきことを果たさない奴はクズだ。
俺はそこまで無能になった覚えはない。
「例のクリスタル以外にも、問題は山のように残ってるんだ。
首輪はどうする? どうやって魔女の元にたどり着く?
俺達二人で話してたってわかることには限度があるが、
誰かをここに呼ぼうにも、婆さんの存在を認識してくれなきゃそいつも無理だ」
紙――自分で書いたメモを手に取りながら、俺は一気にまくしたてる。
「起きている時、近くにいるバッツって奴に、婆さんの話をそのまま振ってみたんだ。
そうしたら、狂人を哀れむような目つきで、『どうなんだろうな』だってよ。
まあ、俺がさっきまで錯乱してたってこともあるだろうが、――要するに、たわ言としか思われてないってことさ。
夢の世界に夢の管理人なんて、実在を知らない人間にとっちゃ御伽噺でしかないんだ。
俺だって、あの鍵を拾わずにいたら、婆さんのことなんか思い出しもしなかったろうよ」
ウネは面白くなさそうに俺を見る。
当然だ。自分自身の存在を頭ごなしに否定されて喜べる奴はいない。
だが、俺の言っていることも真実だ。
バカ正直に『夢の世界に管理人がいて云たらかんたら』なんて話したって、気が狂っていると思われるのがオチなんだ。
「だからな、婆さん。俺なりに考えたのさ。
どうすれば、あんたの話に信憑性を持たせられるかってな。
誰でもいいから信じてくれなければ、俺達はずっと二人っきりだ。
俺が死んだら婆さん一人、そうなりゃ何にもできやしないだろ?」
最も俺は死ぬ気はないけどな、と付け足したあと、紅茶が残っていることに気づきカップを手に取る。
代わりに、メモを机の上に置き、ウネの手元へ滑らせた。
婆さんが紙を拾い上げたのを確認してから、俺は茶を飲み干す。
思いついたことを片っ端から書き記したメモのうち、二重線で消していない文章は二つ。
一つは、『婆さんや俺への呼びかけを詠唱風に装飾し、夢で会話するための召喚魔法だと思い込ませる』。
人間ってのは、格式とか裏づけとかに弱いからな。
戦場に落ちている歯こぼれしたナマクラ刀だって、『高名な騎士が敵将の首を刎ねた剣』と言えば高値で買い取る阿呆が出てくる。
それと同じだ。
このまま参加者の婆さんに聞いた話、として広めるより、
高名な魔術師から習った魔法とか、そういう形にして広めた方が、幾分か周りの興味を引けるはずだ。
興味を抱かせることさえできれば――ちょっとだけ試してみようと思わせられれば、十分結果を出せる。
二つ目は、『お人よしのアマちゃんに夢の鍵を貸し出してから眠らせて、夢の世界の存在を認識させる』。
俺の優位性が崩れる上に鍵を返してもらえないかもしれない、というハイリスクがつきまとう以上、
俺個人としてはあまり取りたくない手段である。
しかし、例えばロザリーに鍵を渡して夢の世界で祈らせれば、
より具体的なメッセージを、寝ている連中全員に送りつけることができるかもしれない。
あるいは旅の扉みたいなものを作ることができる魔術師に鍵を渡せば、
アルティミシアの夢を利用して魔女の枕元に繋がる扉を作る、とか、そういう芸当ができるかもしれない。
それに――
「俺としては上の方法でどうにかしたいが、問題は、簡単に結果を出せそうにないってことだ。
そもそも話を広めようにも、俺自身の正気が疑われているからな。時間が経たないとどうしようもない。
だからまあ、祠にいる連中で、婆さんがどうしても話したい奴がいるっていうなら、そいつに鍵を貸してきてもいい」
俺の周囲に婆さんの知り合いがいて、引き合わせることでより迅速に脱出計画を進められる場合。
そういうケースなら鍵を貸す価値が出てくる。
しかし婆さんの反応は存外に素っ気無いものだった。
「いや、当面はあんたが持っていていいよ。
あたしが会いたいのはザンデぐらいだし、あいつも夢の世界は知っているからね。
生きていれば、いずれ向こうから遊びに来るだろうさ」
「そうか、わかった」
俺としても、鍵を手放さずに済むならその方がやりやすい。
小さく輝くそれをポケットの中にしまいなおし、すっかり少なくなったクッキーを一枚つまんで口に放り込んだ。
「で、連中の夢でなにかわかったことは?」
もぐもぐごくんと咀嚼しきってから、何枚目になるかわからないクッキーを口に運ぼうとしていた婆さんに問いかける。
ここが夢で、何を食べようが食べさせようが減るものなんかないとわかっていても、無駄飯を食わせる趣味はない。
「やれやれ、少しぐらい休ませてほしいんだけどね」
婆さんはわざとらしく腰を曲げ、肩をとんとんと叩く。
しかし俺の冷ややかな視線に気づいたのか、ふう、と大きく息をついた。
「まあいいわさ。右端の大きな子と、その隣の若い子の夢は、特に問題はなかったよ。
あんたと違って友達思いのいい子たちみたいだね」
「あんたと違って、は余計だッ!」
言い返しながら、能天気にも化物の心配をしていたティーダと、大怪我をして誰ぞにかつがれていたマッシュの姿を思い出す。
要するにどっちも盛大なお人よしで、組し易いってことか。
「エルフの子は……途中でピエロみたいな魔物が出てきたのが気になったねえ。
道化師の格好をした人物に殺されかけて、そのイメージが反映された感じがするよ」
大方、ケフカのことだろう。ピサロもそんなことを言っていた。
しかし、ピサロではなくわざわざロザリーを狙ったとなると、やはりケフカは危険人物と考えておいたほうが良さそうだ。
「左端の子は……あんたが言うとおりかなり危険だねえ。
性質の悪い闇に汚染されて、夢の世界が壊れかけていたよ」
「闇?」
予想外の単語に、俺は思わず首をかしげる。
「魔女の夢で見ただろう? 黒いクリスタルを満たしていた力と同じものだよ。
魔女の手元に集められるはずだったのが、何かの拍子に、あの子達の精神に取り付いたんだろう。
放っておけば狂人を通り越してモンスターになっちまうところさ」
なるほど……デールやあいつに共通する恐怖の原因はそれか。
後天的に、そしてごく最近に『化物になった』のなら、リルムやティーダがあいつを庇うことにも多少は納得が行く。
ああ、考えれば考えるほどろくでもない話だな。
あんな存在になって生きながらえるぐらいなら、死を選んだ方が何百倍かマシだって、心から思うぜ。
もっとも、俺はくたばる気も化物になる予定もないけどな。
「もっとも、この子はまだマシさ。
自力かどうかはわからないけど夢の中心部は守られていたし、壊れた所も少しずつ治り始めてるからね。
本当に危ないのは、青髪の子さ」
「青髪の子?」
一瞬、イザの姿が脳裏を過ぎるが、あのアマちゃんはとっくの昔に死んでいるはずだ。
それ以外の青髪、というと……
「ああ、あんたはその時はまだ寝ていなかったんだっけか。
ちょっとその本、貸しとくれよ。
ええっと……もうちょっと前かねえ………ああ、いたいた、この子さね」
婆さんが参加者リストの一頁を指し示す。
青というより水色の髪をした、俺よりかは幾分か年上の男だ。
名前はセージ、となっている。聞き覚えもなければ、見覚えもない。
「こいつはそんなにヤバイのか? 夢の中でも誰かを殺してる快楽殺人者、とか?」
俺の問いかけに、婆さんは首を横に振る。
「ただひたすらに頼る仲間を求めてる、そんな夢を見ていたよ」
「なんだ、普通じゃないか。
この世界なら、誰だってそんな夢の一つや二つ見ると思うぜ?」
「それもそうだけどね。
問題は、この子の夢も、闇に浸食され始めているってことなのさ」
「お、おいおい……おいおいッ!? どういう意味だそりゃあ!
化物候補生なんか一匹だけで十分だぞッ!?」
焦る俺に対し、婆さんは嫌になるほど落ち着いた態度で言葉を続ける。
「誰かに頼る夢ってのは、自分に対する無力感の裏返し。
己に絶望し、自信を失うことは、自分自身を見失うことに繋がる。
そんな状態で闇にとりつかれたらどうなると思う?」
「……一気に堕ちるってわけか? 新しい化物様に」
正直言って、否定してほしかった。
だがこの婆さんは、俺の願望やら空気やらを読むような輩じゃなかった。
「今はまだ、『頼りたい相手』って拠り所があるからいいけどね。
それが無くなったら、あんたが怖がってる子よりひどい事になるんじゃないかねえ。
はっきりとは測れなかったけど、魔力も人並みはずれたものを持っているみたいだしね」
「フン。そうなるまえにくたばってほしいもんだな」
俺は吐き捨てながら、写真に目をくれる。
浮浪者のごとくぼさぼさと伸ばしっぱなしの髪に、しかし不釣合いに凛然とした顔立ち。
婆さんの話を鑑みれば、世間から離れて偏屈な研究に精を出す魔導士か何かなのだろう。
(クソッ。実力のある狂った魔導士だなんて、厄介にも程があるんだよッ!)
夕刻の放送でこいつの名前が呼ばれることを心底願いながら、俺は本を閉じた。
【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力微小、アビリティ:白魔法)
所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
第一行動方針:アルガスが起きるまで見張り
基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【アルガス(左目失明 睡眠)
所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵 ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
第一行動方針:夢世界で情報収集
最終行動方針:とにかく生き残って元の世界に帰る】
【現在位置:南東の祠(最深部の部屋)】
投下乙、アルガス始まったな
成果出せそうじゃないか
どうしようもないやつだったのに成長してきてるようにも思えるし
乙です
最初のころはあっけなく死ぬと思ってたのに……アルガス、恐ろしい子!
扉の描写凝ってるから全員の扉の形が気になってしまったw
アルガスいいよ。すごくいいよ。
保守
投下乙。
>貴族には貴族の役目があり、平民には平民の役目がある――
>他人に任せればいいことを自分でやる奴は馬鹿だが、己がすべきことを果たさない奴はクズだ。
>俺はそこまで無能になった覚えはない。
このセリフがかっこいいような笑えるようなw
一度は底辺レベルに落ちぶれかけてたからなw
切り札を得て余裕が戻ったんだろう
ここからアルガスの反撃が始まるよw
アルガスの夢世界研究&インパスの指輪
アービンのピサロから聞いた話
リルムの攻略本&エドガーの研究メモ
スコール&リュックの技術力
他、魔力を封じられそうな静寂の玉とか封印を解く効果も持ってそうなウネの鍵とか
魔界封印リングのうち2種(ソロが戻ればコンプリート)とか
祠にいるメンバー全員が協力すれば脱出も夢じゃなさそうなのに
ちっとも足並みが揃う気がしない
ほしゅ
183 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/02/11(木) 02:05:56 ID:SgpGz5Lk0
あげとくよ
このロワ読んでからリメイクDQ遊ぶと色々イメージ狂うな
リメ4:
アリーナってこんなに脳筋だっけ?ああずるがしこいのはワリーナだけか
存在感のあるライアンって新鮮だなー
リメ5:
デールこわい、あの善人っぷりの裏でストレスを溜め込んでるわけですね
PLと話してもアレなことしかいわないのは油断を誘おうとする策略だ、間違いない
リメ6:
こんなとてつもなく良い人で天然系ネアカのアモッさんを毒殺した紅茶姫とかマジ外道
こんなかわいいバーバラを騙して殺そうとしたアービンとかマジ鬼畜
ほっしゅほしゅ
うおお、こいつはすげえ……!
凄いけど目には良くないなw
GJ!
こうしてみると本当に複雑な人間関係だな。
そのくせ限りなくぼっちに近い奴もいるし・・・
あとバッツ→リュックのコメントにワロタw
ケフカwおもしれえw
流石ガリw四面楚歌っぷりがハンパねえwww
カインクソ噴いた
そういえばフィンはずっと風邪ひたり生き埋めだったりだから知り合い少ないんだな
すげえ、乙w
「所詮優先順位二位以下」「うるさいバカ」「日本語話せ」に吹いたw
あとカインの孤立っぷりにもワロタ
A「えーと。いまさら説明するまでもないと思いますが、参加者の動向をお話します。
えー……主催者の監視をかいくぐり、ゲームからの脱出を……」
野村「うーん。Aちゃんさあ。ゲームからの脱出じゃ余りに平凡じゃない?」
A「はい?」
野村「仮初の異界よりのエクソダスでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それと主催者だけど、僕の解釈だとあれは主催者じゃないんだよね」
A「は?」
野村「あれは『クリスタルに縛られし者』なんだよね。クリスタルの魔力で人生を狂わされた、みたいな」
鳥山「『運命に弄ばれし者』ってことね」
野村「それと僕の解釈では、あれは参加者じゃなくて『破滅を打ち払う意思』って呼びたいな。それとね……」
一時間後
A「……優位に酔いしれていたはずの『クリスタルに縛られし者』は『破滅を打ち払う意思』による
仮初の異界からのエクソダスへの対応に追われていた。しかし、むしろこれを余興と歓迎するものもいた」
つ「日本語話せ」
エクソダスってどっかで使われてたよなw
そろそろ保守
保守
199 :
KAZU:2010/03/01(月) 03:34:13 ID:sEAi5uKsO
バトロワの書き手の皆様へ。FFDQバトロワのファンの者です。
最近更新されてないみたいですけど、まさか2ndのように途中で打ちきりってことにはならないですよね?いつも楽しく読ませていただいてるので続きを楽しみにしてます。書き手の皆様のご活躍期待してます!
保守
>>199 このロワじゃ三ヶ月音沙汰なしとか普通なのでご安心召されよ。
ちょっと保守
お絵描き掲示板って、投稿してもすぐには反映されない仕様だったっけか
そもそもあそこ見られないや
多分規制に巻き込まれてるだろうけど
あげ
乙乙
1st面白いなあ
>>206 すげぇ! 超乙! GJ!
一つ一つの話が短いからそれはそれで大変だったろうにw
これでまた1stに触れやすくなったか……いや素晴らしい。
本当にありがとうございます。
保守
保守
211 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/03/16(火) 10:09:13 ID:lrdICuxm0
誰か
>>206をパロロワwikiに登録してくれない?
うちのプロバイダからできなかった
俺はあそこ嫌いだから、
登録は頑張って。
保守
保守
保守
資格試験終わるまでは保守しとく
試験がんばって〜
今年も何かやってんのかww
楽しませてもらうよw
ぎりぎりいま気付いた
保守るよ
保守
保守
保守
新入社員研修が思った以上に厳しい
書く時間がなかなか取れないわ
ガンガレ新入社員 ( ゚ー゚)尸”
保守
気長に見てるよw
保守するよ
ほっしゅ
保守
ゅしほ
ほしゅ
ほしゅ
保守
保守
「もうしばらく休憩、ですって?
目と鼻の先に目的地がありながら、ここで時間を食う必要はあるんでしょうかねえ?」
ケフカが少々の不満を漏らす。
パパスたち一行はデスキャッスルまでもう少し、という場所で休息をおこなっていた。
理由は、ルカの体調。指輪による爆発のため、だけではない。
爆発の条件である体の振動、これを封じるためにルカは極度の集中力を要した。
精神の疲れをおして行動を続けるには、相応の体力を消費する。
なので食事と休息で取り戻すしかない。
食事は取らせた。あとは体力を作り出す時間の問題。
「目指す城に誰もいないならばいいが、仮にピサロなどといった人物がいた場合、この上なく危険でしょう。
ここならば、少なくとも城に出入りする者たちの確認はおこなえますからな」
先を急ぎたがるケフカを説得。
ケフカの気持ちは分からないでもない。
パパスとて、タバサの情報を一刻も早く入手したいのだ。
アンジェロ、そして彼女と戯れるルカを一瞥する。
この人数では、偵察のために単独行動を取るのも考え物だ。
アンジェロに偵察・情報の伝達を任せるという手もないではない。
「支給された」彼女なら、「参加者自身」が出向くよりは安全だ。
だが、それでも何が待ち受けているか分からない以上、危険なことに変わりはない。
参加者がいなくとも、凶悪な罠が仕掛けられている可能性もある。
少なくとも、いま最も休むべきであるルカがゆっくりと休むことはできなくなるだろう。
動物やモンスターと自由に会話ができるチカラ。
パパスにそのような能力はないが、偽りや子供の空想だとは思わない。
妻のマーサや息子のリュカだってそうだったのだから。
年こそ離れるが、アンジェロと戯れるルカの姿が、ベビーパンサーと戯れる一人息子の、在りし日の姿とリンクする。
それゆえに、あまり無理をさせたくないのだ。
ちなみにケフカは仲間がいないと退屈すぎて死んじゃうらしい。
やはり今は何もせずに休息だ。
「とはいえ、確かに時間も有限ですからな。ケフカ殿は催眠の呪文を使えますかな?
あれなら短時間で十分な休息を取ることもできるのだが」
「呪文? ああ、魔法ね。私としてはいざというときのために節約しておきたいんですがねえ…?
まあ低レベルの魔法の一回くらいはいいでしょ」
「申し訳ありませんな」
「あなたが謝ることじゃありませんよ。私も仲間というやつは必要ですからね。
ピエロは仲間がいないと退屈すぎて死んじゃうんデスヨ。前にも言いましたっけ?」
相変わらずケフカは道化としての言動を崩さない。
「はいは〜い、暗くなっても眠らない悪い子の家にはコワ〜いガストラ皇帝が帝国兵を連れて来ちゃうんですよ。
だからとっととおねむしちゃいましょーねえ」
ケフカが何かをつぶやくと、ルカのまわりに魔力で構成された月が現れ、淡く、白くかがやく。
パパスの知るラリホーとは別体系の魔法。
平和利用のため、せめて敵に痛みを与えぬように、と編み出されたラリホーと違って、
ケフカの世界においては、魔法を復活させた目的など 効率よく敵を殺すため にすぎない。
効果は見た目的には同じものではあるはずなのだが。
「このボクちんの莫大な魔力を以ってすれば、ガキ一人眠らせるくらいワケないんですよ」
「ケフカさん眠れないよ」
「シ、シンジラレナーイ! この私の魔法が、あろうことかこんなガキに弾かれるなんて…!」
ケフカの魔法はまるで効いていなかった。目覚まし草の効果はまだまだ続く。
アンジェロが舌を出して、ハァ、とため息を付いている。
パパスは三人のやりとりを少しはなれたところから見ている。
ケフカが道化であるということはパパスには分かっているし、
この世界に来てまでそれを貫いているプロ意識は見上げたものだと思っている。
実際に、ルカはケフカに随分なついている。
ただ、パパスはどうしてもケフカには慣れない。もちろん、悪い人間だと思っているのではない。
質実剛健を地で行くパパスにとって、ケフカのつかみどころのない言動はどう対処すればいいのか分からないものなのだ。
ルカを救い、ルカの相手をしているのもパパスではなく、ケフカだという負い目もある。
「目覚まし草? そんなものがあるなら早くいいなサーイ、こ〜れだからガキは…」
「こ〜れだからガキはぁ」
「うッキョー!!! ボクちんをナメやがって!」
「あはははは!」
前日も一緒に行動していたらしいが、それにしてもケフカは随分ルカと親しくなっている。
パパスはまだ「ケフカさんの知り合いのおじさん」だろう。
ケフカに負担を強いることも申し訳なく思っているが、
それ以上に気にかけてしまうのはタバサのことだ。
このままタバサに再会して、何ができるのだろう?
うまく接することができずに、怖がらせ、不信を抱かせてしまうのではないのか。
多忙な中、できるだけ我が子と接する時間は作っていたとはいえ、
サンチョに任せていた部分も少なからずある。
ケフカに強面だの、仏頂面だの言われていたのは、そのあたりの経験の少なさゆえだろう。
親はなくとも子は育つ、不意にオルテガとかわした言葉が脳裏に浮かび上がってきた。
だが結局は、自分にはないタイプの、対子供のスキルを持つケフカをうらやましく思っているのだ。
「ちょっと袋返してよ〜。ルラムーン草とかアンジェロにあげるんだからさあ」
「返して欲しけりゃいい子になってみなさい」
「パパスさ〜ん、ケフカさんが俺のもの盗るんだ」
「こら、あいつを呼ぶなんて卑怯ですよ」
「ケフカ殿ッ」
「ボクちん一人悪者かよ、ちくしょう…。」
ケフカはぷんとそっぽを向いて地べたに座り込み、
ちくちくちくちく呟きながらルカの草袋から抜き取った説明書をいじくりまわしている。
「ふむ、眠れないのか」
「うん、眠気覚ましの薬草を食べたから」
「そうか…。食事はとったのだったね。ではもうしばらく休んだら行くとしようか。
ケフカ殿は落ち込んでいるので、見張りは私がしていよう」
「あの、さ。パパスさん」
「なんだね?」
まじめな視線を向けて、ルカがパパスを呼び止める。
ルカが、言うべきかどうかを一瞬だけ逡巡してから、パパスに言葉を発する。
「間違ってたらゴメンね。
あのね、なんだかパパスさん、ケフカさんのことを羨ましそうに見てたよね?」
「ほう、他人をよく観察しているな」
アンジェロやケフカと無邪気に戯れていただけだと思っていたため、ルカの指摘には素直に驚く。
少し子供扱いしすぎていたのかもしれない。
「なんのことはないよ。
おじさんにも君と同じくらいの年の家族がいて、今もこの場所に来ているんだが、どうも嫌われてしまったらしい。
ケフカ殿のように接することができていればまた違ったのかもしれないと思ってね」
「確かに、ケフカさんはすごく面白い人だけど、
パパスさんはケフカさんになる必要はないと思うんだよ。
だって、俺たちは四人もいるんだからさ」
ルカの指摘を受けて、改めて思う。
パパスには対等な旅の仲間というものはほとんどいなかった。
サンチョが近いが、それも王族と家臣の関係だった。
この世界に来て、オルテガはそれに当たるが、その程度だ。
それゆえ、トラブルが起こったときには自分の力でなんとかするものだと考えてきた。
妻がさらわれたときも、ヘンリーがさらわれたときも、今も。
助力を申し出られて、その申し出を受けてさえ、最後にあてにするのは自分自身だった。
けれども、それで結局まわりに不和をもたらしては意味もないか。
「わっはっは、なあに、君が気にする必要はないよ。
だがありがとう、おかげで気が楽になった」
仲間だから信頼できるのではなく、信頼できるからこそ仲間だと、かつて語ったことがある。
なのに、一人で抱え込んでしまうのは悪い癖だ。
この状況下にあって、信用できる者たちがまわりにはいるではないか。
吹っ切れたところで、こちらに近づく気配に気付く。
ケフカは、どうもまだご機嫌斜めらしい。
まあ彼はいつまでもいじけているような子供ではない。大丈夫だろう。
「……さて、どうやら来客のようだ。
少し対応してくるから、ケフカ殿と一緒に待っていなさい。
いざというときには、彼の指示に従うんだぞ」
【パパス(軽度ダメージ、MP2/3程度)
所持品:パパスの剣、ルビーの腕輪、ビアンカのリボン
リュカのザック(お鍋の蓋、ポケットティッシュ×4、アポカリプス(大剣)、ブラッドソード、スネークソード)
第一行動方針:タバサを探す/ピサロを警戒する
第二行動方針:近くにやってきた人物に接触する
第三行動方針:別れた仲間を探し、新たな仲間を探す
最終行動方針:ゲームの破壊】
【ケフカ(MP1/4程度)
所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 魔法の法衣 爆発の指輪(呪) アリーナ2の首輪 草類の説明書
満月草 山彦草 雑草 バーサーカーの種 ルラムーン草
第一行動方針:ルカやパパスを(見つかればタバサも)利用する、あわよくばピサロと戦わせる
第二行動方針:「できるだけ楽に殺す方法」を考えつつ全員を殺す
最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】
【ルカ (HP1/5、あちこちに打撲傷、不眠状態)
所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる) シルバートレイ オリハルコン
第一行動方針:体力の回復
第二行動方針:テリー、もしくはラムザと合流する
最終行動方針:生き延びて故郷に帰る】
【アンジェロ 所持品:風のローブ
基本行動方針:ルカについていき、その身を守り、戦う】
投下超乙! GJ!
徐々に本来の元気を取り戻せているルカ。
そして今回のこれで少し気が楽になったパパス。
それもこれも全部ケフカさんのおかげですな!
いやぁ、ケフカさんすっげぇいいやつだ! すっげぇいい奴……あれ?
す、ステルスマーダーだったはずなのにな! なぜこんななごむのですか!www
投下乙!待ってたよ〜
「ちくちくちくちく呟きながら」フイタw
二人とも見事なまでにケフカに騙されてるなあ
妙になごむトリオになってるけど
パパスのこれからが激しく心配だ...
投下乙
和む話だった分、先行きに不安しか抱けないw
ケフカさん最初のころ演技に自信がないとか言ってたのになww
それともまじめにふるまうことに自信がなかっただけなのか
投下乙!
来客が気になるな。セフィロスだったら超ヤバいw
サイファー・ソロでもケフカ的にはヤバいかw
サイファーとソロの持ってる情報はこのチームには色々とヤバいからなあ。
一番害がなさそうなのがサラマンダーというww
そろそろセフィロスがみたい
投下乙!!
来客だれだ…気になって眠れん
ふとした疑問なんだが、4thってありえるのか?
そのうちやるんじゃない?
DQ11が出るころになるかなあ。
そしたらディシディアのセシルを出したいな。
暗黒騎士とパラディンの2つの姿だったり、カイン達のことを知らなかったり、ゴル兄さんに懐いてたり、他の主人公達のことを知ってたり。
かなり4メンバーにフラグを立てられる。
ロワでのWoLは見たいと思う。
対主催は間違いないだろうけど、
他のコスモスキャラがマーダーになってたりして
善悪の混沌とした環境で思い切り苦悩させてやりたい。
前にディシディアがでた時にFFロワが出来てたけどすぐ落ちたね
ちょっと楽しみにしてたんだけど敗因はなんだったんだろ?
思えばこのロワ始まったのDQ8が出る前だもんな
随分昔だ
あれからDQ8、9、FF11〜13が発売されて、もうすぐDQ10、FF14も発売される
ジョーカーとかの外伝作品からも出るとしたら、4thはえらい大人数になりそうだ
今年の9月で丸6年だからな。
スレを発見したときは学生だったが、今や社会人になってしまった
>>255 150は越えてくるだろうね
わしはFFDQロワに育てられた
番外編見始めたころは中学生だったのにもう社会人だぜ…
パロロワスレって全体的に衰退してきてるけどFFDQなら4thやってもまたやれそうな気がする
もちろん3rdが無事完結してからの話だが
最近パロロワに嵌り始めて、この3rdの完成度の高さにびっくりした。
感動したよ。もうFFDQバトロワ3rdにくびったけ。
だから何年かかっても是非完結させてほしいし、4thも発足したらいいなー
4thやるんだったらサンディやジュネシスも出れるかもしれないのか
参加者が増えてもズガン要員が多くなるだけだからなー
正直4thはもういいと思う
今のでさえ終わりが見えないからな…。
4thが始まって、完結したとしても十年以上は経ってそうだ。。
してやられたと感じたのは、プサンと別れてまもなく、城門から外へと出たときのこと、だろうか。
デスマウンテンの山頂から世界を眺めたときと、地上から世界を見渡したときとでは、やはり世界の広がりが違う。
何より、深い茂みに覆われたこの地では、一人を探し出すのに途方もない労力を必要とするだろう。
この閉じられた広大な世界から、ドラゴンオーブを持つ飛竜とやらを探し出す必要があるのだ。
また、ドラゴンオーブを持ち帰っても、それを使って事を為すのは私ではなく、プサン。
実質、私はプサンと手を組んだ、と言わざるを得ない。
それは目的への近道ではあるが、大きなデメリットも生じてしまう。
すなわち、プサンの仲間とやらにはうかつに手を出せなくなるということだ。
黒マテリアとデスキャッスルの城主とやらも十分目的のために活用できる素材であった。
リルムとピサロ。プサンとの会話から類推するに、この二人がキーとなる人物だ。
だが、今となってはプサンにかくまわれてしまっているはず。
私がうかつに手を出すことはできなくなってしまったわけだ。
プサンという男、まさに老練という言葉が似合う。
今回は私も少々急ぐ必要がありそうだ。
プサンは話術には優れていたが、戦闘力に限れば素人以下。
話の通じぬ「進化した」者どもが襲ってくればひとたまりもあるまい。
プサンがくたばる前に、飛竜を見つけ出し、ドラゴンオーブを奪い、持ち帰ることが求められているのだ。
考えをはせながら進んでいるうちに、複数の気配を感じ取った。
かなり遠い位置だが、会話をおこなっているのだろう。
ひとまず脇の茂みに身を隠し、考えをはせる。
気付かれぬように近付いて、奇襲をかけるのは簡単だが、死体に口無しともいう。
ここは大人しく情報収集を優先するか?
あまり気に入らないが、友好的な人物を装うことはできる。
だが、問題は私の行為がどこまで広がっているかということだ。
不本意ながら取り逃したものもいる。思わぬ反撃を受け、撤退を余儀なくされたこともある。
これらが又聞きによってあちこちに伝わっていれば、平和的に情報を得ることは難しくなるだろう。
そもそも、弱者相手に下手に出るのも不快だ。
ではどうする?
……そうだ、何のことはない。情報でも協力でも、提供を断るなら、殺せばよい。
一人殺し、そいつを見せしめとして、改めて問いかけよう。
相手は一人ではない。ならば一人くらい消えたところで、得られる情報は大して減りはしない。
殺すべきは、あの中で最も強く、勇敢な者であるべきだろう。
決して抗えぬ、圧倒的な力を披露する。爪痕を心中に刻み付ける。
そうすることで、思う通りに事態は動くはずだ。
その他の処分は後で考えよう。優先すべきは情報の収集だ。
もっとも、素直に私の言うことを聞いてくれれば手間がかからずにありがたいのだがな。
賢い相手であることを期待するとしようか。
【セフィロス
所持品:村正 ふういんマテリア いかづちの杖 奇跡の剣 いばらの冠 プレデターエッジ
第一行動方針:飛竜の情報を集める
第二行動方針:ドラゴンオーブを探し出し、進化の秘法を使って力を手に入れる
第三行動方針:黒マテリアを探す
最終行動方針:生き残り力を得る】
【現在位置:デスキャッスルから南下中】
乙!セフィロス頑張れ
投下乙!
皆の好きなキャラ教えてくれ。俺はザックス
ケフカ。こうていも好きだった
繋ぎ投下乙
FF9が好きなんでジタンガーネットビビフライヤエーコサラマンダークジャベア様。
ビビが死んだときは大泣きしたぜ。
フリオニールとアーヴァインもなんだかんだで好きだ。
ワリーナの狂いっぷりもなかなかどうして好きだ。
ギルダー、ウィーグラフ、アルスが好きだった
今はアルガス応援してます
アルス、ビビ、クジャにはもっと頑張って欲しかったぜ
デールは生き様も死に様も良かった
ミネアが好きなんだけどなー
見るからにやられキャラ&死亡フラグ持ちで
どのロワでも早々と退場するのが泣ける
1stでは死亡フラグを発動するまでもなく死んだけど…
次があるならミネアマーニャコンビで出て欲しい
姉妹マーダーってのも新しいな
保守
携帯版のまとめサイトに、今朝3rdのまとめへのリンクが貼ってあったんだが消えてる……
278 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/06/24(木) 12:20:21 ID:SaZ3P3ZP0
ほしゅ
保守
待ってるよ!
保守
保守
保守
保守
ほっしゅ
保守?