FFDQバトルロワイアル3rd

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1名前が無い@ただの名無しのようだ
ここはFFDQキャラたちがバトルする内容の参加型リレー小説スレッド。
すべては書き手次第。なんでもあり。
テンプレ集、関連スレURLなど一切なし。
次スレ立てるときも何スレ目かを示す番号など無意味、必要なし。
永遠にノーナンバー。


ではどうぞ。
2名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/29 22:42:25 ID:bGjovGYj
2
3名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/29 22:42:48 ID:e6kIBaO8
ヌルポー
4名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/29 23:41:07 ID:CFH1/zuv
>>3
4様ガッ
5名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 00:21:41 ID:262d0FtZ
そろそろ終了するか
6勝手にルール:04/10/30 00:26:42 ID:1T/9n/Cu
・基本ルール(会場、首輪爆破の条件、その他運営上のルール)

1:参加者全員に、殺し合いをしてもらう。
2:参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><30日分食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
3;また、ランダムで選ばれた<装備品>が1つ、渡される。
4:<ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る(FFUのポシェポケみたいなものです)
5:日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。
6:最後の一人というわけではなく、最後まで生き残ったもので、尚且つ「輪」の数の多いものが勝利者となる。
7:24時間以内に誰か死ななければ「輪」に吸い込まれ死亡
今回は首輪ではなく、特殊な輪を使用。
死亡すると外れ、それを多く集めたものが勝利者となる(ルール上)
なお、一つ一つの重さはたいしたことは無いが、あつまると相当な重量になる。
勿論つけなければならない、むしろ自動に填まる。

・参加者の条件(PC、名有りNPC、名無しNPC、中ボス、人型ボス、ラスボス、どこまで参加させていいか)
プレイヤーキャラ
名有りNPC
名無しNPC(ある程度有名なもの、リヴァイア(以下略)とかヤンのお母さんあたり、そこらへんの人は禁止)
ボス系統はOKだが均等になるようにある程度制限をされている。(無論ラスボスも)

・運営者/大ボスを誰にするか(↑にも関係するシナー)
運営者はアルティミシア。
時間圧縮がどうのこうのでゲートっぽいのが作れるし。
7名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 00:27:51 ID:1T/9n/Cu
・参加者の最大人数
77〜150人がいいかんじ。
参加可能作品は。
エニックス
1〜7
猫1.2.3
DQM1.2.キャラバン

漫画(これ微妙、あれば良いかも)
DQM+
DQロトの紋章
DQダイの大冒険

その他エニ作品(これは無くてもOK)
スターオーシャン(悪いこれしか知らない)

スクウェア
FF1〜10
FFUSA(ミスティッククエスト)
FFT、TA
チョコボ1.2

漫画(あるのか?
しらないorz

その他スクウェア(無くてもOK
クロノ
サガシリーズ
聖剣
8名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 00:29:56 ID:1T/9n/Cu
=魔法・技に関して=

尚今回は死亡と「戦闘不能」を別にする。

・死亡 完全に死亡、ゲームから脱落。
ザオリクやレイズは全く無効
・戦闘不能 戦闘が出来ない程の傷を負った状況。
ケアル系列では直せず、これをザオリクやレイズで直す
・傷 これはケアルやホイミの出番

禁止呪文は「ラナルータ(話が面倒になる)」ぐらい。
9名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 10:45:35 ID:1T/9n/Cu
参加可能作品は。
エニックス
1〜7
猫1.2.3
DQM1.2.キャラバン

漫画(これ微妙、あれば良いかも)
DQM+
DQロトの紋章
DQダイの大冒険

スクウェア
FF1〜10
FFUSA(ミスティッククエスト)
FFT、TA
チョコボ1.2

辞めといたほうがいいのとか、ルールの追加とか、大分纏まってきたら投票開始したいんだが。
10名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:03:01 ID:1T/9n/Cu
>>9から漫画を削除。
11名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:11:24 ID:1T/9n/Cu
とりあえず>>100まで良くか150人集まるまで投票開始。
一回のレスにつき二人まで、連続のレスは禁止。

参加可能キャラ
FF1〜10-2
FFT
DQ1〜7
DQMシリーズ

・参加者の条件(PC、名有りNPC、名無しNPC、中ボス、人型ボス、ラスボス、どこまで参加させていいか)
プレイヤーキャラ
名有りNPC
名無しNPC(ある程度有名なもの、リヴァイア(以下略)とかヤンのお母さんあたり、そこらへんの人は禁止)
ボス系統はOKだが均等になるようにある程度制限をされている。(無論ラスボスも)

では先ず私から。

<FF6 ジークフリート><DQM わたぼう>
12名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:14:19 ID:3VLVP8dc
あ、始まってる。とりあえず投票しとくか

<FF2 フリオニール><FF3 ナイト>
13名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:19:00 ID:OXLU7c5b
<FF3 赤魔道師><FF3 デッシュ>
14名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:19:12 ID:4jH39bze
本当にはじまるのか

<FF9 クジャ><FF6 ゴゴ>
15名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:20:26 ID:1T/9n/Cu
このレスは投票ではないので>>101まで有効レス番を伸ばします
投票が終わった後、もう一度ルールを纏めます。
その他、主催はこいつが良いとかも受け付けます。

=魔法・技に関して=

・初期で禁止されている魔法・特技は以下の通り↓
「レイズ」「アレイズ」「リレイズ」「フェニックス(転生の炎)」
「ザオラル」「ザオリク」「ザオリーマ」「メガザル」「メガザルダンス」「精霊の歌」その他、復活系の魔法・特技
変身系の魔法「ゾンビー」や「ポーキー」
「ラナルータ」
「ルーラ」「デジョン(FF4仕様)」「テレポ」などの空間転移系

・禁止はされていないが使うためのMP消費が約三倍や時間が掛る、回復量が小さいなどの制限あり
「ケアル」「ケアルラ」「ケアルガ」「ケアルダ」「ケアルジャ」
「ホイミ」「ベホイミ」「ベホマ」「ベホマラー」「ベホマズン」
「めいそう」「ハッスルダンス」その他回復系の魔法、特技。
16名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:22:44 ID:3VLVP8dc
>>15
議論や集計も交えながら100まででいいと思うが。



FFDQバトルロワイアルを知らない方の為に 関連URL

DQFFバトルロワイアル PART7
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1077672146/
FFDQバトルロワイアル 番外編
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1086838551/
FFDQバトルロワイアル 番外編 まとめサイト(ここのリンクから他のまとめサイトにも行ける)
ttp://ffdqbr.fc2web.com/
17名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:24:32 ID:1T/9n/Cu
>>16
下手すると人数が少なくなるかもorz
一応私のレスは投票ではないのでその文だけ伸ばしております

>>102まで
18名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:27:39 ID:3VLVP8dc
<FF2 皇帝(マティウス)><FF4 ゴルベーザ>
19名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:40:01 ID:Na9QQDhk
<DQ6 テリー> <DQ6 ミレーユ>
20名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:42:48 ID:OXLU7c5b
<DQ1 勇者><DQ4 男勇者>
21名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:44:25 ID:WvWpZiUd
<FF7クラウド> <FFSダンナーザ>
22名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 11:47:01 ID:3VLVP8dc
>>21
コラコラコラコラ

<DQ5 ヘンリー><DQ5 ピピン>
23名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 12:04:24 ID:1T/9n/Cu
>>21
<FFSダンナーザ>

これは無効です、代わりと言ってはなんですが。
<FF8 ゼル>
24名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 13:34:34 ID:4N5RstmD
<DQ5 主人公><DQ7 主人公>

自分としてはDQ8発売してからやりたかった気もするがまぁいいや。
25名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 15:01:43 ID:CY0xhXnV
<半ズボン 香田><日本国首相 小泉>
26名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 15:06:26 ID:J6rfhHwf
<FF7 ケット・シー>

中の人とは関係ない量産型の中の一体ってことで。
27名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 15:46:26 ID:CnAjPiKh
<FFT アルガス>
<DQ4 ブライ>

毒舌に期待。
28名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 15:47:26 ID:RjoqOkVi
<DQ6サリィ><DQ6イザ>
29名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 15:57:21 ID:mmcXEGQP
<DQ4 ピサロ> <FF7 宝条>

>>15
回復魔法は、ケアル・ホイミのみ使用可、他はすべて禁止でどう
30名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:03:20 ID:1T/9n/Cu
「ケアル」 問題なく使用可能
「ケアルラ」 回復量がケアルの1.2倍くらい、ちょっと多い
「ケアルダ」 回復量がケアルの1.5倍くらい、術者のHP消費
「ケアルガ」 使用不可能(or使用すれば効果は発動するが術者死亡
「ケアルジャ」 使用不可能(or使用すれば効果は発動するが術者死亡
「ホイミ」 問題なく使用可能
「ベホイミ」 回復量がホイミの1.2倍くらい、ちょっと多い
「ベホマ」 使用不可能(or使用すれば効果は発動するが術者死亡
「ベホマラー」 多人数回復できるが回復量がホイミ以下
「ベホマズン」  使用不可能(or使用すれば効果は発動するが術者死亡
「めいそう」 やたら時間が掛る(一時間でやっとDQでいうHP50回復するぐらい
「ハッスルダンス」 やたら時間が掛る(一時間でやっとDQでいうHP50回復するぐらい
「ホワイトウィンド」 術者以外回復、ただし術者の疲労がとても大きい、連続で五回ぐらい使用すれば術者は瀕死
「チャクラ」 術者以外回復、ただし術者の疲労がとても大きい、連続で五回ぐらい使用すれば術者は瀕死
「ちょうごう」 作るのに相当な時間が掛る。
他に回復系特技、魔法って会った?
31名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:05:31 ID:CnAjPiKh
>>28
<DQ6主人公>としておいた方がいい。
その後どの名前が付くにしろ。

もう少し投票しよう
<FF3 ドーガ><FF1 ビッケ>
色んなジャンルのキャラが必要だよね

>>30
ドレインとかアスピル、マホイミ系はどうなるかな。
32名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:11:11 ID:1T/9n/Cu
現在>>104まで有効ですorz

・魔法剣に関して。
一度使用すれば他の魔法剣を使うまで効果は持続します。
・ジョブについて
FF3、FF5、FFTのキャラクターはジョブチェンジをすることが可能ですが。
連続でやると相当な疲労(ホワイトウィンドに相当)がきます。
・ヘイストやスロウやピオラやボミエについて
これは問題がありません、従来道理です
・プロテスやスカラやシェルやリフレクについて
FF4などのように時間が経過すると解けます
・呪われた装備について。
シャナクorデスペルで解除可能です。
・状態異常について
暗闇や沈黙や透明なども自然に回復、例外なのはレビテト、バーサクです。(解除するまで持続)
解ける速さを等号にすると
遅← →早
石化>毒>麻痺>混乱>暗闇>沈黙>透明>睡眠
33名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:14:59 ID:/AFURlT4
なんかややこしいな。
そう細かいこと決めても結局破綻するぞ
34名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:18:03 ID:1T/9n/Cu
>>105orz

・ドレインやアスピル、マホイミなどについて
確かに吸収は出来ますが殆ど攻撃呪文となっています(吸収できる値が1/10ぐらい)
・魔法の使用可能、不可
完全に魔法を使用することの出来ない人(例 カイン ジタン)は魔法を使用できません(魔法アイテムは可能
元からは使えないが、ある方法によって使える人々(例 ロック バッツ)は一部使用可能です。
なにか魔法元に頼っている人(例 クラウド スコール)等は魔法元さえ取れれば使用可能です
元から使用できる人は多少威力の制限があるものの、使用は可能です。
・メルトンやアルテマやギガデインやイオナズン等の全体魔法
術者の視野に映る部分で尚且つ敵と判断した人物のみです。
・召還獣について。
大分威力に制限が掛っています。
・武器追加魔法について
これは発動されます

>>33さんへ
まだ暫定的名取り決めですので、登場キャラが決まった後、もう一度練り直しの予定です。
スタートは恐らく>>200後半かと。
35名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:20:52 ID:OXLU7c5b
<FF4 カイン><FF4 ギルバート>
36名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:27:09 ID:1T/9n/Cu
<FF5 ギルガメッシュ><DQ2 ローレシア王子>
自分のキャラ投稿は今日はここまでにしておきます。
37名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:28:03 ID:c/+rWvir
<DQ6 クリムト><DQ4 アリーナ>
38名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:32:28 ID:dx8QUMGX
<FF2 レオンハルト><DQ4 ロザリー>
39名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:50:34 ID:h8XSDPEa
<FF5 バッツ><DQ5 パパス>
40名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:54:29 ID:LHzucmhr
<DQ6 デュラン><FF3 ハイン>
41名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 16:57:31 ID:TJ2OgFdQ
<FF6 レオ><FF8 スコール>
42名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 17:00:58 ID:h8XSDPEa
<DQ4 シンシア><DQ3 男勇者>
43名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 17:16:45 ID:pT4JTfGd
2ndの二の舞になる気がしないでもないが・・・
とりあえず
<DQ3 オルテガ><DQ6 ハッサン>
44名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 17:18:30 ID:OXLU7c5b
<FF2 マリア><FF2 リチャード>
45名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 17:36:34 ID:M4jvPJog
<DQM2ルカ><DQM2イル>
46名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 17:47:00 ID:h8XSDPEa
<DQ2 サマルトリア王子><FF4 リディア>
47名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 17:54:36 ID:TJ2OgFdQ
<FF10 ティーダ><FF7 ザックス>
48名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:15:29 ID:1T/9n/Cu
どうしても描きたいので恥をしのんで。
<FF6 リルム><DQ5 ブオーン>
49名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:28:06 ID:M4jvPJog
<DQ5ピピン><DQ5サンチョ>
50名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:29:20 ID:r/r4AdAI
<FF8 アーヴァイン><DQ5 主人公>

基本ルールは後で練り直すんだよな?
今のままだと細かすぎて何がなんだかわからない。
だいたい魔法の効果だとか、習得済みの魔法とか、発動時間とか、効果の持続時間だとかは
それこそ全部書き手に一任でいいんじゃね?
むしろ首輪の仕組みとか効果や内臓装置の有無とか爆破条件とかの方を真面目に考えた方がいいと思う
51名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:29:24 ID:h8XSDPEa
<FF6 マッシュ><FF8 サイファー>
52名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:33:06 ID:MaOF83ZM
<DQ6 (敵キャラ時)テリー><FF10 キノック老師>
53名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:37:48 ID:TJ2OgFdQ
<FF9 ジタン><FF6 ティナ>
54ここまでの集計:04/10/30 18:44:34 ID:3VLVP8dc
<FF4 セシル><FF6 エドガー>


FF1:ビッケ
FF2:フリオニール、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード
FF3:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン
FF4:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リデイア、セシル
FF5:ギルガメッシュ、バッツ
FF6:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー
FF7:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス
FF8:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー
FF9:クジャ、ジタン
FF10:ティーダ、キノック老師
FF10-2:
FFT:アルガス

DQ1:勇者
DQ2:ローレシア王子、サマルトリア王子
DQ3:オルテガ、男勇者
DQ4:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア
DQ5:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン
DQ6:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン
DQ7:主人公
DQM:わたぼう、ルカ、イル

>>52は設定の希望であって、テリーを二人にしろとかじゃないよな?
55名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 18:52:27 ID:h8XSDPEa
<FF6 セリス><FF10-2 ユウナ >
56名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:00:12 ID:3VLVP8dc
<FF6 ロック><FF6 ケフカ>
57名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:03:16 ID:OXLU7c5b
<FF8 リノア><FF9 ビビ>

…ちょっと入れすぎかな。自重しよう。
58名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:07:02 ID:zsWo4mMd
<DQ3 男賢者><DQ3 女僧侶>
59名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:10:15 ID:TJ2OgFdQ
<DQ2 ムーンブルク王女><FF5 レナ>
60名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:14:52 ID:KAwfgErg
<FF4 ローザ><FF5 クルル>
61名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:17:07 ID:MaOF83ZM
>>54
設定の希望です。
62名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:20:31 ID:h8XSDPEa
<FF7 エアリス><DQ2 マリベル>
63名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:21:45 ID:h8XSDPEa
訂正<DQ7 マリベル>
64名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:26:15 ID:zsWo4mMd
<FF8 ラグナ><DQ5 デール>
65名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:30:43 ID:egss8w+W
<DQ5 王子><DQ5 王女>
66名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:34:02 ID:9OnGooxv
<DQ4 ミネア><FF9 ベアトリクス>
67名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:36:54 ID:CnAjPiKh
<DQCH イクサス> <DQCH スミス>
68名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:40:23 ID:h8XSDPEa
<DQ5 ビアンカ><FF10-2 パイン>
69名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 19:50:02 ID:m4NdIJA+
<DQ6 バーバラ><FF7 ティファ>
70名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:04:09 ID:3VLVP8dc
<DQ3 男盗賊><FF9 フライヤ>

FF1:ビッケ
FF2:フリオニール、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード
FF3:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン、サラ
FF4:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ
FF5:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル
FF6:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ
FF7:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ
FF8:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ
FF10:ティーダ、キノック老師
FF10-2:ユウナ、パイン
FFT:アルガス

FF現在54名


DQ1:勇者
DQ2:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶
DQ4:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア
DQ5:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ
DQ6:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ
DQ7:主人公、マリベル
DQM:わたぼう、ルカ、イル
DQCH:イクサス、スミス

DQ現在39名
71名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:05:55 ID:3VLVP8dc
>>70
ごめん、自分の入れたキャラ間違えてた。サラを消して男盗賊追加。

FF1:ビッケ
FF2:フリオニール、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード
FF3:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン
FF4:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ
FF5:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル
FF6:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ
FF7:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ
FF8:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ
FF10:ティーダ、キノック老師
FF10-2:ユウナ、パイン
FFT:アルガス

FF現在53名


DQ1:勇者
DQ2:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊
DQ4:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア
DQ5:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ
DQ6:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ
DQ7:主人公、マリベル
DQM:わたぼう、ルカ、イル
DQCH:イクサス、スミス

DQ現在40名
72名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:08:26 ID:F3G/t6BT
<DQ6 バーバラ><FF7 ティファ>
7372:04/10/30 20:09:31 ID:F3G/t6BT
すまん、時間空けて連続投稿してた…
74名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:13:00 ID:h8XSDPEa
<DQ4 ライアン><FF9 ガーネット>
75名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:14:41 ID:PU36y6Q6
<DQ1 ローラ姫><DQ7 アイラ>

ちなみに、DQ3のパーティーキャラは4人以上増やさないほうがいいか?
76名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:15:40 ID:MaOF83ZM
<DQM テリー>←OK?
OKだったらおながいします。
77名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:20:39 ID:OXLU7c5b
<FF7 セフィロス><FF10 アーロン>

>>75
何か理由があって途中でパーティーから抜けた、とか設定を書ければ大丈夫じゃないかな?

>>76
自分はOKだと思う
78名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:27:27 ID:TJ2OgFdQ
<DQ5 はぐりん><FF7 バレット>
79名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:35:20 ID:3VLVP8dc
DQキャラちょっと少ないな。。。
<DQ4 トルネコ><DQ5 ピエール>
80名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:41:14 ID:m2yVMExd
<DQ6 ターニア><DQ7 キーファ>

魔法のことだけど、MPという概念を取り払えばいいんじゃない?
猫2みたいに唱えるとHPを削るとかさ
81名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:49:25 ID:4jH39bze
<DQM2 ワルぼう> <FF9 サラマンダー>
82名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:57:57 ID:CnAjPiKh
<DQCH マチュア><FFT ウィーグラフ>
83名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 20:57:59 ID:3VLVP8dc
<FF1 スーパーモンク><DQ4 リック>

>>80
MPも体力みたいなもんだしそれもいいかな。>>50の言うようにあんまり細かく決めることはないと思う。
つか、>>30>>32>>34はちゃんと読んでない。折角考えてくれたのに申し訳無いが、複雑でめんどくさすぎる。
84名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 21:11:32 ID:OXLU7c5b
<FFT ラムザ><DQ1 竜王>
竜王は基本的には人型仕様で。
85名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 21:54:06 ID:h8XSDPEa
<DQ6 アモス><FF10-2 リュック>
86名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 22:23:39 ID:Vpj+4t8Q
<FF7 ユフィ><FF7 セフィロス>
87名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 22:45:21 ID:1T/9n/Cu
少々時間が空きましたがorz

・魔法云々
MP=HPで、何が使えるとかは書いた方にお任せします。
効果を大雑把に纏めると。
回復系呪文や特技 「回復量に制限あり」
能力上昇系「一定時間のみ有効」
償還獣「大分制限あり」
攻撃範囲は術者視野で敵と判断した人物

・その他
ジョブチェンジはHPを消費して可能。
呪われた装備(登場するかどうかは未定)ですが、シャナク・デスペル
状態異常は時間とともに回復です

輪のシステム
今回は首輪ではなく、特殊な輪を使用。
参加者の利き腕に填まる
死亡すると外れ、殺害者の体の何所かに填まる、多く集めたものが勝利者となる(ルール上)
なお、一つ一つの重さはたいしたことは無いが、あつまると相当な重量になる。
二十四時間以内に死亡者がいない場合、この輪に吸い込まれる。

輪についてはこれで良いでしょうか?
暫定的名ルールは>>6にあります
88名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 22:55:22 ID:J6rfhHwf
よくねぇよ
89名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 22:58:54 ID:1T/9n/Cu
>>88
いいでしょうか「?」
なのでもし何かあれば、案がほしいですorz

キャラ受付は>>110までとします(もう変えません

アイウエオ名簿を作ってるんですが勇者とか参るなぁ、後でしっかり聞こうorz
90名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 23:11:25 ID:3VLVP8dc
>>89
仕切るのはいいんだが、なんだその、もう少し落ち着け。
ちなみに名前については前々からデフォ名、デフォ名がなければ最初の書き手まかせってことになってるんだが。
初める前から名前決めろとかは勘弁してくれよ。ちなみにまだ細かい名簿はいらないと思う…。

<FF5 リヴァイアサンに瞬殺された奴><FF7 シド>
91名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 23:18:31 ID:1T/9n/Cu
>>89
成る程、分かりました。
開始時に細かい名簿をもう一度作ります。
ルール等もガンガン修正してください。
どうせ私の考えたヘボ案ですのでorz
>なんだその、もう少し落ち着け。
ちょっと、頭冷やしてきます。

<FF4 エッジ><DQ5 マリア>
92名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 23:38:19 ID:h8XSDPEa
<FF9 エーコ><DQ3 カンダタ>
93名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 23:42:57 ID:r/r4AdAI
ルール案
・魔法関連
 MPを消費する=疲れる。
 全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる敵と判断された人物。
 回復魔法は効力が半減。召喚魔法は魔石とかマテリアとかがないと使用不可。
 蘇生魔法とラナルータ、デジョン、テレポはややこしくなりそうだから全面禁止。
 それ以外の魔法威力や効果時間、キャラの習得魔法とかは書き手の判断と意図に任せる。

・首輪
 普通に、原作バトロワの首輪@DQの呪いつき(外せなくなるアレ)。生存確認センサーと盗聴器内臓。
 24時間以内に誰も死なないと全員の首輪が爆破。
 会場のエリア外にいても爆破。禁止魔法を使っても爆破。
 無理に外すと爆破。首輪を外そうとしたことがバレても(盗聴されても)爆破。
 なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。 

・その他
 会場はFFDQロワ1ST方式で、一日ごとに変化。時間過ぎても居残ってると首輪の有無に関わらず死亡。
 ジョブチェンジは、戦闘中以外で誰にも見られていない時のみ可能。リスクは特になし。
 首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止魔法が使えるようにもならない。
 生存者が一名になった時点で、主催者が待っている場所への旅の扉が現れる。この旅の扉には時間制限はない。
 状態異常の持続時間・治療方法は全て原作FFDQに準拠。
94そろそろ終了かな:04/10/30 23:57:54 ID:3VLVP8dc
<DQ7 メルビン><FF1 ガーランド>

FF1:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド
FF2:フリオニール、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード
FF3:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン
FF4:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴
FF6:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ
FF7:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2:ユウナ、パイン、リュック
FFT:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ

現在68名


DQ1:勇者、ローラ、竜王
DQ2:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ
DQ5:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア
DQ6:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア、アモス
DQ7:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM:わたぼう、ルカ、イル、テリー
DQM2:わるぼう
DQCH:イクサス、スミス、マチュア

現在55名
95名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 23:58:47 ID:M4jvPJog
<FF3ハイン><FF5ギード>
96名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/30 23:59:50 ID:3VLVP8dc
>>93
基本はそんなとこでいいと思う。あと最低限決めないといけないのは第一ステージと主催者。
雑談スレはとりあえず1stスレを使って、埋まったら立てればいいか。
FF1とFF3のジョブは1stの導師みたいに固定がいいんだけど、どうなんだろ。
97名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:04:26 ID:5g+gMyXu
<DQCH ドルバ><DQ5 ゲマ>
98進めてる人 ◆hml6W8mnP. :04/10/31 00:10:33 ID:6887kJgQ
>>93
ぉ、イイデスネ。
でもちょっと気になる点が。
>盗聴器内臓。
これは流石に大本が混乱するかと。
何百人の会話が一斉に聞こえるわけですから

あとは>>6の1-5を追加してOKな感じでしょうかね。

>>96
ボスは
FF1のカオス
エクスデス
アルティミシア
ミルドラース
デスタムーア
アタリでしょうかね。

FF1キャラは固定としてもFF3は変更できてもありだと思いますよ。

第一ステージは
FF4 月
FF6 獣ヶ原
FF8 (海上の)バラムガーデン
DQ1 アレフガルド
DQ5 大神殿
ぐらいでしょうかねぇ。

<FF6 シャドウ> <FF6 トンベリ>
99名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:14:11 ID:SkaO3j6J
なんなんだお前は…
100名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:21:48 ID:LG4fjvmo
<FF1 白魔道士> 女キャラ少ない気がするので女設定でお願いしたい。
投票しといてナンだが、すでに120人超えてるな…。多杉。
101名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:43:12 ID:/GQsfwZo
>99
ただの仕切りたがりだろ。

人数の制限をしないんだったら、ランダムで3組ぐらいにわけて予選でもやるか?
正直、こんなに人が多かったら書ききれなくなってくる部分も出てくるだろーし。
102名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:45:13 ID:6887kJgQ
なんか、ちょっと自分に対してよく思われていない方がいらっしゃるのでもう一回名無し潜伏しますorz
ご迷惑をおかけしました。
103名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:48:49 ID:LG4fjvmo
最初は100までという話だったが今は110までになってるらしいね。>キャラ投票
予選は嫌だな、今出てる中から好きなキャラ書ける方がいい。

>>100の白魔でしめきりで良いかな?つか、もう出尽くしてるだろ。
104名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:50:03 ID:LG4fjvmo
ageてしまった…。
105名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:51:25 ID:/GQsfwZo
<DQ5 プサン><DQ4 ロザリー>
106名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 00:54:47 ID:SkaO3j6J
>>103
待ってくれ…これだけは。
<FF5 ファリス><FF3 エリア>
107名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:14:29 ID:Pm2CRYZ4
なに、またやるの?人数多いな。今参加できたのもなにかの縁だ。
でもこれ真面目にやんの?

まあいいや。>>110までならドーガだけで寂しそうなので
<FF3 ウネ> <FF3 ザンデ>
108名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:22:42 ID:4qm3wu1W
<DQ6 ランド> <DQ6 ターニア>
109名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:27:41 ID:LG4fjvmo
>>110までか。便乗してしまえ
<FF2 ミンウ><FF2 フリオニール>
110名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:34:23 ID:SkaO3j6J
最後か。
<FFT アグリアス>
111名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:38:05 ID:afAw7/LM
これにて、締め切りです。




第一ステージは1stのを流用でいいでしょ。マップ見つけるの手間かかるし。
もちろん、すぐ見つけてやるぜって人がいれば待つけど・・・
112集計名簿:04/10/31 01:40:44 ID:LG4fjvmo
FF1 4名:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド、白魔道士
FF2 6名:フリオニール(2)、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード、ミンウ
FF3 8名:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン(2)、エリア、ウネ、ザンデ
FF4 7名:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5 7名:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴、ギード、ファリス
FF6 12名:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ、シャドウ、トンベリ
FF7 10名:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8 6名:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9 8名:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10 3名:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2 3名:ユウナ、パイン、リュック
FFT 4名:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ、アグリアス

DQ1 3名:勇者、ローラ、竜王
DQ2 3名:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3 6名:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4 9名:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ、ロザリー
DQ5 15名:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア、ゲマ、プサン
DQ6 11名:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア(2)、アモス、ランド
DQ7 5名:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM 5名:わたぼう、ルカ、イル、テリー、わるぼう
DQCH 4名:イクサス、スミス、マチュア、ドルバ

FF 78名
DQ 61名
計 139名
113名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:54:27 ID:LG4fjvmo
>>111
自分も流用でいいと思う。アリアハンは書きやすいしな
114名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 01:54:47 ID:DTB36DBc
ルール案についてだけど、

大枠は>>93の通りでいいと思う

運営者はアルティミシアでOK


115名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 02:04:09 ID:py65aU6x
集計乙

うわー、1stを越えるこの人数、どうよ…。主要キャラはほとんどでてるな。
USAと外伝からだしてもよければだしたんだがな。

それにしても全部やってるやつどれくらいいるんだろ。。DQ7とDQM、DQCHやってないからわからん。DQ6も途中放棄したし。。。

ところでさ、俺も大枠>>93でいいと思うんだけど、ジョブチェンジは微妙に変えね?
たしかさー、1stんときに急遽ジョブチェンジの仕組みをきめなあかんってときに、
なんか決めようがないからとりあえずだーれもみてないときにやるかあってことになったんだが、
そんな誰も見てないときにって幽霊じゃないんだから。

ジョブチェンジには精神統一と一定の時間がかかる、くらいでいいと思うしそのほうが書きやすくない?
FFX-2みたいな感じか。今回ジョブチェンジするのはV、X-2、Tから十人くらいか…。
116名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 02:29:25 ID:qRBcerfC
DQM2いっしょにTALK!とかいうところに
各世界の地図あったのにあそこ消えたんだよな…氷の世界とかいいと思ったんだが。

ところで、脇キャラの説明いる?
FF6以前とタクティクス、DQは全部いけるけど。(FF6のトンベリだけは分からん)
117名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 02:32:47 ID:dXzGLKJh
キャラ大杉
118名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 02:37:45 ID:a2CNghuW
そういや1stで、最後に一人で見事EDまでを書き上げた人ってここにいるの?
119名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 02:40:13 ID:i46OS83J
結局DQの参加者若干少ないな
120名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 02:48:03 ID:LG4fjvmo
DQが少ないというよりはFFが多すぎ。しかし1stより30人も多いのか。
参加人数については今更言ってもどうにもならんし…多分何とかなるだろう、というか何とかしてやりましょう。
>>116 脇キャラの説明是非お願いします。

保管庫貼っとくか
http://jbbs.livedoor.jp/game/bbs/read.cgi?BBS=2736&KEY=1057165790
121名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 04:03:45 ID:SkaO3j6J
アルスがふたりいるね。
マリアもふたりいるね。
122名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 09:00:50 ID:/GQsfwZo
ゲーム開始までに一人一人のプロローグやりたいな。
時系列の調整やキャラ設定もできるし。
123アイウエオ名簿:04/10/31 10:39:31 ID:6887kJgQ
ア行
アイラ・アーヴァイン・アーロン・アグリアス・アモス・アリーナ・アルガス
イクサス・イル
ウィーグラフ・ウネ
エーコ・エアリス・エドガー・エッジ・エリア
オルテガ
カ&ガ行
カイン・カンダタ
キーファ・キノック老師
クジャ・クラウド・クリムト・クルル
ケット・シー・ケフカ
ガーネット・ガーランド
ギード・ギルガメッシュ・ギルバート
ゲマ
ゴゴ・ゴルベーザ
サ&ザ行
サイファー・サラマンダー・サリィ・サンチョ
シド(FF7)・シャドウ・シンシア
スコール・スミス
セシル・セフィロス・セリス
ザックス・ザンデ
ジークフリート・ジタン
ゼル
タ&ダ行
ターニア
ティーダ・ティナ・ティファ・テリー(DQ6)・テリー(DQM)
デール・デッシュ・デュラン
ドーガ・ドルバ
ナ行
該当者なし
124名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 10:43:08 ID:6887kJgQ
ハ&バ&パ行
ハイン・はぐりん・ハッサン
ファリス・フライヤ・フリオニール
ヘンリー
バーバラ・バッツ・バレット
ビアンカ・ビビ・ビッケ
ブオーン・ブライ
ベアトリクス
パイン・パパス
ピエール・ピサロ・ピピン
プサン
マ行
マティウス・マチュア・マッシュ・マリア(FF2)・マリア(DQ5)・マリベル
ミネア・ミレーユ・ミンウ
メルビン
ヤ行
ユウナ・ユフィ
ラ行
ライアン・ラグナ・ラムザ・ランド
リヴァイア(略)・リチャード・リノア・リュック・リルム
レオ・レオンハルト・レナ
ローザ・ローラ・ロック・ロザリー
ワ行
わたぼう・ワルぼう
125名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 10:43:54 ID:6887kJgQ
名前不明(何所かに入ります、例えばDQ3男勇者がアルスならアルガスの後ろに来ます、書き手さんの書きたい名前でお願いします。
FF1スーパーモンク・白魔道士
FF3ナイト・赤魔道士
DQ1勇者
DQ2ローレ王子・サマル王子・ムーン王女
DQ3男勇者・男賢者・女僧侶・男盗賊
DQ4男勇者
DQ5主人公・王子・王女
DQ6主人公
DQ7主人公
126名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 11:10:51 ID:SkaO3j6J
だから

いらない

っつってんだろ
127名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 12:31:05 ID:SJ9hDiTu
>>122
それはちょっと・・・
128名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 15:58:36 ID:ZgjiZF9o
ルール案兼テンプレ案その2

書き手任せ
・キャラの時系列は、特に要望がなければ最初の書き手に任せる。
 (例:FF4のセシル
 →要望がなければ、暗黒セシルでもパラディンセシルでも書き手が好きな方を出していい)
・ジョブチェンジは精神統一と一定の時間が必要。
 X-2のキャラのみ戦闘中でもジョブチェンジ可能(だったよな、確か)。
 ただし、X-2のスペシャルドレスは、対応するスフィアがない限り使用不可。
 その他の使用可能ジョブの範囲は書き手に任せる。
・DQ3の賢者、DQ6、7のキャラの転職歴については書き手の意図に任せる。
 ただし、DQ6や7のマスター済み上級職は1〜3個程度で。
・名無しキャラの名前は、出来る限り公式の小説か漫画か攻略本か説明書かデータ上のデフォルトネームで。
 どれにも使えそうな名前がないなら、できるだけどのキャラなのかわかりやすい名前で。

ボツの条件
・移動距離が明らかにおかしい時
・特に理由付けもないのに、キャラの性格が変化しすぎている時
・持っていない魔法やアイテムを使ったり、いないはずのキャラが登場している時
・他、明らかに前後関係がおかしい時
129名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 17:19:05 ID:LG4fjvmo
FFDQバトルロワイアル3rd

■主催者:アルティミシア(FF8)
■第一ステージ:アリアハン(DQ3)
■マップ:ttp://ffdqbr.fc2web.com/ariahan.gif

■基本ルール:>>93>>128 ルールの基本は1stとほぼ同じなので、他のことはまとめサイトを参照汁。
■参加者:>>112

とりあえず開始できる状態にはなってます。
書いていくうちに首輪やらルールやら問題も出てくるだろうけど、それは雑談スレのほうで討論していくということで。

開始シーン書こうと思ったんだけど、FF8やってないんでパス…。
130名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 18:02:22 ID:dJsT8KBB
>>114は自分なんだけど、
管理者は別にアルティミシアじゃなくてもいい。ラスボスじゃなくてもいいし。
既出のゾーマ以外なら誰でもいいでしょ。書きやすいキャラで書いてくれれば。
FFDQではないスクエニ作品のボス辺りを引っ張ってくるのもありだと思う。

オープニング書けるものなら自分が書くんだけど、ちょっと無理なんで
131名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 19:44:46 ID:JwYxHPqd
漏れもFF8やってないし…

それに、ある程度はやってないシリーズも予備知識で書けるけど
FF1〜3とDQM、DQCHは多分書けないから
ほかの書き手さんに期待
132名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 19:55:17 ID:17VYGzvp
1stのオープニングを参考にして導入部書いてみようか。
たいしたものは書けないと思うけど
133名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:04:36 ID:SkaO3j6J
俺もFF8はアーヴァイン出てきた辺りで放棄したからなあ…
ひととおりの予備知識は一応あるが、未プレイ作品については重要なシーンは自重してます。
ちなみにFFは56910T、DQは67M未プレイ。

開幕シーンは書けそうな人頼む。
134名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:29:25 ID:klLYbbyh
アルティミシアでなくて永遠の闇にしようか
135名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:30:39 ID:6887kJgQ
「ようこそ諸君、我が「ゲーム」の参加者よ。」
その大きな声は大きな広間一面に広がった、その声を合図にその広場に倒れていた全員が目を覚ました。
そして、体を起こしたときに誰もが「絶対的な恐怖」を味わった。
「これから、貴様らに殺し合いをしてもらおう。」
その言葉に、怒りを露わにする者、悲しみを露わにする者、驚愕するもの、笑みを浮かべる者がいた。
「のヤロォ…アルティミシアッ!」
歯をギリリと鳴らした後、大きな声で怒鳴り散らした青年、ゼル。
彼の手には小刻みに震えていた。
「フフフ、少し静かにしていて貰おうか、そして…今だけ抵抗できん様にな。」
すると、全員の体が固まったの如く重くなり、同時に声が出なくなった。
そして、次々に奪われていく全員の武器や防具、それらはまるでミキサーの中の果物の如く、ドロドロと溶けていった。
「それでは、今からルールを説明しよう、ある程度の質問なら後で受け付けてやっても良いぞ。」
そして、恐怖の「ゲーム」のルール説明が始まった。
136名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:31:41 ID:6887kJgQ
「我が名はアルティミシア、時を操る魔女。
 一時前も言ったが、今から貴様らには、殺し合いをしてもらう。舞台は用意してある、この私の右にある扉を潜れば良い。
 そして、日が没するときと日が昇るときに、我が魂となったものの名前を告げよう。
 その他に重要なことを言う事がある、聞き逃せばどうなるかは貴様ら次第だ。」
そして、アルティミシアと名乗る魔女は一呼吸を起き、目の前に立っていた青年=アレフ(DQ1勇者)を指差し、こう言った。
「貴様らの首に、首輪がついているだろう、中には貴様らが生きている事を証明する魔法と貴様らの話が聞こえるように細工してある。
 それは、外そうとすれば爆発する仕組みになっている。
 他にも、二十四時間以内に誰かが我が魂にならなければ爆発する。
 戦うことから逃げようとしても爆発する、外すことがこの私にばれても爆発する。
 残るは、禁止魔法・呪文を使用しても爆発する。」
淡々と述べていくアルティミシアが、そこで言葉を切る。
「そして、最後にこれから貴様らに順に飛び込んでもらう、
 が、飛び込む前に扉の右にある「袋」を取っていけ、貴様らが生き残る為と殺し合うための物が入っている。」
そして、魔女は大きく息を吸い込んだ。
「さぁ!私を楽しませてみろ!殺せ!殺し合え!」
その言葉とともに、一人の呪縛が解けた。
137名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:33:49 ID:6887kJgQ
そして、呪縛が解けたものから「袋」を取り「扉」に飛び込んでいく。
中には睨みつけてから飛び込むものもいた、悲しみの目で飛び込むものもいた。
最後の者はなぜか、無表情だった。

「さて…どれだけ私を楽しませてくれるか…フフフフ。」
魔女一人の空間に、笑い声が木霊した。
138名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:43:19 ID:/GQsfwZo
オープニング書いてみたかったんだけど、もう手遅れかな。
139名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:46:53 ID:LG4fjvmo
ちょっと待って。
オープニングシーンはリレーじゃないの?

つか、オープニングで誰も死んでないとか。
140名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:50:38 ID:6887kJgQ
>オープニングはリレー
1stではオープニングの大部分をゾーマ氏が担当していましたのでorz
一人で書いてしまいました。

>誰も死んでない。
別に原作バトロワや1stや2ndと合わせる必要もないかなと思い、こうしました。

もし宜しければこのままちょっとリルムを投下したいんですがorz
141名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 20:58:28 ID:/GQsfwZo
あんた一人で完結させれる自信があるならそれでもいいけどな。
正直こっちは置いてけぼりだ。

もう少し他人の意見を聞いてみようとか思わないのか?
142名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:02:35 ID:DmfRcmhz
OPは別に一人でもいいと思う。
>>140で言ってるとおり、1stもそうだった。

ヘタにリレーにすると、設定がいきなりごちゃごちゃになる可能性がある
143名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:05:24 ID:LG4fjvmo
1stはまだイメージが固まってなかったからしょうがないよ。
でも今は書き手がたくさんいる状況な訳で。こっちは置いてきぼりな訳で。

申し訳無いんだが、NG意見を雑談スレに書いてきた。
一読頼む。
144名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:35:46 ID:6887kJgQ
>>135-137は無効となっております。
詳しくは雑談スレの方に。
145名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:36:43 ID:9HeemfbQ
っていうか、転職歴はいらんのでない?
賢者の場合も「体術はまぁまぁ、魔術はかなり使い手」みたいな特徴をだすだけで良いと思う。

……あ、DQ6,7があったか…。
146名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:50:24 ID:n3nai1Rw
今更こんなことを言うのは何ですが……

人数、半減させたほうがいいんじゃないでしょうか? 
同時進行してるイベントの辻褄を合わせるのは50人でもキツいです。
序盤に大量即死させないと、とても回っていかないと思います。
番外編はそれで停滞したような気がしますし。

あと、回復魔法は禁止が良いと思います。
幾ら制限がかかってるっていっても、効くことに変わりはないんだし。
制限が細かすぎて面倒だし、色んな解釈が出て混乱する話が多くなりそうなんで、
いっそ無くしてしまえば、と。
147名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:56:08 ID:U+7Vs97N
いまから人数半減は恐らく無理かと・・・。怒号が飛び交いそうw
作中の序盤で一気に落とすというならまだ可能かもしれない。

回復魔法禁止は自分も望むところ。
このままだと絶対途中で揉めると思うよ。過去の例を見ていればよくわかる
148名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 21:59:35 ID:6887kJgQ
口出しして良いのか微妙ですが。

>参加人数
これは間違いなく、反対が集まると思います、でも>>147氏の言う通り、序盤で落とすというのは可能だと思います。
ゲームに乗るキャラが数人(5〜8人)いれば結構減ると思いますし。

>回復魔法
禁止は禁止で困るかも知れないので過去に出た「ケアル・ホイミ」のみ可能という事にすれば良いのではないかと思います。
149名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:12:04 ID:LYeXQ30I
>>146
ぶっちゃけ番外が停滞したのは、人数を減らすことが1コース終了時にならないとできないからであって
、途中でバンバン脱落者を作れるシナリオだったら少なくとも現状よりは進んでいたと思う。

その点考えると、3rdは正当ロワなわけで、たぶん進み具合は番外編より早い
150名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:34:56 ID:SkaO3j6J
人数は…時間はかかるだろうけど何とかなるだろう。
ただ、人数減らしたいがために破綻した殺され方されるのは勘弁ですが
回復魔法はケアルとホイミのみでいいんじゃないかな?
151名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:36:53 ID:9HeemfbQ
つーか「>>110まで」っていう時点でなんか人数が多くなる悪寒がしていたわけだが。

まぁでも一般人(っぽいの)もいるし、実力のある人気キャラ等は残るだろうな。
残り具合が不安だが。
152名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:37:54 ID:L3HYTGeT
>148
>「ケアル・ホイミ」のみ可能
1stのとき、ベホマで治せなかった傷をホイミ連発で直した実績があります。
ケアルガ・ベホマだけ禁止しても、あまり意味がないのです。

>149
それは適当な殺しと同意義なんですが。
まぁ、ロワの序盤なんてどこもそんなもんだし、別にいいのかな?
153名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:41:40 ID:aQQTzQUo
回復魔法禁止でFA?
いいと思うがどうよ
154名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:49:16 ID:9HeemfbQ
>>153

全面禁止にすると僧侶が何も出来なくなる罠。
まぁ支給品があるが。
155名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:52:41 ID:SkaO3j6J
ん、禁止でいいや。

白魔とか僧侶は…得意分野を禁止されたのを逆に活かすとか、書き手が考えよう。
156名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 22:54:14 ID:5g+gMyXu
全面禁止なのもなぁ
FF4のせいしんは程度の性能(回復中は他の行動が取れない、回復量は微量)だったら
使えても良いと思うが
157名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 23:13:52 ID:S76OyFkw
>156
だから、そういう細かい例外を認めると後で混乱するんだって。
ルールなんて出来る限りシンプルにした方がいいと思うのです。

それに白魔は大抵補助魔法を持っていますから、
圧倒的に不利ってわけでもないですよ。
158名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 23:27:26 ID:QNXfOFo+
確かに人数多いな。
序盤で相当切り捨てられてもやむを得ないと思う。
1stの時だって全部で109人(多分)ぐらいだったけど、中盤あたりで「やっぱり人数多すぎた。2ndは
もっと減らすべきだね、できれば60〜70人に」
っていう意見が結構あったぐらいなのに、今回それより多いわけだから。

まあ決まったものは仕方がない。何とか進めよう。

ところで、OPはどうなった
159名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/31 23:46:36 ID:LG4fjvmo
OP…冒頭部分だけならいけそうなので今書いてる
他にも書いてる人いそうだな
160どうですかね:04/11/01 01:19:51 ID:2IK9o1Du
目が覚めると、暗闇だった。
暗闇の中、複数の息遣いだけが聞こえてくる。直ぐ隣には誰かが倒れていて、その隣にも誰かが倒れていて。それが延々と続いていた。
――何だ、この状況は?
状況が全く理解できない中、彼は警戒しながら辺りを見渡した。そこにはやはり暗闇だけがあったが…いくつかの気配を感じる。
恐らくは…他にも数人が起きていて、自分と同じように警戒しているのだ。このおかしな状況を。
――そうだ、着火具…荷物は?
と、彼が荷物を探ろうとすると同時、唐突に明かりが付いた。
ただその明かりはとても小さく、蝋燭の様に儚いものだったが。そして。
「ようこそ、選ばれた選手達よ…!」

―――。
彼、フリオニールの荷物を求めていた手は、硬直して動かなくなっていた。
いや、彼だけではなく、この場にいる殆どの者が呆然とし動けなくなっていた。突然姿を現したそれに恐怖を覚えて。
その存在は、絶対的な力と悪を持っていた。それこそ自分の存在など、一瞬で消されてしまうような。
「今日は貴様等に殺し合いをしてもらう。逆らうことは許されない」

それは、確かな絶望。
161どうですかね2/2:04/11/01 01:21:02 ID:2IK9o1Du
―――何で、どういうことだ。
あまりにも唐突な展開と恐怖に『選手』達は息を飲み沈黙する。しかし、
「…ふざけないでッ!」
一人の女性の怒声が、沈黙を破った。フリオニールはゆっくりと声がした方に首を向ける。
血の繋がらない妹である…マリアが弓を構え立っていた。続けた。
「あなたがどんな人なのか知らないけれど、殺し合いをさせられる覚えはないわ!」

ぱぁんっ!

―――。
フリオニールは、その出来事を理解することが出来なかった。
マリアの放った矢は間違い無く奴の心臓を貫く筈だったのに―――。
何故、マリアが倒れている?何故、マリアの胸に、矢が―――。
マリアは、目を見開いた表情で仰向けに倒れた。心臓に、マリアが放った筈の矢を深々と刺して。
一瞬の出来事だった。

「……ッマリアーーーーーーーーーーッ!!!!」
薄闇の中、女性達の悲鳴と、フリオニールの悲痛な叫びが響いた。


【マリア(FF2) 死亡】
162名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/01 14:23:48 ID:gmeoF1sa
>>160-161
マリアってフリオニールの義妹だっけ?
IIとかあんま覚えてないな。レオンハルトの妹ってことは覚えてるけど。
まあでもいいんじゃないのん?


ついでに回復魔法別に禁止しなくてもいいと思うけど。
回復魔法を使おうがつかわまいが死ぬときは死ぬべ。レイズ、アレイズ、ザオリクでさえ。
気絶、戦闘不能くらいの治療でね。

そういやダイ大は、傷の治療と体力の回復を別にしてたね。そんな風にしときゃいいだろ。
「傷は完治したよ…でも、彼にはもう生きるだけの力が残っていない…」とか
「だめだ…ベホマの回復がおいつかない!」とか
「あれくらいの損傷なら、すぐにレイズをかければなんとかなったかもしれない。でもこうなっちゃだめだ…」
とかまあどっかのB級ノベルみたいだけど、どうにもならん状況なんぞいくらでも…。

バカがなんでもかんでも一瞬ですべてを回復させっから変なことになるんでねーの。

> 白魔とか僧侶は…得意分野を禁止されたのを逆に活かすとか、書き手が考えよう。
いやいや、どうがんばってもいかせないYO!(w
僧侶系にはマイナス要因以外のなにものでもないぞ。

>>8でいいと思うけど。ラナルータ以外別に最初から禁止する必要性はなくない?

というかこういう話はむこうのスレですべきなのですか?もしかして…。
163ゲーム開始 1/2:04/11/02 21:46:51 ID:M7YGG3eY
「ふざけている? 誰もふざけてなどいない」
冷徹な言葉と共に、声の主は闇の中から姿を見せる。
はっきりと光に照らし出されたその姿に、誰もが再び息を飲んだ。
女だった。奇妙だが豪奢なドレスを身にまとった、細身の女。
だが、全身に膨大な魔力を纏い、目には絶望の色を湛え、美しくも邪悪なその姿は――
「魔女……アルティミシア」
乾いた声で、誰かが言った。
けれども、当の魔女はそのつぶやきも意に介さぬ様子で、そっと手を振った。
それを合図にしたかのように、広間中で何かが砕け散る音が響く。
「お、俺の剣が!?」
青い帽子をかぶった剣士が驚愕の叫びを上げた。崩れ落ちた剣の残骸を握り締めながら。
いや、彼の剣だけではない。いかなる技か、広間にいる者が持つ武器全てが、今や白い灰と化していた。
魔女は続けて、尖った爪を虚空にかざす。
その先からほとばしる光が広間を埋め尽くし、ほんの一瞬だが全てを白一色に塗りつぶした。
「お呼びでしょうか、アルティミシア様」
光の後に現れたのは、漆黒の鱗で覆われた巨竜であった。
青い皮膜を広げ優雅に宙を舞う姿は、竜王バハムートを思い起こさせる。
アルティミシアの下僕となったG.F.――ティアマトだ。
「この者達にゲームの説明をしてやれ」
魔女はうやうやしく跪いた巨竜に一言だけ残し、闇に消える。
フリオニールはそれでも魔女に追いすがろうとしたが、その願いは叶わなかった。
近くにいた仲間が止めたため、そしてティアマトが彼の行く手を阻むように舞い降りたためだ。
164ゲーム開始2/2:04/11/02 21:51:13 ID:M7YGG3eY
邪悪な竜は、唇をかみ締めるフリオニールを嘲笑いながら話を始めた。
「アルティミシア様が言われたが、貴様らにはこれから殺し合いをしてもらう。
 ルールは単純だ。この場にいる全てを蹴落とし、生き残る。それだけだ。
 だが、勝つためには全てが許されているというわけでもない。
 禁止事項を破れば、貴様らのつけている首輪が爆発する」
ティアマトの言葉に全員が首に手を当て、言葉を失う。
いつのまに着けられたのか?
無骨な金属の塊は大した重さも感じさせず、だが、確かに全員の首に巻かれていた。
「もちろん爆発と言っても小さなものだが……貴様らの脆い首を吹き飛ばすには十分だ」
ティアマトは喉を鳴らした。多分、笑ったつもりなのだろう。そして再び言葉を続ける。
「禁止事項は以下の三つ。
 一、会場から逃げ出そうとする。 会場に設定された境界線を越えれば爆発するということだ。
 二、禁止された魔法や技を使用する。これは場合によって追加されることがある。
  なお、最初から禁止されている魔法は「ラナルータ」のみだ。
 三、力づくで首輪を外そうとする。以上だ。
 そうそう、付け加えておくが二十四時間以内に誰も死ななかった場合は
 全員の首輪が爆発するようになっている」
「――つまり、殺しあえば一人だけは生き残れるが
 殺しあわなければ誰一人として助からない、そういうことかい?」
会場の片隅で静かに話を聞いていた銀髪の男が、冷めた瞳でティアマトを見上げる。
巨竜は我が意を得たりとばかりに大きくうなずいた。
「そういうことだ。もっとも、今のまま素手で殺しあえとは言わん。
 これから一名ずつ名前を呼んでいくから、呼ばれたものは後ろの扉から外に出ろ。
 そこで武器や食料などが入った袋を支給してやろう。 
 もっとも、武器といってもどの袋に何が入っているかはわからんし、全てが有用な武器でもない。
 下らない玩具を引いてしまった者は、運が悪かったと諦めるのだな」
そして、ティアマトは最初の名を読み上げた。
――呪われたゲームに放り出される、最初の生贄の名を。
165スタート:04/11/03 09:38:58 ID:JEZrVmtN
名を呼ばれたのは、アーヴァイン=キニアスだった。
「僕が一番最初ってことは、まさかアイウエオ順なの?」
「ああ、そうだ」
青年の問いに、ティアマトはあっさりと肯定する。
「ふーん。まあいいや、それじゃあ行ってくるよ」
傭兵としての訓練ゆえか、緊迫感がないだけなのか、あるいは空元気を装っているだけなのか、
いずれにしてもアーヴァインは普段どおりの軽い調子で言った。
「待て」
その態度が不満だったのか、巨竜は少し苛立しげに呼び止める。
「説明が一つ抜けていた」、そう言ってティアマトは心臓に矢を受けたマリアを見やり、唇の端を邪悪に歪めた。
「首輪の威力についてだ」

マリアの傍で肩を震わせていたフリオニールの耳に、それは聞こえてきた。
断続的に流れる、耳障りな電子音。その間隔がだんだん短くなる。
戦士としての勘が、危険だと告げる。音を止めろと警告する。
だが彼にはどうしようもない。やがて音が重なり、ピーーーというアラームへ変化した時……

思っていたよりも軽い音がした。シャンパンの栓を抜いたような。
けれども宙に舞ったのはコルクではなく人の首で、地に撒かれたのはワインではなく血であった。
狙いすましたかのように足元に落ちた生首に、アーヴァインの顔が青ざめる。
首を失った死体を見て、フリオニールの顔から全ての表情が消える。
悲鳴さえ上がらず、広間に忍び寄る死のような沈黙が落ちる。
ただ一匹、ティアマトだけが満足そうに参加者たちを見下ろしていた。
そして立ちすくむ青年に向かい、短く言い放った。
「行け」、と。
166リルムと:04/11/03 13:49:35 ID:zGX9veYg
アーヴァインという青年の名が呼ばれてから、幾数人の名前が呼ばれた。
自分は最後のほうだった、そして呼ばれた。
「リルム=アローニィ」
その巨竜の声は、様様な邪悪な物が混じったかのようだった。
何故自分がここに居るのか、サマサに居たはずの自分が、何故?
そう考えつつも、リルムは前へと進んだ。
そして、巨竜から渡された袋を手に、扉へ入った。

数分後、意識が飛んでいたが、無事に到着した。
もっとも無事にと呼べる状況ではないのだろうが。
周りは海、そして後ろに聳え立つ塔。
そして……首輪、先ほどの出来事が嘘ではない事を示す印。
でもそんな彼女にも、一つ安心できる事があった、それは言葉として現れた。
「おじいちゃん………居なくて良かった」
そう、唯一の肉親であるストラゴスがこのゲームに参加していなかった事だ。
それは、リルムにとっての最大の幸運だった。
そして、彼女は決めた。
生き残る、でも人は殺めない、生きてサマサに帰ると。
「よおし!あのケバケバおばさんを倒しに行くぞ!」
と、意気込みを入れ、袋の中を覗き込んだ。
中身は、彼女にとって幸運の品だった。
かつて英雄が手にしていたとされる、英雄の盾。
絵描きの彼女には嬉しい絵筆。
それと謎の指輪。
とりあえず、盾と絵筆を手に、歩いた。
167リルムと王子:04/11/03 13:51:55 ID:zGX9veYg

そして、何かにぶつかった。
「あ痛ッ!」
「うわぁ!」
その声は同時に重なった。
リルムは警戒していた、もう他の参加者が自分を狙っているのか?と。
そして…リルムにぶつかった、何か…否、なにかもこもこした物を着込んだ青年はこちらを向いた。
「……びっくりしたぁ、ん?君も……?」
その青年はリルムを見た、リルムも、青年を見た。
その後、青年は即座に顔を怒りの表情へ変え、拳に怒りを込め、地面を殴った。
リルムはその姿を怯えながら見ていた。
「クソッ!こんな子供にまでこんなふざけた事をさせるなんて…許せない!」
それは幾度となく続いた、何度も、何度も。
そして、その音がやみ、青年はもう一度リルムの方を向いた。
「すまなかったね…ビックリさせて、僕には敵意は無い、襲うつもりなんてさらさら無いよ」
その言葉と共に、剣が青年の足元に落ちる。
それを見て怯えていたリルムも警戒を解いた、こんな危険なゲームなのに警戒を解くというのは危険な行為だ。
だがしかし、リルムは解いた、なぜなら青年からは邪悪の気を感じない、むしろ誇り高き血が流れているように見えたからだ。
「イケメン兄ちゃん、あたしリルム。」
イケメン…という言葉に少し焦る青年だが、落ち着きを取り戻し、こういった。
「僕はロラン、どうだい?もし良かったら僕と一緒に行動してくれないか?
 仲間を探したいんだけど…僕一人じゃ無理だろう?
 そして…あの邪悪な魔女を……倒す!」
その答えは、笑顔で返ってきた。
「うん!あたしも協力する、よろしくね、ロラン!」
こうして、小さな魔導師と勇者の血を引く青年のタッグがここに結成した。

【リルム 生存確認 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン(DQ2ローレシア) 生存確認 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート ?
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:ゲームから抜ける、アルティミシアを倒す】
168書き忘れ:04/11/03 13:53:29 ID:zGX9veYg
現在位置:ナジミの塔付近
ゴメンこれ忘れてたよ。
169名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 13:55:51 ID:zGX9veYg
そして歩いた〜から追加(コピペミス

リルムが塔を中心に半周するぐらいのときだった。
前方に大きな、何かが現れたのだ。
>>167
何度もスマソ
170名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 15:00:48 ID:9eBosCiA

どうして、こんなことに。
サマルトリア国王子・パウロはアリアハンの民家の中ベッド下に隠れ、声を殺して泣いていた。
彼はあの広間、マリアのすぐ隣にいたのである。
直ぐ隣で女性が死んだだけでもショックなのに、まるで追い討ちをかけるように…マリアの首が吹き飛んだ。
あの残虐なシーンが瞼に焼き付いてしまい、ずっと離れてくれない。
目を見開いた女性の死体。矢。銀髪の戦士の叫び、アラーム音、爆発、血…。
…僕も、あんな風に首を失って、死ぬんだろうか?そう思うと、また涙が出てきた。
きっと、ロランならこう言うだろう。パウロ、メソメソしたって始まらないぞ、と。
それは解ってる。こんなとこにいたってどうにもならない。僕はロラン達を探さなきゃ。でも…

パウロはふと、枕のように抱えていたザックの中身をまだ確認していなかった事に気付いた。
そう、僕は戦う気は無いし、呪文も使える。でも、武器はあったほうがいい。
ザックの中をまさぐり、出てきたものは剣。それを見るなりパウロの表情が凍りついた。…破壊の剣。
最強の破壊力に、邪神の呪いのおまけ付きな剣。こんなものこの状況で装備したら…無差別殺人発生決定。
こんなものを支給するなんて、わざととしか思えない。―――最悪だ。酷すぎる。
「…でも、これ引いたのが効果知ってる僕でよかった…」
そう呟きながらとりあえず剣をザックにしまう。この手の剣は見目では呪われていると解らないのだ。
もしこの剣を、戦士などが引いてたら…と思い、ゾッとするパウロであった。

【パウロ 現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階・ベッドの下 所持品:破壊の剣(未装備)
 第一行動方針:隠れる 第二行動方針:ロランと王女を探す】
171ジタンの現実 1/3:04/11/03 15:11:20 ID:a1R2Szrk
あの衝撃的なアクシデントから、場の空気がぴんとなったのがわかった。
血…本物の血だ!これは夢でもなければ劇でもない、現実だ!
赤い飛沫はそう叫んでいるようだったけど、あまりに非現実過ぎた。

アーヴァインとかいう軟弱そうな男が出てから少しして、今度はアーロンってヤツが呼ばれた。
アーロン…体もでかけりゃ剣もでかい…あんなのがいるのかよ。
行く前に俺たちの方を見てたな…誰か探してるのか?
次に呼ばれたアイラって人は、凄い綺麗で…どこかの踊り子さんか?ああ、こんな場じゃなければ声かけるのになあ…。
そのあと、アグリアスっていうこれまた綺麗な金髪の女性が呼ばれた。
声をかけるのが躊躇われるような、近寄りがたい感じ。
いやいや、ああいう子が案外男ができると変わったりするんだ…でもちょっと年上すぎかな。

そのときだった。

「アグリアス!」
静かな雪原に急に雪崩がおきたような、そんな唐突のなさ。
「ラムザ!?」
「アグリアス!向こうで落ち合おう」
ラムザとか呼ばれた男は、毅然とした目で彼女を見つめる。
彼女は開いていた手を閉じて頷ずくと、すぐに踵を返して扉に向かった。

目が覚めた。
そうだ、これは試合に出場する選手を見送ってるわけじゃないんだ。
現実に、いまから俺と殺し合いをする相手なんだ!
ダガー!ダガーはいるのか!?それにビビ、エーコ、スタイナーのおっさん……
172ジタンの現実 2/3:04/11/03 15:13:50 ID:a1R2Szrk
立ち上がって探そうとしたときに、あのティアマトとかいう図体のでかいやつが叫んだ。
「動くな!」
その声にはっとしてティアマトを見ると、その視線は必ずしも俺に向けられているわけじゃないことに気づいた。
みんな、俺と同じ事を考えていた。

ティアマトは憎々しげにラムザを見ると、彼は睨み返してその場に座った。
「チッ…。いっておくが、扉からでる場所は一様じゃない。
 …そして、これから自分のいる場所から動いたり声をあげたりしたものは、容赦なく殺す。肝に銘じておけ」

そういうと愉快そうにティアマトは笑ったが、俺はちっとも愉快じゃない。
周りにしってるヤツがいないか探したけれど、目の届く範囲では見つからない。
みんな、いるのか?どうしてるんだ?みんな―――――


結局そのあと、青い顔をしたエーコと怯えきったダガー、そしてサラマンダーを見送った。
エーコとダガーは、二人とも俺の顔を見て安心と不安が入り交じったような複雑な顔をしていた。
それは俺も同じだ。
正直、会えたことは嬉しい。でもそれはつまり、殺し合うってことだ。
仲間をこの手で殺すだって?そんなこと、できっこない!
ただ…わからないのは、サラマンダーだ。
あいつは、俺と目を合わそうともしなかった。
柄じゃないからかもしれない…でも、どうしても、不安がよぎる。
まさか…乗った?この、いかれたゲームに。
173ジタンの現実 3/3:04/11/03 15:16:18 ID:a1R2Szrk
…ふと、目をあける。
見渡す限りの草原。その先に、城のようなものが見える。
支給品は三つ。一つは英雄の薬…これはいいんだ。
あとの二つ。厚手の鎧と般若の面…なんだこりゃ!?
おっさん専用装備か!?装備してる姿を想像して吹き出したじゃねえか!
渡す相手間違えてるぜ!


あと、荷物の中に参加者名簿とかいうのがあった。
それを見てみると、あの三人の他におっさん、ビビ、フライヤ、ベアトリクス、あと…クジャ。
クジャ…?あの、クジャか…何かの間違いじゃなく。
いや、とにかく今は仲間との合流を考えよう。
いっしょに戦ってきた仲間だ、いきなり殺し合うなんてことはきっとしない。
サラマンダーだって……

あの城に行こう。集まるなら、危険はあっても、目立つところがいい。

【ジタン 生存確認 所持品:英雄の薬、厚手の鎧、般若の面 現在位置:アリアハン城より少し南の平原
 第一行動方針:城に向かう 第二行動方針:仲間との合流】
1741:04/11/03 15:38:20 ID:j54M202x

ギィ……
重苦しい音とともに、カインは教会の扉を開き、中に入った。
この大陸に堕ち、彼の目に最初に入ったのがここの十字架だ。
彼は、支給武器を確認することも無く、誘われるように扉を開いたのだ。
ゲームに乗るか、あるいは正義を貫くか。それをこの中でゆっくり考えようと思っていた。

中は、閑散としていた。
取り立てて言うほどの特徴も無い。
教会らしく整然と椅子が並んでいる。ただそれだけだ。
ただ、その中に、カインの興味を引くものが、無造作に置かれていた。
「旧約…聖書」
本のタイトルを読み上げる。
そもそも神の概念が無い彼にとっては、この教会自体が異質なものとして捉えられていた。
そして其処にただ置かれた、一冊の分厚い本は、カインを誘惑するような、一層に異質な黒い光を帯びていた。
興味本位で、それを開く。
流れるように文を読み、ふっと溜息をつく。
「神が世界を創造し、人間を創った…?くだらない物語だな」
其処には、彼の興味を引くものはないと思われた。だが。
パラパラとめくり、彼はふと手を止めた。

「カイン…?」
自らの名か。いや、そうではない。
最初の人間、アダムとイブの間の子供の名前らしい。
…だが、気になる。
自分と同じ名を持つ男。
彼は、聖書をゆっくりと読み始めた。
1752:04/11/03 15:39:16 ID:j54M202x
数分後、彼は聖書を置いた。
これは自分へのメッセージか。
自分に、決断しろと言うメッセージか。
自らの為すべき事を暗示するのか。

このくだらない物語によれば、アダムとイブの子、カインは弟アベルを殺した。
人類最初の殺人者という称号を、彼は得たのか。
「俺と、同じ名前を持つ男よ」
…ならば決断しよう、カインよ。
「俺は、カインだ」

彼がゆっくりと支給武器を取り出した時、その思いは完全なものとなった。
『カインの槍』と名づけられたその槍は、不気味なまでに彼の掌に馴染んでいた。





ちょうどそのころ、一人の老人が、教会の前に立っていた。
「どうしてこんなことになったんじゃか…。姫様まで参加しておるわい」
彼の名はブライ。参加者一覧を、しかめっ面で読んでいた。
「もし勇者殿が味方をしてくれるならば殺されることもあるまい…か」
そう言って、少し微笑む。
「まぁ、姫様も十分強いがの」
どうも、さっきからアリーナ姫の顔がちらついて離れない。
この危険なゲームで、無茶をしなければよいのじゃが。
「おおそうじゃ、戦いの前にはまず神に祈りを…」
どうも頭の古いこの老人は、そう呟き、教会の扉をゆっくりと開けた。
176:04/11/03 15:40:12 ID:j54M202x
何者かが扉に手をかけた瞬間、カインは大きく跳び上がった。
天井に飾られたシャンデリアに、器用につかまる。
少しの音も立てなかったのは、さすがと言うべきだろう。

入ってきたのは、老人だった。
老眼の彼には、シャンデリアにぶら下がる人の姿など見えまい。
それ以前に、彼はその方向など見向きもしなかった。
ただ、神に祈りを捧げるべく、奥の十字架へ向かって歩く。
…あまりに、無防備だな。一瞬で片を付けられそうだ。
老人が真下を通る直前、カインは槍を構えて飛び降りた。
…躊躇などする理由は、ついさっき捨て去ったばかりだ。

勝負は、あっけなかった。
カインは、真上から頭をかち割られうつぶせに倒れた老人の背中に、聖書を乗せた。
「神とやらが存在するのなら、その元に行くがよい」
…俺は行けまい。それを裏切った殺人者だからな。

カインは、老人の支給武器の笛を抜き取り、奥の十字架に投げつけた。
乾いた背徳の音が響くのを聞きながら、彼は教会を後にした。


【カイン 所持武器 ランスオブカイン 現在位置 アリアハン教会 
     行動方針 殺人者となり、ゲームに勝つ】

【ブライ 死亡】

ゴーレムの笛は放置。ブライがほかにも武器を持っていた可能性あり。
1771/2 不可抗力とお人よし:04/11/03 15:57:24 ID:JEZrVmtN
悪魔の作為か、神のいたずらか。
旅の扉を潜った青年を待ち受けていたのは、はるか下方に広がる茂みであった。
「え? え、お、おおおおおおい!?」
一瞬の浮遊感が身体を包む。実際は落っこちていたのだが。
拡大する地面、バランスを取ろうとするも間に合わず、頭から草むらの中へ――

――遠くから聞こえてくる若者の声。「もしもし」――「あのー」――
ああ、と彼は薄れる意識の中でため息をついた。
このまま自分は死ぬのだろうか。気絶した男なんて、殺し合いでは格好の獲物だ。
相手がよほどの馬鹿なお人よしでもない限り、このまま止めを刺される。
はは、なんて間抜けな死に方だろう。一生の笑いものだ。その一生ももうすぐ終わるだろうが。
ああ。せめて、死ぬ前に愛しい妻の料理をもう一度食べたかった。
アイツとパパスさんに会って一言話したかった。
それから、デールのことも気がかりだ。あいつは今一つ気弱で頼りないから。
そういやピエールのやつ元気してるかなあ。最後に会ったの八年前だっけ。
そうそう、コリンズにザリガニ釣り連れて行ってやる約束があったなあ。どうしよう。
そういえばアイツの子供たちの誕生日が近いとか言ってたな。プレゼント買ってないぞ。
あと、よく考えたら俺たちの結婚記念日ももうそろそろだったような……
1782/2 不可抗力とお人よし:04/11/03 16:03:01 ID:JEZrVmtN
(なんなんだ、この人ーッ!)
ソロは、焦点の合わない瞳で延々呟き続けている青年を見下ろしていた。
彼は元々、困っている人を見過ごせない性格の持ち主である。
世界を見通す竜神からも、魔界を統べた王からも、今時珍しいぐらいのお人よしと評されたほどである。
広間での無残な殺戮を見せ付けられてなお、殺し合いに乗る気が全く起きないどころか
一人でも多くの人を助ける方法を探そうと考える。彼はそういう人間だった。
だから、青年が旅の扉から中空に放り出されたのを見て慌ててやってきたのだ。
だが、そのソロでさえ助けるべきかどうか躊躇する。
それほど青年の姿は異様で、電波じみている。
(なんかやばい。逃げたほうがいいような気もする。だが人として、怪我人は助けるべきだ。
 でも正直関わりあいたくない、でも頭を打った人を見捨てるというのも……)
悩んで悩んで悩みぬいた末、ソロはようやく決断を下した。
「……よし。頭の傷だけ回復してあげて、すぐに逃げよう」
――それでいいのか、天空の勇者よ。

【ソロ(DQ4勇者) 現在位置:レーべ近くの茂み 所持品:不明
 第一行動方針:仲間と合流 第二行動方針:一人でも多くの人が助かる方法を探す】
【ヘンリー 現在位置:レーべ近くの茂み 所持品:不明 状態:混乱(軽度、放置で直る)
 第一行動方針:知り合いに会う】
179帰りを待つ人のため 1/2:04/11/03 16:56:58 ID:9eBosCiA
森の中、一人の男が怒りに満ちた表情で大きな木を殴りつける。衝撃で葉が舞い落ち、男の鉢巻が揺れた。
「くそっ…!ふざけやがって…」
決して大柄ではないが鍛えられた肉体。そんな身体に靴は不用なのだろうか、素足である。
そして拳法着に赤い鉢巻…典型的なモンクの格好をした彼の名は、ジオといった。
彼はこのゲームとあのふざけた魔女に、かつてない怒りを感じていた。
(あの女性は当然のことを言ったまでだ。何故殺されなくてはならない?殺し合いだと?俺に…俺にあいつを殺せというのか!)
ジオの心に、ある白魔道士の姿が浮かんだ。優しい笑顔。
彼女はジオにとって大切な仲間であり、それ以上の特別な存在でもあった。…秘めた思いだったが。
「あいつまで…巻き込みやがって…」
苦難の表情で再び木に八つ当りをする。と同時に、先程の数倍の量の葉が落ちてきた。
「…ッ! うわッ!!」
…ドガァァァッ!!!
ジオがそれに違和感を感じ、咄嗟に後ろへ飛ぶ。葉と一緒に落ちてきたそれは木の下で発光し―――小規模の爆発が起こった。
爆風の衝撃で茂みに吹き飛ばされるジオだが、すぐに体制を立て直す。大丈夫、怪我は無い。
(まさか、ずっと木の上に…!?んなバカな!)
その気配に気がつかなかったのは、頭に血が上っていたせいだけではないだろう。
気配断ちというやつか。…相手は自分と互角、いや、それ以上かもしれない。
(くそっ…次に会ったら、覚えてろ!)
ジオは逃げ出した。ここで死んだら彼女を守るどころではない。懸命な判断だった。
180帰りを待つ人のため 2/2:04/11/03 16:58:04 ID:9eBosCiA

(逃がしたか…)
ジオが走り去るのを確認し、赤いマントに羽帽子の男――赤魔道士ギルダーが木の上から降りてきた。
もう少し慎重になるのだった。そうすればきっと、確実に仕留められた。舌打ちする。
(…仕留める、か。何だか、動物を狩っているような言い回しだな)
彼は一人、苦笑した。世界を救う光の戦士である自分が…人を殺そうとしている。それも、こんなやり方で、だ。
突然殺し合いをしろ、と言われて戸惑い、一度は脱出できないかと考えたが―――彼はそれを無理だ、と判断した。
あんなとてつもない存在から逃れられるとは思えない。アレなら魔王ザンデを数十倍して二乗したほうがマシだ。
ここで戦わなければ死ぬのだろう、それだけだ。
(俺はこんなところで死ぬ訳には…いかないんだ)

ギルダーは目を閉じて、かつての旅の途中出会った少々お転婆なお姫様の姿を思い浮かべる。
…それは、約束だった。
彼女は自分の目を見て…少し寂しそうに、言ったのだ。『必ず、帰ってきて下さいね』 と。
その言葉に、自分ははっきりとこう答えた。『…ええ、必ず』
「必ず…帰るから、サラ」
自分は何があろうとも、帰らなくてはならないのだ。サラの元に。サラを悲しませてはならない。
(生き残るのは、俺だ)
自分の為に、自分の帰りを待つ大切な人の為に、生き残る。そのためには殺すしかないのだ。
例え相手が同じ光の戦士であったとしても、それは変わることはない。

【ジオ(FF1スーパーモンク):生存確認 現在位置:アリアハン北の橋より東の森の出口付近 所持品:不明
 第一行動方針:アリアハン方面に逃げる 第二行動方針:白魔道士を探し、守る】

【ギルダー(FF3赤魔道士):生存確認 現在位置:アリアハン北の橋より東の森の中 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×4
 第一行動方針:獲物を探す 最終行動方針:生き残る】
181天然僧侶と凶悪僧侶1/2:04/11/03 17:28:14 ID:zGX9veYg
ナジミの塔の最上階にて、一人だけ空気の違う人物がいた。
「どこに飛ばされるかと思ったら…なんだ懐かしいアリアハンじゃないですか」
そう、何の緊迫感も無い声でおっとりの述べていく。
かつて、勇者と共に冒険したとは思えないほどの緊迫感の無さである。
しかし彼女こそが、正真正銘、あの勇者と冒険した僧侶フルートなのだ
「えっと、何をするんでしたっけ。……そうでした、武器を確かめるんでした。」
そういって、彼女は袋の中から武器を取り出した、中から出てきたのは、剣とマフラーの二つだった。
「綺麗な剣ですね…軽いし、やっぱりこの剣は扱いやすいですね
 そしてこのマフラー、とっても暖かいです、少し寒かったから丁度良いですねぇ」
相変わらずおっとりとした口調で喋っている
剣の方は、不思議な妖力を持つ草薙の剣だった、彼女も一度手にしている。
マフラーのほうはとても暖かく、体に丁度良かった。
しかし彼女にとっては、只の防寒具としか思っていないこのマフラーが、伝説の防具をも上回る防御力を誇ることを、彼女は知らない。

「さて、元通りのアリアハンですし、ご飯でも食べますか。」
と、ザックの中からいそいそと食事を取り始めた。
塔の地面に綺麗に並べられたパン、フルートはそれを黙々と食べていた。
パンを綺麗に食べ終るその少し前、背後から迫る剣があった。
「あのときの恨み!おぅりゃあ!」
その威勢の良い声と共に現れたのは、盗賊カンダタ。
一度フルート達勇者に、懲らしめられている。
そして、改心したはずだが今になって復讐心が湧いてきたのだろう。
しかし、フルートは以前食事を続けている、何の警戒も無い…かに見えた。
182名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 17:31:24 ID:S9//jxls
>>173修正

二段二行目
誤 それを見てみると、あの三人の他におっさん、ビビ、フライヤ、ベアトリクス、あと…クジャ。
正 それを見てみると、あの三人の他にビビ、フライヤ、ベアトリクス、あと…クジャ。


人数8人にするのにジタン含めるの忘れてました。スタイナーはいないって確認したのになあ。推敲したんだが…。
ほんとに申し訳ない。指摘してくれた人ありがとう。
183天然僧侶と凶悪僧侶2/2:04/11/03 17:33:43 ID:zGX9veYg
剣は刺さった、だが深くない、そして…フルートのほうを見ると…?
「…てめェ……人が気持ち良く飯を食ってるときに邪魔すんじゃねぇよ!オラァ!」
と、いきなり強烈な罵声がカンダタを襲った。そう、フルートは強烈な二重人格なのである。
普段は天然とも言えるボケキャラだが一度キレると取り返しがつかなくなる、かつて勇者も手を焼いていた。
「う、うぉぉぉぉっ?!」
易々と剣を跳ね返されるカンダタ、そのまま反撃へ映ろうとするが…。
フルートは早かった、何せ元武闘家、素早さはかなりある。
そしてカンダタの腹に草薙の剣が斬りかかる、とんでもない速さで何回も斬り付けている
傍から見れば、これは完全に楽しんでいる、虐殺だ。
しかし、フルートの表情は怒り一色だった、理由は簡単。「食事の邪魔をされたから」
カンダタは、その猛攻を受けひとたまりも無く後ろによろめき頭から落ちていった。
頭から着地したカンダタは、砕けた頭から血を流しながら、薄れ行く意識の中で、彼はこう、呟いた。
「やっぱりやめときゃよかった」と。

戦闘の後、彼女は元の人格に戻った。
「あら?私は一体…ひゃあ、剣に血がついてるじゃないですか!」
それを自分がやったとも知らず、フルートは慌てふためいている。
しかし、一定時間の後、落ち着きを取り戻し、パンの最後のひとかけらを食べた。
その後、塔から真下を見下ろしてみた。
「おや?あそこに人が…会って見ますか」
そうしてフルートは、塔から飛び降りた。

【フルート(DQ3僧侶、元武闘家) 生存確認 所持品:草薙の剣 スノーマフラー
現在位置:ナジミの塔最上階西側
行動方針:塔の下の人と会ってみる】

【カンダタ 死亡】
カンダタの剣がナジミの塔天井に放置されています
また、カンダタ死亡地点(ナジミの塔付近の東)にカンダタのアイテムが1〜2個放置されています。

#修正#リルムたちの現在位置、ナジミの塔付近西側
方角を書いてませんでした、申し訳ないです。
184182:04/11/03 17:35:00 ID:S9//jxls
作品わってしまった…リロードしてなかったよ…

重ね重ね申し訳無い…orz >>181
回線きって首吊りってお詫びを…(鬱氏
185名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 17:38:11 ID:zGX9veYg
>>184
いえいえ、こんな作品割り込んだぐらいで回線切らんでください。
全然気にしてません。
186修正:04/11/03 17:41:20 ID:zGX9veYg
自分が首を吊らねば。_no
×そうしてフルートは、塔から飛び降りた。
○そしてフルートは、塔から走って降りていった。
です、重ね重ね申し訳ないです。
187賢者と…:04/11/03 20:56:52 ID:x+14jlpy
「殺し合い……殺し合いって…ねぇ?」

レーベの村の真ん中で、誰にいうとも無く呟いていた青年がいた。
彼の名はセージ。皮肉にも殺し合いの場として選ばれたこの地で「賢者」と呼ばれている青年だ。
蒼く、そして女性のように伸びた髪が風で揺らぐ。

彼は眼を閉じて静かに考えていた。
悟りを開いて時が過ぎ、闇から世界を救って時が過ぎ……そしてこのような殺し合い。
また自分は人を殺して時が過ぎていくのを感じるのだろうか。

それは嫌だった。
世界を救った人間としてのプライドが許さなかった。

「さぁて、行こうか」
目を開けてそう言うと、彼は歩き出した。
街の外へと向かうつもりである。歩きなれた道は彼の足を進ませる。

だが出口に近づいたその時、草叢から金色の何かが見えているのに気付いた。
188賢者と…:04/11/03 21:11:01 ID:x+14jlpy
「金色の何か」、それは髪だった。
後ろの髪を短く切りそろえている子どものようだ。

「頭隠して尻隠さず…いや、逆か」
そう言って苦笑すると、草叢へと近づいてこう言った。
「出てきなよ。取って喰ったりしないよ?僕はグルメだからね」
言ったが、隠れている子どもは出てこようとしなかった。
それを確認すると、更に言葉を続ける事にした。
「そりゃあまぁ…警戒するよねぇ。でもなんか僕だけ警戒を解くってのもフェアじゃないなぁ」
そして最後に一言。
「出てきなよ、ね?」

最後の言葉から、ほんの数秒。
草叢の中から金髪の少女が出てきた。
隠れていた場所が場所だっただけに、服や顔が少し汚れている。

そして、泣いていた。
声を押し殺しているのか、静かに震えている。

「………」
その姿を静かにセージは見つめる。
そして目線を合わせるように腰を下ろした。
189賢者と…:04/11/03 21:53:15 ID:x+14jlpy
すると少女は泣くのを…少しずつだが止めていった。
それをじっと何も言わずに待つセージの前で、震えながらこう言った。
「あなたも…ひっく…あんなに人を……ぅっ、殺すの?」

少女が見た光景。
大人たちに埋もれて何も見えなかった少女が、苦労してやっと見た光景はあの惨劇だった。
爆発音、飛んでいく首。小さな少女にはそれが大きな苦しみになった。
"殺されたくも殺したくもない"という強い願いが、少女をあの行動に駆り立てたのだった。

「大丈夫」
セージは静かに微笑んで、そう言った。
「大丈夫。君にもそんなことはさせないし、僕もそんな事しない。
 ……もし信用してくれるなら、一緒にいかない?」

そう言うと、少女はこちらに駆けてきた。
そして顔をセージの胸に埋めて、泣き始めた。

旗から見るとアンバランスな、2人の静かな戦いが始まろうとしていた。

190賢者と…:04/11/03 22:08:00 ID:x+14jlpy
「そうか、お兄ちゃんとはぐれちゃったのか」
「うん…あたしはずっとお兄ちゃんも一緒にいようと思ってたのに…」
話をしながら二人はレーベから少し離れた街道を歩いていた。

何気の無い話から、セージが判った事。
まず少女の名前。「タバサ」と言うらしい。
そしてタバサが「レックス」という双子の兄とはぐれたという事。
名簿上で名前が遠く離れていたのが仇となったらしい。
更にこの少女が非常に強い魔力を宿していることと、強い意志を持ち合わせている事。
この2つは…特に魔力は、一般の魔道師よりも強大だろうという事だった。

それらを知った上で、彼はこれからの道を決めた。
まずはレックスを探す。そしてかつての仲間と対面したなら、行動を共にするよう説得する。
以上の2点を、自分達の行動方針にした。

「とりあえず、僕の知っている限りの場所を探してみようか。森や砂漠以外の場所でね」
「わかった。セージお兄さんと一緒なら、きっと見つけられるよね?」
「"きっと"?違う違う」
「ぇ?」
「"絶対"だよ」

【セージ(DQ3賢者、元不明) 生存確認 所持品:不明
現在位置:レーベの村東 行動方針:レックスを探す】

【タバサ(DQ5王女) 生存確認 所持品:不明
現在位置:レーベの村東 行動方針:セージに着いて行く】
1911/2 ロマンティックな夢を求めて:04/11/03 22:41:21 ID:JEZrVmtN
ロマンティックじゃねえな、とサイファーは思った。
このゲーム、この状況、不満に思うのは当たり前だが
サイファーの抱えている不満は、普通の人が思うそれと少々ベクトルが違う。
殺しあうことに抵抗感があるわけではない。
敵の命を奪えないようではSeedはおろか、ガーデンにすらいられない。
問題は、自分が百人の中の一人に過ぎないということだ。
これがもし、「千人と戦って勝ち抜け」という内容だったら喜んで従っていただろう。
自分一人だけが受け立つ者だからだ。
千人の挑戦者を切り捨ててなお、会場に立ちつづけるチャンピオン。そこには英雄のロマンがある。
だが、今はどうだ。
チャンピオンでもない、魔女の騎士でもない。司令官でもない。
特別でもなんでもない、百個以上ある駒の中の一つ。
それが今の自分だ。まったくもって夢のない話じゃないか。

サイファーはふてくされたように、ごろりと地面に寝転ぶ。
「魔女の騎士、ロマンティックな夢……憧れてたんだがな」
現実は優しくない。まったくもって優しくない。
こう言ったのは誰だったか。別にどうでもいいことだが。
彼は半ば投げやりな気分で、重なり合う木の葉の間から空を見上げた。
本ですら知らない異郷の地でも、空の色だけはバラムと変わらない。
それがサイファーにわずかな安らぎを与える。
だが次の瞬間、そんな気分は呆気なく打ち砕かれた。
「きゃああーーーっ!」
絹を裂くような悲鳴が、森中にこだましたからだ。
1922/2 ロマンティックな夢を求めて:04/11/03 22:44:17 ID:JEZrVmtN
反射的に身を起こしたサイファーの前に、一人の少女が飛び出した。
美しい少女だった。天使のような顔立ち、汚れを知らぬ瞳、エルフを思わせる尖った耳…まるで物語から飛び出したような。
「待て! 逃がすか!」
そして彼女のすぐ後ろから、一人の男が姿を見せた。
少女はこの男に襲われて、必死で逃げてきたのだろう。
手足は擦り傷だらけで、息は上がり、髪もドレスも乱れている。
「あ、あ……」
少女は、前に立つサイファーと背後の男を交互に見つめ、身を硬くした。
おそらく死を覚悟したことだろう。ここは殺し合いの会場なのだから。
だが、サイファーにはなぜか少女を殺めようという気にはならなかった。
「追われてるのか?」
サイファーの問いに、少女も男も呆然としていた。質問の意味がわからなかったのかもしれない。
「おい、こいつに追われてるのか?」
もう一度聞いた。少女はようやく正気づいて、かすかにうなずく。
サイファーは小さく笑って、少女を庇うように踊り出た。
突っ立っていた男が怒号を発する。「貴様、邪魔をする気か!?」
今だ震えの止まらぬ少女がか細い声を出す。「なぜ…?」
その答えは、正直なところサイファー自身にもわかっていない。だが、あえていうならば――
「若き騎士が悪党に追われる少女を助ける、ロ〜〜〜マンティックな話じゃねえか」

【サイファー 現在位置:アリアハン南の森 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)
 第一行動方針:少女(ロザリー)を助ける 第二行動方針:不明】
【ロザリー 現在位置:アリアハン南の森 所持品:不明
 第一行動方針:ピサロに会う 第二行動方針:とにかく逃げる】
【リヴァイアサンに(略) 現在位置:アリアハン南の森 所持品:アイスブランド、不明
 第一行動方針:ゲームに乗る】
193すぐそこにある狂気:04/11/03 23:45:58 ID:GUvVMhgc
降り立ったのはレーべの村の民家の中。
窓から外を見ると、辺りには人の気配が無かった。猫の子一匹居ない。今のところは。
ティファはぞっとした。
本当に、もう逃げられないのだ。これは現実なのだ。
クラウドたちはどうしたのだろうか。その姿は見当たらない。
おそらくは別々に違う場所に飛ばされたのだろう。探せばどこかにいるはず。
それでもティファは複雑な気分にならずにはいられなかった。
やっぱり、みんなで殺し合うのか、もう逃げられないのか。と。
いや。ともかく、しばらくは様子を見よう。
そこから糸口が掴めるかも知れない。
腹を決めてベットの上に座り込むと、ティファは支給された袋の中を探ってみた。
入っていたのは先の説明でティアマトの言っていた物が一通り。
それから、袋の底のほうからから一枚の紙と共に重い鉄の塊が出てきた。
一瞬それが何なのかティファは理解する事にに躊躇した。
それは、どこをどう見ても、拳銃だったのだ。
一緒になっている紙は説明書のようだったが、専門用語だらけの為わけが解らない。
理解できたのは、COLT GOVERNMENT M1911A1、
というのがこの銃の名前らしいという事ぐらいか。
それから、いかにも殺傷力がありそうな一振りのナイフも一緒に付属していた。
いずれにせよ、冗談じゃない。
ティファは銃とナイフを袋の底に押し込んだ。

…狂ってる。何なのよ、これ。

殺し合いですって?冗談じゃないわ。仲間同士とも殺し合うなんて!
…いや、落ち着け…落ち着け。今はクラウドと合流することが一番だ。出来ればバレットたちとも。
ティファはしばらく考え込んでいたが、覚悟を決めるとゆっくりとドアを開け、
警戒しながら民家の外へと足を踏み出した。


【ティファ 現在位置:レーベの村の民家 所持品:コルトガバメント(予備弾倉×5)、エアナイフ
行動方針:クラウド、バレット達との合流】
194名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 23:46:35 ID:kj7ykIuh
木の葉の浮いた水たまりが風に煽られて揺れた。
遠くから、森の住人である動物の鳴き声が響いてきて、ピサロの耳を打った。
それに混じって、何者かの足音が近づいてくる。
非常に発達した聴覚で、遠く離れた場所にいる獣の声と参加者であろう者の忍び寄る音を聞き分けていた。

彼は重傷を負い、大木に寄りそって息をひそめていた。
彼らしくもない、大して警戒もせずうかつに開いたザックの中で爆弾が破裂したのだ。
全身が傷つき血にまみれ、美しいはずの銀髪も醜く焼け焦げていた。
魔族の貴公子たる己がそのような様になりはてて良いはずがなく、誰も見ていないこの森のなかで
懸命に平常であることを装っていた。
時おり苦痛の表情をうかべて、悲しい呻き声をあげながら。
自分の振る舞いに痛々しさを感じながら。
ピサロはうつむいたまま足を伸ばし、その先にある水面を蹴った。


立ち止まる足音。
――人だ
ビビはたった今ここに来て、それを見た。
しゃがんで動かなくなった人が木にもたれかかっているところだ。
「生きてるの……?」
うなだれてまったく動かない人の体を見るのは、辛いものだった。
もし、死んでしまっているのなら、弔ってあげないといけない。
ジタンやフライヤたちに、そう教わったのだ。
勇気をもって歩み寄る、そう決めた。


ビビはその焼け焦げてもまだ美しさの損なわれていない不思議な男に近づいた。
近づくにつれて妙な気分にとらわれるようになった。
力にひきつけられるような、呼ばれているような、そんな感覚。
いったいどんな人なんだろう。ビビはもうどうしても知りたくなっていた。
195名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 23:48:05 ID:kj7ykIuh
そして、足をとめ、顔を覗きこもうとした、
そのとき、
「わっ」
突然男の手がのびて、ビビの顔を両手ではさんだ。
ぐっと引き寄せられて、顔と顔がぶつかりそうになるくらい接近した。
「は、はなして」
きっと、この人はゲームにのっているんだ、このままだと殺されちゃう。
ビビは手をふりほどこうと、両足をじたばたさせて暴れた。
手や足が男の体にばしばしぶつかるが、まるでびくともしない。ぐいぐい両手で押さえつけられ、
顔がつぶれてしまいそうだ。力じゃ勝てそうにない。
もうこうなったら魔法だ。
ビビはがむしゃらになって炎の魔法の名を呼ぼうとした。
「ファイッ……」
すると、ビビの顔を掴んでいる手から力がぬけた。

「……」
ビビが飛び退き二人は向かいあった。両者とも動かない。
ピサロは、星のようなビビの瞳を何度もまばたきしながらのぞきこんだ。
ビビは、両手を前にだし、荒い息をつきながらピサロの目を見据えている。
ちょっとでも動いたら、魔法を使うよ、と。
両者の間に緊張が走る。ゆっくりと時間が流れる。
ビビが口を開く。
「ボクは戦いたくないよ。なのに、なんでこんなことしなくちゃいけないんだろう……」
悲しいビビの告白だ。

しばらく時間が過ぎた。
木漏れ日がさしこんで、二人の場を照らす。
思い出したかのようにピサロが言葉を口にする。
「人間ではないのか……」
その言葉には自嘲気味の笑いが含まれていた。
196名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 23:50:48 ID:kj7ykIuh
「えっ」
「人間ならば迷いもせず殺していたものを……」
ピサロは血を吐いてうなだれた。草の上に赤い粘液がぼたぼたとこぼれ落ちた。

辺りは小さなざわめきやささやきに包まれていた。小鳥のさえずりが聞こえて、森の清らかな空気がながれ
喉かといっていいほどだった。
それと逆にビビはピサロの様子に心を乱され、激しい鼓動が体じゅうを駆け巡っていた。
――たすけてあげなきゃいけないんじゃ
ピサロはビビの心を読みとったかのように呟く。
「くく……、幼子に身を案じられる……。これでも魔王か……」
ビビはもう何も考えずに駆け寄っていた。ピサロの手をとり声をかける。
「だ、だいじょうぶ?」
ピサロはうつむいたままだ。
「ごめん、ボク回復魔法がつかえないんだ……。ダガーかエーコがいればよかったんだけど。
 ……でも、なんとかしなくちゃね。ポーションさがしてくるよ!」
「いや、必要ない……」
ピサロはわずかに首をふった
「でもこんなひどいケガじゃ」
「回復魔法は使える」
「えっ」
ビビはきょとんとしてピサロを見つめた。
「ただ、先程から魔力を高めているんだが、どうも上手くいかん。この大陸で魔力の行使を妨害する動きが
 あるようだ…」
ビビは話をじっと聞いていた。
「魔法がつかいにくい場所ってこと?」
ピサロはうなずいた。
「ああ、回復するまで時間がかかりそうだ……お前は、一緒に行きたければ、ここでしばらく待っていろ」

【ピサロ 現在位置:レーベ東の森中央付近 支給品:スプラッシャー、魔石バハムート(召喚可)
 爆弾(爆発後消滅)
 行動方針:ある程度回復するまで待機
 ビビ   支給品:?  行動方針:ピサロと共にいる
197出会い系1/2:04/11/04 01:04:25 ID:m5H7AQ5U
「誰か聞こえる!?聞こえるのなら返事をして!」
…返事はまだ来ない。


―数分前―
湖に映る自分の姿を見て、ため息をつくバーバラ。
ここは夢の世界なのか、現実の世界なのか、それとも全く別の世界なのか?
気が付いたら薄暗い大広間にいて、危険なゲームの選手となっている自分。
判っているのはこの悪夢から抜け出せない事だけである。

「どうしよう…、殺し合いだなんて…」
もちろん殺す気もなければ殺される気もない。
自分が現実で一度死んだ身だとしても、殺されるのなんて御免。
「みんなどうしてるのかな…。こんなところで再会するかもしれないなんて。」
イザやハッサンらの仲間達や知人も何人かもこの場にいる。
彼らに会えれば心強いし、すぐに探しに行きたい所だが、下手に動けば何者かに狙われる可能性も高い。

とりあえず状況把握の為に袋の中身を確認しようと、中を覗き込んでみるが
「うわぁ、何これ?」
袋を覗くと数種類の草がぎっしりと詰まっていて、ちょっと臭う。
薬草や毒消し草のように知ってるものもあれば、見た事がないのも沢山と。
198出会い系2/2:04/11/04 01:07:58 ID:m5H7AQ5U
袋の中には各草の写真と効果の記述されている説明書も入っていた。
「なにか役に立ちそうなのはないかしら…」
一通り目を通すと、アホみたいな名前の草が1つあった。
"ひそひ草"
その名前を見た瞬間妙な脱力感に襲われるが、説明文を読むと驚きに目を見開いた。

「つがいのひそひ草を持つ人と会話が出来る。って、嘘!?」
もし本当なら、この草を持っている人がいて、話が出来るかもしれない。
相手が殺人に乗った者や危険人物である可能性もある。
誰も呼びかけに応じる者がいないかもしれない。
「でも、他に出来る事も少ないし、試してみる価値はあるよね。」

「おーい、誰か聞こえる!?聞こえるのなら返事をして!」
ひそひ草に向かって語り続け、返事を待つ…。

【バーバラ 現在位置:いざないの洞窟入口の湖近く
 所持品:ひそひ草、その他様々な種類の草がたくさん入っている(説明書あり)
 第一行動方針:ひそひ草の返答を待つ】
199名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/04 01:12:25 ID:dl/lS1AW
「どーせならもうちょっと気分のいいところからスタートしたかったよね」
ぶすっとした顔で独り言を言うリュック。
薄暗い洞窟の壁によりかかり、彼女はこれからのことを考えていた。

殺し合いをするべく集められたメンバー――あの部屋の中には彼女の見知った顔もあった。
ユウナん、パイン、そして
「ティーダにアーロン……か」
再会することは恐らくないと思っていたが、こんな形で再会できても嬉しくない。
もっとも、彼らのことだから、よっぽどのことでもない限りこんなふざけたゲームには
乗らないだろう。それが唯一の救い。

「うっし、とにかく皆と合流しなきゃ!」
両頬をパン!と叩いて気合いを入れると、ふと思い出したように彼女は袋の中身を覗き込む。
ナイフ、スカート、それから――何これ?傘?
とにかく、ナイフがあるのはありがたい。リュックはひとまずナイフを取り出すと
適当に見当をつけた方向へと歩き出した。
「アタシは伝説のガードなんだから、こんなゲームもチョチョイってやって
 どーにかしてやるんだから!」
あんなむっかつくオバハンの思い通りになんか、なってやらないからねーだ!

【リュック 現在位置:いざないの洞窟B1F 
 所持品:バリアントナイフ、マジカルスカート、アンブレラ
 第一行動方針:仲間達との合流(仲間の中でもユウナを最優先して探します)】
200199:04/11/04 01:17:22 ID:dl/lS1AW
補足です。

【リュック(ドレス:シーフ) 現在位置:いざないの洞窟B1F 
 所持品:バリアントナイフ、マジカルスカート、アンブレラ
 第一行動方針:仲間達との合流(仲間の中でもユウナを最優先して探します)】
201名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/04 11:04:27 ID:OSKjlniJ
ルイーダの酒場のカウンターで、ローグは悩みつづけていた。
元の世界での仲間と合流するべきか、多少危険でも一人で行動するべきか。
支給品がどう見てもハズレ――妙なフォーク一個だということを入れなくても、仲間は多いほうがいい。
だが、問題は仲間たちの性格だった。
すごろく場はまだしも、神竜相手に「エッチな本」まで要求した勇者。(まあ、本当によこす神竜も神竜だが)
二重人格で、どちらの性格でも手に余るフルート。
何考えているのかわからないがとにかく自信家で、正義感も強いがプライドも同じくらい高いセージ。
一番まともなのが、一番まともに見えない職業「盗賊」の自分なのだから笑うしかない。

「協力させても俺の足を引っ張る……だろうな、あいつらなら」
彼はゲームに乗るのではなく、それ以外の方法で終わらせる――つまり、首輪を外す方法を探すつもりだった。
しかし仲間たちの性格では、協力させたところでミスや事故を引き起こす可能性が高い。
呪文の使えないローグとしては、解呪・解錠系の呪文を心得ている協力者がほしいのだが……
問題は仲間たち以外に、平和主義者でそういった呪文に精通していて、かつしっかりした性格の人物がいるかどうかだ。
「最悪の場合、誰を頼るか……やっぱセージの野郎か?」
勇者は呪文を使えるが、さほど詳しいわけでもない。
フルートは論外だ。キレたら仲間でも殺される。
勇者の父親・オルテガを頼りにすることも考えたが、すぐに諦めた。
いくらなんでも面識が少なすぎる。
ゾーマの城と、神竜に三個目の願いを叶えてもらった後で勇者の家に泊まった時、
その二回だけしか顔を合わせていないし、ましてや直接話したことなど一度もないのだ。
それに呪文が使えることは知っているが、だからといって呪文の知識を持っているとは限らない。
となると、残るはセージだけだ。あまり気が進まないが。
「ちくしょう、一人ぐらい普通の性格で呪文に詳しくて頭が良くて腕が立つ心優しい人間はいねーのか!」
そんな完璧超人がそうそういるわけないと思いつつも、ローグは叫ばずにいられなかった

【ローグ(男盗賊) 現在地:ルイーダの酒場一階 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:協力者かセージを探す 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】
202精霊と勇者と:04/11/04 14:22:25 ID:G/yBC3N4
ロトの勇者、アレフは洞窟の中、今正直に迷っていた。
なぜなら彼の目前に――――
「お願い!力を貸してくれないかな??」
そう、もこもこした物体が自分に話し掛けてきたのだ。
可愛い外見で、とてもこのふざけたゲームに乗っているとは思えない。
しかし、人間ではない、もしかすると襲われるかもしれない。
そうやって、支給武器の小手を装備しながら、対峙していた。
素手という不利な条件の中彼は一時も物体から意識を離さなかった
「言え、用件を言え。」
と重く答える。
そして、その奇妙な物体は泣きそうなで答えた。
「テリーっていう、僕ぐらいの小さな青い帽子を被った子を探してるんだ、彼がいないと、タイジュは――――」
突如、そこでその物体は言葉を切る。
そして、迷いを振り払うかのごとく首を横に振った。
「ううん、なんでもないよ。とにかく力を貸してほしいんだ!お願い!僕のこれならあげるから!」
と、その物体は頭を下げ始めた、ペコペコと。
それと同時に、アレフの目の前に剣と鎧が落ちてきた。
(敵意は無い、ならば――――)
と彼は、腕をぶらりと下げ、警戒を解いた。
「事情はわかった、そのテリー君というのを探してあげよう、僕も探さなければならない人がいる…」
そう、彼もこのゲームに巻き込まれた、ある人物を探しているのだ。
それは、ラタドーム城の姫、ローラだった。
「この剣は使わせてもらうよ、でもこれはどうも僕の腕には填まらない、君が使うといいよ。」
と言って、一つの腕輪を投げ出した。
それを拾い、その物体は笑顔で答えた。
「ありがとう、アレフ!僕はわたぼう、よろしくね!」
そして、握手を交わしたのである。
アレフは知らなかった、このわたぼうと名乗るものがタイジュという国の精霊で、魔王を遥かに上回る力をもつことを。

【アレフ 生存確認 現在地:いざないの洞窟最深部 所持品:メタルキングの剣 刃の鎧 クリスタルの小手
 わたぼう 生存確認 現在地:同上 所持品:星降る腕輪
 第一行動方針:テリーとローラを探す】
203喪失:04/11/04 20:11:45 ID:EBKaqxrS
それは、はたから見れば正常な状態に見えただろうか。
あの惨劇を前に狂気に身を包む事も無く、涙を流す事も無く、それは確かにその個室にいた。

「…俺、は、…何、何で、こんな」
たどたどしく、無機質な声で言葉を繋げていく。彼は自分の状態を疑問に"思おうとした"。
(上手く、いかない…)
「駄目だ、こんな、…アルティミシア」
今度は、憎むべき相手の名前を声に出す。
そうすればきっと憎くてたまらなくなるだろうと考えての事であった。
でもそれも、(上手くいかない)
「―――ッ…」
彼は自分の状態に、恐怖を感じ"ようとした"。唇を噛んで目を開き、息を飲んだ。
確かにほんの一瞬だけ、恐怖を感じた時の表情を形作ったが…
それはあくまでも『演技』の部類に入るようなもので、すぐにまたその顔から表情が抜け落ち無表情に戻る。
「………」
彼はしばらく、無表情のまま頭を抱えていた。
しかし数分後、ゆっくりと腰を上げ、ゆっくりとザックから支給品である大きな盾を取り出し手にした。
もう、先程までの行為は時間の無駄だったと思うことにした。いや、考える事にした。
そうでもしないと(自分が、消えて、しまいそうだ)
…ドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。自分がこれからどうするべきか…わからない。

フリオニール。彼は首を失ったマリアを見たその瞬間から、感情の一切が麻痺し何も感じなくなってしまっていた。
空虚に満たされた心の奥底、その隅のほうに沈んだ理性では、泣きたい、叫びたい、狂いたいと確かに欲していた。
狂って殺人鬼と化してしまえれば。マリアの仇を取る事が出来れば。…どんなに楽だろうか?
しかしそれは、今の彼にはとても無理な事であった。

【フリオニール(感情喪失):生存確認 現在位置:レーベの村民家一階→レーベの村 所持品:天空の盾
 第一行動方針:ただ歩く】
※天空の盾は現在では、持ち主に近づくまでの間なら一応扱えます。
204一緒 1/2:04/11/04 22:16:24 ID:OSKjlniJ
「お茶、いれましょうか?」「ああ」
お城の中にあった台所。そこで私はお湯を沸かす。
彼――たった今出会ったばかりの旅の方は、大きなテーブルに突っ伏しながら、ぼんやりと窓の外を見ている。
疲れているのだろうか。それとも、こういうだらけたポーズが好きなのだろうか。
どちらの理由でも構わないけれど。

「……あーあ、あいつやハッサンやバーバラは大丈夫かな」
「お友達ですか?」
カップに注いだ紅茶を運びながら私は聞いた。
「友達というか、仲間だな」
「きっと優しい人たちなのでしょうね」
「ああ、機会があったら君にも紹介するよ」
「ありがとうございます」と微笑みながら、私は紅茶を差し出す。
「これでうまいケーキがあればいいんだけどな」
彼はそう言って、砂糖も入れずにそのままぐいっと飲み干した。
私はダメだ。ミルクを入れて冷まさないと飲めそうにない。
205一緒 2/2:04/11/04 22:19:39 ID:OSKjlniJ
ようやく飲める熱さになったようだ。私はゆっくりと、緋色の液体を口に運ぶ。。
「おいしいですね」
自分で入れた紅茶を自分で誉めたのはやはり変だったのだろうか。彼の返事は無い。
「ごめんなさい、付き合わせてしまって」
やっぱり返事は戻ってこない。仕方ないけれど。
「本当は一人でいくつもりでした。
 でも、怖かった。たまらなく怖くて決意がつかなかったとき、あなたが現れて」
どこから吹いた風なのか。彼の髪が静かに揺れた。
「嬉しかったです。私のことを気遣ってくれて。一緒に行こうと誘ってくれて。
 私、とても嬉しかったんです。だからこんなことをしてしまいました」
彼は答えない。答えられない。
「覚めない悪夢の世界にいるより、永遠の眠りにつきたかった。
 絶望の中誰かに殺されて死ぬぐらいなら、少しでも安らいだ気分の中で逝きたかった」
ただ、命の抜けた体だけが、椅子にもたれかかっている。
もうすぐ私も彼のようになるのだろう。
「ごめんなさい、旅の人。身勝手な願いに付き合わせてしまって。
 ごめんなさい、勇者様。あなたのことを置いて逝ってしまって」
やがて体が痺れ始め、視界が白く濁りだしてきた。
バランスを保っていられずに、懐に入れたままの小瓶を落として割ってしまう。
中身は無い。全部、二人分の紅茶に入れてしまった……
「――さようなら」
それが私の最期の言葉になった。

【アモス死亡】【ローラ死亡】
*ローラの支給品は毒薬で使用済み、アモスの支給品は不明。
*現在位置は【アリアハン城の台所】
206レディには親切に 1/2:04/11/05 01:21:58 ID:55BEymfp
教会の中央で血に塗れて事切れている老人を目にして、エドガーは思わず唇を噛み締めた。
「――何てことだ」
低くうめく。

誰かが、乗ったのだ。
悪夢のゲームに。殺戮という名の誘惑に。

一体誰が。
仲間達の誰かか、それとも見知らぬ誰かか。
もし自分がもう少し早くここに足を踏み入れていたら、冷たくなっていたのは
自分だったかも知れない。
心臓が絞め付けられるようなプレッシャーを感じて、エドガーは後ろ手でしっかりと
今入ってきたばかりの教会の扉を閉めた。

『……い……』

「うわっ!?」
聞こえてきたかすかな声に、エドガーは文字通り飛び上がった。
慌てて教会の中を見回すが、人影らしき物はない。
まさかと老人に駆け寄るが、その体はすでに温もりを失っている。
心霊現象――というところまで彼の考えが飛躍したところで

『……えてる?……』

再びかすかな――女の声。
207レディには親切に 2/2:04/11/05 01:25:21 ID:55BEymfp
エドガーはふと思いついて、老人の支給袋の中を探った。中から現れたのは――草。
『おーい』
そして、その草からははっきりと先ほどの女の声が聞こえてきた。
(これは……こんな草が通信装置の役割を果たすのか!?)
祖国の機械技師達が知ったら目が点になるに違いない、是非とも持って帰ろう、と固く
心に誓うエドガー。
持って帰ろう。
もし、帰れるならば。

「……もしもし、レディ?私の声が聞こえるなら、麗しき貴女のお名前を教えていただきたい」
対女性用のトーンで語りかけたエドガー。しばしの沈黙の後、彼の持つひそひ草から
僅かに戸惑った、だがはっきりとした「……バーバラよ」という返事があった。

【エドガー 現在位置:アリアハン教会  所持品:ひそひ草(ブライの支給品から取りました)
 (エドガー自身の支給品はまだ不明です) 行動方針:バーバラとのコンタクト?】
208占いネコ 1/2:04/11/05 01:45:58 ID:sOLK3WHX
暗くてジメジメした洞窟を、リュカは一人でサクサク進んでいた。
もちろん警戒は怠っていない。洞窟探索など慣れたものだ。
ただいつもと違うのは、命を預けられる仲間がいないことと、洞窟の陰に潜むのが魔物ではなく、
このゲームの参加者だ、ということぐらいだろうか。
(あっ、でも参加者に魔物もいた気がする・・・)
頭の隅でそんなことを考えながら、足は止めない。
動けばゲームに乗っている連中に見つかる危険もあるが、地理を把握しなければ逃げるときが困る。
それに、早く家族や仲間達、親友に再会したい気持ちが強かった。

角を曲がると、袋小路だった。
頭の中に描いた洞窟の略地図に×をつけ、そのままそこを去ろうと踵を返す。
と、その時、リュカはなんとも奇妙なものを見た気がして、もう一度振り返った。
震える王冠が浮かんでいる?
正確には、岩陰に隠れたのに、頭の上の王冠だけ隠し切れなかったというところか。
「あの、その王冠は脱いだほうがいいよ。光って目立つし」
とりあえずそう言ってみると、往還はビクッと揺れて、すごすごと岩陰の中に消えていった。
王冠さえなくなれば、そこに誰かがいるとはわからないのだが・・・。
「ねぇ、俺の他に、ここには誰か来なかったかい?」
とにかく、誰かいるなら聞いてみるべきだろう。
怯えて隠れているなら、ゲームに乗っている訳ではなさそうだし。
「あんさん人捜しか?こんなけったいなゲームの中で、なんでそんな危険冒す気になるん?」
「うん。まぁ、大切な人たちだからね」
「ボクはここに来てから、誰も会わんかったけど・・・ちょっと待ってぇな」
そういわれて少し待つと、何と岩陰から王冠をかぶったネコが出てきた。
「・・・君、魔物?」
「失礼やなー。ボクは占いマシーンのケット・シーや。
 兄さんいい人っぽいから占ってやろ思たんに、やめましょか?」
「あ、ゴメン。僕はリュカって言うんだ。捜しているのは家族とか仲間とか、親友なんだけど」
「ふうん、リュカさんか。ほな、占ってみましょか」
209占いネコ 2/2:04/11/05 01:46:53 ID:sOLK3WHX
ケット・シーがそういうと、今度は袋小路のずっと奥、最初ケット・シーが隠れていた岩より
ずっと大きい岩陰から、よくわからないピンクのデカブツが動き出した。
リュカにはこいつこそ魔物ではないかと思われたが、ケット・シーが素早くそいつの頭上に納まり、
次いでケット・シーがそいつの全身を揺り動かしだすと、攻撃するのもままならず、
ただじっと事態を静観するのに努めた。
「出ましたでーって、あっ、アカン。これ間違いや。前に使うた分残っとった」
「出たって、占い、なんて出たのさ?」
 ピンクの物体、デブモーグリ人形から出てきた紙を、リュカはケット・シーから掠め取る。

『求めれば必ず会えます。しかし、大切なものを失います』

紙にはそうとだけ、書かれていた。
「あー、ボクの占いって外れるんで有名やから、気にせんほうがいいですよ?」
ケット・シーの気休めを聞き流すリュカの手は、占いの結果を握りしめて震えていた。
「ありがとう。とりあえず急げってことだけはわかったよ」
 リュカにとって、最も大切なものとは家族だ。求めて、会えて、それで失っては元も子もない。
早く探し出して守らなければ・・・。
リュカはそのままそこを後にしようとする。それをケット・シーが遮った。
「ちょい待ちい。占い屋ケットシーとしてはこんな占い不本意なんです。
 きっちり見届けんと気持ちがおさまらん。一緒に連れてってもらいますよ」
リュカは立ち止まり、まくしたてるケット・シーをまじまじと見つめる。
ケット・シーはなんだか気恥ずかしくなった。
「本当は、一人でここに隠れとるんも怖いから、連れてってほしいだけです」
気恥ずかしさのあまり、思わず本音が出るほどだった。
リュカはにっこり笑い、それを肯定の返事に変えた。

【リュカ(DQ5主人公) 現在位置:岬の洞窟 所持品:不明
 第一行動方針:家族を探す 第二行動方針:仲間とヘンリーを捜す】
【ケット・シー 現在位置:岬の洞窟 所持品:不明
 第一行動方針:リュカに従う 第二行動方針:生き延びる方向で臨機応変】
210独自の美の感覚1/3:04/11/05 04:45:33 ID:VirIW4gc
アリアハン王城謁見の間。
鎖国しているとはいっても、自国民、他国民に威厳を見せつけるために様々な装飾品や絵画が飾られている。
窓から見える美しき町並みと広大な平野は、ここが殺し合いの舞台であると忘れさせてくれるくらいの、のびのびとした風景である。
そして、その向こうには、太陽の光を受けてきらきらと輝く湖、荘厳さを感じさせる古き塔。
さらに向こうに広がる、岬を覆い尽くす森林地帯の鮮やかな緑色との相乗効果もあいまって、絶妙な美しさを醸し出している。

そして、その風景を見ている者がいる。
その男は豪華なマントを身にまとい、頭には羽の付いた帽子をかぶり、右手の指には赤い石の付いた大きな指輪をはめている。
後ろにはレオタードを着た、緑色の髪をした女。旅の扉に飛び込んでこの世界に到達するやいなや、
このわけの分からない人物に出会い、対応に困っているらしい。
「素晴らしい… 邪悪な闇に包まれた景観もいいが、朝の光にやわらかくくるみ込まれた景観もよい。そうは思わぬか?」
男は女性に背を向けたまま、尋ねる。
女は、何も答えない。答えられない。何しろ、意味が分からないのだから。
男が豪華な鏡を取り出す。破壊の鏡。あまりにも映ったものの出来がいいため、
映し出された本物がこの世に存在できなくなると伝えられる、人魚族の秘宝である。
「美しき鏡に映るものは、やはり美しいものが相応しい。そうだろう?」
鏡の中に映し出された装飾品の数々。その合間に張られた蜘蛛の巣が、鏡の中で消える。そして、現実でも。
鏡は、謁見の間にあるものすべてを映した。玉座を映し、王家の紋章を映し、女を映し、そして男を映す。
鏡に映った男の顔は、人間のものではなかった。いや、厳密に言えば人間だが、生きている人間に
このような顔を持つ者はいない。鏡に映された男の顔は、骨となっていた。
211独自の美の感覚2/3:04/11/05 04:48:43 ID:VirIW4gc
「モンスター!」
女が驚いたように声をあげる。
それに構わず、男が今度は剣を取り出す。氷でできた、青き剣。
「どうだ、この青く、透き通った剣。まるで水晶のようだ…美しいだろう?」
男が振り向く。男の顔がみるみるうちに溶け、鏡に映っていたのと同じ、骸骨となる。
「だが、これだけではもの足りないな。このような剣とは、使われてこそ真の美しさを発揮するものなのだよ。
 透き通るような青には、真紅の色をした血がよく似合うと思わぬか。美しき乙女の血ならば、なおさらな…」
男…魔道師ハインがマントをひるがえし、剣…氷の刃を女…リディアに向ける。

リディアは逃げだそうと、階段へ通じる扉へ駆け出す。
「逃がしはしない…」
ハインはブリザラを唱え、扉を凍りつかせる。
「それとも」
ゾッとするような笑みを浮かべながら、ハインが近づいてくる。
「氷漬けの女神像として、この城の一部となるのを選ぶか?」
212独自の美の感覚3/3:04/11/05 04:57:16 ID:VirIW4gc
「冗談じゃないわ。こんなところで死にたくなんかない!」
相手はどう見てもアンデッド。アンデッドには炎が効果的。
「ファイラ!」
相手は完全に炎に包まれたかに見えた。しかし、何かに弾かれたかのように炎が四散する。
「余に魔法は通用しない。余には相手をいたぶるのを楽しむような趣味もない。
 おとなしくしていれば、すぐに終わる」
「ブリザラ!」
炎がダメなら氷で攻める。謁見の間の気温は下がり、ハインの周りは凍りつく。
しかしハインがマントを返すと、またも魔法は四散した。
「あきらめの悪い娘だ。美しいものではないな…おや?」
ハインの周り、特に足下が凍りついたことで、身動きが取りづらくなったらしい。
チャンス。リディアはファイアで扉の氷を溶かし、一目散に階下へ逃げた。
「ふん、逃がしたか。それにしても…」
またも悦に入るハイン。
「氷で覆われた部屋もよいものよな…」

【ハイン 現在位置:アリアハン王城謁見の間 所持品:破壊の鏡、氷の刃、ルビーの指輪
 次行動方針:氷の刃で人を殺す 現在、謁見の間で色々眺めています。】
【リディア 現在位置:アリアハン王城1F 所持品:? 第一行動方針:ハインから逃げる 第二行動方針:仲間を捜す】
213名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/05 08:09:24 ID:vlTkKvXy
俺は……物真似師、物真似することで生きて来た。
前いた世界だってそうだ、俺は世界を守るという物真似をやってのけた。
俺の支給武器は、一振りのナイフと奇妙な靴。
靴のほうはとても不思議だ、何十にも魔法が掛けられたかのように力が湧いてくる。
「俺は物真似師ゴゴ、今までずっと物真似をして生きて来た。」
そう自分自身で呟いた。
その奇妙な服装の裏側に隠された表情を知るものはいないが。
(誰か来るまで待とう、そして、俺に会った奴の物真似をしよう。)
この選択が、吉と出るか凶と出るかは本人すら知らない。

【ゴゴ 現在位置:レーベ南西の山岳地帯 所持品:ミラクルシューズ ソードブレーカー
第一行動方針:誰か来たら、その人の物真似をする。】
214ナイト危機一髪!:04/11/05 15:47:07 ID:8GCHA8U/
「光の戦士の僕が殺し合いだって!?冗談じゃない!」
フルートが塔の上から確認した人影は、ぶつぶつ言いながら
ナジミの塔の入り口に立っていた。
自分はナイトだ。強きを挫き、弱きを助けるのが使命だ。その自分が
女性もいるこんなゲームに乗ることなんて出来ない。
「皆を探して、このゲームに乗らずに済む方法を考えなくちゃ」
手始めにギルダーかエリアでも探そうか。ややうつむき加減になおもぶつぶつ
言いながら歩いている彼の視界に、塔から駆け出てくるフルートの姿は
入っていなかった。

215ナイト危機一髪!:04/11/05 15:57:19 ID:8GCHA8U/
どしん!
「きゃっ!」
「わっ!」
二人はぶつかってものの見事にひっくり返った。
「ご…ごめんなさい〜」
誰かに襲われたのかと一瞬焦りまくる彼の耳に、なんとものんびりした
声が聞こえてきた。
つられて彼も緊張感に欠ける返事を返す。
「いや…僕も不注意だったし」
見たところ、敵意などかけらもなさそうな女の子だ。
「君も…このゲームに乗ってるようには見えないね」
安心した彼の表情がふっと緩む。
216ナイト危機一髪!3/4:04/11/05 16:11:16 ID:8GCHA8U/
「良かったら、一緒に行かないか?ゲームを脱出する方法を考えようと
思うんだ」
彼はフルートに右手を差し出した。フルートがその手をとる。
「は〜い。で、まず何をしましょう?」
あまりの緊迫感のなさに幾分彼はずっこけそうになったが、
「とりあえず、お互いの仲間を探さないか?協力できる奴が
多いに越したことはないし」
「そうですね〜。まずはアリアハンの城下町にでも行きましょうか。私、
フルートです。よろしく」
「僕はサックス」
ぶつかった瞬間にフルートがキレなかったのを感謝すべきであること、
自分がとんでもない爆弾を抱え込んでしまったことを知る由も無い
サックスだった。

217ナイト危機一髪!4/4:04/11/05 16:24:06 ID:8GCHA8U/
【サックス(FF3ナイト) 生存確認 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り 
現在位置:ナジミの塔入口付近 第一行動方針:自分とフルートの仲間を探す
第二行動方針:ゲームを脱出する方法を考える】
【フルート: 所持品:草薙の剣 スノーマフラー 現在位置:ナジミの塔
入口付近 行動方針:サックスと共に行動する】
1と2に番号を振ってませんでした…スマソorz


218エンジニアの集中力:04/11/05 17:55:45 ID:jZrGtjym
デッシュは大陸に辿り着いてからずっと、その支給品に夢中になっていた。
自分の世界では見たことの無い形状の武器と、水晶のような玉。
見たことも聞いた事も無いそれの仕組みを完全に理解したいと思うのは、自分がエンジニアであるが故か。
既に最低限の使い方は付属の説明書でわかってはいるのだが…
ちなみに説明書の方は主催者のご丁寧な配慮か、上のほうに黒インクで"安易版"と書かれていたが…デッシュには余計なお世話であった。
武器のほうは拳銃、名前はウインチェスターという名の…いわゆる遠距離戦専用武器らしい。
水晶のような玉のほうはマテリアといい、凝縮した魔力を宿しているという。
そして、マテリアは専用の武器にはめないと扱うことが出来ない、と。
(といっても俺は元々、基礎魔法も使えないからなあ…術者に魔力が無くても使えるのか?)
(…こっちは、ここに…攻撃の元となる弾をセットしていくのか。それでこの引き金を引くとここのグリップが動いて…なるほど)
(何でマテリアは単独では扱えないんだ?媒体が必要ってことは武器を通じてしか魔力を通せないってことか…)

随分長い間それらとにらめっこをしていたデッシュだが、考えに一区切りがついたのか息をつき、顔を上げた。
それと同時、現実に引き戻される。…こんなことしてる場合じゃないって。
「やばいな…すごい無防備だ…はは」
空笑い。このゲーム、戦闘力の無い自分はいつ死んでもおかしくないってのに…何でこんなに落ち着いてるんだか。
「まあ、俺は俺なりのやり方で精一杯やってくってことで」
誰に言うでもなく呟き、参加者の証であるその首輪に触れてみる。金属の冷たさが指先に伝わってきた。
(首輪の仕組みにも個人的に興味があるしな。やってみる価値はあるだろ)

【デッシュ:生存確認 現在位置:アリアハン城下町、アルスの自宅二階西側の部屋
 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる)
 第一行動方針:首輪の研究を試みる】
219修正:04/11/05 18:05:53 ID:jZrGtjym
×現在位置:アリアハン城下町、アルスの自宅二階西側の部屋
○現在位置:アリアハン城下町、DQ3勇者の自宅二階西側の部屋

スイマセン、まだ名前決まってないんでしたね。
220ガメゴン:04/11/05 18:19:44 ID:IsHyvVyN
「ほらガメゴン、霜降り肉だぞ」
「……」
「ほら食べなって」
アリアハンに降り立ったルカはこれからのことを考えた。
自分はマスター、しかし手持ちのモンスターはいない。でも支給品に霜降り肉が入っていた。
ルカの出した答えは簡単だ。いないなら捕まえよう。
そして近くにいたガメゴンとおぼしき亀に肉を食べさせようとしているのだが
「いい加減にせんか!わしはガメゴンではない。賢者ギードじゃ!」
「そーかお前の名前はギードっていうのか。じゃあ行くぞ」
当然のごとく歩きだすルカをギードが呼び止める
「どこへ行く気なんじゃ?」
歩きだしたルカが振りかえって言う。そんなこともわからないのかと言った目をして
「決まっているだろ。イルを捜しに行くんだよ
 あと、マスターの言うことはちゃんと聞かないとダメじゃないかギード」
唖然としているギードをおいてどんどん歩いていくルカ。
軽くため息をついたあとにやれやれと言った様子で追い掛けていくギードだった
【ルカ:生存確認 所持品 霜降り肉 ほしふりのオーブ行動方針:イルを捜す】
【ギード:生存確認 所持品 ? 行動方針:ルカについていく】
221ある忠臣の思考 1/2:04/11/05 18:37:35 ID:sOLK3WHX
イルは逃げた。
訳もわからぬままこのゲームは始まり、とにかく兄を捜そうと決めた。
しかし「イル」と「ルカ」では、出発の時間に差が出る。
彼女が「兄を捜す」という行動方針を捨てなければならない事態は、
多分まだルカが出発する以前に起きてしまったのだった。

その時、全くの偶然に、イルは他の参加者がフィールドに降り立つ場面に出くわした。
そしてその参加者は魔物だった。
モンスターマスターとしての素質と経験を十分に持つイルは、相手が魔物だからといって怯みはしない。
むしろ全く知らない大人でなかった分安堵したくらいだ。
心を開けば魔物とも分かり合えるというのは、彼女にとってごく常識的なことである。
だがそれが、油断だった。
その魔物は、野生モンスターではないのだから。

イルの姿を認めるなり、ピエールは袋の中にある鋼鉄の剣を取り出し、それを振るった。
間一髪、イルはそれを避けたが、目の前で行われていることが信じられない。
彼女の中で、魔物は直接人間を襲うものではないのだ。
それでも、ピエールが第二撃の攻撃態勢に入ったことで、イルは理解することを放棄して、
とにかく生命維持を優先することを選んだ。
イルは逃げ出した。
逃げて、逃げて、体力のある限り駆ける。
しかし、スライムナイトは諦めることなくイルを追い続け、ついに回り込まれた。
「…お兄ちゃん…」
イルは兄を呼び、そしてそれが最後に口にした言葉となった。
222ある忠臣の思考 2/2:04/11/05 18:39:35 ID:sOLK3WHX
所持品の回収を終えた後、ピエールは己が仕留めた少女の死体を、物悲しげに見下ろした。
もしかしたら、彼の主君の最愛の娘の姿とダブらせていたのかもしれない。
しかし、ピエールは、そうせねばならなかったのだと自分を納得させる。
このゲームに勝ち残れるのは一人。
生き残るのは、リュカ様であってほしい。
その為には、リュカ様の敵になる可能性を持つものを、一人として生かしておく訳にはいかないのだ。
そこまで決意して、ピエールはこの世界に降り立った。
そしてすぐ目の前に少女がいた。自分はためらいなく彼女を葬った。その行為は間違っていない。
生き残るのは一人。
レックス様でもなく、タバサ様でもなく、ビアンカ様でもなく。リュカ様であってほしい。
もしタバサ様に会っても、私は彼女らを殺す。
もしタバサ様達とリュカ様だけが生き残った場合、リュカ様に己の家族を手にかけるようなことは
させたくない。
あの方はお優しいから。
だから私が全て殺し、そして最後に自害しよう。
そうすれば、リュカ様は生き残れるのだから…。

【ピエール 現在位置:レーベ南部の森
 所持品:鋼鉄の剣 ロングバレルR 青龍偃月刀 祝福の杖 いかずちの杖 魔封じの杖
 第一行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】

【イル 死亡】
※イルの所持品はピエールが全て所持。
223”竜王”1/3:04/11/05 18:48:28 ID:vlTkKvXy
(ちくしょう…何所まで追ってくる気だ…。)
金髪の鶏冠頭の青年、ゼルは洞窟を逃げていた。
(あんな強そう奴と戦ってられるかってんだ!)
なぜ追われているのか、それは数分前にさかのぼる。

「ぅー、痛ってぇなぁ…まだ頭がズキズキするぜ。」
と、ゼルは洞窟の近くに放り出されていた。
とはいい、出るタイミングが分からなかったので、派手に頭から突っ込んでしまった。
そして、彼は考え込んだ、このゲームの主催の魔女について。
(―俺らが倒したはずの次元の魔女がいる、そして俺たちに殺し合えと言っている。
 冗談じゃネェ!絶対に止めてやるぜ!)
と、彼は心の中で決めた、もう一度倒すと。
「さて…俺の支給品は…?おっ、いいじゃねぇか!」
そう彼の袋の中に入っていたのは、服と帽子だった。
素手で戦う彼にとっては、剣だとかそういう武器ではなかったのは助かった。
そして、彼は服と帽子を着た、その直後だった。
「げ、な、なんだよアレ……」
そう、彼の目の前には人のような、でも人ではないような者が経っていた。
そして、そのものはゼルのほうを向き。
「ほう…先ずは一人…私の為に、死んで頂こうか。」
そう、それは”竜王”と呼ばれる、ある世界の魔王だった。
ゼルは見た、その邪悪に満ちた顔を。
そして、彼の戦闘の経験と知識が彼にこう言った。”逃げろ”と。
ゼルは走った、後ろにあった洞窟へ、一目散へ。
224名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/05 18:50:04 ID:vlTkKvXy
竜王は、以前ゼルを追ってきている、戦えば殺される、竜王の放つ気配が物語っていた。
そして、リュカ達のいる部屋を超速で素通りし、竜王もそれについていった。
「ん?今何か通ったかな?」
リュカは、ケット・シーに尋ねた。
本気になれば飛空挺をも上回る脚力を持つゼルを、見ることが出来ただけでもものすごい動体視力だ。
しかし、ケット・シーはこう返した。
「え?何かとおりました?ワイには見えんかったし、何も通ってまへんですよ。」
「そう、かなぁ?」
と、リュカは首をかしげていた。

(ちくしょう!あの階段を上るしかねぇ!)
ゼルは、追い詰められたと思った、出る先は、きっと孤島なのだろうと。
しかし、登らなくてもあの怪物と戦わなくてはならない、一人では確実に死んでしまうだろう。
そうやって、ほぼヤケになり階段を上った。
―見えたのは塔のような入り口と、二人の人だった。
人が見えたことを確認すると、ゼルはこう言った。
「おい!逃げろ!とんでもない奴が襲ってくるぞ!」
と、ゼルは、怒鳴り散らすような声で言った。
すると、入り口にいた戦士が一人言った。
「逃げろって、何があったん―――」
戦士の言葉はそこで切られた、恐怖から来るものに切られた。
傍にいた僧侶も、畏怖の表情を浮かべ、小さく叫んだ。
ゼルも後ろを振り向いた、そして、恐怖の衝撃が彼を襲った。
しかし三人が立ちすくんでいる中、現れた青年と少女。
少女は僧侶と同じ畏怖の表情を浮かべていたが。
青年は………鋭い眼光で怪物を見ていた、そして呟いた。
「竜王…………」と。
しかし、彼らも怯えるばかりではない、目も前に立ちはだかる魔王を倒そうと決意し、戦う構えを取った。

「ほう、ロトの血脈を引く者もいるのか、ならば丁度いい、まとめて薙いでくれるわ!」
竜王のその声は塔と塔に繋がる洞窟に響いた。
225名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/05 18:50:57 ID:vlTkKvXy
【サックス 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り
【フルート: 所持品:草薙の剣 スノーマフラー
【リルム 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート
【ゼル 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト
現在位置:ナジミの塔入り口
行動方針:目の前に現れた竜王と戦う】

【竜王 所持品:不明
現在位置:ナジミの塔入り口
行動方針:目の前の人間を殺す】
226交換交渉 1/4:04/11/05 21:16:20 ID:ehssG7dw
様子を見ようと、そっと顔をのぞかせる。途端に、強烈な炎が木々を焦がしながら飛んでくる。
(冗談じゃない。こんなところで殺されてたまるものか)と、クルルは思った。
木立の影に身を潜め、必死で反撃の機会をうかがう。
その視線の彼方に立つのは一人の女だ。自分より少し年上の、緑髪を後ろで結んだ女性。
彼女の手には矢をつがえたボウガンが握られていた。
さきほどの炎魔法といい、ゲームに乗っている、という意思表示以外の何物でもない。
(どうする?)
――もしかしたら、先に仕掛ければ勝てるかもしれない。
狩人を極めた彼女にはわかるが、相手は弓に関しては間違いなくド素人だ。
構えはともかく、狙いのつけ方がなっちゃいない。
魔法は脅威だが、こちらにはミスリルの小手がある。ファイア程度なら、一度は耐えられるはずだ。
初撃をかわし、ニ撃目がくる前に間合いに入れれば勝てる。
けれどももし、相手が弓以外に武器を持っていたら。あるいはもっと強力な魔法を使ってきたら。
その可能性がクルルを躊躇させていた。
彼女だって命は惜しいし、バッツやレナやファリスにももう一度会いたい。
飛竜やモーグリ達、バル城の人々も、自分の帰りを待ちわびているはずだ。
彼らのことを思うと迂闊な行動は取れない。
だが、このままでは埒が明かないことも確かだ。
いちかばちかの可能性に賭けようと、彼女が木陰から一気に飛び出した時……

勝敗は、予想外の形で訪れた。
突然、木の枝が大きくしなり、茶色の影が飛び出したのだ。
真上から落ちた。走り出そうとした少女に重なるかのように。
思わず立ちすくんだ緑髪の女――ティナの耳に、肉が断ち切られ骨が砕ける鈍い音が響く。
「よっ、と」
影が立ち上がった。木の葉を片手で払い落としながら。
ついさっき見たばかりの顔だった。長いコートに奇妙な帽子を被った、茶色の髪の優男。
「あ、あなた…………」
227交換交渉 2/4:04/11/05 21:19:24 ID:ehssG7dw
アーヴァイン。
広間で一番最初に名を呼ばれた、あの青年が目の前に立っている。
その手には長大な剣が握られ、ブーツの下には刃を食い込ませた少女の死体が倒れている。
なぜ彼がここにいる? もしかして、最初からずっとタイミングを伺っていたのか?
気配すら感じさせずに、彼女を――あるいは、私を殺すために。
そんなティナの思考を余所に、アーヴァインは微笑みながら突き刺さったままの剣を抜いた。
「そんな怖い顔しないでよ〜。別に、君を殺そうなんて思ってないからさ」
「……あなたは思ってなくても、私は思ってるわ」
あまりに説得力のないセリフに、ティナは迷わずボウガンを向ける。だが青年は涼しい顔で
「君、そういう武器扱い慣れてないでしょ。狙いが甘いよ」と答えた。
「僕なら、もっと上手く扱う自信があるよ。これでも一応スナイパーだからね」
「そう、それで? 私から武器を奪うの? その子だけじゃなくて、私も殺すつもり?」
警戒し続ける少女に、青年は肩をすくめて苦笑いした。
「やめてよ。僕、そこまで悪党じゃないってば。
 それに今のは不意打ちだから上手くいったんだ。
 スコールやサイファーじゃないし、剣を振り回すなんて性に合わない。
 それに木の上にいたのも身を隠して考え事してただけで、待ち伏せるつもりはなかった」
何を言いたいのか測りかねて、ティナは首を傾げる。アーヴァインはさらに言葉を続けた。
「僕ね、射撃なら自信有るんだよね〜。こう、BANGBANGってさ。けど剣はあんまり扱いなれてない。
 一方、君はボウガンを持ってるけど射撃は苦手。
 でも戦いには慣れてるようだし、おそらく剣とか槍とか一般的な武器なら扱えるはずだ。違うかい?」
言い当てられて、思わずうなずいてしまうティナ。その後で、慌ててアーヴァインを見返す。
「つまり、武器を交換しろということなの? それとも仲間になれということ?」
「あー、仲間かあ。考えなかったけどそれもいいね。うん、その方が都合いいかな」
「お願いだから、回りくどい言い方をしないで。用件があるなら短く言って」
険しい目つきで睨みつけられ、アーヴァインは苦笑しながら言う。
「――実はね、殺す相手を交換してほしいんだよね」
228交換交渉 3/4:04/11/05 21:25:51 ID:ehssG7dw
ティナは自分の耳を疑った。殺す相手を交換してほしい? この青年はふざけているのか?
だが、アーヴァインは真剣な眼差しでティナを見つめている。
「僕の知り合いがね、何人かこのゲームに参加しているんだ。
 腕とか力とかそういうのを抜きにしても、僕には殺せない。これでも情ってものがある。
 幼なじみ三人にその恋人に、幼なじみの父親だ。止めを刺そうとしてもためらっちゃうよ。
 ――君にも、そんな奴が一人か二人ぐらいいるだろう?」
いる。確かにいる。
ロック、エドガー、マッシュ、シャドウ、セリス、リルム、ゴゴ……そして、レオ将軍。
ゲームに乗ることを決めた今でも、彼らと戦いたくないという気持ちが残っている。
「君にとって知り合いでも、僕に取っちゃ他人だ。逆もしかり。
 僕は君の殺しにくい人を殺す。君は僕が殺しにくい人を殺す。
 一人で全員殺すよりはよっぽど確実だし、多少は気も楽になるんじゃないかな」

なるほど、とティナは思った。この男に乗ってやってもいいかもしれない、と。
「わかったわ。……でも、一つだけ聞かせて。
 なんでそこまでするの? そうまでして生き残りたいの?」
「生き残りたいね。どんな手を使ってでも」
ティナの問いに、青年は即答した。
「僕は帰らないといけない。
 魔女が――アルティミシアが生きていたことを、ガーデンの仲間達に伝えないといけない……」
言いかけて、ふとアーヴァインの表情が自嘲に歪んだ。
「……なんて、言い訳だね。
 本当は、元の世界に会いたい人がいるんだ。ずっと好きだった女の子が。
 裏切り者とそしられても構わない。人殺しと蔑まれてもいい。
 ただ、彼女ともう一度、生きて会いたいんだ。それが一番の理由だよ」
229交換交渉 4/4:04/11/05 21:32:34 ID:ehssG7dw
「私も、会いたい人達がいる」
ティナはぽつりとつぶやいた。
「ようやく見つけた、愛する家族がいる。
 子供たちがモブリズで待っている」
あの日、再び剣を取った日に、交わした約束がある。
「だから私も死ぬわけにはいかない。必ず帰ると誓ったから」
ティナは真っ向からアーヴァインを見据え、ボウガンを向けたまま片手を差し出した。
「手を組んでもいいけど、邪魔になれば殺すわ。それでいい?」
「ああ、いいよ。僕もそういうつもりなんだしさ」
青年は血と土に汚れた手を拭いてから、少女の手を握り返した。

【アーヴァイン 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ(回収)
 現在位置:ほこら近くの山岳地帯
 行動方針:ゲームに乗る(ティナの仲間を殺す)】
【ティナ 所持品:グレートソード ちょこソナー&ちょこザイナ ミスリルの小手(回収)
 現在位置:ほこら近くの山岳地帯
 行動方針:ゲームに乗る(アーヴァインの仲間を殺す)】
【クルル 死亡】
230名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/05 22:27:14 ID:Npc2AOmo

草原にたたずむ青い影。
足元には、もはや動かぬ男の姿。
放射状に広がる、あまりに鮮やかな血潮。
青年の握る血に濡れた剣から、紅い雫が零れ落ち、足元の男の顔を染め直す。

青いフードの中から覗く、狼のように鋭い眼光。
"真実の"物語を歩んでいたなら、やがては正義の剣士となり得た影が其処にあった。

彼はゆっくりと、記憶を思い返す。
姉を守れなかった自分を恨み、それ故に力を欲した。
力を手に入れるため、魔族とも手を組んだ。

…そして、それ以降の記憶は、彼には無い。

姉と再会し真の友を得るのは、彼にとって未来だったはずだ。
…だが、彼が正義となる未来は、あの邪悪なる魔女に名前を告げられた瞬間、途絶えた。
気づけばこの大地に立っている。
殺し合うことを命じられて。

デュランならこう言うだろう。
『躊躇う事は無い。このゲームこそ、力を試すに相応しい』
今の彼の心は、それと意見を異にする事は無かった。


【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖(回収) ヘアバンド(回収)
現在位置:レーベ北の平原
行動方針:自らの力を試す=ゲームに勝利する】

【キノック老師 死亡】
231220:04/11/05 22:33:41 ID:IsHyvVyN
すっかり忘れていました。すみません
【ルカ ギード:いざないの洞窟前の泉】
232背負うもの 1/5:04/11/05 22:53:51 ID:AmP/6OSB
「見つけたぞ、ケフカ」

レーべからすぐ南にある森の一画で重々しいその声が響いた。
支給品の袋をあさっていたケフカは声がした方へゆっくりと振り返る。

「これはなつかしい、レオ将軍ですか。イヤなときにイヤな旧友と出会うものだな」
「お前が友であったことなど、かつて一度もない」

ケフカの言葉に対し、茂みの奥から堂々たる足取りであらわれたレオ・クリストフは断固として言った。
道化師を真似て見せているのか派手な化粧を施している顔で、レオを舐めるように見つめる。
その眼差しは、笑っているようにも、嘲っているようにも見えた。
レオは、喉の奥で低く獰猛に唸った。

「…ケフカ、お前はこのゲームに乗るつもりなのか?自分ひとりが生き残る気か?」

疑問というよりも確信に彩られたレオの質問にケフカは答えなかったが、
代わりにその顔に浮かべた狂気めいた満面の笑みの表情が質問の答えを雄弁に語っていた。

「君とは長い付き合いだ。ここはなにも言わず引いてくれれば、僕としては余計な手間が省けて嬉しいんだがね」
「私はこのふざけたゲームに乗るつもりはない。だが――」

レオは一度言葉を切り、支給品である吹雪の剣を鞘から引き抜くと、切っ先をケフカに向けた。
233背負うもの 2/5:04/11/05 22:56:13 ID:AmP/6OSB
「貴様のような不逞の輩、これまで野放しにしておいたのが我が愚策か。ここでその腐った息の根、止めてくれよう」
「――だから君は、この僕に殺されたんだよその生真面目な性格を利用されてね」

ケフカは懐から取り出した支給品と思しき物体を手で弄びながら、言葉をも弄ぶかのようだった。

「それとも、まだ怒っているのかな?僕のことを。武人というのは、随分と根に持つものなんだね」
「黙れ。なにひとつ真理を知らん、痴者が」

からかうようなケフカの態度を、レオは一喝する。
そして吹雪の剣を引っ提げ、ケフカにゆっくりと歩みよった。

「ゲームに乗るというのなら、貴様の相手はこの私がしてやろう。下らぬ魔術、思う存分に披露するがいい」
「どうやらもう一度この僕に殺されたいらしい。困ったものだ」

ケフカは人差し指で宙に弧を描いた。
その指先に巨大な火球が生み出される。――ファイガだ。
その腕を振り下ろすと、火球が弾丸もかくやと言わんばかりにとレオへと向かっていく。
常人には視認出来ないほどの速度で飛んできたそれを、レオは踊るようにしてかわす。
不安定な姿勢になったレオの耳にケフカの声が飛び込んだ。
234背負うもの 3/5:04/11/05 22:57:34 ID:AmP/6OSB
「これはどうかな?」

レオがケフカの姿をとらえた時にはすでにもう一つのファイガの火球が生み出されていた。
通常、これほどの短時間で連続して魔法を紡ぐことなどいかなる優れた魔道士でも不可能なのだが、
ケフカに支給されたアイテム…ソウルオブサマサがこれほどの魔法詠唱を可能にしている。
再度飛来してきた火球をかわす体勢にはレオははいっていない。このままでは直撃は必至だ。

「子供だましだな」

しかしレオは鼻で笑い、火球に向かって逆に一歩踏み込んで行った。
その勢いを利用し、横なぎの斬撃を火球に叩き込み、ファイガを一刀両断する。
ケフカは楽しげに甲高い声で笑った。

「魔法を剣で斬るなんてね。君のほうこそ相変わらず、身もフタもない男だね」
「下らん、と言ったはずだ」

そして三度目の魔法詠唱の時間を与えぬとばかりに、レオは地を蹴る。
振り上げた剣は、ケフカの血を吸うべく鈍く輝く。

「貴様が殺した罪無き人々の分の血、その身体から吐き出して逝け!」
235背負うもの 4/5:04/11/05 22:58:52 ID:AmP/6OSB
ケフカは一見無防備のごとく棒立ちだったが、懐から取り出したものをすでに目の前に迫ったレオに向けた。
刹那――
レオに向かって幾筋もの雷が発生する。レオは反射的に剣を持つ逆の手に装備した鉄の盾で防御するが
やはり防ぎきれず、電撃を受ける。
内部に蓄えた魔晄エネルギーを瞬時に擬似魔法へと変換する魔晄銃による攻撃だとレオは気づいただろうか。
大きく姿勢を崩すレオにケフカは勝利を確信し、笑みを浮かべる。
ケフカはレオに肉薄して今度は回避できぬよう至近距離で魔法を放つつもりだった。
しかしレオは今にも倒れそうな姿勢から、斬撃を繰り出した。
見事なバランス感覚は、不安定な姿勢から美しき弧を描き出す。その行き着く先は、ケフカの肩口だ。
血が飛沫き、今度は逆に後退するケフカにさらにもう一撃を加える。鼻頭から左頬にかけて一文字に裂ける。

「おのれ、――おのれレオ・クリストフ!」

切り裂かれた顔を抑えながら、ケフカは凄まじい怒号を上げる。
レオの方はようやく体勢を直し、すぐさま飛びかかれるように全身の筋肉を撓めた。

「覚えていろレオ将軍。この仕打ち、必ず後悔させてやろうぞ」
236背負うもの 5/5:04/11/05 23:02:15 ID:AmP/6OSB
憎々しげに呪詛の言葉を吐くケフカの姿が段々と見えなくなっていく。姿を消す魔法、バニシュ。
ケフカの姿が完全に見えなくなり、気配が消える。
しばらく周りを探っていたレオはケフカが自分から逃走したことに気づいた。

「…逃がしたか、おのれっ!」

レオは舌打ちをして、手にした剣も収めぬままケフカが逃げたと思われる方角へ駆け出す。
――奴だけは、この手で殺さねばならない。それがもう一度、生を受けた私のけじめだ!


【レオ 所持品:吹雪の剣 鉄の盾 神羅甲型防具改
 現在位置:レーべ南の森
 第一行動方針:ケフカを見つけ出し殺害 第二行動方針:ゲームに乗らない】
【ケフカ(負傷) 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 ブリッツボール
 現在位置:レーべ南の森
 第一行動方針:レオから逃走 第二行動方針ゲームに乗る】
237トンベリのにっき 1/2:04/11/05 23:14:08 ID:ehssG7dw
こんにちは。トンベリです。
気が付いたら宝箱の外にいて、お友達二人がいなくなっていました。ちょっぴりさみしいです。
なにをすればいいのかわからないのでうろうろしていると、
はでなお姉さんに、大切なほうちょうとカンテラを壊されました。すごく悲しいです。
それから、お姉さんと『てあまと』さんにコロシアイなるものをしろと言われました。
コロシアイってなんでしょう。食べられるものですか? ステキなものですか?
わからないので質問しようとしたら、『てあまと』さんが睨んできました。
こわかったので、質問するのをやめました。
宝箱の外は冷たい人がいっぱいです。早く帰りたいです。

しばらくぼんやりしていると、名前を呼ばれたので、扉から外に出て旅のナントカに入りました。
旅のナントカは青い光があふれていました。
中に入ると、みにょーんとしてびみょーんとしてとるるるるーとして、
いつのまにかアリアハンとかいう世界についていました。
大きな橋と、大きな水溜りが見えます。
旅のナントカはすごいです。アリアハンは広いです。
238トンベリのにっき 2/2:04/11/05 23:19:56 ID:ehssG7dw
橋の方に行ってみると、人間の子供が二人いました。
片方は頭が金色で青いマントを着ています、片方は頭が銀色で、青い帽子をかぶっています。
でも顔は似ていません。どちらかというと、銀髪の方が性格が悪そうです。
「おい、お前。そこのお前、野良モンスターか?」
銀髪が言いました。ぼくはトンベリです。『のらもんすた』なんて名前じゃないです。
やっぱり、性格が悪いと思ったのは間違いではないようです。
「悪い魔物じゃないよね。大人しいし」
金髪が言いました。大人しいわけじゃないです。ほうちょうがないからどうにもできないです。
「なあ、マスターとかいないならさ、オレらと一緒にこないか?」
「一人でいると危ないよ。僕達と一緒にいようよ」
どうも、この子供たちは一緒に行く相手を探しているみたいです。
特に断る理由もないので、とりあえず了承しました。
「やったあ! これで君も友達だね。僕はレックス、よろしくね!」
「オレはテリーだ。よーく覚えてくれよ。マスターなんだからな」
金髪が『れくす』で、銀髪が『てり』というようです。
ともかく、友達が二人増えて、三人になりました。三人はさみしくないので嬉しいです。

【テリー(DQM) 所持品:不明 行動方針:わたぼうを探す】
【レックス 所持品:不明 行動方針:テリーについていきながら家族を探す】
【トンベリ 所持品:不明 行動方針:テリーとレックスについていく】
【現在位置:三人共通でアリアハン北の橋の上】
239220:04/11/05 23:57:36 ID:IsHyvVyN
なんか何度も間違ってばかりで申し訳ないです
【ルカ ギード:なじみの塔宿屋】
2401/8 アリアハンの攻防:04/11/06 00:44:27 ID:SdeZc2WM
アリアハンのある民家の中で、ぼさぼさ髪の青年が独り佇んでいた。
彼、バッツは浮かない顔で手に持った一本の短剣を見ている。
「やれやれ…」
ため息をついたけれど、それを気にかけてくれるものは誰もいない。
短剣の名はチキンナイフ。持ち主の臆病さに呼応して強くなるというなんともひねくれた武器である。
極度に臆病になればその強さは計り知れないものの、その威力に強気になれば弱くなる。
そのうえ普通に斬りつけようとすると体が反射的に逃げ出してしまうという、あらゆる意味で伝説の武器といえる。
また、もうひとつの支給品は妙なトリガーのついた剣だ。
説明書にはGun Bladeと書いてあり、どうも剣と銃のあわさったようなものらしいが、
試し切りをした感じでは使いこなすにはまだ修練が必要のようだった。
二つとも実戦で使うには頼りない。
バッツはナイトにジョブチェンジしながらも、アビリティとして黒魔法の他にかくとうをつけた。
これならば、最悪素手でもかなり戦えるという寸法だ。
回復に関しては先の道具屋らしき場所で、やくそうやどくけしそうを一通り手に入れた。
ひとまずは万全といったところか。
落ち着いたところで名簿を取り出す。もう何度も見た。
そこには馴染みのある名前がいくつか並んでいた。
「クルルとレナがいることは知ってたけどなあ」
2412/8 アリアハンの攻防:04/11/06 00:45:29 ID:SdeZc2WM
クルルはバッツよりもはやく呼ばれ、レナは偶然というのか、初めの場所ですぐ側にいた。
それが幸運なのか不運なのかはバッツにはわからなかったけれど、
あの場で気心知れたものと話せたのは少なくとも特異なことではあった。
まわりが張り詰めた空気の中黙っているのに対し、二人はある程度は心が和らいでいた。
二人はひとつ、約束をした。
「なにがあっても、生き残って、また会おう」
クルルの名前が呼ばれたときは、「クルルもいっしょに」と付け加えた。
あのとき、それだけ平静でいられた。
「そっか、ファリスもいるのか。みんな揃ったな…」
ファリスが呼ばれたときレナはどんな顔をしたのか、自分やクルルが呼ばれたとき、ファリスは何を思ったのか。

みんな今どこにいるのだろうかと思い窓の外を見ても、そこは相変わらず同じ景色があるばかりだ。
天上を見る。
自分の声を聞きながら、不思議に思った。
「独りって、こんな感じだったっけかな」
そう呟くと、バッツはそれきり口を開かなかった。
242名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 00:47:31 ID:SdeZc2WM
静寂が続いて暫く、バッツはある気配に気づいた。
明らかに違う空気が流れ込んできている…それは戦士の勘だ。
身構える。流れを感じる。今、上流に凄まじい空気の振動が起こる!
バッツは瞬間大きく飛び退き、もといた場所には轟音とともに煙幕とかけらがたちのぼっていた。
先までみていた天上からは青空が広がり、煙の中に人が見える。
「誰だ!?」
バッツは叫んだけれど、それには答えず凄まじいスピードで相手は迫ってくる。
何とか攻撃を受け流して態勢を整え、ガンブレード――ライオンハートを手に取ると、相手は空高くに浮かび上がった。
(…竜騎士だ!)
竜騎士についてもかなり練達しているバッツは、相手の動きをまさしく正真正銘のプロのものとわかった。
(まずいな、相手は本職の槍、こっちは不慣れな武器だけだ…このままじゃ分が悪い。
 でも、約束をしたんだ…レナたちに会うまで絶対に…死ぬわけにはいかない!)
バッツはライオンハートを構えなおし、相手のジャンプを間一髪で避けた。
風圧だけでも、それが非常に大きい破壊力を有していることがわかる。

(この相手に勝つには、不意だ…不意をつくしかない!)
2434/8 アリアハンの攻防:04/11/06 00:49:22 ID:SdeZc2WM
バッツとカインの激しい斬り合いの最中、アルスの家では――

なーんか、さっきからすごい爆音がするんだけど…。
ここでどんぱちはじめたやつがいるんじゃないだろうな…。外、見てみるか。
…はい、戦争中。
っておいおい!巻き込まれたらたまったもんじゃねえぞ。
でも首輪調べてるときにやらなくてよかったよ、
もしそのときなら集中力の凄い俺のことだからきっときづかな…ってこんなこと言ってる場合じゃないな。
荷物をまとめてさっさとずらかるとするか。
さよなら誰かの家、でもベッドの下にエロ本があったのはどうかと思うぜ――
さあて、見つからないように見つからないように…って、ん!?
前に誰か居るぞ!?誰だいったい…。
金髪で長身の男…今町からでようとしてるということは、このどんぱちに参加する気はないってことだよな。
ってことは、話したらもしかすると仲間になったりするかな。
俺弱いし、心の優しいつよーい味方がいてくれると助かるんだがなあ…
首輪の謎を解く自信だってあるしさ。
…しかし、どうも気のせいかもしれないが、あいつさっきから草に話しかけながら歩いてないか!?
もしかして危ないヤツだったりして…。話しかけない方がいいか…どうしよ…。
2445/8 アリアハンの攻防:04/11/06 00:52:35 ID:SdeZc2WM
デッシュとエドガーの他に、この戦いを見る男がもうひとりいた。
「チッ、人が平和主義者を捜してる手前からこれかよ…」
そうそうそんな人が見つかるはずもないのだが。
気配を殺して、ローグは二人の争いを見守る。
「どうやらあの茶色い髪のほうが不利みたいだな。最初のほうなんか動揺してたし、仕掛けたのはあの金髪か」
剣は槍の攻撃を捌くのに精一杯でいまいち反撃にでられず、見ている限りこのままではじき勝負がつく。
「助太刀にでるべきか、我関せずを保つべきか」

剣と槍の重なる音がする。
二人とも相当の熟練者だ。
もし使い慣れた剣を使えるのであれば、ほぼ互角の戦いとなったであろう。
だが、今はその状況ではない。

キン、キン、キン――キィン!!

ついに剣が空を舞った。
(あーあ、こりゃだめだ。もう死ぬな)
(……)

「……クソっ!なんで俺はこう運がねえんだ!」
そう叫び、ローグが飛び出そうとしたまさにそのときだった。
2456/8 アリアハンの攻防:04/11/06 00:54:40 ID:SdeZc2WM
ぼんっと音を立てると、刹那――火炎、ファイラがカインを包み込む。
「なっ!?」
カインは戦闘が始まって以来初めて声を挙げ、予期せぬ攻撃に驚愕の表情をする間もなく体に膨大な熱が入り込むのを感じる。
「ぐっ、ぐああああああああ!!!!!!」
絶叫。勝利を確信していたカインは、防御の警戒をまったく解いてしまっていたのだ。
そのために、ナイトの決して高くはない魔力のファイラに思いがけないダメージをうけてしまっている。
態勢を整える暇もなく、素手のままバッツはカインに殴りかかった。
その一撃はナイトの体術といったレベルではなく、モンクの専門がもつ技にほかならなかった。
(こいつ、魔法が使えたのか…!そしてこの体術…一端の戦士じゃない!)
カインはなんとか間合いをとり、槍を再び構えた…が。
「うぐっ…!」
「えっ?」
何もしていないのにカインは前にのめりこみ、その先にはみたこともない男がいる。
「だ、誰だ!」
「俺はローグ。助太刀に入ろうと思ったんだけど…なんか必要なかったみたいだな。
 まさか魔法が使えるなんてねえ。隠し玉かい?うまいな、俺までしてやられたよ」
バッツは戸惑いの色を隠せない。
「ま、それより今はこいつをどうするかだな」
「あっ」
カインはうつ伏せになったまま動かない。
「死んだのか?」
「いや、気絶してるだけさ。でもほっとくわけにもいかな…うわあっっ!!」
2467/8 アリアハンの攻防:04/11/06 00:57:23 ID:SdeZc2WM
氷の矢がローグを掠めた。反射的によけなかったら直撃していたところだ。
彼が盗賊で、抜群の反射神経をもっていたことが幸いであった。
「な…なんだ!?」
ローグはそう叫ぶと、氷の飛んできた先をみる。

そこには緑髪の少女がいて、こっちを睨んでいる。
「あなたたち!カインになにをしたの!?」
(こいつカインっていうんだ…)
名前を聞いたのに答えてくれなかったので、バッツは実のところ少し気になっていた。
「ってそうじゃない!おまえはこのカイン?とかいうやつの知り合いか!?」
バッツがそう叫ぶと、リディアが答えるまもなく呻くような声が下からきこえた。

「リ…ディア」
「なっ、まだ意識があったのか!」
「カイン!大丈夫!?」
「…お、れに……構うな!!」
カインは瞬時におきあがり、負傷をものともせず猛烈なスピードでその場を飛び立った。
バッツとローグはあっと声をあげたけれど、振り返ったころにはもう姿は見えなかった。
まずは近くに隠れ、そのまま移動したのかもしれない。
2478/8 アリアハンの攻防:04/11/06 01:01:55 ID:SdeZc2WM
「え?ちょ、ちょっと!」
助けようとしたのに、カインは自分を見ると急にいなくなってしまった。
わけがわからない、という表情をするリディアにバッツは肩をすくめて言った。
「リディア?だっけか、なんだかよくわからないけれど…多分彼、ゲームにのってるよ?」
リディアは寸時躊躇った。
「知り合いみたいだし信じられないかもしれないけどさ…
 殺し合いをする気がないなら、とりあえず話し合わねえ?」
暫くの間、その場に沈黙が流れた。


【バッツ 現在地:アリアハン城下町中央 所持品:チキンナイフ、ライオンハート
 第一行動方針:ローグ、リディアと話す 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】
【ローグ(男盗賊) 現在地:アリアハン城下町中央 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:バッツ、リディアと話す 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】
【リディア 現在位置:アリアハン城下町中央 所持品:?
 第一行動方針:目の前の事態の整理 第二行動方針:仲間を捜す】
【カイン(負傷) 所持武器 ランスオブカイン 現在位置 アリアハン城下町から脱出 
 第一行動方針:逃げて、傷の回復を待つ 第二行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】

【エドガー 現在位置:アリアハン城下町出口  所持品:ひそひ草(エドガー自身の支給品はまだ不明です) 
 第一行動方針行動方針:逃げる 第二行動方針:バーバラとのコンタクト】
【デッシュ 現在位置:アリアハン城下町出口 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる)
 第一行動方針:逃げながらもエドガーに話しかけるか決断 第二行動方針:首輪の研究を試みる】

注意 エドガーとデッシュは、デッシュの決断はどうあれ少なくともリディアが登場する前にはアリアハンを出ています。
248名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 01:07:57 ID:SdeZc2WM
申し訳ない。3ページ目。

天上→天井
天上みあげてどうする。

せっかくなのでついでに。最後の一個前のセリフは口調が若干バッツっぽくないような気がするので、

「リディア?だっけか、なんだかよくわからないけれど…多分あいつ、ゲームにのってるぜ?」
とでも脳内修正お願いします。重ね重ね申し訳ない。
249名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 01:27:42 ID:FrlYZG/0
やらなきゃやられる、やらなきゃ……
アグリアスは岬の洞窟を片手づたいにひた歩き、なんとか出口を見つけ外に出た。
洞窟の中では暗闇が恐怖を誘ってしまう。光が欲しかった。明るい日差しのもとで、敵を倒す。
そう、他の参加者はすべて敵だ。
ひとりだけしか生き残れないゲームなのだから、仲間なんて意味がない。

彼女は知らなかった。ラムザたちがこの大陸にいることを。
あまりに唐突に始まったこのゲーム、ビアンカは始まりの部屋で彼らの姿をその目にすることは
できなかったのだ。
気が動転していたことが一つ。
五十音順のためすぐに出発せざるを得ず、仲間を探す余裕が少なかったのも一つ。
……私は一人でこの世界に投げ込まれたようなもの……
彼女は、自分が孤独であると思い込んでいた。

洞窟を出たところは森の中だった。
入りくねった木の枝や、足をからめとられそうな草の茂みに面倒なものを感じながらも、先へ進むことを
決意する。
少し歩いた所で、人間の気配が背後にあることに気づいた。
洞窟を出たころにはまったく感じられなかったもの。いつの間にか接近されたようだ。
……やる気だ
アグリアスは武器をとった。
支給品はビームウィップとクロスクレイモア。
どちらもすぐ手に馴染んだ。鞭を使った戦闘はほとんど経験がなかったが、この武器は難なく使い
こなせる自身がある。
ぱきぽきと折れた枝を踏みつける音がした。敵は近い。
アグリアスは深呼吸した。敵が背後にいると知っていながら、わざと背を見せたままでいる。
だが、射程内に入ったら、一瞬のふり向きざまに、一閃――

――私は騎士だ。仕えるべき主君がいる。その方を守り抜くまで、何も生まないこんなくだらぬゲームで、
こんなところで死んでたまるかッ……
250名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 01:29:20 ID:FrlYZG/0
アグリアスは次の瞬間ビームウィップを横になぎ払い、その勢いを利用して体を180度反転させた。
線状のビームが大きく弧を描いて、木という木を真っ二つに切断した。
草が焼かれ赤い火が辺りに燃え移る。火花が散ったような音がして、大木が崩れ落ちた。
やったか? 今の攻撃をかわすような相手がいるとは思いたくないが……
アグリアスが気をぬかずにいたのは幸いだった。
敵は瞬間的に跳躍し、ビームの閃光をかわしたのだ。
「!」
頭上から赤い塊が降ってくる。
アグリアスは体を屈め、緊急回避の体勢をつくった。後転し、背中が太い木の幹にぶつかったところで
もう一度鞭で前方を薙いだ。

赤い髪の戦士、サラマンダー・コーラルがアグリアスの十数メートル先にいた。
サラマンダーはアグリアスの第二激もかわしていた。
「まさか気づいていたとはな。俺の気配を殺す術は完璧に近いと思っていたが」
アグリアスは口の端をわずかにつり上げた。
「気配を消せても、枝を折る自分の足音に気づかないようでは、二流だな」
サラマンダーは突進してきた。
黒くくすぶった草の上を跳ねとび、あっという間に距離をつめてくる。右手に鋭い爪が生えているのを
アグリアスは確かにみた。あれはきっと鋼鉄をも切り裂く使いこなされた武器だろう。
ならば、アグリアスもクロスクレイモアを手にとった。
こちらも専門を使わせてもらう。剣の扱いならば負ける気がしない。
少なくとも今ならば。

【アグリアス 現在位置:岬の洞窟入口近辺 所持品:クロスクレイモア、ビームウィップ、もう一つは不明
  行動方針:サラマンダーを倒す
 サラマンダー 所持品:ジ・アベンジャー(爪) 他は不明 
 行動方針:参加者を殺して勝ち残る(ジタンたちも?)】
251名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 01:47:21 ID:RCmHFqMk
アリアハンの攻防>>247修正
何回もごめん…アイテムで道具屋から漁ったって書いたのに最後表示されてないよ…

【バッツ 現在地:アリアハン城下町中央 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:ローグ、リディアと話す 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】

今回は現地調達ありみたいだからやらせてみたかったんだ…いきなり忘れとる…
252記憶:04/11/06 02:09:06 ID:N65KRZM0
レーベ北西の草原に、一人の少女がいた。
その蒼い髪の少女は、涙を止める術を知らない。
記憶の中で飛び散った鮮血が、何度も何度も彼女の瞳の中を染め上げる。
少女は、無防備ともいえる状態で、草原の真ん中で突っ伏していた。

蒼い瞳に浮かぶのは、勇気ある一人の女性。
――あまりに無残に、その生涯を終えさせられたその姿を。
――紫の髪を、血の池に横たえた、最初の犠牲者の姿を。

少女はかつて父も母も失った。
ともに安らかな死に顔だった。
お前を一人残していくのはつらい、と呟いて逝った。
それが死ぬことだと、今までそう思ってきた。

だが、その女性は最後の一言も発する事無く、絶命した。
きっとこのゲームでは、多くの人がそうやって死んでいくのだろう。
安らかな死など、認められないこの世界の中で。


止まらない涙を拭き、体を起こす。
こんな風に泣いていても、何も変えられない。
…お兄ちゃんを見つけよう。
本当はレイドックの王子様だったお兄ちゃん。
魔王を倒して、伝説の勇者と呼ばれたお兄ちゃん。
私の、これからもお兄ちゃんと呼んでもいいかという問いに、笑って答えてくれた。
「もちろんだよ、ターニア」と。
…また、会いたい。
お兄ちゃんも、その仲間達も…ランドも。
みんなと、会いたい。
253記憶:04/11/06 02:10:26 ID:N65KRZM0
少し勇気が出てくると、ターニアは支給品を開いた。
配られたアイテムは二つだった。
一つは、巨大な剣。とても、扱えそうに無い。
もう一つは、小さな種。使い方はわからなかった。
とりあえず二つをまた袋にしまうと、ターニアは周りを見渡した。

隠れる場所のほとんど無い、平原のど真ん中。
東に200m位のところに、森があるのを確認する。
ふと反対側に目をやると、西の方から、誰かが歩いてくるのが見えた。
「あれは…?」
確か、魔王を倒した時のパーティーに来ていた人だ。
お兄ちゃんの仲間のテリーさんだ!
「テリーさん!!」
少女は、ありったけの声でその青年を呼んだ。

その青年は、表情を変えなかった。
…私のことを、覚えていないのかな?
ターニアのある意味楽観的なその想像は、即座に否定された。

青年はおもむろに歩みを走りに変え、剣を前に構えた。
それでターニアは、凍りついた。
青年の剣は、血で濡れていた。

「あっ…」と言う間に、テリーはターニアから50mの所まで迫っていた。
もう、明らかだ。私にも感じる。彼の殺気が。
彼に背中を向け、全力で逃げようとするも、鍛えた戦士と普通の少女の違いは大きい。
真正面に森があった。あそこに逃げ込めば助かるかもしれない…!
そう思ったとき既に、テリーとの距離は30mをきっていた。

20m…いやだ…15m…どうしよう…10m…お兄ちゃん…5m…助けて!

もうダメだ、そう諦めかけた瞬間だった。
254記憶:04/11/06 02:12:08 ID:N65KRZM0
バーン。自分の後ろで、何か大きな音がした。
振り返ると、テリーの姿は20m以上後方で、宙を飛んでいた。
何かに吹き飛ばされたようで、彼は背中から地面に激突した。

「大丈夫!?」
森の中から、一人の女性が出てきた。
女性…エアリスは杖を正面に構え、大きな声で叫んだ。
「早く、逃げて!」
ターニアは、躊躇いを捨てた。。
杖を構えるその女性の方へ、一目散に駆け出した。


「くッ…」
唐突な攻撃だった。
強かに腰を地面にぶつけ、苦悶の表情を浮かべる。
立ち上がって見ると、少女と、自分に攻撃した『誰か』は既に森の中に消えていた。
「ちッ」
テリーは、苦々しく舌打ちをする。
――しかし…わからない。
あの少女は自分の名を知っていた…?
一瞬考えようとするも、彼はその思考自体はあまり意味がないと考え直す。
――まあ、いい。
彼は、力の証明のための相手を探すべく、南西のレーベへと向かった。

【ターニア 所持品:ゴディアスの剣 理性の種 行動方針:テリーから逃げる/兄(DQ6主人公)を探す】
【エアリス 所持品:ふきとばしの杖 他不明 行動方針:テリーから逃げる/??】
現在位置:レーベ北東の森入り口付近?

【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド
現在位置:レーベ北東の平原 行動方針:レーベへ向かう/自らの力を試す=ゲームに勝利する】
255>>249修正:04/11/06 02:25:13 ID:oW15+NOv
生き残るためには殺さねばならない、それが正しいことであると言えるか、しかし――
アグリアスは岬の洞窟を片手づたいにひた歩き、なんとか出口を見つけ外に出た。
洞窟の中では暗闇が恐怖を誘ってしまう。光が欲しかった。明るい日差しのもとで、敵を倒す。
そう、他の参加者はすべて敵だ。
ひとりだけしか生き残れないゲームなのだから、仲間なんて意味がない。

あまりに唐突に始まったこのゲーム、アグリアスは始まりの部屋でラムザに声をかけられた時も、
半信半疑でいた。
うなずいて、扉に走りこんではみたが、そう簡単に信じていいのだろうかと不安になった。
暗闇の洞窟のなかでラムザの顔を思い出したとき、あれは幻影であったように思えた。
あの毅然とした態度の中に確固たる本物の人間としての精神を見い出したのは確かなのに。
そう簡単には信じられないのだ。

あの男の姿は自分を騙す罠の一つであり、気を許して近づいてこの身をゆだねることなぞ、このゲーム
に乗ることと同じ位愚かなことなこと、そう考えるべきだとアグリアスは思う。
……だから結局私は一人でこの世界に投げ込まれた……
彼女は、今洞窟をぬけ、自分は孤独であると思い込んでいた。
現に傍には誰もいなかった。


洞窟を出たところは森の中だった。
入りくねった木の枝や、足をからめとられそうな草の茂みに面倒なものを感じながらも、先へ進むことを
決意する。
〜〜これ以降は同じです〜〜
失礼しました
256闘争心:04/11/06 02:52:57 ID:H7xHCbs4
「ハアアァァァ…!!」
男は剣を振るうと巨木を一刀両断にし、直後に発生した爆発により巨木は粉々となる。

「流石は伝説の剣。この力、真に素晴らしい。
 が、流石に扱い辛いな。やはり私では完全に使いこなす事は出来ぬか…。」
デュランは手に持つラミアスの剣をじっと見つめた後、鞘に収める。

「あの魔女に巨竜、おそらくその強さは私よりも数段上か。
 フフ ハハハハハ…。奴等とも是非戦ってみたい物だが、今はまだそのステージでは無い様だな。
 暫くの間この余興に付き合うのも悪くは無いだろう。
 この地に集められし強者達よ、是非とも私を楽しませてくれたまえ!」

ゲームに乗っているのとは少し異なる。
他者を殺す、生き延びる、そのような事は彼には関係無い。
弱き者、戦う気の無い者には興味は無く、ただ強い者と本気で闘い、そして勝つ。
それだけが彼にとっての興味であり、生き甲斐である。

「先ずはこの洞窟へ向かってみるとするか。
 フフフ… これから強き者に出会えると思うとゾクゾクしてくるわ。」
森を駆け抜け、デュランは岬の洞窟へと向かう。
自分を楽しませてくれる相手を捜し求めて。

【デュラン 現在地:岬の洞窟北東の砂漠付近 所持品:ラミアスの剣
 第一行動方針:強い者と戦う 最終行動方針:ティアマト、アルティミシアと戦う】
257214:04/11/06 09:05:58 ID:v65cecnL
間違えて雑談スレで修正宣言してしまいましたので一応こちらでも。
女性もいるこのゲームに←女性も子供もいるこのゲームに
重ね重ねすみませんorz
258最後の血統1/4:04/11/06 11:05:06 ID:fGNQDf2L
(―殺し合いをしろですって?冗談じゃないわ!)
そんな怒りを小さな魔法で木にぶつけている少女。
ムーンブルク国の王女、ムースだった。
殺し合いをしろといわれた、でも自分にはそんなことが出来るわけが無い。
あの中にはロランやパウロだって………。
しかし、ある思考が彼女をこのゲームに乗らせようとしていた。
「お前はムーンブルク最後の血統だ、誇り高きその血統を絶やしてはいかんぞ…。」
父の遺言だった、何故それを思い出したのか、彼女自身も分からない。
(私が死ねば…ムーンブルクの血は途絶える…それはお父様を悲しませてしまうこと。
 お父様を…悲しませてはいけない、でもロランやパウロを殺すだなんて――)
そのとき、彼女の思考に何かが流れこんだ、そう、完全にこのゲームに乗らせる言葉が。
「生き残れ!ムースよ!たとえ何があろうと!」
タトエ…ナニガアロウト…イキノコラネバナラナイ…。
ロランやパウロを殺せない?―否、今の自分には平気で殺せる。
誰だって、そう生き残る為なら嘗ての仲間を殺し、自らの手を血に染めることになろうとも。
259最後の血統2/4:04/11/06 11:11:02 ID:fGNQDf2L
「生き残る…そして私は…嘗て破壊神を破壊した、破壊できないものは無い。」
そして、狂気に満ちた彼女は支給品から一本のロッドを取り出した、その後彼女はあたりを見回した、三つほどの影が見える。
「先ずは三人…」
彼女はその三つの影に向けてロッドを振った。
彼女自身は呪文を唱えたが、ロッドからは彼女自身も知らない、未知の呪文があふれた。
一つは、大きな火球が影に向かい、その影を燃やし尽くした。
一つは、強靭な風が、影を襲った。
一つは、何所からとも無く、一粒の隕石が落ち、小さな爆発を巻き起こした。
もう一つの支給品、望遠鏡のようなもので、その三つの影を確認する。
火球の行った先は海賊のような姿をした男が燃えていた。
強靭な風が通り過ぎた先は吹き飛んだのか、何も見えなかった。
隕石が落ちた先も、一人の忍者のような女性が見える、即死とは行かないが腕が落ちている、片腕を遺失したようだ、そして素早く、忍者の如く逃げていった。
「チッ、確実に仕留められたのは一人ですか…まぁ良いです、逃げたあの女性は後で仕留めましょう。
 そして…フフッ、これは使えるわ、大事にとっておきましょう。」
そして、人を求めて歩き出そうとしたときだった。
260最後の血統3/4:04/11/06 11:11:51 ID:fGNQDf2L
ムースは不意打ちを食らってしまった。
「やい、てめぇ!いきなりバギクロスかますなんて痛いじゃねぇか!」
そうやって、ムキーッっとなりながらムースに殴りかかってきたのは、小さなもこもこしていて、顔はいかにも意地悪そうな顔の奴だった。
しかし、この物体もムースも気がついてはいなかった、今のはバギクロスではなくエアロガだということを。
「もう怒ったぜ!ちょっと懲らしめてやる!」
そんな言葉を聞き、ムースは口元を歪めた。
「フフ、貴方みたいな小さな奴に負けるとでも――」
言葉はそこで遮られた、その物体が先ほどの大きな火球を練りだしたからだ。
急いで避けたが少し火傷を負ってしまった。
「チッ…こんな上等な呪文を使うだなんて…」
「ちくしょお、素早い奴だぜ!」
その声は重なった、対峙する一匹と一人、そこへ…。
「おいおい、そこのもこもこした奴!一人で立ち向かうのは無謀だと思うぜ。
 こいつは結構呪文の使い出だ、余計なお世話とは思うが、こういう奴は放って置けねぇ!
 このギルガメッシュ様が加勢してやるぜ!」
と威勢のいい声と共に現れた颯爽に現れた赤マント、しばし呆然としていたわるぼうだが、
ムースに殺意を向けられていることに気がつき、もう一度ムースのほうを向いた。
そして、ギルガメッシュと名乗る奴に向かい、一言呟いた。
「俺はわるぼう、マルタの国の精霊さ。」
そしてムースは、邪悪な笑みを浮かべ、こう言い放った。
「フフ、二人に増えようと同じです、まとめて塵にしてあげましょう!」
その声は、嘗て破壊神を復活させた、ハーゴンに似ていた。
261最後の血統4/4:04/11/06 11:13:58 ID:fGNQDf2L
【ムース 生存確認 現在地:レーベ北の平原
 所持品:ワンダーワンド(ランダムに魔法を発射します) 遠距離用スコープ
 第一行動方針:わるぼう、ギルガメッシュを殺す
 第二行動方針:仕留め損ねた奴(ユフィ)を殺す
 最終行動方針:生き残る】

【わるぼう(負傷) 生存確認 所持品:不明(邪魔だと言って捨ててきた可能性あり
【ギルガメッシュ 生存確認 所持品:不明
 現在地:レーベ北の平原
 第一行動方針:ムースを懲らしめる(殺すことになるかどうかは微妙。】

【ユフィ(片腕遺失) 生存確認 現在地:レーベ北の平原からいざないの洞窟方面へ逃げる
 所持品:不明
 第一行動方針:術者から逃げる
 最終行動方針:????】

【ビッケ 死亡】(支給品は燃え尽きたor放置
262名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 12:22:26 ID:fGNQDf2L
ぁぁ、申し訳ない。
【ムース(DQ2ムーンブルク王女) 生存確認 現在地:レーベ北の平原

です。
263実は弱虫…? 1/2:04/11/06 12:58:09 ID:Zg3h8cIb
(なんで、なんで俺様はここにいるんだ…)
唐突に始まったこのゲーム。何故こうなったのかを、ブオーンは考えていた。
(俺様は確か、あのいけすかないルドルフの奴に封印されて…)
封印がとけたらルドルフに復讐しようと決めていた。
(あの金の亡者は、俺様にかかった賞金欲しさに封印しやがったんだ!!)
思い出しただけでもはらわたが煮えくり返ってきた。
(俺様は、健気に、直向に、大人しく、生活していただけなんだぞ!!)
確かに寝返りを打ったり、何かに躓いて思わず、家や人を踏んだことは何度かある。
だが人間だって、何かの拍子に蟻を踏んだり、巣を壊すことだってあるじゃないか。
(封印の経緯についてはまあいい)
ブオーンは、確か自分の封印はとかれたことを思い出した。
封印がとかれた後、早速ルドルフの居所を捜した。
最初に、ルドルフに罠をかけられ、封印した塔に行ってみると、そこには見知らぬ男と子供がいた。
(そして、俺様は倒されたんだよなあ…?)
これについては、ブオーンには何の文句もなかった。
弱い奴が強い奴に倒されるのは自然なことだ。ルドルフのように卑怯な罠を使ったわけでもない。
あいつらは、自分が封印された後、幅を利かせた奴なんだろう、と予測している。
(あいつらも、このゲームに参加してたなぁ…)
参加者一同揃った先ほどの会場に、あの男と子供がいた。
このゲームには、確実に自分より強いものが参加している。
(ルドルフの奴が参加しているわけでもなさそうだし…)
ルドルフがいない以上、ブオーンはわざわざ動いて殺される危険を高めるつもりはなかった。
一度倒され、もう一度殺されるのはゴメンだ、という心境になっている。
(さっきから背中の当たりが痒いけど、かくわけにもいかないか、はぁ)
大きな、ため息が漏れた。
264実は弱虫…? 2/2:04/11/06 13:00:07 ID:Zg3h8cIb
「ぬお、なんか動いた…?」
運がいいのか悪いのか、ブオーンの背中を小山だと思って待機していたゴゴは、突然の揺れに驚いた。
それはブオーンがため息をついたために起きた揺れなのだが、それを彼は知る由もない。

【ブオーン 現在位置:レーベ南西の山岳地帯に同化中 所持品:不明
第一行動方針:動かずやり過ごす】
【ゴゴ 現在位置:レーベ南西の山岳地帯(ブオーンの背中) 
所持品:ミラクルシューズ ソードブレーカー
第一行動方針:誰か来たら、その人の物真似をする。】
265花占い 1/2:04/11/06 13:13:40 ID:Y0tOXZzb

「私は、サックスに…」
すぅっ…と決意したように息を吸い込み、真剣な眼差しでそれ――ある意味、彼女の運命を決定づける物――を見つめ…そして、始める。
震える指先で、それでもしっかりと掴んでいく。ゆっくりと、ひとつずつ無くなっていく。
「会える、会えない、会える、会えない」橙色の花びらが足元に散っていった。
エリア。彼女はどこかずれている。

死んだはずの自分が何故ここに立っているのか、何故こんなゲームに参加させられているのか…
考えた、考えたが、わからないことをいつまでも考えたって始まらない。
それよりも、折角今もう一度こうして彼らと同じ大地に立つことができたのだ。もう一度…会いたい。
「会える、会えな……」
ぴたり。エリアの指はそこで止まった。…花びらはあと一枚。
「……もうっ!こんなのどうせ当たらないんだから」
そうつぶやくと、今度は赤い花を手にする。そしてまた占いはじめる。
「私は、ギルダーに…会える、会えない、会える…」
――サックスもギルダーも、どうしてるかなあ。あのころと変わらないままだといいな。
そういえば、ジョブはナイトと赤魔道士のままなのかしら?二人ともこだわって極めようとしてたから…きっとそうね。
ああ、早く会いたい。
「会えない、会える…やったあ!」
赤い花は、その花びらを全て散らせることができた。もちろんこんな占いは気休めだと彼女自身わかっている。
動かなくては始まらない。占いのほうは…橙のほうはハズレ、赤のほうアタリであることを希望して。
エリアは花びらが一枚残る橙の花と、花びらのなくなった赤い花のふたつを大切そうにワンピースのポケットにしまいこむと歩き出した。
266花占い 2/2:04/11/06 13:16:51 ID:Y0tOXZzb

(…あれって、まさか!)
緊張しながら森の中を進んでいたエリアは、その後姿を確認するなり目を見開いた。
彼女の視線の数メートル先には赤いマントに羽帽子、そして長い金髪――もしかして…!
安堵感と嬉しさから笑みを浮かべる。こんなに早く見つかるなんて!駆け寄りながら懐かしい名前を呼ぶ。
「ギルダー!」
「…!?うわああああっ!」
あ―――
エリアは、引きつった笑顔で硬直した。ギルダーじゃなかった。
確かに服装は似てるけど赤魔道士のものではないし…ギルダーよりも七つか八つは年上と思われる青年だった。
「なっ…だ、誰?ぼ、僕が何か?」
青年は突然の他人との遭遇に、青ざめた顔で震えている。
相手がエリアのような、とても悪人には見えない女性でなければ錯乱して襲い掛かっていたかもしれない。
「ご、ごめんなさい、…あ、あはは」
エリアは、笑うしかなかった。

【エリア:生存確認 現在位置:レーベ東の森最東部 所持品:妖精の笛、占い後の花
 第一行動方針:ギルバートと話をする 第二行動方針:サックスとギルダーを探す】
【ギルバート:生存確認 現在位置:同上 所持品:毒蛾のナイフ
 第一行動方針:エリアと話をする 第二行動方針:セシルとリディアを探す】
267名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 14:12:58 ID:kG4DPW/D
>わるぼう所持品:(邪魔だと言って捨ててきた可能性あり
「なわけねーだろ、勿体無い!」
わるぼうは怪我した体など露ほどにも感じさせない勢いだった。
大型のライフルを片手で軽々と持ち上げると躊躇わずトリガーを引いた。目の前にはギルガメッシュがいた。
「食らえ、ビームライフル連射!」
「うおっ、危ねえええっ」
ギルガメッシュは乱射されたビームに危うく巻き込まれるところだった。
体を左右に振り、ビームの嵐を際どいところで回避した。
「おい、俺まで撃ち殺す気か!」
わるぼうは掲げていたライフルを地面の高さまで降ろした。
「すまないワル。でもお前は動きが速そうだから、かわしてくれと信じていたんだぜ……
 俺の読みは正しかったワル。お前ははぐれメタルなみにすばしっこい。でも調子に乗って逃げ足の
 速さまではぐれ並に発揮してもらっちゃ困るぞ。もし、そんな真似したら後ろから撃つからな」
「てめえ、セリフが長いんだよ!敵がまだいるのを忘れんな!」
そう、ムースは怒り心頭でいまにもイオナズンを撃ってきそうな様子だった。
衣服がいたるところ裂け、その切れ間から白い肌が露出していた。
「よ、よくも私の法衣を……」
ムースはワンダーワンドを振り上げて呪文を唱えた。
わるぼうが目を見張る。
「あれはイオナズンの構えワル。こっちも呪文で応戦するぞ」
「待て、俺は攻撃魔法を使えねえぞ」
「お前に使ってくれなんて誰も言わないぜ。もともと戦力は俺一人だけだと考えていたからな」
「なんだとう!?俺は物の数に入ってねえってことかあ?なめてんのか!」
「まあ、加勢してくれる言ったときは少しは感謝したけどさ。でもよく考えたらあれは気の迷いだったのかと」
「ふざけんな。俺が頼りになる男だってことを思い知らせてやる」
ギルガメッシュはザックを野原にひっくり返して中身をぶちまけた。
その中から古びた剣を選びとると、ムースに向かって突撃を開始した。
わるぼうは頭をかきながらギルガメッシュの背中に精神を集中させた。
「やれやれ、しょうがない奴だよ。ほらっ、スクルト&バイキルト&ピオリム&フバーハ&マホカンタ×2!」
268名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 14:17:34 ID:kG4DPW/D
【ムース 生存確認 現在地:レーベ北の平原
 所持品:ワンダーワンド(ランダムに魔法を発射します) 遠距離用スコープ
 第一行動方針:わるぼう、ギルガメッシュを殺す
 第二行動方針:仕留め損ねた奴(ユフィ)を殺す
 最終行動方針:生き残る】

【わるぼう(負傷) 生存確認 所持品:ビームライフル 残り不明
【ギルガメッシュ 生存確認 所持品:ボロい剣、種子島銃、厚底サンダル
 現在地:レーベ北の平原
 第一行動方針:ムースを懲らしめる(殺すことになるかどうかは微妙。】
269誕生!スーパーボンバーマン1/4:04/11/06 17:08:33 ID:ZxF/XcgI
「うおおおおおーーーーー!!」
雄叫びを上げ、自らを奮い立たせるモヒカン男。
正義をこよなく愛する男、ハッサンである。
彼は、心底怒っていた。
主催者アルティミシアに対して。
このゲームに対して。
そして、最初の広間で女性が殺されたとき、何もできなかった自分に対して。
こんなところで死んでたまるものか。絶対に、生きて脱出してやる。
そして、あいつをブン殴る。そう心に決めたハッサンであった。

しかし、気合いと怒りだけで脱出できるはずがない。
首輪をどうにかしないといけないし、アルティミシアに一人で勝てるはずもない。
同士を募り、アイテムを集めなければならない。

「おっと、そういや、オレの支給品は?」
ハッサンが袋を探る。出てきたものは3つ。
神秘の鎧。歩くだけで体力が回復するスグレもの。結構カッコイイ。
奇跡の剣。斬りつけると同時に、体力を回復する業物。結構カッコイイ。
当然装備。これでボーナス40点もいただきだぜ。
もう一つは、エメラルドの付いた指輪。
レイドックのおばさんの指輪に付いていたイミテーションのようなものではない、本物のエメラルドだ。
さらに、魔力もこもっているらしい。装備するか。最近の男には、おしゃれも必要だぜ!
ハッサンはエメラルドの指輪を装備した。
270誕生!スーパーボンバーマン2/4:04/11/06 17:11:34 ID:ZxF/XcgI
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
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                    /                    \
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   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
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                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
エメラルドの指輪が爆発した!
271誕生!スーパーボンバーマン3/4:04/11/06 17:14:29 ID:ZxF/XcgI
まさか爆発するとは…
生きているのが不思議なくらいだぜ。
こういう謎のアイテムには、インパス。一応覚えておいてよかったぜ。
「インパス!」


爆発の指輪 重さ4
装備すると、装備者の生命エネルギー(=HP)を半分消費して、強制的に爆発を起こすぞ。
その後、数歩〜数十歩ごとに爆発を起こすぞ。


つまり、なんだ、弱いメガンテみたいなもんか。神秘の鎧を装備していてよかったぜ。爆発しまくっても死なずにはすむな。
…て、待て待て待て!こんなの装備してたら、仲間どころか、生き物一匹よってこねぇじゃねぇか。
それに、このまんま装備してたら、常に瀕死状態じゃねぇか。冗談じゃねえ。
いや、この指輪外せばいいのか。俺としたことが、ただの取り越し苦労だったぜ。
さて、これは外して、仲間を捜すとするか。
272誕生!スーパーボンバーマン4/4:04/11/06 17:18:40 ID:ZxF/XcgI
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
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    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
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                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
爆発の指輪は呪われていて外れない!

【ハッサン(HP残り1/4+α) 現在位置:いざないの洞窟西の山岳地帯 所持品:E奇跡の剣 E神秘の鎧 E爆発の指輪(呪)
 行動方針:指輪を外す 最終行動方針:仲間を募り、脱出】
※爆発の指輪、呪いはトルネコ2仕様
273254:04/11/06 17:44:16 ID:FcWPz1pn
ふきとばしの杖→ふきとばしの杖〔4〕
に脳内修正お願いします
274意思疎通1/4:04/11/06 18:28:00 ID:fGNQDf2L
(オレは、気がついたらあの場所にいたんだ。
 タイジュでヘルードとグレンザとゴルゴと冒険していて、いつも道理疲れたからベッドで寝たらあそこにいたんだ。
 そして、アルティミシアっていうすごいおばさんに殺しあえなんて言われちゃってさ。
 もう嫌になっちゃうよ、あーあ、皆がいればあんなおばさん一捻りなのにな。
 でも、この変な世界で一人の友達と、見たことも無いモンスターを仲間にすることが出来た。
 友達のほうはレックス、僕と同じぐらいの大きさで呪文も使える。
 で、モンスターの方は緑色の…面白い形をしたモンスター、マーマンが100倍可愛くなった感じ。
 そうそう、まだアレをやってなかったっけ、名簿によると…このモンスターはトンベリって言うのか、神聖な儀式だし…うーん)
と、彼が悩んでいる中、レックスがこう言った。
「ねぇ、テリー、君。どうせだからこの袋開けてみない?」
とレックスがテリーとトンベリに尋ねた、君というのはトンベリを指しているようだ。
そして、テリーも座り込み、袋を開けてみた、テリーの支給品はラッパと黒い球体だった。
「これは…吹くのかな?でもこっちの丸いのは使い方わかんねぇ、入れとこう。」
その黒い丸い物体が、このゲームを破壊しかねない存在だということ。
「メテオ」を呼ぶものだということを、を二人と一匹は知ることは無いだろう。
そして説明書を片手にラッパを使いこなそうと頑張っていた。
275意思疎通2/4:04/11/06 18:29:37 ID:fGNQDf2L
「僕の支給品は包丁と…盾だな、うーん、ちょっと使いにくいなぁ。」
盾のほうはオーガシールドという、なかなかの守備力を誇るものだった。
包丁を取り出した瞬間、トンベリが少し暴れ始めた。
「ど、どうしたんだよ!いきなり暴れて!」
テリーとレックスは慌て始めた、トンベリが暴れ始めたからだ。
(―見たことも無い魔物…話し合えるかどうかは分からない…でもオレは…やってみるしかない!)
そして、テリーは集中し、トンベリのほうを向いた。
それは…魔物使いのみが出来る、モンスターとの会話だった。
テリーがゆっくりと目を閉じた後…テリーはこう呟いた。
「それはぼくのほうちょうです、かえしてください!」って言ってるぜ。」
そうテリーがレックスに言った、トンベリとの意思疎通に成功したのだ
レックスはそのテリーの姿を、見て魔物と離す、父の姿と重ねていた。
「テリー…君は、一体?」
その言葉に、テリーは自信を持って答えた。
「オレはタイジュの国のM・M(モンスターマスター)テリーさ!」
モンスターマスター、その言葉にレックスはやはり父と繋がるものを感じていた。
そしてテリーは、ちょっと決まった…と思いつつ、テリーは用件を思い出した。
「おっと、その包丁、こいつの物みたいだから返してやれば?」
レックスはうなずき、トンベリに包丁を返した。
トンベリは、お気に入りの包丁が戻ってきて、とても嬉しそうである。
すると、一本の剣をレックスに差し出した。
「ほうちょうをかえしてくれた、お礼です」ってさ。」
その剣は、レックス自身よく知っている天空の剣だった。
それを受け取ってレックスはニコリと微笑んだ。
彼自身、前にも握っている、やはり…手になじむ。
276意思疎通3/4:04/11/06 18:30:57 ID:fGNQDf2L
ちょうどニコリと微笑んだときである、一人の男が向かってきたのだ。
手には大きな剣、そして盾、もしかしたらゲームに乗ってるかもしれない。
レックスとトンベリはテリーを守るように、テリーはラッパを片手に構えた。
すると、その男は剣から手を離し、テリー達に話し掛けていた。
「すまない…君たち、僕より少し小さな白魔道師…名簿に載ってると思うけどローザって人を見なかったかい?」
その男は、すこし悲しそうな顔でそういった。
しかし、子供たちは顔を横に振っていた。
その合図を見、男はさらに表情を暗くした。
「そうか…なら、もし見たなら言ってくれ、セシルという人が探していたと、あの城の近くにいると。」
そういって、その男はもの悲しそうに去っていった。
テリーにしてみれば仲間になるのを断った敵のように…去っていった。

その後、テリーとレックスはやるべきことに頭を切り替え、こう言った。
「そうだ…僕もわたぼうを探さなきゃ!」
「僕も…お父さんや妹を見つけないと!」
二人の意思は繋がった、そしてその後テリーは思い出したかのようにトンベリの方を向いた。
「そうだ、魔物を捕まえたからには、やっておかないとね、神聖な儀式だから。
 お前の名前は――――」
そう、テリーがトンベリに名前を付けているときだった。
レックスはふと、上を向いた、そこには…考えられないが人影があった。
よく見てみると…人のような、そうではないような、そんな感じだった。
277意思疎通4/4:04/11/06 18:33:24 ID:fGNQDf2L
【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ 黒マテリア(メテオ)
【レックス 所持品:天空の剣 オーガシールド
【トンベリ 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ
現在位置:アリアハン北の橋の上
第一行動方針:わたぼうとレックスの仲間を探す
最終行動方針:ゲームから脱出する】
テリーがトンベリに名前を付けました、テリーはトンベリと意思疎通が可能です。

【セシル 所持品:光の剣 ミスリルシールド
現在位置:アリアハン北の橋の上からアリアハン城へ
行動方針:ローザを探す】

【フライヤ 所持品:?????
現在位置:テリー達の上空
行動方針:?????】
278責任1/3:04/11/06 20:19:43 ID:2xUTUuvV
森を駆ける二人の少女。
エアリスとターニアだ。
エアリスは後ろを振り返り、剣士が追いかけて来ない事を確認する。
「もう、大丈夫みたい」
そうターニアに告げると、ゆっくりと足を止めた。
ターニアもそれに習い、足を止める。
「怪我はない?」
エアリスが聞くと、少女は少しだけ頷いた。
呼吸は、少し荒い。
少し赤く染まった頬に、涙が流れた跡。
未だ潤んだままのその瞳で、ターニアは礼を言った。
「ありがとう…」
「いいのいいの。ホラ、こんなゲームだし、助け合わなきゃ…」

エアリスの声が、止まる。
ターニアとは違い幾らか戦闘経験のある彼女は、人間の気配を察知した。
「誰かこっちに来るみたい…」
ふきとばしの杖を握ると、神経を集中させる。
(二人くらい…殺気は無し)
エアリスは少しホッとしたが、まだ油断はできない。
人を見つけると急変する可能性だって、ある。
ターニアと共に、茂みの中に身を隠した。

ターニアを茂みの奥のほうへやると、エアリスは葉の隙間から外の様子を見た。
やって来るのは予想通り二人。
軽い身のこなしの金髪の美女と、剣を手にした金髪で体格のいい青年。
なにやら明るく話をしている。どちらも、人を殺せるようには見えない。
…と、そう考えていると、美女のほうがゆったりした口調で言った。
「其処においでの方、私達に戦う意思はありません。出てきていただけませんか?」
279責任2/3:04/11/06 20:22:09 ID:2xUTUuvV
見つかった!とエアリスが思ったその瞬間、ターニアは既に立ち上がっていた。
(この声には、聞き覚えがある。あの人なら、テリーさんのようにはならないはず!)
「ミレーユさん!」
ターニアは叫び、エアリスの横を一気に走り抜けるとその美女に抱きついた。
「ターニアちゃん!?無事だった!?」
ミレーユは、ターニアの予想通り、ターニアを抱きとめた。

「知り合いなのね?」
エアリスもまた、ゆっくりと立ち上がった。
四人が戦う意思が無いことを示しあうと、座り込んで自己紹介をした。



ターニアがテリーに襲われたことを話している間、ミレーユはとても険しい顔をし、
エアリスと金髪の青年…ティーダも表情を曇らせていた。

「やっぱり、そうなのね…」
ミレーユが、ふっ、と呟く。
「参加者リストのテリーは…」
彼女はリストを開き、テリーの写真を指差す。
「…赤い目をしているの。それは、デュランの手下になっていた時のテリーの目…」
「えっ?」
「多分彼は、デュランの手下だった時のテリーとしてこのゲームに参加しているの。
だから彼には正義がない。そしてきっと、ターニアちゃんのことも…私のことも、わからないはず。
なぜならその彼にとって私達は、未来に出会うはずだった人達だから…」
ミレーユが物憂げに溜息をつき、エアリスとティーダは顔を見合わせる。
280責任3/3:04/11/06 20:23:15 ID:2xUTUuvV
「…ティーダ君?」
ミレーユに不意に呼ばれ、ティーダは慌てる。
「な、何スか?」
「…その二人を守ってあげて。私は…行かなきゃ」
そう言い残し、ミレーユは立ち上がると、履いていた靴のおかげか信じられないスピードで何処かへ走り去った。


「ミレーユさん!!」
背中から聞こえるターニアの悲痛な声を聞くまいと、ミレーユはなおもスピードを上げる。
(テリーをあんな風にしたのは、私のせい。だから私が止めなくちゃいけない。)

あの時…ヘルクラウドでのテリーとの再会は、不意だった。
でもその時は仲間達がいて、だからテリーを止められた。
…でも私は、私を許せなかった。
彼の行動の全ては…私の責任なの。
だから、止めなくちゃ、いけない。
――私の命に換えても。

金色の髪を振り乱し、ミレーユはテリーの向かうであろうレーベへと、走る。
悲しくも美しい姿は、木々の向こうへと消えていった。

【ターニア 所持品:ゴディアスの剣 理性の種 行動方針:休憩?/兄(DQ6主人公)に会う】
【エアリス 所持品:ふきとばしの杖 青銅の盾 行動方針:休憩?/クラウドたちと合流】
【ティーダ 所持品:鋼の剣 麦わら帽子 微笑みの杖 行動方針:休憩?/仲間と合流】
現在位置:レーベ北東の森の中

【ミレーユ 所持品:月の扇 エルメスの靴 行動方針:テリーと会い、自分の命に換えてもテリーを更正させる】
現在位置:レーベ北東の森からレーベに移動中
281血の臭い:04/11/06 22:13:40 ID:Y0tOXZzb

(うう…何で僕が、こんなゲームに…?)
森の中を青ざめた表情で震えながら歩く兵士が一人。ピピンは、この殺人ゲームにびくびくと怯えていた。
自分は戦士とはいってもあくまでも兵士である。単独での実戦経験はないに等しかった。
訓練のときは常に他の兵士と一緒。戦いの旅はリュカ様達とご一緒。
そんな自分が、戦い慣れしていると思われる戦士達と普通に戦って勝てるはずもなく。
おまけに支給品はとてつもなく大きな剣と使ったことのない弓で、どちらも上手く扱うことができなかった。
「はぁ…」
溜息のひとつも出る。選ばれし選手達って…どんな基準なのさ。何で僕が?
それにあんな可愛い女性を、あんな見せしめみたいに殺すなんて!ゆるせな…い―――?
「! なっ!」
ピピンは目を見開いた。ふいに、視界の端に映ったその存在に気が付いたのだ。
少し先の茂みに女性が倒れている、そして…これはまさか、血の臭い?
「だ、大丈夫ですか!?」
だっ、と駆け寄り…目の前で思わず立ち止まる。
女性の怖いくらいに真っ白な顔は、間違いなく死体のそれだった。既に絶命していたのだ。
(そんな――…酷い、こんな)
ピピンは、怒りと恐怖に震えながらもゆっくりと女性に近づく。
最初の部屋で見たのと同じ真っ赤な血が、周囲の緑を赤く染めていた。
そっと、死体を抱き上げる。…とても美しい顔立ちの女性だった。埋葬してあげなくては…
(……あれ?)
うつむいているピピンはふと気が付いた。…なんだ、これ?
キラキラと光る何かが地面に…氷だ。氷が辺りに散らばっている。
気が付かなかったが、良く見ると女性の足元にも氷が着いている。まさか、冷気系の呪文で―――
282血の臭い 2/3:04/11/06 22:15:26 ID:Y0tOXZzb

「―――ブリザガ!」
突如、男の声と共に魔力の波動が降ってきた。
すぐ後にピピンは、氷が砕けるような音を聞いた。足元が凍っている!
(上!?何で、何で…まさか、死体を囮にして…!?)
足が動かない、両手は使えるが武器を持っていない。不慣れな武器はザックの中だ。
(…くそっ、動けない!)
ピピンは見た。頭上の木の枝が大きく揺れて…一瞬後、自分の背後に着地した赤いマントの少年を。
(ちくしょう―――リュカ様―――レックス様―――!)
それが、最後だった。


ギルダーは、兵士が絶命したのを確認すると、もはや動くことのないその身体からライトブリンガーを引き抜く。
兵士の死体は前に倒れ、先程殺めたばかりの女性の死体に重なった。心臓の辺りから広がっていく血がまた緑を赤く染める。
ギルダーは目を細めてそれを見つめる。ふと、いつの間にか出てきていた嫌な汗に気づき袖で拭った。
(くそ、気分のいいものではないな)
ただ実感が湧いてくる。刺した…罪のない人間をこの手で殺めた、と。
「……大丈夫だ…約束は守る」
空を見上げ、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
気分が悪いなんて今更だ…。それを覚悟の上で、帰ると決めたんじゃないか。
もう殺すことでしか戻れないのだ。
ギルダーはピピンのザックを開けた。剣と弓。剣のほうは自分にはとても使えなさそうである。
弓もあまり得意ではないが、まあ邪魔にはならないだろう。
そう思いミスリルボウだけを抜き取ると、ザックは先程と同じように茂みの中に投げ捨てた。
(…もう、移動するか。ここは血の臭いが酷い)
283血の臭い 3/3:04/11/06 22:16:22 ID:Y0tOXZzb
【ギルダー 現在位置:アリアハン北の橋より東の森→移動 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×4・ミスリルボウ
 第一行動方針:獲物を探して移動 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】

【ガーネット 死亡】
【ピピン 死亡】
【死体位置:アリアハン北の橋より東の森中央付近】
※ガーネットの支給品はラミアの竪琴とイエローメガホン、ピピンの支給品はバスタードソードとミスリルボウ。
 ラミアの竪琴・イエローメガホン・バスタードソードは二人の死体の近くの茂みに放置されています。
284ピクニック 1/4:04/11/06 22:41:53 ID:j5QfPQUH
陽光が木の葉の間をすりぬける。
暖かい風が、肩をやさしく撫でながら通り過ぎていく。
そんな静かな森の中で輪を描くように座った自分と、四人の男女。
その中心に、かなり大き目のピクニック用バスケットが置かれている。
皆、好き勝手に籠の中のサンドイッチをつまみ、コーヒーを飲み、うさぎリンゴを齧り……

(なんなんだ、この雰囲気は?
俺たちは殺し合いの会場にいるんだぞ?
いくらなんでも、これはおかしいんじゃないか?)

「これ、結構うまいな。もう一つもらうぜ」
金髪を短く刈り込んだ、いかにも格闘家風の男がカツサンドを口一杯にほおばる。
「よくそんなに食べれるわね。私、もうお腹一杯だわ」
頭巾をかぶった少女が、そう言ってコーヒーをすすった。

(……こんなのんきにピクニックやってる場合じゃないだろ。
 既に人が一人死んで、首を吹き飛ばされているんだぞ?
 俺たちがこうやってる間にも、誰かがどこかで殺されているかもしれない。
 それなのになんで、誰もおかしいと思わないんだ。不謹慎以前に緊張感がなさすぎるだろ)

「いやいやもっと食ってくれよ。
 どうせ俺一人じゃこの量は食いきれないし、腐らせるのももったいないからな」
長髪の男――ラグナが、唐揚げをつまみながら言う。彼がこのピクニックセットの提供者だった。

(ラグナ……一体、この男は何を考えているんだ?
なぜこんな時に、見知らぬ人間と食事を楽しんでいられる?
誰もが敵になる可能性がある。いや、実際に自分以外の全員が敵なんだぞ?)
285ピクニック 1/2:04/11/06 22:45:24 ID:j5QfPQUH
「なーんか、さっきから一人で辛気臭い顔してるね。せっかくカッコイイ顔なのに。
 楽しめるときに楽しんでおかないと損するわよ」
角の生えた少女が、いたずらっぽく笑いながら自分を見た。
「……この状況ではこれが普通の反応だ。
 あんたたちが享楽的かつ楽観的すぎるだけだ」

(そう、俺が普通だ。俺は普通なんだ。
 なのになんだ、この雰囲気は。まるで俺一人が間違ってるみたいじゃないか)

「スコールなぁ、そうピリピリすんなよ。
 よく言うだろ。急ぐと計算間違えるとか腹が空いたら勉強できないとか」
ラグナの言葉に、(言わないよ)(言わないわね)と、女性二人が小さな声で茶々を入れた。
それが聞こえたのか、ラグナは小さく咳払いしてから話を続ける。
「なんつえばいいのかな……こういう時だからこそ急がないほうがいいっつーか」
「心にゆとりを持てと、あんたはそう言いたいのか?」
「そうそう、そゆことだな」

(ゆとりとかいうレベルか?
単に現実逃避して、無防備に食事してるだけじゃないのか?
考えてもみろ、もしも乗り気の奴に襲われたら、全員一巻の終わりなんだぞ……)

俺のそんな考えを察知したのだろうか。ラグナは急に真顔になって、俺を見つめた。
「思うんだけどな。雰囲気に飲まれて、流されるのは簡単だ。
 でもな。流されちゃいけない流れってのがあるんじゃないか?」
286↑2/4の間違いです。これが3/4:04/11/06 22:51:33 ID:j5QfPQUH
「俺は正直、殺し合いなんかしたかない。
 そりゃあ命が惜しくないつったら嘘になるけどな。
 でもなあ、お前やリノアちゃんを殺してまで生きるなんて真っ平ゴメンだし
 大事な息子を生かすために、ゼルやアーヴァイン達を殺して自分も死ぬって気にゃ、もっとなれないぜ」
「……バカなこと言わないでくれ」
「そうだ、バカなことだって思うだろ?
 でも、そういうのをバカなことだって思わない奴もいる。
 どんなバカなことでも、焦ったり場の空気に呑まれたりすると、当たり前だって考えちまうんだ」
ラグナは一旦そこで言葉を切り、コーヒーを一気に煽った。そしてまた話を続ける。
「いつまでも現実逃避してろとは言わないさ。
 でもな。どんな最悪の時でも、こうやってゆっくりすることは必要だと思うぜ。
 最良の選択ってやつをするためにはな」

(そうなのか? ……そうかもしれない。ラグナの言うとおりかもしれない。
 でも……)

「あんた……いや、あんたたち、本当にそこまで考えてピクニックをやってたのか?」
「いや、単にメシ食おうと思って広げただけだ。
そしたら、この可愛らしいおじょーちゃんがいるのに気付いてな」
「エーコ、ジタンを探してたら偶然この人と会ったのよ。
 せっかくの誘いを断るのも失礼だから、一緒に食べてたの」
角の生えた少女が答える。それから、頭巾の少女が
「まさか子供相手にピクニックセット広げてる人がゲームに乗ってるわけないでしょ。
 ちょうどお腹が空いてたし、手招きされたから相伴に預かっただけよ」
と言って、最後に金髪の男が
「いやー、やっと山脈を抜けたと思ったら、なんだかうまそうな匂いがしててさ。
 ちょっと聞いてみたら、食っていいっていわれたんでな」と答えた。

(やっぱりな、そんなことだと思った……。納得しかけた俺が馬鹿だった)
287ピクニック 4/4:04/11/06 22:53:05 ID:j5QfPQUH
【ラグナ 所持品:ピクニックランチセット 不明
 行動方針:メシ食いながら、これからどうするか考える】
【マリベル 所持品:不明 行動方針:不明。ゲームに乗るつもりはない】
【マッシュ 所持品:不明 行動方針:不明。ゲームに乗るつもりはない】
【エーコ 所持品:不明 行動方針:ジタンを探す】
【スコール 所持品:不明 行動方針:不明】
現在位置:アリアハン東山脈地帯・中央部西にある森
288名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 22:59:20 ID:Mmr3f1tv
広大な草原を進み行くテリーはふと足をとめる。
彼の目に人とおぼしき姿が映った。
背格好は自分よりもずいぶん横に大きい。
鎖帷子を着込んでいる、兜は頭をかるく覆う程度の軽微なもの。
旅の戦士といった風情だ。
村にたどり着く前に、また力を試す相手に出会えたことを彼は幸運に思った。

肥満体形で戦士風の男はテリーを見つけるなり、駆け寄ってきた。
相手を疑うことを知らないような純粋な目をして、自分がどんなに愚かな行動をとっているでかもわからずに、
近寄ってくる。
それでは戦場では生き残れない。
テリーはつまらなそうにつぶやいた。
こいつは力を試すほどの相手じゃない

「あ、あなたもこのようなゲームに参加されて、いや、させられて、今まで辛かったでしょう」
その男――トルネコは親しそうにテリーへ語りかけ、鼻の下を指でこすった。
「僕もずいぶん悩んだし、泣きました。だってたった一人だけしか生き残れないなんて酷すぎる。
 ……怖いですよ。いったいどこから誰が襲ってくるかわからない。それでも一対一ならまだ自身は
 ありますが、徒党を組んだ集団に狙われでもしたら、そのときは……」
トルネコの目は潤んでいた。テリーに哀願するように続ける。
「理性的なあなたなら大丈夫だと思ったんです。
 お願いです。はっきり言って一人じゃ心細いんです。一緒に行動しませんか」
もううるさいとしか思わなかったテリーは、クリスタルソードの刃の先をトルネコの胸に押し当て、
力をこめて前に突き出した。
トルネコは一瞬怒ったような真っ赤な顔になり、それから顔色はみるみる青ざめて、自分の胸に手を
当てた。
その手はいっぱいに溢れた血で汚れていた。
そして、テリーを見つめ、トルネコは何ごとかつぶやいて、後ろに倒れた。
風が流れる。空気が周りから逃げていくように。
テリーは倒れたトルネコに冷ややかな視線を送った。
289名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 23:00:21 ID:Mmr3f1tv
「天国にしろ地獄にしろ、一人だけでいくんだな」

テリーはトルネコが完全に動かなくなると、彼の残したザックの中身を確認した。
極めて上質なアイテムだと一目でわかるものがあった。
この死んだ男にはわからなかったらしいが。
テリーは当然それをもらい受けた。

【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド、天使の翼、リフレクトリング
現在位置:レーベ北東の平原(レーベ近く) 行動方針:レーベへ向かう/自らの力を試す=ゲームに勝利する】

【トルネコ 死亡】

※天使の翼は自由に空を飛べるアイテム
290277:04/11/06 23:45:59 ID:fGNQDf2L
>>277修正

その剣は、レックス自身よく知っている天空の剣のようなものだった。
それを受け取ってレックスはニコリと微笑んだ。
彼自身、前にも握っている、ような感覚よく手になじむ。

【レックス 所持品:ルビスの剣 オーガシールド

いい加減ラミアス=天空を覚えねば_no
291姫分身の術:04/11/07 02:15:02 ID:v3JKiaOd
アリーナは支給品の壺を前にして迷っていた。
この壺、入れたものが分裂するっていうけど本当かな。
見た目はなんの変哲もない、花を生けるのにでも使うであろう普通の壺だ。
いや、大きさが普通ではないが。壺というより瓶といった方がいいのか。
しかし、それ以外はいたって普通だ。模様とか、あと色ぐあい。

説明書にはちゃんと効果があるから試せ、なんて書いてある。
分裂ねえ。
じゃあ試そっか。

何か手近なものは……と、石ころに、どこかから飛んできた葉っぱ……?
ここ何にもないね。
アリーナはザックを逆さにしてゆさゆさと振ってみる。
他に何も入ってないのはさっき確めた、当然何も出てこない。
はあ……

アリーナは自分の帽子でも壺に入れようかと思い立って……やめた。
このとんがり帽子は別に高価なものでもないし、今増やしたところで、何か自分にとって有利になる
ものでもなんでもないからだ。
何だかろくでもないものもらっちゃった……どうせなら、鉄の爪とか、グリンガムの鞭とか、
私の心を煮え滾らせるような熱い代物を寄越せっての。

……
しばらくアリーナは草原で膝をかかえて座り込んでいた。
そして唐突に思いついた。
これって何でも増やせるよね。きっと。
だったら、自分を増やすのはどうだろう。
私が二人になれば、当然戦力は二倍。
ううん、相乗効果で二倍どころか、三倍、いや、四倍ぐらいいくかもしれないけど。
まあ、それはそれとして、とにかく今より有利な状況になるのは確かだよ。
292姫分身の術:04/11/07 02:16:31 ID:v3JKiaOd

……
しばらくアリーナは草原で膝をかかえて座り込んでいた。
そして唐突に思いついた。
これって何でも増やせるよね。きっと。
だったら、自分を増やすのはどうだろう。
私が二人になれば、当然戦力は二倍。
ううん、相乗効果で二倍どころか、三倍、いや、四倍ぐらいいくかもしれないけど。
まあ、それはそれとして、とにかく今より有利な状況になるのは確かだよ。
よーし、おもいきってやってみよう。

アリーナは壺の中に潜りこんな。中は狭くて暗くて、かび臭い臭いがした。
とてもじゃないが、長く居たいと思えるようなところではなかった。
「早く増えないかな」
アリーナがつぶやくと、もう一人の自分が現れた。
中はどうやったら人間二人も入っていられるんだというたこつぼ状態になり、ぎゅう詰めの、つまり
とにかく大変だ。
「ちょっと、出られないじゃない!」
「あんた早く出なさいっ…ぎゃー、足どかして」
「アゴが当たってる!痛いってば!」
「もうどうなって……ちょっ、これ、本当に出られないよ!」
二人のアリーナは壺の中ではまってしまい、出られなくなってしまった。

【アリーナ(二人に分裂) 現在位置:レーベ南東の山岳地帯近くの平原 所持品:分裂の壺
     行動方針;壺から出る】
293それぞれの選択 1/2 :04/11/07 05:56:48 ID:U0ZNH/9X

「ザックスさん、どうして私を信じてくれたんですか?」

ルイーダの酒場二階のカウンター。男女が二人、語り合う。
ただし、明かりはない。酒もない。代わりに並ぶのは、水とレーダーと丸い球体が幾つか。
何かと聞いたら知らないと答えるので、試しに投げたら煙幕と分かった。

「うーん…、実のところは、誰も信じていないんだ」
「え?」
「誰も信じられないのなら、誰を信じようと一緒だろ?だから、たまたまさ」

シンシアはザックスの返す言葉に寂しそうな顔をした。

「御免な…、嘘つくの苦手なんだ、正直に言わせてもらった。こんな時だしな」
「…そうですよね、もう殺し合いは始まってますからね…」

この『ゲーム』が宣言されたとき、ザックスは死を覚悟した。
全く面識の無い自分を仲間にする人間はまずいないだろう。
無視されるか、さもなくば殺されるかのどちらかになる。ならば、流されてみようと考えた。一旦そう決めてしまうと、あとは楽だった。
294それぞれの選択 2/2:04/11/07 05:59:03 ID:U0ZNH/9X
「信じてもらえてなくても、ザックスさんと一緒にいられてよかった。心が休まりますよ。
なんでそんなに落ち着いているんですか?」

あんたがやかましいだけじゃないのか、と目の前の少女をほほえましく思いながら。

「まあ…、どうせ俺は死んでいたし…いっぺん死んだと思えば、なーんも怖いものはねえしな」

シンシアはそれを聞いて、丸い目をますます大きく見開いた。いい笑顔だ。

「私も実は一度死んでいたんですよ。
魔族が攻めてきてソロを守って…、そうそう!魔族の王すら欺いて死んだんですよ」
「そうか…、ならあんたも、こんなん余裕だな」
「もちろん!あー、なんか、元気になってきたなあ」

明るくて実に気のいい、隣ではしゃぐ男と、遺言代わりに語り尽くそう。
ザックスとシンシアの談合は、まだまだ続く。

【ザックス 所持品:スネークソード 対人レーダー
現在位置:ルイーダの酒場二階  行動方針:シンシアと語り合う】
【シンシア 所持品:万能薬 煙幕×3 
現在位置:同上  行動方針:ザックスと語り合う】

※対人レーダーは半径15メートル以内の首輪に反応して感知します。
295すっぽかしコンビ1/3:04/11/07 11:26:13 ID:0N6g8wnw
白いローブを纏い、悩みつつも歩く女性。光の戦士と呼ばれ、後に究極の白魔法について研究していた白魔道士、アルカートである。
男らしい名前であるのは、小さな時に捨てられた自分を拾ってくれた、今は亡き師に名づけられた名前だからだ。
自分の本名を知ったとしても、自分を捨てた親の名前なんか名乗りたくなかったからでもあるし、大切な師のくれた名前だからだ。
後に彼女は光の戦士として旅立つことになった。
「あの研究は…後少しで完成していたのに…」
等と、ぶつぶつ言っていたが、それよりも気になることがあった。
このゲームの中に、嘗ての仲間だったジオと、倒したはずのガーランドがいたこと。
自分ひとりでガーランドに立ち向かえば殺されるかも知れない、いや確実に殺される。そう考え、まずジオに会う事にした。
「さて…私の支給品はなんでしょう?…な、なんですか!これは!き、縫い包みじゃないですか!
 それと…白い玉と…ナイフ…ですか」
恥ずかしいと思いつつも、無いよりはマシと思い、その縫い包みを着て、片手にナイフを持ち、白い玉は縫い包みのポケットに入れておくことにした。
白い玉は黒い玉の対であり、全てを浄化する、説明書にはそう書いてあった。
「とりあえず、ジオさんを探して、その次にこの白い玉を研究…きゃっ!」
「ふごっ?!」
彼女は何かにつまずき、こけた。
296すっぽかしコンビ2/3:04/11/07 11:30:33 ID:0N6g8wnw
「いたたた…!!あれ…あなたは?」
起き上がった彼女の目線の先にあったのは緑のフードの青年だった。
「いたたた…いやこんなところで昼寝なんてするもんじゃないな、うん。
 …ああ、そうだった、すみませんこんな所で寝てて」
蹴られたわき腹を抑えつつも、その腰に刀を差した青年はアルカートに向かって一礼した。
「い、いえ、此方も不注意でしたから…ところで貴方は?」
とアルカートは青年に問う。
「ああ、僕?僕は………うん、フィンだよ。何の変哲も無い奴さ」
よく自分で言えるな、と、内心思いアルカートはその青年から放たれる力のオーラから、実力者であることは分かった。
そして、無礼覚悟でこう聞いた。
「あ、あの、フィンさん?もし宜しければ私といっしょに行動していただけないでしょうか?
 なにせ力はありませんし…フィンさんの方が力は強いと思いますし…」
その後、しばらく続く沈黙………そして、フィンはこう言った。
「………ん?要するに護衛かい?
 …んーまぁキーファ達も探さないといけないし、僕はいいよ」
なんとも軽く、気の抜けた返事である。
フィンは返答にワンテンポ遅れるのだ、それゆえマリベルがいつもフィンと話す時はイライラしていたのだ。
「ぁ、有難うございます!私、アルカートって言います」
「………うん、改めて宜しくね」
そして、フィンはある石を取り出した。
「これ、僕にはどうもよく分からないんだけど…使い方、分かる?」
そうやって、その石をアルカートに差し出す。
「うーん、何か強烈な力の込められた石ですねぇ…ちょっと貸してください」
そうやってアルカートは魔石をまじまじと見始めた。
そんなやり取りをしている彼女達に、危険が迫っていた。
30メートルほど離れた場所に、ギルダーがいたからだ。
297すっぽかしコンビ3/3:04/11/07 11:31:28 ID:0N6g8wnw
【アルカート 所持品:ナッツンスーツ グラディウス 白マテリア(ホーリー(白魔道士が唱えられるホーリーとは桁違いです)
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし西の平原  
 第二行動方針:強烈な力の込められた石を研究する
 第二行動方針:ジオを探す
 第三行動方針:白い球体について研究する】
【フィン 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可)
 現在位置:同上  
 第一行動方針:アルカートの石の研究の結果を待つ。
 第二行動方針:アルカートを守りつつ、仲間を探す】

【ギルダー 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×4・ミスリルボウ
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし西の平原
 第一行動方針:アルカートとフィンを殺す 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】
298名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/07 11:32:25 ID:0N6g8wnw
【アルカート(FF1白魔道士) 生存確認 所持品:ナッツンスーツ グラディウス 白マテリア(ホーリー(白魔道士が唱えられるホーリーとは桁違いです)
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし西の平原  
 第二行動方針:強烈な力の込められた石を研究する
 第二行動方針:ジオを探す
 第三行動方針:白い球体について研究する】
【フィン(DQ7主人公) 生存確認 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可)
 現在位置:同上  
 第一行動方針:アルカートの石の研究の結果を待つ。
 第二行動方針:アルカートを守りつつ、仲間を探す】

ゲッ、申し訳ない、誰なのかをいれてませんでした、すみません。
299氷と炎 1/3:04/11/07 11:49:42 ID:MsRizqV1
甘く見すぎていたかもしれない。男は内心舌打ちした。
わけのわからぬ理由で女を守ろうとした青年――男からすればまだまだガキだ――は、
しかし年齢に見合わぬ太刀筋の鋭さを持って、正確に自分を捉えてくる。
――彼とて元は、魔王エクスデス直属の配下だ。
あの忌々しい幻獣に不意打ちをくらったせいで、目的を果たせぬまま死んだが
そうでなければ人間の若造四人など、今ごろは暗い水底に葬っていただろう。
ましてや今の相手はクリスタルの力も持たぬガキと、震えることしかできぬ娘一人。
どう考えても、二人とも秒で仕留められなければおかしい相手である。
だが、青年はまだまだ余裕の表情を崩さず、娘を庇うように立っていた。
(何か、クリスタル以外の力を使っているのか?)
様子をうかがう男に、銀の軌跡が閃き迫る。
男はそれを氷の剣ではじき、返す刃で袈裟懸けに切りつける。
だが敵もさるもの、円を描きながら一歩下がる、その挙動だけで一撃を見事にかわした。
そしてあの奇妙な構えを取ったと思った瞬間、ありえぬ速度で剣が舞う。
(やはりおかしい、速すぎる)
横に飛んで斬撃を避けた男は、今一度敵を睨みつけた。
人間にはありえぬはずのスピードで剣を操る青年。その肩が小刻みに上下している。
まるで、早回しの映像のように。
(――そうか)
その時、男はようやく理解した。
魔法だ。時空魔法ヘイスト、時の流れから己を切り離すことで倍速の動きを可能とする。
「くっくっく……はーっはっはっは!」
男は笑った。
タネが明かされればなんてことはない。この青年は、やはりひよっ子のガキだったのだ。
300氷と炎 2/3:04/11/07 11:52:31 ID:MsRizqV1
「何がおかしい」
誰もが思わずすくみ上がるような鋭い視線を余裕の表情で受け流し、男は言う。
「疲れてきたか? 息が上がっているぞ」
そう。二倍の速度で行動するということは、疲労も二倍の速度で溜まっていく。
「さっさと決着をつけるつもりだったのだろうが、アテが外れたな!」
青年は倍速の剣を持ってしても、自分と互角の勝負しかできぬのだ。
ならば、勝つのは自分だ。
あと30秒も攻めてやれば、疲れで太刀筋が鈍ってこよう。
その隙をついて、心臓を串刺しにしてやる。そして女の首を跳ね飛ばしてやる。
脳裏に血塗られた光景を思い浮かべ、男は邪悪に笑った。
だが、それでも青年は平然としていた。
「ふん……なら、次で終わりにしてやるぜ」
男は虚勢だと考えた。恐怖と絶望を押し隠すための演技だと。
「やってみろ、やれるものならなあ!」
男は自分から仕掛けた。地を蹴って、一気に間合いを詰める。
相手は手を突き出した。剣も何も持たぬ手を。そして、唇の端を歪めた。笑ったのだ。
「やってやるよ、お望みどおりに」
青い光が刀身からほとばしる。青年の剣ではない。男の持つ氷の剣から。
光は青年の手へ吸い込まれ、そして
「ブリザラ!」
青年が吼えた。同時に、猛烈な冷気が男を襲う。
「ぐぉっ!?」
予想外の一撃に、男は受身すらとれず、正面から喰らった。
だが、それだけでは終わらなかった。
氷の後を追って、赤とオレンジの渦が男に迫る。
炎だ。男がそう思った時には、二つの光条はぶつかり、重なり合い、爆発していた。
301氷と炎 3/3:04/11/07 11:54:42 ID:MsRizqV1
氷は溶けて炎を消し去り、残された熱が水を気化させて、辺りを白く染める。
男はその中心に立っていた。
剣を握った片腕を凍りつかせ、残る身体を高温の蒸気にさらされて、なお生きていた。
「――おのれ、人間の分際で」
怨嗟の唸りが白霧の中に轟いた。屈辱に震える肩が、男の怒りを表していた。
次第に薄れ行く煙の向こうに、青年と娘の姿はなかった。
「殺す……かならず殺す。
 我が主の名にかけて、後悔する暇も与えずに切り刻んでやる。
 生きたまま腸をぶちまけ、目をえぐり、四肢を引き裂いてやる――」
男はゆっくりと歩き出した。
瞳に復讐と憎悪の炎を宿らせて。全身に、氷よりもなお冷たい殺意をまとって。

【サイファー 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能) 第一行動方針:ロザリーを助ける 第二行動方針:不明】
【ロザリー 所持品:不明 第一行動方針:サイファーについていく(?) 第二行動方針:ピサロに会う】
現在位置:アリアハン南の森→北方面へ

【リヴァ(略) 所持品:アイスブランド、不明  第一行動方針:ゲームに乗る】
 現在位置:アリアハン南の森→東方面へ
302301 ちょっと修正:04/11/07 12:16:55 ID:MsRizqV1
【リヴァ(略) 所持品:アイスブランド、不明  状態:HP1/2
 第一行動方針:サイファーとロザリーを仕留める 第二行動方針:ゲームに乗る】
 現在位置:アリアハン南の森→東方面へ
303298:04/11/07 12:30:40 ID:0N6g8wnw
しまった、アリアハン北の橋からすこし西の平原ならギルダーはテリー達と遭遇してるはずじゃないか。
と言う事で、アルカート&フィンはアリアハン北の橋からすこし東の平原
ギルダーはその近くに脳内変換おながいします。
304最後の抵抗:04/11/07 16:54:30 ID:w9Zv0Voo

「ほっほっほ…」
いつものように笑ってみる。
邪悪な表情と禍々しい雰囲気に包まれたゲマは、森の中に佇む。

魔女。それは即ち自分であり、その信念は揺ぎ無かったはずだが。
このゲームの開催者の魔女は、遥か自分の上を行き、
決して追いつけはしないだろうと思わせた。

――魔族に君臨する王の側近として名を馳せたこの私が、この小汚いゲームなどに参加ですか?
あの日殺したはずの薄汚い男と、その息子に殺されたはずの私がまた殺し合えと言うのですか?
馬鹿馬鹿しい。
これでも、嘗ては魔族において高位であった身。
二度もゴミ同然の人間に殺されることはないでしょう
その程度の自尊心は、持ち合わせているのですよ。

邪悪なその姿は、自らの放った炎に包まれた。
「アルティミシアと言いましたね?貴方の思い通りにはなりませんよ」

森の中に、甲高い笑い声が響いた。
それは、プライドを剥ぎ取られた邪悪な魔女の、最後の抵抗だった。

【ゲマ 死亡】
現在位置:レーベ南の森北東部

所持品は一緒に燃えました。
火は、約一時間燃え続けます。
305戦いの火蓋:04/11/07 19:24:22 ID:x01Kb2yo
ゴォッ!
竜王の吐く火炎がその場に居る人間たちを襲う!
「危ないッ!」
間一髪、サックスが一同の前に立ちはだかり、水鏡の盾で
炎を弾き散らした。
「フバーハ!」
フルートの呪文が光の衣を生み、ロランがガイアの剣で竜王に斬りかかる。
リルムも盾をかざして身を守り、ゼルは一瞬の躊躇の後、徒手空拳ながらも
立ち向かっていく。竜王の咆哮が、岬の洞窟の壁を、ナジミの塔を
揺るがした。
306戦いの火蓋:04/11/07 19:35:45 ID:x01Kb2yo
【サックス 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り【フルート 所持品:草薙
の剣 スノーマフラー【リルム 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート【ゼル 
所持品:レッドキャップ ミラージュベスト 現在位置:ナジミの塔入口
行動方針:竜王と戦う】
【竜王 所持品:裁きの杖 魔法の法衣 現在位置:ナジミの塔入口
行動方針:目の前の人間を殺す】
うっかり入れ忘れました。すいませんorz

307蘇った命 1/3:04/11/07 19:39:54 ID:gWFtuEJP
恐ろしいほどの殺意を込めた目で、ただその男を睨み続けるミンウ。
だがその男のほうはそれを臆することもなく、ミンウを冷めた目で見返していた。
「…白魔道士ミンウよ…勘違いをするな。私はこのゲーム、無差別に人間を殺すつもりはない」
「嘘を吐くな…!現に貴様は今その男を殺しただろう、皇帝!」
そう。男――皇帝マティウスの足元には、背中に巨剣を突き刺した男=バレットが倒れていた。
誰がやったかなど、一目瞭然である。しかし、肝心のマティウスは表情を崩すことなく淡々と述べていく。
「これは自衛の結果だ、いきなり殴りかかられて黙っている訳にもいかぬのでな」
ミンウはわからない、といったふうに首を振った。
「…わからない、貴様の目的は何なのだ!」
「目的…か。そうだな、敢えて言うならば…」
マティウスは口元に手を当て、少々考えるような仕草をしてみせてから、言った。
「…知りたいな。何故また、私が蘇ったのか…
 悪である筈の私が何度も蘇ることができるのはやはり、力こそ全て、それだけが正しいことであるからか?」
「ふざけるな、貴様と反乱軍の私どちらが正しいか…今ここで私が貴様を葬る!」
ミンウは支給品である槍、ビーナスゴスペルを構えた。
…槍なんて数回しか握ったことがない、これで倒せる訳がない、しかし。
「まさか、私に勝つつもりなのか?その愚かさを理解した上での行動だろうな?」
「黙れえええッ!」
ミンウは構わずに飛び込んでいった。
308蘇った命 2/3:04/11/07 19:41:29 ID:gWFtuEJP
ビーナスゴスペルが風を切る音が何度も響く。
ミンウの攻撃は、ビーナスゴスペルに埋め込まれたスピードマテリアの影響で通常よりも数倍は早い。
しかしミンウは魔道士だ、元々武器攻撃は得意でない。マティウスは涼しい顔で攻撃を避け続けている。
―――狙い通りだ。
(皇帝にとっては直ぐにでも私を殺せる状況…完全に油断している。まさか詠唱には気付かないだろう)
そう、ミンウは飛び込んでいった時から数十秒間、攻撃の手を緩めることなく究極呪文の詠唱を続けていた。
通常、詠唱というのは動きを止めた状態で集中し行うものだ。攻撃や防御をすればそこで集中が途切れ、魔法は中断される。
しかしミンウは確かに究極魔法の詠唱を続けていた。白魔法を極めた彼だからこそ成せた技かそれとも、皇帝への憎しみ故か。
―――完成した。あの時、封印を解いた時と同じように、全ての魔力を使ってでも―――
ミンウは瞬時に間合いを取り、ビーナスゴスペルを投げ捨て…魔力を一気に放出する―――!
「―――アルテ「フレアー!!」

アルテマの呪文は、完成することはなかった。
ミンウの身体は皇帝の炎呪文を真正面から受け前のめりに倒れた。真っ白なローブは焼け焦げて黒くくすんでいる。
(………何故だ…?何故?倒せるはずだった、のに…)
朦朧とする意識の中、また皇帝の炎呪文を唱える声が聞こえてきた。今度は至近距離で。
(…駄目だ、立てない。ああ、私は、また…)
その思考を最後に、ミンウの身体は一切の機能を停止した。

「貴様の単純な思考が、私に読まれないとでも思ったのか?」
マティウスはミンウの死体を見下ろし、苦笑いを浮かべた。
マティウスは、詠唱を続けているミンウに気が付いていた。皮肉なことに。
ミンウは、マティウスの詠唱には気がつかなかった。それだけの違いだった。
「折角蘇った命、貴様のようには散らせたくないものだな。…白魔道士ミンウよ」
マティウスはそれだけ言い残し、バレットの死体から、かつて自分を死に至らしめた剣を引き抜くと去っていった。
309蘇った命 3/3:04/11/07 19:42:44 ID:gWFtuEJP
【マティウス:生存確認 現在位置:レーベ南西の山脈地帯最南部→移動 所持品:ブラッドソード
 第一行動方針:落ち着ける場所を探し移動→見つけ次第そこで待機(非好戦的だが不都合のある相手は殺す)
 最終行動方針:何故自分が蘇ったのかを知る】

【バレット 死亡】
【ミンウ 死亡】
【死体位置:レーベ南西の山脈地帯最南部】
※バレットの支給品<不明>とミンウの支給品<ビーナスゴスペル+マテリア(スピード)>がすぐ傍に放置されています。
310最強同士の同盟:04/11/07 20:07:33 ID:K+1cQl3N
砂浜で激しい旋風が巻き起こっていた。
力と力のぶつかり合い、巨大な竜巻が塔のようにそびえたつ。
アーロンのくり出す風の奥義にセフィロスが応え、トルネドの魔法を覇気とともに放った結果である。

アーロンはレーベ北西の海岸に出現したが、運の悪いことにそれはセフィロス出現場所と同位置だったのだ。
初め、両者は向かいあったまま動かなかった。
お互いの出方を探るため、というより戦う意思表示を先にする方を譲りあったとでもいった方が正しい。
完全にどちらもやる気だった。
理由は両者で異なる。
こいつは間違いなくゲームに乗る、アーロンの理由はセフィロスの瞳の色を見てそう判断したため。
逃げられるとは思えなかったのだ。
一方のセフィロスは最初からゲームに乗っていたため。
単純明快、生き残るために参加者を倒す、それだけだ。

数多の砂粒を吸い上げた風の塔が形を崩して、辺りに砂の雨を降らしたとき、セフィロスは勝機が見えた
と判断した。
すなわち、この視界が奪われた状況で、自分は相手の位置が完全にわかっていると。
敵の殺気を読んだのだ。
目を閉じ精神を高めたセフィロスの頭の中には、二十歩ほど先に赤い靄のような塊が映っていた。
赤い靄こそ敵の放つ殺気をイメージしたもので、それがアーロンである。
姿がはっきり映っているわけではない。
ただ自分がわかりやすい形であればいいのだ、その位置に敵が居ることが把握できればいいのだから。

セフィロスは両手を胸の高さまで持っていく。その手には村正が握られている。
ばっ、と砂地を蹴って、疾走した。目を閉じたままで。
砂粒が全身を叩いたがセフィロスの進路を妨げる障害にはならない。
敵を目前としたところで、跳躍し、勢いをつけて斜めから刀を振り下ろした。
そこには姿勢を低く待ち構えていたアーロンがいた。
311最強同士の同盟:04/11/07 20:08:39 ID:K+1cQl3N
金属と金属のぶつかる激しい衝突音。
アーロンはセフィロスの刀を剣で受け止めた。
体重をかけたセフィロスの斬撃を受け流して反撃に出るアーロン。
セフィロスは体勢を崩し、膝をついていた。
「殺気を読めば不意討ちなど!」
なるほど、とセフィロスは思った。
この男も同じことをやっていたか。さて、おもしろくなりそうだ。
セフィロスは歓喜に震え、少し本気を出す気になった。
アーロンが剣を振り下ろす一瞬の間の思考だ。

次の一瞬、何かが深々とめり込む異様な音がした。
「どうした?」
セフィロスは思わず声をかけた。
剣を握ったままのアーロンが彫像のようになって動かない。
数秒間をおいて、ゆっくりとアーロンが崩れ落ちる。
セフィロスは倒れてくる体からさっと身をかわす。
砂浜に巨体が横たわった。

アーロンの背には針が突き刺さっていた。
針には毒が塗られており、それがアーロンに死をもたらした。
セフィロスが視線を移すと風のおさまった砂浜に何とも面妖な衣装をした男が立っていた。
悪趣味といってもいい。
この男がやったのか……セフィロスは不機嫌になった。
「どういうつもりだ。まさか私を助けたなどと言うつもりか」
クジャは心底おもしろそうに笑った。
「まさか。君はどう見てもその男より強いよ。いや、それどころじゃない、僕と同じくらいの力を持っている。
 どう転んでも負けるなんて思えなかったね」
「なら何故余計な手出しをした」
セフィロスの問にクジャは髪をかき上げて答える。
「挨拶さ。君と行動を共にするものとして。これから二人で次々と血祭りをあげようじゃないか
312最強同士の同盟:04/11/07 20:13:29 ID:K+1cQl3N
「共にだと……」
セフィロスは立ち上がってクジャを見つめた。
この男……強い。体じゅうから尋常でない力を発している。
セフィロスは自分がこの男と戦いたがっていることに気づいた。
全力を出すにふさわしい相手を見つけた。その喜びがこみあがってくる。

クジャは両腕をひろげて空を見上げた。
「君は本当に強いね……。たぶん、普通の人間じゃないんだろうね。生まれ持った才覚かな、凡人が
 どんなにがんばっても手に入れることができない……
 僕の隣を並んで歩いていても不自然じゃない者、それは君、初めてだよ」
クジャは自分の言葉に酔っていた。
彼の己の肉体を誇示するような服装も、その性格から来るものだろう。
セフィロスはクジャの性格は拒絶したかった。まるで道化師、到底好きにはなれない。
だが、その内在する力には間違いなく惹かれるものがある。

セフィロスはクジャの申し出に応じる気になった。
「貴様は正直理解し難いところが多い、が、いいだろう。手を組んでやる。
 ただし条件付きだ。最後、私と貴様の二人だけになったところで、本気で闘い合いたい。
 誰にも邪魔をされずに、どちらかが死ぬまでな」
クジャは笑って、いいよとうなずいた。
「まあ、わざわざ条件づけしなくても結局そうなるんだけどね」

【セフィロス 現在位置:アリアハン南の海岸 支給品:村正
        行動方針:参加者を倒して最後にクジャと決闘
 クジャ   支給品:ブラスターガン、毒針弾、神経弾、
        行動方針:最後まで生き残る】

【アーロン 死亡】
 
アーロンの支給品は鋼鉄の剣。砂浜に放置されています。
313305:04/11/07 20:24:40 ID:x01Kb2yo
すいませんフバーハ掛けたの忘れてました
【サックス 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り
【フルート 所持品:草薙の剣 スノーマフラー
【リルム 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート
【ゼル 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト
現在位置:ナジミの塔入口
行動方針:竜王と戦う(全員にフバーハが掛かっています】
重ね重ねすいませんでした
314最強同士の同盟:04/11/07 20:26:49 ID:K+1cQl3N
すみません、訂正です。

>>310五行目の
>アーロンはレーベ北西の海岸に出現したが、
は、
「アーロンはアリアハン南の海岸に出現したが〜」
の間違いです。

それとセフィロスの支給品にマテリアを忘れてました

【支給品:村正、ふういんのマテリア】

正しくはこうです、失礼しました。


315罪悪感 1/2:04/11/07 22:16:42 ID:6ERd0T+/
「ごめんなさい… ごめんなさい……」
さっきから私の口から出る言葉は"ごめんなさい"だけ…。


椅子に座っていた男女を床に寝かせ、手に持つ短剣を使って首を切断する。
首輪に刺激を与えない様に、慎重に。慎重に…。
宿り主が死んだ今でも、首に装着された金属の輪は怪しく光輝いている。

あまり気分の良い行為じゃない。というより悪い。
殺人を犯しているのと同じではないだろうか?
だが、自分は何の迷いも無く首を切断している。そんな自分が恐ろしくも感じる。

でも、私にはこうするしか方法が無いの。
戦闘の経験なんて無いし、この殺し合いの中で最後まで生き残る自信なんて無い。
もし戦闘が出来たとしても、私には彼――スミスを殺す事なんて出来ない。
もちろん他の人を殺す勇気なんて物も無い。
316罪悪感 2/2:04/11/07 22:18:46 ID:6ERd0T+/
だから私はこのゲームから脱出する方法を考えるわ。
生きてここから帰るんだ。スミスと一緒に。
この首輪を外す方法さえ見つかれば、何とかなる可能性はあるもの。
だから、首輪を調べるためにも、自分以外の首輪が必要――――


死体から首輪を取り外し終え、手に持ってみる。
宿り主から切り離された今でも、金属の輪は怪しく光輝いている。
暫くの間首輪をじっと見つめた後、2つの首輪をバンダナで包みこみ、
死体の傍に置いてあったアイテムと一緒に自分の袋に仕舞い込んだ。

「本当にごめんなさい…」
頭を下げながら2つの生首に向かって謝罪し、マチュアは台所から外へ駆け出した。

【マチュア 現在位置:アリアハン城の台所
 所持品:グラディウス、おしゃれなバンダナ、首輪×2、スナイパーCR、聖水
 第一行動方針:首輪を調べる 第二行動方針:スミスに会う】

※首輪はアモスとローラの物、スナイパーCRと聖水はアモスの支給品を回収した物です。
317僅かな望みにかけて1/3:04/11/07 23:07:11 ID:0N6g8wnw
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ユフィがこの地に降り立ち、数分後に発した声はそれだった。
クラウド達を探すため、先ず支給品を確認していたときだった。
コメット、小さな隕石が彼女の細い右腕に直撃し、右肩から抉るように右腕を奪い取り、さらに爆発し、彼女を吹き飛ばしたのだ。
それでも生きていたれたのは、彼女の支給品が装備者の危機を守る女性専用のプリンセスリングと魔法のダメージを和らげるフォースアーマーだったからだろう。
しかし、彼女自身のダメージは本当に酷い、右肩があった場所からは絶えず血が流れ、足もふらついている。
そして、焼け焦げた自分の右腕に一瞥し、そのふらふらとした足取りで血を吐きながら、魔法が飛んできた方向から逃げていた。
だが、彼女の体力はもう限界に近かった
「ああ…あたし…もう…駄目かも…目の前が…かす…んで…きた…ご…めん…く……らうど…」
そういって、彼女は倒れてしまった、薄れ行く意識の中、一人の男と一人の女性の姿を確認した。
ああ、あたしは彼らに殺されるんだな、と思い、静かに目を閉じた。
「おい…大丈夫かよ!おい!おい!」
そうやって、ユフィに声をかけているのは忍者装束の青年、エッジだった。
彼の後ろには修道服を着た女性、マリアがいた。
エッジはユフィに意識が無いことを確かめると、彼は支給品の袋からハイポーションを取り出した
それをユフィに飲ませるが、ほとんど意味が無い。
「ちくしょう…ローザがいれば…ちくしょう…」
エッジは、地面を叩きつけた、現実は非情だということを改めて思い知ったからだ。
318僅かな望みにかけて2/2:04/11/07 23:08:26 ID:0N6g8wnw
そんな中、マリアは剣と球体とにらめっこをしていた。
解説書によれば、この球体を剣に嵌めれば、回復魔法を唱えることが出来るらしい。
しかし、剣が意地悪な作りで、どこに嵌めればよいのか分からない。
そんな中、マリアの袋の中の杖が何かに反応し、震え始めたのだ。
「波動の杖が…おなじ波動が巻き起こっているってのか?」
エッジはそういった、同じ波動、つまり白魔同士が杖の向く先にいるということ。
しかし杖の向いた先は高い山、越えられそうにない。
ならば…これを頼りに回り道をすればいい。
そうして、エッジがユフィを担ぎ上げたときだった。
「エッジさん!待ってください!」
マリアがエッジを呼び止める、エッジは何故だという顔をしたが、それはすぐに解けた。
そう、マリアがケアルを唱え始めたのだ。やさしい光はユフィを包み、そして…傷を治した…が。
「傷は治ったみたいです…でも説明書は簡単なものみたいですし、私程度の魔力じゃ血を止めるのが精一杯です、一刻も早く本職の魔術師を探さないと…」
そういい、二人は向き合いうなずき、波動の杖の向く先、アルカート達がいるところへ走り始めた。

【ユフィ(瀕死 現在位置:レーベ東南の平原
 所持品:プリンセスリング フォースアーマー
 行動方針:死を待つ】
【エッジ 生存確認 現在位置:レーベ東南の平原
 所持品:風魔手裏剣(30) ドリル
 第一行動方針:ユフィを助ける為に波動の杖の向く先(アルカート達ところ)へ走る。
 第二行動方針:仲間を探す】
【マリア(DQ5 生存確認 現在位置:レーベ東南の平原
 所持品:波動の杖 アポカリプス+マテリア(かいふく)
 第一行動方針:ユフィを助ける
 第二行動方針:夫を探す】
319偉大なる父親達 1/2:04/11/08 00:52:16 ID:GCPsRliN
深い森の中を行く男が一人。
「やれやれ…。まだまだ隠居とはいかないようだな…」
神龍の力によって、黄泉の国からこの世へと舞い戻ったオルテガだ。
その後はアリアハンで平和な生活に身を置きながらも、日々の鍛錬は怠っていなかった。

彼の脳裏に浮かんでいたのは、息子アルスのことであった。
この腐ったゲームを破壊するためには、アルスとの合流が最優先と判断したのだ。
息子の実力であれば、ゲームに乗った相手に襲われてもそう簡単にやられはしないだろう。
それまでは自分も何としても生き残らねばならない。
もちろん、オルテガ自身も、かつて地上最強の漢と謳われた勇者である。その力は今でも衰えてはいない。
それに――。彼には「切り札」ともいえるアイテムがあった。
「まさか、再びこれを使わなければならない時が来るとはな…」

前方に気配を感じたのはその時だった。右手に持った斧を構えなおす。
「――私はこのゲームに乗る気はない。だが、君が乗るというのであれば…ここで倒さねばならぬ」
よく通った声でオルテガは語りかけた。それに答えるかの様に、物陰から人影が姿を現す。
年はオルテガと大差ないだろうか。ワイルドな身なりであるが、それでいて気品と風格を漂わせた男、パパスである。
「…私も乗る気はない。お互い考えることは同じであるようだな」
パパスはオルテガに近づき、右手をさしだすと続けた。
「私の名はパパス。このゲームから抜け出すためには、私一人ではできることにも限界がある。
 貴公、なかなかの実力者と見た。力を貸してくれぬか?」
「……パパス殿と言ったか。私はオルテガだ。私の力でよければ一向に構わんッッ!」
パパスの手を取るとオルテガは力強く答える。

そして、ここに正義に燃える親父タッグが誕生した。
320偉大なる父親達 2/2:04/11/08 00:54:00 ID:GCPsRliN
【オルテガ 生存確認 現在位置:レーベ南の森
 所持品:ミスリルアクス 覆面&マント
 第一行動方針:アルスを探す
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【パパス 生存確認 現在位置:レーベ南の森
 所持品:パパスの剣 ルビーの腕輪
 第一行動方針:仲間を探す
 最終行動方針:ゲームの破壊】
3211/7 水の結びつき:04/11/08 01:14:49 ID:N9VNbXW8
頼りない。

エリアのギルバートに対する第一印象であった。
ギルバートは話をするにつれ落ち着いてはきたものの、
生来の気弱さなのかどうにも挙動不審のようなところがある。
これなら自分の方がよっぽど頼りがいがあるとエリアは思った。
しかし、先からどうもその視線がある一定の方向に集中して向けられていることも、エリアは感じた。

「…なるほど、それでセシルさんとリディアさんを探しているんですね」
「うん、そうなんだよ。君はサックスとギルダーを探してるんだね」
「はい、そうです」
ギルバートの視線がまた動いた。
「あの…」
「え、なに?」
はっとしたようにギルバートは答えた。
「向こうに何かあるんですか?」
「え、いや、まあ、その…」
ギルバートはしどろもどろに要領を得なかったが、やがてエリアの方に向き直った。
「向こうに誰かいる気がしてね」
「向こうに…ですか?」
「気のせいかもしれないけど…これでも吟遊詩人でね、なんだか音の気配っていうかな、そういうのを感じるんだよ…」
エリアは改めてその方向に視線を移すと、たしかにそのような気がしなくもない。
だがそれは、言われれば無が有にも見えるような類の錯覚にも思えた。
「行ってみますか?」
「…いや、ゲームにのったひとかもしれない」
「ああ、なるほど」
ギルバートがなかなかそのことを口にしなかった理由に合点がつく。
「でも、もしかしたら私たちの探してる人かもしれませんよ?」
エリアがそういうと、ギルバートは「うーん」と唸って頭を抱え込んだ。
3222/5 水の結びつき:04/11/08 01:17:07 ID:N9VNbXW8
(優柔不断…)
サックスやギルバートならさっと決断しただろう。アルカートなら、少し悩んだかもしれない。
「もし本当に人がいるのなら、行動しなくては始まらないと思いますよ」
「…うん、そうだね。よし、いこうか」
やれやれ、とエリアはこの年上の青年に対する自分の言動に苦笑した。
(年齢も性別も、これじゃどっちがどっちだかわからないな)


やっぱりこなければよかった、とギルバートは心底思った。
その先にいたのは、負のオーラをびんびんと放っている見るからに強そうな男。
二人にしてみればまさにゲームにのってますといった感じ。
救いなのは今どうやら負傷しているらしいということ。
近くにいる黒魔導師はなんなのか気になったが、あまりよさそうな感じではない。
(…戻りましょうか)
エリアが小声でギルバートに語りかけると、無言で頷き音を立てないように少しずつ足を動かした…しかし。
「逃げるな」
低い声。
その瞬間二人はぴんと背筋をのばし、お互い顔を合わせギルバートは思わず尻餅をつくと、
ぱきっと小気味よく木の枝の折れる音がした。
「そこに誰かいるのはわかっている」
「だ、誰かいるの?今なにか音したよね?」
黒魔導師の方も気づき、音の発生源へと目を向ける。

「人間…いかに負傷しているといえど、貴様らを葬るなど造作もないことだ」
男のその声にギルバートは震え上がった。
(ど、どうしようどうしようどうしようどうしよう、アンナ、僕はどうすればどうすれば…)
それはエリアも同じこと、自分はもちろんこの同伴する男の戦闘力は様子を見れば一目瞭然であり、
先の男との戦闘力の差などは見る間でもなく、いや、比較することそのものがまったくの非礼であるとすら思える。
3233/5 水の結びつき:04/11/08 01:18:14 ID:N9VNbXW8
「待って下さい、私たちに敵意はありません」
「そんなことはわかっている」
姿を見せ、エリアは落ち着いた声で話しかけたけれど取り付く島もない。
黒魔導師は今の状況を理解し辛いようで、せわしなく男とこちらのほうを見比べている。
しかしそのようなことはおかまいなしに男――ピサロは瞬時に火球をつくると、二人のほうに向かって放った。
「きゃあっ!」
いきなりのことにエリアは声をあらげて間一髪それをよける。
ギルバートはといえば、あ、あ、と声を出しその場から動けない。
しかしそれに一番驚いたのは他ならぬ黒魔導師――ビビであった。
「ちょ、ちょっと!?」
「ふん、はずしたか、ではもう一度…」
「や、やめてよ!」
エリアは逃げようとしたけれど、足が動かなかった。
それは恐怖のせいかもしれない。しかし、エリアは今不思議な昂揚感を感じていたのだ。

ビビの抵抗で次の火球がくるのは遅かったが、
そのような時間など動けない二人にしてみればどうでもよいことで、
いずれくる死の瞬間への僅かな猶予期間でしかない。エリアは思った。

(ああ、ここで私はまた死ぬのか…でもどうだろう、この感覚。どこかで感じた、この感覚…
 水の巫女、私はそのつとめを果たすために生まれて、その業務を果たすとき最高の生の鼓動を感じた。
 ああ、それだ、その感覚…生きてる、私は今…生きているんだ!)

その瞬間、エリアに生まれたのは生への願望であった。
―――生きたい!
強く願った。
迫りくる火のたまを目の前に、エリアは生きたいと願った。
―――私には、きっとやらなきゃならないことがある…生きたい!
3244/5 水の結びつき:04/11/08 01:20:46 ID:N9VNbXW8
シュン!

そのとき、強烈な冷気が火炎に襲いかかり、その勢いを沈下した。
「え?」
そう思ったとき、エリアとギルバートはその場から消えていた。


「もう一匹、紛れ込んでいたか。この状況下とはいえ気配にきづけぬとは、なかなか手練れのものらしい」
「ねえ!」
「ふん…体調さえ万全であればな」
「ねえったら!」
必死で話しかけるビビに、ピサロはようやく目を向けた。
「騒がしいな、なんだ」
「どうして!?」
「どうして、とは?」
「どうして攻撃したの!?」
「……」
(…むしろ、なぜ殺せなかったのかの方が不思議だ)
本当に、なぜ殺せなかったのか?それは自分の内的な要因か、それとも外的な要因か。

「…おまえにはわかるま…ゲボッ!」
「!?」
「ふ…まだ戦闘にははやかったようだ」
「…い、今は、安静にしなよ」
「別に、ここにいる必要はないんだぞ」
「……」
「勝手にするんだな」
3255/5 水の結びつき:04/11/08 01:22:43 ID:N9VNbXW8
「大丈夫?」
二人を助け、ここまで連れてきたのは美しい桃色の髪をした女性だった。
「私はレナ。危なかったわね、もう少しで死ぬところだったわよ」
「あ、あ、ありが、とう…ぼ、僕はギルバート…」
呂律の回らない下で答える。
「そうなの、でもギルバート、あなたちょっと震え過ぎよ…男なんだしもっとしっかりしなきゃ」
笑いながらも呆れ顔でレナはギルバートに話した。
「えっと、あの…」
「なに?あなたの名前は?」
「わ、私は…私はエリア、エリア=ベネットです!あ、あなたは…あなたはいったい!?」
「え?な…何?」
「私には感じます…あなたから、あなたから…」


「水のクリスタルの鼓動を!!」


【エリア:生存確認 現在位置:レーベ北東の森 所持品:妖精の笛、占い後の花
 第一行動方針:レナと話をする 第二行動方針:サックスとギルダーを探す】
【ギルバート:生存確認 現在位置:同上 所持品:毒蛾のナイフ
 第一行動方針:とりあえず落ち着け 第二行動方針:セシルとリディアを探す】
【レナ:生存確認 現在位置:同上 所持品:不明
 第一行動方針:エリアと話をする 第二行動方針:バッツ、ファリス、クルルを探す】

【ピサロ 現在位置:レーベ東の森中央付近 支給品:スプラッシャー、魔石バハムート(召喚可)
 爆弾(爆発後消滅)
 行動方針:ある程度回復するまで待機
 ビビ   支給品:?  行動方針:ピサロと共にいる
326名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/08 01:23:55 ID:N9VNbXW8
念のため補足

レナたちはターニアたちと場所はちょっと違うくらい
327ストレンジャー 1/2 :04/11/08 02:31:35 ID:dD/P/tst
ザックスとシンシアはルイーダの酒場を出て、アリアハンの城下街を歩いていた。

「しかし、このアリアハンって街は殺風景でいかんな〜。
ミッドガルみたいなごちゃごちゃした所に慣れすぎたのかもしれんけど」
「そうですか?私は山奥暮らしでしたから結構新鮮ですよ、ザックスさん」

この二人はこのゲームの開始以来こうしてアリアハンの街をさまよっている。
殺し合いが始まっているという現実感はいまいちこの二人にはなかったが、
それは幸運にも『やる気』になっている参加者に遭遇した事がなかったからかもしれない。
ふとシンシアがザックスから預かったレーダーに目をやると、すぐに異変に気付いた。

「い、いけない!」
「どうしたんだ?」
「しばらく目を離していたら誰かが凄いスピードで近付いて来ている反応があるんです!
‥‥あ、も、もう、すぐ後ろに‥‥。」

後ろを振り返ると、そこにはオートボウガンを構えた男――ランドが立っていた。

終わった、シンシアはそう思った。
不思議と怖くはなかった。
ザックスが横にいるお陰かもしれない。
だが、その男、ランドの口から発っせられた言葉はシンシアにすれば意外なものだった。
328ストレンジャー 2/2 :04/11/08 02:33:15 ID:dD/P/tst
「く、来るな!来ないでくれぇ!!!」

――は?
柄にもなく、覚悟を決めていたのに‥‥。
シンシアは全身から緊張が抜けていくのを感じた。

「なんなんだよ、あんた。そんな物騒なもん持って。とっととしまってこっち来いよ」
「い、嫌だ!どうせ油断したところを殺すつもりだろう‥‥?早くどっかに行ってくれよ!」
「しょうがないやつだな〜。
俺らはゲームに乗るつもりはないぜ。ほら、両手を上げるから」

この人は本当は凄い器なのかもしれない、そう思いつつシンシアもザックスに続いて
両手をあげた。


「…そうか、さっきまでここで戦闘があったのか。それをあんたは物陰から目撃したと?」
「あ、ああ。それで少し気を取り乱していたみたいだ、すまないな…」

それ以上言葉にならなかった。
ようやく落ち着いてきたランドを尻目にザックスは何やら考えだした。

「このまま殺されるのも何かしゃくだな〜。なんとか、主催者の奴らに一泡吹かせてやりてえな」

本当にこの人は‥‥。
シンシアはザックスの目に闘志が宿り始めている気がした。

【ザックス 所持品:スネークソード 
現在位置:アリアハン城下街 行動方針:主催者に一泡吹かせる】
【シンシア 所持品:万能薬 対人レーダー 煙幕×3 
現在位置:同上  行動方針:ザックスについて行く】
【ランド 所持品:オートボウガン ミスリルスパナ 魔法の玉 
現在位置:同上 行動方針:とりあえずザックスたちについて行く】
329謎の支給品 1/2:04/11/08 11:31:37 ID:3yoXVl2/
キーファは鍵の開いた牢屋の中で、袋の中身を確かめていた。
出てきたのは一冊の分厚い、それこそ人ぐらい簡単に殴り殺せそうな厚さの本だ。
革張りの表紙には、『公式基礎知識完全攻略アルティマニア解体ガイドブック』とやけに長い題名がつけられている。
「なんだこりゃ?」
首をかしげながらも、キーファは本をぱらぱらとめくってみた。
そこに記されていたのは、参加者の写真・性格・仲間・能力・所持魔法特技のリストとその解説etc……
おまけに支給品の解説や(さすがに誰が何を持っているのかは書かれていないが)、あまつさえキャラごとの対策法まで乗っている。
ちょっと気になったキーファは、自分のページをめくってみた。

・キーファ=グラン 強さ:D
 仲間:フィン、マリベル  性格:好奇心が強く冒険好き、割と勢いだけで行動することも。
 所持特技:火炎斬り・受けながし・気合いため・ゾンビ斬り・しんくう斬り
 対策法:魔法剣による近接戦が得意なので、ちょっと遠くから攻撃しよう!
      ただし物理攻撃は受け流されるかもしれないので、魔法で攻撃するのがおすすめだ!
「ってちょっと待て! なんでオレが強さDなんだよ、納得いかねえ!」
思わずむかっとした彼は、強さSがどれほどのものなのかと探してみた。
そして出てきたのは三人。クジャ、セフィロス、ピサロ……なぜか全員銀髪だが、それはまあおいておいて。
キーファは、データを見てしまったことを後悔せずにはいられなかった。
その能力はいずれも読めば読むほど鬱になりそうな、人間離れしたものばかりだったからだ。
「あのケバいオバさん、何考えてこんな連中呼んだんだよ。勝負にも何もならないじゃねーか」
だが、そんな彼らのページにもしっかり対策法が書いてあることに気付く。

 対策法:普通に戦うなら誰かが自爆でもしないと無理。
     でも、支給品のキューソネコカミと複数回攻撃技の9999凶悪コンボなら倒せるかもね!
     ただ、キューソネコカミは瀕死じゃないと無意味なので
     攻撃する前にグラビガを数回自分に使っておくといいぞ!

「……キューソネコカミぃ? 瀕死じゃないと無意味って、なんなんだそりゃ?」
330謎の支給品 2/2:04/11/08 11:33:17 ID:3yoXVl2/
「なんなんだ、こりゃ?」
同時刻、レーベの村の宿屋にて、どこぞの誰かと同じように袋をあさっていた青年がいた。
彼の名前はロック。自称トレジャーハンターである。
彼が袋から取り出したのは、何のへんてつもない球だった。
無造作に張られていた紙のタグには、「キューソネコカミ」と記されている。
そして、支給品はそれ一個だけ。
「……これでどうやって戦えと……?」
ロックはわけのわからない支給品を握り締め、呆然と呟いた。
その球の持つ恐るべき力を知らぬがゆえに。

【キーファ 所持品:攻略本 現在位置:アリアハン城内・地下の牢屋
 行動方針:仲間を探す、自衛以外に戦う気はない】
【ロック 所持品:キューソネコカミ 現在位置:レーベの村の宿屋
 行動方針:武器と仲間を探す】
331名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/08 11:56:47 ID:O9y6jhPU
「それにしても、まさかあんたまでここに居るとはね…」
「それは、こっちの科白だ」
そういって男は空を仰ぐ。
それにつられ、隣の女も空を仰ぐ。

少しの時間空を見て、女は口を開いた。
「あんたは、このゲームに乗らないのか?お前のような−
「あたりまえだ」
女の言葉をさえぎった男の言葉に、女は目を丸くする
「わしが憎むのはノアとノアがいた世界。この世界に滅ぼすものはない。まあわしを襲うやつのことは言うまでもないが」
「おやおや、魔王とも呼ばれた男が…もうそんな考えはすっかりなくしたと思っていたが」
「ふっ…そうだったのかもしれん」
「?」
「この世界に降り立ってすぐにお前とあったそのときはノアの恨みを思って殺そうと思ったが…
お前の目を見たらそんな自分が馬鹿らしくなってな。さっきも言ったが、わしが滅ぼすのはノアとノアのいた世界。お前たちではないんだ」

静かに語る口調と言葉に、女は今までの男と違う感情を持った
(あのザンデがこんな事を思っていたとはね…)
「ウネよ、この世界を脱出する方法を考えないか?わしはこの世界で朽ちたくないしおまえやドーガも殺したくはない」
「…なんとなく、言うと思っていた。あたしもそう思っていたところだ。魔王だろうがなんだろうが、同じ仲間じゃないか」
二人は共にうなずいて立ち上がる

「まずは風…ドーガだな」
「ああ…」

ノアの弟子たちは立ち上がる。この恐ろしきゲームを止めるために。

【ザンデ 所持品:不明 現在位置:アリアハン北の森
 第一行動方針:ドーガを探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】
【ウネ 所持品:不明 現在位置:同上
 第一行動方針:同上 最終行動方針:同上】
332331:04/11/08 12:00:09 ID:O9y6jhPU
タイトル入れてね('A`) 
「二人は」で脳内補足おながいしますorz
333影 1/3:04/11/08 20:02:44 ID:7q1Cqk0G
ファリスは、深い森を一人、歩いていた。
鬱蒼と茂る森は、いつかのあの森を思い出す。
最後には、焼け野原と化したあの森を。
大切な仲間を失った、森を。

森が燃える回想を頭から振り払おうとした彼女に、赤く燃え上がる何かが見えた。
…一瞬、エクスデスと相対し炎に包まれたガラフが脳裏に過ぎる。
慌ててそれに近づき、支給品のマントで火を消す。
火の中から現れたのは、原形を留めぬ、炭化された物体。

「酷い…っ」
ちょっと見ただけなら、焼けた木と何も変わらなかっただろう。
だが、人間の肉の焼ける独特の強烈な匂いが周囲を包み込んでいた。
思わず、胃の中の物がこみ上げる。
「っ…!」
何とか堪えるも、彼女の心は、体以上にそれに反応する。
自殺か、他殺かは知らないけれども、また誰かが死んだ。
匂いのせいかもしれないが、目の奥が熱い。
(こんな…ふざけてる)
ファリスは、立ち竦む。


「無防備だな」
何の前触れもなく、ファリスの背後から声がした。
「っ、誰だっ!?」
振り返り、もう一つの支給武器…聖なるナイフを咄嗟に構えた。
そこに立っていたのは、短刀を手に持った、全身黒尽くめの男。
いや、黒尽くめだから見た目では男かどうかはわからないのだが。
334影 2/3:04/11/08 20:03:59 ID:7q1Cqk0G
「忠告をしただけだ。名乗る必要もない」
男は、ほとんど感情を感じない声でそう告げた。
「忠告だと?」
(…この男、腕はいいだろう。殺気を感じないから、今はまだゲームに乗っていることはないはず。
だが、いざと言う時…何の躊躇いもなく人を殺せる人間だろうな)

「そうだ。ここは戦場だ。油断が命取りとなる。
俺がゲームに乗っていたのなら、お前の命はさっき尽きた」
(確かにそうだ…)
「この忌まわしい匂いが嗅ぎ付けられる可能性も、さっきの炎が見られていた可能性も、ある」
「確かにそうだな…」
「その辺にゲームに乗った奴が近づいているかも知れんということだ。実際、俺は気づいてやって来た」
男は冷静にそう言った。

「そうだな、ありがとう。それで、あんた結構強そうだし、一緒に行動してもらえないか?」
ファリスが右手を差し伸べたが、男はそれを握らなかった。
「悪いが、団体行動は好きじゃない。一人で行く」
そう言うと、男はふっと独り言のように言った。
「もしリルムという娘を見つけたら…」
「えっ?」
「…いや、なんでもない」
男は、何かを飲み込むように最後の言葉を残し、木々の間を跳躍してどこかへ消えた。

「リルム…か」
男の最後の言葉が気になった。
だが、それよりも、ここは危険だ。
バッツ、レナ、クルル…何処にいるんだ?
ファリスは、かつての仲間を探すべく、その場を立ち去った。
335影 3/3:04/11/08 20:07:20 ID:5isgb9P7
黒尽くめの男は、走りながら考えていた。
なぜわざわざ人助けのような真似をしたのか。
…理由は明白だった。
あの女がゲームに乗っていない事と直感的にわかったとき、男は思っのだ。
――殺される理由のない人が殺されるのは見たくない。

かつて殺し屋として生きていた彼はもう、死んだ。
今、一度死んだ筈の身がここに有るのは、殺戮のためではない。
――そうだろう、ビリー?
男は、シャドウは、影のように木々を縫い、走っていた。


【ファリス 所持品:王者のマント@DQ5 聖なるナイフ 行動方針:仲間を探しに行く】

【シャドウ 所持品:ダガー 祈りの指輪 行動方針:マーダーを減らす、出来ればリルムに会いたい】

現在位置:レーベ南の森北東部から移動中(別々に)
3361/2:04/11/08 20:28:59 ID:KC4Ut1Eo

(…自分と同い年ぐらいの男の人…こっちに来る?)
呑気にあくびをしていたフィンだが、ふと数十メートル先の人影に気がついた。
(…あの人の剣、赤い!まさか血の色…!?)
「…アルカート、誰か来る!」
「えっ?」
丁度ギルダーに背を向ける状態になっていたアルカートは、フィンの言葉でようやくその存在に気付き振り向いた。
そして目を見開く。…あの赤魔道士、魔力を高めて…!いけない、完全にこちらに仕掛ける気になってる!
「フィンさん、あの人…!」
アルカートが魔石をローブのポケットに入れながら叫ぶ。
フィンもそこでようやく明らかな殺気を感じ、一瞬で立ち上がり陸奥守を抜いたがしかし、遅かった。
「ブライン!」
「ッ!?うわッ」「きゃあっ!」
ブライン。二人の視界が暗闇に飲まれた。ギルダーはライトブリンガーを握り、一気にフィンとの間合いを詰める。
フィンは気配と殺気で相手の位置を察し、その一撃を何とか受け止めるがしかし、受け止めることしか出来ない。
間髪いれずに再び振るわれた剣を、今度はギリギリのところで受ける。…危ない、今にも弾かれそうだ。
(この状況、反撃は無理だ…どうしよう?何とか追い払う方法を―――)
剣の重なる音が何度も響く。そんなフィンの後ろでアルカートは目を閉じて集中していた。
(大丈夫…落ち着いて。回復すれば対処できない相手じゃない…こっちには気がついてない…!)
アルカートは、エスナの魔法を詠唱していのだ。大丈夫、落ち着いて、落ち着いて。
しかし、この状況で落ち着くというのも難しいものだ。アルカートの魔力は必要以上に増幅し…完成する直前だろうか、
ギルダーがその魔力に気がついた。
ギルダーは舌打ちし、フィンの横をすり抜けアルカートに向かっていった。
(しまった、アルカート!)
フィンが気がついた時にはすでに遅い。既にギルダーはアルカートとの間合いを詰めていた。
ライトブリンガーがアルカートに向かって勢いよく振り下ろされる―――
3372/2:04/11/08 20:30:33 ID:KC4Ut1Eo

ガッ!
その刃は、鈍い音と共に直前で何かに阻まれた。
「何をしておる、ギルダー!道を踏み外したか!」
(なっ…ドーガ!?)
間一髪。ドーガがギルダーの前に立ちふさがりライトブリンガーを素手で受け止めたのだ。
紫色の血、人間の物ではないそれがぽたぽたと落ちる。
(…! 俺がドーガに勝てる訳が無い…!くそっ!)
ギルダーは一瞬の判断で、マントの下から手榴弾を取り出し器用に片手でピンを抜く。
それにドーガが目を見開いた時には―――既にお互いの至近距離で爆発が起こり、同時にギルダーが魔法を完成させていた。
「サイレス!」
「!くっ…!」
ドーガが呻く。魔法を封じられた…迂闊だった、爆風で前が見えない…!どこだ!?
視界の悪い中でもギルダーの気配が遠ざかるのが解る。…逃がすわけにはいかない…!
しかし丁度視界が開け始めたころか。数十メートルほど離れた辺りから大きな水音が聞こえ
完全に視界が開けた時には既にギルダーの姿は無くなっていた。

【アルカート 所持品:ナッツンスーツ グラディウス 白マテリア(ホーリー) 現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原
 第一行動方針:?(強烈な力の込められた石を研究する)
 第二行動方針:ジオを探す
 第三行動方針:白い球体について研究する】
【フィン 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可) 現在位置:同上
 第一行動方針:?(アルカートの石の研究の結果を待つ)
 第二行動方針:アルカートを守りつつ、仲間を探す】
【ドーガ{負傷} 現在位置:同上 所持品:不明 第一行動方針:?】

【ギルダー{負傷} 現在位置:大陸中央の川→? 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×3・ミスリルボウ
 第一行動方針:逃げる→傷の治療 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】
338名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/08 21:19:08 ID:jmH3OEuM
>>322の修正

> サックスやギルバートならさっと決断しただろう。アルカートなら、少し悩んだかもしれない

サックスやギルダーならさっと決断しただろう。

に。申し訳ありません。まったく気づきませんでした。指摘してくれた人ありがとうございます。
339Amnesia? 1/2:04/11/08 21:45:21 ID:3yoXVl2/
(なんで僕、結局この人と一緒にいるんだろう)
ソロはため息をついた。その傍らでは、ヘンリーが袋に頭ごと突っ込んで中身を探っている。
「おっかしーな。俺の袋、肝心の武器が入ってないぜ? 食料やなんやらは入ってたのに」
多分、さっき落ちた時に投げ出されてしまったのだろう。
ソロは仕方なく、自分の袋に入っていた剣を差し出した。
「これでよければ貸してあげますけど」
「え? でも、君が困るんじゃ」
「もう一振りありましたから、大丈夫ですよ」
ソロは微笑みながら言う。けれども、心の中では別のことを考えていた。
(なぜ、僕はこんな見ず知らずの人に親切にしているのだろう。
だいいち、治療だけしたらさっさとレーベに行くつもりだったのに。
なんでこうして、一緒に茂みの中を歩いているのだろう?)
――この男が正気を取り戻すのが予想外に早かったせいだ、とソロは思おうとした。
でも、本当は単に放っておけなかっただけだ。死なれたら目覚めが悪いとかいう以前に、心配になったのだ。
やっぱり、自分は根っからのお人よしなのかもしれない。仲間たちが口を揃えて言うとおり。
「悪りぃな。迷惑ばかりかけちまって」
そんなソロの気持ちを知ってか知らずか、ヘンリーは頭を下げる。
「いえいえ、危ない――じゃなかった、困っている人は助けるように親からも良く言われてたので」
「そうか……きっと、優しくて良いご両親なんだろうな」
自分の両親や継母のことを思い出したのだろうか、心底羨ましそうにヘンリーは言った。
「で、ヘンリーさんでしたっけ。これからどうするんですか?」
「うーん、そうだなぁ。皆で茶でも飲むか。確か、マリアさんやリュカやピエールもいたし」
……この状況でお茶だなんて、楽観的すぎるにもほどがある。ソロは唖然とした。
「あのですね。あなたに戦う気がないのはわかりましたけど。
 ここは一応、殺し合いの会場ですよ? 向こうが殺る気満々だったらどうするんです!」
340Amnesia? 2/2:04/11/08 21:51:48 ID:3yoXVl2/
「殺し合い? なんで俺達がそんなことしなきゃいけないんだ?」
ソロは本気でずっこけそうになった。踏みとどまれたのは奇跡に近い。
「あのですねぇ! あのティアマトとかいうでっかい竜の話聞いてなかったんですかっ!?」
「でっかい竜? あー、聞いたかもしれねえ。
 いや、聞いた聞いた聞いてた。今まで忘れてたけど」
本気でなんなんだろう、この人は。打ち所が悪すぎたんじゃないだろうか。
ソロの心配を余所に、ヘンリーは元気よく腕を振り回しながら言う。
「なーに、相手がやる気ならこっちも受けて立つさ。
 何か知らねぇけど、今ならガンガン戦えそうなんだ。
 ちょっとやそっとの呪文じゃあ死ぬ気がしないっつーか」

――もし、この場にリュカやマリアがいれば疑問に思っただろう。
自分の妻を、「マリアさん」などと他人行儀に呼んだことに。
そしてもし、この場にガーデンの関係者がいれば、思い当たったことだろう。
様々な力と引き換えに記憶の喪失をもたらす――G.F.の存在に。
けれどもソロはヘンリーの知人でもないし、ましてやG.F.など知るはずがない。
『後頭部強打による記憶の混乱、あるいはこの若さなのに痴呆症』。それがソロの見立てだった。
「そりゃあ戦いに出るのは八年ぶり――いや、七年? それとも十年だっけか?
 ……いや、わりと昔の話だけど、呪文や剣なら今でも使えるからさ」
「そうですか」
もう勝手にしてください、と、ソロは再びため息をついた。
それでも身体がヘンリーの後を追っていってしまうのは……もはや、一生直らない性分なのだろう。

【ヘンリー 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 雷鳴の剣 状態:オートリフレク
 第一行動方針:知り合いを探す、自衛以外に戦う気はない】
【ソロ 所持品:さざなみの剣 水のリング
 第一行動方針:ヘンリーのお守り&仲間を探す 第二行動方針:少しでも多くの人が助かる方法を探す】
現在位置:レーベ近くの茂み→レーベの村へ
341占われた者の―― 1/3:04/11/08 22:32:40 ID:OttImMcQ
爽やかな潮風と波の音を聞きながら、ビアンカは支給品の袋の中を探っていた。
彼女が放り出された場所は、周囲に人の気配もなく、静かなところ。
だが、子供達や家臣、仲間の魔物、そして愛する夫が側にいないという状況は
今のビアンカにとって不安を増大させるものでしかなかった。
「とにかく、自分の身は自分で守らないと…」
呟きながら取り出したのは、飾りけのないサークレットのようなもの。
自分の頭には少し小さいかもしれないが、防具には変わりないだろう。自分のような
非力な人間でも装備できそうだし、魔力を秘めた特殊な防具だったりして…。
ビアンカは、そんな希望を感じながらそれを身に付け――


そして、『それ』を見た。


「…え?」
胸に剣を突き刺されて倒れているレックス。炎に焼かれて地面に転がっているタバサ。
無残な子供達の姿の向こうには、最愛の人の後ろ姿。
「…リュカ…?」
呆然と呼びかけたビアンカの言葉に、彼が振り向く。
何かを言おうと、彼が口を開いたその瞬間、

ぞふっ。

あまりにも不鮮明な、耳障りな音と同時に、リュカの首が高々と宙に舞う――。
342占われた者の―― 2/3:04/11/08 22:35:30 ID:OttImMcQ
「…ゃ…いやあぁぁぁっ!?」
絶叫する。
全身ががくがくと震え、ビアンカはその場にへたりこんだ。
冷たい汗が吹き出し、青ざめた肌を流れ落ちていく。見開いた目から涙が溢れ出す。
「あ、ぁあああ…」
今のは何?今、私が見たのは一体何?
嫌だ、こんなのは嫌だ、こんなのは、こんな、こんな結末は、嫌だ。

『だって、これはそういうゲームでしょう?』

そう、確かに、そう、だけど、嫌、こんなのは違う、子供達が、リュカが、そんなのは嫌だ。

『でも、みんな誰かを殺そうとしている。いずれあの子達も殺される』

駄目、それだけは、嫌だ、絶対に駄目、殺されるなんて、そんな。

『殺されなくてすむ方法は1つだけ』

教えて、お願い、あんな、お願いだから、殺されるなんて、駄目、お願い!
343占われた者の―― 3/3:04/11/08 22:38:27 ID:OttImMcQ
『――彼らが殺される前に、みんな貴女が殺せば良い』

――ああ。

『殺せ。殺してしまえ。どいつもこいつも。みんなお前から大事なモノを奪おうとする。
 全て殺せ。みんなみんな。殺せば、もう殺せない』

そう、そうなんだ、そう、殺せば、子供達、リュカ、そう、殺す――

――?待って、アナタは、私に教えてくれたアナタは誰――


ビアンカは、ゆっくりと立ち上がった。
もう震えていない、叫んでいない、泣いてもいない。その替わり、その顔にはただ
凍り付いたような微笑が浮かんでいるのみ。
袋の中からもう1つの支給品、かつて光の戦士達が使っていた伝説の武器を取り出すと、
彼女はゆっくりと歩き出す。
美しい黄金の髪の上で、操りの輪が鈍い輝きを放っていた。

【ビアンカ(暴走状態:操りの輪を破壊すれば状態回復は可能)
 所持品:操りの輪、 ファイアビュート 第一行動方針:リュカ、子供達以外の全員を殺害
 現在位置:レーべ西の海岸→レーべの村に向かって移動】
344名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/08 23:46:53 ID:zOpuvRS3
「爆発と言っても小規模なものだ、だがお前たちの命を絶つのは容易い」
さらりと、女性はそう言う、何も感情が無いかのように次々と言葉を述べていく。
「禁止事項は次のとうりだ。
 一つ、首輪を無理矢理外そうとすること。
 一つ、ゲームから逃げ出すこと
 一つ、最後に誰かが死んでから、二十四時間誰も死ななくても爆発する」
「………要するに、最後まで生き残れと言っているわけだな?」
金髪の背中に星がかかれたジャケットを背負った青年がそう言った。
その質問に、やはり生きた目をしていない目で、青年の方を向き、答える。
「そうだ、そして貴様らにはルガール様からありがたい支給物資が配られる。
 これから一名ずつ呼んで行く、呼ばれたものはこの穴に飛び込め。
 しかし、支給物資が何も有用な物とは限らない、使えないものだったときは自分を恨め」
そして、女性は読み上げた、最初の…幸あるものを。
345名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/08 23:57:06 ID:zOpuvRS3
悪い、誤爆した。orz
346はぐれメタル純情派:04/11/09 00:50:38 ID:XSNBnzT8
全ての攻撃を受け流す流線型のメタルボディ。
数ある魔物達の中でも屈指のスピード。
さらには極大爆発呪文まで操る高い魔力。
こういった高い戦闘能力を持つはぐりんであるが、本来彼は戦いを好まない性格であった。
リュカの魅力に惹かれ、主人の為に魔王とも戦ったが、こんな意味のない殺し合いなど
はぐりんが望むわけもなかった。

「…………やっぱり……無理か…………」
金属の体を器用に変形させてみるが、どういう訳か食い込んだ首輪は外れてくれない。
「ご主人…………無事かな…………」
思い出されるのはリュカやみんなとの楽しかった日々。生まれてこのかたはぐれ者だった
はぐりんにとって、それは初めて知った仲間の暖かさだった。

敵に怯え、こそこそ逃げ回っていたあの頃にはもう戻らない。今の自分には、守るべき仲間達がいる。
それまでは無益な戦いはできるだけ避けたいが、幸いスピードと危機回避には自信がある。
実際、既に近くを通った者もいたが、彼に気付く者はいなかった。

「…………ご主人…みんな……待ってて………」

小さな体に大きな闘志を秘め、はぐりんの戦いが今始まる。

【はぐりん 所持品:エリクサー×10 ブロードソード レーザーウエポン
 行動方針:仲間との合流(リュカを最優先、戦闘はできるだけ避ける)
 現在位置:いざないの洞窟B1F】
347直々に1/2:04/11/09 01:01:31 ID:grMMVAxl
闘いの火蓋が斬って落とされ、早数分。
彼らのコンビネーションもなかなかの物となってきた。
フバーハが特に掛ったサックスが突破口を開き、フルートから借りた草薙の拳で斬りつける。
そしてその隙にゼルが右右左右そしてハイキックの連携をかまし、
咄嗟に飛び退きロランがリルムの魔法を相乗させた一撃をかます。
(――クッ…人間一人ならどうにかなったものを…少し本気を出さねばならんようだ…)
そして、サックスが三回目の攻撃に移ろうとしたとき…ビクビクと竜王の体が変化し始めた。
そして見る見るうちに鱗が出来、翼が生え…その姿は龍となった。
「どうやら貴様らを見縊っていたようだ、本気で行かせてもらうとしよう」
その龍の姿に、少しは引くものの、サックスとゼルは向かっていった。
しかし、先ほどとは違い全くと言っていいほど利いていない、ロランも加勢するがやはり利いていない。
すると、ゼルは後ろに大きく下がった、ロランは剣を片手に持ち替え、サックスは片手を剣に添えている。
「何をしようと無駄だ!」
と、竜王の声が大きく響く。
すると…ゼルが瞬速で竜王に殴りかかる、が、それは寸前で止まった、いや止めたのだ。
するするとスローに殴りかかっていく、ゆっくりゆっくりとゼルは進んでいく。
「ふん!このような子供騙しに…グッ!」
するとリルムがブリサラを放っている、竜王は気をゼルに向けていたので気がつかなかった。
今だ!と瞬間的に思ったロランとサックスは竜王の両足に斬りかかった。
「ハァァァァァ!!」
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
その二つの声が重なり竜王に斬りかかる、二人の全力は竜王をふらつかせた。
その時だった、ゆっくり進んでいたゼルがいきなり光よりも早く動き始めた。
そう、彼は空気の壁を打ち抜いていたのだ、光を超越するパンチは相当なダメージをもたらした…だが。
「グォォォォ!ニンゲンドモガ!コノワタシニ!ハムカイオッテ!グオオオオオオ!!!」
なんてこった。と全員がそういった、あれほどの総攻撃を仕掛けながらも竜王は此方へ向かってくる。
348直々に2/2:04/11/09 01:03:10 ID:grMMVAxl
咄嗟に体制を直した三人だが竜王の個素早い攻撃に吹き飛ばされ、壁に強く打ち付けられる。
ロランは多少素早く飛び退いていたので気絶は免れたが体が思うように動かない。
ゼルとサックスはモロに受けてしまった、壁にもたれかかり動かない。
そして、どんどんフルートとリルムの方へ向かう。
ロランは、助けようと思った、でも体が上手く動かない、ああもう駄目だと思っていた。
「フフフ、アトハキサマラダケダ!ジワリジワリトナブリコロシテクレル!」
すると竜王はその大きな手をリルムのほうへ伸ばした…
が、その腕はいとも容易く吹き飛んだ、そう、その力の主はフルートだった。
嘗て魔神とまで呼ばれた武闘家時代の力が…ということは…。
「てめぇ…こんな小さい子を狙ってなぶり殺すだぁ?ザケんのも大概にしやがれ!」
すると、フルート一睨みした後は大きく拳を竜王に叩きつけ、折れていた右腕を完全にもぎ取った。
彼女が普段この力を発動できないのは彼女自身が知らないからなのである、そして普段の彼女も使えない。
ブチギレた時に使える、異常な力なのだ。
「ウギィヤァァアアアア!!!」
鳴り響く、竜王の悲鳴、怒りに満ちるフルートの表情。
そんなフルートをリルムは、ロランは、ただ、ただ、見ていた、戦うことも忘れて。
「テメェはこのフルートが直々にブチのめす」
その目と気迫は嘗ての勇者に似ていた。
そしてリルムも、そんなフルートの陰で、ある呪文を唱えていた。

【サックス(重傷&気絶) 所持品:水鏡の盾 草薙の剣 チョコボの怒り
【フルート(プッツン&重傷) 所持品:スノーマフラー
【リルム(負傷) 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン(重傷) 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート
【ゼル(重傷&気絶) 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト
現在位置:ナジミの塔入口
行動方針:傷の治療(ロラン)竜王をブチのめす(フルート)フルートを援護する(リルム)】

【竜王(竜化) 所持品:裁きの杖 魔法の法衣 現在位置:ナジミの塔入口
行動方針:目の前の人間を殺す】
349コミカル(?)お兄さん1/2:04/11/09 11:28:46 ID:jPhjLL80
「とりあえず、北東にでも向かってみよう。祠とかあるし」

こんにちは。
私達は、セージお兄さんの提案で北東に向かっています。
"森や山岳地帯といった危ないところを通らずに進もう"という事も忘れずに、です。
まだ少ししか進んでないけど、なんだかお兄さんといると安心できる様なk「あ!そういえば!」

ど、どうしたの?お兄さん…。

「そういえば…僕達支給品見てないじゃん」
「あ…」

お兄さんも私もすっかり忘れてました。
自分を護るための道具が無いかを確かめるのを忘れていたんです。
そしてお兄さんは、すぐに私にも袋を開けるように言いました。
私は言われた通りに袋を開けることにしました。

「あ、お兄さん!私凄くラッキーかも」

私が袋から出したものは、食べられるキノコの説明と写真を載せているご本。
そして……もっと凄いのは、あの「ストロスの杖」が出てきたことでした。
私がお父さんとお母さんを探しているときに使っていた杖。
使い慣れたものが出てきてホッとする私を尻目に、お兄さんも同じように袋を開けました。
350コミカル(?)お兄さん2/2:04/11/09 11:45:40 ID:jPhjLL80
……開けたんですが…。

「………さて」
え!?ちょっと待って待って!
お兄さんはそう言うと袋を閉じてしまいました。
何があったの?ねぇ、ちゃんと目を見てお話して!
「……出てきたの…これなんだよね」
半分泣きそうな目で、お兄さんは袋を開けてくれました。

「まず、これが"ハリセン"ってヤツ」
中で右左右左とキッチリ折られて、更に下で束ねられている厚手の紙がありました。
なんだろう。私は"はりせん"っていう言葉は初めて聞く。お兄さんに尋ねてみよう。

「これはほら、アレだよ。
 "ナンデヤネーン!!"とか"ソンナアホナー!!"とか"オマエモナー!!"…は違うか、まぁそんな事を言いながら叩く道具」
"って、何かの本に書いてた。"と最後に付け加えて説明は終わりました。
なんだか、使いづらいね…。で、お兄さん…他には?

「それ以外、ない」
え…?おかしいよお兄さん。私の袋には2つもあったのに。
「おかしいけど…仕方がないよ。他の人から貰うなり交換するなりしよう」

そういった後、お兄さんは袋に"はりせん"をしまうと、黙って私の手を牽いて進み始めました。
お兄さん……私でよければ、相談に乗るよ?

【セージ 所持品:ハリセン 現在位置:レーベ北東 行動方針:レックスを探す】
【タバサ 所持品:ストロスの杖・キノコ図鑑 現在位置:同上 行動方針:セージと行動する】
351名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/09 12:31:02 ID:jPhjLL80
>351
「まず、これが"ハリセン"ってヤツ」

の「まず、これが」を消してください……。
前に書いてた文章を消しきれてなかった…orz

脳内変換お願いします。
352決着1/4:04/11/09 16:22:53 ID:t6eQXW72
「オラァァァァァ!」
殴る殴る、蹴る!重く鋭く、正確な一撃一撃が、確実に竜王を
追い詰めてゆく。
ゴオォォォォッ!
竜王が勢い良く炎を吐いて退けようとするが、炎はフバーハの
光の衣に遮られ、ほとんどが届かずに終わる。むしろほんのわずかな炎が
フルートの頬をかすめることで、彼女の怒りをいっそう煽るのだ。
「死ねやコラァァァ!」
フルートの罵声に、はっと我に返ったロランが慌てて加勢しようと
よろよろと立ち上がる。
竜王の残った左腕、鉄をも引き裂く鉤爪がフルートに襲い掛かる!
「ヒキサイテクレルワ!」
だがフルートの拳が唸りを上げると、ばきり、と音がして本来ありえない
方向に竜王の腕が曲がる。
「ギャァァァァァァ!」
竜王はもだえ、身をよじり、倒れそうになるのをすんでのところでとどまる。
353決着2/4:04/11/09 16:39:28 ID:t6eQXW72
ズ…ンッ!
その竜王の体に衝撃が走る。
視線を下へ向けると、ロランが竜王の下腹部に、深々とガイアの剣を
突き立てている。
「オノレ…オノレ…ニンゲンフゼイガ…」
もう爪で攻撃することは叶わない。三度炎を吐こうとしたその時、
「サンダラ!」
リルムの完成した呪文が、雷が竜王の体に刺さったガイアの剣を直撃した。
ロランはすかさず後方にとびすさる。
「ギィィィエェェェェェ…!」
体の内側から雷に焼かれた竜王は、しばらく直立したまま痙攣を繰り返して
いたが、やがて、ゆっくりとゆっくりと、横ざまに倒れた。
「やった…倒した…竜王を…」
ロランがはあはあ息を切らしながら呟く。
「フルートってすごい!尊敬しちゃうな!」
リルムは笑顔だ。
「あら?私は何を…?これは、貴方が?」
我に返ったフルートは、例によって何も覚えていない。
「う……」
「ん…何だァ?」
サックスとゼルが、ようよううめきながら身をおこす。
354決着3/4:04/11/09 16:49:54 ID:t6eQXW72
「あ…お二人とも、気が付きましたか〜?」
フルートは元ののんびりした調子で、二人に近づく。
「竜王は、ロランさんが倒してくれたんです」
確かにとどめを刺したのはロランだが、そこまで追い詰めたのは
フルートであるという事を当人もサックスも、ゼルも知る由も無い。
「いや違う、僕は…」
「あのね、フルートってすごいんだよ!竜王と互角だったんだから!」
困惑するロランの声を、リルムのはしゃいだ声がさえぎった。
フルートは何のことか分からず、きょとんと立ち尽くしている。
「フルートが?まさかぁ」
サックスにはとても信じられない。見ていないのだから無理も無い。
「あんた、見かけによらずスゲ−んだな!」
ゼルが愉快そうに笑う。彼は竜王の所持品を回収すると、フルートに預けた。
あんたが役にたててくれ、と。
355決着4/4:04/11/09 17:02:27 ID:t6eQXW72
「もしゲームに乗る気が無いなら、皆で一緒に行動しないか?」
提案したのはサックスだ。ロランが笑って右手を差し出す。
期せずして全員の手が重なった。
「喜んで…皆で協力して、あの魔女を倒そう!」
「お〜っ!」
声をそろえて唱和すると、はじけた一同の笑い声がアリアハンの空に
響き渡った。
【サックス(重傷) 所持品:水鏡の盾 草薙の剣 チョコボの怒り
【フルート(重傷) 所持品:スノーマフラー 裁きの杖 魔法の法衣
【リルム(負傷) 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン(重傷) 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート
【ゼル(重傷) 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト
現在位置:ナジミの塔入り口
第一行動方針:傷の治療
第二行動方針:なるべく仲間を集める
最終行動方針:ゲームから抜ける。アルティミシアを倒す】

356決着 補足:04/11/09 17:26:15 ID:w3JW46Eb
【竜王 死亡】
入れ忘れスマソ
357名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/09 19:20:36 ID:grMMVAxl
ツンツンのチョコボ頭の青年、クラウドはアリアハン城から南の海岸に立っていた。
彼は正直こんなゲームには興味が無かった、殺す気も無いし、殺される気も無い。
ただ、エアリスやティファやシド…仲間が死ぬところは見たくない、そんな心境だった。
そのためには生き残らねばならない、ただし殺人はやむをえない場合を除いて無しで。
やむをえない場合、襲い掛かってきたらそいつは容赦なく斬る、逃がせば仲間を危機に晒すことになるからだ。
そう思いつつ、彼は支給品を確かめた。
柄しかない剣と神羅の奴らが着込んでいそうなスーツが入っていた。
柄しかない剣は握ってみれば剣が使用者の体力に比例し出てくる、アルテマウェポンだった。
スーツはなんとも言えず、本当にただのスーツに見えた。
しかし、クラウドは知らない、このスーツがそこらの鎧よりも防御力があることを。

「とりあえず…あの城を目指すか」
ふぅ、とため息をつき歩き始めて数分後のことだった。
「…マズいな、早速やる気満々の奴に早速出会ったな」
クラウドの目線の先には血のついた剣を持った剣士がクラウドの方向を睨んでくる。
確実にこちらに向かって攻撃を仕掛けてくる気だ、その剣士の周りの四人の死体がそれを物語っている。
宝条の奴と、白魔道士のような女性と、肥満体の男と盗賊風の男。
チッと舌打ちをしながらも、クラウドはアルテマウェポンを構える。
一気にケリをつけようと斬りかかろうとしたその時だった。
358悲しみの先に2/2:04/11/09 19:21:34 ID:grMMVAxl
「ローザ!!」
白髪の青年が剣士の後ろから叫ぶ、その青年の表情は哀愁に満ちていた。
「ローザ…ローザ…ああ、僕はまたローザを守れなかった…」
白髪の青年はそう白魔道師の死体を抱え、泣いていた。
それを見るや剣士は口元を歪め、セシルに斬りかかった。
だかそれは寸でのところで止まる、セシルが光の剣を振り上げたからだ。
「…許さない…僕は許さない!」
セシルの目がクッと開く、それを見てクラウドは…加勢しようかどうか迷っている。
静かなる戦いが、今始まった。

【セシル 所持品:光の剣 ミスリルシールド
 現在位置:アリアハン南の平原 行動方針:ローザの敵を取る(ガーランドを殺す】
【クラウド 所持品:アルテマウェポン おしゃれなスーツ
 現在位置:同上 
 第一行動方針:セシルに協力する(?)
 第二行動方針:マーダーを減らす
 最終行動方針:ゲームから生きて抜ける】

【ガーランド(半カオス状態) 所持品:皆殺しの剣 ダイヤアーマー
 現在位置:同上 行動方針:人間を殺す】

【宝条 死亡】
【ローザ 死亡】
【サンチョ 死亡】
【ジークフリート 死亡】
359戦いを求める者 1/4:04/11/09 19:58:34 ID:PPbOrUFm
ハイテンションを通り越して躁状態になっていたヘンリーだったが、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。
「思ってたより遠かったな」
平原の向こうに目的地である村の影を認めて、ヘンリーは小さくつぶやく。
記憶の混乱も治まったらしく(G.F.の効果ばかりでなく、頭を打ったことによる面も大きかったのだろう)、
あれから妙なことは言っていない。
こうして普通にしていれば、王族に相応しい理性と威厳を感じないこともないのだが……
第一印象を拭い去り、ソロの評価を改めるには到底及ばない。
それどころかギャップが激しすぎて、『ちょっとアレな人』という確信を高めるだけで終わっている。
「気をつけてくださいね。どこに敵がいるかわからないんですから」
「どうせ会うなら、敵よりも妻や弟や親友に会いたいんだけどな」
「あれ、奥さんなんているんですか? そんなこと一言も……」
「忘れそうになったが、なんとか思い出せた」
「……」
もう、これ以上深く考えるのも追求するのも止そう、とソロは思った。
その時、ヘンリーが唐突にソロを見た。
怪訝、とも険しい、とも言える表情である。
一瞬、考えを見透かされたのかとソロは狼狽したが、すぐに違うと気付かされた。
「おい、何か聞こえないか?」
ヘンリーの言葉が終わらない内に、ソロは走り出していた。
彼にも聞こえたからだ。剣を切り結ぶような、そして何かが燃える音が。
360戦いを求める者 2/4:04/11/09 20:03:41 ID:PPbOrUFm
テリーは不満と空しさを覚えていた。
(こんな腑抜けしか集まってないのか?)
いっぱしの戦士に見えるこの男、前に殺めた中年二人よりは楽しませてくれると思っていたのだ。
だが、期待はずれもいいところであった。
確かに、虚ろな目をこちらに向けてはいる。斬りつければ盾で受け止める。
だが、それだけだ。武器がないから戦えないとかそういう次元ではない。
素手で戦おうとも、呪文を使おうとも、逃げようとすらしないのだ。まるで、心を持たない機械人形のように。
これでは壁に切りつけているのとかわらない。
(もういい、終わりにしてやる)
苛立ったテリーは、神速の突きで盾と地面との間に剣を滑り込ませ、勢いよく跳ね上げた。
白銀の輝きが宙に舞い、鋭い切っ先が、それでもなお能面のように顔色一つ変えぬ男へ迫り――
けれども斬られたのは男ではなく、虚空であった。
甲高い音を立てて、後方から投げつけられたもの――鉄扇が跳ね返り、地に落ちる。
「止めなさい、テリー!」
アークボルトと雪山で会った冒険者たちの一人。テリーの赤い瞳にはそうとしか映らない。
青年は力と引き換えに、力を求めた理由も自分の姉の姿さえも忘れてしまったのだから。
「ふん……こいつよりは斬る価値がありそうだ」
テリーは笑った。ミレーユの記憶にある笑顔とはかけ離れた表情で。
「止めてほしいなら、力ずくで止めてみせろ!」
地を這うような低い斬撃が走る。ミレーユは扇を拾い上げ、力の方向を逸らして受け流す。
そして体勢が崩れたところを狙って薙ぎ払うが、呆気なくジャンプでかわされてしまう。
(やっぱり、剣や力では敵わない)
そう判断したミレーユは、素早く距離を取って大きく息を吸い込む。そして一気に吐き出した、燃え盛る火炎に変えて。
「何っ!」
驚愕の相を浮かべる青年の姿が、赤い炎に飲み込まれる。ミレーユは間髪いれずに呪文を唱えた。
「ラリホーマ!」
――攻撃呪文を選ばなかったのは、テリーを殺したくないという気持ちがあったからだ。
自分の命はどうなっても構わないが、弟には正義を取り戻し、そして生きてほしい。
だがその思いは、彼女が想像しなかった結果をもたらした。
361戦いを求める者 3/4:04/11/09 20:06:14 ID:PPbOrUFm
炎の向こうで、何かが緑色に輝いた。そう思った瞬間、ミレーユは強烈な睡魔に襲われた。
(え? ……どうして……私が?)
「なるほど、この指輪は呪文を反射する力があるみたいだな」
ミレーユの瞳に、弟の姿が映る。無傷だったことに疑問は感じない。真空の剣で炎ごと断ち切ったのだとわかったからだ。
「火炎の息に受け流し、どれも子供だましの技だ。それで俺に勝てるとでも思ったのかよ」
テリーは冷酷に言い放つ。相手が誰なのか、未だに気付かないがゆえに。
かつての思いを見失い、力と引き換えに正義を失ったがために。
(私は……止めないといけないのに)
ミレーユは悔やんだ。なぜ、ラリホーマなど使ってしまったのだろう。
攻撃呪文を使っていれば、まだチャンスはあったのだ。
弟を殺したくないという思いが――それが、自分の首を締めてしまったのか。
とめどない後悔と睡魔に、彼女はついに意識を手放してしまった。

けれども、テリーはミレーユを手にかけはしなかった。
思い出したわけではない。
彼が姉を殺さずにすんだのは、新たな闖入者が現れたから。それだけの理由だった。
「その人から離れろ」
年齢に似合わぬ覇気を備えた若者が言う。
その隣で、貴族風の身なりをした男が剣を構えている。
テリーの目は、その剣に吸い寄せられた。
「……雷鳴の剣」
それはかつて、彼自身が愛用していた剣だった。
シャープな切れ味を誇る刀身に、荒れ狂う雷を呼ぶ力を備えたアークボルトの至宝。
「おもしろい。今度こそ、戦い甲斐がありそうだな」
テリーは三度剣を構え、地を蹴った。
362戦いを求める者 4/4:04/11/09 20:07:57 ID:PPbOrUFm
【フリオニール 所持品:天空の盾 状態:感情喪失 行動方針:静観?】

【ミレーユ 所持品:月の扇 エルメスの靴 状態:睡眠
 行動方針:命に換えてもテリーを更正させる】

【ヘンリー 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 雷鳴の剣 状態:オートリフレク
【ソロ 所持品:さざなみの剣 水のリング
 行動方針:テリーを倒し、ミレーユを助ける】

【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド 天使の翼 リフレクトリング
 行動方針:自らの力を試す=ゲームに勝利する】

*現在位置(全員共通):レーべの村中央部
3631/3:04/11/09 22:53:00 ID:6qFtEbXi
これは一体どうした事か。

 先程まで感じていた竜王さまの力を感じぬ…


 ―――理由は大体判る。ニンゲン達と戦い、敗れたのだろう…
  竜王さまが我等魔物の王であるとはいえ、此処に集められた者も歴戦の戦士達が多いようだ。
  現にこの地にはロトの力を複数感じる。竜王さまが敗れる事があっても不思議では無い。


 ……竜王さまが目覚めたのならばお会いしたかったものだが、それも叶わぬ願いか。

我の目的は潰えた。
生き残る気もない。
後はこの地で死を待つのみ。
3642/3:04/11/09 22:55:18 ID:6qFtEbXi
「まいったな。まさか支給品がこんなのだなんて…」
イザの袋の中に入っていたのは3本の剣。
1つ、黄金に光り輝く脆そうな剣。
2つ、これぞ騎士剣、といった感じに見えるが、何故か全く切れない剣。
3つ、常識を超える長さを持つ刀、っぽいオモチャ。
どう見てもハズレな武器を掴まされたイザは落胆しながらも海底通路を進み、
そして自分の目の前に何かの影を見つけた。

「あれは…、ドラゴン…!?」
目の前に見えるそれは明らかに魔物。
今までに一度も見た事のない魔物だが、一目でドラゴンだとわかった。
ドラゴンも自分に気付いたのか、こちらを見据えている。
戦闘は避けられないと感じ、イザは金色に輝く(正直役に立ちそうにない)剣を持ち、構えるが。

「ニンゲンよ、我を殺すがよい」
ドラゴンから放たれた言葉は、イザが全く想像していなかったものだった。
「戦う気は無い。我も竜王様と同じく永い眠りに就こう」
その言葉を聞くと、イザは剣をザックに入れ、無防備な状態でドラゴンに近づく。
「何のつもりだ?」
「敵意がない相手から命を取るような真似はしない。それよりも何故殺せだなんて…」
3653/3:04/11/09 22:57:36 ID:6qFtEbXi
「…我にする事はもう無い。ここで死を待つだけだ」
「なら、僕に協力してくれないかい?」
「……」
どっしりと構えるドラゴンに向かい、イザは語りかける。
「このゲームを抜け出したい。その為にあなたの力を貸して欲しい」

ドラゴンはイザに向かってゆっくりと語りかける。
「このゲームを抜ける、か。
 それにはあの強大な力を持った魔女を倒す必要があるのだぞ?」
「だからこそ参加者達が協力する必要があるんだ。殺し合いなんてしている場合じゃない。
 皆で力を合わせれば何とかなるはずさ」

―――ニンゲンとの協力。竜王さまが何と言うかは判らぬが、それもまた一興かもしれぬな…。
「いいだろう。御前に協力しよう。
 我はドルバ、竜王さまに仕えし竜の生き残りだ」

【イザ(DQ6主人公) 現在位置:海底通路(ナジミの塔への階段付近)
 所持品:きんきらの剣、エクスカリパー、マサムネブレード
 行動方針:同志を集め、ゲームを脱出する】
【ドルバ(ドラゴン) 現在位置:海底通路(ナジミの塔への階段付近) 所持品:不明
 行動方針:イザに協力する】
366支給品 1/3:04/11/10 00:34:46 ID:lDK2Wtz0
「ダメや、あきません」
ケット・シーが「開かない」といいたいのか「できない」といいたいのかは、この際どうでもいい。
目の前にある赤い扉がびくともせず、進路の妨げになっているのは事実なのだ。
「鍵穴みたいのがありますから、かぎ使うたら開くんやと思いますけど」
岬の洞窟を奥へ奥へと進み(本人達は出口を探していたのだが)
ようやくたどり着いた先にあったのが、この扉である。
「鍵か。俺の支給品にはなかったなあ」
「リュカさんの支給品て、何やったんです?」
ケット・シーの問いに、リュカは少し渋い顔をして、袋の中から支給品を取り出した。
一つ、竹槍
一つ、お鍋(蓋付き)
一つ、ポケットティッシュ×4
「こりゃまた…」
ケット・シーが素っ頓狂な声を上げるほど、どう見てもそれはハズレ品である。
「ケット・シーのほうはどうなんだい?」
「ボクのにも、鍵はないんやけど…」
こんなハズレ品を見せられた後では気が引けるが、見せないわけにもいくまい。
一つ、正宗
一つ、デスペナルティ
一つ、天使のレオタード
「…アタリ品?」
「せやけど、ボクが装備できるんは、一つもないんや…」
これもある意味ハズレ品なのだろうか…?
367支給品 2/3:04/11/10 00:36:11 ID:lDK2Wtz0
「ボクが持っといてもしょーがあらしませんから、使えるもんあったらあげましょか?」
ややあって、ケット・シーがそう提案した。
しかし、いくらなんでもリュカが天使のレオタードを着るわけにはいかない。
一応剣である正宗は、セフィロス仕様のため、長すぎて使いこなすことは出来そうにない。
「で、最後のこれは何?」
「銃を知らへんのですか?」
残るデスペナルティは、リュカにとって見たことも聞いたこともない武器である。
概略をケット・シーが説明しても、どうもピンとこない。
「えっと、つまりこの引き金を引けばいいんだね?」
「ちょっとリュカさん!! 人(?)に向けたらいけません!!!!」
説明を聞きながらデスペナルティをいじくるリュカは、
その銃口がケット・シーに向かっていることに気づかなかった。
「え?」

ズキュン―――

「あ、危ないやないですか!!!!!」
紙一重で、弾はケット・シーからそれた。
撃たれたほうは冷や汗ものだが、撃ったほうはもっと肝をつぶしている。
「ご、ごめん」
リュカは、何とかその言葉だけを搾り出した。
その時。

ギ、ギギギ―――

ケット・シーの後方で、何かが動く音がした。
見れば、行く手を阻んでいた赤い扉が開いているではないか。
もう少し目を凝らせば、扉の鍵が破壊されていることが確認できた。
先ほどの銃弾が、どうやら扉の鍵を壊したようだ。
「……怪我の功名?」
「調子に乗らんといてください!!!」
368支給品 3/3:04/11/10 00:39:18 ID:lDK2Wtz0
扉を抜けた先は、石造りの立派な建物であった。
二人はとにかく、先に進もうと歩き出した。
「そのデスペナルティ、リュカさんが持っといて下さい」
「いいの?」
「どーせボクは扱えんし。でも、ちゃんと練習するて、約束ですよ?」
そんな確約も交わされたとか。

【リュカ 所持品:竹槍 お鍋(蓋付き) ポケットティッシュ×4 デスペナルティ
【ケット・シー 所持品:正宗 天使のレオタード
現在位置 アリアハン城地下牢
行動方針 リュカの家族、及び仲間になってくれそうな人を探す】
369流血の残像 1/3:04/11/10 02:34:10 ID:MrLyhjdD

レーベ北東の森の中。
三人の男女が、真ん中を向いて円形に座っていた。

ミレーユが去ったことで落ち込むターニアを、ティーダとエアリスが慰める。
二人は明るく振舞っていたが、心の中ではこのゲームに対する憤りが絶えることなく湧いていた。
(この娘は、武器を握ったことも無いだろうに…)
「ごめんなさい…もう、大丈夫」
ターニアの一言も、何処か悲痛な叫びを抑えているように思えた。

それでもその一言をきっかけに、少しずつ会話が始まった。
そして誰が言い出したわけでもないのだが、アイテムを使いやすいように配分した。

「これは何ッスかね?」
ティーダが、ターニアの持っていた理性の種をつまみ上げる。
「わからない。でも…特別な効果がある種だと思う」
エアリスはそう言った。もちろん、確信は無いけれど。
結局それ以上はどうしようもなく、それを他の必要ないアイテムと一緒に袋にしまった。

370流血の残像 2/3:04/11/10 02:35:39 ID:LW1Sbahm


「あれ、ティーダ君、その腕どうかしたの?」
エアリスが、彼の左腕に、僅かに流れる血を見つけた。
「あ…木の枝かなんかで切ったみたいッス。こんなの放っておいて…」
ティーダはそこまで言うと、ターニアの異変に気づいた。

「あ…血…」
虚ろな声で、ターニアはうめく様に呟く。
――転がる女性の首。飛び散る血。
――剣を濡らして輝いていた、赤い血。
残酷な血の記憶が、無垢な少女を支配する。

「いやぁぁぁっっ!」
ターニアは頭を抱え、大きく横に振り始めた。
まるで、そのままそれをもぎ取ってしまいたいかのように。
「ターニアちゃん!?」
エアリスが両手で彼女の頭を押さえつけようとしたが、何処から湧いたのか、凄い力でその手を振り払う。
「ティーダ君!血を見せちゃダメェェッ!」
エアリスが叫び、はっとしたティーダは腕を流れた血を自らの口で拭い取り、消し去る。
「ターニアちゃん!!」
「いやあぁぁっっ!」
目をぎゅっと閉じ、何も見まいとする。耳を両手でふさぎ、何も聞くまいとする。
脳に残る血の残像だけが彼女を完全に闇へ引き入れようとしていたが…

371流血の残像 3/3:04/11/10 02:36:29 ID:LW1Sbahm


パァン!

エアリスが少女の頬を引っ叩き、それに反応し少女の心は一瞬間覚醒する。
「怖がるものは何もないから、目を覚まして!」
エアリスの言葉が、少女の耳に届く。
「うぅっ…」
ターニアはゆっくりと目を開ける。
赤い血は何処にも見えない。それが、彼女の心を正常に戻した。
「ご…ごめんなさい、私…」
ターニアは、震える声で謝った。

だが、それは暫く彼女の心に居座るだろう。
――血の、恐怖は。
それから彼女を救えないことが、今のティーダやエアリスにとって一番の苦痛だった。


【ターニア 所持品:微笑みの杖 行動方針:兄(イザ)に会う】
【エアリス 所持品:ふきとばしの杖〔4〕 行動方針:ターニアを治したい】
【ティーダ 所持品:鋼の剣 青銅の盾 ゴディアスの剣 麦わら帽子 理性の種 行動方針:同上】

※ターニアは血を見ると錯乱状態に陥る可能性あり。

372補足:04/11/10 02:37:28 ID:LW1Sbahm
現在位置:レーベ北東の森の中
373鍛冶屋と伝説のボロい剣1/4:04/11/10 23:00:37 ID:18WbXnFf
「ちっくしょー…あたいがどうしてこんな場所に居るんだよ…」
一見男の言うセリフだが、言っているのは女性、ロンガデゼオではヤクザも避けてとおるという力の持ち主、鍛冶屋サリィである。
彼女は、何故こんなゲームに巻き込まれたのかが依然不思議でたまらなかった。
自分はイザにラミアスの剣を渡し、それから平凡な日々を送っていたはずなのに今ここに居る。
どうかしているとしか思えない…とにかく自分から戦いは仕掛けない、そう思い支給品の鍛冶セットと聖なる気を放つ鎧をザックに入れ、歩き始めた。
目の前に火球が迫ってきたのはその後すぐだった。
(――やっべぇ!もうゲームに乗ったやつがもうそばに居たのかよ!あの速度なら避けても当たっちまう!ちくしょうここで死ぬのかよ!)
彼女が諦め、目を閉じたその時だった。
「うっぎゃあああ!!!!」
ん?と思い目を開けてみると自分の目前で男が燃えている。
その男はのた打ち回り、その後動かなくなった。
「ちくしょう…やる気なら、こっちもやってやろうじゃねぇか!」
彼女はそう意気込み、支給品の鍛冶セットからとんかちを取り出した。
しかし、そのとんかちは只のとんかちではなかったのだ、あのダイヤモンドより硬い浮遊石を砕く事ができる、とんかちだという事を。
374鍛冶屋と伝説のボロい剣2/4:04/11/10 23:02:17 ID:18WbXnFf
「ちくしょう…やっぱり魔法は厄介だぜ…」
ギルガメッシュは目前の魔法衣の女性に向かいチッと舌打ちをした。
自分の支給品はどう考えてもはずれとしか思えない剣と銃とサンダル。
しかしあっちには魔力を増強させるワンダーワンドがある。
得体の知れない奴、わるぼうに援護してもらってるとは言い、戦力的にきつい。
「おい、なんか素手で使えて簡単にできるお手軽な技知らないか?」
ギルガメッシュがわるぼうにそう問い掛ける。
精神統一終えていたわるぼうがギルガメッシュに答える。
「そうだな…おっ、ちょうどいいのがあるな、俺の真似をしてみろ!」
するとわるぼうは前へ突き進んだ、メラミで落とそうとするムースだが、わるぼうは軽く避ける。
そして横からギルガメッシュもわるぼうと同じように突き進んでくる。
イオラで纏めて吹き飛ばそうと思ったのが彼女の判断ミスだった。
イオラを詠唱するより早く、わるぼうが突っ込んで来たからだ。
そして、ムースに強烈な殴りの連打をかます、ワンドで防いだものの続くギルガメッシュの攻撃には流石に数発喰らってしまった。
後ろに大きく吹き飛ぶムース、血を多少吐きながらも、その口をにやりと歪める。
彼女が詠唱していたのはイオラではなく、イオナズンだった、だが出てきたのはそれを超えるものだった。
「おいっ!避けろ!巻き込まれるぞ!」
ギルガメッシュはその呪文…いや魔法を知っていた、極大の爆発を瞬時に繰り出す魔法、フレア。
最初は小さな火の玉のような物だがそれはやがて膨らみ一気に爆発する。
わるぼうはその小さな玉を避けようとしなかったからだ、わるぼうを突き飛ばそうとし、飛び込むも二人ともフレアを諸に食らってしまう。
「フフフ…やはりこのロッドは便利ですね…さて完全なる止めを刺しましょうか…」
彼女はイオナズンの詠唱へと、再び入った。
375鍛冶屋と伝説のボロい剣3/4:04/11/10 23:04:11 ID:18WbXnFf
「さっきの呪文は…あいつが放ったんだな!」
自分を攻撃してきた敵を確認すると、とんかちを両手で握り、その標的へと全力で走り向かった。
詠唱に全精神をかけていたムースが、サリィに気がついたのは背後に迫られてからだった。
一閃、サリィのとんかちがムースの脳天を直撃する。
気絶させるほどの力しか込めなかったサリィだが、そのとんかちには人の頭を砕き壊すには、十分な力だった。
ムースの頭は砕け、頭から血がだくだくと流れる。
「……で……わけに……かな……き……らない…………」
細々と聞こえる声、だがそれはどんどん小さくなり、そして聞こえなくなった。
人を殺した…このとんかちで…付いた血を拭い、彼女は前を向いた。
「お、おい!大丈夫かよ!」
サリィは前で倒れている剣士に声をかける。
「う…うう…ん?奴は?」
多少傷があるも起き上がるギルガメッシュ、そのタフさは流石というべきだろう。
自分の目の前の落ち込む少女の目を見、彼は現状を把握する。
「あたいは…呪文をいきなり撃たれたから、その反撃に…でも殺すつもりは…」
「それはしょうがねぇぜ、現に奴はゲームに乗ってたし、殺すのを躊躇ってたらこのゲームじゃ生き残れないぜ」
サリィを慰めるように、ギルガメッシュはそう言った。
「おっと、忘れてた!おい!大丈夫かよ!」
ギルガメッシュはわるぼうの元に駆けより、彼の体を持つ。
すると、わるぼうがいきなり起き上がり、ギルガメッシュの顔を蹴り上げた。
「フン!この俺様があんな呪文ごときで、死ぬかっての!」
「んのヤロォ…!」
いつものギルガメッシュならかなり怒っていただろう、でもなぜか怒る気にはなれなかった。
「まぁ…嬉しいぜ、生きてて」
そんな唐突な言葉に、わるぼうは顔を赤らめドギマギする。
「な、なんだよいきなりそんな事いいやがって…でも俺もオマエが庇ってくれた時、嬉しかったぜ」
滅多に笑顔を見せないわるぼうが笑った、そして二人は声を出して笑った。
376鍛冶屋と伝説のボロい剣4/4:04/11/10 23:05:41 ID:18WbXnFf
一方、サリィはそんな二人をよそに、地面に捨てられたボロい剣に心を奪われていた。
この剣は…何か特別な気配を感じる、そう、ラミアスの剣にも勝らずとも劣らない…。
彼女はボロい剣を取り、鍛冶セットを取り出し、剣を打ち直し始めた。
いきなり目の前で何かをする少女に、ギルガメッシュは問い掛ける。
「なぁ、あんた何やってんだ?」
「見てわからねぇのか?この剣を鍛えなおしてんだよっ」
そうぶっきらぼうに言い放つと、彼女は剣を見て、とんかちを取り始めた。
「打ち直すにゃ打ち直せるけどよ…強力な火とかなりの時間がいるぜ…」
火…その言葉にギルガメッシュは引っかかった、そうあいつ、わるぼうなら火を出せるんじゃないだろうかと。
チラリとわるぼうの方を見るがやはり目をそらしてこちらを見てくれない…と思いきや…。
「ベギラゴン!」
そう唐突に響く声、燃え盛る火炎。わるぼうはそっぽを向いていたがこの呪文が彼であることは明確だった。
「これだけの炎がありゃ十分だな…うっし!久々に腕振るうぜ!」
彼女の威勢のいい声と共に、彼女の久しぶりの鍛冶が、始まった。
「そうだ…この銃は…鍛えなおせないか?」
ギルガメッシュがそう問いかけたが、それは出来ないという短い返事で分かった。
使えないし、鍛えなおせない、ならばそんなものには用は無い、ギルガメッシュは、その銃を空高く放り投げた。

「イテッ!」
その銃はある王にぶつかった。
「ったく…誰だ、こんなもの投げるのは」
エドガーは空から降ってきた銃を拾い上げ、眺めてみた、全く見たことの無い武器、だが作りはなんとなく分かった。
「なるほどな、そういう作りになってるわけか…ちょっと改造してみるか、工具もちょうどあるし」
彼の支給品は工具の一式と大きなドラムだった、ドラムは使い方が分からなかったものの、工具はとてもありがたかった。
エドガーは種子島銃を、分解し改造し始めた。
377所持品:04/11/10 23:06:46 ID:18WbXnFf
【サリィ 所持品:鍛冶セット ボロい剣(伝説系の剣) 光の鎧(装備不可)
 現在地:レーベ北の平原 
 第一行動方針:不思議な力を放つ剣を鍛えなおす】
【ギルガメッシュ 所持品:厚底サンダル
 現在地:レーベ北の平原 
 第一行動方針:剣が鍛えられあげるのを待つ】
【わるぼう 所持品:ビームライフル (後何かを所持)
 現在地:レーベ北の平原
 第一行動方針:????】

【エドガー 現在位置:アリアハンから少し北の平原
 所持品:ひそひ草 工具セット 戦いのドラム 種子島銃
 第一行動方針:空から降ってきた未知の武器を改造する】

【ムース 死亡 残り117人】
378そして伝説の後1/2:04/11/11 00:30:21 ID:Phro3Y+f
殺し合いというには似合わない風景がそこにあった。
そよ風が髪を揺らす。花の香がかすかに漂う地。

そこに、彼はいた。
黒い髪。正義に満ちた瞳。何故彼が「勇者」と呼ばれるのか、それを体現する姿。
彼の名はアルス。かつて闇に囚われた世界を救った勇者である。
彼はすぐに支給品を確認した後、真っ直ぐ西へと歩いていた。

彼の支給品は番傘とダーツがいくつか、そしてドラゴンテイル。
自衛への転用にとしては非常に使える物が一つあったことが、彼を安心させた。
だが、彼には当初から考えていたことがあった。

「やっぱり僕は、人を殺したくは無い」

―――――当然だった。
人の命を自ら絶ちに行くなどと、自分が出来るはずも無かった。
出来たとしても、その相手は最高に悪事を働いた相手にのみだろう。

殺し合いをゲームなどと称するあの魔女に、アルスは憤慨していた。
379そして伝説の後2/2:04/11/11 00:37:19 ID:Phro3Y+f
怒りを覚えた足は速い。
怒りを覚えた意思は固い。
正義の旗を振りかざそうとする足は速い。
正義の旗を振りかざそうとする意思は固い。

「まずは信用できる人間を探して…それから方法を探ろう。
 かつての仲間と戦わずに済む方法…。そして仲間と共に殺し合いを止められる方法を…」

人を悲しませないため、
人を苦しませないため、
人が人の証を棄てる道を潰すため、

勇者の戦いが始まった。


【アルス(DQ3勇者) 現在位置:アリアハン西平原
 所持品: ドラゴンテイル 番傘 ダーツの矢(いくつか)
 行動方針:信頼できる人間を探す(まずは西へ真っ直ぐ進む)】
380幼子との会話 1/2:04/11/11 05:43:37 ID:Zk+Pxv46

「ゲホッ…ゲホッ」
「だ、だいじょうぶ?」
「………」
咳き込み、血を吐くピサロ。そんなピサロの顔を覗き込み、心配の声をかけるビビだが変わらず返事は無い。
ピサロはあれからも変わらず冷たい空気を纏っている。ずっと黙ったままだ。
きっとこの人は、あまり人に心配されるのがすきじゃないんじゃないかな、とビビは思ったが、
だからといって目の前で血を吐かれて心配しないなんて無理だ。
…はやく、回復魔法がつかえるといいのに。見ていてとってもつらそうで、なんだかそわそわしてしまう。

「ねえ、魔法がつかいにくいのはなおるのかな?」
ビビの質問に、ピサロはふと顔を上げる。エリア達と遭遇して以来、初めて心配以外の声をかけられた。
「…先程も言ったが…この大陸全体に魔法を妨害する働きがあるようでな。
 魔力が高めにくいのはもちろん怪我の所為もあるだろうが…呪文を使いにくいのはおそらく私だけではないはずだ」
「でも、さっき…」
ピサロの答えに、ビビは少し悲しそうな目でさらに疑問を投げかける。
それを見てピサロは、ビビが先程の人間共に使った魔法のことを言っているのだと解った。
「そうだな…あの程度の攻撃魔法なら特に問題なく使えた…妨害されているのは回復魔法だけなのかもしれん」
「…回復魔法だけ?」
「ああ。そう考えれば合点がいくだろう?」
攻撃魔法は通常通りに使え、回復魔法の力は制限される。
つまりここでは、攻撃は全力で行えるが、その結果として怪我を負ったとしても中々回復することが出来ないという事だ。
そしてそれは、少なからず死亡者の増加に繋がっていくだろう。
おそらくは、ゲームを盛り上げるための主催者の意図か。
―――それとも、他に何かあるのか…?それは今は解らないが。

「…えっと、よくわからないけど、攻撃はできるけど、けがはなおせない…?」
ビビが不安そうに頭をひねる。よくわからないと言ってはいるが、何となくなら理解はしているのだろう。
ビビにとっての戦いは、結果たとえ傷ついてたとしてもその傷は仲間が癒して、支えてくれるものだった。
―――それができなかったら、けがはなおらなくて死んでしまうんじゃないの?
381幼子との会話 2/2:04/11/11 05:44:51 ID:Zk+Pxv46
「…当然といえば当然だな…これはそういうゲームだ…」
「そんなの、ひどい」
ビビが首を横に振る。
「ねえ、こんなゲームしなくていいよ!ぼく、友達が死ぬのはぜったいやだ!」
「………」
ピサロは何も答えない。ただ、悲しそうなビビを見つめるだけだ。
この幼子が必死で訴えている事は、解らないでも無い。
だが、この状況の中、ゲームを「しなくていい」というのは、とても難しいことに思える。
うつむいているビビを見やりながら、ピサロはまた、目を閉じた。

…ピサロはビビの言葉を聞いて、ふと、ロザリーは今どうしているだろうかと思った。

【ピサロ 現在位置:レーベ東の森中央付近 所持品:スプラッシャー、魔石バハムート(召喚可)、爆弾(爆発後消滅)
 行動方針:ある程度回復するまで待機】
【ビビ 現在位置:同上 所持品:不明 行動方針:ピサロと共にいる】
382尋ね人1/2:04/11/11 14:48:06 ID:I1oSkJhK
とん、とん、とん。
突然の足音にパウロはギョッとして身をすくめた。誰かが部屋に
入ってきたようだ。
足音の主ーロックを探しにきたセリスだったのだがー彼女は入ってすぐに、
人の気配に気づいた。しかし、姿は見えない。
「誰かいるの?」
誰かいる事を承知で、セリスは気配の主に呼びかけた。
もとより彼女はゲームに乗る気は無い。だがベッドの下に隠れている
パウロには、声の主が若い女性であるということしかわからない。
(出て行ったら殺されるのかも)
そう思うと背中を冷や汗が伝う。パウロはますます体をすくめた。
…それから五分。
その間セリスは見えざる気配の主に呼びかけ続け、パウロは相変わらず
ベッドの下ですくんだまま。
いいかげん苛立ってきたセリスの一言が、状況に決定的な変化をもたらした。
383尋ね人2/2:04/11/11 15:04:35 ID:I1oSkJhK
「いい加減にしなさい!もし戦う気でいるなら、容赦しないわよ!」
怯えきっていたパウロの精神は、
「もし戦う気でいるなら」
をすっ飛ばして、
「容赦しない」
という言葉をしか認識しなかった。完全なパニックに陥ったパウロはー
「う、うわぁぁぁぁっ!」
雄叫びを上げてベッドの下から飛び出すと、セリスに向かって突進した!
「!?」
驚いたセリスは反射的に持っていた樫の杖で、パウロの側頭部を
したたかにひっぱたいた。勿論パウロは失神。床に伸びてしまった。
「あらら…やりすぎたかしら」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったパウロの顔を見て、セリスは苦笑をもらす。
「よっぽど怖かったのね…よいしょっと!」
パウロをベッドに寝かせたセリスは、彼の頭に出来た大きなコブを
冷やすため、水とタオルを探した。
【パウロ(気絶)所持品:破壊の剣 
現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階、ベッドの上
行動方針:ロランとムースを探す。】
【セリス 生存確認 所持品:樫の杖 シャナクの巻物
現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階
第一行動方針:パウロを介抱する
第二行動方針:ロックを探す】
384名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/11 19:28:54 ID:fEfxx+ks


いざないの洞窟の西側、山岳地帯。
地面に並べた支給品を見て、思わず女性――ミネアは苦笑する。
かぶれば頭に棘が刺さりそうな冠、死に逝った者の怨念が作り出した盾、邪悪な悪魔の尻尾。
どう考えても、どれかが自分の身を守ってくれる可能性などゼロに近い。
――せめて護身用の何かが欲しい、と思うのだが、彼女の持ち物はその他には何もない。
「呪われてるのかしら、私…」
笑いも既に乾ききって、溜息が一つ出た。

ドォォォン……

不意に、くぐもった様な爆音が聞こえた。
ミネアの、遥か前方のようだ。
「…?」
一寸首を傾げると、その方向に目を凝らす。
「爆発…?」
音でそう判断するも、視界には何も映らない。

ドドォォォン……

もう一度、爆音が聞こえる。
「何かあったのかしら…?」
ミネアの爆音に対する若干の恐怖は、彼女の心の大勢を占める好奇心の中で、消えた。
呪われた支給品を一応ザックにしまい、彼女は爆発があったと思われる方向へ歩き出した。

…爆発を起こした主が、自分より更に呪われているという可能性には、彼女は未だ辿り着いていなかった。


【ミネア 所持品:いばらの冠 嘆きの盾 悪魔の尻尾 行動方針:爆発現場(ハッサン)の様子を見る
現在位置:いざないの洞窟西の山岳地帯(ハッサンより若干南)】
385罪人:04/11/11 21:41:49 ID:Zk+Pxv46
俺は罪を負った。
いや、ここに来る前からずっと、それは裏切りという名の―――

何故俺は、立ち上がらなかった?
目の前で実の妹が殺され、親友が叫んでいるというのに。

それは…俺が裏切り者だからだ。
俺は力に魅せられた。そして捨てた、掛け替えの無いものを。
決定的な絆の断ち切れはきっと、二度と治る事は無い。
断ち切れたものを、溝を越えて助けることは出来ない。
俺はただ、遠く離れたところから傍観するのみだ。
それで良いのか?いや、良い筈がない。
そんな事は判っている…だがそれでも、もう取り返しのつかない事だって、ある。

空は変わらず高く、青い。
まるで、俺を置いていくかのように。

マリアはもうここにはいない。ならばあの、青い空の向こうにいるのだろうか。
フリオニール、お前は…どうしている?マリアを失って、それでもなお…生きようとしているのか?

俺はただ、罪を裁かれるのを待つのみの存在だ。例えそれが、逃げだったとしても。
フリオニール…俺はお前に会うことは出来ない。ただ、それでも俺はずっとお前の―――

【レオンハルト 現在位置:レーベ西の平原 所持品:ロングソード・消え去り草 行動方針:死を待つ】
386どこかに残るなにか 1/6:04/11/11 22:31:42 ID:W23z0RyE
――なぜ、自分は死のうとしなかったのだろう。
なぜ、この女性は自分を助け、剣士を止めようとしたのだろう。
数時間前のフリオニールなら、きっと即答できたはずだ。
けれども今の彼にはわからない。それを哀しいとすら思えない。そういった情動を感じる『何か』が、凍り付いてしまった。
「……」
ただ、頭の中にある記憶と経験が。
そしてほんの少しだけ凍らずに残された『何か』が告げる。
フリオニールの身体は、それに従った。
眠るミレーユを揺さぶり、簡単には目覚めそうにないとわかると、彼女の身体を担いで気付かれぬよう戦場を離れる。飛ばされた盾を拾うことも忘れない。
そしてしばらく歩いていると、突然目の前の建物から一人の男が飛び出した。
「おい、大丈夫か!?」
バンダナを巻いた男――ロックが、フリオニールに話し掛ける。
フリオニールは、背中に持たれかかった女性を見て、淡々と言った。
「……意識がない。魔法のせいだ。起こそうとしたが、起きない」
機械的に言葉を紡いだ彼に、ロックは少しばかり眉を潜めたが、すぐに気を取り直す。
「わかった。その人と一緒に、ここでじっとしていなよ。
 あと、よかったら盾を貸してくれないか?」
フリオニールはあっさりうなずいた。ロックは白く輝く盾を受け取り、走り出す。
(仕掛けるなら今しかない)
もし、緑髪の二人組が負ければ、青い服の男は自分達を襲うはずだ。
そうなれば勝ち目はゼロになる。自分には武器がないし、あの二人はどう見ても戦える状態ではない。
逃げるという選択肢は考えなかった。
仮に考えついたとしても、彼の過去が、それ以上に彼自身の矜持が許さなかっただろう。
(くそっ。この盾、結構重いな)
――ロックは知りようもないことだが、本来ならば天空の盾は常人には扱えない。
選ばれぬ者には、『結構重い』どころか持ち上げることすら難しいはずだ。
けれども、主の手を離れた今の間だけ、気紛れに力を貸したのか。
あるいは勇者を助けるため、ロックにその身を委ねたのか。答えは、盾にしかわからない。
(これ一つでどこまで戦えるか……やれるところまでやってやる!)
387どこかに残るなにか 2/6:04/11/11 22:37:07 ID:W23z0RyE
二対一でありながら、戦況は五分五分だった。いや、どちらかといえばソロ達の方が不利だったかもしれない。
「まさかこの程度で全力とか言わないだろうな?」
まだ余力を残しているのだろう。テリーは嘲りながらも、仕掛けてくる。
「二人がかりのハンデ戦なんだぜ、もう少し真面目にかかってこいよ」
(どこがハンデ戦だよ、呪文を跳ね返せるって時点で反則だろ)
ヘンリーは小さく舌打ちした。
本来、彼の戦闘スタイルは、呪文で敵を撹乱しその隙を突くというものだ。
純粋に剣の腕前だけでは、本職相手に渡り合えるわけがない。
ソロは、自分よりは遥かに高みにいる。だが、それでも相手の腕に及ばない。
……せめて、マヌーサでも効けば一気に戦況を覆せるのだが。
そう思った時、ヘンリーの視界に奇妙な物が映った。
物陰で隙をうかがうバンダナを巻いた男。その手に握られているのは――
(天空の盾!?)
彼が知る限り、親友の息子レックスしか装備できぬはずの盾。
それを誰とも知らぬ若い男が、身に付けている。

ソロも、男の姿に気付いた。一瞬だけ視線が交錯する。
その目に宿る輝きが教えた。彼は、自分たちの味方だと。
(ヘンリーさん……)
テリーに聞こえぬよう、小さく声をかけた。
ヘンリーがうなずいたのを確かめ、ソロは一気に走り出す。
テリーは唇の端を吊り上げながら、向かえ討たんとばかりに駆けた。
388どこかに残るなにか 3/6:04/11/11 22:41:18 ID:W23z0RyE
――ソロの後ろで、ヘンリーが呪文を唱えていたことは気付いていた。
彼に構わずソロの相手をしようとしたのは、指輪をはめた自分には呪文など無意味だと考えたためだ。
それが油断だった。
ヘンリーの呪文が完成する寸前、ソロの持つ剣が光り輝き、透明な壁を作る。
(――っ!?)
「イオ!」
テリーが離れようとしたその時、両者の間に爆発が起きた。
けれどもソロへと迫る熱風は光の壁に跳ね返され、正面に立つテリーへと襲い掛かる。
反射された呪文を再び反射することは、どのような魔力を用いても不可能だ。
舞い上がる砂埃と爆風に翻弄されつつも、なんとか青年は体勢を立て直そうとする。
(ちっ、味な真似を!)
テリーは追撃を用心し、砂煙へと目を走らせる。だが、ニ撃目は予想外の方向から飛んできた。
地を蹴る音、それが背後から聞こえたと気付き振り返った瞬間、煙を裂いてバンダナの男――ロックが現れる。
とっさの反撃、だがそれすらも跳ね除けるかのように、右手の盾を押し出して――
全体重を載せた体当たりが、テリーの身体を突き飛ばした。

フリオニールは路地の上で、四人の戦いを静かに見つめていた。
建物の中に隠れようとしなかったのは、ロックに「ここにいろ」と言われたからだ。
「う……うん」
爆発音のせいか、呪文の効力が切れたのか。背に負ぶわれたままのミレーユがようやく目を覚ます。
「テリーは……テリーはどこ?」
フリオニールは何も言わず、無造作に指を指した。
そして、ミレーユの瞳が見開かれた。
389どこかに残るなにか 4/6:04/11/11 22:44:44 ID:W23z0RyE
「やった!」
歓声を上げたのはヘンリーだった。続いてロックが、安堵の息を吐く。
二人ともここまで上手くいくとは思っていなかったのだ。
だが、ソロだけは気付いていた。
「ダメだ! まだ決着は……」
その言葉が終わったかどうか。
一瞬の出来事だった。
テリーが身を起こしたとヘンリーが気付いた時には、真紅に輝く瞳が目前に迫っている。
防御は間に合わない。
たった一撃で、ヘンリーの剣は弾き飛ばされ、宙に舞う。
テリーは己の武器を捨て、代わりに、導かれるように落ちてきた雷鳴の剣を手に収めた。
青年の唇が動いた。ヘンリーだけが、音無き声を読み取れた。
『死ね』――シンプルな一言だった。

「止めて、テリーーーーーっ!!」

ミレーユが叫ぶ。狂気の剣が閃く。
どちらが早かったのだろう? ――多分、同時だったに違いない。
赤い飛沫が空へ散った。肉を断ち切る不快な音と共に。
胸の辺りを十字に抉られ、ヘンリーは糸の切れた操り人形のように力無くくずおれる。
「邪魔ばかりしやがって……」
凍りついた空間を、憎々しげなテリーの声だけが渡る。その体が、不意に宙に浮かび上がった。
「今は退いてやるよ。この剣に免じてな」
返り血で汚れた天使の翼をはためかせ、テリーの姿は家並みの向こう、南の空へと消える。
ミレーユは呼び止めることもできなかった。
ただ、弟を止められなかった後悔に身を震わせるしかできなかった。
390どこかに残るなにか 5/6:04/11/11 22:51:48 ID:W23z0RyE
「ヘンリーさん!」
ソロとロックが、血にまみれたヘンリーに駆け寄る。
フリオニールの背から降りたミレーユが後に続く。
「おい、死ぬな! しっかりしろ!」
ロックが呼びかける、と、突然ヘンリーが目を開けた。
瞳ははっきりと焦点を結び、ロックを見つめる。
ゆっくりとだが自力で身を起こし、悪態までついてみせた。
「バカヤロウ、こんなところで死んでたまるかよ……」
その様子に、思わずほっとする男二人組。
しかしミレーユは、じっとヘンリーの背後を見つめていた。
「あなたは、何か不思議な力に守られているみたいね」
ふと、彼女の表情に翳りが兆す。自分の無力感を噛みしめるように。
「だから助かったんだわ……テリーは、本気であなたを殺すつもりだった」
だがヘンリーは頭を振った。
「違う……奴を止めたのは、あんただ」
「え?」
「あんたが叫んだ時、少し……奴の力が弱まった。
 どんな関係だか知らないが、忘れたつもりでもどこかに残ってるんだろう。
 忘れたつもりでも、記憶や心のどこかに……あんたのことが……
 だから今も……俺に……止めを、ささずに……」
言い終えぬうちに、ヘンリーの体から再び力が抜けた。
「おい! 早いとこ手当てしないとまずいんじゃないか?」
慌てて脈を取りながら、ロックが言う。
ミレーユは困惑したように、ヘンリーとソロを交互に見た。
ソロは彼女の意図を察し、微笑を形作りながら答える。
「回復呪文は僕にも使えます。ここは任せてください」
「……ごめんなさい」
ミレーユは頭を下げ、村の外へと走り去っていった。
弟を、今度こそ止めるために。
391どこかに残るなにか 6/6:04/11/11 22:54:00 ID:W23z0RyE
【フリオニール 所持品:なし 状態:感情喪失 行動方針:静観?】
【ヘンリー 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 状態:気絶・重傷
 行動方針:傷の治療】
【ソロ 所持品:さざなみの剣 水のリング
 行動方針:ヘンリーの治療】
【ロック 所持品:キューソネコカミ 天空の盾 クリスタルソード
 行動方針:ソロ達の手助けをする】
*現在位置:レーベの村中央部→宿屋

【ミレーユ 所持品:月の扇 エルメスの靴
 行動方針:テリーを追い、命に換えてもテリーを更正させる】
*現在位置:レーべの村→南へ

【テリー(DQ6) 所持品:雷鳴の剣 イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド 天使の翼 リフレクトリング
 行動方針:自らの力を試す=ゲームに勝利する】
*現在位置:レーベの村→南へ
392魔物の戦い方 1/4:04/11/11 23:29:49 ID:VDieIOdV
地獄の業火にも似た火柱を目撃し、ピエールはその場に近づいた。
もしそこで戦闘が行われているのなら、物陰から不意をついて殺すことも出来るし、
戦闘が終わっていたとしても、勝者の隙をつくことが出来る。
リュカ以外の参加者を倒す。
そう決意したとはいえ、ピエール単体では、その強さは常識を超えるほどではない。
故に、移動するときも細心の注意を払った。

近くまで行くと、火柱の明かりは不意に消えた。
そこには男一人と女一人(男装しているが、魔物のピエールには匂いでわかる)、
そして炭化した、多分もとは人型であったものがころがっていた。
彼らは戦いの勝者なのだろうと、ピエールは理解した。
一対二である。無策には飛び込めない。
ピエールは慎重に二人の隙をうかがった。

しかし、ピエールの推測は実は半分も当たっていない。
シャドウとファリスは別に組んでいるわけでもなければ、ともにゲマを倒したわけでもない。
そのゲマすら、誰かに倒されたというわけでもない。
程なくシャドウはファリスと別れた。
ピエールにとっては意外な展開であったが、戦力が半減したのは確かである。
狙うなら今と、鋼鉄の剣を構えた。
では男と女、どちらを狙うかだ。
その場を離れた男、シャドウは、意識して気配を追わねば
すぐにでも見失ってしまうほど闇と同化している。
その手腕を”強し”と見て、ピエールは男の後を追った。
強いものを野放しにしておけば、それがいつかリュカの脅威となると考えたからだった。
393魔物の戦い方 2/4:04/11/11 23:31:18 ID:VDieIOdV
しばらくして、女、ファリスから十分に距離をとった後、ピエールは物陰から飛び出しシャドウを襲った。
鋼鉄の剣は確実にシャドウの心臓を一突きとする予定だった。
しかし、ピエールの行為はシャドウのダガーによって阻まれてしまった。
これにはピエールが狼狽する。
十分に気配を絶ち、不意をついた自信があったのだ。
「先ほどから俺を付け狙っていたのは貴様か。まさか魔物だとはな…」
車道はゆっくりダガーを構えなおし、ピエールに向かい合う。
認めよう。隠密行動に関しては、相手が遥かに上手だったのだ。
だが、不意をつけなかったからといって諦める訳にも、また諦めさせてくれる訳でもない。
ピエールもまた鋼鉄の剣を構えなおした。

その戦いは静かに始まった。
魔法や剣戟の打ち合いではなく、互いに隙をうかがっている。
先に動いたのはピエールだ。急所ではなく利き手を狙った。
だが、シャドウはそれをかわし、攻撃の隙をついて顔面へ切りつけた。
ピエールはかわそうとしたが、体勢が十分でなく右腕の一部に傷を負い、鋼鉄の剣を落としてしまった。
傷口から流れるものは、血とも体液ともつかぬもので、強い酸の臭いがする。
シャドウは眼前にいるものが人間でないことを再確認したが、そんなことで怯みはしない。
軽くスッテプを踏み、今度は一直線に心臓を狙った。
ピエールの胸に、深々とダガーが突き刺さる。
シャドウは、勝ったと思った。
しかし、次の瞬間、小さな爆発音とともに、己の胸に、焼け付くような痛みが走った。
ダガーを放し、後ろへよろめく。
胸からは、赤い血が流れていた。
394魔物の戦い方 3/4:04/11/11 23:32:19 ID:VDieIOdV
ピエールがダガーを胸から引き抜くと、そこから黄緑色の液体が流れるのに、彼は微動だにしない。
「な、ぜ…」
ピエールの手には、ロングバレルRが握られている。
初めて使う武器だったが、零距離射撃であるため狙いは外れず、シャドウの胸に風穴を開けたのだ。
だが、シャドウが疑問に思ったのは、何によって攻撃を受けたのかではなく、何故攻撃が出来たかである。
膝を地面につき、傷口を抑える以外の行動を取れないでイルシャドウに、ピエールは答えた。
「とっくに、お気づきになっているものと思っておりました」
騎士の頭ではなく、下のスライムの口が動いている。
「そういう、ことか…!?」
「はい、私の本体はこちらです」
シャドウは最後の力を振り絞り、落ちている鋼鉄の剣に飛びついた。
次の一振りはスライムを狙ったが、ピエールはそれを許さない。
狙いの外れる恐れのあるロングバレルRではなく、負傷した右手で新たにいかずちの杖を構える。
装備し打撃を加えるためではなく、もう一つの使い方をするために。
「いかずちよ!!!」
杖から、ほとばしる高熱の炎がシャドウを襲う。
と同時に、いかずちの杖に小さなひびが入ったが、ピエールはそれに気づかない。
後には、人の焼ける臭いだけが残った。
395魔物の戦い方 4/4:04/11/11 23:33:37 ID:VDieIOdV
(今の戦闘音を聞いて、誰か来るとまずいな…)
傷口は祝福の杖で塞いだが、どうも体力が回復しない。
どこか休む場所が必要だが、ここに留まるのは危険である。
ピエールはアイテムを回収し、とりあえずの進路を南にとった。

【ピエール 現在位置:レーベ南の森(南部)
 所持品:鋼鉄の剣 ロングバレルR 青龍偃月刀 祝福の杖 いかずちの杖 魔封じの杖
       ダガー 祈りの指輪
 第一行動方針:南下し、身を隠す場所を探して体力の回復を図る
 基本行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】

 ※杖類はDQMのように数回使うと壊れます。

【ファリス 現在位置:レーベ南の森(北東部)から移動中
 所持品:王者のマント@DQ5 聖なるナイフ 行動方針:仲間を探しに行く】

【シャドウ 死亡 残り116人】
396魔物の戦い方 訂正:04/11/11 23:35:56 ID:VDieIOdV
【ピエール(HP4/5程度) 現在位置:レーベ南の森(南部)
 所持品:鋼鉄の剣 ロングバレルR 青龍偃月刀 祝福の杖 いかずちの杖 魔封じの杖
       ダガー 祈りの指輪
 第一行動方針:南下し、身を隠す場所を探して体力の回復を図る
 基本行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】
397暗黒の道へ歩んだ者の償い1/2:04/11/11 23:59:19 ID:k04bFeEX
奇妙なねばねばした物体に乗った怪物とアサシンのような男のやり取りを影で見ていた青年、ラムザは今迷っていた。
(――あの怪物の弱点はわかった…でも僕のこの支給品で勝てるだろうか?)
彼に支給されたのは…一見錆びた剣だが、どうも何かに呼応して強くなる剣らしい、説明書にはそう書いてあった。
もう一つは、アダマンタイトで作られた鎧、軽い上に動きやすい、ラムザはとても気に入っていた。
だが、その支給武器で果たしてあの強い怪物に勝てるだろうか?、弱点を一回つく、それだけならば勝てそうなのだが。
その弱点をつく隙が見つからない、完全に隙を作らぬよう歩いているのだ。
もう少し観察しよう、すると前方から奇怪なマスクを被った人物が現れた。

「貴様…先ほどの戦闘の身のこなしといい、なかなかの手練れの者だな」
黒いマスクの人物、ゴルベーザはピエールに向かい、そう言い放った。
ゴルベーザはあるひとつのことを考えていた。
自分が何故ここにいるのか、それは過去に犯した罪からなのか、それはわからない。
だがこんな危険性のあるゲーム、そして弟がいる、彼の選択肢は一つだった。
弟を守る、そのために危険な人物を排除する、そう誓ったのだ。
「貴様に恨みは無いが、貴様には危険を感じる…」
そう言いながら、ゴルベーザは支給品の鞭を持つ。
そして、ピエールは感じたのだ。この男も、先ほどの男と同じ危険を感じた事を。
ピエールは剣を持つ、足元のスライムは笑っている、勝利を確信しているのかどうかは定かではない。
二人は、目前を通り過ぎた一陣の風を合図に、飛び出した。
398暗黒の道へ歩んだ者の償い2/2:04/11/12 00:01:13 ID:qC2/C+bG
(――戦っている、あの怪物はあの人に注意が行っている、今…やるしかない!)
ラムザは空高く舞い上がった、それは竜騎士の如く。
目指すは、怪物の弱点、下のぶよぶよした部分めがけて、剣を構えた。
ピエールとゴルベーザは、その上空から迫る人影には全く気が付いてはいなかった。

【ラムザ(見習い剣士 アビリティジャンプ) 現在位置:レーベ南の森(南部)
 所持品: アダマンアーマー ブレイブブレイド
 第一行動方針:奇妙な怪物を倒す
 最終行動方針:ゲームから抜ける】
【ゴルベーザ 現在位置:同上
 所持品:グリンガムの鞭 皆伝の証 浮遊石
 第一行動方針:目の前の怪物を倒す
 第二行動方針:危険な人物を減らす
 最終行動方針:セシルを守る】

【ピエール(HP4/5程度) 現在位置:レーベ南の森(南部)
 所持品:鋼鉄の剣 ロングバレルR 青龍偃月刀 祝福の杖 いかずちの杖 魔封じの杖
       ダガー 祈りの指輪
 第一行動方針:目の前の危険人物を殺す
 第ニ行動方針:南下し、身を隠す場所を探して体力の回復を図る
 基本行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】
399名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/12 04:41:15 ID:gLolyDdy
>>盗聴器内臓。
>これは流石に大本が混乱するかと。
>何百人の会話が一斉に聞こえるわけですから

別に一人で全ての会話を聞いてる必要は無いだろ?
400冷静な殺意、残された狂気 1/3:04/11/12 20:57:02 ID:fXbUxkAu
一度覚悟を決めてしまえば楽なものだ。
若きラインハット王・デールは険しい崖を背に、こちらに向かって走ってくる男を見つめる。

死ぬのは別に怖くない。
母の狂気を止められなかった罰、罪なきサンタローズの人々を救えなかった罰として受け入れるつもりだ。
けれども、残されたラインハットの民と、何よりまだ幼いコリンズはどうなる?
自分が死に、ヘンリーやマリアの身にまで何かがあったら……ラインハットは荒れる。
権力を狙う輩はどこにでもいる。そして、手段を選ばない。
必ず、王となったコリンズを操ろうとするものが出てくるだろう。
あるいは追放するなり暗殺するなりして、己が王座に座ろうとするかもしれない。
それだけはさせたくない。叔父として、コリンズには幸せな人生を歩んで欲しい。
また、強欲な人間が政治を握る事態になれば、国民にも不幸をもたらす。
――かつて兄は母の罠にかかり、十数年間ものあいだ奴隷として辛酸を舐めさせられた。
母に化けた魔物のせいで、人々の生活は圧迫され続け、たくさんの人が苦しみの中で死んだ。
(それなのに、何もできなかった。僕は王として失格だ……
 だけど今度こそ。今度こそ、ラインハットのために戦ってやる)
生き残るのは自分でなくていい。
ヘンリーやマリア、あるいはグランバニア王のリュカのように、コリンズの後ろ盾となって助けてやれる人物ならば。
そのためならば――この手など幾らでも血に染めてやろう。

覚悟を決めてしまえば、後は楽なものだ。身体が勝手に動いてくれる。
先ほど読んだ説明書のとおりに、トリガーを引く。
機械仕掛けのリズムに乗って、抜き身の剣を構えていた男がダンスを踊る。
それで終わりだ。なんてことはない。
戦う術を知らぬ自分でも、人は殺せる。簡単に。
デールは男の骸も確かめず、崖に沿うようにして歩き去った。
401冷静な殺意、残された狂気:04/11/12 21:00:35 ID:fXbUxkAu
(――おのれ、人間め)
呪詛の言葉は声にはならなかった。傷ついた体から流れる、人には有りえぬ色の血が、大地を醜く染める。
その代わり、渦巻く怨念は死の淵にあってなお増大を続けていた。
今にも深遠に沈みそうな意識の中で、男は前へと這う。
幻獣に身体を噛み千切られ、主の命を果たせぬと悟った時の無念が。
すんでのところで獲物を攫っていった、金髪の男に対する憎悪が。
復讐も果たせぬまま、戦い方も知らなそうな若造によって死を迎えるという絶望が。
そして狂気にも等しい生への渇望と、生きとし生ける全ての者に対する殺意が、死にかけた男の身体を突き動かした。
男自身、何故自分がそうしようとしたのかわかっていなかったに違いない。
ただ、復讐を望む心が、魔物としての本能が囁いたのだ。
男は必死に手を伸ばし、銃弾の雨によってぶちまけられた支給品の一つを握り締め――

それからどれぐらいの時間が流れただろう?
黒髪と赤い瞳を持った女剣士が、息絶えた男に近寄る。
「銃でやられたのか……」
全身に大穴を開けられた死体など、決して気持ちのいいものではない。
女剣士――パインは、できるだけそちらを見ぬように男の剣を取る。
と、その時、男の手の下で何かが落ちていることに気が付いた。
「これは、ドレスフィアか?」
一瞬、いつのまにか無くなっていたスペシャルドレスかと思ったが、すぐに違うと気付く。
そのスフィアから感じられるのはダークナイトの力だったからだ。パインは失望したが、やがてあることを思い出し、眉を潜めた。
彼女は既にダークナイトのドレスフィアを持っているのだ。
同じドレスフィア。そして、わざわざ他人に支給されていたスフィア。
「……もしかして、何か特別な力でもあるのか?」
パインは迷わなかった。好奇心とかすかな期待に突き動かされ、そのドレスを纏う。

身体が滅びても、想いは残る。ある女性の歌声は、千年の時を越えて願いを伝えた。
命は尽きても、怨念は残る。ある青年の憎しみは、千年の時を越えて災厄を振りまいた。
――絶望のうちに死した男の妄執は、何をもたらそうというのだろう。
ドレスチェンジしたパインが静かに目を開く。赤い瞳は、虚無よりもなお暗い闇を湛えていた。
402↑2/3 これ3/3:04/11/12 21:03:19 ID:fXbUxkAu
【デール 所持品:マシンガン、アラームピアス(対人)
 現在位置:アリアハン城の東、岩山付近
 行動方針:兄夫婦&リュカ一家以外の参加者を殺す】

【パイン(ジョブ:ダークナイト) 所持品:うさぎのしっぽ、静寂の玉、アイスブランド、ドレスフィア(ダークナイト)
 状態:凶暴化(何かの衝撃で正気を取り戻す可能性有り) 現在位置:アリアハン城の南東、岩山付近
 行動方針:全員殺害。正気を取り戻した場合は不明】

【リヴァイアサンに瞬殺された奴 死亡】
【残り 116人】
403焦り 1/2:04/11/12 21:41:51 ID:8IYEhWuF
アリアハン城門前、暗い表情で地図を眺める男が一人。拳法着に身を包んだ青年、ジオだ。
彼の心は重い。

ゲーム開始早々攻撃を仕掛けられ、南に逃げ出したジオの目に留まったものは、平原からさらに南にあるアリアハンの城だった。
(城…目立つな。危険だが…もしかしたらあいつもいるかもしれない)
そう考えたジオは、アリアハン城を目指しさらに南へと走った。
しかしこの決断は、彼にとっては良くない結果をもたらす。
もしもこの時、城に気付かずに橋方面に向かっていれば、求めている人に会えただろう。
しかしそれは運命の悪戯か、不幸な偶然か。ここで二人が出会うことは無かった。

「どこにいるんだ…アルカート…」
ぽつりと呟く。この街に来るまでの平原一帯と、この街はもう探し尽くした。
道中、知らない人間なら何人も見た(ゲームに乗っていなさそうな人間にはアルカートの事を聞こうかとも思ったが、やめた。
また爆弾を投げつけられてはたまったものではないし、この状況でもなお自分一人で探し出したいという気持ちもあったからだ)。
しかし、やはりと言うべきか、その中に彼女の姿を確認することは出来なかったのである。
ジオは焦りを感じ始めていた。
一刻も早く見つけないと…ゲームに乗っている人間が、危険な人間が、間違いなくいるのだ。
(頼む、無事でいてくれ)
彼は守るべき人がここにいるかもしれないという望みをかけ、アリアハン城内へと早足で入っていった。
404焦り 2/2:04/11/12 21:43:24 ID:8IYEhWuF

「なんだ、近くで見ると思ったよりも小さいんだな」
ジオが城内へ入ってほどなくしてから、尻尾の生えた少年―――ジタンが、ジオと同じように城門前に立った。
城を見上げ様子をうかがってみるが、ここに仲間がいるか…あるいは危険があるかどうかも、もちろん外からではわからない。
(ダガー…ビビ、みんな…ここにいるのか?)

彼もまた、焦っていた。
サラマンダーの事も気がかりだし、それ以上にダガーが心配だ。
それに、この大陸も小さいけど狭くはない。もしもみんながみんな全く反対方向、東側にいたら。そんな心配もあった。
(みんな…そんな簡単に死ぬようなやつじゃないのはわかってるけど…ダガー…)
…ジタンは知らない。ガーネットは、既にいなくなっていることを。
(大丈夫だ、ダガーもみんなもきっと無事だ…)
自分に言い聞かせるかのように、そう思いながら。
ジタンも城内へと走っていった。

【ジオ 現在位置:アリアハン城一階 所持品:ミスリルナイフ、ドリームパウダー×3
 第一行動方針:城内でアルカートを探す 第二行動方針:アルカートを探し、守る】
【ジタン 所持品:英雄の薬、厚手の鎧、般若の面 現在位置:アリアハン城一階
 第一行動方針:城内で仲間を探す 第二行動方針:仲間との合流】
405名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/12 23:02:02 ID:qC2/C+bG
>>377
の、以下の部分を無効にします。

「そうだ…この銃は…鍛えなおせないか?」
ギルガメッシュがそう問いかけたが、それは出来ないという短い返事で分かった。
使えないし、鍛えなおせない、ならばそんなものには用は無い、ギルガメッシュは、その銃を空高く放り投げた。

「イテッ!」
その銃はある王にぶつかった。
「ったく…誰だ、こんなもの投げるのは」
エドガーは空から降ってきた銃を拾い上げ、眺めてみた、全く見たことの無い武器、だが作りはなんとなく分かった。
「なるほどな、そういう作りになってるわけか…ちょっと改造してみるか、工具もちょうどあるし」
彼の支給品は工具の一式と大きなドラムだった、ドラムは使い方が分からなかったものの、工具はとてもありがたかった。
エドガーは種子島銃を、分解し改造し始めた。

詳しくは本スレにて。
406名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/12 23:16:49 ID:qC2/C+bG
>>300
もともと自分悪いので、空気を悪くしたのは自分だと思ってます。
修正版を現在書いていますので、時期を見て投下したいと思っています。
ここの住人の皆様方へ、本当に申し訳ありませんでした。
407サリィ修正版1/5:04/11/13 19:27:59 ID:GHJtJtoO
「ちっくしょー…あたいがどうしてこんな場所に居るんだよ…」
一見男の言うセリフだが、言っているのは女性、ロンガデゼオではヤクザも避けてとおるという力の持ち主、鍛冶屋サリィである。
ロンガデゼオに居た自分が、何故こんなゲームに巻き込まれたのかが依然不思議でたまらなかった。
自分はイザにラミアスの剣を渡し、それから平凡な日々を送っていたはずなのにどういう訳か今ここに居る。
どうかしているとしか思えない…こんなゲームには参加するつもりは無かった。
とにかく自分から戦いは仕掛けない、そう思い支給品の鍛冶セットと聖なる気を放つ鎧をザックに入れ、歩き始めた。
その直後だった、彼女の目前に火球が迫ってきたのは。
(――やっべぇ!もうゲームに乗ったやつがもうそばに居たのかよ!あの速度なら避けても当たっちまう!ちくしょうここで死ぬのかよ!)
避けられないことを悟り、彼女が諦め、目を閉じたその時だった。
「うっぎゃあああ!!!!」
ん?と思い目を開けてみると自分の目前で海賊風な男が燃えている。
その男は炎に苦しみ、もがき、のた打ち回り、その後動かなくなった。
「ちくしょう………やる気なら……やる気ならこっちもやってやろうじゃねぇか!」
彼女はそう意気込み、支給品の鍛冶セットからとんかちを取り出した。
しかし、そのとんかちは只のとんかちではなかったのだ、あのダイヤモンドより硬い浮遊石を砕く事ができる、とんかちだという事を。
408サリィ修正版2/5:04/11/13 19:28:52 ID:GHJtJtoO
「ちくしょう…やっぱり魔法は厄介だぜ…」
ギルガメッシュは目前の魔法衣の女性に向かいチッと舌打ちをした。
自分の支給品はどう考えてもはずれとしか思えない剣と銃とサンダル。
しかしあっちには魔力を増強させるワンダーワンドがある。
得体の知れない奴、わるぼうに援護してもらってるとは言い、戦力的にきつい。
「おい、なんか素手で使えて簡単にできるお手軽な技知らないか?」
ギルガメッシュがわるぼうにそう問い掛ける、精神統一終えていたわるぼうがギルガメッシュに答える。
「そうだな…おっ、ちょうどいいのがあるな、俺の真似をしてみろ!」
するとわるぼうは前へ突き進んだ、メラミで落とそうとするムースだが、わるぼうは軽く避ける。
そして横からギルガメッシュもわるぼうと同じように突き進んでくる。
イオラで纏めて吹き飛ばそうと思ったのが彼女の判断ミスだった。
イオラを詠唱するより早く、わるぼうが突っ込んで来たからだ。
そして、ムースに強烈な殴りの連打をかます、ワンドで防いだものの続くギルガメッシュの攻撃には流石に数発喰らってしまった。
後ろに大きく吹き飛ぶムース、血を多少吐きながら…彼女は口元を歪めた。
彼女が詠唱していたのはイオラではなく、イオナズンだった、だが出てきたのはそれを超えるものだった。
「おいっ!避けろ!巻き込まれるぞ!」
ギルガメッシュはその呪文…いや魔法を知っていた、極大の爆発を瞬時に繰り出す魔法、フレア。
最初は小さな火の玉のような物だがそれはやがて膨らみ一気に爆発する。
わるぼうはその小さな玉を避けようとしなかったからだ、わるぼうを突き飛ばそうとし、飛び込むも二人ともフレアを直撃とは行かないが食らってしまう。
「フフフ…やはりこのロッドは便利ですね…さて完全なる止めを刺しましょうか…」
彼女はイオナズンの詠唱へと、再び入った。しかしこの時一つのミスを犯していることを、そのミスが自分を死へと招きいれたことを、彼女はこの後知ることになる。
409サリィ修正版3/5:04/11/13 19:29:39 ID:GHJtJtoO
「さっきの呪文は…あいつが放ったんだな!」
サリィは自分を攻撃してきた敵を確認すると、とんかちを両手で握り、その標的へと全力で走り向かった。
詠唱に全精神をかけていたムースが、サリィに気がついたのは背後に迫られてからだった。
一閃、サリィのとんかちがムースの脳天を直撃する。
気絶させるほどの力しか込めなかったサリィだが、そのとんかちには人の頭を砕き壊すには、十分な力だった。
ムースの頭は砕け、頭から血がだくだくと流れ、ぼそぼそと何かが聞こえる。
「ここで…ぬわけに…いかな……き……らない…………」
細々と聞こえる声、だがそれはどんどん小さくなり、そして聞こえなくなった。
人を殺した…このとんかちで…付いた血を拭うのも忘れ、その場に立ちすくんでしまった。
だが、それよりも先ほど呪文が直撃した剣士がいたはずだ、そう思うと彼女はその剣士の姿を確認する。
「お、おい!大丈夫かよ!」
サリィは前で倒れている剣士にゆすりながら声をかける。
「う…うう…ん?奴は?」
多少傷があるも起き上がるギルガメッシュ、そのタフさは流石というべきだろう。
自分の目の前の落ち込む少女の目を見、彼は現状を把握する。
「あたいは…呪文をいきなり撃たれたから、その反撃に…でも殺すつもりは…」
「それはしょうがねぇぜ、現に奴はゲームに乗ってたし、殺すのを躊躇ってたらこのゲームじゃ生き残れないぜ」
サリィを慰めるように、ギルガメッシュはそう言った。
だが、それは悲しい現実でもあった、その後ギルガメッシュは思い出したように飛び上がる。
「おっと、忘れてた!おい!大丈夫かよ!」
ギルガメッシュはわるぼうの元に駆けより、彼の体を持つ。
すると、わるぼうがいきなり起き上がり、ギルガメッシュの顔を蹴り上げた。
「フン!この俺様があんな呪文ごときで、死ぬかっての!」
「んのヤロォ…!」
いつものギルガメッシュならかなり怒っていただろう、でもなぜか怒る気にはなれなかった。
「まぁ…嬉しいぜ、生きてて」
そんな唐突な言葉に、わるぼうは顔を赤らめドギマギする。
「な、なんだよいきなりそんな事いいやがって…でも俺もオマエが庇ってくれた時、嬉しかったぜ」
滅多に笑顔を見せないわるぼうが笑った、そして二人は声を出して笑った。
410サリィ修正版4/4:04/11/13 19:31:04 ID:GHJtJtoO
一方、サリィはそんな二人をよそに、地面に捨てられたボロい剣に心を奪われていた。
この剣は…何か特別な気配を感じる、そう、ラミアスの剣にも勝らずとも劣らない…。
(――不思議だ…もう綻び朽ち果てようとしている剣なのに…力が湧いてくるぜ…)
彼女はボロい剣を取り、鍛冶セットを取り出し、剣を打ち直し始めた。
いきなり目の前で何かをする少女に、ギルガメッシュは問い掛ける。
「なぁ、あんた何やってんだ?」
「見てわからねぇのか?この剣を鍛えなおしてんだよっ」
そうぶっきらぼうに言い放つと、彼女は剣を見て、とんかちを取り始めた。
「打ち直すにゃ打ち直せるけどよ…強力な火とかなりの時間がいるぜ…」
火…その言葉にギルガメッシュは引っかかった、そうあいつ、わるぼうなら火を出せるんじゃないだろうかと。
チラリとわるぼうの方を見るがやはり目をそらしてこちらを見てくれない…と思いきや…。
「……チッ、しゃあねぇなぁ!ベギラゴン!」
そう唐突に響く声、燃え盛る火炎。わるぼうはそっぽを向いていたがこの呪文が彼であることは明確だった。
「これだけの炎がありゃ十分だな…うっし!久々に腕振るうぜ!」
彼女の威勢のいい声と共に、彼女の久しぶりの鍛冶が、始まった。
壮大なアリアハンの大地に、彼女とんかちの金属音響き、彼女の力の気が染み渡る。

【サリィ 所持品:鍛冶セット ボロい剣(伝説系の剣) 光の鎧(装備不可)
 現在地:レーベ北の平原 
 第一行動方針:不思議な力を放つ剣を鍛えなおす】
【ギルガメッシュ 所持品:厚底サンダル
 現在地:レーベ北の平原 
 第一行動方針:剣が鍛えられあげるのを待つ】
【わるぼう 所持品:ビームライフル (後何かを所持)
 現在地:レーベ北の平原
 第一行動方針:????】

【ムース 死亡 残り117人】
411ひらめきとすれ違い1/2:04/11/13 20:00:41 ID:1nOM/YE/
二人のアリーナは、相変わらず壺の中でにっちもさっちもいかなかった。
「狭ーい!」
「声が響くから怒鳴らないでよ!」
まさか壺の中に人が入っているとは思うまいから、誰かに襲われる心配は
いらないが、このままでは、壺から出ることはおろか、腕一本自由に動かせない。
「このままじゃ移動もできないわね…そうだ!」
言うなりアリーナは、狭い壺の中で、精一杯反動をつけて体を揺さぶった。
「ちょっと、狭いったらー!」
ごとっ。壺がゆれる。
ごとごとごとっ、ごとん!壺は倒れた。そのまま勢いよく転がりだす。
「やったぁ!これで少なくとも、移動だけはできるわ!」
「すごーい!さすが私ね!で、どうやって方向転換したり、止まったりするの?」
次の瞬間、アリーナの笑顔が凍りついた。
「考えてなかったぁぁぁぁぁ!」
「ばかぁぁぁぁぁっ!」
二人のアリーナは、同時に絶叫した。
412ひらめきとすれ違い2/2:04/11/13 20:34:50 ID:1nOM/YE/
「?」
ライアンは、ふと前方に見知った人間の声がした気がして耳を澄ませた。
彼もまた、この血生臭いゲームから、一人でも多くの人を救おうと思っていた。
そのためには−ゲームに乗り、非道を冒そうとする者を斬るのは勿論のこと、
主催者−あの魔女−を倒さねばならないと考えていた。
だが、前者はともかく、後者についてはどうしたらよいのか彼にも
見当もつかない。
「ソロ殿かミネア殿なら、なにかよい方策を考えてくれるだろうか」
そう考え、仲間を求めて黙々と歩く彼の耳に、なにか重い物を転がすような
音が聞こえてくる。
「…?」
立ち止まった彼の前を横切ったものは、凄まじい勢いで転がってゆく、壺だった。
「!」
思わず飛びのいたライアンは、ただ呆然と、転がってゆく壺を見送った。そして一言、
「変わった世界だ」
と呟いて、再び歩き始めた…
…導かれし者たちは、ここでは出会うことはなかったのである。
【アリーナ(分裂状態) 所持品:分裂の壺
 現在位置:レーべ南東の山岳地帯近くの平原(移動中)
行動方針:とにかく止まる】
【ライアン 生存確認 所持品:不明 
現在位置:レーべ南東の山岳地帯近くの平原(移動中)
第一行動方針:仲間を探す 第二行動方針:マーダ−を減らす 
最終行動方針:アルティミシアを倒す】

413名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/13 22:53:32 ID:nzc9PMYw
申し訳ない、移動方向を明示するのを忘れてました。
アリーナ→南東へ
ライアン→東へ
で脳内補完よろしくです。
414ハンデ戦 1/2:04/11/13 23:06:15 ID:BOH/qzJB
助かったと思った。
怖くて怖くてどうしようもなくて、岩陰に隠れて震えてた俺にリチャードは優しく声をかけてくれた。
一緒にいようって、守ってやるからって言ってくれた。
そして、俺が怖くないように、たくさんのことを話してくれた。
故郷にいた、子供の父親になってあげたいとか、お母さんを大事にしろとか…いろいろ。
俺もたくさん話した。キーファのこと、キャラバンのこと、サマルトリアのこと、医療のこと。
リチャードはどんな話も、楽しそうに聞いててくれた。
嬉しかった。ずっと話してると、首が飛んだのを見たときの恐ろしさは、だんだんなくなってきた。

なのに。
いきなりリチャードの表情が変わった。中腰になって、元々は俺の支給品だった剣をしっかりと握って、辺りを見渡す。
それで、俺も気がついた。すごい嫌な感じの視線がある…一人、いや二人?…まさか。
俺は怖くて、リチャードにしがみついた。リチャードは俺の頭をポンポンと叩きながら「大丈夫だ」って、
…言った。いや、言い終わらないうちに、俺はリチャードに突き飛ばされていた。
それを何で?と思う間もなく。緑の髪の女の人が、大きな剣でリチャードに斬りかかって―――そして?

「イクサス、逃げろ!」

リチャードの声を聞いた瞬間、イクサスは何も考えず、靴に装着した加速装置のスイッチを入れた。
―――加速装置は、元々リチャードの支給品だ。なんで自分に預けたのか、今になってわかった。
勢い良く靴が滑り、否応なしに足が動き始める。イクサスは走った、今にも転びそうに、がむしゃらに。

イクサスにはわかっていた。あの二人は強い。リチャードは…死ぬ。もちろんリチャードも強い、けど二対一だ。
そう、死ぬ、リチャードが、それでも、自分は死にたくない、今、ただ、逃げている!
(リチャード、リチャード…ごめん!俺、俺―――)
イクサスは、幼い顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら、森を目指し山脈を駆け続けた。
罪悪感を感じながら。
415ハンデ戦 2/3:04/11/13 23:07:39 ID:BOH/qzJB
「あの子、追わなくていいの〜?」
アーヴァインは少年の背中が消えていった北の方角を見ながら、男のザックを調べていたティナに訊く。
相変わらずの軽い調子に、ティナはやや嫌悪感を覚えながら顔を上げた。
「…そう言うのなら、あなたが追ったらどう?」
「何かあの子速いし、めんどくさそうだからヤダ」
「……」
ティナは溜息をつくと、あとは無言で、黙々とザックの中身を移し変える。
アーヴァインもその後ろで男の剣を拾い上げ―――そして、眉をひそめた。
「…ねえ、この剣どうする?何かさあ、すごい重いんだけど」
「…どれ?」
「はい、持ってみて」
剣をアーヴァインに手渡されたティナも、意外そうな顔をする。
見た目よりもはるかに重い。これではまともに戦えない…だろう。
「ふ〜ん、子連れに、使えない剣…か。すっごいハンデ戦だったってことだね?」
「そんなの今更…」
ティナは吐き捨てるように言うと、その剣を投げ捨てた。…使えない剣など、戦場にはいらない。
その様子を見たアーヴァインが、肩をすくめる。
「あれ、もしかして、なんか後味悪い?」
「今更だって言ってるでしょ」
これから見知った仲間をアーヴァインに殺されることになるのに…見知らぬ人間を殺したことに後味悪いも無い。
ティナは、アーヴァインの顔を見ないように歩き始めた。
…ただ、何となくだけれど。
416ハンデ戦 3/3:04/11/13 23:08:31 ID:BOH/qzJB
【イクサス 現在位置:ほこら西の山岳地帯から森へ 所持品:加速装置 行動方針:逃げる(錯乱状態)】

【アーヴァイン 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ
 現在位置:ほこら近くの山岳地帯 行動方針:ゲームに乗る(ティナの仲間を殺す)】
【ティナ 所持品:グレートソード ちょこソナー&ちょこザイナ ミスリルの小手 
 現在位置:ほこら近くの山岳地帯 行動方針:ゲームに乗る(アーヴァインの仲間を殺す)】

【リチャード 死亡】
【残り 114人】
(注:リチャードの死体の傍にロトの剣が放置されています)
417バトロワお約束アイテム1/2:04/11/14 05:29:42 ID:9gOfqxMz
「殺し合いだなんて、冗談じゃない…僕がマチュアを殺せるわけがないじゃないか…」

途方に暮れている一人の男…ではなく、魔物、スミス。
彼は元人間だが、魔王に殺された後、魔物として復活させられたのである。
今の姿は腐った死体…ではない。恋人マチュアはどんな姿でもスミスであれば構わないと言ってくれるのだが、
さすがに仲間から見ると不憫らしく、何度か別の姿に転生させられた。
そうこうしているうちに戦い方も覚え、元凶を倒すこともできた。
そんな彼の戦闘力はかなりのものである。しかし、このゲームには恋人も、仲間も参加している。
どうすべきか。彼は思考を巡らせる。

全員殺して自分が生き残る…論外。
マチュアを生き残らせる…これもダメだ。
ずっと自分が正気を取り戻すのを待ってくれていた彼女を、また一人にしたくはない。
やっぱり、脱出、か。

そう結論づけたものの、何をすればいいのか分からない。結局は他人任せだ。
しかし、もし最終的に生き残れるのが複数だったら、自分は間違いなく他人を殺していただろう。
そんな自分がいやになる。

「…そういえば、支給品は?」

ここで、やっと支給品の存在を思い出した彼は、袋の中を探る。
出てきたのは変身の巻物、中身は空っぽの紫の小ビン、そして、拡声器。
418バトロワお約束アイテム2/2:04/11/14 05:32:01 ID:9gOfqxMz
拡声器…これで呼びかければ、脱出を希望する人間を集められる。それにマチュアと合流できるのはほぼ間違いない。
もしかしたら、よい脱出案が浮かぶかもしれない。
だが、逆に、呼びかければゲームに乗った人間が自分を殺しにくるのは明白だ。
ならば、ゲームに乗った人間に気付かれなければいい。


変身の巻物、変身の対象は一つ。
腐った死体。
心臓の鼓動もない、だから脈もない、目は飛び出ていて、体は半分腐っている。どうみても生きているようには見えない。
それに何故かこの姿だと安心する。気配を絶てば、大抵の相手はやり過ごせる。
塔に行こう、あそこなら目立つはず。

【スミス(腐った死体) 所持品:紫の小ビン、拡声器 現在位置:アリアハン大陸北東部、海岸に近い森の中
 行動方針:ナジミの塔へ行き、拡声器で呼びかけ、マチュアと合流、仲間を集める、また、衣服などがあれば調達】
※変身は解除可能、元の姿は不明。なお、名簿や攻略本には元の姿で記載されています。
419イントルーダー 1/2 :04/11/14 07:46:47 ID:Q+rYCEIU

「おい!、い、い、今の爆発は?」

ランドは突然のアリアハン東部から響いてきた爆音に驚きザックスに寄り掛かった。

「誰かが殺しあってるんだろうな。
そんなことより、シンシア、ランド、周りに誰か居ないかしっかり警戒しとけよ」

爆発を『そんなこと』で片付けるなよ‥‥。
ランドはこの極限状態にザックスが冷静でいられる事が信じられなかった。

現在、ザックス、シンシア、ランドの三人はアリアハンから北上して森に向かっている。

「そもそも、どうして街を出たんだ? 何か根拠でもあるのか?
もしやる気になってる奴に遭遇したらどうすんだよ!」
「勘だ、勘。ソルジャーの勘。
もし外れてても、死ぬのが少し早くなるだけだ。 グチグチぬかしてないでさっさと行くぜ」

ひょっとしてこのザックスという男はもう既に頭がおかしくなってしまっているんじゃないだろうか?
そんな考えさえランドの頭に浮かんで来た。
このシンシアって娘もザックスを止めようともしないし…。
ああ、一人でいるよりましだといっても、とんでもない二人についてきてしまった……。
最初から顔見知りの誰かと行動していればよかったな‥‥。
大体、自分が出くわしてきたのはアリアハンで殺り合っていた奴らといい、この二人といい、
普通の感覚じゃない奴らばかりじゃないか。
ま、まさか、知り合いはもう全員‥‥。
そんな事を想像すると背筋が寒くなった。

――ターニア…、イザの兄貴…、どこに居るんだ?まだ生きてるんなら俺を助けてくれよ。

そんなランドの悲痛な表情を見て、ザックスはやれやれと肩をおろした。
420イントルーダー2/2 :04/11/14 07:48:58 ID:Q+rYCEIU
「…しゃーねーな、説明してやるよ。
いいか?まずこれから日没から夜に向けて、恐らく気温が下がってくるし、
ひょっとしたら雨も降って来るかもしれない。更にこの状況だ、いつ敵が現れるか分かったもんじゃない。
つまり夜の間、雨風を凌げてなおかつ、敵に見つかりにくい障害物の多い場所の確保が必要ってわけだ」
「おいおい、だったらなおさらなんで街を…」

ランドのでかけた質問をザックスは片手を広げて遮る。

「確かに今述べた状況だけなら、街に潜むのが正解だ。…が、俺たち以外の参加者も同じことを考えるだろう。
そしてゲームに乗った奴らは街を狙う、立てこもって逃げることしか出来ない奴らを消すために。
だから街に留まるよりも近くの森なんかに身を潜めたほうがかえって安全というわけさ」
「……………」  

ランドは押し黙った。
確かにそうだ、とも思っていたがそれ以上にザックスがここまで考えて行動していた事に驚いていた。

「なあに、心配するなよ。だからこうして持久戦覚悟で街を出る前に、毛布や食料を調達してきたんだからよ」


【ザックス 所持品:スネークソード 毛布 
現在位置:アリアハン北の平原 行動方針:主催者に一泡吹かせる】
【シンシア 所持品:万能薬 対人レーダー 煙幕×3 毛布 
現在位置:同上  行動方針:ザックスについて行く】
【ランド 所持品:オートボウガン ミスリルスパナ 魔法の玉 毛布 
現在位置:同上 行動方針:とりあえずザックスたちについて行く】
421イントルーダー 訂正:04/11/14 07:53:09 ID:Q+rYCEIU
【ザックス 所持品:スネークソード 毛布 
現在位置:アリアハン北の平原 
第二行動方針:森に安全な場所を確保する 第一行動方針:主催者に一泡吹かせる】
【シンシア 所持品:万能薬 対人レーダー 煙幕×3 毛布 
現在位置:同上  行動方針:ザックスについて行く】
【ランド 所持品:オートボウガン ミスリルスパナ 魔法の玉 毛布 
現在位置:同上 行動方針:とりあえずザックスたちについて行く】
422希望はきっと 1/4:04/11/14 14:45:12 ID:Z1pwnEN3
アリアハン大陸の人達はどこにいったんだろう?
母さんは無事なんだろうか…いや、それは大丈夫だろう。
なんといっても父さんの妻、僕を勇者に育てあげた人だ。殺しても死なない…きっと。
そう、それよりも―――人がいないのだ。人っ子一人、猫の子一人見ない。

空けた平原を進んでいるのにも関わらず、アルスは参加者にも未だ遭遇していなかった。
それが幸か不幸かはわからないが。
(何か、変な感じだ)
故郷、アリアハンの大地。懐かしいと言えば懐かしいのだが、どうもしっくりこない。
のどかな平原を吹く風もどこか寂しいのだ。例えるなら、この大地に自分一人…もしくは、人形のないドールハウス。
…腹が立つ。
自分の故郷はのどかな田舎国であって、それ以外の何者でもない。ましてや戦場だなんて。
何故、平和なはずの故郷で血が流れるのか―――アルスはまた拳を握り締め、足を速めた。


(やっぱり、最低だ)
森林に隣接する山脈地帯までやって来たアルスの瞳に映ったものは、いびつな形の土の山二つと、それを見つめる男だった。
数時間歩き続け、ようやく人間を見ることが出来た。しかし、その人間は悲痛な表情でぼんやりと立っていて…
そして目の前には、人工的に作られた山。おそらくあの土の下には「犠牲者」が眠っているのだろう。
「………」
アルスは目を細め、黙って男の横に並んだ。
このゲームで、見知らぬ他人に不用意に近づくのは危険極まりない。
しかし、アルスは思った。この男は襲ってきたりしないだろうと。
(僕と同じように、やり場の無い漠然とした怒りを感じている)
男のほうもアルスのことを同じように思ったのだろうか、何も言わなかった。

二人はしばらく、そのいびつな墓を眺めていた。
423希望はきっと 2/4:04/11/14 14:46:20 ID:Z1pwnEN3

「……おい、ガキ」
不意に、男が口を開く。視線は墓に向けたままだが、アルスに呼びかけているのだろう。
ガキ、という言葉にアルスは少しだけむっとなった(何となく、子供扱いされるのは嫌いだった)が―――
「おっさん、僕はガキじゃない。アルスだ」
「ってコラ、ガキ。俺はおっさんじゃねえ!シド・ハイウインドってんだ」
先程までの暗さはどこへやら、今度はこっちを向いて勢い込んでくるシド。
何だろう、この人はおっさん扱いされるのが嫌いなんだろうか…。
「……。わかったから…シド、何だ?」
「アルス。…お前はどうも俺様を殺すつもりはねえみたいだから訊くけどよ、
 このゲーム、いやクソゲームか。どう思う?」

シドの問いに、アルスは少々沈黙した。
どう思うと言われても、漠然とした怒りばかりで答えを定めにくい。

「……上手くいえないけど…最高に腹が立つ。
 まず、殺しをゲームと称すること自体腹が立つ。
 次に、僕の故郷を舞台にしているのも腹が立つ。
 それと、小さな子供まで巻き込んでいるのも腹が立つ。あと」
「ようするにだな、このふざけたゲームをぶっ壊したいってとこか?」
「…ん。まあ、そうだね。少なくとも、人は殺したくないと思う」
ふーん、とシドは空を見上げる。何を見ているのかは、アルスにはわからないが―――

「俺様の知り合いが一人早速死んじまってなあ、どうしようもないバカ野郎だったがしかし―――悪い奴じゃなかった」
「…そうか」
「誰が殺したかなんざどうでもいいんだ。死んじまったらそこで終わりなんだ、どうしようもねえ」
「………」
「本当にふざけてやがる…あの女、なーにが目的だかしらねえけどよ、最悪の過程でまともな人生が終わってくんだ」
シドは空を見上げ―――アルスは、何も言わなかった。
慰めの言葉なんてこの男には必要ない。それよりも、燃え滾る闘志を感じる、自分と同じ。
―――信頼できるだろうか。
424希望はきっと 3/3:04/11/14 14:47:24 ID:Z1pwnEN3

「おい、アルス」
突然、声をかけられて…ひょい、と何かを投げてよこされた。
アルスはそれをしっかりと受け取る…ドラゴンシールド。
「知り合いのザックから借りた。お前が持っとけ。俺様は盾は使わねえ」
「は?」
「は?って何だ、間が抜けてやがるな。
 …お前と俺様の目的は同じなんだろ?だったら一緒にいかなきゃソンってもんだ」
「……」
やっぱり、考えてることは同じか。
「ただ、お前さっき言ってたよな?人殺したくないってよ。
 そりゃー俺様も殺すなんてアレだけどよ、クソッタレ野郎なら容赦しないつもりだからな」
「つまり、プレイヤーキラーキラーってことか?」
「だあっ…微妙な言葉使うんじゃねえ!とにかく、俺様はお前と行くが、クソッタレ野郎は容赦しねえ。
 お前はどんな相手でも殺したくないってんなら別に無理しなくてもいい。俺様の希望だ」

アルスはシドから視線を外し、両手で受け取ったドラゴンキラーを眺める。
どんな相手でも―――それは、もちろん。殺したくはないけど…やむを得ない場合だってあるだろう。
―――そんな時は、僕はどうすればいいんだろう。

「まっ…あんまり深く考えんなよ。お前みたいなガキは助かることだけ考えてりゃいいんだ」
「…おい、何かすごいバカにしてないか?」

とにかく、アルスは少し安心した。
セージ達以外にだって、信頼できる人間はいる―――。希望はきっとあるんだ。

【アルス 現在位置:レーベ南西の山脈地帯
 所持品:ドラゴンテイル ドラゴンシールド 番傘 ダーツの矢(いくつか)
 第一行動方針:信頼できる人間を探す 最終行動方針:仲間と共にゲームを抜ける】
【シド 現在位置:同上 所持品:ビーナスゴスペル+マテリア(スピード) ロープ
 第一行動方針:アルスについていく 第二行動方針:PKを減らす 最終行動方針:ゲームの破壊】
425理由 1/2:04/11/14 15:15:08 ID:zjr6SrkP

「無残ね…」
赤いマントに身を包んだ女性、アイラは、吐き捨てるように言った。
スタートからずっと歩いてきて、見つけたのは二つの死体だけ。
金髪の少女、そしてこの男。
…おそらく殺したのは同一犯だろう。
切り口の鋭さは違えど、おそらくは同じ剣で斬られていた。

男の開いたままの瞼を閉じようとして身を屈めたとき、彼女は気づいた。
「…?」
死体の傍に、剣が無造作に捨ててある。
切れ味はよさそうだけど。
…少女や男の道具を全て持ち去った人間が、どうしてあの剣だけを置いて行った?
アイラはそれを拾い上げた。

「…重い…」
これまで持ったどの剣よりも、重かった。
しかし、アイラはそれをまた捨てるような事はしなかった。
武器らしい武器は一つも持っていなかったから、それを捨てるのは少し恐ろしかったのだ。


アイラは再び立ち上がった。
次に行くべきところは、わかっている。
「こっちね…?」
『ああ、多分そうだ』
アイラの問いに、彼女のザックの中から何かが答えた。
『緑の髪で…ティナという娘…』
「わかってるわ」
426理由 2/2:04/11/14 15:16:02 ID:zjr6SrkP

支給品の中にあった変な石が、アイラに語りかけているのだ。
おそらく精霊のアミュレットと同じようなものだろうと彼女は思っていた。
…だから、石を調べているときに語り掛けて来たのも驚きはしなかったし、
娘を探したいという話も承諾したのだろう。

その娘が倒れていた二人を殺したという事は、既に感づいている。
だがアイラは、躊躇うことなく魔石の言うことに従い、彼女を探している。
理由なんて単純だった。
――殺しを止めたかったから。

【アイラ 所持品:魔石マディン(召喚は不可、但し意識に語りかけることが出来る) 炎のリング ロトの剣
行動方針:ティナを探し、更正させる 現在位置:ほこら近くの山岳地帯】
427平穏は束の間に過ぎず 1/4:04/11/15 10:21:38 ID:FahwFR5p
五人とも満腹になったところで、支給品を確かめてみようということになった。
ラグナもピクニックセット以外、何が入っているのか探していないという。
――果たして、自分の袋にマトモな武器は入っているのか?
期待と不安に胸の鼓動を高鳴らせつつ、最初にエーコが袋を開けた。
「何これ、金の髪飾りかな? エーコのとはデザインが違うけど」
取り出されたアクセサリを見て、マッシュが口を開く。
「俺の仲間が使ってた物と同じだ」
彼によると、その髪飾りには魔法を使うときに消費される魔力を抑える力があるらしい。
白魔法が得意なエーコにとっては、当たりアイテムといっていいだろう。
それから銀色のお盆も出てきた。これは盾代わりに使えそうだ。
最後に出てきたのは竪琴だった。
精緻な細工が施してあり、一目で高級なものだとわかるが、武器にはなりそうにない。
エーコが要らないといったので、吟遊詩人の修行を積んだことがあるというマリベルに譲られることになった。
「吟遊詩人ねぇ」
「何よマッシュ、文句あるの? 一曲歌ってもいいわよ、のろいの歌でよければ」
マリベルは竪琴を構える。マッシュは「悪い悪い」と苦笑いしながら手を横に振り、自分の支給品を探り始めた。
そして彼が取り出したものをみて、全員が眉を潜める。
出てきたのは、剣士を模した人形に、何の変哲もないモップ。――どこからどう見ても外れだ。
「結構かわいいかも、これ」
「掃除に使うモップよね、これって。チャンバラごっこには使えるかもしれないけど……」
肩を落としたマッシュに、女性陣の感想が止めとなって突き刺さる。
その二つが、並みの剣など比べ物にならない力を秘めていることには誰も気付かない。当たり前の話だが。
428平穏は束の間に過ぎず 2/4:04/11/15 10:29:45 ID:FahwFR5p
さて、ラグナの袋から出てきたのは、きらきらと輝く宝珠だった。
どういう仕組みなのかはわからないが、輝きの中に竜の形の紋章が浮かんでいる。
きっと、売れば高値がつくのだろうが……これも戦いには役立ちそうにない。
「ピクニックセットに宝石か、掛け値なしに外れだな」
スコールの言葉に、ラグナは引きつった笑いを浮かべながら、袋を奪い取った。
「そう言うお前のは何なんだ、見せろよ」と、逆さにしてぶちまける。
「なんだこりゃ?」
中世の貴族が着ていそうな服と、髪飾りのようにも見える兜。服はともかく、兜はいかにも軽そうで、誰でも身に着けられそうだ。
しかし、ためしに被ってみたラグナは、十秒もしないうちに外してしまった。
「おいおい、重すぎるだろコレ! こんなもんかぶってたら首が折れちまうぜ」
「え? そんなに重そうには見えないけどな」
そう言いながらマッシュが着けてみたが、ラグナ同様すぐに外す。マリベルやエーコも、スコールでも同じだった。
「何か呪いでもかかってるのかしら? 持つだけならそれほど重くないのに」
どちらにしても、こんな兜を身に着けるわけにはいかない。さっさと袋の中に仕舞い込む。
「スコール、こっちの服なら着れるんじゃないか? 仮装パーティの出席者みたいで、意外と似合うかもしんないぞ」
「なら、あんたが着ろよ」
仮装を楽しむ趣味も余裕も持ち合わせてはいない。スコールは冷ややかな目で、笑いながら貴族の服を差し出すラグナを睨みつけた。

五人の中で、一番まともといえたのはマリベルの支給品だった。
三つ全てが武器といえそうなもの……ラケットにナイフに鞭だったからだ。
「あーっ、エーコが前に使ってたラケットじゃない!」
「セイブ・ザ・クイーン……キスティスの物が、なぜここにあるんだ?」
せがむエーコにラケットを渡しながら、マリベルは「知らないわよ」とスコールに言う。
「この鞭があれば、ナイフの方は別にいらないんだけど……」
マリベルは武器を持っていないラグナとスコールを見た。
「俺はいいよ」
ラグナが辞退したので、それなら、とマリベルはスコールにナイフを渡す。
――その時だ。
429平穏は束の間に過ぎず 3/4:04/11/15 10:45:13 ID:FahwFR5p
「ぅわぁぁぁああああっ!!」
甲高い叫び声が遠くから響いてくる。そう思った時には、一人の少年がものすごいスピードで向かってくるのが見えた。
「ど、どうしたんだ?!」
只ならぬ様子に、マッシュが少年に向かって声をかけた。それに驚いたのか、足が縺れたのか、少年は派手に転んでしまう。
ラグナが慌てて彼の元に行き、抱え起こした。
「おい、大丈夫か?」
「リチャードが、リチャードがぁっ……」
少年はラグナにしがみついて泣き出した。余程怖い思いをしたのだろう。
錯乱しきった少年をなんとかなだめ、事情を聞き出す。
少年――イクサスの話は要領を得ないものだったが、だいたいのことはわかった。
山の中で若い二人組に襲われたこと。リチャードなる人物が、身を呈して助けてくれたこと。
彼を襲った人物の片方は緑の髪をした女剣士で、片方は茶色の帽子とコートを身に付けた男だったということ。
全てを聞き終わった時、エーコは恐怖に身を震わせ、マリベルは憤り、マッシュはやりきれない思いを抱えるように拳を握りしめていた。
ラグナは青ざめた顔でスコールを見、スコールは怒りとも悲しみともつかぬ険しい視線を山に向けていた。
「緑髪の女……」「なぁ、スコール。帽子の男って……」
スコールは答えず、袋から参加者リストを取り出し、ぱらぱらとめくる。
そしてアーヴァインの名前と写真が載せられたページをイクサスに見せた。
少年は目を見開き、「こいつだ! こいつがリチャードを!」と、写真を指差して声を荒げる。
マッシュも同じようにリストを、ティナのページを見せた。イクサスは首を縦に振った。
「悪い。俺、行かなきゃならねえわ」
「知り合いだったの? その、ティナって人」
横合いからリストを覗いていたエーコの言葉に、マッシュは頷く。
「仲間だ。あいつは、人なんか殺せるような奴じゃない。
 けど、本当に人殺しなんてバカなことをしてるなら、力ずくでも止めないと」
「俺も行こう」
「スコール!」
「アーヴァインは確かにキザで軟派で気弱で臆病な奴だ。だが、決して悪人じゃない。
 ゲームに乗るには理由があるはずだ。それを聞きに行く」
そしてスコールは踵を返し、走り出した。マッシュがその後を追う。二人の姿は、すぐに見えなくなった。
430平穏は束の間に過ぎず 4/4:04/11/15 10:52:28 ID:FahwFR5p
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
我に返ったマリベルが慌てて叫ぶ。けれども、走り去ってしまった二人には聞こえないだろう。
「もう、これだから男ってのは! いつだって後先考えないし、自分勝手なんだから!」
苛立ちを声に変えながら、マリベルは自分の荷物を大急ぎでまとめ始める。
「マッシュやスコールの気持ちはわからなくないけど、広い山の中で相手に会える確率がどれだけ低いかわかってないの?
 相手と入れ違ったり、道に迷ったりして戻れなくなったらどうすんのよ。
 第一、この下らない最低のゲームに乗ろうって奴が、ちょっと知り合いに説得された程度で『はいそうですか』って大人しく言う事聞くわけないでしょ!
 ボウガンと大剣持ってる殺る気満々の連中相手に、使えない兜とただのナイフに玩具にモップでどうやって戦うっていうのよ!」
「マリベル……」
「悪いけど、あたし二人を連れ戻してくるわ!
 どんな理由があったって、勝算も何もないのに行くのは、勇気と無謀を履き違えた大バカよ。
 それに、このまま放っておいて返り討ちにされて死なれたりしたら、後味悪すぎるのよ!」
そしてラグナとエーコに「その子のことは頼むわ」と言い残し、マリベルも森の奥へと駆け出した。

【スコール 所持品:天空の兜、貴族の服、オリハルコン(FF3)
【マッシュ 所持品:ナイトオブタマネギ(レベル3)、モップ(FF7)
 行動方針(共通):アーヴァインとティナに会い、二人を止める
 現在位置(共通):アリアハン東山脈中央部の森→山脈へ】

【マリベル 所持品:セイブ・ザ・クイーン(FF8)、アポロンのハープ
 第一行動方針:スコールとマッシュを説得して連れ戻す、戦いは極力避ける
 現在位置:アリアハン東山脈中央部の森→山脈へ】

【ラグナ 所持品:ピクニックランチセット、ドラゴンオーブ
【エーコ 所持品;金の髪飾り(FF6)、シルバートレイ、ねこの手ラケット
【イクサス 所持品:加速装置 状態:錯乱
 行動方針(共通):イクサスを守りつつ、その場に待機
 現在位置(共通):アリアハン東山脈中央部の森】
431ニアミス 1/2:04/11/15 22:55:42 ID:iLitEQ8e
「ねえ、何やってるの?」
声をかけられて、オレはようやく牢屋の外に一人の女が立っていたことに気が付いた。
「何って、見てのとおり本を読んでるんだけど」
その女、いや、女の子と言った方がいいか――オレと同じ年頃か、下手したら年下かもしれないしな――は、興味と好奇の入り混じった視線を本の表紙へ注いでいる。
「言っとくけど、小説や物語の本じゃないぜ」
オレがそう言うと、彼女は「なーんだ」と少しがっかりしたように肩を落とした。
……変わった娘だ。見慣れぬデザインの薄青の服といい、艶やかな長い黒髪といい、性格といい。
グランエスタードでも、旅で出会った人たちの中でもあまり見なかったタイプだ。
だから、思わず口に出してしまった。
「変わってるな」
「え?」
「いや……よく、こんな状況で人に話し掛ける気になれるなぁって思ってさ。
 オレが強い武器とか持ってて、おまけにゲームに乗ってたらどうするつもりだったんだ?」
「武器持っていたら、私だって話し掛けたりしないよ。
 でも、本読んでたから『ああ、この人は大丈夫そうだな〜』って」
「そんなことで?」
「そんなことじゃないよ、本が好きな人に悪人はいないの。ゼルも雷神もそうだもん。
 あ、でもサイファーも本借りようとしてたっけ……まあ、アイツは本好きってより映画好きだしね」
微妙にわかるようで、わけのわからない論理だ。そもそもサイファーやゼルや雷神って誰のことだ?
オレの頭に浮かんだ疑問を余所に、彼女は話を続ける。
「あっと、そうだそうだ。私、スコールって人を探してるんだけど。
 額に傷がある、黒っぽい服を着た男の人を見なかった?」
「いや、見てないな。ここにはあんた以外誰も来てないぜ」
「そっか」
女の子はまたもや肩を落とし、ため息をつく。
その落胆ぶりがあまりに気の毒だったんで、オレは殆ど反射的に声をかけた。
「そのスコールとかいう奴、探すの手伝ってやろうか?」
そう言った途端、彼女の顔がぱぁっと輝いた。
「え! いいの?」
「いいよ。オレもそろそろ、知り合いを探しに行こうと思ってたんだ」
432ニアミス 2/2:04/11/15 22:58:03 ID:iLitEQ8e
――二人の会話が終わってから、四半刻ほど経っただろうか。
静かな地下に銃声がこだまし、しばらくして、扉が軋みながら開いた。
けれども、その音を聞く者は誰もいなかった。

【リノア 所持品:不明 行動方針:スコールを探す】
【キーファ 所持品:攻略本 行動方針:自分の仲間とリノアの仲間を探す】
 現在位置:アリアハン城地下牢→一階へ
433嫌な予感 1/2:04/11/16 00:13:30 ID:jxcxGOoZ
空気が気まずい。
バッツが、カインとかいうあの金髪の男に襲われた経路…簡単に言えば、完全に一方的に仕掛けられた事を説明してから、
リディアは、ずっとうつむいたまま唇を噛んでいる。
バッツもさっきから何も言わない。きっと俺と同じで、何て言ったらいいかわからないんだろう。
…バッツ、リディア。どっちでもいいからなんか言ってくれよ。

…………

…ああもう、どうしてこういう役目はいつも俺なんだ?
「…あー、あのさ、とりあえず移動しないか?ここ、すごい目立つと思うんだよ」
俺が苦笑しながら提案すると(この空気を何とかするための提案だな、この場合)リディアはようやく顔を上げた。
バッツも、待ってましたといわんばかりに口を開く。
「確かにそうだな。さっきまで俺がいた家にでも行くか?」
「あ、それでいいじゃん。…な、リディアも、これからどうするかなんてゆっくり考えればいいんだしさ」
「あたし、行かない」
リディアは首を横に振って返答した。バッツとローグは顔を見合わせる。
「…カインは…きっと、ちょっと気が動転してただけで…。…セシルやローザと話せば、元のカインに戻るもん…」

(…カインさんよ、こんなに仲間が心を痛めていらっしゃるぜ)
ローグは溜息をついた。…リディアの表情は、悲痛だ。カインを仲間として信頼していたからこそショックも大きいのだろう。
もしアルスやセージが同じことをしてたら、俺も無理やりにでもそう思ったかもしれない。止める権利は無いと思う。
「…まあ、止めはしないけど「やめとけ」
ローグの言葉は、意外にもバッツのはっきりとした声に遮られた。
「あいつの攻撃には微塵の迷いも動転も感じなかった。はっきり言って完全にゲームに乗ってると思う。
 きっと、説得されたぐらいじゃ無理だぜ」
「そんなことない!カインの事も知らないのに、なんでそんなことがわかるのよ!」
バッツを睨みながら、叫ぶ。
「…っておい!リディア!」
リディアは、ローグの静止の声は聞かず。走り去っていった。
434嫌な予感 2/2:04/11/16 00:14:51 ID:jxcxGOoZ

リディアは走りながら考えていた。
―――もしも、本当にカインがこのゲームに乗っていたとして。
セシルや、私達。仲間だけはきっと殺せない。そう、カインは言った。『俺に構うな』って。
そうだよね、カイン―――?カインが私達を殺すなんて、ありえないよね?

…リディアはそう、無理やり思っていた。
リディア本人は自覚はしていなかったが―――いや、あえて自覚しなかったのだろうが、ずっと、嫌な予感がする。
カインが、エッジを、セシルを、ローザを、ギルバートを、殺す。そのありえないシーンも…今なら
なぜか簡単に想像できる気がしていた。

【バッツ 現在地:アリアハン城下町民家へ 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:? 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】
【ローグ 現在地:アリアハン城下町民家へ 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:? 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】

【リディア 現在位置:アリアハン出口 所持品:いかずちの杖、星のペンダント
 第一行動方針:仲間を探す 第二行動方針:カインを止める】
435光と闇1/2:04/11/16 17:48:11 ID:LgvOw1bI
(殺し合いをしろ…そんな事が出来るわけがないのじゃ!あの中には…わしの…仲間が…)
フライヤはその考えを頭の片隅に置きながら、空を華麗に舞っていた。
(…もし、ジタンやエーコがわしに襲い掛かってきたときには…いやそんな事はありえるはずが無いのじゃ!
 だから…わしはジタンに会いたい、まずジタンに会うのじゃ)
そう考えながらも空を飛んでいたフライヤは、落下地点に人影が居ることに気がついていなかった。
「のおおっ!?」
落下地点にいた人物とぶつかるフライヤ、何とか着地はしたが、落下地点にいた人物はどうやらのびてしまったようだ。
顔を叩いてみる、反応なし。抓って見る、反応なし。
「しまった…わしとした事が迂闊じゃった」
そう呟きながら、責任感からかその踊り子のような女性を守るように、謎の盾と槍を持ち、臨戦体制になったのだ。
しかし、この人物が目を覚ましたときに、彼女はもっと責任を感じてしまうことになるのだろう。
それくらいの時だった、彼女は北へ向かう光の粉を見た。それは…嘗て神剣だった物の粉のような気がした。
「あれは…一体何じゃ?」

「くそっ!…もう少しで仕留める事が出来たのにッ!」
ギルダーは地面をたたきながら傷を癒していた。
彼は、先ほど一人の白魔道士を仕留める寸前まで迫っていた、だがその時にドーガに阻止され、力の差の為逃げてきたのだ。
そして…彼は支給品の剣を見つめた、そして思ったのだ。
(――この剣に…生あるものを一瞬にして断ち切る力があれば…ドーガに勝てるかもしれない…でも…)
剣を握りながら思う…すると、剣が黒く濁り始めたのだ。それはゆっくりと、黒く、黒く、ドス黒く。
思わず手を離すギルダー、だがその剣はどんどん黒くなっていく。
(――な、何だ!一体!こ、この感覚は?)
剣は見る見るうちに周りを黒く染めていき、やがてギルダーをも染めていったのだ。
あたりが黒く染まった後、眩い閃光と共に、剣が見る見るうちに形を変えていく…。
光が収まったとき、ギルダーの目の前には一つの…暗黒剣があったのだ。
デスブリンガー、斬る者を死に追いやる伝説の暗黒剣が。
ドス黒いその剣を手に、ギルダーは獲物を求めた。その目には…しっかりと赤い帽子の女性…?いや、怪物が映っていた。
436光と闇2/2:04/11/16 17:49:02 ID:LgvOw1bI
【ギルダー(負傷) 現在位置:大陸中央の川 所持品:デスブリンガー・雷の指輪・手榴弾×3・ミスリルボウ
 第一行動方針:赤い帽子の女性(フライヤ)を仕留める(デスブリンガーの試し斬り
 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】

【フライヤ 現在位置:大陸中央の川から西の森 所持品:えふえふ(FF5) グローランス
 第一行動方針:気絶させてしまった女性を守る
 第二行動方針:ジタンに会う
 最終行動方針:ゲームには乗らない】
【ユウナ(気絶) 現在位置:大陸中央の川から西の森 所持品:不明
 第一行動方針:不明
 最終行動方針:不明】
437穢れた自分と 1/4:04/11/16 18:32:59 ID:01FIz+aE
「な〜んか、目を合わせてくれなくなったんじゃない?」
「…気のせいよ」
ティナとアーヴァインは、奇妙な間隔をとって歩いていた。
二人目を殺すまでは無かった間隔だった。
…しかし、それには二人とも気づかない。
何と無く雰囲気が先刻までと違うという事しか。
そして、二人の間隔を徹底的なまでに具体化する存在が、彼女達の少し後ろに居た。

「やっと見つけたわ」
不意に後ろから声を掛けられ、驚きながらも振り返り武器を構える二人。
まず目に入ったのは、赤いマント。
それから、その女性の顔に視線が移る。
黒髪の、美しい女性だった。
「誰、あなた?用件は何?」
ティナは、冷たく言った。
すぐに殺してしまった方が良いのは分かっているけれど、ティナの中の何かがそれにブレーキを掛ける。
――とりあえず相手は丸腰で、殺気も無い。いつでも、始末できるわ。
アーヴァインに、今は待つようにと目で合図を送った。
「私はアイラ。…あなたがティナね?」
女性は、流れるような口調で言う。
不思議と、彼女が自分の名前を知っていることに関してティナは驚かなかった。
「ええ、そうよ」
「あなたに渡したい物があるのよ」
そう言ってアイラは、懐から石を取り出す。
アーヴァインにはそれが何か見当もつかなかったが、ティナはすぐにそれが何かを理解した。
438穢れた自分と 2/4:04/11/16 18:34:05 ID:01FIz+aE
冷酷でなくてはならぬと封じ込めた筈の感情が、一気に彼女の中で噴出した。
「魔石…おとうさんの…?」
幻獣としての生命を終え、魔石となってティナの支えとなっていた、父マディン。
最後の戦いの終結と同時にその魔石も砕け散り、もう、会うことも無いと思っていた存在。
生涯のほんの一部だけを共に過ごした存在だけれども、彼女にとって唯一の父親。
何者でも取って代わることの出来ない存在。
「おとうさん…?」

「あなたに渡したいの」
アイラの声が、何処か優しく、何処か強く響いて…
フラフラとアイラのほうに歩いていき、ティナは両手を前に差し出した。
数秒の間の後、手にズシリと重みがかかる。
次の瞬間、彼女の意識は、別の世界に飛んでいた。
――モブリズへ。


子供たちの会話が、聞こえてくる。

…大きくなったら何になりたいの?
…わたしはティナママみたいなひとになりたい!
…わたしも!
…ボクは、ティナママとケッコンするの!
…ダメだよ!ボクがティナママとケッコンするんだ!
…ボクがケッコンするの!
…ダメ!ティナママはみんなのティナママなのよ!

あまりに、平和で。
あまりに、無邪気で。
あまりに、清純で。
――自分だけが、血に汚れていて。
439穢れた自分と 3/4:04/11/16 18:34:57 ID:01FIz+aE
私の斬った男の人の血?
私が焼き尽くした50人の兵士の血?
とにかく私は血で汚れていて。
――子供たちには、見せられない。


意識が、不意に現実へ戻された。
掌の中で、父の魔石が、音を立てて、割れた。
これが、おとうさんが最後に伝えたかった事だったの?
穢れ無き子供たちと血に汚れた自分…
それだけあれば、何を伝えたいのか十分わかる。
「ごめんなさい…おとうさん…みんな…」
涙が、瞳から溢れ出た。
もう、生き残る願望は無く。
ただ子供の幸せを願う姿が其処には在って――

――次の瞬間、少女の口から大量の血が吹き出した。
今本当の自我を取り戻した少女の首筋を、一本の矢が貫いていた。

「何てことをするのッ…!」
アイラの、呻きと叫びとが混じり合ったような声が、矢を放った主に浴びせられる。
それに対し、その男は何も変わらぬ口調で、言ってのけた。
「君が最初に言ったんだよね…邪魔になれば殺すって。
君がなんか泣いているの見てさ、思ったんだよ。君はもう使えない…ってね」
倒れ伏し動かないティナを一瞥すると、アーヴァインは再び弓を構えた。
440穢れた自分と 4/4:04/11/16 18:36:28 ID:01FIz+aE
「…!?」
ロトの剣を構えようとしたアイラは、ティナの身体の異変に気づいた。
アーヴァインも気づいた。弓の構えを解かずに、それを凝視した。

倒れ伏したティナの身体が、静かに、光りだす。
淡い桃色に。静かに、静かに…
――私の記憶だけでも、子供たちに残りますように――
少女の最後の願いが、ゆっくりと光を纏う。

またゆっくりと光が収まったとき、彼女の身体は既に消えていた。
ただ其処に、不思議な石が一つ。
――幻獣の血を引く者の最後の業。
――魔石となって、彼女は生涯を終えたのだった。

「なんという…」
アイラは、呆けるようにそれを見つめていた。
アーヴァインも、同じだった。
二人とも、攻撃姿勢を維持したまま、不思議な光を帯びたその石を見ていた。
――少女の髪と同じ、緑色のその石を。

【アーヴァイン 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ
  行動方針:アイラを殺す、ゲームに乗る】
【アイラ 所持品:炎のリング ロトの剣
  行動方針:アーヴァインを倒す(殺すのは避けたい?)】
【ティナ 死亡】

魔石『ティナ』が、アイラとアーヴァインの間に落ちています
ティナの所持品(グレートソード ちょこソナー&ちょこザイナ ミスリルの小手)は、魔石『ティナ』と同じ位置に放置。
魔石『マディン』は砕けました。
現在位置:ほこら近くの山岳地帯
441名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/16 20:30:02 ID:0PYGZ9H1
【残り 113人】です
申し訳ない
442名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/16 20:56:49 ID:LgvOw1bI
>>435-436は無効です。
詳しくは雑談スレで。
4431/3 バッツとローグの話:04/11/16 21:33:36 ID:gnkwfmjJ
普段は多くの人が行き通り、絶えず笑い声や子供たちのはしゃぐ姿が見受けられるこの町も、
今は時計の針さえも動かないかと思われるほどにひっそりとしている。
そしてつい先ほどの賑やかな喧騒は、間抜けな商人が泥棒に合い声をあげ、
その周りに人が集まるなどというものではもちろんない。
辺りの崩れかかった民家に、まだ残っている煙、
それは緑豊かな町とはかけ離れた、まさしく戦場の臭いであった。

民家の一室で、バッツとローグの二人が話し合っていた。
「なあ、ローグ」
ローグはあくびをしながら応えた。
「どうして、おまえは俺を助けた?」
「へえ?」
その質問に、ローグは暫く首を捻る。
「そうだなあ。仕掛けたのがあっちのほうみたいだったのと…あとはなんだ、
 おまえ押され気味だったろ。ほっといて死なれたら、後味悪いからな」
「でも、俺もやる気だったらどうするつもりだったんだ」
「そのときはそのときだ。でも俺も人を見る目はあるつもり……
 いや、ま、とにかくほっとけなかったんだよ」
仲間たちのことがふと思い浮かんで、ローグは視線を逸らして口元を緩めた。
「ま、これも何かの縁ってやつさ」


「ところでおまえ、魔法が使えるんだろ。それならよ」
忌まわしく光る首輪を指して言った。
「これ、はずせるような呪文、しらねえか?」
「知ってたら、とっくに使ってるぜ」
笑いながら答えるバッツに、ローグは「いわれてみればそうだな」といいながら、
まだ何かいいたそうに口をもがもがしている。
その様子に何か後ろめたいような、そんな気持ちになったバッツは、
とりあえず「魔力次第では、いけたりしてな」と、さもありそうでその実適当なことを言う。
4442/3 バッツとローグの話:04/11/16 21:36:18 ID:gnkwfmjJ
しかし、ローグはその粗雑な所見にくいついた。
「そう、それだよ、俺がききたかったのは。一人じゃどうにかならなくても、
 何人か集まればなんとかならないか?」
「ああ、なるほど。そういうことしたことないから、考えつかなかったな」
「やろうとすればできるだろ」
「さあな。ただ、できないとは断言できないよなあ」
そうすると、先の投げやりな言葉も、そうとは言いきれないかもしれない。

「さっきの子、魔導師だったんだろうな」
思い出したようにバッツは呟いた。
「逃げちゃったけどな」
「仕方ないさ。仲間になるとは思わなかった。そうそう信じられないと思うぜ。
 でも、理性じゃ多分わかってるんだろうな」
「そりゃあ、あいつ自身から言ったから。‘俺に構うな’って」
「だから信じざるを得ない。でもな、だからこそ、信じられないんだ、きっと」
「は?どういうことだよ、それ」
「んーとな…いや、なんでもないよ」
バッツはぼさぼさと髪の毛をかくと、気怠そうに外の様子を窺った。
「俺たちの戦いの音を聞きつけて、だれかよってくるかもな」
「そのうえ町とくれば、必然ってか。どうする?」
「俺、会いたい奴がいるんだ」
「…俺もそうだ」
「またさっきみたいに、ゲームにのってるやつに襲われるかも知れないけど」
「そんときは、そんときさ」
バッツは寸時、きょろきょろとあたりを見ますと、気恥ずかしそうにいった。
「…ところでさ」
「ん?」
「腹減った…」
「…おまえなあ!」
ローグは微笑して、台所へと向かっていった。
4453/3 バッツとローグの会話:04/11/16 21:39:40 ID:gnkwfmjJ
草原をかけぬける。吹き抜ける風が心地よい。
町の影が遠ざかっていく。水平線の下に埋もれる。
もう、見えない。

カインは不思議だった。
何故自分は、リディアをみたとき咄嗟に逃げ出してしまったのだろう。
リディアなら、あの場で味方につけることもできた。
でも、それを選ばなかった。
しかもそれはごく自然に、無意識下で、感情か、それとも本能が命じたのだ。
「俺も、まだまだ甘い…」
結局、徹しきれてはいないということだろう。
何もかもを利用するには、それ相応の覚悟がいる。
「生き残る理由はない」
それでもきっと、自分は殺戮を繰り返すのだろう。
きっと。……



【バッツ 現在地:アリアハン城下町民家 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:飯 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】
【ローグ 現在地:アリアハン城下町民家 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:飯 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】

【カイン(負傷) 所持武器 ランスオブカイン 現在位置 北の平原 
 第一行動方針:傷の回復を待つ(大分回復) 第二行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】
446名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/16 22:04:12 ID:tHmrseLc
クラウドはまだ出方を決めかねている。凄まじい気の満ちる二人のバトルフィールドには、容易に
踏み込めない。
(この二人……強いな)
クラウドはぎりりと奥歯を噛みしめた。
この場に自分がいることなど、目の前の二人はまったく関係ないことのように対峙しているのだから。


セシルは怒りの剣を、ガーランドは狂気の剣をそれぞれ相手にぶつけ合った。
火花が散る。二人の剣士が相手の目を睨む。
「貴様は絶対に許さない」
「ほざけ、小僧」
剣と剣が悲鳴をあげて弾けとんだ。セシルは吹き飛びざまに長い足から蹴りを放ち、
ガーランドは身を反らせてかわす。
距離をとり、荒い息をつくセシル。目を血走らせ、憎い仇の顔を睨みつける。
ガーランドはニヤリと笑う。
「この剣が血を欲しがっている。貴様の血をな」
その顔は狂気に満ちていた。
顔だけではない。手にした剣がガーランドの声に反応し、身震いするほど暗い輝きを放った。
離れたところで、クラウドは息をのんだ。
あれが狂気を増幅させる暗黒の力なのだ。剣は、己を使うものに、力と狂気を授けている。
ガーランドは剣に使われ操られる道具となっていた。
「……五人目、その命もらったっ」
ガーランドが、出た。

セシルは、もう何をするでもなく、ただ迎えうった。掌に爪が食い込むほどに手を強く握りしめ、
凄烈な気合の声が迸った。
「貴様だけはぁーーっ!」
セシルが光の剣を振るい突撃する。ガーランドは口元に薄ら笑いを浮かべて舞うように狂いの剣で
空をなぎ払う。
ガーランドの剣は先が触れただけで相手の意思をくじく力があるようにクラウドは思えた。
その先にいるセシルの銀色の髪は逆立ち、狂気の剣の力に抵抗するかのようだった。
447じっと見つめる眼:04/11/16 22:05:17 ID:tHmrseLc
その時、ふっと遠くできらびやかなものが光った。
――銀髪?
クラウドは一瞬、二人の戦いから気を奪われた。セシルの銀髪の力など取るに足らない輝きが
遠くで見えたものから放たれたからだった。

ドスン。
空を舞っていたガーランドが突然機械じみた奇妙な動きを見せ、地に潜りこむように頭から
前のめりに倒れていった。
「覚悟!」
セシルは剣を振り下ろし、ガーランドの頭蓋を真っ二つにした。
ガーランドは地に伏し、ぴくりとも動かなかった。
赤い血が流れ、まばらに草の生えた原野に広がっていった。

「勝った、のか……」
セシルは茫然とガーランドを見下ろした。
確かに勝ったが、最後の瞬間ガーランドは見えない力に押さえ込まれるように体勢を崩した……
なにかあったのか?
そういえば剣を振っていたガーランドの背で光が見えたような……

釈然としないセシルの身体に銀の銃弾が撃ち込まれた。
「がはっ……」
胸から口から、血が噴き出す。
セシルは自分の身体に何が起こったのか理解する間も無く、崩れ落ちた。
心臓を貫かれていたので、即死だった。

(あ、あれは……)
クラウドは戦慄するものを見た。
遠くで放たれた輝きは自分の想像を悪夢という形で具現化された。
――セフィロス
最強のソルジャー、セフィロスがクラウドの方を見ていた。
448じっと見つめる眼:04/11/16 22:10:16 ID:tHmrseLc
クラウドは背筋を凍らせた。見てはいけないものを見てしまった、そんな気がした。

彼らは確実にクラウドに近づいてくる。セフィロスと、もう一人。
歩き続け距離をつめ、クラウドをじっと見るや、ずっと無表情を決め込んでいたセフィロスが
つくり笑いをうかべた。
『クラウド、殺してやるぞ』
そう言っているのが、クラウドの耳に届いた。
あるいは、少なくともそう聞こえた気がした。

クラウドは恐怖のあまり逃げ出した。

 
【クラウド 所持品:アルテマウェポン おしゃれなスーツ
 現在位置:アリアハン南の平原→北へ
 第一行動方針:セフィロスから逃げる
 最終行動方針:ゲームから生きて抜ける】

【セフィロス 現在位置:アリアハン南の平原→アリアハン 支給品:村正
        行動方針:参加者を倒して最後にクジャと決闘
 クジャ   支給品:ブラスターガン、毒針弾、神経弾、
        行動方針:最後まで生き残る】

【セシル、ガーランド死亡】

【残り 111人】
449本当の自分 1/3:04/11/16 22:58:00 ID:RbGkzQEy
残された魔石を挟み、対峙する二人。
だが、静寂を破ったのはどちらでもなかった。
「動くな、アーヴァイン」
アーヴァインにとっては懐かしく、最も聞きたくなかった男の声が背後で響く。
彼はアイラに視線を向けたまま答えた。
「スコールか。ずいぶん近くにいたんだね〜。
 まだティナが生きていた頃に会いたかったよ」
「てめえが殺したくせにッ!」
怒りをあらわにするマッシュを制しながら、スコールはアーヴァインにナイフを向ける。
「なぜ、こんなことをした? ゲームに乗る理由はなんだ?」
「最期に聞いておいてやるってわけ? 優しいね、スコールは」
アーヴァインは小さく笑った。殺気の渦中にいながらさも愉快そうに、挑発するように。
それが急に真顔に戻る。
「期待に添えなくて悪いけど、理由なんて大したことじゃないんだ」
「……何だと?」
スコールの目がすうっと細まり、マッシュの怒気が高まった。
一触即発の雰囲気の中で、アーヴァインは言葉を続ける。
「忘れたのかい? 僕はスナイパーで傭兵だよ?
 依頼されれば誰でも殺す。任務達成のためなら何でも使う。遂行に邪魔なら排除する。それだけの話さ。
 君たちみたいに奇麗事や甘いこと言ってる余裕なんて――ないね!」
それが合図だった。マッシュが、スコールが、アイラが同時に躍り掛かる。
けれどもアーヴァインはスライディングするように身をかがめ、素早く大剣と小手を拾い上げると、斜め前へ一気にジャンプした。
アイラの身長どころか木々の背丈よりも高く飛び上がり、空中で回転しながらボウガンの狙いを定める。
その矢が、不意に漆黒の色を帯びた。
「じゃあね」
何の躊躇いなく引き金を引く。暗黒の波動を帯びた矢は、狙い違わずアイラの背へ――
「ふざけるんじゃねえ!」
だが、その時マッシュが両手から光輝くオーラを打ち出した。
黒と白、二つの色はぶつかり合い、互いに相殺して消滅する。
450本当の自分 2/3:04/11/16 23:01:33 ID:RbGkzQEy
「あらら〜……無茶やるなぁ」
三人の包囲を抜けて着地したアーヴァインは、ぽつりと呟いてから踵を返す。
「待ちなさい!」
「やだよ〜だ。三対一なんて無謀な真似するほど馬鹿じゃないもんねー」
迫るアイラをボウガンで牽制しつつ、アーヴァインは再び飛んだ。
山の急斜面を飛び越えて、はるか下の道へと姿を消す。
「……アーヴァイン」
スコールは悲しげに彼の名を呼んだ。仲間であり旧友『だった』、青年の名を。
マッシュは、少女が残した緑石を手にした。その深青色の瞳から、涙が静かに零れ落ちた。

上手く三人から逃げおおせたアーヴァインは、すぐに山道を下ろうとした。
だが、数歩歩いたところで足がもつれて転んでしまう。
「うーん。やっぱこの高さだし、無理がきたかな?」
彼は頭を掻きながら立ち上がり、再び歩き出す。だが、またもやよろめき、バランスを崩してしまう。
ふと、手を見た。小刻みに震えていた。いや、手だけでなく足も、全身が。
呼吸は荒く、心臓は早鐘を打っている。何より、耐えがたい後悔と悲しみが胸に渦巻く。
――孤児院の仲間と離れ離れになった時もこうだった。
デリングシティでイデアを狙撃した時もこうだった。
人前で自信家を装うことはできても、一人になると臆病な自分が噴出してしまう。
大切な人を傷つけないといけない時、気弱な本性が垣間見えてしまう。
一度そうなると止まらない。どうしようもなく辛くて、心が悲鳴を上げて崩れそうになる。
だが、彼の場合、壊れてしまうには意思力が強すぎた。それ以上に記憶に残る少女の笑顔が、狂うことを許さなかった。
(……僕は彼女に会うんだ。もう一度、あの青いガーデンで。
 そう決めた……決めたんだ。誰の意思でもない、僕自身の意思で。
 だから迷わない。今さら迷ってたまるものか)
己の弱さを噛みしめながら、それでも自分の願いを叶えるため、アーヴァインは立ち上がる。
繊細で弱気な少年から、殺人者のそれへ戻りつつある瞳が、道を上ってくる人影を捉えた。
相手は一人、頭巾をかぶった少女だ。
「スコール達が追ってくるまでに片付けられるかな?」
彼はシニカルな笑みを浮かべながら、ボウガンを構えた。
451本当の自分 3/3:04/11/16 23:04:34 ID:RbGkzQEy
【アーヴァイン 状態:HP4/5程度
 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ  グレートソード ミスリルの小手
  第一行動方針:時間があればマリベルを殺す 第二行動方針:ゲームに乗る
  現在位置:アリアハン東山岳地帯、森とほこらの中間辺り】

【マリベル 所持品:セイブ・ザ・クイーン(FF8)、アポロンのハープ
 第一行動方針:スコールとマッシュを連れ戻す、戦いは極力避ける
 現在位置:アリアハン東山岳地帯、森とほこらの中間辺り】

【スコール 所持品:天空の兜、貴族の服、オリハルコン(FF3) 、ちょこザイナ&ちょこソナー
【マッシュ 所持品:ナイトオブタマネギ(レベル3)、モップ(FF7)、ティナの魔石
【アイラ 所持品:ロトの剣、炎のリング
 第一行動方針;アーヴァインを追い、止める
 現在位置;アリアハン東山岳地帯、ほこらの近く】
452叶わぬ願い 1/4:04/11/17 01:29:51 ID:BgDD+hv3
マチュアはスミスを探し、城内の探索を続けていた。緊張から額には冷や汗が浮かんでいる。
…万が一襲われても、城内には逃げ場が少ない。危険も大きいことはわかっている。
それでも、スミスがここにいる可能性もある以上、素通りするわけにはいかなかった。
もちろん、それぞれの部屋に人がいないかどうかは十分注意しているし、両手でスナイパーCRをしっかりと握っている。
(一階には、誰もいない…?)
…城内、少なくとも一階は、不気味なほどに誰もいなかった。
ひとつだけ気になったことといえば、半分凍っている部屋があったことぐらい。
しかし、やはりというべきかその部屋にも誰もいなかったし何も無かった。
(二階…階段が直接、王室に繋がっているのね…)
マチュアは緊張しながら、恋人スミスを思いながら、二階への階段を上がった―――上がりきった、その時。

突然、彼女の手首に衝撃が走った。―――スナイパーCRが弾かれたのだ。
マチュアは弾いた主を確認する事もなくあわててそれを拾おうとするが、
目の前で振り下ろされた氷の刃がスナイパーCRを叩き割った。
青ざめながらも、顔を上げ、相手の顔を確認するマチュア―――刃の主は―――骸骨のような男。
「ふむ…そのような武器は…あまり美しくもないな…」
骸骨の男は一瞥するとマチュアに向き直り、氷の刃を構えなおした。

「…い、いやああああああっっ!!」
マチュアの心を、恐怖が支配した。―――男が凶器を持って…自分を殺そうとしている―――!
咄嗟に聖水を取り出し、蓋を開けようとするがそれもまた、氷の刃によって弾かれ、床を滑る。
今度は狙いが多少外れたのか、それともわざとなのか。マチュアの手が少し切れ、鮮血が飛び散った。
「ふむ、またも…必死で抵抗する娘か。見目は美しいというのに勿体無いものよ」
「…いやああああ!!スミス、助けて…!!」
…マチュアは、自分の悲鳴の中で倒れた。
ハインが攻撃したわけではない。追い詰められ、死の迫る状況、恐怖のあまり失神したのだった。
「美しい血だ…このまま、美しい死を…」
ハインは、床に倒れたマチュアへとゆっくりと歩み寄り氷の刃を静かに向けた…しかし。
453叶わぬ願い 2/4:04/11/17 01:31:42 ID:BgDD+hv3

「やめろーーーーっ!!!」
静かな部屋に突然の乱入者。マチュアの悲鳴を聞きつけたジオが、階段を上がってきたのだ。
ジオは一目で状況を理解し―――ハインが振り向いたときには、既に床を蹴っていた。
「…愚かな!」
ハインが邪魔された怒りで顔を歪め、氷の刃を振るう。とはいっても、人間の物ではない顔からは表情はわからないが。
今度は先程のようなゆっくりとした動きではない。迫りくるジオを狙い、素早く正確に振り下ろす。
「くっ!」
氷の刃は、空中で後方へと飛びのいたジオの、すぐ目の前を斬った。
着地したジオを狙い、ハインはさらに刃を振るう。
一瞬早く床を蹴り、横様に飛び避けたジオは―――ハインに向かって小さな袋を投げつけた。
「これでも…くらえっ!」
ドリームパウダー。
体制を崩しながらも狙いは外れることなく、袋はハインの骸骨顔の辺りに直撃し、そして。
「ぐあああああっ!」
息苦しい香りの粉が大量に舞った。ハインが悲鳴を上げ、顔を抑えた。
(チャンスだ!)
ジオは急いでマチュアを背負い、ほとんど飛び降りるように階段を降りていく。
完全に意識を失っている女性、この状況で連れて逃げるのは危険だがそれでも、助けないわけにはいかない。
一階は、先ほど見た限りでは四角が多かった。大丈夫、隠れられる。
(まずはこの女性を安全な場所に隠して…それから、あいつを何とか)
そう思考しながら、一階の廊下へと着地した、その瞬間。

―――ざくり。
ジオは、嫌な音を聞いた。
454叶わぬ願い 3/4:04/11/17 01:32:54 ID:BgDD+hv3

「…ぐっ、あ…? …!げほっ、がはぁっ…!」
マチュアを背負ったまま、崩れ落ちるジオ。
口と身体からとめどなく血が溢れ出し、床を汚していく。
背後から投げられた氷の刃がマチュアの背中を貫通し、ジオの腹の辺りに深々と突き刺さっていたのだ。
(…まさか…効いてなかったのか…?後ろから、こんなでかい剣を投げ…)
ぼんやりとする意識、動けなく、振り返る事も出来ない上に視界は掠れてきていたが…わかった。
あいつが、ゆっくりと階段を下りてくることを。―――自分にとどめをさしに来るのだ。
いや、もう相手はすぐそこに迫っていた。自分の身体から刃が引き抜かれたのがわかった。
(…やばい、立てねえよ…アルカート…)
ここで、死ぬのか。彼女に、思いを伝える事も出来ずに。
…何をやってたんだ、俺は…アルカートを守るどころか、この女性さえも守れないで…。
「ごめん、アルカート…」
ジオが呟くと同時に、氷の刃がジオの身体を完全に貫いた。
彼の身体が停止する直前、閉じかけた目から涙がこぼれたが―――それを見るものは、いなかった。


「………」
ハインは二人の死体を前に、とてつもない怒りだけを感じていた。
見目では怒っているとはわからないのだが、周りの空気がピリピリとしている。
ドリームパウダーのような、対外ではなく体内に直接ダメージを与えるものは、今のハインにはほぼ無効だったのだが、
ハインにとっては、自分の顔に粉を投げつけられた―――その事実だけが問題だった。
怒りの対象、ジオは既に死んだというのに…その怒りは収まらないようだ。
「…許せぬ…許せぬぞ…」
ハインは怒りの発散を求め、すぐ目の前の城門を通っていく。
後には、ハインに蹴り飛ばされた、ジオとマチュアの無残な死体だけが残った。
455叶わぬ願い 4/4:04/11/17 01:33:42 ID:BgDD+hv3

【ハイン 現在位置:アリアハン城下町へ 所持品:破壊の鏡、氷の刃、ルビーの指輪 行動方針:殺戮】

【マチュア 死亡】
【ジオ 死亡】
※放置アイテム※グラディウス、おしゃれなバンダナ、首輪×2、聖水、ミスリルナイフ

【残り 109人】
456訂正:04/11/17 01:37:19 ID:BgDD+hv3
※放置アイテム※グラディウス、おしゃれなバンダナ、首輪×2、ミスリルナイフ

です。
457トンベリ、改め …… のにっき 1/2:04/11/17 17:43:27 ID:hQjf3mCy
こんにちは、トンベリです。
てりとれくすのおかげで、ぼくのほうちょうが戻ってきました。とっても嬉しいです、
ぼくはれくす達に、おれいの長い剣をあげました。れくすは喜んでくれました。
そのあと、『せしる』というお兄さんに会いました。
『ろざ』というシロマドウシなる人を探しているそうです。
せしるさんはとても寂しそうでした。早く、ろざさんが見つかるといいです。

それから、てりがぼくに名前をつけようとしました。
後ろでれくすが「とんぬらがいいなぁ……」と小さな声で言いました。
そのせいか、ぼくの名前は『トンヌラ』になりました。
てりは見た目よりいい人です。れくすはいい人だけど、ヘンな人です。

その後ぼくたちは色々話し合って、お城へ行くことにしました。
夜になれば、きっとみんなお城に泊まりに来ると思うからです。
けれど、れくすがいうには、危ない人もいっぱい来るかもしれないそうです。
危ない人は怖いです。
でも、さっきのせしるさんみたいに優しそうな人も来るかもしれないです。
危ない人より、優しい人に会いたいです。

なんて思っていたら、町の入り口の近くで、緑の女の人とすれ違いました。
女の人はぼくたちに気付かない様子でした。何か考え事をしていたのかもしれません。
ろざさんと、わたぼうさんと、れくすのお父さんたちのこと聞きたかったんですけど、なんだか深刻そうなので話しかけるのを止めました。
優しくて、気軽に話しかけられる人に会いたいです。
458トンベリ、改め …… のにっき 2/2:04/11/17 17:57:12 ID:hQjf3mCy
町の中に入ったところで、きれいなお姉さんと怖そうなお兄さんに会いました。
お姉さんは「まあ、可愛い魔物さんね」といって、ぼくの頭をなでてくれました。
怖そうなお兄さんは、れくすとてりに何か話してました。
あとでてりに聞いたら、『この近くにヒトゴロシがいるから、外に出る時は気をつけろ』と教えてくれたそうです。
二人ともとてもいい人です。
それから、お姉さんが「銀髪の男の人を見ませんでしたか?」と聞いてきました。
ぼくはせしるさんのことかと思ったのですが、違うらしいです。
お姉さんは『ろざり』さんで、お姉さんが探してる人は『ぴさろ』さんと言うそうです。
ろざりさんとろざさん、名前が少し似てるです。間違えないように気をつけたいと思います。

ぼくたちもお兄さんとお姉さんにみんなのことを聞いてみましたが、「知らない」と言われてしまいました。
お兄さんいわく、『チズノシュクシャク』からするとアリアハンはかなり広いので、無闇に歩いても知り合いと会える確率は低いらしいです。
じっとしていた方がいいのでしょうか? でも、危ない人や悪い人がやってきたらじっとしているわけにはいきません。
ぼくがそう言ったら、れくすが「悪い人は皆でやっつければいいんだよ」と言いました。
ほうちょうもあるし、悪い人がきたらがんばってやっつけようと思います。

お兄さんとお姉さんは、これからしばらく町の中を回り、どこか空いている家で休むつもりだそうです。
……ぼくたちはどこにいきましょう?

【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ 黒マテリア(メテオ)
【レックス 所持品:天空の剣 オーガシールド
【トンベリ(トンヌラ) 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ
現在位置:アリアハンの城下町入り口
第一行動方針:わたぼうとレックスの仲間を探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】

【サイファー 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)
【ロザリー 所持品:不明
現在位置:アリアハンの城下町
第一行動方針:ロザリーを手助けする/ピサロを探す 第二行動方針:ゲームから脱出する】
459↑の修正です:04/11/17 17:58:35 ID:hQjf3mCy
【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ 黒マテリア(メテオ)
【レックス 所持品:ルビスの剣 オーガシールド
【トンベリ(トンヌラ) 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ
現在位置:アリアハンの城下町入り口
第一行動方針:わたぼうとレックスの仲間を探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】
460偵察者:04/11/17 18:44:45 ID:Xp2dpcgG
「二人、死んだか。あの銀髪の二人組がやったのか?やつらには要注意だな」
男はナジミの塔の最上階で先ほどのセシルとガーランドの戦いの一連の流れを見ていた。
名をアルガスといった。没落した貴族の一族の末裔である。

初めは自分で他の全員を殺そうと考えていた。が、様子を伺っている内に、
竜王のように1対1ではとうてい勝てそうもない参加者がいると分かった。とるべき行動は決まった。
他人を利用するのだ。残りの数人となるまで。そして、消耗したところを狙って殺す。
あとは、それまでに集めた道具を駆使して勝ち抜けばいい。自分が動くのは、最後の最後でいいのだ。
どこの馬の骨かも分からない連中と一時的にでも組むのは正直反吐の出る思いだったが、生き残るためには仕方がない。
できるだけ強く、ゲームに乗っていない人物で、そして裏切りが容易そうな人物を探そう。

支給品は2つ。目薬草。「見る力」を最大限に引き出すことができる。
もう一つは地獄耳の巻物。「聞く力」を最大限に引き出すことができる。
そしてここはナジミの塔。大陸の半分を見渡すことが出来る。
偵察には最高の状況と場所がそろっている。ここでなるべく多くの参加者のデータを集めておくのが得策というものである。
「俺は貴族だ、こんなところで死んでいい人間じゃない。何が何でも生き残らなければならないんだ。
 愚民共、せいぜい殺し合うがいいさ、だが、最後に笑うのはこの俺だッ!」

【アルガス 所持品:無し 現在位置:ナジミの塔最上階 行動方針:偵察し、使えそうな人物をこのステージの間に捜す
 第二行動方針:多くのアイテムを集めておく 最終行動方針:どんな手を使ってでも生き残る】
※視力と聴力が大幅に上がっています、ナジミの塔のある湖周辺の平原あたりならはっきり見えます。
 階下の音あたりもはっきりと聞こえます。
 効果はステージを移動するまで持続。
461名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/17 18:53:19 ID:/6raq2pD
ベアトリクスの血は昂ぶった。
たった今、彼女は変わったのだ。
アレクサンドリア王女ガーネットに仕える騎士がひとたび汚れた指輪を身につけたときから、
荒れ狂う暴政のもとに仲を引き裂かれた男女の怨念の乗り移った修羅となった。
君主の衣を身にまとい、神々しい光沢を備えた剛剣を手にして。
慣れた冒険者も寄せ付けないほどの険しい山岳地帯も、彼女の猛る足踏みはまるで意に介しなかった。

荒涼とした山地はもうすぐ終わる。下山すれば平坦な草原が続く。
ベアトリクスはひっきりなしに四方八方を見ながら進んだ。
それは殺す相手を探すために。
運命に翻弄され運命による犠牲者となった恋人たちの恨みの魂を、惨劇によって静めるために。

【ベアトリクス(精神を乗っ取られた状態)  現在位置:大陸西の山岳地帯から東へ 
        所持品:血のエンゲージリング、君主の聖衣、真魔剛竜剣+99
462名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/17 18:54:49 ID:/6raq2pD
行動方針が抜けてた。

 【ベアトリクスの行動方針:参加者を見つけたら殺す。】

では失礼
463>>457 修正:04/11/17 20:07:15 ID:hQjf3mCy
>なんて思っていたら、町の入り口の近くで、緑の女の人とすれ違いました。
>女の人はぼくたちに気付かない様子でした。何か考え事をしていたのかもしれません。
>ろざさんと、わたぼうさんと、れくすのお父さんたちのこと聞きたかったんですけど、なんだか深刻そうなので話しかけるのを止めました。
>優しくて、気軽に話しかけられる人に会いたいです。

以上、四行の脳内削除をお願いします。重ね重ね申し訳ありません。
464名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/18 14:44:18 ID:9Ak/+Iok
このスレは重複じゃないの?
誘導
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1086838551
465名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/18 15:43:16 ID:FivVvRzg
スレタイだけで判断するとはこれまた乙な
重複でなく並行進行
466名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/18 18:26:33 ID:StGhCGBo
>>461を修正します。

【ベアトリクス(精神を乗っ取られた状態)  現在位置:大陸西の山岳地帯から東へ 
        所持品:血のエンゲージリング、君主の聖衣、アルテマソード
        行動方針:参加者を見つけたら殺す】
467レーベ村宿屋にて 1/6:04/11/18 20:36:21 ID:XT6rodJF

「どうなんだ?助かりそうか?」
「…なぜか、回復魔法の効きが悪くて…でも、とりあえず傷はふさがりました。
 まだ目は覚まさないだろうけど、死ぬ事はないと思います」
「そうか、よかった…」
ほっと息をつくロックに、ソロも、汗を拭いながら笑った。

テリーとの戦いで重傷を負ったヘンリーは今、宿屋のベットに寝かされている。
ここに担ぎ込んだとき、ヘンリーは完全に意識を失い――もう先程のような悪態をつくこともなく、顔色も真っ青だった。
それを見たロックはほんの一瞬だけ、もう駄目なんじゃないかとも思ってしまったが。
ソロが汗を流しながら必死で回復魔法を重ねがけしていくうちに、少しずつ顔色がよくなっていった。
苦しげだった表情も今は緩んでいる。ひとまずは助かったのだ。

「というか、アンタも大丈夫か?休みなしで魔法を…」
「さすがにちょっと疲れましたけど…大丈夫ですよ、ヘンリーさんが助かったんですから」
ソロはそう言いながら、にっこりと笑い…そして、そのまま思い出したように続ける。
「そうでした、ロックさん、さっきは助けてくれてありがとうございました」
「……いや、気にしないでくれよ。助けたって言っても結構危なかったしな」
ロックはそう、答える。…危なかった。いちかばちかの勝負だったのだ。
上手く隙ができなければ自分の体当たりなど全く効かなかっただろう。
それに、攻撃は成功したがヘンリーは重傷を負ってしまった。
完全にやる気になっている…とんでもない相手だ。――そういえば。
「…あの女の人、大丈夫ですかね…」
――ロックの心の中を読んだかのように、ソロがぽつりと呟いた。
468レーベ村宿屋にて 2/6:04/11/18 20:37:44 ID:XT6rodJF

「どんな関係なんだろうな…あの人に、あいつ…止められるんだろうか」
「……わからないけど…きっと、すごく大切な関係なんでしょうね…」
ソロはどこか遠くを見るような、少しだけ悲しい目で言う。
なにか、大切なことを忘れてしまった男は、あの女性を振り切り殺戮を繰り返すことになるのだろうか。それとも。
「いや、きっと大丈夫だ。あいつに斬られたヘンリーが言ってただろ。
 あいつ、忘れたつもりでも覚えてるんだって。…あの人なら、きっと止められる」
「そう、ですね…。きっと、また会えますね」
ヘンリーの言葉なんて何の根拠も無いのだが…そう結論付けたのはやはり、希望を掴みたい気持ちがあるからだ。

「そうそう、次にあいつに会ったときは俺が直々に一発お返ししてやる…」
「…ヘンリーさん!?」「うぉっ!だ、大丈夫か?」
いつの間にか意識の戻ったヘンリーが、まだ少し苦しそうな表情だが――二人を見て、言った。
「ははは、あれぐらいで俺が…っ…ゲホッゴホッ」
「って、無理しないで下さいよ!」
「はは…」
ヘンリーの異常とも言えるほどの生命力に、苦笑するロックだった。
469レーベ村宿屋にて 3/6:04/11/18 20:38:34 ID:XT6rodJF

その後、三人であれやこれや話し合い、今晩は日没後もこのままここで過ごそうということになった。
村の宿屋なんて危険度も高そうだが…城下町よりは人も集まらないだろう。
なにより、下手にヘンリーを動かすわけにもいかないというのがあった。
万一襲われたらその時はその時だ、こちらだって黙ってはいない。
「この狭い部屋に男三人で夜…むさいな…」
「仕方ないだろ、俺だって嫌だ」
「あのー」
ソロが苦笑いを浮かべながら、告げる。二人の会話にはひとつ間違いがあった。
「三人じゃなくて、四人でしょう…」
「…あ」
ロックとヘンリーは、ソロに指摘されてようやく気付いた。
三人から離れたところに座り込み―――じっと、こちらを見つめている青年の存在。
同じ部屋にいるのにも関わらず忘れていたとは失礼な話ではあるが、仕方のないことかもしれない。
何しろこの青年は、何も話さない、動かない。本当にただ、そこにいるだけなのだ。

「あー…アンタは、どうするんだ?」
ロックは少々気まずそうに口を開いた。しかし、青年は問いに答えない。眉一つ動かさずじっとこちらを見ている。
…よく、聞こえなかったんだろうか。青年に近づき、視線を同じ位置に持っていくように屈む。
「今さ、ヘンリーが動けないし、今晩はこのままここにいようってことになったんだよ。でもアンタは…えっと、名前…」
「…フリオニール」
青年は依然変わらぬ無表情で、機械的に名を告げた。
「…フリオニールは、どうするんだ?」
「…… …わからない」
470レーベ村宿屋にて 4/6:04/11/18 20:39:22 ID:XT6rodJF

……。
あまりにも的外れな答えに、ロックは思わずずっこけそうになった。
わからない?何だそれ。…俺がわからないのは、こいつ――フリオニールだ。そう、最初に会ったときから。
どうしたとたずねれば、機械的な答えが返ってくる。どうするとたずねれば、答えは返ってこない。
これではまるで、自分の意志を持たない人形だ。
(心が、無い?いや、まさか…)
しかし、放っておくわけにもいかない。気を取り直し、続ける。
「別に用事が無いんだったら、ここにいればいいだろ。外は危険だしな」
フリオニールは少々間を開けてから、黙ってうなずいた。…了承したらしい。

(なんか、子供と話してるみたいだな)
しかし、目の前にいるのは紛れもなく青年だ。とはいってもソロと同い年ぐらいだが…調子が狂う。
「…そういえば、盾借りっぱなしだったな、返しておこうか」
と、ザックの中から、ひとまずしまっておいた天空の盾を取り出し――
ごとり、と音を立てて落とした。
「な、何だ?重…っ!」
呆然とそれを見つめる。いや、この盾は元々重かったが。まともに持ち上げられないほどに重くなっている?
「あ、ロックさん!その盾は僕の…」「そうだ、ロック!その盾はレックスの…」

ソロとヘンリーが同時に声を挙げ、その後顔を見合わせた。
「よくわかんないけど、特殊な盾なのか?俺には重くて使えなくなってるし…」
「……」
いつの間にかフリオニールが床に落ちた盾を拾っていたが、やはり彼にもまともには持ち上げられないようで、
黙ってそれをソロに手渡した。――ソロは、容易く盾を手にする。天空の勇者、資格あるものの手に戻ってきたのだ。
「天空の盾…。ヘンリーさん、レックスさんって?」
「いや…う〜ん、天空の勇者が二人いたとは…」
ヘンリーがベットの中で頭をひねる。天空の盾は間違いなくソロの手の中で本物の輝きを放っているが、
レックスも天空の勇者だ。…ヘンリーはソロに、レックスの事をはなしはじめた。
471レーベ村宿屋にて 5/6:04/11/18 20:40:42 ID:XT6rodJF

ソロとヘンリーが話し込んでいる。
することのなくなったロックはふと、フリオニールに提案を持ちかけた。
「すぐ隣に武器屋があったはずだけど、武器調達でも行くか?」
盾がなくなってしまったフリオニールに対する配慮だろう。
フリオニールはまた黙ってうなずいた。ロックは二人にそのことを告げる。
「わかりました、気をつけて下さいね」ソロが返答した。
「大丈夫、本当にすぐ隣だ」

そうして、ロックとフリオニールは隣の武器屋で安物の剣を調達するのだが――
二人の背中を、村の奥から見つめる視線があった。冷酷な笑みを浮かべる女性。

宿屋のカウンターに戻ってきたロックは、フリオニールを見て苦笑した。
「きっと平和な田舎町なんだな…それぐらいしか武器がないとは思わなかった」
フリオニールの手には、一目で安物とわかるような銅製の剣が握られている。
彼自身は相変わらずロックの言葉に対しては完全に無反応だが。
(またか…何考えてるんだろうな…)
ぼんやりとそう思いながら、ドアに手をかけようとして――ロックはそれに、気付いた。
明らかな殺気…?いや、狂気…とも言えない、何となく覚えのある気配。
クリスタルソードに触れながら、後ろを振り返る。

操りの輪をつけたビアンカが、宿屋の入り口に立っていた。
472レーベ村宿屋にて 6/6:04/11/18 20:42:11 ID:XT6rodJF
【ロック 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 行動方針:ビアンカ警戒】
【フリオニール(感情喪失) 所持品:銅の剣 行動方針:ロックについていく】
【ビアンカ(暴走状態:操りの輪を破壊すれば状態回復は可能)
 所持品:操りの輪、 ファイアビュート 第一行動方針:リュカ、子供達以外の全員を殺害】
*現在位置:レーベの村宿屋1Fカウンター

【ソロ(MP消費・疲労) 所持品:さざなみの剣 水のリング 天空の盾 行動方針:ヘンリーに付き添う】
【ヘンリー(重傷) 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 行動方針:傷の治療】
*現在位置:レーベの村宿屋1F
(ロック達のドア一枚向こう、戦闘が起こればすぐ気付くと思われます)
473神様と元召喚士 1/2:04/11/18 23:17:46 ID:Qe1iK5Jy
「困ったことになりましたね……」
男は空を仰ぎ見ながら、ぼんやりと呟いた。
彼の名はマスタードラゴン。
天空の城にて世界を見通し、地上を護り続けている竜神である。
――本来ならば。

「どうしたんですか、プサンさん?」
隣を歩いていた女性、ユウナが首を傾げる。彼は苦笑しながら答えた。
「いや、今の状況のことですよ。私、この通り戦闘やら何やらは苦手でして。
 お恥ずかしい話ですが、剣もまともに振るったことがないのですよ」
彼にはわかっている。目の前にいる女性が、次元すらも違う異世界に住む人間だということに。
だから本当のことは話さない。いつも通りにプサンという仮初の名を使い、市井に生きる人間らしくふるまう。
もっとも、こんな場末の酒場のバーテンダーとしか見えぬ中年男の風体では、正体を打ち明けたところで狂人扱いされて終わりだろうが。

「大丈夫、いざと言う時は私に任せてください。
 戦えない人を守るのも、お助け屋カモメ団の役目です!」
プサン=マスタードラゴンの考えなど知る由もないユウナは、はりきって胸を叩く。
「頼もしいお言葉ですねぇ。お嬢さんのような方と出会えて、心強い限りですよ」
そう言って笑いながら、彼は心の中で自嘲した。
(本来ならば、私の方が罪なき人々を助けてやらねばならぬというに……我が身ながら何と言う不甲斐なさだ!
 せめてドラゴンオーブが手元にあれば、脱出は無理でも、首輪の解除ぐらいできるものを)
会場のどこかに、己の竜神としての姿と力を封印した宝珠が眠っている。それは間違いない。
だが、どこにあるのか、誰が持っているのかまでは、今の彼ではわかりようがない。
(何も知らぬ人間が持っているなら構わない。だが……もし、オーブが悪しき心を持つ者に渡っていたら?)
考えかけて、プサンは首を振った。
考えてもどうしようもない。
自分がやるべきことは、一刻も早くオーブを取り戻すこと。それだけだ。
474神様と元召喚士 2/2:04/11/18 23:20:19 ID:Qe1iK5Jy
【ユウナ(ジョブ:魔銃士) 所持品:銀玉鉄砲(FF7)、やまびこの帽子
 第一行動方針:仲間を探しつつ、困ってる人は率先して助ける 第二行動方針:ゲーム脱出】
【プサン 所持品:不明
 第一行動方針:ドラゴンオーブを手に入れる 第二行動方針:心正しい人達を助ける】
現在位置:岬の洞窟北西の海岸付近
475保管庫改 1/4:04/11/19 01:31:17 ID:sQJn9ASJ

「指笛?」
「そうッス。こうやって指を口に入れて…吹く!」
シューッ、と空気の抜けた音だけがする。
「うーん、出来ない」
蒼い髪の少女は、既に笑顔を取り戻していた。
「諦めちゃ駄目ッスよ」
ティーダとターニアが、まるで兄妹のように、指笛を練習している。
あんな妹がいたら良かったと、エアリスは思った。
平和、だった。彼女が現れるまで。

森を行く一つの影。
ティファは、森の暗がりの中を歩いていた。
右手には銃。
――何を狩る訳でも無く。防衛手段だと、自分に言い聞かせて。
レーベを出て、何時間か歩いた。
鬱蒼と生い茂る森。ここで何を見つけることになるだろう。
その時はまだ、あまりの緊張感からか、近くにいる三人には気づいていなかった。

「誰か近づいてくる…?」
エアリスが、何者かの気配を感じた。
その方向を見やると、タンクトップ、長い髪の女性…
見覚えのある、姿だった。
「ティファ!?」
エアリスは叫んだ。
…それが、不幸の始まりだった。
476保管庫改 2/4:04/11/19 01:34:17 ID:sQJn9ASJ
狂気のゲームで。命が惜しくて。
極度の緊張感の中で声を掛けられ、とっさに行動を起こした。
声を掛けたのがエアリスであることに気づいたのは――
――ティファが振り向きざまに放った弾丸が彼女の胸を貫通した後だった。

「あっ…」
血飛沫が、エアリスの胸部から飛び散る。

…一瞬の、静寂。

「何するんッスか!!!」
ティーダの怒号が、立ちすくむティファに浴びせられる。
「きゃぁぁぁっ!」
蒼い髪の少女の悲鳴がまた、ティファとティーダを別々に刺激して。
「許さないッス!!!!」
鋼の剣を構え、怒涛の勢いでティファに迫るティーダ。

(どうしよう。ここにいたら、殺される。
死にたくなんか、無い。ここにいてはいけない…)
気づいたときには既に、ティファは走っていた。
――あの人、エアリス…?
じゃ、無いよね。
もう死んだ人だから。
エアリスじゃないよね…
エアリスな訳が、無いよね。
ゼッタイニソンナワケナインダカラ…
477保管庫改 3/4:04/11/19 01:35:11 ID:sQJn9ASJ
――ティファが、撃った。
私が死んでから、性格が変わったのだろうか?
それとも…ゲームに、乗ったの?
それは違うよね?
ただ恐怖のあまり、撃ったのかもしれない。
驚いたから、咄嗟に撃ってしまったのかもしれない。
…どうしてだろう?
納得できる理由を見つけたかった。
瀕死の状態でも、ティファを許したかったのか。

「エアリス、大丈夫ッスか!?」
ティファを追うのを止め、倒れたエアリスの元に駆け寄るティーダ。
「私は大丈夫…それよりターニアちゃんを…」
エアリスが右手を上げて指差した。
血を見て混乱した少女の姿は、エアリスの指差す森の奥へと消えていた。

「間に合わないッス!きっとすぐに正気に戻って…
それより、エアリスの怪我を…」
言いかけて、エアリスを見て、凍りついた。
美しい…?
否、死に顔に、美しいも何も無い。
もう、動くことは無い。
そう、はっきりとわかったのだ。
478保管庫改(タイトルは『錯乱』で) 4/4:04/11/19 01:36:40 ID:sQJn9ASJ
人が死ぬことに関して、自分はあまりに、無力だった。
『思い知ったか』
誰かが頭の中で言った。
「あぁ」
空返事をすると、一人、泣き崩れた。

【ティーダ 所持品:鋼の剣 青銅の盾 ゴディアスの剣 麦わら帽子 理性の種 ふきとばしの杖〔4〕(エアリスから回収)
      行動方針:泣く(その後は不明)】

【ターニア(錯乱) 所持品:微笑みの杖 行動方針:とにかく走る】

【ティファ 所持品:コルトガバメント(予備弾倉×5)、エアナイフ
      基本行動方針:死にたくない
      第一行動方針:ティーダから逃げる
      第二行動方針:クラウドやバレットと合流?】

【エアリス 死亡 残り108人】

現在位置:レーベ北東の森の中(ティーダは待機、ターニアとティファは別々の方向へ走って逃げてます)
479英雄と魔王 1/2:04/11/19 02:55:24 ID:Q/cBoLJ6
森の中で対峙する二人の男、デュランとメルビン。
互いに相手の出方をうかがうかの様に、一向に動く気配がない。
「分かる、私には分かるぞ!貴様の強さがな……」
先に沈黙を破ったのはデュランであった。警戒を緩めないメルビンを無視するかのように言葉を続ける。
「フハハハ……私の名はデュラン。見ての通り魔王が生業だよ。私は強い者が好きでね。
 せいぜい私を失望させないでくれよ……。では行くぞ!」

巨体に似合わぬスピードでデュランが斬り込む。渾身の力で振り下ろされた剣は、すんでの所でメルビンの剣に阻まれた。
だが、直後に爆発が襲いかかり、メルビンは後ろへ吹き飛ばされながらも、空中で体勢を整え着地する。
「そうだ、それでなくては面白くない。もっと私を楽しませてくれよ!」
攻撃の手を緩めず攻め立てるデュランの剣戟と爆風の前に、防戦一方となるメルビン。

(くっ……、こやつ強いでござる!このままでは剣が…)
歴戦の勇者といえども、相手は伝説の剣を持った魔王。彼の持つ鋼の剣は、打ち合う度に悲鳴を上げていた。
「どうした!貴様の力はそんなものか!」
「残念ながら魔王にくれてやる命は持っていないでござるよ!」
その時だった。鋼の剣が衝撃に耐えきれず、折れてはじけ飛ぶ。
「ハハハハハこの勝負私がもらったぞぉぉぉ!」
高笑いと共にデュランが空高く舞い上がる。
回転を加え落下することで強力な打撃を加える技、ムーンサルトだ。
「……もはや一か八かに賭けるしかないでござる!」
デュランの剣先が老人の体に目がけて殺到する。しかしメルビンは動かない。
「もはや諦めたか……喰らえ!」
ラミアスの剣の切っ先が胸を貫こうとする刹那。メルビンが十字を切ると、収束した魔法力がデュランにカウンターで襲いかかった。
「グランド……クロスッッ!!」
あたりを閃光が覆い、巨大な力のぶつかり合いによって大爆発が巻き起こり、二人を吹き飛ばす。

480英雄と魔王 2/2:04/11/19 02:57:29 ID:Q/cBoLJ6
「……やったでござるか?」
メルビンがふらつきながらも立ち上がる。その胸からは鮮血が滴り落ちていた。
グランドクロスをもってしても、魔王の渾身の一撃は相殺しきれなかったのだ。
すぐさま回復呪文により出血は止まったが、失われた体力は回復しなかった。
しかし、その後メルビンが目にしたのは信じられない光景だった。

「私の体に傷をつけるとはな……。貴様気に入ったぞ!」
砂煙の中から現れたのは、胸に十字の傷を刻まれながら、なお余裕を見せるデュラン。
「だが……この程度では私は倒せぬぞ」
伝説の剣を構え、魔王は不敵に笑っている。
「さて、ラウンド2と行こうじゃないか。まだまだ私を楽しませてくれよ!」

【デュラン(負傷) 現在地:岬の洞窟北西の森 所持品:ラミアスの剣
 第一行動方針:メルビンを倒す 最終行動方針:ティアマト、アルティミシアと戦う】

【メルビン(負傷) 現在地:岬の洞窟北西の森 所持品:鋼の剣(破損) 残りは不明
 第一行動方針:この場を切り抜ける 最終行動方針:不明】
481療養:04/11/19 16:53:58 ID:GN4pPxrT
森の中、普段はのどかな川のほとり。そこで、ギルダーは木にもたれかかり、必死で荒い呼吸を整えていた。
彼の通った後を、点々とピンク色の水が汚している。水に溶けかかった血の色だ。
「…はぁっはぁっ、…げほっ… ……」
…苦しい。意識がぼんやりする、眠い。しかし、もちろん眠るわけにはいかない。
何とか目を開けて、傷口に手をあてがいながら回復魔法の詠唱をする。ますます体力が減るが、まず傷を治さなくては。
傷自体はそんなに酷くないのだが、水の中に入った事で必要以上に血が抜けてしまい、体力をかなり消費してしまった。
…そのせいか、上手く魔力が高められない。ケアルラ三回でやっと傷口がふさがった。

(俺を追ってくるだろうか…ドーガ)
ふと、思い出す。…まさか、剣を素手で受け止められるとは思わなかった。ライトブリンガーには紫の血液が付着している。
クリスタルの力を決して悪用してはならないとはよく言われた。ドーガは道を踏み外した自分を、殺すのだろうか。
おそらくは…そうだろう。次も逃げられるとは限らない。遭遇しないように気をつけなくては。

空の色が変わり始めている。日没が近い。とりあえずマントを手ごろな木に引掛ける、気温の下がる前に乾かさなくては。
…夜が明けるまでは、ここでじっとしていよう。ここなら身も隠せる、下手に動くよりは安全だろう。

【ギルダー(MP大幅消費・疲労) 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×3・ミスリルボウ
 現在位置:アリアハン東山脈中央部の森 行動方針:夜明けまでは身を隠し休息 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】
(*位置は川付近なので、ラグナ達とは大分ずれてると思われます)
482爆発と影と1/3:04/11/20 14:25:08 ID:u+r3TbGR
ふわりと橋のすぐ傍に着地する竜騎士フライヤはボーっと空を見ていた。
(―わしは…このゲームで生き残ることが出来るのじゃろうか?)
ふと、袋の中に入っていた剣と形を持たない盾のようなものを見て思う。
このゲームに勝つには人を殺して最後まで生き残らねばならない。
それが敵なら容易に出来ただろう、ただこの中には仲間が居る。
彼らを殺すことは出来るだろうか?いやできない……。
「一体…どうすれば良いのじゃ…」
すると、彼女の後ろあたりで爆発が起こった。それと同時に走り去る一つの影。
…彼女はとりあえず爆発のあった方向へ向かった。途中、紫の血を流した人間とすれ違ったが、それよりも爆発のあった先へ向かった。

「おい!御主等!大丈夫か?!」
フライヤは白いローブを纏った女性と、緑のフードを被った青年の元へ走った。
青年は刀を構えていたが、剣が転がる音を聞くと、刀の構えを解く。
「あ、あの…すみませんが、少しの間だけ廻りを見ておいてくれませんか?」
女性がそういった、どうやら暗闇に包まれているようだ。
ゆっくりとゆっくりと、魔法を唱えていく…すると三人を明るい光が包んだ…。
「ふぅ…魔力に制御が掛ってるみたいですね、少し手間取ってしまいました」
483爆発と影と2/3:04/11/20 14:26:43 ID:u+r3TbGR
女性は落ち着いた表情でフライヤに言った。すると、青年が今度はフライヤに問いつめた。
「あ、あの…有難うございます。
 ところで…金髪の王子様っぽい人とか、綺麗な女の人とか、頭巾を被った女の子…見ませんでした?」
首を横に振りながら答えるフライヤ。その声は少し暗かった。
「いや…わしが見たのは赤いローブを纏った老人だけじゃった。
 それにわしは何もやっておらんぞ?」
その答えに青年と女性は顔を一瞬落とす。だが、女性は次にふっと顔を起こす。
あの剣を受け止めたのはこの人じゃない、赤いローブ?老人?…じゃあさっきのは…?
「すみません、その方はどちらへ向かいました?」
女性がフライヤに問う、するとフライヤは川の方を指差す。
「ところで…もしよかったらわしも連れて行ってくれんか?
 一人より三人のほうがいろいろと得もあるじゃろうし…」
弱気に呟くフライヤだが青年と女性はニコリと微笑み手を差し向けてくれた。
「もちろん!二人だと結構心細いし、大歓迎さ!
 僕はフィン、宜しく!」
「え、と…援護しか出来せんが……宜しく御願いします、アルカートと言います」
フィンは意気揚々とアルカートはぺこりと一礼で、フライヤを快く受け入れた。
ほっと安心したフライヤは、二人にこう言った。
「わしはフライヤ…ところで御主等、あの老人を追うのではないのか?」
あっ、と言われて気づくアルカート、そして、指差された方向へ走っていった。
フィンとフライヤは顔を見合わせ、走り去るアルカートを追った。
484爆発と影と3/3:04/11/20 14:27:28 ID:u+r3TbGR
【フライヤ 所持品:アイスソード えふえふ(FF5)
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原
 第一行動方針:アルカート達と行動を共にする
 第二行動方針:仲間に会う】
【アルカート 所持品:ナッツンスーツ グラディウス 白マテリア(ホーリー)
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原
 第一行動方針:ドーガを追う
 第二行動方針:ジオを探す
 第三行動方針:白い球体について研究する】
【フィン 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可) 現在位置:同上
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原
 第一行動方針:アルカートを追う
 第二行動方針:仲間を探す】

【ドーガ(負傷)
 現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原>大陸中央の川へ
 所持品:不明
 行動方針:ギルダーを追う】
485遺される言葉 1/3:04/11/20 19:49:05 ID:fAm02ed1
(――どうしてなんだ?)
俺の思考は声にならず、代わりに横にいたマッシュとアイラが叫ぶ。
「マリベル!!?」
数時間前に出会ったばかりの、先ほどまで元気でいたはずの少女が、俺たちの目の前に倒れていた。
竪琴と鞭を抱えるように、赤い水溜りの上で。

(どうして……彼女がここにいる?)
そんな疑問に答えるかのように、マリベルが弱々しく言葉を紡ぐ。
「なんだ、無事だったの。絶対ピンチになってると思ってたのに。
 おまけにアイラまで一緒にいるなんて、心配して損したわ……」
それで、わかった。
ろくな武器を持っていない自分たちを案じて、彼女はここまでやってきたのだと。
そして誰がやったのかは聞くまでもなかった。
彼女の身体を抉る幾本もの矢が、何よりも雄弁に物語っている。アーヴァイン以外にいるはずがない。

「あーあ。柄にもないこと、するもんじゃないわね。
 人のこと心配して、自分がやられて、荷物まで取られてれば世話ないわ……
 あ、でもね。あんたの友達の武器は、何とか取られずにすんだのよ」
そう言って、マリベルはそれを差し出した。セイブ・ザ・クイーン。ここにはいない、キスティスの鞭。
「……ありがとう」
俺はそう答えた。というより、そう言うしかできなかった。
もし、キスティス本人がここにいたら、もっと気の効いた言葉を返してやれただろうか。
「もう、素っ気無いわね」
マリベルは不満げに口を尖らせ、急に激しく咳き込んだ。
表情は苦痛に歪み、食いしばった歯から呻き声がもれる。
「しっかりして! 今、回復するから」
アイラがマリベルに手をかざし、呪文を唱えた。
だが、灯った治癒の光は弱々しく、流れる血をわずかに止めただけで消えてしまう。
「そんな……」
呆然とするアイラを、焦点の合わぬ瞳が見つめた。
486遺される言葉 2/3:04/11/20 19:52:12 ID:fAm02ed1
「あたしのことはいいから、早く、三人でラグナさんたちのところ、戻りなさいよ。
 アイラ、あたしと同じぐらい強いし、きっとエーコもイクサスも、歓迎するわよ」
「馬鹿なこと言うな! 置いて行けるわけないだろうが!」
マッシュが怒鳴る。マリベルは――恐らく肩をすくめようとしたのだろう――わずかに腕を動かした。
「甘いわね。そんなんだから、心配になるのよ……
 ま、本当に置いていったら、一生、恨んでやったけどね」
わがままな台詞も、この状況では痛々しいだけだ。
それが耐え切れなかった。
「マリベル、もう……」
言葉は喉で詰まってしまう。それでも彼女は察したのだろう。
「喋るな、なんて言わないでよ。喋ってた方が、落ち着くの……」
彼女は再び咳をした。口元を抑えた手が、赤く染まる。
それでも彼女は言葉を紡ぎ続ける。死から足掻くためというより、意思を伝えるために。
「ねぇ、スコール、マッシュ。
どんな理由があったって、仲間同士で戦うなんて、やっぱりバカげてるわ。
そんな覚悟や、余裕があるなら、この首輪外す方法、見つけなさいよね。
きっと、誰だって、望んで殺してるわけじゃ、ないんだから」
マリベルはティナの死を知らない。だからこそ言えたのかもしれない。
けれど――
(なんでそんな風に言えるんだ?
 わかってるのか。あんたをそんな目に合わせたのは、俺の……!)
――そう叫びたかった。
だが、俺の口から出たのは、正反対の言葉だった。
「ああ……そうだな」
「あら、やけに物分りいいわね。明日あたり、雨、降ったりして」
逃れられない死の影を覆い隠すように、彼女は微笑みを浮かべた。
苦痛を知らせぬための意地なのか、本心から来るものだったのかは、永遠にわからない。
「あーあ。何だか、疲れちゃったわ……
 殺し合いとか、戦いとか……もう、うんざりよ……」
マリベルは小さく息を吐き、静かに目を閉じた。

彼女はもう、何も喋らなかった。瞼を開くこともなかった。
487遺される言葉 2/3:04/11/20 19:54:20 ID:fAm02ed1
【スコール 所持品:天空の兜、貴族の服、オリハルコン(FF3) 、ちょこザイナ&ちょこソナー、セイブ・ザ・クイーン(FF8)
【マッシュ 所持品:ナイトオブタマネギ(レベル3)、モップ(FF7)、ティナの魔石
【アイラ 所持品:ロトの剣、炎のリング、アポロンのハープ
 第一行動方針:ラグナ達と合流 第二行動方針:ゲームを止める
 現在位置:アリアハン東山岳地帯、森と祠の中間地点】

【アーヴァイン 状態:HP4/5程度
 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ  グレートソード ミスリルの小手 食料+ランプ等(マリベルから回収)
  行動方針:ゲームに乗る
  現在位置:アリアハン東山岳地帯中央部→移動】

【マリベル 死亡】
【残り 107人】
488名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/20 20:09:38 ID:1s33VCOT
皆乙
489名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/20 22:23:13 ID:87XfiOrK
っていうか運営スレどこ?
490名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/20 22:25:32 ID:KDc7ODJS
>>488-489
【3rd】FFDQ裏方雑談スレ【番外編】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1099452738/
491ゲームの被害者 1/5:04/11/20 22:43:40 ID:KDc7ODJS

「操りの輪…!?」
ロックは呆然とそれを見つめる。――操りの輪。
そのサークレットは、かつてティナを追い詰めていたものに違いなかった。
そして今、それをにつけている女性がゾッとするような笑みを浮かべ――こちらに向かってくる!
「ま、待て!アンタは…うわっ!」
おそらくは操りの輪の影響下にある女性。説得しようと静止の声をかけるロックだが、もちろんそう簡単にいくはずもなく。
全力で振り下ろされる剣を受けることしかできない。剣が重なる音が何度も響く。
(まずい、何とかして輪を壊すか、この人を気絶させるか…
 つってもこの剣で輪を攻撃すれば、頭が砕けるだろ…どうする…?)
剣を受けながら思案するロックは、そのまま女性から一瞬だけ視線を外し、はっとした。
いつの間にか、女性の背後にフリオニールがまわりこんでいた。その手にはしっかりと銅の剣が握られている。
――そうだ、フリオニールは操りの輪のことなんか知らない、当然の行動だ。でも、殺すのは――!
「フリオニール、やめろ!!この人は――」
「ロックさん!?どうし…」
叫ぶロック、それを聞いてぴたりと動きを止めるフリオニール。
同時に、ソロが勢いよくドアを開き、ビアンカが開いた部屋へ二人をすりぬけて入っていった。

「…ビ、ビアンカさん!?」
ベッドに座っていたヘンリーは、突然の侵入者の姿を見て驚きの声を上げた。
そんな彼にビアンカは変わらぬ笑みで迫り――剣を振り上げる。
今の彼女にとっては家族以外のすべてのものが殺害対象であり、ヘンリーも例外ではないのだ。
そして、ヘンリーが目を見開くよりも早く、ファイアビュートが――
――キィン!
間一髪というタイミングで弾かれた。ビアンカは驚いたように振り返り、静かに剣を構えるソロに向き直る。
492ゲームの被害者 2/5:04/11/20 22:45:00 ID:KDc7ODJS
「ヘンリーさん…知り合い、なんですか?」
じりじりと対峙したままソロが問うが、ヘンリーは答えない。
ただ、信じられないといった様子で呆然とビアンカを見つめている。
「…ビアンカさん…?」
「違う、その人の意思じゃない!頭の輪を壊すんだ!」
ロックがソロの後ろから叫ぶ。
「輪…?」
ソロが呟き、それを見た。操りの輪はビアンカの頭の上で怪しく輝いている。
なるほど、そういうことか。ソロもヘンリーも理由は納得する。でも、問題は…

ビアンカはにやりと笑い、目の前のソロに斬りかかった。ソロがそれを受け止める。
先程のロックと同じだ。止める方法がわかったからといって簡単にはいかない。
「壊すっていっても、どうやって」
「!」
ヘンリーが言い終わらないうちに、ビアンカは目を見開いた。
ソロの後ろから凄い勢いで、フリオニールが飛び出してきて――
フリオニールは、今度はロックが止める間もなくビアンカに銅の剣を振るった。輪の部分を機械的に、正確に狙って。
ピシィ、と、硝子にひびの入るような音がした。
「――――きゃああああ!!!!!」
ビアンカが額を抑えて悲鳴を上げる。彼女の額に、細くて長い形の…ある意味では美しい傷が入っていた。
血が流れ出したがしかし、傷は浅い。その悲鳴の原因は痛みではなく――
――ビアンカの心は一瞬の間、別の意識へと飛んでいた。
493ゲームの被害者 3/5:04/11/20 22:45:57 ID:KDc7ODJS

『――このままでは、貴女の家族を殺す敵を、殺すための貴女が、殺される…』

 ――何?どういうこと?

『今は逃げろ、逃げないと殺される』

 ――私が、殺される?

『忘れてはいけない。貴女が死んだその時が、貴女の家族が殺される時だということを』

 ――そう!私が殺されたら、リュカが、レックスが、タバサが、殺される!

『逃げろ、私が壊される前に、早く!』


「いやああああああああっっ!!!!」
ビアンカはありったけの声で絶叫すると、ファイアビュートを滅茶苦茶に振り回した。
予想していなかった行動に、ソロとロックはあわてて避け、フリオニールはふりはらわれたかのように離れる。
ビアンカはそのまま、頭を、ひびの入った操りの輪を抑えながら外に向かって駆け出した。
いちはやくそれを確認したソロが、それでも少々遅れて飛び出す。
――宿屋前から見た範囲では…既にいない。どちらの方角にいったのかもわからないが、
…やはり、追うべきだろうか?ヘンリーさんの友人が、何か特殊な物によって錯乱しているんだ…。

「何で待たなかったんだ!!」
考えるソロの耳に、唐突にヘンリーの怒声が届いた。
ソロは眉を潜める。…ビアンカを追うことはひとまず中止し、あわてて宿屋に戻った。
494ゲームの被害者 4/5:04/11/20 22:46:55 ID:KDc7ODJS

「あんな方法、思いついてもやるか!?人の命をなんだと思ってんだ!!」
怒りの表情を浮かべたヘンリーが、フリオニールの胸倉を掴んで叫ぶ。
しかし、当のフリオニールは眉ひとつ動かさず、されるがままに怒声を浴びている。――しかし。
「ビアンカさんは俺の親友の、大切な妻なんだ!もし…もし、死んだら、どうしてくれるつもりだった!!」
「……死んだら?」
"死ぬ"という言葉に、ぴくりとフリオニールの身体が動いた。ヘンリーは構わずに続ける。
「…怪我ですんだのがおかしいぐらいだ!下手したら死んでた!お前がビアンカさんを殺してた!!」
「………ッ!」
フリオニールは今度こそ目を見開いた。そのまま、ヘンリーから逃げるようにうつむいて――
視界に、紅いものが映った。床に落ちたビアンカの血。

どくん。
心臓が大きな音を立てた。同時に、わけのわからない感情が栓を抜いたように湧きあがってきた。
…死ぬ?殺す?なんで、俺はこんなことを。なんで、俺はこんなところに。血が、紅い血が、ああ、嫌だ――――マリア。

「…い、やだあああああっ!!!!」

「!?うわっ!」
「ヘンリーさん!?」
フリオニールはありったけの力で、ヘンリーを突き飛ばした。
怪我を負っているヘンリーはそのまま壁にぶつかり、ううと呻きながら頭を振る。
「――おい、フリオニール!?」
ロックが、はぁはぁと荒い呼吸をしながら立ちつくすフリオニールに声をかけた。
フリオニールはロックを怯えたような目で一度だけ見ると――すぐに駆け出した。ビアンカと同じように。
「おい!待て!!」
ロックはあわててその後を追った。
495ゲームの被害者 5/5:04/11/20 22:47:53 ID:KDc7ODJS
「ヘンリーさん、大丈夫ですか!?」
たった今出て行ったばかりのフリオニールとロックを気にしながらも――ソロは、ヘンリーに駆け寄る。
「…このぐらい余裕だって…」
ヘンリーは頭を掻きながら起き上がった。その顔からはまだ怒りが抜けていない。しかし、
「…悪いな、俺のせいだ…」
ぽつりと言った。俺のせいで二人ともいなくなってしまったと。
ソロはそんなヘンリーに何も言えず、うつむくしかなかった。
…ヘンリーは悪くない。でも、だからフリオニールが悪いかというと、それも違うように思えた。
ソロは、自分の無力さと、このゲームに対する憎しみを感じ、唇を噛む。
ロックさん、フリオニールさん、ビアンカさん、
それに…仲間達は、シンシアは、この最悪なゲームの中で無事でいるんだろうか。
いや、少なくとも…このゲームに放り込まれた時点で、無事ではないのかもしれない。みんな、被害者だ。
ふと外を見てみるが、開いたままのドアからはただかすかな風が入ってくるだった。

【ソロ(MP消費・疲労) 所持品:さざなみの剣 天空の盾 水のリング 行動方針:ヘンリーに付き添う】
【ヘンリー(負傷) 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 行動方針:傷の治療】
 現在位置:レーベの村宿屋1F

【フリオニール(感情喪失?) 所持品:銅の剣 現在位置:レーベ村の外へ 行動方針:逃げる(錯乱状態)】
【ロック 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 現在位置:同上 行動方針:フリオニールを追う】

【ビアンカ(暴走状態:操りの輪を破壊すれば状態回復は可能) 所持品:操りの輪(半壊) ファイアビュート
 現在位置:レーベの村から脱出 第一行動方針:逃げる 基本行動方針:リュカ、子供達以外の全員を殺害】
496修正:04/11/21 08:11:13 ID:rGPCTz4O
>>491の本文修正です※

「操りの輪…!?」
ロックは呆然とそれを見つめる。――操りの輪。
そのサークレットは、かつてティナを追い詰めていたものに違いなかった。
そして今、それをにつけている女性がゾッとするような笑みを浮かべ――こちらに向かってくる!
「ま、待て!アンタは…うわっ!」
おそらくは操りの輪の影響下にある女性。説得しようと静止の声をかけるロックだが、もちろんそう簡単にいくはずもなく。
正確に自分を狙い、迫る鞭を剣で受け流すことしかできない。
(まずい、何とかして輪を壊すか、この人を気絶させるか…
 つってもこの剣で輪を攻撃すれば、頭が砕けるだろ…どうする…?)
対峙しながら思案するロックは、そのまま女性から一瞬だけ視線を外し、はっとした。
いつの間にか、女性の背後にフリオニールがまわりこんでいた。その手にはしっかりと銅の剣が握られている。
――そうだ、フリオニールは操りの輪のことなんか知らない、当然の行動だ。でも、殺すのは――!
「フリオニール、やめろ!!この人は――」
「ロックさん!?どうし…」
叫ぶロック、それを聞いてぴたりと動きを止めるフリオニール。
同時に、ソロが勢いよくドアを開き、ビアンカが開いた部屋へ二人をすりぬけて入っていった。

「…ビ、ビアンカさん!?」
ベッドに座っていたヘンリーは、突然の侵入者の姿を見て驚きの声を上げた。
そんな彼にビアンカは変わらぬ笑みで迫る――鞭をふるう。
今の彼女にとっては家族以外のすべてのものが殺害対象であり、ヘンリーも例外ではないのだ。
そして、ヘンリーが目を見開くよりも早く、ファイアビュートが――
――ピシィッ!
間一髪というタイミングで阻まれた。ビアンカは驚いたように振り返り、静かに剣を構えるソロに向き直る。
497修正:04/11/21 08:12:45 ID:rGPCTz4O
>>492の本文修正です※

「ヘンリーさん…知り合い、なんですか?」
じりじりと対峙したままソロが問うが、ヘンリーは答えない。
ただ、信じられないといった様子で呆然とビアンカを見つめている。
「…ビアンカさん…?」
「違う、その人の意思じゃない!頭の輪を壊すんだ!」
ロックがソロの後ろから叫ぶ。
「輪…?」
ソロが呟き、それを見た。操りの輪はビアンカの頭の上で怪しく輝いている。
なるほど、そういうことか。ソロもヘンリーも理由は納得する。でも、問題は…

ビアンカはにやりと笑い、目の前のソロに鞭をふるう。ソロが天空の盾でそれを受ける。
先程のロックと同じだ。止める方法がわかったからといって簡単にはいかない。
「壊すっていっても、どうやって」
「!」
ヘンリーが言い終わらないうちに、ビアンカは目を見開いた。
ソロの後ろから凄い勢いで、フリオニールが飛び出してきて――
フリオニールは、今度はロックが止める間もなくビアンカに銅の剣を振るった。輪の部分を機械的に、正確に狙って。
ピシィ、と、硝子にひびの入るような音がした。
「――――きゃああああ!!!!!」
ビアンカが額を抑えて悲鳴を上げる。彼女の額に、細くて長い形の…ある意味では美しい傷が入っていた。
血が流れ出したがしかし、傷は浅い。その悲鳴の原因は痛みではなく――
――ビアンカの心は一瞬の間、別の意識へと飛んでいた。


■これ以降は同じです。申し訳ありませんでした。
498日没:04/11/22 13:58:25 ID:pLJ4ZYaV
アリアハンの大地が夕日に照らされる。
アルスとシドはその大地の上で、地平線に近づいていく夕日を見つめていた。
「絶景だな」
「綺麗だろ?僕の故郷だからね」
濁りの無い海は、赤い光を受けてキラキラと輝く。
ここが殺し合いの会場だという現実を忘れてしまいそうなほどに、綺麗だった。



「暗くなってきたわね…」
セリスが窓の外を見てつぶやく。
彼女の目の前には、ベットに座って紅茶を飲む少年――パウロがいた。
セリスのつぶやきに、パウロはカップを置いて身を震わせる。
「あら、どうしたの?」
「…いいえ…夜は、怖いなと思って…」
セリスは、その理由に苦笑しながら答える。
「確かに…そうね」
そうして、また窓の外へと視線を動かす。
(一体、これまでにどれだけの人が死んだのか…? ロック…貴方は無事でいる?)
窓から見える夜空には、ぽつぽつと星が見えはじめていた。
今この部屋で耳に届くものは、パウロが紅茶をすする音だけ。
静かだ、とセリスは思った。――しかし。

ドオオォォォォン――――――――!!!!

突如、大地の裂けるような轟音が響いた。空気が、大地が大きく震動する。
パウロは突然の揺れに悲鳴を上げ、紅茶の入ったカップを床に落として割ってしまう。
ドサドサと音を立てて棚から本が滑り落ち、ぎしぎしとベットが大きな音を上げた。
セリスは必死で自分の身体を支える。――この地震は、いや、地震にしては何かがおかしい?
彼女がそう、思うと同時に――あの、魔女の声がアリアハンの大地に降り注いだ。
499日没:04/11/22 13:59:09 ID:pLJ4ZYaV
星の見えなくなった、闇のような空が裂ける。
そこにぼんやりと映し出される姿――ゲームの主催者、魔女アルティミシア。

「生贄共よ…最初の日はどうであったか?」

地獄の底まで響くような声。
聞くだけで絶望を感じさせられるようなそれは、大陸のどこにいたとしても否応なしに耳に入るだろう。

「この地で魂を無くした、ゲームの脱落者達の名を知らせておく。
 一度しか言わぬぞ…貴様らの下らぬ友情を交わした人間の名が無いか、心して聞け。

 「ブライ」「カンダタ」「アモス」「ローラ」「イル」
 「クルル」「キノック老師」「ビッケ」「ガーネット」「ピピン」
 「トルネコ」「ゲマ」「バレット」「ミンウ」「アーロン」
 「竜王」「宝条」「ローザ」「サンチョ」「ジークフリート」
 「ムース」「シャドウ」「リヴァイアサンに瞬殺された奴」「リチャード」「ティナ」
 「ガーランド」「セシル」「マチュア」「ジオ」「エアリス」
 「マリベル」

 三十一名…予想以上に良いペースだな。その調子で裏切りと殺戮を繰り返すが良い。
 脱落者の名は、これから日が落ちる時と上る時…一日二回読み上げる。

 …それから、下らぬ馴れ合いをしている者がいるようなので忠告しておこう。
 隣にいる者を殺さなくては、いずれ殺される事になるということを…忘れぬようにな。
 …期待しておこう。次の放送時間には、貴様の殺めた者の名を読み上げられる事をな…」

アルティミシアは、微かに不気味な笑い声を上げた。
空気の振動が収まり、闇に覆われていた空に星が戻り始めてからも…暫くの間、笑い声だけが微かに大陸に響いていた。


【アリアハン大陸:昼→夜へ】
500騎士の誇り1/5:04/11/22 16:58:30 ID:+nMvFBO2
アレフとわたぼうは、その洞窟から出ることをまず第一前提にした。
アレフのレミーラで洞窟の中はサクサクと探索することが出来た。
「…リレミトを使うことが出来れば良いのだが……どうも効き目がないようだ」
先ほどからレミーラとは違う呪文を口にしていたアレフがそう言う。リレミトが効かないと分かった彼は長年の冒険の勘から階段をスムーズに見つけていった。

一階にやっとついたときだった、わたぼうと二手に分かれ入り口を探していた。
アレフの視界になにやら人影が見えるのだ。レミーラの先をその人影に当てると…。
「うわぁっ!」
パイナップル頭の少女がアレフの視界に映る。その少女は光を向けられた後、ナイフを構えて此方を睨みつけている。
(――まずいな…完全に警戒されてるぜ?)
アレフは…彼女はどうすれば警戒を解いてくれるか?まずそれを考えていた。
(―剣を捨てる…これが一番だが襲い掛かられたらとんでもない。
 両手を上げる…これも良いが相手には微妙に分からない。
 一か罰か、剣を捨ててみるか。)
すると、カランコロンという音と共に、シルバーメタルの光沢が目立つ剣が地に転がる。
彼女は一瞬訝しげに剣を見たが、まだ警戒を解いてくれない。
「おーい、こっちに戦う気はないから。罪もない人斬るなんてサラサラ御免だぜ?」
アレフがゆっくりと両手を掲げて前へ出る、それを見て少女もやっと構えを解く。
「よかったぁ、アタシ速攻で襲われちゃうかと思ってたもん」
少女は気さくにアレフに話し掛けてくる、引き締まっていた空気が急に緩む。
「そうそう、良かったら一緒に行動しない?一人より二人だし、そいでチョイチョイっとあのオバハンをやっつけちゃおうよ!」
アレフは頭をポリポリと掻いた後、名前ともう一つの名前を言った。
「俺は…アレフ、それと………おーい!わたぼーう!!」
洞窟に声が響く、響く声と共にわたぼうが出てくる。
「アレフ!階段が見つか…ってこの人は?」
いきなり現れた謎の物体に、再度警戒の構えを取る少女、しまったという表情を隠せないアレフ。
また説明かよ…説明は苦手なんだぜ?と頭の中だけにその言葉をしまいこみ、少女にわたぼうの説明をした。
501剣士の誇り2/5:04/11/22 16:59:17 ID:+nMvFBO2
理解してもらえるのに、数十分掛った。
「――オッケー、そうそうアタシはリュック。伝説のガード…って言っても分からないか。
 とりあえず、すんごい役割やってたんだ」
どこがどう凄いのか、世界の違う一人と一匹には理解しようがない。
「わたぼうはさっき説明したとうり、タイジュって国の精霊。
 俺はラタドームのローラ姫に仕える剣士、アレフ」
と、さらりと自己紹介を済ませる二人と一匹。
「で?わたぼう、出口…いや入り口はどっちだって?」
わたぼうは頷くと、二人を誘導し始めた。

入り口に差し掛かったときぐらいだった。
ズッドドドドドドドドォォォン!!
ものすごい地響き、洞窟内が強烈に揺れる。
「俺に掴まれ!転がってくる岩は何とかする!」
アレフが叫ぶ、リュックとわたぼうが咄嗟にアレフにしがみつく。
転がってくる小さな小石や岩を、両足が動かない状況でも華麗に後ろへ流していくのは流石というべきだろう。
地震が収まった、もしかするとこれは…二人と一匹は外へと急いで駆けた。
「生贄共よ…最初の日はどうであったか?」
魔女の声がする、リュックはその放送を拳に力を入れ、アレフは歯をギリリ鳴らし聞く。
502剣士の誇り3/5:04/11/22 17:00:19 ID:+nMvFBO2
…放送のあとに、一律の沈黙が訪れる。二人も、一匹も、悲しい表情で下を俯いたままだった。
最初に口を開いたのは、リュックだった。
「アーロン…あんな強かったアーロンが…」
それに続いて、わたぼうも口を開く。
「イル…いいマスターだったのに…どうして…」
しかし、二人は呟いたあとに気がついた、アレフが、涙を流していることを。
何も語らなかったが、今の放送にはローラという名前が有った…使えるべき姫を失ったのだ。
「なぁ………わたぼう、リュック。
 俺は…剣士失格だな」
唐突に、アレフが口を開く。それは悲劇の始まりだった。
えっ?と二人がアレフに顔を向けたときだった。
ズブリ、と肉の切れる嫌な音がする。アレフが、自ら剣で心臓を突き刺していたのだ。
「バ、バカッ!何やってんの!!」
リュックがその剣を引き抜こうとするが、アレフの力はそれを上回っている。
ゲホッ、ゲホッと血を吐きながらアレフは二人へ向けた。最後のメッセージを。
「…仕えるべき人は……此処には居ない…ゲホッ…なら居るところ……まで俺がついていく。
 それだけの……話さ、何も泣くこたぁ…ねぇ……ぜ……ガハッ!」
黒い血塊がアレフの足元に落ちる。リュックもわたぼうも、剣を引き抜こうとするがやはり抜けない。
剣からも、綺麗な赤色の液体が、滴り落ちていた。
「そうだ…俺の袋にあった……謎のこの玉、だれか使える人を…探してくれないか?……ガハッ…ああ、やべぇ……そろそろ行くわ、俺」
じゃあな、と小さく言い残し。瞼を閉じた。
503剣士の誇り4/5:04/11/22 17:02:13 ID:+nMvFBO2
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
リュックは叫んだ、目の前の人物が死んだことに対し。
わたぼうは涙を流した、自分が、何も出来なかったことに対し。
その悲痛な叫びは、洞窟の奥深くまで…響いた。何度も、何度も。だが、アレフは帰ってこない。
彼は姫の元へ逝くと言う、最後の道を選んだのだ。彼は天国で、きっとローラに仕えローラを守るのだろう。
そう考えると、余計に涙が流れた。

アレフが死んでから数十分立つ、簡単な埋葬が終わったとはいえ、やはり重い悲しみが残る。
ふと、リュックは気がついた、アレフが最後に握っていた玉。アレはドレススフィア?
知らずの内に握っていたそれを使い、彼女はドレスチェンジを始めた。
そのドレススフィアは…見たことも無い…未知の服。ただ伝わるのは聖なる剣士のオーラと力、アレフにそっくりの。
リュックはアレフのことを思い出し…そして、もう一度泣いた。
アレフの持っていた剣が、輝いていたような気がしたのは、気のせいだったのだろうか。
504剣士の誇り5/5:04/11/22 17:04:25 ID:+nMvFBO2
【リュック(ドレス:パラディン) 現在位置:いざないの洞窟入り口  所持品:バリアントナイフ マジカルスカート クリスタルの小手 刃の鎧 メタルキングの剣 ドレススフィア(パラディン)
 わたぼう 現在地:同上 所持品:星降る腕輪 アンブレラ
 第一行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す
 最終行動方針:アルティミシアを倒す】
#リュックはロトの剣を扱うことが可能?(次回書き手に委任

【アレフ 死亡 残り106人】
505恐怖と暴走 1/3:04/11/22 18:59:37 ID:PmqPdLsY
魔女の放送が始まったとき、ティファの足は自然に止まった。
勿論世界の振動によってまともに走れなくなったというのもあるが、
それ以上に、確実に聞き届けようという彼女の意思が足を止めたのだ。

死者の名が、抑揚無く読み上げられていく。
その一つ一つが命を与えられこの世界に生まれてきた証だ、などと、考えていないかのように。
『…バレット』
他の名前と何の変わりもなくただ読み上げたその名前が、ティファの心を揺さ振る。
「バレット…」
バレットが殺された…?
殺した人は誰…?
許さない。許せない。許せる訳が…

『…エアリス』
最後のほうに呼ばれたその名前は、ティファの心を揺さ振るだけでは済まなかった。
全ての思考が停止し、あるいは心臓が止まったのではないかと思えるほど、その瞬間は空虚で。
ゆっくりと身体が活動を再開したとき、彼女の思考は既に答えを導き出していた。
さっき、私が、殺したんだ…
私ガ…

彼女の心を包み込んだのは、罪悪感でも後悔でもなかった。
――恐怖。
嘗ての仲間を自分の手で殺してもなお、彼女にとっての一番はクラウドで。

どうしよう。
クラウドは、私を許さない…
私がエアリスを殺したから…
――クラウドがこれを知ったら?
――ソンナ事ハ絶対ニ嫌ダ!!
506恐怖と暴走 2/3:04/11/22 19:00:50 ID:PmqPdLsY

私から話さなければ、クラウドは気づくはずがない…
でも、あの金髪の人と蒼い髪の女の子は、私が殺したって知ってる。
…じゃぁ、どうすればいい?

――彼ラヲ殺セバイイ。

一瞬にして辿り着いたその選択肢は、彼女に他の選択をさせることを許さなかった。
次の瞬間、視界の隅に蒼い髪が映ったから。
別の方向に逃げたはずのその姿が、在ったから。
日没直後の薄暗さの中でも、それが誰かは直ぐにわかった。
もう、躊躇いを捨てた。
クラウドに嫌われたくないから。
そしてゆっくりと銃を構えた。

(また殺すの…?)
刹那、頭の中で誰かが呟いた。
知ってる。この声は、さっきと同じ。
エアリスの声で。
(もう誰も殺さないで)
イヤダ。クラウドガ知ッタラ私ハ終ワリダカラ。
イヤダ。イヤダ。イヤダ…

引き金に、手を掛けた。
目の前に、幻のエアリスが立っていて。
それでも、躊躇うことは無くて。

――銃声が森に木霊した。
幻のエアリスの胸をもう一度貫いた弾丸は、蒼い髪の少女の耳元を、掠めた。
507恐怖と暴走 3/3:04/11/22 19:02:08 ID:PmqPdLsY
…何故、当たらなかったのだろう。
…いや、当てられなかったのか。
一瞬考えたティファの耳に、少女の悲鳴が飛び込んできた。

この距離を走って、血は見えなくなって、地震が起きた衝撃で、やっと自我が戻ったというのに。
すぐに、エアリスを殺した『音』が聞こえて。
何か熱いものが、耳元を掠めて。
「いやぁぁぁっ!!」
ターニアは、思わず、叫んでいた。

「ごめんなさいね…本当は殺したくないんだけど」
ティファが、銃を構えながら言う。
腰が抜けたように座り込んで、呆然とした視線をティファに送るターニア。
それならば何故殺すの?と問うようなその視線から、ティファは目をそらす。
ゲームに乗ったわけじゃない。ただ、恐ろしかったのだ。
――クラウドとの関係が壊れるのが。
ティファは銃口をターニアに向けながら、ゆっくりと言った。
「あなたを殺さなくちゃいけない理由を話すから聞いて欲しいの…」
何故そう言ったのかわからない。
ただ自分の罪悪感から逃げたかったのか。
それともこの子から、止める様に説得してもらいたかったのか。
傍から見ればあまりに理不尽な理由だろう。
でも、ティファは話し始めた。
ゆっくりと…
「私の幼馴染に、クラウドって言う人がいて…」

【ターニア 所持品:微笑みの杖 行動方針:逃げたい 現在位置:レーベ東の森中央付近】

【ティファ 所持品:コルトガバメント(予備弾倉×5)、エアナイフ
 行動方針:自分が殺すのを正当化するために、話す 現在位置:同上】
508銃声 1/2:04/11/22 19:21:43 ID:fQ05pNSX
「お姉ちゃん…」
放送を聞いたあと、ビビは空を見上げた。
「知り合いがいたのか」
ピサロは、全く口調を変えることなく、言った。
…ロザリーの名は無かったか。
それだけが未だ、彼を保っていた。
ブライやトルネコの死を聞いても、なんとも思わないか。
軽く自分を嘲笑う。
さすがに表情に出すことは無かったが。

「うん…さっき言ったよね…?ガーネットって人…」
ビビの声は、悲痛だった。
「あぁ」
ピサロはそれだけ言った。
身近なものを失う辛さなら、わかる。
それも、他の者に奪われて、だ。
そして、これに関してはビビも知らないだろうが、それが愛する者ならば尚更だ、と。

ビビが何やら泣く様な仕草をしている。
作られた存在でありながら、涙を流すことは出来るのか。
そういえばロザリーもよく泣いていた。
自分が人間に攻撃を加えたことを知ると、いつも…

――そう思っていたとき、何かの音が、森に響いた。
続いて、少女の悲鳴が。

509銃声 2/2:04/11/22 19:23:52 ID:fQ05pNSX
「ね、ねぇ!今の聞いた!?」
ビビが、興奮したように喚く。
「当たり前だ。聞こえないほうがおかしい」
「誰か襲われているんだと思う…助けに行かなくちゃ…」
ピサロの視線と、ビビの視線が合わさった。
「行くのなら勝手に行け。私は動けぬし、人間を助ける義理など無い」
素っ気無いその声にも、ビビは嬉しそうに返事をした。
「うん、助けに行くよ。あの悲鳴、絶対に悪い人のじゃないと思うから…。それで、一つだけ約束して欲しいの」
「何だ?」
「もし人が逃げて来ても、殺したりしないでね。それはきっと、ボクが守った人だから…」
「…いいだろう」
「元々は人を殺すために作られたボクだけど…人を助けることも出来るんだって…ジタンやガーネットが教えてくれたから…」
ビビの声は、純真だった。
「それにジタンなら、女の人が襲われてるのを黙って見てるなんて出来ないと思うから…」
ビビは、それが笑ったというのなら…目を細めて…笑った。
「じゃぁ行ってくるから…約束忘れないでね」
最後には声を掛けることも出来なかった。
ビビの尖がり帽子が森の奥に消え行くのを。ピサロは最後まで見送った。
――どうしてあんなに穢れなくいられるのか。
自分も柄にも無いことを考えるようになった、と再び嘲笑した。

【ピサロ 所持品:スプラッシャー、魔石バハムート(召喚可)、爆弾(爆発後消滅)
 行動方針:ある程度回復するまで待機】

【ビビ 所持品:不明 行動方針:銃声のした方へ様子を見に行く】

現在位置:レーベ東の森中央付近
510深き夜のアナリーゼ(1/5):04/11/22 21:31:15 ID:uWKvksJb
夕方になった。

夕焼けが綺麗だ、2人は心底そう思った。
殺し合いの場で持つには奇妙じゃないかとも思ったが…これが唯一の癒しのようにも思えた。

「そろそろ誰かいても良い頃だと思うんだけどねぇ…」
「…結局、誰にも会わなかったね……」

"裸マントの殺人鬼にでも会いたかったかい?"とセージは口にしそうだったが、やめた。
流石に傍らにいる少女にかける言葉としては不自然だ。
ローグになら言っただろう、確実に。そう思ってしまってセージは苦笑を浮かべた。
悪態をつく相手がいないのも寂しいなぁ…と、そう呟きながら目を閉じた。

それと同時に、彼の脳裏には思い出が蘇る。
しっかりしてるけど、確実にR-指定の道へとスライディングしそうなあの勇者。
いつも自分に悪態こそつくけど、楽しい話には事欠かなかったある盗賊。
思い出したくは無い過去はあるが……まぁ頼りになった僧侶。
仲間……なのかは知らないけれど、「勇者」の代名詞だろうと思えたある父親。
ついでに裸マント。名前は忘れた…ダンカタ……だったか。違う、カンダタだ。

そしてすぐさま考えを今の状況に戻し、自分を奮い立たせた。
そして、タバサもまたそうしている様だった。


それが、悪かった。
511深き夜のアナリーゼ(2/5):04/11/22 21:32:43 ID:uWKvksJb
ドオオォォォォン――――――――!!!!
突然地鳴りにも爆発音にも似た音が鳴り響いた。
そしてそのまま、この世の出来事とは思えぬほどの地震が起こる。

「ちょ…これはないんじゃない!?これで死んだらどうしろって言うんだよ!」
「お…ッお兄さん!!大丈…夫っ!?」
「あまり…こういう経験…ないからねっ!でも大丈夫!」
「…だ、だいぶ落ち着いてきたかも……」

ふと、不思議なまでにその地震は止んだ。
だが空は黒く裂けてゆく。セージは苦笑を、タバサはある種の恐怖を浮かべてそれを見ていた。



そして、名前が呼ばれていく。
死んだものの名が虚空に響く。
静かに…ただ静かに見ていたが、タバサの顔からは"恐怖"は消えていた。

"恐怖は"だが。


512深き夜のアナリーゼ(3/5):04/11/22 21:33:49 ID:uWKvksJb
「ピ…ピン……さん………」

彼女が住むお城には、ある兵士がいた。
王子や王女にも親しく接していた兵士がいた。
王達と共に旅をし、至福の表情を浮かべていた兵士がいた。

名を、"ピピン"といった。

知り合い…か。と、セージは心の中で呟いた。
傍らでは、タバサの焦点の合っていない様な…だが透き通っている目が空を見ていた。
放送が終わった後も、暫く空を見上げていた。

「……あのさ」
「大丈夫!」

セージが何か、慰めの言葉か何かを発そうとしたと同時にタバサの声が響いた。

「大丈夫。ここで挫けてたら…お兄さんに迷惑かかっちゃうし。
 それに、これからもきっと…こういう事があるんでしょ?
 その時に何回も何回も挫けてたら…会える人にも会えない、しね」

「……そうか、強いね」

本当に強い。セージはそう思った。
それと同時に、この子の為に必ず家族を見つけてあげようと…そう思った。

「おにいさん、早く安全そうな所に行こうよ。暗いから危なくなっちゃうよ?」
「ああ、そうしよう」

そう言って、二人はまた歩き始めた。
513深き夜のアナリーゼ(4/5):04/11/22 21:35:06 ID:uWKvksJb
「ん?もしかしてあれは…」

本当にほんの少し歩いていると、セージは建物を見つけた。
明かりが灯っていない。人が潜伏している可能性があるが、子どもを置いての野宿は危険だ。
その建物にお邪魔する事にし、2人は建物へと歩いていった。勿論警戒は解かずに。

建物の中には階段があった。地下へと下る暗い階段だった。
そしてその階段を下ると、扉があった。

開けようと試みる。鍵がかかっている。開かない。
タバサが困ったように押したり引いたりしていると、

「ちょっと下がって。こういう時は…"アバカム"」

カチッ!
鍵が開く音が聞こえた。
そして二人が部屋に入ると、何の気配も無かった。
きちんとドアを閉める。この間に尾行されて侵入されたわけでもない。

「……ビンゴだ」

そう言ってセージは灯りに火を灯すと、数人分ある椅子に座った。
タバサも続く。椅子に座ると、机に突っ伏すように上半身を倒した。

「トイレもバスルームもないっぽいけど…我慢してくれないかな?」
「私は大丈夫。でも、ラッキーだったね。」
「そうだね。とりあえず野宿にならずに住んだ。今日はここで夜を明かそう」

そう言うとセージはこの後の事を必死に考える事にした。
アナリーゼを行う音楽家のように、必死に危険から回避する方法を組み立てようとしていた。
514深き夜のアナリーゼ(5/5):04/11/22 21:36:18 ID:uWKvksJb
【セージ 所持品:ハリセン 
 現在位置:いざないの洞窟近くの祠内部の部屋 行動方針:部屋で夜を過ごす】

【タバサ 所持品:ストロスの杖・キノコ図鑑 現在位置:同上 行動方針:同上】
5151/5:04/11/22 21:51:30 ID:YuTBgmvG
三人――レナ、エリア、ギルバートは、存外早く意気投合することができた。
それは、「クリスタル」という共通の話題があったことが大きい。
話してみれば、それは明らかに違う世界のものであったが、
それでもこの状況で、絆を結ぶのには十分なものだった。

「ここにいても仕方ないわ。誰かと合流したいなら、危険はあるけど人の集まるところにいかないと」
レナが提案すると、にわかに元気を取り戻したギルバートが頷いた。
「そうだね、僕もそう思う。この近くなら、レーベの村だろうね」
「けっこう遠いですね…」
「なに、日没あたりにはつくさ」
そんな会話をしながら歩き出して、しばらくのことである――あの声が聞こえたのは。



あの忌々しい声はあたりから消えた。青年たちに暗い影を残して。
死者の名前が告げられたとき、最初に反応をおこしたのはレナであった。
手頃な岩に座って、綺麗な唇に手を添え、じっと耳を傾けていた彼女は、
「クルル」と呼ばれた瞬間目を見開きだんと立ち上がり、その変わりかけの空を見上げた。
次に反応を起こしたのは、ギルバートだった。
一見すると女性に見紛う端正な顔立ちの彼は、雪のように白い肌をますます青白く、
唇をがたがたと震わせただ一点を見つめていた。
その姿を見れば、唯一反応を示すことのなかったエリアにも、
彼らに何があったのかは容易に想像がつき、その心痛を察すれば、なんと声をかけてよいかもわからない。
………
5162/5 夕暮れの哀悼:04/11/22 21:53:40 ID:YuTBgmvG
放送の少し前のことである。

「水のクリスタル…」
エリアの口からその言葉が発せられたのに、レナは驚きを隠せなかった。
自分たちのいた世界とこの世界は、まったく別の次元のものに思っていたからである。
いや、実際のところはそれで正しいのだが、そのようなことがわかるはずもない。
「たしかに、私は水のクリスタルの加護を受けているわ。でも、どうしてそれが?」
「私は水の神殿の巫女です。わかります、心の中にあるその光は、クリスタルに選ばれた…」
「水の神殿?」
エリアの話を遮って、思わず聞き返した。
「水の神殿…そんなのあったかしら。風の神殿じゃないの?」
「風の神殿…?いえ、水の神殿ですよ」
レナは記憶を辿ってみたが、それらしきものは思い当たらない。
水のクリスタルがあったのはたしかウォルスの塔である。
そこのことだろうか?しかし、巫女がいるという話は聞いたことがなかった。
「ウォルスにあったよね、水のクリスタルは」
「ええ、ウォルス?そこどこですか」
「知らないんだ」
共通の話題を話しているはずなのに、話がまったく噛み合わない。
「あの…ちょっと、いいかな?」
申し訳なさそうにギルバートが口を挟んだ。
「水のクリスタルはミシディアにあるんじゃなかったかな?
 それに、クリスタルに選ばれた戦士っていったいなんのことだい?」
「ミシディア?」
「…もしかして、ううん、やっぱり…知らないのかい」
三人は顔を見合わせると、この奇妙な状況に押し黙った。
………
5173/5 夕暮れの哀悼:04/11/22 21:55:44 ID:YuTBgmvG
エリアはふっと息をついた。
「クリスタル」という象徴的なものを共有する人間に会えたと思ったのも束の間、
それはまったく別の世界のこと。それと同時に、深い感銘もうけた。
自分の元いた世界以外にもクリスタルが存在し、
同じようにクリスタルに選ばれた戦士がいるという事実、
その人と水の巫女たる自分が会えたことに、運命の力を感じたのだ。
現に、彼女――レナの中にクリスタルの輝きを感じたのだから。
しかし――今その戦士の一人が死んだとするならば…。
それもまた運命なのだろうか?
それとも、運命だとか、もはやそのような力では抗えない状況なのだろうか。


手持ち無沙汰で、エリアは名簿をめくった。
エリアはあっと声をあげそうになるのをやっとの思いでこらえた。
つい先まではなんの変哲もなかったその名簿に、
血の滲んだような朱色の線が、ところどころに引かれているのである。
よくみてみれば、それはどれも先に名前を呼ばれたものたちの欄に引かれていた。
やるせない怒りにも似た哀感が、エリアを襲った。
名簿を閉じ、潤んだ瞳を閉じて――それは場の空気に影響されてかもしれないが――刹那、場違いな明るい声が響いた。
5184/4 夕暮れの哀悼:04/11/22 21:58:09 ID:YuTBgmvG
「いきましょう!さっき話し合った通り、レーベの村に」
いきましょう、というのが、どういう意味なのか少しエリアは迷ったが、それはどうでもいいことだった。
「今、名前で呼ばれた中に、クルルっていたよね。その子、私の仲間なんだ。…まだ、14歳なのにね」
「そうだ…セシルとローザも、死んだ!」
ギルバートは吐き出すように叫んだ。
「ローザは…セシルの恋人だった。二人とも、いっしょに…いったのかな」
ギルバートは震えの収まらぬ膝頭をおさえて、遠くを見つめていた。
レナはもう落ち着いた表情向かうべき方角に体を向けている。
その冷静な挙措の中に、固く握りしめられた拳を、エリアは見逃さなかった。

「ええ、いきましょう。クリスタルの光を、信じて」

他に言うべき言葉が見つからなかった。




【エリア 現在位置:レーベ東の平原 所持品:妖精の笛、占い後の花
 第一行動方針:レーベへ 第二行動方針:サックスとギルダーを探す】
【ギルバート 現在位置:同上 所持品:毒蛾のナイフ
 第一行動方針:レーベへ 第二行動方針:リディアを探す】
【レナ 現在位置:同上 所持品:不明
 第一行動方針:レーベへ 第二行動方針:バッツとファリスを探す】
519王子と魔女と盗賊と 1/4:04/11/22 22:11:10 ID:PJwrEuLE
台所には、不気味なほど安らいだ表情のまま首を切り落とされた男女がいた。
今いるここ、階段前の廊下では、男が女を背負ったまま串刺しにされていた。
そして死体の傍に、尻尾の生えた若い男が立っている。

「最低だ」
硬直するリノアとキーファの前で、男――ジタンはぽつりと呟く。
「アルティミシアとかいう魔女も、あの骸骨野郎も、命をなんだと思ってるんだ」
拳を固く握り締め、肩を奮わせる。

ジタンには許せなかった。殺し合い自体はもちろん、こんなゲームに乗って人を殺す連中がいるということが。
もちろん、頭の中では理解していたし覚悟していたことだ。進んで殺し合おうとする奴がいることぐらい。
だが、実際に『その場面』を見た途端、抑えきれない怒りが胸に沸いた。
数分前には生きていたはずの二人を助けられなかった、自分への苛立ちと共に。
十数分経った今でも、その感情は消えない。

二人と一人の間に、長い沈黙が落ちる。

不意に、ジタンは横に立つ二人組、リノアとキーファを振り返った。
射竦めるような視線を真っ向から見据え、意思表示代わりにキーファは支給品の本と袋を床へ投げる。
「オレも……いや、オレ達もあんたと同感だ」
「戦う気なんてない。殺し合いなんて、したくない」
そう言ってリノアもキーファに従う。
二人の言動に、ジタンはようやく相好を崩した。
「そうか……
 ……なぁ、やりあう気がないなら少し話さないか? どっか落ち着ける場所でさ」
リノア達は一瞬顔を見合わせ、すぐに大きく頷いた。
520現実味のない事実 1/3:04/11/22 22:14:25 ID:pLJ4ZYaV

「…うむ、何か成果があがったら連絡するよ、レディ。期待していてくれたまえ」
エドガーは一旦、ひそひ草での会話を切った。
――バーバラが信頼できる少女であることはわかった。
お互いの仲間の情報などを交換し、これからのことについても随分話した。
位置が近ければ合流していたのだが…地図を見る限り、合流するには大陸をほぼ一周するしかない。
そこまで歩くのはお互いに危険だ。次のステージで近くなる事を祈るしかない。
そして何より、大事な用事があり自分はここから動けない。そう、バーバラに話した『成果』とは――

「あれ、もういいのか?」
「ああ、ずっと話しているわけにもいかないだろ。研究が進んだらまた連絡をとる事にするよ。
 ちなみに、期待しておいてくれ、と言っておいたから」
「げ、責任重大じゃねえか…」

エドガーの目の前で青年――デッシュが、銀色に輝く首輪と鉛筆を手にごちゃごちゃしたメモを取っている。
あの騒ぎに城下町から脱出してすぐ、後ろから走って追いかけてきたデッシュ。
話によれば彼はエンジニアで、首輪をはずす方法を考えているという。
デッシュはエドガーを護衛として仲間にしたかったようなのだが、エドガーも機会関連ならお手の物であり、
首輪を外し脱出という研究は、エドガーにとって護衛だけでなく最大限に協力できるものであった。
かくして、二人で協力して研究をすることになった。
今、デッシュとエドガーが手にしている首輪は、身を潜め研究できる場所を探し、
森へとやって来た二人が、偶然見つけた死体から外したものだ。
少女と兵士。見知らぬ二人の死体は今、少々離れた場所に埋葬されている。
死体の首を切断するという行為はとても気分の悪いものだったが…それは、どうしようもない。
521王子と魔女と盗賊と 2/4:04/11/22 22:14:43 ID:PJwrEuLE
――それから、三人は小さな裏庭のそばに作られた小部屋へ移動した。
話すことはそれぞれにあった。
キーファは、グランエスタードの友人達と、支給された攻略本について話し。
ジタンは、ダガーを始めとする仲間と、この忌々しいゲームをどうにかしたいという思いを語り。
そしてリノアは、頼もしい恋人と、仲間達と、共に倒したはずの魔女アルティミシアについて知ること全てを伝えた。
だが、話の内容がたくさんあるからといって、収穫があるとは限らない。
結局、三人とも仲間達の行方はわからないまま。ゲームを抜ける手段も、攻略本の活用方法も思いつかないまま。
謎だけが、一つ増えた。
「魔女と時間圧縮ねぇ……一体、アルティミシアって奴は何がしたいんだ?」
「私にはわからないけど。でも、きっと理由があってこんなことをしてるんだと思う」
「あのな。理由もナシにこんなことされたらこっちがたまらないぜ」
キーファの言葉に、ジタンが「そりゃそうだ」と頷き返す。
それから、急に真顔になって二人を見つめた。
「なぁ。リノア、キーファ。正直なところどう思う?」
「どう、って?」
「だから魔女の目的だ。この殺し合いをさせる目的だよ」
「いや……突然振られてもなぁ」
ジタンの言葉にキーファは腕組みをし、リノアは頬に手を当てる。
それからしばらくして、キーファが顔を上げた。
「パターンとしてはやっぱり『娯楽』じゃないか?
 昔の君主や貴族には、そういう悪趣味な見世物を楽しむ奴がいたそうだからな」
「うーん。それもありそうだけど……
 前に読んだ本でね、集めた動物を殺し合わせて、生き残ったやつを使う呪いっていうのが出てきてたんだ。
 もしかしたら、そういう呪いとか、何かの儀式なのかもしれない」
と、リノアが続ける。
「娯楽に儀式か……」
ジタンは天井を睨みながら、首輪に手を当てた。
522名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/22 22:15:28 ID:pLJ4ZYaV
スミマセン、割ってしまいました…お先にどうぞ
523王子と魔女と盗賊と 3/4:04/11/22 22:17:18 ID:PJwrEuLE
――キーファが言ったように単なる娯楽目的なら、首輪の解除自体は可能である確率が高い。
 なぜって、その方が見世物として面白いからだ。
 『こうすれば解除できる』のに、それに気づかず殺しあう参加者達。それほど難しくない解除方法が見つかるのは、数多の友や仲間の血で両手を染めた後のこと。
 この手の演出も、あの冷徹な魔女ならやりかねない。
 けれどももし、リノアが言う通りに『何かの儀式』であるなら……首輪を外すなんてさせてくれないはずだ。
 殺し合いが止まればその時点で目的が達成できなくなる。
――どちらにしても、自分たちに殺し合いをさせることが目的ならば、滅多なことでは首輪を爆破したりしないだろうが。

そこまでジタンが考えた時、突然轟音が鳴り響いた。
音が外からと気付いた三人は、慌てて中庭に飛び出す。
彼らは見た。天空に浮かぶ魔女の唇が、忌々しい言葉を紡ぎ上げていくのを。
そして……全ての放送が終わった時、三人の表情は蒼白なものに変わっていた。
世間知らずなお姫様だけれど、優しく芯の強い女性だったガーネット。
口は悪いけれど、根は真っ直ぐで正義感に溢れていたマリベル。
死ななくてはいけない理由なんて、どこにもなかった。
いや、他の人たちにも、同じことがきっと言えるはずだ。

「ねぇ、キーファ、ジタン」
リノアが口を開いた。
「こんなの、間違ってるよ。こんな形で人が死んでいくなんておかしいよ。
 ねぇ、止めよう。止めさせようよ! こんなゲーム、続けさせたくない!
 一緒に力を合わせて、止める方法見つけようよ!」
――それは理想だ。確固とした計画もなく、ただ思いに任せただけの言葉。それだけで人を救うことは決してできない。
けれども、人を動かすことはできる。理屈ではなく感情から生まれた言葉だからこそ、心に訴える力を持つ。
「そうだな……マリベルだって、きっとそうしろって言うよなっ」
「こんな下らないゲーム、エーコやビビのためにも早いところぶっ壊してやらないとな!」
瞳に拭い去れない哀しみと決意の色を宿らせて、三人は立ち上がる。これ以上の悲劇を生まないために。
524王子と魔女と盗賊と 4/4:04/11/22 22:18:53 ID:PJwrEuLE
【ジタン 所持品:英雄の薬、厚手の鎧、般若の面
 第一行動方針:仲間と合流+首輪解除手段を探す 第二行動方針:ゲーム脱出】
【リノア 所持品:不明 第一行動方針:スコールを探す+首輪解除手段を探す 第二行動方針:仲間と合流しゲーム脱出】
【キーファ 所持品:攻略本 第一行動方針:首輪解除の手段を探す 第二行動方針:フィンと合流しゲーム脱出】
 現在位置:アリアハン城・裏庭

>>522
お待たせしてしまってごめんなさいorz
525現実味のない事実 2/3:04/11/22 22:20:38 ID:pLJ4ZYaV
>>520の続き)

「で、俺がレディと話してた間、君の研究の成果は?」
笑いながら質問するエドガーを見ながら、デッシュは鉛筆を動かす。
「とりあえず、今わかったのはこんなとこ」
(…やっぱりな)

『予想通り盗聴器が内臓されてる。
 分解ができないからまだ断定はできないが、爆発の仕組みは機械的なものじゃなくて魔法を使用しているかもしれない』

手渡された紙には、走り書きでこう書かれていた。
盗聴器のほうは、デッシュも書いたように二人の予想通りである。盗聴はずっと警戒していた。
二人は今まで"首輪を外す"という具体的なことは一度たりとも口にしていない。バーバラにも既に遠まわしに警告してある。
まあ、決定的なことを口にしなくても、研究だなんだと言い続けていればそのうち主催者にはバレるかもしれないが…。
「つーかさ、大分暗くなってきたよな。ランプ付けてくんねえ?」
「おい、そのぐらい自分で付けろ」
気さくなデッシュの性格のおかげか、二人のウマが合うのか。
一歩間違えば主催者に殺されるような重要な仕事をしているにも関わらず、二人の空気は明るかった。
――その時までは。


死者の名を並べた放送が流れたのは、それから暫くしたころ。
エドガーは、その中に知っている名を聞いた。
526現実味のない事実 3/3:04/11/22 22:22:45 ID:pLJ4ZYaV
「…ティナ…」

呆然と名前を呼ぶ。…それに、シャドウ。
――エドガーは、唇を噛み締めうつむく。
まさか、信じられない。…なんて現実味のない…事実なんだ。
悲しみよりも、言いようのない怒りが心を満たす。
なぜ、こんな形で生涯を終らせられなければならないのか?

暫くの間呆然としていたエドガーだが、ふと視線に気がつき顔を上げる。
心底心配そうに、少しだけ困ったようにこちらを見ているデッシュと、視線が交錯した。
…デッシュは何か声をかけようとするが、それよりも早くエドガーが声を出した。
「…大丈夫だ」

そう、夜空を見上げて…言い聞かせる。
本当は、大丈夫じゃない。まだ、怒りと悲しみで身体は震えている。
だがそれでも、今すぐにでもやらなくてはならないのだ。
(犠牲となったティナ達のためにも…)
きっと。

【エドガー 所持品:バスタードソード 天空の鎧 ひそひ草 ラミアの竪琴 イエローメガホン 首輪×1 紙や鉛筆など
【デッシュ 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる) 首輪×1 紙や鉛筆など
 現在位置:アリアハン北の森 第一行動方針:首輪の研究 最終行動方針:ゲームの脱出】

>>524 本当に申し訳ないです…もっとリロード気をつけます。
527醜鬼 1/5:04/11/22 23:59:12 ID:+Sz5T3gi
「わかった?クラウドが知ったら私はもう終わり…。だから、知られないようにあなたを殺すわ」
一方的に喋り尽くすと、ティファは未だ呆然としたままの少女を見た。
月明かりが木々の間から差し込んできて、ティファは容易に少女の瞳に視線の圧力をかける事が出来た。
ターニアの表情は、恐怖に包まれていた。
当然だった。好きな男に嫌われたくないだけのために人を殺そうとする女が、目の前にいるのだから。
「でも、話さないと約束するならあなたを生かしてもいいわ…」
取引だった。しかも、あくどい取引だ。
そんなこと、わかっている。でも…
今、クラウドに換えられる物など無くて。

「…嫌だよ」
少女は、震える声で言った。
「おかしいよ!?どうかしてる!」
座ったまま、怒鳴るようにティファに声を浴びせる。
「そんなの…おかしいよ!クラウドって人に好かれたいから、人を殺すの!?そんなの…!」
「……」
「そう!あなたは人殺し!エアリスさんを殺した!」
喚き叫ぶターニア。

ティファの脳裏に、再び、エアリスが浮かび上がる。
(ティファ…止めて…もう…)
エアリスの声が、何故か酷くしゃがれて聞こえた。
刹那、そのエアリスの胸から血が噴き出した。
やったのは…自分。
「いやぁぁぁぁ!!!!!!」
ティファは、銃の引き金に手を掛けた。
そして、視界が赤く染まった。
528醜鬼 2/5:04/11/23 00:00:07 ID:pQ2rsBN2
だが、視界が赤くなったのは、ターニアの血のせいではなかった。
何処からか飛んで来た炎の玉が、ティファの顔を焦がしたのだ。
「きゃぁ!」
のけぞるティファ。その隙にターニアは立ち上がった。
「お姉ちゃんこっち!!」
森の茂みの奥から、10歳にも満たなそうな少年が顔を出していた。
「逃げなきゃ!あっちにピサロさんって人がいるから!」
少年の声に従って、ターニアは走り出した
あの時と同じように助けられた、という少しの驚きをもって。

ビビは、再び茂みの中に隠れた。
あのお姉ちゃんが逃げるまで時間を稼ごう…
そう思ったからだ。だが、それは無用だった。
炎を顔面に喰らった女性は、転げまわり、手で顔を掻き毟っている様だった。
まさかここまでダメージを与えているとは、ビビも思ってなかった。
…やりすぎたかな。
ビビの不安が的中したようだった。
女性は、呻く事無く仰向けに倒れると、動かなくなった。

「し、死んじゃったの…?」
後悔した。殺すつもりは無かったから。
ゆっくりとそれに近づく。
そして、彼女の顔を覗き込んで…

「ひゃぁぁぁぁっ!」
思わず、叫んだ。
無我夢中で、ピサロの元へと走り出した。
529醜鬼 3/5:04/11/23 00:00:58 ID:pQ2rsBN2


「あなたが…ピサロさん?」
ターニアは、木の根元にもたれ掛かっている影を見て、言った。
さっきの場所から、そう遠くは無かった。
運がいいのか、彼の姿は月明かりが届かないため影となっていたので、ターニアは彼の体中にこびり付いた血を見ることはなかった。

何処か不思議なオーラを放つその影は、冷たい響きのする声で言った。
「そうだ。小娘、…ビビはどうした?」
相手が人間だから、言葉はどうしても冷たくなる。
それでも殺す気にならないのは、ビビの言葉のせいか。
…それとも、先程泣いているビビを見てからロザリーの姿がちらつくのが原因か。

「ビビ…?さっきの男の子…?その子は私を助けてくれたの…それで」
ターニアは言葉を止めた。説明は不要だった。
「ひゃぁぁっ!」
悲鳴を上げて、ビビがターニアに突っ込んできたから。

「…落ち着け」
闇でも利くその瞳を、倒れたビビと巻き添えを喰らったターニアに向けながらピサロは言った。
「う…うん…」
ビビの声は震えていた。
「何かあったのか」
「う、うん、さ、さっきの女の人が…」
ビビは、話し始めた。
かつて多くの死を見てきた彼でも、衝撃を受けた事を。
自分の放った魔法の生み出した結果を。

530醜鬼 4/5:04/11/23 00:01:59 ID:pQ2rsBN2
――ちょうどその頃。
ティファの右腕の指先が、ゆっくりと動き始めた。
不思議ではない。顔以外は、無傷同然なのだから。
…そう、顔以外は。

ショックと苦痛で、意識を失ったようだった。
(痛い…)
声に出したそう言ったつもりが、ただの苦痛となって彼女を刺激した。
目をゆっくりと開けてみた。
月の明かりが差し込んでいた。
(綺麗…)
ぼんやりと月を眺め、痛みを堪えて彼女は立ち上がる。
近くに落ちていた銃を拾い上げた。
その近くには、もう一つの支給品、エアナイフが落ちていた。
月明かりを反射して、キラキラと輝いていた。
拾い上げようとした。
…だが、出来なかった。
ナイフの刃に、月明かりで自分の顔が映し出されたから。

――醜い顔が其処にはあった。
唇は焼け爛れ、左の頬は溶けているかのようで。
左頬から顎にかけての皮膚が、全て無くなっていた。
剥き出しにされた肉から、血が滴り落ちていた。
鼻は焼けて、ズルリと垂れ下がっているようで。

「……!!」
悲鳴を上げようにも、唇が無いから、上げられなかった。
醜鬼にも似たその顔が、今の自分の顔で。
それは自分の内面を具現化したものだと、思った。
…そして、再び気を失った。
531醜鬼 5/5:04/11/23 00:03:03 ID:pQ2rsBN2


【ピサロ 所持品:スプラッシャー、魔石バハムート(召喚可)、爆弾(爆発後消滅)
 行動方針:ビビの話をとりあえず聞く、ある程度回復するまで待機】
【ビビ 所持品:不明 行動方針:ティファの状態について話す、その後はピサロに従う】
【ターニア 所持品:微笑みの杖 行動方針:ピサロとビビに従う】

現在位置:レーベ東の森中央付近 

【ティファ(気絶、顔面に重度の火傷) 所持品:コルトガバメント(予備弾倉×5)、エアナイフ(未だ拾ってません)
 行動方針:?】

現在位置:レーベ東の森中央付近、ピサロ達より若干西。

532名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 00:47:16 ID:hB4BDgmh
突然、地震が起こった。
「これは、、、震度18!!ばかな」
アルティミシアが叫んだ。
ゲームを始めたことにより起こったエネルギー。
そのエネルギーによる予想外の事態…そして、それが終わりだった…
死んだ



FFDQバトルロワイアル 完結!!
533名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 01:02:30 ID:hB4BDgmh
しかし再会!!!!
534名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 01:04:05 ID:hB4BDgmh
終了!!!

再開!!!

終了!!!

再開!!!

終了!!!

再開!!!

終了!!!
535名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 01:20:29 ID:hB4BDgmh
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
536気配:04/11/24 19:02:29 ID:GcFK8hf2
忌まわしい放送が終わり、イザは唇を噛んでうつむいた。
「アモス…」
許せない。アモスを殺したものも。許さない。こんな『ゲーム』を仕組んだ魔女も。
「竜王さま…」
ドルバも気づいていたとは言え、改めて聞くと、こみあげるものがある。
「ニンゲンにも強い者がいるようだな」
「ああ。人間だっていざとなったら、強い。あんな魔女にも負けないさ。だから、
こんなゲームに乗っちゃいけない」
イザが自信に満ちて言った、その時。
「…ニンゲンの声がするな」
ドルバが首をもたげて階段の方を見やった。
「人の声だって?」
イザには聞こえなかったようだ。ドラゴンは人間より感覚が優れているらしい。
「ああ。間違いない…複数のニンゲンの話し声だ」
イザはすかさず身を翻した。階段をテンポ良く駆け上がる。
「行ってみよう!もしかしたら、協力してくれる人たちかもしれない」
ドルバは黙って頷くと、イザの後に続いた。
【イザ 現在位置:海底通路(ナジミの塔への階段付近)
所持品:きんきらの剣、エクスカリパー、マサムネブレード
第一行動方針:人の声がした方を確認する
最終行動方針:同志を集め、ゲームを脱出する】
【ドルバ 現在位置:同上 所持品:不明 行動方針:イザに協力する】
537決断を 1/3:04/11/24 22:30:33 ID:jIZJX57s
空に浮かんでいた魔女の姿が消えた。再び、夜空が戻ってくる。
『ゲームの脱落者』として並べられた名前、それは同時に死を意味している。
自分の殺めた老人の名もあったのだろう。確認はしていないが、おそらくは。

「――セシル…ローザ…」

皮肉なものだ。
裏切り者の自分はまだここに生きているのに、セシルはもう逝ってしまった。
ただそれだけを思う。…涙を流す理由など、もう無いから。
所詮、現実とはそんなものなのだろう。正しい者が勝つとは限らない、生きるとは限らない。
…今回は、俺が生き抜いてみせよう。

カインは目を閉じて一度深呼吸をすると、空高く跳び上がった。


538決断を 2/3:04/11/24 22:31:21 ID:jIZJX57s
「エッジ…さん、すみません…待って下さい…」
「お、おい!大丈夫か!?」
膝をつき座り込んだマリアに、ユフィを担いだエッジが慌てて駆け寄り――瞠目する。
月明かりに照らされた彼女の真っ青な顔、頬を汗が伝わって地に落ちるのを見て。

(――何て馬鹿野郎なんだ…俺は!)
エッジはとにかく必死で走っていた。まだ助かるはずの、瀕死のユフィを助けたい一心で。
それでもマリアがついてこれるスピードは保っていたつもりだったし、
実際に彼女はすぐ後ろをしっかりと走ってついてきていたのだ。
しかしついて来れているからといって、彼女が忍者である自分と同じ体力を持っているはずが無いのだ。
きっと彼女も、ユフィを助けたい一心でここまで無理していたのだろう。
…それに気付けなかった自分が情けない。エッジはぐっと拳を握りしめる。
そんなエッジに、マリアは少しばかり困ったような表情で言った。
「ごめんなさい…エッジさん、先に行って下さい」
「なっ…」
「本当は私も行きたいんですが…ごめんなさい、立てそうになくて…
 …随分走りましたし、きっともう近くまできています。これを持っていって下さい…」
マリアは呼吸を整え、持っている波動の杖をエッジに差し出した。
しかし、エッジはそれを受け取らない。受け取るわけにはいかない。
(マリアさんを置いて行ける訳がねえだろが…
 …しかし、どうする…?一刻も早く処置しないとこいつは死んじまう…)
エッジは迷った。今、迷っている時間こそ勿体ないことはわかっている。
それでも――決断は難しい。


539決断を 3/3:04/11/24 22:32:18 ID:jIZJX57s
エッジ達三人よりも少々離れた場所で、カインは手頃な木を見つけると音を立てないよう着地した。
もちろん、三人の存在に気付いた上での行動である。
(相変わらずだな、エッジ…)
カインは一目で状況を理解した。エッジの背中に片腕を無くした女がいることを見れば一目瞭然。
おそらくは、あれを助けてくれる人間でも探しているのだろう。もう一人も…仲間だろうか。
(さて、どうするか)
エッジの強さはカインもよく知っている。そして今は、どんな武器を持っているかもわからない。
二対一ということも含め、確実に倒すには…真っ向から行くのは得策ではないだろう。
相手の手負いを利用するか、あるいは騙まし討ちでもするか。
…しかし、それでいいのだろうか?仮にもかつての仲間だ――と、そこまで考えて首を横に振った。
(いや、そんな事は関係ない…。 ……あっちは、まだ俺には気付いていないか)

さあ、どうする。


【ユフィ(瀕死) 所持品:プリンセスリング フォースアーマー 行動方針:死を待つ】
【エッジ 所持品:風魔手裏剣(30) ドリル
 第一行動方針:悩み中(波動の杖の向く先(アルカートのところ)へ走る) 第二行動方針:仲間を探す】
【マリア(疲労) 所持品:波動の杖 アポカリプス+マテリア(かいふく)
 第一行動方針:休息(ユフィを助ける) 第二行動方針:夫を探す】
 現在位置:アリアハン北の橋から西の平原

【カイン(傷はほぼ回復) 所持品:ランスオブカイン 第一行動方針:様子見 最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】
 現在位置:エッジ達のすぐ北、森の入り口辺りの木上
540名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 22:43:02 ID:DzvmlbRB
   __,, , , , _ 、 ,,, ... ,, _ ..,_
 ー=、 、ー-、`ヽ、、ヽ`!i' , ,i",r'",-'"=ミ
    `ヽ`ヾ`、 ! ヽ ! l! i! !_i_/_<'"``
     `,ゝ、iliー'" "、,"、',  i, リ
      !/!,li ,;;-=o=-,ッィ=。ゥィ
  __  i、`!', '; `ー /;;!i、''; ,!
ー''`ヽ`,ーi'`''"!、ヽ , `一'、 /   __
    `il `i ! ヽ、   ̄ ̄ / iヽ、/ ,.ヽ_
     i! !`   `ーァ、-ー'  ! ノ!トi,!'",ノ-、
   ,..=、i! iヽ-、 rィ',;'!ヽー-、!  `/_,i' _,.!'、
ーニー-、._ `ヽゞニ-、.;' i! ! ,  `ト_ノ`x-'" ノ
=ニヽ、 , `, /ヾ=ソ ノ !/   !、`ー`''イ、
-ー-、 `i, / / ヽ `イ_,  i -'" ̄`! !   ヽ
   ゝノ /-'"  `   ' !    ヽ     !

まとめサイトへいくんだな
おまえたちはおれをしらなすぎるだろう……
ttp://guile.fc2web.com/
541名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 22:44:26 ID:DzvmlbRB
誤爆スマソ
542名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/25 20:34:10 ID:PDs1nlHg
魔女の放送前、ティーダはエアリスの死体をぼんやり眺めていた。
元々胸部に受けた弾丸が致命傷だったのだから、それ以外は全く外傷は無かったのだが。
彼女の死を確信したときは、美しいも何もあるか、と考えたものだが、その死体は、まるで眠っているようで。
――あまりに綺麗で、今にも起き上がりそうで。
だが、そんなときに放送はあった。
それは、確実にエアリスの死をティーダに認めさせた。
…そして、もう一人。
「アーロン…!?そんな…」
最も頼れる男だった。
その存在こそ、死人という存在であったけれども。

悪い夢だと、思いたかった。
自分の本当の姿も、自分の生まれ生活した世界でさえ夢だったのだから。
これも、誰かが召還した、悪い夢なんだと――

「エアリス…ごめん…」
気持ちが落ち着くと、ティーダは鋼の剣でエアリスの首を切り落とした。
ほとんど眠っているのと変わらないその姿に傷を付けるのは、やはり気は引けたが。
「きっと誰か…首輪の解除方法を研究していると思うから…」
許しを請うように呟くと、鋼の剣についた血を近くの草で拭き取る。
そして、重くて使えなかったゴディアスの剣をエアリスの身体の横の地面に突き刺し、麦わら帽子をそれに乗せた。
アーロンの墓のつもりだった。だが、本当にそれがアーロンを示しているようだったから、
「わかったよ…泣かないッスよ」
一人、噛み締めた。
そして、ランプを片手に、森の中を東へ向かって歩き始めた。

【ティーダ 所持品:鋼の剣 青銅の盾 理性の種 ふきとばしの杖〔4〕 首輪×1
      第一行動方針:東へ 最終行動方針:ゲームからの脱出】

現在位置:レーベ北東の森→東へ
543コーヒーブレイクは終わらない 1/7:04/11/26 01:23:43 ID:gvhPyK1o
それは、わりかし突然の出来事であったように思う。
わりかし、というのは、予想の範疇だったからだが、それでも突然おきたのは変わりないのだし、
それはそこにいる人々にそれなりの衝撃を与えた。
とはいっても、それはそれまでにおきたことによる部分が大きい。
このゲームというのは、なにせ非現実的であるから、現実を認識しなければ、夢のようにさえ思える。
たいていの場合、そのことに気づくのは、現実の冷酷さに直面したときである。
夢は現実から逃れた、戦いからの猶予期間、休息でもある。
とはいえ、こういわれても事情を知らぬ事には、なんのことやらさっぱりであろう。
ここに至るには幾重もの変遷があったのだから、
まずはそれについてある程度述べておかなければなるまい。



放送より大分前になる。
バッツとローグは、カインとリディアについて一通りの話をしたあと、ひとまずの休憩に入った。
何か食料はないかと、駄目もとで台所に向かったローグは、
この場所は案外居心地の良いところだ、ということを間もなく知ることになる。

少なくとも、保存のきくものに関してはまったく問題がなかった。
生ものでさえ普通に食べられそうだ。もっとも、さすがに抵抗が大きかったので手をつけなかったが。
支給品の無味乾燥なパンも、ジャムやマーガリンをつければこそである。
そうして予想外の豪華な食事にありつくことができたわけだが、バッツは不思議に思った。
恐らく、このゲームで町や村に入ったら誰もが思うことである。
それを口に出さなかったのは、あまりに非現実過ぎて、違和感すら感じ得なかったのかもしれない。

544コーヒーブレイクは終わらない 2/7:04/11/26 01:24:43 ID:gvhPyK1o
しかし、この状況において束の間の休息を得たバッツは、なんとなしに呟くのであった。
「この町に住んでた人は、どうなってるんだろう」
猫舌なのか、ローグは湯気が立ち上るコーヒーの波紋をただ漫然と見ている。
「さっき俺が煎じて飲んだ薬草は、道具屋みたいなとこにあったんだ。
 家には飯がおいてあるし…ここ、やっぱり誰かが住んでたのか?」 
「そうともいえるし、そうともいえないんじゃねーかな」
「なんだよ、それ」
ローグは相変わらず、波の抑揚を見つめている。
「俺はもともとこの世界にいたんだよ」
それをきくと、バッツは「へえ?」間抜けな声をあげた。
「ここは多分、あの女のつくった仮想の世界だと思う」
あの女――アルティミシアのことを、バッツは久しく思い出した。
「わかんないけどな。でも、それ以外に考えられないだろ?」
「ううん…」
「それともなにか。あの女はこの町の住民の存在をそっくり消しちまったとでも?」
考えられないことでもないとバッツには思えたが、何も言わなかった。
「ま、なんにせよここまで再現してくれてるってのは、まったく気がきいてるぜ。
 そうだ、近くに仲間の家があるんだ。どうせなら、そこにいかないか?」
バッツは外の様子を窺いながら、「いいよ」と短く答えた。

二人は、注意深く民家の外にでると、アルスの家へと向かった。
「あった、あった!やっぱりあったぜ」
ローグは、笑いながらベッドの下から何か本をとりだし、それをみると、バッツは思わず吹き出した。
「ッぷはは、エロ本かよ!…うわ、すっげえ内容…」
「そりゃ、神竜秘蔵のエロ本だからな!」
「へ?」
「いやいや、こっちの話だ」
ひとしきり笑ったあと、バッツはローグにこの人物について聞いた。
第一印象こそこうであったが、話を聞けば、その人物――アルスの芯の強さとか、
いかに頼りがいのある心優しい人間かということがよく伝わってくる。
何より、時々毒づきながらも、なんだかんだで、アルス――仲間のことを大事に思っているんだということがバッツには感じられたし、
この状況でもローグがそう話すことを嬉しく思った。
545コーヒーブレイクは終わらない 3/7:04/11/26 01:25:37 ID:gvhPyK1o
そのあと二人は、どうにかして首輪を解除できないかという話に移った。
そこでバッツは、ためしに魔力を軽く首輪にあててみる。
危険はあったが、この程度であれば大丈夫であろうというのが二人の見解であった。
実際、この程度の魔力に反応するようでは、首輪としての機能をまっとうできないだろう。
首輪を無理にはずす行為というほどのものでもない。
ならば、魔力をあてて反応を見るくらいはまったく問題あるまい。

さて、ここまで長々と放送前の出来事を書いた理由のひとつは、
このときにシンシアたちとランドが、アリアハンにて出会ったことにある。
シンシアとザックスは、バッツとローグがアルスの家に入って暫く後に、アリアハンで偶然出会った。
二人はしばらくの問答の後、共に行動することに決め、アリアハンの城下街を彷徨った。
城下街はバッツたちの戦闘でところどころ崩れてはいるものの、
時間がたったこともあり、ほぼ全体の調和の中に溶け込んでいた。
そして二人はランドに出会った。
シンシアは、ランドが近づいていくのを対人レーダーでキャッチした。

賢明なものなら、ここでふと疑問に思うであろう。
なぜ、バッツたちやパウロにレーダーは反応しなかったのか?
それを説明することが今回の話における目的の一つである。

まず、レーダーの感知範囲が狭いことがあげられる。
パウロに反応しなかったのはそのためだ。
しかし、いくら狭いとはいえ、ランドが近づくのを捉えるくらいの能力はある。
ならば、アリアハンの広さを考えても、バッツやローグに関しては感知していてもおかしくないのではないか。
実際のところ、この二人に関しては感知範囲であった。
レーダーが反応しなかったのは、バッツが魔力を放っていたことにある。
546コーヒーブレイクは終わらない 4/7:04/11/26 01:26:31 ID:gvhPyK1o
対人レーダーと名前はそうなっているが、レーダーは、人はではなく首輪に反応する。
(したがって、死体にも反応を示す)
だが、首輪周辺に魔力などにより磁場が異常をきたしていれば、レーダーは感知しない。
そのため、バッツとローグを感知することはなかったのである。
逆に言えば、このレーダーを調べることは首輪について何かしらの情報を得ることができるのかもしれない。
とはいえ、今のところシンシアたちがそのことに気づくことはないであろう。……

外の騒ぎに、バッツとローグは気づかないわけではなかった。
しかし、声を聞き、お互いに目で知り合いかどうかを教え、
二人ともそうでないとわかったあとは、特に行動をおこさなかった。
それは、目的の人物に会うのにあまりよけいなことをしたくなかったのもあるし、
彼らの会話から、魔法が得意な人のようにも思えなかったからでもある。

三人はほどなくしてアリアハンを後にした。

あとはセリスが来て、サイファーとロザリーが来て、テリーとレックス、トンベリが来た。
ここまでは承知の通りである。…


放送があったのはそれからいくばくもしないころだったろうか。
空の色が変わり、星が見え始めた頃に、アリアハンにいる八人と一匹は、
同じ地響きを聞き、そして同じ声を聞いた。

547コーヒーブレイクは終わらない 5/7:04/11/26 01:28:05 ID:gvhPyK1o
放送が終わって、バッツはこみ上がってくる爆発しそうな感情をこらえるのに必死だった。
「クルル…クルル…!なんで…どうして……クルル……」
壊れたレコードプレーヤーのように、同じ単語をひたすら口の中で繰り返していた。
手は硬く、目尻をよせ、口元は大きく歪み、痛みすら感じぬほどに唇を噛んだ。
ローグはその様子を悲しげに見て、いつのまにか名簿に引かれた朱色のラインにしかめっ面をしていた。
(誰が死んだかよくわかるように…ってか。本当に、気の利いた主催者様だ!)

できることなら叫びたい。
しかし、二人はこの町にいるのが自分たちだけではないことに気づいていた。
バッツの漏れた声の一部を、ローグは聞いた。
「なんで…俺が生き残って…あいつが…死ぬんだ…。クルル……」
ローグははっとした。



もうひとつの民家でも、二人、項垂れていた。
パウロは「ムース…」と念仏のように唱え続ける。
セリスのほうは、震える手をおさえながら空の色を見ていた。
だが、現実は否応なく、彼らをさらなる衝撃へと突き落とす。
セリスの耳にはっきりと、女の叫び声が聞こえた。
ついで、男の哮るような声が聞こえた。


548コーヒーブレイクは終わらない 6/7:04/11/26 01:31:48 ID:gvhPyK1o
「バッツ…大丈夫か?」
「…ああ」
バッツとローグは、音の発生源の近くまできていた。
そこには、金髪の男と…頬に肉のない――骸骨がいた。
「また、おっぱじまったみたいだ」
ローグは舌打ちをして呟いた。
「短い息抜きだった…いや、それは違うな。こんな息抜き、冗談じゃないぜ」
「…また、殺し合いか」
「バッツ」
ローグは落ち着いた声で呼びかけた。そして、淡々と語った。

「俺の、おふくろは俺を生んだときにしんじまったらしい。難産だったんだな。
 親父は、俺が7歳のときに死んだ。魔物に襲われたんだ。
 親父は俺をかばって、俺が逃げてる間に、親父は囮になって殺された。
 それから、俺は盗賊になったんだ。生きるためには、それしかなかった。
 生き残るために、それからも俺はいろんな人を犠牲にしてきた。
 どういうわけか、勇者だとか名乗るやつに拾われて、世界を救う旅なんてのもしたけどな。
 バッツ…俺はな、何があっても生き残ってみせる。生きたいと思う奴が生き残るんだ。絶対に諦めない」
「…ああ」

バッツは戦いの方を一瞥した。
「あいつらの様子をみるか。…ああ、わかってる。わかってるよ。でもな…」
バッツはそれ以上のことは言わなかった。
クルルが死んだのに、自分が生き残った――意味があるのだろうか。
バル城の跡継ぎたるクルルが死に、天涯孤独――であった、自分が生き残ること。
―――でも、ローグのいいたいことはわかる。

今はただ、目の前の事態をどうするかである。
同時にそれは、気を紛らわす目覚めへの延長でもあった。

549コーヒーブレイクは終わらない 7/7:04/11/26 01:33:01 ID:gvhPyK1o
【バッツ 現在地:アリアハン城下町 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:様子見 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】
【ローグ 現在地:アリアハン城下町 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:様子見 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】

【サイファー 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)
【ロザリー 所持品:不明
現在位置:アリアハンの城下町
第一行動方針:ハインを倒す/隠れる
第二行動方針:ロザリーを手助けする/ピサロを探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】

【パウロ(気絶)所持品:破壊の剣 
現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階
行動方針:ロランを探す】
【セリス 生存確認 所持品:樫の杖 シャナクの巻物
現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階
第一行動方針:外の様子を窺う
第二行動方針:ロックを探す】

【ハイン 現在位置:アリアハン城下町 所持品:破壊の鏡、氷の刃、ルビーの指輪 行動方針:殺戮】


アリアハンのどこかに、テリー、レックス、トンベリがいます。
恐らく、この事態にも気づいています
550狂った忠誠心 1/4:04/11/26 18:24:02 ID:cpVMSMv/
勝負はあっけなかった。
地を蹴っていたピエールがそれに気がついたときには、既に体制を立て直す事も、防御をする事も間に合わない。
ラムザのブレイブブレイドは、上空からピエールの本体――緑スライムの部分を貫いた。
ピエールは頭から倒れる。緑色の液体がスライムから流れ出し、ラムザとゴルベーザの靴を汚した。

ゴルベーザは怪訝そうな表情でラムザを見る。
「……なぜ、助けた?」
「え?」
「助けてくれと頼んだ覚えはないぞ」
その言い方は少しばかり気に触るものがあったが。
「この怪物は明らかに危険でしょう。だから」
ラムザは正直に答えた。ラムザは元々、ゴルベーザを助けるつもりではなかったのだ。
ゴルベーザはたまたま現れチャンスを作ってくれただけであって、助けることになったのは…
「そうか…一応、礼は言っておこう」
「…いえ、不可抗力ですから」
そう、不可抗力である。
ゴルベーザは特に反応はせず、淡々と続けた。
「すまないが、白いマントを着た銀髪の剣士を見なかったか?」
「いえ…見てません。あの、金髪の…騎士風の女性を見たりしませんでしたか?」
ゴルベーザは静かに首を横に振った。その返答にラムザは少しばかり気落ちする。
――もうすぐ日が落ちるというのに、未だにアグリアスに会えない。落ち合おうといったのは自分なのに…。
ラムザは「ありがとう」と軽く会釈すると、ゴルベーザに背を向けまた森を駆け出した。
551狂った忠誠心 2/4:04/11/26 18:25:49 ID:cpVMSMv/
ゴルベーザはラムザの姿が森に消えていったのを確認すると、その場で溜息をつく。
…柄にもなく、周りが暗くなるにつれて不安が大きくなる。セシルが無事でいるという保証は、ない。
……。
ゴルベーザはピエールの動かない体を一瞥し、立ち去ろうとした――その時だった。
轟音と共に大地が大きく震動した。空が割れ、魔女の姿が映し出される。
そして――死者の名前を呼びはじめた。
ゆっくりと。


『…「アモス」……「ローラ」…』
 しっかりと空を見上げ、一人の名前も聞きのがさまいとする。
『…「ゲマ」……「バレット」…』
 人数が多いな…予想以上だ。
『…「宝条」……「ローザ」…』
 ――ローザだと?まさか…ローザ=ファレル。
『…「ムース」…「シャドウ」…』
 セシルもこれを聞いているだろう。恋人の死を聞かされ、どれだけ悲しんでいる事か…?
『…「ティナ」…「ガーランド」…』
 ……。
『「セシル」』


ゴルベーザは目を見開いた。


「セシル―――――」
552狂った忠誠心 3/4:04/11/26 18:26:56 ID:cpVMSMv/
思わず弟の名前を口にして――しかし。
彼が理解したのは『セシルが死んだ』という事実の、内容だけとなった。
その先の思考は既に、停止していたから。
彼が弟の名前を口にしたと同時に、背後から後頭部に撃ち込まれた弾丸によって。



ロングバレルRを手にしたピエールが、物言わぬ死体となったゴルベーザの後ろでゆっくりと起き上がった。
ドロドロとした緑の体液が、また地面に落ちていく。ピエールは…まだ、生きていた。
ラムザもゴルベーザも、ピエールは完全に絶命したと思っていた。
本体であるスライムがほぼ真っ二つになっているのだから、当たり前である。
いや、ピエールの身体はラムザに貫かれたその時、確かに停止していた。
脅威としかいいようがない。魔物だからとか、そういった次元ではないほどの生命力。
それもまた、あまりに高すぎた主人への忠誠心からきたものなのか。

ピエールは何も考えず、生と死を彷徨う身体で祝福の杖をふりかざした。
何度かそれを繰り返すうちに、あまり傷の回復を実感できないまま、杖は音を立てて壊れた。
「……」
ピエールは壊れた杖を投げ出すと、そのまま草の上に倒れこんだ。
553狂った忠誠心 4/4:04/11/26 18:27:57 ID:cpVMSMv/
【ラムザ(見習い剣士 アビリティジャンプ) 現在位置:レーベ南の森から移動
 所持品: アダマンアーマー ブレイブブレイド
 第一行動方針:アグリアスを探す
 最終行動方針:ゲームから抜ける】

【ピエール(瀕死) 現在位置:レーベ南の森(南部)
 所持品:鋼鉄の剣 ロングバレルR 青龍偃月刀 いかずちの杖 魔封じの杖 ダガー 祈りの指輪
 第一行動方針:?(動けない)
 基本行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】

 ※動ける状態ではありません、このまま死亡する可能性があります。
  祝福の杖は壊れました、ゴルベーザのアイテム(グリンガムの鞭 皆伝の証 浮遊石)はそのまま放置。



【ゴルベーザ 死亡】

 残り105人
554名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/26 18:47:02 ID:cpVMSMv/
FFDQバトルロワイアル3rd PART2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1101461772/
555コーヒーブレイクは終わらない修正:04/11/27 14:33:54 ID:x5OJNaB9
>>549を修正します

【バッツ 現在地:アリアハン城下町 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:様子見 第二行動方針:レナ、ファリスとの合流】

気づいたのは大分前なのですが、
なかなかこれませんでした、申し訳ないです。
今回こそはと見直したんですが…鬱
556コーヒーブレイクは終わらない修正:04/11/27 17:14:07 ID:82YA3jUm
またまた失礼しますorz
再び>>549です。他の若干の修正を交えてやります。これで完璧のはず…。
ムースを消してすっかり安心していました、本当に申し訳ない…orz
どうもいつも最後の状態確認が甘いようです。
指摘してくれた人ありがとう。


【バッツ 現在地:アリアハン城下町 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:様子見 第二行動方針:レナ、ファリスとの合流】
【ローグ 現在地:アリアハン城下町 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:様子見 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】

【サイファー 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)
 第一行動方針:ハインを倒す 第二行動方針:ロザリーの手助け 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ロザリー 所持品:不明 
 第一行動方針:隠れる 第二行動方針:ピサロを探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】
↑共通現在位置:アリアハン城下町

【パウロ 所持品:破壊の剣 
現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階
第一行動方針:? 第二行動方針:ロランを探す】
【セリス 所持品:樫の杖 シャナクの巻物
現在位置:アリアハン城下町東側の民家二階
第一行動方針:外の様子を窺う 第二行動方針:ロックを探す】

【ハイン 現在位置:アリアハン城下町 所持品:破壊の鏡、氷の刃、ルビーの指輪 
 第一行動方針:サイファーを殺す 第二行動方針:殺戮】
557名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/28 16:23:01 ID:wCP6xbLa
(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
558名前が無い@ただの名無しのようだ
何となく保守