霧島マナの日記 2冊目

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しが氏んでも代わりはいるもの
前スレ
霧島マナの日記
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1131333238/

過去スレ
綾波レイの日記 4冊目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1168624222/
碇シンジの日記 3冊目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1163926547/
アスカの日記 5冊目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1159527435/
【LAS】アスカの日記 8冊目【LAS】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1146989124/
アスカの日記って何か教えやがって下さい
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1099727786/
葛城ミサトの日記 2冊目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1137160023/
青葉シゲルの日記
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1168619391/

霧島マナの日記(まとめサイト)
http://www4.ocn.ne.jp/~adrienne/
2名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/28(火) 03:31:16 ID:???
いちおつ
3名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/28(火) 03:44:19 ID:???
声が林原
4名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/28(火) 04:22:32 ID:???
5名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/28(火) 07:52:10 ID:???
>>1
性的な意味で乙
6名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/28(火) 12:57:09 ID:???
のんびり投下待ち
7 ◆FO9j4sCVs2 :2007/08/28(火) 23:01:10 ID:???
>>1
8名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/30(木) 21:17:15 ID:???

投下、まだぁ?
9名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/01(土) 00:21:25 ID:???
いちおつ
10名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/01(土) 01:11:42 ID:???

          .'⌒⌒丶   いちもつなんて言う人は嫌いですっ!
         彡从 从ミ
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜ ソゝ^ヮ^v ゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
         ⊂ヽ∀)⊃
          <,/_|」>
           し'i_ノ
11名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/01(土) 01:45:20 ID:???
>>10
言ってないからw
12名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 07:03:00 ID:???
     ,,,,.,.,,,,
    ミ・д・ミ
.    """"
13名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 10:34:40 ID:???
期待age
14名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 13:47:33 ID:???
>>1
重複です


マナのまなまな夢日記 3冊目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1163600275/
15名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 14:05:04 ID:???
>>14
夢日記はキャラハンのなりきり。こっちは小説スレ。
16名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 14:12:25 ID:???
>>14
このスレは夢日記とは無関係です。
あちらは変なキャラハンが無責任に立てては放置してdat落ちし、
また立てては落ちるを繰り返しているだけです。
17名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 14:14:06 ID:???
かぶったw
18名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 17:05:44 ID:???
うぜーんだよ粘着
19試製第壱型 ◆X4JSSDFJQM :2007/09/03(月) 17:17:28 ID:???
どうも・・・
旧作を続けるべきか、新作に切り替えるべきか悩んでいます。
行き当たりばったりすぎて、ネタに苦しんでいるというか・・・
20名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 18:26:22 ID:???
>>19
ネタ不足なら新しいのにしてもまたすぐつまるだろうから、
旧作のラストをどうするかのんびり考えてみたら?
21試製第壱型 ◆X4JSSDFJQM :2007/09/05(水) 22:41:05 ID:???
>>20
そうすることにします
新作はゆっくりノートで温めてますので、気長にお待ちください
22名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/05(水) 22:58:32 ID:???
>>21
wktk
23コテ、新生 ◆RozeVic1qU :2007/09/06(木) 03:21:09 ID:???
つC円
24名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/08(土) 02:00:01 ID:???
uho
25名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 04:51:01 ID:???
まだまだ待つわ
26名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/15(土) 10:38:17 ID:???
age
27名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/19(水) 10:52:37 ID:???
>>21
(・∀・)ガンガレ
28名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/22(土) 22:27:29 ID:???
     ,,,,.,.,,,,
    ミ・д・ミ
.    """"
29名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/27(木) 20:16:30 ID:???
オレまだ待つ妻黙れお(^ω^)
30plot239-1:2007/09/29(土) 22:55:43 ID:???
 新箱根湯本駅。
 アタシはこの時を待っていた。
 山向こうでは国連軍と使徒が戦っているんだろうけど、そんなことは二の次。
 今はもっと重要なことがあるのよ。
 ここまで練りに練ったアタシの計画には一分の隙もないわ。
 うふふ、
 抑えようにも抑えきれない笑みがこぼれてしまう。
 早く来ないかなあ。
 と、そんなことを思いながら待っていると、不意にアナウンスが駅中に鳴り響いた。
『○×:△□に到着の特急××号は非常事態宣言発令により、当駅より3キロ先の地点で停車い
たしました。繰り返します……』
 ええっ!、そんな、なんてこと!
 アタシはダッシュで線路に沿って、走っていた。
 今回のアタシは超健康優良少女。
 これくらい何ともないわ。
 そして、数十分後、さすがのアタシも息が切れ切れだったけど、線路の向こう側から歩いてくる
一人の少年を見つけた。
 アタシの胸がドッキンドッキンと高鳴ってくる。
 とうとう、ついに、ようやく、会える。
 アタシはその少年のところへ走っていき、とびっきりの笑顔を作った。
「また会えたね。シンジ」
「……」
 でも、シンジは不安げな表情でアタシを見るだけだった。
 何も言ってくれない。抱きしめてもくれない。どうして?
「どうしたのシンジ?」
 と言って、アタシはシンジの両手を握った。
 けれど、シンジは頬を赤くして、こう訊いてきた。
「あの、あなたは誰ですか? 僕とどこかで会ったんですか?」
 …… orz
 アタシ、もうダメかもしんない

つづく
31Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/09/29(土) 23:12:23 ID:???
>>30 
乙〜
超期待。
32plot239-1:2007/09/29(土) 23:15:22 ID:???
つづいた

 よく考えてみれば、アタシは戻ってきているけど、シンジが戻っているとは限らないわけで。
 これには思いの外ショックが大きかった。
 姿形、声も同じ。遺伝子レベルで同じシンジだけど、アタシの知っているシンジではない。
 アタシの好きだったシンジはいない。
 アタシを好きでいてくれたシンジはもうここにはいない。
 ぐすっ、
 アタシは知らないうちに大粒の涙をこぼれ落ちさせていた。
「どうしたの?」
 と、目の前にいるシンジはおろおろとしながら訊いてきた。
 その声に懐かしさはあれど、ますます自分の知らないシンジなんだと実感してしまい、ます
ます涙の雨が激しくなっていくのだった。
 なんだか、頭上を巡航ミサイルが飛んでいったような気がする。
 使徒がこっちに向かっているのかもしれない。もうすぐここも戦闘区域に入るのかも。
 でも、もうどうでもいいや。アタシが戻ってきた理由が無くなってしまったもの。
 死んでもいい。そう思った。でも、
「君が誰だかわかんないけど、ここから早く逃げよう」
「シンジ君はひとりで逃げて。アタシはここに残るから」
「えっ、逃げないと死んじゃうよ」
「いい、もう死んだってかまわないわ」
「駄目だよ! そんなこと言っちゃ。まだ会ったばかりだけど、そんなことになったら僕は……」
 と言うと、シンジはアタシの手をギュッと掴むと、そのまま走り出した。
 この手の感覚。それはシンジそのもので、でも、アタシの知っている手とは違っていて。
 それでもアタシはその手に懐かしさを感じていた。
 その後、いろいろあってネルフ本部に戻った時、使徒は零号機に倒されていた。

人類補完委員会宛 報告書 霧島マナ
○月3日
 サードチルドレン碇シンジと接触成功。
 〜中略〜
 任務遂行上の傷害は特に無し。以上
33Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/09/29(土) 23:25:56 ID:???
お疲れ様です。
EOE後逆行したのかな?

とにかく、超久々の投下に燃えた。
34plot239-2:2007/09/29(土) 23:46:00 ID:???
 一気にやる気がなくなった今日この頃。
 ネルフ本部の中をアタシはぼんやりと歩いていた。
 そう言えば、予定通りならこの後シンジは葛城一尉と一緒に暮らすことになるのね。
 ふっ、
 と、アタシは小さく溜め息を吐いた。
 どうでもいいや。本当に。
 もうアタシのシンジはここにいないんだし。
 あー、でも、今回シンジはエヴァに乗ってまだ戦っていないのよね。
 と思ったけど、ホント今さらどうでもよくなっていた。
 アタシは通路の窓から見えるジオフロントの景色をぼんやりと眺めながら、
「戦自に帰りたいな」
 と呟いていた。
 御殿場の駐屯基地に行けば、またムサシやケイタに会えるし。そうすればまた昔みたいに
つらいけど楽しい日々に戻れるかも。
 と思ったけど、次の瞬間、アタシは気がついた。
 この世界のムサシやケイタもアタシを知らないんだよねと。
 そもそも今回は戦自に所属していないから戻れないし。
 ふうっ、とアタシはまた溜め息を一つ吐いた。
 もうここにはアタシの知っている人は誰もいないんだ。
 そう思うと寂しさが胸にこみ上げてきた。
 少し涙がこぼれそうになったけど、アタシはそれをこらえて再び歩き始めた。
 既に目的を失ってしまったアタシ。
 この世界に希望は何もないけど、とりあえず生きていかなくてはならない。
 ともかく与えられた任務を遂行しよう。 そうアタシは心に決めた。
 しばらくして、総務部の前につくとオフィスの中から大声が聞こえてきた。
「なんですってー!」
 葛城一尉のあまりにも大きな声に誘われて、アタシはドアを開けて中に入っていった。
「なんでシンジ君が一人暮らしなのよ? 親子なんだから司令と一緒に暮らすのが筋ってもんでしょ」
「ですから、その司令からの通達なんですよ」
「だからって、中学生に一人暮らしなんてさせられる?」

つづく
35plot239-2:2007/09/30(日) 00:06:04 ID:???
つづき

 その時、シンジが小さな声で葛城一尉に声をかけた。
「別にいいです。ひとりの方が気が楽ですし。……父さんだって僕なんかいない方が」
「もう無理しちゃってー。親子なんだから一緒に住む方が自然じゃないの。我慢しないで
言いたいことがあったら素直に言った方が」
「ほっといてください。ミサトさんには関係ないでしょ」
「なによ!その言いぐさは。私はねー、あなたのことを心配して」
「よけいな心配なんてしなくていいです」
 なんだか、シンジとミサトさんがケンカを始めちゃって、アタシはそれを止めようと、
「あのー、葛城一尉」
「なに? マナちゃん?」
 と、息を切れさせて葛城さんが訊いてきた。もう興奮しているのがありありとわかる。
「シンジ君がひとり暮らしをしてもいいんじゃないんですか。本人もそう希望しているんだし」
「だけど、中学生がひとり暮らしなんて、そんなの危ないでしょ?」
「そうでしょうか。アタシもひとり暮らしをしていますし、綾波さんもそうですよ」
「でも、……」
「大丈夫だよね、シンジ君」
「う、うん。前のところもひとり暮らしだったようなものだし」
 アタシは総務課の人のところへ行き、
「シンジ君の住所って、どこなんですかぁ?」
「ああ、それならここだよ」
 と言って、知らされた住所は、
「あー、アタシの隣部屋だ。そっかあ、じゃあ、これからお隣さんだね」
「えっ、そうなの?」
 いつかのようにアタシはくるっと一回転して、スカートの裾をなびかせてから、
「アタシ、フォースチルドレン霧島マナ。これからよろしくね。碇シンジ君」
「よろしく。霧島さん」
 そう挨拶し合わなくてはならないことにアタシの胸はまたギュッと苦しくなった。

つづく
36plot239-2:2007/09/30(日) 00:38:51 ID:???
 その後、綾波さんも交えて、シンジの部屋で引越祝いをすることになった。
 前の時も綾波さんとはほとんど話したことはなかったけど、今回もそれはあまり変わりなかった。
 綾波さんはちょっと苦手な感じ。
 今日もシンジの引越祝いに誘った時、『いい、』って速攻で断ったし。
 でも、アタシが強引に綾波さんを引っ張ってきたんだけどね。
 そんなこんなでシンジの部屋に着き、途中のスーパーで買ってきた食べ物をテーブルに
パーッと広げた。お寿司に鳥モモにトマトサラダにケーキにヨウカンに焼きプリンに……
 ホント、今のアタシには美味しいものを食べることだけが生き甲斐よねえ。
 前の時なんか戦自にいたから毎日カレーとかそんなんばっかりだったし、ケーキなんてクリスマ
スにしか食べれないなんて信じられる?
 と、そんな時、シンジが声をかけてきた。
「どうしたの? 霧島さん?」
「あっ、何でもない。さあ、食べよっ」
 危ない。思いに没頭してしまった。
 アタシは笑顔を無理に作ってから、料理を皿に盛りつけ始めた。
 それから、ジュースで乾杯してからアタシたちはごちそうを食べ始めた。
 そう言えば、こっちに来てから綾波さんと初めてご飯を一緒にとってる。
 アタシが綾波さんをジッと見つめていたら、
「なに?」
「あの、訊いていい? 綾波さんって魚が嫌いなの?」
 綾波さんはお寿司を食べているんだけど、玉子焼きとかカッパ巻きとかカンピョウ巻とかそんなの
ばっかり口にしていた、
「生魚は嫌い」
「そう、そうなんだ。他に嫌いなものはあるの?」
「肉、」
「へっ、へー、そうなんだ」
 生寿司もお肉も美味しいのにと、アタシはケン○ッキーフライドチキンをパクッと食べながら思った。
 その後、今さらだけどもう一度自己紹介をしてから、
「僕もエヴァに乗って、あの怪獣と戦うのか」
 とシンジが不安そうに言った。

つづく
37plot239-2:2007/09/30(日) 00:59:45 ID:???
 その時、綾波さんが静かに声を出した。
「心配はいらないわ。エヴァがあなたを守ってくれるもの」
「……エヴァが?」
「そう。あなたの乗る初号機があなたを守ってくれるわ」
「エヴァが僕を守る……。リツコさんが言ってた。エヴァはロボットでなく人造人間だって。
それが関係しているのかな?」
「知らない。でも、あなたもエヴァとシンクロすれば、その意味がわかると思う」
「できるかな? 僕に」
「大丈夫だと思う」
「ふ〜ん。あっ、そうだ。霧島さん?」
 と、突然、声をかけられて、口いっぱいにチョコレートケーキを頬張っていたアタシは
思わずゴックンとそれを飲み込んでしまった。
 い、息が苦しい。
 慌ててオレンジジュースを飲み干してから、アタシは口の周りにチョコレートいっぱいつけたまま
「な、なに?」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だから、何?」
「霧島さんもチルドレンなんだよね?」
「そうよ。アタシはフォースチルドレン。四番目のチルドレンってことね」
「あのケージってところにエヴァは2つしかなかったけど、霧島さんの乗るエヴァはどこにあるの?」
「そー、それね。アタシのエヴァはね、あめりかにあるのよ」
「アメリカ?」
「そっ、あめりか。まだ建造中で、先にチルドレンに選出されちゃったから、この本部で訓練だけし
ているのよ。だから、アタシもまだダミープラグに乗ったことしかないんだ」
「そうなんだ」
 シンジは少し思いこむように俯いてから、
「でも、よかった。霧島さんや綾波さんがいて。もしも僕だけだったら、ここでやっていけないと思う。
改めて、霧島さん、綾波さん、これからよろしく」
「シンジ君、よろしくね」
 と、アタシはシンジの右手を両手で包んで握手した。

つづく
38plot239-2:2007/09/30(日) 01:20:21 ID:???
 シンジは照るように頬を赤くしたけど、
「綾波さんもこれからよろしく」
 と言って、アタシにされたように綾波さんに握手をした。
「……よろしく」
 綾波さんはそう小さく言って、繋がれた手を少しの間見つめていた。
 それからまたアタシたちはおしゃべり〜ほとんどアタシとシンジがだけど〜して、デザートを
食べてから、夜も更けてきたということでお開きとなった。
 玄関を出てアタシたちを見送るシンジが、
「今日は本当にありがとう。こんなに楽しかったのは久しぶりだよ」
 と、すごく恥ずかしそうに言った。
「アタシも楽しかったよ。それとシンジ君。霧島さんって言うの止めてほしいんだ。これからは
マナでいいから。ねっ?」
「私も”綾波”でいい」
「えっ、ちょっと恥ずかしいな」
「えー、マナって呼んでくれないの?」
「……わかった。がんばってみる」
「じゃあ、シンジ君。また、明日ね」
「マナ、綾波、また明日」
 そして、アタシたちとシンジは別れた。アタシの部屋の前で、
「綾波さん。今日は来てくれて、ありがとう。本当のことを言うと、ちょっと不安だったの。綾波さん、
迷惑じゃなかったのかなって」
「別にかまわないわ」
「うん、ありがとう。じゃあ、また明日ね。綾波さん」
「……また、」
 そう小さく言うと、綾波さんは足音を立てずに歩き去っていった。


○月4日
〜中略
 ファーストとサードに友好的関係の発展は見込み無し。
 また、ファーストについて特に内面的変化は感じられず。
以上
39Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/09/30(日) 01:45:35 ID:???
>>34-38
えっと、今度こそ本当に乙、かな。
それにしても、形式・内容、いずれも只者とは思えない(・∀・ ;)

ところで、玉稿をまとめサイトに載せていいかな?
もしよければサブタイトルを付けて欲しいのだけど。
40名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/30(日) 02:27:58 ID:???
>>39
お試し版ということで、タイトルとか全く考えていませんでしたし、
いつまで続くのかわかりませんがそれでもいいのならお願いします。

あと、マナというキャラをかなり忘れているんですが、こんな感じでも
問題ありませんか? いろいろあってゲーム時とは変化したとしても
許容範囲に入るでしょうか?
41Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/09/30(日) 03:01:49 ID:???
>>40
> お試し版ということで、タイトルとか全く考えていませんでしたし、
> いつまで続くのかわかりませんがそれでもいいのならお願いします。
ありがとうございます。
じゃ、サブタイトルは plot239 にしておきますね。
あと、できればコテハンか、せめてトリップだけでも付けていただけると助かります。

> マナというキャラをかなり忘れているんですが、
キャラとかは書き手によって様々なので、面白ければ何でもアリだと思う。
42名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/30(日) 05:27:47 ID:???
>>30-38 GJ!

お疲れ様です。
43plot239-3:2007/09/30(日) 21:10:28 ID:???
 けだるい午後の授業。
 数学の授業をしていたのになぜか今は歴史の話をしているお爺ちゃん先生。
 セカンドインパクトがうんたらなんたらと言っている。
 みんな知っていることばかりで興味を引くものは特になかった。
 そう言えば、サードインパクトって何だったんだろう。
 前の時、戦自の上官は使徒とネルフ本部の地下にいる何かが接触すればサードインパクトが
起こると言っていたけど、やっぱりそういうことだったのかな。
 まあ、よく考えてもわかんないし、どうでもいいや。
 どうでもいいついでに、もう学校の方もどうでもいい気分。
 前の時はずっと駐屯基地に軟禁状態だったから、ただ学校へ行くそれだけのことでうれしかった
けど、今はとてもそんな気分じゃないし。
 それに私、あまり友達を作るのが上手くないし。
 以前もクラスの中で話していた人ってシンジとアスカさんくらいだったような。あとは、鈴原君に
からかわれて泣かされたことくらいしか覚えがない。
 あ、でも、それで気が楽っていうこともあるかな。仲がよかった友達がみんな、私のことを知らな
いというのも寂しすぎるから。
 なんてことを考えていたら、いつの間にか眠っていたみたいで、

「マナ、掃除の時間だよ」

 と、私はシンジ(私の中では別人)に肩を揺さぶられて目が覚めた。
 人差し指で目をこすりながら、

「もうそんな時間なの?」
「そうだよ」

 とシンジは言ってからクスッと笑った。

「マナ、口からよだれがこぼれてる」
「あっ、」

つづく
44plot239-3:2007/09/30(日) 21:30:36 ID:???
 やだっ、恥ずかしい。
 私はシンジから思いっきり顔をそらすと、急いでハンカチでよだれを拭いた。
「もう、シンジ君のばか。女の子に普通そんなこと言わないもんだよ。知らない振りをしてくれなきゃ」
「え、うん。ごめん。……でも、誰かが教えてくれないと、マナがみんなに笑われちゃうんじゃない」
「そうかもしれないけど、恥ずかしいものは恥ずかしいのよ」
 私は席を勢いよく立つと、急いで当番なっている理科室の掃除へ向かった。
 今のちょっと楽しかったなと思いながら。

 放課後になって、私たちはエヴァの訓練をしていた。
 今日は私にとって初めての零号機の起動試験。
 赤木博士の話では零号機は試作機としてパイロット適性に汎用性を持たせているから、私でも
シンクロできる可能性があるとのこと。事前のシミュレーション試験では零号機を動かすことくらい
はできるようだった。そして、試験が始まり、
『パイロット、零号機と接続開始。パルス及びハーモニクス正常。シンクロ問題ない』
 エントリープラグのスピーカーから聞こえる音声は順調という感じなのかな。
 徐々にシンクロ率が上げっていく。
 なんだか身体が溶けていくような気もする。
『0.3, 0.2, 0.1, ボーダーラインクリア。零号機、起動しました。引き続き連動試験を入ります』
 よかった。
 ちょっと一安心。
 その後、たくさんの試験をしてから私は家に帰ると、すぐにベッドに入った。
 なんか疲れちゃって、めんどくさかったけど、ふとんの中で眠い目をしぱしぱさせながら、今日の
日報をつけてから眠りに落ちた。


○月10日
 本日、零号機の起動試験に成功。
以上
45plot239-3:2007/09/30(日) 21:55:53 ID:???
 気温36度。
 ここは箱根の山の中なのに暑すぎます。
 教室にもクーラーを入れてくれないと死んじゃうよ。現にクラスの半分以上の人が机の上で
倒れそうになっているし。
 先生が言っている英語の言葉も今はただ雑音にしか聞こえない。そもそも私はどうも英語が
苦手なのよね。文字で書くとひらがなになっちゃうような。です、いず、あ、ぺん?
 う〜ん、もうダメ。
 そんな天然サウナのような授業が終わり、私が鞄の中へ教科書とかを片づけていると、
「マナぁ、帰るのぉ?」
 と声をかけられた。
 アタシがその声の方へ振り向くと、そこにはヒカリちゃんがいて、
「そうだよ。今日はネルフで訓練もないし、真っ直ぐ帰るつもり」
「あ、そうなんだ」
 と言って、ヒカリちゃんは少し考えるような仕草をした。
 おさげとソバカスがチャーミングなヒカリちゃんは私の唯一の友達。前の時は全然話したことは
無かったし、印象もほとんど残ってない。でも、だからこそ友達になれたのかも。
「じゃあ、マックに行かない? 新メニューにフルーリーってデザートができたんだって」
「マクド? 行く行く。でぇ、そのふるーりーってどういうのなの?」
「ん〜、一言で言えば、ソフトクリーム?」
「え〜、それだけぇ?」
「私もよくわかんないんだけどね、てへっ」
 と、バカなことを言い合いながら私たちは学校の門を出た。
「それで、聞いてよ。あの鈴原が今日も碇君に宿題を見せてもらってたのよ」
「今日も?」
「そう。ここんとこ毎日。ホント、碇君も人がいいんだから」
 前の時と同じようにここでのシンジも鈴原君や相田君と仲がよくなっていた。
 今ではヒカリちゃんに3バカと呼ばれているし。
 でも、人間関係とかけっこう前と同じようになっているなと思った。違うところは私自身くらいか。
以前と比べて人との繋がりが少なくなっている。あ、でも、ヒカリちゃんや綾波さんとはよくなったかな。
「マナ、聞いてる?

つづく
46plot239-4:2007/09/30(日) 22:11:01 ID:???
 と、思いに沈んでいた私へヒカリちゃんは声をかけた。
「うん。聞いてるよ」
「だから、もっと鈴原は自分で勉強しなくちゃならないのよ」
 そう力説するヒカリちゃんはまじめな優等生。クラスの委員長もしている。
「宿題も見せてもらってちゃ自分のためにならないのに。そう思うでしょ?」
「そうかも」
 時たまヒカリちゃんに宿題を見せてもらう私の返事は歯切れが悪い。
「だから、たとえば自分でやってわからないところがあれば訊きに来ればいいのに」
「そうかもしれないね。鈴原君もシンジ君と一緒に宿題をすればいいのにね」
「えっ、あ、そうね」
 と、ヒカリちゃんはちょっと驚いたように言った。
 どうしたんだろう? 慌てて。
 んー、そう言えば、ヒカリちゃんとの話に鈴原君のことがよく出てくるような。
 えっ、
 まさか、
 そうなの?
 私はヒカリちゃんの横顔をジッと見つめて、にやぁっとしてしまった。
 そんな私に気がついたのか、
「なに? 私の顔に何かついてる?」
「ううん、別に」
 まあ、いいわ。
 このことは秘密にしとく。友達だしね。
 でも、ヒカリちゃんの趣味もあまりよくないなぁ。
 まあ、私もひとのことは言えないか。
 と、前のシンジを思い出して、ちょっとしんみりとしちゃっていた時、
”♪♪〜♪〜♪”
 とケータイの呼び出し音が鳴った。
 この音はと、私はネルフ支給とは別のもう一つのケータイを鞄の中から取りだした。
「ヒカリちゃん、ごめん。先に行っててくれる? すぐに行くから」
「うん。じゃあ、待ってるね」

つづく
47plot239-4:2007/09/30(日) 22:32:21 ID:???
 ヒカリちゃんが離れたのを見てから、私はケータイに出た。
「はい、霧島です」
『やぁ、元気かい? マナちゃん。もうボーイフレンドもできたかな?』
「仕事の話じゃないんですか、加持さん? そんなおしゃべりのために暗号回線まで使って」
『まあ、そういうなよ。こういう日常を知っておくのも上司の仕事さ。ところで、サードチルドレン
碇シンジ君はどうだった?』
「どうって……」
『ふふっ、彼に会えるのを楽しみにしていたじゃないか。彼の写真を見る君の瞳はまるでアイド
ルでも見つめているようだったぞ』
「もう、そんなこと言って。セクハラで訴えますよ」
『ははっ、悪い。でも、その様子じゃ期待はずれだったってところかな』
「そんなわけじゃあ……」
『まあ、でも、悪い子じゃないだろ。君とは同じチルドレンなんだ。仲良くしてやってくれ。それに、
それが君の任務の一つでもあるんだからな』
「そんなこと、わかってます。でも、友達になったとして、私はどうすればいいんですか? 最後
はどうせ裏切ることになるんでしょ?」
『裏切るか……。ま、今はそんなことを考えなくてもいいさ。一度っきりの中学時代。今はただ
悔いの無いように生きていればいい。それはそれとして、何か困ったことはないか? 上司として
できるだけのことはするが』
 少しの間、私は考え込んでから、
「あのー、毎日の報告書、あれ、毎日なんて書くこと無いんですけど。最近、ちょっと困っちゃって」
『あー、あれか。まあ、そうだな。自分の日記として書いていればいい。今日、何があったとか、マナ
ちゃんはどういうことを思ったとか、そんな些細なことでいいんだ』
「……エッチ。女の子の日記を見るなんて、最低です」
『ははっ、こりゃあ、マナちゃんに一本取られたな。でも、まあ、そんな感じで頼むよ。それにマナちゃ
んはまだ中学生なんだ。そんなに難しい要求はこちらもしないさ』
 と言って、加持さんは電話を切った。
 日記かぁ。って、これ、加持さんとの交換日記になるのかな。と、そんなことを私は思った。

○月18日
〜中略
 やっぱり、マクドのデザートはシェイクのバニラが一番です。
48名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/30(日) 23:15:32 ID:???
>>43-47
お疲れ様です。GJ!

Adrienneさんも言ってますが、トリップ付けた方がいいと思いますよ。
トリップとは騙りを防止するための機能で、例えば、
plot239-4#任意の文字列
とすることで付けられます。要するに"半角のシャープ+適当な文字列"が、
トリップに変換されます。釈迦に説法かも知れませんが一応。
49名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/30(日) 23:25:27 ID:???
期待age
50名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/30(日) 23:44:46 ID:???
乙です。これはwktk
51plot239-5 ◆ExGQrDul2E :2007/10/01(月) 21:19:58 ID:???
 今日も今日とて訓練の日々。
 以前はシンジと一緒に戦えたら絆が強まって、いつかは……みたいなことを考えて頑張って
いたけど、今はもうあんまり気分が乗らなくなってしまった。
 零号機の連動試験や実際の運用試験もして、だいぶエヴァを動かせるようになったけど、
「マナ、ちゃんとまじめにやりなさい」
 と葛城一尉の叱咤が飛ぶことも多い。
 早く帰って夕ご飯を食べたい。
 そんなことを思っていた時だった。
『テスト中断。総員第一種警戒態勢』
 と言う碇司令の号令が駆けめぐった。
 ええっ! 使徒!?
『零号機はそのまま発信準備』
 とのオペレーターさんの声。
 ええっ! 司令からの直接指示?
 そんな、私、実戦に出るの?
 私は半ばパニック状態になりながら、地上へ射出されてしまった。
 使徒と接触するまであと20分ほど。
 しばらくして、シンジの乗る初号機が地上に現れて、
『マナ、その、えーと、……が、頑張ろう』
 と、シンジからの通信が入った。
 声が震えている。
 怖いのは私だけじゃないんだ。
 私は震える手をギュッと握りしめて、
「うん、がんばろう」
 と、シンジに声を返した。
 そして、使徒との戦いが始まった。
 イカのお化けみたいな姿をした使徒にパレットガンを撃つけど、全くダメージは無し。
 おまけに使徒の鞭みたいな攻撃はむちゃくちゃ早いし。
 初号機と二体で攻撃しても、使徒の方が全然つよい。
 あっ、鞭が4本に増えた。

つづく
52plot239-5 ◆ExGQrDul2E :2007/10/01(月) 21:36:49 ID:???
 その鞭の動きが速すぎて、目で追いつけない。
 もうダメ。
 なんか鞭で縛られちゃって、動けない。
 全身が痛く、苦しい。
 私、このまま負けちゃうのかな。
 ふと、そんな思いが脳裏を巡った。
 そして、それでもいいや、とも思ってしまった。
 私が負ければサードインパクトが起きてしまうかもしれない。
 そうなれば、もしかして、今度は前のところに行けるかもしれない。
 シンジに、ムサシやケイタに、みんなにまた会えるかもしれない。
 そう考えた瞬間、私は操縦桿から両手を離し、一直線に向かってくる使徒の攻撃から目を瞑った。

”さよなら”

 そう心の中で呟いて、私は終わりを待った。
 でも、いつまで待っても、何の変化もなかった。
 私が再びまぶたを開けた時、目の前には初号機がいて、零号機を攻撃から防いでいた。
 それこそ初号機の機体全部を使って、使徒の鞭から私を守っている。
『マナ、……まだだ』
 と、シンジ苦しそうな声が通信機から聞こえた。
『まだ僕らは負けちゃいない。だから、諦めないで』
「……シンジ、」
『僕が、僕が攻撃を防ぐから、マナが使徒を倒して』
 そう言うと、シンジの初号機は使徒の鞭4本を全身で受けた瞬間、それを全て両手で抱え込んだ。
 シンジの悲鳴に近い声が上がる。
『は、早く……』
「う、うん。わかった」
 私は立ち上がると、肩からプログナイフを取りだし右手に持った。
 そして、全速力で使徒に向かっていき、そのコアへナイフを突き刺したのだった。

つづく
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!!!!
54plot239-5 ◆ExGQrDul2E :2007/10/01(月) 21:55:48 ID:???
 30秒後、使徒は活動を停止し、沈黙した。
 その後、ネルフ本部に戻り、ケイジのところでまだ全身に苦痛が残っているような表情の
シンジに会った。
 一瞬、私は躊躇ってしまったが、シンジのところへ駆け寄り、
「シンジ君、あの、……助けてくれて、ありがとう」
 すると、シンジは痛いのを我慢して笑みを作り、
「使徒を倒せてよかった。マナのおかげだよ」
「……シンジ君、」
 シンジの言葉に嬉しくて、負けてもいいと思った自分が情けなくて、私は涙を零れさせてしまった。
「あ、ありがとう」
 もう少し、もう少しこの世界でがんばってみよう。
 そう私は心に誓ったんだけど、
「マナ、あんた何考えて戦ってんの!?」
 と、葛城一尉が怒鳴りこんできた。
「あんたねぇ、戦闘中に目標から目をそらすなんて何なのよ? これは遊びじゃないのよ。
チルドレンとして自覚があるの? そんな半端な気持ちじゃこっちが困るのよ」
「……」
「ミサトさん、使徒は倒したんだからいいじゃないですか」
「シンジ君は黙ってて。マナ、あなた、チルドレンとしてヤル気あんの?」
「……微妙です」
 と、私は正直に言ったら、バシッと葛城一尉に頬をぶたれてしまった。
「あんた、自分の任務をなんだと思って、……もういいわ。帰りなさい」
 と言って、葛城さんは歩き去っていった。
 なんか、ちょっとは頑張ってみようと思ったのに、もうヤル気ゼロ。
 もうチルドレンなんか辞めてやる。
 私はそう心の中で考えていた。

○月23日
〜中略
 第4使徒は私とサードチルドレンの活躍により、何の問題もなく撃退。
以上
55名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/02(火) 00:10:03 ID:???
乙かれ〜
56plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/02(火) 00:38:15 ID:???
 盗んだバイクで走りだす14の夜。
 って、実際にはそんなことしないけど、私はちょっとプチ家出もといプチ逃亡をした。
 葛城一尉の言っていることはわかるけど、でも、胸の中にもやもやしたものがあった。
 これが反抗期というものなの?
 そんなわけで、逃げ切れることはできないけど、将来への備えとしてどこまで行けるか試す
意味もこめて第3新東京市から出てみることにした。
 とりあえずの行き先は戦自の御殿場駐屯基地。
 その最寄り駅までリニアレールで30分くらいのところ。
 なんだかムサシやケイタの顔を見てみたい気持ちになったからだった。
 みんな元気かな。
 リニアレールの窓の外に流れる風景を見ながら私はそう思った。
 たぶん、というか絶対にムサシやケイタは私のことなんか知らないと思う。
 でも、ただみんなが元気でいる姿を見れれば、私もこれからやって行けそうな気がした。
 やがて御殿場の駅に着くと、そこから歩いて基地まで向かった。
 とても長い距離だけど、私には馴染みのある風景が続いていて、このまま戦自に戻りたい。
 そう心から思いはじめていた。
 と、そんな時、前方にマラソンをしている集団が近づいてきた。
 もしかしてと思いながら歩いていくと、その人達は休憩になったのか道横の原っぱへ腰を下ろし
始めた。私は彼らの方を盗み見ながら通り過ぎようとしたが、
「あっ、」
 と、思わず声を上げてしまった。
 そこにムサシとケイタがいた。懐かしさが胸に広がる。
 私は知らないうちに二人へ右手を上げて、
「ムサ……」
 と声をかけそうになったんだけど、”誰よ、あれ?”と心の中で呟いた。
 ムサシとケイタが楽しそうにおしゃべりをしている相手はとっても可愛い女の子だった。
 もう夢中っていうくらい二人の顔は緩んでいる。
 そう言えば、あの女の子は前の時、私の次に人気があったコだったような。
 あの二人、かわいい女の子だったら誰でもいいの?と思うと同時に、やっぱり私の居場所は
ここには無いんだと思い知らされて、私はそこから思わず走り去っていた。

つづく
57名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/02(火) 01:06:06 ID:???
せつなく萌える
作者さんGJ
58名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/02(火) 11:13:18 ID:???
テンプレに入ってないみたいなので書いておく

渚カヲルの日記 2冊目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1188386680/
59plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/03(水) 00:16:20 ID:???
 行く当てを失ってしまった私は御殿場の街を彷徨っていた。
 お日さまは僅かに傾き始め、私のおなかはぐぅ〜と鳴った。
「昨日から、何も食べてない」
 と呟いて、ポケットからお財布を取りだす。
 ネルフからのクレカと現金が3千円くらい。
 クレカを使っちゃうとそこから見つかっちゃう可能性がある。
 お金、大事に使わなきゃ。
 とりあえず辺りを見回すと、御殿場の駅が目に入った。
 私はそこへ真っ直ぐに向かい、立ち食いそば屋さんへ行った。
 きつねうどん、260円。
 頼んで30秒で出てきたうどんは熱くて、猫舌な私はふーふー吹きながら食べた。
 おいしい。
 おなかが空いていたからよけいにそう思う。
 少しずつ元気が出てきたような感じもする。
 私は冷めかけてきたおつゆをちょこっとずつ飲みながら、これからどうしようかと考えていたが、
”お母さんとお父さんに、会いに行こうかな”
 と心の中で呟いた。
 もう何年も前に死んじゃったお母さんお父さん。最後にお墓参りへ行ったのはいつだろう。
 そう思ったら、いても立ってもいられなくなって、私はドンブリのおつゆを最後まで飲み干してから、
駅の切符売り場まで早足で向かっていった。
 お墓のある静岡までの切符を買うくらいのお金は大丈夫。どうせ時間はたくさんあるし、普通列
車で行こうと決め、私は券売機へ千円札を入れようとしたが、
『只今、東海地方を中心とした関東中部全域全域に特別非常事態宣言が発令されました』
 と、けたたましいサイレントと一緒にアナウンスが鳴り響いた。
「使徒なの!?」
 そう私は言うと、千円札をお財布にしまい、全速力で駅舎から出た。
 遙か西の方の空に見えるのは、巨大な正八面体。あんな変なものは使徒しかいない。
 昨日、使徒と戦ったばかりだというの。
「はやっ、」
 と、私は誰へともなくツッコミを入れていた。

つづく
60名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/03(水) 01:47:31 ID:???
猫舌なのかw
モユス(;´Д`)ハァハァ
61名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 14:31:10 ID:???
     ,,,,.,.,,,,
    ミ・д・ミ
.    """"

62plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/08(月) 22:25:26 ID:???
 でも、私にはもう関係ないとも思った。
 ネルフから脱走してきたんだし、別にパイロットを首になってもかまわないし。
 もしもネルフが使徒に負けてサードインパクトが起こったとしても、それそれで仕方がない
という諦めも私の中にあった。昨日の戦いの時も一度はそう考えたんだし。
 とりあえず、私は民間人と同じように避難しようと歩き始めたが、
「ヒカリ、急いで」
 と、若いお母さんが5歳くらいの子の手を引っ張って走っていた。
「あの子、ヒカリちゃんと同じ名前なんだ」
 私はそう呟くと、箱根の山へ視線を向けた。
 今頃、ヒカリちゃんは避難しているのかなと思った。
 使徒の攻撃にシェルターは大丈夫なのかな。
 怖がっていないかな。
 そういうことを考え始めたら、もう想像が止まらなくなった。
 私、……
「行かなきゃ」
 私にも守りたい人はいる。
 ヒカリちゃんがそうだし、この世界のシンジや綾波さんもそう。
 二人はこれから使徒と戦わなきゃいけないのに、私だけがこんなところにいるなんて。
 気がついたら、私は全速力で駆け出していた。
”お願い。間に合って”
 そう、心の中で叫びながら。

 30分くらい走ったような気がする。
 箱根の山を登っていくきつさで呼吸ができないくらい苦しさが胸を満たしていた。
 いつしか、足は止まりかけ、荒い呼吸を繰り返す。
 でも、私は負けられない。
 道路の先をきっと見据えて、私はまた走り出した。
 胸が苦しい。もう限界かもと思った時、私の横を一台の車が止まった。
「本部に行くなら送っていくよ」
 と、ロン毛の人が車の中から私に声をかけた。

つづく
63plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/08(月) 22:44:44 ID:???
 その人はネルフの制服を着ていて、どこかで見た覚えはある。
「え、えーと、あなたは?」
「まあ、仕方がないか。俺は本部でオペレーターをしている青葉だ」
「あっ、あー、”パターン青、使徒です”の人」
「いや、それは日向の方」
「ごめんなさい。まだ本部のことがよくわからなくて」
「いや、いいさ。俺も本部の連中全部はしらないしさ」
 と言って、青葉さんは苦笑いをした。
 その後、青葉さんの運転する車へ乗って、私は本部へ向かった。
「実は、マナちゃんの行動は全て把握していたんだ」
 と、青葉さんはハンドルを握りながら言った。
「戦自の御殿場駐屯基地へ行ったのもわかっている」
「……」
「まあ、理由は訊かないさ。君にも言いたくないことはあるだろうし」
「……すみません。でも、どうして私をすぐに連れ戻さなかったのですか?」
「それは葛城さんから指示さ。誘拐などの危険がない限り、マナちゃんの好きなようにさせろってね」
「どうして?」
「俺には葛城さんの気持ちはよくわからない。実を言うと、今、マナちゃんを車に乗せているのは
俺の独断でしていることなんだ」
「えっ、じゃあ」
「命令違反で減俸30%というところかな。はは、は、」
 と青葉さんは力無く笑った。
「まあ、俺のことはいいさ。それよりマナちゃんはシンジ君やレイちゃんと一緒に戦うために走っていた
んだろ?」
「はい、」
「なら、そのことをはっきりと葛城さんへ言うんだ。わかったかい?」
「はい、」
 私はそう返事をすると、膝の上で両手をぎゅっと握りしめた。

つづく
64plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/08(月) 23:14:45 ID:???
 私たちがネルフ本部へ戻った時、既に使徒との第一次接触が終わったあとだった。
 結果は、零号機が地上へ出た瞬間、使徒のビームにやられて敗北。
 そのため本部内ではネルフの職員がとっても大忙しで動いていた。
 そんな時、青葉さんのケータイに連絡が入り、短い通話をした後、
「ファーストが意識を取り戻したそうだ。会いに行くか?」
 と、青葉さんが訊いてきた。
 その問いに、私はコクンとうなずいて返事をした。

 ネルフ本部に隣接する付属病院の一室。
 その中に入っていくと、ベッドの中にいた綾波さんのまぶたが開いた。
 一瞬、私は躊躇して足を止めたが、綾波さんの枕元へ行き、
「……綾波さん」
 と小さく声をかけた。
 綾波さんは私を見て、まばたきを何回かした後、
「あなたはきっと戻ってくると思っていた」
「……えっ!?」
 綾波さんが私を待っていてくれたことに、胸がいっぱいになって、何も言えなくなった。
 しばし、私は俯いてくちびるを結んでいたが、小さな声で
「ごめんなさい。逃げ出したりして」
「……いい、」
 とだけ綾波さんは言うと、ベッドから起き上がって、スリッパを履いた。
「綾波さん、どこへ行くの?」
「……零号機に乗るわ。まだ使徒との戦いは終わってないもの」
「でも、綾波さん、身体の方は?」
「平気よ」
 と短く言ったが、その刹那、綾波さんの足がもつれて、私の方へ倒れ込んできた。
 私は綾波さんの身体を抱いて支えた。
 細く、軽い身体。
 こんなになってまで戦いに赴こうとする彼女。

つづく
65plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/08(月) 23:38:34 ID:???
「離して」
 と言う綾波さんの身体を私はギュッと抱きしめた。
 そして、私は触れそうなくらい近づいている彼女の耳元で、
「私が零号機で戦う」
 と告げた。

 ネルフ保安諜報部の人に連れられて、私は葛城さんの執務室へ入っていった。
 葛城さんはパソコンのモニターをにらめっこするように見つめていたが、くるっと椅子を回転さ
せて私の方へ向き、
「今、時間は1分でも惜しいの。話しは手短にして」
「はい。私に零号機で戦わさせてください」
 葛城さんはしばし無言で私を見ていたが、
「霧島さん、あなたはネルフから、いえ、エヴァのパイロットから逃げ出したのよ。それがどういう
意味かわかっている? あなたにはエヴァに乗る資格はもう無いのよ」
「お願いします。私をエヴァに乗せてください」
 と、私は葛城さんの前へ踏み出して訴えた。
「私なんか足手まといにかもしれません。でも、一緒に戦いたいんです。みんなを守りたいんです。
だから、お願いします。私をエヴァに乗らせてください」
「……本気なのね?」
 と、葛城さんは静かに訊いてきた。
「はい、」
「私は霧島さん、あなたがエヴァのパイロットを降りたとしても仕方がないと思ったわ。むしろ、
あなたをエヴァのパイロットのままにすべきではないと思った。どうしてか、わかる?」
「私にやる気がないからですか?」
「それもあるわ。でも、一番の理由はあなたが死を軽く考えていることよ。あなた、昨日の戦いで
もう死んでもいいと思ったでしょ?」
「……はい、」
「そんな気持ちで戦ってもらっては困るの。エヴァに乗っては困るのよ」
「……」


つづく
66plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/09(火) 00:05:25 ID:???
 葛城さんは私の両手を包むように握ると、
「私たちの使命は世界をサードインパクトの驚異から守ること。でも、たとえ守ったとしても、
あなた自身がその世界にいなくては何の意味も無いのよ。エヴァで負けるのは仕方がない
かもしれない。だけど、そこで戦いは終わりじゃないの。まだ私たちが負けたわけじゃないのよ」
「……」
「だから、あなたは絶対に生き残りなさい。もう死んでもいいなんて考えては駄目よ」
 私は溢れそうになる涙をこらえながら、ただ
「はい、」
 とだけ返事をした。
 葛城さんはニコッと微笑んでから、
「フォースチルドレンへ零号機への搭乗を命じます。以下、詳しい作戦の指示を日向二尉から
受けるように」
「はい、」
 葛城さんはポンと私の肩を軽く叩くと、
「行ってらっしゃい。そして、またここへ戻ってきなさい」
 と言った。
 その言葉に私はただ小さくうなずいた。

 ヤシマ作戦。
 高エネルギービームで攻撃してくる使徒に対して、エヴァによる超長距離からの直接攻撃。
 それは戦自研のポジトロンライフルにより使徒のATフィールドを中和せずに打破するという
ものだった。そのために日本中の電力をライフルへ注ぎ込むらしい。
 砲撃手は初号機で、私は零号機で防御。これは私よりシンクロ率が高いシンジの方がより
精度が高いオペレーションが可能だからだった。
 零号機が持つ盾は使徒のビームを17秒ほど耐えることことができる。でも、それ以上の時は……
「僕たち、死ぬかもしれないね」
 満月の下、エヴァの横で待機している時に、シンジがそう言った。
 私は彼の方へ振り向き、
「シンジ君は死なないわ。だって、私が守るんだもん」
「でも、それじゃ、マナが……」

つづく
67plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/09(火) 00:27:03 ID:???
「大丈夫よ」
 と私は言った。
「だって、約束したから。必ず戻るって」
「強いんだね。マナは、」
 と、膝を両手で抱えながらシンジは言った。
「ううん。強くなんてないよ。今日だって、ネルフから逃げ出しちゃったし」
「そんなの僕だって、いつ逃げ出したっておかしくない」
 私は体育座りをしている足のつま先を見ながら、
「私、今まで何回も逃げ出しているの。前にいたところから仲間の子と一緒に逃げたこともある」
「……」
「私ね、シンジ君によく似た人を知っているんだ」
「えっ、」
 少し驚いたように目を大きくさせてシンジ君は私を見た。
「その人のこと、私、好きだった。大好きだった。でも、……」
「……」
「最後にその人から逃げ出しちゃったの。いろいろ理由はあったけど、その人をとっても傷つけ
ちゃったことは確かだと思う。結局、まだその人にはごめんなさいって謝っていない。……もう
永遠に謝ることはできなくなってしまったわ」
「……その人、死んじゃったの?」
 私はしばし目を瞑ってシンジの顔を思い出してから、
「ええ、」
 と答えた。
「でも、私はもう逃げない。今いるみんなを守りたいから」
 私はすうっと立ち上がり、
「シンジ君、」
「ん?」
「この戦いが終わったら、また綾波さんと一緒にご飯を食べよう。ねっ?」
「う、うん」
 私はシンジに笑みを送ると、零号機のエントリープラグへと向かった。

つづく
68plot239-6:2007/10/09(火) 01:09:45 ID:???
 深夜0:00、ついにヤシマ作戦が開始された。
 二子山の峠道には、まるでF1開催のフジスピードウェイ連絡道路で渋滞するバスのように
変電器を積んだ車両が居並んでいた。
 その変電器群へ日本中の電力が集まり加速器が運転を開始する。
 ポジトロンライフルを構える初号機。
 私の乗る零号機はシールドを持ち初号機の横で待機していた。
 プラグ内のモニターには作戦部の様子が映し出され、スピーカーからは状況を伝える声が
絶え間なく流れている。
”あっ、綾波さん”
 作戦部に彼女がいる。もう大丈夫なのかなと、私は心の隅で思った。
『第7次最終接続』
『全エネルギー、ポジトロンライフルへ』
『発射まであと10秒、9,8,7,6,』
 とカウントが進んだ時、
『目標に高エネルギー反応!!』
『3,2,2,1,0』
『撃てっ!』
 と葛城さんの命令が下ったまさにその時、
『碇君、待って』
 と綾波さんが叫んだ。そして、綾波さんは続けて、
『霧島さん、初号機を守って』
「えっ、はいっ」
 その瞬間、使徒の真正面から眩い閃光が走った。
 私は反射的に初号機の前へ出て盾を構える。
 間一髪のところで使徒のビームを防ぎ、その盾は激しい光と熱を生んだ。
 盾が溶けていく。
 もう駄目なの?
 でも、私は、私は負けられない。
 そう心の中で叫んだ時だった。

つづく
69plot239-6 ◆ExGQrDul2E :2007/10/09(火) 01:36:17 ID:???
『軌道の再計算完了』
『撃て』
 初号機がライフルを撃ち、青白い光の束が一直線に使徒へ伸びていく。
 そして、零号機を襲う圧力と熱が消えた。
 遙か前方ではビームで撃ち抜かれた使徒がゆっくりと地上へ落ちていくところだった。
「よかった。私たち、勝ったんだ」
 と呟き、私はエントリープラグを零号機からイジェクトさせた。
 使徒の攻撃により煮えたぎるような熱さを持ったLCLから出て、夜風に身体をあてる。
 火照ったからだから風が熱を取り去ってくれていた。
 すると、初号機がそばに来て、そこからシンジが出てきた。
 私が彼のところへ行くと、シンジは泣きじゃくって、
「マナ、……僕、僕は、」
「シンジ君、昨日とは逆だね」
 と、微笑みながら私は言った。
「昨日は碇君が私を守ってくれて、今日は私が碇君を守ることができた。これからもみんなで
一緒に戦っていこう。そうすれば、なんとかなるよ」
「う、うん、」
 私はシンジの手を引っ張るようにして、
「みんなのところへ帰ろう」
 と言ったが、アレっとした感じで足がふらついてしまった。
「マナ?」
「あはっ、おなかが空きすぎたみたい」
「マナ、帰ってご飯を食べよう。きっと美味しいよ」
「うん。でも、こんなに夜中に食べたら太っちゃうね」
 その言葉にシンジと私は声を出して笑った。
 そして、綾波さんもここにいたら一緒に笑ったかな?と、私はそんなことを思っていた。

○月24日
〜中略
 いろいろあったけど、もう少し私は頑張ってみようと思います。
 でも、シンジ君や綾波さんに本当のことを言えないのかなりつらいです。
 私はこれからどうすればいいの。
70名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/09(火) 11:44:52 ID:???
乙かれ〜
71名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 09:26:10 ID:???
人少なすぎw
age
72名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 10:01:25 ID:???
やっぱマナ×シンジでないとウケは悪いの?
73名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 11:10:28 ID:???
面白い
74名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 10:19:34 ID:???
待ち
75名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/15(月) 05:08:56 ID:???
多分ここのスレ主さんだと思うので勝手に転載

107 名前:ヽゝ*゚∀゚ν:07/10/13 13:13:12 ID:???
なんか自衛隊員がどうのこうので規制に巻き込まれ中
もう当分は駄目みたいです
某マナスレ、そういうわけでしばらく無理みたいです
76plot239-7 ◆ExGQrDul2E :2007/10/18(木) 23:25:50 ID:???
 眠気を誘う午後の空気。
 日直の子が司会する帰りのSHRを頬杖つきながら見ていた私はあくびを小さくした。
 ちなみに今日の日直は相田君だったけど、そんなことはどうでもよくて、もう一度あくびを
してから、誰にも聞こえないような声で呟いた。
「ドーナツ、食べたい」
 と、
 やがて、さよならの挨拶が終わり、教室の中が騒がしくなっても私はまだ席に着いたまま
ぼうーっとしていた。
 しばらくして、視界の片隅にヒカリちゃんの姿が映って、
「マナ、帰ろう。今日はエヴァの訓練はないんでしょ?」
 との声がかかってきた。
 私は相変わらず頬杖をついたままその質問には答えずに、
「ドーナツ分が足りない」
 と、ポツリ呟く。
「……ドーナツ分?」
「うん。血液中のドーナツ成分が足りないの。あまりに足りなくなると干からびて死んちゃうだよ」
「……」
「……」
「はい、はい、漫画の受け売りはそこまでとして、ドーナツが食べたいのね、マナ?」
「うん、とーっても」
「わかったわよ。じゃあ、私もミスドに付き合うから、早く行きましょ」
「ほんとー!?」
 私はそう大声を上げると、急いで鞄の中へ教科書やノートをしまい始めた。
 そして、鞄を持って立ち上がった時、私の横を綾波さんが通り過ぎようとしていたが、
「レイちゃーん」
 と呼び止めた。
 レイちゃんはパタッと足を止め、
「……レイちゃん?」
 と、小首を傾げた。

つづく
77plot239-7 ◆ExGQrDul2E :2007/10/19(金) 00:08:46 ID:???
 私も同じように僅かに頭を傾けて、
「ん?」
「……何?」
「レイちゃんも今日は訓練ないでしょ?」
「ええ、」
「じゃあ、これからミスドへドーナツを食べに行くんだけど、レイちゃんも一緒に行こう?」
「私はいい」
 と、レイちゃんは即答した。
 けれど、私は知っている。レイちゃんの”いい”は”嫌”といのと違うをことを。
 ニュアンスとしてはめんどくさいに近い感じ。
 無理に連れて行っても、なんとなく楽しんでいるようなことが多いのだ。
「えー、一緒に行こうよ。ヒカリちゃんも行くんだよ」
「洞木さんも?」
「そう。それに新作もチョー美味しいんだって」
「……私、ドーナツを食べたことない」
「えー、じゃあ、行こうよ。抹茶あずきリングを食べなきゃ」
 これまでの付き合いでレイちゃんが和食・和菓子系を好きなのはもう判明済み。
 レイちゃんはしばし黙って私を見ていたけど、
「いいわ。行きましょ」
 と小さく言った。
 私は小さく微笑んでからヒカリちゃんへ振り向いて、
「ねえ、レイちゃんも一緒に行くって。いいでしょ?」
 と言ったが、ヒカリちゃんは窓側の方を見ていて、
「えっ、あ、うん。いいよ」
 と慌てたふうに答えた。
 どうしたのかと思って、ヒカリちゃんが見ていた方へ視線を向けると、そこにはシンジ君と
一緒にいる鈴原君や相田君の姿があった。
 って、そういうことか。
 私はヒカリちゃんへ微かにニヤッと笑みを送ってから、

つづく
78plot239-7 ◆ExGQrDul2E :2007/10/19(金) 00:58:13 ID:???
「シンジく〜ん、」
 と手を振って声をかけた。
 何?と言うような顔をする彼に私は手招きしながら、
「ねえ、これからみんなでミスドへ行くんだけど、シンジ君たちも一緒に行かない?」
「う〜ん、これからトウジたちとゲーセンに行くんだけど」
 と、そばに来たシンジ君は答えた。
 すると、彼と一緒に私たちの方へやって来た鈴原君が、
「そやで。シンジはワイらと一緒に遊びに行くんや。霧島の誘いなんかお断りや」
「そうなの、シンジ君? せっかくレイちゃんも一緒に行くんだし、私たちチルドレンの仲を
深めるいい機会だと思うんだけどな」
「えっ、綾波も来るの?」
 とシンジ君が訊くと、レイちゃんはコクンと小さくうなずいた。
 そして、彼は鈴原君へ振り向くと、
「トウジ、今日はゲーセンへ行くのやめて、みんなと一緒に行かない?」
「なんや。シンジ、裏切るんかいな?」
「そういうわけじゃないけど」
「鈴原君も行こうよ。ゲームにお金を使うより、よっぽどいいと思うよ。おなかもいっぱいになるし。
ねっ、ヒカリちゃんもそう思うよね?」
 ヒカリちゃんはドキッと肩を小さく震わせると、
「えっ、う、うん」
 と答えた。
 私はそんなヒカリちゃんがおかしくて笑いたくなるのをぐっと我慢しながら、
「相田君も来るよね?」
 と訊いた。
 相田君は声を出して答える前に何度も大きく首を縦に振り、
「当然、行くさ」
 と言った。
「残ったの鈴原君だけだよ。どうするの?」
「うー、しゃあない。行けばいいんやろ。行けば。ほな、行くで、シンジ」


つづく
79plot239-7 ◆ExGQrDul2E :2007/10/19(金) 01:15:00 ID:???
 私はまた横へ振り向き、うれしそうな顔をしているヒカリちゃんを見てニヤッとしてしまった。
 そんな私に気づいた彼女は早口で、
「ほら、マナ。早く行きましょ」
 と言って、教室の出口の方へ歩き始めた。
 私はレイちゃんへ目配せをして、クスッと小さく笑ってから、
「シンジ君たちも行こう」
 と言った。
 放課後の空気はどこか楽しげな匂いに満ちているような感じがした。


後半につづくよ





いろいろあって、前回のヤシマ作戦で終わろうかとも思いましたが、もう少し続けてみることにしました。
一応、ラストだけは考えていますが、そこまでたどり着けるかどうかはちょっと……むずかしいかな
80名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 03:04:28 ID:???
いろいろあるなら仕方ないけど、折角ネタがあるなら
ラストまで辿り着かないと勿体無いと思いま〜す!

急がず焦らず、頑張ってください。
81Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/10/19(金) 21:27:19 ID:???
乙〜♪
出た、食いしん坊マナw
82名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 01:09:17 ID:???
乙かれ
83plot239-7 ◆ExGQrDul2E :2007/10/20(土) 22:12:03 ID:???
 そんなこんなで、みんなでミスドにと〜ちゃ〜く。
 私たちはそれぞれ好きなドーナツを取ってから窓際の席に腰をかけた。
 席順はこんな感じ。

   私   レイちゃん  シンジ君
窓--------------------------
  相田君 ヒカリちゃん 鈴原君

 もちろん、この席順を決めたのは私で〜す。
 と、まあ、そわそわと嬉し恥ずかしそうにしているヒカリちゃんを盗み見しながら、
私はオールドファッションドーナツを大きく頬張った。
 サクッともモヤッともしたような感触のあと、口の中に甘さがぱーっと広がった。
 ホント、おいしい。
 ベーシック中のベーシック中、さすがドーナツの王様よね。
 あっという間に全部おなかの中に入りきると、私は次にチョコレートドーナツを口にした。
 これもおいし〜い。
 今、すっごくしあわせ。
 隣にいるレイちゃんに、
「おいしいね」
 と言ったら、彼女はドーナツをかじりながら小さく肯いた。
 レイちゃんが食べているのは”抹茶練乳あずきリング”。その名の通り、抹茶のリングドーナ
ツの中に練乳を絡めた粒あんがみっちりと入っているものなのだ。
 ううっ、想像しただけでも口の中が甘くなってきた。
 そんな超あま〜いドーナツをレイちゃんは無表情だけど、どこか美味しそうな顔で食べている。
 私はちょっとお口直しにアイスレモンティーのストローにくちびるをつけた。
 と、斜め前にいるヒカリちゃんの方を見たら、鈴原君とドーナツを半分に分けながら食べていた。
 けっこうヒカリちゃんって、積極的なんだ。
 鈴原君の汚したあとを拭き取ったりしているし、どちらかというとお母さんという感じかも。
 私はふふっと軽く微笑んでから、


つづく
84plot239-7 ◆ExGQrDul2E :2007/10/20(土) 22:34:57 ID:???
「なんだか、私たちってダブルデートしているみたいだね。あっ、これってトリプル
デートって言うのかな?」
 と、なにげなく私が言ったら、
「どうして私が鈴原と!「なんでワイがイインチョと!!」」
 と、二人が私の方へ身を乗り出しながら大声で言ってきた。
 でも、そんな風にハモっている二人の様子がおかしくて、私は笑いをこらえながら、
「ぷっ、私はヒカリちゃんと鈴原君のことなんて、これっぽっちも言っていないんだけど」
「で、でも、この並びだと私と鈴原のことと思っちゃうでしょ?」
「そや、イインチョの言うとおりやで。ワイなんか、この組み合わせやとトイメンにいるシンジか
イインチョしかいないやんか」
「え〜、シンジ君じゃ鈴原君は不満なの〜?」
「そ、そんな不潔なことは駄目よ、鈴原」
「バカ言うんちゃうで。ワイかて、男と付き合うような趣味なんか無い。それやったらイインチョの
方がまだマシや」
「……まだ、マシ?」
 と、私はとっても小さく呟いた。
 また、なんとも微妙な言い回しよね。ヒカリちゃんも喜んでいいのか怒っていいのか、ちょっと
困ったような表情をしているし。
 私はちょっと叩いてやろうと鈴原君の方へ身を乗り出そうとした時、相田君がシンジ君を指差し
ながら、
「この席順だと、碇と綾波だろ。それに委員長とトウジ。……と言うことは」
 と言って、ひらめいたとでもいう感じにポンと手を叩き、
「わかった。霧島。おまえ、俺のことが好きなのか?」
 と言った瞬間、その場にいた全員が
「「「それ、違うから」」」
 とツッコミを入れていた。
 なんと、レイちゃんまでもが呟くようにつっこんでいたのだ。
 相田君はそのショックに少し涙目になりながら、
「だ、だってさ、霧島の前横にいるのは俺だけだし、トリプルデートって言うから、ペアになるのは
俺しかいないじゃんかよー」

つづく
85名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 23:00:20 ID:???
 相田君の隣にいたヒカリちゃんが、彼の肩をポンと叩いて、
「冷静に考えればわかるでしょ。そんなことはありえないって」
「で、でも、わかんないじゃないか。俺のかっこよさに気づいたかもしれないし」
 私は彼を慰めるような目で、
「将来、相田君を好きになってくれる子が見つかるといいね」
 と言うと、彼はコーラの入ったグラスの中の氷をストローでかき混ぜながら、
「どうせ、俺なんか」
 とぶつぶつ呟きながらいじけ始めた。
 そんな相田君の様子がちょっとかわいいかもと思ったような思わないような、
結局はどうでもいいことなので私は3つめのカスタード・ドーナツを口にした。
 やっぱりドーナツは美味しくて、しあわせ〜な気持ちになりながら窓の外に視線を向けた。
 この店の向かい側はゲームセンターになっていて、表にあるUFOキャッチャーを熱心にし
ている少女の姿が目に留まった。
 後ろ姿だけど、キラキラ光るような長い金髪に冴えるようなレモン色のワンピース。
 すっごく目立つ。
 というか、あの服のセンスは少しどうかと思う。
 まあ、一目で誰かはわかったけど。
 私はレイちゃんにだけ聞こえるような小さい声で、
「窓の外を見て。あれ、セカンドチルドレンの惣流・アスカさんよね?」
 と言った瞬間、ロボットアームからぬいぐるみの落っこちるのが見えた。
 彼女はガンとゲーム機を叩くと、次に足で蹴り始めた。
 その時にちらっと見えた横顔はやっぱりアスカさんで、
「そのようね」
 と、レイちゃんもうなずいた。
 昨日のミーティングの時に、海洋上で使徒と戦う弐号機の映像を私たちは見た。
 そこでの弐号機の動きはすごくて、とても私には真似できない。
 パイロットとして尊敬している部分もあるアスカさんだけど、普段の様子はアレだ。それは今
もUFOキャッチャーゲーム機をガンガン蹴り飛ばしているアレで。
 あれっ、なんかヤンキーな人たちとケンカを始めた。


つづく
86名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 23:15:41 ID:???
「レイちゃん。アスカさん、ケンカしているよ」
「そのようね、」
「助けに行った方がいいよね?」
「心配はいらないわ。どこか近くに保安部の人たちがいるもの」
「でも、……」
 私はシンジ君に声をかけて、
「ねえ、シンジ君。あそこで絡まれている女の子がいるんだけど、助けに行こう」
 と外を指差したが、そこではプロレスさながらの大乱闘状態になっていた。
「えっ、行くの?」
「うん。鈴原君と相田君もお願い」
「ほな、わかった。シンジ、行くで」
「ふふっ、日頃の訓練の成果を見せる時が来たか」
 と、相田君はなんか不気味に笑っているし。
 でも、シンジ君は明らかに嫌そうな顔で、仕方なくといった感じに出て行った。
 そう言えば、シンジ君はまだアスカさんの顔を知らないのよね。私とレイちゃんはネルフにい
るのが長いから、彼女の写真くらい見たことあるけど。
 と、3人は彼女の加勢に入ったけど、これが全くと言っていいほど戦力にならなかった。
 まあ、シンジ君がケンカ強いというのも似合わないけど。
 私たちも外に出て応援していたけど、孤軍奮闘しているアスカさんの背後にヤンキーさんが
襲いかかろうとしていた。
 私は思わず大声で、
「アスカさん、危ない!!」
「えっ、」
 と、彼女が振り向いた瞬間、その顔へヤンキーさんのパンチが飛んでいったけど、
「うわっ、」
 と、とっさにシンジ君が割り込んでいき、彼女の顔の代わりにパンチを盛大に受けていた。
 シンジ君は倒れ込んじゃったけど、女の子をかばう姿にちょっと私はうるっと来てしまった。
 アスカさんはシンジ君のそばに駆け寄り、
「アンタ、大丈夫なの?」
「な、なんとか」

つづく
87名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 23:33:37 ID:???
 と、シンジ君は左頬を手で押さえながら答えた。アスカさんは殴った相手をキッと睨むと、
「アンタ、やってくれたわね」
 と言って、そばにあったパイプ椅子を持ち上げ、ガシガシと相手に殴りつけていた。
 なんか、もう収拾がつかないような感じで、隣にいるヒカリちゃんは泣きそうになっている。
 すると、レイちゃんはポケットからケータイを取りだして、どこかへ連絡を取り始めた。
 やがてまたケータイをしまうと、
「これで大丈夫よ」
 と、レイちゃんは私に言った。
 しばらくすると、パトカーのサイレンが聞こえてきて、って、警察に電話したの?
 なんか、みんな大慌てで逃げ始めて、私たちもつられて逃げてしまった。
 しばらく走ったあと、気づいたら私たちチルドレン4人だけになっていて、ヒカリちゃんたちとは
はぐれてしまっていた。
 みんな、はずんだ息を整えてから、アスカさんが私の方へ向いて、
「アンタ、アタシの名前を呼んだでしょ? どうして知ってんのよ?」
「どうしてかって言うと、」
 私はレイちゃんやシンジ君の方を指して、
「私たち、ネルフのチルドレンだからです」
「えっ、うそ!?」
「アスカさんも私たちの写真くらい見たことあると思うけど」
「あ、そう言えば、この青い髪、ファーストね。で、アンタがフォース」
「ねえ、マナ。彼女のことを知っているの?」
「うん。この人がエヴァンゲリオン弐号機パイロットのアスカさんだよ」
 その言葉にシンジは驚いたように大きく目を見開いて、アスカさんは彼を真っ直ぐに指差して、
「じゃあ、こいつがサードなの?」
「そうよ。サードチルドレン・碇シンジ君」
「ふ〜ん、こいつがね。……あ、そうだ。さっきはかばってくれてありがとう。じゃあ、またね」
 と言って、アスカさんはダッシュでどこかに行ってしまった。
 なんだか、あっけにとられた私たちは彼女の後ろ姿をただ呆然と見ていた。

×月15日
〜中略〜
加持さん、ドイツ土産に缶ビールは止めてください。って、これ、葛城さんのお土産じゃないんですか?
88Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/10/21(日) 03:00:51 ID:???
乙〜♪ GJ、GJ、GJ

昨日書きそびれたけど、
> 「……レイちゃん?」
> と、小首を傾げた。
ここ、いいよね。
ちょっと馴れ馴れしいところのあるマナと、困惑する綾波の描写が実に面白い。
89名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 21:36:45 ID:???
gj
90名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 00:18:14 ID:???
保守
91名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 17:22:15 ID:???
plot(・∀・)ガンガレ!!
92plot239-8 ◆ExGQrDul2E :2007/10/28(日) 21:08:25 ID:???
 分裂した使徒と戦った翌日、訓練はお休みだった。
 昨日はいろいろ大変だったし、そこらへんは葛城さんも考慮してくれたみたい。
 とは言え、私は戦わないで、本部でお留守番だった。
 実戦に出たのは、レイちゃん、シンジ君、アスカさんの3人で、使徒が分裂しちゃって、
やられそうになったけど、そこをN2爆雷で攻撃。動けなくなった使徒を3機のエヴァで
やっつけるという終わってみれば楽勝な戦いだった。
 エヴァだけでやっつけられなかったことがアスカさんには不満だったようだけど、私は
無事に戦いが済むのが一番だから、よかったと思っている。
 そんなわけで、今日は土曜日。
 私は一日中、思いっきり部屋の中でゴロゴロするんだと決めていたんだけど、なんだか
隣の部屋がバタバタとうるさくて、どうにもこうにも眠っていられなかった。
 いったい何なんだろうと思って、10時くらいにふとんから出て、玄関の外を見てみたら、
「やあ、マナ君。おはよう」
 と、加持さんが大きい段ボールを両手に抱えながら言った。
「えっ、どうしてここに?」
「いやあ、ちょっと引っ越し手伝いを頼まれてな」
「そういうことよ。今度、アタシ、ここに越してくることになったから」
 と、その時、アスカさんが大きなバックを持って現れた。
「えっ、隣に?」
「まあね。いつまでもホテル暮らしもしてらんないし、総務の方に部屋を探してもらったら
ここになったというわけよ」
「そうなんだ。……あっ、私も手伝うよ」
「悪いわね。じゃあ、あっちのトラックに荷物があるから、それ、お願いするわ」
「うん、わかった」
 と、そんな感じで引っ越し作業が30分ほどで終わり、
「ま、あとはアスカが自分でやるしかないな」
 と、加持さんが部屋の中を見回しながら言った。
 一応、家具類はセットし終わり、段ボールの荷物も運び終わった。
 あとはもうアスカさんが自分でするしかないと思う。


つづく
93名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 21:23:36 ID:???
 そんなわけで、加持さんはアスカさんの部屋から出ると、
「じゃあ、俺は用事があるから行くよ」
「あ、加持さん。今日はどうもありがとうございます」
「力仕事ならいつでも呼んでくれ。ま、こんなことしか役に立てないがな」
「いいえ、そんな」
「じゃあ、アスカ。これからお隣さんになるマナ君やシンジ君と仲良くするんだぞ。
マナ君もアスカのこと、よろしく頼む」
「はい、」
「じゃ、またな」
 と言って、加持さんは帰っていった。
 その後、自分の部屋に戻った私は夕方までごろごろと漫画を見たり、テレビを見たり、
ポテトチップスを食べてたりとすっかり食っちゃ寝をしていたんだけど、

ピンポ〜ン

 と玄関のチャイムが鳴った。
 そして、ドアを開けると、そこにはアスカさんが立っていて、
「夕ごはん食べた?」
 と訊いてきた。
「ううん、まだだけど」
「よかった。ほら、そばを持ってきたから、一緒に食べようと思って」
 と、アスカさんは両手に抱えたざる蕎麦の器へ視線を向けた。
「えっ、私に?」
「ん? 日本じゃ、引っ越ししたら近所の人とそばを食べるって聞いたけど」
「……誰に?」
「加持さんに」
「うーん、よく漫画とかでは見るけれど、本当にそんなことする人じは見たこと無いけど」
「えっ、じゃあ、これってウソなの?」
「うそじゃないけど、失われた日本の風習みたいな。でも、そんなこと、どうでもいいよ。
アスカさん、ありがとう。一緒に食べよう」

つづく
94名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 21:41:25 ID:???
 と言うと、アスカさんはちょっと恥ずかしそうに、
「仕方ないわね。じゃあ、今日だけよ」
 と呟くように言った。
 それから私は部屋の中をパパッと片づけて、アスカさんを招いた。
「へー、けっこうキレイにしているじゃない」
「そう?」
 と私は言うけど、さっきの数分でタンスに散らかった物を押し込んだのは秘密。
 リビングにアスカさんと腰を下ろし、テーブルの上に置いたざる蕎麦を見た。
「これ、3人前だよね」
「そうよ。アタシと、アンタと、シンジの分。アイツもこの隣に住んでいるんでしょ?」
「うん、」
「で、さあ、アイツの部屋にも行ってみたけど、どうも留守みたいなのよね」
「いなかったんだ?」
「というわけだから、これ、アンタとアタシで食べるしかないわね」
「んー、ちょっと待って」
 と、私はケ−タイを取りだして、電話をかけた。
「あ、シンジ君? 今どこ? うん、そう、あ、レイちゃんもいるんだ?」
 と話が続き、
「じゃあ、お願いね」
 と、電話が終わった。
「シンジのとこに電話したんだ?
 とアスカさんが訊いてきた。
「うん。シンジ君、ネルフ本部に用事があって行ってたんだって。でね、レイちゃんも
ちょうどいたから、今から買い出しして、ここに来るって」
「買い出し?」
「うん。みんなでアスカさんの引越祝いをしないとね」
 と言って、私はにこっと笑った。
「い、いいわよ。そんなの」
「だーめ。郷には入れば郷に従えよ」
 と、私たちはシンジ君とレイちゃんが戻るまで待つことになった。

つづく
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 21:57:41 ID:???
 で、シンジ君たちが来るまで、私たちは部屋で二人っきりだった。
 私は前の時にアスカさんを知っているけど、こっちのアスカさんは私とまだそれほど面
識がないから、ちょっと居心地が悪いみたいな感じで、少し気まずい空気が流れている。
 私は場を持たすためにコーヒーを入れて、
「どうぞ」
 と、アスカさんの前にカップを置いた。
「ん、ありがと」
 と言って、アスカさんはコーヒーを飲んだ。
 それからちょっと二人でテレビを見ていたら、アスカさんが唐突に、
「フォース? って、ちょっと呼びにくいわね」
「マナでいいよ」
「じゃあ、マナ。アンタ、シンジと同棲しているってわけでもなかったのね」
「ぶっ!!」
 と、私は飲んでいたコーヒーを噴き出してしまった。
「な、なにを言うのよ?」
「だって、シンジと住所が同じじゃない。すっかり同棲してんのかと思ったわよ」
「同じって、部屋番号が違うでしょ」
「隣同士だもん。同じようなものよ」
「違う!」
「まあ、それはいいとして、同棲はしてなかったのね」
「当たり前でしょ。私とシンジ君はそんなんじゃないし、第一まだ中学生じゃない」
「中学生って言ったら、もうじゅうぶん大人よ」
 と、アスカさんは小さく溜め息を吐いた。
「ねえ、マナ?」
「なに?」
「加持さんにとって、アタシってやっぱり子供なのかな?」
 と、アスカさんが訊いてきた。
 これまで加持さんへアスカさんがもうアプローチをかけているのを何度も見ている。
 それに前の時にシンジからアスカさんが加持さんのことを好きだと聞いていたし。


つづく
96名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 22:14:04 ID:???
 でも、私が感じていたところではどう見てもアスカさんはシンジのことが好きな
ように見えた。私とシンジの仲をいつも邪魔していたし。
 あっ、でも、今度はアスカさんと仲良くなりたいなと思っている。
 今度もアスカさんはシンジ君のことが好きになるかどうかわからないけど、私はたぶ
んそうならないし、そうなれば普通の友達になれるかもしれない。
 本当は前の時、アスカさんと友達になりたかったんだ。
 と、少し物思いに耽ってから私は、
「んー、どうかな。でも、加持さんって今31歳でしょ? そうすると加持さんから見れば、
14歳の女の子なんて自分の娘のように見えるのかもしれないかな」
「17歳差か。普通に考えれば、恋人の対象にはならないのかな」
「どうだろ。でも、よくニュースで中学教師が生徒に手を出して、淫行で逮捕されているの
を聞くし、ロリコン趣味の人ならOKかも?」
「ロ、ロリコン、加持さんがロリコン? マナ、なにげなくアタシに大ダメージを与えてくれるわね」
「てへっ、そうかな」
「そうかなじゃないわよ」
 と言って、アスカさんは頬杖をついた。
「まあ、アタシもここんとこ冷静に考えてみたのよ。やっぱ、加持さんにとって中学生なんか
恋愛対象になるわけ無いのよね。空母で航海中に裸でせまったりしたけど、そりゃあ、相手
にされるわけないわよねえ。あはは、は、……」
 と、アスカさんは自嘲気味に笑った。
 私はと言うと、アスカさんってすっごくダイタン、とビックリしていた。
 と、その時、
「決めたっ!」
 と、アスカさんが拳を握りしめて大声で言った。
「えっ、なにを?」
「アタシ、もう加持さんをあきらめるわ」
「って、そんなあっさりに」
「諦めるって言っても、加持さんは好きよ。でも、それはアイドルみたいな感じね」
「そういうこと、か」
「そう、そういうことよ。でね、アタシは手に入れるの。アタシだけを見てくれる人を。絶対にね」

つづく
97名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 22:35:53 ID:???
 私は彼女を見つめながら、中学生でこんな決心をするなんて凄いと思ってしまった。
「アスカさん、もうそんな人はいるの?」
「ん?、いないわよ。まあ、加持さんに匹敵するような人じゃないと駄目だし、そんなヤツが
おいそれといるわけないし、あせらずに探すわ」
「……がんばってね」
「もちろんよ」
 と言ってから、アスカさんは身に纏う雰囲気を変えて、
「ところで、さっきファーストも来るようなこと言ってたわね」
「うん、レイちゃんも来るよ」
「あの、ファーストがマジで? 孤独が大好きみたいな女が?」
「ううん、レイちゃんって、付き合いいいよ。誘うといつも付き合ってくれるもん」
「うそ、信じられないわ」
 と、アスカさんは驚いたように目を見開いてから、そばを指差し、
「じゃあ、これ、どうする? 3人分しかないわよ」
「あ、それね。こうすればいいよ」
 私はキッチンに行って平皿を持ってくると、
「こうして、ちょっとずつ分けてと」
 と、その3人前のざる蕎麦から持ってきた平皿にそばを分けて、4人分に増やした。
「ん〜、でも、ちょっと少なくなっちゃたわね」
「それも大丈夫。シンジ君に他に食べるものを頼んだから。だって、引越祝いなんだもん。
美味しいものをいっぱい食べないとね」
「マナって、食べることになると夢中になるのね」
「あうっ」
 アスカさんはそんな私を見て、くすっと笑いながら、
「シンジたち、遅いわね。こんなんじゃ、おそばがのびちゃうわよ」
 と言ったが、案の定、シンジ君とレイちゃんが来て、パーティーになった時にはもう
のびたそばを私たちは食べることになったのだった。
 でも、みんなで食べるご飯は美味しいと、私は食後のプリンを食べながら思った。

×月31日
〜中略〜
本部E系統配線図を入手したので、明日、エージェント・スミスに渡します。
98名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 22:53:47 ID:???
乙かれ〜
99名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 03:14:23 ID:???
(・∀・)イイ!!
100plot239-9 ◆ExGQrDul2E :2007/10/30(火) 20:41:40 ID:???
 朝、学校へはお隣さん同士ということもあって、シンジ君とアスカさんと3人で登校している。
集まる時、いつもシンジ君が最後で、ちょっとお寝坊さんみたい。
 そんなわけでだいたい朝のSHRが始まる少し前くらいに教室へ着くけど、それでも走ったりす
ることもなく、おしゃべりしながら歩いている。
 と言っても、女の子同士ということでほとんどは私とアスカさんが他愛のないおしゃべりをして
いて、シンジ君が私たちの後ろについてくるという感じ。
 今朝もテレビの話とか噂話とかしていたんだけど、
「ところでさ、」
 と、アスカさんが唐突に訊いてきた。
「ん?」
「アンタ、どうして本部にいんのよ?」
「どういうこと?」
「だって、そうでしょ。アンタの乗るエヴァが無いのに本部にいたってしょうがないじゃない」
「んー、先に本部で訓練をするようにっていう命令だけど」
「そこがおかしいのよ。まあ、プロトタイプの零号機や初号機は別として、エヴァっていうのは本来、
パイロットに合わせてチューニングしなちゃ動かせないものなのよ。だから、アタシなんか弐号機
専属パイロットと言われてるわけだし」
「そうだったんだ?」
 と、シンジ君が言った。
「そうなのよ。アタシやファーストなんて、もう10年くらいエヴァの開発に関わっていて、やっと最近、
ATフィールドを発生できるようになったのよ。なのに、アンタ、こんなとこにいていいわけ? マナの
乗る四号機って、弐号機と同じ制式タイプなんでしょ?」
「そうだけど、いいと思うよ。だって、命令だし」
「そんなんで納得できるなんて、マナってホントお気軽よね」
 と、アスカさんは少し呆れたように言った。
「そうかなぁ? あはは、」
「もしかすると、」
 アスカさんは僅かに眉間にしわを寄せて、
「四号機っていうのは、噂の量産機のプロトタイプかもしれないわね」
 と言った。
101名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 21:05:20 ID:???
「量産機?」
「そうよ。アタシも噂でしか聞いたことがないからよくわかんないんだけど、どうも
無人でコントロールできるという話よ」
「へー、そうなんだ。じゃあ、将来は僕たちがエヴァに乗らなくてもよくなるのかな?」
 と、シンジ君が言った。
「ま、そうなったら、アタシたちはお役ご免ってところかしらね。悔しいけど、エヴァのデータ
だけ取られて使い捨てみたいな」
「僕は戦わなくてすむなら、その方がいいけど」
「あ、私もそうかな」
「はん、ホント、アンタたちはお気軽ね。アタシはそんなの嫌よ」
 と言ってから、アスカさんはしばらく考え込むように黙り込んでいた。
 それから学校まで半分のところになった時、ヒカリちゃんと一緒になった。
 ヒカリちゃんは学級委員長ということもあって前は早めに教室へ行っていたけど、アスカさ
んが来てからは私たちに時間を合わせてくれていた。
 やっぱり今回もアスカさんとヒカリちゃんはすぐに仲良くなって、
「おっはよー、ヒカリ」
「アスカ、おはよう。マナ、碇君、おはよう」
「「おはよう」」
 と、私とシンジ君も挨拶を返す。
 それからは私たち女の子三人でおしゃべりが続いたけど、ヒカリちゃんが思い出したように、
「あっ、先生から聞いたんだけど、今日、転校生が来るんだって」
「えっ、転校生?」
「そう。でも、めずらしいよね。使徒が来てから疎開が始まって、みんないなくなっていってるのに、
転校してくるなんて」
「またネルフ絡みなんじゃない」
 と、アスカさんが言った。
「こんな物騒な街にわざわざ来るなんて、親とかがネルフ関係者に決まっているじゃない」
「そうなのかなぁ?」
「アスカの言う通りかもしれない。でも、そんなこと関係なく仲良くなれるといいね」
 とヒカリちゃんが言った後、私たちの後ろにいたシンジ君が、
「どんなこかな? かわいいコだったらいいな」
 と呟くように言った。
102名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 21:27:53 ID:???
 その瞬間、私たち三人はパタッと歩く足を止めて、そろって後ろへ振り返り、
「シンジ、今なんて言った?」
 と、アスカさんが訊いた。
「えっ、どんな子かなって」
「その後よ」
「か、かわいいコだといいな…かな?」
「ほほー、アタシたちがいるっていうのに、そんなこと言う。その口で」
「えっ、僕、なんかまずいこと言った?」
「言ってないわよ、ちっともね。でも、アンタのその言い方、嫌らしいのよ」
 碇君はちょっとビックリしたみたいで、私やヒカリちゃんへ目で訊いてきた。
「う〜ん、あまり女の子の前で言うことではないかも。わたしは別にいいけど、ねえ?」
 と、ヒカリちゃんは私に意味ありげな目線を送った。
「えっ、私? 私も別に……。それ言うならアスカさんかな?」
 と、今度は私がアスカさんへ視線を送った。
「アタシぃ〜? あ、アタシも関係ないわよ。別にシンジがなに考えていようがどうでもいいし」
「そうなんだ?」
「そ、そうよ。ただ単に、男って馬鹿でスケベだと思っただけよ」
「ちょっと言ってみただけなのに酷いよ」
 と、シンジ君は少し涙目になって言った。
「まあ、アタシたちよりかわいいコなんて、めったやたらにいやしないんだから、過度な期待は
しないことね」
 とアスカさんは言ったけど、アタシたちというと私とヒカリちゃんも入るのかなと、ちょとくすぐった
いような気分になった。
 そして、朝のSHRが始まり、担任の先生の隣に私たちと違う制服を着た少女が立っていた。
「今日からこのクラスの一員となった山岸マユミさんです。みなさん、仲良くしてあげてください」
 と、もうすぐ定年になる先生の紹介が終わった後、マユミさんはペコッと頭を下げて、
「山岸マユミです。みなさん、よろしくお願いします」
 と挨拶をした。
 それから先生は教室の中を見回して、私へ視線を向けると、
「霧島さんの前の席が空いてますね。では、山岸さんの席はそこにしましょう」
 と言った。
103名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 21:52:01 ID:???
 そんなふうに先生に促されて山岸さんは席の方へ行くと、両隣の男子へ挨拶をした。
 それから私の方へ振り向き、
「山岸マユミです。これからよろしくおねがいします」
 と、マユミちゃんはちょこんとお辞儀をした。
 私は軽く微笑んで、
「私、マナ。霧島マナよ。こちらこそよろしくね」
「あ、はい」
「それと、何か困ったことがあったら言ってね。何でもするから」
「ありがとうございます」
 と、マユミちゃんは恥ずかしそうにハニカミながら言った。
 それから授業が始まったんだけど、マユミちゃんはすっごい勉強ができるみたいで、先生からの
質問には何でも答えていた。
 でも、私が気になっていたのは、マユミちゃんの髪だった。
 すぐ目の前にある彼女の長い黒髪は枝毛なんか無くて、キューティクルいっぱいで天使の輪も
見えていた。
 いいなぁと、憧れちゃうなぁと私は思う。
 私なんか栗色のくせっ毛だし、そんなストレートの髪なんてパーマでもしないとならないし。
 そんなふうに思っていたら、ちょっと触ってみたくなって、右手ですくうように彼女の髪にふれた。
 さらっとした髪。
 と思った瞬間、
「キャッ、」
 とマユミちゃんがかわいい悲鳴を上げた。
 授業中、先生の声だけが聞こえていた静かな空間に突如あがった悲鳴。
 当然だけど、みんなの目がマユミちゃんに集まって、彼女は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして
俯いてしまった。
 私はまずいと思って、とっさに立ち上がり頭の後ろをかきながら、
「あはは、は…、マユミちゃんごめん。いたずらしちゃって」
「霧島っ、おまえなぁ。少しはまじめに授業をだなぁ」
「はい、すいません。以後、気をつけます。てへっ」
 と小さく舌を出し、みんなの笑いを買ってから椅子に座った。
104名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 22:06:46 ID:???
 そして、マユミちゃんへ小声で、
「ホント、ごめんね。驚かすつもりはなかったのよ。ただ、マユミちゃんの髪がキレイだったから、
ちょっと触れてみたくなって」
「……髪ですか?」
 と、マユミちゃんは私へ振り返った。
「うん、」
「私、今までそんなこと言われたことない」
「そう? とってもキレイだと思うけど」
 と、今度はさっきとは違った種類の恥ずかしさでマユミちゃんは頬を染めたが、
「こらっ! 霧島、山岸、おしゃべりは休み時間にしろ!」
 と、先生の注意が落っこちた。
 私はマユミちゃんにくすっと笑いかけると、彼女も小さく笑い返した。
 そんなこんなでお昼休み。
 私たちはいつもの四人で集まって(私、ヒカリちゃん、レイちゃん、アスカさん)、お弁当を食べるこ
とになっていたけど、
「ねえ、マユミちゃん」
「はい?」
「いっしょにお弁当たべよ? あっちで、みんな待ってるから」
 と言って、ヒカリちゃんの席の方へ私は目を向けた。
 そこではもうアスカさんが購買部で買ったサンドイッチとかを広げていて、レイちゃんも買い物から
ちょうど戻ってきていた。
 そして、ヒカリちゃんは私とマユミちゃんに気が付いたのか大きく手を振って、
「マナ〜、マユミちゃ〜ん、こっちよー」
 と声をかけてきた。 私はマユミちゃんへ視線を合わせて、
「行こうっ」
「は、はい」
 また学校が楽しくなりそう。そんな予感がした午後のひとときだった。


△月11日
〜中略〜
今度のJA記念式典が楽しみです。
105名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 22:55:11 ID:???
乙かれです
マユミキター
106Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/10/31(水) 00:05:59 ID:???
乙〜♪
マユミキター
107名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/01(木) 22:32:44 ID:???
マユミ好き
108plot239-10 ◆ExGQrDul2E :2007/11/02(金) 01:24:18 ID:???
 原子炉を搭載する巨大戦闘ロボット・ジェットアローンのお披露目会をするのなんの
という話があったけど、突如、中止になったみたい。
 秘密裏に開発していて、つい最近その存在が明らかになったんだけど、当然ながら
原子炉を積んだロボットが使徒と格闘戦をするなんて危険きわまりないということで、
IAEAから解体勧告が出たのどうのと、そんな感じ。
 と、そんなことはどうでもいいのよね。今の私にとっては。
 前は戦自でトライデントの訓練もしていたし、やる気満々だったけど、今はなんとなく
普通の学校生活の方が楽しくなってきている。
 いろいろ思うところはあったけど、これはこれでいいよねって感じです。
 ところで、ここに転校してきたマユミちゃんはとーっても読書が大好きみたい。
 放課後はいつも学校の図書室で本を読んでいる。
 本を借りて家で読めばいいのにと思ったんだけど、
『たくさんの本に囲まれた中で読むのが好きなんです。心が落ち着くような気がして』
 とマユミちゃんは私に言ってくれた。
『それに本の匂いが好きなんです』
 ともマユミちゃんは言う。
 漫画や雑誌くらいしか読まない私にはただただすごいなーと思ってしまう。
 そんなわけで図書室の前を通ると、ついマユミちゃんがいるかなと中の様子を窺ってし
まっていたんだけど、昨日の放課後、
「あれっ、シンジ君」
 と彼の姿を見て、少しだけびっくりしてしまった。
 二人は6人掛けの机に向かい合って座り、それぞれ黙って本を読んでいた。
 いつの間に二人は仲良くなったのかなと思ったりもしたんだけど、それほど気にせずにいた。
 でも、今度は昨日よりもずっと
「ええっ!」
 とビックリした。
 今、図書室の中を見たら、マユミちゃんとシンジ君がいるのはいいとして、そこにレイちゃん
までも加わっていたから。やっぱり、3人とも無言で本を読んでいて。
 えーと、もしかして図書室での読書が流行っているのかな?
 私は自分もそこに行かなきゃと思って、図書室へ入っていった。
 すると、私に気づいたマユミちゃんは小さく微笑んで、ペコッと頭を下げた。
109名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 01:52:36 ID:???
 私も笑みを返して、適当に雑誌を取ってマユミちゃんの横に座る。
 図書室の中で騒ぐことは厳禁なので、私は小声で彼女に、
「なにを読んでるの?」
「これです」
 と言って、マユミちゃんは本の表紙を見せてくれた。
 そこには太宰治の人間失格と書かれていて、……ちょっと私には難しいような。
 ちなみにレイちゃんの読んでいる本を覗いてみたら、ユング全集第12巻とか、
これも私には無理。えーと、シンジ君はと、江戸川乱歩か。これなら私にも。
 と、みんな本当に黙ってずっと本を読んでいて、結局、閉館時間までいてしまった。
 そんな4人での帰り道、レイちゃんにどうして図書室で本を読むようになったのか訊い
てみたら、
「読み終えても、すぐに別の本を読めるから便利」
 と、ごもっともな答えが返ってきた。
 そんな時、ふと、シンジ君とレイちゃんとマユミちゃん、一緒にいてもそれぞれみんな
思い思いに本を読みだけで、他の人に干渉しないんだなと思った。
 そんな3人は似ているような気がして、まるで、
「マユミちゃんたちって、ネコみたいだね」
 と、つい私の口から出ていた。
 マユミちゃんは僅かに首を傾げて、
「ネコですか?」
「うん。なんとなくマユミちゃんもシンジ君もレイちゃんもネコみたいだなーって。3人とも
かわいい感じがするよ」
 その言葉にマユミちゃんは頬を少し染めて、同じように照れているシンジ君が、
「じゃあ、僕らがネコなら、マナは子犬かな?」
「うん。そうかも。もし人をネコか犬かに分けるなら、私はきっと犬だと思うよ。アスカも絶対
に犬よね。だって、キャンキャンうるさいもの」
 と私が言うと、シンジ君が吹き出すように笑い、
「じゃあ、委員長もイヌの方かな」
「そうね。ヒカリちゃんも私と同じ犬族よ」
 と言った私の横で、
「……私は猫、」
 と呟くレイちゃんがちょっとかわいいかった。
110名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 02:12:07 ID:???
 そう言えば、やっと思い出したけど、鈴原君と相田君はどうだろう。二人ともネコにも
イヌにも入らないような。強いて言えば、サル?
 そんなことを思ったら、プッと吹き出してしまった。
 イヌ、ネコ、サル。これって、確かどれも相性がよくないわね。
 そう私は思うと、
「私たちって、ネコとイヌに分かれているけど、なんかバランスが取れてて仲がいいよね」
 と言った。
 すると、マユミちゃんが私に何か訊ねるような目を向けて、私はニコッと笑みを送ってから、
彼女の手を握り、
「ねえ、これから私の家で夕ごはん食べよう。マユミちゃんもいいでしょ?」
 と訊いた。
 マユミちゃんは少し考え込んでから、
「お養父さん、今日は遅くなると言っていたから、……あの、いいんですか?」
「もっちろん、OKの3連呼よ。シンジ君とレイちゃんもいいよね?」
「うん、」
 とシンジ君は言い、レイちゃんはコクンとうなずいた。
 そして、私たちは夕ごはんを何にしようかと話ながら家路についたのだった。

△月19日
〜中略〜
 エヴァ四号機の輸送日が決まったようです。



次からは鋼鉄のガールフレンド編だよ♪
111名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 02:50:04 ID:???
お疲れ様です〜

期待age
112名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 06:49:55 ID:???
トウジは猿だなw
113名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/04(日) 23:01:26 ID:???
おつ
114名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 22:44:59 ID:???
115plot239-11 ◆ExGQrDul2E :2007/11/12(月) 21:47:20 ID:???
 前の時、私がテストパイロットとして関わっていた戦自のトライデント計画。
 そのために私は内蔵を壊し、ムサシは脱走して最後には死んでしまった。あと、もう一人、
えーと、……あ、ケイタも脱走して大ケガをしたんだった。
 と、そのトライデント計画がどうなっているのか、ずっと気になっていたんだけど、
「戦自のアレ、発案段階で没になったらしいわね」
 と、葛城三佐と赤木博士の雑談の中で耳にした。
 要約すると、JAが廃棄されたし、もともと全高数十メートルの巨大ロボットなんてミサイ
ルの的になるだけで役に立たないのが目に見えているからだということらしい。
 宇宙空間ならともかく重力の影響を受ける地上ではまともに動けもしないとのこと。
 だったら、前の時も計画を破棄して欲しかった。
 いったい、あの時の私たちはなんだのかと、しばらく鬱状態に私はなっていた。
 それから幾日かが過ぎた頃、エヴァ四号機がようやくアメリカから移送されてきた。
 機体チェックに数日間をかけた後、ネルフ本部内で起動試験を行うこととなった。
 私が試験に挑むのはもちろんだったけど、最初に乗って起動させるのはレイちゃんだった。
 零号機や初号機とはコアも違うし、レイちゃんにはほとんど起動できる可能性もないけど、
まずは試験に慣れているレイちゃんで試してみるということらしい。
 結果は、無事に起動成功。四号機とのシンクロ率も30%を超えて初めてにしては上々の結果
だったようだ。
 これには赤木博士も予想外のことだったようでとっても驚いていた。
 その後、四号機から降りたレイちゃんと会ったけど、
「どうしたの? なんだか難しい顔して?」
「……よくわからない。四号機とシンクロした時、零号機とも初号機とも違い感じがしたわ」
「当然でしょ。作った場所もコアも違うんだし」
「そう、そうだけど。……やっぱり、よくわからない。不思議な感じがしたわ」
「ふ〜ん、私が乗ってもそんな感じがするのかな?」
「……わからないわ」
 と、レイちゃんとそんなやりとりがあって、私が四号機に乗る番となった。
 私はエントリープラグの中に入り、操縦桿を握る。
『第一次接続開始』
『パイロット、四号機と接続開始。パルス及びハーモニクス正常。シンクロ問題無し』
116名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/12(月) 22:03:35 ID:???
『絶対境界線まであと1.0、…0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、ボーダーラインクリア』
『四号機、起動しました。四号機とのシンクロ率、46%です』
 初めてにしては高いシンクロ率、それは私にもわかった。
 でも、それよりも気になっていることがあった。
 レイちゃんも言っていたけど、四号機とのシンクロはどこか不思議な感じがしていた。
 零号機のような無機質な、それでいて時々制御不能になりそうな不安定な感じでは
なく、もっと安心するような、心が落ち着くような、心地よい感じだった。
 なんだろう?
 懐かしい感じがする。
 その後、連動試験などをした後、特に重大な不具合は発生しなかったとのことで、
今日は終わりとなった。
 緑色に塗装された四号機は目も二つで初号機に形が似ている。
 これから私が乗って戦う機体。
 使徒との戦いに不安もあるけど、この四号機を見ているうちに何とかなるかも思い始めていた。


△月28日
〜中略〜
 今は特に問題もなく順調です。





だらだら小話を続けようかと思いましたけど、とりあえずお話を進めることにしました。
そのうちまた小話に戻るかもしれませんが
117Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/11/13(火) 00:40:33 ID:???
乙〜♪
118plot239-12:2007/11/13(火) 20:22:00 ID:???
 家庭科の授業、ハンカチに刺繍をするのをやることになった。
 実習室の中は6人掛けのテーブルに各班で座ることになり、私はヒカリちゃんと
同じ班だった。やっぱりヒカリちゃんはこういうことが上手で、今すぐ主婦となっても
問題無いんじゃないかな。でも、ヒカリちゃん自身は将来なりたいものがあって、結
婚しても仕事はしたいようなことを言っていた。
 ところで、私の刺繍の方はというと、……何も言うまい。
 そんなことよりも私は斜め前の方のグループがちょこっと気になっていた。
 その班にはマユミちゃんとシンジ君が一緒で、二人はなんだか楽しそうに話しながら
実習をしてる。マユミちゃんなんて、いつもは見られないような表情で笑っているし。
 ちょっといい雰囲気。
 そう言えば、この頃ふたりがよく一緒にいるのを見かける。
 う〜ん、もしかして、そういうことなのかな?
 と、そんなことを思っていて、休み時間にマユミちゃんと二人っきりになったから、
ちょっと聞いてみることにした。
「ねえ、マユミちゃん。シンジ君って、好きな人いるのかな?」
「きゅ、急にどうしたんですか?」
 と、マユミちゃんは慌てふためいていた。
「んー、ちょっと気になっただけ。でも、マユミちゃんも知りたいと思わない?」
「私は……、」
「シンジ君、つきあっている女の子はいないみたいなんだよね。私、彼女に立候補し
ちゃおうかな〜」
「マナさん、本気なんですか?」
「ダメ〜?」
 マユミちゃんは僅かにうつむいて、口を閉ざしていたが、
「マナさんが本当にシンジ君を好きなら、……こ、告白した方がいいと思います」
「……冗談だよ」
 と言って、私は舌をちょこっと出して笑った。
「ええっ!」
「びっくりした?」
「もう、驚きました。どうしてそんなことを言ったんです?」
 と、マユミちゃんは少し怒っているような感じで言った。
119名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 20:39:37 ID:???
「今の時代って使徒が来たり、戦争がどこかでいつも起こっていたり、何があっても
おかしくないじゃない。そんな中、私たちは中学生をしているのにあんまりにも恋話が
少ないような気がするのよ。普通だったら、もう四六時中、恋の話をしているもんじゃない?」
「……そうかもしれませんね」
「でしょ? だから、恋愛強化月間なのよ。私的には」
「はぁ、」
「私的には微妙にシンジ君は恋愛対象にならないんだけど、マユミちゃん的にはどうなの?」
「わ、私ですか?」
「うん。なんか、最近、シンジ君と仲良さそうに見えるけど」
 マユミちゃんは少し考えるようにまぶたを閉じてから、
「……恋とかそういうのはよくわからないけど、シンジ君とお話をするのは楽しいです」
「あ、やっぱり?」
「私、前の学校は女子校だったし、少し男の子が苦手だったんです。でも、シンジ君は今ま
での人とは少し違うような感じで、あまり苦手な感じもしないし、……その、楽しいんです」
「そっか、そうなんだ」
 私はニコッと笑ってから、マユミちゃんの手を握った。
 これからちょっと何かが起こりそうな気配。
 少しワクワクするような午後の空気だった。

△月30日
〜中略〜
 四号機の操作にも慣れ、使徒との戦いにも出撃できそうです。
120plot239-13 ◆ExGQrDul2E :2007/11/13(火) 21:02:55 ID:???
 第三新東京市の外周部に均等的に配置された私たち4機のエヴァ。
 作戦開始まで、あと数分となった。
『ミサトもむちゃな作戦を立てるわよね。落ちてくる使徒を直にエヴァの手で受け止め
るなんてさ。そう思わない、マナ?』
「そうだけど、他にもっといい作戦はある?」
『これが悔しいけど無いのよね。アタシの頭脳もミサトレベルって感じで嫌になるわよ』
『アスカ、おしゃべりはそこまでよ。いつでもスタートできるように準備して』
 と、ミサトさんの声が入る。
 そして、作戦が始まった。
 エヴァが走り出した直後、MAGIからの落下予測地点データが入った。
 えっ、私が一番近い。
 私は落下地点へ着くと、両手を天にかかげ、ATフィールドを全開にした。
 その数秒後、巨大な目玉を持つ使徒が私の頭上に落ちてきて、二つのATフィールドが
触れる。その反発力は凄まじく、四号機の足首まで地中に沈んでいた。
 くっ、と声が漏れ、エヴァとシンクロ状態にある私の腕が激しい痛みを発した。
── まだ、まだなのみんな…
 と心の中で叫ぶ。
 あまりの苦しさに私は胸の中で”助けて!”と大きく叫んだ。
 その瞬間、ふっと両手から重みが消えた。
 えっ? ATフィールド?
 四号機から今までにない大きなATフィールドが発生して、使徒を持ち上げていたのだった。
 その後、他の3機が到着して、使徒を殲滅した。
 なんとか生き残った。
 私はただホッとしていた。

 と、そこまではよかったんだけど、ネルフ本部へ戻った私たちには災難が待っていた。
 エヴァから降りて更衣室へ向かう途中、シンジ君とたまたま一緒になった。
「マナ、今日すごかったね。あの時のシンクロ率、70%超えていたみたいだよ」
「私、ただ必死だっただけだよ。たぶん、同じことはもう無理だと思う」
「でも、今日できたんだから、そのうちまた同じことができるんじゃないかな」
 と、シンジ君は言った。
121名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 21:19:05 ID:???
 歩きながらそんなことをしゃべっていた私たちはエレベーターの前に着いた。
 ちょうどドアが閉まりかけていて、走って中に入った。
 と、その瞬間、ドアが閉まり、同時に照明が消えた。
「えっ、停電?」
「そうみたい」
 と暗闇の中、隣の方からシンジ君の声が聞こえた。
 急に暗くなったため目が慣れなく、周りは何も見えなかった。
「マナ、どうしよう?」
「復旧するのを待つしかないよ」
「うん、それしかないね」
「ねえ、シンジ君」
「なに?」
「暗闇だからって、私にエッチなことしないでね」
「なっ!、そ、そんなことするわけないだろ!」
「ほんと〜?」
「本当だよ」
「ほんとうにぃ?」
「絶対にしない」
「本当にしなくてもいいの?」
「えっ…、」
 と、その時、私たちの向かい側から、
「あのさ、イチャついているところ悪いんだけど、ここにアタシもいるんだけど」
 と、アスカさんの声が聞こえた。
 同時に、非常用バッテリー電源による薄い照明が灯る。
 そこではアスカさんが腕組みをして、こわ〜い顔で私たちを睨んでいる。
「あ、あの、アスカさん? どうして今まで黙っていたの?」
「ちょっとね、タイミングを失っていたのよ。そうしたらアンタたち、イチャつき始めて、もうねえ、
ホントむかつくわよ」
「僕たちは別にそんなんじゃ。ねぇ、マナ?」
「うん、そうだよ。ちょっと、シンジ君をからかっただけ」
122名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 21:36:26 ID:???
 シンジ君はホッとしたように軽く息を吐いて、
「あっ、やっぱり」
「うん。でも、キスくらいまでならいいかなと思ってた」
「ええっ!!」
 と頬を真っ赤にして驚くシンジ君の後頭部を、ぺしっとアスカさんが叩いた。
「アンタ、からかわれているのをちょっとは自覚しなさい。ホント、成長しないわね」
「って、痛いなあ、アスカ」
「ふん、いい気になっているからよ」
 そんなことがあってから、かれこれ1時間くらい過ぎたけど、
「非常電話も繋がらないし、いったい、いつまでこの中にいればいいのよ」
 と、アスカさんが苛立ち気味に言った。
 私たちはシンジ君を真ん中に壁を背にして座っている。
 空調が止まったためエレベータ内は暑く、額を汗が流れ落ちた。
 そんな時、
「ねえ、アンタたち、付きあってんの?」
 と、アスカさんが訊いてきた。
「ううん、つきあっていないよ。それに私、今は好きな人いないもん」
 と速攻で答える私。
「まあ、それは何となくわかってたけど、じゃあ、シンジとファーストは?」
「えっ、綾波と?」
「どうなのよ?」
「綾波とはそんなんじゃないよ。上手く言えないけど、綾波はそういうんじゃなくて、
もっと仲間みたいな感じで」
「ふ〜ん、でも、仲間から好きな人になるってこともあるんじゃないの?」
「そんなの、それこそわかんないよ」
「まあ、いいわ。じゃあ、あの眼鏡女、マユミとはどうなのよ?」
「えっ、山岸さん?」
 暗くてシンジ君の表情がよく見えないけど、少し動揺しているような感じもする。
 私は少しからかってみようかなと思って、
「シンジ君とマユミちゃんはもうキスしているんだよね」
 と言った。
123名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 21:49:37 ID:???
 その瞬間、アスカさんが大声で、
「うそっ!」
 と叫んだ。
 そして、アスカさんはシンジ君の胸ぐらを掴んで、
「シンジ!、それ、どういうことよ? アタシにキスしといて、それは何なのよっ!?」
「えっ、ええ!? 僕、アスカにキスしたことなんて無いじゃないか」
 とシンジ君が言うと、アスカさんは彼から手を離して、
「あっ、そう、そうよね。このアタシがアンタなんかとキスするわけ無いじゃない」
「ねえ、アスカさん? もしかして、シンジ君とキスする夢でも見たの?」
 と私が訊くと、アスカさんは顔中を真っ赤にして、
「ア、アタシがそんな夢見るわけ無いでしょ!」
 と叫んだ。
「そんなことより、さっきの本当なの? マユミとキスしたっていうの?」
「ウソに決まってるだろ。マナがまたからかったんだよ」
「てへっ、ごめんね」
「マナ、アンタねえ」
 その後、私たち3人は漫才のような騒ぎを続けていたが、しばらくして停電が復旧した。
 今日は使徒と戦ったり停電があったりといろいろあったけど、一番印象に残ったのは
アスカさんがシンジ君を好きなのかもしれないということ。
 アスカさんはやっぱりいつでもシンジ君を好きになっちゃうのかな。
 なにげにシンジ君、モテモテだね。
 ……私は……、私はやっぱりまだ前のシンジが忘れられない。
 そう思っていた。


□月1日
〜中略〜
 加持さん、工作活動をするなら前もって言ってください。お願いします。
124Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/11/13(火) 23:06:51 ID:???
おつかれ〜
逆行テイストがいいね。
125名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/14(水) 02:23:11 ID:???
GJです
当然マナ好きなんだけどマユミも好きなので
今後の展開がすごく気になる。
126plot239-14 ◆ExGQrDul2E :2007/11/21(水) 23:55:29 ID:???
 放課後の教室。私たちはちょっとしたおしゃべりをしていた。
「私、転校が多かったから友達がなかなかなできなくて」
 と、少し寂しそうにマユミちゃんが言った。
「いつの間にか本が友達のようになって、こんなのよくないと思ってはいるんですけど……」
「でも、本を読むのはおもしろいよね」
 と、シンジ君はフォローするように言った。
「僕も最近はよく本を読むんだ」
「どのようなのを読むんですか?」
「SFとか推理物が多いんだけど、今は星新一が好きかな」
 と照れるようにシンジ君は言った。
「星新一は私も好きですよ」
 とマユミちゃんは言った。
 私はそこで口を挟んで、
「マユミちゃんはどんなのが好きなの?」
「私は、そうですね、主に小説が好きです。古典が好きですけど、恋愛物も大好きですよ」
「あー、私も恋愛小説は大好きだよ」
「マナさんは例えばどのような作品が好きなんですか?」
 とマユミちゃんが訊いてきた。
「最近、よく読むのはケータイ小説かな。恋空なんか号泣しちゃったよ」
 と私が言った瞬間、マユミちゃんとシンジ君は私から目をそらす。
 えー、なんか私、変なこと言った?
 と、そんな時、アスカさんが来て、
「シンジ、本部に行くわよ」
 と言って、シンジ君の手を引っ張った。
 そんなわけで私たちは帰ることになったけど、なんだかアスカさんが……、よくわかんない。

□月5日
〜中略〜
 特に無しだよ。
127plot239-15 ◆ExGQrDul2E :2007/11/22(木) 00:13:54 ID:???
 今日は土曜日。
 ヒカリちゃんとレイちゃんと服を買いに街へ出かけた。
 アスカさんも誘おうと思ったんだけど、部屋にいなくてちょっと残念。
 そんなわけで私たち3人は買い物をしていたんだけど、レイちゃんはつきあうだけで
何も買わなかった。それに休日なのに制服を着ているし。
 どうして何も買わないの?とレイちゃんに訊いてみたら、
「ファッションには興味ないから」
 と答えた。
 ちなみに家ではどうしているのと訊いたら、
「ジャージ」
 とレイちゃんは即答した。
 うーん、でも、今日の買い物には付き合ってくれたし 、レイちゃんはちょっと不思議。
 で、買い物も一段落した昼下がり。私たちはお茶しようということになって、タリーズに入った。
 マクドよりはちょこっと高いけど、コーヒーは美味しいような気がする。
 でも、それはあくまでも私の感想で、レイちゃんはマックのコーヒーの方が好きみたい。
 ともかく、私たちは思い思いに注文して、席に着いたんだけど、
「「あっ!!」」
 と、びっくりした声を出してしまった。
 なんと、そこにはアスカさんとシンジ君がいて、お茶をしていたのだ。
「ど、どうしてアスカさんとシンジ君が?」
「な、なんでアンタたちがいんのよ?」
「私たちはショッピングだけど」
「アタシもよ」
「碇君とふたり。デートね」
 と、レイちゃんが冷静な声で言う。
「ちゅ、中学生なのにデートだなんて不潔よ!」
 と、ヒカリちゃんは錯乱気味に叫んだ。
「ち、違うわよ! デートなんかじゃないわよ。そうよね、シンジ?」
「そうなの?」
 と、私は訊いた。
「うん。アスカに荷物持ちに付き合えって言われて。昼ご飯とかおごるって言われたから、
暇だったし、いいかなって」
128名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 00:30:06 ID:???
「ふーん、へー、そうなんだ」
 と私が疑問の眼差しで言うと、アスカさんはあせったように、
「そ、そうよ。それだけなんだから」
「まあ、いいけど。それより相席してもいい?」
「……いいわよ」
 と、アスカさんは弱々しく言った。
 それから、私たちは少し涙目のアスカさんをからかいながらコーヒーを飲んでいた。
 と、そんな時、ヒカリちゃんが、
「ねえ、デートって、どうすればいいのかな?」
 と小声で訊いてきた。
「ヒカリちゃん、デートするの?」
「えっ、そ、そんなわけじゃないけど……、マナはデートしたことある?」
「私? あまり私は参考にならないかな」
「どうして?」
「うーん、昔の話なんだけど、初デートは芦ノ湖で遊覧船に乗ったんだ。そこまではいいんだ
けど、その時の私は何を血迷ったのか混浴の温泉に行っちゃったのよね。あはは……」
 と言った瞬間、凍り付いた場の空気。
 ヒカリちゃんがおそるおそる、
「初デートで混浴?」
「……うん、」
「アンタ、バカぁ?、そんなの軽く見られるだけじゃない」
「で、でもぉ、」
「シンジはどう思う?」
 とアスカさんにふられて、シンジ君は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、
「僕は、デートの経験なんてないから、よくわかんないよ」
 と言うが、その瞬間、今アスカさんとデートしているじゃんと心の中でつっこむ私たち。
 それはそれとして流したアスカさんが、
「それでぇ、ヒカリは鈴原とデートすることになったわけ?」
「ち、違うわよ!!」
 と大声で叫ぶヒカリちゃん。
 当然、店内の注目を浴びて、ヒカリちゃんは恥ずかしそうに頬を赤くして、
「ただ、訊いてみただけ」
129名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 00:38:37 ID:???
intermisson
130名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 00:46:23 ID:???
 と言った。
「あのねぇ、ヒカリ。いい加減、自分の気持ちを鈴原に伝えなさいよ」
「どうしてアスカがそんなこと知っているのよ?」
「だって、そんなのバレバレじゃない」
 と言って、アスカさんは私たちへ同意を求めた。
 それに対して、私とレイちゃんはウンとうなずき、シンジ君は、
「えっ、そうだったの?」
 と、びっくりしていた。
「あんた、本当に鈍いわね。そんなの見てりゃわかるでしょ」
「ア、アスカ。そんなに大声で言わないでよ」
「でも、今は使徒が来ている危険な時代なのよ。自分の気持ちを打ち明けないで、どうすんのよ?」
「だけど、私は今のままでじゅうぶんだもん」
「そんなの駄目。明日には何が起こるかわかんないのよ。シンジ、」
「何?」
「アンタ、鈴原と仲いいんでしょ。今すぐ、ここに呼びなさい」
「な、ア、アスカ!」
「ダメ、今すぐ告白するのよ」
 なんか、そんなわけで突っ走ってしまったアスカさんによって告白することとなったヒカリちゃん。
 やがて30分後、鈴原君が店内に入ってきた。
「なんや、シンジ? ワイに用事って?。って、なんで委員長や惣流たちがおるんや」
「まあ、いいから、ここに座んなさい」
 と言って、鈴原君をヒカリちゃんの向かい側に座らせた。
「ヒカリがアンタに言いたいことがあんのよ」
「……」
 ヒカリちゃんはうつむいたままで、鈴原君は不思議そうな顔をしていたが、
「あっ、わかった。このイベントが来たんか!」
 とわけのわからないことを言った。
131名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 00:59:34 ID:???
「駄目やで、委員長。ワイに惚れたらアカン」
 と、鈴原君は立ち上がって言った。
「ワイはもうすぐ死ぬ人間なんや。そんな男に惚れたらアカン。委員長はもっと幸せにやな」
 と言った瞬間、ヒカリちゃんも立ち上がって、
「な、なんで私が鈴原なんか好きになんなくちゃんなんないのよ!!」
 と叫んだ。
「バッカじゃない。私が鈴原を好きになるなんて10万年経ってもない」
「へっ?」
「鈴原の成績があんまりにも悪いから、みんなで注意しようってだけなのっ!」
 と叫ぶと、ヒカリちゃんは走って店を出て行った。
 残された私たちはただただ茫然としているだけで、鈴原君はシンジ君に、
「ワイ、なんか拙いこと言ったか?」
「うん、かなりね。でも、なんとかなると思うよ」
 私はそんな二人を見ながら、ヒカリちゃんってツンデレ?と思っていた。

□月8日
〜中略〜
 特に何もなく、順調です。






えーと、とりあえず最終回だけは書いたのでいつでも終われます。
てゆーか、前スレの作品の続きはどうなったのでしょうか?
楽しみに待っているのですが
132名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 12:49:08 ID:???
お疲れ様です〜
133名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 15:35:32 ID:???
age
134plot239-16 ◆ExGQrDul2E :2007/11/26(月) 23:49:08 ID:???
 いつもの訓練の後、反省会の中に混ざった言葉だった。
「自爆ですか?」
「そう、自爆よ」
 と答えたのは赤木博士だった。
「それで、アメリカ第1支部が消失したんですか?」
「エヴァ3号機に使徒が融合。でも、エヴァの素体と拒否反応を起こし、その結果、使徒は
自爆したというのがMAGIの推測よ」
「2000人の命を道連れにしてね」
 と言った葛城さんの横顔には影が射していた。
「そんなことより、シンジ君。今日は頑張ったわね。シンクロ率トップよ」
「えっ、本当ですか?」
 と聞いたシンジ君はうれしそうに笑みが浮かんでいた。
「ええ、そうよ。このところ順調に伸びていたから、いつかはと期待していた通りになったわね。
これからも頑張りなさい」
「はいっ、」
「シンジ君、すごーい」
 と私が言うと、
「う、うん」
 と、彼は照れたように頬を人差し指で掻いた。
 そんな時、アスカさんがシンジ君をキッとした目で見ると、
「シンジっ、」
「……?」
「シンクロ率では負けたけど、エヴァの操縦では負けないからねっ。覚悟しなさい」
 と言ってから、彼女はシンジ君の肩を軽く叩いて、
「ま、シンジにしてはよく頑張ったわ。褒めてあげる」
 と小さく笑いながら言った。
 その後、レイちゃんだけ残って実験を続けることになり、私とアスカさんは更衣室へ向かった。
 アスカさんは手早く制服に着替え終わると、部屋の真ん中にある長椅子へ腰を下ろした。
 そして、ずっと口を閉ざしていたが、私の着替えが済むとアスカさんは隣を手で軽く叩いて、
「マナ、ちょっとここに座らない?」
 と言ってきた。
135名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 00:06:30 ID:???
「うん、いいよ」
 私は彼女の隣に座り、その横顔を見つめた。
 少しの間、アスカさんは黙っていたが、
「アイツに負けちゃったわね。いつかはこうなると思っていたけど」
「……やっぱり、悔しい?」
「まあ、少しはね。でも、意外とそうでもないのよ。そりゃあ、悔しいけど、エヴァの操縦では
アイツに負ける気はしないしさ。使徒に勝つにはシンクロ率の高い方がいいけど、それだけ
じゃないでしょ?」
「うん、」
「結局はどうやってエヴァを動かすかってことだから」
 と言ってから、アスカさんは私へ振り向き、
「やっぱり、シンクロ率に関しては才能によるところが大きいのかな。。アタシ、どうやってシン
クロ率を上げればいいか、よくわかないもん」
「でも、シンジ君、このところ頑張ってたよ」
「……そうね。シンジにしてはよく頑張ってたわ」
「がんばってるシンジ君って、ちょっと格好いいよね?」
「……うん、」
 と呟いた後、アスカさんは顔を真っ赤にして、
「あ、アンタさ、マユミと仲いいわよね?」
「アスカさんもマユミちゃんと友達だよ」
「そうだけど、マナの方がもっと仲がいいじゃない?」
「そう言われると、そうだけど」
「でさ、、マユミとシンジって、その、えーと、付き合っているの?」
 と語尾を弱くしながらアスカさんは訊いてきた。
「付き合っていないよ」
「そ、そうなの?」
「マユミちゃん、そういうのは奥手だもん。告白なんて出来ないかも」
「じゃあ、シンジの方は?」
「シンジ君はどうだろ。マユミちゃんと仲いいけど、それが恋愛感情かどうかはちょっと疑わしい
かな。シンジ君、そっちの方はお子様だから」
136名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 00:22:37 ID:???
 アスカさんはホッとしたように息を吐いて、
「そ、そうなんだ」
「……アスカさん、もしかしてシンジ君が好きなの?」
「えっ、あっ、ち、違……」
 と否定しそうになったが、
「……そうかもしれないわね。自分でもよくわかんないんだけど、アイツのこと、すごく気に
なるのよ。ここんとこ、ひとりになるとアイツのことばっかり考えちゃうし」
 アスカさんは茹で上がりそうなくらい顔中が真っ赤になった。
「アイツ、昔と比べて変わったわよね?」
「そう? 前と同じだと思うけど」
「ううん、変わったわ」
 とアスカさんは呟いてから、真剣な面差しで、
「話は変わるけど、使徒って、いったい何体いるのか知ってる?」
「えっ、なに急に?」
「使徒の数、少ないような気がしない?」
「私、そういうのよくわかんないよ」
「アタシも途中までしか知らないけど、ずいぶん少なくなってんのよ」
「途中まで?」
「えっ、」
 と私が聞くと、アスカさんはあせったように、
「あっ、ドイツにいた時、使徒の数がいくつとか噂話を聞いたのよ」
「ふーん、そうなんだ」
 なんだか釈然としないけど、それよりも私はアスカさんとマユミちゃんのどっちを応援すれば
いいのか悩んでいた。

□月20日
〜中略〜
 加持さん。最近、私のこと、放置してませんか?



次からは、マユミちゃんと使徒さん編だよ♪
137名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 11:09:39 ID:???
おつかれ〜
138名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/28(水) 11:34:43 ID:???
おつかれです。楽しみにさせてもらってます。
みんな逆行?
139名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/05(水) 04:27:17 ID:???
ほっしゅ
140名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/07(金) 01:45:43 ID:???
たまにはageてみる
141名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/11(火) 18:02:08 ID:???
待ち
142名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/15(土) 01:04:41 ID:???
143 ◆RozeVic1qU :2007/12/15(土) 13:46:37 ID:???
保守
144plot239-最終回 ◆ExGQrDul2E :2007/12/18(火) 23:26:03 ID:???
廃墟と化した第3新東京市の真ん中でアスカは空を見ながら呟いた。

「結局、あの二人は幸せなのかもしれないわね」
「そうだろうね。会いたい人に会えたんだから」

と、カヲルは歌をうたうように答えた。

「アンタはこれからどうすんのよ?」
「今はまだこの世界で過ごしていこうと思う。そして、次こそはシンジ君と再会を果たすよ」
「アンタも大変ね。アタシはもうこりごりよ。このまま、おばあちゃんになりたいわ」
「もう慣れてるからね」

 と言って、カヲルは肩をすくめた。
 そして、二人は歩き始めた。それぞれの向かう道へ沿って。


おしまい

(規制の間にいろいろと忘れてしまいました)
145plot239 ◆ExGQrDul2E :2007/12/18(火) 23:29:50 ID:???
〜登場人物紹介〜

霧島マナ:本編の主人公であり、最後のシ者。逆行は2回目。いろいろあった末にかつての
       恋人であるシンジと感動の再会を果たす。
碇シンジ(A):この宇宙でたったひとりのシンジ。アスカとマユミとの間をふらふらと行ったり
         来たり。二人に愛想を尽かされる時が来るかも。
碇シンジ(B):エヴァ量産機のコアとして存在していたが、かつての恋人であるマナと感動の
         再会を果たす。アニメ本編のシンジではなく、鋼鉄世界のシンジである。
惣流アスカ:1回目は白黒スイカ使徒に飲み込まれたが、何の因果かこの宇宙に来てしまう。
        いろいろあったが今は碇シンジに対してストレートな気持ちをぶつけている。
綾波レイ:逆行6回目。何回も繰り返しているうちに、その時々を充実して生きることを目指す
      ようになる。
洞木ヒカリ:逆行は無し。未だにトウジへ気持ちを伝えられず、恋する女の子をしている。
山岸マユミ:身体の中に使徒を宿した少女。実は逆行2回目だが、前回は別の宇宙のマナと
        大げんかをしていたらしい。今はシンジに猛アタック中。
渚カヲル:逆行は12回目。彼もまたアニメ本編のシンジに会える日を願い続けている。
鈴原トウジ:漫画版から3回目の逆行をしていた。今回は死なずに済んでホッとしている。
相田ケンスケ:逆行は無し。アスカに横恋慕中。
葛城ミサト:アニメ本編から2回目の逆行。前のシンジに会えなかったのは残念に思っているが、
        加持との新婚生活を満喫している。
赤木リツコ:逆行は無し。今もまだゲンドウが忘れられないでいる。
加持リョウジ:今回は雇い主を裏切りきることに成功。とりあえずミサトと新婚生活中。
碇ゲンドウ:5回の逆行の末、碇ユイと再会を果たす。現在は太陽系外へ夫婦でハネムーン中。
ゼーレの皆さん:今回もまた失敗してしまう。次へ機会を模索中。
その他のキャラ:いろいろとあるようだけど、もう忘れちゃいました。
146Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/12/19(水) 00:13:22 ID:???
お疲れさまです〜♪
規制だったのか(´ω`;)

実は結構難解な話だったね。
plot239 という謎めいたタイトルの意味が最後によく分かった。素晴らしい。
147名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/20(木) 03:56:39 ID:???
完結乙
148plot239 ◆ExGQrDul2E :2007/12/20(木) 21:28:05 ID:???
いろいろとごめんなさい。
考えていたことは多いんですけど、もう力尽きてしまいました。
それで、よかったら不定期でフルメンバーの脈絡のない話を書きたいんですけどいいですか?
149名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/20(木) 22:01:01 ID:???
>>148
超歓迎。ってか、過疎だねw
150名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/20(木) 22:32:28 ID:???
>>149
ありがとう。
では、

○月×日
 私は霧島マナ。中学2年生。
 とりあえず、エヴァや使徒はいるけど、スパイは首になったわ。
 と、自己紹介はこれくらいにして、今、私たちは林間学校に来ている。
 場所は富士の樹海。○○の名所ね。
 そんなことはどうでもいいとして、林間学校と言えばカップル成立のベストイベントの
はずなのになぜ? どうして?
 私たちの班は女の子ばかりなの?
 例によって、アスカ、レイちゃん、ヒカリちゃん、マユミちゃん、私の5人組。
 こうも美少女ぞろいなのにどうして?
 なんでも男子たちがかなり一緒になるのを嫌がったみたい。
 もう、わけわかんない。
 シンジ達なんて、背景絵のような女の子たちと一緒になっているし。
 そんなわけで、第一日目のバスの中で私たちは作戦会議を開いていた。
 場所は当然バスの一番後ろの席。
 バスガイドさんが一所懸命にお話をしている中で密談をする私たち。
「アタシは思うわけよ。どうしてこうなったのか?」
 と拳を握りしめながらアスカさんは言った。
「みんな、彼氏持ちだから悪いのよ
「「「なっ!!」」」
「「ヒカリは鈴原でしょ。マユミは相田でしょ。ファーストは司令じゃない。で、マナはあの
ナントカカントカハンバーグみたいな奴でしょ。フリーなのはアタシしかいないじゃん」
「ちょっと、待って。どうして私が相田君と?」
 と間髪入れずにツッコミを入れたのはマユミだった。
「司令は男の人だけど、男の子ではないいわ」
 と続けざまに言ったのはレイちゃん。
「わ、わたしだって、鈴原とは別に。それに今は…」
 と、もごもごと口を濁したのはヒカリちゃんだった。
151名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/20(木) 22:52:23 ID:???
「私だって、ムサシとは仲間だけど、別に恋人とかそんなんじゃ……」
「ふ〜ん、みんな、そうだったんだ」
 と、アスカは驚いたような顔をした。
「アタシ、勘違いしていたわ」
「そ、そうよ。アスカの勘違いよ。ねえ、マユミさん」
「ええ、そうですよね。ヒカリさん」
「もう、アスカったら、勝手に話を作っちゃうんだから」
「セカンドは先走りすぎ」
「あー、悪かったわよ、ホント、ごめん」
 と、アスカは頭をちょこんと下げた。
「こん中で、恋人同士なのはアタシとシンジだけだったなんて、ホント、ごめん」
「「「「なっ!!!」」」」
 と、全員でツッコミを入れる私たち。
「アスカと碇くんは同居しているだけでしょ!?」
 と、ヒカリちゃんはすぐさま反論した。
 私もすぐに
「そうよ。だいたい、シンジ君と一緒に住んでいるのにキスもしていないじゃない」
「う、うるさいわねえ。キスくらいなによ。アタシとシンジはねぇ。一緒にご飯を食べてる仲な
のよ。これ以上の繋がりはないわ」
「昨日、私も碇君と夕ごはんを食べたわ。ネルフの食堂で」
 と、レイちゃんは静かに言った。
「あっ、それなら私もこの前、碇君と焼き芋を半分こにして食べました」
 とマユミちゃんは少し頬を赤らめた。
 私もすかさず、
「私もシンジにお弁当を分けてもらってことが何回もあるよ」
「わ、わたしだって碇君と料理の勉強をしているし」
 と、ヒカリちゃんは小声で言った。
 そんな中、アスカは顔を紅潮させて、
「あんの、エロガッパは〜」
 と、怒り爆発寸前だった。
152名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/20(木) 23:13:38 ID:???
「だけど、ちょっと待ってよ。アンタたち、みんな、シンジ狙いなわけ? ヒカリなんて、
鈴原が好きだったんじゃないの?」
「あ、わ、わたしは、え、えーと、ね、ねえ、マユミちゃん?」
「私ですか? 私はその、え、っと、レイさんは?」
「信じているのは碇司令。でも、好きなのは……よくわからない。霧島さんは?」
「私? 私はシンジが大好きだよ」
「ちょっ!! ま、待った」
 と口を挟んだのはアスカだった。
「ま、アンタがシンジを好きだとしても、シンジもそうとも限んないじゃない」
「う〜」
「そういうアスカはどうなの?」
 と、ヒカリちゃんがちょっとだけ冷めた目を向けた。
「あ、アタシは……、……、下僕。そうシンジはアタシに尽くす奴隷なのよ」
 と、アスカはもう高飛車に言い放った。
 でも、即座にレイちゃんが冷たく
「却下」
 と言い返した。
 アスカは口を尖らせて、う〜と唸っていたが、
「じゃあ、こうしましょう。この林間学校で誰がシンジを落とせるか勝負よ。具体的には、
……キス……なんて生ぬるいわね。誰がシンジと心中するか勝負よ」
「「「「わけわかんないわよ」」」」
 と全員でツッコミを入れる私たち。
 アスカはきょとんとした顔で、
「えっ、だっ、土サスだと最後に断崖絶壁から飛び降りるんじゃ」
 私たちはなんだかすっごく疲れてしまったが、ともかく林間学校シンジ争奪戦は開幕し
たのだった。
 と、同時にバスの中で騒ぎすぎた私たちは先生の説教をくらうはめとなった。


つづくよ
153名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/21(金) 06:50:14 ID:???
乙。
ハーレムええなあ〜
154名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/26(水) 12:37:16 ID:???
ho
155>>152の続き:2007/12/27(木) 23:36:04 ID:???
 樹海の中にある研修センターでオリエンテーションをした後、それぞれの班に分かれて
テントを張り、夕食の準備に取りかかることとなった。
 ちなみに料理はキャンプ定番のカレーライス。
 こっちには料理の女王ヒカリちゃんがいるから安心ね。
 アスカもそれなりに働いているけど、なんか飽きっぽいのが難点。
 私のそばでアスカはなぜだかタマネギの皮を剥きながら、
「それにしても男手がないっていうのが、アタシたちの班の弱点よね」
 と言った。
「そう?」
「当たり前でしょ。キャンプで火のくべる役割と言えば男の子よ。薪割りだって大変だしさ」
「ふ〜ん、そんなものかな?」
「そうよ……って、アンタに言ったアタシが馬鹿だったわ」
「ん?」
「アンタ、どうしてそんなに上手く薪割りができんのよ?」
 私は手に持っていた鉈をギラッとさせて、
「あー、私、戦自の時、キャンプが得意だったのよ。ウサギとかヘビとか捕まえて、自給自
足で1ヶ月くらいは平気で生きられるよ」
「げっ、アンタの話を聞いたら食欲なくなるわ」
 と言って、アスカさんはシンジ達の方へ遊びに行ってしまった。
 私は再び薪を割りながらヘビの塩胡椒焼きなんて美味しいのにと思ってた。
 やがて、ヒカリちゃん主導によるカレーの料理も終盤を迎え、後はじっくりと煮込むだけとなった。
 学級委員長でもあるヒカリちゃんは他の班のことも心配みたく、
「ちょっと、みんなを見てくるから、カレーをこがさないように見てて」
 と言って、旅立ってしまった。
 飯ごうでご飯を炊くのは私の得意技だし、後は美味しそうなカレーができるのを待つだけ。
 ぐつぐつと音を立てている鍋からは美味しそうな匂いが漂っていた。
「ちょっとぐらいはいいよね」
 私はそう自分に言い聞かせると、スプーンでちょこっとカレーをすくった。
 そして、パクッと口の中に入れる。
 けっこう熱いけど、
「うまい!」
 と私は声を上げていた。
156名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/27(木) 23:50:00 ID:???
 と、そんな時、
「もう出来たの?」
 とレイちゃんが鍋を覗き込んできた。
「うん、もう少しだよ」
「……少し香りが薄いわ」
 レイちゃんはそう呟くと、どこからか持ってきたニンニクの山をどさっと鍋に入れた。
「あっ!」
「これで美味しくなるはず」
 と言って、レイちゃんはどこかへ行ってしまい、残った私は茫然としてしまった。
 すると、今度はマユミちゃんがやって来て、
「何なんですか? この匂いは?」
「え、えーと……」
「仕方ありませんね。これで何とかしましょう」
 と言って、マユミちゃんは鍋の中にカルピス(原液)を1パック全部入れてしまった。
 そして、満足げな顔でどこかへ行ってしまい、残った私は茫然としていた。
 と、次はシンジ達から戻ってきたアスカが、
「んー、良い香りじゃん。でも、なんか一つ足りないわね」
 と言って、鍋の中に手に持っていたカラムーチョを全て入れてしまった。
「これくらい辛い方がいいんじゃない」
 と、これまた満足げな顔をしてどこかへ行ったアスカ。
 私はこの非常事態をなんとかしようと思い、
「えいっ」
 と鍋の中にありったけのハチミツを入れた。


 その後は、何も言いたくありません。



つづくよ
157Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/12/28(金) 03:33:11 ID:???
乙カレ〜♪
158名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/29(土) 08:29:18 ID:???
乙カレ〜
159名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/03(木) 15:57:27 ID:???
新春保守
160名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/08(火) 23:54:48 ID:???
ho
161名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/14(月) 04:31:30 ID:???
ほっしゅ
162名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/22(火) 23:38:25 ID:???
163名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/31(木) 04:27:20 ID:???
(´・ω・`)
164名無しが氏んでも代わりはいるもの :2008/02/02(土) 19:08:09 ID:ydVhTMaE
hosyu
165名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/09(土) 19:12:54 ID:???
(´・ω・`)
166名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/12(火) 15:40:25 ID:???
霧島マナって誰よ?
ゲームキャラ?
167名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/12(火) 17:41:33 ID:???
うん。ゲームキャラ。
168名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/17(日) 01:18:46 ID:???
ぅほ
169名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/26(火) 07:09:40 ID:???
170名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/28(木) 14:10:04 ID:???
投下待ち
171名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/08(土) 16:33:39 ID:???
まだまだ待つ
172名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/20(木) 02:10:40 ID:???
173名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/26(水) 21:06:51 ID:???
(´・ω・`)
174名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/05(土) 03:56:47 ID:???
175名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/11(金) 10:32:18 ID:???
誕生記念age
176名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/27(日) 21:03:02 ID:???
エヴァ板良スレ保守党 (DVD発売祭り)
177名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/02(金) 18:46:45 ID:???
178名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/07(水) 15:18:13 ID:???
しゅ
179名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/16(金) 22:36:49 ID:???
うほっ
180名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/20(火) 13:07:13 ID:???
まち
181名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/06/05(木) 21:34:41 ID:R4FfUeYv
ウッ!
182名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/06/18(水) 22:38:38 ID:???
ハッ!
183名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/06/30(月) 14:51:00 ID:???
ヘッ!
184名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/07/21(月) 04:43:16 ID:???
来ないなあ
185名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/06(水) 16:14:03 ID:???
ho
186名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/16(土) 20:57:12 ID:???
ジンッ!ジンッ!ジンギスカンッ!
187名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/19(火) 01:26:26 ID:LIAQA4rN
それでも待つage
188名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/19(火) 23:11:02 ID:???
ここって日記スレですけど、3人称視点のSS投下ってタブーなんですか?
189名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/19(火) 23:31:54 ID:???
>>188
見れば分かるだろ。マナ分の枯渇が酷いんだよ。
三人称だろうとなんだろうと構わんからさっさと投下しろ!
おながいします。
190試製第壱型 ◆X4JSSDFJQM :2008/08/19(火) 23:36:40 ID:???
>>189
おk把握。
時 は 来 た
ちょっと出直してきますノシ
191Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/08/19(火) 23:51:52 ID:???
よっしゃぁ
み な ぎ っ て き たw
192まな:2008/08/20(水) 02:24:29 ID:???
Hしたいなぁ(///)m
193名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/21(木) 12:40:56 ID:???
>>190
のんびりどぞ(´∀` )
194名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/25(月) 22:37:09 ID:???
>>192
のんびりどぞ(´∀` )
195名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/04(木) 23:24:53 ID:???
まち
196名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/09(火) 13:46:49 ID:???
197名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/09(火) 20:15:43 ID:???
ゲームやらないからマナ分からない(´;ω;)
198名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/10(水) 05:06:36 ID:???
>>197
やればいいがな(´・ω・`)
199名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/11(木) 03:00:50 ID:???
いかんいかん。また停滞してしまった((((;゚Д゚))))
今週中には何とかする方向で。
200名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/11(木) 03:08:18 ID:???
>>199
マジでのんびり書きたいときに書いてね。
半年やそこらは余裕で待つ、ここはそういうスレだ。
201名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/15(月) 12:32:50 ID:???
「霧島」でググってたどりついたんですが、
霧島アキの妹のスレですか?
202名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/15(月) 13:25:07 ID:???
ちがう
203名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/15(月) 14:35:50 ID:???
すみませんでした
204名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/15(月) 15:22:41 ID:???
倉沢七海さんのご冥福をお祈りします
205名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/25(木) 04:28:49 ID:???
ho
206名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/28(日) 02:25:39 ID:???
保守
207名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/28(日) 03:08:29 ID:???
マナちゃんここですか?
208名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/28(日) 03:17:12 ID:???
誰が貧乳ですって!?(#゚Д゚) プンスコ!
209名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/28(日) 19:39:41 ID:???
やっとPCが直った
とっても久々だけど学園物はOK?
210名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/28(日) 20:37:36 ID:???
おkおk
211試製第壱型 ◆X4JSSDFJQM :2008/09/28(日) 23:53:48 ID:???
そして、私もドロップ!
212試製第壱型 ◆X4JSSDFJQM :2008/09/28(日) 23:55:21 ID:???
 無理だと思わないこともないのだ。ついこの間まで作業服のつなぎを着ていた自分が、
「普通の」中学生を演じきれるはずがない。しかし大人たちは、それを「可能」と判断したし、
だからこそ自分が送りこまれたのだ。それに、自分には他に行くところもない。
いまは流れに乗るだけだ。でも、一体いつまで……?
「どこか気分でも悪いのかね」
 突然の問いかけに驚き、彼女は内省の時間を終わらせた。
先を歩いていた教師が立ち止まっている。相当深刻な表情をしていたのか、
転入するクラスの担任にあたるらしい彼は、心配そうにこちらを覗きこんでいた。
「あ、大丈夫です!少し緊張しちゃって……」
 体調を崩したのでないことに安心したのか、転入生の初々しさと勘違いしたらしい彼は、
苦笑するとまたゆっくり歩きはじめた。
 いけない。学校にいるときくらいは楽しいことを考えよう。
緊張で沈んだ心もこうしてワンピースの制服に身を包み、リノリウムの床を歩いていると、
軽くなってくるから不思議だった。それに希望がないわけじゃない。現に自分はここに立っている。
明日を信じていまは生きるしかない。夢はきっとかなうから。
 先導していた初老の担任が立ち止まり、彼女は目的地へ着いたことを知った。
教師が先に入って、おいでおいでをするように手招きしてきた。ここからが正念場だ。
 わき目もふらずに教室へと入り、うながされるままに黒板に自分の名前書くと、彼女は目を閉じた。
 深呼吸。髪型よし。笑顔よし。
――じゃ、行こっか。
 心の中の自分に気合を入れると、彼女――霧島マナは飛びきりの笑顔でクラスメイトたちに振りむいた。
「きりしま……マナです。よろしくお願いします!」
213Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/09/29(月) 00:20:29 ID:???
>>212
ついに(・∀・)キタ!!
超期待。
214名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/29(月) 00:54:11 ID:???
おなじく期待
215名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/29(月) 05:09:11 ID:???
そんな霧島さんは大好きだ
216名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/30(火) 04:33:05 ID:???
続く……よね?
217名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/05(日) 00:59:39 ID:???
ho
218M→R:2008/10/06(月) 22:59:29 ID:???
2015.7.18

 突然だけど、ワタシは思い立った。
 blogを始めてみよう。
 なんかよくわかんないけど、みんなやっているみたい。
 とりあえず、日記?
 前から、日記をつけようと思っていたから、いい機会かもしんない。
 blogなら日記帳を持たなくてもいいし、PCがネットにつながっていれば、どこからでも
書けるから、きっととっても便利。
 でも、ワタシ、ハイテク?は苦手なんだよね。
 あ、は、はは…

 とりあえず、書き始めてみたけど、きっとこのblogを見にくる人なんていないと思う。
 でも、それはそれでいいかな。
 ちょっと恥ずかしいし。いや、けっこう恥ずかしいかな。

 それにしても、どうしてワタシは女の子っぽく文章を書けないんだろう。
 もっと、こう、絵文字なんかもたくさん入れればいいんだろうけど、ワタシは苦手。
 メールとかもあんまり使ってないし。

 振り返れば、ワタシって友達いないのか。

 ……ちょっと落ち込んだけど、今日の出来事はと、
 いつもと代わり映えのしない訓練だけだった。

Comments(0) │TrackBack(0)
219名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/06(月) 23:07:53 ID:???
おお、頑張ってくれ
220M→R:2008/10/06(月) 23:08:48 ID:???
2015.7.20

 さっそく、昨日はblogを休んでしまった。
 でも、今日は書いているから、三日坊主にはなっていないと思う。
 それで、えーと、誰が見ているというわけでもないんだけど、blogにはプロフィールを
のせなくちゃならないみたい。
 そういうわけで、ワタシの名前は「霧島マナ」。13歳。
 中学2年生の女の子。
 えーと、それから、何を書けばいいんだろう?

 え、えーと、ともかく、よろしくっ♪


 なんか柄にもないことをしてしまったような。


 今日も今日とて訓練に明け暮れてしまった。
 ちょっと、学校へ行きたいかも。

Comments(0) │TrackBack(0)
221M→R:2008/10/06(月) 23:25:41 ID:???
2015.7.22

 あしたはいよいよ巨大ロボット・トライデントの起動試験。
 今日はその予備試験で夜遅くまでかかっちゃった。
 そういうわけで、とっても忙しくて、とても毎日blogなんてつけられない状態。
 だけど、ちゃんと書こうとは思っているし、大丈夫だと思う。……たぶん。

 それにしても、とってもドキドキしている。
 失敗したらどうしようとか、なにかの間違いで暴走しちゃったらどうしようとか。
 でも、みんな一所懸命にやっているし、きっと大丈夫。


 ……大丈夫だよね?


 やっぱり、ちょっと不安。
 あの何でも博士は安全なんて言うけど、信用できない感じ。
 他のみんななんてワタシになんにも言ってくれないし、こんなに不安なんだよ。

 もう心配で眠れそうにもないけど、寝ます。

Comments(0) │TrackBack(0)
222M→R:2008/10/06(月) 23:36:24 ID:???
2015.7.26

 予想通りというか、案の定というか、この前の起動試験は大失敗だった。

 今のワタシは病室にあるベッドの上。
 からだ中、包帯巻き巻きにされちゃって、今は指先ぐらいしか動かせない。
 なんか、骨折とかもしているみたいだし。
 ちょっと、いや、すっごく体のあちこちが痛い。
 それでもずっとベッドの上というのは退屈で、ナースさんにPCを持ってきてもらった。
 だから、今は病室の中からblogをつけてます。

 それにしても静か。
 だれもお見舞いに来てくれない。
 ほんと、ワタシは友達がいないみたい。
 この時代、親のいない子供なんて珍しくはないけど、まったく身寄りのいない人は
それでも少ないような気がする。

 退院して、学校へ通えるようになったら、友達を作ってみよう。
 どうやって作ったらいいか、よくわかんないけど、とにかくなにかしてみよう。

 そんなことを知らない天井を眺めながら、ワタシは思った。

Comments(0) │TrackBack(0)
223M→R:2008/10/06(月) 23:55:54 ID:???
2015.7.30

 相も変わらず入院中のマナちゃんです。
 ベッドから出歩けるようになったけど、まだ腕には点滴の針が刺さってます。
 それにしても、ワタシはすっごくがんばっていると思う。
 いくらワタシだって、中学生の女の子なんだよ。
 こんな痛い目にあって、怪我だから仕方ないけど、恥ずかしいこともあったし。
 普通なら家出しちゃうよね。あ、ここでなら逃亡って言うのかな。
 
 それはそれとして、これからはもう少し、今日あったことをくわしく書こうかな。
 会話なんかも入れると、あとから読み直した時に思い出しやすくなるだろうし。

 それで、今日は初めてお見舞いに来てくれた人がいた。
 それはここで一番偉い人。階級が一番上。いわゆる幕僚長。
 このオジさんが、けっこうキモイ。
 ちょっとロリコン入っているかもしれない。
 病室に来るなり、ずっとワタシを見つめていて、それからぽつりと、
「大丈夫か?」
 と聞いてきた。
 そんなの見ればわかるんじゃない?
 大怪我。たぶん、あなた達のせい。いや、絶対にあなたのせい。
 それなのにこのおっさん、ごめんも何も言わないで帰っていった。
 せめて、お見舞いのバナナくらい持ってきてほしい。
 あと、なんでも博士が時田さんというこれもまた何でも科学者と一緒にやってきた。
 いろいろ聞かれたけど、何も答えられなかった。
 だって、トライデントが起動した瞬間に大爆発なんだもん。
 いきなりよ、いきなり。
 これまた何でも博士は謝りもしないで帰っていったし。

 やっぱり、友達がほしい。本当にそう思った。

Comments(0) │TrackBack(0)
224名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/07(火) 15:44:36 ID:???
GJ
225名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/07(火) 20:09:00 ID:???
切ないのう
てかblogでトライデントの実験のこととか書いちゃっていいのかw
226M→R:2008/10/07(火) 20:33:31 ID:???
2015.08.05

 今日、病院を退院した。
 病院を出る時、ナースさんが花束を渡してくれて、なんかくすぐったいような
もわもわするような、不思議な感じだった。
 退院と言っても、腕にギブスをしているし、他のところも包帯をしているし、
鏡で見た姿は自分ながら大変だと思った。
 だからなのかもしれない。
 新しくワタシの上長となった葛城一尉が迎えにきていた。
 この軽そうなお姉さん(おばさん?)がこれからワタシに指揮を出すなんて、
かなり不安。
 ちなみに、ワタシの属する組織が変わってしまった。
 なんでも某特務機関と一緒になってしまったのだ!!
 そんなわけで、葛城一尉もその組織の人なのでアール。
 やっぱり、これはあの起動試験大失敗の巻が原因なんだろうな。
 でも、それはワタシのせいじゃないし。
 ワタシにもワタシの事情があってblogをつけているんだし、その辺をみんなわかって
ほしいと思う。
 って、なんだったっけ?
 そう、それからワタシは自宅療養ということで、部屋に帰って寝ていた。
 あと、突然だけど、住むところが引っ越しされていて、おんぼろアパートになってしまった

 この組織って、貧乏なんだろうか?
 先行き不安です。

Comments(0) │TrackBack(0)
227名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/07(火) 20:45:27 ID:???
2015.08.11

 相変わらず暇。
 blogをつける気にもならないほど暇。なんか矛盾しているみたいだけど。
 そんなんだからケイタイでネットゲームをしてみたけど、これにもすぐに
あきてしまった。
 あと、今更だけどテレビジョンを買った。
 これが意外におもしろくって、徹夜で見てしまった。
 世の中にこんなにもおもしろい物があったなんて、今までのワタシはずい
ぶんと損をしていたんだと、しみじみしてみたり。
 そんなわけで今日は昼過ぎまで寝ていたんだけど、電話のベルで起こされ
てしまった。相手は組織の葛城一尉で、
「あっ、寝てた? ごめんねえ」
「……なんでしょうか?」
「うん、これから実験するから来て。迎えをよこすから」
「実験とは?」
「それがさあ、直ったのよ、人造人間が。だから、今すぐ来て?」
 ワタシには何のことかさっぱりだったけど、次の瞬間には玄関に迎えの人が
来ていて、そのまま秘密基地まで拉致連行されてしまっていた。

 で、結果としては、またもや気絶するような目に遭ってしまい、ワタシはまた
天井を眺めている。

 今度は自分の部屋でだけどね。

Comments(0) │TrackBack(0)
228M→R:2008/10/07(火) 20:59:31 ID:???
2015.8.14

 それは突然だった。
 って、ワタシの身に降りかかることはいつも突然なんだけど、世の中の
一大事が起こったのでアール。
 それは使徒とかいうわけのわかんない怪獣がここにやって来たのです。
 しかも、それだけならともかく、いえ、ともかくでもないんだけど、ワタシに
アレと戦えという指示が来て、頭の中が大混乱しながらも、またもや迎えの
人に拉致られてしまったのです。
 でも、秘密基地に着く前に、元いた組織が放つミサイルの流れ弾に当たって
またもやワタシは大怪我をしてしまった。
 それなのに、あのヒゲあご司令は無表情に「発進」とか言ってくれちゃって、
こんなの酷くない?
 でも、そんなことどうでもよくなるくらい良いことがあった。
 運命の出会い、と思いたくなるような碇シンジ君とあってしまったのだった。
 最初見た時は頼りなさそうな感じだったのに、ワタシを抱きかかえて
「僕が乗ります!」
 と言ってくれたのよ。
 (たぶん、そう言ったと思う。意識が朦朧としていたからよく覚えていないけど)
 で、エヴァとか言う人造人間(どうやらロボットではなく生き物らしい)に乗って、
使徒をやっつけてくれた。
 というのを、意識が戻った時、ナースさんに聞いた。

 身体中痛いところはいっぱいあるけれど、碇シンジ君の顔を思い出すと、
すこしくすぐったいような気持ちになったのは不思議だった。

Comments(0) │TrackBack(0) 
229M→R:2008/10/07(火) 21:20:57 ID:???
2015.8.15

 今さらだけど、blogとは何なんだろうと思って、手当たり次第に人気blogを
読みあさってみた。……ますますよくわかんない。
 ともかく、日記みたいなのでもまったく問題ないということがわかっただけで
も良しとしよう。

 それはそれとして今日はお盆。いくら怪獣が襲ってきたとはいえ、世の中は
お盆休みということらしい。
 それでワタシもなにかお盆らしいことをしたくなり、ロケット花火を打ち上げようと
思いたち、売店へ買いに行ったんだけど、途中の階段で転んでしまった。
 ワタシって、ちょっとだけおっちょこちょいなのよね。
 それで、治りかけていた腕の骨折がまた折れてしまい、緊急手術となってしまった。
 手術室に運ばれるベッドの上で涙をためていたワタシの目だったけど、途中で
ハッと大眼になってしまった。
 だって、あの碇シンジ君がいたんだもん。
 ワタシは急いで口を開いたんだけど、「あっ」と声を上げるので精一杯で、すぐに
碇シンジ君の横を通り過ぎてしまった。とーっても残念。
 それなのに、あーそれなのに、
 どうしてヒゲあご司令のところでは止まるんだろう。
 この人、ワタシになにか声をかけるでもなく、じっと見ているし。
 ちょっとキモイ。
 けど、そんなことはどーでもよくて、また碇シンジ君に会えるかなと、そんなことを
思いながら、今日は寝ます。

Comments(0) │TrackBack(0)
230M→R:2008/10/07(火) 21:41:14 ID:???
2015.8.22

 今日はいいことがあった。それも二つも。
 一つはやっと学校へ行けたこと。もうかれこれ半年ぶりの教室はどこか
楽しい感じがして、少し胸がわくわくするような気がした。
 そして、もう一つはあの碇シンジ君が同じクラスに転校してきたこと。
 なんかとってもラッキーで、ワタシはずっと碇シンジ君を見つめっぱなしだった。
 あ、そうだ、忘れないように、彼が自校紹介で言ったことをここに書いておこう。

 出身は東京都武蔵野市。
 趣味はえーと、言ってなかった。
 って、これだけ?
 うーん、恥ずかしがり屋さんなのかな。ワタシと同じだね。

 碇シンジ君とは席が離れてしまったけど、それでもワタシは満足。
 これからはいつも一緒のところにいられるんだもん。
 だから、いつか仲良くなれるかもしれないし。
 あ、そう、そう。碇シンジ君はワタシと同じ組織に入ったみたい。
 昨日、あの基地で訓練していたし。
 だから、ワタシたちはいつも一緒。

 ちょっとストーカー入って怖いかも。
 って、そんなことないない。
 だって、ワタシは恋しているだけなんだもん。


 恋?
 もしかして、初めての気持ちかもしれない。

Comments(0) │TrackBack(0)
231M→R:2008/10/07(火) 22:02:30 ID:???
2018.8.29

 今日、使徒が来た。
 碇シンジ君がやっつけた。

 2行で書くとすると、そんな一日だった。
 もう少しくわしく書くと、発端はワタシが昼休みにパンと牛乳を買いに行こうとしていた時、
碇シンジ君がジャージとメガネに屋上へ拉致られるのを見てしまったことだった。
 もしかし転校早々にイジメ?とか思うと、心配でたまらず、その後を尾行していた。
 そして見たのは、なんか言い争いをしている碇シンジ君とジャージ男だった。
 ワタシは二人を止めに入ろうとしたんだけど、そんな時にケイタイのベルが鳴って、
「使徒が来たわ。シンジ君をお願い」
 という葛城一尉の大きな声に足止めを食らった。
 ちょっとイラっと来たけど、ワタシは彼のそばに行って、
「碇君、非常招集」
 と告げた。
 それから二人でネルフ本部へと向かったんだけど、その途中、
「ありがとう」
 と、彼は恥ずかしそうに声を出した。ワタシは何のことかわからず、小声で、
「……え?」
「さっき、心配して僕の様子を見に来てくれたんだよね?」
「どうして?」
「うん、廊下を歩くのが見えたから。だから、ありがとう」
 そう言われて、ワタシは恥ずかしくなってうつむいてしまった。
 ワタシたちはとても近くに並んで歩いていて、ときどきぶつかるように触れる碇シンジ君の
指先が、なんだかとても温かく感じた。

 と、そんな一日だった。
 あと、碇シンジ君がかっこよく使徒をやっつけたよ。

Comments(0) │TrackBack(0)
232M→R:2008/10/07(火) 22:24:03 ID:???
2015.8.31

 今日は月曜日。
 学校で会えると思って、少しドキドキしていたんだけど、碇シンジ君はお休みだった。
 この前の戦闘でケガでもしたのかな?
 でも、そんな様子はなかったし、ならカゼかな?
 それともネルフで訓練?
 それはありえる。
 でも、ワタシは今日は訓練がないし、仕方がないから部屋の中でテレビを見ていた。
 けど、なんだかあんまりおもしろくなかった。
 そんな時、ワタシはつぶやくように「碇シンジ君」と声を出してみた。
 ちょっと頬があつくなった。
 でも、なんだか少し他人行儀のような気がする。だから、
「碇くん」
 と声を出してみた。これはいつもの呼び方だけど、やっぱり他人行儀。だから、
「シンジ君」
 と言ってみた。
 その瞬間、ワタシの頬がすっごくあつくなるのを感じてしまった。
 だけど、ちょっと、いえ、とてもいい感じがする。
 もう少し冒険してみる?
 ワタシはホントに小声で、
「シンジ」
 と言った。
 ダメ、本当にダメ。これは恥ずかしすぎる。ちょっとシンジ君には言えない。
 これはまだまだワタシには早いのね。
 というわけで、明日、彼に会ったら「シンジ君」と呼びかけてみよう。

 なんかドキドキしてきた。

 早く明日になるように今日はもう寝ます。

Comments(0) │TrackBack(0) 
233Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/10/07(火) 22:42:17 ID:???
>>226-232
乙です。なるほど、M→Rか。
発想、文章力ともに只者ではありませんね。

えっと、もしよろしかったらサイトに転載させてください。
お願いします。
234名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/07(火) 22:47:41 ID:???
GJ
235M→R を書いている人:2008/10/09(木) 01:45:37 ID:???
>>233
これでもよければお願いします
236M→R:2008/10/09(木) 02:03:37 ID:???
2015.8.31

 今日、シンジ君は学校を休んでいた。
 訓練にも来ていない。

 どうしたんだろう?

Comments(0) │TrackBack(0)
237M→R:2008/10/09(木) 02:05:55 ID:???
2015.9.1

 今日もシンジ君は休み?
 カゼなのかな?

 お見舞いに行った方がいいのかな。

 明日も休みなら、行ってみようかな。

Comments(0) │TrackBack(0)
238M→R:2008/10/09(木) 02:28:42 ID:???
2015.9.4

 今日も休み。
 これで5日目。
 本当にどうしたんだろう?

 それでこれまでずっとどうしようかと考えていたけど、思い切ってシンジ君の上長兼保
護者である葛城一尉に聞いてみた。
 すると、一尉はためらう様子を見せながら、
「隠していても仕方がないから言うけど、シンジ君、今、家出しているのよ」
 と言った。
「……どうして?」
「うん、まあ、彼の居場所はわかっているのよ。でもね、無理に連れ戻しても、ね」
「……?」
「難しい年頃だから。……母親にはなれなかったわね」
 と、葛城一尉は小さくため息をついた。
 二人の間に何があったのかよくわからないけど、このままではもう戻ってこない可能
性もあるのかもしれない。
 もしそうなったら、ワタシは……さびしい。

 シンジ君。彼はワタシが初めて自分から近づきたいと思った人。
 このまま会えなくなるのは、さびしい。
 とてもさびしい。

 明日、

Comments(0) │TrackBack(0)
239M→R:2008/10/09(木) 02:47:38 ID:???
2015.9.5

 シンジ君のいない学校はとてもさびしく感じた。
 それでもここに来てしまう自分の性格がかなりうらめしい。

 授業もほとんど上の空だったと思う。
 そんな時、クラス委員長の洞木ヒカリさんがワタシに話しかけてきた。
「ねえ、碇くん。ずっと休んでいるけど、どうしたのか知ってる?」
 ワタシはすぐに答えないで洞木さんをじっと見つめていると、ジャージ男(鈴原トウジと
いう名前らしい)が寄ってきて、
「知ってるんか?」
 と聞いてきた。
 それでもしばらく黙っていてから、
「……かぜ」
 と嘘をついていた。
 それはとっさに出た言葉で、どうして嘘をついたのか自分でもよくわからない。
 確かにワタシは昔から嘘つきで、本当のことなんて一つもなかったかもしれない。
 でも、それでも、どうしてこんな嘘をついたのかホントによくわからない。
 前にいる二人はお見舞いがどうのこうのと話し合っているけど、今、葛城一尉の
ところへ行ってもシンジ君はいない。

 でも、結局はワタシもこの二人に引っ張られるようにして彼と葛城一尉の家に行ってしまった。
 だけど、シンジ君はいなくて、そのままUターン。

 やっぱり、明日、

Comments(0) │TrackBack(0)
240名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/09(木) 03:23:15 ID:???
乙かれ〜
241名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/09(木) 09:55:11 ID:???
Great Job
242M→R:2008/10/11(土) 13:41:14 ID:???
2015.9.6

 本部の中でシンジ君に会った。
 葛城一尉と一緒にいた。
 シンジ君が戻ってきて、うれしかったはずなのに、心の中は複雑。
 葛城さんと話しをする彼の表情はとても楽しそう。
 まだワタシには見せたことのない顔。
 なにか二人の間に漂う空気の色が今までとは違って見えた。
 すれ違い際、葛城一尉が、
「今日の訓練、頑張ってね。……あっ、私たち、これからこの前の使徒を見に行くんだけど、
あなたも行く?」
 ワタシは彼女の横に視線を移すと、シンジ君は自分の足先を見るようにうつむいていた。
 それがなんだかイラっときて、
「行きません」
 と即答していた。
 そして、二人と別れて2,3歩ほど進んでから、ワタシは二人の方へ振り返った。
 遠ざかっていく彼の背中。
 そこへつぶやくように、
「シンジ君、」
 と声をかけた。
 それは口から微かにもれるような空気の流れみたいで、当然のように彼へ伝わらなかった。
 ワタシはしばらく彼の背を見送ってから、

「バカ、」

 とつぶやいた。

 どうして、こんなことを言ったんだろう。
 今日は眠れそうにもない。
 けど、眠い。

Comments(0) │TrackBack(0)
243M→R:2008/10/11(土) 13:52:56 ID:???
2015.9.8

 ワタシの理由無きイライラは未だに続いていて、ほとんどシンジ君を無視していた。
 こんなことじゃ駄目だと思っている。
 でも、何も言ってこないシンジ君によけいイライラして、

 ワタシって、なに?

 こんな嫌な女の子だったの?

 そりゃあ、人見知りは激しいし、すぐに怒ったり泣いたりするし、

 でも、やっぱりよくわかんない。

 これだったらまだひとりでいたあの頃の方が、よかったような気もする
 ようなそうでないような、やっぱりよくわかんない。

 ところで、もともとワタシの文章って女の子らしくないんだけど、PCで入力すると
よけいにそうなるみたい。
 ほら、変換すると勝手に漢字にしてくれるし。
 だから、例えば僅かな内容の事でも難しい語彙で誤魔化してくれるみたいな。

 まあ、どうでもいいよね、そんなこと。

 明日はちゃんと話しをしてみよう、まる

Comments(0) │TrackBack(0)
244M→R:2008/10/11(土) 14:09:51 ID:???
2015.9.9

 今日は水泳の授業があった。
 ワタシ、水は大好き。
 暑い日に冷たい水の中でぷかぷかと漂うだけでも気持ちいい。
 あ、LCLはちょっと嫌いかな。
 なんか血の匂いがするし。
 訓練だから我慢しているけど、本当はもう嫌で嫌で。

 それは横に置いておくとして、ワタシが泳ぎに疲れてプールサイドにある木陰で
腰を下ろしていたら、委員長さんがぺこんと隣に座ってきた。
「前から思っていたけど、水泳とくいなのね。ちょっとびっくりしちゃった」
 と、笑顔を見せながら委員長さんが話しかけてきた。
「……そうかな? 自分ではよくわかんないけど」
「だって、クロールなんてクラスで一番でしょ。男子にもかなう人はいないんじゃないかな」
 ワタシはちょっと照れてしまい、うつむいてしまった。
 そんな時、グランドの方から男の子たちの声がして、なにか委員長さんの名前とか、他の
女の子の名前とかが聞こえてきた。
 委員長さんは一瞬で顔を真っ赤にさせて立ち上がると、鈴原君たちの方へ声を荒げ始めた。
 ワタシはいうと、さっき自分の名前も聞こえたような気がして、グランドへ顔を向けた。
 ホント、びっくり、大びっくりだった。
 だって、シンジ君と目が合っちゃったんだもん。
 ちょっと見つめ合っちゃったかも。
 でも、その瞬間、なんか恥ずかしくなっちゃって、ぷいっと顔をそむけちゃった。

 今思うと、手くらい振った方がよかったのかな。
 また、シンジ君に勘違いさせちゃったかな。

 でも、たぶん、なんとなく、シンジ君と仲直りできそうな感じがする。

Comments(0) │TrackBack(0)
245Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/10/11(土) 15:07:00 ID:???
乙です。素晴らしい。GJ
246名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/12(日) 00:48:02 ID:???
247名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/12(日) 23:32:35 ID:???
乙アンド期待
248M→R:2008/10/15(水) 21:04:30 ID:???
2015.9.12

 いつもようにワタシは入院中。
 ホント、毎度のことだけど、どうしてワタシだけ大ケガするんだろう。
 なれちゃったけどね。
 この知らない天井だったものも、今はすっかりなじみの天井になっちゃったし。
 ここ数日、使徒と戦ったりとかいろいろあったけど、今のワタシはそれどころじゃない。
 死ぬほど恥ずかしかったけど、それとは別になんとも言えないような気持ちがした。
 なにか、こう、甘い匂いのような、うーん、よくわかなんけど、ともかく嫌じゃなかった。
 それにワタシに触れたシンジ君の手。
 あの手でワタシを助けてくれたと思うと、とってもいとおしいような。
 あの時、ちょっと気が動転しちゃって、
「抱いてくれる?」
 と口ばしちゃったんだけど、なんだか知らないけどシンジ君はあわてて、
「ごめん」
 と言って、どいてしまった。
 やっぱり言葉で気持ちを伝えるのは難しい。
 そんなこともあったけど、この数日でワタシとシンジ君の距離はとっても近づいたと思う。
 今日だって、シンジ君はお見舞いに来てくれて、いろいろと心配してくれた。
 ワタシは恥ずかしくって、まともにシンジ君の顔を見れなかったけど、そんなワタシに
いろいろと話しかけてくれた。

 ここではワタシの気持ちを書けるのに、どうしてヒトには伝えるのが難しいんだろう。
 黙っていても伝わることはあると言うけど、たぶんそれは無理。

 だから、これから少しずつでもいいからシンジ君と話しをしよう。
 まずは挨拶からでも

Comments(0) │TrackBack(0)
249M→R:2008/10/15(水) 21:05:13 ID:???
2015.9.17

 昨日、シンジ君は学校をさぼった。
 というわけではなく、あの時田が作ったJAが暴走したということで、国際災害救助隊の
ように、助けにいったらしい。
 らしいというのは、伝聞で知ったからで、 ワタシは見ていない。
 これもひとから聞いた話なのだが、それは茶番だったらしく、何でも博士同士の猿芝居
だったようだ。
 ところで、どうしてワタシは呼ばれなかったのだろう?
 やっぱり、あれかなあ。
 葛城一尉とシンジ君が同居しているからなのかなあ。
 信頼関係とか、そういうので。
 そもそも、他人同士の独身アラサー?と男子中学生が同居しているのはおかしいと思う。
 シンジ君を信じない(あ、これギャグになってる)わけじゃないけど、シンジ君もやっぱり
男の子だし、これはいささか問題ありと思うの。
 これは早急に手を打たないと。

 そういえば、この前、進路相談があった。
 ついでだと言って、葛城一尉が同席していたけど、この人、あることないことぺらぺらと
話しまくって、ワタシはほとんど何もしゃべれなかった。
 ただ、進路については入れるところに行きますとだけ言った。
 いくらなんでも、いきなりシンジ君のお嫁さんと言うほどワタシは馬鹿ではない。
 そりゃあ、いつかはそうなるつもりだけど、ワタシにもしてみたいことができるかもしれない。
 以前のようにただ何もないという状態ではないんだ。
 今では学校へも行けるようになったし、ヒカリさんという友達もできた。
 なによりもシンジ君がいる。
 たとえ、シンジ君とは高校が違っても大丈夫だと思うし、大丈夫にする。
 だから、今は自分のしたいことを探していこう思う。

Comments(0) │TrackBack(0)
250M→R:2008/10/15(水) 21:05:48 ID:???
2015.9.21

 変な外国人が来た。
 とーっても変な人。
 っていうか、敵?
 いつのまにか、ワタシのシンジ君とすっごく仲良くなっちゃているし。

 ネルフが誇るスーパー博士によると二人で弐号機に乗っちゃって、シンクロ値を
更新したらしい。
 それって、どういうこと?
 エントリープラグに二人乗り?

 シンジ君、不潔よっ!!

 ちょっと頭に血が上っているみたい。
 それしても、あの赤毛女、
「仲良くしましょ」
 とか言ってきたけど、そんなことできるわけないじゃない。
 だから、当然、「命令がなければイヤ」と言ったけど。

 とりあえず、この状況を誰かに相談しようと思って、ヒカリさんを見たんだけど、
ヒカリさんは惣流さんと仲良くなっているし。
 そりゃあ、クラス委員長だもん。転校生の世話を見るのが仕事なのはわかるけど、
でも、もう友達みたいになっているのは、
 ワタシとしてはすこし
 かなり
 とってもさびしいわけで、



Comments(0) │TrackBack(0)
251M→R:2008/10/15(水) 21:07:00 ID:???
2015.10.10

 久しぶりに書き込むような気がする。
 いろいろあった。
 使徒が来たり、分裂したりとか、
 ユニゾンの訓練をちょこっとだけしたりとか、

 そんな感じのことがたくさんあって、いろいろと思ったりしたこともあって、
 心の中を少し整理したんだけど、
 結局、ワタシがシンジ君に抱いていた感情は気の迷いだったような気がする。

 たぶん、男の子というより姉弟みたいな感じかな。
 そう、だめな弟を持ったような気持ちに勘違いしていた。

 だって、ちょっと愚痴の一つも書かせて。
 せっかくユニゾン訓練でワタシたちがバチッと決めたのに、勝手に怒って出て行っ
ちゃった惣流さんを追いかけて行くなんて、おかしくない?

 もっと変なのがその惣流さんとも同居するなんて普通考えられる?
 他人同士の中2男子と三十路女性あんど14歳帰国子女が一緒に住むなんて
おかしくない?

 そもそもシンジ君はワタシのことをどう思っているわけ?

 そういうわけでしばらく口をきいてあげないことに決めました。

 決心しました。

Comments(0) │TrackBack(0)
252M→R:2008/10/15(水) 21:07:44 ID:???
2015.10.16

 今日から修学旅行で沖縄に行っています。
 ワタシたちエヴァパイロット3人組以外はね

 ワタシ、本当に行きたかった。
 海面上昇で陸地が1/3になってしまった沖縄。
 今はなき西表山猫発見ツアーもしたかった。
 さーたあんだぎーも食べたかった。
 スキューバもしたかった。
 これは一生悔いが残ると思う。

 惣流さんも怒っていて、シンジ君に同意を求めていたけど、
「僕、去年、修学旅行で行ったから」
 と言って、笑っていた。
 なんでも、転校前のところは1年生の秋に修学旅行をするというわけわかん
ない学校だったみたい。
 と、まあ、シンジ君はそれでいいかもしれないだろうけど、ワタシはとっても残念で、
それが顔に出ていたのか、シンジ君はあわてて
「あっ、ごめん。そういうのは大事だよね。やっぱり、みんなと行きたかったね」
 と、ワタシに声をかけた。
 そんなこともあって、近くの温泉にみんなで行こうと葛城一尉が提案したんだけど、
使徒が来て、それも中止。

 つくづく旅行には縁がない。
 本当にワタシは箱入り娘なんだなあっと思ったりもした。

Comments(0) │TrackBack(0)
253M→R:2008/10/15(水) 21:09:52 ID:???
2015.10.28

 blogを始めて3ヶ月。
 このくらいで更新停止になるのが多いみたい。
 ワタシも最近は更新するのが時々になっている。
 でも、無理しないですれば、長続きするのかなと思ったりもしている。

 相変わらず知らない女二人組と同居しているシンジ君と、久々に帰りが一緒になった。
 なぜ久々かというと、それは惣流さんがいつも一緒だからだ。
 彼女はシンジ君をボケ、のろまだ、バカだとけなしっぱなしだけど、そのわりにはなんだ
かんだと一緒にいる。
 もちろんヒカリさんとも一緒にいる時間は多いけど、男子でまとも?に接しているはシン
ジ君だけ。
 これはどー見ても好きな男の子をいじめるやんちゃな女の子にしか見えなくて、そんな
ことをヒカリさんに言ってみたら、小さく笑いながら「同じだよ」って返された。
 ワタシはよくわかんなくて、???みたいな表情だったようで、
「そうねえ。アスカと違って、ストレートなぶん気づかれにくいかも」
 と続けて言われた。
 それはほらシンジ君は弟みたいな感じだし、そんなことなんだよ。

 と、まあ、ともかく、シンジ君と二人で本部へ向かったワタシたちだったけど、急にかかっ
てきた電話で訓練中止と報されてしまった。
 それでなんとなく暇になって、シンジ君と一緒にぼーっと芦ノ湖を眺めていたんだけど、
それはそれで退屈することもなく、むしろ楽しい感じで、もっとずっとこうしていたいような
気持ちだった。

Comments(0) │TrackBack(0)
254M→R:2008/10/15(水) 21:30:39 ID:???
2015.11.13

 人工の明かりはひとつもなかった。
 月明かりもなく、夜は本当に闇に包まれているようだったけど、
 星々の優しい光がワタシとシンジ君を照らしていた。

 うん、惣流さんも隣にいたんだけどね。

 でも、本当に星空はきれいだった。
 ときどき流れ星も見えたし。

 涼風が気持ちよくて、ずっとこのままいたような気がしたけど、
 どうにも蚊が多くてちょっと無理。

 惣流さんなんて、手をパチパチさせて一生懸命に蚊を落としていた。
 でも、やっぱり多勢に無勢で、耳たぶをさされちゃったみたい。
 シンジ君も首のあたりをさされちゃったようだし、
 なかなかロマンチックなままとはいかないなあ。

 そんなわけで今回の使徒はとても弱かったです まる


Comments(0) │TrackBack(0)
255M→R:2008/10/15(水) 21:50:52 ID:???
2015.12.9

 もはや月一更新となったコレ。
 でも、話はハイスピードで進まなければならないから、これはこれでいいのですっ。

 それで、今日は葛城三佐のおごりで夕ご飯を食べに行った。
 あっ、葛城一尉はおとといに昇進して三佐になったのであーる。
 そんなに活躍した?とワタシは思うんだけど、三佐自身も首をかしげていたから、
やっぱり変な昇進なんだと思う。
 いったい、どういう組織なんだろう?

 そんなことより、今日はいたりあんな感じでパスタとかドリアとかそういうのを食べたかったんだ。
 でも、惣流さんや葛城三佐自身の誕生日や昇進祝いとかなんだかんだで金欠らしく、
結局は屋台のラーメン屋さんということになってしまった。
 別にラーメンでもいいけど、そんなに余裕がないならおごらなくてもいいと思う。
 それにしても、どうして屋台のラーメン屋にフカヒレラーメンがあるんだろう。
 惣流さんなんてそれを頼んだから、葛城三佐なんて涙目になっちゃって、ちょっと
かわいそうだったよ。
 ワタシはニンニクたっぷりの家系ラーメンを頼んじゃった。
 特に煮玉子が大好きで、自分のぶんを食べてから隣のシンジ君のジッと見ていたみたい。
 そしたらシンジ君、ニコッと笑って、
「煮玉子、あげるよ」
 と言って、ワタシのどんぶりに移してくれた。
 ワタシ、とってもうれしくって、
「じゃあ、シンジ君にはチャーシューあげる」
 と言って、煮玉子とチャーシューを交換。
 なんだかちょっと照れちゃうような雰囲気で、そんなところを葛城三佐にからかわれちゃった
りして、だけど、とても美味しい夕ご飯だった。

 あっ、それから今日も使徒をやっつけたよ。

Comments(0) │TrackBack(0)
256M→R:2008/10/15(水) 22:10:31 ID:???
2016.1.4

 世の中はまだお正月気分。
 でも、ワタシたちは今日もエヴァの訓練。
 これって、ちょっと酷くない?
 それでもって裸でエントリープラグに搭乗。
 これはまだいいよ。
 でも、みんな一緒に裸になることないと思わない?
 ワタシたち中学2年生、思春期まっただ中なのよ。
 もう少し何とかならなかったの? たとえば乗り込む時間をずらすとか、さ。
 いくら前に一度、シンジ君に全裸、そう真っ裸を見られた上に、さわられたことがある
とはいえ、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいのよ。
 惣流さんなんて顔を真っ赤しにして大声で文句を言っていたし。
 あ、でも、シンジ君はあまりそうでもなかったみたいで、
 ……えっちだからかなあ。
 けど、シンジ君に限って、ねえ。

 そんなことを訓練後にシンジ君に言ってみたら、頬を真っ赤にして、
「僕が恥ずかしいって騒いじゃうと、二人がもっと恥ずかしがっちゃうかなって思って」
「えっ、」
「本当はすごく恥ずかしかったんだ」
 って、小声で言ったシンジ君はなんかかわいらしかった。
 それで、ワタシ、無意識にシンジ君と手をつないでしまったんだけど、
たぁーって声を上げた惣流さんの空手チョップがワタシたちの手は離させてしまった。
「アンタたち、なにいちゃついてんのよ」
 と言った惣流さんの顔がおかしくて、でも、シンジ君はまたうつむいちゃって、
 なんとなく楽しい帰り道だった。

 それから、なんだか知らないうちに使徒が撃退されてたみたい まる

Comments(0) │TrackBack(0)
257M→R:2008/10/15(水) 22:26:17 ID:???
2016.2.1

 blogを書く時に読み返しはしない。
 だから、誤字脱字も多いし、変な文章もたくさんある。
 でも、これでいいのだ。
 だって、これはライブ感を出すためだから、
 ……なんちゃって。

 今日はえう゛ぁんげりおん初号機に乗った。
 なんでも、相互互換テストというもので、シンジ君も零号機に乗った。
 久しぶりに乗った初号機は以前とは違うような感じがして、そう、匂いが違っていた。
 それを、ワタシは知っている。
 それは、シンジ君の匂いだった。
 それが、ワタシの身体を溶かすようで、
 それと、溶け合いたい。
 そう、ワタシは思った。

 シンジ君もやっぱり同じで、ワタシの匂いがするって言ったけど、そのすぐ後に
零号機を暴走させてしまった。
 おかげでシンジ君はまた入院。
 それにしてもワタシとシンジ君が入院するのって、多すぎない?
 今度、家出しちゃおうかな。

 って、そんなことできるわけないよね

Comments(0) │TrackBack(0)
258M→R:2008/10/15(水) 22:40:10 ID:???
2016.3.26

 前回から間隔が開きすぎちゃって、もうblogをやめよちゃおうかなあと思ったけど、
書かずにいられなくなってしまった。

 だって、今日はワタシとシンジ君の記念日になるんだもん。
 そう、今日という日をワタシは絶対忘れない。

 うん、シンジ君のことは弟みたいだと思っていたよ。
 でも、それは違ってたみたいで、ワタシたちは結ばれる運命だったみたい。
 学校でなんて、ワタシのことをじーっと見ているし、あんなに見つめられたら、いくら
ワタシがどんかんでも気がつくよ。
 それでもって、エレベーターの中で二人っきりになった時、
「雑巾しぼっているの見てたんだ。なんだかお嫁さんみたいな感じがした」
「……お嫁さんって?」
「一緒に結婚したら、あーいうのを見ることになるのかなって、……あっ」
 ワタシもシンジ君もとても恥ずかしくなって、黙ってしまったんだけど、
 エレベーターから出ると、ワタシたちは見つめ合っちゃって、
 そのままくちびるが……、もうはずかしてく書けない。

 そんな感じで今日のことをもう一度思い出して、もう寝よう。

Comments(3) │TrackBack(0)
259M→R:2008/10/15(水) 22:48:20 ID:???
この記事へのコメント

-----------------------------------

 あんた、バカぁ?
 あることないこと書いてんじゃないわよ。
 あのバカシンジがそんなことするわけないでしょ。
 いい加減にしないと、訴えるわよ。

Posted by S.A.L.  at 2015.3.27


 え、あっ、あのう、初めまして?
 どなたかわかりませんが、読んでくれてありがとう。
 それと、ごめんなさい。キスはうそです。
 その前のことがあんまりにもうれしくて、妄想しちゃいました。
 これからは気をつけます。

Posted by mana  at 2015.3.27


 わかればいいのよ、わかれば。
 それにしても、前半部分は本当なわけ?
 あのバカ、とっちめてやる。アタシにあんなことしたくせに。

Posted by S.A.L.  at 2015.3.28
260M→R:2008/10/15(水) 22:59:34 ID:???
2016.3.29

 今日、学校へ行った。
 そしたら、あのヒトが待っていて、ニヤッとしながら、
「ふふふ、アンタ、案外、おもしろいじゃない」
「えっ、なんのこと?」
「アタシ、わかってんのよ。アンタのアレ」
 ワタシは絶句して、ぶるぶると震えてしまった。
「まあ、武士の情けで黙っていてあげるわよ」
「……ほんとう?」
「本当よ。女に二言はないわ」
「あ、ありがとう」
「感謝しなさい」
「でも、どうやってワタシのblogを知ったの?」
「そんなの検索したのよ」
「検索? なにで検索したの?」
「あ、うっ、うっさいわね。そんなのどうだっていいでしょ。とにかく、もうアンタのblogなんて
読む気ないけど、あまり変なことばっか書いてんじゃないわよ」
 と言って、あのヒトはまたニヤッと笑いながら去っていった。

 それにしてもびっくりしたし、とてもこわかった。
 誰も見ている人なんていないと思っていたから、これまで自由に書いていたんだけど、
これからはそうもいかなくなるのかなぁ。

 ちょっと悩み深い夜となりそう。

Comments(0) │TrackBack(0)
261名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/15(水) 23:01:19 ID:???
今日はここまで
あと、>>259の日付は2016の間違いです。
262Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/10/15(水) 23:12:22 ID:???
>>261
乙です。コメント欄が芸が細かいw
263名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/15(水) 23:36:38 ID:???
GJ
264名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/16(木) 02:51:50 ID:???
乙かれです。
ほのぼの切なくていいエヴァですね。
265名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/16(木) 18:39:30 ID:???
良作
266M→R:2008/10/16(木) 22:29:01 ID:???
2016.4.13

 この頃、シンジ君の様子がおかしい。
 話しかけてもそっけないし、なんだか視線を合わせないような感じがするし、
 もしかしてワタシ、さけられている?

 原因なんて、全然思いつかない。

 今日なんて、いつもはみんな一緒に本部へ行くのに、シンジ君だけひとりで行っちゃうし。
 
 なんか落ち込むなあ。


Comments(0) │TrackBack(0)
267M→R:2008/10/16(木) 22:44:02 ID:???
2016.4.14

 いつまでもひとりで悩んでいてもしょうがないと、ワタシは思ったのよ。
 それで、エヴァの訓練が終わった後、シンジ君をつかまえて聞いてみた。
「シンジ君、ワタシのこと避けてる?」
「えっ、」
「どうなの? 正直に教えて。もしワタシのこと嫌いになったなら、もう話しかけたりしないから」
「ち、違うんだ。そんなんじゃないんだ」
 そうシンジ君は大声で言った。
「じゃあ、どうして?」
「……言わなくちゃ駄目?」
「ダメ」
「じゃあ、言うけど、あ、あのさ、ちょっと前に……、アスカとキスしたんだ」
「えっ!!」
「そ、そんなんじゃなくて、アスカは遊びって言ってた。だから、そういうんじゃないから」
「……」
「それでさ、なんか恥ずかしいのと、……ちょっと罪悪感みたいなのがあって、うまく話せなかった」
 ワタシは内心すごく動揺していて、一瞬気が遠くなりかけた。
「惣流さんとは本気なの?」
「だから、そんなんじゃないんだ。それに、アスカなんてキスの後、すごくうがいしていたし」
「ひどーい」
「あはは、実はかなりショックだったんだけどね」
 と言って、シンジ君は落ち込んだように肩を落とした。
 ワタシはシンジ君を励まそうと、
「じゃあ、ワタシとキスしてみる?」
「え、ええっ!! い、いいよ。だって、……えっ、……じゃあ、また明日」
 と言って、シンジ君は大あわてで帰っていった。
 ワタシはそんなシンジ君の後ろ姿を見送りながら。
「ちょっと残念」
 と呟いていた。と、そんなことがあった今日だった。

Comments(0) │TrackBack(0)
268M→R:2008/10/16(木) 23:05:02 ID:???
2016.5.5

 病室でシンジ君の寝顔を見ていた。
 本当に戻ってきてくれてよかった。
 もう帰ってこないかもしれない。そう思わないようにしていたけど、心の中の片隅では
考えてしまうこともあって、泣いてしまいそうにもなった。
 生きてる。
 それを感じたくて、シンジ君の頬にそっと触れてみた。
 とても温かく、静かな病室の中では彼の鼓動が伝わってくるようだった。
 そんな時、シンジ君のまぶたがぴくぴくと動いて、ワタシはさっと手を戻した。
「……居てくれたんだ?」
「うん、」
「ずっと眠っていたような気がする」
「うん、」
「ずっと夢見ていた。ミサトさんやアスカもいて、みんながいて、母さんもいた」
「うん、」
「でも、夢はやっぱり夢で、今ここでこうしてまた会えて、本当によかった。ありがとう」
「う、うん」
 ワタシは気の利いたことを何も言えなくて、ただ返事をするだけだった。
 しばらく、ワタシたちは黙っていたけど、ワタシはすこしぼやけて見えるシンジ君へ
「もう黙ってどこかへ行ったりしないでね」
「……うん」
 その後、惣流さんや葛城三佐もお見舞いに来て、病室の中は騒がしくなったけど、
そんなこともどこか楽しいひとときだった。

Comments(0) │TrackBack(0)
269M→R:2008/10/16(木) 23:31:10 ID:???
2016.5.17

 今日、エヴァの訓練で待機中の時、惣流さんと二人っきりになってしまった。
 たぶん、二人っきりは初めてのような気がする。もともと、あまり親密という関係でもない
ので、会話なんてあるはずもなく、とても気まずかった。おまけに、テスト装置が故障したと
かなんとかで、数時間くらい二人っきり。 さすがに、惣流さんも思うところがあったみたいで、
「アンタとこうして話すのって、初めて?」
「そうかも」
「ふーん。……アンタさ、一人暮らししてんのよね?」
「えっ、そうだけど」
「そみしくないの?」
「もう慣れちゃった。ずっとひとりだったから」
「ふーん、明日、晴れるかな?」
「えっ、ええ?」
 話す内容が二転三転する惣流さんにワタシは思いっきり戸惑ってしまった」
「降水確率20%で晴れとか天気予報で言っていたけど」
「そうなんだ。……アンタ、いつも夕ご飯はなに食べてんのよ?」
「えっ? えーっと、いつもは本部の食堂でカレーとかうどんとか、あと日替わりとか」
「アタシんところは当番制で夕ご飯作ることになってんのよ」
「そうなんだ」
「そうよ。今日はミサトの番。でも、たぶんホカ弁ね。ミサト、料理をめんどくさがるから」
「そ、そう」
「アメリカの大統領、どっちが勝つかしらね」
「って、なにそれ?」
「なにって、大統領よ、大統領。そんなことも知らないの、アンタ?」
「知っているけど、それで?」
「それだけよ」
「……あの、オチは?」
「なにそれ?」
 なんだかどっと疲れてしまった一日だった。

Comments(0) │TrackBack(0)
270名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/16(木) 23:45:30 ID:???
乙です
アスカなりに気をつかってるのかなあw
クライマックスに向けて期待しております
271Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/10/17(金) 00:55:06 ID:???
乙〜。言われてみると2016年は多分アメリカ大統領選挙の年だよね。
毎日投下の馬力には敬服です。
272名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/17(金) 11:04:37 ID:???
GJ
273M→R:2008/10/17(金) 21:12:15 ID:???
2016.6.6

 今日は昼間からエヴァの訓練だった。ワタシだけね。
 おかげで学校へ行けなかった。
 とても残念。
 そんなわけで夕方頃にお弁当を持って、部屋へ帰ったんだけど、ドアのノブに鍵が
かかっていなかった。
 おーっと、ワタシって、部屋の鍵を閉め忘れちゃうことがよくあるんだ。
 だから、今回もそうかと思ったんだけど、なんだか部屋の中から声が聞こえる。
 泥棒?
 ワタシはすかさず本部へ連絡。
 しばらくして保安部隊の人と銃を片手に突入した。

 そこにいたのはシンジ君と鈴原君で、なんだか知らないけど掃除してた。
 あんまりにもびっくりしたみたいで鈴原君なんて涙目になっていた。

 それからワタシもシンジ君たちも保安部の人にお説教をもらっちゃって散々だった。

 でもねえ、掃除してくれたのはいいんだけど、女の子の部屋に黙って入っちゃうなんて
失礼よねえ。ぷんぷん

 どうせなら、言ってくれれば、ちゃんとご招待したのに。



 明日からはシンジ君がいつ来てもいいように、お部屋をきれいにしておこう。


Comments(0) │TrackBack(0)
274M→R:2008/10/17(金) 21:31:27 ID:???
2016.6.7

 昨日、鈴原君が四番目のチルドレンに選ばれたことを知ってしまった。
 そのことは鈴原君にも伝えられたみたいで、学校ではとても不安そうな顔をしていた。
 シンジ君はまだそのことを知らないみたい。鈴原君の様子が変だということには気づい
ているようだったけど。
 もしシンジ君がそのことを知ったら、どう思うだろう?
 たぶん、彼はシンジ君にとって一番の友達。
 その彼がエヴァのパイロットになるのを、シンジ君は喜んだりしないんだろうなあ。
 きっと、そう。
 エヴァに乗って死ぬような目にも何度もあった。振り返ると、生きているのが不思議なくらい。
 そんな立場に友達がなるのを、シンジ君はよく思うはずないもの。
 ワタシはなにができるんだろう?
 お昼休み、校舎の屋上で鈴原君がひとりで居るのを見て、ワタシは会いに行った。
 彼は遠くの山を見ながら、
「シンジは知らんのやろ?」
「うん、」
「さよか。あんたはシンジが心配なんや。そやから、シンジのことはまかすわ」
「どういう意味?」
「そういう意味や。わからんかったら、それでもええねん」
 ほとんど会話らしいこともできなく、ワタシは屋上を出たら、そこに隠れるようにしてヒカリさ
んが様子をうかがっていた。
 きっと、彼女も鈴原君が心配なんだ。
 顔を真っ赤にしながら違うって言うけど、そんなことないのはすぐにわかる。
 どうして、みんな素直に感情を出せないんだろう。

 でも、それはワタシも同じ。


Comments(0) │TrackBack(0)
275M→R:2008/10/17(金) 21:42:50 ID:???
2016.6.10

 またいつもの病室。
 シンジ君はベッドの上で眠っている。
 そして、隣のベッドに鈴原君も眠っていた。
 大ケガをした鈴原君はたぶんもう自分の足だけで歩くことはできないだろう。
 でも、それでも生きているだけも良かったと思う。

 ワタシはシンジ君の横顔を見つめていた。
 今、なにを夢見ているんだろう。
 鈴原君のこと?
 それとも、お父さんのこと?

 鈴原君には悪いけど、ワタシはシンジ君が無事でよかった。
 もしあのままだったら、ここにシンジ君はいなかったかもしれない。
 だから、司令の判断には間違いはなかったと思う。

 けれど、もっと他に方法はなかったのだろうか。
 ワタシがもっとうまくできればよかったんだろうか。

「シンジ君、」

 ワタシはまだ夢の中にいるシンジ君へ呼びかけてみた。
 でも、やっぱりまぶたを開くことはなく、

 ワタシは黙ってシンジ君から離れるしかなかった。


Comments(0) │TrackBack(0)
276M→R:2008/10/17(金) 22:00:26 ID:???
2016.6.13

「まだ生きてる」

 ワタシが病室で目覚めた時、発した言葉がそれだった。
 正直、死んでもいいと思った。
 シンジ君が生きていてくれれば、それでいいと思った。

 でも、今はもうシンジ君はいない。

 エヴァの中に溶けてしまった。

 またシンジ君はいなくなってしまった。
 もういなくなったりしないでと約束したのに。



 エヴァの中にはあの人がいる。

 あのひとはシンジ君に会えたんだろうか。


Comments(0) │TrackBack(0)
277M→R:2008/10/17(金) 22:24:27 ID:???
2016.7.15

 一ヶ月ぶりに会えたシンジ君にワタシはなにも言えなくて、
 彼の病室へ運ぼうとしていた食事の用意と一緒に立ちつくしてしまった。
 また会えてうれしい。
 そう感じたことは確か。
 でも、それよりもワタシはただただホッとしていた。
 シンジ君はワタシの顔をしばらく見つめてから、
「ありがとう」
 と言った。
「……前と同じ」
「……?」
「前も同じこと言った」
「あ、うん」
「ワタシもシンジ君の顔が見れてよかった。……でも、これでよかったの?」
 彼はエヴァのパイロットを辞めたはずだった。でも、また再びここに、
「正直、よくわからないよ。あの時、トウジに殺されるなら、それでもいいと思った。
トウジを殺すくらいなら死んだ方がましだと思った。
……でも、僕が死んだら悲しむ人がいることいることに気づいていなかった」
「ワタシも、この一ヶ月、とても不安だった。もう会えないのかと思うと、とても不安だった」
「ごめん。……でも、やっぱりまだよくわからないんだ。このままエヴァに乗っていいのか」
「ワタシは、なにも言えない。だって、なにを言ってもシンジ君にとって重荷になるもの」
「ごめん、」
 それからシンジ君とワタシは黙ってしまい、食事のスープはすっかり冷え切ってしまった。

 たぶん、シンジ君は優しいから、エヴァのパイロットを続けると思う。
 でも、これでいいのかワタシにはわからない。

Comments(0) │TrackBack(0)
278名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/18(土) 10:07:51 ID:???
オッテュ
279M→R:2008/10/18(土) 17:41:03 ID:???
2016.7.19

 心を開かなければエヴァは動かない。
 みんな、知っていると思っていた。

 ワタシは?
 今はもうわからない。

 あのヒトはもう心を閉ざしたままなの?

Comments(0) │TrackBack(0)
280M→R:2008/10/18(土) 17:52:21 ID:???
2016.7.21

 今、お昼休みの時にblogを更新している。
 なんとなく始めたことだけど、もう一年が過ぎた。
 毎日更新なんてできなかったけど、ともかく続けられてよかった。
 この一年、いろいろなことがあった。
 ひとりぼっちだったワタシがたくさんのひとと出会って、なにかが変わったような。
 そう感じる。

「アスカが帰ってこないんだ」
 さっき本部で会った時、シンジ君はそう言った。
「たぶん、委員長のところに行っているんだと思う」
「……」
「僕じゃ力になってあげれないんだ」
「……どうしてワタシに言うの?」
「ごめん。でも、誰かに聞いてもらいたかったんだ」
「……」
「ごめん、」
 と寂しそうに言うと、シンジ君は黙ってうつむいてしまった。
 あの人のことをシンジ君は思っている。
 隣にいるのに、シンジ君の目にワタシは映っていない。
 どうして?

 どうして、ワタシだけを見てくれないの?




 こんなに苦しいなら、こんな感情ない方がよかった。


Comments(0) │TrackBack(0)
281M→R:2008/10/18(土) 17:57:43 ID:???
2016.7.28

 霧島マナ?

 誰?


 碇シンジ?

 知っている。


 渚カヲル。
 今日、会った。同じ感じがする。




 私は誰?


Comments(0) │TrackBack(0)
282M→R:2008/10/18(土) 18:01:36 ID:???
2016.7.29

 彼は行ってしまった。
 同じ感じがするヒトが。


 私は?
 私は何をするの?
 何をすべきなの?

 この一年、私は何をしていたの?


 私は誰?


Comments(0) │TrackBack(0)
283M→R:2008/10/18(土) 18:04:58 ID:???
2016.7.30

 どうして私はこんなことをしているの?
 よくわからない。

 偶然、見つけたからかもしれない。


 でも、なぜ止められないの?


 あのひとが計画を実行する。

 だから、おそらくこれが最後。



 でも、私は、


Comments(0) │TrackBack(0)
284M→R:2008/10/18(土) 18:17:44 ID:???
2016.8.31

 全てがひとつになって、ワタシはわかった。
 もう物質としての身体は無いけど、ワタシはここにいる。
 いつでも、どこでも、ワタシはあなたと一緒にいる。

 だから、泣かないで碇君。

 ワタシたちは何も無くしてなんかいない。
 何も失ってなんかいないもの。

 ヒトは必ずいつか還ってくる。

 碇君もあの人と心を通わせることがいつかできるわ。

 ひとりっきりじゃないわ。
 みんな、いるもの。
 私もいるわ。

 これからは私、綾波レイがいるわ。

 だから、元気を出して、碇君。

Comments(1) │TrackBack(0)

この記事へのコメント

ここにいたんだね。綾波。
僕はたぶん大丈夫。なんとか生きていくよ。
また、会いに来る。ずっと一緒だから。

Posted by シンジ  at 2016.9.14
285名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/18(土) 18:23:02 ID:???
あとがきみたいなもの

えーと、このスレ的にはなんとも微妙というか、スレ違いなものを
書いてしまって、ごめんなさい。
ただ、綾波レイの仮想人格としての霧島マナを設定した時、ここに
書くしかないかなと思いました。

お話的には、完全本編準拠という点と、ラストと、コメント部分を書き
たいためだけに始めたようなものです。

ともかく、また書くことを許してもらえるなら、またいつか何かお話を
書いてみたいです。

以上
286Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2008/10/18(土) 20:15:52 ID:???
>>285
トライデントの事故で瀕死となったマナが病院で目覚めると綾波になっていたという冒頭は、
実は最後の場面への重要な伏線だったのですね。
やっぱりマナの元の肉体は滅んでしまったのでしょうか……。
あと、一人称が、マナは「ワタシ」、綾波は「私」と、厳密に区別されている(ですよね?)のも、
二人のキャラを書き分けるのに非常に効果的だと思いました。
最後の「ひとりっきりじゃないわ」にはかなりぐっときました。シンジのコメントも。

なにはともあれお疲れ様でした。


> またいつか何かお話を書いてみたいです。
ぜひ、ぜひ!
287名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/18(土) 22:45:50 ID:???
感動した!
288名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/19(日) 01:36:42 ID:???
完結お疲れさまです!
これを読ませてもらって、EOEはハッピーエンドなのかもなあと感じました。
とにかく、ありがとうございました。
289名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/22(水) 01:01:31 ID:???
にゃう
290名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/29(水) 05:53:08 ID:???
(´・ω・`)
291名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/11/08(土) 02:05:15 ID:???
292名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/11/22(土) 19:38:37 ID:???
piyo
293名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/11/27(木) 00:34:53 ID:v43w29Oo
HOS
294名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/07(日) 23:09:09 ID:???
ウホッ
295名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/26(金) 01:41:33 ID:???
ho
296名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/02(金) 18:14:06 ID:???
あけおめほしゅ
297名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/13(火) 05:06:14 ID:???
マナ萌え
298名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/29(木) 19:20:52 ID:???
299名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/29(木) 23:56:05 ID:RWV6YNWl
300名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/31(土) 23:19:13 ID:???
保守!
301名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/02/03(火) 23:32:56 ID:???
霧島さん
302名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/02/12(木) 23:25:12 ID:???
ほっ
303名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/04(水) 00:45:21 ID:???
マナマナ
304名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/12(木) 08:00:45 ID:???
305名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/23(月) 20:50:14 ID:???
女の子の一人くらい守ってやれってんだ!
306名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/03(金) 13:36:38 ID:???
ほっ
307名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/11(土) 08:50:29 ID:???
マナマナ、お誕生日おめでと〜♪
308名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/14(火) 22:59:51 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
309名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/23(木) 11:37:50 ID:???
ho
310名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 23:49:05 ID:???
uho
311名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/15(金) 14:17:27 ID:???
女の子の1人くらい守ってやれってんだ
312名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/26(火) 12:43:04 ID:???
ほっしゅミ・д・ミ
313名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/29(金) 12:09:55 ID:???
☆鋼鉄のNERV諜報日記☆

○月×日マンデー
今日は任務通り、NERV総司令のお茶の中に砂糖を入れてやった
そのあと任務とは別に弐号機パイロットの体操服をオペレーターの日向二尉のロッカーに入れておいてやった
これでNERV内の人間関係に不和が生じるはずだ
314名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/29(金) 12:13:14 ID:???
久々のネタ投下乙!
315名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/01(月) 20:05:55 ID:???
○月×日マンデー
今日鳥のフンが頭に降ってきた。
最近占いにハマっている赤木リツコ博士によると前世に鳥にフンを投げた報いだそうだ。
勿論ワタシは占いなど信じていないので鼻で笑ってやったら、実験室に連行されそうになって全力で逃げた。
仕返しに猫のマグカップに鳥のフンを入れてやろうかとも思ったが、あとが怖いのでやめた。
敗北じゃない、戦術的撤退よ!と言い聞かせてみたものの納得できなかったので腹いせに弐号機パイロットをぶん殴った。
316名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/01(月) 23:06:13 ID:???


悪女系かw
317名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/11(木) 10:15:06 ID:???
ほっしゅミ・д・ミ
318名無しが氏んでも代わりはいるもの
マナマナ