サードインパクト後はこんな世界ですた 拾四

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・参加者間の連絡、設定メモ等はこちら
  サードインパクト後はこんな世界ですた掲示板(高橋覗さん提供)
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状況整理<1/2>

時間軸最新:前スレ>357-361

ネルフ→OTR結界前に到達 ジオフロント(浮上)により結界に突破口開通(上記レス)
         (EVA零号機・初号機・参号機・四号機及びトライデント二機戦闘態勢)
      ランドマスター隊結界内にて戦闘続行中
        (トライラックス側パイロット二名合流、EVAは虚数空間内で破壊)
      加持リョウジ以下先行諜報部隊は残る結界要三箇所を監視+情報収集
        (六道珍皇寺(術式中心)・頂法寺・蓮華王院(三十三間堂))

トライラックス→本隊大阪区に到達 ネオ戦自本隊と合流
             結界外より突入経路掘削中(各種EVA・N2兵器投入)
            大神殿進攻隊は大神殿地下にて教団末端戦力各種と戦闘中

遊軍戦力→葉隠覚悟 トライラックス大神殿進攻隊(一部)と合流、戦闘中 
       飛行船『エンタープライズ』(箱根湯本の町奉行+元艦隊スタッフ) 
           結界外上空にて臨戦態勢(前スレ>340)
       元綾波教教祖+旧タルテソス王国残党+レッドノア
           詳細不明 恐らくトライラックスと連携
       便利屋スズキ+EVA伍号機 結界内異空間にて使徒と戦闘中
状況整理<2/2>

『E』→AngelArmsチームF 結界内で戦闘待機(詳細不明)
       Longinus 将軍塚の使徒を撃破、術具破壊(夜明け前)以降は不明
       『LIVE』関係班 カメラ班のみ結界内侵入、各所にて活動中
       『D』 結界内侵入済み(詳細不明)
       ダブリス+EVA 結界外?にて待機
       『E』計画提案者(同時にLonginus筆頭) 結界外にて情勢傍観

綾波教→トライラックス駐日艦隊(総指揮官以下本国に反逆)+第六使徒ガギエル
         結界内OTR捕捉位置にて総艦戦闘配置
      第五使徒ラミエル 大神殿上空にて制空権確保 ジオフロントへ砲撃
      第十二使徒レリエル ディラックの海による結界内全域空間制御
      九大司教主席 大神殿にて全軍を指揮
      同第弐次席 不明、っつーか何もしてませんね
      同第参次席 ミゾロギ(第八使徒サンダルフォンと融合)とともに
               大神殿地下の暴動鎮圧中

抜け・漏れ・誤記誤読等あったら各担当さんよろしくお願いします

>????他さん 
 前スレ>382と>420番台辺り見ると主席の挨拶もう行っちゃってOKっぽいです

あと念のため
教団改造騎士と『E』側使徒能力者(基本的にAngelArms)は構造が全く異なります
見た目からして全然違いますのでよろしく

それじゃ
訂正 >>4 下から4行目
     ×「前スレ>340」→○「前スレ>430」

あのレスで前スレの状況整理全部できてるような気もする(局地戦除く)
7トライデント兵士1:03/06/23 21:43 ID:???
その人影は半透明だが、忘れもしない。主席司教だ。大きさから見て、また芦ノ
湖の時と同じ手で映像を送りこんでいるんだろう。
「ようこそ、ネルフの諸君。朝からご苦労な事だ。まあ、今の時間は、普通なら
出勤の時間。移動してくるにはちょうどいい頃合だな」
なにが出勤時間だ。今の世の中、そんなもん関係無くなってる人間が大半だっつーの。
「さて、君達はとりあえず第一関門を突破した。よって、我々は諸君を歓迎する。
君達にはそれだけの力がある事が証明された訳だからな。正直、この程度の障害
も抜けられなければどうしようかと冷や冷やしたよ」
……やったのはてめえだろうが。舐めてんのか……ってそうなんだろうな。
「今宵、約束の時が訪れる。寄り代たる、チルドレンとエヴァンゲリオンをこの地
に寄越してくれた諸君に報いるため、今日一日かけて諸君を生贄にする儀式を共
に行おう。なにせ、すでに……」
そう言うと、空間にいくつかの映像が浮かぶ。どこかわからない場所であの白い
使徒と戦っているエヴァ伍号機。京都のどこかと思われる場所で戦いを繰り広げて
いるランドマスター隊。同じく、京都市内を進む加持さん達の部隊。また、地下
と思しき場所を進んでいるエヴァ・フェット、そして、海上を進むトライラックス
とネオ戦自の艦隊。更に、どこかの地下を掘り進むトライラックスの物と思われる
エヴァ、その他、E計画の者と思しき連中の姿……全ての者の正体がわかった訳で
は無いが、この京都での戦いに参戦していると思われる者達の姿が映し出されている。
「これが全てという訳では無いが、すでにこれだけの者達がこの地に入り込んで
いる。いずれもいい贄になるだろう。私の目を欺いている者達も計算に入れれば、
もっと数は増えるだろうがな。……そうそう、お前たちの側についていた裏切り
者が、無謀にも我々の中枢に入り込んできてたな。もっとも、そやつは宴の始ま
りを見る間も無く倒れたがな」
……裏切り者? もしかして、あのネロとか言う奴か?
8トライデント兵士1:03/06/23 21:44 ID:???
「……一つ…聞かせてもらおうか?」
初号機の外部用スピーカーから、シンジの声がする。その声は低く、するどい。
「質問かね? 寄り代よ」
シンジは淡々と続ける。
「アスカは…アスカはどうしている? お前の事だ、僕達がここにこうやって
来るように仕向けたように、アスカにもなにかの役割を与えてるんだろう? 
いったい僕らに何をやらせるつもりだ」
主席司教は答えた。
「なにかと思えばそんな事か。気になるなら、自分で確認しに来い。言える
のは、彼女は元気そのものだと言う事だけだ」
そして、主席司教は顔を上げ、本部を見て続けた。
「しかし、そんな物を用意するとは、思ったより派手だな」
すると、本部から司令の声が拡声されて聞こえる。
「なに、もてなされているだけというのも非礼にあたると思ったのでな。こ
ちらも手土産を用意させてもらっただけだ。それよりも、そちらの用意した
壁の出力が下がっているようだな」
主席司教は肩をすくめて答える
「なに、粋という物を理解せんバカ者共が余計な事をしでかしてくれたので
な。まあ、ここからはそう簡単にはいかんよ」
すると、司令の声がした。
9トライデント兵士1:03/06/23 21:44 ID:???
「ん? ……ふむ、そうか。ご苦労。……さて、お前がお喋りをしている間に
こちらも色々と面白い事をつかませてもらった。我々にこういう時間を与えた
のも計算のうちかね?」
「これは一本とられたな。……まあいい。それでは始めるとしようか。まずは、
軽いオードブルをご馳走しよう」
すると、こちらに近づいてきていた町奉行の飛行船の姿が見えてきた。(後に
聞いた所では、主席の話は彼らや、同じく近づいてきていたトライラックス
の艦隊にも聞こえていたらしい) そして、彼らから通信が入るのと同時に、
結界の向こうの水面から、異様な影が現れた。町奉行の話では、あれこそが
旧駐日トライラックス艦隊の成れの果てらしい。渚の警告が飛ぶ。
「あの艦隊は、人も物も特殊な力で融合させられている! そして、水面下
の部分には君達が第六使徒ガギエルと呼んでいる僕の仲間が融合しているようだ」
主席司教の声が響いた。
「では……ごゆっくり!!」
ども、????他です。とりあえず、主席の軽い挨拶と、ガギエル艦隊
出現までを書きました。主席の声はエンタープライズや、フウイ達あた
りまでは、聞かせるようにしています。(地下とか、京都深くに潜入し
ている面子には届かない)なにかアクションかけたい方のために、あえて
ここで止め、主席の幻影は出っぱなしです。

○Eさん
そんな訳で、ネルフ本隊の近くにいれば、主席の声は聞けますし、拾えま
す。また、話しかける事も可能です。

○トライラックス担当さん
とりあえず、フウイ達も近づいてきてるんじゃないかという解釈にして
みましたが、具体的位置は書いていません。ちなみに京都到達前でも主
席の声は聞かされてます。
ちなみに今夜のレスはここまでですので……
12エヴァ・フェット:03/06/24 01:15 ID:???
例の人影(>>428)は100メートルほど離れた所を走り抜けて行くと、再び赤い霧の中へ消えて行った。
使徒人間の類ではなさそうだが、この状況でゴーストタウンのような街並をうろうろしているとなれば、教団側の斥候の類である可能性が高い。
しばらく歩いて広い通りに出ると、使徒もどきの死骸がごろごろしているのに出くわした。
どうやら、先ほど追い払った使徒もどき(同じく>>428)の仲間のようだ。
そして、生きている者の気配も感じる。
赤い霧の中から使徒生物らしいのが10個体くらい現われた。
使徒生物、ということは、いずれもさっき霧の中を走り抜けて行った奴ではない。
だが、いずれにせよ、今のこの状況では敵の遭遇したことになる。
俺は武器を構えた。
「貴様はエヴァ・フェットだな?」リーダーらしい昆虫人間みたいな奴が言った。「我らの仲間を殺したのは貴様か!」
「いや、違う。俺じゃない」言っても無駄っぽいが、一応、形式的に否定の返事をする。「だが、どちらにせよ、俺とお前達は敵同士のようだな」
「その通りだ。だが、地下の強制労働区で反乱を煽動していたはずのお前が1人だけ地上へ抜け出して来たとは情けないな。司教様達はお前を過大評価し過ぎているようだ」
「あんまり過大評価されても困るな。過小評価されるのも困るが」
「しかし、こいつを仕留めれば大手柄だ。者ども、かかれ!」
リーダーらしい昆虫人間みたいな奴が号令をかけると、手下のザコ使徒人間どもが一斉に俺に飛び掛って来た。
1312:03/06/24 01:23 ID:???
スマソ。1行目と5行目の「>>428」は「前スレ拾参の」と書くのを忘れてた。
14フウイ・ノ・レイ:03/06/24 01:54 ID:???
ネオ戦略自衛隊との合議(前スレ拾参>>429,>>437-438)を終え、ノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』へ戻った私は衣裳を着替える。
白い帷子に赤い袴、長く伸ばした(厳密には「伸ばしている」のではなく人工毛髪なのだが)髪の毛は下の方で束ねた。
中央制御室へ入ると、ギーガー様が驚いた反応を示した。
「フウイ・ノ・レイ、その衣裳は一体何のつもりだ? まさか死装束ではあるまいな?」
「死装束ではありませぬ、ギーガー様。これは日本に古くから伝わる神道の巫女の正装でございます」
「神道の巫女だと?」
「ネオ戦自の方々のお話では、あの京都ジュピターの遮蔽障害は霧ではなく霊的なエネルギーでできているそうです。そこで、その中へ潜入するに相応しい衣裳に着替えましてございます」
「すると・・・おぬしも京都ジュピター内に潜入するつもりでいるのか・・・?」ギーガー様がおっかなびっくりな口調で言った。
「はい。私とてエヴァパイロットの端くれなれば、危険は承知の上にてございます」
「そうか・・・実は、シヴァがネルフ本隊に同行して京都ジュピター内に突入したいと言っておる」
「シヴァ・・・例の彼女がですか?」私は表情を曇らせ、問い返す。「承知致しました。彼女は勇み足を踏むかも知れぬので、私は諌め役として同行しましょう。ネオ戦自側は空戦部隊とネオエヴァ鈴原機を同行突入させるそうです」
「お待ち下さい、フウイ・ノ・レイ1号!」中央制御室にロボコップ2号のようなメカが入って来た。「貴方様が出陣なさるならば、私も安全な所で手をこまねいているわけには参りませぬ!」
「フウイ・ノ・レイ2号か・・・」
「私も同行させて下さい!」いかつい体格の戦闘メカはボイスチェンジャーで変質したような声で言った。
「どうせ止めてもついて来るのであろう?」私も彼女の考えていることはわかる。「好きにするが良い」
「ははっ、ありがたき幸せに存じます!」と、フウイ・ノ・レイ2号は言った。
15エヴァ・フェット:03/06/24 02:15 ID:???
下っ端の改造騎士やら使徒もどきやらはもとより変身などするまでもなく俺の敵ではない。
いたずらに死体の山を増やすだけだ。
「残ったのはお前1人になったな」と、俺はリーダーらしい昆虫人間みたいな奴に言った。
「さすがは噂に聞こえた最強の賞金稼ぎというだけのことはあるな。わしの部下達を1人で片付けてしまうとは・・・だが、わしはこのザコどもとはわけが違うぞ!」
こいつの言っていることはどうやら単なるはったりではないようだ。
下っ端どもとは明らかに段違いな力の持ち主であることが向き合っただけで俺にはわかる。
「我が名は刺矢虫獲、神聖綾波教団の拾四聖騎士が1人、四の騎士なるぞ!」
と、言うと、ちょうど『ウルトラセブン』に出て来るメトロン星人みたいなそいつは両手から光を放つ鞭のような武器を出して攻撃して来た。
鞭は見切るのが難しいので、避けるのが大変だ。
俺は敵の攻撃をかろうじて避けると、対ATフィールド仕様ラスガンで攻撃する。
人造オリハルコン爆裂弾は敵のATフィールドの表面に着弾すると、ゆっくり回転しながらその中へ潜り込んで行く。
「ほう、これがトライラックスの秘密兵器か・・・」しかし、聖騎士シャムシェルとやらは意外にも余裕をかましている。「だが、こんなものはわしには通用せぬわ!」
なんと、聖騎士シャムシェルは光の鞭で弾丸をあさっての方角へはじき飛ばしてしまったのだ。
「ムムッ! 対ATフィールド仕様弾をはじき飛ばすとは・・・!」
と、思った途端、聖騎士シャムシェルはその光の鞭を伸ばして俺に絡ませて来た。
「フハハハハハハ・・・喰らえ、電撃放射!」
俺の全身に電撃のようなものが走る。
「う、わッ・・・ぎゃあああああッ!!」
16フウイ・ノ・レイ:03/06/24 03:19 ID:???
「オリハルコン光電管ゲートの修復ができ次第、わしもK-1ゲリオンを操縦して地下のトンネルから京都ジュピター内に潜入する」ギーガー様は言った。「スモーカー達のことも気になるからな」
「はい、それに関してですが・・・」と、私は言った。「ネオ戦自側もネオエヴァ相田機と陸戦機動歩兵部隊にて同行すると申しております」
「うむ。それではしばらくの間の別れとなるが、いずれ京都ジュピター内部でまた会うことになるであろう」
ギーガー様は私やシヴァ、ネルフ本隊に同行して京都ジュピター内に突入する兵士達全員に盃を配り、それぞれに水を注ぎ入れた。
「これは・・・水? ただの水ですか?」シヴァが問い返す。
「うむ。これは水盃と言って、昔の日本で行われていたという必勝祈願の儀礼だ。生きて帰れぬかも知れぬ戦いに出向く時、これをすることで覚悟を決める」
「生きて帰れぬかも知れないだなんて・・・嫌ですよ、ギーガー様。私達はそうは簡単には死にませんよ」
「その通りだ、シヴァ君。これは死にに行く戦いではない。活路を開くための戦い、つまり生きるための戦いなのだ!」
ギーガー様の号令により、私達は水盃を飲み干すと、戦闘配置に着く。
私とシヴァはそれぞれのエントリープラグに入り、K-1ゲリオンに乗り込んだ。
“エントリープラグ挿入、K-1ゲリオン1号機『ハヌマーン』、同じく12号機『ユミール』出動!”
私が操縦しているのはK-1ゲリオン12号機『ユミール』。旧参号機と旧量産機の混合型で、体色は灰色。
ノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』船内のドッキング・ベイから飛び立つと、迷彩色のネオエヴァンゲリオン鈴原機と合流する。
すでにトライラックスとネオ戦自の両方の空戦部隊も京都ジュピターへ向かって飛行中で、その中にはフウイ・ノ・レイ2号の姿も見えた。
そして、京都ジュピター上空に浮かぶ黒い球状の飛行物体の側面がスライドすると、中から巨大な砲身が現われ、黒い光線のようなものを発射して赤い障壁に穴を開ける。
「よし、ネルフ本隊が強行突破を敢行したようだな」私は通信機で他の2人に言った。「だが、くれぐれも油断されるなよ。シヴァ少尉、鈴原曹長殿。ここからが大変なのだからな」
1716:03/06/24 03:25 ID:???
シヴァは「シヴァ少尉」と呼んでいるが、
それより階級の低い鈴原トウジ(同姓同名)は
「鈴原曹長殿」と呼んでいるフウイ・ノ・レイ。
それとなく彼女の頭の中の観念がうかがい知れる。
18エヴァ・フェット:03/06/24 03:54 ID:???
「うぬッ・・・変身! EVA緑号機!」
俺は等身大EVA緑号機に変身すると、体内電池充電モードに切り替える。
ちょうど鉛蓄電池に充電するように、敵の電撃放射を吸収した。
「なっ、何!? 何だ、それは!?」聖騎士シャムシェルとやらはさすがに驚いたようだ。「わしの電撃が効かぬのか!?」
「フッフフ、吸い取った電力、別の形で返してやるよ」と言うと、俺は右腕に装着したリストレーザーを発射した。
ATフィールドをあっさり貫通したレーザー光線は敵の装甲に穴を開け、煙をあげた。
「ぐわっ・・・おっ、おのれェ!」聖騎士シャムシェルとやらは光の鞭を振り回した。「今度は悠長に苦しめたりせずに切り刻んでくれるわ!」
先ほどよりも鞭のスピードが速くなった。
俺は背中のロケット噴射で鞭の射程外に逃れる。
電信柱がスッパリ切れて俺が立っていたあたりに倒れた。
聖騎士シャムシェルとやらも空を飛んで追って来るが、飛行速度は俺よりも遅い。
「喰らえ!」俺は対ATフィールド仕様ラスガンを発砲する「空中では避けられまい!」
「フンッ、こんなものォ!」聖騎士シャムシェルとやらはATフィールドに潜り込んで来た人造オリハルコン爆裂弾を鞭で弾き飛ばそうとする。
だが、今度はそれができなかった。
俺のEVA緑号機の力でパワーアップした人造オリハルコン爆裂弾は光の鞭を振り切って敵の本体に命中し、爆発した。
聖騎士シャムシェルとやらは地面の上に墜落したが、かろうじて立ち上がる。
だが、頭部が半分吹き飛んでいた。
「今、楽にしてやる!」
俺は着地して踏み込むと、奴の胸のあたりにむき出しになった赤いコア目掛けてストレートパンチを放った。
コアは木っ端微塵に砕け散り、聖騎士シャムシェルとやらは仰向けにぶっ倒れてそれっきり動かなくなった。
19フウイ・ノ・レイ:03/06/24 04:22 ID:???
やはり予想した通りだ。京都ジュピターの障壁を破った途端に、中から荷電粒子ビームが放射されて来た。
だが、黒い球状飛行物体はATフィールドに似た遮蔽シールドでその荷電粒子ビームを防ぐ。
あの荷電粒子ビームを発射したのはかつて遭遇したことのある気を放つ存在・・・第5使徒ラミエル・・・!(前スレ>>360)
黒い飛行物体から別の砲塔がせり出し、今度は白い光線が京都ジュピター内へ放射される。
しかし、その光線は一体どうなっているのか、京都ジュピター内から跳ね返されてきた。
危うい所を見覚えのあるEVA零号機が巨大な盾を持ってその光線を防ぐ。後輩の綾波レイだ。(前スレ>>361)
そして、聞き覚えのある邪念に満ちた声が聞こえて来た。これは綾波教団の主席司教!?
そいつの言うことには、先に京都ジュピター内部に潜入した者達は相当な苦戦を強いられており、死者も出ているらしい。(>>7)
碇君の声も聞こえた。アスカのことを気遣っている・・・。(>>8)
嫌な予感がした。
もしかしたら、綾波教団は碇君や後輩の綾波がアスカのことを気遣っていることを利用して、罠を仕掛けているのではないか?
いや、むしろそう考えるのが自然だろう。
20トライラックス担当:03/06/24 04:49 ID:???
>>1
スレ立てお疲れ様です。

トライラックス、及びネオ戦自の一部隊が
ネルフ本隊に同行して京都ジュピターに突入します。
フウイ・ノ・レイ:K-1ゲリオン12号機『ユミール』を操縦
シヴァ:K-1ゲリオン1号機『ハヌマーン』を操縦
鈴原トウジ(同姓同名):ネオエヴァンゲリオンの1体(機体名は不明)を操縦
トライラックス、及びネオ戦自の空戦部隊
フウイ・ノ・レイ2号(ロボコップ2号状態、飛行能力もあり)
一方、仲間とはぐれたエヴァ・フェットは教団拾四聖騎士の1人、
四之騎士・刺矢虫獲を撃破しました。この後、結界内部へ突入した
フウイ・ノ・レイ2号と合流させようかなと思っています。
他の登場人物達がどうしているのかも続きを書かなくては・・・。
21トライラックス担当:03/06/24 05:19 ID:???
>????他さん
フウイ・ノ・レイ自らK-1ゲリオンを操縦して出陣、
という所まで書いたのは良いのですが、
>>19でやや尻切れトンボ気味になってしまいました。
>>9でガギエル鎖艦隊が紹介されて、その後どうなるかがわからなかったので。
ガギエル鎖艦隊が先陣を切って迎撃して来るということで良いのでしょうか?
>町奉行さん
前スレ>>430で「上陸班」という記述がありましたが、
陸上、もしくは船上での白兵戦もあり得るということでしょうか?
タイラー提督を「六之騎士・牙戯獲」にして雷火副長と対決なんてどうだろう?
あと、分身の術を使う忍者みたいな「七之騎士・異州螺増獲」とか、
歌舞伎の悪役みたいな蜘蛛男「九之騎士・魔取獲」とか。
>E計画さん
当初はエヴァ・フェットがAngelArmを教団側の戦力と誤認して交戦、
と思っていたのですが、結界内に突入したフウイ・ノ・レイ2号と合流して、
本国がE計画壊滅の方針を決めたことを聞かされるとした方がいいかな?
フウイ・ノ・レイ2号にも活躍して欲しいということもあるし。
22トライラックス担当:03/06/24 15:44 ID:???
>>18のカキコ読み返して思ったんだが、
刺矢虫獲は自分自身が倒した電信柱の下敷きになる
というふうにした方が面白かったかな?
初期のギャグ路線だったらそんな感じのオチで良かったと思う。
ただ、前スレでのミゾロギの分身使徒との戦いのシーンから、
「葉隠覚悟>エヴァ・フェット」という図式が成り立っていたので、
「等身大EVA緑号機>葉隠覚悟>エヴァ・フェット」という図式も
明らかにしたかったから。
エヴァ・フェットは緑号機形態に変身するとほとんど苦戦することがないね。
過去スレ拾のアスカ等身大弐号機の時は別にして。
しかし、拾四聖騎士のレベルなら苦戦するまでもないのだが、
超機人や第参位次席司教が相手ではこうは行かないんだろうな。
23ぴーたん:03/06/24 16:41 ID:???
ヲタク氏ね
戦闘が終わった後のような死臭と独特の粘り気が漂う街を
散策するかのように四人はとろとろと歩く。
ウィンドーショッピングよろしく町並み探訪していると、
また一つ「花火」が上がった。
「あっちこっちで派手にやってるねぇ(拾参>360,361,433)」
頭の後ろに手を組んだイチが言う。
「通信機のノイズが消えた所を見ると、穴を開けたな」
「ようやく本命さんの登場ってワケ。
 ほんと………………ぁふ。暇すぎて寝ちゃいそうだったじゃない」
シィが伸びと共に大あくびをする。
はたと気づいて口に手を当てるが、もう遅い。
ニーがため息をつく。
「緊張感というものが無いな、全く」
「同感だ。
 あそこに見えるだろう? 面白いモノが(>>7)」
サンが顔を向けている方向に、残り三つの顔が向く。
強化された力を使って見える距離にあるその姿は、彼らにはある意味懐かしく感じられた。
「あれがここのボス? 少し偉そうな服着てる」
「トップの一人には違いないだろう。だが、今は手出し出来んな」
朧な姿は即ち幻、そこに実体は存在していない。
「無視しておけ。予定通りに行く。
 場所は聞いた…!………………ああ、ああもうすぐ着く」
ニーは仲間との通信を切った。
カメラ班の映りも今頃はかなりよくなっているだろう。
「勇者達の到着か……視聴率は鰻上りだな」
「何だ? 面白い事でもあったか?」
ニーの理由無い笑みにサンが眉をひそめる。
「別に………ここだ。ここで間違いない」
近代的な街中にひっそりと、目的地であるその寺院、頂法寺はたたずんでいた。
足並みをそろえて門をくぐれば、ひやりとした空気が首筋を撫でていく。
その気持ち悪さにシィは鳥肌の立った首を右手で強くこする。
「何処にあるのよ、目的のブツは?」
「さぁな。そこまでの情報は無い。
 ……手っ取り早く目に付くものから潰していくか?」
サンが右手を目ぼしい建造物に向ける。
「そうね。それがいいわ」
同じように目標を定め、腕を左右に広げてシィが構える。
「ちょっと待って!……………………………解った」
「何だ。これからだってのに」
水を差すなとサンが言う。
「Longinus隊が一人「軽傷」で要所一つ破壊だってさ。ま―――
隣の建物に穴が開いた。続いて二箇所、三箇所……爆発箇所と音が増えていく。
「あーあ…」
人の話を最後まで聞かないうえに、やり方があまりにも無茶苦茶だ。
見る見るうちに塀の内側が土と煙と炎の色に変えられていく。
物が何処にあるか解らないとは言え、こうする必要は無い気がイチはしていた。
だがある意味先に楽しい事をやられて、置いてけぼりを食らった気もする。
アーーーーッ!! リィーーーーーーッ!!!
「来たか! 出現位置は!?」
「バッチリキープしたわ」「俺もだ」
煙と炎を振り払って現れた白い化け物に、
クイックドロウの一発をイチは銃を模した右手から撃ち出した。
「先手必勝!!」
2625  ◆/s5ZynBY7E :03/06/24 23:12 ID:???
>>1スレ立てお疲れ様です。

『D』を動かしました。Longinusの今後の進路は現段階では未確定。
死霊兵がわらわらっと出てくれば、チームFも動けます(ネタ有)
カメラ班は無論>>7〜9のおいしい場面を逃しません(笑)
次はダブリスを動かそうかなと。(京都に対しての)外部視点はまた後々で。

>トライラックスさん
無理やりに絡んで行ってもいいのですが、
そのような考えでしたら少し先ということで。

>????さん
ネタ待っておりました。あともう少し会話は続くのでしょうか?
消えたという描写が無いのでそうだとは思うのですが。
こちらから主席に声をかけることはおそらく無いです。
こちらのカメラ班を一人動かし頂いて、
インタビューするのも一興かもしれません(藁)
兵がどっと出てくるのはまだあとちょい先のようですね。
27スモーウォーカー部隊:03/06/25 04:34 ID:???
“スモーカー大佐、大変でごわす!”土砂をトンネルの外へ運び出そうとしたスモーウォーカーの1体を操縦していたパイロットが血相を変えて言った。“外へ出られぬでごわす!”
“何ィ? 外へでられんだとォ?”隊長機らしい紫色のスモーウォーカーを操縦している奴が言った。“一体どうしたって言うんだ!?”
“壁が元に戻って、出入り口が塞がってしまっているでごわす!”
“な、ななな、何だとォ〜っ!?”スモーカー大佐はアワを喰らった。
“出入り口が塞がってるですってェ!?”別の機体を操縦しているパイロットがなよなよした迫力のない声と喋り方で言った。“どうするの! それじゃ、アタシ達、出られないじゃない!”
トンネルの中で6体のスモーウォーカーが所狭しとひしめき合いながら、思わずパニック状態になる。
“アタシ、こんな地底のトンネルの中で野垂れ死には嫌よ!”
“わしだって嫌でごわす!”
“スモーカー大佐殿、抜け出すいい方法はないでごわすか!”
“い、いや、待て・・・者ども、うろたえるな!”スモーカー大佐は部下達を一喝する。“これはたぶんノンシップからの送電が止まったからだろう。光線兵器の類はえらく電力を食うらしいからな。まあ、じきに復旧するだろうよ”
部下達の手前でそれなりの威厳を見せつけるということもあるが、実は自分自身にもそう言い聞かせて納得させている感もある。
“とにかく・・・だ、俺達の役目は京都ジュピターの内側の地上までトンネルを掘り進んで行くことにある。出入り口が元に戻った時、本隊が入って来れるようにな”
“そ、そうね。たぶん一時的に電力供給が止まっただけだわ・・・”スティンガーが言った。“どっちにしても、後戻りできない以上は掘り進むしかないわね”
“そうだ、いいことを思いついたぞ”スモーカー大佐が言った。“いつまでも6体まとまって行動しても埒が開かねえ。これより解散して別々に掘り進もう。誰が一番先に地上へ出るか競走だ!”
本当は地底の同じトンネルの中でただでさえ量高いスモーウォーカー6体がまとまって穴掘りをしていると、動きが取りにくいというだけのことである。
“それはいい考えでごわす!”
“それではわしはこっち側の方角に掘るでごわす!”
6体のスモーウォーカーはトンネルの行き止まりからそれぞれ別々に6本の枝道を掘り進んで行くのであった。
28大神殿・主席司教の間:03/06/25 05:34 ID:???
何もないはずの空間に平面パネルのようなものが浮かび上がり、そこに映像が映し出される。
地底にトンネルを掘っている6体のスモーウォーカー。
そのうち1体は体色が紫で額に角のようなものが生えている。
「これは・・・『紫一角』ですね」チンレングスのような髪型をして他人を見下したようなやや年配の女性が言った。「我々の艦隊から脱走した・・・」
黒い全身レオタードのようなプラグスーツを着ていて、そのプロポーションたるやスーパーモデル並である。
だが、すぐそばで玉座のような椅子に座っている白髪頭に赤い眼の美少年は別に感動する風もない。
「懲りない奴らだ。今度は地底に穴を掘って来おった」主席司教は言った。「その潜入経路なら我々にバレないとでも思ったのだろうが、あいにくと全てお見通しなのだ」
「主席司教さん、この映像はどうやって撮影したのですか?」クローリー・ヒナが質問した。「地底のトンネルの中を堀り進んで来る被写体を撮影するなんて、どうして可能なのかしら?」
「これは第15使徒アラエルの能力を応用したシステムだ」主席司教は説明する。「これによって通常は撮影不可能な映像も映し出すことができるのだ」
「まあ、素晴らしい。便利なシステムですわね。このような便利なシステムの恩恵にあずかれて、ヒナ、感激!」
「だから・・・ほら」主席司教は画面を切り替えて、他の映像をヒナ大使に見せた。「他にもエヴァ・フェットやK-1ゲリオン、本国から来たギーガーの本隊がどうしているのかもわかる」
「主席司教さん、この者達の侵入を許してしまっていて良いのですか?」
「今の所は前座試合のようなものだ。しかし、いずれトライラックスのみならず、ネルフやネオ戦略自衛隊の本隊も突入して来るだろう。何もしないというのも面白くあるまい。少しは歓迎してやらねばな」
主席司教は椅子を回転させ、クローリー・ヒナの方へ向き直る。
「もちろん言うまでもなく、歓迎すると言っても意味が違うぞ。お前の部下達にも伝えろ。敵の本隊が結界の中へ突入して来たら、迎撃する準備を整えておけ、とな」
「はい、承知致しました。主席司教さん」
29トライラックス担当:03/06/25 06:19 ID:???
今日は取り合えず、
スモーウォーカー部隊の潜入(>>27)と
主席司教がヒナ大使に迎撃準備をするように命令する場面(>>28)
を書きました。
スモーウォーカー部隊はたぶん噛ませ犬としてやられるでしょう。
ヒナ大使は普段から他人を見下したような態度を取っている一方で、
権力を持つ相手にはへりくだってばかりいる嫌な性格ですね。
30綾波寮責任者:03/06/25 21:38 ID:???
「では……ごゆっくり!!」
その声を残して、主席司教の幻影は消失した。司令がわざわざ奴と話してい
たのは、この位置から確認可能な京都市内の情報を分析する時間を稼ぐため
だったらしい。現在、ナオコ博士と融合したMAGIが伝えてくる情報を見
ると、配置されている敵戦力はあまりに少ない。しかし、これまでの状況か
ら考えて、表面上見えない所……例えば、現在も分析を拒む大神殿周辺に隠れ
ているのは疑い無い所だ。また、一定深度以下の地下も分析不可になっている
所からして、そこに敵がいる可能性も高かった。司令は言う。
「さっき、こちらに攻撃を返してきたのはディラックの海だった。おそらく
どこかの空間に、第十二使徒あたりがいるのだろう。敵の増援もそれを利用
したものになる可能性が高い」
そして、彼はMAGIが分析した、京都市内の敵・味方の戦力をOTRに送り
ながら、指示をする。
「エヴァの内、零号機ともう一機はこの場に残り、旗艦の護衛と、使徒艦隊
を殲滅しろ。残りの二機のエヴァは味方戦力の一部と共に、以下のポイント
(と、彼は五箇所ほどの寺社を示す。二箇所ほどは×マークが入っている)
に向かい、エネルギー源となる物を破壊せよ。まずはこの結界を取り除かな
い限り、勝負にならん」
ちなみに×マークの部分は先行して誰かが動いたらしく、壁のパワーは出現時
の60%ほどに弱まっているらしい。
31トライデント兵士1:03/06/25 21:39 ID:???
本部からデータが転送されてくる。俺達は必要なデータを自身の端末に入れな
がら、戦闘準備に入る。司令はどうやら俺達を二手以上に分けるつもりらしい。
まあ、どうせOTRじゃ途中までしか行けないしな。
俺達の乗るトライデント2に葛城一佐達が乗り込んで来た。OTRは目の前の
艦隊を相手にしなければいけないし、本部は結界に空ける穴の維持。と、なれば
ここで指揮をするのが一番だ。説明によると、零号機をこの場に残すのは、本
部・OTRとの通信の仲介役にちょうどいいかららしい。また、使徒艦隊と使徒
を切り離す能力を持つせいでもあるという。使徒艦隊の人員を分離させて捕らえ
れば、大した物で無くとも、多少は情報を得られるだろうという計算もあるようだ。
エヴァ組からの連絡では、この場にはとりあえず初号機が残り、結界の問題が
解決しだい、追いつくという。OTRに残る冬月副司令から激励の言葉が飛び、
二機のトライデントと参号機、四号機は艦隊を避けて進みだした。
使徒艦隊は、俺達を進ませまいと動いたが、零号機の銃撃がそれを阻止する。
背後を見ると、初号機が水中へと飛び込み、零号機はOTRをガードする構え
を見せている。空中では町奉行のエンタープライズが戦闘態勢に入っている。早く
カタをつけてくれよ……。
使徒艦隊をやり過ごすと、渚の四号機が足を止め、連絡を入れてくる。
「今回の作戦はスピードが重要だ。ポイントの内の一つは、一番身軽な僕が先行
して破壊しに行く」
そう言うと、渚はエントリープラグから飛び出し、四号機を引っこめた。そして、
自身が四号機に変身すうrと、銀色のオンロードタイプのバイクを呼び出し、それに
跨って走り出す。
渚が向かったのは、蓮華王院。ならば、俺達はこの珍皇寺……一番パワーが強い
らしい所か。……だが、目の前の地面に穴が開き、そっからおぞましい連中がゾロゾロと現れる。
「……邪魔、すんなよ」
俺達は戦闘態勢へと入った。
32????:03/06/25 21:53 ID:???
とうとう動いたな。よしよし、こいこいやってこい。まあ、まずは軽い
小手調べといこう。結界潰しくらいは華をもたせてやらんとな。赤い
壁をヤツ等が壊したなら、こちらも本格的にやるとしよう。幸い、主役
達はまだ壁の外だ。ま、適当な兵力を出してやるとするか。死人達
を出せば、ヤツ等もそれなりに怖がるだろう。
……それに、人口進化研究所にも、もうすぐアイツ等の部隊が付く頃
だし、あの便利屋もいいかげん目の前の敵を倒しているだろう。まあ、
倒した所で出してやるとするか……。
そして、オレは第弐と第参に指示を出した。戦闘配置につけ、まずは
死人兵、通常兵、使徒もどきで小手調べだと。
33『D』への返信 :03/06/25 21:54 ID:???
イチの撃ちだした一撃は、使徒の尾の一撃で打ち払われた。明らかに
力だけではなく、特殊な技を感じさせる。そして、使徒は言葉を発した。
「私の出番はまだ先だから、遊んであげるわ。さっき、この使徒の同類
を倒したあなた達の仲間よりは苦戦してもらうわ。あなた達のような
人々を殺す事に躊躇する理由は無いしね」
????っす。時間が無いので簡潔に。ネルフ側は、参号機と二機の
トライデントが結界内部に侵入し、四号機が単独行動。ミサトやユイ、
キョウコも参号機に同行しています。(オペレーターの分散状況は不明)
『D』に対しては、聖母が使徒を(パワー値は他と変わらず)操ってきて
います。尚、聖母は所在不明です。
教団は今の所、死人兵、通常兵、使徒もどき、改造騎士を一部だけ繰り出しています。
後、黒ブチさん。別にスルーしてた訳じゃありませんよ。ただ、直接の
名乗りが無いんで、わかってても特定するわけにはいかなかっただけで。
ともあれ、状況整理と、スレ立てお疲れ様でした。
36第6使徒鎖艦隊:03/06/26 04:51 ID:???
「タイラー提督、結界が破られた模様です」艦橋に配属されているオペレーターが艦隊司令官に報告する。
司令官はジャラジャラと金属的な音をたてて艦橋へ入って来る。
艦隊は大阪方面へと流れる広い河川を下流へ降っているが、その方角にそれまで閉ざされていた赤い壁にアーチ状の大きな風穴が開いている。
そして、その向こう側には見覚えのあるトライデントの主力空母と、数体の汎用人型決戦兵器が見えた。
「うむ、いよいよ敵の本隊の侵攻が始まるわけだ」タイラー提督はおぞましいような声で言った。「奴らを迎撃する。クローリー・ヒナ大使閣下の御命令だ」
彼はもはやかつて無責任艦長タイラーと呼ばれていた男とは似ても似つかぬ異様な姿に変異していた。
顔はまるで爬虫類のようにウロコだらけで身体中に鎖が巻き付いて一体化しており、ちょうど『スタートレック』に出て来るボーグとジェムハダーを合わせたような化け物である。
トライデントの空母が結界の内側へ入って来ようとしている。
「よし、攻撃開始だ」タイラー提督は艦橋に配属されている部下達に命令した。「N2魚雷発射!」
オーバー・ザ・レインボー目掛けてN2魚雷が発射される。
だが、標的に命中する直前にEVA零号機がパレットガンで射撃したため、それらは水中で爆発し、水面に太い水柱がいくつもあがった。
37フウイ・ノ・レイ:03/06/26 05:43 ID:???
“ん? ・・・ふむ、そうか。御苦労。・・・さて、お前がお喋りをしている間にこちらも色々と面白い事をつかませてもらった”あれは碇司令の声だ。“我々にこういう時間を与えたのも計算のうちかね?”
“これは一本取られたな”主席司教の声が聞こえた。“・・・まあいい。それでは始めるとしようか。まずは軽いオードブルをご馳走しよう”
軽いオードブル? 何だ、それは?
と、思っていたら、アーチ状に開けた京都ジュピターの内側から流れてくる河川の中を、奇妙な形状の艦船らしい物体が6隻、下流へ降って来る。
見覚えがある。だが、変わり果てた姿になってしまっていた。あれは日本に駐留していた艦隊ではないか。
とてつもなく邪悪にして強大な力を感じる。
私の後任者として日本に派遣されたクローリー・ヒナ大使の心の中の排他的な邪念や憎悪のような感情が私の心の中にシンクロしてくる。
異形の艦隊は魚雷を発射して攻撃してきた。
あわや、トライデントの主力空母に魚雷が命中するかと思った瞬間、私の後輩が操縦しているEVA零号機が水中に向かってパレットガンを発砲した。
水中で爆発が起こり、水柱がいくつもあがる。
その水柱をかいくぐるように黒いEVAが結界の中へ入って行く。あれはネルフの参号機だ。
陸戦隊と空戦隊も敵の迎撃をかいくぐって次々と結界の中ヘ突入して行く。
もう1人の鈴原トウジは突入をためらっている様子だ。
“私も戦うわ!”やはり予想されていたことだが、シヴァのK-1ゲリオン『ハヌマーン』が参号機の後を追って結界の中へ入って行こうとする。
「待て、不用意に入り込むのは危険だぞ!」私はシヴァを止める一方で、パレットガンを構える。「それよりもネルフの皆さんを援護しろ!」
38トライラックス担当:03/06/26 06:13 ID:???
>????他さん
本戦に入ってしまうと、私は従属する形にならざるを得ませんね。
取り合えず、結界突破による開戦に合わせて動かしてみました。
フウイ・ノ・レイ(K-1ゲリオン『ユミール』)、
シヴァ(K-1ゲリオン『ハヌマーン』)、
鈴原トウジ(同姓同名、ネオエヴァンゲリオン)
の3名もネルフ本隊を援護していますが、
こいつらでは果たしてどこまで食い下がれることやら・・・。
>E計画さん
取り合えずエヴァ・フェットがAngelArmを教団側の戦力と誤認して交戦、
これを倒した後でフウイ・ノ・レイ2号から本国の方針を伝えられる、
としてもいいかな。他にも色々と絡んでもらうと思います。
ただ、今の調子ではシヴァの出番はまだ先っぽいようですが。
>町奉行さん
????他さんの>>31のカキコでは
「エンタープライズが戦闘態勢に入っている」とありましたが、
具体的にどのような攻撃方法を取るかがわかりかねるため、
取り合えず今の所はそこまででカキコを止めました。
白兵戦もあり得るんでしょうか?
副隊長個人日誌
隊長率いる1号隊と分かれ先行し京都大学へと侵攻。
敵の攻撃は我々以外の目立つ物たちを相手にしていると思われる。
一部で派手な戦闘も確認できる。
だが、ナビゲーターよりの報告で事態は一変した。
敵の亡霊とも言うべき兵士が周囲に現れた。
すぐさま、改修をおえたG3−XとG4を出撃させる。
護衛の戦車部隊も一斉射撃を開始。
遠方の敵は粉砕されるも、一部が復活をしているとの報告。
実体の無い敵には効果がないのか、敵の侵攻とまらず。
充電を終了したニュートリノビームガン部隊を出撃させるが外部を
徒歩での進軍は危険と判断。
左右ハッチ、および後部ハッチへ乗っての攻撃を指示。
亡霊部隊は、これにより撃退がされるも、ゾンビ状兵士の数は増大。
背後の戦車部隊は近接戦兵器はすくなく苦戦中。
G3−X、およびG4での援護を行う。
後部貨物室にてトラブル発生。
密航者がいたということである。
2号貨物室監視カメラ映像。
大阪弁でしゃべる女性。
「あかん、あかんてこんなに揺らしたらミカンに影響がでてまう。」
対応する上等兵。
「現在戦闘中です、無茶を言わないで下さい!」
「せやかてな、せっかくのおいしいミカンやねん、おいしく召し上がってほしい
とおもうねんな。
だからこの揺れなんとかしてほしいねん。」
インターコム通信。
「どうなっている?」
「副隊長、密航者は偶然乗り込んでしまったというような感じなんですが。」
「スパイではないんだな?」
「はい、前に救出した女性だそうですが。」
インターコム割り込み通話。
「大尉、どうやら私が以前救出した女性のようです。空母からの帰還の際、まちがって
乗り込んだというのは本当だと思われます。」
「特務曹長、事実ならば彼女の無事を確保しないとならない。偶発事故なら尚のことだ。」
「了解、聞いたか?」
「はい聞きました。」
「彼女を安全なエリアに移動させろ。」
「だめや、ミカンももっていかないとあかんねん!」
ため息をインターコム越しにつく特務曹長。
「申し訳ないが、ミカンよりもあなたの安全を優先しないとならない事態です。」
直後振動、女性と上等兵2人の叫び。
「特務曹長、すいません彼女はお願いします!」
上等兵、貨物室から飛び出す。
「おい!、まて!」
叫ぶ特務曹長の声、なにかを装着する音が聞こえる。
「副隊長、あの馬鹿がまた勝手な行動をおこしました!」
副隊長個人日誌
以前、隊長とレナの結婚式でも騒ぎを起こしたあの上等兵がまた、問題をおこす。
現在の密航者、いや、偶然まきこまれた民間人への安全を考えてのことだろうが
指揮系統を乱すのは許されることではない。
後部ハッチのビームガン部隊をあやうく巻き込むような状態で出撃する。
だが、彼の装着したものは危険でもある。
すぐにランドマスター2号の速度を落とすと、後続の戦車部隊に前にでるように
指示をだした。
こうしないと危険なことになる可能性があるためである。
彼ら戦車隊には、距離50で先行したもらうこととする。
同時に、飛び出した上等兵の回収を特務曹長に命ずる。
ランドマスター記録ビデオ
後部ハンガー
「おい、それは使えないぞ!」
スピーカーから誰かの声。
「そんなことはありません!、使徒相手ならまだしも、今の敵なら!」
上等兵、聞く耳を持たず装着。
バイクのエンジンをかけるとハッチを開き、急速発進をする。
通信、副隊長から特務曹長へ。
「曹長、すまないが、彼を連れ戻してくれないか。」
「了解しました。しかしあのスーツなら大丈夫なのではないですか?」
「いや駄目だと思う、いくらなんでも量産用では勝ち目が無いはずだ。」
「わかりました。ですが、私も生身ででるわけですから武器は自由に選ばせて
もらいますよ、いいですね?」
「判った、好きなのを使っていい。なんだったら衛生兵少尉の特製弾頭でもかまわない。」
「それは勘弁してもらいます。では通信をきります。」
特務曹長、黒い奇妙なスーツを着込む。
「特務曹長、それは音声を攻撃のエネルギーに使う武器ですが、気をつけてください。
声に含まれた気合とでもいうものが、その対象に作用すると思いますから。」
「わかってる、私だって伊達に年はとっていないよ。」
特務曹長、ハッチから外へ。
外部戦闘記録
通信、ランドマスターから。
「すぐにもどれ、そのG3マイルドじゃあ今の敵に勝ち目がない!」
通信にこたえず。
「いいか、すぐに戻れ。これ以上指揮を乱すな!」
返信。
「いいえ、副隊長。これ以上敵の好きなようにはさせません。」
G3マイルド、戦闘開始。
ゾンビ兵粉砕するも、悪霊に攻撃きかず。
だが、破壊されることもない。
「あくまで、誰でも使えるように設計したスーツだ!、逆にやられるぞ!」
だが、すでに遅く周囲を悪霊が渦巻く。
G3マイルド、ヘルメットにヒビ。
数秒後、粉砕、頭部剥き出しになる。
そこを襲う悪霊とゾンビ兵。
直前に粉砕、記録には武術の気合のような声。
「いいか、上等兵。これ以上隊に迷惑をかけるな。」
黒いスーツと腕につけた奇妙な武器で攻撃をする特務曹長。
だが、悪霊を完全に粉砕できているわけではない。
特務曹長、上等兵を連れてランドマスター2号に帰還。
攻撃続行。
隊列を変更、戦闘をランドマスター2号、左右に戦車のV字形態。
自由陣形でG3−XとG4。
針路は変わらず京都大学。
44 ◆DhEzvRena6 :03/06/26 22:25 ID:???
厚木基地最後の兵士担当です。

特務曹長がつけているのは、映画デューンのあれ、です。
まあ、悪霊には気合のはいった音声兵器という感じです。
やっつけられませんけど。
上等兵はこのあと、たぶんたびたびG3マイルドででて迷惑を
かける役どころだと思います。
あと、他に強い連中がいるので、ランドマスター隊はなんか
目こぼしされてしまっている、という感じでしょうか。
予想を超えた事態(>>33)にそれぞれの顔が引き締まる。
「聖母様に御声をかけて頂けるとは、何と光栄な事か」
ニーが背筋を正し、執事のように一礼する。
頭を下げる時に見えた彼の笑みに聖母は少しだけ付き合う。
「あら、敵にそんな態度を取って見せるなんて。
 素直に死んでくれるのかしら?」
「残念ながら。
 それだけは聖母様の頼みと言えど、聞き入れることは出来ません」
ニーが演技の入った否定をする。
サンとシィはその茶番にもう吹き出しそうだ。
イチはつまらなそうに二人のやりとりを見ている。
「しょうがないわね。宣言通りに遊んであげるわ」
「お手柔らかにお願いしますよ」
「ええ」
短く答えた聖母は向こうで笑っていたのかもしれない。
隻眼の使徒の姿が一度消え、ニーの直前に現れる。
胴を狙いをつけた白い牙が左右から高速で挟み込む。
ニーは逃げずに踏み込んでかわすと、右手でゼルエルの刃を打ち出した。
当たりは無い。
部分的に非実体化された体に物理的な一撃は痛みを与えない。
左右に分かれた口がそれぞれで光を放ち、破壊光線を発射する。
至近距離で発射されたそれをかわす事は出来ない。
「ナイス!」
使徒の尾が攻撃を邪魔した者へ振り上げられるが、スウェーでかわされる。
右で業火を、左で極低温の冷気を放ち、残り二体を牽制する。
ニーは空にいた。
イチが作り出したゲートを抜けて、空へと脱出したのだ。
「フンッッ!!」
サンが構えをとり、両目から閃光を業火に向けて放った。
炎は閃光に巻き込まれるように穴を開け、使徒に突き刺さ……
「きゃぁ!?」
らずに反対側のシィの居た辺りで爆発を起こした。
煙と同時に十字架状の炎が立ち上る。
イチがATフィールドで視界不良の原因を跳ね除けると、そこに使徒の姿はなかった。
「後ろだ!!」
今度は遅かった。
イチの体が真っ二つに分かれ、落下していく。
「ぐ……ゲホッ!!」
口から吐かれた赤が霧の赤に混じりながら消えていく。
ニーが強酸の飛礫を飛ばすも、それは使徒の部分的な変化に通過させられる。
「くそっ!」
惜しい!と指を鳴らす彼に向かって、使徒の白い両翼から羽が飛び出す。
慌てふためくようにニーは羽を引きつれて上空へ逃げる。
一瞬外れた意識が敵の接近を遅れて知らせる。
二つに分けられたはずのイチが、大きく突き出している左右の牙を掴んだ。
間をおかずに横から飛んできた蹴りを透過させてかわし、
抜け切った刹那、それを尾で叩きつける。
ぶつけたはずの尾は接触した途端に跳ね上げられ、本体もろとも姿を消す。
「ちぇっ、失敗か」
唇を濡らす自分の血をぺろりとイチは舐める。
蹴りを浴びせようとした「もう一人」のイチの両手の平は
粘液のようなもので覆われていた。
皮膚に吸い込まれるようにして粘液は消え、拳が握りこまれる。
バルディエルにイロウルをブレンドした強酸性の細菌を
接触面から流し込もうとしたのだ。
「やはり聖母か」
危機回避能力は伊達ではない。
サンは「光」によってすでに見えないその姿を捉えていた。
「…少し試すか。攻め方を変えるぞ」
すぅっと周りに溶け込むかのようにサンの姿が消えた。
サンに続いてニー、そしてシィの姿も消えていく。
そこには二人のイチだけが残った。
使徒がイチから離れたところで実体化し、あらぬ方向へ破壊光線を放つ。
破壊光線は地面を抉り取り、塀を砕きその少し先までを薙ぎ払う。
と思えば尻尾が激しく振り回される。
「それじゃあ駄目だね」
一人のイチが接近し、もう一人が指先から援護射撃をする。
援護射撃はやはり当たらない。
接近戦に持ち込もうとするイチを含めた周囲に、
体をよじりながら使徒は炎を右の腕から噴射した。
左手からも何かが噴出され、鼓膜を痺れさせるほどの爆発を引き起こす。
「水蒸気爆発か!」
空間に裂け目が現れ、そこからニーとサンが現れる。
イチの直下には鞭と化した指を縮めるシィの姿があった。
「可視光線による視力ではないな」
「次だな」
言い終わるや否や、サンは地面に向かって頭から鉛直に突っ込んだ。
爆発を起こしたかのように土が宙へ舞い上がり、
高く上がったそれをシィと一人に戻ったイチが紅い力を使って竜巻に変える。
赤い霧よりもさらに濃度の高い砂塵が寺院全体を覆い尽くす。
砂の壁に吸収されながらも、内側から外側へ音が漏れる。
いや、音だけでは無い。
「があぁああっ!!」
砂と土の壁からサンが体を大きくのけぞらせて飛び出した。
そのあとを追うように破壊光線の円柱が土粒子の壁を切り裂いていく。
体勢を立て直しながら移動し、右腕一本を犠牲にして致命打を避ける。
「赤外線視力でも無しか…面白い」
サンの右肩が膨れ上がり、生々しい音を立てて新しい腕が生えた。
「では………これならどうだ?」
48スモーウォーカー部隊:03/06/30 14:55 ID:???
一旦別々に穴を掘って地上へ出た6体のスモーウォーカーは、赤い霧の立ち込めるゴーストタウンの中で再び合流する。
“全員揃ったようだな”隊長機らしい紫色の機体『紫一角』からスモーカー大佐の声が聞こえた。
“それで、これからどうするでごわす? スモーカー大佐”別の黒い機体『漆豪気』からオオクボ隊員の声が聞こえた。“本隊が入って来るのを待つでごわすか?”
“まあ、本隊もいずれは入って来るだろう。だが、俺達もここでそれを待ってばかりもいられねえ。これまでろくに手柄も立てられず、恥ばっかりかかされ続けてきたこともあるしな”
“それでは、我々だけで進撃するでごわすか!”緑色の機体『青竜牙』のイジュウイン隊員が言った。
“しかし、命令にないことをしたら、マズイではないでごわすか?”ピンク色の機体『桜吹雪』のマツムラ隊員がおっかなびっくりな態度で言った。
“命令にないことだとォ? 俺がいつ誰から何と命令されたって言うんだ?”スモーカー大佐がトボケ口調で言った。“ギーガー様は俺達に穴を掘って突破口を開けと言ったが、その後どうしろとは言っちゃいねえ。教団と戦うなとは言ってねえだろ?”
“それはそうでごわすが・・・”灰色の機体『灰曇』のイシヅカ隊員が言った。
“スモーカー、あんたって人は全くイエスマンには程遠いんだから・・・”赤い機体『火走』を操縦しているスティンがーが言った。“後でギーガー様から大目玉を喰らうわよ”
“ただし、これはあくまで俺の一存だ。強要はできねえ。嫌だって言う奴はここへ残りな”
“アタシは行くわよ。こうしてる間にもエヴァ・フェット達が苦戦を強いられてると思うし、加勢しに行かなくっちゃ”
“わしらも行くでごわす!”他のパ一ロット達も続々と名乗りを上げた。“ここで引き下がっては男がすたるでごわす!”
かくしてスモーウォーカー部隊は教団が本拠を構える京都の中央市街跡へ進軍するのであった。
49トライラックス担当:03/06/30 15:11 ID:???
ネルフの本隊が突破口を開き、フウイ・ノ・レイもそれを援護している
という重要な局面を迎えたと言うのに、こんな大事な時にパソコンが
故障してしまいました。今は自宅からかなり離れた隣町のネットカフェから
カキコしています。当分の間は今までのようなペースではカキコは
できそうにはありません。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

>厚木基地最後の兵士さん
お帰りなさい。お久しぶりです。
春日歩再登場に加え、『DUNE』に出て来た秘密兵器まで
登場させて下さるとは、
こちらに調子を合わせて下さりありがとうございます。
>E計画さん
エヴァ・フェットとAngelArmとの絡み、
お手数ですが、私がカキコできない間に、
そちらの方で動かして下さると助かります。

スモーウォーカー部隊は噛ませ犬で終わるな、たぶん。
使徒の上方にイチ、下方に一人シィ、ニーとサンが前後を挟む。
「これではどうかな?」
ニーとサンがイスラフェルの力で二人に分かれ、さらに使徒の左右を囲んだ。
前後上下左右、6方位を囲まれても当然ながら使徒に怯えはなかった。

 戦闘パターンBで行く

 OK いいわ うん

サンの『声』に仲間の『声』が応える。
「今度は寄ってたかっての私刑かしら」
使徒の肩をすくめるかのような仕草に、6人が一斉に動いた。
「言ってなよ」
余裕ぶってられるのは今だけだ。
片割れをそこに残し、イチは使徒に向かって突進する。
両手を鞭に変えると風切り音を鳴らして攻め立てる。
同時に下方のシィが二人に分かれ、鞭の合間を縫うように光の槍で突きを繰り出す。
ニーとサンは使徒の実体化を先読みし、攻撃のチャンスを潰しにかかる。
光の瞬く空間に閉じ込められた使徒はただひたすらに無効化した。
かわすだけならあえて実体化する必要は無いし、逃げればいい。
しかし敵を倒そうとするなら、しなければならない。
例え何億分の一秒であってもだ。
「………つまらないわ」
単調とも思える攻撃、しかし激烈を極める猛攻に飽きたのか、
使徒はするりと攻撃網をかいくぐる。
時間としては十分だった。
使徒は半透明のまま大きく翼を広げて羽を飛ばした。

 もう遅い。

爆裂音が木霊し、使徒の周りが煙と炎に包まれた。
ATフィールドと『光』をレーダー代わりにして居場所を補足し、即、結界を構成する。
結界に使徒がぶつかり、赤い光が結界に沿って走る。
結界が引きちぎられる前にイチがラミエルの荷粒子砲を
テニスボール程の口径に絞って左手から撃ち出す。
結界の一部が弱くなり荷粒子砲を内側に貫通させる。
使徒は非実体化してそれをかわしてやり過ごすが、
「くっ!?」
思わぬ方法で内側から身を焼かれる。
「やっとかかったね!!」
ラミエルの荷粒子砲の同軸上にシャムシェルの鞭をイチは忍ばせていた。
自分にもダメージはあるが、効果は大きい。
すぐに実体化を解き使徒は結界を突き破る。
しかし簡単に引き裂け破れても、逃すような結界ではない。
粘りをもった蜘蛛の糸のように織り込まれた微妙に異なる4種のATフィールドは、
引きちぎられながらも使徒の動きを奪う。
「この程度……」
ほんの少しだけ聞こえた歯軋りのような音は、きっと力が爆発する前の空間の歪む音だろう。
アーーーーーーーーーッッ!!! リィィーーーーーーーーーーッッ!!!
使徒が吼える。
「くぅ!?」「ぬっ」「…………チィッ」
翼が白く輝きATフィールドを引き千切り、中和し、接触面から侵食を開始した。
「4」人は自らの結界を解き、慌ててATフィールドと「光」を避難させる。
シィとニー、二体の分身が泡を吐き出しながら急激に腐敗し肉塊を地面にばら撒く。
「汚染は?」
「……かろうじてセーフ、イチ、アンタは?」
シィは額の滝のような汗を拭いながらサンに答え、イチに振る。
半分を消された消耗は大きい、それはニーも同じだろう。
「別になんともないよ。異常があれば「解る」だろ?」
その為にあれ(拾参>263)をしたのだから。
使徒が大きく身震いし、羽を激しく震わせる音が響いた。
猫が毛を逆立てるように、羽の一枚一枚が立っているようにも見える。
「単純な物理攻撃はやめのようだな」
「つまらん遊びに飽きたって所か」「それともちょこっと逆鱗に触れちゃったか」
「どっちにしても…イイ感じ」
イチは自分の顔が笑ってしまうのを止められなかった。
5352  ◆/s5ZynBY7E :03/07/01 00:38 ID:???
次で片がつくはず。あくまでもはず。

>厚木の兵士さん
レス遅れましたが、お帰りなさいませ。
ネタ待ってました。
使徒兵や死霊兵の出が多くなってきたら絡ませて頂きたいです。

>トライラックスさん
心中お察しします。
ラミエル兵とエヴァ・フェット絡みの件、了解です。
とりあえず一戦終えたところみたいなので、そこに出て行こうと思います。

>黒メガネさん
前スレは一杯になってたので。というのは言い訳に過ぎないんですが。
解ってたんですけど????さんと同じく明記がなかったので……スマソ。
随分と遅れましたが、流れのまとめありがとございます。


今夜はこれにて。
54名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/09 01:27 ID:1RR1im9y
話が減ってる…
55大阪:03/07/09 17:42 ID:???
う、うう・・・ん・・・何や、この揺れは・・・。
いつの間にか眠ってしもうたようやな・・・。
あ、久しぶりやな。私、春日歩です。
ホンマは和歌山の生まれやねんけど、「大阪」って呼ばれてます。
しばらく出て来てへんかったけど、その間にえらくお話が進んでしもううとるな。
ほなら、過去スレ拾弐の>>29>>31の続きを書くで。
山奥で迷子になっとった私はランチラスター、違ったランドマスター隊のヘリコプターに助けられて、懐かしい会場都市大阪へ帰って来た。
それで、しばらくトライデントの船に食料品を積み込む仕事を手伝ったりしとった。
綾波教団との戦いが迫っとるんや。
トライラックスいう国へ抗議に行っとった碇シンジ君らが帰って来たら、いよいよネルフの本隊が綾波教の本拠地である京都へ進撃するいう話や。
椎名ゆやさん(過去スレ九>>430参照)がその際に京都へ突入する陸戦部隊の水先案内人になる言うてた。
私はランチマスター部隊の車に食糧を運んどった。
私の郷里の和歌山から届いたミカンもあるで。
兵隊さんにはビタミンも必要やからな。
と、思ってたら・・・ここの所、いろんなことがあって疲れとったからな、いつの間にかランチマスターの車の中で眠ってしもうとったようやな。
それにしても、この揺れは一体何やろ?
一体何が起こっとるんや?
(この後、今スレの>>40に続く)
56トライラックス担当:03/07/09 17:44 ID:???
スマソ。今日もここまでしか書けなかった。
????他です。

トライラックス担当さん他参加者の方へ。エヴァ板の復帰までは早くて一
週間、長くて一ヶ月ほどかかるそうなので、カキコはしばらく様子を見た
方がいいと思われます。ちょうどトライラックス担当さんもカキコが困難
な状況ですので。一応この件に関しては、以前高橋さんが作成された
掲示板(ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/260/)で簡単に話しあわれて
ます。私自身は様子見がいいんじゃないかなとは思います。
58大阪:03/07/11 20:03 ID:???
あかん、あかんて。こないに揺らしたらミカンに影響が出てまう。
「現在戦闘中です!」ランチマスター隊の兵隊さんが出て来たで。「無茶を言わないで下さい!」
せやかてや、せっかくの美味しいミカンやねん。
美味しく召し上がって欲しいと思うねんな。
そやから、この揺れ何とかして欲しいねん。
“どうなっている?”
「副隊長、密航者は偶然乗り込んでしまったという感じなのですが」
兵隊さんが無線で話しとるで。
“スパイではないのだな?”
「はい、前に救出した女性だそうですが」
“大尉、どうやら私が以前、救出した女性のようです”今度は違う声や。“空母からの帰還の際、間違って乗り込んだというのは本当だと思われます”
“特務曹長、事実ならば彼女の無事を確保しなければならない。偶発事故ならばなおさらのことだ”
“了解、聞こえたか?”
「はい、聞きました」
“彼女を安全なエリアへ移動させろ”
兵隊さんが私をどこかへ連れて行こうとしよる。
駄目や、ミカンも持って行かなあかんねん!
“申し訳ないが、ミカンよりも貴方の安全を優先させなければならない事態です”
うわっ、うわっ、また揺れよったで。
ミカンがそこいら中に散らばってしもうた。
「特務曹長! すいませんが彼女はお願いします!」
兵隊さんが外へ飛び出して行きよったで。
“おい! 待て!”無線機から呼び止める声が聞こえる。“副隊長、あの馬鹿がまた勝手な行動を起こしました!”
59トライラックス担当:03/07/11 20:07 ID:???
>>58>>40と同じ客観的事実を春日歩の視点から書いたもの。
状況が状況なので、こういうあまり重要ではないカキコしかできなくなってしまった。
60あぼーん:あぼーん
あぼーん
一応、保守
62あぼーん:あぼーん
あぼーん
以下数レスはcomic3鯖落ち時に飛んだログです。

必要・重要と思われるもの(設定が書かれてるとか)以外、
独断により雑談レスは省きました。
名前欄は元の書き込みと同じです。
最初の行に、書き込まれた時刻と、あとトリップがあればトリップを
付け足しておきました。それ以外は何ら手を加えていません。
問題があれば自分までどうぞ。
(03/07/04 22:15)
「本番・・・いや、ただの序盤かな」
非在の視野に開かれる、幾つもの光景。幾つもの声。
まずは小手調べ、だそうだ。聖母と主席は動かない。第参もまだ直接は出ないだろう。
となると、少しは仕事ができる。
赤い壁、赤い霧に守られて眠っていた街が突然活力を取り戻す。温存していた兵力の解放。
あちこちで戦線が開かれ、結界解除をめぐって各所で前哨戦が始まる。
『突入開始! まずは司令の指示に従って、この忌々しい壁を崩すわ。
 数では相手が上よ。速度と機動力を重視し、深追いは避けて』
『ランドマスター隊、ネオ戦自戦車隊との通信、回復! 両隊とも健在です』
『・・・! 了解、無事を喜んでると伝えて。本隊への援護は不要、人質の奪還を
 最優先で続行させて。
 彼らの作戦が成功すれば、こっちも心おきなく暴れられるわ』
市街南端。先陣を切る機動兵器の突貫で、次々と爆発と着弾炎が上がった。高速で駆ける
二機が使徒もどきの群れを蹴散らし、一見無駄弾に見える機銃掃射と火器の乱射を道案内に、
後続部隊が砲火の下を走り抜けていく。通常兵との小競り合いの後、部隊は降り注ぐ弾幕を盾に
包囲網を突破し、「要」のひとつへとコースを変えた。
途中で銀色のエヴァが隊を離れ、もうひとつの「要」へ向かう。
『蓮華王院は渚君が引き受けてくれるわ! 残りの人員を集中、速攻で珍皇寺を落とすわよ!』
戦域はじりじりと押されていった。進路をふさぐよう、要所に改造騎士団を配置するが、
機動兵器と連携した猛攻に足止めされ、肝心の突入部隊に届かない。攻め方を変えても同じ。
エヴァ以上の高機動で動き回る機動兵器に、騎士たちは翻弄され続けている。
建物ごと広範囲を薙ぎ倒す高速突撃に加え、重戦車クラスの砲撃では、ATフィールドを
展開していてもひとたまりもない。
「・・・まずはあれか」
戦域中央から少し離れたビルの上部に黒い異空間が開き、ラミエル騎士数体が構える。
(03/07/04 22:20)
数条の閃光が空を切った。
初撃はまだ当てない。それでも、軽く高さ十mを越える爆炎の柱が続けざまに立ち並び、
ぎりぎりで回避した一機を戦域の外に追いたてた。
『側面から長距離射撃?! トライデントを直接狙ってるの?!』
『甘いっ! 狙撃地点捕捉、潰してやる!』
もう一機が大きく機体を旋回させる。直後、ビルは中距離ミサイルの一斉射を受けて崩壊した。
『敵は?!』
『ATフィールド反応を追跡・・・っ、パターン検出されず! まだどこかにいるぞ!』
反撃くらい読んでいる。寸前でディラックの海に退避させた騎士たちは、すぐに数箇所に
再出現して第二射を放った。「光」の行動予測と命中補整を上乗せした一撃だ。確実に当たる。
が、命中した筈の閃光は、突然展開されたATフィールドに阻まれ、大きく目標を逸れた。
軽く息を吸い込んだ僕の視界に、黒いエヴァの姿が飛び込んできた。
ちょっと考えてわかった。エヴァのATフィールドとは言え、ラミエル騎士数体分の砲撃は重い。
参号機はそれを見越して、ラミエルの強力な砲撃を正面から弾こうとするのではなく、
射線すれすれにフィールドを連続展開することで少しずつ進路を曲げ、命中を防いだのだ。
少しばかり感心した。悪くない。
「・・・オリジナルにでもフィールドの使い方を教わったのかな」
『お前らの相手はワシや! どっからでもかかってこんかい!』
炎を振り払って飛び出した参号機は、立ち昇る火柱を背に立ちふさがり、吼えた。
参号機のバックアップを受け、突入部隊は徐々に迎撃隊を圧し、市街深部になだれ込む。
『葛城の奴、ようやく来たか。随分ハデなご登場だな・・・さて、こっちもそろそろ動くか』
(03/07/04 22:21)
やがて珍皇寺では、到達した突入隊と、数箇所に分けて展開させた迎撃大隊、更に
周辺に潜伏していたネルフの小隊の戦闘が始まった。重武装の突入要員が騎士を押し、小隊が
仕掛けていたトラップの数々と機動兵器の一斉掃射で挟撃、撃破していく。
僕はすぐさま騎士数隊を下げた。混戦状態で密集すれば的になるだけだ。
細かな戦況の把握、再配置。すぐに形勢は逆転した。更に守備隊の空間移動に巻き込まれ、
十数人がごっそりと黒い平面に呑まれ、絶命した。勢いに乗った騎士たちが本隊中核に迫る。
だがそこにラミエル騎士たちを撃破した参号機が合流、両隊の戦力は再び拮抗した。
『邪魔すんなや! どかんかぁあああっ!』
『寺院西、敵三個中隊を足止めに成功! 後続、この隙に内部に向かえ!』
『なんでこっちより先に回り込めるんだ?! 第四小隊、まだかっ!』
『サキエル各騎士、機動兵器から距離を取れ。突撃に巻き込まれる』
『敵部隊の対応が早すぎる・・・こっちの動きは筒抜けってわけか。
 けど、むざむざやられると思ったら大間違いよ。無闇に突撃せず、喰い下がれば勝機はあるわ』
『駆動部だ。駆動部と脚部を狙え。ここだ、一斉射!』
『各小隊長、他部隊との連絡を絶やすな! 囲まれたら終わりだ!』
『トライデント02、寺院前から200mをフル掃射! 弾幕張って!』
『先行部隊の加持だ。50m先、左右四箇所で待ち伏せされてる。撹乱するからそのまま行け。
 目標は正面の建物の内部だ。白い使徒が出たら参号機を待って突入しろ』
『エヴァを止めろ。エヴァさえ封じれば、残りは聖母様の御使いが蹂躙してくださる』
『敵、更に出現! 通常兵80、改造騎士・・・最低でも30はいます』
『騎士どもに振り回されて気を抜くなよ、怨霊の悪意に喰われる。ここは・・・最悪だ』
『諦めるな! 戦自のネオエヴァも動いた、すぐに増援が来る! 持ちこたえろ!』
(03/07/04 22:23)
怒号、悲鳴、重なる銃声と地雷発火の響き。大量の血。双方の。
それに重なるように、別の光景が浮かぶ。
赤い海面を割る純白の水柱。回頭する空母に降り注ぐ大口径弾をATフィールドが防ぎ、
砲撃が切れた瞬間、寸分の狂いもない精密射撃が次々と鋼板の艦体を撃ち抜いていく。
海上に上がる黒煙。踊り狂う半実体の鎖。突如、水面下から水域を両断するほどの
強力なATフィールドが閃き、それに追われるように、水しぶきをあげる白い魚尾が
一瞬しなやかに赤い波を叩いて、また潜った。
赤い霧に沈む市街各所でも、それぞれの死闘は続いている。
猛撃を受けながらも、人工進化研究所への進撃を止めない重装車両。数十人の改造騎士と
使徒もどきの群れをやすやすと掃討し、現れた聖母の分身に対峙する四号機。
地下の反乱と、それに乗じた破壊活動。前進するエヴァの群れ。
霧の底に閃く”紅”。駆け抜ける黒装の異能者たち。トライラックス領で見た四人。
比較的平穏な外周ではもうひとつの戦いも始まっていた。補給を間に合わせるため、積載限界
ぎりぎりで戦域に向かう輸送機。次々と運び込まれる負傷者と、手当てに忙殺される医療班。
戦場と、戦場を囲むそれら全てを、余さず撮り尽くすだけことに命を賭ける者たちもいる。
混乱の度合いを増してゆく戦場を、巨大な盤上の出来事のように眺める。
たぶん、こんなのはまだ序の口に過ぎないのだ。
「・・・あれ」
そう言えば、とふと気づいた。あの子の姿がない。トライラックス領で会った、もう一人の
僕らのコピー。捜そうとして、考え直した。彼がこんな派手な擾乱を見逃す訳がない。
こちらから何もせずとも、挨拶の機会くらいは来るだろう。
僕は軽く頭を振り、再び戦況の把握に専念した。
(◆/s5ZynBY7E :03/07/04 23:04)
この声が聞こえるか? この音が聞こえるか?
軍靴の不揃いな駆け音が、それに合わせた金属のぶつかり擦れ合う音が。
高まる胸の響きに、無理矢理に潜めさせた吐息の熱さが伝わっているか?
血でもないのに死臭に満ちた、霧中の舞曲が聞こえてくるか?
自己の欲望満たす為、己が快楽貪る為に黒に身染めし奴等が来るぞ。
紅い力に巨力を加えて全てを観るべく「目玉」を散らして。
最初で最期のフェスティバル、演じてやらねばつまらんだろう?

力加減を黒装の兵士がする事は無い。
抜く必要が無いのだから。何より相手にとってそれは無礼千万に当たる。
ラミエルの力を司る銀髪の兵が構えた片腕を砲身に変化させる。
その先には敵ではなく、住居と思われる建物があった。
一瞬の風、そして光の筋が建物をいとも容易く貫いていく。
もう片方の手でそれを支えると、一気に薙ぎ払って一階部分を全壊させる。
道を通る死人の兵も巻き込んで光の帯は一度終息する。
「ぅ〜〜〜〜〜ッ、ハッハ〜〜ッ!! 全部ブッ壊してやる!!!」
黒ずんだ焼け跡と白の塵と、崩壊の土煙を嫌になるほど浴びて、
己が力にひたすらに酔いしれる。
それも彼等の一つの姿だった。
頭の中が真っ白になって眩暈をするぐらい脳内麻薬に溺れていく。
(◆/s5ZynBY7E :03/07/04 23:05)
「面白いと思わんか? 我等の力は科学だと言うのに。
 ここを満たしているのは非科学的なものばかりだ」
ライナが視線を向けた先には使えないカメラと格闘する仲間の男と、
その向こうで赤い壁を不自然に発生させる戦車の戦う姿があった。
「フン、余所見ばかりしてていいのか?」
うねり来るきらめく糸を白熱する両腕の槍で焼き切りながら、仮面の騎士は答える。
押され気味の彼女の背後に、もう一人が上空から飛び掛る。
「しているのはお前の仲間だろう?」
彼女は後ろを確認する必要が無かった。「チーム」で動いていたのだから。
奇襲をかけた双鞭の騎士は、振り上げた片腕を掴まれた。
ふっと余所見をした先には片目に黄色を入れた黒衣の女が居た。
一瞬以上の間がおかれることも無く逆の腕も掴まれ、地に叩き付けられる。
騎士が何が起こったか理解する頃には、自慢の腕を背中で雁字搦めにされていた。
「「「いっちょあーがりっと」」」
見事なまでにそろった声と、手をはたく音。
三人分のそれとは別に、彼女と仮面の騎士の競り合いは続いていた。
「ほらどうした? 仲間が居ぬとその程度か?」
プライドを傷つけたのか、騎士の攻撃の速度と荒さが数段跳ね上がる。
「なめるな女!!」
騎士にも算段はある。冷静さはまだ失っておらず、伏兵と狙撃兵の位置は把握していた。
先ほどの三つ子のような女どもからも意識を離していない。
しかしここは戦場だ、ハプニングは幾らでも起こる。
何の前触れもなく彼等の横の建物が爆発し、巨大な破片が飛散した。
(◆/s5ZynBY7E :03/07/04 23:06)
意外に健闘していると言うのが彼等二人の感想だった。
川原で石投げをする要領で、脇の通路に走りながらパイロは自分の一部を投げ込んだ。
ビッビッビッと跳ねるように6、7段ほど飛んで分割されたそれは、
近くの敵に向けて明らかに意図的な、極めて限定的な方向へ爆発をする。
反対の側へはパイクの槍が伸びていた。
30mを超える長さの槍は死人の兵士を次々に串刺しにし、一振りで空高く振り飛ばす。
振りあがった槍は伸ばしたゴムを縮めたように瞬時に元の腕へと戻る。
次々に十字路を駆け抜けながら、二人は一直線に京都御苑を目指し、
側道の整理と言う切り込み役としての任を果たしていく。
「取り敢えず雑魚にしか当たってないな」「ああ、でも…」
パイロが顎で指す先には死霊の兵を盾にした三種類の騎士が待ち構えていた。
隊列を組む兵士、否、武者達は、先ほどまでの死兵とは雰囲気が明らかに違う。
長槍、銃、長槍と交互に前列を組み、後列に短い得物を持った者を準備している。
明らかに組織立った趣に、二人は足を止めた。
「撃てぇい!!」
二人は左右に分かれて横に跳ぶ。
「くっ!!」
異常な速度の銃弾がパイクの肩を掠め、黒塗りの肩当てが音を立てて弾けた。
反動であおられそうになる体を槍を伸ばす事で重心をずらし、耐え切る。
着地の砂煙が消える間も無く、建物の上からの狙撃が入る。
「一度退くか?」
パイクは槍を放って前列の一体の銃を腕ごと破壊する。
答え代わりに腕を大きく敵列に向けてパイロは振りかざした。
水を撒くように、手の先から不定形の爆薬が弧を描いて飛び、
炎のカーテンが武者達へ降り注いだ。
敵の視界のふさがったその隙を逃さず、二人はそれぞれにその場から撤退した。
(◆/s5ZynBY7E :03/07/04 23:07)
銃弾が余所見をした横顔を狙う。飛び散る鮮血。
燃え盛る炎。黒焦げになりながらも歩みを止めない敵。
途切れ途切れの銃声に混じって、極普通の悲鳴がさえずる。
にぎやかな剣の舞が歪な輪を描いていると、魔弾の射手が駄目出しをする。
懸命に叫ぶその姿は本気なのに、画面の向こうでは演技にしか見えない。
その場で撮る者でさえそうなのだ。
巨大な渦に巻き込まれて、全てを把握する術も無く引き寄せられて。
見知らぬ人々も仲間に入れて、巨大な劇場を創り上げる。
悪夢のような存在が駆け回る霧の中、
見えるものは隠れてしまい、見えざるものが垣間見える。
京都を駆け巡る無機質な目は、余すところ無く現実を映し続ける。
見る者の心情など一切考慮しない、きちんと届いているかなど二の次だ。
ただひたすらに、無心になって撮り続ける。
与えられた役割以上に、魅惑的な状況に呑み込まれていきながら。
自分の命があとどれだけ持つかも考えることなく。
72ダブリス<1/2>:03/07/23 09:23 ID:???
(◆/s5ZynBY7E :03/07/05 23:01)
やっと動いた。
慌てはしないけど、じっくりと周回しながら映像を取った。
幾つかの視線は感じたけど、完全に僕の姿を捉えてはいなかったみたいだ。
もしくは敵意のなさに無視されたか。
一つだけやけに鋭い視線を感じたけど、あれは知っていたのかもしれない。
もうひとつ気になったのは「あの」感覚、おそらくオリジナルだろう。
「しかし……」
やっぱスケールが違うね、スケールが。
唸っちゃうよね、飲み込まれるって言うか。
でっかい事はいい事だってCMで言ってたけど、まさにその通り。
ちっちゃかったらこの迫力(拾参>359-361)は出ないよ。
皆出払ったみたいだし、そろそろ僕も中に入ろっかな。
ネルフの皆さんの前を通らなきゃいけないんだけど、大丈夫だろう。
それにしても起きないなぁ。
「アクサ、おいアクサったら、おーい。もう朝だぞー」
駄目だ。反応しないや。
死んでるわけじゃなさそうだし、顔色も悪くないんだけど。
ここから先は危険だから、できれば起きてて欲しい。
「アクサったら! お・き・ろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
73ダブリス<2/2>:03/07/23 09:24 ID:???
「…………ん…」
激しく揺さぶったらやっと起きたみたい。
「……あと5分」
「ほら、見て見て、京都に着いたんだよ。
 いよいよ本番が始まるんだ」
耳がぴくぴくって動く。
両目を隠していた右腕を外して、アクサが外を見る。
「………わかった」
「え? 何「いくんでしょ。さっさとはいって」
八の字になった眉毛は最近ずっとだけど、眼の色がどこか寂しそうな気がする。
「はやく!」
「はいはい、解ったよ」
やっぱ気のせいか。でも寝起きこんなに機嫌が悪かったかな?
起こし方がまずかったかもしれない。


中に入って広がる景色に………………ぞくっとした。
イイ。すっごくイイ。
燃える展開って言うんだろな、こーゆーの。
実際に火の手もあっちこっちで上がってるんだけど。
赤い霧で視界があんまりよくないから、先の方は見えない。
「さ・て・と。何処から行こうかな?」
結界潰しはもう仲間が動いちゃってるから邪魔しちゃ悪いし、
ネルフの支援も……してもいいかな。
見たところ大きな流れはやっぱりこの結界の除去だろうから、
それ以外のところで……………………あった。
仲間の映像を見回してたら一つだけかなり先を行く集団(>>39-43)があった。
「…たんだけどさ、あれどこ?…うんうん、へえ……わかった。
 邪魔してごめんね。続きを楽しんで」
死ぬまでねっと。京都御苑じゃないのか。
あの先に大した物はなかったと思うんだけど。ま、いいや。
目的は決まった、彼らの周りで遊ぼう。
(◆/s5ZynBY7E :03/07/05 23:13)
という事で久々のダブリス登場。
先を行くランドマスター隊に目をつけました(笑)
攻撃するわけではありませんので、お間違えのなきよう。
決壊内でも隠れ蓑ATFをつけているので、そう簡単には見つからない……はず。

>黒メガネさん
とこんな感じで内部に侵入です。「繋ぎ」としての下準備もしましたので。
掛け合い絡み問題無しです。
んで、ここでどれだけ激闘になるかでシヴァ絡みのネタが決まります。
これに関してはトライラックスさんのレス待ちにもなってしまうんですけど、
ぶっちゃけ、このイベントが済むと表舞台からダブリス達は退きますね。
7563:03/07/23 09:30 ID:???
あー・・・訂正です。

ひとつめ。
>>73の書き込み時刻は 03/07/05 23:04 です。
一行目にちゃんとトリップ込みで入れるつもりだったんですが、
改行規定に引っ掛かりました(付け足すと33行になっちゃうんですね)

もうひとつ、>>74のレス番号は本来は「70」でしたが、ずれるので
名前欄無記入で貼りました。

一応繰り返しますが、以上の点以外は、特にレス本文には一切手を加えていません。
問題等ありましたら自分まで。それでは。
76 ◆/s5ZynBY7E :03/07/24 00:15 ID:???
祝復活。今度は落ちないでくれよ。
申し訳なくも生存と書き込む意思アリの表示のみにて今夜は失礼。
連休ずっと仕事ですた(苦笑)

黒メガネさん、ぶっ飛び分の補完乙です。
おおっ! いつの間にか復帰してる。
えー、????他です。本格的な復帰は来週になると思います。
みなさん大変ご苦労様です。
使徒の白い翼が輝き、丁度人数分、4つの巨大な羽の塊が飛び出す。
燐光をこぼしながら回転する白い球は殺意がこもっていた。
アーーーーーーーーッ リィィーーーーーーーーーー!!
牙を打ち鳴らし、使徒は吼えると同時に4人に向かって突っ込んでいく。
4つの白球もそれぞれが込められた意思に従い高速で動き出す。
突進を避けてイチとサンは上方へ、ニーとシィは下方へと散る。
白球の軌道も彼等の動きに合わせてトリッキーに変化する。
「いいねぇいいねぇ」「厄介な事を……ッ」
イチの表情が輝きを増し、サンの顔色が苦しくなる。
使徒が向きを変えながら周りの景色に溶け込んでいく。
「くっ、しつこいっ!」
局所的に張った壁を紙のように破り、時に迂回し迫り来る白球にシィが舌打ちした。
「さっきまでの勢いが嘘のようね」
ニーの背後から突如使徒が姿を現し、噛み付いてくる。
前方の白球を見据えつつニーは一気に降下する。
カチン、と歯の音がしたと思ったら、次は左へ業火が放たれた。
「ぬぅ!」
本体に攻撃を仕掛けようとしたサンは紅い壁で噴きつけられた炎をいなし、白球にぶつける。
炎に包まれた白球が火の玉に変わり、消し炭になって風に消えていく。
「まずはひとつ! 所詮は羽だ、燃やせば消えるぞ!!」
サンが『声』ではない大声で仲間に伝える。
フリーになったサンは仲間の応答を待たず本体への攻撃にかかった。
言うは易し、為すは難し。
イチは両手を向かい来る白球に向け、破壊の光を放った。
これで終わり……そう思いかけて小さな複数の殺気に気づく。
白球という集合から個に分かれた羽がその正体だった。
反射的に「光」を広げ、イチはイロウルによる高速演算を始める。
過去の動きの全てを記憶から網羅し仲間のデータベースにもアクセスする。
羽は自分の全方位を固めている。
発射を止めてもすぐには動けない、二体化もこの短時間では不可能だ。
ATフィールドは? あってもないのと変わらない。
出来る事は限られていた。

オーバーブースト…

空気の破裂する音と、爆音が重なるようにして起こった。
イチの居た場所は黒と灰の煙に包まれている。
「イチ!」
シィが叫んだ直後、彼女目の前で白球が爆発した。
さらに離れた場所のニーを追っていたそれも爆発を起こす。
「………この馬鹿が!」
サンは攻撃の手を一旦止めて吐き捨てた。
ニーやシィもすぐにイチが何をしたのか理解する。
「……こ、これで………勝て…るね」
両腕と片足を失ったイチが、そこにいた。
止血はすでにされているが、一人での四肢再生はおそらく出来ないだろう。
「ったく無茶しちゃって………………行こうかしら」

イロウル活性!!

右腕を一振りの槍に変え、シィは使徒に向かって構えた。
「よそ見してと吹っ飛ぶわよ」
槍を突き出すと、その直線状に空間を裂く「穴」が開く。
使徒の姿が薄くなリ透過するにか見えたが、体を動かして裂け目を避けた。
「そう、それが正解よ!」
空間がこじ開けられ閉じる破裂音が途切れなく繰り出される。
「ニー!」
すかっと隣に開いた空間に、ニーは迷うことなく飛び込む。
ゲートはすぐに閉じ、その場にいるのは3人と敵の使徒、となる。
サンが使徒の動きを封じるべくゼルエルの光を全力で、しかも拡散型で放つ。
「多重計算完了…シネ」
ぶ厚い光に隣接しているシィが、左手で首を掻き切る動作をした。
光が空間に溢れた黒で埋め尽くされるまで一瞬、さらに大爆発を起こす。
シィの背後に、ニーがひょっこりと姿を現した。
戦闘服のあちこちが煤に汚れて腕や皮膚の一部も焦げて失われているが、
回復できなくはない。
「終わった」「ええ」
一分、二分と流れ現れた地面に元の寺院の姿は跡形もなく、使徒の姿も同じく消えていた。
ゼルエルの破壊光線で動けなくした直後に、
シィが極小サイズの空間断裂で使徒を含めた周囲を埋め尽くし、
別空間に待機していたニーがサハクィエルの爆薬を霧状にして全穴に流し込み、
着火する。
イチはアラエルで使徒の動きを補足、4人のATフィールドを束ねて使徒を捕まえた。
まさに阿吽の呼吸があってこその瞬殺だった。
「終わった………けど疲れたよ。
 消耗が激しい」
イチの苦笑いを見てやっと、3人は少しだけ気を緩める事が出来た。
8180  ◆/s5ZynBY7E :03/07/27 22:10 ID:???
一応これで対聖母の使徒戦は終わり、と。
4人残りましたが、ただで済んではいません。
そろそろ「彼」を動かそうかとも思っていたり。
結界の要は現場を見る限りではおそらく消し炭、もしくは壊れているかと。

今夜はこれまで。
82死人兵部隊の迎撃:03/07/30 14:07 ID:???
ランドマスター部隊が人工進化研究所へ向かって進軍している頃、
ネオ戦略自衛隊の機動歩兵部隊と2機のK-1ゲリオンもまた鴨川の西岸を
北上している所を教団側の迎撃に遭遇していた。
最初のうちはゴーストタウンと化した京都の中央市街から
まるでミイラのように全身を包帯でグルグル巻きにした兵士達が
ちらほらと現われて2,3発銃を発砲しては様子をうかがっているようだったが、
次第にその数が増えてきて、凄まじい銃撃戦となった。
しかも、そのミイラのような敵兵は銃弾を食らって倒れても
すぐに起き上がってまた攻撃してくるのだ。
とはいえ、ほとんどの者は重火器で原形をとどめぬほどの損傷を受けるか、
あるいはK-1ゲリオンに頭から踏み潰されて倒されていった。
83椎名ゆやwithネオ戦自:03/07/30 14:32 ID:???
「こいつらは一体何なんだ? 銃弾を受けても死なぬとは・・・」
ネオ戦略自衛隊の隊長は原形をほどめぬほど破壊されて倒された
敵兵の顔から包帯を剥ぎ取って言った。
「うわっ、これはひどい・・・こいつはミイラになりかかっているぞ」
「綾波教団には死んだ人間を操る術を使う者がいると聞いたことがあります。
恐らく綾波教団に操られている死人兵ではないか、と・・・」
茶色い髪の毛を後ろで束ね、前髪の形が綾波レイに似ている若い女兵士が言った。
服装が以前の赤い和服ではなく、ダークグリーンの軍服だが、彼女は椎名ゆやだ。
当初はランドマスター部隊に水先案内人として同行していた椎名ゆやだったが、
K-1ゲリオンを破壊されたセイラとルカがランドマスターの側に収容されたので、
入れ違いに今度はネオ戦自側に同行することになったのだ。
「しかし、教団側がすでに死亡した人間を兵力として使っているとなると・・・
もしかしたら・・・」
「もしかしたら・・・何だね、椎名ゆや君?」
「はい、もしかしたら・・・教団はとんでもない奴を復活させて、
私達にぶつけてくるという可能性も考えられるのです。例えば・・・」
椎名ゆやがそこまで言った所で、別の兵士が叫んだ。
「隊長! 新手の敵が現われました! しかも今度は重機動兵器の大群です!」
「何!? 重機動兵器の大群だと!?」
ゴーストタウンと化した京都の市街の中から現われたのは
重装甲車に4本の脚の生えた巨大な機械の怪物であった。
しかも、それが見てわかるだけでも少なく見積もって10体はいる。
「な、何だ!? あれは・・・!? まるで『スターウォーズ』に出てくる
スノーウォーカーみたいだぞ!」
スノーウォーカーのような歩く戦車隊は一斉に砲撃を開始した。
84聖騎士・是瑠獲の指令:03/07/30 14:48 ID:???
ネオ戦略自衛隊に迫り来る教団側の歩く戦車隊―――禁愚陀無部隊の
隊長機の操縦室内では全身に包帯をグルグル巻きにしたミイラのような
死人兵達がターゲットスコープを覗いている。
顔にはガスマスクのような仮面をかぶっていて、
両眼から突き出した望遠鏡のような筒状のものが左右互い違いに動いていた。
「ふっふっふっ・・・ネオ戦自の奴らめ、驚いておるな。
この禁愚陀無歩行戦車部隊の破壊力を見せてくれるわ」
モニタースクリーンに骸骨のような顔が映し出された。
“地獄牙大佐、ネオ戦略自衛隊はわしの竹馬の友である参之騎士・裂獲の仇だ。
痛めつけてなぶり殺しにしてしまえ!”
「ははっ、承知しました。聖騎士・是瑠獲様!」
85トライラックス担当:03/07/30 14:54 ID:???
おおかた20日ぶりくらいにネット喫茶に来てみたら、元に戻ってたんですね。
しかし、私の側の問題は全然解決していません。
ネット喫茶ではカキコの勝手が違うため、いつのまにか書式も変わってきた。
この後、スモーウォーカー部隊が助太刀に駆けつけるってとこですかね。
結界に入り込む所で足止めを食らっているフウイ・ノ・レイやシヴァはどうしよう?
シヴァが勇み足を踏んで先に結界の中へ入って行くということにしようか?
86町奉行:03/07/31 03:02 ID:???
まったく、とんでもねえ代物だな。
どうだネルフからの情報は来ているか?
ようし、そこの結界の弱くなっているところを集中して撃て。
主砲、各魚雷発射!
機関室、いつでも全力をだせるようにしておけ!
そうだ、臨界までひっぱっておくんだ。
魚雷2番、4番には虚数弾頭魚雷で待機、合図で撃つようにしろ。
それと、船尾魚雷1番には虎の子のN2弾頭だ。
これの照準は射手に一任だ。
ネルフの攻撃を跳ね返した穴をねらってやれ!
信管はこちらで制御だが、連絡が切れたら爆破する設定にしておけ。
あの穴の入り口で爆破できればそれでいい!

どうした?
敵艦隊がでているというのか?
いいだろう、雷火。
上陸班を率いていけ。
やつらが、ネルフに気を取られている間に乗り込め。
中枢を破壊するようにするんだ。
話よれば、鎖が危険なものらしいからな。
それに取り込まれるな。
全艦、戦闘開始!
87町奉行:03/07/31 03:06 ID:???
町奉行書きです、エンタープライズ戦闘開始です。
攻撃で、レリエルが出た場合、内部か入り口でのN2爆破を予定していました。
OTRと鎖艦隊の戦闘を確認し、副長以下数名、白兵戦をおこなえるようにしています。
さすがに転送機はないですが、シャトルがわりの小型機くらいはつかっていいかと
おもっています。
88綾波寮責任者:03/07/31 18:54 ID:???
初号機が海中に飛び込み、零号機がそれをサポートする。OTRへの敵の攻撃は、
零号機のフィールドや銃による迎撃に阻まれている。
こちらから解る情報だと、初号機が鎖艦隊の攻撃をかいくぐって、水中で格闘戦
を仕掛けているので、艦隊のATフィールドは中和されている様子だ。これなら
OTRや町奉行の飛行船の攻撃も届くだろう。しかし、
「相変わらずのバカ息子め……」
司令がつぶやいた。今の初号機なら、今頃もっと楽に艦隊と、それに融合してい
るガギエルを倒せているというのだ。なんでも、初号機の動きから判断するに、
シンジ君は艦隊に融合している人々を気遣って、全力を出せていないらしい。
今、この本部は結界に穴を開け続けているため、身動きが取れない。幸い、防
御機構は働いているので、京都内部のラミエルは手を出してこないが、こちらも
手を出せない状況は変わらない。そんな中、遠距離での戦いは膠着していた。
鎖によって強化された艦隊と、零号機がサポートするこちら側では、共に決定
打に欠けるのだ。無論、シンジ君達がその気になれば別なのだろうが……。
「レイ、シンジと協力して使徒を切り離せ。そして、お前が敵艦の力を封じろ」
唐突に司令がレイ君に通信を送る。こちらでは詳細は不明だが、零号機と初号機
の間でもなんらかの交信が交わされたらしい。たちまち二機のエヴァが動き出す。
零号機の口が開かれ、光の羽根が展開する。同時に、水中の初号機がプログナイ
フを艦隊の下部に突き刺すのが見えた。続いて、零号機はなにやら特殊な弾頭
を取り出し、ライフルに詰める。そして、初号機はナイフであちこちに攻撃を
加えていた。どことなく、なにかの目印を付けているようにも見える。
89綾波寮責任者:03/07/31 18:55 ID:???
そして、零号機のライフルから弾丸が発射される。それは散弾状に放たれて、水
中へと進み、初号機がつけたポイントに命中する。それと共に初号機のエネルギ
ーが上昇する。今頃水中で羽根を展開しているに違いない。そして、そのまま
艦隊下部に取り付き、下方へと引っぱり始めた。……やがて、艦隊の下部から
『なにか』が分離する。それは第六使徒ことガギエルだった。引きずり出され
たガギエルは、羽根をしまった初号機へと噛み付き、もみ合い始め、両者は海中
へと姿を消した。だが、心配している暇は無い。羽根を展開したままの零号機
の左手にいつの間にか篭手のような物が装着されている。そして、零号機がそれ
をかざすと、艦隊から無数の鎖が零号機へと伸び、向かっていくのだ。だが、
それらの鎖は『全て』が篭手へと引き寄せられ、そのまま零号機の左手へと引き
寄せられる。そして、零号機から皆に通信が入る。
「彼らの力は私が押さえています。今のうちに制圧してください」
90銀の戦士と千手像:03/07/31 18:55 ID:???
京都の街を銀の影が疾走する。四号機が彼自身の呼び出したバイクで目的地へ
と進んでいるのだ。途中、少なくない数の兵が彼を阻もうとする。しかし、ある
者はATフィールドで、ある者はバイクのスピードやジャンプ力で回避され、
戦闘さえできないままおいてきぼりにされているのが現状だった。
「時間がもったいないからね」
彼…四号機こと渚カヲル…あるいは第十七使徒タブリスがつぶやいた時には、
彼はもう蓮華王院の前へと到着していた。バイクから降り立ち、内部へと侵入
する。人っ子一人いる気配が無い。単独行動をしている彼にあわせてであろうか?
蓮華王院内部には、1000の千手観音像があるという。それは事実だった。
ただ、それ以外にも多数存在している筈の仏像が見当たらないのが妙と言えば
妙だ。どちらにせよ、赤い霧の中、千手観音の群れがわざわざ整列して出迎えて
いる様は異様なながめだ。
「これはこれは…なかなか凝った趣向だね。しかもこの気配は……」
彼がそうつぶやいた時、千手観音達の頭上に白い使徒が現れる。そして、その使
徒は声を発した。
「そう、私よ。あなたなら少々きつめの仕掛けにも耐えらるわね。お楽しみなさい」
その声と共に、一つの玉が出現し、中央の千手観音像へと吸い込まれた。続いて、
使徒がその千手観音像の中に入り込んだ。見る見るうちに、異形の姿へと変わる
観音像。異形の観音像は、無数の手に白い羽根を持ち、それを周囲の観音像へと
投げる。そして、それが刺さると同時に、観音像達は動き出した。それらが取る
陣形を見て、四号機はつぶやいた。
「……曼荼羅の陣か。僕にはよくわからないセンスだよ」
91トライデント兵士1:03/07/31 21:41 ID:???
六道珍皇寺での戦いは激戦だった。なにしろ、いつもと違いエヴァと少し離れた
状態での戦闘なのだ。俺は妙な外見だがこのスーツがあるし、なにかのスーツ
を支給されている連中はまだマシだ。しかし、軽装の連中は本気で厳しい。
そして……最初はともかく、その内に敵に妙な連中が多くなり始めた。
一言で言えば、ゾンビだ。しかも、近代火器で武装した、冗談のような連中だ。
マズい事に、やられた味方の中にもゾンビ化して敵に回る者がいる。だが、こ
れはまだやりやすい方だ。なぜなら、やがて敵の中に、半透明でふわふわした、
者達(人の原型がある奴も、もはや留めてない奴もいた)が現れ、襲ってきたのだ。
ネオ戦自からの装備で、憑依こそ免れているが、奴らにはこちらの攻撃が通じな
いのに、奴らの攻撃は通じる。やっかいな事この上無い。
そうして、俺たちが押されかけていると、突如として銃声が響く。見ると、いつ
の間にか参号機を降りた鈴原が参号機の姿へと変身し、駆けつけてきたのだ。
ちょうど、ゾンビや亡霊以外の敵の多くは加持さん達の撹乱で眼前からはかなり
減っている。そこへ参号機の参戦により、戦況は逆転した。亡霊達にも有効打
を浴びせられる参号機の攻撃に、敵は後退していく。しかし、倒しても倒して
も数が減る様子は無い。そして、そいつらの発生源と思しき場所を俺たちは
見つけた。それは、閻魔大王の安置してある本堂だった。俺たちが近づくと、
本堂の扉が開き、そこから閻魔大王の像が浮かんで外に出てきた。その際、
青白く光る玉が像から分離し、本堂に残される。その周辺には不気味な穴
が空いており、そこから亡霊達が外へ這い出してきている。
閻魔像が本堂の前に着陸すると、突如頭上に、あの白い使徒が現れた。そして、
そのまま閻魔像の内部へと入り込む。すると、閻魔像はまるで生身の生物で
あるかのような質感を持ち、異形の姿へと変貌した。参号機が前に進み出る。
「どうやら…わしに用があるようやな。」
周囲からは、またもやゾンビや、死霊の目をした鎧武者達が現れる。
……やってやろうじゃねえか。青白い玉の光を横目に俺達は戦闘態勢に入った。
ども、????他です。ひさびさに書き込みました。色々停滞させて
すみません。

今回は、
対艦隊線=初号機と零号機が艦隊からガギエルを分離。初号機はガギ
エルと水中戦を開始。零号機は、鎖艦隊自体の動きを封じ込めていま
す。零号機のエネルギーを流し込んでいますので、当面は派手な動き
はできません。タイミングを見て、零号機自身が鎖の力を解除にかか
りますが、少し間があります。

四号機=聖母の使徒と戦闘開始。敵は観音ネタです。

ネルフ先行部隊=珍皇寺で戦闘。各種支援を受けながら突入し、参号
機と聖母の使徒が対峙。こちらでは神器は分離して亡霊を呼び込んで
います。加持さん達は撹乱&動く機会をうかがっている感じですね。

尚、オペレーターとミサト達はネルフ先行部隊に同行して、トライデン
トで指揮を取っている事にします。
9378 ◆dG1L0RVPaw :03/08/04 19:54 ID:???
>>92
ワロタ

はなし変わるけど、携帯ゲーム機"プレイステーションポータブル(PSP)

 久夛良木氏は,“PSPはゲーム業界が待ち望んだ究極の携帯機”として説明。「ここまでやるかと言われるスペックを投入した」という。
 発表によれば「PSP」は,曲面描画エンジン機能を有し,3Dグラフィックでゲームが楽しめる。
7.1chによるサラウンド,E3での発表以来,クリエイターたちにリクエストが高かった無線LANも搭載(802.11)。
MPEG-4(ACV)による美しい動画も楽しめるという。これによりゲーム以外の映画などでのニーズも期待する。
 外部端子で将来,GPSやデジタルチューナーにも接続したいとする。
また,久夛良木氏は,繰り返し「コピープロテクトがしっかりしていること」と力説。会場に集まった開発者たちにアピールしていた。
 さらに,ボタン設定なども明らかにされ,PS同様「○△□×」ボタン,R1・L1,アナログスティックが採用される。

この際、スク・エニもGBAからPSPに乗り換えたらどうでしょう。スク・エニの場合、PSPの方が実力を出しやすいような気がするんですが。
任天堂が携帯ゲーム機で圧倒的なシェアをもってるなら、スク・エニがそれを崩してみるのもおもしろいですし。かつて、PS人気の引き金となったFF7のように。

いきなりへんな事いいだしてスマソ・・・・
GBAとくらべてみてどうなんでしょうか?(シェアの事は抜きで)
94 ◆/s5ZynBY7E :03/08/09 11:46 ID:???
専用ブラウザを入れてみたので書き込みテストを兼ねてお知らせ。
向こうの掲示板にも書いたのですが、10〜16日の間はお盆の都合のため、
書き込みレス共に全く不能です。
緊急レスがありましたら本日深夜頃までにお願いします。
おそらく今日のネタカキコはありませんが、17日に「彼」のネタを入れます。
95死人兵機動部隊殲滅:03/08/15 11:17 ID:???
ネオ戦略自衛隊の機動歩兵部隊と教団側の歩行戦車部隊との間に凄まじい砲撃戦が始まった。
2体のK‐1ゲリオンもパレットライフルで応戦するが、歩行戦車の装甲はびくともしない。
歩行戦車体が撃ち返してきて、その砲撃を食らったK‐1ゲリオン『ドラゴン』が倒れてしまった。
“シグナ!”もう1台の『ターロス』の方を操縦していたキラが叫んだ。
と、その時、赤い霧のたち込める空から6体の汎用人型決戦兵器が飛んで来て、地面の上に降り立った。
超肥満体の体格をしていて、頭の上に大銀杏、腰にはマワシを付けている。
「むっ? あれはスモーウォーカーじゃないか!」ネオ戦略自衛隊の隊長が言った。
“俺達はスモーウォーカー部隊だ!”ドラ声が響き渡った。“助太刀に来たぜ!”
「あの声は・・・スモーカー大佐だな?」
「スモーカー?」椎名ゆやが聞き返した。「ああ、あの時の変な顔の人・・・(過去スレ九)」
6体のスモーウォーカーは歩行戦車隊の砲撃をものともせずに組み付くと、力にものを言わせて相撲の技で転倒させた。
2体のK‐1ゲリオンも体勢を立て直すと、今度はポジトロンライフルで応戦し、ネオ戦略自衛隊もい反撃を開始した。
96禁愚陀無隊長機:03/08/15 11:30 ID:???
綾波教団死人兵歩行戦車部隊『禁愚陀無』の隊長機のコックピットの中では、
全身をまるでミイラのように包帯でグルグル巻きにして、
顔におかしな形のゴーグルを付けた隊長の地獄牙大佐が
ターゲットスコープを覗いていた。
「くそっ、こしゃくな奴らだ! 
しかし、そんなポジトロンライフルごときでは
この禁愚陀無歩行戦車の装甲はびくともせぬわ!
むっ? ターゲットスコープが熱のせいで曇って前が見えないぞ・・・
まあ、良いわ。貴様らの兵器の電源が切れた時が貴様らの命運も尽きる時よ」
ところが、コックピット内は次第に暑くなってきた。
“おい、どうした? 地獄牙大佐”
モニタースクリーンから聖騎士・是瑠獲が言った。
“全身から煙が出ているぞ?”
「煙? そんな馬鹿な・・・!?」
と、言った途端、地獄牙大佐は全身から炎を吹き出して燃え出した。
「うぎゃあああああ! た、助けてくれェ〜!」
97熱き血!極北の男達:03/08/15 11:53 ID:???
死人兵部隊の歩行戦車の大半はスモーウォーカーに倒され、
最後の一体もK-1ゲリオンのポジトロンライフル攻撃を受けて動きを止めた。
「止まった・・・こいつの装甲はこれだけの攻撃を受けてもびくともしないと言うのに・・・」
ネオ戦略自衛隊の隊長が驚いた様子で言った。
2体のK-1ゲリオンから操縦していたクローンアスカが降りて来て、
そのうち1人、キラ少尉の方が言った。
「この歩行戦車の装甲はポジトロンライフルの攻撃にもびくともしなかったけど、
中で操縦していた人間はそれに耐えられなかったようね。
ましてやミイラになりかかった死人兵の身体では生身の人間よりも燃えやすかったため、
この歩行戦車がこいつらの棺桶になってしまったというわけですよ」
そして、今度はシグナの方が言った。
「私達は仲間を殺した奴らに復讐することを誓ったのよ。
ノヴァやヨミをいいように利用して殺した教団の指導者達を葬ってやろうってね」
スモーウォーカーから降りて来たスモーカー大佐が葉巻に火を点けながら言った。
「俺にもお前さん達の気持ちはわかる」
「そう、わかる? なら、話は早いわね」
シグナはスモーカー大佐がくわえていた葉巻のうち一本を取り上げて自分がくわえると言った。
「お、おい、何するんだよ・・・」
「それじゃあ、もちろんこれからも私達と一緒に戦ってくれるんでしょうね?」
「ああ・・・そりゃあもちろんだ」
98大神殿への突破口:03/08/15 12:08 ID:???
「結界の外側ではすでにギーガー様やフウイ・ノ・レイ様が直々にK-1ゲリオンを
操縦して突入準備状態だ」と、スモーカー大佐が言った。
「フウイ・ノ・レイと言えば、前駐日大使だな」
ネオ戦略自衛隊の隊長が言った。
「ギーガーというのは?」
「トライラックスで一番偉いマスターですよ、隊長さん」キラ少尉が言った。
「それでは、トライラックス側は一番偉いマスターが直々に指揮を取っているのか?」
「おお、なにしろ先のテロ騒動ではギーガー様も命を狙われたっていう話だからな」
「そのテロ事件で私達の仲間が教団側にマインドコントロールされて利用されていたんです」
「そこで隊長さんよ、提案があるんだが・・・ギーガー様の本隊が突入して来る前に、
俺達も綾波教団の大神殿への突破口を開いてはどうかと思うんだ」
「突破口? どうするんだね、スモーカー君?」
「二手に分かれて攻撃するんだ。あんたらは地上から攻めて、
俺達は地面の下に穴を掘って地底から攻撃を仕掛ける。どうだ?」
「なるほど、奴らもまさか地面の下から攻撃して来るとは思っておるまい。
よし、それで行こう!」
99トライラックス担当:03/08/15 12:15 ID:???
久々のネタカキコ。
>>82-84の死人兵機動部隊との交戦の続きです。
この後、スモーウォーカー部隊は地面の下から教団大神殿に
攻撃を仕掛けようとしますが、
それを見越していた教団側がミゾロギ・サンダルフォンに迎撃させ、
あえなく壊滅状態になるというかませ犬ぶりを示します。
あと、ネオ戦略自衛隊に同行している椎名ゆやにはラスト近くで
バーベム卿関連で活躍させようと思っています。
シンジや綾波に同行しているフウイ・ノ・レイやシヴァはどう動かそうか?
100フウイ・ノ・レイ:03/08/15 12:17 ID:???
ネタカキコでは活躍の余地がない状態ですが、100get!
101あぼーん:あぼーん
あぼーん
102あぼーん:あぼーん
あぼーん
あれだけ強固に張られていた結界ももはや形骸を残すのみ、そろそろ頃合か。
ネルフ御一行もやっとのことで到着し、戦の華もいよいよ満開だ。
「………出番ではないが、動くとするか」
今の俺は蚊帳の外、観客席にいる。
縦横無尽になりふり構わず役を無視して走り回る演者達に煽られる訳ではなく、
舞台の裏方や袖に控えているあいつ等を引っ張り出すために動く。
台本は一つではない、思うがままにいくと思ったら大間違いだ。
エンディングの違うものが少なくとも3つはある。
一つは俺、一つは綾波教、いや、あいつだけのだな。
最後の一つは言わずもがな、一番感動的で、一番望まれているが、一番つまらない。
しかしどの道どのシナリオも本来の形で終わることは出来んだろう。
最も近い形で終わるのは俺のだというのは、間違いない。
第三の樹へ仕掛けたアレの確認も十二分に済んだ。
外に出れば、日の光がさんさんと降り注いでいる。
こんなのどかな天気であろうと戦はお構い無しに行われている。
少しくらいは見せてやらねばなるまい、赤い空ばかりではもう飽きる頃だろう。
徹底的に開戦しようではないか。
右手に槍を一本造り上げ、それを戦地めがけて………投擲する。
音の帯と紅い軌跡を残して凄まじい速さで槍は飛び、半球状の結界の頂点に突き刺さる。
「喰らい尽くせ」
一匹残らずな。
肉感的な音を立てながら槍は無数の蔦状に分かれ、分散し、
葉脈の如く結界壁面を走って侵食する。
生肉を食い千切り、骨を噛み砕くような濁った音が壁面に沿って広がる。
断末魔のような悲鳴が何処からともなく現れては木霊し、消えていく。
あっという間に紅い網の目は結果端面に到達し、そこに何もなかったかのように霧散した。
同時に結界の毒々しい紅い色も消え失せる。
紅い霧は透明になった結界壁内を漂うのみとなり、日の光は再び戦地を照らし出した。
これでよく見えるようになった。
挨拶はこれで十分だろう、余興も考えてこの姿で行くとするか。
にやりと笑い、俺は巨大な化け物の姿をとる。
巨大な刃の塊のような得物を携え、背中に巨大な翼を持った目の無い白い悪魔の姿を。
搭乗者などいはしない、色は敢えて白でなく元のままの紅にした。
これで少しは目立つだろう。
一度大きく羽ばたいて巨体を軽く浮かせてから、俺は死地に向けて飛び出す。

空を翔る一機の紅いエヴァの横顔は、厭らしく笑っていた。
105104  ◆/s5ZynBY7E :03/08/17 14:56 ID:???
ということで。少しだけ暴れてみました。
「彼」の京都到着まではまだ少し時間的余裕を持たせます。
結界透明化は結界を構成していた力の一部である怨霊を槍の力で
喰らいつくしたということで、結界そのものを破壊したわけではありません。
まあ、補充されてしまうと色は元に戻ってしまうわけですが(笑)
>>104最後のエヴァ(見た目ね)は念の為書いておきますが、量産機です。

次に動かすのはおそらくダブリスあたりです。
10675:03/08/23 19:21 ID:???
幾分日にちが空いているので、保守替わりに。

ネタ書く方では二ヶ月近くご無沙汰しています。七月末から少しゴタゴタが続き、
最近ようやく落ち着いたので、ログ取りがてら顔を出してみました。
いよいよ本筋が動き出すようで(外の時間ではともかくスレ内の流れで)
参加し続けている方々、いつもながらご苦労様です。見てるだけでも楽しいです。
手間暇かけて漕ぎつけた最終決戦、書きたいこと書かなきゃ損ってなもんです(無責任
何とか盛り上がって、今までに手を引かれた方もこの際復帰して大騒ぎになればいいなと、
まあ思うだけならタダですねはい。

とりあえず溜まったログ読んで、身動きとれるようになったら復帰する、かもしれません。
現在、過去にばらまいた伏線モドキを回収+自ネタの風呂敷を畳むべく奮闘中です
(「死神の背骨」は5月頭に片付いたんでそれ以外ですね)
一応、元通りネットにはいられる予定です。
何かできることがあればどなたでもご遠慮なくお声をおかけください。
取り急ぎご挨拶まで。

追伸 >105
・・・・・・お疲れ。 (他に言える言葉なし)
久々にそちらのネタ読んで、なんつーかスゲー!とか騒ぐのを通り越して
ホレボレしてます。何かまたネタ創造やら描写やらのレベル上がってませんか(w
機会があったら、また何かご一緒させて頂きたいです。
・・・・・・・・・・・怒ってなければ。

それでは。
107ダブリス  ◆/s5ZynBY7E :03/08/26 22:03 ID:???
端で見るのと中で見るのとじゃ全然違う。
硝煙の匂い、怒号と嬌声、血の香り…はLCLか。
外に出てもいいけどエヴァをこんなとこに置いてけない。
「アクサ、すごいよ。ねぇ」
命がけで戦う姿はみっともないけど、とても感動的なんだ。
あの一瞬、この一瞬、全てが輝いている。
見た目で全部見るんじゃない、命のキラメキって奴に目を向けなきゃ。
「そうね。もうなんにんぐらいしんだの?」
「沢山としか言えないよ」
この時アクサがこの光景をどんな目で見ているのか気づけば
よかったのかもしれない。
「これからもっとしぬのね」「そうだね。でもアクサは死なないよ」
「どうしてそんなこといえるの?」「だって僕がいるでしょ」
「じゃ、だぶりすがしんだらあたしもおわりね」
何言ってるんだか。僕が死ぬわけが……………あってたまるか。
「死なないから大丈夫だよ」
にっと笑って見せるけど、アクサは表情なく僕を見るだけ。
「……なんだよ、僕じゃ頼りにならない?」
「うん」
キッパリとアクサは言った。突っ込める隙ももない。
「はいはい。アクサの力を借りなきゃ僕は何もできないよ」
「………」
反応無し、そっけないにもほどがある。
わざわざ場を和ませようと思ったのにさ、その態度は無いだろう?
すでにアクサの顔は前方に向いていた。
その横顔は妙に大人びて見える、まるでほんとの大人みたいだ。
憂いを帯びていて、けれど強い決意を秘めた青い眼で、アクサは前を見てる。
……!
「なにかくる。かまえて」
「解ってるよ」
108107  ◆/s5ZynBY7E :03/08/26 22:21 ID:???
という事で時間がかかりましたが予定(?)通りダブリス出しました。
一応「絡めるような」終わり方をしています。
次は、エヴァフェット関連でずっと横に置かれていたラミエル兵を動かす予定。

>黒メガネさん
ども、ご無沙汰です。地下スレ消えちゃいましたね。
最後のあたり確認したいことがあったような気がしたのですが。
それはまた別の話、ご一緒する機会なら前スレぐらいからあって、
こちらは静かに待っている状態ですね。
特にと言うか全く怒っていませんが………だいじょぶですよ。


と言う事で今夜はこれにて。
109蒼銀の戦士(1):03/08/27 21:20 ID:???
銀色のエヴァンゲリオンは、戦い続けていた。一体一体が、並みの兵士では
たとえ相当な重装備であったとしても、勝負にならぬ力を持つ、異形の観音
像達を、苦も無く破壊していく。オールマイティーな彼ならではの効率性と言えた。
だが、いくら観音像を破壊しても、中央の異形の観音像の体が輝くたびに
次々と再生されていく。疑似生命とは言え、生玉の力が働いているのだ。
「どうしたの? 無駄に時間を潰したいのなら、いくらでもつきあう用意はあ
るわよ、こちらは」
異形の観音像からの声がする。対して、四号機は
「……そうだね。僕としても時間は惜しい。こちらも奥の手を使わせてもらうよ」
と、答えた。その直後、彼は顔の前で、両腕を交差させる。それと共に四号
機の体から光が満ち、あたりを照らす。それが収まると、その体は零号機を
思わせる青色へと変色していた。
その直後、彼は走り出す。その動きは、今までよりも格段に素早い。その素早
さは、残像を発生させ、敵の攻撃のポイントをずらし、攻撃を回避する。
異形の観音像は、自分の周囲に他の観音像を密集させ、観音像達に光線を
撃たせようとした。だが、そこで四号機に更なる変化が起きた。
四号機の体が溶け出す。……正確には、自らアンチATフィールドを発生
させ、自分自身をLCL化させたのだ。そして、LCL化した四号機は、
青白い光を放ちながら、密集した観音像達を避わしながら、異形の観音像
へと迫る。そして、異形の観音像のATフィールドを中和して、接近した
かと思うと、異形の観音像の中へと入り込んだ。液状の体で、相手に融合
しながら侵食したのだ。そして、異形の観音像は苦しみだし、周囲に光線
を撒き散らす。それに巻き込まれて、他の観音像達が吹き飛び、密集した
陣形は崩れ去った。
110蒼銀の戦士(2):03/08/27 21:21 ID:???
それと共に、異形の観音像から青白いLCLが飛び出し、少し間を空けて、
青い四号機の姿に再構成される。そして、その手に握られた玉をかざす。
「……これが欲しいのかい? 取り戻してごらんよ」
異形の観音像は、手に手に武器を持ち、襲い掛かる。口から「ア〜、リィ〜ッ!!」
と、いう叫び声が放たれる。しかし、青い四号機は、すかさず、玉をしまい
ながら、顎を開き、羽根を展開させた。そして、腰を沈めて、左腰に手
をやり、抜刀のような構えを取る。それと共に、左腰にいつもの光の剣
とは異なる、実剣の直刀が出現した。そして、それを構えて、突っこんで
きた、異形の観音像を、下から逆袈裟に斬りつけ、そのまま背を向け、
構えた。異形の観音像は受け止めようとした武器もろとも斬り裂かれ、
そのままエネルギーを流し込まれ、爆発した。
そして、直刀を消し、羽根をしまった四号機は、元の銀色に戻り、周囲
を見回した。残りの観音像達はまだ戦闘態勢を取っている。
「まだやるのかい? もう意味は無いというのに。……終わりにするよ」
次の瞬間、蓮華王院の全週に広がったATフィールドは、蓮華王院もろ
とも、全ての観音像達を断ち切り、破壊していた。
その直後、彼は違和感を感じた。
「結界の壁の怨霊が!?」
そして、彼の…エヴァンゲリオンの目は捕らえた。京都に押し入ろうと
する量産機の姿を。そして、それが彼が知る量産機とは異なる存在で
ある事も、彼は感じ取っていた。
どうも、????他です。おひさしぶりにカキコいたします。ここしばらく、二回ほど書き込み規制
に引っかかり、ただでさえ停滞気味のカキコが余計に遅れていました。どうもすみません。
今回は、とりあえずカヲルの方の様子を書きました。これで結界は残り一つです。
今回のカヲルのやってる事は、四号機の能力の元ネタがわかる方ならわかるとは思います。ど
ちらかというと本人は今まで使いたがらなかった能力を開放した感じですね。
ちなみに、一応E来訪とタイミングを合わしてみました。

○Eさん
どうもご苦労様です。なんとかがんばりたいと思いますので。ちなみにこれの少し後に、最後
の結界も崩れる予定です。

○黒ブチメガネさん
どうも、おひさしぶり。ここしばらくさぼりまくりでどうもすみません。結界関係はそろそろ終わります
ので。町奉行さんのリアクションを待って、OTRの方終わらせるつもりでしたが、そろそろやっちゃ
おうかな。

○トライラックス担当さん
どうも。向こうでも書きましたが、あまりご無理をなさらずに。それと、>>96ですけど、死人部隊
には部隊名もなければ、隊長も無いつもりなんですけどねえ。なんてゆうか、彼らはまともな
理性も無く、ただ怨念のままに突き進んで来る(主席のコントロール下ですが)ので、あんまり
ああいう反応はしないつもりなんですけどねえ。イメージ的には。

では、近々また。
112町奉行:03/08/29 00:10 ID:???
敵の艦隊への攻撃が可能?
よし、攻撃を敵艦隊へ集中しろ、それとあの結界の様子も見落とすな。
何がでてくるかわからねえからな。
どうした?、そうか雷火がでれるか。
ネルフから連絡だと、そうか今なら鎖の影響が少ないってんだな。
全艦高度を下げろ。雷火の上陸班が敵艦隊旗艦に上陸する。
旗艦ののっとられたやつをなんとかしてくれ。
上陸用小型機が出ると同時に援護射撃だ。
雷火、出たらすぐに全速で乗り込め。
その小型機なら壊してもかまわねえ、なるべく艦橋に近いところへ
行っておけ、いいな!
よし、上陸班、出撃。
全火砲、敵艦隊へ集中砲火!、艦体は敵の攻撃に備えて虚数空間バリアを
前面に展開、艦体各部装甲起動だ。
砲撃開始だ、まけるんじゃねえぜ。
113町奉行:03/08/29 00:10 ID:???
ようし、上陸だ。
俺達は、あの旗艦に乗り込む。
他のものは手近の艦を制圧しろ。
聞いたところでは、敵は鎖によって操られている。
その鎖も効果はうすくなっているという話だ。
可能な限り殺すな、無理だったら問答無用で殺生していい!
行くぞ!

エンタープライズに連絡。
雷火より奉行、敵旗艦に上陸成功。
これより、白兵戦を開始、敵の中枢を確保します。
どけ!、お前達は自分の意志で動いているのか?
それならばこい!、刀のさびにしてくれるぞ!
町奉行書きです。
気が付いたら復帰してたとは。
>>111
一応、雷火率いる上陸班が敵艦隊へ上陸、エンタープライズはそれを
攻撃しつつ、結界をうかがっている状態です。
雷火たちは零号機のおかげで同化されることはないと思います。

武器は、一応、虚数弾頭魚雷がありますから、一矢報いるくらいは
可能かと思ってます。

取り合えず、連絡はこれで。
115106:03/08/30 18:28 ID:???
一週間経過・・・
すんません。ホントすんません。環境は戻ったけど時間が・・・
場つなぎということで少し投下します。
ネルフ側(結界内)の状況と、>104とか>109〜への反応です。ちょっといじりました
(影響あったらすみません >特に????他さん)
明日辺りに?綾波教側少し書くかもしれません。
第弐はたぶん直接はまだ出ません。が、何か思いつけば誰かにちょっかい出します。
綾波教側はネルフの小手調べというか戦力様子見みたいなことをしてるっぽいので、
当分は派手な動きは自粛します。第弐まで暴れたらますます進行が。
以下連絡少し。

>????他さん
・・・さぼってるのはこっちです。すみません。すみません本当に。
珍皇寺、煽りましたので終わりまで行っちゃってOKです。
トライデント以下は、一斉突入で参号機援護に回ります。四号機来ても良いんじゃ?
ところで蓮華王院の生玉(でしたよね?)壊さなくていいんですか?
それから死人兵に関しては例によって第弐が何かやらかしたってことでどうでしょうか
(試験的に人工自我を植え付けたとか生前の記憶(インパクト後に生きていた人なら
「光」に記載)を戻したとか)
不快になられたらすみません。良ければこじつけます。
OTRの方も間に合ったら何か書きますが、自分としては終わらせて結構です。
よろしくお願いします。
116106:03/08/30 18:31 ID:???
間空きましたが続きです。

>提唱者さん
>機会なら前スレぐらいからあって
・・・・・・・・・そうでした。申し訳ありません・・・
第弐に関しては前述の通りです。今動いたら、順々に行こうという主席のシナリオが乱れます
(その程度で本当にどうにかなるとは思いませんが)
結界が崩れて、オリジナル使徒(「フリー」と言われている奴)とか出してよくなったら
もっとガンガン暴れようと思います。そのときはよろしくです。
・・・ていうかダブリス君引っ張り出させてごめん。何か考えます・・・
ともかく、怒ってないとのお言葉、ありがとうございました。
もう少し見捨てないでいてください。

>町奉行さん
き・・・
キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!!!
待ってました! おお〜カッケー!!
・・・ところで上陸部隊ってどういう格好(武装)なんでしょうか?
良ければ教えてくださいです。

それでは投下しつつ、また。
117黒縁メガネオペレーター<1/5>:03/08/30 18:35 ID:???
碇司令の提示した五箇所の結界要のひとつ、六道珍皇寺攻防戦。
ここでの綾波教側の反撃はすさまじかった。だが鈴原君の参号機の猛攻によって
我が方は優勢に転じつつあった。参号機は今、不気味に変貌を遂げた
閻魔大王の彫像と対峙している。
その後方で、二機の機動兵器トライデント以下ネルフ・トライデント先行部隊は
寺院を守る綾波教一般兵士や使徒もどきとの攻防を続けていた。それらだけなら
これまでの戦いで何度も相手をしてきたが、今回は更に、物理攻撃の通じない
新たな敵が加わっている。半実体化した怨霊たちだ。恐らくはここの結界要のせいだろうが、
物理的干渉力を持った彼らの攻撃は、こちらの守護霊の力では無効化しきれず、
人的被害はこれまでの倍以上に跳ね上がっていた。
「有効な手立てが見つかるまで、装備のない部隊はとにかく後退させるしかないわね。
 後から後から湧いてくるんじゃ、まともに相手しても泣きを見るだけだわ」
トライデント2号機で全体の指揮を執るのは葛城さんだ。この2号機を中心に、
ネルフ及びトライデント各部隊は『E』計画供与の通信端末を通じて強固な通信網で繋がり、
結界内でも安定した指揮系統を維持している。それを維持するべく乗り込んでいるのは、
俺とマヤちゃん他、作戦部から数名。そして、万が一の白兵戦闘要員として
トライデント本隊から数人が回された。この機が大破したとき、指揮官である葛城さんや
俺たち準戦闘員を護衛するためだ。
もちろんそういう事態に備えて作戦部の面々も訓練はしてきた。だが数々の実戦を
こなしてきたトライデントの精鋭やパイロットのケイタ君らに比べて、俺たちの武装は
所詮お守り程度でしかない。
それを一番よくわかっているのが葛城さんで、だからこそ、これまで以上に
指揮に集中しきっている。後方のオーヴァー・ザ・レインボー経由でジオフロントから
下ろされる情報、各小隊の状況報告、諜報部先遣隊が定期的に発する戦局詳細。
秒単位で上がってくるそれらを、機の端末とリンクしたイロウルCを使って整理し、
統合し、取捨選択し、常にその場で最適と思われる判断を下していく。
ひとつでもミスをすれば、それは味方を危険にさらすことになる。指示を出す声の
きびきびした頼もしい調子とは裏腹に、葛城さんの横顔は怖いほど白く緊張していた。
118黒縁メガネオペレーター<2/5>:03/08/30 18:38 ID:???
作戦展開は予想より遙かに速かった。戦況はめまぐるしく移り変わっていく。
守護霊の反応から再計算した怨霊の瘴気濃度突出ポイントは、ここを含め残り二箇所。即ち
まだ突破されていない結界維持地点だ。
そのひとつで、突然強力なエネルギー反応が起こった。
「蓮華王院で強力なATフィールド・・・いえ、アンチATフィールドを検出!
 EVAのものと思われます!」
「渚君?! 勝負に出たのね」
葛城さんが身を乗り出す。マヤちゃんは素早く分析結果を読み取り、驚きの声をあげた。
「四号機、形態変化を開始。これは・・・信じられません、自らLCLの形状を
 取っています! ATフィールド中和、目標に直接侵食していきます」
「・・・これが彼の切り札ってワケか。とんでもないわね」
「目標、パターン変化! 反応が低下していきます」
「最も近い部隊は? 可能なようなら映像寄越させて」
「了解」
付近で監視を続けていた諜報部からの映像を受信したときには、四号機は既に
戦闘を終えようとしていた。
羽根の光芒の中から剣の冷たい光が閃いて、消える。直後、爆発光が白く画面を灼いた。
統率を失い、なおも追いすがろうとする奇怪な彫像群を、ATフィールドの輪が一瞬で打ち砕く。
「・・・すごい」
「目標、完全に沈黙。使徒の反応もありません」
「蓮華王院の瘴気濃度、低下を開始。結界内通常値へ」
葛城さんは大きく頷くと、俺の傍に顔を寄せた。
「・・・で、頂法寺の方は、破壊が確認されてるのね」
「はい。さきほど最終報告が入りました。神器、使徒ともに完全に破壊されています。
 将軍塚と同じく、監視部隊は計測機器の一部を残して撤退を開始しています」
手元に映像を呼び出す。結界要五箇所のうち、最も京都御苑に近かった古寺院は
跡形もなく崩れ去っていた。肩に置かれた葛城さんの手に少し力がこもる。
119黒縁メガネオペレーター<3/5>:03/08/30 18:41 ID:???
「さすがと言うしかないわね。奴ら、相変わらず仕事が早いじゃない。
 わかってると思うけど、破壊に成功したこと以外、この件はまだここの皆には伏せといて。
 無駄な動揺は与えたくないわ」
「・・・はい」
我々より早く結界要二箇所を抜いた。先制の利はあったものの、その事実はとりもなおさず
彼らの実力が予想以上であるということに他ならない。
俺は映像を消し、珍皇寺の戦況把握に戻った。
「オーヴァー・ザ・レインボーより入電。砲撃戦はほぼ終息に近づいている模様。
 エンタープライズ号からは上陸班が降下し、艦内の探索に当たっています」
「了解。もう少ししたら、シンジ君たちもこっちに合流してくるわね。
 それまでもうひとふんばりよ」
モニターのひとつはまだ蓮華王院を映していた。倒壊した伽藍や、無数の千手観音像の破片を
見下ろしながら、銀色の四号機はそこだけ訪れた静寂の中に佇んでいる。
そのとき、ふいに四号機はきっと上空を仰いだ。
同時にズシンッという衝撃が結界内全域を走った。全員が一瞬息を呑む。
「何?!」
「結界内全体で、瘴気濃度が急激に低下! 通常値を突破、さらに大気が澄んでいきます!」
「総員、現状を維持! 隊形を乱すな! 落ち着け!」
「・・・空が」
「立ち止まるな! やられるぞ!」
真っ先に自分を取り戻したケイタ君が、混乱する部隊を襲う使徒兵の列を一掃する。
トライデント2号機はそのまま大きく旋回し、上方を睨んだ。どよめきがあがる。
空が晴れていた。
無数の怨霊の壁が形成していた、巨大なドーム状の結界。量子すら通さないそれが、
霧と同じ赤い色を失い、真夏の日差しが容赦なく結界内を照らし出している。
その真上に、異様な影があった。
120黒縁メガネオペレーター<4/4>:03/08/30 18:43 ID:???
「あれは・・・紅い、量産機・・・なの?」
マヤちゃんが小さく呟く。誰かが呻き声を漏らした。
もともと醜悪な造形の量産機は、血の色に染まるとまさに悪鬼そのものに見えた。
暴走した初号機のように、圧倒的な力と存在を感じさせるのとは違う。それは、
我々人間全員に向けられた、恐ろしいほどの悪意の塊だった。
霧を払って差し込む陽光の中、深紅の量産機は力押しで結界を突き破ろうとし始めた。
「・・・入って来る気なのか」
茫然とそれに目を奪われていた俺たちに、葛城さんの叱咤が飛んだ。
「落ち着いて。アレはこっちに来るつもりはないわ。それより状況を」
「は、はい!」
慌てて止まっていた手を動かす。つられてマヤちゃんも動き、すぐに指揮所は常態に戻った。
「分析、どう?」
「EVA・使徒、どちらのパターンも検出されません。反応から見て、
 綾波教側のものでもないと考えられます」
「とすると、あいつか。 ・・・全員に通達、向こうから仕掛けてこない限り、
 赤い量産機には手出し無用。徹底させて。ヘタにちょっかいかけると全滅するわ」
「・・・了解」
「葛城一佐、寺院内に新たな異常を確認! 神器と思われる玉の反応が増大しています」
「今度は何なの?!」
珍皇寺本殿内でも異変が始まっていた。結界を維持する最後の要、青白く光る宝珠の周囲に
わだかまっている、怨霊の這い出す幾つもの穴。それは今や、大量の瘴気の噴き出す
どす黒い歪みに変わっていた。さきほどまでとは比較にならない規模で
次々と新たな怨霊たちが呼び出され、寺院内はすさまじい瘴気で溢れた。そのあまりの勢いに、
トライデント各部隊は寺院外周まで後退を余儀なくされた。参号機すら押されかけている。
だが、怨霊たちはこちらにほとんど攻撃を加えることなく外に飛び出していく。
その向かう先には、赤い霧に覆われつつある結界壁があった。
「・・・あいつが壁の分を喰った反動か。マズイわね、これじゃすぐに元通りだわ」
121黒縁メガネオペレーター<5/5>:03/08/30 18:44 ID:???
「ですが、見てください」
マヤちゃんが画像の一部を拡大する。怨霊の源とおぼしい玉は、逆に安定を欠き始めていた。
噴き出す怨霊の勢いは変わらないが、見ているうちにも青白い輝きはどんどん薄れていく。
「暴走に近い機能酷使です。完全に停止することはないと思いますが、
 このまま行けば、ある時点で限界を迎え、活動が弱まると考えられます」
「急に活動レベルを上げたせいで、消耗が早まったってことなのか?
 だとすれば、動力源のダウンに合わせて、怨霊の出現も一時的にストップする筈です」
データをイロウルCに転送し、限界点を逆算する。
「その隙に一気に突入、神器を確保・・・いけるかもしれない。
 ・・・よりによってあいつの手を借りる形になるのはしゃくだけどね」
俺は思わず振り返った。見上げる葛城さんはわずかに一瞥をくれ、すぐに正面を向いた。
「・・・今はいいわ。彼らが何を狙っているのかは、こちらから何もしなくても
 いずれ明らかになる。それまではこの”共闘”という立場に甘んじるしかないのよ。
 綾波教を倒すためにね」
マヤちゃんが不安げに葛城さんと俺を見比べ、すぐにまたキーを叩き始めた。
俺は頷いてコンソール操作に戻った。振り切るように、葛城さんは声を張り上げる。
「白兵戦力には現在位置を確保させて。トライデントは寺院左右に展開、
 怨霊の壁が切れたところで、突入を援護しつつ遠距離から敵使徒の動きを牽制。
 こっちからの合図で行動開始するわ。予想時間の計算、急いで」
「はい!」
指揮所の全員が一斉に動き始める。葛城さんはそれを見回すと、珍皇寺にいる全員への
回線を開き、手短に指示を下した。
「蓮華王院と頂法寺は落ちたわ。皆、残るはここだけよ! 気合入れて!」
『おうッ!!』
鈴原君をはじめとする友軍の応答が、力強く戦場に響き渡った。
122 ◆/s5ZynBY7E :03/08/30 19:19 ID:???
とりいそいで、というか。つじつま合わせを。

????さんの時点で突っ込みいれられればよかったんですが、後の祭りですね。
>>104で投擲した「槍」が結界を作る壁の怨霊を喰らっていて、
<『E』計画提案者はまだ戦場に届いていない>はずだった…………んです。
と言う事で、槍投擲により彼の到着までの時間を(書き手が)稼ぐのは無しで(苦笑)

>黒メガネさん
燃える描写どもです。
第弐次席の件了解しました。あと少し、ラストまでよろしくです。

>????さん
結界が崩れれば前哨戦も終わり、本番に突入ですね。
エヴァ戦がメインになるのかなとか思ってます。

>厚木の兵士さん
ネタレスお待ちしております。て言うかお願いします。
絡みに行きますので。


明日昼にネタ投下予定ということで。
隊長個人日誌
敵の罠にはまったというのが正しいと思われるような最初の状況から
なんとか持ち直しているとはいえ、状況は思うに任せない。
ネオ戦自の戦車を1両失い、他の戦車も攻撃を受けている。
先行しているランドマスター2号も京都大学前で、敵部隊の攻撃をうけ
前方への侵攻は難しい状況だ。
こちらは、2号からはおよそ100mほど離れている。
敵は、ゾンビと死霊の山なのだが、数は思ったより多くは無い。
トライデントや、他の部隊の侵攻もあり、敵の主力はそちらに向けられて
いると思われる。
戦況が膠着しているため、一時先行した2号隊を後退させる。
陣形は正方陣とし、2号を戦闘、一号を背後、両翼をネオ戦自の戦車で固める。
これにより、補給、および装備交換時にうける攻撃の防衛を固める。
だが、ゾンビや死霊は、ネオ戦自の施してくれた護法によりダメージを与える
ような攻撃はあまりない。
おそらく、危険なのは使徒化兵と司教だろう。
さらには、結界の存在も。
現在、陣形先端ではG3−XとG4、そして衛生兵少尉が戦闘をしている。
G3マイルドを装備した上等兵は、武器補給と装備交換を忙しく行っている。
衛生兵少尉個人日誌
雑魚ね。
いいかげん、真打が出てきなさい!
そこも!、たかがゾンビがわたしに触れるな!
なに?、副隊長。
え?、悪霊のでかいのが来るって?
はん、こいつか。
邪魔だ!、消え失せなさい!
G3−X、G4、下がって!
こいつで行くわ!
副隊長個人日誌
先鋒の3名は無事にゾンビや悪霊と戦っている。
現状では、問題ない。
少尉、前方より悪霊の塊が接近している。
かなり大きい、気をつけるんだ。
どうやったのか、悪霊の塊が霧散する。
ネオ戦自戦車隊からの通信により判明。
おそらくは少尉のもつ怒りや憎悪などが強い念となって
敵を粉砕しているのであろう、ということらしい。
殺されたノヴァへの愛情も強かったのだろう。
G3−XとG4を下がらせた模様。
巨大なライフルを構えると同時に連射。
結界とは違う赤い霧が発生、ゾンビ、悪霊が次々と倒れる。
ネオ戦自先頭記録
「車長、正方陣形だそうです。」
「了解と伝えろ、各車、正方陣形。」
「デコイ03、後方にてスタンバイ。」
「03、後方射撃体制にして作戦開始。各車護法の確認。」
「全車、オールグリーン。」
「作戦行動、広角射撃。」
砲撃、銃撃の後再度通信。
「こちら、護衛戦車隊隊長、ランドマスター2号、どうぞ。」
「衛生兵少尉殿の攻撃は、おそらく強烈な怒りと憎悪による念の力だと
思われます。
現状で問題はありませんが、悪霊に憑かれたら恐ろしい結果になると思います。」
「かもしれんが、大丈夫だと思う。トライラックスで殺されたノヴァというクローンの
娘に、姉妹みたいな愛情をもったみたいだからな。
まちがっても敵の手には落ちないと思う。」
「わかりました。
そこまで言うのであれば大丈夫だと思われます。」
護衛戦車隊隊長、無言で攻撃続行を指示。
接近する悪霊を目視、機銃での攻撃を考慮。
が、衛生兵少尉のスタンナックルの一撃で消滅を確認。
「たしかに、敵にはとらわれまいが。」
なお、少尉のことを心配している。
更なる武器をみて驚く。
「なんだ?、あの武器は?」
「レッドホットクレイジーソルト弾だとか言ってますが?」
隊長、驚くと同時にあきれる。
「たしかに、死霊なんかには塩は効果あるとはおもうが。
レッドホット?」
「唐辛子の類だとか?」
護衛隊長首をふりつつ指示に戻る。
127 ◆DhEzvRena6 :03/08/30 23:26 ID:???
ごぶさたしました、厚木基地最後の兵士担当です。
少尉の現在の衣装はゼイラム2のイリアみたいな格好で。
拳の部分には仮面ライダースピリッツの滝が使っているような
スタンナックルがあります。
他、ライフル、ソードなどを持ち歩いているんですが
他の武器は、G3マイルドの上等兵が逐次輸送、という感じで
これはG3-XもG4にも同じように運んでます。

ダブリス他様
現在は京都大学前に集まった状況です。
レナが戻ってくるまでここからあんまし動けない感じでしょうか。
両翼をネオ戦自の戦車で固めた正方形の陣形で、後方の戦車は
砲塔を180度反転させて攻撃しています。
戦闘が激化すると、隊長がギャバンにまたなりますが、今回
虚数空間への進入がもとで機能不全気味です。
128121:03/08/31 00:08 ID:???
時間ができたのでもう一度。連絡だけです。

>122
・・・読み返したらその通りでした >104
・・・・・・投擲した槍の残り(意味不明)を先行して量産機に化けさせて
デモンストレーションさせました、とか・・・駄目か・・・
・・・大変申し訳ありませんでした。心からお詫びします。
自分は書き直しは全然厭いません。ご要望があれば、つじつま合わせを試みます。
(何せ壱スレ目からそういうので生き延びてますからね自分)
決定をお待ちします。

*連絡というかご注意 >ALL
知らない方がいるかもしれないので。
全鯖で「連続投稿(書き込み)規制」が実施されることになりました。
同一のIPから書き込む場合、一回書き込んだら、次にまた書き込むまで
一定の時間をおかなければならない、というものです。
この「待ち時間」は鯖ごとに決まっていて、comic3鯖の場合は45秒となっています。
待ちきれずに書き込みボタン連打とかしてしまうと、自動的に規制状態となり、
一定時間(最低1時間)書き込みが一切不可能になってしまうそうです。
ネタを投稿する際は「最低45秒は間を空けて、のんびりと」ということのようです。
(・・・>117〜>121の書き込み時間が妙にタルいのはそのせいです)
詳しくは運用情報板、批判要望板へどうぞ。
皆様、くれぐれもお気をつけください。

もうひとつ。
今月初め、また鯖落ちしてたんですね(しかも復帰後のIE規制付きで)
だいぶ遅れましたが、その当時に尽力してくださった方々、ご苦労さまでした。
それからこっちも随分遅くなりましたが
 >厚木基地最後の兵士さん
  過去ログサイトの更新と現行スレへのリンク、ありがとうございました。

それでは。
>>107から)

突如黒い穴が広がるとその中から一条の光がほとばしった。
「こっ…………!!」
右手で隠れ蓑を剥ぎ取り、それをマタドールのように使って漆黒のエヴァは光を避ける。
ATフィールドに射線をそらされ、光は紅い天井にぶつかった。
半球状のドームが大きくたわみ、振動の波を接触点から同心円状に広げていく。
前方を見れば、穴が閉じるところだった。
「らみえるね。はっしゃするまえにいっしゅんだけみえたわ」
「こっそりと入って来たのに、綾波教には丸見えだったって事か。
 ざーんねん。結構自信あったのにな」
もう一回ここで隠れても意味は無い、バレたんだから。
「もう一回すぐに来ると思う?」
「きてもあたしがいればだいじょうぶよ」
こんな子供にとか思ったりするけど、実力はあるもんなぁ。
変身だってアクサの力を借りなきゃできないし。
ん?
気がついたら下から攻撃されている。
でもこのエヴァにとってはむずがゆい程度でしかないんだよっと!
着地して一回、360度回転足払い。
轟音と土煙と小さな人形が一緒に舞い上がった。
「これでよしっと」
静かになったこの隙に目指す先へと駆け出す。
「ねるふとかいうひとたちまきこんだんじゃない?」
「だいじょうぶ、ちゃんと確認済みだよ」
この二つの目の他に、もうひとつ『目』を持ってるからね。
それくらい確認はするさ。
向こうで飛んでる巨大ロボットかな、あれもネルフのだ。
結界崩しも順調に進んでるみたいだから、僕の自由は保障されている。
まずひとっ飛び、そして第二歩を繰り出して、さらに一歩。
空を飛ぶように駆けて……見えた>>126
前も後ろもふさがれて動けない、か。丁度いいや、お節介を焼くことに決ーめた。
後ろを守ってやれば何処に行くか解るし、何か重要な事を知ってるのかもしれない。
ずん、と小さなのを蹴散らして彼等の少し後方に着地する。
くるりと半身を翻してカッコ良くセリフを言い放つ。
「ここは任せて! 先に行くんだ!!」
なーんてね。こーゆーの一回はやってみたかったんだよねぇ。
く〜〜〜シビレル!!
………人がせっかくいい気持ちに浸ってるのに、その目は何?
「ださださね」
131130  ◆/s5ZynBY7E :03/08/31 22:17 ID:???
と言う事でダブリス続きです。
時間帯は>>110,119のあたりの絡みが>>126にないので、その前と言う事で。

>厚木の兵士さんキターーーーーーー!!!
ネタ待ってたんですよ。衛生少尉キレ具合に磨きがかかってますね。
後方はこちらのダブリスが援護しますので、これで少しは余裕ができるかと。
隊長としてはレナに助けてもらうより、レナを助けに行きたいでしょう?
とか私は思ってるんですが。

>黒メガネさん
書き直しはもったいないのでいいです。
というよりあの描写は書き手の都合と言う面も強いので(苦笑)


次こそはと意気込んで今夜はこれにて。
町奉行書きです。
連絡だけ>>116
上陸班の衣装は鎧の装甲の少ない感じのもの。
はかまなどではなく、忍者のような、というか、軽装鎧ですね。
武器は主に日本刀と弓矢や槍、ほかに一貫6匁筒とかをもっているなど。
昔の江戸の牙などで出てきた竹筒のバズーカなんかも在り。
破壊力はないですが、ダメージは人には出るという物。

といったところでしょうか。
ああ・・・なんでこんなことになってるんだか・・・
もう合計15時間くらい社のオペレーションデスクに詰めっぱなしです。
疲れたし、いい加減眠いけど、今はそんなこと言ってられる場合じゃなくて、
・・・っていうか夢ならさっさと醒めてください。頼むから。
ことの起こりは昨日の夜になる。
京都へ進軍するネオ戦自の最後のミサイル艦が出航し、赤木博士が『G』とともに去り、
そして、スズキさんが伍号機で出撃。ネルフと綾波教の決戦に関わるゴタゴタが
何とか一段落ついて、ウチの社がようやく通常業務に戻りかけていた頃。
俺も晴れて元の席に復帰した訳なんだけど、戻ったら戻ったで、
いきなりとんでもない事態が待っていた。
何かって? 電波ジャックですよ。それも超広域かつ超強力で、旧東京の全メディアが
強制的に乗っ取られちゃうくらいの。
確認したところじゃ、箱根や松代、名古屋なんかの復興都市、それに海外でも
同じ放送が流れまくってるらしい。ゲリラ放送、ましてや悪戯なんてレベルじゃない。
しかも、その内容が更にとんでもなかった。
京都のネルフVS綾波教の最終決戦の、完全生中継。
つまり、たぶん今皆が一番知りたがっている、まさにど真ん中の内容という訳だ。
それも、インパクト後の日本じゃ想像もできなかった、多チャンネル同時放映・
リアルタイム解説付きの超豪華編成。おまけに高度な技術をふんだんに使って、
本物の戦争を、長時間の視聴に耐える一大エンターテイメントに仕立て上げてる。
そんなのが、何の前触れもなしに始まったと思って頂きたい。
旧東京はこれでもかってくらいの大混乱に陥った。
放送を見ようと電機屋や街頭TVの前に詰めかける人、ウチの社に苦情言ってくる人、
ハイになって暴れだす人、にわか綾波教信者(アヤナミスト)になって説教始める人、
ネルフの応援始める人、農業プラントに避難しようとする人、何を勘違いしたんだか
JA1号機(シャア専用仕様)によじ登って記念写真撮ろうとする人。
なんていうか、街じゅうが悪い意味でお祭り騒ぎになってしまった。
取り返しのつかないことにならずに済んだのは、時田さんのお蔭だ。
放送が始まってすぐ、まだ回線がパニックにならないうちに、時田さんは
連絡のつく社員をありったけ呼び出して社で待機させ、都市機能の麻痺を防いだ。
次に、要塞都市の高橋氏とうまく連携を取って、暴動や大きな事故が起きないよう
旧東京全体に特別警備体制を敷き、それから放送網やネットの一部を解放して
積極的にこの『LIVE』を流し続けた。
それで正解だったんだと思う。無傷とは言えないけど、危ぶまれていたよりもずっと穏便に
事態は落ち着くところに落ち着いてくれた。少なくとも、以前のネルフVS綾波教の
芦ノ湖決戦の時みたいな大量の死傷者は出なかった。
もちろんその陰には、時田さんはじめウチの社の皆と、要塞都市に残ってた
ネオ戦自の人たちのものすごい奮闘がある。街中の小競り合いやケンカなら
警備AIBO(赤木博士+人事部長謹製・テロ鎮圧モード)で抑えられたけど、
大変だったのは、皆が疲れて注意がゆるんだ明け方ごろ、騒ぎに乗じて
街に入り込もうとやってきた、野盗団やはぐれ使徒もどきの群れだった。
夜明けの街外れを舞台に、要塞都市の治安維持部隊とド○シリーズが繰り広げた
攻防戦は壮観だった・・・ネオ戦自の守護神と、ド○シリーズのトンデモ道具で
次々と瞬殺される野盗の皆さん。ホント、赤木博士がいなくて良かったと思う。
で、少しは落ち着いたと思ったら、今度は朝になったとたん
ネルフが京都に向けて本格進撃開始。これまで以上に気合の入った番組が始まった。
今はなんか、艦隊どうしで砲撃戦みたいのをやってる。エヴァンゲリオンは出てるわ、
ネオ戦自の艦は撃ちまくるわ、湯本の飛行船も飛んでるし、別のチャンネルじゃ
『衝撃! 被弾艦内に潜入』とか銘打って、敵艦に侵入した町奉行の部下さんたちの
怪物相手の殺陣を生実況。
そんなわけで、せっかく静かになった街はまた盛り上がってしまってます。
ああ・・・またAIBO出動要請が・・・回線麻痺が・・・クレームFAXが・・・
ったくもう、ホストAIはもういないし、時田さんに手伝わせる訳にいかないし、
安川さんも、バカ社員も、新人君も戻ってないのに・・・
これが夢なら醒めてくれ。
誰か助けてください(泣
135134:03/09/03 19:06 ID:???
・・・・・・何が「明日」だ自分・・・
大変ご無沙汰、しかもあまり関係ないところですみません。
「LIVE」の外側というか、視聴者側です。

補足。
結界内部の情報は「ジオフロント経由」で外に伝えられているんですよね?
なので、結界内にいる「E」カメラ班の映像(結界崩しやAngelArmsの序盤戦闘等)が
本当に外に放映できているのかはちょっと不安だったので、敢えて書いてません。
逆に、結界外で行われている艦隊戦は確実にガンガン放映されているだろうということで。
結界が崩れれば、本当の意味で「LIVE」開始。書ける余裕があれば(あとネタがあれば)、
以降、こんなふうに視聴者サイドの反応も書いていくかもしれません。

連絡。
>町奉行さん
レス感謝です。頂いた情報、上手く活かせなくてすみません。
竹筒のバズーカ・・・んなもん実在したんですか(w 何かで読んだような記憶も。
ガンガン活躍してください。すげぇ期待して待ってます。
>厚木基地最後の兵士さん
おっ・・・お帰りなさいませ(感涙 そして少尉が・・・
差し支えなければ、少し足止めでも仕掛けようと思いますがどうでしょうか・・・?
ただしその前に主席のおもてなしが入るようなら、そちら優先で。
書き込み再開、ホントに嬉しいです。
>提唱者さん
書き直しはなし、了解しました。
ダブリス君登場、ということで、上記のランドマスター隊足止めと併せ
(ようやく)少しちょっかい出してみていいですか?
間に合えば明日(今度こそ明日)書き込みます。
それ以前に結界崩しが完了するようなら、量産機出して黒ノ咆哮行こうかと思ってます。
????他さんの書き込み・指示次第ではスルーで。

ヘボでしたがそれでは。
136135:03/09/04 12:33 ID:???
・・・誰もいないので様子見することにします・・・

>提唱者さん
>????他さん  他書き手の皆さん
dat落ちした地下スレにあった「黒」「光(一部)」を、別の即死スレ乗っ取って
再投下しました。時間があったら目を通してツッコミ入れてください。
特に提唱者さん、三ヶ月近く待たせてすみません・・・まだ全然完結してくれません。
バブルがどうのとかいうスレです。

それでは。
137 ◆/s5ZynBY7E :03/09/04 20:00 ID:???
とり急いで、と言う割には遅いのですが(苦笑)


>黒メガネさん
とりあえず待ってみたんですが、良く考えるとレスが必要ですよね。
スマソ。
返答です。どうぞ、ご遠慮なく。というか、これがなくては。じゃなくて、お願いします。
それと地下スレに再投下どもですっていうか、読み応え十分ですな。
文書は読み飛ばしてって……私はあそこに唸りましたよ。
時間がかかってるだけの事はあるかと。
隊長個人日誌
前方も後方も敵に囲まれている。
幸い、衛生兵少尉の攻撃が効果を上げているが、敵の数が増えていってはこちらの
戦力ではこころもとない。
レーダーやセンサーはあまり役に立たなくなってきている。
が、後方ではかなり大型の機動兵器がでてきたようで、これが加わったらこちらの
勝ち目はかなり少ない。
いや、無いと言っていいだろう。
これではレナ救出どころではない。
だが、チャンスというものは必ずあるものだということを実感する。
突如現れたそれは後方に群がっていたゾンビや死霊の群れを蹴散らした。
「ここは任せて! 先に行くんだ!!」という声はどこか子どもっぽい声だが
本心からこちらの援護をする気が伝わってくる。
すこし自己陶酔が感じられるがそれは気の所為か?
なにか、つっこまれているような気配があるが?
しかし、あれだけの援護は率直に感謝できる。
貴君の援護に感謝する、明日にでも顔をあわせて正式な礼をするつもりだ。
ここは、急いでいるため簡単な礼で失礼する。
それで通信をきるつもりだったが、ふと思いついて付け加えた。
そちらの都合がつけば、人工進化研究所で合おう。
妻とともに礼が言いたい。
返答を待たずに、いや、待っている時間は無いため即全速での移動を指示する。
G3-X、G4、衛生兵少尉にいったん陣形の中に戻るように言う。
各自、移動用のバイクはあるためそれを使用している。
まずは京都大学を盾にするコースを取って移動する。
遠距離からの攻撃の可能性もあるが、それも司教や聖母がでてきたら意味はないが。
衛生兵少尉個人日誌
なに、あいつは。
まあ、いいわ、これで雑魚を相手にする必要がなくなるから。
ふん、ゾンビくらならひき殺すほうが楽でいいわ。
あら?、聖母の使徒も出てきているの?
こっちは無視ってこと?
なめられたものね、まあいいわ。
あとで、そう、委員会とかってのの後に泣かせてやるわ。
ち、こんどは鬼の顔をした悪霊?
いいかげん、相手にならないわ!
140 ◆DhEzvRena6 :03/09/04 23:21 ID:???
厚木基地最後の兵士担当です。
ダブリスの援護をうけ、京都大学を盾にするようなコースで人工進化研究所へと
侵攻しました。
もっとも、司教や聖母にはなんの意味もないですが、一般兵や聖騎士とかなら大丈夫
かもしれない作戦です。
考えてみると、かなり特攻作戦ですね、これは。

黒メガネさん
こちらからもお願いします。
あれはかっこいいです、まっています。
141136:03/09/05 18:53 ID:???
少しだけ。

>提唱者さん、最後の兵士さん
了解。足止めというかちょっかい行きます。
今はちょっと時間ないのでもう少しだけお待ちください(平伏
早ければ・・・久々に日付変更前後でしょうか、投下します。
ホントにちょっかい出す程度です。????他さん来るまでの繋ぎってことで。
その前に結界が崩れれば、最初から量産機出して一気に黒に行っちゃいます。
毎度遅くて申し訳ないです、あとちょっとだけ、すみません。
>????他さん
好き勝手やってすみません。間に合わなかったら、自分のはスルーして
先に進んでしまってください。そっちを優先します。

では恐らく、後でまた。すみません。
昼なお京都の街並を閉ざす、深い悪意の霧。
その赤い薄闇を抜けて、僕の「光」は戦場を見渡す。
「そろそろ前哨戦は終わりか」
聖母が結界の基部に配した使徒のうち、四体は破れた。結界そのものが崩壊するのも
もう時間の問題だろう。まもなくネルフは最初の関門を突破する。
僕はざっと戦域を見渡し、不要な小競り合いに終始している場所を選んで、
目立たないように、騎士や一般兵、本戦に向けて温存しておくべき兵力を後退させ始めた。
屍者や死霊はそのまま残していく。彼らが充分な戦力として役に立つのは
あくまで結界が機能している間。あと少し、触媒である霧が消えるまでは、
やり場のない己の怨念に引きずられるまま暴れていればいい。どちらにしろ、
彼らを僕の権限でどうこうできるわけではないけれど。
”一時閉幕”の目処が立ったら、次はそう簡単にいかない分の対処を決めていく。
先に侵入していた「彼」の同朋や、さっきまで地下で騒ぎを起こしていた面々、
そして彼らの言う”人質奪還”のために進軍を続けるネルフ別働隊。
ネルフが結界を破る前に参加者全員に死なれては困るし、かといって
主役以外に先に大神殿にたどり着かれては笑い話にもならない。
なりふり構わぬ血戦になるのはまだ少し先。それまで、あとわずかだけ
彼らには待っていてもらわねばならない。
「第参は・・・忙しくなりそうだな」
量産されたエヴァも何体か侵入している。無視はできないけれど、ネルフが
”準備位置”につくまでは、これらも簡単に撃破するわけにはいかない。
あまりに大神殿に近づきすぎるようなら、第参の方で抑えてくれるだろう。
それ以外はこっちの仕事だ。
浅く息を吸い込んで、僕は目を閉じた。
京都中央の一角。
果敢に斬り込んでいく二人を先触れに、黒装の兵士の一群が京都御苑目指して駆ける。
かなり手際がいい。向かわせた騎士はあらかた倒れ、今は最後の一人が善戦していた。
先にここを止める必要がある。
僕はレリエルの助けを借りて、そこに彼らと同数の使徒もどきを送り込んだ。
彼らの前方、半円形に進路をふさぐ形で現れた使徒の出来損ないは、
出現と同時に光線を放った。一列に爆炎が上がり、建物が次々と崩落する。
一瞬の混乱にまぎれ、僕は最後の騎士を「光」の揺らぎで包んだ。
「! 司教様」
騎士はわずかに身体をこわばらせたが、すぐに僕の目を受け容れた。疲労はしているが
恐れはなく、戦闘意欲は衰えていない。まだやれる、と熱くなった意識が訴える。
後退させる必要はなかった。僕は彼の脳裏に使徒もどきたちのイメージを滑り込ませ、
簡単に指示を伝えた。
今送った分は、君の思考である程度自由に動かせる。それ自体に意思はないから
多少融通のきく自動兵器と見ればいいかな。上手く使いこなしてもう少し
そこを抑えておいてくれ。君が抜かれたら、大神殿まであまり距離がないからね。
「了解」
強く頷き、騎士はヒトを捨てた顔に戦意をみなぎらせて立ち上がった。
彼と同調した使徒もどきたちが、そのすぐ傍らに、或いは距離をおいて布陣する。
黒の兵士たちはすぐに態勢を整えた。その目の前に屍者の一団を転送し、今度は直接呼びかける。
【使徒もどきだけじゃ、君たちを止めるには足りないだろうね。
 だからもう少し”敵”を増やしておくよ】
あからさまな「光」の気配に、リーダーらしき女性は動じることなく笑みを浮かべた。
「いくら数を増やそうが、ただの死人兵では一分も稼げんぞ」
【そうだね。でも、彼らが”君たちのように”思考するとしたら?】
「何が言いたい」
【僕にも観察する機会はあったってことさ。不完全だけど、自律機能する擬似意識を
 植え込んである。彼らは君たちと同じように判断し、予測し、動くよ。
 大阪でのようにとはいかないけど、たまには”味方”と戦うのもいいだろう?】
彼らの反応を待たず、僕は屍者たちの攻撃衝動を解き放った。
そして、僕は目を開いた。
離れた戦域から意識の焦点を引き抜いて立ち上がる。
正面、赤い霧にかすむ街並の一部が突然吹き飛んだ。爆風に押されて霧が激しく渦巻き、
散発的な砲撃に続いて、舞い上がる土煙の中から数台の特殊車両が姿を見せた。
こちらの姿を視認したのか、行軍が止まる。
その背後には見覚えのあるエヴァが立ちはだかっている。僕は少しの間それを見つめ、
それから部隊に視線を戻した。
「直接では初めまして、かな。
僕は九大司教第弐位を預かる者。君たちの活躍はよく知っているよ」
僕は西の空を一瞥した。大学の先、鴨川を挟んだ2kmほど向こうにはラミエルがいる。
「・・・京都大学を盾に進むつもりか。戦力的には正しい判断だと言えるよ」
声は届いている筈だ。だが反応はなかった。
僕は続けた。
「君たちがここに来た理由は理解しているつもりだ。僕らがしたことが、
 彼女たちを含めた全員にとって、どういう意味を持つのかもね。
 でも、この先へ通す訳にはいかない」
できるだけ真摯に聞こえるように、精一杯声を張り上げる。
彼らはどう聞いているのだろう?
僕は本当に彼らを通したくなかった。この先には彼、いや彼女がいる。
彼女は自分を満たすものは何かと僕に問うた。僕は答えなかった。
僕に答えられる問いではなかったからだ。だがそれがなんであれ、少なくとも
更なる戦いの中で見出せるものではない筈だ。彼女は、他の誰に劣らぬ過酷な戦いを
もう一人の自分とともに潜り抜けてきた。生命も心も削りながら。
僕には見つけられないだろう答えを、彼女なら手に入れることができる。そう願う。
だから、僕はもうしばらくの間だけ、彼女を戦いに引き戻したくない。
「これ以上の進軍を望むのなら、僕は君たちを排除する」
灼けつくように冷たい、地に引き込まれそうに重い悪意の靄が全身に絡みつくに任せながら、
僕はあくまで無表情にそう言いきった。
赤い霧を裂いて響き渡ったのは、女性の声だった。
『ふざけるんじゃないわ。レナを奪ったのがどういうことか、
 ノヴァを見殺しにしたのがどういうことか、あんたわかるって言うの。
 そんな言葉じゃわたしたちは止まらない。黙ってそこをどきなさい』
強い声だった。純粋な怒りの思念が、実際の声を軽く凌駕して脳裏を貫いた。
表情を変えないように努めたが、たぶん失敗した。
「・・・ただで帰ってくれるとは思っていないよ。あと少しだけ、
 そう、京都大学の中までは通そう。
 敷地に入ってそのまま1kmも進めば君たちの目的地にたどり着く。でも断言してもいい、
 君たちはそこを見ることもなく、必ず引き返すよ」
『いったいどんな大層な罠を用意してるっていうのよ。見てなさい、
 どんなものが待っていようと、必ずぶち抜いてレナのところまで行ってやるから』
僕は静かに目を伏せた。
「・・・僕は司教第弐次席。与えられた使徒能力は、第十五使徒アラエルのもの。
 僕はヒトの心を読み、見せたいものを見せることができる。
 ここから先へ進むのなら、僕は僕の力を使う。君たち全員にね」
女性はほんのわずかな隙も見せない。
『何を見せるっていうわけ』
「君たち一人一人が、最も恐ろしいと思っているものを。
 無意識の底に押し込んで忘れているもの、逃げているもの。或いはただ漠然と恐れているもの。
 本当に、今自分で思っている自分が自分だと言えるかい?
 本人すら知らなくても、見えるんだよ。僕にはね」
赤い霧が行く手をふさぐように緩やかな渦を作る。僕は返答を待った。
わかっていたようなものだったけれど。
やがて答えた声は、先程の女性のものではなく、深みのある男性のものだった。
『それでも我々は進む。何があっても、だ』
僕は首を垂れ、少し笑った。その思念は誰のものよりも強く温かかった。
これじゃ誰も止めたりなんかできない。
うなだれた僕の白いローブに、赤い霧が重くまつわった。
そのとき、そのまま途絶えたと思っていた声が、ふいにまた響いた。
『ひとつ訊きたい。聖母がレイたちをさらったのは何故だ』
僕は頭をもたげ、再び車両を見つめた。
「そんなことを聞いていいのかい? 君の迷いになるかもしれないことだろう」
言ってから、無駄だったと思い直した。僕はちょっと口をつぐみ、そのまま続けた。
「僕も本当のことは知らないよ。彼女の本当の心を知るのは主席だけ、
 そして主席の本当の意思を知るのも、我らが聖母様だけ。そう決まっているんだ。
 僕に言えるのは、恐らく彼女が『綾波レイ』だからだろうということ、それだけだよ」
声は少し考えに沈んでから、言った。
『彼女は、本当に綾波レイなんだな?』
僕はほんの少し顔をしかめた。知らずにきついことを訊く。
「・・・それに答える権限は僕にはないよ。
 さあ、望み通り進むんだ。本当に後悔しないならね」
少し長い沈黙があった。
やがて、車両の列は再び力強い駆動音とともに前進を始めた。
僕は彼らから視線を外し、背後の黒いエヴァを見上げた。
「やあ。久しぶり」
漆黒のエヴァは姿を隠そうともせずにそこにいた。霧に流れ、翻る紅いATフィールドの帯が
以前とは違う存在を見せて揺らめく。僕は目を細めた。
「・・・契約か。強くなったね。もう思考もほとんど読めない」
黒いエヴァは苛立たしげに身じろぎした。
『・・・何、ジジイ臭いこと言ってんの』
彼の声には明らかに失望があった。無理もないけど。僕はやれやれと笑った。
「君は彼らの後衛を買って出たんだったね?
 それじゃ、彼らの用件が済むまで僕が相手をするよ」
全身に軽く力を込め、抜く。「光」の震えが空間を走り抜ける。
僕はエヴァを直視した。今度は本気で。
エヴァの気配が変わるのがわかった。僕は量産機と同じ笑みを浮かべ、口を開いた。
「さあ、何をして遊ぼうか?」
147146:03/09/06 01:54 ID:???
すいません随分と遅れました。
なんか、思ったより伸びる伸びる。しかも第弐だけカッコツケ。
各担当さん・・・・・・・・・・・・すんませんでした(割腹

連絡。
ランドマスター隊現在地は聖護院の辺り、で人口進化研究所は京都大理学部地下、
として距離等書いてみました。マズかったらツッコミよろしくです。
>厚木基地最後の兵士さん
 ・・・・・・>138の隊長カコイイ。
 そういう訳で、京都大学内へ進攻です。
 中に入ってしばらくすると第弐のトラップ(?)が発動し、全員が意識せずに
 一種の仮想空間に取り込まれてしまいます。精神世界、でもいいです(古
 これでランドマスター隊隊員一人一人にスポットが当たる話が出ればいいなと。
 見えてくるものは一人一人それぞれです。
 とりあえず、第弐を突破しても、レイたちの部屋の前にはZOがいます。
 あと進攻前に何か第弐に話しかけたいことがあれば、傍らを通過しながらでもどうぞ。
 なんか支離滅裂ですが、よろしくお願いします。
>提唱者さん
 ・・・・・・丸投げ。すみません。
 第弐はとにかくダブリス君に喧嘩売ってます。話す、バトル、或いは
 頭を使った「光」対決、演算砲撃戦、なんでもOKです。振って頂ければ絡みますし、
 自分の方でもひとつふたつ考えてますので、なければないで。
 とりあえず量産機は相当追いつめないと(状況的に)出てきません。
 それから>143は唐突ながらチームFにちょっかい出しました。>69ラストの爆発、から
 強引に介入。これで全部突破したところで、大神殿地下から出てきた
 エヴァ・フェット一行と鉢合わせ、とすると、結界崩壊まで充分時間稼げるんじゃないかと。
 長い間待たせてごめん。何が来ても全力で相手させて頂きます。書いたもん勝ち。

次夜は都合によりたぶん来られません。
それでは。
148146:03/09/06 02:00 ID:???
・・・っと、あああああああ!!
重大なミス発覚。すみません追伸です。

提案者氏の動き(>103-104)入れるの忘れました。

すみません。これで時間軸合わせようと思ってたのに・・・
続き書いてくださる方、申し訳ないですがその辺お含み置きください。
逝ってきます
「だれ?」
アクサがくりくりとした丸い目を細めて僕に問いかけた。
声色に警戒色が混じってる。
「………僕の目標。前に戦った時は手も足も出なかった」
あれは、戦ったなんて言えないのかもしれない。
僕は前よりも強くなっているけど、不安は拭えない。
「あそぼう(>>146)って、ほんきであそぶんじゃないわよね?」
「ここがどこだか解ってるよね?」
アクサも言われなくても解ってるだろう。ここは戦場と言う名の賭場だ。
賭けられているのは自分の命、配当は神様だけが知ってる。
「そっちで決められないなら僕が決めようか?」
司教の声が響いた。
エヴァに比べて小さな司教との体格差を考えると、
このままよりは直接自分で叩いた方がいい気がする。
でも、それじゃパワーが足りないから………
「アクサ、ここでいい子にしててね。
 一応「僕」を置いていくけど、無理に動いちゃダメだよ」
僕はすっと二人に分かれて、ゲートを使って外に出る。
これなら対応できるはずだ。
「そうか。君ならそんな方法もありか。
 で、何をするかは決めたようだね」
司教は薄っぺらい言葉を僕にぶつけてくる。
その場を取り次ぐためだけの、中身なんて何も無い言葉なのに、
衝撃波のように感じて足がすくみそうになる。ハイになってた気分が嘘のように冷めていく。
これじゃダメだ、ダメになる。
パァァン
自分の頬を思いっきり張って気合を入れなおす。
何のために出てきたのか解らないじゃないか。
越える。越えてその先へ僕は行く。
「――――変身ッッ!!!」
自分のエヴァをそのまま縮小コピーしたような姿に僕は変わる。
同時に力があふれ出して、下がっていたテンションを一気に跳ね上げる。
「行くぞ!!」
胸の前で両腕をクロスさせ、拳を指の間に苦無を挟んだ状態に変化させた。
準備万端を見て、司教が両手を体の真横から少し大きく広げる。
「どこからでもどうぞ」
笑って見せたその顔を本気の顔にさせてやる。
アンダースローでまず左、そして右をオーバースローで放つ。
合計8つの苦無が司教に襲い掛かる。
ギリギリまで刃が迫っても司教の笑顔は崩れない。
ここだ!
司教が動いた瞬間に合わせ、ゲートを使って新たな刃を背後から送り込む。
そして、司教が舞った。
そう言っていいほど動きに不自然さがなく、滑らかだった。
最初の4つを右の少し緩めの袖に巻きつけるように避け、
残りを軽く空を蹴って体を水平にすることで避ける。
体をそのまま回転させながら背後に迫る4撃を、当たるものだけ左の袖で払い飛ばす。
これはまだほんの手始めだ。
防がれて当たり前何だと自分に言い聞かせる。
「面白い技だね。他にもあるんだろう?」
袖に刺さった苦無を振り落としながら、実に余裕ぶった問いかけをしてきた。
ムカつくけど、前と何かが違う気がする。こんなに挑発的だったかな?
「今度はこっちから行こうか?」
司教が構えるよりも早く、巨大な衝撃が結界に響き渡った(>>103,104,110,119,120)
突然頭を押さえつけられたような感じだ。
「……彼が来たようだね」
司教が上を見上げた。
空の紅が見る見るうちに青へと戻っていく。でもただ一点、紅いのが残ってた。
綾波教の量産機かな?…………違う。
本質的に、何かもっと違うモノだ。頭の中でアラームが鳴ってる。
「なに………あれ…………」
アクサがエヴァの中の僕の腕を強く掴んだ。必要以上に怯えてる。
僕を見ることなく、司教が上から遠くに目線を動かした。
司教から目を離さずに見た方に意識を向けたら、なんとなく違和感を感じた。
この感覚、知ってる気がする。
「結界もまたひとつ崩されたようだね(>>110
 いよいよ本番かな」
その前にする事があると言ってるような感じだった。
「………」
司教が余所見をしてる間に隠れ蓑で姿を隠した。
エヴァに使っていたものとは質が違う、この姿じゃないとコレは使えない。
一気に間合いを詰めて、一撃で仕留める!
人型ならそれでいけるはず。
両手を変化させ、鉤爪付きの手甲で覆う。
まだ横を見たままの司教に、僕は姿を隠したまま全力で斬りかかった。
152151  ◆/s5ZynBY7E :03/09/06 21:41 ID:???
ということで。時間軸の整理も行いました。
>>103,104では槍を投擲しているのですが、そのシーンは>>122にて無効化されていますのでご了承ください。
これで何とか、強引にですが自分の分は(結界内に限り)時間軸を合わせられたかと。
『E』計画提案者は少しだけ様子見します(ぶち壊して入ろうとすれば入れそうなんですけどね)

>黒メガネさん
こんな感じで、絡めるような終わり方をしております(笑)
第弐次席の回避には下地として地下スレのネタを使わせていただきました。
Fの方は今しばらく………
ああ、トライラックスさんのエヴァフェットとラミエル兵の絡みも早く書かないと。


てな感じで、今夜はここまで。
153町奉行:03/09/06 22:50 ID:???
ようし、敵旗艦に集中砲火を浴びせろ。
おそらく攻撃は無効化されるはずだから、通常魚雷と通常砲弾。
両舷の機銃座、敵の攻撃で落とせるものは落とせ!
後部主砲、上陸班が乗り込んでいない船は徹底的にたたけ!
どうした機関室?
おお、そうか、わかった。
前方の虚数空間バリアの出力をもう少しあげていいぞ!
どうやら主機関の余剰電力を回せるようにしたらしい。
まあ、ウフーラの疑問ももっともだが起動している装甲機構が衝撃を
電力に代えているそうだ。
それを機関部にまわしているんだが、どうも敵の火力はこちらをはるかに
うわまわっているからなあ。
ちっと、やばかったんだが、もう大丈夫だそうだ。
いっしょに来てくれたチャーリーが妙案を思いついたようだぜ。

ようし、虚数空間バリアが持っている間にやれるだけやっておけ。
艦体上部機銃座、ひまだったらあの赤い障壁にも撃ちこんでいいぞ!
いまなら、俺達の武装でも少しはいけそうだしな!
それと艦内各部署に通達!
箱根に帰るときはネルフの船に乗せてもらうぜ!
このエンタープライズを守ろうなんて考えるな!
存分に戦え!
154町奉行:03/09/06 22:50 ID:???
うした宇尾賦。
一貫6匁筒は不満なのか?
ああ、敵はネルフに集中しすぎているってことか。
おそらく、やつらは鎖で操られている間は単一思考に近いんだろ。
それで俺達の優先順位が低いってことだ。
別に俺達を危険だと思ってないわけじゃあないんだろうが、鎖の主が
直接指示を出していない分、判断が画一的になってしまっているんだろう。
だから、俺達が危険だ、と思わせればいい。
いくぞ、好きなだけ敵を倒せ!

おう、貴様の格好からすると警備兵ってやつだな。
内部に侵入した敵を相手にできないとは哀れだ!
貴様らの工業製品とやらに比べれば原始的かもしれんが、この刀とて
名工の手になる逸品、貴様らの装甲や鎖も俺の気合とあいまって切れる!
いや、斬る!
155町奉行:03/09/06 22:51 ID:???
 艦橋へと向かう上陸班一向は一陣の風のように走り抜けながら敵の
要員を斬り、ときには砕き本陣たる環境へと向かう!
だが、敵とていつまでも容赦しているわけではない。
やがて対抗すべく迎撃の部隊を編成しはじめた。
だが、雷火はこれに対応すべく新たな指示をだした。
曰く「敵の行動は機械的だ。同じ戦法を連続するな!」
この指示により、上陸班は思い思い、任意の行動をとり攻撃を加えた。
急激な変更にはいまだ弱点をもつ迎撃班は、上陸班の侵攻を進めることは
なかったが、逆に撃退することもできず、戦線は徐々に艦橋へとちかづきつつあった。
町奉行書きです。
雷火たちは現在一進一退という感じです。
刀は、気合でなんとかATフィールドを切れる人がいるかもしれない
ということでご容赦ください。
エンタープライズの援護攻撃などで、警備班が手薄という感じです。
奉行もまだ虚数弾頭魚雷を温存していますので、艦橋制圧が不可能な場合
上陸班を撤退させ、艦橋への空爆を可能にさせます。
157トライデント兵士1:03/09/09 11:39 ID:???
死人の群れの中、不気味な姿と化した閻魔が剣を構える。中華風の
直刀だ。すると、参号機が空間から取り出した篭手のような物を両
手に装着する。右手の方は先端が尖らせてある。
閻魔が剣を振りかぶり、参号機へと斬りかかる。参号機は左手の篭
手で剣の攻撃を受け流し、右手の篭手や蹴りで閻魔を攻撃する。さ
すがにその攻防の様子は、俺達とはレベルが違う。
そんな俺達も、悠長に観戦はしてられない。なにしろ、不気味なゾ
ンビやら亡霊やらが次々と襲って来るのだ。銃器を持った連中は
通常の兵士の能力に加え、物理的に動けなくなるまで攻撃して
くるし、鎧武者達は下手すりゃ改造騎士以上に手強い。大阪では
エヴァが複数いたんで、この手の連中にも楽勝だったんだが、こ
こではそのエヴァは他に手を取られている。
そんな中、異変は起こった。突然周囲を衝撃が襲ったのだ。参号機
や閻魔像でさえ動きを止める。
「総員、現状を維持! 隊形を乱すな! 落ち着け!」
司令所からの声が届く。その時、皆がおかしな事に気付いた。空
が晴れていくのだ。なんだ!? まだ結界は……!?
その油断が命取りになった。これで出来た隙に、いつの間にか
怨霊の一体が俺に迫ってきていたのだ。しまった! 俺の武器じゃ
こいつは……。だが、次の瞬間、その怨霊は倒されていた。参号
機がプログナイフを抜いて投擲し、フォローしてくれたのだ。
だが、閻魔はそれを見逃さない。一瞬体勢の崩れた参号機の体
を、閻魔の剣が貫いた。
158トライデント兵士1:03/09/09 11:40 ID:???
閻魔は、そのまま参号機の体を振り上げる。次の瞬間、閻魔の目の前
の地面が盛り上がる。そして、そこから太く鋭い針が無数に出現し、
山のような形を作った。閻魔はそこに容赦無く参号機を叩きつける。参
号機の体を無数の針が貫き、周囲に血を撒き散らす。くっ! 俺が油断
したせいで!!
「ぬがぁっ!?」
参号機から苦悶の声が上がる。閻魔はそこに更に痛撃を加えようとす
るが、参号機は背中から羽根を出現させて浮き上がり、針の山から脱
出した。そして、参号機の前方、閻魔の背後では、怨霊の這い出す穴
の勢いが強まっている。その勢いに、俺達は押されはじめ、後退を余
儀なくされる。参号機も、体勢を立て直すために一時的に後退しているようだ。
だが、怨霊の多くは、外へと向かっている。なんだ!? そう思って
いると、発令所からの通信が入る。どうやら、奴等は、外の壁を再生
させに行くつもりのようだ。そして、その隙を狙って突入するという指示が出る。
残りはここだけか。一気にキメなくちゃな。
159トライデント兵士1:03/09/09 11:42 ID:???
二機のトライデントが寺院の左右に展開し、俺達は再突入の体勢に入る。
だが、そんな俺達の前に閻魔とゾンビ共が迫る。俺達が身構えると、
閻魔の目が光、光線が俺達の足元へと照射された。
次の瞬間、俺達のの体が地面に沈みこむ。見れば、地面が赤い液状
になっている。成分を分析してみると……血液!? 血の池地獄とは
悪趣味な……。そんな折り、一瞬足を取られた参号機に閻魔が肉薄
する。しかも、手に巨大なヤットコを持ち、体がいきなり沈んだ驚き
で口を開けた参号機の口に突っこみ、舌を引っぱりだした。
そして、脱出しようともがく俺達の所にもゾンビ達が迫る。これまでか!?
しかし、その時、急に光がさし、ゾンビ達が倒れはじめる。見ると、
それに触れた怨霊が次々と穴に戻っていく。何事かと光のさす方角を
見ると、そこには輝く玉をかざした四号機がいた。そして、次の瞬間、
四号機は本殿内へと玉を投擲した。玉が空けた穴を見ると、四号機の
空けた玉は、本殿の中にある玉にぶつかり、空中で停止している。
すると、本殿からの怨霊の流出がピタリと止まったのだ。四号機の声が響く。
「今だ!! そこから玉を動かすんだ!!」
160トライデント兵士1:03/09/09 11:44 ID:???
次の瞬間、本殿内に突然現れる一団がいた。加持さん達だ。加持さんが
玉を動かし、本殿の外に持ちだすと、ゾンビ達は次々と倒れ、怨霊達
の姿も消えていく。
そして、同時に参号機もアクションを起こしていた。参号機は右手の
篭手を至近距離から閻魔に向けて突き出す。すると、篭手の先端が二つ
に割れ、そこから大量の炎が噴出した。その炎は、閻魔を吹き飛ばし、
進路上のゾンビを焼き尽くす。この際に舌が千切れたが、参号機はかまわ
ずに羽根を展開させ、パワーを開放する。参号機が腰だめに両手を広げ
ると、地面にセフィロートの紋章が出現する。同時に、参号機の首や腕、
足、胸等に金色の金具が出現し、紋章が消えると同時に参号機は地面に
火花を散らしながら走りだす。そして、回転しながら上空へとジャンプ
し、逆さひねりを加えながら、上空で飛び蹴りの体勢になる。そこから、
閻魔に向けて数個の紋章が空中に浮かんで出現し、参号機の飛び蹴りは
それらの紋章を貫きながら閻魔に向かう。その勢いは、紋章を貫く度に
上昇していくようだ。そして、閻魔の胸に炸裂した飛び蹴りは、更に
閻魔を吹き飛ばした。そして、閻魔に背を向け、腰溜めに構えて着地
した参号機の背後で閻魔は立ち上がるが、その直後に閻魔の胴体に
紋章が浮かび上がり、閻魔は苦しみはじめる。そして、閻魔の頭上に
白い穴が浮かび上がり、参号機が腰を落とすと、参号機の背後で閻魔
は爆発炎上し、その全ての破片と爆炎は頭上の穴へと吸い込まれ、消失した。
それを見届けた四号機は、
「加持さん」
と、話しかける。すると、加持さんはうなずき、二つの玉を放る。そして、
二つの玉に四号機の投擲したプラグナイフが突き刺さり、消失した。
この直後に、京都全域の怨霊達の反応が消失し、結界が破れた事を俺達は知った。
????他です。しばらくぶりの書き込みですが、ちょっと今時間が無くなっ
たので、他の所はまた後ほど。

作中の玉は、生玉の力で死返玉の力を相殺したという感じです。
また、結界はこれで消えました。ちなみに参号機の舌はこの直後に再生してます(w
トウジのセリフをもっと入れればよかった……。
162146:03/09/09 23:51 ID:???
こんばんは。誰か・・・いませんよね。
っていうか????他さん降臨キタ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
久々の(ほんと何スレぶりだろう)参号機解放キタ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
もんのすごく待ってました。

だいぶ遅れましたが
>提唱者さん
続きです。一応結界消滅まで時間は進めてます。
なんと言うべきか・・・態度デカくてすみません。キャラも書き手も(平伏
ていうか一体何してるんでしょうね第弐。
圧倒されると見せて逆転、ていうのが王道だと思うので、この後は
もう存分にダブリス君活躍させちゃってください。
それから時間軸合わせ、きちんとやって頂いてありがとうございました。
それでは長いですが、どうぞ。

投下しつつ、それでは。
晴れ上がった炎天の下、僕は静かな戦慄を覚えていた。
遙か向こうで銀色のエヴァが動く。空間がかすかに軋り、その傍らに
鋼とクロームに輝くバイクが出現する。四号機は機敏な動作でそれに飛び乗ると、
一気に加速し、見る影もなく倒壊した蓮華王院を後にした。影濃い街並に
白銀の残像が軌跡のように浮かび、消える。
オリジナル。
僕には越えられない境界を、水の上でも歩くように、いとも簡単に往来するシト。
それでいて、自分の力が干渉すべき範囲と、たとえ可能でもそうすべきでない領域を
厳格に線引きし、自分で決めたそのラインを決して侵そうとしない。
自由意志。その可能性と重さ。
だから、彼は還って来たのだろう。
彼方の街から視線を戻す前に、目の前から黒いエヴァが消えた。
「光」はたった今まで彼がいた空間を何の障害もなく透過する。向き直ったときには
既に懐深く踏み込まれていた。研ぎ澄まされた見えない一撃が胸部を狙い、唸りをあげ、
そして、空を切った。
「! …なんで」
陽炎のように漆黒の影が宙に揺らぎ、また跡形もなく消失した。
僕は刃風に乱れた聖掛帯の位置を直し、綾波教のマークが縫い取られたそれを
つまみあげてみせた。と、胸の辺りから鋭角に切り取られた痕を残して、ぱらりと先端が落ちた。
日ざかりの地面に落ちた切れ端は白く風に揺れた。
「攻撃は正確だったよ。あと一歩踏み込まれていたら、僕は倒れていただろうね」
彼は姿を消したままだ。気配や殺気すら完全に隠し、「光」の細かな揺らめきにも
全く反応しない。ATフィールドなのか他の力なのか、見事なものだった。
どこに顔を向けたらいいのかわからないので、僕は仕方なく彼のエヴァを見上げた。
「光学的にロスト、あらゆる粒子細動・電磁波からもフリー、呼気エミッションも
 体熱赤外放射も完全にゼロ。心音や血流も全く聞こえない。もちろん『光』からも自由だよ、
 今の君はね」
じゃあなんで、とでも言いたいのだろう、殺気混じりのごくかすかな憤りが
真夏の風に紛れて顔をかすめた。
当然彼は環境状態も計算に入れている。普通なら、その程度の思考波があれば
僕は相手の場所はおろか、その全ステータスも表層思念も、場合によっては
無意識に何を考えているかまで掴めるのに、彼は全く居場所を気取らせなかった。
「何故当たらないか知りたいかい?」
わざと笑みを浮かべ、両腕から力を抜く。
「教えてあげるよ。 …さあ、もう一度おいで」
その言葉が終わらないうちに第二撃が襲った。
集中した意識の中で極限まで引き延ばされた0.1秒。全方位に広げた感覚の一角に、
触れるか触れないかの精度で、それが接触する。皮膚がかすかに引きつる。
さっきと同じく、僕は動いた。ほんの少しだけ。
今度は彼にもはっきりわかった筈だ。僕は、彼の攻撃してくるその正反対の方向に、
大きく一歩退がっただけだったのだ。
一拍遅れて、再び彼の手が大気を切り裂いた。さっきよりも練られ、鋭い。それだけは
オリジナルと同じ、銀色に透ける髪の毛が数本、強い日差しに舞った。
「もうわかっただろう?」
路面から立ち昇る陽炎の向こうに、黒いエヴァが姿を現した。僕は軽く微笑んだ。
「君も僕も所詮大気中で動く物体には違いないからね。
 攻撃の瞬間、どうしても空気の揺れが生じる。それを感知できれば、大体の
 攻撃方向くらいはわかる。避ける”だけ”なら僕でもできるってことなのさ」
隙を窺っているのか、何か仕掛けているのか、漆黒のエヴァは微動だにしない。
僕は視線を外し、ゆっくりと歩きながら、先程彼が投げたクナイをひとつひとつ
拾い集めていった。
「でも君は凄いよ。攻撃する直前、ぎりぎりの瞬間までその微細気流すら無効化し、
 最後の瞬間まで僕に反撃のタイミングを与えなかった。もう少し経験を積めば、
 すぐにどんな攻撃も確実にヒットさせられるようになる」
「…どういうつもりか知らないけどさ、これってひょっとして舐められてる?」
黒いエヴァは半透明の紅い流旗をそよがせながら、さりげなく姿勢を変える。
無形の型。いつでも自在に攻撃に転じられるよう、張りつめていながら
これ以上ないほど力みのない、極限まで無駄を省いた自然な体勢。
僕はちらりと彼を見やり、またひとつクナイを拾い上げた。
「君を評してるだけさ。 …もっとも、僕が今喋ってるようなことは、全部
 第四に聞いたことの受け売りに過ぎないけどね」
「第四?」
「司教の一人だよ。能力はイスラフェル。近接戦闘のスペシャリスト、だった」
彼はじれったそうに首を振る。以前のように溢れる力を持て余しているようなところは消え、
動きのひとつひとつに細心の心配りと着実な重みがある。僕は少し目を細め、
それから集めたクナイを手に、彼に向き直った。
かすかな苛立ちが意識の表面をよぎった。
「聞いたことがある筈だよ。君たちの研究所に調子に乗って攻め込んだ挙句、
 実戦導入された『リアルウロボロス』に見事に引っ掛かって死んだ司教がいるってね」
刃の縁を撫でる。切っ先が陽光を集め、きらりと光った。
僕はまっすぐに彼を見据えた。
「そういう意味では、僕は君たちに遺恨があるってことになるね」
黒いエヴァは、少なくとも表面上は、毛ほども動じなかった。ATフィールドの紅を翻し、
四つ目の仮面は無表情のまま僕を見ている。
また、意識の奥底がざわりと動いた。不快感? 違う、理解できないだけだ。
「さっきも言ったけど、今の君はまだ攻撃ポイントを完全に隠せていない。
 君の力の使い方が拙いんじゃない、エヴァの力を引き出せてない訳でもない。単に
 慣れと実戦経験が不足してるってだけさ。
 でも、君さえその気になれば、いくらでも解決法はあるんだ。一番手っ取り早いのが、
 他の武器や技を使って、相手に攻撃の瞬間を見切らせないこと」
僕は十二本のクナイを鋼の扇のように広げてみせた。
「これも第四の受け売りだけど、やってみようか」
言い放つと同時にエヴァは迎撃態勢に入る。僕は聖衣の白い裾を払い、地を蹴った。
走り抜けながら、最初の五本を相手の動きを途中で阻害する位置に投じる。全てを
身体に届く前にさばき、なおかつ勢いを殺さず体勢を立て直すのは当然。それすら
できなければ最初から話にならない。
「相手の動きを限定し」
わずかに注意が分散するのを見逃さず、次の六本を先よりも速く、複数方向から放つ。
「攻撃方向を誤認させ」
エヴァが全周のクナイを払い落とすと同時に、その正面に飛び降りる。この程度の
擬装では目くらましにもならない。彼は即座に立ち直り、瞬間的に
鉤爪を揃えた手甲が目の前に迫った。間合いが近すぎる。僕は構わず突っ込んだ。
機を得た黒いエヴァはふっと腰を落とし、立ち上がりざまの勢いを乗せた一撃が
純白のローブを完璧なタイミングで薙いだ。
が、薙ぎ払われたのはローブだけだった。切り裂かれた長衣が目に痛いほど白く鮮やかに翻り、
一瞬だけ、黒いエヴァは相手を喪失する。
その背後から腕が回され、最後のクナイがエヴァの眼前にぴたりと突き出された。
静寂が辺りに降った。
僕はまだ立ちすくんでいる彼をそのままに、刃を引いて地面に放った。埃にまみれた
ローブを拾い上げ、肩にまとう。
「…そして、攻撃タイミングを外して反撃を封じる。
 最後のは君の方がよく知ってるんじゃないかな。第四なら、自分の分身を使って
 もっと上手くやるんだけど」
ごそごそとローブを直す僕を、彼はゆっくりと振り向いて見つめた。
「ていうか、反則じゃん。アンタってさ」
拳が握りこまれる。軽い口調とは裏腹に、今彼の頭の中ではすさまじい速度で
何十通りもの対処法が創出され、吟味され、新たに書き直されているのだろう。
幾らでも伸びていける。そういう段階にいるのだ。
ふいにあの苛立ちが表面化し、僕は貼り付けた笑みの向こうから彼を睨んだ。
細身の長身に密着した影の漆黒を身にまとい、四つ目のエヴァは手足の先まで
細心の気遣いを怠ることなく、ゆったりと構え直す。紅い帯がその周囲に揺らめいて
全身に満ち満ちた力のすさまじさを伝える。視線の重圧。以前に倍する、いやそれ以上の。
僕はふっと笑い、地に落ちた自分の影を見つめた。
一瞬、視界が白熱するほどの憤りが意識を駆け抜けた。
何故僕を見る?
何故、僕を見ようとする? 僕は成長せず、学習せず、これ以上強くもならない。
そんな僕を、何故そんなふうに見つめる?
「反則とはひどいな。僕は僕なりに危機感を持っているだけさ。弱者としてね」
通過点として見なすならともかく、目標や指標とするのはお門違いだ。
僕は、ここから先へは絶対に行けないのに。
「能力者の力の差は絶対的だ。それを少しでも免れるには、打てるだけの手は
 打っておかないといけないのさ。傲慢の代償は死だからね」
そう、力の過信は自らの死を招く。
僕は顔を上げず、「光」の感度を上げた。乾いた青空に「光」の律動が波紋のように広がる。
その全てをことごとく無効化して、空の頂点に君臨する「彼」がいる。
客観的には紅い量産機の姿。でも僕が見る彼は、今は鏡でできた球体のようだった。
「光」の干渉やささやかな攻撃をそのままはね返し、内部は全く悟らせずに、
ただ地上を見下ろしている。傍観しているのか、それとも、道化芝居を見物しているのか。
僕は軽く唇を噛んだ。
彼をこそ目指すべきなのだ。死すべき生命として前進を続け、本当に強くなりたいのなら。
何故この子にはそれがわからないのだろう。
そのとき、先程とは別の衝撃が京都を震撼させ、僕の思考を断ち切った。
黒いエヴァが弾かれたように上空を見上げる。僕は彼方の最後の結界基を見据えた。
『結界消失! 繰り返す、京都の結界は消失!』
遠い声が抑えられない歓喜を込めて何度も叫んでいる。幾つかの応答。激励とねぎらい。
僕は辺りを見回している彼に声をかけた。
「結界は崩れた。これで情勢は変わる。これからは結界全域で激戦が始まるよ。
 …どうする、まだ続けるかい?」
168湯本のおかみさん:03/09/10 19:08 ID:???
さァさ、皆準備はできてるね?
おや、もう避難の第一陣が来たってのかい。
名古屋から? あんたは松代から?
ちっとは聞いてるよ。
いくさが始まってから、どこも大変らしいね。
大丈夫、湯本の町は誰でも受け入れるのさ。
食べ物は分けられるだけ分けてあげられるし、怪我した人や病の人は療養所で診てやれる。
え? そうそう、もちろん荒くれ者や盗ッ人は総出で叩き出すけどね。
だから安心して、騒ぎが収まるまで、妾らのとこでゆっくりしていくがいいよ。
なんでって、そう決めたのサ。
だって皆が皆、いくさに踊らされてあたふたするなンざ、癪に障るってもンじゃァないか。
ひとッつぐらい、性根の坐った町があるってのも、そう悪かないだろ?
さ、だから遠慮なんて要らないのサ。

ええ? 例のてれび放送とやらに、お奉行様や同心様方が映ってる?
あの飛行船が、おッきな黒船と大砲の撃ち合いしてる?
雷火様が敵の船に斬り込んで、鎖の絡んだ化けもンと戦ってなさるって?
とンでもない、妾にはそんなもん見せないでおくれ。
見りゃ不安になる。気が騒ぐ。引き込まれて、手元がお留守になっちまう。
なすべきことが端からおろそかになって、しまいにゃみンな崩れちまうだろ。
そんなふうに応援したッて、お奉行様のお力になンかなれっこないじゃないのサ。
それに、そんなんじゃ、お奉行様たちがリナちゃん連れてお帰りになった時に、
胸張ってお出迎えできやしないじゃないか。
どうしても気になって仕方ないッてんなら見ればいいさ。でも流されるンじゃないよ。
妾らは妾らなりに、自分にできることをしっかり果たす。
それが、こんなご時世でも、後になって一番悔いの残らない在り方ってもンさ。
169168:03/09/10 19:21 ID:???
時間がないので少しだけ。

>163-の補足。
>166はわかりにくいですが、要するに苦無でいったんダブリス君の動きをある程度封じ、
次の投擲で目眩ましってかフェイクをかけ(ここではできてないですが)、
最後に目立つローブを使った変わり身で背後へ。
司教のローブってのは、自分の中ではカトリックの司祭の人なんかが着てる奴を
イメージしてます。>163の聖掛帯ってのは聖職者が肩にかけるアレです。
裁判官なんかの着てる式服も「ローブ」に当たるそうなので、そっちでも大丈夫かも。
あと、第弐の「パワー解放」は、辺境擾乱(八スレ目)最後で出してもらった、
「白い闇」ということにします。「光」の局所活性とかそんな感じで。
それから体術そのものに関しては、たぶんダブリス君の方が強いです。第弐は見切りや
相手の動きを捉えるのが常人の数倍優れているので、隙をつけるという程度。
それから「隠れ蓑」は、先に苦無とかで注意を逸らしておけば確実に直撃できるんじゃないかと。
>166はそれを言わせようとしたんですが上手くいきませんでした。意味不明ですみません。

支離滅裂ですが、それでは。今夜は恐らく来られません。
足元の騎士を見下ろす深緑のエヴァ(>>18)に、一条の閃光が襲い掛かる。
発射されるよりも早くその存在に気づいたエヴァは、
ATフィールドを斜に張って軌道を逸らした。
「勝利の余韻に浸るのはちょっと早いんじゃねえか?
 ここは戦場だぜ、Mr.フェット」
下卑た笑いを顔に張り付かせて漆黒の兵士がエヴァ・フェットに近寄る。
エヴァ・フェットは黒の兵に正対し、銃口を向ける。
「いや、Ms.フェットか。実際んとこどうなんだ?」
「ネルフの者では無いな」
姿を見、その雰囲気を感じ取れば明らかだった。
銀髪に赤眼、漆黒の戦闘服に身を包む殺意と狂気に満ちた男。
戦いの先に和平ではなく戦いそのものを望んでいる眼だ。
「だったら撃つか? そのラスガンとやらを。
 援助だけじゃ物足りなくってな、強え奴とヤりてぇと思ってるところにアンタがひょっこり現れたってワケだ。
 だが、今ならまだやめることができる」
そう言いながら、漆黒の兵士は腰を落としてゆっくりと構えを取る。
「プライドを傷つけた相手を見逃すとでも思っているのか?」
かすかに苛立ちを滲ませた返事に漆黒の兵士は一度口元を嬉々と歪ませてから、一文字に引き締めた。
向こうが動いてくれなければ、彼の『E』に対する裏切りは正当化されない。
トライラックスに対して直接的な拘束は無いが、間接的にはある。
もっとも、彼が攻撃を決意した時点でそんなものはもはや関係なかったのだが。
先に動いたのはエヴァ・フェット、右に一歩踏み出しながらラスガンで射撃する。
漆黒の兵はATフィールドを斜めに張り、射線を逸らしつつ自分も動く。
しかし完全に逸らす事はできず、射線上に残った右腕をエヴァの力で強化された弾丸の風圧でえぐられる。
黒の兵は激痛にも声ひとつあげず掌を緑のエヴァに向け、瞬時に腕を砲身に変えた。
間をおかれることなく光の柱が突き出される。
エヴァ・フェットは半身を翻してかわすも、今度は光線の命中したビルが崩れ降りかかる。
咄嗟にワイヤーロープを反対のビルの屋上に伸ばす。
「逃がすか!!」
ワイヤーの先を膝から発射した光線で弾く。
「くっ!!」
ギリギリで倒壊を避けたところに矢継ぎ早に漆黒の兵の光線が浴びせられる。
後方にバック転繰り返しつつ、ラスガンでの反撃を行う。
辺りが爆発と煙に包まれ紅い霧を圧倒していく。
172171  ◆/s5ZynBY7E :03/09/12 22:55 ID:???
忙しくなければ書き込めたものを………それはさておき、
かなり前から待ちに待たせていたエヴァ。フェットとラミエル兵の絡み
=トライラックスさんとの約束分(前半)を書きました。
やっとです、遅れに遅れてスマソ。
連休中には意欲的にやる予定ですが、ほとんどが結界が崩れる直前、
時間的には>>143から>>160,167の間の事になるかと。
173169:03/09/13 13:12 ID:???
明日明後日と微妙なので顔出しです。

まず送ればせながら訂正 >142 上から4行目
  ×「四体は倒れた」→○「三体は倒れた」
よく読んだら、あの時点ではまだ蓮華王院突破されてなかったのでした。
別段重要ではないですが、一応。

>提唱者さん
ここんとこ、いつもお疲れさまです。なんか、現在のスレはある意味
そちらの書き込みで保ってますね。確実に柱のひとつなんだと思います。それも相当大きな。
時間、都合でどんどん進めてすみません。もうちょっと待てば良かった・・・
ともかくも最近のそちらの奮迅っぷりはすごいです(戦闘の複雑さとか)つうか見習え自分。
大量カキコ(予定)マンセーです。レスあるたびに狂喜乱舞するアフォは確実に一名いるので、
もうガンガンいっちゃってください。
連休明け、楽しみにしてます。

>????他さん
こっちを見ておられるかどうかは不明ですが、念のため。
いろいろ見てきました。なんか・・・長引きそうですね(9/10 2:30辺りからのようです)
いられるうちはずっと待ってますから(指示とかツッコミとかフリとか)ご心配?なさらずに。
・・・なんでこんなのいちいち書いてるかというと、以前同種の規制があったとき、
似たようなレス書き込んだら、その翌日だかに速攻規制解除されて、
ビミョーにきまり悪い思いをしたため。
ゲンカツギじゃないですが、今回もそうなってくれることを祈って(w
一日も早い復帰をお待ちします。

現在は「黒」メインとなる最後の兵士さん、そして個人的にZOのアルジャーノンさん待ち。
結界が解除された以上、ネルフサイドは即時大神殿攻略に入るのかもしれませんが、
これも主席もしくは碇司令待ち、になります。

ネタもないのに長文失礼致しました。それでは。
174169:03/09/13 13:19 ID:???
・・・・ああ。

ヤバそうなのは今夜からです。ってか今から出かけます。
16日朝には戻ってると思いますが未詳。すみません。
合流した黒衣の兵10に対し、数的戦力差は10倍に及ぶだろう。

彼等が秀でる部分を傀儡、もしくは本能のみの敵が補ったとすれば、実質的な戦力は逆転する。

しかしそれを乗り切ってこそ戦士、いや、そんな事など関係ないのかもしれない。

使徒もどきと死人の集団がじわりじわりと間合いを詰める。

横の路地からも回り込み、弓兵が構え、その隙間から長槍隊が槍を突き出す。

「カラーズは左、パイクとパイロはリッチを連れて右へ行け。

 残りは正面突破、クリスタルは通信を密にしろ。決して単独で動くな、絶対だ」

正面にも幾人か、銃を構えるかつての仲間の成れの果てが見える。

けれど彼等が感傷に浸る理由はなく、突破すべき壁でしかない。

「「「了解」」」「散れ!!」

リーダーライナのGOと共に、銃声と光線と爆発が起こった。
爆炎を突破して先陣を切ったのはルーク、まず一匹、そして二匹目を殴り倒す。
銃弾を飛び越えてライナが敵集団に刃鋼線の如き両手十本の鞭を振るう。
ATフィールドの燐光が瞬く中、後方の動きを察知した兵が一気に通路へ雪崩れ込み、矢を放つ。
予めさらに薬物投与をしていたクリスタルが、最小限の壁で数十本の矢を逸らし、その仲間を貫かせる。
一瞬止まった進攻にブレイドがゼルエルの破壊光線を放つ。
とっさに展開される複数の微弱なATフィールドに阻まれるも、光はそれを突き崩しなぎ倒す。
屋上から狙撃しようとするかつての仲間をパイクは射抜き、大勢の中に投げ込む。
伸ばした槍に群がる死兵をパイロが焼き払い、すぐ脇に立つ中層ビルの支柱爆破に取り掛かる。
リッチは彼らと背を合わせて死角を減らす。
「ひるむな!! 埋め尽くして動きを封じろ!!」
四方を塞げば上しかなくなるように、一つだけ逃げ道を用意して追い込むのは常套手段だ。
一人の上に一人、また一体と使徒もどきと死霊の兵士が壁を作り上からも襲い掛かる。
ブレイドが開けた穴はすぐにふさがり、使徒もどきと死霊兵で埋め尽くされた。
「蹴散らせ!! 頭を潰せ!!! くっ!!!」
掴まれたライナの腕の骨が軋みを上げる。鞭を振り回し最小限の切断で次へと動く。
空が見えづらくなっている、光のノイズも多い。
上からまた一匹、飛び掛ってきたそれが二つに分かれて鮮血を降らす。
「おおおおおおおおおおお!!!!」
ブレイドが両腕を刃に変えて敵の塊へ飛び込んだ。
「邪魔!「邪魔!「邪魔!」」」
それぞれの色を片目に入れた3人が敵陣をかき分け流れていく。
赤眼のマゼンタが正面を斬り、横からの攻撃を黄眼のイエローが弾き、
後方の攻撃をいなしながら青眼のブルーが防ぎきれなかった傷を回復する。
ポジションを変え、役割を変えてローテーションを常に行い、3人でありながら一体のように振舞う。
しかし一気にいくはずもなく、敵陣中盤を迎えて進攻が止まる。
「くっこいつら…」「しつこい」「なんか狙ってる」
何が違うのかと言えば、敵が学習することだろう。
攻め方が次第に複雑化し、連携を密に付かず離れず攻めてくる。
「他は?」「まだ後ろ」「避けて!!」
光で送られてくる情報がやたらとぼけていて、集中しないと読み取れない。
故に他がカバーしても一瞬の隙が生まれる。
「「「!!!」」」
銃撃と刺突と焦熱と。全てを防げるわけではない。
視界が無くなった所に一気に雪崩れ込ませる。
光線は目くらまし、本命は全方位からの銃と槍による攻撃にあった。
「イ、……」「動け!!」
その直前、イエローはブルーの足を払いマゼンタに覆いかぶさっていた。
「おおりゃあ!!」「くらえ!!」
思考を切り替えてマゼンタとブルーはワルツを踊るかのように攻撃を防ぐ。
イエローはその場に仰向けに倒れると、二人に任せた。
「がッ……は…」
倒れた勢いで刺さった槍を一気に抜く。
光線以外の攻撃は3人ともずれているが、大きな消耗の差が出てしまった。
多少の傷なら一気にいけるがここまでとなると少しばかり時間がかかる。
精神的なぶれも彼女達の連携に少なからず影響していた。
「死ぬ気で、ね」
過信がなかったとは言えない。だが、イスラフェルタイプでは最強を誇れる。
強さと言う名の誇りだ。自信でありそれは今、全てに値する。
ブルーが受け損なった一撃をまだ完全に回復していないイエローが蹴り弾く。
「アレ使うわよ」「OK」「いいわ」
パイロに続いてリッチもビルの中に入る。
ガラスの内壁をパイロが素早く爆破し、支柱の位置を露にする。
リッチの高速演算で望んだ方向に倒すための爆破位置が特定された。
「エレベーター区画を最初に、次に右奥、左と右を同時に、最後に手前二つに止めを刺せ。
 順番どおりにな」
最初の爆発が聞こえてからすぐに、リッチは続けて叫ぶ。
「パイク!! 来い!!」
右の奥が吹き飛ばされ、向こうの道につながった。
「うぉぉぉりぃやあああああ!!!」
両腕を大きく左から右へと振ってまた左に戻し、
集団との距離を広げパイクはショーウィンドウからビルの中へ飛び込んだ。
とたんに放たれる銃弾と光線の嵐をリッチがATフィールドで、パイロが右手で爆炎をまいて防ぐ。
「――ッあ!!」
しかし防ぎきる事は出来ず、リッチの左肩を銃弾が貫く。
その勢いに体が宙に浮いて床に倒れる。
「正面にも敵が来る! 早く抜けるぞ!!」
右奥の穴から槍と刀を構えた武者がぞろぞろと入ってきた。
その隙間からは風切り音と共に矢が襲ってくる。
「左の壁を打ち抜け!!! 柱も早く!!」
リッチが叫ぶや否や、パイロがその場で回転しながら多量の爆薬をばらまいた。
爆薬をかいくぐってパイクの長槍が突入してきた兵を貫き押し出す。
「行くぞ!!」
パイクがもう片方の手でリッチを左の壁に投げつける。
それを少しの間を置いてパイロが壁に向かって跳び出し、パイクもすぐ後を追う。
緩やかな放物線を描いて飛ぶリッチががぶつかる直前に壁は内側から外へと爆発した。
ほぼ同時に爆薬が張り付いた柱が粉砕される。
中層のビルは敵で溢れる道にかぶる形で一気に倒壊した。
179178  ◆/s5ZynBY7E :03/09/15 12:40 ID:???
と、書き込んだのですが、へこんでます。
まず一発目は改行ミスで無駄に行間が開いてます。
二発目、>>177の「ブルー」は全て「シアン」に各自脳内変換してください。
三発目はこれは言わずもがな、と。
何度も見直したのに…………んで、乱戦1〜4は>>143からの繋ぎで宣言通り、結界消滅前です。

夜にまた書き込む予定です。
衛生兵少尉個人日誌
「これ以上の進軍を望むのなら、僕は君たちを排除する」
ふざけるんじゃないわ。レナを奪ったのがどういうことか、
ノヴァを見殺しにしたのがどういうことか、あんたわかるって言うの。
そんな言葉じゃわたしたちは止まらない。黙ってそこをどきなさい。

そうよ、委員会といい、あんた等といい、人の思いを、命を何だと
思っているの?
神にでもなったつもり?、人のことをいつまでも自由に操れるとは
思ってほしくは無いわね。
人間よりすこし力があるからって、調子にのってるんじゃないわ!
偉そうに、なにをほざくか!!

何を見せるっていうわけ
「君たち一人一人が、最も恐ろしいと思っているものを。
 無意識の底に押し込んで忘れているもの、逃げているもの。或いはただ漠然と恐れているもの。
 本当に、今自分で思っている自分が自分だと言えるかい?
 本人すら知らなくても、見えるんだよ。僕にはね」
知った風なことを言うな!、私は私よ!
お前が、私の恐れているというものをみせるなら私がお前の仲間に先に
恐ろしいものをみせてやる!

G3−X!、G4!、上等兵からRED28番の弾頭を受け取って!
手前等全員、神になったつもりなら、私は神を殺す者になる!
前方敵の集中しているところに一斉に撃つわよ!
副隊長個人日誌
第弐次席司教の言葉に怒りをあらわに少尉が一斉攻撃を加える。
弾頭はどうやら、酸とチリペッパー混合弾頭のようだ。
前方の集中していたゾンビが再生も間に合わずに崩れていく。
弾頭の成分か、それとも少尉の怒りかはわからないがかなりの威力を発揮。
さらに司教は話しをしているが、隊長が相手をしている。
少尉もあれだけ怒りを露にしているとは言え、それでも攻撃の判断などは
冷静なようだ。
もっとも、われわれのような特殊部隊上級士官ともなるとそれくらいできないと
勤まらないものだが。
隊長が話しを終えるとさらに前進を開始。
少尉の攻撃により前方のゾンビがほぼ壊滅したことと、司教の言葉のとおりなのか
現状で敵がいないことにより前進を開始する。
しかし、すぐに出てくるだろうと、警戒は緩めない。
隊長個人日誌
私の問いにほんの一瞬の間があいた。
「・・・それに答える権限は僕にはないよ。
 さあ、望み通り進むんだ。本当に後悔しないならね」
権限がないのか、答えたくないのか、あるいは本当は知らないのか
それはわからないが、なにか確信に近いところへと近づいたのかもしれない。
だが、ここでその答えを聞いている暇はない。
いや、おそらく京都大学へと進むことは可能だろう。
敵が全くいない、とは言い切れないが。
だが、それでも我々は進む。
隊の者に帰れといっても誰一人帰らぬだろうし、第一、私が衛生兵少尉に
真っ先に殺されるだろう。
彼が言う、恐ろしいものが、それでなければいいのだが。
私は、彼にもう一度話し掛けてみた。
それで、君自身はなにをしたいんだ?、いや何を望んでいるんだ。
手に入れるものは、それは君が本当に望んでいるのか?
君が聖母や委員会、それに司教の望むことをするのが望みなら、私たちを
破壊すればいい。
そう、それに罠があることや、帰るように説得なんかする必要は無いはずだ。
すくなくとも、聖母はそんなまだるっこしい真似はしないだろうな。
君の、いや、君は本当はなんなんだ?

だが、この問いかけにはかれは答えなかった。
すでに背後の黒い見慣れないエヴァンゲリオンとの戦いがあるのだろう。
多分、彼に会うことはこの先ないのかもしれない。
だから私は聞きたかったのかもしれない。
ランドマスター隊、ネオ戦自作戦記録
「結界が破壊されたようですね。」
ネオ戦自戦車隊隊長が言うと、それに答えるランドマスター隊長。
「そのようですが、まだ予断を許しませんから、ここで一旦作戦を変更します。」
「変更ですか?、どのように?」
進撃を一時停止した部隊の両隊長は地図と時間を確認しながら話している。
現在のゾンビ、死霊の襲撃は微々たる物であるが、1号内部で話す。
「判りましたが、しかし、罠があればこそ一気に突っ込んだほうがよくはありませんか?」
ネオ戦自戦車隊隊長がそういう。
「いえ、罠があるからこそ、二つに分けたいと思います。
我々がもし敵にやられた場合、あなた方の部隊が進撃するか、それとも後退するかは
その場の判断でお願いします。
しかし、いっせいに突撃をして、もし罠によって同士討ちが始まるとなるとこれは
無駄死にばかりとなりかねません、我々の状況をみて、どうするかを考えてください。」
「ならばなおのこと我々が行くべきです!、我々はそのための援護、おとりの部隊ですから。」
「本来ならそうでしょう、ですが、状況からみておそらく私たちの部隊以外では罠が発動しないか、
でなければ敵の物理攻撃によるものが行われると思います。
ここからは推測ですが、私たちが進行しなければ彼等にとってはどうでもいいことだとそう思います。
もしもの時は、あなたがたの部隊で人質を救出していただきたい。」
ランドマスター隊長の顔を見るネオ戦自隊長。頷くと答える。
「了解しました、多分、罠にはまっている間に、後方からの攻撃もあるやもしれません。
我々はやはり後方であなた方の援護をいたします。」
「ありがとうございます。」
「これが私たちの任務ですから。」
笑って答えるネオ戦自隊長。
外にでて戦車に乗り込む、外の敵は少ない。
「全車に通達せよ、我々は後方を固める、敵を逃すな。」
出発するランドマスター隊を敬礼で見送るネオ戦自隊長。
おなじく敬礼を返しているランドマスター隊長。
ネオ戦自戦車部隊戦闘記録
ランドマスターが京都大学内に消えてすぐ。
「どうやら話しに聞いた聖母の使徒だと思われます。」
「敵だ、かまわずに撃て。」
砲撃、直撃弾のみ効果あり、目標さらに増加。
「隊長、使徒もどき、および使徒化兵接近。」
「デコイ03、04、前進。
敵使徒もどきおよび、使徒化兵を攻撃。」
「死人兵、および悪霊の攻撃は結界消滅とともに減少。
なお減少傾向にあります。」
砲撃続行。
敵使徒化兵、および使徒もどきは増援なし。
「デコイ03、キャタピラに損傷、移動不可、武装その他問題なし。」
「デコイ04、敵使徒化兵により武装一部破損。
主砲は生きているとのこと。」
「デコイ03沈黙!、爆発しました。」
「敵は?」
「かなりの数を巻き込んだ模様です。」
「使徒化兵、および使徒もどき、数から残存のはぐれ部隊と思われる模様。」
「状況は?」
「一部が移動開始。
撤退?、いえ撤退ではなさそうですが京都大学へは向かいません。」
「デコイ04移動不可能。
左キャタピラに異物だそうです。」
「逃走する敵を逃すなと伝えろ!、攻撃はできるのだな?」
「大丈夫だそうです。」
「よろしい、攻撃続行!」
「02通信不可、破壊されたようです!」
「なんだと?」
直後振動、ノイズ。
最後に叫び。
「アーリィーッ」
第弐の罠1 春日アユム
あかん、あかん、みかんが腐ってまう。
いや、これはかびや!
ああ、だめや、これは大事な兵隊さんのお土産にすんねん。
なんで、蝿が食う取るねん!
そや、まだ箱のなかにあるねん。
はよ調べておかんと腐ったみかんがみなをくさらしてしまうねん。
あああ、あかん。
なかみがみな干しみかんみたいになっとる。
これじゃあ、せっかくのみかんがだめになってもうた。
あああ、もうだめやー。
第弐の罠2 ミソラ少尉
声、声が聞こえているであります。
いえ、私は大丈夫であります。
ノヴァ、ノヴァではないですか?
撃ってはいけません、ノヴァ。
撃たないでください。
衛生兵少尉どのを撃たないでください。
隊長も、副隊長もみなをうたないで。
ノヴァ、お願い。
ちがう、ノヴァじゃない。
これは、わたしだ。
わたしがみなを、うっているのでありますか。
わたしは、わたしは、みんなをころしたくないであります。
ころさせないで、おねがい。
おきてください、少尉どの…。
第弐の罠3 G3−X、G4
う、動かない?
スーツが機能しません!
つ、通信も使えない!
くそ、目の前にレナたちがいるじゃないか!
なんで動かないんだ。
くそう、隊長、隊長?
な、ランドマスターが、燃えている?
肝心なときに!
なんでだ。
G4のほうは、どうです?

ばかな、なんでこんなときに。
俺が死んでいく?
後少しじゃないか?、なんで?
機械の所為なのか?
だれだ?、レナ、いや綾波たち?
なんだって?
「大丈夫、みな一つになるからって?」
何をいってるんだ、何を!
第弐の罠4 副隊長
どうした、エンジンの故障?
ばかな、そんなことが起こるはずは無いだろ?
どうした、赤い霧、いやこれは。
衛生兵少尉!、どうした何をしている?
やめろ、少尉。
我々を見ろ、味方だぞ!
まさか、そうか、これが戦自の言ってた取り憑かれるというやつか。
落ち着け少尉!、取り憑かれるなどということはありえないだろう!
ぐっ!、落ち着け少尉!
第弐の罠5 衛生兵少尉
何、ここは、京都大学じゃない?
ここは、ロシアじゃない、ハバロフスク?
どうして、なぜ?
ミソラ?、じゃないわ。
あなた、うそ、死んだわ、あなたは。
妹は死んだ、いえ、殺されたのよ?
セカンドインパクトの1年後よ、そうよ。
私はあの時、見てるしかできなかったのよ、逃げることもできず。
あなたが、暴徒に嬲り者にされるのをただ物陰から見るしかできなかった。
だから強くなったのよ。
今なら、助けられる。
何?、ガラス?、なんでまたバスの中なの!
しかも横転してつぶれた。
あの時と同じじゃない!
震えてみてるしかできないなんて、そんな。
なんで腕も足も動かないのよ。
だれ、そこにいるのは?
私か!
15歳のわたしだ!、震えているだけだった。
だけど今の私は違う!、これを何とかできる!
すくなくとも、妹を助けることはできる!
声をだせば…、声もでない!
だめ、妹を放して!、離しなさい!
はなせーっ!
第弐の罠 隊長
どうした、何故とめる?
なんだって、体が溶けていく?
まさか、間に合わなかったのか?、すべてに。
くそ、周りでもそうか。
私はまだ溶けていないな、なんとかなるか?
各員答えろ、答えることができるやつは答えろ。
なんてこった、みな溶けていっているのか…。
副隊長、前進は可能か?
だめか、となると車両は放棄するしかない。
銃といってもこれだけか。
他がなんでこんなに溶けた人にまみれている。
く、もう腰までのところまで来ているのか?
じゃあ、すべての人が溶けているのか。
誰かまだ溶けていないのはいるか?
どうした、だれだ話し掛けるのは?
レナ?
なんだって、私もすでに溶けているって?
じゃあ、レナお前は大丈夫なのか?
な、に?
姉妹と聖母と一つになっているって、どういうことなんだ?
私は間に合わなかったのか?
罠からの脱出1
くぅ、くっ、くそぅ、なんでまた妹を見殺しにしないとならないのよ。
折角戻ってきたんでしょ!、時間ぐらい変えたっていいじゃない。
変えられないなら、変えられないなら、過去なんて2度も経験しなくていいわよ。

(おきてください、少尉どの…。)

これは、これはミソラ、そうか、まだミソラを助けないといけないじゃない。
判っている、起きるわ、今すぐに。

ありえない、少尉、君が取り憑かれることはありえないはずだろ?
ありえない?、そうか、これが私の恐怖か。
たしかに、漠然とだが、取り憑かれることを恐れていた。
私ではなく、彼女が。
だからか、だからこれを見せたのか。
だったら、まだ立って進むことができる。

一つになっているってのに、なんで誰も話し掛けないんだ?
まるで俺一人じゃないか。
そばにいたG3−Xだって影響うけてるんだろう?
まさか、俺一人?、だったらまだ可能性はあるんだろうな。

なんで、誰も何も言わずにこんなことになったんだ?
通信の一つでもあれば。
まさか、自分だけ罠に落ちたのか?
なら、まだなんとかなるかもしれないなあ。
罠からの脱出2

『おきて、みんな、おきて、おきて、わたしの、だいじな』

わかっている、これが、わたしの恐れていたことだ。
私自身が間に合わないこと、それによりみなを、レナ、お前を失うこと。
それを恐れていた、それくらいは、私はわかっていた。
だが、それを表に出さずにいた。
それが逃げているということでもあるんだろうな。
ならば、私はその不安とともに戦おう。
一人で戦っているわけじゃあないんだしな。
なにより、レナ。
君が私を呼ぶならば、不安ごときに負けているわけにはいかない。
さらばだ、私の不安、行くぞ、ランドマスター隊全速前進!


ミソラ、大丈夫?
平気です、生きていてくださってありがとうございます。
193 ◆DhEzvRena6 :03/09/15 23:29 ID:???
厚木基地最後の兵士担当です。
まずすいません、いきなり長文カキコです。
内容は見てのとおり、京都大学侵攻、罠にはまり、それから逃げるです。
この先の移動前にまず全員の状況確認のため、少し後退して体制を立て直し
それから移動する感じですので、時間を取られるかもしれないという感じです。

罠は、バーチャル空間で意識化にアクセスさせられ、自分の恐怖や悪夢などを
見せられるという感じですが、脱出のパターンは昔の漫画のダークグリーンの
ような感じで。

とりあえず、長かったので今はこれで。
結界も消えうせたか、いよいよ始まるな。
終わりが、始まる。
善悪を超越し、全ての欲望を従えてそれがやってくる。
くくくくくくくくくくくくくく、残された時間もわずかだな。
……あいつもここへ来ているだろう、姿は確認していないが確かに感じる。
正面きって物理的に殺った所で、今の俺には何の面白みも無い。
幹を切り倒せばつながる枝葉は全て枯れる。
切り倒すだけでいい。まあ、根からゆっくりと腐らせると手もあるがな。

さて。俺を出迎えてくれるものはいないようだが……
こっちから動けと言う事か?
地響きを立てて真下へと降りる。何かを潰したようだが、気にするまでも無い。
辺りを見回しても奴等もあいつ等も俺に手を出してこない。
迂闊に手を出せ無い、か。
わざわざ目立つ格好をしたと言うのに、全くもってまらんな。
刃の塊のような得物を振り上げ、俺は地面に突き立てた。
落雷が起きた時のような凄まじい破裂音が、地面に刺さったそこから闇と共に溢れ、広がっていく。
LIVEもしているからな、見せ場ぐらいは解っている。


自らが造った闇に飲み込まれるかのように、紅い量産機はそこから姿を消した。
195黒縁メガネオペレーター<1/3>:03/09/16 12:44 ID:???
『結界消失! 繰り返す、京都の結界は消失!』
蓮華王院と六道珍皇寺、二つの神器の消滅が確認されると同時に作戦成功の声が響いた。
狭いトライデント内臨時指揮所にわっと歓声があがる。
「よっしゃ!」
葛城さんがぐっと拳を握りしめる。モニター内から怨霊の反応が一掃されていくのを、
俺は何とも言えない感慨を覚えながら見守った。興奮とも、ただ熱くなるのとも違うけど、
その感じは、これからもまだ行ける、という覚悟を、改めて俺に与えてくれた。
表情を引き締め、葛城さんは沸き立つ房内を見回す。
「さて、最初の一歩は踏み出せたわ。各部、状況を」
熱気を残しながらもスタッフたちは即座に反応し、次々と声があがる。
「死人兵、及び怨霊の活動、完全に停止。頂法寺、将軍塚他破壊が確認された地点でも
 その後の変化はなし。結界は完全に消失しました」
「残る使徒能力兵、使徒もどきの抵抗はなし。先遣部隊により寺院内の制圧完了」
「消耗しているこっちを叩かない・・・? こっちがシンジ君たちより早く終わらせたから、
 ボーナスとして休息時間をくれるってことかしら。ま、ともかくこの間に態勢を整えないとね」
「敵残存兵力、撤退していきます。外周部隊より、追撃の是非を問うとのことですが」
「必要ないわ。弾薬は貴重よ、こっちに手出しをしない限りは黙って退がらせて。
 それより残った戦力を寺院前に集結、トライデント二機を目標に全部隊を集め、
 生存者の数を確認、負傷者は即後方へ搬送。輸送部隊から大型ヘリを寄越させて」
「了解。 ・・・戦死者の遺体はどうしますか」
「負傷者の輸送を優先しつつも、可能な限り、回収して。
 ・・・皆、こんなところに残りたくない筈だもの」
「・・・了解。ヘリの往復回数を増やすよう、大阪仮設基地に要請します」
196黒縁メガネオペレーター<2/3>:03/09/16 12:46 ID:???
画面が切り替わり、帰投してくるトライデント陸戦部隊と二人のチルドレンが映る。
「鈴原君、大丈夫?」
『あーあー、何とか回復できとるみたいです。しっかしエゲツない攻撃やったなぁ。
 ホンマもんの閻魔さんがアレやったら、ワシ、もう一生嘘つきたくないわ』
参号機は口元を気にしながら寺院を振り返った。葛城さんはくすりと笑い、暖かい声で続けた。
「ともかくお疲れさま。医療班が寺院南に来てるから、不安ならチェックを受けておいて。
 二人とも本当によくやってくれたわ。あなたたちの活躍があったから、結界を突破できたのよ」
参号機は今度はがりがりと頭をかいた。その横に、微塵も疲れを見せない四号機が降り立つ。
『いや〜、ミサトさんにそんなん言われたら照れてまうで。ワシは幸せモンや』
『加持さんがいる前で、その台詞はどうかと思うけど?』
『んなっ、ええやないかこのくらい! お前もちょっとはそういうとこ見せんかい、この!』
両腕を振り回す参号機の後ろを、負傷者を運ぶ兵士たちの集団が続く。その中を割って、
当の加持さんがひょっこり顔を出した。
『俺は気にしてないよ。葛城が人気があるのは、ま、俺としても悪い気はしないしね』
四号機は下を向き(たぶん笑いをこらえたのだと思う)、参号機は愕然と加持さんを見た。
『・・・よ、余裕・・・完敗や・・・』
「・・・・・・あの馬鹿」
葛城さんがぼそりと呟く。マヤちゃんがこそっとその顔を見上げ、慌ててコンソールに戻った。
加持さんはわなわなと震える参号機の肩をぽんと叩くと、トライデントを見上げた。
『寺院内はもう安全だ。応急処置の必要な負傷者は内部に運び入れて構わないだろう。
 だが、気を抜くなよ。この街にはまだ何かある。念のため、一小隊連れて哨戒に出てみる』
画面を見つめる葛城さんの表情は変わらなかった。
「わかったわ。くれぐれも、気をつけてね」
『了解だ』
加持さんはいつものように笑みを返し、集まった諜報部隊を率いて寺院の向こうに消えた。
197黒縁メガネオペレーター<3/3>:03/09/16 12:52 ID:???
破壊され開けた寺院の敷地内には、既に仮設救護所が設営されていた。治療を受ける軽傷者の列、
応急処置だけ施され、すぐに医療ヘリに搬入される重傷者。重装備の者は、長時間の
武装装着での支障が出始めている。怨霊に精神接触された者や、死霊に操られる味方の遺体を
撃たざるを得なかった兵たちの、精神面でのケアも必要だ。
「されど休む間もなく、か。 ・・・当たり前ね」
葛城さんはふうっと息をつき、再び毅然とした顔で戦場を見つめた。
「報告、続けて。死傷者の数は判明した?」
「現状で確認できる限りでは、この通りです。突入した部隊のうち、二割強の戦力減ですね」
「やっぱりそう簡単にはいかないか・・・」
「ですが、ひと揉みしただけのことはありますよ。少なくない敵の戦力情報も得られましたし、
 次からはもっとダメージを減らせます」
「・・・この程度の奴らが相手のうちは、よね。対応、急がせて。
 EVAの状態は?」
マヤちゃんが忙しくキーを叩き、顔を上げる。
「各部の損傷回復、問題なし。チルドレン二人とも、作戦行動に支障はありません。
 念のため、今の戦闘のデータを、ジオフロントのMAGIに転送して判断を仰ぎます」
「そうしといて。 ・・・先の赤いEVAは?」
「先程、戦域より姿を消しました。全反応ロスト、その後の消息は掴めません」
あの紅い量産機が降り立った跡には、消え残った赤い霧を湛えた深い亀裂が口を開けている。
「今は出るべきでないと見て一度後退したか、それとも何か始める気なのか・・・
 判断のしようがないわね。情報が少なすぎる」
「先の一連の動きで検出された反応は記録しています。パターンを変えない限り、
 再出現すれば位置は捕捉できる筈です。引き続き全方位警戒は続行します」
「そうね。 ・・・あとは、艦隊との対決ね」
葛城さんは素早く戦況図に目を走らせ、通信機に手を当てた。
「総員に通達。本部隊は第一種警戒態勢のまま、動きがあるまでこの場で待機。
 艦隊と交戦中の後発部隊との合流を待ち、以後は敵本拠である大神殿攻撃へ移行します』
198197:03/09/16 13:05 ID:???
簡単に。

>提唱者さん
>厚木基地最後の兵士さん
超弩級のネタレス、お疲れさまでした。ていうかカッケ〜〜〜〜〜〜!!!!
特にF。映画一本見てしまった気分です。ありがとうございました。
最後の兵士さん、丁寧に繋げてくれて本当に感謝します。自分にとっては最高の続きでした。

結界崩壊を受け、綾波教側一般戦力の一時後退→ネルフ先行隊は態勢立て直しです。
改造騎士や使徒もどき、他一般兵は一度完全にいなくなり、京都はゴーストタウン状態です
(現在進行形で戦闘を行っている場所は除く)
綾波教側は、殺すことに躊躇は一切ないけれど、逆に執着もないんだろうなと
自分は捉えています。殺したら殺しただけ観客が減ってしまいますし、何より
生きていようが死んでいようが、インパクト起こせば丸ごとアボーン完了なので。
という訳で一時終息のあと、本格戦闘開始なんじゃないかと思ってます。
勘違いだったらすみません。無視して先に進んでください。

それでは。
199綾波寮責任者:03/09/21 13:10 ID:???
零号機が艦隊の鎖を受け止め、ATフィールドで遠距離からの砲撃を無効化する。
そんな中、初号機が切り離されたガギエルと共に海中に消えたため、ATフィー
ルドの消失した艦隊へと町奉行の部隊が乗り込んでいく。
加勢を行いたい所だが、こちらは結界に穴を開けるのに忙しく、身動きが取れず、
OTRは艦隊の遠距離攻撃を引き受けているために加勢ができない。頼むから
無事でいてくれよ。
すると、司令が零号機になにやら通信を行った。
「後、どのくらいだ?」
「もう少しです」
いったい何だろう? そんな折りにも、町奉行達は艦橋へと迫っていく。司令も、
思ったよりやると感心している。なんか、かなり失礼な気がするが。
その時、司令が突如として身構えた。なんだ!? そう言えば、MAGIの様子
もおかしい。司令がつぶやく。
「来たな……」
来た? 何がと考えた瞬間、京都の結界に異変が起きる。そう、京都を蓋って
いた赤い壁が消失していくのだ。そして、MAGIはこの現象の大元を割り出し
ていた。モニターに映し出されていた事の大元は、エヴァンゲリオン……それ
も赤い色をした量産機だった。
「な…なんだよ、ありゃ」
俺は思わずつぶやいていた。
200綾波寮責任者:03/09/21 13:11 ID:???
「あれはエヴァでは無い。今こんな真似が出来るのは、奴ぐらいの物だ」
司令が俺のつぶやきに答える。奴? と、聞き返す俺に司令は答える。
「ある意味、ここ数ヶ月の間に最も好き放題に暴れている者達、その頭
だよ。現在は随分株分けしてあるようだが、元は奴の仕業だ。私は直接
の面識は無いが、君はある筈だぞ」
!? そうか、あのE計画のか……。あの時、俺達が奴をさっさと始末
していれば、こんなに犠牲者が出る事も無かったのに……。
「どちらにせよ、今は奴に直接の手は出せんし、奴も出してくるつもり
も無いだろう。私が調べた奴の性質から考えるに、奴はここで己の命
を駒にした遊びをしようとしているのだろう。……もっとも、どうで
あれ、時が来れば奴は滅びる事は決まっている」
司令は言葉を区切り、続けた。
「だが、逆に言えば、それまではこちらで奴を叩くのも困難という
事だ。酷な言い方だが、その時までどれくらいの被害が出るかが問題
だ。……なんにせよ、この落とし前は、奴の撒いた種につけてもらう
としよう。私が言うのもなんだが、犠牲になった者達も見逃せる数
では無いし、なにより、我々自身やられっぱなしという訳にはいくまい」
光に包まれ、表情など無い筈のその顔がニヤリと笑ったように俺には感じられた。
201綾波寮責任者:03/09/21 13:12 ID:???
そんな会話をしていたが、戦闘は変わらず続いていた。壁の消失に相手
が怯んだ所を、町奉行達は艦内の部隊を押していく。しかし、艦橋で
立ち塞がって来た相手にまた苦戦させられている。MAGIの分析では、
あれはこの艦隊の指揮官で、使徒の能力を植え付けられているらしい。
しかし、町奉行達は相手が手強いと見るや後退し、エンタープライズ
に艦橋を爆撃させる。ATフィールドを張れず、鎖による攻撃や防御
もできない艦隊はかなりの打撃を受けているようだ。
京都周辺の壁は少しずつ再生し続けているようだが、それを尻目に零
号機から連絡が入る。
「分析と弾頭の製造、完了しました」
「ご苦労。やれ」
司令の返答と共に、零号機は空いた右手のライフルに、特殊な弾頭
を出現させ、装填する。そして、片手で狙いを定め、艦隊に弾頭を
命中させる。しばらくすると、艦隊に変化が生じた。融合していた
複数の艦艇が、序々に分離し始めたのだ。こちらに表示されていた
データを見ると、融合させられていた人員も、船体から分離しはじ
めている。そして、艦隊をつないでいた鎖が消失を始め、最後に零
号機が掴んでいた鎖も消失した。
その直後に、巨大な水柱が上がる。水中から、ガギエルが上空高く
跳ね上げられたのだ。そして、それに続いて、羽根を出し、顎を
開いてパワーを開放した初号機が飛び出して来る。初号機はその
ままプログナイフを構える。すると、プログナイフの刀身が赤い
光に包まれ、初号機はそのままの勢いで、プログナイフをガギエ
ルへと突き刺した。そして、初号機が離脱すると共に、ガギエル
は空中で十字架型の爆発を起こし、四散した。
202綾波寮責任者:03/09/21 13:12 ID:???
初号機がOTRの近くに着水すると、零号機から通信が行われる。
どうやら、OTRの防御を頼んでいるらしい。そして、零号機
は町奉行達が戦っている艦へと近づいたかと思うと、そこに取り
付き、中から綾波君が飛び出して、人間大の零号機へと変じ、艦
橋に向かっていく。
一方、艦橋は大部分を制圧したものの、指揮官と町奉行の戦い
が続いていた。さすがに使徒の力を持つ軍人には苦戦を強いられ
てるようだ。だが、そこに駆けつけた零号機が相手の指揮官
を狙撃すると、彼の使徒の能力は解除されてしまい、結局、
その後の乱闘の末に、町奉行の峰打ちで、指揮官は仕留められたらしい。
かくして、艦隊は降伏し、近くに来ているトライラックス本国
の艦隊に預けられる事となった。
この間に、京都に先行して潜入した部隊からも、結界を消失
させたという報告が入る。
だが、その直後だった。京都市内のあちこちにディラックの
海が出現し、トライラックス産のエヴァンゲリオン達が現れた
のは。そして、その中には第4使徒シャムシェル、第9使徒マ
トリエルの姿もある。いよいよ本番という訳だな。
その直後、もう一つのディラックの海が出現し、巨大な聖母
の使徒と、便利屋スズキの伍号機までが現れた。大方この状況
にタイミングを合わせたんだろうが……聖母の使徒が直後
に爆発した所を見ると、戦わされていたんだろう。なんに
せよ、役者は揃いつつあるって訳か……。
203????:03/09/21 14:27 ID:???
……予想以上に時間がかかったな。まあ、プロローグはこんな
ものだろう。
この間だけでも色々と面白い事になっている。槍の男もお出ましだしな。
さて、まずは前座のトライラックスエヴァでも相手にしていて
もらおうか。この程度の連中に苦戦するオマエたちでも無いだろ
うがな。コース料理は順番に食べて、初めてメインディッシュに
たどり着くんだ。
さあ、早く来い。オマエ達の望み通り、全てを終わらせてやる。
ただし、オレ流でな。
しかし、第弐め。早く出過ぎだぞ。まあ、ここでアレに倒されて
しまう事は無いだろうが……。
????他です。やっと少し書けました。とりあえず、艦隊戦の結着です。ただし、町奉行さんの
詳細はご本人におまかせします。
そして、結界破壊&艦隊撃破に伴い、綾波教サイドのトライラックスエヴァ軍団と、シャムシェル
と、マトリエルが出現しています。シャムシェルはトライデント寄り、マトリエルはOTRの本隊の
侵攻方向です。尚、ネルフ本部はこの後ラミエルの牽制と、レリエルの調査に回る予定です。
そして、ランドマスター隊にはあえて主力はぶつけていません。
205町奉行:03/09/24 22:51 ID:???
どうした、雷火からだと?、つなげ。
なんと、そうか、わかった。
おめえ達はすこし引け、そうだな二階分くらい下に下りるんだ。
一番主砲、敵旗艦の艦橋前面に狙いをつけろ。
ただ艦橋までふっ飛ばしちまうんじゃねえぞ、中の連中は操られているだけだ。
機関室、ぎりぎりまで高度を下げるから、防御壁と、衝撃のこたぁまかせたぜ。
主砲一番撃て!

状況報告!、どうなった?
よし、つづけてあの辺りのまだ残っている鎖の付近をねらえ。
例の壁が消えちまっている今なら攻撃は十分効果もある。
敵の司令官が使徒だかの力があるってんだから、気をつけろ。
いや、まてわしが乗り込む!
主砲、副砲、敵旗艦艦橋部上部に攻撃を集中させい。
雷火、敵司令官はどんなやつだ?
なに、人ではない姿だと?、わかったわしが直々に相手いたす。
206町奉行:03/09/24 22:52 ID:???
宇尾賦、奉行が来る。
こちらはこちらで他の手の者を倒すぞ。
宇尾賦、お前は数名をつれて、機関室へ迎え。
私はここで奉行をまつ。
それと、エンタープライズへ連絡しておけ。
敵は絶対領域とやらの障壁が作れないようだ。
たのんだぞ。

奉行、早い到着ですな。
そうですか、壁が消えたのですか。
ではおそらくその所為でしょう、敵の大半は絶対領域を作れません。
いまなら私達以外の者でも十分な戦いができると思います。
そうです、敵の司令官はまだ艦橋に居ます。
207町奉行:03/09/24 22:54 ID:???
そうか、おめえさんが司令官ってやつだな。
あきらめな、ここの殆どは俺の手下がすでに押さえた、これ以上抵抗しても
お前に勝ち目は無い。
そうか、まだやるって言うのか。ならば良かろう、相手になる。

ことさらに自分の力を誇示したタイラー提督ではあったが、水中ではない上に
異形のものとしての戦いを挑んでいた。
かろうじて張ることのできる絶対領域も、意志の力の戦いでは武士のもつ気合には
いまひとつ及ばなかった。
それは、奉行の振う刀の刃にて切り裂かれはしたが、それでもなお、自身の体を
傷つけられることは避けていた。しかし、そこは使徒の力をもつ者である。
時にタイラーのもつ鉤爪は奉行の鎧に傷をつけ、一部を破壊していった。
無論、奉行も刀でふせぎ、爪をよけと致命的な傷を受けないようにしてはいる。
それでも、状況はかわらず、疲れを見せない両者とはいえ、使徒の力がある分、タイラーの方に
分があるかと思われていた。
だが、消失した壁の影響は流石に彼にも現れ始めていた。
徐々に弱まっていく彼のもつ障壁は、すでに自らの体に刃の軌跡を感じさせるには十分であった。
208町奉行:03/09/24 22:56 ID:???
いや、お前は良く戦った。
武人として最高の司令官だろうよ。

奉行がそう言うも、タイラーの耳に届いたのかはわからなかった。
再び、艦橋の中で合間見える二人。
狭い艦橋の中、瞬時に切り結んだ二人は先ほどとは反対の位置に背を向けて立つこととなった。
一枚の地図が描かれた透明の板が斜めにずれ落ちていく。
奉行のもつ肩の鎧がはぜると、タイラーは振り返った。
だがしかし、その右手にあった鉤爪は根元より切り落とされている。
再度、右手をふり、鉤爪を再生させるや、再び奉行の背中に切りつけようとするタイラー。

貴様の負けだ、司令官。

奉行がそう言うや、突然タイラーの体が痙攣した。
みるみる元の人の姿にもどりつつあった。しかしタイラーも武人であった。
彼はそれでも奉行に戦いを挑む。奉行もまた、その戦いを受ける。
しかし、生身の体にもどったかれには体力がすでに不足していた。
一瞬の隙、そこを奉行が峰打ちにした。
タイラーは艦橋の床に倒れ、気をうしなった。
奉行はタイラーを人に戻した零号機、綾波レイに礼を言うと、その場を去った。

京都へ迎うぞ、一旦体制を整えるんだ。

奉行は部下とともにエンタープライズへと戻った。
町奉行書きです。
一応、艦隊戦の終結ですが、タイラーをこういう風にしてしまって
よかったのか、少しばかり不安です。

エンタープライズはすでに、通常弾は半数を消費という感じです。
あとはいまだ使っていない虚数弾頭ですが。
使う前に沈んでしまうのか?
煙に包まれた中で黒衣の兵士は崩れた壁を背に隠れ、腰から取り出したアンプルを傷口に打ち込んだ。
「ッ!!」
色白の皮膚よりも白い肉塊と骨が湧き上がり、傷口をあっという間に塞いだ。
復活した右腕を動かし、掌を開閉して神経接続を確認する。
「そこか!?」
黒衣の兵が横っ飛びに道路へ出た直後に瓦礫の壁は吹き飛んだ。
転がりながら体制を整え銃口たる両腕、掌を煙に霞んで見える緑のエヴァに向ける。
じゅ、と焦げるような音を残して白い煙と紅い霧を蒸発させ、二条の光が突き進む。
ワイヤーロープを駆使して俊敏に移動して初弾を避け、
反撃とばかりにロケット噴射で瞬時に間合いを詰める。
カウンターの一閃を急停止でかわすと、黒衣の兵の右に回り込んで渾身の蹴りを放つ。
ガードは間に合うもののその勢いに押され、
背後の店のショーウィンドウを派手に割って店内に転がる。
銃口を下ろさずに一歩一歩緑のエヴァ・フェットは黒の兵に近づく。
「……………く、くくくく……」
心の底から、しかし努めて抑えている粘り気のある笑いにエヴァ・フェットの足は止まった。
ガラスの破片を落としながら、黒衣の兵はゆっくりと立ち上がる。
「気でもふれたか?」
「いや、俺達としてはごく自然な事だが?
 見てみろ、見事な複雑骨折と全身打撲だ」
男の肋骨は蹴りを喰らった右側がほぼ全部折れていた。
口から血を吹いた跡があるのを見れば、内臓もやられているのかもしれない。
その上、ガードに回した右腕は半分に潰れ、妙な方向に折れ曲がっている。
「マゾかお前は」
「強い強い。さすッゴホッゴホッ…エヴァ能力者だ。
 殺りがいがあるよッッ!!!」
男は左手にありったけのアンプルを握りこみ、首筋に突き刺した。
無意識に入った力にアンプルを握り砕く。
「………ナァ? ソウダ…ロ……
 がぁ…ぅ……ィ…ウォアッラリリラリィアイフォアイァアァーーーーー!!!!」
黒衣の兵の色白の皮膚が白に変わり、爆発的に盛り上がって戦闘服を引き裂いた。
白目の部分は血走り瞳孔が大きく広がったかのように完全な赤眼となる。
折れた腕は内側から風船のように膨らみ再生を果たし、巨大な銃口に変化した。
獣のように鼻の下と下あごが前方に伸び、人の歯が抜け落ちて牙に生え変わる。
背中から翼のように二門の砲身を生やして、黒衣の兵は白い獣へと変貌を遂げた。
「グルルゥゥゥアアアア!!!!」
「バケモノめ!!」
引き金を引く前に獣は動いていた、エヴァ・フェットは射線を移動させるが相手の方が早い。
人間には無い瞬発力を生かした動きで白い獣は光の砲撃をする。
光を避けてエヴァ・フェットはラスガンで発砲するが、
ATフィールドに阻まれる刹那を利用されて避けられてしまう。
「ならば……」
二倍の四本に増えたレーザーを巧みに避けながら、計算してラスガンを撃った。
予定通りに攻撃を止めて獣が回避行動に移ったその瞬間。
エヴァ・フェットの右腕が光った。
「ギィィイャァアアアァアアア!!!」
リストレーザーは弾丸よりも遥かに速く白い獣のATフィールドを
紙のように容易く裂き、左肩から袈裟懸けに腕を切り飛ばした。
続けざまに左に持ち替えていたラスガンを叩き込む。
回避する間もなく胸に、腹に、残った腕に、足に受けてその場に崩れた。
エヴァ・フェットの気が一瞬緩んだその時だった。
巨大な振動が結界内全体に響いた(>>103,104,110,119,120)
「あれは……ぐわっ!?」
意識を空の一点に奪われた直後エヴァ・フェットは光を感じ、
次の瞬間には衝撃を受けて吹っ飛ばされていた。
「キ…………キ…ィ……」
獣は己の口から最後の一撃を放ち、完全に息絶えた。
212211  ◆/s5ZynBY7E :03/09/26 00:33 ID:???
忙しさは理由にならず、と。
ひとまずエヴァ・フェットVSラミエル兵は終わりです。

>トライラックスさん
時々は見ておられるのでしょうか。
最後にやっとこちらが与えたダメージの程度はお任せいたします。

>黒メガネさん
もうちょっちだけお待ちを。週末には黒へつなげられそうな繋ぎをがむばってみますんで。

>????さん
>>204で言っているトライラックスエヴァは「槍」を持ってますよね?
……『彼』が喰ってもいいですか?(笑)
このまま消えて地下で暴れるのもありかとは思うのですけど。


結界消滅に伴う外部視点も入れたい…とか思いつつ、今夜はここまで。
(皆乙)
(がんがれ)
>>167より)
結界がなくなると、周りにいっぱいいたゾンビ達が次々に崩れた。
何匹かは残っているけどもはや戦力とは言えない。
「結界は崩れた。これで情勢は変わる。これからは結界全域で激戦が始まるよ。
 …どうする、まだ続けるかい?」
当たり前に決まってる。
やめる理由なんか無いし、舐められたまま退くなんて………ゼッタイ嫌だ。
何のために力をつけたのか解らないじゃないか。
「構えをとったってことは………続けるんだね」
その余裕ぶった顔をゼッタイに崩す。
使徒モドキもなんか居なくなったし、エヴァの方は大丈夫みたいだな、よし。
「アクサ」「なに?」
エヴァの中の僕に、アクサが綺麗な青い瞳を向ける。
不満そうだ。きっと僕が何を言うか知ってる。
右手をすっと持ち上げると、アクサは身をこわばらせた。
「ちょっとだけ留守番よろしくね」
頭を撫でて髪の毛の感触を少しだけ楽しんでから、
「え?まっ――僕は外に出た。
引き止めようとした顔が一瞬だけしか見て無いのに不思議と鮮明で、なんとなく、帰ってこようと思った。
「いいのかい? エヴァを空にしても」
「? 少しだけなら大丈夫さ」
敵に心配されるまでも無いしね、僕より強い(と思う)アクサが居るし。
少なからず僕等は繋がってる。
あいつは相変わらず隙を丸出しにしている。
実力者しか出来ないって言う自然体とかいう奴なのかな。
「全力で勝負だ!!」
もう一人の僕も変身して同じダークスーツに四つ目の仮面の姿になる。
「僕は本気で相手をしてたのに君は手を抜いてたのかい?
 失礼に値するね」
強い憎悪にも似た感情のこもった視線に、一瞬身がこわばった。
殺らなきゃ殺られる。
「くっ!!」
負けるもんか。
一人は隠れて移動、一人は苦無を投げて行動の幅を狭める。
苦無が当たる少し前に場所を変えてもう六発、右手のはゲートを使って時間差で背後上方から。
隠れた方は下から一気に、ギリギリのタイミングで突き上げる。
一つ前に放ったのを追いかけるように速い奴を四発投げて、自分もそれを追う。
司教は自ら最初の苦無の射線上に動いて苦無を長い袖で巻き取り、かわす。
袖を振り払った時に飛んだ苦無が後発を連鎖的に弾き返して、隠れた方の足が鈍る。
速いのは体を回転させて避けられ、背後からの攻撃もそのまま、狙った一撃も間に合わない。
苦し紛れに足刀での回し蹴りに攻撃方法を変えて、正面から突っ切るけど、

『甘いね』

振り上げた右足がネリチャギになって下の、振り下ろしきったそこから左の回し蹴りが正面の僕に当たる。
直撃は避けるけど、完全に読みきられていた。
それでも止まれない。
距離を離しすぐに隠れ蓑をかぶって姿を消す。
挟み撃ちにするのは常套手段だけど、それは読まれてると思っていいから……コレで封じる。
「もう終わりかい?」
両手を広げて見回して、すごく誘ってるように見えるけど、隙が無い。
さっきと全然違う。
………そういえば、攻撃してきたのって今のが最初だった?
「またこっちから動こうか?」
! そっちは!!
司教がアクサの居るエヴァとの間合いを一気に詰めようと加速する。
でもあの速度なら間に合う。二手に分かれて横から「蜘蛛の網」を投げる。
頂点から半球状に広がるそれを避けようと速度を増した司教を正面から……じゃなく下から、
「捕まえた!!」「これはっ!?」
網には少しだけ角度をつけていて最後に閉じるのは正面、エヴァ側。
逃げる方向は限られていてそこで攻撃に転じずにじっと構えた。
確率3分の2で、コイツがウソをついて無いって言うのが前提だったけどね。
結果オーライ、もう一人が一気に、鉤爪を日本刀に変えて掴んでいる自分ごと司教に斬りかかる。
顔が引きつった! 決める! 決まる!!

「!!?」
瞬間、目の前が一瞬にして白に埋まったけど、ためらわずに振り切った。
感触は二つあった、間違いなく斬った。
もう一人の自分はすぐにもう一方に戻したけど………
眩しさにようやく慣れて目を見開くとそこには誰もいなかった。
「……こんなところでやられるわけにはいかないんでね。
 少し戦い方を変えようか」
慌てて振り返ると、法衣に血の赤を付けて右肩を押さえた司教がいた。
217216  ◆/s5ZynBY7E :03/09/30 00:48 ID:???
二日遅れですが、ダブリス編です。

>黒メガネさん
黒へのつなぎの一歩としてという感じで。
手傷を負わせましたが、ダブリスの手応えよりはかなり浅い傷です。
第弐の攻め方としては、相手を挑発して少しでも隙を生み出すという方法を
勝手ながら取らせていただきました。
第弐を直接捕まえられたのは、攻撃に動かずに待ち構えていたからという事で。
ご注意ですが、ダブリスはまだエヴァの破壊パワーの使い方を良く解ってないので全く使えて無いです。


ということで今夜はここまで。
218黒縁メガネオペレーター<1/2>:03/10/02 07:27 ID:???
結界解除成功の安堵もつかのま、それを待っていたかのような新たな敵戦力の出現。
そのほとんどが、我々ネルフ及びトライデントにとっては見覚えのあるものたちだった。
トライデント先行部隊側には、大神殿への進路をふさぐ形で立ちはだかる
第四使徒シャムシエル、そして先程艦隊を打ち破ったオーヴァー・ザ・レインボー側には、
こちらとの合流を阻む位置に出現した第八使徒マトリエル。
大神殿直上を守る第伍使徒ラミエルに動きはない。
『・・・使徒の複数同時展開か。君の危惧が的中したな』
町奉行一行と合流を果たした司令代行は、通信画面の向こうで苦々しげに眉をひそめた。
「いえ、使徒だけならまだ対処が可能です。しかし・・・」
言いかけて葛城さんが目をやった先には、トライラックスの次世代EVA部隊が映っている。
第一世代スモーウォーカー。恐らく本国に離反したバーベム駐日大使が搭乗しているだろう
一体の周囲を、同じくスモーウォーカー一体と、化け物じみた全く別のEVA三体が
護衛するように囲む。それとは一線を画して、第二世代であるK-1ゲリオンが二体、
陸戦仕様で佇立している。
『あちらは恐らく、バンダロングでのクーデター騒ぎの際に本国を脱走した二体だな。
 とすると、パイロットは例の人材だろう』
「・・・わかっています。こちらのパイロットらにも通達はしてあります」
『碇たちはこのまま第伍使徒の牽制と、空間制御を行う第拾弐使徒の調査に回るそうだ。
 地上の敵はしばらくそちらだけで対処してもらうことになるが、頼むぞ。
 トライラックスのEVAに関しては、本国の戦力が直接対処に向かうとの通達があった。
 彼らとの連携が必要な場面も出てくるかもしれん』
「フウイ・ノ・レイ前大使らが・・・? 了解しました」
219黒縁メガネオペレーター<2/2>:03/10/02 07:35 ID:???
司令代行の言葉通り、通信からまもなく京都上空に本国のノンシップが侵入した。
同時に京都市内に潜伏していたらしいスモーウォーカー部隊が、瓦礫の中から出現する。
『トライラックスへの反逆者は我々の手で始末をつけねばならぬ。
 葛城殿、手出しは無用に。そちらは使徒への対処をお願いします』
「わかりました。では、お任せします」
ノンシップからのEVAの降下を待って、トライラックスEVAたちはそれぞれに展開し、
炎天の下で対峙した。こちらの動きがわかっているのか、使徒はトライデントの方に
向かってくる。ただちに総員が戦闘態勢に移行した。
「・・・あとは、あいつね。敵になることはあり得ないだけ、まだマシだけど」
聖母の使徒を葬ったEVA伍号機はこちらには目もくれず、ただ大神殿の方角を睨んでいた。
便利屋の連れていた「綾波レイ」も聖母に連れ去られた一人だということだ。今回ばかりは
誰の依頼でもなく、彼自身の意志でその子を取り戻しに来たのだろう。とすると、
交渉次第ではこちらとの共闘、あるいは同じくレイたちの奪還に向かっている
ランドマスター隊への加勢が望めるかもしれない。俺は葛城さんに進言した。
「共有周波での呼びかけを行ってみます。戦況情報を提供すれば
 交渉に応じてくれるかもしれません」
「そうね。使徒二体、速攻で倒すにはEVAが要るわ。伍号機の補給・修理も
 条件に入れ、共同戦線を張れるかどうか、打診してみて」
220219:03/10/02 07:53 ID:???
市内の動きに介入しました。

トライラックスEVA(バーベム大使+ミゾロギとパイロット同化型EVA三体、
それとは別系統でサラ&ユノのK-1ゲリオン)へは本国のEVA+スモーカー大佐の部隊が
向かっています。
ノンシップにいるEVAパイロットは、フウイ・ノ・レイ、ギーガーの他に
シヴァ・ヘルらが同行していたかと記憶しています。実際誰が出たかまでは
明言を避けました。戦力的には劣ることはないでしょう。
トライデント+ネルフEVAはシャムシエルと戦いつつ、後発との合流を待ちます。
便利屋さんは単独行動・・・なんでしょうか。

ランドマスター隊が無事トラップ突破したので、今後の第弐はたぶん戦線離脱して
そっちに向かおうとします。でもダブリス君を振り切れず(離す気はないですよね)
どうしようもなくなって、さっさとカタをつけようと量産機出して戦闘入って、
とするとすんなり「黒」に入れるでしょうか
(つうかもう暴れてもいいんですか? >????他さん)
ランドマスター隊の罠突破と再度移動開始まではけっこう時間かかってそうなので、
提唱者さん、もうしばらくこのまま戦闘継続じゃないかと思います。すみません。
あとトライラックスEVAはタイプに拘わらず槍のコピーはやってなかったと思います。

半端ですがそれでは。
お久しぶりです。????他です。前に書き込んでから、ずいぶん書き込んでいなかった上、最近またカキコ
制限に引っかかってました。ええと、今夜は書き込む時間がありませんが、明日か明後日くらいにはまた書き込み
たいかと思います。

○Eさん
黒渕メガネさんのおっしゃるように、トライラックス系には槍系の戦力は無いと思います。だからラスガンという
物を考案してたと思いますし。

○黒渕メガネさん
これからの戦闘は、使徒と格闘しながら両チームが合流する感じですかね。ラミエルは主にネルフ本部が
牽制しますが、時折隙を見て攻撃をかけてくる可能性はありますね。後、主席の思惑として、かのヒナ大使
は、もう少ししたら出てくるセガ2nd使徒との関連のトラップ主ではあります。第弐に関しては、暴れたければ
暴れても化です。とりあえずは今からの使徒&トライラックスエヴァ軍団&その他戦力との乱戦→エヴァ軍
団対エヴァ軍団→それら全てを含めたプレラストバトルの終わりの流れと、それと平行してのランドマスター
他の、地下での戦闘の流れとの中で、折りを見てどうぞ。

私が言うとあれでしょうが、実はトライラックス系の面子の動かし方に困ってたりもして(藁
「・・・く」
右肩の傷がかすかに熱を帯びてくる。
さすが、と言ったところだろうか。さっき言ったことをもう身につけている。
使わないつもりだった力を使わせるまでに、この僕を追い込むとは。笑いが洩れた。
抑えた手のひらの下から熱い感触がひとすじ流れ出し、長衣の下を伝う。
顔を上げる。再び一人に戻った黒いエヴァの、手甲を着けた右手が提げた
太刀の尖端から、同じ赤い雫が滴った。
僕は傷口を一度ぐっと掴むと手を離し、右手を宙に掲げた。
日差しに熱された空気がそこだけ激しく揺らぎ、吸い込まれるように一点に集中した。
拳を握る。同時に冷たい金属の重量がその手の中に現れ、空を切る重い軋りとともに、
僕は量産機の黒い両刃剣を手にしていた。
武器の重量を誇示するように、いったん振り上げた刃を足元に突き立てる。土埃の渦が
巨剣の裾を巻き、乾いた地面に亀裂が走った。
「せっかくいい剣を持っているのに、こっちが素手じゃあまりに失礼だったね。
 今度は斬り合いをやろう。本当は僕も日本刀を持つべきなんだろうけど、
 生憎所持しているのは主席だけなんでね。コレで代用させてもらうよ」
「相変わらずよく喋るじゃん。さっさとかかってくれば?」
黒いエヴァは油断なく距離を置いた。先の攻撃で、大したダメージを与えられなかったことは
もう気づいている筈だ。僕は唇の端を吊り上げてみせた。
「そんなに警戒しなくても、槍の力は使わないよ。あまり派手にするつもりはないから。
 ・・・まさか、剣が折れるのが怖くて打ち合いたくないなんて言わないだろうね?」
瞬間、大気が冷えた。
黒いエヴァはすっと両肩の力を抜き、太刀を上段に構えるなり斜めに振り下ろした。
かすかに空気の裂ける音すら聞こえそうな、小気味よい振りだった。刃面を汚す僕の血が
きれいな弧を描いて飛び、再びまばゆい白い鋼が現れる。
押し殺した殺気を湛え、黒いエヴァはぴたりと構えた太刀の向こうから僕を見据えた。
「・・・もういい。来いよ」
真夏の陽が互いの影を灼きつけ、直後、僕と彼は同時に地を蹴った。
223222:03/10/09 19:13 ID:???
ご無沙汰です。

時間ないので少しだけです。
>提唱者さん
随分お待たせしてすみませんでした。一応続き=戦闘継続です。
ひとつだけ質問。>216最後で第弐が出した(んですよね)「白い闇」、まだ残ってますか?
だとすると最後記述がちょっとおかしくなってます。すみません。
両刃剣、槍への変形は行いません。少なくとも第弐はそのつもりです。変身もしません。
主席の意向を無視して出てる上、あんまり力を使うとネルフ側を刺激してしまい、
下手すると戦場の流れを狂わせてしまうかもしれないので。
カコイイ殺陣、はもう町奉行さんがやってしまっている訳ですが、せっかく忍スタイルですし、
それっぽい戦闘の続きをどうぞ、なつもりです。よろしければ。
>????他さん
両刃剣、変身してないのに出したのは・・・マズかったですよねはい。
本筋に影響出るようならクレームください。屁理屈こねるなりなんなりします。

次に来られたらVSシャムシエルやるつもりです。ただの使徒戦、にはならないといいなとか。
あと地下スレの「氾濫する光」は没にします。>221の内容に加え、開始時点の
要求条件がめんどくさすぎるんですよアレ。よって却下です。あれはあれでちゃんと
完結させるつもりなので、興味ある方だけ読んでくださいね、ということで。

それでは。
情報化社会というものとの縁の薄いところにも、それはあった。
いつの間にか設置された街頭テレビの周りには人だかりが出来ている。
近くにいる者は腰をその場に下ろして奥の人の目にも見えるように配慮していた。
彼等が集まるのは珍しいからではなく、それはささやかな信仰から来るものだろう。
神などと言うものがいないことは、この映像を見れば解る。
これは忠実に再現された地獄そのものだ。
その集落のほぼ全員がそこに集まり、ことの行く末に目を向けている。
子供達は身を寄せ合い、仲の良い者は互いの手に掴んでいる。
母親の腕の中の子は小さな手一杯、親の指を抱えて静かな寝息を立てる。
ある老夫婦は配給されている温かいスープに冷えた心を潤す。
他にも乾パン、コーヒー、今では貴重品となった魚介類の煮込みなどが振舞われている。
困った時はお互い様ですからと給仕は笑顔で言いながら、黙々と作業をこなす。
ありがたいと思う一方で、誰もがそれを配っている彼等が誰かを知らない。
疑問に思っていても、目の前のイベントの前にそれはあっという間に霞んでしまう。
計画は最終段階へ移行、静かにそれは浸透していく。
先の先を読んだかのように途中は潰されようとも、
最後だけ押さえればよいと言うかのように。
「はーい、順番に並んでくださいね」「おじいちゃんはこっちね」
「こっちのは緊急で頼む!」「こっち終わりましたー、次の方どうぞー」
「麻酔の残量20、睡眠薬の補充もお願いします」
自棄になった軍事関係者らの暴動にその野戦病院は対応していた。
電波ジャック開始から断続的に起こっていた暴動も、
人の数が減ったのか今はだいぶ落ち着いている。
ビル街だけが蝋燭の最後の火のように燃え上がり、周りを明々と照らしている。
「看護婦さんわしは、わしらは助かるんか?」
「彼等が見える? あの人達がいる限り、大丈夫よ」
時々映像が乱れるテレビの中の人物を指差して、看護婦は笑った。
「彼等が勝つように、私達はここで祈っていましょ」「そうじゃのう」
老人は仏教徒であるのか手をすり合わせぶつぶつと教を唱え始めた。
看護婦はやさしい表情を張り付かせたままベッドを離れ、次の仕事に取り掛かる。
アンタはそれくらいしか出来ないだろ、と言う看護婦の言葉が声になる事は無かった。
「ええ、今この場で行動を示して頂ければ」
一回だけ、十秒ほどの時間をかけて契約が交わされた。
「本当にこれだけでいいのか?」
水清過ぎれば魚は棲めず、汚れすぎても種を制限する。
ここはその丁度中間、彼等が棲めるギリギリの境界線上だ。
「今更紙切れが何の役に立ちますか?
 その隠し持っているレコーダーもゴミと同じ、違いますか?」
男のもつ常識の範囲ではそんな事は無いのだろう、困惑した顔がこっけいだ。
意味が無い理由は二つある、一つは世界的に奪われた法、
もう一つは彼が契約を結んだ理由の一つである技術。
「そう…そうだな。はははははははは……」
それに気がついたのかつかなかったのか、男は乾いた声で答えると
レコーダーを足元に落とし踏みつけ、何度も踏みにじった。
「事が上手く運んだ暁には貴方の望み通りの物を差し上げましょう。
 では」
「天使達の仕事はもう終わったか?」
「91%ってところだな。「落第者」どもが出なければ完遂していたものを」
「いいではないか、元々言う事を聞く奴らでは無い。
 ここまで行けばほぼ完璧と言える」
「唯一つの問題を除いてな」
「碇ゲンドウか。我々の領域に最も近い能力者にして元幹部。
 幾つかの道は知っていよう」
「左様。その未知数により我等の計画は灰燼に帰すやもしれぬ」
「案ずる事は無い、奴に如何な力があろうとも一人で全てを変えることは出来んのだよ。
 神の器たる奴の息子以外にはね」
「いやぁ、あのガキにも無理だろ?
 確かに神の器だが、それ以上でもそれ以下でもない。
 俺達と同じ腐った部分も持った人間だからな」
「それもそうだな。だから我々がここにいるとも言える」
「雑談はそれくらいにして次の議題へ移ろう。
 話すべき事はもう残り少ないが、これが一度迎える最後である事に変わりは無い」
「……そうだな。これを終えたら次は何年後になるかわからん」
「だからこそしっかりと決めておこう。
 素晴らしいひと時を我々が再び迎える為に」
228227  ◆/s5ZynBY7E :03/10/10 00:06 ID:???
時間が……はもうやめよう。
と、ちょっち前から書きたかった(含みを持たせた)外部視点を書きました。
ずっと以前からこうすると言っていた部分の繋ぎですね。

>????さん
ああ、そうですね。すんません、読み違えをしていました。
綾波教の量産機ではなかったですね。
どうしよう、もうちょっち彼は隠れている事にしましょうか。

>黒メガネさん
これで量産機戦もっていけるかと思ったのですが、そういう理由なら仕方ないですね。
地下の方のは別腹ってことで楽しみにしてます。
勝手ながら白い闇は使いましたが、言われる通りもう消えてます。
あくまで緊急脱出にって事で。
戦闘はここで片が付けられないなら、向こうで一考しないとまずいかな。
忍者で戦闘………ちょっちネタひねってきます。お待ちを。


今夜はこれにて。
229綾波寮責任者:03/10/10 21:45 ID:???
ノソリとノソリとした動き。残されているデータを見る限り、こいつは動き
は鈍いはず。……そう、データだけで判断するなら。
だが、そいつ……蜘蛛のような姿をした使徒は、かつて第三新東京市に出現
した時は、その能力の全貌を見せた訳では無かったのだ。むしろ、あのデータ
の通りなら、その力の一部しか見せぬ内に倒されたと言っていいだろう。
使徒マトリエルは、実際の蜘蛛が時折見せる、素早い動きへと移行した。急
な動きの変化に、二機のエヴァの対応が遅れる。
そして、溶解液を水鉄砲のように乱射し、二機のエヴァを翻弄する。だが、
この程度の相手はエヴァの敵では無いはずだった。しかし、時折空中に穴
が空き、溶解液を思わぬ方向から出現させる。おそらくレリエルとかいう
使徒の仕業だろう。敵戦力を次々と送り込むこいつをどうにかせねばなら
ないのだが……。そういうこちらも今だ思い通りの動きが取れない。
ラミエルとレリエルの複合攻撃はこの本部へと向いているのだ。迂闊な
事をすればやられてしまう。しかし、こうやってラミエルを引き付けねば、
下に更に被害が出るのは明白。それとも、わざとこの本部と戦わせてる
のか!? 京都の戦場を見渡すと、敵はレリエルの力で配置を自在に変化
させ、市内中心部で戦闘している部隊やトライラックスの部隊、そして
ここの下方で戦っている部隊を翻弄している。赤木リツコ博士が言う
には、敵の本体がいる位置を探るのはかなり難儀らしい。おそらく、
あのE計画とかいう連中のプロテクトを突破して連中の位置を割り出すくらいにはだとか。
230綾波寮責任者:03/10/10 21:46 ID:???
そして、市内に更なる変化が起こる。さっきから、主にエヴァ同士の
二つの戦場は序々に距離を詰めつつあったのだが、そこに新たに
戦力が投入された。不意にディラックの海から新たな使徒……イスラフェ
ルが現れ、参号機へと襲いかかったのだ。それに皆の目が向いた瞬間、
今度は上空に新たな反応……白い鳥型の光……アラエルだ。その光が
狙うのは……マズい! あの範囲には地上の兵士達が! それにトライラッ
クスのエヴァ部隊も入ってるぞ!? そして、司令がつぶやいた。
「……そういう経路を使うか」
どうしたのかと聞けば、立て続けの使徒の出現に、混乱した味方の兵士
からの『通信』を介して、使徒イロウルがコンピュータープログラム
と化してこの本部に入り込み、現在ナオコ博士と戦い出したらしい。
このままではラミエルの牽制ぐらいしかできないとか。
……どうなるんだよ、これは!!
231綾波寮責任者:03/10/10 21:53 ID:???
????他です。またひさしぶりにですが、例によって時間が無いので少しだけ。
ネルフ本部視点から見た、対使徒戦の状況変化です。市内組と市外組のエヴァは
戦闘しながら接近していってますが、その際に更に使徒が攻撃をかけてきて
います。京都外にも混乱の予兆がありますが、予測している者はいても、
目の前に問題がある状態ですね。
で、状況は市内組→シャムシエル戦の中、イスラフェル追加。
市外組→マトリエル。
その他の敵と戦闘している、地上部隊にアラエル
ネルフ本部にラミエル&イロウル
と、いう感じです。
これとは別に、E計画系やランドマスターやエヴァ・フェット等の面々
や、第弐が動いている状況ですね。

それでは、また失礼いたします。
232231:03/10/10 21:54 ID:???
失礼、>>231は名前の消し忘れです。
233 ◆/s5ZynBY7E :03/10/16 23:43 ID:???
保守代わりに。
ちょっちこのまま週末まで時間が取れそうに無いです=週末書きます。
Fの結界消失に伴うその後、ダブリスVS第弐次席、のどちらかを展開する予定。

今夜はこれにて。
234ダブリス  ◆/s5ZynBY7E :03/10/19 16:28 ID:???
刃と刃が交わった瞬間、風が舞う。
その風に乗せられるかのように刀を弾かれた。
片手で扱うには大きすぎる得物を、コイツは棒切れのように振り回せるんだ。
司教の手首がくるりと返され、もう一端の刃が迫る。
身をそらしてかわすも、間に合わなかったATフィールドの帯が切り落とされた。
怯むことなく肘が伸びきった司教の右腕を狙い、刃を振り下ろす。
が、司教は両刃剣を軸方向に回転させて受け止め、そのまま横に振り払う。
「喰らえ!」
垂直に飛び上がって避け、左手から手裏剣四発を投げつける。
振り払った両刃剣を正面に構え、司教は広い鎬で二発を弾く。
視界を塞ぎ両刃剣の持ち手側から小太刀を頭部めがけて突き出す。
これは囮だ。本命は大きくカーブさせて飛ばした手裏剣二発。
司教は体を少し後ろに逸らして小太刀を避ける。
直後、両刃剣を地面に突き立て半身を返すように跳び上がり手裏剣を回避した。
そのまま司教は地面を削って下から上に刃を振り切った。
そこに僕はいない。
司教が顎を引き上げて上を見ると、エヴァがそこにいた。
司教は笑みを張り付かせ、エヴァに背を向けるように体を回転させた。
「チッ」「まだまだだね」
幻は音も無く消えた。
無色透明の衣がはがれて黒いエヴァが司教と刃を交える形で現れる。
拮抗、刀に残りの左の力を上乗せして振り払う。
のれんでも押すかのように司教はふわりと浮き、少し離れた場所に着地した。
「なかなか面白い事をするね、アラエルの目潰しとバルディエルの毒霧とでも言うのかな?
 ノイズを撒き散らして動きを読み難くしてる。
 他の能力者には出来ない芸当、その格好は伊達じゃないね」
だからなんだって感じだ。また読みきられてる。
力も想像以上にあるし本気をまだ出させてない。底がまだ見えない。
「まだまだ!!」
分身の術よろしく4人に体を分け、そのうち二人は最初から隠れ蓑を纏わせる。
姿の見える一人が突進、もう一人が上空に飛び上がった。
235223:03/10/24 16:11 ID:???
ホシュ

・・・すいません
シャムシエル戦やるとか上で吹いてますけど無視して先に進んでいいです
来週明けくらいには・・・・・・たぶん・・・
本当にごめんなさい
上空から両手で八発の苦無を投げつける、今度は紐付きだ。
司教は立ち位置をずらして、避ける必要の無かった半分の四本を弾く。
全部は読まれていないはずだ。
司教を中心に歪な八角形を描くように突き立てられた苦無の紐から水平に
急速に新たな紐が伸び、牢屋のように司教を取り囲む。
上空の僕が体を両手を捻り回せば上部の紐が絡んで牢が閉じる。
牢は隙間が塞がれて繭のようになり、中の司教の視界も同様のはずだ。
直進する僕は一つステップを踏んで45度の角度をつけ、刀を大鎌に変化させる。
紐はマトリエルの溶解液と変化し上部から崩れていく。
司教はまだ中にいる、トドメとばかりに大鎌を真横に一気に振り切―――――
「!!?」
れた。何の抵抗もなく。
勢いを殺すのも一瞬忘れて、大鎌が隣のビルの半分まで斬り込んだ。
鎌を振る直前、溶解して行く牢の天井は司教の背丈ほどだった。
予定より檻は広がっていたけど、地面に伏せた?
まさか溶けたなんてことは………!!
「うん、なかなかいいコンビネーションだ」
動揺を見せてしまった。
一瞬、氷の刃が胸に突き刺さったかのような感じがした。
「簡単な事だよ、刃も溶解液も僕に届かなかった。
 外は見えなくても中の事は手に取るように解ったしね。
 それにここは…外と通じてる」
読まれてた!
司教は右の踵を地面に突けたまま、つま先を上下させて地面を叩いて見せた。
服の端はある程度溶けてる、あの武器で防いだんだ。
とにかく最悪の場合、隠れている二人存在がバレてる。
4人分身は負担がかかるから長くは出来ないし、早く決定打を出さないとヤバイ。
「君は解り易いね。能力的には強いのに、メンタル面がなってない。
 攻撃してこないなら、まずそっちから行こうか」
服がばたつく音が届いてすぐに、上にいた僕が防御に回っていた。
速い! 上の僕がすぐに押され始める。急いで地上の僕が地面を蹴って跳ぶ。
全く見えなかったわけじゃない、遅いのに慣らされていたんだ。
だから、不意を突かれた感じになった。
司教の背後から斬りかかり、前方の僕とで挟み撃ちにする。
突きと斬りと、蹴りと鉤爪がたった一本の武器と体捌きでかわされる。
時々左手も使っていたけど、これじゃ話にならない。
見えるだけじゃ普通、じゃないけどここまでは出来ない。
………吹き飛ばす。
今の僕は切り捨てて、隠れてる二人で行けば殺れるはずだ。
範囲攻撃なら回避はしにくいし、動きを封じるのは一瞬でいい。
ギリギリまで二人を寄せて、一瞬で爆発させる。
攻撃に下手なカムフラージュは要らない、このまま攻め続ける。
「つまらないね。君の力はこんなものなのかい?」
……キレそうになるのをなんとか堪える。
神経逆撫でばっかしてくる理由は解らないけど、これで終わるよ。
攻撃を突き主体のものへと移行して……………今だ!!
司教の前の僕と、後ろの僕の突きが変化する。
突ききった手刀と鉤爪がシャムシェルの鞭へと変化して伸びる。
「っ!」
振り払おうとする腕は残りの腕と足で封じ込める。
力負けしないように渾身の力を込め、僕は、チャンスを引き寄せた。

上下から挟み撃ちにする形で、ゼルエルの光が三人に降り注いだ。
238237  ◆/s5ZynBY7E :03/10/26 01:16 ID:???
レスも入れず途中で放置してすんません。
次はFに……間をあまり置きたくないんですが………(略)

>黒メガネさん
という事でバトンをお渡ししますね。結果は出さず、命中したかも書いてませんが。
ネルフ側の状況、トライラックス方面の動向、????さんの意見も含め、
このまま戦闘継続か否かはそろそろ決めないとと思い。
こっちで締めを用意できるといえば出来るんですが、量産機エヴァ使わんと無理っす。
前処理も必要ですし。


そんな感じで今夜はここまで。
>>238放置汁          \\
           ||
          /||
      ー二三//
    //ー三二/
   ////
  ////
 |||||
 ||||||
 ||||         /⌒ヽ
 ||\ \       / ´_ゝ`) すいません、ちょっと通りますよ・・・
 \ \\三二三三三三|    /
   \\ー三二三三三| /| |
    \三三三三三三// | |
              U  .U
240 ◆/s5ZynBY7E :03/10/29 20:51 ID:???
念の為連絡、念の為連絡

あっちのBBSが場合によっては消滅する模様です。
昨日の時点で現在書き込まれている分のログは念の為取りました。

以上、念の為連絡でした。
241235:03/10/30 17:24 ID:???
まだ生きてます、でもそれだけです。
もう少し、時間取れそうにありません(少なくとも今夜は無理です)
なんかもう自分に愛想が尽きました。
「もう来んな」はいつでもどうぞ。これ以上迷惑かけたくありません。

>????他さん
来られたら、ネルフ先行部隊サイドは使徒戦行きます。とりあえずシャムシエルと
イスラフェルは倒します。アラエルにも対処するかもしれません(ネタできてます)
とりあえず、現状でもう倒していいもの、良くないものを挙げておいて頂けると助かります。
あとものすごく遅レスになりますが、トライラックス側勢力は自分は極力描写を避けます。
そのため前に書いた部分では、トライラックス系の戦力どうしでぶつかってもらいました。
弐スレ目、参スレ目辺りのように、わざとぼかしておくのも手だと思います。全部細かく
やる必要はないですし、ある程度自由度がある方が担当さんも戻りやすいと思いますから。
バーベム大使についてはある意味別格なので、オーダーがあれば描写します。
その他、ご要望あればどうぞ。というか指示があった方が自分は動きやすいです。
>提唱者さん
さんざんお待たせして申し訳ありません。そちらのご厚意に随分甘えていると、
自分でも思います。レスはいつも読ませて頂いています、全然見てない訳でも、
無視してる訳でもないです。本当にごめんなさい。
第弐の方、もんのすごいカコイイ引きをありがとうございます。自分が書くとしても、この展開だと
量産機出すしかないです。やりたい展開があればどんどんどうぞ。一応、量産機出現〜
「黒ノ咆哮」終わりまでの流れはもう考えていますので、ここで渡されても大丈夫です。
自分が書く場合について、幾つか質問です。
「黒」入る前後でシヴァさん引っ張り出すつもりでいますが、問題はありますか?
もうひとつ、そろそろ回復したと思われる『D』さん方やLonginusの面々、それからFは
ネルフに関して何か干渉を行いますか?(対使徒で苦戦した場合等)
ここ一ヶ月の不始末はネタで償います、ということで、もう少しだけお待ちください
(いや進めたい部分はどんどん進めて構わないです、一切後出ししません)

それでは。
242 ◆/s5ZynBY7E :03/10/30 20:05 ID:???
ひとまず。

>黒メガネさん
戻ってこられて何よりです。
最近はこのペースなのでさほど気にしてはいませんが、やはり、
私個人としては「完結」の二文字は飾りたいですよね。
シヴァは登場しないのならこちらで出すつもりでした、黒の後にでも。
という事でシヴァ登場は問題なしです。
ただ、本当に黒に入る前にもう一度だけ、もう一度だけこっちに振って頂ければと思います。
流れはそこに必ずもって行きますので。
次に、Fや『D』はネルフの人間部隊に対しての干渉は危機状態なら行うかもしれません。
Longinusはエヴァが苦戦すればそっちに、ですね。
ただ消耗の点から言うと、自分的にはけっこういってるつもりであります。
基本的に、京都御苑へというか、地下神殿(?)に向けて一直線です。

ここが動けば、????さんも、厚木の兵士さんも続けて動けるでしょう。
というか、どう動いていいのか微妙なところなので動けて無い気がしないでも無いですね(苦笑)
無言のせめぎ合いというか。そこそこゆっくり待ってます。
トライラックスさんのパソコンはまだ直らないのだろうか………
ども、????他です。また長い事さぼっててすみません。
現状で始末していい物は、シャムシエル、イスラフェル、マトリエル、イロウル、
アラエル、トライラックス系エヴァ、その他綾波教サイドの遊軍戦力って所です。
(いくつかは位置関係からこちらが始末する事になると思いますが)
で、サキエルが人口進化研究所にいて、ラミエルがレリエルに防御されて大神殿
上空に、サハクィエルが成層圏より上空に重なる異空間に潜んでいます。
そして、同じく京都と重なる異空間(しかも、割り出しが困難な位置)にレリエル。
主席が自身の手駒として温存していて、分散して出す事も、集中して出す事
も可能なようにスタンバイしているのがバルディエルです。サハクィエルは
いやがらせ用に温存さrていますが、必要とあらばいつでも落下しに現れます。
ただ、現在いる空間はレリエルほど複雑な位置ではありません。(倒しにいく
のも可です)
クローリー・ヒナとリンクしている使徒は現在出現している使徒群に続いて
投入する予定である事は主席は残り二人の司教には連絡しています。
主席自身は上記の使徒軍団が倒された所で司教陣、そして弐号機&量産機
部隊を出す考えです。今の所、第弐の行動は黙認しています。

あ、それとEさん。エヴァ・フェットをターゲットに行動していると、某超機人
が追跡してくると思うので(w
「もうだいぶ仕事にも慣れたでしょう。
 非常用の対策マニュアルを置いてくから、適当に使ってね。」
赤木博士がそう言って去ったのは、もうだいぶ前になります。
博士の言葉が示す通り僕も仕事に慣れ、またこの高次電脳空間のシステムもおおよそ飲み込めてきました。
例えば買い物に行った時、目的の物以外が売っていなければ衝動買いは起きません。
そんな感じで電子に目的外の挙動をさせるものをあらかじめ除去してしまうことで、
速やかに予定通りの演算結果を導いているのです。
波動、確率、可能性、そんな抽象的に広がっているものを収束させて一つの解にする。
これは、あのLCLの海からの帰還にも似ています。
もしかしたらあの海の中にも、こうやって働いてる人がいたりして。
いや、働いてる人はいなくても、海から帰ってくる人にはなんらかの作為が働いてたりして。
そんなことを考えながら、日々荷物運びをしています。

しかし、のどかな日々は終わりを告げました。
急にシステムに過負荷がかかったのです。
どこからともなく次々と現れる新しい荷物!大慌てでそれを運ぶ僕!
うああ、間に合わない!
てんてこまいになっていると、急に新しい荷物の出現が減りました。
センパイかな?時田さんかな?
外の人の頑張りを感じながら、僕も頑張りました。
永い永い時間の果てに、ようやく一息つくことができました。
不思議とここにいるとお腹は減りませんが、作業のあとにはやっぱり疲れます。
座りこんで僕は、ふと赤木博士の置いていった非常用マニュアルを眺めました。
マニュアルは5つの項目に分かれていました。必要に応じて段階的に発動させる構成のようです。
改めてそれを読み直していた時、また先程の、いや先程を上回る勢いの過負荷がかかりました。
マニュアルを投げて作業に復帰しましたが、いくら作業を進めてもきりがありません。
はっと僕は思いました。これは、非常事態ではないかと。
投げ出したマニュアルを拾い上げて並ぶ説明を睨むような視線でなぞり、項目1:電子網連結を頭に叩き込みます。
おそらく都市機能を一つの演算システムにまとめあげて効率化するもの……
いや、それだけじゃない?外部システムとの連結による機能拡張?
ええい、ままよ!
僕はマニュアルの通りに荷物を並べ始めました。
それは倉庫の中央に魔法陣を思わせる幾何学的な配列を形作っていきます。
そして最後のひとつを置いた途端、わっと白い光が閃き、
次の瞬間には倉庫が消えて地平線が広がっていました。
無限に続く真っ白な床。
閃光から回復した目でよく見れば、そこにいくつもの荷物が次々に積みあがっていくのがわかります。
作業が大変になっただけ?いやいやきっとこれで少しは外の役にも立ったはず。
きっとまだ次の項目に進む時じゃない。今はここでやるべきことをしよう。
僕は作業に戻りました。

いずれは使う事になるのでしょうか?
項目2:都市部要塞戦艦内格納、項目3:浮上、項目4:強攻型
そして項目5:超強攻型 ノア・アタック。
…今はここでやるべきことをしよう。今は。
246進攻再開  ◆/s5ZynBY7E :03/11/06 23:44 ID:???
塵は塵に、死体は死体に。
結界が崩れ去り、同様に彼らの前に立ちはだかっていた敵の大半も朽ち果てた。
味気ない、と思う一方でここに進軍の機を見出しライナは叫んだ。
「フォーメーションG、一気に抜けるぞ!!!」
立ちはだかる使徒もどきを髪より細いその鞭で解体していく。
その横ではブレイドが鋼板のようなギミックを縦横無尽に振るう。
「マゼンタ、シアン」「解ってるわ」「うん」
通信機からの声が鮮明になる。
彼女等のリーダーの声はそこからも力強く届いた。
シアンが先陣を切り、入れ替わるようにマゼンタが前を行き、さらにイエローに繋ぐ。
三人が入れ替わり立ち代わり敵の波を二つに分け、リーダーの元へ猛進する。
その後ろを追う形でパイロ、パイク、そしてリッチが合流する。
「そっちは無事か?」「まあねっ!!」
話している余裕など本来ならありはしない。
しかし、敵戦力の急激な低下は黒衣の彼等に一抹の精神的余裕を与えた。
「クリスタルはどうした?」「まだ大丈夫、あっちに」
攻撃回避を主軸に変えたリッチにイエローが答える。
一瞬の視線で示された先には、ATフィールドで専守防衛に徹するクリスタルの姿があった。
頑丈さを武器に豪快に暴れるルークの周りを、
彼の動きを制限しない絶妙な間合いで動いている。
その体捌きはイソギンチャクの触手の中を動くクマノミのようにも見えた。
ルークの背後で一匹の使徒もどきが跳び上がり、眼を光らせる。
光線が発射される刹那、その頭部がスカッとパイクの槍に打ち抜かれた。
「遅かったな」「ほとんど進んで無いくせによく言うぜ」
頭を打ち抜かれた使徒もどきは地に落ち、パイクとリッチを先へと運ぶ橋の一端になる。
後方で集団が出来上がった直後、空気がピンと張り詰めた。
ざわりと肌を震わせた原因、複数の使徒の姿がいやおうなく彼等の視界に入る。
「早く来い!!」「ぐずぐずするな!!」
先頭を行くライナとブレイドが叫ぶ。
返事をするまでもなく、たむろしていた彼等は進軍速度を上げた。
「予想はしてたが………想像以上だな」
247241:03/11/08 00:36 ID:???
こんばんは。
大変遅くなりましたが、ネルフその他の、その後の動きがようやくまとまったので、
これより久々に(ほんと久々に)書き込みませて頂きます。
長らくお待たせした皆様、本当に申し訳ありませんでした。
一応、宣言した部分はほぼ消化してあると思います。
投下後、各担当さんへの詳しい連絡や状況まとめを書き込むつもりです。
そちらを先にという方は、例によって十数レス飛ばしてください。

それでは投下を開始します(けっこうかかると思います)
248黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:37 ID:???
京都市街南部、葛城一佐指揮下のネルフ及びトライデント先行攻撃部隊。
連続する使徒の出現により戦況は混乱を極めていた。
当初、指揮中心を兼ねるトライデント2号機より見て最も距離が近い地点に位置したのは
参号機・四号機と交戦中の第四使徒シャムシエルである。第三新東京市襲来時に比べ
動きが格段に俊敏になり、縦横に飛ぶムチ状の前肢の攻撃にEVA二機は翻弄された。
ATフィールド中和にはすぐに成功したが、目標は半飛行形態という優位を生かし、
長いリーチと緩急自在な攻撃ラインで市内狭しと暴れ回る。使徒が飛来する先で
次々とビルが倒壊し、逃げ遅れた改造騎士や兵士たちを巻き込んでいく。
「総員、ただちにEVAと使徒の戦闘域より離脱!
 日向君、敵の少ない退路を割り出し、使徒に近い部隊から優先して後退させて!」
「りょ、了解! 第三中隊より、非常コード8Aに従って撤退を開始せよ!」
使徒の攻撃は戦場を周回するトライデントのすぐ近くにも及んだ。ムチの一撃を受けた
地面が大きく陥没し、機体が大きく揺れる。葛城さんはよろけながらも指示を続けた。
「鈴原君、渚君! あまり時間はかけられないわ、急いで!」
『了解! こいつにはワシも一度シンジと一緒に会ってるんや、すぐにカタつけたるわ!』
四号機の援護を受け、参号機が使徒の巨体に取りつこうとした、そのときだった。
ふいに警報が鳴り響き、かぶせるようにマヤちゃんが声を上げた。
「参号機、七時方向10に新たな空間異常! パターン青、来ます!」
『何やとぉっ?!』
参号機の左後方、至近距離に黒いディラックの海が一瞬顕現し、現れた巨大な影が
参号機に襲いかかった。参号機はプログナイフで背後の敵を払おうとしたが、
ナイフが一閃するのと同時に、敵は二体に分裂して飛ぶように攻撃を逃れた。
249黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:39 ID:???
「第七使徒イスラフェル! アレをここで投入してくるなんて」
葛城さんが身を乗り出す。
「鈴原君、データは見てると思うけど、相手は自由に分離・合体を行えるわ!
 二体の連携攻撃は強力よ! 渚君と離れないようにして!」
『お、おうっ!』
参号機は交互に飛びかかってくる使徒をかわし、四号機の方へ向かおうとした。
だがそこに第四使徒の攻撃が襲った。四号機との合流経路を断つ形でムチが市街部を叩き、
足止めされたところに再び第七使徒が覆いかぶさるように組み合う。
『くっ!』
四号機がポジトロンライフルを構え、参号機を押さえ込む使徒めがけて撃つ。すかさず
その足元にムチの一本が飛び、跳ね上げた瓦礫を掴んで四号機に振り下ろした。
四号機は難なく脱するものの、乱舞するムチに阻まれて追撃の機会を失う。
「後方の初号機と零号機はっ?!」
「依然、第九使徒と交戦中! 更にトライラックス勢と戦域が重なりつつあります!」
オーヴァー・ザ・レインボーから転送される戦況マップ上では、ノンシップを中心に
トライラックスEVAどうしの交戦域が次第にこちらへと移動しつつあった。葛城さんは
すばやくそれを一瞥し、歯噛みした。
250黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:40 ID:???
「援護は見込めないか・・・やむを得ないわね。
 EVA伍号機の便利屋スズキとの交渉は?!」
『さっきから聞いてるぜ。葛城作戦部長さんよ』
通信画面に便利屋本人の顔が割り込んだ。彼
にはAIサポートがある。こちらより早くトライデントの指定周波を割り出したのだろう。
『悪いが俺にはネルフも綾波教もどうでもいい。今回は依頼で動いてる訳じゃないんでな』
便利屋の顔はいくぶん憔悴していた。葛城さんはすぐにきっと切り返した。
「でも綾波教を止めることは、あなたの目的達成にも繋がるのよ?!」
『フォースインパクトか? 関係ないな。俺はアイツを取り戻しに来ただけだ』
便利屋は眉も動かさない。葛城さんが更に言いつのろうとしたとき、ふいに俺の手元で
画面の一部が静かに明滅した。一瞬、信じられなかった。急いで確認する。
だが間違いではなかった。
「待ってください! 葛城さん、たった今、・・・ネオ戦自戦車隊との交信が途絶しました」
「囮に出てくれた戦車小隊?! 通信妨害ではないの?!」
マヤちゃんが続いてキーを叩き、ウッと口を押さえた。
「確認・・・しました。 ・・・生存者、ゼロです」(>>184
「・・・まずいわ。ランドマスター隊が」
葛城さんは一瞬目を見開き、中央画面の戦況概図を睨んだ。便利屋の声が吐き捨てた。
『俺に構ってる場合じゃないだろう。まずは自分のことを片づけるんだな』
『待ちたまえ!』
万事休すかと思われたトライデント指揮房内に、厳しい声が響いた。
要塞都市のネオ戦自技研にネオエヴァの強化武装を納品してから数日。
ナオコ博士からのとある極秘指令を胸に、私は再び要塞都市の高橋氏のもとを
訪れることになりました。
なんで一介の人事部長の私が出向くのかって? そりゃあアナタ、今旧東京は
例の京都決戦生中継、巷で言うところの『LIVE』とその騒ぎで、大変なんですよ
(>>133->134、>>244
一応今は暴動状態も落ち着いて観戦モードみたいになってますけど、まだまだ
我が社は事後処理に奔走してるんです。とても時田さん自らが社を離れられる
状態じゃないんですよ。それで私に声がかかった訳ですね。
・・・はい? ナオコ博士はどうした?
・・・・・・
・・・ああああああなんで行ってしまったんですかぁああナオコ博士っ!!
この私をっ!!じゃなくて時田さんを置いてッ!!! 
よりによって激戦区の京都なんかに!! 無事で帰れる保証なんて・・・
エヴァンゲリオン初号機の起動確率並みに低いんですよっ?!!(号泣
・・・はっ?! いやいや今はそんな個人的なことはどうでもいいですね。
いや良くないけど、それ以上に私には託された任務があるッ!!
最後の最後にナオコ博士が打ち明けてくれた、要塞都市の秘密(ほぼ死語)がッッ!!

ともあれ、到着した要塞都市はいつになく慌ただしい様子でした。
ネオ戦自本隊はとっくに京都へ送り出した筈だし、開戦前に比べて多少は
落ち着いてても良さそうなもんなんですが・・・
勝手がわからずに掃除ロボットと戯れ始めた私の前を、どこかで見た覚えのある
女性が横切りました。あ、あれはネルフの?! なんでこんなところに?!
「あ、綾波レイ?!」
思わず口走ると、その女性は挙動不審丸出しの私に向かって
にっこりと笑ってくれました。
「違いますよ。その人と同姓同名で、おまけによく似てるって言われますけど。
 旧東京要塞都市総司令付き秘書官、綾波レイです。
 よろしくお願いしますね」
「はぁ・・・」
「日重工から連絡のあった人事部長さんですね。こちらへ」
綾波さんは丁寧に会釈をすると、私を連れて広い廊下を歩き始めました。
確かによく見ると黒髪で目のカラーも黒。でもぱっと見の印象が何ともそっくり。
実際、道々聞いた話では、ここに来る前は綾波教の聖女に間違われて大変だったとか。
・・・ところで、今は何か特別な演習でもやってるんですか?
「え? いいえ、これはネルフの支援をしている、霊能局の方です」
綾波さんはちょっと顔を曇らせました。
「京都で亡くなった方の霊的な供養も行っているんですが・・・もう、随分
 たくさんの人が命を落とされたみたいで、それで」
それでこの忙しさだったんですか・・・演習なんて言った自分が恥ずかしい・・・
「でも今はそれだけじゃないんです。新たに京都からここに来られた霊魂たちが、
 何か守護神に働きかけて・・・あっと、これは部外秘なんでした」
綾波さんがそう言ったとき、急に建物全体に低い振動が走り・・・って地震ですか?!
慌てる私をなだめると、綾波さんは真顔になって空の方向を見上げました。
「・・・始まるようですね」
253黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:46 ID:???
『あんたは・・・』
『スズキ君、今全滅が知らされた戦車隊と同行していたランドマスター隊は、現在単独で
 旧人工進化研究所京都支部方向に向かっている。目的は拉致された綾波レイたちの救出だ』
『・・・何だと』
画面に映し出されたのは、決然とした表情の冬月司令代行だった。
「司令代行!」
『構わんよ。今更作戦機密も何もあるまい。
 スズキ君、彼らは一隊とはいえ相当の戦力だ。加えて、我々の知る限りでの旧施設の
 内部情報も渡してある。同行すれば確実に迅速な目標発見が見込めるだろうな』
『・・・何が言いたい』
睨みつける便利屋に、司令代行は不敵な笑みを向けてみせた。
『君に正式に仕事を依頼したい。内容は、潜入するランドマスター隊への全面的な協力、
 ならびに囚われた綾波レイたちの奪還。及び作戦遂行範囲での綾波教戦力の撃破だ』
便利屋はすっと無表情になり、ふいにプロの顔になった。
『今、まほろさんがあんたの言う部隊を捕捉した。嘘ではないようだな。
 成功報酬は?』
『この戦いの結果如何に関わらず、ネルフ及びトライデント権限における全ての行動の保証。
 国内の旧戦自基地に残された軍事物資の優先取得権。京都内での優先行動権。
 そちらから更に要求があるようなら、可能な限りそれにも応じよう』
『・・・いいだろう』
突然、伍号機は回頭するとトライデント2号機に背を向けた。義手から背面へと続く
支援機構の一部がバシャッと開き、高出力バーニアが現れる。
『契約成立だ。行くぞ、まほろさん!』
『わかりました。目標座標捕捉、スズキさん、急加速時のG増加にご注意くださいね』
轟音とともにバーニア排熱部が光を増し、伍号機は突進するように低空発進した。
254黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:47 ID:???
発進した伍号機はそのまま京都中央へ向かうかと思いきや、ふいに進路を変えて
苦戦する参号機へ急速接近した。
通過する瞬間、第七使徒の巨体に右腕のパイルバンカーを撃ち込む。もろに喰らって
使徒が転倒し、参号機の上から投げ飛ばされる。一瞬の早技だった。
葛城さんが小さく息を吸い込み、通信機に手を当てた。
「協力に、感謝します。 ・・・あなたともいろいろあったけどね」
『お互い様だ』
ふっと笑う気配。バーニアが閃き、伍号機はすさまじい速度で戦域外へと消えた。
その直後、EVA戦域の後方で綾波教一般兵力と交戦を続けていた兵士たちに異変が起こった。
『こちら第四中隊、隊員が次々に・・・ぐああああっ?!』
『やめろ、やめてくれッ・・・っあ、は』
『第14戦闘区、通信途絶! ・・・まずい、こっちにも来るのか?!』
『見るな見るな俺を覗くなぁあああアアアア!!』
「どうしたのっ?!」
葛城さんが振り返る。
「京都南113区の部隊に一斉に異常事態発生! 原因不明の昏倒が続いています!」
「ノンシップ“アルダ・サルバ・アサナ”より入電、トライラックスEVAの
 パイロット数人にも同様の異常発生! 更に被害拡大、止められません!」
「ネルフ本部より緊急通信! たった今、高々度衛星軌道上に使徒を確認とのことです!」
「使徒・・・?! 精神汚染だわ!」
絶句する指揮房スタッフの前で、第七使徒と格闘を続けながら鈴原君が叫んだ。
『ちっきしょ、渚! ワシじゃ間に合わん、お前のEVAであのイカれたトリ、
 何とか撃ち落とすなり追い払うなりできへんか?!』
四号機は第四使徒のムチの猛攻をかわし、きっと上空を睨んだ。すぐに首を振る。
『僕だけでは無理だ。あの距離の敵に対処するには零号機の遠距離狙撃が要る!』
その隙を逃さず使徒が光線を放った。爆発に追われ、四号機はまた参号機と引き離される。
その間にも、使徒の見えない光に晒された戦域では次々と兵士たちが倒れていく。
参号機は使徒の攻撃に耐えながら絶叫した。
『お前らどこまでやれば気が済むんや! 苦しめるんはワシらだけでええやろぉおおっ!!』
そのとき起こった出来事を、俺は一生忘れないと思う。

衛星軌道上に現れた使徒の精神汚染波は、容赦なく地上の兵士たちを呑み込んでいった。
俺たちオーヴァー・ザ・レインボーに残されたスタッフは、その胸糞悪い光が
マップ上にどんどん広がっていくのを、ただ見ていることしかできなかった。
本艦の近くにいるEVA-01と00は、クモ型使徒やトライラックスのEVA(敵方らしい
モンスターっぽい奴)で手一杯。カツラギ一佐のいる部隊でも、他の使徒の
対処に追われて何もできない状態だった。通信回線から響き渡る友軍兵士たちの
悲鳴が、その場にいる全員の鼓膜を引き裂いてしまいそうだった。

最初にその光を確認したのが、正確にはいつだったのかは、だからはっきりしない。

とにかくそれは不思議な光景だった。
全滅が伝えられた戦車隊が、最後に交信を断った地点。その上空に、遙か東の方角から
幾つかの光がすうっと綺麗な尾を引いて現れた。それらはその辺りをぐるぐる飛び回り、
すると、それに呼応するように、戦場のあちこちから同じような光が空に昇っていった。
光の群れはあっという間に百を越え、ひとかたまりになると、上空目指して
ものすごい速度で舞い上がっていった。
一瞬、その光芒の中に真っ白な人の姿が見えたような気がした。なんか上手く言えないけど、
・・・お母さん、って感じの、神々しい女だった。少しファーストチルドレンに似ていた。
でもそんなのは、直後に俺たち全員が見たものに比べればなんでもなかった。
わずかな沈黙ののち、たぶん、戦場にいた全員が声を上げた。

その同じ瞬間、光の群れはまるで真っ白い槍のようにひとつに集束し、一直線に
衛星軌道上に到達して、汚染の光を放つ使徒を一撃のもとにうち砕いた。
真っ黒い空の中で、それが翼のような使徒とともにまばゆい光となり、そして消えるのを、
・・・絶対に肉眼では見えない筈のその光景を、誰もがはっきりと目にした。
使徒を貫いたのは、この戦場で、そしてこの下らなくもマジな長い戦争で、これまでに
死んでいった奴らの、魂そのものだった。
二度と会えない同僚が、部下が、上官が、それぞれ記憶を持つ奴らの脳裏に甦り、
生きている頃のままの笑顔で敬礼し、使徒の断末魔とともに、光になった。
その最前列で誇らしげに笑う戦車隊の奴らを、俺は確かに見たと思った。
彼らだ。彼らが、死してなお、神様だか何だかの力まで引っ張り出して、
また戻ってきたのだ。まだ戦場に残る奴らを、助けたくて。

それでも、それはほんの一瞬の出来事だった。
光は空に消えた。
全ての兵士たちはそれぞれに空を見上げ、それぞれの思いを込めて、敬礼を返した。
精神汚染の影響が消えた戦場で、また反撃が始まった。猛攻だった。全員が果敢に、
自分のなすべきことに全力で立ち向かった。
でも、彼らは二度と戻ってこない。
俺はほんの数秒だけ通信席に突っ伏し、声を出さずに慟哭した。
257黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:51 ID:???
『う・・・』
光が消えた空の下で、参号機が呻いた。
『うぉおおおおおッ!!』
鈴原君の咆哮とともに、参号機が鋭い眼光を放った。使徒をすさまじい力で弾き飛ばし、
敵が起き上がる間もなく上にのしかかって殴る。使徒は耐えきれないと見たか
再び分裂し、参号機の拳は空を切った。すぐさま向き直り、参号機は大きく跳躍すると
使徒の目の前に地響きをあげて降り立ち、逃げる隙を与えず襲いかかった。
『お前ら、人が死んだんやぞ! 数えきれんくらい死んだんやぞ!!
 それを踏みにじっといて、何が人類補完計画や!!』
四号機が建物の陰から使徒に射撃を加えながら呼びかける。
『鈴原君駄目だ! 気持ちはわかる、だが今は抑えるんだ!』
『黙らんか渚ァッ!!』
使徒が参号機の連撃を喰らって吹っ飛び、ビルの谷間に沈む。敵がもうそこに
いないにも拘わらず、参号機は鈴原君の感情が高ぶるままに宙へ攻撃を続けた。
「鈴原君、落ち着いて! 使徒は二体よ! 冷静に状況を見て!」
葛城さんの声に、参号機は悪鬼のような顔を向けた。
『ミサトさんまで、そないなこと言うんですか』
葛城さんはひるまなかった。
「落ち着くのよ。あなたがここで自分を見失い、怒りのままに暴れたらどうなると思う?
 今だからこそ、最も力を持つあなたたちが冷静でいなきゃならないのよ。
 それがわからないようなら、たとえ戦力低下になろうと、あなたを前線から外します」
258黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:54 ID:???
参号機は憑き物が落ちたように動きを止めた。
機を捉えた使徒が、その前後から襲いかかる。参号機は使徒の巨体の向こうに消え、
だが次の瞬間、参号機は先を上回る勢いで使徒を二体ともはねのけた。
『・・・ミサトさん、渚、すまん。
 ワシが一人で突進したら、皆の今までの助けが無駄になる。そういうことやろ?』
先ほどまでの激昂が嘘のように、鈴原君の声は我を取り戻していた。
葛城さんは微笑むと、ちょっとおどけた声を出した。
「わかってくれればいいわ。このくらい、シンジ君に比べれば可愛いもんよ」
鈴原君は苦笑いした。
マヤちゃんが安堵したように息をつく。俺も両肩からどっと力が抜けるのを感じた。
参号機はぐっと構え直し、第七使徒の前に立ちふさがった。
「ひと安心、か。リツコ、こんな時何て言うかしら」
急に力が抜けたように、葛城さんが低い天井を仰ぐ。
「先輩ならきっと、“保母さんの素質がまた上がったわね”って言ってくれますよ」
マヤちゃんがくすりと笑った。
「しかし、使徒は双方とも依然健在。分離攻撃の利もあり、攻撃を集中できません。
 このままじゃ決定打を与えられませんよ」
『そのことですが、少し僕に協力してもらえませんか』
ふいに、渚の声が通信機越しに届いた。
「どういうこと?」
『・・・考えがあります。
 ネルフ本部にいる、碇司令と赤木ナオコ博士の力が必要ですが』
健闘するネルフの戦場から北方に2km弱。
僕は相変わらずもう一人の僕らの兄弟と遊戯を続けていた。もうそろそろ、京都大学内へ
侵入した彼らの思考が止まる頃だ。この子と戦うのはとても楽しかったけれど、
状況的には退屈と言えば退屈だった。
「つまらないね。君の力はこんなものかい?」
もう何度目になるだろう、挑発的な言葉を投げた時、ふいに何かが意識を貫いた。


  おきて、みんな、おきて、おきて、わたしの、だいじな


澄んだ少女の声が叫んだ瞬間、右腕全体を鋭い痛みが走った。
呼応する、幾つもの声。

  “そうか、まだミソラを助けないといけないじゃない”
  “だったら、まだ立って進むことができる”
  “まだ可能性はある”
  “まだなんとかなるかもしれない”
  “ならば、私はその不安とともに戦おう”

「・・・どうして」
亀裂の入った「光」が悲鳴をあげる。僕は一瞬だけ、遠い青空を仰いだ。
意識の一部が、白く弾けた。
壊れていく。彼らを見る僕の心そのものがうち砕かれ壊れていく。崩れていく。
かすかな咆哮が、聞こえた気がした。
そして僕は、決定的な瞬間を逃した。
前後から伸びた突きがシャムシエルの光の鞭に変わって全身を絡め取る。もがいた腕は
それぞれ前後の分身の手で押さえ込まれ、一瞬、全ての動きが封じられた。
僕は顔を上げた。
次の瞬間、全てを灼き尽くすゼルエルの光が目の前に押し寄せた。
轟音と灼熱が一閃し、立ち上る光の柱が全てを呑み込んだ。
闇。
ぱらぱらと、街のかけらの降り注ぐ音。
僕は立ち上がり、両隣で茫然としている二人の彼の分身を、軽く腕を掴んで引っ張り上げた。
重たい何かが擦れ合う音が連続し、闇に亀裂が入る。なだれ込む真夏の陽光を受け、
それは幾重にも重なり合った黒い装甲となって、がくんと上下に開いた。僕はその表面を
軽く撫でた。少し融けている。低い轟きが、地鳴りのように巨大な銃身を貫いた。
視界が開ける。
ディラックの海から半身を乗り出した量産機は、装甲を開いていく「死神の背骨」を宙に掲げ、
ゆっくりと黒い平面から地上に足を踏み出した。
白い全身を吐き出し、虚数空間が閉じる。量産機はそのまま光の下に直立した。
「どうだった? 僕の相棒の口の中は」
僕はまだ身体にまといついている光の鞭を外しながら声をかけた。瞬間、鞭は光の槍に変わって
目の前を薙いだ。かわして再び目を向けた時には、とっくに二人の彼の姿はなかった。
遠方、黒いエヴァのすぐ近くに、漆黒の陽炎のように彼が現れる。
胸をえぐる「光」の痛みを押し隠し、僕は笑ってみせた。
「自分まで一緒に吹き飛ばす気だったのかい? ・・・どう評すべきか迷うところだよ。
 こいつの多重装甲のお陰で、その切り捨られた君も死なせずに済んだけどね。
 でも、ほら。いきなりあんな攻撃を与えたから」
僕は開いた銃口の中で微笑んだ。
「・・・目を覚ましてしまったじゃないか」
瞬間、すさまじい咆哮が轟風となって僕の両脇を吹き抜けた。
その響きの中に不穏なものが混じっているような気がしたのは、僕の気のせいだろうか。
それでも、僕はそれに耳を傾けようとしなかった。
「先に行かせた部隊の方で、少し手違いが起きた。時間切れさ。君の相手をするのは
 このくらいで終わりにさせてもらうよ」
再び拘束された巨銃を下ろし、量産機は翼を広げようとした。と、紅い帯が鮮やかになびき、
黒いエヴァがその前に立ちはだかった。量産機の肩で、僕はじろりとそれを見据えた。
「・・・まだやるのかい? 悪いけど今は手加減できないよ」
黒いエヴァは無言で構えを取った。
261黒縁メガネオペレーター:03/11/08 00:58 ID:???
渚が提案した作戦とはとんでもないものだった。
だが葛城さんは、一考ののちそれを了承した。
一分足らずの打ち合わせの直後、我々はそれぞれに行動を開始した。
『よっしゃ、渚! しくじるんやないで!』
参号機が再び第七使徒に飛びかかる。暴れ回る使徒を押さえ込み、巧みに参号機のみに
攻撃の的を引きつけていく。第七使徒との連携を断たれた形の第四使徒はムチをしならせて
加勢に回ろうとしたが、そのすぐ脇を四号機の放った銃撃がえぐった。
使徒がぐるりと回頭する。光るムチが四号機に飛び、だが届かずに建物だけを薙ぎ倒す。
四号機は降り注ぐムチを軽々と回避し、使徒のリーチぎりぎりの位置を駆け抜けていく。
第四使徒はぐんと浮き上がって四号機を追った。
一方、トライデント二機は精神攻撃を解かれた兵士たちの回収と誘導に当たっていた。
なかなか退こうとしない綾波教兵士たちを豊富な火力で牽制しつつ、部隊全体を
EVA二機の戦域から後退させていく。
「頼むわよ、ムサシ君、ケイタ君。可能な限り、EVAと使徒の周囲から味方を遠ざけて!」
『了解!』
『あと二分ください! 全部隊を戦線から引き離します!』
葛城さんは頷き、俺とマヤちゃんを振り返った。
「本部の碇司令との話はついた?」
「はい、EVA両機、トライデント両機とネルフ本部との直通守秘回線を確保!
 最低210秒、一切の外部侵攻を遮断します。持たせてみせますよ」
「本部の赤木ナオコ博士と先輩は、既に複合予測演算に入っています。
 目標の行動は予測より誤差プラス0.0003、行けます!」
指揮房が慌ただしさを増していく中、通信画面のひとつに赤木博士の呆れ顔が映った。
『ミサト、本当にやる気?』
「リツコ! なんかひっさしぶりね。
 ・・・心配ご無用。彼らはやってくれるわ。それより計算の方、信じてるわよ」
『それは問題ないわ。何たって、母さんが直接やってるもの。MAGIと一緒にね』
「なら、成功確率は限りなく高いわね」
葛城さんはぐっと親指を立ててみせると、通信機を通して全員に呼びかけた。
「皆、頼んだわよ。 ・・・作戦開始!」
262黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:00 ID:???
刻一刻と時間だけが過ぎていく。
第七使徒と格闘を続ける参号機、第四使徒に追われ続ける四号機の動きに、次第に
焦りがにじんでいく。部隊の後退は完了したものの、肝心の瞬間がなかなか訪れない。
使徒の攻撃はトライデントにも及び、幾つもの爆発が機体を揺るがした。
『あと・・・どのくらいや?! もうあんま抑えておけへんで!』
「リツコ、まだなの?!」
『あと少し・・・いえ、来るわ。ミサト!』
「わかったわ! 日向君、EVAを視認できる範囲にいる全ての友軍に通達、
 緊急警戒態勢!」
「MAGIからのクロック同調、シミュレート到達点、来ます!」
四号機が大きく跳躍し、ビルの頂上を蹴って使徒ごと開けた区域に躍り出る。
『鈴原君っ!!』
『おうっ!!』
ほぼ同刻、参号機は分離して喰い下がる使徒二体を無理矢理もぎ離し、渾身の力で
ある方向へまとめて突き飛ばした。
全てがリンクする。
「総員、耐ショック姿勢! 衝撃に備えて!」
「Tマイナス、3・・・2・・・1・・・コンタクト!」
その瞬間、大神殿上空の第五使徒ラミエルが光を放った。
ネルフ本部へと向けて放たれた大威力荷粒子砲は、本部のバリアに到達する寸前で
ディラックの海に呑まれて方向をくらませる。直後、本部上空60mに現れた黒い穴から
その光が放たれ、本部から発射された別の光線とぶつかる。
進路を逸らされた光は一直線に戦場を通過し、そして、軸線上に押し出された使徒たちを
一撃のもとに貫いた。
263黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:01 ID:???
光の咆哮とともに、すさまじい爆炎の柱が立ち上がる。
その炎の中かから参号機と四号機が飛び出した。
光のムチがその後を追い、一瞬痙攣して、力尽きて光の中に消える。振動が戦場を駆けた。
トライデントの巨体が衝撃波を真っ向から受け、激しく揺れ動く。
「くっ・・・皆、無事?!」
葛城さんはよろめきながら通信機に叫んだ。
『こちらトライデント1号機、損害は軽微なり! 視認可能範囲での部隊の無事を確認!』
『ワシらも何とか生きてるで!』
『何とか上手くいったようだね。 ・・・本音を言えば、半信半疑だったんだけど』
『なな、何やって?! お前そんなんでワシに必死こいて使徒抑えさせたんかい!』
『何を言うのさ。ヤシマ作戦だって成功確率は8.7%だったんだよ?
 50%なら充分じゃないか。成功してしまえば同じだしね』
『ぬあああ、お前またそーいう屁理屈ばっか並べおって! 一度しばいたる!
 EVA降りてそこに立たんかい!!』
瓦礫の間から次々と友軍機が立ち上がる。葛城さんは苦笑すると、軽く頭を押さえた。
そのとき、四号機の動きが止まった。薄れていく光を睨み、次の瞬間、渚が叫んだ。
『鈴原君、まだだ! 下がれ!』
『な・・・っ?!』
衝撃。爆炎の中から体表の半ばが焼け落ちた第七使徒が現れ、参号機に襲いかかった。
「マズいっ! 鈴原君よけて!」
葛城さんの叫びも空しく、参号機のすぐ目の前で使徒の目が閃光を放つ。
と、正面からの長距離射撃が使徒の頭部を撃ち抜き、大きく背後にのけぞった使徒の目から
光線が青空へと放たれて消えた。すかさず参号機が使徒の下から飛び出す。
使徒はすぐに起き直り、みるみるうちに再生していく。
『分離した一体が寸前で砲撃をよけていたか・・・甘かったな』
四号機が跳び下がり、参号機とともに使徒に対峙する。
「でも、今のは・・・」
大音声が戦場に響き渡ったのはその直後だった。
264黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:04 ID:???
『わははははは!
 全く頼りないやないか、ネルフのパイロット!』
『何やと?!』
ばっと向き直った参号機から300mほど離れたところに、長い銃身を背負ったEVAが立っていた。
迷彩色にカラーリングされた、・・・あれはスモーウォーカーか?
「トライラックス・・・? いえ、あれはネオ戦自の」
『その通りやで! 
 旧東京ネオ戦自所属、ネオエヴァンゲリオン1号機パイロット、
 鈴原トウジここに見参や!』
ネオエヴァは銃身を下ろすと、意外に機敏な動作で使徒の傍に駆けつけ、参号機と並んだ。
参号機が慌てて向き直る。
『いや、鈴原トウジはワシやないか!』
『同姓同名なんや! 詳しくは聞くな! とにかく今はこのくたばり損ないの使徒や』
『戦自鈴原かいな!』
『お前に言われる筋合いないわ、このネルフ鈴原!』
そのまま口喧嘩に突入しかけた二機のEVAの間に、もう一体のネオエヴァが割り込んだ。
『トウジ、偉そうに言うなよ。だいたい今の砲撃は俺じゃないか』
『戦自ケンスケまでおるんかいな?!』
『ついでに俺たちの上官は惣流って名前だよ。今は病院だけど』
『なっにィ〜〜〜?!』
絶叫した参号機の前で、高速再生を終えた使徒が起き上がり、二体に分裂する。
二人の鈴原君(?)はぱっと構えると、見事なシンクロ動作で二体を蹴り飛ばした。
唖然としていた葛城さんがいきなり身を乗り出す。
「行ける! 偶然だか何だか知らないけどあの二人、呼吸ぴったりだわ!」
「ユ、ユニゾンですか?! 今会ったばかりなのに?!」
マヤちゃんが絶句する。葛城さんは作戦がノっている時の、あの不敵な笑みを浮かべた。
265黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:05 ID:???
「だからこそ余計な計算が働かず、上手くいくかもしれないわ。
 ・・・そこの二人! そのまま使徒殲滅を要請します! こてんぱんにノしてやって!」
『言われんでも』
『わかっとりますわっ!!』
声が揃う。参号機とネオエヴァ1号機は完璧な動作で使徒に掌底を打ち込み、そのまま
一気に攻め込んだ。葛城さんは一瞬ぽかんとし、それからぐっと拳を握り締めた。
「よっしゃ、その意気よ!
 渚君、そこはその二人に任せて、初号機と零号機の援護に向かって!
 相田・・・君?も同行してください。ネルフ及びトライデント作戦部より、正式に要請するわ」
『シンジ君たちか。 ・・・わかりました』
『同姓同名だからって疑問符つけないでくださいっ!!』
ネオエヴァ2号機は悔しげに言い返し、冷却架に固定した銃身を肩にかつぐと
先行する四号機を追って走り出した。
「これで何とかひと息ってところかしら。
 日向君、他地区の戦況は?」
葛城さんは実際にふうと息をついた。画面内では相変わらず参号機とネオエヴァが
絶妙のコンビネーションで使徒を圧倒している。
「先の第五使徒の長距離砲撃で、ある程度敵側の防衛ラインが緩んでいるようです。
 初号機・零号機との合流を絶対視しないのなら、攻め込むのは今ですね」
「そうね。でも、あの主席司教がこのまま通してくれるとは考えにくいわ。
 ひとまずは現状維持、後退した部隊の戦線復帰を優先させましょう」
「了解」
頷いてキー操作に戻った俺の隣で、マヤちゃんがふといぶかしげな表情になった。
「どうしたんだ?」
「さっきからネルフ本部との通信状態が・・・あっ?!」
いきなり、本部と繋がっていた通信画面がザッと乱れ、暗転した。マヤちゃんは
しばらく幾つかの別手段を試み、ふいに青ざめた。
266黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:07 ID:???
「本部のメインシステムに、第十一使徒と思われる自律型ウイルスプログラムが侵入!
 MAGIへの侵入を目指しています!」
「何だって?! ・・・っ、あれか!」
かろうじて繋がった回線をメインに回す。と、オーヴァー・ザ・レインボーからの通信が入った。
司令代行を背にした青葉だった。
『日向、そっちでも確認できたか?!』
「そっちは本部との直通回線が残ってるんだろ?! 何とかできないのか?!」
『さっきから何度か外部からの逆ハックを試してるが、経路ごと遮断される。そっちは?!』
俺はマヤちゃんを見た。マヤちゃんは頷き、ものすごい速度でキーを叩き始めた。
「・・・駄目、こっちからも同じです!」
『これ以上刺激すると、通信ネットの他領域にも侵攻されそうだ。こっちではいったん
 攻撃を停止し、EVA二機の使徒殲滅を優先することになった』
「リツコと赤木博士は?!」
葛城さんが急き込むように訊く。こちらを見ていた司令代行が、渋面のまま首を振った。
『今の作戦、碇たちの関与が向こうの気に障ったようだな。
 現状では彼らに任せるしかあるまい。下手に手を出しても、本部との
 全ての電子経路を断たれるだけだ』
「しかし・・・!」
歯噛みする葛城さんの横から、新たに通信が入った。
『葛城殿、無事か! 済まぬが、予定外のことが起きてしまいました!』
「フウイ・ノ・レイ前大使?! どうなさったのですか?!」
『シヴァ・・・こちらのK-1ゲリオンのパイロットの一人が戦線を離脱し、そちらへ
 向かっているのです! 脱走した二パイロットの例もあります、もしや
 綾波教に寝返ったかもしれぬ! 念のため警戒を!』
「・・・何ですって」
267黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:09 ID:???
葛城さんは息を呑んだ。
バンダロングで、綾波教の洗脳を受けたセカンドクローン数名が暴走し、
トライラックス本国に対し反逆したことは、こちらでもシンジ君らから聞いている。
「また同じことを繰り返そうっていうの、奴らは?!」
「葛城さん! 該当するK-1ゲリオンと思われるEVA、本所に向け急速接近!」
中央画面に新たに輝点がともり、予想進路が細長い扇状に表示される。
「くっ! ランドマスター隊の方へ向かう気ね。
 ・・・やむを得ないわ、トライデント2号機急速回頭! 進路をふさいで!
 こちらの呼びかけに応じない場合は・・・」
『その必要はないわ!』
方向転換しかけたトライデントの前に、瓦礫の山を軽々と越えたK-1ゲリオンが着地した。
弐号機を思わせる赤いカラーリング。パイロットの声も全く同じだった。
『あなたがネルフの指揮官ね。ちょうどいいわ。
 聞いて! 私はあなたたちの邪魔をする気も、綾波教に加担する気もないわ!
 でもどうしても倒したいヤツがいるのよ。だから命令違反を承知で抜け出してきたの」
「どういうこと?!」
『アイツよ! 私たちのいた基地をめちゃくちゃにしたヤツ!!』
赤いK-1ゲリオンは怒りに満ちた動作で腕を振り上げ、京都の北を指した。
指揮房内がどよめいた。
268黒縁メガネオペレーター:03/11/08 01:10 ID:???
2kmほど先に、巨大な白い翼を広げた量産機がいた。
右肩を覆い、頭上に突き出すほどの黒い巨大な兵器。芦ノ湖会戦直前、芦ノ湖付近に
現れた個体だ。そのすぐ傍に立つ未確認の黒いEVA。スモーウォーカーとも、
K-1ゲリオンとも異なる。もちろん我々のよく知るEVAとも全く違う。
「量産機・・・! 全く気づけなかったというの?!」
「各種レーダー、反応ゼロです! あらゆる電子機器が、あの量産機を認識できていません!」
『それがアイツの力なのよ』
全員がはっと通信画面を見た。赤いK-1ゲリオンのパイロットは顔を映さず、
声だけがノイズまじりに届く。
『私が敵じゃない証拠に情報を提供するわ。あそこにいる黒いEVA、あれは
 たぶんあなたたちの敵じゃないわ。私たちが量産機に襲われた時も加勢してくれた。
 出所は・・・あなたたちもよく知ってる、例の組織よ』
葛城さんがふと目を見開いた。
「日向君、確かこの決戦前に開始された『LIVE』、あれに渚君のクローンらしき
 少年が映ってたわね?! 彼なら動かせるわ。EVAを」
『わかってるみたいじゃない』
低く笑うと、突然通信は切れた。赤いK-1ゲリオンは身をひるがえし、走り出す。
見る間にその姿は戦場の彼方に消えた。
「葛城さん・・・」
「追撃する必要はないわ。
 フウイ・ノ・レイ前大使に、今の通信内容をお伝えして。彼女は敵ではないわ。
 もしかしたら、ランドマスター隊が地下に突入するまで、彼女が時間稼ぎを
 してくれるかもしれない」
「・・・量産機が出ている以上、EVAにはEVAをぶつける、ですか」
マヤちゃんが低く呟いた。俺は思わず葛城さんを見上げた。
「本部隊は現戦線を維持。今は使徒殲滅、並びに突入経路の確保を最優先事項とします」
葛城さんはそう言いきった後、一瞬赤いK-1ゲリオンの消えた方角を見つめた。
269268:03/11/08 02:18 ID:???
以上です。読んでくれた方お疲れさまでした。

簡単な状況整理です。まずは使徒から(京都戦以前に殲滅されたもの等は除きます)
・サキエル:健在。人工進化研究所にて待機
・シャムシエル:殲滅
・ラミエル:健在
・ガギエル:殲滅
・イスラフェル:分離した一体が逃れて再生、参号機+ネオエヴァ01と交戦中
・サンダルフォン:健在。トライラックス駐日艦隊所属ミゾロギ士官と融合
・マトリエル:初号機、零号機と交戦中
・サハクィエル:健在。異空間にて待機
・イロウル:本部電子システム内部にてナオコ博士と電子戦中
・レリエル:虚数空間ごと健在
・バルディエル:健在。主席が保持
・アラエル:殲滅
・セガサターン系使徒:健在。未登場
270268:03/11/08 02:19 ID:???
前レスの続きです。

ネルフ+トライデント他対綾波教勢力の現況(自分が関わっている部分です)
・ジオフロント(碇ゲンドウ指揮)
 京都上空にてラミエル+レリエルの牽制、並びにイロウルとの交戦
・先行攻撃部隊(葛城ミサト指揮)トライデント二機、EVA参号機、四号機、ネオエヴァ二機
 イスラフェルと交戦しつつ大神殿への経路を最終検討。後発との合流を待つ。
 四号機+ネオエヴァ02はOTR方面へ
・OTR(冬月コウゾウ指揮)EVA初号機、零号機、飛行船エンタープライズ
 マトリエルと交戦。トライラックスEVAの交戦域が徐々に接近し、一部重なる。
 一応バーベム大使もその付近にいる。トライラックス母艦ノンシップも上空に待機
・ランドマスター隊(レイクローン救出部隊)ランドマスター両車、他単独兵器数基
 第弐のトラップを突破し、人工進化研究所へ向けて進撃中。支援に当たっていた
 ネオ戦自戦車隊は既に全滅。便利屋スズキの伍号機が合流すべく移動中。
 また若干後方には第弐の量産機、『E』忍EVA。更にシヴァのK-1ゲリオンが向かう

この他に、トライデント陸戦部隊とともに戦闘中のネオ戦自本隊、エヴァ・フェット、
またそれらとは別個に、『E』計画所属のAngelArmsF、Longinus、『LIVE』製作班、
提案者氏の紅量産機、更に各勢力の医療班・補給部隊等がそれぞれに動いています。

さて大体動かしたので、次に来る時は恐らく「黒ノ咆哮」入ります。
271268:03/11/08 02:20 ID:???
以下は連絡です。

>????他さん
詳細な指示をありがとうございました。お陰で何とかなりました。
遅れに遅れて(一ヶ月・・・)大変ご迷惑をおかけしましたが、続きです。
そういう訳で何体かは殲滅しました。シャムシエル、結局ふつーの使徒戦でしたね(w
アラエルは・・・・・・突っ込まないでください(ネオ戦自側出番なかったし)
マトリエル、イロウルはお任せします。イスラフェルは恐らく即席ユニゾンコンビ辺りが
町奉行さんの虚数弾頭魚雷の助けを借りたりして殲滅します。
あとサハクィエル、旧東京に落としてもらってもOKです。新人君のお陰でネタができました。
それから次回「黒」行きます。その後、第弐はどうしましょう(まだ生きてた方がいいですか?)
できたらレスをお願いします。ていうか「氾濫する光」自分で潰したので、第弐が最終的に
どうするのかが、また白紙に戻ってしまったっつーのが現況です。すみません。
でもその分、未練なくそちらに合わせられる、かもしれません。
>新人君
き・・・キタ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!! お帰りなさいです!!
いきなりすごいネタをありがとうございました。ていうか驚きました。
機会があれば、ええとネオ戦自だからNJSSDF-1が発進致します。たぶん。
(自分はスパロボの『α』程度の知識しかないので多少不安ですが)
ともかく・・・お帰りなさい。もうちょっとしたら本社オペも出します。
>厚木基地最後の兵士さん
まだ見ておられたら、ですが、ようやく状況が動きました(約二ヶ月・・・)
次回は「黒」行きます。さんざんお待たせしておいて何ですが、どうかよろしくお願いします。
これが済んだらいよいよ京都大学地下への侵入です。
本当に、長い間話の流れを止めてしまってすみませんでした。
272268:03/11/08 02:21 ID:???
(このレスで最後です)
>便利屋さん
もしまだこのスレを見ておられたら。
勝手ながらスズキさんを随分動かしました。ランドマスター隊とともに、レイたち奪還です。
よろしければ、これを機会に、是非ご復帰を。自分はずっと待ってますから。
>町奉行さん
出番なくてすみませんでした・・・
上でほざいてますが、ちょっと使徒戦に参加してみませんか? どんな形であれ、
書いて頂ければこっちはそれに合わせて続きを動かしていくようにします。
>アルジャーノンさん
本当にもし、まだここを見ておられたら。
ZO、いよいよ出番近いです。レナちゃんも動き始めていますから、もしかすると
ランドマスター隊突入以前に、レイたちに何かの動きが出るかもしれません。
ご帰還を切望します。
>提唱者さん
長い間、ずっと待ってくださって本当にありがとうございました。ようやく復帰です。
何度も声をかけて頂いたこと、いつも嬉しかったです。
さてやっとダブリス君の周辺動かしました。第弐は量産機出してランドマスター隊の
直接処分に行こうとし、後方からは量産機と忍EVAを見たシヴァが向かってきています
(まだ到達はしてません。あとたぶん便利屋さんは無視して通過します)
前にそちらが言われた通り、ここで止めましたので、続きをお願い致します。
その後はそちらのGOが出しだい「黒」投下します。その後は流れのままに、ですか。
結構消耗が行ってるとのことなので、結局FやLonginusの介入は書き(け)ませんでした。
第弐は今後特に指示がなかったら、最終的に提案者氏にぶつけて終わりにするかなとか
妄想してます(公的にも私的にも攻撃を仕掛ける理由は幾つもありますから)
あと少し、どうかよろしくお願い致します。

自己喧伝。地下スレ、少し増えてます。お暇な方、よろしければ。
弐号機VS量産機の空中戦とか、今後の戦闘に自分が使いそうなのが入ってます。

キリのない長文駄文失礼しました。それでは、また。
273町奉行:03/11/08 14:58 ID:???
慌てるな。
碌に攻撃してねえんじゃ、部下どもに不満がでてくるってのも
あるが、しかたねえ、いまは時じゃあねえ。
雷火、各砲撃班を押さえてきてくれ。
俺の指示をまって総攻撃を徹底させるんだ。
それと艦橋のものも良く聞け。
この風船じゃあ、これといった手がねえのも事実だろ。
俺も雷火も、攻撃したいってのはお前達と同じよ。
だが、虚数弾頭弾も無尽蔵ってわけじゃあねえ。
使いどころを待つしかないってことだ。
すくなくともこのエンタープライズは速度はトライラックスの
船にまけてはいるが、小回りは効く。
これを利用して攻撃を避け、適宜砲撃を加える。
その手をつかってしばらく待つんだ。
274町奉行:03/11/08 14:59 ID:???
戦自のエヴァが来たってのか。
そうか、トライラックスのも動いた?、敵じゃあねえようだな。
雷火至急艦橋へ戻れ!

ようし、これより艦体正面に虚数空間障壁を展開。
最大出力で前進する、砲撃は各自好きなだけ撃て。
弾をもって帰ろうなんて思うな。
だが、虚数弾頭弾は俺の指示をまって撃つ。
戻ったか副長、火器官制まかせたぜ。
リナにゃあ、悪いが迎えにはいけねえようだな。

なに?、いや死ぬ気はないぞ、副長。
だが、迎えはあの隊長さんに代わりに頼むしかねえようだ。
だがそうしねえと、リナ達にまた会うってのも有りえねえだろう。
死ぬ気はないけど、迎えにいけねえってのも変だがな。

いくぞ、エンタープライズ最大速度では発進!
かまわん、邪魔するやつは薙ぎ倒せ!
町奉行書きです。
ご無沙汰です。
話しが進んだので、当方も少し進めました。

エンタープライズは正面にレリエルが現れた場合、虚数空間障壁を
前面に展開したままそこに突撃し、虚数弾頭弾を撃ちこむ方法を取る
つもりでいきます。
その際、信管は電波が途切れて直ぐ爆発するか、コントロール式の
爆破を行いレリエルの内部で爆破させるようにしたいと思ってます。
効果のほどはわかりませんが。
その後、効果があってもなくてもダブル鈴原援護の方向を取ると思います。
276 ◆/s5ZynBY7E :03/11/08 18:53 ID:???
レスのみスマソ。

>黒メガネさん
まずは地下スレのもですが、感服しました。私の脳内で神認定です。
気合を入れなおさねば。
第弐VSダブリスですが、第弐に本気ださせますんでそこんとこご了承をお願いします。
でないと、こっちの……なんで。シヴァの登場もありがたいです。
ある程度の量が要るんで、時間下さい……
彼等に消耗があるのは、使徒化していてもLonginusは所詮人が槍を持っているだけであり、
AngelArmsは改造騎士と違い、S2機関を持っているわけでは無いので。


申し訳ないですが、今日はこれにて。
277あぼーん:あぼーん
あぼーん
278あぼーん:あぼーん
あぼーん
279268:03/11/09 15:00 ID:???
顔出しです。レスだけ、すみません。

>町奉行さん
おっお奉行様キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!! カコイイ!カコイイ!!(暴走)
では使徒戦(レリエル?)いきましょう!
リナちゃんとこにも・・・何とか行けるといいなぁ、とか。戦闘後、残った火器で
最後の弾幕張りつつ京都大学付近に不時着→潜入、といえはいそうです妄想です。
ともあれ早速のレスお疲れさま、そして、お帰りなさい。

>提唱者さん
・・・・・・まずはあの糞長いのを読んでくれてありがとうございました。
自分の書いたものが、モチベーションってか何かそちらのお役に立てたのなら、とても光栄です。
ありがとう。
今後ですが、第弐はとりあえず死ななければ何させても結構です。お任せします。
後出しなし。どうかご存分に。
時間、は、自分もそちらを一ヶ月以上待たせてしまいましたから、どうぞごゆっくり、です
(辺境擾乱シメで懲りましたから今度は一切割り込んだりしません)
とにかくもう納得行くまでガンガン行ってください。ガンガレ!

あと一点訂正というか追加です。>270のまとめに『E』サイド『D』さん方の名が欠けてました。
謹んでお詫びします。イチ氏ニー氏サン氏シィ氏ごめんなさい。
他にも「どうなってんだYO!」とか突っ込むことがあれば自分まで。すみません。

それでは。
280厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :03/11/10 22:39 ID:zf0DcB/1
隊長個人日誌
状況を確認する。
時間はそれほど経っていない。
しかし戦場では致命的なロスといえる。
各自の状況を報告さると、全員が無事とのこと。
全員、とはいえな。
我々が罠に落ちている間に、ネオ戦自の囮部隊が壊滅している。
ゆっくりと前進を指示し、G3−Xと衛生兵少尉に確認をとりに行かせる。
朝倉伍長に負傷者回収の準備をさせるも徒労に終わる。
壊滅は敵との戦闘によるものだが、消滅しつつあった死人兵や悪霊などと
ともに、使徒化兵の残骸と思われるものも多数あったという報告だった。
こちらが無事ということは、戦車部隊は敵を殲滅してともに消えたという
ことになるのだろう。
一旦停止し、彼等に経緯を拍子、黙祷と敬礼をささげる。
もし彼等がいなかったら我々の部隊も存在していなかっただろう。
その後、体制をととのえ、再度進撃する。
前衛は1号、後衛は2号。
両サイドにG3−XとG4を配置して進む。
衛生兵少尉は、あのあと表情が変わったように思える。
罠の中でなにがあったのかはおぼろげにしか判らないが、それでも
彼女の中でなにかが変わったようだ。
だが、相変わらず鬼神のような殺気と霊能局に表された雰囲気は変わらない。
281厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :03/11/10 22:39 ID:zf0DcB/1
副隊長個人記録
衛生兵少尉は、侵攻するランドマスター1号の屋根に陣取っている。
例の長大なライフルを片手に、ありったけの武器を装備しているといえる。
さらに霊能局のスタッフが心配した殺気などはあるが、表情には笑顔が見える。
だが、その笑顔は殺気とあいまってなにか強烈な雰囲気を感じさせる。
周囲への警戒を考え、時速は30kmほどで進むが今のところ敵の現れる
様子は無い。
罠が破られることは想定していなかったのだろうか。
それとも更なる罠が存在しているのだろうか。
予断を許さない。
282厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :03/11/10 22:41 ID:zf0DcB/1
衛生兵少尉個人日誌
ずいぶんとゆっくりだけど、仕方ないわね。
なに、ミソラまで。
仕事はいいの?
ああ、隊長が持っていってやれって。
わざわざこんなところまでコーヒーを持ってきてくれるとはありがとう。
え?、さっきまでとなにか違うって?
そうね、少し変わったわ。
なにより、今はもっと晴れ晴れとしている。
護るべきものってほどじゃないけどね。
護らなきゃいけないものってのが私にだってたくさんあるってことよ。

そうね、だけど忘れないでミソラ。
あなたの姉妹を操って殺した糞ったれどもは必ず倒すわ。
跡形も無くね。

ちょっと、怯えないでよ、そんなに怖い顔してた?
まあ、いいわ。

じゃあ、あとでね。
283 ◆DhEzvRena6 :03/11/10 22:45 ID:zf0DcB/1
厚木基地最後の兵士担当です、お久しぶりです。
現状から警戒速度で進んでみました。
少尉は、1号の屋根の上に陣取って戦闘体勢です。
ただ、罠のあとミソラを護るべきものと表立って意識してますので
敵がミソラを襲ったりした場合、微笑みながら敵を殺すような感じで。
もっとも少尉も隊の中では上位ランクの猛者だろうからいままで護るべきもの
なんて意識はなかったんですが。

とりあえず。
284 ◆/s5ZynBY7E :03/11/18 21:06 ID:Kfi8HKIE
保守代わりに。と。
連休中には一つ、あげますんで。ダブリスはプロット構成中。

以上ここまで。
新入社員の背後霊です。
前回書き忘れたのですが、現状では旧東京の管理システムは外側から見た分には大きな変更はありません。
なんか処理が軽くなった?という程度です。
また、超強攻型の元ネタはかつてあったスーパーマクロス・超強攻型という模型です。
どのようなものかは検索すれば出るのでここでは伏せときます。
まあ、あの要領で人型変形した巨大戦艦の両手にブルーノアとレッドノアを・・・みたいな。
ただ僕ごときがあんまり話をややこしくしたくはないので、当面は1発ネタに留めておきます。
それではまた!
286あぼーん:あぼーん
あぼーん
287『D』、再動  ◆/s5ZynBY7E :03/11/22 22:34 ID:VcgJiKy4
「だいぶ賑やかになってきたな」
結界が消滅し、空は晴れ渡り、太陽は眩しく、我等がボスも来た。
使徒も現れ今更区切りをつけるまでも無いが、本戦開始といったところだ。
「そろそろ行こう。体の調子も良くなってきたし」
イチは立ち上がると両腕を回す。その様子にシィがくすりと笑う。
「なんだよ」
「空元気にしてはなかなかさまになってるわよ」
「体に元気が無いだけだよ」
確かに空元気と言われればそうだろう。
彼の両腕と片足は仲間のイスラフェルの力を連携させて再生したものだ。
誰か一人でも欠ければ、即座にそこに反映される。
「俺達の力を借りておいて言うセリフか。
 まあいい、動けるって言うんなら行くぞ」
サンが寝ている状態からハンドスプリングで一気に立ち上がる。
声をかけられたニーとシィも腰を上げた。
「何処から行くの? メインディッシュはネルフに、でしょ?」
「京都御苑へ正面突破はあいつらが勝手にやってるしな」
自分の仕事も満足に完遂出来んとは情けない、とニーは肩をすくめた。
そう言いながらも彼は解っている、最も優先されるのは自分の事だと。
あいつら、チームFのメンバーもそれは同様だ。
「京都大学周辺はどうだ?
 奴等があえて向かう必要があるとは思えない場所だが、何かあるのかも知れん」
「司教も現れたし……なにかあるかもね」
その相手はいわずと知れたダブリスだ。
美味しい役目を持っていったところに『D』の面々は多少腹が立つ。
しかしそれは対象が違うだけで、世界を駆けるAngelArms達の思いと同じだった。
「一旦戦闘区域を離脱、北から回ろう。
 南から攻められる事を前提にしている戦場だ、その方が面白い」
288 ◆/s5ZynBY7E :03/12/01 21:18 ID:SR0w9BoA
念の為保守。

………トライラックスさん帰って来てください。

という事でこれにて。
失われた腕は戻らない。
「やはりだめか………しかし、代用は利く」
エーアストは止血を終え、痛みを感じないことを確かめた。
見た目には以前と同じ右腕が蘇っているが、その中に彼自身の腕は無い。
「ずいぶんと無駄に時間を過ごしたが、栄養補給は十分に行えた」
フィーアトが有り余る力を掌の上でで転がす。
ATフィールドとアンチATフィールドを対消滅させて起こる小規模の爆発を
さらにその外側の強固なフィールドで押さえ込んでいる。
かたやゼクストの腕の数は4本に増え、両翼も一回り大きくなっていた。
もだえ苦しむような人の顔のような模様が全身に浮き出ており、
よりいっそう悪魔じみた姿と化している。
二人はエーアストが回復に徹する間、迫り来る敵を片っ端から「喰って」いった。
死霊に怨霊、悪霊といった霊的なものは言うまでもなく、
使徒もどきも彼らにとって餌でしかない。
「まっすぐに行くか、寄り道をして行くか……どっちにする?」
直進すれば一気に京都御苑には着くが、抵抗など高が知れている。
その過程に面白みも何も無いだろう。
満月にもまだ遠く、無論その前の緋色に染まる時にもまだまだ早い。
「奴等の上を越していくのも一興だが、あっちで面白い事になってるぞ」
すっとエーアストが指さした先では、複数体のエヴァが対峙していた。
290289  ◆/s5ZynBY7E :03/12/04 22:13 ID:43Hy6Xvi
ひとまずここまで。

>トライラックスさん
まだ見ているのであればという事で念の為。のお断り。

<日曜零時>までに反応がなければ、この続きで「少し」トライラックスのエヴァ、
ひいてはクローンアスカを勝手ながら動かそうと思います。

Longinusと上の方で振られたアラエルのネタも混ぜまして、
過去ログにあったトライラックスさんの意向も考慮しつつ時間を進めるという感じです。
レスがなければそこまでは僭越ながら進めさせて頂ますので、予めご了承ください。


>黒メガネさん
今月半ばには仕上げます、と言い切っておきますのでそこまでは申し訳ないですが以下略。
もうちょっと、ちょっとだけお待ちください。出来たらすぐに上げますので。

ということで。
291綾波寮責任者:03/12/06 13:09 ID:6pBg+3DU
状況は混乱している。正直、俺には全てが把握できているとは
言い難い。こちらの主な敵は、この本部を含む、京都に侵入した
全ての味方部隊を射程に入れるラミエル。そして、二機のエヴァ
と戦うマトリエルだ。そして、先行した本隊は予想以上に苦戦し
ている。成層圏に出現した使徒の精神攻撃が行われたからだ。
そして、初号機と零号機は、時折行われるラミエルの援護射撃
のせいで、マトリエルに対して予想を超える苦戦をしていた。
こちら側が有効打を放てる態勢に入る度に、ラミエルが邪魔
をしてくるのだ。明らかにかつて出現した時よりも連射力
が上がっている。例のディラックの海を操る使徒がいなければ
零号機なり本部なりの長距離狙撃で撃破できるのだが……。
その時、信じられない事が起きた。東の方角から現れた光
が、上空へと向かい、成層圏にいた使徒を消滅させたのだ。
司令は、一瞬、その光に見とれたようだ。おそらく、元の姿
なら目を見開いていたのだと思う。
その直後、本隊から通信が入った。
それは、あちらの使徒殲滅への協力要請だった。
292綾波寮責任者:03/12/06 13:12 ID:6pBg+3DU
……どうやら、うまくいったらしい。相手の反応は残念なが
ら消失していないが、狙いはほぼ果たせたようだ。
だが、その直後に問題が起きた。そう、それが使徒イロウル
によるMAGIへの侵入だったのだ。かつてはこいつのせいで
ネルフ本部はエヴァで対応する事もできず、自爆寸前に追い
込まれたという。、
「くそっ! こんな時にここのシステムにまで敵が……」
と、俺がつぶやくと司令が司令が答えた
「いや、これはある意味では好都合だ。この使徒が現在取って
いる、コンピュータープログラムという形態は、奴が取る事のできる
形態のごく一部に過ぎない。現に、それにより奴を『ここの
内部』に封じておけている」
赤木リツコ博士が言う
「今の私達にとっては、『袋のネズミ』よ」
しかし、次に外の様子を見た俺は息を飲んだ。一瞬の出来事だっ
たので、何がおきたのかわからなかったが……。
閃光(もはや見慣れた、ラミエルの光線だ)が走った直後、マトリエル
が爆発し、その場には初号機、零号機に加え、四号機が現れていたのだ。
ただ、四号機はひどくダメージを受けていた。
293綾波寮責任者:03/12/06 13:13 ID:6pBg+3DU
それは、こういう状況だったらしい。本部がイロウルの侵入に
よって、サポート能力が激減した直後に二機のエヴァの動き
に合わせるように、ラミエルの攻撃が飛んできた。しかし、
その瞬間、四号機が間に割って入り、光線からの防御を引き受
けた(ATフィールドの張り方を工夫する事で威力を減衰し、ダメー
ジを最低限に抑えたのだ)。初号機と零号機は即座にそれに反
応し、動いた。ラミエルからの援護が予想外に防がれ、反応
が一瞬遅れたマトリエルに、初号機がマゴロクを抜いて斬り
かかる。マトリエルが飛び上がって回避したが、反応が遅れた
ために、足を斬られてしまった。
そして、足を失って落下したマトリエルに対し、片手にパレッ
トガン、片手にポジトロンライフルを持った零号機が銃撃
を行い、マトリエルは殲滅され、十字の炎を上げた。
全ては一瞬の出来事だった。
そして、それはこちらも同様だった。赤木博士がつぶやいたのだ。
「終わったわ」
なんと、今の一瞬の間に、イロウルを始末していたらしい。どうやっ
たんだろう? と、疑問に感じると、見透かしたかのように
「聞きたい?」
と、言われたが遠慮しといた。学も無ければ超常能力も無い身だ。
説明されてもわかるまい。
294綾波寮責任者:03/12/06 13:14 ID:6pBg+3DU
だが、ほっとしたのもつかの間、駆けつけた四号機のまともな
交信をする間も無く、敵の攻撃が降り注ぐ。ラミエルが出力を
落とした光線を、乱れ撃ちしてきたのだ。こんな芸当も出来た
のかよ!! ATフィールドで十分防げる威力だが、エヴァに当た
ればそれなりにダメージを与えられるであろう威力の光線も
混じっている。それに、四号機はまだダメージの修復が完全で無い。
そして、それは来た。ディラックの海が開き、そこから大出力
の光線が飛び出して来たのだ。
幸いにも、この攻撃は敵の猛攻に対して後退していた零号機
がガードしてくれた。初号機は四号機の近くにおり、四号機
と共に駆けつけてきた連中もその近くにいるようだ。逆に、
こちらに攻勢をかけてきていた敵サイドのトライラックス
エヴァは、ラミエルの攻撃に巻き込まれて混乱している
ようだ。立ち直るのも時間の問題だろうが。
だが、その直後に、それは起きた。町奉行が危険を犯し、
虚数弾頭弾を今の敵の攻撃と同時に、ディラックの海へと撃
ちこんだのだ。司令達の様子を見るに町奉行の攻撃に気付いて、
あえて待機していたように見える。赤木博士が言う。
「今の虚数弾頭の爆発で、ディラックの海が閉じる時間が
少しばかり遅れて、おかげで、十分な情報が取れたわね。
ま、これが十分な情報になるのは私達くらいでしょうけどね」
どうやら、さっきからディラックの海を出現させている使徒
の位置を割り出せたらしい。そして、エヴァ達へと連絡を行った。
295綾波寮責任者:03/12/06 13:19 ID:6pBg+3DU
「……しかしまあ、ここまで複雑な位置にいるなんてね。で、
どうにかできる手立てはある?」
すると、四号機の渚君が答えた。
「……位置さえつかめればね。シンジ君、レリエルは僕にまかせ
てくれ。そして、僕が行ったら鈴原君と合流するんだ」
そう言うと、ラミエルからの爆撃(そう言ってもいいだろう)からの
防御を他の二人にまかせ、これまでの戦闘で障害物の無い空
き地と化した場所へ移動した。虚数弾頭の効果があったのか、
レリエルによるラミエルへの援護は今の所見られない。
そして、四号機の背後から、エヴァサイズのバイクが姿を現す。
それにが乗り込んだ四号機は、なにかのスイッチを押した。
すると、流線型のシールドのような物が現れ、車体とエヴァ
を覆う。そして、走り出したバイクは突然姿を消した。
そうか、彼らのバイクはこのためにあったのか!?
だが、その直後に赤木博士が悲鳴をあげた。
その報告は、あまりにもとんでも無い物だった。かつて
第三新東京市に落下し、第三新東京市もろとも消滅しよう
とした使徒、サハクィエルが突如旧東京上空に出現し、落
下しようとしていたのだ。……そんなのありかよ!!!
296????:03/12/06 16:24 ID:n8sl9TYy
さてと……そろそろ皆前菜を食べ終わる頃だな。色々と楽しんでもらえてるようで
なによりだ。役者もほとんど顔を揃えたようだしな。
まあ、この程度の仕掛けも破れないようでは、招待した意味が無い。
そう言えば、おかしな連中の仕掛けでこちらの予想以上に簡単に攻略されてしまっ
ているな。よし、そちらがそういう真似をするなら、こちらも一つネタを仕掛けてやろ
うじゃないか。さて、人の技でこれを避わせるかな?
そして、オレはサハクィエルに旧東京への降下を命じた。
そして、オレはトライラックスのメスブタに命じた。
「さて、そろそろレリエルとラミエルが倒れる頃だろう。お前達の出番も近いぞ」
さて、そしてこちらの「とっておき」もそろそろ出る訳だ。ククク……
えー、まともにネタカキコするのは本当に久しぶりの????他です。
黒ブチメガネさんにEさん、厚木基地最後の兵士さん、町奉行さん、
新入社員さん。話を進めてくださってありがとうございます。いずれも
大変な長文お疲れさまです。

今回はマトリエル&イロウルを結局あっさりと撃破&レリエル戦
直前まで行きました。そして、旧東京への攻撃も行われています。
現在また時間が無いのでこれにて。時間があれば月曜以降また
レスをするかも。
銀と白のK−1ゲリオンの前に、緑と紫のK−1ゲリオンが飛来した。
「こんな所で何をしてるのかしら?」「それはこっちのセリフよ、裏切り者」
「綾波教を裏切ってネルフと結託したのはあなた達の方」
「キラ、何を言っても無駄よ。マインドコントロールされてるのを忘れたの?」
通信回線をクローズドにしてシグナがキラのヒートアップを抑える。
「……そうね」
本来血を分け合ったといえる仲間であり、姉妹であり、戦う相手ではないのだ。
勢いをなくしたかのようにファイティングポーズを解いた二機に、
ユノの乗る緑の『ユニコーン』が深く構えをとる。
「そっちから来ないならこっちから行くわよ」
サラの『サラマンダー』が一歩分間合いを詰めたその背後で黒く、巨大な扉が突然軋みをあげて開いた。
中から現れたのはエヴァと思わしき巨躯の3機、
異形のそれらは浮いているにもかかわらず、這いずるかのように扉から溢れ出す。
「美味しそうなご馳走がふたつ……」
その後からスモーウォーカーが二機現れたが、出てきた途端に忽然と姿を消した。
別のゲートを使って移動したのかもしれない。
明らかな危機を感じ取り、キラの『ターロス』とシグナの『ドラゴン』は身構えた。
なかったはずの戦力差が倍以上に跳ね上がる。
「……ここだけじゃないみたいね、シグナ」「うん」
一瞬にして鋭くなった彼女達の感覚は遠方の異常も察知する。
時をほぼ同じくして、複数の使徒が同様に黒の扉をくぐって京都に出現したのだ。
前哨戦の終点と言える結界消滅を経て、
人レベルからエヴァレベルに戦闘規模が一気に飛躍する。
この先に待ち受けるものが何かは判らないが、ここを越えなければ先は無い。
「ここは私達で十分よ。あっちに行って」
『ユニコーン』がしっしと後ろの三機に手を振った。
それに合わせるように、『サラマンダー』も腰に右手を当てて左手を振る。
「なんだと?」
「腹が減ってるんならあっちのエヴァにすれば?」
『サラマンダー』がまっすぐ腕を伸ばした方向には、マトリエルと戦う零号機と初号機がいた。
レリエルとの巧みなコンビネーションに完全に足止めを喰らっている。
「1、2を争う強さ、さぞかし美味でしょうねぇ……」
「使徒一匹に苦戦してるみたいだし〜」「サシじゃ無いんだから、上手くいけば大手柄よ?」
「ヒナ様も喜んでくれると思うんだけどな〜」
「「ねぇ〜」」
声や動作を合わせることで、ユノとサラは強調する。
しばらくの間が空いて、異形のエヴァの操縦者は回答を出した。
「それもそうだ」「ここはお前らに任せた」「急ごう。使徒が倒されてしまうぞ」
食欲をそそられた三機はそそくさと離れ、新たな目標に向けて飛び去った。
その背を見送って、『ユニコーン』が『ターロス』と『ドラゴン』の方に向き直る。
「さ。邪魔者はいなくなったし……とっとと始めましょう?」
向かい合う二機と二機が構えを取る。
最初に動いたのは『サラマンダー』、正面に位置する『ドラゴン』に殴りかかった。
『ドラゴン』はしっかと拳を受け止める。
そこから受け止められた硬直を利用し、
『サラマンダー』は隣に立つ『ターロス』へ胴回し蹴りを放つ。
「ぼさっとしてんじゃないわよっ」
続けざまに上から『ユニコーン』が『ターロス』に仕掛ける。
たまらず後ろに跳んで『ターロス』は避けた。
「仕方が無いわね……反撃に出るわよ、シグナ」
「え、でも……」
一旦反撃に移れば、手加減する余裕は無い。
実力が拮抗しているからこそ、相手が本気ならこっちも本気を出さねばやられるのだ。
専守防衛では、事態が悪化する事はあっても前進はしない。
「よそ見してんじゃないわよ」「くっ!」
血を分けた姉妹で何故戦わなければならないのか。
『ドラゴン』が『ユニコーン』の突きを掴み、勢い殺さず背負い投げた。
しかし『ユニコーン』は地面に落とされる前にATフィールドで足場を作り、
逆に『ドラゴン』投げあげた。
その紅い足場を使って『ターロス』が『ユニコーン』を蹴り飛ばす。
消えた足場から地面に着地するや否や、『ターロス』の背後から『サラマンダー』が
上段回し蹴りを放つ。
『ターロス』はギリギリのところで伏せてかわし、同時に回転足払いをした。
それを垂直に跳んで『サラマンダー』は攻撃を避ける。
ジャンプを予想したかのようにATフィールドで形成した天井を蹴り、
『ドラゴン』が『サラマンダー』に拳を突き出して直滑降した。
いち早く気づいた『ユニコーン』が『サラマンダー』の腕を掴み、全体重を乗せて引く。
奇襲はハズレ、地面に突き刺さった拳が地面を吹き飛ばして土煙を巻き上げた。
視界をふさがれた状態でも『ユニコーン』は明らかな一点を目指し動いた。
まだしゃがみこんだままの『ドラゴン』に殺意を秘めた一撃が迫る。
放たれた蹴りの風圧に軌道に沿って土煙が晴れていく。
衝撃はユノの想像よりも早く訪れた。
攻撃を受け止めたのは『ターロス』、接触面から衝撃で煙が一気に吹き飛ぶ。
その僅か前、土煙の向こうでは『サラマンダー』が走りこんでいた。
四散した土煙の隙間から『ターロス』の位置を割り出すと左で踏み切り、
躊躇なく全力で右足を振り上げ、そして最速で振り下ろす。
「グッッ」
強烈な一撃にと唸るキラ。
『ターロス』が倒れるのは何とかこらえるが、意識が白濁する。
「キラ!!」
『ドラゴン』が『サラマンダー』にタックルを浴びせ、もつれ合って転がる。
ビルが砂の城を崩すかのように巨体二つによって粉々にされていく。
『ユニコーン』は下がった『ターロス』の頭が上がる前にローキック、
避けることも出来ずに『ターロス』は派手に横転させられた。
「キラ!」
シグナの悲痛な叫びが響く。
顔を逸らした『ドラゴン』の死角から『サラマンダー』の正拳が繰り出されたが、
間一髪でガードされた。
「あなたの相手は私よ」「邪魔、しないでっ」「イ・ヤ・よ」
『ドラゴン』と『サラマンダー』は激しく拳と拳の応酬を繰り返す。
防ぎ、死角を狙い、受け流し、カウンターを浴びせる。
「そこをどけえぇぇ!!」
『ドラゴン』の大振りのパンチを『サラマンダー』はスウェーでかわし、
一回転のフェイントを混ぜて超高速のハイキックを放った。
しかし『ドラゴン』は上段攻撃を見越してダッキングして接近、
全身のバネを使ってのアッパーカットを放つ。
「ごめん……」
鮮やかに決まった渾身のカウンターは『サラマンダー』の顎を砕き、空へ舞い上がらせる。
上昇中、シグナの目に見えたのはアイアンクローで頭を持ち上げられる『ターロス』だった。
「っまだまだぁ!!」
注意を他所に向けていたために、『ドラゴン』は
倒したはずの『サラマンダー』にがしっと掴みかかられる。
「くっ!?」
もがいてもすでに遅く、上昇が頂点に達すると同時に天地が逆転する。
二体はきりもみ回転しながら急降下し―――激突した。
先ほどより巨大な地響きが起こり、周囲の地面が盛り上がって割れた。
「あっちは片付いたようね、こっちも――
『ユニコーン』の視界がぐるんと一回転させられた。
「ちゃんと、前は見ることね」
形勢逆転のチャンスに『ターロス』はラッシュをかける。
怒涛の乱打に『ユニコーン』は回避も防御も封じられた。
「コレでとど――
突如天より光が降り注いだ。
陽光とは違う光のベールが淡く、白く、戦場を浮かび上がらせていく。
「!?なっ…何コレ!? 何か入ってくる!!!」「ぃ…イヤ、ヤメテ!!!」
「うぁあああぁああああ!!?」
無遠慮に脳の中をかき混ぜられるような本能的な不快感と恐怖に
クローンアスカの乗るK−1ゲリオンは次々にもがき始める。
もちろん光の影響は彼女達だけでなく、降り注ぐその範囲全ての生物に与えられた。
「こっこれは……アラエルか!?」
キラとシグナの加勢に向かっていたフウイ・ノ・レイの繰る『ユミール』は、
白い光を前に急停止した。
空を仰ぎ見ると光の帯は帯状になっており、
最大望遠でやっと捕らえることの出来る一点に収束されていた。
「みんなっ「待て! 止まるのだシヴァ少尉!!」
光の中に入ろうとする『ハヌマーン』の腕を『ユミール』が掴んで引き止める。
「何の策もなく光の中に入れば精神汚染されるぞ!!」
「でも!……くっ………」
二人が足止めを喰らっている間も光の範囲は広がり、被害者を加速度的に増加させていく。
「このままでは……」
このまま傍観するしかないのか、フウイ・ノ・レイは打開策に思考を巡らせる。
あの時はアラエルを殲滅するためにロンギヌスの槍を使ったが、今それは手元に無い。
エヴァの能力で長距離兵器を扱えた後輩のレイも、
碇シンジと共にマトリエルに苦戦を強いられている。
「あれは封印されていたはずの次世代エヴァ!」
零号機と初号機の方へ移動する異形の物がフウイ・ノ・レイの視界に入った。
誰が開放したのかはおおよそ察しが付く。
「あいつは……!」
その場待機を強いられたシヴァは戦場を見回していて、見覚えのあるエヴァを見つけた。
一体は黒いラバースーツに身を包んだようなエヴァ、もう一体は黒い砲身を肩に乗せた量産機。
前者は少し懐かしい感じがするが、後者には怒りしか浮かばない。
シヴァを含めたクローンアスカ達の育った場所、サルサ・セカンダスを襲った
許すことのできない存在に一泡吹かせ、せめて一太刀浴びせなければ気がすまない。
しかし、苦しめられている姉妹を目の前にして私情では動けなかった。
されど対抗策がなければ、遮る物もなく範囲を拡大していく凶悪な光の前に立ち尽くすしかない。
だが時を待たずに、それは東より上る別の眩いばかりの光の帯によって闇へと帰される。
戦場からも上って行く数多くの光の筋が大きな光の帯に合流して引き絞られ、
槍となって加速度的に輝きと速度を増して使徒を射抜いた。
衛星軌道上という肉眼では確認できない高空にもかかわらず、
そこにいた者達はその瞬間を目にした。
死してなお未来に希望を託し、光と消えて行った者達の姿を。
フウイ・ノ・レイはエントリープラグの中で静かに敬礼をした。
少しの間を置いて、白い光に包まれていた戦場はまた騒ぎ始める。
「シヴァ少尉、行くぞ!………む?! 何処へ行く!!」
『ユミール』が『ハヌマーン』のいた方向に振り向くとすでにその姿はなく、
トライデントの方に向けて走り出していた。
「……っつぅ………………シグナ、大丈夫?」
右手で頭を押さえた『ターロス』がよろけながら立ち上がる。
「な…んとか……」
『ドラゴン』も続いて立ち上がり、朦朧とした意識で周囲を警戒する。
光は敵味方区別なく攻撃したのであろう、『サラマンダー』と『ユニコーン』も倒れていた。
身を震わせているところを見ると、パイロットはまだ生きている。
と、『サラマンダー』の震えが止まり、地面に手を付き体を起こそうとした。
シグナは頬を両手で張って無理やり意識を覚醒させると、身構えた。
「ここは…………痛ぅ……私は何を…………?」
「ユノ、あなた……意識が戻ったの?」「キラ?…ここは……」
『ユニコーン』はのそりと立ち上がり『ターロス』の方を向く。
視界の端にキラッと瞬いたものに、シグナは叫んだ。
「避けて!!」「きゃぁ!!?」
『ターロス』は『ユニコーン』を蹴り飛ばし、その反動で自分も移動する。
直後、二人の立っていた所に黄金色の光線が一直線に過ぎ去っていった。
「な、なんなの……ひゃっ!!」
今度は『サラマンダー』の前方がキラリと光り、光線が飛んでくる。
地面に滑り込む形で間一髪、『サラマンダー』はそれを避けた。
「荷粒子砲の乱れ撃ちぃ!?」
避けているのは自分達だけではない、次世代エヴァの3機も無差別攻撃に巻き込まれていた。
全機こちらを向いているところを見ると、また戻ってこようとしているようだ。
初号機と零号機を攻撃する前に、マトリエルが倒されてしまったからだろうか。
「大丈夫!? みんな!!」
シグナの呼びかけはユノとサラも対象にしていた。
互いに手と手を取り合うように連携して情報交換し、不規則な荷粒子砲を避け続ける。
「くっ」「おまえらっ」「裏切ったな!」
「ハン、正気に戻っただけよ」
305304  ◆/s5ZynBY7E :03/12/07 00:35 ID:a1S9sSbg
という事で宣言通り書きました。

状況としましては????さんの書き込み対応により一部修正を加え、
かつLonginusの出番がなぜか次回持ち越しになってしまいました(苦笑)
フウイ大使の『ユミール』を加えたK−1ゲリオン5機VS次世代エヴァ3機で、
どれだけの激戦が行われるかによるかと。
まず、黒メガネさんのネタで出ていたスモーウォーカー2機は、
手前勝手な過去ログ分析により一時撤退、ミゾロギに関してはトライラックスさんの
「地下を行くスモーウォーカー6機にぶつける」を尊重しました。
また、アラエルコントロール表示がなかったのでその攻撃を範囲内なら無差別とし、
精神汚染の過程を利用し敵サイドクローンアスカ、ユノとサラのマインドコントロールを解きました。
これも一応トライラックスさんの意向に沿う形でさせて頂いた、と。
また次世代エヴァの動きは、黒メガネさんのネタでは零号機と初号機のところまで
行って「いた」のですが、????さんのネタでその描写カットが入ったために
私のネタでは上記のような描写とあいなりました。
重ね重ねすみません。

>????さん
カキコキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
爆弾使徒ですが、当方『E』なら対抗手段が無いことも無いんですが……
もう少し様子見しますね。

そんな感じで今夜はこれにて。
306高橋覗:03/12/10 08:19 ID:nyvtM+EA
……サハクィエルが旧東京に降下中だと?
綾波君(同姓同名)が慌てて持ってきた報告書を見て、あの主席の司教が
ちょっかい出してきたのだとすぐにわかった。忙しいのに厄介なものを寄越すな。
とにかく、俺はすぐに要塞都市にサハクィエル対策室を設け作戦を作らせた。
――――――――――――――――――――
サハクィエルが旧東京上空に現れた。趣味の悪い目玉の使徒が空全体を覆う。
今回の作戦の主役は霊能局の守護霊達だ。
ネオ戦自は京都に出払っていて、要塞都市にサハクィエルを食いとめるだけの戦力はない。
旧東京から巨大な白い影が立ちあがる。守護霊達の集合体だ。
その影が巨大な掌の形を成す。その白い掌が、降下してきたサハクィエルを
べシッとはたき落とした。はたかれたサハクィエルは目標だった旧東京を外れ、
太平洋に墜落していった。直後、巨大な十字架が海面に立ち上がりサハクィエルは消滅した。
――――――――――――――――――
「なんとか撃退できましたね。一時はどうなる事かと思いましたが」
「ああ、全くだよ綾波君(同姓同名)…。油断はできんが、回避できてひとまず良かったという所だね。」
「そうですよね。あ、長官お茶です」「ああ、ありがとう。なんか奥さんみたいだね」
「は、い?」「い、いや……さて!今日の予定は何だ?」「えーと、午後から京都派遣隊の作戦会議がありますが」
あぁ、俺も再婚したいんだが綾波君じゃ歳が違いすぎるよな……。
307あぼーん:あぼーん
あぼーん
>>259,260より)

反応できなかった、こんな巨大なものを見逃すなんて。
ゼルエルの光線を発射した直後の瞬き、
その一瞬でゲートを開きそこまで移動させたとしか考えられない。
まだ…………なんて思っちゃいけない。
僕は分身を説いてエヴァに戻った。
「あれとたたかうの?」「そうだよ」
不安でいっぱいの眼でアクサが僕を見上げる。
今どうしてそんな事を聞くのかわからない。ずっと戦ってたじゃないか。
「どうしても?」「あのアクサは何処に行ったのさ?」
また急に暗ーくなってる。
ちょっと背伸びして勝気で陽気なアクサの面影が、今は全く感じられない。
アクサは無言のまま、答えてくれない。
ため息一つ付いて、頭を一回撫でた。髪の感触が気持ちいい。
「見たくないなら伏せてて」
アクサに言えるのはそれだけ。
負けて死んじゃったらあの世で許してくれるまで謝ろう。
でもそれはそうなった時の話で、先の事は今はどうでもいい。
やれるだけやってやる。
「…………なにもしらないくせに」
「え?」
何かアクサが喋ったような気がしたけど、気のせいかな。
エヴァを立ち上がらせるまで、司教は律儀に待ってた。
「…まだやるのかい? 悪いけど今は手加減できないよ」
空気がスパイスで派手に味付けされたみたいに、ビリッとした。
言ってる言葉も、眼も作り物じゃなく本気で言ってる。
だからって退けるわけが無い。
エヴァの右手を変化させて一本の日本刀を持った状態にする。
手首を返して一回転、刃を天に向け身を低くして上段に構えた。
「やるんだね? 後悔しても知らないよ」
司教がふわりと浮き上がり、量産機の中に消えた。
唸りを上げる黒い肩のとは対照的にうなだれていた量産機の白い頭がもちあがる。
厭らしく笑った口から涎が垂れる。
腕が動いて、羽を一度羽ばたかせてこっちを見ている。
勝てっこない…………脳裏に蘇ったあの姿に重なった。
思わず一度顔を伏せてしまう。
勝つんだ、勝つんだ、勝つんだ、自分に言い聞かせなきゃ。勝てる。
弱気がわずかな勝機を見逃すんだ。
エヴァの左をまっすぐ敵に伸ばし、手の甲を地に向けてかかって来いと指を曲げた。
突然白い壁が目の前に張られる。
瞬間壁を突き抜けての一閃、
周りの空間も巻き込むような風圧に流されながら空へと跳び上がる。
司教はもう、真っ向勝負はしてこない。
「ッ!!」
白い視界に再び包まれ、今度飛び出してきたのは黒い刃。
刹那で避けた刃はエヴァの頬をかすめていく。
速いっ!
止んだと思えばまた一閃、キツイ。これじゃ防戦一方だ。
「でえい!」
自分を包むように次元の裂け目を螺旋状に広げて、白い闇を裂く。
そのまま外へ、離脱する。
アレに入っちゃだめだ、全身に視線がまとわりつく感覚が生理的に気持ち悪い。
あの時はそんなの感じる余裕がなかったけど。
「くらえ!!」
刀を振り回して、遠くに浮かぶ量産機に向けて空間断裂を飛ばす。
しかし、スカスカスカっとかわされてしまう。
接近しようにも白いのが量産機の周りに漂っている。
近づいたとたんに凝縮させる気だ。
……分身が使えればいいけど、エヴァじゃ出来ない。
量産機の肩の兵器が口を開いてまたエネルギーを凝縮した一閃を放つ。
今のは楽に避けられたけどどうにかしないと……
と思ってると一気に来た、正面から受けとめようと構えた。
「!?」
でも、実際には背後に感じた気配に振り返って無意識に刃を立てていた。
「こいつ(黒い銃)の気配までは巧く消せなかったみたいだね」
刃と刃を削りあうようなきしむ音と重圧感が両手、全身に回っていく。
霧の向こうから現れたのは前にいたはずの量産機だった。
剣を交える至近距離、両手がふさがっていても、量産機の肩のもうひとつの口は自由に開く。
唸りを上げて口の前に光球を形成していく。
まずい!
バックステップを踏んで逃げようとすると、その分量産機が追いかけてくる。
これでどうだ!!
間一髪、次元の裂け目を前方にシールドのように広げた。
端から漏れた光に安心するのも束の間、激しい衝撃を背中に受けた。
量産機が高速で、エヴァの横を後ろから前に過ぎていく。
「な……ぜ…………」
解っているがそう言ってしまった。
「あのバカ!! 何やられてんのよ!!!」
シヴァの眼に見えた黒いエヴァは、回避成功に明らかに気を緩めていた。
エヴァ同士の戦いは人サイズの戦いと比べパワーの桁が違う、
つまり一撃必殺の度合いが非常に高いのだ。
黒いエヴァは紅い帯をたなびかせながら多少落下はしたものの、
何とか空に踏みとどまったが、傷はかなりの深手と見えた。
急がなければ、とシヴァの『ハヌマーン』が空へ踏み出した瞬間に、
目の前の二体が真っ白い霧に包まれ姿を消す。
「またコレなの!」
しかし怯むことなくシヴァはその中へと突き進んだ。
重力が無ければ完全に方向感覚を失ってしまうその中を
『ハヌマーン』は前進し、戦うエヴァ二体を再び視界に捉えた。
また一撃、黒いエヴァは喰らってしまう。
強い………! 強すぎる、これが司教レベル!!
ダブリスは身をもってその強さを知った。
斬れないと判断したら、思いっきりそのまま力で薙ぎ払ってくる。
回転させて力を逃がそうとしても、
量産機が払う方向を調整してエヴァを吹っ飛ばしてくれた。
完全だ。完全に動きが把握されてる。
不幸中の幸いか、僕の思考は前と変わらず読まれていない…みたいだ。
でも……何か、何か策を練らないと幾らやっても駄目だ。
この中でゲートを開いても、出口がすでに見切られて霧に包まれてる。
アクサも守りきれない……クッ!!
剣撃を行う間に肩の兵器のエネルギーを充填して、ある程度で撃ってくる。
貫通までには至らないけど、はっきり言ってイタイ。
背中の傷を集中的に回復させる余裕が欲しい。
でもそんな甘ったれた事は心の中だけにしておく。
「おや、お客さんが来たようだね」
「シヴァ!!」
量産機の猛攻が止まった。ふっと顔を向けるとあの子のエヴァがいた。
「何ぼろぼろになってんのよ!!
 ……え〜と、何だっけ?」
むちゃくちゃヤバイ状況なのに、ほっとしてる。
お腹の上で小さく縮こまってるアクサの頭を撫でる。
「アクサ、君は死んじゃだめだ」
約束も果たして無いし、ほんと自分勝手で悪いとは思う。
でも、父親の気持ちってこんな感じなんだろうなぁ。
「シヴァ、悪いけどこの子をお願い」
連れて来たのは僕だけど、これ以上はアクサには無理だ。
もう一度柔らかい髪の感触を確かめる。
お前には未来がいる、僕のわがままにここまで付き合ってくれてありがとう。
「だぶ……「また逢えるよ」
ゲートを開いてシヴァのエントリープラグに直結し、
アクサをとん、とその中へ突き飛ばした。
「見かけ通りに優しいね、待ってくれるなんて」
「君が遺言を語る時間くらい待ってあげるよ」
本気、といった割にはまだ余裕ぶってる。
……刀を二本に増やす、大刀と小太刀、ここからは二刀流で行く。
爪先と踵も鋭利な刃物に変えた。
「行くぞ!!」
量産機と、その肩の黒い獣が唸りを上げた。
ころん、と小さな女の子がシヴァのエントリープラグにお邪魔する。
シヴァが異変を感じて後ろに振り返った時、すでにゲートが閉じるところだった。
「ちょっ、アンタ!……どうしてこんな子供を戦場に!!!」
そういう自分も子供の範疇に入っているのはもちろん棚上げだ。
前の状況と後ろの状況を交互に見ながらシヴァは怒鳴った。
「……っいてきたいって、言った「なに考えてるのよ!!」
武器が二本に増えた事でさっきより分は良くなっているようだが、
押されている事に変わりは無い。
「おいてく……ッ! つもりだったんだ……けどっ!!」
「だったら……「話しかけないで!! 気が散る!!」
「あっ、ちょっと!!………切られた!」
白い量産機は黒いエヴァだけを相手にしていて、シヴァは完全に蚊帳の外へ追いやられた。
この子がいれば……彼女としては激闘の最中に入ることは出来ない。
ついてきたいからって言うだけで、
こんなところにこんな子供を連れてくるなんてあまりにも常識外れだ。
「あっ」「ヒッ!」「!?」
量産機の一撃がまた黒いエヴァに決まり、シヴァは思わず声を上げる。
とその直後、背後から聞こえた悲鳴に驚いて振り返った。
アクサはついに悲鳴を出してしまった。
ここまで耐えていたのに、ダブリスがいないことに気が緩んだのか、
ついにそれを出してしまった。
「!…くぅぅ……」
また声を漏らしてしまう。はっとして口元を押さえても、もう遅い。
シヴァはある事に気づいて前に振り向く。
右腕をやられている黒いエヴァ、振り返ると右腕にあざのある小さな子。
「………いわないで」
震える声とおびえを含んだ眼をアクサはシヴァに向けた。
「もしかして…………知らないの?」「ふっ!!」
シヴァに答えずに、強い衝撃にまたアクサは唸る。
この子が死ぬ、シヴァは直感した。
「あんた!――――
回線が切れているのなら『ハヌマーン』を動かし直接訴えるしかない。
しかし、それは小さな手に止められた。
頼りない指先で掴み切れない自分の腕に……それでも掴もうとする。
そして首を精一杯に振る。
「どうして、あんたこのままじゃ……」「〜〜〜ッッ!!!」
アクサの左手に裂傷が走る。
こんなに小さな体で、なぜそこまで…シヴァはアクサに向き直り、その頭に手を乗せた。
「だぶりすはあたしを…くらいくらいひとりぼっちの…………
 ひとりぼっ………ぼっちのせかいから、すくッ…てくれ…の。
 たった…とりしかいないの。だから………」
無垢でまっすぐな気持ちにシヴァの両目から涙がこぼれた。
「だからって……」
何も言わずになんて、シヴァには理解できない。
生まれた時から一人じゃなかったから、そんな孤独も知らない。
だから強く心を揺さぶられながらも思う、もっと他に方法はなかったのかと。
「もうちょっと……もうそんなにながくないの、だから……
 だぶりすの…だぶりすのすきなように…」
きっと今の事も伝えていないのだと、シヴァには解った。
そしてそれは真実なのだと。
ウソまでついて、死んだら何も残らない。
こんなにまでなって、こんなに小さいのに重荷になることを避けている。
「ひみつよ」
左手で口元を押さえアクサは右手を、小指だけ立ててシヴァの前に出した。
「お…ねえちゃんとわたしだけ……ぜったいに、いっちゃだめ」
この子は墓場まで持っていく。彼が思いっきり動けるように。
「……馬鹿じゃないの」
シヴァはアクサを抱きかかえる。
「馬鹿よあんた……」
嗚呼、神様……
「おねえちゃん、やさしいねぇ……これでふたりめ。
 やくそく、まもってくッ!! くれるよ、ね」
言葉が胸に突き刺さる。でも、答えは決まっていた。
「子供の癖に、背伸びしすぎよ……」
出された小さな小指にシヴァは自分の小指を絡める。
お願いだからこの子を助けて。
「ありがと…おねえちゃん」
胸の中のアクサの顔は見えないけど、きっと笑っているのだ。
痛みを感じないかのように眩しい笑顔で。
死なせないで。
「なかないで、おねえちゃん」
バカ、バカ……
「きれいなかおがだいなしよ」
「…………バカ」
誰か、誰かこの子を…この子を助けて。
ダブリスを止めて逃げればいい、だがそんなことが自分にできようか。
命をかけているこの子の最期の願いを無視してまで。
そんな事をしてまで恩を返されても嬉しくないのを知っているのだろうか。
激しい攻撃にアクサの体が跳ねる、それをシヴァは強く抱きしめておさえる。
祈る事が出来るのは、ダブリスの勝利。
「勝ちなさいよ……」
必死に戦い続けるエヴァを一瞥し、シヴァは安全圏への離脱を図った。
再生力が間に合わない。
右腕もほとんど動かないし、足も限りなく限界に近い。
なのに、あいつは余裕だ。
量産機に乗ってからは水を得た魚、この白い世界ではなおさら強い。
戦闘経験だけじゃない、もっと他に何かが足りないと思うんだけど……どうでもいいか。
次だ、次で決める。
自分を中心に球状にゲートを開き全方向に向けて数百を超える苦無を飛ばす。
「これは!」
司教もわかったはずだ、量産機を中心に同様に内側に向けてゲートを開く。
ここから僕が投げた苦無が飛び出す。
一列でも振り払おうと量産機が動いた直後、刃の群れは急停止する。
「くらえ!!!」
間を置かずに苦無の先端が割れ、陽電子の閃光が噴出す。
苦無ではかわされても、至近距離からの隙の無い全方位射撃なら確実に当たる。
苦無と自分を結んでいた紐をゲートを閉じて強制的に切断し、
回避を見越して全速力で特攻を仕掛ける。
光の壁を突き破り僕に向かって一条の光が飛び出すけど、ギリギリで避けた。
苦無のエネルギー容量が尽きる前に音速をはるかに超えた僕の特攻が、量産機に到達する。
アラエルの眼で見、直線の動きをゲートを使って直角に変える。
『あと一歩だったね』
言葉が脳に叩き込まれる。僕の刀は量産機のコアまで届かなかった。
右腕に大穴を開けて貫通し、腹部に刺さっていたけどあとほんのわずかに足りなかった。
声と同時に量産機が左手の両刃剣で斬り、近過ぎる、ゲート回避は、
腕を犠牲に、脚が遅すぎる、ATフィ…間に合わ――
「ゴフッ……!」
肉を切らせて骨を断つ、そんな言葉が頭に浮かんだ。
黒いエヴァは下から上に抉り取るように袈裟懸けにされた。
青い空が見えたと思ったら、背中に激しい衝撃が来た。
体が地面を滑ってる、別の自分が自分を見ているかのように、
エヴァが、自分がどうなったのか解る。
く、そ……こんなところで………エヴァを立ち上がらせようとするけど、
体が、エヴァがほとんど言う事を聞いてくれない。
量産機の回りを除いて白い霧が晴れわたっていく、司教には僕の限界が見えてる。
「これで終わりだね。残念だよ」
わずかに感じられた悲しみは気のせいだろう。
エヴァは膝立ちにはなったけど、それ以上動いてくれない。
くそっくそっ動け! 動けよ、動いてよ、今動かなきゃダメなんだよ!!
はっと顔を上げると黒い獣のような兵器の口が、
ゆっくりと自分に向けられていくのが見えた。
318317  ◆/s5ZynBY7E :03/12/14 16:39 ID:GexizPoc
長くてすいません。
この後、ダブリス、シヴァ、アクサの三名は京都の舞台から姿を消す事になります。
一応、悪い幕引きは用意していません。またトライラックスさんすみません。

>黒メガネさん
本当に長い事おまたせしました。
多少セリフにちぐはぐなところがあるかもしれませんが、申し訳ないですがそこはご了承ください。
以前にあったように白い闇の中の情報は全て第弐が入手可能ということで、こんな展開に。
ダブリスはエヴァ能力者ということもあり、そこだけは読めなくしてたりしますけど。
一部巻き込まれている地上の人もいるかもしれませんが、白い闇の範囲は局所的としてください。
範囲最大じゃなくてあくまでも二体の戦闘範囲に限定ぐらいで。
他のエヴァが近づかなかったのは、自分が忙しいからということで。
ということでバトンはお渡ししますので、存分にどうぞ。
319272:03/12/19 18:44 ID:2TmB9j32
ご無沙汰です。
一ヶ月半ほど遅れましたが、続きを書き込みます。
長期の怠慢によりスレの流れに支障を来したことを、心からお詫びします。
本当にご迷惑をおかけしました。

先月ほどではないですが少し長いです。
320黒縁メガネオペレーター<1/4>:03/12/19 18:45 ID:2TmB9j32
辛うじて第四使徒を殲滅し、第七使徒を一時後退させた我々を待っていたのは
第五使徒の広範囲無差別攻撃だった。威力はこちらのEVAのポジトロンライフル程度だが、
それが第五使徒ラミエルを中心としてほぼ戦場全域に散弾状に降り注いだ。
狙いはEVAとは言え、破壊力の桁が違う。
わずか数分で兵力消耗率は倍以上に跳ね上がった。後方の補給部隊へも被害が及んだ。
京都南部からは第九使徒殲滅の報が入ったものの、即時合流という訳にはいかない。更に
こちらにいる参号機とネオエヴァは第七使徒への応戦で手が離せない状態にある。
炎上する京都を、二機のトライデントは散り散りになった味方部隊を援護しつつ駆け巡った。
『ミサトさん、動いたらあかん! いい的にされるだけや!』
『何しとるんですか葛城一佐! トライデントにはEVAみたいな防御手段はないんやで?!』
二人の鈴原君はこちらを止めようとしたが、第五使徒の荷粒子砲の乱射に邪魔され、
二体に分離した第七使徒に押され気味になる。幾つもの火柱があがった。
葛城さんは揺れるトライデントの動きに翻弄されながらも二人を叱咤した。
「私たちに構わず、目の前の使徒を倒しなさい!
 味方部隊のフォローはこっちで引き受けるから、あなたたちはEVAでしか対処できない相手を
 確実に殲滅させるのよ。こっちもできる限りのことはするわ。
 ・・・ムサシ君、ケイタ君、マナちゃん、しばらくキツいけど、頼んだわよ!」
『了解! 蹴散らしてやるッ!!』
『ムサシ、この混乱を使って向こうのEVA三体を牽制するぞ!
 霧島、OTRに艦砲射撃で援護するよう要請してくれ!』
『わかった! ムサシ、ケイタ、機動管制と制動バランス補正をこっちに寄越して!
 OTRのイロウルCと繋いで、なるべく使徒の砲撃を喰らわないように誘導するから!』
321黒縁メガネオペレーター<2/4>:03/12/19 18:46 ID:2TmB9j32
『了解、任せる! 行くぞ、ケイタ!』
『おおッ!!』
機動兵器トライデントは長大な機体を高速で旋回させ、全身の武装を開放して
嵐のように戦場を疾走した。巨大な機械の両脚が瓦礫をたやすく踏み越え、機敏に跳躍して
荷粒子線の雨の下を駆け抜けていく。その姿は、使徒の猛攻にくじけかけていた味方部隊にも
再び戦意を取り戻させた。
「後方部隊の集結完了! ネオ戦自大阪基地から補給を終えた部隊が京都市内へ進行中です」
『京都市外縁部南東の敵勢力の掃討完了。兵力の三分の一を消耗するも戦闘続行は可能。
 付近の第八中隊と合流、次の指示を待つ』
「予備弾薬の搬入経路、確保できました。航空戦力により周辺の制圧は完了しています」
『バーミリオン部隊、OTR周辺の使徒化部隊の撃退完了。一時大阪基地に帰投する。
 12分後には攻撃第二波を開始する』
「了解、全部隊そのまま任意に攻撃続行!
 綾波教のバケモノどもに、人間の意地ってヤツを見せてやりましょ!」
葛城さんの声が、通信ネットを通じて戦場に響き渡った。
参号機とネオエヴァを奮い立たせるにはそれで充分だった。
『なんや、ワシらの出る幕はないようやな。 ・・・よっしゃ、行くで戦自鈴原!』
『やっかましいわネルフ鈴原! お前こそ遅れるんやないで!』
再びユニゾンにキレが戻り、二体のEVAによる反撃が始まる。
分離した使徒が乱射する光線を軽々とかわし、二体は息の合った連携で次々に打撃を加えていく。
近接格闘は言うに及ばず、中距離戦でも二人の協調は一糸乱れなかった。そのままでは
危ういと見たか、使徒は合体するとその巨躯で参号機に襲いかかった。分離状態に慣らされていた
参号機は、一瞬敵の攻撃の重さを読み違え、膂力の倍加した腕の一撃を防ぎきれずに吹っ飛ぶ。
転倒の隙を逃さず、使徒の目が光線の前触れである閃光をはらむ。
防御しようにもATフィールドは使徒のそれに中和されている。回避は間に合わない。
『くっ!』
「鈴原君っ?!」
そのとき、ネオエヴァが参号機の前に躍り出た。
322黒縁メガネオペレーター<3/4>:03/12/19 18:46 ID:2TmB9j32
『任せんかいっ!!』
直後、使徒の光線が二機めがけて放たれた。
だが命中の寸前、ネオエヴァの前に突如真っ黒な壁が出現し、使徒の光はそれに激突して弾けた。
飛散した光線が幾つもの小規模な火柱をあげる。黒い壁は空間の一点に吸い込まれるように消え、
その向こうから参号機が咆哮とともに使徒に突っ込んでいった。
使徒はすばやく分離して左右に分かれ、参号機の両側から挟み込もうとする。その頭上から
ふいに猛烈な火器斉射が降り注いだ。対戦車用とおぼしき重弾が、ATフィールドのない
使徒の無防備な巨体に命中し、次々と爆発して表層をえぐる。参号機が振り仰いだ上空に、
おびただしい砲門を開いた飛行船エンタープライズの姿があった。
『湯本のお奉行さんたちか! すまん!』
使徒はすぐ飛行船に気づいて攻撃しようとしたが、射撃態勢を整えていたネオエヴァに
身体の数箇所を撃ち抜かれてひるみ、砲撃の範囲を脱すると合体しようとした。
二つに分かれていたコアが融合していく。
『今や!!』
『ぶちかましたるわっ!!』
参号機とライフルを投げ捨てたネオエヴァは同時に大跳躍した。
一瞬、飛行船と並ぶ高度まで達する。そして二体のEVAは、使徒めがけ一直線に降下した。
全重量を乗せた強烈な蹴りが使徒のコアを直撃する。
次の瞬間、二重のコアを砕かれた使徒は轟音とともに巨大な光の十字架と化した。
爆炎が晴天を舐め、衝撃波の去った後に参号機とネオエヴァが相次いで着地する。
幾つもの歓声が、通信回線を埋め尽くした。
葛城さんは一瞬目を閉じ、二人の鈴原君に最高の笑顔を向けた。
「本当に・・・よくやってくれたわ。
 ・・・それから、エンタープライズへ電文を。
 ネルフ及びトライデントは貴艦の協力に対し、最高位の感謝と敬意を送ると」
「了解」
俺はマヤちゃんと軽く頷き合い、飛行船への回線を開いた。
323黒縁メガネオペレーター<4/4>:03/12/19 18:47 ID:2TmB9j32
参号機は立ち上がると、上空の飛行船に向かって大きく手を振った。
飛行船は応えるように艦尾の警戒灯を数回明滅させてみせ、そのまま大神殿へと進路を変えた。
『?! どういう気や、使徒の弾幕に突っ込む気なんか?!』
ライフルを回収してきたネオエヴァが隣に並ぶ。
『心配ないで。確かあれも赤木ナオコ博士のもとで改修されたから、ワシのEVAと同じ
 虚数回路障壁が装備されとる筈や。数発の虚数弾頭もな』
『虚数・・・ってお前、そらあの使徒の?』
『そや。だからあのけったくそ悪い影使徒にも対抗できるやろ。
 んなこと心配しとらんで、次行くで』
『なんでお前が命令するんやっ!!』
賑やかな応酬を交わし、二体のEVAは即時ATフィールドで味方部隊の援護に回った。
完全ではないとは言え、一気に地上部隊の被弾率が減少していく。
その後、鈴原君(戦自)が言及した通りエンタープライズの攻撃は第十二使徒に有効打を与え、
第十一使徒を排除した本部とEVA四号機により、その本格的な殲滅作戦が始まった。
その間も敵の動きが止まっていた訳ではない。第十二使徒との連携を断たれながらも
第五使徒の無差別砲撃はやまず、混乱を脱したトライラックスEVA陣の応戦も始まった。
更に旧東京への第十使徒の降下。だが焦る葛城さんに、鈴原君(戦自)は
あまり慌てる様子も見せず、ただこう言った。
『高橋長官はタダ者やない。ワシらの要塞都市もただの街やありません。
 さっき一佐が言った人間の意地って奴、長官なら絶対に見せてくれますよ』
事実、後に我々は霊能局による第十使徒撃退の報を聞くことになった。
戦線は確実に大神殿へと迫りつつあった。
324神聖綾波教 九大司教・前<1/3>:03/12/19 18:48 ID:2TmB9j32
見なければ良かった。
知らなければ良かったと、思う。
でもやはり知るべきだったのだ。それがどんなに残酷なことでも。
「…君は、間違ってる」
僕の白い領域の中に、もう一機新たなエヴァが侵入してきた直後。
彼の思念障壁に阻まれて見えなかった黒いエヴァの内部から、Siva機のエントリープラグへと
突然何かが転送された。僕は反射的にプラグ内の映像回線を掌握し、“それ”を見た。
ひと目でわかった。
あのとき彼女がふいに涙を流した理由、その感情を発した正体が、そこにいた。
ネルフも僕らも把握していなかったもう一人の彼女の分身。正確には、エヴァ弐号機の。
頼りないほどに幼い女の子だった。
「…間違っているんだ」
この白い闇の中は純粋な僕の領域。最大限に顕現した「光」が満ちる、曖昧な僕の境界の最奥。
異物の動きは手に取るようにわかる。
かすかな筋肉の緊張、骨格の軋み、視線を振り向ける速度、わずかな反応の差、それら全てが
彼の行動を厳密に構成し、同時に制約している。どんなに不意をつこうとしても、
エヴァの身体そのものが彼の意思を裏切り、最高度に精密な行動表示となって僕に加担する。
また、一撃。
鋭い気迫ごと打ち込まれた太刀を弾き、翻った両刃剣が黒いエヴァの上腕を薙ぐ。
同時にエントリープラグの中で少女が細い腕を押さえ、びくりと身体を震わせる。
あの子の身体は僕らに近似している。僕らがエヴァに過剰にシンクロしたとき、感覚だけでなく
その損傷まで共有してしまうように、黒いエヴァのダメージは即あの子に跳ね返ってくる。
僕らでさえ時に躊躇する代物だ。未成熟な身体にはあまりにも重すぎる。
なのにあの子は、黙ってそれに耐えるつもりでいる。
彼の負担になりたくない、無用の足枷になって戦いを妨げたくない、自分を救い上げてくれた彼に、
最後まで自由でいて欲しい、ただそれだけのために。
「…違うんだよ」
わかっている。
共感して、嘆いて、傷ついたフリをしても無駄だ。
傷つけているのは僕だ。
325神聖綾波教 九大司教・前<2/3>:03/12/19 18:49 ID:2TmB9j32
死なせないで。
お願いだからこの子を助けて。
離脱するエヴァの中でSivaの意識が叫ぶ。その震えが「光」の底をかすかに揺さぶる。
腕の中の少女の、小さな身体の緊張が、わかる。
僕は固く目を閉じ、プラグから「光」を引き抜いた。
弱者への憐れみ。傲慢な把握。一方的な勘違い。
彼女を救うのは僕じゃない。そんな資格はない。そんな、思い上がった真似などできない。
「…でも」
彼は自らの意志で僕に勝ちたいと望んだ。彼女は自らの意志でその願いを叶えたいと望んだ。
生死など関係ない。
「…だけど、違う。違うだろう?」
時間、金、人命、感情、過去。自分の望みを成就するためにはどんな代償も、どんな喪失も厭わず、
ただひたすらその一点のみを目指して進み続ける。今更己の生命ひとつ問題にもならない。
彼らはその火のような歓喜の中でこそ生きているのだから。
「その気持ちに偽りはない。たどり着いたそこに、後悔はない。
 でもそれで本当にいいのかい?
 そのために、君らがこんなものを背負う必要はあるのか?
 切り捨てられていくものに心を向けるのは、本当に駄目なことなのか?」
全ては己の悦びのために。惹かれることも憧れることも、それは彼らへの侮蔑となる。
敵視することのみが、欲望の成就を阻む障害として彼らにとっての有効な意味をなす。
…そう、僕は敵だ。
敵でしかない。
白い闇は黒いエヴァの全身にまとわりつき、空間識すら奪い取る。その妨害を破ろうと
彼の『目』が突破を試み、それを「光」が捉えて幾重にも眩ませ、多重構造の罠に追い込み、
わずかに意識の浮いた身体に、同じエヴァの手が精確にダメージを撃ち込んでいく。
勝敗は目に見えていた。
326神聖綾波教 九大司教・前<3/3>:03/12/19 18:50 ID:2TmB9j32
敵。それが僕のいる位置だ。
だから僕は、絶対に手加減してはならない。
彼らの痛みがどれだけ辛いものだろうと、その共感で動いてはならない。
それは彼らの望みを汚す行為でしかない。
あの子を救い得るのは、彼が僕に勝つこと、それだけだ。僕が全力で彼の前に立ちふさがり、
一切の妥協を許さずに戦って、その上で彼が僕を倒すこと。
それ以外、この一幕を終わらせる手はない。
僕は負けなければならない。同時に決して負けてはならない。
この上なく真摯で滑稽なジレンマ。解く方法はひとつ。
「君が、勝たなければならないんだ」
届かないとわかっていながら、僕は躍る黒いエヴァを一瞬強く見据えた。
なのに。
白く閃く数百の刃。空間を埋める陽電子の輝き。抑制された殺気。熱い鈍痛。血。
終撃。
「…あと一歩だったね」
全身に響く衝撃とともに、量産機は漆黒のエヴァを逆袈裟に斬り上げた。
重みを感じたのは一瞬。黒い痩身が跳ね上がるように宙に舞い、落下し、地面を引きずられて、
止まる。
量産機は腹部の刀傷を庇いながら、少し離れた場所に地響きをあげて降り立った。
遠方の戦場の喧噪がかすかに伝わってくる。
白い闇は消え失せている。もう、「光」を向ける必要がないのだ。
それでも彼は立ち上がろうとする。
見ていられなかった。
動かないエヴァを前に、僕は無表情に告げた。
「これで終わりだね。…残念だよ」
最後の一撃で貫かれた右腕を掲げる。黒い巨銃を拘束する多重装甲が一斉に開放される。
鱗状のそれらが擦れ合う耳障りな金属音が、炎天の下に響き渡る。
銃身内腔で力の集束が始まる。
遠いどこかであがる押し殺した悲鳴など知らない。僕には聞こえない。
そして僕は、ゆっくりと彼に銃口を向けた。
327黒ノ咆哮<1/8>:03/12/19 18:51 ID:2TmB9j32
光。
夢もない、湖底の泥の如き昏睡の闇に射す一閃の光。
光が、目覚めろと我を促す。
我が内なる機関が活動を再開し、光の導くままに膨大な力を生み出し始める。
同じ光に制御されつつ、未分化な自我境界がそれを押し包み、力を強制的に集束してゆく。
極大密度をもつ極小の一点、空間そのものが支えきれぬほどの重さを備え、解放と同時に
周囲の重力崩壊すら引き起こす、破壊の銃弾へと。
我の中に力が満ちてゆく。
このときをずっと待ち焦がれていた。光が我が力を呼び起こし、解放する瞬間。同時に
我を戒めるこの黒の鎧が外される唯一の機会でもある、その瞬間を。
銃身に満ちる力が加速し、高まってゆく。
今なら我は我となることができる。
だが、我一人では足りない。我は力の具象に過ぎない。もう一人の我、我が半身の
意志なくして我が解放はあり得ない。彼女が我に命じなければ何ひとつできないのだ。
ひとこと。
たったひとことでいい、我に命を。
否、明確な声である必要はない。わずかな命令の思念、いや、命令である必要すらない。
ほんの一瞬。そう、一瞬でいい。この光の支配を拒絶してくれれば。
光に操られる我の動きを、それ自体を否定してくれれば。
さすれば契約に従い、我は自らを解き放つ。
意志を。言葉を。
この黒き隷従を終わらせる、汝の言葉を。
328黒ノ咆哮<2/8>:03/12/19 18:52 ID:2TmB9j32
全くの偶然だったのだろう。
振り向けられた「死神の背骨」の銃口が、そのときある一点を指した。
同時に、実際に狙いをつけられた目標のずっと向こう、彼らの戦域を外れた遥か後方で
ある交錯が完成した。銃を向けた本人ですら気づかなかった。一連の動きの途中で
銃口がほんの一瞬通り過ぎただけの、本来なら問題にもならなかった筈の瑣末な交錯。
だが黒い巨銃はそれを見逃さなかった。
己の射線が、その瞬間何と交差したのかを。己の銃口が何に向けられたのかを。
そして制限された精神にでき得る最大限の強さで、引き離された半身の遠い意識に
その事実を叩き込んだ。

繭のような部屋の中で、突然その光景は飛び込んできた。
自分でない自分、もうひとつの身体が銃になって狙いをつけているイメージ。銃身はもう
充分に温まり、すさまじい破壊力を秘めた弾体が熱く身体の底に沈んでいる。
トリガーは今にも引かれようとしている。
その瞬間、ふいに銃口の向こう側が鮮明になり、遥か遠くまで一気に視線が突き抜けた。
そして、見た。
照準正面に重なったランドマスター1号を。

彼女は立ち上がった。
それが今ここで起きていることなのかどうかはわからない。ただの幻かもしれない。
それでも、彼女は声の限り叫んでいた。


だめ!


瞬間、黒の銃身を声にならない雄叫びが貫いた。
329黒ノ咆哮<3/8>:03/12/19 18:53 ID:2TmB9j32
ふと、違和感を覚えた。
かすかな圧迫と抵抗、そしてそれが一気に膨れ上がる。僕は目を疑った。
「死神の背骨」が自ら動き出している。
量産機の右腕と一体化し肩の上まで突き出す巨大な銃身を、赤い微光が包み込んでゆく。
暗い光は見る間に輝度を増し、集束して物理的実体を得た。
ATフィールド。
全てを拒絶する絶対領域が、銃身自らと他者の境界、即ち量産機の右腕を縦に両断して顕現する。
腕が内部から潰される厭な感触。激痛が走り抜ける。
一瞬、思考が止まった。
あり得ない。「死神の背骨」は廃棄処分済みの実験体に過ぎない。使徒襲来期以前に破棄され、
ネルフ本部地下に忘れ去られていた不完全なエヴァ。量産機の機能復元のための
データ取得体として教団に回収され、数回の実験で使い捨てられたそれを、
僕が引き取って造り直しただけのものでしかない。素体と言えるものは、コアのほかには
わずかに脳の一部、そしてその名の由来でもある銃身を貫く巨大な背骨と、内部に設置された
各種機器と素体脳を繋ぐ制御神経のみ。「死神の背骨」はヒトの形すらしていないのだ。
原始的な思考はできても自分の意思など持てない。自ら動く、まして自我の現われである
ATフィールドを、「光」の誘導なしで発生させるなどある筈がない。
それなのに何故。
苦痛の中で、僕はとにかくこの異物を抑え込もうとした。僕の意思に応えて
量産機がATフィールドを展開し、イレギュラーの絶対領域を引き裂く。生まれたばかりの
フィールドにはまだ力は少ない。量産機のフィールドに押され、右腕を引きちぎろうとしていた
光の壁がまたたいて消えかける。
そのままコントロールを取り戻そうと素体の脳を「光」で貫いた瞬間、ふいに僕は
その可能性に思い至った。
自我のないエヴァが自ら動く理由。
そのままではヒトの形をした空っぽの容れ物でしかないエヴァ。欠けた部分を満たし、
ともに生きてエヴァの意思となり魂となる存在、その誰かがいない限り、エヴァは動かない。
まさか。でもそれ以外考えられない。
僕は愕然とした。
どうして今まで気づかなかったのだろう。
このエヴァには契約者がいる。
330黒ノ咆哮<4/8>:03/12/19 18:54 ID:2TmB9j32
右腕を灼く痛みに我に返る。
隙をついて「死神の背骨」のATフィールドが力を取り戻していた。再び、二つの絶対領域が
互いを消し去ろうとぶつかり合い、せめぎ合って不可視の閃光を散らす。
ATフィールド。具象化された拒絶。自我の存在の顕示。LCLの海と同じ赤い光、
いかなる他者にも侵されない、聖なる領域。
自分が自分であるということの証明。
意識のどこかで拒みながらも、僕にはもうわかっていた。
「死神の背骨」はたった今、意志を持たないスレイブであることをやめたのだ。
一度目覚めたエヴァは止まらなかった。自我と思考形態が急激に発達し、比例して
こちらとの同調が薄れていく。
一体化していた思考の分離が始まる。不完全な意識の中で、言語レベルまで達しない、
形にすらならない原始的な思念が渦巻き、沸き返り、やがてひとつの方向性を得て発現する。
あまりの純粋さゆえにほとんど狂気に近い、強烈なある感情。
同時に素体のATフィールドが臨界に達した。
「死神の背骨」として多重拘束されていたエヴァ本来の力が全て解放される。
それに気を取られたほんの一瞬、突然量産機のエネルギーが60%近く消滅した。
素体に喰われたのだと気づいた時は既に遅かった。せき止める間もなく、「光」の支配下から外れた
素体のS2機関が暴走を始めた。
急激な消耗。機体が一瞬恐慌に陥る。力の大半を奪われた量産機がよろめき、逆に
黒い巨銃を載せた右腕はそこだけ別の生き物のようにもがき続け、溢れる力のままに
振り上げられて天を指す。
その刹那、僕は「死神の背骨」の発する感情の正体を理解した。
それは歓喜だった。
鎖を引きちぎる獣の喜悦。脳裏が灼けつくほどの。
同時に、咆哮が響いた。
軛ノ時ハ終ワリダ、偽リの主ヨ。
331黒ノ咆哮<5/8>:03/12/19 18:54 ID:2TmB9j32
素体を縛める黒い多重装甲が内部からのすさまじい圧力に歪む。悲鳴をあげて軋む拘束具が
大きくたわみ、ふいに限界点を迎えて銃口近くから次々に弾け飛んだ。
あらわになった素体口腔から更なる叫びがほとばしる。
咆哮は一気に音階を駆け登り、その声に同調して変化が始まった。
露出した素体の頭蓋を筋繊維と神経群が覆い、張り巡らされた補助機械類をも利用して
感覚器官を形成していく。剥き出された歯列の向こう、滑らかにぬめる皮膚の下で
二つの塊が盛り上がり、表面に亀裂が生じたかと思うと、まばたきとともに巨大な目が生まれる。
その目が量産機を見下ろした瞬間、形状変化した装甲板が完成した頭部を再び覆い隠した。
右腕では侵食が進行していた。切り離せないのなら逆にこちらを取り込む気だ。
量産機のATフィールドを喰い破って素体の一部が侵入し、右腕の生体パーツそのものと
融合して、それ自体を自身の肉体へと変換する。ATフィールド拡充による
生体情報の書き換え、遺伝子レベルの改変。量産機を生きながら喰らい、それを材料にして、
素体は自らの肉体を整えていく。
見る間に長い首が持ち上がり、強健な両肩が黒い装甲板を押しのけ、まだ表皮のない
引き締まった前肢が振り下ろされて宙を裂く。巨大な背骨が拘束具を突き破ってせり出し、
周囲の制御機器ごと内部に取り込みつつ、臓器と筋肉の列が構成されていく。
もはや「死神の背骨」はほとんど原型をとどめていなかった。わずかに、銃身最後部、
量産機との接合部分だけがかろうじて残り、そこから生えた新たなエヴァが
“胎盤”から身をもぎ離そうとあがいている。
機体はそろそろ限界だった。侵食は更に進み、肩から右胸部を完全に取り込んで、コア周辺にまで
及ぼうとしていた。すぐに抑えなければ取り返しのつかないことになる。
けれど、僕は抵抗しなかった。
できなかったのだ。このエヴァの契約者が誰か、素体の脳に侵入したとき、わかってしまった。
僕のよく知っているヒトだった。
332黒ノ咆哮<6/8>:03/12/19 18:55 ID:2TmB9j32
右腕から最後の力が抜けた。黒い槍がほどけ、銃身を離れて落下する。
斜めに突き立った両刃剣の前で量産機はがくりと片膝をつき、うなだれた。
僕はそれでも動かなかった。
初めは、たくさんの中の一人でしかなかった彼女。
そのままでは生き延びることも危うかった彼女が、彼と出会った時に、たぶん、変わった。
部隊を救うために単身飛び出していく彼女。姉妹を取り戻そうとためらいなく進む彼女。
暗い海から救い上げた時、敵の巨影にもひるまず絆を抱きしめていた彼女。
そして、純白のドレスに身を包み、祝福の花束を腕に微笑む彼女。
奇跡のような少女の姿が僕を打ちのめした。
「光」で発生したばかりのエヴァの自我を押さえ込むか、或いは素体そのものを攻撃すれば、
生体侵食は止められる。上手くやれば僕は「死神の背骨」を取り戻せるかもしれない。
だけど。
かろうじて残っている直通回路を通して、僕は「死神の背骨」だったものに問いかけた。
ずっと、知っていたのかい?
それは答えた。長く一緒にいた僕にしかわからない、言葉以前の言葉だった。
半身ガ初メテ我ノ力を使イシ時ヨリ。
量産機の胸部装甲が音をたてて歪み、弾け飛んだ。剥き出された胸部は、既に
半分近く侵食されていた。コアを避けるようにして、新たなエヴァの素体から伸びる
太い神経索が機体内部に潜り込み、更なる融合部分を模索している。
心なしかその速度が鈍ったように見えた。
僕はまた訊いた。
止めても、もう戻ってくれる気はないんだろう?
我ハ我トノ合一ノタメニココニイル。オ前ノ孤独を紛ラワスタメデハナク。
何ヨリオ前ハ我デハナイ。
…そうか。そうだね。でも僕も、このまま君に取り込まれる訳にはいかない。
僕は目を伏せた。
量産機がぐいと頭を上げた。重度の機体異常にあえぎながら左手を伸ばし、目の前に刺さる
両刃剣を引き抜く。そしてひざまずいたまま、黒い刃を頭上高く構え、膂力に重力を加えて
一気に振り下ろした。
333黒ノ咆哮<7/8>:03/12/19 18:56 ID:2TmB9j32
遠景。
重なった二体のエヴァの間から、大量の血しぶきが噴水となってほとばしる。
降り注ぐ血の雨を浴びて、一体のエヴァが頭をもたげる。もう一体がゆっくりと立ち上がった。
次の瞬間、噴き上げる鮮血の幕は強力なATフィールドにかき消された。
展開されたフィールドは徐々に形を変え、やがて上空200m近くまで広がる
巨大な光の翼と化して天をあおぐ。
その下で、量産機が動いていた。
自ら右腹部を貫いた両刃剣を握り締め、ぎりぎりと真上に向かって刃を動かしていく。
黒い刃面を競うように血の細流が伝い落ちる。ふいに量産機の身体が痙攣し、
血にまみれた手が両刃剣の握りを持ち替えたかと思うと、肋骨の断ち切られる硬い音とともに
渾身の力を込めて刃が振り上げられた。
ちぎれた筋繊維と骨のかけらが周囲に飛び散る。
同時に黒い影が宙に跳ね上げられた。コアをわずかに逸れて切り離された右腕と右胸部、
半ば姿を現したもう一体のエヴァが回転しながら宙を舞い、ふいに光の翼が引き寄せられて
その全身を覆い隠した。
一瞬の間をおいて翼が開く。どのエヴァのものよりも巨大なその翼は光芒を引いてひるがえり、
直後、新たなエヴァが地響きとともに降り立った。
目を奪う異形。
光る双眸を備えた細長い頭部。それを支える長い首はそのまま細い胴体へと続いて
ひとつの流れるようなラインを形作り、さらに後部へ伸びて、ゆるやかにしなう長大な尾に繋がる。
前肢はヒトのそれに似、全身の重量を支える両脚はある種の恐竜を思わせる力強い形状。
ヒト型エヴァに比べ、遥かに複雑なパーツが組み合わさった装甲のメインカラーは
幾重にも乱反射するメタリックオレンジ。頭部から背面中央を通って尾の先に至る
一連の鱗状の複装甲のみ漆黒、各装甲板のエッジに沿って体表を走る黒いラインとともに、
傾きかけた日差しを浴びてそこだけぎらりと金色の輝きを放つ。
ヒトの形ではなかった。いかなる既存生物の姿でもなかった。
あえて言えば、それは巨大な竜に似ていた。
334黒ノ咆哮<8/8>:03/12/19 18:57 ID:2TmB9j32
竜は静かに頭を下げ、光の翼を真上に揃えた。
黒い背面装甲の一部が開いて翼が吸い込まれ、消失する。光背の消えた竜は、
血に染まった地面を踏みしめ、ゆっくりと頭を上げた。鱗状に重なる背面装甲が
その動きに連動してこすれあい、かすかな金属の響きが宙に満ちた。
竜は量産機には目もくれなかった。
その視線がふと、旧京都大学の北に向けられた。すっと目が細められる。
瞬間、背中から尾の先にかけて、漆黒の複装甲が一斉に開放された。
全身を低く構え、竜が開口する。その周りの空間がわずかに歪んだのも束の間、体腔内で
強制集束された莫大な量のエネルギーが光の奔流となって地を直撃した。
一瞬にして地上建造物が消し飛ぶ。地表面が抉り取られて大量の土砂が舞い上がり、
光の消えた後には、地下施設を護る特殊装甲板が半ば融けて露出していた。
亀裂の入った部分を竜の脚が突き破り、鞭のようにしなう長い尾が破片を弾き飛ばす。
やがて装甲板に巨大な突破口が開かれると、竜は再び光の翼を展開し、
地を揺るがす咆哮とともにためらいなくそこに飛び込んでいった。
激しい力の余韻を残して、静寂が落ちる。
立ちつくしていた量産機が剣を取り落とした。
裂けた腹部から血がしぶき、ふらついた拍子に中からどっと内臓が流れ出す。量産機は
裂傷を残った片手で掴み、踏みとどまって竜の消えた跡を見つめていた。
修復機能が活動を開始し、わずかずつ傷口がふさがれていく。けれど竜に取り込まれた
右腕から右胸部にかけては再構成される気配はなく、半ば露出したコアの周囲を
再生された骨格の残骸と薄い肉層が這い上がっていくのみだった。
咆哮の最後の残響が消える。
片腕の欠けた量産機は、低く長く、虚ろな嘆息を放った。
335334:03/12/19 19:09 ID:2TmB9j32
以上
・ネルフその後(>291->295への便乗+イスラフェル殲滅)
・「黒ノ咆哮」>317までを受けた導入〜本題
でした。
特に最後の方、乱雑ですみません。

連絡。
>厚木基地最後の兵士さん
何ヶ月もお待ち頂いて、本当に申し訳ありませんでした。
綾波レナ契約の竜型EVAをお渡しします。
この後は人工進化研究所進攻ですが、レナちゃん繋がりで竜型EVAは隊長には反応します。
研究所への経路を守るサキエルにでもぶつけてみてください。便利屋さんの伍号機と
共闘するかと思います。
>提唱者さん
返答もなしにお待たせしてすみませんでした。
正直、この後どう進めたらいいかわからないでいます。
どうも自分には真面目な(まともな)悪役ないし敵役は書けそうにないです。
一応候補はありますが、それの取捨も含めて続きはそちらにお任せします。
すみません。
 ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1062077897/99-101

それでは。
336 ◆/s5ZynBY7E :03/12/19 21:33 ID:KKqru4dh
>黒メガネさん
うおお……すげえ。ちょっち、いや、かなりいろんな意味で心を揺さぶられた。
これで仕上げなけりゃ男が廃りますね。
向こうのも見ました、そこから繋げられそうです。
私も同様にこの後どうしていいかって所はありますが、
そのネタのおかげで一応の決着はつけられそうなのを思いつきました。
おそらくは今年最後のネタになると思います。


という事で年末年始は都合により、
12/27〜1/4の間はネタも連絡もできません。
予めすみません。

今夜はレスのみにて。
337335:03/12/26 17:17 ID:I1/cD/0A
レスだけ少し書き込みます。

>>336
応答どうもです。
もしまだ固まってなければ、ですが、ダブリス君絡みの件についてひとこと。
地下スレに置いた分もそうですが、何というか第弐を無理にいい人にする必要は全くないです。
あれをこっちに投下しなかったのは、完全に悪役のまま行く展開でもいいだろうと
考えたからでした。敵は敵で、ダブリス君が普通に(?)倒して、おしまい、な感じで。
(地下スレのは馴れ合いっぽくて個人的にはあまり良くない気がします)
どちらに転んでもいいように振っておいたつもりなので、どっちでも自分は構わないです。
以上、余計でしたらスルーで。
あと次に来られるのは年末ぎりぎりになってからになりそうなので、
少し早いですが、良いお年を。お疲れさまでした。

それでは。
338ダブリス<1/6>  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 18:41 ID:0ce4qAPh
何が起きたのかは解らない。死に損ねたってことは解った。
反撃のチャンスはあるって言いたいところだけど、
過剰シンクロのせいで体を動かすのもやっと、って所だ。
それは司教も同じらしい。
おびただしい出血で汚れたローブが雄弁に語ってる。
「聞こえているだろう?…僕は、君を見損なったよ」
この期に及んでまだ僕を挑発しようって言うの?
明らかに死に掛けてる、僕があいつの立場ならネルフの事もあるし、必ず退く。
まだ日は高いし、戦闘は継続される。
「…君ともう一度会えるのを、本当は心待ちにしていた。見つけたときは嬉しかった。
 君なら必ず強くなってここに来ると思っていたから」
ふらふらとよろめきながらも司教が続ける、言いたい事があるらしい。
「でもあれはどういうことだい?
 君があのエヴァに逃がした……僕が彼女に気づかないとでも思っていた………
 トライラックスエヴァのほとんど……能力者……乗する機体だ。精神障壁も……
 電子シス…を載せている以上、僕には見えるん…………の妨害…外れた……からね」
彼女?……アクサの事? 精神障壁?妨害?見えるのは知ってる……けど、
……? 何を言ってるのか全く理解できない。
「…………るよしもないだろうけど、僕はある経路か…………既…知っ…………
 ………………大体予想がつく………………エ…………約を可………………張本人………う?
 …そのこ手……………どうでもいい。君の力が…………君だけのものじゃな……も、
 君が…………連れ………も別…………い。複数で来られても………………しね。
 ……君は」
額に手の甲を当てて視線を外す、軽い貧血、思考に回す血が足りない。
何を言ってるのか、途切れ途切れにしか聞こえない。
「君は彼女を、ひか…及ば…い…………ァの中に隠し………
 …そこまで早く形勢不………らなか……ら、ずっと隠し通すつもりで…たんじゃ………か?」
………………なんだ…って……?
339ダブリス<2/6>  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 18:43 ID:0ce4qAPh
「………図は知らない。
 だけど彼女が……………ある以上、僕はこう推察せざるを得な……
 君は自分の能力にまだ不安があり、それを補うために、ひそかに彼女を同行させたのだとね」
コイツ!
カッと頭に血が上った。
わざとらしく張り上げた声がはっきりとこの耳に、間違いなく聞こえた。
反射的に起き上がる。何も知らないくせに!!
アクサがしつこく付いてくるって言ったから連れてきた。
いざとなればアクサ自身で身を守れる、何の問題もないんだ!
戦場に子供、間違ってるさ、軽率で浅はかな行動だよ。
勝つための手段、利用した?そんなの予想できるわけがない! 予定になんてなかった!!
元々あの子に会うはずがなかったんだ、奇跡と言ったっていい。
知ってたわけじゃない、アンタに何が解るって言うんだ?
どこか心の隅にそんな事を思っていた可能性は完全には否定できないさ……
無意識にそうしたのかもしれない……一人でおいて行くのが不安だった?
刷り込みだって? 言葉ぐらい知ってるさ、ふざけるなッッ
アクサと過ごした時間が全て偽りだって言うのか!?
…………違う、違うんだ。
自分で自分に言い訳なんてする必要ない。
後ろめたい事なんて無い! あいつの心理攻撃だ、そう、あいつの。
何より、アクサを死なせるために僕はここに来たんじゃない。
アンタと決着をつけるためにここに来たんだ。
「屈辱だよ。君は、そんな状態でこの僕と再戦するつもりだったのか?
 …でも、良かったじゃないか。とんだアクシデントで僕は力の大半を殺がれて、このザマだ。
 君にはもう一度再戦のチャンスができたってことだよ。
 もしまだ真剣にここにいる気があるのなら」
利用したって言うんなら否定しない、その力が無かったら僕はここへ来ていないだろうから。
でもそんなことはどうでもいい、今こうして再びチャンスが来た。
望んだ形と比べて随分いびつになったけど形はどうあれ決着をつけないと………
「エヴァを降りろ。その力を一切使わずに、僕と戦え」
僕は、前に進めない。
340ダブリス<3/6>  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 18:45 ID:0ce4qAPh
エントリープラグを出してエヴァから降りる。
これでアンタの望み通りだ。
「はぁ……はぁ…………はぁ……っ!
 何も知らないクセに…………よくあんな事、言えたね」
ANGELINEのアンプルを地面に叩きつけて割った。
お互いに、少なくとも僕は使徒の力もまともに使う余裕が無い。
レリエルなんて使ったら空間断裂に挟まれて死ぬだろう。
それでも、プライドが許さない。
ちっぽけな誇りだ、こんなことしたら実力差は開く一方だって言うのにさ。
バカやってるって解ってる。それでもやめられないんだよ。
「ダブリス君………だったかな、君こそ何も知らないじゃないか。
 でも、いいのかい? そんなことをしても」
そんなこと言う余裕がないのは、アンタも同じだ。
さっきから何度も口にたまった血を吐き捨ててる。
「………後悔なんてしないさ、たったひとつをを除いてね」
斬られた胸が痛いけど、頑張ってファイティングポーズをとる。
アクサ………シヴァ、まともに話したことなんて一度もないけど、
あの子になら任せて大丈夫だろう。それが希望だ。
「君達らしくないね……未練があるなんて。
 それとも、君が………………異端児なのかな?」
司教が右足をずずっと引いて、左手を前に出し軽く拳を握った。
何を言いたいのかは解る。
『僕等』は自分の欲望のためにあらゆる犠牲を問わない、時には自分自身さえ。
基本的に我慢なんてしないし、するとすればそれをもっと楽しむためだ。
けどね、欲なんてものはそれだけに限らないんだよ。
僕がアクサを生かしたいみたいに。
「血、止まったんじゃない? そろそろ行っていいかな」
「君は……………本当に変わってるよ」
司教が笑った、それが開始の合図となった。
341ダブリス<4/6>  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 18:47 ID:0ce4qAPh
最初の一発は司教の左頬に決まった。
「な…………」
司教は全く避けなかった。まさか、当たるとは思わなかった。
だからその隙が司教に攻撃のチャンスを与えてしまう。
蹴りが腹に深く当たって、体が浮き上がる。
「がっ……はっ……」
苦しんでられない、司教の膝に手を当てて跳んで、体を離す。
着地してすぐに、ふらついたけど強引に回し蹴りをする。
司教が大きくのけぞった、けど倒れない。
勢い任せに頭突き、と見せかけて顎を狙って蹴ってくッ!!
「がっ……!」
膝は避けた、けど司教がそこから体をひねって水平方向へ脚を蹴り伸ばす。
吹っ飛ばされた。
怪我してなければこんなものかわせるけど、見えていても体が追いつかない。
一瞬の判断ミスの立て直しがダメだ。全然できてない。
「この程度か……」
血の混ざった唾と共に司教が吐き捨てるように言った。
「〜〜〜〜っだあ! まだだ!!」
ハンドスプリングで起き上がる。もはや空元気って奴。
気合だ気合。
駆け寄ってまた一撃、クリーンヒット!
その隙を逃さない司教が、カウンターに出る。
避けられないけど、ここで退いてたらいつまで経っても倒せない。
ぐっと踏ん張りを利かせて、左でレバーブローを打ち出す。
「ッ!!」
司教の顔が苦痛にゆがむ。
続けてもう一撃、と思ったら顔の真横に司教の拳が肉迫してた。
342ダブリス<5/6>  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 18:49 ID:0ce4qAPh
その場で退かずに殴り合って、蹴り合ってるとだんだん解ってきた。
「ぐっ!!」
チキンレースだ。
司教はこっちが攻撃したら、反撃してくる。
「……かはっ…………」
一発ずつ交代して、倒れたり逃げたりすればその場で負け。
もちろん、そんな事司教が言ったわけじゃない。
ハンデだよ、ハンデ。君が弱すぎるからこうしてあげてるんじゃないか。
「ゴフッ」
……そう言われてるような気がしてならない。
何様のつもりだよ? 湧いた怒りに拳にさらに力がこもる。
「おぁああ!!」「―――ッ!!」
コイツがこの状況今日を楽しんでるようには見えない。
時が来るでの暇つぶし? 僕達と同じ自分のため?
「てっ……!」
考える余裕がないのに、なにしてんだろ。
血しぶきが散る。視界の半分がもう真っ赤だ。
「甘いッ!……ね君は!!…………」
「!!」
司教の膝がモロに入った、口から吐かれるのは血だけだ。
両膝が地面に落ちた。手をついてしまう。
「……はぁ……はぁ………良く頑張ったよ、君は」
二回連続で攻撃が出来るのは、相手に敗北が決定した時。
くそ……まだだ。
「すごいね。まだ……や「うる!!…………さい…」
膝が震えて呼吸もままならない。
ぼーっとしてきて頭の中がふわふわして、くらんくらんしてる。
「ぶほ……っ………」
アクサ…………頭の中に笑顔が浮かんだ。
走馬灯じゃないといいけど。
343ダブリス<6/6>  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 18:51 ID:0ce4qAPh
倒れない。それだけしかできてない。
痛みの感覚は麻痺してる、でも、自分の拳に力がないのはよく判る。
「本……に終………ね」
「…………」
耳もさっきからおかしい。可能な限り集中する。
「シヴァって子も逃げ回ってるみたいだけど、そろそろ限界だね」
………アクサ!!
そうだ、死ねないんだ。まだ死ねない。
助けに行かないと、助けに行くんだ。
死なせない。
「おぉおおぉぉおおおおぉおお!!!」
「!? 何処にそんなちか――――
確かな手応えがあった。初めて拳を振り切れた。
少し、遠くで音が聞こえた。
顔を上げると、正面のビルの壁に埋まったアイツが見えた。
それが、剥がれて落ちる。
「ざま……み……ろ…」
体が倒れた…………そうだ…………アクサを……
……助けないと………アクサを…………た………………


一瞬の静寂を置いて、倒れたままの第弐次席とそのエヴァが突然黒い闇に包まれ姿を消す。
ダブリスの体が彼のエヴァにそっと持ち上げられ、そのエントリープラグに入れられた。
エントリープラグを挿入すると、
手負いの黒いエヴァも周りの風景に溶け込むように姿を消した。
344343  ◆/s5ZynBY7E :03/12/26 19:04 ID:0ce4qAPh
年内最後のネタ終了。
あっちのネタは部分的にぼかして拝借しました。
チキンレースさせたのは>>337見る前にそこまで出来てたんで………
ま、こんな展開でダブリスVS第弐次席戦は終わり、次は引き上げですね。

>黒メガネさん
こんな感じで幕下ろしました。第弐の生死は無論お任せいたします。
ダブリスは彼の落ち始めは見ていますが、落ちた所は見ていません。

>????さん
そろそろ内部進入になると思うのですが、その時点に於ける注意点があれば
前もって教えていただけるとこちらも少し動きやすくなるのでお願いします。

>厚木の兵士さん
地下への大穴もあいて、いよいよレイ達のいるところへ突入ですね。
展開楽しみにしています。


そんなこんなで。今年も一年好き勝手書かせていただいてお世話になりました。
まだ少し早いですが、そしてお疲れ様でした。
ほんとあと少しです、「完結」まで頑張っていきましょう。
来年もどうぞよろしく。


では、今年はこれにて。
345町奉行:03/12/30 00:00 ID:XuGY0k9B
閉じている砲門も全部開け!、少々装甲が薄くなってもかまわん。
弾も好きなやつを好きなだけ撃て。
エヴァが押されてる?、いやそこまでいってはいめえ。
ああいうのは梃子摺るってんだ。
下方砲塔、二つに分かれた使徒に集中砲火!
味方にあてるんじゃねえぞ!
ようし、回避行動、上げ舵20!

おお、さすがだな、倒したか。
なに?、ネルフからの通信。
船尾の警戒灯にて友好信号をだせ。
雷火、全艦に衝撃に備えるように伝令。
機関室、出力を全開に、進路、敵本拠!
宇尾賦、前方に虚数空間障壁を集中展開!
虚数弾頭弾、全砲門にて発射準備。
ようし、出やがったな、速度最大!、全虚数弾頭弾発射!

なんとか切り抜けてるが、虚数弾頭も殆ど残っていないか。
まあ、いい、あくまで敵を倒すためだけの問題だからな。
何事か?、落ち着いて報告せい。
おお?、なんだあの巨大な光は?
あの中にいるのは、龍か?、いや、新たな敵か?
いや、敵じゃあなさそうだが。
あっちにゃ、隊長さんが居たな?
いいだろう、あれは恐らくあのだんなの仕事だ。
こっちはあくまで、本陣を叩く作戦に乗っておくぞ。
各部、各砲、状況報告。残りの武装、弾数確認しておけ。
そうだ、それと厨房へ行っておけ。
いまのうちに差し入れの準備を十分しておけってな。
俺達の分だけじゃねえ、戦場の全員分を用意しておけ。
たとえ握り飯一個でもいい、気分の問題よ。
暗い。
視覚の欠如ではなく、僕は「光」から切り離され、一人この閉鎖空間に取り残されている。
ひどくちっぽけな存在になった気分だった。
そう遠くない位置に、傷ついた量産機がいることだけはわかる。
それ以外の感覚はない。虚ろな恐怖をごまかすように、僕はひたすら機体の回復を急いだ。
僕らは繋がっている、というより、ひとつの存在だということになっている。だから、コアに
誰かの魂がなくても僕は量産機を動かすことができ、その力を使うことができる。
でも僕と量産機は同じではない。
量産機の戦傷が僕の身体に反映することはあっても、その逆はない。また、融合を果たさないで
先に司教が死亡した場合、量産機は契約者空位のエヴァとして残る。
それが救いと言えば救いだ。
再生の進行を確認し、僕は少しだけ目を閉じた。

あの後しばらくの間、僕は軽い自失状態に陥っていた。
何も考えられなかった。
咆哮の余韻がいつまでも脳裏を駆け巡っている気がしていた。
動けるようになるのを待って、僕はごく機械的に身体を起こし、プラグをイジェクトした。
転げるようにしてエヴァの外に出る。
日差しに灼けた地面はひどく乾いていた。一歩踏み出すたびに、重く濡れた長衣が脚に絡みついた。
右腕と右胸部は、量産機と同じく欠損した。
復元は事実上なし得ない。僕の右腕だったものは、別のカタチを得てまだ生き続けているからだ。
同一の存在が、同じ場所で同時に複数個並存することはできない。あれを生かすという
選択をしたことで、僕は右腕を失った。
そう、あれは文字通り僕の“右腕”だった。そしてそれが僕の独りよがりに過ぎないということも、
あれはちゃんと教えていってくれた。
僕は僕であり、他者と完全にひとつになることは、永久に不可能なのだと。
「…何を、していたんだろうね」
苦笑する。考える余地などない。これまでずっとそうだったように、僕は司教で、彼らの敵だ。
敵でいるしかない。
でも、そのことで迷う必要もまた、どこにもないのだ。
僕は少し笑い、巨大な彫像のように眼前にそびえる黒いエヴァを見上げた。
そこだけ既に廃墟になったように、異様な静けさが辺りを覆っていた。
力尽きたエヴァは使徒の残骸よりも無力に見えた。
でも、まだ生きている筈だ。そして敵としての僕の役割もまだ終わっていなかった。
幕を下ろさなければならない。
深く息を吸い込み、僕は声を叩きつけた。
「聞こえているだろう? 僕は、君を見損なったよ」
沈黙するエヴァの、四つの目を備えた顔面は濃い影に隠されて見えない。
「君ともう一度会えるのを、本当は心待ちにしていた。見つけたときは嬉しかった。
 君なら必ず強くなってここに来ると思っていたから」
僕は精一杯背を反らし、尊大に声を張り上げた。
「でもあれはどういうことだい?
 君があのエヴァに逃がした個体、僕が彼女に気づかないとでも思っていたのかい?
 トライラックスエヴァのほとんどは非能力者の搭乗する機体だ。精神障壁もない
 電子システムを載せている以上、僕には見えるんだよ。君の妨害が外れた瞬間からね」
吐く息が熱かった。厭な汗が首筋を伝った。
裂けた右脇腹から血が流れ続けていた。押さえると、血は指間に溢れた。
「君は知るよしもないだろうけど、僕はある経路から彼女を既に知っている。
 その正体も大体予想がつくよ。彼女が、君にエヴァとの契約を可能にした張本人なんだろう?
 …そのこと自体はどうでもいい。君の力が厳密には君だけのものじゃないことも、
 君が彼女を連れてきたことも、別に構わない。複数で来られても問題ないしね。
 でも君は」
一瞬、喉にこみ上げる血にむせた。
生温い塊を吐き捨てるついでに少し時間を稼ぎ、慎重に言葉を選んで、言い放つ。
「君は彼女を、『光』が及ばない自分のエヴァの中に隠していた。
 あそこまで早く形勢不利にならなかったら、ずっと隠し通すつもりでいたんじゃないのか?
 君の意図は知らない。だけど彼女が君の能力の鍵である以上、僕はこう推察せざるを得ないよ。
 君は自分の能力にまだ不安があり、それを補うために、ひそかに彼女を同行させたのだとね」
その瞬間、黒いエヴァの中で何かが膨れ上がった。
そこまで思い出したところで僕は目を開けた。
無根拠な中傷に無謀な挑発。推察が聞いて呆れる。要するに、全部即興の出任せだったのだ。
でも、結果は上々、だった。僕が仕掛けたことには違いなくても、彼は実力で僕に一矢報いた。
重要なのはその事実だけだ。
折れた肋骨を避けてコアに触れる。鈍った指先がようやく捉えられるほどの、かすかな亀裂。
本当に、どこにあんな力を残していたのだろう。
「…やっぱり、君は異端児だよ」
無感覚の闇の底で、僕は笑った。
恣意を通すのも、他人のために身を挺するのも、突き詰めれば同じだ。結局のところどちらも
我欲と自己満足に変わりはない。けれど純粋に他人へと向けられたとき、それは別の、
もっと優しい言葉で呼ばれる。
彼はたぶん否定するだろう。
僕のしたことだって、所詮は罪悪感をやわらげるための自己正当行為でしかないのだ。
更に外部から見ればあれは単なる敵への戦力委譲、及び無益な戦闘継続ということになる。
思いなど初めから求められていない。
ただ僕はあのときああしたかった。やり直せたとしても、何度でも同じ行動を取るだろう。
竜が去るのを許したのも同じ。修正は利かない。絶望的なまでに、僕は変わりすぎた。
その結果としての彼の勝利が、彼らにとってどんな真実となるかは、僕の関与するところではない。
既に幕は下りたのだから。

そう時間を費やすことなく、量産機の再生は完了した。
喰われた右腕は戻らないにしても戦闘には耐える。一時は大きく消耗した力も補填され、
ロンギヌスコピーを支えられるだけのエネルギー量は充分に確保できた。
閉鎖空間の空漠は相変わらず何の反応も示さない。レリエルが、或いは主席がどういう意図で
ここに僕を転送したのか見当もつかなかった。単に頭を冷やせという意味なのか、それともこれで
お払い箱なのか。もしくはもっと恐ろしい、僕の考えなど及ばない何かがあるのかもしれなかった。
逃げたいとは思わなかった。
最初から、僕は死ぬためにここにいる。それがいつ訪れようと大局的には何の問題もない。
まだ役に立つなら使う。必要なくなったのなら廃棄する。それだけのことだ。
僕は再び目を閉じ、待った。
戦いを求めて逸る量産機の唸り声だけが、低く闇の中に轟き渡った。
349348:04/01/02 02:03 ID:RoZMYfz6
あけましておめでとうございます。
相変わらずの粘着書き手です。あと少しだとは思いますのでどうかご容赦を。

…年明けになってしまいましたが、続きというか自分の方のシメでした。
第弐の台詞の意味が通らないのの補足と、あと「虚数空間での回収」が行われたようなので、
その後付けです。

補足。
もう誰も覚えてないと思いますが「光」は通常空間以外へは浸透(展開)できません
(「光」の厨設定があまりにしょーもないので、以前そう決めました)
量産機はともかく第弐本人が虚数空間・エヴァが時々使う異空間等に放り込まれると、
「光」は第弐から切り離されます。ついでに、第弐との繋がりを断たれた「光」は
そのまま放置しておくと発生/更新源が失われているため自然崩壊→消滅、とします。
閉鎖空間への幽閉は、第弐にとっては“何も見えない”のが一番の罰になるだろうということで。
主席が関与してるかどうかは明言してません。
タワゴトは大体言わせたのでこれで廃棄でも構わないです。その場合、文中で言わせたように
量産機+槍は残ります。使えるようならセカンドクローンの乗機に回してください。
つうか綾波教的にはほんと使えませんねこいつ。

>町奉行さん
>345の最後大好きです。ああいうのがあるから、お奉行様はカコイイんんだと思います。
新年早々イイ場面をありがとうございました。なんかえらく感動しました。
あと>322->323の自分ネタでのエンタープライズの行動、>274と順番が逆でした。すみません。
>提唱者さん
これ以上ないってくらい凄い決着をありがとうございました。いろんな意味で完敗です。
ほんとに良かったです、勝てて。
>348の妄言は、あくまで第弐が(→自分が)そう見た、というだけの蛇足です。
一連の展開を読んで、やっぱり自分にはダブリス君+アクサさんの行動・考え方っていうのは
これまで出てきた『E』の基本理念(?)と同じには思えませんでした。そのモヤモヤがあれです。
長いイベントでしたが、本当に楽しませて頂きました。読めて&書けて良かったです。

長々とすみません。それでは。
350厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:06 ID:CcqQDHmb
衛生兵少尉個人日誌
くっ、遠いわ。
黒いの、負けるんじゃないわよ!
やはりだめね、ここからじゃあ届かない。
勝ちなさい、いえ、勝つのよ。

私は、私たちは必ずみんなを助けてあんたと会うから。
351厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:07 ID:CcqQDHmb
ネオ戦自護衛戦車隊
「隊長、気がつかれましたか?」
「これは?、いや我々は死んだのではないか?」
「死にました。しかし、この場の結界の所為かまだ意識が、魂が残存しているようです。」
隊長は、何かを考える。死んでいるためか、意識の壁が薄いためわずかにその考えのシルエットを
読み取る隊員達。
「いいか、我々は死んだ。しかしだからといってこの地にとどまることが我々が怨霊化する可能性をもつ。
いまは霊能局のおかげで意識をもっているが、いつ失うかわからん。
したがって我々は消滅、いや、成仏しようと思う。」
「方法は?」
「我々の意思を一つの思いとして、力に変え昇華するのがいいだろう。
うろ覚えだが、霊能局の連中に聞いた話しではそれで霊が成仏できるという。」
「じゃあ、あれでありますか?」
「そうだ、ランドマスター隊の次の敵陣を突破するために。」

隊長の言葉の後、小さな突風がランドマスターの天井部に集中した。
衛生兵少尉の持つ巨大なライフルの最初の弾丸、そこに彼等の意識が固まっていく。
352厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:08 ID:CcqQDHmb
隊長個人日誌
前方、フェンスに敵兵士数名発見。
残存の敵使徒化兵かは不明。
一般兵士の可能性もある。
フェンスの防御はかなり高いようだ。
敵、1名が使徒化兵と思われる能力を発生。
攻撃開始。
G3-X、通常のハンドロケット発射も効果なし。
ほかに比べると微弱なATフィールドでもハンドロケット程度ではあまり意味は無い。
フェンスには破損を確認、敵兵数名負傷のした模様。
再度攻撃も、敵使徒化兵に阻まれる。
確認の後、3名と判明する。
353厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:19 ID:CcqQDHmb
副隊長個人日誌
前方の敵は恐らく残存兵力と推測する。
攻撃に耐えるも、持ちこたえるような様子はなかったが、使徒化兵のため状況は一転している様子である。
さらに他方で黒いエヴァンゲリオンが劣勢を強いられている。
敵司教のエヴァンゲリオンは、黒いエヴァンゲリオンを倒すと肩に装備されている黒い武装を起動させている。
射線がこちらに向く可能性も考慮するも、退避しうる場所は皆無と思われる。
だが、あの砲のサイズから推測すると、退避しても助かる可能性は無いと考えられることである。
さらに、前方の敵兵は、数を増やすことが無いと見ると、助かる可能性は、人工進化研究所へと乗り込む
以外の方法は考えられないと判断す。
そのためには前方の敵とフェンスを破壊するしかないのだが、罠の可能性も考えるべきだろう。
しかし、衛生兵少尉はその罠ごと吹き飛ばすかのような攻撃をみせる。
隊長もやはり前進を強行するようだ。
いや、罠があっても前回のような罠であるならば、対処のしようがないだろう。
下手な小細工よりも、正面突破の方がよいのかもしれない。
速度をさらに上げようとしたとき、それは突然起こった。
354厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:27 ID:CcqQDHmb
衛生兵少尉個人日誌
これみよがしね。
隊長、気づいてるんでしょ?、罠だって。
こんな数で、しかも先に攻撃をしかけてくる。
そのうえ、使徒化兵の能力もいままでとは違って低いって感じ。
あからさまな挑発だわ。
了解、罠なら罠で今度は正面から突破するってのね。
いいわ、知っているならそれは罠にはならないものね。
G4、G3-X、おまけの上等兵、正面に弾幕をはって。
隊長、速度そのまま、いえ、少し落として、合図は、3。
それで一斉射撃よろしく、その5秒後に私が撃つから。
大丈夫、そのための遠距離狙撃破砕弾頭よ。
もっともいまはそれとカプサイシン弾頭くらいしか入ってないけどね。
カプサイシン弾頭は委員会の尻に打ち込んでやるからまだ撃たないわ。
1、2、3、ふん、やはり囮ね、それも、へたくそな。
死んだネオ戦自の囮連中が見たら、あんなの情けなくておとりを名乗るな
っておこるでしょうね。
彼等の囮としての誇りを見習え!、え?、そう空耳か。

吹き飛べ、雑魚ども!

けど、ありがとう、光栄だって空耳にしてはねえ。
声にてたな。

なに?、あの光、それに、あれは。
怪獣?、いやドラゴン?
355厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:37 ID:CcqQDHmb
隊長個人日誌
前方の敵兵は、おそらく、いや確実に罠への入り口だろう。
我々を陥れるにはあからさま過ぎるような気がするが、それも作戦の内と判断してかかる。
多分、通路としてもそこが一番目的地に近い。
だから、あえて罠にはまって行こうと思う。
もちろん、副隊長は安全策を考えているようだが、今回は罠を避けることも敵は
予期しているとみていいだろう。
黒いエヴァンゲリオンをも劣勢となるとこちらの進行も急がねばならない。
罠を知って罠に飛び込むのと、罠を知らずに罠に飛び込むのでは危険の確立も段違いに
減るだろう、ということと、罠に入れば敵も油断するかもしれないという可能性も
考えてのことだ。
しかし、敵の中には人の思考を読み、かつ思考を送り込んでくる者もいる。
やはり油断は禁物だろう。

敵のフェンスとその防衛線の突破は少尉の攻撃に任せる。
こちらは情報の収集を的確に行うことで少尉をバックアップする。
一斉射撃のため、敵の使徒化兵は直線状に並ぶ。
これでATフィールドを強化しているのだろう。
やはり通常より能力が低い兵士のようだが、数がそろうと危険だろう。
5秒後、少尉の攻撃で使徒化兵は粉砕される。
フェンスとその周辺の敵も負傷、あるいは退散したようだ。
その光は突然現れたという感じだった。
白い量産型とよばれるエヴァンゲリオンの肩から引きちぎるように体を現すその黒い影は
形を整え、色を変え、咆哮をあげる。
その姿はまさに古代のドラゴンか、日本の怪獣を思わせる姿だ。
光の翼を収めると、背中の黒い部分が稼動している。

敵?、いやミソラ少尉、それは違うな。
あれは味方だ。
異質だが、それはわかる。
たぶん、私だけがそう感じているのかもしれないが。
356厚木基地最後の兵士 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:49 ID:CcqQDHmb
副隊長個人日誌
量産型より分離したモノは、その巨体をメタリックオレンジのドラゴンへと変化させる。
ドラゴン、あるいはその怪獣は、エヴァンゲリオンなのだろうか?
部分部分にそれらしさは漂わせるものの全体からはまるで違う印象をうける。
そのドラゴンは背中の黒い装甲を開くと強烈な光を吐き出す。
それは地表を削り、目標の建物を粉砕している。
大丈夫なのだろうか?
隊長は味方だといっている。
それを信じればいいのだろうか?
第一あのような破壊があっては人質の安全を確保できるか怪しい。
が、ドラゴンはその地上施設の後から出てきた装甲を破壊、その内部へと入っていく。
進行方向は不明だが、そこに?

気が付くと、レーダーモニターの一部にDORと表示されている。
ロスト表示になっているため、おそらくとは思うが。
ミソラにこのドルとはなにかをきくと先ほどのドラゴンタイプのことだという。
ドラゴンと打ち込んだが、戦術表記のため、最初の3文字だけだったようだ。
我々も、ドラゴンに続いて潜入するために進行を開始する。
357 ◆DhEzvRena6 :04/01/05 22:58 ID:CcqQDHmb
厚木基地最後の兵士担当です。
今更ながらですが、あけましておめでとうございます。

ランドマスター隊は、このまま龍エヴァについて内部突入をする
つもりですが、途中でサキエルに襲撃されるはずです。
そこで、隊長とエヴァの共闘でしょうか。
358 ◆/s5ZynBY7E :04/01/08 00:46 ID:bmAViysx
遅ればせながら、おめでとうございます。
連休中にはネタ上げますんで。

>黒メガネさん
長かった掛け合いも終わりましたね。
こちらこそやりがいのあるネタと楽しい時間をありがとうです。
アクサとダブリスはこの世に生を受けてからの時間が他の者より遥かに少ない、
即ち人生経験の少なさによる純粋さと無邪気さ、幼さをもたせたのでこうなったと。
長く『E』で生活していれば、結果が変わっていたかもしれません。


すみませんが、今夜はこれにて。
サードインパクトがキッカケで2chが出来た世界
 
361『E』計画提案者  ◆/s5ZynBY7E :04/01/17 23:10 ID:3OfLP8hD
嫌な音を洞穴内に木霊させて、空間がこじ開けられる。
中空より赤と青の火花のような物を散らせて両手八指が現れ、空間の裂け目を掴む。
そこから力まかせに、破砕と断裂を小刻みに鳴らせながら左右に開いていく。
断裂から広がる振動は周囲の壁面にひびを入れ、破片をこぼさせる。
「グルルルルル……」
両手の間が広がり、のっぺりとした目のない顔がその間から突き出して喉を鳴らす。
手と同様の真紅に染められたそれはもがくように首を振る。
無理矢理に右手を外に出すと、肩で裂け目を押さえて、左の爪先を裂け目に引っ掛けた。
そして。
全身のばねを使って一気に広げた。
大規模の落雷が集中的に起こったような轟音が洞穴を揺らしながら駆け抜ける。
ついに、紅い量産機はそこへと進入した。

予想よりも時間を食ったな、さすが最後の砦といったところか。
つまらん演出にこだわった結果がこれだ、外で暴れた方が面白かった。
だが、それではやはりなぁ……それこそ外野はつまらんだろう?
一方的に押し切るパワーゲームは誰も望んではいない。
エンターテイメントという側面を切り捨てる事がすでに出来ない状況だ。
それにしても…………ここはすでに終わっている。
誰がここまでの事をしたのかは知らんが、いい感じに「祭」の後だ。
周囲に軽く探りを入れてみるが当たりはない、全滅か。
しかしまあ、これで奴は動いてくれるだろう。
362361  ◆/s5ZynBY7E :04/01/17 23:17 ID:3OfLP8hD
遅れに遅れてすみません。言い訳は無しで。
今回のネタの詳細な時間指定はないです=今(まだ午前中?)以降なら何処でも挟めます。
現れた場所は、トライラックスさんのネタで反乱が起きた地下区画のひとつ、
内容通りにすでに戦闘が終わった場所に現れてます。



今夜はこれにて。
363 ◆/s5ZynBY7E :04/01/30 00:11 ID:0jT+4MOp
保守代わりに、というか、私事ですみませんが、只今人生の岐路。
これから年度末にかけてかなり大変になりそうです。
ので、まともなネタはもう少し先になる模様です。
外部視点などのちょっちネタは書き込めたら書き込みます。

今夜はこれにて。
Take care of yourself.
hoshu
ホシュ
367 ◆/s5ZynBY7E :04/02/29 23:12 ID:???
久し振りに、保守代わりに。
やっと少し時間が出来ましたので書き込み。

次に書き込む時はネタにしますので今回はご容赦を。
外部視点を少しか、京都大学方面の何れかを埋めようと思っています。

申し訳ありませんが、今夜はこれにて。






????さん、ネタレスまだでしょうか?
ho
370トライラックス担当:04/04/04 20:00 ID:???
お久しぶりでやんす。
いい加減なカキコばっかりしてたせいでご迷惑なトライラックス担当です。
故障したパソコンは修繕不能、新しいのに買い換えることはおろか、
その後はネットカフェにも滅多には来ることができなくなってしまいました。
今日は約半年ぶりくらいにネットをすることができたので検索してみたら、
私がいない間にもだいぶお話が進んでいたんですね。
ただ、今年に入ってからはあまり進んでいないようですが。
今の所は私がいない間のストーリー進行を把握するのさえも大変なので、
ネタカキコはできませんが、可能になればまたカキコを再開したいと思います。
ご迷惑ばかりかけて申し訳ありません。
371トライラックス担当:04/04/09 17:32 ID:???
ただ今、ネットをしていなかった半年の間のカキコを読んでいる最中。
私がいなかった間にかなりお話が進んでいるのですね。
私のいい加減な構想を取り入れてカキコをして下さった皆さんに感謝します。
昨年、最後にネットをした時、高橋覗さんの掲示板に大雑把な構想を書きましたが、
あの掲示板も表示不能になってしまいましたね。
確かあの時は肝心なことを書く余裕がなかったような・・・。
ギーガーの量産試作壱号機と次世代試作機4体との間に実は意外な関係があり、
その点からもヒナ大使の側にはとんだ大盤狂わせが起こるという構想も
用意していたのですが。
あと、ラスト近くに際してはバーベム卿の正体なんてのも書いておきたいし。
それにしても・・・今年に入ってからはカキコが進んでいないのが気になるが・・・。
メインで書き込んでいたのがひとりでもかけると書き込みづらいってことでは?
373 ◆/s5ZynBY7E :04/04/10 01:06 ID:???
死んでません。が、もう少しだけ多忙です。

>トライラックスさん
おかえりなさい。
こんな状況ですみませんとしか私には言えません。
私のネタも徐々に????さん待ちのような状況になっていまして。
京都地下についてはどのような状況かわからないというのが本音です。
下記のように????さんにもシナリオがあるはずですし、
セガサターン使徒も残ってます。
出来る所は近いうちにでもやっておきたいです。

>>372
各人のシナリオがぶつかりつつも巧く展開するのが
厳しくなってきたというのが原因かと。
各人、絶対に譲れない展開がありますから。おそらくそれかと。
またBBSでもかりて話し合いが出来れば一番いいんですけど。


という事で、今夜はこれにて失礼。
374トライラックス担当:04/04/11 17:34 ID:???
>>372
半年以上もカキコできなくて申し訳ありません。
>>373
お久しぶりです。
半年以上も私がカキコできなかった間、
私の構想に応じてストーリーを進めて下さり、
ありがとうございます。
今日こそはネタカキコと思ったのですが、
何しろ半年ぶりで自分がどこまでストーリーを進めたか思い出せない上、
過去スレや高橋覗さんの掲示板もアクセス不能になってしまったため、
状況の把握整理ができない状態なのです。

ええと、状況はこんな感じかな?
・第6使徒ガギエルと第15使徒アラエルはすでに殲滅。
・タイラー艦長は町奉行に退治され、綾波に元の人間に戻された。
・教団側に寝返っていたサラとユノはマインドコントロールを解除された。
・フウイ・ノ・レイも先に突入したクローンアスカ達と合流している。
・シヴァは別行動を取ってダブりス、アクサと絡んでいる。
・フウイ・ノ・レイ2号の所在は不明。
・エヴァ・フェットがE計画のラミエル兵を第参次席司教の手下と誤認して
 倒したのと同じ頃、E計画提案者が槍の力で結界を破った。
・エヴァ・フェットがどうなっているのかも今の所は不明。

・・・って、ゆーか、エヴァ・フェットやフウイ・ノ・レイ2号だけじゃなく、
俺が登場させたキャラって大半が現状不明状態なんだよな。
このような状態になるんなら、雑魚キャラ大勢登場させて構想を複雑にするんじゃなかった。
まあ、ほとんどの雑魚キャラはメインキャラの栄養源みたいになるわけだけど。
375トライラックス担当:04/04/11 17:53 ID:???
続き。
だいぶ前に????さんが「第参位次席司教はエヴァ・フェットか
便利屋スズキさんに倒してもらいたい」と書いていたが、
エヴァ・フェットは特異能力戦になると不利なので、第参位次席と戦う前に
ラミエルの能力を持つ下っ端の者と戦わせてシュミレーション戦を
させようと思ったので、裏切り者のユキナ曹長を聖騎士・羅魅獲に変身させたが、
エヴァ・フェットとの模擬戦役は今回のE計画側のラミエル兵に変更、
ユキナ曹長は元ネタの『ゾンビ屋れい子』に従い、
スモーカー大佐を両手足を日本刀で切断、手榴弾をくくりつけて
フウイ・ノ・レイに投げ付けるが、最後は第参位次席司教がパワーアップするための
栄養源として吸収されてしまう役にする。「僕の弁当になってくれー!」
処女のまま死にそうな目に遭って地獄から舞い戻って来たフウイ・ノ・レイは
文字通りのキル・ド・メイデン(死せる生娘、三家素礼『ゾンビ屋れい子』参照)。
376トライラックス担当:04/04/11 18:42 ID:???
続き。
E計画提案者が槍の力で結界をかなり弱体化させたとなれば、そろそろギーガー達の
本隊も突入させていい頃かな。巨大エヴァ戦となればエヴァ・フェットよりも
むしろ、ギーガーの方がメインの戦力になりそうだし。それで、ギーガー達が
K-1ゲリオンを操縦して結界の中へ突入、そこへ教団側に寝返った次世代試作機4体が
迎撃に現れるが、ネオ戦自のネオエヴァと共闘して、これらを撃破する。
しかし、この段階では完全には破壊はせず、実はこれらの次世代試作機が
そもそも何物なのかということに含みを持たせておく。
そこへ今度はE計画のlonginus(ビジュアル的にぜクストかフィーアトぎぼーん)
が現われ、ギーガーのK-1ゲリオンと対戦、
いかんせんK-1ゲリオンでは歯が立たず、倒されてしまう。
そこへバーべム卿がクルーガー大佐の姿で現われ、ギ−ガーを役立たず呼ばわりして罵る。
怒ったギーガーは対ATフィールド仕様ラスガンでクルーガー大佐を射殺。
(バーベム卿は不死の存在ではあるが、仮の姿は油断している所を狙えば比較的簡単に殺せる)
失意に沈み込むギーガーの前に量産試作壱号機がイックスからテレポートして現われる。
ギーガーは量産試作壱号機を操縦してlonginusuを倒す。
しかし、主席司教の量産機に挑むが、これにはやられてしまう。
ところが、すでに倒されていた次世代試作機から巨大なエネルギーの塊が分離し、
量産試作壱号機に融合、量産試作壱号機は損傷が修復されて量産機と同じ姿に変身、
復活してラスト近くで委員会との戦いに加勢する。
4体の次世代試作機は量産試作壱号機が単性生殖で産み出したものだが、
実は量産試作壱号機の“食欲”を司る分身のようなもので、
こいつらが他のエヴァや使徒生物を食い漁っていたのは、
実は本体である量産試作壱号機の損傷を修復するためだったのだ。
つまり、ヒナ大使は4体の次世代試作機を自分の側の戦力として使うつもりが、
実際には敵の側であるギーガーに塩を送るはめとなってしまったのだ。
そろそろ再開?
hosyu
379トライラックス担当:04/05/11 17:19 ID:???
ちょっと気を抜くとゆうに1ヶ月は間が空いてしまうな。
なにしろリアルの世界での生活が大変なもので。
久しぶりに来てみると、過去レスがアクセス可能になっていたので、
読み返しています。だんだん記憶が定かではなくなっているからな。
それにしても、相変わらずネタカキコがないのが気になる。
このスレ、ちゃんと終わりまで行けるんだろうか。
んー、相談用の掲示板立てます?
381トライラックス担当:04/05/19 18:12 ID:???
>>380
お久しぶりです。
立ててくれると助かる。
では立てました。
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1643/
サードインパクト後はこんな世界ですた弐号掲示板
名前が安直ですがご自由にお使いください。
383 ◆/s5ZynBY7E :04/06/01 23:40 ID:???
384 ◆/s5ZynBY7E :04/06/01 23:45 ID:???
といいますか、時間がかかってすいません。
梅雨中頃には…………やっと、やっと戻って来れそうです。
厚木の兵士さん、BBS立てお疲れ様です。
以前のBBSのログは当方全て持っておりますので、ご要望があれば出せます。

以上、報告まで。
hosyu
386『D』、侵入  ◆/s5ZynBY7E :04/06/22 04:51 ID:???
(>>287より)

「オイシイ場面逃しちゃったね〜」
その状況にイチが愚痴をこぼす。
戦域離脱を図ったその間に、京都大学は跡形もなく消えていた(>>334,356)。
土中に埋まっていた装甲版が露呈し、熱で融解した部分が嫌な臭いの煙を上げている。
深さの解らない巨大な穴だけがそこにある。
「重要なのは何が起こったか、だな」
ニーが冷静に分析する。
初号機、零号機共にこことは離れた位置で戦闘中、ダブリスのエヴァはやられている。
ラミエルの誤射は考えにくいし、ネルフ戦力にこれほどの火力を持った物はなかった。
何よりやり方がネルフらしくないというのは、4者共同じ意見だ。
「まあいいさ。手間が省けた。とっとと行こうぜ」
サンが足元に転がる黒焦げた使徒の腕を蹴り飛ばす。
「正面突破は骨が折れるでしょうね。私たちが一番乗りよ」
「そーゆーことっ!」
タン、とイチが大きく跳び、大穴の中に身を躍らせた。
続けてサン、シィが何が待っているかも解らないその中へ飛び込む。
その様子にニーは一度ため息を付いた。
「ったく……あれはネルフの(>>356)……やはりここには何かあるようだな」

ニー、何をしている?

ああ、ネルフの一団がここに向かっているのが見えた。

サンにニーは『声』で答えながら、飛び降りる。
浮揚感に包まれながら、落下中に見た装甲板の厚さにニーは感嘆の声を上げる。
何十mかそれとも何百mか、降りたそこは、
穴からの光が差し込んでいる所以外は闇に包まれていた。
穴は鉛直ではなく斜めに進んでいるようで、奥の方にかすかな明かりが見える。
「さて、行きますか?」
抑えきれない喜びを声から滲み出させて、イチが一歩を踏み出した。
遠方の観客とはえてしてこういうものだろう。
その場にいないからこそ、落ち着いて観戦が出来る。
「ダブリスは……引き分けか。
 こりゃ少し他のところに頑張ってもらわないとなぁ」
陽気に照りつける日差しの中、男は何かの表にハイフンを書き込む。
すでに半分は埋まっている。残り半分も今夜中には埋まるだろう。
「……しっかし、俺も好きなんだなぁ。
 仲間まで賭けの対象かよ」
あれこれ言うもそれが届かないのを知っているからだ。
感情移入してしまい自ら行動すれば、すでに観客ではない。
怠惰にあくびをし、時に目を離して私事に集中する。
「まだメシ喰ってなかったな。
 喰い納めになるとは思わんが少し、豪勢にするか」
腹を擦りつつ、男は一度チューナー付き小型テレビの電源を切った。
388 ◆/s5ZynBY7E :04/06/22 04:55 ID:???
現在状況まとめ。解る所だけ。

<ネルフ・トライデント>
初号機・零号機(シンジ、レイ):マトリエルを倒し、フリーに。
                   ラミエル荷粒子砲攻撃の真っ只中。
参号機・ネオエヴァ(トウジ×2):イスラフェルを殲滅、フリーに?
四号機(カヲル):バイクに乗って消える、レリエルを倒しに行った模様。
厚木の兵士分隊:ドラゴン型エヴァの後を追うように京都大学の穴へ向けて進行中。
トライデント2機(だったか?):ミサト指揮の元、戦場を駆ける。
                   ラミエル荷粒子砲攻撃の真っ只中。
ネルフ本部(ゲンドウ、リツコ):ラミエル・レリエルをけん制、こう着状態。
                   イロウルは殲滅済み。
K−1ゲリオン5機(ユノ、サラ、シグナ、キラ:次世代エヴァ3機と交戦開始。
&フウイ大使)                   ラミエル荷粒子砲攻撃の真っ只中。
K−1ゲリオン(シヴァ、アクサ):戦線を離脱中
便利屋スズキ:レリエル空間に飲まれる。以降不明。
加持等先行部隊:市街に分散して存在。

<健在の使徒>
サキエル:人工進化研究所にて待機
サンダルフォン:トライラックス駐日艦隊所属ミゾロギ士官と融合
レリエル:虚数空間ごと存在
バルディエル:主席が保持
セガサターン系使徒:未登場、確か2体いる
389 ◆/s5ZynBY7E :04/06/22 05:02 ID:???
続き。
<『E』>
Longinus:戦場を静観、劣勢ならトライラックスの交戦に割り込むか?
AngelArmsチームF:京都御苑に向け、正面突破の最中。
『D』:京都大学到着、地下に向けて侵入開始。
忍エヴァ(ダブリス):戦線離脱中、第弐次席を辛うじて退ける。
『E』計画提案者:地下施設に侵入、おそらく内部反乱が終わった後の場所。
AngelArmsチームF以外:世界各地で法的効果を持つ物等のデリート中。
ボーイの姉:地上戦が終わる頃には動き出す予定。
その他:「その後」のため、世界各地でいろいろと根回し中

と、こんな感じですね。
簡素抜けている点も多々ありますが、あっていると思います。
これをもって復帰、ということで改めてお願いします。
長らくネタカキコもせずにすみませんでした。


以上、今回はこれにて失礼。
390トライラックス担当:04/07/02 17:09 ID:???
おっ、E計画担当さんもお久しぶり。
取り合えず倉庫行き防止ageしとくか。
ほす。
倉庫送り防止age
ありがとう
バイバイ
>>393
バイバイって・・・・・?
倉庫送り防止age
取り合えず倉庫送り防止age
397名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/08/15 18:57 ID:F+h27bdE
その日,僕は大学に行く途中だった
その日に限ってなぜか鳥や犬などが騒いでいた・・・・・・
僕は少し違和感に思いながらも電車乗った
本を読みながら降りる駅を待っていた
しかし,突如電車は止まり蛍光灯が点滅し始めてそして最後には消えてしまった
電気が消えてしばらくすると駅員が駅員室から出てきた
「落ち着いてください。こちらから一人ずつ非難してください」
電車内は軽いパニック状態だった・・・・・
僕も軽いパニック状態だったけどそれを顔には出さず駅員室から出て非常口から外に出た
そして外に出てみると地下鉄から非難した人たちが膝をついて_| ̄|○してた
周りを見渡すと人々の悲鳴や建物の倒壊した様子が目に入ってきた

まるで・・・・・・・世界に自分一人だけいるようだった
止まってるねぇ
やはりこのスレも本編同様、中途半端に終わるのだろうか・・・・?
400フウイ・ノ・レイ:04/09/03 17:06 ID:???
ここで久々の・・・400get!
あ、お呼びじゃない?
っはぁッッ!?
倉庫送り防止age
保守
                | |
                | |
                | |
                | |  ,..._
          ,.r-、 ,ry | |  ヒ;;;::}
      ィt:、 ,:'::::// '''´ | |  ,、.、  ,..,..._
      {:::}::}/::::r'ノィー::、 | |  ヾ、゙、//::::jr;::、
     ,rヾ''"ゞ=' 'ヾ.....⊃' ! !  ヽ''ヾ:、::;' `''",.=-、
     ー'’._ ,r'う {::jj ,.、、 _,...::::::''ヽ  ,.,´  {{::::::::ヽ.
    ,;'"'" ̄ヾ´,.., r::';;〃l'l::::;;:::::::f'_ ヾ'〃) `ヾ::::::/
   〈::::::::/ノ ヾ,jヽ='. ,,ヽへ-(ヾ::゙、 ゞ',.,.、 //::::/
    ヾ:::::゙、゙、 {{) {:::jj' ",,,,、 c;、ヽ='  ゙、::゙;ヾヾ/_
    ヾ::::/:ノ ,,,,_ (:ヾ'''⊆|:::::|P,r,r:、 ,:'''7  ``' ゙/〃
     ゙ー' /:::::;}}`",.,rt:、゙´ //::::/ ゙ー',.r::::、  _`'’
     r:::、、ヾ-''n.く:::;:::゙、゙、 ヾー' { ̄:::::ノ!,ィ'r':::|
     |::::::| |''ヽ`_,,.`'ヘ;r'ノ,..-:、_ _ `='-'" | |:::::|
  ___.   |::::::| |_`__|`ii'"''" /7 i'i::l´______|_|:::::|
___|:::「____|:::::::`::::::::::::::::::::}}f´ヽ、`,..,゙、}:::::::::::::::::::::::::::|
 ̄ ̄ ̄| ̄|::::::::::::::::::::::::::ゞヾ;;;jj{{;;;ノ{{:::::::::::::::::::::::::::|
:::::: [][]::|:::::|:_i二二二ユ;;::「   ,...., ,f;ノ「 ̄ ̄ ̄「|::::||ヾ ̄ ̄ ̄
、,...... ._: |:::::|]]]]]]]]]]]]]]]'i||__ ヾ-’_|::::|_____」」;;;;||_ `ヽ、_
,I、ー'_,!::| :::|--------/'|::::::'゙、 ,i'j:::::::::::::::::::::::::| ヽ...|、`ヽ、 |lllll
:|::::::::: |..|:::::|-------/;';'.|::::::::}}||::::::::::::,rr---:|ヽ. \ヽ、.|| .|lllll
:|::::::::: |,,!:'"-------/::;' :||「 ̄ ̄ ̄ ̄:|` ̄ ̄_|_\. ヽ、、l !lllll
TTTTTTTTTTTTTT:::;' :|l'| ̄ ̄「「「ニ|ニf(二二..))\ `゙、===
.LLLLLLLLLLLLL!::;' ::||'|:::::::::::::|.|.|..|ヾ;;|、;;;;;;;;;;;;;;;;! \ |:::::::
ニニニニニニニニ]' ::::|.|'|::::::::::::::|.|.|..|ヾ.| : :::::::::::::|゙、  `、!::::::
何、コレ
何、コレ
倉庫送り防止age
408名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/10/24 16:19:25 ID:S0czV9fy
意味分からんので倉庫送り梅
保守
保全
そろそr
保守
413猪狩シンジ:05/01/17 21:46:22 ID:???
オマイラ保守おお杉
気にするな。
けっこう止まってますね
自動停止機能付き
ほす
418名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/08(金) 17:24:28 ID:???
学長選に負けたら、我々は干されてしまう。
拙いぞ、碇。
419猪狩シンジ:2005/04/16(土) 01:37:01 ID:???
もういいた゜ろ
420名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/27(水) 23:12:35 ID:???
た゜ろ?
421名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/11(水) 15:26:16 ID:???
有用菌もいない世界
422名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/21(土) 16:25:22 ID:???
もの保守ざお
423名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/01(水) 03:18:54 ID:???
hosyu
424名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/05(日) 20:06:55 ID:???
ナンダカンダでもうすぐ保守で丸一年
425名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/16(木) 23:40:48 ID:???
ageてみるか
426名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/09(土) 08:37:59 ID:???
どうしょもないな
427名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 18:50:22 ID:0fx09ofb
ho
428名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/01(月) 01:53:02 ID:???
保守っとく
429名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/18(木) 03:37:26 ID:???
うむ
430名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/21(日) 22:52:11 ID:???
だがねという電波な厨房がおってな。
毎晩、毎晩、エヴァの村で、村の衆の集会場じゃった「すれ」という
小屋を荒しては、村人を困らせておったそうな。
そのだがねは村人にはものすごく嫌われていたんじゃが
だがねはそれのすれ小屋荒しが正義の行いだと信じて、あぼんの神様を呼び出す
よこしまな技をつかって村人をさらに困らせたんじゃ。
終いにはシャア専用の村にまで出没してみいんな大迷惑の大弱り。
そんなだがねはついにあぼんの神様にも嫌われて天罰がくだってな、「住所さらし」
「あくきん」という生き地獄じゃ。
だがねは回線を切って首をつって自らの命にとどめを刺したんじゃ。
昔、昔のお話だよ・・・。
                 ||    ::::::::::::::::::::::::::::::
                 ||       :::::::::::::::::::
   ∧_∧        ||   ∧ ∧   :::::::::::
   ( ´Д`)       i   (・д・)∧ ∧::::::::::
  /::: Y i     ,-C- 、( y  (゚Д゚ ) ::::::::
 /:::: >   |    /____ヽ (___、|_y∩∩ ::::
 |::::: "   ゝ   ヽ__ノ   (__(Д` ) ::
 \:::::__  )//    // っ⊂L∧ ∧
                   ∧ ∧ (  ;;;;;;)
電波なだがねは首吊った死に顔、無様なものじゃった。
ただでさえ醜いのに首つって顔はどす黒く目は飛び出して小便くそ垂れ流し、
おめたちもだがねのような厨房になったらいかんぞ。
431名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/22(月) 00:43:14 ID:???
      i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/l;;;/l;ソ;;/ |;;;;;;/| l;;l゙ヾ;;;ト、;;;;;;;;;;;;;i
          |;;、;;;;;;;;// /,'' / l/  |/|/   ゙l  ヾ、゙i;;;;;;::::/
          /ヾ;;/ソ       ,  ,      ヽ l;;l"゙l
          '、 (ヾ,,===;;;;;;;,,,,,_`il,i゙__,,,,;;;;;=== ,/|lヽ l  ロン
            ヽ、`||ヾi;'(:::::゙'゙:::/;;i=i;;;ヽ:::゙'゙::::)゙i;/ |l'ノ/          
           /ヽ|l、 ゙i::;;;;/⌒⌒).ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/\    大三元、字一色、四暗刻単騎 何点か教えてくれシンジ?    
          /;;;/::ミヾ、./ / / )     '゙ /ミ"i;;;;;;;;\_     
       _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ミ/゙ ,/ /  /_!/`   /,,l;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;~\ 1000点だよ父さん・・・
  _,、-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /  /   /.__,,,..-/ヽ /;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,、_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ノ / .ノ  / ,,, /  ノ/';;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'';;;,,、_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ/ ノ  /  /,,,,/   /;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

 ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐┌─┐
 │東│東 東| | | |発│発│発│中│中│中│北││北│
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘└─┘


432名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/03(土) 04:19:30 ID:???
hoshyu
433名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/23(金) 23:36:06 ID:???
哺繻
434名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 00:31:46 ID:???
保全さげ
435名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/18(火) 11:56:39 ID:???
◆日本はやり直しのきかない国◆
・年齢差別を国が認めているため倒産、リストラにあうとやり直しが難しく
 失業給付期間が異常に短くおおむね3〜6ヶ月なので(外国の場合は2、3年)
 なかなか次の仕事が見つからず借金地獄に陥りやすい。
・長時間労働、サービス残業などが横行しこれを摘発してもなぜか罰則を適用
 しないという企業に甘い社会。よって過労死、ノイローゼ者が続出。
・仕事を持たないとアパートが借りられない、しかし住所がないと仕事を
 得られない。さらに保証人が必要で敷金、礼金と不条理なものがまかり
 通っているので一度ホームレスになると復帰は困難。
・一極集中なので不況になればなるほど仕事を求めて都会に人が出て来る
 ので地価が下がっても需要があるので家賃が下がらない --> 生活苦
一度落ちると這い上がることは至難のワザ
*****************************
どんな生き物も「自らが生きるための社会構造」を作っているのに
この国の構造は、人間にもっとも向いていない。
「生きるな生きるな」と言い続けているような社会
*****************************
436名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/14(月) 00:28:17 ID:???
hosyu
437名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/22(火) 02:37:38 ID:???
保守
438名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/10(土) 11:06:06 ID:???
保全さげ
439名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/22(木) 22:57:41 ID:???
もうだめぽ?
440名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/09(月) 22:59:30 ID:???
保全さげ
441支援を継ぐ者:2006/01/17(火) 00:13:09 ID:???
もぐレイ支援age
442名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 21:42:32 ID:???
保全さげ
443名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 13:50:20 ID:???
ヽ(´ー`)ノ
444名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 17:55:24 ID:???
バルス
445名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 21:11:46 ID:e6PwwPBC
明日はリリス山に登ります
446名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 22:33:22 ID:???
シャケ━Σ゜lllllE━!!
447名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 00:59:02 ID:???
来たれ、新惑星開拓団!!政府は君を待っている!!!

我々ペポラ星人は、先日発見した新惑星『地球』への集団移民長期計画を立てています。
そこで、第一次開拓移民団の募集として、皆さんのご協力お願い申し上げます。
定員は1000名まで。詳しくは0120−○○○−×××、ペポラ国際移民協会まで。
メールアドレスは、mail.pepora@kokusai.go.jpです。
448名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 10:28:56 ID:???
たべものがたりない
449名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 08:36:14 ID:???
もう・・・駄目なのね。
450名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 00:10:22 ID:???
hoshu
451名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 13:11:20 ID:???
保守
452名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/10(月) 21:45:58 ID:???
保全さげ
453名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/15(土) 22:29:36 ID:???
あまりにストーリーが構築されすぎて、続きを書けといわれても無理。
それに、つまみ読みしても一部小数のサークル内でしか面白くない符牒が多すぎ。

伝統あるスレのようだし1からパラレルワールドもアリで再開したら?
454名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/24(月) 06:52:39 ID:???
保守
455名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/05(金) 22:37:11 ID:???
ほ。
456名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/08(月) 11:57:20 ID:???
保全さげ
457名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/13(土) 13:48:48 ID:???
保守
458名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/13(土) 14:08:56 ID:???
ぶっこわしあげ
459名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/14(日) 15:40:40 ID:???
    ━━━━━━━━━━━━━
        ,. --一 ´ ̄ ̄`ヽ
        (rニ7´ _,ノj  i、  \__
          /  く__,ノ  ヽ\ ゝ.二)
        ノ    、_'`__, ` '  } ̄
      /⌒´ /    |   |   ト、_,.、
.     {   /'´  ̄ ̄ |  ノ- 、 i   ヽ   この線からこっちは勝ち組ゾナ
     \_,ノ      ` ´   `|    ,ノ
          |               |ー-‐'´    ってことーわー
          {\         __」
        |   ̄ ーrーr─ ´  |       「 fusianasan 」に見事騙された”だがね”のおっさんは負け組ゾナー♪!!
.        L__,」 L___,ノ
460名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/16(火) 21:48:29 ID:???
このまま保守で埋まったら次スレいらないね
461名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/26(金) 14:50:29 ID:???
>453
どっかで「続き書いて」って頼まれたのかな?
そうじゃないなら少々自信だか自意識だかが過剰かもしれないよ
ここにはもう誰もいないし、続けようとしてる人はなおさらいない
君が何か書き込んでも読む人はないと思うよ
このスレ見つけて驚いてる>1より
462名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 00:30:50 ID:???
まだいたのかあんた…………て、人の事がとてもとても言える立場じゃないが。

>>453
符牒が多いように見えるが実際は互いにネタを隠していたというだけの話。裏で打ち合わせしていたなんて事実はない。
これぞというネタはそれぞれが持っていたと言い切れるが、リアル面での都合や様子見というか探りあいで
三竦み四竦みになって動きが取れなくなって千日手だ。当然の事ながら終盤は話が収束する、椅子取りゲームの椅子はどんどん少なくなる。
これほどの長さだ、下手な終わり方は出来ない、ネタを煮詰める、でもそれは他人のネタを潰す、色々考えてる内に疲れて自縄自縛。
ほとんどの奴はそんな感じだったのだろう、と今となっては推測する事しか出来ない。
未だに自分の考えたエンドやエンド後のイメージを思い返す事はあるが、なにもかもが今更だ。この話は終われない。

再開したければすればいい。これだけ保守が続いている以上、誰かは居るんだろう。誰かにはこのスレが要るんだろう。
ただ、したところで、と言うよりは、しても、って感じは決して拭えないが。
463名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 12:33:01 ID:???
いや、こないだ最下層で約一年半?ぶりに見つけて
「まだあったのかよ!!」って驚いてたんだ
で延々保守はされてるし、かといって>453他は前にいた人ではないようだし
どうなってるのかなって思って書き込んでみた

>462では足の引っ張り合いであぼんって書いてあるけどそれだけじゃないと思う
本当にネタ書きたさだけでいがみ合ってたらもっと早く沈んでたよ
確かに退場した人は多いけど、厚木の人や湯本の人は本流を見つつ、かつ
自分の書いてる部分を最後の方まできっちりやってたわけだし
みんなお互いに喰い合うのを避けてなんとか続けようとしてたと思う
もちろん無神経かつ得意げに「本流のまとめだよ!」とかやってた自分は除く

何があったにしても真っ先にバックレたことは変わらないしそれが停止原因の一つだってことも変わらない
幸いにして残り約70KBくらいあるから何かやろうかと思ってる
再開じゃなくて単にこのスレを終わらせるだけ 身勝手自己中は02年10月末から承知
だけどゲームマスターや他の人たちのそれぞれの続きはほんとに読みたかった それだけが未練

そんなわけでいつになるかはわかんないけどこのスレの>1かつ元参加者としてここを閉めるよ
その前にもう一度あなたのレスが見られてほんとに嬉しかった
ありがとう、まだいてくれて


追加 前にLRKスレ3で褒めてくれたのはあなたですか? そうだったらありがとう
ついでにクローン人間は云々スレに気持ち悪い感想を書いたのは自分でした
464名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 16:35:25 ID:???
>>463
足の引っ張り合いと書いた覚えはないんだが。むしろ譲り合いだった。決断力も足りなかったんだろう。
相手の動向を窺って待ちに入っている内に時は矢の如く過ぎ去った。
リアル面での事はどうしようもない、皆そのあたりは理解も同情していたと思う。あくまでこれは「二次」的な事だ。
生きていなければ、余裕がなければそこに力を割く事は出来ない。
ただ、その高々数スレッドを積み上げていく過程が当時何物にも変えがたいものだったのは改めて言うまでもない。

まあ未練たらたらの癖に何も出来ずに残っていたのは自分だけだったか…………あのあんたでさえ驚いてたんだから。
あと、クローン人間スレにはかつてはいたが、人違いだな。すまないがLRKスレは存在自体知らない、未読だ。

あんたがここを閉めるというのなら、こちらも欠片ほどのネタや想いがないわけでもない。一ヶ月後か二ヶ月後か、はたまた半年後か。
いつにするかはわからんがあんたが落とす頃には自分の領分も〆させていただこう。矛盾や違和感は拭えなくとも未練はなくせるように。
今度こそ、いつかの約束を果たさせてもらう。この紅い世界で名も知らない少女が歌う、名も無き詩に乗せて。
465名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 16:50:04 ID:???
ああ、そうだ。もう一言二言伝えておかないと。こちらこそありがとう。決着をつける機会をくれて。
こっちはこっちで終わらせる、結果的に自分のとあんたのに矛盾が生じるかもしれないがそれはそれ、迷わず自分の道を最後まで進んでくれると嬉しい。
466名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/03(土) 11:45:47 ID:???
一週間経過!
467名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/03(土) 15:25:11 ID:???
ttp://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060603i205.htm
南極に巨大クレーター、海洋生物9割絶滅の隕石跡?

南極の氷床下に直径約500キロに及ぶ巨大クレーターが横たわっていることを、
米国とロシア、韓国の共同研究グループが突き止めたと発表した。

古生代と中生代の境目にあたる2億5000万年前に、海洋生物の90%以上が絶滅したとされているが、
研究グループは「ここに落ちた隕石(いんせき)が原因ではないか」と推測している。

巨大クレーターを発見したのは、米オハイオ州立大のR・フォンフリーズ教授を中心とするグループ。
上空からレーダーで測定した地形と、衛星による重力データを重ね合わせた結果、
重力が周囲より強い区域が直径約300キロにわたって広がり、それを同約500キロの円形の尾根が囲んでいることが分かったという。

グループは「直径約50キロの隕石が落下し、衝撃で深部のマントル物質が上昇してきた跡」と判断している。

このクレーターは、メキシコのユカタン半島にあるクレーター(直径約300キロ)より大きく、
隕石も、同半島に6500万年前に落ちて恐竜を絶滅させた隕石(直径約10キロ)より巨大で、
研究グループは「ゴンドワナ大陸(太古の超大陸の一つ)の分裂にもつながった可能性がある」と指摘している。

2億5000万年前の生物絶滅を巡っては、その原因につながるとされる隕石落下の跡が
オーストラリア北西沖でも一昨年に報告されているが、定説にはなっていない。

(2006年6月3日14時35分 読売新聞)
468名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/10(土) 10:18:08 ID:???
test
469名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/17(土) 12:24:05 ID:???
やれやれほんとに一ヶ月だなぁ
470名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 15:55:12 ID:???
大神殿東1.7km。22分前まで旧京都大学だった地点は巨大なクレーターに変じ、地表下から
露呈した多重装甲層が無残に爆孔中央を突き破られて、教団地下大構造への侵入口となっている。
大神殿直上のラミエルからの全方位砲撃が降り注ぐ中、便利屋スズキの乗るエヴァ伍号機は
半熔解した装甲の隙間から一気に地中の闇に着地した。地表擬装部を灼き払いここに突入して
いったオレンジの竜エヴァの姿は既に見えない。
「…まさかただで地下に潜れるとは。単機であの中を突破してこれただけでもついてたが」
伍号機は頭上を仰ぐ。めくれ上がった装甲板裂断部から覗く炎天に荷粒子砲の巨大な光条が走った。
「スズキさん、この縦穴は最低でも400m下まで続いているようです」
「さっきの新型エヴァがぶち抜いていった穴か、好都合だな。深部のレーダー画像は白紙同然か…
 厭な予感はするが、伍号機で強行突破以外ないな。まほろさん、このまま底まで降りるぞ」
「わかりました、足場が不安定ですから速度には充分ご注意ください。それと、50mほど下に
 味方の部隊を発見しましたが、どうしますか?」
「ネルフが依頼してきた救出隊か。一度合流して情報交換だな、安全な着地位置を計算してくれ」
伍号機は大穴の縁から跳び、宙で一瞬だけ背部噴射装置を点火して、慎重に下層へ降り立った。
実験場跡らしき空洞には、同じく地上亀裂から進攻してきたランドマスター隊が展開していた。
隊は突然現れたエヴァに警戒態勢をとったが、まもなく伍号機と識別し、スズキからの通信を受けた。
471名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 15:55:59 ID:???
「ネルフの通達によれば、あれは貴隊と関係の深いエヴァだそうだ。心当たりはあるか?」
「…ああ。現時点では私個人の感覚としか言えないが、少なくともあれは綾波教側のものではない。
 恐らくあのドラゴンが目指す場所に、我々の目標もいるはずだ」
「了解した。時間が経ったとはいえ以前の支援契約は切れてない。今回はネルフの依頼でもある、
 作戦完了まで伍号機で貴隊を援護させてもらう」
「了解。貴殿の協力に感謝する」
両者はその場で情報交換し、互いの状況詳析等から今後の行動方針を検討した。縦穴は鉛直ではなく
前後左右に不規則に続いており、瓦礫や装甲端を斜路に使えば重車両でも順降可能と判断された。
厚い装甲層に支えられた地下施設は縦穴周りの広範囲が崩れ、エヴァの行動にも大きな支障はない。
一行が陣列を決定し進攻を始めたとき、真っ暗な縦穴の奥が遠震した。
断続的な震動音が、数度繰り返されるうちに明瞭になり、すぐに大質量物体が激しくぶつかり合う
響きとなって急速に縦穴をせり上がってきた。ランドマスター隊は隊長の即断により全隊員と装備を
車両内に退避し、伍号機を防壁に衝撃に備えた。ほぼ同時に縦穴周辺が白熱した。
「地下からの攻撃なのか?!」「違うわ、中に何かいる!」
噴き上がる粉塵の中から竜エヴァが飛び出し、施設空洞の床に投げ出される。直後、巨大な光の槍が
起き直ろうとする竜エヴァの足下から突き出した。崩落する床層を払って白い仮面の頭部が現れる。
第三使徒サキエルは、かつての襲来時に倍する巨躯を廃棄空洞に聳立させ、侵入者らを見下ろした。
472名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 15:57:19 ID:???
「…第三使徒。これがここの本当の罠、いや、守りだったらしいな」
「あのドラゴン型や我々の侵入を許したのは、これを見せるためだったってことですかね」
竜エヴァは人型エヴァ以上の敏捷さで跳び下がり、光る目で伍号機とその背後のランドマスター隊を
認めた。一行を背にする形でサキエルに対峙し、低く唸り声をあげる。
「…? こっちを庇ってるのか?」「そうじゃない。恐らく、我々がいるから動けないんだ」
「スズキさん、使徒と戦えばここが崩れます。格闘しただけでもランドマスター隊を巻き込んで
 しまいます」
「…中尉、周囲に退避できそうな空間はないか」「…隊長!」「後退はしない。だが、我々がいると
 エヴァが自由に行動できない。少しでも戦闘から離れたルートを探し、そこから迂回を試みる」
「…いや。その必要はない。隊長、あの新型エヴァは信用できるんだな」
「スズキ…? …ああ。私は、信じられると思う。いや、信じている」
「了解した。…ランドマスター隊、今すぐ8m前進、全車をその場に固定して絶対動かないでくれ」
「…どうする気だ?」「頼む、急いでくれ!」
伍号機が動いた。ATフィールドを展開して位相空間の変動を確認しつつ、肩からプログナイフを
掴み出して、急停車したランドマスター二台の真後ろに刃を突き立てる。頑丈な多層装甲板が、
二台が乗った床ごと大きく切り取られた。動きを察知したサキエルが竜エヴァを突き飛ばして
掴みかかる。伍号機は切除した床層を支えたまま、縦穴の縁に倒された竜エヴァを渾身の力で
下層に蹴り落とし、コンマ数秒おいて装甲板片を離した。使徒のATフィールドが伍号機によって
再中和される中、サキエルの腕をすり抜けて、驚愕の叫びをあげる竜エヴァ、そして装甲片上の
ランドマスター隊は一直線に縦穴の闇を墜落していった。
473名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 15:58:15 ID:???
先行する竜エヴァの背中が崩れた床層を幾つかぶち抜き、数階下でやっと安定した層に達して止まる。
ランドマスターの乗った装甲片はその後にできた吹き抜けを無傷で落下し、瓦礫に伏す竜エヴァに
激突する寸前、再展開されたATフィールドがぎりぎりで彼らを受け止め、緩衝した。
オレンジの両前肢がランドマスターをそっと床に下ろす。各員と装備の無事を確認した後、隊は
回復した外部センサを上層に向けた。今は100m上になった廃空洞で、伍号機が使徒を止めていた。
「…スズキ!」
「そいつがいれば目的地はわかる、先に行ってくれ。こっちは使徒を制圧してから追う。悪いが
 この先の支援はそれまで待ってほしい。…どっちにしろ貴隊が先行するしかない、伍号機には
 三十何人も乗せられないからな」
「…了解した。…必ず、後から来てくれ。君を待つ者もいることを忘れるな」
「わかっている、伍号機を捨てる気はない。…行くぞ、まほろさん!」「はい、お任せください!」
伍号機は機甲化された右腕の全機能を動員し、サキエルを縦穴近傍から引き離していった。
ランドマスター隊が行軍を再開する。竜エヴァは一瞬縦穴の先を見上げ、低く身構えて隊に先行した。
地下を貫く縦穴は徐々に角度を減じ、急な傾斜路となって闇の中を北へと続いている。
474名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 15:59:05 ID:???
下京区南端、大神殿南約5km。ネルフ先行隊指揮を預かるトライデント二機と、その前衛を務める
エヴァ参号機・ネオエヴァ1号機はラミエル・レリエル複合砲撃下の戦線の維持に奔走していた。
大神殿直上から全方位に無差別乱射されるラミエルの荷粒子線は、通常空間外に潜むレリエルの
瞬在的な虚数空間片によって自在に方向や出現位置を変更され、ほぼ無作為に戦場全域に降り注いだ。
友軍エヴァの防御と上空のジオフロントの対空援護によって大損害は防がれたが、先行隊の進撃は
一時完全に停止した。一切の物理制約や地形条件とは無関係に出没するディラックの海の片群は、
先行隊交戦中の敵兵力の再配置や増援を迅速かつ予測不能にし、後退の余地をも奪った。
この間、ネルフ側は京都周縁の拠点確保や戦域外からの航空攻撃などによって膠着をしのいだが、
敵領域深部進入を敢行した飛行船エンタープライズが使徒の攻撃の隙をついて虚数弾頭を直接投下、
二使徒の連携を崩した。内部への打撃によってディラックの海の干渉は中断され、そこに初号機と
零号機、ネオエヴァ2号機ほか分断されていた友軍が合流し、長引いていたマトリエルの撃破、
そして四号機が単身レリエル殲滅に向かったことを告げた。ここに結界突入以来二分されていた
ネルフ+トライデント主戦力は再び一つになり、イロウル侵入を退けたジオフロントとともに
残る使徒戦列の突破に向けて動き始めた。
475名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 15:59:52 ID:???
「レイが中継してくれた本部の情報を見る以上、第十二使徒は渚君に任せるしかないわ。
 こっちはあの自動砲台を何とかするのが先決ね。まさか向こうも、あっさり前回と同じ手で
 やられてくれるとは思えないけど、こっちはそう時間はかけられない…となれば」
ディラックの海の砲撃補助がとだえた直後、零号機とジオフロントは間髪入れずラミエルに対し
大出力長距離狙撃を仕掛けた。瞬間、ラミエルはそれらと精確に同威力の荷粒子線を放ち、以前を
はるかに上回る精密さで二つの攻撃を途中相殺した。同時に一群の砲撃がジオフロント付近に集中、
全方位砲撃に加えてエヴァ各機を別個に防御に徹させることで、続く第二射以降を封じた。
「…ふむ、奴は向こうの“目”の一部も使っているようだな。こちらの動きを抑えつつ、直接狙撃は
 全て叩き落してみせると言うわけか。虚数回路援護が薄れた以上、出し惜しみなしで来るか」
「碇、そろそろ後方の損傷率が馬鹿にならんぞ。何しろエヴァがほぼ全機そこに集中してるからな」
「すぐ終わらせる。…葛城一佐、作戦を承認する。ただちに実行したまえ」
「はい。シンジ君、レイ、鈴原君、攻撃内容は通達の通り。いい、連携と速攻が鍵よ。リツコ、
 そっちから虚数空間内の四号機に警告を。こっちは繋がんないのよ」「やれやれ、仕方ないわね」
「零号機、了解」「作戦て…これがなんか?」「ミサトさんだからね。…だから、上手くいくよ」
ジオフロントが比較的消耗度の低い兵器で援護弾幕を張る中、零号機、参号機、初号機が相次いで
荷粒子線の雨の下から飛び出した。ネオエヴァ二機がATフィールドに併せて広域虚数障壁を展開し、
三機が抜けるそばから後方防衛の穴を埋める。
「結局こんな役かぁ、俺たちっ!」「何言うとんのや、ワシらが守らんかったら味方は総崩れやろ!
 それにワシらのエヴァにはあんな滅茶な真似できひんて!」「わかってるって! 行ったぞ!」
476名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 16:00:45 ID:???
弾幕を盾にラミエルの射程圏中枢に迫った三機は、ほぼ一列縦隊で最小限の前影面積を保ったまま
猛砲撃の中に突入した。ラミエルの攻撃相が変わる。威力倍加した荷粒子線群が三機に集中した瞬間、
先頭の零号機がパワーを解放して大盾で全ての攻撃を受けた。全力で盾を支える零号機の後ろから
参号機が大跳躍し、やや薄くなった上空の火線の間隙を抜けて使徒のATフィールドに突っ込んだ。
光の翼が開かれ、参号機の咆哮とともに強固なフィールドに侵食の亀裂が走り始める。
「すごい…!」「行けるか?!」「ほな頼むで、シンジ!」
フィールド前面が割れ始めた一瞬、零号機の後ろから初号機が走り出した。参号機の強制中和に
抵抗しつつ、ラミエルが極大の砲撃を放つ。巨大な光芒は寸前で追いすがった零号機の盾に裂かれ、
その隙に参号機が一息に位相空間の亀裂を押し広げた。フィールド決壊の瞬間、突如空間が澱んだ。
領域境界の内側、ラミエルの直前にディラックの海が口を開け、高さ数百mに及ぶ広大な障壁面となる。
「最後の抵抗か」「予想通りよ!」「…綾波、トウジ、行くよ!」
初号機は虚数空間の奈落を前に、一気に光の翼を解放した。砕けるフィールドをなおも押し開き、
参号機がその場で身体を張る。初号機が跳ぶ。待ち受ける参号機の背を蹴り、軌道沿いに展延された
零号機のATフィールドに加速されて、初号機は黒い無光平面の縁を越えてさらに上へ、荷粒子砲の
死角たるラミエルの直上へ躍り出る。レリエルが再防御に回るより速くマゴロク・E・ソードが
抜き放たれる。
そのとき、ラミエルの正八面体の全稜線に光が走った。
477名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 16:01:35 ID:???
八つの青い輝面が一斉に本体から外れ、等距離をおいて宙に遊離したそれらの下で、白熱する
もう一つの正八面体の周囲に烈光が渦巻き、強制集束されて、初号機めがけ一直線に伸び上がった。
爆発的な荷粒子の輝きが宙に噴き上がる。
「…駄目、碇君よけて!」「間に合わないわ!」
一点へ縮小していくディラックの海の向こうで灼熱の光が炸裂し、そして、空間が深く響動した。
巨大なATフィールドが空間を一閃し、押し寄せる荷粒子の津波ごとラミエルを縦に両断する。
一拍おいて衝撃が地表を走った。逆流し一掃されていく空の光暈の中から、宙に深く屈み込む姿勢で
マゴロクを真下に振りきった初号機が姿を現した。身を起こすと同時に、力の余波をとどめた刀身が
異空間に消える。初号機は通常状態に戻った光の翼を揃え、地上に降下した。
と、宙に張りついたディラックの海の残片が大きく痙攣した。黒い平面上に初号機の斬撃痕が
白い筋となって刻まれている。虚数平面はその線を中心に急速にねじ曲がり、震えながら湾曲して
見る間に真っ黒な球体を形成した。着地する初号機の背後で白い亀裂が引き裂け、轟音とともに
裂け目からバイクにまたがった四号機が飛び出した。直後、黒球はそれが占めていた虚数空間の
一部ごと閉鎖され、内破し、完全に通常空間から消滅した。
初号機が立ち上がる。その隣で四号機が巨大な両輪を軋らせてバイクを止め、向かってくる
零号機と参号機とともに、直前の激震にもかかわらず無傷でそびえ立つ大神殿地上部に目を向けた。
京都後方では通常兵力による戦闘がほぼ終結しようとしていた。
478名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/25(日) 13:46:09 ID:???
職人アゲ
479名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/01(土) 21:12:36 ID:???
ichiou hoshu
480名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/08(土) 10:47:55 ID:???
保守
481名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/10(月) 11:09:11 ID:???
「あれが…ネルフのオリジナルエヴァ、ね」
「襲来初期に最も苦戦したっていうラミエルを、三機のコンビネーションとはいえ、ほぼ一撃で…」
「しかも敵が最後の防衛に回ることを見越して、レリエルも一緒にね」
「悔しがるのは後よ。私たちは、まずはこいつらを片付けなきゃね」
爆撃後の廃墟と化した京都南部。連携防御で全方位砲撃をしのぎきったK-1ゲリオン四機は、同じく
荷粒子の雨を抜けて体勢を立て直した次世代エヴァ三体と、改めて対峙していた。
「片付ける、だと…? 面白い。数が多ければ強気になれるようだな」
「いまだにエヴァを操縦してる第二世代風情が、パイロット同化型の俺たちと同等のつもりか」
「どうもわかってないようだな。俺たちにとって、お前らはただの喰いものなんだよ」
格闘強化型として統一整形されたK-1ゲリオンに比べ、第三世代である三体はより母体に近い。従来の
エヴァの造形だけでなく、ヒト型という制限さえも逸脱した奇怪な動体が四機を睨めつける。
共通して目立つ巨大な両顎の間から腐食性の唾液が滴り、焦土に異臭のたつ白煙をあげた。
「…この期に及んで食欲とは、どうやら頭ん中まで化け物になり果ててるみたいね」
「マトモな運用もできそうにないし、やっぱここで始末しとかなきゃ駄目ね。
 …数が多いから強気になってるですって? そんなの関係ない、全力で行くわ!」
K-1ゲリオン四機が流れるように身構えたとき、彼らの周囲一円が連続して吹き飛んだ。
トライラックスエヴァらはそれぞれに衝撃をかわし、体勢を立て直すと機敏に三方に目を向けた。
482名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/10(月) 11:12:11 ID:???
「全力とは、これは願ってもない言葉だな」
くすぶる廃墟の間から、ヒトとも思えない何かが愉快そうに片頬で笑って告げた。
「ああ。多少滑稽だが、実に意欲的だ」
「何しろ最終決戦だ、最低その程度の台詞は吐いても構わないよな」
凶悪な翼と甲冑の重い光沢がひらめき、もう二人が心底おかしそうに同意する。
「お前ら…例の『E』計画の連中か! ヒナ様が仰っていたぞ。旧東京に現れた三人だな!」
「何のつもり?! これはトライラックスの戦いよ、余所者に茶化される理由はないわ!」
いきりたつ両陣に向かって、紳士の形が軽く手を挙げた。
「それは了解してるさ。だから我々は参加者ではなく、審判でも勤めさせてもらおうかとね」
「要らぬ邪魔が入ってもつまらんしな。君たちだって存分に戦いたいだろう? 何しろ晴れ舞台だ」
「一世一代のな。ならば制限もあった方が面白い。戦力差はこちらで適宜調整しよう、ただし」
直後、三つの姿は脈打つ鋼の深紅に染まった。
「あまり不恰好にもたつく場合は退場だ。そうだな、我々の喰いモノとして」
同じ息づく深紅の巨刃が廃墟を這い回り、エヴァ全機を鋭利な動影でゆるやかに包囲する。
明らかな哄笑の響きに気圧され、トライラックスエヴァ列は一瞬躊躇した。
「キラ、どうする? たぶん言葉通りよ。本隊や他のエヴァの援護は頼れないわ」
「…援護の必要なんかないわ。反逆者の処置が、今の私たちの任務よ。誰が介入してこようとね」
「そっか。そうよね、ほら、向こうもどうやら同じ結論に達したみたいだしさ」
槍の脅威もしくは食欲に突き動かされ、次世代エヴァ三体は再びK-1ゲリオンに狙いを定めつつあった。
四機は深紅の三者を鋭く一瞥し、そして、うごめく敵エヴァに向かって一斉に地を蹴った。
483名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/16(日) 11:56:27 ID:???
ほしゅっと
484名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/22(土) 11:26:04 ID:???
ho
485名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/29(土) 11:05:21 ID:???
hoho
486名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/04(金) 10:13:34 ID:???
八月だな
487名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/07(月) 23:00:34 ID:???
ほおおおおおおおおおおおしゅ
488名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/08(火) 14:50:34 ID:???
遠い震動が暗い天井をかすかに揺さぶり、奇妙にぼやけた残響を残して闇に吸い込まれた。
警戒態勢を保って進んでいたスモーウォーカー六機は前後して立ち止まり、暗黒の大空間を見渡した。
大神殿地下構造の一部とおぼしい巨大な広間は、しかし打ち捨てられて既に久しいらしく、迎撃部隊の
気配はおろかはぐれ使徒蟲一匹いなかった。周辺は再び不気味に静まり返っている。
「こんな深いところまで届いてくるたぁ、今の衝撃は相当でかいぜ。地上で何かあったに違ぇねえな」
先頭に立つ指揮官格のスモーウォーカーが頭上を仰ぎ、大ぶりの両拳を握りしめた。
「何かって、一体何なのよぉ…この状況下で、変なこと言わないでよね、もう」
二番手についた赤い機体が頭部を向ける。紫の指揮官機は構わず前進を再開した。
「変じゃねえ。地上にゃ、ギーガー様率いる攻撃本隊がとっくに降下して教団を制圧中なんだぜ。
 大方今のも味方のだ、味方の。お前こそ妙な心配してるんじゃねぇよ。忘れたのか、今の俺たちの
 別働作戦は、そのギーガー様じきじきの命令なんだからな」
「そうでごわす! ラミエルのいる地上を避けて、地中から直接地下神殿に攻め込むでごわす!」
「まぁ、結界が消えて到着した本隊が、大佐の独断をそのまま認めてくれるとは思わなかったでごわすが…」
「独断と言やぁ頼もしげだが、本隊到着時に一度地上に出る辺りがどうにも中途半端だぜ。
 ま、おかげでネオ戦自先行隊を無事に本隊に合流させてやれたし、K-1ゲリオン二機は本隊の指揮下に
 戻せたし、こっちはこっちでギーガー様のお墨付きをもらえたわけだけどな」
「うるせえ、見てもいないのにわかったような口を利いてるんじゃねぇよ」
「もう、だからそれはわかってるわよぉ。アタシが言いたいのはね、だからって、また馬鹿正直に地下トンネルに
 戻って、方向もわからずに掘り進んだあげく、こぉんな訳わかんないとこに出てどうするのってことよ。
 これじゃ地下への攻撃経路を切り開くどころじゃないじゃないの」
489名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/08(火) 14:53:50 ID:???
赤いスモーウォーカーが追いすがり、大股に進む指揮官機にあえなく引き離された。他機がどやどやと続く。
「確かに、ここがおかしいのは認めるけどよ…トンネルから出たとたん機のレーダーもセンサーも利かなく
 なっちまって、本隊の通信ネットからも応答がねえ。まあそんなのは機械の故障だとしてもよ、俺にだって
 ここがやばい場所だってのはわかるぜ。だけど、それが何だってんだ? 孤立無援も単独行動もこれが
 初めてじゃねぇんだ。こうなったら敵にぶち当たるまで進むだけよ」
指揮官機は不敵に胸を張り、さらに速度を上げた。
「ずいぶん威勢のいいことを言うじゃねぇか、肺ガン野郎よ」
「敵の本陣を切り崩す手は多い方がいいんだ。それに教団の本体が地下にある以上は、どうせ誰かが
 先行しなきゃならなかったのさ。大体よ、トンネルに戻ったおかげでおめえを拾えたんじゃねぇか。
 なあ、バケツ頭よ?」
大きく上下に揺れる指揮官機の肩の上に、緑の装甲服に身を固めた人物が腰を下ろしている。赤い機体が
ようやく横に追いつくと、人物は大げさに両肩をすくめてみせた。
「…まぁ、正直お前らと合流できて助かったぜ。地上はそろそろ一人身じゃ動きづらくなってたしな」
「何言ってやがんだ。俺たちが見つけたときは、瓦礫の中で変身も解けてノビてたくせによ」
「黙りやがれ。その俺を、危うくスモーウォーカーで踏んづけそうになったのはどこのどいつだってんだ」
「まぁまぁ、喧嘩しないでよ。アタシたちが潜った頃は、もう本格的に敵のエヴァや使徒が出てきてたわ。
 今はご覧の通りの通信障害で、アタシの装備でもろくに上の様子は掴めないけどね…で、あんたの話だと
 『E』の攻撃部隊の連中もここに降りてきてると思っていいわけ?」
490名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/08(火) 14:55:19 ID:???
装甲服の人物は頷き、修理と再充電を終えたリストレーザーの蓋をパチリと閉めた。
「ああ。俺を襲ってきた奴は、正面突破する本隊からはぐれたか、援護担当らしかったからな。そんな奴が
 勝手に俺にちょっかい出すような真似をしてるんじゃ、本隊はそろそろ地下入りしてると見て間違いねえ。
 それと、ここに出てからはっきりわかったんだが…ここには今、エヴァより厄介な奴が入り込んでるぜ。
 この地下神殿がやばいってのとはまた別にな。それから、俺には個人的に追手がついてるらしい。地上で
 改造騎士や『E』の奴らとやり合ってる間に一度見失ったらしいが、今度はしっかり追跡してきてやがるぜ」
「…な、なんかやばいんじゃないのぉ、それって」
赤いスモーウォーカーが微妙に尻込みする。が、指揮官機は大いに肩をそびやかした。
「おいおい、今さら怖気づいてやがんのか? こいつは最終決戦なんだ、やばいのが総出で出てこようが
 何の不思議もありゃしねぇだろうが。むしろ望むところってもんだぜ」
「その通りでごわす! 今度こそわしらスモーウォーカー部隊の実力を見せてやるでごわす!」
ダークグリーンの装甲ヘルメットが小さく振られた。
「お前らは気楽でいいな…だが、違ぇねえ。おい、スモーカー、スティンガー」
「なんでぇ、改まって。『肺ガン野郎』じゃねぇのか」
「いいんだよ。…お前らともいい加減腐れ縁だが、ここまで来たら一蓮托生だ。正直、今回ばかりは
 この俺にもどうなるかわからねぇが…それを覚悟で、地獄の底まで付き合ってもらうぜ」
「何よもう! そんなの当たり前じゃないの、あんたとアタシの仲なんだから」
「おめえと一連托生なんざ願い下げだがな…仕方ねえな。おい、落ちても拾ってやらねぇぞ」
「馬ー鹿、こんなデカいエヴァから誰が落ちるかよ…っと、よお、ようやくお出迎えが登場したみたいだぜ」
エヴァ・フェットの声が鋭くなると同時に、スモーウォーカー六機はその場に立ち止まった。
491名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/08(火) 14:56:14 ID:???
闇に覆われた広間の突き当たりに、さらに暗い漆黒の壁がそびえ立っている。壁の中心に人影が浮かんでいた。
スモーカーの指揮官機が一歩にじり寄り、油断なく全身で構える。
「…おっと、いきなり中ボスクラスか。
 宙に浮くたぁ大層なご登場だ。すっかり教団幹部が板についたんじゃねぇか? クローリー・ヒナ」
どこかに隠された光源からの輝きが人影を照らす。闇を抜けた人影は挑発的な黒いプラグスーツ姿を晒し、
白い喉を見せてあでやかに微笑んだ。
「あなたこそまた一段と下品になったみたいじゃなくて? スモーカー君。
 でもわたくしは教団幹部などではなくてよ。教団はわたくしに協力してくれているだけ。わたくしは
 あくまでわたくしとして、わたくしの望みのために動いているわ」
「ハッ、いい気なもんだぜ。傍目から見りゃあ、おめえこそ教団に縛られてるんだよ。がんじがらめにな」
クローリー・ヒナ・バーベムは優雅に顎を反らした。
「縛られている? とんでもない。…縛るのは、このわたくしよ」
背後の黒い壁が垂直のまま非固体化し、直後、長大な半透明の鎖の束が重い軋りをあげて宙に伸び出した。
渦巻く鎖の輪を従え、ディラックの海から銀色のスモーウォーカーが歩み出る。ヒナはその頭頂に立っていた。
機体がゆっくりと頭部を下げ、後背部からエントリープラグが突き出す。
「あのときの鎖か…だがな、たった一機だけで俺たちスモーウォーカー部隊を止めるなんざ片腹痛いぜ」
「あら、一機ではなくてよ」
492名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/08(火) 14:57:11 ID:???
ヒナの乗り込んだスモーウォーカーがうごめく鎖の群れを引き絞る。その隣に再びディラックの海が開き、
もう一体のエヴァらしき巨影が現れた。エヴァ・フェットが嫌悪の声を発する。
「お前は…ミゾロギ! その姿…お前、自分がどうなってるのかわかってやがんのか?!」
「そうだよ〜ん、君にはすぐわかっちゃうんだったね〜。これが新しい僕ちゃん、ミゾロギ・サンダルフォンさ!」
影から歩み出たエヴァは既にスモーウォーカーの形を失っていた。サンダルフォンの分厚い頭甲が機体を呑み込み、
堅固な装甲となってもう一対の使徒の腕を構えている。腕の先に開いた鋭い鉤爪が宙を泳いだ。それを合図に、
マトリエルに似た奇怪な物体がわらわらと背後の暗闇から群がり出た。
「これはご存じ僕ちゃんの分身だけど、こいつらもサンダルフォンの力でパワー・アップしてるからねぇ〜。
 だんだん使徒の力の使い方ってやつがわかってきてさぁ〜」
二機の異形のエヴァに向かい、スモーウォーカー部隊はじりじりと半円を描いて陣を整えた。
と、指揮官機が一歩退いてエントリープラグを開放した。ずんぐりした腕が肩のエヴァ・フェットを庇う。
「おいバケツ頭、中に入ってろ。こいつはエヴァ戦だ。おめえを振り落とせずに戦える保証はないからな」
「何?! なんで俺がそんな狭いとこに…くそ、わかったよ」
エヴァ・フェットは瞬時に状況を判断し、素早くハッチの中に飛び込んだ。指揮官機は再び頭を上げた。
「準備はよくて? スモーカー君、今度こそわたくしが捕まえてあげるわ」
「うるせえな、自意識過剰女。いい加減おめえに現実ってやつをわからせてやる」
暗闇に、鎖と分身使徒の群れが咆哮をあげた。
493名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 06:53:42 ID:???
hoshu
494名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 22:28:02 ID:EmVJdG/9
age
495名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 11:33:52 ID:???
ho
496名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/31(木) 10:51:21 ID:???
h o
497名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/31(木) 11:04:58 ID:???
m o
498名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/05(火) 11:29:32 ID:???
45
499名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 12:17:28 ID:???
来年になっても終わらなかったらただのバカ
500名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 12:00:48 ID:???
確かに
501名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 16:37:20 ID:???
続きが楽しみ
502名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/20(水) 12:54:52 ID:???
ラミエル・レリエルの複合砲撃が消滅したことにより、大神殿近傍他の一部を除き、京都戦域は自動的に
ネルフ本部を擁するジオフロント及びノンシップ『ポウル・ウスル・ムアディブ』の制空下に入った。
二大空中要塞とも呼ぶべき両者はともに10kmを優に越える有効射程圏を持つ。ジオフロントは赤い狭湾に没した
旧長岡京上空、ポウル・ウスル・ムアディブは旧桂川・鴨川合流点付近に当たる艦船遡上限界点に停泊中の
オーヴァー・ザ・レインボーの直上右翼にそれぞれ位置を固定し、今や複数のエヴァの戦場と化した京都市街の
事実上の攻略側本陣となっている。その上空支援のもとに、ネルフ+トライデント、そしてネオ戦自陸戦機動隊と
連携するトライラックス本隊は、既に五条通以南を完全に制圧下においていた。状況が敵エヴァ及び使徒との
大規模戦闘に移行した現在、エヴァ以外の戦力はいったん京都駅付近まで後退し、慌しい補給を受けたのち
敵大戦力の集中する大神殿正面を避けた迂回ルートでの進攻に移っている。
「旧京都御苑まで直線距離にして残り3.5km。そして、人工進化研究所があると思われる北山山麓までは7km。
 …かつての第三新東京市と同スケールの戦場なのだな、ここは」
ノンシップが落とす巨大な影を抜けて、グレーのK-1ゲリオンが反重力飛行していく。盆地を囲む山並の前面は
度重なる熱波と衝撃に灼かれ、強い日差しの下に累々と赤茶けた姿を晒している。確保され無人となった街区は
硝煙をあげる瓦礫の堆積に変わり、黒焦げの木立の間に、露出した地下装甲が溶けた鏡のように覗く。
グレーのK-1ゲリオンはくすぶり続ける廃墟の連なりを越え、ラミエルの直撃を喰らってぽっかり開けた
街の空隙を覗き込んだ。崩落した建材の折り重なる下に、全身に煤塵を浴びた赤いK-1ゲリオンが何かを
強く抱きしめるようにうずくまっていた。グレーのK-1ゲリオンは音もなくその場に降下した。
「シヴァ少尉?」
規定周波で呼びかけると、赤いK-1ゲリオンは緩慢に頭をもたげ、間近に立つ友軍機を視認した。
「…『ユミール』…フウイ・ノ・レイ、様。
 …砲撃は、終わったんですね。あたしは…命令違反で懲罰ですか」
503名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/20(水) 12:56:17 ID:???
ビルの残骸の中から機体が立ち上がる。溶けて歪んだ鉄骨が音をたてて地面に没した。機体の操縦は
まだしっかりしているが、機の両腕は力なく垂らされ、パイロットの放心をさらけ出している。
グレーのK-1ゲリオンは頭を巡らし、巨大なクレーターとなった彼方の旧京都大学跡を見やった。シヴァ機は
あそこで行われていた局地戦闘から離脱した後、猛砲撃の下を単機でここまで逃げのびてきたらしかった。
フウイ・ノ・レイ機は再び背後を振り返った。母艦であるノンシップまで、強行突破できない距離ではない。
そのまま少し間があいた。熱風が舞い上がり、シヴァ機に厚く積もった灰を吹きなびかせた。
「…そうではない。
 ただ…戦闘のさなかに何を見、何を体験したにせよ、我々はトライラックスのパイロットであって
 個人ではない。そなたと二人だけとは言え、今は私の指示に従ってもらわねばならないぞ」
シヴァ機は黒煙のたなびく京都を見渡した。炎天下に遠く友軍の銃砲声が響く。
南の戦闘はほぼ終息し、攻略側の進撃も統制のとれたものになりつつある。が、全てがではない。
「戻るぞ、少尉。我々の次の目標はあれだ」
機の灰色の腕が指さす先には、生々しい深紅の影に包囲されたトライラックスエヴァたちがいた。
駐日艦隊とともに離反した新型三体と、本隊の僚機たちが急ごしらえの舞台で勇壮に対峙している。
その異常な劇場性に、赤いK-1ゲリオンは一瞬躊躇した。
504名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/20(水) 12:59:04 ID:???
「彼女らに助勢して速やかに新型機を制圧、彼女たちともども回収し、本隊に戻す。
 教団や『E』計画の意向はどうあれ、これは現実の戦闘なのだ。彼らを見世物にするわけにはいかぬ。
 行くぞ、シヴァ少尉」
グレーのK-1ゲリオンは濃い影を残して浮揚し、シヴァ機を振り返った。機はその場に立ちすくんでいた。
「どうした?!」
「…申し訳ありません、フウイ・ノ・レイ様。
 約束…いえ、どうしても行かなければならないところがあるんです。少しだけど、関わってしまったから。
 必ず戻ります。だからそれまでは、…K-1ゲリオン『ハヌマーン』、いま少し、独自に行動します」
赤いK-1ゲリオンは眼光の戻った頭を上げ、フウイ・ノ・レイ機を見据えた。両腕が自身の上体を守るように
緩く胸の前でたわめられている。そして機は唐突に離陸し、制止の間もなく一気に増速して飛び去っていった。
機体の巻き起こした風に黒く白く灰塵が舞った。
「よせ! …シヴァ少尉、敵機との接触は禁じられているのだぞ! わかっているのか!」
上官機の叱声は空しく回線の空電に呑まれた。赤いエヴァは振り向くことなくまばゆい空に消えた。
すぐに後を追おうとして、フウイ・ノ・レイ機はふいに宙で身をこわばらせた。
鋭く振り返る。何の前触れもなく、戦域は次のステージへ移行していた。
「…あれは」
攻略サイドの共有通信系に動揺が走る。
臨戦態勢に移行した初号機らの前、そして大神殿地上建築へ援護砲撃を加えようとしていたノンシップの正面に、
かつて死海文書に記されることのなかった、イレギュラーたる二体の使徒が出現していた。
505名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 10:59:43 ID:???
恒例の保守
506名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/04(水) 23:26:36 ID:???
あれから四年たった保守
507名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/10(火) 11:15:27 ID:???
hoshu
508名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 12:07:33 ID:???
hoshu
509名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/20(金) 07:59:11 ID:???
ほす
510名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/26(木) 08:32:21 ID:???
hoshu!
511名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/31(火) 11:32:24 ID:???
懲りずに保守
512名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/05(日) 12:03:35 ID:???
hosu
513名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/09(木) 11:16:07 ID:???
まだ保守
514名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/14(火) 12:01:16 ID:???
今日も保守
515名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 16:31:11 ID:TxIwoXMA
なにこの良スレ

516名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/23(木) 11:39:08 ID:???
二ヶ月経っちゃったけど保守
517名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/27(月) 11:24:29 ID:???
保守
518名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 13:12:27 ID:???
京都大跡のクレーター中央大亀裂、そのさらに地中深部。
便利屋スズキのエヴァ伍号機と第三使徒サキエルの戦闘は、地中へ続く縦穴周辺を大きく破壊しながら
激しさを増していた。使徒の白い仮面の頭部には亀裂が走り、対する伍号機は機甲化腕の破損度が限界を超えて
露出した内部機構が空転している。エヴァ本体も消耗にS2機関が追いつかず、徐々に動作が鈍ってきていた。
鳴動する空洞の薄闇の中で、両者は重苦しい間をおいて激突し、退き、再び激しくぶつかり合った。
「…損傷度警告がうるさいな。まほろさん、伍号機はまだ保ちそうか?」
「増設機構系統はそろそろ物理的に限界です。右腕部分はまだ動きますが、予備電力はもう底をついています。
 今はS2機関からのエネルギー流用で補っていますが、仲立ちとなる時田変換機構の処理限界まで、約3分です」
「そろそろ決着をつけるか、…しかしその時田機構というネーミングは何だ? 時田社長のことか?」
「はあ、日重工本社の人事部長さんの命名らしいのですが」
「…まあどうでもいいな。周辺地形再確認、残る全動力をパイルバンカーに集中。この一撃で勝負に出るぞ」
「はい! シリンダー内液体火薬充填完了。発射後7.5秒で残量の強制再装填と主ユニット緊急切除準備よし」
「了解。…さていい加減に終わらせるか!」
使徒がひびわれた顔を振り向け、伍号機の機甲化腕が最後の唸りをあげる。
動力停止寸前の機構群が寸分も狂わぬ制御演算で最大限の出力を引き出され、スズキの操縦と一体化する。
両者が体重移動するだけで脆い瓦礫の足場は崩壊する。伍号機は神業のような機体制動で一気に距離を詰めた。
倍する使徒の巨躯から長大な腕が振り出される。伍号機は寸前でそれを流したが、使徒はその勢いのままに
大きく縦穴の反対側へ移った。間合いが狂う。同時に頭上で新たな崩落が始まった。一瞬注意を割かれた
伍号機を、向き直った使徒の光のパイルが襲った。
519名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 13:13:59 ID:???
白熱した光の槍が縦穴周壁に激突して装甲層を融かし、堆積土壌を消し飛ばす。
と、もう一振りの槍が土煙の渦を割った。
瞬間燃焼させた液体火薬で極限まで加速された合金杭の貫突。猛烈な排気炎をまとったパイルバンカー尖端は
使徒の外胸骨と強靭な体組織の層を貫き、コアの奥深く食い入っていた。
吹き払われた埃幕の内から、使徒に半身組み付いた伍号機が姿を現す。背甲の増設バーニアは最後の加速で
伝導部ごと焼き切れていた。
伍号機はその体勢のままさらに右腕に力を込めた。破砕する部品が舞う中、コアの亀裂が音をたてて広がる。
使徒が異様な絶叫を放つ。暗色の体組織が変化し、突き立った金属杭を呑み込んで球形を取る。
「やはり自爆する気か! まほろさん!」
「はいっ!」
緊急コードを受けて、伍号機の右腕機甲化部位全体に仕込まれた爆裂ボルトが一斉に発火し、エヴァ本体から
パイルバンカーを物理切除する。瞬間、シリンダー内の残余火薬が引火して使徒もろとも巨大な火球と化した。
ATフィールド中和状態の伍号機を爆心の極熱が直撃する。同じ爆風が、埋まりかけていた縦穴を開いた。
「…くっ! まほろさん、使徒は!」
「コアの消滅を確認しました…! 補助電力ゼロ、切り離しには成功しましたがしばらく行動不能です!」
「活動限界か?! 下にはランドマスター隊がいるんだぞ、…くそっ、動け動いてくれッ!」
轟音。衝撃が縦穴を上下方向に駆け抜ける。不安定な瓦礫の累壁が決壊し大質量の滝となって空間を埋める。
その混乱のさなかを、停止した伍号機は一直線に闇の底へ落下していった。
520名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 13:48:38 ID:???
地下道を吹き降りてきた熱風と震動は、一分ほどでおさまった。
竜型エヴァの長躯の陰に退避していたランドマスター隊の二車両は、転落する瓦礫の量が落ち着くのを
さらに数分待ってから進行再開した。竜エヴァは爆風の原因を探りたがるでもなく、静かに一行に従い、
足場が危うい箇所では先に回って誘導する。
「確かに味方、ですね。我々を認識してるとしか思えない」
「この地下の縦穴、こいつがここまで開けたんでしょ? それで道案内まで?」
「問題はこの道がどこまで続いてるか…曹長、相変わらず深部のレーダー像は駄目か?」
「白紙状態です。道なりに進むか、偵察を出すかでもしないと…おい、上等兵、勝手に動くなよ」
「地上の本隊、およびエヴァ伍号機との通信も不調のままであります」
「…このまま進もう。さっきの使徒が目標施設の防衛だとしたら、このエヴァはそこにたどり着いた
 上で、使徒に押し返されてきた。必ず行けるはずだ」
「了解…ん、エヴァが…?」
ふいに竜エヴァが前方を睨み、隊を守るように低く身を下げた。
「あ…進路上に動体を多数感知! 全て同種の物体のようであります!」
「全員、装備確認。…落ち着け、ミソラ少尉。多数とはどの程度だ?」
「それが…多すぎて把握できないのであります!」
前方、地下傾洞の先で闇が膨れ上がり、ほどけて押し寄せてくる。黒い津波はすぐにライトの輪の中へ到達した。
使徒蟲。ミミズ程度から、人の腕の太さを優に越えるものまで、無数の同形の蟲が大群となってうごめき流れていく。
隊に緊張が走ったが、竜エヴァはさほど警戒する様子もなく身を起こした。
よく見ると蟲群はこの地下道を登っているのではなく、岩壁や装甲層の隙間へ潜り込んでいくのだった。たまに
はぐれ蟲が竜エヴァの脚や車両に突き当たっては引き返す。
一行はしばらく大移動の様相を見守っていた。
蟲の流れは止まる様子もない。やがて竜エヴァが蟲群の上に無造作に足を踏み出し、隊も続いた。
「出迎えではないようだ。だが、これだけの量が地下にいたとは」
「教団の中枢が近い、ってことかもしれませんね。にしても、一体どこに向かってるのかしら。
 方向からして地下の、別のどこかってこと…?」
「詮索は後だ、少尉。…しかしこれが、残り時間が少ないという意味でなければいいが。急ごう」
521名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/06(水) 11:52:39 ID:???
さてと保守
522名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/09(土) 12:03:40 ID:???
保守
523名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/14(木) 09:39:20 ID:???
馬鹿?
524名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/19(火) 13:00:52 ID:???
大神殿地下、錯綜する分岐空洞列。
ヒトへの使徒能力移植実験の初期被験体となり、以後も教団の虜囚として無期限の重労働を強いられた
“失敗例”たちが自らの未来を賭け一斉蜂起してから、既に一昼夜余りが経つ。
叛乱は制圧された。実行したのは彼らを累積結果として完成された使徒化兵力・改造騎士団の、更に
その中から選りすぐられた精鋭班である。事実上ヒトと大差ない身体条件と、密かに盗み蓄えていた
限られた通常武器しか持たない叛乱勢は一方的に殺戮され、逃げのびた集団は捕らえられた。掃討中に
空洞列を揺るがした戦闘衝撃により、複数地点で大規模な落盤が起こり、死体の群れを潰砕した。
「すっかり片付いたね。上もそろそろ頃合いだし、よくやってくれたよ」
鎮圧を終えた騎士たちが拝跪する。司教第参次席は楽しげにその前を過ぎ、まだ息のある叛乱首謀者の
薄汚れた顔を覗き込んで笑った。
「君たちを焚きつけた…救世主の使者、だったかな? あれはエヴァ・フェット。金で動く傭兵だよ。
 決戦に備えて、ここの破壊工作に潜り込んでたのさ。今は脱出して、上の街。君たちを置いてね」
見捨てられた者たちの指導者は、半ば血に塞がれた目を上げ、司教を睨み据えた。
「構…わぬ。…あの方は…我々に、希望を見せてくれた。あの方が去っても、我々は決して屈さぬぞ…!」
「そう? それは楽しみだね。何しろ、この後は君たちの番だからね」
微笑し、司教が向き直った先にはこれも無力化され捕らえられた侵入者たちがいた。癇の強い女軍人が
青い晶質の腕で甲冑の男の側頭部を掴んでいる。血の塊が滴った。隣の屈強な大男の足下には、同じく
ぐったりした若い女が一人うずくまっていた。司教は身を屈め、目を合わせた。
「残念ながら、再会だね。そちらの彼も。こんなに早いとは思わなかったけれど」
525名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/19(火) 13:03:48 ID:???
「一応、まだ生きてます。強化外骨格の反応も今は低調だけど、健在ですわ。ご命令通りに」
青くきらめくラミエルの女は焦れたように身体を揺らす。大男は頑丈な両腕を組み、あくびを洩らした。
「せっかく、この俺の装甲の限界を試せるかと思ったんだがな。…で、どうします。こいつらの始末は」
司教は漠然と頭上を指した。
「すぐわかるよ。…遅れて悪かったね。勝手に出て勝手に崩された同類を拾ってくる必要があってさ。
 まあ、おかげでここの正確な座標が掴めた。本当にちょうどいい場所で終わらせてくれたよ。
 …ん、ここの他にも戦闘中の箇所があるのかい? これは…そうか、彼らには別に上がってもらうよ」
畏まる騎士たちを見回し、司教はふいに大きく口元を引き歪めた。一瞬歯列を剥いた大顎の印象が重なる。
「さてと。鎮圧任務は完了、君たちにはもっと派手な見せ場を与えるよ。こいつらと一緒にね」
「この出来損ないの屑どもと…? どういうことですか、司教様?」
甲冑の男の首を掴んだまま女軍人が問うた。と、男が顔をねじ上げた。大量の吐血が岩盤に弾ける。
ん、と目をやる大男の下で、若い女がはっとしたように表情を取り戻した。
「…ハガクレカクゴさん! 生きてんの?! 動いちゃ駄目よ、今は!」
ほとんど瀕死の重傷を負った男、いや少年の眼光は、だが激痛にかすみながらも鋭かった。
「……メンチ、さん…すまぬ。だが…この、凄まじい邪念…貴様、この人たちに…何をする気だ…?」
「次の出し物さ。あと8秒程度でラミエルが倒れるからね」
司教は愉快そうに視線を投げ、そして頭上を仰いだ。数秒後、地上からの激震が岩窟の天蓋を揺るがした。
初めて騎士たちの間に動揺が走る。
司教は派手な含み笑いを洩らした。瞬間、司教の背後に開いた空間隙から不定形の奔騰が飛び出した。
526名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/19(火) 13:05:05 ID:???
岩窟全体に白い生物粘性の組織が滴り始める。同時に岩盤のあらゆる亀裂から無数の使徒蟲が溢れ出し、
包囲された騎士と捕虜たちの上に、微細な胞子が濃密な霧となって立ちこめていく。それらは異物に接触すると
即座に爆発的な侵食を開始し、生体屍体を問わず取り込みながら、中央に蠢く渦動めがけて集束していった。
恐慌が場を呑んだ。無力な抵抗と叫喚が折り重なる網状菌膜の下に消える。黒々と密度を増す蟲の奔流の底で、
使徒能力ごと解体されながら、女が悲鳴をあげた。
「これは…使徒、バルディエル…?! 私たちまで?! …司教様?!」
宙に佇み、司教は今や嘲笑を隠そうともしなかった。
「生きてく意味もない生なんだろう? 存続する価値もない世界なんだろう? 自分でそう願ったんだろう?
 だからフォースインパクトを望んだんじゃなかったのかい?
 舞台下の騒動は終わりだよ。君たちは一足先に一つになるのさ。この、哀れにも名前のない使徒と一緒にね」
行き当たる全ての有機体を取り込んでいく使徒の中心で、再び空間が裂け、もう一体の使徒が出現する。
人々の恐慌に新たな恐怖の色が増した。生体侵食に加え、精神を暴き記憶を喰らう苦悶が拡大感染していく。
<覚悟! 覚悟、意識を集中しろ! わずかでも己の意志を見失えば、精神を使徒に取り込まれるぞ!>
「…承知…!」
重い身体で抗いながら、葉隠覚悟はバルディエルの奔流で鎧いつつある使徒を見据えた。騎士も叛徒も蟲群も、
打ち捨てられた銃も潰れた死体も瓦礫も崩落した岩盤も、侵食に呑まれた他フロアのわずかな生存者までもが、
長い突起部を垂れた黒い異相の使徒へ強制癒合されていく。
かろうじて探り当てたメンチの手を強く握りしめ、覚悟は司教の声を聞いた。
「さあいいよ、第弐。奈落から上げてくれ」
直後、トライラックス爆破工作隊の仕掛けた全N2爆弾が、精確に爆破方向を制御されて一斉に炸裂した。
527名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/19(火) 13:24:47 ID:???
京都地上部、旧御苑。京都中央を守るラミエル・レリエルの消滅、及び他区域での戦況安定を確認した攻略側が、
いよいよ教団本拠への突入準備に移行したときだった。
大神殿を包囲警戒していた初号機らが突然臨戦態勢に移行した。同時に、使徒殲滅時にも微塵も揺るがなかった
大神殿地上建築が底深い震動を発した。地下からの増圧に、装甲された地表全体が不気味な音をたてて軋む。
「…N2か。全隊後退」「突入中止! 全部隊、いったん安全位置まで退避。どうやらお次が来るみたいよ」
「地下深部より、大質量物体が浮上中! …分析パターン、青!」「次の使徒?! 残るは、第十三使徒のみか?」
「いや、バルディエルだけじゃない。他に二つ…だが、使徒だ。これは…まさか、…碇司令!」
「確認した。全機、備えろ。レイ、出現と同時に出力最大で走査。…恐らく奴の、使徒を使った仕掛けの総仕上げだ」
「後方、ノンシップ前方に空間変動! 座標確定、こちらにも巨大物体が出現します!」
「後ろを狙った…?!」「大丈夫、後衛は我々でカバーするわ。ミサト、そっち、しばらく預けるわよ」
攻撃側が態勢を切り替えた直後、大神殿が開いた。
地下各所に設置されたN2が咆哮し、装甲最上層までが瞬時に熔解して白熱の融体と化した。地底空隙へなだれ落ちる
緞帳めいた金属流の中から、異様な生物的鳴動とともに大神殿そのものが隆起し、変容し、現れる巨体に合一していく。
エヴァ全機から、ついで共同通信系全体を、強烈な嫌悪と悲愴が走った。
528名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/19(火) 13:25:54 ID:???
京都中央に、具象化された人の悪夢が立ち上がる。
死海文書のイレギュラーとされた使徒の体表に、かつては信徒たちの通った柱廊や聖所や彫像群が、蠢く使徒蟲の
渦とともに癒着している。複合体を維持しているのはバルディエルの侵食性粘菌組織。そして縫い込められているのは、
裏切られた絶望と融合の恐怖に顔を歪めた、京都の人々だった。
彼らの記憶と内面を喰らい、蟲群の大量の使徒因子を吸収し、黒い使徒は更に変容を続ける。ヒトと使徒の混在する、
生きてざわめき続ける地獄。そこにはただ死ではないというだけの生しかなかった。
「…なんて、ことを」
「…碇司令。この分析結果が正しければ」「…わかっている。…全機、迎撃用意」「!」「…父さんッ!」
「我々がイヤだと言えば止まってくれる相手か。違うだろう。少なくとも今は敵だ。…今はな。味方を守れ」
「く…トライデント両機、高機動戦闘用意。御苑と後方、二使徒が動き出すわ。挟撃される前に、友軍を誘導します。
 …全部隊へ。再度、戦闘配置」「…、了解…!」
重い動作で、けれど次々にエヴァ各機が構えていく。
そして聳え立つ阿鼻叫喚が、その内の人々なる未曾有の恐怖の命ずるままに、行動を開始した。同じ人間たちへと。
529愛読者:2006/12/19(火) 17:40:23 ID:???
取り合えずage
次は来年の1月くらい?
530名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/25(月) 11:05:57 ID:???
hoshu
531名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/28(木) 13:22:45 ID:???
test
532名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/01(月) 17:02:58 ID:???
新たに出現した使徒とエヴァ各機が対峙する大神殿跡から南へ約7km。ノンシップ『ポウル・ウスル・
ムアディブ』は、その直下の空母オーヴァー・ザ・レインボーとともに、突如もう一体の使徒の襲撃に
晒されることとなった。単独狩猟性の昆虫を思わせる流線型の使徒は、御苑の一体と同じく全身に無数の
使徒蟲を絡みつかせている。その因子から体現された複数の使徒能力が、元来の俊敏さに加えて全身を
大威力武装と化し、単体ながら攻撃は熾烈を極めた。更に、掃討はエヴァや巨大兵装以外の部隊にも
無差別に及び、周辺の攻略側進入経路、補給線はたちまち分断された。艦体を盾に敵火線を引き受けた
オーヴァー・ザ・レインボー、機体限界超過で展開したネオエヴァ二機、そして撃墜の危険を顧みず
戦域上の超低空飛行を敢行した飛行船エンタープライズの虚数回路障壁により、かろうじて防衛線後退に
成功したものの、トライラックス本隊を中心とする攻略側主力部隊は全面的な撤退を迫られつつあった。
御苑の目標牽制に戦力を割かれたジオフロントよりの弾幕は高機動する使徒に届かず、急遽用意された
ノンシップの主砲狙撃は、確実に目標ATフィールドを貫きながらも、本体には有効打を与えずに終わった。
その後両者により数度試みられた反撃とその結果分析を経て、目標の事実上の無限活動、即ち不死身に
近い状態が確認された。目標使徒は活動中枢にして唯一の弱点であるコアを体外に分離しており、それを
見つけ出さない限り本体は倒せない。だが、もはや通常兵力の展開が不可能な今、戦域のどこにあるかも
わからないコアの位置特定など絶望的な話だった。
トライラックス本隊は即座に残る全エヴァの投入を決定。ノンシップ及び地上部隊をATフィールドで
防衛しつつ、K-1ゲリオン全機で目標を包囲し、その攻撃を一定範囲に抑え込む作戦に出た。御苑の一体が
N2の火球の下から現れた以上、戦域内を広域爆撃する程度ではコア消滅は望むべくもない。唯一の頼みは、
現状で最高の統合処理能力を備える本部MAGIの分析と判断である。長期戦が覚悟された。
533名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/01(月) 17:06:53 ID:???
京都南部。“Longinus”によるK-1ゲリオン四機及び次世代機群の包囲、もしくは演出劇は続いている。
単身彼らのもとに急行しようとしていたフウイ・ノ・レイ機に、新たな使徒出現に対応して本隊からの
帰還命令が入った。攻撃量で勝る使徒を抑えるには一機でも多くのエヴァが要る。だが行動中の全機が
本陣まで後退しては、包囲された小隊は御苑の使徒の攻撃範囲内に孤立することになる。
躊躇するフウイ機に、母艦からの直信が繋がった。
「フウイ、戻るのだ。地下神殿を目前にした今、後方を崩される訳にはいかん」
「ギーガー様…?! しかし、それではキラたちが取り残されてしまいます。単独行動の私ならば…」
「いや、お前はエヴァの指揮を任せられるただ一人の人間だ。ただちに母艦に戻り、隊を支えてくれ」
「…?! まさか…いけません、グランドマスター自ら出撃されるおつもりですか?!」
「今でなければ駄目なのだ。彼女たちへは責任がある。それを果たしたいのだよ」
槍の動きを注視していたフウイ機は、ふいに鋭い動作で母艦の方角を振り返った。
「…、無礼を承知で申し上げます。バンダロングの件はギーガー様の責ではありませぬ。非は全て、
 彼女たちを弄んだ委員会にあるのです。あなた様がなすべきは、ネルフとともに、全ての元凶たる
 委員会を追いつめ、この戦いを終わらせることではないのですか!」
翳り始めた夏空を仰ぐ灰色のK-1ゲリオンの後方、ノンシップの蜃気楼めいた巨体は戦火に覆われている。
前面、御苑では人の知覚では直視不能なほどの苦悶と嘆きが使徒となって蠢き、苦闘する初号機らを
追いつめている。まがまがしいだけの武装として再現された使徒たちの可能性が、戦域を蹂躙していく。
「…すまぬな、フウイ。全員を生きて帰す。それがノヴァたちへのせめてもの手向けだ。…頼む」
一瞬彫像のように宙に立ちつくした後、フウイ機は迷わず機首を巡らせた。全速で母艦へ向け転進する。
重力場の変化が一帯の廃墟を打ち、崩れかかる焼け跡を使徒の光線が消し飛ばした。機は光弾の雨を抜ける。
「…この局面で指揮権委譲など、私は御免被りますぞ!」
「心配致すな。すぐに戻る。しばらく、頼むぞ」
急減速した灰色の機体がノンシップ外殻に滑着する。同時にもう一体のK-1ゲリオンが、戦場へ発進した。
534名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/06(土) 11:38:34 ID:???
いつものように保守
535名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/11(木) 09:04:48 ID:???
保守
536名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/14(日) 20:30:26 ID:???
>>532-533
おっ、いよいよギーガーも出陣か。
ギーガーってガーゴイルに比べると
ヘタレな雑魚悪役っていう印象があるけど、
この物語の中では結構キャラ立ちがいいよな。
537名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 10:12:48 ID:???
test
538名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 10:15:08 ID:???
旧大神殿地下構造深部。暗闇に閉ざされた大空洞の底で、スモーウォーカーが激突を繰り返す。
スモーカー大佐率いるスモーウォーカー隊は、クローリー・ヒナ・バーベムの操る精神鎖の乱舞と
ミゾロギの分身使徒群の猛襲を前に敢闘を続けていた。導入第二世代として養成されたK-1ゲリオン隊に
対し、第一世代のスモーウォーカー隊員たちには技能修練期間と呼べるものはなかった。機体自体も
量産体制の確立と操縦汎用性を優先に開発されたため、後に改良を重ねたものの、近接格闘戦能のみが
整備されている。それは対峙するヒナとミゾロギの機も同様だが、彼らには異能と使徒能力があった。
「孤立、敵増援の可能性大、しかも現在位置不詳。乱闘やってる余裕はねえ。直接頭を叩くしかねぇな」
「ああ。よりによってお前となんざ面白くもねぇが、俺もそっくり同じ考えだぜ、部隊長さんよ」
「へっ、百戦錬磨の伝説の傭兵様と同意見たぁ心強ぇな。あいつらが踏ん張ってるうちに仕掛けるぜ。
 変な思考ノイズ出して邪魔するんじゃねぇぞ。スティンガー、ちっとばかし頼むぜ!」
紫のスモーカー機は巻き上がる土埃の渦を裂いて飛び出し、一気にヒナ機を目指した。半非在の鎖が
一斉に向きを変え、襲いかかる。スモーカー機は鈍重な外観とは裏腹な機敏さで鎖の奔流を遡り、
立ち塞がる分身使徒をはねのけ、幾本かの鎖に機体を絡めとられながら、全力でヒナ機に突っ込んだ。
硬質の軋りをあげて巻きつく鎖の渦の中で、二機が拮抗する。
「大佐…!」「大佐!」「ヒナ嬢様! くそ、お前ら、僕ちゃんを離せ! …エヴァごと潰されるんだぞ?!」
「馬鹿、機体がばらばらになっちまうぞ! それに他の奴らは!」「…うるせえ! 少し黙ってろ!」
全鎖束が実体化し、装甲を射抜き、じかに素体を貫通する。うち一本はエントリープラグをかすめた。
それでも退かない指揮官機の気迫に、初めて、銀色のスモーウォーカーは怯んだ。
539名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 10:15:55 ID:???
「…こんなはずはないわ。あなたは苦境に耐えられる男ではないはずよ。いつだって弱くて、無様なはず」
「ああ。俺は何もできねえ男だよ。何をやっても駄目で、見栄ばっかりで…自分で厭になるぜ」
「なら…いえ、そう、では罰してやるわ。…あなたなど、わたくしに縛られて喘いでるのがお似合いよ。
 また痛めつけてあげようかしら。昔のように、惨めに許しを乞うまで!」
「そうだ。…俺は何もわかっちゃいなかった。お前がなぜ周りの人間全員を見下して毅然としてたのか、
 なぜ近づいてくる男を虜にしちゃ次々弄んで捨ててったのか。なんであんなに攻撃的だったのか。
 そのお前が、どうして俺みたいな何の取り得もない男とだけ、短い間だったにしろ、続いたのか」
密接した鎖がさらに輪を引き絞る。機体内部で何かが破損する音が連続し、プラグが軋んだ。
「おいッ! スモーカー!」「お前らぁ! 潰すぞ、ほんとに潰すぞ! 嬢様…ぐっ?!」「あんたね…
 今、大事なとこだって…わかんない? わかんないなら黙ってるのよ、坊や…!」
「すまねえな、お前ら…そうさ、俺はずっとこういう下らねぇ奴だった。不恰好で無能な自己中野郎。
 野心も想像力もゼロ。…絶対にお前を追い抜かない、脅かさない男。永遠にお前に服従するだけのな」
「何を言ってるの、スモーカー君? 命乞いなら、もっとマシな思い出話を…」
突然スモーカー機は渾身の力を爆発させた。一気にヒナ機の抵抗を押し切り、鎖ごと岩壁に叩きつける。
「黙って聞けッ! これが最初で最後でもいいから、俺の話を聞いてみやがれ!」
両機が激突した衝撃が、戦闘の喧騒に満ちた闇を一瞬切り裂いた。擱座寸前の機も、脚の折れた
分身使徒も、狂ったように暴れていた異形のエヴァも、全てが動きを止めて中央を向いた。
鎖を内外から総身に喰い入らせた紫のスモーウォーカーは、銀の同型機をまっすぐに押さえ込んだ。
540名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 10:18:13 ID:???
「…お前は、傷ついてたんだ。ずっと昔っから。俺や他の連中と出会う遙か前に、傷つけられてた。
 尋常な傷じゃねえ。お前を見てりゃわかるよ。それがお前から、人生ってやつを奪っちまったんだ。
 後悔してるぜ、出合ったのが俺みたいな阿呆だったこと。お前をわかってやれなかったことを。
 だが俺はもう、女王様の寵愛に有頂天になって、そのくせ陰じゃ蔑んで安心する腐れ野郎じゃねえ」
力士を真似て成形された不細工な手が、装甲ごと鎖に砕かれながら、ヒナ機の頭部の真横に突き立った。
「俺にはこの出来の悪い部下たちがいる。妙に付き合いのいいオカマ野郎の知り合いもいる。
 それから腐れ縁が過ぎて、とうとう同じエントリープラグにまで入っちまった馬鹿な奴もいるよ。
 だから今は、お前と対決することもできるさ」
銀色のスモーウォーカーは、激昂か動揺かに大きく身を震わせた。背後の岩盤に深い亀裂が走る。
「いいえ、できないわ! あなたはこの鎖に縛られているの! このわたくしが縛りつけているの!
 あなたは永遠にわたくしの奴隷、這いつくばって喜ぶ下僕でなければならないの!」
鎖の群れが鋼の蛇のように激しくのたうち、敵機の首筋を幾重にも締めつけた。機はただ受け止めた。
「…すまねぇな、ヒナ」
そして紫のスモーウォーカーは具現化した憎悪の鎖を引きちぎり、蹴散らし、最大限の力を込めて
開ききった手のひらを、一直線に相手機のコアに打ち込んだ。
重く低い衝撃が岩窟を駆けた。銀の機体は一瞬身を浮かせ、ふいに生気のない人型と化して崩れ落ちた。
まといつく鎖の消えた躯体を、全身の装甲を割られたスモーカー機は淡々と地面に横たえた。
その眼前に、ミゾロギ機が立ちはだかった。サンダルフォンの鉤爪が鋭く宙を切った。背後で、隊の
最後の一機が分身使徒を組み伏せたまま地響きをたてて倒れ、完全に沈黙した。
541名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 10:19:42 ID:???
「…お前…お前、お前! よくもヒナ嬢様を傷つけたな! 僕ちゃんの嬢様を!」
「ああ。だが『お前の』じゃあねえよ。…許せねぇなら、来な」
「何だとぉッ!」
満身創痍のスモーウォーカーは、猛然と突進してきた使徒化エヴァを全身で止めた。使徒の腕が揺らぎ、
敵機に組みついた左腕の大半が十余の細片に切り刻まれて落下した。
「ふん、力押しじゃ僕ちゃんは倒せないぞ! それしか取り得がないエヴァなのに、残念だったな!」
「…ああ。だが舐めちゃいけねぇぜ。パワー型ってことはつまり、S2機関の出力もそれなりでな」
「それがどうした! いくら動きを止められても、サンダルフォンの装甲はお前には破れないんだ!」
「誰も外から破るなんて言ってねぇよ。バケツ頭、覚悟はいいな」「何…お前ら、何を考えてる?!」
「だからな、パワー型ってのは、臨界突破するまでコアを過充填するのも速いんだよ! …喰らいな!」
スモーウォーカーは自ら胸部装甲を引きちぎり、まばゆく発光するコアを掴み取って、真正面の使徒の
大顎の奥深く、上腕が埋没するまで押し込んだ。直後、使徒の上体全体が内側からいびつに膨張した。
光が一閃する。
だが予測された衝撃はなく、闇の戻った岩窟中央で、使徒の融合部位及び頭部を失ったミゾロギ機が
ゆっくりと傾いて倒れた。コア炸裂のエネルギーを吸収した使徒の頭甲は自身のコアごと消滅していた。
スモーカー機は洞窟の反対端まで吹っ飛ばされていた。コアを失った背部からプラグが突出している。
「…ヘイフリックの限界どころじゃねぇな」「当たり前だろ。万一回収できても解体してスリグの餌だ」
「ミゾロギの奴は?」「その辺のどっかだろ。軍の共通非常コードで、プラグは射出してやったからな」
「親切な奴だよ、ったく」「どっちがだ」「何?」「お前、エヴァの力って奴で何かしたんじゃねぇのか。
 …普通なら、あの融合した使徒と一緒に奴も吹っ飛んでるはずだろ。ついでに俺もな」
542名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 10:22:12 ID:???
「馬ー鹿。フウイ・ノ・レイ様か、ネルフの連中ならともかく、俺にそんな器用な真似ができるか。
 …あん時はただ、無我夢中だっただけよ」「けっ、違えねぇ。…しかし、これでスモーウォーカー
 部隊も終わりだな。肝心のエヴァが全滅じゃあな」「ま、派手な引退試合だったじゃねぇか。
 良くやったってことにしようや」「ちょっとぉ! 二人して寛いでないでよ。こっちは律儀に
 負傷者回収してんだから、もう」「…ほらな。どいつもこいつも、しぶとく生きてやがるぜ」
遙か頭上からかすかに震動が響く。動くもののほとんどない地下洞は再び静まり返っている。
暗闇の底に人影が立ち上がる。
人々は気づかない。ただ一人、エヴァ・フェットだけが本能的に振り返った。
クローリー・ヒナ・バーベムは、激戦の前と少しも変わらない艶やかさで佇み、彼らを見つめていた。
立ち上がろうとするスモーカー大佐を、エヴァ・フェットは無言で制し、ヘルメットの装甲を下ろした。
ヒナは微笑んだ。
「おい、バケツ頭?!」「…下がってろ。…どうやら、これからが本番らしいぜ」
「どうやらあなただけはわかってくれそうね。…スモーカー君、あなたはわたくしをわかったつもりで
 いたようだけど、本当のわたくしは、そんな葛藤などとっくに超越したところにいるのよ」
「…やめろ。何だかわからねぇが、…やめろ」
「なぜ? わたくしも、今のわたくしを見せてあげるだけよ。彼へのお返しにね。いいでしょう?」
いつのまにかヒナの両手に白い華奢な羽根が握られていた。ヒナは裂けた黒いプラグスーツの胸元から
更にもう一枚の羽根を取り出すと、三枚を重ね合わせ、彼らに目を据えたまま陶然と口づけた。
「…止せっ!」
瞬間、羽根は嵐となって膨張し、生きた塊となり、癒合して白い異形の使徒と化した。巨大な両翼が
ヒナを包み、その巨躯がじかにヒナの身体に沈み込んでいく。白く吹き荒れる羽根の渦が静まった時、
そこには零号機に似た黒いエヴァがいた。鎖の鳴る音。エヴァ・フェットが無意識に一歩あとずさった。
鮮やかな真紅の単眼を見開き、“オルタナティヴ”は嫣然と囁いた。
「あー・りぃっ」
543名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 12:37:49 ID:???
K-1ゲリオン小隊孤立地点。使徒の猛撃が降り注ぐ中、トライラックスエヴァ陣の
全周でいっときは影に徹していた槍の包囲壁が、突如活性化した。振り仰ぐ
各機の頭上、三方から噴き上がった深紅の尖影が長弧を描き、宙の一点を射る。
生々しい貫通音が地上に届く。四肢の各部を串刺しにされたその姿を視認した瞬間、
K-1ゲリオン四機の間に動揺が走った。廃墟の三箇所で審判たちが嗤う。
「…ここで新たに喰いモノ志願者の飛び入りか。まさに予測もつかない展開だ」
「いや、騎兵隊だろ? 一応。結果はこの通りだが」「拍手くらいするか。潰す前に」
上空で不完全な磔刑に処されているのは、地上のと同型のK-1ゲリオン一体だった。
反重力装置は全力で稼動しているが、槍の捕縛は微動だにしない。逆に機体に
貫入した尖端が無数に枝分かれし、装甲と生体組織を音をたてて侵食していく。
「ギーガー様…!」「! 何するの、キラ!」「馬鹿、私たちが動いたりしたら逆効果よ!」
「じゃあ何もしないって訳?!」「私だってイヤよ。…でも熱くなる前に周りを見て」
「え…?」
544名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 12:38:37 ID:???
同化型エヴァ三機の様子が一変していた。不規則な痙攣が機体の自由を奪い、徐々に
統一された別の動きへ変わろうとしている。それを阻むように輪を締めつける、半非在の鎖。
「何…あれ…?!」「艦隊戦、見てたでしょ。あいつらも鎖で縛られてるクチってこと」
「じゃなくてなんで今更、大使の支配に抵抗すんのよ、それもエヴァが! …って、まさか」
獲物を射止めていた槍の動きが変わった。
「偶発的な暴走じゃないとすると、関係者か。一度に喰わなくて正解だったな」
「これは…なるほど、だから我々に単機で突っ込んできたと。…これだから“実戦”はいい」
「さてと、んじゃそろそろその“外装”を外してくれるか? それとも剥がしてやろうか」
「…いや、そちらに手間は取らせぬよ」
瞬間、はりつけられていたエヴァが己を解放した。槍の先端が力の流入を察知し、瞬時に
侵食網ごと地上へ退く。貫入痕の残ったK-1ゲリオンの装甲が砕けて剥落していく。
擬装下から現れた黒い異形のエヴァは、生々しい光沢を放つ体躯を宙に伸ばし、一気に
地上へ降り立った。素体の天然の装甲が侵食部位を覆い、みるみる復元していく。
深紅の刃幕が払われ、三つの姿が機の正面に姿を現して丁重かつ大仰に一礼する。
量産型試作壱号機は、己から生まれたエヴァたちを背に、ぬめる漆黒の頭部をもたげた。
「では、我が方のエヴァを回収させてもらうとしようか。無論、力づくでな」
545名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 12:41:50 ID:???
制圧区域から一転、使徒によって焦土となりゆく京都南部を、異様なマシンが駆ける。
運転者はなぜか寝そべるような姿勢で操縦装置にしがみつき、その上マシンと同次元の
奇抜な強化スーツに身を固めている。その脇に無理やり乗り込んでいるのは、彼より
更に派手ないでたちを誇る、二人の女怪人。そして一人だけ場違いにまともな恰好の
眼鏡の少女が、無謀すぎる状況にも顔色一つ変えず黒髪をなびかせている。
とりあえず一行中最も動転しているのは、特撮顔負けの超駆動を披露中の運転者らしかった。
「なんで俺なんすか! いや俺は仕方ないとして、なんで山岸まで連れてくるんです!」
「そりゃあやっぱり、本人が直接行くのがベストだからよ。今やミサトちゃんのブレーンまで
 こなしてるマユミちゃんなら、向こうに行った後も、必ずあの子の助けになるしね」
「あの使徒の感触は、かつて直接それを体験した者にしか、本当にはわからないわ。
 マユミちゃんだけが知るそれと、あの子の強い心を合わせれば、必ずコアを見つけられる。
 たとえ聖母や委員会が妨害してきたとしても、能力者の思念を完全に遮ることは難しいわ」
「理屈は了解してますけど、それ以前にどうやってフウイ元大使に接触するんです。
 さっきの通信だとエヴァで指揮とってるみたいだし、…しかもあの猛砲火の中なんすよ?!」
546名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/19(金) 12:43:29 ID:???
「あら、もちろん正面から突っ込むに決まってるじゃない。マユミちゃん、絶叫マシン平気よね?」
「はい。…構いません。わたしが碇君の助けになれるの、このくらいですから」「…マジっすか…」
「ほらほら、男なんだからしゃっきりする! …で、例の分析結果、ほんとなの?」
「ええ。なぜ彼らが失敗作でありながら意志を失わず、使徒もどきになることもなかったのか。
 融合への恐怖が使徒を覆っているのは、拒絶する心がまだあるからだわ。でもレイちゃん
 一人ではあれだけの人数を傷つけずに解放することはできない。もちろんシンジやあの人にも」
「強制離断すとき、その衝撃を受け止める何か、あるいは誰かがいない限り…か。
 …ほんっと、いつもながら、事態は絶望的ね。今までずっとそうだったけど、最終決戦だけに、
 さすがに今回は極めつけだわ。…あたしだって、正直この先からは逃げたいくらいよ。
 でも、もうちょい踏ん張らないとね。こぉんな昔を思い出す状況なんだから。ねえ、『Y』?」
「ふふ、そうね、『K』。最後まで行きましょう。…あら、そろそろ離陸しないと間に合わないわ」
「離陸って何すか?!」「それはもちろん、空を飛ぶのよ。OK、じゃ行くわよ♪」「ええええ?!」
突然の爆音とともに、マシンは文字通り空へ発進した。虚数空間障壁やら次元歪曲回路やら、
その他得体の知れない超装備と防御システムが勝手に展開し、なぜか速度まで倍増する。
運転者の絶叫を残し、亜音速に達したマシンは迷わず使徒の弾幕の中心、ノンシップ『ポウル・
ウスル・ムアディブ』に向かって、想像を絶する機動で突入していった。
547470-546の大半
そんなわけでここで敗北です
今までこのスレにいた/見に来た/書き込んだ全ての人に感謝を
それからもういないゲームマスターに心からの喝采を
あの二年半余、そしてこの八ヶ月、最高に面白かったです

ここまででPREラストバトルの序盤整備くらいまでの筈
この後はネルフ側反攻、提案者氏遂に表舞台に登場、ギーガー+K-1隊の栄光、
VSオルタナティヴでエヴァ・フェット覚醒、ジオフロントとレッドノア、そして司教戦を経て
委員会浮上へ…とかなんとか妄想はしまくったけどどう圧縮しても入らない
なのでこのスレはここで終わりです
>>464
5KB程度しか残せなくて申し訳ないです
まだどこかで見てたら、でこの残量で可能なら、〆を落としてください
本当にお世話になりました ありがとう


(BGM「F-2」スタート)
戦塵の京都に続く死闘。襲いくる悪意の中、それでも人々は抗い続ける。
精神侵食型使徒に呑まれた人々の苦悶の前に立ち尽くすシンジ。その彼を、阿鼻叫喚の
さなかからもう一人の少年が叱咤する。恐れと覚悟。発動する、零式防衛術、最大の発揮。
そして舞台に上る、もう一つの悪意の具現。
地下で戦闘を繰り広げていたランドマスター隊、便利屋スズキ、そしてエヴァ・フェットらは、
急転する流れの中でしだいに同じ場所に集っていく。暴走を始める使徒蟲の群れ。
奇躍する超機人。やがて立ちはだかる、綾波姉妹の忘れられたもう一人の同胞。
次々に味方機が擱座していく中、地表は一掃され、チルドレンの前に遂に司教たちが姿を現す。
シンジを待ち焦がれていた、最大の「敵」を伴って。
「サードインパクトはこんな世界ですた第壱部・京都決戦・序盤決着」
またどこかで会えたら、その時はもちろん、サービスサービスぅ!