時は来たれり。
それは神が待ち望んだものか、悪魔が用意したものか。
地上の民は知る由も無い。
されど未来は彼らの一部の手に委ねられ、それはかの者の手により全体が知る事となる。
託さざるを得なかった者達の希望と絶望を乗せて、彼等は運命に立ち向かう。
絡まり繋がり導かれあった糸達が織り上げる最後の一針。
それは全ての終わりを告げるのか、それとも新たな始まりに過ぎないのか。
多大な犠牲を払い上がってきた階段もついに最後の段。
その先は天国か、地獄か。
ついに始まる綾波教との最終決戦、人類の命運はいかに!?
サードインパクト後はこんな世界ですた 拾参
本スレでもサービスサービスぅ♪
2ぴータン
4ぴータン
6ぴーたん
深い眠りへと落とされていた彼女達は目覚めた。明るすぎず、暗すぎない照明の中、自分達
のいる所が、かなり手入れのされた部屋である事に気付く。
そして、彼女達は直感的に、この部屋に同類がいる事に気付く。見てみると、今まで離れて
暮らしていた者の姿も見えた。
そして、彼女達は更に別の気配がその場にいるのに気付いた。それは彼女達と同じ姿をして
いながら、異質な存在。そして、彼女達をここに連れてきた者。その者はこう言った。
「……皆気が付いたようね。もうすぐ最後の時が訪れる。その瞬間までここでおとなしく
していなさい。もっとも、あなた達の力ではこの部屋は出れないけど。
……あなた達には未来を与えたい。」
そう言って、その者は背を向けた。そして、去り際に一つの言葉を残した。
「……私達が、勝ってしまった時のために」
8ぴータン
>E計画さん
新スレ立て、過去スレ拾い、御苦労様です。
>高橋覗さん
ネタカキコ、中途半端な状態でごめんなさい。
続きはまた後ほど。
ども、????他です。ええと、なんだかんだでとりあえず京都戦直前には漕ぎ着けられ
ましたね。ちなみに、前スレ最後のネタこそ、前に言ってたバカネタです。
○黒ブチメガネさん
ここしばらくきちんとしたレスを返していませんでしたが、あなたには大変お世話になっ
ています。これまでにあなたが担当されていたパートは実の所私が苦手としている部分で
して、あなたがいるのをいい事におざなりにしていた部分なのです。ただ、それはその分
私があなたを優れた書き手として認識しており、ぜひおまかせしたいと考えての事でもあ
りますので、その辺りは誇ってもいいと思います。よくあなたは自分を卑下なさるような
発言をなさってましたが、私に言わせれば私の方がよほど糞厨房ですし。(なにより、今
のスレの元凶は間違い無く私)
正直に言えば、大変惜しいというのが本音です。あなたの描写されるキャラ達が魅力的
である故に。さて…個人的には第弐がもしも主席の正体を見たらどう思うかが気になる
所なんですが、タイミング的に間に合いそうにありませんね。残念。
それと、没にされたネタは残念(ッて、私のせい)でした。面白いんですけどね。
○Eさん
スレ立てありがとうございます。えーと、今なら心霊映像撮れまくりですね。(藁
しかし、ナディアネタがここまで表面化してくるとは思わんかった(藁
とりあえず、ロンギヌスは古代に製造された物に、イエス・キリストの伝説に出てくる
槍の名がコードネームとして付けられた物と位置づけておきましょう。
尚、私の位置づけでは古代アトランティス系の宇宙人は後の使徒やらなにやらを生み出し
はしたが、当人達は使徒そのものほど強力な存在では無いという感じですね。
○トライラックス担当さん
そんな訳で、とりあえずの戦力配置は完了です。それと、前スレでのヒナ大使のウォー
ミングアップの相手は下級の改造騎士という事にしておいてください。態度から見て、
使徒もどきとは思えませんし。(使徒もどきには一部の例外を除き、自我がありません)
それと、使徒生物が委員会に心を読まれたり、操作されたりするのは彼等のデフォルト
の性質ですので、失敗作だから…と、いうのはありません。ですので委員会がその気
になればコントロールされてしまう可能性があるので要注意です。(自我を持たせる
のでさえ、改造騎士のように特殊な処理が必要)
○厚木基地最後の兵士さん
人口進化研究所は京都大学キャンパスの北方の山沿いにあるという事にしておきます。
途中で出てくる連中は基本的に雑魚と思いますので、セレクトはご自由に(藁
ただ、レナ達のいる層より下には委員会の生み出した使徒達がいますし、人口進化研究
所にはサキエル等がいます。
○町奉行さん、某農場新入りさん
到着は結界の第二段階変化以前か以後にするかはおまかせいたします。
ランドマスター1号 車内カメラ
「オペレーション報告。」
隊長がインカムに言う。
「オペレーション、グリーン。状況ノーマル。周囲小戦闘の反応あり。
確認は不可能。周囲を包む霧の能力かと思われます。」
応える声にふと笑みをもらす。
「このあと、サーとつけそうな勢いですね、あの子。」
トライラックスミソラ少尉の言葉遣いにナビゲーターシートの中尉が隊長に
向かいって言う。
「あれでも押さえてもらっているほうだというがな。」
隊長は慣性航法装置の表示をみて針路を適宜修正する。
「コース、右にずれてますよ。」
「電子機器に影響が出てるってことか?」
「ですね、通常の方位磁石のほうが当てになると思います。」
ナビゲーター中尉は、パイロット席より観測機器が多く、隊長へコースのずれを
的確に指示する。
「赤い霧、通過。状況異常なし。」
ほぼ全隊が抜け追えたと思われる時刻。
「隊長!、緊急事態であります!」
「ミソラ少尉、どうした?」
「はい、周囲の赤い霧に変化が発生しました。センサーなどの報告から
重力振動ににたレヴェルの波動を関知いたしました。さ」
「少尉、簡潔に要点だけ報告しろ!」
「あ、はい。霧は物理的攻撃力をもったとおもわれます。現在周辺の霧は
物理的には壁に等しい硬度を確認しました!、あ」
「どうした?」
「デコイ05、沈黙。霧に破壊されました。」
車内に一瞬の沈黙。
隊長個人日誌
赤い霧を通過したが、通過後それは攻撃兵器にと変貌。
最後尾を走っていた、ネオ戦自の戦車が破壊される。
敵はこちらの様子を確認できるものと判断される。
状況は極めて不利と思われる。
一旦ここで進攻をとめて作戦を練り直す必要があるのかと
一瞬考えるが、ここで止まることは作戦のスケジュールに
問題を発生させるだろう。
赤木博士よりの新アイテムもあるがここではまだ使うこ時ではない
と思われる。
状況を囮部隊の隊長とも確認をとる。
ランドマスター2号 車内カメラ
「作戦コード3!」
隊長よりの通信がオープンチャンネルで囮を含めた全部隊につたわる。
「1両やられたから、変則のコード3だな。」
副隊長が言うと、攻撃班少尉が近寄ってくる。
「援護のバイクだしますか?」
「まだだ。だが出せるようにしておけ。」
「了解。」
ランドマスター1号と2号は別の針路をとる様がモニターに映る。
それに続き各1両づつの戦車が続くのが見える。
「各員、囮部隊隊長に敬礼!」
副隊長が言うと、残る2両、ネオ戦自囮戦車部隊隊長とそれにつづく
コードナンバーデコイ04に向け、全員が敬礼をした。
衛生兵少尉個人日誌
ふん、力の差を見せ付けてるつもりってこと?
その程度で引き下がるほどみなヤワじゃあないわよ。
いよいよね。
朝倉、ここは任せたわよ。
あたし?
あたしはこれから大手術よ。
委員会って悪性腫瘍がね、いい加減うるさくなってきた
ってことらしいわ。
じゃあ、よろしくね。
ああ、ミソラ、これ。
なにかって?
いざとなったら敵の金玉にうちこんでやりなさい。
戦闘開始したら頼むわよ。
わかってるって。
それと、もうすこしラフなしゃべり方しなさい。
副隊長個人日誌
進攻目標は京都大学北方。
山沿いという地形から戦車での直接進攻には危険があるものと
思われるが、そのためのバーミリオンの援護である。
時間どおりにことが進めばそれは心配しなくていい。
各自、戦闘態勢に入る。
全武装、装備異常なし。
厚木基地最後の兵士担当です。
PCの調子が悪く、ハードディスクを交換しても
あまり上手くいかず、しばらく来れませんでした。
きたら次スレ。
リツコの携帯は、ある程度できていたものを待機の時に
伝令に運んでもらった、もしくはナオコ博士の道具で
転送されたというのでもいいかと思います。
作戦は変則の第三案。
本来1両の遊撃を2両の遊撃にしました。
敵と遭遇して戦闘開始か、バーミリオンの爆撃で戦闘開始
という感じで進みます。
レスのみ。
>黒メガネさん
下へのネタレス投下が無いのでまだいると信じて。
過去レスを見直したりしてたんですが、あなたのネタレスがなくなるのは本当に惜しい。
????さんが言われるのと同様に。
ありがとうにはまだ早いですが、ありがとう(ございましたとはまだ言いません)
もう少しだけ、出来れば楽しんでいってください。
>????さん
そうすると槍の神秘性というか、神話由来ってのが没になるなぁと。
「オリジナルと全く同じ物を(技術があれば)造れる」ってことになってしまう……
それって、かえってまずくないですか?
それと結界についてなんですけど、第二段階に入ったら外との「通常の」通信連絡は完全に断絶、ですよね?
すると「生放送」は切れてしまうなぁと。「録画」は所々出来ているかもしれませんが。
ところで。
一応当方は決戦開始の準備を全て終えて、故意にネタレスを止めている状態に入っています。
書き手の皆様、ライブしますか? それともしないですか?
都合が合わない、その気が無いならないで没っても構わないんですけど。。。
スズキさん、某農場新入りさんのレスも当然のようにお待ちしています。
今夜はこれにて。
作戦開始だ。ランドマスターの後方を走り、赤い霧の中に突入する。
「隊長!!最後尾の戦車がやられました!!」「なに?」
敵襲かと思い、後ろを見たら、一番後ろについていた戦車がぐちゃぐちゃに潰れていた。
どうやら、霧の一番外が、突如物理的な壁みたいなものになったようだ。
くそ、やってくれたな!これも怨霊のしわざか・・・・!
隊員達は、いきなり潰れた同僚の戦車のさまをみて、少し顔を引き攣らせたが、
すぐに冷静さを取り戻した。この任務を任された時から、みんな死は覚悟の上で来た。
残った戦車で、ランドマスター隊を援護するまで。
ネオ戦自本隊が、京都の赤い霧の外周について、そこで一旦止まり隊列を整えていた。
赤い霧が壁・・・バリアみたいになっていて、それ以上進めなくて進軍を止めざるを得なくなったのだ。
相田と鈴原が、トレーラーの荷台で話している。
「指揮官達が集まって、対策を考えるらしいね。洞木曹長も、会議に行ってる。」
双眼鏡で霧の京都を見回している相田が言った。
「ああ、そうやな・・・・。しかしえらいこっちゃで。
少し前に京都に突入したランドマスター隊と囮部隊は、入れたから・・・
ワイらが到着する前に、この壁が張られたんやな。」
「・・・げ、あれは」「どうしたんや?」
少し離れた、丁度霧の境目の所に、潰れた90式改戦車があるのを
相田が双眼鏡で発見した。相田と双眼鏡を代わり、鈴原もそれを見て絶句した。
「運の悪い戦車や・・・・」
二人は鬱になってしまった。
「トウジ、ネオエヴァとか兵器とか、色々点検しておこう」
「そ、そうやな」
(前スレ
>>466,
>>467からの続き)
下級の改造騎士(「使徒もどき」という表現は間違い)5人を5人ともてこずることもなく、あっさり片付けてしまったクローリー・ヒナはいささか物足りない面持ちであった。
「どうやら実戦前のウォーミングアップにもならなかったようだな」主席司教はそれを察して言った。「そうだ。私が少しばかり準備運動の相手をしてやろうか?」
それまでいかにも物足りない面持ちであったヒナだが、その途端に明るい表情になった。
「はい、お願いします」彼女は弾んだ声で言った。「主席司教さんに直々にお相手して頂けるなんて・・・ヒナ、感激!」
主席司教は内心では馬鹿馬鹿しいとは思っていたが、取り合えず「下っ端は弱くても上の者は強い」ということを見せつければ良いと軽く考えていた。
クローリー・ヒナの並外れて美しい身体から繰り出される超絶的なまでの破壊力を持つ攻撃を軽く受け流した主席司教は彼女の首筋に軽く手刀を入れる。
彼女は地面の上に崩れるように倒れた。
しかし、たいしたダメージを受けている様子もなく起き上がると、彼女はいかにも満足そうに笑って主席司教に右手を差し伸べる。
「さすが、主席司教さんはお強いですわね。先ほどのザコ・・・いえ、下級の改造騎士の皆さんとはえらい違いですわ。ヒナ、納得」
主席司教は仕方なくヒナの右手を握ると、立ち上がるのに手を貸してやる。
本当は恐らくそれを必要としているわけでもないのだろうが。
要するにこの女は手を組んで利用する相手が自分よりも優る力を持っていて利用価値があることを確かめたかったらしい。
そして、彼女の意図はもうひとつあったようだ。
「そうそう、確かわたくしを倒すことができたらわたくしをお好きにして良いというルールでしたわね。主席司教さん・・・」
「こんな重大な局面で悪い冗談を言うな」そう言ってから、主席司教はこの汚らわしい淫売女を上手くコントロールする方法を計算した。「いや、待て・・・お前の今後の活躍に応じて考えておこう」
「はい、ありがとうございます。ヒナ、期待」
「ところで、お前の国の次世代EVAが4,5体、京都内に潜入して来たらしい。お前も早く迎撃態勢にかかれ」
>高橋覗さん
取り急ぎ、新大阪湾上空に停泊しているトライラックス本国側の
戦闘用大型ノンシップ“アルダ・サルバ・アサナ”には結界を破壊するだけの
威力を持つ秘密兵器“天然オリハルコン・レーザー光線砲”を配備しています。
また、“アルダ・サルバ・アサナ”がネルフ・トライデント側と通信連絡を
している場面もあったので、ネオ戦自とも共同戦線ということで、
オリハルコン・レーザーで結界を破って、そこからネオ・エヴァを潜入させる
という作戦はどうでしょうか?
>>22 アルダ・サルバ・アサナの参戦は、ネルフ経由でネオ戦自も知っている、でいいと思います。
オリハルコン・レーザーですね。アルダ・サルバ・アサナと一緒に
ネオ戦自も京都内に入りますか。
(前スレ
>>468からの続き)
「おっ、誰かと思えば・・・」毛皮できた服を着たワイルドな風貌の男が言った。「おめえはへタレのスモーカー大佐じゃねえか。
ヒナ大使様の機嫌を損ねて清掃係に格下げされたり、艦隊から逃げ出したりして、今頃はどっかで野垂れ死にしてるかと思ってたら、よくぞぬけぬけとこんな所に顔を出せたもんだな」
「スモーカー大佐?」強化外骨格の女が言った。「ギーガー様に目をかけられてスモーウォーカー部隊の指揮官に任命されたが、失敗続きで面目丸潰れの無能軍人がいるとは聞いてたけど、あんたがそのスモーカーとはね」
「やかましいや!」白髪頭に革ジャンの男は怒鳴った。「誰にだって向き不向きってもんがあるだろ。俺は機械は苦手なんだよ!」
そして、スモーカー大佐は葉隠覚悟の方を向き直って言った。
「おうっ、眼鏡の坊や。おめえ1人じゃ分が悪いから、俺も加勢するぜ。こいつら、トライラックスの兵士のくせにけしからん」
「かたじけない」覚悟はいつもの調子で言った。「されど、これは俺の戦いなれば、関わりなき者を巻き込むわけには行かぬ!」
「おいおい、関わりなき者ってこたあねえだろう。俺だって面目丸潰れなんだからな」
「何をゴチャゴチャ言っているのよ」強化外骨格のユキナ曹長が冷たく言い放った。「死に損ないの眼鏡坊やに無能軍人じゃその気にならないわね。シモツキとかいうの、あんたが相手してやりなさいよ」
「うほっ、そう来なくっちゃな」シモツキは両手の指の関節をボキボキと鳴らす。「それじゃあ、遠慮なく・・・行くぜ!」
シモツキはほとんど無防備な構えで殴り掛かって来た。隙だらけだ。
「因果!」「ホワイトブロー!」
葉隠覚悟とスモーカー大佐の攻撃がほぼ同時に炸裂し、シモツキの巨体がぶっ飛んだ。
>>23 それでは、
>>21の最終行の主席司教の台詞にある
「お前の国の次世代EVAが4,5体」という表現を
「敵対勢力側の次世代EVAが6,7体」と改めます。
あと、
>>24での葉隠覚悟の戦いに関してですが、
シモツキ:元ネタは『H×H』に出て来たウボーギン。
作中でも団長の詩の中で「シモツキ」と呼ばれていた。
銃弾をはじき返し、対戦車バズーカ砲を喰らっても
決定的なダメージにはならない。
怪力の持ち主でフルパワーによる右ストレート
“ジャイアント・インパクト”は地震を起こすくらいの威力。
また、声だけで他人にダメージを与える技においては
ガイア・ノムラよりも優る。
スモーカー大佐:このスレの世界ではモクモクの実を食べたのではなく、
キサラギ博士に改造手術をされ、煙に変身する能力を得た。
両腕から煙の圧力で発射する“ホワイトブロー”が得意技。
煙を雷雲のように帯電させ、瞬間放電するという技も使う。
ただし、いかんせん“煙”なので、物理的に欠点が多く、
“風”や“火”には弱い。
>>25に書き忘れ。
シモツキはヒナ大使のクラピカ能力(鎖)で拘束されて操られています。
あと、その場所には教団の聖母が直接操る使徒が潜んでいるそうです。
聖母が操る使徒はかなりの戦闘力を持ち、携帯用の対ATフィールド仕様ラスガンも
通じないそうです。K-1ゲリオンに配備されている強化ラスガン砲なら倒せる
と思うので、京都に潜入した4体のうちの1体をそこに絡ませてみようかな?
海上都市大阪上空に浮かんでいるトライラックスの戦闘用大型ノンシップ(ステルス飛行船)『アルダ・サルバ・アサナ』の中央制御室では、巨大なモニタースクリーンに赤い霧に覆われた京都の光景が映し出されている。
そして、そのその赤い霧の外側で4機のK-1ゲリオンとネオ戦略自衛隊の本隊が立ち往生している。
「どうした? どうして京都へ入れないのだ?」モニタースクリーンを見上げて、指揮官のカーネル・バシャール(上位大佐)があえいだ。
通信士のメンタート(人間電子計算機)がK-1ゲリオン部隊からの通信連絡を報告する。
「あの赤い霧が物理的遮蔽障害となって、その中へ入ることができないそうです」
「何? 霧が物理的遮蔽障害に、だと? そんな馬鹿な・・・」
やや小さい平面モニターが浮かび上がり、青い髪の毛に赤い瞳のクローンアスカの顔が浮かび上がる。
“あの赤い霧はまるでバリアーかシールドのように作用しています”便宜上の隊長役である3号機パイロットのキラ少尉が言った。
「バリアーかシールドだと? ATフィールドのように、か?」カーネル・バシャールは困惑した。「突き破ることはできないのか?」
“通常兵器では無理です。K-1ゲリオンに配備されている対ATフィールド仕様ラスガンで撃った所、砲弾は貫通しましたが、通り抜けられるような穴をあけることはできませんでした”
「対ATフィールド仕様ラスガンならば、貫通することは可能・・・か。よし、同じ原理でより強力な威力ができれば突破口を開くことができるかも知れぬ」
「同じ原理?」メンタートのオペレーターが質問した。「どうするのです? もしかして、あれを使うのですか?」
「うむ、本艦も京都へ向かうぞ。先行しているK-1ゲリオン部隊とネオ戦自の本隊にも退避するように伝えたまえ」
「ははっ、了解」メンタート通信士が先行している部隊に連絡する。「K-1ゲリオン部隊とネオ戦略自衛隊に告ぐ。ただちに退避せよ。これより本艦に搭載している秘密兵器で障壁突破を試みる」
4機のK-1ゲリオンとネオ戦自の本隊が赤い霧の周囲から撤退して行く様子が巨大モニタースクリーンに映っている。
凄まじい破壊力で巻き添えを食ってはたまらんからな。
そして、ノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』は海上都市大阪上空から京都へ向かって移動を始めた。
京都南部、すでにK-1ゲリオン部隊4機とネオ戦略自衛隊の本隊は大事を取って退避している。
先ほどまで彼らが立ち往生していたあたりの上空にトライラックスの戦闘用大型ノンシップ(ステルス飛行船)『アルダ・サルバ・アサナ』が現われた。
その中央下部がスライドして開くと、巨大な砲身のような物体が現われた。
今回、新兵器としてノンシップに配備されたオリハルコン・レーザー砲である。
そのオリハルコン・レーザー砲の巨大な赤い光電管に電力が充填される。
「エネルギー充填、75パーセント・・・80パーセント・・・85パーセント・・・」
中央制御室ではメンタート(人間電子計算機)のオペレーター達が黒い防護眼鏡をかけて計器類を操作している。
指揮官であるカーネル・バシャール(上位大佐)も防護眼鏡をかけている。
退避しているK-1ゲリオン部隊のパイロット達やネオ戦略自衛隊側にもオリハルコン・レーザーの閃光から眼を守る必要性があることはすでに伝えている。
「90パーセント・・・95パーセント・・・100パーセント・・・105パーセント・・・」
エネルギー充填率が100パーセントを越えたあたりから、ただでさえ赤いオリハルコンの光電管がさらに赤い光を放ち始めた。
「110パーセント・・・115パーセント・・・120パーセント・・・」
「120パーセント・・・よし、発射だ!」カーネル・バシャールが発射指令を降す。
「了解!」メンタートのオペレーターが命令を受けて言った。「オリハルコン・レーザー、発射!」
オリハルコン・レーザー砲の発射口から鮮やかなピンク色の光線が凄まじい放電を伴いながら発射される。
凄まじい閃光と爆発。そして・・・。
京都を覆っていた赤い霧の壁には見事に巨大な突破口が開いていた。
「よし、やったぞ! 成功だ!」カーネル・バシャールは歓声をあげた。「K-1ゲリオン部隊とネオ戦略自衛隊にあの突破口から中へ潜入するように伝えたまえ」
・・・と、いうわけで、赤い霧の結界に突破口が開きました。
何か昔懐かしい『宇宙戦艦ヤマト』の波動砲発射シーンを思い出すな。
現時点で私が関わっている戦力配置は、
教団側
・主力艦隊『シャークエゼキューター』他
ヒナ大使の“鎖”、第6使徒ガギエルと同化して京都の水没地域に配置。
指揮官はタイラー提督。
・ノンシップ『デウス・ウキス・マキーナ』
大神殿上空に配置。指揮官はダンドリッジ将軍。
・汎用人型決戦兵器(それぞれの配置は未定)
スモーウォーカー3機、『雪崩山』『月光院』『飛朱雀』(パイロットは不明)
K-1ゲリオン2機、『ユニコーン』(パイロット:ユノ)
『サラマンダー』(パイロット:サラ)
次世代試作機4機:『ヒルコ』(パイロット:エドリック)
『ヨミツシコモ』(パイロット:グロディン)
『ウラ』(パイロット:ドムール)
『オロチ』(パイロット:ピルルー)
ニセ漆号機(パイロットは不明だが、ヒナ大使が操縦する可能性あり)
・ミゾロギ(現段階では艦隊にいる可能性が高い)
第9使徒マトリエル、第12使徒レリエルの能力を持ち、さらに第8使徒サンダルフォンと融合。
・シモツキ(結界維持アイテムを守るため、葉隠覚悟、スモーカー大佐と交戦中)
通常攻撃は通じない身体、圧倒的なパワーを誇る。
・ユキナ(主席司教にマインドコントロールされ、結界維持アイテムを守っている)
生身でも結構強いが、さらに強化外骨格を装着。
・クローリー・ヒナ(現時点では大神殿にいるが、じきに出撃することが予想される)
オリジナルの“鎖”を操る能力に加え、使徒のコアと融合してパワーアップ。
さらにオルタナティブ化する可能性もあり。
続いて本国側、日本にすでに配備されている戦力
・ノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』
指揮官は名無し、オリハルコン・レーザー砲で赤い霧の結界を突破。
・K-1ゲリオン部隊
3号機『ターロス』(パイロット:キラ少尉)
4号機『ドラゴン』(パイロット:シグナ)
5号機『ペガサス』(パイロット:セイラ)
8号機『ゴーレム』(パイロット:ルカ)
ネオ戦略自衛隊の本隊とともに京都へ突入。
・潜入部隊
エヴァ・フェット、ガイア・ノムラ:大神殿地下の強制労働区に潜伏。
オドー:教団側の兵員に変装して大神殿内に潜伏。
メンチ:生存してはいるが、精神に異常を来たしている。
ユキナ:主席司教にマインドコントロールされて教団側に寝返る。
カーネル・バシャール、アニマル軍曹、ホーク軍曹、フェイスダンサー9名:死亡。
ジン:生死不明。
・神戸補給基地
指揮官はクルーガー大佐(バーベム卿の変装?)、サード越えEVA陸号機を待機させている。
続いて本国側、日本に到着していない戦力
・ノンシップ『ポウル・ウスル・ムアディブ』(日本へ向かって飛行中)
フウイ・ノ・レイ、ギーガー、スティンガー、キサラギ博士、ピエット提督が搭乗。
記述はないが、フウイ・ノ・レイ2号、シヴァ、セト、ヘルらも搭乗している。
オリハルコン・レーザー砲を配備している。
・K-1ゲリオン部隊(記述はないが、『ポウル・ウスル・ムアディブ』に積載されている)
1号機『ハヌマーン』(パイロット:シヴァ)
2号機『スフィンクス』(パイロット:セト)
他4体
・レッドノア
ネモ船長、ガーゴイルが搭乗。元教祖のアダムも?
フォースインパクトのパワーを吸収し、純還元する機能があるらしい。
・量産試作壱号機
本国の工業都市イックスのクローン開発施設の地下に格納されているが・・・。
????他です。壁に穴を開けた瞬間にラミエルの攻撃が飛んできます
ので注意させてください。それと、一度空けても空け続けないと、すぐ
に穴は閉じます。
あ、いけねえ。
>>30でスモーカー大佐が葉隠覚悟に加勢して
シモツキと戦っていると書くのを忘れていた。
K-1ゲリオンの予備の4機のうち1機は復帰したヘルに操縦させるにして、
2機目はギーガー、3機目はフウイ・ノ・レイだな。
1機余るが、どうしよう?
スティンガーか元教祖のアダムにでも操縦させようか。
それから、スモーウォーカーに『白虎丸』『玄武岩』『飛朱雀』というのが
登場したから、陸号機ベースで名前に「青竜」がつくのを登場させようかな。
誰に操縦させよう?
>>33 元教祖はエヴァには乗せない方がいいかと……
>>35 あのキャラは言ってみればエヴァ不要系のキャラだと思います。
むしろ、そういった目立つ形で動かさずに、緊急事態の助っ人的な
感じで出した方がらしいかと。(彼ならエヴァよりもその肉体(?)の力
を武器にするだろうし)
>????他さん
設定を誤解したまま作品世界をかき乱してしまい、申し訳ございません。
どうも私は参入当初から勘違いばかりしています。
使徒もどきには自我がなく、失敗作使徒人間でも委員会に
操られてしまう可能性があるのですか?何か哀しいな。
私が登場させたクローントルーパーやフェイスダンサーも
当初は自我がないという設定だったのですが、カキコを続けているうちに、
「自我を抑制された存在だった者がそれに目覚めていく」というのが
私の側のテーマ性みたいになってしまいました。
エヴァ・フェットやフウイ・ノ・レイはもちろん、ギーガー、サイテイル、
たしぎ曹長、IG-88シリーズ、クローンアスカ達(失敗作使徒人間も)、
結局どいつもこいつもその法則性のもとにキャラが立ってしまっています。
私としては、高橋覗さんが葉隠覚悟を登場させて下さったので、
『覚悟のススメ』のオマージュとして、失敗作使徒人間達はちょうど肉虫のように
覚悟を助けるという役割を果たさせてはどうかと思っているのですが。
あと、綾波かフウイに生き残った失敗作使徒人間をもとの人間に戻させて、
本当の救世主になってもらってはどうかとも思っています。
エヴァ・フェットにはそこまでの能力はありませんのでね。
>黒縁メガネオペレーターさん
まだ読んでおられますか?
まあ、貴方とは色々ありましたな。
反発したこともあれば、協力して頂いたことも・・・。
現在の私の心境はスレ拾の
>>248そのまんまです。
私がエヴァ・フェットとたしぎ曹長の不仲やら、
フウイ・ノ・レイがアスカを嫌っているとか、
スティンガーがサカキにヤキモチを焼いている構図とかいうような
人物関係を描いていたのは、人間というものが自分らしく生きる一方で、
互いに分かり合うことができずに反目し合う哀しい定めにあるということも
宿命的なのだということがテーマ性みたいにあったからなのです。
たしぎ曹長はノヴァに殺され、ノヴァもまた自分自身を罰して自殺しました。
フウイ・ノ・レイが悲しんでいたのもまた、私自身の代弁者的表現だったのです。
フウイ・ノ・レイ(先代綾波レイ)はオリジナルのアスカと
分かり合うことができるのでしょうか? それは私にはまだわかりません。
私は貴方をうざい奴だと思っているが、その反面で感謝もしています。
正直な所を申し上げると、私も貴方に抜けられるのは困るのですが、
それも貴方の都合なのだから仕方がないのでしょうか。
まあ、可能であれば、復帰して下さると助かります。
>高橋覗さん
突破口が開きました。
しかし、????他さんが
>>32で書いておられるように、
気をつけて潜入しないと、ラミエルの迎撃でやられてしまいます。
あと、オリハルコン・レーザーは電力消費が著しいので、
突破口を持続することはできません。
取り合えず結界内に潜入して、出る時にまた発射しなければならないようです。
しかし、出るって一体いつ出るのかね?
>厚木基地最後の兵士さん
と、いうわけで、ネオ戦自の本隊とトライラックスのK-1ゲリオン部隊、
ノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』がランドマスター隊を援護します。
ところで、春日歩さんはどうなったのでしょうか?
>町奉行さん
そちらのエンタープライズ号はどうなさいます?
まだ、こちらにはノンシップ『ポウル・ウスル・ムアディブ』と
レッドノアが控えているので、今回を逃しても、
まだ潜入のチャンスはあります。
町奉行さんはフウイ・ノ・レイと行動をともにした方が
フィーリングが良いような・・・?
>E計画さん
私も????他さんが
>>10で書いておられることに賛成です。
実存的根拠をうやむやにして、「神話」というふうに誤魔化すのは
ずるいのではないか、と。むしろ、『ナディア』とか『ラーゼフォン』とかとの
リンク性を考え合わせるた方が「神話」を実存的に説明できてしまうんですよね。
かなり取り急ぎです。
>>トライラックスさん
すいませんけど、突破、なしにしてもらえませんか・・・・。
担当さんのまとめを見たら、凄く嫌な予感がしました。特に>>31と????他さんのレスを読んで。
フウイ・ノ・レイも来るんですね・・・・。オリハルコン・レーザーで入るなら、フウイさんの部隊と入りたいです。
漏れのキャラランクで言うと、フウイ・ノ・レイ>ギーガ―です。担当さんも、そういう設定なんですよね?
ネオ戦自本隊が、ラミエルの攻撃で囮の戦車みたいに潰されるのは、避けます。
>黒めがねさん
漏れは、書きようがないです・・・・。本当は色々書いてみたんだけど、たわ事すぎて馬鹿だ、漏れが。
・・・昨夜は来なくてすみませんでした。
一応、まだいます。
自分の今後について少し。
前スレ最初の方で「4月までしかいられない」と書いたのは、別にネタだった訳ではないです。
あの頃(つってもまだ数日前っすね)を期限にリアル世界でちょっとした騒動があり、
本当にネットには一切接続できなくなる筈でした。
先月末にまたいろいろあって、何とかデッドラインを延ばすことにしました。
それで、今はまだここにいます。正直自分でも信じられないです。
・・・で。
今日エヴァ板に来て、前スレ終盤からこのスレ一気に読んで、なんというか、
・・・・・・すんげぇ燃えてしまいますた。
で。
再びの、残念なお知らせです。
なんかさんざん抜けるって騒いでおいて申し訳ないんですけど、今月まで残った時点で、
ある意味自分には制限がなくなってしまいますた(w
執行直前の死刑囚に、州知事から執行停止命令が入った、というか。
もちろん死刑が取り消される訳じゃないし、それがいつまた急に訪れるかはわかりません。
が、一応、現時点での延命だけはできたという、そんな感じです。
ですから、まだへばりついて良ければ、リアル世界が崩壊するぎりぎりまで
ここを見続けていたいです。
書き込みがウザければ地下スレで後始末書くだけのROMに徹します。
粘着いい加減にしろと言われればすぐ消えます。
もう少しだけ、ここでお世話になってもいいでしょうか・・・?
ここ一ヶ月は特に、スレの空気を無駄に乱してすみませんでした。
どうかいま一度審判を。
以下、少し連絡です。
>????他様
・・・・・・申し訳ありません(平伏
なんか、これ以外の言葉が言えません・・・
ひとつだけ。あなたが厨ってことは 絶 対 に ありえないです。
一応、長いことこのスレにいるので、誰がどういう行動をとってきたのか、
自分は長いスパンでだいたい憶えています。その立場から言わせてもらえば、
ある意味このスレで最も「大人」(自分的ほぼ最上級ホメ言葉)なのが、あなたです。
最初のスレを、現在の流れに持ってきたこと、以前から何回か仰ってますが、
いろいろあったにせよこれだけスレが伸びて話が流れて、現在だって少なくとも5人以上の
人間が連日このスレに来てるんです。その中の大部分は、もう半年以上ずっと。
これってすごいっすよ。
こういう状態がいいのか悪いのか、自分にはわかりません。
ですがここまでの流れ、そのおおもとを創ったあなたは、「元凶」なんかじゃないです。
そういうのは「神」って言うんですよ。たぶん。
・・・・・・・・ああああああマジ偉そうでしたごめんなさいごめんなさい
>提唱者様
・・・なんか・・・本当にもう、言葉がないです・・・
少し前に落ち込んだ時言ったことですが、このスレにいて、少なくともあなたと
言葉を交わせて、何か一緒にできた(ネルフ本部再建、芦ノ湖戦、旧東京戦、死海、大阪戦、
辺境擾乱、アスカ関連、等々々もう数え切れないです)だけで、自分はこの10ヶ月近く、
ここにいて良かったと何の迷いもなく断言できますし、マジに最高に幸せでした。
なんか、振り返って、本当に凄い日々だったなぁと思える、そんな時間をあなたはくれました。
(いやそりゃ失礼かました時も無数にありますしイタタタなことも大量生産でしたけど)
感謝しなければならないのは自分の方です。
もう何度言ったかわかりませんけど、本当に、ありがとう。
これが最後の言葉にならないよう、もう少し踏ん張って居座ろうと思います。
お許しを。
・・・あー・・・なんというか自分は性格の根本がお涙頂戴というか暴走癖大でありまして
・・・・・・「クセェよお前」というツッコミは、できればご勘弁ください・・・
もんのすごいイタイこと吐いているのは自覚してますので・・・
やっと少しまともな連絡です。
>????他様
主席の正体・・・それがなんであれ、第弐はこの世界の真実として受け入れますたぶん。
ていうか主席って(検閲により削除)で(削除)して(削除)な(削除)ですよね?
だから真ラスボスとして(削除)がもう一体出てくるのかなと思ってたんですけど。
>提唱者様
ライブ&侵攻開始マンセ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
ライブ開始時間(司会者の人が開始宣言したの)っていつですか?
(ネルフが援助受け取る前にもう始まってたんでしょうか?)
それと・・・放送、障害があるならもしかしたら第弐が手を貸すかもしれません。
あとこのスレの
>>1。こういうのずっと待ってますた。
>最後の兵士様
念のため、なんですが、ランドマスターは前日夜に、結局止まらずに京都入りした
ということでいいんでしょうか? 携帯の件はすみませんでした。
>高橋様
おこがましいですけど、自分に何か言葉をくれるのでしたら、何を言われても
自分は真面目に読もうとしますし、それで向こうの掲示板荒らしたりとかはしません。
タワゴトってんならここ数スレの自分レスは全部タワゴトっすよ(w 今も。
>トライラックス担当様
もうこれで最後にするから聞いてくれ。
ウザイならウザイ、それだけでいいだろ? 感謝とか復帰してほしいとか、
あとは作品世界乱してすみませんとか、心にもないことを言うのはやめてくれ。
その方があんたも余計な神経遣わずに済む。
今後は一切レス返さない。あんたも俺にレス寄越すのはやめてくれ。
頼む。
緊急連絡>????他様、提唱者様、最後の兵士様
「黒ノ咆哮」上がりました。連絡したいこともあるので、できたら見てやってください。
ネタなしの連続。自害したいです。それでは。
取り合えずレスのみ。
>高橋覗さん
どうしようか? それじゃあ、結界が第二段階に入る前に
トライラックス側のK-1ゲリオン部隊だけ潜入したってことにするか、
あるいは結界を破ったは良いが、K-1ゲリオン部隊が潜入した直後に
穴が閉じてしまったため、ネオ戦自の本隊は入れなかったってことにしようか?
>????他さん
あの〜、書き忘れてたんですけど、シンジのフウイ・ノ・レイに対する
認識観念って、一体どんなふうになってるんでしょうか?
あ、あと、貴方は悪くないと思います。むしろ俺ともう一人の方が悪いと思う。
こんなことは書きたくなかったが・・・、
どうやら気を使うだけヤボな人がいるようですな。
そりゃあ、俺の側にも落ち度があることは否定できないが、
俺の場合はただの失敗や落ち度に過ぎないのであって、
いちいち茶々ばかり入れてはスレを乱すその人の方がむしろ問題だと思う。
自分がグダグダ言うせいで????他さんや高橋覗さんだって
嫌な思いするって考えなかったのかね?
って言うだけ無駄なんでしょうな、たぶん。
って、ゆーか・・・この際だからはっきり言うけど、
精神病院にでも逝って相談した方がいいんじゃない?
他のカキコ参加者さんには俺とその人のせいで
不愉快な思いさせてしまって申し訳ないッス。
穴があったら入りたい心境だが、取り合えず自分が撒いた種は
自分で刈り取ってしまわねば。
取り急ぎってわけでもないけど脊髄反射即レス。
>黒メガネさん
おめでとう、と言っていいのか悪いのか、かなり微妙なところとお察ししますが、
正直嬉しいです。個人的希望としては、出来れば第一部の最後まで居て下さい。
改めてよろしく。
強制放送のタイミングですが考え無しでした。すみません。
ランドマスター隊出発後かつ、結界進入前で「合図」の後と言う事でお願いします。
数分後の物資が届いて確認中か、怪しんでる状態でテレビ放送が切り替わると面白いかな?
>????さん
忘レス。
ネルフ本部は……丸いのごとごっそり飛んでるんですか?
>高橋さん
フウイ組は空「飛んでる」ので、事前連絡取るとかしないと上手い具合に一緒には入れないかと。
って言うか、レーザーもリング状じゃないと穴を維持しつつ中に入れないような気が。
いっそのこと霧の無い地下から穴掘ってというのは邪道かな(笑)>????さん、どうですか?
>トライラックスさん
思わず長文化してしまったので、ご了承ください。皆様スレの消費すいません。
どうして神話にこだわるかと言うのは、七スレ目の????さんとのやりとりに端を発しています。
以前書きましたが、少なくとも私はフィクション(このスレネタ)にも「リアル」を求め、
整合性をなるべく合わせようとする厨ですので、それはそれでもいいんです。
ただね、このスレの世界は世に言う神様(?)と等しいくらいの存在になったシンジが
「再構築」したものなんですよ。のちの設定上ね。
一歩譲って、これが科学的理論的に完全に解明できるもの=物理法則に従う現象としましょう。
そうしてしまうと、物理法則を「変える」ということそのものが不能になります。
あくまでも法則の内で行ったことですから。
ここで言う「変える」は私見ではバランスを変更すると言う事だと私は受け取っています。
第二部、つまりその後ではエヴァはエヴァとして機能しなくなり、使徒の力は全て失われます。
『E』が使徒蟲から抽出して造ったANGELINEも無論効力を失います。データと物質は残りますが。
これを基準に例外としてATフィールドを含めた、
現時点での物理法則に従う解明済みの技術は幾つか残ります(過去スレでのやり取り参照)
もうひとつだけ続きます。
>>47の続きです。
思うに、使徒と言うものに関する全現象を多次元ベクトルで表現した時、
その方向を変える事によって上記のような幾つかの現象が起こる確率を低く、
又は0にすると言う事じゃないかと。
あくまでも私なりの解釈ですが、バランスとはいえ変える(おそらく恒久的に)には、
無限と表現する方が楽なエネルギーを、変更後のバランス維持の為に消費し続けなければなりません。
物理法則に従うなら。
どこからそんなエネルギーを持ってくるかなんて私は知りません。
他の空間、虚数空間などが存在する事は書かれているのでそこから
持ってくると言うのも手ですが、そこのエネルギーはやがて枯渇するでしょうね。
それに、それだけのエネルギーをずっと制御し続けなければ……暴発なんてすれば以下略ですし。
だから、一番楽なのは「書き換えちゃう」事なんですよ。
そうすれば一回だけでいいし、エネルギーをつぎ込み続ける事も無い。
ただこれをするにはこの世界の物理法則よりも
優先的にこの世界に作用する「頂点」とも言える法則・存在が必要不可欠って事です(笑)
長文化して横に大きくそれた感が強いですが、ロンギヌスの槍について言ってしまえば、
もしそうであるなら精神、心を含めた「魂」も「科学的に取り扱える」と言う事になります。
それって私としては「面白くない」です。
さらに展開上「まずい」んじゃないかと。そこまでシビアな内容にしたいのかなぁと。
いや、このスレ内世界の住人のほとんどは知らないでしょうけど、書き手レベルでそれが必要なのかと。
私の深読みのし過ぎかもしれませんし、まあ、経験則や現象のみを利用して
解明できずに使っている、とも考えられますけどね。
むさくるしく長々と語ってしまい、失礼しました。
????他っす。今夜はレスのみで。
○黒ブチメガネさん
……えー、色々とご面倒をかけているようですね。まあ、せっかくですから、おたがい
がんばりましょう。ネタは…まあ、お察しの通りですね(藁
ここで、過去事情のネタバラし。実は初登場時の九大司教は性格も能力も完全に同一と
いう設定で、旧東京でカヲルと戦った時点の主席には正体なんぞ無かったという事実
があったりします(藁 (この時点では京都戦でカヲルと対決する予定のキャラだった)
ふー…設定の変更で思い切り別のキャラになったな、こいつも(藁
○Eさん
エヴァやロンギヌスの件ですが、一応はSF的な物と神話的な物とのハイブリッドと
いう感じでとらえています。
エヴァにせよ、使徒にせよロンギヌスにせよ、『製造』される事でこの世に顕現したが、
その本質はより高い次元の存在であるため、本当の意味でその本質の解明はできない
という感じですね。ゼーレやネルフ、あるいは古代人にしても、自分達では理屈を解
明したつもりでいるが、果たしてそれがどこまでの物かは解らない。(暴走したエヴァ
を前にうろたえるネルフスタッフなど) 魂の取り扱いに関しては、エヴァのコアの
件などの限定された技術は存在するが、それをどこまで制御できるか? てな感じですか。
そそいて、ネタをバラせば、世界の法則の書き換えに加え、より高い次元の世界(いわ
ば使徒やエヴァの本来存在するべき領域)と、こちらの世界とのつながりが断たれる
可能性もあると考えています。また、エヴァの細胞に関しては、以前主席が「ただの
肉塊になる」と言っていましたが、実際にはもっと撤底的な事態になるかも……。
それと、本部は微妙に変形しながら(かつ、第三新東京市とその周辺を崩壊させない
ように)、黒い球もとりこんでいる感じ。トライラックスさん風に言えば、「ブラック・
ノア」とでもいった所です。(藁 (崩壊させないようにしてるのはご都合主義ですけど。
しかし、これで二度目の浮上だな、ここ)
○トライラックス担当さん
シンジのフウイに対する認識は、どことなくその雰囲気を察しているが、さすがに
心を読むのは憚られるので、あえて気付かないようにしているという感じですね。
これにはサードインパクトの記憶が相当封印されている事が関係しています。だ
から、二人目と三人目が同時に存在するという発想が無いんですね。
後、少しだけ苦言を言わせてもらうと、あなたの場合、全体的な傾向として、それま
でに登場していたキャラ達の立場が無くなるような能力・設定・行動をポッと出の
キャラがやってしまう傾向が強いように感じます。(これは多くの人がそう感じている
節があります) そして、様々な他作品キャラを出していますが、それらの多くは元
の作品のファンが見たら激怒しそうなキャラ造形だったりする上、悪く言えば、ギャ
グですまないほど下品な印象を受ける所が多いのです。そして、悪く言うと、他の参
加者に比べて、他の方が担当している部分への越権とも言える部分も目立ちます。
それらの全てが悪いとは言いませんし、他の人も大なり小なりやっている事ですが、
あなたの場合、それが特に目立つのが現在の不協和音につながった気がします。
……お耳汚し失礼しました。
ちなみに、私がもっとも苦手としていたのは加持担当さんでした。(これは関係無いか)
覚悟がスモーカーとのダブルのパンチで、シモツキをふっ飛ばした。
「この先は、俺と彼女・・・・・、いや、零との戦いです。スモーカーさんは下がってて」
少年は、スモーカーを引かせて、再び鎧の女と向き合う。
少年は、しばらく零式防衛術の構えを取っていた。
突然口元に笑みを浮かべたかと思うと、右手を振り上げ、
手刀で自分の左腕を切り落とした。ユキナは、驚きのあまり目を見開いて、少年を見た。
「フフなんのこの程度、兄上との戦いに比べれば」
続いて、彼は自分の胴体を切り裂く。内臓がはみ出て、鮮血が吹き飛ぶ。
「因果!!」
最後に、少年はそう咆哮し、己の首を刎ねた。自分に、因果をかけた。
バラバラに分断された少年の死骸が、血の海に浸っている。少年の首が転がり落ちた。
ユキナは、すわりこんで放心した。スモーカーもやはり放心して棒立ちになっていた。
・・・突然、彼女の纏っていた鎧が、真っ白い光に包まれた。光はどんどん広がり、
少年の死骸も包み込んでいった。少年の身体のパーツの、断面から
ぶよぶよした触手みたいなものが出てきて、彼の身体を復元させていく。
さらに、ユキナの身体から、鎧が弾け飛んだ。
<おい!>「零、か?」<覚醒!!おまえ大丈夫か!!>
彼の覚悟が、零を目覚めさせた。少年の身体は、完全に復活して、傷も消えいた。
「問題無い。瞬着!!」
光がじょじょに消えて行き、辺りが元の赤い霧の状態になった。
光の消えた後には、少年が鎧を纏って、立っていた。そして女に歩み寄る。
ユキナが、刀を守るという使命に気がついて、刀を振りかぶって少年に向かって行った。
少年は刀を叩き折って、ユキナに頭突きをかました。
因果じゃなくて、気絶させる程度の、ただの頭突きだ。女が気絶して倒れた。
悟とスモーカーが、紫一角に乗りこむ。
<怨霊に変化がある!!>零が警告した。
<早く出ないと、出られなくなるぞ!!>紫一角の守護霊も、警告した。
そこに、潜んでいた使徒がいきなり出現して、スモ―ウォーカーの前に立ちはだかってきた。
使徒は、彼の行く手を阻もうと、ATフィールドを展開した。
紫一角はユキナから奪った日本刀を振りかぶって、それを絶ち切り、上空に舞いあがった。
そのまま京都の外に向かって飛行する。怨霊の壁が、派手に建物を粉砕していった。
覚悟とスモーカーは、直下でネオ戦自の戦車が潰れるのを、丁度目撃した。
怨霊の壁が、彼らの直前で塞がった。
「間に合わなかったか・・・。零!!怨霊を最大防御してくれ!!」
<了解!!あとは、おまえの覚悟しだいだぞ!!>
スモ―ウォーカーを壁の前でホバリングさせて、少年が機外に乗り出して
怨霊の壁に手を入れた。腕が、怨霊壁の圧力で縮み、骨の砕ける音がする。
かろうじて、零が切断を防いでいる。じょじょに、壁の圧力が弱まって行った。
零の成仏能力が、怨霊を少しずつ成仏さてて、取り込んでいく。
そしてスモーウォーカーも通れるくらいの穴が、開いた。
「今だ!!行ってください」「おう」
スモーカーがはスモ―ウォーカーを急発進させ、霧の外に飛び出た。すぐに壁の穴が塞がった。
「このままトライラックスまで送ります」
紫一角が、海の上空をフルスピードで飛んでいった。
トライラックスのフウイ・ノ・レイの旗艦に到着した。スモーカーの身柄を彼女の元に
引渡し、覚悟は今度は強化外骨格のジェットでとびあがって遠くに消え去った。
>トライラックスさん
スモーカー隊さは、フウイ・ノ・レイの所に行って、ユキナ曹長とシモツキは神社に置きました。
刀は、スモーカー大佐持ちです。肉虫ネタ、考えておきます。
あと、K1ゲリオンは行くんですね・・・。歩兵部隊一隊を援護で、つけます・・・。
部隊は50人で、部隊自体に守護霊がついてます。適当に使ってください。
>Eさんと????他さん
トンネル・・・、迷います。あと、覚悟のまとめのネタ振りどうもでした
京都近隣地区を取り囲んで外部からの侵入を阻んでいた赤い壁に巨大な風穴がぽっかりと開いている。
トライラックスの戦闘用大型ノンシップ(ステルス飛行船)『アルダ・サルバ・アサナ』の中央制御室では、空間に浮かび上がった巨大な平面モニタースクリーンにそれが映し出されていた。
それがオリハルコン・レーザー、出力120パーセントの破壊力であった。
「よし、やったぞ! 成功だ!」指揮官のカーネル・バシャール(上位大佐)は歓声をあげた。「K-1ゲリオン部隊とネオ戦略自衛隊にあの突破口から潜入するように伝えたまえ!」
「ははっ、了解しました!」メンタート(人間電子計算機)の通信士が指揮官の命令を伝えた。「ノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』よりK-1ゲリオン部隊へ、あおの突破口より京都へ潜入せよ」
“了解”やや小さいモニタースクリーンに映っているクローンアスカが言った。“これより京都へ潜入します”
そして、メンタート通信士は地上で待機していたネオ戦略自衛隊の本隊にも通信連絡を取る。
「こちら、トライラックスのノンシップ。当方の秘密兵器により突破口が開けました。そちらも京都へ潜入して下さい」
先ほどキラ少尉が映っていた平面モニターの映像が切り替わり、ネオ戦自側の通信士が映し出された。
“了解しました。御協力、感謝します”
そして、巨大モニターにはK-1ゲリオン4機とネオ戦略自衛隊の起動歩兵部隊が突破口から赤い霧の中へ入って行く様子が映し出される。
だが、その映像から、ぽっかりと開いている風穴の縁のあたりが徐々に変形していることも見て取れた。
「カーネル・バシャール、大変です! 突破口が次第に閉じていきます!」
「なっ、何!? 自動修復機能があるのか? これはまずい・・・よし、穴が閉じないうちに我々も潜入するぞ!」
「ははっ、了解!」
ノンシップ『アルダ・サルダ・アサナ』は突破口から赤い霧の中へ入って行こうとした。
ところが、突然、赤い霧の中に雷のような閃光が走った。
「なっ、何だ!?」
次の瞬間、『アルダ・サルバ・アサナ』の機体は激しく揺れ、コントロールを失った。
「こ、攻撃です! 敵側の攻撃を受けました! 制御が効きません・・・!」
教団側の防御システムであった第5使徒ラミエルの迎撃を受けたノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』は煙を吐きながら墜落して行った。
58 :
動画直リン:03/05/07 05:26 ID:f8hudpJ9
“攻撃です! 敵側の攻撃を受けました! 制御が効きません・・・!”
何もないはずの空間に浮かび上がった平面モニタースクリーンに映し出されていた映像が乱れ、交信が途切れてしまった。
「先行して京都へ潜入しようとしていた『アルダ・サルバ・アサナ』が敵側の迎撃を受け、撃墜された模様です」
メンタート(人間電子計算機)の通信士が振り返ってギーガー様に報告した。
「撃墜された、だと!?」ギーガー様はハトが豆鉄砲を喰らったような状態だ。「そ、それで、K-1ゲリオン部隊はどうした? まさか全滅か?」
「いえ、それは今の所はまだわかりません」
「死傷者が出ていなければ良いのですが・・・」戦いに犠牲は付き物だとわかってはいても、そう言わずにはいられない。「とにかく・・・我々も急ぎましょう」
「ギーガー様、フウイ・ノ・レイ様」別のメンタートのオペレーターが言った。「レーダーに未確認飛行物体を捕捉しました」
「未確認飛行物体? 何だ? 映像を回せ」
モニタースクリーンに空を飛んで来るスモーウォーカーが映し出される。
紫色で額に角が生えていて、どこか懐かしい感じがする。
「通信連絡を受信しました。映像と音声を回します」
モニターに映し出されたのは見慣れない装甲服を着た男と見覚えのある白髪頭のいかつい顔をした男であった。
“そちらはトライラックスのノンシップだな? 俺は白猟のスモーカーだ”
「スモーカー! おぬし、無事だったのか!」
“おっ、フウイ・ノ・レイ様にギーガー様もおいでですかい。皆さんおそろいで一体何してらっしゃるんです?”
「いや、何してるってね・・・」私は困惑する。「日本にいるお前達のことが気掛かりで、国をあげて助けに行こうとだな・・・」
スモーウォーカー『紫一角』はノンシップ『ポウル・ウスル・モアディブ』艦内の発着場に着陸する。
エントリープラグの中からスモーカー大佐と見慣れない装甲服を着た男が現われる。
「スモーカー! よくぞ無事だったな!」真っ先にピエット提督が言った。「お前もやられたものと思っていたぞ!」
「おう、お久しぶりです、ピエット提督。少しばかり危ない目には遭いましたが、この通りピンピンしてますぜ」
「それで、そちらの装甲服を着ている方は我が国の兵士ではないようだが、一体どちら様じゃ?」
「紹介が遅れましたな、フウイ・ノ・レイ様。こいつは俺も少しばかり世話になった・・・ええと・・・お前、名前、何て言ったっけ?」
「自分は葉隠覚悟と申す者」声が加持リョウジさんに似ているような気がするのは気のせいだろうか?「我が宿命のために戦っております!」
「これはこれは、葉隠覚悟殿。我が国の無能な軍人が世話になりましたな。私はトライラックスのグランドマスター、ギーガーと申す。感謝致しますぞ」
「ギーガー様、無能はひどいですよ。人間、向き不向き、得手不得手ってもんがあるでしょう。俺はこういうメカが苦手なんですよ」
「これからはそれぞれの適性を考えて役職に任命した方が良いですぞ。ギーガー様」私はギーガー様に進言する。
「うむ、そのようだな。わしも失敗ばかりしておる・・・」ギーガー様は言った。「ところで、スモーカー。駐留艦隊はどうなっておる? ヒナ大使は無事か?」
「へえ、それが・・・ヒナの奴、あんたらマスター達にいいように利用されてたって知ったらブチ切れてしまいやがって、部下を殺しまくり、俺も命からがら逃げて来たんです」
「む? それは一体どういうことだ? つまり、取り合えず無事だが、彼女も我々に対して反乱を起こそうとしている、とでも言うのか?」
「よくはわかりません。ですが、あの女はあなた方に対してかなり腹を立てているようです」
「ギーガー様、やはり・・・」と、私はギーガー様に耳打ちする。
「うむ、どうやら最悪の可能性が考えられるな。あやつが敵の側に回ってしまうと、我々にとってはかなりてこずる所となるだろう」
「どうにかして説得することでもできれば良いのですが・・・」
ネルフ・トライデント側の第一陣が京都の結界内に潜入、
という重大な局面を迎えたと言うのに、全く・・・。
まあ、私自身もかなり頭に来ているということもあるので、
それを反映するようにノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』を
第6使徒ラミエルに撃墜させてしまいました。
これで、ノンシップ『ポウル・ウスル・ムアディブ』が日本に
到着するまで結界を破ることができなくなりました。
厚木基地最後の兵士さん、高橋覗さん、町奉行さん、ごめんなさい。
まあ、ごめんなさいと言えば、ここの所、私のせいでスレが
荒れてしまいがちだったのは申し訳ありません。全くあの(以下略)
>E計画さん
それがそちらのお考えですか。
私には何かピンと来ないのですが・・・。
だとすると、そちらの想定する「頂点」って一体何なんですか?
この点ではたぶん私は????他さんと意見が合ってると思う。
まあ、多少喰い違う所はあるのでしょうがね。
>????他さん
申し訳ございません。おっしゃる通りです。
スレが進むに従って自分でもやり過ぎかな?
という気はしていたんですが・・・。
例えて言えば、白土三平の『カムイ伝』が後の方になると
下ネタばかりで内容は薄っぺらになってくるのと似ている現象かな。
しかし、一応は事態に収拾を着けるだけの構想は用意しています。
>高橋覗さん
貴方にも嫌な思いさせてしまって申し訳ないッス。
それじゃあ、ネオ戦自の本隊は『ポウル・ウスル・ムアディブ』が
到着してからと言うことにしましょう。
ですが、フウイ・ノ・レイ本人はあまり“戦力”にはならないような気も・・・。
まあ、EVA能力者としてはフウイ・ノ・レイ>ギーガーなんでしょうけど。
元加持です。
>黒めがねさん
漏れは書けなくて、逃げたんですよ。マジで駄目だった。漏れには書けないです。
>>62 その一言に衝撃が走った! まさか………マジですか?(絶対に返答不要!!)
>トライラックスさん
見方が違うだけで、????さんの
>>49と内容はほぼ同様です。
以前に私は、基礎となる設定は????さんのものを優先的にと言ってますので、
私の中で優先されるのは自分の解釈より????さんの、と言う事になります。
ちなみに????さんの言う「高い次元の存在」って言うのが、私の言う「頂点」に該当します。
そうしてしまうと、「頂点」と言う言葉を使った意味が…ってなるんですけど。
「超」蛇足ですがホロンだったかな、その見方を使うとこの世界での法則的な優先順位が、
使徒・エヴァ・ロンギヌスの槍等高次の存在に適用される法則>この世界の(物理)法則>以下諸則
って感じになるのではと。
上位の存在が下位の法則内において顕在化しても、その枠をはみ出してしまい、
下位の法則に従わない振る舞いをする可能性がある、みたいな。
もちろん顕在化するに当たって下位の法則に従わざるを得ない部分も出てくるので、
それはその次元の法則内で「解明」することが可能。
某うんちくを少し借用すると、高次元・上位の世界(精神世界?)の住人である天使が
この世界・下位の世界(物質世界?)に現れる(顕在化する)には、
肉体=下位の世界に適応する為の器が必要となる、だったと思う。
問題となるのがこの世界に存在する「霊」や「魂」と言うもので、これを当てはめようとすると、
この次元よりおそらく上位の次元の存在となるが、それがわずかなだけに器が必要不可欠ではなく……
って話がそれる上に切りが無いですね(苦笑)
この辺の話になるとアツクなってしまうんですみません。
まぁこれでいくなら、サードインパクトって人類を上位の存在に変える為の儀式だったのかなぁと。
その結果は言わずもがなでしたが。
また忘れるところだった。
>????さん
ネルフ本部の移動に関して私としてはかなり重要な事が。
「第三の樹」は、どうなってますか?
それと、出動時刻なんか設定していただければ幸いです。
>>64 ????他っす。今戻ってきたばかりなのでとり急ぎ。
第三の樹に関しては、危険物(誰のせいかは言うまでもなく(藁))の上、「今す
ぐに必要な物」では無いので、変形の際に切り離され、いまだ第三に生えて
います。
出動時刻はネルフ本隊の移動開始とほぼ同時刻として設定しておきます。(スピー
ドは本隊の京都到着に少し遅れて合流するくらいに調整)
66 :
町奉行:03/05/07 21:07 ID:???
どうした?、京都で戦闘が始まった?
ウーラ中尉、洋上の艦隊の様子はどうだ?
ネルフには作戦の動きがあるか、トライラックス艦隊、いや
反乱艦隊の様子は?
まだ不明、通信が沈黙しているか、傍受対策をしているって
そういうことか。
こちらも、京都へ入るように針路を取れ。
雷火副長、上陸班を用意しておけ。
機関室、最大出力、警戒警報!
最大速度。
どうした?
なんだと、京都を覆っている霧が壁のようになってるって?
そこにあいた穴も修復されたってのか?
いいだろう。
針路そのまま、全武装、いつでも撃てるようにしておけ。
探査機器の小さな動きも見逃すなよ。
副長、上陸班はいつでも出れるように待機だ。
町奉行書きです。
エンタープライズは、京都へは出遅れていますが
予定では琵琶湖のボーグ化したヒナ艦隊と戦わせる
つもりなので問題ないです。
オーバー・ザ・レインボーが艦隊との戦闘になったら
そこに向かう予定です。
トライラックス担当さん
ということですので、京都へはまだ行かないと思います。
周辺で爆撃くらいはするかもしれませんが。
奪われたノンシップと戦うのもクリンゴン相手みたいで
いいかもしれませんが。
で、副長は雷火です。
医療部長がでれば、倉紗美波里(くらさ・びばり=ビバリークラッシャー)
かもしれません。
黒めがねさん、参加できるものなら参加してほしいと思います。
あなたでないと動かせないものもあるわけですし。
赤い霧の中に雷のような閃光と爆発音が走り、4機のK-1ゲリオンは咄嗟に空中を飛び退いた。
障壁にぽっかりと開いた巨大な風穴から結界の中へ入って来ようとしていた彼らの母船が、霧の中から押し寄せて来た凄まじいエネルギーの塊りの直撃を受けたのだ。
“何!? 今のは!”K-1ゲリオン4号機『ドラゴン』のエントリープラグの中でシグナが叫んだ。
“敵の攻撃だわ!”セイラが言い、5号機『ペガサス』はポジトロンライフルを構える。
戦闘用大型ノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』は突破口の外側へ押し戻されて行くと、煙をあげながら墜落して行った。
そして、つい今しがた彼らが結界の中へ入って来た突破口が変形すると、見る見る塞がって行くではないか。
“大変だわ! 穴が閉じて行く!”8号機『ゴーレム』のパイロットのルカが叫んだ。“私達、閉じ込められたんだわ!”
“くそっ! よくもやったわね!”セイラが悪態をつき、赤い霧の中へポジトロンライフルを発砲した。
しかし、霧の中から先ほどの攻撃を放った敵は応戦して来る気配もない。
“どうやら砲弾の無駄使いのようね”3号機『ターロス』のパイロットのキラが現状況を的確に分析して言った。“少なくとも敵の正体がわからないうちは・・・”
“どうするの? キラ”シグナが押し付けがましく言った。“あんたが便宜上の隊長役でしょ?”
“・・・こちら03‐Kiraです。応答願います・・・”キラは結界の外側に通信を試みる。“駄目ね。ノンシップはおろかネオ戦自とも通信不能だわ。たぶんこの電波障害のせいね”
しかし、彼女は意外にも冷静な様子だ。
“当初は潜入部隊が教団大神殿を爆破したのを合図にK-1ゲリオン8機で強行突入する作戦だったが、予定に大幅なズレが生じてしまったわね”と、冷静沈着に現状を述べる。
“私達はその半分の4機・・・”ルカは怖気付いてしまっている。“しかも、ノンシップのサポートもなしじゃ勝ち目なんてないわよ!”
“何言ってるの、ルカ”気丈なセイラが言った。“この状況じゃ逃げることだってできないわ。前進あるのみよ!”
“そうね”キラが言った。“セイラの言う通りだわ”
そして、彼女達はランドマスター隊、ネオ戦略自衛隊の起動歩兵隊とともに進軍を始めるのであった。
重要な局面にありながら、どうもカキコ意欲をそがれてしまった感があるな。
ええっと・・・、
キラ:K-1ゲリオン3号機『ターロス』(旧四号機ベース、体色は銀)
のパイロット。便宜上の隊長役で少尉の階級を持っている。
ただし、空軍に配属されているミソラも少尉であることから、
戦闘要員として訓練を受けているクローンアスカは全員が
少尉の階級を与えられているという可能性も考えられる。
どうやらノヴァの後釜らしい。性格は冷静沈着。
シグナ:4号機『ドラゴン』(量産機ベース、体色は白)のパイロット。
何かと言うと、キラに寄りかかろうとするきらいがある。
セイラ:5号機『ペガサス』(量産機ベース、体色は白)のパイロット。
気丈な性格で、シヴァに次いでオリジナルに近いものがある。
ルカ:8号機『ゴーレム』(参号機と量産機の複合型、体色は灰)の
パイロット。臆病なくせにシヴァに対抗意識を持っている。
脇役キャラにまで設定が細かいあたりは『スターウォーズ』の影響。
>????他さん
自分自身のカキコ読み返してみると、
????他さんが想定していたのとは微妙に異なっていることに気がつきました。
ラミエルの迎撃と穴が塞がるのとに時間差があり過ぎるような気も・・・。
そうしないとK-1ゲリオン4機とネオ戦自の陸戦隊が結界の中に入れなかったので。
オリハルコン・レーザーが意外に破壊力があったため、
反応が遅れたとでも解釈して下さると助かります。
>町奉行さん
申し訳ありません。突破口はすぐに塞がってしまいました。
この後、フウイ・ノ・レイやギーガーの乗る『ポウル・ウスル・ムアディブ』も
到着して結界内へ突入しますが、エンタープライズの方は結界には入らずに
ボーグ化した艦隊と戦うのですか? ちなみに『デウス・ウキス・マキナ』は
結界の中、大神殿の上空に控えているので、中へ入らないと戦えません。
ところで、尾武来園とか魚雄府とかいうような乗員もいるのでしょうか?
>E計画さん
まあ、結局の所は謎が多かった本編から派生した解釈のひとつってことですね。
この場合は『バイオレンスジャック』的だと言えるかな。
人類の祖先やアダムを産み出した宇宙人が彼ら自身も200万年の間に進化して、
神様に近い存在になったという『2001年宇宙の旅』的な可能性も考えたんだけど、
この場合は没だな。可能性としては考えられるんだけど、この状況では・・・。
それで、例によってヒンシュク買いまくりだけど、
私は本スレ参入当初からかなり最近まで作品世界の根底的法則を勘違いしていて、
「サードインパクトの影響」というのをあまり重要なものとしてはとらえていなかったのです。
そんな具合だから、わりと最近まで私の認識観念では、
・アダムが地球上で最強の存在であり、他の使徒生物やEVAもそれから始まった。
・そのアダムを産みだしたり、封印したりした宇宙人や古代人に近い領域にある
ネモ船長やバーベム卿はこれに次ぐ存在であり、使徒やEVAを何がしかの
方法手段でおさえることができるだけの力を持っている。
と、いうふうにとらえていたのです。サードインパクトを抜きにして考えれば、
それもあながち当たらずとも遠からずだったのではないかと思うのですが。
この点から私がネモやバーベムを上位にランクしたがる根拠もわかると思います。
特にネモ船長に関してはカキコ者の間でかなり喰い違いがあるようですね。
ちなみに、
ネモ船長:人類の祖先やアダムを産み出した宇宙人の末裔だとされるが、よくわからない。
バーベム卿:3万5千年以上も前から生存しているらしく、殺しても死なない。アダムもどき?
ところが、サードインパクトの影響に加え、主席司教や聖母の登場を考えると、
どうやらそのような単純な構図では納まらなくなってしまったわけです。
そこらへんから考えると、ネモやバーベムもさすがに主席司教や聖母、委員会には
とうてい及ばないってことになるね。利害関係や組織構図みたいなものを考えれば、
なるほどっていう感じもするんだけどな。だからネモもバーベムも裏切った、と。
えー、ネタも書かんでなんですが、????他です。ちと設定関係に補足をば。
○トライラックス担当さん
現時点で、一応世界の法則の頂点となる存在は実はいるんだが、バラバラに分割
されているために不在という状態ですね。一つ言ってしまえば、オリジナルのロ
ンギヌスの槍も現在はそのピースの(かなり重要な)一部分といった所です。
で、私がネモを上位にすべきでないと考えるのは、単純に「ナディア」での描写
から見て、基本的には常人の域に収まってる存在だろうと思うからです。使徒
などに対抗する手段があっても、それは太古の時代の遺物の恩恵を受ける事がで
きるからとう感じですね。(それらを利用できる素質と知識と言うべきか)
それと、バーベム他のキャラについてもそうですが、基本的に、極めてごく一部
(具体的にはサードインパクトの中心にいた三人と主席&聖母)の例外を除き、サー
ドインパクト超えエヴァがパワー開放時に行う特殊攻撃で、彼等の持つ破壊エネル
ギーを流し込まれて、かつ死亡ダメージを受けると確実に死亡します。流される
直前に脳を切り離したとか、分裂したとかいうケースを除けば、あらゆる防御、
再生機能に優先されますのでご注意を。
ちなみに単語的に区分けするなら、委員会は亜神、エヴァ能力者は半神、カヲル
や司教は神寄りの半神という感じですね。これは主にS2機関の常時作動と関係
しており、シンジ、アスカ、レイはあえて人間寄りの半神の位置にいる感じです。
ちなみにエヴァとの契約以前ならシンジ、アスカ、レイを殺害する事は可能でした。
彼等がエヴァと契約した事で、彼等は自分を高次元の領域に近づけてしまった感
じです。尚、エヴァも使徒も本来存在する領域では高い自我を持たず、こちらの
世界にいるがための自我を確立させている必要がある感じですね。
そして、主席と聖母はこの世界においては完全にイレギュラーな存在であったりします。
……ところで、覚悟の行動を見ていて思いだしました。彼が八握の剣を持っていっ
たという事は、確実に聖母の使徒が追跡してきますので気をつけて。ちなみにこ
れを振り切れば結界のパワー25%減です(藁
「だから・・・さっきも言っただろ。俺は救世主だなんて大それた器じゃないって」
「しかし、エヴァ・フェット殿。貴方は教団の教義に語られる救世主と同じ身体的特徴をお持ちではありませんか」
「いや、これは・・・だから、俺は元は別の姿だったんだが、あのサードインパクトが起こった時にこの外見になったんだよ」
俺は失敗作使徒人間達にこれまでの身の上話を話して聞かせ、誤解を解こうとした。
だが、それがかえって誤解を深めてしまう所となったようだ。
「なるほど、やはりそうだ」自称宗教学者の著衛玖が言った。「それでは貴方はサードインパクトの時に選ばれ、我らの救世主となるためにその姿になったのですな」
「悪い冗談を言うな。俺は無力で無能で何もできない男だ。ただ、他人から金を貰って頼まれたことをするだけの存在なんだ。あんたらを助けることなんてできやしねえ」
「おい、エヴァ・フェット准尉!」ガイア・ノムラが俺を怒鳴りつけるように言った。「著衛玖さんや巣輝牙さんがせっかく協力して下さると言ってるのに、そういう夢のないことを言うな」
「しかし、ガイアさんよ・・・それじゃあ、俺にそんな実力もねえってのに、こいつらのニセ救世主になれってのか?」
「そのくらいの心遣いがあってもバチは当たるまい。皆さんをお助けするよう努力しろ。世の中、持ちつ持たれつだからな」
「そんな・・・いや、待てよ」俺は思い当たることがあって言った。「そうだ。俺じゃなくて俺の元上司のフウイ・ノ・レイ様とか、その後輩のもう1人の綾波レイとかはどうだ?」
「フウイ・ノ・レイ? 一体どこのどなた様です?」著衛玖は俺に訊き返した。「その方も青い頭髪と赤い瞳をお持ちなのですか?」
「おう、フウイ・ノ・レイ様はトライラックスの前の駐日大使だ。異国で生き残った人類が殺し合いをしていることで心を痛めておられる。だから、日本での内乱を治めようとしておられた」
「そのような方がおられるのですか?」
「そうだ。俺なんかより、フウイ・ノ・レイ様の方がよっぽど救世主とやらに相応しいぜ」
「それでは、自分は先を急ぎますゆえ、これにて!」
葉隠覚悟と名乗る少年は私達に敬礼をすると、ノンシップの発着場から船外へ飛び出して行った。
「げげっ! おい、待て!」スモーカー大佐とピエット提督が驚いて呼び戻そうとする。「この船は高速で空を飛んでいるんだぞ!」
だが、葉隠覚悟は装甲服からジェット噴射をすると、大空を飛び去って行った。
「あいつ、どこへ行くつもりなんだ・・・?」
私も正直言って唖然とした。日本へ戻るのであれば、この船に同乗して行った方が早いのに。
あの渚カヲルとかいう男に負けず劣らず奇特な感じのする少年である。
「いいなあ・・・わしもあんな装甲服が欲しいなあ・・・」ギーガー様が飛び去って行く葉隠覚悟を見送りながらつぶやいた。「あんなのを大量生産すれば世界征服もより現実に近いものとなるだろうに・・・」
ところが、葉隠覚悟の姿が見えなくなってから、今度は別の飛行物体が接近しているという報告が入った。
「ギーガー様、かなり大型の飛行物体が接近中です」
「大型の飛行物体? 飛行機か?」
「いえ、航空機や飛行船ではありません。生物のようです」
中央制御室に平面モニタースクリーンが浮かび上がり、そこに映し出された異形の飛行物体を見た途端、私もギーガー様も驚愕した。
それは以前にもトライラックス本国の首都バンダロングで見覚えのあるものであった。
“アー、リイッ。アー、リイッ・・・”
「なッ、なぜこいつがここに!?」ギーガー様が言った。「すると、教団側の迎撃か!?」
「そうだ、この刀だ・・・」スモーカー大佐がいかにも古めかしい造型の日本刀のような物を差し上げながら言った。「俺達が京都の神社からこの刀を持って来たもんだから、奪い返しに来やがったんだ!」
「どちらにしても、教団側が攻撃を仕掛けて来たことには変わらぬようだな。応戦するまでだ」
>????他さん
ちょうど“八握の剣”のことに関して質問しようと思っていた所だったのですが・・・、
葉隠覚悟はノンシップに同乗して行った方が早いと思っていたら、
むしろトライラックス側に危険なアイテムを押し付ける形になってしまったようですね。
ええっと・・・京都に着く前にシヴァ達のK-1ゲリオンを聖母の使徒と
戦わせてみようと思うんですが、勝ち目はあるでしょうか?
>>76 ????他っす。聖母の使徒程度の相手ならK1ゲリオン等でも勝ち目は
あります。尚、ここで追撃してきた奴は3メートルほどのサイズの奴です
が、巨大サイズのエヴァと戦闘して苦戦するようなら(つまり、手早くこ
いつを倒せないと)、複数の仲間を呼んで、合体、巨大化してきます。
京都でも戦況によってはこいつが複数出現する可能性があります。ちなみ
にこいつや委員会の周囲にいるサターン1の使徒のような魂の無いタイプ
の使徒は数が多い分、パワー以外は司教やオリジナル使途には劣ります
(と、いうかオリジナル使徒でも直接戦闘型ならK1ゲリオンでも戦術に
よっては対処可能です。一番ヤバい直接戦闘型のゼルエルはすでにいませんし)
ちなみに八握の剣は使用者の精神力を刀身に集めて攻撃力を上げたり、
刀身から、溜めたそれを発射して絶大な破壊力を出す事ができたりします。
(ただし、使用者の消耗が極めて激しい) ちなみに主席に使用すると製作者
の特権で剣が自爆し、使用者に被害が来ます(藁
78 :
44:03/05/09 13:52 ID:???
未だにネタ書いてなくてすみません。
現在、前スレ読み直して、「LIVE」以降のネルフ関連を無理矢理まとめようとしてます。
????他様、提唱者様、他京都進攻参加中の皆様ホントのろくてすんません(平伏
>>62 レスが遅れてごめんなさい。
なんか・・・>44いい気になってレス強要したみたいで・・・同情クレクレ野郎ですね自分。はい。
改めてすんませんでした。小一時間恥じ入ってきます・・・
あなたが本当に加持さんだとしても(疑うも疑わないもここでは意味がありませんが)
自分にはそのことに関するわだかまりとか、妙な悪意や敵意みたいなものはありません。
余計かもしれませんが、それだけ。
お帰りなさい。
・・・・・・ていうかせっかくイイ形になってきたネオ戦自と覚悟さん置いて
このままロスト、ってのは(これもホントに強要権なんかないですけど)マジ勘弁っすよ(w
>町奉行様
・・・ありがとうです。
「消えるぜ!」「・・・やっぱ居てもいいっすか」のパターン多いですね自分。
ビルの屋上とかで「チクショー死んでやる!」とか喚いてる人のレベルですか(恥
一応、毎回ちゃんと飛び降りる気はあったんですけどね。と言い訳を。
関係ないかもしれませんが、湯本のおかみさんはボーグやエンタープライズの元ネタ知らない
(=調べてもすぐにはまともなの書けない)ので、逃亡させて頂きました。スマソ。
>厚木基地最後の兵士様
見ておられたら、ですが。
「黒ノ咆哮」こと契約EVAネタ、自分としては、できたらそちらのOKもらってから
発動ないし採用決定、としたいです。感想レス強要とかはしません、ただ
あれで問題ないかどうかの(ごく簡単なのでいいですから)意思表示を、できたら頂きたいです。
「正直引いた」「論外。」とかでも全然OKですから(本気です)
場所は前スレ>454を。伏してお願いします。
それでは。
「パターン青、使徒です」メンタート(人間電子計算機)のオペレーターがどこかで聞き覚えのある台詞を口にした。「体長は約3メートル。バンダロング市街に出現したのと形状、サイズともほぼ同じようです」
「よし、対ATフィールド仕様ラスガンキャノン砲で撃ち落せ」ギーガ―様が命令した。
「了解」
バンダロング市街に出現した同形状の別個体は携帯用対ATフィールド仕様ラスガンがたいしたダメージになっていなかったが、このノンシップに配備されている対ATフィールド仕様ラスガンキャノン砲は威力が違うらしい。
しかし、体長3メートルというわりと小型の標的が空を飛んで来る所へ砲弾を命中させるのはさすがに難しい。
標的である使徒は人造オリハルコンの砲弾を避けながら迫って来る。
と、突然、標的がモニタースクリーンからもレーダーからも消えてしまった。
「標的が消えました!」
「消えただと? そんな馬鹿な!」ギーガ―様は困惑したが、恐らく私と同じことに思い当たったのだろう。「いや、奴は常人には見えないように姿を消して壁をすり抜けることができるはずだぞ!」
「あやつの狙いがその刀を奪い返すことであるとすれば・・・」私はスモーカー大佐の方を振り返る。「スモーカー! その刀を私に貸せ!」
「へ? どうして?」スモーカー大佐は咄嗟に意味がわからなかったらしい。
「いいからよこせ! あんな化け物にこの中央制御室へ暴れ込まれてはたまったものではないわ!」私は刀をひったくるように奪い取る。「ギーガ―様! ピエット提督! 戦闘準備を整えて下さい!」
私はスモーカー大佐から奪い取った刀を抱えて中央制御室を飛び出した。
とにかく被害が少なくて済む所へおびき寄せなければならない。
K-1ゲリオンの格納ドックを通り抜け、発着場へたどり着いた所でそいつは私の前に現われた。
「アアァ〜、リイィ〜ッ!」
「よく来たな、化け物」ノンシップ艦内の発着場で私は聖母の手下の使徒と対峙して言った。
制御室や機関室などでこんな化け物に暴れられたらノンシップが墜落する危険もあるが、ここならその危険性は低い。
心置きなくドンパチやらかして、この知性も理性もへったくれもない化け物を葬ることができる。
とは言え、咄嗟にこいつをこの場におびき出したは良いが、果たしてどうやってやっつければ良いのか・・・。
「お前が欲しいのはこれか?」私はスモーカー大佐からひったくって持って来た奇妙な形状の刀を差し向ける。「そんなに欲しければくれてやる。ただし、力ずくで奪い取れ!」
「アー、リイッ?」
「さあ、どうする? 戦車も消し飛ばす破壊光線で攻撃するか? そんなことをしたらお大事な刀も木っ端微塵だな?」
もっとも、知的生物にはほど遠いこの生き物にそんなことを言っても通じるかどうかはとうてき定かではない。
と、思っていたら、使徒は「アー、リイッ!」と奇声を発して身体を反転させ、尻尾で私をはたき飛ばした。
私は発着場の地面の上に倒れて転がる。
「よくも大使様をやったな!」私の後を追って来ていたスモーカー大佐が駆け付けて来た。「これでも喰らえ! ホワイトブロー!」
スモーカー大佐は両手から白い煙を噴出して拳をまるでロケットパンチのように飛ばし、使徒を攻撃する。
しかし、対ATフィールド仕様ラスガンでも致命傷にならない相手にそんなやわな攻撃が通じるはずもなかった。
「アー、リイッ!」使徒は軽くあしらうようにスモーカー大佐を尻尾ではたき飛ばす。
「ふげえええ〜ッ!」大柄なスモーカー大佐の身体も軽く発着場の向こうの端まですっ飛んで行った。
「あの化け物だ! 撃てェ!」兵士が10人くらい押し寄せて来ると、対ATフィールド仕様ラスガンを一斉に発砲する。「身体中のどこかに泣き所があるはずだ!」
1発や2発ならともかく、これだけの人造オリハルコン弾を撃ち込まれては少しは応えたらしく、使徒は前進から煙を吹き出しながら「ア〜、リイ〜ッ!」という奇声を発してもがき苦しんだ。
「やったか?」私は起き上がって言った。
だが、煙の中から現われたそいつはおよそ決定打になっていない様子で、「ア〜、リイ〜ッ!」と咆哮すると、今度は破壊光線を発射して攻撃して来た。
発着場の中で爆発が起こり、兵士達がすっ飛んで来た。
私が地面の上に落ちている刀を拾うと、使徒もそれに気づいて私の方へ向かって来た。
「フウイ・ノ・レイ1号、お命をお守り下さい!」私の前にロボコップ2号のような姿をした機械が私をかばうようにが立ちはだかる。
ロボットのようだが、ロボットではない。私と同じサイボーグ―――フウイ・ノ・レイ2号だ。
フウイ・ノ・レイ2号はその新しい身体に搭載されている対ATフィールド仕様ラスガンやレーザー砲で使徒を攻撃し、使徒はまたも前進から煙をあげた。
「ア〜、リイ〜ッ!」
そして、もう1人、金色の光を放つ巨人が使徒に組み付いて殴りつけている。
これもロボットのようだが、ロボットではなく、ピエット提督が変身した姿だ。
ピエット提督もキサラギ博士から改造されていて、身体の組成を金属化させることができ、それをすると身体の強度もパワーもアップするらしい。
だが、使徒もいつまでもやられっぱなしではなかった。
そいつは尻尾でピエット提督を払いのけると、光線を浴びせる。
「ぐわっ!」ピエット提督の金属人間は胸から煙をあげて倒れた。
「フウイ・ノ・レイ1号、早く・・・」フウイ・ノ・レイ2号が私に早く逃げるようにうながしている。
「し、しかし・・・」私がこの戦況の中を自分だけ逃げることをためらっていると、ギーガ―様の声が聞こえた。
「下がれ、フウイ・ノ・レイ! わしが始末してやる!」
あたりには兵士の死体が散乱していて、煙があがっている。
その中で黒い骨格標本のような姿をした等身大のEVA量産試作壱号機がエイのような姿の使徒と対峙していた。
「頼りない部下を持つと苦労するわ。今度はわしが相手だ。世界の支配者になるこのギーガー様が、な!」
「ア〜、リイッ?」
「ところで、わしはガギエルのムニエルが好物でな」等身大EVAの姿のギーガ―様は何の脈絡もなく関係ない話をした。「お前、ガギエルに似ているが、食ったら美味いのか?」
「アー、リイッ!」使徒はギーガ―様の言った意味がわかっているのかいないのか、咆哮しながら襲い掛かって来た。
「前大使、今のうちに逃げましょう」ピエット提督が胸から煙をあげながら言った。
「し、しかし、ギーガ―様が・・・」私が振り返る。「このままではやられてしまうかも・・・」
「ギーガ―様なら心配ないわ」包帯だらけのスティンガーが言った。「あの人は不死身よ」
なるほど、ギーガ―様が等身大EVAに変身したら、もう戦いはほとんど一方的な形勢になっていた。
ギーガ―様は使徒を押し倒して馬乗りになり、ボコボコに殴りつけている。
ノヴァとIG-88Zに奇襲攻撃された時はふいを突かれた形だったし、相手が相手だったため、一方的にやられてしまったが、今回はわけが違う。
最初から敵だとわかっているのでそれほど苦戦することもないようだ。
ギーガ―様の等身大EVA量産試作壱号機は使徒の尻尾をつかんで振り回し、地面や壁に叩き付けた。
「アアァ〜、リイィィィ〜ッ・・・!」
さらに等身大EVA量産試作壱号機が二重になっている口からプラズマレーザーを浴びせると、さすがの聖母の手下の使徒も尻尾をまいて発着場からノンシップの外へ逃げ出した。
>????他さん
スモーウォーカー『紫一角』を追跡して来た使徒とシヴァ達のK-1ゲリオンを
戦わせようと思ってたんですが、体長3メートルとサイズが意外に小さいので、
K-1ゲリオンではなく、他の乗船メンバーが力を合わせてやっつけるという
展開にしました。なんか『怪獣総進撃』のキングギドラ袋叩きシーンみたいだな。
ギーガ―のトライラックス本国編ではやられっぱなしだったが、少しは強い所を
見せてもらわにゃ、京都最終決戦で出る幕なしというのは困るし。
ギーガ―の好きな食べ物が「ガギエルのムニエル」というのは笑うよな。
確か過去スレ拾でも語られていた場面があったような記憶があるが。
この後、どうしましょうか? 一旦、ノンシップ船外へ逃げた使徒が仲間を
呼んで合体、巨大化、今度はK-1ゲリオンと対戦というふうにしようか?
う〜ん、戦闘シーンは苦手。
トライラックス以外の奴もネタカキコしろ。
彼等の動きの一つはすでに始まっていた。
巨大な画面の街頭テレビが設置され、ある番組だけが流れている。
チャンネルを切り替えれば、映っているものは変わる。
しかしそれは見せ方が変わっただけで、ある一つの事象に関わるものである事に変わりない。
フォースインパクト―――ある者は悪夢の再来だと言い、またある者は神の試練だと言った。
「せっかく「祭」が始まるってのに、これはねえよな」
この者にとってそれは、祭と言うイベントだった。
愚痴は言うだけで、解消する為の行動に出る事は無いだろう。
「ああ。でも今更だ。なかなか人気があるな」
二人の視線の先の街頭テレビの前には人だかりができ、
喧々囂々と突然映り出した物について言い合っている。
街頭のすぐ横では炊き出しが始まっていて、それ目当てに来る者もいるようだ。
このご時世にボランティアなのか、炊き出しをしている者達が金を集めている様子は無い。
「自分達の未来だからな。興味が湧かないわけは無いさ」
そう言って一人が、この辺りでは高価なインスタントコーヒーを一口すする。
炊き出しのおかげで急に閑散としてきたカフェには彼等二人しか客がいない。
「……しっかし、アレはよく出来てるよなぁ」
通りに面した大窓の向こうでは「勇者達の戦い」と題して、
彼等にとっては少し懐かしい映像が流れている。
「連絡の奴等が暇つぶしに作ったものとは思えんな。上手く編集されている」
元々これは時間合わせの予備だったはずだが、変えられるチャンネルをチェックしていると、
何故か数種類あることに気づかされる。
「顔は変えてあるし、場合によっちゃ「再現」なんて字幕つけてるしよ」
実際に映っている物はところどころ再現では無いのかもしれない。
「多少のジョークも利いている……が、生やってる奴のありゃ何だ?」
「あのレポーターか。ショウジって読むんだよな? 普通は」
「トウカイリンじゃあねぇよな。偽名にしても、もう少し頭を使って欲しかったぜ」
「それも、今更だけどな」
思っていたよりも緩やかに始まったわね。
朝日が昇ってからが本格的な祭典の開始かしら。
綾波「教」と言うだけあってその手の物を出してきたから、映像が一部死んでるわ。
「そっち、回復した?」
「完全に死んでます。こちらから起動信号も届きません」
「映像に混じっている妙なノイズも除去不能、いまだ原因不明です」
……科学万能の時代なんて言わないけれど、これじゃ可哀想ね。
編集したテープで時間を稼いでるみたいだけど、今一歩届いていない。
彼等が本格的に動くまでに何とかなればいいけど。
「………何度やっても無駄のようね。そこそこで打ち切って通常作業に戻って。
連絡班には無理でしたって、連絡入れといて」
「しかしそれでは……」
いいのよ別に。
私達にとってそれは重要だけど、最重要では無いから。
「下手に粘って醜態晒す方が非効率的で、かっこ悪いわ。
出来ないものは出来ないって割り切る事は案外大事よ。
そのままにしておく気は無いわ、あとでじっくりとやりましょ」
「解りました」
ここの仕事は連続的なものだから急に内容が変わる事は無いけど、他の部署は大変よ。
望んでやっているにしても、試練、いえ、荒行ね。
ほんとこの仕事で良かったわ。
我慢する必要が全然無いんだから。
外部視点をはさんでみました。
状況補足ですが、カメラマン及びリポーターは一般的な服装です。
黒武装の護衛をつけたカメラマンは多少の防御装備をしています。
また、一部の例外(拾弐>449)も当然ながらいます。
>>18にて呼びかけを行ったのですが、レス来ないですね。
一つ思ったのは、ライブにしても京都戦を始めるにしても一度時間のずれを
なくしておかないとちぐはぐな展開になりかねないかなと。
皆様如何でしょうか?
多分その辺りでネタレスが停滞している原因かなと思っているのですが……
それと京都戦での個人的な情報整理、施設位置編
☆六道珍王寺(本尊・閻魔大王が内=死返玉)
を中心として、
北北東:青蓮院(将軍塚=蛇之比礼)A
南南西:蓮華王院(千とひとつの観音像と、それらが内に秘めたる曼陀羅=生玉)A
南南東:剣神社(本殿=八握剣、これは回収・攻略(?)済み)B
北西 :☆頂法寺(へそ石の下=道返玉)C
北 :京都大学(レイ達が居る、人工進化研究所有り)D
北西 :京都御苑(綾波教大神殿)E
六道珍王寺からの距離はA<B<C<D<Eとなる。ただしA〜Cの差はそれほど無い。
☆の施設は拾弐>80にて要注意で、特に大事な物があるらしいとある。
今夜はこれにて。
距離についてちょいと補足。
上記での距離はあくまでも直線距離でA≒1.2km、D≒4km。
D、Eの差はそれほどでもない。
京都御苑と京都大学の間は直線距離にして約1.2km。
赤い霧の中を進軍するランドマスターとネオ戦略自衛隊、そしてトライラックスの連合部隊の前に突如、黒い影のようなモノが出現した。
“な、何? あれ・・・?”K-1ゲリオン8号機『ゴーレム』のエントリープラグの中でルカがあえぐように言った。
“あれは・・・ディラックの海ね”3号機『ターロス』パイロットであり、便宜上の隊長役であるキラが慌てず騒がず言った。“と、言うことは・・・”
黒い影のようなディラックの海は彼らの前に広がると、その中から蜘蛛のような生き物が10匹ほど、ゾロゾロと這い出して来た。
体長はゆうに10メートルくらい、第9使徒マトリエルに似ていなくもないが、もっと生物的に生々しい造型をしている。
“パターン青、使徒ね”キラが言った。“でも、講義で習ったのとは違う・・・”
蜘蛛のような形状の使徒はマトリエルとは明らかに異なる大きく裂けて鋭い牙の生えた口からヨダレを流し、そのヨダレが落ちた地面からシューシューと煙があがった。
“ヤッホォ〜、ミゾロギ君だよォ〜♪”その蜘蛛のような使徒の中の1匹が人間にもわかる言葉で言った。“よくお越し下さいましたねェ〜。僕ちゃんも大歓迎しちゃうよォ〜”
“ミゾロギですって?”4号機『ドラゴン』パイロットのシグナが噛みつくように言った。“一体何者よ!?”
“わっはっはっははは・・・僕ちゃんは第9使徒と第12使徒の能力の使い手にして、今度は新たに第8使徒の能力も授かったミゾロギ君なのだ! ヒナ嬢様の御命令で君達を始末しに来たのだ!”
そう言うと、蜘蛛型使徒の大群は口から粘着液を吐き出し、それは空気中で固まって糸状になると、ランドマスター隊、ネオ戦略自衛隊に絡み付いて来た。
そして、蜘蛛型使徒は今度は口から溶解液を吐き出しながら襲い掛かって来る。
“つまり、私達にとって敵ってことよね”キラは相変わらず冷静な口調で言った。“戦闘開始!”
“まっかせなさあ〜い!”5号機『ペガサス』パイロットのセイラが息をまいて叫んだ。“いよいよこれまでの訓練の成果を実戦で試す時が来たってわけね! 行くわよ!”
日本へ向かっている途中で聖母の使徒と戦っているギーガーやフウイ・ノ・レイの
一行のことは取り合えず置いといて・・・今日は京都の結界の中に潜入した
K-1ゲリオン部隊(&ランドマスター隊、ネオ戦略自衛隊)の進軍を書いてみました。
ミゾロギの分身末端使徒が10匹ほど、迎撃しに現われました。
ランドマスター隊とネオ戦略自衛隊、K-1ゲリオン4機の協同で対戦することになります。
改めて人物設定を紹介しますが、
ミゾロギ:クローリー・ヒナ大使の護衛として同行していたサルダウカー士官。
登場当初は少尉だったが、後に大佐に昇格。
いつも前髪で左眼を隠していて、黒いスーツを着ている。
ストーカー犯罪で逮捕歴あり。
一人称は「僕ちゃん」、口癖は「クソうめえだろ」、ヒナ大使を「ヒナ嬢様」と呼ぶ。
キサラギ博士から使徒能力を授かる。左眼がコア。
眼球から蜘蛛のような触手の生えた分身使徒を操り、スパイ活動をしたり、
身体をディラックの海に変えて離れた所へ移動したりもできる。
ただし、射程距離は短く、本体から離れると正確に操作できなくなる。
主席司教に第8使徒サンダルフォンと合体させられたため、
他の能力もパワーアップしてしまう。
>>89で迎撃して来たのはパワーアップした分身使徒で、
本人は離れた所から遠隔操作している。
「マスター、トライラックスの連中が開けた穴が塞がっちまったぜ。」
あのサイズなら自動修復機能があるのは当然か
「スラッシュ、伍号機が突入する直前に衛星砲を撃て」
「了解。」
発射台から伍号機が発射されようとしている
「まほろさん、準備はできたか?」
「ええ、突入地点への誘導は大丈夫です。
発射してよろしいですね。」
「構わんさっさとやってくれ。」
ナナコ、頼むから生きててくれよ
「それでは始めます。
10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・0」
轟音と煙を吹き上げながら衛星打ち上げ用ロケットを
装備した伍号機が上昇していった。
92 :
91:03/05/11 04:11 ID:???
二週間以上も書き込みを怠っていてすみません。
ネタが尽きている内にタイミングを逸してしまったもので
>厚木基地最後の兵士さん
>高橋覗さん
と、言う訳で、ランドマスター隊とネオ戦略自衛隊、
K-1ゲリオン4機の協同戦です。
そちらも派手に暴れてミゾロギの分身末端使徒どもをやっつけて下さい。
>E計画さん
私はライブカキコでの戦闘参加は無理ですね。
カキコできる時間帯が不規則なので。
ただ、これまでバラバラだったストーリー上での時間軸が
徐々に追いついて来ました。
トライラックス側は当初、エヴァ・フェット達の潜入部隊が大神殿を
爆破したのを合図に、K-1ゲリオン部隊を突入させる予定だったが、
いずれも教団側の策略により足止めを喰らっています。
潜入部隊(エヴァ・フェット組):教団側の罠により殲滅、地底に迷い込む。
先行突入部隊(キラ組):ノンシップは撃墜、K-1ゲリオンは結界内に潜入。
本国主力部隊(ギーガー組):日本へ向かう途中で聖母の使徒と交戦中。
補完還元部隊(ネモ組):レッドノアで日本へ向かっている最中?
ランドマスター通信ログ
ミソラ少尉「後方障壁、大規模レーザー兵器により貫通、侵入口が
ひらきました、内部へ侵入してくるものがあります。」
隊長 「識別は?、敵か味方かだけでもいい。」
ミソラ少尉「識別は、K−1ゲリオンのパターンです、恐らく味方だと
思われます、いえ味方です、通信では京都神殿攻略に入った
ということだそうであります。」
隊長 「それに味方識別コードを送れ、ネオ戦自にも通達。」
数分後
ミソラ少尉「敵と思われるもの前方に出現、数10、識別信号はありません。
反応から使徒と思われます。」
隊長 「2号に通達、ニュートリノビームガン部隊準備。
衛生兵少尉にはまだ待機と厳命すると伝えろ。」
ミソラ少尉「了解しました。」
隊長個人日誌
京都を包む赤いバリアを破壊してトライラックスの部隊が進攻を開始している。
その機動兵器K−1ゲリオンもこの救出部隊とともに移動するという。
部隊は多い方がいい。
だが、侵入に使われた破壊口は自己修復したらしい。
後続、および援護の航空隊は侵入して来れないだろう。
時間までにはなんらかの方法を発見するかもしれないだろう。
しかし、前方に新たな敵使徒が出現し、戦闘を開始することになる。
既に敵に存在を知られている以上、黙って進軍する必要もないだろう。
各班への戦闘を指示する。
だが、ランドマスター、および戦自車両が糸に包まれる。
機動力が失われるのは避けなければいけない。
ニュートリノビームガン部隊には糸の排除を指示、その他部隊は前方の
使徒およびそれを操るミゾロギへの攻撃を支持する。
もっとも現在確認されているのは、使徒だけ、である。
本体のミゾロギがいなければ、この使徒を倒すだけでいい。
攻撃班少尉2名に戦闘バイクでの攻撃を支持する。
副隊長個人日誌
使徒出現により戦闘へと移行する。
敵はおよそ10の蜘蛛型の使徒である。
そのため、粘着糸によりランドマスターおよび、戦自戦車の動きをとめようと
してきている。
だが、絡みついた糸はなんとかニュートリノビームによって焼き払うことが
可能であるために、機動性を失うことはない。
だが使徒を倒さないことにはらちがあかない。
幸い、トライラックスのエヴァ4機が戦闘を開始している。
こちらも、攻撃班が2名戦闘用バイクで出撃する。
一度は箱根で使用したG3だが改造版のG3−XとG−4を使い迎撃する。
ネオ戦自の戦車も砲撃を開始した。
いまだ、操っている者の姿を確認できない。
G−3X戦闘記録
前方の使徒にGM−01にて攻撃、効果無し。
GX−05をガトリングガンモードにして使用。
弾丸の効果もあり、使徒へも命中する弾丸が発生。
K−1ゲリオン戦闘時のATフィールド中和の影響か、命中弾丸多数。
目標使徒、後退。
GM−01とGX−05を合体、ランチャーモードに変更。
後退する目標に照準。
現在、ATフィールドはK−1ゲリオンの戦闘の影響で完全に中和されている
かと思われる。
標的ロック、発射。
使徒前面部を粉砕され、沈黙。
G−3X、武器再装填。
バイク一部溶解液ににて破損。
次標的を確認、戦闘続行。
G−4戦闘記録
接近する使徒に格闘による戦闘で対応。
電磁ナイフによる攻撃、初回はATフィールドを貫通せず。
戦闘パターンを変更、ロケットランチャーギガント装備。
初弾、ATフィールドを衝撃にて消滅、詳細は不明。
K−1ゲリオンの戦闘による影響もあると思われる。
ギガント第2射、命中。
標的、身体のおよそ2分の1を吹き飛ばされ沈黙。
さらに、3射、4射でもう1体を粉砕、これを沈黙。
ギガントロケット弾補充、再度戦闘に参加。
移動用バイク外装のおよそ半分を消失。
敵溶解液の攻撃によるものである。
厚木基地最後の兵士担当です。
間を空けてすいません。
箱根で使ったG3はG3−Xに、そしてG4に進化して露払いです。
実は、G3マイルドも有ります。
着るのは、あの上等兵です。
>>78 返事おそくてすいません。
あのスレにも書いておきましたが、オッケーです。
特に契約EVAがああなるとは予想外にかっこよかったですので。
>>93 戦闘を開始しました。
この時点では露払いのG3−XとG−4でいきます。
なお、ATフィールドはK−1ゲリオンの戦闘の影響も
武器の効能も両方の相乗効果的なものだとしたいのですが。
忘れてたので補足
春日歩ですが、ランドマスターになぜか密航していることに
してあります。
本人はいまのところ出てきませんが、先頭が激しくなったら
というか、人工進化研究所での戦闘開始でパニックになりながら
2号操縦席にでてくるようなことを考えてましたが。
密航の理由はコンテナ輸送に巻き込まれて、です。
ネルフおよびトライデントの京都進攻前夜20:55。
大阪湾内、海上都市大阪付近に第二種警戒態勢にて停泊中のネルフ旗艦
空母オーヴァー・ザ・レインボー艦内、第四予備ケイジ内。
こちらの合図を受け、「E」計画からの”援助物資”が届いたのはそこだった。
ケイジといっても、京都進攻に備え無理矢理作った空きスペースにすぎない。他に所属艦船を
持たないネルフおよびトライデントでは、艦の戦闘可能重量ぎりぎりまで弾薬・補給物資を
積載するべく、艦内数箇所にこういう予備空間が急造されている。
第四予備はそのうち、これまでの戦いにおいて大破し、破棄せざるを得なくなった武器・
兵装をそれまでとりあえず収めていた場所であり、艦上・艦内ともに直結する最大規模の
スペースである。廃棄処分となった兵装類は、今回、海上都市大阪へ廉価で払い下げられた。
それらは耐用限界を大幅に超え、兵器としてはもう使い物にならないものばかりだ。しかし、
兵器というものはそのまま各種電子機器や機械部品の宝庫でもある。使おうと思えば、
いくらでもリサイクルして復興の一助とすることができる筈だ。海上都市大阪を戦場にした事実、
その代償としてはあまりにささやかなことでしかないが、我々に今できるのは
このくらいしかない。
ともあれ、それらを全て搬出した結果、狭い艦内にぽっかり空いたスペースが
ここ第四予備ケイジである。大阪会戦では同じくここを空け、EVA各機を艦上に出す際の
通路兼臨時最終整備ケイジとして使っていた。今回も同用途、もしくはトラインデント二機の
戦闘待機スペースとして運用される予定である。
問題の転送が完了したのは、葛城さんと俺が甲板を離れてすぐのことだ。
見回りの艦内スタッフの通報で駆けつけた俺たちが見たのは、数分前まで確かにカラだった
スペースに積まれた、大量の箱詰め物資だった。箱の外装には特に記載事項等はなく、
箱自体もごく普通のものでしかない。
荷物のチェックに入る警備員たちを見守りながら、葛城さんがふと訊いてきた。
「日向君、さっきの”狼煙”、正確には何時だった?」
「ちょっと待ってください・・・20:53ですね、地上にEMP被害を出さないデブリの
軌道通過時間に合わせましたから。
・・・ということは、これが」
俺はきっちりと積まれた箱の山から、葛城さんの顔に目を移した。葛城さんは
腕を組んだまま微動だにしない。
「そうよ。恐らくはコレが例の”援助物資”でしょうね。にしても、合図から数分で到着とは、
さっすがゲート転送技術を擁する『E』計画。仕事が早いわね」
そう言いながらも、葛城さんの表情は決して明るいものではなかった。
立ちすくむ俺に、葛城さんは厳しい一瞥とともに指示を下した。
「急いでリツコとレイを呼んで。あの二人なら、これが本当に援助目的で来たのかどうか、
すぐにわかるわ」
同夜21:01、同じく第四予備ケイジ内。
駆けつけた赤木博士と綾波レイを中心に、即時”援助物資”のチェックが開始された。
簡単に言えば、中身は大量の通信機だった。正確にネルフおよびトライデントの
全人員分の個数。頭にとりつけるヘッドセット型、従来機種に近いレシーバ型、腕に留める
リストバンド型の三タイプがほぼ等量に入っていた。使い勝手のいいものを適当に選べ、
ということだろう。だが通信機とは言っても、それは従来のもの、特に我々が使用している
旧戦自遺棄基地などからの引き揚げ品とはまるで違った。
「たとえばこれね」
ヘッドセットタイプのひとつをつけた赤木博士が、指先で軽くスイッチを押した。同時に
通信機がすっと外殻トーンを変え、博士の髪の色調と質感を完璧に再現して
金髪の中に溶け込む。数人が思わず声を上げる。
「擬装表面材による光学迷彩。これは他の2タイプにも備わっているわ。それから
このタイプは送信・受信ともに音声通信は骨振動方式、つまり耳で聞くのではなく
頭蓋骨に伝わるわずかな振動を介するものだから、ちょっと見ただけでは
こっちが通信機を使っているかどうかの判別は困難ね」
「つまり、敵の目をあざむいてこっそり戦況をやりとりすることも可能って訳ね。
ぱっと見では、ただ周りと会話しているだけにしか見えないし」
リストバンドタイプを試していた葛城さんが顔を上げた。俺はその隣から付け加えた。
「同時に、通信機自体が敵に奪われる可能性もかなり低くなると考えられます。
これは管制側としてもありがたいですね。こちらの使用する通信機がひとつでも敵の手に渡れば、
傍受対策なんか何の意味もなくなりますから」
「そういうこと」
赤木博士は頷き、迷彩モードを切ったヘッドセットを外した。
「この通信機各機間での戦闘仕様LANの構築、オーヴァー・ザ・レインボーや
EVA・トライデント各機に配備されてる従来回線との常時リンク設置・・・
完全に未知の技術が使われてるとなると、結構かかるかもね」
「いえ、すぐに済みそうです。既存システムとの互換性も相当なものですから」
俺は通信機から引き出した内蔵スクリーンを示した。新種の形状記憶素材が
使用されているのか、厚さ1mmもない透明な画面は引き出すと平面状に固定され、
スイッチひとつでまた柔軟性を取り戻して通信機内部に巻き戻される。
「実際作業に入ってみないとはっきりしたことは言えませんが、私見では、このまま
単純に繋ぐだけで既存回線との連動ができそうです。
ただこれの場合、通信方式が従来のものと全く違いますから、傍受対策を考えるなら
できるだけこのシリーズで全指揮系統を一本化する方が、本当はいいんですけどね」
赤木博士が苦笑し、軽く手を振った。
「それは仕方がないわよ。それに万が一のことを考え、既存回線との併用にとどめた方が
安全かもしれないわ。それで構わないわね、ミサト?」
葛城さんはしっかりと頷き、それから先ほどから物資のスキャニングを行っていた
綾波レイの方を振り向いた。
「レイ、荷物自体にはヘンな仕掛けとかはなかった?」
零号機の姿での走査は秒単位で完了する。変身を解くと、綾波レイは静かに頷いた。
「爆発物やウイルス時限発生装置等は皆無、用途不明のインプラントもありません。
システム概要も把握完了。使用に問題はありません」
「わかったわ。あとはアレを発令所に設置すれば、これまでの分と併せ、この通信機を通じて
トライデント各部隊員との常時交信が可能か・・・まさに至れり尽くせりだわ」
葛城さんは皮肉っぽく呟いて、整備員数人の手で運び出されていく巨大なスクリーンを見やった。
そのとき、いきなり艦内放送が鳴り響いた。
『葛城一佐、緊急事態です! すぐに発令所へ!』
「緊急?! 何が起こったの?!」
葛城さんがカメラを振り仰ぐが、普段沈着なはずの担当兵の声はいっこうに要領を得なかった。
『それが・・・ともかく発令所へ、司令代行がお待ちです!』
同夜21:09。
「・・・来たか。見たまえ、始まったのは今さっきだ」
葛城さんを先頭に、俺たちが艦内発令所に駆け込んだとき、そこには既に
冬月司令代行、惣流・碇ユイ両博士、加持さんや霧島さんを始めとするトライデント主要陣、
そしてチルドレン全員が集まっていた。
青葉とマヤちゃんはそれぞれコンソールに向かっている。
「!・・・これって」
葛城さんはそう言ったきり絶句し、その後に幾つか声にならない嘆息が続いた。
艦内発令所の壁面を埋める画面群いっぱいに映し出されていたのは、陽気な笑顔を振りまいて
最終決戦の開始を世界に告げる、渚そっくりの少年の姿だった。俺は思わず渚を見た。
渚は司教たちとは違う”同類”の顔を、何の表情も浮かべず、ただ見上げていた。
『・・・勝てば人類は生き延びる、負ければフォースインパクトが起こってはいそれまで。
この番組を見ていれば自分たちの未来がどうなるか見届けられるわけ。・・・』
画面内で、少年はひたすら明るく喋り続ける。
「26秒ほど前、突然始まりました。TV、ラジオ、ローカルネット、
現存する全ての広域・準広域メディアでこれと同様の映像が流れています」
青葉の声で、俺は我に返って自分の席についた。少年はサービスたっぷりの動作で
口上を言い終え、やがて映像は豪華に編集されたVTRに変わった。
「・・・今の少年は?」
厳しい面持ちで葛城さんが訊く。青葉が首を振る。
「綾波教の司教とは異なるもう一人のクローン、としか言いようがありません。
これまで一切確認されなかったのは、全く表に出てこなかったためか、或いは・・・」
「我々の手の及ばない場所、つまり日本から遠い海外でのみ活動してきたのか」
加持さんが引き取って続けた。
「俺がイタリアにいた頃、この少年に関する情報は何も入ってこなかった。
つまり、少なくともその時点までは、綾波教も彼に関しては無知だったか、
知っていても断片的な情報しか得ていなかったということだ。今はどうなのか・・・
外から探れるレベルでは、未だに彼らしき人物の情報は上がっていないが」
「いや、彼らは知っている」
突然、聞き慣れた声が加持さんの言葉を遮った。俺たちは一斉に振り向いた。
碇司令がそこにいた。
「彼は『E』計画が育てた、我々、綾波教、トライラックス以外のもう一人のEVA能力者だ。
”純正”ではないがな」
碇司令は静かに発令所中央に歩み入った。入り口近くに固まっていた警備兵数人が
恐れるように道を開ける。司令は俺たちメインスタッフの前、赤木博士の隣に立つと、
軽く手を上げて眼鏡の位置を直した。濃い色のサングラスに隠れて表情が消える。
「これが『E』計画なりの終末の演出というわけだ。さきほど届いた援助物資とやらも、
多かれ少なかれ、これを我々に見せる意味があったのだろうな」
葛城さんがはっとしたように目を見張った。確かにあの通信機を使えば、たとえ激戦区だろうと
この”LIVE”を見続けることができる。
「人類にとって最後の戦い、それをそのまま映像化する・・・単なる情報の収集ではなく、
いえ、それもあるだろうけど、戦場から遠い人々にまでわざわざ戦いを見せつける、それも
よりによってこんな形で・・・こんなことが」
「それが、彼らだ」
司令は葛城さんの呟きを一蹴した。隣で赤木博士が厳しい表情のまま続ける。
「わかっている筈でしょう、ミサト」
葛城さんは傷ついたように博士を振り返った。それを見たシンジ君が司令にきっと視線を向け、
鈴原君が一歩踏み出しかけた。渚が無言で二人を止める。後ろで、洞木さんが
うつむく鈴原君の妹の頭をそっと撫でた。綾波レイはただ司令を見つめていた。
司令の口調は変わらない。
「君も知らないではあるまい。中心にいるのは『彼』だ」
瞬間、葛城さんの顔がまた強張った。俺のすぐ傍で、右手がきつく握り締められる。震える拳に、
白く指の腱が浮いた。俺は見ていることしかできなかった。
「・・・そうでしたね」
やがて、右手からふっと力が抜け、白くなった指がゆっくりと開いた。
見上げると、葛城さんはもう元の指揮官の表情を取り戻していた。
司令はかすかに頷き、一瞬、光の加減でサングラスの向こうの目が見えた。俺は息を呑んだ。
司令の眼差は無表情でも無関心でもなく、それどころか・・・俺には理解できないほどの、
深い痛みに満ちていた。
「むしろ、これを行ったのが綾波教ではなくて良かったのかもしれんな」
やりとりを見守っていた司令代行の穏やかな声が、張り詰めかけた発令所の空気を和らげた。
「奴らなら、同じ情報でも間違いなく宗教的かつ悲劇的に細工するだろう。人々の
不安を煽り、動揺をもたらすことを狙ってな。それが人間どうしの不信感を増加させ、
フォースインパクト発動を前に、世界により大きな混乱を招くことを、十二分に
計算した上でだ」
「いよいよの”約束の時”の到来を控え、人々に更なる絶望を与え、わずかな抵抗の
自然消滅を待つために、ですか」
加持さんが毒を含んだ口調で付け足す。司令代行はふっと笑った。
俺は芦ノ湖会戦直前に行われた『綾波レイ光臨の儀』を思い出した。あれこそが、
宗教の名を借りた彼らのやり方だ。現在のこの世界そのものを、”本来存在するべきでなかった
誤った未来の姿”として否定し、そこからの救いとしてのインパクトの姿を描いてみせる。
そしてその導き手としての聖母「綾波レイ」、彼女こそが結局は人々に絶望を与える。
彼らの主張する救いとは、どんなに言葉を変えようとも、今まで我々が個体生命として生きてきた、
そして今も生きているこの世界の、徹底的な否定と破壊でしかないからだ。
綾波教に救われた人々は確かに存在する。赤い海から還ってこなかった人に会いたい、
それだけを思って聖母の教えに従い、それで心の安らぎを得た人々は、決して少なくない。
それは間違っていないと思う。だが、彼らを待つのは絶望でしかない。赤い海の中は優しく、
誰一人拒絶されない。でもあそこには本当は誰もいないのだ。
そんなことは、きっと誰もが心の奥底ではわかっている。
だからこそ、絶対の救いをもたらす筈の聖母のもとに、世界の全てが集うわけではないのだ。
我々のように、そして、綾波教に対峙する全ての人々のように。
司令は改めてメインスタッフに向き直ると、一人一人の顔をゆっくりと見渡した。
「わかっているだろうが、私がここに現れたということは、これが最後の戦いだということだ。
これに敗れれば、全てが終わる・・・悪い方向にな」
その言葉の重みに、全員が言葉を失った。
「悪意を持ってのフォースインパクトだけは防がねばならない。私から今言うべきは
それだけだ」
沈黙に覆われた発令所内、相変わらず幾つもの画面に映し出される京都の霧の映像だけが
揺れ動く赤い光を振りまいている。
その光を正面から受け、司令はシンジ君らEVA能力者たちに視線を向けた。
「・・・君たちが全ての鍵だ。頼んだぞ」
さっきのわずかな緊張は既に消えていた。EVA能力者たちは、同じ異能者であり、全ての
始まりでもある碇司令を、それぞれの顔で見つめた。
まっすぐに目を上げる綾波レイ、揺るぎない眼差を返す渚、洞木さんと妹を背に
力を込めて見つめ返す鈴原君、そして司令自身と同じ、どこかひどく痛みを負ったような顔で
佇むシンジ君。
司令が彼ら一人一人と視線を交わした後、ふいに赤木博士が司令の隣に歩み寄った。
司令が振り返り、その手を取る。葛城さんが目を見開いた。
「ちょっと、リツコ?! まさかあんたまで・・・」
赤木博士は司令の白い手袋に包まれた手をそっと握り返し、微笑んだ。
「心配いらないわ。私にも私なりの仕事があるのよ、”ここ”でのね。
・・・マヤ、少し外すけど、その間頼むわよ」
「・・・、はい」
マヤちゃんはほんの少しだけ口ごもり、それからいつものように答えた。博士は優しい眼差を返した。
「恐らく、京都の赤い霧は更に恐ろしい姿を現すだろう。
私が道を開く。そこから突入して、あの霧を維持するシステムを探し出し、破壊しろ。
さもなければ勝負にならん」
司令は赤い画面を一瞥し、吐き捨てるように言った。EVA能力者たちが頷く。
「ではリツコ君、手伝ってもらうぞ」
そして司令は赤木博士をともない、空間の歪みとともに俺たちの前から消えた。
109 :
108:03/05/12 01:26 ID:???
遅れに遅れてすみませんグズ怠けタワケ口だけこと躁鬱便乗野郎です。
ネルフ、というかOTRを中心とした時間軸整理、一応終わったので
できあがった部分だけ書き込みます。
この時点でOTRの”現在時刻”は、恐らく京都進攻前夜21:30くらいです。
明日昼間、何としてでも来てこの続き、現在スレが進行している時点
(ノンシップASA撃墜、K-1ゲリオン一部結界内侵入、ネオ戦自結界外縁到達、
あとそれらの起点となるランドマスター霧の中へ、等)
まで書きます。
この書き方だと、前スレでも指摘を受けたように、ランドマスター隊へは
「E」の通信機が届いていませんが、リツコさんの携帯とともに、隊の
結界内侵入前に現場まで届けに行っていた、ということにします。
届けるのは加持さん+ネロです。
ついでに彼らをランドマスター隊と同時期くらいに霧内へ放り込み、
無理矢理某没ネタに繋げようと思います。後出し割り込みすみません。
唐突な司令登場とか熱血メガネ独白長ェよとか、ぶっちゃけ突っ込みどころ
満載だと思いますがどうかご容赦を。
いやわかってますわかってるんですごめんなさいマジで
>厚木基地最後の兵士様
・・・!!! ありがとうございます!
では恐らく、もう少ししたら、アレがそっちに行きます。よろしくです。
>提唱者様
最終OK出ました。
自分はあとは時間軸整理してしまえば、当面やることはなくなります。
今週は毎日夜来るようにしますので、よろしければ掛け合い、やらせて頂けないでしょうか。
あとチームFメンバーってもう結界内(霧が壁になる前に)入ってますか?
彼らの迎撃、改造騎士団(今回は制限ないんで少しは派手なのいます)でよければ
やってみたいです。勝手には始めません、できたらレスをください。
110 :
108:03/05/12 01:56 ID:???
自分的「京都進攻」周辺時間軸、最終訂正案です。
・進行当日より2日前
スモーウォーカー部隊、旧東京を襲撃、ネオ戦自・便利屋スズキ・Longinusにより撃破さる
同日1800、ネルフ+トライデント、上を受けて60時間後の京都進攻を決定・宣言
同夜、聖母によるレイたち総誘拐(→バンダロング市街戦へ)
同夜、第弐、全世界へ終末の宣告
・進攻前日昼間
上の第弐の知らせを受け、「E」サイド”フライング組”京都襲撃
(彼らの京都到達は夜明け前、戦闘終結は遅くとも0500頃?)
午前中に?トライラックス訪問組、OTRに帰艦
副隊長・衛生少尉の原隊復帰を得て、ランドマスター隊、人質救出作戦開始。
先行してネオ戦自大阪仮設基地へ
→ランドマスター1号・2号の霊的防御、ネオ戦自とのミーティング、
囮戦車部隊メンバー選出等が午後までに完了する
1700 ランドマスター隊+ネオ戦自囮戦車隊、基地を出発
これより少し遅れて、ネオ戦自本隊(ネオエヴァ2、歩兵隊5、戦車隊3、
ミサイル隊(移動式発射車両隊?)1)、恐らく同経路をとって京都へ
*訪問組帰国を受け、この日一日かけてOTRとネオ戦自間で各種協定・提携等
(霊的防御関連を中心に?)が行われ、それで日中は潰れたという想定
*飛行船エンタープライズも恐らくこの日に大阪に到着、日中に試験飛行(全速飛行等)、
その際の艦隊脱走組(ウーラ少尉ら)との合流と配置決定
*「E」サイドカメラ組(仮称)日没までに少なくとも一班が霧の中へ
*エヴァ・フェットらの大神殿急襲もこの日(時刻不明)
もうひとつ続きます。
111 :
108:03/05/12 02:22 ID:???
続きです。
・進攻前日夜
2053 OTRにて”狼煙”
2055 「E」サイド援助物資、OTRに転送
2109 「E」連絡専門班による強制放送「LIVE」開始
OTRに「G」出現、リツコを伴ってネルフ本部跡へ
2300頃 ランドマスター隊、結界外縁部(この時点ではまだ”霧”)に到達、一時進攻停止
(前スレ。一応OTRから「通信機届けるから」と連絡が入ったから、
というのを理由のひとつにしてください)
加持+ネルフ特殊諜報部隊、ランドマスター隊にお届け物(→霧内部へ)
2400頃 ランドマスター隊+囮戦車隊、再度進攻開始。霧の中へ
*「E」サイド、少なくともLonginus3名は2400以前に霧の中へ侵入済み
*葉隠覚悟、この少し前にスモーウォーカーで霧の中へ。
剣神社にてユキナと戦闘、零を取り戻す
*恐らく前日中にトライラックス日本駐留艦隊ガギエルと融合→琵琶湖へ?
OTR進撃まで待機
・進攻当日
0000 ランドマスター隊+囮戦車隊、霧の中へ。同時に結界、第二段階(壁)へ
→葉隠覚悟、壁を破って脱出。ノンシップPUMに立ち寄り、去る
ランドマスター隊に若干遅れてネオ戦自本隊、結界外縁部に到達。
物理的障壁と化した霧に阻まれ、やむなく一時進攻停止
ノンシップASA(K-1ゲリオン4を搭載)壁となった結界上空に到達(ネオ戦自本隊の辺り)
オリハルコンレーザーにて一時的に壁を破壊、K-1ゲリオン4体+ネオ戦自歩兵50名内部へ
直後、ラミエルの砲撃によりASA撃沈
これ以降(もしかすると直後)旧東京より伍号機射出
この後もいろいろ起こってますがとりあえずここまでです。以降はスレの流れる通りに。
112 :
108:03/05/12 02:41 ID:???
最大の訂正。
ネルフ進攻開始時間、正午とか言ってましたが最終訂正して
「進攻当日0600にOTR移動開始」とします。
これだと進攻宣言時刻修正版(1800)から60時間後、んでOTRが京都に到達するのは、
どっちにしろ途中で艦隊の妨害があるんで、正午前後、場合によってはもっと遅い時刻となります。
よって、碇司令こと「G」がネルフ本部飛ばすのは、
「進攻当日夜明け頃」ということでお願いします。
ジオフロント(要らんかもしれないけど一応全体直径は13.75km、本部のある辺りの
平面部直径は6kmらしいです)の飛行速度等、適当に調整して、京都到着はOTR京都到達より
若干遅れるくらいにしてやってください。
で、進攻開始を0600とすると、前スレLIVEにて司会者の人(どっちかというとDJいやVJですか)
が言っていた「戦いの開始は夜明けから」ってのにあまり矛盾しないんではと思います。
支障がある、或いは不都合があるという書き手さんは自分まで連絡を。
何とか調整つくよう努力します。
一応、時間をわかりやすくするために自分が強引に決めたのは
「結界第二段階発動=赤い”壁”の出現、の時刻がちょうど日付変更前後」
という一点です。
これを境に、この時刻より前に霧の中に入った人ないし部隊はそのまま京都に入れますし、
これ以降に結界外縁部(大神殿を中心とした半径10km圏かなぁ。そうするとだいたい
市街部のある京都盆地北部がすっぽり入ります。ついでに本編第六話に拠ればラミエルの
射程もこれとほぼ同じくらい)に来た人ないし部隊は、何らかの方法で
”壁”を突破しての侵入となります。
時間がやけに遅いのは、大阪地区〜京都入り口までには水没地域があり(前スレで一応提言)
けっこう悪路かも、と想定しているためです。一応、自分脳内でネオ戦自仮設基地が
あることになっている(だから必ずしも決定事項じゃないです)東大阪から京都入り口までは
直線距離にして約45km、これをネオエヴァ含めた大部隊で移動するとなると5時間くらい
下手するとかかるかも、ということで時間が遅くなりました。
眠いんで最後の方文章おかしいです。すみません。それでは。
一応はちゃんとカキコしてるみたいだな。
114 :
108:03/05/12 16:09 ID:???
すみません、>109で言った続きは都合により少し上げるの遅れます。
今夜来られたら宣言したとこまでまとめられると思います。それでスレ本流に追いつく筈。
訂正。
>110〜>112だと宣言→進攻開始まで「36時間」しか経ってませんね、はい。
>最後の兵士様
ということで拾壱スレ目黒縁メガネパート内の「60時間」という言葉
(二箇所くらいだった筈、後で正確な場所書きます)
を、編集版作成の際には「36時間」に直しておいて頂けるとありがたいです。
それから、遅れましたがサイトの更新とリンク貼り、お疲れでした。
>混乱している方々
たびたびのヘタレ調整すみませんでした。特に前スレ終わりの方の悪アガキは忘れてください。
ただ 「OTR(ネルフ+トライデント本隊)移動開始が進攻当日0600」
「結界第二段階発動が進攻当日0000前後」
というのはだいたい確定ということにしてください。
もう自分でも訳わからないです。もっと上手い調整案がある、という方がいらしたら
上の時間調整等はどんどん変更入れて結構です。やる気のある方、お願いします。
ってかネルフ以外の勢力がネルフの進攻予定無視してガンガン京都に向かっていくんで
そろそろ自分パンク気味です。すぐに立ち直ると思いますけど。
ああ先に。
>ALL
トライラックス関連ですが、自分はそういう訳で必要最低限の「事実」以上のことは描写しません
(ネルフ側黒縁メガネパート、綾波教側第弐パート、その他第三者視点も含め全て)
トライラックスの戦力はあなどれるモノではないですから、きちんと対処するべきですし
その方が話もちゃんと流れていくんだと思いますが、自分にはもう無理です。
VS鎖艦隊、VSK-1ゲリオン等は、すみませんが町奉行様、????他様にお任せします。
すみませんが最後にひとつだけ。もうレスしないって言ったけど。
>>84、
>>113 名無しさん装いたいんなら、もう少し口調変えに気を遣った方がいいと思いますよ。
取り急ぎ。
>黒メガネさん
かなり大変な時間軸と状況のまとめご苦労様です。
私はそれで大丈夫だと思います。これで、最新時間とほぼつながりましたね。
改めて書き補足しておくと、当方からの結界進入組はAngelArmsチームF20名、
『E』計画提案者を除いたLonginus3名、『D』4名とカメラ班数十名です。
忍エヴァ及びその搭乗者「2名」は結界の外、ネルフ本隊が通ると予想された進路上に居ます。
当方の「大祭」参加者は基本的に襲われない限り動きません。
ネルフの「露払い」で来ているわけじゃないので、彼等が来るまでは攻めません。
(それが「様式美」というものなので(笑)綾波教側が敢えて動かないで居てくれて、
ネルフ本隊突入時に主席司教が出迎えなぞしてくれるとTV的には…ってのはすでに無理か?)
が、ランドマスター隊が入ってきた時からその近くの者達は動きます、撮影するために。
遠巻きに、あるいは近くに居て、故意に邪魔はしない予定(援助宣言してるので)、援護はあるかもです。
それと当方のライブ放送ですが、普段は映らないバンドに合わせても映ります。
カメラ・マイクの数と同じくらいチャンネルがあると思ってください。
一部のカメラは同じ物が映る事が予想されるので、その場合は切り替えたりもします。
上手くチャンネルを合わせないとぶれる(音や映像が重なる)事もあると思います(苦笑)
チームF、掛け合いOKです。
が、今動くとネルフ本隊到着(結界完成から12時間後?)までこっちがもたないような…
まぁ、それも遠慮なくありですが、結界の要を全部崩すのはなしですしね。
おひさしぶりです、????他です。今夜はまた簡単なレスだけです。どうもすみません。
○黒ブチメガネさん
色々と調整お疲れ様です。とても頭が上がりません。こちらはネルフ本体が京都に到着
すれば色々と動き始めるんですけどね。
ちなみに対弐号機戦はいつもと逆に巨大EVA同士で戦闘→EVAから降りて戦闘って
のを考えてたり。弐号機の周囲の量産機は誰に相手させようか(藁
○Eさん
そうですね、主席はネルフ本隊到着時になにかメッセージを言わせてもいいかなあと
は考えています。ところで、忍エヴァの対戦希望相手はいます?
○トライラックス担当さん
対鎖艦隊は、水上の艦船部を町奉行さんが、水中の使徒部をエヴァの誰かが相手を
する形がいいかなあと考えています。ちなみに零号機が相手なら乗員は助かる可能性
は高いです。
色を濃くした霧のわずかに内側、チームFの一小隊が居た。
頭の上から下まで黒い装備に身を固めた4人が小さな焚き火を囲み、
暇つぶし程度に枯れてよく乾燥をした小枝をくべている。
4人は無言で静かに時を過ごすつもりでいた、その時が来るまで。
「……わざわざ我慢してやってるのに、どうして来る?
聖戦の意味が解らんわけじゃないだろう?」
右肩に髑髏のレリーフを貼り付けた一人が、
霧を分けて現れた人影に顔を向けずに声をかけた。
どんな世界にも無粋な奴は居る。
彼らにも最低限守ろうとするルールはある、この場合は守った方が「面白い」のだ。
「それが解っている貴様等が、その舞台となる聖都へ何故入る?
身も心も腐った輩が穢していいものではない事くらい察しがつくだろう」
聖都を護る戦いに臨む者達にとっては、彼等の方が無粋な存在だった。
本当の戦いが始まる前に邪魔者を排除しようと思ったのだろう。
それが正しいと信じて。
15mほどの距離を置いて、人影の足音はやむ。
4人がやれやれという感じで立ち上がり、その内の一人、
左胸にチェスのルークの駒を模した模様をつけた男が大きく伸びをした。
「俺一人で十分だ、休んでてくれ。ああ、分析と糸だけは念の為頼む」
「心得た」「……」
両の手甲にダイヤの印を入れた男は言葉で答え、髑髏を肩に飾る男は視線で答えた。
視線は霧の中の敵意に向けるものの、その二人はその場に腰を下ろす。
声をかけられなかった背中に羅刹を背負った男が、
声をかけられた二人を護るようにわずかに構えを取る。
伸びをした男は右腕をぐるぐると回しながら、人影の前に歩み出る。
「……さて、と。俺の体は並の攻撃じゃあ傷も付けられないぜ」
「我等の実力を知らんが故の余裕か? 身の程知らずが。
せめてもの情けに「能書きいいからまとめてかかって来いよ? 殺るんだろ?」
現段階では4人の名前は拾弐>253下から7行目を参照という事で。
一つだけバレを書いておくと、前に歩み出た男はサンダルフォンの未分化能力
(参>486)保有者。
能力はすでに開放済みで「『D』の複合攻撃(八>192,195「参考」)による
ゼルエル破壊光線に耐え切る再生力と強度」を持っています。
特殊な攻撃能力があるわけでもなく、あくまでも近接戦闘派です。
>スズキさん
お帰りなさい。いよいよ参戦ですね。
>厚木の兵士さん
戦闘が始まると実況レポーターやカメラマンが視界の端に入るかもしれません。
邪魔せずこそこそしてるはず(
>>115)
>黒メガネさん
というわけでネタ振りました。当方にとっての敵の人数・種類はぼかしています。
よくよく考えるとこっちから振らないと動けないですよね。すみません。
残り3人のうち2人は一応非戦闘系ですが、攻撃は出来なくも無いです。
>????さん
ぶつけたい相手ですか?……………………………………う〜ん、悩みますね。
シヴァ絡みのネタをやろうと思うとやはり司教クラス、になるんですけど。
結果は半分成り行きになるかなぁ。第参司教は倒しちゃいけないし第弐は……難しいですね。
119 :
114:03/05/14 00:24 ID:???
ごめん、まだ誰かいますか?
まだ全部終わってないんですがOTRその後、今から書き込みます。
特に
>提唱者様
昨夜はすっぽかして本当にすみません。外から帰って体調悪いなと思ったら
38℃の熱が出てますた。昨夜ひと晩寝たら治りました、今夜は当分います。
ともあれまずはネタどうぞ。長いです。
オーヴァー・ザ・レインボー、進攻前夜23:17。
碇司令が去った後も進攻準備作業は続いている。霊的防護措置をほどこすために
ネオ戦自大阪仮設基地へ一時移送される、トライデントをはじめとする各兵装の搬出作業、
そして無事に措置を終えたものの再度搬入と最終調整。バーミリオン隊及び特別攻撃機隊のうち、
万一に備え、艦上ではなくネオ戦自大阪基地で待機してもらうメンバーの決定と出立。
各部隊の京都での戦闘配置の確認。対使徒能力者を想定した実戦プログラムの最終チェック。
約6時間後の進攻開始に向け、全てが刻々と態勢を整えていく。
そして、「E」計画より提供された新型通信機、その全軍への配備も急遽行われた。
通信機の数自体は、正確にネルフおよびトライデントの全人員分のみ。
だが、作戦部は今回の京都進攻におけるネオ戦自の共闘宣言、またその貢献度をかんがみ、
より緊密な協力体制をとるべく、ネオ戦自本隊へもこの通信機の一部を提供することを決めた。
その結果、ネルフおよびトライデント側で新型通信機が配備されるのは、
まず葛城作戦部長を筆頭とした、霧島マナさん、ムサシ君、ケイタ君、山岸マユミさんなど
戦域での指揮権および準指揮権を持つ人員である。また、先行して京都の内情を探る加持二佐と
彼の率いるネルフ諜報部隊各員、トライデント各部隊の小隊長クラスまでの士官階級および
各小隊の通信兵、医療班と補給部隊の各連絡要員、そして我々の主力にして
決戦兵力であるチルドレンもこの中に含まれる。彼らの持つ通信機は、既存回線と
通常通信機群までも含めて全体としてひとつの大きなネットワークを形成し、その輪に
上がってくる情報は、EVA各機・トライデント両機等とオーヴァー・ザ・レインボーを繋ぐ
直通回線を経て、全てが常に艦内発令所に集まるようになっている。これらは
同じく「E」計画より提供された特殊スクリーン上で、リアルタイムの戦況として
秒単位で更新されていく。
もちろん、この新たな通信体制を実際に稼動させるには、他の精密機器と同じく
赤い霧の妨害を避けるための霊的措置が必要となる。しかしEVAの補助機械類やトライデントと
違い、こっちはとにかく数が多い。とてもではないが、通信機ひとつひとつに守護霊を
つけてもらうことはできない。かと言って、部隊単位での守護では、戦闘が激化するか
或いは赤い霧が更なる妨害効果を持った場合、対処しきれなくなる可能性もある。
そこで、惣流博士と碇ユイ博士がネオ戦自霊能局にかけあい、ネルフおよびトライデント、
更にネオ戦自全部隊を加えた通信ネットワーク自体に、独立した防護措置をかけてもらう
ことにした。強力な守護霊を複数統合し、通信システムだけを集中して守護してもらうのである。
各部隊へ霧がもたらす物理的・精神的妨害については、それまで通り部隊単位の
霊的加護にて対処される。これはネオ戦自本隊もこちらも変わらない。
優先して作業を行った結果、新たな通信システムの霊的防御は23時過ぎには完了、
即時全軍への通信機の配備がなされた。
「オーヴァー・ザ・レインボーの待機部隊への配備はほぼ完了。
マニュアルに音声認識機能までついているのはありがたかったですね。即、実戦で
使えますから」
「同じく、大阪仮設基地のネオ戦自後方部隊への配備も完了です」
「あとは、ランドマスター隊と囮戦車小隊を含め、既に京都に出発した先行部隊の分ね。
一応、ランドマスター隊には連絡を取って、今は赤い霧の手前で待機してもらってるけど」
「今のところ、最も京都に近いのが彼らですね。最後の連絡では、ほとんど市内に
入っていると言ってもいいほど、市街部に肉薄しています。ただ、人質奪還作戦への
影響を考慮し、偵察は控えているとのことです」
「ネオ戦自本隊の方は?」
「ネオエヴァ2体を擁する大部隊での移動のせいもあり、若干遅れる模様です。
ランドマスター隊より数十分から1時間程度の遅れが見込まれています」
「ほぼ予定通りね。じゃ、ネオ戦自本隊はまだ霧の影響をこうむるところまで
進んでないってワケか。こっちは通常の補給機で届けるだけでOKね。
で・・・問題は、霧の最大領域ギリギリのところにいる、ランドマスター隊への”配達”だけど」
「ヘリにしろ輸送機にしろ、赤い霧の辺縁部では操縦にかなりの支障が
出ると報告されていますからね。直接隊の傍まで行くのは不可能と見ていいでしょう」
「同じ理由で、上空からの投下もあまり賢い手とは言えんな。あまりにも精度に
信頼がおけん。日中ならまだしも」
「ヘリの場合、着陸限界地点は隊の待機位置より1kmほど南になります。そこから先は、
陸路しかないですね。今のところ、敵の出現は確認されていませんが」
「それでも備えは必要、か・・・補給部隊ではなく、戦闘部隊を送り込む必要があるわね」
「なら答えはひとつ、ですな。司令代行」
「加持君・・・構わんのかね。君の部隊の投入は、ランドマスター隊が行動を開始し、
市内への突入経路を開いてからの予定だが」
「予定がひとつ繰り上がったと考えれば問題ないでしょう。職務の性質上、戦域投入は
早すぎて困るというものでもないですし。諜報部にはおあつらえ向きの仕事ですよ。
高速輸送ヘリで着陸限界点まで運んでもらえれば、あとは間に合わせます」
「よかろう。では、君らはそのままランドマスター部隊の進攻に合わせて市内へ潜入、
あとは予定通りに。くれぐれも戦闘行為は避けたまえ。軽率な行動は人質救出にも響く」
「了解です」
「艦上ハンガーより連絡、今さっき大型輸送ヘリが一機、大阪仮設基地より戻りました。
”荷物”の積み込みが済み次第、すぐ飛び立てます」
「了解、2分で発つよ。 ・・・じゃ、ひと足お先に」
オーヴァー・ザ・レインボー、進攻同夜23:58。
輸送ヘリが戻ってから30分が経過した頃、加持さんから連絡が入った。
『加持だ。”荷物”の配達と受け渡しは無事に完了、そろそろランドマスター隊と
ネオ戦自囮戦車隊ともに霧の内部へ入ってみる。今のところ、ランドマスター両車と
囮部隊の戦車五台、それとこっちの装甲車には電磁障害等は出ていない。
通信機にも異常なし。霊能局の奮闘のお蔭だな』
「了解。でも、霧の中でもそれが通じるかどうかはまだわからないわ。
以後、こちらから指示があるまで回線は常にオープンのまま、15秒ごとに
異常がないかどうかの報告を上げ続けて。念のため、哨戒編隊ひとつをそっちに
向かわせたわ。140秒後にその地点を通過する筈よ」
『わかった。 ・・・少し過保護じゃないか、葛城? あまり緊張しすぎるなよ』
「ったく、あんたって奴はこんな時にまで・・・ご心配なく、事態は正確に把握してるわ」
いつもの口調で通信機に向かいながら、葛城さんは画面の向こうの赤い闇を睨む。
『突入を開始します』
先頭のランドマスター1号車の車外カメラから届く映像が一瞬揺れ、風景が動き出した。
『・・・周囲、小戦闘の反応あり。確認は不可能』
「小戦闘? もうどんぱち始めたってのかしら」
「いえ、霧の作用による誤感知かもしれません。とにかくアレは不可解としか言いようが
ありませんから」
定期的に上がる状況報告を除き、艦内発令所は沈黙に覆われた。発令所正面に設置された
メインスクリーンの隅で、クロノカウンターが時を刻んでいく。
そして日付変更直後の00:00:11、それは起こった。
画面全体が暗い赤に染まる。霧の中に入ったのだ。
『赤い霧、通過。状況異常なし』
ランドマスター1号車から、淡々と状況報告だけが入る。続いて加持さんの声も加わった。
『ほぼ全車両が霧の中に入った。そっち、聞こえてるか?』
「きわめて明瞭です。続けての報告を求む」
『現在、霧の外縁部から10mほど入ったところだ。電子機器に多少の狂いが出てるが、
進行に支障が出るほどじゃない。今、囮戦車部隊の最後の一台が霧に入るところだ。
一応、侵入だけなら問題はなかったってこ』
いきなり、ザシュッという強烈なノイズとともに通信が断たれた。
同時に全ての映像が消える。即座にリンクを通じて再度の呼び出しを行うが、反応はない。
「どうしたの?!」
「わかりません・・・突然、全ての回線が途絶えました。ランドマスター両車、ネオ戦自
戦車隊各車ともに応答なし!」
「直前までのデータでは、霧による多少の誤作動以外、異常は見られません。電子機器の
一斉ダウンにしては唐突すぎます」
「通信、回復せず! 一切の状況が不明!」
「・・・そんな」
葛城さんは砂嵐に変わった画面を振り仰いだ。胸元で白い十字架が勢いよく揺れる。
「とにかく呼びかけ続けて! 後方のネオ戦自本隊は?!」
「確認中・・・異常ありません! 本隊は無事です!」
「映像を哨戒機からのものに切り替えろ。編隊の位置は?」
「あと16秒で目標地点に到達!」
「そのまま京都上空への侵入は避けるべきね・・・映像を取り次第、即時反転」
「了解。哨戒機各機、あと300で照明弾投下、反転ののち全速で離脱!」
『了解! 各機照明弾用意、3、2、1、投下!』
哨戒機のカメラに連動した画面の中で幾つもの光が開き、そしてそれが映し出された。
「あれは・・・?!」
『コントロール! 前方に壁、赤い壁を確認! レーダーにも反応、実体です!』
『大きい・・・! 前方、ほぼ視界全体を塞いでいます』
『進路確保のため50上昇・・・なんてことだ、京都全体がこいつに覆われてる』
哨戒機のパイロットたちの声が発令所に響く。
それは確かに赤い”壁”だった。
十数秒前まで赤い霧がたちこめていた筈の場所に、京都市街全域をすっぽりと覆う形で、
血のように赤い巨大なドーム状の構造物が出現していた。不透明な赤い壁に隠され、
内部の様子は全く窺えない。哨戒編隊はドームをかすめるように急上昇し、
赤い丸天井から充分な高度をとって旋回した。
「くっ・・・これじゃ中がどうなってるかなんてわからないじゃない」
葛城さんは唇を噛み、頭を鋭くひと振りして肩にかかった髪を払いのけた。
「哨戒編隊、各機任意にあの赤い壁を攻撃! 物理的実体だというのならこっちの攻撃も
効く筈だわ」
俺は思わず葛城さんを振り返った。
「ですが、あの構造物自体が何らかの防衛システムだという可能性も考えられます!
反撃があったらどうするんです?! 編隊には充分な防御手段はないんですよ?!」
と、司令代行が画面を見据えたまま首を振った。
「構わんよ、やらせたまえ」
「司令代行!」
青葉が振り向く。司令代行は動じなかった。
「あの壁の正体を知る助けにはなる。攻撃を実行したまえ」
『了解、こっちだってこのまま逃げ帰るつもりなんかありませんからね! 各機、任意に
目標構造物への攻撃を開始、即高空に離脱! 反応を見る!』
『了解!』
哨戒機から放たれた数条のミサイルが消えかけた照明弾の明かりの中を突き進み、
直後、赤いドームの表面に新たな光が弾けた。
『全弾命中!』
「目標に変化はっ?! 再度照明弾投下、確認して!」
葛城さんの叱声に応え、再び辺りが照らし出される。
どよめきが上がった。
赤いドームには破壊穴はおろか、わずかな亀裂やへこみすら見られなかった。弾の命中した
辺りからかすかな煙が立ち昇っていたが、それもすぐに吸い込まれるように消える。
『目標に変化なし・・・繰り返す、目標構造物に効果は認められず』
押し殺したようなパイロットの声が、発令所の空気を叩いた。
「機のレーダーにも変化なし・・・爆発による温度上昇らしきものすらありません」
「もう一度やってみて!」
『第二波、急げ! 再突入!』
再び画面内に爆発光が閃いた。しかし、結果は一度目と全く同じだった。
『・・・なんて硬さだ』
赤いドームは攻撃などなかったかのようにただ沈黙している。司令代行が喉の奥で唸った。
「弾の無駄遣いだな。 ・・・全機、攻撃中止。反転して本艦に帰投しろ」
その声に、葛城さんがきっと振り返った。
「司令代行! まだ火器はあります、もう一度やれば・・・!」
司令代行は首を振り、目で画面を示した。
「無駄だよ。同じようなモノを見たことがないかね」
葛城さんは一瞬視線を泳がせ、そして目を見開いた。
「・・・ATフィールド、ですか」
「全く同じではないだろう。だが、威力は低いとはいえ、ピンポイントで加えられた
攻撃が全くの無効。通常兵器自体を受けつけないと考えるのが自然だろう」
「あれが、赤い霧の正体ってことか・・・日向君、中の部隊との連絡は?」
「依然回復していません。通信断絶だけでなく、回線そのものが切られています。
あの壁の内外で、電磁波が完全に遮断されていると考えられます」
「・・・まさに結界、か」
発令所に苦い沈黙が落ちた。司令代行が強く額を押さえる。
繰り返し再生される赤い壁の映像を、葛城さんは一人、いつまでもきつく睨み続けていた。
127 :
126:03/05/14 00:49 ID:???
終わらないですよ。終わんない。どうしよう。何とかしますけどね。
という訳で前スレ(前スレなんですよね、はい)よりの
「ランドマスター隊霧の中へ」→「結界第二段階発動」
でした。
・・・ていうかまとめるとこれだけなんですね。ふう。
この後? ・・・次夜までに上げます、でいいですか・・・?(マジ
補足。
ひとつめ。
最初はネルフ+トライデント、及びネオ戦自の京都戦における通信体制です。
「E」からもらった新型通信機群で構築した特殊LAN(要らんかもしれませんけど
「E」の通信方法の性質上、ここには第弐の「光」は干渉できません)と、
既存の有線・無線回線を併用して、全体で大きなネットワークを作ってます。
管制は、発令所の機器内に通信機予備をひとつ〜数個組み込み、そこから全ネットワークを
制御っつーか監視・管制・統合してる感じです。一応、通信機を使うと、その内容は
通信相手だけでなく、同時に発令所にも行きます。
提唱者様、通信機の性能とかに関して何か間違いがあったら指摘をお願いします。
この通信/状況報告システムの霊的防御はネタ内に書いた通りです。
続きます。
128 :
126:03/05/14 00:57 ID:???
ふたつめ。
加持さんはそういう訳で強引に霧の中に行ってもらいました。
この後は没ネタとほぼ同じです。細かいところはいろいろ直しますけど。
ネロと委員会、は・・・もうやっちゃっていいですか?>????他様
一応、これを書き込むと加持さんはほぼ自分の手から離れることになると思います。
あとはよろしくです>提唱者様
今夜はまだやりませんが。
みっつめ。
赤い壁の描写、とりあえず京都を覆うドームということにしました。大きさは不明。
通常兵器は効かないよというだけの話でした。ATFがどうのという話をしてますが、
あくまで発令所の人間はそういうイメージを持っているというだけです。
なんで敵地の近くで照明弾落とすねんとかそういう突っ込みはなしで。
以降は連絡を。
>????他様
いろいろとすんませんでした(平伏 特にやるやるって言っておきながらいつも遅いこと。
京都進攻・・・進めてよければネルフ移動開始までさくさく行きます・・・
・・・が、その前に便利屋さん対処、あと6時間あればランドマスター隊が余裕で
人工進化研究所に到達してしまうんじゃないかという懸念が。
黒ノ咆哮、いつ頃がいいですか?(スレ内時間で)
>提唱者様
・・・・・・・・・すみませんでした(土下座
いや、やるって言いながらいつも遅い自分が悪いんです。わざわざネタ振ってもらって
すんません。 ・・・ていうか>115があったんでやっぱりおとなしくしとこうかなと
思ってたのに(w いやいやちゃんと展開させます。今度はそちらがフライングを
罰してください。Fメンバー、すんごい期待です。
第弐・・・右腕がもげてからなら構いませんけど。ていうか氾濫する光急がないと・・・
ああ誰か助けて、です。いやいやいや自分で何とかします。はい。
もうしばらく何か書いてるんじゃないかなと思います。
やっと、仕事が終わった。
もちろん、旧東京の電力供給、それに復興支援を担当するウチの社の仕事に
終わりなんてないけど、少なくともひと息つける。
なんでかって?
赤木博士が、「G」ことネルフの碇ゲンドウ総司令と一緒に、社を出ていって
しまったからだ。
今度のネルフと綾波教の最終決戦、博士も一枚噛むらしい。
俺はせいぜいネオ戦自の新型エヴァンゲリオンの技術支援だけかと思ってたけど、
なんか、あれよあれよと言う間に「G」が現れて、赤木博士はあっさり行ってしまった。
社を離れる前、博士は俺を”中”から出してくれて、最後の仕事を頼んだ。
「スズキ君ね、彼も京都に行く気らしいのよ。理由はわかるでしょ?」
スズキさんというのは、ウチの社にエヴァンゲリオン伍号機をリースしてくれた
業者の人の名前だ。他にも衛星事業とか、便利屋みたいなことを手広くやってるらしい。
社内では結構有名だったけど、スズキさんにはすごく可愛い秘書さんがいた。
いわゆる「綾波レイ」の一人らしいけど、他の「レイ」たちとはあんまり接触せず、
スズキさんに拾われてからずっと、彼の手伝いだけをしてきたって話だった。
その子が、この間いなくなった。
社内ではいろいろ憶測が飛んだけど、本当のところは綾波教が関与してたらしい。
最後の戦いに備えて、ここだけじゃなく農業プラントに箱根の方まで手を伸ばして、
とにかく「綾波レイ」と名のつく女の子たちを全員さらっていった、んだそうだ。
あの子が「綾波レイ」と同じ顔だったってだけで。
「彼らにとっては必要なことなんでしょうね。実際何なのか、知りたくもないけど」
「・・・で、スズキさんはどうするんですか」
「決まってるじゃないの。それで、あなたにコレを伍号機にインストールして欲しいのよ」
「これって・・・」
「そう、この間あなたに急いで片づけてもらった奴よ。何とか間に合ったわ。
・・・ま、スズキ君ともいろいろあったけど、惚れた女を助けに行く彼に、
はなむけくらいはあげるべきでしょ? 私はしばらく力になれないから」
「・・・はぁ」
「じゃ、頼んだわよ」
そう言って、博士は白衣をひるがえして行ってしまった。それはもうあっさりと。
人事部長と時田さんが何だか魂の抜けたような顔をしてたけど、博士は振り返らなかった。
で、俺はその後すぐに、ディスクを伍号機に入れた。
それが何なのか、博士は何も言わなかったから知らない。ああ、ひとことだけこう言ってた。
「義手のパイルバンカーが壊れた時用よ、あくまでね。あっちが壊れない限りは
このシステムは起動しないわ。使わずに済むといいんだけどね。
使い方? まほろが知ってるから問題ないでしょ」
インストールするとき、一瞬だけファイル内容が見えた。と言っても本当に一瞬だったから、
俺に読みとれたのはプログラム名だけだ。
そこにはこう書いてあった。
『SHININGofDARKNESS』
「約束の時が来る」
完全に静まりかえった薄闇に、張りつめた声が響いた。
「我ら、ヒトの形を否定してなお待ち望んだ、約束の時が来る」
広間。天井の高い、飾り気のない巨大な広間。けれどその簡素さが、今は逆に
崇高とも言えるほどの重い宗教的雰囲気をかもし出している。
影に浸された天井を支える柱群、冷たい石畳の床面、そしてそこを埋める、ヒトの群れ。
数知れない群れの前に、13の人影が横一列に立ち並んでいる。その姿は全員が相異なり、
ただひとつの共通点として、彼らは皆、既にヒトの形ではなかった。
「四度の報いの時、絶対なる浄化と赦しの時を前に、我らがなすべきはひとつである」
「この聖都の防衛。我らが聖なる導き手の、その御技の成就するその時まで、
この地を護り抜くこと」
「我らが敵は誰ぞ?」
一人が問うと、即座に群衆から一斉に答えが返った。答えは広間の高い壁に跳ね返り、
轟音の津波となって空間に溢れかえった。
「我らが約束の時を妨げる者全て!」
「反逆者たるネルフ、それに従う者全て!」
「我らの手を拒み、あまつさえ謀ろうとしたトライラックス!」
「神聖なる約束の時をただの契機と見なし、自らの欲を満たすための愚者の祭典へと
仕立て上げる『E』計画!」
「この地を蹂躙し、我らが導き手の御言葉を汚すあらゆる背徳者ども!」
破鐘のように荒れ狂う怒号を切り裂いて、13人の声が飛んだ。
「我ら聖騎士団の存在意義はこの日のためにあり!」
「我らヒトの姿を捨てしも、ヒトとの繋がりを断ちしも、全てこの時のために!」
「後悔はないな?!」
明確な答えなど要らなかった。改造騎士たちが発する戦意の絶叫は、そのままひとつの
巨大な祈りとなって暗い空間を満たした。
やがて少しずつ熱気が静まり、最後の声が消えても、祈りはかたときも揺らぐことのない
ひとすじの糸となって、彼ら全員を結び続けていた。
再び静まりかえった広間に、最後の声がしんと響いた。
「我らが聖母に光あれ。 ・・・騎士団、出陣」
瞬間、広間の床全面に光すら拒む漆黒の影が広がり、一瞬で騎士たちを呑み込んで閉じた。
132 :
131:03/05/14 02:50 ID:???
>>117への返礼書こうと思ったけど限界。眠いです。すみません。
明日来られたら、OTR続きと併せ、必ず。
補足。
・本社オペ
>便利屋さん
そういう訳で唐突にナオコ博士から援護射撃です。
まほろまてぃっくは1・3巻をざっと読んだだけなので間違ってるかもです。
「輝ける闇」は、伍号機のS2機関に直結、じかに動力を取ります。
ですから伍号機が動いている限り使い続けられますが、EVAは消耗していきます。
使い方はまほろさんに聞いてください。彼女の定期検診か何かで、恐らく
ナオコ博士は彼女の方にもシステムインストールを済ませているんじゃないかと。
あと、義手右腕のパイルバンカーが破壊or作動不能になって、初めてシステムが
起動します。使えそうだなと思ったら使ってやってくださいませ。
・>131
綾波教側のいわゆる「使徒能力者」、改造騎士団の出陣シーンでした。
騎士たちを転送したのはオリジナルレリエルです。この後、騎士たちは京都市内
各所に配置されるか、もしくはディラックの海の中で伏兵として出番を待ちます。
最後に「聖母に”光”〜」と言ってるのは、弐スレ目での「綾波レイ”光”臨の儀」、
伍スレ目ソーソソソ沈没の際の聖母の変身フレーズ(なのか?)「来光」に
合わせたつもりです。まあ騎士団は皆聖母マンセーですってことで。
一応、改造騎士団の他に、綾波教には一般兵の戦力もいます。彼らと改造騎士団を併せて
「神聖綾波教・聖騎士団」と総称したんじゃなかったかなと記憶してますが不明。
レスし忘れです。
>????他様
>VS弐号機 ・・・って・・・どうしましょう(w ていうか登場タイミングはいつ頃ですか?
量産機部隊、ぶっちゃけ弐号機の露払いだと思ってましたが。自分の書いてた
限りでは、クローンたちはアスカマンセーですし。
一応彼女たち用の集団戦闘っぽいネタは幾つか妄想してます。
なんか中途半端ですが、それでは。
蜘蛛型使徒達は粘着糸と溶解液を吐きながら攻撃して来る。
ランドマスター隊はニュートリノビーム砲で粘着糸を焼き払い、戦闘用バイクや新兵器で反撃する。
ネオ戦略自衛隊の機動歩兵部隊も砲撃を開始した。
しかし、敵はATフィールドを展開しているため、通常兵器の攻撃では歯が立たない。
“やはりATフィールドね!”5号機パイロットのセイラが言った。
“講義では習ったのとは異なる形状だけど、敵は一応、使徒の端くれよ。ATフィールドくらい使えてしかるべきはずだわ”3号機パイロットで隊長役のキラが言った。“ATフィールド、中和!”
そして、4機のK-1ゲリオンはポジトロンライフルを構え、発砲する。
ATフィールドを無効化された所へ陽電子光線を喰らった蜘蛛型使徒は電子レンジの中に入れられたトマトのように爆裂した。
あたり一面に茶色い液体が飛び散り、煙があがった。溶解液だ。
ランドマスター隊とネオ戦略自衛隊もATフィールドが無効化された所へ攻撃し、使徒達を討ち取って行った。
“グエエエエエエ!”蜘蛛型使徒の1匹が空中を飛び跳ねて、5号機『ペガサス』に噛み付いて来た。
口から溶解液を吐き出しながら噛み付いて来るので、『ペガサス』の装甲板から煙があがる。
“やだ! あたしの愛機の『ペガサス』に何するのよ!”セイラが怒って叫んだ。
『ペガサス』は使徒を引き離すと、放り投げ、蹴りを喰らわせた。
K-1ゲリオンの蹴りを喰らった蜘蛛型使徒は“ひでぶっ!”という奇声を発し、茶色い液体を飛び散らせながら爆裂した。
溶解液を浴びた『ペガサス』の装甲からまたも煙があがる。
“たちが悪いわね・・・あんまり強くないけど、退治したらしたで、溶解液でダメージを喰らわせるなんて・・・”
本当は高橋覗さんがネオ戦略自衛隊側の対応をカキコしてくれるまで
待つつもりだったのですが・・・、高橋さんが・・・らしいので、
少しばかり進撃を進めることにしました。しかし、困ったな・・・。
・・・って、ゆーか、俺はこれまではもめごとを避けたかったので、
あんまり言いたくなかったんだけど、今回、高橋覗さん関連の事情を知って、
はっきり言ってブチ切れてしまいましたよ。
俺みたいに認識観念の誤りから作品世界が破綻してしまう危険性があるケースは
その気があれば何とでも改めて修正することはできます。
しかし、もう1人の問題児みたいにグダグダ文句ばかり言って他のカキコ参加者を
不愉快な気分にさせ、カキコ意欲を損ねてしまうというのはもっとたちが悪い。
はっきり言って、取り返しがつきません。
今回の高橋覗さんの場合は当人が気を使ってはおられるが、
原因はあいつにあることは間違いないし(そりゃあ、俺も悪くないとは言わんが)、
実際問題、これまでに抜けて行った人達だってどうだかわかりません。
「本スレが複数の参加者により成り立っていることをご理解頂きたい」
だなんて、それが一番わかっていないのは自分じゃねえのかと俺は言いたいね。
かなり以前からリアルの世界での自分の側の事情とやらをしきりに
ほのめかしていたし、大体想像もつくが(つまり、ネット掲示板上で
これだけのトラブルを起こすくらいなのだから・・・)、抜けるなら抜ける、
カキコするならカキコするで、他の参加者さん達の足を引っ張るなっつーの。
こんな大事な局面であの・・・(以下略)
スレ汚し、申し訳ない。俺も頭に来たので。
>厚木基地最後の兵士さん
そういうわけで、残念ながらネオ戦自関連も押し付けられる所と
なってしまいましたが、これから先の進軍もどうぞよろしく。
ミソラ少尉と春日歩の掛け合いなんてのも良いかと。
やっぱミソラはメロンが好きで、春日歩はミカンが好きなんでしょうか。
>町奉行さん
と、いうわけで、トライラックス艦隊の上半分、そちらのエンタープライズ号で
お相手願います。ウーラ中尉(少尉ではなく中尉。誰かさんは間違えていたけど)達、
投降組に水先案内させて艦内に潜入し、爆破するなんてのも
『宇宙空母ギャラクチカ』みたいでいいかも。
>????他さん
ご迷惑おかけします。まあ、俺も悪いが・・・。
ところで、聖母の使徒ですが、合体巨大化させて、
K-1ゲリオンと戦わせていいですか。
巨大化したらしたで、また手強くなるとは思うが・・・。
>高橋覗さん
あ、あの・・・機嫌直ったらカキコ復帰して下さい・・・(涙)。
????他です。今戻ってきました。んで、少しコメントを。
○トライラックス担当さん
高橋さんの件に関しては私にも責任がある気が。加持さんが云々という、厨で
うかつな発言をしたのは私ですし。それに私もカキコさぼりで迷惑をかける事
多いですしね。
ちなみに聖母の使徒は巨大化でもOKです。
……で、えらそうですが、とりあえず一言。
お二方とも、お気持ちはわかりますが、ここまで来たんです。互いへのレスは
ネタの中だけにして、傷口を広げあうのはここまでにしておきましょう。
ま、それにこのスレに書き込んだ方なら誰でも「ナメてんのかコイツ」と、誰
かに思ったり、「やってられっけぇ!!」と、思った事があるはずですし(藁
137 :
131:03/05/14 10:38 ID:???
レスのみです。
まだご存知ない方もいるかもしれないので、お知らせです。
昨夜、高橋さんがこのスレからの撤退宣言をされました。
詳しくはあちらの掲示板を。
この件に関して、自分は特に言うことはありません。
言うべきことなんてないです。
これまでのように、全責任は自分にありますとか、そういう軽率な発言も控えます。
謝罪もしません。もうできません。
そういうのはイロウルさんが離れて以来、もう何度もありましたし、その度に
自分は結局何もしてきませんでした。中身の伴わない謝罪は言い訳でしかありません。
責任ですか。感じてますよ。
だから自分はまだここにいるんです。
消えて済むならあのときにもう消えています。
そういうことでした。
自分の存在自体が苦痛だという方(一人や二人じゃないでしょうけど)、
すみませんが自分は最後までここにいます。
これまで通り、寛大なる放置態勢をお願いします。
それでは、何か書けたらまた。
138 :
131:03/05/14 10:45 ID:???
・・・っと。
>>136 わかりました。以後は一切その類の発言はしません。
長らくご面倒をおかけしました。
少し考えてきます。
ネタ書きを放棄する訳ではないので、ご心配なく。
では。
○黒ブチメガネさん
話の進行ありがとうございます。
そうですねえ、六時間の間の足止め…ランドマスター隊はまだしも、スズキ氏の伍号機を
どう止めるか…第弐や第参を本隊到着前に倒させる訳にはいかんし(藁、弐号機と量産機
部隊は特定のキャラの歓迎用ですしねえ。
とりあえずランドマスター隊は人口進化研究所に突入さえてみてもいいかもしれませんね。
一応中にはサキエルやらZOといった歓迎用のキャラが配置されていますしね。
黒の咆哮が上がるのは、ランドマスター隊がピンチに陥った時にこれで逆転ってのもいいかも。
弐号機はネルフ本隊。特に初号機本体が大神殿or人口進化研究所の手前まで迫ると出てく
るのを考えてます。
それと、「聖騎士団」は元々戦闘部隊で、そこに人体改造による使徒人間が多く所属し
て「改造騎士」になった気が。そういえば、教祖直属の黒タイツの間抜け集団もいたな。
多分今はシズラー部隊共々教祖の所にいると思います(藁
○Eさん
準備は着々と進んでますね。シヴァ絡みなら協力して第参やオリジナル使徒などを倒す
展開もOKかと。あるいは、量産機本体を倒した後、第参本人と誰かが戦う流れでも
いいかも。(さて…誰が倒すのか? Dか?シヴァか? スズキか? エヴァ・フェットか?
ランドマスター隊長&レナか?)
それと、ネロなりエヴァ・フェットなりEメンバーなりが委員会のいる所にたどり着いて、
ラストバトル直前辺りに委員会を地上に引き釣り出すきっかけになってくれるとありがたい
かも。尚、委員会の特徴は力こそ絶望的に高いですが、戦闘センスは絶望的に低いという
弱点があります。エヴァ能力者は戦闘テクニックも特典としてついてきますが、こいつら
は元のままですので(藁 ちなみに全部の頭を潰し、更にコアを破壊しないと死にません。
(まとめて吹き飛べば同じですけど(藁) また、キールの頭が潰れると、キールの脳が再生
されるまで活動力が弱まります(藁
141 :
138:03/05/14 22:46 ID:???
少しだけネタ投下に来ました。
今夜はもう来られそうにないので、OTR関連はすみませんが明日以降に。
>????他様
ネロの没ネタはそんな大袈裟なものじゃないつもりです・・・
とりあえず奴の始末をつけたいなというだけでしたので。誰も知らないうちに
ああやって一人死んでおしまい、がいいなと。虚数計画と併せて。
元は他人様のキャラですしね。
委員会を引っ張り出すとか、そういう”表”っぽい仕事は、大神殿潜入隊なり
教団の反乱分子なりトウジないしカヲルなりにお任せしたいです。
>提唱者様
一応>117に続けてみました。気に喰わなかったらすみません。
今のところ動いてるのはゴーレムさん(ですよね?)だけです。
まだネタはありますので、続けてもこのまま一気に終わりにしてもOKです。
毎度毎度遅くてすみませんでした。
それでは。
「能書きいいからまとめてかかって来いよ。殺るんだろ?」
彼らの言葉を遮り、男はふいと目を上げた。力みのない視線が敵全員を一瞥する。
途端に殺気をあらわにする同胞を片手で制し、先頭の改造騎士は一歩進み出た。
「貴様一人で我ら六人全員を止める気か? ・・・あまり舐めるなよ」
言うなり、右腕で大きく正面を振り払った。使い慣れた光の槍が振り出される。
ゆったりと佇んだまま、男は顔色ひとつ変えない。騎士の顔が険しくなった。
「ならば見せてやろう、我らが力を!」
吼えたけり、騎士は一気に突っ込んでいった。伸縮自在な光の槍を、異形の右腕と合わせて
そのまま一本の剣のように扱い、踏み込む速度を落とすことなく縦横に攻める。
猛攻と言っていい連撃だったが、光の槍が切り裂いたのは宙だけだった。男はやすやすと
騎士の一手、二手先を読み、軽い倦怠を顔に浮かべて槍を避けていく。常に紙一重で
かわし続けていく彼の動きに、騎士は完全に踊らされていた。焦った騎士が
思いきり中段を薙ぎ払ったところで、男はがら空きの懐に飛び込んでみせた。
「それで終わりか? まさかそんな訳ないよな」
と、焦りに引きつっていた筈の、半ば仮面に覆われた顔がにやりと歪んだ。
「ああ、違うとも」
瞬間、騎士の左手が男の眼前に突き出された。一瞬の閃光とともにもう一本の槍が飛び出す。
「っと」
男はわずかな驚きの表情を浮かべ、寸前で受け流した。槍は空っぽの宙を突き、
瞬間的に熱された空気の流れだけが男の鼻先をかすめた。ごくかすかに空間がぶれる。
男の顔にかすかに苛立ちが浮かんだ。
「使えるなら最初から両手使いやが・・・」
踏みとどまり、向き直った男の前に騎士はいなかった。振り仰いだ宙から叫びが降った。
「やれッ!」
次の瞬間、後方の五人から放たれた閃光が男に集中した。
轟音。大量の土砂が舞い上がり、視界を奪う。
「・・・舐めるなと言ったろうが。俺一人でやると誰が言った? 馬鹿が」
仲間の前に着地した騎士は槍をしまい、自らも光線を放った。再び地面が吹っ飛び、
勢いで土煙が吹き払われる。
刹那、騎士の目が大きく見開かれた。
無傷のままの男がそこに立っていた。左胸のルークの紋に、ふっと息を吹きかけて埃を払う。
六人を睨む目にははっきりと軽蔑が浮かんでいた。
「馬鹿な・・・ATフィールドは中和した筈だ」
わずかに後ずさりながら、騎士がかすれた声で呟く。
「馬鹿はそっちだろ。さっき言わなかったっけか、生半可な攻撃じゃ傷もつけられないって。
・・・さて、今ので頭使ったつもりか?」
絶句する騎士を押しのけ、いきりたった別の一人が前に出た。
「後悔するなよッ!」
雄叫びとともに騎士が突進する。男に拳が届く寸前で、その身体が二つに分かれた。すばやく
一方が背後に回り込む。男は初めて手を上げ、前後から襲う攻撃を同時にいなした。
その両側から光る鞭が飛ぶ。鞭は男の両手首を捉え、一気に引き戻されて両腕の動きを封じた。
男は一瞬周囲に目を走らせ、そして躊躇なく地面を蹴った。
思いきり鞭に体重を預け、勢いよくしなるその抵抗をも利用して、前後のイスラフェルタイプを
矢継ぎ早に蹴り倒す。着地と同時に深くかがみこみ、絡みついた光の鞭とその先の騎士ごと
両腕をぐんと振り下ろす。引きずられ、よろけた二人の騎士が立ち直ったときはもう遅かった。
男は素手で灼熱の鞭を掴み、すばやく引き絞った。
ぶつんという厭な音とともに鞭がちぎれる。光る線が宙を舞い、次の瞬間、それは
元の持ち主の首にきれいに巻きつけられていた。目をむく騎士に、男は微笑んだ。
「じゃあな」
輪を閉じる。あっさりと首が飛んだ。血しぶきを散らす胴体を無造作に蹴り倒し、
男は早くも熱を失い始めた鞭を、壊れた玩具でも捨てるように放った。
「次は?」
今や、男は嘲笑を隠そうともしていなかった。
そのとき、最初の騎士が男を羽交い絞めにした。振りほどく間も与えずコアが輝き始める。
「・・・では、ご所望の”生半可じゃない攻撃”だ」
瞬間、先の爆発に倍する光と轟音が辺りを呑み込んだ。
京都中心部より南へ約4km。超自然の霧が澱んだ河のように流れる中に、
巨大な駅舎がひっそりと建っている。
周辺は無人。どす赤い霧と、空を覆う血の色の壁のもたらす異様な雰囲気とあいまって、
駅は駅というよりは見捨てられた廃墟にしか見えなかった。
どこかから、かすかに車の駆動音が聞こえてくる。疲弊したようなエンジン音は
次第に大きくなり、やがて赤い霧を分けて一台の軍用車両が現れた。車両後部を覆う
装甲は数え切れないほどの弾痕と亀裂で覆われ、強化ガラスの窓は残らず割れている。
車両はがたがたと揺れながらロータリーに滑り込んで止まった。
歪んだ後部扉が開き、市街戦用迷彩に身を包んだ兵士たちが次々と降り立つ。
ネルフ諜報部特殊部隊。全員が対使徒能力重装、及び対改造騎士特殊弾頭を装填した
各種武器を装備。うち一人は同僚の肩を借り、何人かは身体のどこかに
応急処置の包帯を巻いている。行動に支障はない程度とはいえ、無傷の者の方が
少なかった。
最後に降りた運転手が、部隊長らしい男に駆け寄った。
「完全にお手上げです。計器には何の異常も見られないんですが、何度やっても
エンジンの回転が上がりません。これも霊能局が言ってた悪霊の妨害ですかね」
「霧の影響に加えてさっきの追撃戦がたたったかな。予定通り、
ここからは徒歩で移動する。運べるだけの装備を車両から出しておいてくれ」
「了解です、加持二佐」
加持と呼ばれた男は頷き、駅周辺に鋭い視線を投げた。
部隊の半数は駅の入り口周辺に展開し、構内が無人であることを確認すると
内部へと突入していった。まもなく一人が駆け戻ってきて安全だと報告した。
加持と呼ばれた男は、部隊の残り半数とともに、半壊した車両から
めぼしい物資を運び出す作業にかかった。指示を下す彼の目の前に、車両の屋根から
ダークスーツの男が転げるようにして降りた。疲れきった顔で加持を睨む。
「ご苦労、No.1。おかげで予想より大幅に被害が少なくて済んだ。勲章ものだな」
「言ってろ。ここに来るまでに襲撃8回、それも全部改造騎士だぞ?
片っ端から暗示かけて同士討ちさせなきゃ、お前ら今頃は全滅だぜ。少しは
真面目に感謝しやがれってんだ」
「わかってるさ。だからこの人数でここまで切り込めたんだってな」
「わかってないだろうが。俺程度の催眠なんてただの気休めだ。ここには俺より上手の奴がいる。
俺がとっさにかけた暗示なんざ、今頃はとっくに解除されてるだろうよ。
早いとこ移動してばらけちまわないと、さっきの奴らが戻ってくるぜ」
「そのつもりだよ。これでも急いでる」
加持は軽く黒い男をいなし、手早く物資をまとめて駅舎に入った。がらんとした
駅構内に、待機する部隊の立てるわずかな音が虚ろに響く。
加持はうずくまる兵らの前に立ち、小隊長四人を呼び集めた。
「さて、ここまでは何とか来られたが、本番はこれからだ。
ここからは手筈通り、5チームに分かれて”結界”の発生源と思われる地点に向かい、
各地点の監視ポイントを確保する。敵側も相当の防備体制が予想されるが、
なるべく刺激するな。現場の状況を可能な限り詳細に把握し、後発部隊に伝えるのが
我々の仕事だ。戦闘行為は極力避けてくれ」
後ろからダークスーツの男が付け足す。
「避けろ、っていうより、改造騎士に会ったら即・逃げな。奴らにとって
この街はホームグラウンドだし、数も段違いだ。さっきの戦闘でわかってるとは思うが」
装備の点検を繰り返しながら、兵士たちは無言で頷いた。ロータリーに
残されたぼろぼろの装甲車両を、数人がそっと振り返った。加持はわずかに顔をしかめ、続けた。
「この中には、大阪で惣流博士とともにかなりの戦果を上げた者もいる。
だが無駄な消耗は命取りだ。戦うなら、同じく先行しているランドマスター隊や
ネオ戦自戦車隊と連携し、自分たちに絶対有利な状況を作る必要がある。
技術部のお墨付きはもらってるが、それでも対使徒能力兵器だって万能じゃない。
敵に比べ、こっちは圧倒的に非力だということを自覚しろ。
忘れるな、俺たちの仕事は戦いじゃなく、後方に正確な戦況を伝えることだ。
戦うよりも、確実に隠れ、敵から逃げ延びることを優先しろ」
加持はそう言ってからふと、こんな言い方しちゃリッちゃん怒るなと頭を掻いた。
赤木リツコを知る何人かの間から失笑が洩れる。それが、緊張の連続で
殺気立っていた部隊を、ほんのわずか和らげた。
加持はそれを確認すると、無言で自分の銃を取り上げた。
部隊の空気が一気に引き締まる。
「・・・以上だ。目標地点到達以降、通信機の記録機能は常時アクティブに。
チャンネルは常にオープン。傍受される気遣いはないが、それよりも回線の維持に注意しろ。
絶対に連絡を絶やすな。では、行動開始」
その声とともに、兵士たちは五つのグループに分かれ、それぞれに
駅舎の奥へ消えていった。最後の一斑に同行するらしい加持がスーツの男に問う。
「お前はどうするんだ? 確か、ここまでっていう話だったが」
黒い男は苦笑いした。
「ああ、ここでお別れだ。世話になったな。俺はそうだな、せっかく京都に来たんだし、
本物のボスに最後の報告でもしに行くさ」
「・・・そうか」
加持はかすかに笑って頷き、小隊に合図を下した。
数分の後、駅は再び巨大な廃墟に戻った。
147 :
146:03/05/14 23:10 ID:???
忘れてた補足です。
>VSチームF(一部)
襲撃に来た改造騎士はサキエルタイプ3、シャムシエルタイプ2、イスラフェルタイプ1の
計六人です。とりあえずシャムシエルタイプ一人が死亡、最初に喋っている
サキエルタイプは至近距離からの自爆を試みています。効果のあるなしは未定。
当初はサキエル型だけの大部隊出して、部隊長の「サキエル隊、抜槍!」の声で全員が
一斉にザザザザッと光の槍を出す、なんてのを妄想してました。戦国時代な感じで。
AngelArms側がゼルエルタイプを普通に実用化している時点で
実は改造騎士団勝ち目ないだろ、と思いつつ、提唱者様、次の展開よろしくお願いします。
>加持以下ネルフ諜報部
ほとんど没ネタそのまんまでした。
改造騎士や使徒もどきに襲われつつ京都駅に到達です。すぐに離脱するネロ以外、
全員が「E」の通信機(ヘッドセットタイプ)を装着しています。
回線は常に開けておいて、常時連絡を取り合いつつ、結界発生ポイント5箇所に
潜入を試みます。目的は敵の掃討ではなく、結界発生のための神器の視認、及び
周辺の敵戦力の分布状況等の確認。今は赤い壁のために孤立状態なので、情報取りつつ
ネルフ側の誰かが入ってくるまで息を殺して隠れ続けます。
剣神社に向かった一班は、既に剣がないと知って他の班に合流するかもしれません。
今度こそ落ちます。
すみませんがレスのみ。
まず一つ目。
サーバーが変わったので、それに伴いおそらく新しいトリップに変わってます。
二つ目。
敢えてスルーします、書きたくても色々考え過ぎてもう書けない。
>黒メガネさん
彼等は身体能力的には改造騎士と同等か、劣るぐらいです。「特化」した使徒能力は持ってますが。
ちなみにATFの強さはラミエルタイプ(10名)を除き、一般の(?)改造騎士よりやや弱いつもりです。
グッドなレスポンスどもです。続きは……次夜ということでしばしお待ちを。
>????さん
第参は……というか、おそらく最強部類は倒さないかな?って感じです。
シヴァはトライラックスさんのキャラなので、成り行き次第になるかと。
確認事項なんですが、カヲル、アダム、リリスを除き、使徒は全部復活済みですか?
訂正。トリップ変わってないみたいです。
「くそっ、逃げおったぞ!」等身大EVA量産試作壱号機がギーガー様の声で叫んだ。「中央制御室! 撃ち落せ! 今度ははずすな!」
ところが、急いで中央制御室へ戻ると、メンタートオペレーターが大変なことを報告した。
「同一形状の使徒が10個体ほど本艦の周囲に集まって来ています!」
「な、何? 10個体だとォ?」
空中に浮かび上がった平面モニタースクリーンにその映像が映し出される。
先ほど逃げて行ったのと同じ形状、サイズの使徒が10体ほど、我々が乗っているノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』のまわりを取り囲んでいるではないか。
“アー、リィッ。アー、リィッ・・・”
「1匹では形勢不利と見て、仲間を呼びやがったようだな」ギーガー様は人間の姿に戻って言った。「だが、対AT仕様フィールドラスガンキャノン砲で返り討ちだ」
ところが、その集まって来た使徒達は何をするのかと思っていたら、なんと10匹ほどが合体して巨大化したのだ。
「う、うわ・・・巨大化した・・・!」メンタートオペレーターが驚いた口調で言った。「体長はゆうに50メートルはあろうかと思われます・・・!」
“アー、リィッ!”巨大化した使徒は光線を吐き出してノンシップを攻撃して来る。
「うぬ・・・対ATフィールド仕様ラスガンキャノン砲発射だ!」ギーガー様が命令する。「K-1ゲリオンも出動させろ!」
「ははっ、了解! ラスガンキャノン砲発射!」やはり人間の姿に戻ったピエット提督がオペレーター達に命令を伝える。「K-1ゲリオン出動!」
「私、の・・・娘達、は・・・すで、に・・・戦闘配置、に・・・着いて、います・・・」キサラギ博士が言った。
モニタースクリーンの中では巨大化した使徒が爆発と煙に包まれている。
しかし、体長3メートルくらいのサイズならラスガンキャノン砲で撃ち落せたのだろうが、50メートルもの巨大サイズではたいしたダメージにもなっていない。
“アー、リイィッ!”巨大な使徒は人造オリハルコンの砲弾を撃ち込まれたことに怒り狂い、咆哮しながら光線を吐いてノンシップを攻撃して来る。
戦闘用大型ノンシップともなれば、そのくらいの攻撃を喰らってもビクともしない・・・はずである。
しかし、同じ所に何度も光線を浴びせられ続けると、さすがに装甲が痛んでくるだろう。
「ギーガー様、このままでは・・・」私は心配げに言った。
「撃て、撃て!」ギーガー様が命令する。「1発や2発当たっても埒があかぬ。もっと数を当てろ!」
「ギーガー、様・・・K-1ゲリオン、3機・・・出動、しました・・・」
キサラギ博士がそう言うと、巨大モニターに発着場から船外へ飛び出して行く3体のK-1ゲリオンが映った。
赤と黒と白。そして、サイズの小さいモニターが3つ浮かび上がり、それぞれのパイロットが映し出される。
赤い1号機『ハヌマーン』パイロットのシヴァ。あのアスカに性格的印象がそっくりな奴。
黒い2号機『スフィンクス』パイロットのセト。対照的に用心深く、むしろオドオドした感じがする。
白い11号機『リバイアサン』パイロットのヘル。ホテル『ネオ・トライアル』で客室係をしていた。
“ギーガー様、私達にお任せ下さい!”シヴァが鼻っ柱の強そうな口調で言った。“セト、ヘル、行くわよ!”
「おお、シヴァ君か!」ギーガー様の口調はやけに期待がこもっているように聞こえる。
「し、しかし、ギーガー様・・・」私は様々な根拠から心配を隠せない。「敵は仮にも綾波教団の聖母が操っている使徒ですぞ。彼女達では果たして・・・」
「彼女達はネルフ時代の君と同等のシンクロ能力を持っており、これまでの訓練でも善戦をおさめてきた。特にあの赤いの、シヴァはかなり食い下がるぞ」
「シヴァ・・・あの1号機パイロットですか?」正直な所、嫌悪感を禁じ得ない。「ですが、彼女の場合、能力的には優れていても、性格的に欠点があるのではないか、と・・・」
「む? まるで以前から彼女のことを知っているような言い草だな、フウイ?」
「それは・・・彼女がオリジナルとほぼそっくりな正確をしているからです。私は彼女達のオリジナルのことを知っていたのですから・・・」
「惣流・アスカ・ラングレーか・・・わしもドイツにいた頃、あの者に会ったことがあるが、あやつはなかなか優れた奴だったな。その形質がそっくり再現されているとなれば・・・」
巨大モニターの映像の中では3体のK-1ゲリオンと巨大化した使徒の戦いが始まっていた。
スマソ。
>>151の20行目、
×「彼女がオリジナルとほぼそっくりな正確をしているからです」
○「彼女がオリジナルとほぼそっくりな性格をしているからです」
と、いうわけで、K-1ゲリオン3体と巨大化した聖母の使徒の戦いが始まりました。
ヘルがK-1パイロットに復帰したので、死亡したノヴァは抜けてしまいましたが、
サルサ・セカンダスで訓練を受けていた時のメンバーが再び揃いました。
日本で3号機『ターロス』を操縦して戦っているキラはノヴァの後釜、
4号機『ドラゴン』を操縦しているシグナはヘルの後釜だと考えられます。
ヘルは『ドラゴン』の代わりに11号機『リバイアサン』を操縦しているわけです。
クローンアスカ達に関しても整理した方がいいかな・・・。
トライラックスへ渡ったのは22人いるという設定だったけど、
どうなっているのか・・・。
クローンアスカ達について整理(K-1パイロット編)
シヴァ:K-1ゲリオン1号機『ハヌマーン』パイロット。
性格はオリジナルに近く、能力的には優れている。
カツ丼好きらしい。ギーガーのお気に入り。
セト:K-1ゲリオン2号機『スフィンクス』パイロット。
性格は用心深く、やや神経質。
ノヴァ:K-1ゲリオン3号機『ターロス』初代パイロット。
性格は内省的。綾波教団の委員会にマインドコントロールされ、
要人暗殺テロ事件を起こした後、飛び降り自殺を図る。
キラ:K-1ゲリオン3号機『ターロス』2代目パイロット。
性格は冷静沈着、能力的にもかなり優れているものと思われる。
ヘル:K-1ゲリオン4号機『ドラゴン』初代パイロット、
現在は11号機『リバイアサン』パイロット。
楽天的な面と臆病な面を合わせ持っている。
シグナ:K-1ゲリオン4号機『ドラゴン』2代目パイロット。
依存心の強い性格らしい。
セイラ:K-1ゲリオン5号機『ペガサス』パイロット。
鼻っ柱の強い闘争的な性格。
サラ:K-1ゲリオン6号機『サラマンダー』パイロット。
綾波教団の委員会にマインドコントロールされ、脱走。教団側に寝返る。
ユノ:K-1ゲリオン7号機『ユニコーン』パイロット。
綾波教団の委員会にマインドコントロールされ、脱走。教団側に寝返る。
ルカ:K-1ゲリオン8号機『ゴーレム』パイロット。性格は臆病。
クローンアスカ達の整理(それ以外の役職編)
ヨミ:本国評議会書記研修生。眼鏡にニーソックスが特徴。
他の能力は優れていたが、シンクロ率が低かった。
そのくせ出世が早かったことをねたんだ仲間に殺される。
ナミ:バンダロング総合病院で医療研修を受けていた。
クローンアスカには珍しいショートカット。
委員会にマインドコントロールされるが、失敗。
流れ弾が当たって死亡。
マチ:バンダロング総合病院の医療研修生。
髪型はポニーテール、性格は暗く冷淡な印象がある。
エビフライが好物?
ミソラ:空軍パイロット。
ヘアバンドで髪の毛を束ねていて、語尾に「〜であります」がつくのが特徴。
現在はランドマスター隊と行動をともにしている。
好物はメロン?
氏名未詳3名:綾波教団の委員会にマインドコントロールされて、評議会を襲撃。
全員死亡した。
ありゃりゃ? ここまで書いたので17人。あと5人いるっていう計算になるよな?
過去スレ読み返してみると、ノヴァが死亡した後の霊安室の場面で、
バンダロングに残っていたクローンアスカとして、
他に3名、氏名未詳の者がいるという描写があった。
残り2名はバンダロング以外の場所へ行っていたものと思われる。
他人のレス読み飛ばすだけならいざ知らず、
自分自身のカキコまで忘れてしまうなんて、俺も相当ひどいな。
と、いうわけで、こんな具合でご迷惑ばかりおかけしますが、今後もよろしく。
それにしても、高橋覗さんが抜けてしまったのは痛手だったな。
オリハルコンの“ジークムントの破魔の剣”や使徒人間の失敗作はどうしよう?
>????他さん
勝手に「使徒人間の失敗作が大神殿の地下でコキ使われている」という設定を
用意したのは、高橋覗さんが葉隠覚悟を登場させてくれたので、
そのオマージュのつもりだったのですが、
ネタが宙に浮いてしまう形になってしまいました。マジでどうしよう?
>E計画さん
京都の結界の中に潜入しているK-1ゲリオンの8号機は
『ゴーレム』という名前なのですが、
そちらにも“ゴーレム”という名前のキャラがいたんですね。
まぎらわしいから、こちらの『ゴーレム』は
教団側の迎撃でやられるということにしようかな(最初からそのつもりだったが)。
シヴァが日本へたどり着くのはもっと後になってからのことになりそうです。
反射レス。
>トライラックスさん
すみません、過去スレ見直してたら思い出しました。
こっちの方が後出しでしたので、引かせてもらいます。
ご面倒かけてすみません。
という事で、以下のように訂正します。
『E』側チームFの「ゴーレム」はこのレス以降、「ルーク」とコードネームを訂正します。
皆様、お手数かけますがよろしくお願いします。
????他です。今夜も出かけるのでまたレスのみ。
○Eさん
使徒はアダム=教祖、リリス=レイ、タブリス=カヲルを除くと、ゼルエル
が零号機廃棄体の一体と融合したまま芦ノ湖戦前に倒され、アルミサエル
が芦ノ湖戦で倒されてます。現在の配置は、
サキエル=人口進化研究所内部
シャムシエル=フリー
ラミエル=大神殿上空
ガギエル=鎖艦隊と融合
イスラフェル=フリー
サンダルフォン=ミゾロギと融合
マトリエル=フリー
サハクィエル=霊脳局に落ちてくるイベントやる予定だったんだが…
イロウル=未定
レリエル=異空間
バルディエル=主席の手駒として待機
アラエル=後で成層圏に出現予定
SS使徒1=霊魂のあるリーダーを中心に群れで委員会の周辺に
SS使徒2=コアをヒナに入れ、待機
と、いう感じです。
○トライラックス担当さん
とりあえず、エヴァ・フェット達は行動を開始する機会をうかがってはいかが
でしょうか? なんなら覚悟を使うなり、教祖と合流させるなりしてもいいし。
戦闘に参加していない3人は、ほぼ同時に光(
>>143)に向けて手をかざす。
一瞬の瞬きの後、衝撃波と光が同心円状に駆け抜ける。
3人は層を成す壁を展開する事により、猛進してくる爆熱を回避する。
焚き火は外の風に揺れることも無く、静かに煙を壁のうちに充満させていく。
「……随分と派手にやったな」
時間の経過と共に視界は晴れてくる。
元々満ちていた霧と煙が混ざり、場にそぐわない柔らかい色合いを振り撒く。
火花と熱はまだ漂っているが実害は無いと判断し、3人は壁を消す。
「……なっ!?」
「あの直撃でも死なないのか?」
最も曇っていた場所に立っていた人影に、改造騎士達は驚きを漏らした。
「…………今のは、なかなか効いたな」
首に手を当てて肩を回す男、ルークの装甲と服は一部だけしか残っていない。
焦げの付いた色白の皮膚は次々に剥がれ落ちて再生を終える。
「狙いどころが悪か―――
お前の講釈に興味は無いとばかりに、いきなり前後から斬りかかられる。
避ける間も与えなかった「一人」は斬れ味に違和感を感じて一歩引く。
袈裟懸けに太い筋のような跡は付いている、しかし斬れてはいない。
「マッサージのつもりか?」
表皮に付いた跡を軽く爪先で掻きながら、ルークは嫌らしい笑みを浮かべて言った。
「どけ!!」
その一声に、イスラフェルの騎士は離脱した。
飛び去るや否や3方向から閃光がルークを再び直撃、爆炎が舞い上がる。
爆発の勢いで真横の建物に激しく回転しながら叩きつけられる。
しかしセメントの壁は緩衝材にしてはあまりにも脆く、突き抜けた後、2回ほど崩壊音が聞こえた。
「今度こそ殺ったか!?」
先ほどと違うのは破壊を一点、頭部に集中した事。
普通にバラバラに撃ったのとはわけが違う。
イスラフェルの騎士は慌てて穴の開いた建物に向かい二体で閃光を放つ。
轟音と土煙を立てて3階建て建造物は崩れ去る。
「………」
羅刹を背負った男、ブレイドが肩越しに後方の一人を見る。
「全くもって大丈夫だ」
ダイヤ模様の入った左の手を軽く振って、クリスタルは手元の光の糸を見せつける。
サキエルタイプの騎士は濃い土煙の中に糸のようなものを一瞬だけ見て、見失う。
ゴミだろう、そう判断して仲間の騎士に声をかける。
「残りを片付けるぞ」
イスラフェルの騎士が飛び上がって後方に回り、左右からはサキエルの騎士が挟み込む。
正面では自慢の鞭を何時でも全力で振り抜けるようシャムシェルの騎士が身構える。
敵がおそらくあれがリーダーなのだろうと予想したとしても、それはあながち間違いではない。
彼等4人の中でずば抜けて防御力が高く頑丈なのだから。
コア爆発の直撃をルーク以外が喰らえば、軽傷で済むなんて甘い事は起こらない。
「…どうする?「俺はパス、二人に任せた」
ブレイドの問いかけに、間をおかずにクリスタルは答えた。
「運動は苦手なんだが……」
じりじりと3人を囲む輪が小さくなる中、
髑髏を肩に印したリッチが面倒くさそうに立ち上がる。
両手を護る手袋をドサリと落とし、感触を確かめるかの様に何度か拳を握り込む。
クリスタルが小枝をまた一つ、焚き火に投げ込む。
ゆっくりと回転して火の中へ消え………火の粉が弾けて音を立てた。
一斉に改造騎士達が動き出す。
ブレイドの足を鞭が払おうとし、左から輝く槍が襲い掛かる。
座り込んだクリスタルの背中に一対の槍が突進し、さらに二本の刃が低空で跳び込む。
フェイントを織り交ぜながら別の刃がリッチを狙う。
「ぬっ!!」「ぐぁああっ!!?」
最初にあがったのは二つの驚愕。
板状の物体が騎士二人とクリスタルの間に割って入り、攻撃を受け止めた。
目にも留まらぬ速さで現れたそれは、ブレイドの背中から生えていた。
左の腕も同様に変化して左の槍に巻き付いて攻撃を止め、
腕の振り上げと共にサキエルの騎士を高く投げ上げる。
右はガンマンの早撃ちが如く、鞭が到達する前に根元の肩から切り落とす。
「なっ!! 何だ貴様!!?」
少し遅れて叫んだ声の主は、溶けた右腕を左手で抱え3歩引き下がる。
視線の先には背中を丸めるリッチの姿があった。
「ゴホッゴホ…衝撃までは喰えないな」
体を起こすと鳩尾に丸く、泡立つ色白の肌が見えている。
「マトリエルの能力者か……」「だったらどうする?」
「サボり過ぎた罰だ」「こんなもの!!」
交わされる言葉は動作を止める理由には決してならない。
という事で続きです。
今回動いた二人の能力の補足説明。
ブレイド:ゼルエルの使徒能力。破壊閃光を発射可能(連続発射不可)、
全身の何処からでも幾つでも板状の刃(ギミック?)を出せる。
ただし出している刃の長さの合計は20mまで。
リッチ :イロウルの使徒能力。皮膚に触れるものを融かして養分にする。
高高度演算能力を持つが、それに集中しないと100%生かすことが出来ない。
>????さん
使徒情報どもです。ゼルエルとアルミサエルはすでにつかってたんですね。
SSはセガサターンの略なのにエヴァSSのSSと最初受け取ってしまって(以下略
>黒メガネさん
上記の通りって感じで宣言どおりに。
そういえば、イスラフェルも破壊光線みたいなの出せるんでしたね。
読み直していてなんで5人なんだろうと数分悩みました(最初は何の疑問も持たず(苦笑))
“よくもやってくれたな!”半ば潰れかけた蜘蛛型使徒が声優の平田広明のような声で叫んだ。“分身使徒がやられたら、僕ちゃんの本体にも痛みが伝わって来るんだぞ!”
“うるさいわね、死に損ないがゴチャゴチャ言うんじゃないわよ!”セイラがそう言うと、K-1ゲリオン5号機『ペガサス』でその使徒を踏み潰した。
“あべしっ!”蜘蛛型使徒は溶解液を吐き出しながら潰れ、あたりの地面から煙があがった。
だが、その直後、頭上に黒い影が広がった。
“セイラ! 危ない!”8号機『ゴーレム』パイロットのルカが叫んだ。
黒い影のように見えたのはディラックの海であった。
セイラの5号機『ペガサス』は咄嗟に上を振り向いたが、避けるような余裕はなかった。
ルカの8号機『ゴーレム』は逃げようとしたが、逃げられなかった。
“セイラ! ルカ!”4号機『ドラゴン』パイロットのシグナが叫んだ。
3号機パイロットで隊長役のキラは何も言わず、慌てず騒がずケーブルガンを発射した。
だが、助けることはできなかった。
『ペガサス』と『ゴーレム』は闇の空間の中に引きずり込まれて行った。
“フハハハハハ”今度は蜘蛛型使徒ではなく、ディラックの海の中からミゾロギの声が聞こえた。“まずはこの白いのと灰色のから痛め付けてやるとしよう。残りの奴らもそのうちひどい目に遭わせてやるから楽しみにしていなさい”
そして、黒い影のようなディラックの海は縮んで行くと、その空間から消えてしまった。
“はっ・・・ここはどこ・・・?”K-1ゲリオン8号機『ゴーレム』のエントリープラグな中でルカがつぶやいた。
エントリープラグ内のモニターパネルに映っているのはただひたすらの闇ばかりである。
“ディラックの海に引きずり込まれて・・・”5号機『ペガサス』パイロットのセイラが言った。“どうやら別の空間へ連れて来られたみたいね・・・”
“フハハハハハ・・・”聞き覚えのある笑い声が聞こえた。“僕ちゃんの支配する世界へようこそ”
あたり一面は漆黒の闇が広がっているが、その闇の中に何やら赤い光を放つ球状の物体が浮かんでいる。
距離感がつかめないので、遠くにあって大きなもののようにも見えるし、近くにあって小さなもののようにも見える。
そして、それは人間の瞳のようにも見えるし、卵の黄身のようにも、炎の塊りのようにも見える。
“何、あれ?”
“スキャンしてみるわ・・・パターン、青・・・使徒反応ね・・・”
K-1ゲリオンのスキャン機能によれば、その球体に内部には人間型の形状をした物体がまるで母親のお腹の中の胎児のように丸まっていることがわかった。
だが、それは赤ん坊や胎児ではなく、大人の人間のような姿をしている。
そして、先ほど聞こえた声の主はどうやらこいつらしい。
“あんたは一体何者?”強気なセイラがさすがにおっかなびっくりな口調で問い掛けた。“もしかしてあんたがミゾロギとかいうの?”
“そう、僕ちゃんはミゾロギ”前髪で左眼を隠しているそいつは言った。“本名はミゾロギ・サンジだが、今はミゾロギ・サンダルフォンだ”
“さっきの蜘蛛みたいな使徒どもはあんたが操ってたのね?”
“そうだよ。よくも僕ちゃんの分身達を痛め付けてくれな”
“それがどうしたって言うの? ついでにあんたも痛め付けてあげるわ!”セイラは鼻っ柱の強い口調を取り戻すと、ミゾロギめがけてポジトロンライフルを発砲した。
赤い球体が爆裂し、暗闇の空間に炎が噴き出した。
しかし、やったと思ったのはつかの間だった。その炎の中から人間とは似ても似つかない奇妙な形状の生き物が飛び出して来たのだ。
“ヤッホ〜! ミゾロギ・サンジ君、変態完了だよ〜ん!”
164 :
163:03/05/16 04:11 ID:???
訂正 17行目
×「そうだよ。よくも僕ちゃんの分身達を痛め付けてくれな」
○「そうだよ。よくも僕ちゃんの分身達を痛め付けてくれたな」
と、いうわけで、
日本へ向かっているノンシップ『ポウル・ウスル・ムアディブ』では
シヴァ、セト、ヘルのK-1ゲリオンが聖母の使徒と、
京都の最前線ではディラックの海の中でセイラとルカのK-1ゲリオンが
ミゾロギ・サンダルフォンと、それぞれ戦う所となりました。
シヴァ達は勝てるだろうけど、セイラとルカはやられるでしょうね。
残っているキラとシグナも教団側に寝返った次世代EVAにやられるという
展開にしたいんだけど、スモーウォーカーのパイロットをどうしようか?
>E計画さん
こちらの『ゴーレム』は人物名ではなくK-1ゲリオンの名前だし、
どうせこの後、ミゾロギ・サンダルフォンにやられてしまうので、
そんなに気を使って下さらなくても結構ですよ。
>????他さん
私としては、失敗作使徒人間達が教団に対して反乱を起こすが、
しょせんは使徒能力を使えない失敗作であるため、やられてしまい、
エヴァ・フェットも葉隠覚悟も教団に対する怒りを募らせる一方で、
生き残った失敗作使徒人間は綾波かフウイに人間の姿に戻してもらう
という展開はどうかと考えているのですが。
K-1ゲリオンのエントリープラグ内の平面モニターに、暗闇の空間に広がった炎の海の中を滑空して来る異生物の姿が映し出された。
カレイかヒラメ、もしくはカブトエビのような平べったい身体に、両側から太く長い触手が生えている。
“あ、あれは・・・あれはサンダルフォン!”ルカが叫んだ。“第8使徒サンダルフォンだわ!”
“わははははは、さっきも言っただろう?”異形の怪物は2人のクローンアスカ達にもわかる声と言葉で言った。“僕ちゃんはミゾロギ・サンダルフォンなのだァ!”
“難しいこと考えるまでもないわ”セイラが言うと、5号機『ペガサス』はポジトロンライフルを構えた。“目の前の敵は殲滅するまでよ!”
K-1ゲリオン5号機『ペガサス』はポジトロンライフルを発砲する。
だが、ミゾロギ・サンダルフォンは全身からバチバチと火花を散らすだけであった。
“何だ、それは? 攻撃のつもりか? 身体がビリビリ痺れるだけだぞ。ちっともダメージにならねえ”
と、言ったかと思うと、ミゾロギ・サンダルフォンは凄まじいスピードで5号機『ペガサス』のすぐそばをかすめ飛んで行った。
その直後、『ペガサス』の装甲の表面に切れ目のようなものが走り、ミゾロギ・サンダルフォンは一体何をしたのか、その部分から機体が分解し始めた。
“そ、そんな・・・私の『ペガサス』が・・・!”セイラが悲鳴をあげた。
“ひえええええ!”ルカは戦意を喪失して逃げ出そうとする。
“無駄だ、無駄だ。ここは僕ちゃんの支配する世界なのだ。逃がさないのだ!”
ミゾロギ・サンダルフォンは8号機『ゴーレム』に追いすがると、背後から2本の触手で捕まえようとした。
“いやあ!”ルカが叫び、『ゴーレム』はサンダルフォンの触手から逃れようとする。
ところが、触手の5本の指がかすめただけで、『ゴーレム』の機体はまるで南斗水鳥拳にやられたように、機体に切れ目が走ってバラバラに分解して行った。
????他です。今夜は時間が無いのでとり急ぎ。
○厚木基地最後の兵士さん、便利屋スズキさん
ネルフ本隊との進行の兼ね合い上、途中で罠にかかって数時間足止めを
くう展開にしてみてもいいですか? スズキさんの伍号機なんかはしばらく
別空間に飛ばされたりとか。私の方ではまだこのあたりのネタは確定して
いないので、他の方にいい進行のアイデアがあるならおまかせいたしますが。
もし無ければ明日あたりやるかもしれません。
○トライラックス担当さん
教団側のトライラックス系エヴァのパイロットはクローンアスカ以外は深く
考えなくてもいい気もしますが……。
後、使徒人間はそれでも問題は無いとは思います。ただ、タイミングをいつに
するかという問題はありますね。
地底のまるで迷路のように入り組んだ洞窟の中に開けた空間には、礼拝場のような施設が設けられている。
そして、そこには地上世界からは黙殺され、封じ込められた地底世界の住人達が続々と集まって来ていた。
異形な姿をした使徒人間の失敗作達や、見た目はまともな人間達もいて、数にすればゆうに数百人はくだらない。
上手に設けられた段上で間に合わせの祭壇のようなものを背景にして、リーダーらしい失敗作使徒人間が熱弁を振るっている。
「神聖綾波教団は表向きには救済活動と称して裏では我々を騙して駆り集め、使徒人間に改造したり、強制労働をさせたりしている。このようなことが救済活動だと言えるだろうか!?」
「そうだ、そうだ!」集まった労働者達が歓声をあげ、賛同する。「綾波教団は偽善者の集まりだ!」「奴らは我々を苦しめるばかりだ!」
「しかし、その一方で、我らの宗教改革者である著衛玖様は教団の聖母とは別の異なる救世主が現われることを予言なされた! そして、その救世主はトライラックスという異国におられ、我々の前に使者を遣わしたのだ!」
そして、失敗作使徒人間のリーダーである巣輝牙は奇妙な姿をした男女を紹介した。
坊主頭に僧侶のような法衣をまとった小男と、青い髪の毛を長く伸ばした身長の高いお姫様風の女性である。
「トライラックスから真の救世主の使者として来られたガイア・ノムラ僧正とエヴァ・フェット皇女だ!」
「我輩はトライラックスの僧侶、3列シートの全能ガイア・ノムラ・ロボモグ・ユウザコウジ4世じゃ。
そして、このお方こそがトライラックスの皇女にして、真の救世主であるフウイ・ノ・レイ様の一番弟子、ネフェルタル・ビビビのネズミ男・ハイドラ・エヴァ・フェット姫なるぞ!
皆の者、頭が高い! ひかえおろう!」
「のほほほほほ、わらわが紹介にあずかったトライラックスの皇女、エヴァ・フェット姫じゃ。わらわの師匠である前駐日A級大使フウイ・ノ・レイ様の使者として参上つかまつった。
皆の衆、苦しゅうない。面をあげい」
青い髪の毛を長く伸ばし、赤い眼をした長身のお姫様風の女性は段上でたどたどしく演説をする。
「わらわの師匠であるトライラックスの前駐日A級大使フウイ・ノ・レイ様は実はこの日本の出身で、少女時代は綾波レイと呼ばれておった」
集まった強制労働者達が「綾波レイ」という固有名詞に反応し、歓声をあげる。
「されど、フウイ・ノ・レイ様は御自身の祖国である日本国内で内乱紛争が起こっていることを嘆いておられる。
そこで、駐日大使職にあった時には綾波教団とネルフ・トライデントを和解させ、内乱紛争をおさめようと尽力しておられていた。
しかしじゃ、しかし・・・綾波教団を操る司教や委員会は悪い奴らで、この者達を始末せねば、和解は望めぬ。
その方達を助けることもできぬ。駐日職を解任されたフウイ・ノ・レイ様は本国へ送還され、さらに嘆いておられる。
どうじゃ、その方達。わらわ達に、そして、わらわの師匠であるフウイ・ノ・レイ様に力を貸してはくれぬか!」
エヴァ・フェット姫があえぎ声をあげると、強制労働者達がどよどよと騒がしくなった。
「自由や権利を勝ち取るためには戦わねばならぬ!」巣輝牙が言った。「ただ助けを待っているだけではいかん、今こそ我々も立ち上がるのだ!」
集まった強制労働者達の間から「オ――――ッ」と歓声があがる。
「そうだ、我々は立ち上がるのだ!」
「救世主様が御降臨されるためにはその準備を我々が整えなければならぬ!」
「我々を虐待している綾波教団と戦うのだ!」
「綾波教団を倒せ!」
「綾波教団を倒せ!」
「ニセモノの救世主を追放し、本当の救世主を迎えるのだ!」
やれやれ・・・地底のまるで迷路みたいな強制労働区に迷い込んで、どこをどう間違ったのか、とんでもないオオゴトになってしまった。
俺はお姫様のようなドレスを着て、顔にはベタベタに化粧をしている。
ガイア・ノムラと例の救世主に関してどうのこうのという宗教学者の著衛玖とかいうのが相談して、勝手に段取りを決めてしまったのだ。
「おう、エヴァ・フェット。お前、なかなか似合ってるぞ」
俺を冷やかしているガイア・ノムラは僧侶のような法衣をまとっている。
もともと頭はスキンヘッドなので、少なくとも外見上はお坊さんの役が様になっている。
俺はトライラックスの皇女で真の救世主フウイ・ノ・レイの一番弟子、ガイア・ノムラはその従者の僧侶という触れ込みである。
「しかし、ガイアさんよ・・・俺は西洋風のお姫様なのに、あんたは日本風のお坊さんというのはアンバランスじゃねえですかい?」
「かまわんさ。トライラックスの文化は外国の物真似ばかりでオリジナリティがないからな」
集会場には綾波教団が地底に封じ込めている捕虜や奴隷が少なく見積もっても何百人かは集まっていて、俺はそいつらの前でもっともらしく演説する所となった。
もともと俺は人前に出て話をするのはあまり得意な方ではないが、以前、フウイ・ノ・レイ2号様からにわか仕込みでお姫様らしい立ち振る舞いを教え込まれていたのがここで役に立った。
集会場に集まった連中は俺の演説を聞いて歓声をあげ、しきりに賛同しているようであった。
「しかし・・・こんなことをしていいんですかね・・・?」俺は小声でガイア・ノムラに問い掛ける。「あいつらをそそのかして煽動するってのは気が引けるような気もしますが・・・」
「なあに、かまわんさ」ガイア・ノムラは相変わらずの無表情で言い放った。「我々は当初の目的が果たせれば良い。あいつらは我々が教団大神殿を爆破して逃げ帰るための捨て石のようなものさ」
「フウイ・ノ・レイ様が知ったらさ、ぞかしお嘆きになることでしょうな」
171 :
170:03/05/19 05:35 ID:???
訂正 最終行
×「フウイ・ノ・レイ様が知ったらさ、ぞかしお嘆きになることでしょうな」
○「フウイ・ノ・レイ様が知ったら、さぞかしお嘆きになることでしょうな」
失敗作使徒人間が反乱を起こす場面は映画『DUNE砂の惑星』のBGMをかけると似合いそう。
大神殿の一角に設けられた発着用ドックに突如、黒い影のようなものが現われた。
それは空間に広がっていくと、中からバラバラに破壊された汎用人型決戦兵器2体分の残骸を吐き出した。
そして、その黒い影のようなディラックの海はグニャグニャと変型し、サイズが縮んで人間の姿になった。
黒いスーツを着て、前髪で左眼を隠した若い男、ミゾロギ大佐である。
「お帰り、ミゾロギ」フードの付いたローブをまとった白髪で赤い眼の美少年が出迎えて言った。「私が授けた第8使徒の能力はどうだった?」
「すさまじいパワーですな。コントロールが効きません」ミゾロギは言った。「最初は生け捕りにするつもりだったのですが、勢い余って2匹ともこのザマです」
オリジナルの第8使徒サンダルフォンの威力がどんなものなのかは、先ほどディラックの海から吐き出されたK-1ゲリオン2体のスクラップからもわかる。
「まあ、そのうちには慣れてコントロールが効くようになるだろう」
「しかし、他にもK-1ゲリオンとやらが2体、ランドマスター隊にネオ戦略自衛隊が残っています。こいつらは僕ちゃんの分身使徒達を全滅させてしまうくらいなので侮れませぬぞ。一体どうします?」
「うろたえるな。まだ戦いは始まったばかりだ。お前が勇み足を踏んで全員片付けることもあるまい。他の仲間達の分も残しておいてやれ」
主席司教とミゾロギ大佐が大神殿の中央司令室に入って来ると、黒いスーツを着た年配女性が毛皮の衣服を着た大男を叱責している所であった。
「全く、勇ましく出陣して行ったの良いけれど、みすみす大事な宝剣を奪われてしまうなんて・・・シモツキ、貴方はわたくしに恥をかかせるつもりですか?」
「面目次第もねえ、ヒナ嬢様・・・」
すぐそばでベレー帽をかぶった能面のような顔の女が呆然と立ち尽くしている。
「ん? あいつはユキナ曹長じゃねえか?」ミゾロギ大佐は思い出したように言った。
「あいつはこの大神殿に忍び込んで来た所を捕まえてマインドコントロールで操ってやったのだが、知り合いだったのか?」
「サルサ・セカンダスで戦闘訓練を受けてた時、冗談でお尻をなでてやったらボコボコにされたことがある」
「ふうん・・・あの女は少女時代にレイプされたことがあるようだな。ヒナ大使殿とは違って他人に対して寛容な性格ではないから、お前とでは相性が悪いのだろう」
そのような表現を取るのは、クローリー・ヒナ大使も性的虐待を受けた経験があるらしいことをほのめかしている。
主席司教は割って入って言った。
「まあ、そう怒るな。奪われた八握剣はすでに聖母直属の使徒が取り戻しに向かっているので心配はない」
「主席司教さんにそのようにフォローして頂けるなんて助かりますわ。ヒナ、感激。ほら、シモツキ。貴方もお礼を言いなさい」
「へい、ありがとうやんす」シモツキはしぶしぶな態度で主席司教に頭を下げる。
「ところで・・・さっきも言ったが、地底の強制労働区に押し込めてあった不穏分子どもが我々に対して反乱を起こそうとしている。そこで、そちらの兵力も差し向けてもらいたい」
「はい、承知致しました」先ほどまでは傲慢な態度だったクローリー・ヒナは極端に従順な態度に変わって言った。「シモツキ、お前も行きなさい。汚名返上のチャンスよ。ヒナ、期待」
大神殿内の駐車場にモヒカンや逆さモヒカンの髪型をした柄の悪い男達が数百人も大集合している。
彼らは綾波教団の出入り業者である春虎念興業の社員達だが、その外見はさながら『北斗の拳』の悪役のようであった。
そして、そこへ超肥満体の春虎念会長が反重力装置で身体を宙に浮かせながら飛んで来た。
「諸君! 大変なことになった!」春虎念会長は声優の内海賢二のような声で言った。「我が社の社員になりすまして外部から侵入者がこの大神殿に入り込んだそうだ!」
「何だとォ!? 俺達の仲間のふりして大神殿に忍び込んだだとォ!?」柄の悪い手下どもが罵声をあげる。「ふてえ奴らだ! そんなのはぶっ殺してしまえ!」
「ほとんどの者はすでに始末されたそうだが、一部の者が地底の強制労働区に潜伏していて、不穏分子どもを煽動して反乱を起こさせようと企んでいるらしい! そこで我々もそいつらを始末しに行くのだ!」
モヒカンや逆さモヒカンが歓声をあげる。
春虎念会長はこれまたビール樽のように太った大男に向き直って言った。
「羅蛮、お前が陣頭指揮を取れ!」
「へい、伯父上ェ〜!」春虎念会長の甥の羅蛮は声優の郷里大輔のような声で言った。
ところが、そこへ突如として乱入して来た者があった。
赤い髪の毛を振り乱した若い女で、まるで病院でこれから手術を受けるかのような白い衣服を着ていて、下半身はナマ脚むき出しである。
「あははははは〜、ブハラちゃん、ブハラちゃん〜。あたしのブハラちゃんはどこ〜?」
などと叫びながら、赤髪の女はモヒカン集団の中になだれ込んできた。
「あっ、ブハラちゃん、めっけ!」赤髪の女は羅蛮の姿を見るなりそう叫び、抱きつこうとした。「ブハラちゃん、こんな所にいたのね。しばらく見ないうちにえらく不細工になっちゃってェ〜・・・」
「何言ってるだ!? 俺はブハラじゃなくて羅蛮だ!」羅蛮は腰を抜かした。
「え〜? ブハラちゃんじゃないのォ〜? あっ、ブハラちゃん、こっちのがブハラちゃん!」
赤髪の女は今度は春虎念会長に抱きつこうとした。どうやらデブなら誰でもいいらしい。
「うわあああ〜っ、汚らわしい! そばへ寄るなァ〜っ!」大の女嫌いの春虎念会長は反重力装置で空を飛んで逃げ出した。
そこへ白衣を着た男達が走って来た。教団側の救急要員達らしい。
「いたぞォ! あそこだ!」
「おおい、そいつを捕まえてくれ! その女はトライラックスの捕虜だ! 精神に異常を来たしているので牢屋に閉じ込めておいたのだが、逃げ出したんだ!」
モヒカンや逆さモヒカンが束になって捕まえようと襲い掛かるが、彼女は凄まじい運動能力でそれらをかわして逃げ出す。
「そう簡単に捕まってたまるもんですか! こ〜こまでお〜いで〜!」
赤髪の女は白い衣服の裾を捲り上げると、尻をペンペン叩きながら走り去って行った。
レスのみスマソ。
>黒メガネさん
ネタレス待ってるんですけど来ないようなので、次夜0時までに何のレスもこない場合、
勝手ながらこちらのネタ上げて〆させて頂きます。
>トライラックスさん
名前の件はある意味けじめなので…お手数かけました。
というか、そんなに早くやられてしまうとは思わなかった。。。
地底の穴倉の中には首から上と前足が両方とも吹き飛んだ巨大な怪獣の死体が倒れていて、あたりにはバラバラに千切れ飛んだ肉片と血が飛び散っている。
「派手にやってくれたな・・・だけど、この怪獣ってェのは第弐次席司教様が創り出した幻覚じゃなかったのか?」
「もとは幻覚だったんだが、人間を襲う時には実体化するっていう話だ。そして、実体化していた時にN2手榴弾を喰らってやられたみたいだな」
侵入者の死体の回収処理を命じられた教団側の下級職員達は悲惨なものである。
そこらに散らばっている肉片の中にはおよそ原型をとどめていないにせよ、明らかに人間の身体の一部だとわかるものもあった。
「この落とし穴に落ちた侵入者は6人いたそうだが、そにうち1人は抜け出した所を捕まったそうだ。だから5人分の死体を確認できればいい」
「確認って・・・怪獣に喰われかけた所をN2手榴弾で木っ端微塵のこの状態じゃあ、原型をとどめていないから、人数なんかわからねえよ」
「あ〜あ、こんなもの見せられたんじゃ、当分の間は肉が食えなくなっちまうな。気分が悪い」
教団の下級職員達が不平を並べ立てていると、そこへ暗闇の中から声が聞こえた。
「その心配はない。お前達はもう何も食う必要はないからな」
「誰だ? 生き残ってる奴がいるのか!?」教団職員達がその声に振り返ると、髪の毛を長く伸ばした痩せぎすの男が銃を構えて現われた。
「なぜなら・・・お前達はもう死ぬからだ」痩せぎすの男は銃を発砲した。「よくも人様を怪獣のエサにしようとしてくれたな!」
「ふんげええええ!!」落とし穴の中へ入って来た教団職員達は1人残らず射殺されてしまった。
「生き残ったのは俺の他にもう1人いるようだが・・・期待はできぬな」
その男、元スパイ下請け業者のジンはつぶやくと、教団職員達が入って来た出入り口から穴倉の外へ出て行った。
178 :
177:03/05/20 04:23 ID:???
教団の救急要員達の追及をかわしたメンチ(
>>175)は大神殿内の格納庫に迷い込んだ。
そこには見覚えのある超肥満体の汎用人型決戦兵器が3体格納されている。
見覚えがあるのも無理からぬことで、それらはクローリー・ヒナ大使が兵器支援として大神殿に持ち込んで来たスモーウォーカーである。
「あはは・・・ブハラちゃん、めっけ」メンチはそれらのスモーウォーカーを見て言った。「しかも、こんなに大きくなっちゃって。どれがあたしのブハラちゃんかな?」
「お、おい、何をやってるんだ?」格納庫内に見慣れない女が入り込んでいるのを見つけた教団の整備士が言った。「それらはトライラックスから借りている大事な兵器だぞ!」
「あはははははは、あたしはトライラックス駐日A級大使の随行員よ! だから、トライラックスの兵器にはあたしにも権利があるのよ!」
メンチはそう言うと、信じられないことだったが、スモーウォーカーの機体の上を一気に駆け登って行った。
トライラックスのメンタートの身体能力は常人のレベルをはるかに上回っているのだ。
「なっ、何だ、あいつ・・・人間か!?」
度肝を抜かれている整備士達を尻目に、メンチはスモーウォーカーの首筋から外に突き出ている筒状のエントリープラグの中へ潜り込んで行った。
「ブハラちゃん・・・あたしが自由にしてあげるからね・・・」と、言いながら、メンチは計器類を操作し始める。
彼女は料理人として駐日A級大使に随行していたのであって、戦闘要員ではない。
しかし、人間電子計算機の異名を取るメンタートの処理能力を持ってすれば、見よう見まねでスモーウォーカーを操縦することなどたやすいことなのだ。
“すもーうぉーかー『飛朱雀』、えんとりーぷらぐ挿入、起動シマス”
エントリープラグ内に、そして格納庫内に、金属的なアナウンスが流れ、赤いスモーウォーカーが動き始めた。
「うわっ、うわっ、大変だ!」整備士達は大騒ぎになった。「頭のおかしな女が勝手にスモーウォーカーを動かしているぞ!」
そして、パニック状態になっている教団側の整備士達を尻目にスモーウォーカー『飛朱雀』は格納庫から大神殿の外へ飛び出して行った。
メンチが驚異的なメンタートの運動能力でスモーウォーカー『飛朱雀』の機体の上を一気に駆け登っている時、格納庫に配属されている整備士達の多くは度肝を抜かれて呆然としたいた。
しかし、その様子を見ていた保安要員の1人が咄嗟にライフル銃を構えた。
「トライラックスから借りている大事な兵器を勝手に動かす気か!」
その保安要員は『飛朱雀』の機体の上を駆け登る赤い髪の毛の女にライフル銃の照準を合わせて撃とうとする。
だが、発砲することはできなかった。
突如、その保安要員は身体を硬直させ、うつ伏せに倒れた。
首筋に刃物が刺さっている。
トライラックスで複製されたベンズナイフ・・・これを使うのは殺し屋の類と決まっている。
パンクヘアーにゲジゲジ眉毛、カマっぽい顔をした男が刺さったナイフを抜いた。
春虎念興業の経営コンサルタントという触れ込みで潜入しているトライラックスのスパイで、暗殺メンタートのピーター・ド・ブリースはつぶやいた。
「これでいいのか、オドー・・・」
綾波教団大神殿の格納庫から飛び出したスモーウォーカー『飛朱雀』は赤い霧の中へと飛び立って行った。
上空に待機している第5使徒ラミエルとノンシップ『デウス・ウキス・マキナ』は、咄嗟には「捕虜がスモーウォーカーを奪って逃亡した」なんてことがわからなかったので、対応することができなかった。
“待てぇーっ! スモーウォーカーを勝手に持って行くなァーッ!”
“それはトライラックスから借りている大事な物なんだぞォーッ!”
大神殿から白と銀色の2体のスモーウォーカーが追いすがってくる。
『雪崩山』と『月光院』だが、発言からすると操縦しているのは教団側の人間らしい。
“何言ってるの? あんた、馬鹿ァ?”『飛朱雀』のエントリープラグの中でメンチは悪態をついた。“あたしはトライラックスA級大使様の随行員よ。あんた達よりもあたしの方が権利があるのよ!”
“お前は捕虜だろ! 勝手にスモーウォーカーを操縦して出て行ったことがバレたら、ヒナ大使様にお仕置きされるぞ!”
“ヘン、お仕置きが怖くてメシが食えるもんですか! そうだ、メシと言えば、久しぶりにブハラの好きな豚の丸焼きでも作っちゃおうかしら?”
“へ? 豚の丸焼き?”
『雪崩山』と『月光院』のパイロット達がメンチの言っていることの意味がわからず困惑していると、突然、『飛朱雀』が振り向いて迫って来た。
“わ、わっ、何だ、何だ・・・”
“どすこーい! ブハラの得意技、相撲の突っ張りよ!”
飛朱雀』は『雪崩山』と『月光院』に張り手ショットの零距離射撃を浴びせる。
たいして性能の良くないスモーウォーカーとは言え、張り手ショットの零距離射撃はATフィールドさえも貫通してしまう。
“ほんげええええええ・・・!”
2体のスモーウォーカーは赤い霧の中へ墜落して行った。
ここの所、他の皆さんのネタカキコがありませんが、
例によって私の方は1人で飛ばさせてもらっております。
・エヴァ・フェット、ガイア・ノムラ、地底の強制労働区で「救世主の使者」を演じ、
反乱に乗じて大神殿爆破を画策。
・教団側は春虎念興業にこれに対応することを命令。ヒナ大使の部下の一部も参加。
・ジンが生きていて、落とし穴から脱出する。
・精神に異常を来たしていたメンチが脱走し、スモーウォーカー『飛朱雀』を奪って逃走。
・どうやらピーター・ド・ブリースがオドーに頼まれてわざとメンチを逃がしたらしい。
「ブハラ」「豚の丸焼き」というあたりがオチャメだったりする。
次世代試作機や教団側に寝返ったK-1ゲリオンはどうしようか?
183 :
147:03/05/20 17:44 ID:???
レスのみです。
離れている理由には触れないで頂けると幸いです。
とりあえず自分でやると言い出した部分は上げます。恐らくは今夜遅くに。
>>176 ・・・すみませんでした。
掛け合いやろう、なんて自分から言い出したのに、最初からそっちにお世話になりっ放しで。
時間を無駄にさせて/不快な思いをさせて/ネタの勢いを殺して/裏切って、
本当に申し訳ありませんでした。
既に謝って済むレベルじゃないですけど、この不始末は。
・・・シメですが、是非そちらでお願いします。
全部押しつける形になってすみません。お手数おかけしますが、全てお任せします。
>>148、
>>161への補足
>彼等は身体能力的には〜
ルークさんには直接攻撃手段(使徒能力の)が特にないので、体術?やたら強いという
書き方になりました。あとは大阪戦を読み返しながら。少なくともルークさんは成人男性であり、
シェイヴさんなどの割と「能力頼り」の人に比べて、かなりの格闘技術はあるだろうと。
やりすぎた感は自分でもあります。変なイメージ創ってすみません。
>なんで5人なのかと〜
それで正しいです。純粋に自分の痴呆ミスでした。シャムシエルは光線出せませんでしたね。
遅ればせながら訂正します。
>>142最終行「後方の”五人”から〜」→「後方の”三人”から〜」
サキエル型残り2人、イスラフェル1人(分裂前)、シャムシエル2人で、光線は計3人分です。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
大騒ぎして残った意味ないですね、正直。ここまで役に立たないと。
やることはやります。
それでは。
クリスタルは相変わらず座ったまま、状況を眺めていた。
焚き火はあれから10秒経たずに消えた。
「何故再生しない!?」
イスラフェルの騎士は己が腕の再生の遅さに苛立ちを覚える。
この程度の傷なら、一分もあれば治るはずだ。
いや、分裂している今なら瞬時に治ってもおかしく無い。
片方のゆがみは、もう片方の分身にまで影響を与える。
「どうした? 切れ味が鈍ってきているぞ」
両腕で二人、背中でもう一人を相手にしながら、
ブレイドがイスラフェルの騎士に言葉で追い討ちをかける。
戦闘配置は入れ替わり、ブレイドは鞭の騎士と二体一身の騎士を相手にし、
リッチは二人の槍の騎士を相手にしていた。
「……遠距離は分が悪い」
仲間の二人から少し離れた場所にリッチは誘導させられていた。
同士討ちの可能性も低いこのスペースなら、
サキエルの騎士達は遠慮なく破壊の光を放つだろう。
「この辺りなら……!!」
仮面の双眸に光が一瞬にして収束され、早速一発の閃光が放たれた。
「派手にやってくれる」「仲間の心配はしないのか?」
爆発(
>>184)に感想をもらすブレイドに、
片腕を再生しつつあるシャムシェルの騎士が音速の鞭を叩き込む。
「ここでくつろいでる奴もいるだろ?」
鞭を上手く板状の腕での上で滑らせて弾くと、顎の先を後ろのクリスタルを指すように振った。
「はぁ〜い♪」とでも言わんばかりに、にこやかにクリスタルが手を振る。
「なめやがって!!」
二人を挟み込んだ状態で、イスラフェルの騎士が二体同時に閃光を放つ。
一瞬早く反応した鞭の騎士は己が腕たる鞭を引き上げ、後方の建物へ飛び上がる。
刹那の間を挟んで連続した爆音が響き渡り、衝撃波が走った。
「……余計な事を」
苦虫を噛み潰したような声とほぼ時を同じくして、二つの血柱が吹き上がった。
「今のはこうでもしないと防げない。
しょうがないさ」
両の手をダイヤの模様を下にするように返して、クリスタルは肩をすくめる。
フェイクを仕掛けるという極々単純な事を彼は行った。
「光」を用いる事で。
「ウォーミングアップはもう終わり、休憩しないと」
体に付いた埃を軽く払い、クリスタルは立ち上がる。
「くっ……!!」
4つに分かれてドサリと地に伏すイスラフェルの騎士の姿に、
鞭の騎士はわずかな口惜しさを吐き捨てる。
「説明してやるか?」「必要ないだろ」
血を振り払い、背中の刃をブレイドは元に戻す。
数秒二人を凝視すると騎士は背中を見せ、建物の向こう側へ飛び降り離脱を試みた。
「あっ―――
小さな声を掻き消して一際大きい光と熱と衝撃の怒号が弾けた。
十字の火柱が天に向かって伸び上がる。
「死んだか?」
「さぁな……あ。さっきあの辺にルーク居なかったか?」
「あいつなら大丈夫だ。
…………リッチが苦戦してる、そっちが優先だ」
土なんて喰っても仕方が無い。セメントの壁も喰い飽きた。
「マトリエルにしてはタフすぎるぞこいつ…」
凶悪な溶解液の能力を持つマトリエル、その防御力は無きに等しかった。
第四使徒のシャムシェルでさえパレットガンには無傷だ。
だが、俺はそんなちんけな能力者じゃないんだよ。
邪魔ばかり入ってあまり精度のいい「予測」は立てられないが、致命傷を回避するには十分だ。
「埒が開かん、接近戦に持ち込むぞ!!」
「こっちが溶ける前に叩き切ってやればいいっ」
挟み撃ちは常套手段だが、どの手が最初に動くか見当は付く。
「! 消えただと!?」「何処だ!?」
………つまらん。
ひとっ跳びして一人を頭の上から正中線上に沿って抉り、喰らう。
左の手が節くれ立ち、内側から直系の違う球を
押し出そうとされたかのようにぼこぼこと、
膨張と収縮を繰り返して削り取ったそれを取り込んでいく。
噛み砕き、咀嚼し、消化酵素のたっぷり入った唾液で分解する。
傷口が再生しにくいのは中途半端に遺伝情報を壊して書き換える為だ。
元々コイツは細菌状だからな、触れれば「感染」するのさ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
「!!?」
悲鳴も上げられない。
もう一人は、何が起こったのかも理解していないままに………
「これからがいい所だったんだが?」
ごとりと落ちて転がってきた光球……いや、暗球を仲間の元へ蹴り転がす。
「強がりはいいって。その腕、折れてるんだろ? あばらもか?」
つま先で持ち上げて首の後ろへ、そこから後ろに落として蹴り飛ばす。
クリスタルの奴、何でこの道を選びやがった?……取り敢えず、同類って事か。
「すぐに治る。ルークはどうした?」
盲目の騎士の振り回される腕を削り落とし、加速をつけて全体重を乗せた跳び蹴りをあびせる。
自爆されでもしたら笑い話にすらならん。
「ああ…………もうすぐ来ると思うよ」
なんだ、その微妙な間は?
トリップミスりました、すみません。
◆MHIz7Rx08Q は私です。
今回の補足
クリスタル:アラエルの使徒能力。光を操作して映像(幻?)を見せる事が出来る。
>>185,186では改造騎士の目(網膜)に入る光を操作する事で、
前者は自分達の位置をずらして見せ、後者はリッチの姿を消した。
「糸」に関することは後述。
リッチ :触れたもの、特に生物は接触面を変質させられて再生しにくくなる。
蚊が血液の凝固を緩和する成分を含む溶解液を使い、血液を長く吸うのに似ている。
>黒メガネさん
という事でこれで終わりです。
煮え切らない感があるかもしれませんが、そこはご容赦という事で。
ただ、そこまでへこまれるとこっちも…………
全然怒ってないですし、ちょっち言い方が強かったかなとは思いましたが。
ルークの件も特に、キャラが生きてる感じがしましたしね。むしろOKです。
身体能力と、それを生かす技術はまた違うものでしょう。
突如、頭上から網のような物が降ってきたため、さすがの使徒能力兵達も咄嗟には避けることができなかった。
「うわっ、何だ!? 何だ!?」
周囲の物陰から何十人もの人影がスコップや棒切れを持って襲い掛かって来る。
「この野郎! この偽善者どもめ!」
「よくも俺達を今まで出来損ない呼ばわりしてコキ使ってくれたな!」
綾波教団の兵士達は身動きもままならぬ所を、今まで虐待されてきた者達の怒りの爆発の前に袋叩きにされる。
「ひえぇ〜っ、助けてくれぇ〜っ!」
「俺達が悪かったァ〜ッ、許してくれェ〜ッ!」
そこへ坊主頭に僧侶のような衣装をまとった小男が現われる。
「もうそのくらいでいいだろう。勘弁してやれ」
だが、失敗作使徒人間の1人、蛇魅須という男は殴るのを止めようとはしない。
「勘弁できるもんか! 俺達が教団の奴らのせいでどんなひどい目に遭わされて来たか・・・」
「蛇魅須! 救世主様の使者であるわしの言うことが聞けんのか!」
ガイア・ノムラが一喝すると、蛇魅須はビクッとして震え上がり、動けなくなった。
「こいつらに死なれると困るからな」と、言いながら、ガイア・ノムラは網の中から教団兵士の1人を引きずり出す。「さて・・・我々は戦うための武器が欲しい。お前達の武器庫へ案内してもらおうか」
この強制労働区の警備隊本部はすでに制圧されていて、俺は巣輝牙や著衛玖を従者のように従え、文字通りお姫様のように悠々とその中へ入って行った。
使徒能力を使えない使徒人間の失敗作達とは言え、俺やガイア・ノムラのような戦いの専門家が作戦を授けてやれば、食い下がらぬこともない。
だが、大規模な戦いにはそれなりの武器が必要だ。
俺達が持って来た兵器類もこれまでの戦いでかなり矢玉が尽きていることもあるしな。
失敗作使徒人間達が警備隊の武器庫の中から武器類を運び出している。
「ライフルにピストル、サブマシンガンどまりか・・・さすがに対ATフィールド仕様ラスガンに匹敵するような兵器はないな」
「仕方あるまい。教団の奴らも強制労働区を管理するのにそれほどまでの兵器は必要ないと踏んでいたのだろう。だが、ないよりはマシだ」
そして、ガイア・ノムラは巣輝牙と著衛玖に言った。
「それでは、これらの武器類を戦闘に参加する者達に配って武装させて下さい」
「ははっ、承知しました」巣輝牙と著衛玖は言った。「真の救世主がともにあらんことを!」
戦闘用大型ノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』の中央制御室の巨大平面モニターには3体のK-1ゲリオンと巨大化した聖母の使徒との戦いの様子が映し出されていた。
“アー、リイッ。アー、リイッ”
聖母の使徒は例によって奇声を発しながら、K-1ゲリオンに対しても光線で攻撃してくる。
3体のK-1ゲリオンはATフィールドでこの攻撃を防ぎながら、パレットガンやポジトロンライフルで応戦する。
聖母の使徒もまたATフィールドでこれを防ぎ、今度は尻尾を振り回して攻撃して来た。
2号機の『スフィンクス』が使徒の尻尾ではたき飛ばされる。
だが、1号機『ハヌマーン』が使徒の尻尾をつかんで受け止めると、逆に使徒の身体を振り回して、ノンシップの船体に叩きつけた。
“アー、リイ〜ッ・・・!?”
“何がア〜リ〜よ。アリさんマークの引っ越し社じゃあるまいし。それじゃあ、あたしは飯島直子だわ!”
シヴァがそう言うと、赤いK-1ゲリオンはスペイン民族舞踊フラメンコのような動きをした。
「ギーガー様、あれは!?」
「うむ、彼女達には普段からダンスのレッスンも受けさせていたのだ」
聖母の使徒は2号機にヒジテツを喰らい、さらに11号機にムエタイキックを喰らって、形勢不利を悟ったのか、空へ飛んで逃げようとした。
「よし、今だ!」ギーガー様が命令する。「ラスガンキャノン砲発射!」
空中へ逃げた聖母の使徒にノンシップに配備されている対AT仕様ラスガンキャノン砲が集中砲火される。
“アー、リイィ〜ッ・・・”
人造オリハルコンの砲弾を全身に十数発も打ち込まれた聖母の使徒は煙をあげながら海へ墜落して行った。
>????他さん
と、言う訳で、聖母の使徒は3体のK-1ゲリオンに袋叩きにされた上、
ノンシップの対ATフィールド仕様ラスガンキャノン砲で撃墜されました。
これで京都周辺の結界は25%弱まるのでしょうか?
葉隠覚悟を再び京都へ潜入させて、
エヴァ・フェット達と絡ませたいと思っているのですが。
オーヴァー・ザ・レインボー、00:52。
赤い壁の中に消えたランドマスター隊およびネオ戦自囮戦車部隊より遅れること数十分、
ネオエヴァ2機を含むネオ戦自本隊は、京都の結界外縁部に到着していた。
到着した部隊はもうひとつある。京都上空に進入しつつあるトライラックスの空中戦艦
”アルダ・サルバ・アサナ”より先行してきた、トライラックス次世代EVA
”K-1ゲリオン”4機からなる、ネオ戦自支援部隊である。K-1ゲリオンとは格闘戦を重視した
特化型EVAであり、提供されたデータ概要によると単純な膂力・体力においては
我々のEVAをも軽くしのぐ。この部隊はそのままネオ戦自本隊に同行するという。
つい先程、ネルフ支援を通達してきたトライラックス本国の京都戦における実働戦力、
その先発隊が彼らだという訳だ。
彼らの母艦であるアルダ・サルバ・アサナはノンシップと通称されるトライラックス独自の
艦船である。反重力技術により空中を航行し、また艦全体にステルス処理が
ほどこされているため、通常のレーダー視界には映らない。
このアルダ・サルバ・アサナの他に、フウイ・ノ・レイ前駐日大使、ギーガー評議長の指揮する
もう一隻のノンシップ、”ポウル・ウスル・ムアディヴ”が現在日本に向けて航行中である。
「その後の部隊の動きは?」
小会議を終えて戻ってきた葛城さんは、きびきびと発令所中央に歩み入り、正面の
スクリーンを見上げた。
「E」計画よりの支援物資のひとつであるこのスクリーンは現在、こちらと通信可能な
部隊の数に合わせて細分化されている。今画面を占めているのは、大半が
ネオ戦自本隊にある通信機からのものだ。結界外周に沿うようにして展開した
ネオ戦自各部隊とともに、光波、電磁波、粒子、そして通常物理攻撃の一切をも遮断する
防壁と化した赤い霧がぼんやりと映っている。
画面のひとつ、待機する戦車隊の片隅に、ぐしゃぐしゃに圧壊した戦車の姿が見える。
結界が”霧”から”壁”へと変化する際、その実体化に偶然巻き込まれた、
囮戦車小隊の最後の一台だった。破壊はすさまじく、乗員の遺体は回収されなかったと聞く。
両断された残骸は、碇司令が言い残した「赤い霧の更に恐ろしい姿」という言葉の意味を、
有無を言わせず見る者全てに伝えていた。
「あちらの指示通り、退避中です。全体としては変わらず膠着状態ですね。ネオ戦自でも
簡単な調査を試みたようですが、この壁自体には今のところ攻撃手段はないようです。
近づいても、とりあえずは危険はないということです」
「ただし、何も通さないのは相変わらずです。物理的にも非物理的にも、外からの干渉は
全て排除されています」
隣で青葉が付け足した。葛城さんがちらりと視線を落とす。
「非物理的? どういうこと?」
幾つかのキーを叩きながら、マヤちゃんが葛城さんを見上げた。
「守護霊どうしの、いわば霊的交感による共鳴等も無効ということです。詳細はこれからですが、
恐らくEVA能力者による思考伝達も、結界の内外では遮断されると思われます」
「なるほどね」
葛城さんは頷き、顎に軽く指を添えた。
「ネオエヴァ2機のATフィールドによる干渉実験は?」
「それもアウトです。中和、侵食どころか、反応すら確認されていませんからね。
エヴァのATフィールドでこじ開けて入るのも不可能、ということです」
「・・・中の部隊との通信は?」
俺は首を振った。
「未だに回復していません。単なる通信不調ではなく、結界内部では回線、いや通信システム
そのものがまだ健在なのかどうかすら掴めません。内部を探る手段は皆無です」
葛城さんは肩をすくめ、眉をひょいと吊り上げて笑みを浮かべた。
「正直なところお手上げ、ってワケね。 ・・・少なくとも今のところは」
振り返る。その視線の先には、同じく戻ってきたばかりの惣流博士がいた。両腕に
赤い壁の一次分析結果のレポートを抱えている。
「そう、今のところはね」
二人は揃ってまたスクリーンを見上げ、つられて俺たち三人も画面に見入った。
一時退避行動を取るネオ戦自部隊とK-1ゲリオン4機の上空、赤い結界に覆いかぶさるように
ノンシップ”アルダ・サルバ・アサナ”が現れつつあるところだった。
惣流博士が、ぱしりと音をたてて書類を閉じた。
「さて、それじゃあ彼らのお手並み拝見と行きましょ」
「ネオ戦自本隊およびK-1ゲリオン部隊、付近の偵察部隊の退避完了」
「指揮車両より入電。アルダ・サルバ・アサナの”兵器”の使用中は強力な干渉波が発生するため、
隊員の目の保護が必要との通達があったとのことです。各種電子機器への影響も考慮し、
念のため、以後150秒間、全ての通信を遮断するそうです」
「わかったわ。すぐに回線復旧できるよう、スタンバイしといて」
「了解。 ・・・通信、断絶します」
青葉の声とともに、ネオ戦自本隊とその周囲を映していた画面が全て砂嵐になった。画面の隅で
回復時点までのカウントが始まる。
赤い壁に進路を阻まれる形になったネオ戦自本隊に対し、先程アルダ・サルバ・アサナの
トライラックス上級指揮官より、艦に搭載された新兵器にて突破口を開くとの申し出があった。
ただし、それは非常に強力な兵器であり、破壊が広範囲に及ぶことから、アルダ・サルバ・
アサナ側はネオ戦自部隊の目標地点よりの完全退避を要請。ネオ戦自は指示に従い、
K-1ゲリオン部隊とともに結界外縁部より後退し、砲撃を待っている。
1分、2分と時間だけが着実に過ぎてゆく。誰も口を利かなかった。
と、パイロットランプのひとつが明滅した。弾かれたようにマヤちゃんがキーボードに手を伸ばす。
「通信、回復。ネオ戦自各部隊は健在」
「K-1ゲリオン隊の無事も確認。被害、ありません」
「続いて映像回線、回復します」
同時にホワイトノイズが消え、画面全体に再び赤い壁が映し出された。後方に退避した
ネオ戦自戦車隊辺りから送られてくる映像らしい。
申し合わせたように、発令所内に溜め息が溢れた。
赤い壁の一角に、EVA数体が楽に通り抜けられるほどの巨大な穴が開いていた。
ピンポイント空爆すら全く受け付けなかった赤いドームは見事に打ち破られ、破損箇所周辺には
霧とも煙ともつかない赤い靄がうっすらと漂っている。
「・・・成功ですね」
ぽつりとマヤちゃんが口にしたのをきっかけに、発令所内に言葉が戻った。
「ネオ戦自偵察班による状況確認、開始。周辺部の熱は既に引いています」
「内部からの反応はなし。トラップらしきものもありません。進撃に問題は認められず」
「機密兵器ってのは伊達じゃなかった、か。大したものだわ」
感心半分、曖昧な悔しさ半分で画面を見上げる葛城さんを、惣流博士が見やった。
「で、肝心の構造や原理は秘密なのよね?」
「ええ、一切が極秘扱い。ATフィールドにも通用する、大出力の火器とだけ。
でも、ま、それで当然か・・・未だに彼らの本当の目的ははっきりしないし、
同じ反綾波教だからって、むやみに馴れ合う必要はないもの」
惣流博士は画面に視線を戻し、軽く両腕を抱いて首をかしげた。
「こっちも似たようなスタンスでいくってこと? ミサトちゃん、何だかそういうの、
慣れてきたわね」
「仕方ないですよ、独立した特務機関として優遇されてた頃とは違いますから。
司令はほとんどここにはいないし、各復興都市との調整に忙殺される司令代行に
全部任せる訳にもいかない。 ・・・でもお蔭でリツコには権謀術数の女、とか言われる始末」
葛城さんは軽くむくれ、惣流博士が吹き出すに任せた。
「K-1ゲリオン4機、結界内部への進入を開始します」
「ネオ戦自は?」
「ネオエヴァに若干の問題が起きたそうで、しばらく足止めだそうです。
先行して歩兵一中隊がK-1ゲリオン部隊に同行するとのことです」
「そう。こちらはまだトライデントの霊的防御の最終調整が済んでいない・・・
後に続け、とは行けそうにないわ。先行部隊に打電、くれぐれも慎重にと伝えて。
あの中は奴らの本拠よ。絶対に油断はできないわ」
「了解」
だがその言葉から間もなく、状況は再び急転することになる。
突破口が開いてから数分、ネオ戦自を通じて、アルダ・サルバ・アサナの
新たな動きが伝えられた。K-1ゲリオン部隊に続き、艦そのものも結界内に
急進入するとのことだ。
何故そこまで急いで、という疑問の答えはすぐに出た。
結界そのものが少しずつ修復されているのだ。赤い壁に開いた巨大な亀裂は、
初めはゆっくりと、次第に勢いに乗って、傍目からもわかるほど縮小しつつあった。
アルダ・サルバ・アサナはその亀裂をすり抜けるようにして高度を下げていく。
既に船体の半分あまりが壁の向こうに隠れ、このまま、穴が閉じるのに間に合うかと
思われたときだった。
ふいにセンサーの一部が狂ったように明滅した。俺たちははっとして計器に向かった。
真っ先に青葉が叫んだ。
「結界内部より高温エネルギー反応!」
「何?! 壁からの反撃なの?!」
「識別中・・・、! そんな馬鹿な」
「どうしたの?!」
「砲撃ですッ! 荷粒子砲による超長距離射撃! 回避、間に合いません!」
「・・・何ですって」
瞬間、アルダ・サルバ・アサナの巨体を閃光が貫いた。
ほとんど同時に外殻が弾け、過熱された船体のあちこちで爆発が起こった。画面全体が
ぱっと明るく染まる。直後、ひときわ大きな爆発が船体そのものを後方に吹き飛ばし、
アルダ・サルバ・アサナは大量の炎と煙とともにゆっくりとカメラの視界から消えた。
誰もが自分の目にしたものを信じられず、発令所はしばらくの間しんとしていた。
やがて、青葉がごくりと唾を飲み込み、茫然と口を開いた。
「ネオ戦自への全ての信号が途絶。 ・・・アルダ・サルバ・アサナ、完全に沈黙」
「・・・そんな」
葛城さんが目を見開いたまま、スクリーンに詰め寄った。ネオ戦自にも相当な混乱が生じ、
画像の幾つかは部隊の動きに合わせて激しく揺れ動いている。
俺は何となく横の画面に目をやり、ぞっとした。
一箇所だけ、全く揺れも乱れもせずに、アルダ・サルバ・アサナ轟沈の光景を
映し出している画面があった。それも、一見わかりにくいが結界の内部から。
断続的に上がる爆炎も、遥か遠くで走り回るネオ戦自隊員も、間一髪衝撃を回避したらしい
K-1ゲリオンも、そのカメラはただ淡々と映し続けていた。
やがてカメラの向こうで、侵入者を排除した赤い壁がゆっくりと閉じていった。最後に一瞬、
画面全体が血の赤に塗り潰され、その直後、画像は一切途絶えた。
「・・・それが例の『LIVE』?」
顔を上げると、惣流博士が俺と同じ画面をじっと睨んでいた。その目がきつくなる。
「いずれ霧がこうなることを見越して、既に内部にも人を送り込んでたという訳・・・
相変わらず周到だわ、あいつらは。腹立たしいくらいにね。こうも鮮やかにやられちゃうと」
低い声で呟く博士の表情は、大阪会戦中に戦場で「E」計画実働部隊に遭遇したときのそれと
まるで変わらなかった。
俺は無理矢理博士の顔から視線を引き剥がした。どうしても言わなければならないことがあった。
振り返るとき、一瞬青葉と目が合った。同じことを考えているのはすぐにわかった。
俺はゆっくりと言った。
「今の攻撃、正確にはそれを行ったと思われる敵性体の分析が出ました」
ネオ戦自へ次々に指示を飛ばしていた葛城さんの動きが止まった。
「了解。報告を」
俺は頷き、自分の顔が強張っているのを感じながら言葉を接いだ。
「分析パターン、青。 ・・・間違いありません」
発令所が一瞬、水を打ったように静まり返った。
「・・・使徒による攻撃です」
198 :
町奉行:03/05/22 00:04 ID:???
荷粒子砲だと?、状況からするとネルフの方が罠に
かかったてところか。
よし、操舵手、針路を荷粒子砲に向けろ。
全艦非常配置、回避行動はいつでも取れるように。
どうした?、中尉。
撃沈された船を写している連中がいるって?、中から。
むう、どこのもんだかしらねえが、楽しんでるってとこだろう。
なに?
琵琶湖にトライラックスの反乱艦隊がいるってのか。
一応は針路上だ、動きに気をつけろ。
やつらもそろそろ動くはずだ。
雷管1番に虚数魚雷装填、第一主砲琵琶湖の艦隊に照準しておけ。
俺が合図するまで、攻撃は一切するな。
町奉行書きです。
そろそろこちらは琵琶湖の艦隊との戦闘もいいかと
思ってます。
戦闘状況を聞き、臨戦体制にはいってますので、どちらの
場所でも戦闘可能ですが。
メタモードで200get!
「あの使徒生物はスモーカー大佐が持ち帰った刀を奪い返すのが狙いだったようだな?」と、ギーガー様が言った。
「へ、へえ、そのようで・・・」と、スモーカー大佐が言い、私も「間違いありますまい」と言いながら、例の刀をテーブルの上に置いた。
「しかし・・・この刀は一体何なんだ、スモーカー?」
かなり野暮な質問だったらしく、スモーカー大佐は困惑した反応を示す。
「そいつは・・・わかりませんや。ただ、京都の・・・神社って言うんですか・・・古い建物の中に大事にしまわれていたらしく、奴らはそれを守っていたようです」
そして、スモーカー大佐は付け加えた。
「それを直接守ってたのは日本に駐留してたトライラックス側の兵士達でした。教団側に命令されていたらしい」
「クローリー・ヒナ大使や駐留艦隊からの連絡が途絶えてしまっているので、どうなっているのか案じられていたが、やはり・・・」
「すると、その刀は教団側にとって大事な物だということでしょうか?」
「う〜む・・・恐らく、な・・・」と、言いながら、ギーガー様はその刀を鞘から抜いた。「この刀、ただの刀ではないようだな」
「やはり・・・ギーガー様もお感じになりますか? 私も先ほどその刀を手にした時、奇妙な力のようなものを感じたのです」
「材質は違うが、オリハルコンにも似たような感じがするぞ・・・」
「もしかしたら・・・それは我々の科学力でははかり知れない未知のパワーを秘めている武器で、だから教団側はそれが我々の手に渡るのはばかっていたのではないでしょうか?」
「うむ、そうかも知れぬな」
「未知のパワーを秘めた刀か」スモーカー大佐がつぶやくように言った。「刀好きのたしぎが知ったらさぞかし喜ぶだろうよ」
そして、スモーカー大佐は自分自身の発言から忘れかけていたことを思い出したらしい。
「ところで、たしぎの奴、しばらく会ってませんが、どうしてます? あいつもこの船に乗ってるんですかい?」
「そうか・・・そなたは何も知らなかったな・・・」と、私は言った。
「はァ? 何もって、何かあったんですかい? そう言やあ、スティンガー・・・おめえもギーガー様もどうして包帯巻いてるんだい?」
「何言ってるのよ、スモーカー!」包帯だらけのスティンガーが言った。「トライラックス本国ではテロ事件が起こって大騒ぎだったのよ!」
「ああ、そう言やあ、そんな話も聞いたっけな・・・」スモーカー大佐はしばらく考え込むような動作を示してから、ふいに「なにぃ〜!?」と大声で叫んだ。
「それじゃあ、スティンガー、おめえもテロ事件でひどい目に遭わされたってえのか!?」
「何よ、いきなり大声出さないでよ。びっくりするじゃない・・・そうよ、あたしもN2手榴弾で木っ端微塵にされかけたんだから・・・」
そこまで言って、スティンガーは口ごもる。
「それで・・・たしぎちゃんもそのテロ事件で・・・殺されちゃったのよ・・・」
「ん? 今、お前、何て言った?」スモーカー大佐は咄嗟にスティンガーの言ったことがわからなかったらしい。
「いや・・・あたしもあんまり人のこと言える立場じゃないから・・・」
スティンガーが例のテロ事件騒ぎに関してあまり詳しいことを語りたがらないのも無理からぬことだ。
「スモーカー大佐」気まずい雰囲気なので、私が口を挟む。「ショックを受けずに聞いてくれ・・・実はな、そのテロ事件の際にたしぎ曹長も死亡したのだ」
「はははっ・・・また前大使様までそういう冗談を・・・その手には乗りませんぜ」
だが、雰囲気から冗談ではないことはわかるはずだ。
「え? ウソ? 冗談じゃないの? 俺を脅かしたり、からかったりしてるんじゃなくて?」
中央制御室の巨大モニタースクリーンに日本のネオ戦略自衛隊から送信されて来た映像が映し出される。
京都を取り囲む赤い壁にぽっかりと大きな穴が開き、そこから先行していたノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』が結界の中へ入り込もうとしていた。
だが、突如として壁に開いた穴の中から雷のような閃光が走り、『アルダ・サルバ・アサナ』は撃墜され、外側へ押し戻される形となって墜落して行った。
「そ、それで、死傷者は?」私は問いただす。
だが、明確な答えなど返って来るはずもない。
「現時点では把握できない状態です」と、ピエット提督が言った。
「ゼロフィールドシステムを破壊されてしまうと、ノンシップも脆いものだ・・・」ギーガー様が言った。「ユングハイムが知ったら怒るだろうな」
ゼロフィールドシステムとはよくはわからないが、あたかもそこに存在しないかのようにしてしまうシステムなのだそうだ。
それによってノンシップはレーダーにも映らず、地球の重力にも逆らって空を飛ぶことができるらしい。
そして、破壊されたノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』の名付け親はユングハイム評議員なのだそうで、ギーガー様はそのことを気にしているようだ。
「それにしても・・・この攻撃、どこかで見たような・・・」私はかなり昔の記憶を探る。「そうだ、ラミエル・・・第5使徒ラミエルのものに似ています」
「ラミエルだと? しかし、ラミエルはサードインパクト以前に君とあの碇シンジとやらが協同で戦って退治したはずではなかったのか?」
ギーガー様がそう言った時、それまで呆然としていたスモーカー大佐がビクッと身体を震わせ、反応を示した。
「はい、ですが・・・」私は日本にいて綾波レイと呼ばれていた頃のことを思い出して言う。「あの時はヤシマ作戦と言って、日本全国から電力を集めて陽電子ビーム砲に集中放射し、ようやく倒すことができたのです」
「その話はわしも聞いておる。確か、そのせいで君の零号機が破損したとか・・・」
「あの時も私はあやうく死ぬ所でした。もし今回の攻撃がラミエルの仕業であるとすれば、かなり苦戦を強いられるものと予想されます」
「うむ、この赤い霧の遮蔽障害や電波障害がなければ、本艦に配備されているオリハルコン・レーザー砲で仕留めることもできるのだがな・・・」
ども。????他です。軽い連絡を。
○黒ブチメガネさん
どうもお手数かけます。結局あれからネルフ本隊到達までの六時間を
どう埋めるか悩んでいるうちにこんなに時間が経ってしまいました。
個人的には今回のラミエルの砲撃がオリジナル使徒の複活にネルフ
側が気付く複線になればなあとか考えてたり。
○トライラックス担当さん
とと、忘れてた。京都の結界のパワーは20%減です。ただ、どちらに
せよ「死返玉」をどうにかしないと解決はしません。
で、ここで更にトラップの情報を。ラミエルに対し、ラミエルのAT
フィールドを破れる威力の武器で射撃による攻撃を行うと、トラップ
が発動しますのでご注意を(藁
先をバラすと、トライラックス側で先にこれをやらなかった場合は
ゲンドウが引っかかります(藁
今夜はネタを書ければなにか書くかもしれません。
隊長業務記録
京都への侵入後、赤い霧は結界と障壁へと変化。
外部の連絡はとりづらい状況となる。
トライラックスのEVA数機も内部へと侵入へは成功した様子。
ほぼ同時に、敵使徒出現。
戦闘開始、G3-X、およびG4、設定数値通りの戦闘を行う。
ただし、ATフィールドへの攻撃貫通、および中和に関しては
不明となる、おそらくEVA型の戦闘兵器によるものと思われる。
敵蜘蛛状使徒の吐き出す糸はニュートリノビームガンによる
攻撃が効果あり。
ほぼ敵を殲滅するも、新たな敵出現。
使徒能力を持った者である。
副隊長個人日誌
敵使徒の本体とも思える人物の出現により、虚数空間らしきものが
開き、味方側のEVA、K1ゲリオンというらしいが、飲み込まれる。
戦闘状況は把握できないのだが、現在為す術はないと判断。
ただし、目標を変更、一旦京都大学へと向かうことにする。
隊長のチームはそのまま人工進化研究所へと進撃する。
後方、かく乱部隊は主な敵を探して移動開始。
これよりの通信は傍受を警戒し暗号とレーザー通信をメインにする。
もっとも、相手にどれだけの効果があるかはわからない。
また危険を回避するために、外部へと出ていたチームを呼び戻す。
隊長個人日誌
トライラックスのK1ゲリオンの戦闘参加のおかげでなんとか
乗り切ることが出来た。
しかし、捕えられた仲間、いや姉妹を助けてほしいと
ミソラ少尉が懇願する。
生きているかは不明だし、手段が無い。
いや、一つだけある。
恐らく、多分耐えることは出来るだろう。
ランドマスター1号の率いるこの隊に現状維持を支持。
もし敵が出てきた場合、各自の判断で戦闘を行うように指示をする。
同時に2号隊は、別行動をとなり、京都大学への針路をとる。
一種の回避行動でもあるのだが。
私は外に出て叫んだ。
蒸着!
レナ個人日誌
あの人が近くまできている。
空気がそれを教えてくれている。
そんな気がする。
今、私も何かしなければならない。
焦り、だろうか。
いえ、私にも今できることはあるはずだわ。
厚木基地最後の兵士担当です。
鯖移動してから、ちゃんとここが表示されなくて苦労しました。
なぜか、まっしろになってしまったりとか。
IE使ってるのが不味いのでしょうけれども。
????他さん
罠そんなに凄いものでないのであれば。
こちらの予定ではすでにばれているので敵に襲われて
進攻できず、という予定ですのでかまいません。
黒の咆哮の時間にはまだ戦闘しているような状態が
いいかもしれませんし。
トライラックス担当さん
隊長が、ミソラに頼まれギャバンとなって虚数空間に
いきますが、2人は死んでいるんでしょうか?
死んでなければ助けるイベントを発生させてここで
進攻の時間を遅らせることにしますが。
サイバリアンで、プラグ引きずって帰ってくるだけ
ですけれども。
その際、2人は2号に回収されます。
戦闘に参加、とかはないですが。
「ヨウコソオ越シ下サイマシタ。さら様、ゆの様。オ仲間ノ方々ガオ待チカネデス」
ライトブルーのプラグスーツを着た2人のクローンアスカを出迎えたのは、人間型だが明らかに人間とは異なる巨人だった。
身長はゆうに2メートル以上、首がなく、胸のあたりにじかに仮面のような顔がついている。
「あんた、サキエルじゃないの?」サラが言った。
「ハイ、左様デゴザイマス。私ハ第3使徒ノさきえるデス」
「でも、サキエルっていうのは身長が50メートルくらいあるって講義で習ったわよ」ユノが言った。「あんた、なんで人間とたいして変わらない大きさなの?」
「教団ノ主席司教様ガ私ヲ再生スル際、身体ノ大キサヲ自在ニこんとろーるスル能力ヲ授ケテ下サイマシタ」
「それじゃあ、50メートルくらいにもなれるの?」
「ハイ、戦イノ時ハ巨大化シマス」
「まるでウルトラマンみたいね」
「いやあ、どちらかって言うと、パワード版のジャミラって感じよ」
サラとユノは等身大サキエルに案内されて、人工進化研究所の中へ入って行く。
「懐かしいわね・・・私達は確か、ここで生まれたんだったっけね?」
「でも、あの頃はあんまりたいした思い出がないわね」
研究所内では彼女達と同じ身体的特徴を持つクローンアスカ達が訓練を受けている最中であった。
教団に残ったクローンアスカ達、いずれも黒いプラグスーツを着ている。
「久しぶりね、同胞達。トライラックスへ留学に行っていたサラとユノが帰って来たわよ!」
「サラとユノ・・・?」
教団に残っていたクローンアスカ達は別にこれと言って感動するでもなかったが、それでいて違和感のある反応を示していた。
「まあ、別々に訓練を受けていたから、あんまり印象にはなかったかも知れないけどね」
「あたしはユノ、彼女はサラよ」
「サラとユノ・・・」クローンアスカ達は不思議そうに首をかしげる。「貴方達、私達と同じみたいだけど、クローンアスカではないのか?」
「そうよ、私達はクローンアスカ。貴方達と同じ、ね」
「でも、あんた達はユノとかサラとか言った。クローンアスカとは違うのか?」
「いや、だから・・・私達はあんた達と同じクローンアスカで、私はサラ、彼女はユノっていう名前があるのよ」
「名前? 名前って何?」
「だから、人それぞれにあるじゃない。他人から呼ばれる時に自分のことだってわかるようにね・・・貴方達にだってあるでしょう?」
「知らない・・・私達はコードネームで呼ばれている・・・」
サラとユノは生まれてから間もない頃のことを思い出した。
彼女らとて名前という概念を、しかも、かなり場当たりな発想で与えられたのはいつのことだったか・・・。
「・・・京都の外側の世界は広いのよ。トライラックスではいろんな経験をさせてもらったわ。色々なことを勉強したり、スポーツしたりダンスしたり、美味しい物を食べたり・・・」
「そして、それぞれの適性に応じて仕事をするための訓練を受けていたの。あたし達は次世代EVAのパイロットになったけど、医者とか軍人とか外交官になるための勉強をしている者もいるわ」
最初のうちは無感動な様子だった教団残留組のクローンアスカ達も、次第に自分達の知らない外側の世界を見聞して来た仲間達の土産話に関心を示すようになって行った。
サラとユノのトライラックス見聞談は小一時間ほど続いた。
それは最初のうちはいかにも面白おかしいものであるかのように思われたが、どうやら必ずしもそうだとばかりは言えないようであった。
「・・・ところがね、トライラックスの次世代EVAパイロットっていうのは、期待してたほどは面白くなかったのよ」
「そうそう、訓練ばっかりでいつまで経っても実戦の機会はないし・・・だから脱走して来ちゃった」
「綾波教団の委員会とかいう人達が、私達に実戦で活躍する機会を与えてくれるってテレパシーで伝えて来たのよ。あんた達、委員会って知ってる?」
だが、教団に残っていたクローンアスカ達は首を横に振るばかりであった。
「なんだ、教団に残ってたあんた達も知らないの?」サラは肩すかしを喰らった様子であった。
「もしかして、教団の偉い人達はうまいこと言って、実際にはあたし達に活躍させる気がないんじゃないわよね?」ユノが不平をもらす。
そこへ例の等身大サキエルが来て言った。
「くろーんあすかノ皆サン。オ話ノ最中デスガ、さんだるふぉんガさらサントゆのサンに用事ガアルト言ッテイルヨウデス」
「サンダルフォン? 何、それ? 第8使徒?」
と、思っていたら、部屋の中に黒い影が現われ、それがミゾロギ大佐の姿になった。
「ヤッホ〜、ミゾロギ君だよォ〜。こんな所にいたんだな、可愛い子ちゃん達。捜しちゃったじゃねーかよ」
「何だ、サンダルフォンってサンジさんのことだったの?」
「そうそう、僕ちゃんはミゾロギ・サンダルフォンなのだ! それよりも大変なことが起こった。捕虜が我々のスモーウォーカーを奪って逃亡したらしい。あいにくとエドリック達は出払っているので、君達にその捕虜を捕まえて欲しいのだ」
「つまり、あたし達に仕事ってこと?」
「やった! この時を待っていたのよ! まかせて!」
京都の北側、琵琶湖にはかつてトライラックスの日本駐留艦隊だった怪物が浮かんでいる。
だが、それはもはや原型を留めていない。
水面から上に見える部分はジャラジャラした鎖が絡みついて同化しており、水面下の見えない部分はより巨大な第6使徒ガギエルと一体化してしまっている。
そして、その内部はさらにグロテスクであった。
乗組員達もまた生きながら鎖と融合していて、まるでロボットのような姿になってしまっている。
姿形だけではなく、動きもロボットのようだ。
計器類が鎖と融合してジャラジャラと音を立てている艦橋で、鎖を通じてそれらの計器類と一体化したロボットのような乗組員が艦隊司令官に報告した。
「タイラー提督。レーダーに未確認飛行物体を捕捉しました」
タイラーと呼ばれた艦隊司令官もまた身体にジャラジャラと巻きついた鎖と一体化している。
「未確認飛行物体?」ロボットのような姿になったタイラー提督は言った。「何者だ?」
「移動速度が遅いことや形状などから、通常の航空機ではないようです」
「映像を映せ」
平面モニタースクリーンに装甲化された飛行船が映し出される。
「何だ、これは? 見たこともない飛行船だな。ネルフやトライデントのものではないようだが・・・」
「京都へ向かっているようです」
「もしかしたらネルフ・トライデント側の伏兵勢力かも知れんな。念のため、全艦戦闘配置だ。妙な動きをすりょうであれば撃ち落せ」
「ははっ、命令のままに!」
214 :
213:03/05/23 04:57 ID:???
訂正 18行目
×「妙な動きをすりょうであれば撃ち落せ」
○「妙な動きをするようであれば撃ち落せ」
K-1ゲリオン3号機『ターロス』はディラックの海から弾き出されたケーブルをたぐり寄せる。
“セイラ! ルカ!”4号機『ドラゴン』のエントリープラグの中でシグナが叫んだ。“なんとかして助け出す方法はないの!?”
“駄目ね・・・ディラックの海が閉じてしまったわ・・・”キラが柄にもなく舌打ちをした。“これでは助けようがないわね・・・”
“でも、このままじゃセイラもルカもどうなるか・・・”
“助ける方法がないんじゃどうしようもないわ。とにかくこれからどうするか、ランドマスターとネオ戦自の指揮官達の相談をあおぎましょう”
ランドマスター1号の車内では、ミソラ少尉が隊長にしきりに何やら懇願している。
“セイラとルカは寝食をともにした仲間であり姉妹のようなものであります! 何とかして助ける方法はないでありますか!?”
“しかし・・・生きているかどうかもわからないし、助け出す方法もないのでは手の打ちようもない・・・いや、待て、ひとつだけあるな。確実とは言えないが・・・”
そして、隊長は部下達に指令を降す。
“1号隊は現状維持。私のいない間に敵が現われた際には各自の判断で応戦せよ。2号隊は予定を変更して京都大学へ向かえ。副隊長、頼んだぞ”
“隊長はどうされます?”
“私はディラックの海に引きずり込まれたK-1パイロット2名を助け出す方法を試してみる”
と、言うと、隊長はランドマスター1号の車内から出て来て、「蒸着!」と叫び、変身した。
何だか時間軸を埋めるために私1人でよけいなカキコしているみたいな感じですね。
>町奉行さん
琵琶湖の第6使徒ガギエル鎖艦隊の方もそちらの飛行船を捕捉しました。
戦いを始めても良い状況なのですが、どうしましょう?
>厚木基地最後の兵士さん
セイラとルカの生死は考えていなかったな。生きている可能性もありますが・・・、
ミゾロギ・サンダルフォンはバラバラに破壊したK-1ゲリオン2体の残骸を
大神殿に持ち帰っていますので、状況的にはかなりヤバイかも・・・。
ミゾロギに気づかれないようにエントリープラグだけ抜き取って
連れ戻すことができれば良いのですが・・・。
>????他さん
第5使徒ラミエルは一体どうやって退治すれば良いのでしょうか?
私としては、テレビシリーズのオマージュ的な場面を入れてはどうかと思うのですが。
思い返せば、ラミエル登場の回は綾波の性格付けみたいなのが語られていたし。
トライラックス本国編でやたらとフウイ・ノ・レイが他人にビンタシーンを
かますシーンがあったのも、言わばそのオマージュ的なものだったのです。
そう言い始めると、ガギエル艦隊やミゾロギ・サンダルフォンも
どうやって倒せばいいのか困ってしまうな。
ミゾロギ・サンダルフォンにはありきたりの兵器攻撃も
テレビシリーズでアスカが使った手も通じないだろうし。
今夜はネタを思いつけば書き込むと思います。
ライブは………諦めました。
>トライラックスさん
時間軸に追いつくというのなら、もう追いついてますよ。
>192でネルフ側の時間もトライラックス側(結界内部最外部)に並びました。
今はトライラックスさんの時間が最新かと。
大神殿内部での時間がどうなっているのかが、外との兼ね合いでだんだん気になってくるのですが。
…んで、問題はシンジを含めたネルフ本隊(話の核?)が動き出す(せめて夜明け)までの間を
ネタで埋め尽くすか、一度休戦状態になるようにするかという事です。
ちなみに当方のネタは結界完成後から夜明けまでの間のどこかに挟んで頂ければという後者です。
基本的に『E』はネルフと同時参加する方針なので。降りかかる火の粉は無論払いますけど。
>>192示されている時間は午前1時以降。夜明けを6時としてもあと5時間。けっこう長いです。
>黒メガネさん
LIVEの描写どもです。
結界内のカメラ(
>>197)ですが、映りがいいのは第弐次席が関与した
という事にしてもらってもいいでしょうか?
もしくは運がよかったか、霊能局の霊的防御を当方がどーにかこーにかして利用してるとか。
通常状態(設定)では電子機器は結界の影響で動かなかったり誤動作をしたり、
ノイズが入るのは普通で、心霊現象を経験したり(笑)と、それはもう面白い事になっているはずなので。
218 :
197:03/05/23 23:23 ID:???
レスのみです。時間がない。
ネルフ本隊(OTR周辺及び結界外部)の今後について。
今夜は無理そうですが、明日昼間以降確実にネタ書き込みます。
便利屋さんの到着+足止め書いて、その後一気に、夜明け頃?のジオフロント浮上
(正確には箱根辺りの復興都市からの通報(wな形でしょうか)、0600のOTR移動開始まで
進めます。間に、結界内にいる加持さん+ネルフ諜報部の動きを少し入れます
(基本的に結界解除ポイント目指してじりじり隠れつつ移動、戦闘は前述したように
徹底して避けます。命がけのかくれんぼですか)
ランドマスター隊の動向は担当さんに一任します。動きづらければ適当に敵を出しますし、
単にラミエルに牽制されて市街深部には入りづらいまま、時間だけどんどん経ってしまった
みたいな状況にすると、とりあえず数時間稼げます。どっかで読んだんですが
兵士の仕事の99%は待つことだそうで。ですがそれもミゾロギさん絡みのイベント以降ですか。
お奉行様一行はお好きに動いて頂いて構いません。が、前述の通りネルフの援護は
0600のOTR出発以降になります。ネルフに対し要望等あればどうぞ。
ていうか琵琶湖って結界の中ですか外ですか? 前スレの????他様のネタだと
艦隊は結界内で待ってるって感じでしたけど。
とりあえずネルフ(OTR)の移動開始は0600、これは自分からは動かしません。
あと先に。現時点でのネルフの今後の基本動向は「司令待ち」です。
何かイベントがあれば対応しますので、????他様ご自由に。
>>204の指示了解です。
ネルフ移動開始までのタイムラグ(6時間弱)は、まだ嵐の前の静けさ、ないしは
お互い牽制し合って(AngelArms、Longinusは既に結界内侵入済み)
動けないってことで、特に何も起こらなくても問題ないと愚考します。
それでOKの場合、時間はさっさと経過させます。
すみませんもう1レス続きます。
219 :
197:03/05/23 23:25 ID:???
続きです。
>>217 ライブ・・・ごめん。本当にごめん。現状が進行タルいのはOTRサイドが手間取ってるせいです。
夜明け(夏だから0400くらい?)ないし0600以降はきっと・・・とは思いますが。
ほんとにごめん。何とかする。戦況が激化すればLIVEも可能ですよね?
>197はノンシップASAの攻撃で結界に亀裂→一時的に内外の通信回復=外部への送信可能、
かつシャッターチャンス(?)→彼らなら見逃さないだろう、ってことで入れさせてもらいました。
ええとあとはい、すみません、異様に映りがいいのは
>>217の通りということで
お願いします。「E」側は対策ないっての失念してました。
第弐の関与、積極的にやっていいならやります。司会者の人に声かけたり。
何か自分にできそうなことがあれば是非。何としても対応します。
いっこだけ愚痴。
芦 ノ 湖 戦 は 楽 し か っ た 。
落ちます。
220 :
197:03/05/23 23:31 ID:???
すみません言い忘れです。
OTRサイドの進行、>218でOKの場合、便利屋さん到着+加持さん動向辺りまで書いて
一度止め、一晩待ちます。その時点で「0600まで進めてOK」ないし「イベントあるから
夜が明けるの少し待って」等の指示をください。
勝手に京都まで行っちゃったりはしません。ご検討を。
では。
>黒メガネさん
カメラの件、説明どうもです。それで大丈夫だと思います。
お手数かけます。
時間、当方は飛ばされても一向に大丈夫です。
ライブは戦闘が激化してくれば、確かに出来るかもしれませんね。
あとは書き手さんたちの都合が合えば……捨てた希望は回収しておきます。
夜明けになればこちらも少しずつ行動を開始しますので。
宇宙空間に規則的に漂う旧戦自の管理下にあった最後の攻撃衛星はN2弾頭の威力不足から
対使徒用に搭載された都市殲滅クラスの威力を持つ衛星砲の発射態勢に移行している。
静止軌道上に存在する大型発電衛星から電力供給のために照射されたマイクロウェ―ブを受信し
放熱板が光を放った直後に攻撃衛星から最大出力光線が発射され赤い霧の壁に命中した。
発射中、赤い霧の壁にエヴァ一体が通れる穴が開いた直後に回路の故障が引金になり推進剤が引火し
攻撃衛星は未使用のN2弾頭ミサイルに引火し爆散した。
「加速用パーツ強制排除。」
まほろが告げた直後、伍号機に装着された大型ロケットは分離し虚空の彼方に消えていく
「まほろさん、突入場所を死んでも外すな。」
頼む、成功してくれ
「分かっています。」
そう言い終えた後、攻撃衛星が空けた穴から伍号機は赤い霧の内部に突入した。
京都進攻前夜、01:26。結界外縁部は膠着状態に戻った。
京都を覆う結界は再び閉ざされている。集結したネオ戦自隊がただちに再調査を行ったが、
赤い壁は元通り完全に外部を遮断していた。その後、内部からのリアクションはない。
現在、結界外縁部ではネオ戦自後発部隊により、墜落したアルダ・サルバ・アサナの
船体の消火活動および生存者の救助活動が続いている。
オーヴァー・ザ・レインボーではその間、先の砲撃の分析と対策会議が行われた。
「新たな使徒ではないのね。確かなの?」
「イロウルC各機で全ての既存データと徹底的に照合しました。その結果、
若干の誤差はあるものの、ほとんどの数値が本部のMAGIに残されていたデータと一致。
間違いありません、第五使徒による砲撃です」
キーを叩く。画像が切り替わり、過去の青空を背景に巨大な青い正八面体が映る。重なるように
分析概要、砲撃の予想発射地点などの小画面が表示される。
さして広くないブリーフィングルームは照明が落とされ、スクリーンの前に立つスタッフが
皆黒いシルエットになって浮かび上がっている。そのひとつが動き、画面を指した。
「この試算を信用するなら、砲撃が行われたのは京都市街の中央から少し北・・・
ほとんど旧京都御苑、いえ、綾波教大神殿の真上からね。結界の中心点からは
少し外れるけど」
別の影が少し姿勢を変える。
「やはり事実上の最終防衛点はそこだということだろう。
しかし、この状態ではろくにサンプルデータの採取もできんな」
「確かにそれはあります。ですが、綾波教の持つ改造騎士技術、既存生物への使徒能力付与技術の
レベルを考慮すると、あの大きさの使徒に、新たに複雑な自律機能、或いは自我の類を
付加できるとは考えられません。したがって、目標は過去殲滅された第五使徒と
ほぼ同様の行動を取ると判断して問題ないでしょう」
また画面が変わり、第五使徒のさまざまな映像が映し出された。ヤシマ作戦遂行当時、
その作戦立案のために行われた幾つかの試案を記録したものだ。
「特定エリア内に侵入した敵を自動排除する、空の要塞か。今回は、結界内部全域が
その攻撃対象になると考えるのが自然だな」
「ですが、結界内に強制侵入しない限りは手出しはしてこないようですね。ネオ戦自が
調査段階でけっこう無茶やりましたけど、彼らには何も仕掛けてきませんでしたから」
隣で作戦部スタッフがレポートをめくる音がした。
「ランドマスター隊以下、先行部隊が霧の内部に進入した時点では異常報告は皆無です。
進入前の偵察隊の走査でも、使徒らしきパターンは検出されていません」
「上空からの映像、熱源分布などからも、ランドマスター隊進入前は目立った異常は認められず。
以上の事実から判断すると、こちらの部隊が霧の内部に入ることがスイッチになって、
結界の変化、および使徒による新たな防衛体制の発動が誘発されたと思われます」
数人が頷く。スクリーンには再び赤い壁とアルダ・サルバ・アサナ撃墜の瞬間が映し出された。
「あくまでも、今の状態の結界を侵したものが攻撃対象になるってことね。
でもそれじゃ、仮に結界を無効化できても、使徒を何とかしない限り京都には踏み込めないわ」
「逆に使徒だけなら、ヤシマ作戦同様にEVA単機による超長距離射撃にて撃破可能です。
ですがあの強力なATフィールドが健在である以上、破壊には相当なエネルギーが
必要となります。それだけのエネルギー量を保持しつつ、更に先に結界を破壊するのは
はっきり言って至難の技ですね」
背の高い影が画像を見つめ、しばしの黙考の後に口を開いた。
「たとえ成功したとしても、確実にEVA一体ないし二体の、重度の消耗は免れんか・・・
やはり、今すぐに出るのは控えねばなるまい」
「はい」
中央の影が振り向き、使徒の映像を背に室内を見回した。
「では、今後の各員の担当を通達します。
A班はネオ戦自本隊に連絡、引き続き結界外周部での警戒待機を要請。念のため、定時哨戒と
周辺の情報収集も頼んでおいて。連絡は密に。B、C班は変わらずアルダ・サルバ・アサナの
生存者の件を担当、既に現地へ向かっている医療班、およびネオ戦自衛生隊と連携を取りつつ、
応急処置の済んだ者から海上都市大阪へ輸送して。大型ヘリを優先して回すよう、
ハンガーには作戦部から正式に要請を出しとくわ。D班も引き続き、海上都市大阪内の
病院を片っ端から当たって、医者と病室の空きを確保しといて。残りは現状維持、
進攻準備を進めること。そろそろ疲れが溜まってくる頃だから、各部署で適宜
仮眠や休憩を取らせて。特に実戦に出る人員には充分な休養を。ここでバテたら後に響くわ」
「了解」
影はもうひとつの影を振り返り、頷くのを見届けてから全員に解散を命じた。
部屋に照明が戻り、同時にスクリーンの映像が消える。手短に言葉を交わしながら、
スタッフたちは三々五々それぞれの持ち場へ戻っていった。
室内からだいたい人がはけた頃を見計らって、葛城さんは司令代行に向き直った。
「・・・少し、お話が」
「なんだね」
司令代行は穏やかな、けれど少し疲れた表情で振り返り、軽く眉間を揉んだ。葛城さんは
ちょっとの間言いよどんだ。表情はミーティングの時よりもきつい。
「司令代行、これは現段階ではあくまで私見なのですが」
「言ってみたまえ」
「はい。あの使徒が本当にかつて殲滅された第五使徒だとすると・・・いえ、それは既に
ほぼ100%確実だということは証明済みです。ですがその事実は、同時にもうひとつの
可能性をも示唆します」
司令代行は少し眉を寄せ、ふいにはっとした表情になった。
「まさか・・・使徒はあれだけではないと言うのかね」
「はい。使徒一体を完全に復活させる技術があるのなら、今回の戦いの性格上、綾波教は
それをフルに使い、可能な限りの数を投入しようとする筈です」
「使徒の複数同時展開・・・最悪、過去我々が殲滅した使徒の全てが一挙に復活する、
そういうことか」
「確証はありませんが、可能性としては充分考えられると思います」
葛城さんは強い口調で言いきった。司令代行は頷いた。
「しかし、それが事実ならばそれだけで戦局は一変する。EVAがあるとは言え、士気にも
大きく影響するだろう。この件に関してはしばらく士官階級以下には伏せておけ」
「はい」
難しい表情になった司令代行と別れ、葛城さんと俺は再び発令所へ向かった。
先に立って艦内通路を歩いていく葛城さんの顔は、少し青ざめているように見えた。
「・・・大丈夫ですか、葛城一佐」
思わず声をかけると、葛城さんはちょっとだけ振り向いて、すぐにまた前を見据えた。
「そりゃ、少しは応えたわ・・・使徒は全て倒した、それだけは、ネルフにいた中で
唯一誇れることだと思ってたから。自惚れだったのかもしれないけど」
「ですが、一度倒せたからこそ、今回も対策が立てられる訳じゃないですか。本部放棄の際に
MAGIから移した過去の対使徒戦の詳細は、全て艦内のイロウルCに入ってます。必ず、
それが役に立ちますよ」
「・・・そうね」
葛城さんは今度は振り返らなかったが、少しだけ顔を上げた。
01:54。
艦内発令所は閑散としていた。既に深夜だ。スタッフは交替で仮眠をとりに自室へ戻るか、
或いはアルダ・サルバ・アサナの生存者の救出のために、現地もしくは海上都市大阪へ
出払っている。
残っていた数人の中に青葉とマヤちゃんもいた。葛城さんの姿を認め、二人とも疲れた顔を上げた。
「状況の変化は?」
「今のところ何もなしですね。ネオ戦自も最低限の警備隊を残して結界外周から退去、
後方で野営に入ってます。アルダ・サルバ・アサナの残骸は5分ほど前に鎮火、
救出作業も一段落しました。こっちの医療班も撤収にかかれそうです」
青葉は報告しながら何度もまばたきを繰り返した。マヤちゃんも坐ったまま小さく伸びをし、
あくびをしかけてぱっと口を押さえた。葛城さんが苦笑する。
「あなたたちも、一度上がっていいわ。もう5時間は詰めっぱなしでしょ」
青葉は慌てて姿勢を正した。
「いえ、今は人手が足りませんし。自分たちだけ休んでられないっすよ」
「でも徹夜明けで決戦に臨むなんてのは、ちょっち無理があるわ。休むのも仕事のうちよ。
・・・チルドレンと、ケイジのEVAの方は?」
マヤちゃんは艦内監視カメラの映像のひとつを指した。冷却中の各EVAを見回る整備員の中に
惣流博士の姿が見える。
「碇ユイ博士、惣流博士が交替で定時調整を担当してくれるそうです。チルドレンは
それぞれ待機中です。アルダ・サルバ・アサナ撃墜の知らせが入った時に
少し騒ぎがあったそうですけど、碇博士が抑えてくれて、今は落ち着いています」
「なら、大丈夫ね。一応、あとで様子を見にいく必要があるけど」
葛城さんは頷くと、二人の肩を叩いた。
「さ、二人とも無理は禁物よ。日向君、一人だけどしばらく任せていいわね? ケイジの方は
惣流博士に一任しておいて問題ないと思うから」
「了解」
「それじゃ、後をお願いしますね」
マヤちゃんが立ち上がり、自分のコーヒーカップと一緒に、何枚かのディスク類をまとめて
胸に抱えた。
「それは?」
俺が訊くと、マヤちゃんは疲れた顔で笑った。
「イロウルC内のニューロネットワークの改訂案。まだまだ速度アップが見込めそうだから」
「・・・休めって言われたばかりじゃないか」
「大丈夫、ちゃんと休みます。でも少しでもやれることはやっておかなきゃ。先輩も今いないし」
「赤木博士が帰ってきた時にほめられたいから?」
「違います! 全くもう」
「ごめんごめん」
マヤちゃんは俺の頭を軽くぶつ振りをし、残るスタッフに声をかけて発令所を後にした。
「仲いいな」
いきなり、耳元で青葉がぼそりと呟いた。俺は危うく椅子から飛び上がりかけた。
その様子が相当間抜けだったらしく、まず葛城さんが吹き出したのをきっかけに、発令所内に
くすくす笑いが溢れた。
「何なんだよ」
振り向いて睨みつけると、青葉は既に知らん顔で腕をぐるぐる回していた。
「さて、じゃ後は頼むな」
「わかったよ、わかったからさっさと行けよな」
「そう毛嫌いすんなって。 ・・・あれ」
ふと、青葉の表情が固まった。立ち上がりかけた姿勢のままでキーを叩く。
「どうした」
「おかしいぞ。衛星のひとつが軌道修正してる」
「衛星? まだ地上から動かせるものが残ってたっていうの?!」
葛城さんが俺の肩越しに身を乗り出す。俺と青葉はすぐに割り出しにかかった。スクリーンに
日本上空の軌道分布図と、稼動可能な衛星のリストが表示される。やがてそのうちのひとつが
画面に大写しになった。
「戦自の攻撃衛星です! N2攻撃タイプの後に主流になった軌道上レーザー砲撃タイプ、
・・・まずい、もう発射態勢に入ってるぞ」
「姿勢制御シークエンスから攻撃予測地点を算出中、これは・・・目標は京都の結界です!」
「・・・衛星砲撃で結界を破るつもり?! 周辺への被害は?!」
「旧戦自のデータベースの情報が正しければ、・・・何てことだ、最大出力なら
都市ひとつが軽く消し飛びますよ?!」
「幸いネオ戦自、アルダ・サルバ・アサナ墜落点ともに砲撃予測地点からは
大きく離れています。ですが、衝撃波による多少の被害は免れません」
「付近を飛行中の哨戒機全機に告ぐ! 全速で反転、結界から距離を取れ! 巻き込まれるぞ!」
「今からじゃ退去は間に合わないわ。ネオエヴァ起動を要請、機体とATフィールドを
本隊の盾にさせて!」
「了解! ネオエヴァ班、EVA二体を緊急配置! 座標は今転送する!」
そのとき、スタッフの一人の声が飛んだ。
「旧東京より高速で接近中の物体あり! 低空飛行でまっすぐに結界を目指しています!」
「今度は何なの?!」
「なんて速度だ・・・レーダーでの捕捉は困難、いや待ってください、広域哨戒部隊からの
映像を受信! モニターに出ます」
振り仰いだ俺たちの前で、スクリーンに高速で飛行を続けるEVAの姿が映し出された。
「旧東京の伍号機?! SST用大型ロケット・・・まさか衛星で開けた穴に飛び込むつもり?!」
画像内、すさまじい速度で遠ざかっていく伍号機から、火花を散らしつつ加速用ロケットが
強制排除される。伍号機は最大速度のまま一直線に結界めがけて突っ込んでいく。
「伍号機、結界到達まで8秒!」
「ネオ戦自本隊、総員対ショック姿勢! 来るぞ!」
「攻撃衛星、静止発電衛星からのマイクロウェーブ受信! 発射されます!」
次の瞬間、遥か高空から走る巨大な閃光が赤い壁に突き立ち、結界の一部が瞬時に白熱した。
230 :
229:03/05/24 15:02 ID:???
とりあえず今はここまでです。
便利屋さんの衛星砲撃、成功か否かは書くの避けました。
以降の展開提案選択肢:
・
>>223に準じて、伍号機、結界内に侵入→結界の穴は閉じる
この場合、前スレの「赤い壁は通常物理攻撃を受け付けない」に反しますが
「ラミエルATF突破クラスの大威力ならOK」等と設定を変更、
その後主席のトラップか何かで”結界内で”伍号機足止め
・砲撃失敗、伍号機”結界外で”足止め
OTRではキョウコさん起きてるので、彼女が怒鳴るか何かしてネルフないしネオ戦自と
一度合流、その後は行動選択
便利屋さんの結界突破
>>223を有効にするか否かは書き手さん及び????他様に
お任せします、調整をよろしく。
それでは。
やれやれ……世の中には本当にこらえ性の無い連中が多いな。お客さんの数があまりに
多すぎる。そう考えながら、オレは新たな侵入者達への対応策を検討した。
とりあえず、まずはあのネルフの独立愚連隊の連中だな。面白い連中なので、ぜひとも
侵攻してきてもらいたい所だが、いかせん早過ぎる。少し足止めをさせるか……。
そうしていると、トライラックスのエヴァが侵入してくる。騒がしい事だ。
そして、オレはミゾロギのヤツに命じ、足止めへと向かわせた。その際に付け加える。
「そうそう、パイロットは殺さぬようにな。この場であれらを殺してしまうと機嫌を損
ねてしまう者がいるのでな…」
なにしろ、今の赤毛ザルなら、この地でのクローンの存在や生死は手に取るようにわかっ
てしまうからな。
そうこうしている内に、『彼女』の分身が敗れたのが感じられた。まあ、このくらい
はどうにかできないようではヤツ等に価値などない。あの剣は餞別にくれてやろう。
どの道連中では真価は発揮できないだろうしな。
しばらくして、ひさびさに衛星からの攻撃が開始されるのをオレは感じた。この手口
は、こちらに向かってるアイツだな。……すぐに潰すには惜しいキャストだが、今回
は少々厄介なデカブツを抱えている。京都の中だろうが、外だろうが、あんな物でウ
ロウロされては目障りだ。
そこで、オレはヤツの放った攻撃が着弾した瞬間、わざと穴を開け、ヤツを招き入れ
た。だが…いい気になるのもここまでだ。しばらくおとなしくしていてもらうぞ。
そして、オレはヤツが進入した穴を塞ぐと同時に、レリエルを用いてヤツの機体を
異空間へと放り込んだ。ヤツが事態を把握した時、オレはヤツに『声』を送る。
「ようこそ…と、言いたい所だが、残念な事にまだ早い。しばらくはそいつと遊んで
いてもらおう」
暗黒の中、地面だけは存在している空間で、ヤツのエヴァは、目の前にいる、同スケー
ルの『彼女』の分身の存在を認識した。とりあえず、最低でもソイツを片付けなけれ
ば、ここからは抜けられねえぜ。しかも、そこは時間の流れの異なる空間だから……
さて、抜ける頃には外はどうなってる事かねえ?
「使徒が甦ってる?」
俺は思わず大声を上げそうになり、声を押さえる。
最後の戦いを控えている中、シンジ達と話していた所にやってきた渚の
話を聞いて、俺はそう反応した。
トライラックスの艦を沈めた光線の正体は、かつての第五使徒ラミエル
そのものだと、渚は言った。たまたまその瞬間をモニターしていた彼は、
確かにその瞬間、ラミエルの魂を感じたらしい。
「おそらくは例の主席司教の仕業だね。かつてのネルフと使徒の戦いに
参加した使徒達……幸い僕は無事だが……の魂を束縛し、使役しているんだろう」
その後彼が語った所では、予想できる使徒の数は12体。アダム、リリ
ス、タブリス(渚自身だ)は独自に活動している事を彼は確認しており、
また、芦ノ湖の戦いの直前に本部を襲った巨大な使徒蟲の正体がゼルエル
で、芦ノ湖の戦いの最後にユイさんと惣流博士を襲った奴がアルミサエル
で、共に彼がその手で殲滅した。そのため、残る使徒は12体となると
言う。ただ、ゼルエルの件から言って、かつてとは姿を変えてくる可能性
も否定できないらしい。
そして、渚はこの見解を上層部に伝えてくると言い、去っていった。
……ま、これでも勝つしかないんだな、俺たちゃ。
時間軸を合わせようとしてカキコを重ねているうちに、
私自身のカキコの中にも時差が生じる所となってしまいました。
キラ少尉達のK-1ゲリオン部隊はランドマスター隊と
行動をともにしているので同じ時間軸ですが、
エヴァ・フェット達の潜入部隊は異なる時間軸だと思われます。
大神殿に潜入したのはたぶん結界が物理的遮蔽障害化する前だが、
教団側の罠にかかって地底をさまよったりしているうちに
かなり時間が過ぎてしまい、失敗作使徒人間を武装させる頃には
すでに夜が明けてしまっているのではないかとも考えられます。
ども。????他っす。今日はネタを書こうかと思ってたのに、時間が無くなっ
てしまいました。(昨日は中途半端な所で止めてすみません)
で、今回(書いたのは昨夜ですが)のは、書いた後で見ると、処理事項の多さから、
かなり混乱してしまってたみたいです。
○黒ブチメガネさん
基本的にはOTR側は朝まで進めてけっこうです。本部の方は準備にかかった時
間の解釈でどうとでもなりますし(藁
ちなみにラミエルを攻撃すると発動するトラップは使徒の複数同時展開ネタです。
また、カヲルはSS使徒二体の事は失念しています(W
で、スズキ氏には一度異空間に落ちてもらいました。
○トライラックス担当さん
ラミエル撃破は、少し頭をひねる必要があるかも。まあ、いずれにせよ少し後
になると思います。京都突入後は教団側にも巨大ユニットが出てくるので、援護
にまわると思いますし。
ミゾロギは、一応エヴァ能力者が対処するのを前提に能力付加したつもりです。
エヴァ能力者には、彼のサンダルフォンの他のレリエル能力に対するのにうっ
てつけの能力もありますし。そして、ガギエル艦隊は…町奉行さんがネルフが
来るまでもちこたえてくれれば……。
ちなみにセイラとルカは主席があえて生き残らせるようにしています。
……サラとユノが出る前にアスカ本人と出会わせようと考えたが時間切れ。ちっ(藁
○便利屋スズキさん
えー、そんな訳で目の前に聖母の使徒が一体出現しています。一応こいつを
倒せば空間からは出られますが、足止めはくいます。
○町奉行さん
長期戦になる描写をしていただけるとありがたいかなと。下のガギエルはそちら
には直接手出しはできませんし(まぬけ(藁))
236 :
230:03/05/26 00:38 ID:???
レスのみです。
様子見してるうちに時間切れになりました。
今夜は何も書けませんが、次夜までに、OTRサイドは一気に進撃開始まで進めます。
訂正をひとつ。>229下から7行目 ×「SST」→○「SSTO」
>????他様
たくさんのまとめと対処、本当にお疲れさまでした。
厄介な時間設定のでっち上げ等、迷惑をおかけしているのは自覚してます。京都まで行けば
解消できる、筈です。
OTR側、お言葉に甘えて時間を少し飛ばします。場合によっては艦隊戦開始まで。
後は京都到着まで自分は少し手を引きます。
質問等少し。
「使徒の複数同時展開」は、このスレ上の方にあった「フリーの使徒」が
出現してくると解釈していいのでしょうか(シャムシエルとかその辺ですね)
それからSS系使徒二体、このスレ内世界のネルフではどう解釈されて/扱われているのか、
ざっと決めてもらえるとありがたいです。『セカンドインプレッション』では
襲来の事実は抹消され、該当使徒はイレギュラーとされていましたが、
実際戦ったシンジ達や発令所の面々は憶えている訳で・・・ああなんか訳わかりません。
使徒の復活、紛らわしい書き方してすみませんでした。一般人からすると使徒虫由来の
個体と「本物」の使徒の区別はつきにくいかなと考えたので。
最後に、伍号機対処、お見事でした。ってか何でもありですね、主席(w わかってますけど。
>町奉行様
艦隊戦開始まで、書けたら書きますので、以降はよろしくお願いします。
悲惨な殲滅戦ではなく、知恵と決断で切り抜ける、みたいなのを勝手に期待しています(w
給油(?)や弾薬補給などはOTRかネオ戦自の大阪基地へどうぞ。
以前断りましたが自分は艦隊戦そのものには直接関わりません。終結後の
状況まとめくらいはやりますので、各担当さんご存分に。
長期戦というか、艦隊は全力で来る筈なので、規模もありどうしても長引くんじゃないかなと。
それでは。
>????他さん
ごめんなさい。私もサラとユノをオリジナルのアスカと
引き合わせてはどうかと思っていたのですが、
どういうスチュエーションがいいか、わからなかったのです。
そちらの方でアスカを動かして下さるなら、
ミゾロギが出動命令を伝えに来る前に会う機会が
あったとしてはどうでしょうか?
あと、最終決戦に際して、私が登場させたキャラの多くは
噛ませ犬としての役割を果たさせるつもりなので、
第参位次席司教やミゾロギ・サンダルフォンには圧倒的な
パワーを見せ付けてもらいたいと思っています。
238 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/26 06:45 ID:yxOGpPxo
239 :
236:03/05/26 19:35 ID:???
すみません今日は無理です・・・
明日以降もちょっと不明。執行日が来そうな感じです。
可能な限り早く書き込むようにしますが、その前に「俺が書いたるよ」という方は
ご遠慮なく。合わせます。
急ですみませんが、それでは。
240 :
ぼく:03/05/26 22:38 ID:tyGrgL7v
シンジたちは新しい町を作ってみんな仲良く平和に暮らしたんだい!
ども。????他です。とりあえずはレスを。
○黒ブチメガネさん
ええと、使徒の複数同時展開自体は、戦況に応じてネルフ側から見て、脈絡無く
使徒が次々と出現してくる感じですね。ラミエルトラップは…バラすと、レリエ
ルとラミエルが連携してくるという意味です。また、レリエルは、コアが存在
している異空間さえ特定できれば、ネルフエヴァならわりと簡単に対処できます(W
ただ、伍号機への対処などにあるように、わりとあちこちの空間につながっています。
で、SS使徒は基本的にカウント外ですが、山岸マユミが存在しているので、事
件自体はあった事になっています。カヲルは彼等も出てきた事自体は知っています
が、ゼーレ側が死海文書を重視していたせいで、イレギュラーの事は失念して
いる感じです。
○トライラックス担当さん
私が考えたのは、ミゾロギに呼ばれた後、エヴァの格納庫に向かう途中で出会う
という感じでした。アスカは前の二人が妙なマインドコントロールを受けている
のに気付き、指摘しますが、その際に二人もアスカの精神世界を垣間見て、アス
カもおかしい事に気付く感じですね。
ちなみにアスカはミゾロギに会うと、一目でどういう状態にあるかを看過して、
嫌な気配を感じますね。なにせ、以前ろくでもない目にあわされた相手と融合
していますから(藁
一時期は俺1人で飛ばしていたが、ここの所しばらくネタカキコしてないな。
厚木基地最後の兵士さん、町奉行さん、????他さんの対応を待たないと、
こちらの登場人物達ももうかつには動かせない状況になってしまったので。
>厚木基地最後の兵士さん
と、言う訳で、セイラとルカは死んではいないそうです。
ただし、その時点での彼女達の所在は定かではありません。
ミゾロギ・サンダルフォンが大神殿内の発着場にK-1ゲリオンの残骸を
投棄していることから、教団側に捕虜にされてしまった可能性もあり、
その場合は助け出すのが非常に困難だと考えられます。
もっとも、大神殿内はトライラックス側の潜入部隊関連で大騒ぎになっていますが。
>町奉行さん
ガギエルと融合している艦隊はそちらのエンタープライズ号と戦闘可能な
状態ですが、いかんせん水面から上に出ている部分はともかく、
水中のガギエルの部分はそちらのエンタープライズ号の手にあまると思われます。
一旦は通り過ぎて、艦隊とは別行動を取っていた駆逐艦あたりと交戦するとか
(確か以前にカキコした記憶では駐留艦隊は軍艦が6隻くらいあったような・・・)
いう展開はどうでしょうか? と、言うか、ガギエルと融合しているというのが
どういう状態なのか、実は私にもよくわからなかったりする。
>????他さん
あ、なるほど。
ちなみにサラとユノはシヴァに対する対抗意識を刺激される形で
反乱を起こしたため、シヴァと性格がそっくりなアスカに対しても
あまり良い印象は感じないものと思われます。
あと、私が干渉した範囲では復活したオリジナル使徒達は
テレビシリーズ登場時よりも何がしかの点でパワーアップしているという
感じなのですが、艦隊と融合しているガギエルは一体どうなっているのでしょうか?
先ほども書きましたが、トライラックスの駐留艦隊は6隻以上はあったような・・・。
続き。
私が勝手に教団側の戦力に介入した範囲では、
・第3使徒サキエル
テレビシリーズ登場時は身長が50メートルくらいありそうだったが、
過去スレ九のヒナ大使の訪問シーンに再登場した時は等身大に縮んでいたので、
「主席司教から身体の大きさを自在にコントロールする能力を与えられた」
ということにした。知能も高くなっており、知略的な戦いをする可能性もある。
・第5使徒ラミエル
光線の破壊力はテレビシリーズ登場時と同等。
加えてディフェンスに関しても知恵がついており、
同じ手が通じるとは考えにくい。
・第6使徒ガギエル
こいつはよくわからん。艦隊と融合しているという設定だが、
確かトライラックスの駐留艦隊には軍艦が6隻の他に輸送船もあったはずだし、
テレビシーズを思い返すと、サイズが微妙だったような(400メートルくらい?)。
主力艦の『シャークエゼキューター』と融合していて、
他の艦船は別行動を取っているということだろうか?
(その方が町奉行さんも戦いやすいような気もするが)
・第8使徒サンダルフォン
ミゾロギと融合しているため、知能も高くなっているし、
マトリエル型分身使徒やディラックの海による移動能力も持っている。
今の所はテレビシーズ登場時と同じ形状でK-1ゲリオン2体を撃破している。
通常兵器もアスカが使った冷却液攻撃も通じないだろうから、身体能力的には
ほぼ無敵。ただし、いかんせんそれを操っている人格が元ストーカー犯罪者の
ミゾロギ(=サンジ?)であるため、思わぬ弱点があるかも?
・第参位次席司教
九大司教きっての武闘派と語られていたが、
私がいじるとむしろ意外にも策略を用いてエヴァ・フェット達を苦しめている。
ヒナ大使に妙な感情を抱いてえっちをしたり、妙に人間くさく俗っぽい所もある。
しかし、直接的戦闘でも相当強いんだろうなあ。
244 :
山崎渉:03/05/28 13:05 ID:???
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
また焚き火に薪をくべられる静かな時間が帰ってきた。
血煙のような霧は小さな上昇気流に乗って狭い範囲で対流を起こしている。
「…………ん。
あと…………どれくらいだ?」
地べたに横になって仮眠を取っていたルークが体を起こす。
「…………もう一眠りしてていい」
空を見上げても血の赤が一面に広がるだけなのに気づき、
手元でそれを確認してクリスタルが言う。
「じゃあ今度はお前が寝てろ。俺が見張っておく」
「遠慮しとくよ、持久力はこれでもある方だ。
元々それを考慮にいれた能力だ、リッチも含めてな」
クリスタルから自分に動かされた視線に、リッチは応える。
「……眠ってろ。その方が静かでいい」
「あーー、解った。もう少し休ませてもらうぜ」
二人に背を向け手ルークは再び体を寝かせる。
別にふてくされた訳ではない。
リッチの言い分ぐらい理解している。
「……何人ぐらい殺られた?」
「ほんの5、6人だ。チームの仲間は誰も殺られて無い」
ほんの一瞬だけ、無数の糸がクリスタルの両の指先にきらめいた。
光の糸は結界内部の全ての仲間に繋がっている。
ブラックホールのような強重力場や空間的に断絶されない限り、
糸は捻じ曲げられ引き伸ばされようとも切れる事は無い。
情報の転送量を操作すれば別の使い方も出来るが、それは緊急時に限られる。
「そうか」
その一言を残して、ルークは再び静かになった。
「それにしてもノイズが多いな」
「ああ、さすが結界といったところだ。
お前の力が無けりゃ脳味噌焼き切れてたかもな」
アラエルの力を使うに当たって、光の糸を通過するモノ達は非常に厄介なものだ。
実体を持たないゴーストといった類はこの世に訴えたい物が多いらしく、
こちらから読まなくても触れるだけで奥底まで曝け出しその上押し込んでくる。
それらをリッチの演算能力でフィルタをかぶせてカットした。
それでも時折、何重ものフィルタを越えて混じってくるものがある。
「半分はその為の力だ、文句は言わん」
リッチはズボンから味の濃いタバコを一本取り出した。
箱の蓋を押し上げて一振りし、クリスタルに飛び出した一本を勧める。
クリスタルは無言でそれをつまみ出し、焚き火で火をともす。
少し遅れてリッチも自分の一本に火をつけた。
「…………ふぅ」
「………」
二筋の紫煙が赤い霧に混じり、ゆっくりと馴染んでいく。
保全
京都を覆う赤い霧がそのまま赤い檻へと変じてから数時間。
東山区南部。住宅地が緑地と閑静な寺社領に取って代わられるその境近くに、
古い神社がひとつ、赤い靄に包まれてひっそりと建っている。
かつてその周辺を囲んでいた多くの寺院は、もうほとんど残っていない。二度に渡る
インパクト災害がそれらを消し去り、更に数ヶ月前この地を灼いた大火が
その痕跡すら完全に抹消した。
再建立が間に合ったのは、この神社と、またこれと同じ役割を担う計五箇所の施設のみ。
それらの最南端に位置するここは、しかし既にその役目を終えていた。
神社本殿、その陰に身を潜めるようにして、ネルフ特殊諜報部隊一小隊が集結している。
都市型迷彩の重装備に全身を固めた兵ら数人が、目立たないように周囲に銃口を向け、
警戒態勢を続けている。
その内側で、士官らしい一人を中心に数人が地図を広げていた。
「・・・はい。ここにはもう用はなさそうです。改造騎士、一般教徒を含め
敵戦力はゼロ。 ・・・ええ、確実です。何せ、このありさまですからね」
ごく低い声で喋っていた一人が本殿を見上げた。
威容を誇っていた筈の本殿の屋根は大きく削り取られ、壁は何かが突き破ったように
見る影もなく半壊していた。崩れた壁の隙間から覗く本殿内部、通常御神体が
収められている辺りは空っぽだった。
「誰がやったか知りませんが、ここはもう機能してませんよ。怨霊、っていうんですか、
厭な気配みたいなものの濃度が、市内と比べても大して変わりませんから。それも
どんどん薄れてるようです。ここにあった”品物”を何者かが持ち去ったのでしょう」
通信機らしき装置は見当たらないのに、士官は確信を持った口調で、何もない宙へ
報告を続けた。傍目からは仲間に指示を出しているか、或いは度重なる怨霊の精神侵犯で
異常をきたした人間がぶつぶつ呟いているようにしか見えない。
「守護霊の反応見りゃ、向こうの蓮華王院の方がよっぽどヤバそうですよ。
・・・は? いえ、ただの勘ですが。ただ、自分はそうでもないですが、
この街に来てからそういう感覚を・・・何て言えばいいか・・・引きずり出された
奴が数人います。守護霊との接触なのか、怨霊の影響が強すぎるのか。
自分らはここだったからいいですが、まだ機能してるポイントに向かった隊が
心配です」
士官は大きく中身を露出した天蓋を見上げ、いったん通信を切って部下に指示を下した。
本来、彼らの目的はこの神社の監視ポイントの確保と周辺の情報収集だった。しかし神社が
明らかに役目を喪失している以上、市街中心から大きく外れているここに留まる意味はない。
少しして、士官は再び乾いた唇を開いた。
「・・・了解。市街を避け、西側から大回りに蓮華王院に接近、第一班に合流します。以上」
指示を復唱して通信を終えると、士官は部下を促して撤収を開始させた。壊れた外壁と
カラの本殿を最後に一瞥する。赤い霧にかすむそれに生気はない。彼はすぐに背を向けた。
まもなく、神社周辺は再び完全に静まりかえった。
「第二班を蓮華王院に向かわせた。あまり人数が多いのも普通なら考えものだが、
この街では、それはないからな」
通信を切り、男は傍らの副官らしき兵に顔を向けた。兵士は頷き、手元の地図に
幾つか印を書き加えた。幾本も折り目のついた地図は既にびっしりと細かい記述と
マーキングの類で埋まっている。中でも濃く印が付けられているのが、ある寺院を囲む
半径300mほどの円周上に位置する三点。男はしばしそれらを見つめていたが、
ふいに何かを聞きつけたように視線を宙に据えた。聞き取れるか聞き取れないかの、
ごくかすかな声がその口から漏れ始める。
「・・・配置完了、了解。今のところは敵影なし? ・・・どういうことだ。
他二班、状況を・・・そっちもか。改造騎士はともかく通常兵力もいない?
警護らしき警護は認められないってことか」
男はそのまま振り返り、同じくどこかと話しているらしい副官をつついた。
「第三班は?」
「まだです。現在清水山を過ぎた辺りで、将軍塚の目視可能範囲まで、あと最低
20分程度はかかります。旧東山ドライブウェイが残ってるとは言え、山の中ですから」
「警戒しつつ向かうとまだまだかかる、か・・・ここまで戦闘や敵の確認は?」
「ありません」
「ま、順調ってとこだな。引き続き警戒を緩めるなと伝えてくれ」
「了解」
男は軽く首を振って、再び見えない通信機を軽く押さえた。
「よしいいか、第三班の配置まであと30分弱かかる。それまでバックアップはなしってことだ。
全員、現在位置を確保。その場から動かず監視に専念しろ。やむなく移動する場合は報告、
くれぐれも目標ポイントからの距離を維持するのを忘れるな。以上だ」
通信を切り、男は周囲に鋭い視線を飛ばした。男と同じくひびの入った橋桁に背を預けていた
諜報隊員数人が音もなく身体を振り向け、長い銃身を立てた。
「それじゃ第一回の巡回行くぞ。最初は俺とお前、残りはここで各所との連絡を続けろ」
班が無言で頷くのを見回し、男は別の兵士一人を連れて立ち上がった。
歩きかけて、ふと赤黒い空を見上げる。
「怨霊の影響か・・・頂法寺に向かった連中、まだ無事だといいが」
真っ暗な地下鉄線路構内を、十名ほどの小隊が一列に進む。
天井も見えない暗闇の中からはときおり雫が滴り、音を立てずに歩く兵士の頬を濡らす。
廃棄された駅をひとつ通り過ぎ、そろそろ次のひとつに到達すると思われる頃、
ふいに先頭の兵士が隊にストップをかけた。
すぐさま、全員が転げるように線路脇の溝にしゃがみ込む。数名が先頭まで走る。
先頭の兵士は暗視スコープを目に当てたまま、静かに駆け寄った二人に
前方へ顎をしゃくってみせた。
「・・・行き止まりだ」
闇の向こう、次の駅がある筈の辺りは天井から崩落したらしい瓦礫の山に
完全に埋められていた。進路どころか、その先の駅が残っているかどうかも判別できない。
「引き返す、のは避けたいが・・・おい、お前と他三名で、何とか通れそうなところが
ないかどうか捜せ。残りはこのまま待機。通信兵、加持二佐のチームに現在位置の報告を」
かすかな応答が聞こえ、少数の動く気配を除いてトンネル内はまた静かになった。
坑道めいた地下鉄構内は湿っぽく冷え込んでいた。あるかなきかの水の匂いが、
鼻先をかすめてはふっと消える。
じっとうずくまる兵士らの上で闇が重圧を増していく。滴る雫の音が、強迫観念のように
次第に甲高く耳障りに聞こえてくる。
ふいに列の後方で悲鳴があがった。
一瞬遅れて兵士たちが振り返る。まだ何が起きたか把握できていない彼らの前で、
同僚の一人がいきなり溝から飛び出して絶叫した。
正気の声ではなかった。
「ああああああやめろ触るな俺に触るなぁぁああああアアアアッ!!」
銃を投げ捨て、装備を無理矢理振りほどき、両腕を振り回して暗闇の向こうへ走り出す。
いちはやく我に返った先頭の兵が口元に手を当て、小声で指示を飛ばした。
「すぐ止めろ! 本気で殴っても構わん、とにかく黙らせろ! 今すぐだ!」
一拍おいて複数の応答が返り、真っ暗な静寂の中にもみ合う気配だけが溢れた。何かを
噛まされたらしいくぐもった声、続いて必死でもがく気配と殴打の音と、そして
何か大きなものが倒れる重い音。
列の先頭にいた兵士は衛生兵を連れ、その場に駆け寄った。気の触れた兵士は
ぐったりと枕木の上に倒れていた。周りに、荒い呼吸を整える数人の影がぼんやりと浮かぶ。
「・・・神経が張りつめ過ぎて、悪霊とやらにつけ込まれたな」
屈み込むと、倒れた兵は弱々しくその腕を掴み、うわごとのように、ここは厭だ
ここから出してくれ出してくれと懇願し始めた。闇の中にその声だけが広がっていく。
兵士はそっと彼の手を外し、衛生兵にその場を譲った。
「鎮静剤。少し多くてもいい、完全に落ち着くまで打ってやれ」
「はい。しかし、その場しのぎですよ」
「だな。こんな狭苦しいとこからさっさと出してやらんと。こいつだけじゃなく全員」
てきぱきと処置を始める衛生兵に後を任せ、小走りに埋まった線路の先まで戻る。
騒ぎで多少浮き足だったらしい偵察隊四人の顔を順番に見据える。
「こんな状態だ。進めそうな道は?」
「一箇所、トンネル内に亀裂が。多少狭いですが、ヒビの向こうから明かりが漏れてます。
確認しましたが、あの忌々しい霧の発光でした。外と繋がっている筈です」
一人が闇の奥を指さす。
目を凝らすと、確かにうっすらと赤い光が漂っているのが見えた。スコープにも映る。
幻覚か怨霊の見せる幻影ではなさそうだった。
兵士は頷き、腕を振って後続の全員を立ち上がらせた。
「行くぞ。予定より少し早いが、このイカレた穴蔵から脱出だ」
「・・・という訳です」
僕は目を閉じたまま、唇だけ動かして呟いた。
槍を持つあの三人の捕捉はできないけど、残りの部隊の位置はわかる。その中の一人に、
僕は声を送っていた。いや、声として聞こえるかどうかはわからない。受け取る者にとっては
映像かもしれないし、単なる思考の割り込みかもしれない。ただ、僕からだとはわかる筈だ。
「ネルフ本隊はまだ結界の外で足止め。能力者たちが強引に壁を破ろうとしない限り、
この膠着状態は続くでしょうね。中の彼らにとっては当分増援は望めないということです」
脳裏に映る京都市内、蓮華王院付近では、可哀相なくらいに全身を緊張させた小隊が
何とか味方と合流しようと苦心している。将軍塚を目指す隊は偵察を出して小休止中。
六道珍皇寺を囲む三つの監視ポイントでは、念入りに身を隠した数人が交替で
スコープを寺院に向けている。地下を脱出した最後の一隊は鴨川を越え、ようやく頂法寺を
確認しようとしているところだった。
「言うまでもないと思いますが、彼らに手出しは無用です。ネルフ到着まで
こちらは本格的には何もしませんし、ちゃんと索敵してくれている彼らには済まないけど
騎士も兵も向かわせていません。”神器”には既にそれぞれの守護役がいますしね。
そちらにもちょっかいは出さないつもりですよ、少なくとも”開戦”までは。
先ほど何人かが先走ったことは謝罪します。ですが、今後はもうないと見てくださって結構です。
・・・いえ、お望みであれば、いつでも僕がお相手しますからご遠慮なく。
僕からの提案は”ネルフ到着までの休戦”です。実際にはその数時間前、或いは夜明けにはもう
動けそうですけどね。それまではお互い静かに”出”を待ちましょう、ということです。
念のため、ネルフ関係者の誰が死んでも、誰が傷ついてもこちらにはわかりますので、
その件のみお含み置きを。
では、夜明けまで何事もないことを祈ります。 ・・・退屈なら、すぐ近くで
少し派手なショーをやっていますから、それをご覧になることをお勧めしておきます」
余計かもしれないと思いつつそう付け加えると、僕は声を切った。
254 :
253:03/05/30 03:07 ID:???
戻って来られました。
もう要らんお前という的確かつ手厳しいツッコミはなしで。
結界内の一部内情でした。
一週間くらい前に大口叩いた、加持さん含むネルフ先行部隊の動向です。
一応
1:剣神社→神器喪失を確認後、蓮華王院に移動。以後はそこと一緒
2:蓮華王院。1とともに京都駅(本隊解散地点)から近いので既に包囲完了
3:将軍塚(青蓮院本体の方じゃないですよね?)山の中移動中。
4:六道珍皇寺。三箇所から監視中。加持さん+一名が各監視ポイントを定期巡回
5:頂法寺。最も京都御苑に近いので、恐らく人数最多。移動中
>253最後で「派手なショー」と言っているのはランドマスター隊もしくは囮戦車隊の奮戦です。
戦闘終了、の断りがないのでまだ続いてるという想定です。時刻は午前2時かそれ以降。
>提唱者様
ものすごく軽いし弱いですが、一応そちらに振りです。
第弐の声はチームFもしくは「D」の誰かに送られてます。反応するもしないもご随意に。
第弐は呼べば(相手によりますが)出てきますので、戦闘入りたければどうぞ。自分としては、
ホントは「D」かLonginus辺りとさっさと戦闘開始して、そのまま契約EVA覚醒まで
夜明け前に行っちまおうかと思ってました
(ネルフ移動までの隙間埋めと、あと自分がいつまでいられるか不明なので)
>245-246 やっぱイイ感じっすねF・・・こういう雰囲気、自分だとどう頑張っても
カッコ悪くなるのでうらやましいです。
次夜来られたらいい加減OTR出発まで進められるんじゃないかと思いますが不明。
それでは。
255 :
253:03/05/30 10:27 ID:???
昨夜の補足と訂正。
>254 段落二つ目 諜報部区分けの1と2を入れ替え
第一班が蓮華王院、剣神社は第二班でした。不要かもしれませんが紛らわしいので一応。
・剣神社本殿半壊:葉隠覚悟VS零の決着後、聖母の使徒が中から飛び出してきたという想定
・・・ってか何故かそうだと思い込んでました。実際のレス内では
そういう記述は一切ないです。
・将軍塚班の移動経路:途中まで1・2と一緒、別れて延仁寺領辺りから山へ
旧東山ドライブウェイ沿いに尾根伝いに?北上、将軍塚へ
(道自体は谷底なのであくまで進路の目安)
市街部より山間の方が(敵も少ないし)移動速度は速い気がします。
・頂法寺班の移動経路:途中まで4と同行、五条駅から?旧京阪電鉄本線(地下鉄)内に侵入、
以後そのまま北上して同三条駅から地上に出る予定だったが
トンネル崩落のため若干手前で地上へ。
地上施設は焼かれても地下鉄暗渠くらいは一部残ってるんじゃないかと
思い、この経路です。自分脳内でのLonginus襲撃後の京都は
原爆投下直後の広島。その後どのくらい復興されたかは知りません。
ネルフ諜報隊は全員対使徒能力者用装備と、「E」提供の通信機(ヘッドセット)持ってます。
>251「通信兵」というのは従来の通信装備も持った一人で便宜上そういう呼称。
怨霊の影響を考慮して、衛生兵は医療具・薬品の他に一種覚醒剤(興奮剤?)に近いものや
鎮静剤各種を持ってます。調合はリツコさん辺りな気がしますがどうか。
それではまた夜に(たぶん)。
京都、結界内部
「蒸着!」
隊長の周囲が一瞬銀色に輝いた後、コンバットスーツを装着した
隊長の姿があった。
彼は、ディラックの海の入り口があった方へとジャンプする。
数回の移動でその場所への移動を完了した。
「ギャバンスコープ。」
コンバットスーツの目に当たる部分が光ると周囲を見回し始めている。
「あれか。」
ほぼ地面に近いところに痕跡を発見した。
虚数空間を作ったために、そこを閉じても入り口の痕跡が空間に
わずかに残っていたからだった。
「サイバリアン!」
隊長が呼ぶと、空中から同じ虚数空間を抜けサイドカー、サイバリアンが
隊長のもとに現れた。
隊長はサイバリアンに飛び乗ると、空間に溶け込むように消えていった。
隊長個人日誌
このスーツにセットとされたサイドカー、サイバリアンの機能に
虚数空間を通り、呼び出すという機能がある。
応用することで、私自身もこの虚数空間に入り込むことが可能なはず
なのだが、問題はこのコンバットスーツを着ていても耐えられるか
耐えられないかが判らないことにある。
だが、やってみなければならない。
赤木博士たちの設計では、もし虚数空間などにとらわれても機能は
失わないはずだという。
その言葉を信じるしかない。
虚数回路をセットし、空間の痕跡部に進むと内部に入る。
内部は、漆黒の空間であった。
が突然揺れると、岩石の上に落ちた。
空間の間の幻覚のようなものであろうか。
それにしては実態を感じる。
とつぜん背後から、先ほどの使徒が数匹現れる。
空間計測ではここはまだ通常空間と虚数空間の間の空間
とでもいったような状態の場所である。
しかも敵には実体は存在していない。
おそらくはこの空間の支配者による防御システムなのだろう。
これを排除しなければ先には進めない。
1号内部
「隊長はディラックの海への潜入に成功したであります。」
ミソラが報告する。
「少尉、状況は?」
衛生兵少尉がミソラに聞く。
「はい、空間内で敵と遭遇した模様であります。敵の戦力は不明ですが
高エネルギーを感知しております。」
そこでさらにモニターを凝視するミソラ。
「どうした?」
1号ナビゲーターが聞く。
場合により移動する必要があると思われたからだ。
「敵の戦闘能力はおよそ、通常空間の3倍はあると思われます。おそらく
敵はあのディラックの海の中では強化される物と思われます。」
しばらく唇をかんで黙るミソラ。
「私が隊長に無理を頼んだばかりに、隊長を危機に陥れてしまいました。
まったくもって申し訳ないと思います。」
その時、衛生兵少尉が側に立ち言った。
「大丈夫、隊長は負けない。」
ディラックの海内
隊長はコンバットスーツの機能を最大に上げた。
理論上はこれで互角に戦えるはずだった。
「レーザーZビーム!」
腕から発射されたビームは迫る敵をなぎ払った。
だが、その直後にまた別の敵が現れる。今度は巨大な武士の生首だった。
幾つ物生首が隊列をなして隊長に襲い掛かる。
だが、それを今度はレーザーブレードでなぎ払う。
「空間の間の現象か?」
それは空間に施された、ミゾロギの防御機能というものに近い。
そこに赤い結界の中に取り込まれた怨霊などがさらに反応しているのだ。
「くそ、もう少し戦力がほしいところだ。」
隊長は毒づいたが、今の状態ではそれは無理だった。
「レーザーブレード!」
辛うじて、レーザーブレードの最大出力により生首の怨霊と使徒の
ような形をした高エネルギー体を倒すと先に進んだ。
隊長にとって運のよかったのはここがまだ空間の間でしかなく、ミゾロギに
ここでの戦闘を気付かれなかったことだった。
隊長個人日誌
突如襲ってきた実態の無い使徒に加え、サムライの首までも
襲ってきた。
なんとか、これを撃退することはできたがここではエネルギーの
消耗が激しい。
速く進まねばならない。
これでは二重遭難になりかねない。
戦闘が終わると上空にいたサイバリアンに飛び乗る。
だが、重力方向が時々変わるこの空間ではそれが正しい上空だとは
言いがたい物がある。
相変わらず漆黒だが、スーツのモニターのゲインを調整することで
なんとか見えるようになっている。
この空間自体に熱もエネルギーも光もないようだ。
だが、一方向からかすかにエネルギーを感じている。
多分それがミソラの囚われた仲間だろう。
そこに近づくと二体のEVAタイプが見えた。
その対峙した方向にはカブトガニに人の手を生やしたようなものがいる。
その手は、触れるか触れないかの動きで一体をばらばらにしてしまった。
サイバリアンの速度を上げるが、この空間は見える距離と実際に移動する距離が
比例していない。
かなりの高速になっているはずなのだが、いまだ近寄れない。
破壊された一体は、エントリープラグは無事のようだ。
無事とはいえ無傷ではない、半壊している。
このままでは、助けられる物も助けられない。
もう一度、虚数回路を繋ぐ。
かなり無茶だが、虚数空間内で虚数空間に包まれれば、おそらくは距離を
縮めることが出来るかもしれない。
空間に入り、さらに近くに出たときもう一体もばらばらに破壊されてしまった。
今度の機体は、エントリープラグも7割方破壊されている。
急いでサイバリアンからアンカーロープを打ち出すと、その2つとともに
もう一度虚数空間に入り込む。
無事に逃げ切れるといいのだが。
ランドマスター1号
突然前方に黒い空間が現れた。
「しまった、敵か?」
1号ナビゲーター中尉は、反射的にランドマスターを後退させようとした。
「まって、なにか出てくるわ。」
衛生兵少尉は武器を構えるとハッチから外に出ると冷静に穴の中央に射線をつけた。
「救護班の用意をしろ!、聞こえているか?こちらからは見えているからそちらも見えるはずだ!」
突然、ミソラのコンソールのインカムから隊長の声が聞こえた。
「聞こえているであります!、2人は無事でしょうか?、隊長、聞こえているありますか?」
返答はない。
「ノイズが多い、聞こえていたらすぐに用意しておけ。」
そういうと、通信は切れた。
「少尉殿!、そこから出てくるのは隊長であります!、敵では有りません。」
「判ってるわよ。」
衛生兵少尉はすでに銃を構えていない。
「朝倉、救護を2名分用意して。ストレッチャーは2つ。」
亀の歩みのよう感じでサイバリアンが半壊しているエントリープラグを2つ
牽引して出てきた。
「少尉、撃たれなくて良かった。」
隊長がそう言うと、衛生兵少尉は、軽くウインクをしてライフルをランドマスター内にもどしていた。
サイバリアンも一部から煙がでている。
「少し無茶をさせすぎた。虚数空間にはもう入れそうにないな。」
隊長はそういうと、なんとか1号のリアハッチからサイバリアンを中にいれた。
「2人はどうだ?」
「意識をうしなってますが、生きてます。」
朝倉が答えると、ミソラがほっとした顔をして隊長に何か言おうとした。
「あとでまとめて礼をいってくれ。
今は移動するのとこの戦闘に勝つのが先だ。」
「はい、了解したであります。」
全員がのると、ランドマスター1号と護衛の戦車部隊はふたたび人工進化研究所へと向かって進攻を開始した。
厚木基地最後の兵士担当です。
一応、2人は救出したのですが、これで隊長の行動が敵にばれていないか
いるか、は不明な状態です。
少々のことがあっても、2人を殺さないように指示されているのならば
見逃された可能性は有ると思いますが。
2号はこの時点では怨霊と戦っているかもしれません。
このあと、罠で足止めをくらうのでしょうか。
「(
>>253)……だってさ。
そんな事言われなくても解ってるよねぇ?」
イチの同意を求める声に頷く仲間はいなかった。
彼を含めた彼等はそれなりに様式美というものを大事にしている。
無作為無軌道な方法も面白いのだが、状況によりけりでこの場合にはふさわしくない。
「開演前の準備するぞ」
「そうね」「イチ、お前も来い」
仲間のとった行動は嫉妬から来るものだったかもしれない。
イチは口の先を尖らせて腰をかけていたドラム缶の上から降りる。
「無視するなよな。ったく」
四人は向かい合って、手を繋ぎ小さな輪を作る。
次々に瞼を閉じて精神集中に入り、握り合った手に力を込める。
「「「「………………!」」」」
1秒にも満たない短い時間だけ、互いの触れ合う部分が干渉し、離れる。
準備の第一段階を終え、彼等は手を離した。
「正気だとあんまり気持ちのイイものじゃないのよね」
皮膚の下を何かが這いずるような感覚を、シィは腕を擦って誤魔化す。
「そうだな………こればっかりはな」「ああ」
サンは頭痛、ニーは関節の違和感に襲われていた。
ただ一人、イチだけは何の副作用も表に現れていない。
いや、表に出ているが差支えが無いだけだ。
「馴染むまでの時間が、この感覚がたまんないよねぇ。やっぱり」
悦びに包まれる一人に、ニーが文句を言う。
「お前だけどうしてそうなんだ? 不公平だろ」
「言うな。特異体質だから仕方が無いだろ」
不快感が歪曲されて処理されているだけのこと。ただそれだけだ。
「ほんっと不公平よね」
「な、なんだよ。そんなに睨むこと無いだろっ!?」
>厚木の兵士さん
来た!! 待ってまっておりました。
能力3倍には思わずにやりとしてしまいました。
ひょっとすると京都大学めざし北上中のランドマスター隊が
当方のカメラ隊に遭う(見つかる?)かも。
>黒メガネさん
ネタ待ってました。
そして、ささやかながら絡ませていただきました。
廃棄エヴァ覚醒の件ですが、当方は(ネタ、レスに関わらず)振って頂ければ対応するという形で。
(量産機スレのを使うならランドマスター隊の動向も混ぜないと以下略)
(ネルフ本隊が来るでは)そちらが動かねば、こちらも動かずというスタンスですので。
今夜はこれにて。
最下層のどこかで、男は口を開いた。
「お久しぶりですね、モノリス02のボス。そして『委員会』の方々」
広い空間だった。濡れた岩壁が視野の限り高くせり上がり、天井は闇に融けて見えない。
影に覆われた足元を、何か小さな生き物がうごめいて通り過ぎる。
「よくここまで来られた、ですか? まあ、昔とった杵柄って奴ですよ」
闇の中心から、圧倒的な存在感を備えた何かが男を見ている。
その視線の重圧に歯を喰いしばり、男はせいぜい軽薄な声を出した。
「ずっと、ボスに直接お訊きしてみたかったことがありましてね。
・・・虚数計画、本当はどうだったんです?
いかにイタリア支部が計画遂行のための研究機関だったとしても、
配備戦力は明らかに少なすぎた。俺たちMIBが出払えば支部はカラに近くなる。
にも拘らず、日本の便利屋スズキ討伐のためにわざわざNo.3を向かわせ、
結果、No.4とレジスタンスごときに出し抜かれることになった。
その後の4号機改奪回にしても妙に詰めが甘い。計画のキーである4号機改は、
今や完全にネルフの手の内だ。
おかしいと思いませんか? 確かに一見、人類補完計画と対を為す筈の虚数計画は
No.4とネルフの手で阻止されたように見える。しかし、あなたがたが本気になるなら
幾らでも打つ手はあった筈だ。だが結局京都は一度も動かなかった・・・となると、
俺にはこう思えて仕方がないんですよ。
虚数計画そのものが、ネルフ、正確には『G』こと碇ゲンドウの活動を限定するための、
巨大なダミーだったんじゃないかってね」
男は言い終えると闇の奥を睨みつけた。突然、広い空間に複数の声がこだました。
「それだけを言いに来たのかね」
「その程度で我らの座所を侵すとは愚かな男よ」
「”鈴”ほどにも使えぬ男だったな」
「左様。使えぬ駒は始末せねばなるまい」
闇がうごめき、男の周囲に巨大な不可視の手が出現する。
逃げようと思えば、あと数秒くらいは生き延びられただろう。だが男は動かなかった。
声は男の言葉を否定していない。
それだけわかれば悔いはなかった。そう思っている自分に、男は苦笑した。
「・・・真実、か。No.4の性分が移っちまったかな」
次の瞬間、ATフィールドが男を握りつぶし、その身体を飛び散る無数の肉片に変えた。
266 :
265:03/05/31 02:01 ID:???
とりあえず来ましたということで、すっかり忘れていた昨夜の分の続きです。
そういう訳でネロこと元イタリア綾波教MIBNo.1はこれで退場致します。
綾波教イタリア支部とそこで画策された「虚数計画」については
四スレ目以降の加持さん(書き手さんの方です)の書き込みを参照してください。
一応、これでまとまったんじゃないかと思います。
他人様のネタ・キャラの補完はしんどいです。ていうか不可能です。いろんな意味で。
(例:書き込んでから気づいたんですが、加持さんに影響されてたのはNo.3の方ですた)
ですが加持さん(書き手さん)の書かれた一連の展開はどうしても消してしまいたく
なかったので、七スレ目中盤以降、僭越ながら手を出させて頂きました。
この場を借りて、元書き手さんにお礼とお詫びを申し上げます。
そして心からの敬意を。
あなたのネタは面白かったです。
267 :
265:03/05/31 02:01 ID:???
>厚木基地最後の兵士様
隊長キタ〜〜〜〜〜〜〜!!!
ていうか「通常の三倍」ですか・・・吹 い て し ま い ま す た よ (w
隊長カコイイ、ミソラさん可愛い、衛生少尉さんコワーも当然ですが、今回
自分のツボに入ったのは
>>260「カブトガニに人の手を生やしたようなもの」です。
・・・・・・確かに似てるじゃねェかサンダルフォン!!(爆笑
本国訪問の時の「奇形化したとびうお」に続く自分的ヒットでした。ありがとうです(意味不明
>提唱者様
自分宛一行目、ありがとう、です。
そちらに待って頂けたというだけで自分は満足です。この時期にご迷惑をおかけしました。
・・・・・・
っていうか「D」キタ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
前スレの登場からずっと待ってますた(w 出が遅れた原因ははい、自分のグズです。
黒ノ咆哮はネルフ来てから?適当にぶっこみます。夜明け前の空に広がる竜型EVAの光の翼、
なんてのを書いてる当初は妄想してたんですけどね。
それから早めに。
加持さん関連(及びネルフ特殊諜報部隊)は以後、基本的に手を引くつもりです。
間が持たなければ適当に続きをひねり出しますが、京都への突入も果たしましたし、
自分としてはもういつでもそちらにお渡しする用意は出来てます。
くれぐれもよろしくです。
すみませんが今夜はこれで。それでは。
100番代のレスを読み返そうとすると、
どうして画面が真っ白になるんだろう?
>>240 それもいいかも。
レスのみ。
>>268 出ないときは半分ずつ、つまり101〜150と151〜200のように
二つに分けると見れます。
270 :
267:03/05/31 21:21 ID:???
再びとりあえず来ましたよということで。
真っ白になるのは、read.cgiになんか問題があって、
一度に126KB(だったかな)までしか表示できなくなったせいのようです。
このスレの>101-200は恐らくそれを越えてるのでしょう
(ちなみに>1-100は117KBくらいでした)
レス数<容量、ってのがこのスレですから。
表示するには、>269の通り分けるしかないみたいです。
今夜はあんまいられませんが書きます。連絡あればどうぞ。
オーヴァー・ザ・レインボー、04:09。
そろそろ空が明るくなり始めた。
結界外周ではネオ戦自本隊が進攻準備を終え、夜明けの荒地は慌ただしさを増している。
便利屋スズキの衛星砲撃は、結果的には成功した。
というよりは中から招き入れられたと言うべきだろうか。あの後、結界周辺の混乱が
治まるのを待って、砲撃の瞬間の画像を分析したところ、レーザー照射自体は
赤い壁にほぼ吸収されていた。壁が緩衝しきれなかった分は爆発という形で外に溢れたが、
結界自体の損傷はゼロだと思っていいそうだ。やはりあの赤い壁を突破するには
トライラックスの兵器のように特殊な付加効果を持つ武器が必要なのだろう。
侵入した伍号機の、その後の反応はない。ランドマスター隊ほかの先行部隊、
K-1ゲリオン隊との通信が未だ回復しないのと同じく。
俺が仮眠をとっていた間、状況の変化はそのくらいだった。
「おはようございます」
艦内発令所の扉を抜けると、何故か室内の雰囲気が妙に明るかった。
「・・・何かあったんですか?」
声をかけると、いつものようにスクリーン正面に立つ葛城さんが振り向いて、
力のこもった笑みを浮かべた。青葉が片手を上げた。
「まだ聞いてないのか。ま、とにかく席につけよ。自分の目で見た方がわかる」
「・・・?」
とりあえず言われた通りコンソールに向かう。青葉はメインモニターに顎をしゃくった。
葛城さんがさっきから見ているものだ。俺は不審をおぼえつつそっちを見、
そして度肝を抜かれた。
光を増していく空に浮かんでいるのは、巨大な黒い球体だった。
頂上には、小さいながら見慣れた構造物が映っている。俺は思わず目をこすった。
でも間違いない。いや、見間違えようがない。
「これは・・・まさか」
青葉がにやりとした。
「新横須賀からの生中継。14分ほど前から活動を開始、今も微速で浮上を続けてる」
「そう、ネルフ本部よ」
背後で葛城さんの声がした。ずっと寝ていない筈なのに、声はぴんと張りつめている。
「そしてこれが、司令の言っていた”結界に道を開く手段”ってワケ。
確かにとんでもないけど、こんなインチキなら大歓迎ね。これで進路が見えてきたわ」
明け方の空に浮かぶジオフロント。それはサードインパクトを思い出させるのではなく、
むしろとても力強い、こっちまでわくわくしてくるような光景だった。何となく、
発令所のこの活気の理由がわかるような気がした。
俺たちは前に進めるのだ。
葛城さんはぐるりとスタッフを見回し、かつて何度も作戦の時に俺たちが聞いたあの声で言った。
「さあ、忙しいのはこれからよ。本艦は予定通り0600に移動を開始、新大阪湾を北上して
結界外周でネオ戦自本隊と合流。司令の到着を待って京都へ踏み込むわ。
皆、いよいよ最後の戦いよ。最後まで気を抜かないでね」
273 :
272:03/05/31 22:35 ID:???
浮上でした。
ところどころ文章がおかしいのは放置してください。
これでようやく 前 ス レ 最後に追いついたんじゃないかと思います。
次の書き込みでOTR移動→艦隊戦導入です。
個人的にはZOのその後の動向がものすごく気になってます。
それでは。
トライラックスのノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』から離脱した葉隠覚悟は再び日本へ向かって飛行中であった。
強化外骨格・零の意志が覚悟に意識に直接語り掛けて来る。
<あのトライラックスの飛行船も日本へ向かっていたようだが、我々も便乗して行った方が良かったのではないか?>
「そうも言ってはおれぬ! 今、こうしている間にも京都では罪無き人々が綾波教団に苦しめられている! 急がねばならぬ!」
<されど、零のジェット噴射よりもあのノンシップとかいう飛行船の方が早く日本へ着けそうだったのではないか?>
「否! 不穏な胸騒ぎがする! 根拠はわからぬ! とにかくネオ戦略自衛隊やトライラックスの人々に頼ってばかりもいられぬ!」
確かに通常飛行であればノンシップの方が早く日本へ着けたであろうが、覚悟の胸騒ぎは当たっていた。
彼らが離脱した直後に聖母の使徒が八握剣を取り戻そうと『ポウル・ウスル・マディブ』を襲撃したため、大幅に足止めを喰らってしまうはめとなったのだ。
トライラックスの本隊が聖母の使徒と一戦交えて足止めを喰らっている間に、葉隠覚悟は再び京都へと舞い戻った。
<結界の遮蔽力が先ほどまでの8割ほどに落ちている!>
「よし! 結界の中へ再度潜入する! 零よ、頼んだぞ!」
<承知!>
強化外骨格・零に宿る三千の怨霊達は結界の遮蔽力の根源である怨霊達を取り込み、無力化して行く。
そして、葉隠覚悟は再び結界の赤い霧の中へと潜り込んで行った。
「とにかくいずれにせよ、不用意にあの結界の中へ入り込むのは危険です」私は言った。「例の攻撃がラミエルの仕業であるにせよ、そうではないにせよ」
「うむ、その通りだ」ギーガ―様も私に同意した。「下手をすれば、『アルダ・サルバ・アサナ』の二の舞になりかねんからな」
「呼び・・・ました、か・・・?」
キサラギ博士の発言に中央制御室はしら〜っとした空気に包まれたが、ギーガ―様は無視して続けた。
「しかし、どうすれば良い? 結界の中にはすでにキラ少尉達のK-1ゲリオン部隊やエヴァ・フェット達の特攻部隊が潜入しているぞ。あやつらがどうなっているのかも気になる」
「それでは、こうすればどうでしょう?」と、私は提案する。
「うむ、それは良い考えだ」と、ギーガ―様は乗りボケをかました。
「まだ何も言っていません」そして、私は提案内容を述べた。「あの結界の外壁の複数箇所をオリハルコンレーザーかラスガンキャノン砲で攻撃し、反撃して来たらその放射角度から敵の位置を割り出すのです。そして・・・」
「なるほど、割り出した位置にオリハルコン・レーザーで攻撃すれば、敵を撃墜できるという計算だな!」ピエット提督が私の提案に賛同した。
しかし、最高司令官であるギーガ―様は納得していない。
「駄目だ、その方法では確実だとは言えぬ」
「どうして?」私は思わず少女時代の口調に戻って言った。
「敵が同じ位置から攻撃して来るとは限らぬ。移動しながら攻撃している可能性もあるし、そもそも敵は1体ではなく複数体いるかも知れぬぞ」
「あっ、そうか・・・」
「それに、おぬしの言うように敵がラミエルであれば、ATフィールドで防御しているかも知れぬ。いかにオリハルコンレーザーでもあの結界の障壁を破った上では威力が鈍ってしまうし、逆に出力を上げ過ぎると、中にいるキラ少尉達もただでは済むまい」
「なるほど、申し訳ございません。そこまでは考えが及びませんでした」
少し前までは世界征服のためなら部下の命など捨て石くらいにしか思っていなかったギーガー様が、今ではしきりに他人のことを気にしている。
変われば変わるものだ。
ランドマスター隊長は全身から銀色の光を放ったかと思うと、甲冑のようなコンバットスーツをまとった姿に変身した。
ディラックの海はすでにこの空間から消えているように思われていたが、隊長によれば出入り口を閉じてもその痕跡が空間に残ってしまうらしい。
隊長はサイドカーに飛び乗ると、先ほどまで暗闇が開いていたあたりの空間へ、まるで溶け込むように消えて行った。
いや、消えたのではなく、異空間へと入り込んで行ったのだ。
“隊長がディラックの海への潜入に成功したであります”
ランドマスター1号車内にいるミソラ少尉の声が残っているK-1ゲリオン2体のエントリープラグ内にも聞こえてきた。
しかし、状況ははっきり言って思わしくないらしい。
虎穴に入らずんば虎子を得ずとは言うが、敵の領域に潜入しているのだ。
しかるべくして予想できていたこととして、隊長は異空間の中で待ち受けていた敵との交戦を余儀なくされる所となったようだ。
“私が隊長に無理を頼んだばかりに、隊長を危機に陥れてしまいました。まったくもって申し訳ないと思います”
“大丈夫、隊長は負けない”
そして、どのくらい過ぎただろうか―――その間はとてつもなく長く感じられた―――再び空間に暗闇のようなディラックの海が現われ、その中から隊長のサイドカーが現われた。
サイドカーは損傷を受けていて、煙を上げており、半壊したエントリープラグ2本、牽引しているのがキラとシグナにも見えた。。
衛生兵少尉がいつもの習慣で反射的にライフルを構えていたが、隊長の姿を確認すると銃を降ろす。
ランドマスター隊の兵士達が半壊したエントリープラグの中からパイロット達を引きずり出す。
意識は失っているが、死んではいないようだ。
ミソラが隊長に礼を述べようとしているのがキラとシグナにもわかった。
キラは溜め息をついて胸を撫で下ろし、シグナは思わず涙を浮かべて仲間達2名の無事を喜んだ。
隊長はミソラに、そして、キラとシグナにもわかるように言った。
「あとでまとめて礼を言ってくれ。今は移動するのと、この戦闘に勝つのが先だ」
どーも、お久しぶりです。ネタカキコするのはゆうに1週間ぶりくらいかな。
高橋覗さんが抜けてしまわれたので、腹を立てていても仕方がないから、
葉隠覚悟は私の判断で再び京都の結界内に潜入させることにしました。
この後、エヴァ・フェット達に加勢させる方向へ持って行きたいと思います。
>厚木基地最後の兵士さん
ディラックの海の中ではミゾロギの分身使徒は3倍の力にパワーアップ、
おまけに亡霊武者まで登場という危険な状況の中へ隊長さんが潜入して、
セイラとルカを助けて頂き、まことにありがとうございます。
ところで、亡霊武者というあたりがオカルトチックなのですが、
黒スーツに前髪で左眼を隠した女好きストーカー野郎のミゾロギ君の
元ネタって御存知なんでしょうか? サンジとキャラかぶってるけど。
>????他さん
トライラックス側の兵器は破壊力はあっても、一筋縄ではラミエルは倒せませんね。
で、ラミエル退治には同じ手は通じないにせよ、テレビシリーズのオマージュ的な
場面を入れたいとは以前にも書きましたが、かなり後の方になると思われます。
一応、トライラックス側の次世代EVA達は別の取って置きの方法で結界の中へ
潜入させようと思っているのですが(E計画さんがヒントを教えてくれたような)。
ミゾロギからの命を受け、サラとユノは自分達の機体へと急いでいた。自分達の
出番が来た事で、二人は俄然興奮している。しかし、突然そんな気分に影が差す。
彼女達が進行方向から、妙な気配がするのだ。それも、初めてではない……いや、
他人とは思えない気配が近づいてくる。
いぶかしんだ彼女達がしばらく進むと、気配の主が現れた。相手は二人と顔立ち
や身長、基本的な体型は変わらない。だが、髪は赤く、瞳は青い。ちょうど二人
とは対照的なカラーだ。また、肌は同じように白い肌をしているが、病的な印象
を受ける二人とは違い、健康的な印象を受ける、自然な白さをしている。それに、
肉体も二人よりはどことなく逞しい印象を受ける。相手はサラとユノの姿を認め
ると、いぶかしげな顔をしてから口を開いた。
「あんた達ここで何してんの? 今は待機中よ……ん!?」
赤い髪の少女は二人の顔を見つめ、言葉を続ける。
「あんた達、私の部下じゃ無いわね。もしかして、トライラックスに行った子達?」
目の前の少女が何者かを悟ったサラとユノは、その言葉を肯定し、自己紹介をした。
赤い髪の少女は気さくにそれに答える。
「そう、私は惣流・アスカ・ラングレー。あんた達のオリジナルよ。よろしく」
そう言って、アスカは手を差し出した。サラとユノは握手に応じながらも、シヴァ
とそっくりの性格と聞いていたわりに思っていたより柔らかい印象を受けた事
を意外に感じていた。それでも二人は舐められまいと、強気な態度で今の自分達
の立場を語った。アスカは微笑んで答えた
「フフ、あんた達元気がいいわね。まるで二、三年前の私みたいだわ」
だが、アスカはまた顔をしかめる。
「あんた達、精神の様子が変ね。誰かにマインドコントロールでも受けてるんじゃ
ないの? ……この感じは…司教達の誰とも、教団側のファーストとも違うわね」
それを聞いて、サラとユノはマインドコントロールなど受けていないと怒り出し、
教団に拉致されていたアスカがなぜ教団に加担しているのかと言った。…しかし、
二人はすぐにその言葉を後悔した。アスカと、その周囲の空気が一変したのだ。
二人は本能的に恐怖と危険を感じた。そして、一度顔を伏せたアスカが顔を上げ
た時、恐怖は更に増す事となった。……アスカの顔は明らかな凶相と化していた。
さっきまでの激しくも気さくな雰囲気とはまるで異なる。
「……どうしても、殺らなきゃならない相手がいるのよ。そして、そいつはフォー
ス・インパクトを止めようとしている。……だから、あたしはおこしてやるのよ」
地獄の底から響くような声でアスカは喋り、二人に近づいた。そして、すれ違い
ざまに言葉を続ける。
「マインド・コントロールを解いてやろうかと思ったけど、それはまた今度に
するわ。今ので気分が悪くなったしね」
そして、通り過ぎようとするアスカの両肩が二人にぶつかった時、二人は異変を感じた。
280 :
家:03/06/01 20:42 ID:???
アスカの両肩が自分達に触れた……その瞬間、サラとユノは異変を感じた。
……そして、気がつくと今までとまるで異なる場所にいる自分達に気がついた。
自分達は教団の地下施設の廊下にいたはず。しかし、目の前に広がっている
のは草原だった。その草原には文字の彫られた石が並んでおり、また、周囲
の町並みも、今まで見てきた物とはかなり異なる。二人の知識では、この風
景はヨーロッパ…それもドイツの物と思われた。そして、ここが墓地である
事も。すぐ近くの墓石には『SOURYU KYOKO ZEPPELIN』という文字が見える。
何が起こったのか理解できないまま二人は周囲を見渡す。すると、一件の
教会が見える。二人は我知らぬまま、その教会になにかを感じ、近寄っていった。
281 :
家:03/06/01 20:42 ID:???
その教会の扉を開き、中に入った時、二人は困惑した。なぜなら、内部は
予想された姿とはまるで違っていたからだ。自分達が入ったのは確かに教会
の扉…しかし、今目の前に広がっているのは、通常の家屋の内部のそれだっ
た。様式はドイツ式なので、外と同じドイツらしい事はわかる。しかし、
いくらなんでも不自然すぎる。ちなみに、二人には知るよしは無いが、二
人が今いるこの家は、彼女達のオリジナルである、惣流・アスカ・ラング
レーの生家そのもの姿をしていた。同時に、外の墓地と教会は、アスカの
母、惣流・キョウコ・ツェッペリンの葬儀が行われた場所である。
二人は不審に思いながらも、本能の命じるまま、扉を開けていった。そして、
ますます今いる家の奇怪さを感じる事となった。
ある扉の向こうは、特に不自然さの無い光景だった。それは、三人の親子
がクリスマスパーティーを開いている姿で、アスカにそっくりな三歳ほど
の子供がプレゼントのサルのぬいぐるみを見て喜んでいた。ある扉の向こ
うは病院の病室になっていて、そこには女性の首吊り死体と、首を吊られ
た人形があった。ある扉はどこかの施設で、10歳前後のアスカが訓練
を受けていた。ある扉は日本のマンションの台所と思われる場所で、そ
こには14歳ぐらいと思われるアスカが、30歳前後の日本人の女性と、
同い年くらいと思われる日本人の少年と楽しそうに食事をしていた。
また、ある扉は純日本風の部屋で、そこでは17歳前後のアスカが、や
はり17歳前後の姿のさっきの少年と、彼女達も知る顔をした、17歳前
後の青い髪に赤い瞳の少女と談笑していた。
282 :
家:03/06/01 20:43 ID:???
これ以外にもいくつかの扉を二人は回ったが、それらに共通していたのは、
自分達は部屋の中の人や物には触れられず、また、なぜか中身が楽しげ
な部屋は陰鬱とした、重い扉の向こうにあり、嫌な感じのする中身がある
部屋は明るい雰囲気の扉の向こうで、しかも開け放たれていた事だ。そ
して、二人は一つの扉の前に立つ。その扉には可愛らしい文字で『ASUKA』
と、書かれていた。その部屋は生家におけるアスカの部屋の位置と同一だった。
サラとユノは、その部屋の扉の向こうから禍々しい気配を感じた。どこと
なく、さっきアスカ本人に感じた気配と似ている。正直、中を覗きたくは
無かった。……しかし、彼女達自身の心が、それを開ける事を選んだ。
そして…扉は開けられた。
283 :
家:03/06/01 20:43 ID:???
その扉の中は、またおかしな物だった。なぜなら、そこは彼女達もよく
知る、エントリープラグの中だったからだ。しかも、これは稼動中の
エヴァのエントリープラグだ。外の風景はどこかの森。向こうには
黒い、巨大なピラミッド上の建造物が見える。そして、プラグのスクリー
ンに写されているのはエヴァンゲリオン量産機…それも九体いる。こ
のエヴァはそれと戦っているのだ。
そして、サラとユノはエントリープラグの中にいる『それ』を見た。それ
は、闇色の炎だった。しかも、よく見るとどことなく人型をしており、
気が狂いそうになるほど恐ろしい光をたたえた、赤く光る二つの目を持っ
ていた。そして、彼女達は見た。その闇色の炎の中から、人の頭が突き出
ているのを。それはまぎれもなく、アスカの物だった。絶望に満ち、憔悴
しきった表情だ。そして、アスカの弱々しい声を彼女達は聞いた。
「なんで…なんで私達を放っておいてくれないのよ……。やっと…やっと…
本当に大切な物も、生きる意味も、大切な人も見つけたのに……なんで
こんな事をするのよ…なんで…私にあいつを傷つけさせるのよ…私やあい
つの心を傷つけてそんなに楽しいの…? ……帰してよ…やっと見つけた…
私の楽園に…帰してよ……」
その時、二人は闇色の影が自分達の方を向くのに気がついた。そして、そ
の赤く燃え上がる目に睨まれ、恐怖が頂点に達した……
恐怖が頂点に達したその瞬間、サラとユノは元の通路へと戻っていた。そ
して、今見た物が現実か幻覚かの判断がつかずにいると、ふいにアスカの
声がした。
「なんにせよ、無茶はしちゃダメよ。名を上げようとして死んでしまった
んじゃ、元も子も無いからね。じゃ、後でね」
その声は元のアスカの声だった。そして、アスカが去った後、ようやく二
人は我にかえったのだった。
眠い。疲れてるわけじゃない。
暇なんだよね、中の人達はどうか知らないけどさ。
前日入りとはよく言ったものだけど、あまりにも何にも無くて、暇すぎ。
アクサはずっと寝たままだ。
機嫌が悪いのは変わらないけど、眠ってる時だけは可愛い感じ。
! ヘッドセットがわずかに震えた。
右手でスイッチを受信に切り替える。
「…こっちに動きは無いよ。
暇で暇で暇なんだ…………うん………うん、じゃあね」
動きがあれば映像送ってるって。
僕はネルフ本隊を撮る為に張ってるんだから、彼等が動くまでは何も出来ないじゃないか。
暇つぶし程度の情報が入ったのはいいことにして……っと。
「……あれって飛ぶんだ」(>>拾弐471,
>>271,272)
サードインパクトが起きた時にはもっと高く飛んでたって聞いたけど……ふ〜ん。
思ったよりもいい勝負になるのかもしれない。
夜明けまであと1時間、ここに来るまではさらにもう少しか。
「…………」
LCLの中で手をぱたぱたと振って、アクサの髪をなびかせてみる。
ふわぁっと舞い上がって、ゆっくりとまた元に戻る。
少しだけ悲しそうな寝顔を見て、胸の奥が痛んだ気がした。
迷惑ばっかかけてるからかな?
あれだけ嫌だ嫌だと言われたのに、ここに来ている。
理由は何度聞いても教えてくれなかったけど、よっぽどの事があるんだろう。
僕を心配して…………そんなわけないか。
でも時々妙に大人びて見えるし…ま、いいや。
悩むのは僕らしくない。
カメラを切り替えて、自分のいるところを映してみる。
極普通の何も無い荒地。
………やっぱりすごいよ、自画自賛って言われてもいい。
ATフィールドで作った「隠れ蓑」は見事なまでのこの巨体を隠してる。
あの…なんだっけ、あのマジシャンみたいだ。
タネも仕掛けも全く違うんだけど。
しかし…これだけド派手な事やらかしたあげくに、わざわざネルフ本隊に遅れて
到着するつもりとはねえ。これが派手な演出ってやつか。
「しかし、これで京都の結界を破るとして、その後はどうするんです? 一気に
神殿を破壊するんですか?」
聞いた所では、これは様々な能力を増幅され、とんでもない大火力の攻撃を放っ
たりできるらしい。反面、見た目よりは防御力は弱くて、バリアを突破されて
取り付かれたら、トライラックスのエヴァ相手でも危ないらしい。ともかく、
俺の問いに司令は答えた。
「いや、そう事は簡単にはいかない。現在の状況では、敵のエヴァを全て排除
した上で、ファーストからサード、そしてフィフスの四人のチルドレンを揃え
る必要が絶対にある。だから、いきなりそのような事をしても無駄だ。……それに」
「それに?」
意味ありげな司令の言に俺は聞き返した。
「この戦いの間、色々とすき放題にふるまってきた者達がいる。そいつらには
それなりにお灸をすえてやる必要がある。それには、この現在のネルフ本部の
力が一番有効なのだよ……」
好きほうだいって? あの連中も叩く気か!?
288 :
287:03/06/01 21:49 ID:???
ども、????他っす。長いことカキコさぼっていてすみません。今夜はとりあえず
ここまでです。ちなみにネルフ本部はやたらデカくて、火力はエヴァ以上(パワー開放
時の必殺攻撃除く)ですが、動きは鈍いし、マトはデカイ。バリアは張れますが、エヴァ
にせまられると弱かったりします。
○トライラックス担当さん
えー、そんな訳でサラとユノとアスカの絡みです。まあ、アスカの精神(脳や神経が作り
出す精神と、魂が作り出す精神の狭間の領域)にはおかしな物が潜んでいるという描写
です。今回はアスカがサラ達に余計な事をしようとしたので、サラ達の質問を契機に、
アスカの精神の暗黒面を刺激しています。そして、その直後にアスカに触れたため、
二人はえらい物を見ています。ちなみに洗脳面を除けば、アスカはエヴァ本編の時より
は多少落ち着いた性格になってます。(基本は同じですが、成長している感じですね)
ちなみに、これ本来はフウイ用のイベントでした(藁
艦隊は、当初のイメージでは旗艦のみ外れて、残りの艦がガギエルに融合しているイメー
ジだったんですけどね。
ラミエルのディフェンスは他の使徒の支援なんですけどね。また、司教陣という指揮者
の存在も大きいです。
○黒ブチメガネさん
色々と進行お疲れさまです。そろそろですねえ、決戦も。とりあえず複線は回収せねば(W
○Eさん
さて…このネルフ本部がE計画にしかけてくる可能性のある代物です(藁 登場が遅れに
遅れたのでかなり逃げられた部分も多いですけど(藁
>????さん
お帰りなさい。
どう仕掛けてくるのか楽しみでもありますが、ネットを介した電子戦は(仕掛けるのが)厳しいですよ。
こちらは既存のネットワークとは別の独自ネットで動いてますし。
援助物資の通信機用に作ったサーバーも独立していますので。
念の為。
それが京都戦における攻撃となれば、『E』の敵は3つに増えることになるなぁ。
「精神に異常を来たして監禁されていた捕虜がスモーウォーカー『飛朱雀』を奪って逃げ出したのだ」
「トビスザク・・・ああ、あの赤いやつね」ミゾロギに言われて、サラとユノは輸送船の格納庫で見たスモーウォーカーのことを思い出す。
「スモーウォーカーっていうのはK-1ゲリオンの前に開発された次世代格闘戦仕様EVAよね。あたし達も訓練で戦ったことがあるわ」
「組み技式の格闘戦では手強いけど、他の性能では欠点が多くて問題ありっていう機種だったわね」
「教団側の者達が残っていた2機のスモーウォーカーで追跡したが、軽くあしらわれてしまったのだ・・・操縦しているのはこいつだ!」
と、ミゾロギが言うと、モニターパネルに赤い髪の毛をした若い女の顔が映し出される。
どことなく雰囲気が葛城ミサトに似ていなくもないのだが、クローンアスカ達はそもそも葛城ミサトに会ったことがないので、わかるはずもない。
「こいつはメンチと言って、訪日使節団に大使付料理人として随行していたが、コンピューター並の情報処理能力を持っている奴なのだ」
「トライラックスの人間電子計算機、メンタートね・・・私達もトライラックスでその訓練は受けているわ」
「並の人間ならそう簡単に次世代EVAは操縦できないけど、メンタートの処理能力なら瞬時に操縦法を修得することも可能よねえ」
「私達と同じクローンアスカならともかく、教団の一般兵士が俄仕込みで操縦して追い掛けても歯が立たないのは無理からぬことよ」
「君達なら機体の破損を最低限にして身柄を確保することができると見込んでのことなのだ。京都市内に出払っているエドリック達に見つかると、また機体の生体部分を喰い荒らして駄目にしてしまう危険性があるからな」
ミゾロギは先立っても『飛朱雀』と他の2体が脱走した際、エドリック達が脱走したスモーウォーカーの生体部分を喰い荒らそうとして、追い詰められた『玄武岩』が自爆してしまったことを思い出し、腹を立てた。
「どうだ? できそうか?」
「まあ、私達にまかせて」
「適当に痛め付けて動きを止めてから、首筋のエントリープラグを引っこ抜いてやればいいのよ!」
そして、サラとユノは制御室を出て格納ドックへと向かった。
291 :
290:03/06/02 05:42 ID:???
と、いうわけで、ミゾロギから逃走したスモーウォーカー『飛朱雀』の
追跡を命じられたサラとユノは格納ドックへ向かう途中でオリジナルの
惣流・アスカ・ラングレーにばったり出会い、
>>278以降の展開へとつながって行くわけです。
アスカとミゾロギ(サンダルフォン)との接触はなかったようですが・・・。
それで、マインドコントロールに関してですが、私の観念では
「自我」とか「欲求」とかいうものが重要性を持っていて、
マインドコントロールされている人物は必ずしも無条件で
操られてしまうわけではありません。
クローンアスカ達はシヴァやヨミに対する対抗意識や嫉妬を利用され、
活躍の場を与えられるというエサにより操られています。
サラとユノは委員会に「実戦で活躍させてやる」と言いくるめられて
利用されていますが、下っ端の捨て石程度にしか思われていないと知ったら、
腹を立てて逆に教団側に対して攻撃を仕掛けて来る可能性もあります。
どうもザコキャラのつもり登場させた人物もキャラが立ってくるな。
サラとユノはハッとして我に返る。
惣流・アスカ・ラングレーはすでに廊下を歩き去って行こうとしている。
「何だったの・・・今の?」
「貴方にも見えた? 幻覚にしては妙に現実感があったわ・・・」
そもそも生まれた時、すでにある程度成長した身体の器と自意識を持っていて、それからあまり期間が過ぎておらず、経験も思い出も乏しい彼女達には理解しづらいことであった。
「さっきのオリジナルの彼女があたし達に見せたのかしら?」
「見せたって何を?」
「さあ、わからないわ・・・あれは一体何だったのか・・・」
いくら考えても、明確な答えは出て来なかった。
どれだけ学問や知識、技術などを短期間で修得していても、どうにもならない領域もある。
「はっ・・・そうだわ、それよりも・・・」
「そうだったわね、スモーウォーカーを奪って逃げた捕虜を追い掛けないと・・・」
サラとユノは自分達が乗って来たK-1ゲリオンが格納されている格納ドックへと急いだ。
ネルフ及びトライデント京都最終進攻当日、06:00。
大阪湾内・旧大阪市水域。既に日は東の陸塊稜線から離れ、海面は早くも光を放ち始めている。
天候は極めて晴朗。気象予測では本日も炎暑である。
湾内の波は静かで、ここ数日見られた野生化ガギエルも今朝は姿を見せない。
最後の予備物資積載の確認作業を終え、空母オーヴァー・ザ・レインボーは
ゆっくりと海上都市大阪を離れた。
「時間通り、何とか間に合ったわね」
旧ネルフ、トライデントを問わずメインスタッフ全員の揃った艦内発令所。
全面に戦況図を映し出すメインスクリーンの他、壁を埋め尽くす各種計器類にともるライトが、
照明輝度を落とした発令所内を冷たく照らし出している。
こころもち背を反らし、葛城さんは画面を睨んだ。
「各部、状況を」
ぴしりと声が飛ぶ。それに応え、次々と報告の声があがった。
『ブリッジ各員、準備よし』
「各武装の最終点検完了。OTRバトルスタッフ、各セクションにて待機中」
『ハンガー! バーミリオン隊、及び特別戦闘攻撃機隊、フル武装でスタンバイ完了!』
「陸上軽巡T・RIDEN・T-01及び02、戦闘巡航モードで待機。機体・火器ともにオールグリーン」
「結界外周部のネオ戦自本隊との通信回線、感度良好。現在、周辺に異常なし」
「大阪基地との連絡経路も確保済みです。本隊と連携し、ネオ戦自艦隊も行動開始」
青葉が各方面との直通回線をチェックしつつ、要項を読み上げる。
「EVA全機、最終調整及び最後の定時試験、異常なし。各機ともに問題ありません」
隣でマヤちゃんも声を上げた。赤木博士不在の今、彼女は碇ユイ・惣流両博士とともに
EVA各機のバックアップ及び生体面での常時モニターを担当する。
『ケイジより司令部。EVA各機冷却終了、発進準備完了。最短15秒で艦外へ出せます』
「了解」
葛城さんは頷くと、立ったまま俺の肩越しに戦況図を覗き込んだ。
「琵琶湖の艦隊はどう?」
キーを叩く。マップの一部が拡大され、京都周辺までの水域が移る。大阪湾から
京都市街南部、琵琶湖まで繋がった赤い海は途中で結界に分断され、一部空白ができている。
続いて同じ画面に艦隊各艦の航路を示す数本の輝線が表示された。艦隊は琵琶湖西部からほぼ
ひとかたまりで移動し、航路の先は結界内部の空白域の中へ消えている。
「さきほど飛行船”エンタープライズ”より入電した通り、今はモニターから消えてます。
過去数時間、何度か一触即発の状況もあったようですが交戦はなし。夜明け頃から
移動を開始、今は結界の内側で、こちらの到着を待ち構えていると見るのが妥当なところですね」
「敵も準備完了ってワケね。・・・望むところだわ」
葛城さんは身を起こし、数歩下がって、発令所中央に立つ司令代行に並んだ。
同じく薄闇の中に立つ碇ユイ博士、惣流博士と視線を交わし、頷きを得て司令代行を見る。
「・・・よろしいですね?」
司令代行は静かに頷いた。穏やかな、けれど芯の強い戦意が、不敵な笑みとなって浮かぶ。
「ああ。始めようか」
葛城さんは頷き、きっと顔を上げて総員に最初の命令を下した。
「現時刻を以て作戦を開始します。目的地は京都。我々の、最後の目標よ。
・・・全艦、全速前進」
『了解。全艦、全速前進! ネオ戦自艦隊各艦との距離を保ちつつ戦闘巡航』
ブリッジのオーヴァー・ザ・レインボー艦長がそれに和し、艦のスタッフへと復唱の波が広がっていく。
『了解、全速前進! 戦闘巡航!』
『各部異常なし! 全艦微速から全速航行へ!』
肉声、通信音声問わず上がる声の輪の中で、司令代行は光るモニターを仰いだ。
「さて、ここからどう転ぶかは、まさに神のみぞ知る、というところか。
・・・まずは、碇があまり遅れないことを祈るよ」
295 :
294:03/06/02 23:00 ID:???
OTR移動開始です。
一応これでネルフ本陣の進軍開始となります。
このまま艦隊戦入ってもよし、或いは一旦ここまででおいといて他のところを進めてもよし。
特に、不都合のある方は遠慮なく時間を戻す形等で追加をお願いします。
この時点で完全に夜は明け、ネオ戦自本隊は野営状態を解いて戦闘待機に入っています。
飛行船エンタープライズとは、勝手ながら夜明けまでのどこかの時点で
OTRとの回線が確保できたということにしました(どこかで「OTR・艦隊ともに
傍受対策のためこちらからの通信を受けつけない」という記述が)
トライラックス艦隊は待機位置の琵琶湖から結界内・OTR接近位置に移動です。
エンタープライズ、艦隊ともに過去ログによると交戦する気満々だったようですが、
戦闘描写は結局なかったので「何度かヤバい状況にはなったけど交戦なし」にしました
(この時点では艦隊は琵琶湖上=結界外、なので飛行船からも見えます)
ネオ戦自艦隊各艦は、戦闘が可能なもの(護衛艦・駆逐艦等)はOTRに(一部?)同行、
補給艦などは海上都市大阪ないしネオ戦自大阪基地に集結します。
ジオフロントの移動速度はわからないので動向等の言及は控えました。
トライラックス艦隊について。
艦隊・・・自分はてっきり、旗艦も含めて全艦一緒くたにバーベム大使の鎖で同化・融合して
化け物っぽくなってるんだと思ってましたけど。ガギエルも巻き込む形で。
ネルフ本隊の指揮中心(全体指揮)は、今のところOTR艦内発令所です。
発令所というよりは、通信室ないしレーダー管制室なんかの大きい版、という感じです。
よって艦外が見えた方がいい(だろう)ブリッジとは別室(窓がある)とし、
OTR自体の指揮(航路変更、戦闘配置等)は、発令所よりの全体指示を受けて
OTR艦長がそこで具体的な命令を下します。映画とかでかじった知識とかを元にしてるんで
たぶん間違ってます。詳しい方指摘・訂正よろしく。
EVAやトライデントは発令所直轄です。
という訳で不都合がなければ艦隊戦へどうぞ。
それでは。
296 :
295:03/06/03 00:20 ID:???
連絡し忘れです。
>????他様
>>233の、オリジナル使徒とその変化(の予想)についてのカヲル君の助言、
・・・入れるの忘れましたすみません。
一応発令所メンバーには話は行っているってことでお願いします。苦しいですが。
ところで碇司令@ジオフロントによる結界への介入と艦隊戦、順序としては
どっちが先になるんでしょうか?
後者が先だったら、「艦隊が結界の中」だと面倒なので、OTRが一定距離まで
近づいたら結界の壁がグニャと開いて中から艦隊出てきましたみたいにしてください。
ご面倒かけます、すみません。
さて、遅れに遅れましたが一応宣言したところまで持っていくことができました。
以降は、何度か断った通り、しばらく(艦隊戦終わるまで)自分からはペースダウンしますので
後は各担当さんよろしくです。別にいなくなる訳ではないです。が、特に誰かに呼ばれたり
絡みをもらったりしない限り、メインからは少し身を引きます。
艦隊戦終結前に執行日が来た場合はそう言いに来ます。
以前と同じく、断りがなければとりあえずまだ粘着してると思ってください。
それでは。
ども。????他っす。
○黒ブチメガネさん
一応考えている流れでは司令の介入の後で艦隊戦になりますね。主席は
挨拶してくると思いますし。ちなみにガギエルの融合は鎖によるもので
は無く、主席が(ネルフ本部でゲンドウが使ったり、トライラックスで
教祖が使用したりしたのと似た性質の)融合させており、主席達教団側
の指揮者達、あるいはガギエル自身の判断で分離も可能です。
○トライラックス担当さん
いや、ミゾロギの件は単なる時間切れでして(藁 まあ、さして重要な
場面でも無いのですが。
マインドコントロールは現在主席がアスカに使用している物も、そち
らの考えと似た性質の物です。ただ、こちらは精神に巣食っている
存在(ぶっちゃけ、これも使徒の一種です)を取り除かない限り、今の
アスカではシンジへの敵対をやめられません。ちなみに主席や聖母
の能力には無条件で相手を従わせる物もあります。(性格的に使用
はしていない)
○Eさん
まあ、これは電子戦の側面もあるが、通常の電子戦とはまた異なる
要素も含んでいます。つまり、かなり非常識な電子戦(?)を予定し
てはいます。まあ、MAGIとネルフ本部と『G』が揃ってるのが
ポイントですか。
ただ、『G』はその前にまず結界関連をどうにかしな
ければなりませんけど(W
今夜はネタを書ければ書くかもしれません。
サラとユノに指令を伝えたミゾロギは、サキエルが退出した後、自身も退出しよう
とした。だが、そこに先ほどサラとユノに出会ったアスカがやってきた。
「ん? あんた誰?」
アスカの姿を見て、ミゾロギは自己紹介を行う。いかにも彼らしく、伊達男を気取り。
「へえ。そりゃどうも。けど……あんまりこの子達には近づかないでね。色々あっ
て、あんた達の国に行った連中に比べると世間知らずだから。あんたみたいなタイ
プの毒気には当てたくないから」
しかし、アスカはそっけない返答を取る。ミゾロギはよせばいいのに、そういうア
スカ自身も魅力的だと言う事を言った。アスカはまたそっけなく答えた。
「それはそれは光栄ですわね、伊達男さん。けど……」
アスカは顔を歪ませ、嫌悪感の混じった声で答えた。
「……悪いけど、あたしはあんたみたいな軽薄で変な喋り方のはタイプじゃないの
よ。……それに、あんたの魂が腐ってるのがわかるのよ、あたしは。その上、あん
たがまともな人間じゃ無い事もね。あんたの身体にはもう一つの魂がある。そいつ
が昔あたしをえらい目に合わせた相手である事もね」
ミゾロギは得意げにそれを肯定し、主席司教からさずかった力である事を伝えた。
「……呆れたわね。あいつに身体を明け渡すような事をするのは愚か者よ」
蔑んだ口調にムッと来たミゾロギは、アスカに対し、今の自分の立場はどういう
事なのかを問い返した。……しかし、その瞬間、アスカの身体は炎へと包まれ、
弐号機へと変じ、ソニック・グレイブを取り出した。危険を感じたミゾロギは
自身の身体の防御機構を作動させた。弐号機はそれを見た瞬間、口を開いて羽根
を出して、パワーを開放し、炎をソニック・グレイブに纏わせ、突き出す。その
刃は、ミゾロギのサンダルフォンの鎧さえ貫き、傷を負わせる。
「……一つ教えといてあげるわ。これがエヴァの力よ。せいぜい気をつける事ね。
……わかったらとっとと消えろ!!」
ミゾロギは慌ててレリエルの能力で姿を消した。アスカは元の姿に戻り、部下に告げた。
「……見苦しいとこ見せちゃったわね。……さあ、もうしばらく休憩しておきなさい」
えー、????他っす。今夜もまた時間が無くてネタ一つですみません。
明日にはもう少しネタを追加できるかと思います。多分、本隊の結界到着
の辺りを。では。
「…………」
そろそろ時間だ。
巨体をのそりと起こし、ゆっくりと立ち上がる。
手首に映る時間を確認しながら、手、足、首、腕とほぐしていく。
座りっぱなしで固まった関節は妙に心地よい音を鳴らした。
屈伸運動を30秒、もう一度時間を確認する。
6:08:36
京都地方の日の出予定時刻までジャスト1分。
空を見上げるが青空が見えることは無く、全く持って不愉快だ。
この色は決して嫌いではない。
「………」
感傷的になっている間に、残り20秒を切っていた。
右腕を天に掲げ、掌を突き出す。
一秒足らずでその太さは三倍程度に跳ね上がった。
掌も変形し、腕そのものが生物的な触感を持つ砲身を成す。
「……8……7……6……5……4……3……2……1……ファイアッッ!!!」
鈍い地響きを周囲50mほどに響かせて、
一条の光が紅い天井目掛けて昇った。
気づいた者は何人もいるだろう。
光の柱は1本ではなく、京都全域で10本あったことに。
視界に入った光の柱を眺めながら、ライナはチェシャの喉を撫でた。
ぐるるるる、と紅い瞳を隠すほどに目を細め、気持ちよさそうにチェシャは唸る。
「時間だね」「時間よね」「時間だよ」
微妙に声を揃えて反応したのは、カラーズと呼ばれる3人だった。
「ネルフ本隊はすでに出発しているが、まだここへは来ない。
距離がある分、まだフライングだな」
「リーダー!!
日の出と共にって宣言したんだから、私達も動かなきゃ」
左眼に青を入れたシアンがライナのぼやきに反論する。
「シアンの言う通りだと思う。
動きましょう」
シアンと同じく片眼に赤を入れたマゼンタが命令をと促す。
「もう十分待ちました」
鮮やかな黄色を見せるイエローが、真摯なまなざしを向ける。
三人に詰め寄られ、ライナは仕官帽を顔の前に下ろしこう言った。
「戦うにしても飯がまだだろう。
調達して来い」
輝いた3対の瞳を見ずに、ライナはチェシャの背に半身を預ける。
「「「はい!!!」」」
「現状維持ということを忘れるな。
…………ただし、邪魔する奴は全て消していい」
「「「了解!!!」」」
そこには三体の異形の者がいた。
いずれも頭の先から足の先まで光沢のある、しかし毒々しい紅一色に染まっている。
「何処から行く?」
全身スーツに身を包んだような見た目のエーアストが問いかける。
それに悪魔の姿をしたゼクストが応える。
「結界潰しだな。一つはすでに無い。
あのクラスをたやすく倒せる第三者がいるということになるな」
ネルフの私兵は有り得ず、綾波教でも自分達でも無い。
トライラックスもまずないだろう、あれだけの兵器を持ってきたのだから。
「『本番』までのいい肩慣らしになればいいが」
全身鎧に身を包んだフィーアトがポロリと本音をもらす。
注意深く見れば彼らの周りに紅い霧は無いことに気づくだろう。
彼らの周囲だけ、空気が不自然に澄んでいる。
「返り討ちは無い。俺達が組んでいる限りはな」
「そりゃそうだ」
ゼクストが大きく一度羽ばたいて、立ち上がる。
「そろそろ行こうか」
トリップ忘れてしまった。
次はカメラ隊、外部視点及び結界要所に攻め入ろうかという予定。
結界要所は北側のものから攻めます。
>????さん
も、もしかしてマトリ(以下略)
とりあえず開戦の合図は出しましたので。
現状のままだと、当方の兵は半分ぐらいは動かないかなと。
今夜はこれまで。
私達は中央制御室の丸い会議用テーブルを囲んで作戦会議を続けているが、いかんせん埒が開かない状態だ。
こうしている間にもノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』は目的地である戦場へと迫っている。
「そ、そうだ」私は思いついたことがあったので、スモーカー大佐に声をかけた。「これ、スモーカー大佐よ」
スモーカー大佐はたしぎ曹長が死亡したことを告げられて以来、口数が少なくなっている。
感傷に浸るのは柄にもないようにも思えるが、恐らくはこの男も碇司令と似たり寄ったりの心境なのだろう。
「はっ・・・へ、へい、何ですかい、大使様・・・」
「つかぬことを尋ねるが、そなたは煙に変身する能力を持っておったな?」
「へっ、へい。キサラギ博士に改造してもらい、授かった変身能力です。このおかげで狭い隙間から忍び込むこともできるし、鉄砲の弾丸をかわすこともできます」
「地面の下へ潜ることができるか?」
「はァ? そりゃあ、下水道とかの中なら・・・しかし、あの赤い霧の中へ入り込むのは俺の能力じゃあ無理です。あの葉隠覚悟っていうのやネオ戦自の助けがなけりゃあ・・・」
「いや、下水道などではなく、土の中へ潜り込むことができるかと言っておるのだ」
「それこそ無理ですよ。俺の能力は空中でしか使えません。おまけに風が吹いたらバラバラに千切れ飛んだりして、不便なことも多いのです」
「そうか・・・お前は煙に変身すると地面の下へは潜ることはできないか・・・だとすれば・・・」
「申し、訳・・・あり、ません・・・」キサラギ博士が言った。「彼、は・・・私、の・・・失敗作、なのです・・・」
「失敗作はねえでしょう、キサラギ博士!」
「おい、お前達、一体何の話をしているのだ?」ギーガー様が言った。「あの赤い霧の結界を攻略するのとは関係ないだろう?」
「いえ、あながち関係のない話ではありませぬ。ギーガー様、良い方法を思いつきましたぞ」
どうも最近、ネタカキコが進まなくなってしまいました。
ネタ切れとかそういうわけではなく、書きたいことはわりとたくさんあるのですが。
>>275 キサラギ博士のフルネームは「ニノマイ・キサラギ」。
「キサラギ・クオン」ではない。
声も桑島法子ではなく木村亜希子。
>>304 下品な話でスマソが、2代目綾波レイ(フウイ・ノ・レイの前身)、
碇ゲンドウから肉体関係を強要されていた可能性アリ疑惑。
>????他さん
テレビシリーズでアスカがサンダルフォンと戦った時はほとんど歯が立たず、
やっとの思いで倒したような印象がありましたが、
>>298でのアスカの台詞からすると、
サンダルフォンを倒すこともできるってことでしょうか?
まあ、倒せなきゃ困るんだけど。
で、トライラックス側はオリハルコンレーザーで突破するのではなく、
別の異なる方法で結界の中へ潜入することを考えております。
フウイ・ノ・レイは作戦参謀的なポジションにあるようですね。
失敗作使徒人間もじきに反乱を起こすだろうし、
教団側は地底から大挙して攻められることになるわけですが・・・、
地底で戦闘可能な使徒っていたっけ? サンダルフォンならどうだろう?
>E計画さん
以前、チラッと触れていたネタを使うことにしました。
ども、????他っす。軽くレスをば。
○トライラックス担当さん
まず、
>>305での
>>304に関するコメントについて、いくらかのコメントが寄せられています(藁
某司令「あー、本作での私にはそういう趣味は無い。今の私のキャラにはそぐわんしな」
某少女R「……そういう記憶は私には無いわ。その方面の経験はごく最近よ」
某元凶な女性Y「……そういう事をしてたら、私達が気付かないはずは無いし、Rちゃんに手
を出していたら、とっくにあの人を始末してるわよ」
某少年S「……そのネタ使ったら……命はありませんよ………」
某聖母「……命が惜しくないの?」
某主席「……………」
だ、そうです(藁
で、使徒ですけど、基本的にどの使徒も現在の世界ではサードインパクト越えエヴァに
はかないません。(手強い相手というぐらい) ただ、運用次第ではかなり厳しい相手と
いうぐらいですね。また、ネルフエヴァは新しい戦場に出る度に前より強くなっています。
ただ、例の赤い壁は地面から噴き出しておりますので、そのつもりで。
○Eさん
まー、その辺りはGとMAGIの能力が合わさるとかなりタチが悪いって事ですね(W
「よし、我々も出撃だ」ガイア・ノムラがそう言うと、僧侶の法衣を脱ぎ捨てた。
用意の良いことに、法衣の下にはすでに迷彩色の軍服を着ている。
だが、俺の場合はさすがにそうは行かない。
西洋のお姫様風のドレスを脱ぐと、その下には和風の道着にスパッツにレッグウォーマー。
空母『ソーソソソ』でのコスプレ晩餐会以来のお気に入りに衣装である。
俺は降ろしていた髪の毛を後ろで束ねてポニーテールにする。
「それにしても・・・外見からはこの世界にその人ありという人物にはとても見えんな、君は」
「あんたも人のことは言えませんな。外見で判断すりゃあ痛い目に遭うっていういい例ですよ」
サードインパクト以後、傭兵界では俺とガイア・ノムラは双璧のビッグネームと言われているらしい。
俺はお気に入りの衣装の上からいつものダークグリーンの装甲服をまとい、武器類を装着する。
「今さらのように言うまでもあるまいが、我々の目的はあくまで当初の作戦を実行することだ。救世主の使者を演ずるのもそのために失敗作使徒人間達を利用するために過ぎないのであり、奴らを救済してやる必要もない」
「フッ・・・奴らにバレたら袋叩きにされそうですな。そのために名前を騙られたんじゃ、フウイ・ノ・レイ様もさぞかし御立腹なさることでしょうよ」
「我々は金で雇われた傭兵に過ぎぬ。目的さえ果たせればそれで良い。そのための犠牲など気にする必要はないし、前駐日大使の機嫌を伺うこともない」
「貴方もたいがいになさらぬと、ろくな死に方はできませぬぞ」
「まあ、傭兵稼業はこんなものだろうよ」
そして、俺とガイア・ノムラは再び教団大神殿へと進撃して行った。
久しぶりにエヴァ・フェット登場。
参入当初は当方の主役的キャラだったのですが、最近になるに従い、
フウイ・ノ・レイと反比例する形で動きが少なくなってしまいました。
まあ、状況が状況なので、雪隠詰め状態なわけです。
戦いになればそれなりに活躍させたいと思うにですが・・・。
>????他さん
教団側はエヴァ・フェット達が地底の強制労働区に潜伏していることは
把握しているし、失敗作使徒人間達が反乱を起こすことも予想している
と思うので、てぐすねひいて待ち受けている軍勢に蹴散らされてしまう
のでしょうね。私としてはそこへ葉隠覚悟を絡ませたいのですが。
あと、アスカが対ATフィールド仕様ラスガンで撃たれて木っ端微塵になるが、
バラバラになった肉塊の中から葉隠散のように復活してしまう場面
なんていうのはどうかとも思っています。
本スレの作品世界ではアスカは散的ポジションにあるとも言えるわけだし。
ぶちまけた話、結界の地下はどうなっているのでしょうか?
フウイ・ノ・レイが思いついた「地面の下から侵入する」というのは
無理なんでしょうか? 一応、噛ませ犬のスモーウォーカーに穴を掘らせて、
結界の中へ入り込んだ所で待ち受けていた教団側のEVAか使徒にいきなり
やられてしまうなんていう展開も考えていたのですが。
それから、
>>306のコメントによれば、
フウイ・ノ・レイ(先代綾波レイ)は男を知らない状態で
身体がバラバラになってサイボーグ化されたので、
女の喜びを知り得ないということになりますね。
過去スレでもサイボーグ化された身体にその機能はなく、
本人もそれに劣等感を抱いているというような
カキコをした記憶があるし。
それはそれで可哀想なような・・・。
碇シンジの家(ほったてトタン屋根の小屋)
サードインパクト後、誰も戻ってこなかった.... アスカはどっかいってしまった。
仕方ないので、自給自足の生活を送る。
神の領域にたった男 この後も半永久的に死ぬことはないので別に食料
など作る必要もないのだが、腹は減る。
現在栽培中の食料は、スイカ、小麦、菜っぱ、大豆などなどである。種
だけは店からかっぱらってきた。かなりの種類が貯蔵されている。
でも、孤独で死にそうだ
311 :
296:03/06/06 18:05 ID:???
失礼します。
>????他様
アスカの精神を狂わせている「使徒の一種」(
>>283、
>>288、
>>297)は
存在として聖母の使徒のように「あちら側」由来なんですか?
それともサキエル以下同様「こちら側」の何かの「応用」なんでしょうか?
教えて頂ければ幸いです。ネタばらしになるようなら地下スレででも。
よろしくお願いします。
それでは。
……ヤツらが近づいてくる。いよいよ宴がはじまる。あの男も、切り札を出して
きた以上は、結界を破ってくるのは時間の問題だろう。
フフフ……ヤツらが来たら、こちらも挨拶をしてやらねばな。フライングで入っ
て来たヤツらもそろそろ北区へと移動しているから、ちょうどいい案配だ。
……さて、地下の連中もそろそろ動きだす頃だな。あんな連中は敵では無いが、
エヴァ・フェットだけは手強いな。……よし、エヴァ・フェットがこちらの
妨害をしてきた時のために、こちらもそれなりの用意をしてやろう。
そして、オレは『ソレ』をオレの前に召喚した。
ソレは、人型をした金細工のガラクタに見えた。巨大な戦闘体こそ失ったが、大
阪でのダメージの癒えた、超機人だ。
もはやネルフのエヴァの相手をするには力不足だが、エヴァ・フェットと遊ぶには
十分だろう。ククク……コイツに負けるようじゃ話にならんぜェ…エヴァ・フェット。
>>311 ????他っす。あれは「あちら側」に由来する存在です。主席がアスカ
の精神に大きな隙が出来ている時に、精神を操作しましたが、その際に放っ
たとお考えください。特殊な状況下ゆえにアスカの中に入り込み、今回
その姿を見られたのも、相手の二人の特殊性と、アスカの精神をわざわざ
ゆさぶった直後に接触した事が関係しています。
尚、この個体はアスカの精神にもぐりこませるための物なので、これでも司教
クラス以上の力があったりします。
>>312 ????他さん
げげっ、これはまたとんでもないのが出て来たな。
エヴァ・フェットには果たして勝ち目はあるのでしょうか?
まあ、それを倒さないことにはお話が先に進まないのでしょうけど。
葉隠覚悟や他の助っ人達との共闘で退治するっていうのはアリかな?
本スレの作品世界では最強にはほど遠いからな、エヴァ・フェット。
つまらない仕事もこれでひと段落、予定通り表に出られそうね。
椅子をデスク正面から90回して席を立つ。
「ちょっと外に出て来るわ」
「今、ですか?」
当たり前よ。これを逃すと次が無いかもしれないんだから。
今やってるのはそれほど急ぐものじゃないわ。
「そうよ。5分で戻ってくるわ」
何か言ってるみたいだけど聞く気は無い、部屋を出て転送室に向かう。
「あ…「ちょっと外に出たいの。操作は私がするわ」
ガードマンを押し退ける形でキーコードを入力する。
「何処へ行かれるのですか?」
「すぐ上よ。私が出たらすぐにゲートを閉じて。
5分………1分経ったら繋いで。
頼んだわよ」
冷めた空気が肌に心地よい。
朝日を見たいって思ったのはこれが初めてじゃないかしら。
日の出、その瞬間に光が連なって海面を走っていく。
弟が最期に見ていた景色…………きれい。
日本では始まりの朝を迎えた頃でしょうね。
ここはまだあと数時間かかるでしょう。
「そっちは終わりましたか?」
鼓膜を揺さぶる衝撃波と、乾いた靴音に混じって小気味良い短音が止め処なく流れる。
「まだだ。敵わないと解っててやるのは人の性だな」
ブーステッドの一人が引き金を通路の向こうに向けて引きながら言った。
「こっちはOKだ。退却するぞ」
思ったより手間取りましたね。
30分のロス…ここに来てこれはかなりの痛手ですね。
リジェネレーターの声に、窓を割って外に出る。
「ゲートオープン!」
あらかじめ準備しておいた座標に人数分のゲートを開き、一斉に飛び込む。
ゲートが閉じる直前にわずかに爆炎が舞い込んできた。
髪についた火の粉を慌てて両手で払い消す。
結界に入った皆さん、こっちもなかなか楽しいですよ。
64マスからなる正方のボード上ではプラスチックの軍隊が戦争をしていた。
立っている者の数は少なく、終幕を迎えようとしている。
「…………これでチェックメイト」
騎士の馬をかたどった駒が、宙に浮かされて戦場に再び降り立つ。
刃の向けられた先には敵の王がいる。
「逃げ場は無いな。俺の勝ちだ」
冷や汗にまみれ恐怖に引きつった顔のこめかみに、冷たい銃口が添えられる。
グリップを握っているのはその男の手だ。
金色に輝くケーブルのようなものが男の背後で揺れていた。
硝煙をくゆらせて、男はイスから落ちて床に倒れた。
「……やっぱ生き返らないか」
靴の底で顔をごりごりやっても何の変化もねぇ。
普通の戦争を「チェス」に例えるなら、結界の中は「将棋」らしい。
おもしれぇ事になってるらしいが、俺は残念ながら蚊帳の外。
次の仕事が待ってやがる。
唸るような音がしたかと思えば、ゲートが開く。
「リーダー、こんなところで遊んでたんですか?」
「仕事してたんだよ。仕事。サボってねぇ」
………ったく。
あとまだ50件近くあるぞ。少し飽きてきたな。
仮にも綾波教団の本拠地である京都大神殿の地下は戦場と化していた。
地底の強制労働区に押し込められていた捕虜や使徒人間になり損ねた者達が反乱を起こしたのだ。
教団の司教達はかねてよりそれを予想していたため、大神殿地下にあらかじめ兵力を配備していたが、彼らには重大な誤算があった。
教団直属の正規兵力である使徒能力兵を投入していれば、それほどは苦戦することもなく鎮圧することもできたであろう。
しかし、折りしもネルフやトライデント、トライラックスの本隊が侵攻して来るという状況にあって、兵力が不足がちだったということもある。
そこへ持って来て、たかが捕虜や使徒人間の失敗作ごときなどは、たいして脅威たり得ないとたかをくくっていたのだ。
このため、教団の正規兵力ではなく、主に出入り業者の春虎念興業に徴募させた傭兵などを投入したことが失敗のもとであった。
いかんせんならず者あがりで凶悪な族ではあったが、ただの人間に過ぎない上に人材の質が悪く、おまけに命令系統もかなりいい加減だったため、たいしたことはないと思われていた敵に思わぬ苦戦を強いられるはめとなったのだ。
教団大神殿の地下に広がる広大な空洞の中では、ゆうに100人以上はいると思われる軍勢がてぐすねひいて待ち受けていて、はるか前方ではすでに戦いが始まっている。
「やはり予想した通りだ」ガイア・ノムラは双眼鏡を覗いて言った。「思ったよりは手薄だな」
俺はヘルメットのスリットに内蔵されたズーム機能で遠くの光景を拡大する。
モヒカンや逆さモヒカンの髪型をした男達がトゲのついた棍棒を振り回し、使徒人間の失敗作達と戦っている。
「あいつらは教団の正規兵力ではありませんな・・・恐らく春虎念興業に駆り集められた傭兵の類ではないか、と・・・」
「状況を考えれば無理からぬことだ。ネルフやトライデントも攻めて来るという時に、教団の正規兵力を投入するわけには行かないのだろう。その方が我々も都合が良い」
形勢は言うと、どちらが優勢とも言い難い。
だが、哀しいかな俺達の目的は使徒人間の失敗作達を勝たせてやることではない。騙して利用しているようで申し訳ないが。
「ガイア・ノムラさん、エヴァ・フェットさん、こちらです」失敗作使徒人間のリーダーである巣輝牙が俺達を横穴へ招き入れた。
横穴の中はいくつもに分かれていて、まるで迷路のようだ。
「本当に大神殿の中へ入れるんでしょうな、巣輝牙さん?」
「大神殿の汚物処理場へつながているのです。ただし、迷路のように入り組んでいるので気をつけて下さい」
「また迷路かよ、嫌な予感がするな・・・」
赤い霧の中をどこへ向かうともなくまるで酔っ払い運転のようにフラフラと飛行する赤いスモーウォーカー。
大神殿から脱走した『飛朱雀』である。
そして、その『飛朱雀』を2体のK-1ゲリオンが追跡していた。
片方は体色が緑で、もう片方は紫色だ。『サラマンダー』と『ユニコーン』である。
“ちょっとそこのあんた! 待ちなさい!”サラが怒鳴った。
“スモーウォーカーを勝手に操縦するんじゃないわよ!”そして、ユノも。
それに対して、通信用コムリンクから耳障りな甲高い声が聞こえて来た。
“懲りない奴ね、また追い掛けて来たの?”『飛朱雀』を奪って逃げた奴だ。“何よ、あんた達、スモーウォーカーじゃないわね。何者よ”
メンチはスモーウォーカーは知っていても、K-1ゲリオンは知らなかった。無理からぬことだ。
“これはトライラックスの新兵器、K-1ゲリオンよ!”サラが言った。
“あんたが操縦しているスモーウォーカーの欠点を改良して、より優れた機動性を持っているのよ!”ユノももっともらしく講釈をたれる。
それを聞いて、もともと好戦的で血の気の荒いメンチが息巻いた。
“スモーウォーカーよりも優れているですって? 面白いじゃない、お手合わせしてもらおうじゃないの!”
と、言ったかと思うと、スモーウォーカー『飛朱雀』はいきなり張り手ショットをかました。
スモーウォーカーの張り手ショットの威力は侮れず、零距離射撃であればATフィールドをも貫通する。
“危ない!!”サラとユノが一斉に叫んだ。
だが、裏を返せば、距離を置いていればATフィールドで防げるということになる。
何もないはずの空中で凄まじい爆発が起こり、煙が巻き上がった。
再び結界の中へ入り込んだ葉隠覚悟は綾波教団の大神殿へ向かって突き進む。
だが、その前途に立ち塞がる者達があった。
赤い霧の中から異形の怪物達が現われ、覚悟の周囲を取り囲んでいる。
「何者!?」
覚悟が問うても返事はなかったが、使徒化された生物であることは明らかであった。
<こやつら、綾波教団が放った使徒もどきの類のようだ!>
「我は先を急ぐゆえ、道を開ければ良し! されど、邪魔をする者は敵とみなし、戦う覚悟ぞ!」
しかし、覚悟の言っていることが理解できているのかいないのか、使徒もどき達は道を開けようとはしない。
それどころか、逆に覚悟に襲い掛かってくる。
<気をつけろ! そやつら、知能は低いが、あなどれる相手ではないぞ!>
「承知! 道を妨げる者は力ずくで戦って排除するのみ!」
使徒もどき達の攻撃はパワーばかりで技がなく、隙だらけであった。
強化外骨格をまとい、零式防衛術を使う葉隠覚悟の前にはおよそ敵にはなり得ない。
やはり予想できたことだが、ほとんど秒殺状態で全員ノックアウトしてしまった。
「綾波教団の本拠地であれば、敵の迎撃がこの程度とは考えにくい。あの第参位次席司教のような強者もいるだろうから油断はできぬ!」
覚悟がそう言った矢先、上空で凄まじい爆発音が鳴り響いた。
「ムッ、これは何の音だ!?」
覚悟が空を見上げると、上空の赤い霧の中で巨人のような者達が戦っている。
そのうち1体はスモーウォーカーのようだが、体色は赤い。
他の2体はそれよりも細身の体格で、片方は緑色、もう片方は紫色をしていた。
<あれらはトライラックスの汎用人型決戦兵器のようだ! 気をつけろ、覚悟! かなりの火力兵器を搭載しているので、巻き添えを喰っては危険だ!>
「それで・・・今度はどっちへ行けばいい? 右か? それとも左か?」
嫌な予感は見事に的中した。俺達はまたしても地底の迷路の中で道に迷ってしまったのだ。
ガイア・ノムラはクルーガー大佐から受け取った図面と巣輝牙達から受け取った図面を見比べている。
「大神殿の汚物処理場はここですが・・・あなた方の図面ではどのあたりに当たるわけですかな? 巣輝牙さん」
「それが・・・その図面は汚物処理をやらされていた者達の記憶を元に描かれた物ですので、あまりはっきりしたことは・・・」
「ちょっと待て、巣輝牙さんとやら・・・」俺は急に心配になって核心を突く質問をした。「あんたはその汚物処理場へ行ったことはあるのか?」
「いえ、私はありません」
「じゃ、じゃあ、行ったことのある者は?」
「蛇魅須が行ったことがあるそうです」巣輝牙が例の反抗的な態度の失敗作使徒人間に問い質した。「なあ、蛇魅須?」
「へい、ありますだ」と、蛇魅須は言った。「ですが、あれは2、3ヶ月も前のことだったので、うろ覚えだしなあ・・・」
お、おいおい、冗談じゃねえぞ。重要な作戦だって言うのに、こんないい加減なことでどうする。
これでは大神殿を爆破するどころか、俺達はこの地底の迷路の中を永遠にさまよい続けるはめになってしまうかも知れない。
winter kitchen 2003
空中に煙が撒き上がって、視界が妨げられる。
だが、これはむしろ、こちら側が攻撃に転ずるチャンスだ。
“よし、今よ! 私が後ろへ回り込むわ!”
ユノがそう言うと、K-1ゲリオン7号機『ユニコーン』は煙のこちら側を横回りに移動して、スモーウォーカー『飛朱雀』の後ろへ回り込んだ。
ところが、そのくらいのことはメンチには予想できていたのだ。
『ユニコーン』が後ろへ回り込んだつもりが、スモーウォーカー『飛朱雀』は正面を向いて待ち受けていた。
“あんた、馬鹿ァ!”メンチはユノが聞き覚えのある嫌悪的な口調で罵声を浴びせた。“これでも喰らえ、張り手ショット!”
“くッ・・・ATフィールド!”
『ユニコーン』はATフィールドでなんとか張り手ショットを防ぐと、K-1ゲリオンお得意の打撃技で『飛朱雀』を攻撃した。
だが、スモーウォーカーの超肥満体装甲は伊達ではない。
ちょっとやそっとの打撃技ではたいしたダメージにならないのだ。
“あははははは・・・何よ、それ。それで攻撃してるつもり? 攻撃っていうのはこういうのを言うのよ!”
メンチがそう言ったかと思うと、突然、『飛朱雀』は『ユニコーン』の腕をつかんで巴投げを喰らわせた。
“ああっ、ユノ!”煙の中から6号機『サラマンダー』が現われ、サラが叫んだ。
『ユニコーン』は数百メートル先まですっ飛んで行くと、そのあたりの建物をぶち壊しながら転がって行った。
“スモーウォーカーは性能が悪いと思ってたけど、なかなかやるわね・・・”
半壊した建物の中から瓦礫を撒き散らしながら、紫色のK-1ゲリオンが起き上がる。
ゴメンナサイ。
エヴァ・フェットは例によってまた地底の迷路で迷ってしまいました。
教団側の正規兵力と戦えるのはいつのことやら・・・。
メンチは最初はサラとユノの噛ませ犬にするつもりでしたが、
あんまりあっさり勝負が着くのでは面白くないので、
さすがにサラやユノも訓練とは訳が違って
実戦では苦戦するということにしました。
まあ、どっちにしてもスモーウォーカー『飛朱雀』には
とんでもない欠陥があるんですがね。
このあと、葉隠覚悟をメンチと絡ませたいと思っています。
326 :
町奉行:03/06/08 18:13 ID:???
速力あげろ、敵の艦に近づく。
主砲、発射できるように照準をさだめておけ。
よし、針路京都。
主砲、照準を解除しろ。
後部魚雷発射管、魚雷装填、同時に照準をつけろ。
おお、どのくらいの時間がたった?
そうか、よし、針路大阪、ネルフ艦隊と合流するコースをとれ。
通信は繋がったか?
ち、まだか、しかたねえ。
後部魚雷発射管、照準を解除、側面砲、攻撃照準を定めろ。
速力さげろ、微速前進。
敵の動きはどうなっている?
よし、こちらに警戒を向けているか、いいぞ。
速度上げろ、出力八分の一、後部主砲攻撃態勢、照準敵艦艦橋。
敵は、反撃態勢か?、よし対空砲の準備をしろ。
ただし射撃はまだするな。
魚雷二番発射態勢、照準敵艦後部。
327 :
町奉行:03/06/08 18:14 ID:???
なんだウーラ中尉?、いつ攻撃するのかって?
いや、攻撃はまだしない。
戦力差が激しい相手と戦うんだ、少しでも有利な方がいいだろう。
敵へのゆさぶりってところだな。
どんなに変化したとはいえ、人だ。
恐らく、敵は本隊と合流を図るだろうな。
それについてなんとかあの赤い障壁を潜り抜けたいからな。
よし、通信は何度も試せ。
ネルフに状況を知らせられればそれを行う。
針路変更、目標敵艦。
全武装、照準を敵艦にあわせろ、撃つんじゃねえぞ。
機関室、最大出力をいつでもだせるようにしておけ。
どうした?、敵移動開始。
よし、追跡、速力五分の一。
主砲以外照準を解除、攻撃態勢は維持!
町奉行書きです。
気が付くと、鎖艦隊は結界の内側に入ってしまったので
こういう風な展開としてみました。
奉行は、当てを焦らせたりいらいらさせたりすることで
相手の隙を作ろうという作戦にでてた、という感じです。
トライラックス脱走組はそれに異を唱えているという感じ。
一応、飛行船エンタープライズはジェットを使えばかなりの高速を
だせるという感じなので、問題なければ結界の内部に入れるかも
しれませんが、そうなった場合、戦闘は避けられないでしょう。
オーヴァー・ザ・レインボーが進む。いよいよ最終決戦って所か。俺も
最後の戦いに備え、最終調整を受けた例のスーツを見に纏う。
そして、先ほど惣流博士から呼び出しを受けて、受け取った物を見る。
赤木博士が俺の身に着けているこのスーツに対応して作成した専用の
車。流線型をしたそれは、寝そべって操縦するという妙な操縦方法の
物で、ランドマスター隊長のサイバリアンなどに搭載されている、虚
数空間を移動するためのシステムも組み込んである上、非常時には戦闘
機形態に変形して飛行する事も可能らしい。赤木博士が司令と共に移動
したため、最終調整が出来ていなかったが、なんとか調整を間に合わせ
たらしい。しかし、この戦闘服に劣らず、恥ずかしい機体だよな、これ。
ただ、説明を受けるために惣流博士のラボに行くとなぜかユイさんまで奥
にいて、二人して
「ウフフ、こちらも準備できてるわ。これでいざという時もOKよ」
「そうそう、エヴァ能力が無くなったからって、ナメたら泣く事になるわよ」
などと、不穏な発言をしていた。奥の方にランドマスターの隊長が使っ
てるのに似た装甲服が二つ見えたのは、記憶から消しておきたい所だ……。
そんな事を思い出していると、こちらも最後の出撃準備態勢に入っている
シンジ達を見かけた。どうやら一通り気合を入れあったらしく、決意
に満ちた表情をしている。ふと気が付くと、綾波が花を手にしている。
あれって、結婚式のブーケじゃ? 綾波はつぶやいた。
「必ず、これをアスカに……」
そして、綾波は異空間にブーケをしまうと、零号機に向かった。続いて、
初号機に向かうシンジの背中に渚が声をかける。
「シンジ君、これからどんな真実が待っていようと、自分を見失うな。
例えどんなにおぞましくてもね」
シンジはそれにうなずき、初号機へと向かった。……俺も配置につくか。
330 :
329:03/06/08 21:47 ID:???
ども、????他です。
この後の流れ考えると、時間があきらかに足りないので、今夜はここま
でです。明日は先に進めるといいなあ。
○トライラックス担当さん
遅ればせながらレスを。んー、アスカの件はおそらく流れ的にそれをや
る暇は無いかなあと(W それと、サードインパクト越えエヴァの特徴
を示す事例として、いつぞやの零号機対オルタナティブ・ノヴァ戦が
あります。あの時の彼女達の遠距離攻撃は、互いのATフィールド(使
徒人間の類とは比べ物にならないくらいくらい強力です)を。力任せ
にブチ抜いていて、しかもそれでさえなかなか倒れないという物で
した。つまり、彼等はATフィールド抜きでも……。
で、超機人ですが、こいつはATフィールド中和能力があります。
戦法は芦ノ湖での対第六戦や大阪戦を参照。
結界は地下深くから続いてるので、地下からの潜入の場合も破る必要
があります。(さすがにラミエルの砲撃は無し)
○町奉行さん
ごめんなさい。もう少ししたら本格的に進行しますので。
案の定と言うべきか、俺達はまたしても地底の迷路の中をさまようはめとなってしまった。
どのくらいさまよっただろうか・・・俺達の前途に広い空間が開けてくる。
俺達は物陰に隠れ込むと、様子を伺った。
モヒカンや逆さモヒカンの髪型をしてヘビメタ風の衣裳をまとった男達が十数人たむろしている。
「あいつらも教団の正規兵力ではありませんな。やはり春虎念興業の手の者かと・・・」
「教側はここらあたりにも兵力を配置していたか・・・正規の兵力ではないあたりは軽く見られているということだが、これはむしろ都合が良いかも知れぬ」
ガイア・ノムラの言う“むしろ都合が良い”という意味は説明を要求する必要もないことである。
「いきなり痛め付けるのも気の毒だから、取り合えず芝居を打って騙してやるとしよう。エヴァ・フェット、お前は装甲服を着たままだと具合が悪い」
「やれやれ、昨日から着たり脱いだり、忙しいですな」
俺は装甲服を脱いで、お気に入りのコスプレ衣裳姿になる。
ガイア・ノムラは何食わぬ顔をして春虎念の傭兵達がたむろする広場へと出て行った。
「やあやあ、皆さん」親しい友達にでも会うように平然と手を振っている。肝の据わった奴だ。
「何だ、おめえは?」モヒカンの1人がそう言ったが、思ったほどは違和感のない口振りだ。
「俺達は大神殿に戦況を報告に行く途中だったんだが、迷路みたいなので道に迷ってしまったんです。大神殿へはどう行けばいいんですかね?」
「何だい、間抜けな奴だな」モヒカンどもは笑い飛ばしていたが、ガイアの後ろからついて歩いている俺に気づいた。「おっ、やけに可愛らしい女の子がいるじゃねえか」
俺が素顔を明かしていると、女に飢えているこいつらには“可愛らしい女の子”に見えるようだ。気分が悪くなる話である。
「ああ、こいつですか」ガイアはもっともらしく言いくるめる。「こいつは新しく入ったアルバイト職員ですよ」
「なあ、よう、大神殿に報告なんてする必要もねえだろう? どうせ相手は使徒人間の出来損ないなんだから、俺達が手を抜いたって負ける心配もねえだろうし、お前達も仕事なんかサボっちまえよ」
“よし、今度は私が相手よ!”サラが言うと、K-1ゲリオン6号機『サラマンダー』が煙の中から前へ飛び出る。
だが、それを聞いてむしろ黙っていなかったのはユノの方であった。
“ずるい! そいつはあたしの獲物よ! 邪魔しないで!”
“あんたの獲物だって誰が決めたの! あんたは下がっていなさいよ!”
敵を前にしてサラとユノは仲間割れを始める。それもどちらが敵を倒すかを巡って、である。
“フハハハハハ・・・あんた達、馬鹿ァ!”もちろんそれはメンチの側から見れば馬鹿にしか見えないであろう。
“こんな所で仲間割れしてたんじゃ、あんた達に勝ち目なんてないわね! 喰らえ、張り手ショット!”
スモーウォーカー『飛朱雀』の両方の手のひらから張り手ショットが放たれる。
またも空中で爆発が起こり、煙が撒き上がった。
ところが、煙が立ち込める中、突如、『飛朱雀』は後方から首筋に衝撃を受ける。
“ぐえッ・・・!”
後ろに回り込んだK-1ゲリオン『ユニコーン』がムエタイキックをお見舞いしたのだ。
“あたたたたたたたた!”
さらに『サラマンダー』が正面から正拳突きを5,6発くらい喰らわせた。
“ひでぶッ!”
“馬鹿はあんたの方よ! そっくり返してあげるわ!”
“仲間割れしたふりしてたら、見事に引っ掛かったわね!”
“ほんげええええええ〜ッ!”
スモーウォーカー『飛朱雀』は赤い霧の中を墜落して行った。
戦闘準備中だけど、メタモードで333get!
“よし、やったわ!”
“これでエントリープラグを引っこ抜いて活動停止にしちゃえば任務終了よ!”
2機のK-1ゲリオンは赤い霧の中を地上へと降りて行く。
ところが、そこらあたりの地面の上に降りて来た汎用人型決戦兵器は彼女達のK-1ゲリオンだけではなかった。
異形の姿をした4体のEVAが赤い霧の中から現われると、地面の上に倒れているスモーウォーカー『飛朱雀』に迫っている。
それらはクローリー・ヒナ大使の命令で京都の結界の中へ放たれていたEVA次世代試作機であった。
次世代試作機などと言えば聞こえは良いが、もっとわかりやすく言ってしまうと、失敗作である。
パイロットは同化して取り込まれてしまうし、定期的に使徒生物や他のEVAの生体部分を栄養源として吸収しないと活動停止になってしまう。
“うへへへへへへ・・・御馳走にありつけるぞォ〜”
“この間は邪魔が入ったが、今度こそ・・・”
サラとユノは驚愕し、憤慨した。ミゾロギ大佐からその危険性があることは聞いていたからだ。
“ちょっと、あんた達! 何やってるのよ!”
“それは性能は悪いとは言え、一応は大事な兵器なのよ! 勝手にあんた達のエサにするんじゃないわよ!”
“カタイこと言うなよ。減るもんじゃあるまいし”
“何言ってるのよ! あんた達が食べたら減るじゃないの!”
クローンアスカ達と次世代試作機にパイロット達が言い争っている間に倒れていた『飛朱雀』が起き上がる。
と、思ったら、突然、首筋からエントリープラグが外へ飛び出した。
以前にもこんなことがあったが、どうやらこの『飛朱雀』にはちょっとしたことでエントリープラグが飛び出してしまうという欠陥があるようだ。
『飛朱雀』の本体から飛び出したエントリープラグは赤い霧の中へすっ飛んで行った。
「そういうわけにも行きませんよ。一応は仕事ですから。大神殿へはどう行けばいいか教えて下さいよ」
「意外に真面目な奴だな。大神殿へ行くにはそこの洞穴を右へ曲がって左に曲がってぐるっと回って行けばいいんだ」
そいつは説明するのが下手ならしく、少なくとも後ろで聞いている俺にはさっぱりわからない。
「あの・・・全然わからないんですが・・・」ガイア・ノムラも同じようだ。「誰か道案内して下さいませんか?」
「道案内?」そのモヒカン頭はあからさまに嫌な顔をする。「面倒くせえ。そんなことやってられるか」
「そんなこと言わないで、大神殿まで案内して下さい」後ろで聞いているだけでは具合が悪いので、俺もいかにもそれらしい口調で言った。「私からもお願いします」
俺がそう言ったのが効いたようだ。モヒカンや逆さモヒカンのならず者達の間から歓声があがる。
「よ〜しよし! それじゃあ俺が案内してやるよ、お嬢さん・・・」
「おいこら、抜け駆けするな! 俺が案内してやる!」
「何だと、てめえ! 引っ込んでろ!」
全く馬鹿馬鹿しい話だが、春虎念のザコ兵士どもは誰が俺達を大神殿へ案内するかで仲間割れになり、殴り合いまで始めたのだ。
「いや、待て・・・争うまでもねえ」ややあってようやく争いは収まったが、またろくでもないことを言う奴がいる。「みんなで案内してやればいいんだ」
おいおい、冗談じゃねえぞ。道案内してくれる奴はせいぜい1人か2人いれば良い。人数が多くてもウザイだけだ。
「やれやれ・・・やはり回りくどいことをするとろくなことがありませんな、ガイアさん」
「うむ、やはり最初から力ずくで締め上げて大神殿への行き方を聞き出した方が良かったかも知れんな」
あげ
「あん? 今、なんつった?」モヒカンザコの1人が言った。「ガイア・・・って言わなかったか?」
しまった、つい口が滑った。
俺がガイア・ノムラとの会話でうっかり「ガイアさん」と言ってしまった(
>>335)のはこいつらにもしっかり聞こえていたのだ。
「ガイア、だとォ? 」
「ガイアって、傭兵の世界ではエヴァ・フェットと双璧のビッグネームと呼ばれてる奴かよ?」
モヒカンやら逆さモヒカンやらが俺とガイア・ノムラを取り囲んでいる。
そのうち1人が俺に目を合わせ、たちまち驚愕した表情になった。
「こいつ・・・眼が赤いぞ・・・! 青い髪の毛と赤い眼・・・あのエヴァ・フェットが仮面を取った素顔がそうだって教団の奴らから聞いたことがあるぞ!」
「それじゃあ、まさかこいつら・・・」
ならず者あがりのザコ兵士達もある程度の知識は持っているらしい。
「やれやれ、芝居を打って騙そうなんて、回りくどい方法を取ったのが失敗だったな・・・」
「申し訳ございません、私が口を滑らせたばっかりに・・・それで、この状況をどうします?」
「こうなったら、むしろ話は早いな」ガイア・ノムラは春虎念興業のザコ兵士達に言った。「少しばかりウソがありはしたが、我々が教団大神殿へ行きたいのは本当だ。案内してくれんかね?」
「冗談じゃねえ、誰がお前らなんかを・・・」モヒカンはそこまで言って思いとどまり、言い直した。「いや、待て。連れて行ってやる。お前らを大神殿へ連れて行けば、俺達は大手柄だ」
ザコ兵士どもが周囲を取り囲む中、俺とガイア・ノムラは背中合わせになって立つ。
「どの道、こうなるわけだ。少しばかり手荒になるがな。少しは手加減してやれよ」
「了解。全員皆殺しでは大神殿への道のりを聞き出せなくなってしまいますからな」
春虎念興業の兵士達が歓声をあげて一斉に襲い掛かって来る。
破壊された京都の街並。瓦礫の山の中に半壊した円筒形の物体が突き刺さっている。
その瓦礫の山を甲冑のような物をまとった男が走り寄って来る。
<あれは先ほど墜落したスモーウォーカーのエントリープラグだ。機能は停止しているが、生命反応はある。パイロットは生きているぞ!>
「よし! それでは助けねば!」
葉隠覚悟はエントリープラグのハッチを力ずくでこじ開ける。
オレンジ色の液体が溢れ出し、若い女が転がり出て来た。
年齢は20代の前半くらいで、髪の毛は赤く、入院して手術を受ける時のような白い服を着ている。
<気をつけろ! 先立ってのユキナとかいう女兵士のように助けても恩を仇で返してくる危険性もある!>
「承知! されど見殺しにはできぬ! 恩を仇で返された時そのは時だ!」
覚悟は女の頬を平手で叩く。
女は顔をしかめてから両目を開けた。
「うう・・・ん・・・はっ・・・ここは一体・・・あ、貴方は誰・・・?」
女の声は美声とはとうてい言いがたく、むしろ不快感さえ覚える。
覚悟はヘルメットを脱いで素顔を見せた。
「我が名は葉隠覚悟。京都の地で綾波教団に苦しめられし人々を助けるため参上つかまつった。お手前も教団から逃げて来た捕虜か何かの方か?」
「ああ・・・そうだ・・・私は・・・」女は自分自身の記憶をたどって今までのことを思い出そうとする。
「私も教団の大神殿を爆破するために潜入して・・・でも、痺れ薬の入ったお茶漬けを食べさせられて捕まったんだっけ・・・」
そして、女は自分自身のいでたちに気がついて驚いた顔になり、耳触りな甲高い声で叫んだ。
「なっ、何よ、この服装!? どうして入院して手術受ける時みたいな服着てるの!?」
そんなことを言われても、何とも言いようがなく、覚悟はただ困惑するばかりである。
やはりろくでもない女に当たってしまったようだ。
「ね、ねえ、ハガクレカクゴさん。このあたりに服とか化粧品とか手に入る所ない? こんな格好じゃ恥ずかしくて外を歩けないわよ!」
「あの結界が“霧”をベースとするものであれば、その物理的特性は煙と同じであるはずです。つまり、地面より上でしか効力を持ち得ず、地面の下では効果がないと考えられます」
私が先ほどからスモーカー大佐になぜ「煙に変身して地面の下へ潜ることができるか」などと質問している(
>>304)のか、ギーガー様や他の人々にもウスウスはわかってきたようだ。
「また、迎撃しているのが第3使徒ラミエルであれば、あやつは地面に管のような物を突き刺すことはできても、荷電粒子ビームでは攻撃できません。つまり・・・」
「つまり、地面の下は敵の側の防御も迎撃も手薄である、というわけか」ギーガー様が言った。
「はい。と、言っても、これはあくまで私の仮説ですが・・・しかし、『アルダ・サルバ・アサナ』と同じ方法を取っていては二の舞になってしまう危険性があります」
「呼び、ました、か・・・?」
キサラギ博士が乗りボケをかますが、私は慌てず騒がす無視する。
「うむ、あの結界が“霧”でできているのであれば、その仮説は正しい。それにおぬしはラミエルとの交戦経験もある。だが、具体的にどうする? 結界の外側から中へトンネルを掘って行くとなると・・・気が遠くなるぞ」
「通常の土木掘削機械を使って掘ればそうでしょうが・・・私達には秘密兵器があります。スモーウォーカーがまだ何体か残っていましたな?」
ギーガー様もキサラギ博士もスモーカー大佐も、その場に居合わせた誰もがすぐには私の言っていることがわからなかったようだ。
「どうするつもりだ、フウイ?」
「我がトライラックスの次世代EVAは力技に関しては優れているはずです。今こそそれを活用する時です。スモーウォーカーやK-1ゲリオンを使って地面の下にトンネルを掘り、結界内部へ潜入するのです!」
「あのアスカって奴は一体何なんだ!?」ミゾロギが大神殿へ戻って来るなり悪態をついた。「どうして教団の味方についてるんだって質問したらいきなりキレて刃物で斬り付けて来たぞ!」
「あやつはああ見えて気位の高い奴だからな」主席司教がたしなめるように言った。「我が教団の次席司教達もあやつの扱いには手を焼いておる」
「それにしても、僕ちゃんはあんたにサンダルフォンの力を授かったおかげで通常兵器の攻撃ではビクともしないようになったと思ってたが、あいつはかすり傷とは言え、僕ちゃんに傷をつけやがったぞ!」
「あの女はまがりなりにもサードインパクト前にはサンダルフォンを退治した奴だからな」
「そう言えば、あいつ、昔、えらい目に遭ったとか言ってたな・・・」
「まあ、味方につけておけば心強い奴よ。お前とて我々の側にとっては重要な戦力だし、仲間内でのいさかいは無用だ。それよりもミゾロギ、地底の強制労働区では面白いことが起こっているぞ」
主席司教が部下に命令すると、モニタースクリーンに地図のようなものが映し出される。
「これは数ヶ月前の強制労働区の見取り図だ。あれからまた新しいトンネルを掘らせたので、今はもっと複雑に入り組んでいるがな。わかっているだけもで10箇所以上は大神殿の外側に通じる抜け穴がある」
「ふん、それでどうしろと?」
「我々に対して反乱を企てている異端思想者どもは捕虜や使徒人間の失敗作など、たいしたことのない奴らなので、実際に我々の脅威となることはないが、念には念を入れて奴らの退路をふさいでおく必要がある」
「それで、兵力は配置してあるのかい?」
「一応はな。だが、春虎念興業に集めさせた傭兵どもは隙あらば仕事を怠けようとする嫌いがあるので、奴らを監視するのも兼ねて、お前の分身達も配置して欲しい」
「了解、了解。さっきはK-1ゲリオンやら重装備軍隊やらが相手だったので全滅させられたが、今度はそうは行きませんな」
モヒカン頭の大男が俺に襲い掛かって来る。
銃を持っている相手には装甲服を着ていないと分が悪いが、敵は俺達を生け捕りにするつもりらしいので、これはむしろかえって有利だ。
装甲服を着ていない状態なら、俺はより俊敏に動ける。
俺は襲い掛かって来た大男の大振りな動きを軽く避けると、みぞおちに一発、こめかみにもう一発、パンチを喰い込ませた。
「わばら!」
2人目はヒザに蹴りを入れ、バランスを崩した所で首筋に蹴りをお見舞いする。
「あべし!」
3人目のモヒカンと4人目の逆さモヒカンは両側から挟み撃ちする形でかかって来たが、俺が避けるとお互いのパンチで同士討ちになった。
「たわば!!」
5人目はまごまごしているうちに背後へ回り込み、バックドロップをかました。
「ひでぶっ!」
俺が5人片付けている間にガイア・ノムラも同じだけ始末していたようだが、ついに面倒臭くなったようだ。
「よし、例のをやるぞ! 耳をふさげ!」
敵は何のことやらわからなかったようだが、俺はすでに経験済みなので咄嗟に両手で両耳をふさいだ。
全身が震えるような振動を覚え、残っていたモヒカンや逆さモヒカンはガイアの声だけで気絶してしまった。
物陰に隠れていた巣輝牙達が俺達に加勢しようと懸け付けて来た時には、敵は全員がノックアウトされていた。
「フン、ちょろいもんだな」
「この程度の兵力しか配備されていないとは、俺達もナメられたものだ・・・」
正気に戻った元トライラックス駐日A級大使付き随行料理人のメンチは廃墟になった商店街から衣類や化粧品を調達して来た。
黒いランジェリーによくよく好きな網シャツ、葛城ミサトジーパンである。
顔にも化粧をし直したメンチは葉隠覚悟に意見を求める。
「どう? さっきまではどっかの先進病院から脱走して来たみたいだったけど、見違えたでしょ?」
しかし、この女がついぞ先ほどまで精神に異常を来たしていたのは事実だし、覚悟にしてみればどの道、ゲテモノ女にしか見えない。
「ねえ、ハガクレカクゴさん。あんた、綾波教団と戦いに行くって言ってたけど、その前に腹ごしらえしなよ。腹が減っては戦はできぬよ」
<そう言えば、昨夜から戦いが続いているが、おぬしは栄養補給をしておらぬ。この女の言う通りだ>
「だが、この廃墟の中で食糧があるのか?」
「まかせて! あたしは元は駐日A級大使の随行料理人だったのよ。食糧を調達するのはお手の物よ!」
メンチは廃墟となった商店街から料理道具と食料品、おまけに使徒化された犬の死体を捜し出して来ると、それらで料理を作り始めた。
「あたし達の国で一番偉いマスター様はガギエルのムニエルが好物だったりするのよ。この使徒犬はどうかしら?」
「かたじけない。一番偉いマスターとはギーガー殿のことか?」
「あ、知ってる?」
「ここへ来る前にお会いした。彼らも綾波教団と戦うためにこの地へ向かっているそうだ」
メンチは使徒化犬の死骸を解体し、その肉を串焼きにする。
<その肉に毒性はないようだ。食べても問題はあるまい>
「うむ、彼女には俺を毒殺するなどというような悪意はなさそうだ」
「さっきから何ブツブツ独り言言ってるの?」
「いや、これは独り言ではない。この強化外骨格に宿っている守護霊達と話しているのだ」
「あんた、外見も変わってるけど、性格的にも相当変わってるわね。友達とか少ない方でしょ? ああ・・・この肉、殺したばかりだから硬くていけないわ。何日か置いてからシチューか何かにした方がいいかしら・・・」
スマソ。
>>342の14行目と15行目の間に
メンチの台詞「えっ、ギーガー様達もここへ?」と入れるのを忘れた。
2行目の「葛城ミサトジーパン」はナイス表現だと思われ。
教団側はたかをくくっていたが、地底の強制労働区に封じ込められ、コキ使われてきた者達の怒りと反動力は凄まじかった。
春虎念興業が駆り集めた兵士達、モヒカンや逆さモヒカンは、ある者は銃で撃たれ、またある者は袋叩きにされて倒されていった。
だが、いつまでも善戦が続くべくもない。
その戦いの中に毛皮の衣服をまとったまるで獣のような大男が乱入して来た。
「わぁーはっはっはっはっは・・・このシモツキ様が全員まとめて片付けてやるぜえ!」
大男は凄まじい怪力の持ち主で、反乱を起こした捕虜や使徒人間の失敗作を殴り飛ばし、また、つかまえては放り投げた。
「くそっ、撃てっ! 撃てっ!」
反乱軍側はシモツキ目掛けて一斉に銃を発砲する。
ところが、シモツキは全身にどれだけ銃弾を受けてもビクともしない。
「ふははははは・・・鍛え抜いたこのシモツキの身体は鉄よりも硬い! そんな攻撃、通用せぬわ!」
反乱軍が教団側から奪った武器類はせいぜいライフルかサブマシンガンどまりだったため、歯が立たない。
シモツキはさらなる猛威で暴れ回り、使徒人間の失敗作達はまるでキューサイの青汁でもぶちまけたようになぎ倒されていく。
もともとただの人間が教団に誘拐され、改造手術には失敗したため、戦闘能力と言えるようなものはなく、訓練されているわけでもない。
恐ろしく強い奴に味方がバタバタと倒されて行く様を目の当たりにして怖気付いてしまい、反乱軍側は総崩れとなってしまった。
「さっきからまた同じ所を堂々巡りしてるような気がするぞ」俺は悪態をついた。「本当にこの方角で合ってるのかよ?」
春虎念興業のモヒカンや逆さモヒカンを締め上げた俺達は、そいつらの何人かを駆り立てて教団大神殿への水先案内をさせることにした。
ところが、こいつらはどいつもこいつも言っていることがてんでバラバラで要領を得ない。
結局、俺達はそいつらのいい加減な情報に振り回されて、またしても地底の迷路の中をさまよい続けるはめとなっている。
「やれやれ・・・俺達は迷路の中を堂々巡りする運命にあるのかよ・・・」
洞窟の天井からポタポタと滴が落ちてくる。
捕虜にしたモヒカンの1人が頭を押さえ、けたたましく悲鳴をあげた。
「ぎゃあああああ! あっ、あっちっち、ちい! 俺のモヒカンが! 焼ける・・・!」
そいつの頭の上のモヒカンから煙があがっている。
「何だ? 何が起こったんだ?」
俺達は一斉に振り返り、洞窟の上の方を見上げる。
そこには岩壁の上を巨大な蜘蛛のような生き物が這い回っている。
「なっ、何だ! あれは!」ガイア・ノムラが信じられないものを見たように叫んだ。「蜘蛛にしてはでか過ぎるぞ!」
そいたうは洞窟の壁面をつたって俺達の前へ降りて来る。
体長はゆうに10メートル近く、蜘蛛にしては人間くさい眼と牙の生えた大きな口があり、その口からヨダレを垂らしている。
そして、そのヨダレがこぼれ落ちた地面からシューシューと煙があがっている。
「使徒生物! 第9使徒マトリエルの一種か!?」
さらに驚いたことはそいつの大きな口から聞き覚えのある声が聞こえたことだ。
「エヴァ・フェット姫様ではありませんか。主席司教殿が言われた通り、この地底の強制労働区におられたのですな」
「はあ・・・食った、食った。味はともかくとして、取り合えずお腹はふくれたわね」
網シャツに葛城ミサトジーパン姿の赤い髪の毛をした女はテーブルの上に両脚を投げ出し、爪楊枝で歯の間をほじくり回している。
恐ろしく下品な女だ。少なくとも初対面の若い男の前ですることではない。
<この女、態度や性格は褒められたものではないが、少なくとも害意はないようだ>
「うむ・・・いや、かたじけない。御馳走になった」
正直な所はかなり印象が悪かったが、葉隠覚悟はそれらしくなく社交辞令的に礼を述べた。
「ねえ、ハガクレカクゴさん・・・あんた、これから綾波教団と戦いに行くんだったよね」
「左様。ここでこうしている間にも京都の住民や外から駆り集められた人々が綾波教団にひどい目に遭わされているゆえ」
「それじゃあ、あたしも連れてって。あたしも教団の大神殿に爆弾を仕掛けるのが目的だったんだけど、失敗して捕まっちゃったから。奴らをギャフンと言わせてやりたいのよ」
「されど、女人の身であれば危険ゆえ、あまり深入りせぬ方が賢明かと存ずる」
「あんたね・・・さっきから聞いてたら、どうして時代劇みたいな喋り方してるの? 考え方も時代劇並に遅れてるのかしら?」
「これは単なる自分の癖なれば、お気になさらぬよう願いたい」
葛城ミサトジーパンの女はテーブルの上から両脚を降ろすと、今度は覚悟の顔をじっと見つめて言った。
「私はね・・・美味しい物が食べたかったら、たとえそれが猛獣の肉でも力ずくで捕らえるし、危険な所へも取りに行くわ。
素手でプロレスラーをノックアウトしたことだってあるし、包丁1本でヌーを仕留めたこともあるわよ。女だと思って甘く見ないでくれる?」
<覚悟、この女はかなり鍛えられた身体と運動能力を持っている。恐らく本当のことを言っているのだろう>
葉隠覚悟は考え込む。
自分1人で教団の大神殿に潜入する方が手っ取り早いし、この女を連れて行くとかえって足手まといになる上に、彼女自身にも危険な目に遭わせてしまう恐れもある。
しかし、さりとてこの赤い霧の結界の中には使徒もどきの類がウヨウヨしているので、彼女をこの場に1人だけ残して行くのも危険だ。
「あいわかった。安全の保障はできぬゆえ、自分の身は自分で守れる自身がおありであれば、お手前もついて来られるがよかろう」
反乱軍に制圧され、仮説前戦基地として流用されていた教団側の警備隊基地に失敗作使徒人間達が敗走して来る。
「た、大変です! 著衛玖様! 敵の側には恐ろしく強い奴がいて、味方は総崩れとなりました!」
「何!? 恐ろしく強い奴だと?」僧侶のような法衣をまとった失敗作使徒人間が言った。「教団の聖騎士団か?」
「いえ、使徒人間の類ではありません。なのに滅法強い奴で、銃で撃っても弾丸を弾き返し、束になってかかっても歯が立ちません!」
「おのれ、こうなったらわしも戦うぞ!」著衛玖は長い棒の先に刃物をくくりつけたような手製の薙刀を取り上げる。
「いけませぬ、著衛玖様! 殺されてしまいます!」
「されど、このまま同胞が殺されて行くのを見殺しにはできぬ!」
「駄目です! 貴方様は我らの思想的指導者、真の救世主をお迎えする準備をするという重大な役目がおありです! この場は我らが喰い止めるので、貴方様はお逃げ下さい!」
「うぬ・・・やむを得ぬ・・・それでは悔しいが、わしは逃げる。だが、必ずや真の救世主様を連れてここへ戻って来るぞ! 真の救世主とともにあらんことを!」
「ははっ、真の救世主とともにあらんことを!」
そして、著衛玖はわずかばかりの側近達を引き連れて地底の迷路のような洞窟を逃げて行った。
「その声・・・お前、もしかして・・・」俺の脳裏にある男の記憶がよぎる。
「ヤッホー、ミゾロギ君だよォ〜♪」蜘蛛のような姿をした巨大な怪物は聞き間違えようのないナンパな口調で言った。「お久しぶりですねェ〜」
「ミ、ミゾロギ・・・お前、ミゾロギ少尉か・・・?」
「今では少尉ではなく大佐だ。ミゾロギ少尉ではなく、ミゾロギ大佐と呼びたまえ」
「知り合いなのか? この化け物・・・」ガイア・ノムラが俺に質問した。
「ええ、はい・・・クローリー・ヒナ大使の側近の1人で、使徒能力を使う奴です」
俺は以前、ミゾロギが“分身端末使徒”とかいうのを見せてくれたことを思い出す。
だが、あれは人間の眼球から蜘蛛のような触手が生えたような形状で、手のひらに乗るくらいのサイズだった。
「一体何があったんだ? お前、どうしてそんな化け物のような姿に?」
「化け物とは失礼な。パワーアップしたのだ。綾波教団の主席司教殿が僕ちゃんに新しい力を授けてくれたのでね」
「主席司教から力を授かった、だとォ!?」
「主席司教は僕ちゃんに命令したね! 教団に対して反乱を起こす者達の退路を遮断しろとな!」
「ま、待て、ミゾロギ! お前もトライラックスの兵士なら教団側に味方などせずに、俺達に力を貸してくれ!」
無駄だとはわかっていたが、俺は取り合えずミゾロギを説得しようと試みる。
もちろん通じるべくもなかった。
「教団に歯向かう奴らは僕ちゃんが成敗してやる! ついでに仕事を怠けたり敵を道案内するような役立たずどもモナー」
「ひえええええ!」捕虜にしたモヒカンや逆さモヒカンが怖気付いて蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。「助けてくれェ〜!」
「エヴァ・フェットォ〜、君はせっかくヒナ嬢様が目をかけて下さったと言うのに、その器じゃなかったんだよねェ〜。僕ちゃんも残念だよォ〜」
俺は武器を構える。
「そうと決まれば話は早いわ。それじゃ取り合えず・・・食後の運動でもしましょう」メンチは廃墟となった商店街の店の一軒を指し示す。「この店の奥にちょうどいいベッドルームがあるわよ」
「ベッドルーム?」葉隠覚悟はこの見るからに淫らな女の言っている意味がわからない。「なぜベッドルームで食後の運動をする?」
「また、とぼけちゃって・・・もう、坊やなんだから。男と女がいて、ベッドルームで運動して汗を流すことって決まってるじゃない?」
そう言いながら、メンチは強化外骨格の上から覚悟に抱きつく。
<この女、害意はないようだが、もともとろくでもない奴だ! 本来は生殖のためにすることを軽い娯楽程度にしか思っておらぬ!>
「悪質な冗談は休み休みにせれよ! 我は学徒の身なれば、みだりにそのようなことはでき申さぬ・・・!」
「やあねえ・・・あんたって堅苦しいんだから・・・」
と、突然、女がハッとして振り返る。
<敵が迫っているぞ! 使徒生物のようだが、先ほどよりも数が多い!>
赤い霧の中を使徒もどきの怪物が十数体、ぞろぞろと集まって来ると、彼らの周囲を取り囲んでいる。
「どうやら・・・食後の運動にちょうどいいのが来たようね・・・」メンチが両手に包丁を握る。「ハガクレカクゴさん、あんた、半分お願いするわ」
「心得た」
使徒もどき達が襲い掛かって来る。
覚悟とメンチはそれぞれ反対の方角へ飛び退いた。
覚悟は零式防衛術で使徒もどき達をなぎ倒し、メンチはまるで武芸者のような包丁さばきで斬り伏せて行く。
瞬く間に、その商店街の廃墟には使徒もどきの死体の山が出来上がった。
強制労働区の思想的指導者であった宗教学者の著衛玖はわずかな側近達を引き連れ、地底の迷路のような洞窟の中を逃げている最中であった。
だが、その彼らの行く手に身の毛もよだつような怪物が立ち塞がった。
「なっ、何物だ!?」著衛玖の側近達は武器を構える。
それは体長がゆうに10メートルくらいはありそうな巨大な蜘蛛のような生き物で、やけに人間くさい眼と牙の生えた口をしていた。
「逃げようったって、そうは行かないよ〜だ」その怪物は人間にわかる言葉で言った。「逃げる奴は許すなって主席司教殿の命令だもんね〜」
「くそっ、教団側の手が回っていたか! やむを得ん、強行突破だ! 撃て!」
失敗作使徒人間達は一斉に銃を発砲する。
しかし、蜘蛛型使徒生物はパチパチ瞬きをするばかりで、ライフル銃やサブマシンガンではたいしたダメージにはならない。
「ブヒャヒャヒャヒャ・・・くちゅぐったぁ〜い。そんなオモチャみてえな銃じゃ、僕ちゃんの分身使徒には通じないねぇ〜」
そして、蜘蛛型分身末端使徒は口から白い液体を凄まじい勢いで吐き出し、それは空中で固体化すると、粘着性の糸になって失敗作使徒人間達に絡み付いた。
「お、おのれぇ!」著衛玖は薙刀で粘着糸を切り払うと、身の程をわきまえずに蜘蛛型使徒に挑みかかる。「わしが成敗してくれるわ!」
もちろん屁の突っ張りにもなり得なかった。
著衛玖は蜘蛛型使徒に一太刀も浴びせることさえできずに、得物を粘着糸で絡め取られ、触手ではたき飛ばされてしまった。
倒れされた失敗作使徒人間達の周囲に黒い影のような空間が現われる。
ミゾロギ・サンダルフォンの本体が操るディラックの海である。
ディラックの海は地底の洞窟の中に広がると、倒れている失敗作使徒人間達を吸い込んで行った。
「ひえええええ・・・!」著衛玖が怖気付いて逃げようとする。
だが、ディラックの海の中から巨大な手のようなものが現われると、著衛玖の身体をわしづかみにして、暗闇の空間へ引きずり込んで行った。
「撃て!」ガイア・ノムラが叫び、俺達は一斉に発砲した。
だが、通常の対人用の銃器では、体長が10メートルもある怪物にダメージを与えることなどできるはずもない。
「ブヒャヒャヒャヒャ・・・くちゅぐったあ〜い」ミゾロギの分身使徒はパチパチ瞬きをするばかりで、平然としている。「そんなオモチャみたいな銃じゃ、僕ちゃんの分身には通じないねぇ〜」
そして、ミゾロギの分身使徒は口から凄まじい勢いで白い液体を吐き出すと、それは空中で固形化して粘着性の糸になって俺達に絡み付いて来た。
使徒人間の失敗作達が粘着糸に絡まれてもがいている。
「くそっ!」俺はサバイバルナイフで粘着糸を切り裂き、ライフルから銃火炎放射器に持ち替える。「これでも喰らえ!」
火炎放射で粘着糸を焼き払い、さらに蜘蛛型使徒にも火炎放射を浴びせる。
「あっちっち、ちい! 何しやがる!」
燃え盛る炎の中から怪物が現われ、悪態をつきながら口から黄色い液体を吐き出して俺に浴びせた。
俺の装甲服から煙があがった。
今度は粘着糸ではなく溶解液の類のようだ。
装甲服を着ていなかったら危なかったろう。
と、ひるんだ瞬間、ミゾロギの分身使徒はゆうに大人の男の胴回りほどもありそうに太く、俺の身長の2倍くらいはありそうなくらい長い触手で俺をはたいた。
「ぐ、えっ!?」俺はその凄まじいパワーではたき飛ばされ、ゆうに10メートルくらいはすっ飛ばされてしまった。「ぐわあああああ・・・!」
<綾波教団の大神殿は先ほど潜入した時よりも警備が厳しくなっている! 正面から入り込むのは骨が折れるぞ!>
「うむ、俺1人であればできぬことではない! されど、この御婦人を連れていては、正面からの強行突入は危険だ!」
「あんた、さっきから何ブツブツ独り言言ってるの?」
「先ほども言ったであろう? これは独り言ではない。この強化外骨格に宿る守護霊達と話しているのだ!」
メンチは自分の頭の上で人差し指を回した。
<覚悟! また新たな敵が迫っているぞ!>
「む! 新手の使徒生物か!?」
<生物ではない! 生命反応のない敵だ!>
「何!? 生命反応のない敵だと!?」
<恐らくは我らと同じ、霊の力で動いているものと思われる!>
「霊の力・・・!」
強化外骨格・零に宿る三千の怨霊の声はそれを着ている覚悟本人にしか聞こえないから、そばで聞いているメンチには覚悟には覚悟が独り言を言っているようにしか聞こえない。
メンチはますます困惑する。
赤い霧の中から複数の人影が現われる。
人数は先ほどの使徒もどきよりは少なく、形状も人間に近い。
まるでミイラのように全身に包帯を巻いていて、眼が赤く光っており、手には古ぼけた刀のような物を持っている。
<こやつらの身体hすでに死んでいる! 綾波教団が呼び出した亡霊の類が屍に乗り移って動いているのだ!>
「つまり・・・ゾンビの類か!」
さすがにメンチもそいつらの放っている異様な妖気のようなものを感じて、怯えているようだ。
「駄目・・・あたし、こういうの苦手・・・何とかして、ハガクレカクゴさん・・・」
“貴様達か・・・我らの眠りを妨げるのは・・・”
包帯だらけの死霊達は声に出す言葉ではなく、覚悟達の意識に直接語りかけて来た。
それはメンチにも理解できるものであった。
「あいつら・・・何か言ってるわよ・・・」
「待て! 相手の言い分も聞かねば反論はできぬ!」
「こんな時によくそんな悠長なこと言ってられるわね、あんた・・・」
「こやつらを力ずくで蹴散らすのは容易い。されど、こやつらの怨念がこの世に残る以上、異なる身体の器を得て甦ってしまう可能性もある!」
<その通りだ、覚悟! しかし、一体いかにすれば良い?>
「我らの力でこの者達を成仏させてやろう! 零の成仏機能であればできるはず!」
<心得た! 成仏機能、始動!>
“我らの魂の安息の地であるこの京都を侵害する者は許さぬ・・・”死霊達は語る。“教団の司教達は我らに命じた・・・侵入者を排除せよ、と・・・”
「なるほど、それがうぬらの言い分か」覚悟は至って冷静な態度で受け答えて言った。「されど、うぬらは認識を誤っておる! うぬらの安息を損ねるのは我らではなく綾波教団の方ぞ!」
“これはしたり・・・教団がなぜ我々の魂の安息を妨げていると言うのか・・・?”
「綾波教団はすでに死んでいるおぬし達の霊をこの世に呼び戻し、戦力として使っている! 外部の人間は敵だとおぬしらを騙して、な! だが、我らが教団を倒せば、おぬしらの魂は自由になる!」
赤い霧の中で、全身にミイラのように包帯を巻いたゾンビ達が甲冑を着た男と露出狂がかったファッションの女を取り囲んでいる。
“なるほど・・・おぬしの言うことにも一理あるわ・・・”ゾンビ達の一人がテレパシーを使って言った。“おぬしの名を聞こう”
「我が名は葉隠覚悟! 葉隠覚悟と申す!」
“葉隠覚悟か・・・覚えておくぞ!”
“我らは綾波教団に騙されていたのかも知れぬ・・・”
“我らはこの戦いからは手を退こう・・・”
“されど、おぬしに申しておくことがある・・・”
“教団の大神殿は警備が厳重ゆえ、生身の人間は容易には忍び込むこともかなわぬ・・・”
“されど、大神殿地下の強制労働区は警備が比較的手薄だ・・・”
“このすぐ近くの旧京都市営地下鉄駅跡の構内に、地底の強制労働区へ通じる抜け穴がある・・・”
“そこより強制労働区を通じて大神殿へ潜入するが良い・・・”
“さらばだ、葉隠覚悟・・・おぬしの武運を祈っておるぞ・・・”
霧の中を風が吹き抜ける。そこには全身を包帯でグルグル巻きにされたかなり古くミイラ化した人間の死骸が5,6体散乱していた。
<あの亡霊達も成仏したようだ>
「いや、まだ不十分だ!」葉隠覚悟は手のひらをかざし、昇華弾でミイラ死体を焼き尽くす。「綾波教団を壊滅させねば、あの者達の霊がまたこの世に呼び戻されるかも知れぬ!」
>>331以降、ほとんど私1人でネタカキコしていますね。
噛ませ犬ばかりとは言え、あまりに登場人物を多く登場させ過ぎたので、
最終決戦に際してどのように配置するか、準備立てが大変です。
エヴァ・フェットはミゾロギの分身使徒に苦戦しているくらいなので、
超機人が登場したら、どう対抗させたらいいものか・・・。
実はエヴァ・フェットVS超機人というのをどのような戦いにするかで
困っていいたりする。俺は戦闘シーンが苦手だし。
俺が書くと、戦闘シーンに迫力がないよな。
ひとまずレス。
向こうの都合によりプロバ変更が確定しました。
6月残りは移行期間で、移行中の作業でレスが一時的に
全く出来なくなる可能性がありますのでご了承ください。
お手数かけます、すんません。
357 :
ト:03/06/12 21:49 ID:???
俺はトライデント2に乗り込み、待機している。OTRが移動可能な位置まで進んだ
後、地上戦が開始されるまでは俺達はこれで移動する事になるし、例の車を待機させ
ておく場所もここだと決まっているからだ。
現在、零号機と二機のトライデントが警戒しながらOTRに併走。京都に近づけば残
りのエヴァも起動する事になっている。さっき、ネルフ本部が浮上し、こちらに向かっ
ているという情報が入ったが、それが無ければ、当初の予定通り、エヴァを使って、
力で結界を破る事になっていただろう。そして、余計な事に労力を取られると、それ
だけこちらの隙が増す。司令がなにかやらかしてくれるらしいのは非常にありがたい。
そして、俺達の所からもその京都を囲む壁が確認できた。
……装甲服の下の身体に油汗が流れる。ここからでもその禍々しさが感じられる。奴
等、なんて物を使いやがるんだ。
そして、残りのエヴァが起動した。
この壁の周囲で起きるらしい、機器の不具合は今の所無い。ネオ戦自からの手配で
対抗策が用意された上、OTRの周囲に五機もエヴァがいるせいだろう。あの壁を
構成している、いわゆる『怨霊』とやらも近寄れないらしい。
しかし、壁そのものは極めて強力な強制力でもって存在しているらしいので、エヴァ
が近づいてもその動きは止めない。
そんな時、発令所の方から通信が入った。その通信の訳は、すぐにわかった。
空から地上に巨大な影が差す。……ネルフ本部が到着したのだ。
京都の様子が見える。赤い壁に囲われた都市。その内部がどうなっているのかは、
こちらからは見当もつかない。司令が言うには、あの壁を構成しているのは、かつ
ては人間だった者達……すなわち魂…いや、むしろ怨霊と言った方がふさわしい
存在らしい。なんでも、おそらくはあの主席司教の力で、こちらの世界と異なる
世界の境界が薄れ、このような現象を引き起こしているんだとか。そして、司令
は下方にOTRとネオ戦自の艦隊に連絡を入れた。彼が連絡した内容は、今から
ネルフ本部が壁に穴を開け、それを維持する。そして、京都のどこかにこの現象
を起こす媒介となっているポイントが存在する筈だから、まずはそこを叩けとい
う事だった。この結界が存在するままでは、あまりにこちらが不利だと。
そして、彼は赤木博士に号令を下す。
「主砲、発射用意。発射後は照射を続け、維持せよ」
それと共に、光の巨人の姿をした彼の背中から光の翼が出現し、更に彼の身体
から光の触手のような物が出現し、MAGIへと接続された。そして、彼は叫んだ。
「ブラック・ムーン・キャノン、発射!!」
ネルフ本部の正面に、砲身がせりあがる。あれは陽電子砲!? そして、それは
見る見る内に変形し、巨大化して、極めて巨大な砲身となった。
そして、本部全体が一瞬光に包まれたかと思うと、砲身から、妙な表現だが、黒
い光が照射され、赤い壁に穴を開けた。そのまま光は形を変え、赤い壁を押しの
け、アーチ状の穴になり、道が開けた。
やった! と、思ったその時、壁の中から一条の光線がネルフ本部に向けて飛んで
くる。本部はATフィールドに似たバリアを貼り、それを防ぎ、事無きを得た。
何事かとそちらを見ると、そこには情報にあった姿……第伍使徒ラミエルの姿が見えた。
「ぬうっ!」
こちらが放った光線で、赤い壁に穴を直後に敵側からも光線が飛んでくる。司令
は思わずうなり声をあげた。バリア(司令が接続されている事で強化されているら
しい)で防いだものの、俺はかなり驚いた。司令や赤木博士は平然としたものだが。
「……問題無い。予定通りだ。こちらも返礼をしてやれ」
平然と言い返した司令は、別の砲塔の発射を命じる。
そして、本部の下側から出現した二連砲塔から発射された白い光は、相手の使徒
のATフィールドを打ち抜き、撃破するかと思われた。
……しかし、敵の使徒のATフィールドを破ったと思った瞬間、ATフィールド
の内側に黒い穴が開き、こちらの光線を吸い込んだ。そして、こちらの側面に
黒い穴が開き、そこから、『さっきこちらが放った光線』がこちらに飛んできた。
「むっ! しまった!!」
珍しく司令のあせった声が響く。しかし、次の瞬間、パワーを開放し、盾を構え
た零号機が間に割って入り、光線を防いだ。
「……すまない、レイ」
司令は謝辞を示す。その時、巨大な人影が出現した。
ども、????他です。主席からの挨拶をやろうと思った時点で時間切れ
に。変な所で切ってすみません。
一応、零号機と後一機くらいはこの場に残して、三機ほどのエヴァと一部
部隊が結界壊しに出撃し、残りは艦隊と戦う予定です。(ちなみに巨大
な人影は主席の幻影)
また、ラミエルへの攻撃を邪魔したのはレリエルです。つまり、レリエル
をどうにかするか、ラミエルに接近するかしないとラミエルを倒すのは
困難なんですね、これが(藁
「・・・と、いうわけだ」スモーカー大佐が部下達に私の提案した作戦を説明した。「京都に着いたら、スモーウォーカーで地面の下に穴を掘って結界の中へ突入する。俺達が突破口を開くのだ!」
「スモーウォーカー部隊の名誉挽回、汚名返上のチャンスでごわす!」
「わしらのことを大飯食らいの役立たず呼ばわりした奴らのハナを明かしてやるでごわす!」
以前、スモーカー大佐の部下として配属されていたスモーウォーカーのパイロット達は、私が駐日大使職を解任された際に同じくして本国へ送還されていたが、今回の戦闘では前線に復帰していたのだ。
だが、その一方で、離れた所から彼らを冷ややかに見据えている者もいた。
ライトブルーのプラグスーツを着た3人のK-1パイロットの1人、例のシヴァとかいうクローンアスカである。
「フン、役立たずのスモーウォーカーパイロット達が息巻いてるわ」
「やめなさいよ、シヴァったら・・・聞こえたらどうするの?」
「別にいいんじゃない? あの人達だって自分達が無能だってこと十分自覚してるみたいだし・・・」
あいにくとスモーカー大佐には聞こえていたようだ。
「そいつは聞き捨てならねえな、お嬢ちゃん達」スモーカー大佐はクローンアスカ達に詰め寄るように言った。「確かに俺達は操縦が下手だ。だが、人間、向き不向き、得て不得手ってもんがあるだろう?」
「あ、聞こえました? お気に障ったらごめんなさい」と、言ったのはシヴァではなく、セトとかいうクローンアスカだ。
だが、当のシヴァは“フン”という感じで、両腕を組んで自分よりも身長の高い相手を見下すような動作を示している。
「まあ、聞いてもらおうか・・・俺達は結界の中に入り込むための突破口を切り開く。君らが結界の中へ入って戦うための、な」
「はい、よろしくお願いします」セトはスモーカー大佐に深く頭を下げてお辞儀をする。
しかし、シヴァは「そうね。力仕事は力仕事しか能のない人達にお任せするわ」などと、神経を逆なでするようなことを言った。
全く、あのシヴァとかいうのはどこかの誰かさんにそっくりで、鼻っ柱の強い嫌な性格をしている。
葉隠覚悟はメンチを連れて亡霊達が言っていた今は使われていない市営地下鉄の駅の跡へ降りて行った。
なるほど、駅の構内の壁に大きな横穴が開いていて、さらに地下深くへと続いている。
<油断するな、覚悟! 亡霊達は警備が比較的手薄だと言ったが、それはあくまで比較的ということを忘れるな!>
「承知! 重要度は置かれていないにせよ、教団側のテリトリーであれば、何がしかの兵力は配備されていると考えて良いはず!」
ここまで来ると、さすがにメンチも下手にツッコミは入れて来ない。
<むっ! 邪念を持つ生き物が我らの行く手に立ち塞がっているぞ!>
「やはり教団の手の者か!?」葉隠覚悟は身構える。
彼らの前途、洞窟の中に体長がゆうに10メートルくらいはありそうな巨大な蜘蛛のような生き物がうごめいている。
「なっ、何よ!? これ!」メンチがただでさえ聞き苦しい耳障りな声で悲鳴を上げた。「こんな馬鹿でかいのも使徒もどきの一種なの!?」
だが、そいつは人間にもわかる言葉を話した。
「いよお、メンチさんじゃねえか? エントリープラグごとすっ飛んで行ったと思ったら、ちゃんと生きてたのかよ。僕ちゃん、心配しちゃったじゃねーかよ」
「そ、その声は・・・!」メンチは怪物の声に聞き覚えがあるようだ。「おまけに自分のことを“僕ちゃん”だなんて・・・あんた、もしかして・・・」
「そうだよ、僕ちゃんはミゾロギ君だ」自分の名前を君付けで自己紹介するのはこのミゾロギという男の特徴であった。
「そんな・・・しばらく見掛けない間になんて変わり果てた姿になっちゃったの・・・それじゃまるで化け物じゃない!」
「化け物とは何だ! これは僕ちゃんの分身端末使徒だ! 僕ちゃんは大神殿から遠隔操作しているのだ!」
「だったら話は早いわ。大神殿まで案内してくれない?」この状況でよくそんな台詞が出て来るものだ。「そしたら後でサービス、サービスしてあげるからさァ」
「君1人ならいいけど、そっちの鎧みたいなのを着た奴はご免だねえ。そんな奴、大神殿へ連れて行ったら、大騒ぎになっちまうからな」
ミゾロギの分身端末使徒はしばらく間を置いてから言った。
「だから、この場で始末してやる!」
「うう・・・ぐぐぐ・・・」地面の上を転がっている俺はどうにかして起き上がろうとした。
俺がゆうに10メートルははたき飛ばされても、敵は体長がこれまた10メートル近くありそうなので、すぐに追いすがってくる。
と、突然、蜘蛛型分身使徒の頭の上に何者かが飛び降りた。
スキンヘッドの頭にバンダナを巻いている。ガイア・ノムラだ。
ガイア・ノムラはサバイバルナイフで粘着糸を切り裂いて逃れた後、俺が蜘蛛型使徒と戦っている間に洞窟の壁面をよじ登り、上からの攻撃を狙ったのだ。
「この化け物め! 死ねっ!」と、叫びながら、ガイアは蜘蛛型使徒の頭の上にサバイバルナイフを突き立てる。
だが、体長がゆうに10メートル近くもあるような化け物にしてみれば、サバイバルナイフで刺されてもトゲが刺さった程度にしか感じないらしい。
「そんなんで僕ちゃんにダメージを負わせることができると思ってるのかい? 片腹痛いなあ」
ミゾロギの蜘蛛型分身使徒は身体を大きく揺すってガイアを地面に振り落とし、さらに触手ではたき飛ばした。
ガイア・ノムラもまたゆうに10メートルくらいはすっ飛んで行った。
しかし、これは逆に考えれば反撃のチャンスだ。俺は今度は対戦車自動砲を発砲する。
戦車の装甲を貫通する特殊鋼弾は蜘蛛型使徒の鎧のような表皮に突き刺さり、あたりに青い体液をぶちまけた。
これはさすがに少しはダメージになったようだ。
「痛えじゃねえか! 分身使徒が傷を負ったら、僕ちゃんにも痛みが伝わって来るんだぞ!」
蜘蛛型使徒は牙だらけの大きな口でわめき散らす。
「それじゃあ、飛び切りの痛みをプレゼントだ」俺はN2手榴弾のピンを抜く。「これでも喰らえ!」
俺は蜘蛛型使徒の口の中へN2手榴弾を投げ込むと、回れ右して一目散にその場から逃げ出した。
「あん、ぐっ・・・何だ・・・?」
洞窟の中で凄まじい爆発が起こり、青い液体と肉塊が飛び散った。
<気をつけろ、覚悟! こやつは先ほどまでの使徒もどきの類などと訳がは違うぞ! 見かけによらず知能も高いようだし、手強そうだ!>
「されど、我らの前途を妨げるのであれば、戦うしかあるまい!」覚悟はメンチの前へ手をかざして後ろへ下がらせる。「メンチさん、貴方は下がっていて!」
「ええ、はい・・・でも、あいつは殺さないでね」メンチはそれらしくないことを言う。「死なない程度に痛め付けて、大神殿へどう行けばいいか聞き出したいから」
「了解した!」
「戦いの最中に余計なお喋りをするな!」蜘蛛型使徒は口から白い液体を吐き出し、それは粘着糸となって覚悟とメンチに襲い掛かって来る。
粘着糸に絡み付かれたメンチは包丁でその糸を切り裂いて逃れた。
だが、葉隠覚悟は糸に絡みつかれる直前に空中へジャンプして逃れると、敵の頭の上に飛び蹴りを放つ。
「ぐえっ!」蜘蛛型使徒はガマガエルを踏み潰したような声をあげた。「この野郎、なかなかやるな・・・!」
蜘蛛型使徒は今度は太くて長い触手で覚悟を軽くはたき飛ばす。
覚悟はゆうに10メートル以上はすっ飛んで行った。
「ぬ、ぐうっ!」
<いかん、凄まじいパワーだ! 身体のサイズは伊達ではない!>
「だが、動作が大振りだという欠点がある!」覚悟はいち早く起き上がると、再び敵に挑みかかる。
「懲りん奴だな」蜘蛛型分身使徒は悪態をつくように言った。「喰らえ!」
蜘蛛型使徒の太くて長い触手が振り下ろされるが、覚悟はそれを避けると、クロスカウンターを放った。
「因果!」
「ぶびゃっ・・・!」蜘蛛型使徒はまたも潰れそうな奇声を発する。「おっ、おっのれえ〜っ・・・!」
蜘蛛型使徒は口から今度は黄色い液体を吐き出して覚悟に浴びせた。
覚悟の強化外骨格の全身から煙があがる・・・溶解液だ。
「ハガクレカクゴさん!」
「力仕事しか能がないとは何でごわすか!」スモーカー大佐の部下の1人がさすがに怒りを露わにして叫んだ。
「そうでごわす! わしらは力仕事しか能がにないわけではないでごわす!」
「お、おい、お前達・・・」スモーカー大佐が部下達を止めるように言った。「ま、まあ、相手は若い女の子なんだから、そう怒るなよ・・・」
「勘弁ならんでごわす! 間違いはただすでごわす!」
「そうでごわす! わしらは力仕事しか能がないわけではないでごわす! 食べることも人一倍でごわす!」
「お、おいおい・・・」スモーカー大佐が顔面蒼白して呆けてしまった。
「あ、あの・・・それって自慢にならないじゃないの?」シヴァは飽きれたような顔をして言った。「無芸大食ってやつでしょう?」
「わあ〜っ、それはひどいでごわす!」
それまで私はこのシヴァというクローンアスカとはまり話はしたくなかったのだが、さすがに見かねて口を挟むことにした。
「これ、その方達。何をくだらぬことで言い争っておる?」
「ひどいんでごわす! そこのK-1パイロットのクローンアスカがわしらを無芸大食だと言うでごわす!」
「むう・・・他人をそのように罵るのはいかんのう。そなた、確かK-1ゲリオン1号機パイロットの・・・名前はシヴァであったな?」
「そうですよ。私は暗黒の破壊神シヴァ。もう、何回も会ってるんだから、名前くらい憶えて下さいよォ」
「うむ。それにしても、これから手強い敵と力を合わせて戦うのだから、仲間同士でそのような争いをしていてはいかんな」
「そんなこと、あんたに言われなくてもわかってるわよ、ばあさん。人間、向き不向きがあるんでしょう? だったら、穴掘りはその人達にお任せすればいいんじゃない?」
「今、何と申した?」
「だから、人間には向き不向きがあるって・・・」
「その前よ・・・あんた、バアサンって言わなかった?」
「ああ、言ったわよ。だって、前駐日A級大使様はお婆さんでしょ? 喋り方も年寄りみたいだし・・・」
「誰がバアサンだ! この小娘・・・!」一瞬で私はブチ切れてしまった。
「まあまあまあ、抑えて抑えて」「A級大使様が女の子相手に大人気ないでごわす」
私はスモーカー大佐とその部下達に羽交い絞めにされて止められるのであった。
「このままではカクゴさんがやられてしまうわ!」
メンチはまるでガンマンのように両手で包丁を回転させると、蜘蛛型使徒へ向かって走り出した。
蜘蛛型使徒が振り返る。
だが、彼女に対しては溶解液を浴びせることはためらっていた。
「ま、まて、メンチ。僕ちゃんはお前を殺したくない・・・」蜘蛛型使徒は言った。「さっきだって、エドリック達に追跡させてたら、お前は殺されていたろう。だが、死なせたくなかったからあの2人にまかせたのだ!」
「今さらになって何を生っちょろいこと言ってるのよ!」
メンチは陸上選手並の走りと体操選手並の身のこなしで蜘蛛型使徒の身体の上に飛び乗った。
ちなみにメンチは少女時代、サッカーの選手だったらしい。
「この! これでも喰らえ!」
メンチは蜘蛛型使徒の頭の上に包丁を突き立てる。
「いてて、このゲテモノ女め! 甘い顔してりゃあ、いい気になりやがって!」
蜘蛛型使徒は触手でメンチをはたき飛ばし、さらに粘着糸でグルグル巻きにした。
「いかん! メンチさんがやられる!」覚悟は空中へ飛び上がると、またも蜘蛛型使徒の脳天に飛び蹴りを喰らわせる。「大儀!」
今度の飛び蹴りは最初の一撃とは訳が違ったため、蜘蛛型使徒は青い体液をぶちまけながら爆裂してしまった。
「メンチさん、無事か!?」覚悟は粘着糸をほどいてメンチを助け出す。
「あ、ありがとう・・・あんたは大丈夫なの?」
「この強化外骨格は超展性チタン合金でできている! あれごときの溶解液では表面に傷ひとつ付かぬ!」
そして、彼らはグチャグチャに潰れた蜘蛛型使徒の死骸の方を振り返る。
「申し訳ない。貴方を助けようとしたため、勢い余って殺してしまったようだ」
「いえ、いいのよ。あんたもあたしもこうして無事だったんだから」
最近、飛ばしまくりのトライラックス担当です。
>>365ではエヴァ・フェットはミゾロギの蜘蛛型分身使徒に
かなり苦戦してようやく倒しているのに、
>>366,
>>368では葉隠覚悟は余裕のある戦いっぷりでこれを倒している。
つまり、
葉隠覚悟(強化外骨格零形態)>ミゾロギ分身使徒>>>>エヴァ・フェット(装甲服形態)>>エヴァ・フェット(通常着衣形態)≒ガイア・ノムラ>>メンチ
てな感じかな。
強化外骨格を脱いだ葉隠覚悟と装甲服を脱いだエヴァ・フェット、ガイア・ノムラでは誰が一番強いんだろうか?
零式鉄球を体内吸引すれば、葉隠覚悟が最強なんだろうけど。
>????他さん
ネルフ・トライデントの本隊はついに結界の中へ突入ですか。
トライラックス側の本隊はまだ日本へ到着する所まで書いていないのに。
時間軸の上ではいつ頃のことなのでしょうか?
お話の流れとしては、日本に着いたトライラックスの本隊が
地底からの潜入を試みるが、地下にも遮蔽障害があることが
判明してからの方が自然だと思われるのですが。
>E計画さん
>>365で蜘蛛型端末使徒を倒した後、エヴァ・フェット達が地上へ迷い出て、
AngelAnmsの一部隊と遭遇し、交戦するという展開も余興的に面白いと
考えたのですが、この状況では無理ですね。
スマソ。訂正。
×AngelAnms
○AngelArms
んん〜、
エヴァ・フェット(等身大EVA緑号機形態)>>>>>葉隠覚悟(強化外骨格零装着形態)>>>葉隠覚悟(零式鉄球体内吸引形態)>エヴァ・フェット(装甲服着用形態)>葉隠覚悟(通常着衣形態)>エヴァ・フェット(通常着衣形態)>ガイア・ノムラ>>メンチ>>巣輝牙>蛇魅須
age
京都の整頓された街並みをほぼ一望できる高台に向けて登る。
「山登りか。久しいな」
「何を………もっと高い所だって自由に飛べるだろう?」
紅い霧を裂いて紅い姿が山を疾走する。
霧の中に三筋の無色の軌跡を残しながら、木々の間を縫うように登る。
「東山ドライブウェイか……」
エーアストがぼそりとつぶやいた。
それを聞き漏らすはずもなくフィーアトが聞き返す。
「お決まりのデートコースか?」
「夜景が綺麗なんだよ。最も今は一面血に染まってるがな」
上を見れば一面の赤が広がり、下を眺めても似たような景色が広がる。
「俺は覚えているぞ、最後に見た夜空を」
両手を左右に、翼を大きく広げていかにも演技のこもった動作をゼクストはやって見せる。
この行為自体に大した意味は無い、単なる演出だ。
傍から見れば悪ふざけをしているようにしか見えないだろう。
「月は十四、今宵は満月、光浴びるは何れの者か」
フィーアトが紅の扇を二枚取り出して舞を真似て舞う。
しかし、彼等はただただ刹那的に生きているわけではない。
人間らしさを完全に捨てるのは不可能だ。
「それくらいにしろ。着いたぞ」
そこに人の気配は無い。朝早くと言うこともあるのだろう。
綾波教の一般信徒でも朝の礼拝までにはまだ十分な時間がある。
「将軍塚ねぇ。何のこだわりがあってここを選んだのか」
「それを言い出すと他の場所にもそれは言える」
「演出だ。俺達と同じなのさ」「俺達の方がずっとイカスぜ?」
「そこは趣味の問題だ。オカルト、心霊、科学万能の時代に見えてそうじゃない」
「それが言いたいってのか? くだらん」
これが最期の雑談になる可能性もある。
見えてきたのは人の背丈ほどに盛り上げられた塚がひとつ。
「ここだな」
周りとは違う気配が漂っている。
伝わって来るものは薄く、とらえどころが無いようにも感じる。
しかし、それは間違えようもなく存在する。
ほんのわずかな間、ほんのわずかに地面が揺れた。
ふと思い出だしたかのようにエーアストが口を開いた。
「この塚には噂があってな……」
ズン―――今度は確かに揺れた。
「何かが起こる前に鳴動するんだそうだ……」
塚にひび割れが起き、茶色の地面が緑の隙間から顔を出す。
「その何かってのは決まって―――
アーーーーーッリィーーーーーッ!!!
紅い一つ目の白い化け物が永年の封から開放されたかのように、実体化した。
「悪い事、だそうだ」
エーアストは言い切ってから、二人の方に視線を向けた。
「……じゃあ、俺達にとっては良い事だ」
一つ、嬉々とした笑みが現れた。
「綾波教にとって、悪い事だな」
見る者を恐怖させる厭らしい笑みが一つ、造られた。
「まあ、そういう事だ」
紅き異形の3人はそれぞれに構えを取り、敵である白き異形の物を見据えた。
戦争の喜悦に期待を込めて。
ということで。聖母の使徒登場まで。次回は戦闘を、出来れば終わりまで。
>トライラックスさん
絡みですか?問題ないといえば無いのですが、
????さんが到着を書いてしまわれたのでこれが何時かによります。
到着時にとっておくネタがあるのでそれとの関連で。
今のところ絡みが自由なのはフリーで動いているラミエル能力者10名ですね。
全て個人で動いています。他に絡めるとすればカメラ班ぐらいでしょうか。
細かい所を一つだけ突かせて頂けるなら、結界の元となる怨霊、
そして死人兵なんですが、彼等は正常に判断できる意識を持ち合わせていないです(過去スレ参照)
>????さん
ということで、到着は何時(なんじ)ぐらいでしょうか?
やはり京都攻略の1ポイントはレリエルですな。
京都全域をごっそりと(以下略)なんて事は
主席の趣味に合わなそうなのでしないでしょうけど。
今夜はこれにて。
教団大神殿の地下牢獄に黒い影のようなものが現われ、空間に広がって行くと、その中から白い粘着糸でグルグル巻きにされた使徒人間達が放り出される。
いや、彼らは使徒人間ではない。使徒人間にはなれなかった失敗作達である。
そして、その影のようなディラックの海は縮んで変型すると、前髪で左眼を隠した黒スーツの男の姿になった。
僧侶のような法衣をまとった失敗作使徒人間の襟足をつかんで引きずっている。
「おう、ミゾロギか」第参位次席司教が部下の聖騎士達を引き連れて歩み寄って来る。「地底の戦いはどうだった?」
「エヴァ・フェットやメンチの奴が連れて来た鎧の男は少しばかり手強かったが、反乱を起こした奴らはたいしたことはないな。一部はこの通り生け捕りにしてやったぜ」
「でかしたぞ」第参位次席はミゾロギが引きずっている僧侶風の失敗作使徒人間に気がついた。「おっ、そいつは著衛玖じゃないか」
「こいつはどうやらリーダーのようだが?」
「そいつは著衛玖という宗教学者で、我らの聖母とは別の救世主が現われるとかいう異端思想を提唱して、地下の強制労働区に追放された奴だ」
「そう言やあ、こいつらはエヴァ・フェットのことを救世主の使者だとか言ってたな。そのエヴァ・フェットに僕ちゃんの分身使徒の1体がやられちまった」
「あいつはオリジナルのアスカとも互角に戦ってしまうような奴だ。お前自身がサンダルフォンに変身して戦うのならともかく、分身使徒では軽くあしらうという訳にも行くまい」
「では、どうする?やはり僕ちゃんがサンダルフォンの変身して始末しに行くか?」
「いや、その必要はない」第参位次席は意地悪くニヤリと笑う。「主席司教がちょうど良い戦力を用意してくれているそうだからな」
377 :
376:03/06/14 05:20 ID:???
第参次席司教が言っている
「主席司教が用意したちょうど良い戦力」とは
>>312で主席司教が呼び出した“超機人”のこと。
ただし、書き手はどのように戦わせれば良いか
未だわかっていなかったりする。
地底の迷路のような洞窟の中を甲冑をまとった男が走っている。
少しばかり遅れて露出狂がかった服装をした赤い髪の毛の女がやっとの思いで追いすがっている。
「ハァ、ハァ・・・待ってよ・・・あんた、そんな重そうな鎧みたいなの着て、そんなに早くよく走れるわね・・・」
このメンチという女とて世が世ならオリンピック選手並の体力、運動能力の持ち主なのだが、その彼女でさえ葉隠覚悟にはついて行くのが精一杯なのだ。
「第一、この迷路みたいな洞窟の中で、どうやって教団の大神殿まで行くのよ!?」
「そんなのは簡単なこと!」葉隠覚悟はスピードを落とすこともなく言った。「邪念を感じる方角へ行けば良い! さすれば、そこに敵である教団の者がいる!」
「邪念を感じるって・・・えらく気の長いことを言うのね、坊や・・・ハァ、ハァ・・・」
と、思っていたら、角を曲がった所でモヒカン頭の男と鉢合わせしてしまった。
「う? 反乱を起こした奴らじゃねえ?」モヒカン頭は言った。「何者だ? トライラックスか? それともE計画?」
「あんたは春虎念興業の人ね? ちょうど良かったわ」メンチがその男に包丁を突きつける。「あたし達は教団の大神殿へ行きたいの。どう行けばいいか教えて!」
「ひえ・・・教団の大神殿へ行くには、この先の300メートルほど行った所で右に曲がって、3つに分かれた所で左へ行って・・・」
「ありがとう」メンチは礼を言った。「助かったわ」
「うむ、かたじけない」覚悟も律儀に頭を下げる。「恩に着るぞ」
「い、いえ、どう致しまして・・・」
春虎念興業のモヒカンザコに教えられた道順を走る葉隠覚悟とメンチ。
その前途にわりと広い空間が開けてきた。
そして、そこには使徒化された兵士達が十数名、てぐすね引いて待ち受けていている。
「外部からの侵入者を大神殿の中へ入れるな!」リーダーらしい昆虫のような姿をした奴が言った。
「あやつらは大神殿の警備の者か!」覚悟が叫ぶ。「よし、メンチさん! 戦うぞ!」
教団大神殿の地下深くの階層から階段を昇る人影。
髪の毛は長く、薬物中毒のような不健康な顔をした痩せぎすの男である。
階段を昇ると、そこには教団の正規の兵士達が死体となってバタバタと倒れている。
「俺よりも先にここへ来た奴がいるのか?」男は首をかしげる。「他の分隊で生き残っている奴がいるのかも知れんな」
男は生きている人間の気配を感じて振り返り、銃を構える。
物陰から別の男の声が聞こえる。
「兄貴・・・やっぱジンの兄貴だな?」
「む? その声は?」ジンと呼ばれたその男は構えていた銃を降ろす。「もしかして・・・ウォッカか?」
黒いサングラスをかけたずんぐりむっくりの男が現われた。
「兄貴・・・トライラックスへ行ったっきり行方不明になってたから心配してたぜ。しかし、どうして大神殿に忍び込んで来たんだ?」
「話せば長くなるが、早い話がトライラックスで本当のことを知ったって所だな」
フリーのスパイ業者だったジンは綾波教団の依頼で近年頭角を顕してきた経済大国トライラックスの動静を探っていたが、クローン製造施設に忍び込んだ所を逮捕されてしまったのだ(過去スレ弐参照)
スパイ罪でサルサ・セカンダスの刑務所に入れられた彼はそこで再教育を受け、外部的視点から見た綾波教団の実態についても教えられた。
「・・・俺達はいいように騙されていた。綾波教団は全人類の救済と称して世界を破滅させかねない恐ろしいことを企んでいることがわかった」
「なるほど・・・俺も教団に金で雇われて傭兵なんかやってるが、だんだんコキ使われるのもうんざりして来た所だ。この際だからネルフかトライデントにでも寝返ってやろうか」
「なら話は早い。相棒、お前も力を貸してくれ。この大神殿の中でひと暴れしてから逃げ出すんだ」
「がってんだ。また兄貴と組んでことが起こせるんならおもしれえや」
葉隠覚悟は持ち前の零式防衛術で教団の下級改造騎士や使徒もどきをばったばったとなぎ倒して行く。
メンチもおくれを取りながらも中華鍋を盾にして敵の攻撃を防ぎ、包丁で斬り伏せて倒している。
彼らの前に教団側の兵力は死体になるか再起不能の重傷を負うかして倒れて行った。
「おのれェ〜、よくもわしの部下達をォ〜ッ!」リーダーらしい昆虫人間のような奴が空中へ飛び上がり、彼らの前に降り立って来る。
「メンチさん、貴方は下がって!」覚悟はメンチを後ろへ下がらせる。
「わしは神聖綾波教団拾四聖騎士の1人、四の騎士・刺矢虫獲!」昆虫型使徒人間は自己紹介した。
<気をつけろ、覚悟! この者はこれまでの使徒生物とは訳が違う! かなり能力的なレベルが高いと見たぞ!>
「うむ、拾四騎士の1人ということであれば、教団でも14番以内に数えられるほどの使い手であろう!」
「14番以内って・・・そのまんまじゃない・・・」メンチがシラケた口調でつぶやいた。
刺矢虫獲は両手から光を放つ紐状の物体を出した。
「貴様にわしの攻撃が受けられるかな?」
刺矢虫獲はその光を放つ紐状の物体、光の鞭を振り回して攻撃して来る。
覚悟はかろうじて避けるので精一杯だ。
<彼奴の攻撃は見切れぬ! そういつまでも避けられぬぞ!>
「承知! 避け切れぬならば、別の策がある!」覚悟は動きを止めると、敵の攻撃の前にわざと腕をかざした。「肉を切らせて骨を断つ、だ!」
覚悟の腕に光の鞭が巻き付く。
と、その瞬間、覚悟の全身に凄まじい電撃が走った。
「ぬぐ! ぐあああああっ!」
<いかん! この電撃は強化外骨格をもってしても防ぎ切れぬ!>
「フハハハハハ・・・」刺矢虫獲は高笑いする。「そんな間に合わせの手は通用せぬわ!」
以前、ネオ戦自担当(高橋覗)さんがスレ拾弐で
「拾四聖騎士・参之騎士・裂獲(サキエル)」というキャラを登場させていたので、
それを受け継ぐ形で「四の騎士・刺矢虫獲(シャムシェル)」というのを登場させ、
葉隠覚悟と戦わせてみました。
「是琉獲(ゼルエル=拾四の騎士?)」というのも名前だけ登場してたよな。
オリジナルの第14使徒ゼルエルはすでに退治されているはずだし、
ゼルエル型改造騎士の開発には成功例がないというカキコがかなり前に
あったような記憶もあるがそのあたりはどうなんだろう?
問題ないなら、後ほど「是瑠獲」に「裂獲」の仇として
ネオ戦自の本隊と戦わせてみるのもいいかな?
>E計画さん
死人兵は正常に思考する能力がんかったんですか?
どうしよう。強化外骨格・零の成仏機能で人間だった頃の
思考を取り戻したってことでいいですか?
絡みが可能なのはラミエルの能力者、ですか。
エヴァ・フェットはクライマックスで第参位次席と対戦させる予定なのですが、
その模擬戦みたいな感じでそちらのラミエル能力者を交戦というのもいいかも。
どういうスチュエーションで持って行ったらいいだろう?
単純に教団側の手の者と誤認したとか、あるいは以前、
フウイ・ノ・レイを拉致したのがE計画の一派であること(過去スレ伍〜七)
を恨んでいたとかいうような背景付けもできるよな。
????他です。ネタは少しあがってますが、トライラックス担当さん
他との調整がついたら、完成させて出します。ちなみにネルフ本隊到着
は8:00から9:00の間とさせていただきます。
○トライラックス担当さん
では、そういたしましょう。もしもネルフ本隊と合流させる意思がある
なら、トライラックス本体が地底からの侵入を試みてみた所でネルフが
到着する感じで。その後で357以降の展開を。
で、死人達のイメージは元々理性や知性を無くしている上、主席がそれを
更に凶暴化させた上で操っている上、結界内部は魂が行く世界との通路
が一方通行になってるので、成仏が不可能という感じなんですけどね。
まあ、一時的にどうにかできたという解釈もできますが。ちなみに死玉
が死霊をこちらの世界に呼び込んでおり、その周囲に、よくない魂がいる
世界との通路が開いています。生玉は現在こちらの世界からあちらの世界
に行く通路を塞いでいますが、うまくすれば、成仏させたり、善霊の支援
を受けるきっかけにも使えます。どちらにせよ、結界破壊は必須ですけど。
それと、以前から気になってたんですが、第参の喋り方は基本的にカヲル
まんまですので。
○Eさん
そんな訳で、時間は8:00から9:00の間です。E計画メンバー
で、京都にいるメンバーが姿をさらされる可能性のある者(主席の探知
にかかってしまった者からランダム)もいると思います。
ちなみに現在『G』は接続中のため、余計な行動は取れません(藁
更に、実は穴が開いている現在なら、本部を経由する事で結界内部とも
連絡を取る事が可能にもなっています。
トライラックスのノンシップ『ポウル・ウスル・マディブ』はようやく日本の新大阪湾北岸にたどり着いた。
私は随行の者達を引き連れて小型連絡用シャトルで母船を離脱し、ネオ戦略自衛隊の仮設基地へと向かう。
ネオ戦自側の司令官や幹部士官達も私達を出迎えていた。
「いよう、司令官」スモーカー大佐が手を振りながらシャトルを降りて行く。「昨夜は世話になったな」
「おっ、スモーカーか」あちらの司令官とも面識があるようだ。「いつの間にかおらんようになったと思っていたら、どこへ行っていたんだ?」
「あの葉隠覚悟とかいうの1人じゃ心配なんで、ついて行ってたんだ。今度はトライラックスのエライさんを連れて来たぜ」
と、言いながら、スモーカーはネオ戦自の人々に私を紹介する。
「このお方をどなたと心得る! トライラックスの先代駐日A級大使、フウイ・ノ・レイ様であらせられるぞ! 頭が高い、ひかえおろう!」
一瞬、水をうったような静寂がそのあたりを包み込んだ。
ややあってネオ戦自側の司令官がようやく口を開ける。
「何だ? それは水戸黄門か?」
「う、うむ。前大使様が日本へ来たばかりの頃はわりとウケた(過去スレ四)のだが、何度もやるとさすがに効果がなくなるな・・・」
「いや、しょぼいギャグはこのくらいにして・・・私が紹介にあずかった初代駐日A級大使のフウイ・ノ・レイです」私は自己紹介する。「先立っては我が国の兵士達を助けて下さり、ありがとうございます」
「初代の駐日A級大使と申されますと、つまり、現在のヒナ大使の前任者である・・・貴方があの・・・」
ネオ戦自の司令官は不思議そうな表情をして、私の顔をまじまじと見ている。無理からぬことだ。
「私はサイボーグなのです。私の後任のクローリー・ヒナ大使が旧東京方面に危害行為をしてご迷惑をおかけしたことは、前任者である私が成り代わりお詫び致します」
「いや、聞けばあのヒナ大使はあなた方の本国に対しても謀反を起こしているそうではありませんか。ならば、彼女は我々にとってもあなた方にとっても共通の敵ですよ」
「そう言って頂けると、私どもも助かります」
「この大神殿を爆破するとなりゃあ、それなりの火力が必要だ。N2爆発物が、な」長髪痩せぎすの男が言った。「だが、俺達が外から持ち込んだ矢玉はだいぶ尽きちまった」
「手に入れるのは簡単だ」黒いサングラスのずんぐりむっくりの方が言った。「この大神殿の武器庫から奪えばいい」
「よし、そうと決まれば善は急げだ」ジンは倒れている兵士の死体から制服を剥ぎ取ると、それを自分が身にまとい、教団側の兵士に変装する。
戦闘状態真っ只中にあるため、大神殿内の武器庫には盛んに兵士達が出入りしており、さすがに気づかれないように兵器類を持ち出すというのは無理であった。
「おい、お前達、N2手榴弾をどこへ持って行く?」倉庫番らしい兵士がジンとウォッカに話し掛ける。
「地下の強制労働区で起こった反乱が意外にてこずってるらしくて、追加の兵器を持って来いっていう話だ」ウォッカがもっともらしく言いくるめようとする。
だが、敵も一筋縄ではない。
「しかし、あそこの反乱はどうせたいしたことはないから普通の銃かサブマシンガンくらいでいいって聞いたぜ。N2手榴弾は必要ないだろう?」
「ええい、面倒くせえな」ジンがつぶやくと、その倉庫番の兵士がウォッカと押し問答している間に後ろから首筋に手刀を入れて気絶させた。「早く持って行こうぜ」
彼らはN2手榴弾がゆうに2ダースくらいは入っている箱を一箱ずつ持って倉庫を出て行く。
ところが、その彼らの頭の上から女の笑い声が聞こえた。
「見ーちゃった、見ーちゃった♪ 勝手に倉庫から持って行くのは悪いことですゥ〜」
ジンには聞き覚えのある声であった。ジンとウォッカは声が聞こえた上の方角を振り返る。
そこには迷彩色のタンクトップと軍用ズボン、赤いベレー帽をかぶったやや年長の女が階段の手すりの上に座って彼らを見下ろしていた。
「おお! お前はユキナ!」ジンは柄にもなく感嘆した声をあげた。「お前も生きていたか! ちょうどいい、力を貸してくれ!」
「力を貸してくれ、ですって?」ユキナは聞き返す。「何をするのに?」
「当初の作戦と予定通り実行するのさ」ジンは言った。「この大神殿を爆破して脱出するんだよ!」
蛇魅須が溶解液を喰らって逃げようとしたモヒカン頭を捕まえて締め上げている。
「この野郎! 貴様らがいい加減なことを言うから、あんな化け物に出くわしてひどい目に遭ったじゃねえか!」
「勘弁してくれ! 俺達も仕事がなくて街でよたってる所を駆り集められてここへ連れて来られたんだ! こんな迷路みてえな洞窟の中じゃあ、俺達の方が迷子になっちまうよ!」
「ふむ・・・これは教団側の手のうちだな」ガイア・ノムラは言った。「わざと不案内な者達を外回りに配置していたようだ」
「なるほど・・・味方の兵力が敵の捕虜にされても、重要度の高い情報が漏れるのを防ぐためか・・・」
「それに、どの道、大神殿にたどり着いたら、さっきのよりももっと手強い敵さんが団体でてぐすね引いて我々を大歓迎してくれるだろう」
「大歓迎って・・・冗談じゃねえよ! そんなんじゃ、命がいくつあっても足りねえや!」蛇魅須がアワを喰って震え上がった。「俺は降りるぜ、こんな危ない橋を渡るのはもうご免だ!」
「蛇魅須! お前、何を言ってるんだ!」巣輝牙が怒鳴りつけた。「我々は自由や権利を勝ち取るために戦っているのだぞ!」
「それで・・・どうします?」俺はガイア・ノムラに意見を求める。
「水先案内にもならん役立たずの捕虜はもういらんな」ガイアがそう言ったので、モヒカンや逆さモヒカンも震え上がった。
「殺すんですか?」
「いや、逃がしてやれ」
「はい、承知しました。ガイアさん」俺は捕虜達に銃を向ける。「そういうわけだ。お前らはもう用済みだから、どこへなりと失せろ。俺達の気が変わらんうちにな」
モヒカンや逆さモヒカンはそそくさと俺達の前から逃げ去って行く。
取り合えず、そいつらの姿が洞窟の奥へ見えなくなってから、俺はガイア・ノムラに再度質問した。
「貴方がただで捕虜を逃がすとも思えませんな。何か策がおありのようですが・・・?」
俺の問いに対して、ガイアはニヤッと笑うと、「これを見ろ」と言って地面を指差した。
私達はネオ戦略自衛隊の仮設基地の中へと案内される。
迷彩色に塗装された汎用人型決戦兵器が2体、格納されているのが目についた。
見たこともない形状であったが、その反面で以前にも憶えがあるような奇妙な感じがした。
「司令官殿、あれは汎用人型決戦兵器のようですが?」
「左様です。あれらは我がネオ戦略自衛隊に配備されている汎用人型決戦兵器、ネオ・エヴァンゲリオンです」
「ネオ・エヴァンゲリオンですと?」私はそれらの2体を見上げ、しげしげと眺める。
そのうち片方が奇妙に気になる。
「はて・・・私は以前にこちらの方の機体を操縦したことがあるような気がするのですが・・・」
「その可能性もなきにしもあらずでしょう」ネオ戦自の司令官は言った。「それらはトライラックスのスモーウォーカーを流用し、改造したものなのです」
「スモーウォーカーを?」
スモーカー大佐が「あ、あの時のだ」と言った。
「比較的破損が少なかった『白虎丸』と『紅錦』の2体を修復し、流用したのです」
「なるほど、どうりで・・・」
私が日本に着任したばかりの頃、第三東京へダミーレイの1人を助けに行った時、操縦していた機体だったのだ(過去スレ四参照)。
「それでは、パワーの方も?」
「それはもう、野生のガギエルを仕留めるくらいです」
「うむ・・・それならば、そちら様のご協力に期待できそうですな」
「フフフ・・・」ユキナ曹長は笑い始めた。「ハハハハハハ・・・」
「な、何がおかしい?」ジンが表情を曇らせて言った。
「お、おい、兄貴・・・あいつ、一体何者なんだ?」ウォッカがジンに不安げに問い掛ける。「味方なのか? 何か変だぞ」
「嫌なこった。そんなの協力できないわね」ユキナはつっぱねるように言った。
「なっ・・・どうして? 大神殿を爆破するのが我らの使命だったはずだぞ!」
「フン、そんな使命とか作戦とか、真っ平ご免よ。私は綾波教団の主席司教様に忠誠を誓ったのよ!」
「何? お前、今、何て言った?」ジンはにわかには信じられないと言った表情で言った。
「いや、厳密には違うわね。主席司教個人に忠誠を誓ったんじゃなくて、教団がしようとしていることに賛同してるって言った方がいいかしら・・・」
「おい、ユキナ・・・お前、自分が言ってることがわかってるのか? 綾波教団は世界人類を滅亡させかねない危険思想を押し付けようとしてるんだぞ!」
「だからどうだって言うの? それならそれでいいじゃない! こんな生きる値打ちもない世の中、いっそのこと滅ぼしてしまった方がいいわよ!」
「ユキナ・・・お前、気は確かか・・・?」
ユキナは階段の手すりの上から彼らの前に飛び降りて来た。
サルサ・セカンダスでともに訓練を受けてきたジンにはためらいがあったが、むしろ面識がなかったウォッカにはためらいがなかった。
「気をつけろ、兄貴! そいつ、危ないぞ!」ウォッカが銃を抜いて発砲した。
だが、ユキナの前の空間に赤い光の幕が走ったかと思うと、ウォッカが撃った弾丸ははじき返された。
「なッ!? ATフィールド!」今度はジンが対ATフィールド仕様ラスガンを抜いて発砲した。
ATフィールド仕様ラスガンの表面に着弾した人造オリハルコンの弾丸は、回転しながらその中へ潜り込もうとする。
だが、ユキナはその弾丸を日本刀のみねの部分で弾き飛ばした。
「ユキナ・・・お前、一体・・・?」
葉隠覚悟の身体に2本の光の鞭が絡み付き、高圧電流が放射される。
強化外骨格・零の表面からバチバチと火花が飛び散った。
「ぐわああああああ!!」さすがの葉隠覚悟も悲鳴をあげる。
<く・・・凄まじいパワーだ! このままでは覚悟が感電死してしまう・・・!>
と、突然、空中を肉切り包丁が飛んで来た。
聖騎士・刺矢虫獲は咄嗟に片方の電撃鞭を覚悟から離すと、空中で包丁の柄に巻き付け絡め取った。
「小賢しい人間どもめ! この刺矢虫獲にそのような不意討ちなどは通用せぬわッ!」
ところが、刺矢虫獲が振り返ると、包丁が飛んで来た方角には誰もいない。
「むッ!? この包丁は一体どこから飛んで来たのだ?」
と、思っていたら、突如、その背後に現われた赤い髪の毛に露出狂がかった服装の女が後、ろから刺矢虫獲の頭を中華鍋でぶん殴った。
ドガシャ〜ン!という凄まじい音があたりに響き渡った。
「ぐえッ・・・!」
「人間やってるの投げた化け物が人間様をナメるんじゃないわよ! これでも喰らいなさい!」
メンチは中華鍋で刺矢虫獲を滅多打ちにした上、頭をかかえて地面にうずくまった所を足蹴にした。
「ひげべ、ほげえええ〜ッ・・・!」
「止めろ! メンチさん!」葉隠覚悟が地面に這いつくばったままでようやく言った。「あんたのかなう相手ではない! 逃げるんだ!」
「逃げるって? 冗談じゃないわよ、あんたを置いて一人じゃ逃げられないわ!」
メンチは覚悟を抱え起こすと背中の上に担いで走り出した。
強化外骨格・零の重量を合わせると、葉隠覚悟の体重はゆうに150キロを超える。凄まじい体力だ。
「うぬ、逃がさぬぞ!」刺矢虫獲は光の鞭を伸ばしてメンチのナマ脚に絡み付かせる。
メンチの全身に電撃が走り、彼女は「きゃああああああ!!」と悲鳴をあげた。
だが、覚悟が刺矢虫獲の電撃鞭を切断し、メンチの身体を逆に上から持ち上げると、ジェット噴射で空中へ飛んでその場から逃げ出した。
>>388の20行目
×「刺矢虫獲は光の鞭を伸ばしてメンチのナマ脚に絡み付かせる」
○「頭から青い血を流しながらようやく起き上がった刺矢虫獲は光の鞭を伸ばしてメンチのナマ脚に絡み付かせる」
強さとは絶対的なものではなく相対的なもの。
AがBを倒し、BがCを倒したからと言って、必ずしもAはCより強いとは限らない。
葉隠覚悟はメンチよりもはるかに強く、刺矢虫獲は覚悟よりも強い。
しかし、刺矢虫獲ははるかに弱いはずのメンチにメタメタにやられてしまう。
ガイア・ノムラはニヤッと笑い、「これを見ろ」と言って地面を指差した。
地面の上には何やら白いネバネバした物が足跡状になって着いており、それらはちょうど先ほど捕虜達が逃げ去って行った方角へと続いていた。
「これは・・・あの蜘蛛型使徒の粘着糸のようですな。そうか、あいつらも糸を浴びせられてたからな」
「あいつらとて不案内とは言え、仮にも教団に雇われたいたのであれば、全く何も知らぬはずはあるまい。大神殿へどう行けば良いかくらいは知っているはずだ」
「なるほど・・・奴らを自由にしておいて、この足跡をたどって行けば・・・」
だが、先ほどから臆病風に吹かれていた蛇魅須が噛み付いて来た。
「俺は大神殿へ行くのは嫌だ! 命がいくつあっても足りねえ! これ以上はご免こうむる!」
「蛇魅須! 貴様という奴は・・・!」巣輝牙が怒って怒鳴りつけた。「こうしている間にも著衛玖様や同胞達は敵の注意を引き付けるために戦っているのだぞ! 死傷者も出ているだろう。その犠牲を無駄にするのか!」
「嫌だ! 俺は死ぬのは嫌だ! そんなら、あんたらだけで戦えばいい。俺もう降りる!」
「蛇魅須! 貴様・・・」
「まあ、待って下さい。巣輝牙さん」ガイア・ノムラが言った。「無理に強要しても仕方がありません。役に立たない者を連れて行っても足手まといになるだけです。彼にはここで降りてもらいましょう」
「そうだな、俺もガイア分隊長とと同意見だ。この状況では俺達の足を引っ張る奴がいると、それが全員の命取りになるかも知れんからな」
「ガイアさんやエヴァ・フェットさんがそう言うなら仕方がありませんな」巣輝牙は無理に自分を納得させるように言った。「そういうことだ。お前はここに残れ。それにしても、お前という奴には失望したぞ」
俺達は蛇魅須をその場に取り残すと、地面にこびり付いている白い足跡をたどって洞窟の中を進軍して行った。
葉隠覚悟は露出狂がかった服装の女を抱きかかえ、強化外骨格のジェット噴射で曲がりくねった洞窟の中を飛んで逃げて来た。
<かなり引き離した! 追っては来ない! やはりあの形状では飛行することはできても、我々ほど早く飛ぶことはできぬようだ!>
覚悟はジェットを逆噴射すると、地面に着地した。
「メンチさん、怪我はないか!?」と、抱きかかえていた赤い髪の毛を女に問い掛ける。
「あ・・・いたた・・・脚が焼けるかと思ったわ・・・」地面の上に降ろされた女は靴下と一体化した靴を脱いで素足になる。「やだ、火傷しちゃってる・・・」
それにしても、この女の動作はいちいちこれ見よがしでわざとらしい。
<たいした傷ではなさそうだ! 歩行するには支障はあるまい!>
「よし! ではここから先は歩いて行こう!」覚悟は先さきと洞窟の奥へ歩いて行く。
「待ってよ! 他人の怪我だと思って薄情なんだから・・・!」
しばらく歩いて角になっている所を曲がると、使徒人間らしい者達が何人も倒れている。
「こいつら、使徒人間みたいだけど、教団の戦闘要員じゃないみたいね・・・」
<ほとんどの者はすでに死んでいるが、生き残っている者もいるぞ!>
倒れている者達の中の1人が起き上がろうとする。だが、今にも死にそうな様子だ。
「おい、お前! しっかりしろ!」覚悟はその使徒人間の前に膝をついて引きずり起こそうとした。「お前は教団の戦闘要員ではないのか!?」
「うう・・・違う・・・我々は戦闘要員ではない・・・」その使徒人間らしいのは瀕死の状態で声を絞り出した。「俺達は教団に騙されて狩り集められ、使徒人間に改造されかけたのだ・・・」
「むッ! それでは、お前達は戦闘要員ではなく、捕虜の類か!?」
「俺達は教団に改造されてこのような姿にされたが、使徒人間にはなれなかった・・・教団は俺達を役立たずだとしてこの強制労働区でコキ使ってきたのだ・・・」
「それでは、お前達は教団の者達にやられたのか!?」
「どこのどなたかは存ぜぬが・・・ここからは早く立ち去った方がいい・・・恐ろしい奴らがいる・・・仲間は皆やられてしまった・・・」
と、そこまで言うと、その失敗作使徒人間は激しく咳き込み、口から青い液体を吐き出して死んでしまった。
「トライラックスの皆さんにも御紹介しましょう」ネオ戦自の司令官は言った。「我らがネオ戦略自衛隊のネオエヴァンゲリオンパイロット達です」
迷彩色のプラグスーツを着た18歳か20歳くらいの若い男が2人、私達の前に紹介される。
1人は角刈り頭でやや身長が高く、もう1人は茶髪頭に眼鏡をかけている。
「鈴原トウジ君と相田ケンスケ君です」と司令官が言うと、角刈り頭の方が「わいは鈴原トウジや。よろしくな」と言い、眼鏡の方が「僕は相田ケンスケです。よろしくお願いします」と言った。
「鈴原トウジと相田ケンスケですと?」私は彼らの名前を聞いて驚いた。どこかで見たような気もする。
「トライデントの関係者にも同姓同名の人物がいるそうですな。どうもネオ戦自や要塞都市の関係者には有名人と同姓同名の人物が多いようでして・・・」
なるほど、そう言われてみると、私が数年前に知っていた同姓同名の人物達とは似て異なっている。どうやら別人のようだ。
「へえ、あんた達がネオ戦自のエヴァパイロット?」クローンアスカの1人、例のシヴァが言った。「うちの所のスモーウォーカーパイロットよりは役に立ちそうね。あ、あたしはK-1ゲリオンパイロットのシヴァよ」
「それはひどいでごわす!」スモーウォーカーのパイロット達が怒った。「何もこんな所まで来てわしらの悪口言うこともないでごわす!」
「その方達、いい加減にしなさい!」私が横槍を入れる。「これから、ネオ戦自の方々にも力を貸してもらい、重要な作戦を実行さねばならぬ! 仲間内でいさかいを起こしている場合ではないぞ!」
「ははっ、申し訳ねえ。フウイ・ノ・レイ様」スモーカー大佐が言った。「まあ、そう言うことだ。ネオ戦自の皆さんもそこのお嬢さん達も仲良くやろうや」
俺は人間だった頃から出来が悪く、性格もいわゆるへタレだった。
学校の時の成績もはっきり言ってかなり悪かったし、スポーツも苦手だったし、女にもモテたことはない。
周囲の人間にはいつも馬鹿にされていて、そんな具合だからいい思いをするということにはおよそ縁遠かった。
ただでさえそんな具合なのだから、サードインパクト以後の時代はなおのことである。
その日の生活にも困っている所へ、モヒカン頭の男にうまい儲け話があると言われて京都へ来たのだ。
綾波教団の戦闘要員になったら給料も高くていい生活が保障されるという話だった。
だから、俺は死神博士とかいうのの研究チームに自分を使徒人間に改造してもらったのだ。
ところが、外見だけ人間離れした姿になっただけで、実際には使徒能力は使えず、ただの人間と変わりはしない。
むしろ俺の方が文句を言いたいくらいだったのだが、教団の奴らは俺を戦闘要員としては役に立たないので強制労働区送りにしたのだ。
そして、俺は役立たず呼ばわりされながらコキ使われてきた。
労働者仲間の間で著衛玖様の提唱する異端思想のもとに教団に対して反乱を起こそうという動きが起こった時、俺も仲間に入れてもらったのだ。
だが、結局はここでも俺は役立たず呼ばわりされ、仲間はずれにされてしまった。
俺はこの世に存在していても役に立たない人間なのか・・・必要のない存在なのだろうか・・・。
俺の頭の中で声が聞こえる。今までは聞いたことのない声だ。
もしや、綾波教の神様のお告げ?
“フッフッフッフッフッ・・・蛇魅須とやら、お前に力を与えよう。我らのために役に立ってもらうぞ”
周囲にはおびただしい使徒人間の死体が山のように積み重なっている。
いや、使徒人間ではなく、使徒人間にはなれず、虐殺された者達の死体の山である。
それはまるでさながら地獄のような光景であった。
表面的には冷静沈着なように見える葉隠覚悟の内面に怒りがこみあげてくる。
<気をつけろ、覚悟! 敵は多数! 周囲を取り囲まれているぞ!>
死体の山の上をバラバラとモヒカンや逆さモヒカンの髪型をした男達がトゲの生えた棍棒やらダンビラやらを持って迫って来る。
その数は大雑把に見積もってゆうに50人くらいはいるようだ。
「あいつらは春念興業の奴らよ!」メンチが言った。
「この者達を虐殺したのは貴様らか!?」覚悟は怒りのこもった声で問う。
「それがどうしたって言うんだ!?」モヒカンや逆さモヒカンは口の減らない口調で食い下がった。「俺達は教団に雇われてる。教団にたてつく者は殺せと命令されたからやったまでのことよ!」
「姿形は変われども、人間の尊厳を踏みにじるは許されまじき暴挙ぞ!」覚悟は零式防衛術の構えを取る。「うぬらの身に痛みをもって償いをさせるべし!」
「待って、ハガクレカクゴさん」今度は逆にメンチが覚悟を引き止めて前へ出る。「こいつら外道はあたしが許さないわ。坊やは下がっていなさい」
メンチは武器である包丁を腰の後ろのホルスターにしまい、素手の拳を構える。
「あんたらにはこれで十分! 行くわよ!」
「何だァ、この女はァ!? 馬鹿か?」モヒカンや逆さモヒカンは馬鹿にしたような顔をしている。「おもしれえ、ちょっくら可愛がってやるか!」
ならず者あがりのモヒカンや逆さモヒカンが束になってメンチに襲い掛かって来る。
しかし、彼女もプロレスラーを素手でノックアウトしたと自称していたのは伊達ではない。
彼女は目にもとまらぬ速さでモヒカンや逆さモヒカンをばったばったとなぎ倒し、そいつらは「あべし」とか「ひでぶ」とか奇声を発しながら倒れて行った。
地面の上に残された白い足跡をたどってどのくらい歩いただろうか、突如、曲がり角で逆さモヒカンの男と鉢合わせしてしまった。
「わっ、ビックリした!」その逆さモヒカンは俺達の姿にビクついて言った。「あんたら、なんでこんな所にいるんだよ?」
「それは・・・ただの偶然ってやつだろ」俺は言い返す。「そう言うお前もどうしてこんな所にいるんだ?」
「それが・・・仲間とはぐれちまって、道に迷っちまった・・・」
「な、何ィ〜ッ!?」
ガイア・ノムラはうまい方法を考えてくれたと思ったが、後をつける相手が道に迷ったのでは箸にも棒にもかからない。
「チッ、何てこったァ〜」当のガイア・ノムラが苦虫を噛み潰したような顔をする。
と、そこへまわりの枝道からザワザワと異形の生物が現われた。
「ムッ? こいつらは使徒もどきか!」逆さモヒカンは震え上がったが、俺達は一斉に身構える。「てェことは、何だかんだ言っても大神殿には近いかも知れねえ!」
もちろん俺とガイア・ノムラにかかれば、使徒もどきなど束になって掛かって来てもおよそ敵ではない。
巣輝牙達も俺達にはおくれを取りながらもどうにか使徒もどき達を仕留めている。
だが、そこへまた新たに使徒生物が現われた。今度は1人だけである。
「おっ、お前は蛇魅須!」巣輝牙が言った。「何だ、お前も何だかんだ言って追い掛けて来たのか。少しは見直したな」
「気安く俺の名前を呼ぶな」蛇魅須は言った。「それに、俺はもうただの蛇魅須ではない」
「何!? お前、一体何を言ってるんだ?」
そう言えば、こいつはさっきまでとは感じが違うような気がするが・・・?
「俺は綾波教団の神様から力を授かった! 俺は神聖綾波教団拾四聖騎士が1人、参の騎士・沙鬼獲なるぞ!」
奴は訳のわからないことを叫ぶと、身体がボコボコと変型し、さらに人間離れした化け物のような姿に変わって行った。
396 :
_:03/06/16 06:40 ID:???
教団大神殿の一角で爆発が起こった。N2手榴弾が爆発したのだ。
「やった!」長髪に痩せぎすの男が言った。「いくらATフィールドが使えても、N2手榴弾を喰らえば・・・」
「ああっ、兄貴!」黒眼鏡にずんぐりむっくりの男が爆炎の中を指差した。「あれを見ろ!」
「なっ・・・何だァ、ありゃあ!?」
煙の中から現われたのは全身が青い半透明の、まるで水晶でできているような巨人であった。
「フハハハハハ・・・そんな攻撃は私には通用しないね」ゾクッとするような女の声が聞こえた。
「き、貴様は人間じゃないのか!?」
「私は教団の主席司教様から力を授かった」水晶の巨人は言った。「私は神聖綾波教団拾四聖騎士の1人、伍之騎士・羅魅獲よ!」
「ば、馬鹿な・・・!」
「くそっ、これでも喰らえ!」
ジンとウォッカは水晶の巨人に向かって銃器を発砲するが、通常の弾丸はATフィールドではじき返され、対ATフィールド仕様ラスガンの弾丸さえもたいしたダメージにはならない。
「フフフフフフ、そんな攻撃では私にはダメージを与えることはできないわ。それじゃあ、今度は私の番ね」
水晶の巨人、羅魅獲は全身からバチバチと放電すると、両手でかめはめ波のような構えをした。
「や、やばい・・・! 逃げるぞ、ウォッカ!」本能的に危険を察知したジンとウォッカは回れ右してその場から逃げ出す。「がってんだ!」
だが、逃げられるはずもなかった。
「うわああああああっ!!!」
羅魅獲の手のひらから荷電粒子ビームが放射される。
ジンとウォッカの顔が水ぶくれだらけになって膨れ上がり、まるで電子レンジの中に入れられたトマトのように爆裂してしまった。
「私は伍之騎士・羅魅獲。綾波教団にたてつく者は私が始末してやるわ・・・」
トライラックスという勢力を超えた越権行為ばかりしてスマソが、
また教団側の戦力をいじらせてもらいました。
まあ、高橋覗さんのパートから受け継いで、
トライラックス、ネオ戦自、葉隠覚悟と交戦する範囲内に限られていますが。
神聖綾波教団・拾四聖騎士
・参之騎士・沙鬼獲
ネオ戦略自衛隊との交戦で戦士した前任者・裂獲の後釜として、
委員会(?)が失敗作使徒人間の蛇魅須に力を与えてこのポジションに据えた。
『ウルトラマンパワード』に出て来るジャミラのような形状で、
オリジナルに同じく両手から光の槍を出して攻撃し、自爆機能も備わっている。
ただし、いかんせんへタレなので、自爆する度胸はなさそうだ。
・四之騎士・刺矢虫獲
『ウルトラセブン』に出て来るメトロン星人のような形状で、
オリジナルに同じく両手から光の鞭を出して攻撃する。
空も飛べるが、スピードはあまり出ない。
・伍之騎士・羅魅獲
トライラックスから教団側に寝返ったユキナ曹長に
どうやら主席司教が力を与えたらしい。
『コブラ』の悪役のクリスタルボーイのような姿をしていて、
ありとあらゆる攻撃が通じない。
荷電粒子ビームを発射する。
399 :
_:03/06/16 08:36 ID:???
400 :
_:03/06/16 11:07 ID:???
401 :
_:03/06/16 14:02 ID:???
403 :
_:03/06/16 15:28 ID:???
404 :
_:03/06/16 15:53 ID:???
405 :
_:03/06/16 17:22 ID:???
化け物の口から放たれた先制の一撃が大きく地面を砕き割る。
悪魔が舞い上がり、鎧武者が宙へ跳ぶ。
スーツの紳士が地面を滑るように化け物の背後に回る。
阿吽の呼吸で三軸の紅い線が一点で交差する。
「外したか!」
化け物は交差の瞬間に姿を霧のように消した。
回収されていく軸の一本に沿って螺旋を描きながら突然実体化し、襲い掛かる。
大きく開いた口に悪魔の上半身が喰われる。
次の瞬間、姿をぼやけさせた化け物を下方から紅い槍が貫く。
「チィッ」
ゼクストは体を後ろに逸らし、ダミーを残して攻撃を避けていた。
化け物は身を翻してゼクストから離れ、フィーアトに突進していく。
フィーアトから剣を持った形で紅い腕が幾本も生えて迎撃体制を整える。
「ったばれい!!」
化け物の顎の端から伸びた牙のような二つの突起が交差して、
複数の剣撃を全て受け止める。
フィーアトの背中から新たな腕が2本、急速に伸びて化け物に斬りかかる。
と、化け物の銃を模したとも思えるような右のギミックから炎が放射された。
攻撃に出した刀を重ね広げて盾にし、化け物を交えた刃で押し離す。
押された化け物の後ろ上方にはエーアストが構えていた。
大上段に上げていた身の丈の二倍はある非効率に巨大な包丁のような刃を、
一気に振り下ろす。
化け物の長い尾が大きく振られて刃を強く弾く。
刃を片付けながらエーアストはバランスを取る。
「一筋縄ではいかんようだな」
「ああ、なかなか楽しめそうだ」
大神殿のとある倉庫区画のひとつに爆発音と振動が響き渡る。
「な、何だ!?」
ネルフやトライデントとの戦闘に備えて武器庫に出入りしている兵士達が驚いた所へ、もう1人、兵士が飛び込んで来た。
「たっ、大変だ!」その兵士は血相を変えて言った。「近くでN2手榴弾が爆発して火災が発生したらしい!」
「なっ、何!? N2手榴弾が爆発して火災!?」兵士達は震え上がった。
この武器庫にはN2爆発物の類がごまんと保管されている。
その武器庫のすぐ近くで火災が発生したとなれば、それは大変なことだ。
「ひええええ!」
「とにかく、火が回って来ないうちにこの倉庫の爆発物を離れた所へ運び出すのだ! さもないと、我々も木っ端微塵だぞ!」
兵士達は大騒ぎになりながら、倉庫の中から爆発物兵器を運び出す。
廊下には煙が回って来ていた。
「急げ! 火元はあっちだから、反対側へ運ぶのだ!」
そのあたりの区画はもう蜂の巣をつついたような大騒ぎである。
この騒ぎの中では、どさくさに紛れて兵器類を持ち出してもバレそうにはない。
最初に爆発と火災の発生を伝えに来た兵士は他の仲間から離れると、N2手榴弾の入った箱を持ってトイレへ入って行った。
大便用のボックスに入ったその兵士は箱の中身を確認する。
「うまくN2手榴弾を手に入れることができたな」と、その兵士はつぶやいた。
声優の加藤精三のようなしわがれ声である。
兵士の顔がグニャグニャと変型する。トライラックスのフェイスダンサーだ。
「ジンやメンチには悪いが、あやつらにはおとりになってもらおう」オドーは言った。「とにかくこの大神殿を爆破しなくては、な」
「俺は神聖綾波教団の拾四聖騎士が1人、参之騎士・沙鬼獲なるぞ!」
まるで『ウルトラマンパワード』に出て来るジャミラのような姿に変身した蛇魅須はボイスチェンジャーで変質したような声で言った。
「聖騎士・・・サキエルだとォ!?」
そう言われてみると、前に条約締結に来た時に会った等身大ミニチュアサキエルに似ていなくもない。
「馬鹿な! 蛇魅須が教団の聖騎士だと!?」巣輝牙が驚愕して言った。「そんなはずはない! お前はわしらと同じ使徒人間の失敗作のはずだ!」
「ぶわははははは・・・俺は綾波教の神様から選ばれ、力を授かったのだ!」等身大サキエルのような蛇魅須は言った。「綾波教の神様は俺を教団の聖騎士にしてくれた!」
「蛇魅須! お前、自分が何を言っているのかわかっているのか!?」
「貴様ら、今まで俺のことを役立たず呼ばわりしてくれたな。だが、綾波教の神様は俺に利用価値を認めてくれた。そして、教団にたてつく者は始末しろと命令した」
パワード蛇魅須は両手をかざす。すると、その手の中に光でできた槍のようなものが現われた。
見覚えがあるぞ。サードインパクト以前に戦略自衛隊に配属されていた頃、モニター画面で見たことがある。
あれは第3使徒サキエルが前に日本に攻めて来た時に使っていた技(?)だ。
俺は武器を構える。
「だから、お前達を殺すのだ!!」パワード蛇魅須は両手から光の槍を放った。
最初は2本あったように見えた光の槍は空中で分裂して俺達に襲い掛かって来る。
ガイア・ノムラは横っ飛びに避けたが、失敗作使徒人間達は槍を喰らってしまい、俺も装甲服を着ていなかったら危ない所であった。
「撃て!」地面を転がったガイア・ノムラが叫ぶと、銃を発砲する。
俺や巣輝牙達も一斉に発砲した。
だが、パワード蛇魅須の前に赤い光の幕が走り、俺達が撃った弾丸ははじき返されてしまった。
「おおっ、ATフィールド!」
「よし、対ATフィールド仕様だ!」
俺とガイア・ノムラは通常仕様の銃器から対ATフィールド仕様ラスガンに持ち替えて発砲した。
「ひええええ!」総崩れとなった反乱軍が地底の洞窟の中を逃げ惑う。「あんな化け物と戦えるか!」
毛皮でできた衣服を着たワイルドな風貌の雲をつくような大男が逃げ惑う失敗作使徒人間達を捕まえては放り投げたり、殴り飛ばしたりしている。
シモツキの凄まじいパワーの前にはかつて人間だった使徒人間の失敗作達はまるでトマトのように潰されていった。
「どいつもこいつも骨がないな。誰か俺をてこずらせるほどの奴はおらんのか!?」
「うわああああ! 助けてくれェ〜ッ!」
さらに敗走する失敗作使徒人間の退路を妨げる形で、日本刀を持った女軍人が立ち塞がる。
先ほどまでの赤いベレー帽(
>>384)は今はかぶっておらず、かわりに2本の懐中電灯をまるで角のように頭に縛り付けている。
「フハハハハハ・・・どうせあんたらなんて生きていてもいいことなんてないんだから、死んだ方がマシよ! 一思いに殺してやるわ!」
ユキナ曹長は日本刀で失敗作使徒人間達を斬り伏せていく。
あたりに青い血が飛び散り、死体の山ができて行った。
そこへチタン合金の鎧を着た男と露出狂がかった服装の女がようやく駆け付けて来る。
「うぬ! 貴様らは!」強化外骨格をまとった葉隠覚悟は言った。
「シモツキ!」メンチはさらに驚いた様子であった。「それに、ユキナ曹長まで! どうしてここに?」
「おや、さっきの坊やに小便タレ女もか!」シモツキが言った。
「逃げたと思ったら、また戻って来たのね」ユキナは意外に落ち着いた様子であった。「その方が張り合いがあるわ」
「だっ、誰が小便タレ女ですってェ〜!」メンチは両手を振り回し、千手観音のような姿になった。「ム〜ッキッキッキッキィ〜ッ・・・!」
思いがけず地底深くでばったり出くわしたこの4人の男女は以前にもまんざら面識がないわけではない。
しかし、ユキナもシモツキもメンチのことなど眼中にない様子で、これを無視して話している。
「ユキナさんよ、あんたは下がって見物しててくれよ。その若僧は俺が始末したやる。俺からダウンを奪うほど強い相手は久しぶりだからな」
「またさっきみたいに1ラウンドKOされるんじゃないわよ」
「さっきは油断してたから不覚を取っちまったがな」
「何よ! あんた達、馬鹿ァ!」メンチがキレた。「あたしを無視するんじゃないわよ!」
綾波教団の本拠地である京都を取り囲む結界は赤いドーム状で、さながら『ラーゼフォン』に出て来る東京ジュピターのようだ。
私達はこの結界をこれより“京都ジュピター”と呼ぶことにする。
変わり果てた姿になりながらも碇君に対する慕情を捨てきれぬ、まるで紫東遥のような自分・・・これでは洒落にもならない。
そして、その京都ジュピターの南側に直径約500メートルほどのクレーターができていて、スモーウォーカーやK-1ゲリオン、ネオエヴァなどが土砂を運び出している。
まずは京都ジュピターの外側に縦穴を掘り、ある程度の深さから今度は壁面に横穴を掘るという作戦である。
横穴の中で次世代EVA達がそのサイズに合わせてあつらえられたスコップやツルハシで京都ジュピター内部へ向かって掘り進んでいる様子もモニターされている。
「縦穴の直径が大きすぎたのではありませんか?」私は心配げに問い掛ける。「こうも大きな穴では掘るのが大変ではないかと・・・」
本作戦の提案者でありながら、このような土木工事の知識は持っていない私は心配になって来た。
「いや、次世代EVAのサイズを考えると、穴の大きさに余裕を見ていなければならんからな」ギーガー様が私を納得させる。「それに我が国の次世代EVAのパワーならば、そう難しい相談ではない」
確かにその通りだ。縦穴の外に積み上げられた土砂は文字通り山がひとつできてしまいそうなくらいで、それだけ深く掘り進んでいることがわかる。
“ギーガー様、フウイ・ノ・レイ様!”モニタースクリーンに若いくせに白髪頭の男の顔が映し出される。“大変です! これ以上先へは掘り進めなくなってしまいました!”
「何? 掘り進めない、だと?」ギーガー様が問い返す。「何かの間違いではないのか、スモーカー? フウイの目測では地底には遮蔽障害はないと予想されていたはずだぞ」
“そんなこと言われても・・・えらく硬い壁みてえな物にブチ当たっちまって、スコップもツルハシもはじき返されてしまうんですよ!
「硬い壁?」私はまさかという嫌な予感がした。「スモーカー、画像をまわせ!」
“へ、へい”スモーカー大佐の顔が消え、地底の横穴の中の風景が映し出される。
そこには土砂の中から現われた赤い壁が―――地上の遮蔽障害と似たような赤い壁が映っていた。
「そ、そんな・・・まさか、地面の下にも遮蔽障害があったなんて・・・!」
ATフィールドを貫通した人工オリハルコン銃弾はパワード蛇魅須の本体の鎧のような表皮に突き刺さり、青い血を空中に飛び散らせた。
「ぐっ、ぐえええ・・・!」パワード蛇魅須はいかにも苦しそうなうめき声をあげ、後ろへのけぞる
致命傷とまでは行かなくとも、少しはダメージになっていてしかるべきはずだ。
「よし、今だ!」ATフィールドのガードが途切れた所で、俺とガイア・ノムラはN2手榴弾のピンを抜くと、パワード蛇魅須目掛けて投げつけた。「喰らえ!」
N2手榴弾を投げると、俺達は回れ右してその場から逃げる。
凄まじい爆発。
「やったか!」
「いくらATフィールドで普通の弾丸ははじき返せても、対ATフィールド仕様弾とN2手榴弾を喰らえば、木っ端微塵に・・・」
「なッ!? そんな馬鹿な・・・!」
煙の中から現われた怪物の姿を見て俺達はアワを喰らった。
パワードジャミラのような装甲がひび割れて砕け、さらにおぞましい姿になっていたが、決定的なダメージを受けている様子もなく、そこに立ち尽くしている。
「く、くそっ! 貴様は不死身か!?」俺とガイア・ノムラは対ATフィールド仕様ラスガンを再び撃とうとした。「この化け物め! 死ねっ!」
だが、パワード蛇魅須が放った光の槍で武器を叩き落とされてしまった。
さらに満身創痍のパワード蛇魅須は俺達に襲い掛かって来る。
「よし、こうなったら素手の格闘戦で勝負!」ガイア・ノムラが構える。「2対1なら勝てる!」
ガイア・ノムラはパワード蛇魅須に並の人間なら一発でダウンしそうなパンチを数発お見舞いしたが、相手になり得ず、平手一発で殴り飛ばされた。
俺はパワード蛇魅須の膝に蹴りを入れ、よろけた所へ側頭部をぶん殴ったが、やはり有効打にはなり得ず、ビンタ一発で10メートル近くもすっ飛ばされる所となった。
「ハガクレカクゴさん、悪いけどまた下がってて」メンチは覚悟の前に手をかざす。「こいつもあたしにまかせてもらうわ」
「ん? おい、俺はそっちの鎧の男と戦いたいんだがね」シモツキは呆れたような顔をしている。「お前みたいな小便タレの出る幕じゃねえぞ」
「小便タレって言うんじゃないわよ!」またもメンチは千手観音みたいになった。「ム〜ッキッキッキッキィ〜ッ!」
「いかん! かなう相手ではない!」覚悟はメンチを止めようとする。
メンチとて生身の身体でオリンピック選手並の体力と運動能力を持ち、さらにメンタートとして薬物を投与され強化されている。
弱いはずはなく、むしろかなり強い部類に入ることは先ほどの戦いぶりからもわかる(
>>380,
>>394)。
しかし、もともとの身体の素材からして鍛え方に格段の違いがある上に、さらに効力の強い薬物で強化されているらしいシモツキにはとうてい歯が立たない。
シモツキはメンチの並の人間であれば一発でダウンしてしまいそうなパンチを何発喰らってもビクともせず、渾身の蹴りを空中で掴むと、放り投げてしまった。
「ひえええええ〜っ!」
メンチはゆうに10メートル以上はすっ飛んで行くと、岩壁にブチ当たりそうになったが、空中で身体をクルッと回転させ、岩壁の上に着地した。
「何よ、こいつ? プロレスラーもノックアウトするあたしの攻撃が通じないなんて!」
「メンチさん! 貴方では手に余る!」覚悟が再度メンチを引き止める。「こやつは俺が相手をする! 敵もそれを望んでいるようだ!」
「そ、そうね・・・それじゃあ、お願いするわ・・・」さすがにメンチも自分では手に負えないと悟ったらしく、今度は意外に素直に引き下がった。
「男と男の戦いね。邪魔をしてはいけないわ」ユキナが言った。「もっとも、男などという生き物はしょせん下品で下等な代物でしかないけどね」
<油断するな、覚悟! 先ほど一発で倒せたからと言って、同じ手は通じるとは限らぬ!>
「承知! 先ほどはこやつが油断していたため、不覚を取ったというのは単なる負け惜しみとも思えぬ!」
葉隠覚悟は零式防衛術の構えを取る。
だが、シモツキはこれと言った格闘技の構えを取ろうともしない。
「むッ!? ノーガード? 一見して隙だらけに見えるが、もしや俺の攻撃を誘うために!?」
<こやつ、打たれ強さに相当自信があると見える! 従ってディフェンスを必要としない戦闘モードを使うようだ!>
覚悟が自分からの先制攻撃を躊躇していると、やはりシモツキの側から仕掛けて来た。
しかし、これまたやはり予想できたことだが、その攻撃はあまりにも大振り過ぎる稚拙な動きによるものであった。
パワーばかりで隙だらけだ。覚悟はシモツキの攻撃を余裕で避けると、クロスカウンターを放つ。
「因果!!」
ところが、シモツキは殴られた所を指先で掻くような動作を示すと、「ククク・・・効かぬな・・・」と言った。
「何!? このようなことが果たしてあり得るか! 零式防衛術のクロスカウンター・因果を受ければ、並の人間であれば失神はま逃れぬはず!」
<こやつの打たれ強さ、尋常ではない! 薬物で強化されていることもあるが、他にも秘密があるようだ!>
覚悟はシモツキのさらなる攻撃を避けると、零式防衛術の攻撃で応酬するが、どれもダメージをもたらすことができない。
何発目かの攻撃を放った時、シモツキは殴られながらも覚悟のパンチを手で掴んで動きを止め、もう片方の手で殴り返した。
「ビッグバンインパクト!」
シモツキの右ストレートを喰らった覚悟はゆうに100メートルくらいはすっ飛んで岩壁に激突し、あたりに瓦礫を撒き散らした。
「ああっ、ハガクレカクゴさん!」メンチが叫んだ。
「フフフ・・・これが神聖綾波教団の拾四聖騎士の1人、八之騎士・惨堕瑠怖怨の力よ」ユキナが解説して言った。
「八之騎士・・・サンダルフォン・・・!?」
「むう・・・以前よりも威力が増しているな。主席司教とやらから力を授かっただけのことはあるわ。これではあの若僧も生きてはおるまいて」
スマソ。読み返して気づいたが、
>>407は「
>>384,
>>394に関連して」ではなく、
「
>>384,
>>388,
>>394に関連して」の間違い。
それから、ユキナ曹長の伍之騎士・羅魅獲に続いて、
シモツキを八之騎士・惨堕瑠怖怨にしてみました。
シモツキは『H×H』に出て来たウヴォーギンがモデルなんだけど、
むしろ『覚悟のススメ』に出て来たボルトとキャラかぶってるかな。
大体今後の展開は想像つくと思うけど。
「うぬ、ぐぐぐ・・・」地面の上を転がる俺はどうにかして起き上がろうとする。
「蛇魅須! 貴様、よくも寝返ったな!」巣輝牙がパワード蛇魅須に組み付いているのが見えた。
無謀にもナイフ1本で挑みかかっている。
だが、もちろん言うまでもなく屁のつっぱりにもなり得ず、やはりビンタ一発で殴り飛ばされた。
「化け物め!」俺は起き上がって叫んだ。「化け物に対抗するにはこれだ! 変身! EVA緑号機!」
俺の周囲に緑色の閃光が走る。
パワード蛇魅須は無表情だったが、それでも驚いている様子を隠せない。
「ぬが? 何だ、それは!?」
「お前に説明してもわからんだろう。俺自身にもよくわからんのだからな」等身大のEVA緑号機に変身した俺は言った。「だが、この姿に変身するとパワーアップする。俺自身も俺が使う武器も、な」
と、言いながら、俺はサブマシンガンをパワード蛇魅須に向かって構え、発砲する。
「はっはっはっ・・・そんな攻撃、ATフィールドではじき返して・・・何!?」
ATフィールドをあっさり貫通したサブマシンガン銃弾はパワード蛇魅須の本体に襲い掛かり、身体の表皮に突き刺さっていく。
「ぐえっ!」またも青い血が飛び散った。「うぬぐぐぐぐ・・・」
俺はサブマシンガンを投げ捨てると、今度は対ATフィールド仕様ラスガンに持ち替える。
「今度はこれを喰らえ!」俺はそう言いながら発砲した。「裏切り者め! 今度こそ木っ端微塵だ!」
ただでさえATフィールドを貫通する対ATフィールド仕様ラスガンの人造オリハルコン銃弾の威力は俺のEVA緑号機の力によりパワーアップされ、それを喰らった者は木っ端微塵になるはずであった。
だが、同じ手はさすがにそう何度も通じない。
人造オリハルコン銃弾がATフィールドの表面に着弾し、ゆっくり回転しながらその中を通り抜けようとしている間にパワード蛇魅須はそれを避けてしまった。
俺の横の方角へ回り込んだパワード蛇魅須が光の槍を放つ。
思わぬ方角から攻撃を受けた俺のEVA緑号機の装甲に光の槍が突き刺さり、そこへパワード蛇魅須が突進して来た。
「何ということだ・・・」地底のトンネルの中から送信されてきた映像を見て、私は驚愕と落胆を覚えた。「私はとんでもない間違いを犯していた・・・逆だったのです・・・」
「む? 逆?」ギーガ―様が私のもらした台詞を聞いて問い返した。「逆とはどういう意味だ、フウイ?」
「私はあの京都ジュピターは“遮蔽障害が霧をベースとしてできている”ものと思い込んでいたのです。ですが、実際にはそうではなく、“遮蔽障害が地上では霧という形態を取っている”の間違いだったのです」
「とにかく、地面の下にも障壁があることは確かだ」
「申し訳ありません、ギーガ―様・・・私が安易な思いつきでいい加減な作戦を提案したばかりに、皆さんに無駄な労力を使わせてしまいました・・・」
「無駄な労力だと? フウイ、そちはそう思うのか?」ギーガ―様は反発的な口調で言い返した。「わしはそうは思わぬな。お前はこうも言ったではないか。ラミエルの荷電粒子ビームは地底では使えぬと・・・」
「は? と、申されますと・・・?」
「我々にはあの京都ジュピターの障壁を破るだけの兵器があるが、破った途端の反撃を喰らってしまうという問題点があった。だが、この侵入経路であればその危険性は低い。お前の言うことが本当ならば、な」
「それでは、私の提案は無駄ではない、と?」
「それは今の段階ではわからぬが、試してみる価値はある・・・対ATフィールド仕様ラスガンキャノン砲にN2爆裂弾を配備しろ」
ギーガ―様はスモーカー大佐達を呼び出す。
「スモーカー大佐。お前達はその赤い壁に向かってラスガンキャノン砲でN2爆裂弾を撃ち込め」
“へ? しかし、ギーガ―様・・・”イエスマンにはほど遠いスモーカー大佐が反論する。“ラスガンキャノン砲とやらではあの壁を貫通しても、すぐに穴が塞がってしまうっていう話ですぜ。俺達が中へ入ることができませんや”
「そこが付け目だ。障壁を貫通して中へ入ったN2爆裂弾が結界の中で爆発する。外側にいるお前達は安全な状態のまま、中ではN2爆裂弾の力でトンネルを掘り進めるという寸法だ」
メンチは激しい揺れを感じた。
シモツキが放った凄まじいパワーの右ストレート一発で地面が揺れている。
崩れた瓦礫の中から超展性チタン合金の鎧をまとった男が這い出して来て、ふらつきながらもようやく立ち上がった。
「なッ!? 貴様、生きてるのか!?」シモツキはむしろ驚いた様子であった。「俺の“ビッグバンインパクト”を喰らって生きているのか!?」
「恐るべき攻撃! まるで小型ミサイル並の衝撃であった!」葉隠覚悟はようやく声を絞り出す。「なれど、その程度の攻撃では、この葉隠覚悟の息の根を止めることはでき申さぬ!」
そうは言っても、もちろん無傷というにはおよそほど遠い。
<超展性チタン合金の装甲でようやく衝撃をやわらげることができた! しかし、あばらが6本は折れているし、内臓も破裂している! これ以上の戦いは無謀だ!>
「言うな! これしきの痛手、兄上やライやボルトとの戦いに比べれば、取るに足らぬ!」
シモツキは自覚し得ない言い知れぬ恐怖心に襲われ、無意識のうちに後ずさりしている。
だが、覚悟は言っている尻から吐血し、よろけて倒れそうになった。
「何だ? こいつ、死に体か・・・?」
「そんな死に損ないにてこずっててどうするの」後ろで見物していたユキナが割り込むようにシモツキを下がらせる。「私が始末してやるわ」
と、言ったかと思うと、ユキナは全身から青い光を放って、まるで水晶でできているような半透明の巨人に変身した。
「私は神聖綾波教団の拾四聖騎士の1人、伍之騎士・羅魅獲!」水晶の巨人は全身から放電しながら両手でかめはめ波のような構えを取る。
<ムッ!? あれは第参位次席司教と同じエネルギー攻撃!>
「いかん! メンチさん、俺に構わず逃げろ!」それが覚悟に言えた最後の台詞だった。少なくともメンチにはそれ以上は聞こえなかった。
水晶の巨人の手のひらから荷電粒子ビームが放たれ、地底の洞窟の中で凄まじい爆発が起こった。
再び地面が揺れる。先ほどのシモツキのビッグバンインパクトで崩れかかっていた洞窟が崩れていく。
「ひえええええ・・・!」メンチは天井が崩れていく洞窟の中を、悲鳴をあげながら逃げ惑うのであった。
取り急ぎ。
>????さん
>>359-361でのネルフ本隊進軍に際し、主席司教は「挨拶」をしますか?
そちらの兵がネルフ本隊が到着するまで(一部を除いて主席の様式美のため)
「動かない」ということでしたよね?(地下は除く)
自分なりの整理
結界内部
ランドマスター隊+ネオ戦自戦力
→京都大へ。8〜9時時点ではすでに着いているやも。
加持率いる少数部隊
→結界要所と思われる付近を監視警戒、及び結界内部を調査情報収集中。
フウイ大使及びギーガー
→結界目前にて足止め中(時間不明、おそらくネルフ到着以前、
もしくはネルフ本隊とは離れた場所)
『E』カメラ隊、各所にて活動中。
『E』『D』、結界崩しに参加させる「予定」
『E』ダブリス、ネルフ本隊を遠方から見ているはず(絡む隙がなかったので)
『E』Longinus、
>>359-362ほぼ同時刻、交戦中
(『E』計画提案者、いまだ動かず)
>>418 ????他っす。挨拶は行います(と、いうか一応その辺りはある程度
出来ています)。とりあえずは、トライラックス担当さんの方の京都突入
作戦の様子を見て、修正する予定です。
「おがぁッ!」パワード蛇魅須が非人間的な奇声を発しながら俺に殴り掛かって来る。
いくらEVA緑号機のパワーアップされた装甲をもってしても、こいつのパワーは侮れない。
殴られっぱなしになっていては具合が悪い。
「貴様に俺の気持ちがわかるか!」パワード蛇魅須は何やら訳のわからないことをわめいている。
「何!? 貴様の、何だって!?」
「救世主の使者としてちやほやされてるお前に、役立たず呼ばわりされ続けてきた俺の苦しみがわかるか!」
「ほざくな!」俺はパワード蛇魅須にヒジテツをかまし、反撃に転ずる。「訳のわからねえこと言うんじゃねえよ!」
使徒人間の失敗作がにわか仕込みで怪物に変身したとて、等身大EVA緑号機に変身した俺がその気になれば敵ではなく、楽勝とまでは行かないにせよ形勢を逆転に持ち込む。
俺の方が自分よりも強いということを悟ったパワード蛇魅須は何を思ったか、俺にしがみついてきた。
「なッ、何をする気だ!?」俺は戦略自衛隊時代に見たサキエル襲来時のモニター映像を思い出す。「まッ、まさか! 自爆して俺と相討ちしようなんて・・・!」
本物の汎用人型決戦兵器を操縦しているならともかく、俺自身が等身大EVAに変身している状態でこいつに自爆などされたら、俺まで木っ端微塵になってしまう。
ところが、俺がそう言った途端、パワード蛇魅須は俺の身体から両手を離し、後ろ向けにぶっ倒れた。
「やっぱ駄目だな、俺みてえなヘタレに自爆はできねえ。あんたは強え。役立たずが救世主の使者に勝てるわけはねえよな」
どうやら、こいつは自分の負けを認めたらしい。
俺は地面に落ちていた対ATフィールド仕様ラスガンを拾って、倒れているパワード蛇魅須に銃口を向ける。
「さあ、殺せ」とパワード蛇魅須は乞うように言った。「自爆する度胸もねえこのへタレ野郎にあんたの手でトドメを刺してくれ」
その時、地面が激しく揺れるのを感じた。
遠くの方でガイア・ノムラが叫んでいるのが聞こえる。
「大変だ! 洞窟が崩れるかも知れんぞ! エヴァ・フェット、そんな奴はほっといてお前も早く逃げろ!」
422 :
421:03/06/19 05:02 ID:???
「その時、地面が激しく揺れるのを感じた」のは、
>>416でスモーウォーカー部隊が地底から結界の中へ
ラスガンキャノン砲でN2爆裂弾を撃ち込んだのと、
>>417でシモツキ(惨堕瑠怖怨)とユキナ(羅魅獲)が
葉隠覚悟に攻撃を加えたせいだと考えられる。
いくら何でもオドーが大神殿をN2爆弾で爆破した(
>>407)
というのは時間的にも状況的にも無理があるよな。
トンネルの中に巨大なアルミサッシのような物が運び込まれて行くのがモニタースクリーンに映し出される。
「ギーガー様、あれは?」と、私は尋ねる。
「あれはキサラギ博士のチームが急いで造ってくれたオリハルコン光電管ゲートだ」
「オリハルコン光電管・・・ゲート?」
「あの、全体、から・・・出力、は・・・弱い、ですが・・・まんべんなく、オリハルコンレーザー、を・・・放射、します・・・」
「理論上は京都ジュピターの遮蔽障害を無力化できるはずだ」
地底のトンネルの中でオリハルコン光電管ゲートが赤い障壁の表面に装着される。
“装着できましたぜ、ギーガー様”スモーカー大佐の声が聞こえた。
「よし、送電開始だ!」
ギーガー様の命令によりノンシップからオリハルコン光電管ゲートに送電され、オリハルコンレーザーが障壁の表面に放射される。
すると、ゲートの中から赤い障壁が消えてしまい、その向こう側にはすでに撃ち込まれたN2爆裂弾により土砂が吹き飛ばされて空洞ができているのがわかる。
「やったぞ! 成功だ!」ギーガー様がそう言うと、中央制御室に歓声が響く。「よし、スモーウォーカー部隊! 京都ジュピター内に突入し、トンネルを掘り進め!」
“ははッ、承知しました。まっかせなさあ〜い!”
一体何が起こったのか、地面が揺れている。
まるでさらに地底の深い所で爆弾でも爆発したように。
爆弾・・・?
ガイア・ノムラや巣輝牙、他の失敗作使徒人間達の姿はすでに見当たらない。先に逃げてしまったようだ。
俺は地面の上に大の字になって倒れているパワード蛇魅須を引きずり起こした。
「何をする?」蛇魅須は困惑した様子で言った。「どうするつもりだ?」
「お前にトドメを刺して殺すことはいつでもできる。だが、取り合えずお前の命は俺が預かった」俺は付け加える。「救世主の使者であるこの俺がな」
俺は自分よりも大柄なパワード蛇魅須の身体を担ぎ上げ、地面が揺れる中を細い枝道の中へ駆け込んだ。
揺れは一向におさまる様子もない。
さらに枝道を先へ進むと、風が吹いてくるのが感じられた。
「どうやら地上に続いているようだな・・・」
やはりそうだった。その抜け穴は地上へ続いていたのだ。
あたりは赤い霧が立ち込め、それは大神殿に潜入する前よりもさらに濃くなっているようにも思えた。
ガイア・ノムラや巣輝牙達の姿はやはり見当たらない。
他の奴らはともかくガイア・ノムラがそう簡単に死ぬとは思えないから、すでに別の安全な所へ退避しているのかも知れない。
「エヴァ・フェットさんよ・・・」蛇魅須が言った。「なぜ俺を助けた?」
「さて・・・なぜと言われてもな」正直な所、俺自身も答えに困ってしまう。「そうだな・・・お前は自分のことを誰からも役立たず呼ばわりされてきたと言ったが、生きていればやり直して他人の役に立つこともできるんじゃないのか?」
ところが、そうやたらと順調に事は運ばないものである。
“ギーガー様! キサラギ博士!”モニタースクリーンに映ったのはスモーカー大佐ではなく、クローンアスカの1人であった。“大変なことが起こりました!”
「どうした、セト?」ギーガー様が言った。
“オリハルコン光電管ゲートが加熱してショートしてしまいました!”
「何!? ショートした、だと!?」ギーガー様が驚いた様子で問い返す。「それでどうなった? 映像を回せ!」
“はっ、はい・・・”
セトの顔がモニターから消え、地底のトンネルの様子が映し出される。
オリハルコン光電管ゲートは煙をあげていて、その中には赤い障壁が戻って来ている。
「レーザー光線、を・・・持続、して・・・放射、する・・・と、なると・・・どうしても、加熱・・・して、しまい、ます・・・ショート、するのも・・・無理、からぬ・・・こと、です・・・」
「修理できるか、キサラギ博士?」
「それ、は・・・故障箇所、を・・・確認、せぬ・・・こと、には・・・何、とも・・・言え、ません・・・」
「な・・・なんということだ・・・それで、スモーカー達は!? トンネルを掘りに中へ入った連中はどうした!?」
“スモーウォーカー部隊は結界の内側に閉じ込められた状態になっています”
「まあ、ギーガー様・・・あの者達のことだから、退路を断たれてもトンネルを掘り続けて、京都ジュピター内に抜け出るのではないかと思われます。その点は心配ないのではないか、と・・・」
ギーガー様がやけにそわそわした様子なので、私は気休めがかったことを言ってその場をとりなそうとする。
「とにかく・・・我々も手をこまねいているわけには参りますまい。ギーガー様、私はまたネオ戦略自衛隊の方々と今後の対策を合議して参ります」
「う、うむ・・・頼んだぞ、フウイ」
426 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/19 06:30 ID:dPx3l1gY
ここの所、独走で飛ばしまくりのトライラックス担当です。
他の書き手の皆さんとの絡みに際して状況の整理が大変です。
すでに私が登場させたキャラはかなり死者が出ていますね。
>????他さん
取り合えず、スモーウォーカー部隊がトンネルを掘っている最中に
オリハルコン光電管ゲートがショートして潜入経路が断たれてしまった
ということにしました。この後、フウイ・ノ・レイがネオ戦略自衛隊と
合議している時にネルフ本部が到着したという知らせが来て、
シヴァ、セト、ヘルの3名はネルフと合流して潜入という感じがいいかな。
ギーガーとフウイもいずれは残っているK-1ゲリオンで出陣の
予定なんだけど、その際の潜入経路はどうしようかな。
>E計画さん
エヴァ・フェット、パワード蛇魅須とともに一旦地上へ抜け出しました。
時刻はネルフ本隊の突入よりも少しばかり前ですかね。
地上へ出たエヴァ・フェットがAngelArmの一隊と遭遇、
これを風貌や能力などから教団側の手の者と誤認して交戦、
という展開はどうかとも思っているのですが。あと、一応、
パワード蛇魅須も戦力としてはかなり食い下がります。
量産試作壱号機や陸号機が登場するのはかなり後のことになりそうだな。
変身を解いて元の姿に戻った俺は、今度は空腹を覚えた。
思い返せば、昨日朝の“最後の晩餐”(前スレ拾弐
>>37)以来、ろくな物を食べていない。
携帯非常食の乾パンやらカロリーメイトやらはもう食い飽きたので、ちょうど良く地上へ出たことだし、俺は京都の街へ食糧を捜しに行くことにした。
以前、スティンガーと京都銘菓の「おたべ」を買いに来た時はこの京都の街も人々の生活があり活気があったが、今ではまるでゴーストタウンのようだ。
赤い霧の中から、恐らくは仲間からはぐれたのであろう使徒もどきが現われ、襲い掛かって来たが、俺はそんなもの問題にもせずに軽くあしらう。
はぐれ使徒もどきは俺の銃撃を受けて逃げて行った。
ゲテモノ食いのメンチならあの使徒もどきを殺して解体し、その肉を料理して食べてしまうくらいやりかねないのだろうが、あいにくとお姫様のような生活に憧れる俺にはそんな真似はとうていできるべくもない。
利用者も経営者も退去してしまったコンビニエンスストアを見つけた。
だが、カップめんはお湯がなくては役に立たない。
おにぎりやサンドイッチは数日前の物らしく、すでに堅くなってしまっている。
ペットボトルの緑茶を飲むと、生ぬるくてまずい。
食料品が手に入っただけまだマシだが、現代文明社会の恩恵とは意外にももろいものだと感じさせられる。
ゴワゴワしたおにぎりやサンドイッチを食べながら、店の外へ出て通りを歩いていると、赤い霧の中を人影が走り抜けていくのが見えた。
「ん? 誰だ?」俺は口の中でおにぎりやらサンドイッチやらを頬張りながら言った。「蛇魅須か?」
いや、違う。パワード形態の蛇魅須は身長がゆうに2メートル以上はあるが、今の奴はもっと小柄だった。
まず使徒もどきの類ではないし、使徒人間の失敗作でもなさそうだ。
霧のせいで顔は見えなかったが、頭の上に髪の毛がなびいていたから、ガイア・ノムラではない。
「何者だ? こんな所で1人で出歩いてるなんて・・・俺達の仲間じゃなけりゃ、教団の手の者か・・・?」
「オリハルコン光電管が加熱してショートしてしまったため、使用不能となってしまいました」もちろんネオ戦自側にもわかっていることだが、私は改まって現状を述べる。「現在、キサラギ博士のチームが修繕作業に当たっています」
「京都ジュピターの領域内に潜入した者達はどうなったのです?」ネオ戦自の司令官が心配げに問う。
「彼らのことは取り合えず心配は不要かと存じます。恐らくは今なおトンネルを掘り続けているのではないか、と・・・ですが、我々も手をこまねいてばかりはいられません。オリハルコン光電管ゲートが修理でき次第、しかるべき対応をせねば」
そこへネオ戦自の通信士が司令官に報告に来る。
「司令官殿! ネルフ側から緊急通信です!」
「ネルフから緊急通信? 一体何だ?」
「ネルフの本隊はついに京都ジュピター内部への強行突入を敢行するとのことです!(
>>359)」
「何だと、強行突入!?」ネオ戦自の司令官はさすがに驚いた様子であった。
「それでは、ネルフの本隊はあの京都ジュピターの遮蔽障害を突破できる兵器が配備しているのか!」
「サードインパクト以前には使徒生物との戦いを経てきたネルフのことであれば・・・」と、私は言った。「しかし、前にラミエルが襲来した際にあれだけ苦戦を強いられたことを考えれば、いかなネルフと言えど侮れる相手ではありませぬ」
私の発言を聞いて、司令官は不審な反応を示した。
「はて・・・? その言い草では、前大使殿は前にラミエルが襲撃して来た際のことを御存知なのですか?」
「あ、いや・・・ネルフと言えども使徒生物には苦戦を強いられたというのは有名な話ですぞ」私は差し障りなく言いくるめる。「とにかく、私達もネルフ側と連絡を取って、場合によってはサポートをせねば・・・」
モニタースクリーンには赤い巨大なドームの上空に迫って行く黒い球体が映し出されていた。
430 :
町奉行:03/06/21 13:56 ID:???
どうした副長。
なに、みすみす敵の艦隊を京都へ逃がしたことで不満が高まっていると。
まあ、そうだろうな。
特にトライラックス投降組は、そうだと。
わかっているが、戦ってのはなにも闇雲に敵を倒せばいいというわけじゃあない。
特に今回はリナ達の救出も行うとなると機会ってものがある。
それに京都前でなにもしていないわけじゃあねえしな。
機関部総出であの赤い壁の弱点も探しているわけだし。
どうした?
黒い球体が接近だと、どうやらネルフの別働隊が到着か。
よし、全艦非常配置。
戦闘態勢に入れ、こんどは本当に戦闘を行うぞ。
魚雷管1番、2番虚数魚雷に換装。
主砲は撤甲榴弾を初弾に、副砲は粘着榴弾、機関砲は曳光弾を初弾にしろ。
副長、上陸班を指揮して上陸準備。
魚雷はネルフの攻撃の援護を主におこなえ。
特に虚数弾頭はネルフの攻撃目標に同調できるようにもしておけ!
機関部、指示があったらすぐに虚数空間バリアをはれるように準備。
出力最大、高速飛行用機関、作動準備で待機
物理的に攻撃を無効化する化け物との戦いは骨が折れるものだった。
「霧か霞を相手にしているようだが、手ごたえはある」
エーアストが無い汗を拭う仕草をする。
化け物も攻撃の瞬間には実体化しなければならない。
そこを狙えばダメージを与えられる。
「しかし、この回復力は洒落にならんぞ」
ダメージを与えても、時間がある程度経てば回復する。
「いい相手じゃないか。ほどほどにな」
フィーアトの台詞の意味をエーアスト、ゼクストの二人は理解する。
長槍を気合入れに大回転させて、フィーアトは下段に構える。
ゼクストは翼を広げると、両手十指の指を鋭く伸ばす。
右手のステッキを八の字に回しながらライフルに変え、
エーアストが化け物に銃口を向ける。
「ここまでだ」
空を覆う赤い壁が少し前にかすかに波打ったのを三人は見ている。
もう時間だ。
それぞれが構えた得物が淡く光を放ち始める。
同時に彼らの周りの紅い霧がより激しく、喰われ、消えていく。
己の危機を感じた化け物は翼を広げ咆哮する。
アーーーーーーッ リィィーーーーーッ!!
白い両翼から視界を埋め尽くさんばかりの羽が噴き出された。
「そんなもの!」
銃口を広げ、エーアストが散弾銃の引き金を引く。
もはや霧状といっても過言では無い無数の紅い散弾が、
羽と衝突して暴風を生み出す。
羽が風に舞い上げられ、弄ばれて進行方向を乱雑に変化させる。
「バカがッ」
フィーアトは構えた槍を網状に変化させ、
化け物を取り囲むように防護壁を布く。
「!!」
羽が触れた瞬間、網は腐り落ちるかのように変質させられた。
フィーアトは網を切り離し、化け物に向けて指向性で爆発させる。
「なっ!?」
視界を覆う火の赤にエーアストはとっさに左腕を振った。
縦一直線に空間の断裂が現れ、爆風を避ける盾となる。
しかし、それだけで全てを回避できるわけではない。
ATフィールドでそれ以外の部分を補強してなんとか乗り切る。
「ゼクスト、奴は何処だ!?」
見張り役にならざるを得なかった一人にエーアストが叫ぶ。
「逃げられた!
………なーんて「ぐああああああああああ!!?」
絶叫したのはエーアストだった。
右の腕が異様に膨れ上がり、彼自身を襲おうとしている。
「ガアッッ!!」
ブチブチィッと肉が裂ける音がして、右肩から腕の先が不器用に分断された。
残った左を構えると、
形を凶悪に変質させていく右腕だった物に加減の無い一撃を放つ。
耳の痛くなるような静けさ、そして光。
音という名の衝撃波が周囲の木々をなぎ倒し、光の先は天井にまで届いた。
「………………くっ、しまった!」
出来てしまった隙を逃さず、化け物はゼクストの手の内から脱出していた。
が、逃げ切れてはいなかった。
フィーアトの一撃が化け物の単眼を確実に貫く。
化け物の体の内側から外側に向けてハリセンボンのように紅い槍が突き出す。
「ゼクスト、減点1だな」
最期の叫びも上げられずに、化け物は爆発四散した。
「これ…………か。ゴフッ…」
こんなしけた物を化け物は護っていたのか。
そう思いながらエーアストは原型をかろうじて留める塚から
結界の要と思われるものを取り出すと、焼却した。
「これで一つか。気が抜けんな」
それはゼクストが言っていい言葉ではなかった。
age
最近、佳境に入るに従って、お話が行き詰まっているような・・・
436 :
今井ゲリオン ◆JA6Tg/2xeM :03/06/22 16:46 ID:7yXlvQ8Z
>フウイ・ノ・レイ
光電管って光出す物じゃなくて光を検出するものだったような…
いかんせんノンシップの中央制御室に比べると、ネオ戦略自衛隊の仮設基地のモニターはサイズも小さく映りも良くない。
「あれは?」モニターに映し出された黒い球状の飛行物体を見て、私は言った。「あれがネルフ・・・ネルフの秘密兵器ですか?」
私の問いに対してネオ戦自の通信士が言った。
「旧ネルフの本部施設そのものが地面からすっぽり抜け出して、ここまで飛んで来たそうです」
「ネルフ本部施設そのものが?」
私は日本に着任した初期の頃、アオイを救出しに第三新東京の旧ネルフ本部跡へ行った時のことを思い出す。
あの時は地底の空洞の中は瓦礫の山のような状態だった。
そして、さらに記憶をさかのぼり、サードインパクト以前の時代、私が綾波レイとしてネルフ本部に出入りしていた頃のことを思い出した。
しかし、ネルフ要員でありエヴァパイロットとして盛んに出入りしていた私にも、ネルフ本部が実はああなっていたことは知る術もなかったのだ。
「驚いた・・・ネルフ本部がああいうふうになっていたなんて・・・」
私がつぶやくように言ったのを聞き逃さなかったネオ戦自の司令官が言った。
「前大使殿、先ほどから聞いていると・・・どうも貴方はネルフや使徒生物のことを以前から御存知だったような口振りでおられますが? そもそもネルフが使徒と戦っていたこと自体、民間には非公開だったはずです。なぜネルフが苦戦していたと御存知なのですか?」
「いや、それは・・・つまり・・・」先ほども誤魔化したつもりだったが、誤魔化し切ることはできていない。「少しばかり事情を知らぬわけでもないので、それを見込まれて初代の駐日大使に選ばれたようなものなのです」
「すると、やはり前大使殿もその当時の事情を御存知だったネルフの関係者でいらしたのですか?」
「まあ、広い意味では関係者と言えぬこともありませんが、かと申して、実際に存じ上げていることほんのはわずかで、たかが知れております」
「司令官殿!」先ほどの通信士がまた報告に来た。「新たな通信連絡が入りました!」
「新たな通信連絡? ネルフからか? それともトライデントからか?」
「いえ、飛行船エンタープライズからです」
「エンタープライズ? 何だ、それは? スタートレックか?」司令官はいささか困惑した様子である。
「通信士は元トライラックスのウーラ中尉、指揮官は箱根湯本の町奉行だと名乗っており、自分達もネルフを援護すると通達して来ております」
「町奉行!」私は驚きのあまり思わず声に出して言った。「町奉行殿もここへ!?」
私は旧東京近郊の農業プラントでの結婚式の時のことを思い出す。
そう言えば、あの時、町奉行達の一行は飛行船で来ていた。
それでは、あの飛行船でここまで来たというのか?
「前大使殿も湯本の町奉行殿を御存知なので?」司令官が私に尋ねた。
「はい、関東の方へ行った際に何度かお会いしたことがございます。あの方とはフィーリングが合いそうなので・・・」
だが、私の頭の中にろくでもない想像がよぎる。
「いや、これは具合が悪い。あの飛行船ではネルフを援護すると言っても、下手をするとラミエルの荷電粒子ビームで撃墜されてしまう危険性がある」
そして、私は通信士に言った。
「町奉行殿に伝えて下さい。京都ジュピターの中には第5使徒ラミエルが待ち受けている可能性があるので、荷電粒子ビームに気をつけろ、と」
「は、はい、承知しました」通信士は私が言ったことを町奉行の飛行船に伝える。
「さて、司令官殿」私は今度は司令官に言った。「我々も手をこまねいているわけには参りませぬ。戦闘準備にかからねば」
ありゃりゃ、今回はレス数400代でもうスレが限界かよ。
まあ、俺のネタカキコは1レスの文章量が多いからな。
>今井ゲリオンさん
そうだったの? レーザー光線を発射する際に必要な器具だって聞いてたから、
俺はてっきりそれ自体からレーザーを放射するのだとばかり思ってた。
しかし、「光を検出する機能」という点では、フウイ・ノ・レイの人工視力に
オリハルコン光電管が使われているというのは的を射ているような・・・。
>町奉行さん
お久しぶりです。そちらのカキコには通信連絡を取る場面はありませんでしたが、
こちら側の判断でネオ戦略自衛隊を仲介してフウイ・ノ・レイが結界の内部には
ラミエルが待ち構えていて危険だということを伝えたことにしました。
フウイ・ノ・レイは町奉行さんとフィーリングが合うため、
奇妙な友情を抱いていて、身の安全を気遣っているというような感じですかね。
>E計画さん
これで京都ジュピター(勝手に命名)の遮蔽障害力は理論上60%まで落ちたってことですかね。
しかし、Longinusが3人そろって聖母の使徒1体に意外に苦戦しているのがちょっとな。
>????さん
トライラックス、及びネオ戦自はネルフ本隊に同行する部隊と、
地底のトンネルから潜入する部隊の二手に分かれて攻撃を仕掛けます。
ただ、具体的にどのように戦力を分けるかはまだ考えている最中です。
前のネオ戦自担当だった高橋覗さんはフウイ・ノ・レイに同行して
結界の中へ潜入したいと言っていたので、ネオエヴァをどうするか・・・。
誰か次スレ立てぎぼ〜ん。
眠たくてもう限界・・・。
残り少しを活用して。
>トライラックスさん
『E』に対し、聖母は手を抜く必要が無いと言っていたので、
(ネルフ隊に当たるよりは)多少(思考能力を)強化って感じで。
戦闘序盤はウォームアップもかねています。
前半は物理的な槍の力、後半はアンチATFを含めた+αと。
これで青蓮院、将軍塚の要は壊しました。
次に動かす予定は『D』、破壊目標は「頂法寺の道返玉」ですね。
>>428の絡みもそれなりに動かしてみます。
AngelArmsの容姿ですが、ラミエル兵(仮)は漆黒の戦闘服にそれなりの武装です。
能力を開放するまでは銀髪赤眼(雰囲気)以外、普通の人となんら代わりません野でご注意を。
他にもカメラ班、ネルフの先遣隊等うろうろしている者はいるかとも思われ。
って、頂法寺は危険場所じゃん(笑)
過去スレ見たら問答無用で消されるってあったけど、おそらく今だったら大丈夫かなぁ?
445 :
296:
気づかれてないのか故意に無視されてるのかわかりませんが、
なんか悔しいので、新スレ建てて状況整理書いたのは自分だとここでコソーリ宣言しておきます。
・・・術式中心って珍皇寺じゃなかったようっすね(恥 位置的に真ん中ってだけ?
中心っぽかったから加持さんの配置は強引にそこになったのでした(w
一応
蓮華王院:観音像×1001、曼陀羅、生玉
頂法寺:へそ石の下の道返玉
珍皇寺:死玉(怨霊を呼び寄せてるのはこれらしいです)
この玉三つって「十種の瑞宝」と関係あるんでしょうか。
フルヘユラユラトフルヘ。霊気を震い立たせることによる回復/現象励起。伊勢神道。