操縦方法や、守護霊の事などを説明してもらい、少年が敬礼して、スモーウォーカーに乗りこむ。
ネオ戦自の司令官や将校達が、敬礼を返す。
「行って来い、少年!!君には守護霊がついている!!」
「はい、いってまいります!!」
少年が乗りこんで、エヴァが神経接続で繋がる。彼は守護霊の魂を見せつけられた。
サードインパクト後の世界で、混乱に巻き込まれて死んだ魂の叫びだった。
実験体にされた者、謀略で貶められた者、殺人者のいいように殺された者・・・。
そのままだったら、怨霊と化して闇をさまよう運命であったろう、それらの魂は、
守護神の元に光と昇華していた。
「この守護霊達の、苦しみに比べれば、俺の肉体の痛みなど、どれほどのものか・・・!!
この光・・・零に似ている!守護霊よ、俺は葉隠覚悟という者だ!!
我のスモ―ウォーカーに力を与えよ!」
少年の叫びに呼応して、スモ―ウォーカーの身体が、光に包まれた。
そして一閃の光が、ネオ戦自基地を飛び立って行った。
空を飛ぶスモーウォーカー直下には、ネオ戦自のものとみられる車両の隊列が並んでいた。
そして、スモーウォーカーは赤い霧の京都上空に入る。
スモーウォーカーの守護霊が、反応した。
「・・・そうか、零が近いんだな?」
少年が地面を見ると、小さい神社があり、ひとりの人影が見えた。モニターをズームさせると、
その人影こそ、零だった。
「見つけたぞ!!なにやら古めかしい日本刀を持っている・・・。
しかし、零を装着しているのは、一体誰だ・・・!?」
スモーウォーカーの守護霊が、少年の精神に語りかける
<覚悟よ!!お主の鎧を纏っているのは、お主が助けたトライラックス兵だ!!
主席司教の誘惑に、簡単に乗ったようだ!!>
「な・・・なに!?」
少年が良かれと思って助けたあの女は、堕落した精神の女だったのだ。
「主席司教は、零の魂を操作したとかいっていたな・・・。零よ、俺が
不覚だった。今、俺がいくぞっ!!」
スモーウォーカーが、日本刀を持った、零を着けた女の前に着地した。
んー、ようやく落ち着いてきた。あのサルサ・セカンダスでの悪夢以来、どうも調子がよくなく、記憶が途切れ
がちだ。えーと、あの後目覚めた病院で目を開けたらそこにいた看護婦がセカンドクローンの一人だったので
ビビったとか、いくつかの会議に護衛としてくっついていった事は記憶してるが、詳細はよく覚えていない。
ともかく、そんなこんなで俺は日本に帰ってきた。
トライラックスでの事件を報告するかたわら、日本でも色々とえらい事が起こっていた事を聞く。ダミーレイ達
の一斉拉致や、京都を覆う謎の霧、本国から離反したトライラックス艦隊。これらの出来事は、決戦が近い
という事を否応無く感じさせた。だが、ここで俺は一つ引っかかった。あの綾波教の聖母はフウイ・ノ・レイを
狙っていた。それも『彼女達の指導者』になってもらうなどと言って。タイミングから考えるにダミーレイ達とな
んらかの繋がりがあると俺は思った。しかし、なぜあのトライラックスのサイボーグなのだろう。そう言えば、
以前綾波がスキャンしたあれのデータでは、生体部分がいわゆる『綾波レイ』の特徴と一致していた。
……いったい何者だ?
だが、そんな事を考える間にも事態は進行していく。京都での決戦を前に旧東京のネオ戦自が参戦を表明。
また、トライラックスの面々も日本にやってくる。そして、ランドマスター隊の先行出撃。ある意味、司令やシン
ジ達を除けば、もっとも戦うべき理由の強い連中だ。……死ぬなよ。
そして、俺達も最後の調整を行っていた、そんな時だ。唐突に彼は現れた。……忘れもしない、碇ゲンドウ
司令だ。彼は主要スタッフを前にこう言った。
「皆もわかっているだろうが、私がここに現れたという事は、これが最後の戦いという事だ。これに敗れれば
全てが終わる…悪い方向にな。悪意をもってのフォース・インパクトだけは防がねばならない。私から今言う
べき事は、それだけだ。」
そして、彼はシンジ達エヴァ能力者に声をかける。
「君達が全ての鍵だ。……たのんだぞ」
その後、彼は赤木博士の手を握りながら俺達に言った。
「おそらく、京都の赤い霧は更に恐ろしい姿を現すだろう。私が道を開くから、そこから突入して、あの霧を
維持しているシステムを探し出し、破壊しろ。さもなければ勝負にならん。……リツコ君、手伝ってもらうぞ」
そして、彼は赤木博士と共に消えた。
429 :
428:03/05/04 21:28 ID:???
○高橋さん
とり急ぎ。そこにはユキナ以外にも聖母の使徒が一体潜んでいますので
注意して。また、戦闘の時間軸は、戦闘中に結界が第二段階。つまり、ラ
ンドマスターが霧を超えた直後でお願いします。
「ありがとう、スモ―ウォーカー!!」
着地すると少年は言い、スモ―ウォーカーを降りて、零をまとった女と対峙する。
<おい!!お主、生身の身体でどうするというのだ!!しかも、その
傷だらけの身体で!!>
「零を目覚めさせるには、3000回死ぬ覚悟を持って挑まなければならぬ!!」
少年は、鎧の女と対峙する。
「俺の敵は、トライラックス兵である、あなたではない。零でもない。
不覚をとったこの俺自身だ!!」
そう言うと、少年は零式防衛術の構えを取った。
>トライラックスさん
このあと、トライラックスさんのネタカキコを待ってみます。
>????他さん
時間軸、了解しました。
京都に向かったランドマスター隊とその同行の部隊は、無事に赤い霧を通り抜けた。あらかじめ対策をして
いた彼等は無事に通り抜けられた事に安堵する。だが、彼等はそれゆえに気づかなかった。たとえ対策を
していなかったとしても霧だけなら無事に通り抜けられた事を。そして、通り抜けた直後に異変を目撃する事となる。
霧が深紅に染まる。それは血の色か、憎しみの色か。
ドーム状に京都を包む形で広がっていた霧の外苑部。それが突如、壁のような威圧感を放ち始めたのだ。
いや、実際に霧は物体に干渉する能力を備えていた。ランドマスター隊に同行した戦車の内、最後尾に
いた戦車は不幸にもそれに捕らえられた。物理的干渉力を持つにいたった怨霊の壁は、善霊達を引き裂き、
戦車を一瞬で紙屑のようにぐしゃぐしゃにする。搭乗員達は、霧と同じ色の液体が自分の中から溢れ出し、
皮と肉と筋がそぼろのように細かくちぎれ飛んでいくのを知覚した。ミキサーで分離をかけたように、かつて
人であったものは等量の有機物のかけらとなり、ぱきぱきという音を立てて飛ぶ骨片が、赤に映えて鮮やかだった。
霧が深紅に染まり、完全に京都の内部を探る手段が閉ざされると同時に、京都市内にも動きが起き始めた。
まず、大神殿の上空に、あざやかな青の正八面体のブロックが出現した。ネルフ、ゼーレに関係していた
者にはそれがなにかは一目瞭然だっただろう。弟5使徒ラミエルだ。
そして、市内の各地に蠢きだす影、影、影。それらは生きた兵士もいれば、使徒の力を持つ戦士達もいる。
また、使徒の力を植えつけられた使徒もどき達も普段の姿とはうって変わって、なにかの意思に従い、統
制された動きを見せている。更に、あきらかに死人と思われる兵の姿も見受けられる。
そして、異空間よりこれらを知覚している影。黒と白のストライプの球体…第12使徒レリエルは、エヴァ
を始めとする様々な伏兵を送り込む命令を待ち、送り込まれる者達もその瞬間を待っていた。
セカンド・サードの両インパクトの影響で入り江と化した河川の一画にも異形の影があった。大阪方面か
ら水路で来れるただ一つの道に待つのは、かつては艦隊だったが、今は特殊な鎖で人員ごと融合した存在。
そして、今では更に異形の姿と化していた。なぜなら、水上の艦船部分に隠れて見えない部分には白い
魚のような、巨大な口を持つ巨体…弟6使徒ガギエルが融合していたからだ。彼等が待つのは、敵がこの
赤い霧を取り除いた、その瞬間だった。
434 :
418:03/05/04 23:41 ID:???
もしかしたら割り込んでるかも、すみません。
実質的にはネタできてないんですが、また時間軸について補足を。
やっと最近のスレ落ち着いて読み返したらいろいろ矛盾が。
意味ないかもしれませんが、少し。
>最後の兵士様
ランドマスター隊の先行出撃について。
自分なりに時間軸整理してみました。多少無理はあると思いますが
(ネルフ+トライデント本隊進攻前日夜明け〜早朝、
0500くらいまでに「E」フライング戦闘終結)
前日午前中にトライラックス訪問組帰国(本国動乱終結が一応(本国時間で)朝方、
直後に高速機で日本に向かったとして。時差は考えてないです)
同午後までに、ランドマスター隊、ネオ戦自大阪基地にて
ミーティング及び守護神による霊的防御措置(守護霊の憑依)完了
直後〜数時間後?ネオ戦自戦車小隊とともに京都へ向け出立(1700頃?)
1700くらいにOTRにてミサト・リツコらの会話(>392)
→携帯・ベルトの製作? それだと
>>318と矛盾するのでこれはなしでもいいです。
採用の場合、後からネオ戦自哨戒部隊もしくは補給部隊(
>>340)の手を借りて
隊長に届けてもらったということで。
前日夜間、ランドマスター隊+戦車隊、京都周縁部に到達(夜中とかかなぁ)
夜間行軍を避け、翌朝(本隊進攻当日)0900に捕虜奪還作戦開始の予定
・・・ってのでどうでしょう。これだと、一応進攻前日に全部収まると思います。
突発感想>高橋様
>>423〜>426、>430 覚悟さんすんごいカコイイっす! どうなるかと思っただけに。
日本へ向かって飛行中の戦闘用大型ノンシップ“ポウル・ウスル・ムアディブ”の中央制御室では別名を「人間電子計算機」とも呼ばれるメンタートのオペレーターやナビゲーターがずらりと並ぶ計器類を操作していた。
何もないはずの空間に巨大な平面モニタースクリーンが浮かび上がり、先行している“アルダ・サルバ・アサナ”を中継して送信されて来た映像が映し出される。
画面にやたらとノイズが走って映りが悪いが、同じ型の戦闘用大型ノンシップが映っている。
「反乱軍が奪って国外逃亡した2号艦“デウス・ウキス・マキーナ”です」メンタートの通信士から報告をピエット元提督がそれをギーガー様に伝えた。
「なお、紀伊半島の東側にも西側にも駐留艦隊らしい船影は見当たらず、京都の近隣地区には電波障害を伴う赤い霧が発生しているため、その内部の状況は把握できないそうです」
「駐留艦隊や潜入部隊はすでにやられてしまったのでしょうか?」私は言った。「エヴァ・フェットやクローリー・ヒナ大使がそう簡単にやられるとも思えないのですが・・・」
「そうよ、エヴァ・フェットがそう簡単にやられるわけがないわ!」スティンガーが叫ぶような口調で言った。
顔中包帯だらけで戦闘用装甲服を着ているものだから、まるで『スターウォーズ帝国の逆襲』にチョイ役で出て来るデンガーみたいだ。
「やられた可能性も考えられる。教団側は我々の作戦を先読みしていたからな」ギーガー様が言った。「より最悪の可能性として、反乱軍同様に教団側に寝返った者もいるかも知れぬ」
「そんな・・・」スティンガーは今度は意気消沈するように言った。
「いずれにせよ・・・手の内にネタが尽きているとなれば、我々の側は極めて不利な戦いを想定せねばなりますまい。対ATフィールド仕様ラスガンも教団の上級幹部には通じないことがわかっていますし・・・」
教団の聖母やその直属の手下である使徒には対ATフィールド仕様ラスガンが有効打とならないことは先立っての実例からも明らかである。
「うむ・・・しかし、我々の側にも手立てがないわけではない」と、ギーガー様は言った。「実際に通用するかどうかは現時点では未知数だが、一応の切り札は用意してある」
>????さん
総本山会戦の時のようなライブ形式は無い、と判断していいのですよね?
レス待ちます。
ライブが無いのでしたら、こっちはそれより早い時点での進入を終えていなければならないし、
いろいろと始めなくてはなりませんので。
>高橋さん
覚悟はやはりいいですな。
3000回死んでも〜のくだりは原作からの引用ですね。
>黒メガネさん
時間軸の整理、ありがとうございます。
ここ最近は特にややこしくなっていたので、私としては非常に助かります。
そんな感じで大丈夫じゃないか、と。思いますけど。
ただこれだと、『E』の援助物資をランドマスター隊は受け取っていない事になるなぁ。
合図がランドマスター隊出発のあとだから。
437 :
418:03/05/05 00:00 ID:???
無駄補足もうひとつ。京都周辺の地形変化についてのつじつま合わせ。
セカンド・サードによる水没地域:
旧神戸〜旧大阪〜旧堺辺りまで湾が膨張したのが「新大阪湾(仮)」
海上都市大阪はここを周遊、付近にOTR停泊
「淀川近辺」旧淀川流域に沿って、旧守口・旧摂津・旧寝屋川・旧枚方等の市街部、
だいたい旧八幡辺りまでの市街を水底に沈めつつ、北東方向へ細長く海が伸びる
(新大阪湾からそのまま続いている感じで。水道・海峡のような地形)
箕面、高槻、島本、大山崎等は水没せず
旧八幡辺り(旧淀川が桂川・宇治川・木津川の三つの支流に分かれる地点)にて
京都盆地北部(市街部)を前に海が二つに分かれ
1.旧桂川流域に沿って北上、旧長岡京、旧向日等を飲み込んで
旧東海道本線の鉄橋辺りまで伸びる。あとは桂川
2.旧宇治川・旧木津川流域を呑み込み、東山(伏見区)を回りこんで北へ。
旧山科区はほぼ全域水没(地図上で「山地」になっているところ以外は
全部海底になった感じで)
旧宇治川流域と琵琶湖を隔てる山地の一部はインパクト時に崩壊、
海はそこを通って旧大津辺りで琵琶湖と合流
とすると、OTRを含め、大型艦船等が充分通過できる状態になると思います。
鴨川辺りはほぼインパクト前の地図と同じということにしてください。鴨川周辺も
海にしてしまえば、東山を南に回り込むことなくスムーズに琵琶湖まで行けるんですが、
そうすると結界解除ポイント五箇所のうち幾つかまで水没してしまいます。
余計かもしれませんが一応。
本当は>433にあるように「一部水没した河川」みたいな書き方で充分済むんですが、
気になったもので。すみません。
>>436 ライブ形式は…やろうと思えばできますが、どのくらい執筆速度が遅い
ので、うまくついていけない可能性も。それでもよければ。一応今夜
はいますので。
439 :
438:03/05/05 00:02 ID:???
と、文章が変ですね(藁 「どのくらい」を削ってください。
ちなみに????他です。
440 :
437:03/05/05 00:05 ID:???
>>436 ああ〜!! そうだった(涙
・・・駄目じゃん・・・ネオ戦自補給部隊に届けてもらう手もあるけど、
ネオ戦自の分はないんですよね? ということは彼らの手は借りにくいと。
・・・・・・すんません自分にはもう無理です。
誰か助けて
441 :
438:03/05/05 00:08 ID:???
ここでちと第二段階に変化した結界について。見ての通り、物理的破壊力
が加わり、これを破るにはエヴァレベルのパワーが必要です。しかも、す
ぐに穴が塞がるので、常に空け続けなければいけない上、N2等の通常の
物理法則による兵器は無効(一応サードインパクト超えエヴァの攻撃は有効)
と、いうタチの悪い代物です。
>>437 あの〜・・・以前、本スレの
>>120,
>>146でエヴァ・フェット達が
「兵庫県尼崎市に立ち寄る」場面を書いたことがあるのですが・・・、
もしかして尼崎ってすでに水没してしまっているのでしょうか?
そうなのであれば、便宜上、それより北に位置する街が「新尼崎」とか何とか
呼ばれるようになったとでも解釈しておいて下さい。
>>441 それでは、スモーウォーカーやK-1ゲリオンは出入りできないのですか?
一応、トライラックスのノンシップには対抗兵器が装備されているのですが(
>>435)。
444get!
>????さん
取り敢えず進入(結界変化前)とこっちの必要な「準備」を書こうと思います。
まずは準備から。
>黒メガネさん
ええ、ないです。でも、彼ら(ネオ戦自の人)でも使えない事は無いし、
重要な人員のみに渡せばあまるんじゃないかと。
あくまでも援助物資、胴使うかは援助を受けたネルフの自由ですから。
ライブはしたいけど告知も無しじゃ……っていうか、
ランドマスター隊を含め全体が動くのは夜明け(スレ内部時間)からみたいだし、出来るかな?
>>443 うーむ、基本的にここは立ち往生イベントで行きたいんですけどねえ。
……て、これを解決するためのイベントまだ書いてねえや……
まあ、魂などの通常物質とは異なる物も攻撃でき、かつ大破壊力を持つ
兵器なら、穴は空けられます。どれぐらいキープできるかが問題ですが。
ちなみに壁のあった所の建造物やらは全て全壊し、森なども消失しています。
連絡専門班に属する者達に、あの時以来の緊迫した雰囲気が満ちている。
前回よりも前準備と言うものは至極簡単だった。
既存の物を使えばよく、足りない物は援助物資という形で各地に手配した。
テレビやラジオと言ったただの情報源を今からフルに活用する。
規模は前回の比にならず、世界中の人の住む場所全てに及ぶ。
「…さて。始めよう」
各支局に総監督を担当した男が少しだけ震える声を流した。
「前回我々は聴衆に回った。しかし今回は演ずる側だ。
一回限りのミスの許されない「本物」を流す。
自分が楽しむ事だけに囚われるな、その先を見ている群衆の目にもなれ。
己が信じる最高を演出しろ。
偏った映し方はするなよ、幾ら面白いからって全てが同じでは駄目だ。
画面は十二分に配備してある。安心しろ」
男が一呼吸置き、両頬に気合の張り手をかました。
「準備いいか! 出来てねぇ奴は置いてくぞ!!
本番は夜が明けてからだが、「番組」はたった今から始める!!!
最高視聴率、最長時間放送を決めたイかす野郎には
とっておきのプレゼントが用意してあるから楽しみにしてやがれ!!!」
複数のマイクを通して割れんばかりの津波のようなノイズが走る。
「気合が入ってあったまったところで行くぞ!!
カウント5,4,3,2,1――
448 :
437:03/05/05 00:33 ID:???
すいませんちょっと。
>>446 魂関連まで攻撃可、ということはひょっとして赤い霧の内外では
ATFも分断されますか?
そうすると自動的に「光」も途切れて、霧の外のことがわからなくなります・・・
霧は教団側コントロールですし「例外扱いだった」で問題ない気もしますけど。
すみませんが、できたら教えてください。
「はーい、世界の皆こんにちは!……こんばんはの国もあるね。
くだらない番組見て無駄な時間すごすのはここまでだよ。
たった今から最高にイかした一回きりの永久保存版!
人類の未来を決める大決戦の生放送をCM無しで一挙大放送しちゃうよ!!!」
あるテレビには一瞬のノイズの後に、銀髪赤眼の少年の顔が現れた。
少年が画面に向けて耳を映し、よく聞こえるように手を添える。
「何くだらない事を? さっきの番組出せ? 無駄だよ、無駄無駄。
ラジオも含めてほぼ全チャンネル、エンターテイナーTVが独占させてもらったからね。
チャンネルを変えてもカメラが変わるだけで、内容は同じだよ。
話ちょっと変えるけど、皆はあの声聴いたよね? 耳に聞こえる音じゃない声さ。
あれは幻聴じゃないんだよ、それで言われた事が今から始まるんだ。
何が始まるのかは最初に言った通り、人類の運命を掛けた戦争さ」
少年は営業スマイルとも思える無邪気な笑みと、大げさな身振り手振りで話を続ける。
「勝てば人類は生き延びる、負ければフォースインパクトが起こってはいそれまで。
この番組を見ていれば自分達の未来がどうなるかを見届けられるわけ。
君達の為に戦ってくれている勇者達の姿もね。無論そうとも言えない者も映るよ。
補助情報表示機能のあるテレビなら、勇者達の素顔やこれまでの戦歴も
必要な時に確認出来るからさらにお得、電器屋さんにGOだね。
途中クイズに答えれば豪華商品が当たったり、シークレット情報も見る事が出来るよ!!
余計な事かもしれないけど、モザイクぼかし一切無しの生本番。
ほら、これでもう目を離せなくなったでしょ。
これから何時間かわからないけど、
エンターテイナーTVを思いっきり楽しんでね〜〜!!
開戦は夜明けからって事で、それまでは彼等の戦いの歴史を振り返るプレミア映像、
一部再現VTR付きの大特集いっちゃお〜〜!!」
「あの赤い、血のように赤い霧が見えますでしょうか?
日も落ちてゆっくりと暗闇が満ちていく中、不気味に光っているようにも見えます。
えー、あの霧の奥深くに私達人類の敵、綾波教の大神殿があるのです。
一部情報によりますと神殿は地下深くに広がっていまして、
最深部までは数キロに及ぶと言われています」
突然、画面にノイズが走る。
「……あ、ただ今映像に乱れが生じたようです。
私達の事前に入手した極秘情報によりますと、霧の中では
電子機械が正確に動かなくなるらしく、私達の放送機器もその例外ではありません。
機器に起こる現象はオカルト・心霊特番にて起こる現象によく似ているらしいのです。
ひょっとしたら、生放送で初めて、それを捉えることができるかもしれません」
リポーターの鼻息が微妙に荒い。
大きく一度ノイズが入り、画像が止まる。
「………ぁ………はい。はい。失礼しました。
この…りが通常放送の限界のよう…す。いよいよ進入を……ろみます。
視ちょ……皆様の満足のいく放…が続けられる……か…せんが、では、行って参ります」
>>448 ああ、それは大丈夫です。主席が怨霊のコントロール放棄しなきゃ
基本的に教団側には悪影響は出ません(藁
>>446 フウイ・ノ・レイやギーガー達より先に日本へ向かったノンシップ
“アルダ・サルバ・アサナ”に乗っている4人のクローンアスカと
K-1ゲリオン4機が勇み足を踏んで京都へ突入し、逆にヒナ大使の
“鎖”で4機とも捕まってしまうという展開はどうかと思っていたのですが。
と、言うか、トライラックス系次世代EVAの噛ませ犬ぶりを強調したいので。
453 :
437:03/05/05 00:40 ID:???
>提唱者様
割り込みすみません! 本当にごめん。いい場面だったのに・・・(激鬱
>提唱者様、????他様
書いたけど昨夜〜今夜の展開(赤い霧の変化等)で没になった先走りネタを、
地下スレに放り込んでおきます。実際もう使えないんで意味ないですけど。
消える際においていくネタの一部、のつもりでした。
時間があるときに見て頂けるとありがたいです。加持さん関連。
量産型エヴァがどうのというスレです。
「黒ノ咆哮」「氾濫する光」残り、書けたら同じくこのスレに放り込んでくつもりです。
すみませんがそろそろ落ちます。明日ちゃんと状況整理しなおして
まともなネタ書きにきます。重ねて申し訳ありませんでした。
454 :
437:03/05/05 00:50 ID:???
・・・すみません訂正。
>453で書いたネタ置き場スレなんですが、
「量産型エヴァ」でスレ一覧内検索したらもう一個関係ないのがヒットすると判明。
もったいぶった書き方して申し訳ありませんでした。
正確には「量産型エヴァこそ使徒だと思うんだが」スレです。
今度こそ落ちます。
>>440 まぁ、ネオ戦自が届けるで問題ないと思います。ネルフの支援をするのが、
目的で来てるわけですし。なんか、便利屋みたいな存在になってきたな・・・・。
>>453 没ネタとかあったら、もっと掲示板使っていいっすよ。
漏れ、地下スレって言われても何処の事なのか、わからないし。
・・・もしかして、エヴァ板内に避難所スレあるんですか?
と言う事で、これがこちらの用意したイベントですね。
『E』計画提案者が前から言っていた、
「一部だけの楽しみにしておくのは勿体無い」というのがこれ。
戦場の流れによっては、世界中でオモシロイ事が起こるでしょう(笑)
カメラ映像は現在のところ、こちらのリポーター複数名が持つものに限られています。
赤い霧の中のカメラは心霊映像を取るやも知れません(笑)
開戦すれば、「少し」変わります。
まだ進軍していないネルフ側が「コレ」を見るのはこちらとしては面白くないのですが、やむを得ません。
背に腹は変えられないと見るか、使わないかはお任せです。
使ってくれる事をこちらとしては期待しているんですけどね。
>黒メガネさん
いえいえ。お気になさらずに。ネタ確認しました。
読めてよかったです。ほんと惜しいなぁ。
>トライラックスさん
割り込みと言う形で書かれては?
こちらもそうしないと大変な部分がありますので<結界内への侵入
>>457 割り込み・・・どうしよう?
結界が強化する前にすでに潜入していたとするか、
それともトライラックス側の秘密兵器を早速使うか・・・?
どっちにしても、潜入したK-1ゲリオン4機は
屁のつっぱりにもならずに捕まってしまうと思うが。
教団大神殿の主席司教の間の立派な扉が開いて、何やら巨大な風船玉のような物体が室内に入って来た。
「主席司教殿、お呼びですか?」その奇妙な物体は声優の内海賢二のような声で言った。
それは風船玉などではなく一応はれっきとした人間の端くれであった。
あまりに太り過ぎているので、まるでスモーウォーカーみたいに身体を宙に浮かせて移動しているのだ。
顔は皮膚病だらけで、膿がダラダラと流れている。
実に醜い姿をしている。
「おお、春虎念会長か。よく来てくれたな」主席司教は内心では見苦しい奴だと思いながらも表面的にはもっともらしく言った。「お前にはいつも世話になっているな」
「ははっ、恐れ入ります」男色家で有名な春虎念会長は教団の司教達の美しさに憧れているらしい。「主席司教殿にそう言って頂けるとは光栄に存じます」
「しかし・・・しかし、だ。春虎念会長」それがわかっているからか、主席司教はわざと否定的な口調に切り替えて言った。「今回はこの重大な局面で嘆かわしい事件が起こった」
「は? 嘆かわしい事件? 何ですかな、その嘆かわしい事件とは?」
「お前の所の社員になりすまして外部からこの大神殿に忍び込んで来たネズミどもがいる」
「何? わしの所の社員になりすまして外部からネズミどもが?」
「そうだ。ほとんどの者はすでに始末したが、生き残っている者もいて我々も手を焼いている。お前を呼び立てたのがなぜなのかもわかるな?」
「ははっ、面目次第もございません。この始末はつけさせて頂きます!」
「うむ、頼んだぞ」そうは言っても、主席司教は内心ではたいして期待していない。
ただ、この男の一派にもゲームに参加させてやった方が面白そうだというだけのことである。
そんなことは想像するべくもなく、春虎念会長は憧れの美少年の前でかっこいい所を見せようと思っているようだ。
春虎念会長は回れ右をすると、宙に浮かんだまま部屋を出て行った。
黒塗りの重厚なジープが4台、霧に少し入ったところで停止した。
中から現れた者達は半分が放送用の大きなカメラを担いでいた。
もう半分は完全武装をしているが、護衛と見ていいかもしれない。
カメラマンは防御に重点を置いた装備をしていて、カメラの調子を見るのに余念が無い。
「時間までここで待機だ。戦場と言う事を忘れずに英気を養え」
黒で染められた中に一人だけ、目立つ銀髪を晒している男がいた。
AngelArmsチームB唯一の生き残り、エンブリオだ。
紅い霧の世界は初めて見るのに、彼にとっては懐かしい臭いがした。
ぴりぴりと首筋を刺激する、焼け付くような感覚にしばし身を酔わせる。
あと2時間もすればネルフの兵隊がやってくる。
彼等は勇者達を撮る為にいるのだ。良いところも、悪いところも全て。
視聴率の稼げる一番いいところを彼等は任されている。
他にも複数の場所(霧の外周全方位からと言っても過言ではない)から
同様のカメラ班が潜入している。
具体的に言えば、彼等は彼等の言う戦力に入っていない。
戦う事が目的で無いからだ。
無論戦う事になるだろう、しかし彼等のそれはメインディッシュの添え物に過ぎない。
「……明日は満月だな」
霧の向こうに朧に見える月は、まだ何も語ろうとしない。
AngelArmsチームFが最期のミーティングを行っていた。
一度戦場に赴けば、もう二度と集う事は無いだろう。
「最期の命令はこの間下した通りだ。各自悔いの無いよう、思う存分暴れろ」
チームリーダーライナの言葉はそこで一旦切られた。
「我々はこの闘争の為だけに人を捨て、ひたすらに生きてきたッッ!!
戦いはくだらないだの野蛮だのと喚き散らす
平和と言う肥溜めに浸かり腐り切った奴等の目を覚まさせてやれ!!
最も原始的で純粋な武力と言う力の素晴らしさを今一度見せ付けてやれ!!!
破壊と言う究極の芸術を心に焼き付けてやれ!!!
我々の魅力を、思う存分教え込んでやる」
強烈な叫びの最後を、ライナは妖艶な笑みで飾った。
狭いミーティングルームが轟声に揺れた。
「ゲートの準備はすでに出来ている………敵を躊躇い無く殺せるか!?」
「「「雄雄ォ!!」」」
「邪魔する仲間も殺せるか!!?」
「「「「雄雄雄雄ォォ!!!」」」
「無様な逃亡より派手な死を選ぶか!!?」
「「「「「雄雄雄雄雄雄ォォォ!!!!!」」」」」
「よーし覚悟は十分だ!! 行くぞ! 出陣だ!!!」
「……さてと。そろそろ時間だけど?」
ラジオ体操よろしく柔軟運動を終わらせたイチが、仲間に声をかけた。
「もう少し待ってよ、あと5分で終わるから」
鏡とにらめっこしながら化粧に余念が無いシィが答えた。
髪型もいつもとは違い、不自然なほどに整えられている。
「あと5分あと5分って、コレだから女は…」
「そういうお前だって男の癖に時間をかけすぎだ」
自分の事を棚に上げるニーに、サンがちょっかいをかける。
「何しやがる!? あーあ……ったく、お前は身なりをもう少し気にしろよ。
だらしがねーんだよ、チャックくらい締めたらどうだ?」
「これは失礼」
ニーの視線の先を見て、サンは身なりを正した。
「どーせ行ってもすぐには動かないんでしょ? ならちょっとぐらいいいじゃん」
「正式な招待客が入った途端に締め出しを食らうかもしれないだろ?
元々僕等は飛び入り参加、居ても居なくても別にかまわない存在だし」
逆立ちで腕立て伏せをしながら、イチがシィを見上げる。
イチの視線に気づき、シィはマスカラを付ける手を休めて足を組みかえる。
「何かがあったときの為に先手を打つのは常套だな」
「解ったわよ……………………はい、これでOK。
口紅は現地で調達するわ。色のいい奴をね」
シィは髪を掻き揚げ、ニーとサンを見やった。
イチは腕のばねで跳んで立ち上がると、肩をぐるぐると回しながら言った。
「武器庫でちょっとだけオモチャもらっていこうよ。
手土産無しじゃやっぱ失礼だよね?」
「始まるな……」
奴等が動いた、これからが本番だ…いや、まだ開幕前か。
日の出が過ぎてから、ステージ開演だな。
舞台側のリハーサルはちょっと前に済ませてあるから、直前はしないだろう。
奴等がリハーサルに無傷で耐えられないのは確実だ。
わざわざ手を出すと言う面白くもなんとも無い事はしないだろう。
「行きますか?」
エーアストが俺のつぶやきに問いかけた。
「……いや、お前達だけ行け。俺はあとから入る」
「解りました」
去っていこうとする3つの背中に、忘れてはならない注意を呼びかける。
「入ってもすぐ行動出るな。ネルフの奴等が動くのを待て。
降りかかった火の粉を払うのは別にかまわん」
「「「はっ」」」
通路の向こうに足音が消えていく。
「…くっ、くく、くくははははははははははははははははは………」
いよいよか、これで最期か、長く見えて短過ぎる時間だ。
俺としたことが、まだ始まってもいないのに全部が終わった気でいやがる。
演出の準備は終わった、だが舞台が始まったわけじゃない。
右腕に亀裂が走って手が砕け落ち、破片が塵となって消えていく。
しかし亀裂はすぐに消え、右手も瞬時に元通りとなる。
「………あと少し」
しかしこうなる事で得られた物は大きい、満ち足りるにはまだほど遠いが。
アイツも戦場に来るはずだ、アイツという存在が俺を甦らせたなら。
全ては流れのままに。
最期くらいは逆らわずに行ってやろうじゃないか、お望み通りにな。
「キサラギ博士が対ATフィールド仕様ラスガンを考案したのは、古代アトランティスから伝わる特殊金属“オリハルコン”が人間の魂に干渉してATフィールドをコントロールする効力を持つことからヒントを得たものなのだ」
「オリハルコン?」
「そう、君の人工視力にも使われている、な」
私の人工視力の瞳の部分にはオリハルコンの薄膜が用いられているとは、以前、キサラギ博士から聞いたことがある。
「ところが、天然のオリハルコンは調達困難だったため、量産に際しては人造オリハルコンを使用したことにより問題が生じる所となった。下級の使徒能力者に対しては有効なのだが・・・」
そうだ、聖母やその直属の手下である使徒には対ATフィールド仕様ラスガンは有効攻撃たり得なかった。
「人造オリハルコンでは威力が劣ってしまう。さりとて、自然界でも超レアな天然オリハルコンを弾丸として使用するのは無理がある」
「では、一体どのようにすれば?」
「キサラギ博士はそれに関しても研究を続け、弾丸として発射するよりも効率良く威力を発揮する方法を開発してくれたのだ」
ギーガー様に代わってキサラギ博士が言った。
「貴方、の・・・人工視力、が・・・夜、でも・・・よく、見える・・・こと、が・・・ヒント、に・・・なり、ました・・・」
「私の人工視力がヒントに?」
「天然オリハルコン、を・・・光電管、として・・・使用、すれば・・・通常、よりも・・・効率的、に・・・光線、を・・・凝縮、でき、ます・・・」
「つまり、オリハルコン・レーザーだ」と、ギーガー様は言った。「威力は通常のレーザー光線とは比べ物にならぬ。もちろんATフィールドさえも貫通し、破壊できぬものはない!」
おいおい、「破壊できぬものはない」って・・・実際に試したのかよ・・・?
「この“ポウル・ウスル・ムアディヴ”と“アルダ・サルバ・アサナ”にも急いで配備させた・・・ただ、問題は今回の戦いでそれをどれだけ有効活用できるか、だな」
春虎念会長が主席司教の間から出た所で、黒いスーツを着た女とぶつかった。
黒スーツの女はぶつかった相手の姿を見た途端、人間の尊厳に関わるくらいの嫌悪と侮蔑の念を露わにした。
そして、春虎念会長も。彼にとって女などというものは汚らわしい生き物でしかない。
黒スーツの女のすぐ後ろには毛皮でできた服を着たワイルドな風貌の男がついて歩いていて、春虎念会長はその大男の姿に思わずギョッとした。
クローリー・ヒナとその部下の大男は主席司教の間へ入ると、先立って指示されたことに関して報告した。
「主席司教さん、わたくしどもの艦隊は指定された配置に着きました」
「うむ、そうか」主席司教は素っ気無く言い放つ。「御苦労だな」
「それから・・・わたくしの部下のこの男、シモツキが陸戦隊として戦いたいと申しております。そちらの方へ回して頂けないでしょうか?」
「む? 陸戦隊?」主席司教は先ほど、その男が侵入者達を素手で始末したことを思い返す。「うむ、そうだな。それも良いだろう」
「それともうひとつ、お願いしたいことがございます」
「まだあるのか?」
「はい。わたくしも実戦を前にして準備運動をしておきたいと存じます。よろしければ、そちらで手の開いている使徒能力兵を4,5人ばかりお貸し頂きたいのですが・・・」
「準備運動?」主席司教は“またか!”と思ったが、別に断る理由もないように思われた。「うむ、良かろう。血気の盛んな者達を回してやろう」
「ありがとうございます、主席司教さん」
大神殿の中に設けられている庭園に、いかにも凶悪そうな使徒もどきが5人、連れて来られた。
クローリー・ヒナはよくよく好きな黒いレオタードにナマ脚むき出しという欲情をそそる姿で柔軟体操をしている。
ベッドルームではなく中庭をその場所をして貸して欲しいというのは、たまには趣向を変えたいからだろうか?
「うへへえ、ちょっとオバサン入ってるけど、プロポーションなんかスーパーモデル並じゃねえか」
「いいなあ、ネルフやトライデントとの戦いの前の景気づけにこんないい女とお楽しみできるなんてよォ」
使徒もどきの兵士達は人間だった頃の本能的欲求が残っているので、口々にそんなことを言っている。
「よく来て下さったわね、皆さん。ルールを説明します」クローリー・ヒナは言った。「至って簡単よ。わたくしを力ずくで押し倒してそれに及ぶことができれば良し。ただし、わたくしも抵抗しますので、ご用心して下さい」
「抵抗だってェ!?」
「そりゃあ、少しくらい抵抗してもらわにゃあ、スリルがないわな!」
使徒もどきの兵士5人は束になって黒いレオタード姿の女に襲い掛かる。
彼女は体操選手並の運動能力でバック転を連発して逃げるたかと思うと、空中へ跳んで身体を回転させ、そのうちの1人の首に蹴りをかました。
「ぐええっ!」蹴りを喰らった使徒能力兵は青い血を吐き出しながら倒れる。
「この女、なかなかやるな!」
2人目がヒナを捕まえようとしたが、彼女は逆にそいつの後ろへ回り込んで細い両腕で組み付いた。
そして、ゆうに自分の2倍くらいの体重がありそうな使徒もどきの身体を持ち上げると、ジャーマンスープレックスをかけた。
天と地がひっくり返り、使徒能力兵は頭から地面に激突する。
使徒能力兵達は自分達が相手にしているのがとんでもない化け物であることを悟った。
「くそっ、ただの人間だと思って油断していれば図に乗りおって!」
3人目が両手から光の槍を放つ。
「いかん! それは駄目だ!」主席司教が叫んだ。
ところが、案ずることもなくクローリー・ヒナは空中を飛んで来る2本の光の槍を、その白魚のように美しい両手で握って受け止めてしまった。
「なっ!? 俺の光の槍の攻撃を!? そんな馬鹿な!」
驚いているしりからヒナは受け止めた光の槍を投げ返し、それらは元の主人の喉と胸のあたりに突き刺さった。
「ぎゃああああああっ!」
クローリー・ヒナは一旦、息を深く吸って吐いてから、側転を連発して四人目に迫って行く。
四人目の使徒能力兵は咄嗟にATフィールドを張って攻撃を防ごうとした。
だが、ヒナがパンチを放つと、彼女の拳はあっさりATフィールドを通り抜け、使徒能力兵の顔面に炸裂した。
「ぐはっ!」
次の瞬間、ヒナの姿が消えたかと思うと、5人目の胴のあたりに黒いレオタードをまとった彼女の身体が巻き付いた。
クローリー・ヒナは身体そのもので使徒能力兵の胴を締め付け、使徒能力兵は口から青い泡を吹いて気絶した。
最初に蹴りを喰らった奴がフラフラと起き上がる。
ヒナがそいつに駄目押しのパンチをお見舞いしようとした。
「わ、わ、待ってくれ・・・俺の負けだ・・・!」そいつは戦意を喪失して地面にへたり込んでしまった。
クローリー・ヒナは太極拳のような構えをすると、フ―――ッと息を吐いた。
主席司教が両手でパチパチと拍手をした。
「なるほど・・・“鎖”の能力すら使わず、その身体だけを武器にして使徒もどき5人を一方的に痛め付けるなんて、たいしたものだな。シモツキとやらよりもお前の方が強いのではないか?」
「お褒めにあずかって光栄ですわ、主席司教さん。でも、もう少し骨のある部下を集めた方が良くってよ。ヒナ、少し幻滅」
葉隠覚悟は零式防衛術の構えを取っているが、対する強化外骨格をまとった人物は構えようともしない。
「なぜ構えぬ? 臆したか?」
「フハハ、構えるまでもないわ」強化外骨格の中から声優の緒方恵美に似た低い女の笑い声が聞こえた。「あんた、そんな具合で私と戦って勝てると思っているの?」
これは様々な根拠から覚悟にとって分が悪かった。
勝ち目には乏しいが、全くないわけではない。
しかし、彼が得意とする戦法「因果」は敵の側から仕掛けて来なければ威力を発揮しない。
かと言って、痺れを切らして先に仕掛けると、逆に同じ方法で攻撃を喰らってしまう危険性がある。
覚悟が構えたまま手をこまねいていると、そこへ別の奴が現われた。
「何だ、戦いにもなっていないじゃないか」毛皮でできた服を着たワイルドな風貌の大男で、竹本英史のような声をしている。「主席司教とやらが様子を見て来いって言ったから、期待して来たのによ」
「貴様、何奴!?」
「主席司教とやらの命令で来たってことは、教団の関係者のようね」
「てやんでえ! 命令されて来たんじゃねえや! 俺は戦いが好きだから来ただけよ! 俺はシモツキ、11月生まれだからシモツキだ!」
「面白いわね。それじゃあ、シモツキとやら、あんたがそいつの相手をしてよ。私は馬鹿馬鹿しくてやってられないわ」
「おいおい、よせやい。こんな死に損ないの怪我人相手に俺に相手をしろっていうのか?」
ところが、いつの間にか、彼らのまわりに白い煙が立ち込めている。
赤い霧ではなく白い煙・・・そして、その煙の中から白髪頭で背中に「正義」と書いた革ジャンを着て、巨大な十手をロープで縛りつけた、いかにも酔狂な感じの大男が現われた。
「いよう、仲間割れかい?」そいつは松尾銀三のような声で言った。「そこの坊やのことが気掛かりだったんでな、『紫一角』のエントリープラグの中に隠れてついて来たんだ。戦いなら俺も混ぜろや」
新大阪湾を北上するトライラックスのノンシップ『アルダ・サルバ・アサナ』の中央制御室では巨大な平面モニターに海上都市大阪の航空映像が映し出されていた。
すぐ近くにトライデントの航空母艦『オーバー・ザ・レインボー』が停泊しているのが見える。
「ランドマスター隊とネオ戦略自衛隊はすでに京都へ向かって進撃を始めたそうです」
メンタート(人間電子計算機)の通信士が指揮官に『オーバー・ザ・レインボー』との交信内容を報告する。
「よし、それでは我々も彼らを援護すると伝えろ」指揮官であるカーネル・バシャール(上位大佐)は言った。「K-1ゲリオン部隊、いよいよ出動だ!」
艦内の格納ドックでは積載されている4体のK-1ゲリオンが整備され、出動待ちの状態であった。
そのうち2体は白く、他の2体のうち1体は銀色、もう1体は灰色をしている。
ライトブルーの全身レオタードのようなプラグスーツを身にまとった4人のクローンアスカ達が配置に着く。
「いよいよあたし達の出番ね」4号機パイロットのシグナが言った。
5号機パイロットのセイラが「腕が鳴るわァ〜」と言った。
「訓練ではシヴァにばっかりいい所を持って行かれてたけど、今回はシヴァの出る幕はなしね」8号機パイロットのルカが言った。
「でも、訓練とはわけが違うから油断は禁物よ」3号機パイロットのキラが他の者達をたしなめるように言った。
彼女達はそれぞれのエントリープラグに入ると、それらのエントリープラグはそれぞれのK-1ゲリオンに挿入された。
そして、『アルダ・サルバ・アサナ』から離脱した4機のK-1ゲリオンは京都へ向かって飛んで行くのであった。
碇司令が姿を消した後、ナオコ博士は物資の搬入作業やらなにやらの指揮を続けている。司令
が直に戻ってくるから、急がねばならないからだそうだ。
しかし、本当に訳がわからん。これだけの物をどうやって動かす気だ?
そんな事を考えている内に司令が戻って来た。赤木リツコ博士を連れてきている。彼等は挨拶
もそこそこに、残っている作業を全て済ませる事を命じた。ただ、その中に本部内部にいるか、
本部周辺から完全に退避するかという指示があった事が気になった。
そして、一通り作業が終了した後、司令と赤木親子は発令所に集まっていた。
「それでは、前に話した通り、君達の力を発動させる。いいな」
司令はそう宣言すると、再び光の巨人の姿になった。そして、彼は右手の親指を立て、手を突
き出す。そして、それに合わせて赤木親子も親指を立てて出し、三人は指をあわせた。
その瞬間、まぶしい閃光が発令所を照らす。そして、それが収まると、なんとナオコ博士の体
が半透明に変化していた。そして、彼女は
「やれやれ。とうとう自分でやる事になるなんてね」
と、言うと、三人に分裂した。その姿は微妙に雰囲気が異なっている。そして、三人のナオコ
博士はMAGIの中へと吸い込まれ、消えてしまった。そして、司令はリツコ博士へと言葉をかける。
「では、外部制御はまかせたぞ」
その言葉と共に、リツコ博士はMAGIの前の席へと座り、コンソールに手を置いた。どうも
MAGIの中のナオコ博士と交信していたらしい。すると、その直後に異変が起こり始めた。
まず、MAGIが作動を開始し、それと共に発令所を初めとした、本部の各地に明かりが点い
ていく。そして、ボロボロになっていた本部の壁が、床が、天井が、配電が、次々と修復しは
じめた。まるで再生能力のある生き物のようだ。俺は思わず司令にどうなっているのか聞いた。
「……エヴァ同様、MAGIもまた2015年の戦いに深く関わっていた存在。それ故にサード
インパクトにおいて、特殊な役割を与えられた。その真の意味はこれから明らかになるだろう。
そして、MAGIの製作と管理を行っていたあの親子こそ、その力の管理者の役割を与えられて
いたのだ。そして、私を含めた三人が揃う事で、初めてその力は発動する」
司令はそう答えると叫んだ。
「ユナイト!!」
この時点ではわからなかったが、後で聞いた所では司令は本部内部に残されていた武器等を次々
と取り込み、本部の形自体を変形させていたらしい。その姿は、まるで宇宙戦艦を思わせる姿
になっていた。
「ネルフ本部、発進!!」
司令は光の巨人の姿で腕組みしながら号令をかける。それと共にリツコ博士の体を覆うオーラ
が輝きを増し、本部は浮上し始めた。投影されたスクリーンからは、かつて本部のあった、第
三新東京市の一角が見えた。ちなみに司令が言うに、一般人に被害が出ないように浮上させた
らしい。……いや、正直、あまりと言えばあまりに非常識な事態に開いた口が塞がりませんよ、あたしゃ。
挑戦してみますので、しばらくお待ちを。