百合カップルスレ@18禁創作板8

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
とにかく百合ならいけいけOK!というスレッドです。
創作パロディなんでもあり。


前スレ
百合カップルスレ@18禁創作板7
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286194348/
2名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 15:35:40.54 ID:fphaHV1C
過去スレ
百合カプスレ@エロパロ板
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1059798364/
百合カプスレ・2 @エロパロ板
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082138248/
百合カプスレ・2.5
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082384534/
百合カプスレ@エロパロ板 三度目の正直
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1087027859/
百合カプスレ@エロパロ板 4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108536012/
百合カップスレ@18禁文章創作板5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167898791/
百合カップルスレ@18禁創作板7
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286194348/

作品保管サイト(ただし古いもののみ)
百合ちゃんねる
http://lilych.fairy.ne.jp/
3名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 15:36:53.91 ID:fphaHV1C
間違えた…

過去スレ
百合カプスレ@エロパロ板
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1059798364/
百合カプスレ・2 @エロパロ板
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082138248/
百合カプスレ・2.5
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082384534/
百合カプスレ@エロパロ板 三度目の正直
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1087027859/
百合カプスレ@エロパロ板 4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108536012/
百合カップスレ@18禁文章創作板5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167898791/
百合カップルスレ@18禁創作板6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1245744485/

作品保管サイト(ただし古いもののみ)
百合ちゃんねる
http://lilych.fairy.ne.jp/
4名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 15:38:21.19 ID:fphaHV1C
牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇)

※ツノっコと猫耳っコの百合です。
※男も登場しますが、男とは絡みません。
※全3話の予定です。
※「第一話 くだんちゃん、失恋!」
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286194348/537-545
※第二話「オオカミさんに気をつけて(前篇)」
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286194348/830-837

後篇は前篇よりちょっと長くなりましたm(_ _)m

>>前スレ839-842
ありがとうございます。
くだんちゃんはMなので見られてると昂奮すると思います。
この後もよろしく見守ってやってくださいm(_ _)m
5牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:39:11.07 ID:fphaHV1C
牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇)

時すでに放課後。
結局この日も、くだんちゃんとネコさんはろくに会話を交わす事はありませんでした。

「はぁ」

人気の無い洗面所の鏡の前で。ネコさんはひとり、大きなため息をつきました。

「なにやってんだろ、私…」

くだんちゃんと同じようにネコさんも悩んでいました。
いえ、同じように…では無いかも知れません。
ネコさんが感じていたのは…罪悪感、でした。

くだんちゃんに、未知の快楽を教えてしまった事を、ネコさんは人知れず後悔し、その大きな胸を痛めていたのです。
(※くだんちゃん比で、と言う意味です。ネコさんがことさら巨乳という訳ではありません)

「なんで…あんな事しちゃったんだろ…あのコに…」

それは、くだんちゃんが可愛かったから。可愛いと思ってしまったから。

「でも…いけない事、なのに…」

ネコさんは理解しています。
女の子同士のああいった行為が、迫害と排斥の対象となりうる事に。

「いいコ、なのに。いいコ、だから…」

ネコさんは「赤毛のアン」を読んで涙ぐむような優しい女の子です。
くだんちゃんを百合の世界に引き込んでしまった事に罪悪感を抱いていました。

あの日以来、くだんちゃんが自分を見る眼に変化が生まれている事を、ネコさんは気付いていました。
それは、かつて自分が通った道でもあったからです。

(彼女は自分の知らなかった世界に戸惑っているだけ
(未知の快楽に酔っているだけ、それを私への愛情ゆえとすり替えているだけ
(肉欲に溺れているんじゃない、愛しているからだと自分を誤魔化しているだけ

「だから…私も、好きになっちゃいけないの」

素直じゃありませんね。

「るっさい!」

むっ。

地の文に逆らうとは生意気な子です。
地の文に逆らうと言う事は作者に逆らうも同然。

「ふんっ私は…私の気持ちなんて誰にも解るもんか…!」

問答無用。
聞き分けの無いコにはお仕置きが必要ですね。
と言う訳で、次章、ネコさんの恥ずかしい秘密を大暴露です。

「な、なんですって!?」

あのめくるめく調教と隷属の日々。
読者の皆さんには初耳のはずですが、ネコさんは覚えている事でしょう。
6牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:40:35.31 ID:fphaHV1C
ネコさんの頬が真っ赤に染まります。羞恥のため?それとも怒りのためでしょうか?

「い、怒りに決まってるでしょう!…あ」

その時です。ネコさんが窓に駆け寄ります。窓の外に何かを見つけたようです。

どれどれ?

※※※

「はじめまして、くだんちゃん」
「は、はじめまして、あ、あのぅ…どうして私の事を?」

ネコさんが見た窓の向こうには、初対面の相手に突然話しかけられて、戸惑うくだんちゃんの姿がありました。

やっぱりツノのせい、かしら?

ケモ耳っコたちの中で、ひときわ異彩を放つくだんちゃんのツノ。
くだんちゃんは自覚しています。自分が、悪い意味で有名人である事を。

「私は貴方のよく知っているコのお友達。だから、貴方の事も知ってるの」
「私の…知っている…?」
「ネコさん、知ってるでしょ?」
「あ…」

ネコさんの名前を聞いた途端、くだんちゃんの頬が朱に染まります。
くだんちゃんとネコさんの接点と言えば…クラスメイトであるという事以外には、あの日の出来事しかありません。

…もしやこの人はあの日の事を知っている?

改めてくだんちゃんは相手を見やりました。
すらりとした長身の女性でした。上級生でしょうか、制服のリボンの色が違います。
栗色の髪と、ツンと尖ったケモ耳は、日差しを浴びて金色の輝きを放っています。

…オオカミさん、なのね。

綺麗な人、でした。切れ長の瞳、高い鼻梁、ぽってりとした厚い唇には色っぽい笑みが浮かんでいます。

「ネコさんの事で貴方に話したい事があるの。来てくれるかしら」

その笑みは肉食獣が獲物を見つけた時のものでした。
オオカミさんの視線に射すくめられたくだんちゃんは、こくこくと頷くことしかできません。
オオカミさんは肉食系女子でした。草食系の、牛のくだんちゃんが逆らえるはず、ありません。

※※※

「あいつ…!」

窓の外ではオオカミさんがくだんちゃんの手を引き、どこかに連れて行こうとしているようでした。
それを見たネコさんは駆けだします。状況は急転直下。

「ど、どこ!?どこ行ったの!」

よっぽど頭に血が昇っていたのか、ネコさんはあっさり二人を見失います。
窓を開けて声を掛ければ良かったのにねぇ。今更、後の祭りです。

「く、くそっ!」

女の子にあるまじき罵声をあげながら、くだんちゃんの姿を探してネコさんは走ります。
一体、何をそんなに焦っているのでしょう?
7牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:41:46.46 ID:fphaHV1C
「わ、わかってるくせに!」

はて?何のことでしょう。
それはネコさん本人の口から語ってもらいましょうか。

「…くっ!」

…唇をかみしめたネコさん。その脳裏に去来するのは…そう。
先程申し上げた、めくるめく調教と隷属の日々、だったのです。

「ほ、ほら!わかってるんじゃないのよっ!」

くすくす。

※ ※ ※

ところで、一方。

「貴方、私のペットになりなさいな」

開口一番。オオカミさんのはくだんちゃんにそう告げます。

「は、はい?」

呆気にとられるくだんちゃん。当然の反応ですよね?
そこは普段、使われていない旧校舎の一室でした。

…ネコさんにはまだ内緒ですよ?

ところで、エロゲーやエロ漫画には良く登場しますよね?人気の無い旧校舎。
でもそんなのが放置されている学校なんてそう多くは無いと思いますが…。
それはともあれ、人気の無い部屋にくだんちゃんを引っ張り込んだオオカミさん、
よく解っていないくだんちゃんに代って説明すると、彼女の目的はくだんちゃんを自分のモノにする事だったのです。

「わ、私を?ペット?ど、どういう…」
「いっぱい可愛がってあげるって事よ。あのコもしてくれたでしょ?」
「え…」
「んふ…あのコにいろんな事を教えてあげたのは私。
 貴方にも教えてあげるわ…もっともっと、気持ちいい事…」

ネコさんを百合の道に引きこんだのはオオカミさん。
ネコさんを百合に引きずり込み、調教した張本人。
ネコさんが焦っていたのは、そういう事だったのです。
このままでは、ネコさんが密かに想いを寄せるくだんちゃんが、オオカミさんの餌食になってしまいます。

急げ!ネコさん!くだんちゃんを救うために!

※ ※ ※
8牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:42:58.19 ID:fphaHV1C
しかし、いまだネコさんはくだんちゃんを見つける事ができません。
…まずは、オオカミさんとの過去を語ってもらわねばなりませんからね。

うふふ。

※ ※ ※

「くだんちゃん…!あいつの目的があんたなら…!」

ネコさんはかつての自分がオオカミさんから受けた調教の日々を思い出していました。
それはとてもとてもとてもとても…気持ちよい、隷属の日々だったのです。
いまでこそネコさんはネコなのにタチですが、当時のネコさんはネコだったのです。

※ネコさんの回想(1)

「貴方、可愛いわ」

初めて二人きりで交わした会話の、彼女の第一声がそれだった。
彼女は品行方正成績優秀、まさに究極の淑女として
学園中に知らぬ者などいない有名人で、皆が憧れるマドンナで、生徒会長。
ピンと凛々しく立ちあがったオオカミの耳、艶やかな髪、どこか野生的な瞳。
まさにこれが黄金比と言わんばかりの均整のとれた身体。

完璧すぎる人。

「あ、ありがとうございます」
「貴方…ネコさん、ううん可愛い仔猫ちゃん」
「は、はい?」
「私のモノになりなさいな」
「…へ?」

そう言って、お姉さまは…オオカミさんは、私の唇を奪った。
あまりの衝撃に腰が抜けるかと思った。…感じて、じゃない。

私の…はじめて、だった。

「オ、オオカミさん…!?」
「これからは…お姉さまとお呼びなさい」
「おねえ…さま?」
「いっぱい可愛がってあげるわ、仔猫ちゃん」

その言葉に偽りはなかった。

「だ、だめです!こんな…お、女の子同士で、こんな…!」
「あら…じゃあ男の子相手ならいいの?した事あるのかしら?」
「ななななな!ないです!ありません!!」
「じゃあ私がはじめてね、嬉しいわ」

そういう事じゃなくて!私はオオカミさんに押し倒され…
あまつさえ、不意を突かれて両手を縛られてしまった。
私の両手を縛っているのは、私の制服のスカーフ。

彼女が抜き取り、私を拘束する道具に使った…って、なんという早業!?

「うふ…」
「いいいいいい!いけません!ダメーーーーーーーー!」

必死に拒絶の意を表明するも、オオカミさんの手の動きは一向に止まる気配が無い。
すばやく私の制服のファスナーを下し…あっという間に胸をはだけさせられた。
9牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:44:09.69 ID:fphaHV1C
※ネコさんの回想(2)

「可愛い胸ね」
「い、いやっ!そんな…!」
「…ちゅっ」
「ひぅ!」

オオカミさんの、バラのつぼみのような唇が、私の胸に触れた。
軽く、触れただけ。なのに。
しびれるような快感が胸一杯にはじめ、頭がくらくらする。

「感じやすいのね。もう硬くなってる」
「そんな事…ない…っふあ!」

唇が、舌が、指先が、私の胸に触れ、突き、吸い上げる。
そのひとつひとつの動きはとても繊細で。
うぶだった私の体に、新たな快感を植え付けていった。

「ふあ!あ!ひあ!だ、だめ、です!あ!や、やめ…!あ!」
「…いい声で鳴くわね。私の見込んだ通り…もっと聞かせて?」

体が熱い。
初めての感覚に全身の神経が焼き切れてしまいそう。

「こんなの…だめ…だめ…なのに!」
「だめなのに…感じちゃう?」
「…!そ、そんな…事!」
「うそつき」
「!!!!!ひあーーーーーーーーーっ!」

その指が、私の、女の子の一番大事な所に触れた。
いつの間にか、スカートもめくりあげられ、露わになった秘所。

「ひあ!だ、め!あ!あ!あひぅ!」
「あらあら…すごい感じようね…こんなに…溢れさせて」
「う、そ…!そんな、の…!う…ひは!はぅ!あ!」
「ネコ耳、ひくひくさせちゃって」
「ひぁ!だ、だめ…!だめだめだめだめだめぇ…!」

私はすでに蜜を溢れさせていた。
恥ずかしい程に触れそぼった秘所を、先輩の指があくまで優しく、
でも執拗に、絶えまなく、激しく責め立てる。

「いやいやいや!くぁ!あああ!あ!あ!あああああ!」
「いいのよ、もっと感じても?もっと声出しても」
「…ひっう…!」

いつの間にか。あられもなく嬌声をあげていた事を指摘され、
いまさらながらに羞恥で顔が火照る。思わず歯を食いしばる。

「あら?今更抵抗するの?こんなに…」
「ひぅ!ん…んんん!」
「…感じてるくせに」
「んん!ん!ん!」
「今更、恥ずかしいの?」

恥ずかしい。当然でしょ!なのに。
恥ずかしいのに、すごくすごくすごく恥ずかしいのに。
いくらでも溢れてくる。体が…もっともっとと、切なく声をあげる。
10牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:45:21.14 ID:fphaHV1C
※ネコさんの回想(3)

こんなのいけないのに。いけない事なのに。
いけない事だから…?恥ずかしい事だから?
だから…興奮しちゃうの?感じ、ちゃうの?

それは、背徳の甘い果実だった。
恐らくは…あの日、くだんちゃんが感じたのと同じ感覚。

「ん!ん!ん!も、もう…ゆ、ゆる、して…」
「うふ…仔猫ちゃんがイッたら、許してあげる」

イク?女の子に責められて?こんなに明るいところで?

「い、いや!は、はずかし、い…!いや…いやいやいやいや!」
「まだうそをつくの?もう…イキそうなくせに」

体が、震える。歓喜の声をあげている。
いやなのに、いけないのに。なのに、なのに!

「ひぅ…!」
「イキなさい、仔猫ちゃん」
「だ…めぇえ…!」
「貴方は私の…可愛いペット」

その一言が、なぜかその一言が。最後の後押しを、した。

「あ………うわああああああああああああああああああ!!!」

それが、私とオオカミさんの…ううん、お姉さまとのはじめてだった。

以来。
お姉さまは自身の言葉に偽りなく…毎日のように私を求め…可愛がってくれた。

※ ※ ※

そう、ネコさんも。
お外で、女の子にされて、いけない、いけないと思いながらも蜜を溢れさせてしまう、
いけない行為に感じてしまうエッチな女の子だったのです。Mなのです。作者が言うんだから(ry

でも、オオカミさんは違います。彼女は真正のSでした。なにしろ肉食系ですし。
ネコさんやくだんちゃんのような女の子を隷属させる事に喜びを感じるのです。

※ ※ ※

「ふあ…だめ、です…お、おねえさま…!こん、な、とこで…!」
「大丈夫よ。もう下校時間はとっくに過ぎてるのだから」
「で、でも…!」
「まだ校内にいるのは…そうね、貴方みたいなイケない子だけ」
「ひあっ…!そ、そん、な…!」
「私にして欲しくて…待ってたんでしょ?」

その言葉を否定できない。でも、肯定も、できない。だって…恥ずかしすぎる。

「答えたくないの?じゃあ…おしまいにしちゃおうかしら…?」
「ひあ…そんな…!」

思わず声に出してしまい、私は唇を咬む。
恥ずかしい…!自分の欲望を肯定するのは、言葉にするのは、
お姉さまの虜になった後であっても、恥ずかしかった。
11牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:46:51.57 ID:fphaHV1C
※ネコさんの回想(4)

「あら…?止めて欲しくないの?」
「んんっ…!」
「止めていいの?」
「い…」
「…?」
「や…やめないで…ください…!」
「…ホント、イケない子」
「ひああっ!!」
「ちゃんとイク時はイクって言うのよ?」
「い、いあぁ…は、恥ずかし、い…!」
「あら…じゃあやめちゃおうかしら?」
「だ、だめぇっ!」

は、恥ずかしい!恥ずかしくて恥ずかしくて…でも、体の熱が、収まらない。

「ん?」
「は、はずか、しく、て…!」
「恥ずかしいのに、感じちゃう?」
「い、いや…お姉さま、そんな事…おっしゃらないで…!」
「感じちゃうのがまだ恥ずかしいのよね?でも…」
「い、いやあ…!いやいやいや…!」
「可愛い子…こんな風に苛められるのが大好きなのよね?」
「ひあ…!あ、あ、あ!」
「ほら、正直におっしゃい、でないと止めちゃうわよ?」
「い、いやあ!好き…好きです!お、お姉さまが…好きぃ!」

恥ずかしくて、私は答えをずらす。そう。苛められるのが好きなんじゃない。
お姉さまが好き。そうやって誤魔化す。でも、お姉さまは許してくれなかった。

「誤魔化したわね?いけない子」
「あ…!」

そういってお姉さまは私から離れる。残されたのは、火を付けられたあたし。くすぶり続ける種火。

「お仕置きよ。そうね…したいならいいわ。自分でしなさい」
「じ、じぶん、で…?」
「そうよ。自分でしなさいな、見ててあげる」

妖艶にほほ笑むお姉さま。そんなお仕置き、答えなければいい?でも、だめ。
私は、お姉さまの命令には逆らえない。そういう身体にされてしまっていた。

「…んくっ…」
「あら、そこがいいの?知らなかったわ」
「ふあ!あ…!い、いや…!」
「そう…そこも、感じるのね」
「いや…い…ひぅ…お、お姉さま…!み、見ないで…!」
「だめよ。それじゃお仕置きにならないでしょう?
 貴方の恥ずかしい所、いっぱい見せてね」
「あ…ああっ!い、いやあ!あ!」
「すごい溢れてる。仔猫ちゃんの蜜…おいしそう」
「あ!そ、そんな、こと!言われたら…私…!」
「もっと感じちゃう?いやらしい子ね」
「わ、私…いやらし…いや!いやいやっ!ふあ!あ!」
「感じちゃうのね?いやらしい言葉で苛められて感じちゃうのね」
「ふあ!あ!は!はずか、し…!あ!」
「そんなに激しくしちゃって。いつもそんなに激しいのかしら?」
「ちが…!ちがい、ます!そん、な、ことっ!」
「してないっていうの?私の事を思い出してしたり…してくれないの?」
12牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:48:03.03 ID:fphaHV1C
※ネコさんの回想(5)

してる。お姉さまの頬笑み、お姉さまの指、お姉さまの…

「いや…いや…」
「まだちゃんと言えないのね?」

お姉さまの手が伸び、私の腕を拘束。
優しい拘束。なのに、振り払えない。

「あ…!あ…あぅ…!」
「いつもしてるんでしょ?いまも、もっとしたいんでしょ?」
「あ…あ…」

したい。もっと。でも、恥ずかしくて言えない。

「言わなきゃ、離してあげない」
「わ…私、私…!」
「ん?」

もう、我慢の限界!

「い、いつも…お姉さまを想って…し、してます!
 じ、自分で弄って…快楽を…得てますっ!」
「もっと、したい?」
「し、したい…です!い、イキたいのぉ!お姉さま!もう!
 もう許して!許して下さい!熱いの!体が…あついのお!」
「いいコね。御褒美よ」
「ひっ…あ!あああ!あ!あ!」

お姉さまの指先が私の乳首を転がす。

「乳首、好きでしょ?仔猫ちゃん。乳首弄っててあげる」
「ち、ちくび…すきぃ!き、きもち、いい!」
「素直になったわね」

拘束を解かれた手は、すでに濡れそぼった秘所をかき回してる。
自分の音が聞こえる。くちゃくちゃと…いやらしい音。

「いやらしい、音…」

お姉さまに指摘されて、ますます興奮が高まる。
限界が近づく。

「お、おね、おねえ、さま!わ、私、も、もう!」
「いいわ、イキなさい。イクとこ、見ててあげる」
「んくっ!はっ!は!あ!あ!あ!」
「いっぱいイキなさい。イヤらしい顔して、イヤらしい声出して」
「ん…!んあっ…!」
「ステキよ、仔猫ちゃん」
「あ………っ!ああああああああああああああああ!!」

そんな風にお姉さまは私を可愛がって…苛めてくれたけど。
私の事、好きって言ってくれた事はなかった。私、お姉さまの身体に、触れた事はなかった。

私は…お姉さまにとってなんなんだろう。お姉さまのおっしゃる通り…ただのペット?
暇つぶしの、お嬢様の道楽の…おもちゃに、すぎないの?

そんな風に思っていた頃、私は決定的な場面を眼にする事になった。
13牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:50:15.19 ID:fphaHV1C
※ネコさんの回想(6)

「…タヌキちゃん!?」

それは丸顔で垂れ目の、ちょっとぼーっとした女の子だった。
エッチな事なんてまるで知りませんって顔の彼女が、
大きく口を開け、嗚咽のような喘ぎをもらしていた。
だらしなく開けた口元から涎が筋を引いて、床まで達している。
丸っこいケモ耳がひくひくと痙攣し、全身の悦びを表現していた。

「あら?いけない仔猫ちゃんね…来ちゃダメって、言ったのに」

後ろ手に縛られたタヌキちゃん、その背後に立ち、腰を合わせているお姉さま。
…それはつい何日か前、私に使ったのと同じ、ペニパン。
私にしたのと同じように、お姉さまは別の女の子を犯していた。

「ひぁっ!おね、おねえさまぁ!やめ、やめない、でぇ…!」
「んふ…イヤらしいコね、タヌキちゃん。いいわ、突いてあげる」
「んはぁ!あ!あ!おねえさま!き、きもちいい…んあぁああ!」

私は耳と眼を塞ぎ、唇をかみしめ、その場を走り去った。
それで、おしまい。The END。

※ ※ ※

ネコさんがオオカミさんを愛していた事は本当でした。でも、それも過去の事。
でも、オオカミさんは一人の女の子で満足出来る人ではありませんでした。
なにしろ肉食系です。ネコさん以外にも大勢の女の子に手を出しました。

自分ははその中に一人に過ぎない。

そう気付いた時、ネコさんの気持ちはオオカミさんから離れたのです。

※※※
14牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:51:18.45 ID:fphaHV1C
その頃。
くだんちゃんもオオカミさんから同じような説明を受けていました。

「そん、な…ネコさんが…」
「あのコに色々な事を教えてあげたのは私。上手だったでしょ?あのコ」

ネコさんはオオカミさんによって女にされた。
その事実にショックを受けるくだんちゃん。
なぜこんなにも胸が痛むのでしょう。
なぜ涙が零れるんでしょう。
自問自答するくだんちゃん。

その様子を、舌舐めずりしながら見つめるオオカミさん。

そして…

「きゃっ!?」

オオカミさんはくだんちゃんを抱きすくめ、押し倒します。
そこには な ぜ か 、マットが敷いてありました。
何故って、当然ですよね?
ここはオオカミさんがいつもこういう事に使ってる場所なんですから。
オオカミさんが、ネコさんはじめタヌキちゃんやマルチーズちゃん、ハムスターちゃんにキツネちゃんetcetc…を押し倒して手籠めにしてきた場所だったんですから。

「貴方にも…教えてあげる。もっと、もっともっともっと気持ちいい事」
「い、いやっ…んんっ!」

くだんちゃんの身体にのしかかり、唇を重ねてくるオオカミさん。
くだんちゃんの腕を抑え込みつつ、オオカミさんの手がくだんちゃんの胸に迫ります。

ネコさんによって開花したくだんちゃんのエッチな身体。
このままでは、嫌がる気持ちとは裏腹に「あう…んっ!」なんてHな吐息を漏らしてしまい、
それを聞きつけたオオカミさんにに「もう感じてるの?いやらしいコね」などと妖艶な笑みを向けられ
「ち、違います!そんなんじゃ…!」と否定するも、女の子の身体を知りつくしたオオカミさんの超絶テクにより
「ひぁ…あん…!」と漏れてしまうHな声も、秘所が濡れる事も止める事叶わず、
「もう…濡れてるわ。エッチなオ●ンコ」などと隠語で苛められてしまい、
真正M体質のくだんちゃんは為す術もなく、百戦錬磨のオオカミさんの手で容易く陥落してしまうに違いありません。

「ふふ…可愛い」
「ひぅ…い、いやぁ!」
「いっぱい、可愛がってあげる。いっぱい苛めてあげる…」

いやがるケモ耳っコを自身のテクで責め立て、徐々に感じて行く様を見るのがオオカミさんは大好きなのです。

だから最初は嫌がってくれた方が楽しいの。
未知の悦楽を教えてあげる。私無しではいられない身体にしてあげる。

くだんちゃんがエッチな顔と声でおねだりする未来を幻視して、オオカミさんはご機嫌です。

が、その時でした。

「やめてください!」
「…えっ?」

はっきりと、拒絶の意志を込めた力強い声。
呆気にとられるオオカミさん。
そして。

※ ※ ※
15牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:52:21.92 ID:fphaHV1C
ぱぁあああぁん!

高く高く、鳴り響いた破裂音。それは、くだんちゃんを探すネコさんの耳にも届きました。
レーダーの様にくるくると回り、音の出所を探るネコさんのネコ耳。

「あっちの方から…そうか、旧校舎!!」

ご存知ですか?猫の耳は特別製です。
犬が嗅覚で優れているというのなら、猫は断然、聴覚が一番優れています。
特に高い周波数の高音を聞き分ける能力は人間の比ではありません。イルカもびっくりなくらいです。
人間が聞こえる範囲は2万ヘルツ以内なのに対して、猫の場合は7〜8万ヘルツ位まで聞き分けるんです。

音源を探す能力も優れていて、両方の耳で距離感や方向を瞬時にはじき出して音の出所を探し出す事が出来るんです。
猫の耳をパラボラアンテナに喩えられたりするくらいです。

相当な高さから落ちても大丈夫な平衡感覚の素晴らしさも耳のおかげなんですよ。
耳の中にある三半規管が非常に発達しているおかげなんです。

とっても勉強になるSSですね。

「くだんちゃん…!」

そんな訳で、ひときわ高く鳴り響いた破裂音を頼りにネコさんは走りだします。
ところで、この破裂音の正体はなんでしょう?

※ ※ ※

呆気にとられたオオカミさんの表情。その顔の右半分がじわじわと赤くなっていきます。
その様子を挑むように睨みつけるくだんちゃんは、左の手で自分の右手を抑えています。
その掌も真っ赤でした。

そう、くだんちゃんはオオカミさんの頬を思いっきり平手打ちしたのです。

「な、なんで…?」

オオカミさんはまったく状況が理解できません。
私(作者)も不思議です。なぜそうなったのでしょう?

ネコさんに開発されてエッチな身体になってしまったくだんちゃんが。
女の子にされて新たな性癖に目覚めたオナニー猿のくだんちゃんが。
こんな美女に昼日中から押し倒されて欲情しないなんて思いも寄りませんでした。

「わ、私、そんなんじゃありません!」

これが「キャラクターが動き出す」って事なんですね。びっくりです。

「わ、私、私は…私は…!私は、ネコさんが…ネコさんでなきゃ…ネコさんだから…!」

…そうだったんですね。
くだんちゃんがアソコを濡らしてしまうのは、ネコさんを想う時。
くだんちゃんがオナニーに狂ってしまうのは、ネコさんの指を想像する時。

くだんちゃんはネコさんだから欲情するんです。
くだんちゃんはネコさんで無きゃダメなんです。
くだんちゃんはネコさんが…

「わたしは!わたしは!わたしは…!!」

その時、廊下に音高く響く足音に、くだんちゃんは気付いていませんでした。
16牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:53:25.33 ID:fphaHV1C
「くだんちゃん!」
「ネコさんが好きなんです!」
「え?」
「え?」

扉ががらりと大きく明け放たれネコさんが飛び込んでくるのと、くだんちゃんが叫んだのはほぼ同時でした。

「ネ、ネコ…さん!?」
「くだん、ちゃん…」

きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
どうしようどうしようどうしようどうしよう!!
聞かれちゃった聞かれちゃった聞かれちゃった!?

くだんちゃんはパニックです。
ネコさんも内心動揺していましたが、必死で状況を整理します。
呆気にとられていたオオカミさんもネコさんの乱入ではたと気を取り直します。

「よ、よくも…私の…顔を!」

真っ赤にはれあがった頬を抑え、オオカミさんが吠えます。

「ひっ…!」

肉食獣の雄たけびは、草食系のくだんちゃんには恐怖以外の何者でもありません。
蛇に睨まれた蛙、狼に睨まれた牛。同じようなモノです。

「この…!」

右手を大きく振りかぶったオオカミさん。
金縛りにあったくだんちゃん、そこに駆け寄るのは…

「やめて!」
「きゃっ!?」

どーん、と。ネコさんのタックル!もんどりうつオオカミさん。

「ネ、ネコさん!」
「くだんちゃん…!大丈夫?」
「は、はい…ネコさんこそ…!」
「うん…良かった」

見つめ合う二人。そこにはもはや余人の入り込む余地などありませんでした。

「…仔猫ちゃん、貴方」
「おね…コホン、オオカミさん。先輩」

混乱と焦燥を隠せないオオカミさん。
毅然とした態度でそんなオオカミさんを見やるネコさん。
すでに勝敗は決していました。

「ごめんなさい、邪魔をして。でも」
「…」
「このコは、くだんちゃんは…あなたに渡すわけにはいきません」

ネコさんは、そうはっきりと言い放ったのです。
17牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:54:28.40 ID:fphaHV1C
これまで何人ものケモ耳っコを、思う様蹂躙してきたオオカミさん。
その実績から来る自信が音を立てて崩れて行きます。
オオカミさんに、今更何が出来たでしょう?
ネコさんとくだんちゃんを交互に睨みつけ、その場を立ち去る事だけでした。
背筋を伸ばして、女王の風格だけは失うまいと、せめてもの虚勢を張りながら。

※ ※ ※

窓から差し込む光が、赤みを増していました。
夕暮れの廃校舎の一室。立ちすくむ二人の影が、長く、長く伸びていました。
永遠に続くかと思われた沈黙。それを破ったのは、ネコさんでした。

「聞こえたわよ。私が、なんだって?」

真っ赤になるくだんちゃん。

「ふん」

でも、ネコさんも真っ赤です。

いまさら自分の気持ちを隠しても仕方ない。
女の子同士なんていけない事だけど。でも。
彼女も私と同じ様に、私を想ってくれるなら…

後悔するかもしれない。ううん、すでにしてる。
でも。

自分の気持ちに嘘は突きたくない。
彼女が、好きって気持ちに。

「…おいで」

差し伸べられた手。

「私のペットにしてあげる」

オオカミさんと同じ台詞。
なのに、どうしてこんなにも心に響くんでしょう。
どうして、ふわふわと身体が軽くなるんでしょう。
どうして、胸の奥から熱いものがこみあげてくるんでしょう。

「…はい」

硬く繋いだ手と手。そこから伝わるお互いの気持ち。
くだんちゃんは、とてもとてもとても幸せでした。


…第2話、了
18牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇):2012/08/16(木) 15:55:32.00 ID:fphaHV1C
スレ立てっつーかテンプレ失敗してるしグダグダですみません…
第3話はいましばらくお時間いただきますm(_ _)m
19名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 15:57:38.51 ID:qvRl9LBx
おつです
20名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 16:40:06.28 ID:xDnTmr2q
何でもう次スレ立ってるかと思ったら容量オーバーか
乙です
21名無しさん@ピンキー:2012/08/20(月) 21:14:18.36 ID:W8ylZSB6
スレに投下が無くて「焦らしプレイハァハァ…」と思ったら新スレとは……
相変わらず笑える地の文と嫉妬するほど色っぽい作品GJ
次作も待ってる
22名無しさん@ピンキー:2012/08/22(水) 17:17:02.41 ID:MHCTAb/K
>>5
上手い天丼だw
23約束の地 前書き ◆BFbGBxBf.. :2012/08/22(水) 21:29:57.85 ID:yKBIBdP7
まさかの(?)続編投下。
相変わらず濡れ場はありません。まるで成長していない。
是非、とは言えませんが読んでいただければ幸いです。
24約束の地 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/22(水) 21:40:13.67 ID:yKBIBdP7
とある田舎町。二人の少女が歩いていた。行く道は違えど、考えることは一緒だった。
「(勝羽さん……)」
「(内村さん……)」

「(今、どこで何をしているの……?)」

かたや電子辞書を、かたやシステム手帳を取り出し、中を見る。そこには一枚のプリクラが貼られていた。それはかつて、二人で撮ったもの。夏休みに入って以来、彼女に会えない自分とは違い、そこに写る二人は常に一緒。それが羨ましくて仕方無い。

「(それに比べ、私は……)」

会おうにも連絡手段が無く、どうしようもない。せっかくの夏休みだが、さっさと終わって欲しいとさえ……。
「あ、すいません」
「いや、こちらこそ」
曲がり角で衝突寸前の事態に陥り、しかし危うくも回避、謝罪。そして、ようやく気が付く。
「勝羽さん!?」
「内村さん!?」
その相手が先程の思索の中心人物だったことに。

「……」

互いに話したいことが多々あり、故に話に詰まった。先に口を開いたのは勝羽だ。
「う、内村さん!」
「な、なんでしょう!」
両者共に声が反転していたが、気にする余裕もなかった。
「明後日の金曜、一七時、第一公園に来て!」
「わ、分かった!」
25約束の地 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/22(水) 21:42:14.78 ID:yKBIBdP7
勝羽の勢いに任せた口約の取り付けを承諾する内村。そして、天下の往来で騒いだ二人に妙な気恥ずかしさが沸き上がる。
「……私の方はこれくらい。内村さんは?」
「……何も」
そして、互いに背を向けた。
「それじゃあ、また明後日」
「うん、楽しみにしてる」
〜〜〜
そして、二人は来た道をそのまま戻った。その後、「もっと話せば良かった」「連絡先を交換するんだった」と両者が後悔したのはまた別の話である。
26後書き:2012/08/22(水) 21:43:55.48 ID:yKBIBdP7
読んだ人は多分気が付くと思いますが、続きます。具体的には金曜に。
山は越えたとはいえ完了していないので金曜、としか言えませんが、それが明後日になるよう尽力します。
27名無しさん@ピンキー:2012/08/23(木) 00:00:56.10 ID:BgXg5kFb
>>18
続き期待してます
28名無しさん@ピンキー:2012/08/30(木) 23:40:52.97 ID:SZcaJdlx
続きあぁああああああああああ
29夏の夜の祭・前書き ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 21:48:38.46 ID:gr/woPQ3
どうにか完成、公開です
ギリギリで夏休みの金曜に投下出来て良かった…

注意事項
以下三つが気になる人はトリップかタイトルでNG推奨
1.相変わらず濡れ場無し
2.前回(約束の地)の七倍近い文章量
3.仕上がって三時間も経っていない見直し不足



それでは、以下本文です
30夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 21:54:25.62 ID:gr/woPQ3
「(勝羽さん、待ってないかな……)」
金曜日、私は約束の公園に向かっていた。何用かは分からないけど、行くしかない。でも、公園まで行く必要は無かった。
「内村さん」
背後から声がした。その声だけで胸が踊る。私は振り返り、返答した。
「勝羽さん」
公園で落ち合う予定の勝羽さんがそこにいた。
「随分と気が早いね。ここから公園への移動時間を考慮しても十分は待つよ?」
「ごめんなさい。……その、早く会いたくて」
私の言葉に勝羽さんは顔を反らす。
「ま、まぁ、遅れてくるよりはマシね。行きましょ、早いに越したことはないわ」
その言葉で私は質問があったことを思い出す。そして、その問いは今の言葉で変質した。
「『行きましょ』? 何処に?」
「花火祭。私の地元で行う祭だから知らなくても無理は無いね」
花火祭。……勝羽さんと露店を巡り、花火を観賞出来るなら、行かない道理が無い。
「喜んで」
「それは重畳」
私の答えに勝羽さんは満足げな表情で微笑んだ。
〜〜〜
そして、勝羽さんの地元へ赴く為に私達は電車に乗った。私は普段、電車に乗らない。だけど、それでも分かる非日常的な光景があった。それは……。
「浴衣、か……」
31夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 22:05:10.70 ID:gr/woPQ3
私達と同じ祭に行くのか、ちらほらと浴衣の人がいたのだ。
「別に平服の人も多いから心配は要らないよ?」
私の独り言に気付いた勝羽さんが声をかけてきた。流石は経験者というべきか、祭の空気を熟知しているみたいだ。
だけど、勝羽さんの助言は的外れだ。私は自分が浴衣でないことを悔やんだのではなく、勝羽さんが平服であることを惜しんだのだから。仕方無いので、浴衣の人の首を勝羽さんに換える妄想を楽しむ。
「(うーん、ピンクピンクした花柄は今一つ似合わないかな。水の地に金魚……悪くはないか)」
駅に止まる度、出る人よりも入る人が多いお陰で否応無く人工密度が増加。結果、勝羽さんとの密着具合が上がるうえに合成対象にも事欠かず、時はあっという間に流れた。そして、浴衣勢がある駅で降り出す。
「ここ?」
振り返り、勝羽さんに訊ねる。何故か不機嫌そうな表情だった。
「え……?」
そして、私が口を開く前に勝羽さんは電車から飛び出した。
「ま、待って!」
とっさに私は後を追った。だけど、私と勝羽さんの運動能力を考えれば自然な結果となった。
「……見失った」
32夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 22:21:59.62 ID:gr/woPQ3
勝羽さんを見失い、私は途方に暮れた。改札で一端追いつきかけたせいで中途半端に追えてしまい、迷子になってしまった。
「……どうしよう」
一人、ごちたところで答えは帰ってこない。
「(線路を見つけ、辿れば帰れるけど……)」
気分は恐ろしく低調。もう、何もかもが嫌だ。
〜〜〜
陰鬱な気分のまま、人に流されて湖へと出た。どうやら、ここで花火を上げるらしい。露店が並び、人々は思い思いに楽しんでいる。それが無性に妬ましい。
「(本来なら私も勝羽さんと一緒に……)」
勝羽さんが不機嫌になった理由を検証。まず、電車に乗った時点では悪くなかった。悪いのを確認したのは降車時。つまり、原因は車内の何か。しかし、何も起きてはない。なら、原因は……。
「(私の妄想、ね……)」
内容全てがバレたとは思えない。それでも、邪な妄想に耽っていると表情から読んだのかもしれない。
「許されるなら、何でもするのに……」
「ん? 今、何でもするって言った?」
私はその声に振り返った。
「……勝羽さん」
再会した勝羽さんは濃紺に純白の百合柄の浴衣を着て額に大粒の汗を光らせていた。
「勝羽さん、さっきは……」
「来て」
背を見せる勝羽さんを私は追った。
33夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 22:51:37.16 ID:gr/woPQ3
〜〜〜
そして、私達は明かりから離れた雑木林に入った。
「さっき、なんて言いかけたの?」
暗闇の中、勝羽さんが問いかけてきた。
「電車の中のこと、謝ろうと思って……」
「……何が悪かったのか、自覚は?」
影しか見えない勝羽さんから微かに怒気が噴出。正直に話す。
「勝羽さんと浴衣の人で脳内コラージュしてたこと。……違う?」
僅かな沈黙が心臓に悪い。
「……そうだよ」
当たった。もし外れていたら理解していないうえ、合成カミングアウトという笑えない事態になるところだった。
「確か、何でもするって言ったよね?」
「……許してくれるなら」
仲直りの好機に無謀な賭けは出来ない。何でもしよう。
「じゃあ、ここで裸になって」
……裸になって。そう言われた私は一瞬、自分の耳を疑った。次に、自身の語彙を検索した。しかし、無駄な足掻きだった。
「……服を脱げ、ということ?」
「そうとも言う。服は汚れないように私が持ってるから」
相変わらずズレた心配だ。けど、それはいい。大切なのはここで脱ぐべきか、脱がぬべきか、だ。
「……分かりました」
脱がなかった場合、勝羽さんとそれっきりになりかねない。なら、私の選択は決まっている。
34夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 23:21:25.31 ID:gr/woPQ3
それに、裸ということは、“そういうこと”をするかも……。
「ず、随分な脱ぎっぷりね……」
勝羽さんが私の服を受け取りつつ、簡単の声を漏らした。その間にも私は裸になった。
「は、裸になったけど……」
人気の無い雑木林とはいえ、屋外で裸になるという異常な状況に何故か興奮する。
「動かないで」
私の背後に勝羽さんが回ったのが肌で分かった。左腕を掴まれ、思わず躰が震える。そして……。
「え?」
腕に布の感触。林の隙間から漏れる明かりを頼りに見ると、それは勝羽さんとお揃いの浴衣だった。
「何を期待してたの? あ〜、やらし」
私に浴衣を着せつつ、勝羽さんが笑う。先走りすぎの妄想を自覚し、顔が赤くなる。
「さて、出来た。予定は狂ったけど、一緒に行く?」
「うん」
〜〜〜
雑木林から出て、私達は人混みの中に戻った。浴衣というのは涼しい一方、動くのに不自由を感じる。
「せっかくだから何か食べる? 奢るけど?」
「ありがとう、でも悪いから」
それに、こうして他愛も無い話が出来るだけで幸せだ。他に何を望もうか。
「気を遣わないで。さっきの謝罪も兼ねてるから。それに、祭に誘ったのは私なんだから、奢るくらいしないと罪悪感を感じるわ」
35夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/08/31(金) 23:51:22.61 ID:gr/woPQ3
「じゃあ、御言葉に甘えて……」
ここではたと気付く。
「私は裸になって勝羽さんは奢り? それって……」
「かき氷はどう? ちなみに私は雪。で、内村さんは?」
……この遮り方といい、間違った気遣いといい、実はわざとじゃ無かろうか。そんな疑念が胸によぎった。
「……練乳」
まあ、それでも気持ちは変わらないけど。
「白濁の高粘度で甘いミルクね。分かったわ」
そして勝羽さんがかき氷を購入。私は練乳を受け取り、一口食べた。
「おいしい?」
勝羽さんが自身の雪を食しつつ訊ねてきた。
「うん、おいしい」
粘り付く甘さと氷の冷たさが実にいい。
「どれ、一口味見」
そう言うと勝羽さんは私のかき氷にスプーンを差し込んだ。
「か、勝羽さん!?」
一口掬い、スプーンを口へ運んだ。私の食べたかき氷を勝羽さんが食べる。これは間接の間接キスといえる!
「ごめん、これでおあいこってことで」
私の口に勝羽さんのスプーンが突入。これは直の間接というか、間接の直というか、そもそも間接なのに直……。
不意に全身が脱力。
「え、内村さん?」
最後に勝羽さんの声を聞き、意識が暗転した。
〜〜〜
36夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 00:13:18.44 ID:eQX5wgfg
響く爆音に驚き、私は目を醒ます。辺りは暗いが、露店の光で真っ暗という程ではない。
「起きた?」
勝羽さんが私の顔を覗き込む。理解不能の状況だ。寝起きの脳で記憶を再生する。
「突然失神したから心配したわよ」
そう、間接キスで脳に血が昇りすぎたのか、倒れたらしい。
「取り合えず寝かしといたけど、立てそう?」
心配する声音に私は立ち上がる……前に気が付く。私の頭が何か柔らかい物の上にあることに。そして、この位置関係……。
「(……もしかして、膝枕されてる!?)」
心配してくれる勝羽さんには悪いけど、嘘を吐こう。
「無理みたい、もう少しだけ休ませて。……ダメ?」
「構わないよ、私と会って体調崩した、なんてなったら嫌だし」
許可が出た。何よりだ。
「あ、次の花火があがったみたい」
どうやら、私の目覚ましは花火だったらしい。空を見上げると天空に巨大な花が次々に咲いていった。
〜〜〜
そのまま、夜空に咲いては散る大輪の花を私達は眺めていた。
「内村さん」
ふと、勝羽さんが口を開く。
「そろそろ、立てる?」
「どうして?」
出し抜けの問いに返せたのはありふれた返答。
「帰ろうと思っているからよ」
「まだ、続くのに?」
37夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 00:40:00.76 ID:eQX5wgfg
「まだ、続くからこそ、よ」
そして、理由が続く。
「考えて、帰る時は来る時以上に込み合うのよ? だったら、花火を見ながら帰った方がいいでしょ」
筋の通った道理だった。なら、こちらの反論も理論的でなくてはならない。
「逆に人がいなくなってから、というのもアリじゃない?」
「ん……そうね。そうしましょうか」
そして、私達は再び黙り込み、花火観賞に没頭した。
〜〜〜
そして、祭は終わった。終了後、時が経つにつれて今までの喧噪が嘘のように静かになっていった。
「人もいなくなってきたし、立って。仮病は終わり」
「うん、分かった」
勝羽さんの言葉に私は立ち……ん? 『仮病は終わり』って……。
「いつ気が付いたの?」
「ああ、やっぱり」
勝羽さんがにやりと口角を吊り上げた。……つまり、さっきのはカマをかけただけで確証は無かったらしい。尤も、私は間抜けなことに反応してしまったが。
「あ、あの、その、これには深い訳が……」
どんな訳があれば仮病を用いて膝枕を続行するのか。少なくとも私には考えつかない。
「気にしなくてもいいって。かき氷だけじゃ釣り合わないでしょ?」
「……覚えてたんだ」
そのやり取りは完全に流れたと思ってた。
38夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 01:16:00.76 ID:eQX5wgfg
「これで相殺……で良い?」
相殺どころかお釣りが出る。でも。
「不足、といったら?」
勝羽さんの言葉の裏を読むと、こう言えば更なるサービスを期待出来る。……調子に乗り過ぎかな?
「ふっ、仕方無いね」
……これは果たして“成功”なのか、“失敗”なのか。その答えはすぐに分かった。
襟を掴まれ、後ろに引かれる。それと同時に雷速の足払いを受け、尻餅への最短経路を爆進、接地……直前、脇と膝に腕が差し込まれ、持ち上がった。
「まぁ、満足と言われてもこうしたけど」
それはいわゆる“お姫様抱っこ”だった。幸い、人はいないので見られる心配は無かった。
「一緒に歩いてたら次の電車に間に合わない程度には時間押してるから、ちょっと走るよ?」
私の顔の至近距離から試すように問い掛けてきた。
「うん」
私が頷くと勝羽さんはその足で走り出した。恐ろしいことに浴衣のうえに私を抱えた状態にも関わらず、平服の私以上に速かった。背筋が冷えたのは間違いなく夜風のせいではない。
「怖かったら抱き付いてもいいよ。私もその方が楽だし」
その一言に恥も外聞もなく抱き付く。今の私の胸中で『抱き付けて嬉しい』は薄く、寧ろ『落ちたらどうしよう!』ばかりだった。
39夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 04:47:09.62 ID:eQX5wgfg
〜〜〜
それでも、人の走る速さだ。じきに慣れてきた。そして抱き付きの安心感からか余裕が生じ、勝羽さんの浴衣越しの温もりと夜風を咲く疾走感を楽しめた。しかし、勝羽さんが減速しだす。前方を見ると理由が分かった。
「此処まで来れば大丈夫ね」
そう、駅に到着した。
〜〜〜
そして、私と勝羽さんは電車に乗った。勝羽さんがクロスシートに掛けたので私も対面に腰を降ろす。必然的に向かい合い、見つめ合う形となる。
「今日、楽しかった?」
その質問にどんな意図があるのか。喧嘩のことはどう考えてるのか。それら次第で最適解は変わってくる。
「……うん、楽しかった」
しかし、それが分かれば苦労しない。分からないので正直に答えた。
「そう、良かった」
どうやら、悪くはなかったらしい。そして、勝羽さんの表情から察するに話は終わりのようだ。勿体無いので問い掛けて会話を繋ぐ。
「どの花火が印象に残ってる? 私は土星型のヤツが面白かったかな」
「う〜ん、私なら大玉に小さな菊が何個も入ってた花火ね。最初は不発かと思ったけど、一気に光って……。綺麗だったわ」
勝羽さんの話した花火は私も印象に残ってる。
「そういえば、私が落ちてた間だったら?」
40夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 05:08:25.84 ID:eQX5wgfg
「……え?」
聞き逃したのか、勝羽さんの口からは無意味な音が漏れたきり。もう一度言ってみる。
「いや、私が倒れてる間に印象的な花火はあった? って聞いただけ」
何故か沈黙。その末、口を開いた。
「……赤くてパーッ、て花火」
……適当に過ぎてイメージがまるでつかない。
「もう少し詳しくお願い」「べ、別にいいでしょ、そんなこと。花火なんてただの炎色反応の産物にムキにならなくても」
ムキになってるのは勝羽さん。そう追求しようとし、表情を見て止める。何か不都合な理由でもあるのか、顔が引き吊っていた。
「……その言葉を聞いたら全花火職人が涙しそうね」
代わりに適当な言葉で茶を濁す。
「それもそうね」
そして、勝羽さんは苦笑した。
〜〜〜
そして、会話するうちに地元の駅に到着した。
「内村さん、家まで送らせて」
不意に勝羽さんがそう切り出した。実に魅力的な申し出だ。しかし。
「気持ちは嬉しいけど、勝羽さんの帰宅が遅くなるでしょ」
勝羽さんの都合もある。そもそも、私が早めに帰るのを拒んだから余計に遅くなったわけで、これを受けるのは虫が良すぎる。
「暴漢に襲われたら大変でしょ。それとも、私と一緒は嫌?」
41夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 05:31:13.46 ID:eQX5wgfg
「それは寧ろ嬉しいけど、そしたら勝羽さんが危ないわ。それに、わざわざ私を襲う人もいないだろうし……」
自分で言って虚しくなるけど、勝羽さんと比べれば仕方無い。
「私に言わせれば、魅力的なのは内村さん。少なくとも、私が暴漢なら誰が隣にいようと内村さんを襲うと断言出来るわ」
……気持ちは嬉しいけど、そんなことを断言されても困る。
「それに、百歩譲って私と貴女が襲われたとして、無事に済みそうなのはどっち?」
私は……うん、想像したくない。勝羽さんは……。
「確かに、勝羽さんなら帰り討ちに出来そう」
「でしょ」
断る理由が消えた。なら、頼んでしまおう。
「じゃあ、お願い出来る?」
「愚問ね、お願いしてたのは私だよ?」
〜〜〜
街頭のみが光を照らす闇の中、私達は会話も無く、黙々と歩いていた。ただ、そこには言葉に出来ない安らぎがあった。だけど、それも終わりがきた。
「……着いた」
「……そう」
自宅。ここが終点だ。私は鍵穴に鍵を差し込んだ。
「内村さんも見送ったし、私はこれで帰るね……」
勝羽さんの声に名残惜しさを感じたのは気のせいだろうか。
「あ、上がってく? いや、寧ろ泊まってく? ほら、私の家親いないし、どう?」
42夏の夜の祭 ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 05:41:27.98 ID:eQX5wgfg
鍵を回して解錠した。
「……良案ね」
その言葉に私は自宅の扉を開いた。
「入って、どうぞ」
「だが断る」
返答は拒否。……拙速に過ぎた? 嫌われてない? 脳が疑問で一杯になる。
「まあ親がいるからね。しょうがないね」
……どうやら、嫌われたわけではないようだ。心の底から安堵した
「そうですよね……」
「じゃあ」
「うん、また」
闇の中へと溶けてゆく勝羽さんが見えなくなるまで私は手を振った。

43夏の夜の祭・後書き ◆BFbGBxBf.. :2012/09/01(土) 05:45:44.69 ID:eQX5wgfg
というわけで今回は終わり。人一人抱えてなお俊足を発揮する勝羽さんは人間を止めてる気がしないでもない。
読んでくださった方、ありがとうございました。
44名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 11:44:36.96 ID:uNXqYMor
乙です。
45名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 12:08:32.56 ID:SZKs9z5a
>>43
乙です
46牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:08:22.69 ID:kLLUBqla
※ツノっコと猫耳っコの百合です。
※男とは絡みません。絡ませてあげません。
※「第一話 くだんちゃん、失恋!」(前スレ)
 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286194348/537-545
※第二話「オオカミさんに気をつけて(前篇)」(前スレ)
 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286194348/830-837
※第二話「オオカミさんに気をつけて(後篇)」本スレ>>5-17

以下、第3話(最終回)を投下させていただきます。
長くなってしまいそうなので、2話に続き、また分割で。
まずは前篇、7レス分です。
47牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:09:25.51 ID:kLLUBqla
第3話「大好きなネコさん」(前)

件(くだん)とは人頭牛身または牛頭人身の怪物の事ですが、
この物語の主人公・くだんちゃんは怪物なんかじゃありません。

バラ色の頬、つややかな濡れ髪、くるりとした瞳、
年相応に発達したボディラインの可愛い女の子です。
ちょっぴり小振りの胸を気にしてたりしますし、
小さいお尻は悪くないと密かに自負してたりする普通の女の子です。

でも、くだんちゃんは、苛めという程ではありませんが、
クラスの皆からは少し、少~しだけ浮いた存在。
それはくだんちゃんの頭ににょっきり生えた2本のツノのせい。

みんなにケモ耳がある世界で。
「人と違うから」という理由でこれまで辛いこともいろいろありました。

でも。

今のくだんちゃんはそんなことで思い悩んでいる場合ではありませんでした。

なんとなれば。

「ひぅ!あ!あ!…んあっ!」

くだんちゃんはいま、ネコさんの愛撫にめちゃくちゃ感じているところだったんですから。

※ ※ ※

『私のペットにしてあげる』

ネコさんのその宣言に嘘偽りはありませんでした。
暇さえあればこうして、くだんちゃんといかがわしい行為にふけるのです。

なにしろネコさんはツンデレさんですから、くだんちゃんの事が大好きなのにもかかわらず、
エッチないたずらやお仕置きをすることでしか愛情を表現する術を知らないのです。
実に面倒なコですね。

「う、うるさいうるさい!」

そしてもちろん、ネコさんへの想いを認めたくだんちゃんはそれを拒絶することなど出来ません。
ネコさんのいやらしい命令を、恥ずかしながらも素直に実行してしまいます。愛は盲目なのです。
いえ、くだんちゃんはMですから、そういうのが大好物なだけかもしれませんね。

「そ、そんな…!そんなんじゃありませんっ!」

まぁまぁ。

ともあれ。
二人が盛りの付いた思春期真っ只中のお似合いバカップルである事は間違いないでしょう。

というわけで。

時は放課後、所はネコさんのお部屋。
今日も今日とて、くだんちゃんを自分の部屋に引っ張り込むなり、
制服を脱ぐ間も惜しいとばかりに事に及んだネコさんだったのです。
48牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:09:59.26 ID:kLLUBqla
ネコさんのお部屋には、入ってすぐ正面に大きな姿見があります。
いま、その鏡に映るのは、ネコさんに後ろから抱きしめられ、
首筋へのキスでよがるくだんちゃんのあられもない姿。

「ふあ…ああ…!ネコさんっ…そ、そこは…はぅ…んっ!」
「…うなじ、感じるんだ?」
「そ、ぞくぞく、しちゃう…のっ!」
「ん…髪が邪魔ね」

このとき、くだんちゃんは心に決めました。

髪を切ろう、と。

髪を切ってうなじを露出させれば、もっともっとキスしてもらえる。
感じる所をネコさんにさらけだせば、ネコさんも喜んでくれるはずです。
「あら?もっと感じさせてほしくて切ったの?いやらしいコ」なんて、
言葉攻めも、きっとしてもらえる事でしょう。
それを想像するだけでくだんちゃんは、さらに盛り上がってしまいます。

「ん、くぅ…!ネ、ネコ…さぁん…!」

鏡に映ったくだんちゃんの痴態は、ネコさんを喜ばせます。
くだんちゃんの新たな性感帯を発見したネコさんは、とっても嬉しげです。
くだんちゃんの髪を書き上げ、首筋にさらなるキスの雨を降らせながら囁きます。

「ほら、ちゃんと前、見て…何が映ってる?」
「わ、私と、ネコ、さん…が…んふぅ!んは、ああ!」
「されてるの?それで、どうなってるのちゃんと教えて」
「キ、キス…首筋に、キス、されてる…」
「それだけ?キスされて、どうなってるの?感じてるんでしょ?」
「そんな…!い、いやぁ…は、恥ずかしい…!」
「…恥ずかしいのが、感じるくせに」
「いや…いや、いやぁ…!」

鏡には全部、映っています。上気した頬も、額ににじむ汗も。目尻にうっすら浮かぶ涙も。
ネコさんのしなやかな指が、ゆっくりとくだんちゃんのスカートをたくし上げていく所も。

「あ…ああ…!」

これから訪れる快感への期待にうち震えるくだんちゃんの蕩けた表情を、
くだんちゃんを後ろから抱きしめたままのネコさんはじっくりたっぷり堪能します。

「ほら、ちゃんと実況しないと、止めちゃうよ?」
「ひっ…!ネ、ネコ、さん…!ネコさんの、手が…し、下に…!」
「下、じゃわかんない」
「ス、スカートの、中!は、入って…来る…んん!」
「…だめ」
「…え?」

ネコさんのキスと手の動きが止まってしまいます。
お預けをくらった犬…って言葉の牛バージョン、ありませんかね?

「解ってるくせに」
「は、はい…」

より具体的に、よりいやらしく。ネコさんの命令は絶対です。
くだんちゃんはネコさんのペット、なのですから。
49牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:10:35.69 ID:kLLUBqla
「物欲しそうな顔ね。そんなにしてほしいの?」
「そんな…そんな…ああ!ふぁあ!」
「してほしいなら…解ってるわね」
「は、はい…」
「物わかりのいいコは、好きよ」

そして、再開。

「んは…ネコさんの指、太ももを撫でてるの…き、気持ちいい…!
 ふあ!う、内側、太ももの内側、ぞくぞく、するっ…!」

すこしでも躊躇したり、実況が止まるとネコさんの手も止まってしまいます。
それがイヤなら…くだんちゃんは恥ずかしい実況を続けなければならないのです。

「ショ、ショーツ…映ってる…い、いやっ…ぬ、濡れてる…の
 シミが、えっちなシミが…んふぅ!ネコさんの指、ゆゆゆ、指が…
 私のいやらしいシミの上をなぞって…ふああああああああ…っ!!」
 ネコさんの指…指が…!ショーツの中に、は、入って……!
 私の、え、えっちおな…お…お、お、お……………………いやぁ…!」

ぴたり、とネコさんの動きが止まります。

「エッチな…なんですって?」
「い、いやぁ…は、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいよぉ…!」
「じゃあおしまい、お預けよ、このまま」
「い、いやぁ!ひあ…ネ、ネコさん…!ネコさんの指が…わ、私のぉ…!」

くだんちゃんは、ネコさんにしてほしくてたまらないのです。
でも同時に、エッチな台詞が恥ずかしくてたまらないのです。
そしてエッチな台詞を口にするたび、エッチなお汁が溢れてくるのです。
その事が恥ずかしくてたまらないのですが、そうするとまたエッチなお汁が
(以下、無限ループ

恥ずかしいのに気持ちいい。気持ちいいけど恥ずかしい。
恥ずかしいけど…もっと気持ちよくなりたい…!

そう思ってしまったら、もうくだんちゃんは止まりません。

「ふあああ!ネコさん!ネコさんの指が!オマンコを!私のオマンコ、触ってる!
 エッチなお汁の溢れるオマンコ…んはぁあああ!か、かき、かきわけて!
 ク、クリ…あ、あ、あ、あ、あ、あ…!クリ、トリ、ス…つまんで、るっ!
 ああああああああああ、ああああああああ、ああああああああああ!
 は、はい、はいって、くる!オマンコに指…!か、かきまわされて、る!
 ク、クリトリスもぉ!くりくりくりくりくりくりくりくり…ふああああっ!」

もう言葉が意味をなしてません。実況が止まれば、ネコさんの指も止まります。

「ひぅ…い、いやああ!あ、あ、あ、あ…!」
「止めていいの?」
「い、いやああ!いやいやいやいや…やめちゃ、いやああ!!」
「イキたいの?」
「い、いきたい…よぉ!お、おねがい!いかせて…!もっと、もっとしてぇ!」
「じゃあ、続けて?」

実況が無い限り、ネコさんの指はピクリとも動きません。
50牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:11:38.36 ID:kLLUBqla
「ク、クリ、こねられて…んは!ネコさんの指、オマンコを出たり入ったりしてる!
 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ…音、してっ…!ふあ!あ!あ!あ!あ!」
「いやらしい顔…解ってるの?ちゃんと見えてるの?」
「わ、わたし、映って…ネ、ネコさんにおまんこぐちゃぐちゃにかき回されて…
 エッチなよがり声あげてるとこも、いやらしい顔、も、全部、映って、る…!」
「ほんと、いやらしい。もういきそうなんでしょ?」
「いく…いくいくいくいく…いっちゃ……うわあああああああああ…っ!!!!」

くだんちゃんの視界と、頭の中が真っ白になります。
突然、眩しい光を正面から当てられたみたいに。

絶頂の快感がくだんちゃんから思考能力を奪っていきます。
薄れゆく意識の中、くだんちゃんがぽろりとこぼした言葉。

「ネコ、さん…大好き…っ!」

その言葉を耳にしたネコさんの頬が真っ赤に染まる所も、しっかり鏡に映っていました。
が、残念ながらくだんちゃんは見る事はできませんでした。

※ ※ ※

「いってきまーす」

昨日、肩口で切りそろえたショートボブの髪が、軽やかに跳ねます。
制服のスカートがひるがえり、健康的な太ももが躍動します。
胸を張って、前だけを向いて。輝くような笑顔で、玄関を飛び出していくくだんちゃん。

最近、家を出る時間がずいぶん早くなったくだんちゃんを、
お母さんとお兄ちゃんはそれぞれの表情で見送ります。

ちなみにお母さんはくだんちゃんと同じく、あたまにツノがありますが、
お兄ちゃんはお父さんの遺伝のおかげでツンととんがった立派なケモ耳があります。

「あ、あいつ…なんか可愛くなったな」
「ちょ、ちょっと!ダメよ!そんな!兄妹で、そんな…!」

 (ああ!禁断の愛!?私の愛する息子と娘がそんな…!

お兄ちゃんもお母さんの妄想癖には慣れています。

「えーっと、そういうんじゃなくて…あいつ、彼氏でも出来たかな?」
「まぁまぁまぁ!!お赤飯ね!お赤飯炊かなきゃ!!」

くだんちゃんはツノがあるせいで辛い思いも色々してきました。
でも、こんな家族と素敵な恋人がいるくだんちゃんは、十分にリア充ですよね?

恋をすると女の子はキレイになる。
これは永久不変の法則です。

だからくだんちゃんは…本人には自覚はありません。
でも背筋は伸び、その頬には常に柔らかな笑みが浮かび…

元々、可愛いコだったんです。
その魅力が正当に現れた…というだけの事でした。

だから。

「…や、やだ…」
51牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:12:40.61 ID:kLLUBqla
いつもの通学路。
道を行く男たち、誰もが、くだんちゃんを振り向きます。
次々突き刺さる視線に、くだんちゃんの頬が赤くなります。

(ツノのせい…それとも…髪、変、なのかな…)

くだんちゃんは注目される事に慣れていません。はっきり言って苦手です。
ツノのせいで、これまでさんざん奇異の眼を向けられてきたのですから。
でも、今、注目を集めているのはそのツノでも髪型でもなく、くだんちゃん自身でした。

はい、ではここで、周辺のある男子生徒の心の声を聞いてみましょう。

(うわ…可愛い…!あんな可愛いコ、いたっけ?)
(いいなぁ…ゴクリ。あんなコが彼女ならいいのになぁ)
(キスして押し倒して、あのかわいらしい胸を揉みしだいて

はい、そこまで!
周辺の男子生徒たちはくだんちゃんを「ツノのある変な子」とは見ていませんでした。
頭のツノなんて、くだんちゃんの女の子としての魅力の前には無いも同然、とばかりに
くだんちゃんを「かわいい女の子」さらにいうなら「性欲の対象」として見ていたのです。
くだんちゃんを一瞬の内に裸にひんむいて、汚らわしい妄想の中で犯していたのです。

思春期の男なんてみなそんなものですから、可愛い女の子の皆さんは注意してください。
もっともいくら注意しても、男どもからの視姦を止めることなど不可能ですけど、ね。
それは可愛い女の子の運命です。宿命です。避けようの無いサダメなのです。

くだんちゃんは男たちの視線から逃げるように足早になり、
いつもより早く学校についてしまいます。
そんなくだんちゃんを校門のところで待ち構えている人物がありました。

「…あ」

それはかつて、くだんちゃんを振った、元カレ、でした。

「お前、さ…」

そこで、ごくりと唾を飲み込む元カレ。
頭の尖った犬ミミがヒクヒクと痙攣するように震えています。
ちなみにカレはボクサーでしたがボクシングはやっていません。

くだんちゃんは知っていました。
それは彼が性的に昂奮している証拠なのです。
くだんちゃんに欲情している印なのです。

…やだ。

くだんちゃんはその事に嫌悪感しか感じられません。

「喜べ。より、戻してやるよ。な?嬉しいだろ」

元カレの口から思いがけない言葉が飛び出したのは。

「…え?」

鳩が豆鉄砲…ってことわざの牛バージョンってありませんかね?
くだんちゃんは唐突な言葉に呆気にとられてしまいました。
52牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:13:26.37 ID:kLLUBqla
「な?いいだろ。また可愛がってやるからさ…」

恋をして、前よりずっと奇麗になったくだんちゃん。
その魅力は元カレにも波及していたようです。
彼は一歩を踏み出し、くだんちゃんの肩に手を伸ばしました。

「離して!」

強い口調できっぱりと。今度は元カレの方が呆気にとられる番でした。

「お断りします。私、好きな人がいるんです」

元カレが、こんなにはっきりと自分の意志を口にするくだんちゃんを見たのは初めてでした。

そう。恋は女の子を綺麗にします。
そして、恋は女の子を強くもするのです。

くだんちゃんはきっぱりと元カレに否を突きつけ、その場を立ち去ります。

「私の好きな人は…」

※ ※ ※

いつもより早く教室にたどり着いたくだんちゃん。
教室にはまだほとんど人はいません。

でも。

「あ、ネ、ネコさん…!」

くだんちゃんはびっくりしました。
くだんちゃんの大好きなネコさんが、すでに教室にしたのです。

「あら、おはよう、くだんちゃん」

と、ネコさんはくだんちゃんの焦る気持ちも知らぬげにクールに返します。
たいてい始業ぎりぎりにしか教室に現れないネコさんが、なぜこんなに早く?
いったい、何故でしょう?不思議ですね。

という訳で、ここからは副音声で、二人の心の声を聞きながらご覧ください。
53牛頭人身少女 くだんちゃん3(前篇):2012/09/01(土) 16:15:19.37 ID:kLLUBqla
「お、おはようネコさん…き、今日は早いのね」
 (ああ!ネコさん、いつもクールで素敵…!ドキドキしちゃう…!)

「たまたまよ」
 (あんたに早く逢いたかったからに決まってんでしょ!
 (もう!それくらい解ってくれてもいいんじゃないの?
「で、でも…あんたもいつもより早いんじゃない?」
 (もしかして、あんたも私に早く逢いたくて?
 (そうなの?そうよね?そうなのね!?…あああ!!!

「う、うん………………」
 (ネコさんに逢いたくて…ウチにいても落ち着かないし…
 (でもまさかネコさんがこんなに早くいるなんて思わなかったから…う、嬉しい!

「髪、切ったのね」
 (あああ!ショートカットも似合ってる…!
 (あ!?そか、いっぱいうなじを攻めてもらえるように切ったのね?そうなのね!?

「う、うん………………ど、どう、かな?」
 (ネ、ネコさんにいっぱいうなじにキスしてもらえるように…
 (ネコさんがいっぱいキスしやすいように…ハァハァ

「いいんじゃない?似合ってる」
 (前の髪型も可愛かったけど、ショートも新鮮でこれまた…!
 (可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い…!

「あ、ありがと」
 (うわあああ!ほ、褒められた!ネコさんに褒められちゃった!
 (嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい…!

「…」
 (うああああ、ほ、頬染めちゃって!!
 (可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い…!

「…」
 (嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい…!

「…」
 (くだんちゃんくだんちゃんくだんちゃんくだんちゃん…!

「…」
 (ネコさんネコさんネコさんネコさんネコさんネコさん…!

人気のない教室で。
見つめ合ったまま二人は固まってしまいました。
そして。

((も、もうダメ!我慢できないっ!!

「く、くだんちゃん…!」
「ネ、ネコさん…!」

ネコさんがくだんちゃんの手を取りました。
くだんちゃんは逆らうことなく、ネコさんに付いて行きます。

そう。

始業までは、まだずいぶんと時間がありますから、ね?

(前篇、了)
54名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 23:08:22.11 ID:eQX5wgfg
くだんちゃん続編キマシタワー!
何故かママと兄の会話にほっこりした
良い家族と恋人(猫?)に恵まれたくだんちゃんマジリア充
後編も楽しみにしてる
55名無しさん@ピンキー:2012/09/03(月) 12:45:52.37 ID:inZL5HJM
最高すぎるw
ニヤニヤしっぱなしやw
56名無しさん@ピンキー:2012/09/03(月) 20:42:21.08 ID:OmHx02sk
前スレのss、見れる所無い?
くだんちゃんの前の方読みたい
57名無しさん@ピンキー:2012/09/03(月) 23:34:54.76 ID:t6D4iRJS
>>54-55
GJです
58名無しさん@ピンキー:2012/09/04(火) 12:43:11.87 ID:5IDre1tR
>>5ー17読んで妄想してしまったもの
※勝手に設定借りてます。あと文章無理なんでプロット形式です。


ネコさんとくだんちゃんのラブラブ光線の前に退散した狼さん。
しかしそれじゃあ色々治まらない。
なので新たなエモノ探しを始めていた。そこで見つけたのが羊さんあだ名をメリーさんといいました。
いかにも優等生といった感じでしかもすごく可愛いまさに草食系女子でした。
すぐに誘い込むことに成功しましたが狼さんが攻め始めたあたりでメリーさんの本性が現れました。
実はこのメリーさん、裏では羊なのに肉食、鬼畜少女メリー、狼のフードがついた羊毛とか言われているドSなバリバリのタチなのでした。
今まで調教してきた娘は数知れずどんな娘もたちまちペットにされてしまうのでした。
メリーさんが狼さんの誘いに乗ったのも罠半分、もう半分は狼さんの本質、Sの裏にMの素質を感じたからでした。
59人畜無害(笑)メリーさん→鬼畜少女メリーさん:2012/09/04(火) 12:50:45.68 ID:5IDre1tR
そんなこんなで立場逆転から狼さんの大切な部分をつねったりします。
それで痛いはずなのに濡れ濡れになる自分に気がつき赤面する狼さん。
実はさっきくだんちゃんのビンタをくらってから何故かあそこが熱くなっていたのでした。
今まで感じたことの無い感覚に戸惑う狼さんはメリーさんの調教によって理解したのでした。
私はドSでありながらドMだったのだと
すっかり躾られた狼さんはメリーさんのペットになりました。



こんな感じの妄想したけど清書なんてできないから書きたくなったら書いてくださいwww
大歓迎です。
60名無しさん@ピンキー:2012/09/04(火) 21:48:16.44 ID:Dvt+8nQw
そこまで書いたら後少しなのに勿体無い
というわけで少し見本(叩き台ともいう)として書いた



「ごめんなさい、邪魔をして。でも」
オオカミさんは今まで多くのケモ耳っ子を籠絡し、欲望の限りを尽くしてきました。それを彼女は内心、誇っていました。でも。
「この子は、くだんちゃんは…あなたに渡すわけにはいきません」
その誇りは、ネコさんの一言に大きく傷付けられました。
そんなオオカミさんは悔しさに内心歯軋りしつつも、外面を保って退くのが精一杯でした。

※ ※ ※

しかし、敗北にオオカミさんは臍を噛むような人ではありませんでした。
いや、抉られた自尊心の痛みと、疼く肉欲が惜敗の無念を忘れさせたのかもしれません。そして、痛みと肉欲の両方を消す算段がオオカミさんには有りました。

(次の獲物を探しましょうか……)

※ ※ ※

程無くして獲物は見つかりました。今まで数多のケモ耳っ子を落としたオオカミさんの面目躍如といったところですね。

「メリーちゃん、さよなら」
「ええ、また明日」

笑顔で級友に手を振るヒツジさん。今の遣り取りやら察するにメリーさんと呼ばれているようです。



まあ、これは膨らまし過ぎだがw
61名無しさん@ピンキー:2012/09/05(水) 00:33:57.31 ID:3gthukrf
>>60
そこまで書いたら後少(ry
62名無しさん@ピンキー:2012/09/05(水) 12:04:08.73 ID:/wB3GCqk
>>60
そこまで書いたなら調教まで書くべき
それまでGJはお預けよ!(本当はすぐにあげたいけどこの子のためよ!)
63名無しさん@ピンキー:2012/09/05(水) 19:55:39.83 ID:i6wfPDJY
誤字った…『今の遣り取り“や”ら』じゃなくて『今の遣り取り“か”ら』だ…
そしてくだんちゃんシリーズの作者さんの意向も聞かないといかんでしょ
64名無しさん@ピンキー:2012/09/05(水) 23:33:48.07 ID:wUeP7xpV
愛されてるなあくだんちゃん
65 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/06(木) 03:06:16.14 ID:7nNlshf+
くだんちゃんの中の人です。
皆さん、いつも読んでくださってありがとうございます。

>>56
個人サイト…って程の物じゃないですけど、
投下したssをUPしてる所はあります。
そういうののアドレスって貼ってもいいのかな…?

>>58-60
そこまで書いたなら(ry
いや、嬉しいです、ホント。
妄想広げて頂けるだけの余地というか、
魅力を感じて頂けたって事でしょうから。

オオカミさんスピンアウト、ぜひ書いてください。
ケモ耳少女の百合が読めるなら大歓迎です。
だが、くだんちゃんとネコさんは俺の嫁w

>>64
ありがたや?ありがたや?(ー人ー)
66 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/06(木) 03:09:47.35 ID:KkpxvqWG
うわ、文字化けた?

>>64
ありがたや〜ありがたや〜(ー人ー)
67名無しさん@ピンキー:2012/09/06(木) 06:58:33.47 ID:r57wuG7i
自分の娘のために偽装結婚も辞さない◆7BaqS26D87fWは百合作家の鑑、はっきりわかんだね
68名無しさん@ピンキー:2012/09/06(木) 10:06:51.40 ID:mnhIywJQ
>>63
さあ、原作様からゴーサインも出たし早く続きを(ry


>>65
いくら原作様でもこれだけは譲れない
くだんちゃんはネコさんの嫁、そしてネコさんはくだんちゃんの嫁だ!
69 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/06(木) 20:52:29.05 ID:ybcrPHTO
くだんちゃん第3話、続きを投下させていただきます。11レス程です。
70牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:54:15.62 ID:ybcrPHTO
>>53の続きです)

始業前。人気のない、廃校舎の片隅で。

「んは…っ!んちゅっ…んん!」
「んちゅ…んふぅ…ふはぁ…!」

互いの首に腕を回し、抱きしめあい、熱いキスを交わしあう二人。
ネコさんの指先が、くだんちゃんの剥き出しのうなじを愛撫します。

「そ、そこ!ぞ、ぞくぞく…しちゃう、の…!」
「…ね?いっぱいこうしてほしくて、切ったんでしょ?」
「は、はう…///」

図星です。

「答えなさい、いっぱい感じさせてほしかったから、切ったのね?」
「は、はい…ネコさんに、いっぱいしてほしくて…」

くだんちゃんのその答えにネコさんは、

「そう。いいコね」

なんてクールに返しますが、内心は狂喜乱舞です。

(ああああああああ!可愛いいじらしいいやらしい可愛いいじらしいいやらしい…!!

「…ここ?」
「ひぅ!んはぁ!あ!…んくぅ!ネコさん…ネコさぁん…!はぁああ…!!」
「エッチな声。いやらしいコね。そんなに感じて…恥ずかしくないの?」

朝っぱらから、二人のテンションは最高潮です。

「あっ!やぁ…そ、そんな…!」

ネコさんの手がくだんちゃんの制服の前をはだけさせます。
フロントホックのブラが外され、可愛い胸が外気にさらされます。

すでに、その先端はツンと尖って。じんじんと痺れています。
ネコさんの愛撫を今か今かと待ち受けているようでした。

ですが、そう簡単にくだんちゃんの思い通り行かない事は、もう御承知ですね?
ネコさんはくだんちゃんの胸に手を伸ばします。
が、決して、その芯には触れようとしないのです。

それどころか、さわさわと全身に指を這いまわらせます。
さらに唇の届く範囲には、キスの雨を降らせます。

でも、決して。
乳首やアソコに直接触れる事はしないのです。

「んん…!んはぁ…!はぅ…んん!」

それでも、全身に優しい愛撫を受け、くだんちゃんはどんどん高ぶっていきます。
71牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:55:20.54 ID:ybcrPHTO
ネコさんの唇が、背筋の骨に沿って這うように動きます。
鎖骨のくぼみを舐め、乳首の周りを沿うように舐めます。

ネコさんの指が、お尻のお肉を丁寧に揉みほぐしていきます。
腹筋に沿って、おへその周りから、太腿までソフトに撫でまわしていきます。

さらに腋、肘裏、指の間に至るまで。

どこもかしこも、最初はちょっとくすぐったい部分。
でも常に触れるか触れないかのフェザータッチで愛撫を続けられると。
徐々に熱を持ち、気が狂わんばかりの快感をもたらすのです。

女の子の身体は、全身が性感帯となりうるのです。
そしてくだんちゃんの身体は、もはや全身、性感帯。
呼吸は乱れ、涎を垂らし、えっちなお汁を溢れさせます。
乳首はじんじんと痺れ、あそこはひくついてたまりません。

しかし、それだけでは。狂おしい快感にいくら身を焦がしても。
このままでは絶頂を迎えることは、到底出来ないのです。

それはもどかしくも狂おしい、甘美な、肉欲の罠。

(ああ…!ああ!乳首、弄ってほしい…!
(あそこを…あそこも弄ってほしいのに…!

「乳首、弄ってほしい?」
「は、はう…///」

図星です。

「答えなさい、弄ってほしいんでしょ?」
「は、はい…ち、乳首、ネコさんに、い、弄ってほしい…!」
「こう?」

ネコさんの指が、くだんちゃんのツンと尖った尖端にそっと触れました。

「ああ…!ああ…!!」

待ちに待ったその時を前に、快感の予感に、くだんちゃんの身体が震えます。

しかし。

指先が乳首に触れたのはほんの一瞬でした。
ネコさんの指は、そのまま粟立つ乳輪を撫で、周辺を指先で囲んで撫でまわしていきます。
もう一方の手でくだんちゃんの小ぶりな乳房全体をこれでもかと丹念に揉みあげながら。

「乳首、びんびんだね」
「んあ…!んはぁ!!お、おね、おねがい…も、もう…!」
「なあに?お願いって。ちゃんと言ってくれなきゃ、解んない」
「いや…いやいやいや…!!ち、ちく、び…」
「ん?乳首がなあに?」

また、一瞬。刹那の間。触れたかと思えばすぐ離れます。

「いやああ!乳首…!乳首、弄って…お願い!お願い…!」

何度も何度も繰り返された末に。

「んひゃううううううううううう!!」
72牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:55:57.20 ID:ybcrPHTO
突然、いきりたった乳首を、ネコさんの指先がきゅーーーっと摘みあげたのです。

「あ!あ!あ!ああああああ!ああああああ!」

どっと汗が吹き出します。
快感が乳首を中心に全身に広がっていきます。
望み続けた刺激にがくがくと身体が痙攣を繰り返します。

(あああ!気持ちいい!気持ちいい気持ちいい気持ちいい、気持ちいいよぉ!
(もっと…!もっともっともっともっともっともっともっともっとお!!

しかし。

ネコさんの眼が、きゅっと細くなりました。それは悪戯を思いついた悪童の笑み。
くだんちゃんがそのネコさんの表情に気づき、ハッと息をのんだ…その時。

♪きーんこーんかーんこーん…

無常にも、始業のチャイムが高らかに鳴り響いたのです。
ネコさんがすっと、くだんちゃんから身を引きます。

「あら、時間切れね」
「…え?えええええええ!?」

くだんちゃんはパニックです。
望み続けた、恋い焦がれた激しい快感。それを得られたのはほんの一瞬の事でした。
身体はもどかしさと、絶頂への激しい渇望に悲鳴をあげています。

「ほら制服、直して。早く行かなきゃ」
「う〜〜〜〜〜///!!」

くだんちゃんは真っ赤な顔でネコさんを睨みます。
するとネコさん、まるで満開の向日葵みたいな笑みを浮かべ、

「次の休み時間…続きをしてあげる。それまでいいコで待ってるのよ。ね?」

その笑みと言葉に、くだんちゃんは逆らう事なんてできません。

「う、うん…絶対…ね?」
「私があんたに嘘ついた事なんて、あった?」
「わ、解った…次の休み時間まで…待ってる…」
「物わかりのいいコは、好きよ」

これ以上赤くなるなんて無理と思われたくだんちゃんの頬がさらに赤く染まります。
にっこり笑って、差し出される手。

「行こ?」
「は、はい…」

くだんちゃんがネコさんに逆らう事なんて、ありえません。
だって、くだんちゃんはネコさんの事が大好きなんですから。
くだんちゃんはネコさんにしてもらう事が、全部、大好きなんですから。

(やすみじかん、つぎのやすみじかん…
(そうしたらつづき…こんどこそ、もっともっともっともっと…!!

※ ※ ※
73牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:56:28.63 ID:ybcrPHTO
そして、待ちに待った、休み時間。

「くだんちゃん」

くだんちゃんの背中に、ネコさんが声を掛けます。
ネコさんの席はくだんちゃんより後ろなのです。

「行こっか?」
「う、うん…!」

くだんちゃんは羞恥と期待から真っ赤に染まったくだんちゃん。
ネコさんの顔をまともに見る事が出来ません。
その事で、きっと後から言葉責めされちゃう事でしょう。
でも、それもまた良し、な、くだんちゃんなのです。
ネコさんに導かれるまま、くだんちゃんは再び廃校舎に向かいます。

※ ※ ※

今度は後ろから抱きすくめられました。
うなじにいっぱいキスされ、乳首もいっぱい弄ってもらえました。

「あ、あ、あ!んはぁ!んん!!ひあああああ…!!」
「気持ちいいの?ねぇ、そんなによがり声あげちゃって」
「き、気持ちいい…!おっぱい、気持ちいいのぉ!!」

でも。

「続きをしてあげるとは言ったけど…いかせてあげるとは言ってないわよね?」

しれっと言い放つネコさん。
とうとうアソコはいじってくれなかったのです。

※ ※ ※

その次の休み時間。
くだんちゃんは、触れるか触れないかというフェザータッチを延々繰り返されました。
なんどもなんども触ってほしいと懇願しましたが、ネコさんは聞いてはくれません
止めどなく溢れ出るエッチなお汁を指ですくわれ、嘗めさせられたりもしました。
でも、やっぱりアソコはお預けです。

そしてその次も、そのまた次の休み時間も。
くだんちゃんは休み時間の度に、寸止めで焦らされまくったのです。

※ ※ ※

そして、お昼休み。

「行こっか?」
「は、はふぅ………!」

くだんちゃんは、もう限界ギリギリです。崖っぷちもいい所でした。

(早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く…!
(イキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたい…!

※ ※ ※
74牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:57:14.31 ID:ybcrPHTO
「ほら、自分でスカート、持って」
「は、はい…」

おずおずと。しかし素直に。
自分のスカートの裾を持ちあげるくだんちゃん。
すると、突然その前にネコさんがしゃがみ込みます。

「ひあっ!?ネ、ネコさん!?」
「じっとして」
「は、はい…!」

くだんちゃんのショーツに指をかけるネコさん。
くだんちゃんの反応を楽しみながらゆっくりとずらしていきます。

「うわ、溢れてる…」

それはそうでしょう。
午前中いっぱい焦らされ続けたせいで、アソコは準備万端です。
朝からずっと濡れて溢れて、乾く暇もありませんでした。

「い、いやぁ…!」
「ウソ、嬉しいくせに」
「は、はう…!!」

図星です。

「で、でも…!ははははは、は、はず、恥ずか、し…!」

ネコさんの前に全てを曝け出したくだんちゃんは真っ赤です。
くだんちゃんの少し薄めのアンダーヘアとぷっくらとした恥丘が。
とろとろの蜜を溢れさせ、来るべき刺激への期待に震える秘所が。
ネコさんの視界に、至近距離で曝されています。その距離、ほんの数センチ。

「よく、見える…全部、見えてる…」

愛しいくだんちゃんの全てを視界におさめたネコさんはご満悦です。

そして。

「ひやっ!?あ!あ!あ!あ…!」

ネコさんのかわいらしいお口が、くだんちゃんの愛らしいつぼみに触れました。

「そ、そんな…き、汚い、よぉ!」

(…くだんちゃんに汚いとこなんか、無い…

もちろん、そんなホンネをそのまま口にできるほど、素直なネコさんではありません

「…いやらしい、どんどん、溢れてくる…んく…んく…!」
「ひあ!?ひああああ!だ、だめだめだめだめぇ!あ!あ!」
「エッチな声も、止まんないね?」
「やはぁ!だ、だって…こんなの…す、すごくて…ぅひぅっ…!?」
「そんなに声出したら、誰か来ちゃうかも。それとも…聞かせたいの?」
「そ、そんな…!だめ…だめだめだめ…んくっ…!んん…!!」

自ら持ち上げているスカートの裾を咬み、必死に声を抑えるくだんちゃん。
その必死な様子がいじましくて、ネコさんはSっ気を刺激されてしまいます。
ネコさんの舌先がくだんちゃんの包皮を割り開きます。
75牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:57:55.36 ID:ybcrPHTO
小粒だけれど感度のいい、くだんちゃんのクリトリス。
いつもはネコさんの指先で可愛がられている敏感な場所。
そこに初めて、ねっちょりとした舌先での愛撫が加えられます。

「んーーーーーーーーっ!!ん!ん!んんーーーーーっ!!」

びくんびくん!とくだんちゃんの全身が痙攣します。
いつも以上の快感に襲われ、くだんちゃんが悶えます。

(もう…もう!すぐいっちゃいそう…!

すっかり出来上がっていたくだんちゃんの身体は、早くも限界を迎えようとしていました。

※ ※ ※

ところで。

いくら二人の情事が人気の無い廃校舎で行われているとは言え、ここは校内です。
オオカミさんもここを使っていたように、誰も近寄らないという訳ではないのです。

おまけに今日の二人は、休み時間毎に同じ場所で情事にふけっています。
回数が増えれば見とがめられる危険も増大するのは必然でした。

終了のチャイムと共に二人で教室を飛び出し、
始業のチャイムと共に教室に駆け込んでくる。
そんな行動を繰り返していれば、何か怪しいと思われても無理はありません。

案の定、二人を物陰から観察する人影がありました。しかも、二つ。
お互いしか見えていない二人は、その事に気付きません。

『そんなに声出したら、誰か来ちゃうかも。それとも…聞かせたいの?』
『そ、そんな…!だめ…だめだめだめ…んくっ…!んん…!!』

その声は、二つの観察者の元まで届いていました。
時すでに遅し、というヤツですね。

え?



ワンパターン?なんですか、それ。
第二話にも同じようなシーンがあった?



いやいや。

二人が迂闊すぎるのです。だから何度も同じような事が起こるんです。
お互いの事しか視界に入らない、脳みそお花畑な二人が悪いのです。

ホントに、恋する女の子って、厄介ですよね?

…ねぇ?

※ ※ ※
76牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:58:52.28 ID:ybcrPHTO
(ああ…!イクっ…!もう、イッちゃう…!

くだんちゃんの内腿がぷるぷると小刻みに経験します。
それは絶頂の前兆でした。

(い、いく…!!

が、その時。

「ダメよ、もっと楽しませてくれなきゃ」
「んふぅ…!?んん!ん!?」

絶頂のまさにギリギリ寸前。ネコさんが身を引きます。

「私がいいというまで、イッちゃダメ」
「んんーーーーーーーーーーー!?」

なんとご無体な。

延々前戯を受け続け、さんざん高められたくだんちゃん。
この期に及んでその命令は、残酷すぎます。

イヤイヤ、と。弱々しく首を振るくだんちゃん。
「イッちゃダメ」などと言いつつ、さらに容赦ない愛撫を加えるネコさん。

「…んちゅ」
「…………………!!んふーーーー!!ん!ん!んんっ!」

ネコさんのざらりとした猫舌が、くだんちゃんの一番敏感な所を責めまくります。
時にぞろりと嘗めあげ、時につんつんとつつき、時に包皮ごと唇で包み込みます。

(こんなの…!こんな、すごいの…だめぇ!!

ネコさんの愛撫に応え、ぴちゃぴちゃと淫らな音を立てるくだんちゃんのあそこ。
スカートの裾を噛み締めているせいで、くぐもった喘ぎを漏らすくだんちゃんの口元。
上のお口はエッチな喘ぎと涎を、下のお口は淫らな水音とエッチなお汁を垂れ流します。

(も、もう…だめぇ…!!イキたいイキたいイキたいイキたい…!!

もはや息も絶え絶えのくだんちゃん。
にも関わらず、ネコさんの執拗なまでの愛撫はさらにエスカレートするのです。

(ゆ、ゆび…入って…!!

ネコさんの指が、くだんちゃんのアソコに第二関節の当たりまで呑みこまれます。

「お待たせ」

という言葉と共に、中で指をくっと軽く曲げる、と。

「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

びくびくと、くだんちゃんの身体が痙攣します。
いわゆるGスポット。指のお腹でゆっくり、優しく、丹念になであげます。

「これ、いいよね?すっごく気持ち良さそうだよ?」
「んんんんん!んん!んーーー!んんんんんーーーー!!」

舌でクリトリスを責めながら、さらに中をゆっくりと掻き回すネコさん。
エッチなお汁が溢れ、いつしか床に水たまりを作っていました。
77牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 20:59:33.16 ID:ybcrPHTO
「んんんんんーーーーーーーーーーーーーーーーー………!」
(だめぇ…我慢できない…っ!もう、イクっ…!いっちゃう…!

ところが。

「おっと。ダメだってばぁ」
「ひぅ!?い、いやああ!!」

思わず噛んでいたスカートの裾を離して叫んでしまうくだんちゃん。
繰り返される寸止め焦らし地獄に、もう泣きだしそうです。

ネコさんはくだんちゃんの感じる所も、その限界も 完 全 に、把握しています。
くだんちゃんがイク瞬間、その少し前を見極める事など 朝 飯 前 なのです。

ちなみにキスの味や汗の匂い、アソコの濡れ具合でくだんちゃんの体調も解るようですよ。
そこまで出来てこそ、SはMを限界ギリギリまで責めることが出来るのです(ホントか?)

「いっぱい我慢しようね。それからイッたら…すっごく気持ちいいから」

Sって大変ですね。実はMに奉仕しているのは、Sの方だったりするんですよね。
M女なんて、恥ずかしがったり気持ちよくなったり、命令に従ってればいいんですから。

閑話休題。

イッちゃダメと言いつつ、容赦なく責め続けられ、
我慢の限界に達すれば愛撫を止められ、イクにいけず。
ぎりぎりまで昇りつめては、再び引きもどされる。

延々と続く寸止め焦らし地獄。
もはや時間の感覚もありません。

そしてネコさんはちらと腕時計に眼を向けました。
ちなみに文字盤のイラストはフェリックスくんです。
時間を確認したネコさんは、くだんちゃんにこんな言葉をかけます。

「よく頑張ったわね、そろそろ…」
「いいの?イッていい?イカせてくれる?イキたいイキたいイキたい…!!

絶頂の予感に歓喜の声をあげるくだんちゃん。

その時でした。

♪きーんこーんかーんこーん

「!?」
「あら、残念、時間切れね」
「い、いやあああああ!」

くだんちゃん、もうボロボロです。

「いや、いや、いやああ!お、おね、お願い…!イカせて…!」

でもネコさんは無情にも、

「さ、次は放課後。それまで我慢するのよ」

などと言い放つのです。
78牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 21:00:19.42 ID:ybcrPHTO
この日は5時間授業の日でした。
あと1時間。それが終われば、放課後です。

「ほ、ほうかご…まで…がまん…!そしたら、い、いいい、いって、いい…?」
「放課後なら、いっぱい時間あるから。思いっきり、イカせてあげる」
「が、がまん…する…から…だから…!い、いかせて…いかせていかせていかせて…!」
「いいコね。それに…とってもいやらしくて、可愛い」

火をつけられたままの体は熱く燃えるようです。
くだんちゃんは、そのままの状態で、その日最後の授業に向かいます。
次こそいかせてもらえるはず、との淡い期待を抱えながら。

※ ※ ※

二人が教室に戻ってきたのは、5時間目の始業のチャイムと同時でした。

(どんな声で鳴いてくれるかな…いっぱいイカせちゃおう。うふふ、放課後が楽しみ♪

ふらふらと席に着くくだんちゃんの後ろ姿を見やり、エッチな妄想にふけるネコさん。
机から教科書を取り出そうとして、一通の封筒に気づきました。

(またラブレター、かな?

靴箱や机の中に手紙が入れられていた事は、これまで何度もありました。
歯に衣着せぬ物言いやさっぱりとした態度で。ネコさんは男女問わず人気者です。
慣れた手つきで開封しました、が。

(これ…!

周囲から音が消えていくようでした。
視界が真っ暗になっていくようでした。
室温が一気に5度は下がったようでした。

封筒の中は、一枚の便せんと、デジカメプリントとおぼしき一枚の写真でした。

便せんにはたった一言。

『放課後、廃校舎2−B』

それだけならば、無視できたでしょう。しかし、同封された写真には。
エッチな行為に勤しむくだんちゃんとネコさんの姿がバッチリと映っていたのです。

※ ※ ※

とうとう、放課後。
くだんちゃんにとっては待ちに待った放課後です。

…やっと。やっとイカせてもらえる。

授業の内容なんて、ろくに頭に入ってきませんでした。
はぁはぁと荒い息をつきながら、ネコさんが呼びにくるのを待ちます。

ところが。
てど暮らせど、ネコさんから声は掛かりません。
辛抱たまらず振り返ると…ネコさんの席は蛻の殻、でした。

(ま、まさか、これって…!?

くだんちゃんは、ネコさんの望む事を理解するため勉強は欠かしていません。
だから、こう思ってしまったのです。
79牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 21:00:56.32 ID:ybcrPHTO
(放置プレイ?これが放置プレイというものなの!?

誤解です。激しく悲しい勘違い、でした。

(ああ、なんて高度な…私、ついていけるかしら?
(ううん!それがネコさんの…大好きなネコさんの望みなら…!

一見、健気なようですが、ネコさんのプレイにはまってるだけですよね?
その証拠に、いまもくだんちゃんのあそこはトロットロに蕩けているのです。
隠しようもないエッチな匂いが周辺にまき散らかされていました。

そんなくだんちゃんの後ろを、クラスの帰宅部女子が二人、通り過ぎます。
ウサギちゃんと羊のメリーさんでした。

「ん?なんの匂い?」
「え…これ…えーっと、な、なにかしら?」

これは極秘情報ですが、その童顔に怪訝な表情を浮かべているウサギちゃんは処女でした。
優等生然としたメリーさんは、その清楚な外見とは裏腹にとても経験豊富です
だから、くだんちゃんの周囲にたゆたうのがなんの匂いなのか、察しているようです。
頭の中がピンク色のくだんちゃんに、二人の会話は届いていませんでしたけど、ね。

(ああ…ネコさん…私、いいコで待ってるから…だから、だから…!
(ご褒美、いっぱいください…いっぱいいっぱいいっぱいイカせて…!

歓喜の瞬間が訪れるのを今か今かと待ちわびる、Mのくだんちゃんは、幸せでした。

しかし。

その瞬間が訪れる事が無い事をくだんちゃんは知る由もありません。
いくら待ち続けても、ネコさんが教室に戻ってくる事はないでしょうから。

※ ※ ※

呼び出しの指定場所に向かいながら。

(どうしようどうしようどうしよう…

ネコさんはひとり悩み続けています。
答えは出ません。でも、時間は無情にすぎていきます。
指定された場所はどんどん近づいていきます。

(どうしようどうしようどうしよう…

まだ答えは出そうにありません。

※ ※ ※

そして。
廃校舎でネコさんを待っていたのは。

「よう、久しぶりだな」

それは第一話で、ネコさんを公園の雑木林で襲おうとしたハイエナの一人でした。
リアルな時間でおよそ1年前、劇中時間では一ヶ月ほど前の事です。
80牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/06(木) 21:01:45.78 ID:ybcrPHTO
「いったい、どういうつもり?」
「ハッ!解ってんだろ?もしオレがこの写真をバラまいたら、どうなるか」

実はこのハイエナ、ネコさんをずっと影から見ていたのです。
片思いでした。あの時も無理矢理するつもりなんて無かったのです。
でも仲間たちにはやし立てられ、後に引けなくなったのです。
そして、片思いの女の子が、レズ行為にふけっていると知ったとき。
彼の中で何かが壊れました。どうせ自分のものにならないのならいっそ…!

とまぁ、脅迫者の事情なんて、知った事じゃありませんけど、ね。

「ツノがある上にレズだなんて知られたら…あいつの人生、おしまい、だよなぁ?」

このハイエナは、愛しいくだんちゃんに害をなす害獣。
ネコさんにとって、それ以外の何者でもありませんでした。

そう、ネコさんは知っています。
くだんちゃんが、ツノのせいでたくさん辛い思いをしてきた事を。
人は自分と違う者を、いとも簡単に迫害し、排斥することができるのだという事を。
自分との関係が明るみに出れば、きっとくだんちゃんはさらに傷つくであろう事を。

だから。

「あんたの、好きにすればいいわ」

大好きなくだんちゃんに、これ以上辛い思いはさせられない。
ネコさんはそう、覚悟を決めたのです。

「へへ…!そう来なくちゃ、な」

じり、とハイエナが一歩、前に出ます。
ネコさんは気丈にも、ひるむ事無くその場に立っています。
歩み寄るハイエナを挑むように睨みつけています。

(そういえば、まだイカせてあげてなかったな。
(でも。きっと、もう二度と…顔、合わせられない。
(だって、あたし、きっとこれから…

ハイエナはネコさんの体を要求するつもりでしょう。
たとえ、自ら望んだ事ではないとしても。
こんな男に穢された体で、再びくだんちゃんを抱く事など出来ません。
ネコさんはそんな風に考えていたのです。

ネコさんは、くだんちゃんが大好きなのです。だから…

くだんちゃんは、私が守る。

小刻みに震えるネコ耳。きゅっとくいしばられた唇。
ネコさんは眼を閉じ、心に呟きました。



(さよなら、くだんちゃん。



…第3話(中)、了。
81 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/06(木) 21:02:26.97 ID:ybcrPHTO
と言う訳で、第3話・中編、でした。

…ああ!すみません!ごめんなさい!
思った以上に長くなってしまいまして…後編に続きます。
今度こそ、終わりますのでひらにご容赦のほどを。
82名無しさん@ピンキー:2012/09/06(木) 21:51:49.81 ID:SlWteEWd
今回の〆:ハイエナ「おとなしくしろォ!バラまくぞこのやろう!」

ハイエナ君が残念で草生えた
純情臭いのに仲間の後押しや嫉妬で動く駄目っぷりが…
それに対して自分で行動を決め、自己犠牲も厭わないネコさんのなんと格好良いことか

そして覗き魔は二人いたはずだが…オオカミさんが怪しいが果たして
83名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 00:05:04.73 ID:2dAlkrTk
ネコさんが俺の理想の女の子すぎて辛いんだがどうしてくれる
84名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 10:30:07.74 ID:ojyg8ioF
>>83
ならば生暖かく見守ってやるのだ
貴方の右手は友達だぞ
85名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 12:36:03.21 ID:ojyg8ioF
メリーさんが出たあたり吹いてしまったw
妄想からできたキャラだけど使ってもらえて嬉しいww
妄想って書いてみるもんですね。書いてくれた人本当にありがとうございます。続きを期待してますw


そしてまた妄想してしまったでござる。

ネコさんとくだんちゃんの行為をたまたま?見かけてしまったメリーさん。
ネコさんのテクを見て、(まだまだ甘い・・・もどかしいくらい甘い)と思ったメリーさん。
ドSですが元々お節介なくらい面倒見が良いメリーさんはどうにかしたいと思いました。
ただ、手を出すなんてもっての他、それくらいの分別はあります。百合の花は愛でるタチなのです(うまいこと言ったつもり)
そこであることをひらめきます。ネコさんを呼び出して調教住みのオオカミさんを使い、見本を見せればいいと・・・

本編のいざこざが終わった後の話のつもり、メリーさんがくだんちゃんのやらしい匂いのことが気になって後をつけたりしないかなぁとか思いました。
ちなみに手を出さなくても徹底的にイジリまわすと思います。ドSですからw
86 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/07(金) 12:50:50.16 ID:s5BGn4tJ
ところで、直接ここに書きこむんじゃなく、
以下のような形での投下ってありですか?
板歴浅くてまだよく解っとらんのです。

百合SS『 桜三月、春弥生 』
ttp://renaisim.x.fc2.com/midukitoyayoi.html
87名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 15:08:09.46 ID:ojyg8ioF
>>85
オオカミさんがネコさんに見られて調教の成果で逆に興奮してしまう的な
88名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 15:09:16.76 ID:ojyg8ioF
>>86
ありだと思うよ
89名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 17:31:34.81 ID:WTzH66OG
余所への投下発表は前スレでもあったし問題はないと思う
しかし三月に弥生とは秀逸なネーミングセンス、欠片でも分けてほしいもんだw
90名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 18:50:38.28 ID:ojyg8ioF
>>86
ハルキ放置カワイソスwwwww

最高の百合でした。萌えました。
91名無しさん@ピンキー:2012/09/09(日) 23:47:34.91 ID:YRCzwD75
保管庫、テンプレそのままだとみれなくて少し探したんだが、
http://lilych.web.fc2.com/novels/default_004.html
でいいのかな
92 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/10(月) 22:34:00.05 ID:56ryEI2A
>>89-90
ありがとうございますm(_ _)m

では、くだんちゃん最終話、後篇。投下させていただきます。

>前スレ813さん
待ってると言って下さって、改めてありがとうございました。
第一話からずいぶん間が開いたせいで文体とか、キャラちょっとブレましたけど
曲がりなりにも完結にこぎつけられたのは、あなたの一言のおかげです。
最終話も楽しんでいただければ、望外の喜び。。。
93牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:34:50.82 ID:56ryEI2A
>>80の続きです)

ネコさんがいなくなったのは、いわゆる放置プレイである…と誤解したくだんちゃん。
すでに人気の耐えた教室で、ひとり悶々とした時間を過ごしています。

ともすれば自分でアソコを弄ってしまいそうになる誘惑に、必死に耐えながら。
ネコさんに危機が迫っている事を、くだんちゃんはいまだ知る由もありません。

(ああ、ネコさんネコさんネコさんネコさんネコさんネコさん…!

朝から寸止めされ、焦らされ続けたくだんちゃん。
その身体は熱く火照り、その熱はジリジリとくだんちゃんの精神を削っていきます。
もう、ネコさんの事しか、ネコさんにしてもらうエッチな行為の事しか頭にありません、

だから。

(ハァハァ…ネコさん、まだかな…私、いいコで待ってるから…だから…

「…おい!聞こえねぇのかよ?おいっ!?

(はやく…はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやく…!

「おいっ!!
「…ほぇ?」

現れたボクサー(元カレ)に気付くまで随分時間がかかってしまったようです。

ゆっくりと振り返るくだんちゃん。
その表情に息をのむボクサー。

(な、なんて顔してんだよ、こいつ…む…

ごくりと、ボクサーの喉が鳴ります。

(むちゃくちゃ、色っぽい…むちゃくちゃ、エロい…!!

くだんちゃんの頭の中は、ネコさんにイカせて欲しい!という衝動でいっぱい。
そりゃあ、表情や仕草もエロくなろうというものです。

「へ、へへ…発情しやがって…。俺が、イカせてやるよ…!」
「イカ…?」
 (イカセテヤル?イッていいの?イキたいイキたいイキたい…!

「ああ…来いよ」
「あぅ…そっち、に?」
 (イキたいイキたいイキたいイキたい…!けど

「…ああ!(ゴクリ)」

ボクサーの手が伸び、くだんちゃんの顎を上に向かせます。

 (私をイカせてくれるのは…この指じゃ、ない…
 (私がイカせて欲しいのは…この人じゃ、ない…!
 (私が、してほしいのは…!!

「へ…!お前のカノジョも今頃よろしくやってるさ。俺たちも、楽しもうぜ…!」

失言、でした。
94牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:35:45.81 ID:56ryEI2A
「カノジョ…?ネコさんの、事…?ネコさん、来ないの…なんで…」
「ほっとけよ。女なんかより男の…俺の方がいいに決まってるだろ?」

くだんちゃんの瞳に、光が戻ります。
茫漠と拡散していた意識が、収束していきます。

(ネコさんがいないのは…放置プレイなんかじゃ、ない…?
(この人が…ネコさんに?ネコさんを…?

「ネコさんに、何をしたの!?」

思いがけず大きな声が出ました。
ボクサーがびくっと身を振るわせます。

くだんちゃんは、自分に自慢できる事なんて何も無いと思っていました。
でもひとつだけ、誰にも負けないと密かに自負している事がありました。

それは、声の大きさ。

普段、おどおどして小さな声しか出さないくだんちゃんでしたが、
本気になればとんでもない大声が出せるのです。まさに咆哮です。

牛は広い草原に暮らしています。
大きな声は、仲間達に危険を知らせたりするために重要なのです。

「へ…知るかよ!今頃ハイエナの野郎の餌食だろうさ!」

くだんちゃんとネコさんの逢瀬を覗き見していたデバ亀二人。
それはあのハイエナとボクサー、だったのです。

「ハイ…エナ?どういう、事!?」
「いいから来い!」
「いやっ!」

くだんちゃんの腕を掴み、強引に引き寄せようとするボクサー。
ですがその力を利用しつつ、くだんちゃんは一気に伸びあがります。

頭突き、一閃!

「ぐはっ!!」

くだんちゃんの頭部の硬いツノが、ボクサーの腹部にめりこみます。

もんどりうって床に転がるボクサー。
その懐から、ひらりと一枚の写真が落ちます。
それはネコさんに届けられたものと同じものでした。

「なに、これ!?」
「…チッ!」

くだんちゃんの怒りに気押されたか、ボクサーの口から脅迫の事実が告げられます。
この写真をネタに、ハイエナがネコさんを脅迫している事を。

「ひどい…!なんて、事…!」

まぁ校内でエッチに耽っていた二人にも、全く非が無いとは言い切れません。
とはいえ、そこに漬けこんでの脅迫が恥ずべき行為である事に変わりはありません。
95牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:36:31.89 ID:56ryEI2A
「どこ!?ネコさんは…どこにいるの!?」
「へっ…知るかよ。自分で探せ。もう、遅いかも知れねーけどな」

そう吐き捨てるボクサーに向けて、くだんちゃんは言い放ちます。

「あなた、最低です」

その言葉が、ボクサーの胸をえぐります。
ほんの一時でしたが、二人はかつて恋人同士でした。
イヤな事もたくさんありました。
でも、少しは幸せな事もあったのです。

「さよなら」

かつて一方的に告げられた別れの言葉。
それに対して、くだんちゃんは何も言えませんでした。

でも、今。

くだんちゃんはようやく、彼に決別を告げる事が出来たのです。

※ ※ ※

一方、その頃。廃校舎、2−B。

窓から差し込むやや黄色みを帯び始めた光。
その光が、ネコさんの艶やかな肌を薄闇に浮かびあがらせています。

ネコさんは腕を組み、胸を隠しています。
ほぼ、産まれたままの姿を男の前に晒しています。
残っているのは、水色のショーツただ一枚。

ハイエナの要求でした。一言、「脱げよ」と。

しかしとうとうショーツ一枚を残すのみとなった時。
やはりどうしても、男の前に全てを晒す勇気が出ないのです。

「どうした?早くしろよ」

ネコさんの顔面は蒼白です。
目尻には恥ずかしさと悔しさのあまり涙が浮かんでいます。
おこりのような震えが全身を襲って、止まりません。
がちがちと奥歯がなります。

(くだんちゃん…くだんちゃんくだんちゃんくだんちゃん…!
(やだよ…こんなのやっぱりイヤだ…助けて…誰か助けて…!!

ネコさんは自分がイヤになりました。覚悟を決めたはずなのに。
でも、どうしても身体言う事を聞きません。

「…ちっ」

焦れたハイエナが、一歩。すっと足を踏み出します。
びくりと震えたネコさんは、じり、と後ろに下がります。

すっ…。
じり…

すっ…
じり…
96牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:37:08.85 ID:56ryEI2A
ネコさんはついに窓辺に追い詰められます。
ハイエナが迫り、思わず顔を背けるネコさん。

その時、でした。

※ ※ ※

「ネコさん…!どこにいるの!?」

くだんちゃんは、声の大きさには自信がありますが、脚には自信はありません。
牛歩、というくらいですからね。クラスで一番遅いくらいです。

闇雲に走りまわった所で、見つける事は難しいでしょう。
だから、くだんちゃんが取った方法は。

「ネコさーーーーーーん!どこーーー!」

くだんちゃんは叫びました。声を限りに。
きっとネコさんに届くと信じて。

大声を上げながら走るくだんちゃん。
部活動中の生徒たちも何事かと見やります。
ただ事ではない、と。

「ネコさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!」

※ ※ ※

「くだんちゃん!?」

ネコさんの耳は特別製です。おまけに愛しいくだんちゃんの声。
聞こえないはずがあろうか?いや、無い。と言った所でしょう。

ハイエナの事など頭からすっぽり消えていました。
後ろを振り向き窓ごしに、自分を呼ぶ者を、愛しい人を探します。

「くだんちゃん…!」

※ ※ ※

「ネコさん!?」

見つけました。
廃校舎の2階。窓から覗くは、愛しいあの人の顔。

「ネコさーーーーーーーーーーーん!」

それだけを目指して。くだんちゃんは走ります。

※ ※ ※
97牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:37:41.85 ID:56ryEI2A
(どうして?来てくれた…なんで?来ちゃだめなのに。
(でも、嬉しい…!私を…呼んでる…!

校内がざわついています。
野次馬が、くだんちゃんを追って廃校舎に集まってきます。

思わぬ展開に慌てるハイエナ。

息を切らし必死に走るくだんちゃん。

呆然と事の成り行きを見守るしかないネコさん。

そして。

「ネコさん!」

廃校舎の教室に現れたくだんちゃん。
その視界には、ショーツ1枚のネコさんと…ハイエナの姿。

ぐっと唇をかみしめたくだんちゃん。頭に血が昇ります。
熱い衝動と共に、なんの躊躇もなくハイエナに突撃します。

「うぐっ!?」

頭のツノでハイエナを突き飛ばし、ネコさんに抱きつくくだんちゃん。

「ネコさん!大丈夫!?ネコさんネコさんネコさんっ!」
「くだん、ちゃん…どうして…どうして…?」

ぼろぼろと涙をこぼすくだんちゃん。
ネコさんはどうしていいか解りません。

その時。

「この…アマァ!!」

ハイエナが懐からバタフライナイフを取り出します。
危険物の持ち込みは、校則違反です。

でも、くだんちゃんはひるみません。
両手を広げて、ネコさんをかばうように仁王立ち。
これにはいつも気丈なネコさんの方が慌ててしまいます。

「だ、だめよ!くだんちゃん!」
「ネコさんはじっとしてて!」

くだんちゃんは、ネコさんに初めて逆らいました。

「ネコさんは…私が、守るんだから!」
「くだんちゃん…!」

先程、心に誓った台詞。

くだんちゃんは私が守る。

くだんちゃんが同じ想いを抱いていた事が嬉しくて。
ネコさんの胸に、眼に、熱いものがこみあげてきます。
98牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:38:18.58 ID:56ryEI2A
とはいえ。
くだんちゃんは普通の女の子です。
ナイフからネコさんを守るどころか、自分自身を守ることすら難しいでしょう。
決意は固いのですが、身体も硬直。両手を広げ立ちつくしたまま固まってしまいます。
これならまだ、格闘技の心得のある(第一話参照)ネコさんの方が勝機はあるでしょう。

「くだんちゃん…!」

ネコさんが前に出ようとしたそのとき、でした。

「はい、そこまでー」

のんきな声がしました。男の人の声です。

ハイエナがびくりと身を震わせ、振り向きます。
ネコさんも思わず、そちらに視線を向けます。

入口に立っていたのは、身長180cm超の男子生徒。
学校指定の制服が窮屈そうな、立派な体格の偉丈夫でした。
頭には、その体格にちょっと似合わない、丸っとした可愛いケモ耳。

(…クマ、さん?

飄々とした表情の、それは確かにクマさんでした。

「なぁ、ハイエナ。それ以上やると警察沙汰だぞ?」
「う、うるせー!引っこんでろ、クマ野郎!」

クマさんが、のそりと一歩を踏み出します。
じり、とハイエナが一歩下がります。

のそり。
じり。

のそり。
じり。

細い糸のように。張りつめた均衡を破ったのは、ハイエナの方でした。

「く、くそがぁ!!」

クマさんの威圧感に、ついに耐えきれなくなったハイエナが、ナイフを突きだします。

「きゃぁあ!!」

ネコさんが思わず悲鳴をあげます。
しかし、次の瞬間。

ずどーーーん!!

「…え?」

ハイエナの身体がふわりと宙を舞い、ついで床に叩きつけられました。
突きだされたハイエナ腕をとってからの足払い。クマさんは柔道の有段者でした。

「ほら、ヒトが来るぞ?消えた方がいいと思うんだけどなー」

泣き出しそうな表情を浮かべたハイエナは、ネコさんの方を見ることもなく逃走。
そしていまだ固まったままのくだんちゃんに、クマさんが歩み寄ります。
99牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:38:52.68 ID:56ryEI2A
「ほれ、しっかりしろ」
「お、お兄ちゃん…」
「おにいちゃん!?」

そう、このクマさんこそ。
第二話からチラホラと登場していた、くだんちゃんのお兄ちゃんだったのです。
遺伝とかDNAとか細かいことを考えてはいけません。

「君たちもここを離れた方がいいよ」

クマさんは、あまり焦った様子も見せないまま、ネコさんに話しかけます。

「コイツが大声で走りまわったもんだから、ちょっとした騒ぎになってるぞ」
「は、はい…」
「と、とりあえず…」

初めてクマさんの声に動揺が滲みます。

「服を着てから、の方がいいだろう、けど…」
「ひゃぅ!?は、はいっ…!!」

※ ※ ※

慌てて服装を整えて。クマさんに深々と頭を下げて。
ネコさんはくだんちゃんの手を引き、廃校舎を後にします。
もちろん、野次馬の集まりつつある正面を避け、裏口から。

そして、しばらく歩いたその時。

「…ネコさん」

くだんちゃんが、ようやく口を開きました。

「どうして、一人で行っちゃったの?」
「く、くだんちゃん…」

物言いは静かです。でも、くだんちゃんは確かに怒っていました。

「だって…あいつが…あのハイエナが…」

『ツノがある上、レズだなんて知れたらどうなる?』

ハイエナの言葉が脳裏に蘇ります。

ただでさえ奇異の眼で見られがちなくだんちゃん。
おまけに女の子と不適切な関係だと知られたら。
くだんちゃんに向けられる視線はもっと厳しいものになる。

だから。

「もうくだんちゃんに辛い思いをして欲しくなかったから…だから…!」

だから、私はどうなっても構わない。くだんちゃんを守れるなら。

「あんたが、辛い思いをするくらいなら、私は…」
「ネコさんのバカあ!!」

大きな声でした。感情の、激しい爆発。
100牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:39:39.59 ID:56ryEI2A
「その方が辛いよ!」
「…!」
「ネコさんが哀しかったり辛かったりするなら…その方が!」
「…くだん、ちゃん」
「ネコさんが辛いと私も辛いよ!」
「くだんちゃん…!」

それは、ネコさんと同じ想い。

好きな人を守りたい。
好きな人に辛い思いをさせたくない。
好きな人が辛いと、自分も辛い。

「行こう?ネコさん」
「ど、どこに?」
「放送室!」
「は?」

バレたって構わない。そんな事で、私たちの関係は変わらない。
そう信じられるから。貴方が、信じさせてくれたから。
二人の関係を脅迫のネタにされるくらいなら、いっそ。

ぶっちゃけ、くだんちゃんは暴走していました。

牛の突進力を、こうと決めた時の直進力を。

ゆめゆめ侮ってはいけないのです。

※ ※ ※

放課後の校庭に響き渡る緊急放送の音楽。そして。

『皆さん、聞いてください。私は1年A組の…』

スピーカーから流れるくだんちゃんの声。熱のこもった、声。

「あいつ、何しようってんだ?」

放送を耳にしたくだんちゃんのお兄ちゃん、クマさんは。
学校中に響き渡る妹の声に、何故か不安をかきたてられてしまうのです。

※ ※ ※

マイクの前。くだんちゃんは、大きく息を吸って。

そして。
101牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:40:25.46 ID:56ryEI2A
「わ、私は!ネコさんのペットなんです!」

その素っ頓狂な発言に、ネコさんの腰がくだけます。

「ちょ!こら!な、なんてこと言うの?」
「え?え?ご、ごめんなさい!で、でもネコさんもバレても構わないって…」
「いや、そうじゃなくて!ペットて!そ、そんな表現しなくても…!
「えー?じゃ、じゃあ…なんて言えば…!」
「えーーーい、もう!いいから貸しなさい!」

もう、やけくそよっ!!

マイクを握りしめ、ネコさんはきりりと空を睨み、そして。

「私とくだんちゃんは!女の子同士だけど!愛し合ってます!!こ、ここここ…」
「こここ?」
「ここ、こい…恋人同士なんですっ!!誰にも!邪魔なんてさせないんだからねっ!」
「ネ、ネコさん…っ!」

くだんちゃんは満面の笑み。
ネコさんは真っ赤にほほを染めて仏頂面。

たとえ誰にも認められなくても。
それでもちっとも、構わない。

たとえどれほど後ろ指さされようとも。

二人一緒なら。

きっと乗り越えられるから。

※ ※ ※

廃校舎の前で。
うんこ座りをしたクマさんは頭を抱えています。

「あんのバカども…!」

なにしろ。

『ネコさん…大好き!』
『く、くだんちゃん…』
『んちゅ…ちゅぱ…ちゅっ…』

…放送室での睦言が、全部、大音量で響き渡っているのですから。


教訓。
放送室で事に及ぶ際には、確実に機器の電源を切りましょう。

※ ※ ※

しかし不幸中の幸い?とでも言いましょうか。
慌てふためいた先生たちが放送室に踏みこんできたおかげで、二人はキス以上には進めず、あえぎ声を全校中に響き渡らせずに済んだのです。

もちろん、その後。二人は先生たちからこっぴどく叱られました。
学生にとってもっとも恐るべき「親の呼び出し」のオプション付きで。
102牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:41:11.75 ID:56ryEI2A
※ ※ ※

ネコさんのご両親は、海外赴任中でした(エロゲーの主人公みたいですね)
だから生徒指導室に現れたのは、くだんちゃんのお母さんだけです。
初めてくだんちゃんのお母さんに会ったネコさん、その瞳は驚愕に見開かれていました。

(こ、この人がくだんちゃんのお母さん?
(すごく…綺麗。そ、それに…それにそれにそれに…!

ネコさんの視線は…お母さんの胸元にピンポイントで固定されていました。

(すごく、おっきい…!

巨乳どころではありません、まさに爆乳でした。
スーツの布地は下から押し上げられ、ぱっつんぱっつん。
今にもボタンがはじけ飛びそうです。

お母さんには、くだんちゃんと同様、頭にツノがあります。
そう、お母さんはホルスタイン、だったのです。

(く、くだんちゃんも、そのうち、あんな風に…?

ネコさん?よだれよだれ。

「…ハッ!?」

一方。
くだんちゃんのお母さんもネコさんを見て、驚愕の表情を浮かべています。

「ま、まさか…私の娘の恋人が…お、おんなの、こ…」

くだんちゃんとネコさんの(お母さんとは比べるべくも無いサイズの)胸の奥がチクリと痛みます。

(ごめんなさい、お母さん…

ところが。

「こんなに可愛いコだったなんてっ!!」
「お。お母さん!?」

今度はくだんちゃんが鳩が豆鉄(ry 牛バージョンのことわざ、ゆるぼ。

(ああ!禁じられた恋…!なんてロマンチックなんでしょう…!
(私もあの頃は…ああ…お姉さま…青春の甘い思い出…!!

「えーっと、お母さん?」

あっけにとられるくだんちゃん。このリアクションは完全に想定外でした。
そして妄想から冷めたお母さんは、二人にニコニコと優しい笑顔を向けます。

「あなたにはツノがある。人とは違う。でも人と違うことが悪いことだと思う?」

爆乳の慈母。

今のお母さんを一言で表すなら、そんな感じでした。
103牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:41:57.69 ID:56ryEI2A
「自分の気持ちに正直に生きなさい。自分が正しいと思う道を行きなさい」
「お、お母さん…」
「お母さんは…あなたたちの味方よ。ずっと、絶対、何があっても、ね」

そういうとお母さんは二人をぎゅっと抱きしめました。
爆乳に埋もれ、息が出来ません。二人の眼から涙がこぼれます。
でもそれは、決して苦しいから、じゃありませんでした。

そして、お母さんは先生たちに子供たちの不始末を謝罪しました。
停学処分だけですんだのは、お母さんの爆乳の力も決して無視できないようです。

「も、もう二度と!こういう事の無いように!!いいですね!?」

…先生?よだれよだれ。

「ハッ!?」

※ ※ ※

そして。
くだんちゃんとネコさんは、ようやく、二人きりになれました。
もちろん、くだんちゃんのお母さんの粋な計らいです。

沈みかけた夕日が、今日という日の最後の残照が、二人を照らします。

「今日は色々、あったね」

ネコさんが優しい声でくだんちゃんに話しかけます。
でも、くだんちゃん、もじもじと物言いたげな視線を向けるだけ。

「どうしたの?」
「あ、あの…その…」

もじもじ。

「わ、私…その…」

もじもじもじもじ。

「もー言いたい事があるならはっきり言いなさい。さっきまでの勢いはどうしたのよ」

くすりと笑うネコさん。

ああ、普段のくだんちゃんってこういうコなのよね。
いつも中々言いたいことも言えないのに。なのに。
私のために…あんなに頑張ってくれたんだ。

ネコさんは嬉しさに胸が熱くなります。
くだんちゃんを抱きしめたくなります。
キスしてむちゃくちゃに可愛がってあげたくなります。

でも、まだ通学路の途中です。
あんな事があった以上、お外でのナニは自重すべきでしょう。
だから、ネコさんはぐっと堪えます。

ところが。

「私、もう、だめええええええ!!」

くだんちゃんの方から、ネコさんに抱きついてきたのです。
104牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:42:44.22 ID:56ryEI2A
「も、もう…我慢できないのぉ!お、お願い…してぇ!」
「く、くだんちゃん!?」
「イカせて!お願いイキたいのぉ!おまんこかきまわしてぐちゃぐちゃにしてぇ!!」
「あ、あああ!そ、そっかあ!!」

そうなのです。

ネコさんが朝から焦らしまくったせいで、くだんちゃんはすっかり出来上がったまま。
限界ギリギリの所で寸止めされたままだったのです。

「お、おねがいぃい…も、もう…イキたいのぉ…!」

とろっとろに蕩けたいやらしい表情で上目遣いに見られると。
当然のようにネコさんのスイッチも入ってしまうのです。

もちろん、Sスイッチ、ですけどね。

「そんなに、イキたいの?」
「イキたいイキたいイキたいイキたい…!」
「いやらしいコ…でも、ダメよ」
「そ、そんなぁあああ!」
「わ、私を…」

ごくり。

「私の事…イカせられたら…ね」

※ ※ ※

ネコさんのお部屋。
くだんちゃんの手が、ネコさんの制服を脱がせていきます。

これまでいつも、ネコさんがくだんちゃんを責める一方だったのです。
くだんちゃんからネコさんを愛するのは…実は、初めてでした。

絶頂ギリギリ手前の寸止め状態のせいか、初めての事に緊張しているのか。
くだんちゃんの顔は湯気を立てんばかりに上気し、指先は小刻みに震えています。

くだんちゃんのなすがままにされているネコさんのお顔も、真っ赤です。

そして不意に。

「ちゃんと言ったことなかった」
「ネコさん?」

ネコさんが低い声で話し始めます。

「一回しか言わないから…ちゃんと聞いてて」
「は、はい」

一体、何を言おうというのでしょう。怪訝なくだんちゃん。
すると、ネコさんは、真っ赤なお顔を背け、ぼそっと一言。

「…好き」
105牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:43:31.02 ID:56ryEI2A
くだんちゃんの眼はうるうるきらきら。
まるで夢見る乙女です。

「ネコさん…!」
「…な、何よ」
「お願い!もう一回言って!」
「イヤ。一回だけって言ったでしょ!」
「う〜〜〜〜〜〜〜!」

くだんちゃん、ぷくっと頬を膨らませ、

「やあ!」
「うわっ!?」

気合とともに、半裸のネコさんを押し倒します。

「く、くだんちゃん!?」
「もう一度、言わせてみせるもん!」
「んくっ…んん…っ!」

覆いかぶさるようにネコさんを抱きすくめ、口づけします。
くだんちゃんの舌先が、ネコさんの唇を割り、口腔内に強引に押し入ります。

まるで口の中を、無理やり犯されてるみたい。

くだんちゃんがこれほど積極的かつ強引にネコさんの唇を奪うのは初めてです。
その荒々しくも激しく、でも情熱的なキスに、ネコさんの頭は沸騰しそう。

「ん…はぁ!く、くだ…んん…ぅ!」

ネコさんの瞳がとろんと蕩けて行きます。まさに夢見心地。

「好き、ネコさんが好き」
「く、くだんちゃん」
「だから…頑張るから!」
「バ、バカ…っ!」

ネコさん、思わず胸キュンです。

果たしてネコさんは。くだんちゃんの拙い愛撫に感じてくれるのでしょうか?










106牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:44:16.69 ID:56ryEI2A
…なんてね。

そんな心配は杞憂でした。

「あ!あああ!あ!あ!あ!あ…んはああああああ!!」

くだんちゃんの指が、舌が、ネコさんの素肌を滑るたび。
ネコさんは乱れに乱れ、嬌声をあげてしまうのです。

「ネコさん、ネコさん…!気持ち、いいの?」
「ん、うん…!き、気持ち、いいの…!なんで、こんな、に…んくぅ!」

くだんちゃんの愛撫は、決してスマートなものではありませんでした。
オナニーに狂った時期もありましたが、他人を愛した経験はほぼ皆無なのです。
これまでネコさんにされた事を見よう見まねで再現するしかありません。
ネコさんにされて気持ちよかった事を正確にトレースしていきます。

くだんちゃんの唇が、鎖骨から腋を経由し、乳首の周りへ。
それから乳首を、唇で挟んで転がし、時折きゅっと摘みあげます。

「あ!あ!あ!ああああああ!ああああああ!」

ネコさんの呼吸がどんどん乱れていきます。
くだんちゃんの愛撫を受けるたびに全身がぴくぴくと痙攣します。

「ネコさん…!ネコさんネコさんネコさん…!」
「んああ…あ!く、くだ、くだん、ちゃ…あはぁぁああぁ!!」

くだんちゃんの指がなんの前触れもなくネコさんのアソコに侵入します。
ネコさんはあっさりくだんちゃんを迎え入れました。すでに濡れ濡れです。

「やは…っ!そんな、いき、なり…んんっ!!あああああああああああ!!」

差し入れた指先をお臍側にくっと曲げて。
指のお腹を使って、中を優しくこすりあげます

「ひぅっ…!そ、それ…!あ!だめ!あ!あ!あ!」
「ここ、いいんでしょ?わ、私も…すごく…すごかった、から…!」
「や、やだああ!おか、おかしく、なっちゃ…う!こんなの…こんなの…!!」

どうしよう、すごく。すごくすごくすごく。
むちゃくちゃ、むちゃくちゃ気持ちいい…!

ネコさんは、くだんちゃんの愛撫に激しく身悶えしながら。
初めての快感に酔いしれながら、内心、動揺しています。

こんなに、感じるなんて。こんなに、乱れるなんて。

「やらっ!いく!いっちゃ…」

どうして、こんなに感じるの?
どうして、こんなに気持ちいいの?

「う…ああああああああ…!!」

ネコさんが、絶頂を迎えた、その瞬間。
107牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:45:02.29 ID:56ryEI2A
「ひあぅ!?あ!あ!あ!あああああああああ!!」

ぷしゃーっ!…と。
ネコさんのアソコから、お汁が吹きあがります。

潮吹き、です。

「う、うそ…うそうそうそ…」

それはネコさんにとっても、初めての経験でした。

普段クールなネコさんのあられもない痴態。
くだんちゃんの理性は吹き飛びそうです。

「ネコさん…い、いっちゃった?私で…感じて、くれた?」
「ば、ばかぁ!ばかばかばかっ…あ、あんあたの、せい…!んあああああああ!」
「ネコさん…可愛い…!ステキ…!やらしくって…すごく綺麗…!」
「ひあ…ら、らめぇ…さ、触っちゃだめ!い、いっちゃ、いっちゃった、から…!」

くだんちゃんも、もう止まりません。牛は急には止まれないのです。
真っ直ぐ突き進むのはそれなりに得意ですが、小回りは効きません。

「ひぅ!また…またイク…!いっちゃうイクイクイク…ああああああ!!」

とめどなく、幾度となく、ネコさんは絶頂を繰り返します。

「くだんちゃんに、されてる、からっ!だからっ!」

女の子ってね、気持ちで感じるんですよ。
好きな人にされてるから、だから気持ちいい。

「いつもは、こ、こんなじゃないの!こんなの、はじめて、なのっ!」

ネコさんはくだんちゃんが、大好きだから。

「好きぃ!大好きぃ!くだんちゃんが…好きぃ!」

くだんちゃんはネコさんが大好きだから。

「私も…!ネコさんが好きっ!大好き…!」

テクとか身体の相性も大事だけど…
心で繋がる事が一番大事。だって、こんなに気持ちいい!

「や、やらぁあ!い、く…!いくの、とまんな…い!あああ!!」

みんなにケモ耳がある世界で。
「人と違うから」という理由で、辛いこともいろいろありました。

でも。
108牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:45:48.54 ID:56ryEI2A
誰だって、どこかしら人と違います。
まったく同じ人なんて、どこにもいません。

人は自分と違うから、自分にない部分を見いだせるから、だから。
自分じゃない他人だから、愛し、愛される事ができるのです。

くだんちゃんにとって、ネコさんは、他の誰とも比べられない特別な存在。
ネコさんにとって、くだんちゃんは、他の誰とも比べられない特別な存在。

「やぁぁ!ま、また…い…くっ…!いっちゃう…!!」
「いいよ…ネコさん!いって…感じて…!いっぱい…気持ちよくなって…!」
「んあ!あ!あ…!ああああああああああああああああああ…っ!」

何度目の絶頂だったでしょう。数え切れないほどの快楽の果てに。
ネコさんは、幸せそうな顔で失神してしまったのです。

「ネコさん…」

その様子を愛しげに見つめるくだんちゃん。
ネコさんが失神からさめたら、今度は。
くだんちゃんをいっぱい可愛がってくれることでしょう。

※ ※ ※

と、思いきや。

「ネ…ネコ、さん…?」
「すー…すー…」
「あ、あれ?ネコさん…?ネコさん!ネコさんってばぁ!!」
「くー…くー…むにゃ…」

何と言う事でしょう、安らかな寝息を立てるネコさん。
どうやら失神から睡眠へ移行してしまったようです。熟睡です。

今日は色々な事がありました。
朝からくだんちゃんにフェザータッチの全身リップの寸止めの…と責めまくりました。
イキそうでイカせないギリギリの寸止めは、実に神経を使うのです。Sは大変です。

ハイエナからの脅迫とストリップ要求も。
放送室や生徒指導室でのあれやこれやも。
ネコさんにとって、かなりのストレスでした。

おまけに、くだんちゃんに早く逢いたくて早起きをしたネコさんは寝不足でした。
とどめにくだんちゃんから愛されての、こんなの初めてっ!な激しい快感。

「わ、私もイキたいよぉ〜!ネコさんっ!ネコさんってばぁ!!」

いくらゆすっても、ネコさんが起きる気配はありません。
どうやらくだんちゃんに残された手段はオナニーしかないようです。

「や、やだ!自分でなんて…しないもん!」

さ、眼をつぶっててあげますから、どうぞ。

「やだ!わ、私…ただ気持ちよくなりたいだけじゃないもん」

いまさら恥ずかしがることもないでしょう?ささ、張り切ってどうぞ!

「ネコさんに…ネコさんにして欲しいんだもん!ネコさんじゃなきゃいやなんだもん!」
109牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:46:35.24 ID:56ryEI2A
そしてくだんちゃん、幸せそうな寝顔のネコさんの頬にそっと口づけ、

「待ってるから…ネコさんが眼を覚ますまでいいコで待ってるから…」

ネコさんの耳を、髪を、頬を。愛しげに撫でさすります。

「ゆっくり寝て、元気になったら…わ、私の事、いっぱい可愛がって、ね?」
「むにゃ…くだん、ちゃ…」
「ネコさん、大好き」
「んにゃ…好き…大好き…くだ…」

くだんちゃんの顔に、笑みが広がります。

そうして自主的に放置プレイに突入したくだんちゃんは。
いつまでもいつまでも、飽くことなくネコさんの寝顔を見つめていました。

「ネコさん…ネコさん…」

くだんちゃんにとって、長い夜になりそうです。

でも、今。
くだんちゃんは幸せでした。

だって。

十分に睡眠をとってすっかり元気を取り戻したネコさんは。
くだんちゃんに何度もイカされてしまったネコさんは。

ここぞとばかりに逆襲に転じ、もうこれ以上らめぇ!ってくらい、
自分がされた以上にくだんちゃんをいかせまくり可愛がってくれる事、
今度こそ、間違いないでしょうから、ね?





「牛頭人身少女くだんちゃん」… 完
110牛頭人身少女 くだんちゃん3:2012/09/10(月) 22:48:35.15 ID:56ryEI2A

そんなわけで、おしまいです。

拙いSSでしたが、スレ住人の皆さんに少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
一応最終回ですが、あと一回だけ後日談など書かせていただければ、と思っています。

では、また、近い将来 ノシ
111名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 23:05:25.59 ID:mmFNDKDL
やっふーぅ!きてた!超待ってたー!GJ!
ネコさんがネコさんなの新鮮でおいしいれす^q^
あとやっぱお母さんかわいい
112名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 01:56:13.09 ID:8Tp9UJ+K
後日談だけと言わずお母さんの過去話や
オオカミさんのその後なんかもぜひに
113名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 09:58:28.63 ID:6SOSP26C
前スレのあんな書き込みで本当に最後まで書いて下さった作者様ありがとうございます。
最後の最後まで楽しませて頂きました
素直なくだんちゃんとツンデレネコさんが毎回エロかわいくてもう…!悶えますね
後日談も楽しみにしてます
114名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 10:09:09.03 ID:MOYgHB1W
>>110
超GJでした!

すごく楽しませてもらいました。
115名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 10:11:15.38 ID:MOYgHB1W
>>110
メリーさんの活躍とか見たいなぁなんてw
116名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 19:20:45.92 ID:JYTQH19n
覗き魔は元彼かよ!つーか振られた野郎二人が百合百合してるのを田代るってかなりアレな絵面だw
そして誰このイケメンと思ったら兄貴だったという
妹が百合娘でも気にしない器が凄いなオイ
そしてママさん……この人の過去が気になる
GJ、楽しかった、後日談も楽しみにしてる
117名無しさん@ピンキー:2012/09/17(月) 08:25:53.39 ID:LmIyjKIA
ふーふってマンガが甘すぎて糖尿病になりそう・・・
118調教少女メリーさん:2012/09/17(月) 21:59:25.99 ID:LmIyjKIA
こんにちは♪私は羊、みんなはメリーさんて呼んでくれます。
今日はみんなに調教のなんたるかを教えようと思います♪

(オオカミのフードを被る※気分的なものです)

とりあえずモデルとして私のペット(予定)の一人、子豚さんを用意したわ。
まだこの娘は調教未完成だからこれから完成まで持っていくわよ。
まず調教といってもいきなり痛いのとかダメ、まあ、相手に素質があればその限りではないわ。
それでも最初は相手を気持ち良くしてあげて気分を昂らせたほうが調教が上手く行くわよ。
それでは実戦してみるわね。まずはキスから、女の子はキスでその気にさせるの、ちなみに子豚ちゃんには普通に告白してこの体育館倉庫に連れ込んだわ。
いきなり調教するとか言ってホイホイ付いてくるノンケは居ないからね。とりあえず相手を油断させるのが重要よ。

「子豚さん、ちゅ・・・」
まずはやさしくソフトにキス
「メリーさん、ん・・・」そしてゆっくりと舌で子豚ちゃんの口の中に侵入していくわ。
「んちゅ・・・ちゅぱ・・・ん」

「ふぁ・・・ぁぅ・・・ちゅ」

そしてソフトにパンツごしからダイレクトスポットを攻めるわ

「んふぁ!?・・・ちゅむぅ!」

キスを激しくしながら指をフル稼働させていくの。そこからは小学低学年から鍛え上げた指で虜にしてあげるの。
※メリーさんは蹄・・・じゃなくて指の関節を自由自在に外せるため、まるで軟体動物みたいに動かせます。

「やぁ、な、これなっ?ひあ!?」

どんな女の子もこれでイチコロ(はーと)

そしてやっと調教よ。

そこからはニコッと今みたいな狼のフードを被っていない時にする笑顔を見せた瞬間に本気で女の子をイカしてあげるの。
何回も何回も何回も何回も何回も何回も・・・
それを何日か繰り返すとメリーさんがニコッと笑っただけでイってしまうようになるのよ!。まさにパブロフの犬もとい豚・・・メスブタ。
こうなると日常生活で私がいつもの笑顔をするたびにオマタをはしたなく濡らしてしまう女の子になってしまうわ!
そして所詮条件反射、中途半端にしかイケないから私を求めるようになるの。
これで忠実なペットの完成よ。




続かない。
119名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 00:48:09.89 ID:nnEDHQcp
>>118
続かなくていい
120ゴトー ◆7BaqS26D87fW :2012/09/18(火) 22:46:06.35 ID:Zq3R1UwX
すいません。
いっぱいgj頂いたせいでちょっと調子に乗ってしまいました。
これより、完全に自己満の世界に入らせていただきます。

前スレと本スレに投下させていただいた「牛頭人身少女くだんちゃん」、
これまでのお話はこちら> http://renaisim.x.fc2.com/index.html
そのスピンオフ編を投下させていただきます。

くだんちゃんスピンオフ!その1「お母さん、その愛と青春」
13レス程です。

>>118
メリーさんはこういうノリなんですか、想定外でしたw
ところで…前言撤回で申し訳ないんですが…オオカミさんのその後は、やっぱり自分で書きたくなってしまいました。すいません、書かせて下さいm(_ _)m
121くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:48:20.55 ID:Zq3R1UwX
頭にケモ耳を持つ人達が暮らす世界の、とある街の、とあるお宅のリビング。

「ただいまー!」

リビングに快活な笑顔の少女が飛び込んできました。
誰もが頭にケモ耳を持つこの世界で、彼女にはケモ耳がありません。
代わりにその頭には、2本のツノがにょっきり生えています。

「あら、おかえり。今日もお楽しみだったわねぇ」
「おおお、おかあさん!?娘にその言い回しは、ちょっと…!」
「あらなあに?おかしい?デート、楽しかったんでしょ?」
「う、うん、それはその…………ゴニョゴニョ…………とっても///」

真っ赤に頬を染める少女、くだんちゃん。
そんな娘をニコニコと笑顔で見守るお母さんの頭にも、ツノがあります。

周りの人とはちょっと違うこの親子には。
普通の人には思いもよらない苦労があったかもしれません。
でも、二人はとてもにこやかで、幸せそうに見えました。

※ ※ ※

「前はお母さんの事、嫌いだった」
「あらあら、まぁまぁ」

夜更けのリビングのテーブルで。文字通りツノ突き合わせて。
くだんちゃんとお母さんは、梅昆布茶をすすりながら話をしています。

「お母さんにツノがあるから、私も。お母さんのせいで…って」
「そうねぇ無理もないわよねぇ」
「でも、今は…お母さんに感謝してる。お母さんの事大好き」
「あらあら、うふふ」
「ありがとうお母さん。ネコさんとの事…認めてくれて」

だって、彼女のおかげじゃない。貴方がこんなに明るくなったのは。

以前は塞ぎこんでる事が多かった娘が。
今は自分に向き合ってくれるようになった。
その事をお母さんは嬉しく思っていました。

梅昆布茶をずずーっと啜って。くだんちゃんはかねてからの疑問を口にします。

「でもどうして、あんなに簡単に認めてくれたの?」
「うふふ、だって…」

お母さんは意味ありげな笑みをこぼします。

「私にも、経験あるもの」
「…え?」
「お父さんと出会うより前の事。私にも…素敵な“彼女”がいたのよ」
「え?え?えええええええええええ!?」

梅昆布茶、ずずーっと。そしてお母さんは、おもむろに。

青春時代の、若さゆえの情熱的かつ官能的な日々を娘に語り始めるのです。
122くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:49:12.15 ID:Zq3R1UwX
※ ※ ※

それは、昔々…ゴフッ!ご、ごめんなさいお母さんごめんなさい!
せ、せいぜい30…い、いや!じゅ、十数年前の事でしたっ!!!

※ ※ ※

それはいまから十数年前の事でした。
当時のお母さんは、いまのくだんちゃんにそっくり。これが実写ドラマならくだんちゃん役の女優さんが二役で演じる所です。今の眼からは少し野暮ったく見えるセーラー服に身を包んだくだんちゃん(母)は、明るく快活で、何事にも前向きな女の子でした。

私は人とはちょっと違う。でも、だからこそ人とはちょっと違う世界を見る事が出来る。知る事が出来る。経験する事が出来る。そんな風に考え、ポジティブに日々を送っていたのです。

それでも、時には。
気になっていた男の子に陰で「やだよ、あいつツノあるんだもん」などと言われたり、仲良しだと思っていた友達に突然冷たくあしらわれたり、なんていう事もありました。そんな時、くだんちゃん(母)は、通学路にあった寂れた神社に向かいます。

その日も、くだんちゃん(母)は、少し落ち込む事があって神社にやってきました。訪れる人もいない、静かな境内でひとり、悲しみが胸から消えていくまで過ごすために。

するとそこに、一人の少女が現れたのです。

「ホント、よく来るわね。こんな寂しい所の何がいいのかしら?」

キツネ耳の少女でした。
薄茶色の髪は腰まで伸び、光を受けて金色に輝いています。穏やかな光を湛えた瞳はキラキラと輝き、どこか神秘的です。そして。何故か尻尾が、9本、ありました。

「し、しっぽ?9ほん?」

そう、彼女は九尾のキツネ。この神社に祭られている、いわば神様でした。

「え!?うそ、あなた…私の事、見えるの?」
「ええ、くっきりはっきり」

彼女は、キツネさんは通常ヒトの眼には見えません。この時も見えてるとは思ってもいなかったのです。くだんちゃん(母)に語りかけたのではなく、独り言のつもりだったのです。神様をびっくりさせるとは、くだんちゃん(母)、タダモノじゃありません。

「あなたも普通じゃないものね、普通じゃないから私が見えるのね」
「そ、そこまで普通じゃなくないもんっ!」

ともあれ、キツネさんは嬉しそうです。
彼女は、退屈していました。何しろ、ろくに氏子もいない寂れた神社です。そしてたまにやってくるくだんちゃん(母)を見守るうち…彼女に、恋、してしまったのです。

「だってあなた、いつも悲しそうなんだもん」
「そ、そんな事、ないもん!」
「そんなに悲しまないで…ね?」
「悲しんでなんかいないってば!」
「うそつき」
「んんっ!?」

優しい口づけ、でした。
123くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:50:18.83 ID:Zq3R1UwX
「ななななな、なに、なに、なに!?」
「あはん?キスしたの、はじめて?」
「そ、そういう事じゃなくて!!!!」

女の子同士なのに女の子同士なのに女の子同士なのに!

さしものくだんちゃん(母)も、パニックです。
でも、恋する相手に自分が見える事に狂喜しているキツネさんは止まりません。神聖なる神社の境内で、くだんちゃん(母)を押し倒してしまうのです。ここは彼女の神社ですからね、彼女がいいのなら、まぁ、いいんですけど。

「ちょ…!ま…待って待って待って〜〜〜!!」
「やだ。待たない」
「ひひひ、ひとが、来ちゃう!こここ、こんな、ところで…!」
「大丈夫よ、結界はったから」
「だ、だだだ、だめよ!お、おんなのこ、どうしで…!」
「関係ないわ、私は性別なんて超越した存在なんだから」

ああ言えばこう言う。キツネさんはくだんちゃん(母)の言う事などどこ吹く風。是が非でもこのままエッチな行為に持ち込もうとしているようでした。

(どうしようどうしようどうしよう!でもこの人、すごく綺麗…
(このまま受け入れたら…はっ!こ、これが百合ね?百合なのね!?
(お姉さまと…そのペットとして…禁断の行為にどうしようもなく溺れる二人…!

そう、くだんちゃん(母)は、この頃から妄想壁があったのです。

「もうダメな理由、おしまい?」
「お!おねえさまっ!」
「は?おねえさま?私?」

キツネさん、キョトン。
神様を困惑されるとは、くだんちゃん(母)、やはりタダモノじゃありません。

「あた!あた、あたし!は、はじ、はじめて、なの!」
「だから?」
「だ、だから…優しく、して、ください…」
「可愛いーーーーーーーーーっ!!」
「んん!んふぅ…!!」

キツネさんの舌が、強引に押し入ってきます。
そしてセーラー服の裾か

※ ※ ※

「はっ!ちょっと待って。それ以上はダメよ」

え?どうしました、お母さん。

「だからぁ、娘に聞かせるような話じゃないでしょ?ここからは」

あ、そうですね。じゃあスレの皆さんだけに聞こえるように…

「え!?ちょっとお待ちなさい!こらっ!」

うふふ。

※ ※ ※
124くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:55:20.09 ID:Zq3R1UwX
キツネさんの舌が、強引に押し入ってきます。
そしてセーラー服の裾からは、キツネさんの手が侵入してきます。

「ひゃぅ、んん!くす、くすぐったいっ、てば!」

くだんちゃん(母)は処女、でした。
全身の性感帯は未開発で未成熟です。でも、ね。

「んふ、くすぐったい所はぁ…それだけ敏感な所って事よ」
「ひんっ…!え、ど、どういう…んくっ…あ…あ…ああ!?」
「つまり…感じやすい所って訳」
「んあっ!?へ、へん…!なんか、へん、なのっ…!」

九尾のキツネ、彼女は一見、くだんちゃん(母)と変わらない年に見えますが、齢何千年を超えんとする変化です。
神様として由緒ある(寂れていはいますけど)神社に祭られる程の存在です。つまり、その人生経験と言うか性経験はとんでもなく豊富でした。
そして、これまで何人ものケモ耳っこを頂いて来た筋金入りの百合っコ。あのオオカミさんやネコさんなど及びもつかないテクニシャン、だったのです!

それはまさに神業、と呼ぶにふさわしいものでした。

さわさわとキツネさんの指先がくだんちゃん(母)の、いつの間にかセーラー服もはだけられ露わになあた柔肌の上を踊るように滑って行きます。
その動きにつれ、くだんちゃん(母)の口からは断続的な喘ぎが漏れます。

キツネさんはまるでくだんちゃん(母)の身体を楽器にして、天上の音楽を奏でているかのようでした。

「ステキな声で鳴くのね…可愛い」
「やはっ…あ!あん…っ!んくっ!」

最近どんどん大きくなってきたくだんちゃん(母)の胸は、Cカップのブラに包まれています。パチンとホックを外され、たわわな膨らみと、すでに硬く勃ち上がった綺麗なピンク色の乳首が晒されます。

「いやん、可愛い…もうこんなにしちゃって…感じやすいのね」
「や…そ、そんな事、いわ、ない、で…!!はぅ、んんっ!!」

ですがキツネさん、まだその先端に触れる事はしません。好物は最後まで取っておく主義なのです。
まずは乳房全体を、優しく捏ねあげます。じわじわと揉みほぐし、その柔らかな感触を存分に楽しみます。
続いては乳首の周り。くるりと円を描くように周辺を、触れるか触れないかという絶妙の加減でなぞっていきます。

最初はただくすぐったがっていただけのくだんちゃん(母)の声は、徐々に艶を帯びてきています。

「んくっ…はぁ!はぁ…!い、いやぁ…そ、それ…だめぇ…!」

恥ずかしげに呻くその声と表情と存分に堪能し、キツネさんはさらに指を進めます。
おへその周りやわき腹、腰骨、太腿の付け根…そう、いつの間にかスカートも脱がされていた事に驚愕するくだんちゃん(母)なのです。
その繊細な指先で胸からお腹、太腿の辺りを堪能しながら、キツネさんその舌技をも駆使します。
唇から頬、ぷにぷにした耳たぶ、顎のラインから首筋を経由し、鎖骨のくぼみへと舌を進めます。
腋の匂いと味わいも存分に味わい、腕、肘裏から手首…もちろん指先はまるで男性器を愛するかのようにちゅぱちゅぱとしゃぶります。
125くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:56:30.05 ID:Zq3R1UwX
「やはぁ!そんなとこ…んん!んは…っ!あああ!ああ!あああああ!」

その指使いと舌技に、すでにくだんちゃん(母)はとろとろに蕩けています。口元からは涎が垂れ、目尻にはうっすら涙が浮かびます。
キツネさんは、そんなくだんちゃん(母)のその柔らかくもいやらしい身体を存分に味わいつくそうとでもいうように、上半身全部を優しく撫でさすり、想う様揉みしだき、情熱的なキスの雨を降らせるのです。

「あはぁ!あ!あ、あ、あ!ひあぅ!んはぁあああ!あ!」

10本の指と舌が、くだんちゃん(母)という楽器で、淫らな音楽を奏でます。

「あ、そうそう」

キツネさん、悪戯を思いついた小悪魔の笑み。神様なんですけど、ね。

「私にはね、まだステキな道具があるのよ」
「ふぁ…?」

朦朧として定まらないくだんちゃん(母)の視界に、ぶわっと広がる9本の尻尾。


<問題>
滑らかな筆先で、感じやすくなった肌を優しく愛撫され続けたらどうなるでしょう?


「ひぅっ!?うあ!あ!あ!や、やあああああ!!」

キツネさんの9本の尻尾が、さわさわさわ…と。手と指の届かない部分へと。
膝をくるりと撫でまわし、ひざ裏から脹脛まで。うなじから肩、肩甲骨から背骨の周りへ。
そして、お尻のお肉と恥ずかしい後ろの穴の周辺に至るまで。まんべんなく優しい愛撫を施します。

「ふああああああ!ああああああ!ああああああああああ!」


<答え>
悶絶です。


身体中が熱く沸騰しています。まだ触れられていない乳首とアソコがじんじんと痺れます。全身を襲う優しくももどかしい快感に、くだんちゃん(母)は翻弄されていました。

優しくも容赦ない前戯。そう、このままでは絶頂をもたらしはしません。

(乳首…じんじん、する…!さ、触って…触ってほしい!!
(熱い…アソコ、熱い…!アソコも…触って、欲しい…!!

百戦錬磨のキツネさんには、くだんちゃん(母)の感じているもどかしさが手に取るように解りました。そろそろ、頃合い、でした。

「んふ…気持ちいい?ほら、お姉さまに教えて?」
「お、お姉さま…!き、気持ち、いいの…でも…!」
「でも?なあに?」
「や、やあ…!んん!は、はず、かし…んんっ!」
「やは〜ん!可愛い!恥ずかしがってる!萌えるわぁ!」

キツネさん、デレっと笑みをこぼしますが、すぐにお姉さまモードに切り替えます。
126くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:57:23.35 ID:Zq3R1UwX
「こほん…もう、触ってほしくてたまらないんでしょ?」
「や、やぁ…!」
「どこを触ってほしいか…言ってごらんなさい」
「いや…いやいやいや…!」

くだんちゃん(母)もすっかり「お姉さまに苛められるペット」モードです。

「言わなきゃ、ずっとこのまま焦らし続けちゃうわよ?いいのかしら」
「いや…そ、そんなの…いやいやいや…さ、触って!お姉さまぁ!」
「どこを触ってほしいの?」
「ち…ちくびとぉ…あ、あそ…」
「や〜ん!恥ずかしがっちゃって!可愛い!いやらしい!もぉたまんない!!」
「ひやっ!?」

キツネさんは少々堪え性が無いようです。もっともっと焦らしてイヤらしいセリフを言わせた方が盛り上がると言うものなんですが、ねぇ?

「そんなのどーでもいいわ!もうダメ!我慢できない!」

そして、おもむろに。

「んあ!かはっ………!」

そのねっちょりととした舌と唇でくだんちゃん(母)の乳首を摘みあげ、

「あ…………………あああああああああああああああああああああああ!!」

きりり、とねじり上げたのです。
びくんびくんとくだんちゃん(母)の全身に痙攣が走ります。敏感になった全身を快感の電柱がほとばしります。そして、間髪いれずに。

「あああああ…!!あふぅあああーーーーーーーーーーーーーーー!!」

キツネさんの指がくだんちゃん(母)の秘密の花園に侵入したのです。
そこはすでにトロトロと熱い蜜を溢れさせていました。

「こんなに溢れさせてぇ!もういやらしい!可愛い!たまんない!」
「あ!や!やらぁ!らめぇ!あ・あ・あ・あ・あ!」

全身をこれまでとは比べ物にならない快感が襲います。
くだんちゃん(母)は処女でした。これまで人にアソコを触れさせた事はありません。そして、オナニーの経験もほとんどありませんでした。生まれて初めての、未知の快感に、恐怖心すら沸き起こるほど、です。

「こんなの…こんなの…おか、おかし、おかしく、なっちゃう!!」
「うふふ、こんなのまだまだ、序の口よ…」

キツネさんが淫猥な笑みを浮かべます。ハァハァと荒い息を吐いています。くだんちゃん(母)の痴態に昂奮が収まらない様子です。

キツネさんが目指すのは…すでに熱く潤っていたくだんちゃん(母)の花園。
その奥に息づく、花芯。

「んふ…見―つけた」

まだ誰も触れたことの無い、秘密の花園の奥にひっそり息づいていく花芯、それはまるで慎ましやかな真珠のよう。全身を9本の尻尾で優しく愛撫し続けながら…キツネさんは、その真珠にそっと唇を載せます。

そして。
127くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:58:11.41 ID:Zq3R1UwX
「あひぃぃいいぃいいいい…うぅ…あ!あ!あ!ああああああああああああああ…!!」

ガクガクと身体が痙攣します。全身を怒涛のように駆け巡る快感に、口元から涎が垂れ、いやらしいあえぎ声がとめどなく零れます。それは刹那のようで永遠のようで…
そして、くだんちゃん(母)は初めての絶頂に、あえなく失神してしまったのです。

※ ※ ※

失神から覚めたくだんちゃん(母)が最初に目にしたのは。
キラキラした瞳で自分を見下ろすキツネさんでした。

「ね、もう一回、呼んでくれる?さん、はい!」
「おねえ、さま…?」
「やーん、萌えるわぁ!!」

軽い!神様のくせに…軽過ぎるわ!
でも…なんか、可愛い。

くだんちゃん(母)は眼の前の突拍子も無い存在をすでに受け入れていました。
存在を受け入れた上に、えっちな行為にまで…一体、何故でしょう?

「んー…嬉しかったから、かな?」

ん?嬉しい?

「やっぱり、少し、辛かったから。悲しまないで、なんて言ってくれる人、いなかったから。慰めてくれる友達…だと思えたから。少し、変わった友情の…証?なんつって」

くだんちゃん(母)は、真正の百合ッコではありませんでした。
興味本位、と言うと聞こえは悪いかもしれません。でも。
キツネさんを、お姉さまの事を好きになった…その気持ちにウソはありません。

友達以上、恋人未満…とでも言いましょうか。お姉さまこと九尾のキツネさんは、くだんちゃん(母)にとってかけがえのない存在になったのです。

※ ※ ※

「…と、そんな事があったのよ」
「ちょっと待って、お母さん!?なんだか3レス分くらい話が飛んだような!?」
「気にしなくていいのよ?いいわね?気・に・し・な・い!!」
「は、はい…!!」

※ ※ ※

暮れなずむ光の中、人気のない神社の境内に、寄り添いあう二つの影があります。
 ひとつは頭部にツノがあり、もうひとつの影にはケモ耳と9本の尻尾。
 それはこの世界において、異端、あるいは異種とみなされる影たちでした。

「ねぇ、お姉さま。人と違うって…いけない事、なのかな?」
「自分と違う者を、ヒトは恐れるわ、それは仕方ない事」
「お姉さま?お姉さまにも、そんな事があったの?」
「神様ですから!畏れられてなんぼ!!」
「そ、そうね…」
「そんな神様からの有り難い予言を汝に授けよう!」
「は、はい?」
「貴方は…とてもいいコ。だから、もうすぐクラスの皆も貴方の良さに気付くわ」
「え?」
「貴方は何も変わらなくていい、そのままでいいの。皆の方が、変わるわ」
128くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:58:49.45 ID:Zq3R1UwX
※ ※ ※

そして。

くだんちゃん(母)が九尾のキツネさんと神社でナニした翌日のことでした。

「転校生を紹介します」
「お、おね…!?むぐぐ」

先生とともに教壇に現れたのは、九尾のキツネ。くだんちゃん(母)のお姉さま、でした。

「あ!やっほー!」

必死で口元を手で押さえるくだんちゃん(母)の姿を教壇から見つけたキツネさん、気さくに手を振ったりしちゃいます。教室中がざわめきます。それは決して、好意的な反応ではありませんでした。

あの転校生、あんなツノのあるコと、知りあいなの?…と。

「知りあい、かね?あの…」

ツノのある生徒と?先生もそんな風に言いたげです。

「はい。親友です」

キツネさんははっきり言い切りました。

そして。
軽いくらいに明るく美人さんのキツネさんは、あっという間にクラスの人気者になりました。そして、その親友のくだんちゃん(母)も、クラス中に存在を認知されていきます。

見かけは、確かに私たちと、少し違う。でも、結構いいコじゃない?

もともとボジティブで明るく前向きなくだんちゃん(母)、見かけの問題さえクリアしてしまえば、クラスの皆との間にあった垣根も意外にあっさり消えてしまったのです。

「お姉さまのおかげね」
「ただの切っ掛けよ、あたしなんて」

へらへらと笑いながらひらひらと手を振るキツネさん。神様の威厳、ゼロです。

「でゆーか、同じクラスなのにお姉さまってのも…変ね?」
「だから、普段はキツネさんでいいわよ、でも…」
「ん…んちゅ…」
「愛し合う時はぁ…そう呼んで」
「うん…おねえさま…好き」
「あたしも、よ…」

キツネさんの指がくだ

※ ※ ※

「ダ、ダメよ、作者さん!こ、ここから先は…!」

はいはい、解ってます。お嬢さんには内緒ね。スレの皆さんだけに聞こえるようにします。

「だ、だから!それもいけません!めっ!!」

あ、ちょ、お母さん!?ああ!そ、そんな…!!!!!
129くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 22:59:27.72 ID:Zq3R1UwX
………

……



「あれ!?3レス分くらいレス番とんでない!?NG?」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ…!!」
「お、お母さん?どうしたの、そんなに息切らして…?」

注)SS上の演出です。実際のレス番はとんでいません。

※ ※ ※

そして、別れは突然に、あっけなく訪れます。

「お姉さま?どうして!?」
「あのーそのーえーっと」

お姉さまこと九尾のキツネさんは突然、くだんちゃん(母)ともう逢えないと告げたのです。

「新しい予言よ。貴方の前に現れる男性の、運命の人の、ね」
「男性?男?私の…運命の、人?」
「もうすぐ、あなたが生涯を掛けて愛せる男性が現れるわ。それが解っちゃったから、もう、私、貴方に逢えなくなる」
「え?ど、どうして!?いやよ!そんなの!」
「はい、予言しまーす。明日の午後…」
「ちょ!?はやっ!明日!?」

※ ※ ※

「う、うんめいの、ひと?それって…」

くだんちゃんがゴクリと息をのみます。
はにかんだ笑みでお母さんが答えます。

「そう、貴方のお父さん、よ。一目惚れ、だったわ」

※ ※ ※

それはまさに運命の出会いでした。

くだんちゃん(母)は九尾のキツネさんの予言が確かに当たった事に当惑します。
とてもとてもとてもとても…大好きになれるヒトに出会えた。でも、それが、お姉さまとの別れをも意味するというのです。納得できるものではありませんでした。

そして、その日以降、九尾のキツネさんは学校にも現われませんでした。

「キツネさん?誰それ?」

しかもクラスメイトたちから、キツネさんの記憶が薄れつつあったのです。
その事に気付いたくだんちゃん(母)は神社へと急ぎます。

※ ※ ※
130くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 23:00:03.60 ID:Zq3R1UwX
「お姉さま!どこ!?どこにいるの!」
「あら、来ちゃったの?」
「お姉さま…!」

声のした方に眼を向けます。そこには確かに九尾のキツネさん、しかし…

「す、透けてる…?」
「かろうじてってところね。もうじき、見えなくなるわ」
「ど、どうして!?消えちゃうの?お姉さま!」
「この私がそう簡単に消えるわけないでしょー?」

九尾のキツネさんの説明によれば。
くだんちゃん(母)はじめ、ヒトに彼女の姿が見えていたのは一時的なもの。くだんちゃん(母)の悲しみに呼応して、必要とされたから、だから見えていた。くだんちゃん(母)が運命の出会いを果たした事で…もう見える必要はなくなったのだ、と言うのです。

「あた、あたしのせい?あたしがお姉さまの事、要らないって思ってる、から?」
「そうじゃないわ」

お姉さまこと、キツネさんは優しく微笑みます。

「これは神様が…私なんかより高位の、ね。神様がくれた奇蹟だったの

 本来、出会えるはずがなかったのよ、私たちは。でも。

 貴方が私を必要としてくれた。私も貴方と愛しあいたかった。だから。

 たとえ一時でも、必要としあえたから、だから起きた…これは奇蹟なの」

キツネさんの有無を言わせぬ口調に、それが現実なのだと思い知らされます。
神様は慈悲深く、同時に残酷で気まぐれです。それが、答えでした。

「たとえ一時でも、貴方に出会えて…お姉さまなんて呼んでもらえて、嬉しかった」

もう、ほとんど姿は見えません。
声だけが、くだんちゃん(母)の大好きだったあの声だけが、境内に優しく響きます。

「わ、私だって!お姉さまが好き!出会えて…良かったって…思う!」
「ありがとう…で、あの彼との初体験の日なんだけど、予言しとく?」
「ば、ばかぁ!!///////」

最後まで軽いノリのまま。
お姉さまこと九尾のキツネさんは、くだんちゃん(母)の前から姿を消したのです。

※ ※ ※
131くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 23:00:43.31 ID:Zq3R1UwX
これで全て語り終えた…と、お母さん、梅昆布茶をずずー。

「お母さん…その人の事、好き、だった?」
「うん、大好きだった。すごくすごく、好きだった」
「お別れは…辛かった?」
「うん、すごくすごく辛かった。でもね」
「うん…?」
「お父さんがいてくれたから。お父さんと出会えたから」


誰も、一人では生きていけない。
支えてくれる人がいるから、生きていける。

それは同性かも知れない。異性かもしれない。

とにかく、掛け替えの無い、唯一無二の存在。
そんな相手さえあれば、どんな世界でも輝くから。


「貴方の一番は誰かしら?ネコさんがそうだといいわね」
「うん…」
「お別れを、経験しなくて済むなら、その方が、いい」
「お母さん…」

母子がしんみりとしていたその時です。

「ただいまー」

玄関から呑気な声が聞こえました。お兄ちゃん、クマさんです。

「お、お兄ちゃんお帰り」
「ああ、ただいま…って、なんだよ?風邪か?鼻声だぞ」
「う、ううん。なんでもない。それより、遅かったね」
「うふふ、お兄ちゃんもお楽しみだったのよねぇ」
「え?え?え?お兄ちゃん、彼氏できたの!?」
「お、お前と一緒にするな!彼女!彼女!」

滅多に物ごとに動じないお兄ちゃんが真っ赤です。頭のクマ耳が動揺のためか、ひくひくと痙攣しています。
ちなみに、お兄ちゃんの彼女はライオンさんと言います。野生的な美貌の持ち主で、お兄ちゃんより5歳も年上でした。二人にも、それはそれはロマンチックな馴初めがあるのですが、ここは百合スレなので、残念ながらこれ以上の詳細は記せません。

「コホン!で?二人でなんの話してたんだ?」
「いまね、お母さんの昔のお話を…」
「ああ、宇宙人にさらわれて、宇宙の彼方で大冒険ってヤツ?」
「へ?」
「それとも転校生がスパイで国際的謀略線に巻き込まれて…ってヤツ?」
「…なにそれ?」
「お前なぁ、母さんのホラ話、信じるなよ」
「へ?へ?へ?」
「小さい頃、俺たちが聞かされてたのは絵本じゃなかったろ?母さんオリジナルの“おはなし”だったじゃないか」
「おかあさん!?いまの、ウソなの!?ひどーい!私、ちょっとうるうるってしたのに!」
「あらあら、まぁまぁ」

そう、お母さんには妄想壁があるのです。
一体、本当のお母さんの過去はどんなものなのでしょう?謎です。
132くだんちゃんスピンオフ!その1:2012/09/18(火) 23:01:16.68 ID:Zq3R1UwX
「うふふ、女はね、ミステリアスな部分を残しとかなくちゃ」
「…みすてりあす?」
「それが魅力になるのよ、女としての、ね」

その時でした。

「あ!お父さん帰ってきた!あなたーおかえりなさーーーーい!」

スキップせんばかりの勢いで玄関に飛び出していくお母さん。玄関からはおかえりなさいのキスの音が盛大に響きます。お兄ちゃんは大きくため息。一方、くだんちゃんは。

「みすてりあす…みすてりあすなみりょく…!」

ぐっと拳を固めて虚空をにらむ妹を、お兄ちゃんは生温かい視線で見守るのでした。

「みすてりあすなおんなになってネコさんを…もっともっと私の虜に…!」

見守る以外、他にどうしようもありませんから、ね。










『まーお別れっつっても、私からは見えてるんだけどね。

 彼女にはもう私は見えない訳よ。彼女にはもう私は必要ないから。

ちょっと寂しいけど…でも愛する人が、素敵な家族に囲まれて幸せに暮らしてるなら。

 ま、それに勝る喜びは無い、わよねぇ?』







<くだんちゃんスピンオフ!その1「お母さん、その愛と青春」、おしまい>
133 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/18(火) 23:03:00.74 ID:Zq3R1UwX
以上です。
「くだんちゃんスピンオフ」はあと3編を予定しています。
それで本当に終わりとしますのでご容赦のほどm(_ _)m
13460及び63:2012/09/18(火) 23:36:17.96 ID:6icY8ipj
某所で忙しそうだったので今一度見られて歓喜しています
オオカミさんのその後は私は気にせず、どうぞ

本編の結末は分かってたとはいえ切なかったです
くだんちゃんママを人知れず見守るキツネさんの心境を考えると目から汗が止まりません
…実はキツネさんはさみしくて(自主規制)さんに可愛がられてた、なんてことはありませんよね?
135名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 12:26:33.65 ID:0FX+hlFP
GJ!
とてもニヤニヤしましたw


メリーさんは本当に優等生で良い人だけどエッチや調教の時になると
狼の毛皮を被ったように人が変わる小悪魔なイメージそれでいてどっちも素である二面性を持った娘なんじゃないかと思います。
136名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 17:00:31.90 ID:LegP3ud9
ウヒョー!きてたー!GJ!
こういうの大好物なんでおいしいれす^q^
クマさんもかわいいっつかこの家族みんなかわいいw
137 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:08:12.64 ID:PuYYihNh
私自身、皆可愛いよハァハァってニヨニヨしながら書いてますので、
皆さんにそう言っていただけると嬉しいです。ありがとうございます。

ということで、くだんちゃんスピンオフ!その2「なんでもない日」、
9レス程、投下させていただきます。
138 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:08:48.37 ID:PuYYihNh
頭にケモ耳を持つ人達が暮らす世界の、とある街の、とある海水浴場に。
釣り目がちな眼に悪戯っぽい光を湛えた、ネコ耳の美少女が現れました。

3色ストライプのスポーティなビキニスタイルです。
健康的なお色気を放つその姿に、浜辺の男たちの視線は釘付け。

ですが、ネコ耳の美少女・ネコさんは男の視線などどこ吹く風。
そう、彼女は正真正銘、真正の百合ッコなのですから。

「くだんちゃーん!早く早く!!」

スポーティなネコさん、夏は大好きな季節ですし、海は大好物です。
おまけに大好きなくだんちゃんと一緒とくれば、もう気分は最高、絶好調です。

「う、うん…」

更衣室からおずおずと現れたくだんちゃん。
頭にケモ耳ではなくツノがある彼女は、恋人との海水浴なんて初めてです。

「…なによ、その恰好」

くだんちゃんは、水着の上からTシャツをはおって現れました。
そのむっちりした健康的な太腿を裾からさらけだしてはいますが…
海辺の醍醐味は恋人の水着姿である!との信念を持つネコさんは、納得しません。

「ちょっとー!せっかくの海なんだからー!はい!脱いだ脱いだ!」
「や、ちょ、待って!あ、あのあのあの…ネ、ネコさんてば!!」
「問答無用!たーーーー!」
「やぁん!」

ネコさん、くだんちゃんのTシャツを無理やり脱がせます。
くだんちゃんを脱がすのは得意中の得意です。

「ぶっ!?」

ネコさん?鼻を押さえてどうしたんでしょう?お顔が真っ赤です。

「や、やぁん…は、恥ずかしいよぉ…」
「く、くだ、くだ、くだん、ちゃ…?」

くだんちゃんは。真っ白なビキニスタイル。
布地はネコさんの水着の半分くらいしかありません。おまけにヒモパンです。

ちなみに「ヒモパン」は通称であり、正式には「バタフライパンティ」と言います。 紐がついた三角形の布を2枚つなぎ合わせて作られ、これを広げると蝶(バタフライ)のような形に見える事からこのような名称となったそうです。
でも、そもそも「パンティ」が死語になりつつあるので、この正式名称も使われる事はそうありません。

(くはぁーーー!破壊力たけーーーーっ!!

可愛いお鼻を押さえ、ハァハァと荒い息を吐くネコさん。

「お兄ちゃんが…ネコさんと海に行くって言ったらこれ勧めてくれたんだけど…」

(クマさん…GJ!!

思わず心の中でくだんちゃんのお兄ちゃん、クマさんにGJを贈るネコさん。
それほどまでにくだんちゃんの水着姿は眩しかったのです。
139 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:09:34.81 ID:PuYYihNh
スレンダーなネコさんとは対照的に、肉感的なくだんちゃん。
水着姿になると、まーそのエロい事、エロい事。
おまけに最近、胸のふくらみも増してきたようです。
第一話の頃と比べて色気1.5倍(当社比)と言う所でしょうか。

しかし…

ネコさんは気付きました。
周囲の男どもの視線が、ネコさんからくだんちゃんに軽やかにシフトしている事に。
爽やか系健康的美少女のネコさんVSセクシービキニのエロス漂う肉感的美少女くだんちゃん。
浜辺での男の注目度ランキングに限って言うならば、くだんちゃんに軍配があがるようです。

(こ、こら!お前ら!見るな!見るんじゃない!そこ!目つきがいやらしい!
(わた、私のくだんちゃんに!イヤらしい眼を向けるんじゃない!
(やっぱTシャツ着せるべきか…いえ、こんな絶景を隠すなんて辛すぎる…!
(ああ!どうすれば…私、どうすればいいの!?

見たい、ずっと見ていたい。でも見せたくない!
二律背反する感情に翻弄されるネコさんなのです。

「あ、あの、ネコさん?」
「はっ!?な、なに?」
「あの…やっぱり変、かな?」
「あ、ち、違う!違うの!」

そうですよね。
恋人が勇気を出してセクシービキニに挑戦したのです。言うべき事はひとつ。

「すっごく可愛いよ、くだんちゃん」
「あ、ありがと…良かったぁ!」

くだんちゃん、満開の笑顔。それはまさに浜辺に降りた天使でした(ネコさん視点で)。
ネコさんは思わず身惚れてしまいます。そしてその笑顔を見ていると…
ネコさんの胸に暖かいものがこみ上げてくるのです。

せっかく海に来たんだし。楽しまなきゃ。

「行こっ、くだんちゃん!」
「うん!」

二人は波打ち際目指して駆けだします。もちろん、仲良く手を繋いで。

※ ※ ※
140 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:10:21.14 ID:PuYYihNh
「やだやだー!かき氷かき氷かき氷〜!」
「だめよ、ネコさん!3杯目はさすがに…お腹壊しちゃうってば!」
「うー!くだんちゃんのイジワル〜〜〜〜」

普段クールなネコさんですが、甘えられる相手の前では意外と駄々っ子のようです。
それだけくだんちゃんとのお付き合いも“本物”になってきた…という事なのでしょう。

「私はネコさんの身体を思って言ってるんです!冷たいものばっかりじゃ…」
「わたし、ネコ舌なんだもーん!熱いの食べられなーい」
「じゃ、じゃあ!」

ぐぐっと、身を乗り出すくだんちゃん。

(は、恥ずかしいけど…勇気を出すの!大好きなネコさんのためよ!

くだんちゃん、一体どんな恥ずかしい行為に及ぼうと言うのでしょう?

「フ…!」
「ふ…?」
「フーフーしてあげるからっ!」
「は、はい!?」

海の家と言えばカレーとラーメンとおでんですよね?
くだんちゃんの前にはそんな暖かい料理が並んでいます。

と、くだんちゃん、おもむろに。

「フーフー」
「…」

一生懸命フーフーするくだんちゃん。

「フーフーフーフー」
「…」
「フーフーフーフーフーフー」
「…」
「はい、どうぞ」
「お、おう」

思わず男の子みたいな返事をしてしまうネコさん。
お顔、真っ赤ですよ?

※ ※ ※
141 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:11:07.59 ID:PuYYihNh
二人が食事を終えて海の家を出ると、その前に幟が立っていました。

「なに、あれ?」
「スイカ割り…?」

『スイカ割りに挑戦!見事まっぷたつに出来たら豪華賞品進呈!参加費500円!』

売れ残りのスイカを有効活用しようとでもいうのでしょうか。
店主らしきウマさんが、山盛りのスイカを前にくいっとアゴをしゃくります。

「お嬢さん、挑戦してみるかい?」
「よーっし!」
「え?やるの?ネコさん頑張って!」
「何言ってるの、一緒にやるの!」
「ええええ!?わ、私、無理だよ〜」

海の家の屋号が印刷された手拭いで眼隠しされたくだんちゃん、ぐるぐるぐる…

「えいっ!」
「あちゃー」

くだんちゃん、スイカは後ろです。

「くだんちゃんの仇は私が取る!」

ずっと前にでるネコさん。その耳に海の家の店主ウマさんが気付きます。

「し、しまった!あのコ、ネコだ!」

ウマさん、蒼白です。
そう、ネコの三半規管は特別製なのです。
ちょっとやそっとのぐるぐるなんてなんのその。
砂浜を、スイカ目指して真っ直ぐ一直線!

「やーーーーーーっ!」

ぱっか〜んと、見事、真っ二つ!

「へへーん!どんなもんよ!?」
「うわー!ネコさんすごいっ!ステキ!かっこいい!!」

くだんちゃんの崇拝の視線が心地よいネコさんなのでした。

そして、ゲットした豪華景品とは…?

「…うきわ?」
「わ〜大きい!ネコさん、ネコさん!これなら、一緒にぷかぷか出来るね」
「お、おう」

真っ赤になったネコさん、またしてもヘンな返事をしてしまいます。
その様子に、思わずくすりと笑みがこぼれてしまうくだんちゃんなのでした。

※ ※ ※
142 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:11:53.91 ID:PuYYihNh
ぷかぷか、と。

二人を乗せた大きな浮き輪が波間を漂います。

「気持ちいいねぇ」
「うん、気持ちいい」

海水浴場には小島がありました。二人は、ぷかぷかと、その小島に流れて行きます。
長い長い夏の太陽も、そろそろ水平線に掛り始める頃でした。

※ ※ ※

小島の砂浜には、男女のカップルの姿がちらほら。
女の子カップルはくだんちゃんとネコさんだけのようです。

(男どもにくだんちゃんの水着姿を見せるのは癪に触るけど…
(ここなら、男どもは自分の恋人しか見てないからいいわ

「それに…」

夏の海、夕焼け、波の音。傍らには水着姿の愛しい恋人。
この状況で理性を保てる思春期の少年少女がいるでしょうか?いや、いません。

ネコさん、スイッチオン。

「この水着を脱がせられるのは、脱がせていいのは…私だけ、よね?」
「ネ、ネコさんってば…///」
「でしょ?」
「う、うん…もちろん///」
「くだんちゃん」
「ネコさん」

夕日に照らされた二つのシルエットが、ひとつに重なります。
そして。

「いや!?でも!いま脱がせていいとは言ってないし!」
「なによー今更…この状況で、私が止まると思う?」
「お、思いません…!」
「さすが私の嫁!解ってるわね!いざ…!」
「や、や〜ん!はず、はず、恥ずかしいよぉ!!」

※ ※ ※
143 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:12:39.72 ID:PuYYihNh
島の海岸線には、あつらえたような岩場がいくつかありました。
岩陰に入れば、砂浜からの視線を遮れるようなおあつらえ向きの岩場が。

「や…ん!こんな恰好…は、恥ずかしい、よ…」

岩に両手をついて、お尻を突き出した格好のくだんちゃんが、後ろのネコさんを振り返りながら抗議します。
頬は紅潮し、瞳はうるうると潤んでいます。すでに唇からは、はぁはぁ荒い息が零れています。実に扇情的な光景です。
当然、ネコさんの劣情を刺激するだけで抑止効果はゼロです。

「ウソツキ…期待してるくせに」
「そ、そんな事、ないもん…!」

もちろん、ウソです(断言)。
ほら、くだんちゃんの語尾が震えています。その表情も、すでにとろとろ。

「隠してもダメ、ほら…」
「あ、いや…」

するり、と。
くだんちゃんのヒモパン(正式名称バタフライパンティ)のヒモが解かれます。
お尻を覆っていた布地がペロリと捲れ、そこに間髪いれずネコさんの指が潜り込みます。

「んくぅ…っ!」

すでにくだんちゃんの秘所は熱く潤っています。

「もう、こんなにしてるくせに…」

後ろから覆いかぶさるようにくだんちゃんを包み込み、耳元で囁くネコさん。

「い、いやあ…い、言わないで…」
「いつから濡らしてたの?ん?」
「そ、そんな…それは、その…」

くだんちゃんの喉が、ごくりと鳴ります。荒い吐息が、零れて止まりません。
恥ずかしい告白をする時、Mなくだんちゃんはどうしようもなく昂奮してしまうようです。

「こ、この水着…」
「水着?」
「き、着た時から…さ、最初、から…」

ネコさん、思わず天を仰ぎます。
そうしないと、その可愛らしいお鼻から何か出てきちゃいそうだったのです。

「そ、そう…い、いやらしいコね…そんなに期待してたんだ?」
「これ着たら、ネコさんドキドキしてくれるかなって、思ったら…わ、私…」
「…うん、ドキドキ、した」

そっと、うなじに口づけ。

「んひゃぅ!んは…あ、あ、あ…!」

ひくんひくんと、くだんちゃんの身体が痙攣します。うなじは弱いのです。

「ドキドキして、昂奮して…嬉しかった」
「ネ、ネコ、さん…私も、うれし…んんっ!!」
144 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:13:22.89 ID:PuYYihNh
ネコさんの唇が、舌が。
くだんちゃんのうなじから肩、背中、腰のあたりまで順番に降りて行きます。
くだんちゃんを五感全部で感じながら、陶酔の表情を浮かべるネコさん。

艶やかに濡れて、かぐわしくて、ちょっぴりしょっぱくて、柔らかくて…素敵。

「あ!あ!あ!だ、だめぇ…そ、そんな、とこ…んんっ!」

お尻のお肉をふにふにと揉みしだきながら。
ネコさんの舌がひっそりと息づく後ろの穴の周辺を探っていきます。

「こんなに感じてるのに?『そんなトコ」で感じちゃうのに?』
「や、やら…んくっ…んはぁ!あ、あ、あ!」
「やな訳ないでしょ?お尻、擦りつけてるくせに」
「い、いやぁ!あ!あ!そんな!あ!こと!ない、もん!」

突き出したお尻が、無意識に動いています。もっと、もっと、とおねだりするように。
ネコさんは後ろからさんざんその卑猥な動きを堪能した後、お預けします。
くだんちゃんの身体をくるりと返し、岩場に優しく押し付けます。
指先をくだんちゃんのお股に押し付けながら、正面からくだんちゃんを見据えます。

「ネ、ネコさん…わ、私、もう…もう…!」
「ちゃんとおねだりできないの?できなきゃ、してあげないよ?」
「い、いじわるぅ…ネコさんの、いじわるぅ…!」
「んひゃっ!?ちょ、ま…!!」

くだんちゃんの手が、ネコさんのお股を捉えます。

「ネコさん、だって、こ、こんなに、してる、くせに…!」
「ば、ばかぁ…!そ、そりゃ…わたし、も…!」

そう、ネコさんだって、くだんちゃんを苛めていると。
昂奮のあまりアソコが涎を垂らしてしまうのを止める事なんて、不可能、なのです。

「ね…?ネコさん、一緒、に…」
「う、うん…くだん、ちゃ…んんっ」
「あ、ああ…!ネコさんネコさん…!」

縺れ合い絡み合うような口づけを交わしながら。
お互いの一番気持ちいい場所をさすりあげながら。
お互いに愛しい人の名を囁きながら。

「あ、ん、んはっ…も、もう…私…ダメェ…!」
「うん…私も…私も…!」
「一緒に、一緒にイこう?ね?一緒に…!」
「うん…!うん、うん、うん…!」

二人は一緒に、昇り詰めていきます。

「好き…好き…大好き…」
「わたし、も…!好き…好きぃ…!」
「あ、ああああああ…!」
「んくぅt…んはぁあ…!」

そして。

「「あああああああああああああああああああああああああああああ…!!」
145 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:14:49.82 ID:PuYYihNh
※ ※ ※

   ただ一緒に遊んだだけの、なんでもない日。
   そんな日々を二人で共に重ねて行こう。

   そしたら、ほら。

   なんでもない日だったのに、前より貴方を好きになってる。

   なんだか、不思議、ね。

※ ※ ※

夜の帳が近づく、カップルたちが集まる沖の小島の砂浜で。
薄闇の中、くだんちゃんとネコさんは背中合わせに体育座り。

「き、聞かれてなかった、かな?」

くだんちゃん、キョロキョロオドオド。実に挙動不審です。
でも周囲には、薄闇にまぎれていかがわしい行為にふける御同輩がたくさん。

「聞かれててもいいよ、みんな…してるもん」
「で、でででで、でも…やっぱり…恥ずかしいし…それに…」
「それに?」
「ネコさんのエッチな声、他の人に聞かせるのも…なんか、ヤダ」
「ば、ばかね/////」

ネコさんの手がそっと伸び、愛しいくだんちゃんの指先を捉えます。

「ね、くだんちゃん。卒業したら…どうするの?」
「え?」
「進路ってゆーか、将来の夢?なんか考えてる?」

それはまだ少し先、でも確実に訪れる未来でした。

「ネコさんは、あるの?将来の夢」
「あたしは、ね…」

背中合わせに座っているくだんちゃんにだけ聞こえる小さな声で。
ネコさんは誰にも教えたことの無い、熱い胸の内を告げます。
すると。

「すっ……………………………………………」
「くだんちゃん?」
「…っっっごくステキ!とってもネコさんらしい!」
「そ、そう?あはは」
「うん!私、応援する!絶対!ネコさんならきっとなれるもの!」
「あ、ありがと…で?くだんちゃんは?」
「あ、ぅ…!」
「な、なによ教えなさいよ、あたしにだけ言わせて、ずるい」
「わ、私、は…」
「ん?」

くだんちゃんは、真っ赤です。背中合わせでも、上気した頬の熱が伝わってくるよう。
 
「私の夢は…もう、さっき…叶った、から…」

   そう。私の夢は、3レス前に叶ったの。
   ネコさんが、私をそう呼んでくれたから。
146 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:15:51.67 ID:PuYYihNh
「え?あたし、なんか言ったっけ?」
「い、言ってくれたよ…わ、私の事…」
「?」
「ネコさんの…わたしの、よめ、って…」

 消え入りそうな声です。でも、確かにはっきりと。

「く、くだんちゃんの、将来の夢って…えと、その…」
「およめ、さん…ネコさん、の」
「うはぁあいぃいい!?」

その不意打ちに思わず素っ頓狂な声をあげるネコさん。

(くっ…やられたわ…!こいつ…!
(こ、ここまで夢見る乙女モードを炸裂させるとは!?

「だめ、かな…?」
「だ、だめじゃありません!だめな訳…!」

ネコさん、くるりと振り向き、くだんちゃんにそっと口づけを贈ります。

「そ、そうよ…あんたは…くだんちゃんは、私の嫁なんだから!」
「ネコさん…」

日は完全に落ち、降るような星空が広がっています。
プロポーズには、バッチリな状況ですね?

「くだんちゃん…もっと、したい」
「だ、だめよ…もう!こんなとこで…」
「ここじゃなくて…二人っきりで、ね?」

もちろん、くだんちゃんに否やがあるはずもありません。
だって、くだんちゃんはネコさんの嫁、なんですもの、ね?





<くだんちゃんスピンオフ!その2「なんでもない日」、おしまい>
147 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/19(水) 21:16:29.68 ID:PuYYihNh
以上です。
「くだんちゃんスピンオフ」はあと2編を予定しています。
次はオオカミさんのその後のお話。

メリーさんは出ませんm(_ _)m
148名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 21:56:01.29 ID:giA5xFO4
フーフーしてあげるからっ!

フーフーしてあげ

フーフーして…

萌え死んだ。ツボすぎる。GJ、ニヤニヤが止まらない
149名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 00:37:36.65 ID:OUG1H14X
gj そして乙

しかしすごい執筆速度だな
いわゆるキャラが勝手に動き出すってやつ?
そうするとどんどん書けちゃうってことなのか
150名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 10:30:05.67 ID:RIqznM5a
おいどういうことだ?
せっかく海が舞台なのに ブラが流されてきゃー!とかサンオイル塗りっことか定番の俺得シーンがないじゃないか!

すでにGJだがそれがあれば超GJだった
151名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 12:28:32.94 ID:fRs0LcFK
めちゃくちゃ萌えましたw天然って恐ろしい・・・



筆が速いのは読者としても嬉しいです(*´∀`)

もとい、あと2話と言わずに同じ世界観で別の話作ったりして欲しいです。
思い付いた時でいいので
152名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 16:43:07.67 ID:RiL15Nr7
GJです
153名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 19:06:12.09 ID:ZNWvmODP
>>150
>>86オススメ
154150:2012/09/21(金) 07:22:30.90 ID:Ic54u2+X
>>153
もちろん読んだ上で言ってるぜ?
同じ作者さんだしあのシーンをくだんちゃんで見たいぜってことなんだぜ?
155 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/21(金) 23:54:01.61 ID:iwPkoi0m
>>150
迂闊でした。不覚でした。人として大事なことを忘れてました。
というわけで「なんでもない日」追記、5レス分です。

以降の5レスを>>139>>140の間に挟み込んでくださいませ。
156 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/21(金) 23:55:18.88 ID:iwPkoi0m
「海と言えばコレよね!」

ネコさんがビーチボールを高々と掲げ、高らかに宣言します。

「ビーチバレーがちんこ対決!5回落とした方の負け!サンオイルを塗られちゃうのよ!」
「え?え?えええええええええ?わ、わたしがネコさんに勝てるわけないよ〜!!」

ネコさんとくだんちゃんでは、その運動能力に雲泥の差があります。
月とスッポン、ウサギとカメ、ネコと牛です。

「勝負は下駄を履くまで解らないって言うわよ?」
「世の中には自明の理ってものがあるの…」
「勝負は時の運、とも言うわね」
「ネコさんの方が絶対強運の持ち主だと思う…」
「とにかく!いっくよ〜!」
「あわわわわ!!!!」

ネコさんの意図は明白です。なにせ彼女はSですから。

(当然、私が勝つ…負けて涙ぐむくだんちゃん…ああ!ぐっと来ちゃう…
(そしてうるうるした眼で私を見上げるくだんちゃんに、優しくオイルを…
(うなじと背中が弱いくだんちゃんは私の指技に為す術もなくあえぎ、よがり…!!

「うふふ(じゅるり)」

ネコさん?よだれよだれ。
で、一方。Mなくだんちゃんは。

(ああ、どうしよう!見えるわ…敗北の屈辱に屈服し、地にまみれる私…
(そして悲嘆にくれる私に、ネコさんは魔性の笑みを向け…う、うなじ…背中…
(お、お尻まで蹂躙されて…恥ずかしいよがり声をあげちゃう私…
(止めてっていくら言ってもネコさんは止めてくれなくて…ああ…だめ…!!

「ああ…!」

くだんちゃん、お目目がとろんとしてます。
勝敗もその後の展開も、どうやらすでに決まっちゃってるみたいです。そして。
利害関係が一致した二人の、出来レースなビーチバレー対決は始まるのです。

「たー!」
「きゃん!!」

ネコさんのスパイク!くだんちゃんは拾うどころか、ボールに触れることすら叶いません。
砂浜にずさーーーっ!と頭からダイブ。頭のツノが砂にめりこんじゃいます。
その状態から抜け出そうとした結果、四つん這いでお尻をふりふりしちゃう事に。

「お、おい…あれ」
「…ごくり」

砂浜につっぷし、四つん這いでヒモパンのぷりぷりしたお尻を振る肉感的美少女。
そんなくだんちゃんに、周囲の男どもの視線は、当然のごとく釘付けです。
ようやく砂地から上半身を起こしたら、今度は砂を落とそうと頭をふりふり。
布地の少ないブラに包まれたふよふよのお胸がぷるぷるとおいしそうに震えます。

「もぉ…やぁだ…」

ぺたんと砂浜にへたり込み、無意識のうちにシナを作り、瞳はうるうると潤んでいます。
保護欲を掻きたててやまないその姿が、浜辺の男たちのハートをわしづかみにします。

(ま、まもってあげたい…!
157 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/21(金) 23:55:52.03 ID:iwPkoi0m
「し、しまった!?」

遅まきながらネコさんも、周囲の男どもの反応に気付きました。
なぜ遅くなったかと言えばネコさんも男ども同様、くだんちゃんに見惚れていたからです。

(こ、このまま私が勝ち続ければ…
(くだんちゃんは無意識のうちに周りにエロスを振りまき続ける…!?
(ダメよ!くだんちゃんのエッチな姿を見ていいのは私だけなのに!
(でも勝たなきゃオイルぬりぬりが…ど、どうすれば…どうすればいいの!?

「もぉ!ネコさんってばっ!えいっ!」
「え…?」

ぽ〜ん、と。くだんちゃんの放ったゆるゆるサーブ。
動揺したネコさんは見逃してしまいます。これで1−1。

(だ、だめ!当初の目的を忘れちゃダメ!オイルを塗るのは私!

そして放たれたネコさんの必殺サーブ!

「わぷっ!?」

今度はくだんちゃん、脚元も見ずに、視線はボールだけを追い…
結果。波に脚を取られ、頭から海にダイブしてしまうのです。

「く、くだんちゃん?大丈夫?」

波に翻弄され、起き上がれずもがくくだんちゃんに、手を貸そうとするネコさん。
その時、です。差し出したネコさんの指先がくだんちゃんのブラに引っかかり、そして。

「わきゃっ!?」
「うわっ!ご、ごめ…!」

はらりとブラが落ちます。

「おおおおお!!」

浜辺が、どよめきます。そしてブラはあっという間に波にさらわれていきました。

「い、いやあああ!」

くだんちゃんのすべすべのお胸は、いま、衆目の前に晒されてしまったのです。
近頃成長著しい乳房は、波に揺られる身体につられ、ふるふると震えています。
もちろんその適度なサイズもさることながら、きれいな釣鐘型のおっぱいです。
くだんちゃんは爆乳お母さんの「若いうちからのケアが重要なのよ」との教えに従い、
日頃のバストケアも欠かしていませんから、将来的にもそうそう垂れる事はないでしょう。
乳首は色素沈着もなく艶やかなピンク色、乳輪も小さく乳首の周辺をほんのり縁取るだけ。

「い、いやあああ!そ、そんなディテール描写しないでーーー!!」

とにかく、実にむしゃぶりつきたくなるようなステキなおっぱいでした。
浜辺の飢えた男どもの視線をくぎ付けにしてしまうのも致し方なし、です。

「くだんちゃん…!」
「はぅ!?」

愛しいくだんちゃんのおっぱいを他人に見せたくなんてありません。
ネコさんは夏の陽光に晒されたくだんちゃんの可愛いおっぱいを隠すため…抱きつきます。
158 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/21(金) 23:56:29.23 ID:iwPkoi0m
「ネ、ネコ、さん…////」
「こ、これで、み、見えない、から…」
「う、うん…で、でも…」
「ん?」
「ブラ、どうやって取りに行こう…?」
「あ」

波打ち際で抱き合ったままでは立ち上がれませんから、ね。
でももちろん、浜辺には二人の他にもたくさんの人がいます。
親切なヒョウ柄ビキニのお姉さん(パンサーさん)がブラを拾ってきてくれました。

※※※

「えっと、その、くだんちゃん、ごめん」
「あ、で、でも…ぎゅってしてくれたの…嬉しかった」
「え…」
「隠してくれた。守ってくれた、から…////」
「お、おう ///」

二人の頭上に陽炎が見えるかのようです。
真っ赤な二人、それを誤魔化すかのように。

「しょ、勝負はまだ始まったばかりよ!」
「う、うん!私、頑張るから!」

どうやら、試合続行のようです。

が。

※※※

「あ、あれ?」

ぽーんぽーん…と。ネコさんの脚元にボールが転がります。
ビーチバレーがちんこ対決、3−5でくだんちゃんの勝ち。
ネコさん、まさに雌牛に腹突かれる…と言う所でしょうか。

※雌牛に腹突かれる
 甘く見ていた相手に突然ひどい目にあわされる、
 また、油断して思わぬ失敗をすることの喩え

またあんな失敗をしてくだんちゃんを恥ずかしい目に合わせる訳にはいかない。
くだんちゃんのエッチな様を周囲の男たちに見せたくない(自分は見たいけど)
そんな事を気にするあまり、真の実力を発揮する事も無いまま。

ネコさんは思わぬ敗北を喫してしまったのです。

「…あれ?」

※※※
159 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/21(金) 23:57:08.87 ID:iwPkoi0m
「あれ?」

パラソルの作る日陰の下、くだんちゃんも小首をかしげます。

なぜ眼の前にネコさんがうつぶせに寝ているんだろう。
私の手にぬちょっとしたオイルが乗っているのはなぜ?

想定外の状況です。ですが。
ブラを外してうつぶせに横たわるネコさんの健康的ですべすべした背中。
少し憮然としつつも紅潮した横顔、自身の体重に潰されてはみ出た横乳。

それら全てが、くだんちゃんを魅了してやみません。

「あ、あの…ネ、ネコさん」
「な、なに?」
「そ、その…失礼します」
「お、おう」

肩から肩甲骨、肉付きの薄い脇腹を。オイルをまとった掌が滑って行きます。
おずおずと、優しく、穏やかに、でもどこか艶めかしい動きで。

「ん…んくぅ…!」
「ネコさん、くすぐったい?」
「いや、その、ちょ、ちょっと、ね」
「くすぐったいの?」
「だ、だから…ちょっとだけ」
「くすぐったい、だけ?」
「あ、あんたね!何を言わせたいの何を!?」

(言葉責め!?言葉責めのつもり!?
(ここで『気持ちいいよ、ああん!』なんて正直に言ってしまった暁には…!
(わ、わたしの優位的立場が…!タチとしてのアイデンティティが…!

「私は…気持ちいい」
「え?」
「こうして、ネコさんの素肌に触れてると、なんだか…」
「く、くだんちゃん…?」
「気持ちいい。とっても、幸せな気持ち」

うっとりと眼を細め、くだんちゃんは呟きます。

もちろんエロエロなスキンシップも、気持ちよくて嬉し恥ずかしくて、幸せになれます。
でも、エッチな気分じゃなくても、ただ肌が触れ合うだけでも。ただ一緒にいるだけでも。

「うん…私も、気持ちいい」
「良かった。なんだか、嬉しい」
「あはは」
「えへへ」

ぬりぬり、ぺたぺた。

「気持ちいいな」
「うん、幸せだね」
「一緒にいると」
「それだけで」

くだんちゃんも、ネコさんも、穏やかな笑みを浮かべていて。
そんな二人を、夏の日差しが、暖かく包み込んでいました。
160 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/21(金) 23:57:45.43 ID:iwPkoi0m
※※※

「…ちょっと、塗りすぎじゃない?」
「ご、ごめんなさい!つ、つい夢中に…!」
「まーいいわ、ほれ、交代交代!」
「え!?ど、どうして!?」
「私が焼いてる間、あんた何してるつもりだったの?」
「あれ!?あれれ!?」
「二人で一緒に焼くんだから!あんたもちゃんと塗っとかなきゃダメでしょー!」

で、結局。

うなじから太腿に至るまで満遍なくオイルを塗られ、
必死であえぎ声を押さえるくだんちゃんの痴態を、
ネコさんは思う存分堪能・満喫したのでした。

※※※

>>140へ)





以上、「なんでもない日・追記」でした。


GJくださった皆様ありがとうございました。
本編は「二人が恋人になるまで」のお話だったわけなんですが、
お互いを恋人認識した上でのイチャラブを書いておきたかったのです。
ニヤニヤしていただけたならば、幸いです。
161名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 10:04:27.14 ID:COHVgkIE
相変わらずニヤニヤでGJ



でもバレーボールが、ちんこ対決に見えたぞwwwww
162 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/22(土) 10:46:07.50 ID:Xt6alr93
くだんちゃんスピンオフ!その3 「Do you love me?」
10レス程の投下です。ちょっとこれまでと雰囲気違う、かも…
163「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:46:59.78 ID:Xt6alr93
頭にケモ耳を持つ人達が暮らす世界の、とある街の、とある学校の放課後。

部活動中のケモ耳少年少女達が、ぽかんと口を開けています。
その原因は、大音量で響き渡る突然の校内放送。

『わ、私は!ネコさんのペットなんです!』
『私とくだんちゃんは!女の子同士だけど!愛し合ってます!』

もちろん学校中に響き渡るその放送は。
生徒会室で犬耳の少女をおいしく頂いてる最中のオオカミさんの耳にも届いていました。

「はいはい、御馳走様」

『ネコさん…大好き!』
『く、くだんちゃん…』
『んちゅ…ちゅぱ…ちゅっ…』

「なにやってんだか…」

気だるげに呟くオオカミさん。アンニュイです。
腰まで届こうかという長い髪を掻きあげ、深いため息をつきます。

「おねえさま…?」

お相手をしていた犬耳の少女が、オオカミさんに怪訝な表情を向けます。
おねえさまの手が、自分を激しく追い詰めてくれていた手が、止まってしまったから。

「もうおしまい。なんか覚めちゃったわ」
「え?そ、そんな…!」
「服を着て、帰って頂戴」
「お、おねえさま…」
「お黙りっ!さっさと消えなさい!」
「…ひっ!」

※ ※ ※

窓の外、眼下には。ツノのある少女とネコ耳の少女を取り囲む人の輪が出来ていました。

「ネコさん!私、応援するね!」
「くだんちゃん!頑張って!」

口々に百合カップルを励ますケモ耳少女達。
もちろんそれを遠巻きにし、否定的な視線を向ける生徒たちも多いようです。
女の子同士の恋愛を大々的に公言した二人の少女は、いまや時の人でした。
良くも悪くも…ですが。

その様子を見守るオオカミさんは、これまでに感じた事の無い…
いえ、自覚した事の無かった感情に翻弄されていました。
それは寂しさとか、切なさとか、そんな風に表現される感情でした。

「くだらない…くだらないわよ」

誰にともなく呟くオオカミさんは、いま、ひとりぼっちでした。

※ ※ ※
164「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:48:02.27 ID:Xt6alr93
皆が憧れるマドンナで、生徒会長…そんなオオカミさんを慕う生徒は大勢います。
品行方正成績優秀、まさに究極の淑女として校内で知らぬ者などいない有名人。
ピンと凛々しく立ちあがったオオカミの耳、艶やかな髪、どこか野生的な瞳。
これが黄金比と言わんばかりの均整のとれたプロポーション…まさに完璧です。

ですが、誰からも好かれる淑女たる表の顔とは別に。
オオカミさんにはもうひとつの顔があります。

オオカミさんは肉食系です。百合っコで、Sでした。
これまで手籠めにしたケモ耳少女は数知れません。
ウブなケモ耳っこを自慢のテクで陥落させるのが大好きです。

大好き、でした。大好きだと、思っていました。


   可愛がってあげる。
   いっぱい、苛めてあげる。


オオカミさんの行為は、どんどんエスカレートしていくのが常でした。


   こんな恥ずかしい事されて感じてるの?
   じゃあもっと苛めてあげる。もっと、もっと、もっと…


他のコとしてる所を、わざと見せつけたり。
3Pを強要したり、人前で恥ずかしいコトをさせたり。


   こういうの好き?じゃあ、こういうのは?


まるで相手の、自分への気持ちを計るように、確かめるように。


   こんなイヤらしいお仕置きやひどい事されて、それでも…
   それでも、私の事、好き?


オオカミさんは。本人に自覚は無くても。
ずっと問いかけ、求め続けていたのかも知れません。


   私の事、好き?

   世界全体よりもっと?

   私のそばにいるの 好き?

   私を見つめるの 好き?

   私の事、本当に好き?

   ねぇ、言ってよ「私の事、好き」って

※ ※ ※
165「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:48:43.41 ID:Xt6alr93
大勢のケモ耳少女たちがオオカミさんのペットになってきました。
そして、ほとんどの少女達が…オオカミさんの前から去って行きました。

マルチーズちゃん、ハムスターちゃんにバンビちゃん、ラブラドールちゃん。
そして…ネコさん。

一時的に女の子同士の行為に耽溺しても、やっぱり男の子の元へ走る子も多いのです。
どんどんエスカレートするオオカミさんの行為についていけなくなった子もいます。
そして、やっぱり「自分だけを見てくれる人」が一番…と思う女の子がほとんでです。

「ほんと…くだらないわよ」

いまだ生徒会長の任にあるオオカミさんは、有名人で人気者です。
それはいまも変わりません。でも。

オオカミさんの本当の顔を知っているケミ耳少女は。
オオカミさんのペットとして、そばにいる女の子は。

もうあと一人しか残っていませんでした。

※ ※ ※

あの百合カップルの校内緊急放送から数日後の朝。
今日も朝からアンニュイなオオカミさんを、一人の女生徒が訪ねます。

「おねえさま…」
「タヌキちゃん?」

タヌキちゃんは丸顔垂れ目の、普段はちょっと地味目で目立たない女の子です。
スレンダーなオオカミさんとは対照的なぽっちゃり体型の女の子です。
口数も少なく、真面目ちゃんな雰囲気の彼女はエッチな事など何も知りません!
…という風情ですが、オオカミさんの最初にして、いまや最後のペット、でした。

「心配、です」
「何が?」
「お姉さまの事が…心配です。最近、元気ない…みたいですから」

オオカミさんは少し驚きました。長い付き合いになりますが…
タヌキちゃんがこんなに長い台詞を発する事は、あまりありませんでしたから。

「そうね…貴方が逢いに来てくれなかったから、かもね」
「ご、ごめんなさい…」

言いがかりでした。
タヌキちゃんは図書委員長でしたから、生徒会室でしょっちゅう会っているのです。

「いやよ。許してあげない。お仕置き、しなくちゃ…ね?」
「はい…おねぇさま」

※ ※ ※
166「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:49:18.20 ID:Xt6alr93
誰もいない生徒会室に密やかなあえぎ声だけが響きます。

「お仕置きで感じちゃうなんて、いけないコね?」
 
机の上で両脚を自分で抱え込み、恥ずかしいアソコを曝け出しているタヌキちゃん。
制服をまとったままのオオカミさんは、タヌキちゃんを冷ややかな視線で見下ろします。
でもその視線さえ、タヌキちゃんの情欲を刺激する媚薬、でした。

「んはぁ…!もっと、お仕置き…ください…!」

上のお口からも下のお口からも涎を垂れ流しおねだりする姿はまるで淫猥な娼婦のよう。
普段の地味目なタヌキちゃんを知る人にとって、かなり衝撃的な光景でしょう。

「こう?これが、好きなの?」

しなやかな中指が、タヌキちゃんの濡れそぼったあそこにくぷり…と吸い込まれます。

「んく…っ!んはぁあああ…!」

オオカミさんは鉤状に曲げた中指のお腹でタヌキちゃんの中を擦りあげます。
そして同時に親指で、充血してぷくりと膨れたお豆を責めたてます。

「ん…!はぁ!あ・あ・あ・あ…!!」

ひくんひくんと全身を震わせ、快感に身をよじるタヌキちゃん。
とろとろに蕩け、身を焦がす快感の火に炙られ、ただただ陶酔の表情を浮かべます。

「そのまま、イきなさい、何度も何度でも…」

タヌキちゃんの腰がガクガクと大きく痙攣し、そして。

「んあああ!あ!あ!ああああああああぁぁあぁあ…っ!!」

ぷしゃっ…と、タヌキちゃんのアソコからお潮が吹きあがります。
それでも、オオカミさんの二か所責めは止まりません。

「かはっ…!あ!あああああ、あああああ、あああああああ…!!」

中で、クリで、幾度となく絶頂を重ねるタヌキちゃん。
それでもオオカミさんは冷やかに、無表情に、責め続けます。

「お仕置きが大好きなのね?ただの淫乱だわ」
「ちが…おねぇ…さま…が!好き…好き…っ!!」
「こんな風に苛めてもらうのが、でしょ?いやらしいコ」
「ちがう…おねえさまが好きです…!」

   本当に?ねぇ、本当に?

「ウソツキ…貴方はただの淫乱。だから…」
「ちが、わたし、は…ふぁ…!あ!ああああああああああああああ!」

   私の事、本当に、好き?

「もっと、お仕置き、してあげなきゃ…ね?」

   こんな事しても、好き?

※ ※ ※
167「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:50:04.90 ID:Xt6alr93
「ふ…あ・ぁ・あ…」

ふらふらと廊下を歩くタヌキちゃん。どうやらまっすぐ歩けないようです。
それもそのはず、彼女のアソコには、大きなリモコンバイブが入ったままなのですから。

もちろん、オオカミさんの仕業です。

   放課後までこのまま過ごすのよ。
   私の所に戻るまで抜いちゃダメ。
   もちろん、勝手にイくのも禁止。

散々タヌキちゃんの身体を嬲り、イかせ続け、全身を敏感にさせた上での命令でした。

「はふぅ…んく…っ!」

教室の椅子に座った途端、くいっとバイブを自ら押し込む結果になってしまいます。
下腹部の辺りを硬く握りしめた拳で押さえ、奥歯をギッと噛みしめて。
全身を蝕み続ける、甘く鈍い快感を必死に抑え込もうとするタヌキちゃん。

真面目な優等生、地味目な図書委員長が、バイブを入れたまま授業を受けている…
そんな事が周りに知れたら、彼女の学校生活ははかなくも瓦解してしまう事でしょう。

「ひぅ…っ!あ…んん、んくぅ…っ!!」

時折、不意をついてバイブの動きが強くなります。
リモコンの送信機はオオカミさんが持っているのでしょう。
放課後までの気の遠くなるような、長い、長い時間一杯。
気まぐれな振動の変化に、タヌキちゃんは翻弄され続けます。

※ ※ ※

結果として。タヌキちゃんは放課後まで我慢し続けました。そして。

※ ※ ※

タヌキちゃんはふらふらと覚束ない足取りで、廃校舎の方へ向かいます。
すでに取り壊しが決まり、生徒の立ち入りを禁止されている場所です。
でも、いくら禁止されたところで、先生たちが見回りを強化したところで。
ここでいやらしい行為に勤しむ輩は、後を絶たないのですけど、ね。

いまタヌキちゃんが廃校舎に向かっているのも、オオカミさんの命令でした。


   放課後、そのままで廃校舎に来るのよ。
   私は、廃校舎の屋上で待ってるから。

   途中、何があるか解らないけど。
   屋上まで辿りつけなかったら、またお仕置きだから、ね。


「おねえさま…わかりました…おねえさま…」



168「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:50:49.15 ID:Xt6alr93
※ ※ ※

「ネコさん」

眉をひそめ、くだんちゃんがネコさんに話しかけます。

「いまの人…タヌキさん?変だったわ」
「そうね、お腹でも痛いのかしら?」
「ううん、そうじゃなくて…あ、あのね、その…」
「ん?」
「わ、私が、その…ネコさんにいっぱい、その…」

言い淀むくだんちゃん。いつもの事なので、ネコさんは辛抱強く待ちます。
言葉を探すくだんちゃんを見守るこの時間が、ネコさんは嫌いじゃありません。

「じ、焦らされた時、あ、あんな感じ、だったなって…」
「うわあい!シーッ!シーーーーーッ!!」

※ ※ ※

廃校舎の一角、現れたのは3人の男…ちんまりした耳を持つ、ネズミたちでした。
タヌキちゃんを取り囲み、押さえつけ、下卑た笑みを向けています。

タヌキちゃんは身をよじり、逃れようと試みます。
が、3人掛りで押さえつけられてはどうしようもありません。
一人のネズミの手が、タヌキちゃんのスカートをたくしあげます。

ショーツ越しに見えるのは、バイブを咥えこみ濡れそぼった秘所。
そこから伸びるコードは太腿にベルトで固定されたリモコン受信機に繋がっています。

「うほーがっちり咥えこんでやがる…淫乱狸がよぉ」

タヌキちゃんにもどかしくも切ない快感を与え続けていたバイブ。
その強弱を操作するリモコン送信機は、オオカミさんの手元にあります。
そのはず、でした。

「それ、は…」

ネズミの手にあるのは、オオカミさんが持っているハズの送信機。
どうして、オオカミさんが、お姉さまが持っているはずの送信機が彼らの手に?
決まっています。お姉さまが彼らに渡したのです。

「お姉さまじゃなくて残念だったな?お前を感じさせてやってたのはオレたちだよ」

タヌキちゃんの瞳が見開かれます。それは、驚愕のためだったでしょうか。
自分にこんな仕打ちをしたお姉さまに対し、怒りを感じているのでしょうか?

ネズミの手の中で、カチリ、とスイッチがスライドされます。弱、から強、へ。

「んふっ…!!ん…んんん…!」

バイブからの刺激を性感に変えて、ひくんひくんとタヌキちゃんの身体が痙攣します。
唇をかみしめ、堪えます。勝手にいっちゃダメ、と命令されているのですから。

「イっちゃ、だめ…わたし、は、イか、ない…だめ…んくぅ…!!」

一日中、バイブを咥えこんでいた秘所は、少しの刺激でも達してしまいそう。
でもタヌキちゃんは、背を丸め、唇をかみしめ、必死に絶頂の衝動に耐えます。
169「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:51:34.89 ID:Xt6alr93
「んくっ…!い、ひぅ…あ!あ!んん…!んく…っ!!」

そして、お股を押さえ、身悶えし、快感を抑え込もうとするタヌキちゃんの淫らな様は。
当然、ネズミたちの劣情を激しく刺激してしまうのです。

「も、もういいだろ?そんなもん抜いてよ…!」
「あ、ああ…そうだな…」

スイッチ、オフ。

「かは…っ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ…!」

激しい痙攣がタヌキちゃんの全身を襲います。全身全霊を掛けての、我慢。
それはタヌキちゃんの心身を激しく消耗させていました。
脂汗を垂れ流し、頬を上気させ、荒々しくも艶っぽい吐息を吐くタヌキちゃん。
その様は、ネズミたちにとって、極上の御馳走に見えた事でしょう。。
もはや我慢ならなくなったネズミの手がタヌキちゃんのお股に伸びます。

「だめ…やめ、て」
「安心しな、もっと気持ちよくしてやるんだって」
「だめ、抜かないで…」
「オレのモノよりこんなオモチャがいいってのか?ああ?」

タヌキちゃんは懇願します。なぜなら。


   私の所に戻るまで抜いちゃダメ。
   もちろん、勝手にイくのも禁止。


それが、お姉さまの命令だから。

「どうしてもというなら…」
「ああ?」

   これもお姉さまのお仕置き…
  
   だったら。

「お口で…するから…だから…」
「…え?」







170「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:57:23.80 ID:Xt6alr93
それが、オオカミさんの命令を遵守するため、タヌキちゃんが導き出した方法。
バイブを抜かず、この場を治める、たったひとつの冴えたやりかた。

呆気にとられるネズミたち。思わずタヌキちゃんを押さえつけていた手の力が抜けます。
タヌキちゃんは立ちあがり、穏やかな笑みを浮かべ、ネズミたちに歩み寄ります。

「お、おい…コイツ、なんか変だぞ?」
「で、でもよ…してくれるってんなら、なぁ?」
「あ、ああ…お、おれもう我慢できねぇし…!」

汚らしい陰茎を剥き出しにし、一匹のネズミが一歩前に出ます。
タヌキちゃんが跪き、そのいきり立ったモノにそっと手を添えようとしたその時。

「あんたたち!そこで何してる!!」

ガラリ、とドアが開けはなたれ、薄闇の廃教室に光が差し込みます。
入口に立つのは、ネコ耳の少女と牛のツノを持つ少女。

「きゃっ!?」

股間のモノを剥き出しにしたネズミの姿に思わず悲鳴をあげるくだんちゃん。

「こ、こら!くだんちゃんに汚らしいものを見せるな!」

憤るネコさん。ネズミたちはその様子を呆気にとられた表情で見やります。

「ったく!この学校の男どもと来たら!」

本当にろくなのがいやしない。
まともな男なんて、くだんちゃんのお兄さん…クマさんくらいじゃないの?
いや、別に私はクマさんが好きな訳じゃなくて…私は、くだんちゃん一筋だしっ!

いや、まぁ、それはともかくっ!

「このエロガキども!そこになおりなさい!」
「ネコさん、かっこいい!ステキ!」

勇ましい啖呵を切るネコさんに、キラキラした瞳を、崇拝の眼差しを向けるくだんちゃん。
もちろんいざとなれば、その硬いツノでネコさんを側面援護する準備は万端です。

※ ※ ※
171「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:57:58.00 ID:Xt6alr93
「くそっ!あのアマ…!話が違うじゃねぇか!」

ネコさんの脚技とくだんちゃんの頭突きに完敗したネズミ。
悔し紛れに発した言葉をネコさんは聞き逃しませんでした。
一匹のネズミの胸倉を掴んで問い正します。

「なんのこと!?」
「あ、あいつが…会長が言ったんだ、ここに来ればおいしいエサが…!」

そう、オオカミさんは。
一日中バイブを咥えこんでフラフラになったタヌキちゃんを。自分のペットを。
汚らしいネズミ男たちに、まるでイケニエのように差し出したのです。
くだんちゃんがタヌキちゃんの異変に気付かなければ、ネコさんが駆けつけなければ。
タヌキちゃんはネズミ男たちの慰み者にされる所でした。

「あいつ…なんてことを!!」

ギリっとネコさんの歯が鳴ります。
しかし。

「行かなきゃ…」

タヌキちゃんがふらりと立ち上がり、廊下を目指します。

「ちょ、あんた、どこ行くの!?」
「お姉さまの、所」

タヌキちゃんのその答えに、陶然とした表情に。ネコさんの頭に血が昇ります。

「こんな事されて…!あなた、あの人を許すの?許せるっていうの!?」
「はい」
「なんでよ?一歩間違えたらあんたあいつらに…!」
「ネ、ネコさん…!タヌキさんを責めないで」
「くだんちゃん!だって!おかしいよ、こんなの!」

しかし、タヌキちゃんは。

「私は」

ネコさんの憤りを他所に、真っ直ぐ前を見つめて、きっぱりと言うのです。

「お姉さまが好きなんです」

そして、ゆっくりとオオカミさんの待つ屋上へと向かいます。
ネコさんは、信じられない、という表情で見送ります。見送るしか、ありませんでした。

「私…なんとなく、わかる気がする」
「くだんちゃん…」
「好きな人が望むなら、たとえどんな事でも出来る…って」
「…」
「人を好きになる形って、いろんな形があると思うの。だから…
私たちが、私たちの尺度で測っちゃいけないんじゃない、かな…」
「私には解んないや。ううん、こればっかりは、解りたく、ない」
「ん…ごめんね」
「ばかね、なんで謝るのよ。私に解るのは…あんたが、優しいコだって事だけよ」

※ ※ ※
172「Do you love me?」:2012/09/22(土) 10:58:39.37 ID:Xt6alr93
「お姉さま…お姉さま」

ふらふらとよろめく足取りで。

「私、抜きませんでした。私、イきませんでした」

上気した頬に、勝利者の笑みを浮かべ。

「お姉さまの、仰ったとおり、私…」

タヌキちゃんはオオカミさんの元へ歩み寄ります。
オオカミさんはただ、静かにタヌキちゃんを待ちます。
タヌキちゃんの脚がもつれ、オオカミさんの元へ倒れ込みます。

「貴方…」

無表情だったオオカミさんの顔に、うっすらと笑みが広がります。

「貴方って、コは…」

※ ※ ※

太陽が山の端に落ちました。
明かりの灯っていない廃校舎の一室は真っ暗です。
その暗闇の中、寄り添いあう影がありました。

「私の事、好き?」
「はい、好きです」
「世界全体よりもっと?」
「「はい、好きです」
「私のそばにいるの 好き?」
「「はい、好きです」
「私を見つめるの 好き?」
「「はい、好きです」
「私の事、本当に好き?」
「はい、本当に好きです」
「ねぇ、言ってよ、私の事好きって」
「お姉さまが好きです。大好きです」

飽くことなく。尽きることなく。
二人はいつまでも繰り返します。

いつまでも。いつまでも。






<「Do you love me?」、了>
173 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/22(土) 10:59:20.82 ID:Xt6alr93
以上です。

いまさらレインってのもどうかって話ですが…まぁw
「くだんちゃんスピンオフ」は残り1編。それで最後です。

ではまた。
174150:2012/09/22(土) 14:37:27.59 ID:fBk0gYE/
うおおおおお!
俺得シーンきてるーーーー!ついでにもう一話もーーーー!
さんきゅぅ愛してるぐっじょぶ!!
175名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 15:52:33.32 ID:NgT5GeVl
残り一つと言わずこのまま思いつく限り投下してってもいいんじゃよ?(チラッ
176名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 18:23:12.98 ID:TQFcPbov
ふぅ、両方とも読破。まずはGJ!

くだんちゃんとネコさんのバレーボールは結局、意味ないwww
オオカミさんは幸せになれそうで何より。最後にはバカップルになりそうな
そしてタヌキさんマジ一途
最後のやり取りが至高でした!
177名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 13:31:56.22 ID:PDtu3ySF
>>175
以下同文
178名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 13:53:44.71 ID:JuL37z7M
GJ!
オオカミさんとタヌキちゃんがこれからどうなったのかが気になる

くだんちゃんももう終わると思うと寂しいな
これでラストにしないで気が向いたときでいいからたまに書いてくれればいいのに
179名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 16:28:27.00 ID:6kLALCVc
あんま続けろ続けろ言うのもプレッシャーになるかな?
俺も続けて欲しいけど何度もこれで終わりって言うのは
なにか作者さんにも思うところがあるんだろうな
180 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/23(日) 17:48:50.60 ID:QB0ITl0N
>>178
>オオカミさんとタヌキちゃんがこれからどうなったのかが気になる


オ「別に何も変わらないわ、あのコは私のペット。それだけよ。
  あら、あのウサギ耳のコ、ちょっといいわね。新しいペットにしようかしら(チラッ)」
タ「じーーーー(オオカミさんを見ず、あらぬ方を見やる)」
オ「(むかっ)タヌキちゃん?何をみてるのかしら?」
タ「ご、ごめんなさい、おねえさま…」
オ「貴方は私のペットっていう、自覚が足りないんじゃないかしら?
  貴方は私だけを見てればいいのよ。一体何を見て……カレンダー?」
タ「その、今日は…あの…(真っ赤)」
オ「なんの日だったかしら?事と次第によってはお仕置きよ」
タ「わ、私が、お姉さまのペットになった日、です…」
オ「…」
タ「…」
オ「…」
タ「お、お姉さま?お顔が、赤いです…」
オ「い、いらっしゃい、お仕置き、してあげるから」
タ「えっ…あの…ウサギさんは…いいんですか?」
オ「私に逆らうの?私のお仕置きがイヤだとでも言うつもりかしら?
  私があのウサギの所に行ってもいいっていうの?ねえ、いいの!?」
タ「私は、お姉さまがされたい事を…邪魔なんてしません」
オ「貴方はどうしたいの?どうされたいのかしら?」
タ「お姉さまの…望むままに…」
オ「貴方がどうしたいかって聞いてるの」
オ「私は…いつでも…お姉さまに…(赤くなって俯く)」
オ「私はいま、貴方にお仕置きしたいの、いらっしゃい」
タ「はい…お姉さま」
オ「いっぱい、苛めてあげる」
タ「はい…お仕置き、してください」
オ「お仕置きが好きなのね?苛めてもらうの好きなのね?」
タ「はい…お姉さまが、大好きです」
オ「…」
タ「お姉…さま?」
オ「お黙り…ん…んちゅ…」
タ「ん…おね、さま…ふぁ…ん…」




大体、こんな感じみたいです。
181名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 19:30:07.78 ID:LNlvAhXn
>>180
なんか和んだw
GJ!
182名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 20:24:22.67 ID:da2Kvgun
リクエストしたらなんでもこたえてくれそうな勢いだなw

えーっと、ウサギちゃんの破瓜シーンが見たいです。
お相手はオオカミさんでもメリーさんでも可。
183名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 20:38:14.12 ID:E0pNWRmT
お仕置きなんて口先だけで甘々じゃないですかーやだー
オオカミさんが意外に寂しがりなのがまた素晴らしい
184名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 12:43:20.91 ID:DYxOxMlR
メリーさんはまだキャラが定まってないんで好きなように使っていいんですよ?
上のほうのも単なる妄想ですしw

ただ、羊の毛皮を被ったドSなのは間違いないと思います。
185 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/25(火) 00:32:51.06 ID:XXfiXpMj
>>183
「あの後、クリで5回はイかせてから、“弱”でバイブ突っ込んでイけないまま3時間放置して、
 その後、とろとろになった中を指でぐちゃぐちゃに掻きまわして、あ、後ろも可愛がって、
 もうやめてくださいなんて泣いて懇願するまでイかせ続けてあげたけど、それでも甘々だっていうのかしら?」


と、オオカミさんが仰ってます。あ、それからくだんちゃんから投下のご案内です。


「あ、あの…いつも読んでいただいてありがとうございます。
 皆さん、私のあんなコトやこんなコトまで全部御存じなんです、よね?
 う〜…は、はず、恥ずかしいです…////// えと、あの、2レス程投下です。
 すっごく恥ずかしいけど…み、見てください!(深々と礼)」
186 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/25(火) 00:33:32.47 ID:XXfiXpMj
件「ネ、ネコさんネコさああん、ふえ、ふえぇえぇぇ…!!」
ネ「どうした!?誰だぁ!くだんちゃんを泣かせたのは!?」
件「ち、違うの…嬉しーやら恥ずかしーやら…私、どうしていいか…!」
ネ「ん?なになに?>>175,177,178,179…ですって?」
件「う、嬉しいんだけど、見られるのは…やっぱり恥ずかしいし…」
ネ「人気者だねぇ、くだんちゃん。さすが私の嫁!」
件「えええ!?違うよ、みんなネコさんのファンでしょ?私なんて…!」
ネ「いやいや、くだんちゃんの可愛さがスレの皆さんを魅了してるの」
件「違うもーーー!ネコさんがすっごく素敵だから…!」
ネ「いーや!くだんちゃんの愛らしさが!そしていやらしさが!」
件「違―う!ネコさん!」
ネ「くだんちゃん!」
件「もぉ!ネコさんの解らずや!」
ネ「解って無いのはあんたの方よ!!」
件「もぉ知らない!」
ネ「上等よ!」

それは二人にとって初めてのケンカでした。

※※※

オ「あら、くだんちゃん。どうしたの?」
件「オオカミさん…」
オ「仔猫ちゃんと何かあったんでしょ?顔にかいてあるわ」
件「えええ、うそぉ!?(ごしごしと、顔をこする)」
オ「(面白い子ね…)もう仔猫ちゃんなんて忘れて、私のペットになる?」
タ「お姉さま…」
オ「はぅ!?タヌキちゃん!あ、貴方、いたの!?」
タ「お姉さまはお姉さまがされたい事をなさってください。私はお気になさらず…(スタスタ)」
オ「ちょ!待ちなさい!じゃ、じゃあね、くだんちゃん!仔猫ちゃんと仲良くねっ!」
件「あ、はい、どうも…」

※※※

熊「なにしてんだ?こんなとこで」
件「お兄ちゃん…ライオンさん…」
ラ「くすくす、彼女とケンカでもしたんでしょ?」
件「か!顔に書いてありますか!?(ごしごし)」
ラ「(面白いコ…!)だって、女の子の悩みなんて恋人の事に決まってるでしょ?」
熊「うーん、まぁこいつらの場合、特殊だからなぁ」
ラ「あら?恋の悩みに、相手の性別なんて関係ないでしょ?」
熊「そうかな?俺らには解らない苦労がありそうなもんだけど…」
ラ「一緒よ、一緒。ほら、おねーさんに相談してごらん?何があった?」
件「じ、じつは…カクカクシカジカ…」

………

ラ「あははははは!あーはっはっは!お、おかし…あーっはっは!」
熊「お、おい…」
ラ「だって、くすくす…可愛いんだもん…!あは、は、ひー、くるし…!」
件「もー!ライオンさんのバカぁ!もぉ知らない!(すたすたすた…!)」
熊「あ〜あ、キレちまった(ぽりぽり)」
ラ「クスクス、犬も食わないヤツだもん、平気よ。ほっといてデートの続きしましょ? ウフン」
熊「あ、ああ」
ラ「なーにぃ?彼女より妹の方が気になる?」
熊「い、いや、そういう訳じゃ…」
ラ「優しいお兄ちゃんなのよね〜そういうとこ、好きだけど」
熊「…」
ラ「あら?真っ赤になっちゃった クスクス」
187 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/25(火) 00:34:15.29 ID:XXfiXpMj
※※※

母「お帰りなさい、ネコさんとなにがあったの?」
件「(ごしごしごしごし…!)」
母「顔こすったって意味ないわよぉ?」
件「じゃあなんで解るの!?」
母「だって、ネコさん、来てるもの」
件「ふえぇええぇ!?(ばたばたばたっ!)」
母「あらあら、まぁまぁ」

※※※

件「ネ、ネコさん!」
ネ「ど、どこ行ってたのよぉお!」
件「ご、ごめんなさい!」
ネ「ち、ちがう!あ、謝るのは、私の方…!」
件「…え?」
ネ「ごめん!私が悪かった!反省してるっ!」
件「そ、そんな!ちがうよ!ネコさんは悪くない!」
ネ「私が悪い!とにかく私が悪い!」
件「もぉ!ネコさんの解らずや!」
ネ「なによ!人がせっかく素直に…」

母「はいはい、そこまで。お茶が入りましたよ?」

※※※

件「…おいしい!」
母「ネコさんが持って来てくれたのよー御両親のいらっしゃるお国のお茶なんですって。
  良く出来たお嬢さんね〜すっごく可愛いし、うちのコには勿体無いくらいだわぁ」
ネ「い、いえ!くだんちゃんこそ…私なんかには…過ぎたコで…」
件「ネ、ネコさんってば…///」
ネ「だから…このままでいいのかな…って、良くないんじゃないかなって、思うん、です」
件「ネコ、さん…?」
ネ「くだんちゃんみたいな、可愛くって優しいコが…わたし、なんかと一緒で」
件「な、なに、言って…」
ネ「男の子と恋をして、お母さんみたいに家庭を持った方がいいんじゃないかって」
件「ネコ、さん…あ、あの…え、えと…(おろおろおろおろ…)」
ネ「…みたいな展開をやるしかなくなるじゃないですか?続けるなら、やっぱ」
件「え?」
ネ「もーね、ネタ尽きてるんですよ、作者も。そりゃーたまにね、
ただ二人でイチャコラしてるだけのSSなら投下できなくもないでしょうけど」
件「あのーネコさん?」
ネ「それにね、なんか色々新しいキャラも考えてるみたいだし。他のも書きたいんだって。
だから…

だから、くだんちゃん。やっぱり私たち、終わりにしよう」

件「そ、その言い方はイヤーーーー(えぐえぐ)!!!!」
ネ「ご、ごめんごめん!いや、離さないよ?絶対。別れる気なんてないもん」
件「わた!私、だって…ネコさんと、ずっと一緒がいい…!」
ネ「当り前でしょ?あんたは、私の嫁なんだからね」
件「ネコさん…」
ネ「くだんちゃん…」
母「まぁまぁ仲良しねぇ、雨降って地固まるってやつかしら?(くすくす)」

そして…

< くだんちゃんスピンオフ!その4「あれから…」に続く >
188名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 06:44:53.91 ID:20oK28MT
名残惜しいけど続けられないならむしろ無事に終わることを喜ばなきゃな・・・
ただ、イチャイチャするだけの話でも書きたくなったらいくらでも書いていいと思いますw
189名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 08:52:37.13 ID:6tYDPLTc
ssで返答とは粋だね、オツだね


イチャコラしてるだけのssぜひお願いします
ライオンさんのスペックも知りたいなあ
もちろんその前にスピンオフその4楽しみれす
190名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 11:06:11.76 ID:zggdD7IA
ssで返答とは流石ですね
確かに名残惜しくはありますが、また何か書いて頂けるのであればありがたいことこの上ないです
グダグダするよりキリよく終わった方がいいですしね
191 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/26(水) 12:20:54.82 ID:lcBSaRl9
前スレと本スレに投下させていただいた「牛頭人身少女くだんちゃん」、
これまでのお話はこちら> http://renaisim.x.fc2.com/index.html
そのスピンオフ編、最終話を投下させていただきます。

くだんちゃんスピンオフ!その4「あれから…」

9レス分です。
頭にケモ耳を持つ人達が暮らす世界の、とある街の、とある学校。
季節は初冬。冷たい風が吹いています。

「うわー!懐かしい…!」

談笑しながら校内を歩く、ケモ耳の美女とツノのある美女。
どうやらこの二人、この学校の卒業生のようです。

「あ…新しい校舎、建ったんだ」

そこには、真新しい校舎が立っていました。
老朽化し、すでに使われていなかった校舎が取り壊されたのは数年前の事でした。
二人の年齢からして、まだその廃校舎があったころの事を知っているのでしょう。

「ここはずいぶん変わっちゃったね」
「ま、ここでは色々あったし、ね?」
「や、やだ、もう…///」

何故か真っ赤に頬を染める、年の頃22〜23歳と思しき美女。
艶やかな黒い濡れ髪はうなじの辺りで短く切り添えられています。
ぷっくらとした唇、柔らかい光を湛えた瞳は、少し垂れ眼がち。
肉感的で、母性を感じさせる落ち着いた雰囲気の女性でした。
頭にはケモ耳がありません。代わりに牛のツノが生えています。
が、そんな些細な事より、特筆すべきは彼女のプロポーションでした。

控え目に言っても、巨乳、でした。爆乳と言っても過言ではありません。
内側からセーターをこんもりと持ち上げ、その存在をあからさまに誇示しています。

そしてその傍らに寄り添うのは。
からかうような光を釣り目がちの眼に宿した、スレンダー美女。
決して巨乳とは言えませんが、バランスの取れたしなやかな肢体。
まるでファンションモデルかアスリートかと言った趣でした。
実際、そういった身体を使う仕事にでもついているのでしょう。
立ち居振る舞いが実にスマートで、堂々としていました。
ネコ科のケモノを連想させるその美女の頭部には、可愛いネコ耳がありました。

この二人、ひとまず爆乳さんとネコ耳さん…とでもお呼びしましょうか。

「あいっかわらずネーミングセンス、ゼロね」
「くすくす」

むっ。

地の文に突っ込みを入れるとは、ネコ耳さんは存外性格が悪いようです。
地の文に突っ込みを入れるなんて、作者に逆らう行為です。
それはつまり神に逆らうも同然という事を解ってませんね。

ここはお仕置きです。

ぴゅぅと冷たい風が二人に吹きつけます。
作者たるもの、この程度は朝飯前です。

「うう…!」

犬は喜び庭駆けまわりますが、ネコはこたつで丸くなるものです。
ネコ耳さんもやはり寒さに弱いようですね。ふっふっふ。

ざまあみろw
でも、ネコ耳さんがぶるるっ!と震えたのを、爆乳さんは見逃しませんでした。

「寒いの?」
「ん、ちょっとね」

強がりです。かなり寒いはずです。気温もさらに下げましたから。

「う、ううう…!」
「はい」

爆乳さん、自分の巻いていた長いマフラーをほどきました。
その半分をネコ耳さんの首に掛けてあげました。

…ちっ。

「もう…まったく、世話女房なんだから」

ネコ耳さん、口ではそんな事をいいますが、マフラーをほどこうとはしません。
頬が赤いのも、どうやら寒さのせいだけではないようです。
どうやら外面はツンツンですが、内心は爆乳さんにデレデレのようです。

マフラーで繋がった二人。
爆乳さんの手が、そっとネコ耳さんの手に触れます。
ネコ耳さんはそれに応え、二人の手と手が繋がります。

「うん。だって私、あなたの嫁、だもの」
「…バカ」
「そろそろ帰ろ?大事な“ダンナ様”が風邪引いちゃったら大変」
「…バカ ////」
「はいはい、あ、夕飯はお魚でいい?お浸しと煮物もいる?」
「いいわねぇ。やっぱここは日本酒ね。付き合いなさいよ」
「お酒、ちょっと控えた方がいいんじゃないかなぁ」
「また奥さんぶるぅ。いいじゃん。だってさ、この前もさ…」
「この前…?ああああああああああああああああああ!」
「あんた酔っぱらうとさぁ…変なスイッチ入るよね?」
「い、言わないでぇ!もおおお!バカバカバカバカぁ!」
「だって可愛いかったんだもん(くすくす)」
「もお!知らない!」

もちろん、爆乳さんはネコ耳さんの誘いを断ったりはしませんし、
「可愛い」なんて言われて嬉しくないわけもないんですけど、ね。

だって。

「ほら、くだんちゃん、帰るよ」
「あん、待ってよ、ネコさん」

くだんちゃんとネコさんは。

二人は今も、変わることなくラブラブなんですから。


※ ※ ※
実は近々、二人は生まれ育ったこの街を離れようとしています。
学生時代、色々ありましたし、女の子同士だと風当たりも強いものですから。
そこで久しぶりに、二人が出会った思い出の場所を巡っていたのです。

「もう、どこでだってやってける自信がついたから、ね」
「私だって…ネコさんと一緒なら、どこだって」

くすくすと笑顔を交わし合い、腕をくんで。

「どこだって、ついていくんだから」
「あ、ほら!くだんちゃん…この公園!」
「あぅ!?あうあうあう…///」
「懐かしいなぁ!初めては、ここでだったっけ」
「あ、あのその、あうあう///」

などと思い出話に興じながら、家路を辿ります。
暮れなずむ街の光と影の中、二人の、愛の巣へと。


※ ※ ※


「ほら、もっとちゃんと食べなきゃ…あ、ご飯粒ついてる」
「あんたは食べた分が胸になるからいーけど、私はお腹につくの!」
「そんなぁ!こここ、こんなになっちゃったのはネコさんのせい…」
「は?ああ、揉まれると大きくなるって?だから私のせい?」
「そ、そうよ!ネ、ネコさんがいっぱい…その、も、揉むから…」
「そーか、そーか、迷惑だったか。じゃあもう揉んでやらない」
「そ、それはダメッ!!ぜ、絶対、ダメ!!」
「はい?なんだってえ?(ニヤリ)」
「はっ!?は、はうぅ///(赤面)」
「あ、それから」
「な、なに?」
「揉まれると大きくなるって、それ、迷信だから」
「ええええええええええええ?そ、そうなの!?」


※ ※ ※


ネコさんは辛口の日本酒がお好きなようです。
「獺祭」の500ml瓶が2本、転がっています。
うち1/3程がくだんちゃんのお腹に消えました。

ちなみに「獺祭」は、山田錦を使った山口産のお酒です。
特に純米大吟醸は米の磨き歩合23%というぜいたくさ。
作者のお気に入りでもあります。はっきり言ってお薦めです。

「ネコさんネコさん、チューしてい〜い?」
「お、おう」

お酒を聞し召して、いい気分になってしまったくだんちゃんは、
普段より5割増しくらい積極的かつエッチになってしまうのです。
「んふ…ネコ、さん」
「あ…あんっ…!」
「いやぁん!ネコさん、可愛い!」
「バ、バカ!は…んんっ!」

くだんちゃんのキスに身もだえしながら、ネコさんは思います。

(普段の、恥ずかしがっておどおどするくだんちゃんも可愛いんだけど!
(でも…たまに積極的に責められるのも、これは、これでっ…!

和食大好きでもたまには洋食も食べたい、と。なるほど。
そして、くだんちゃんの方は、と言うと。

(お酒が入ると普段出来ない事も出来るから…ちょっと楽しいな。

どうやら完全に理性を失っている訳では無いようですね。
そう、お酒は人生のスパイス、エッチの潤滑剤、なのです。

いつもとちょっと違う自分。
いつもとちょっと違うプレイ。

これもまた、長くお付き合いを続ける上で大事な事なのです。


※ ※ ※


  まるで暖かいお湯の中を漂っているみたい。
  ふつふつと身体の奥から暖かいのは、お酒のせい?
  それとも…貴方への想いが溢れてくるせいかしら?

  そんなのどうでもいい事ね。

  貴方と一緒なら。貴方と愛し合えるなら。

  それだけで、もう十分。


※ ※ ※
…ネコさんは私の感じるトコなんて全部解ってるって言うけれど。
私だって、ネコさんの好きな所、ちゃんと全部知ってる。

ネコさん曰く「ネコさんの嫁」ですから、私。

ほら、ここを、こうして…こうする、と(うふ、詳細はヒ・ミ・ツ)…
ネコさんの眼があっという間に、とろんってしてきちゃうの。

「ネコさん…気持ちいい?」
「う、うん…いいよ」

平静を装おうとするけれど、その声は震えてて。

いっつもそうなんだから。

虚勢を張ってはいるけれど、人一倍繊細なくせに。
人一倍傷付きやすくて、人一倍感じやすくて。

ねぇ、ネコさん。
いつも一人で苦しまないで。一人で抱え込まないで。
いつも無理ばっかりしてるから心配になっちゃうの。

時には甘えて欲しいな。

私に出来ることなんて、たいしてないけれど。
一緒にいることだけは出来るから。


私は、ずっと、貴方の傍にいるから。


「んは!あ!そ、それ…だめ!あ!あ!」
「どうして、ダメなの?」
「あ、あんたバカ!?か、感じ、感じ、すぎちゃう、からっ!」
「うん。ネコさんの事、いっぱい感じさせたいの」
「や…やだって、ばぁ!んは!はぁああ!!あああああ!」
「好き、好き、好き。ネコさん、大好き大好き大好き」
「あ!あ!あ!あ!ああああ!ああああ!あああああああ!」

好きって言葉を唇に載せて、キスの雨を降らせるの。
ネコさん、私が好きって言うと感じてくれるの。
これも一種の言葉責め…なのかな?よくわかんない、けど。

いっぱい、感じて。
いっぱい、気持ちよくなって。

いつも私の事、いっぱい可愛がってくれる、素敵な“ダンナ様”

「そんなっ…はげし…すぎっ…!ふあ…あ!あ!あ!ああああああ!!」

中に入れた指をお臍側にくいっと曲げて…と。そう、ここ。
ネコさんはここが好きなの。ここを優しく撫でるようにすると…

「ひあああああ!だ、ちょ、だ…あ!あああああ!あ・あ・あ・ああああ!!」

ネコ耳振り乱して感じちゃうの。すっごく、素敵に可愛いの。

「やあああああ!いく…いっちゃ、う…ふあああああああああ…!!!!」
※ ※ ※


はい、くだんちゃんのターン、終了。

攻守交代です。


※ ※ ※
…まったく、くだんちゃんったら。
いつも受け身のくせに、たまにスイッチが入った時は超情熱的なんだから。

でもね。

このネコさんが、責められっぱなしで終わるわけ、ないでしょ?(ニヤリ)

「ん、もぉ〜ネコさんってば、おっぱい星人なんだからっ!」
「なによぉ、こんな風にされるの、いやなの?」
「んくっ…!そ、そんな訳…ないの…んんっ!知ってる、くせにぃ!!」
「あは、ホント苛めがいあるねぇ〜んちゅ…んっ…」
「ふああああ!あ!あ…んっ!!やぁ…そ、それ…っ!んんーーー!!」

おっぱい星人と笑わば笑え。私はくだんちゃんの豊満な胸が、大好き。
大好きだけど…道を歩いてると、男どもが皆、見てくのよね。

それが腹立たしい。
これは、私のモノ。私だけのモノなのに。

くだんちゃんは私のペットで、恋人で、嫁。誰にも渡さない。

それに、ね。

彼女、私以外じゃ、気持ちよくなれないんだからね。
私だけが、彼女を気持ちよくしてあげられるんだから。

「あは…とろっとろ…ね?どうして、欲しい?」
「や、やあ…そんな…んん…っ…!!」
「ほら、ちゃんとおねだりしなきゃ…止めちゃうよ?」
「お、おく…ちで…して」
「はい?」
「ネ、ネコさんのお口と…舌で…私の…可愛がって、欲しい、の…」
「お、おう」

あーもーなに、このコ。萌え死ぬ。いっそ殺して。
貴方になら、殺されたっていい。

「ホントにやらしいったら、もう…」
「んひぅ…!あ!あ!あ!そ、それぇ…!!それ、いい、のぉ!」

どっちかって言うとクリ派、なのよね、くだんちゃん。
ちょっぴり小粒で、すっごく感じやすい、素敵なクリトリス。
舌先でつついて、転がして。そんでもって唇で皮ごと包んでもにゅもにゅもにゅ。

「ひん!あひぅ!んはあ!あ!あ!あぅうううううううう…!!」

ほうら、あっと言う間に昇天。でもね。

「あひぃ!ひや!ひやらぁ!いっちゃ、いっちゃ、た、から!」

だから。このネコさんがやられっぱなしで終わる訳、ないでしょ?倍返しが基本、よ。

「らめぇ!また、いく…っ!いっちゃ…!う!あ!ああああああああああああ…!!」


※ ※ ※
荒い息をつきながら、くだんちゃんはもぞもぞと身体を動かします。

「も、もぉ…ネコさん、たら…ふぅふぅ…はぁはぁ」

何度も何度も立て続けにイかされて、この上まだ何をしようというのでしょう?

「おか、えし…する、も…」
「いや、あの、ちょ…く、くだんちゃん?」

くだんちゃん、ネコさんに“お返し”するつもりのようですが…
一生懸命身体を入れ替えて、挙句に出来上がった体勢は。

「…で?もっとして欲しいって事、かしら?」

どう見ても、6と9、でした。

「ちがう、の…私が、ネコさんにおかえし…ひゃうん!?」

眼の前にくだんちゃんの、愛しい人の愛しいアソコがあるのに、
あのネコさんが黙って見ているだけなんて訳がありません。

「ほら…んちゅ…お返し、してくれるん…ちゅぶ…でしょ?」
「す、する…んはあ!おかえし、する…んん…ちゅ…んちゅ」
「んはぁ…い、いいよ…気持ち、いい…んん!ちゅ…ちゅ…」
「ネコさん…んちゅ…ネコ、さん!はぁ…ちゅっちゅっ…」
「くだん、ちゃ…んちゅ…ちゅく…んはぁ…ちゅ…ぬちゅ…」


  絡み合い、縺れ合い、ひとつに溶けあうまで。


  唾液と愛液と、香しい汗と歓喜の涙が混じり合い、


  どこからが相手か、どこまでが自分か解らなくなるまで。


  求めあい、貪りあい、与えない、捧げあう。


「あ…い、いい…イク…いっちゃ…う…!」
「んはぁ…!うん、一緒に、ねぇ一緒に…」
「うん、一緒に、イク…の…んはぁ…あ!あ!」
「んくぅ…!あ!あ!あ!」


  そう、どこまでも一緒に。


「い、く…!」
「んん…!」


「「んああああああああああああああ…!!!!!」」
※ ※ ※

さてさて。
事が済んだら、お次はピロートーク。

ベッドの中で、お互いの温もりを感じ。
肌と肌を触れ合わせ、硬く手を繋ぎ合い。
時には、軽く口づけを交わしながら。

これもまた、円満な夫婦(?)生活を送るための重要ポイントです。
決して終わるなりタバコを吹かしたり、すぐに寝ちゃったりしちゃいけませんよ?

※ ※ ※

くだんちゃんがちょっぴり真剣な顔で切り出します。

「やっぱりちょっと、緊張する」
「知らない土地に行くのが?うちの両親に会うのが?」
「どっちかと言うと…ご両輪の方、かな?」
「大丈夫だってば。ちゃんと理解してくれてるから」
「うん。それでも、ね。まずはちゃんとご挨拶して…」
「ほぅ、なんて言うつもり?」
「はじめまして、私、ネコさんの恋人です…って」
「あんた、言うようになったわね」

ネコさん、真っ赤ですよ?

「ネコさんが大好きです。愛してます。ずっと一緒にいたいです」
「わ、解った解った!解ったから!まだ酔ってんのあんた!?」
「ううん?もうさめた。ネコさん、大好き」
「あんた私の事、萌え殺すつもり!?」
「えへへ」


ネコさんに出会って、くだんちゃんは変わりました。


ツノの事でぐじぐじ思い悩んでいた、気弱な女の子はもういません。
はっきり自分の意見を言えるようになったし、おっぱいも大きくなりました。

「むむむむむむ、胸は!胸は関係ないんじゃないかなぁ!?」

恥ずかしがり屋さんな所は、あまり変わってないようですけど。

でも、まぁ、とにかく。




きっと二人は、いつまでも、ずっと一緒です。




<Happy End>
201 ◆7BaqS26D87fW :2012/09/26(水) 12:33:44.67 ID:lcBSaRl9
最後までお付き合い下さった方、ありがとうございました。
くだんちゃんとネコさんのお話は、これにて終了です。


終了、ですが。

くだんちゃんとネコさんのイチャラブ”だけ”のネタは無い訳じゃないので
もし望んでいただけるなら、逐次投下させていただきたいと思っています。

その場合、本編完結後、スピンオフ以前の時系列になる予定です。

併せて、別の百合カップルのお話も投下させていただければと思っています。
他の百合作家さんも来てほしいなぁ、及ばずながら呼び水になれればいいのですが。

では、また来ます、来させて下さい。お願いしますm(_ _)m

ノシ
202名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 18:49:50.28 ID:JQvhnwz3
ハッピーエンドきたーーー!

乙でした、相変わらずほんわかするわあ
いちゃラブシリーズ開幕宣言も嬉しい!

たまにでいいんでずっと続けて下さいお願いします!
203名無しさん@ピンキー:2012/09/27(木) 10:07:24.76 ID:K6yrinhh
GJ!ほんまに毎回ニヤニヤさせてもらって楽しませてもらいましたw
イチャラブや別カップル楽しみにしてます。



ちょっとだけ前に出てたメリーさんとうさぎさんが気になるなぁなんて言ってみる。
204名無しさん@ピンキー:2012/09/27(木) 13:47:49.70 ID:H2CxEggD
そういや羊にも角あるな
205名無しさん@ピンキー:2012/09/28(金) 07:47:14.51 ID:IZc/gWGE
羊やヤギの舌はざらざらしてて足の裏に塩を塗ると
永遠に舐め続けるからだんだん足の裏が削れて骨まで見える拷問があるらしい。
206名無しさん@ピンキー:2012/10/07(日) 10:29:37.09 ID:0rhdvFxi
激甘の百合が読みたい。
207名無しさん@ピンキー:2012/10/07(日) 19:19:50.89 ID:/8PCUaTw
静かだなあ
208名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 17:14:38.35 ID:ViB8r2K+
お互いツンデレな百合カップル…。
209流れSS書き ◆63./UvvAX. :2012/10/12(金) 01:50:48.89 ID:5W4o4a9r
ちと刺激されたので通りすがりの投下です。
保守代わりだと思ってくだせぇw
210流れSS書き ◆63./UvvAX. :2012/10/12(金) 01:52:09.33 ID:5W4o4a9r
朝、駅前
あ「あ……」
ゆ「あらあら、約束の時間は何時だって? 30分も前に来るって、どんだけ楽しみにしてるのよ、もぉ……」
あ「そ、それを言うならユキは何時に来たのよ! もしかして家でジッとしていられなかったとか?」
ゆ「ちちち違うわよ! アキがヘラヘラと「こんなに早く来る私って健気な子」とか照れながらスキップする様が見たかっただけで」
あ「ふ〜〜〜ん?」
ゆ「ななな何よ!」
あ「そのブラウス、おろしたて? しかもリップと……スンスン、シャンプーまで変えてるよね?」
ゆ「っ!!」
あ「うんうん、皆まで言わなくてもわかってるよ〜? あ〜可愛い可愛い、今日のユキは本当に可愛いなぁ〜?」
ゆ「〜〜〜〜〜っ!!!」
あ「あはは、赤くなった〜! ほんと、ユキは純じょ」
ゆ「…………アキのイヤリングも、可愛い……よ?」
あ「え? あ……!」
ゆ「いまさら隠さなくても良いでしょ? 私のとお揃いの……自分で探したんだ?」
あ「たたっ、たまたまだから! 安かったし色もブラウスと合うかなって思っただけだからっ!」
ゆ「うふふ、アキだって真っ赤じゃない。じゃあ、せっかくお揃いを付けてきてくれたしアキのために私も換えちゃおっと」
あ「あ、持ってきてたんだ」
ゆ「だって、この前気にしてたでしょ? だから一応にって、ね?」
あ「そ、そんなことイチイチ覚えてるなんてバッカじゃないの? 偶然だって言ってるのに!」
ゆ「でも嬉しいよね? 顔に書いてあるよ?」
あ「か、書いてないっ! ニヤニヤしてるのはユキの方っ!」
ゆ「意地張ってないで素直に認めなさいよ! だいたい好きって言ってきたのはアキの方じゃない!」
あ「好き、なんて言ってないもん! それを言うなら好き好き光線出しまくりだったのはユキの方じゃん!」
ゆ「いいえ、前々から構ってオーラを放ってたアキの方です!」 
あ「何よ!?」
ゆ「何よ!!」

通行人「ヒソヒソヒソヒソ」

ゆ「……なんだか、目立ってるみたいね私達……」
あ「ま、周りの視線が生暖かくて……そろそろ行こうか?」
ゆ「そうね……」
211流れSS書き ◆63./UvvAX. :2012/10/12(金) 01:53:48.46 ID:5W4o4a9r
昼、喫茶店
あ「あ〜あ、ほんとにフリフリのが好きんだねユキは」
ゆ「うぐ……」
あ「しかも白とかピンクとか、どんだけ少女趣味なのよ?」
ゆ「……アキだって、本当は可愛いのが好きな癖に!」
あ「は? 誰が……」
ゆ「でも汗かいたら着替えないといけないし、可愛い系の付けてるの他の子に見られるのが恥ずかしいんだよね?」
あ「ちっ、違」
ゆ「でも私は笑ったりしないから大丈夫だよ? よく似合ってるよ可愛いよって褒めてあげるし」
あ「あ、あたしはユキが好きそうだから合わせてるだけだし! あたしが付けてるトコ見たいんでしょユキは!?」
ゆ「それはアキの方じゃない! 一緒のを付けて一緒に歩いてるって想像だけで乳首立ててるくせに!」
あ「たたた立ててませんっ! ユキみたいに濡らしながら脱がす前に頬摺りしたりしないしっ!!」
ゆ「それを言ったらアキだって上から舐めたり吸ったりするじゃない! あと擦り合わせるのも好きでしょ!?」
あ「あああアレはユキが抱きついて離れないから剥がそうとしてるだけっ! 脱ぐ前から激しいって、どんだけ食い意地張ってるのよ!」
ゆ「食いしん坊はアキの方ですっ! いつもドアを閉めたら直ぐ始めようとするじゃない!」
あ「だって何着も試して見せっこした後なんだから、しょうがないじゃん! しかもユキがお揃いのが見つかるまで諦めないし!」
ゆ「ならアキは私が知らないの付けてたり他の子と同じの付けてたりしても平気なのっ!?」
あ「論点はそこじゃないでしょ! それに一緒は嫌だなんて一言も言ってないし!」
ゆ「じゃあ怒ることないじゃない! ちゃんとアキの好みに合わせてフロントホックじゃないのにしたのに!」
あ「怒ってないもん!」
ゆ「いいえ怒ってますっ!
あ「怒ってないったら怒ってないっ!!」
ゆ「絶対にっ、怒ってる!」
あ「だから全然っ、怒ってな」

店員「あの、お客様。あまり大きな声を出されますと他のお客様のご迷惑に……」

あ・ゆ「「す、すいません……」」
212流れSS書き ◆63./UvvAX. :2012/10/12(金) 01:58:00.73 ID:5W4o4a9r
夜、帰り道
あ「えへへっ、今日はあたしの勝ちだね?」
ゆ「何言ってるの、私の勝ちに決まってるでしょ? あんなに大きな声でビクビクってしておいて」
あ「それは最初だけじゃん。ユキは最後にキュウキュウ締め付けてきたよね?」
ゆ「あ、あれはアキが激しくするから……そう、わざと力を入れただけなの! アキなんて最後はお潮吹いてたじゃない!」
あ「それを言うなら、あたしにオシ……飲ませたじゃん! あれで負けてないなんて、意地っ張りにも程があるよ!?」
ゆ「あれはアキが口いっぱいに頬張るからで、無理に飲ませた訳じゃないでしょ! しかも飲んだ後にキスとか信じられない!」
あ「ユキだってあたしの吹いたのを飲んだんだし、おあいこじゃない! それに先に舌を入れてきたのはユキの方なんだから!」
ゆ「それは……あ、アキにも自分の出したモノの味を教えてやろうと思っただけ! 他の意味なんてないのっ!」
あ「嘘ばっかり! 一生懸命飲んだから褒めてくださいって、顔に書いてあったんだから!」
ゆ「なななっ!?」
あ「ほら図星じゃん? ほんと、ユキの方がお姉さんなのにすっごい甘えん坊だよね!?」
ゆ「それを言うならアキだって! 飲んでくれて嬉しいって顔に書いてあったんだから!!」
あ「そそそそんな事は全くこれっぽっちも全然思ってないっ! ユキの意地っ張り!」
ゆ「私が意地っ張りならアキは天の邪鬼の強情さんよね!? いい加減に素直になれば良いのに!!」
あ「そんなに幼稚じゃないっての! 好きな子に意地悪して気を引こうとする子供と一緒にしないでくれる!?」
ゆ「私はそこまで言ってないけどっ! 自覚があるなら直せば!?」
あ「ユキにだけ言われたくない! そんなに意地張ってばっかだと、あたし以外の誰にも好きになってもらえないんだから!」
ゆ「アキみたいに面倒臭い女の子だって、私以外の引き取り手なんて一生現れないと思うけどっ!」
あ「なによ〜!?」
ゆ「なんですって〜!?」

ゆ・あ「「うぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

ゆ「…………………………………………はぁ」
あ「…………………………………………ふぅ」
ゆ「なんか疲れちゃった。もう遅いし決着は次ってことにしない?」
あ「そだね、遅れたらお母さんウルサイし」
ゆ「じゃあ次は来週ね。今度はアキがぐうの音も出せなくなる位にビクビクさせてやるんだから!」
あ「こっちこそ、ユキが悲鳴を上げるくらい徹底的に攻めてあげるんだから覚悟してよねっ!」
ゆ「なによ! じゃあ今度はアキが脱水症状になるまでピュッピュさせてあげるから覚えてなさい!!」
あ「ユキこそ、思いっきりお漏らしさせてやるから絶対に逃げないでよ!?」
ゆ「じゃあ、また明日ね! ちゃんと宿題しなさいよ!」
あ「そっちこそ、ちゃんと起きないとベッドから蹴落としてやるんだから!」
ゆ「それじゃ、おやすみなさい。イ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
あ「うん、ばいばい。べ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
(ばたん)
(ばたん)
ゆ・あ「「ただいま〜〜〜〜っ!」」
213流れSS書き ◆63./UvvAX. :2012/10/12(金) 01:59:23.95 ID:5W4o4a9r
以上っす
では、次のネタを求めて浮遊の旅(?)に出ます〜
214名無しさん@ピンキー:2012/10/12(金) 04:21:05.68 ID:cY4KRbNR
お汁粉か何か?(すっとぼけ)
アキちゃんもユキちゃんも似た者同士で可愛いなあ
乙です、二重の意味で
215アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:18:29.62 ID:Rgn+2ZYc
>>210-213
GJです!プレイ詳細も見たかった…!

以下、投下です。全4話の予定。えっちぃシーンは2話目からで、今回はナシm(_ _)m
216アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:19:03.36 ID:Rgn+2ZYc
アンビバレンツな彼女/起

【アンビバレンツ】
 愛情と憎悪、独立と依存…というように、
 全く正反対の感情を同時に持つ心理状態の事。

※ ※ ※

夏の日差しが降り注ぐ中。
コートを走り回り、ラケットを振るう汗みずくのあたし達。
彼女が打ち、あたしが打ち返し、また彼女が返す。延々と続くラリー。

それは他の何者にも冒される事のない、あたし達だけの時間と空間。
けれどその時間は、いつも長くは続かない。主にあたしの側の問題で。

彼女はまるで背中に羽根があるかのように、軽やかに舞う。
あたしが必勝を期して打ち込んだボールに易々と追いつく。

「…くっ!」

あたしは必死で食らいつく。
いいように振り回されている。
翻弄されているのが、解る。

そして、かりそめの均衡は突然、破られる。
やっぱり、あたしは彼女に敵わないまま、また夏が終わる。

※ ※ ※

競技場の薄暗い廊下で、あたし達は対峙する。

「来年こそ、勝つわ」
「まぁ無理やろうけど」

彼女はそう言って不敵な笑みを向ける。

真っ黒に日焼けした肌の中で輝く、まっすぐな瞳と白い歯。
うなじの上で無造作に切りそろえられた男の子みたいなショートボブ。
汗に濡れた髪は、けれど、くせっ毛なのか四方八方にはねている。
身長は彼女の方が少し低い。が、そこに漂うのは王者の風格。

あたしは思わず眼を細める。彼女が、とても眩しくて。
けど、そんな想いを押し殺して、あたしは冗談めかして言う。

「その過信が命取りよ。友よ、また来年会おう!」
「あんたとウチ、別に友達ちゃう」
「強敵と書いて”とも”と読むのよ、ジャンプ的なアレ?」
「知らん」

なんて愛想のない。そこだけは、やっぱ少しムカツク。

「でも、ま…」

なぜそこで頬を赤らめる、強敵(とも)よ。

217アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:19:45.64 ID:Rgn+2ZYc
「強いて言うなら…ライバル、やな」
「ほう?一応認めてくれてるんだ、あたし、あんたに勝ったことないのに」
「あそこまでウチとやりあえるんは、あんただけやからな」

傲岸不遜を絵に描いたような態度。
でも確かに、彼女はそれが許される程に、強い。

「来年が最後の夏ね」
「…」
「今度こそ、勝つわ」
「…」
「ちょっとぉ!ライバルの勝利宣言に返す言葉は?」
「…吠え面かかせたるから楽しみにしとき」

そうこなくちゃ、ね、
あなたがそういう言い方しかしないって事は解ってる。
あなたは王者、向かう所敵なし、常勝のチャンプなんだから。

王者は、弱者に媚びる必要なんか無い。
傲岸不遜に、ふてぶてしくあればいい。

彼女は、あたしがそうあって欲しいと願うそのままに、
王者の風格を漂わせて、あたしに相対している。

そんなあなただから、あたしは、追いつきたい。
そんなあなただから、あたしは、打ち負かしたい。

そんなあなただから、あたしは。

あなたの隣に立てるあたしになりたい。

「ま、とにかく」
「ほな、またな」
「じゃあね」

ぱぁん!と、薄暗い廊下に響く音。
同時に両手を高く掲げ、掌と掌を打ち合わせ。
そして、あたしたちは別々の方向へ歩き出す。

お互い、後ろを振り返る事もせずに。

※ ※ ※
218アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:20:26.90 ID:Rgn+2ZYc
軽やかにコートを舞う彼女は、あたしの憧れだった。

もちろん、そんな事、口が裂けても言わないけど。
あたしは意地っ張りなのだ。

違う街で、違う生活を送っていても、彼女は常にあたしと共にあった。
彼女に追いつきたい。その一念で、あたしはテニスを続けてきた。

彼女に勝つ事、それだけが目標。

そうすれば、彼女のもっと近くに行ける。
同じ地平に立ち、同じ景色を見る事が出来る。

彼女の隣に立つ事ができるのは、彼女と相応の実力を持つ者だけなのだから。

そんなのは、あたしの一方的な思い込み?かも知れない。
でも、そう思い込んでしまったのだから仕方ない。

あたしは意地っ張りなのだ。だから。

彼女に追いつくために。近づくために。隣に立つために。
あたしは次の一年を、これまで以上の熱意を込めて打ちこんだ。

そして、再び夏が来る。

最後の、夏が。

※ ※ ※

互角の勝負。

誰もが、そう思ってくれるだろう。ポイントも拮抗していた。

彼女がサーブを放ち、あたしが受ける。繰り返し、繰り返し。
至福の時間。コートには、彼女とあたしだけ。二人の間をボールが繋ぐ。

あたしが返し、また彼女が返す。
この時間が、ずっと続いてもいいとさえ思えた。

でも。

その均衡を破ったのは、あたしだった。

彼女が振ったラケットの脇をボールがすり抜けた。
呆気にとられた彼女の表情、きっとあたしも、同じ顔をしてる。

「ゲーム セット アンド マッチ ウォン バイ…!」

コールされたのは、あたしの名。
初めての、それは勝利だった。

※ ※ ※
219アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:21:08.08 ID:Rgn+2ZYc
「やっと、追いついた」

やっと胸を張って、あなたの隣に立つ事が出来る。
美しき王者の、玉座の隣に、あたしは立つ資格を得たのだ。

「ふん、まぐれ勝ちでいい気にならんといて」

その声が、震えていた。

身長はあたしの方が高い。にも関わらず、彼女はいつも大きく見えた。
なのに、いまの彼女は、まるで捨てられた子犬のようだった。

やめてよ。

あなたはいつも、傲岸不遜を地で行く王者でいてくれなきゃ。
あなたを目指して、追いかけてきた甲斐がないじゃない。

あたしは、だから、冗談めかしてこう言い放つ。

「言うわね、あたしに負けたのがそんなに悔しい?」
「悔しなんか…な…」

そして、彼女の眼から溢れる大粒の涙、一粒。

「く、くやしなんか、くやしい事なんか、ない…!」
「ちょ、ちょっと…!な、何も_泣かなくったって…!」
「泣いてへん!なんでウチが泣かなあかんのっ!」

思いっきり涙声で、大粒の涙をぼろぼろ溢しながら言われても。

「悔しくないならなんだってのよ!もー!」
「さ…!」
「さ?」
「さびし…」

寂しい?何?なんなの?

「こ、これで終わりや、思たら…さびし、やんか!
 もう…おしまいや、おもたら…!も、もう…!
 あんたと、会えへんようになる、おもた、ら…!」

堰を切ったように、溢れる感情の奔流。
初めて知る、彼女の…あたしへの想い。

一年に一度だけの、逢瀬。
コートの中のあたしたちだけの時間。
それが終わる。だから…寂しい?

「あんた、まさか…」
「うるさい!悪いか!けど!けど…!す…」

消え入りそうな声で、でも、届いた、彼女の心。

「好きに、なってしもたん、やもん…」

…胸が熱い。頬も、熱い。
憧れ続けたコートの女王が、あたしを、見てくれていた、その事が嬉しい。
でも、もちろん、意地っ張りなあたしはそんな事、おくびにも出さず。
220アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:21:49.02 ID:Rgn+2ZYc
「はっ!あんた、ばか?」
「う、うるさい!解っとるわ!女同士で、そんなん…!」
「そうじゃないわよ。何が寂しい、よ。あんたテニス止めるの?」
「え…?」
「また、逢えるよ。テニス、続けてたら、また一緒に」

あーもー。
恥ずかしい事言わせないでよね、ホント。

「また…逢える?」
「当たり前よ」

せいぜい不敵な笑みを浮かべてやる。
彼女には到底敵わないけど。
あたしにだって、やれば出来るんだから。

「ねえ、さつき」
「な、なんや!い、いいい、いきなり…!」

あたしが彼女の名を呼ぶのは、初めてだった。

「いいわね?さつき。あたし、次も負けないから」
「あ、当たり前や!かち、勝ち逃げなんか許さへん!」
「おう、返り討ちにしてみなさい」
「ほ、吠え面かかせたるわ…の、のぞみ…!」

彼女があたしの名を呼ぶのも、初めてだった。

そうして、涙を拭ったさつきが笑う。
あたしの大好きな、あの不敵な笑み。
その頬は真っ赤に上気していて。

あたしは、そっと彼女との距離をつめた。
それは、怯える子犬を誘い込む誘惑の甘い罠。

彼女は唇を噛み、そして。眼を閉じて、ぐっと背伸び。
身長はさつきの方が少し低い。あたしは少し腰をかがめ、彼女を受け入れた。

競技場の薄暗い廊下で、あたしたちは初めての口づけを交わす。
さつきの身体は、汗の匂いがした。それはとても香しくて、

さつきは、あたしも、うっとりと眼を閉じる。


ひとつの季節が終わった。
そして、新しい季節が始まる。



<了>


221アンビバレンツな彼女:2012/10/14(日) 13:24:23.36 ID:Rgn+2ZYc
以上、第二話へ続きます。
222名無しさん@ピンキー:2012/10/14(日) 13:26:24.17 ID:5hqeFTY5
期待
223名無しさん@ピンキー:2012/10/15(月) 10:07:47.06 ID:5ML4txt/
GJ

かなり萌えた
続き期待
224名無しさん@ピンキー:2012/10/15(月) 19:31:34.46 ID:hUpDKFc1
いいね
ぎゅんぎゅんきますわー
225名無しさん@ピンキー:2012/10/15(月) 19:51:57.51 ID:OdmQZsfw
これはなんとも甘酸っぱい…!
続き楽しみにしてます
226アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:11:31.97 ID:Ohzl8yZ/
>>222-225
ありがとうございます。ここから先はあまり甘酸っぱくは無いかも…?

「アンビバレンツな彼女」全4話予定の第二話。
8レス分、投下させていただきます。

注)語り部ののぞみにちょっとヤンデレ?入ります。
227アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:12:26.88 ID:Ohzl8yZ/
アンビバレンツな彼女/承


だが事はそう簡単にハッピーエンド、とはいかない。
あれから結局、あたしはテニスへの情熱を失った。

必死に追いつこうとしなくても、
彼女の傍にいる事が出来るのだと解ってしまったから。

彼女に勝たなければ、側にいる事は出来ない、なんて。
そんなのはただの思い込みに過ぎないのだと知ってしまったから。

※ ※ ※

さつきとあたしは今、同じ部屋で暮らし、同じ大学に通っている。
あたしはこの同居生活を「友達とのルームシェア」と称している。
表向きはそういう事になっているが…気分としては「同棲」だ。

その日、どかどかと床を踏み鳴らして、さつきが寝室に飛び込んできた。

「のぞみ!あんたまたウチのポテチ食べたやろ!?」

Tシャツと短パン姿、ショートの髪は濡れ、ぴんぴんと跳ねている。
湯上りにカウチポテトとしゃれこもうとしていたのだろう。

「ちょっとーうるさいなぁ、そんな大声出さないでよ」

キャミとショーツというあられもない姿でベッドに転がって、
読むともなく雑誌を開いていたあたしは、さつきの方を見もせずに応えた。
途端に、先程までの威勢の良さはなりを潜め、怯えた子犬の表情に変わる。

「う、うるさい、て…そんな言い方せんかてええやん、か…」

怯え、傷ついた子犬。しゅんとシッポを巻いて、弱々しく。
かつてあたしの前に立ちふさがった王者の威厳はもはや、無い。
それが少し癇に障るから、あたしは意地悪に言い放つ。

「あんたのものはあたしのもの、あたしのものはあたしのもの、でしょ」
「い、いつからそんな決まりなったん…!」
「あんたがあたしのモノになった時から、よ?」
「う…!」

ホレた弱み、というヤツね。恋愛ってさ、先に「好き」って言った方の負けなのよね。

「あたしねーまだお腹空いてるの」
「もう、なんもない…」
「あるよーさつき、おいで。あんたを食べるから」
「う〜!!あほ!のぞみのあほぉ!あたし食べてもお腹ふくれへんやん!」
「そっかーでもほら、食欲に次ぐ人間の欲求ってもんがあるじゃない?」
「睡眠やろ!?睡眠!もう寝ぇ!おとなしく寝とり!」
「い、や、よ」
「ん…!?ふぁ…あ…!」

抱きすくめ唇を奪うと、さつきはあっという間におとなしくなる。
228アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:13:08.21 ID:Ohzl8yZ/
さつきは、あたしに惚れてるから。
同性からの恋愛感情を受け入れてくれた、あたしという存在に負い目があるから。
そしてなにより、あたしに、こんな風にされるのが嬉しくって仕方がないから。

さつきは、あたしに惚れてる。そして、同時に恐れてる。
いつか、あたしが彼女の前から去っていく日の事を、恐れてる。
だから、さつきは、決してあたしに逆らいきれない。
だからあたしは、主導権を握り続ける事が出来る。

かつて憧れた、遠い頂きにいたはずの存在を。
思うさま蹂躙し、むさぼり、味わう事が出来るのだ。

「ん、ふぅ…!は!あ!んん…っ!」

ちゅくちゅくといやらしく音を立てながら、さつきの唇を味わう。
強引に唇を舌で割り開き、差し入れ、口中を犯す。
口唇を蹂躙されながらも、さつきの唇からは甘い吐息が漏れる。
王者の威厳をかなぐり捨てて、あたしのキスに酔いしれている。
心地よい痺れがあたしの心に充満する。それは、支配する喜び。

でも同時に、苛立ちや怒りといった負の感情が。
青空を浸食する黒雲のようにふつふつとわき起こるのも抑える事が出来ない。

…こんなの、あたしが憧れていたあの人じゃ、ない。

解ってる。あたしが勝手に彼女を神格化していただけ。ただの思い込み。
実際の彼女は、ただどうしようもなく”女”だった、ただそれだけの事。

そんなの解ってる。けど。だから。でも。
あたしは刹那的な欲望に、ただ身を任せることしかできない。

「キスだけで蕩けちゃうんだもん、かあいいねーさつきは」
「あ、あほぉ…のぞみの、あほぉ…!」
「もう抵抗できないじゃないのよ、感じやすいんだから」
「ちが…そんなん…ちゃうも…んんっ…!ひあ…!」

あたしはさつきの唇、首筋、耳たぶ、と、手当たり次第にキスの雨を降らせる。
シャツの裾から潜り込ませた左手で、さつきの小ぶりだけど張りのある乳房を弄ぶ。

「本当は嬉しいくせに。ほら、認めたら?」
「な、なにを…?」
「あんたが淫乱女だって事を、よ」
「そ、そんな…!」

さつきの目尻に涙が浮かぶ。
ほら、その眼、その表情。
それが、あたしの嗜虐心を煽る。

乳首をはじくように弄ると、さつきは悲鳴じみた声でよがる。
次いであたしは、さつきをベッドに押し倒し、ショーツの中に強引に右手を突っ込んだ。
あたしの意図する所を察したさつきは必死に身をよじり、もがき、逃れようとする。

「きゃうっ!そ、そんな…!あかぁん!あかんて…っ!」
「もう濡れてるし。気持ちいい?じゃあね、特別サービス」
「ああっ!あかん!あかんあかんあかん…お願い、やめ…!!」
「いやよ」

その一言を合図に、中指をさつきの中に潜り込ませる。
さつきの女の部分は、くぷり…となんの抵抗もなくあたしの指を飲み込む。
229アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:13:49.22 ID:Ohzl8yZ/
「い、いきな、り、そん、な…!ああ!」
「まずは一回、イっとこっか?」
「ひぃゃや…あ!んはぁああぁーーーー!!」

中指の腹で、さつきの膣内を擦りあげる。リズミカルに、優しく、でも大胆に。
指の動きに合わせて、嬌声をあげるさつき。それはあたしを酔わせる極上の音楽。

「あひぅ!あ!はぁ!ひん…っ!あ!あか…!あかん!ウ、ウチ…あかぁん!!」

ぶるぶる…っと、全身が痙攣する。次の瞬間、さつきがびくん!と爆ぜた。

「あぅ…っあ!ああぁあぁぁぁぁぁあああああぁああ……………っ!!」

がくがくとさつきの身体が激しく跳ねる。全身からどっと汗が噴き出す。
体内に受け入れたあたしの指を、さつきの膣がきゅーーー……っと締めつける。

「……っは!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」
「ホント、いやらしい身体。こんなに簡単にイっちゃうなんて、ね」

弓なりにしなっていた身体が、糸の切れた操り人形のようにがくり、と落ちた。
絶頂の余韻の中、荒い息をつき、小刻みな痙攣を繰り返すさつき。

「ほら、休んでる暇ないよ」
「あ、あかん…いま、イっ…イってもた、から…っ!」
「知ってるよ。だから、何?」
「ひっ…!あああああああ!あか、んんっ!あぁぁぁぁあ!?」

あたしは再び中指の抽送を開始する。さっきより容赦なく、激しく。
じゅぷじゅぷと音を立て、白く泡立ったさつきの蜜壺は、時折、ぴゅっと潮を吹く。

「ひゃらひょ…!あひゃん…!もう…あ・あ・あ・あ・あ………………っ!!」
「指、増やしてとく?ねぇ?」
「あか…っ!ひぅううぅ!あ・あ・あ…あ゙あ゙あ゙あ゙……!」
「返事がないのは了承とみなす」
「ひあーーーーっ!やあぁーーーっ!!んぁあおぉーー……っ!! 

いやらしく口を開けたさつきの秘裂は、二本目の指もなんなく飲み込む。
びくんっ!と硬直し、全身を震わせ、四肢を硬直させ、のけ反り、涙と涎に塗れ。
もはや意味をなさないあえぎをあげながら、さつきは絶頂を繰り返す。

「やら、らめ…ぇ!あ!おあ…あ゙…!あ゙―――――――――っ!!!!」

3回…いや、立て続けに5回はイっただろうか?

「はぁ…………はぁ…………かはっ…!…………はひぃっ…!」

全身を弛緩させ、息も絶え絶え。時折ひくんひくんと小さく痙攣するさつき。
でも、本番はむしろここからだ。だらしなく身を投げ出したさつきから、服をはぎ取る。
あたしもキャミとショーツを脱ぎ捨てる。こちらも濡れそぼっているのは秘密だ。

さつきの控え目な胸の膨らみの尖端には、綺麗なピンク色の乳首。
引きしまったお腹の下、薄めの茂みはすでに濡れそぼち、
そのさらに下に息づく秘裂はぱくぱくといやらしく蠢く。

「の、ぞみ…ウチ、もぅ…あ、あか、ん…」
「はいはい、あたしがそれ、聞くと思う?」
「あ、あか、ん…ウチ…ほんまに、あかんあかんあかん…!」
「んちゅ…っ」
「ひゃぅーーーーーーーーー!!!!!」
230アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:14:30.66 ID:Ohzl8yZ/
そっと肌の上をあたしの唇が這っただけで、さつきの身体がびくびくと震える。

「ひうぅぅ…っ!ふあ!ふあぁぅぅ…っ!」
「何度もイったばっかなのに、もっと欲しいんだ?」
「ひ、ひがっ…!しょんなん、ひゃぅ…っ!」

弱々しく頭を振るさつき。なんで否定するのかしら、ねぇ?
こんなに可愛がってあげてるのに。もっと気持ちよくしてあげたいのに。

「違うの?やだぁ、もっと感じて?ねぇ、欲しいって言ってよ」
「あ、や……やめ……」
「い・や・だ」

一時も休むことなく責め立てられ、どこもかしこも敏感さを増しているさつきの身体。
指先で、掌で、舌で、唇で。太腿や脹脛まで総動員して、さつきの全身を愛撫する。
さつきの、絹の様にすべすべした肌を、引きしまった筋肉を、全身で味わいつくす。

「んはぁああぉおぉぉぉっ!ぉあああぁ…っ!」

何度もイった後のさつきの身体は、全身が性感帯になったみたい。
乳首にもアソコにも一切刺激を与えていないのに。
頭を振り立て、淫らに腰を振り、喘ぎ、よがり続ける。

「もぅ…ひややぁ…っ!おねらひ…っ!おねらひやひゃら……っ!」

快楽責めから逃げようというのか、身をひるがえそうとした所を捕まえて転がす。
うつ伏せになったところで、今度は背中を責め立てる。うなじからお尻まで順番に。

「んひやぁああ…っ!あかんあかん…ひぇ、ひぇなか!よわひ、ひゃら…っ!」

『背中、弱いから』?もちろん、知ってる。

背骨の脇を上からすーーーっと、唇を沿わせるだけで、びくびくと全身が震える。

「んひぃいぃあぁ!!!あか、あか、あかんっ!しょれ…っ!あああああーーー!!」

指を立てくすぐるような愛撫と、唇でのついばむようなキスを組み合わせ。
時に吸いつき、撫でつけ。さつきの背中を、弱い所を、存分に嬲りいたぶる。
次いで引きしまった大臀筋、その上にうっすら乗った柔らかな脂肪を揉みしだく。
さらにお尻から太腿の内側への指と唇と舌で存分に可愛がってあげる。

でもまだ、アソコはお預け。

「はぅ…っ!も、もぉ…あか、ん…んん…っ!んはぁおあぁあああああ…っ!」

細かく全身を震わせるさつき。
そのあえぎも弱弱しい呻き声のように変わっていき、虚ろな眼は虚空を漂う。

「そんなに気持ちいい?ねぇ気持ちいいよねぇ?」
「あぅ…あうぁうぅあ…」

ひくんひくんと痙攣の合間に呻きを漏らすさつきは、心ここにあらず、と言った態。

「もう…ひゃめれ…も、もぅ…ひゃめ…」
「何を止めて欲しいの?ねぇ、イかせてほしくないの?」
「ひ、ひやん…う、うひ…ひやん…!」

『知らん、ウチ、知らん』…かな?まあいい。
こっちこそ、知ったこっちゃない。
231アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:15:12.37 ID:Ohzl8yZ/
まるで力の入っていないさつきの身体をまた仰向けにひっくり返して。
そして、不意打ち。さっきまで放置していた乳首を、きゅっと摘みあげた。

「ああああああぁぁぁああああぁあぁぁ――――――――――!!!!」
「うわ、すごい反応。ねえ、乳首して欲しかった?待ってたの?」
「ひ、ひやん!ひやんも…!うひぁ!は!あ!おぁ!あ!」

きゅっ…とねじるように摘みあげると、またしてもびくびくと全身が痙攣。
涙と涎でぐちゃぐちゃの顔は、とても可愛く愛しく…同時に、とても憎らしい。

「乳首、気持ちいいね?ほら、気持ちいいって言ってごらん?」
「ひやん!ひや…んんっ!」
「あら、素直じゃないのね?じゃあおしまいにしちゃおっか?」
「…ふぁ!?」

乳首への刺激が無くなり、快楽責めから解放されたさつき。
責め苦から解放されたと言うのに、非難の視線をあたしに向ける。

「なぁに、その眼?何が言いたいの?」
「うぁ…ううう!」
「ちゃんと教えてくんなきゃ解んない」
「知らん…ウチ、知らん…!」

真っ赤な顔を背けるさつき。ふるふると震えてる。

「乳首して欲しい?それとも…」

そんなさつきの、強情っぱりの横顔にそっと唇を寄せ、耳元に誘惑を吹き込む

「おまんこ、触ってほしい?」

ぶるる…っ!とさつきの全身が、欲望に震える。

何度も絶頂に導かれ、さらに絶えまない全身愛撫を続けられたさつきの身体は。
全身性感帯状態の敏感すぎる肌をいくら責め立てられても、それだけでは満たされず、
イきそうでイけないもどかしさと切なさ、絶頂への渇望という炎に炙られているはず。

だから。

「乳首と…おまんこ、して欲しいでしょ?思いっきりイきたいよね?」
「あ…あぅあぅ…あ…!」
「それとも…このまま、もっと焦らされたい?」
「知らん…!ウチ、知らん知らん知らん知らん…!!」

駄々っ子のようなその態度が、あたしの嗜虐心をさらに燃え上がらせること、
彼女は解っているのだろうか?解っていて、わざとこういう態度を取るのだろうか?

「そ?じゃあ、おしまい」
「うぁ…うぅ…!」

モノ欲しそうな視線、すがるような視線、懇願し哀願する視線。
あたしは一切の愛撫を中断、身を引こうとする、が。

「の、のぞ…!」
「なぁに?」

あたしを呼び掛けて、口ごもる。そんなさつきの頬を、さわっ…と撫であげる。
232アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:15:53.04 ID:Ohzl8yZ/
「はひぅ…!」
「ん?言ってごらん?浅ましくおねだりしてごらんよ」
「そ、そんな…なんで…なんで、そんな…イジワル、するん…」
「さつきが可愛いからよ?だから…苛めたくな、る、の」

今度は乳首の尖端。触れるか、触れないか、微妙な距離をさわ…っと。

「ひんっ…!」
「ほら、どうしてほしい?ん?」
「あ!ひあ!」

脇腹、耳元、鎖骨、太腿。あちらこちらを、さわさわ、とフェザータッチで撫で回し、

「ちゃんとおねだりできたら………ね?」
「ひぅ…っく!んん…ひやああ!あ!」

さわさわ、なでなで。すっかり出来上がった身体を、とろ火にかけ、炙り続ける。

「も、もう…ゆるひ、て…ゆるひてぇなぁ…あ!あ!」
「許すも許さないも…ねぇ?あたしの言う事、聞こえないのかなぁ?」
「いじわる…のぞみのいじわるぅうう…ひぅ!ああ!あ!」

さつきが今、一番望んでいる秘所…の、周辺をさわさわ。もちろん、直接は触れない。

「も、もう!あかぁん!してぇ!おまんこ、してぇ!お願いやからぁ…!」
「何するの?どうしてほしいって?何してほしいの?」
「い、いやあ!い、弄ってぇ!おまんこにのぞみの指入れて…ぐちゃぐちゃにしてぇえ!」
「いやらしいコねぇ。そんなおねだりして恥ずかしくないの?」
「は、恥ずかしい…恥ずかしいけど!もう…もう無理――!無理無理無理――――!!」

腰を、はしたなく上下に振りたくる。涙を零し、懇願するさつき。

「何が無理なの?ねぇ?」
「イっ…イきたい!イかせてぇ!お願いやから…おまんこ、おまんこしてぇえええ!!」
「そんなにイきたいの?いやらしいおねだり恥ずかしげもなくしちゃうくらい?」
「あ゛ー!!あ゛あ゛あ゛…っ!!おか、おかし、なる…っ!お願いお願いお願い…!!」
「そう?じゃあね…」

恥も外聞もなく、とはまさにこのことで。
そこまで彼女を追い込んだのは当のあたしだけど。

「いいよ、自分でしたら?」
「ひぅ、くっ…え?」
「あたし、もう疲れちゃったから、ね?」

愕然として、非難の眼を向けるさつき。あたしはそんなさつきに冷ややかな視線を向ける。頬を上気させ、眼を泳がせ、あらぬ方を見やるさつきの姿は何かに助けを求めるよう。

羞恥と情欲、葛藤と躊躇。様々な感情に翻弄されるさつきの、両の手がぴくり、と動く。

「ほら、イきたいんでしょ?」
「いや…いやや、そんなん…」
「えー?我がままだなぁ」
「は、はず、はずかし…そんなん…」
「何を今更…えいっ!」
「ひやっ!?や、やめ…!!」

あたしはさつきの膝に手をかけ、ぐいっと強引に押し開く。
濡れそぼって湯気さえ立てているさつきの秘所が露わに晒される。
233アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:16:34.22 ID:Ohzl8yZ/
「おーお、すっかり出来上がってるじゃない?」
「み、見んといて…!そんなん…いややぁああ!」
「くすっ…嬉しいくせに。見られて、昂奮してるくせに」

あたしは蜜を溢れさせるさつきの秘裂に顔を寄せる。
息がかかる距離、意識して息を吐き出しながら、囁く。

「ねぇ、さつきのいやらしいおまんこ、ぐちょぐちょだよ?」
「あぅ…!いやや…そんなん、言わんといて…っ」
「指突っ込んで掻きまわしたら…すっごく気持ちいいだろうね?」
「いや…いや、いやいやいやぁあ…」

吐息が掛る度、ひくひくとモノ欲しげに蠢く、さつきのいやらしいアソコ。

「クリトリスもぴくぴくしてる。おねだりしてるよ?触って、弄って、摘んで…って」
「あぅ…ああ、あ、うぁ…」

ぶるぶると震えるさつきの手が、徐々に持ちあがり。

「まだしないの?も〜ほらぁ特別サービスよ?」
「ひぅ…っ!?あ゙あ゙あ゙あ゙…っ!!!!」

さつきのびんびんに腫れあがった乳首をきゅっと摘む。
突然の激しい刺激を快感に変え、さつきの表情が愉悦のため、蕩ける。
全身をおこりのような激しい痙攣が襲い、身も世も無くあえぎ悶える。

「あ゙…っ!!あ゙あ゙あ゙!お゙お゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙―――――っ!!」

羞恥を欲望が上回り、ついにさつきの精神が決壊した。
獣じみた嬌声と共に、さつきの両の手が自身の秘裂に殺到。
鬱憤を晴らすかのような激しい動きで快感を貪り始める。

「あ゙あ゙あ゙!あ゙!あ゙!あ゙!き、気持ちいい…!!気持ちいいーーーーー!!!!」

右手中指を秘裂に突き立て、膣内に溜まった愛液を掻きだすように動かして、
左手の中指と人差し指でクリトリスを摘み、転がし、捏ねまわす。
秘裂はじゅぶじゅぶと音を立て、愛液を撒き散らし、ベッドにシミをつける。
獣じみた嬌声をあげ、はしたなく腰を振り、涎を垂らし、快感に酔いしれるさつき。

「さつきのいやらしいおまんこ見てたら、昂奮しちゃう…んんっ…!」

そう、あたしだって既に我慢ならないくらい切羽詰まってる。

「ほら、あたしにもしてよ?ね?」
「あ゙あ゙あ゙!むごぅ…っうぐぅ…んお゙お゙お゙…!?」

あたしはさつきの顔をまたぎ、さつきと同じくらい…もしかしたらもっと、
とめどなくいやらしい液を垂れ流す秘裂をさつきの唇に押し付ける。
戸惑いは一瞬。さつきの唇が、舌が、あたしへの奉仕を開始する。

「んく、きもち、いい…おまんこ、きもち、いい、よ…?んはぁ…!」
「おぶぅ…!んあ゙…あっ!おふ…っ!お゙あ゙お゙お゙あ゙お゙――――――!!」
「んはぁ!いい…!さつきの舌、いいよぉ…もっと、もっとぉ!!」

あたしの理性も、すでに決壊。
浅ましく腰を振り立て、さつきの舌をより深く迎え入れようとする。

「あ…あ゙あ゙あ゙!いい!イく…イきそ…あ゙!あ゙あ゙――――――――!!」
「お゙ごおおおお…お、お、お!うぶぁああぁあああ……………………っ!」
234アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:19:32.10 ID:Ohzl8yZ/
あたしたちは同時に絶頂に達し、身を震わせる。
激しい快感が脚の先から頭のてっぺんまで貫いていった。

心地よい余韻の中、ふと見ると、さつきは気を失っていた。
快楽に歪み、欲情に塗れ、実に幸せそうな笑みを浮かべて失神している。

「ほんと、やらしいんだから」

あたしはベッドサイドに常備してあるウェットティッシュを手に取って、
涎と涙と、汗と愛液で汚れたさつきの顔や身体を拭いていく。

「可愛いさつき、あたしのさつき…」

歌うように、リズムに載せて。

「愛してるよ、そして…だいっ嫌い」


※ ※ ※


あたしは彼女を愛している。
  あたしの指で、あたしの舌で、よがる彼女はとても可愛い。

あたしは彼女を憎んでいる。
  彼女はかつて憧れた、あたしの崇拝する女王を殺してしまったから。

そう、あの時。一年前のあの時。
あたしが愛して、恋焦がれ続け、追い続けてきた存在は死んだ。
代わりにあたしを愛し、依存し、縋り付く、か弱くも愛しい存在が生まれた。


※ ※ ※


失神から覚めたさつきは、弱々しく恥ずかしげな笑みをこぼす。
あたしは手を広げ、さつきを誘う。さつきのお尻に尻尾が見えるみたい。
喜びのため、ちぎれんばかりに振られる子犬の尻尾が。

あたしの腕に抱かれたさつきが、ふと呟く。

「のぞみ…明日は、練習、来る?」
「んーどうかなー」
「ウチ、のぞみとテニス、したいな…」

今更。

あたしがどんなに頑張ったって、強くなったって。
あたしが追いつきたかった“あの人”はもういないのに。

「そうね、考えとく」
「うん…」

あたしは、二律背反する感情に押し流されたまま。
あたしは、彼女への愛情と憎悪を持て余したまま。

今日も怠惰に生きている。


<了>
235アンビバレンツな彼女:2012/10/16(火) 14:22:59.62 ID:Ohzl8yZ/
以上、第二話でした。次回は第三話「転」です。
236名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 10:02:52.74 ID:ZJkA7+j8
GJ!

関西弁かわいいわw
237名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 19:42:04.14 ID:xN8+NZhn
ねちこくてええのう
238名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 20:46:08.05 ID:L7trca5l
まず起の爽やかさとは大違いで驚いた
爛れきっている二人とその関係がなんとも言えず悲壮感を漂わせているのがよかった
さつきは未だにテニスが上手いってことでいいんだよね?
転で二人がどう変わっていくのか楽しみ
239アンビバレンツな彼女:2012/10/18(木) 11:01:19.85 ID:5N+cV2Ez
ありがとうございます。かわいいとかええのぅとか、感想頂けると嬉しいものですね。

>>238
>さつきは未だにテニスが上手いってことでいいんだよね?

その辺、3話以降で描写しますのでお待ちいただければ幸い。
240名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 19:06:59.33 ID:t29o/LkL
GJ!
くだんちゃんの人だったのか
芸風広いなあ・・・
241アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:21:26.64 ID:T4RxDDe1
第3話「転」、投下させていただきます。
242アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:22:08.80 ID:T4RxDDe1
アンビバレンツな彼女/転


ある夜の事。
あたしはいつものように愛しくも憎らしい我が姫君の、
さつきの身体を慈しみ/弄び、可愛がり/蹂躙していた。

が、その時。

ベッドサイドの、さつきの携帯に着信。その途端。
あたしの愛撫にあえぎ、よがっていたさつきの表情が一変した。

「ちょ…待って…のぞみ…!」
「後にしなさいよ、そんなの」
「ご、ごめん!そ、そやけど…」

さつきは、あたしの拘束と愛撫から必死に逃れようとする。
あたしより電話の方が大事?そんなの許さない。

「ご、ごめん!出な…出なあかんの…!」

あたしは後ろからさつきにのしかかり、腕を回す。
回した腕が、さつきの胸を捉え、もみしだく。
さらにさつきの下半身に手を伸ばそうとした、が。

「痛っ!」
「のぞみっ!?」

もがいたさつきの肘が、あたしの顎にクリティカルヒット。

「の、のぞみ…ごめん…ごめんな」
「いいわよ、もう。勝手にすれば!」
「ご、ごめん…ほんま、ごめん…!」

謝りながらも、携帯に手を伸ばすさつき。
そして、いそいそと寝室を出て行く。全裸で。

あたしには聞かせられない電話らしい。
あたしはタメ息をつき、ひとりごちる。

「あの男、か…」


※※※


最初はキャンパスだった。次は、街中のカフェで。
うちの前まで、車で送られてきたこともあったかな。
最近、さつきの周辺に見え隠れする男の、影。
いまの電話は十中八九、あの男からのものだろう。

気になるかって?いいえ。全然。全く。

何度か言ったよね?

あたしは、意地っ張りなのだ。


※※※
243アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:22:49.82 ID:T4RxDDe1
電話を終えたらしいさつきが、そっと寝室のドアを開ける。

「の、のぞみ…ごめん、な…あの…」

あたしはふてくされて寝たフリをする。イヤな女。
さつきはタメ息をつき、そっとあたしの隣に潜り込む。

それは、あたしが愛してやまない柔らかな温もり。
それは、あたしが憎んでも憎み切れない憎悪の対象。


※※※


以来、さつきの態度がよそよそしさを増す。
ベッドに誘ってもなかなか応じようとしない。

事あるごとに、あたしを練習に誘うのは変わらないが、

すっかり怠けて怠惰な生活を送っているあたしが、今更行った所で
いまや国内トッププレイヤーとなったさつきの練習相手が務まる訳がない。
そうなったのは、もちろん自分自身のせいなんだけれど、でも。

意地っ張りなあたしはふて寝を決め込むしかなくて。


そして。

ついに決定的瞬間がやってきた。


※※※


窓の向こう、日の落ちた景色の中。
あたし達のマンションの前、横付けされるスポーツカー。

助手席から降りたさつき。肩からラケットを下げている。
運転席から男が降りてくる、さつきに歩み寄る。

さつきの肩に手を掛け、何事か語りかける。
さつきが応じるように頷く。男の顔が下がる。

腰をかがめ、さつきと男の…唇の距離が詰められていく。



ダメ。もう、無理。これ以上、見れない。



あたしは窓に背を向け、カーテンを引く。

激しい鼓動が耳を打つ。
胸が痛い程に、どんどん、どんどん、どんどん!

頬が熱く、それにくすぐったい。流れ出る涙が、頬をくすぐっていく。
あたしは胸を押さえ、叫び出したいような衝動に必死に耐える。

※※※
244アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:23:31.39 ID:T4RxDDe1
玄関のドアが開く。さつきが帰ってきた。

「お帰り、さつき」

あたしはにこやかに彼女を迎え入れる。
恋人が帰って来たのだ。当然の、笑顔。

「た、ただいま…あ、あんな、のぞみ…」

何か言いたそう。言いにくい事?それは、あの男の、事?
かりそめの笑顔が、はかなくもあっけなく崩壊する。

きっといまのあたし、すごく嫌な顔、してる。

「ウチ、のぞみに話さなあかん事あんねん。あんな…」
「いやよ」
「…え?」
「聞きたくないって言ってるの」
「のぞ、み…?…んんっ!?」

あたしはさつきを抱きすくめ、口づけをする。


…………男ができたから、あたしとは、もうおしまい。


話って、そういう事でしょ?そうなんでしょ?
もうあたしは、要らないって事なんだよね。

「話なんか聞きたくない。あたしは今すぐ、あんたを抱きたいの」
「ちょ…のぞみ?大事な話やねん、お願い…な?聞い…」
「しつこいな!!やだって言ってるでしょ!?」
「ひ…っ!?」

あんな男よりあたしの方が、さつきの事、愛してるんだから。
あんな男よりあたしの方が、さつきの事、憎んでるんだから。

あんな男よりあたしの方が、さつきの事、気持ちよくしてあげられるよ?

「ねぇさつき?可愛いさつき。あたしのお願い、聞いてくれないの?」
「わ、わかった…わかった、から…!」
「んふ、ありがと。じゃ、こっちおいで」
「う、うん…でも、後でちゃんと話、聞いてな?」
「うん、もちろんよ。おいで、さつき」

あたしは満面の笑みを浮かべて。


「いっぱい、可愛がってあげるから」


※※※

245アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:24:12.43 ID:T4RxDDe1
「の、のぞ、み…なに、するん?」
「前にもした事あるでしょ?やだ?」
「そ、そんな事、ない、けど…」

あたしはさつきの手と脚を拘束して、ベッドのポールに固定した。
全裸のさつきは、大の字でベッドに寝転がり、あたしの眼前に全てを曝け出す。

「それから、これ」
「な、なに、それ…?」

単なる黒布。怖がることない、ただの、なんでもない布。

「こうするの」
「ちょ…な、なに…!?」

目隠しをされ、ベッドに拘束されたさつき。俎板の鯉。

「こ、怖い…!なぁ、のぞみ?ウチ、ちょっと…怖い…!」
「大丈夫、あたしを信じて、あたしに任せて?ね?」
「そ、そやけど…のぞみ、なんか、変…」
「いっぱい、気持ちよくしてあげるから」

その言葉を最後に、あたしは口をつぐむ。しばしの静寂。

「のぞみ…?の、のぞみ?そこに、いるん?」

返事は、しない。あたしはそのまま寝室のドアへと向かう。

「ちょっと、のぞみ?なあ!そこにいるん?なあ返事してぇな…!」

目隠しのため周囲の状況を掴めないさつきの声は、不安に震えている。

ガチャリとわざと大きく音を立ててドアを開け、再び閉めた。
びくり、とさつきの身体が震える。

「のぞみ…?どっか、行ったん?」

さあ、ここからだ。あたしは大きく息を吐き、足音高く、ベッドに歩み寄る。

「ひ…!の、のぞみ?のぞみ、やろ?なぁ…返事、して?」

返事は返さない。ここにいるのはあたしであって、あたしじゃ、ない。

「なぁ、のぞみ?へ、返事してぇな!なぁ!」

あたしは両の手をさつきの乳房に伸ばし…

「あぅ…っ!あ、いやあああ!!」

荒々しく、揉みしだく。いつもと違う方法で、さつきの身体を蹂躙していく。

「の、のぞみ?のぞみ、やろ?なぁ…返事、して?お、お願い、やから!」
「はぁ…!はぁはぁはぁ…っ!」

昂奮に乱れた吐息。さつきに欲情して、その身体を蹂躙する淫らな喜びに塗れた、吐息。

「ひっ…!?だ、誰っ…!のぞみ?のぞみやろ!?のぞみ!のぞみ!なぁ!!」
246アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:24:53.44 ID:T4RxDDe1
きっと…性欲に突き動かされた男、なら。
この状況でこんな風に荒い息を吐くんだろう。

そう、この部屋に、のぞみなんていない。

ここにいるのは、ベッドに拘束された美味しそうな身体に、
魅了され、昂奮し、性欲を抑えきれない、ただの獣。

あたしが演じるのは、ソレ。

きっとあいつは、こんな風にあんたを抱くんでしょ?
そして、あんたはあたしとの時とは違う顔を見せるんでしょ?
どんな風によがるの?どんな風に感じるの?それを、見せてよ。

欲望の赴くままに、眼の前のいたいけな獲物の乳房を嬲る。

「の、のぞみ?なぁ返事してぇな!なぁ!のぞみぃ!のぞみのぞみのぞみ!」

さつきは必死に身をよじるが、四肢を拘束されどうにもならない。

「い……いやあああああ!いやいやいややぁああ!やめて!やめてやめてやめて!!」

さつきの全身から汗が吹き出し、香しい香りが充満する。
目尻には涙が浮かび、目隠しの下から溢れ出る。ガチガチと奥歯が鳴っている。
もちろん、その間も、乳房への激しく荒々しい愛撫は止めない。

「返事して!お願いやから!ゆ、許して!こんなん!こんなんいややぁああぁああ!」

乳房をもみしだき、次いで乳首をつまみあげ、転がす。

「ひぐっ…っ!い、痛い!痛い痛い!やめて!お願い、やめて!許してぇ!」

激しく頭を振り、拒絶の意志を示す。もちろん、聞く耳など持たない。

「あぐ…っ!ひやあ!あ…!あ・あ・あ・あ!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」

乳首にむしゃぶりつく。両手での愛撫ももちろん継続。
唇ではさみ、つまみあげ、舌先で捏ねまわし、蹂躙する。

「ひあ!ああああああ!いや!いやいやいやいや…!もうやめ、てぇ!」

時に軽く歯さえ立て、柔らかな肉を思うさま堪能する。
激しく荒々しい愛撫に。でも、さつきの身体は、徐々に反応する。

「あふぅ…っ!んくっ…!あ!い、いや…あ!な、なんで、あ!あ!あ!」

頃や良し、と見たあたしは。
2本束ねた指を、さつきの秘裂に突き入れる。前触れもなく。

「ひ!?ひやぁあああぁあああぁあああ…!?」

さつきの秘裂は、束ねた指を難なく咥えこんだ。くぷり、と愛液が溢れる。

「ひゃ…そんな…そんな…あ!あああ…あああ…っ!」

あたしは喉の奥を鳴らす。「くくっ…」とくぐもった低い嘲りの声。
まるで身動きも取れず、なすがままにいたぶられ、嬲られながら、
いやらしいさつきの身体はこんなにも溢れさせている…その事実を、嘲る。

「いやああ!こんなんいややあああ!お願い!抜いて!抜いて!抜いてぇええ!」
247アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:25:34.93 ID:T4RxDDe1
ウソツキ。こんなに感じてるくせに。
誰にされてるかもわからないのに、昂奮して溢れさせてるくせに。

そんな嘲りを込めて、あたしはわざと音を立てて、2本の指の抽送を開始する。

ぐちゅぐちゅ、くぷ…っ、ぶちゅり、ぐちゃり…

「ひぅ…っ!あ!あ゙アあアアアアああア…!!」

手足の拘束も、目隠しも、
あたしじゃないかも知れない誰かの乱暴な愛撫も、
そして、自らの淫らな蜜壺が立てる淫猥な音も、

全てが、さつきの情欲を煽る。煽りたてる。

いやらしい女。あたしを、そしてあの男を虜にした、魔性の女。
いつもより濡れてるじゃない、いつもより溢れてる、いつもより…感じてる。

ひどいよ、さつき。あたしより、あたしじゃない誰かの方が感じるなんて。

だから罰するのだ。このあたしが。

「ひぅ…っ!い、いや!いやいやいやぁあああぁ!!やめてやめてやめてぇぇええぇ!!

クリトリスにむしゃぶりつく。一方の手は秘裂に突き立てたまま。
もう一方の手は、乳房を揉みしだく。指の跡がつくくらい、激しく、強く。

「ひぃきゃぁああああぁあぁぁあああ!!あ!あ!あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙ぁ゙!!」

音階の狂ったような悲鳴がさつきの喉から迸る。
こんなに濡れて、こんなに感じてるくせに。

じゅぶじゅぶ、じゅぶじゅぶと、粘着質な水音を陰部から溢れる。
じゅるじゅると淫猥な音を立てて、クリトリスを啜りあげる。

「あ!あ!あ!いや、や…こんな…ん、で…イ、イきた、ない…のにっ!!!!」

きゅーっと、さつきの膣内が収縮する。内腿がびりびりと小刻みに痙攣する。

「いやぁあ!いやいやいやぁああぁ………く、ああああああああああああああ………っ!」

膣内を乱暴に掻きまわされ、クリトリスをしゃぶりたてられ、
さつきは、涙と涎を撒き散らしながら、激しい絶頂を迎えた。

「かは…っ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ………………っ!」

ぶるぶると全身を、絶頂の余韻に痙攣させ、荒い息を吐く。
ぼろぼろと涙を零し、拒絶の言葉を叫んでいたにも関わらず。


誰でもいいんでしょ?あたしじゃなくてもいいんでしょ?

気持ちよくなれれば、それでいいんでしょ?

さぁ、お望み通り…もっともっと気持ちよくしてあげる。

あんたを、犯してあげる。


248アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:26:15.88 ID:T4RxDDe1
あたしは用意しておいたペニスバンドを身に付け、さつきの股を押し開く。
秘裂に押し付けられた怒張の存在感に、さつきの表情が強張る。

「…ひっ!?」

本物、かもしれない。男に、誰とも知れぬ男に犯されようとしているのかもしれない。
その恐怖が、さつきの全身を硬直させる。恐怖?それだけ?あなたが感じているのは。

「い、いや…いやや…許して…お願い…許して…」

震える声。いやいやと弱弱しく振られる顔。
それら全てを無視して、あたしは、ぐっ、と腰を突き入れる。
さつきの秘裂は、なんの苦もなく、疑似陰茎をカリ首のあたりまで咥えこむ。

「ひ…いやああ!やめてぇ!お願いお願いお願い…入れんといてぇ!!」

いやよ。

あたしは勢いよく、ぐん!と、腰を突きだす。疑似陰茎がさつきの秘裂を切り裂いていく。
何の抵抗も拒絶も見せず、ぬぷり、と音を立て、全てが飲みこまれた。

「いやああああああああああああああああああああああ…!!!!!」

刹那。絶叫とともに、さつきの全身ががくがくと痙攣し、つま先がきゅっと縮こまる。
弓なりにのけ反った身体、四肢を縛る拘束が、限界まで引っ張られる。

「かは…っ…!!」

そして引き絞られた弓がぷつりと切られたように、さつきの身体が力を無くし堕ちる。
ぼふん。ベッドが軋む。

「はぁっ…!はぁっ!はぁっ!はっ!はっ!はぁ、はひっ……ああ、う、ひぃう…っ!!」

ニセモノの怒張を突き入れられた、それだけで。さつきは絶頂に達したのだ。

そんなにいいの?コレが?ねぇ?なんて憎たらしいんだろう。
あたしは胸の底から湧き上がる暗い衝動のままに、腰を使う。

「…ふぐうっ、う、ふぐっ、ッ!!うはおおおぉぉっっ!!!!!!」

がんがん、がんがん。ひたすらさつきの膣内を突き、えぐり、掻きまわす。

「あひぃいぃぃいいぃ…っ!ひっ!うくっ!あ!あ!おふぅ…っ!あ!あ゙あ゙あ゙!!」

狂ったように頭を振り、あえぎ、涙と涎を垂れ流し。
さつきは嵐のような快感の中でもみくちゃになっていく。

「くるっ…ひぇ、まぅ!あ゙あ゙!!あ゙あ゙!!こわれ、りゅ…あ゙!!あ゙あ゙あ゙…っ!!」

いいよ、狂っちゃえ。壊れちゃえ。
がんがんがんがん。あたしはただひたすらに突き続ける。
そしていつしか、あたしの頬を熱いものが流れて行く。

「やめ、ゆるし、て…!あが…はっ!あ!あああ!ま、た…あ゙あ゙!!あ゙アアアアあ!!」

あたしは泣いていた。声も出さず泣いていた。

「い、ぐっ…!いくいくいく、また、いく…っ!…いやいやいやいやああああああ!!」

激しく腰を使いながら。あたしはただ、涙を溢していた。
249アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:26:56.90 ID:T4RxDDe1
………
……


どれくらい、突き続けたのだろう。
さつきの全身が痙攣し続ける。あたしもさつきも、汗みずくだ、

でも、まだ。まだ足りない。

もっともっと、貴方を感じたい。

そして。もっと、もっと、貴方を苦しめたい。

「いや…いぃ、あ、ああああああああああああああああああああああああ………!!!!」

ひときわ高い絶叫と共に、さつきは何度目とも知れぬ絶頂を迎え、果てた。

「かひゅぅ…ひゅう…ひゅう…ひゅう…っ」

掠れた笛のような、乾いた音がさつきの喉から漏れる。
涙が頬を伝い、涎を垂らし、汗にまみれたさつきは…

さつきが、すごく、愛おしかった。

あたしはさつきに顔を寄せ、唇を重ねる。

「のぞ、み…」

また、ぼろぼろと、さつきの眼から涙が零れる。

「のぞ、みや…のぞみの、唇や…よか、良かった…のぞみ、のぞみぃ…」

あたしはひたすら、さつきの唇を吸い続けた。
いつまでもこうしていたい。本気で、そう思った。

※※※

だが、そういう訳にはいかない。

もう、無理、なんだ。


















※※※
250アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:27:38.34 ID:T4RxDDe1
目隠しと拘束を解かれたさつきは。
レイプのようにあたしに犯されたさつきは。

当然のように、あたしに喰ってかかってきた。

「ひ、ひど、ひどい…やんか!こ、こわ、こわ、か、た…!う、うち…!」
「むちゃくちゃ感じてたくせに。なに?あんた、レイプ願望とかある?」
「…の、のぞみのあほ!もう知らん…!のぞみなんか…のぞみなんかぁ!!」

頭に血が昇る。抑えきれない、苛立ち。

「じゃあ、別れよ」
「…え?」
「もうおしまいよ、さつき」
「の、のぞみ…え…なに、言うてん、の…?」
「あんたなんか…!」
「いやあ!そんなん、いやや!ご、ごめん、のぞみ、ウチ…ウチ…!」
「うるさい!あの男の所でもなんでも、勝手にいけばいい!あんたなんか…!」
「お願い…!そんなん言わんといて!お願い…お願いお願いお願い、お願いやからぁ!!

さつきが絶叫する。

「なんでもするからぁ…!お願い…!」

あたしが吐き捨てる。

「あんたなんか…大っ嫌い…!!」

空気が凍る。さつきの眼から、流れる涙。まさに滂沱。
とめどなく流れ出る涙をぬぐうことも無く、さつきは、その場に倒れ伏した。

「あ゙…あ゙あ゙あ゙あ゙、あ゙あ゙あ゙あ゙――――――――――――――――!!」

あたしは泣き崩れるさつきを顧みる事もなく寝室を後にする。
シャワーを浴び、身支度を整え、部屋を…二人で暮らした部屋を後にする。

「のぞ、み!お、お願い!行かんといて!お願い…お願いやから…!」
「サヨナラ」
「のぞみーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

※※※

あたしは一週間ほど、部屋にかえらなかった。
一週間後、部屋に戻った時、そこにさつきの姿は無かった。
さつきは私物ごと、すっかり綺麗に消えていた。なんの痕跡も、無く。

そうなるだろうな、とは思っていた。覚悟していた。
さつきがあたしの元を去り、あの男の元へ行くだろう事を。

けれど。

あたしは。

嗚咽を堪え切ることなど出来ず、いつかのさつきのように床に突っ伏し、泣き崩れた。


251アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:28:19.68 ID:T4RxDDe1
どうして、こうなったんだろう。
あたしは、さつきが好き。大好きだったのに。

それを認めなかったから?
そう、あたしは意地っ張りなのだ。

その結果、唯一無二の愛を失う事になったというのに。
苦しんだすえに彼女があたしを捨てるのも当然だ。

後悔先に立たず。

彼女のそばにいたかった。だから頑張ったのに。

あたしは声も出さず泣き続ける。
一人の部屋で。さつきのぬくもりの絶えた部屋で。

泣いて泣いて、泣き疲れて。それから、あたしは立ちあがる。

あたしはもう一度、コートに立つ。
いまさら遅いかも知れないけれど。
いや、きっともう手遅れだけれど。

ただ泣いて、縋って、追いかけるだけなんて出来ない。

もう一度、自分の力で、彼女の隣に立つんだ。
それがあたしの、ちっぽけなプライド。

でも、やって見せる。

たとえ、彼女があたしを忘れても。
たとえ、彼女に他の男がいても。

あたしは。

あたしは、筋金入りの意地っ張りなのだ。





<了>
252アンビバレンツな彼女:2012/10/20(土) 17:29:14.74 ID:T4RxDDe1
以上です。次回、第4話「結」にて終わります。
あとしばらくお付き合いいただければ幸いです。
253名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 13:16:41.91 ID:kSJCNUwu
む、いきつくところまでいっちゃったな
254名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 06:34:52.05 ID:kMBAbhVX
なんか破滅願望すら感じる
255アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:24:47.84 ID:Co+MGhCU
第4話「結」、投下させていただきます。12レス分。
256アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:25:29.73 ID:Co+MGhCU
アンビバレンツな彼女/結



あたしはぽかんとバカ面下げて、テレビ画面に見入っていた。
センターコート。そこに躍動する、愛しい人。かつて肌を重ねたあの人の姿。

「プロに、なったんだ…」

見事な勝利で試合を終えたさつきの傍らに立つのは、あの男。

ずきり、と鋭い針があたしの胸を刺し貫く。
当然の結果。あたしが招いた結果。でも。
取り返しのつかない過ちに、あたしは涙を流す。
自分自身を慰める術を、あたしは持たなかった。

※※※

眩しい日差しの中、あたしは必死でボールを追う。
随分とブランクがあったため、最初は鈍った筋肉が悲鳴をあげていたものだが、
復帰して1カ月が過ぎるころにはかなり思い通りに身体が動くようになった。

でも、あの頃の…コートの女王を追い続けていた頃のようにはいかない。

いまは、まだ。

※※※

練習を終えたあたしは、コート脇のベンチに座り、タオルで汗をぬぐう。
こんな時、傍らに彼女がいてくれれば…などと詮無い事を考えてしまう。
頭を振って、弱気と未練を振り払う。いまはただ、自分を鍛え直そう。
そして、もう一度彼女に追いつくんだ。そして今度は、あたしから言おう。

あんたが、好きだって。ずっとずっと、好きだったんだって。

それで全てが元通り…だなんて、甘い事を考えてるわけじゃない。
あたしがおかした過ちを無かった事にしたいわけじゃない。

世界で戦う彼女に追いつけるかどうかは解らない。いや、到底、無理だろう。
でもあたしは。もう一度、彼女に追いつかなきゃ、そこから始めなきゃ。

意地っ張りなあたしは、一歩も前に進めないから。

「ふぅ…」

タメ息をついて、あたしは空をあおぐ。どこまでも蒼い空。コートに吹く風が心地よい。
と、その時、コートがざわめいた。その場にいた全員の視線が一点に集中する。

現れたのは、この競技に携わる者なら知らぬものはいない人物。
誰もが憧れる、世界を股にかけて戦うトッププレイヤー、その人。

「な、んで…?」

その人は、コートを見まわし、あたしを見つけると。
つかつかと歩み寄ってきた。大声であたしの名を呼ばわりながら。

「のぞみ〜!」


257アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:26:10.89 ID:Co+MGhCU
自信に満ちた颯爽とした足取り。身長はあたしの方が高いのに彼女はとても大きく見えて。
あたしが憧れ、追い続け、傍にいたいと願ったテニスの王者。あたしの、女王。

「さつき…なんで、こんな、とこ、に…?」
「あんたに逢いに来たんや、決まってるやろ?」
「…は?」

思わず、間の抜けた声が出る。捨てた女に逢いに来た?なんのために?

「勝負や、のぞみ」

にやり、と不敵な笑みを浮かべる、王者。
その笑みに、どくん!とあたしの心臓が跳ねる。

あの頃の笑顔。不適で不遜な、あたしが焦がれ、挑み続けた女王の笑み。
帰ってきた。さつきが、あたしの…大好きだったさつきが。

帰ってきて、くれた…?
まさか。あんな風に別れたのに。今更、あり得ない。

「かつてのライバルの腕がどんだけ鈍っとるか、興味あってな」
「ふ、ふん、言ったわね?返り討ちにしてくれるわよ!さつき!」
「えらい強気やんか?吠え面かかせたるわ、のぞみ」


※※※


さつきとの、久しぶりの…何年ぶりかの、ラリー。

あたしは、笑みを浮かべていた。
大きな声を出して笑いすらした。

ううん、あたしだけじゃない。さつきも、笑ってた。笑ってくれた。

「こんなサービスも返せへんの?“とも”よ!」
「ふっ!ちょっと脚がもつれただけよ!次は…!」
「無理せんとき!ポテチの食べ過ぎやろ?あ、アイスか?」
「バ…!最近は油モノも甘いモンも控えてんのよ!」
「無駄な抵抗や!そないプクプクしてからに!」
「言ったな!腹筋オバケ!」
「テ、テニスには必要な筋肉やろ!?」

当然、あたしは敵うべくも無かったけど。

でも。

久しぶりのさつきとのラリーは、とても楽しくて。
あたしは…こんな事、今更、思っていいのかな?

神様、許して。でも。


あたしは、とても、幸せだったのだ。


※※※
258アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:26:51.94 ID:Co+MGhCU
そんな至福の時も終わりを告げ、あたしたちは誰もいないコートに立ちつくす。
闇の中、ほのかな街路灯の灯りがさつきのシルエットを浮かび上がらせる。

「本気で…また、やってんのやな」
「はん!当り前よ。すぐに追いつくわ」
「うん。うち、待ってる。待ってて、ええ?」
「…え?」

少し震えるさつきの声。薄闇の中、さつきがどんな顔をしてるのか、よく見えない。
待ってて、くれる?あたしがまたさつきを追い続ける事を…許して、くれるの?

私が思わず、縋るような視線を向ける、と。

「でもま、無理やろけど」
「はぁ?」
「うち、世界ランク10位やで?いまさら追いつけるかいな」
「く〜!その態度!ムカツク!!」
「ええ年して地団駄踏むのやめぇ!」
「ふんっ!いい気になっていられるは今の内だけよ!“とも”よ!」
「おう、やってみぃ。待ってたる。いつまでも…待ってる」

しみじみと、優しい声音で言われて。あたしは憎まれ口をたたけなくなる。
切なさと寂しさと、さつきへの、あの頃への愛おしさに身動きが取れなくなる。

「なんか…あの頃みたい」
「…そやな」

あの夏。年に一度だけのコートでの逢瀬。
あたしにとって、それはあの頃の全てだった。

「でも…もう、戻れない。今だけの…幻みたいなもんよね」

こら、あたし。未練がましいぞ。涙声になってるし。かっこわるい。
自分が捲いた種。いまさら、無かった事には出来ないのに。

全てを失ったのは、あたしの責任、だから。

が。

「のぞみの、あほ」
「…え?」

突然、あたしはさつきに抱きしめられた。 身長はあたしの方が少し高い。
さつきの頭のてっぺんが、汗に濡れた髪が、芳しい香りが、あたしの鼻腔を擽る。

「のぞみに、逢いたかった」
「さつ、き…?」
「せやけど、あそこに立つまでは…って」
「あそこって…Cコート?」
「自分で決めた事やから…我慢した」

さつきからの、優しいキス。 あたしは思わずうっとりと眼を閉じる。でも。
刹那、あの日の光景がフラッシュバック。 腰をかがめ、さつきに唇を寄せる男。

そして、われ知らず、涙が滲む。

「のぞみ…?」
「な、なんで…なんで、こんな事するのよぉ」

259アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:27:33.22 ID:Co+MGhCU
声が、震えてた。 止めなさい、のぞみ。未練がましい。 カッコ悪いってば。

「な、なんで泣くん!?や、やっぱり…うちとキスするんいややった?」

でも、もう。止まらなかった。
情けない恨み事が。次から次へと零れる涙が。

「ひどいよ、さつき…!あいつにキスしてるくせに、いまさら…!」
「あ、あいつ?キス?」
「キ、キスしてたじゃん!あの男と…あ、あた、あたし…だから…!」
「キス?あの男って…コーチ?あああ、あの日か!やっぱり見てたんやな!」

ぼろぼろと涙が零れる。 同時に感情が零れる。

「ほらぁ!し、してたんじゃん!あの日…!だからあたしは…!」
「の、のぞみのあほ!うち、コーチとキスなんかしてへん!!」
「い、今更…うそつくの!?だって!あんなに顔近付けて!」
「あの日、コーチは!うちの眼を正面から見て!言うてくれたんや! 」
「告白とかされちゃったんでしょ!?さつきが好きって!」
「ちゃうーーー!『一緒に世界を目指そう』や! 」

…は?

「話がある言うたのに!まるで聞こうとせんと!あ、あああ、あんな…激し、事…!」

ちょっと待ってよ、どういう事?

「黙ってたのは悪かったけど…コーチはずっとうちをプロに誘ってくれてて…」

確かにあたしは。二人が実際にキスする所を見た訳じゃない。
あの男がさつきの肩に手を置いて…小柄なさつきに目線を合わせるため腰をかがめ…
そこまでだ。それ以上、見てられなかったから。
大好きな…あたしのさつきが、男とキスする所なんて、見ていられる訳がない。

誤解?あたしの一人相撲?待ってよ、そんな。
全部、あたし1人が悪かったって事?

さつきがあたしを捨てて男に走ろうとした、と、そう思い込んだ。
だから罰してやろうと、思った。でもそれも、そもそもあたしが…
あたしがさつきを追い詰めたせいで、彼女が求めるあたしでいようと、
そういう努力をしていなかったせいで…自業自得だったはずで。


なのに、さつきは。


「のぞみのあほぉ!ほんまに…!とんでもない誤解、して…!」
「う、うそ…そんな、あ、あたし…あたし…」
「でも…良かった。誤解で…のぞみの勘違いで、良かった…」

もう一度あたしに逢いたいと思ってくれていた、の?

「うち、嫌われたかと…のぞみに嫌われたかと思た…けど…」

あんな事したのに、まだあたしを…好きでいてくれてるの?

「誤解やったんやもん…うちの事、嫌いにならんといてくれる、やろ…?」

もう一度…あの頃の二人に、戻れるの…?
260アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:28:18.17 ID:Co+MGhCU
※※※

「うち、自信が無かったんや。のぞみに…好きでいてもらえる自信が」

歩きながら、切々と語られるのは、彼女の心。

「・・・追いかけて欲しかった。傍にいて欲しかった。抱かれたかった。抱きたかった。
 のぞみが望む自分になりたかった。好きって言ってもらえる自分に、なりたかった。

 でも、どうしたらええか、わからんかった。悩んで怯えて…混乱してた。

 嫌われるんは、いやや。のぞみに嫌われたなかった。そやから。
 のぞみの望むままに、のぞみの求めるままに、しようて思た。
 そしたら嫌われへんと、そう思てた。自分勝手に思い込んでた。

 そやけど…それは、のぞみが求めるうちとはちごたんやな…

 そんな時、コーチに出おうた。一緒に世界に出ようて、言うてくれた。
 何度も何度も説得されたわ。でも、うち、怖くて。自信、無くて。でも。

 世界を相手に戦えたら…きっと、自信を持てる。
 きっと、自分のなりたい自分になれる。そやから、頑張った。
 うちには、やっぱりこれしかない思たら…ふっきれたわ。

 そやから、うちはあの人に、コーチに感謝してる」


そして辿り着いたシャワールーム。ここにももう、人気は無かった。
ラケットを下ろし、あたしに背を向けたまま、さつきが言う。


「のぞみにふさわしい自分になれたら、センターコートに立てたら、
 もう一度のぞみに逢いに行こうて、決めてた。それからもう一度、言おうって」
「な、なに、を…?」

さつき、ようやくあたしを振りかえって。

「うちは…うちはのぞみが、好き」

きっぱりと、清々しい笑顔で言われて。あたしは頬が熱くなるのを自覚する。

「な、何よ…随分、素直じゃないのよ」
「のぞみは意地っ張りやからな、うちが素直になるしかあらへんやん?」
「なによそれ!その勝ち誇った態度、ムカツク!!」
「ほら、な?すぐそうやって突っかかるし」
「う、うるさい!うるさいうるさい!うるさい!」
「でもうち、そんなのぞみが…好きなんや」

また、抱きしめられた。ずるい。そんなの…そんなの…!
あんな事したあたしを、誤解してひどい事したあたしを。
あんたを追い詰め苦しめ続けた、意地っ張りでバカなあたしを。
あんたは許せるって言うの?そんなあたしを好きだって言えるの?

「意地っ張りで、可愛いのぞみ。うちが男とキスした思て、焼餅、焼いたんやろ?」
「バ、バカ!な、なによそれ!なんなのよ!や、焼餅、なんて…そんな…!」
「のぞみのあほ。うちが男とキスする訳ないやん。のぞみが一番、好きやのに」

いいの?信じて、いいの?神様、あたし…許されても、いいの?

261アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:29:00.10 ID:Co+MGhCU
「ごめんな、のぞみ。うちも、悪かったんや」

またしても止めどなく溢れる、涙。熱い涙。あたしは子供のように泣きじゃくる。
さつきは手を伸ばし、あたしの頭を撫でさすってくれた。…とても、気持ちいい。

「脅えて怯んで…ちゃんとのぞみと向き合うてへんかった」
「さ、さつきは悪くなんかない…あた、あたしが…あたしが! 」
「ごめんな、のぞみ。誤解させて。辛い想いさせて、ごめんな」
「な、なんで謝るのよぉ!さつきのバカぁ!バカバカバカ! 」
「うん、バカやな、アホやな、うち。ごめんな」
「だから!謝るなあ!謝るのは、あ、あたしの方…!」
「無理せんとき。のぞみが謝るなんて、似合わへんわ。 」

クスクスと笑うさつき。大人の余裕。
王者の風格。あたしが憧れた、あの頃のさつき。さらに大人びて。

「バカ、よ…あんたは…バカ…」

さつきはそれ以上、あたしが喋るのを許さなかった。優しい、キス。
さつきは、荒い息を吐き…昂奮してた。もちろん、あたしも。

お互い、もう…我慢できなくなってる。
さつきは、あたしが欲しくて。
あたしは、さつきが欲しくて。

両腕を抑えつけられ、ロッカーに押し付けられた。
さつきの唇があたしの頬から首筋へ滑る。

「ぅんくっ…!あ、汗臭い、よ…」
「くさない…ええ匂いや…」

さつきのくせに生意気だぞ。

あたし、頬が熱くなるのを感じる。
この感情、久しく忘れてた、彼女に崇拝される喜び。
気高きコートの女王に、認めてもらえた、幸せ。

「い、言ってくれるじゃないの、このヘンタイ…!」
「うん。かまへん。うち、ヘンタイなんや」

にっこりと笑う、さつき。頬を上気させて。

「のぞみが、女の子が大好きな、ヘンタイなんや」
「…じゃあ、あたしだって、そうだよ」
「のぞみ?」
「さつきが、大好きなあたしも、ヘンタイなんだね」

今なら、言える。言えそう。あたしは珍しく、素直な想いを口に載せる。

「好きよ、さつき…あんたが好き。ずっと好きだった。今でも」

やっと言えた。素直な気持ち。

さつきが好き。その不敵な態度が時に憎らしくもあるけど、ても。 さつきが好き。
あたしの望むさつきじゃなくても、さつきが、好き。女王のさつきも、子犬のさつきも。
苛立ってたのは、あたしが子供だったせい。意地っ張りな子供だったせい。


262アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:29:42.04 ID:Co+MGhCU
「嬉し。のぞみがそんな風に言うてくれたん、はじめてや…」

優しく、満足げな笑顔を浮かべる、さつき。
なんだか無性にさつきが可愛くて、愛しくて。
なんだか照れ臭くなって、はぐらかす。

「え?ヘンタイって認めた事?やあん恥ずかしい」
「あ、あほぉ!のぞみのあほぉ!!」
「ああん、さつきに罵られるのも、快感…!」
「ホンマにもう…!あんたなんか…こうしたる!!」
「…ちょ!あ!ひぁ!!そ、そこは…だめぇ!!」

さつきの手がシャツの裾から入り込み、あたしの胸をまさぐる。
すでにいきり立っていた乳首をつまみあげられる。

「ひぁん!そ、そんな…い、いいい、いきなり…!」
「だって…うち、もう、我慢できひんもん…」
「だ、誰か、来ちゃう…よ…!こんな、とこで…!」
「…そない言うて、いつもうちが止めて言うても止めへんかったくせに」
「な、なによ!根に持ってんの!?」
「うん。そやから…お仕置きしたる」
「ぅ…んは!あ!や…そんなに、した、ら…あっ!んぁあぁぁ!!」

シャツをまくりあげられ、ブラを外され。
両の乳房と、その先端でいきり立った乳首を責め立てられる。

気持ち、いい。

バカなプライド、意地っ張りで頑ななあたしの心を。
さつきの肌が、指が、舌が、解きほぐしていくよう。

「や!そこは…!だめぇええぇ!」

さつきの手がスカートをたくしあげ、スコートの中に潜入。
もちろん、もう一方の手はあたしの乳首を責め続けたまま。

「もう、濡れてる…」
「だ、だからダメだって言ったの!」
「のぞみの、えっちぃ…」
「や、やあああだぁあぁあ!!」

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!

そりゃあ、いつもあたし、こんな風にさつきの事、いじめてたけど!
自分がされた事はない。だから…こ、こんなにどきどきするなんて…知らなかった!

「誰か来るかもって思たら…昂奮、するん?」
「ちが…そんなんじゃ…んんぅ!んくっ!」
「うちは…昂奮、する。どきどき、する…!」
「んひゃぅ!!??」

さつきの唇が、乳首をはさみ、つまみあげた。
もう一方の乳房も捏ねあげ、乳首をつまみあげられる。
そして。スコートの中に潜り込んだ指先が。

「あ…!?ぅあ!うああ!あああああああああぁぁぁあぁ!!」

あたしの一番、敏感な所。秘裂の中に息づく肉芽をつまみあげた。
263アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:30:23.41 ID:Co+MGhCU
「ぷっくり、腫れてる。待ち遠しかったん?」
「ち、ちが…んん!んはぁああ!!あ!あ!あ!」
「のぞみ、のぞみのぞみ…もっと、感じて…」
「ちょ…んんっ…っ!」

さつきは跪き、器用にあたしのスコートを引きずり下ろす。
曝け出されたあたしの秘裂は、すでに蜜を溢れさせている。

「や…こんなの、恥ずか、し…!」

しかし制止する間もなく、さつきは器用にあたしの肉芽をつまみあげ…口づけた。

「ひぁぁぁぁぁあ・あ・あ・あ・あ…!!」

舌先で包皮を剥かれ、直接ねぶりあげられた。
快感がはじけ、びりびりと身体を震わせる。

じゅるりじゅるりと音を立て、さつきはあたしを責め立てる。

「や…ぁああ!だめ、そんな、はげし、あ!あ!あ!あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

あたしは両手をさつきの頭に押し当て、引き離そうと試みる。
でもさつきは、あたしの股間に貼りついて離れない。

夢中になってる。さつきが、あたしを求めてくれてる。

そう思ったら、どんどんどんどん、熱いモノが込み上げてくる。
身体がふわふわとどっかに飛んでいきそうになる。
涙が、涎が零れて。いやらしい喘ぎ声も止まらなくて。

「やああああ!あ!あ!だめだめだめ……い、いっちゃう…!!」

さつきが上目遣いにあたしを見上げる。
その眼が、とても、幸せそうな色を浮かべてて。
ぞくぞくとした快感が背筋をはいあがる。

「あ…!あ!あ!あ!あ…………っ!ああああああああああああああああ…っっっ!」

あたしは、さつきの視線でイかされた。
でも、さつきは舌での愛撫を止めてくれなくて。

「のぞみ、のぞみ…気持ちいい?気持ちよかった?」
「も、もうだめぇ!!いっちゃ…また、いっちゃ…!!」
「お仕置きやもん…許してほしかったら…もう一度」

ぷはぁ…と息を吐いて、さつきが。

「もう一度、頬染めてしおらしく、うちの事…好きって、言い」
「も、もう言わない!言ってやんない!二度と言うもんかあ!!」
「この意地っ張り!こうなったら…もう容赦せえへんで!」

ま、まだ…まだ奥の手を隠してた!?

「ひ…な、なに!?」

さつきの中指が、あたしの中に入ってきた。

「あ…はぁああああ!!」

264アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:31:05.01 ID:Co+MGhCU
あたしの膣はなんの抵抗も出来ず、さつきの指を飲み込み受け入れていた。
すでに愛液で濡れそぼっていたのだから、当然だ。
大好きなさつきに責め立てられたのだから、当然だ。

「ひぅ…あ!っん!い、いやぁ!あ!あ!あ!だ、だめ、それ、あ!あ゙!あ゙!あ゙!」

鉤状に曲げた中指の腹で、膣内を擦りあげられる。
いわゆるGスポットを責めたてられ、嬌声が止まらない。

ちょっと!?どこでそんなの、覚えてきた!?いや、教えたのは…あたしか!?

「うち、ここ…めっちゃ感じるし…のぞみかて…ええやろ?」
「ひゃぅ…んん!ああ!い、いい…!きもち、いい、よぉ!!」

じゅぶじゅぶと音を立てるあたしの蜜壺。

「ほら、溢れてきた…止まらへんやん」
「だってぇ!き、気持ち、いい!気持ちいいのぉ!」

いやらしい喘ぎも、止められなくて。

「さつき!さつきさつきさつき…っ!ああ!あ!あああ!」
「のぞみ…のぞみのぞみのぞみのぞみ…!」
「い、いく…っ!ま、また…またいっちゃ、いっちゃ…!!!!」
「ええよ…いって。うちの指で、うちの舌で、いってええよ…!」
「い、く…ぅあああああああああああああああああああああああああ…っっっ!!」

※※※

265アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:31:46.54 ID:Co+MGhCU
立て続けに絶頂を迎えさせられたあたしの脚はがくがくと震えて。
その場に立っていることも出来ず、ずるずるとへたり込む。

ロッカーに背を預け、荒い息を吐くあたしを、さつきはそっと抱きしめてくれた。

「の、のぞみ…もっと、もっと、しよう?」
「ちょ…んんん!」
「むちゃくちゃ、溢れてる。どんどん、溢れてくる…!」
「バ…!バカあ!あ、あんた、だって…!」
「うひぃっ!?や、ちょ…あ、あかんて!」

あたしたちは絡み合い縺れ合ったまま、ずるずると滑り、床に転がった。
上になったり下になったりしあいながら、お互いの秘裂をまさぐりあう。

「んく…い、いやよ!止めるもんか!」
「の、のぞみの…んくぅ!い、意地っ張り!」
「さ、さつき…あはぁ!!だって…あ、いい…!」

ほんと、あたしはバカだ。 バカで子供で、意地っ張りで。
さつきの気持ちも、自分の気持ちすらも、ちゃんと理解出来ていなかった。

キスの合間に憎まれ口をたたき合いながら。あたしとさつきはどんどん昇り詰めていく。

「ほら、のぞみ、イき?イってええよ?」
「ば、ばかぁ!あ、あんたこそ、イ、イっちゃえ!」
「あ、あかん…っ!の、のぞみが、先や!」
「んん!あ!や、それ、はげし…!あ!あ!あ!」
「のぞみ…!のぞみのぞみのぞみ…!」
「やぁああ!だめぇ!あ!イ、イくっ…イっちゃ…!」
「のぞみが…好き、好き好き好き好き…大好きや…!」

やだ、だめ、そんな。

「あ、あた、あたしだって…!さつきが好き!大好き!」
「うん、嬉しい…もっと言うて?んっ…んはぁああ!」
「好き好き好き好き好き好き好き…さつきが…大好き…!」
「あ、あ、あ…のぞみ…うち、も…もう、あ、あかん…!!」

嬉しい。幸せ。すごく…すごく、気持ち、いい…!!

「「ぁ、ぁ!ぁ!ぁ…っ!んあああああああああああああああああああぁぁぁ…っ!」」


※※※


266アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:32:24.84 ID:Co+MGhCU
「なぁのぞみ、一緒に行こう?」
「うん、どこまでも…一緒に」
「あんたと一緒やったら、うち、きっと、どこまでもいける」
「あたしはあんたになら、きっと、どこまでもついていける」

くすくすと笑いあう。
小鳥が寄り添いあうように、子犬がじゃれあうように。
お互いの髪や頬を、愛しげに触れ合わせながら。

「よっしゃ!目指すは世界ランキング1位や!待っとれ!ク○ス・エ○ート!!」
「ふっ。世界?小さいわね、さつき…どうせ目指すなら宇宙を目指しなさい!」
「う、宇宙?宇宙人とテニスするん!?宇宙にテニス、あるん!?」
「あんたはあたしの女王なんだから。どんな相手にだって負けやしないんだから」
「う、うん…!うち、のぞみがついててくれたら…誰にも、負けへん!!」
「よく言った!ちゃんと…ちゃんと追っかけるから。ついてくから。あんたを…」
「のぞみ…」
「もう、離さない。離れない、から…」
「のぞみ…!」
「だからもう、どこにも…行かないで」
「のぞみ…のぞみ、のぞみ…!」
「さつき…!」

あたしたちは、どちらともなく寄り添いくちづけを交わす。
唇からお互いの気持ちを伝えあうように、優しく、でも強く。

「どこまでも、一緒や」
「いつまでも、一緒ね」

そしてあたしは。
さつきと愛し合うようになって以来初めて。
とても幸せで満ち足りた気持ちで眼を閉じた。



※※※




267アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:33:09.30 ID:Co+MGhCU


そして…


それから幾許かの時が流れ…

「さつき!いけっ!そこっ!」

我がことのように必死の声援を送るのぞみ。
コートに立つのは彼女の分身。愛しい人。

激しいラリー。相手は強い。当然だ。
ここはCコート。敵はトップランカー、現役の女王。
だが、さつきは信じている。決して負けはしないと。
のぞみが傍にいるから。彼女が信じてくれるから。

そして。

割れんばかりの拍手と歓声。新女王が誕生する。

「さ、さつき…すごい!すごいよ、さつき!」
「やった…!うち、やったよ、のぞみ!!」
「うん…おめでとう!あんたならやると思ってた!」
「のぞみが…信じてくれたから…うち…うち…!!」

湧きかえる大歓声の中。二人は固く抱きしめあう。

「のぞみ…のぞみ!ご褒美!ご褒美は?」
「は?あ、あんたバカ!?こんなとこで…!」
「うち、頑張ったもん!約束やろ!?」
「で、でも、その、あの…!!」
「や・く・そ・く!したもん!」
「わ、わかったわよ!勝手にすれば!」
「ちゃう!のぞみからしてくれなあかん!」
「っとにもう…!えーい!」
「のぞ…!んっ…」

その瞬間。口づけを交わす二人を前に。
新女王誕生に湧きかえっていた会場は静まり返り、

そして。

再び、割れんばかりの大音響がスタジアムに溢れる。
それは祝福の拍手と歓声。その時、二人は至福に包まれた。



<完>



268アンビバレンツな彼女:2012/10/25(木) 19:33:43.70 ID:Co+MGhCU
以上です。お目汚し失礼しました。
269名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 20:00:33.90 ID:5RNVUA4t
転からどうなるかと思えば・・・
のぞみちゃんの早とちりってオチかw
GJ!
270名無しさん@ピンキー:2012/10/26(金) 01:46:35.11 ID:cdqCZN9l
結待ってました
最後はほっこり終わってよかった
ああもうバカップル最高!GJ!
271名無しさん@ピンキー:2012/10/26(金) 12:31:16.11 ID:kFAbbA7G
GJ!GJ!最高でしたw

このあとのインタビューの内容とか見たいなーなんてw
272アンビバレンツな彼女・蛇足:2012/10/29(月) 19:08:11.00 ID:CZF4QtOl
>>271の前のテレビ画面には。
つい先ほどセンセーショナルな勝利をおさめ、新女王の座に輝いたニホンの選手、
「サツキ・シラカワ」と金髪のインタビュアーが映し出されていた。

『劇的な勝利でしたね、おめでとうございます!』
『ありがとうございます』
『ところで…世界ランク8位のノゾミ・オオクボ選手とは良きライバル関係だとか?』

インタビュアーは興味津々という態で先程起きた「事件」について聞き始める。
それはある意味、新女王誕生以上に大衆の好奇心を刺激する事件だった。

『…はい、そうです』
『今回の勝利は彼女の応援も力になったのでしょうね?』
『…はい』
『それにしても…熱烈なキスでしたね、お二人はどういう御関係で…』
『彼女は…私の、大切な親友、です』
『親友?それ以上の関係とお見受けしましたが…』
『…』
『サツキ選手の出身国では同性愛は一般的に認知されていないのではないですか?』
『…』

と、その時。

びくっと、インタビュアーの表情に亀裂が走る。
インタビュアーと、サツキ・シラカワ選手の視線が、画面奥の方に向かう。

『いい加減にしなさいよ!関係ないでしょ、そんな事!』

それはそれは大きな声だったのだろう。
直接向いていないにも関わらず、その声はマイクに拾われている。

『さつきは!実力で勝ったんだ!それを、ゴシップ紙みたいに…!!』
『のぞみ…!』
『ちょ、離せ!離しなさいよ!何よ、文句あ』

音声が途切れる。
気を取り直したようにインタビュアーはインタビューを再開しようとする。
が、サツキ・シラカワはそれを制して、

『ノゾミ・オオクボは、私の良きライバルであり、同時に、愛する恋人です』

場内が再びざわめく。

『私は今回の勝利を彼女に掲げます。うちは…』

サツキ・シラカワはカメラを見て…いや、カメラを通して愛しい人に語りかける。

『うちは、のぞみを愛してる!のぞみがおらんかったら、ここまで来れんかった!』

それは全世界へ向けての宣言。

『のぞみ!大好きや!!』

場内で、世界中で、歓声があがる。
誇らしげな笑顔を浮かべる新女王の前でインタビュアーがおろおろしている。
カットが切り替わり、以後、その放送内で再びサツキ・シラカワが登場する事は無かった。

※※※
273アンビバレンツな彼女・蛇足:2012/10/29(月) 19:08:52.64 ID:CZF4QtOl
イギリス・ロンドン、とあるホテルの一室で。
シャワールームを出たさつきを迎えたのぞみは、怒っていた。

「なによ、あれ!なんなのよ!」
「どうしたん、のぞみ?」
「ふざけてるわよ!あいつ、関係ない事ばっかり聞きやがって!」
「しゃあないやん、よっぽどセンセーショナルやったんやろ」
「こら!そこ!笑い事か!」

ぷりぷりと膨れまくるのぞみを、さつきは軽くいなす。

「あんたはいいの?せっかくの勝利なのよ?なのに…!」
「かまへん。勝ったんは事実やし、それに…」
「それに?」
「これでもう、こそこそする必要もなくなったやん」

全世界に向けて、自分たちの関係をカミングアウトした。
もう隠す必要はない。だから。さつきは晴れ晴れとした笑顔を浮かべている。

「そ、それは、そうだけど…」

のぞみは、赤い顔を伏せる。
女王の風格を見せつける堂々とした恋人の姿に、自分の器の小ささを思い知ったから。
いや、そんな大袈裟なものじゃない。ただ、照れくさい。気恥ずかしい。
でも、愛しい人のそんな一言が嬉しくて嬉しくて。

「ええやん。うち、いますっごい気分ええんや」
「あんたはいいわよ、言いたい事言えただろうし」
「のぞみも言うたらええやん、うち聞くで?」
「う〜!!!!」

真っ赤に染まるのぞみ。にやにやとその様子を見守るさつき。

「もう!こら、さつき!」
「はいはい?」
「おめでとう!さすがはあたしのさつきだ!愛してるぞ!」
「うん、うちも…のぞみを愛してる。のぞみのおかげでここまで来れた」
「あたしは何にもしてない!あんたの実力よ!」
「ちゃう。のぞみが一緒にいてくれたから。うちの実力だけやない」

二人はどちらからともなく寄り添いあい、口づけを交わす。

「解ってるやろ?うち、のぞみがおらな、なんもできひんもん」
「あたしだって…あんたがいなきゃ、どこにもいけない」
「…のぞみが、好き」
「さつき、愛してる」
「ご褒美の、続き…して?」
「うん…いっぱい、可愛がってあげる」
「嬉し…ん、んぁ…!!」


※※※
274アンビバレンツな彼女・蛇足:2012/10/29(月) 19:09:33.51 ID:CZF4QtOl
濡れた髪をふかふかの枕に押し付け、堪え切れず喘ぎを漏らすさつき。
はだけたタオルの間から、引き締まった肢体と小ぶりの乳房が覗く。
その扇情的な光景を前に、のぞみは胸の高鳴りを抑えきれない。

大きく股を押し開き、すでに熱く濡れそぼった恋人の秘所に息を吹きかける。

「湯上りのさつき…いい匂い」
「ちょ…!そ、そんなとこ、嗅いだらあかん!」
「なに?恥ずかしいの?嬉しいくせにぃ」
「や…そ、そんな…んん!い、息、吹き、かけ、たら…!!」
「感じちゃう?」
「あ、あほぉ!のぞみのあほぉ!!」
「可愛いよ、さつき…」
「や!そやから!しゃ、喋ったら、あかん…んん!」

のぞみが喋る度、息をそよがせる度、ただそれだけでさつきの秘所は細かく震える。

「これだけでそんなに感じちゃうの?じゃあ…触ったらどうなっちゃうんだろ?」
「ん…んはぁ!はぁ…!あ、あ、あ…!い、いややぁ…あ、あかん…!」
「え?触ってほしくないの?ん?」
「う、ううう!の、のぞみのいじわるぅ!!苛めんといてぇ!」
「うん、知ってる。さつきが、苛められるの好きな事も、ね」

すっと撫でるように、のぞみの指先が愛液に塗れたさつきの秘所に触れる。

「ひん!あ!あ!あ!」

愛液の水面…その薄い膜の上をこそげるように。触れるか触れないかの密やかな愛撫。

「やぁ!あ!い、いやぁ!そ、それ、いややぁ!」
「どうしてほしいの?ちゃんとおねだりしてよ…あたしの、女王様」
「んくぅ!は、恥ずかし…!恥ずかしもん…!あ!あ!あ!」
「可愛い…恥ずかしがるさつき、すっごく可愛い。もっと意地悪しちゃうよ?」
「いやあ!も、もうあかぁん!お、お願い…お願いお願いお願い…!」
「なにをお願い?ちゃんと言ってくれなきゃ、解んない」

ひくひくといやらしく蠢くさつきの秘所、それを覗きこむのぞみの声も昂奮に濡れている。

「ねぇ、早く…早くおねだりしてよ。ほら…どうしてほしいの?」
「さ、触って…!もっと、ちゃんと触って…弄って…!」
「どこを?ねぇ、どこを触ってほしいの?」

昂奮に濡れた声でさつきを煽りながら、のぞみの片方の手が、さつきの胸に伸びる。

「ひぅ!!んはぁあああ!あ!あ!あ!」

いきり立った乳首をつまみあげられ、さつきが嬌声をあげる。

「ここ?ここを弄ってほしかったの?」
「あ!あ!あ!き、気持ち、い…あ!あ!」
「それとも、ここかな?」
「ひんんっ!!」

昂奮のためすでに包皮から少し顔をのぞかせた、さつきの真珠のような肉芽。
のぞみの指先が爪弾くように軽くはじく。

「あはぁあああ!そ、そこぉ!い、いい…!気持ち、いい…!」
「それとも…」
「い、いやぁ!も、もっとぉ!もっと、してぇ!!」
275アンビバレンツな彼女・蛇足:2012/10/29(月) 19:10:14.27 ID:CZF4QtOl
荒い息を吐き、首を左右に振りたて、さつきが哀願する。
性感帯を順番に、ほんの少しずつ感じさせられ、焦らされて。

「どこをして欲しいの?ねぇちゃんと教えてよ?」
「ぜ、全部!全部ええの!全部、してぇ!!」
「わぁ、えっち。いやらしい。我がまま」
「うぅう…!お願い…お願い、やからぁ!」

と、その刹那。

「ひ…!!!!あぁああぁあぁぁぁぁぁぁ…!!!!!」

のぞみが、さつきの肉芽にしゃぶりつく。不意打ち。

「あ!あ!あ!」

包皮を舌先で器用にまくりあげ、真珠のような粒を直接舌先で愛撫。
その激しくも甘美な刺激に、さつきは涎を垂れ流し、悶え、あえぐ。

「やはぁあああ!あ!あ!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙………っ!!」

ひくひくと腰が震え、手足が突っ張る。それは絶頂の前兆。

「ほら、イっちゃいな?」
「んぁ!あ!ひぅ…の、ぞ、み…うち…!うちうちうち…!」

じゅるる…!と音を立て、ひときわ激しく吸い上げる。すると。

「あ…ああああああああああああああああああああああ…!」

全身を痙攣させ、のけ反り、さつきが絶頂に達する。
弓なりになった身体が力を失い、ぼふん…!とベッドに落下。

「こんなに簡単にいっちゃうんだから。いやらしいね、あたしの女王様は」
「そ、ん、な…ちゃ、う…の、のぞ…」

荒い息を吐き、絶頂の余韻に蕩けた表情で、さつきは言う。

「のぞみに、されてる、から…嬉しく、て…そやから…!」
「…ばか」

思わぬ告白にのぞみの顔が赤く染まる。

「じゃあ、もっとしてあげる」
「んあ!?あ、あかん…!いま、イってもた、から…!」
「だから。知ってるってば」
「ひぁあああああああ!?」

熱い蜜を滴らせたさつきの蜜壺は、のぞみの指をくぷり…と飲み込む。

「あんたの事なら、全部、解ってるんだから…」
「やぁあ!あかん!あかんあかんあかん…!!」
「うそ、嬉しいくせに」

くすりと笑い、中指の抽送を始めるのぞみ。
愛液を溢れさせたさつきの蜜壺は、じゅぷりじゅぷりと淫猥な音色を響かせる。
276アンビバレンツな彼女・蛇足:2012/10/29(月) 19:10:55.47 ID:CZF4QtOl
「ほらぁ、聞いてごらん?いやらしい音してる」
「ひぁ!い、いやぁ!そ、そんなん、言うたら、あかぁん!」
「大きな声出さない。聞こえないでしょ?」
「ん…!?んんっ!」

指での抽送を続けたまま、口づける。さつきは、くぐもった喘ぎしか漏らせない。
さつきのくぐもった喘ぎと、それを上回る音量で、淫猥な粘着質な音が響く。

「ぐちゅぐちゅ言ってる…さつきの中、いやらしい音してる」
「んん…!んぷぅ…!んんん!んはぁ!あ!んん…!」
「こんなに溢れて…ほら、シーツびちょびちょ…」
「んー!んー!んん!ん…!んーーーーーーーーーーーーっっっ!」

膣内を掻きまわされ、溢れ出た愛液がシーツにシミを作っていく。
延々と口づけを続けているため、口元から涎が垂れ、枕にシミを作っていく。

「すっごい締めつけてくるよ?ねぇ、またイっちゃう?イっちゃいそう?」
「んん!ぷはぁ!イ、イく…うち、うち、また、イく…!!」
「イくときはちゃんとイくって言うんだよ?ね?ほら…」
「んはぁああああ!あ!いや、き、きもち、い…あ!あ!」
「イくの?ねぇイって、さつき…ほら、気持ちよくなって…!」
「イく…うち、イく…!イクイクイクイクイクイク…っ!」

ひくひくと痙攣し、昇り詰めていくさつき。そして。

「イ…くぅああああああああああああああああああああああああ……………っ!!」

真っ白な爆発。さつきは激しい絶頂を迎えた。


※※※


「今度はのぞみの番やで?」
「…わ、わかってるわよ」
「Cコートでのぞみと勝負するんが、うちの次の夢なんやから」
「あ、あたしだってねぇ!あんたに追いつくのが目標なんだから!」
「おう、追いつけるもんなら追いついてみい」
「ふん!その時になって吠え面かくんじゃないわよ?」
「はん!見とき、返り討ちにしたるわ!」

くすくすと笑いあいながら、二人は幸せなまどろみの中にある。
明日から、マスコミの取材が押し寄せるだろう。
同性愛者である事をカミングアウトした新女王、恰好のネタだ。

でも、二人は今。明日の事を考える暇などない。
いま二人の頭の中を、胸の内を占めるのは、眼の前の愛しい人。

ただ、それだけ。




<完>
277アンビバレンツな彼女・蛇足:2012/10/29(月) 19:11:38.96 ID:CZF4QtOl
以上、蛇足でしたm(_ _)m
278名無しさん@ピンキー:2012/10/30(火) 06:53:56.96 ID:szFXnUO0
GJ!


作者さんの筆がノリノリだったとしか思えないw
279名無しさん@ピンキー:2012/10/30(火) 15:11:30.76 ID:AxisOPzF
こんなスレがあったのか、興味深い
是非自分も作品を載せてみたい
280名無しさん@ピンキー:2012/10/30(火) 18:59:06.71 ID:CetUA6nX
>>277
蛇足:付け加える必要の無い余分なもの
必要がないなんてとんでもない、GJです!
つーか世界ランク8位とかノゾミもすげえw

>>279
誘い受けは推奨されないぜ
まあ、誘いネコなら俺は推奨するけどなw
281名無しさん@ピンキー:2012/10/30(火) 19:24:04.40 ID:vSMJGOD4
>>277
GJでした

>>279
どうぞどうぞ
282牛頭人身少女くだんちゃん:2012/11/02(金) 17:29:40.09 ID:pOB4k1bO
頭にケモ耳を持つ人達が暮らす世界の、とある街 の、とある公園。
ネコ耳の少女とツノのある少女が、ゆっくりと歩 いています。

「ネコさん、ここ、覚えてる?」
「もちろん。ここは私たちの初めての場所」
「正解。では、それはいつでしょう?」
「え?えーっと、あ!ちょうど一年前…」
「うん。5,4、3、2、1…」
「?くだんちゃ…」
「…ゼロ」
「ん…!?」

カウントゼロで、くだんちゃんはネコさんにキス 。

「くだん、ちゃん?」
「ネコさんが私に最初のキスをくれたのは、いま からちょうど一年前」

それは2011年11月2日水曜日、午後5時26分5 3秒の事でした。
「百合カップルスレ@エロパロ&文章創作板7」の レスNo.542で。
二人は初めてのキスを交わしたのです。

「よ、よく覚えてるわね///」
「私にとって人生が変わった日、だから…」

ツノのある少女くだんちゃんは、ネコ耳の少女ネ コさんと出会って変わりました。
女の子同士だから最初は戸惑ったし、ちゃんと恋 人同士になれるのに時間も掛ったけど。

「ありがとう、ネコさん。私を見つけてくれて」
「ありがとう、くだんちゃん。私と出会ってくれ て」

二人はどちらからともなく手を取り合います。
繋いだ手と手から、暖かさが伝わってきます。

「これからもよろしく」
「こちらこそ」
「ずっと一緒にいようね」
「うん、ずっとずっとずーっと」
「死が二人を分かつまで?」
「あはは、結婚式みたい」
「この国じゃ正式には無理だけど」
「うん、でも、卒業したら」

「「一緒に、暮らしたいな」」

同時にそう言って、次いできょとん。そして。

「あはは!」
「うふふ…!」

同時に吹き出します。

「うん!そうしょう!結婚だ!結婚だ、結婚だ! !」
「うん!そうしたい!いつも、ずっと、一緒がい い!」

二人は繋いだ手をぶんぶんと振り回し、朗らかに 笑い続けます。
いつまでも、いつまでも。

<くだんちゃんcompilation!・序、了>
283 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/02(金) 18:51:14.03 ID:DTiZ4ClH
>>282です。

PC前に入れなかったけど、時間ピッタリあわせたくて携帯から投下したのに失敗しちゃったorz
でなわけで、ネタが出来たらまた投下しに来ますので、よろしければお読みくださいm(_ _)m
284名無しさん@ピンキー:2012/11/03(土) 23:19:41.93 ID:eKXiBfiq
あれから一年か、時が経つのは早いもんだ
時間はズレたみたいだけど一年という時間の前に数分の誤差なんてあってあいようなもんだw
GJ!
同性婚OKの国で式を挙げちゃえw
285名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 23:41:36.88 ID:5b2HhSUL
サキュバスやらセイレーンで百合
286名無しさん@ピンキー:2012/11/15(木) 09:09:17.22 ID:+KyVBghm
なんつーかこう、いっちゃいちゃの甘甘のゆりんゆりんのが読みたい
287チラシの裏@5258715:2012/11/16(金) 19:33:59.07 ID:8gl/6TyT
チラシの裏みたいな内容ですけど妄想があふれだしたんです。

友達2人で旅行



「ねえ、知恵ちゃん・・・」

「う・・・?亜紀ちゃんどうしたん?」

「なんか嫌な夢見ちゃったから心細いの、」

「ほな、一緒に寝るか?」

「ありがとう!大好き!」

友達としてでも嬉しい言葉やった。
亜紀を寝付かせる自分がおかんみたいで少し笑ってしまった。

「ウチも好きやで、友達やのうて恋人にしたいけど高望みなんやろうなぁ・・・」

「そんなことないよ

「!?・・・!?!」

すっかり気持ちよく寝付いたと思っとったからかなりびっくりしてしまった。

「私も知恵ちゃんのこと好き!恋人にしたいくらい好きなの!」

「・・・・」

嬉しさのあまり声が出ずに泣きそうになった。

「ん・・・」

亜紀の唇はすごく甘い味がした・・・



続かない
288 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/19(月) 18:02:20.28 ID:irm0JM2o
>>286
>いっちゃいちゃの甘甘のゆりんゆりん

っていうのを目指して書き始めたんですが、なかなかそうなりませんorz
まぁ、きっと、多分、そのうち…ということで4レス分、投下します。
289ユリとサラ(1):2012/11/19(月) 18:03:01.38 ID:irm0JM2o
美星 百合子、16歳。女子高生。私はいま、恋をしています。

きっと、永遠の片想い。絶対、交わることのない線路みたいな平行線。
叶うはずの恋、想いを伝える事さえ出来ない。だって私の好きな人は…

☆☆☆

「ゆりりーん、おはよー!!」

その呼び声に振り返ると、沙良がぶんぶんと手を振りながら駆けてくるのが見えた。
今日の髪型はシンプルなストレートヘア。栗色の髪が肩の上で踊る、跳ねる。

「おはよ、沙良…って、ちょっとちょっと!!な、なにしてるの!」
「んー?愛しのゆりりんと腕を組んでるのーらっぶらぶぅ〜」
「バ、バカ!何言ってるのよ…!」

文句を言いながら振り払うことも出来ない、弱気な私。
伸ばしっぱなしの長い髪で赤くなった頬を隠すため、俯く。
ずり落ちた眼鏡を指先でくぃっと直し、咳払い。

「朝から冗談飛ばしてるんじゃないわよ、沙良」
「ほーい!ごめんごめん、ゆりりん怒った?ほっぺた赤いよ?」
「…なんで怒るのよ、私が」
「だよねー。ゆりりん、優しいもん。ね、聞いて聞いて!昨日さー」

無邪気な沙良、天真爛漫な沙良。
あなたは知りもしない、知ろうともしないのよね。
私がこんなにも、あなたに恋焦がれている事を。

☆☆☆

私は男には興味がない。昔からそうだった。
私の身体は女のものだけど、心は、精神は男なのかも知れない。

でも沙良は違う。夢見る女の子、恋に恋する女の子。
いつか素敵な王子様が現れる事を期待して、彼女はいつも出会いを求める。

「昨日のデートでさー彼ってばさーひどいんだよぉ?」

この場合の“彼”は、彼女の恋人とか彼氏とかって訳じゃない。
沙良は男の子と付き合った事は無いと言い張る。

「だって、沙良は恋したことないもん」と。

じゃあなんで男とデートしてるのかって?それは“お試しデート”なのだそうだ。

曰く、一緒に過ごしてみないとホントの事なんて解らない。
いくらカッコヨクても、馬があわなきゃ彼氏には出来ない。
結婚前に同棲してみる…みたいな事、かな?と私は理解してる。

沙良は、ハッキリ言って可愛い。言い寄ってくる男には事欠かない。

中に星が入ってるんじゃないかってくらいキラキラした大きな瞳。
薄い唇に縁取られた小さめの口はよく喋り、よく笑い、よく食べる。
薔薇色の頬、長い睫毛、ふっくらした女らしい体型とちょっぴり小柄な肢体。
手入れも行きとどき、日々髪型の変化を愉しんでいる栗色の髪はサラサラ。

全部、私とは正反対だ。
290ユリとサラ(1):2012/11/19(月) 18:04:28.01 ID:irm0JM2o
「ちょっとーゆりりん、聞いてる?」
「あ、ごめん」

物想いにふけっていた私は、上の空だったのだろう。
横を見ると、私の腕にぶら下がったお姫様はおかんむりだった。

…膨れっ面まで可愛いなんて、反則よね。

「で、その彼が何?また馬が合わなかった?大体、理想が高すぎなんだよ、沙良は」
「沙良は男の理想像なんて無いよ。きゅんってして、びびびってすればいいだけだもん」

これだ。つまり一目惚れ?彼女は恋に恋する、夢見る乙女。

「つまり、昨日の彼はきゅんでもびびびでもなかったのね。また」
「うん。だってさ、いきなり沙良にキスしようとするんだよ!」
「キ…!?」

私はうろたえた。
沙良にキスだと!?私の沙良に!?いや、私のじゃないけど…でも!
ずり落ちた眼鏡を指先で押し上げながら、私は沙良を問い詰める。

「で!?なに、あんた、許したの!?」
「そんな訳ないじゃん!きゅんでもびびびでもなかったのに!」
「そ、そか…」
「スネんとこ蹴っ飛ばして、帰っちゃった」

私はほっとする。とりあえず沙良の貞操は守られたようだ。

「その後でゆりりんに電話したのに出ないんだもん。なにしてた?デート?」
「なんでデート?相手もいないのに」
「作ればいいのにーなんで彼氏つくらないの?勿体無ぁい」
「いいの、私は。彼氏なんていらないから」

あなたがいてくれれば、という言葉は飲み込む。

「ゆりりん、かっこいいのに。背も高くてモデルさんみたいだし、キリリ!ってしてるし、
脚も長くてスリムで、二重で睫毛も長いし、鼻筋通ってるし、唇ぽってりでエロいし」
「エ…エロ!?何言ってんの、あんたバカ!?」

確かに私の身体はひょろりと長いし脚も長い方だろう。けど。
代わりに胸はペッタンコだしお尻も小さい。男に好かれる体型では無い。
切れ長の瞳と長い睫毛は冷たい印象を人に与えるし、鼻は高いだけでなくデカい。

「コンタクトにしない?髪も切ってオシャレしよ?男の子がほっとかなくなるよ?」
「いい!めんどくさい!構われなくていい!ほっといてほしい!」

分厚い眼鏡と手入れもろくにしてない伸ばしっぱなしの長髪は、自分を隠す防壁。
私なんかを気にいる物好きな男も過去にいなかったわけじゃないから、
男に言い寄られたくない私は、対男性用防護障壁を作りあげたのだ。

みだしなみに気を使わない外見と、無愛想な性格。
やぶにらみの視線も、つっけんどんな口調も全部、そう。

「ふーん、そっかぁ。じゃあ…」

そこで悪戯っぽい笑顔。やばい、可愛い。

「まだしばらく、ゆりりんは沙良が一人占めだね」

この小悪魔め。頬が熱い。耳が熱い。あ、あああ、アソコまで熱い…気が、する。
291ユリとサラ(1):2012/11/19(月) 18:05:09.56 ID:irm0JM2o
「ねーゆりりん!顔、真っ赤だよ?熱でもある?」

まったくの不意打ちだった。沙良の可愛いオデコが、私の額にくっついた。

「んな…ななな、な!?」

沙良の眼が、眼の前にある。可愛い頬、唇から吐息が私の肌をくすぐる。
どきどきと胸がたかまる。昂奮、する。…変態親父か!私は!

「おでこ熱いよ?ほっぺも真っ赤だし、息も荒くなってきた。大丈夫?」

小首をかしげて心配げな口調で言う沙良。

ひ、額が熱いのはあんたの顔がすぐ近くにあるせいだし、
頬が赤いのはあんたの顔がすぐ近くにあるせいだし、
息が荒くなるのはあんたの顔がすぐ近くにあるせいなの!!!!!

…などと言えるはずもなく。

「た、大したことないわ。大丈夫よ」

と、精いっぱいの自制心を発揮して、必死の自制でクールに言い放つ。

「無理しちゃダメだよー?」

沙良のオデコが離れて行く。ほっとするけど、同時にとても残念。
柔らかいオデコの感触、甘い甘い沙良の吐息、

…頭がくらくらする。

☆☆☆

学校についた私は、トイレに籠った。

なんのため?もちろんオナニーするために(キッパリ)

オカズは、もちろんさっきの沙良のドアップ。可愛い沙良、愛しの沙良。
私の身体は女のモノだけど、心は男なのかも知れない。
だって、沙良を想うと昂奮する。沙良を想うと濡れる。

「沙良…沙良、沙良、沙良…!」

口中で沙良の名を転がす。まぶたの裏に焼きついた沙良のアップ。
オデコをくっつけて心配そうな視線を私に向ける沙良。

あのまま唇を押し付けたら、沙良はどうしただろう?
拒絶する?それとも受け入れてくれる?うーん…

よし。今日の妄想は拒絶されるけど、無理矢理しちゃう方向で。


(という訳で、以下は私、百合子の妄想です)
292ユリとサラ(1):2012/11/19(月) 18:06:08.25 ID:irm0JM2o
『や、やだ…ゆりりん!だ、ダメだよ…!』
『あんたが悪いのよ、沙良…!あんたが…可愛すぎるから…!』

私は沙良の制服の裾から手を突っ込み、その可愛い胸を強引に揉みしだく。

『い、痛い…!痛いよゆりりん…!』

処女の沙良、穢れなき沙良、強引な愛撫では感じさせることはできないだろう。
落ち着いて、百合子。優しく、丁寧に、なでさすって、徐々に官能を味あわせて。

『や…あふぅ…!ゆ、ゆりりん…あ!さ、沙良…!変なの…なんだか、変…!』

自身への愛撫で鍛え上げた私のテクニックに、沙良は徐々に感じ始める。
眼がとろんとして、未知の感覚に混乱し始める沙良。可愛い沙良。イヤらしい沙良。

『エッチな顔してる、エッチな声出てるよ、沙良…!』
『いやぁ!ゆ、ゆりりんのバカぁ!あ!あ!くふぅ…んん!』
『沙良…沙良…ほら?私にもして?もう、こんなになってるの…!』

沙良の指を私のスカートの中、蜜を溢れさせた秘所に導く。
ぴくん!と沙良の身体が震える。

『ぬ、濡れ…ゆ、ゆりりん…ゆりりんの、ここ、すごい…』
『んく…っ!い、いいよ…沙良…!気持ちいい…!沙良の指、いい…!』
『ゆりりん、気持ちいいの?ここ、そんなに気持ちいい、の…?』
『うん…!いいよ、ほら…沙良にも、してあげる…!』
『あ!や、やぁあ!なにこれぇええ!さ、沙良…お、おかしくなっちゃうよっ…!』
『いいよ、おかしくなっても…一緒に、気持ちよく、なろ?』
『う、うん…!沙良、気持ちいい…!ゆりりんの指、気持ちいいよぉ!!』
『沙良…!沙良沙良沙良…ああ!好きぃ、沙良が好き…!!』
『う、うん…沙良もゆりりんが好きだよ…!ゆりりん…んん!んはぁああ!』

お互いの秘所をさすりあげ、私たちは徐々に、一緒に、昂り、そして。

『あはぁ!く、来る!なんか来ちゃう…!あ!あ!あ!』
『沙良…!一緒に、一緒に、イこう?イって…沙良!』
『ゆ、ゆりりん!ゆりりん!沙良、もう…もう!!』

『『あ、あああああああああああああああああああああ…―――――――!!』』

☆☆☆

「ああ…イ、イく…っ!沙良…!!」

ぶるる…っ!と腰が震え、全身を快感が駆け抜けていった。
心地よい疲労感、そしてついで襲い来る空しさ。

「…はぁ」

トイレの個室で、ひとりエッチで絶頂を迎えた私は大きなため息を吐く。

「なにやってんだ、私…」

そして私はさめざめと涙にくれる。
永遠に叶うことのないであろう妄想の空しさに。

そう。私の恋は、きっと叶わない。永遠の片想い。


<つづく>
293名無しさん@ピンキー:2012/11/19(月) 19:19:05.05 ID:armluZmj
GJ!
百合子ちゃんが容姿といい、性格といい、何から何まで俺得にすぎ、最高でした!
294名無しさん@ピンキー:2012/11/19(月) 22:04:52.26 ID:bX/zGlkQ
GJ!沙良ちゃん罪な女過ぎる…スキンシップをするということはそれだけ同性を恋愛の対象として見てない証になっちゃうんだよな
続き楽しみにしてます
295名無しさん@ピンキー:2012/11/20(火) 23:18:40.31 ID:nAg6Vmuk
エロシーンは毎回妄想だけでいくのかな
それはそれで新鮮だなw
296ユリとサラ(2):2012/11/21(水) 13:27:27.18 ID:1naFpvuy
皆さん、読んでくださってありがとう。さて、二人は恋愛関係になれるんでしょうか?
百合子の片想いが成就する日はくるのでしょうか?それとも妄想だけで展開するのか?

いつもは割と最後のシーンまでイメージして書くんですが、
今回思いつきと勢いで始めたので、私にもどう転ぶのか解りませんw
ともあれ第二話、3レス分です。
297ユリとサラ(2):2012/11/21(水) 13:28:08.37 ID:1naFpvuy
美星 百合子、16歳。女子高生。親友を、女の子を好きになりました。

でも彼女は普通のコ。きっと私の想いは受け入れてもらえない。
だから私は、満たされぬ切ない想いを、自分を慰める事で紛らわす。

好きなコを想って自慰に耽る私は、まるで思春期の男の子みたい。
ううん。いっそ、私が男だったら良かったのに。
そうしたら、沙良に好きだって堂々と言えるのに。

☆☆☆

沙良はとても好奇心旺盛な女の子。知りたい事がいっぱいある。
でもそれは、きっと思春期の女の子としては当たり前のことで。

私たちのいつもの指定席。休み時間の学校の屋上で、私は沙良から無邪気な質問を受けた。

「ねーねーゆりりん、キスしたことある?」
「あるわけないよ。相手もいないんだから」
「えー勿体無い!ゆりりん、かっこいいのに!」
「待て、ちょっと待て。今、デジャビュが…」

今日の沙良はツインテール。頭の両脇でぴょこぴょこ跳ねる尻尾。
とても、可愛い。可愛い可愛い可愛い…などと見とれていると。

「んーーーーー…」
「バ…!バババ、バカ!何してんの!」
「ん?ゆりりんとキスしようかと思って。ダメ?」

ダ、ダダダ、ダメな訳がない!

「ダメに決まってるでしょ!?女同士で!」

ああ…私のバカ!千載一遇のチャンスを…!!いや、でも、しかし!!
悔恨に身をよじる私を、沙良は真剣な眼で見て、言った。

「実はね、沙良、ずっと前から確かめたかった事があるの」
「はぁ、何?」
「キスって…ホントに甘いのかな?」
「んな訳あるかい(一刀両断)」

唇と唇をくっつけるのだ。するとしたらせいぜい唾液の味だろう。
しいて言えば、その前に食べた物の味がするかもしれない。
タバコを吸う男ならタバコ臭いだろうし、胃が悪い男なら口臭もヒドいんじゃないか。

「えー夢が無さ過ぎるよ、ゆりりん!絶対、甘いんだって!好きな人とのキスは!」
「キス…っていうか恋愛に幻想を抱き過ぎなの、沙良は」

私は呆れてその場を立ち去ろうとする。と。

「ぶーーーー!」
「こ、こら!しがみつくな!」

後ろからしがみつかれた。どきどきするから止めてっ!!

「こら!沙良!いい加減に……!!!!!????」
「ん…ちゅ…んふぅ…」

突然、私は沙良に唇を奪われた。
298ユリとサラ(2):2012/11/21(水) 13:28:49.18 ID:1naFpvuy
「ぷはぁ!ゆりりんのファーストキス、いっただきぃ!」
「あ、あああ、あんただって!はじめてなんでしょうが!!」
「え!?ああああああ!そ、そうだった!ど、どうしよう!?」

うろたえる沙良。間抜けな沙良。可愛い沙良。

「…ま、いっか。ゆりりんとなら」
「…なにがいいのよ」
「だって沙良はゆりりんの事、大好きだもん。だ・か・ら、いいの!」

にへへ、と笑う沙良。この小悪魔め。

「で?どんな味だった?」
「ん?納豆味。ゆりりん、今朝、納豆食べた?」
「…ごめん」
「あははーなんで謝るの?変なの。でもやっぱり甘くはないよねー」

ううん。

沙良とのキスは、とても甘くて甘くて…脳が蕩けそうなほど甘かった。

やっぱり、好きな人とのキスは甘いものなのだ。

☆☆☆

「さ、沙良ぁぁ!も、もっと…ん…んちゅ…んんん!」

左指薬指をしゃぶる。これ、沙良の唇ね。

深夜の自室。ひとりのベッド。
今日も今日とて、私は満たされぬ想いを自身の指で慰める。
今日のオカズはもちろん、沙良からの不意打ちキス。
左手は、充血した乳首をまさぐってる。もちろん沙良の指。これは沙良の指。

今日の妄想ストーリーは、沙良との甘い甘いキス、そしてキスで沙良をイかせちゃおう。

『ゆりりんってば、い、いやらしいよぉ…そんなにしゃぶりついちゃ…んふぅ…!』
『だって…沙良の唇、沙良とのキス、すごく気持ちいいよ…!沙良も、でしょ?』

現実の私ではあり得ない台詞。こんな甘えた声なんて出したことも無いのに。

『う、うん…ゆりりんとのキス、き、気持ちいいよぉ…!』
『じゃあもっとしてあげるね?沙良、もっと感じて…?』
『あ!やっ!もうぉ!さ、沙良も…沙良もして、あげる…!』

乳首を指で摘み、転がす。これは沙良の唇。優しい唇。甘い唇。

『んはぁ!あ!あはぁあ!』
『やぁん、ゆりりん…気持ちいい?ねぇ?』

「ああ…いい!気持ちいいよ…沙良…沙良沙良沙良沙良…!」

うわ言のように沙良の名を呼びながら、妄想を加速させる。
私は乳首を捏ねまわしながら、もう一方の手を下へ下へと降ろしていく。

「ん…っ!」

そして指先を、蜜を滴らせる割れ目に沿わせた。
299ユリとサラ(2):2012/11/21(水) 13:29:30.41 ID:1naFpvuy
『可愛い沙良、えっちな沙良…今度は…私にもさせて?』
『だ、だめだよぉ!そんなとこ、汚っ…!』
『汚くなんかないよ、沙良。沙良に汚いとこなんて、無い…!』

沙良の股間に顔を埋め、沙良の割れ目に沿ってキスの雨を降らせる私。
上目遣いで沙良を見上げると、恍惚の表情で感じる沙良。いやらしい沙良。

ああ…!その表情を想像するだけで、イッちゃいそう……!

「んはぁああ…っ!!さ、沙良…!沙良沙良沙良…っ!!」

私は自身の陰部を激しく愛撫しながら、妄想を加速させる。

『ん…っ、ちゅ…、ちゅく、ちゅぶ…んちゅ…っ!』
『やぁああ!!ゆ、ゆりりん…!い、いいの…っ!も、もっとぉ!もっと、してぇ!!』

浅ましく、いやらしくおねだりをする沙良を幻視する。
私はそんな沙良をさらに高ぶらせるべく言葉責めを開始。

『いやらしいね、沙良。えっちな沙良、すごく可愛いよ』
『そ、そう…!沙良、えっちな女の子なの!は…っ!はぅうぅ!!』
『いやらしくって淫乱で…!それに…それに…!』
『あああ!さ、沙良はい、いやらしくって淫乱で…!』

身悶える沙良、よがる沙良、言葉責めに煽られてM方面に流される沙良…!

『ゆりりんにぃ…!女の子に感じちゃう、変態さんなの…っ!』

「あ…っ!」

一気に、心が冷えて行く。しまった、と私は臍を咬む。
妄想の方向を間違えた。いまさら軌道修正も効かない。


女の子に感じちゃう変態…か。それって私の事じゃない。


私は、自身の愛液に塗れた指先を眼の前にかざし、呟く。

「以後、沙良への言葉責めパターンは封印の方向で」

そして、私は泣いた。一人の部屋、一人のベッドで。



<つづく>
300名無しさん@ピンキー:2012/11/22(木) 10:03:09.04 ID:ak8qqZp4
>>290
禿萌えた

悪魔や、この娘ほんまもんの悪魔やでぇ・・・
301名無しさん@ピンキー:2012/11/22(木) 10:05:12.20 ID:U7mv5wFg
百合子にとっては甘くて
さらにとってら納豆味か
好き人なら甘い、てことは・・・
せ、切ない・・・!

が、がんばれ!ゆりりん
歯はちゃんと磨けよ!
302名無しさん@ピンキー:2012/11/23(金) 02:45:06.68 ID:05CCN9UH
サイコパスの百合具合が狂っていて凄いね
303ユリとサラ(3):2012/11/24(土) 18:46:30.77 ID:XDOk8ixR
第3話、3レス分投下させていただきます。
今回、百合子の妄想ひとりえっちなしです。
304ユリとサラ(3):2012/11/24(土) 18:47:12.32 ID:XDOk8ixR
美星 百合子、16歳。女子高生…なのに、女の子に欲情する変態です。

私が男だったら良かったのに。男なら堂々と沙良に告白できるのに。
ううん、もし私が男だったら、沙良には歯牙にもかけてもらえないかも。

だって私は、自分が魅力的な人間だとは思えないから。

☆☆☆

今日の沙良は、髪をアップにして帽子の中に納めてる。
チェックのミニスカート、下には黒いスパッツ。脚元は低めのヒール。
赤いブルゾンが女の子らしさを倍増(当社比2.5倍)させている。

そんな愛らしい女の子を腕にぶら下げている私はと言うと。
黒いブルゾンに黒いパンツルック、脚元にはスニーカー。
伸ばしっぱなしの長い髪以外は、まるで男みたいな恰好。

もちろん、私のこのスタイルには理由がある。
私がスカートを履いて二人で歩いていると、ほぼ100%の確率でナンパされるのだ。
もちろん、男どもの目当ては沙良。可愛い沙良。キュートな沙良。私はただのオマケ。

「彼女(=沙良)、かわいいねぇどっか行かない?あ、キミ(=私)も良かったら一緒に」

…てなもんだ。そこで私は一計を案じた訳。

道行く男たちの視線が沙良に突き刺さる。
でも、横にいるのが男…?かもしれない、と見ると、
あえて沙良に声をかけようという剛毅な男はいない。

だから、私はパンツルックしか着ないのだ。

☆☆☆

今日もやっぱり、沙良は道行く男たちの注目の的。
あの中の何人かは頭の中で沙良を裸に向いて犯したりしてるに違いない。
男って、いやらしいんだから。そういう妄想をしてもいいのは私だけなのに。

「…ふん」

伸ばしっぱなしの長髪を後ろに束ねた私、落ちてきた眼鏡をくいっと押し上げる。
その様子を、私の腕にぶらさがってる沙良にまじまじと見られて、思わず頬が赤らむ。

「沙良もメガネかけようかなぁ」
「あんた視力両目とも1.5でしょ。必要ないじゃん」
「だって、ゆりりんが眼鏡くいっ!てするとこ、かっこいいんだもん」
「はぁ?」
「だから、沙良もそれやりたーい!」

まぁ眼が悪くなくたって、眼鏡を掛ける事はできる。

「沙良、眼鏡屋さん行ってみようか?」
「うん!だからゆりりんってば大好き!」

ぎゅっと抱きしめられて、肘のあたりに沙良の柔らかな胸が押し付けられて。
私はギクシャクとした動きで一歩脚を踏みだした。今日のオカズは決まりね、

☆☆☆
305ユリとサラ(3):2012/11/24(土) 18:47:53.22 ID:XDOk8ixR
テーブルと壁一面に色とりどりのフレームが並んだお店で、
沙良はそれらをとっかえひっかえ取り替えては掛けてみる。

「これこれ、どうかなぁ?」
「こっちの方が似合うよ、沙良には」
「なんだか子供っぽくなぁい?」
「だって沙良、童顔じゃん」
「ぶー!沙良はゆりりんみたくカッコヨクなりたいの!」
「いいんだよ、沙良はそのままで!可愛いんだから!」
「えー?そー?やっぱりそう思う?」

私は力強く頷いた。心から、そう思うから。

「沙良、ゆりりんとお揃いしたいんだけどなぁ」
「そ、そう?じゃあもうちょっと見てみようよ」
「うん!でも…なかなかびびびっ!てくるのには出会えないねぇ」

沙良がため息を吐いた。
彼女の男の子に対する普段の発言と同じだ。

沙良は男の子と付き合った事は無い、という事になっている。
だが恋人未満の男の子との “お試しデート”を頻繁にしている。

さっきから色々な眼鏡を試すように、沙良は男の子を試す。
胸が「きゅん」として、身体に「びびびっ」と電気が走るような、
そんな出会いと相手を求め、探しているからだ。

「無理してかける必要ないんだから、いいんじゃない?」
「うーん、そうだね。でも…あ!これっ!!」

そして沙良はついに、きゅんとしてびびびなフレームに出会ったのだ。
それは沙良の童顔にフィットする丸味を帯びた優しいデザインのフレームだった。

「うん…これがいい。これに、する…」

私は沙良のその表情を見て、思わずどきっとした。
きらきらうるうると瞳が輝き、頬は上気している。
フレームに注がれるうっとりとした視線に私は嫉妬した。

…人って、無機物にも嫉妬出来るのね。と、そんな事より。

これが、沙良の、きゅんと来てびびび…なのか。
沙良は、いつか、こんな視線を男に向けるのか。
あの瞳で見つめられる男はいったい、どこのどいつだろう。

「良かったね、いいのが見つかって」

私は、きゅんでびびびなフレームとの出会いを祝福するふりをした。
でも、心の中は。昏い嫉妬の炎が渦巻き、胸中を焦がしていた。

そしてその昏い感情を、私は沙良に見透かされていた。
沙良は決して頭の悪い子じゃない。言動が軽いから誤解されがちだけど。

☆☆☆
306ユリとサラ(3):2012/11/24(土) 18:48:34.00 ID:XDOk8ixR
ウィンドーショッピングをしながら、眼鏡店からしばらく歩いたところでの不意打ち。

「ゆりりん、どうして怒ってるの?」
「え!?わ、私、怒ってなんか…!」
「沙良、なにか悪い事、した?」
「そ、そんな訳ないって!気のせいだよ!」
「ううん、ゆりりん、怒ってる。悲しそう。さっきのお店からずっと」

沙良はお気に入りのフレーム、度の入っていない眼鏡を手にとって呟いた。

「沙良が眼鏡するの、いやだった?」

そうじゃない。そんな事ない。でもその言葉を口にできなくて。
眼鏡に嫉妬してるの。そこから幻視した未来に絶望してるの。
…なんて事を言える訳も無い。だから、私は黙る事しか出来なくて。

「そっか。そうなんだ…うん、じゃあ…」
「…え?」
「こんなの、えーーーーーーいっ!」
「ちょ、さ、沙良!?」

沙良は買ったばかりのフレームを放り投げた。
私の嫉妬を一身に背負った哀れな眼鏡は、地面に激突、粉砕。

「さ、沙良!なにするの!?」
「だって、眼鏡、いやだったんでしょ?ゆりりん」
「だ、だからって!投げなくたって!壊さなくたって!」
「いいの!沙良は眼鏡よりゆりりんが大切だから!」

にっこり笑って、まぶしい笑顔で。私はまたしても絶句する。

「だ、だからって!あ、あんなの投げたら危ないでしょ!めっ!」
「めっ!てなに!?沙良、子供じゃないよぉ!?」
「こ、子供じゃん!買ったばかりのモノをほうり投げて…しょうがないんだから!」
「あは、ゆりりん…やっと笑ってくれた」

え?私、怒ったよね、いま。頬が緩んでるけど、怒ったんだよね?

「えへへ」

沙良には敵わない。全部、お見通しなんだから。

「沙良、なんか食べに行こう。奢ってあげる」
「え?ほんと?どうしたの、ゆりりん、急に」
「お金ないでしょ?いまのフレーム代で」
「お、お見通しだね!ゆりりん!」

そう、私だって。沙良の事ならお見通しなんだから。

「イタリアン!イタリアン!パスタがいい!」
「ちょ!?あの店!?た、高いよあそこ!」
「だってぇ、あそこがいいんだもーーーん!」

私達はきゃんきゃんと言い争いながら、でも笑顔で、
沙良お気に入りのイタリアンレストランに脚を向けた。



<つづく>
307ユリとサラ(3):2012/11/24(土) 18:49:09.31 ID:XDOk8ixR
以上です。読んでいただいた方、ありがとうございました。

次回、新展開の予定ですノシ
308名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 10:21:49.31 ID:oEu8uSTr
ヤバいwニヤニヤが止まらんwww
309名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 10:31:39.98 ID:soz0cPrC
無機物にも嫉妬しちゃうゆりりん萌え
沙良がそんなに馬鹿じゃないことに驚いた
310名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 12:47:14.95 ID:piBhQhZW
このスレの感想って間をおかずにふたつ並ぶよな。自演?
311名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 19:57:10.92 ID:0mdca5T/
一番乗りは気が引ける奴がいるんじゃね?
百歩譲って自演とするなら投下からは時間を開けるのに、感想は開けないのは不自然だと思う。
しかし無自覚に誘惑しオカズを増やす沙良・・・恐ろしい子!
312名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 20:35:14.38 ID:RL2emD5F
作者様に迷惑をかけると申し訳無いので言わせてもらうけどいつも間を置かずにコメする者だが自演ではない
313名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 21:07:11.35 ID:JDxEN7q1
>>312
ん?間を置かずにって事は要するに
>>308>>309なんかは両方ともあんたって事?
>>293-295なんかもそうなのか?
314名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 21:31:07.78 ID:0mdca5T/
(一つ目の感想から)間をオカズ……じゃなくて(投下から)間をオカズに、だろ
315名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 21:38:17.40 ID:0p4qvkV7
>>313
その中の全部ではないがいくつかは自分
311の人が言うとおり一番乗りは少し気が引けるから誰かが感想を投下した後に自分も投下してるだけ
多分自分みたいなのが何人もいるだけで自演では無いと思うよ

本線と関係ないからこの流れそろそろよそうよ
316名無しさん@ピンキー:2012/11/26(月) 13:43:26.73 ID:0QeBpbwH
310だけど、俺が言いたかったのは
一つ目の感想から間をおかずに二つ目の感想が投下されてる事が多いように見えるけど
その二つの感想は同一人物によるものなんじゃないのか?って事であって
作者が自分で感想書いてるんじゃないか?と言いたかった訳ではありません

言葉が足りなくてすまんかった

ていうか最初に感想書くのは気がひけるっていうのも意味解んないんだけどね
317 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/26(月) 20:35:33.72 ID:nZVYY4P0
>>311
>しかし無自覚に誘惑しオカズを増やす沙良・・・恐ろしい子!

ゆりりんにとっては沙良の存在自体がオカズと言いますか、
そこに沙良がいるだけで興奮しちゃうんですから、
まあ、もう、しょうがないですよねw

そんな訳で続きです。一番乗りは気が引けるなんて言わないでー。
318ユリとサラ(4):2012/11/26(月) 20:36:16.10 ID:nZVYY4P0
美星 百合子、16歳。永遠の片想いに煩悶するダメ女子高生です。

おまけに彼女が気にいったモノにまで嫉妬するダメっぷりに落ち込んだりもしてます…

だって、大好きなんだもん。普通の人が異性を想うように、私は沙良を想う。
ずっとそばにいたい、いて欲しい、抱きしめてキスしたい、もっといろんな事も…

はい、女の子に性欲を覚えるダメなコです。

でももちろん、そんな事、彼女の前ではおくびにも出しません。
だって、嫌われたくないから。引かれたくないから。
たとえ想いが届かなくても、せめて友達として傍にいたいから。

☆☆☆

いつもの通学路、いつものように背後から大きな声が私を呼ぶ。

「ゆりりん!おっはよ〜!」

沙良だ。朝の沙良、愛しの沙良、可愛い沙良、子犬みたいな沙良。
そう、毎朝彼女は私を呼び、私に駆け寄ってきてしがみつくのだ。

私は沙良がしがみつきやすいよう、いつものように心持、肘を開いて待つ。

待つ。

ひたすら待つ。

けれど。

「あ、あれ?」

振り返ると私の後ろ、50mくらいの所を沙良が歩いてた。
その傍らには、一人の男の子。端正な顔立ちの、故に気に食わない感じの。

「沙良…?」

思わず立ち止った私に気付いて、沙良がぶんぶんと元気に手を振る。
今日の髪型は、まとめた髪を後ろに垂らしたポニーテール。
手の動きにつられ、馬の尻尾がぶんぶん揺れて。
私の心もぶんぶん、ぐらぐら…揺れて揺れて揺れ続けていた。

☆☆☆

「ついに、びびびのきゅん!だった訳?」

学校の屋上で、手摺に身を委ね、私は平静を装い沙良に問いかける。
沙良はずっと、胸がきゅん!として電気がびびび!と走るような、
劇的かつ運命的な出会いを求め続けてきた、夢見る乙女。
そんな沙良は多くの男の子と“お試しデート”を重ねてきたのだが、
一緒に通学までするような相手は初めてだった。

「良かったじゃん、沙良」

私は努めてクールに、平静を装って言う。
もちろん、ハートブレイク。胸中では嵐が吹き荒れている。
顔で笑って心で泣いてる。頑張れ、私の理性。

しかし沙良は、なんだか煮え切らない様子で首をかしげる。
319ユリとサラ(4):2012/11/26(月) 20:36:57.70 ID:nZVYY4P0
「う〜ん…ぴりっ!くらい、かなぁ…?」
「きゅん!じゃないの?びびび!じゃないの?」
「う〜ん…?」

私は沙良が中空に視線を泳がせているのをいい事に、小さくガッツポーズ。
まだだ。まだ沙良は、彼女が求める“本当の恋”をしてはいない…!

「じゃあ一緒に通学なんてしない方がいいんじゃない?」
「う〜ん、やっぱりそうかなぁ。そう思う?」
「過度な期待を持たせるのは酷だよ、沙良」

そうだそうだ!沙良!親友の言う事は素直に聞くべきよ!

…神様、お願い。たとえ私の想いが沙良に届く事はなくても。
もう少しだけ、あと少しだけ、私を沙良の傍にいさせて。

「でもね、沙良、最近思うんだ」
「何を?」
「きゅん!でびびび!な相手なんて、いないんじゃないかって」
「は?」
「だって、みんな言うんだもん。運命の人なんてあり得ないよって」

白馬の王子様、いつか突然現れて、身も心も奪っていく運命の人…
そんなのは夢物語だと、恋する乙女の抱く幻想だと、沙良は考え始めた…?

「だから、ね。少しでもぴりっ!と来る人がいたら…」

それが今朝の彼。にっくき男。

「もう少しお付き合いしてみた方がいいのかも…って、思うんだ」
「も、もう少し…って?」
「例えば…キスまで、許しちゃう?とか」
「キ…!!」
「ちょ…ゆ、ゆりりん!?ゆりりん!ど、どうしたの!?」

沙良が男とキスをする。それを想像したら。
私の脳は思考を拒絶、ブラックアウトしてしまった。

☆☆☆

「ゆりりん!ゆりりん!しっかりしてよぉ!死んじゃやだよぉ!」
「…勝手に殺すな」
「ゆりりん!?良かったぁ!ゆりりんが生きてたぁ!良かったよぉ!!」

気がつくと、手摺に身体を預けた私に、沙良がしがみつき支えていた。
そして、動揺した沙良をなだめるために休み時間を使いきってしまったため、
沙良の恋愛方針に関する話は、そこで終わってしまったのだ。

☆☆☆

「デート?あの、彼と?」
「うん、だから日曜はゆりりんと遊べないの。ごめんね」
「あ、ああ。私の事は気にしないで。うまくやんなさいよ」

うまくって何を?キス?それとも、それ以上の事?

「うん!沙良にお任せ!」

うんって何?お任せって何よ?キスする気?私の沙良、無邪気な沙良。
私の想いなんて知りもしない無邪気な沙良、大好きだけど憎い沙良。
320ユリとサラ(4):2012/11/26(月) 20:37:39.36 ID:nZVYY4P0
☆☆☆

「うえ…うぐっ…ひっく…うぇぇぇ…」

ひとりの部屋。ひとりのベッド。ひとりの夜。私はまた涙にくれる。
気にしないで…なんて、心にもない台詞で強がっちゃって、さ。

いつも泣いてるばかりいる泣き虫の私だけど、沙良の前で涙を見せた事は無い。
だって、沙良は私を「クールで強くてかっこいい」なんて言ってくれるから。
沙良が私を親友に選んでくれたのは、自分とは対照的な存在だと思ったから。

だから私は突っ張って、虚勢を張って、クールな自分を演じるのだ。

でも、それももう必要なくなるのかも。そんな風に考えると涙が止まらなくなる。

「沙良ぁ…沙良、沙良、沙良…ん…んくぅ…!あ…!」

切ない悲しみを紛らわすため、私はまた自慰に頼る。でも。

『※※くん…来て…!沙良に※※くんの…ちょうだい…!』

いつもみたいに妄想できない。どうしても浮かんでしまう男と交わる沙良の姿。
そんなの想像したくないのに、でも何故だか私のアソコはいやらしい涎を溢れさせて。

「やだぁ…!沙良…!やめてよぉ…そんな事、しないで…沙良ぁ!あ!あ!あ!」

『あぁぁ!き、気持ちいいよぉ…※※くん…!沙良、気持ちいいのぉ…っ!』

クリトリスを弄られる沙良を想像し、私は自身の同じ場所を捏ねまわす。
激しく、めちゃくちゃに。自虐的で刹那的で退廃的な…快感が込み上げる。

『※※くんにあげる…沙良の初めて…もらって!』

「やだやだやだ…そんなのやだ…!あ…あふぅ…!んん…っ!」

『ん…ぁあああ!お、おっきい…!太くて、硬い…!!』

「そんな…!そんなそんなそんなそんなぁぁあ…!」

『あは…っ…!沙良の中、※※くんのおちんちんで一杯だよぉ…!』

「ひっく…っ!うえ…うぇぇぇえええん!沙良ぁ!沙良沙良沙良…!」

『やぁあ!い、いい…!き、気持ちいい…!あ!あ!あ!※※!※※!』

「沙良!沙良沙良沙良!わ、私…!私ぃぃいいいい!!」


『「あ!あぁぁぁああああああああああああああああ!!!」』


☆☆☆

『沙良、幸せだよ…※※…』

甘い声で男に囁く沙良の声。こんなのただの私の妄想。だけど。
それが現実の物となる日を予見して、私はただ泣きながら自慰を続ける。


<つづく>
321 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/26(月) 20:46:37.26 ID:nZVYY4P0
以上です。基本的に私はハッピーエンドが好きです。ではまた次回ノシ
322名無しさん@ピンキー:2012/11/28(水) 00:06:46.67 ID:7L6kbIxI
嫉妬深かったり強がりだったりと百合子が可愛い
自分の妄想でダメージ受けてるのも残念でツボった、GJ
やっぱり百合子は最高だぜ!
323名無しさん@ピンキー:2012/11/28(水) 10:07:44.86 ID:/YYc2BS6
これはこれでニヤニヤしてしまうw
百合子ちゃんかわいい
324 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/28(水) 15:25:51.43 ID:FBl+OEpq
ゆりりんは基本、ダメな子です。ダメな子ほどかわいいですw

と言う訳で続き、行きます。
325ユリとサラ(5):2012/11/28(水) 15:28:46.31 ID:FBl+OEpq
美星 百合子、16歳。心は千々に乱れてます。

片想いのあのコが、愛しい沙良が、可愛い沙良が、
男とデートに出かけるっていう、今日はその当日。

『キスまで許しちゃう…とか?』

沙良の声がリフレインする。沙良が男とキス…
キスだけで終わればまだしも、その先に進んじゃったら…

もしそんな事になっちゃって、それを知ってしまった時。

私の心は、一体どうなってしまう事だろう?

☆☆☆

曙の淡い光の中、しばしばする眼をこすりながら私は想い出す。
恋に落ちたあの日の事を。それは半年ほど前、教室での事…

☆☆☆

「沙良だよ、初めまして」
「サラダよ?」

私はぽかんとその子を見上げた。
私が座ってて彼女が立ってたからそうなるだけ。
小柄な沙良、可愛い声の沙良との、それが初めての会話。

肩まで伸びた栗色の髪の先は軽くウx−ブが掛ってる。
きらきらとした瞳、バラ色の唇には悪戯っぽい笑みが浮かび、
人生を謳歌するもの特有の喜びに頬は上気している。
私と同じ真新しい制服を身にまとっているけれど、
この子が着るとアイドルの衣装みたいに見える。

なんて可愛いんだろう。まるで天使。
それが私の、彼女に対する第一印象。

「サラダが…どうかした?」

その愛らしさに動揺してた私はとんでもない聞き違いをしてしまう。

「サラダじゃないよ!沙良は沙良の名前だよ!」
「さらはさら?」
「ぶーー!わらひ、てて、の名前!わたひは、沙良 ってゆーの!」
「さ、さら?さらさんって言うのか、ごめん!」

舌っ足らずな沙良は「わたし」の発音が苦手だった。
自分の事を名前で呼ぶのは、ホントは子供っぽくてイヤだと思ってる。
でも沙良は、コンプレックスを自身の魅力に変える術を心得ていた。

小柄な肢体、童顔、高い声、舌ったらずな喋り方。
コケティッシュな魅力を持つ妖精、あるいは天使。

だからなのだろう。私に声を掛けてきたのは。
自分とは違う「大人っぽい」私に、自分には無い部分に憧れて。

私は自分の聞き違いを誠心誠意謝った。
すると沙良は頬を染めて言ったのだ。
326ユリとサラ(5):2012/11/28(水) 15:30:12.55 ID:FBl+OEpq
「やっぱり…ゆりりんは、沙良の思ってた通りの人だった」
「ゆ、ゆりりん!?わ、私の事?」
「綺麗でカッコ良くて…それにとても優しい」
「は?」

もじもじと恥ずかしげな沙良。その様子は保護欲を刺激して止まない。

「素敵なゆりりん…沙良のお願い、きいてくれますか?」

ずり落ちてきた眼鏡を押し上げて、伸ばしっぱなしの髪を無駄に掻きあげて。
ごくりと生唾を呑み込んでいたかもしてないけれど、精いっぱい平静を装って。

「お願いってなに?」
「沙良と、お友達になってくれますか?」

否やのあるはずがない。

「もちろん、よろしくね、沙良さん」
「沙良、でいいよ。ゆりりん」

小首を傾げてはにかんだ笑み。
その仕草に私は打ち抜かれた。
一目惚れと言っていいだろう。

あれ以来、私は沙良に夢中だ。

☆☆☆

あれ以来、今も。片時たりとも沙良の事を考えない時は無い。
私はベッドから無理矢理身体を引きはがし、着替えを始めた。

このまま、じっとなんてしてられない。

☆☆☆

沙良と例の男の子のデートの待ちあわせ場所は、電車に乗って向かう必要があった。
その情報を信用できる筋から入手した私は、思案の末、駅で網を張る事にした。
人ごみの中ならば、向こうから見とがめられる可能性は格段に低くなる。

え?当然、私からも沙良を見つけにくくなる?それは問題無い。

「…いた」

いくつかの頭を飛び越えて、沙良の姿が見えた。ほら、ね?
私はどんな人ごみの中だろうと、沙良を見つけ出す事が出来るのだ。

それは愛ゆえに。愛の奇蹟とも言えよう。

沙良は心なしかウキウキしているように見えた。彼とのデート、楽しいデート。
好きな人と出かけるなら、それがどんな場所でもきっと楽しいに違いないから。

ホームに電車が滑り込んできた。沙良が乗り、私も別の乗車口から乗りこむ。

(ところで私、沙良を尾行してどうするつもりなんだろう?

でもほっとけない。やはりそれは愛ゆえに。

☆☆☆
327ユリとサラ(5):2012/11/28(水) 15:30:46.67 ID:FBl+OEpq
けれど、電車の中。沙良の様子がおかしくなる。
もぞもぞと落ちつかなさげに身体をよじり、しきりに後ろを振り返る。

「…痴漢!?」

私は気付いた。
沙良の後ろに立った男が、沙良のお尻を撫でまわしている事を。

「あんにゃろ…!!」

瞬間的に、私の頭に血が昇る。私は思わず叫んでいた。

「こらーーーーーっ!」

車内中の眼と眼が、私に集中する。知った事か。
びくり!と震えた沙良がこちらを見ている。かよわい沙良、怯える沙良。
今行くから。私があんたを助けるから。私は人をかき分け、沙良を目指す。

「沙良!沙良沙良沙良!!大丈夫!?」
「ゆ、ゆりりん…?ゆりりぃぃぃん…!」

私を見つけた沙良の瞳がうるうると揺れる。
私は沙良をかき抱き、痴漢を睨みつけ、そして。

「こんの…!」

ぱぁああああん!と車内に響き渡る音。私が男をひっぱたいた音。

「な、なにを…!」
「黙れ、痴漢が!恥を知れ!行くよ沙良!」

ちょうど、電車はホームに入るところだった。
私は沙良の肩を抱いて、この忌まわしい場を立ち去る。

…あれ?警察に突き出すべきだった、かな?まぁいい。
車内であの痴漢はいたたまれない気分を味わっているだろう。

ざまぁみろ。

☆☆☆

とにかくここを離れよう。私は沙良の手を引き、ずんずん進む。
ところが駅を出たところで沙良の脚が止まる。私を見上げる沙良。

「沙良…?」
「ゆりりん…」

腕を引いても、ぴくりとも動かなくなってしまった沙良。
まるで熱でもあるかのように頬が赤く、息が荒い。

「ど、どうした?どっか痛いの?」

沙良の異変に動揺する私。
沙良はじっと私を見つめたまま、微動だにしない。

痴漢にあったのが、よほどショックだったのか。

私は先程の痴漢を心の中で百万回ぶっ殺してから、
私は沙良に向き直り、精いっぱいの笑顔を作った。
328ユリとサラ(5):2012/11/28(水) 15:31:46.90 ID:FBl+OEpq
「ゆりりん…どうして…ここに…?」
「沙良を守るために」
「え…っ?」
「沙良が危ない時は私が駆けつけるよ。沙良が悲しい時や辛い時は傍にいるよ」

後を付けた事による後ろめたさも手伝って、饒舌になる私。
でも、口から出る言葉に出まかせはない。偽らざる本心だった。

「沙良は、私が、守るから」
「ゆり、りん…!」

沙良の表情に生気が漲る。まるで咲き誇るバラ。
そして。

「沙良…沙良、ね」
「う、うん?」
「きゅん…って、したの」
「え?」
「びびび…って、きちゃったの」
「な、なに?なにが?」

満面の笑み。輝くような笑顔。すごく可愛い。
可愛い沙良が、笑顔の沙良が、思わぬ言葉を口にする。

「ゆりりんが…沙良の運命の人だったんだね…!」

は…?

「はぃぃいいいいいい!?」


□□□


ほーい、沙良だよ!もうすぐお誕生日の15歳!

あのね、沙良ね…好きな人が出来たの!
すごくかっこよくて素敵なゆりりん!!

そうだよ。ゆりりんは女の子。え?ダメ?だってしょうがないよ!
沙良、ゆりりんにきゅん!ってして、びびび!だったんだもん!

これって恋…だよね?沙良はついに!
ついについについに!ホントの恋を見つけたのだ!



<つづく>
329 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/28(水) 15:33:17.86 ID:FBl+OEpq
以上です。まだもう少し続きますm(_ _)m
330名無しさん@ピンキー:2012/11/28(水) 17:14:02.72 ID:7L6kbIxI
GJ、ストーキングとは相変わらず残念な百合子の明日はどっちだ、と思ってたら良い方向に進むとは
これだと両者はある意味痴漢に感謝しなきゃなw
・・・いや、被害者の沙良はもちろん、百合子も自分だけが沙良を〜的思考だから無理か

話変わるが沙良って冬生まれだったんすね・・・(作中時間的に)
何故か春生まれのイメージだったりした
331名無しさん@ピンキー:2012/11/28(水) 20:29:24.12 ID:ffQOCmIi
沙良視点キター これは次回に持ち越しということか
文章から沙良のかわいさが伝わってきてニヨニヨせざるを得ない
何にせよ二人が両想いになってよかった
GJです!
332 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/28(水) 21:15:04.58 ID:FBl+OEpq
沙良の誕生日は12月24日、ということで。
ゆりりんの誕生日は9月、おとめ座ですw

では続き、3レス分行かせて頂きます。
333ユリとサラ(6):2012/11/28(水) 21:15:39.48 ID:FBl+OEpq
美星 百合子、16歳。大好きな人から、好きって言われました。
嬉しい。とても、とてもとてもとてもとても嬉しい…けど!けど!!

こんな展開、想像もしてなかったから…!こ、心の準備が!
ねぇ神様!私、どうすればいいの?沙良の言葉…信じていいの?

女の子同士で恋なんて…ホントにしていいの?

☆☆☆

いつもの朝、いつもの通学路。

「ゆりりーーーん!おっはよー――!」
「おはよ、沙良…って、ちょっとちょっと!!な、なにしてんの!」
「んー?ゆりりんと腕を組んでるのーらっぶらぶぅ〜」
「バ、バカ!何言ってるのよ…!ちょ!こら!待て!何してる!?」
「ん?おはよーのちゅーしようと思って。ん〜」
「だ、だから!やめ、や、ややや、やめなさいってば!」

鋼の自制心を発揮して、私はデジャビュ感溢れる朝の風景を一蹴する。

「ごめんごめん、ゆりりん怒った?ほっぺた赤いよ?」
「お、怒ってなんかないわよ」
「わかったー照れてるんだ?うふふ」
「て、照れてなんかないわよ。照れる要素が皆無!」
「可愛い彼女にこんな事されたらどっきどきだよねー」
「か、かかか、かの、かのじょ!?」

脳が沸騰しそう。
沙良が、私の、彼女?彼女ってのは恋人って事で、恋人同士って事は、
あんな事やこんな事をしても許される甘美な関係って事!?

あ、涎…じゃなくて!ずり落ちた眼鏡を押しあげて、私は沙良に向き直る。

「さ、沙良?あんた意味わかって言ってる?わ、わたし女だよ?」
「うん!綺麗でカッコイイ女の子!」
「それはどうかな…って、で!さ、沙良も女の子なのよ?」
「うん!沙良ちゃん、可愛い女の子!」
「じ、自分で言うな」

いや、確かに可愛い。とても可愛い。ホントに可愛い。一番可愛い…けど!!

「とにかく!これでも私は女なの!女の子同士だから!恋なんかしちゃだめなの!」

それが世間の常識。沙良の住む世界の常識。

「だって!きゅん!ってしちゃったんだもん!びびび!って来ちゃったんだもん」

胸がきゅんとして、びびびっと電気が走る恋。それが沙良の理想の恋。

「これは恋なの。沙良はゆりりんに恋しちゃったんだよ!」

錯覚、だと思う。
私は沙良を痴漢から救いだした。守ってくれたから、だから。

☆☆☆
334ユリとサラ(6):2012/11/28(水) 21:17:53.91 ID:FBl+OEpq
「愛など粘膜の作りだす幻想に過ぎない」という言葉を残した軍人さんがいる。
「不倫は文化」なんて言葉を放ったタレントもいたっけ。

恋愛は人間が作り出した文化であり、生殖行為を円滑に進めるための幻想。

私は沙良が好き。沙良も私が好きだと言ってくれる。
でも、それはただの幻想。だって沙良は普通の女の子だもの。
同性に欲情する私みたいな異常性愛者とは違う。だから。

簡単に沙良を、沙良の恋愛感情を、受け入れるわけにはいかない。
愛しい沙良を、大切な沙良を、悲しませる訳にはいかない。

女の子同士の恋なんて、うまく行くはずないんだから。

☆☆☆

学校の屋上に沙良を呼び出して、私は説得を試みる。

「沙良、吊り橋理論って知ってる?」
「つり…?」
「吊り橋理論ってのはね

カナダの心理学者、ダットンとアロンによって1974年に発表された「生理・認知説の吊り橋実験」によって実証されたとする学説。「恋の吊り橋理論」とも呼ばれる。
生理・認知説は人は生理的に興奮している事で、自分が恋愛しているという事を認識するというもの。実験のみで厳密に立証されている訳ではないが概ね正しいとされている。
実験は、18〜35歳までの独身男性を集め、渓谷に架かる揺れる吊り橋と揺れない橋の2ヶ所で行われた。
男性にはそれぞれ橋を渡ってもらい、橋の中央で同じ若い女性が突然アンケートを求め話しかけた。その際「結果などに関心があるなら後日電話を下さい」と電話番号を教えるという事を行った。
結果、吊り橋の方の男性からはほとんど電話があったのに対し揺れない橋の方からはわずか一割くらいであったというものである。
揺れる橋での緊張感を共有した事が恋愛感情に発展する場合があるという事になる。

…と、いうものだよ」
「すごーい!ゆりりん、ウィキペディアみたい!パチパチ!!」
「つ、つまり!普段と異なる状況下におけるドキドキを恋のドキドキと勘違いしてるの!
 沙良が私に恋してるって思ってるのは、全部、錯覚!思いこみに過ぎないんだよ!」
「「勘違いじゃ、錯覚じゃないもん!沙良の気持ちは沙良が一番よく解ってるもん!」

ぶんむくれる沙良。頭から湯気がでてる漫画みたいな沙良。可愛い沙良。

「これは恋だよ!沙良はゆりりんが大好きなの!恋してるの!」
「バ、バババ、バカモン!お、大声だすなーーー!」
「ゆりりん!ゆりりんは…沙良の事が嫌いなの?」
「き、嫌いだなんて、言ってない…でしょ!し、親友だと、思って…」
「友達じゃ嫌なの!沙良はゆりりんの彼女になりたいの!!」
「あんた、解ってるの?友達以上になるってことはさ…その…!」

思わず唾を飲み込む。想像してしまった。
私の自慰のための妄想の中で、痴態を見せる沙良を。

「うん…解ってるよ」

頬を赤らめて頷く沙良。はにかむ沙良、可愛い沙良。次いで衝撃の言葉…!
335ユリとサラ(6):2012/11/28(水) 21:18:35.64 ID:FBl+OEpq
「沙良はゆりりんとキスしたい。エッチな事もしたい。ゆりりんに、抱かれたい…!」
「ゔ…っくぅ〜!!!」
「ゆ、ゆりりん、大丈夫?」

は、鼻血が…!!

「で、出来る訳ないじゃない…そんな事!」
「どうして!?」

議論?は、堂々巡りを続ける。永遠の平行線。決して交わらない線路。
私だって、沙良としたい。だけど、でも、許されない。そんな事。

「ねぇ沙良、落ち着いて。その気持ちはきっと本当じゃないから…!」
「ゆりりん、どうして信じてくれないの?どうすれば信じてくれるの?」

こ、こうなったら…

「ゆりりん…?」

私は沙良を抱きすくめた。ああ、いい香り。柔らかくて気持ちいい…!

「さ、さささ、沙良の覚悟を試してあげるよ」
「ゆりりん…?」
「わ、わわわ、わたしは!さ、さささ、沙良を、抱くよ?
さ、沙良の、しょ、しょしょしょ………!(ゴクリ)
処女、もらっちゃうよ?いいの?ホントに出来るの!?」

沙良が硬直する。ほら、無理でしょ?そんな事出来るわけない。
こんなの沙良のいつもの気まぐれ。ちょっとした好奇心。
女の子同士で両想いだなんて都合のいい現実、あるわけない。

「ゆりりん…!」

笑みが広がる。とても満ち足りた笑顔で、沙良は言う。

「沙良、嬉しい…!!」
「さ、沙良…!?」
「いいよ、して…?」
「おっふ…ぅく…っ!!」

は、鼻血…!や、やばい!

「沙良を、沙良の処女、ゆりりんにあげる。ううん。もらってほしい」
「ほ、本気?ねぇ、本気で言ってるの?後悔するよ、きっと」
「本気だよ。沙良は、ゆりりんが好き。だってこれは…」

そして、真正面からしっかり私を見据えて、沙良は言い切った。


「沙良の初めての…本気の恋、だから」


<つづく>
336 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/28(水) 21:19:39.58 ID:FBl+OEpq
続きはまた改めて。ではノシ
337名無しさん@ピンキー:2012/11/29(木) 05:23:27.34 ID:soIWjsrd
百合カップルで処女喪失ってどうすんの?
バイブでも突っ込むん?
338名無しさん@ピンキー:2012/11/29(木) 12:38:40.14 ID:alZDG+ry
指でもできなくないよ。

百合は偽チンコも道具も無いほうが好み
339名無しさん@ピンキー:2012/11/29(木) 19:18:41.89 ID:aUR6vro8
昔のエロゲで、百合カップルが互いに指で破り合って初体験というシーンも
340 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/29(木) 22:28:48.14 ID:0Wr9rkdN
道具無しの予定ですノシ

では、4レス分いかせていただきます。
341ユリとサラ(7):2012/11/29(木) 22:29:33.38 ID:0Wr9rkdN
美星 百合子、16歳の女子高生。

父は私が小学生の頃に亡くなりました。今は母との二人暮らしです。
母はいつも仕事の帰りが遅く、私はひとりで夜を過ごす事が多いのですが…

でもいま、私は一人じゃありません。

いま、私の部屋のベッドには、私の傍らには、
大好きな女の子がちょこんと腰かけています。

私に、しょ、しょしょしょ、処女を、捧げるために…!?

☆☆☆

「んあ、ぶ…!?」
「ゆ、ゆりりん?大丈夫?」

私は天井を見上げ、鼻をすする。こんなタイミングで鼻血なんてかっこ悪すぎる。

「だ、大丈夫!沙良こそ…い、いいい、いいの?」
「ん?何が?沙良は元気だよ」
「そ、そうじゃなくて…!」
「あ、そっか。うん、いいよ」

あっさりと首肯する沙良。満開の笑顔。晴れやかな春の空みたいな笑顔。
今日の沙良は髪をアップにしてて、私が以前プレゼントした髪留めを着けてる。
おでこを出した沙良は、なんだかとても無防備に見える。
私に対して、全てを曝け出してくれてるような…

「ゆりりん、沙良を…抱いて」
「さ、さささ、沙良…!」

脳みそが沸騰して、空っぽになったみたい。私は何も考えられなくなる。
ふるふると震えて自分の物じゃないみたいな指を恐る恐る伸ばす。

指先が、沙良の肩に掛った。ごくりと、喉がなる。
夢にまでみた沙良との行為。妄想の中で繰り広げさせた痴態。
それがこれから、私が動きさえすれば、現実の物になる。でも。

「ゆりりん…?」

どれくらいの時間が経ったのだろう?沙良が不審げに私に呼びかける。
動けない。私はかっと眼を見開き、荒い息を吐きながら、硬直していた。

駄目だ。やっぱり駄目だ。こんな事しちゃ駄目だ。
可愛い沙良、天使みたいな沙良、穢れなき沙良。

手折っちゃいけない。私なんかが穢しちゃいけない。
沙良は男の子と普通に恋して、普通に生きて行くべきなんだ。

私は震える自身の指を、そっと沙良の肩から離した。

「ゆり、りん…?」
「やっぱり、やめよう」

私は俯いたまま、そう告げる。

「ゆりりん…」
「帰りな、沙良…沙良!?」
342ユリとサラ(7):2012/11/29(木) 22:30:28.83 ID:0Wr9rkdN
沙良は声も出さずに泣いていた。まさに滂沱。
くりくりとした大きな眼から大粒の涙が零れている。
ぽたんと落ちて、沙良のスカートにシミを作った。

「ごめん、ごめんね、ゆりりん」
「な、なんで!?なんで泣くの!」
「ゆりりんは、ずっと、いまの沙良みたいに胸がぎゅーーーってしてたんだね?
 ゆりりんの気持ちに気付いてあげられなくて…ごめんねええ、うえ、うええぇぇ!」

私の気持ち…?

「沙良、解ったの。ゆりりんに、きゅんってした時に」

大粒の涙を零しながら、しゃくりあげながら沙良は言葉を紡ぐ。

「ゆりりんも…沙良の事、好き…なんだよね?」

どかん!と、心臓が鳴る。私の想い、秘めた想いが…

「沙良がくっつくと、ゆりりん真っ赤になったよね。沙良の事が好きだからでしょ?
 キスした時、ゆりりんの心臓すっごくドキドキしてた。沙良が好きだからでしょ?
 それでも、ずっとそれを言ってくれなかったのは…女の子同士だから、なんだよね?」
「沙良…あ、あんた…」
「女の子同士だから…いけない事だから…我慢してたんだよね?」

沙良に気付かれた、私の秘めた想い。見透かされていた、私の欲望を…?

「ごめんね、ゆりりん。ずっと辛かったよね、切なかったよね
 沙良がゆりりんをずっとずっとずーーっと苦しめてたんだ…
 そう思ったら、沙良…すっごく悲しくなってきて…だから…」

そうか。沙良は気付いた。私の想いを。沙良は知ってしまった。私の切なさを。
だから…だから、なんだ。やっぱり沙良の気持ちは、きっと恋なんかじゃない。

「同情なんだね?私が可哀想だから、自分が私を苦しめてたと思ったから、だから…」
「ゆ、ゆりりん?」
「罪滅ぼしに、あんな事を?私が好きだなんて?」
「ち、違うよ!ゆりりん!違う違う違う!」

沙良を責めるの?沙良は悪くないのに。
沙良が私を好きだと言ってくれたのが、ただの同情に過ぎないとしたら?
望む所なのに。沙良は、普通の女の子。私なんかとは違うんだから。

「だって…!そうでしょ!?私を憐れんで!だから!
 そうよね!女の子が好きだなんておかしいもん!
 絶対叶う訳ないもんね、そんなの!だから惨めな私に同情…」
「違――――――――――――――――――――――――う!!」
「さ、沙良…!?」

憤慨する沙良。私をじっと睨みつける沙良。こんな沙良を見たの…初めて。

「沙良もそうだったの!辛くて切なくて悲しかったの!
 でも沙良は!沙良は我慢なんてしないの!だって…!」

しっかり私を見据えて、真っ直ぐな瞳で。

「沙良がゆりりんを好きなのは…ホントなんだもん!
 自分の気持ちに…嘘はつけない!つきたくないもん!」

沙良はその想いを、滔々と捲し立てる。
343ユリとサラ(7):2012/11/29(木) 22:31:45.48 ID:0Wr9rkdN
☆☆☆

「ゆりりんが沙良を痴漢さんから助けてくれた時ね、
 手を引っぱってくれた時ね、ゆりりんの背中を見てたらね、
 胸の奥がきゅんってして、背中をびびびって電気が走ったの。

 そんなの、初めてだった。
 沙良はゆりりんに恋してるって解ったの。

 そうしたら、ゆりりんがずっと沙良を好きでいてくれた事も解ったの。
 だって、ゆりりんが沙良に触れられた時の反応と同じだー!って思ったから。
 あの時、沙良もすごくドキドキした。すごくほっぺが熱くなった。

 好きだからドキドキするんだよね。好きだから身体が熱くなるんだよね。
 でも女の子同士だから、ゆりりんは沙良の事、好きって言えなかったんだよね。

 やっぱり女の子同士っていけないのかな?沙良も我慢しようかなって思ったの。
 でもそう思ったらすごく辛くて悲しくて、好きって気持ちが溢れて切なくって。
 そっか、ゆりりんはずっとこんな気持ちを抱えてたんだって思ったら…辛くて。

 ねぇ、ゆりりん。もう我慢しないで。沙良も我慢しない。
 ゆりりんが好き。好き好き好き好き好き好き好き……!!

 ずっと好きだったんだよ、沙良も…ゆりりんの事が!
 自分の気持ちは自分が一番解ってる、なんて言ったけど…ウソだよね。
 沙良はゆりりんの気持ちどころか、自分の気持ちもよく解って無かったよ。

 男の子とデートしてても!ずっとゆりりんの事考えてた!
 こんなとき、ゆりりんならどうするかな? この映画ゆりりんと見たかったな。
 これ美味しい、今度ゆりりんと食べにこよう…ゆりりん、ゆりりん、ゆりりん…!

 男の子にきゅんってする訳ないよ。 ううん、他の誰にもきゅんってする訳ないよ。
 だって沙良は、沙良の心は…もうずっと前からゆりりんのものだったんだから!」

大粒の涙を零しながら、沙良は捲し立てた。

そうだ、沙良はよく喋り、よく笑い、よく食べる。沙良のそんなとこが好き。
明るい笑顔が好き。えくぼのできるほっぺが好き。さらさらの髪が好き。
沙良と一緒にいるのが好き。沙良と話すのが好き。沙良に触れられるのが好き。

私は、沙良の全部が好き。

☆☆☆

一気にまくし立てたせいで荒い息をついていた沙良の表情に、動揺が走る。

「ど、どうしたの!?ゆりりん!な、なにが悲しいの?」

私は、私も。沙良の言葉を聞くうちに、大粒の涙を流していた。

「沙良、なにかひどい事言った?ねぇ、ゆりりん、泣かないで…!」
「ち、ちが、ちが…!う、うれ、うれし…!沙良…!沙良沙良沙良…!」
344ユリとサラ(7):2012/11/29(木) 22:32:23.86 ID:0Wr9rkdN
自由な沙良、奔放な沙良。彼女は自分を信じる。きゅんでびびびな直感を信じる。
私のように常識という枷をはめ、自縄自縛で苦しむ事を良しとはしない。

自分の欲求に素直な沙良、自分の欲望に正直な沙良。言い換えればただの我が儘?

違う。沙良は自由なんだ。
私も沙良みたいになりたい。
好きな人には好きと言いたい。

沙良がいてくれれば、沙良と一緒なら。

沙良は私の翼。沙良は私のエンジン。
沙良は私の、私の、全て。

私は沙良を抱き締める。華奢な沙良、小さな沙良。柔らかい沙良、暖かい沙良。

「好きぃ!沙良が好きなのぉ!わ、わた、私…沙良がぁ!」
「ゆりりん…!」
「ずっと好きだった!でも言えなかった…!こ、怖くて!だから…!」

私は子供みたいに声をあげて泣いた。歓喜の涙。幸せな涙。
知らなかったな。嬉しい時にも涙が、こんなにも溢れるなんて。

「ゆりりん…ありがとう」

沙良が私の背中にまわした手にぎゅっと力を込めた。そして…

「ゆりりん、キス、して?」



<つづく>
345ユリとサラ(7):2012/11/29(木) 22:33:05.20 ID:0Wr9rkdN
以上です。次回、初えっち。ではまたお邪魔しますm(_ _)m
346名無しさん@ピンキー:2012/11/29(木) 22:55:37.30 ID:tsC2wFUL
ちょっと目を話した隙にこんな来てるとは…
…まったくけしからん、GJと言わざるを得ないな!この胸の高鳴りをどうしてくれるんだ

(百合子さんがどこぞの廿楽さんを彷彿とさせるのは黙っておこう…)
347名無しさん@ピンキー:2012/11/30(金) 00:45:04.49 ID:Wl7gR9I4
二人がかわいすぎる
この先どうなるか気になって仕方ないよ
GJ!
348 ◆7BaqS26D87fW :2012/11/30(金) 06:18:55.23 ID:iMhx4pyY
>廿楽さん
ぐぐったんですがよく解りませんでした。漫画?アニメ?ラノベとかかな?

この先の展開が見えてきました。後4話くらいになりそうです。
いましばらくお付き合いいただければ幸いですm(_ _)m
349名無しさん@ピンキー:2012/11/30(金) 12:03:18.20 ID:bDPjzwi6
百合子ちゃんヘタレに見えてきたw
350名無しさん@ピンキー:2012/11/30(金) 12:20:27.23 ID:vjDnysnm
>>349
だが、それがいいw
351名無しさん@ピンキー:2012/12/01(土) 21:16:00.84 ID:uc74sj2C
このスレ、ほとんど一人しか書いてないね
352名無しさん@ピンキー:2012/12/01(土) 21:33:05.61 ID:T5O1FtE4
書き手さんがいる分マシだから(震え声)
大晦日&元旦が今から楽しみなのは俺だけで良い
353名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 17:35:20.17 ID:0COwjU62
おとなしい系ともっとおとなしい系のいちゃいちゃが見たい
このスレって需要はあるけど供給ないよね
354名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 20:26:15.37 ID:N2VT1F56
>>353
スレそのものの存在に需要はあるだろうが
お前みたいのはただのクレクレだろ
355名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 20:34:49.29 ID:cDbMMhjO
>>353
書き手が少ないという現状を見落としてないか?
得手不得手もあるだろうし
356名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 20:44:52.13 ID:nI+cwBXg
>>352
俺漏れも!たっちゃん今頃どうなってんだろうなw
357名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 21:49:57.88 ID:cGus1hyS
クレクレでも書き手のネタになることがあるから弾圧してやんなよ
しかし、大人しい娘ともっと大人しい娘だとモーションかけにくくね?
手を繋ぐだけで真っ赤になりそうなのを想像するのは萌えるが
358名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 22:48:46.72 ID:70GXoa+B
文学部少女と美術部少女という電波を受信した
359名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 23:01:50.04 ID:cGus1hyS
「どこが気持ちいいの、文ちゃん?」
 一人の少女が絵筆でもう一人の少女を撫でる。
「やだ、そんなところっ……」

こうですか分かりません
360名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 00:21:38.21 ID:C3Y7z1Gs
>>352
>>356
なにそれkwsk
過去の作品?
つか、ここ保管庫ってないの?
361名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 01:26:44.30 ID:Wc0VsADw
美術部vs書道部もいいな、筆プレイ!
362名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 02:09:31.69 ID:uR8BfZUe
科学部で試験管、ビーカープレイとはどうだろうか 白衣だし

そういえば最近部活動がテーマの百合アンソロが出てるな
363 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/03(月) 11:40:23.55 ID:weAydqxt
>>359
萌えた。続きお願いします。

>>360
http://logstar.jp/pele.bbspink.com/eroparo/1286194348/ <582から、歳神娘(卯×辰)
他にもゆっきぃとこんちゃんとか前スレは名作揃いでした。皆さん、帰ってきて〜

>>349-350
ゆりりんのヘタレっぷりが堪能できる第8話、7レス分、行かせて頂きますw
私も微力ながら、百合の火を灯し続けたいと思いますw
364ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:41:04.59 ID:weAydqxt
美星 百合子、16歳の女子高生です。可愛い彼女が出来ました。

とてもとてもとても可愛い女の子で、彼女から好きって言ってくれました。
私はいま、とてもとてもとても幸せです。幸せすぎて、夢みてるみたい…!

☆☆☆

「ゆりりん、キス、して?」
「さ、沙良…!」

ぶるぶると身体が震える。沙良とのキス。恋人同士のキス。
そんなの現実になるなんて思わなかったから、緊張はマックスで。

いざとなると、まるで身体が言う事をきかない。

「ゆりりん?う〜ん…」

硬直する私を見かねてか、沙良が唇を寄せる。

「ゆりりん…ちゅ…っ…ん…」
「んく…っ!?さ…!んん…!!」

沙良から、キス、された。しかもしかもしかも…!
沙良の舌が私の唇を強引に割り、な、ななな、中に…!

「あ…あふぅ…!や…ぁ!あふ…っ!」

沙良の小さく柔らかな舌が、私の口中でうねうねと動き回る。
舌を絡め取られ、歯ぐきを舐めとられ、唾液を啜られる。

「や…あ!あふ…ん、んくっ…!あ!あ!んぅ…っ!」

まるで口の中を犯されてるみたい。その想像に心が高ぶる。呼吸が乱れる。
私は沙良の背中に回した両手にぎゅっと力を込めた。沙良も応えてくれる。

「ん…!?さ…!んんっ!」

背中にまわされた沙良の右手が、制服の裾から中に入ってきた。
沙良のほっそりとした指が、つつー…っと背中を走っていく。

「や…!さ、沙良…!んくぅ…っ!!」

沙良の指は私のブラのホックをパチンと外し、滑るように前方へ移動。
そして、その掌が私の小さく薄い胸をそっと包み込んだ。

「あ…!あふぅ!!」

私の乳首は既に硬くしこっていて、沙良の掌が触れただけで甘い電流を生じさせる。

「ゆりりん…ゆりりん、ゆりりんゆりりん…!」
「あ!あああ!あ!や…さ、沙良…っ!ん、んちゅぅ…!」

キスの合間に私の名を囁きながら、沙良の指先が私の乳首を摘む。

「ん!?んんーーーーーー!!!!」

身体が痙攣する。乳首がじんじんと痺れる。甘い甘い甘い快感がはじける。
なに?この感じ…まるで…まるで、イきそう…イっちゃいそう…!?
365ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:41:45.90 ID:weAydqxt
「だ、だめ…沙良…!わ、私…!!」

このままじゃ…なんだか大変な事になる。
そんな予感に、沙良とのキスを切り上げようと顔をのけぞらせた私、ところが。

「やだっ!もっと…!」
「んく…っ!?」

沙良は左手を私の後頭部に回して引き寄せた。愛らしい唇がまた押し付けられる。

「んー!んん!ん…っ!んーー!!」

甘く激しいキスと、乳首への優しい愛撫。
身体がびくびくがくがくと痙攣し、思考を快感が押し流していく。

(う…うそ…!き…来ちゃう…!?

その意識が、脳裏ではじけた。

「んん…っ!?ん!んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!」

ひときわ大きな痙攣が全身を駆け抜け、びりびりと身体が震える。
次いで脱力。力が抜け、ぐったりとした私の身体が沙良にのしかかる。

「ゆ、ゆり…りん?」

呆気にとられる沙良。そりゃそうだ。
まさかキスと…乳首を弄られただけで、イっちゃう…なんて。

「ゆりりん…えと…これって…イっちゃったって、ヤツ?」

羞恥に染まる私、目を逸らす私を沙良はじっと見つめてくる。

「ば、ばかぁ!や、やらぁ…!は、恥ずかし…もぉぉおおおお!!」
「ゆりりん、可愛い…!こんな可愛いゆりりん、初めて…!」

ぐったりと力の抜けた私、荒い息を吐く私を、沙良が優しく抱きしめて。
沙良はまた私へのキスを再開する。

「あ…あぐぅ…!んちゅ…うう!ら、らめ…ぇ…!さ、沙良…!」

絶頂を迎えて敏感さを増した私の身体は、沙良の優しいキスにも激しく反応する。

「は、恥ずかしい…!恥ずかしいよ…!ま、また…また…ん…っ…んちゅ…!」
「ゆりりん…!ゆりりん、可愛い…!好き、好き好き好き…ちゅっ…ちゅっ…!」
「ん…!んん!あ!あ!あ!んん!やぁ!んく…っ!んーーーーーっっ!」

沙良からのキスだけで、私は軽い絶頂を繰り返す。何度も。何度も。何度も。

たっぷり10分は経っただろうか。
沙良の舌と唇は私の唇と口腔内を縦横無尽に蹂躙しつくして、
ようやく満足したとでも言うようにゆっくり離れて行く。

「ふはぁ…!えへ、いっぱいしちゃった」

ぐったりと力の抜けた私の身体。ひくひくと痙攣を繰り返す私の身体。

嘘みたい。キスだけでこんなに感じるなんて。イっちゃうなんて。
沙良にされてるから?大好きな人にされると、こんなにも気持ちいいの?
身体中がぴりぴりと痺れ、頭はぼーっとして、靄がかかったみたい。
366ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:42:27.11 ID:weAydqxt
「ゆりりんのお顔、とろっとろだよ?気持ちよかった?」
「うん…すごく…」

何も考えられず、素直に恥ずかしい返事をしてしまう。

「沙良も、ゆりりんとのキス、すごく気持ち良かった…すごく甘くて、すごく幸せ」
「わ、私も…!夢、みたい…沙良にキス、沙良とキス…気持ちよくて…幸せ…!」
「ゆりりん…ずっと我慢してたの?沙良とキスしたかったの?」
「う、うん…!沙良とキス、したかった…だって、私、沙良が…好き…好きぃ…!」

沙良とのキスでイっちゃった私の頭の中は沙良でいっぱい。
これまで沙良の言う所の「我慢」をしてきた私、沙良が好きって気持ちが溢れて
言いたくて、でも言えなかった「好き」って言葉が堰を切ったように流れ出す。

「好き、好きなの。だから、気持ちいいの…大好きな沙良にされる事、全部、全部…!」
「おーよしよし。んふふ、変なの。いつもはゆりりんの方がお姉さんみたいなのに」

沙良の掌が私の頭を撫でる。優しく髪を触られてるだけなのに、身体が反応する。

「ん…はぁ…はぁ…さ、沙良…沙良、沙良、沙良ぁ…!」
「沙良ね、何も知らなかったから、いっぱい勉強したんだ」
「へ…?」
「百合姫とかぁ、百合姉妹とか、つぼみとかぁ…」
「な、なにそれ?」
「女の子同士の恋愛の事が載ってる雑誌だよぉ!色々あるんだねー!」

し、知らない!ってゆうかなんで「百合」!?なんかヤダ!
そうか世の中の同性愛者はそういう雑誌を愛読してるのね。
い、いわゆる男性用のエ、エロ本とか言うやつと同じかしら!?

…いや、冷静に考えると別に見たいとは思わないな。
だって、どんなエッチな本やビデオも沙良には敵わない。

沙良がいてくれれば、それでいい。
沙良さえいてくれれば私は満たされる。

「だから…今日は沙良がお姉さんね。ゆりりんの事…いっぱい、可愛がってあげる」

悪戯っぽい光を瞳に湛えた瞳で沙良が言う。
私の背中を、ぞくぞくと電気が走っていく。

そして、私は沙良に押し倒された。

☆☆☆

「や、やあ!だ、だめぇ!ん、んくぅ…っ…!んはぁ!!」

制服の胸をはだけられ、剥き出しになった私の薄い胸。
仰向けだから重力に負けてぺったんこ。でも、中心は、乳首だけは…

「こう…?こんな風にくりくりすると、いい?」
「んは…っ!あ!やぁ!さ、沙良…!それ、だめぇ!」

ぷっくりと膨れ、そそり立つ乳首を沙良が捏ねまわす。
ぞくぞくびりびりと快感が広がり、甘い吐息と喘ぎ声が止まらない。
367ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:43:08.45 ID:weAydqxt
「ゆりりんがダメって言う時は気持ちいい時だよね?沙良、覚えた」
「ば、ばかぁ!あ!あ!あ!そ、それ…んくぅ!だめぇええ!!」
「これもいいの?じゃあ…こうすると?」
「…………んひぅっ!!!!」

沙良の唇、可愛い唇、艶やかな唇が、私の乳首にキスをする。

「あ…っ!あ゙――――――――――――っ!!」

がくがくと身体が痙攣する。どこかに飛んでいきそう。

「ちゅ…ん…これ、んちゅ…そんなに、んく…気持ち、ちゅく…いい?」
「や、やら…!らめ…!そんなに、んあ!した、ら…あ!あ!あ!あ!!」

やだ。だめ。いい。気持ちいい。沙良から与えられる愛撫は、探り探りでぎこちない。
でも沙良に触れられてる、沙良にされてるってだけで、快感はいつもとはけた違い。

「かわいいゆりりん、えっちなゆりりん」

歌うように囁きながら、沙良は私の乳首を責め続ける。
唇で優しく包み込み、舌先で突き、転がし、しゃぶる。
私はただただ脱力して、沙良から齎される快感に翻弄される。

「ねえ、ゆりりん。いつも沙良の事思ってひとりえっちしてたの?」

と、突然、沙良がそんな事を聞く。

「や…!そ、そんな…ん!は、ははは、恥ずかし、事、聞いちゃ…!んくぅ!!」
「教えてよ、ゆりりん。してた?沙良にこういう事されるの、想像してた?」

してた。してたけど…いつもの妄想とは立場が逆で!

「ゆりりんの一番好きなの、してあげるから…教えて?」
「ひ…ぅ!?あ!あ!あ!あ゙――――!あ゙!あ゙!あ゙!」

掌で乳房全体を揉むように愛撫されながら、乳首を唇で吸い上げつつ舌先で転がされる。
沙良は私を気持ちよくさせる場所や方法を、この短時間の間にどんどん覚えて行く。

「ゆりりん、これ気持ちいいんでしょ?もっとしてあげるから、ね?」
「あ゙――――!あ゙!あ゙!い、いい!気持ち、いい…あ!あ!」
「だから教えて?教えてくれないと…やめちゃうよ、ゆりりん?」

いやだめそんなのだめもっともっと…もっとしてほしい…!!
真っ白な頭、私は躊躇なく恥ずかしい告白をしてしまう…!

「し、してた!してたの!沙良にされるの、沙良にするの、想像して…!」
「ゆりりん、えっちだぁ。いつもクールでかっこいいのに、
 ホントはこんなにえっちな子だったんだね、ゆりりん」
「だ、たって!沙良がかっこいいって言ってくれるから!だから!」

そう、ホントの私は泣き虫でいやらしくて、言いたい事も言えない臆病者で。
沙良が想像するクールでカッコイイ女の子なんかじゃ全然なくて。

「沙良は、いや?こんな…こんないやらしい私、いやだ?
 さ、沙良…お願い、き、嫌わないで!嫌いにならないで!」
「いつものかっこいいゆりりんも好きだけど、えっちなゆりりんも可愛くて好き。
 それに女の子は…沙良もゆりりんも、いくつも顔を持ってるもの…でしょ?」

沙良のにっこり笑顔。ああ!か、可愛い!可愛い可愛い可愛いよぉぉぉ!
368ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:43:50.04 ID:weAydqxt
「んくぅ…!ぅああああああああああああああ!」
「やぁん、ゆりりんまたびくびくってした!またイっちゃったの?」
「さ、沙良がぁ…!沙良が悪いんだよ!沙良が可愛すぎるからぁ!」

人は誰しも演技をしてる。ありのままを曝け出せる相手なんてそうはいない。
たとえ大好きな人でも、たとえ自分に好意を寄せてくれる人にでも。
だって嫌われたくないから、自分を自分以上に見せて、気を引きたいから。

人はいくつもの顔を持ってる物。
ホントは泣き虫な私がクールぶってたように、
いつも無邪気な沙良がホントは…ホントは…

す、すっごくSだったように!!

「ゆりりん…やだ、沙良ってば…こういうの、好き、かも」

つ、ついに沙良が自身のS性を自覚し自認した…!?
となれば成り行きは当然…

「もっと、もっともっともっと可愛がってあげる。沙良がゆりりんの事、
 いっぱいいっぱいいっぱいいーーーっぱい気持ちよくしてあげる…!」

☆☆☆

「すごい…ゆりりんのショーツ、えっちなお汁でぬるぬるだよ?」
「や…い、言わないでぇ…!そんな事、言っちゃやだぁ…!!」

スカートをめくりあげられた私、沙良が私の股間に顔を埋めて、言う。
キスと胸への刺激でいっぱい気持ちよくされた私は全身に力が入らない。

「ショーツ、脱いで?沙良に見せて?ゆりりんのえっちな所」

優しい声で囁かれる。沙良の声が空気を震わせる。そのささやかな振動で股間がうずく。

「はぅ…!あ!はぁ…!はぁ!はぁ!」

ぶるぶると震える指先でショーツを掴む。力が入らない。恥ずかしい。でも。
早く早く早く。沙良に見られたい。恥ずかしい。でも見せたい。恥ずかしい。
もどかしい。して欲しい。早く早く早く。見られてる。脱ぐとこ、見られてる。

「はぁ!はぁ!はぁ!」
「んふ…焦らないで、ゆりりん。沙良、ちゃんと見てるから…ね」
「さ、沙良ぁ…!」

言う事を聞かない身体を叱咤して、私はなんとかショーツを膝までずり降ろす。

「ゆりりん…ゆりりん、ゆりりん…」

沙良の声が震えてる。

「すごく…綺麗。綺麗綺麗綺麗綺麗…!ゆりりんの、あそこ、すごく…!」
「い、いやぁ…!は、恥ずかし…そんな…さ、沙良!?ふわぁ!!!!!」

沙良は感嘆の声をあげていたかと思うと、次の瞬間、私のあそこに顔を埋めた。
じゅるり…!と音を立ててしゃぶりつかれ、吸い上げられる。

「んはぁぁああああぁあぁぁあ!!」
369ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:44:31.35 ID:weAydqxt
「ん…んちゅ…ゆり、りん…!」
「ら、らめ…!さら…そ、んな…!きた、な…!」
「ゆりりんに汚いとこなんて無いよ」

テンプレな台詞にテンプレ通りに返されて。
そして沙良の舌は私の一番敏感な所を、刺激を待ちわびて震える所を、的確に捉える。

「んく…っ!ぁああああああああああああああああああああああああああああ!!」

びりびりと全身が震える。イく。イッた。クリトリス、突かれただけで。

「ここ…一番…感じるんだよね?ん…ちゅぶ…っ!」
「ひ…っ!ら、らめぇ!!あ!あ!ああああああああああああ…っ!!!!」

やだ、すごい。すごく気持ちいい。身体がどっか飛んでっちゃいそう。
こんなすごいの、これ以上すごいの、あるはずない。と思ったら。

「ひやああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

沙良の指が、ずちゅりと私に突き立てられた。入ってきた。奥まで。

「あひっ!ひぅ!ひあああああ!あぅあぅぅ!あ!あ!ああああああああ!!」

クリトリスしゃぶられながら、中をかき回されて。えっちな喘ぎが停められなくて。

「やぁああ!イク!イク!イク!と、とまら、ない!イクの、とまら、な………!」

もうだめ。死んじゃう。気持ちよくて幸せで気持ちよくて幸せで…!

「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

☆☆☆

荒い息を吐く私に、指を突き立てたまま沙良がほほ笑む。

「ほら、ゆりりん…じゅぶじゅぶ言ってる。ね、聞こえる?」
「あ!あ!あ!や、やら…っ!ひん…っ!ひぁああぅ!!」
「またイきそう?イっちゃう?イく時の顔、よく見たいな、眼鏡とっていい?」
「だ、だめ!いやいやいや…!!」
「どして?恥ずかし?」
「そ、それもあるけど…!沙良の顔が見えなくなっちゃう…!
 や、やだ!沙良を見たい…!沙良をずっと見てたい…!」
「やあああん!ゆりりん!かわいい!かわいいかわいいかわいい…!」

沙良がぐっと身を乗り出し、顔を寄せる。
彼我の距離はほんのわずか。鼻と鼻がくっついて。
らんらんと輝く瞳が、微動だにせず私を見据える。

「や…!そ、そんな…!」
「ほら、目そらさないで?」
「あ、や、は、恥ずかしい…!恥ずかしいよお!」
「ゆりりんのイく時の可愛い顔、見せてね?見てるから・
 沙良の事も見ててね、眼、そらしちゃだめだよ?」
「い、イジワル!沙良のイジワルううう!あ?あ!あ!」

沙良がみてる、私を見てる、見てくれてる…!
いやらしい顔、見られてる。恥ずかしいところ、見られてる…!

ああ…だめ!来る…来ちゃう…!!
すごいのが、来ちゃう………っ!!
370ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:45:12.32 ID:weAydqxt
「ああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!」

ぷしゃっ!と、なにかが吹き出した。

「はわわっ!?や、ゆ、ゆりりん!すごっ…!」
「やぁ!な、なに、これ…!?んあ…っ!あぁぁぁああ…!!」
「潮吹きってゆーんだよ、ゆりりん!」

最近仕入れたばかりであろう知識を開陳する沙良。

「し、しお?」
「うん、すっごく気持ちいいとぴゅぴゅって出ちゃうんだって
 そんなに感じちゃったんだね、ゆりりん。沙良、嬉しい!」
「や、やだぁ…は、恥ずかしいよぉ…!!」
「だめだよぉ、もっと…もっと、してあげるんだから」
「だ、だめ!だめだよ、沙良…!わ、私、もう…!」
「ゆりりんの“ダメ”はぁ…もっと、して…だよね?」
「ちが…!や、そんな、とこ…!あ!あああああああーーーーー………っ!!」

☆☆☆

いっぱいイかされて…私はいつしか失神していたらしい。
し、失神する程感じて乱れるなんて…は、恥ずかしい。

ふと気がつくと、沙良も寝入っていた。
寝顔の沙良、満足げな笑みを浮かべた沙良。

あれ?沙良の処女をもらうって話じゃなかったっけ?

でも幸せそうな寝息を立てる沙良を見てたらどうでもよくなって。
私は近年まれにみる幸福感の中で、再び目を閉じた。



<つづく>
371ユリとサラ(8):2012/12/03(月) 11:45:45.23 ID:weAydqxt
以上です。もう少し続きます。沙良の破瓜は、そのうち、また。
372名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 16:19:56.98 ID:sdXRMzKb
>>371
お疲れさまー。
今回も御馳走様でしたー、ゆりりんもさらも可愛くてお腹いっぱい
373名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 22:41:51.76 ID:1Dv7IF9m
>>372
お腹いっぱいってのは「もう要りません」って意味だぜ?
続きあるって言ってるのに「もうお腹いっぱい」なの?
失礼なヤツだなw
374名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 22:59:31.99 ID:pIQTlrL0
この世には別腹というものがあってだな

ヘタレ攻めかと思ってたのにゆりりんがネコで沙良がタチとは完全に予想外だった
375名無しさん@ピンキー:2012/12/03(月) 23:09:43.65 ID:UhjM5vnk
オブラートに包んでやってるんだから言うなよ
376名無しさん@ピンキー:2012/12/04(火) 00:07:44.40 ID:V3XQLdwJ
>>373
明日になったらまたお腹が空くでしょう?
そういうことよ(笑)
377名無しさん@ピンキー:2012/12/04(火) 08:04:43.92 ID:D3nz0adY
>>366
こんなこと言っちゃうゆりりんに百合の洗練を!
とゆうか布教させるか沙良が布教するんだ!
そして誰よりもハマって欲しい
378名無しさん@ピンキー:2012/12/04(火) 10:10:21.05 ID:D3nz0adY
素晴らしすぎる
379 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/05(水) 12:37:52.93 ID:+F1Pi1cD
常に新しい味を提供できればいいなとは思ってますけど、でもまぁ
「牛丼一筋80年」ってのも、それはそれでスゴイ事だよな、と。

と言う事で番外編2レス分です。

前注)私は百合雑誌を読んだことありませんm(_ _)m
380ユリとサラ(番外):2012/12/05(水) 12:38:28.12 ID:+F1Pi1cD
沙良を家まで送り、帰りついた自室の隅に覚えのない紙袋。
私はなんの気なしに中をのぞいてみた。中にあったのは…

「こ、これは…!!」

沙良が勉強に使ったという…いわゆる「百合雑誌」だった。
どうやら沙良の忘れものらしい。紙袋には他に一枚のメモが入っていた。

『百合の普及を! >>377より』

377、あいつか!
あのコが沙良にこんないかがわしい雑誌を教えたのか!?
いつも沙良を舐めまわすようないやらしい視線で見ている377…
やっぱりあのコも沙良の事を?そっちの属性持ちだったのか!

そうか、沙良は私への責めをこの雑誌で「勉強」したのか。

一体、どんな事が書かれているのだろう?
私は純粋な知的好奇心に負けてその雑誌を開いた。

「お、おう!?う、うわ!うわうわうわ!」

開いて、しまった。

「うわぁ…………!」

そこには私の知らない世界があった。

※※※

2時間後。

これは悪魔の書だ、と私は確信した。

「はぁ…はぁ…はぁ… 」

誌面で繰り広げられる女の子同士の様々な恋愛模様、様々なシチュエーション、
数多の百合カップルの霰もない痴態、目眩く官能の世界から、私は目を離せなくなる。
とは言え勘違いしないで欲しい。私はその誌面の内容そのものに興奮してる訳じゃない。

そう、私の頭の中は常に沙良で一杯。だから。

誌面のカップルたちを、私と沙良に置き換えていたのだ。


>「どこが気持ちいいの、ゆりりん?」
> 一人の少女が絵筆でもう一人の少女を撫でる。
>「やだ、そんなところっ……」

…てな感じに。(原文 >>359


「…ごくり」

こんな事やあんな事を沙良としたい、そんな妄想で頭の中がいっぱい。
し、してもいいのかな?い、いいよね?だって、だってだってだって!

『ゆりりんのしたい事、全部して?』
『沙良はゆりりんのものだから、ね』
『ゆりりん…キス、して?』
381ユリとサラ(番外):2012/12/05(水) 12:39:07.81 ID:+F1Pi1cD
「はあ!はあ!はあ!」

い、いいんだ、沙良は私のもの、私は沙良のもの、私と沙良は恋人同士…だから!
だ、だから…ここに書かれてるような、い、いやらしい事…し、してもいいんだ!

私と沙良は、あ、あああ、愛しあってるんだから!

「さ、沙良ああああ!いやあ!もう!もう!もおおおおおお!」

我慢できない。溢れてくる。
沙良を好きって気持ちが、そしてアソコからえっちなお汁が。

「し、しよ?沙良…!エッチな事、いやらしい事、気持ちいい事…!
 い、いっぱい!いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい…!」

『うん…来て、ゆりりん…!!沙良にえっちな事、いっぱい、して…!』

私は自身の陰部に指を伸ばす。下着はもうぐちょぐちょ。
溢れてる。ショーツをおろすとぽたりと垂れるくらい。

私は下着を降ろす事ももどかしく、手を突っ込む。
何の抵抗もなくあそこに指が飲み込まれる。
もう一方の手でクリトリスをつまみあげた。

「んひぃああああああああああ!」

イった。イっちゃった。最速記録。 初めてすぐ、なんて。
しかも、もっともっともっと…と身体がせき立てる。

『ゆりりん先生ったら、いやらしい…!』
『だ、だめよ沙良さん…いけな…んんっ!』
『教え子にこんな事されて…感じてるの?』

「んはぁ…!あ!ぁ!あ゙!あ゙!あ゙!んあ!」

『先輩…!ううんお姉さま!沙良は…沙良は…!』
『沙良さん…貴方…本当にいいのかしら?』
『はい…沙良はお姉さまが…好き…!』

「んくっ…!んはぁぁぁ!やは…っ!あぅんっっ!』

『だ、だめだよ!百合ねえ!姉妹で、こんな…!んん!』
『沙良…ごめん、ごめんね…でも私、もう…!!』
『や!そんな、とこ…お姉ちゃん!!だめぇぇぇ!!』

「ぁ、あ、あ゙、ぁあ!んぁぁあああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

※※※

荒い息を吐きながら私は例の雑誌をひっくり返す。
多分、そういうのはだいたい雑誌の後ろの方に…

「あ、あった…!」

定期購読申込み葉書は、めくるめく官能の世界のパスポートに見えた。


<番外編・おしまい>
382ユリとサラ(番外):2012/12/05(水) 12:39:49.28 ID:+F1Pi1cD
以上、お粗末さまでしたm(_ _)m
383名無しさん@ピンキー:2012/12/05(水) 19:48:52.02 ID:iTo1Ya0f
>>382
GJです!
ゆりりん順応性高いなw
自分と沙良が主人公の薄い本を書き始めてもおかしくないレベル。
……はっ! もしかして◆7BaqS26D87fWさんって実はゆりりんなんじゃね?

あと、一瞬えっちなお汁がしょっぱいのかと思ってしまったw
いやしょっぱいだろうけど。
384名無しさん@ピンキー:2012/12/05(水) 20:19:51.36 ID:86NrRkG8
>>383
>もしかして◆7BaqS26D87fWさんって実はゆりりんなんじゃね?

ロングヘアのスレンダー眼鏡っ子がアソコからヨダレを垂らしながら書く百合SS ハァハァ
385名無しさん@ピンキー:2012/12/06(木) 06:47:00.49 ID:lJHWmnpw
GJ!



百合はえっちぃのだけじゃないんだけどなぁ・・・
なんか複雑な気分w
386名無しさん@ピンキー:2012/12/06(木) 10:50:53.23 ID:cNi+m+sm
こまけぇこたぁ(ry
387 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/06(木) 13:51:04.70 ID:ZreEn1Lu
>>385 ごめん…w
ゆりりん(≠私)がそういう部分にしか眼がいかないエロいコって事でご勘弁くださいm(_ _)m

てなわけで、第9話、6レス分いかせていただきます。
388ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 13:52:10.79 ID:ZreEn1Lu
私、美星 百合子。16歳の女子高生です。
可愛い彼女にいっぱいイかされちゃいました。

まだ信じられない、この現実。夢じゃないよね?夢ならまだ覚めないで。
だってだってだって…!次は私が彼女を気持ちよくさせてあげる番…!

それまでどうか、この幸せの夢の中にいさせて…!

☆☆☆

「おはよーゆり…!?ど、どうしたのゆりりん!?」

私はばっさり髪を切った。ますます男みたい。
恋が成就したから髪を切ったって逆?
かまやしない、どうせ私は普通じゃない。

「へん…かな?」
「ううん!そんな事ない!かっこいい!かっこいい!かっこいい!」
「そ、そう…?て、照れるじゃない」
「こんなカッコイイ彼女がいるなんて、沙良は鼻高々だよ」
「そ、その昭和が舞台のアニメの主人公みたいな口調やめて!」
「なんでぇ?」
「す、すこし…バカにされてるような気がしちゃうから」
「そう?じゃあ止めるね」

ぎゅっと腕を組まれて。

「ゆりりんが嫌がる事はしたくないの。ゆりりんに嫌われたくないから」
「さ!沙良を嫌ったりなんか…!!」
「うん。解ってる。ゆりりん?」
「な、なに?」
「大好き」
「う、うん…!わ、私も…!!」

カッコイイ彼女…か。私が沙良の彼女。沙良は私の彼女。

「さ、沙良…あのさ…」
「なぁに?ゆりりん」
「その…こ、こここ、今度の、に、ににに、日曜…!」
「ん?」

小首をかしげる沙良。うぁぁぁああ!可愛い可愛い可愛い…!
こんなに可愛い沙良が私の…私の…!い、言わなきゃ!言うぞ!

「に、日曜日!!デ、デデデデデ、デート…しない?」

語尾がかすれてほとんど聞き取れないくらい小さくなっちゃったけど。
沙良は目をキラキラさせて頷いてくれた。力強く、何度も何度も。

「恋人同士になって初めてのデートだね!ゆりりん!」
「う、うん。そうだね」
「一緒に歩いてぇ、映画見る?お食事はどうしよっか?それで最後はぁ…」

うっとりとした表情で、頬を赤らめて。

「沙良のお部屋で…しよ?」
「し、ししし、しよ…って…ててて!!!???」
「今度の日曜の夜はね、お父さんもお母さんも、いないの。だから…」
「あ゙う…っ!?おふ…っ!!」
389ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 13:52:52.40 ID:ZreEn1Lu
は、はなぢが…!や、やめて…!!

「また可愛いゆりりん、いっぱい見たいな」
「だ、だめ…!こ、今度は…!!
「ん?」
「今度は、私が…私から、その…!!」
「あ、そっか。そうだね、うん」

頬を染めた沙良が真っ直ぐ私を見て、そして。

「沙良の処女…ゆりりりんに、あげるね」

も、もうだめ…!!で、でちゃう…!!

「はい、ゆりりん。どーぞ」

手渡されたティッシュを鼻につめる私は、
やっぱりどう見たってかっこよくなんかない。

…沙良は、こんな私なんかのどこがいいんだろう?

☆☆☆

「あんたたちってなんで親友なの?」

休み時間、クラスの女子達にそんな事を聞かれた。

「とても気が合うようには見えないんだよね」
「でもなんか兄と妹みたいではあるよね」
「ちょっとそれは百合子に失礼なんじゃ…」

まぁ仕方ない。私は苦笑する。

「お互い、自分に無いものがあるから…かな?」

という平平凡凡たる私の答え、対して、沙良は…

「理由なんかないよ。沙良が沙良で、ゆりりんがゆりりんだから」

理由なんか、無い。かっこよくなくたって、泣き虫でダメな私でも。
私が私である、ただそれだけで沙良は私を好きでいてくれる…?

「沙良はね、ゆりりんに出逢うために生まれてきたの」

その言葉に、私は幸せに包まれる。
だがクラスメイトたちは少々引いてるようだ。

「ま、まるで恋人みたいよ、その台詞」
「えへへ、そうだよ。沙良はね、ゆりりんのモゴゴゴッ?」

おっと。私は思わず沙良の口を手で覆った。

「あーはいはい、沙良?ちょっとあっち行こうか?」
「ムゴーギギグゴ?」
「そうそう、あっちね。あっち行こうね」

☆☆☆
390ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 13:53:33.79 ID:ZreEn1Lu
「内緒なの?」
「内緒なの」

いつもの屋上で私と沙良は対峙する。

「そっかぁ。やっぱり内緒にした方がいいのかぁ」
「そうよ、やっぱり内緒にするべきよ」

女の子同士の恋なんて、へんな眼で見られるに決まってるから。

「ん〜でも、沙良、自慢したいんだけどな」
「なにを?」
「沙良の彼女、かっこいいでしょ?って」

私は苦笑する。苦笑、するしかない。

「そんなの誰も納得してくれないよ、それに…」
「それに?」
「沙良だけがそう思ってくれてれば、それでいいよ」
「ゆりりん…!」

沙良がいっぱいに手を伸ばして、私の首っ玉に抱きつく。

「さ、沙良!?」
「んふふ!やっぱりゆりりんはかっこいいなぁ!」
「ど、どこが!?ねぇどこが!?」
「いいの!沙良だけが解ってればいいの!」

よく解らないけど、解った。

さっきの沙良の言葉の通りなんだ。理屈じゃないんだ。
私が、沙良が沙良であるだけで沙良を愛するように、
沙良も、私が私であるだけで好きでいてくれることを。

「さ、沙良…」

私は周囲に素早く視線を走らせた。
右、良し。左、良し。後方、良し…!

「キ、キキキ、キス、したい…!」
「うん」

沙良はぐっと背伸びをして、私は腰をかがめて。
唇と唇が触れ合う。幸せな気持ちが胸に溢れる。

「えへへ」
「あはは」

お互い、頬を染めて。私たちは手を繋いで、遠くの景色を眺めた。

☆☆☆
391ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 13:54:14.58 ID:ZreEn1Lu
沙良と男の子の2ショット。以前なら私は嫉妬の炎に身を焦がしていただろう。
でもいま沙良が彼に告げているのは謝罪の言葉。「すっぽかしてごめんなさい」

そう、あの日。沙良が私への恋を自覚した日、沙良とデートする予定だった男の子。
沙良は深々と頭をあげて、それから私の方へ駆けてくる。満開の笑顔で。

「お待たせ!帰ろ、ゆりりん」
「大丈夫?彼、怒ってなかった?」
「ううん、呆れてた」
「呆れ…?」
「うん、沙良がね好きな人が出来たっていったら…」
「そ、それでか!?」

沙良と彼が話してる途中、彼の視線がこちらを怪訝そうに見てたのは…!

「わ、私の事…私との事、言っちゃったの?」
「ううん、言ってないよ?内緒でしょ?」
「そ、そう…!!」

うん、いや、いいんだけど。でも沙良、話の途中で私の事見てたよね?
きっと彼は察したんだろう。恐らくは沙良の口調とか仕草とかで。

まぁしょうがない。沙良は隠し事がうまくはないし、
そのあけっぴろげな性格からして隠し通せるはずもないし。

きっと明日から、私達、変な眼で見られるだろうなぁ…

「ん?どうしたの、ゆりりん」
「い、いや、なんでも」

そうだ、私には沙良がいる。それだけでいい。
たとえ世界中から後ろ指さされても、沙良さえいてくれれば。

☆☆☆

「ゆりりん、んーーーーー」
「な、なに?」
「ん?さよならのチュー」
「こ、こらこらこら!こ、こんなとこで!」

夕闇迫る住宅街のど真ん中。
いつもの通学路、いつも沙良と別れる交差点。

「誰もいないよぉ!んーーーーー」
「も、もう…しょうが、ない、なぁ…!」

私は沙良と、可愛い彼女とキスを交わして。

「ばいばーい、ゆりりん!また明日ねぇ!」

ぶんぶんと手を振る沙良を見送った。

「沙良…愛してる…!」

そして口中で、呟く。誰にも聞こえないように。

「沙良もぉ!ゆりりん、大好きだよー!!」
「ば、ばか!!シー!シーーーーッ!!」

なんで聞こえた?やっぱり、愛ゆえに?
392ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 13:54:55.65 ID:ZreEn1Lu
☆☆☆

「ぐふ…うふふ、うふふふふ…!」

こみあげてくる笑い。なんだかバカみたい。だけど、でも、止められない。
なんたって明日はデート、沙良とデート。こ、こここ、恋人同士の、甘い一時…!

「ダメだーーーーー!ま、待ちきれない…!!沙良沙良沙良ぁ!!」

私は枕を抱いてベッドをごろごろ転がる。ほんと、バカみたい。

「沙良…!ああ、沙良沙良沙良…!沙良ぁぁぁ!」

脳裏に浮かぶ、沙良のはにかんだ笑み。

『ゆりりんのしたい事、したかった事、全部して?
 沙良を…ゆりりんの物に、してください…』

「うん…!うんうんうん…!するするする!沙良を、私の、物に…!」

私は幻視する。沙良の胸、沙良のアソコ、沙良の痴態、沙良の声、息遣い…!!

『ゆりりん…!あ!き、気持ちいい…!沙良、おかしくなっちゃう…!』

「ああ…沙良沙良沙良…!」

私は辛抱たまらず、下着の中に手を突っ込んで、激しい自慰を始める。
いままでは涙に濡れながらしてたオナニー。切ないオナニー。
でも今は、とても幸せで満ち足りた、期待に溢れた気持ちでしてる。
沙良の指を、沙良の顔を、沙良の声を、思い出しながらしてる。
じゅぶじゅぶと音を立てて愛液が溢れ、きゅんきゅんと膣内が痺れる。

『ゆりりん!好き…!好き好き好き…!』

「沙良…っ!私も…!好き好き好き…大好き!沙良が好き…っ!」

明日は、愛しい沙良の全部を見る事が出来る。
明日は、愛しい沙良の肌に触れる事が出来る。
明日は、愛しい沙良の…沙良の全部を、私の物に、出来る…!

「あああ!沙良!沙良沙良沙良…!!」

どうしよう。幸せすぎてどうにかなりそう。
待ちきれなくて頭がおかしくなっちゃいそう。

この前、沙良にされたみたいに、いっぱいキスしよう。
乳首、いっぱい弄ってあげる。あそこにも…いっぱいキスして。

それからそれからそれから…!

『沙良の処女、ゆりりんに、あげるね。ううん…もらって?』

「あ!あ!あ!さ、沙良ぁぁぁあああああ!!」

『沙良、イク…!こんなの、初めて…!イクぅぅぅううう!!』

「わ、私もぉ!イク、イクイクイク、イッちゃう………!!」

『「あ!あ!あ!あ゙ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」』
393ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 13:55:36.97 ID:ZreEn1Lu
びくびくと身体が痙攣する。気持ちいい。幸せ。でも。
きっと明日はもっと気持ちよくて、もっともっと幸せ。

『ゆりりん、愛してるよ…』
「ああ、沙良…!愛してる!」
『うん!沙良、幸せ…!』

幸せな妄想に頬が緩む。きっと私、いまひどくだらしない笑みを浮かべてる。
でも、夢見続けた瞬間が手の届く所にあるんだから…仕方ない、よね?

☆☆☆

そう、私は幸せな夢の中にいた。頭の中が薔薇色のお花畑だった。
だからあんな事になるなんて、まるで想像さえもしていなかった。


そうなのだ。



女の子同士の恋なんて、やっぱり上手く行くはずがなかったのに。



<つづく>
394ユリとサラ(9):2012/12/06(木) 14:07:11.98 ID:ZreEn1Lu
以上です。あと2〜3話で終わる予定です。いましばらくお付き合いくださいm(_ _)m
395名無しさん@ピンキー:2012/12/06(木) 21:14:55.78 ID:QqSM3HJP
萌えた。GJ!
396名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 10:08:07.84 ID:j3KttXKX
俺がゆりりんの親だったら何事かと部屋に飛び込むぞw
397名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 14:46:31.58 ID:DCMi3DQm
>>396
>>341参照w
398 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/07(金) 15:43:59.98 ID:ppRUeM0U
第10話、11レス分いかせていただきます。
399ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 15:44:41.37 ID:ppRUeM0U
ほーい、沙良だよ!もうすぐお誕生日の15歳!

ん?まだまだ子供だなぁなんて笑ったな?Non,Non!
沙良はね、もうすぐ大人の階段登っちゃうんだよ?

今日は朝からウキウキドキドキが止まらないの!だってね!今日はね!
大好きなゆりりんと!沙良の素敵にかっこいい彼女と!
恋人として初めてのデートをする日なのだーーーーー!!
かっこ、もちろん…エッチ込みッ!かっこ、閉じ!!

□□□

朝のリビング。お父さんとお母さんと一緒に朝ご飯。

「えへへ。んふふ…」
「沙良?どうしたんだい?」
「にへへへへ…!!」
「さ、沙良?」

おっと。沙良ってば、なんだか変だね。お父さんが困った顔で見てる。

「なにか、よっぽど嬉しい事でもあるのかい?」
「今日はね、ゆりりんとデートなの!」
「ああ、あの親友の?父さんも今度一度会いたいな」
「うん、今度お家に来てもらうね!」

今夜も来るけどね。でも、それは内緒。
だって、恋人とのエッチは秘め事。親には内緒にするもの…でしょ?

□□□

待ち合わせ場所に行くと、もうそこにはゆりりんの姿があった。
今日のゆりりんは、黒いコートに皮のパンツルック。脚元は白いスニーカー。
時折、手を開いたまま、中指を眼鏡の真ん中のとこに当ててくいっと押し上げてる。
あの仕草、好き。細くて長くてしなやかな、ゆりりんの指が好き。

少し首をすくめてるのは、髪を切ったばかりで首筋がすーすーするせいかな?
顎のラインに併せてバッサリ斜めに切られた髪型、大人っぽくてかっこいい。

沙良は、ゆりりんの事を見てるの、好き。
眼鏡の奥の眼は、ここじゃないどこか遠い世界を見てるみたい。
頭の中でどんな事、考えてるんだろ?きっと沙良が想像もつかない事だよ。
だって、ゆりりんはいっぱい本を読んでるし、頭が良くて成績も優秀。

沙良は思うんだ。ゆりりんはきっと、スゴイ人になるよ。
学者さんとか、作家さんとか、そういうすごい人に、きっと。

でね。

沙良はずっと、ゆりりんに付いていくって決めたんだ。
沙良には何も出来ないけど、ゆりりんを支える事は出来ると思う。

でもまだ、ゆりりんには、沙良の決意は内緒だよ?

沙良は重すぎる女にはなりたくないの。
ゆりりんの重荷になるような事はしたくないの。
ゆりりんに嫌われるような事は、絶対、しないの。

だって沙良は、ゆりりんが大好きだから。ずっと傍にいたいから。
400ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 15:45:22.98 ID:ppRUeM0U
□□□
☆☆☆

私はぼーーーっと立っていた。早く来すぎちゃった。
でももう待ちきれなくて。頭の中は、沙良の事でいっぱいで。

あんな事とかこんな事とか早く、いっぱいしたいなーとか、
そんな事しか考えられなくて、ごめんなさいダメな子で。

髪を切ったばかりだからか、首筋がすーすーする。
眼鏡を押し上げ、不意に首をめぐらすと…

「あ、沙良?」
「わっ!見つかっちゃった!」

少し離れた電柱の陰に、沙良がいた。

「なに?いつからいたの?」
「ちょっと前だよ」
「で、何してたの?」
「ゆりりんに見惚れてた」
「…ばか。ほら、行くよ」
「あ〜ん、待ってよ、ゆりりん!」

沙良が腕にしがみついてくる。
真っ赤になった顔を見られてるけど、もう隠す必要もない、よね?
私が沙良に夢中な事、もう沙良には知られてるんだから。

☆☆☆
□□□

ゆりりんはモデルさんみたいにすらっと背が高い。
だから沙良はゆりりんの腕にぶらさがるみたいな恰好になる。

沙良は歩きながらゆりりんに話しかける。
ゆりりんは真っ直ぐ前をみながら答えてくれる。

あの真っ直ぐな視線が素敵。ぶっきらぼうな口調も、でも声音は優しくて、好き。
時折眼鏡をくいっとあげて、ゆりりんは沙良が気付かなかった景色に眼を止める。

「どしたの?ゆりりん」
「ん?もうカトレアが出てるのかぁって思って」

ゆりりんの視線はお花屋さんの店先の大きくて華やかな花に向いてた。

カトレアはランの女王と呼ばれてて、12月頃から咲くんだって。
花言葉は「高貴」「優美な女性」…と、ゆりりんが教えてくれた。

ね?物知りでしょ、沙良の愛するゆりりんってば!

「高貴で優美な女性、かぁ…ゆりりんみたいだね!」
「な、ななな、なに言ってるの!?どこが!?」
「ねぇねぇ、ゆりりん!沙良は何の花かな?」
「私がカトレアって事は絶対ないと思うけど、沙良は…
花言葉だけならアジアンタムなんか沙良っぽいけど…
う〜んそうだなぁ、やっぱり、ミモザ…とか?」
「ミモザ?ミモザサラダのミモザ?」
「うん、鮮やかな黄色で…小さくて可愛い花」
「おお!なるほど!沙良にぴったりだね!」
「自分で言うな」
401ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 15:46:03.96 ID:ppRUeM0U
□□□
☆☆☆

アカシア、フランス名で「ミモザ」。
ミモザサラダは、サラダの上に散らした卵の黄身をこの花に見立てて名付けられた。
花言葉は「優雅」「友情」そして…「秘密の恋」。沙良に、私たちにピッタリじゃない?

ちなみに私の名前に入ってる「百合」だけど…
どうも私にはその花言葉の似合う要素がなくて、へこむ。

名は体を表すと言う風には、中々いかない。

でも名前に花の名前が入ってるせいで、私は昔から割と花が好きだ。
自慢するほどの知識があるわけじゃないけど、沙良はしきりに感心してくれる。

だから、なのよね。

私は沙良が望む私でいたいから、沙良にある事で関心されると、
ついついそれ以降もそれ関連の知識を仕入れてしまう。
かっこつけたがりなだけ。自分を自分以上に見せたいだけ。

でもまぁ、そんな背伸びも、それはそれで楽しいものだ。

☆☆☆

私は真っ直ぐ前を向いたまま、沙良のおしゃべりに相槌を打つ。
眼をあわせると照れちゃうからね。だって沙良が可愛すぎるから。
でももちろん時折沙良の方をチラチラ見ちゃう。だって沙良が可愛すぎるから。

今日の沙良はミニスカートにニーハイ…胸元、開き過ぎじゃない?

「ん?なあに、ゆりりん」
「い、いや、なんでも…お?」
「今度は何を見つけたの?」

基本的に視線を沙良に向けない癖がついてるおかげで、
私は色々な話題の切っ掛けを沙良に提示する事が出来る。

「見て、沙良。あの雲!」
「わぁ、ソフトクリーム!」
「あっちは?」
「ん〜キリン?」
「私は馬に見えるなぁ」

沙良との他愛無いお喋り。だが、それがいい。

☆☆☆
□□□

ゆりりんとの他愛無いお喋り。でも、それが楽しい。

沙良が自分の気持ちに気付く前から、ゆりりんと一緒にいるのは楽しかった。
でも今は、自分の気持ちを自覚した時からは、楽しさが倍になった気がするの。

沙良はね、いま、とっても幸せ。

□□□
402ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 15:46:45.11 ID:ppRUeM0U
☆☆☆

私はいま、とても幸せだ。そして、今日これからの事を考えると。
実はもう気が気じゃない。今日は私の人生最高の日となる事だろう。

この時は、疑いもせずそう信じていたのだ。

☆☆☆

「おおお、お、お邪魔、しまっす!」
「やだぁ、ゆりりんってば。緊張してる?」
「す、するよ、そりゃ…!」

いや、待て。しすぎだ。意識しすぎだろ!

「ゆりりんってば…もう、待ちきれないんだ?」
「な、ななな、なん、なんのこと、かな?」
「えっちなゆりりん、やらしいゆりりん」

歌うように言いながら、沙良が私を抱き締める。

「バ、バレバレ…かな?」
「うん。バレバレだよ。でもね」
「う、うん?」
「沙良も同じだよ」

あ、あぅ…!そ、そんな事、言われたら。

「さ、沙良のえっちぃ」
「ゆりりんに言われたくないよぉ」
「う、うるさい」
「うふふ」
「あ、あはは…」

沙良のうちのリビングで、私たちは口づけを交わす。
少しいけない事してる気分が、スパイスになって。
私はどんどん、どんどんどんどん、昂っていく。

「ね、ゆりりん…ここで、しちゃお?」

沙良も、どうやら同じ気分らしくて。私はごくりと唾を飲み込んで頷く。

☆☆☆
403ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 15:47:25.91 ID:ppRUeM0U
□□□

ゆりりんの緊張した真剣な顔、可愛い。

沙良の事が欲しくて、どきどきうずうずしてくれてるゆりりん。
大好きな人にこんなにまで求められるなんて女冥利につきるよね?

だから、沙良はこういうの。
ゆりりんにもっと昂奮してほしいから。もっと沙良を求めてほしいから。

「ね、ゆりりん…ここで、しちゃお?」

ゆりりんはごくりと唾を飲み込んで、こくこくと頷く。あは、可愛い。

ねぇ、ゆりりん?今日はずっと沙良の事、チラ見してたよね?
今日の沙良がミニスカートとニーハイだった理由、解ってるかな?
今日の沙良が胸元の開いたシャツを着てった意味、解ってるかな?
ゆりりんに見て欲しかったから。ゆりりんにもっと求めて欲しかったから。

ゆりりんってば、沙良に気付かれないようにチラチラ見てたよね。
でも沙良は全部気付いてるんだよ?沙良もゆりりんをよ〜く見てるんだから。

いいんだよ、ゆりりん。もっと沙良を見て。
もっと沙良を感じて。もっともっと、沙良を求めて。

□□□
404ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 15:48:07.14 ID:ppRUeM0U
☆☆☆

沙良の服に手を掛ける。ぎくしゃくとぎこちない手。震える指先。

「あ、あれ…?」

沙良の全部が見たいのに、服を脱がせる事もまともに出来ない。
妄想の中ならあんなに簡単に出来た事が、出来ない。

「ご、ごめ…わ、私、き、緊張、してる…」
「大丈夫だよ、沙良も…どきどきしてる」

そう言うと沙良は、小さな手で震える私の手をそっと包む。

「ここだよ、ゆりりん…」
「あ…!!」

沙良は片手で自身の胸元を器用にはだけ、私の手をそっと導いた。
ふよん…と柔らかくて暖かくて優しい感触が掌に伝わってきた。

「ゆりりん、触って?」

ごくりと唾を飲み込んでしまう。夢にまで見た、沙良の胸。
体育の授業で、着替えする所を盗み見た沙良の下着姿。
その中身を幻視したブラに包まれた胸に、いま私の掌が触れている。

「あ…はぁ…!はぁはぁはぁ…!」

息が荒くなってく。どんどん昂奮してくのが解る。
指先が震え、冷や汗が流れる。どうしようどうしようどうしよう。
ブラの上から沙良の胸に触れただけで、どうしようもなく昂ってる。
身動きが取れない。もっと触れたいのに。もっと沙良を感じたいのに。

「さ、沙良ぁ…!私、私…!」

どうしよう。涙が溢れてくる。怖い。沙良が私の腕の中にいる現実。
あり得ないと思ってた事が現実になって、触れたら消えちゃいそうで。

まだ、怖い。

「大丈夫…大丈夫、だよ…怖くないよ、ゆりりん」
「だって、夢、みたいで、まだ…信じ、られ、なくて…!」
「沙良は…ゆりりんのものだから、ね?」
「沙良…沙良、沙良沙良沙良…!」
「ゆりりんのしたい事、したかった事…全部して。沙良を…愛して」

☆☆☆
□□□

ゆりりんは、まだ怖がってる。沙良はもう全部認めたのにな。

女の子同士がいけない事だなんて、沙良だって解ってるよ。沙良だって怖いよ。
でも、それ以上にゆりりんが好きなの。大好きなの。ゆりりんが欲しいの。

「ゆりりん…見て。沙良を、見て」

だから誘惑しちゃおう。ゆりりんがもっともっともっと…
沙良の事を欲しくて欲しくて欲しくて…堪らないようにさせちゃおう。

□□□
405名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 16:26:26.03 ID:FrZrHYMh
支援
406名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 16:28:31.87 ID:muV24Mct
連投規制・・・だよな?
支援
407ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 16:30:33.50 ID:ppRUeM0U
☆☆☆

「ゆりりん…見て。沙良を、見て」

そう言うと沙良は、私の眼の前でシャツをゆっくりと脱いでいく。
ぱさり…と床に落ちるシャツ。沙良の上半身にはブラだけ。
剥き出しの肩のライン。鎖骨。柔らかに息づくお腹の起伏。

「あ…あ、ああ、あ…!」

言葉にならない。すごく綺麗だ。私、感動してる。

沙良はにっこりとほほ笑むとそのままソファの上に立ちあがった。
まるで舞台にあがる女優のような仕草が私を魅了する。

「さ、沙良ぁ…」
「まだだよ。見て。沙良を見て。触れたくて触れたくて…
 気が狂っちゃいそうなくらい触れたくなるまで我慢して」

続いて沙良はスカートに手を掛ける。
私を見てにっこり笑う沙良、そして、ふぁさり…とスカートが落ちる。
沙良が身につけているのは、これでブラとショーツとソックスだけ。

「まだだよ、ゆりりん。まだ、お預けだよ」

そして今度はソックスを脱いでいく。
腰をかがめて、片足ずつ上げて順番に。
右、そして、左。

「ゆりりん、沙良が欲しい?ねぇ、沙良が欲しい?」

私の返事を待たず、沙良はくるりと身をひるがえす。
小さな背中を向けて。ブラのホックに沙良の指が掛る。

肩からブラの肩紐が落ちる。右、左。
再びこちらを向き直った沙良は、両手でブラを抑えてる。

「見たい?ゆりりん、沙良のおっぱい、見たい?」

もちろん、見たい。見たいに決まってる。
私は無言でこくこくと頷く。声が出せない。

「ゆりりんのえっち」

沙良はくすりと笑ってそう言うと、ブラを落とした。胸元は両手で隠したまま。
腕の隙間から胸のふくらみが見える。着やせする沙良。小柄な肢体に豊満な胸。
ごくりと喉がなる。もっと見たい。近くで見たい。触れたい。キス、したい。

「欲しい?ゆりりん、沙良が、欲しい?」
「あ、あ、あぁあぁ…さ、沙良…沙良沙良沙良…!」

私はうわ言のように沙良の名を呼ぶ。欲しい。沙良が欲しくて堪らない。

「あげるよ、沙良を、ゆりりんに、全部」

両手をゆっくりと開く。沙良の胸。沙良の乳首。沙良の…輝くような裸体。
重力に逆らって張りつめた双丘、つんと天を向いたピンク色の乳首。
その桜の蕾みたいな愛らしい乳首をうっすらと乳輪が縁取っている。
408ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 16:31:14.73 ID:ppRUeM0U
「言ったよね?沙良はゆりりんのモノだよ」

沙良の指が自身の唇に、次いで胸に、そして乳首に触れて行く。

「ここも…ここも…ここも…」

お腹、おへそ、太腿、お尻…!

「ここもここもここもここも…それから…!」
「沙良…!わ、私…!私、もう…!!」

沙良が最後に残ったショーツに手を掛ける。
ゆっくりと、勿体をつけて降ろしていく。
ぷっくりとした恥丘、薄い恥毛が徐々に姿を現す。

「ここも…」

想像してた以上に薄い。ほとんど生えてないみたいに見える。
そしてついで現れる、秘所。沙良の…沙良の…大切な所。

「ここも…全部。全部、ゆりりんにあげる」

私の眼前に全てをさらけ出してくれた沙良。
太腿まで降ろされたショーツと沙良のアソコの間、
つ…っと細い銀色の糸が、はっきりと見えた。
濡れてる。沙良が、あそこを、濡らしてる…!

「沙良をあげる。全部あげる。沙良をゆりりんのモノにして…!」
「沙良ぁぁぁああああ!!」
「きゃっ!!」

無我夢中だった。

私は沙良に飛び付くように抱きしめ、ソファに押し倒してた。
沙良の胸にしゃぶりついてた。両手で沙良の胸を揉みしだいてた。

「沙良…!沙良沙良沙良…!」
「ん…っ!んは…ぁ…ゆり、りん…!」

腕の中に沙良がいる。生まれたままの姿の沙良が。
夢みたい。まだ信じられない。沙良が私のものだなんて。

「さ、沙良…好き…!好き好き好き好き好き…!沙良が好き…っ!!」
「うん…嬉しい…んんっ!んはぁ…!あ、あ、あ…!!」

沙良が感じてる。私の愛撫に感じてくれてる。私はもう、頭の中真っ白で。

「さ、さささ、沙良…さ、触るよ?あ、あそこ…さ、触っていい?」
「い、いいよ…んくぅ…!んぁ…!さ、沙良は、ゆりり…んんっ!もの…!」

私の指はたどたどしい動きで沙良の胸からお腹を通って、そして…

「ひぅ…っ!!!!」
「さ、沙良…!!」

沙良の、濡れそぼったアソコに、触れた。
409ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 16:31:56.22 ID:ppRUeM0U
「あ、溢れ、てる…すごい…すごいすごいすごい…すごい……!!」
「あ、あは…っ!ゆ、ゆりりん、てば…はぅん!どして、泣く、の?」

感動して。感動のあまり、私は涙を流していた。

「だ、だって…だってだってだって…!!沙良…沙良沙良沙良ぁぁぁ…!!」
「えへ…っ、ゆ、ゆりりん、てば…んはぁ!!お、おかしいんだ…あぅんっ!」

私に見られて、私に触れられて、沙良がアソコを濡らしているのだ。
これが感動せずにいられようか?大好きな沙良が、私で感じてくれてる…!!
沙良の身体が応えてくれてる。私の想いに。私の視線に。私の愛撫に。

沙良のピンク色のアソコ。蜜を溢れさせる花弁。その花びらを慈しむように触れる。

「は…!はぅ…!んん!ゆ、ゆり、りん…!さ、沙良、ね…」

荒い息を吐きながら、沙良はとぎれとぎれに告白する。

「じ…自分でした事、ないの。だ、から…!よ、良く解んないん、だけど…!」

沙良の花弁を優しく撫でさする。そして私は見た。
蕾が花開くように、沙良の真珠みたいなクリトリスが、
包皮からぷくり…と顔をのぞかせる、その瞬間を。

「でも…んん!でもでもでも…!変…変なの…!!んぁぁああ!!」

沙良のクリトリス。小柄な沙良に似つかわしいちっちゃな肉芽。
でもそこは貪欲に快感を求める、いやらしくて気持ちいい所。

私はなんの躊躇も無く、沙良の素敵に愛らしい肉芽にしゃぶりつく。

「んぁっ!?あああああああああああああ!!」

突然の刺激に沙良が悲鳴じみた嬌声をあげる。

「あ…っ!そ、それ!?あ!や、んん…っ!!」

感じてる。沙良が感じてる。クリトリスしゃぶられて…気持ちよくなってる。

「あはぁぁああ!あん…っ!や、んあ!あ!ひんっ…!!」

可愛い喘ぎを漏らす沙良、処女なのにクリで感じてる沙良、
私の愛撫に悶え、よがり、嬌声を止められない沙良……!

「ゆ、ゆりりん…!ゆりりんゆりりんゆりりん…!あ、あ、あ…!!」

私は沙良の真珠を夢中で責め立てる。
しゃぶり、舐め、つつき、はじく。
ねぶり、包み込み、吸い上げ、転がす。

「や、怖…っ!なに、これ!?あ!あ!へ、へんだよっ!沙良…沙良…!!」

徐々に官能が沙良の身体を支配し、沙良の意識の制御を離れて行く。
勝手に身体が震え、痙攣し、より深い快感を得ようと無意識に腰を振る。

「やぁ!ゆ、ゆりりん…!来る…っ!なんか、来る…!こ、怖い…沙良、沙良…!」

沙良が昇りつめようとしてる。私はその事に狂喜する。
嬉しい、沙良が感じてる、感じてくれてる、もっと…
410名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 16:46:13.73 ID:tQNEJ4un
支援?
411名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 16:47:48.99 ID:q+3YIWnB
支援
412ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 17:00:08.89 ID:ppRUeM0U
「ゆ、ゆりりん!だめ!沙良、変!変なの!あ!やぁぁ!!あ………っ!!??」

私は夢中で沙良の敏感な肉芽を責め立てる。
もっともっともっと、沙良を感じさせたい。イかせたい…!!

「沙良…っ!」

溢れる愛液をじゅるりじゅるじゅると音を立てて吸い上げる。
それでも次から次へと溢れてくる沙良のえっちな蜜を指で掬いあげる。
ねっとりとしたその蜜で敏感なクリトリスを包み込んで捏ねまわす。

「あひぃんん!や!ゆ、ゆりりん!それ、や!あ!あ!あ!」

ガクガクと痙攣を始める沙良。私の指の動きを止めようと言うのか手を伸ばす。
私は沙良の手を拘束するように押さえ込む。邪魔なんてさせないよ、沙良。

「だ、め、ゆ、り、り…ん!さ、さら、あ!あ!こわ、い、あ!!あ!あ…っ!」

ダメよ、沙良。この先にとても気持ちいい事が待ってるの。
大丈夫、信じて。ほら、沙良…気持ちよくなって………!!

そして。

じゅぶんっ!と音がして沙良の秘裂から愛液が溢れたかと思うと。

「ひぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!!」

沙良の身体が、背骨を折らんばかりに弓なりに反り、びくびくと痙攣した。
激しい快感が沙良を襲っているのが解る。涙を滲ませ甲高い悲鳴を上げる沙良。

イ、イかせた!私、沙良をイかせられた…っ!

「あ、ひぅ…あぅ…ゆ、ゆり、りん…沙良…あぅっ、んん!」

長い絶頂の余韻に表情を蕩けさせた沙良。目尻に涙を浮かべた沙良。
ひくひくと身体を痙攣させ、荒い息で私の名を呼ぶ沙良…!!

「沙良…!沙良、沙良、沙良…可愛いステキ綺麗…沙良っ!」
「キ、キス…!キス、してぇ!ゆりりん!キスぅぅぅ!」

☆☆☆
413ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 17:00:50.21 ID:ppRUeM0U
□□□

身体がふわふわする。じんじんする。熱くて、痺れて、どっか飛んでっちゃう。
沙良、初めてでイっちゃった。ゆりりんにイかせられちゃったんだ…!

「キ、キス…!キス、してぇ!ゆりりん!キスぅぅぅ!」

沙良、無我夢中でそう叫んでた。
そしたらゆりりんは沙良の唇にキスをくれた。
熱くて甘くて、激しくて濃厚な、大人のキス。

「んちゅっ…!んく…沙良…沙良沙良沙良…っ!」

ゆりりんが沙良を呼ぶ。ただそれだけの事が無性にうれしい。

大好きな人に求められて、触れられて、愛されて。
それってこんなに幸せで気持ちいいものなんだね。


ゆりりんは大切な事を沙良に教えてくれた。
ゆりりんは大切なモノを沙良にいっぱいくれた。


好きって気持ち、好きって言葉。気持ちいい事、幸せな事。

「ゆりりん…ゆりりん、ゆりりん、ゆりりん…!」

ゆりりんを好きって気持ちが溢れてきて、沙良はゆりりんの服に手を掛ける。

「ゆ、ゆりりんもぉ!ぬ、脱いで…!」

ゆりりんにも気持ち良くなって欲しい。ゆりりんと一緒に気持ち良くなりたい。
そしたらきっともっと幸せ。沙良、もっともっともっともっと幸せになりたいの。

いまでもすごくすごくすっごく幸せなのに?
うん、沙良ってきっとすっごく我儘なんだね。
でも沙良は我慢なんてしない。したくないの。

「ゆりりん…!沙良にも頂戴…!ゆりりんを頂戴…!」
「う、うん…沙良は私のもので…私の沙良のもの、だから…!」
「頂戴…!ゆりりんが欲しい…!全部欲しい!!」
「うん…!うんうんうんうん…!沙良!沙良沙良沙良…!」

必死で頷くゆりりんが可愛くて愛しくて堪らなくなって。
沙良はゆりりんをぎゅーーーって抱きしめてキスをした。


その時、だった。


「お、おまえたち…!いったい、何してるんだ!?」


リビングのドアが開いて、お父さんの悲鳴じみた声が響いて。
沙良とゆりりんの幸せな時間は、それでおしまい。THE-END。



<つづく>
414ユリとサラ(10):2012/12/07(金) 17:01:24.57 ID:ppRUeM0U
今回は以上です。

>>405,406,410.411
支援、ありがとうございましたm(_ _)m

なんか最近以前より連投規制厳しいような…?って実は私、
連投規制のシステムとかよく解って無いんですけどね。
支援カキコ頂いてもすぐ書き込めたり、出来なかったりするし…

多分、あと2話。いましばらくお付き合いいただければ幸いです。
415名無しさん@ピンキー:2012/12/08(土) 09:18:47.84 ID:mZygTfgr
>>397
隣の家に住んでたら通報してる
416名無しさん@ピンキー:2012/12/08(土) 20:59:01.54 ID:JRxE2UDS
>>415
どんな壁の薄い家だよw
417名無しさん@ピンキー:2012/12/09(日) 11:32:38.32 ID:+bnZxitV
立地条件次第では聞こえるよw
418 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/10(月) 23:25:13.47 ID:NqX3z89i
ゆりりんチは壁も厚く庭も広い、という事にさせてくださいw

では5レス分ほどお邪魔します。
419ユリとサラ(11):2012/12/10(月) 23:26:23.76 ID:NqX3z89i
美星 百合子。16歳の女子高生です。体重が3kg落ちました。

一週間。もう一週間も沙良と会ってない。
学校にも来ない。電話にも出ない。メールにも返事くれない。
きっと親に止められてるんだ。囚われの姫、塔の上のラプンツェル。

沙良は私のビタミン。私の中の“沙良分”が著しく不足してる。
このままずっと沙良に会えなかったら、私、きっと衰弱して死んじゃう。

でも、どうすればいい?どうしたらいいんだろう?

きっと沙良は私を怨んでる。だって私は…逃げ出したから。

☆☆☆

あの日。
人生最高の時間を過ごしていた私は一気に奈落の底に突き落とされた。

予定より早く帰宅した沙良のお父さんが見たものは、
自宅のリビングで裸の娘を抱く男…かと思えば女。

呆然、驚愕、そして怒り。信号機みたいに青くなったり赤くなったり。
怒りのため真っ赤に上気した鬼の表情で私を追いだした沙良のお父さん。

その時の沙良の必死の声が頭にこだまする。

『止めてよ!お父さん!話、聞いて!沙良の話、聞いてよ!!』

でも私は何も言えなくて。恐怖と絶望と後悔と…
取り返しのつかない失敗をしでかしたという思いで一杯で。

『待って!ゆりりん、行かないで!沙良を置いてかないで!』

私は逃げ出した。立ち向かう事もなく、戦いを挑む事も無く。
沙良のお父さんの怒声に唯々諾々と従ったのだ。

『ゆりりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!』

そして私はいま、怒りを感じている。沙良のお父さんに対して。
両親の帰宅時間が早まる可能性を考えなかった沙良に対して。

でも一番、許せないのは。


沙良に夢中すぎて周りが見えてなかった自分自身。


☆☆☆

夕暮れ、下校時間。
私はいつも沙良と別れる交差点に立つ。
右に行けば私の家、左に行けば沙良の家。
この一週間、毎日毎日、左に向かおうと試みてきた。
でも、ダメ。結局私はタメ息をつき右に折れる。

そして今日も。
左に曲がる勇気を出せないまま私は大きなため息を吐く。
左に向かって歩き出そうと、沙良に背を向けようとした、その時。
420ユリとサラ(11):2012/12/10(月) 23:27:04.96 ID:NqX3z89i
「あれ?あんた、確か…?」

少年の声が、私の背に届いた。

「あんた…ゆりりん、だろ?」

私は名も知らぬ少年の呼び掛けにむっとする。
私をそう呼んでいいのは沙良だけ。沙良の声だけ。

「なによ、なんの用?あんた誰?」
「つっけんどんだね、どうも…沙良はなんでこんなのがいいんだか…」

一気に私の頭に血が昇る。沙良だと?
沙良を呼び捨てにしたな?なにこいつ。

「沙良の彼氏候補、その37番だ。よろしく、ゆりりん」

思い出した、こいつは…沙良の「ぴりりっ」だ…!

☆☆☆

眼鏡の奥からヤツを睨みつける。
ほんの少しだけ沙良の心を動かした男を。
沙良の家の方から歩いて来た男を…って!?

「あ、あんた!?いま、どこから…!!」
「ああ、沙良の家に行って来た所だよ」

な、ななな、なんだと!?

「まぁ…ろくに話ししちゃくれなかったけど、な」

話!?沙良に会ったの!?私が逢えないのに!?

「うわ言みたいに、呟いてるくらいで。なんか痛々しかったぜ」
「な、なにを…沙良は、なに、を…」

ずきりと胸が痛む。沙良が苦しんでる?私に逢えないから?
私に逢いたくて、でも家を出してもらえなくて…それで?

いや、それはきっと私に都合のいい妄想。
沙良はきっと私を怨んでる、憎んでる。
その口から出る呟きは…私への恨みつらみ。

「沙良のヤツ、なんか呆けちゃってて、さ…」
「だ、だから!何を話したの!沙良は…沙良は何を!?」
「教えてもいいけど…こういうの敵に塩を送るって言うのかね?」
「塩なんかいらないから話しなさいっ!!」
「女のヒステリーはコワイねぇ」
「早く!話して!お願い…!!」
「お、おい…?」

沙良のお父さんの剣幕に恐れをなした私は沙良を置いて逃げ出した。
あの時は、その状況が怖かった。でもいま一番怖いのは、沙良。

「さ、沙良は…私を…私の事、怒ってる?怒ってるよね、責めてるよね…?」

震えが止まらない。私は怖い。何が怖いって、沙良に嫌われる事。
421ユリとサラ(11):2012/12/10(月) 23:27:46.31 ID:NqX3z89i
「ごめん、沙良…ごめんごめんごめん…で、でも私、こ、怖くて…!」
「…謝るなら俺じゃなく、沙良に謝れよな」
「や、やっぱり…!沙良は私を……?」
「沙良がずっと呟いてるのは、さ」

ごくりと喉が鳴る。冷たい汗が背中を流れて行く。

「ゆりりんに逢いたい」
「…え?」
「ゆりりんに逢いたいよ、ゆりりんゆりりん…つってさ、ずっと泣いてんだぞ」

沙良が私に逢いたがってる?逢いたいと思ってくれてる…?

「だから俺、呆れて帰って来たの。沙良は可愛いけどさ…
俺…っていうか男に興味がないんじゃ、どうしようもないや…っておい?」


私は後も見ずに駆けだした。


☆☆☆

呼び鈴を押す。返事は無い。
玄関ドアを叩く。やはり応答は無い。

家人はいないらしい。でも、沙良はいる。いるはずだ。
私は沙良の家の庭へと勝手に入り込み、そして叫んだ。

「沙良ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

二階の窓が開く。あそこが沙良の部屋。

「ゆり、りん…?」

すこしやつれて見える。でも、可愛い沙良、愛しい沙良。
その輝きは少しも色あせなくて、私はその眩しさに眼を細める。

「ゆ、り、り、ん…?」

震える唇から飛び出した言葉は私への愛の言葉…!

「ゆ、ゆりりんのばかぁ!さ、沙良のことなんてどうでもいいんでしょぉ!?」

じゃなく、勇気の無かった私への怨嗟の声、だった。自業自得だ。

「ごめん!でも、どうしてもこれなくて…!ごめん!ごめん!ごめん!」
「やだぁ!こ、こんなに沙良が悲しいのに…!なんで来てくれなかったのぉ!」

沙良の眼からボロボロと大粒の涙が零れる。

「守ってくれるっていったのにぃ!傍にいてくれるって言ったじゃない!
ばかぁ!ゆりりんのばかぁ!きらいだぁ!ゆりりんなんか大っ嫌い!」

胸が痛む。沙良の口から飛び出す『嫌い』の言葉。
それがこんなにも私の胸をえぐる。だから、自業自得だってのに。

私はこの痛みを受け入れなきゃいけない。
でなきゃ沙良を好きだなんて言えない。
言う資格もない、と思う。
422ユリとサラ(11):2012/12/10(月) 23:28:27.56 ID:NqX3z89i
と、その時。

「さ、沙良!?何してるの!」

沙良が明け放った自室の窓から身を乗り出す。

「死んじゃうもん!もう沙良、ここから飛び降りて死んじゃうの!」
「バ、バカ!止めなさい!何考えてるの!!」
「うるさい!バカって言うコがバカなんだからね!ゆりりんのバカ!」
「な、何わけの解らない事言ってるの、このコは!」
「ゆりりんと一緒にいられないなら死んじゃった方がいいんだ!!」

その言葉と共に沙良が身を投げる。

「ばかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

私はとっさに沙良の落下地点で抱きとめる。
が、その勢いを殺せず、私は沙良もろともに庭木に突っ込んだ。

「いたた…も、もう…!!」
「い、痛いよぉ…!ゆ、ゆりりん!痛いよぉ!!」
「ばか!私の方が痛いわよ!なに考えてんのよバカ沙良!!
二階から飛び降りたってケガするだけで死ねやしないよ!」
「だって、だって、だってぇええええええ!!」

沙良が私を見上げる。ぼろぼろと大粒の涙を流しながら。

「さ、さび、寂しかったよぉ!うぇぇぇぇえええええええええ!!」
「わ、私だって!沙良に逢いたくて…逢いたくて逢いたくて逢いたくて!!」
「沙良の方が寂しかったもん!ゆりりんなんかより沙良の方がずっと!!」
「そんな事ないわよ!私だって寂しくて寂しくて、ひとりでオナ…んくっ!!」
「ゆりりんのエッチ!ヘンタイ!やらしいんだから!もう知らない!!」
「ご、ごめ…その、あの…あぅ…!!」
「待ってたんだよ?沙良、待ってたんだよ、ゆりりんが来てくれるの!
お父さんたちが学校行けって言っても、沙良はずっと…ずっと!」

と、閉じ込められてる訳じゃ無かった?

「ゆりりんが来てくれるの信じてた!ずっと待ってた!ゆりりんだけを!!」

沙良はぷいっと横を向いたっきりこっちを見てくれない。
その横顔が、耳まで赤く染まっているのは怒りのせい?
それとも…

「ごめん…!」

閉じ込められてた訳じゃない。逢わせてもらえなかった訳じゃない。
私次第だったんだ。私に勇気さえあれば、それで良かったんだ。

バカだ、私は。いつもこうなんだから。

ただ泣いてるだけで何も出来なくて、後悔ばかりしてる。
沙良をこんなに悲しませたのは私自身。逃げ出した私。

だから。

「沙良!駆け落ち、しよう」
「へ?」
423ユリとサラ(11):2012/12/10(月) 23:30:11.12 ID:NqX3z89i
「私と一緒に、行こう」
「ゆ、ゆりりん…!?」

どこへ?どうやって!?お母さんにはなんて言うのよ!?
そもそもお金はどうするの?学校は?中退して働くの!?

…という常識的な諸々を、理性の叫びを私は封じ込める。
いま大切な事は沙良。沙良と一緒にいたい。その想い。

もう、逃げたくない。離れたくない。

「もう…離れたくないの!沙良がいないと私…私…!!」
「うん!沙良、ゆりりんと…一緒なら…!どこでも行くよ!」
「ついておいで。ずっと一緒だから!離さない、から!!」
「ゆ、ゆりりん…!やっぱりゆりりんはかっこいい!!」
「バ、バカ!何よ、それ…!」

雨降って地固まる…とか言っちゃっていいかしら?
思わず私の頬が緩む、が。

背後にざわつきを感じ振り返った私の視界には。

「ちょ、沙良!は、離れて!」
「やだ!もう離れないもん!」
「うん、嬉し…って、じゃなくて!ま、周り見て周り!」
「へ…?」

生きるの死ぬのと大立ち周りを演じた私達の周りには。
いつしか野次馬さん達の人だかりができていた。

「さ、沙良!に、逃げよう!」
「だからぁ、沙良はゆりりんについていくってば!」
「わ、解ったから!い、いいい、行くよ!」
「ほ〜い!かっけおち駆け落ちぃ〜!」

こうして私たちは手に手を取り、愛の逃避行へと旅立ったのだ。


<最終回へ続く>
424ユリとサラ(11):2012/12/10(月) 23:30:56.81 ID:NqX3z89i
長々とすいません。次で終わりますのでご容赦を。
425名無しさん@ピンキー:2012/12/11(火) 00:15:50.15 ID:63yABs07
3Pかと思った。
426名無しさん@ピンキー:2012/12/16(日) 18:02:02.93 ID:bgrT6Dq+
最終回待ち
二人とも可愛いなぁ
427 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/19(水) 17:34:12.55 ID:+QrJj6yZ
少し早いですが、クリスマスイブの出来事と思って下さい。
というわけで最終回、9レス分です。
428ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:35:16.73 ID:+QrJj6yZ
メリークリスマス!美星百合子、16歳です。
そして今日は愛する沙良の、16歳の誕生日です。

「ゆりりんと!同い年♪ゆりりんと!同い年♪」

スキップしながら歌うように連呼する沙良。ねぇねぇ、すっごく可愛いんですけど?
私と同い年になれるのがそんなに嬉しいのかな?私は沙良が嬉しいなら嬉しいけど。
お祝いするのが私だけでいいのかな?二人だけの誕生日、沙良は寂しくないのかな?

「ゆりりんと二人きりのお誕生日なんて…最高!!」

にへへと笑ってそんな事を言ってくれる沙良。
私も頬がゆるむのを感じる。が、ここは気を引き締めて。

「バ、バカ。そんな呑気にしてる場合じゃないんだからね」
「ほえ?どしたの?ゆりりん」
「だって、私達は…その…」
「おお!そうだね、ゆりりん!」

心得たとばかりに沙良がぶんぶんと首を振る。縦に。

「沙良たちは愛の逃避行の真っ最中!悲劇のヒロインだもんね!!」

※※※

今日は沙良の16の誕生日。そして私たちの駆け落ちは3日目を迎えた。

勢いに任せて“駆け落ち”した私達は、携帯の電源すら切っていた。
沙良と二人っきり。24時間二人っきり。それはもう幸せで一杯の日々。

でも。

二人っきりという事は。これが逃避行であるという事は。
誰にも頼れない、誰も助けてなどくれないという事で。

具体的に言うならば、もう資金が無い。

これから先、どうしたらいいのか?そんな不安が頭をもたげてしまう。

「ゆりりーん!早く早く!!」
「あ…っ」

沙良に手を握られて、引っ張られた。小さな手。柔らかい手。愛しい手。
思わず頬が熱くなる。ずっとこの手を握っていたい。離したくない。

「ゆりりん」
「あ、な、なに?」

沙良の笑顔。上気した頬。寒さのせい?それとも、私の手を握ってるせい?

「ん〜ん!なんでもない!」
「な、なによ、もう…行くよ」
「うん!」

不安なんて振り払え。
いま、私は沙良と一緒にいるんだから。
今日は愛する沙良の誕生日なんだから。

高らかに言おう。メリークリスマス、沙良!ハッピーバースディ、沙良!
429ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:35:57.70 ID:+QrJj6yZ
※※※

私たちはなけなしのお金を出し合って、ケーキと紅茶で沙良の誕生日を祝った。
16歳の沙良、新しい沙良。誰も知らない、私しか知らない私だけの…沙良。
今日この時を一緒に過ごせることに、私はこのうえない幸福感を感じていた。

支払いを終え、財布の中身という現実を見るまでは。

※※※

どうしよう。もう、明日を迎えるだけのお金もない。
住み込みのバイトでも探す?今から見つかるだろうか。
最悪は野宿?せめてキャンプ場でもないだろうか?

「ゆりりん?なにか心配事?」

お店を出てからずっと今後の事を考えて無口になっていた私。
さすがに怪訝に思ったか、沙良が問いかけてくる。

「う、うん…まぁ、ね」
「お金?もう無いんだよね」

気付いてたか。そりゃそうだ。

勢いに任せて駆け落ちしようなんて口走ったバカな私。
そんな私に、何も文句を言わずついてきてくれた沙良。
だから、私が責任取らなきゃ。私が沙良を守らなきゃ。

「だ…!」

大丈夫だよ、沙良。沙良は何も心配しないで。私がなんとかするから。

そう言おうとした。したところで、沙良に機先を制された。

「じゃあ帰ろうか?」
「え…?」
「帰って、お父さんたちに謝ろ?そして、ちゃんとお願いするの」
「沙良…?」
「沙良はゆりりんが好き。一緒にいたい。だから…認めてくださいって」
「沙良…あんた…」
「お父さんたちに怒られても、お付き合いを反対されても、
 ゆりりんは絶対にまた沙良を迎えに来てくれるもん。でしょ?」

沙良の眼が真っ直ぐに私を見つめる。

「沙良、ゆりりんを信じる。そして、どこまでもゆりりんについていく」

決意の表情。真剣な表情。

「離れないよ、ゆりりん。ずっとついてくよ、ゆりりん。大好きだよ、ゆりりん」

沙良は歌うように私の名を呼ぶ。

「ずっとゆりりんの傍にいるよ。ずっと離れないよ。ずっとゆりりんが好きだよ」
「沙良…あんた…沙良…」
「重いなぁって思った?ごめんね。でも、しょうがないんだ」

ぺろっと舌を出す沙良。私が愛した、魅惑的な小悪魔の表情。
430ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:36:39.24 ID:+QrJj6yZ
「沙良は我儘だから。沙良はもう我慢なんてしないから。沙良はゆりりんが大好きだから」

その言葉に幸福感と感動と感謝と…様々な感情が押し寄せて、私は沙良を抱き締める。

「わ…!私だって!!」

声が震える。えいくそ、重いもんか。私だって、同じ想いなんだから。

「は、離すもんか!沙良が…沙良が、好き…っ!」
「うん。ありがとう、ゆりりん」

そして、私の薄っぺらい胸に顔を埋めていた沙良がぼそりと呟く。

「でも…帰る前に…ね?」
「何?何かしたい事ある?」
「お誕生日プレゼント、頂戴?ゆりりん」
「う〜沙良にあげられるもの…いま…何も…」
「違う違う、ゆりりんってば」

くすっと笑った沙良に、ぎゅっと抱きしめられる。

「まだ途中だったでしょ?ゆりりん」
「え、途中…な、なにが…?」
「沙良を…ゆりりんのものに、して?」
「さ…!」
「沙良の全部をあげる。ゆりりんの全部を頂戴。今日こそ…今日だから」

※※※

 夕闇迫る、人気のない公園。

 雑木林の中、草のベッド。

 そこで私達は愛を交わす。

 ここから、新しい私たちを始めるために。

※※※
431ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:37:20.38 ID:+QrJj6yZ
「ゆりりん…キス、しよ?キス、して?」

細かく震える沙良の唇。寒さのせい?それとも…

「怖いの?沙良?」
「怖くなんか無いよ。ちょっと…緊張してるだけ」
「そっか…うん、私も…してる」
「だから、キスして。優しいキス、ゆりりんのキスが、欲しいの」

沙良の気持ちを解きほぐすように。私の緊張が伝わらないように。
出来るだけそっと、優しく唇を重ねる。沙良が舌先で応じてくれる。

「ゆりりんの…唇が好き。優しい吐息が好き。キスする時、髪を撫でてくれるの、好き」

お互いの唇と舌で、お互いの唇と舌を愛しながら、
さっきまで握り合ってた手を、お互いの熱で暖めあった手を、
そっと沙良のシャツの裾から忍び込ませる。

「ゆりりんの…指が好き。優しく触れてくれるの嬉しい。気持ち…いい」

沙良のお腹から胸にかけて、出来るだけ優しく丁寧に指を沿わせる。

「ゆりりんの…声が好き。沙良って呼んでくれる声が好き。バカって言われるのも好き」

もう一方の手を沙良のスカートの中に忍ばせる。
太腿をそっと撫であげ、さすり、徐々に上を目指す。

「沙良はゆりりんの全部が好き。好き。好き好き好き好き……」

キスと愛撫で沙良は、沙良の秘所はすでに熱い蜜を湛えている。
私は沙良のショーツの中に指を潜り込ませる。

「んは…っ!んふぅ…!んくぅ…っ!ゆり、り…んあっ…!はぁ!!」

沙良の割れ目をそっとさすりあげる。沙良の唇から零れる甘い吐息。
私の愛撫に感じる沙良、私の指使いに喘ぐ沙良、艶っぽい沙良。
頬を上気させ、目尻にうっすらと涙を滲ませ、唇の端から涎の筋が零れる。
いつもの明るく無邪気な沙良からは想像も出来ない程、淫らでいやらしい表情。

「ゆりりんの指、素敵…んんっ!沙良、感じちゃう、よ…っ!」
「もっと…もっと感じて。いっぱい、いっぱい気持ちよくなって」
「うん…んんっ!んはぁ…!あ!あ!や、ゆり、り…!んぁぁぁあ!!」

沙良の割れ目に逆手に掌を当てて、溢れだした蜜を掬いあげる。
掬いあげた蜜を沙良の一番敏感な所…クリトリスにまぶしていく。

沙良はひくんひくんと身体を痙攣させ、私のなすがまま。
全てを私に預け、私から齎される快感に身を委ね、溺れる

「んはぁぁあ!き、気持ち、い…っ!ゆりりん…!沙良、いい…っ!」

沙良のシャツの前をはだけさせると、寒さのせいか沙良の肌が粟立つ。
震える薄桃色の乳首をそっと甘咬みすると、沙良の身体がびくん!と跳ねた。

「やは…っ!やん、ゆりり、ん…!咬んじゃ、らめぇ…!」

甘えるような声で言われて、もっとしたくなる。
唇で乳首を挟み込み、もにゅもにゅと愛撫する。
432ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:38:01.61 ID:+QrJj6yZ
乳首とクリトリスを嬲り続けていると、沙良の身体を襲う痙攣が激しくなっていく。
荒い息が止まらず、天を仰いで喘ぎ、悶え続ける沙良。淫らな沙良。いやらしい沙良。

「ゆり、りん…っ!さ、沙良…もう…!あ!あ!あ!んあ…っ!」

切羽詰まった声と表情。もうすぐイく。イきそうな沙良。
その声を聞き、表情を見てるだけで私もイッちゃいそう。
もっともっとその声を聞いていたくて、もっともっと見ていたくて。

私は手を休め、そっと沙良の肌を撫でるだけの愛撫に留める、と。

「やぁぁぁああ!ゆ、ゆりりんのばかぁ!い、意地悪ぅ!ん〜〜〜っ!」

絶頂の寸前で放り出された沙良の身体はひくひくと痙攣し続ける。
断続的な吐息、いやいやと首を振り、身悶える沙良。か、かわいすぎる…っ!

「して欲しい?もっと?ねぇ沙良…して欲しい?」

私はごくりと唾を飲み込み、震える声で問いかける。

「し、して!ゆりりん…!もっとぁ!お、お願い…!と、止めちゃ、やぁぁああ!」
「イきたい?イかせてほしい?」
「イ、イきたい!イかせてぇ!さ、沙良…お、おかしくなっちゃうよぉ!!」
「どうして?どうしておかしくなっちゃうの?」
「だってぇ!イ、イきたいのぉ!イきたくてイかせてほしくて!が、我慢できないよぉ!」

おねだりする沙良、浅ましく腰を振る沙良、イきたくてイきたくて涙さえ浮かべる沙良。
あああ…!愛しい可愛い、もっともっと苛めたい。でもすぐにでもイかせてあげたい…!

「お、お願い、ゆりりん…!い、意地悪しないで…!イ、いかせて!」

うん、イかせてあげる。でももうちょっと見てたい。おねだりさせたい。
私は荒い息を吐きながら沙良の痴態を、溢れる蜜を、いきり立った乳首を堪能する。

「沙良を、イかせてぇぇぇぇ…っ!!」

喉から絞り出すような声で絶叫する沙良。ハッと我にかえる私。
ひくひくと震える沙良のアソコ、敏感なクリトリスへの愛撫を再開。

「んひぁああああああああ!!」

沙良の身体がびくん!と跳ねあがる。突然の激しい刺激に震え、よがる。

「あ!あ!あ!ああああああああああああああああああああああああああ…っ!!」

あられもない絶叫を上げ、沙良が達する。ひくひくがくがくと全身が震える。

「沙良…沙良、沙良沙良…イッちゃった?気持ち、良かった?」
「ば、ばかぁ…ゆりりんのばかぁ…ぐすっ、うぅぅぅ…!」
「可愛い…!沙良、すっごくすっごくすっごく…可愛い…!」

絶頂の余韻に身体を震わせる沙良をぎゅっと抱きしめて、そして…



   私は沙良を、沙良の全部を私のものにする。
433ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:38:42.46 ID:+QrJj6yZ
「ゆりり…んんっ!!ぁつぅ…っ!あぐっ、くぅ…っ!」
「さ、沙良…!や、やっぱり…」
「ダメェッ!!」

手首を掴まれた。強い力で。それは沙良の決意の表れ。
私の指を伝うぬるりとした赤く熱い液体。それは沙良の決意の代償。

私を受け入れてくれた、私に全部をくれた、その証。

「で、でも…い、痛いなら…辛いなら、やっぱり…!」
「沙良、うれし…の!沙良を、ゆり、りんに、あげられた、から…!」

ぼろぼろと涙を流しながら、破瓜の痛みに眉根を顰めながら、
それでも沙良は、健気な沙良は、そんな事を言ってくれる。

そして私の首に腕を回し、引き寄せた。沙良の唇が私の唇を奪う。

「ずっと、一緒だよ?ゆりりん、もう…離しちゃやだよ?」
「うん…!ずっと一緒。離れない、離さないよ、沙良…!」
「うん…!好き…ゆりりん、好きだよ、沙良はゆりりんが一番…!」
「ありがとう…沙良。私を、私なんかに応えてくれて…!」
「えへ…っ。違うよ…ゆりりんが、沙良を、選んでくれたの…!」

沙良と出逢えた、愛し合えた、それはきっと、奇蹟。

いつしか日は沈み、天空にはぽっかりと穴があいたような白い月。
降り注ぐ月光の中、沙良は私に女の子の一番大切なモノをくれた。

「沙良…!」

沙良は私のモノ。そしてもちろん、私は沙良のモノ。

「ゆりりん…!」

私は沙良のモノ。そしてもちろん、沙良は私のモノ。



それは一種の儀式だった。これからの私たちを結ぶ誓い。
私たちは今ここに、永遠の誓いによって結ばれたのだ。



「「ずっとずっと、ずっと愛してる………!」」



死が二人を別つ、その時まで。ううん、死してなお、ずっとずっと永遠に。



※※※
434ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:39:23.19 ID:+QrJj6yZ
「ぁつ…っ!たたた」
「さ、沙良…!だ、大丈夫?」
「へ、平気平気!」

沙良が私の手をぎゅっと握る。とても暖かくて、心が満たされる。
私も握り返す。沙良に伝わるといいな、私の中の、熱い想い。

「ゆりりん…沙良、大人の階段昇っちゃったね」
「う…そ、そうね、うん、16にもなったしね」

沙良は私のもの。私は沙良のもの。二人はこれからも、ずっと一緒。

「さ、ゆりりん!帰ろ?」
「うん。おいで、沙良」

私たちはお互いの手を握り締めたまま、一歩を踏み出す。新しい一歩を。



この先、何が待っていようと、私はもう二度と逃げ出さない。

沙良がいてくれれば。沙良と一緒なら、きっと。



<おしま












「そう言えば…ねぇ、ゆりりん?」

私の手をぎゅっと握った沙良が口を開く。
なによ、せっかく綺麗にシメようと思ったのに。
435名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 17:53:40.46 ID:CfYy4ELn
支援
436ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:55:27.80 ID:+QrJj6yZ
「ねぇ、ゆりりん?どうしていきなり駆け落ちしようなんて言ったの?」

言わずもがな。今更、それを聞く?言わせたいのね?私の沙良への想い。

「もう沙良と離れたくなかったから、ずっと一緒にいたかったから…大好き、だから」

じっと沙良の眼を見つめて、囁く愛の言葉。
我が姫君はうっとりと眼を細め…てはいなかった。
逆にきょとんとした表情で見つめ返される。

「なにも駆け落ちしなくても、沙良はゆりりんと一緒だよ?大好きだもん」
「いや、そうじゃなくて…沙良のお父さん達の反対が…」

あ、あれ?反対、されてたのかな?
確かにあの日(>>413)、私は沙良のお父さんにすごい剣幕で追い出された。

そして私は沙良に逢えなくなった。逢わせてもらえなくなった。
だって女の子同士の恋なんて、認めてもらえる訳がないから。

けど…私は沙良のお父さんにちゃんと向き合った事はない。
ちゃんと自分の想いを…沙良が好きだって、認めて欲しいって伝えた事は、無い。

「あ、あれ?」

ちょ、ちょっと待て。そう言えば…

>>419
>学校にも来ない。電話にも出ない。メールにも返事くれない。
>きっと親に止められてるんだ。囚われの姫、塔の上のラプンツェル。

沙良は携帯も取りあげられ、外にも出してもらえず、閉じ込められてると思ってた。

>>422
>「待ってたんだよ?沙良、待ってたんだよ、ゆりりんが来てくれるの!
>お父さんたちが学校行けって言っても、沙良はずっと…ずっと!」

でも、違った。沙良は自分の意志で閉じこもっていた。
私への電話にも出ずメールも返してくれず…私が来るのを待っていた。

「電話やメールじゃヤだったの。沙良はゆりりんに逢いたかったんだもん」
「あ、あれ?」
「そんなに沙良がゆりりんの事が好きなら…ってお父さんも認めてくれそうだったし」
「は、はい?」

ちょっと待ったちょっと待った!なに、私、あえて茨の道を歩んじゃった?
軟化しかけてた沙良のお父さんの気持ちも知らず、怒りを蒸し返すような行動を?

「ちょ、沙良!?な、なんでそれ教えてくれなかったの!?」
「だって…ゆりりん、かっこよかったんだもん」
「え?は、はい?なにが?どこが!?」

ぺろっと舌を出す沙良。悪戯を見つかった悪童みたいな沙良、小悪魔・沙良。

「ゆりりんって、クールに見えて、ホントは弱虫で泣き虫で…」
「う…!!」

は、反論できません…!
437ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:56:09.17 ID:+QrJj6yZ
「沙良を想ってひとりエッチしちゃう、や〜らしいヘンタイさんで…」
「うぐぅ…っ!!!」

む、胸が痛いんですけど…っ!!

「無愛想なのは弱い自分を隠すため。ゆりりんは仮面をかぶってるの。だよね?」
「さ、沙良…」
「でもね、ゆりりんは沙良にはホントのゆりりんを見せてくれた」

うっとりと眼を細め、眩しそうに私を見上げる沙良。
ホントの私、ヘタレた私を知って、それでもなお。

そんな眼で私を見てくれるの?そんな熱いまなざしを私に向けてくれるの?

「弱虫で泣き虫なゆりりんが沙良のために頑張ってくれた。それってかっこいいよ。
沙良はね、ゆりりんが沙良のために頑張ってくれるのが好き。かっこいいから。
駆け落ちしよって言ってくれて嬉しかった。それだけ沙良が好きって事、でしょ?」

沙良のためなら。沙良と一緒にいるためなら。
私はなんでも出来る。今こそ、心からそう思えた。

「うん…沙良が好き。愛してる。何度でも言える。沙良と一緒にいたい。だから…」
「ね、ゆりりん。一緒にお父さんに謝ってね。一緒に頑張ろ?それで…それでも…」

真剣な光を湛えた瞳。沙良のこんな表情、あまり見ない。

「それでも許してもらえなかったら、今度は沙良が言うね」
「な、なにを?」
「沙良を連れて逃げて…って」

ううん。私は、もう、逃げない。沙良のため、なにより私自身のため。

「大丈夫だよ、沙良。今度は逃げない。沙良を苦しめたり悲しませたり、もうしない」
「んふふ…やっぱりゆりりんはかっこいい。だから、大好き!」



そして私は、私の腕にぶらさがった沙良を引き寄せて、何度目とも知れないキスをした。



<Merry Christmas & Happy END!>
438名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 17:56:42.17 ID:9JWYrlcz
ついに沙良が…今回もエロかわいかった!GJ!
えっこれからまだ何かあるんですか期待
439ユリとサラ(12):2012/12/19(水) 17:56:50.00 ID:+QrJj6yZ
>>426 お待ちいただいただけの価値はあったでしょうか?
>>435 支援ありがとうございます。

それでは皆様、ステキなクリスマスをお過ごしください。
今度は>>358,359みたいなのが書いてみたいなぁ。
もじもじおずおずみたいなの。多分、年越してから。

さ、歳神さま待機モードに入りますノシ
440名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 17:59:45.62 ID:ekyg4U+M
投下途中に書き込んでしまった
甘々でよかったです!何度もニヤニヤさせてもらいました
いいものを見せてもらってありがとうございました!
441名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 18:10:31.45 ID:CfYy4ELn
待ってました!GJ!
これはにやけざるをえないw
二人ともお幸せに!

そして、そうか、そろそろ歳神様の交代の時期か……
442名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 19:25:33.12 ID:pQK60zlr
作者さんは記念日を気にするタイプ(くだんちゃん一周年企画)
沙良の誕生日がイブ(>>332

以上の二点からラストはイブと予想した俺は見事に空振りしたw
良いいちゃらぶ、GJ
・・・と思ってたら最後の最後で実は親が軟化してた、とオチが付いて百合子の残念な可愛さを再認識した
443 ◆7BaqS26D87fW :2012/12/19(水) 19:34:46.71 ID:+QrJj6yZ
>>442
や、ホントはイブに投下するつもりだったんですが、イブは時間なさそうだなーと。
遅れるよりは先行のがいいかなという判断ですw 記念日は大事ですよ、ええ。

GJくださった皆さん、ありがとうございました。また書きますので読んでくださいm(_ _)m
444名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 23:25:15.82 ID:9Pit1paB
とうとう最終回か…
ゆりりんも沙良もかわいかったなぁ
GJ
445名無しさん@ピンキー:2012/12/20(木) 00:47:36.46 ID:j5kvKplj
百合のすばらしさを再確認できた
GJ!
446名無しさん@ピンキー:2012/12/20(木) 01:22:48.23 ID:hw8NNkAn
この人の書く女の子は本当にかわいいよなあ
次はもじもじおずおずですと?期待を込めて

GJでした!
447名無しさん@ピンキー:2012/12/20(木) 12:16:26.37 ID:am9GCdqS
最高でした!GJ!
448 ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:17:11.59 ID:+W4//LQm
うう……上手な人の後は緊張する……。

えと、歳神娘の続き(?)です。
まさか待ってくれている方がいらっしゃるとは思いませんでした。
感謝とともに投下させていただきます。

あと、今回はまだエロまで行かないです……ごめんなさい。
449歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:21:47.17 ID:+W4//LQm
 辰の歳神たるたっちゃんは、高天原の女神達に大人気の可愛く凛々しいお姉さま。
 巳の歳神たるみーちゃんも、ご多分に漏れずたっちゃんの熱狂的な大ファンです。
 しかも蛇は龍の親戚筋、その眷属である自分は龍でも蛇でもない女神達よりもずっと深

く強く彼女を信奉する権利が、そして義務がある――と考えていました。たっちゃんも、

同じ鱗ある者に慕われる方がより嬉しく感じるはずだ、とも。
 それなのに、ああそれなのにそれなのに。
(よりにもよって、あの性悪うさぎのうーぴょんなんかとステディになっておしまいにな

るなんて!)
 身に付けた綺麗なお着物(みーちゃんは和服少女なのです)をはだけ、長くて艶やかな

黒髪を振り乱し、切れ長の三白眼に怒りの炎を浮かべるみーちゃん。長く伸ばした爪をか
りっと噛んで、その美しいご尊顔を酷薄そうに歪めます。
(くうぅ……これはわたくし達ファンに対する、許しがたい裏切りですわ! ……いえ、

きっとお姉さまはあのあばずれラビットに付きまとわれて迷惑しているだけに違いありま

せん! あの陰険うさぎの事ですから、お姉さまの弱みを握って無理矢理恋人にしたに決

まっています! 待っていて下さいませお姉さま! わたくしがあなたをあの変態バニー
の魔の手からきっと救い出して差し上げますからね!)
 ……思考が完全にストーカーです。今にも「お姉さまどいてうさぎ殺せない」とか言い

出しそうです。少々思い込みが激しいのが、みーちゃんの欠点かしれません。いえ、決し

て悪い子ではないんですけどね。
(それにしても、お姉さまの弱みって何かしら……? そ、それを手に入れられれば、お

姉さまを完全にわたくしのものにできますわね……うへ、うえへへへ……)
 ……悪い子ではない、はずです。多分。ちょっと自信ない。
450歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:25:49.57 ID:+W4//LQm
 さて、そんなみーちゃんですから、たっちゃんとの束の間の逢瀬である年の変わり目が
待ち遠しくて仕方ありません。暮れ行く年末を指折り数えて、今か今かと待ち侘びていた
師走のある日、彼女の元に来客がありました。
 誰あろう、あのにっくきうーぴょんです。
「やほー、みーちゃんおひさー。おお、今日も和装が似合ってるね! それ浴衣?」
「んなっ!? あ、あなた何しに来ましたの!? っていうかどの面下げてわたくしの前
に来やがりましたかこの泥棒うさぎ!! あと、これのどこが浴衣ですか!! これは、
紬です!!」
 きしゃー!
 まさしく牙を剥いて威嚇するみーちゃん。
 そんな彼女とは対照的に、フリルやリボンをふんだんにあしらったピンクの甘ロリで身
を固めたうーぴょんは、少し身を引きつつもにやりと笑って挑発します。
「泥棒〜? なにそれー。別にぃ、たっちゃんは最初から、みーちゃんのものじゃなかっ
たしぃ」
「そ……そんな事ありませんわっ! あなたが変な工作を仕掛けなければ、あの誇り高い
お姉さまがあなたのような下賎な獣と交わったりするわけないでしょう!?」
「だからって、みーちゃんと付き合う事にもならないよね?」
「なりますわ! 鱗ある高貴な霊獣同士、お姉さまとわたくしは結ばれる運命にあるので
す!」
「あ、そー。ごめんねぇ、運命改変しちゃってぇ。でももう、たっちゃんは私なしには満
足出来ない体だからねぇ、くっくっく……。まあそもそも『変な工作』なんてしてないん
だから、最初からみーちゃんにチャンスなんかなかったけどぉ」
「きぃぃぃっ! おっ、おっ、おだまりこの荒淫哺乳類!!」
「きゃーこわーい」
 ちっとも怖がってるようには聞こえない口調でそう言うと、そろそろおちょくるのにも
飽きてきたうーぴょんは本題を切り出しました。
「ふっふー、そんなみーちゃんに朗報だよっ」
「だっ、だまされませんわよ! なぁにが朗報ですか! そうやってわたくしを陥れるつ
もりでしょう!?」
 しかしみーちゃんはかえって身構えてしまいました。この警戒っぷり、もしかしたら過
去に痛い目を見せられた事があるのかもしれませんね。
「まったく、みーちゃんは疑い深いなぁ。そんな子に育てた覚えはありませんよ!」
「育てられた覚えもありませんわ!」
「もー、一々揚げ足取らないでよー。なかなか本題に入れないじゃない」
「だっ誰のせいですか! 誰の!」
「え……? もしかして、私のせいだとでも……?」
「何意外そうな顔してるんです!? 他に誰がいるとおっしゃいますの!?」
「みーちゃん」
「きぃぃ! 一体どこらへんがわたくしのせいだと……って、もういいですわ! その朗
報とやらを聞くだけ聞いてやりますから、さっさと言って帰りやがっていただけませんか
しらねえ!?」
「きゃーこわーい」
 人差し指を額に当てて青筋を立てるみーちゃんに、うーぴょんは再びちっとも怖がって
るようには聞こえない口調でそう言うと、今度こそ本題に入りました。
「えっとねー、みーちゃんにこれ貸してあげようと思って」
 と、うーぴょんが取り出したのは……。
451歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:27:01.96 ID:+W4//LQm
「スマートフォン……?」
「うん。まあアプリ一つしか入ってないけどね。ほら、これ」
「なんですか、そのアプリというのは?」
「あ、知らない? アプリっていうのはアプリケーションソフトの略でー」
「いくらわたくしが機械に疎くとも、それくらいはわかりますわ! どんなアプリかと聞
いているのです!」
「うん、わかってて言ってるよー」
「尚悪いですわ! いいから、とっとと説明!」
「はいはい。これはねー、私の自作のリモコンアプリだよー」
「リモコン……?」
 それも、非常にシンプルなもののようです。何と言ってもボタンが2つしか表示されて
いません。それぞれ【ON/OFF】【イジェクト】と書かれています。
「一体、何のリモコンですの?」
「たっちゃん」
「……は?」
 わけがわからないよ、と目を点にするみーちゃん。そりゃそうです。そんなものでたっ
ちゃんを操れるのなら苦労はしません。そもそもボタンの意味がわかりません。
「【ON/OFF】って何ですか、【ON/OFF】って。OFFにしたらお姉さまの動
きが止まるとでもおっしゃいますの? 【イジェクト】って、そのボタンでお姉さまから
何か出てくるとでも……?」
 言いながら、みーちゃんはその様子を想像してみました。

『えい、スイッチOFF!』
『ああっ、か、体が動かない……っ!』
『うふふ、さあお姉さま、体中を愛して差し上げますわ〜』
 さわさわ。もみもみ。ぺろぺろ。
『ふひぃぃ……っ! きっ、気持ち良いよぉ……っ!』
『続いてイジェクトですわー』
『ああっ! ダメェ……で、出ちゃう……っ!』
 ちょろろろろ……。
『いやぁぁ……っ! と、止まらないよぉ……っ! み、見ないでぇ……っ!』
「『おほほほほ! お漏らしですの? なんて恥ずかしいお方。お姉さまがこんなにはし
たない方だったなんて。もう人前には出られませんわねぇ。でも安心してくださいませ。
わたくしが、一生飼って差し上げますからね。もちろん逃げようとされたら、お仕置きに
衆人環視の中でイジェクトボタン連打、ですわよー?』
『そ、そんなぁ……っ! そんな事しなくたって、私は、みーちゃんの事を……っ!』
『まあ、お姉さまってば……! わたくしも、お姉さまの事、愛してますわ……!』
『ああ、みーちゃん、大好きぃ……っ!』」

 みーちゃんは物凄い勢いでうーぴょんに飛びかかり、スマホを奪おうとしました。それ
をさっとかわすうーぴょん。
「どうして避けますのっ!? わたくしにくれるとおっしゃったでしょう!?」
「い、いや、なんか目が怖かったから……。それに、あげるわけじゃないからね? 貸す
だけだよ、貸すだけ。あと、みーちゃんの妄想はちょっと都合良すぎだよ。たっちゃんデ
レすぎでしょ」
「んなっ!? あ、あなた、心が読めるんですのっ!?」
「最後の方、しっかり声に出てたけど?」
「……っ!!」
452歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:28:06.48 ID:+W4//LQm
 口を押さえて固まってしまったみーちゃんに、うーぴょんは続けます。
「とにかく、話はちゃんと最後まで聞こう? これはねー、正確にはたっちゃんが身に着
けている、全身触手タイツのリモコンだよ」
「……は?」
 またも目を点にするみーちゃん。さっきからうーぴょんに驚かされっぱなしです。今ま
での言動を見て分かる通り、この蛇神少女だって大概暴走キャラなのですが、うーぴょん
がその上を行く虹色暴発娘なので、翻弄されざるを得ないのです。
「お姉さまが、何を身に着けてらっしゃるですって……? ぜ、全身……?」
「全身触手タイツ」
「……」
「あ、全身触手タイツって言うのはねー」
「せ、説明しなくともよろしいですわ、字面でなんとなくわかりましたから……。内側に
触手が生えた、快楽拷問用の全身タイツ――なのでしょう?」
「正解! たっちゃんのために、私が一生懸命作ったんだー」
「あなたはまた性懲りもなく、淫らで卑猥なモノを……なんですかその、まるでわたくし
の嗜虐願望を具現化したような責め具は……はっ!」
 語るに落ちるとはこの事ですね。
 淫らで卑猥な嗜虐願望があると自ら認めてしまったみーちゃんは、顔を真っ赤にしなが
ら取り繕うようにうーぴょんの襟元を掴み、睨みつけて言います。
「そ、それで、そのタイツを今、お姉さまが身に着けてらっしゃるのね!?」
「そだよー」
「い、いったい、何がどうして、そんな事になってるんですの……?」
「えっとねー」
 うーぴょんは去年の引継ぎの時の話をしました。
 再会するや否や押し倒した事。
 散々快楽責めした事。
 挙句、疲れて眠ってしまったたっちゃんに、開発した全身触手タイツを着せた事。
「……というわけで、今年の元旦からずっとそれ着て寸止め責め状態なんだ」
「お、お姉さまを、そんな目に会わせるなんて! なんて、なんて……」
(なんて羨ましい!!)
 みーちゃんは心の底からそう思いました。
(や、やはり十二支の並びが『卯辰巳』ではどうしても不利ですわ……っ! 大歳神様に
お願いして、なんとか卯と巳の位置を入れ替えていただけないものかしら……?)
 多分無理です。
453歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:29:22.26 ID:+W4//LQm
 そんな事を考えながらぐぬぬ顔で悔しそうに睨みつけるみーちゃんに、うーぴょんは
「あ、リアルタイムの映像あるよー。見るー?」
 と言って今度はタブレット端末を取り出すと、たっちゃんの周りに設置したカメラの映
像を呼び出しました。
「ももももちろんですわ!」
 そう言いながらみーちゃんが横から覗き込むと、そこには、もう声も出せず、白目を剥
き、舌をだらしなく垂らし、涎と涙と鼻水にまみれて痙攣するたっちゃんのあられもない
姿が映し出されていました。淫らに蠢く例の全身触手タイツに包まれた首から下は、びく
びくびく……びくびくびくびく……と、まるで陸揚げされた断末魔の魚のように弱々しく
跳ねています。
「お、おおおお……っ!! こ、こ、これはぁ……っ!!」
「うふふ、たっちゃんのこんなアヘ顔、初めて見るでしょー。焦らされ狂っちゃって、も
う、可愛いんだからぁ! でも流石は龍神様、三ヶ月に一回は正気を取り戻すから、完全
に壊れちゃわないんだよー。すごいよねー。まあ、数分もすればまた狂っちゃうんだけど
……って、おっと!」
 快楽無間地獄に堕とされたたっちゃんの姿を映し出すそのタブレットをひったくろうと
するみーちゃん。うーぴょんはその手をかわすと、さっとしまってしまいました。
「ああ、も、もっと見せなさい……っ! いえ、み、見せてください……っ!」
 頭を直角に下げてお願いするみーちゃん。いきなりの低姿勢っぷりです。それほどまで
に今の映像の破壊力は半端無かったのです。もしもどこぞの吸血鬼の成れの果ての金髪ロ
リだったら「ぱないの!」とか発言するレベル。
「もー、みーちゃんはせっかちなんだからぁ。大晦日になれば間近に見られるんだから、
それまで我慢、ね?」
「う、ぐぅ……わ、わかりましたわ……。そ、それで、さっきのリモコンアプリは、お姉
さまをうねうねと苛んでいた、今の全身タイツを操れるんですのね?」
「うんっ」
「……」
「……」
 二人の間に一瞬の沈黙が訪れました。そして次の瞬間、
「とおっ!」
「はあっ!」
 再びリモコンスマホに飛びかかるみーちゃん。それをかわすうーぴょん。
「ええい、渡すならさっさとそいつをお渡しなさい! この変態雌兎が!」
「はいはい、ちゃんと渡すよぉ。だけどその前に説明を聞こうよ、ね? だから落ち着い
て、どう、どう」
「うっさいですわ! その落ち着かせ方が有効なのは、わたくしの、次!」
 みーちゃんの次――と言うのは、つまり午の歳神たるまーたんです。
「えー、それ、まーたんに失礼だよー。あの娘はみーちゃんみたいなヒステリー気質じゃ
ないんだからさー」
 まーたんは物静かでクールな性格なので、こんな風に落ち着かせる必要はあまりないの
です。まあ、そういうキャラこそ怒らせると怖かったりしますが。
454歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:31:35.91 ID:+W4//LQm
「でもみーちゃんが怒りっぽいのも仕方ないよねー。みーちゃんはお一人様が長いから、
欲求不満なんだもんねー。うぷぷかわいそかわいそ」
「んなっ、なぁんですってぇぇっ!?」
「毎日毎日ひとりえっちばっかりじゃ、虚しいでしょー?」
「ううううっさいですわっ! 誰が、そんな……っ!」
「いいじゃん、みんなやってる事なんだから。ひとりえっちは悪いことじゃないよ。みー
ちゃんもひとりえっちしてるんでしょ」
「そ、そりゃあ……することもありますけど……」
「みんなーみーちゃんはオナニーしまくりですよー!」
「しまくりじゃないですわー!」
「うへへへ、たまには私がお相手してあげようかー?」
「うきぃぃぃっ!! おおおおおだまりなさいーっ!! だっ、誰が、あなたのような、
色情狂、なんぞと……っ! はぁ……はぁ……」
 うーぴょんの挑発でさっきから荒ぶりすぎてるみーちゃんは、流石に少々疲れてきまし
た。息を切らせながら、諦めたようにその場に座り込み、うーぴょんを上目遣いに睨みつ
けました。
「わ、わかった、わかりましたわ……はぁ、はぁ……ちゃんと話を聞きますから、さっさ
とおっしゃいなさい……」
「はい、じゃあ、説明するね? このリモコンをONにすると、たっちゃんがイくの。そ
れでOFFにすると、寸止め状態に戻るんだ。ONのままだとたっちゃんずっとイき続け
ちゃうから、イかせすぎて本気で壊さないよう注意してね。それからイジェクトボタンだ
けど、それを押すとたっちゃんがタイツから排出されちゃうから、押すのは全部終わって
からにしようね」
 あらためて言葉にすると、本当にひどい仕打ちです。たっちゃんの尊厳とかそういうの
は全く考慮されていません。いいえ、たっちゃんのものであれば尊厳すら自らの手の内に
置きたい――という心の現われなのかもしれません。それを愛と呼ぶのなら、相当歪んだ
愛と言わざるを得ないでしょう。そう言う意味では、リモコンアプリという形でたっちゃ
んの尊厳をやり取りするこの二柱、実は似た者同士なのかもしれませんね。
 しかしそれだけに、みーちゃんには解せません。そんなたっちゃんの生殺与奪のアイテ
ムを、何故うーぴょんが自分に渡してくれるのか……。何か裏があるとしか思えません。
みーちゃんは、さりげなく探りを入れてみる事にしました。
455歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:36:17.42 ID:+W4//LQm
「あなた、どうしてそのリモコンを貸してくださいますの? お姉さまにいくらでも好き
なだけ絶頂を与えられるそんな素敵アプリ、ただでさえ他の者に渡したくなどないはずで
すのに、どうして恋のライバルたるわたくしに……?」
 ……全然それとなくではありませんでした。もしもみーちゃんに幼馴染がいたら、8時
40分頃に「みーちゃんは昔から遠まわしに聞くのが苦手なのよね」とか言われてしまう
ほどの直球勝負です。
 そんな問いに、うーぴょんは首をかしげて答えます。
「恋のライバル……? みーちゃんは負け犬って書いてライバルって読むの?」
「なぁんですってえっ!?」
「あはは、冗談冗談。そりゃあ私だって、できれば渡したくなんかないよぉ。でも、年が
明けて歳神業務から開放されないとたっちゃんには会えないし、その引継ぎの時に会える
のはみーちゃんだけなんだから、仕方ないじゃない? あーあ、すっかり失念してたよぉ
……このアプリ、それで慌てて作ったんだ。とっても、とーーっても悔しいけど、特別に
このスマホごとアプリを貸してあげる! たっちゃんに一年越しの絶頂をプレゼントする
役は、みーちゃんに任せたよ!」
「む……随分殊勝な言い分ですこと。でも、本当にそれだけかしら……?」
 食い下がるみーちゃんに、うーぴょんはほんのり赤らめた頬に左手の平を当て、うっと
りとしながら言いました。
「うふ、ふふふふ……ほ、本当はねぇ……はぁ、はぁ……私にぞっこんラブなたっちゃん
がぁ、私以外の誰かに快楽をコントロールされちゃってぇ、絶望の中で絶頂を繰り返させ
られるのかと思うとぉ……んっ、そ、それでその時、たっちゃんがどんな顔するのか、想
像するだけで、ああっ、わ、私のここ、もう、こんなにぃ……はぁ、はぁ」
(変態ですわー!)
 右の手をスカートの裾に差し入れもぞもぞと動かし始めたうーぴょんに、頭の上に眼鏡
乗せる勢いでどん引きするみーちゃん。いえ、みーちゃんは眼鏡かけてませんが。しかし
まあ、、みーちゃんとうーぴょんの変態度は正直五十歩百歩といったところですよね。
「わ、わかりました! わかりましたわ! そういう事でしたらその役、謹んでお受けい
たしますわ!」
 みーちゃんは慌ててうーぴょんの申し出を受諾しました。だって、とっととこの話を終
わりにしないと、うーぴょんが今にもこの場で本格的なセルフプレジャーを開始しかねな
い勢いなんですもん。
456歳神娘(卯→辰←巳) ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:37:09.65 ID:+W4//LQm
「はぁ、はぁ……え? あ、うん、よろしくねー。はいどーぞ」
 自慰行為を一次中断し、今度こそスマホを渡そうとするうーぴょん。濡れた指でそのま
ま渡そうとするものですから、スマホにねちゃっと彼女のいけないお汁が付着してしまい
ます。どうやら防水のようですね。
「ちょ……っ! き、汚いですわね! 綺麗にしてから渡しなさいよ!」
「えー。まったく、みーちゃんは潔癖症だなぁ」
「それ以前の問題です!」
「私、みーちゃんのお汁なら喜んでぺろぺろするよ? 舐めてあげようか?」
「んなっ!? お断りですわっ!! あっ、あなたのような見境のないド淫乱と、一緒に
しないでいただけますっ!?」
「わかったよ、もー」
 ハンカチを取り出して指とスマホと拭き拭きし、あらためて渡すうーぴょん。そして、
もう一度念を押します。
「本っっ当に、貸すだけだからね? そのスマホもたっちゃんも、引き継ぎが終わったら
返してもらうからね?」
「わかっています。わたくしとて神のはしくれ、約束は守りますわ」
「お願いだよ? あ、そうそう、たっちゃんを撮影してるカメラは、そのままにしておい
てね。みーちゃんに責められるたっちゃんを見たいからさあ。んじゃあまあ、そういう事
で、しばらくの間だけどたっちゃんへの快楽責めを堪能してねー」
 と、うーぴょんはようやく去って行きました。きっと帰ってからさっきのたっちゃんの
映像で自家発電の続きをするのでしょう。
 みーちゃんはその背中を見送りながら、にたぁ……と、美少女にあるまじきゲスな笑み
を浮かべました。
(くっくっくっく……要はこのリモコンを返すまでに、たっちゃんを私以外考えられなく
なるように調教してしまえばよいのですわ……っ! 幸い、あのばかうさが勝手に一年越
しの下準備をしてくれましたから、あとはこのリモコンを活用して、わたくしのみを永久
に愛するよう、お姉さまに誓約して頂くだけですもの……っ!)
「うーぴょん敗れたり! わたくしの、勝ちですわっ!」
 勝ち誇るみーちゃん。そして左手を腰に当て、右手の甲を唇に添えて
「おーーほっほっほっほ……っ!」
 と、誰もいない空間にお嬢さま笑いを高らかに響かせるのでした。


 年末に続く。
457 ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:37:55.78 ID:+W4//LQm
今回は以上です。
大晦日にまたお邪魔させていただきますね。
では。
458名無しさん@ピンキー:2012/12/21(金) 19:40:48.63 ID:Ho4/tn2t
乙!
今から年末が待ち遠しくてたまらんw
あと十日か、前作でも見返すとしよう
459 ◆DYW6d/nzvM :2012/12/21(金) 19:41:03.37 ID:+W4//LQm
今見たら、最初のとこ改行おかしくなってますね……ごめんなさい。
460名無しさん@ピンキー:2012/12/22(土) 11:54:11.30 ID:FU7i64TS
おおお!待ってました!!乙です!GJです!
たっちゃんはやっぱり大変な事になってるのかあ

私が女の子同士のナニに目覚めて書き始めたのは
たっちゃんとうーぴょんのせい…じゃなくおかげです。
>>230-233あたりはパク…じゃないリスペクトさせていただきました。
大晦日の投下、楽しみにしてます!!
461名無しさん@ピンキー:2012/12/22(土) 14:05:03.58 ID:aTNtJeJr
もう1年経ってしまったのか。GJ
みーちゃんにはうまくいって欲しいな
462名無しさん@ピンキー:2012/12/23(日) 17:14:33.04 ID:j6q9bpKJ
年下攻めがすきだから書くことにしました。投下します
463名無しさん@ピンキー:2012/12/23(日) 17:15:22.47 ID:j6q9bpKJ
 かれこれ数週間前から私は彼女のことばかり考えてきた。
 どうやったら彼女に勝てるのか、何が彼女の弱点なのか、夜も眠れないほど真剣に。周りの人はきっと馬鹿馬鹿しいというでしょうね? 
 でも、私は威厳を示す必要がある。彼女をぎゃふん! と言わせる必要がある。このままじゃ、年上として、主人として、あまりにも情けなさすぎるもの。
 そして、私は一つの可能性に賭けることに決めた。
 賭けに勝って、自分が彼女の主人だってことを証明するんだ。

× × ×

「ちゅーしなさいッ! エリス!」
 私の命令を聞いたエリスは何度か瞬きした後、灰色の瞳で私を見つめてきた。彼女には動揺も困惑もなく、透明な冷静さだけがあった。夜遅くに呼びつけたにも関わらず、髪形も服装も乱れていない。
 一体いつエリスは休んでいるんだろう。
 駄目だ、こんなのでは意味がない。
 寝間着姿でエリスを指差す私が馬鹿みたい。私は、年相応に(まだ彼女は十四歳なのだ! 私より二つ年下なのだ!)頬を染めたり、恥ずかしそうに俯いたりするエリスが見たいのに。
「ちゅー……。接吻のことで、ございますか?」
「そうよッ!」
「何故でしょう、オディール御嬢様」
「理由を話す必要なんて無いわッ! 私がしてほしいから、貴女にさせるだけのことッ!」
「……失礼いたしました」
 エリスは私にお辞儀をする。その動作は一切の隙がなく。嫌味なまでに整っていた。
 いつもと変わらず、完璧。
 エリスは――私のメイドは、まるで時計みたいに精密で、辞典みたいに博学で、剣のように鋭利で、そして石像みたいに美しいのだ。
 何もかも、あらゆる面で(身長とおっぱい以外)エリスは私に勝っている。パパが彼女を私の専属にしてくれた時から四年くらい経ったけれど、未だに私はエリスの弱点が分からない。
 たまにフランクな面を見せてくれるけれど、基本的にエリスは自分が決めたラインを越えようとせず、あくまで使用人として私に接してくる。
 どんなことでも軽々とできながら誇ることも驕ることもなく、私の意のままに動いてくれる。それが私には我慢ならない。
 このままじゃ、私はエリスに仕えて『もらっている』だけになってしまう。エリスの陰でのほほんと生きていくだけになってしまう。
 だから、私はエリスの上に立つ人間として彼女を超えなきゃいけないのである。一つくらい彼女よりすぐれていることがあるって、証明しなきゃ、私は自分を許せない。
 エリスが出来なさそうなことをお願いして、無理やり欠点を見つけ出そうだなんて後ろ向きだって自覚はあるけど、正攻法でエリスに勝つなんて私には難問すぎる。
「一人で眠るのは寂しいから、おやすみの接吻をしてほしいということでしょうか」
 全然違う。
 確かに私はベッドの上だけど! 二年前までしてもらっていたけど! 
「なんでそうなるのよぉ! 私はもう子供じゃないわ!」
「では、御嬢様が望まれる接吻とは?」
「恋人同士がするような、あっつあつなヤツに決まってるでしょう!」
「私が御嬢様に、ですか……ふむ」
 なんだか難しい顔をして、エリスは黙り込んだ。
 お、もしかして奇襲成功? ついにエリスを打ち負かせそうな感じ? 
 この後のプランは考えてある。私は困り果てたエリスのあごをそっと持ち上げて、囁くのだ。『それなら、私がお手本を見せてあげるわ』って。そして震えるエリスの唇を、毎日鏡で練習したテクニックで――
 弾けるような期待感で、私の脈が速くなる。思い描く未来は目の前に!
「使用人としての領分を超えているように思いますが」
「なぁに? 出来ないからって逃げるつもり?」
 私は攻撃の手を緩めない。そんな言葉で誤魔化されたりしないんだから。
 とってもにやけた顔でしかめっ面のエリスを見つめていると、彼女はふぅ、と息を吐いた。
 その仕草には覚えがあった。昔から私が駄々をこねた時、エリスは今みたいな溜め息の後、呆れて諦めて私に一言。
「仕方ありませんね、御嬢様」
 一瞬で十二歳の頃に戻された気がした。
 ベッドのクッションが沈む。エリスが上がってきたせいだ。私の近くまで虎のように彼女が接近してくる。相変わらず読めない表情のまま、息遣いが感じ取れる距離まで。
 な、なによ、やるっていうの? 上等よ!
464名無しさん@ピンキー:2012/12/23(日) 17:17:43.98 ID:j6q9bpKJ
「お気に召さなければ、どうぞお申し付けください」
「いい? エリス? そんじょそこらのちゅーじゃ、満足してあげないんだからね?」
「承知しております」
「さ、さぁ! きなさいッ!」
 訳もなく怖くなって、私は両目を閉じる。そうすれば、大丈夫な気がした。暗転する前の視界で、エリスはうっすらと笑っていた。
 どんなこと、するつもりなんだろう。本で読んだ通りだったら、私――
「御嬢様……」
 わ、頬に手が。少しごつごつしてる。色んなお仕事してるもんね、エリス。うあ、ちょっ、え、なにこれ、熱い。
 これが唇? エリスの、唇? ん! べろ。べろが、口に。わ、私だって負けないもん。私のべろ、絡ませちゃうんだから! 
 うぅ、こんなにぬるぬるでざらざらなんだ。歯ってこんなに硬いんだ。本の中には書いてなかった。
 ああ。エリスのよだれとか、いっぱい入ってきてる。でも、お互い様だよね? 飲んじゃえ。汚いかな? 平気だよね? 
 味はしないな。当然か。ひゃあ。私、すごくやらしい声出してる。だって苦しくって、切ないんだもの。きっとエリスもおんなじ。
 どうしよう。私、エリスの好きなようにされちゃってる。このままでいいやって考えちゃってる。頭がぐるぐるして、どうしたらいいのか分かんない。せっかく練習したけど、意味なかったのかな。
 あれ、どうしてだろ? 呼んでほしい。エリスに、私の名前。あの声でおでぃーるって呼んでもらえたら、きっと幸せなに違いない。
 ねぇ、あなたに命令よ。御嬢様なんて言わないで、ちゃんと名前を呼んで頂戴? お願い、エリス、えりす!
「もう十分でしょうか」
「あ……」
 恐る恐る目を開け、光のある世界に戻る。そこにはやっぱり平然としているエリスの姿があった。口元がよだれでぬるぬるのクセして、何事も無かったかのようにしていた。
「エ……リス」
 うまく息を吸ったり吐いたりできない。
 さっきから私はおかしくなっている。暗闇の中での感触がずっと頭で反芻されていて、体が震える。とんでもないことを、されてしまったのかもしれない。
 しかし、少し頭が冷えてくると冷えた鉛のような感情が、じわりと沁み込んできた。
 また――負けてしまった。
 悔しい、情けない、カッコ悪い、口惜しい!
 私はエリスにキスをして『もらった』のだ。
「ご満足いただけましたか?」
「……まぁまぁ、ね」
「それは良かった」
 精一杯強がってみせたけれど、エリスは気にも留めずにベッドから静かに下りた。乱れた裾を直し、ハンカチで口を拭って、いつものエリスに戻っていく。
 エリスはなにも感じていないのかな。私にあんなことをするのも、仕事の一部だと割り切っているの?
 表に出していないだけで、少しでもエリスの芯が揺れていればいいな。
 くすぶる私にエリスは一礼した。部屋から、退出するつもりなんだろう。
「では、失礼いたします。……その前に一つ、差し出がましいことを申し上げてよろしいでしょうか」
「何?」
「このようなお戯れは感心いたしません。今後はお止しになった方がよろしいかと……」
465名無しさん@ピンキー:2012/12/23(日) 17:18:19.65 ID:j6q9bpKJ
言葉が耳に入った瞬間、私の胸は爆発した。溶岩のような感情が噴き出し、世界を真っ赤に染めた。
 お戯れ、ですって? 
 酷い見込み違いだわ! とんでもない屈辱だわ! 許しがたい侮りだわ!
 私は、このオディールは、どこまでも真剣そのものよ!
 めちゃくちゃな動機かもしれない、不条理なやり方かもしれない、けれど私は本当にエリスを超えたかった。本当の主人になりたかった。
 それを、お戯れだなんて言葉で納得されてたまるもんか!
 咄嗟に、靴下を脱いで、投げつける。手袋の代わりだ。
 力無い軌道を描いて靴下はエリスの胸元に飛んでいった。
 エリスは何度か瞬きした後、灰色の瞳で私を見つめてきた。今度は、幽かに困惑しているように見えた。
「御嬢様……これは一体――」
「決闘よッ!」
「今何と?」
「あなたの主人ではなく、オディール個人として、あなたに決闘を申し込むわ! エリスッ!」
 夜なのに、ついうっかり大きな声を出してしまった。屋敷の人、びっくりしたかな。
 一番間近で私の宣言を受けたエリスは床に落ちた靴下をつまみあげた。決闘に応じるというサインだ。そうこなくっちゃ!
「御嬢様、いえオディール様を、私は侮辱してしまったのですね? オディール様にとって、あの接吻は戯れではなかったということなのですね?」
「ええ! なにより、私は名誉のために誇りのために、あなたを乗り越えなきゃいけないの! そうでなきゃ、私はあなたを使用人として扱うことなんて出来ないわ!」
「では私もただのエリスとして、この決闘……お受けいたしましょう」
 耳に届く返事は、とても力強くて、カッコいいとさえ感じた。
 さっきから御嬢様と呼ばれていない。宣言通りお互いの立場と関係なく、話を進めているというエリスなりの誠意なのだろう。
 私はベッドから身を乗り出した。訳の分からない興奮で私の世界はちかちかしていた
「決闘の方法は、考えてあるの」
「なんなりと」
 あの単語を口にするのは、抵抗がある。想像するだけで恥ずかしくなってしまう。
でも、伝えなければ! これしか勝ち目がない以上、やるしかない!
「×××……×××で! 勝負よッ!」
「なに、それ!」
 まぎれもなく、素の反応だった。
 エリスの砕けた口調を聞くのはこれが最初で最後になるだろう。
× × ×
466名無しさん@ピンキー
言葉が耳に入った瞬間、私の胸は爆発した。溶岩のような感情が噴き出し、世界を真っ赤に染めた。
 お戯れ、ですって? 
 酷い見込み違いだわ! とんでもない屈辱だわ! 許しがたい侮りだわ!
 私は、このオディールは、どこまでも真剣そのものよ!
 めちゃくちゃな動機かもしれない、不条理なやり方かもしれない、けれど私は本当にエリスを超えたかった。本当の主人になりたかった。
 それを、お戯れだなんて言葉で納得されてたまるもんか!
 咄嗟に、靴下を脱いで、投げつける。手袋の代わりだ。
 力無い軌道を描いて靴下はエリスの胸元に飛んでいった。
 エリスは何度か瞬きした後、灰色の瞳で私を見つめてきた。今度は、幽かに困惑しているように見えた。
「御嬢様……これは一体――」
「決闘よッ!」
「今何と?」
「あなたの主人ではなく、オディール個人として、あなたに決闘を申し込むわ! エリスッ!」
 夜なのに、ついうっかり大きな声を出してしまった。屋敷の人、びっくりしたかな。
 一番間近で私の宣言を受けたエリスは床に落ちた靴下をつまみあげた。決闘に応じるというサインだ。そうこなくっちゃ!
「御嬢様、いえオディール様を、私は侮辱してしまったのですね? オディール様にとって、あの接吻は戯れではなかったということなのですね?」
「ええ! なにより、私は名誉のために誇りのために、あなたを乗り越えなきゃいけないの! そうでなきゃ、私はあなたを使用人として扱うことなんて出来ないわ!」
「では私もただのエリスとして、この決闘……お受けいたしましょう」
 耳に届く返事は、とても力強くて、カッコいいとさえ感じた。
 さっきから御嬢様と呼ばれていない。宣言通りお互いの立場と関係なく、話を進めているというエリスなりの誠意なのだろう。
 私はベッドから身を乗り出した。訳の分からない興奮で私の世界はちかちかしていた
「決闘の方法は、考えてあるの」
「なんなりと」
 あの単語を口にするのは、抵抗がある。想像するだけで恥ずかしくなってしまう。
でも、伝えなければ! これしか勝ち目がない以上、やるしかない!
「×××……×××で! 勝負よッ!」
「なに、それ!」
 まぎれもなく、素の反応だった。
 エリスの砕けた口調を聞くのはこれが最初で最後になるだろう。
× × ×

「オディール様の前で脱ぐことになるとは思いませんでした」
「いいじゃない! 私は何回も見られたことあるんだから!」
「まぁ、確かにそうですね」
「なんで敬語のままなのぉ?」
「たとえ対等な立場にあろうと、私は貴方様に敬意を払っておりますので……」
「あ……ありがと」
 キスされた時のように私とエリスは向かい合う。以前と違うのは、私もエリスも服を脱ぎ捨てて、下着だけになっているということ。
 エリスの下着は変わっていた、ショーツは普通なんだけど、胸に白い布をぐるぐる巻きにしているのだ。胸が苦しくなりそう。
「そんな風にしてる人、はじめて見たわ」
「これは東洋の言葉でサラシと言いまして……厚くて丈夫な布で胸部を保護すると同時に、乳房を小さく見せる目的で使われます」
「小さく? なんでわざわざ」
「何かと邪魔なのですよ。大きいと」
「とっちゃうのよね? ソレ」
「もちろんです」
「まさかあなたって……」
 エリスが巻きつけたサラシを外し始めた。布の面積が少なくなるにつれて、次第に彼女のおっぱいは元々の大きさを取り戻していき、ついに私のソレを追い抜いた。
 なんてこと。ここでも負けていたなんて。
「なによそれ、どうなってるのよ……」
「ここ数年で急に成長しまして、私としては身長の方が伸びてほしかったのですが」
 なんだか嫌味に聞こえる。そんなつもりはないんだろうけど。
 腹立ちまぎれに両手でエリスのおっぱいを掴む。
 重たくて、柔らかい。なんなの、これ? 持ち上げられるってどういうことなの?