☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第76話☆

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1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:02:25 ID:NpAKL/3s
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第75話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213890379/l50

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:19:54 ID:JoB7D0Hd
しかしぬるぽ
4名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:23:22 ID:zE9ZGB9E
>>3を一応ガッして>>1
5名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:38:07 ID:PchJO3Z7
>>1
乙っすー
6名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:32:11 ID:+GgtixOi
>>1さん乙かれさんや。
ちょっとぐらいやったら私のこと好きにしてもええで?
7名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:34:22 ID:1ItoaC2G
>>6
じゃあ、そのふかふかした尻尾をもふもふさせてください(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
8名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 05:52:01 ID:3vWElRHZ
ルルカリはなの!!
9 ◆6BmcNJgox2 :2008/06/29(日) 10:47:24 ID:NBAnLL6y
>>1新スレ立て乙です

前スレも殆ど容量限界寸前ですので…ちょいと前回の続きを書かせていただきます。

・以前…「なのはが突然事故死して、そのショックでユーノは約十五年無限書庫に引きこもってたけど
美しい大人の女性に成長したヴィヴィオが現れて、彼女の頑張りでユーノは元気を取り戻して
さらには結婚。後に誕生した子には『なのは』と命名した…。」って話を書いたのですが…
今回はそれからさらに時が流れたお話です。
・そのユーノとヴィヴィオの間に誕生した方のなのはが主役のお話です。
・事故死した設定の『高町なのは』と差別化する為に『なのはjr』と表記します。
・で、なのはjrもまた管理局魔導師として働いてると言う設定でもあるのですが、
そこからさらに二人の仲間(もちオリキャラ)が登場します。
・なのはjrがユーノとヴィヴィオの子供と言う設定である様に、その仲間キャラ二人も
アニメ本編に登場するキャラと何かしらの形で関連のあると言う設定でもあります。
・敵もオリキャラ。で、やっぱりアニメ本編と何かしら(中略)
・当然オリキャラ注意
・非エロ
・最低SSを目指し、オリキャラ主役路線やって見たけど最低に成り切れない中途半端SS注意
・一応長編もので、何回かに分けて書きます。
・なのはjr表記について意見を頂きましたが、途中で変えるとそれはそれで
こんがらがるのでこのまま通します済みませんorz
10Nの系譜 5 ◆6BmcNJgox2 :2008/06/29(日) 10:49:26 ID:NBAnLL6y
あくる日、なのはjr・ジェーハ・機のはの三人は揃って非番だったのだが、
かと言って特にやる事も無い故、訓練場の空いている所で自主訓練に励んでいた。

訓練場の上空を三つの光が高速で駆け巡っていた。無論なのはjr・ジェーハ・機のはの三人である。
訓練内容は模擬戦形式の物で、その模擬戦もなのはjr・ジェーハ対機のはと言う物。
ニ対一と言う状況で一見不利に見える機のはだが…そう思わせない程彼女は強かった。
左右からのなのはjr・ジェーハの連続攻撃を左右の手で機用に捌いて行くのである。

三式機のは…。外見・言動共に薄気味悪い故に管理局内でも過小評価されがちであったが、
そう言った先入観を省いて真面目に見た場合、彼女程の魔導師はそういないかもしれない。
同じく諸事情により過小評価されがちであるが、真面目に見さえすれば管理局若手魔導師の中でも
トップレベルに位置してたら良いなと思えるなのはjr・ジェーハの二人を軽くあしらえる
実力がその証明となっている。

一時して…訓練場の真ん中に座り込み、きつそうに息を荒くさせていたなのはjr・ジェーハと
何事も無かったかの様にその場に直立している機のはの姿があった。

「いや〜本当に機のはさんって強いんだね。」
「全く…しかも本気の半分も出してないってんだから…下手すりゃ教導隊より強いんじゃないか?」
『…………………………………。』
勤務中はなのはjr・ジェーハ共に管理局の各教官連中から戦闘技術を学んでいるが、
こうして今日の様に機のはから訓練を付けてもらう事も度々あった。
しかも機のはの訓練は不思議と教官連中よりも実践的なのである。
確かに二人が若手トップレベルの魔導師になれたのも、二人共に高い才能を持っていると言う事もあるが、
機のはに付けてもらった高度な訓練…と言う点の方が強いのかもしれない。

『…………………………………。』
機のはは言葉を喋らない。涙も流さない。ロボットだから。マシンだから。ダダッダー!
それ故に…何度も説明した通り管理局内でも不気味がられていたのだが…だけど分かるぜ! 萌える友情!
なのはjrとジェーハの二人に対しては不思議と温かかく、二人はそんな彼女が大好きだった。
特に人工授精児である故に両親のいないジェーハにとって機のはの存在は母親も同然だったのである。

「やあ、せっかくの休日なのに訓練熱心なんだね。」
「あ! お父さ……じゃなかったスクライア無限書庫司書長!!」
「今は別に勤務中じゃないから普通に父さんで良いよ。」
なおも休憩を取っていたなのはjr達の前に、なのはjrの実父であるユーノ=スクライア無限書庫司書長が
やって来ていた。と、そこでジェーハがやや頬を赤くさせながらユーノの方へ近寄った。
11Nの系譜 6 ◆6BmcNJgox2 :2008/06/29(日) 10:51:52 ID:NBAnLL6y
「ゆ…ユーノ司書長! あ…あの…この間自分が提出したリンカーコア作動式の
魔導師用義手義足に関する論文…読んていただけたでしょうか!?」
「勿論読んだとも。魔導師をやりながら技術者も…と言うのは大変な事だけど…僕は期待しているよ。
何しろ既に旧式化してしまったレイジングハート・エクセリオンをレイジングハート・エルトリウムに
最新鋭改装してくれたのは君なんだからね。それに君が目指す魔導師用義手も…完成する事が出来れば
事故等で手足を亡くした人も元の通り物を掴んだり歩いたり出来る様になるだろうし…頑張りなさい。」
「は! はい! ありがとうございます!!」
ジェーハにとってユーノは憧れの人だった。技術者と考古学者と言う違いはあるが…そんなの関係無い。
一人の人間として…ジェーハはユーノに憧れ…彼が大好きだった。と、こう表現すると
腐女子とかならばジェーハとユーノをカップリングしたBL的な何かを妄想するであろうが…
別にそんな事にはならないから安心して欲しい。

そして次にユーノは機のはの方へ向いていた。
「何時も二人に訓練を付けてくれてありがとう。僕の方からも礼を言うよ。」
と、笑顔で言うユーノだったが…
『……………………………………………。』
機のはは、なのはjr・ジェーハの二人に対する温かさとは打って変わって
ユーノに対しそっぽを向くのみだった。それにはユーノもややショック。
「あらら…何で…僕…嫌われてるのかな…。まあとやかく言っても仕方が無い。
それじゃあ僕はもう行くから…三人とも頑張ってね。」
「うん!」
「司書長もお気を付けて。」
機のはからは相変わらずそっぽを向かれたままだったが、なのはjr・ジェーハの二人は
手を振りつつ、去って行くユーノを見送っていた。

ユーノが去った後で、なのはjrとジェーハの二人は機のはへ質問していた。
「機のはさんはどうして何時もお父さんに対してそっぽ向くの?」
「やっぱりユーノ司書長の事が嫌いなのかい?」
『…………………………。』
質問する二人に対し、機のはは無言で首を左右に振った。それ即ち、嫌いでは無いと言う事になる。
「嫌いじゃないならどうして何時もお父さんから目を背けるの?」
『…………………………。』
機のはは無言のまま…答える事は無かった。まあ基本的に彼女はしゃべらないのであるが…
そんな時だった。

『非番なのに自主訓練に励んでるなのは=スクライア・ジェーハ=マチエティ・三式機のはの三名は
緊急の用がある為、管理局内第○○会議室へ出頭せよ! 繰り返す! 非番なのに自主訓練に励んでる
なのは=スクライア・ジェーハ=マチエティ・三式機のはの三名は緊急の用がある為、
管理局内第○○会議室へ出頭せよ!』
と、突然その様なアナウンスがかかっていたのである。

「おや? 何かあったのかな?」
「とりあえず言ってみよう。」
『………………………………。』
呼ばれたのなら仕方が無いと、早速三人は指定された第○○会議室へ向かう事にした。
12 ◆6BmcNJgox2 :2008/06/29(日) 10:53:08 ID:NBAnLL6y
とりあえず今回はここまで。
本編二回分しか書き込んでませんが、一応ここで一つ区切りが付く形なので…スマソセン

ただ次は少しだけ長くなると思います。
13名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 12:54:50 ID:FKDwmKMH
この設定なら最初から最低狙わずに真面目に書いても良かったような気が。
もったいない。
14名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 12:55:30 ID:Tzonhsbr
つまらん
15 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 13:58:18 ID:VeJfKWF6
連載始めて半年くらいになっちゃったのでペース上げていきたいと思います

・非エロです
・独自解釈を含みます
・sts開始前の地上本部をメインにした話なので六課の面々については察してください
・NGワードは「尊ぶべき愚者」で
・今回のは分量が少ない上にオリキャラしか出てきませんので独立した短編とでも思ってください

16尊ぶべき愚者 十四話 1/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:00:22 ID:VeJfKWF6
 今日も今日とて准尉は最近行動を共にする事が多い面子、つまりは執務官、そして外交官と一緒にいた。
 といっても准尉の意思という訳ではなく通勤途中に確保されただけである。
 乗り気ではなかったが外交官の一言で気が変わった。
 曰く、
「お前をKOした女の家が分かったから今から行くぞ」

 部隊長に欠勤の連絡を入れるとあっさり許可された。
 どうも、周囲からは外交官の付き人か何かだと認識されているようだ。
 
 道中、無言に堪えかねたのと情報を知りたかった事もあり幾つかの質問をする。
「会ってくれると彼女は言ったんですか?」
「んー、実はお前の事は話してないんだ。だから着いたら何とか押し切るしかない」
 いきなり不安になるが、昨日の様子を思い返すなら事前に知られていると断られる可能性が高い。
 ひょっとしたら外交官もその辺りを考慮したのかもしれない。

 執務官は一緒にいた事を失念するくらい終始無言だった。
 今回の件に直接関係ない上に、外交官の監視に来ただけだろうから当然といえば当然だが、今日は何処と無く不機嫌に見える。



「割と高級そうなマンションですね」
 二十階はありそうなマンションを見上げる。
 指先には嫌な汗が浮かび、胃は誰かに握られているような不快感がある。
「ただ、近々引っ越す事も考えているらしい。家賃がヤバいらしくてな」
 住所だけならいざ知らず、何故そんな事まで知っているのかと准尉は尋ねようとしたが、今更だと考え改めた。
 マンションに入る後姿の写真を見せられた気もするが、即行で忘却の彼方だ。


 エレベーターに乗っている間にも指先や足先から血の気が失せていくのが分かる。
 最悪の場合、倒れるのではないかという馬鹿げた想像すら浮かぶ。

17尊ぶべき愚者 十四話 2/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:01:49 ID:VeJfKWF6
 とうとう玄関の前まで来てしまった。
 准尉の緊張を極限にまで達し、仏頂面だった執務官も不安を和らげるように肩に手を置く程だった。
 オートロックを解錠してもらう為にインターホンで会話したのは外交官なので准尉にしてみれば丸一日ぶりである。

「あー、やべ。眩暈がしてきた」
 もし一人で来ていたなら玄関の前を行き来したりエレベーターの昇り降りを繰り返していただろう。 
「行くぞ」
 だが、無情にも外交官の指が呼び鈴に伸びる。

 十数秒の間を置いて、扉が僅かに開き彼女の顔が覗く。
 まず、視線が外交官に向き、続いて准尉に移るが途端に目を細め、一旦扉が閉じられる。
 恐らく、覗き穴からは外交官の姿しか見えなかったのだろう。

 一分程経ってから再び扉が開き、モノトーンのワンピースにグレーのカーディガンを着た少女が出てくる。

「お待ちしていました。ただ、聞いていたより人数が多いんですね」
 言外に准尉が一緒にいる事に対しての非難を浴びせるが、外交官は柔和な笑みを浮かべたまま意味を理解していないように振る舞う。

「……立ち話もなんですからどうぞ」
 通用しないと分かるや、さっさと終わらせる方向へ転換したらしい。
 少女を先頭に外交官、准尉、執務官の順番で入っていく。

 入ると廊下を挟んだ両隣に部屋があり、次にバスやトイレ、キッチンなどの水まわりがあり、その先にリビングがある。
 リビングに案内された准尉は一人で暮らすには広いと思ったが元々は一人暮らしでない事を思い出す。
 

18尊ぶべき愚者 十四話 3/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:03:19 ID:VeJfKWF6
「お茶なら俺が淹れるが」
「いえ、一応、お客さんですから」 

 キッチンでの少女と外交官の問答を眺めながら、何故そうまで平然としていられるのかと疑問を持つ。
 何もしないのは辛く、かといって、する事もないので仕方なくリビングの中央のセンターテーブルに着く。
 気まずいまま数分待っていると湯気を立ち昇らせる四つのカップとポットをトレイに乗せた少女がやってくる。

 准尉と外交官が並んで座りテーブルを挟んで少女が向かい合い、執務官はカップを持って部屋の隅に移動する。  


「……」
 沈黙が痛い。
 外交官はシュガーポットから砂糖を取って紅茶に入れているし、少女も匂いを嗅いだりしているが、誰も言葉を発しない。
 どうも彼女の顔を正面から見据える事が出来ず、視線を背後の壁や手前のテーブルに移してしまう。
 だが、ここまで来てそんな態度では駄目だと意を決し、目に力を込め少女に向き合う。

「君のお姉さんの事は本当にすまないと思ってる。すべては管理局の不手際だ」

 少女は無言で能面のように感情の浮かばない顔で准尉を見つめ返す。
 一歩下がり両手を床に付き頭を下げるが、返答はない。
 数秒、そのままの状態で待ってからちらりと顔を上げるが彼女の表情は最初から変わっていない。

「……うちの世界の出身者がとんでもない事をしてしまった。
 こんな事で償いになるとは思っていないが、それでも謝罪をさせてほしい」
 
 外交官も頭を下げ、准尉も再び頭を下げる。
 しかし、少女が言葉を返す事なかった。


19尊ぶべき愚者 十四話 4/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:05:02 ID:VeJfKWF6
 どうしたものか、と一歩下がった位置にいる執務官は紅茶を啜りながら思案する。
 本来なら部外者である自分が口を出すべきではない。
 出すべきではないのだが。

「……」

 改めて状況を確認する。
 外交官も准尉も頭を下げたまま微動だにしていない。
 少女から動きがあるまであのままだろう。
 一方の少女も時折視線を動かしているが言葉を発する事も身振り手振りで准尉達に行動を促す事はない。
 その顔は一見無表情のようだが、どこか既視感が湧く。
 裏にある悲しみや無力感を理解出来るのは、果たして幸運なのか不幸なのか。

 それはさておき、放っておけばこの沈黙は永遠に続くだろう。

 誰かが打破しなければならない。
 何より、今にも泣き出しそうになっている少女をこのままにはしておけない。
 見えないが准尉も同じような顔をしているだろう。

「はあ……」

 自分以外の人間が辛そうにしているのは居心地が悪い。
 ただでさえ夜中の事で精神的に余裕がないのにこれ以上は勘弁願いたい。
 カップをその場に置き、彼女の前まで移動する。

「お嬢さん」
「何ですか? 許してやれとでも言いますか?」
 きつい口調だが、彼女は執務官が部外者だと察したらしい。
 尤も執務官も部外者らしく振る舞っていたのだが。
「そこまで横暴じゃない。ただ、このままじゃ互いに疲れるだけだろ。僕はそのうち帰るけど、いつまでもやってるつもりかい?」
「それは……」
「彼を家に入れたという事は謝罪を受け入れる気が少しはあったんだろ?」
 彼女は頭を下げたままの准尉を見て、そして頷く。


20尊ぶべき愚者 十四話 5/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:08:16 ID:VeJfKWF6
「いつまでも引き摺ってうじうじしてちゃ駄目だとは分かってます」
 一旦区切ると大きく息を吸い、
「他人を恨んでれば気は紛れますけど、それで行動を止めてちゃ何の為に生き残ったんだか分かりません。
 許そうが許すまいがお姉ちゃんが生き返る訳でもないし、他人の言動にいちいち気を張っているのも馬鹿らしいし。
 お姉ちゃん達が死んだ次の日に局員の方が大勢亡くなったとも聞いていますし、
 皆さんが仕事を怠っていた訳じゃないと理解しています」

 少女が想像以上に大人だった事に執務官は驚くと同時に妙な物悲しさを覚えた。

 言い終えた少女はしかし、口を閉じず、ただ、と前置きし、
「それだけじゃ納得出来ない事もあります」
「理性と感情は正反対だからね。それでも良い。一ケ月で感情の整理が付いても、ちょっと薄情じゃないかとも思うし」
 逆に十五年は少々引っ張り過ぎかなと表情に出ないように心がけ内心で笑う。

 少女は再度准尉達を見て、目を閉じ深呼吸をする。

「……気持ちは分かりましたから、お二人とも顔を上げてください」

 准尉と外交官はおずおずと顔を上げるがその表情は強張っている。

「さっきも言ったように、まだ納得出来た訳じゃないので、許す事は出来ませんが誠意は伝わりました。
 そして、もう二度とこんな事がないようにお願いします」
「……ありがとう」
 外交官は安堵して顔を綻ばせる。
 だが、准尉は気持ちが沈んだままに見える。
 少女もまだ笑顔を見せていない。

「あ、その、お茶がなくなってますね。また淹れてきます」
 ぎこちない口調で少女はポットを持ってキッチンに引っ込む。


21尊ぶべき愚者 十四話 6/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:10:28 ID:VeJfKWF6
 その間、准尉は情けなさに歯噛みしていた。
 執務官の助け舟がなければ自分が顔を上げる事は出来なかった。
 あの時と一緒で自分一人では何も出来ないのだ。
 守られるだけで守れず、自分の思いも満足に伝えられない。

 だが、咽び泣く訳にもいかない。
 彼女が歩み寄ってくれたのに泣かねばならない道理はない。

 そして、執務官には感謝しなければならない。

「執務官、さっきは……」

 振り返ると執務官は無言で何かを眺めていた。
 准尉が横から見ると視線の先にはケージがあり、その中には一匹のフェレットが横たわっていた。
 怪我をしているのか包帯が巻かれている。

「少し前に拾ったんです。まだ目を覚まさないんだけど」
 注ぎ口から白い湯気を出すポットを持った少女がキッチンから出てくる。
「ちゃんと獣医に見せた方がいいんじゃないかな。なんなら僕が連れていくけど」
「でも、御迷惑じゃ」
「構わないよ。それにこの手のマンションはペット厳禁じゃないのかい?」
「……それは、まあ。じゃあ、お願い出来ますか?」
 執務官が頷こうとした刹那、新たな腕が伸び、ケージを掴む。

「じゃ俺が連れていく」
 その際、秒にも満たない時間だが、執務官が敵意の籠った視線を外交官に向けたのを准尉を見た。
「いえ、僕が」
「お前、仕事で忙しいだろ?」
「一国の外交官よりは暇です」
「いやいや。俺は週休六日だから」
「これからしばらく仕事がなくなる筈ですから大丈夫です」


22尊ぶべき愚者 十四話 7/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:12:29 ID:VeJfKWF6
 二人は表情こそにこやかだが、ケージを掴む手に力が入っている。
 そんなにフェレットの世話をしたいのだろうか。
 正直意外だと准尉は考えた。
 二人はしばらく言い合っていたが最終的に執務官が勝利したらしい。

 その後もテーブルを囲んでお茶を飲んだが、何処かぎくしゃくしており、
 ポットの中身が再びなくなったのを契機に三人は帰路についた。





「……彼女、大人でしたね」
「……ああ。包丁で刺されるくらいは覚悟してたが。まあ、いいんだけどな。痛いのは嫌いだし」
 一歩前進した筈だが准尉と同様、外交官の顔色は優れない。
「どうしたんです?」
「……いや、我ながら随分と偽善チックな事をしていると思ってな」
「偽善?」
「例えば、一人の人間が死んだ時はこうやって直接遺族に頭下げたり、
 金策に走ったりしてるが、戦争や災害で何万人も死んだ時は、慰霊碑作ったり黙祷したりして終わりだからな」

 外交官は大きく肩を落とし息を吐く。

「遺族に対して保障を出したりもするが、その程度だろ? 悲劇は大きくなっているのに対応は機械のように作業的になっていく」
「被害の規模が大きくなれば一人あたりへの対応は杜撰になる。当然ですよ」
 フェレットの頭を撫でながら執務官が答える。
「……機嫌悪そうだが、何かあったか?」
 外交官も執務官が今までと違う事に気付いたらしい。
「別に大した事では」
 暗に何かあると執務官は答えた。
 理由を尋ねて相談に乗るべきか、会って間もないのにずうずうしいかな、と准尉が悩んでいると執務官の足が止まる。
 准尉も足を止めるとそこはレールウェイの駅の前だった。
 
「じゃあ准尉。夕方の訓練で」
 一方的に告げてさっさと駅の中に入っていってしまう。


23尊ぶべき愚者 十四話 8/8 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:14:19 ID:VeJfKWF6
「なんか、変ですよね?」
 外交官に同意を求めるが、外交官は首を僅かに傾げながら周囲をちらちらと見渡している。
 間近で向き合っている人間しか気付かないほど小さい動きだが、瞳がぎょろぎょろ動くのは気持ち悪い。
「……何やってんすか?」
「いや、別に。それで何だって?」
「だから執務官の様子が変だって話ですよ」
 外交官は考えも纏めるように沈黙し、右手に前髪を絡めたり解いたりをする。
「色々あるんだろ。小耳に挟んだ話だとロストロギア関連で一悶着あるらしいし」
「シェオルですか?」
「俺も詳しくは聞かなかったから、よく分からないし、当事者不在で盛り上がるのはあれだが、ミッド以外では結構大変みたいだぞ」

 十五年前に滅んだという執務官の故郷。
 その原因となったらしいロストロギア。
 今は地上本部に保管してあるが一時的に預かっているだけで所有権は二十三管理外世界の人間にある。
 当然、危険なロストロギアの保管を主任務の一つにする管理局は所有権の譲渡してもらう為に交渉を行った筈だ。
 その過程で問題でも発生したのだろうか。
 ミッドチルダではあまり話題になっていないのは難民の居住地がないからか。

「遺恨だの謝罪だので悩んでるのは俺達だけじゃないって事だな」
「そういう意味じゃ、対処する事件の被害の規模が大きくなりやすい本局の方が受け止めなきゃならない恨みも大きいんですかね」
「恨まれるのも仕事の内だ。彼女みたいに理解してくれる人間がいるなら我慢出来るが」

 外交官や執務官の言うように被害の規模と一人あたりへの対応が反比例するなら直接会って謝罪出来た自分は恵まれているのだろうか。
 そして、恨まれるだけで理解されない人間も存在するのだろうか。
 存在したとして、何が彼等をそんな苦行に駆り立てるのか。
 理由などなく、本人の意思ではどうしようもない事なのかもしれない。
 だが、もし、仮に、自分の意思でそうなる事を選んだ人間がいたとしたら、何故そんな愚かとも言える道を選べたのか。

 そんな思考が表情に出たのか、外交官は鼻を鳴らし、
「難しい事は考えるな。お前は実力もないし、権力もないし、金もない。そんな奴は目の前の問題だけ解決すりゃ良いんだよ」
「……はい」
 彼なりの励ましだったのか釈然としないまま外交官と別れて地上本部に向かう。

24 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 14:16:15 ID:VeJfKWF6
以上です
本当は「夕方の訓練」にあたる話も書いてあるのですが、今回の話と繋がりがないので別々にしました
その話となる十五話は夜に投下します
25名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:23:57 ID:9dcxdY9G
つまんね
理想郷やNTにでもいってろ
26名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:31:50 ID:SblVnxQm
>>25
お前書いてみろよ
27名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:36:46 ID:ZMU6BfaJ
NTってなんだナノハ・タカマチか
28名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:37:08 ID:AHXbW97j
まったく、日曜のこんな時間から両氏ともGJです。

>>26
ビチクソに触れんな、腐るぞ? 以降も荒らしはスルーしていこうぜ皆。
29名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:39:32 ID:DN4fx21K
日曜に投下が多いのはあるべき姿と思うんだがw
30名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 15:43:08 ID:9dcxdY9G
>>26
作者乙wwwwww
31名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 16:13:42 ID:r/pIE2ws
土日にリロードして平日に投下って感じだと思うがなぁ

>>28
既にスルーではないぞ
32名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:10:16 ID:m0kjD9/+
>>24
GJです。
フェレット……というとやはりユーノなのか……?

あとこのスレは休日だろうが平日だろうが全力全開って感じがする。
33名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:05:15 ID:KIPEvn+1
最近は荒らしも適度にいじってやらないと加藤みたいに
アキバで暴れられても困る氏ね…
物騒な世の中ですな…
34名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:12:24 ID:KjmKrKOL
ネットでの荒らしはスルーでいいと思うけど…
35名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:39:18 ID:ej+wM3eA
前スレの埋めのフェイトそんの下着姿GJ!
キチンと賭けの負けを払う貴殿に感動した!
36名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 22:10:35 ID:pWyxXgqf
前スレ最後、自重しろ。
専ブラ使って頭の弱い子をNGにすればいいのに・・・
37 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:47:51 ID:VeJfKWF6
これから予告しておいたのを投下します

・非エロです
・オリキャラ多数です
・独自解釈を含みます
・sts開始前の地上本部をメインにした話なので六課の面々については察してください
・NGワードは「尊ぶべき愚者」で
38尊ぶべき愚者 十五話 1/6 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:49:55 ID:VeJfKWF6
 ティアナが訓練の合間に小休止を取っていると執務官が剣の形に削られた木を抱えて訓練室に入ってきた。
 服装はいつもの制服と違い、見覚えのない繊維で織られた服を着ていた。
 故郷の民族衣装だろうか。
 その奥には准尉の姿も見える。
「これから執務官が協力してくれるとさ」
「よろしく」
 執務官はにこやかに答えて片手を上げる。


「あの、それって木で出来てますよね?」
「この訓練の間はもつと思う。よっぽど強力な攻撃を喰らいさえしなければ」
 執務官は木刀を上段に構えてその場で右足を前に出しながら二度三度素振りを行う。
 風を切る勢いだが振り下ろした木刀の位置が毎回同じなのを見て、
 剣に関しては素人のティアナも見事な太刀筋なのだと瞬時に理解出来た。

「凄いですね」
「専門は槍だけど、武器の扱いは一通り学んだからね」
「へえ。ミッドチルダには教える所は余りないですけど何処で学んだんですか?」
「……故郷でね」
 何故か執務官は言い淀んだ。


「さて、今度は准尉とペアでやってもらう訳だが。どう考える?」
 問われて僅かに思案する。
 二尉の性格や昨日の訓練、先程の素振りの事を鑑みるに執務官の近接戦闘の技術は相当な物だろう。
 そして訓練室はそれほど広くない。
「……執務官と戦う事になった時点で負け、ですね」
 そこには自分が目標とする執務官には強くあって欲しいという願望も含まれていた。
「そうだな。本当は罠を張り巡らせたり、もっと数を揃える必要がある。
 ただ、まあ、仕方ねえな。設定としては准尉がへまでもしたんだろ」

 准尉は何か言いたげにしていたが二人は無視。

39尊ぶべき愚者 十五話 2/6 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:51:17 ID:VeJfKWF6
「一番は撤退する事ですが」
「それが模範解答。だが今回はそれでも戦わなければならない状況を想定してみよう」
「戦うしかないなら中遠距離からの射撃」
「だな。消去法ってのがあれだが」
「救援の有無は?」
 有るなら防御を重視して持ちこたえればいいが、無ければ隙を見付けて攻めに転じる必要がある。
 それだけで難易度は大幅に変わってしまう。
「あー、そうだな、十五分持たせれば俺が加わってやる」
 十五分。
 楽しい時はすぐに過ぎると感じるが、訓練中は逆に何倍にも感じられるだろう。 



 ティアナと准尉が部屋の中心に立ち、執務官は部屋の端、壁を背にして待機する。

「開始!」
 二尉の合図と同時にティアナと准尉は魔力弾を絶え間なく撃ちだすが、執務官は素早く横にステップ。
 そのまま壁に沿って円を描いていく。
 速い。
 魔力で身体能力を水増しした様子は見られないのに、すぐに視界の端から端に移動してしまう。
 多少のダメージを覚悟すれば一気に距離を詰められるだろうにそれをしないのは余裕の表れか。

「く」

 弾幕はいつまでも続かない。
 二発のカートリッジで撃ち出せる魔力弾には限界がある。
 銃身を折り、使いきったカートリッジと新しいカートリッジを交換しなければならない。
 今まで何千、何万と繰り返し慣れた動作なので数秒で完了する。
 しかし、この戦いでは遅すぎた。
 この期を窺っていたかのように執務官は一直線に距離を詰める。
「准尉!」
 お世辞にも准尉の誘導弾の精度は高くない。
 どうしても執務官の正面に撃ち込まなければならないが、単調な射撃は容易に木刀で切り払われる。
 特殊な加工でもしてあるのか、欠けたりする様子はない。

40名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 22:51:48 ID:9dcxdY9G
誰も読まないからさっさと消えろ
41尊ぶべき愚者 十五話 3/6 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:52:46 ID:VeJfKWF6
「ちくしょう!」

 一発命中するが、執務官がダメージを受けたようには見えない。
 少なくとも速さを殺すには至っていない。
 そして、既に執務官は間合いに入ってしまっている。

 執務官は木刀を頭上に大きく構えて准尉の脳天目掛けて振り下ろす。
 無駄の多い動きだとティアナは思ったが、すぐに手加減しているのだと気付いた。
 准尉は辛うじて両手で持ったデバイスを額の前にかざす事で攻撃を防ぐ。

 カートリッジの交換も完了し、執務官の足も止まったが准尉と近すぎて下手に攻撃出来ない。
 ミッドチルダ式の准尉も肉薄された状態では反撃手段に乏しい。

 その間に執務官は准尉の足を払う事でいとも容易く転倒させる。
 すかさず手首を踏みつけ握力が弱った所でデバイスを蹴り飛ばす。
 続いて、うつぶせになっている准尉の背中を踏み、延髄に木刀の先端を押し付ける。

「ランスター、デバイスを捨てろ」
「……!」
 この状況下では当然の宣告。
 続く言葉は、捨てなければ准尉の命はない。

 どうせ模擬戦だからそこまではない、という思考が一瞬湧くがすぐに振り払う。 
 そして考える。
 この状況を打開する方法を。

 どうやっても自分の射撃より執務官の木刀が准尉の延髄を潰す方が速い。
 仮にこちらの攻撃が速く届いたとしても一撃で昏倒させなければ准尉を道連れにされる。
 木刀の方を破壊するという手段もあるが、よっぽど強力な攻撃でなければ無理らしい。
 何とも曖昧な表現だ。
 ヴァリアブルシュートなら可能かもしれないが、あれは時間がかかりすぎる。
 二尉と戦った時のようなオプティックハイドとフェイク・シルエットの同時使用も成功率は低い。
 オプティックハイド使用中は素早い移動は無理だし、向かい合った状況では幻術を使った事がばれる危険が高い。

42尊ぶべき愚者 十五話 4/6 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:54:04 ID:VeJfKWF6
「准尉なんか見捨てろ!」
 二尉から激が飛ぶがティアナは動けなかった。

 執務官は失望したように目を伏せ、片手で准尉の襟首を掴みあっさりと持ち上げティアナの方に投げつける。
 成人男性を投げ飛ばす膂力には感嘆する他ないがティアナにその余裕はない。
 受け止めるべきか、避けるべきか。
 判断に迷い、体を硬直させた事が明暗を分けた。

 准尉と激突し、視界は執務官から逸れ、バランスが崩れる。
 次に見えたのは天井の照明だ。
 それを知覚した直後、背中に強い衝撃が走り、肺の中の酸素が強制的に吐き出される。
 何という事はない。
 接近していた執務官に投げられ背中から床に激突しただけだ。



「訓練終了かな」
 それぞれの手にアンカーガンと准尉のデバイスを持った執務官が覗きこんでくる。
「そうだな。当人達が一番自覚してるだろうさ」
 足先の方から二尉の声が飛んでくる。
 悔しいがその通りだ。
 これが実戦なら殺されるか、情報を手に入れる為に拷問されるか、辱めを受けるかのどれかだろう。

 痛みを我慢しながら起き上ると二尉が目の前まで来ていた。
 眼光は猛禽類のように鋭く、無言のままで他者を威圧する。

「完全に生殺与奪を握られた時点で准尉は切り捨てなけりゃならない。
 本来、一人の時は愚策だが、お前が躊躇ったせいで執務官は人質としての価値を見い出し、挙げ句があれだ」

 実際そうやって負けたので言い返せない。
 それに人質が有効な戦術だと思われれば無闇に多用される危険もある。

 だが、ティアナは心の中で反感を抱いていた。
 訓練開始前にも抱いたが、負けてみるとその気持ちが一層強くなった。

43尊ぶべき愚者 十五話 5/6 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:55:14 ID:VeJfKWF6
「しかし、戦力で負けていると分かっているのに撤退せずに戦えというのはかなり理不尽だと思いますけど」
 執務官がティアナの気持ちを代弁してくれた。
 自分達は自殺志願者ではない。
 状況が不利なら撤退して戦力を再編しようとするのが当然だ。

 けれど、二尉は飄々と笑いながら、
「俺も結構無茶かなと思ったが、よくある事だろ。俺やお前の任務にこういう理不尽な事は」
 同意を求められた執務官は苦笑し肩を竦める。
 肯定の意思表示だ。
「ええ。救援が来る時間が分かっていただけ精神的に楽ですね」
「それに来なくても勝つ可能性はあったろ?」
「はい。人質に取った時に准尉がもう少し奮戦してればランスターだけなら勝ってましたよ。准尉は運次第ですが」
 
「それってあれですか? 負けたのは俺のせいだと?」
 横で倒れていた准尉が赤く腫れ上がった手首を擦りながら体を起こす。
「分かり易く説明してただろ、執務官が」
「ってか、みんな言ってるが、勝ち目が薄すぎだって。殆ど自殺行為だろ」

 上官にも考えをはっきりと口に出せる准尉が羨ましいとティアナは思った。

「まあ、今回の訓練は上官の命令には絶対服従って事とこの世界にゃ理不尽な事が多々あるって事を教えるのが主な目的だからな。
 実戦中に理不尽さを悟るより訓練で思い知らせておいた方がいいだろ」
「実戦で心が折れたら立て直しは難しいですからね」
「俺は十分知ってるけど。実戦の理不尽さは」
「誰もお前に教える気はない」
 淡々と否定され、准尉の顔に青筋が浮かぶ。
 二尉が煽って准尉が怒るのは昨日から見ていたので特別思う所はない。


「あーもう、やだやだ。この怪我、無駄かよ」
 准尉は大の字に寝転んで呟く。
「加減したつもりだけど大丈夫かい?」
「骨には異常ないと思いますよ。執務官が敵じゃなくて本当によかった」
「はは。ひょっとしたら僕が敵になる事もあるかもよ?」
「そりゃ勘弁」


44尊ぶべき愚者 十五話 6/6 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:56:49 ID:VeJfKWF6
 准尉と執務官が楽しそうにしているのを一瞥しながら、ティアナは二尉に心中を暴露しようとする。
 勇気が必要だったが、今の内に言っておかないと今後に悪影響が出ると判断したからだ。

「私は、どうもあなたを好きになれそうにありません」
「別にいいよ。俺も昔、自分の教導官に同じ感想を持ったし」
 そこまではっきり言われるとそれ以上言葉が出ない。
 嫌われる事を覚悟でやっている人間に嫌いだと言ってもただの一歩通行になるだけだ。
 それに、二尉も心苦しく思っているのだろう。
 話を聞く限り、二尉も執務官も今回の訓練とは比べ物にならないほど理不尽な目にあったようだ。
 だからこそ、そんな状況でも冷静に対処出来るように訓練で叩きのめそうとしたのだろう。

「すいません。変な事言いました」
 どうかしていた。
 一時とはいえ、二尉が他人を苦しめて喜ぶような性根の腐った人間だと思うなんて。
「だからいいって。それより腹減ったから飯食いに行くぞ。執務官、お前来れるか?」
「大丈夫ですよ」
 執務官は快然とした笑みで答え、准尉の腕を掴んで立たせる。
 准尉は大仰に溜息を吐き、腫れが引いていない手首を擦る。
「後で医務室行こうかな」
「それ位で。実戦なら四肢を砕かれてたぞ」
「あんたが言うと説得力ありますね」
 さっきまで怒っていた准尉が当たり前のように二尉の車椅子を押しているのを見て自然に頬が緩む。
 昔はこういう和気藹藹とした雰囲気は苦手だったが、スバルと出会ってからは自然体で楽しめるようになった。
「おい、ランスター。何してる。早く行くぞ」
「はい。今行きます」
 体は疲れているが心には穏やかな充足感がある。
 夢に近付いているという喜びと信頼出来る人間と一緒にいる安心から来るものだ。

 願わくば、この時間が長く続く事を。


45 ◆Ev9yni6HFA :2008/06/29(日) 22:58:03 ID:VeJfKWF6
以上です
このペースなら二十の前半くらいで完結出来るかな
46名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 22:58:54 ID:9dcxdY9G
こんなのがあるなんてレベルが低いな
47名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:03:43 ID:lH3+mz8T
>>45
GJ!
その調子でファイト!

>>46
IDという物があってだな(ry
48名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:14:23 ID:pWyxXgqf
>>47
さわんな。
49名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:14:40 ID:r/pIE2ws
今日のお子様は全部同じID?
構って欲しいんだねぇ。
いいよ、相手してあげるから、せいぜい注目されるようなネタを振りなさい
50名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:21:57 ID:i8YkyAzZ
まあ作者の色が強すぎるな〜とは思うけどねぇー。
コメディとかなら人当たりがいいしあんまり気にならないけど、
ハードボイルド調だと敬遠したくなる気持ちも分からんでもない。
最近これぞエロパロ! っていうニヤニヤ出来る作品が少なくなっているのは事実だしなぁ。
51名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:29:24 ID:/XXKYOOy
>>48
荒らしは構ってちゃんだとスルーが一番だが、
ガキが気に食わないって理由だけでやってる時は叩いた方がいい場合もあるぜ
まぁ、どっちがいいかなんてやってみなくちゃ分からないけどな

>>50
お前の好みなんて誰も聞いてない
チラ裏でやれ
52名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:30:22 ID:fxaPcQsE
ただひたすらラブラブニヤニヤエロエロなSSが見たくはなる
NTR?鬱?なにそれ的な
53名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:44:40 ID:lH3+mz8T
ラブラブニヤニヤエロエロと鬱が半々くらいがオレは好きだぜ
誰かもっと鬱書いてくれ……
54名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:44:55 ID:i8YkyAzZ
>52
鬱とか納豆とか最低SSとか×レジアスとかネタに走りすぎて、
ディープな客層しか受けないSSが流行ってる流れがね。
ただひたすらラブラブニヤニヤエロエロなSSのようにライトな層に受けるSSが増えれば、
自然といい流れになって人も作家も増えると思うんだよな。
ネタなSSよりベタなSSというか、そんな感じで。
55名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:52:47 ID:FKDwmKMH
>>54
スレのためを考えられた卓見、謹んで拝聴いたしました。

素直に「俺はこんなのが好き」って言えばいいのに。
56名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:53:26 ID:lH3+mz8T
>>54
お前何スレか前にも沸いてたよな
あの時も言ったが好きなジャンルが増えてほしいなら誰か書いてくれーって言うだけにしろよ
なんで一定のジャンルを書きにくくするような事言うかね
57名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:54:40 ID:KfgoaSTr
ネタが多すぎると食あたりを起こすのは同意。


だけど俺はもともと百合を求めてここに流れついたんよねー
58名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:54:41 ID:AQMY25vH
個人的には鬱や陵辱は苦手だが……まあ、どうこう言える立場じゃないしな。
読みたいのだけ読んで、GJを送ればいいのさ。
59名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:56:05 ID:O+azrZHf
このスレだけでも既に相当な作品数があるし、
放映やSSも終わってだいぶ経つから公式からの燃料補給もないし、
職人さんとしては新しいネタを考えようとすると
捻った作風になってしまうんじゃないかな

何にせよ未だにこれだけ投下があるって他スレと比べれば凄いことだし
職人さんたちには感謝してるから自由に書いてほしいと思う
60名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:57:24 ID:/XXKYOOy
>>54
妄想もいい加減にしとこうな
迷惑。
61名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:06:36 ID:r3kmzaiJ
>>53
オレもニヤニヤSS、鬱系SS、両方大好きだわ。何というか
『スッキリした物ばかり食べてると、たまに油っこい物を食べたくなる』(その逆も然り)という感覚に似ておる
まっ、お互い246氏が新作投下してくれる日を心待ちにしようや。
62名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:15:29 ID:4mz14Ni/
俺もちょいまえはちょくちょくとSSを投下してたけど、
ああ、ユーノSSなんだけどね。
こうやってたまに雑談したりしてると厨とか
56、60みたいに突っかかってくるレスとかにやる気をそがれて、もういいやってなる。
結構いると思うよ、そういう職人。
63名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:17:20 ID:hW8ZAZ8s
>>53>>61
べ、べつに鬱が嫌いってわけじゃなくて純粋にラブニヤエロが良いってだけなんだから勘違いしないでよね!
64名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:21:40 ID:aSIxZV9T
悟りを開き、卓越した妄想像力を得れば、
ギャグSSであっても抜けるようになる
65名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:23:45 ID:7HuUzoVq
オリキャラによるオナニーとかうぜぇ
66名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:24:07 ID:KHguND2S
>>62
でも>>54みたいな書き方しちゃうと
今度は鬱・納豆・最低・レジ等のSS書いてる職人さんが
投下しにくくなる恐れがある
あと、必ずしも皆がラブラブニヤニヤエロエロばかり好きなわけじゃないし。
陵辱とか激しく好みが分かれるけど需要は決して少なくないジャンルもある
67名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:25:04 ID:uKPGTBXn
>>62
◆Ev9yni6HFA氏も毎回こんな調子だと本当に外部に行っちゃうかもな

ってな訳で感想を
>〜そんな状況でも冷静に対処出来るように〜
仲間に置いてかれて1体3になったりする状況ですね
分かります

それと、最後の文って明らかに長続きしないフラグじゃないか
68名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:30:33 ID:XMaWUjBV
>>62
「ああ、ユーノSSなんだけどね」

恣意的すぎるだろww
69名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:31:44 ID:s0w5dGWA
>>68
どうみてもユーノ嫌いです本当にありがとうございました
70名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:32:28 ID:+noJWmkP
>>62
いやいないと思うぞ
>>54みたいな不快な書き込みは叩かれて当たり前だろう
言ってることおかしいし
71名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:34:01 ID:al6jT2Da
>>45
GJ!!です。
ティアナ関連での二尉となのはの会話とか見てみたいw
72名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:34:51 ID:aSIxZV9T
読者風情がつべこべ言うな、とか作者が表だって言い出さないだけこのスレはまだまし
73554:2008/06/30(月) 00:40:45 ID:k/bizRM+
>ラブラブニヤニヤエロエロと鬱が半々くらいがオレは好きだぜ

レベル高すぎwwwwww
でも246氏はそれを書ききっちゃうんだから、凄いんだよなあ。


というわけでエロになると途端に執筆速度が下がる私がお口直しに投下しようと思いますが、よろしいですかい?
74名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:40:49 ID:4mz14Ni/
>66
投下しにくくなるって言う点なら、そういうSSが流行っているほうが投下しにくいと思うだけどなあ。
>70
実際俺は書き手だったし。
不快っていうなら貴方のレスも相当不快だと俺は思ったりしますけどね。
そうやって頭ごなしに決め付けて、職人が減るという事実に気付いてない。
75名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:44:11 ID:Z2g9uwDY
投下OK!! たっぷりぶち込んでくれい!!
76名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:46:28 ID:3qNaNZCf
>>74
どうみても君のレスのが相当に不快

>>73
カモン!
77名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:48:06 ID:XMaWUjBV
>>74
あのさ。元職人ってことは曲がりなりにも文章書いてたわけだよね。
そしたら、自分の書き込みに説得力があるかどうか、相手を不快にする文体じゃないか、それを客観視できないかい?

>>73
GO-GO!!
78名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:48:24 ID:KHguND2S
>>74
あなたが投下しにくいっていうなら、それは確かに残念です。
でも鬱SSが流行ってるのはちょっと…って書き方すると
例えば>>73が挙げてる246氏みたいな人が投下しにくくなっちゃうかもしれない
というようなことを言いたかったんです。
ここは基本色んな傾向のSS職人さんがいてカオスだから
流れなんて気にせず何でも投下してくれよ!って個人的には思いますけどね。

>>73
よしきた、エロ?!ばっちこーい!!!!!!!!!
79554:2008/06/30(月) 00:50:46 ID:k/bizRM+
最初に謝っておきます。
今回は限界だったんだ。でもきちんと書ききるから、少しの間辛抱して欲しい。


・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては後に触れますが、気になる人はNGしてください。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。しかもかなり後半。よってほぼオリジナルストーリー。
・NGワードは「小さな町の小さな診療所 クリニック・F」です。

それでは原案の73-381氏に多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
80小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:53:19 ID:k/bizRM+
 静かな家の中で、シャワーを浴びる水音だけが響き渡っていた。
 ウーノは今、一人ダブルベッドの中で布団にくるまっている。
 それだけなら特筆すべきことではないが、問題はその布団の中にある。

「落ち着かない……なんかスースーしますし……」



○ 小さな町の小さな診療所 クリニック・F ○



 身につけている物は何も無し。布団の生地がそのまま彼女の肌に触れていた。
 ウーノはしばし微睡みに身を任せ、どうしてこんな事になったのかと思案する。
 そうだ、あの時彼に恥を掻かせたくない一心で、自分の体を代償にして禁忌とも言える方法を試したのだった。
 全てが自分のせいで、全てが自分の責任で、もはや言い逃れや誤魔化しなど効くはずもない。
 ジェイルという男は一度言い出したら止まることを知らないと言うことを、ミッドチルダで起こした様々な事件(彼が言うところには実験らしいが)から身をもって知っている。
 そして、事件だけでなく夜の方でも言い出したら止まらないという法則も既に身をもって知っている。自分は今晩あの人に完膚無きまでに征服され尽くされる、辱められ続ける。
 ふと、痒みを憶えて太ももの付け根の辺り、つまり股の部分を手で触ってみると、ほんのりとだが手に水分が付着していた。
 これはどういう事なのか。そうだ、この液体は以前に彼と行為を行ったとき、前戯と称して自分の秘所を執拗に攻められたときのものに似ている。
81小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:54:31 ID:k/bizRM+
 ということは、自分はその時のことを思い出して、そしてそれを望んでいる。そういうことになる。
 確かにその時は体の内から上り詰めるような気がして言葉では言い表せないような不思議な気持ちになったのは事実だ。
 だがそれを私は自分から望んでいるというのであろうか。いや、まてまて。
 第一あれは私が言い出したことではあるがそれは仕方がないことであったし、あの状況の中で彼の自尊心を傷つずに事を運ぶにはどうしたらいいかと考えたとき、それは最善の選択だったのだ。
 だから決して私が自分でその……行為自体を望んだわけではないし、それを愉しんでいるなんてことが有るはずもない。そうだ、有るはずもない。
 いや、でもそうするとあの時どうにも我慢が出来なくなって自分で自分を弄ってしまったときの説明が付かない。
 あの時の感覚は今も必死に忘れようとしているが、一向に忘れられていないというのは私にとってあまり気持ちの良いことではない。
 自分はあの人の捌け口でしかないはずなのに、それだけが私の存在意義なはずなのに、自分だけが行為に溺れるとは。
 彼女は声を噛みしめながら洗濯するはずの彼のトランクスを片手に、だらしなく息を切らせていたときのことを思い出していた。

「どんなことを考えていると深刻そうな表情をしたまま顔を真っ赤に出来るんだい?」
「どどどどどドクター!?」

 いつの間にシャワーから出たのだろうか。というのがウーノの頭中であるが、ジェイルにとっては”無限の欲望”の発動中ではあるが、いつものようにシャワーを浴びて寝室に戻ってきただけなのだが。
 ジェイルは単にウーノのよく分からない表情を興味本位で聞いてみただけなのだが、思いの外大きな反応があり、驚きの度合いではウーノもジェイルもあまり変わらなかった。

「いや、これはですね、その……」
「……ほう」
82小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:55:18 ID:k/bizRM+
 思わず起きあがって布団で赤くなった顔を半分隠すウーノ。その反応で、ジェイルは何かを悟った。

「つまり、だ」
「ど、ドクター? きゃあ!!」

 ゆっくりとウーノの寝ころぶベッドに近づいたかと思うと、残像を残すほどの素早い動作で彼女に掛かっているベッドを引きはがして部屋の隅へと乱暴に投げ捨てる。
 甲高い悲鳴と共に顕わになった彼女の裸体は誰が見ても綺麗だと形容するであろうほどに美しく、真っ赤になった顔と相まって本来なら衝動を抑えられないはずのジェイルが一瞬息を呑んでしまうのも、毎度お馴染みのことである。
 彼女の知的なイメージを増幅させる長い髪を後ろに流し、体は冷や汗でも掻いていたのだろうか、しっとりと湿り気を帯びている。
 その中で一点、他の場所よりも若干だが水気を多く纏っている部分があることに、ジェイルは予想通りだと言ったように意地悪くほくそ笑む。

「期待しているんだろう?」
「そ、そんなこと……」

 そう言って首を振るウーノだが、ジェイルの言うように一部分だけが雨が降ったかのように湿っていた。布団には染みも見える。

「今夜は長くなりそうだ」

 ウーノはおもむろにジェイルが呟くその言葉と、ギラギラとした目で自分の裸体を見つめるその金色の視線を感じると、また自分の秘部が熱くなるのを感じた。
 部屋に設けられた小さな窓から、少しばかり欠けた丸い月が二人の様子をのぞき見るかのように、二人の部屋に光を差し込んでいる。
 ジェイルはゆっくりと寝そべっているウーノに近づき、足下へと顔を寄せ、そして脹ら脛から膝、そして太ももへと、徐々に上へ上へと舌で彼女を撫で続ける。
83小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:56:55 ID:k/bizRM+
 ウーノが乱れるそのベッドに腰掛け挑戦的な目をウーノへと放つジェイルであったが、ウーノ羞恥心などお構いなしだというように腰掛けたジェイルにベッドから降りて這いずり寄り、自らの顔を彼の顔へと近づけた。
 ジジジ、という音と共にウーノが口で銜えたズボンのジッパーが下ろされ、パンツという緩衝剤など気にしないというふうに限界まで天井を向いて反り立っている彼の男根を口で器用に顕わにさせる。
 口に入れるのがやっとという反則的大きさの男根を、顔を赤くしてさも愛おしそうに微笑みながら掴んで擦り、そして髪をかき上げるとまるでご馳走を頬張る子どものように、口へとその凶悪なモノを導き入れる。
 まもなくウーノによる上下運動開始され、じゅぼじゅぼと粘性の高い音を奏で始め、ウーノの顔が羞恥に染まり、ジェイルの顔が苦悶に変わる。

「……ろう、れすか?」
「……いいよ、ウーノ」

 鍛え抜かれた性技によって何度も何度も絶頂へと上り詰めそうになるジェイルだが、そこは現在の主従関係からそう簡単にはいかないと、理性と気合いでそれを止める。
 対するウーノも早く上り詰めて欲しいと、更に速度を上げて口での上下運動を繰り返す。舌と涎が口内で混ざり合い、ジェイルへ途方もない快楽を与え続ける。
 ただウーノは相手に快楽を与えているだけのはずだ。
 それなのにウーノの顔は快楽を感じているかのように、普段のクールな彼女からは想像も出来ないほどに歪んだ笑顔に変えられ、彼に快楽を与えている事実を心底から悦んでいるようだった。
 やがてウーノは、彼はそろそろ限界だと男根のふくらみ具合から判断し、より深い位置、喉近くでの奉仕を始める。
 苦しそうに顔を顰めていたジェイルだったが、ウーノの更なる奉仕によって限界は更に近づき、自身の男根の高鳴り具合からもう我慢の限界だと悟っていた。

「……っ」
「んあっ……んちゅ……」

84小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:57:56 ID:k/bizRM+
>>83はミスです。 申し訳ない


「っぁ……っふ……」

 細かく吐かれていただけの彼女の息が、徐々に粗く忙しないものへと変わっていく。
 ジェイルにも確認できるほどに、それが声から喘ぎ声に変わる瞬間はすぐにやってきた。その間も、ジェイルは愛撫を続けることを忘れない。

「はふっ……ぅっ…………ふぁっ」

 やがて、二本の指がウーノの秘部を割りながら差し込まれ、それがゆっくりと上下し、ぐちゅちゅと卑猥な音を立てる。
 ジェイルの顔が期待の表れか、喜々とした表情で体と直角に反り立ったウーノの乳房の片方に吸い付いている。
 ウーノは苦しそうな顔をしながらも頬は上気し、待ち望んでいた物を手に入れたときのような、そんな表情を浮かべていた。

「ああっ……ど、ドクター……」

 ウーノの口から粗く息が吐かれたびにジェイルは責めを微弱なものにし、果てる寸前で止めるように胸と股の両方を延々と責め続ける。
 そんな彼女の秘部からは止めどなく愛液が流れ出し、純白のシーツに粘々とした透明の染みを作り、彼女の体が否応なしに反応し続けていることが伺えた。
 無限に続くかのようなその責めにウーノは耐えられず、なおも粗く息を吐き、涎を垂れ流しながら、まさしく懇願するかのようなとろけきった目でジェイルを見つめる。

「はあっ……ドクター! ドクター! ……んんっ……はや、く……あふぁっ」
「だったら自分でどうにかしたまえ。 ん?」

85小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:58:41 ID:k/bizRM+
 ウーノが乱れるそのベッドに腰掛け挑戦的な目をウーノへと放つジェイルであったが、ウーノ羞恥心などお構いなしだというように腰掛けたジェイルにベッドから降りて這いずり寄り、自らの顔を彼の顔へと近づけた。
 ジジジ、という音と共にウーノが口で銜えたズボンのジッパーが下ろされ、パンツという緩衝剤など気にしないというふうに限界まで天井を向いて反り立っている彼の男根を口で器用に顕わにさせる。
 口に入れるのがやっとという反則的大きさの男根を、顔を赤くしてさも愛おしそうに微笑みながら掴んで擦り、そして髪をかき上げるとまるでご馳走を頬張る子どものように、口へとその凶悪なモノを導き入れる。
 まもなくウーノによる上下運動開始され、じゅぼじゅぼと粘性の高い音を奏で始め、ウーノの顔が羞恥に染まり、ジェイルの顔が苦悶に変わる。

「……ろう、れすか?」
「……いいよ、ウーノ」

 鍛え抜かれた性技によって何度も何度も絶頂へと上り詰めそうになるジェイルだが、そこは現在の主従関係からそう簡単にはいかないと、理性と気合いでそれを止める。
 対するウーノも早く上り詰めて欲しいと、更に速度を上げて口での上下運動を繰り返す。舌と涎が口内で混ざり合い、ジェイルへ途方もない快楽を与え続ける。
 ただウーノは相手に快楽を与えているだけのはずだ。
 それなのにウーノの顔は快楽を感じているかのように、普段のクールな彼女からは想像も出来ないほどに歪んだ笑顔に変えられ、彼に快楽を与えている事実を心底から悦んでいるようだった。
 やがてウーノは、彼はそろそろ限界だと男根のふくらみ具合から判断し、より深い位置、喉近くでの奉仕を始める。
 苦しそうに顔を顰めていたジェイルだったが、ウーノの更なる奉仕によって限界は更に近づき、自身の男根の高鳴り具合からもう我慢の限界だと悟っていた。

「……っ」
「んあっ……んちゅ……」

86小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 00:59:17 ID:k/bizRM+
 今まで苦悶の表情しか浮かべてこなかったジェイルが初めて声を上げて快楽に耐えている。
 その事実をお互いに目で確認する。どんなサインかは、既に明白だった。
 ウーノは先程よりも更に出し入れを激しくさせ、更に奥へと銜え込む。
 それは既に彼女が嗚咽を上げるほどに奥へと突き立てられていたが、彼女は動じることもなく、むしろうっとりとした表情とも見える苦悶の笑顔でそれを受け入れていた。
 ジェイルは今まで宙に浮かせていた自分の腕をウーノの頭へと伸ばし、来る放出の時に向けてウーノの奉仕を更に激しいものへと変える。
 そして、限界の時が来る。

「っうあっ! い、いくぞ!!」
「んんっ!!」

 弾けるその瞬間、ジェイルはウーノの頭を自分の方へと押さえつけ、剛直をウーノの喉奥へそのまま捻じ込む。
 焼けるような喉の熱さに吐いてしまいそうになったウーノだったが、咳き込みはすれどジェイルの吐き出した欲望の固まりを自分の外へと出すことはしなかった。
 ウーノの心の根底にあるものは、まずジェイルを慈しむことが行動指針の第一なのである。だから、彼のもの、ましてや生命に絡んでくるものとあれば吐き出してしまうのはあまりにも勿体ない。
 長い放出が終わりウーノの涎にまみれた自身の剛直を引き抜こうとするが、ウーノの両手が両手をジェイルの腰に巻き付けてそれをさせようとしない。
 彼女は喉奥から口内へと場所を移し、なおも男根を舐め上げ、そしてずちゅっ、ずちゅっ、と卑猥な音を立てながら美味しそうに、そして愛おしそうに、ジェイルの放出しきれなかった残り糟を吸い取っていく。
 その間もこくっ、こくっ、と喉を鳴らしながら自分の涎と彼の精液が混ざった白液が喉を通り、ウーノの体へと満たされていく。
 心底嬉しそうな笑顔で男根をしゃぶるその姿は、誰から見ても妖艶かつ淫らなものであった。
87小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/06/30(月) 01:01:02 ID:k/bizRM+
「さて、まだ行けるな?」
「ここで終わり、なはずはありません」

 男根を口から離して自信たっぷりに言った後、誰もを魅了するかのような輝かしい笑顔で首を傾げる。

「ですよね?」

 ジェイルの返答は言うまでもなく、もう決まっていた。

「もちろんだ」

 不敵な笑みを浮かべた彼は当たり前だというように、浅く、頷いた。
88554:2008/06/30(月) 01:03:06 ID:k/bizRM+
うん、「ここまで」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

今回はここまでになってしまいましたが、次回は最後まで書ききります。
それまで全裸待機の方は一度ズボンを履いてお待ち下さい。

それではもう一度原案の73-381氏にGJをしつつ、投下を終わります。
89名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 01:08:58 ID:XMaWUjBV
>>88
もう本当に二人はこのまま幸せになりましたENDでいいよ。というか、幸せになれ。
いや、フェイトの出番無くなるか……困った。

GJ!
90名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 01:10:49 ID:KHguND2S
>>88
わ、わっふるわっふる…!

しかしこのウーノは可愛いな、GJ!
91名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 01:12:10 ID:Z2g9uwDY
GJ!! このウーノはマジお嫁さんにしてあげたいな。

ってか、ちゃんと式挙げてやれよジェイル!!
9273スレ381:2008/06/30(月) 01:20:29 ID:fphb9svM
>>88
GJ!
ウーノってこんなに可愛かったんだ。
氏のおかげで最近ウーノ株が急上昇だよ。お持ち帰りしたいくらいだ。
もう一回言っておこう、GJ!
93名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 01:44:37 ID:wjzPHTy+
>>88
まったく!
またしても待たなければならないのか!!
まぁ、もうすぐ夏になるからいいけどさ
(裸的な意味で)


ところで、
これから受精される子の名前は何になるんだろうか?
94名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 08:53:01 ID:eD+krXCR
>>1
95名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 09:39:28 ID:uKPGTBXn
>>71
二尉はスタンドアローン前提でなのははチームプレイ前提で鍛えてるっぽいからその辺で対立しそうだな
まあ、二尉はティアナを執務官にしようとしててなのははJS事件を解決出来る人材を育てようとしてたんだから当然といえば当然だが

>>88
このウーノは凄い萌えるぜ
96名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 09:57:39 ID:IacSCmfR
ふと脳裏に閃いた

ロストロギアの影響で子供に戻ったユーノ君をなのはさんが喜び勇んでお持ち帰りするお話。
おとなのは×小ユーノはどうだろう?
97名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:10:07 ID:53XKetRO
たまにはユーノ以外でのネタふりができないのか?
98名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:10:38 ID:0qEzp8DQ
自分的にはおとなのはさんが子供ユーノに蹂躙される話が見たいな
99名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:18:10 ID:eD+krXCR
>>98

すごく興奮したオレは変態
100名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:20:02 ID:P9xw8nuL
>>96
マジレスするともう書かれてるぞ

このネタってなのはさん幼女化のパターンは見ないな
ペドじゃないから別に良いけど
101名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:34:58 ID:CGOH4a/P
>>100
オチとして出てきたくらいだな
102名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:47:58 ID:0ZXbbPBJ
幼女化したなのはか。
ティアナに「お持ち帰りいぃぃ!」されそうだな
103名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:48:46 ID:gkFiAx/1
ロストロギアの影響でなのはさんが大中小の三人に分裂した話とかもあったな

あと似たようなのではなのはさんがユーノに薬を飲ませてもて遊ぶ話や、タイムスリップしたなのはさんがちびユーノをもて遊ぶ話なんかもあったな。
104名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 11:49:06 ID:P9xw8nuL
>>102
じらいおうのなく頃に 頭冷し編
105名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 13:21:32 ID:v0BUw19k
ふと思ったんだが、「烈火の将は〜」のバットエンドで
ティアナを殺した獲物はやっぱ「ハラキリブレード」なんかな?

個人的にはもっとシグヴァイが見たいです。
106名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 13:48:54 ID:A5lx9CfB
普通にラブラブのエリキャロが見たいです。
なのフェイ、ユーなのと同じくらいメジャーなはずなのに何故か投稿数の少ないカプ…
107名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 15:02:50 ID:eD+krXCR
ヴァイス変態三段によるリィン強姦モノ希望
108名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 16:37:44 ID:al6jT2Da
なのはとエリオも短編で一個ぐらいしかないなぁ。
エリオがS、なのはがMだと妄想して、訓練でエリオ達が厳しくなのはに指導される、
エリオがベッドで逆襲で昼間はよくもまぁ・・・この変態教導官が!な感じで、
なのははもっと虐められたいから訓練がどんどん苛烈にw
109名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 16:45:19 ID:EpMHusb8
エリスバ希望。
セクハラエスカレートな感じで。
110名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 18:15:18 ID:jv4b8Fyp
>>108
シチュは違うけどなのは受けのエリオ攻めは鬼畜王エリオであったな
111名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 18:52:26 ID:Frek3pGz
>>107
アギトとユニゾンした姐さんにブッタ斬りにされそうだw
112名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:08:07 ID:s7hgeFmg
誰だよ「クロノ&エリオ&カレル×リンディ&フェイト&アルフ&エイミィ&リエラ&キャロ&フリード(♀)&ヴォル(♀)」なんて
ハラオウン一家大乱交な電波送ってきたの。書けるわけないじゃないのそんなの。
113名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:09:38 ID:vWR13wUb
うるさい書け!
114名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:14:56 ID:nRHzSwSC
>>112
よし、間引きしよう

つ【カレル×リエラ】

THE・禁断愛!
115名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:16:14 ID:53XKetRO
>>111
むしろユニゾン状態でシグナムごとアギトも篭絡済みなんだろうさ
116名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:21:46 ID:ILMVp/Qw
>>114
この二人はキャラが立ってないしな。リエラはお兄ちゃん大好きなんだっけか?
117名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:37:18 ID:sgf74LaO
>>108
>>109
どちらとも見てみたいカプだな…
特にSエリオはレアだから是非見てみたい!
118名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:39:54 ID:GSNbF1MF
幼女化シグナムと幼女化シャマルを読みたいとか思った。
119名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:46:46 ID:IKyMTFWH
ジョッキに注いだ媚薬の中にリィンとアギトを1時間漬け込み、程良く体が熱くなったところで
筆やら綿棒やらその他色々な道具やらで丹念にいじり回すシグナム、シャマルという
電波が届いた。
120名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:57:14 ID:904WGQpi
>>119
よろしい,ならばSS化だ.
121名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:09:59 ID:XMaWUjBV
>>119
なんか、おおたたけしの絵が浮かんできたんだが…
122名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:23:05 ID:al6jT2Da
>>119
何やってるんだよ、二人ともw
シグナムはアギトに焼き殺されるぞ、なんか約束してた気がするしw
123名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:43:19 ID:fphb9svM
>>115
ユニゾン状態でってのは見たことないな。
互いの快感が伝わり合うのかな?
124名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:55:16 ID:m23FSkn6
なんかヒッポリト星人思い出した、ガラス管の中で悶えてタール漬け
125サイヒ:2008/06/30(月) 21:12:21 ID:fdBBHeVH
前スレでフェイトそんのパンニーが望まれていたようなのでやってきました。

前回書いたのと同じく相手の下着で自慰するフェイト&クロノですが、前回と違って二人が恋人同士になる前の話です。
126サイヒ:2008/06/30(月) 21:12:54 ID:fdBBHeVH
「こんなの、おかしいんだからぁ……」

 呻き声が真っ暗な部屋で木霊す。

「下着をこんなことに使うのなんて……おかしいよ……」

 答える者のない問いが、とめどなくフェイトの口から漏れていく。
 隣の部屋では家族が寝ている。あまりに大きな声で喘げば、不審に思った家族が部屋を訪れかねない。
 だが身体は意思を裏切り口が閉じられることはなく、ただ右手の中指だけを動かし続けた。
 フェイトの右手が当てられているのは、最近履きだした黒いカラーのショーツ、その股間部分。男性に
比べれば柔らかさのあるフェイトの身体の中でも特に柔らかい肉の丘。フェイトの指は、ショーツの上か
ら何度もその場所を擦っていた。
 右手だけではない。残る手はしっかりと一枚のトランクスを握り締めて、顔へと押しつけていた。

「クロノぉ……」

 今度は義兄にして愛する人の名を、フェイトは切ないかすれ声で呼ぶ。
 家族で、いつも隣にいてくれるのに、一番いて欲しい恋人という位置には絶対に来てくれない人の名を。



 最初は、ワイシャツだった。
 洗濯の手違いで、クロノのワイシャツを寝巻き代わりに着ることがあった。密やかに想っている人の匂
いに包まれて眠る夜は、ひどく心を安らかにしてくれたものである。
 次は、バスタオルだった。
 クロノの次に風呂を使い、身体を拭こうとしてすでに湿っているバスタオルに触れた時、何気なく匂い
を嗅いでしまいなにをやってるんだろうと頬を薄く染めた。
 ここまでなら、相手が義兄であることを除けばまだ思春期少女の微笑ましい話で終われたはずだった。
 しかし麻薬中毒者がどんどん強い薬を求めていくように、バスタオルの次はシーツ、その次は歯ブラシ
と、フェイトの行為はエスカレートする一方だった。
 今宵など、久々に実家に帰省したのをいいことに、こっそり義兄の下着を片手に自慰行為にふけってい
る有様だった。
127サイヒ:2008/06/30(月) 21:13:54 ID:fdBBHeVH
(男の人って、どうやってやるんだろう……)

 罪悪感に胸を押しつぶされそうになりながら、脳は浅ましくもそんなことを考えていた。
 保健体育の授業では、そこまで教えてくれなかった。自分のように指で入り口を擦っていたら出るのだ
ろうか。下着を履きながらするのかしないのかも知らない。

(履いたまましてるのなら、これにクロノの精液が……)

 フェイトにとって完全に未知の液体。ほとんど何も知らないが、子宮に注がれれば子供が生まれるとい
うことだけは分かっている。
 クロノと結ばれの恋人になって、結婚して、やがては母になる。妄想の中でしか許されない夢。現実は
彼の精を受けることなく、ただ暗い部屋の中で匂いを嗅ぐことを許されただけ。

「当たり前、だよね。お兄ちゃんを好きになっちゃうなんて……普通じゃないんだから」

 一瞬だけ自虐で頭が冷め、フェイトは虚ろに己を蔑んだ笑いを浮かべる。
 だがすぐに股間から上ってきた熱にうかされ、自慰行動を再開した。
 秘裂をまさぐっていた指が、ついにもどかしさに耐え切れずびしょびしょに濡れた下着の中へと潜り込
んだ。ぐちょりと、生々しい音がした。

「あ、はぁっ!」

 そろそろと指を上下させるうち、勝手に指が深く深くと埋め込まれていく。
 だが散々愛液を分泌して受け入れる態勢を作ったはずの股間は快楽よりも痛みが大きく、ほんの一ミリ
進めるのにも大きく深呼吸しながらでなければ無理だった。
 フェイトは自慰に慣れていない。処女膜を傷つけることを恐れて膣に指を入れることすらまれで、ほと
んどは擦っているだけで終わらせていた。
 それでも、明確に愛する人が胸の内に生まれてから、少しずつ快楽を求める衝動は強くなっていた。こ
れまでのようなやり方では、身体も心も満足しないのだ。

「ひあっ……! あ、ああ……!」

 痛みに喘ぎながら、少しでも薄れさせようとフェイトはいっそうトランクスに顔を埋めた。
 染みついたクロノの匂いを嗅げば、ほんの少しだけ痛みと心が安らぐ。
 触れ幅の大きい快感を持て余しつつも、確かにフェイトの身体は煮詰まりつつあった。
128着慰 〜前〜:2008/06/30(月) 21:14:52 ID:fdBBHeVH
 親指がそろそろと、上部にある神経の塊である核へと向かう。
 経験の少ない少女にとって、敏感すぎる場所に触れることは官能よりも恐れが強い。今までもろくに触っ
たことは無かった。それでも、身体の中心を灼き続ける炎に燃料を加えるべく、フェイトは指を伸ばした。

「んっ!!」

 こりっとした密やかな感触を指に覚えるより先に、びくりと身体が痙攣した。
 あまりに一瞬で達したことに驚き、愕然とするフェイト。
 指で秘芯を触っただけでこんなのなら、クロノの性器がここに入ればどれだけの快感がもたらされるの
だろうか。
 ぐっと瞼を閉じて現実を遮断し、顔に押し当てた布地に染みついた香りを頼りに、その時を脳裏に描い
てみた。
 場所は自分かクロノの部屋。あるいはどこかの高級ホテル。柔らかいシーツの上に、生まれたままの姿
となって横たわったフェイトを、同じく全裸になったクロノが温かく包み込んでくるのだ。
 優しい手で愛撫され、やがては緩やかに交わっていく。快感よりも幸せに全身が浸りながら、やがて経
験したことのない高みで絶頂を迎えて。

「ああぁ! クロノっ!」

 艶めいた声を上げながら、フェイトは片手で想い人を強くかき抱いた。一拍遅れて、股間の指が宝珠を
ぎゅっと押しつぶす。肺が震えて、空気を残らず吐き出した。
 しかし現実の手が抱きしめたのは痙攣する己が肢体だけで、男の精液など身体のどこにもありはしなかっ
た。
 空振った手が下着を離し、数度何もない虚空を握り、やがては顔を覆う。

「もう……こんなことするの、やだよ……。辛いよ……。クロノ、クロノぉ……!」

 すすり泣きは、いつまでも止まなかった。



          ※



「くぅあっ……! ふ、フェイト!」

 義妹の名を叫ぶと同時に、クロノは精を放った。身体が痙攣して、弛緩する。
 快楽による目眩の時間が終わると、クロノは手の平に眼を落とした。そこにはべったりした熱く白い液体
が付着している。
 忌まわしい汚物であるかのように乱暴に拭い捨てたクロノは、その手で頭を抱え込んだ。
 ここ数ヶ月、クロノが性欲処理をする時に思い浮かべているもの。それは、血が繋がらないとはいえ妹
であるフェイトの痴態だった。
 これまで自分では、性欲が薄い方だと信じてきた。不健全な雑誌や漫画を見ても興奮するより嫌悪の気
持ちが強かったし、自慰も半月に一回するかしないか程度ですんでいたものだ。
 それが間違いだったと気づいたのは、義妹に対する感情が家族以上のものだと悟った時からだった。
 フェイトの裸を想像しただけで、罪悪感より先に色欲が首をもたげてあっという間に股間がいきり立つ。
どれだけスタイルが良かろうが紙媒体やブラウン管でしか知らない相手と、その肢体以外の何から何まで
知り尽くした上で惹かれた相手との差だった。
129着慰 〜前〜:2008/06/30(月) 21:15:57 ID:fdBBHeVH
「…………なにが管理局でも指折りの指揮官だ」

 自分の煩悩一つまともに制御できていない。
 先日も、危うく変態じみた行為に走るところだった。
 クロノの洗濯物の中に、なぜかフェイトの下着が混ざっていた。大人っぽい黒のショーツを手にした時、
クロノはそのまま何の反応も取れず数分間貫くように凝視し続けていた。
 たまたまアルフがクロノの部屋を訪れたので慌てて表情を取り繕い、もう間違えないでくれと渡してな
んとか事なきを得た。
 もしアルフが来なかったら、果たして自分はその下着をどうしただろうか。匂いを嗅いだのか、手で握っ
たまま欲望の化身を擦り立てただろうか。
 今も脳の指図を受けない器官である陰茎は、フェイトの下着を思い出しただけで硬さを取り戻しつつあっ
た。

「……くそっ!!」

 喉の奥から怒声を搾り出し、クロノは布団を引っかぶった。
 どうしようもない想いに目をつぶり、ひたすら疲労が睡魔を呼ぶ時を待ち続ける間に口をつくのは母へ
の恨み言。

「母さん、どうしてフェイトを養子になんかしたんだ……!」

 妹ではなく、ただ家で預かっているだけのフェイト・テスタロッサならば、こんな苦しみを抱え続ける
ことなく素直に告白できたはずだ。それが残念な結果に終わろうとも、一区切りはついて夜中一人で布団
に潜ってのた打ち回るような無様なことにはならなかっただろう。
 明らかに筋違いだと分かりつつ、リンディを恨まなければやっていけない段階にまでクロノの抑圧され
た悩みは高まっていた。
意味を成さない呻き声は、いつまでも布団の中から聞こえ続けていた。



          終わり
130サイヒ:2008/06/30(月) 21:17:35 ID:fdBBHeVH
以上です。
こいつらの十ヵ月後が前回パンニー話。
劇的ビフォーアフター。


何を隠そうフェイトの自慰シーンを書くのはこれが四回目。
そして口移しで何かを食べさせたのは五回で、風呂場とか温泉でのエロは六回書いた。
絶望した!自分の引き出しの少なさに絶望した!

でもクロフェで温泉エロをあと一回は書く予定。
つうか最近変態かマゾなフェイトさんしか書いてないんで、普通にラブラブでエロエロなクロフェが書きたい。
131名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:20:26 ID:XMaWUjBV
>>130
GJ!

……このスレに来て初めて、クロノに心から同情したぜ。
つらかろう。
あの人が義妹だもんな……
132名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:28:23 ID:4bucgq/7
>>130
GJ
133名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:29:28 ID:Z2g9uwDY
パンニーGJ!!

ってか、さっさと本番やれよお前らwww
134名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:37:11 ID:YeRZH+0N
>>130
GJでございます!


>>133
お前は何もわかっちゃいない。
本番前の悶々とした気持ちを抱えながら忌避している自慰行為に図らずも耽ってしまう二人の葛藤が

   【省略されました】

というわけだ。理解したなら俺と一緒に保管庫にあるサイヒ師父の作品を朝まで音読マラソンだ!
135名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 22:44:46 ID:a2Mzd4re
>>130
GJであります!
クロフェ派でカリムスキーな俺にとってあんたは神だ。
これからも頑張って下さい。
特にカリムは少ないので。
136名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 22:54:14 ID:gkFiAx/1
>>130

GJです。禁断という言葉を甘美に感じさせてくれる楽しい作品でした。
137野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/06/30(月) 23:07:36 ID:XMaWUjBV
なんか今日、お昼ご飯食べてたら突然電波が来ましたよ。
というわけで、エリキャロものです。

「新婚初夜〜エリオとキャロ」
鬱?注意
レス数4
あぼんわーどはコテか鳥
138名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:08:13 ID:CPfKDQCH
>>130
GJです

さて、コンビニという単語をコンビニーと聞き間違えて本気でコンビでオナニーってどういうシチュなんだろうと考えた俺に一言
139野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/06/30(月) 23:08:22 ID:XMaWUjBV
     1

 エリオの結婚が決まった。
 相手は当然というか順当というか、キャロである。

「結婚前に済ませることは済ませておかないとな」

 そう言ってヴァイスがエリオを引っ張っていったのはいわゆる歓楽街、というか風俗街。

「ヴァ、ヴァ、ヴァイスさん、な、な、な、なにを!!」
「うるせー、エリオ、お前まさか、新婚初夜に童貞でございって顔で挑むつもりじゃあるまいな?」
「な、な、な……」
「ほほぉ、その反応、やっぱ童貞か。よし、今夜は色々レクチャーしてもらえるとこ連れてってやるからな」
「あ、ぁあああああ、あの、ヴァィスさん、僕にはキャロという立派な結婚相手が」
「だからキャロに失望されないようにだなぁ…」
「で、でも、それはちょっと」
「あ、あそこにするか、最近新興の超優良店、ミッドチルダの天国、ソープ・ナンバーズ」
「いや、あの、僕は」
「駄目か? じゃあ、ちょっとマニアックだがあっちのソープ・一期二期。ちとヤバイが、その筋の人にゃあ堪らないスジッ子揃いだ」
「だから、ヴァイスさん、人の話を…」
「じゃあその向こう、ソープ・ロッカー。その名の通り某局の第六課のそっくりさんばっかり集めたと評判の店だ。
もっとも、リサーチが出鱈目でどの辺りがそっくりさんなのかはかなり疑問だがな。
教導官もどきは17歳と言い張るし、執務官もどきは兄や〜とか言ってるし、部隊長もどきはごきげんようとかほざいてる」
「そんなこと僕に説明されても…」
「よし、じゃあ人気店って事でナンバーズ行くかっ!」
「あの、僕の意志は!?」
「ないっ!」
「ちょ、ちょっとぉ!!!」
140野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/06/30(月) 23:09:13 ID:XMaWUjBV
    2

 ベッドサイドに腰掛けて、エリオはキャロを待っていた。
 確かに、経験を積むというのは心強い。もし今夜が初めてだったらどうしていいものやらで混乱して、
キャロをリードどころか醜態を晒していたに違いないのだ。
 キャロがシャワーを浴びている水音を耳にしながら、エリオは心密かにヴァイスに感謝していた。
 あれから何度もヴァイスには遊びに連れていってもらった。あげくに最後には自分から通い詰めたのだ。
おかげでキャロをリードする自信もある。
 少し貯金が乏しくなったけれど、それだけの価値は充分にあったはずだとエリオは納得していた。
 水音が止まる。
 エリオは思わずバスルームのドアに目を向けていた。
 
「…エリオ君?」
「キャロ、こっちだよ」
「そんなにじっと見ないで、恥ずかしいよ」

 あの日、悪びれもせず男風呂に飛び込んできたのは誰だっただろう。
 まったく、あのとき驚いたのはこっちのほうだって言うのに。
 そう言いたいのを堪えて、けれど視線はそらずにエリオは意地悪く微笑む。

「だーめ。だって、キャロはもう僕のお嫁さんだもの」
「エリオ君……」 
「さ、こっちにおいでよ。キャロ」

 正直、エリオの期待は限界寸前にまで膨らんでいた。
 今夜、大好きなキャロと一緒になるということ。未だに夢のような気がする。しかし、現実なのだ。
 結婚式からこの瞬間まで、いつ夢が覚めるのかと不安に駆られもした。だけど、現実なのだ、これは。
 夢じゃない。そこにキャロがいる。
 手を伸ばせば、ほら、キャロの手に触れる。
 この手に触れる、いい匂いのする肌がある。
 キャロはエリオの手に逆らわず、そのままベッドサイドに座る。
 身体に巻いたバスタオルもそのままに、エリオはキャロの肩を抱いた。

「よろしく。僕のお嫁さん、キャロ」
「うん。私もよろしく。私の旦那様」

 照れ隠しも手伝って、エリオは少し強引にキャロを押し倒した。唇を合わせるキス。
 キスは初めてではない。恋人自体から何度もキスはしている。だけど、このキスは初めて。
 恋人としてではなく、夫婦としてのキス。これから何度も交わす、そして何度も震えるキス。

「エリオ……お願い、このままじゃ恥ずかしいよぉ。ちゃんとしようよ…」
「うん。わかったよ、キャロ」

 エリオは一旦、キャロの身体から離れた。
 キャロはそのまま、ベッドの上で体勢を整える。
 
「あの……準備できたよ、エリオ君」
141野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/06/30(月) 23:10:45 ID:XMaWUjBV

       3

「いいよ」

 エリオの頭の中が真っ白になった。
 え?
 キャロ?
 これって、一体?
 あの……どういうこと?
 何してるの?
 ねぇ、キャロ。

 エリオの前には、一糸まとわぬ裸体のキャロがベッドの上に。
 
 四つんばいになってお尻をエリオに向けている。

「どうしたの? エリオ君」

 不思議そうに振り返るキャロ。

「どうしたって……それ……」

 なんでいきなりバックなんだよ。後背位なんだよ。 
 慣れてるのか。こっちに慣れてるのか。そうなのか。慣れてるのかキャロ。
 いや、いいけどさ。こっちだって童貞じゃないし。というかこの日のために練習してたけど。
 でも、そっちは練習結果じゃないよね。どう見ても初心者じゃないよね。慣れてるよね。百戦錬磨だよね。
 ああ、そうだよね。別に結婚まで処女でいろなんて言うつもりはなかったけどさ。
 でもさ、これってさ、ちょっとさ。なんか、夢も希望もと言うか、経験値の差というか。
 あああああああ、こんなことならあのとき素直にルーテシア食ってれば……。
 フェイトさんの誘いに乗っていれば……ティアナさんの誘いに乗っていれば……シグナムさんの誘いに乗っていれば……
 シャマル先生の誘いに乗っていれば……なのはさんの誘いに乗っていれば……部隊長の誘いに乗っていれば……
 ユーノさんの誘……いや、アレは忘れよう。
 ウェンディさんの誘いに乗っていれば、チンクさんの誘いに乗っていれば………あああああああ
 なんでいきなりバックなんだよ。後背位なんだよ。

「なんで?」

 いや、キャロ、キャロ先輩。貴方が不思議がる理由がわからないですよ?

「……だって、みんなこうしてるよ?」

 乱交ですかそうですか。みんなですか。
 みんなの中には僕は入っていませんね、わかります。
142野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/06/30(月) 23:11:35 ID:XMaWUjBV
      4

「人間は違うの?」

 そうだよ、人間は……

「人間!?」
「うん。動物はみんなこんな風にしてるから」    
「動物って、キャロ、動物の交尾の真似してるの?」
「……だって、どうすればいいのかわからないから……こうなのかなって……」

 泣きそうな顔で語尾が消える。
 そんなキャロをエリオは抱き締めた。ベッドに飛び上がって思い切り抱き締めた。

 馬鹿だ。僕は大馬鹿だ。キャロを疑って、勝手に落ち込んで。なんて僕は大馬鹿なんだ。
 こんなに純粋なのに、こんなに可愛いのに、こんなに大好きなのに!
 御免よ、キャロ。僕が馬鹿だった。




 翌朝。キャロはエリオより早く起きると朝食の支度を始めた。
 支度とは言ってもホテルのルームサービスを頼むだけなのだけれど、結婚して初めての朝食だと思うと緊張する。

 無事手配を終えると、シャワーを浴びるためにそっとバスルームに入る。
 温かいお湯を浴びながら、キャロは昨夜のエリオを思い出していた。

 エリオ君、嬉しそうだったなぁ。ヤッパリ男の人って、処女が好きなんだ。
 ヴァイスさんに言われたとおりになんにも知らないフリして良かったぁ。
 ありがとう、ヴァイスさん。お礼に、また遊ぼうね。
 あ、そうだ、早くエリオ君にもバックのやり方を教えなきゃ。
143野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/06/30(月) 23:12:28 ID:XMaWUjBV

以上、お粗末さまでした。

因みに僕はソープ・ロッカーでは執務官もどきを指名したいです。
嘘です。ソープ一期二期で関西弁を指名します。

ソープナンバーズ、勝手に使ってごめんなさい。
144名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:13:04 ID:P9xw8nuL
>>143
リアルタイムでGJ
ヴァイス自重しろwwwww
145名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:14:51 ID:CPfKDQCH
>>143
GJ割り込みすいません
っていうかヴァイスwwwww
146名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:15:15 ID:Z0+SIlsb
>>143
ヴァァァアイス!?
あぁ、素直にGJって言いたいが何だ、エリオが少し不憫だなぁいやどっちもどっちなのか?
とにかくGJ

>ソープ一期二期で関西弁
やぁ、穴兄弟
147名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:21:58 ID:53XKetRO
>>143
GJ
……なんで声をリサーチしてるんだろ
148名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:22:34 ID:wjzPHTy+
エリキャロはええなぁ〜
こう、なんというか初々しくて……

あとヴァイス、
お前ちょっとこっち来い。
どんな遊びだったのか、お前の妹と執務官補佐同行のもとkwsk聴かせてもらう。
その結果、『発症』するかもしれんが、まあそれは自業自得と言う奴だ。
149名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:22:44 ID:6Dvi7NKY
>>143

悔しいっ…… キャロ萌えなのに、動物の交尾の真似をして尻を出すキャロというシチュを思いつけなかった自分がっ……!
150名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:24:47 ID:KHguND2S
>>143
オチわろたwww
GJです
151名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:29:09 ID:j0wnuPYA
GJ
だがアレだな。日付変わってから投稿した方がよかったんじゃないか。
152名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:30:37 ID:kaRGzxuz
てっきりキャロがローソクと鞭を用意してんのとばかり…GJ
153名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:37:30 ID:P9xw8nuL
>どの辺りがそっくりさんなのかはかなり疑問
まぁ声では納得せんわなぁw
154名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 00:22:46 ID:U2BMwpoI
>>143GJ
うわぁ、地味にヴァイスが最低だ。うらやましい。
オチに笑いました。

あと
こ の ロ リ コ ン め !
155名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 01:33:51 ID:xR9ymNQG
>>114
遅レスだが、興奮した俺は間違いなく変態
156名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 01:53:15 ID:fsbvZU0j
>>143
GJ!
俺はむしろソープ・ロッカーに行ってみたいw
157名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 11:28:34 ID:F6+ixPo8
>>131
まあ「義」妹は結婚するにあたってたいした障害はないんだけどな
リンディの許可さえ得られればOK
ただ当人たちの性格がそういうの思いっきり気にしそうだからなーw

個人的にはフェイトがクロノに初恋して、クロノもまんざらでもないんだけど、
だけど最終的にはやっぱり長年一緒にいたエイミィの方を選んでしまって、
そんな大好きなお義兄ちゃんと姉のようなエイミィを、少し泣きながらも心から祝福するフェイト
みたいな美しくもちょっぴりほろ苦い初恋話が読んでみたいとです
意外にこういう話見かけないんだよな
158名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 11:32:18 ID:iBD9mQgS
ソープ・ロッカーw
シグナムが変な丁寧語喋りながらファントムフェニックス、シャマルが「ぶちまけろ」、ヴィータが「目から○○○!」か。
ティアナが「嘘だ!」、キャロが不味い健康ドリンク作るのか。
159名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 11:43:47 ID:3B79heJR
かなり間が空いてしまいましたが、「熱き彗星」投下よろしいでしょうか?
160( ゚Д゚):2008/07/01(火) 11:51:33 ID:3B79heJR
上げるわ、コテ忘れるわ……すみません。ちょっと出直してきます。今日中には戻ってきます。
161名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 12:48:01 ID:/xmklSsG
うぜえ
162名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 13:03:06 ID:U2BMwpoI
そんなこと気にせずに投下すればいいのに
163名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 14:20:44 ID:k0MOr9tJ
ミッド裏通販、新商品
★リィンのハチミツ漬け★
Dr.Sの特殊処理により
愛液が止まらなくなっておりますw
楽しみ方はあなたの発想次第!

今晩投下期待してんよ
164名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 14:34:25 ID:sqQm9jKb
GJ!
でも純粋なエリキャロ好きとしてはもうちょっと注意書きが欲しかった…
165名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 14:48:54 ID:tj+xvHQC
>>157
クロフェ派の某サイトが同人誌で出してたぞ。
HPでは途中までしか公開してないが。
166( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:10:59 ID:3B79heJR
投下行きまーす。

注意事項
・もう捏造がモンの凄い事になっています。
・アリサTUEEE要注意。
・準オリキャラ要注意
・レジアス中将はモブか悪役だと思っている方は読まない方が懸命です。
・管理局(本局)ヘイト分がやや含まれます。
・あぼーんキーワードは「熱き彗星の魔導師たち」
167熱き彗星の魔導師たち 21-01/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:11:30 ID:3B79heJR
「入るよー」
 機動6課隊舎・フォワード小隊オフィスルーム。
「わっ」
 無限書庫司書長、アリシア・テスタロッサが室内に入ると、室内だというのに、2つの
光の魔法陣が展開され、駆動していた。
 色は何れも、優しげな緑。だが一方は真円をベースとしたミッドチルダ式で、一方は正
三角形にその頂点に円が描かれるベルカ式のものだった。
「隠蔽の方法、痕跡……転移座標追跡」
 軽く目を閉じたシャマルが、呟く様に言う。
「途切れ途切れだ……でも……うん、捕まえ、た」
 椅子に座って、同様に目を閉じ、しかしいくらか険しい表情をしていたユーノは、そう
言って、斜め前に向かって広げていた手を、ぎゅっと掴む仕種をする。
「本当ですか?」
 シャマルが、魔術式を駆動させたまま、目を開けて、軽く驚いたように問いかける。
「なになに? 何を捕まえたの?」
 好奇心旺盛そうな声が、2人の中に割って入る。
「アリシア」
「アリシアちゃん」
 よっぽど集中していたのか、2人はその時になったようやく、アリシアに気がつき、視
線をそちらに向けた。
「ちゃーす」
 そう、アリシアはおどけた様子で改めて挨拶をしてから、
「で、何を捕まえたの?」
 と、2人に問いかけた。
「“ナンバーズ”の、転送の形跡だよ」
「えっ」
 口元で微笑みながら答えるユーノに、しかし、アリシアは急に表情を険しくした。
「“ナンバーズ”……つまり、スカリエッティの居所を探ってるって事!?」
「そう言う事になりますが……アリシアちゃん?」
 肯定したシャマルだったが、アリシアの態度が険しいことに、心配げに声をかけた。

熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
 PHASE-21:Beginning of the end

「おーいヴィヴィオ、こっちこっちー」
「わー、ローウェル待てー!」
 ひゅるるっ、と飛来したローウェルが、振り返って声を上げる。それを、パタパタとヴ
ィヴィオが追いかけてくる。
 機動6課隊舎、裏手の森の入り口。
「ほんで?」
 その光景を見ながら、アリサはどこか不機嫌そうに声を出した。
「あの子をここに連れてきた、と」
「うん……あの子、私から離れたがらなくなっちゃって」
 なのはは、少しだけ眉を下げた笑顔で、そう答えた。
「クロノ君も、事情を話したら良いって言ってくれたし、フェイトちゃん、後見人になっ
てくれるそうだから」
「ふっ、ついにCheck mateね、クロノ・ハラオウン」
 なのはの言葉に、アリサはニヤリ、と、意地悪そうに笑った。
168熱き彗星の魔導師たち 21-02/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:11:55 ID:3B79heJR
「うー」
 なのはは、抗議するように唸り、顔を紅くした。
「でも、意外だな」
 なのははアリサを見て、そう苦笑した。
「何がよ」
 アリサは、口元を尖らせて訊き返す。
「アリサちゃん反対するんじゃないかなって思ったんだけど」
「まぁ、あんまし外聞は良さそうじゃないけど」
 アリサはそう言って、軽くため息をついてから、ヴィヴィオに視線を戻す。
「ウェンディの話じゃ、どうもスカリエッティ側がこの子と、アンタの引き合わせをした
みたいなのよね」
「うん」
 アリサの言葉に、なのはは頷いて同意してから、
「だからこそ、私とヴィヴィオを、離して置いた方がいい──そう言われるかと思ってた」
 と、言った。
 それに対し、アリサは表情を険しくして、答える。
「それが正しいかもしれない。でもそうなったらスカリエッティは次に何をしてくるか?
そこまで考えたら……ガジェットならともかく、XI系(量産型戦闘機人)が相手だとしたら」
「あ……そうか」
 なのはは、口元に手をあてて、視線を俯かせた。
「だったら、下手な場所に置いとくより、ここのが安全じゃない? まぁ、ユーレイみた
いなヤツがいるって話だけど、ここにはそうそう、ちょっかいかけられないでしょ」
「うん……そうだね」
 アリサの言葉に、なのはは軽く俯いて、答えた。
 ────それに。
 アリサは、口には出さずに、付け加えた。
 本局に隔離しておくという手段もないではない。だが、レジアスの言う本局内の妨害勢
力、それにウェンディたちから聞いた管理局内の親スカリエッティ勢力の存在などを考え
れば、それはかえって危険だ、と。
 それが、ユーノと一晩話し合った結果、行き着いた答えだった。
 ヴィヴィオは、ローウェルと戯れている。ローウェルも意外に子供慣れしていて、付か
ず離れず飛び回ったり、逆にじゃれつかさせたりしている。
 ただ、ヴィヴィオはその間も、手に持っているオフロードカーのミニカーを、離そうと
しない。
「なのはママー」
 ヴィヴィオの声に、なのはは蔭を振り払って、顔を上げた。
「ヴィヴィオー」
 なのはが手を振る。すると、ヴィヴィオはなのはに向かって、駆け出そうとした。
「危ない!」
 ローウェルが、声を出すが早いか、ヴィヴィオは、脚をもつれさせて転んだ。
「あ……うぁ……っ」
 ヴィヴィオの顔は、途端に、ぐしゃぐしゃに崩れる。
「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 ヴィヴィオは涙を流しながら、転んだまま泣き声を上げ始める。
「ヴィヴィオ!」
 なのはは、しかし、反射的に飛び出そうとはせず、険しい顔をヴィヴィオに向ける。
「泣いててもだめだよ、自分で起き上がって」
 ヴィヴィオは、一瞬泣き止み、なのはを見た。
169熱き彗星の魔導師たち 21-03/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:12:20 ID:3B79heJR
 しかし、
「うぇえぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!」
 再び、その場で泣き声を上げ始める。
「ちょっ、未就学児に何言ってんのよ」
 アリサは、言わんこっちゃないとでもいうように言いつつ、ヴィヴィオに向かって、走
り出す。
 駆け寄り、ヴィヴィオを起こした。ヴィヴィオは素直に、自分の足で立つ。
「よし、いい子だ」
 言って、アリサはヴィヴィオの顔を覗き込み、笑顔を見せて、頭を撫でる。
「ほら、痛いの痛いの、とんでけ〜、ってね」
 ヴィヴィオの紅くなった膝に手を当てて、おどけた様に言った。
「まだ、この歳ぐらいだと、母親って絶対的な庇護者なんだから。本当に引き取るんなら、
そのつもりでいないと」
 ぼやくように言いながら、ヴィヴィオの服に付いた土を、軽くはたいて落としてやる。
「意外と過保護だね、アリサちゃん」
 なのはは背後に近寄りながら、苦笑してそう言った。
「そうよ、あたしは過保護なの」
 アリサは、なのはを振り返らず、そう答えた。
「もう大丈夫よね? ヴィヴィオ」
「うん」
 もう一度、ヴィヴィオの頭を軽く撫でてから、アリサは、すっと立ち上がった。
「こらこら、なんて顔してんのよ」
 アリサが振り返ると、なのはは、どこか沈んだような表情をしていた。
「え? あ、うん、私、そんな変な顔してた?」
「ま、母親が娘の前でする顔じゃなかったわね」
 なのはの問いかけに、アリサはふ、と軽くため息をついて、そう言った。
「なのはママ?」
 ヴィヴィオが、くいくいと、なのはのスカートを下から引っ張っていた。
「ん、ごめんね、ヴィヴィオ。今度はママと、遊ぼっか」
「うん!」
 ヴィヴィオは、満面の笑顔になって、なのはにそう答えた。
 アリサは苦笑気味に笑って、それを見ていたが、ふと、それに注視する。
「ねぇ、なのは」
「? なに、アリサちゃん」
 アリサがニュートラルな口調で声をかけると、なのははヴィヴィオとじゃれあったまま、
訊き返す。
「あたし、こっちにはそれほど長く滞在したことないんだけど、ここで、そんな形の車、
発売されてたっけ?」
「え?」
 なのはは、訊き返してから、車、という単語に、ヴィヴィオが片時も手放そうとしない、
ミニカーに視線を向けた。
「ああ、うん、私もこんな型は見たことないよ。って言うか、地球の旧い車に似てるよね」
 なのはは苦笑しながら、そう答える。
「地球の……旧い車……」
 ふと、キーワードがひっかかったのか、アリサは呟くように、言葉を反芻した。
170熱き彗星の魔導師たち 21-04/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:12:45 ID:3B79heJR

『お姉様ぁ〜ん』
 ────スカリエッティのアジト、ウーノの執務室。
 事務机の上に展開されていた非実体コンソールの脇に、小さな、やはり同じく非実体の
サブディスプレイが出現すると、セミロングの髪を2つに結った、眼鏡をかけた若い女性
が姿を現し、そう告げた。
『準備、完了しましたわ〜』
「そう、クアットロ、ご苦労様」
 ナンバーズの一員、No.4クアットロの報告に、ウーノはそう言って、微かに笑う。
『全て予定通りと言うわけだな』
 その後に、スカリエッティの言葉が紡がれた。
『せいぜい盛大なパフォーマンスにしてくれたまえよ』
 妙に楽しそうな口調のスカリエッティ。
『はぁい。しかし明日のそれは、あくまでデモンストレーションなのではありませんでし
たかしら?』
 それに対し、クアットロは、視線を上に向けて考え込むようなポーズをとり、訊き返し
た。
『確かに。しかし彼らの目をクラナガンに貼り付けておくのも目的だからね』
 スカリエッティは、クク、と笑い声を交えながら、そう答える。
『特に……そう、レジアスと、奴の配下にいる“緑の盾”の目を、一時欺かねばならん』
 スカリエッティの声を聞いて、ふ、とクアットロは、表情を怪訝そうにする。
『F計画のお嬢様は、いいのかしら?』
『ククク……』
 クアットロの問いに、スカリエッティは可笑しそうに、くぐもった笑い声を出す。
『彼女にここへは辿り着けんさ。そう言う仕組みになっているのだからね! もっとも、
たどり着いたとしても……それは私の本望と言うものだよ! F計画の娘をこの目に見ら
れるのだからね!』
 スカリエッティは芝居がかった口調でそう言うと、哄笑を上げた。
 F計画──プロジェクト“F.A.T.E.”の事を、スカリエッティらはこう呼んでいた。そ
の娘、つまり────
171熱き彗星の魔導師たち 21-05/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:13:11 ID:3B79heJR

「主義じゃないんだけどなぁ」
 『チンク・エント・チンク』のステアリングを握り、クラナガン首都高速を走らせなが
ら、アリサはそうぼやいた。
「しょうがないよ。地上本部では、テロ対策でAAランク以上はデバイスを持ち込めないか
ら」
 助手席のユーノが、諌める様に言う。
 公開意見交換会。アリサは会場内警備を指示され、アグスタの時同様、小隊メンバーか
ら離される羽目になった。
 さすがに、ドレスを着る必要はなく、制服姿だったが。
 さらにシグナムも、はやての“お傍付き”と言う形で、会場内に入る。本来補佐役はグ
リフィスであるが、彼は護衛官としての能力は皆無よりはマシという程度である。シグナ
ムなら最悪徒手空拳でも無力と言うことはない。
 付け加えるなら、グリフィスはここ数日、地上本部のデータストレージセンターにカン
ヅメにされていた。オットーが一緒にいることがせめてもの救い、といったところか。
「それじゃあ、外の警備、よろしくね」
「うん、それは任せといて。レンもいるしね」
 アリサが苦笑気味の笑顔で言うと、ユーノもまた、同じように苦笑しながら、答えた。
 車は首都高速の環状線のインターチェンジを下りる。一般道からは交差点ひとつで、地
上本部のロータリーに入る。そこから、地下駐車場へと進む。
 続いて、管理局制式の73式多用途車が入る。クロスオーバータイプのオフロード車で、
幌型の1台をはやてが公用に乗り回していたが、今回のはロングボディの8人乗りワゴンで
ある。
「総員、降車ァ」
 助手席から出てきたレンが言うと、小隊メンバーの4人が、後部座席から降りてくる。
「整列」
 再びレンが言い、小隊ごとの縦列で、アリサの前に正方形に並んだ。
「確認。第1、第2小隊とも配置は地上本部本棟正面玄関前。あたしとシグナムは建物内に
入るので、それぞれ副隊長の指示で動くこと。基本的に動くのはロストロギア関連か、戦
闘機人が現れた時のみ、それ以外は陸士隊の要請がない限りは待機。個人行動は生理的欲
求の処理を除いて厳に戒めること。以上!」
「了解」
 階級が一番高いウェンディが、復唱の声を出す。
 全員直立不動の体勢だが、スバルだけは、アリサから視線を逸らしていた。
「行動開始!」
「了解!」
 アリサが言うと、ユーノ、レンを含めた6人全員が、小走りで目的の場所へ向かった。
『あーあ、なんか、今日は退屈そう』
 6人が去った後、アリサの胸元で、そんな気だるそうな声が聞こえてきた。
『早く事件でも起こらないかしらねー』
 その声は、アリサの自身そのものだったが、当のアリサは、周囲をキョロキョロと確認
すると、首から2つ下げているペンダントのうちの一方を鎖を握って持ち上げた。
「黙りなさい! 縁起でもないこと言うんじゃないわよ」
 涙滴型の、オレンジ色の宝石のようなペンダントに向かって、そう言って睨みつける。
『だって、退屈そうなんだもん』
 ペンダント──デバイス『ホーンテッドクリムゾン』こと、アリサ・ローウェルは、拗
ねたような口調でそう言った。
172熱き彗星の魔導師たち 21-06/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:13:36 ID:3B79heJR
「それがいいのよ、今日は。何事もなく終わってくれれば」
 アリサは、ペンダントの鎖を離し、不機嫌そうな表情のまま、ため息混じりに言う。
『こんなことなら、ヴィヴィオと遊んでればよかったなー』
「ほーぉ、デバイスが主人放って子供と戯れたいですと」
 アリサのこめかみに、青筋が浮かんだ。
『It’s an unbecoming utterance as a device』
『ぐ、レイジングハートまで……』
 それまで沈黙を保っていたレイジングハートだったが、さすがに呆れたのか、デバイス
にあるまじき発言です、とたしなめた。
 アリサは盛大にため息をついてから、エレベーターホールへと向かった。
173熱き彗星の魔導師たち 21-07/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:14:07 ID:3B79heJR

 厳かに始まったかに見えた公開意見交換会だが、トップバッターである陸士総隊・地上
本部代表であるレジアスがその口火を切ると、報道が入っているにもかかわらず、激しい
口調で、現在の窮状と予算増額、増員を求め始めた。
「各管理世界の治安、わけても管理局の根幹を支えるここミッドチルダにおいてその重要
性は、管理局全体の正常かつ円滑な運営に対し重大な影響を及ぼす物であり、その維持に
おいて資金及び人的資源の投入はどれだけの規模を持ってしても多すぎるということはな
い! 然るに、現状の管理局は、地域紛争、次元犯罪、大規模破壊活動といったきわめて
闊大なる事件、事象にへの対抗に偏重し、なおかつ実力行使部隊である次元巡航警備部に
その予算と人的資源の多くを投入し、我々陸士総隊は常にこれらの不足に喘いでいる。加
えて、先頃提案した人的資源の質的補完策であるプロジェクト・アインヘリアルは本局側
の強烈な反対に逢い事実上頓挫する形となった! この為、現在“次善策”にて応急的に
能力の維持を図っているが、限界がある! 小官は先述した事件、事象の解決への努力を
否定する物ではないが、しかし! ミッドチルダを始めとした各管理世界においての治安
維持活動は、末端から連鎖的に大規模な犯罪が発生することを抑止すると同時に、居住都
市圏の安全を確保することにより、これらを未然に防ぐ意味でも重要な意味を持つと考え
る。そして、以上の理由から、我々が今回提示する予算増額案と増員案が受け入れられな
ければ、小官は今後の時空管理局の円滑な運営を支えることは保障できないと言わざるを
得ないのである」
 きわめて攻撃的なレジアスの演説が終わった後、今度は具体的なデータの提示が開始さ
れる。レジアスの脇に座るオーリスがコンソールを操作し、メインスクリーンにグラフが
表示された。
「はぁ、レジアス中将も相変わらずやな」
 会議室内でオブザーバー席に座っていたはやては、行儀悪く両腕で肘をつき、苦笑混じ
りにそう言った。
「まぁ、あの御方が考えられるのはこの程度が限度でしょう」
「せやな」
 傍らに控えるシグナムが、静かに言うと、はやいてはにたっと苦笑して、そう言った。
174名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 15:14:09 ID:k0MOr9tJ
私怨だ!
175熱き彗星の魔導師たち 21-08/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:14:35 ID:3B79heJR

 同時刻──地上本部、最上階から1階下。機械室。
 ゴウンゴウンと、大口径のファンが低速で回っているのが見える。
 その室内の床から、すう、と、青いボディスーツ姿の人影が、浮き上がるようにして現
れた。
 その身体と同じだけの大きさのありそうな、ボンベを抱えている。
「へへっ、襲撃の想定はしてても、さすがにいきなり中心部に入られるとは思ってなかっ
たみたいだね」
 ナンバーズNo.6──セインは、鼻の下を指で擦りながら、おどけたようにそう言った。
「さて、それじゃぁ……」
 ボンベのホースを、ファンの吸気に向けると、ボンベのバルブを一気に緩めた。気化熱
で霧を纏いながら、放出されたガスが、空調の送風路に送り込まれていく。
「みんな、おやすみなさーい」
 治安維持組織であれば、BC兵器に対する備えもなされていて当然だが、これほど大きな
建物となると、完全な対策は困難である。外気と屋内の接触を遮断する設備はついていた
が、循環系を浄化するシステムは装備していない、と言うよりそもそもコストと規模の面
で不可能に近かった。
 クラナガンは初夏であり、全館空調は基本的に冷房である。冷気は対流現象によって下
方へ向かうので、集中冷房の場合、その送風は建物の最下層に集中することが多い。
 データストレージユニットが並べられたその部屋は、この建物の地下に存在していた。
「!?」
 オットーは、グリフィスと共に、非実体コンソールの前で作業をしていたが、突然、何
かに気付いたように、天井を見上げる。
「……どうしました?」
 目の下にクマを作り、やつれかけたグリフィスは、しかし、オットーの表情に緊張が走
ると、自分も表情を引き締め、訊き返す。
「ガスだ!」
「えっ!?」
 グリフィスが訊き返すが早いか、オットーはポケットに持っていたハンカチで、グリフ
ィスの口を塞ぐ。
「気休め程度だけど、こけで口押さえてて」
 グリフィスにそう言いつつ、オットーは口腔に軽く貯めるように吸い込む。
「致死性を狙ったガスじゃない……良かった」
 オットーはまず傍らにいるグリフィスの事を考え、そう言って胸を撫で下ろしてしまう。
「って、そうじゃないっ!!」
 キッ、と表情を引き締めなおす。
「モンスーン、起動、システムチェック」
『System Check No Problem, Boot up』
 オットーの、左手の中指に嵌められたプラチナ色のリングが、ストレージデバイスのシ
ステムボイスを返す。
『Barrier Jacket Deployment』
 青いぴったりとしたシャツの上に、白いショートジャケット、ジーンズ風の長ズボンの、
バリアジャケットが展開される。
『Round Guarder, Extend』
「オットー!?」
 デバイス『モンスーン』の声と共に、グリフィスを中心として、ドーム型の光学防壁が
出現した。
176熱き彗星の魔導師たち 21-09/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:16:07 ID:/5Nlr/De
「悪いけど、グリフィスはそこから動かないで。ガスの効果も遮断されるし、攻撃もよほ
どの物以外は防ぐから」
「えっ、オットーは?」
 グリフィスが訊き返すと、オットーは、
「上の様子を……」
 見てくる、と言いかけたとき、ズン、と、短く重い振動が、天井の更に上から響いてき
た。
「行ってくる」
「無理しないで!」
「解ってるよ」
 グリフィスの声に、オットーは、一度立ち止まって振り返り、答えてから、データスト
レージセンターを出た。
「今のは爆発物……」
 エレベーターは停止していた。階段を超人的な速度で駆け上がる。
「もっと、上層か、まさか!?」
 オットーの“悪い推測”は、的中してしまっていた。
 ガスの種類は、非致死性の催眠ガス。もちろん化学物質である以上、厳密に致死率はゼ
ロでは無いが、健常者であれば、問題はない。
 それが確認されるや否や、公開意見交換会が開かれていた大ホールでは、ガスを排出す
る為、防火シャッターを下ろし、排煙装置を作動させた。
 参加者達はとりあえずはわが身の安全に、一瞬緊張が緩んだ。
 その瞬間。
 ズドォンッ
 ホールの壁が、外部から爆発物によって吹き飛ばされたのである。
 即死者こそいなかったが、飛び散った壁の破片で、負傷者が出た。直ちに搬送しなけれ
ばならない者もいた。
「なっ、なんて事だ、こんな、派手な……っ」
 レジアスは一瞬、愕然として、破口をを見つめていたが、それもすぐに我に返る。
「陸士隊! 動ける物は要救助者の救助を行え!」
 手を上げ、命令する。
「だが、このままでは、重傷者の搬出もできん……っ」
 ギリ、と奥歯を鳴らす。
『Divine Clasher』
 ズドンッ
 下ろされていた防火シャッターのひとつを、オレンジ色の閃光が吹き飛ばした。
「みんな、だいじょう……ぶじゃないわね、これは」
 駆け込んできたバリアジャケット姿のアリサは、一瞬、室内の惨状に身を引きかけた。
「バニングス!」
「あっ、シグナム!」
 シグナムが声を上げると、アリサもその位置を確認した。
「これっ!」
 シグナムに向かって、アリサは手に握っていた、待機状態のレヴァンティンを投げた。
「かたじけない!」
 シグナムは言い、右手でレヴァンティンをキャッチした。
「レヴァンティン!」
『Ja, wohl』
 制服姿だったシグナムも、一瞬にして騎士甲冑を展開する。
177熱き彗星の魔導師たち 21-10/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:16:36 ID:/5Nlr/De
 その時、アリサは、飛行魔法を駆って、破口から飛び出していた。僅かに出たところで、
周囲を探る。
「ち、もういないか……」
 建物は、公開意見交換会が開始される直前まで、繰り返し厳重に点検されている。爆発
物をセットするとしたら、それが開始されて以降だろうと推測したが、あからさまにそう
思わせるモノは存在しなかった。
「でも、その方が好都合だわ」
 そこまでは、呟くように言ってから、
「シグナム、先に負傷者を運び出すわよ!」
 と、まだ室内の床に立っているシグナムに向かって、声を張り上げた。
「ああ、そうしよう」
 シグナムも同意の声を上げる。
 その時────────
178熱き彗星の魔導師たち 21-11/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:17:04 ID:/5Nlr/De

 オットーは、本来の持ち場である有事情報管理センターへと向かって、階段を駆け上が
る。昏睡し倒れている局員を上手く避けつつ、廊下を駆ける。
 センターの設置されている部屋の前にたどり着く。反射的に、まずは自動ドアの開閉ボ
タンを叩いた。
 だが、肝心のドアは、反応しない。
「ドアの動力が死んでる!?」
 口に出してしまいつつ、無理もないか、と判断すると、停電時用の取っ手に手をかけて、
力任せに開く。
 空気圧が抜けて動力が完全にニュートラルになるまで、若干時間を要する。その間、ド
アを人力で開閉するのはかなり重たいのだが、オットーはそれを勢い良くバンッ! と開
いた。
「くっ、遅かったか!」
 室内の局員は、ガスによって昏倒してしまっている。問題は、情報の収集・指令を行う
システムの機器が、鉈か斧のようなものでメチャクチャに破壊されている事だ。この場所
の機能は完全に喪失されてしまっている。
「ガスといい、こうも手際よく……これは、セインか!」
 ここへ来て、ついに、常にニュートラルに近いオットーの表情が、一気に歪んだ。
 しかし、事態は待ってくれはしない。
 ズドドドドドドッ
「なっ!?」
 地響きのような振動。
「今度は、地下!?」
 オットーが呟いたのとほぼ同時に、室内の照明が落ちた。
 この地上本部も、この種の建物の例外ではなく、外部から供給されるライフラインの出
入り口は、地下に集中坑を設けて通している。そこを破壊されたのだろう。
 非常照明用のバッテリーと発電機が備えてあるが、全館を賄う余裕はない。それにこれ
らも地下に設置されている。非生命体を透過する能力『ディープダイバー』を持つセイン
がいるとなると、それらも無事かどうか。
「もう、ここにいてもしょうがない、なら!」
 オットーは踵を返すと、開かれたままの扉から、再度外へ飛び出して行った。
179熱き彗星の魔導師たち 21-12/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:17:27 ID:/5Nlr/De

「な、何が起きているの?」
 アリサは、重力制御で瓦礫を撤去し、要救助者の救助と搬出に当たっていた。しかし、
再び轟いた爆発音に、顔をしかめる。
「今度は、地下で爆発が起こったようだ」
「なんですって!?」
 シグナムが推測を声に出すと、アリサは反射的に、声を上げる。
 しかし、この場を放り出すわけにも行かない。
『ユーノ、そっちはどうなってるの!?』
 地上にいるはずのユーノに向かって、アリサは念話を飛ばす。
『今、地下駐車場! ガジェットと、XI型が出てきてる』
「なっ!?」
 アリサは、思わず声に漏らしてしまった。
 シグナムが、そのアリサを注視する。
『だ、大丈夫なの!?』
『爆発の混乱で、混乱してる。でも、何とかなりそうだから……アリサは、そっちに専念
して!』
 アリサが訊き返すと、ユーノはそう答えてきた。
『解った、頼んだわよ……ユーノ』
 アリサは口惜しそうに歯がみつつ、ユーノにそう伝えた。
180熱き彗星の魔導師たち 21-13/12 ◆kd.2f.1cKc :2008/07/01(火) 15:18:30 ID:/5Nlr/De
>>167-173,>>175-179
今回は以上です。

 オットーの性格が違う…………
181名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 15:35:02 ID:Z3MD+Lo3
GJ
しかし、はやてやシグナムはレジアスを下に見てるなぁ
182名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 17:41:13 ID:MkqOz1JO
>>163
電話番号を教えて下しあ
注文出来ません><
183名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 18:51:49 ID:EuLzo4yY
>>180
GJ
撹乱戦は傍から見てて楽しいなぁ
184562:2008/07/01(火) 20:10:27 ID:6DSQVAUy
今夜は静かだな……だったら投下させていただきます。

注意事項
・一応は1期の再構成になります
・高町家がアニメより、原作に近い設定になってます
・非エロだけど、百合注意
・タイトルは『魔法少女リリカルふぇいと』
185魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:12:03 ID:6DSQVAUy
もうヤダ! こんなお手伝い、もう止める!
……と言いたい所ですが、すでに手遅れだよね。
きっと今頃、あの子は私を殺そうと……どうしよう?
もう、あんな手は使えないし、本気で殺る気できたら。勝ち目無いよ。

と、とにかく、暫くの間は大人しくしておこう。
ジュエルシードが発動しても……スルーする。
ノコノコ出て行って、あの子とバッタリ! なんてなったら、バッドエンドだし。

技に目処がつくまでは、学校と家の往復だけ。
健全な小学生らしい生活を送ろうと思います。

それでは、消極的な気分で、魔法少女リリカルふぇいと、始ります

第6話
理解できない気持


186魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:13:06 ID:6DSQVAUy
「って、ことで、わたしは、あの子に会いに行きたいと思います」

ここは、なのは達が借りているマンションの一室。そこで、なのはが今後の目的を宣言する。

「まず、会って、名前も知らないし、自己紹介して、それでデートに誘おうと思うの」
「うん。さすが、なのは。素敵なプランだ」

“話し合い”の結果、なのはとフェイトの仲を認めたアルフが同意する。
だが、彼女には、このプランの欠点を見つける。

「でもさ、どうやって会うの?」
「そう。そこが問題なの。どうやったら会えると思う?」
「う〜ん……今までジュエルシードを集めている最中に会ったから、ジュエルシードを集めてたら
 その内、会えるんじゃない?」
「う〜ん、消極的だなぁ……だって、それだと何時会えるか分かんないし」
『マスター、ワタシに名案があります』
「ん? なになに?」

アルフは、レイジングハートのいう名案に不安を感じる。

『餌で誘き寄せるのです。ジュエルシードを発動させましょう』
「おお! なるほど!」
「待て待て待て!」

やっぱり、碌なことを言わなかった。

『何か問題が?』
「問題が? じゃ無い! そんな事したら大事になるだろ!」
『望むところです』
「アタシは望んでない!」
「え? アルフは嫌なの?」
「あ、あのね……」

これはヤバイ雰囲気だ。なのはが、その気になっている。ここは上手く説得しなくてはならない。
187魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:14:10 ID:6DSQVAUy
「あ、あのね……プレシアが言ってたろ? あまり派手にやりすぎて人様に迷惑かけるなって」
「そ、それは……」

プレシアは、なのはを送り出す前、この娘の暴走で管理局に目を付けられたら面倒だと考え、
釘を刺しておいたのだ。

『まったく、あの方にも困ったものです。ワタシを作った当時のあの方は、もっと輝いておられた。
 それに比べ、今の落ちぶれよう』
「アンタは黙れ」
「レイジングハート、お母さんの悪口言っちゃダメ!」

さすがのレイジングハートも、なのはにまで怒られて黙り込む。

「まあ、レイジングハートは無視して、他の手を考えよう」
「うん」
『お、お待ちください!』

マスターに無視されるのは堪える。何とか他の名案をと考え、別の手を考える。

『そ、そうです。学校です』
「ガッコ?……何それ?」
『はい。ワタシが仕入れた、この世界の知識によると、この世界では、マスターくらいの子供は
 みんな学校というものに通ってます』
「そうなんだ?」
「うん。たしかに、なのはくらいの歳だと、この世界では学校に通うのが普通なんだ。
 だから、昼間は、あまり出歩かないでくれって言ったんだよ」

なのはが、昼間出歩いていたら、補導の対象だ。危険すぎる。
もちろん補導する相手がだ。

「へぇ……」
『そこでです。あの金髪の少女は、マスターと変わらない年齢のはず。ならば普段は学校に
 通っているでしょう』
「じゃあ、その学校に行けば!」
『ハイ。マスターの伴侶がいるはずです』
188名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:15:09 ID:tYq9DZOK
>>143
GJ!!
ヴァイスてめえええええ!!!
この後ティアナを寝取り返すエリオを幻視した
189魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:16:11 ID:6DSQVAUy


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


「うっ!……何? 今の悪寒は?」

フェイトは唐突な悪寒に震え、辺りを見渡す。
あの温泉から帰ってきてからというもの、度々だ。

「フェイト、帰るわよ……って、どうしたの?」
「いや、ちょっと寒気が」
「また? フェイトちゃん、温泉旅行から帰ってきてから、ずっとだよ?」
「そうね。風邪でもひいたのかしら?」
「風邪はひいてないから大丈夫」

多分、命を狙われてるからだよとも言えず、大丈夫だと誤魔化しながら教室を出る。

「ところで、今日は寄り道しない?」
「私は良いけど……」
「ゴメン……その……」
「何? 今日も訓練?」
「うん」

アリサとすずかには、魔法の事は教えていないが、御神流のことは伝えている。
すずかに関しては、姉が恭也と付き合っている関係で、フェイトより高いレベルの戦闘を見たことが
あるし、アリサも将来はフェイトを専属のボディガードに雇おうなどと、本気で考えてる始末だ。
その点では、フェイトの最近の行動に関しても、修行の一環だと思って、深くは考えていないので、
下手なウソを吐かずに済んで助かっている。

「あんまり、無茶すんじゃないわよ」
「そうだよ……」
「うん。ありがとう」

優しい友の言葉にフェイトの心は温かくなった。
……が、学校を出た瞬間、一瞬で氷点下になる。
190魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:18:00 ID:6DSQVAUy
「見つけた!」
「こ、この声……」

幻聴だ。そうに決まっていると自分に語りかけるが、視界に入ったものが、それを否定する。
何時もの白いバリアジャケットでは無い。トレーナーとミニスカート姿の何処にでもいる女の子の
格好をしているが、間違いなくアレだ。

「ようやく会えた♪」
「あ……」

そう言いながら真っ直ぐに近付いてくる。
どう考えても逃げられない。もし、逃げられたとしても、一緒にいるアリサとすずかは?
フェイトの代わりに攻撃される可能性がある。いや、そんなのは自惚れだ。彼女が、その気なら、
もう自分は死んでいる。生きているのは、何か理由があるのだろう。
もしかしたら、嬲り殺しにされるのかも知れない。
そして、目の前まで来ると、そっと花束を差し出し……

「結婚してください!」
「「「はい?」」」

ナンカイッタ……相変わらず理解できない少女だ。ちなみにアルフがいたら予定と違うとツッコム
ところだ。
そして、今日はアリサとすずかが一緒だった。2人とも呆然としてフェイトとなのはを見比べる。

「フェイト……知り合い?」
「結婚って?」
「いや、その……何て言うか」

本当に何だろう? もう理解の範疇を超えている生き物だ。その生態を説明しろと言われても困る。
それ以前に、何で殺気を感じないのに、例の悪寒は感じてるのか……

「これが原因か」

フェイトは、ゲンナリとして呟く。
191魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:19:07 ID:6DSQVAUy
「ねえ、ちょっと、アンタ何なの?」
「ん?」

パニックに陥っているフェイトを見かねたのか、アリサがなのはに突っ掛かる。
だが、それは危険だ。案の定、なのはの表情が変わる。

「誰?」
「それはこっちの台詞よ!」
「ああっ! ちょっと待ってアリサ!」

この2人はヤバイ。最悪の組み合わせだ。
歩く火薬庫と言える少女に、炎の少女バニングス。爆発するのは必然。
2人を引き離すためにも、怖かろうが、フェイトは彼女と2人だけで移動する必要がある。

「あ、あの……場所、変えようか?」
「うん♪」
「ちょっと、フェイト!」
「大丈夫だから……じゃあ、また明日ね」

フェイトは、翌日アリサとすずかに会うどころか、明日の朝日が拝める自信は無かった。
だが、それでも、笑顔で別れを告げる。

「フェイト……」
「フェイトちゃん……」

見知らぬ少女と並んで去って行くフェイトの背中を見送り、アリサとすずかは友の名を呟いた。
後に2人は語る。

あれは死に行く漢の背中だったと


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

192魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:20:10 ID:6DSQVAUy
ユーノは、フェイトの部屋でノンビリと転がっていた。
これで良いのかと疑問に思わないでも無いが、何しろやる事がない。
少し前までは、白い魔導師の監視とジュエルシードの捜索があったが、現在はそれすら中止状態だ。
下手に動くのは危険だと、ユーノも認識している。今はフェイトが強くなるのを黙って待つしか
なかった。

『ユーノ』

そして、おやつでも食べようかと思っていると、フェイトから念話での通信が入ってきた。

『フェイト? どうしたの?』
『今ね。あの子と一緒なの』
『あの子?』
『例の白い……』
『な、な、な、なんで!?』

青天の霹靂とはこのことだろう。
彼女と会うのを避けるために、移動は学校と家の往復だけにし、後はひたすら訓練に費やしてきた。
それも、全ては彼女に勝つため、生き延びるために。

『そ、それで、何て言ってきたの?』
『それが……プロポーズされた』
『は?』

何がどうなって、そうなるのか? ユーノは思考をフル回転させて回答を導こうとするが……

『ゴメン、僕、これからおやつの時間だから』
『待って! おやつどころじゃないよ! もう、いいから来て!』
『な、なんで!?』

何て理不尽な事を言うんだろう。あの子とは関わりたくないのに。

『今の態度にムカついた』
『ゴメン。謝るから』
『拒否すれば、家まで押しかけるから!』
193魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:21:42 ID:6DSQVAUy
この家は君の家だと言いたかったが、今の様子だと、すでに錯乱してるようだ。
気は進まないが、このままだと本気で家に連れてくるだろう。

『と、取りあえず向うから』
『よろしく』

それを最後に念話を終えると、ユーノは溜め息をついた。
行くのは怖いが行かなくてはならないだろう。

「その前に」

ユーノは用意されていた、おやつに口をつける。
これが最後の晩餐になるかもしれないのだ。ゆっくりと味わいながら食べる。
心の何処かで、やっぱり来ないで良いよと連絡が来ないかなと祈りながら……


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


「ねえ、さっきから誰と念話してるの?」
「え!?」

フェイトは、念話のことを聞かれ、どうするか少しだけ悩んだが……

「ほら、ユーノ……あのフェレットを呼んだんだ。会いたいよね?」
「うん♪」

あっさりとユーノを売った。もう形振り構っていられない。
そして、ファーストフードでドリンクを買って向き合う。
最初は、人気のない公園にでもと思ったが、周囲に人がいないと逆に怖かった。

「それで、え〜と……」
「自己紹介が、まだだったよね。わたし、なのは。なのは・テスタロッサ」
「その……高町フェイトです」
「うん。フェイトちゃんだね」
194魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:22:44 ID:6DSQVAUy
急にモジモジしだした。頬を染める仕草は女の子のものだ。

「フェイトちゃんか……す、素敵な名前だね」
「……あ、ありがとう」

だが、何だ? この甘ったるい雰囲気は?
フェイトの全身に嫌な汗が滲み出す。なぜ、同性と甘い空気を纏わなくてはいけないのだろう?
周囲から好奇の視線を感じる。
何とか、空気を変えようと思うが、そもそも何を話せば良いのか分からない。

「あの、フェイトちゃんは……ご趣味は?」

良いタイミングで、なのはの方から話題を変えてくれた。
ここは、無骨なイメージでドン引きを狙う。

「はい。武術の訓練です」
「そうなんだ。わたしも魔法の訓練なんだ。気が合うよね♪」
「そうだね……って、あれ?」

何か、気に入られた。しかも、お見合いっぽくなってる。
もう嫌だ。いっそ、ジュエルシードが発動してくれないかと本気で願った。

「あ、そうだ。わたしデートでやりたい事があったんだ」
「で、でえと?」

何時の間にデートになったのだろうと思うが、口には出せない。
そして、何をやりたいのかと考えながら、なのはを見ていると、先ほど買ったドリンクの紙コップの
蓋を開けると……

「えへへ♪」


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

195魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:23:47 ID:6DSQVAUy
ユーノは、フェイトの元に向っている途中で異変を感じた。

「ジュエルシード? クッ!」

かなり異様な力を発している。このままだと、大きな被害が出かねなかった。
ユーノは慌てて結界を張って、周囲に被害が出ないようにすると、ジュエルシードを探し出す。

「こっちだよ」
「え?……うわっ!」

ユーノが声に反応し、そちらを振り向くと、先日追っかけられた狼型の使い魔がいた。
逃げようと、後ずさりすると、狼形態から人型に変身して一点を指差す。

「襲いやしないさ。それよりアレ」

そこには、今にも発動しそうなジュエルシードが……

「な、なんか、禍々しい感じが?」
「アンタも、そう思う?」

目の前にあるジュエルシードは、何か何時もと違う。こう触れてはならない危険性が増した感じだ。

「アルフゥ!」
「なのは」
「フェイ……ト?」

どう手を出せば良いか悩んでいると、なのはとフェイトがやってきた。
仲良く(?)手を繋いで。
その姿を、すっかり2人の仲を応援する気になったアルフが褒め称える。

「うん! お似合いだよ! なのは!」
「えへへぇ〜♪」
「デートは楽しかったかい?」
「うん。えっとね、ファーストフードで、1つのドリンクを、2つのストローで飲んだよ」
「お! 恋人の定番じゃん」
196魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:25:29 ID:6DSQVAUy
たしかに、1つの容器に入った飲み物を2つのストローで飲むのはバカップルの定番だが、
それをファーストフード店でやったらしい。しかも、女の子同士で。
相当辛かったのだろう、フェイトの目が死んでいる。

「あの、フェイト……」
「………………………………」

ユーノが呼びかけるが、反応が無い。だが、異様な負のオーラを発している。
そう。それは目の前のジュエルシードと同調していた。

(こ、これが原因か)

どうやら、この異様な反応を示すジュエルシードは、フェイトの魔力に反応したようだ。

「それで、なのは……ジュエルシードなんだけど」
「うん。回収しようか」
『お、お待ちください。アレは何か変です!』

いくらレイジングハートでも、こんな怪しげな物体を体内に入れたくはなかった。

「う〜ん、たしかに様子が変だね」
『その通りです。ここは少し様子を見ましょう』

だが、レイジングハートは大事な事を失念している。自分の主が、なのは・テスタロッサである事を。
なのはは、ジュエルシードに近付くと、試すようにレイジングハートで叩いてみる。

「ていっ!」
『マ、マス……』

レイジングハートの悲鳴と共に、辺りを眩い光が包み込んだ。



続く

197魔法少女リリカルふぇいと:2008/07/01(火) 20:26:39 ID:6DSQVAUy
投下終了です
ついにレイジングハートに天罰(普通に人災です)が下された。

アリサとケンカしないので、今回は短く出来たけど、次は長くなりそうです。
なのはの里帰りから、戻ってからの戦闘、クロノ登場まで外せないイベントがある上に
壊れたフェイトを復活(?)させる学校での出来事とか書く事が多すぎる。
遅くなるかもしれませんが気長にお待ちください。
198名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:28:32 ID:98G9SPCe
>>197
リアルタイムGJ!相変わらず、なのはさんの思考回路はいい感じに捩じ切れてますなwww

そして、なのはと一緒に逝くフェイトの姿にはドナドナがよく似合うに違いない!ファイトだw
199名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:37:25 ID:AAdCYJns
>>197
なのはさんwwwww
フェイト受難過ぎてワロタ
レイハさんも気の毒に・・・
GJでした!
200名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:59:29 ID:4CBPCP7Z
>>143
キャロがバックでおねだりだと!?
カワユスなぁ……遅いながらもGJ!

>>196
このなのはさんはある意味過激だww
201名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:42:56 ID:U2BMwpoI
>>196GJ!
なのはさんフリーダムですね
ところでユーノ、素でパートナー見捨てようとするなよww
本当に「基本的にはよい子」なんですか?ww
202名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:46:49 ID:XPheIYn5
>>196
GJ!おもしろすぐるw

>>201
お互い様じゃね?フェイトもユーノ売ってるしwww
203名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:55:39 ID:x/WLB1nG
>>196GJ!
フェイトの受難はどこまで続くのか・・・・・
これはあれだな、早くユーノを人間形態にして受難に巻き込むしかフェイトの苦労を軽減するすべはないな!!

204名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:01:20 ID:sD6Bg/jC
>>196
正直、このなのはの相手がフェイトでよかったとはやて好きは思った

…是非A'sでも暴れるところまで書いて欲しいwww
205名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:07:52 ID:MUCNSan7
わたしの嫁に何するの?
と、シグナムに砲撃を入れるなのはを幻視した。
206名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:08:33 ID:zWMOz+1b
>>204
「この」フェイトだと、ヴォルケンとの初見で瞬殺されかねんw
207名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:23:32 ID:p96mfRMF
>>206
その後、ヴォルケンは「この」なのはに滅殺されそうだがw
控室でヴィータが涙目になっている姿を幻視した。
「死ぬ、私7話(砲撃される回)で絶対死ぬ!」
208名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:36:29 ID:zWMOz+1b
そして「闇の書」事件無事解決。


………あれ?
209名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:40:50 ID:Z3MD+Lo3
というか、悪魔呼ばわりされるのはどっちになるんだ?
原作だとなのはにヴィーダが襲うが、この話だとシグナムがふぇいとを襲うのか?
210名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:44:45 ID:9qjerZdx
どっちにしろ助けに来た時

「仲間か!?」

「嫁だ!」

って応えそうだな、あれ逆か?そして必死に訂正するふぇいと
211名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:45:03 ID:zWMOz+1b
>>209

A's冒頭、フェイトのピンチを助けに来たなのは!

シグ「誰だお前は」

なの「フェイトちゃんの許婚なの…」

フェ「(ぼそっ)……あ……あ…くま……」
212名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 22:56:55 ID:qW+OcdeC
>>210
さてはキサマ、RAGさんとこの回しもんだな?
213名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 23:02:25 ID:m2588JW1
           ∧_∧            
           (; ´∀`)         
 ______/| ヽ  l ヽ______ 
(∋     /  v   \|  ヽ      ∈) 
  ̄ ̄ ̄ ̄|  /     l    人 | ̄ ̄ ̄
       / / ヽ ー   - / \\
      / /  |    |   |   \ヽ
     / /   ヽ       |     \
    //    /  □■□■□■□■□■
   /     |    ■□■□■□■□■□
  /     /    / ヽ    \       | |
../     /    /   \    \     | |
/   /    /       \   \    .|  |
|   (    く          )   )   |  |
|    \   \       ./   /   |   |
|    \   \____/  /.    |   /
 | _――-\  \   /  /-――___| /
  |/   ⊂⌒__)  (__⌒つ    |/
214名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 00:23:48 ID:YhPoPpdU
>>143
エリキャロキタと思ったらとんでもねえ機雷付きだったww
いやー、GJでしたよ!!

>>197
おおう、こんな背徳感とは無縁の百合も久々だ…w(褒め言葉
このなのはさんはこのまま無責任に突っ走って欲しい。
GJっした。
215B・A:2008/07/02(水) 01:14:49 ID:KH9jB4pn
今は投下大丈夫ですか?
216名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 01:19:17 ID:WjwggvNI
おk おkだ
217名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 01:19:34 ID:YqHw5htN
>>215
よっしゃ来〜い!!
218名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 01:20:27 ID:jLcurgc1
おk
でも毎回確認しなくてもいいんじゃない?
投下したい時にパパッと投下する感じでさ
前は大多数がそうだったと思うし
219B・A:2008/07/02(水) 01:24:06 ID:KH9jB4pn
>>218
割り込み防止になるかなと思ってやっているんです。
まあ、僕なりのスタンスみたいなものです。


注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・スーパー演説タイム
・エリオ、またしても・・・・・・・
220Das Erbe zur Zukunft@:2008/07/02(水) 01:27:00 ID:KH9jB4pn
第14話 「想い、この身に込めたなら」



抜けるような青空とは対照的に、眼下に広がる錆色のドームは形容し難い恐怖感を振りまきながら膨張していっている。
その光景はまるで、巨大な胃袋の化け物が街そのものを飲み込もうとしているかのようだった。
その上空、空と陸の境界線ともいうべき場所で二人はお互いの顔を見合っていた。
片や、己の犯してしまった過ちを悔やみ、もう一度やり直すために。
片や、愛する人の障害を排除し、己の理想を実現させるために
譲れぬ思いを胸に秘め、ヴィヴィオとセリカは対峙していた。

「セリカちゃん・・・・・・・」

「・・・・・・・」

セリカは答えなかった。美貌を憤怒で歪ませ、手にしたRHを油断なく身構えている。ユーノの言う通り、彼女は自分と話をする気もないようだ。
ちょっとでもおかしな真似をすれば、即刻撃ち落とされる。いや、もうそうしようとしているのかもしれない。
だから、思うよりも早く体が動いていた。
お話をする前にやらねばならないこと。
戦う前に済まさねばならないこと。
自分の犯した過ちにケジメをつけること。
後悔を懺悔で塗り固めないために。

「なっ!?」

セリカからすれば、正気を疑う行動だったであろう。だが、ヴィヴィオからすればそれは至極真っ当な理屈であった。
その昔、古代ベルカではこのような逸話があったという。

『和平の使者は、槍を持たない』

ヴィヴィオは正に、それを実践してみせたのだ。

「正気? 敵を前にして、デバイスを待機モードにするなんて」

「本気だよ。私はまだ、セリカちゃんと戦うって決めたわけじゃない。私がここに来た理由は、たった一つ」

毅然とした佇まいに、RHを握るセリカの手に嫌な汗が滲む。
何かを企んでいる。不意を突く気でいるのなら、今の内に叩いておいた方が賢明かもしれない。そう思ってRHの柄を握り直し、その先端を改めてヴィヴィオへと向ける。
その瞬間、ヴィヴィオは何の躊躇もなく体を二つに折った。

「ごめんなさい!」

「・・!?」

敵を前にして武器を手放し、無防備にも視線を逸らして頭を垂れる。理解し難い行動に、セリカは片頭痛すら覚えた。

「あんた・・・・・」

「謝って済む問題じゃないってことはわかっている。何を言っても言い訳にしかならないこともわかっている。
私は何もわかっていなかった。セリカちゃんとは親友だから、わかりあえているものだって疑わなかった。けど違ったんだ。
セリカちゃんの悩みも、苦しみも、怒りも、何にもわかっていなかった。知ったような振りをして、呑気に笑って、セリカちゃんのことを傷つけているだけだった」

言葉にしなくても思いが伝わるのが、親友なんだと思っていた。
親友だから、思いを確認し合う必要もないと思っていた。
けれど違った。自分は何も知ろうとしていなかったのだ。ただ幻想にしがみついて、自分の見たい夢だけを取捨選択していただけだったのだ。
だから、セリカに裏切られたと感じた時、躊躇なく殺そうとしてしまった。
目の前にいるのは自分の親友ではない、自分を傷つけようとする人間が、自分の親友であるはずがない。
セリカ・クロスロードは絶対に自分を裏切らない。そう信じ込みたかったのだ。
221名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 01:30:53 ID:YqHw5htN
支援
222Das Erbe zur ZukunftA:2008/07/02(水) 01:31:03 ID:KH9jB4pn
「ごめんなさい。傷つけて・・・・・苦しめて・・・・・悩んでいるのに力にもなれなくて・・・・・・その上私は、まだあなたのことを傷つけようとしている。
私は魔導騎士で、管理局の局員で・・・・・・そして、セリカちゃんと本当の親友でいたいから」

友達が悪いことをするのを見ていられない。
友達が誰かを傷つける姿を見たくない。
そのために戦わねばならないのなら、いくらだって戦ってやる。
例え千の傷を負い、万の罪を背負うことになろうとも、譲れないものがあるのだから。

「私が何もしなかったことが悪いのなら、それで良い。いくらだって恨んでくれても良い。傷つけたいのなら好きなだけ傷つけても構わない。
けれど、自分の正義に誰かを巻き込むことだけはしないで。わがままかもしれないけれど、お節介かもしれないけれど、私はセリカちゃんが誰かを傷つけている姿なんて見たくない
・・・・・・・・だから、私はセリカちゃんを傷つけてでも止める。だって約束したから、悪いことはさせないって。間違ったことをしようとしたら、必ずフォローするって!」

本当は戦うのは嫌だけど、戦わずに現実から目を逸らすのはもっと嫌だ。
だって、自分達は親友なのだから。
親友として過ごした二年間を無駄にはしたくないから。
あのかけがえのない日々を無為にしたくはないから。
だから、例え傷つけ合うことになってもセリカを止める。
どんな罪でも背負ってみせる。
嫌われることも覚悟している。
傷つくことも覚悟している。
必ず思いを届けてみせる。
必ず思いを受け止めてみせる。

「セリカちゃんがどう思おうと、私はまだセリカちゃんのことを親友だと思っている。大切で、かけがえのない親友だと思っている。
心の底から好きだって言える。だから、セリカちゃんの思いの全てを受け止める。同じ局員として、同窓生として、そして親友として、セリカちゃんを止めてみせる!」

不屈の誓いを胸に、ヴィヴィオは自分の思いを言葉に込める。

《Lady》

レイジングハートが警告を発するのと、ヴィヴィオの頬を魔力弾が掠めるのはほぼ同時であった。

「それが私の答えよ、聖王」

「セリカちゃん・・・・・・・」

「あんたの言葉は届かない、誰も私を止められない。あんたがどれだけ正しいことを口にしようと、私は中将に着いて行こうって決めたんだ。
だから、もうあんたを親友だとは思わない。倒すべき敵、排除すべき障害、その程度にしか考えない」

憤怒のこもった目でヴィヴィオを見つめる。
どこか羨むように、どこか蔑むように。
戻れないとわかっているから。
止めるわけにはいかないと知っているから。
あいつに譲れないものがあるように、自分にも譲れないものがあるのだから。
だから、これ以上言葉を交わすことは無意味だった。

「言いたいことは全部、あんたの体に叩き込んであげる。だから、死ぬ気で抗いなさい」

セリカは懐から無針注射器を取り出し、首筋に宛がって引き金を引く。
異物が体内に入り込む感覚に表情が歪み、全身の血管に熱いものが流れ込む。
同時に聖王の記憶が体内の聖王の因子を知覚し、セリカの体を聖王のそれへと造り替えていった。
223名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 01:35:52 ID:YqHw5htN
再び支援
224Das Erbe zur ZukunftB:2008/07/02(水) 01:36:27 ID:KH9jB4pn
「ぐぅぅ・・・あぁぁっぁっ・・・・・・」

「セリカちゃん!?」

苦しむセリカの目からカラーコンタクトが剥がれ落ちる。その下から現れたのは、自分と同じ緑と赤のオッドアイ。聖王の証であった。

「それは・・・・・・」

「聖王化・・・・・・これで、後一回」

「セリカちゃん!?」

「何が正しいかなんて関係ない。私は、私が信じた道を行くだけだ。どんな犠牲を払ってでも、ミッドチルダを平和にするんだ。
私は、なのはさんみたいに奇跡を起こすんだ!」

「ママは英雄なんかじゃない。ううん、英雄なんてどこにもいない」

再びレイジングハートを起動させ、ヴィヴィオはセリカをまっすぐに見据える。

「奇跡はみんなで起こすもの。もしも英雄がいるのなら、人間みんなが英雄だ」

「あんたに何がわかるの! 何も知らないあんたが!」

「何も知らないから、知りたいんだ!」

意識を集中させ、アクセルスフィアを作りだす。
生みだされたスフィアの数は互いに三十二。虹色と灰色の光で空が埋め尽くされ、張り詰めた空気が一気に瓦解する。

「さあ、お話しよう。セリカちゃん!」

「聖王、あんたの正義を示しなさい!」

互いの言葉を合図にそれぞれの杖が振り下ろされ、二つの光が炸裂した。





緊迫した空気の中、はやては次々と送られてくる情報をもとに状況の把握に務めていた。
事の始まりは三十分前、突如クラナガンの中心部とのあらゆる通信が途絶えたことである。
有線・無線を問わず、念話すら届かない。異変に気づいて駆けつけた現地の陸士隊が目にしたのは、まるで風船が膨らむように街を飲み込もうとしている錆色の結界だった。
ほぼ時を同じくして、結界内にいた首都防衛隊から最後の通信が届いた。

『うあぁぁぁぁぁぁ、くるなぁぁっ・・・・・本部、至急増援を・・・・・あぁっ、化け物・・・・あぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・・』

その通信を最後に、結界内との連絡は完全に不可能となった。

「オーリス、状況は?」

「余り好ましくありません。バビロンの鍵の発動と共に、各地でロート・シルトらしき武装集団が暴動を起こしており、
武装隊はそちらの鎮圧に回さねばなりません」

「内部に突入させる人員は割かれへんってことか」

ユーノの調べが確かならば、バビロンの鍵は一度発動すると破壊しない限り停止は不可能であるらしい。
恐らく、ロート・シルトはそれを妨害するために各地で騒ぎを起こし、こちらの戦力を分散させるつもりなのだろう。
スカリエッティのプラントを利用してガジェットを大量生産していたのも、この作戦を実行するためだったのだ。
そして、要であるバビロンの鍵は精鋭揃いの首都防衛隊を全滅させる程の化け物に守らせているようで、柔な戦力を投入すれば無駄死にさせるだけだ。
225Das Erbe zur ZukunftC:2008/07/02(水) 01:38:40 ID:KH9jB4pn
「本部長、ハラオウン提督から通信です」

「すぐ繋いで! もしもし、クロノ君?」

『はやてか? すまない、バッドニュースだ』

「クロノ君、いったいどないしたん?」

『管理局上層部の決定が下った。本局はこの件に関して一切関与はしない』

「なんやて? ミッドの危機なんやで、何で本局が動けへんの!?」

『時空管理局の使命は、異なる次元世界の調停と秩序の維持だ。しかし、これからミッドで起きようとしているのはあくまで革命・・・・内戦なんだ。
それが世界の外へと飛び火しない限り、本局は動くことができない』

「例え、管理局発祥の地が次元世界から消えてしもうても?」

『広い目で見れば、ミッドも他の次元世界と変わらない。そういうことらしい』

「最悪や・・・・」

『すまない、僕の力が及ばなかったばかりに・・・・』

「クロノ君のせいやない。今は落ち込むことよりも、自分にできる精一杯のことをしよな」

『そうだな、君の言う通りだ。僕の方でも幾つか手を打ってみる。それに、グリフィスが・・・・・・を・・・・』

「クロノ君? よう聞こえへん、クロノ君?」

『だか・・・・安心・・・・・』

映像が砂嵐へと変わり、クロノとの通信が途絶える。同時に、はやては建物全体が結界に飲み込まれたことを感じ取った。

「どうやら、ここも結界に飲み込まれたようですね」

「このペースでいくと、ほんまに数時間でこの星全部を飲み込んでしまうかもしれん。何とかして手を打たんと・・・・」

その時、扉の向こうでリィンが今にも泣き出しそうな声で助けを求めてきた。

「は、はやてちゃーん」

「リィン? どないしたん、この忙しい時に・・・・・」

訝しげながら、はやては本部長室の扉を解放する。次の瞬間、まるでダムが決壊したかのように大勢の局員が本部長室に雪崩れ込んできた。

「本部長、本局からの増援がないっていうのは本当ですか?」

「他の街の部隊との連絡がつかないんです。それどころか、電話もテレビも使えなくなっている!」

「俺達は本局に見捨てられたんですか? 答えてください、本部長!?」

武装隊の隊長がいた。
魔力資質を持たない一般局員がいた。
戦いとは無縁な受付嬢がいた。
新人もベテランも、男も女も、子どもも大人も、現在クラナガンで起きている異変に対して不安を抱いている全ての局員がこの場に集まっていた。
226Das Erbe zur ZukunftD:2008/07/02(水) 01:41:18 ID:KH9jB4pn
「はやてちゃん、みんな言うこと聞いてくれないんですぅ」

「よしよし、リィンは一生懸命お仕事したんやな、えらいで」

泣きべそをかくリィンの頭を撫で、はやては集まった局員達と向き直る。

「みんな、自分らの仕事はどないしたん?」

「ミッドの危機に事務仕事もへったくれもありませんよ。本部長、いったい今、クラナガンで何が起きているんですか?
ロート・シルトの連中は、いったい何をやらかそうとしているんですか?」

突きつけられる無数の視線を、はやてはまっすぐに受け止める。人の上に立つ者として、時には部下に絶望を告げねばならない。
あの人の後を継ぐと決めた時から、このような境遇に立たされることも覚悟していた。

「ロート・シルトの狙いは、ロストロギアを使って次元間移動を封じることや」

「次元間移動を?」

「そうや。転送魔法も念話も通せへん特殊な結界を張って、ミッドを次元世界から完全に隔離することが奴らの目的や」

はやての言葉を聞いて、集まった局員達はざわめきだす。無理もない、彼らの中には異世界出身の者もいるのだ。

「けど、いざって時は本局が何とかしてくれますよね?」

「そ、そうだ。本局からの増援があれば、あんな奴ら・・・・・」

「増援はない。この件に本局は介入せえへん」

増援はない。
その一言が、彼らに残されていた唯一の希望を打ち砕いた。
誰もが絶望に肩を震わせる。
孤立無援。
見捨てられたという事実。
どこにも逃げられないという現実。
それらが重石のようにのしかかり、重苦しい空気が場を支配した。

「勝てるんですか?」

誰かがそう呟いた。

「敵は魔法の通用しないガジェットと、魔導師なんかとは比べものにならない火力を持つ傀儡兵。最強の矛と盾を相手にして、俺達は勝てるんですか?」

「無理だ・・・・首都防衛隊は全滅したんだぞ。しかも敵は結界の中だけじゃない、外にもいるんだ」

「外部との連絡が取れなきゃ、まだ無事な部隊に指示を送ることもできないわ」

「エース・オブ・エースももういないんだぞ。降伏した方が、街の被害も少なくて済むんじゃ・・・・」

「別にあいつらは管理局をぶっ潰そうなんて考えてないんだろ、だったら・・・・・」

最早、パニックが起きるのは時間の問題だった。彼らとて、訓練された管理局の局員だ。僅かでも希望があるのなら、こんな弱気な発言はしなかっただろう。
しかし、孤立無援の状況下では、人はどうしてもその弱さを露呈してしまう。
外部との連絡の途絶。他者との繋がりを断たれただけで、人はこんなにも弱くなる。
227Das Erbe zur ZukunftE:2008/07/02(水) 01:45:29 ID:KH9jB4pn
「そやな、確かにそれも選択肢の一つや」

「はやてちゃん!?」

はやての言葉に、リィンは驚愕の声を上げる。傍らのオーリスも言葉にこそ表していないが、目を見開いてはやてのことを見つめていた。
彼女が口にしたのは事実上の敗北宣言だ。仮にも責任のある立場、それも地上本部の最高責任者がおいそれと口にして良い言葉ではない。
だが、はやては敢えてその言葉を口にし、そして聴衆の注意を自身へと集中させた。

「それも一つの選択肢や。けど、みんなもう一度よく考えてみ。自分が今、着ている制服が何なのか。何のためにここにいるのかを」

「そ、それは・・・・」

ミッドチルダ、引いては次元世界の秩序を守るため。
資質も家柄も関係なく、文字通り世界を守りたいと思う連中の集まり。
それが時空管理局だ。

「ロート・シルトが然るべき手段を用いてその目的を遂行するというなら、私は反対せえへん。思想の自由は誰にでも認められている権利や。
けれど、あいつらは周りの迷惑も省みずに、無理やり世界を閉ざそうとしている。自分達の考えを他人に押しつけようとしているんや。
私は一管理局局員として、これを許すわけにはいかへん」

はやての言葉はどこまでも静かで、情ではなく魂に語りかけてくる。
彼女はただ凛と前だけを向いて、管理局局員はかくもこうあるべきという姿勢を示していた。

「ここで降伏すれば、確かに被害は抑えられるかもしらん。けれど、一度でも例外を作れば同じことがまた起こってまう。
その次も、そのまた次も、一度成功しているなら、今度だって。その一言のためにミッドは何度でも争いに巻き込まれる。
その度に白旗を上げるんか? 被害を抑えるために、私らは戦わん道を選ぶんか? そうやな、それが一番被害を少なく済ます最善の手や。
けど0やない。争いの度に犠牲になる人が出てくる。それでええんか? 違うやろ。被害を抑えることも大切やけど、本当に大切なのは争いそのものをなくすための
抑止力になることやろ。もちろん、それが困難で不可能なことは百も承知や。けれど、それでもそうあろうとするのが私らの仕事と違うん?
私らは諦めたり負けたりしたらあかんのや。常勝不敗、私らは勝ち続けなあかん、あかんのや。何より・・・・・・・」

そこで一旦、はやては言葉を切る。そして、先程までとは打って変わって力のこもった声で言った。

「何より、私はあいつらを許されへん。みんなも知っての通り、私は第97管理外世界の出身や。ミッド生まれやない、異世界の人間や。
ロート・シルトはこの私から故郷を奪おうとしている。私だけやない、他にも大勢おる異世界出身の人々から、彼らは故郷を奪おうとしているんや。
許せるわけがあらへん。認められるわけがあらへん。私には向こうに大事な恩人がおる、大切な友達がおる。実家もあるし母校もある。
生まれ育った街がある。もう二度とそこに戻られへんなんてごめんや。けど、ミッドを見捨てるのはもっと嫌や。故郷とミッドのどちらかを選べなんて
私にはできへん。どっちも私にとって大切な世界や。だから私はその両方を守る。それだけやない、みんなの故郷とミッドを守る。それが私の意思や」

己の心の内を余すことなく言葉にして、その場にいた全員の心に染み込ませる。
訪れた沈黙を破ったのは、真っ先にはやてを問い詰めた武装局員だった。

「勝算なんて、あるんですか?」

「なくても作る。私がただ若くて美人なだけの本部長やと思うたら大間違いや」

「・・・・・・」

「言うてみ、私が誰なのか」

「それは・・・・八神はやて少将。時空管理局地上本部の本部長です」

「そや。そして、みんなの命を預かる責任が私にはある。だから、私は一度でもみんなに『死ね』なんて命令したことない。これまでも、これからも」

そう言い切った彼女の言葉には、確かな決意が込められていた。
絶対に負けないという決意。
決して諦めないという決意。
それがこの場にいる誰よりも、彼女を輝かせていた。その佇まいは正く地上に舞い降りた戦乙女。間違うことなきエースの姿だった。
228Das Erbe zur ZukunftF:2008/07/02(水) 01:47:18 ID:KH9jB4pn
「・・!」

最初に動いたのは、はやてを問い詰めた武装局員だった。彼はおもむろに彼女の前で跪くと、頭を垂れて誓いを立てる。

「俺は昔、あんたに命を救ってもらったことがある。もう七年も昔のことだ。死にかけていた俺の目には、あんたはまるで女神のようだった。
あんたに憧れてこの世界に入ったんだ。その時の気持ちを、今思い出せたよ。あんたが戦うって言うなら、俺も戦う。
俺はミッドの魔導師だが、今だけはあんたの騎士でいさせて欲しい」

それをかわぎりに、周りにいた全ての局員が彼に倣った。例外は一人もいない。いや、それどころか廊下の向こうで、窓の向こうで、
地上本部内の全ての局員が思い思いの形で彼女への忠誠を新たにしている。

「俺も一緒に戦わせてください」

「私もです。伊達に日頃から鬼教官にしごかれていないことを見せてやりますよ」

「わたしは戦えませんが、自分にできることを精一杯やって皆さんのサポートをします」

「俺も・・・・・」

「あたしも」

「わしもだ」

最早そこに、絶望に押し潰されそうになっている者は一人もいなかった。地上本部の全ての局員がその胸に希望と戦う意思を取り戻し、
まっすぐに前を見つめている。そんな彼らに、はやては高々に宣言した。

「よっしゃ、みんなの命私が預かる」





はやてとの通信が途絶え、クロノは重いため息を吐きながら艦長席に背中を預けた。
何もできない自分が不甲斐無かった。
昔の自分ならば、何だかんだで居ても立ってもいられずに飛び出していただろう。
死んだ義妹やその親友ならば、そもそも躊躇すらせずに飛び出していただろう。重く圧し掛かる責任が、今はとても憎らしかった。
229Das Erbe zur ZukunftG:2008/07/02(水) 01:49:36 ID:KH9jB4pn
「何が提督だ・・・・・・何もできないじゃないか・・・・・・」

出世と共にクロノが前線に出る機会は減っていった。当たり前だ。次元航行艦の艦長が最前線で戦うなど、前代未聞も良いところである。
彼の母であるリンディ・ハラオウンも優れた魔導師ではあったが前線に出ることは滅多になく、出ても精々後方支援に留まる程度だった。
艦長の役割はあくまで部隊の指揮であり、絶対に堕ちてはならない部隊の象徴である。部隊の命そのものと言っても良い。
今までは、そう言い聞かせることで納得してきた。自分が出れば迅速に解決できる事件も部下に任せ、一人歯痒い思いを堪えてきた。
だが、今回ばかりは違った。故郷の危機に、自分は何もすることができないでいる。次元航行艦隊の隊長といえど、所詮は前線部隊の責任者に過ぎず、
管理局の意思決定に関わっているわけではない。どれだけ正しいことがしたいと思っても、上層部の思惑次第でその動きを封じられてしまう。

(権力か・・・・・・・)

今のままでは駄目だ。また同じようなことが起きた時、同じように後悔することになる。
そんなのは真っ平ごめんだ。自分は後悔しないために管理局に入ったのだ。
こんなはずではない人生を送る人々の力になるために執務官となったのだ。
提督になって次元航行艦隊を率いているのも、全てはそのためだ。決して思いを腐らせるためではない。

(変えてやる・・・・・・僕がこの手で、僕とはやてで・・・・・・)

はやてがそうしたように、自分もまた上を目指す。
前線で燻っていたのでは何も変わらない。
現状を憂うならば行動しなければならない。
それが自分のやり方だ。
目標に向かってひたすらに突き進むだけの愚直な生き方。それがクロノ。ハラオウンという男だ。

「ブリーフィングルームにティアナとディードを呼んでくれ。二人に話がある」

だが、今は行動することができない。だから、せめて自分にできることをしよう。
それが自分の役目であり、今打つことのできる最善の手なのだから。





司令室は緊迫した空気に包まれていた。通信は断絶と回復を繰り返しており、
電子モニター越しにこちらが劣勢に追いやられていくのが素人にも察することができる。
それでも、そこにいる者は誰一人として絶望に屈していなかった。それどころか、希望の光を見出そうと各々の役目を全うしている。
230Das Erbe zur ZukunftH:2008/07/02(水) 01:52:20 ID:KH9jB4pn
「085部隊、556部隊と合流、122部隊と共に防衛線を構築します」

「235部隊、付近にまだ逃げ遅れた住民がいます。至急避難誘導を」

「204部隊、敵小隊とエンゲージ!」

「第三、第四区画の避難完了。続いて、第五区画のチェックを開始します」

「新たな敵影を捕捉! ガジェット十七、傀儡兵十五!」

通信士が必死で対応している姿を背景に、司令官席に座ったはやてもまた各所に指示を送っていた。
事は一刻を争うが、兎にも角にも混乱している指揮系統を立て直さねば何も始まらない。
その上でバビロンの鍵を見つけ出して破壊しなければ、ミッドチルダは次元世界から永遠に孤立してしまうことになる。

「そや、とにかく残存戦力をかき集めるんや。幸い、首都防衛隊以外の部隊は指揮系統が混乱しているだけで被害はそれほどでもない。
連携さえ取れれば、ガジェットや傀儡兵如きはどうとでもなる。伊達に対AMF訓練を受けていないわけやないやろ。
それよりも時間の方が心配や。このまま結界が広がり続けると、後四時間程でミッドが飲み込まれてまう」

「はやてちゃん、緊急回線を確保したです。結界内の各部隊との通信、問題ありません」

「ええ仕事や、リィン。これで、後は結界の外の機動六課と連絡さえ取れれば・・・・・」

「それに関しては吉報があります」

「オーリス?」

「騎兵隊の到着です」





時間は少し遡る。
地上本部がバビロンの鍵の結界に飲み込まれたのとほぼ同時刻、機動六課隊舎では課長が一つの判断を下していた。

「これより、我々六課は独自の判断で動く」

震えの混じった課長の言葉に、他の面々もまた緊張した面持ちで頷いた。
機動六課には、緊急時に独自の判断で動くことのできる権限が与えられている。今回のような一分一秒の遅れが命取りとなる事件に対処するため、
課長の判断で面倒な手続きを省略することができるのだ。だが設立以来、六課は一度としてその権限を発動させたことがない。
機動六課において、それは正に初めての試みであった。

「諸君、これは六課が稼働して初めての事態だ。不安がないと言えば嘘になるだろう。だが、私は君達を信じている。
君達ならば、必ずやこの事態を乗り切ることができると。落ち着いて、いつものように各々の役目を果たすんだ」

「はい!」

信頼のこもった部下の頷きに、課長は瞼を閉じて沈黙で応える。
次に瞼が開かれた時、そこにいたのは彼らがよく知る昼行灯な部隊長ではなく、歴戦を潜り抜けた名指揮官へと変貌した課長の姿であった。
231Das Erbe zur ZukunftI:2008/07/02(水) 01:54:56 ID:KH9jB4pn
「隊長不在のスターズは私の指揮の下、結界外に取り残された残存部隊と協力して住民の避難と武装集団の鎮圧を行う。アルピーノ君は!?」

「既に、結界外周部にて待機済みです。通信開きます」

仮想ディスプレイが展開し、緊迫した表情のルーテシアの姿が映し出される。
その背後には、ぐんぐんと膨れ上がっている錆色の結界が映っていた。

『課長、ライトニング分隊はいつでも突入できます』

「了解だ、アルピーノ君。君達の任務は二つ、バビロンの鍵の捜索及び破壊と、シエン・ボルギーニの逮捕だ」

『他の連中は?』

「可能ならば逮捕してくれ。だが、最優先はあくまでバビロンの鍵だ。最悪、無視してくれて構わない。
それと、一度内部に突入すれば以後一切の通信が不可能となる。今の内に何か聞いておきたいことはあるかね?」

『エリオとの連絡は?』

「依然、音信不通だ。アルピーノ君、彼はいつも電話に出ないな。いっそのこと、右腕に発信機でも埋め込んでやったらどうかね?」

『考えておきます』

「うむ。では、彼のことは引き続き探させておく。幸運を祈る」

課長にルーテシアは敬礼し通信が切れる。
状況は絶望的だ。
エリオとヴィヴィオが行方不明、地上本部との連絡も取れず、結界の内部がどのような状態かもわからない。
それでも、行動しない訳にはいかなかった。機動六課は今日という日のために存在しているのだ。
奇跡の部隊の名前を冠しているのならば、世界の一つや二つは救ってみせねば失礼である。

「いこうか、諸君。世界を救いに」

故に、今は行動あるのみだ。

                                                      to be continued

232B・A:2008/07/02(水) 01:55:49 ID:KH9jB4pn
以上です。
ラストバトルと言っておきながらバトルが全然ありません。この調子だと、更に話が長くなりそう。
次回は順当にいけばルーテシアVSロデオが始まると思います。どちらも召喚師同士、とくれば当然・・・・・・・・・・。
それにしても、エリオはまたしても音信不通かw
支援ありがとうございました。
233名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 02:58:53 ID:Z1FrUkT9
これでルーテシアかヴィヴィオが敗北寸前てところでエリオ登場なんてパターンだったら最悪だな
在り来たりすぎてつまらん
234名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 03:21:31 ID:dcj1cYk2
つまらない人間だな
235名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 05:47:19 ID:p+24RZBN
面白さというものを根本的に分かってない人間が吐くセリフだな
在り来たりじゃない話なんぞオナニーにすぎん
236名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 07:44:05 ID:b7vmF7T9
>>233
王道とワンパターンは似て異なるものですぜ?
237名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 08:15:15 ID:dTetzExZ
王道路線  →ほかにねのかよ、作者の頭の中身は、もう書くなボケwwww
ワンパターン→王道にも劣るクソ展開、投下するなら日記帳にでもしてろwwww

こうですか、わかりません><

>B・A氏
大分進んできましたね。
ラスト期待してます。
この連載終わったら、今度はハッピーエンドのエリ×アリが見たとか言っちゃ駄目ですか?
238名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 09:42:19 ID:3NdMX0B8
危機的状況にエリオが颯爽とかけつけたら、王道。
そのまま、ボロボロのヴィヴィオかルーテシアに変わって戦闘を継続、だったらワンパターンかもな。

さすがにエリオ活躍しすぎだし、B・A氏もエリオが他のキャラを食うのは、本意じゃないでしょ。

でもって>>233GJ!!
課長、カッコよすぎだろ・・・・・。
239名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 09:51:32 ID:4ajDI+E1
>>197
GJ!!

相変わらず、なのは側はキャラが壊れてますね。(笑)
このSSでは、あのヤバイ、レイハ姉さんをつくったのが
リニスではなく全盛期のプレシアと聞いて、妙に納得してしまった。
240名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 10:15:39 ID:6Jcum5NT
王道ってのはわかりきったパターンでも燃えるもんだよ
ワンパターンってのは、単調で盛り上がらない
241名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 10:35:22 ID:A3cEofHZ
GJ!
とうとう待ちに待った最終決戦。
まずはルーテシアvsロデオか
この二人も互いに負けられないだろうな。
片や夫を傷つけられ、もう一方はプライドを傷つけられた。
続きを楽しみにしてる!
あれ、そういえば主人公エリオは…

それと個人的には氏の書きたいように進めて頂くのが一番ではないかと思います。
242名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 10:49:49 ID:Cj0W+/l0
夏が近いからか、このスレに入ってからだけでも変なのが結構涌いてるな
読者としてはスルーすればいいけど職人は書く気削がれて大変だろうな(荒らしはそれが目的なんだろうが)
243名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 10:51:27 ID:rEqwfw7U
>>233
よかったね。今日はかまってもらえたねwww
244名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 10:57:11 ID:wDnniRgM
まぁ、今は期末テストの時期だからな、変なのが出てくるのは仕方ない。
読み手も書き手もスルー力を高めねばならんな。
245名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:03:30 ID:Lz512wrG
嫌なら他に行けばいいし
246名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:08:17 ID:3CureGRZ
王道も使い古されればワンパターンに墜ちてしまうから、何らかの捻りは欲しいよね。
例えば、試合には勝ったけど、戦いには負けたとか、その逆とか
247名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:21:30 ID:mwnZ47XY
ジャンルに百合が無いのは作品数が少ないせい?それとも女性キャラが多すぎるせいで一部のギャグは百合かどうか判断に困るから?
248名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:26:44 ID:KH9jB4pn
書くのが難しいというのは?
同性愛は俺、経験ないからイメージできないし。
249名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:33:08 ID:1JnyK8GS
>>246
確かにそう思うときが結構あるな。
終わり方がマンネリ化してるからかな。
250名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 11:53:40 ID:rEqwfw7U
>>248

や ら な い か ?
251名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 12:06:41 ID:Cj0W+/l0
>>247
よく知らないけど百合スレがあるからじゃない?
252名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 12:13:43 ID:WJsTeG6U
>>165
確かそれ持ってた気がする
253名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 12:29:24 ID:oygBkmm6
>>248
異性愛すら経験のない俺に一言
254名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 12:32:07 ID:BxexwllN
>>247
普通に女×女タグで引けば事足りると思うから。
255名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 13:04:29 ID:6Jcum5NT
>>253
片想いでも恋愛だと思えば経験があることになるよ……多分
256名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 13:20:39 ID:157J4gj0
>>255
片思いすら経験の無い俺終了のお知らせ\(^o^)/
257名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 13:37:50 ID:x/oYi5/R
昔から、
面白いラブストーリーを書ける人は、本当の恋愛を「知らない」人だ。
という名言があってだな。
経験よりも妄想の産物の方が、求める人のニーズには合ってたりするんだよ。
258名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 13:40:19 ID:rLKFyJhD
>>256
誰かがお前に片想いしていた可能性があるので続行
259名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 13:41:49 ID:RHEKkzle
リアルな話ばっかりじゃ鬱になるだけだしな。
260名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 13:54:19 ID:tySa5yF7
>>197
このライトさだとやっぱなのちゃん復活しそうだけど、どうプレシアと
リニスを丸く収めるのか気になるなあ。
なのちゃんの就職先はたぶんあれで間違いないとは思うけど、本当にプレシアどうするんだろ…
261名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 14:49:45 ID:6Jcum5NT
>>256
あーーじゃあ、ここにいる段階でなのはのキャラの誰かに恋してるってことで納得してください
二次元だがな
262名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 15:15:38 ID:XZcex/ap
リアルな恋愛はドラマがなさそうだしな。
263名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 15:44:29 ID:/A58EB/N
小説はエンターテイメントだしな
ちょっと嘘くさくても面白くないといけないから
264名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 15:56:13 ID:iSThGEJz
>>262
事実は小説よりも奇なりって言葉もあるんだぜ

って、また雑談の流れになってるな……気をつけようorz
265名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 18:17:38 ID:m+fVm/xB
>>260
「女の子同士なんて許しませんよ!」って珍しく母親らしいこと言ったプレシアに
「フェイトちゃんとの恋路を邪魔するものは、例えお母さんでも容赦しないのー!!」と、
全力全壊SLBぶっ放されて、お星様になるプレシアが見えたw

なんだ、いつもどおりのなのはさんd(略
266名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 18:26:52 ID:CXSd0azh
しかしあのなのはさんの、
・いつでもガチンコ
・友情は拳を交わせば生まれる
って信念は、あれは一体いつ根付いたものやら。
お兄ちゃんもおねえちゃんも親父も、
確かに規格外ではあるが、
あそこまでハジケてなかったのに……
267名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 18:27:56 ID:rEqwfw7U
リリカルふぇいとの
レイジングハート・エクセリオンはペニパン型だぜ!
268名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 18:42:39 ID:iSThGEJz
>>265
アリサとけんかした時じゃね?
269名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 18:43:06 ID:iSThGEJz
間違えた
>>265>>266
270名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:17:24 ID:5pgznreq
ここって誰か一人の職人が特定カプを書き続けるとその職人以外に書く人いなくなる傾向ないかな?
エリルー・ヴァイシグ・クロカリあたりとか。

他の職人さんが書いたこのへんのカプの話も読みたいなと思ってみたり。
271名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:21:45 ID:acbhFDgl
正直、無理して自分が不得手のカプ書くくらいなら、上手い人に任せたい。
その方が互いもROM専も得だと思う。
272名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:22:01 ID:jLcurgc1
>>270
いやー……
それは多分傾向がある訳じゃない
純粋にそのカプで書こうと思う人が少ないんだと思う
273名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:25:28 ID:xdTiSn1F
でも逆に一人の職人があるキャラを主人公にして良作を書くとその主人公で書く職人が増えると言う不思議
274名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:53:39 ID:TZghWvdO
それだと他の職人が2煎じみたいじゃん、嫌がる人も居るとおもうけど
275名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:56:23 ID:cjaUfDQN
あんま同じ主人公の・・・いや、なんでもない
276名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:00:27 ID:KH9jB4pn
男性キャラ被るのは仕方ない、人数少ないし。
問題は女性だ。ロングアーチでシリーズものを書ける人って果たしているのだろうか?
277名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:09:16 ID:TZghWvdO
オレ未だにあの二人の区別がつかない…ナンバーズすら覚えたのにな
278名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:22:54 ID:jLcurgc1
ロングアーチってはやて、リインII、シャーリー、
アルト、ルキノ、捨丸、犬、ヴァイス、グリフィスか
書こうと思えば出来ないことはないんじゃないか?
オレにはアルトとルキノの違いが分からないが
279名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:27:21 ID:oygBkmm6
逆手にとって
アルトとルキノを取り違えてヤってしまうと言うシチュで誰か
280名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:28:31 ID:zvM1aeXR
>>279
ありえんだろ。
281名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:31:27 ID:acbhFDgl
>>279
とりあえず、男がヴァイスであることは間違いないと思った。
282名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:31:50 ID:6Jcum5NT
アルトはわかるヘリ動かしてた娘だよね、ルキノって誰?
ところでオットーとディエチの区別がつかないのは俺だけか?
283名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:33:44 ID:CBljutmH
ヴァイス×アルトとグリフィス×ルキノでスワップですね
わかります

って言うかアルトとルキノの区別ぐらいつけてくだしあ…
まぁ俺はセイン以降のナンバーズがたまにごっちゃになるけどね
284名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:35:46 ID:/A58EB/N
区別はつくけど、どういうキャラか説明しろって言われると困るんだよな
285名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:35:53 ID:TZghWvdO
>>282
乳が無いのがオットーだ
286名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:36:35 ID:i8HLb1ds
ルキノは声聞けばわかる
リインと中の人一緒だから
287名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:38:13 ID:l7VGuWNH
>>278 捨丸「たら〜ら!」
288名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:57:55 ID:KH9jB4pn
アルトorルキノで月9風味な恋愛長編って・・・・・・難しいか。
289名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:00:42 ID:CBljutmH
>>288
ミッドのアーバンライフを豪華絢爛に描いたトレンディドラマですね?
290名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:03:28 ID:oygBkmm6
スイーツ(笑)臭がプンプンするな
291名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:26:58 ID:6Jcum5NT
ナンバーズについては昔はチンクとウーノ以外の区別は出来なかったんだよなぁ
ところでラグナの外見がまったく思い出せないんだけど金髪だった様な気がするんだが?
292名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:27:54 ID:tzWD7roP
スイーツ置いてる翠屋の娘さんがそこに・・・
293名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:30:06 ID:157J4gj0
>>291
ラグナって茶髪じゃなかったか?
294名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:34:02 ID:oygBkmm6
ぐぐっても車はもとより
FFのラグナやROばっか引っかかって困る
295名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:37:58 ID:6Jcum5NT
>>293
眼帯付けてて両目の色が違う金髪の娘さんってのがぎりぎりの記憶なんです
296名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:38:01 ID:Yy0drMXY
え……?
ラグ……ナ……?
ってなったのは俺だけではないはず
297名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:40:13 ID:zvM1aeXR
>>295
違うキャラと混じってるぞ。
そしてそろそろ雑談自重。
298名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:50:02 ID:KH9jB4pn
>>291
赤っぽい茶色・・・・かな?
茶髪なのは間違いないんだが、普通のブラウンじゃないな。
youtubeにでも行ってくれとしか言えない。俺はそこで確認した。
299名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 00:04:19 ID:as/ZRrxU
>>232
GJ!!
ルーテシアVSロデオ
ヴィヴィオVSセリカ
エリオVS???か
まあエリオの決着のつけなくてはならない相手はどうしても一人いるが。
どういう結末になっていくのか非常に楽しみです。
わけのわからん荒しなぞ気にせず、自分のペースで頑張ってください!
300名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 02:39:37 ID:Z2NGgZEt
顔射して精液が目に入ったら最悪失明するという話をラグナ云々と結び付けて何か書けないかなとか思ってしまって、流石に自己嫌悪が止まらない……

ゴメンよー。
301名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 03:30:00 ID:ueyiBCPF
ヴァイスの精液が見えてる方の目に入って両目とも…ですか。
確かに鬼畜といわざるを得ない。
302名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 08:47:12 ID:9PJfsE34
>>300
ヴァイスくん淋病かよw
303名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 11:23:39 ID:2f2x1Hn+
GJ!
めっちゃ大好きなエリオ夫妻には是非無事に勝って欲しい…
予言の内容から予測すると、なのは親子がやばそうなんだよな…
続きが気になります!
304名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 18:23:54 ID:8wRrsVzh
>>288
ぶっちゃけこの二人もさほどキャラが確立してるわけではないからねー
コミックスとサウンドステージを持ってればある程度の情報は得られるけど
本編しか見てない人にはさっぱりだろう……
305名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 18:43:28 ID:vb6ZP5HO
>>304
そいやヴァイスが吹聴してるアルトの恥ずかしい過去ってなに?
サウンドステージのねた?
306名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 19:03:44 ID:V8Tq/ZMz
>>305
そう、SSのネタ
確か、男兄弟に囲まれて育ったアルトは
自分も男だと思ってて男子トイレで立ったまま小b(ry、とかそんな内容だった気が
307名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 19:25:33 ID:mIPWdP/f
>>306
なんかのネタに使えそうだが、冷静に考えるとヤバいなw
親はどういう教育してたんだよw
308名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 20:01:26 ID:CZHHcL8W
(●●)クル━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━!!!!

点呼パック

コモン…ヨイショ!我慢汁
アンコモン…893、片乳脇薄、小頭の御上批判、正義シリーズ、目安箱(影のレギュラー)
レア…下手歌、氷運搬
スーパーレア…尾張様(名前だけ)、忠相の御白洲
ウルトラレア…尾張様(御本人)、シロクン(上様御用達の白馬)
シークレットレア…ドM(上様の真属性)、マツケン分身殺法
パラレルレア…(●●)
論外…将門(不義は文化)
309名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 20:50:58 ID:CZHHcL8W
誤爆に気付くのが遅くなりました、ageてしまいすみません
310名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:06:47 ID:vYRZRZ5A
ここから新しいジャンルが出て来るなんて、この時は誰も考えていなかった……
311名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:08:45 ID:FgUnl53W
>>232
ちょい遅レスですがGJ!!
はやて、クロノ、課長とともに全員かっこいいです。
そしてエリオはまた音信不通ですか!
まあ10年あまり刑務所で獄中生活してれば掴みどころがない行動になるのは仕方ないか
312名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 22:16:33 ID:a6faPjTE
>>310
JS社、時空管理局共同開発のトレーディングカードゲーム
キャラクターはJS社の美人スタッフ、ガジェット、管理局の有名局員など多種多様
シークレットレアにはあの大魔導師も……?
勝負はカードから現れる立体映像同士が闘います。

もちろん敗者には勝者のカード達から(エッチな)お仕置が!!

こうですか?わかりません
313名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:08:30 ID:vb6ZP5HO
>>306
それどういうシチュエーションでアルトは真実を知って、ヴァイスは何で知ってるんだ?
ヴァイスとの付き合いの長さは知らないが、ヴァイスが指摘したのか?
314名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:12:47 ID:EmJ2MMxn
RealSexualViolenceカードゲーム魔法少女リリカルなのはRSV
新パック続々登場!
新たなカードの力を君の目で確かめろ!
315名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:31:16 ID:9/zqR2VI
>>313
SSといえどそこまでは言及されてない。
アルト兄が言いふらしたんじゃない?

それと、ヴァイスとは訓練校からの付き合いなだけで幼少時の面識は無かったはずだが、どうだったろうか。
316名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:31:23 ID:AZqvLmL9
ちょっと質問
ハートとかのタグを使うのはあり?
317Nurupo:2008/07/03(木) 23:34:35 ID:W25365PX
静かですな。明日の朝方、■ ユーノ・スクライア逝ってよし! ■の続き投下するのでよろしく。
間が一週間以上開いてスマソ。暇な人は復習ドゾー↓

第1話  http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213890379/348-359
第2話  http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213890379/373-383
318名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:57:51 ID:N/fNCLLu
>>317
>>間が一週間以上開いてスマソ。

って、そんくらいで書けるあなたを尊敬しますwww
319名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:59:15 ID:n63O1qjz
>>316
率直に言えばNOだ
320名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:03:55 ID:wdEKrSxu
>>316
テキストで採取するんでハートはせめて☆にして欲しいなあ。
321名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:09:06 ID:JmXERr2Z
「♪」も使えたよな
322名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:23:41 ID:xsfqCENd
>>319
>>320
了解。でもちょっと悔しいからパッと思いついたの文にしてみた。


海上隔離施設にて。
うららかな春の日差し受けてゴロゴロしてるセインのもとへと、
ウェンディが「へっへっへっ、これはいいモン手に入れたっス」的な顔してやってきた。

「へっへっへっ、これはいいモン手に入れたっス」
「? 何もらったの?」
「いや、拾ったっスよ。ロストロギアを」
「へぇ、すごい」
「あ、信じてないっスね」

まさに悪戯っ子という楽しげな表情でウェンディが差しだして見せたのは無骨で味気のない杖だった。
もう本当これ以上杖らしい杖もないほどに杖っぽい杖だった。

「杖じゃん」
「杖っス」
「これがロストロギア?」
「人の夢を覗いたりいじったりできるっスよ」
「マジ?」

寝っ転がりながらウェンディの手の中にある杖を眺めるセインだったが、ちょっとだけ興味がわいた。

「じゃあ夜中にチンク姉の夢覗いてみようぜ」



『おかえり、ゼ♥ス♥ト♥』
『あぁ、遅くなった』
『本当に遅い……淋しかったんだから…な』
『スマン……』
『駄目だ。絶対許さない』
『どうすればいい?』
『ただいまのキスと……だっこぉ♥』
『む…しかしいくらか汗が』
『もう、そんな匂い、私は気にしない』
『しかし…』
『私がいいと言えば、いいのだから構うな。それとも、私を抱きあげるのは………嫌か?』
『……分かった。ほら、こい』
『えへへ。じゃあ夕食にしよう。もう、用意は済ませてある』
『先に食べていても良かったのだぞ?』
『お前と、食べたいんだ。一緒に』
『そうか……さ、お前も席につけ』
『やぁだ。ゼストの膝の上がいい』
『………分かった』
『ゼスト、あーん♥』
『そ、それをするならせめて膝から離れてくれ』
『なら……口うつし♥』
『………』
『………クスン』
『分かった……その、もらおう……』

すやすや眠るチンクの夢を覗きながら、ウェンディとセインは泣いた。
「ゼストと一緒にお風呂」のシーンに入ろうと言う所で二人はギブアップし、次の日の朝食、チンクにデザートを分けたりと言外に慰めるのだった。
323名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:40:31 ID:1n9ZpmzT
すげぇ、なにがすごいかって全俺が号泣したwww
324名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:44:50 ID:kBt71g+w
>>317
イイヤッホオオォォ!待ってましたっ!!
明日の夜、家に帰ってPCをつけるのが楽しみです
325名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:47:59 ID:+XoiFjbu
>>322
シリーズ化して続けて欲しいぞ
326名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:55:30 ID:Xq9u/NDq
>>317
投下予告だけならいざ知らず、あざとい宣伝は自演並みに鬱陶しく感じるわけだが
復習したい人は自主的に読み返すだろうに
327名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 01:09:01 ID:v/weMm4+
☆を見るとどうしても、
「中将、遂にアインヘリアルが」
「何ッ、出来たのか────☆」
とか想像してしまう。
328名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 01:18:46 ID:WujLw5Ih
☆を見るとつのだ☆ひろが…
329名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 01:27:54 ID:ohA7KQxa
ハートの記号にはウザイほどの愛情が
♪の記号にはお馬鹿or外道な楽しさが
☆の記号には理解不能の電波がこもってるようなイメージがある
330名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 01:29:21 ID:ohA7KQxa
sage忘れたごめん
331ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/07/04(金) 04:32:19 ID:c78i259e
 では予告どおり。アム○、逝きまーす 

★閲覧者の方へ★

・「ユーノ×なのは」の割と真面目っぽい話且つ純愛エロです。この組み合わせが嫌な人はスルーしてください。
・今回は第3話です。
・パソコンを閲覧しながらの飲食はやめませう。
>>326おっと、失礼したお(キリッ

・NGワードは『■ ユーノ・スクライア逝ってよし! ■』

第3話←今回ここ
第4話  わっふるわっふる
第5話  たけのこたけのこぼっきっき

〜〜前回までのあらすじ〜〜
 運命的な出会いを果たしたユーノ・スクライアと高町なのは。
時空管理局に勤めるなのはは、ある時瀕死の重傷を負う。
なのはの大怪我をきっかけに、自分が彼女を支えていこうと決心するユーノ。
その過程の中で膨らんでいくなのはに対するユーノの想い。
だが、ユーノはなのはに告白することができず、彼女に対しての想いばかりを募らせる苦しい日々を送っていた。
ある日、二人っきりになった時に、とうとうその想いが爆発し、ユーノはなのはを押し倒してしまう。

↓以下、本編スタート
332名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:34:00 ID:U/MkBSL1
>>180
GJ!!

さてさて、
おおっ!ついに旧版、追い越した!

微妙にオットーに萌え。
なんか戦闘機人の描写カットが多いね。
今回6課の描写があんまし無かった。新人とか・・・・(涙)


今さらだが、このSSではナカジマ家はクイント生存に加え実妹もいるから
キャラ的にスバルの熱血単純バカみたいな部分は逆に低いのか。というか、
本編と比べれば、ほぼ別キャラとみえる。
そうなると、繊細で余裕の無い描写も自然に思えるが、その分ティアナの
役どころが増えそうな気が。元からトーレとの対決フラグもあるし、後半の
オリ展開に期待。
 次の日。フェイトは朝からなのはの部屋を訪れた。
昨日のなのはの様子からして、ユーノとの間に何かがあったことは間違いない。気になった。
なのはとユーノを二人っきりにしてしまったのは自分であるし、その際に何かがあったのなら、
自分にも原因の一端がないとは言い切れないからだ。このあたり、生真面目なフェイトらしい考え方ではある。

 部屋の呼び鈴を鳴らすと、瞼を重そうにしたなのはが現れた。

「あ、フェイトちゃん……」
「おはようなのは、朝からごめんね。ちょっといい?」

 正直、今はあまり人に会いたくない。一人にしてほしいとなのはは思う。
だが、昨晩嘘をついてまでフェイトを追い返してしまったという負い目もあり、断れなかった。
仕方なくフェイトを部屋に上げる。昨日、フェイトに食べてもらうはずだったお菓子とお茶を出した。

「なのは、ありがとう。美味しそうだね」
「うん……」

 フェイトが何か話しかけても、なのはは心ここに在らず、という感じである。
その様子に、やっぱり昨晩ユーノとの間に何かがあったのだといよいよ確信を深めるフェイト。
一段落したところで、フェイトは単刀直入に話を切り出した。

「ねえなのは」
「ん、なに?」
「昨日、ユーノと何があったの?」

 昨日は、何かあったのか、なかったのかという、YES・NOクエスチョンだった。
だから、なのはにNOの答えで逃げられてしまった。
そういうわけで今日は、何かがあったというYESを前提にして、フェイトは質問したわけだ。

「えっ?!」

 フェイトの言葉を聞いた途端、それまで右から左だったなのはが、ようやくまともな反応を見せた。
数秒ほど何も言えずに目を泳がせた後、やっとのことで出てきた声は掠れていた。

「……えっと、その……どういう、意味?」
「そのまんまだよ。昨日の夜、ユーノと何かあったんでしょ?」
「や、やだなフェイトちゃん……別に、何もなかったけど……」

 親友のあまりにもバレバレなその嘘に、フェイトは、ふうっ……と大きくため息を一つつく。

「なのはは、嘘が下手だね」
「……っ」

 逃げられない。なのはは咄嗟にそう悟った。フェイトは、自分が嘘をついているのを確信している。

「ねえ、何があったの?」
「…………」
「なのは、今何か悩んでるよね?私、なのはが心配なだけなんだ」
「…………」
「私にも話せないこと?」

 ここまで言われてしまうと、いよいよ黙秘を続けることなどできない。
観念したなのはは、誰にも言わないで、という条件付で、フェイトに全てを話した。
ユーノに押し倒されたこと、力ずくで押し付けられてキスをされたこと、「やめて」と叫んでもやめてもらえなかったこと。
そして――それでも何故かユーノのことが嫌いになれないということ。

 フェイトはなのはの話を黙って聞いていたが、心の中では大変に驚愕していた。
あの温厚で大人しいユーノが、ここまでやるとは思っていなかったからだ。
ユーノの行為は、女性の人格を踏み躙る最低最悪の行為だ。フェイトはユーノに対して強い怒りを覚えた。

 だが、一通りユーノに対して憤慨し終えたところで、フェイトはそれだけでは済まないと感じた。
5年前、自分がユーノの告白を邪魔しなければ、こんなことにはならなかったかもしれない、と。
昨晩、自分が余計な気を利かせたりしなければ、こんなことにはならなかったかもしれない、と。
フェイトは少なからず、自分にも責任があると思った。

「フェイトちゃん……わたし、どうしたらいいんだろ……」

 いつもの明るいなのはらしくない沈んだその声。親友のこんな深刻な表情など、見たことがなかった。
改めてユーノへの怒りがふつふつと湧いてくるフェイト。
自分にも責任はある。何より、なのはの力になってあげたい。そう思った途端、フェイトの心は決まった。

「私、ユーノのところに行ってくるよ。なのはは待ってて」
 ユーノの住居には、なのはと一緒に数回行ったことがあった。
ユーノは時空管理局の無限書庫で仕事をしているが、管理局員であるなのはやフェイトとは違い、
立場はあくまで「民間協力者」である。
だから管理局の宿舎ではなく、自分で部屋を借りて暮らしていた(管理局からの家賃補助はあるらしい)。

 フェイトが呼び鈴を鳴らすと、これまたなのは同様、重そうな目をしたユーノがのっそりと扉を開ける。
もっさりしたユーノの姿を目にした途端、フェイトは怒りでユーノを叩きのめしたい衝動に襲われた。
それでも懸命に自分を抑え、努めて冷静にフェイトは振舞った。

「おはようユーノ。ちょっと話があるんだけど、あがるよ」

 なるべく今の感情を表に出さないようにしたつもりだが、少々声が尖っていたかもしれない。
ユーノの重そうな目が動揺したのをフェイトは見逃さなかった。

「あ、あ、その……ちょっと散らかっているから、少し待って」
「いいよ。私、そんなの気にしないから」

 半ば強引に、ユーノの部屋に押し入るフェイト。いつもと違うフェイトの様子に、ユーノは本能的に恐怖する。
もしかしして、昨日のことがバレたんじゃないか……と。
とりあえずリビングまで続く廊下をフェイトと歩きながら、ユーノは震える声で言った。

「お茶、入れるよ。ちょっと待ってて……」
「ううん、いらない。だって――」


「なのはのところで、飲んできたから」



 その瞬間、ユーノの身体がビクッと震え、足が止まった。廊下の温度が数℃、下がったような気がした。
背後から無言のプレッシャーを醸し出すフェイトに、ユーノは蛇に睨まれた蛙の如く、立ったまま固まってしまった。

 先に沈黙に耐えられなくなったのは、ユーノだった。
ゆっくりと後ろを振り返り、乾いた口から、やっとのことで言葉を紡ぎ出す。

「……フェイト、もしかして――」

 ばしっ

「ッッッ!!」

 ユーノの頬に、強烈な衝撃が走った。フェイトに平手打ちを食らったのだとわかるまで、時間はかからなかった。
ジーンという痛みとともに、みるみる赤みを増していくユーノの頬。
フェイトに、なのはとのことがバレたということを、ユーノは知った。
「どうして叩かれたかは、わかるよね?」
「……ごめん……」
「謝る相手が、違うんじゃないの?」

 フェイトのその言葉に、ユーノは何も言えなかった。先ほどまでのような、重い重い沈黙が再び流れる。
しばらくして、これ以上こうしていても無駄だと思ったフェイトは、ゆっくりと口を開いた。

「……で、ユーノはどうしたいの?」

 5年前に告白を邪魔してしまったという負い目もある。
昨日、目の前の淫獣となのはを二人っきりにさせてしまったという自分の失敗(?)もある。
さらに、なのはを襲ってしまったユーノの気持ちも、少しはわからないでもない。
なにせ、ユーノがなのはのことを好いているというのはフェイトから見てもバレバレ、丸わかりなのに、
当のなのはは全く気が付いていない。周りで見ているこっちの方がもどかしい。
もちろん、告白する勇気のないユーノが悪いといえば悪いのだが、なのはも少しは気付いてあげてもいいと思う。
ユーノが爆発してしまったというのも、ほんの少し、本当にほんの少しだけ、フェイトにはわかる気がした。

 だからフェイトは、ユーノに対して最後の救助ブイを投げた。
このチャンスをユーノがモノにできるかどうかは全くの彼次第ではあるが、
もしダメなら、所詮ユーノの器はその程度とフェイトは思うことにした。

 ユーノはしばらくの間、一言も発せずに黙っていたが、やがてぽつりぽつりと喋り出した。

「……なのはに、謝りたい……」
「…………」
「なのはに会って、謝りたいんだ……」
「…………」

 フェイトはあえて冷たく、しばらく無言を貫いた。
それはユーノにとっては紛れもない恐怖で――ユーノの顔がみるみる歪んでいく。
そんなフェイトに対し、恥も外聞も全て捨てて、ユーノは縋るかのように必死で訴えかけた。

「お願いだフェイト!もう一度、なのはに会いたいんだ!頼む、頼むよ!」

 まるで、身体の奥底から全てを振り絞るような魂の叫び。
だが、ユーノの悲痛な懇願を耳にしても、フェイトは黙ったままだった。

 なのはに話を聞いたとき、彼女は「あんなことされたのに、何故かユーノ君が嫌いになれない」と言っていた。
レイプ未遂をされても、なのははユーノのことをまだ信じているのだ。
そんな純真ななのはに、この淫獣は牙を剥いて襲い掛かった。
だから、この最低の男には、それなりの「おしおき」を加えなくてはいけない。
救助ブイは投げてやったものの、それに無条件で掴まらせてやる気は毛頭なかった。

「そうやってうまいこと言って、また、なのはに酷いことするんでしょ?」
「……っ!ち、違う!僕は本当に、なのはに謝りたいんだ!」
「あんなことしておいて、よくそんなことが言えるね。ユーノってホント、最低だね」
「……ッ」
 フェイトの容赦ない言葉に、ユーノの顔が屈辱で紅潮する。
だが、親友を傷つけた最低の男には、このくらい言ってやらないと気が済まなかった。
散々ユーノを罵倒した後、ようやくフェイトはユーノを救助ブイに掴まらせてやった。

「……いいよ。なのはに、伝えてあげる」

 うなだれていたユーノが一転、まるで神でも見たかのような、感謝を込めた眼差しで見つめてくる。

「フェイト……ありがとう……」
「でも、会うかどうかを決めるのはなのはだから」

 フェイトは最後まで、冷徹さを貫いた。

「最後にこれだけは言っとくね、ユーノ」
「…………」
「今度なのはを傷つけるようなことしたら、絶対許さないから」

 ピシャリとそれだけ言い終えると、フェイトはユーノの部屋を出て行く。
フェイトの凄んだその声に、ユーノは何も言うことができなかった。



 なのはの部屋に戻ったフェイトは、全てをなのはに話した。ユーノが、もう一度なのはに会いたいと言っていること。
ユーノはなのはに、謝りたいと必死で訴えていたこと。

「なのは。どうしよっか?」

 フェイトとしては、これで自分のやるべきことはやったと思った。あとは、なのはとユーノ、本人たち次第だ。
なのははしばらく迷っているようだったが、やがて意を決したかのように言葉を発した。

「……会う。会うよ。わたしももう一度、ユーノ君と話がしたい……」
「……なのはがそれでいいなら、私はいいけど……大丈夫?」
「うん」

 フェイトの問いかけに、なのははコクリと頷いた。正直言って、フェイトはなのはがユーノと会うのは心配である。
だが、当の本人のなのはにこう言われてしまっては、フェイトとしてはこれ以上は何も言えない。

「私も、一緒に行こうか?」

 せめてと思い、フェイトは一緒に行くことを申し出た。
なのはに対して再びユーノが何かをやらかすということは考えにくかったが、それでも物事には万が一ということがある。
だが、なのははゆっくりと、しかし確固たる意志を持って静かに首を振った。

「もう一回……もう一回だけ、ユーノ君を信じてみる……それに……」
「それに?」


「わたしも、ユーノ君に謝らなきゃいけないかもしれないから……」


「……なのは……?」
 ユーノは不安に苛まれたまま家を出て、フェイトから伝えられた場所に向かった。
なのはがもう一度会ってくれるということをフェイトから聞いたときは、やったと思うと同時に、
言いようのない恐怖に襲われたことも事実だ。しかし、自分から言い出した以上、逃げるわけにはいかない。

 約束の時間の30分も前に、ユーノは約束の場所に着いた。
万が一遅れたら洒落にならないし、自分を落ち着けるための時間も欲しかったからだ。
なのはを待つ間、ユーノはこれまでの人生で一番の恐怖と戦い続けた。

 やがて――なのはがやって来た。

 なのはは、来てくれた。あんなに酷いことをしてしまったのに、もしかしたら、また同じ目に遭うかもしれないのに。
さらに驚いたことに、なのはは一人でやって来た。ユーノはてっきり、フェイトと一緒に来るものだと思っていた。
驚いたと同時に、ユーノは改めて決心を固める。

 もう絶対に、なのはを傷つけるようなことはしない――と。

 まだ少し怖いのか、なのははユーノから少し距離を置いたところで立ち止まった。
ユーノが顔を上げると、なのはは慌てて顔を背ける。その表情にはやはり、どこか怯えがあった。
なのはも覚悟を決めてここにやって来たつもりだったが、いざユーノを目の前にすると、身体が強張るのを押さえられない。

「なのは……」
「……っ」

 ユーノの声に、なのはの身体がビクッと震える。声を掛けただけで怖がらせてしまうなんて……。
だがこれも、全て自分のせいだとユーノは自分に言い聞かせる。
少々の沈黙の後、意を決したユーノは勢いよく頭を下げて叫んだ。

「ごめんなのは!本当にごめん!」
「…………」
「許してもらおうなんて思ってないけど……本当にごめん!!」
「…………」

 なのはは俯いたまま、黙っていた。ユーノの言葉に、何も反応を見せなかった。
だが、ユーノはそのまま言葉を続ける。それが今のユーノのやるべきことだったから。

「僕はその……あの時、なのはのことを考えないで、自分のことしか考えられなくて……」
「…………」
「なのはの言う通り、僕は最低の人間だよ……」
「…………」

 なのはに謝りながら、ユーノは再度、自分のやってしまった罪の大きさを噛み締める。
浅ましい欲望に負け、人間として最も卑怯で最低な行為をしてしまった。
拒絶するなのはに無理矢理自分を押し付け、彼女を力ずくで自分のものにしようとした。
その結果、なのはを酷く傷つけてしまったのだ。
これだけのことをして、許してもらおうとか、ましてや好きだなんて言う資格はないと、ユーノは自認した。

「……僕の言ったことは全部忘れて……」
「…………」
「僕みたいな最低な人間に、なのはのことを好きだなんていう資格はないから……」
「…………」
「本当に、ごめん……」

 ユーノとしては、言いたいことはこれで全て終わりだ。あとは、なのはがどうするかである。
だが、なのはは相変わらず俯いたままで、一言も発しようとはしない。
(やっぱり、ダメだったか……)

 許してもらえるどころか、謝罪の言葉をまともに聞いてもらえるかどうかもあやしいとはユーノも思っていた。
だが、実際になのはの無反応の様子を目にすると、ショックだった。

(でも、これも全部……僕の自業自得なんだよな……)

 もう、これ以上ここにいても無駄だと、ユーノは重い足を引きずって家への道を歩き出そうとした。

――だが、その時だった。なのはの口が、ようやく開いた。

「ユーノ君、待って……!」

 突然後ろから投げかけられたなのはの言葉に、ユーノは弾かれるように後ろを振り返る。
なのははまだ顔を背けたままだったが、それでもユーノに向かって喋り出した。

「その……わたしも、ユーノ君に謝らなきゃいけないかも……」
「……へ……?」

 なのはの言葉の意味が一瞬わからず、頭の中で数秒ほど反芻した後、ユーノは狐につままれたような顔になった。
なのはに酷いことをしたのは自分であって、それなのになぜ、彼女が自分に謝る必要があるのだろうか。


 フェイトがユーノの部屋に行っている間、なのははベッドに寝転がりながら一人考えていた。

「…………」

 昨日は、あんなことをしたユーノに対する怒りや悲しみが心中のほとんどを占めていた。
だが、時間が経って落ち着くと、心の中にあるのは怒りや悲しみだけではないことに気が付いた。
なにより、あんな酷いことをされてもユーノのことを何故か嫌いになれない自分がいる。

(あんなことされたのに……わたし、どうしてユーノ君が嫌いになれないんだろ……)

 形はどうあれ、男の子から面と向かって「好きだ!」なんて言われたのは生まれて初めてだった。
なのはは、ユーノとのこれまでをぼんやりと思い返してみる。

 ユーノは昔から、本当に優しかった。
自分が魔法の力に目覚めてから初めて直面した大事件、『プレシア・テスタロッサ事件』でも、
その後に起こった『闇の書事件』でも、ユーノはいろいろと自分を気遣い、後ろからサポートしてくれた。
そして何より、瀕死の重傷を負い、もう歩くことすらできないかもしれないと言われて心が折れそうになった自分を、
ユーノは本当に一生懸命、献身的に支えてくれた。
彼がいなかったら、今の自分はまず間違いなく存在していない。

 そこまで考えてみて、なのははハッと気が付いた。

 自分の中におけるユーノの存在とか、そんなこと、今まで意識したこともなかった。
自分の周りに空気があるように、彼がいるのが当たり前、ましてや彼がいなくなるとか一度も考えたことがなくて。
灯台下暗し、身近な存在すぎて、逆に彼のことが見えていなかった。
それは、いつも自分を支えてきてくれたユーノに対しては、この上なく残酷な態度だったかもしれない。
昨晩のユーノの叫びが頭の中で蘇る。

『好きだっ!好きなんだ、なのはあぁっ!』
『好きなんだ、なのはのこと。好きで好きでたまらないんだ!』
『なのはのこと、好きで好きで仕方がないんだ!』

 もしかしたら、ユーノは苛立っていたのかもしれない。
自分はユーノを見ているようで、結局は全然彼のことを見ていなかった、となのはは思う。
ユーノは、もっと僕を見てほしい、僕はここにいるんだと、そう訴えたかったのではないだろうか。

 一度ユーノの存在を明確に意識しだすと、なのはは心の中で彼の存在が一気に大きくなっていくのを感じた。
「ユーノ君がいてくれるの、当たり前だと思ってた……」
「なのは……?」

 ユーノの話を黙ったまま聞いていたなのはだったが、実は内心ホッとしていた。
フェイトの前では「もう一度ユーノ君を信じてみる」とは言ったものの、正直言って怖くなかったといえば嘘になる。
また、酷いことをされたらどうしよう、と。
だが、誠心誠意謝ってきたユーノを見て、なのはも自分の気持ちを素直に言う気になったのだ。

「ユーノ君がいつも優しいのも、当たり前だと思ってた……」
「…………」
「ホントは全然、当たり前なんかじゃないのに……」

 これは一体……? と訝しげな顔をするユーノに、なのはは続ける。

 闘いの時はいつも後ろから支えてくれて、背中が温かかったこと。
大怪我をして辛くて苦しかった時に、いつも傍にいてくれて本当に心強かったこと。
いつもいつでもどんな日も優しくしてくれて、嬉しかったこと……。

 ユーノに対する今までのそういう気持ちを、なのはは連ねた。

「なのにわたし、いつの間にかそういう気持ちを忘れちゃってたのかもしれない……」
「…………」
「ユーノ君が近すぎて、ユーノ君の存在を見失っちゃってた、きっと……」
「…………」
「だからその……昨日のことは、そんな自分への罰が当たったと思っとく……」

 風向きが思わぬ方向に変わっていくのにユーノは驚き、恐る恐る問い掛けてみる。

「なのは……許してくれるって、こと……?」

 ユーノの言葉に、なのははゆっくりと頷く。ユーノは、全身から力が抜けていくのを感じた。

「……なのは、本当にごめん……ありがとう……」
「ん、よかった……いつもの優しいユーノ君に戻ってくれたんだね……」

 まだ少しお互いの態度はぎこちなかったが、とりあえずはホッとした空気が流れる。
ゆっくりと歩み寄り、どちらからともなく手を握る。
そして――今こそ改めてなのはに自分の気持ちをキチンと伝える時だろうとユーノは思った。
決心したユーノは、一度大きく深呼吸をしてから、ゆっくりと口を開く。
341ぬるぽ:2008/07/04(金) 04:48:02 ID:q9PxfrbO
引っ掛かったので携帯から自分で支援(笑)
 


「僕、なのはのことが、好きだ。なのはとずっと一緒にいたい……」



 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


344名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:49:33 ID:b9NKIv5J
支援
 一年が経った。

 あの謝罪の後、ユーノに告白され、付き合ってほしいと言われた時は、なのはは正直どうしようか迷った。
確かにユーノには好意を抱いていたが、それは「男性としての好意」とは程遠いものだった。
言ってみれば「友達としての好意」である。
だが、ユーノの真摯な態度もあり、結局彼の熱意と想いに押し切られる形で付き合うことを受け入れた。

 ユーノと付き合い始めて半年も経った頃、なのはは自分の心境の変化に気が付いた。

(わたし、ユーノ君のこと、好きになってる……?)

 今までは、ユーノのことを「友達」として見てきた。
付き合うようになってからは、ユーノを「男性」「恋人」として見るようになった。
すると、今まで「優しい」という彼の長所が、自分の「女性」の部分を強く惹きつけるようになったことに気が付いた。

 ユーノと一緒にいると、彼が傍にいてくれると、安心する。
恋人として彼と話していると、今まで感じたことのない感情が自分の中に入ってくるのを感じる。
逆に、彼がいなくなってしまうと心がきゅっとなって淋しい感じがする。
彼が自分以外の女の子――例えば、親友であるフェイト――と一緒にいるのを見ると、そわそわしてしまう。

 一般的に、女性に対して「どういう男が好き?」と尋ねると、「イケメン」やら「かっこいい」やら「金持ち」やら、
そういう回答が返ってくることが多かったりする。
だがしかし、なんだかんだで女性というものは「優しい」男に魅かれるものらしい。
ユーノは本当に、自分を優しくいたわってくれるのだ。それも、いやらしい下心とか、そういった感じはない。
ただただ純粋に、自分のことを好きでいて優しくしてくれる感じである。

――その日も、ユーノとなのはは午後からデートをした。
適当にミッドチルダの街や公園を歩き、喫茶店に入ってお茶をしながらたわいもない世間話や雑談に興じた。
喫茶店を出て再び適当に時間を潰し、お腹が空く時間帯になったら、夜景の眺められる高級レストラン……ではなく、
そこらへんの店に入ってご飯を食べた。
正直言って、おままごとみたいなデートではあったが、それでも二人は十分楽しめた。

 ご飯を終えたユーノとなのはは今、並んでミッドチルダの街を歩いていた。
別に目的地があるわけではない。なんとなく歩いているだけだ。
ちなみに――自動車の走る道路の歩道を二人で並んで歩く時は、ユーノが必ず車道側を歩く。
ユーノに言わせると、「車が突っ込んできても、僕がなのはの盾になれるから」だそうだ。
最初、なのははそれを聞いて思わず吹き出しそうになったが、そういうところに気を配るユーノの優しさに、
心が温かくなった。

「なのは、明日は休み?」
「うん、わたしは明後日からお仕事。もう一箇所くらい、どこか寄る?それとも、もう帰ろっか?」
「…………」
「……ユーノ君?」

 急に思いつめたような表情で黙り込んでしまったユーノを見て、なのはの声が不安そうになった。
しばらくの間、ユーノは黙り込み、無言のまま二人は10mほどは歩いただろうか。

「ねえ、どうしたの?」

 先に沈黙に耐えられなくなったなのはが、もう一度ユーノに声を掛ける。
それが引き金になったのか、意を決したかのようにユーノが口を開いた。

「それなら……ホテルでも、行こうか……」
 ユーノも人間であり、男である以上、なのはを「オスの目」で見てしまうことは当然ある。
今まで彼女を散々『夜のおかず』にしてきたし、それが高じて1年前の『未遂』事件もあった。

 だが、なのはと付き合うようになってから、ユーノは不思議となのはを「オスの目」で見ることが減った。
例の未遂事件の後、「なのはを傷つけるようなことは二度としない」と心に強く誓ったからか。
また、実際になのはと付き合い始めたことにより、彼女に対する「飢え」が薄まった影響もあるのだろう。
とにかく、ただ純粋に「なのはとずっと一緒にいたい・彼女を守りたい」と思うようになった。

 それでもやっぱり――ユーノは男だ。大好きななのはをぎゅっと抱き締めて身体にたくさん触れてみたい。
もっと言えば、『してみたい』。そういう衝動に駆られることが時々あった。

「えっ、ホテルって、なんで?それなら家に帰……あっ……!」

 怪訝そうな表情で疑問を口にしたなのはが、途中でユーノの言葉の真意に気付いて赤面した。
要するに――ユーノは自分とセックスをしたいと言っているわけだ。

 なのはだって、もう子供ではない。いつかは『そういうこと』になるだろうと漠然とは考えていた。
だが実際、それに直面してしまった今、どういう反応を返したらよいか、咄嗟には思い浮かばなかった。

「…………」
「…………」

 二人の足が、ふと止まった。
さっきまで楽しく会話をしていた雰囲気はどこへやら、一転して二人の間には気まずい沈黙が流れた。

「ご、ごめんなのは。冗談だよ、気にしないで……」

 気まずい空気をなんとか払拭しようと、あ…ははは…と不自然で乾いた笑いを上げながらユーノは歩き出そうとする。
ユーノ君の変態!というなのはの罵りとともに、平手打ちの一つでも飛んでくるかと思ったが、
幸いにもそれがなかったことに、彼は内心安堵した――その直後だった。
なのはがユーノの腕を捉え、顔を伏せながら蚊の泣くような小さな声で呟いたのは。

「……いいよ」
「……へ?」
「ユーノ君とだったら、いい……」

 頬を赤く染めてユーノを見上げてくるなのはの表情は、いつもより数段女の子らしく見えた。
――今、なのははユーノの部屋のシャワー室でお湯を浴びている真っ最中である。

 結論を言えば、結局ユーノの部屋で『する』ことになった。
諸々の理由で――例えば、なのははそこそこ有名人だからとかホテルはマズイ――この場所ですることにした。

 なのはは一つ、条件を出した。避妊はしてほしい、ということだ。理由は二つある。
一つ目は、単純に今妊娠してしまうのはまずいからだ。
なのはは今、管理局でバリバリに働いている最中。時空管理局も、彼女の力を大いに必要としている。
そんな彼女を妊娠でもさせてしまったら、まずなのは本人の人生計画が狂うだろうし、迷惑がかかる。
管理局の方だって、今なのはに「産休」やら「育休」を切り出されたら困惑するだろう。

 二つ目は、親――特に母親――に昔から教え込まれて築き上げられた価値観のため。
結婚する前に子供を作るのはよろしくない、という親の考えとその意味を、なのははキチンと頭に置いていた。

 そういうわけで、ユーノはなのはがシャワーを浴びている最中、引き出しの中をゴソゴソと引っ掻き回していた。

(本当に、これでよかったんだろうか……)

 先にシャワーを浴び、トランクス一丁の格好で引き出しの中を漁りながら自問自答するユーノ。
もちろん、なのはと『できる』のは嬉しい。
だが、いざ『OK』を出されると、なのはのような自分には勿体無い女性を自分が汚してしまってもいいのだろうか、
という気持ちも同時に湧き上がってきたのも事実だ。

「あった……」

 1年ほど前、とある悪友がからかい半分で、ニヤニヤしながらユーノにコンドームを渡してくれた。
いらないよ、と言ったのだが、持っておいて損するものじゃないから、という理由で半ば強引に受け取らされた。
まあ、使うことはないだろうと部屋の引き出しの奥に封印してあったと思ったが、やっぱりあった。
まさか、役に立つ日が来るなんてね……と自嘲気味に笑いながら、箱を破って中身を取り出しておく。

「ふう……」

 ユーノは一つ大きなため息をつくと、どっかりとベッドに腰掛けた。
どうしても、先ほどから感じているモヤモヤを払拭できない。本当に、なのはとしてしまっていいのだろうか。
何回考えてみても思考は纏まらず、まるでケージの中でホイールをくるくる回しているハツカネズミのようだ。

 そうして逡巡を繰り返しているうちに、寝室の扉ががちゃりと開いてなのはが入ってきた。
お風呂上りのその姿に、ユーノの心臓がドクンと高鳴る。
いつもサイドポニーに纏めている髪の毛をおろしている姿を見ると、随分と違う印象を持った。
なのはは身体にバスタオルではなくて、布団のシーツを巻いていた。
ユーノの部屋には身体を覆い隠せるような大きいバスタオルは置いてなかったので、
なのははクローゼットからシーツを引っ張り出して脱衣所に持っていったのだ。

「…………」
348ぬるぽ:2008/07/04(金) 04:54:05 ID:q9PxfrbO
(苦笑)
 なのはは無言でユーノの隣まで来ると、ベッドにちょこんと腰掛けた。
やはり、緊張した面持ちだった。当然だろう。今から「する」ことは初めてのことなのだから。
ユーノにも、なのはが緊張しているのがよくわかった。
こんな時は男である自分が何とかしなくては、と思うのだが、如何せんまだユーノは人生経験が乏しい。
口から出たのは、先ほどから感じている疑問だった。

「なのは……」
「ん……」
「……本当に、いいの?」
「え?」
「その……本当に僕でいいの?」

 どうして、この期に及んでこんなことを言うのだろうか、となのはの表情が不安げになった。
そもそも、「しよう」と言い出したのはユーノの方ではないか。

「ユーノ君は……わたしのこと、好きじゃないの?」
「すっ好きだよ、もちろん!……でも……」

 ユーノは慌ててフォローを入れた。やはり、こんなこと言うべきではなかったか、とも思った。
だが――今感じていることをきちんと伝えないまま行為に及ぶのは無理な気がした。
一度息を大きく吐き、気持ちを落ち着けてから再び口を開く。

「……なのはのこと、大事にしたいんだ」
「…………」
「さっきはその……場の勢いでついつい言っちゃったけど……」
「…………」
「これって大事なことだと思うからさ……勢いとかでやっちゃいけないと思うんだ……」
「…………」

 ユーノの言葉を、なのはは黙って聞いていた。

「もし、なのはが本当は嫌だったら……今からでも遅くない。嫌だって言ってくれれば……」

 心の中に抱いていた思いを喋りながら、一方でユーノは、自分は何を馬鹿なことを言っているのだとも思う。
なのはとエッチできる絶好のチャンスを得たというのに、なんでわざわざそれをフイにするようなことを言うのか。
だが、どうしても「本当はなのはは嫌がってないだろうか、無理に自分に付き合ってくれているだけではないか」
という疑問が最後には出てきてしまい、男の欲望に徹しきれない。

 ユーノのそういう気持ちは、なのはにも敏感に伝わったようだ。
なのはは、ちょっと困ったな……というような表情をしばらく浮かべていたが、やがて――

「っ!なのは……」

 ユーノの隣にちょこんと腰掛けていたなのはが、ユーノにゆっくりともたれかかった。

「わたしは――本当に、嫌じゃない。……ううん、ユーノ君とその……したい。嘘じゃないよ」

 なのはは本当に嘘をついてなどいない。正直な気持ちを、今述べた。
こういうシチュエーションになったら、男によっては本能丸出し、女に有無を言わさずむしゃぶりつくだろう。
女性側の都合など考えず、ただただ男の欲望を押し付ける――あの時のユーノのように――獣も少なくないはず。
だが、ユーノは自分が本当に嫌がっていないか、もっと言えば、自分の気持ちをキチンと尊重しようとしてくれる。
なのはは改めて認識した。自分は、ユーノのこういうところに魅かれたのだと。

「……わかった。ありがとう、なのは」

 ユーノは覚悟を決めた。迷ったままなのはを抱いても気持ちよくないだろうし、第一なのはにも失礼だ。
自分にもたれかかってくるなのはの身体に手を回し、ぎゅっと抱き締めた。
350名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:55:57 ID:b9NKIv5J
支援
351名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:58:36 ID:wdEKrSxu
私怨11
352 ◆6W0if5Z1HY :2008/07/04(金) 04:59:40 ID:c78i259e
 今日はネットカフェからの投稿なので、改行数や連続投稿に引っかかりまくってgdgd……PC逝ってよし!!
>>344ありがとう。読みにくくなって大変申し訳ない。疲れた……今回はここまで。もうねるぽ……

第1話  http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213890379/348-359
第2話  http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213890379/373-383
第3話  >>333-340 >>342-343 >>345-347 >>349
353名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 07:35:11 ID:YpDpSE7R
作品は非常に楽しみなのですが、中の人の2ちゃん語が興ざめ感たっぷり。
354名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 08:26:33 ID:XKC4MT4s
なのはが、優しくされれば案外簡単にふらふらと他の男に行きそう
355名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 08:27:29 ID:+XoiFjbu
>>352
なんでそんなに宣伝に走るか……
だからユーノ厨はうざいと言われるんだぞ
356名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 08:42:43 ID:VqEBH9ZA
黙れ
357名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 09:02:19 ID:G+nqbFlY
いるよな
後書きで自分語りとかする奴
誰も聞いちゃいねーよ
358名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 09:14:52 ID:k2XSs9MU
>>355
ユーノがメイン張ったのを書いた→ユーノ厨という思考がすげえ。
ユーノ好きというわけではないが、その人たちにしてみれば一括りにされて
不快だろうな。

まあ、>>352の宣伝や語りが鬱陶しいのも事実だが。
359名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 09:20:49 ID:tm8qE74w
>>352GJですよ!
フェイトもきっちり怒ってユーノをほとんど許さなかったのに好感が持てますし、ユーノの付合い方もあれだけのことをした後なのを考えたら実に良い付合い方です。
昨日の夜の宣伝行為(のつもりではなかったのでしょうが)は正直ないな〜と思ってたけど一気に文章に引き付けられました。
続きを楽しみにしてます。

>>357
そうか?少なくとも俺は好きな作品の後書きならどんな内容でも読むよ。
てか>>352は投下に障害が出た理由を少し説明しただけじゃん。
それを自分語りって……
360名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 09:30:17 ID:G+nqbFlY
誰が>>352の話だって言ったよwww
361名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 10:31:59 ID:JnnHUaJg
つうか、読み手は職人さんが書きやすい環境を整えるのが最低限のマナーじゃないのかね?

>>352
GJ!スケベシーン全裸で待ってる!
362ぬるぽ@携帯からハロハロ:2008/07/04(金) 11:26:06 ID:q9PxfrbO
 うあ、これはしまった……。
火に油かもしれんが、なぜ自分は『あんなこと』をしているのかを一応説明しておくと、宣伝のつもりではなくて

@2・3月頃、作品が大量に投下され、3日で1スレ消費とかすごかった時期がありました。
あの時は自分自身、読み手として「この話、前回ってどんな感じで終わったっけ?」となることが多く、
大量に投下されているSSの中から「前回の話」を引っ張り出して「復習」とかしてたのですが、
大量に投下されているSSの中から「前回の話」を探すのが、正直面倒だと思ったことがありました。
そんなわけで、書き手の立場に立ったときは、「速攻で前回の話に飛べたら便利かも」と
自分なりに考えて『あんなこと』を始めた次第です。
投下ペースが落ち着いている今の時期はそんな配慮いらんやん、と思う方もいるでしょうが、
一度やったことは今回もやらないと気がすまないというか、そういう性格なもんで……。

Aもう一つ。ああやって投下した『地点』を整理しておくと、
ひょっとしたら保管庫業務の方の仕事を1%くらいは軽減してあげられるかもしれないなあ…と。
(実際はどうかわかりませんが)


しかしアレか、過ぎたるは及ばざるが如しって感じもしてきた……。
とにかく、作品を読んでくれる方、いろいろと指摘してくれる方、ありがとうございます。
363名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 11:33:42 ID:VwvblGtX
きにしなくてイイよ!
毎日わいてる自宅警備員だから
364名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 11:43:15 ID:RNJ7y0Sp
>>362
や、読み手のことまで気を遣えるのはすごくいいことだと思います。
今ぐらいのペースならと言いますが複数の作品を同時に追っていると内容がごっちゃになりがちなのでありがたいです。
365名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 11:43:39 ID:VqEBH9ZA
続きを全然書かない人もいるしな
366名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 11:50:26 ID:SvT0gvrY
>>362
おk、そういう配慮はいいと思う。
ただ、あなたも含めて自分が面白いと思ってるノリを
SS以外で見せる職人にげんなりする層がいるのはわかってほしい。

>>363
スレの多勢だと思うとそれ以外を虫けらみたいに扱うよね、ここ
367名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 12:15:13 ID:XYIcY4Hc
大分前にユーノ系は散々たたかれて、主役貼るような話はほとんど追い立てられたからな。
今でもユーノメインを書くと即座に叩くやつがいるからなぁ。

ユーノスレのほうじゃ無いと、ユーの主役の話は書きにくい環境になってる。
368名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 12:25:12 ID:mqZpJBmZ
第一期のアニメ見てないんでちょいと聞きたい。フェレットがなのはと一緒にお風呂に入ったり、着替の時おなじ部屋に居たり、一緒のベットで寝たりってイベントってあったかの?
369名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 12:29:30 ID:EL0lVyk/
着替え時は確実に居た。
風呂はコミックで一緒にはいって(ry
ベッドは憶えてない。
370名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 12:32:48 ID:sbPV6f+i
>>349
こいつは甘え!
まるでチョコレートにハチミツをぶちまけるが如き甘さ!!

いよいよ本番だぜ!
甘ったるいニャンニャンを俺たちに見せてくれぇ!!


あと前回の紹介とか俺たちには不要です。
まとめWIKIがあるし、検索かければいいし、なんとでもなりますので。

371名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 12:37:18 ID:nO2JvqwI
温泉でなのは以外の女性陣とも入ってたな
372名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 13:10:30 ID:nBVd7H6Y
正確には……
ユーノがいるのを承知の上で、なのはが着替えを始めた(なのははユーノの正体をまだ知らない)
ユーノ、慌てて後ろを向く。

温泉での着替えの時、なのはがユーノを脱衣場に連れ込んだ(まだ正体知らない)
ユーノ、男湯に逝くと申し立てるも、色々見てしまってノックダウン。そのまま女風呂へ連れ込まれる。

訓練終了後の風呂。なのはとユーノ、一緒に入ってる(すでに正体を知っている)
ユーノ、姿はフェレットのまま。



一緒に寝てる描写はなかったはず。
ベッドに倒れてそのまま寝てしまったなのはに、シーツをかけてあげる描写はあったが、そのときだけ人間に戻って、またすぐフェレットになって自分はバスケットに戻ってる。
373名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 13:10:55 ID:MaSMjway
まあ八割がた無理やりだったんだけどなw
374名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 13:17:07 ID:UgHQ9BUY
一緒のベッドはなぁ……
描写はないが、寝ぼけなのはにユーノが齧られたことがあるから
偶にはあったんじゃないかな

当然なのはが主導で
375名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 14:27:08 ID:tm8qE74w
てかエリオより一つ下の9歳だぞ?
とても仲いいんだぞ?
ギャグとかでイジルならわかるけど本気で淫獣だと思ってる人はちょっとアレだよね
376名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 15:58:40 ID:JmXERr2Z
普通はラッキースケベくらいの意味だよなぁ
377名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 16:24:43 ID:2rE+p/32
>>375
しかしユーノ自身が意識してしまっている以上、淫獣と言われても仕方ないのかもしれない
378名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 16:29:29 ID:MuNSfGnk
>>375
自分が人間だって明かしてないのに風呂に入ってったり一緒に寝てたりしたら
淫獣と言われても仕方ないと思うが
379名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 16:47:16 ID:nBVd7H6Y
本人は、なのはが正体知ってると思い込んでたからなぁ。邪な想いがあって意図的に隠してた訳じゃないし。
380名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 16:57:15 ID:YpDpSE7R
淫獣って呼ぶのは妬み半分だろ、正直。
381名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 17:38:15 ID:VD6HG9mM
いやだなぁ、愛称に決まってるじゃないですか。
382名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:07:34 ID:Z5miLGLc
アニメキャラに本気で嫉妬してる奴なんているのか?
いや、たまに見かけるけどさ。
383名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:16:37 ID:GUp6hE6A
こういったスレでアニメキャラだの二次元がどうの言う奴は自分が空気読めてないって自覚あるんだろうか
384名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:17:47 ID:VwvblGtX
あいやーえいあーおあーいおー
あいやーえいあーおあーいおー
385名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:18:10 ID:VwvblGtX
誤爆スマン
386名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:20:07 ID:VD6HG9mM
どんな誤爆なんだ!
387名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:28:58 ID:J52ehfL9
>>382
ニコ動見れるならリリちゃプレイ動画8話〜14話見てみ。
とくに10話、11話、14話。

笑えるくらいに嫉妬の山。
388まさと:2008/07/04(金) 18:33:01 ID:Fi+ViwBe
ムラムラしてます

女の子募集^^
389名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:44:11 ID:WujLw5Ih
なんか情熱大陸が聞こえた
390名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:44:25 ID:+qMQcIOy
>>387
実に笑えました
391名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 19:33:25 ID:K5XRcjzl
>>352
GJっした。

一つ疑問というか、違和感感じたのは、付き合い始めてから今回の展開に至るにあたって、ユーノの方から切り出したことかな。
強姦未遂までやらかして罪悪感一杯だったユーノの方から、そっち方面のアプローチかけるのはアレかな、と。
むしろ下手に手を出せなくなって、逆に自分の気持ちに気付いたなのはの方が、いつまでも関係が進まないことに悩む、とか。

まあ、個人的な意見は置いておいて……続きを期待してますぜ。
392名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:23:11 ID:9BqPrGrv
お前の違和感なぞ溝に捨てちまえ
393名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:37:46 ID:jjjkwFbF
>>366
>>スレの多勢だと思うとそれ以外を虫けらみたいに扱うよね、ここ

当たり前でいいことじゃん。何か問題あるんか?
394名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:52:50 ID:nO2JvqwI
>>393
自分が虫けらみたいに扱われたのが気に入らないんだろ?
相手しちゃいけません
395名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:01:31 ID:rAdC9MBd
最近はエリオものだろうが、ユーノものだろうがどちらとも荒らしみたいなのがでてるからな。
まあスルーするのが一番っしょ。
396名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:12:21 ID:uSdqVuu0
>>392
いや、さすがにそれは言いすぎだと思うよ……
SSを読んでどう思うかなんて人それぞれ違うんだから……
397名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:26:15 ID:MuNSfGnk
なんか今日は変な雰囲気だな
単発IDで何度も書き込んでる奴いるだろ
398名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:27:40 ID:zH3IR2jR
ここんとこ変な流れだよな止まっちゃいないけど、昔はこんな流れあったの?
399名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:33:13 ID:uSdqVuu0
>>398
まあこういう場所だし荒れる事は普通にあるよ
このスレは途中で誰かの投下が始まる→鎮静するのパターンが多いから
あまり荒れる印象が無いのかもしれないけど

400名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:33:16 ID:fMjrSibH
なかったなあ。
こういう流れになりそうな雰囲気があってもスルーされてたし。

というか雑談が多くなってきたのもここ二十スレぐらいか。
去年までは作品の投下と感想が大半占めてて、600ぐらいで次スレ立ってた。
401399:2008/07/04(金) 21:34:42 ID:uSdqVuu0
あ、こういう場所ってのは匿名掲示板ってことね
402名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:37:41 ID:qeEGTd8c
>>398
昔から時々あるよ?
言い換えると無かった日は無かったとも言える。
403名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:45:55 ID:GUp6hE6A
>>398
前から荒れるときは荒れるし荒れないときは荒れないって感じ
当たり前だけどさw
俺は3〜40スレ辺りのが雰囲気好きだったぜ
>>402
言ってることおかしくないか?w
404399:2008/07/04(金) 21:58:29 ID:uSdqVuu0
>>403
>>402は言語魔法の使い手なんだ
405名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:09:35 ID:nO2JvqwI
>>395
とは言え、最近男キャラでその二人以外がメインの投下を見ないのはなぁ
クロノとかヴァイスとかゼスト辺りがメインの作品も読みたいものです
406名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:19:05 ID:WujLw5Ih
ウホッ分が足りない
407名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:21:42 ID:Hz7ASeFC
クロノは多くないか?
最近の印象だが。

とりあえず、ゼスト、レジアスやゲンヤといったおっさんぶんを補給してくれ〜〜w
4084の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:33:22 ID:bSwdQNm2
 ご無沙汰すぎるご無沙汰です。4の422です。えーと、40スレぶりくらい?w
 無事Jrは産まれました。女の子です。
 というか、産まれたというより、すでに三ヶ月、0.25歳ですw
 (那ノ花でも七瀬でも美由希でもはやてでも笛伊都でもB太でも斜理緒でも昴でも詠美衣でもありませんがw>名前)

 「もう一人…」か「CherryLight・NEXT」を投下したかったんですが、
 あまりにも間が空きすぎたので、リハビリを兼ねて全然別の物を書いておりました。

 とりあえず
 ヴィヴィオ自慰(?)
 微エロ、後半少しだけパンニー(w
 10レスほど使用しまーす。
4094の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:35:59 ID:bSwdQNm2
 
「じゃあ、ヴィヴィオ、私は帰りますから後のことはよろしくお願いしますね」
「はいっ! 今日もありがとうございました。アイナさん!」
「はい、さようなら」
「さよならー」
 手を振ってアイナを見送ったヴィヴィオは、玄関の扉を閉め、鍵をかけるのももどか
しく、脱兎のごとくリビングに取って返す。
 たたっと廊下を付き抜けリビングへ、そのまま一気にキッチンまで駆けて行く。
 目当てはアイナが作ってくれた今日の夕飯。
 コンロの上に目標物を発見したヴィヴィオは、にっこり笑ってお鍋の前へ行くと、そ
の蓋をぱかっと開けた。
 途端、ふんわりと美味しそうな匂いがヴィヴィオの鼻をくすぐる。

「わっ! 美味しそう! えへへぇ、クリームシチューかぁ、なのはママ早く帰ってこ
ないかなぁ〜
 アイナさんのクリームシチューは私の好きな鮭とかベーコンが入っててすっごく美味
しいんだよねー……そう、ものっっっごく美味しいんだよ……うん、ほんとに……思わ
ず味見しちゃいたいくらいに……おい…………しい……」

 誰もいないはずの周囲をきょろきょろと窺うヴィヴィオ。

「……うん、そうだ! なのはママも大好きな味か確認しなきゃ! そう、決して私が
つまみ食いしたいからじゃないんだよ。なのはママのためなんだから! うんっ!」

 この行動は正義だと自分に言い聞かせ、ぬふふふふ、と、留守宅に侵入したこそ泥の
ような笑みを浮かべると、ヴィヴィオはお鍋の蓋を一旦元に戻し、食器棚へと歩み寄…………


 ・ ・ ・ 流し台の上にラップをかけられた白いお皿が一枚 ・ ・ ・


「…………」
 こそ泥の姿勢のまま、ヴィヴィオは顔だけ向いてそれを見つめる。
 目をしばたかせながらも、ゆっくりとそのお皿に向き直り、そっとかけられたラップ
を取り払うと、わずかな量のクリームシチュー。
 それがお鍋の中身と同一であるのは火を見るより明らか。 

 『食いしん坊のヴィヴィオのための味見用です。 アイナより』

 お皿を重石にして置かれたメモが、10歳のヴィヴィオの哀愁と涙を誘った。



  魔法少女リリカルなのは  〜 A love affair in the bath  〜

4104の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:36:45 ID:bSwdQNm2
「まったくぅ! アイナさんってば、ヴィヴィオ食いしん坊さんなんかじゃないもん!
違うもんっ!…………美味しかったけど……」
 ぶつぶつ文句を垂れながら、ヴィヴィオはテーブルの上に食器を並べていく。ちなみ
にフェイトは先週から次元航行勤務のため、明後日まで帰ってこない。並べているお皿
はヴィヴィオとなのはの2人分である。

 機動六課解散より数年後。
 正式にヴィヴィオを引き取ったなのはは、そのヴィヴィオと、そしてフェイトと共に
ミッドチルダに一軒家をかまえ、そこで暮らし始めた。
 娘ができたことにより、なのはは教導の任務すら抑え始め、なるべくヴィヴィオと同
じ時間を過ごそうと勤めている。ほぼ毎日、定時とはいかないものの、夜になったな、
と思うくらいの時間に帰宅するのが、ある意味なのはの日課となっていた。
 そして帰ってくるなのはを心待ちにするのもヴィヴィオの日課と言えた。

「よしっ、できたー♪」

 とりあえずアイナへの怒り(?)を落ち着かせ、綺麗に並べることのできた食器達に、
うんうんと満足したヴィヴィオは思い出したように時計を見る。
 と、時間はまだ6時半を少し回ったところ。
「なのはママが帰ってくるまでまだ1時間くらいあるなぁ……んー、どうしようかな……
宿題はやっちゃったし、今日は見たいテレビもないし……、お風呂はなのはママと一緒
に入……ん?」

 うーん、と頭を唸るヴィヴィオの脳裏にふと一つのアイデア。

(ただいまー、ヴィヴィオー)
(なのはママー、おかえりなさーい。ねぇ、聞いて聞いてー)
(ん、何何、どうしたの?)
(えっとねぇ、今日は、魔法じゃなくて、1人でお風呂で頭洗えたのっ!)
(ええっ?! シャンプーカードじゃなくて自分で洗ったの?!)
(うんっ! ちゃんとできたよー。ほらほらー)
(うわぁ、凄いね、ヴィヴィオ、いつの間にできるようになったの?!)
(えへへー、だってなのはママの「むすめ」だもんっ!)
(えらいえらい。もしかしたらフェイトママより上手かもしれないねー。よし、じゃぁ
ご褒美にキャラメルミルク作ってあげるね!)
(わーい、やったぁ!)
 
「……え、えへへ、それでもって、ヴィヴィオもお手伝いするー、って言って、なのは
ママと一緒にキャラメルミルク作って、なのはママに抱っこしてもらってキャラメルミ
ルク飲みながらお話して、それから一緒に歯磨きして、お布団の中でまたいっぱいいっ
ぱいお話して、なのはママのおっぱいにお顔をぎゅ〜ってして寝るんだ、えへ、えへ、
だってなのはママのおっぱいってふよんふよんしてて柔らかくって、お顔をむにゅーっ
てすると凄く気持ちよくって、あ! でも待って、後ろから抱っこしてもらって、頭の
上でなのはママのおっぱいを堪能するのも捨てがたいんだよね、頭にむにゅむにゅーっ
ておっぱいが当たるのすっごくすっごく気持ちいいんだもん、えへ、えへっ、えへへへ
…………はっ!?」

 口元を伝うよだれの感触にヴィヴィオははっと我に帰る。
4114の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:37:41 ID:bSwdQNm2
「いけないいけない、最近なのはママのおっぱいのことを思い出すといつもこうなっちゃ
うんだよね。なのはママのおっぱいって何か魅了の魔法でもかかってるのかな?」

 齢10歳にして某執務官にでも教わったかのような、危なすぎる言葉(及び妄想)を
炸裂させるヴィヴィオ。
 現状、その某執務官の若き日のごとく、頭を洗う間、目を開けていられないヴィヴィ
オは、1人で頭を洗うことができなかった。
 がんばってはみたのだが、シャンプーの泡の恐怖に固く目を閉じていると、シャワー
がどこへ行ってしまったかわからなくなり、探す→滑る→転ぶ→号泣、の大惨事を引き
起こして以来、洗髪はもっぱらなのはかフェイトの役目。
 それでも2人が一緒に入れない場合を考慮し、シャマル謹製のシャンプーカード(洗浄
魔法の込められた魔法カード)が高町家の浴室には常備してあった。

 幼子にとって、「母親に誉めてもらう」、に勝るご褒美など存在しない。

「よぉーし、がんばって1人で頭洗ってなのはママに褒めてもらおーっと!」

 初めての●●のごとく、幼女ヴィヴィオの本日の目標が決まった。

 〜 〜 〜 〜

 寝室のタンスから着替えの下着とパジャマを取り出すと、ヴィヴィオは急ぎ足でお風
呂場へと向かう。
 脱衣所のドアを開け、「う゛ぃう゛ぃお」と書かれた籠にそれを入れると、えいえい
と着ている服を脱ぎにかかる。
 急ぎつつも、服を脱ぎ散らかすとなのはの「静かな怒り」が炸裂するので、洋服も下
着もきちんと畳んで洗濯籠に入れた。
 そして素裸になったヴィヴィオはいつもの日課にかかる。
 なぜか脱衣所に置いてある姿見に全身を写して、片手を腰に、もう片手を頭に置いて、
お尻を突き出して腰を捻るポーズ。そしてとどめにウィンクを一つ。

「これをやると「すたいる」がよくなるんだよ、ってなのはママが教えてくれたけど……
っていうか、これをやってる間、なのはママもフェイトママも(時には2人で)私を見
ながら「かわいぃーーっ」って叫んでるんだけど……私、騙されてないよね?」

 常日頃の疑問を口にしつつも、反対側にお尻を突き出して腰を捻ってウィンク一つ。
これを2回でワンセット。それを3セット繰り返してヴィヴィオは本日の日課を終えた。

 えいっと気合を入れて、ヴィヴィオはお風呂のドアに向き直り、ドアノブに手をかけ……

「あ、そうだ、シャンプーどうしようかな……」

 まだ自分のシャンプー持っていないヴィヴィオは、なのはかフェイトのを拝借しよう
か、とも考えつつ、洗面台の下のドアの中に何か入ってないかと、なにげなくそのドア
をぱかっとを開ける。
 ちょっとした暗がりのそこにははたして目的に沿うようなものは入っていなかった。
なのはやフェイトの予備のシャンプー、歯ブラシや歯磨き粉の予備……そして……

「んー……無いなぁ、やっぱりなのはママのを借りよ……ん? これ何だろ?」
4124の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:38:32 ID:bSwdQNm2
 ふと目に入った小さな四角い袋(?)にヴィヴィオの視線が注がれる。
 何気なく手り、そのパッケージに書かれた文字を読み上げる。

「えーっと……『発泡タイプ 薬用入浴剤 ミルクティーの香り』……あ! あの泡が
ぶくぶくーって出るやつだぁ! へぇー、こんな袋に入ってたんだぁ」

 時々なのはやフェイトが
「あ〜、このぶくぶくが背中に当たるのがいいんだよね〜。極楽極楽ぅ〜♪」
 などとじじむさいことを言っていたのヴィヴィオは思い出し、もしかして、と思い、
改めてドアの中を覗くと、同じような袋がいくつも目に付く。
 3つ4つ取り出して見ると薔薇の香りであったりハーブの香りであったりと色々。
 あの普段凛々しいなのはやフェイトが、バスタブに浸かってほにゃ〜ん、という緩み
きった顔をしていたのを思い出し、そんなにいいものなのかな思うにつけ、むくむくと
これを使ってみたい衝動がヴィヴィオの中に湧き上がってくる。

「……1個くらいなら……いいよね。後でちゃんとなのはママにこれ使いました、って
言えば……うんっ!」

 そうと決まればさて色々種類はありそうで、どれを使ってみようかヴィヴィオは迷う。
「……ん〜……どれにしよっかなぁ〜……とりあえず、これ……かな?」
 やや迷ったが結局私が手にしたのは最初に見つけたミルクティーの香りのもの。


「……ミルクティーが美味しそう、とかそういうんじゃないからね、違うからねっ!」


 誰に言うでもなく、1人突っ込みを展開すると、ヴィヴィオはその他の入浴剤を元の
場所に戻し、にこにこと浴室のドアを開け、少し背伸びをして入り口の横の保温ボタン
を押す。
 ピー、と軽い電子音がして、保温・洗浄魔法により、バスタブの水が浄化され、一気
に湯気が上がり始めた。
 ヴィヴィオは湯気の上がるバスタブに歩み寄ると、洗面器にお湯を汲んで、ちょいちょ
い、っと指先で温度を確かめる。ん、ちょうどいいちょうどいいと呟くと、ざばっと軽
く湯をかぶり、もう一度お湯を汲んで、そのお湯で軽く股間を洗うと、さてお待ちかね、
とばかりに、手にした入浴剤の袋をぺりぺりと破く。

「うわっ! すごい匂いっ!」

 当たり前と言えば当たり前だが、薬の錠剤を大きくしたような形状のそれから、ミル
クティーを凝縮した濃いミルクと紅茶の香りがヴィヴィオの鼻を突く。
「え、ええっと、た、確かこのままお風呂に入れるんだよね」
 その匂いに思わずふらふらしながらも、ヴィヴィオはなのはがやっていた光景を思い
出し、それを湯船の中に落とし込む。
 とぷんっ、と軽い水音を立てて、それはすーっとバスタブの底に沈んでいった。
 そして湯船の中を覗きこむまでもなく、いっきに錠剤からぶわーーっと泡が出始める。

「うわっ、うわっ! うわぁっ! すごいすごーいっ! ほんとにぶくぶくしてるーっ!」

 泡が水面でしゅわしゅわ弾ける音と共に、だんだんと浴室がミルクティーの甘い香り
で満たされていく。
4134の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:39:05 ID:bSwdQNm2
「ん〜……い〜い匂〜い……」
 2度3度、鼻で大きく深呼吸して、胸いっぱいにミルクティーの香りを取り込む。

「なんだか……ものすごく飲んでみたい気がしてきた……けど……飲んじゃだめ…………
だよね、流石に」

 えへへ、と頭を掻きながら、今一度洗面器にお湯をすくってみる。
「うわー……すごーい……」
 錠剤のおかげでほんのり白く色づいたお湯が洗面器の中でゆらゆらと揺れている。
 ヴィヴィオはえい、とそのお湯を肩からかぶり、身体からほんのり香るミルクティー
の香りに酔いしれる。
「よぉーっし、そろそろいくよーっ! スターズ01・高町ヴィヴィオ、行きまーすっ!」
 かつてのなのはの掛け声の口真似と共に、ヴィヴィオはえいと湯船に飛び込む。

 なのはには常々危ないからダメだ、と言われてはいるが、飛び込んだ時にお尻当たる
お湯の感触が楽しく、1人で入る時はいつも飛び込みを敢行しているヴィヴィオだった。

「うひゃぁっ! ひゃぅっ! くすぐったぁいっ!!」

 と、飛び込むや否や、勢いでお湯が揺れ、錠剤があちらこちらと移動し、それに合わ
せ、ヴィヴィオの足の裏やふくらはぎや太ももにぶくぶくと泡が当たり、思わずその口
から声が漏れる。

「あはははは、あは、あははは、お、面白〜いっ! あ、そだ、背中にもっ!」

 なのはがやっていた姿を思い出し、ヴィヴィオは背中で泡の感触を楽しもうと、一旦
湯船の中で立ち上がり、足でバスタブの底で未だ元気に泡を出し続けている錠剤を背中
側に蹴り飛ばす。
 コン、と錠剤がバスタブの端に当たる音と、錠剤の泡が弾ける音を頭の後ろに聞きな
がら、ヴィヴィオはバスタブのふちに頭を置こうと、ゆっくりとしゃがみ込……

「ひゃぁぅっっ!!」

 叫び声と共に文字通り飛び上がるヴィヴィオ。

「なっ?! なにっ!? 何今のっ?!!?」

 時間にしてほんの一瞬。
 泡の粒の数にしたところで、ほんの数十粒……

 背中に当たるかと思っていた噴き出す泡が、ほんの僅かにヴィヴィオの股間をかすめ
た……ただそれだけで、
 ばくばくと全力疾走したかのように心臓が激しく脈打ち、息も荒い。よく見ると足も
微かに震えている。

 なにが起こったのかわからないヴィヴィオは、股間のすぐ下の水面で、ぶくぶくと弾
ける泡を、両手で身体をしっかと抱き見つめ続ける。

「お、お股のとこがびりびりって……な、なんだったの、今の……?」
4144の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:39:55 ID:bSwdQNm2
 そっ、とヴィヴィオは右手を股間へと誘い、ぴたりと閉じた1本筋を包み込むように
その手を被せる。
「……」
 別段、自分で触れたところで何の感慨も沸いてこない。ではさっきのは一体何だった
のかと、ヴィヴィオは恐る恐る、右手を股間から外し、今一度、水面で弾ける泡に向け、
その身をゆっくりと落としていく。

 そして股間が水面に触れるまであと数cm、さすがに一旦そこでヴィヴィオは動きを止
める。
 視線は弾ける泡を見つめ続け、収まりかけていた鼓動もまた激しさを増し始め、はぁ
はぁと荒い息を吐く口の中は、極度に乾いてからからになっている。
 理解はできていなくとも、「これ」に「ここ」が触れれば「何か」が起こる、と本能
で感じ取ったのか、そこから進もうとする好奇心と、引き止める恐怖心がせめぎ合い、
鼓動も呼吸も尚一層激しくなっていく。

 そして震える身体をやっとのことで動かし、ヴィヴィオは最後の数cmを、超えた。

「はぁぁっ! あっ! あぁあぁっ! だ、だめぇっ!」

 ばしゃぁっ、と派手な音を立て、自ら湯をかぶることもいとわず、ヴィヴィオは両手
で股間を押さえ込み、風呂の中で中腰になる。
 未だ発せられ続ける細かな気泡はヴィヴィオの手の甲に遮られ、敏感な部分には届か
ない。そこでようやくヴィヴィオは自分の身体に変化を与えている「部分」を認識する。

「こ、ここ……なのはママが女の子の大事な場所だから触っちゃいけない、って……」

 自分の押さえているその部分。

 ヴィヴィオはそこをガードしている手をほんのわずかにずらす。

「ふぅっ! んんっ!」

 手の隙間からもぐりこんだ気泡が、ヴィヴィオのふっくらとした、まだそう呼ぶにも
おこがましい大陰唇を容赦なく攻め立てる。

 が、3度目であることと、かつ手のガードによる適度な量の気泡により、ヴィヴィオ
にもいくらか状況を把握する余裕が生まれる。
「お股っ、にっ、しゅわしゅわ、がっ! あはぁっ! あっ! な、なんか、お腹の中
に入ってくるよぉっ!」

 それはつまり、固く固く閉ざされていた大陰唇、同時に性への扉が開いていくことを
も意味する。

 気泡により大陰唇が柔らかくほぐされ始め、その内部に隠された場所へと気泡が到達
し始める。

 いつの間にか両手は、ほとんど股間を露にする形でそこを離れ、そしてまたヴィヴィ
オの意識しないところで、ゆっくりと大陰唇を開こうと動いていた。
4154の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:40:43 ID:bSwdQNm2
 そして大陰唇が開かれたことにより、気泡は隔てるものなくその全ての力をヴィヴィ
オの股間へと集中する。

「あっ! あっ! あぁぁっ! ひゃぅんっ! ひぃぃぃぃっ!」

 そして、
 気泡は容赦なく、
 厚い包皮に包まれ、
 外気に触れたことすらない、小さな愛の粒を、
 その包皮ごといっせいに擦り上げはじめた。

「ひぁっ! はっ! ああああぁぁぁっっ!!!」

 米粒にも満たない、小さな小さな未発達の愛の粒ではあるが、それでもまぎれもなく
それはヴィヴィオのクリトリスである。
 クリトリス、−陰核−と表現されるこの器官は、人間の身体の中で唯一、性的快感を
得るため「だけ」に存在する器官である。
 陰核は、交尾の際に女性器に男性器を迎え入れるため、女性器内を潤すための潤滑油
−愛液−を導き出すため、身体に与えられる快楽を、スムーズに効率よく胎内に取り込
むために存在している。
 受胎や排泄、搾乳といった他の機能を一切併用しない、人間の身体の中で唯一、愛の
器官と呼べるべき存在なのである。

 最も敏感な部分を気泡に蹂躙され、ヴィヴィオの身体ががくがくと震えだす。

「ああっ! やはぁっ! たっ、助けっ! マ、ママぁっ! あぁっ! やっ! ママぁっっ!!」

 がくん、とヴィヴィオの膝が折れ、湯船の底に付く。

 距離が縮まったことにより、錠剤から発せられる気泡の全てが、

 一気にヴィヴィオの股間に集中した。

「ふぁああああぁぁぁっっっっっ!」
 絶叫。
 そしてヴィヴィオの身体がぐらりと崩れ落ち、背中から湯船にばしゃぁ、と倒れこむ。

 と、同時に。

「ヴィヴィオっ!」

 叫び声と共に、教導隊の制服姿のなのはが風呂場に飛び込んでくる。
 そのままなのははバスタブに駆け寄り、お湯の中に沈み込もうとしているヴィヴィオを、
服が濡れるのもいとわず、ざばっと引き上げた。

 〜 〜 〜 〜
4164の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:41:38 ID:bSwdQNm2
「ほんとびっくりしたよ、早く帰ってきたのにヴィヴィオの姿が見えないから、お風呂
かなと思ってドア開けようとしたら急に叫び声が聞こえるんだもん」
「……ごめんなさい、なのはママ……」
「いいよ、ヴィヴィオが無事だったんだから、気分とか悪くない?」
「うん……大丈夫……」

 ヴィヴィオの部屋。
 風呂の中で倒れたヴィヴィオをなのはが助け上げ、呼吸や意識がしっかりしているこ
とを確認し、そのままバスタオルでくるみ上げ、部屋まで運んでベッドに寝かしつけた
ところである。

「でも一体どうしたの? お風呂の中で倒れるなんて」
「え、ええっと……その……」

 言えない。
 入浴剤で自慰をしていて、初めての絶頂に意識を失いかけた、などど。
 ……それ以前に自慰や快楽や絶頂、などという単語をヴィヴィオがまだ知るはずもない。
むしろ何が起こったのか知りたいのは自分の方である。

「あ、あの、な、なのはママが使ってるぶくぶく泡の出るのを使ってみたくて……そ、
そしたら気持ちよくなっちゃってのぼせちゃったみたいで……た、立ち上がろうとした
ら足が滑っちゃって……」

 言い訳……というよりは実際ヴィヴィオにわかるのはその程度であった。

「ええっ? ヴィヴィオ、あんなの使ったの?」
「あっ! ご、ごめんなさい、か、勝手に使っちゃって……」
「あ、ううん、別に怒ってないよ。別にヴィヴィオが使っちゃいけないわけじゃないよ。
意外だったけどね」
「なのはママやフェイトママの真似してみたかったの……ごめんなさい」

 ヴィヴィオの言葉になのはは小さく笑みを作ると寝ているヴィヴィオの頭を撫でる。

「ん、怒ってないよ。でも今度は私やフェイトママと一緒に入る時にしようね、あれを
入れるのは」
「……はぁい……」
 しゅんとうなだれるヴィヴィオになのはは頭を撫でる手を止め、ヴィヴィオの額にそっ
と口付ける。
「じゃぁ、ちょっと待っててね、ママ、お洋服着替えてくるから。
 ちょっと休んで気分よくなったら一緒にご飯食べよ?」
 未だに濡れたままの服であったことを今更に思い出し、なのはは立ち上がりかける。
「あ、もう大丈夫だよ、すぐに食べれるから」
 言って起き上がろうとするヴィヴィオの肩を、中腰のままなのははそっと押しとどめる。
「だーめ、ちょっと休んでなさい」
「……ホントに大丈夫だよぉ……」
 ヴィヴィオは口で反論しながらも、抵抗せず、押されるまま再びベッドに横たわる。
「そう? んー……じゃぁママ先にお風呂入るから、それまで休んでて? お風呂上がっ
たらご飯食べよ?」
「うん。じゃぁそれまで待ってる」
「よしよし」
 再びヴィヴィオの頭を撫で、立ち上がるなのは。
「気分悪かったりしたらすぐ呼ぶんだよ? 念話使ってもいいからね」
「はぁい……」
 にこりと微笑むと、なのははドアを開け、部屋から出て行った。
4174の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:42:07 ID:bSwdQNm2
「…………はぁ〜〜…………」

 なのはの姿が視界から消えるや、ヴィヴィオの口から安堵(?)のため息。
「びっくりしたぁ……何だか色々……」

 知識のないままその身に受けた快感に、いまだに股間はわずかに熱を帯びている。
 素裸にシーツをかぶっただけのベッドの中で、ヴィヴィオはもぞもぞとその身を揺ら
す。
 素肌に、太ももに、かすかに膨らみかけた乳房に、小さいながらもわずかに固さを帯
びた乳首にシーツが擦れるたび、今まで感じたことのないくすぐったさとむず痒さを覚
え、ヴィヴィオはさらにベッドの中で身をよじる。

「なん……だろ、ぅ……んっ……これっ…………はぁぁ……」

 湯船での強烈な感覚が再び記憶の中から湧き出し、ゆっくりとヴィヴィオは、自分の
右手を股間へと伸ばす。

「……こ、ここ……だよ、ね?…………」

 小さな白い手、その中指が、

 ぴたりと閉じた筋の上の方、


 小さな小さな愛の粒に今まさに届かんとしていた。



  魔法少女リリカルなのは  〜 A love affair in the bath  〜  End.



4184の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:44:58 ID:bSwdQNm2
 〜 〜 View NANOHA 〜 〜

「溺れたりなくてよかった、ほんとに……ヴィヴィオに何かあったりしたら、ママ生きて
いけないんだからね……」
 脱衣所で服のボタンを外しながら、なのはもまた、安堵のため息と、それから誰に言う
でもない一言。

 濡れた服を脱ぎ、洗濯籠に入れようとして、なのはは籠の中にきちんと畳まれた一揃
いの小さな服を見つけたなのはの表情が強張る。
「……」
 自分の服を、それに被らないように籠の脇へと置いて、視線はその小さな服へ注いだ
まま、なのはは下着を脱ぎ捨てる。
「……ヴィヴィオ…………」
 籠の中に下着を入れ、その手をそのまま横へとスライドさせる。
 触れたのはつい数十分前まで主の身を包んでいた小さな白い下着……
 そっとそれを手に取る。

 そして居るはずの無い誰かに怯え、なのははきょろきょろと狭い脱衣所の中を見渡す。

 ぎゅっと手にしたそれを握り、

「……だめ……また……しちゃう……こんなの……ダメ、なのに……」

 言いながら、ゆっくりゆっくり、それを握り締めたなのはの両手が自分の顔に近づい
ていく。
「……ごめん、ね、ヴィヴィオ……こんなママで……」

 もう何度、こんな背徳を繰り返したか、
 ダメだと思いつつ、それが目の前にあると自分を止めることができない。

 ぴたりと顔面、鼻先にそれを押し付けると、なのはは大きく息を吸い込む。
「はぁぁああぁぁっ! ヴィヴィオっ! ヴィヴィオのっ、匂いっ! ああっ!!」
 理性をとろけかす匂いに、一層それを強く自分に押し当て、なのはは何度も何度も、
「それ」越しに息を吸い込む。

「好き……あぁぁっ、ヴィヴィオぉ……愛してる、マ、ママ、ヴィヴィオのこと愛して
るのぉっ! こんなことしちゃうくらい愛してるのぉっっ! ああぁっ!」

 どさ、と膝を付いたなのはは、ゆっくりと舌を突き出し、顔面に感じる背徳の布地の
その甘美を、舌でも味わい始めた。

「はぁぁっ……ヴィ、ヴィオっ……美味、しい……ヴィヴィオの……」

 愛娘の下着を自分の唾液でべとべとに汚しながら、恍惚の表情でなのははより一層、
行為に浸る。

 そして、片手を下着から離し、

 愛すべき娘と同じように、

 ゆっくりとその手を、自らの秘められた愛の粒へと伸ばしていった。


  魔法少女リリカルなのは  〜 A love affair in the bath  〜  Fin.

4194の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/07/04(金) 22:46:02 ID:bSwdQNm2

 以上です。たったこれだけ書くのに2ヶ月かかりました。
 もう少し掘り下げた方がいいのはわかっているんですが、
 さすがに横で娘が泣いているのに執筆など出来るわけもなく……ほんとに書く時間ってものがないです。

 次こそは「もう一人…」か「CherryLight・NEXT」を持ってこれるようがんばります。
 何時になるかはわかりませんが……

 それでわまたー。
 なんとか近いうちに。
420名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:48:42 ID:JmXERr2Z
>>419
GJ
この親娘ダメすぎるwww
421名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:49:56 ID:3OP1u5JV
勃った
萌えた
にやけた
422名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:51:48 ID:tvE1MdTe
GJ!

そしてそのころ執務官は家からこっそり持ち出していた二人の下着で……。

こうですか? わかりません。
423名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:52:08 ID:z9+K1vgj
>>419
これはいい性への目覚め・・・
何よりヴィヴィオでこんだけ可愛くエロく出来るなんて。
あとオマケのなのはさんがアブなすぎるww

GJでした!
発泡入浴剤は娘さんの手の届かない所へ・・・
424名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:52:54 ID:0+h7/ftT
たまらんGJ!
425名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:56:31 ID:wCfgi47T
なのはさん、何やってるのですかw 良いぞもっとやれw
そして、あなたのクロなのの続きをひたすらに待ち続けています。
うん、今日も美味しく使用させていただいたんだ。ごちそうさまでした。
426名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:57:20 ID:MuNSfGnk
>>419
GJ!
ずっと待ってましたw
娘さんが泣いてるんじゃ急かす訳にも行かないし、ゆっくりいいものを書いて下さい
427名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:59:07 ID:MgeJTwO+
GJ!
そしてお帰りなさい。 あなたの帰還を待っておりました。
428名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:03:08 ID:1nWFT0+h
ご息女のお誕生、おめでとうございます!
保管庫でずっと御作を拝読致していましたが、リアル拝読できて光栄です。
ヴィヴィオとクリームシチューの描写が幸せ過ぎてとろけそうでした!
素敵なSSを有難うございました!
429名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:04:21 ID:b9NKIv5J
だめだ、このヴィヴィオは反則だ。SLB級の萌の塊だ。
何が言いたいのかって、つまりはGJってことです。
430名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:06:04 ID:wCfgi47T
>>419
すいません。大事な事を言い忘れていました。
娘さん誕生おめでとうございます。ひたすらに待ち続けますが、急かすつもりは全く無いので
無理しないで下さい。

431名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:08:10 ID:qoVHSOMp
>>419
あーた、嫁さんも娘も居るのにエロパロ執筆し続けるとかアホだろwwwww(誉め言葉
実用的な作品の投下に感謝、GJ!
432名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:15:39 ID:MaSMjway
>>419
娘さん誕生、おめでとうございます。そしてGJ!
さぞかし可愛いだろうなぁ。大事にしてあげて下さいね。










しかし、実娘が居る身で娘モノのエロパロとは。この男、やりおる!(褒め言葉w)
433名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:42:31 ID:1nWFT0+h
そろそろ、次投下させて頂いても良いでしょうか?
434名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:44:40 ID:MgeJTwO+
構わず投下するが吉。
435アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/07/04(金) 23:46:14 ID:1nWFT0+h
 ご無沙汰しています、アルカディアです。
 随分と久方ぶりなので皆様に覚えて頂けているか不安ですが、久しぶりに投下行ってみます。
 
 前作Little Lancerの続編的読み切りです。
 ……なのですが、前作から随分間が空いてしまったので、リハビリも兼ねて、前作をご存知無い方でもストーリーを理解して頂けるようなノリで書いてみました。
 NGワードは「L.L.外伝」です。
 ―――彼女は血涙を流しながら、胡乱な瞳で虚空を見上げていた。
 虚空を見上げれども、有るべき蒼天はそこに無い。
 彼女に残された左目に映るのは、剥き出しの配線とパイプに囲まれた無機質な通路の天井だけだ。
 それでも彼女は、まばたき一つせずにその天井を見上げていた。
 血臭たちこめる狭い廊下の血溜まりに身を横たえ、破損した四肢を投げ出して。
 潰れた右目から血涙が頬を伝い、廊下の血溜まりへ流れ落ちて混じり合う。
 彼女の全身には、雨のように血の雫が滴り落ちては弾け散る。
 無機質な通路の天井には歪んだ斑に血飛沫が飛び散り、奇怪な紋様を描いていた。
 ……東洋の地獄草紙には、血の池に溺れる罪人の姿が描かれている。
 瓦礫と死体に囲まれて全身を朱に染め、血溜まりに身を横たえる彼女の姿は、正に地獄草紙の亡者の如き有様だった。

 ―――遥か、11年前の出来事である。
 
 L.L.外伝 ゼストの槍(前編)

 縦横無尽に街を走るリニアレールは、ミッドチルダの主要交通機関の一つである。
 リニアも先の戦いでクラナガンを中心に大きな損傷を受けていたが、急ピッチでの復興が進み、利用者も増加し以前の賑わいを取り戻しつつある。
 とある休日。
 晴天に恵まれたこの日の夕暮れ、ミッドチルダ東部を走るリニアは行楽地帰りの家族達で賑わっていた。
 海沿いを走るリニアの窓からは、夕日が海に沈む美しい光景が一望できた。
 そんな中、夕日などに頓着してられないとばかりに、楽しげにはしゃぐ少女達の一団があった。

「水族館、楽しかったっスね〜! 美味しそうな魚がいっぱいだったっスね!
 先週の動物園と遊園地といい、楽しい事がいっぱいで嬉しいっス!
 あ、あのフグって魚、膨れた時の顔がちょっとノーヴェに似てたっスよね?」
「おい、喧嘩売ってんのかウェンディ!」

 行楽帰りの満足した表情で騒ぐ彼女達は、スカリエッティのナンバーズ―――かつてはそう呼ばれていた、ごく普通の少女達である。
 彼女達は先の事件での功労も認められ、保護観察付きの身ではあるものの、機人ではなく人間としてこの世界で生活をしていた。
 社会参加を行いながら、休日もこうしてレジャーを楽しむことも出来る。
 ―――ずっと、手の届かないと思っていた、いや、自分が営めると思ってすらなかったヒトとしての生活。
 それを、彼女達は満喫していた。

「こらこら、余り騒ぐんじゃないぞ。周りの人の迷惑になる」

 そう窘めてチンクが小さく指差した先には、母親の膝の上で笑みを浮かべて寝息を立てる幼い少年の姿があった。
 騒いでいたウェンディとノーヴェはしゅん、となる。

「ごめんなさい、チンク姉」

 物分りの良い妹達に、チンクは満足げに頷く。
 公共の場では現在の長女としての威厳を見せるチンクだが、今日の水族館で一番はしゃいだのも彼女だった。
 興味深げに海の生き物達を眺め、水槽に顔をくっつけんばかりに身を乗り出し、イルカのショーでは手を叩いて喜んだ。
 普段の沈着冷静な彼女からは想像もできないが、メンバーズの中で最も幼い彼女の容姿には似つかわしい姿とも言える。
 今日のチンクの服装は清楚な秋物の白いワンピースと麦藁帽子。
 近頃この小さな姉の着せ替えが趣味になりつつあるノーヴェの一押しのチョイスである。
 彼女はゆっくりと妹達を見回した。
 セイン、オットー、ノーヴェ、ディエチ、ウェンディ、ディード―――
 皆、愛しい妹達である。
 チンクは彼女達を姉として先導し、慕われながらこの平和な日々を過ごすことに至福を感じていた。
 だが―――

「どうしたの? チンク姉、少し顔色悪いけど……」
「いや、少しはしゃぎ過ぎて疲れただけだ、心配ない」
「あはは、今日もチンク姉、大はしゃぎだったっスからね。本当に、水族館楽しかったっスね」
「ああ、楽しかったな、水族館」

 本心からそう頷いて、チンクは目を細める。
 彼女は静かに、ゆらゆらと海に没する斜陽を遠く眺めていた。
 小さな洗面所の個室には、滝のような勢いで蛇口が水を流す音だけが響いていた。
 洗面台の鏡には、四角く切り取られたチンクの姿が映っていた。
 俯いて洗面台に手をつき、嘔吐を繰り返す彼女の矮躯は普段より一層細く、小さく見える。
 彼女は吐瀉物を洗い流し、面を上げて鏡の中の自分を見つめた。
 そこに映っているのは、彼女が長女として妹達を率いる時には決して見せない、弱々しげで頼りない己の姿だ。
 彼女の瞳は、情けない己の顔の、小さな一点に焦点を絞る。
 そこは、黒い眼帯に覆われた右目だった。
 じくり、と無い右目が痛む。
 じくじく、じくじくと、眼帯の下の無い右目から小さな蛆が無数に這い出してくるような痛みと不快感。
 そのおぞましい感触に、又してもチンクは嘔吐にえずく。
 ―――もう、耐えられない。
 彼女は引きちぎるような勢いで、眼帯を外した。

「はっ、はっ、はっ、はっ……」

 息を荒げながら、鏡の中の己を覗き込む。
 鏡の中からは、左目の無い己が己を覗き込んでいた。
 癒着したように固く閉じた右目は、二度と開くことはない。

 だが、鏡の中の反転した世界で、その左目が裂けるように開いた。
 
 鏡像の己は、感情無い昆虫の眼の如き双眸を己に向けてゆっくりと問いかけた。
 
 ―――こんな幸福が、お前に許されると思っているのか?
 
 チンクは怯えたように後ずさりながら、それでも鏡の中の己から目を逸らすことが出来なかった。
 鏡像の彼女は、機械のような無表情のまま、尚も彼女に語りかける。

 ―――解っているのだろう? お前は咎人、こんな幸福はお前には似つかわしく無い。
 ―――沢山の他人の幸福を奪ったお前が、こんな所でのうのうと幸福を貪れるのか?
 ―――忘れた訳ではあるまい、あの日お前は……

「うわあっ!」

 遂に耐えられなくなり、彼女は必死の形相で右目を押さえつけ、再び眼帯で戒めた。
 ……あっさりと、それで鏡の中の彼女は口を噤んだ。
 洗面台の鏡に映っているのは、眼帯を着けた情けない己の顔だけだった。
 何時からだろう? 鏡の中から己が己に問いかけてくるようになったのは?
 眼帯の下に封印した筈の右目が、時折激しい痛みを伴って疼くようになったのは?
 幸せな日々を過ごせば過ごす程、右目はより激しい痛みをもって己を主張する。
 何時までこの暗い眼帯の下の押し込めておく気だと、訴えかけてくる。
 その度にチンクは鏡の前で眼帯の戒めを解き放ち、己が罪を直視する。
 戒めを解かれた鏡の中の己は、冷たい双眸を見開いて己の罪科を問いかけるのだ。

 バスルームを出たチンクは沈痛な面持ちでデスクに着き、日課のメールチェックを行う。
 未だ保護監察期間の身であるチンクに、重要なメールが届くことはごく稀だ。
 だが、その日は違った。チンクの目は、ある一件のメールに釘付けになっていた。
 彼女は何度もそのメールを読み返し、瞼を閉じて深く椅子に凭れた。
 漏れた嘆息は、果たして絶望か安堵か。
 来たるべき日が来るのだ。
 ……来ないで欲しいと願いながらも、心の底では待ち望んでいた断罪の日が。

 ―――覚えているのだろう? 11年前のあの日のことを……

 眼帯の下で、彼女の左目が小さく囁いた。
「それじゃあ、行ってきます、チンク姉」

 今日は週に一度の外出日、この日の予定はサードアヴェニューでウインドウショッピングだ。
 だがチンクはこの日、来客の予定有りという理由で貴重な外出を辞した。
 週毎の外出日を心待ちにしているチンクには異例のことである。

「本当にいいの、チンク姉?」

 心配そうに問うのは何時もの如くノーヴェだった。
 彼女はチンクが残るなら自分も残ると言い出し頑として聞かなかったが、この日はナカジマ姉妹とティアナも同行する予定になっており、折角の肉親達との休日を潰すことはないというチンクの諫言に渋々ながら従ったのだ。
 
「もう、ホントにノーヴェはチンク姉に対しては心配症なんだから」
 
 けらけらとセインが朗らかに笑う。チンクはセインの瞳を正面から見据え、優しく語りかけた。

「セイン、お前はこの中では一番の長女に当たる。
 お前は今までも、よく私達姉妹の仲を取り持ち、皆の和を保ってくれた。
 これからも―――皆を引っ張ってやってくれ」
「はいっ! うちの妹達は皆個性的なんで苦労しそうですけど、今日はチンク姉の代わりに頑張って引っ張っちゃいます!」
「ああ、宜しく頼むぞ……オットー、ディード」
「はい、チンク姉様」
「お前達は、この三年間で随分表情が柔らかくなったな。
 これからも二人仲良く……とは私が言うまでも無いな。皆と一緒にこの世界の様々なものに触れ、見識を深めていくんだぞ」
「はいっ、本日の外出も単なる遊行ではなく、社会参加の一環として見聞を広めて参ります」
「ふふっ、固くなり過ぎるのもお前達の悪い癖だ。よく世界に触れ、よく楽しめばそれでいい―――」

 チンクは愛しげに左の隻眼を細め、妹達を見つめた。
 彼女は続けて妹達に語りかける。         

「ディエチ、まだお前が三年前のことを割り切れずに悩んでいることは知っている」
「……チンク姉」
「だが、それは私達姉妹は皆同じだ。皆誰しもが、機人としての生い立ちと今までの人生を振り返りながら生きている。
 ―――決して、恥ずべきことではない。よく悩んで苦しめ。その悩みと苦しみがお前をより人間らしく成長させていく。
 勿論、悩んで行き詰った時には姉妹達に相談するのも大切だぞ」
「―――ありがとう、チンク姉」

 本当に、この三年間で彼女達は人間らしくなったと肌身に感じている。
 彼女達には、姉妹達の間のみではなく、啓けた世界に生きて欲しいと心から願う。
 機械として生きる以外の選択肢を持ち得なかったセッテのことを想うと……今でも胸が痛む。
「ウェンディ」
「はいっス!」
「私達の中で一番日々を楽しんで過ごしているのは、きっとお前だ」
「にゃはは、ポジティブシンキングがあたしのモットーっスからねぇ」
「……お前はただ脳天気なだけだ」

 隣のノーヴェがジト目でウェンディを肘でつつく。
 
「はぁ、相変わらずノーヴェは手厳しいっス……」
「お前の明るさには、私も何度も助けられた。陳腐な言葉で済まないが―――その明るさを忘れずにな。
 今日のショッピングも、思う存分に楽しんでくれ」
「もちろんっスよ!」
「―――ノーヴェ」
「はいっ!」

 直立不動の姿勢でチンクを真っ直ぐに見つめるノーヴェの瞳を見つめ返し、チンクは少しだけ……寂しげな表情を見せた。

「お前の真っ直ぐに前を見つめて生きる純粋さは、誰にも真似できないお前の長所だ。―――大切にな。
 だが、その反面、お前は頑なになり過ぎる面もある。時には、柔軟に物事を考えることも必要だ。
 ……お前には、血の繋がった姉達がいる。ギンガやスバル、ゲンヤ氏も私達とは違うがお前の家族だ。仲良くな」
「はいっ! 肝に命じておきますっ!」

 威勢よく返事をするノーヴェに、チンクは緩々と頷く。
 一番心配なのは、この妹だ。
 だが、きっと大丈夫。この子の新たな家族がきっと傷を癒してくれる筈だから。 

「ノーヴェ、お前は本当に良く私を慕ってくれたな。こんな、私を。
 ありがとう。―――私も、お前のことが大好きだ」  
「チンク姉……」

 ノーヴェは顔を真っ赤にして俯いた。

「うわっ、ノーヴェ、何涙ぐんじゃってるんっスか!? 相変わらず大げさな奴っスね〜」
「うるざいっ! ごっぢをみるな、ヴェンディ!」

 じゃれあうように喧嘩をするノーヴェとウェンディ。何も変わらない日々の光景である。
 ―――その、何も変わらない日々の光景が、どれだけ愛おしかったことだろう。
 チンクはゆっくりと、一人づつ妹達と顔を見合わせ、微笑みかけた。
 その見納めを告げるように、保護司のギンガが到着した。

「おはよう、みんなお揃いのようね。準備は大丈夫? 
 今日はスバルとティアナも待ってるわよ!」
「おはようございます、ギンガさん! みんな、準備バッチリっスよ!
 もちろんあたしも準備バッチリ! 今日はゲーセンでティアナをボコボコにやっつけるっス!」

 いよいよ出発を目前にしてテンションを高める妹達の姿を胸に収めながら、チンクはギンガの前に立った。
 彼女は小さな両の拳を固く握り締め、ギンガに深々と頭を垂れる。

「どうか、妹達のこと、宜しくお願い致します」
「ご心配なく。貴方も今日はゆっくりと自分の時間を楽しんでね」
「―――ありがとう」
「それではチンク姉、行って参ります」
「お土産買って来るっスから、楽しみにしといて下さいね〜っス!」

 めいめいに手を振って去っていく妹達を、チンクは手を振って見送った。
 名残惜しげに手を振りながら、最後に一言、「幸せに」とだけ呟いた。

 妹達は皆、未来へと送り出した。心残りが無いと言えば嘘になるが、出来る限りの事は出来た筈だ。
 チンクは後ろを振り返る。次は自分の過去の清算をする番だ。
 右目が眼帯の下で、じくりと痛んだ。
440名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:50:01 ID:xnf1LXw+
支援
 ―――ゼスト・グランガイツは巨きな男だった。

 時空管理局・首都防衛隊に所属するS+ランクの魔導師である彼は、当時数少ない古代ベルカ式魔法を研鑽する騎士であり、190cm近い大柄な体躯には野生の虎を想像させる分厚い筋肉を全身に鎧っている。
 文句のつけようのない、巨漢である。
 だが、彼が巨きな男を呼ばれるのは魔導師ランクや肉体に因るものでは無い。
 彼は容易に他人を寄せ付けない恐ろしげな外見の下に、強い意志と深い優しさ、そして何人たりとも汚すことの出来ない騎士の誇りを備えている。
 男として産まれ落ちた者なら、誰しも一度は夢に見て、夢は夢と諦める真の男としての在り方を愚直なまでに貫いている武人だった。
 その男としての器の巨きさこそが、ゼストを巨きな男を呼ばせしめる真の理由だった。
 ゼストの下には彼に憧れた猛者達が集い、いつしかゼストの率いる小隊―――通称ゼスト隊は、首都防衛隊の最強部隊と呼ばれるまでになった。
 メンバーは百戦錬磨の強者揃いだったが、そんな彼等でもゼストの背後に立つと憧憬と畏怖を感じざる得ない。
 その、背中の巨きさに。


「アルピーヌ分隊長、周囲の索敵終了致しました! 今の所、異状は発見できません!」
「ありがとうステラ。引き続き周囲への警戒を怠らないで」
「了解ですっ! アルピーノ分隊長!」

 腕っぷしが自慢の男達が集うゼスト隊の中を、似つかわしくない可憐な乙女が走る。
 齢の頃は二十歳になるかならないかだろうか。
 前線部隊分隊長であるメガーヌ・アルピーノ准陸尉の後ろを、子犬のようについて歩いている。
 
「それにしてもヘンな建物ですよね、ココ。妙に魔力の通りも悪いですし……
 ワイドエリアサーチをかけてると、所々でサーチャーの気配が希薄になるんです。
 建物自体は綺麗になのに人っ子一人いないし、なんだか不気味で……分隊長はどう思いますか?」
「そうね、ステラ。私の魔力球も時折酷く反応が薄くなる―――
 別段、敵や悪質なトラップに出会ったような魔力反応は無いのだけれど。確かに此処は不気味よ」

 メガーヌの両拳で、ブーストデバイス・アスクレピオスは仄かに点滅を繰り返している。
 ステラが全神経を集中させて行わなければならない広域遠隔目視観測魔法でも、メガーヌにとっては常時起動させておくのが当然というレベルの代物らしい。
 
「此処は不穏な空気が漂っている……ステラ、初の任務で緊張するのは解るけど、もっと肩の力を抜きなさい。
 何時でも臨機応変に対応ができるように」
「了解ですっ! アルピーヌ分隊長!」
 
 全身を硬直させて返答をする可愛い新入りに、メガーヌは嘆息する。
 ステラは優秀な新人である。結界魔法や補助魔法を得意とし、座学は今期の主席だったフルバック系魔導師の卵。
 かのゼスト隊でフルバックを務める女分隊長、メガーヌ・アルピーノに憧れて入隊してきた。 
 メガーヌの教えを従順に守り、訓練でも優秀な働きをするのだが真面目過ぎるのが玉に瑕だ。 

「ほら、そんなにガチガチになってどーすんのよアンタは?
 お地蔵様にでもなってつっ立っとくつもり? グズグズしてたら置いてくわよ?」
「ひゃっ!? アリーナ先輩、驚かさないで下さいよう」

 ステラの尻を一発引っ叩いて颯爽と歩きだした長身の女性は、アリーナと云うクイントの副官だ。
 女だてらに剣形アームドデバイスを愛用する近代ベルカ式の騎士で、ゼスト隊の屈強な男達にも引けを取らない近接戦闘能力の持ち主である。
 男勝りの性格とさっぱりとした気性の持ち主で、『いつか一花咲かせてやる』が口癖の女傑である。

「そっれにしても薄気味悪い建物だねぇ。
 今まで5連荘でハズレ続きだったから、今度こそ当たりならいいんだけど。
 これじゃあ、アタシが一花咲かせるのは何時の事になるやら……」
「アリーナ。無人だろうと此処は敵地よ。気を抜かないようにしなさい。
 それに何より、異状は無ければそれが一番良いの。自分の武勲よりも―――」
「―――まずはミッドチルダの平穏を、でしょう? 
 ゼスト隊でその事を忘れてるような大馬鹿者は居ませんよ、ナカジマ分隊長」

 アリーナは苦笑いをして、頭を掻く。
 厳しい眼差しで彼女を見つめるのは、メガーヌと同じ分隊長であるクイント・ナカジマ准陸尉。
 がっしりと組まれたその両腕には、彼女のシンボルでもある愛用のアームドデバイス、リボルバーナックルが紫色に輝いている。
 首都防衛隊の最強部隊との噂に偽り無しと云うべき威容だった。
 この年、ゼスト隊は「秘匿命令」によって戦闘機人事件を追っていた。 
 戦闘機人の生産プラントと目される施設に数回強襲をかけるも、結果はすべて空振り。
 ゼストは、意図的に虚偽の情報を掴ませれているのではないかという疑念を抱いていた。
 ミッドチルダ防衛長官のレジアス・ゲイズより、調査を中止に向けようとする圧力を受けるに至り、ゼストの疑念は確信に変わった。
 彼は同士であるレジアスの本意を知ろうと、半ば独断専行に近い形でレジアスの目の届かない独自の情報網より割り出した「本物の」生産プラントと目される施設に強襲をかけた。
 ゼストにとって誤算があったなら二つ。
 一つは、レジアスによる介入を受けていないと恃んだ情報網が、レジアスと裏で結託していた悪意ある存在に介入を受けていたこと。
 もう一つは、単なる生産プラントと目されていた「施設」が、ゼストの想像を超える戦力を配備した「実験場」だったということである。
 
「此処は、今までの「施設」という名目のダミーとは違う。―――各々、気を引き締めよ」

 ゼストの鶴の一声によって、隊の空気が一変した。
 時折雑談を挟むことはあっても、決して弛緩するような事など無いゼスト隊ではあるが、ゼストの一言は各人の背筋を震わせる威厳を以って響いた。
 ゼストは鋭い眼光を持って周囲を見渡す。
 天井には縦横無尽にパイプが走り、壁の常備灯の光だけが断続的に続く暗い通路。
 何らかの工場施設の一部であることは間違い無いだろう。
 ゼストは、自分の背中を守る部下達の索敵能力には全幅の信頼を置いている。
 古代ベルカ式騎士の彼には、索敵や探査といった能力が大幅に欠けている。
 それを補って余りあるのが、メガーヌを始めとするフルバック陣だ。
 彼女達が無いという以上、魔力反応は無いのだろう。―――魔力反応は。

「アルピーヌ分隊長、前方のの索敵終了致しました! 矢張り異状はありません!」

 報告を続けるステラを、メガーヌは口元に人差し指を立てて「静かに」と押し留めた。
 ゼストが、通路の遥か前方を睨んでいる。
 クイントが、足元のローラーデバイスに魔力を通し、何時でも走り出すための準備態勢を整えていた。
 ゼスト隊の隊員達が、一人、また一人と戦気を纏っていく。
 ゼストは前方は、クイントとメガーヌは後方を睨む。何も見えない。魔力の欠片も感じない。
 ―――だが確実に、何かが居る。
 どこから迷い込んだのか、一匹の蝿がゼストの横を通り過ぎた。
 蝿はぶぶぶぶぶ、と暢気に羽ばたき、通路の遥か前方へ飛び、―――空中で、弾けて散った。

 ゼストの両眼が炎を伴って見開かれた。
 各人のデバイスが瞬時に臨戦態勢へと移行する。
 その瞬間、メガーヌは聞いた。

 ―――あーあ、ばれちゃった。仕方ないから始めましょう。

 虚空から聞こえる、懈怠な声を。
 反射的に振り向いた彼女が見たのは、0秒後には戦場になるだろうこの場には似つかわしくない姿。
 暗闇に立つ、銀髪の少女だった。
 ……その光景を、メガーヌ・アルピーノは忘れない。
 その瞬間を皮切りに始まった死闘を思えば、その銀髪の少女こそが。
 
 ―――彼女にとっての、死神の使いに他ならないかったのだから。

 少女の表情には、戦意も殺意も無かった。彼女は花に水でも撒くような仕草で、右手から何かを放った。
 彼女の小さな掌から零れ落ちるのは、パチンコ玉程度の大きさのボールベアリングだった。
 隊員達の足元に、無数の小さな金属球が転がっていく。
 魔力も何も篭らない、攻撃と呼ぶには余りに奇妙な行動に、百戦錬磨のゼスト隊の反応がコンマ一秒だけ遅れた。

「総員、防御体勢をとれっ!」

 滅多に聞く事の無い、ゼストの檄が響いた。
 ゼストの低く重い、虎の咆哮のような叫びは狭い通路に何度も反響し、―――爆発音に掻き消された。
 爆煙の向こうの風景がぐにゃりと歪む。
 無人の通路と思われたその場所には、異形の機械兵器の群れが犇いていた。
 機械兵器は飛行形態を解除し、節足動物を思わせる多脚形態へと移行し、次々と地に降り立った。
 後にガジェットドローンIV型と呼称される、ゆりかごに搭載されていた防衛機構の一つである。
 機動六課の隊長陣を欺いて接近し、重症を負わせる程の光学迷彩とステルス性能を有する機体だが、重ねて閉所での機動に不向きな飛行形態へと変形し、ゼスト隊の探知魔法を欺きながら中空から接近していたのである。
 全ては、首都防衛部隊最強と呼ばれたゼスト隊を袋の鼠へと追い込む為に。
 
 その絶対的不利な状況にあってなお、ゼスト隊は最強と呼ばれるに相応しい迅速な対応を見せた。
 チンクのランブルデトネイターによる奇襲によって負傷者を出しつつも、迅速なデバイスの機動と、挟撃に対応する最適な陣形の形成。
 だが、陣形を形成した隊員達が己の異変に気付く。
 魔力結合が阻害されている。あらゆる魔法の起動が酷く困難な状況にある。

「これは、AMF空間―――」

 最も早くその真相に気付いたのは、結界やフィールド干渉に精通したメガーヌだった。

「AMF―――無効化空間か」

 レリック事件の発生より更に数年遡ったその当時、AMFは存在こそ知られているものの、その特異な性質より対策や訓練が行われることは稀であった。
 突如ゼスト隊を取り囲むように発生したAMF空間。その発生元は、多脚兵器の背後に隠れるように出現した球形の機械兵器であることは誰の目にも明らかだ。
 AMFの中に囲い込み、魔力とは無関係な動力で機動する機械兵器で殲滅する蟻の這い出る隙間も無い陣形。
 既に、ゼスト隊の立つこの回廊は敵の胃袋の中も同然だ。

 異形異様の見たことも無い形状の機械兵器の大群。怖れに背筋を震わせるには十分な状況である。
 だが、真に注視すべき敵は機械兵器如きではない。
 ゼストと、両の分隊長は真っ先にそれに気付いていた。
 忽然と現れ、なんの魔法も用いずに大爆発を起こした銀髪の少女。そして並び立つ二人の女性。
 彼等には知る由も無かったが、スカリエッティの製作したナンバーズの3番から5番。
 ―――ゼスト隊の追い続けてきた戦闘機人、その完成体に。
 この過剰な戦力は、侵入者撃退の為のものではなく、総て侵入者を殲滅する為のものだ。
 隊が何者かによってこの場に誘い込まれたのは明白である。
 恐らくは、眼前の戦闘機人達の実戦テストの相手とするために。
「なるほど、ここが大当たりって訳ね」
「ナカジマ、アルピーノ、お前達は殿を頼む。ここでは分が悪すぎる。撤退するぞ」
「ふふ。撤退というより、いつもの強行突破という感じになりそうですけどねっ!」
「―――此処は既に虎口だ! 隊員一同、欠けることなくこの死地を抜けるぞ! 総員俺に続けっ!」

 ゼストが槍を一閃すると同時に、前線にいた多脚兵器が豪炎に煽られたかのような爆発を起こした。
 あまりに不利な状況に気圧され始めていた隊員達の胸に、再び闘志が燃え上がる。
 先陣を駆けるのは、自分達が最強と信ずる騎士ゼスト。どんな不利な状況だろうが関係ない。
 いつもの通り、その背中を追って駆け抜けるのみだ。 

 当然の如く前方の多脚兵器による追撃が始まる。
 暗い回廊で、巨大な蜘蛛じみた多脚兵器の群れがキチキチと節足を鳴らして追い縋るこの状況は、否が応でも人の恐怖心を喚起する。
 その中に、微塵の怖れもなく、刹那の躊躇すらなく二人の戦乙女が飛び込んだ。
 闇にウイングロードが展開され、クイントがその身一つで多脚兵器の群れに踊り込む。
 彼女は人の姿をした竜巻だった。両拳のリボルバーナックルが唸りを上げて回転し、周囲の多脚兵器が瞬時に鉄屑と化して弾け散った。
 クイントは突入した位置から動かず、ただバレリーナのように回転を続ける。
 AIによって敵を認識した多脚兵器が、愚かにも彼女の描く螺旋に飛び込み片端から粉砕されていく。
 飛んで火に入る夏の虫のようだ。
 廊下に犇く多脚兵器達は、仲間の破片を踏みしだきながら尚も進撃する。
 そして、AMF下にあって、尚効果を失わない強固なシールドに阻まれた。

「私達がいる限り、ここから先は通行禁止よ―――砲撃、開始!」

 メガーヌの背後から魔導師達の一斉砲撃が、追いすがる多脚兵器と球状兵器を爆砕する。

「よっしゃ、調子出てきたね! メガーヌ、一丁いつものヨロシク!」
「……我は乞う、黒鉄の拳。紫光のヴァルキリーに、限り無い破壊の力を―――」

 メガーヌの詠唱と同時にアスクレピオスが紫光を放ち、呼応してリボルバーナックルは回転数を上げていく。
 機械の屍は山を成し、二人の戦乙女は踊り続ける。
 はじめて、この手で、人を傷つけた。
  
 己のランブルデトネイターで奇襲を行い、ゼスト隊の数人に軽からぬ負傷を与えた。
 想像していた程の感慨は無かった。当然だ。予め綿密に計算した通りの攻撃を行い、想定の範囲内の効果を発揮した。
 ただ、それだけのこと。
 気懸かりがあるとすれば、一つだけ。攻撃の瞬間、ゼスト隊の隊員の一人と目が合った。紫色の長髪の女性だった。
 美醜の判断など自分には出来ないが、きっと、人間の社会に於いては美人と呼ばれるタイプの女性なのだろうと思う。
 大きく瞳を見開いた、彼女の表情がくっきりと脳裏に焼きついている。
 次の瞬間には爆発に掻き消された、僅か一瞬の交錯。
 だが、脳裏に焼きついて離れない。彼女の瞳は、鏡に映る自分の瞳とは全く違う輝きを湛えて―――

「チンク、何をぼんやりしている。そろそろ奴らが機械兵器の包囲網を突破するぞ。
 そこを私達が叩く。フォーメーションは事前にインプットした通りだ。
 首都防衛隊最強と呼ばれるゼスト隊を撃破し、今こそ私達の存在意義を示す時だ!」

 トーレは戦気に逸っている。
 彼女は、自分こそ総ての近接戦闘モデルの戦闘機人の礎となるべき存在である、という強固な信念の基に、自分の性能を最大限に発揮できる敵と戦う日を待ち望んでいた。
 
「トーレ姉様、急いては事を仕損じますわ。
 あれだけ強固な迷彩を施された敵の接近を感知し、奇襲にも関わらず見事な撤退の陣形を組む。
 確かに、ゼスト隊は首都防衛隊最強と呼ばれるだけの事はありますわ。
 それでも、やはり連中はAMFには不慣れのようですわね。
 試作品の発するこの低濃度のAMFでは完全な魔力の遮断は出来ませんが、それでも疲弊させるには十分ですわ。
 このまま疲労を待ち、連中の消耗を待つのが最善の策かと」

 チンクは、この一つナンバリングが上の姉と接するのが苦手だった。
 ナンバリング上は姉であるとはいえ、稼動期は己が先であり、対等な相手として付き合っている。
 ……チンクにとって、クアットロの行動は不可解な点が多い。
 現在最後発の機体であるにも関わらず、その行動は姉妹の中で最も人間じみている。
 奔放な言行を見せるのだが―――かと言って、不合理な行動を起こすことは決してない。クアットロの行動には、分析すれば恐ろしい程に冷酷で打算的だ。
 そんな彼女の性質は間違いなく長所であり、仲間であれば頼もしいと言うのが当然なのだが。
 クアットロの時折見せる、どこか物憂げな、退屈そうな表情。それが、チンクを不安にさせるのだ。

「構わん。機械兵器に潰された死体から首を引っこ抜いて帰りました、ではドクターに面目が立たん。
 私は、まず手始めにあの後衛を正面から叩く―――」

 トーレは、最後列で防衛線を築いているクイントに向かって飛び立った。

「あーあ、行っちゃった。
 まず叩くべきなのはあの後衛じゃなくて、あの後衛を強化してるあの補助魔導師なのにね。
 どうしましょう、チンクちゃん? 
 多分トーレ姉様じゃ勝てないけど、貴方が加勢してあげれば、ギリであの二人には勝てる筈だわん。
 ただ、あの後衛で戦闘タイプの二人を消耗させてしまえば、騎士ゼストの打倒は不可能になるのが難点ね。
 ああ、心配しなくても、トーレ姉様の速度なら勝てないまでも、すぐに離脱できる筈だわ。
 連中は撤退の最中だから追撃がくる可能性も無いし―――」

 チンクはクアットロの言葉を流し聞きながら、トーレの闘いに目を向ける。
 トーレは、正面から一直線にインパルスブレードでクイントに斬りかかる。
 クイントは瞬時に真に警戒すべき敵が出現したことを認識し、全力全開で迎撃に応じる。
 速度で勝るトーレは、インパルスブレードの一閃で敵の首を刎ねようと目論んでいたが、シューティングアーツとウイングロードの為す不規則な動きに翻弄され、決定打に届かない。
 クイントの両腕のナックスピナーが咆哮を上げるが如く回転する。
 打撃攻撃と侮っていたが、あの拳は掠るだけで己の全機能を停止させるのに十分の破壊力を帯びているのだ。
 トーレの攻め手が遂に止まり、正面から憎憎しげにクイントを睨みつける。
 
「どうしたの、それで終わり?」

 明らかな挑発と解っていながら、トーレは飛び込まずには居られなかった。
 再び正面から斬りかかり、―――防衛線を築いていた魔導師の一斉砲撃をその身に受けた。
 ―――チンクは、自分が予想した通りに進む戦況を退屈そうに眺めるクアットロに、どこか畏れを感じていた。
 ゼストの槍に、銘は無い。

 魔導師のパートナーたるデバイスは、魔杖として相応しい名を授かる。
 AIを組み込まれ、人と同じように思考するインテリジェントデバイスなら無論のこと。
 一般的なストレージデバイスであっても、安定性で名高い規格品のS2Uをはじめ、商品名や形式番号としての名を持っている。
 より己に合わせた特注品のデバイスを持つものなら、デバイスを無銘のままで使用することなど有り得ないだろう。
 ゼストの槍は、騎士ゼストが己の武に適するように組み上げたアームドデバイスの特注品である。
 だが、その性能は最低限の保存機能と音声対応機能を備え、ベルカ式カートリッジを組み込んだだけの、唯の槍も同然の代物だ。
 大げさな形態変化も無いが、そのシンプルで頑強な形状は、質実剛健なゼストの人となりを表している。
 極限まで鍛え上げられたゼストの肉体は、その槍を手にすることで真に均衡がとれるまでに調整されている。
 ゼストの槍に銘は無い。
 槍は既にゼストの一部。
 拳法家が己の手足に銘を与えることが無いように、ゼストもまた己の槍に銘を与え無かった。
 ゼストはただ、「俺の槍」とのみ呼び表す。
 その頃、AAAランク相当という途轍もない素質を持った少女達が、武装隊に入隊したという噂が各地を騒がせていた。
 10歳かそこらでAAAランクとは、正に天性の資質としか言いようが無い。
 騎士ゼストは決して天才では無かった。
 ―――彼は、血と汗を流す以外に強くなる術を知らないのだから。

「……っく、ふざけるな、私がこの程度で―――」

 クイントに撃退され、プライドを傷つけられたトーレが、最前線に立ち退路を切り開くゼストに向かって一直線に飛翔する。
 トーレは、己が性能を示すのだという偏執に駆られていた。
 最前線に立つゼストならば、先ほどのように『逃げられる』ことも無い。
 何より、Sランク魔導師の大将首、これを倒せば文句無しの大金星―――

「勝負だ、ゼスト・グランガイツ―――」
「……ほう」

 彼女は出鱈目な機動速度で、インパルスブレードを煌かせてゼストに斬りかかる。
 両腕に一本づつ取り付けられた光の刃は、変幻自在に軌道を変えてゼストの首を狙い来る。
 ゼストもまた、己の槍でそれを流し、捌き、迎撃する。闇に魔力光とエネルギー光の輝きが綾目を描く。
 ゼストは感嘆した。この速度、この反射神経と柔軟性、並大抵の空戦魔導師では及ぶべくも無い。
 今まで追ってきた生産プラントの稼動状況からみて、稼動期間は恐らく3年前後。
 人間の魔導師を遥かに超える速度で成長し、人間の魔導師を超える性能を持つ。
 この機体は近接戦闘特化型、後方に控えている二機は恐らく遠距離攻撃型と後方支援型だろう。
 確かに、これが生産ラインに乗ったならば、「安定した戦力」と成り得るだろう。
 
「殺れるっ、その首を刎ねてやるっ!」

 防戦一方に徹しているゼストを、反撃する余裕の無いものと見て、トーレは尚も攻撃速度を上げていく。
 ……果たして彼女は気付いているのか。ゼストはその巌の身を一歩も動かさず、切っ先のみで全ての攻撃を捌いている事に。
 
「これで―――仕舞いだっ!」

 両腕の二刀を使ってゼストの槍を封じ、今まで隠してきた脚部のインパルスブレードを発動させる。
 完全なる奇襲。感嘆する程の速度。だが、騎士ゼストの前では―――

「―――児戯だな」

 トーレは水面を跳ねる石のように廊下を転がり、彼方の壁に激突した。
 彼女が、己が槍の柄の薙ぎ払いによって上半身を砕かれ、弾き飛ばされたのだという事実を認識できるまで、幾許かの時間を要した。
 戦闘機人は能力的には何の問題も無いだろう。いや、極めて優秀であると言って差し支え無い。
 それでも―――戦闘機人には、人を守る力として必要な、決定的なものが欠けている。
 
「レジアス―――お前は、本当にこんなものを使ってミッドチルダが守れると思っているのか……?」

 ゼストは闇の底で、今はもう彼方の友を想った。
『―――児戯だな』
 
 モニターの中で、トーレを一蹴したゼストは低い声でそう言い放った。
 正にSランク騎士たる迫力、威風堂々した姿である。

「児戯、そうか児戯か……くくっ、はは、あははははっ!!」

 モニター越しにそれを眺めて陰鬱に笑う男がいた。草臥れた白衣と乱雑に伸ばした長髪。
 その表情には、無垢な子供じみた笑顔が宿っている。
 ―――後にミッドチルダを災厄の渦へと巻き込む、世紀の次元犯罪者ジェイル・スカリエッティである。

「お悦しみのようですね、ドクター」

 スカリエッティの秘書役でもあるナンバーズの長女ウーノは、音一つ立てずにティーカップを差し出した。
 スカリエッティは、それを静かに口に運んで頷いた。

「ふむ、お前の淹れる紅茶は日に日に味が研ぎ澄まされていくようだ、ウーノ。
 今日も中々の味だったよ」
「勿体無いお言葉です、ドクター」
「ああ、楽しいさ。聞いたかい、ウーノ? 流石は騎士ゼスト、児戯とは上手い事を言ってくれる。
 全くその通りだよ。これ以上に楽しい『遊び』は無い。
 さあ、騎士ゼスト、そして私の可愛い娘達―――もっと私を楽しませてくれ!!」

 ウーノはモニターに食い入るように縋り付くスカリエッティの横顔を眺めていた。 
 自然と、頬に笑みが浮かんだ。
 その表情は、新しい玩具を与えられた少年そのものだったからだ。
 しかし、画面の中の戦況はウーノにとって笑って眺められるようなものではない。

「しかし、トーレの独断先行には困ったものですね。
 無謀にも騎士ゼストに単機で挑んで中破とは―――帰ったらペナルティを与えないと」
「いや、あれも強いプライドと自負心の表れさ。
 可愛いものじゃないか。あの娘はよく調整を行えば、角が取れて良い戦闘リーダーに成長するさ」
「ですが、現状はそう簡単ではありません。
 トーレが事実上戦線離脱した今―――ゼスト隊を殲滅するのは至難かと」
「確かに、難易度は高くなったさ。
 だが、逆に考えるんだ。―――簡単だったゲームが、やっと面白くなってきた、とね。
 首都防衛隊の最強部隊たるゼスト隊にも、必ず穴が存在が存在する。
 そこを突けば、劣勢のあの子達にも勝ち目が見えてくるだろう」
「……穴、ですか?」
「ああ、穴だよ。
 それを見つけることが出来るとするなら―――きっとあの娘、クアットロだな」

 スカリエッティはそう呟いて底知れない笑みを浮かべる。
 まるで、この世界の万象をチェス板に見立てて遊んでいるかのような、稚気溢れる笑み。
 ウーノは一瞬だけ、その笑みに戸惑いを抱いたが―――

「ウーノ、紅茶をもう一杯お願いするよ。
 さっきの角砂糖は二つだったね。今度は三つで頼むよ」

 そんなスカリエッティの言葉に、彼女の心は甘く満たされていった。
 鮮やかな秋晴れの下、機動六課の寮母アイナ・トライトンはパタパタと布団を叩き、広い青空を見上げた。
 今日も、いい天気だ。
 空はからりとした秋晴れだが、冷たげな冬の色が混じっている。
 アイナは秋が好きだった。
 今年は例年になく、長く秋晴れの日が続いていたが、それもどうやら今日までのようだ。
 これから太陽は冬に向けて傾いていくのかと思うと、少し、この秋晴れが名残惜しい。
 
「こんにちは〜っ!」

 そんな彼女の感傷を吹き飛ばすかのように、元気な少年少女達の声が木霊す。

「アイナさん、メガーヌさん、こんにちはっ!
 今日もここでお茶を御一緒させて頂いてもいいですか?
 なのはさんから、翠屋のシュークリームを頂いたんです!」

 赤毛の少年が、はにかむような笑顔を見せて菓子折りを差し出した。
 今を時めくミッドチルダの小さな英雄、エリオ・モンディアルである。
 こんな休日の普段着の彼は、年相応の少年らしい表情を見せてくれる。それがアイナには嬉しい。
 彼の両隣に立つのは、彼の友人の二人の少女キャロ・ル・ルシエと、ルーテシア・アルピーノ。
 六課内のゴシップでは、二人ともエリオの彼女の座を目指して競ってるだのという不穏な噂が流れている。
 だがアイナはそんな噂には興味がない。
 悲しい過去を乗り越えてきた三人の子供達が、こうして幸せそうに笑っていてくれればそれで十分ではないかと思っている。

「いらっしゃい、三人とも。ありがとう、翠屋のシュークリームなんて久しぶりだわ!
 ちょっと待っててね、今お茶を淹れるから―――」

 歓談の一時が始まる。

「……あれ? 今日はメガーヌさんはお休みなんですか?」

 キャロが、きょろきょろと周囲を見渡した。
 ルーテシアの母、メガーヌ・アルピーノもまた、ここ機動六課の寮母の仕事に就いていたのだ。
 メガーヌは、誰もがルーテシアの母と言って納得するような美しい容貌と、柔らかな雰囲気を併せ持った優しげな女性だった。
 ルーテシアと同じく何処かぼんやりしている面もあり、何があっても『あらあら♪』で済ませてしまるおっとり寮母さんとして親しまれている。

「母さんは、今日は外出」

 彼女の愛娘、ルーテシアは簡潔にそう答えた。
 
「へえ、メガーヌさん、今日はお出かけなんだ……」
「うん。昔の知り合いに会いに行くって。それから、アスクレピオスも持って行ったよ」
「そう言えば、アスクレピオスって、元々メガーヌさんの使ってたデバイスだったんだよね?」
「うん、メガーヌさん、昔は優秀なバックスとして有名だったんだったって―――」

 エリオは、『優秀なフルバック魔導師』のメガーヌの姿を想像してみた……
 失礼だとは思ったが、思い出したのは、皿を割ってしまって「あらあら」と頬を掻く、ヒヨコ柄のエプロン姿のメガーヌだけだった。

「でも、珍しいね。メガーヌさんがアスクレピオスを使うなんて」
「母さんが私からアスクレピオスを借りて出て行ったのは、これが、はじめて」
「へえ〜、昔の知り合いに会うって……昔の部隊の仲間の人と会いに行ったのかな? ―――あっ!」

 言って、キャロは己の大きな失言に気付いた。
 メガーヌ・アルピーノの所属していた首都防衛隊ゼスト隊は、11年前の戦闘機人生産プラント制圧戦において。
 彼女一人を残して、全滅したのだから。
 ―――チンクは、秋晴れの空の下、妹達の旅立った広い海原を眺めていた。
 カモメやウミネコが鳴き声を上げて飛び交う下、彼女は飽くる事なく大海を眺めている。

 彼女の背後で、じゃり、と砂を踏む音がした。
 チンクはゆっくりと立ち上がり、来客へと微笑みかける。

「お待ち、しておりました。ミセス・アルピーノ」
「ええ、私もお会いしたかったわ、スカリエッティナンバーズの5、チンクさん。
 ……本当に、逢いたかった」

 メガーヌ・アルピーノは、
 ―――全身を、11年前の戦闘機人生産プラント制圧戦と同じバリアジャケットで鎧ったメガーヌ・アルピーノは、焦がれた恋人にでも出会ったかのように微笑んだ。
 
「ルーテシアお嬢様は、お元気ですか?」
「ええ、お陰さまで元気よ。
 六課で友達を得て、幸せそうに暮らしているわ。
 ―――本当、8年間も貴方達の道具として使われていたのが嘘のよう」
「……………………」

 チンクは唇を噛んで押し黙る。
 メガーヌは冷たい眼光をチンクに叩きつけながらも続ける。

「近頃では、色々変わった悪戯もするようになってね。
 この間は、こんな面白い悪戯もしたのよ―――」

 両拳のアスクレピオスが輝きを放って変形する。
 11年前には存在しなかった機能だ。

「ブーストデバイスのアスクレピオスに、アームドデバイスのフレームを組み込んだの」

 変形が終了する。メガーヌの手には、彼女の細腕には似合わない無骨な槍が握られていた。
 メガーヌの手に握られたその槍は。
 チンクの左目が見開かれる。その槍は、正しく―――

「貴方も、覚えているでしょう?
 この槍は―――
 この槍は、11年前に貴方の首を刎ね損なった、騎士ゼストの槍よ!」

 メガーヌは、哭するように叫び、その切っ先をチンクに突きつける。
 眼帯の下で、チンクの右目がじくりと痛んだ。


 
 (後編へ続く)
450アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/07/05(土) 00:00:15 ID:1nWFT0+h
 お久しぶりです。一月で復帰するつもりが、伸びに伸びて三ヶ月になってしまい、真に申し訳ありません。
 次の長編のためのリハビリに、と一本書いてみましたが、筆が錆付き過ぎて頭を抱えそうになりました。
 挙句、読みきりで終えるつもりが纏めきれずに前後編となってしまい、面目無いところです。
 これからは、以前ほどの速度ではありませんが、定期的に投下していく予定です。
 書けない間に、次の長編とLittle LancerのAfterを除いて6本程長・短編のプロットが出来てしまったので(書けないくせに)
 そちらも何とか形に出来たら、と思っています。
 書き込めないまでも、ずっとROMさせて頂いていましたが、時折、私を気遣って下さるレスを拝見することもあり、大変励みになりました。
 この場を借りてお礼申し上げます。
 
451名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 00:07:37 ID:hfNMpwIM
うはー…GJ!貴方を待っていました
後編も楽しみにしてます
452名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 00:13:34 ID:9KUTqggu
>>450
お帰りなせぇ、アルカディアの旦那! ずっと待ってたぜ、まずは息災で何よりだと言わせてくれ!
そして…相変わらずの高クオリティSSをありがとう! これであと三年は戦えるぜ!
未消化のプロットもいくつかあるみたいでwktkが止まらないけど、無理はしないでくれよ!
453名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 00:14:25 ID:RhXUgPzx
なんだろう。この続々復活の流れは。
これはうかうかしてられませんよ。
そしてすごくドキドキワクワク。
45469スレ264:2008/07/05(土) 00:26:15 ID:PCf9Slz4
業務連絡です。
75スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
455B・A:2008/07/05(土) 00:42:49 ID:8J4Tpugy
>>454
乙です

>>450
GJ・・・・・ああ、でも重い。さすがはアルカディア氏、復帰第一発目で高クオリティかつパンチの利いたのを持ってくる。
このメガーヌさんはこっちのメガーヌさんとえらい違いだ。なにせ、こっちは保護観察官の仕事放ったらかしにして
隠居生活送っているお茶目さんだからなぁ(そう設定したのは自分だけど)



そろそろ30分経ったので投下いきます。

注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ。ただし、今回は出番なし
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・スーパー脇役タイム
・最初に言っておく、「第3話」のカリムの予言でちゃんと前振りはしておいた
・だから最後は笑って許してorz
456Das Erbe zur Zukunft@:2008/07/05(土) 00:47:08 ID:8J4Tpugy
第15話 「模造された神」



「でやぁぁぁっ!」

「ふん!」

繰り出されたエリオの拳をザフィーラは難なく受け止める。
腰の入った見事な一撃だ。無闇に体重を乗せるのではなく、腰と肩の動きで筋肉の力を理想的な形で拳に伝えている。
多少動きにムラが多いが、鍛えればまだまだ伸びる感があるなとザフィーラは感心した。
だが、彼が真に驚いたのはここからだった。

「はあぁぁっ! せい、たあぁっ!」

「ぬう!」

拳を密着させた状態でエリオは身を浮かせ、顔面目がけて蹴りを打ち込んでくる。
更にそこから膝蹴り、跳び蹴り、回し蹴りと立て続けに連撃を放ち、こちらの防御を崩さんとする。
長い年月を戦いに費やしてきたザフィーラも、このような動きは見たことがなかった。

「ぬうん! ておあぁぁぁぁぁぁぁっ!」

真っ向から蹴りを受け止め、がら空きの胴に丸太のような足を叩き込む。細身のエリオの体は為す術もなく吹っ飛ばされ、
大木の幹に背中をぶつけてぐったりと四肢を投げ出した。

「見たことのない動きだ。お前の師のものか?」

「うん、見よう見真似で・・・・」

「人間のする動きではないぞ。負担も相当なのではないのか?」

「そうだね・・・・かなり苦しい」

意外にも素直に認め、エリオは深々と呼吸を繰り返す。
エリオの格闘術の師匠であるガリューは人型とはいえ蟲であり、人間とはそもそも体の作りが違う。
エリオ自身がどれだけ体を鍛えて動きを真似ようとしても、どこかに無理が生じてしまうのは仕方のないことであった。
いや、正規の訓練も受けずにあれだけの動きをやってのけたのだから、寧ろ誉めてやらねばならないのかもしれないが。

「いずれにしろ、一度本格的に格闘の基本を習った方が良い。喧嘩殺法で勝ち抜ける程、実戦は甘くはないからな」

「って、あんたが教えてやれば良いじゃんか?」

隅っこで二人の組み手を眺めていたアルフが口を酸っぱくさせる。

「すまぬ、私は人に教える柄ではない。見取り稽古なら構わぬが、エリオはそもそもちゃんとした格闘の訓練を受けていない。
直すべきところをきちんと言葉にできる教官が必要なのだ」

「教官ねぇ」

そういう意味では、旧六課の隊長陣は軒並み却下だ。全員がデバイスを用いた戦闘に慣れすぎているし、そもそも忙しくて個人訓練をしてくれる暇さえないだろう。
フェイトに至っては動くことすらままならない。ナカジマ姉妹なら適任だろうが、果たして時間の都合がつくだろうか?
そこまで考えたところで思い浮かんだ案に、アルフはポンと手の平を叩いた。
457Das Erbe zur ZukunftA:2008/07/05(土) 00:49:36 ID:8J4Tpugy
「なら、あたしが教えてやるよ」

「アルフさんが?」

「なにさ、意外かい?」

「いえ、何て言うか・・・・・」

一抹の不安を抱きながら、エリオはアルフの体を見下ろした。
そこにいたのは、どこからどう見ても幼稚園児にしか見えない犬耳っ娘だった。
アルフは病に苦しむフェイトの負担を少しでも減らそうと、魔力消費の少ない形態で日々を過ごしている。
今のアルフは人間でいうところの五、六歳程度の大きさであった。ちなみに、目標は赤ん坊フォームであるらしい。
そんな小さな体で格闘術の稽古がつけられるのか、エリオはそれを心配していたのだ。

「教えるだけならこのままの姿でも問題ないさね」

そうして、アルフによる格闘術の稽古が始まった。正直に告白すると、アルフの教え方は非常に下手くそだった。
観念的な言葉やややこしい言い回しを多用し、理解に苦しんでいるところをザフィーラに何度も助けられた。
だが、その甲斐あってかエリオの動きは見違える程良くなっていった。

「そうそう、エリオって覚えるの早いねぇ。伊達に修羅場は潜っていないか」

「それ、比喩でも何でもないですよね」

「はははっ・・・・・・・あ、肩に力入り過ぎているよ・・・・そう、バリア割りでもしない限り、基本的に格闘はヒット&アウェーさ。拳のリズムを大切にね」

「えぇっと・・・・・こうですか?」

「うん、そうそう。後はもう少し姿勢をこうして・・・・・・・・」

言われるがままに拳を振るうと、アルフは手放しで喜んでエリオの頭を撫でようとする。
当然、背が低いので手が届かなかったが。
その光景を見て、ザフィーラは思わず笑みを零した。

「なに笑っているんだい?」

「いいや。ただ、そうしているとまるで親子のようだと思ってな」

「悪かったね、どうせあたしはちびっ子だよ」

「違う、お前が母親だ」

「なんだって?」

「母親だと言ったのだ。聞けばお前は幼い頃のエリオの面倒も見ていたのだろう? 
エリオに取っては母か姉のようなものだと思うが?」

「確かに、言われてみればそんな感じだね」

ザフィーラの言葉に、エリオも同意する。すると、アルフは顔を真っ赤にして声を張り上げた。
458Das Erbe zur ZukunftB:2008/07/05(土) 00:51:48 ID:8J4Tpugy
「ななななに言っているんだい! 冗談も大概にしないとぶっ飛ばすよ!」

「別に冗談なんぞ口にした覚えはないぞ」

「うん。それとも、アルフさんは僕が息子じゃ不満ですか?」

「それは・・・・・・・ずるいよ、二人とも」

顔を俯かせ、消え入りそうなか細い声でアルフは呟く。
僅かに肩が震えていた。
白い頬を雫が伝い、喉から細い嗚咽の音が漏れ聞こえる。
泣いているのだと気づくのに、時間はかからなかった。

「アルフさん?」

「・・・・・・・・・・・・」

「アル・・・・」

「エリオ、少し向こうに行っていてくれ。そうだな、クールダウンでもしていろ」

「う、うん」

釈然としないながらも、エリオは言われるがままにその場を離れる。
エリオの背中が森の中に消えていくのを見届けると、ザフィーラは地面に胡坐をかいて、その上にアルフを座らせた。最近の二人の定位置である。

「すまないな、少し苛め過ぎた」

「まったくだよ。慰めのつもりなら、もっとマシな言葉をかけて欲しいものだね」

魔導生命体である使い魔は、子どもを成すことができない。だが、アルフは母親というものに強い憧れを抱いていた。
我が子を腕に抱き、女神のように微笑みながら深い愛情を注ぐなのはやフェイトの姿を見て、自分も彼女達のように母親になりたいと願うようになったのだ。
しかし、造られた存在である以上、自分は愛する人との間に子どもを成すことができない。それどころか、主の負担を減らすために体を縮めていった結果、
ザフィーラとは親子と見間違われる程の体格差ができてしまった。それがアルフには堪らなく辛かったのだ。

「ねえ、さっきのあたしは本当にお母さんに見えたかい?」

「ああ。私が保証する」

ただ手取り足取り格闘術を教えていただけだったが、その横顔は間違いなく母親のそれであった。
少なくとも、ザフィーラにはそう見えたのだ。
459Das Erbe zur ZukunftC:2008/07/05(土) 00:54:58 ID:8J4Tpugy
「そっか・・・・・あたしもお母さんか」

「アルフ・・・・・・」

「ねぇ・・・・・フェイトもこんな気持ちなのかな? 胸が温かくて、けど凄く苦しいんだ」

「・・・・・・・・・」

「何か言ってよ」

「すまぬ、何を言えば良いのかわからぬ」

「甲斐性なしめ」

真っ赤になって怒鳴りつけるアルフを、ザフィーラは無言で抱き締める。
何と言えば良いのかわからないから、せめて行動で思いを伝えることにした。
子は成せないし結婚もしていないが、自分はお前を愛していると。ずっと側にいるからと。
だから泣かないで欲しい。せめて別れが訪れるその瞬間まで、君には笑顔でいて欲しい、と。





「・・・・・・夢か」

懐かしい夢の情景に、ザフィーラは一人ごちる。
もう三ヶ月以上も前のことだ。
あの頃は何れ訪れるであろう別れの瞬間に怯えながらも、残された時間を精一杯愛し合っていた。
アルフはフェイトの世話があったのでアルトセイムから離れることはできなかったが、ザフィーラは暇を見つけては彼女のもとを訪れて同じ時間を共有しようとした。
愛し合い、確かな繋がりを持っていた。
だが、自分達は所詮使い魔と守護獣。魔法で造られた生命体に次代の子どもを残すことなどできず、アルフは最後の瞬間まで母親になれなかったことを悔やみながら消えていった。

『あんたの子どもが欲しかった』

涙ながらにそう訴えられた時、ザフィーラは何もできずに無言で彼女を抱き締めることしかできなかった。
以来、ザフィーラは人目を避けてこの地で隠遁生活を送っていた。
主への忠誠を忘れたわけではない。
仲間との誓いを捨てたわけではない。
だが、それ以上にアルフのことが大切になってしまった。故に戦いから身を退き、孤独な倦怠の日々を送っていた。
エリオが訪れるまでは。

「アルフ、私とお前は子を成せなかった。我らはこのまま時代に取り残され、忘れ去られてしまうのではないかと思っていた。
だが、造られたこの身でも残せるものがあったようだ。私はそれをエリオに託す。お前のもとに逝くのは・・・・・・・・・もう少し先になりそうだ」

先程から森の中で不穏な気配が蠢いている。また、主である八神はやてとの精神リンクが切れているのも気になった。
どうやら、自分達が呑気に修行などしている間にクラナガンでは異変が起きているようだ。
460Das Erbe zur ZukunftD:2008/07/05(土) 01:01:41 ID:8J4Tpugy
「わかっている、倦怠の日々はこれで終わりだ。残せるものは全て残そう。技術も、心も」

揺るぎのない決意を胸に、盾の守護獣は立ちあがる。
己に課せられた使命を全うするために。





轟音と共に大木が砕け、黒煙を上げる。同時に身を引き裂くような痛みが全身を駆け抜け、
エリオは堪らずその場にうずくまった。その成果を分析し、導き出された結果を二機のデバイスは隠すことなく己が主に告げる。

《計算通りのスペックです、サー》

《しかし、負担も大き過ぎる。実戦ではまだ使わないことを推奨するぞ、兄弟》

「わかっている。けど・・・・・」

何れは戦わなければならない相手のことを考えると、奥の手は用意しておくに越したことはない。
自分とケーニッヒの実力差を考えると、これでもまだ足りないくらいなのだ。

「バルディッシュ、勝算はどれくらいだい?」

《現状では35%といったところでしょうか。奴の反射神経は常人のそれを逸しています。悔しいですが、奴は我々の動きを見てから回避できます》

「勝つためには、あいつが反応できない速さで動くしかないか」

《そう弱気になるな。我らが着いているぞ、兄弟》

《ストラーダの言う通りです。我らは運命共同体、この身はあなたの思いを貫くためにあります》

「ストラーダ、バルディッシュ・・・・・そうだね、僕は一人で戦っているんじゃない。
たくさんの人の思いや願いが、ここに詰まっているんだ」

親指で己の胸をグイと指差す。
自分はたくさんの人に支えられて生きている。
自分の生きた証を次世代に伝えるために、希望の溢れる未来を作るために、人間は誰かに思いを託して死んでいく。
それこそが生きるということなのだ。

「だから、あいつらには負けられない。ロート・シルトのやろうとしていることは・・・・・」

その時、世界の色が反転し、周囲から生命の気配が消え去った。
反射的にエリオは身を起こし、突きつけられた複数の殺意と対峙する。

「ロート・シルトか!?」

「左様。悪いが同志ケーニッヒの命令だ、我らと遊んでもらうぞ」

男の言葉が合図となり、森の中から三十機ものガジェットが出現した。
途端に、体が鉛にでもなったかのように重くなる。
461名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:03:37 ID:N8m2ox6j
支援
462Das Erbe zur ZukunftE:2008/07/05(土) 01:05:12 ID:8J4Tpugy
「AMFか」

「これだけAMFが強ければ、大技は使えまい。それとも、打撃だけで我らを相手にするか?」

その言葉に、男達は笑いを堪え切れなかった。彼らは自分達の優位を確信していた。ガジェットの中には航空機型のU型や大型のV型がおり、
魔法なしでそれらを相手にすることはできないであろうと思っているようだ。実際、強力なAMF下においてU型やV型を相手にするのは困難なことであった。
手がないわけではないが、そのためにはまずAMFの効果範囲外に出なければならない。それに、このタイミングで本人ではなく部下を送り込んできたことも気になる。
こちらの実力はケーニッヒもよく知っているはずだ。言い方は酷だが、この程度の相手では精々足止めにしかならないこともわかっているはず。
そこまで考えて、エリオはハタと気づいた。

(足止めが狙いか)

つまり、ロート・シルトの最終作戦がついに始まったということだ。恐らく、自分を足止めして六課の戦力を削ることが目的なのだれう。合理的なケーニッヒらしいやり方だ。
そうなると、途端にこちらが不利になる。向こうは極力守りに徹し、一分一秒でもこちらの動きを封じようとするだろう。如何に殲滅戦を得意とするエリオといえど、
本気で守りに入った相手を打ち負かすことは容易ではない。本音を言えばこいつらを無視してこの場を立ち去りたいところだが、そのためには結界を打ち破らねばならない。
だが、自分の技量では結界破りのスプライトザンバーを撃つのに少しばかり時間がかかる。果たして、敵がそれを許してくれるだろうか?
蒼き狼が姿を現したのは、正にその時であった。

「騒がしいな。ここが死者の眠る地と知っての狼藉か?」

地の底に響き渡るような声でザフィーラは言う。事情を知らない者でも、彼が怒りを抱いていることは察することができたであろう。
事実、男達もザフィーラの纏うただならぬ気迫に気圧されているようであった。いや、彼の実力を見極められず、
僅かに気圧されただけであったことが彼らの不幸であったかもしれない。

「エリオ、主はやてと連絡がつかない。恐らく、クラナガンで何か起きているはずだ」

「やっぱり、ロート・シルトが」

「うむ。ここは私に任せて、お前はお前の成すべきことをしろ」

「一人で戦うっていうのかい?」

「タカがガラクタ如きに後れを取るほど柔ではない。さあ、行け」

「・・・・・うん」

頷き、背後に回り込んでいたガジェットT型を切り伏せて藪の中へと飛び込む。
そして、闇の中で眩い光となって木々の乱立する森の中を駆け抜けていく。
もちろん、それを見逃す程敵も愚かではなく、数機のガジェットT型が閃光と化して走り去るエリオを追撃しようとする。
だが、いち早く反応したザフィーラは手近な巨木を素手で薙ぎ倒し、そのままそれを棍棒のように振り回して追撃に出たガジェットをまとめて薙ぎ払った。
463Das Erbe zur ZukunftF:2008/07/05(土) 01:07:29 ID:8J4Tpugy
「なぁっ!?」

「話を聞いていなかったのか? お前達の相手はこの私だ」

「この・・・・・使い魔風情が舐めた口を・・・・・」

男の一人が憤怒のこもった声で呟き、巨大な球状のガジェットV型を呼び出す。

「こいつはさっきの奴とは違うぞ。貴様のような使い魔なんぞ、軽く蹴散らしてくれるわ」

その言葉に、ザフィーラは唇を吊り上げて犬歯を剥き出しにする。
久しく見せていない凶暴な笑み。その姿を形容するとするならば、この言葉程相応しいものはないであろう。
血に飢えた狼、と。

「一つ、お前達の間違いを訂正する」

張りつめていく気配に、男達もザフィーラが攻撃しようとしているのだと察してガジェットに迎撃を命じた。
AMFの濃度が更に増し、ガジェットV型は持ち前の巨大なアームでザフィーラを叩き潰さんとする。
だが、ザフィーラはそれを難なく受け止めると、逆に一本背負いの要領でV型の巨体を大地に叩きつけた。

「てぉああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!」

間髪入れずに剛腕が打ち込まれ、V型の装甲が陥没する。

「ベルカでは、騎士に仕える獣を使い魔とは呼ばぬ!」

何の魔法も使用していない、ただ力任せの一撃。それが何十発も打ち込まれ、見る見る内にV型は鉄屑へと変わっていく。

「主の牙、そして盾! 守護獣だぁぁぁぁぁっ!!!」

残骸を蹴り砕き、瓦礫をまき散らしながらザフィーラはガジェットの群れへと飛び込んでいく。
雄叫びを上げながら暴れ回る守護獣を止められる者は、最早どこにもいなかった。





指揮系統が寸断された結界外の残存部隊は、機動六課の指揮の下で住民の避難誘導を行っていた。
だが、時と共に錆色のドームは拡大の勢いを強めていき、逃げ遅れた人々が次々に飲み込まれていくのを止めることはできなかった。
各地で暴れるロート・シルトへの対応と、大規模な避難誘導を行うための人手が決定的に不足しているのだ。
それでも、諦めずに戦う者達がいた。

「対AMF弾を撃てる人、前に出てガジェットの相手を! 残りは非戦闘員の非難を優先してください!」

陸士108部隊、ギンガ・ナカジマもその一人であった。
もちろん、このままではミッドチルダが結界に飲み込まれ、次元に閉じ込められてしまうことを彼女は知っている。
知っているが、それでも諦めることはできなかった。例え無駄だとわかっていても、最後まで諦めずに戦い続ける。
それが今はもういない、彼女の憧れた女性の生き方であった。
464Das Erbe zur ZukunftG:2008/07/05(土) 01:10:46 ID:8J4Tpugy
「そうよね、ブリッツキャリバー!」

《Yes》

鋼の相棒の頼もしい言葉に支えられ、ギンガは先陣を切ってガジェットを蹴散らしていく。
それを驚異と感じ取ったのか、無数のガジェットや傀儡兵が彼女を部隊から孤立させ、その周りを取り囲んだ。

「囲まれた!?」

撃ち込まれる魔力弾を回避しながら、ギンガは傀儡兵の首を手刀で叩き折る。
だが、如何せん数が多く、ギンガ自身には複数の敵を同時に仕留める術はない。
今は辛うじて生き長らえているが、このまま疲労が蓄積していけばそう遠くない内に討ち取られてしまうだろう。

(万事休すか・・・・・・こうなったら、せめて一機でも多く道連れに・・・・・・)

その時、どこかで聞いたことのある男の声が彼女の耳に届いた。

「ギンガ、伏せろ!」

「!?」

胸に感じた信頼感を頼りに、ギンガはその場に身を伏せる。
直後、どこからか無数の魔力弾が降り注ぎ、周囲を取り囲んでいた敵が一掃された。

「大丈夫かい、ギンガ?」

煙の向こうから現れた六課課長がギンガの手を取り、そっと立ち上がらせる。

「あ、ありがとう。けど、どうしてここに?」

「結界がまた広がってね、司令部を移動させていたところなんだ。どうも、予想していたよりも結界の広がりが早いようだ」

「六課は間に合いそう?」

「信じるしかないさ。僕達は僕達の仕事をするだけだ」

「そうね、頑張りましょう」

頷き合い、二人は自分の成すべきことを果たすために瓦礫の街を駆け抜ける。
そして、また別の場所では一人の女性が再び戦場に戻る決意を固めていた。

「これを着るのは久しぶりだなぁ」

《緊張されているのですか?》

「そうだね、少し」

《余り力むと、失敗のもとですよ》

「わかっているよ、相棒。それじゃ、久し振りにひと暴れしようか?」

《All right buddy》


465名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:12:47 ID:N0xguVOW
支援
466Das Erbe zur ZukunftH:2008/07/05(土) 01:15:01 ID:8J4Tpugy



結界の内部は酷い有り様であった。
いったいどれ程の戦いが繰り広げられたのか、建物は倒壊し、地面はひび割れてあちこちにクレーターができている。
怪獣でも暴れない限り、このような惨状にはならないであろう。ルーテシア達がいるところは特に酷く、
ほとんど更地と言っても良かった。
そんな瓦礫の山を歩いていると、不意に隣を歩いていた隊員が口を開いた。

「分隊長、本当に宜しかったのですか?」

「ええ・・・・・今は、任務を優先させるわ」

「けど、お子さんは・・・・・・・」

「・・・・・・・」

アリシアを預けている託児所は既に結界に飲み込まれている。ルーテシアも、できることなら仕事など放っておいて愛娘の安否を確かめに行きたかった。
しかし、持って生まれた責任感がそれを許してはくれない。ルーテシアは震える心を叱咤し、瓦礫の街を一瞥する。

「行きましょう。急がなければ、手遅れに・・・・・・・・」

「・・!!」

不意に飛来した魔力弾を、ガリューが弾き飛ばす。
見上げると、数ブロック先のビルの屋上から無数の傀儡兵とガジェットを従えた二人の男が待ち構えていた。

「エリオ・モンディアルの姿がありませんね」

「ああ。オレの策が功を制したようだ」

「では、手筈通り彼女は私が」

「好きにしろ。調子に乗って街を壊し過ぎるなよ」

「確約できませんね」

そう言って、ロデオはビルの屋上からふわりと地面に着地する。
どうやら、ケーニッヒは高みの見物と洒落こむようだ。

「この時を待っていた、ルーテシア・アルピーノ」

「ロデオ・エステート・・・・・あなた達ロート・シルトのしていることは、大規模騒乱罪にあたります。速やかに武装を解除し、投降しなさい」

「ああ、それは違う」

ルーテシアの口上を聞いて、ロデオは生徒の間違いを訂正する教師のように首を振った。

「ここを破壊したのはこの私の独断だ」

残忍な笑みと共に魔法陣が展開し、虚空から人型らしきものがルーテシアの前に落下する。
咄嗟にガリューが受け止めたそれは、全身から血を流し、虫の息となった首都防衛隊の隊員であった。
467Das Erbe zur ZukunftI:2008/07/05(土) 01:18:42 ID:8J4Tpugy
「・・!?」

彼だけではない。展開された魔法陣の中から次々と負傷者が転がり落ち、痛みで地面をのたうち回る。
痛い。
苦しい。
助けて。
死にたくない。
悲痛な声がルーテシアの胸を茨で締め上げ、背筋が凍っていくかのような錯覚を覚えた。

「どうして・・・・・どうしてこんなことができるの!?」

「私は管理局をかく乱しろとしか言われていないからな。だから、後のことは好きにやらせてもらった。
それとも、お前達は自分が傷つく覚悟もないまま戦場に立っているのか?」

「違う、そういう意味じゃない!」

例えどれ程過酷な戦いの渦中においても、決して捨ててはならないものがある。
否定してはならない尊厳がある。地獄のような戦場において、人間性を失くしてしまえばそれはもう畜生と変わらないからだ。
なのに、この男はまるでそれが尊いことであるかのように言葉を紡いでいる。

「さて、お前達の目的はバビロンの鍵を見つけ出すことなのだろう? だが、生憎私はそれを阻止するよう命じられている」

「みんな、バラけて!」

ルーテシアが叫んだのと、空中の傀儡兵から魔力弾が撃ち出されたのはほぼ同時であった。
反応が早かったおかげで、彼女の部下は全員安全圏まで退避している。それを見てルーテシアはホッと胸を撫で下ろし、次の瞬間、表情を凍らせた。
撃ち出された魔力弾の射線上に、負傷して身動きの取れない首都防衛隊の面々がいる。

「だめぇっ・・・ガリュー!?」

「・・・」

助けに戻ろうとするルーテシアをガリューは手で制する。
駄目だ、もう間に合わない。物言わぬ目はそう告げていた。

「そんな・・・・・気づいていたのに・・・・・私が・・・・・私のミスで・・・・・」

立ち上る火柱を見て、ルーテシアは愕然とする。
自分のミスで、死ななくても良い人を死なせてしまった。
絶望の余りその場に膝をつき、動けなくなる。

「てめぇっ!!」

血気盛んな分隊員の一人がロデオに向けて射撃魔法を乱射する。
ブローバック機構の稼働と共に立て続けにカートリッジが炸裂し、鋼鉄も容易く撃ち抜く射撃の嵐が周囲のものを瓦礫へと変えていった。

「てめぇっ・・・・分隊長を・・・・分隊長をこれ以上泣かすんじゃねぇっ!!」

力尽きて地に膝をつきながらも、その隊員は言い放った。
誰もが固唾を飲んで、煙で覆われた先を凝視していた。
倒れてくれ、頼むからこれで倒れてくれと。
だが、朦々と舞い上がる白煙が風に吹かれた先に現れたのは、無傷で立っているロデオの姿であった。
468Das Erbe zur ZukunftJ:2008/07/05(土) 01:22:34 ID:8J4Tpugy
「目障りだな、雑草の分際で!」

新たに出現した傀儡兵が隊員達に襲いかかる。
それは最早、数という概念を超越した軍隊であった。文字通り無限の軍勢と化した傀儡兵の群れに取り囲まれ、隊員達の表情に恐怖の色が浮かぶ。
だが、それでも彼らは諦めなかった。いつだって、自分達は絶望的な戦いを潜り抜けてきたという自信が、圧倒的な恐怖ですら跳ね除けたのだ。

「前衛、広域魔法ぶっ放す時間を作れ! ミスったらあの世で恨んでやるからな!」

「そっちこそ、ちゃんと援護しないと末代まで祟ってやる!」

折れそうになる心を必死で奮い立たせ、彼らは戦った。
力の差は歴然としている。こちらがたった二十人の魔導師の集団なのに対し、敵はその何十倍もの戦力を有している。
こちらが十機打ち倒す間に一人が倒れ、そいつを庇いながらまた一人倒れていく。
次々と撃ち込まれていく魔力弾の嵐は容赦なく彼らを攻め立て、追い詰めていく。

「ぐうぅっ・・・・くぅ・・・ま、負けるか・・・・・・」

「まだ・・・まだぁぁっ!!」

何体目かの傀儡兵を破壊したところで、とうとう動ける者はいなくなってしまった。
倒れている者は全員が血の涙を流している。
負けたくない、何も守れないまま死にたくない。
こんな卑劣な悪漢に屈したくない。
死への恐怖ではなく、敵への怒りが彼らに涙を流させていた。

「解せないな? 何がお前たちをそこまで駆り立てる?」

「お前が、許せないからだ」

「分隊長を泣かした、それだけで万死に値する」

「雑草風情が舐めた口を・・・・・・」

ロデオは無造作に手を振り上げ、身動きのできない隊員達に魔力弾を撃ち込んだ。
衝撃が大地を震わせ、苦悶の声が瓦礫の街に響き渡る。しかし、痛みにのた打ち回りながらも彼らの目は未だ爛々と輝き、
憤怒の睨みをロデオに向けていた。

「雑草だろうと雑菌だろうと、譲れないものはあるんだよ!」

「分隊長はな、足手まといの俺達を見捨てたことは一度だってなかった。
口ではどれだけ酷いことを言っていても、任務中に誰一人死なせたことはなかったんだ」

「お前は、そんな優しい人の目の前で人を殺したんだぞ! 俺達ライトニング分隊の誇りを侮辱したんだ!」

悲壮な姿を晒しながら、しかし彼らはなおも立ち上がろうとする。もちろん、それは叶わないことだ。
どれだけもがこうと、痛みで麻痺した体はピクリとも動いてくれない。

「やれやれ、大人しくしていれば楽に死ねたものを。雑草に知恵を求めたのは失敗だったか」

失望したかのようなロデオの呟きと共に、一際巨大な傀儡兵が魔力砲のチャージを開始する。
凝縮していく眩い光量は、傍目にもその威力が破格であることを物語っている。

「はっはっ・・・・・消え去れ、雑草!」

残忍な笑みを浮かべてロデオは配下の傀儡兵に号令をかける。だが、凶悪な光の奔流が正に解き放たれようとした瞬間、
一条の雷光が傀儡兵の群れを焼き払った。
469名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:25:47 ID:q4cm2FR6
C¥
470Das Erbe zur ZukunftK:2008/07/05(土) 01:26:33 ID:8J4Tpugy
「ガリュー!」

「・・!」

神速にまで加速したガリューの拳が眼前に迫り、咄嗟にロデオは防御魔法を展開する。
それによって生じた僅かな隙に、更に幾本もの雷光が無数の傀儡兵を焼き払っていく。

「地雷王、下がって! みんな、照準なんて気にしなくていいから、撃って!」

「了解!」

ルーテシアに施された回復魔法で体の自由を取り戻した隊員達が、起死回生の広域攻撃魔法を解き放つ。
事前にルーテシアと申し合わせたガリューは即座に離脱したが、防御のために動きを封じられていたロデオにそんな暇はなく、
驚愕の表情を張りつかせたまま闇の中へと飲み込まれていった。

「やった?」

「いえ、まだよ」

油断なく身構えるルーテシアの姿に、他の隊員達にも緊張が走る。

「ぬくぅぅ・・・・・・今のは痛かったぞ」

砕け散った傀儡兵の残骸を押し退け、再び立ち上がったロデオは服についた埃を払う。
言葉とは裏腹に、傷らしい傷はどこにも見当たらない。どうやら、バリアを叩き割って直接攻撃を打ち込まなければ奴にダメージを与えることは不可能なようだ。

「相変わらずタフな男」

「君は相変わらず仲間思いのようだ。そのような雑草、庇う価値があるとは思えないが」

「雑草なんて草はないわ」

弱くてもみっともなくても、彼らは生きようと必死になっている。それを否定する権利は誰にもないはずだ。
自分の無力さに打ちひしがれ、一度は折れてしまった彼女の心を再び奮い立たせたのは、部下を侮辱されたことに対する純粋な怒りだった
471Das Erbe zur ZukunftL:2008/07/05(土) 01:28:05 ID:8J4Tpugy
「ロデオ・エステート、これが最後通牒よ。大人しく投降しなさい」

「すると思うか?」

「諦めなさい。あなたの召喚機は全て破壊した」

「ああ、確かに手駒の八割は壊されたな。やれやれ、折角スクーデリアに直してもらったというのに」

まるで危機感のない言葉に、ルーテシアは言いようのない不安を覚えた。
こいつ、まだ何か奥の手を用意しているのではないだろうか?
その疑念は、現実のものとなった。

「だが、私にはまだ最強の駒が控えている」

マントを翻らせ、ロデオは詠唱を開始する。
まずい、誰もがそう思った。
大地に描かれた魔法陣は今までのどれよりも大きく、そこから漏れ出る魔力の量が桁違いに大きい。
間違いなく、呼び出されようとしているのは今までの傀儡兵など比較にならない大物だ。

「さあ、現れろ! 我が最強の召喚機ぃぃっ!!!」

まるで水面が膨張するかのように魔力の波が迸り、空に黒く分厚い雲がたれこめる。
鳴り響く雷鳴はさながら魔神の咆哮であり、その姿を露にした鋼鉄の威容の禍々しさにその場にいた全員が息を呑んだ。

「これぞ私の切り札、天地を統べし機械の王! 人が造りだした叡智の結晶! その名は、デェウゥッス・エェェクスゥッ・マッキィィナァァァッ!!!!」

魔力の拘束を引き千切り、鋼鉄の竜が雄叫びを上げる。騎士カリムが予言した模造された神、人造の破壊神が今、鎖から解き放たれた瞬間であった。

                                                                                            to be continued
472B・A:2008/07/05(土) 01:32:20 ID:8J4Tpugy
以上です。
僕は至極真面目に考えました。
一切ふざけていません。
ただ、インパクトを減らさないために誰にも相談しなかっただけです。
一応、予言の内容とロデオが召喚師だというヒントはありましたが。
ルーテシアVSロデオになるはずが、気付けばスーパー脇役タイムになってしまったのは完全に誤算でした。
特に序盤はもう少し分量少なめになるはずだったのに。
支援、ありがとうございます。
473名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 02:37:08 ID:hiRkXBXk
GJ!
ザッフィーかっこいいよザッフィー。
>デウスエクスマキナ
ちょwww下手すりゃ旧神が来かねない件。
474名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 02:53:34 ID:7hf0Gw6Z
憎悪の空からロリコンがやって来る
475名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 03:46:22 ID:ojeEg+yS
>>450
参った。本気で参ったわ。
好きなんだよ、チンクがよぉ……ロリコンだからってのもあるけどよぉ……ゼストも好きだからよぉ、こう言う話が好きなんだよぉ!!
有難う、GJ。
476名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 04:47:55 ID:xnK60iWZ
>>473
いやまて、デウス"エクス"マキナってことは、ロリコン旧神よりも西博士がくるんじゃね?w
477名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 07:23:45 ID:DwuxnqVa
うむ、ドリルをぎゅるんぎゅりゅん廻しながらやって来るに違いないwww
478名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 07:25:56 ID:LFs1bZcE
>>450
GJ!!
おかえりなさい!!&外伝待ってました!
そして相変わらず、続きが気になって仕方のない超wktkの止まらないストーリー…
リトラン本編の時のように催促したくなる気持ちを抑えつつ、後編を楽しみにしております
リトランアフターもまたあるんですよね!?キャロエリルーの話もどれほど待ち望んだことか!

>>472
GJ!!
素直に燃えてきました!!
管理局全レギュラーメンバーを投入した決戦
そして因縁ともいえる二人の召喚師の対決!!
ルーテシアが圧倒的に不利になりかけてるけど、どう逆転していくかが非常に楽しみです!
479名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 08:08:21 ID:QaUPnH7Y
投下 なのは
480名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 08:25:15 ID:4BWx2wVA
>>476
大丈夫、西博士も一様旧神になったから。
481名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 09:01:02 ID:q4cm2FR6
>>450GJ!
そりゃメガさんからしたら大事な人達を殺した憎い敵なわけで、許せと言う方が無理な話ですよねぇ。
しかも娘は8年間利用された挙句前科持ちに、しかも敵になついてますし。
それを知った時のメガさんの心情は如何ほどかもわからないですな。

これからどう和解するか、それとも死にネタなのか、はたまたメガ×チンクでエロエロになるのか楽しみです
482名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 09:31:51 ID:zwXPWpaP
>>352
亀ですがGJ!!です。もちっと、もつれるかと思いきや
なんとか2人の関係は修復 ・ ・ ・ ・ を通り越して一気に進展しましたねw
次回のわっふる わっふる も楽しみにしております
483名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 09:37:24 ID:eTN7d9j9
違う!エクスといえばOはただ!

【絶対違う】
484名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 10:31:33 ID:RhXUgPzx
あれ?
なんか元ネタがあるのかっ!?
デウスエクスマキナといわれても「(オチに)困ったときの神頼み」しか浮かばないっ
485名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 10:40:37 ID:+5IK8FRh
デウスエクスマキナと聞いて某機械化歩兵の同型機が浮かんだ俺は異端ですか
486名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 10:43:08 ID:XcUnxmAC
>>484
まあ原義はそれだけど、響きがいいせいか色んな作品でその名称が使われてるからなあ…
487名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 10:54:21 ID:9KUTqggu
デモンベインに出てくるのが一つ、>>483がOはたと言ってるのは…何だろ、FEARが出してるTRPGのリプレイキャラか?
488名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 12:04:21 ID:pLz/kGHF
デウスエクスマキナって確かラテン語で機械仕掛けの神とかって意味だったっけ?
Hellsingの少佐達の旗艦もそんな名前だったなぁ
489名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 12:26:26 ID:ITbA7BRu
スパロボにもそんな言葉出てきたな。
まぁ、使いやすいしカッコいいしな。
490名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 12:35:42 ID:rDkYhlZb
俺の中でロデオの声が子安になった
491名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 12:53:17 ID:x8T4oqG+
元はギリシア劇で舞台の物語の内容が収拾がつかなくなった所で神が現れ
その物語に強引に収拾をつけるのが始まり
大抵がでっかい舞台装置で機械仕掛けだったことからこういう名前になった
まあご都合主義の権化みたいなもん
492名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 12:56:40 ID:m7C0tS82
アップルシードの映画二作目のサブタイでもあるしラインバレルでも出てた。
493名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 13:39:35 ID:A0JoDqcG
GJ!
まず初戦はルー対ロデオか…
召喚師としては圧倒的にルーの方が上だと思うけどロデオは勝つためには自身の召喚した生物すら道具扱いにするからなー
しかも切札で機械仕掛けの神さま呼び出しちゃうし。
ルーよ愛する人と子のために頑張れ!
494名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 15:20:36 ID:zRb37pD0
白天王がどのくらい強いかだけど、
正直STSの時は力発揮できてなかったから未知数だね
495名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 15:29:42 ID:LtT1ETqL
人をスライムに変えてしまいます
496ザ・シガー:2008/07/05(土) 17:31:22 ID:2MkaFKb/
さて、せっかくの土曜だ投下でもしよう。

今回はクロノメインの短編、直球ドエロSSでチビ狸が性的に頑張るお話です。
497名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 17:32:28 ID:gif8a+T7
おうけい、どんとこい兄弟。支援だ!
498鬼畜艦長クロノ:2008/07/05(土) 17:32:32 ID:2MkaFKb/
鬼畜艦長クロノ(前編)


ミッドチルダ、クラナガン郊外の閑静な住宅街にそのマンションはあった。
やや煤けた外観が年季を感じさせるが、それを補って有り余る部屋の広さと手頃な家賃という良物件
である。

そしてその中に一室でそれは行われていた。


薄暗がりの中、一糸纏わぬ二人の雄と雌が汗に塗(まみ)れて睦み合う。
焼けるような熱を帯びた淫蕩な宴。熱く爛れた背徳と言う名の甘い果実が貪られていた。


「はぁっ!!……んぅぅ…はんっ!…もう…ダメやぁ…堪忍してぇ…」


独特のイントネーションを持った口調で、甘い少女の嬌声が響く。
その声は切なさに満ちており、同時に凄まじい艶を帯びていた。
だがそれも無理は無い、少女はベッドの上で四つん這いに組み伏せられ淫らな蹂躙に喘いでいたのだから。
少女を責める男は、彼女のその懇願を聞いて嬉しそうに表情を歪めた。それはひどく黒い笑みで、内に嗜虐と言う名の悪魔を内包したものだった。

手をベッドに付き、四つん這いになった少女の秘所に男の滾る肉棒が一定のペースで前後して挿入を行う。
それは決して単調な動きではなく、前後左右上下、様々な角度に動いては少女の弱点を的確に責めている。
その動きが唐突に一段階動きを早める、今までよりもっと力強く、もっと早く、男の腰が動き少女を激しく嬲った。


「ひゃあぁぁっ!!……あかん…あかんよぉ…んぅぅっ!…そんなしたら…またぁ…」
「“また”イくのかい? まったく、さっきから何回イってるんだ君は」


男は呆れたような口調でそう言いながら容赦なく腰を振る。
彼の腰が前後する度にグチャグチャという湿った水音がさらに音を大きく響かせた。
少女は堪らず、さらなる嬌声で喘ぎ狂う。


「ふぁぁあっ!…もう……ダメぇぇっ!!!」


甲高い矯正と共に少女は果てた。
背を折れんばかりにのけ反らせ、全身を小刻みに震わせて快楽の濁流に喘ぐ。
絶頂の余韻に身体を支える力をなくした少女は、そのままベッドのシーツに倒れこんだ。


「はぁ…はぁ……クロノくん……やりすぎや…」
「そうかい? はやてはこれくらいが好みだと思ったんだけどな」


クロノとはやてはそう言葉を交わした。

次元航空艦船艦長であり管理局提督、そして妻子ある身であるクロノにとってはやてとの関係は俗に不倫と呼ばれるものであった。
互いに時間に余裕が出来れば、なにかと理由を付けてこの仮初めの愛の巣に足を運び、欲望のままに交わる。
この時間だけは、古い幼馴染という関係を捨て去り、二人はただ背徳に支配された愛欲に狂うのだ。
そしてそれ以外の時間、表ではいつも通りに振舞う、それがルールだった。

今日と言う日もまた、二人はこうしてこの場所で絡み合う。

幾度目かの絶頂に達して力なくベッドに横たわるはやて。
彼女の裸体は満遍なく汗の雫で濡れており、荒い呼吸に合わせて小刻みに震えている。
陶酔に潤んだ瞳と相まってその姿はひどく淫靡だ。
499名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 17:32:40 ID:FNWqBVAr
土器怒気……
500鬼畜艦長クロノ:2008/07/05(土) 17:33:03 ID:2MkaFKb/
はやてのこの艶姿に、何度か射精を経てなおクロノの欲望は硬くいきり立つ。
少々サディスティックな気のある若き提督は、猛る淫欲に従い、いまだに繋がったままの秘所を再び掻き乱した。


「ひゃぁんっ!!」
「なに休んでるんだいはやて? まだ僕はちっとも満足なんかしてないよ?」


クロノは嗜虐的なドス黒さが透けて見えそうないやらしい笑みを浮かべて責めを再開。
腰を動かして後ろからはやてを存分に貫きながら、彼女の細い腰に手を回してそのままベッドに腰を落としつつ彼女を抱き起こした。


「きゃっ!」


突然の体位変換にはやてが可愛い悲鳴を上げた。
クロノにとってはその心地良い音色もまた情欲をさらに熱くするスパイスである。
二人の交合の形は先ほどまでのバックからの結合と打って変わって、後ろ向けのはやてをクロノが腰の上に乗せるような形、後背座位に変わった。
激しい腰の動きで責める事はできない体位でがあるが、この格好ならばそれを補ってありあまる程に彼女の身体をたっぷりと弄る事が可能だ。
クロノは、大きさはそこまででもないが形の良いはやての乳房に手を回すと丹念に揉みしだき始める。
大きな手にしっかりと力を込めて、苦痛と感じる一歩手前までいくくらいの荒々しい愛撫。
柔らかな乳肉に指が食い込み、先端の桃色の乳頭を思いのままに転がす。


「ふあぁぁ…胸ばっか……あんっ!…弄らんといてぇ…」


そんなはやての言葉など聞く耳持たず、クロノは緩やかに腰を上下して肉棒で膣を抉りながらその大きな手によって丹念に乳房への愛撫を行った。
敏感な二つの性感帯を的確な性刺激がはやてを容赦なく襲う。
それだけでも十分に彼女の身体を蕩かせる甘い刺激だったが、クロノの魔手はさらなる欲望のはけ口を求めて這い回った。
まるで獲物を求めて彷徨う蛇のようにクロノの舌がはやての白い首筋を這い、その狙いをうなじや耳たぶに定める。
濡れた舌が美味しそうにうら若い少女の肌を舐めまわし、耳たぶとうなじをしっとりと愛撫。
胸と蜜壷への刺激と合わせてはやての背筋を甘い快楽の電流が駆け、彼女の濡れた唇からはさらに蕩けた響きが漏れた。


「ふぁぁっ!…みみぃ…んぅぅ…そんな…舐めたら……あかんよぉ…」


甘えた声でそう言いながらはやては結合と愛撫によがり鳴いた。
耳に舌が這い、乳房を弄られる度にはやての膣が内部に埋没するクロノの肉棒をキュウキュウと締め付けて応える。
肉壷のもたらす快楽をさらに貪ろうと、クロノは腰の上の抱えたはやての身体を力を込めて揺さぶりだす。
ベッドのスプリングの反動を利用し、はやての身体が肉の槍に貫かれながら何度も大きく跳ねた。
既に体内に放たれていた精液とはやて自信が溢れさせた愛液とが交じり合い、淫らな湿った音を奏でる。
荒い吐息や嬌声と相まって、それはまるで淫靡な狂想曲だった。

交合の宴は徐々に加速し、はやてがクロノの上で踊る様もどんどん激しくなる。

敏感な耳を甘噛みされ、乳房を揉みしだかれ、肉棒が激しく膣内を抉る、快楽の決壊は程なく訪れた。
はやての下腹部、子宮から身を焼くような熱が背筋から脳まで駆け抜ける。
まるで目の前が白くなったような錯覚、意識が思考が快楽と言う名の魔薬に溶かされていく。
501鬼畜艦長クロノ:2008/07/05(土) 17:33:58 ID:2MkaFKb/
はやては蕩けるような、天に昇るような、奈落の果てに墜ちるような感覚の中で果てた。


「はぁぁあああぁっ!!!!」


絶叫にも近い鳴き声、甘えた響きが部屋の中に木霊する。
はやては激しい交合の快楽に背をのけ反らせて絶頂、同時に彼女の膣は雄を貪ろうと貪欲に肉棒を締め上げた。
これに堪らず、クロノも再び彼女の体内に自分の子種を解き放つ。
熱を持った白いマグマがたっぷりと膣を満たし尽くし、あまりの量に泡を立てて溢れ出る。
はやての股ぐらから垂れた愛液と精液の交じり合ったミックスジュースがベッドに大きな染みを作った。


「すごぉ……また…たくさんでとるぅ…」


互いに迎えた絶頂の高みに、はやてはただ力なく喘ぐ。
もうまともな思考など欠片も残ってはいない、全ては注がれた白濁の内に溶けて消えた。
クロノは絶頂の余韻と共にはやての髪に顔を押し付け甘い匂いに酔う。
交合後のけだるい空気の中、二人は身体をベッドのシーツに横たえた。


「ふぅ……気持ち良かったよ…はやて…」
「うん…ありがとう……」


クロノははやてを抱きしめ、彼女の髪を撫で梳きながら耳元で優しく囁いた。
まどろみの中、蕩けるようなその残響にはやても嬉しそうに答える。二人の吐息が混じり、空気に糖蜜のような甘さが満ちていった。

そして、二人が甘い空気を吸っている時、金髪を揺らした一人の美女が彼らの部屋の前に現われる。
ドアノブに手を掛けた彼女は迷わず部屋の中に踏み入った…


続く。

502ザ・シガー:2008/07/05(土) 17:36:00 ID:2MkaFKb/
投下終了です。
短いですね、まあエロのみの短編で前後編なんでその辺はご勘弁を。

ちと某所の同士のリクで、俺にしてはありえないカップリングでした。
次回は金髪なあの方がメイン。
503名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 17:42:22 ID:gif8a+T7
GJ!
むっつりかと思っていたクロすけが鬼畜へランクアップ吹いたw
まぁどっちも紙一重、表裏一体っぽいですが。

はやてはやっぱ可愛いなぁ。短かったけど良作でした。
後編期待してます!
504名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 17:48:21 ID:3FT63/GM
久々のクロはやGJ!

>金髪なあの方
普通ならフェイトで確定なんだろうが、このスレ的にはカリムの可能性もある。
どきどきしながら続き待ってます!
505名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 18:25:50 ID:H2baCNyA
スマン、もうちょいしたら投下させてもらいます。
506名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 18:28:30 ID:2MkaFKb/
>505
カモンカモンカモン!!!
507ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/07/05(土) 18:39:16 ID:H2baCNyA
 よし、爆撃開始。ザ・シガー氏のすぐ後で恐縮ですが、仕事帰りなので許してくだされ。
今日もネカフェからの投稿なので、また乱調になるかもしれませんが、もしそうなったらご勘弁を。

★閲覧者の方への注意★

・「ユーノ×なのは」の割と真面目っぽい話且つ純愛エロです。この組み合わせが嫌な人はスルーしてください。
・今回は第4話です。エロ突入。
・パソコンを閲覧しながらの飲食はやめませう。
・NGワードは『■ ユーノ・スクライア逝ってよし! ■』


〜〜前回までのあらすじ〜〜
 なんやかんやで、ユーノとなのははセックスすることになった。


↓以下、本編スタート
508名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 18:40:53 ID:LtT1ETqL
>>504
そこでユーn(ry
「ん……っ」

 抱き締められたなのはの口から、艶っぽい吐息が溢れ出す。
それが合図になったかのように、ユーノはなのはをゆっくりとベッドに押し倒した。
なのはの身体は――ものすごく柔らかくて、温かかった。
ユーノは思う。女の子の身体は、どうしてこんなにも柔らかくて温かいのだろうと。
その温もりが愛しくて、失いたくなくて、手の中から零れ落ちてしまうのが怖くて、なのはを抱く手に力を込める。

「うぅん……」

 なのははユーノに全てを任せていた。
ユーノはまだ経験がない――「そっち系の本」でそれなりの知識は習得していたが――。
だがやはり、こういう場面では男が主導権を握るべきだと本能的に思った。

「なのは、好きだ……」
「ん……わたしも……」

 耳元でそっと囁く。まだしっとりと濡れているなのはの髪の毛からは、シャンプーの匂いとともに、
女の甘い香りが漂ってきた。
男の欲情を誘うその香りがユーノの鼻腔を刺激し、腰が熱くなる。

「ぁ」

 なのはが小さく声を上げた。ユーノが、なのはの耳たぶを優しく口に含んだのだ。
やわやわと耳たぶを甘噛みされたかと思うと、今度はユーノの舌が産毛の生えた耳の外郭や裏側をねっとりと責め立てる。
さらに、耳の穴の周りをちろちろと舐められ、なのはの身体をゾクリとした感触が突き抜けた。

「あ、あぁっ……」

  耳掃除なんかをやっている時に訪れる、「あの」気持ちいい感覚だ。
それが何度も何度もなのはの背筋を駆け抜け、彼女は身体を震わせる。

「ぁッ、ひゃんっ!」

 気が付くと、ユーノの唇は、なのはの頬まで下降してきていた。
ちゅっちゅっと音を立ててスベスベの肌に吸い付き、丹念に舌で舐め回す。
その度に、カタツムリが這ったかのような唾液の痕が生まれた。

「ユーノく、んんッ!」

 思わず声を漏らしたなのはの唇に、ユーノの唇が覆い被さる。
いやらしい水音を響かせながら、ユーノは夢中になってなのはのプリプリの唇をむしゃぶった。
その感触を一通り楽しみ、少しだけ唇を離してわずかな隙間から酸素を補充する。
今度はなのはの唇を割り、舌を口内に潜り込ませようとするユーノ。

「んんんっ?!」

 突然の侵入に驚くなのは。
ユーノの舌は、入れてくれ、中に入れてくれと言わんばかりに、なのはの歯と歯肉を執拗に舐め回す。

(ユーノ君、入りたいんだ……)

 そう悟ったなのはがそっと口を開くと、待ってましたとでも言うかのように、ユーノの舌が突き込まれた。
「ん、ふっ、ぷぅんっっ!」

 徐々に興奮が高まってきたなのはも、舌を突き出して応戦する。
二人の舌が絡み合い、次第に水音が大きくなっていく。お互い一生懸命になって唾液を交換し合った。

「ぷぁっ……!」

 やがて呼吸が苦しくなり、ユーノとなのはは唇を離した。納豆のように、唾液が糸を引いた。

「ユーノ、くぅん……」

 唾液でベトベトになったなのはの唇から、んはぁという甘い吐息が漏れ出す。
さらには、ゾッとするほど切ない表情。それがまた、ユーノの理性の壁を一つ打ち砕く。

「なのは……」
「んん……」

今度はガバッとなのはの首筋に顔を埋めるユーノ。
はふっ、はふっと荒い鼻息を上げながら、なのはの甘い薫りを貪るように吸い込み、堪能する。
唇を押し付け、思い切りちゅうううぅぅ……と吸うと、そこに紅い花が咲いた。

「あっ!ユーノ君だめぇぇ……」

なのはが抗議の声を上げた。

「痕がついちゃう……」

ユーノがキスマークをつけたのは、服を着ていても見えてしまう箇所である。
他の人にも丸わかりな場所に付けないで……というのが、なのはの抗議の意図だ。

「……ごめん。でも、こうしたいんだ、なのは」
「ふぇ……?」

 首筋に顔を埋めたまま、ユーノはなのはに語りかける。

「他の男に、なのははもう僕のモノになってるんだって、警告しておかなきゃ……」
「……もう…」
「許してくれる?」
「…ん、いいよ……――ッ!!っあ!ふあぁ」

 ユーノの責めが再開され、なのはが悶え出す。
次は鎖骨のあたりにをなぞるように吸い、外から見えない箇所ではあるが、キスマークを付けまくる。
なのはの上半身を徐々に南下していくユーノの唇。そして――

「――っ!!ひゃんっ!!」
 なのはが、明らかに今までとは違った反応を見せた。
ユーノの唇が、なのはの身体に巻かれているシーツと素肌の境目、つまり、なのはの乳房の外郭に到達したのだ。

「なのは」
「ん、あっあぁっ……」

 唇を離したユーノが、ふくよかな右の乳房に顔を埋める。
左の乳房には手を伸ばし、シーツ越しにやわやわと揉み込み始めた。
それと同時に人差し指を使って、薄いシーツの下にあるはずの乳首を探す。

「あ、ユーノ君!!――ッッ!!」

 ユーノの指が、シーツの下に少しだけ違う感触のところを見つけた途端、なのはの身体が跳ねた。
その反応を見逃さず、ユーノは乳首とおぼしき場所に追撃を加える。
なのはは艶っぽい声を上げながら身悶え、頭を振りたくりながら身体をよじらせた。

「あ、あ、あぁ、んはあぁああっ…………はあ、はあっ……」

 ユーノの攻撃が中断され、はあはあと息を吐くなのはの身体は、いつの間にか蒸気して汗ばんでいた。
ブラウンの髪の毛が何本か頬にペッタリと張り付き、より一層のエロティックさを演出する。

「なのは、外すよ。いいね……?」
「あう……」

 シーツの淵に手をかけ、ゆっくりとずり下ろす。空気中に晒される膨らみの面積が徐々に大きくなり、
乳房の北半球が露出した。そして――肌色でない部分を剥き出しにされた瞬間、なのはは、あぁ……と声を上げた。
やがて、完全にその姿をユーノの目の前に晒すなのはの乳房。

「……っ」

 ユーノは、ゴクリと息を呑んだ。夢にまで見たなのはのおっぱいが、眼前にあった。雪のように白く、綺麗なお椀型。
テレビや雑誌で見るようなグラビアアイドルの域までは行かないが、それでも17歳にしては十分なボリューム。
その、ふるふると震える丘の頂上には、薄桃色の突起。
左の乳首だけが、先ほどの責めに反応したのか、少しだけ色を濃くし、勃っていた。
まだ控え目なピンク色をしている右乳首とのコントラストがなんとも卑猥である。

「ユーノ君……」

 食い入るようなユーノの視線を感じ、頬を赤らめて恥ずかしそうに目を閉じるなのは。それがまた可愛くて――
ユーノの理性の壁をさらに一つ破壊する。誘うようないやらしい左の乳首に、パクリと食いつくユーノ。
敏感な部分をいきなり口で咥えられ、ひとたまりもなく悲鳴にも近い声を上げるなのは。

「!!んっ!!ひゃあぁああぁんっ!」

――それは、紛れもない『雌』の声だった。
その声に、ユーノの『雄』の部分が刺激を受け、なのはへの責めを活性化させる。
「ああっ!ぁ、あ!だ、めぇ!そこ、ん、あううっ!」

 乳首と乳輪全体を覆う生温かくてヌメヌメとした感触。
硬く勃ち始め、さらに敏感さを増す乳首を、執拗に舌でコロコロと転がされ、つつかれ、なぶられる。
乳房全体にキーンとした感覚が走り、快感に身を悶えさせて喘ぎ声を漏らすなのは。
ユーノはわざと大袈裟にちゅぱちゅぱと音を立て、なのはの乳首を吸引し、カリッと歯を立てる。
普段なら痛みとして感じられたであろうそれも、もはや今のなのはには快感としか認識できない。

「っかぁ!」

 なのはの身体がビクゥッ!と大きく跳ね、ユーノを弾き飛ばさんばかりに胸を勢いよく上に向かって突き出す。
だが、ユーノはスッポンのようになのはの乳房に食い付いて離れない。

「――っあ!!はあっはあっ、はあぁぁぁ……んっ」

 さらに、ユーノの左手が、なのはの右の乳房を鷲掴みにした。
マシュマロのように白く、柔らかく、それでいて弾力も十分ななのはの乳房は、ユーノの手の中で自在に形を変える。
ある時は胸肉を根元から掴まれ、乳房全体を掬い上げられて乳搾りのように揉まれる。
またある時は、手のひらを押し付けられ、パン生地をこねるかのように揉まれる。
じわじわと胸の奥から快感が湧き上がった。

「んっ、ん、はぐっ、ぁふ、んちゅ……」
「はああっ、あっあっ!ユーノくっ、ユーノくぅんっ!!」

 口で責められている左の乳房からは、鉄砲水が吹き出すような激しい快感が。
揉み込まれている右の乳房からは、泉がこんこんと湧き上がるかのような、まったりとした甘美な快感が。
味わいの違う二つの快感が、なのはの理性の糸を次々に灼き切っていく。
理性という糸に覆い隠された獣の本能を、強制的に剥き出しにされていく過程に、なのはは激しい興奮を覚えた。

「はあっはあっ、はあっ、ん、っは、はあ、はあ……」

 なのはの豊満な胸を十二分に堪能したユーノは、埋めていた顔を離し、胸への責めを終了する。
あ、あ、あ、あ……と連続して悶えていたなのはが、んはぁっ、と大きく息を吐く。
飲み込みきれなかった唾液が涎となって口の端から溢れ出し、布団に染みを作っていた。

(なのは、可愛い……)

 いつも聡明でキリッとしているなのは。そんな彼女が今、目の前で小鳥のように小さくなっている。
そのギャップが、ユーノの雄の部分をいたく刺激した。
なのはを、もっともっとメチャクチャにしたい。なのはの全てを剥き出しにしたい――。
気が付いたときには、ユーノはなのはの身体を覆っている残りのシーツに手を掛けていた。

「なのは、全部取るよ」
「ぁ……」

 乳房から下を覆っているシーツに手を掛け、ずり下ろし、剥がしていくユーノ。
「あっ!ああ……」

 なのはの身体を覆っていた布が外されていく。
いよいよ、自分の全裸がユーノの下に晒されるのだと悟った途端、なのはは思わず全身をブルッと震わせた。
そして十数秒後――なのはの身体を覆っていたシーツは全てユーノの手の中に。
正真正銘、一糸纏わぬなのはの裸体がユーノの目の前に現れた。

(すごい……)

 最後になのはの裸体を見たのは確か、ユーノが昔高町家に居候していてなのはと一緒にお風呂に入った時だ。
当然といえば当然なのだが、その時見たなのはの全裸と、今目の前にあるなのはの全裸は、全く違っていた。

 美しかった。恐ろしいほど美しかった。まるで、ユーノの想像する『天使』がそのまま具現化されたかと思うほどに。
雪のように白い素肌は瑞々しく、きめ細かくて滑らかだ。
先ほどまで間近で見ていた乳房は、身体全体とのバランスが非常によいことがわかる。
キュッと締まったくびれ、ちょこんと存在している可愛いお臍。
腰回りには肉がたっぷりとのっており、そこから下に伸びている太股は白く眩しく、ムチムチしている。
その太股の間は――なのはの髪と同じ色をした繁みの奥からの分泌物で濡れ、ヌラヌラと光っていた。
そう、なのははユーノの責めに反応し、既に股間を濡らしていたのだ。

「んぁ、ユーノ君……」

 濡れているのを見てとられたのが恥ずかしいのか、なのはが身体をきゅっと縮こませた。

「なのは、すごいよ……綺麗だ……」
「は、恥ずかしいよ……」

 そうやって頬を赤らめる姿が、またなんとも言えないほど可愛い。
そして、どうせならなのはの身体全部を見ておきたい……と考えるユーノ。
仰向けになっている彼女の身体を裏返しようとした。が、その途端――

「あっ、待って!」

 なのはが突然、声を上げた。その声に、ユーノの動きが止まる。

「その……背中は見ないで……」

 なのはの言葉をユーノは不審に思った。
ここまで、彼女の恥ずかしい部分――普段男には見られたくないであろう、乳房や秘部――を見てきた。
この期に及んで、どうして背中は見てはいけないのだろうか。
「どうして?僕、なのはの身体を全部見たいんだ……」

 なのははしばらく迷っているかのようだったが、やがて意を決したかのようにおずおずと喋り出した。

「えと……傷が……傷痕が、あるから……」

 なのはのその言葉に、ユーノはハッとする。心に、冷や水を浴びせかけられたような気がした。
ゴクリ、と息を呑み、一呼吸置いてからユーノは口を開いた。

「もしかして、『あの時』の……?」

 ユーノの問い掛けに、なのはは目を閉じてコクリと頷いた。
『あの時』というのは言うまでもない、今から8年前、なのはが瀕死の重症を負った時だ。
正体不明の機械兵に、なのはは身体中を派手に切られたり刺し貫かれた。
ミッドチルダの医療技術は発展しているとはいえ、その傷を完全に消すのは確かに困難かもしれない。

「だから、その……今さらこんなこと言うのは変かもしれないけど……できれば見ないでほしいの……」

 その口調と表情から、なのはが抱いていた辛い思いをユーノは初めて知った。
と同時に、ユーノは今までなのはの悩みを知らず、力になってあげられなかった自分の無力さに憤慨した。
ユーノは決心する。なのはの辛い時間はここで終わりにしてあげよう、と。
なのはの身体に覆い被さり、ぎゅっと抱き締めると、ユーノは優しく語りかけた。

「大丈夫だよ、なのは。僕はそんなんでなのはを嫌いになったりなんかしない」
「ユーノ君……」
「僕は、なのはの全部が好きなんだ。だから――」

 そこまで言うと、ユーノはなのはを裏返してベッドに押し付けた。

「あ――」
「なのはの身体のどんな部分も、全て愛することができる……」

 腰まで伸びるロングヘアーを掻き分けて真っ白な背中を露わにすると、なるほど、あった。
右の肩甲骨の辺りから左の腰の辺りまで、背中を斜めに横断している直線的な傷痕が。
もっとも、それほどハッキリと残る傷痕ではなく、うっすらと残っている程度である。

 だが、しかし――女性にとって、身体に傷が残るというのは耐え難い苦痛だ。
太陽のように眩しい笑顔の裏で、なのははどれほど暗鬱な時間を過ごしてきたのだろうか。
きっと、お風呂やシャワーのたびに「身体に傷が残っている」ということを嫌でも自覚させられたはずだ。
ひょっとしたら、髪の毛を腰まで伸ばしたのも、傷痕を少しでも覆い隠したいと思ったからかもしれない。
「ユーノ君……」

 大好きな男性に「傷物」の身体を見られてしまった。
今にも消え入りそうなほど小さいなのはの声は、泣いているようにも聞こえた。

「安心して、なのは」

 そう言うと、ユーノは肩甲骨の辺りの傷痕の始端に舌を這わせた。

「あっ!」

 なのはがビックリしたような声を上げた。
ユーノの舌は丁寧に、ゆっくりとなのはの傷痕をなぞり、少しずつ下降していく。
一舐めごとに、ユーノはなのはへの愛情をたっぷり込めた。
なのはがこの傷痕に対して抱いている辛い思いを溶かしてあげよう、と。
代わりに、優しさをいっぱいいっぱい注ぎ込んであげよう、と。

「んっ、んあぅ……」

 ユーノに背中を舐められるたびに、なのはの上げる声は変わっていった。
ユーノの温かい心遣いが、自分をいたわってくれる気持ちが、しっかりと身体に染み込んでくる。
徐々に、傷痕に対して抱いていた暗鬱な思いが溶かされていくのを、なのはは感じた。
自分を包んでくれる優しくて温かい存在に、なのはは言いようのない安心感と心地よさを覚え、
そしていつの間にか溢れ出していた嬉し涙が頬を伝っていくのを感じた。

「ユーノ君。あり、がと……」
「なのは……」

 傷痕を舐め終わったユーノは、なのはの真っ白な背中にぎゅっと抱きついた。
まだしっとりと湿っている髪の毛の感触がとても気持ちよかった。なのはの首筋や頬、耳たぶに舌をチロチロと這わせる。
ぴちゃぴちゃという小さな水音とともに、あう……というなのはの呻き声。
一度鎮まっていた興奮が再びむくむくと湧き上がり始め、どちらからともなく腰がもぞもぞと動き出し、うねり出す。
若い肉と肉がぶつかり合い、その動きは次第に激しくなっていく。やがて――

「なのっ、なのはっ!」
「ユーノ君!ユーノくん!!ぁぁっ!」

 お互いに大好きな人の名前を呼び合いながら、二人はベッドの上で激しくもつれ合った。
後ろから愛しいなのはをぎゅっと抱きすくめ、熱くなった腰をトランクス越しにグイグイ押し付けるユーノ。
臀部に愛しいユーノの熱いモノを感じながら、たくましい腕の中で柔らかい身体をもみくちゃにされるなのは。
もつれ合いはやがてユーノが優勢となり、なのはの身体はうつ伏せ状態で布団に深く沈み込んだ。

「なのは、大好きだ!」
「ユーノくん!!あっ、ふぁ!」
 ユーノの左手がなのはの身体と敷き布団の間に潜り込み、彼女の乳房を掴んだ。
手のひらと五本の指がなのはの乳房をいやらしく蹂躙し、硬く勃った濃いピンクの蕾を刺激する。
そして一方、ユーノの右手は――

「!!っはぅぅ」

既に濡れ始めているなのはの秘部にユーノの手が触れた。
手のひらを使い、彼女の陰部全体を包み込むようにして、やわやわもみもみと刺激する。
繁み全体をいやらしい手つきで撫で回され、なのはの嬌声がより一層大きくなっていく。
なのはの割れ目からは絶え間なく蜜が分泌され、ユーノの手を濡らしていく。

「あぁぁん、そこっらめぇ……!!ひゃうんっ!!」

 左手で乳房を、右手で陰部を。なのはにもっと気持ちよくなってもらいたくて。

「は、あっ、ああっあっあっ、ユーノ、くん!」

 なのはの可愛い声をもっと聞きたくて。

「うぁあん……っ!ひあっ!あ、あぁっ!」

 なのはの理性の鎧を剥がして、彼女の全てを剥き出しにしたくて――

「だっダメ!ん、ああ、っ、わた、しぃっ!」

 ユーノは一生懸命、なのはを責めた。



「ひっ、あ、あぁあああっっ??!!――――ッッ!!!!――っ!!んっぅ――……ッ!」



 次の瞬間、ユーノの腕の中でなのはの身体が強張り、ビクッビクッと激しく跳ねた。
それが終わると身体から一気に力が抜け、グッタリとしてしまった。

 そう、なのはは果てたのだ。

「はあっはあっ、はあっ、はあ……」

 大好きな男性に身体を弄られるのが、自分で「する」時とは比べ物にならないほど、
気持ちいいものだとは思っていなかった。

「はあ、はっ、ユーノくん、ユーノ、くん……」

 達した後の気だるさの中で、なのはは愛しいユーノの名前を何度も呼ぶ。
その甘い声は、昂奮したユーノにさらに燃え上がらせた。
男性として、女性を絶頂まで導いたというその自信が、ユーノをさらに前へと押し出す。
うつ伏せの状態で布団に押し付けていたなのはを引き剥がしてひっくり返し、仰向けにした。
「ふぇ……?あっ?あああ……」

 下半身に回り込み、なのはの両脚を掴んで股を割るように拡げると、女の匂いがむわっと広がる。
ユーノはそこに手を伸ばし、秘裂の入り口辺りをやさしく、ゆっくりと弄り回した。

「ひゃうう……」

 なのはの口から甘い声が漏れ出した。
ほんの少しだけ割れ目の中に指を入れ、浅いところをかき回すと、中から蜜がトロリと溢れ出る。
溢れ出すその液体を指に絡め、ユーノはさらに突き入れた指を膣内で動かした。

「……あ、あん……い、きもちぃ……」

 自分の一番大事な部分をユーノの視線の下に晒され、なのははちょっぴり恥ずかしかったが、
それ以上に「気持ちいい」という心情が勝った。
達してからまだ一、二分というところだが、再び下半身に溜まり出す甘い快感に、なのはの腰がうねる。
さて、ユーノはしばらくなのはの入り口を弄っていたが、何を思ったか突然指を止め、
剥き出しになった秘部にいきなり頭を突っ込んだ。

「――ッ??!!ひっ、ひいぃっ、ユーノくん!!だ、だめっ、だめえっ!」

 ついさっきまで喘ぎ声を上げていたなのはが一転して理性を取り戻し、今度は抗議の声を上げ出した。
股間に納まっているユーノの頭を両手で押しのけようとしている。

「だ、ダメだよユーノ君!そんなっ、そこ汚い!汚いよぉっ!」

 ユーノが今頭を突っ込んでいる場所は、少なくともいい匂いがする場所ではない。むしろ逆である。
ユーノは今、そんなところに頭を突っ込んでいるのだ。
彼に「臭い」なんて思わせたら申し訳ないし、自分だって嫌な気分になる。
だが、ユーノはなのはの陰部に顔を埋めたまま、子供に言い聞かせるような優しい口調でこう言った。

「なのはの身体に、汚いところなんてないよ」

 実際、ほんの少し酸っぱい匂いがしただけで、臭くはなかった。よく匂いを嗅いでみると、石鹸の香りがする。
おそらく、先ほどシャワーを浴びた時に石鹸を使ってしっかりと中まで洗ったのだろう。
そんななのはの姿を想像し、ユーノは可笑しくなった。と同時に、なのはのことがより一層愛しく感じられた。

「んあっ……」

 ユーノはなのはの割れ目に沿って舌を這わせた。そのヌメヌメとした感触に、なのはは思わず声を上げる。

「ひ、ひゃう!あ、あんっ、ユーノ君、そこダメだってぇっ……」

 なのはの声を意に介さず、ユーノは何度も媚肉の割れ目をなぞるように舐め回した。
二回、三回、四回、五回……。何度も何度も、丁寧に舐め回すうちに――

「あうっ、や、ぁっ、あん!!あぁん!だ、めぇぇ……」
 なのはの声から嫌悪の色が次第に消え、変わって先ほどまでのような喘ぎ声を漏らし始めた。
ユーノが一舐めする度に、なのはは顔を仰け反らせて悶えている。
膣からは愛液が枯れることなく次々と溢れ出し、恥毛を濡らしていく。

「ああんっ、あ、ひ、いいっ、ああぁぁん……」

 もはや、なのはの口から抗議の声が上がることはなかった。正直――ユーノのテクニックは一流とは程遠い。
だが、物理的刺激よりも、「アソコを丸出しにされ、そしてユーノに舐められている」という精神的な刺激の方が、
なのはの快楽をより深いものにしていた。
ユーノがいくら舌で舐め取っても、泉のように次から次へと雌汁を分泌するなのはの蜜壺。
やめさせようとしていた手の動きは、いつしか自分の恥部へとユーノを押し付ける動きに変わっている。

「はあぁあんっ!!んぁああぁぁ……っっっ!」

 ユーノの舌がワレメをなぞる度、なのはは激しく身悶え、首を振りたくりながら快楽の嬌声を上げた。
こんこんと沸き出す愛液の粘り気が徐々に強くなり始め、白く濁りを帯びてくる。
なのはが愛しくて愛しくて、そして同時に、ユーノは彼女をついつい苛めたくなってしまう。

「なのは!今僕に、どこを舐められてるの!?言って!」
「えっ!?あ、あん、ふぇっ、ふええっ?!」

 快楽の最中、ユーノから投げかけられた思いがけない言葉に、なのはは驚きの声を上げる。
今、ユーノに舐められているのは……そう、「アソコ」だ。
だが、聡明で理性的ななのはにとって、卑猥な単語を叫ぶことにはやはり抵抗があった。

「そ、そんな!恥ずかしいよ!言えないよぉっ!あ、あぁん」

 なのはが困惑している間にも、ユーノの舌がなのはの割れ目を数往復する。
なのはの背筋にゾクゾクとしたものが走り、腰がうねった。

「もっと気持ちよくしてあげるから!だから言って!」
「あ、あ、あああ……」

 もっと気持ちよくしてあげる――その言葉は、今のなのはにとっては十分に魅力的過ぎる言葉で。
だが、最後の理性が邪魔をして、どうしても一歩踏み出せない。
それでも、襲い来る快楽の波には抗えず、とうとうなのはの口から卑猥な単語が漏れ出した。

「………おま…、んこ……」
「ダメだよなのは、もっとちゃんと言って!」

 ユーノのその言葉に、諦めにも似た心境で、なのははついに決定的な単語を叫んでしまった。

「あ、ああ……おまっ、おまんこぉ!!おまんこもっと舐めてぇ!!」
 その瞬間、ユーノは媚肉の上でビンビンになっていた陰核を唇を使って弄った。
包皮の中でコロコロと逃げ回る肉芽を執拗に追い回し、ねぶり、ちゅうちゅうと吸い付く。

「!!うあぁあああぁんっっ!!」

 突然の鋭い快感に、なのはは悲鳴にも近い声を上げた。
ユーノはクリトリスを覆う包皮を器用にも舌でちゅるんと剥き、姿を現した肉芽を転がすようにして可愛がる。
身体の中でも最も敏感な部分を舌で弄られ、体内で嵐のように吹き荒れる快感に、なのはは翻弄された。

「ふあっ、ふゃああぁんっ!!あん!あぁぁん!あはああぁあぁ……!!」

 ユーノは一旦クンニをやめて顔を離し、指を使って、なのはの花弁を押し拡げにかかった。
中はもう愛液で濡れ濡れの状態であり、ユーノの指に蜜が絡みつく。

「ひ、ひぃっ!ユーノくん!」

 ピッタリと慎ましく閉じていた花弁をゆっくりと押し開かれる、未知の感触。
ついに、自分の最奥部にして一番大事な部分を剥き出しにされるのだと悟った瞬間、
なのはの被虐心が燃え上がり、身体中にゾクリとしたものが走り抜けた。

「あ、ううっっ!!」

 ユーノは器用に割れ目を開くと、健康的なピンク色をした膣内に舌を突き入れた。
まず、割れ目の裏側に舌を這わせる。次には、舌を巻いて尖らせ、割れ目の中をつつき回した。

「ああぁあっ!!ユーノくんの舌っ、わたしのなかぁっ、つっついてるぅ!!んああぁあぁ――……っ!!」

 なのはの中に、もはや理性はなかった。これも、おまんこぉ!と叫ばせた効果だろうか。
ユーノの責めに対し、なのははなんら自分を偽ることなく、遠慮なくよがり、悶え、喘ぎまくった。
刺激を与えられるたびに、ユーノの顔を弾き飛ばさんばかりに跳ね上がるなのはの腰。
それを力ずくで押さえつけ、なおも攻撃を止めないユーノの舌。

「いいっ!いいよおっ!!気持ちいい!!あ、ぁぁ?!あっ、あっあっ、あっ」

 舌でなのはの割れ目を責めながら、ユーノは指を使って再度クリトリスを弄り回した。
ぴりっとした鋭い電撃のような快感に、グググッと一気になのはの性感が高まり、再度訪れる『あの』感覚。

「だ、だめぇ!ひぃぃん!ま、たぁ!あ、あ……!!」

「――――っっっ!!!!んあぁぁぁああああぁあぁぁああ……ッッッ!!」

 次の瞬間、なのはの膣の奥から大量の蜜が勢いよく噴き出し、ユーノの顔を汚した。

「うわっ!!!」

 顔面に潮吹きをモロに受け、ユーノは思わず顔を引いた。

「ああ、あ、あ、ぁううぅぅ……」

 激しい絶頂劇を終えると、なのはの身体は一気に脱力し、布団に深く沈み込んだ。
目の前で潮吹きなどという派手なものを見せられ、ユーノは圧倒されながらも、ちょっとだけ苦笑した。
顔に弾けた飛沫を手で拭い、顔を上げる。
なのはは胸を大きく上下させながら、虚ろな表情で酸素を取り込んでいた。

「あ、はあっ、はあっ、は、ふっ……は……」
「なのは、すごかったよ……そんなに気持ちよかったんだ?」

 ユーノの恥ずかしい問い掛けにも、なのははほとんど躊躇することなくコクンと頷いた。
もう十分だろうと判断したユーノは、いよいよ本番に移ることにした。
「なのは、今度は……二人で気持ちよくなろう?」

 その言葉の意味を、霞みがかった頭の中でなのはは理解する。
ユーノはトランクスの中で痛いほど勃起し、テントを張っているモノをいそいそと解放した。
先端を既にヌラヌラと濡らしているユーノの肉棒が顕わになる。太さや長さは、常人以上のようだ。
これまでのなのはの痴態にすっかり昂奮し、お腹に90度以上の角度でくっつき、そそり立っている。

「なのは、見て……」
「ふぇ……?」

 ユーノの言葉に、なのはが宙を泳いでいた視線を声の方向に向ける。
そこにあったのは――

「……!」

 なのはが目にしたのは、まさしく男の象徴。
興奮した男の人のモノが大きくなるというのは知識では知っていたが、実際に目にするのは初めてだ。
食い入るような眼差しでユーノの肉棒を眺めているうちに、なのははハッとして、恥ずかしそうに視線を逸らした。
だが、今しがた目にしたユーノの肉棒の映像は既に網膜に焼きつき、頭の中でグルグル回っている。

(す、すごい……あんな大きなのが、わたしの中に……)

「なのはっ……」

 肉棒を解放し、いよいよその気になったユーノが、なのはのピチピチの身体にむしゃぶりつく。
なのはを組み敷き、そのまま行為に移ろうとしたその時だった。

「あ!待って……」
「……?」
「や、約束……おねがい……」

 そこまで言われて、ユーノはなのはが出した「条件」をようやく思い出す。
そうだった。避妊をキチンとすることが、なのはとセックスするための条件だった。
だが、ユーノも男だ。避妊具など装着せず、ナマでセックスし、なのはと一つになりたいというのが本音だ。
ダメもとで、一応聞いてみた。

「なのは。どうしても、ダメ?」
「……ごめん、それだけはおねがい……」

 こう言われてしまっては、それ以上は言うことはできない。ちょっとだけ残念な気持ちもあったが、仕方ない。
ベッドから降りたユーノは、先ほど取り出しておいたコンドームをいそいそと装着する。
コンドームを被せるユーノの背後から、なのはが声を掛けた。

「ごめんね、ユーノくん……」
「いや、いいよ。なのはの身体が大事だもんね」

 そう、なのはは一時の快楽に流されず、自分の身体のことをしっかりと考えているのだ。
むしろ、「やっぱりそのままヤりたい」というユーノのお願いをなのはが受け入れるようでは、
――行為の最中はお互い気持ちいいだろうが――終わった後に「しまった……」となるのは目に見えている。
そうだ、これはお互いのためだ、と自分に言い聞かせながら、ユーノは装着を終えた。
521ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/07/05(土) 18:52:30 ID:H2baCNyA
今回はここまで。我ながら、なんという寸止め……
522名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 19:15:29 ID:q4cm2FR6
GJ
ワッフルワッフルでした
さて、無限書庫にフェレットを殴りに行きますか
523名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 19:24:18 ID:LtT1ETqL
GJ
さてこの滾ったモノをどうしてくれようか

あと割り込んでしょーもないコト書いてマジスンマセンorz
524名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 20:05:49 ID:QD/Jv411
丁寧に描かれていてとてもいいですね


…何故逝ってよしなのか気になるwww
525名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 20:18:12 ID:Ti7g1Ql/
GJ
いよいよ、ぬるぽ!する所で焦らすとは!!
526名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:11:58 ID:qxm86OXA
エローイ。
最高。
527名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:16:43 ID:EdY9ANkv
GJ
投下が早くていいですね!期待して待ってます。
528名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:18:30 ID:MJvVkAoF
>>521
GJ!
うーむ、よいところで寸止めとは。

しかし……まさか、オチは――いやいや、まさか、ねぇ……
529名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:24:56 ID:1K1hHJI6
>>528
実は近藤夢に穴が開いていてなのはが御懐妊とか
530名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:28:37 ID:MeFwh+Mh
>>529
1年前のゴムって書いてあったもんな。
ゴムって以外と耐用期限短かったよなw
531名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:29:30 ID:5w00xWzf
ザ・シガー氏、GJ!
なんという鬼畜エロノ提督w
3Pの香りが漂っていますが、エピローグにはやてや金髪FかK嬢の私生児が出てきそう。
532名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:29:46 ID:7HGfe1Fx
いやぁ、ミッド印だし大丈夫だろw
533名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:33:31 ID:DfEpaXW3
>>530
もつ奴は五年くらいもつぞ。
2005年に出来心で箱買いした今度産む君の使用期限が2010年って書いてあった。
534名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 22:24:31 ID:P1qEPhed
まあ、アレをくれた相手が相手だからな……
535名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 23:53:01 ID:ttDQveLa
>金髪なあの方
真っ先にシャマルさんを思い浮かた俺は熟女嗜好
536名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 23:57:19 ID:2MkaFKb/
>>535
>>熟女嗜好

シャマルを思いついたのは素晴らしい発想だ、しかしてめえは言ってはならない事を言った・・・

誰が熟女だ!!!
537名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 00:03:36 ID:8J4Tpugy
>>536
まあ、数百年以上生きているみたいだから、熟女というよりろう(r
538名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 00:13:31 ID:NA7FDOuN
>>537
その理屈でいくとヴィー……
539名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 00:19:16 ID:NcBQHAz1
>>535
大人で綺麗なおねぇさんとか最高じゃないか
それに熟女と言うのはリンディさんやレテ おやこんな時間に誰か来たようだ
540名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 00:22:43 ID:3PhNgygN
マジな熟女はコラードとかミゼットとかだね。
541名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 00:45:13 ID:17XX2X02
おばさんならまだしも、熟女は褒め言葉だろ、おばさんならフォローの仕様がないが
おや、おばさんな方々、こんな時間にどうs
542名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:37:51 ID:Kk97Wbyu
>>538
ヴィータはロリババアというレアスキルをたまには活かしてもいいと思うんだ
広いエロパロ界に、実は性文化に博識で隠れテクニシャンの魔性の幼女なヴィータが
一人くらいいたってばちは当たるまい

問題はそんなオトナなヴィータに萌えられるかどうかだが
543名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:39:54 ID:JrGSqQ7a
俺ならば萌えて見せよう
544名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:47:17 ID:mlZObSfl
実はテクニシャンなヴィータ。
何気に経験豊富なシグナム。
陰でジゴロなザフィーラ。
まさかの生娘だったシャマル。
545名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:52:33 ID:NA7FDOuN
>>544
あのボディで生娘…………
シャマルさん最高じゃないか。
546名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:55:27 ID:JrGSqQ7a
>>545
今頃気づいたのか……
547名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:58:47 ID:NA7FDOuN
>>546
すまん。九歳はやてちゃんにのみうつつを抜かしていた己の不明を恥じるよ。
548名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:59:41 ID:fxkh4JvB
>>545
遅すぎる、修正が必要だ
549名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 02:15:23 ID:eo1LFZhY
>>545
駄目だなよし俺と一緒に
俺の編集したシャマルさん動画を一緒に見て勉強しようではないか
550名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 02:33:24 ID:NJklT9oS
ロリシャマルとかも読みたい
しかしロリババアとかお姉さんなババアとか最高
551アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/07/06(日) 06:41:16 ID:a+es29oi
>>司書様

大変お手数をお掛けしますが、拙作「Little Lancer 一話」の一部の修正をお願い致します。
冒頭の『Little Lancer 一話』の前のシグナムの台詞、
「シャワーを浴びて早く着替えて来い。解ってるだろう。……今日は、エリオの三回忌だからな」
の、「三回忌」の部分を「四回忌」に変更をお願いします。
死んで三年後なら四回忌ですよね常考……長らく恥を晒してきた気分です。
ご迷惑をお掛けしますが、どうか宜しくお願い致します。
552名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 09:31:57 ID:CmDNdIyI
>>450
GJ!!
アルカディア氏キター!!
どうもお待ちしておりました。
ゼストがかっこいいです。
そしてメガーヌさんにも復讐する権利はあるんですよね…それをチンクも受け入れる気でいる…
続きを待ちつつ、6課スキャンダルのでてる3人の行方も楽しみにしています。
553名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 09:35:16 ID:THOduhZ/
>>450
GJ!!

アルカディア氏、おつかれさまです。

うーむ。L.L.最終回のルーテシアの話がこんなふうに繋がるとは。
メガーヌの話は意外といえば意外で、あり得ると言えばあり得る話ですね。
チンク側の丁寧な描写と心理描写が無いメガーヌ側との差が、
緻密に感じ、引き込まれます。
後編を楽しみにお待ちしております。
554名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 15:28:37 ID:j8jB0OW0
明日からアニメ最萌トーナメント2008が始まります
投票よろしくお願いします

予選01組 7月07日(月)
高町なのは@魔法少女リリカルなのは StrikerS
ティアナ・ランスター@魔法少女リリカルなのは StrikerS
マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのは StrikerS

予選02組 7月08日(火)
八神はやて@魔法少女リリカルなのは StrikerS
スバルに救助される金髪の少女@魔法少女リリカルなのは StrikerS

予選03組 7月09日(水)
フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのは StrikerS
アルト・クラエッタ@魔法少女リリカルなのは StrikerS
マリエル・アテンザ(マリー) @魔法少女リリカルなのは StrikerS
カレラ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
555名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 16:49:17 ID:EOgOwjjg
マルチ?に反応してもしょうがないんだが「カレラって誰やねん」と思わずにはいられない
556名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 16:56:35 ID:TamNFKA0
女キャラなら名前だけのキャラでも良いとか……。ひどいもんだ。
557名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 17:01:36 ID:eo1LFZhY
と言うかと言うかカレルとリエラが混ざってる時点で
558名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 17:19:29 ID:7OCJKHsK
マッハキャリバーて人ですら無ぇ
559名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 18:13:33 ID:IJWI43ey
コードティアナ逆襲の凡人が見れそうな気がする
560名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 18:40:20 ID:XygfjReE
>女キャラなら名前だけのキャラでも良いとか……。ひどいもんだ。
名前すらないキャラもいるぞ。
561名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 19:48:36 ID:wJzEoXo9
>>558
以前はレイハが出たことあるらしいぞww >最萌 某動画サイトに支援MADが投稿されてた。

ただ、翌年は「人型でないキャラは参加不可」とかなんとか条件がついたせいで
出場を阻まれたと聞いたが。今年は良いのか?
562名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 20:54:03 ID:JrGSqQ7a
人型ではないってどこら辺から人型とそれ以外を判断するんだ
達磨とか脳だけとかでも人型に入るのか
563名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:10:54 ID:9gf2aYv2
レイハさんは燃え:萌えが10:0だから仕方ない
564名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:20:54 ID:x7HVlBc+
というかティアナとマッハキャリバーと救助した少女がいるのに
スバルがいないとか
565名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:22:12 ID:/ALfixrZ
チンク姉はどうした、ナンバーズ総スルーですかそうですか
まぁチンク姉自体TVじゃほとんど出番ないから無理だろうけど
566名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:25:46 ID:KSVZuCY9
>>564-565
単に日付が遠いから書かれてないだけ。
567名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:35:40 ID:Itik+b1b
ウェンディは?!俺のウェンディはいつなの?

ウェンディも何かティアナとかライバルっぽい奴と互角の勝負してシグナムみたいに髪留めほどけてばさッとならんかなああウェンディのナース姿拝みたい
568名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:04:26 ID:KtqKMmnX
チンコ姉とウェンディは俺の嫁だから辞退してもらったよ
569名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:06:49 ID:NA7FDOuN
はやてちゃんも辞退するはずだったんだが、
「あたしの可愛さをお兄ちゃんだけのものにしとくんは犯罪やよ?」
とにっこり言われたので快く送り出すことにした。

みんな、投票してやってくれよな。
570名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:21:51 ID:eiO2PPpK
お前らそういう話題は専用スレ池
571名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:23:13 ID:9C3a5Xsx
>>569 だが断る
572サイヒ:2008/07/06(日) 22:26:28 ID:wZzlLXJw
昨日辺りから「尻だ!尻が書きてぇな!」という衝動に襲われたんで、リンディさんでアナルプレイなど。


カプはクライド×リンディでエロです。二人が二十歳前後の頃の話し。
アナル以外に軽くメイドプレイとかも有り。そしてクロフェ時空。

クライドが本編でろくに出てないため実質上オリキャラになってますんで、苦手な方はご注意ください。
あと恒例のおまけに、拙作「8years after」に出てきたクロフェやユーなのの子供達が登場してます。
そのことも踏まえた上でお読みください。
573朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:27:44 ID:wZzlLXJw
「おはようございますご主人様。お食事にしますか。お風呂にしますか。それとも私にしますか」

 寝室から欠伸をしつつ出てきた夫に対する朝の挨拶に、クライドはぽかんと口を開けて硬直した。
 挨拶をしたリンディにしても、その反応は別に意外なものではない。誰だって、朝の起き抜けに妻がこ
んな格好をしながら正座でご主人様と呼びかければ、間抜け面の一つや二つはするだろう。
 クライドを呆然とさせているリンディの今の衣装は、世に言うメイド服という奴であった。
 花が咲いたようにふわりと床に広がる長いスカートの色は臙脂。前に掛けたエプロンと、頭上に装着し
たヘッドドレスは純白。
 やや地味ではあるものの、通常家庭でお眼にすることなど絶対にないであろう服装。
 目にしたクライドは、衝撃が抜けないのかいつまでも立ち尽くしたままである。

「ほらあなた。口が開きっぱなしよ」
「あ、ああ……」

 呼び方をいつもどおりに戻したリンディに指摘されてようやく口が閉じられた。さらに数秒間の沈黙の
後、クライドは頬をかきながら苦笑した。

「…………昨日の続き?」

 リンディはにっこりと微笑むことで答えた。
 きっかけは二ヶ月前のことである。夫とのデート中に通りかかった喫茶店で、ガラス越しに中で働く店
員のメイド服を見たクライドが言ったのだ。

『ああいう服って可愛いね。リンディが着たら似合いそうだ』

 クライドにしてみれば本当にただ何気なく思ったことを口にしただけなのだろうが、リンディはしっか
りとその言葉を頭に刻み込んでいた。
 夫が航海に出かけた間にその手の店を数件はしごし、クライドが好みそうなメイド服を徹底的に厳選し
て帰宅に備えた。
 効果はとびきりのもので、昨日の昼過ぎに帰宅した夫と夕食も取らず寝室にしけ込むのに成功。長らく
会えなかった寂しさなどたちどころに消え、身体と心の両方が満たされた何とも幸せな一夜であった。

「昨日の服とはだいぶ違うね」
「二種類用意してみたから、両方使わないと損だと思って」

 昨夜クライドとあれこれした時のメイド服は、胸元が大きく開いて谷間がはっきりと見えており、スカー
トも歩くだけで下着が見えそうなぐらいのミニだった。
 今朝の物は逆に、足首までのスカートに平均的な長袖メイド服であるため露出しているのは首から上と
手だけ。ただし本職のメイドが着ているであろう服装には、こちらがより近い。
 簡単に言えば、本格的な物と扇情的な物の二着。

「あなたはどっちが好き?」
「難しいな。両方ともすごく俺の好みだし。……ところでさっきの挨拶だけど、私にしますかってそうい
う意味?」
「もちろんよ」
「今晩ってわけにはいかないのかな?」
「二日連続だと飽きるだろうけど、朝にしたら新鮮でしょ。それで、どれになさいますかご主人様?」

 もう一度、言葉遣いを従者のものに直してリンディは上目遣いに夫の顔を覗く。
574朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:28:42 ID:wZzlLXJw
「リンディはどれがいい?」
「駄目です。私は仕える側の人間なのですから、ご主人様に決めていただかないと」
「ノリノリだな……」

 口ではそう言いつつ、クライドもかなり乗り気の顔になっていた。

「それじゃあ、君を選ばせてもらおうか。ただし、本番は無しだ。この間みたいに遅刻しかけたらまずい
から。手でも口でも胸でも、どこでもいいから一回出させてくれ」
「はい、かしこまりましたご主人様」

 リンディは正座から膝立ちになり、スカートを踏まないように気をつけながらクライドの足元ににじり
寄って寝巻きのズボンを下げた。
 朝勃ちの影響が続いているのか、出てきたクライドの股間は最初からそれなりの硬さとなっていた。左
手でそっと握り、右手で頂点をリンディは優しく撫でる。
 まだ子供はいないが、生まれたらきっと頭を撫でる時はこうするであろうかのように、強すぎずかといっ
て触れるだけにならない力加減で手を動かすうち、手の平に湿り気を覚えた。
 手の平の濡れていく範囲が広がるにつれリンディが顔も股間に近づけていくと、つんと青臭い匂いが鼻
を突いた。
 先走りだけではなく、昨夜肉棒に散々まとわりついた愛液と精液がこびりついたままになって軽い悪臭
を放っている。しかしリンディは鼻を摘むどころか、むしろ嬉々として舌を伸ばした。

(この匂い、大好き……)

 発情した男女が分泌した体液の匂いは、リンディの頬を薄紅色に染めていく。
 手の平に代えて舌先を亀頭で躍らせれば、昨夜も味わったしょっぱさが味覚から脳へと届いていっそう
頭を蕩けさせる。
 そのまま思う存分舐め回したくなるが、昨夜も相当な量を放出した肉棒には疲れが感じられた。無理は
させられない。なにより今の自分は奉仕する立場なのだから、欲のまま勝手に動くのはメイド失格だろう。
 名残惜しいが舌を離したリンディは、口紅無しでも赤い唇で包み込んだ。

「んんんっ……ちゅぅっ……」

 首を動かして根元まで進めれば、今度はちゅるちゅると付いた唾液をすすりながら引き抜いていく。唇
で行う抽迭運動だが速度はゆったりとしたもので、快感を高めるよりも口の温かさを肉棒に伝染していく
かのような動き。
 数回上下すると一度リンディは唇から抜き、上目遣いで夫に訊ねる。

「これぐらいで、よろしいでしょうか?」
「ああ、リンディが俺のを舐めてくれてるってだけで気持ちいいから、このままの調子で最後までやって
くれないか」

 クライドの言葉を嬉しく思いつつ、ちょっとぐらいはと再度肉棒を咥えたリンディは舌の動きも加えた。
 先端付近の盛り上がった部分だけ、軽く舐め続ける。時折亀頭の穴をちょんとつつけば、陰茎が震えて
舌を叩いた。
575朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:29:19 ID:wZzlLXJw
 歯を立てないように注意しながら、ちゅくちゅくとリンディはしゃぶり続けていると、緑髪をクライド
の指が梳いてくれた。いつもと違って下ろしっぱなしにした髪の毛の間を指がするすると通り抜ける度に、
うなじの辺りを心地よく軽い痺れが走った。
 早朝から夫を口で慰めている。
 たとえ夫婦であろうと淫卑なはずの行為なのに、朝の清浄な光の中であるということとクライドの指の
動きだけで、ただのスキンシップのように思えてくるのが不思議だった。いっそうの愛しさを感じて、な
お丁寧にリンディは口での奉仕を続ける。
 やがて、前触れ無く白濁液が先端から零れ落ちた。
 とろりとした液体を、リンディは一度口の中で止めて味わいきってから喉に通していく。好物の砂糖入
り緑茶に勝るとも劣らない味を残らず飲み込んでから、ようやく口から肉棒を離した。その際、付着した
唾液その他を吸い取っておくことも忘れない。

「ごちそうさまでした。次は、食事かお風呂のどっちになさいますか?」
「そっちもちゃんと用意してたのか。……ぬるくなったらいけないから、お風呂を先にしようかな」

 頷いたクライドは、何も言わずとも自然な動作でリンディを抱きかかえると、出勤前の入浴へと向った。
 身体と頭のどっちから洗おうか考えるリンディだが、ちょっと思うことがあって小首を傾げた。

(いつもみたいにおっぱい使って洗ってあげるのは本番に含まれるのかしら?)




          朝も昼も夜もずっと好きになっていく




「以上で報告を終わります」
「うむ」

 部下の言葉に、レオーネは力強く頷いた。
 一礼した部下が頭を上げる。その面貌は、レオーネの身体からは消え去ってしまった若さに満ち溢れた
顔だった。
 部下の名はクライド・ハラオウン。若干十九歳で艦長職に任命され、このままなら二十五歳前には間違
いなく提督に昇進するだろうと噂されている管理局期待の若手士官である。そして彼の船は、レオーネが
指揮を執る次元航行部隊に所属している。
 先日、クライドは艦長任命後初めて航海任務を終了させた。さして重大な任務だったわけでもなく、本
来なら上がってきた書類には目を通すだけで済むことだったが、あえてレオーネはクライドを呼んで直々
に報告をさせてみた。
576朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:30:17 ID:wZzlLXJw
「実に良い報告だったよハラオウン君。簡潔に的を得ていたし、遺漏も無い。普通なら、初めての報告は
緊張してとちったりするものだがね」
「ありがとうございます」

 軽く頭を下げるクライドに、レオーネはもう一度頷く。
 ラルゴとミゼットと自分。三人合わせて「伝説の三提督」などとご大層な呼び名をもらっているが、そ
んなレオーネも五十を目前にしている。激務である提督職を続けるには気力体力が衰えつつあり、後を任
せられる人材を探さなければならない時期となっていた。
 その一人として目星をつけているのがクライド・ハラオウンであった。
 本日クライドを呼び出したのは、軽いテストのようなもの。ただ報告させるだけでなく些細な点まで追
求してみたが、立派に受け答えしてレオーネを満足させた。
 まだ初航海であり艦長職の困難さに直面するのはこれからだろうが、素質が充分なことが見て取れる。
後は、実地でどれだけ鍛えられるかだろう。

「さて、報告はここまででけっこうだが、ちょっと付き合ってもらってよいかな」
「とおっしゃられると?」
「そう固くならんでいい。単純に、これから昼食を一緒にどうかねと言いたいだけだ。提督と部下のコミュ
ニケーションとしてな」
「これから、ですか……」

 これまでよどみ無く答えてきたクライドの返答が曖昧に途切れ、表情も曇った。

「申し訳ないのですが、実は昼食の先約がありまして。明日以降なら大丈夫なのですが」
「おや、それは残念だったな。相手は誰かね?」
「妻です」
「…………なに?」

 単純に好奇心で訊ねたレオーネは、予想外の答えに一瞬呆然とした。

「……妻というと、ええっと確か君の副官をやっている……」
「リンディ・ハラオウンです」
「ああ、そうだったか。…………それで、その奥さんとこれから昼食を?」
「はい」
「…………うん、夫婦仲が良いというのはけっこうなことだな」

 しごく当然のことを言っているという風なクライドの顔が何故か見づらく、レオーネは眼を逸らしなが
らなんとか取ってつけたようなことを口にした。
 ありがとうございますと再度礼を言って、クライドは艦長室を出て行く。ドアが閉まると、レオーネは
ひどく脱力して椅子にどすんと背中を預けた。
577朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:31:02 ID:wZzlLXJw
「妻と提督で妻を優先させるか普通?」

 上司との食事の機会は親密になって出世の糸口となるチャンスなので、断る奴は普通いない。たとえ存
在したとしても、その理由が嫁との昼食のためであり、かつ真っ正直に口にする奴は時空広しといえども
自分の部下だけだろう。
 別にレオーネは食事の誘いを断られたからといって気分を害するような小人ではないが、同じようなこ
とをされれば立腹する人も多いだろう。

「あれでよく出世できたものだな…………」

 まだ毒気を抜かれた気分のまま、レオーネはさっきまでクライドが立っていた空間に目をやって呟いた。



          ※



 全く会話が無く、全員が示し合わせたように無言で黙々と食事を進める食堂に一歩足を踏み入れた瞬間、
レティは何が起こっているのか把握した。
 昼食時は人波でごった返す本局食堂だが、今日は特に混雑がひどくぎゅうぎゅう詰めである。そのくせ、
左隅の一角だけはぽっかりと数十席の空席ができていた。
 その中心にいるのは、食堂を沈黙地獄へと変えた一組の夫妻だった。

「はいリンディ、あーん」
「次はあなたの番。はい、あーん」

 弁当を手づから旦那に食べさせている親友と、嬉しそうに受け入れているもう一人の親友に向かってレ
ティはずかずかと歩み寄り、机の前で仁王立ちになる。

「士官学校時代から何百回も言わせてもらったことだけど、もう一回言わせてもらうわ」

 ちらりと眼を向けただけで何事もなかったかのように食べさせっこを続ける馬鹿どもを、レティは腹の
底からの大声で怒鳴りつけた。

「甘ったるいことするのは飲食物だけにしときなさいって言ってるでしょ!!」

 大音声は食堂の隅から隅まで響き渡り、エコーを残して消えていく。しかし二人は平然としたものだっ
た。
 ちょっと前までなら、よくぞ言ってくれたという周囲の気持ちが伝わってきたものだが、今はもう「ま
た無駄なことやってんなぁ」という諦観じみた空気しか感じられない。
 それでも見過ごすわけにはいかなかった。常識がバカップルに負けるなどという間違ったことが、あっ
てはならないのだ。

「もうちょっと周りの目ってものを気にしなさい!」
「まあまあ。俺が航海に出ててリンディも寂しかったんだから、たまにはいいだろ」
578朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:32:21 ID:wZzlLXJw
 たまにじゃなくて毎日でしょうが、という反論すらせずレティは完全にクライドを無視した。
 この野郎は嫁のやることは全面的に肯定する駄目夫なので、リンディがやりたいと言えば一も二もなく
頷くに決まっているのだから、相手にしたって意味が無い。
 クライドのリンディに対する献身性を示す学生時代の有名な逸話がある。
 付き合いだしてすぐ、リンディが甘味に対して異常味覚を持っていると知るやいなや、クライドは食後
にガムシロップをジョッキに三杯飲むのを日課にし始めたのだ。
 間違った方向であろうと努力は努力であり、続ければ何らかの成果は出る。かくして一ヵ月後にはリン
ディと同じ味覚破壊者が誕生し、恋人を感激させ同時に周囲をドン引きさせた。
 ついでに言うならその期間中、クライドの体型が全く変化しなかったため、大多数の女生徒と一部の男
子生徒から卒業までの間ずっと妬みの視線で見られるはめにとなった。クライド本人は全く気にしていな
かったが。
 レティ当面の敵は、砂糖の匂いがぷんぷんする弁当を食っている同性の友人である。最後の一口を食べ
終わったリンディがレティの方を向いた。

「あら、管理局規則のどこにも夫にお弁当を食べさせてはいけないなんて書かれてないわ」
「屁理屈言うんじゃないわよ。万引きや痴漢をするなって一々書かないのと同じことよ」

 自分達のしていることは犯罪行為レベルだと貶されてむっとしたのか、リンディの表情が険しいものに
なる。そのまま、レティだけに聞こえる声でぼそりと呟いた。

「私達のやってることが規則に触れるって言うんだったら、資料室で淫行に走るのにはどんな罰が下され
るのかしらね」
「っ!?」

 咄嗟に周囲を見回すレティだが、他の局員は相変わらずお通夜のような顔をして食事しているだけで反
応した者はいなかった。至近距離のクライドもよく聞こえなかったのか、急に様子が変わったレティに不
思議そうな顔をしているだけである。
 夫と対照的に、リンディはくすりと笑うと念話に切り替えて言葉を続ける。

『局内だと防音結界張ったら魔力探知に引っかかるから張らなかったんでしょうけど、あの第四資料室、
ダクト伝いに声が漏れるようになっちゃってるの』
『なんでそんな詳しいのよ!』
『経験者だからに決まってるじゃない。ミゼット提督が理解ある人でよかったわ』

 余裕面でしゃあしゃあとのたまう友人を張り倒したくなった。ついでに顔しか知らないミゼット提督の
好感度が六つダウンした。

『あ、あなたそれ誰かに……』
『言ってないわよ。今のところは、ね』
「二人ともどうしたんだ? 急に黙り込んで」
「聞いてあなた、レティったら新婚だからって三日前に旦那さんと……」
「なんでもないわ! 私が言いたかったのは、もうほんのちょっとだけ控えめにした方がいいんじゃないっ
てそれだけのこと! やめろなんてこれっぽっちも思ってないわ!」
579朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:33:55 ID:wZzlLXJw
 これでいいか、と友人を睨みつけながら眼で訪ねれば、鷹揚に頷かれた。今度は絞め殺したい衝動に駆
られる。
 弱みを握っても強請るようなことはしないであろうリンディだが、少なくとも一ヶ月は夫婦の間に口出
ししたらこの件を持ち出して黙らされるだろう。
 しばらくは絶対食堂やクライドの職場には寄りつかないようにしようとレティは決意する。

「レティの言いたいことも終わったようだし、行きましょうあなた。艦長室で食後のコーヒー淹れてちょ
うだい」
「この間の蜂蜜入りでいいかな」
「コンデンスミルク入れたのにしてほしいわ」
「あれはまだ上手くブレンドさせられる自信がないんだけど」
「この間飲ませてもらったのは充分美味しかったわよ。もし本当に失敗したとしても、一本全部入れたら
美味しくなるわ」

 二重の意味で胸焼けする会話を繰り広げながら夫婦は出て行ったが、災厄の種が去っても食堂は喧騒を
取り戻さない。そんな中、ぽつりと響く声があった。

「懐かしいなぁ……。昔は僕も妻とあんなことをやっていたものだ……」

 振り向けば、白衣を着た初老の男性がぶつぶつと呟いている。服装からして技術部だろうが、レティの
記憶には無い顔だった。外部の研究者がたまたま来ているのかもしれない。

「ああプレシア。君は今どこで何をやってるんだ……? 早く帰ってきてくれ。君がいないと僕は……僕
は……」

 頭を抱えて嘆きだした男性に、こいつまでもがバカップルかとレティこそ頭を抱えたくなった。

(……でも、ひょっとしてリンディやこの人がおかしいんじゃなくて、世間一般ではこれぐらいが標準な
のかしら?)

 今度試しに旦那にやってみようかという考えが頭をよぎる。



 士官学校で知り合ってから早数年。自分では気づいていないだけで、着実に友人達に毒されつつあるレ
ティだった。



          ※



「や、ああん! クライド、激しい……っ!」

 夜、真っ暗な部屋の中でリンディは、情交の間だけ呼ぶ夫の名前を、喘ぎに混じらせながら夜の帳へと
聞かせていた。
 今のリンディはベッドに四つん這いになっており、後ろからクライドに抱かれている体勢である。
 朝はやや元気の無かったクライドの肉棒も、半日の休息後は普段どおりの硬さを取り戻してリンディの
敏感な胎内を抉ってくる。腰が引かれる度に、鏃の返しのようなエラが愛液をかき出すぐぷっという音が
部屋に響いた。垂れた愛液が、リンディの腿を伝い落ちてシーツに水溜りを作る。
580朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:34:51 ID:wZzlLXJw
「あっ、はあぁっ……! イッ、ちゃう……!」

 子宮口を連続で突かれて、リンディは軽く果てた。全身を走る快感で断続的に痙攣している間、クライ
ドは動きを緩めて待っており、リンディの波が収まってから再び強く荒く腰を揺らした。
 リンディもリズムを合わせて肉棒を締めながら、もう一度の絶頂と、クライドの子種を求める。
 粘膜同士の絡み合いは、ついに肉棒の爆発をという終焉を迎えた。

「あ、あ、ひあああぁぁぁ!!!!」

 打ち出される精液の奔流が強烈な快感が脳から引きずり出し、思考を真っ白に染め抜く。
 耐えられず、自分の髪の毛が広がるシーツにリンディは頭を擦りつけた。そのままびくびくと身体を震
わせながら、精液の溶けるような熱さ感じきった。
 腰からずるりと引き抜かれようやく意識が戻ってきたリンディは、後ろを向いて蕩けた声で夫を呼ぶ。

「大好きよクライドぉ……」

 レティに言われるまでもなく、公共の場で人目をはばからずいちゃつくのは問題ある行為だと分かって
いる。それでも、愛情を示せば何倍にもなって返してくれるクライドが愛しくて、ついついやりすぎてし
まうのだ。
 今も、二日連続の交わりに自分だけでなく夫も疲れているだろうと分かっているのに、求める心が止ま
らない。
 リンディはもう一度腰を上げると、尻へと手を伸ばした。

「……ここにも、クライドの精液いっぱい出して」

 指が陰部のそのまた後ろでひっそりと息づく小孔を広げる。生々しい薄紅色の肉と、その周囲でそよぐ
細毛がよく見えるように、目一杯。

「君は後ろが本当に好きだな」
「最初にやりたいって言ったのはあなたよ」
「そうだったかな? まあ、今じゃ俺も君もどっちも気持ちいいんだから、どうでもいいか」

 くすくす笑いながら、クライドは後背位のままであるリンディの腰に顔を近づけた。

「こっちもよく濡らしておかないとな」

 言葉と共に、にゅるりと舌が菊門に潜り込んできた。
581朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:35:47 ID:wZzlLXJw
 指で拡張されるなら多少の痛みはある場所も、柔らかい舌なら感じるのはくすぐったい気持ちよさだけ
になる。
 それだけでなく、不浄の場所を夫が舐めてくれているというのは羞恥心による刺激も感じられて、リン
ディの股間からまた新しい愛液を垂らした。

「やぁっ……もっとお願い……!」

 うわ言のような懇請に応じて、尻たぶが大きく広げられてクライドの舌が根元まで完全に肉道へと刺さっ
た。腰全体に怖気交じりの快感が走る。

『リンディ、ちょっと力緩めてくれないか。舌が痛い』

 念話に従って大きく息を吐いて身体の力を抜くが、舌が尻の中で動くと無意識に括約筋がきゅぅっと締
めつけてしまいクライドの舌が自由に動けなくしてしまう。何度やっても同じだった。
 クライドにそんな意図は無くても、リンディにとっては生殺しで放置されているようなものである。口
がだらしなく開いて、唾液と一緒に舌が垂れる。もう準備が整っていようがいまいが、一刻も早く太くて
逞しい剛直を突っ込んでもらいたい。

「クライド、もういいから早く、早くお尻にちょうだい……っ!」

 無言で舌が抜かれ、尻穴に亀頭がぴったりとくっついたかと思えば、一息に奥まで突きこまれた。
 秘門が引き伸ばされるような挿入は、即座に前後運動へと変化する。官能には不満足だった舌攻めも、
濡らしておくという本来の目的だけは達成しており、そこにすぐ腸液が加わったことでリンディの尻穴は
スムーズにクライドを迎えることが出来た。
 本来なら出ることはあっても入ってくるはずのない場所が貫かれ、蹂躙されている。
 膣ではなく直腸に感じるクライドは、同じはずなのに全く異なる感触をリンディに与えてくれた。恥ず
かしい場所で交わっているという負の快楽に、リンディは白い肢体を仰け反らせて悦ぶ。

「もっと深く、裂けるぐらい強くしてっ!!」
「本当にそんなことになったら……大変だぞ」
「なんでもいいから、いっぱいしてクライド!!」

 音を立てて腰と尻肉がぶつかりあう度に、衝撃が前に来て発射されたばかりの湯気を上げている精液が
前から小水のように漏れた。
582朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:36:46 ID:wZzlLXJw
「あ、あん……もったいない」

 とっさにリンディは蓋をすべく指二本を秘裂に突っ込んだが、液体である精液を僅かな指の隙間から零
れ落ちていくのを止めるのは土台無理なことだった。
 だけでなく挿入れた拍子に爪が強く膣壁を擦ってしまい、背筋が甘く痺れて逆に指が精液をかき出すよ
うにして動き出す。

「ああっ! クライドがお尻ごりごりってしてるのが、分かるわ……!」

 子宮口まで指を突っ込めば、尻に叩き込まれる振動が指にも伝わった。
 自分の内側を貫通するかのような勢いで、リンディは指で女陰を慰め続ける。強くすればするほど尻穴
が連動して締めつけを増し、クライドの肉棒の膨れ上がり具合を脳へ伝達した。

「そろそろ限界なんだけど……出していいか……!?」
「出してぇ! クライドの精液で私の中、いっぱいにして!!」

 クライドの手がリンディの身体全体を引き寄せるのと同時に、腸液を流す菊座の最深部まで突っ込まれ
た。お尻から脳髄まで一直線に衝撃が走る。

「かはぁっんん!!!!」

 嬌声とも咆哮ともつかない声を上げて、リンディは極大の絶頂を迎える。
 ごぼごぼと腸に精液が注がれる音が頭蓋で鳴り響く間、リンディは掠れた声で雌の啼き声を上げ続けた。




 汗にまみれた身体にシーツがまとわりついてちょっと気持ち悪い。それでも、リンディもクライドも風
呂に入ろうとは言い出さなかった。
 風呂に入って汗を流すのは、今日のように早朝でいいだろう。今は、行為後の倦怠感に包まれながら夫
婦でのんびり語り合っていたかった。

「そろそろ、子供が出来ないかしら」
「頑張ってるけど、なかなか出来ないな」
「あなたがお尻好きだからじゃないかしら。いくら出されても、お尻で子供産めないわよ?」

 リンディの一言に、クライドはやけに真剣な顔となって考え込んだ。本当にその可能性について考慮し
ているのか、リンディが尻でするのが嫌だと暗に言っていると深読みしているのか。

「冗談よ。これだけ愛してもらってたら、いつか絶対に出来るに違いないわ。それまでに名前考えておい
てね」
「女の子の名前はもう考えてあるんだけど、男の子はいっぱい思いつくのにこれだっていう名前が無いん
だ。俺が男だからかな」
「自分の名前に似たのにしたらどうかしら? あなたの子供だって分かりやすいように」

 睦言を交し合ううちに、いつしかリンディは眠気を覚えて目を閉じた。
 明日もまた、夫と過ごす幸せな日を迎えるために。



          終わり
583朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:37:20 ID:wZzlLXJw
          おまけその一「新暦〇〇七五年 ハラオウン家食卓にて」



「あ、あーん……」

 消え入りそうな声と共にフェイトが差し出した煮物を、クロノはぽかんとした顔で眺めるだけだった。
 箸に挟んでいるのは、なんの変哲もない人参の煮物。クロノ自身、今晩の夕食で自分の皿から口に入れ
ていた物体に対して、信管抜かれた手榴弾を見つめるような眼をしている。
 クロノは現状が理解できないのか、いつまで経っても硬直したままである。仕方が無いので、フェイト
は頬を染めながら説明を始めた。

「…………無限書庫でね」
「へ?」
「ユーノが、なのはにこうやってお弁当食べさせてもらってるの見ちゃって……私もやってみたいなあっ
て……」

 扉の隙間から盗み見したなのはとユーノは、とても幸せそうにお弁当を食べさせあっていた。
 その姿は、クロノと恋人になり立てで兄妹の場合とは違う触れ合い方を模索中のフェイトにとって、ひ
どく羨ましい光景だった。

「…………クロノは、嫌かな?」

 フェイトの問いかけに、クロノは人参よりもなお真っ赤になりながら何度もその辺に視線を彷徨わせて
いたが、やがてフェイトの眼を見て答えてくれた。

「恥ずかしいけど……誰もいないし、君がしたいっていうなら」
「じゃあ、やるね。…………あーん」

 大口開けるようなことはせず控えめに開かれたクロノの唇だが、煮物を入れるには充分な大きさ。なの
に、フェイトにとっては針の穴より小さく思えた。
 近づけるにつれて、手が震えて照準が定まらない。思い切って手を伸ばしてみたら危うく頬に押しつけ
そうになり、慌てて手を引いて構え直す。
 恋人同士の甘酸っぱさよりも、真剣勝負の如き空気が漂うリビング。両人の額にはいつのまにか汗が浮
いていた。
 早食いなら食事を二回食べ終わるぐらいの時間をかけ何度もやり直し、ついにクロノの口へと煮物が到
達しようとした瞬間。

「ただいまー。フェイト、今日の晩ご飯なにかな?」

 帰宅したアルフの脳天気な声に、フェイトは反射的に椅子を蹴飛ばして部屋の隅まで飛び退き、クロノ
は同じことをやろうとして失敗し椅子に腰掛けたまますっ転んだ。
 リビングに入ってきたアルフは、そんな二人に胡乱な眼差しを向ける。

「……二人とも何やってんだい?」
「あ、足を滑らせたんだ!」
「座ったままで? あんた妙なとこで器用だね」

 二人の会話をよそに、床に転がった煮物を恨めしげな眼で見ながら、フェイトはぽつんと呟いた。

「…………アルフの馬鹿」



          まだ続く
584朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:38:05 ID:wZzlLXJw
          おまけその二「新暦〇〇九〇年 士官学校屋上にて」



 そろそろ秋も終わろうかという季節。
 見晴らしがいいため昼を過ごす生徒が多かった士官学校屋上にも、急速に迫りつつある寒さのせいで人
影はなかった。それでも給水塔の影になっていて周りからは見えにくいベンチを選び、ユーナ・T・スク
ライアは持ってきた弁当の包みを開いた。

「今日も美味しそうだな」

 隣に腰掛けた、幼馴染にして同級生のクロード・T・ハラオウンが弁当箱を覗き込んで言った。
 外出日に材料を買い集め、主食のパン以外は寮の炊事場を借りて全部一からユーナが作ったお弁当。冷
凍食品などいっさい使っていない自信作である。
 おかずのあれこれを眺めていたクロードが、ちょっと眉をひそめた。

「お箸が一つしかないけど、今日も自分の分忘れたのか?」
「う、うん……」
「君って時々ひどくうかつになるな。もっと注意しないと」

 実は違う。最初の一回こそ本当にうっかりだったが、二回目以降はわざとである。

「この間みたいなのが嫌だって言うなら、食堂に行って取ってくるけど……」
「いいよ。ユーナを行かせるのも待たせるのも悪いから。お弁当作ってもらってるのは僕なわけだし。む
しろユーナこそ嫌じゃないのか?」
「そんなこと、ないよ」

 割り箸を割りながらユーナは俯き気味に答える。クロードに嘘をつく罪悪感は大きかったが、一度知っ
た触れ合い方の誘惑には勝てなかった。

「どれから食べる?」
「最初は唐揚げで」

 言われたとおり、からっとこげ茶色に揚がった一口サイズの鶏肉をユーナは箸で挟んでクロードの顔の
近くに持っていった。
 同時にクロードの口が開き、けっして下品にならない動作で肉を噛み取った。
585朝も昼も夜ももっと好きになっていく:2008/07/06(日) 22:38:53 ID:wZzlLXJw
 咀嚼が終わったのを見計らいもう一個から揚げを運びながらユーナは小声で、しかしクロードにはちゃ
んと聞こえるであろう大きさで言ってみた。

「…………あーん」

 クロードの眉が、一瞬ぴくっと跳ね上がる。
 しかしそれだけで、一度目と同じように唐揚げは口へと消えていった。ユーナがけっこう勇気を出して
の発言は、ほぼノーリアクションでスルーされた。

「僕ばっかりじゃなくて、ユーナも食べなよ。昼休み終わってしまうぞ」
「……うん」

 さっきとは違う理由で俯きながら、ユーナはおかずをつついた。

(もうちょっと顔を赤くしたりしてくれないかなぁ)

 最初は拒否されず一緒のお箸で食べられただけで嬉しかったはずなのに、今では何事もないかのような
反応しかしてくれないことにユーナは小さな不満を覚えていた。

(最近のクロード君、頼んだら何でも平気な顔してやってくれるんだもん。昔は頭撫でるのも照れながら
やってくれたのに、この頃はトウヤ君としゃべりながらやったりするし……)

 ひどく贅沢なことを思っていると自覚しつつ、クロードの唾液がついた箸で自分も唐揚げを摘む。
 何度も味見したとおりの味なのになぜかひどく美味しく、ちょっとだけユーナの気分は晴れた。




「あなたまたデラックスラーメンてんこ盛り食べてるの?」
「こういう身体に悪いが美味いメシって、うちじゃ絶対出してもらえないからな。今のうちに食いだめし
とく」
「一人暮らし始めたら嫌でもそんなのばっかりになるわよ。ところでクロードとユーナは?」
「屋上に弁当食いに行った」
「……またあれやってるのかしらね」
「あいつら、あそこまでやってといてキスどころか告白もしてないって、なんの冗談だよ……」



          今度こそ終わり
586サイヒ:2008/07/06(日) 22:40:48 ID:wZzlLXJw
以上です。
エロイド=紳士、エロノ=鬼畜、エロード=天然。
ただし三人とも嫁は徹底的に甘やかしつつ尻を愛でる血筋。


尻が主目的ですが、レティ×リンディを書くにあたって
クライドとリンディの夫婦生活も書いといた方がよさそうだったという理由もあったり。
そっちでクライドさん出る予定は全く無いですが。
587名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:45:14 ID:yKDtbBa6
   ∩___∩
   | ノ      ヽ
  /  ●   ● | クマ──!!
  |    ( _●_)  ミ
 彡、   |∪|  、`\
/ __  ヽノ /´>  )
(___)   / (_/
 |       /
 |  /\ \
 | /    )  )
 ∪    (  \
       \_)
588名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:48:09 ID:4zjvJa6P
>>586
GJ!
589名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:50:50 ID:eo1LFZhY
>>586
ハラオウン家甘尻の系譜かGJ
590名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:53:03 ID:jMYZFsZW
サイヒ氏、投下乙!
甘すぎるぜ、あまりの馬鹿カップルぶりにガムシロップの一気飲みをやった気分になったw
しかし、エロノの尻好きはクライドの血か?
591名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:59:59 ID:TamNFKA0
何気に友情出演のプレシアさんの旦那に噴いたwww
592名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:12:08 ID:VcleXyhj
GJうううぅぅ!!

リンディさんがなんといういやらし可愛い!! こんな妻がいりゃ甘くなるよな、クライドが甘党になるのもしかたねえ。
そしてリンディ×レティという素晴らしい熟女カップリングSSにも期待してますぜ!!
593名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:15:11 ID:9gf2aYv2
これはリンディ茶並みに甘すぎるwww
594名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:32:50 ID:VxfEY6a7
サイヒ氏
あんまああああああああああぃ!!
なんという甘さだ!!!
そしてエロイw
GJ!
595名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:43:17 ID:yKDtbBa6
 
596名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:44:27 ID:yKDtbBa6
 
597名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:45:22 ID:yKDtbBa6
 
598名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:52:18 ID:g08gqPYj
B・A氏
ちょい遅めのGJ!
エリオの戦いもルーテシアの戦いもどうなるかが気になります…

それと今日一日氏のシリーズを見直してて気づいたのですが、
アリシアの話からルーテシアの騎士やセッテの話に派生していくと氏はどこかで書き込んでいらっしゃいましたよね。
ですが、ルーテシアの騎士アフターを見てると二人の子供のアリシアが生まれた時に「2人はその名が持つ意味を知らなかったが、耳にした時の響きが良いし〜」
とあるのでかなり気になってしまいました…

まあ重箱の隅をつつくような質問ですし、氏が書いた順番だとアリシアの話の方が後になるから仕方ないといえばそれまでなんですが、氏のファンからすると、どーしても引っかかってしまうのです…
長文になってしまいましたが、これからも氏のエリオシリーズwktkしながら待っています!
599B・A:2008/07/07(月) 00:48:09 ID:CBeQOses
>>598
後付け設定の痛いところですよねぇ。
一応言い訳させてもらうと、「ルーテシアの騎士になる」という選択をしたエリオはその他の余分なものを一度全部捨てているので、
アリシアに関する記憶も忘れてしまったのかもしれません。何しろ、墓前に誓った「理想の騎士」を裏切ってまでルーを守ろうとしたの
だから、後ろめたくもなるわけで・・・・・・。
後はもうこちらの不手際ですと謝るしかありませんorz
お詫びに、これから一本投下します。


というわけで今おk?
600名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 00:54:28 ID:9oRVEbpB
GO!
601B・A:2008/07/07(月) 00:59:50 ID:CBeQOses
ではでは



注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・1時だよ、全員集合
・大怪獣クラナガン決戦
602Das Erbe zur Zukunft@:2008/07/07(月) 01:04:20 ID:CBeQOses
第16話 「集う力 −Strikers Force−」



禍々しい巨体が結界で霞んだ太陽を覆い隠し、翼の羽ばたきが周囲の瓦礫を吹き飛ばす。
その威容はあらゆる生き物とも異なる形をしており、同時にあらゆる生き物の特徴をその身に有している。
機械であるという一点を除けば、それは正に生物界の頂点に君臨し、 各地で神と崇められているドラゴンと酷似していた。
デウス・エクス・マキナ。
全てを破壊し、無に帰す人造の神が今、クラナガンに降臨したのだ。

「どぅぉだ? 恐れ入ったか、たじろいだか? お前の究極召喚なんか目じゃないぞ。こいつ人の叡智が生命の神秘を打ち破るために造り出した化け物だ。正に人類万歳!」

興奮してテンションがハイになったのか、ロデオは狂ったように身を踊らせながら両腕を天に突き上げておぞましい笑みを浮かべる。す
ると、まるでそれに応えるようにデウス・エクス・マキナが金属の擦れる音と共にけたましい咆哮を上げた。
たちまち、瓦礫の街は耳障りな音で満たされ、超音波と化した竜の叫びが岩や瓦礫を粉砕した。
デウス・エクス・マキナから迸る禍々しい気配に、ルーテシアは僅かに後ずさった。今まで、数々の傀儡兵を目にしてきたが、こんなおぞましいものは見たことがない。
美しい造形は正に悪魔の芸術であり、見る者に恐怖と畏怖を与える様は神そのものだと言っても過言ではなかった。

「ガリュー?」

見ると、ガリューの腕が僅かに震えていた。この歴戦の戦士を震え上がらせる程の力を、こいつは秘めているというのだろうか?
その時、デウス・エクス・マキナが咆哮と共に飛翔し、獲物を求めて旋回していた地雷王目がけて突撃した。
そして、鈍重そうな見た目からは想像もできない素早さで地雷王に肉迫し、鋭い爪で強固な地雷王の甲殻を紙のように易々と引き裂いた。

「地雷王!」

金きり音にも似た悲鳴を上げ、地雷王は瓦礫の山に落下した。並外れた生命力を持つ地雷王といえど、全身から毒々しい色の血を流す様は痛々しくて見ていられない。
ルーテシアはこれ以上地雷王を傷つけまいと送還の魔法を発動しようとした。だが、彼女の意志に反して魔法は発動する気配すら見せない。
焦って手順を間違えたのかと術式を見直し、より強く念じながら発動を試みるも、やはり結果は同じであった。

「そんな・・・・」

「ここがバビロンの鍵の結界の中だということを忘れたのかぁ? この結界は結界外に出るためのあらゆる魔法を遮断する。それは召喚魔法といえど例外ではない。
呼び出すことはできても、送り返すことはできないんだよ。自分の召喚蟲がいたぶられながら殺されるところを、そこで見ているがいい!」

「だったら!」

ルーテシアの意図を汲み取り、ガリューが疾走する。例えどれ程強力なものを召喚しようと、使役する召喚師が倒されればでくの坊に成り下がる。
切り札を召喚してロデオが興奮している今ならば、付け入る隙はあるかもしれない。
603Das Erbe zur ZukunftA:2008/07/07(月) 01:08:33 ID:CBeQOses
「ブーストドライブ。ガリュー、行って!」

「・・・!」

拳にバリア貫通効果を付与されたガリューが、自身の能力である透明化を発動させる。
ロデオは召喚のみに限定して言えば間違いなく一流で、並の攻撃ではビクともしない鉄壁の防御魔法の使い手ではあるが、
その他の面は新米の陸士にも劣る三流魔導師だ。強固なバリアを抜くことさえできれば、ガリューの敵ではない。

「ふっ、ならばこうするまでだ!」

ロデオの周囲に四体の傀儡兵が出現し、ロデオ自身は得意の防御魔法を最大出力で展開する。
相手の意図に気づいたルーテシアはすぐにガリューを戻そうとしたが、それよりもロデオが傀儡兵に指示を出す方が早い。
四体の物言わぬ機械達は主の命令を忠実に遂行し、自らに仕込まれた自爆装置を作動させた。
衝撃が大地を揺らし、爆散した傀儡兵の部品が破滅的な速度で以てまき散らされる。ロデオ自身は鉄壁の防御魔法によって無傷で済んだようだが、
魔法による防御が行えないガリューは至近距離で爆風に煽られ、飛来した傀儡兵の部品の直撃を受けてしまう。咄嗟に腕で庇って致命傷は避けたようだが、
透明化が解けた上に漆黒の外殻は無残に傷つき、痛々しく裂けた四肢からは真っ赤な血が流れ出ていた。

「ガリュー、逃げて!」

「・・!?」

新たに呼び出された傀儡兵が筒状の武器をガリューに向けていた。
僅かに香る油の匂いにガリューは戦慄し、離脱を試みる。しかし、傷ついた羽では十分な加速を得ることはできず、
傀儡兵の手にした武器の射程からは逃れることができなかった。刹那、筒から凄まじい勢いで炎が迸り、ガリューの体を紅蓮の炎で包み込む。

「・・・!!!!!」

全身が焼け爛れていく痛みにガリューは声にならない叫びを上げて悶え苦しむ。
その悲痛な叫びをBGMに、傀儡兵は容赦のない攻撃を続けた。
嵐のような銃撃がガリューの強靭な筋肉をズタズタに引き裂き、うねりを上げる炎が呼吸器を通じて体内を焼いていく。
視界も明滅し、最早立っているのもやっとの状態だった。
すると、ロデオは成す術もなく蹂躙されているガリューに対して、嘲笑を投げかけた。

「はっはっはっ、無様だなぁ、蛆虫! まだ死力を振り絞れば飛べないこともないだろう? そんな女なんか見捨てて逃げ出せば、まだ助かる見込みはあるぞ」

ガリューの中で沸々と怒りが湧き上がってくる。
彼には誇りがある。
アルピーノ一族に身命を捧げ、己の主を守るために戦って死ぬ。
それは恐らく、全ての召喚獣の共通の願いであるはずだ。だが、この男はそれを侮辱した。
何より召喚師でありながら自身が使役するものを躊躇なく使い捨て、利用するその在り方を、召喚師に仕えし騎士として許すわけにはいかない。
その怒りがガリューを突き動かした。
痛みも苦しみも死への恐怖も無視して、ただ純粋な怒りに支配された体が咄嗟に掴んだ石ころをロデオ目がけて投げつける。
本来ならば大木に穴を空ける程の威力のある投石が、ロデオの展開した障壁に当たって砕け散った。
直後、傀儡兵の強烈な蹴りが叩き込まれ、ガリューはボールのように二転三転して瓦礫の山に激突した。
604Das Erbe zur ZukunftB:2008/07/07(月) 01:11:42 ID:CBeQOses
「蛆虫が、それで一矢報いたつもりか?」

「・・・・」

ガクリと手足が投げ出され、ガリューは動かなくなった。生きてはいるようだが、非常に危険な状態だ。
いつもならばここで元の世界に送還して治療に専念してもらうのだが、転送を遮断する結界のせいでそれも叶わない。

「ガリュー・・・・・・・」

「お前の召喚蟲は弱いな、ルーテシア・アルピーノ。やはり、手駒は傀儡兵に限る。生き物には到底できない戦術も実行できるし、壊れても代えが利く。
何より、生き物と違っていつも同じ力を確実に引き出すことができるからな。愛や信頼なんて不安定な力を頼るのはナンセンスだ、物事はロジックで全て割り切れるのだよ」

余裕綽綽とばかりにロデオは嘲りをかける。その上空では、彼の切り札であるデウス・エクス・マキナがいつ破壊を命じられるのかと、意思なき瞳を輝かせながら待ち構えている。
ロデオはロート・シルトとは別の思惑で動いている。放っておけば、間違いなくクラナガンは壊滅するだろう。

「ガリュー、少し休んでいて」

ガリューを中心にケガの治療を促す結界を展開し、ルーテシアはロデオに向き直る。その瞳には、最も信頼する騎士を傷つけられたことへの怒りが炎のように燃え滾っていた。

「ロデオ・エステート、どこまで召喚師を侮辱すれば気が済むの?」

「はっ、所詮召喚師と使役されるものの間には、主従関係しかないのさ。使い捨てて何が悪い?」

「違う。召喚獣は召喚師を信頼しているから言うことを聞いてくれるの。だから、私達は何があっても召喚獣の信頼を裏切るような真似はしちゃいけない。それは、機械だって同じはずよ」

「こいつらに感情なんてないぞ。叩こうが燃やそうが痛みは感じないし、自爆させられても文句一つ言わない。道具なんだよ、こいつらは」

「道具じゃない、仲間よ」

ルーテシアの足下に紫紺の魔法陣が展開し、同時に上空に巨大な召喚陣が描かれる。

「あなたは召喚師の風上にも置けない外道よ。同じ召喚師として、許してはおけない」

「ならばどうする? 勝てるのか、私とデウス・エクス・マキナに!?」

「絶対に勝つ、私と白天王で・・・・・・・・究極召喚!」

回転する召喚陣より現れたのは、デウス・エクス・マキナに勝るとも劣らない白き威容。ルーテシアが使役する召喚蟲の中では最大のサイズを誇り、間違いなく最強の力を有する蟲の王。
究極召喚、白天王。
その咆哮が大地を震わせ、戦いの火蓋は切って落とされた。





「セイクリッド、クラスタァァァっ!!」

「ディバインバスタァァァァァッ!!!」

ヴィヴィオの撃ち出した拡散弾が、セリカのディバインバスター・フルバーストによって叩き落とされる。
迫りくる魔力の壁をヴィヴィオは持ち前の頑強さだけを頼りに潜り抜け、制動をかけながらレイジングハートを構える。
大威力砲撃は負担が大きいため、撃った後の硬直も長い。その隙に一気に畳みかけようという魂胆だった。
だが、砲撃のチャージを開始したヴィヴィオを待っていたのは、更なる砲撃の嵐だった。
605Das Erbe zur ZukunftC:2008/07/07(月) 01:17:12 ID:CBeQOses
「きゃぁっ!?」

《Protection》

レイジングハートが自動詠唱した防御魔法に砲撃が直撃し、火花を散らす。
通常の砲撃と違って魔力を抑えることで威力が減衰していたが、その分チャージの速度が速い。砲撃でありながら射撃魔法並の連射速度など、反則も良いところだ。

「いったん下がるよ、チャージドライブ!」

《All right, A. C. S., standby》

レイジングハートの先端から虹色の羽根が羽ばたき、内蔵された瞬間突撃システムが起動する。
本来ならば敵に突撃し、強引にバリアをぶち破るために使用されるのだが、その加速は直線的ながらも他の追従を許さない驚異的な速度を誇り、戦域からの離脱にも適している。
瞬時にセリカから距離を取ったヴィヴィオは、呼吸を整えてレイジングハートを握り直した。

「レイジングハート、気付いた?」

《はい。彼女は自己ブーストを使用して、己の限界を超えた魔力運用を行っているようです》

先程のありえない砲撃の連射も、恐らくはそれによるものなのだろう。だが、過度の自己ブーストは肉体に大きな負担をかける。
事実、ヴィヴィオの母のなのははそれによって体を蝕まれ、魔導師の道を閉ざされたのだから。

「それって、ブラスターシステムと同じだよね」

《いえ、寧ろエクセリオンモードに近いと思われます。恐らく、彼女の自己ブーストにはリミッターが仕掛けられておりません。
使い続ければ、やがて彼女の体は致命的な損傷を負うことになります》

「そんな・・・・・セリカちゃん!」

命の危険があると聞き、ヴィヴィオはセリカに呼びかける。しかし、返ってきたのは無数のディバインシューターの嵐であった。

《Protection》

「セリカちゃん、今すぐ戦いを止めて! それ以上戦ったら、セリカちゃんが死んじゃうよ!」

「中将のために死ねるのなら、本望よ!」

「そんなこと、誰も望んでいない! セリカちゃんが傷つかなきゃいけない理由なんてないよ!」

「それを強いているのはあんただ! この力は、あんたを倒すために手に入れたんだ!」

「私は、セリカちゃんと戦うことなんか望んでいない!」

「綺麗事言うなぁぁぁっ!!!」

処理能力の限界に達し、プロテクションが飽和するように霧散する。
瞬く間に殺到した灰色のディバインシューターが聖王の鎧に弾かれ、ヴィヴィオの魔力が大幅に削られていく。

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

精神を削られる痛みにヴィヴィオは悲鳴を上げる。だが、ヴィヴィオとてただ泣き喚いているだけではない。
苦痛に顔を歪めながらもこっそり形成しておいたスフィアからアクセルシューターを撃ち出し、お返しとばかりにセリカの背後を強襲する。

「ぐぁぁっ!!」

「セリカちゃん!」

アクセルフィンを羽ばたかせ、ヴィヴィオは一気にセリカに肉迫した。そして、レストリクトロックで彼女を拘束する。
606Das Erbe zur ZukunftD:2008/07/07(月) 01:20:04 ID:CBeQOses
「これ以上戦うのは止めて! 無茶な自己ブーストを続けたら、死んじゃうかもしれないんだよ!」

「それでも良い! なのはさんは傷つきながら勝ってきたんだ! だから、私は傷つくことを厭わない。奇跡を起こせるのなら、何度だって傷ついてやる!」

「そんなの間違っている! セリカちゃんの起こしたい奇跡ってなに? 世界の平和? みんなが笑っていられる世界を作ること? それのためにセリカちゃんが苦しまなきゃいけないなんて、絶対間違っている!」

「あんたに何がわかるっていうのよ! 世界の真実を見ようとせず、平和な世界でぬくぬくと生きてきたあんたに、ずっと悩み続けてきた私の気持ちなんてわかるわけない!」

「それでも、セリカちゃんのやろうとしていることが間違っているってことはわかる! 誰かが傷つかなきゃ訪れない平和なんて、絶対おかしいよ!」

「なのはさんはずっと傷ついてきた!」

「傷つかなくても良い方法はきっとある!」

「そんなものはない!」

バインドブレイクに成功したセリカが、再びディバインシューターを撃ってくる。憤怒に支配された彼女の心は、やはり生半可な呼び掛けでは揺るがすこともできない。

《お嬢様、やはり彼女の説得は難しいかと思われます》

「わかっている。けど、今のセリカちゃんは前みたいに力任せに撃墜できるような状態じゃないし、私ももうあんなことは二度としたくない。
これは力だけじゃない、譲れない思いの戦い。だから、もう少しだけ頑張ろう」

《Yes》





瓦礫の街で二体の威容がぶつかり合い、咆哮が天を震わせる。
質量に任せて突撃してきたデウス・エクス・マキナを白天王は真っ向から受け止め、空中で踏ん張りをつける。
本来ならば受け流すのが常道なのだろうが、真下には傀儡兵と戦うライトニング分隊の面々がいる。そのため、白天王は敵の攻撃の全てをその身で受け止め、耐え抜く必要があった。

「白天王、そのままそいつを遠くに放り投げて!」

回転の勢いをつけて、白天王はデウス・エクス・マキナを投げ飛ばす。そして、自身は羽根を羽ばたかせて錐揉みしているデウス・エクス・マキナに体当たりを行った。
勢いのついた巨体がもつれ合いながら回転し、先程までいた場所から遠く離れた十字路へと落下する。そこが、二体の新たな戦場となった。

「白天王!」

「迎え討て、デウス・エクス・マキナ!」

ほぼ同時に起き上がった二体は十字路の真ん中で取っ組み合いを開始する。
人外の咆哮とモーターの駆動音がぶつかり合い、互いの力が拮抗して踏みしめた大地が陥没した。
二体の力は完全に互角であり、双方ともに一歩も譲らない戦いを繰り広げている。
607Das Erbe zur ZukunftE:2008/07/07(月) 01:25:05 ID:CBeQOses
「さすがは究極の名を冠するだけはある、大した力だ」

ぶつかり合う二つの巨体を見つめ、ロデオは感心したかのように呟いた。
だが、それは決して二体の健闘と称えるものではなく、寧ろ憐れみのこもった嘲りのようであった。
そして、嘲うかのようにロデオは己の召喚機に命じた。

「デウス・エクス・マキナ、カートリッジロード」

瞬間、デウス・エクス・マキナの内部機構が作動し、凄まじい魔力の流れが各機関を満たしていく。
すると至る所から蒸気が噴き出し、関節部のモーター音が更にけたましく鳴り響いた。
変化はすぐに訪れた。
まるで枷から解き放たれた獣のようにデウス・エクス・マキナは咆哮し、白天王を押し倒したのだ。その力は、先程までの比ではなかった。

「はっはっはっ、デウス・エクス・マキナには、カートリッジシステムが搭載されているのだ! それもただのカートリッジではないぞ。大きさは通常の十倍、
一発に込められている魔力量は実に次元航行艦の発電力と同等! 更に転移魔法の応用で弾切れを起こしても補充が利くようになっている優れものだ! 最早お前に勝ち目はなぁっい!!」

勝ち誇ったかのようにロデオは笑い、デウス・エクス・マキナは全身に迸る魔力を全てエネルギーへと変換して白天王を傷めつける。
マウントポジションを取られているせいで脱出は難しく、一撃を入れられる度に悲痛な叫びがクラナガンを震撼させる。
だが、同時にこれはチャンスでもあった。白天王は腹部から、あらゆるものを焼き払う灼熱の魔力砲を放つことができる。
この態勢ならば相手も避けることは容易ではなく、直撃すれば無事では済まないだろう。

「白天王!」

デウス・エクス・マキナの鋭いカギ爪が振り上がった瞬間、白天王は両手を伸ばしてその腕を拘束する。
凝縮した魔力がうねりを上げ、腹部の水晶体が鈍い輝きを放った。
咆哮と共に放たれた極太の魔力砲が狙い違わずデウス・エクス・マキナを捉える。しかし、放たれたと同時に魔力砲は何かにぶつかったかのように歪みを見せた。
どうやら、デウス・エクス・マキナはAMFをまとっているらしい。それによって幾らか威力は減衰したが、それでも機械の体を吹き飛ばすには十分な威力を秘めた一撃がその巨体を直撃し、爆発が起こる。

「・・!?」

驚愕がルーテシアを襲った。
デウス・エクス・マキナは無傷であった。銀色の装甲には傷一つついておらず、へこみすら見当たらない。
金属が擦れるような咆哮は敵が健在であることを物語っていた。

「残念だが、デウス・エクス・マキナの装甲は魔法を弾く特殊な素材を組み合わせた複合構造だ。
AMFと対魔法材質と複合装甲、物理・魔法両面の守りは万全だ!」

魔力砲を撃って疲弊している白天王の胴体に、デウス・エクス・マキナは容赦のない蹴りを打ち込む。
そして、傷ついた巨体を軽々と持ち上げると、通りの向こうの高層ビル目がけて思いっきり投げ飛ばした。
轟音と共に粉塵が舞い上がり、白天王は瓦礫の山に埋もれてしまう。

「勝負あったな。さあ、止めを刺すんだ、デウス・エクス・マキナ!」

デウス・エクス・マキナの両肩に仕込まれた機構が作動し、二門の大砲が露になる。
白天王は何とか起き上がろうとしているが、運の悪いことに左右のビルが邪魔で動きが制限され、中々立ち上がることができない。

「白天王!」

「分隊長!?」

部下の制止を振り切り、ルーテシアはデウス・エクス・マキナの前に躍り出る。
瞬時に作りだされた紫紺の短剣がデウス・エクス・マキナの装甲を撫でるが、乾いた音を立てただけで欠片程の傷すらつけることができない。奴からすれば、蚊に刺されたようなものだった。
ルーテシアの無謀な行為を見て、ロデオはおかしそうにほくそ笑んだ。愛する召喚蟲が殺されようとしているのを見ていられず、己の安全も顧みずに巨神に挑む蛮行。
ロデオにはそう見えたことだろう。だが、ルーテシアの行為は決して勝算のない無謀な行動ではなかった。
608Das Erbe zur ZukunftF:2008/07/07(月) 01:28:23 ID:CBeQOses
「地雷王!」

いつの間に召喚していたのか、ロデオの死角であるデウス・エクス・マキナの左側面に新たな地雷王がいた。
ルーテシアの狙いは相手の注意を逸らすことで、地雷王が攻撃する隙を作ることだったのだ。
まるで地獄の底から大地を揺らしているかのような振動が走り、地雷震がデウス・エクス・マキナの立つ地面を崩壊させる。
傾いた姿勢を立て直そうともがく僅かな隙を突いて立ち上がった白天王に突き飛ばされ、今度は逆にデウス・エクス・マキナがマウントポジションを取られた。

「殴って!」

良いように痛めつけられた恨みを晴らすかのように、白天王は拳を乱打する。魔力砲が通用しない以上、物理攻撃で破壊するしかない。
だが、強固な複合装甲は白天王の怪力を以てしても傷つけることはできず、逆に白天王の拳が裂けて痛々しい出血が街を染めていくだけだった。

「無駄無駄! 神の名は伊達ではないのだよ! さあ、デウス・エクス・マキナ、そろそろ遊びは終わりだ!」

再びデウス・エクス・マキナの中でカートリッジが炸裂し、膨れ上がった魔力が凄まじい怪力となって白天王を突き飛ばした。
衝撃で瓦礫が舞い飛び、ルーテシアは踏ん張りきれずに地面を転がった。

「は、はくてん・・・・おう・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

全身傷だらけの白天王は、主の呼びかけに応えようと腕を伸ばし、そこで力尽きてしまう。
ガリュー。
地雷王。
白天王。
ルーテシアが使役する召喚蟲、その全てが破れてしまった。最早、彼女に戦う術はなく、後は黙って殺されるのを待つことしかできない。
抗いたくても抗う方法が見つからない。

「それでは、これでさようならだ」

凶暴な駆動音と共にカートリッジが炸裂し、デウス・エクス・マキナの両肩の大砲に火が灯る。

「エリオ・・・・・ごめん・・・・・・・」

己の死を悟り、ルーテシアは行方のわからぬ夫に詫びた。
破滅の光が凝縮し、己の敵を葬り去らんとデウス・エクス・マキナが咆哮を上げる。
膨れ上がっていく魔力の渦にその場にいた者達は青ざめ、絶望に打ちひしがれる。
終わった。
これ以上は戦っても無意味だと。
そう思った刹那、突然現れた黒い威容がデウス・エクス・マキナを突き飛ばした。
609Das Erbe zur ZukunftG:2008/07/07(月) 01:31:19 ID:CBeQOses
「なにぃっ!?」

驚愕するロデオの声と、照準の狂った魔力砲が撃ち出されたのはほぼ同時であった。
姿勢が傾いた状態で撃った魔力砲は目標に当たる訳がなく、代わりに遙か彼方の高層タワーを倒壊させる。
駆けつけた救いの女神の姿に、ルーテシアは涙した。
吹き荒ぶ風でマントがなびき、桃色の髪が揺れている。その傍らに立つのは黒く雄々しい威容を誇るアルザスの守護竜。紛い物ではない、正真正銘の神だ。

「ぬぅぅっ、仲間か!?」

いきなり現れて殺戮を邪魔されたことを怒り、ロデオはヒステリックな声を上げる。だが、それはヴォルテールの咆哮によってかき消された。
デウス・エクス・マキナの耳障りな機械音ではなく、本物の神の咆哮は全ての存在を平伏させる。それは機械といえど例外でなく、意思を持たないはずのデウス・エクス・マキナまでもが後ずさる始末であった。

「キャ・・・・ロ・・・・・・」

嗚咽で喉に引っかかりながらも、ルーテシアは言葉を紡ぐ。
彼女はその呼びかけに応えなかった。しかし、発せられた言葉は確かな温もりと思いの込められたものだった。
繋がっている。
視線を合わせずとも、言葉を交わさずとも、触れ合わずとも、自分達は繋がっている。
そこに込められた様々な思いを連想し、ルーテシアは涙で顔を歪ませた。

「友達です」

静かな怒りを携えて、キャロ・ル・ルシエは戦場に降り立った。





通信の向こうのグリフィスに向かって、クロノは呆れるように言った。

「まさか、全部君がお膳立てしたのかい?」

『まあ、書類を偽造するのは難しいことじゃないですからね、ちょこちょこっと』

「減俸じゃ済まないぞ」

『ハラオウン提督も、独断で自分の部下を送り込んだんでしょう? おあいこですよ』

中指でメガネを持ち上げ、レンズを光らせる姿はかつての温和なイメージからは想像もできない腹黒さを物語っていた。
恐らく、査察部の追及を逃れきる自信があるのだろう。ひょっとしたら司法取引を持ちかける材料を用意しているのかもしれない。

「変わったな、君は」

『十年もあれば人は変わりますよ』

シニカルに笑い、グリフィスは背後に迫る怒声に対処するために通信を切った。どうやら、独断で色々やったことがバレて修羅場になっているようだ。
610Das Erbe zur ZukunftH:2008/07/07(月) 01:35:15 ID:CBeQOses
「やれることは全てやった。後は、彼らを信じるしかない」

未だ砂嵐のままのモニターを見つめながら、クロノは一人呟いた。





ヴォルテールのギオ・エルガとデウス・エクス・マキナの魔力砲がぶつかり合い、せめぎ合いの衝撃で空間に歪みが生じる。

「ぬぅぅっ、何をもたついている! とっとと仕留めろ!」

ロデオに命じられ、デウス・エクス・マキナはカートリッジを連続的に破裂させてヴォルテールを圧倒しようとする。
さすがのヴォルテールもこれには敵わず、ヴォルテールの巨体は低い弧を描いて道路に激突した。

「ヴォルテール!?」

「キャロ、あいつは魔法が利かない上に、カートリッジシステムで力を底上げしてくる。手強いよ」

事実、ヴォルテールはデウス・エクス・マキナを前にして手も足も出なかった。
打撃ではダメージが与えられず、必殺のギオ・エルガも破られてしまったのだ。白天王が目覚めてくれればまだ勝機はあるが、今のままではジリ貧だ。
だが、キャロの目は諦めていなかった。
その目にルーテシアは心当たりがあった。
十二年前、自分を闇の底から助け出してくれた時の目だ。
絶望的な状況でも希望を信じ、前を見つめる強い意志のこもった目だ。

「大丈夫、わたしとルーちゃんなら、必ず勝てる」

「・・・・うん」

「それに、戦っているのはわたし達だけじゃない」

不意に、ルーテシアの見知った黄色のレールが空中を疾走した。

「うおぉぉぉぉぉぉっ!!!」

不規則な軌道を描くレールの上を疾走する深紅の髪の少女が、雄叫びを上げながら直射弾を連射し、デウス・エクス・マキナの装甲に火花が散る。

「ノーヴェ!?」

「ノーヴェだけじゃないっスよ!」

愛用のライディングボードを器用に操り、ウェンディがデウス・エクス・マキナの注意を逸らす。
その隙にノーヴェはエアライナーを疾走し、至近距離からガンシューターを叩き込んだ。

「畜生、こいつ固いぞ!」

『二人とも、下がって』

戦場から遙か後方、街全体を見渡せる高層ビルの屋上に降り立ったディエチは、イノーメスカノンの調子を確かめながら通信機に呼びかけた。

「風向き良し、湿度・温度は平均よりやや高め・・・・・・・・いける」

イノーメスカノンを構え、足下にテンプレートを展開する。
あれだけのデカブツだ、照準をつける必要もない。
611Das Erbe zur ZukunftI:2008/07/07(月) 01:38:38 ID:CBeQOses
「IS発動、ヘヴィバレル」

相手を撃ち抜くイメージを弾丸に込め、引き金を引く。
発射された直射砲が数百メートル向こうのデウス・エクス・マキナの腕に命中し、その姿勢を崩すことに成功する。
だが、吹き飛ばしたと思った腕は未だ健在であり、敵はスコープの向こうで怒りのこもった咆哮を上げていた。

「ディエチの砲撃でも抜けないっスか・・・・・・・」

「へっ、上等じゃねぇか! いくぜ、ウェンディ!」

「了解っス!」

巨体のせいで小回りの利かないデウス・エクス・マキナを手玉に取るように、二人は空中を疾走する。
元より自分達の武器でこんな規格外の化け物を倒せるとは思っていない。自分達の役目はあくまで囮、ヴォルテールやディエチの砲撃のような強力な一撃を撃ち込める隙を作るのが目的だ。

「えぇぇっい、ちょこまかと煩い蠅が! 目障りなんだよぉっ!」

ヒステリックなロデオの叫びに呼応するように、デウス・エクス・マキナは手近なビルを薙ぎ払った。
粉砕されたコンクリートが雨のように降り注ぎ、ノーヴェとウェンディの機動を阻害する。

「うぉっ、わぁぁっ!?」

「うぉぉぉっ!?」

「ノーヴェ、ウェンディ!?」

瓦礫にバランスを崩され、低空を飛んでいたウェンディは瓦礫の山に激突してしまう。咄嗟にライディングボードを盾にしたようだが、衝撃で目を回しているようだ。
一方、エアライナーから転がり落ちたノーヴェはビルの窓枠に掴まり、身動きの取れない状態に陥っていた。

「まずは一匹」

腕を掴んでいたヴォルテールを突き飛ばし、デウス・エクス・マキナが拳を振り上げる。
ウェンディはまだ動けず、ディエチの砲撃はノーヴェを巻き込む恐れがあるので使用できない。万事休すだ。

「ディバイィィィンバスタァァァァァッ!!!!」

その時、裂帛の気合と共に放たれた蒼い砲撃がデウス・エクス・マキナの巨体を吹き飛ばした。

「ノーヴェ、大丈夫?」

「スバル・・・・・てめぇっ、遅いんだよ!」

「これでも急いで来たんだよ」

「うるせぇ。遅刻してきた奴はみんなそう言うんだよ」

「それ、ノーヴェのこと?」

「ぶっ殺すぞ!」

悪態をつきながらも、ノーヴェは内心で助けてくれたことを感謝していた。最も、死んでも口に出す気はなかったが。
612Das Erbe zur ZukunftJ:2008/07/07(月) 01:40:43 ID:CBeQOses
「えぇっい、何をしている召喚機ども! とっととそいつらを殺せ!」

ロデオの号令で、四体の傀儡兵がルーテシアとキャロに飛びかかる。だが、二人を庇うように現れた矮躯の少女が放ったナイフに串刺しにされ、呆気なく爆散してしまう。

「ご無事ですか、お嬢様?」

「チンク・・・・・うん、大丈夫」

「それは良かった。お下がりください、ここは私が」

チンクの前に、十機近い傀儡兵が立ち塞がる。その全てが、チンクの三倍近い大きさを誇っていた。

「これは何かの嫌味か?」

チンクの胸中に沸々と怒りが込み上げてくる。
丁度良い。日頃、背丈のことをネタにみんなから弄られていることに対する欝憤を晴らす良い機会だ。

「戦闘機人、ナンバーズ5番チンク・・・・・参る!」

無数のナイフを投げ放ち、チンクは傀儡兵を破壊していく。その傍らでは、セインが自分のISディープダイバーを駆使して負傷した隊員の救助に回っていた。

「セイン、そっちに傀儡兵が行ったぞ。急げ!」

「了解。ISディープダイバー」

負傷者を抱え、セインは地面の中へと潜る。
その上空では、無数の飛行型傀儡兵と戦う二つの影があった。
一人は少年と見間違う容姿をした短髪の少女、そしてもう一人は双剣を振るう長髪の少女だ。
オットーとディード。
ナンバーズの中でも取り分け息の合った連係を誇る二人が、飛び交う魔力弾を搔い潜って傀儡兵を葬り去る様は圧巻の一言であった。
613Das Erbe zur ZukunftK:2008/07/07(月) 01:46:05 ID:CBeQOses
「一緒に戦うのは久し振りね、オットー」

「そうだね」

「ティアナさんも強いけど、やっぱりオットーと一緒の方が安心して戦える。オットー、私の背中を守って」

「わかっている」

無感情で抑揚のない声で答え、オットーは迫りくる傀儡兵をレイストームで焼き払う。
つれない言い方ではあったが、ディードの心は十分満たされていた。
オットーは「わかった」ではなく「わかっている」と答えたのだ。言われなくても、守ってあげると。
もちろん、感情を余り表に出さないオットーの本心はわからないが、ディードはそう思っておくことにした。





混沌とした戦況を見守っていたケーニッヒの足下に数発の魔力弾が撃ち込まれる。
咄嗟に身を捻って回避し、バイヨネットを構えるも、敵の姿はどこにも見当たらない。
数キロメートル離れたところに一機のヘリが飛んでいるだけだ。

「まさか、あの距離から?」

直後、ケーニッヒはざわつくような悪寒を頼りにバイヨネットを一閃した。僅かに切っ先を何かが掠め、刃に赤い血が付着する。

「痛・・・・やってくれたわね」

空間がぐにゃりと歪み、透明化していたティアナの姿が露になる。

「幻影の射手!?」

「久し振りね、ケーニッヒ・スクーデリア」

「ミドルネームが抜けているぞ」

「悪いけど、私にとってエリオはあいつ一人だけよ!」

「否定できないな。まあ、その必要もないが!」

一瞬でティアナに詰め寄り、ケーニッヒはバイヨネットを振るう。如何にティアナが優秀な執務官といえど、この距離で神速の打突を避けられる程の身体能力は有していない。
射手が無防備に槍騎士の前に姿を現した時点で彼女の敗北は決定していたのだ。

「・・!」

「はぁっ!!」

驚愕するティアナの胸にバイヨネットを突き立てる。瞬間、ティアナの姿は湖面の波紋のように揺らぎ、溶けるように消滅した。

「幻影!?」

「一撃必殺!」

「後ろかっ!」

声と殺気を頼りに身を捩り、遠心力を込めた突きを放つ。
刹那、遠方のヘリから飛来した魔力弾がケーニッヒの鼻先を掠め、態勢が僅かに崩れて突きの軌道が乱れた。
常人からすれば僅かな乱れだったが、刹那の死合を潜り抜けてきた両者からすれば致命的な隙であった。
ティアナは自身の目の良さだけを頼りに迫りくる必殺をクロスミラージュの魔力刃でやり過ごし、相手の懐へと飛び込む。
槍の射程外、互いの呼吸音すら聞き取れる超至近距離へと。
614Das Erbe zur ZukunftL:2008/07/07(月) 01:48:05 ID:CBeQOses
「エリオは脆かったけど、あなたはどうかしら?」

「貴様っ!?」

腹部に突きつけられたガンズモードのクロスミラージュが火を噴き、魔力弾の直撃を受けてケーニッヒは仰け反った。
至近距離であるが故に防御魔法も展開できず、内蔵を殴られたかのよな激痛に顔が歪む。

「チィッ、やってくれる」

地面を転がりながら後退し、ティアナと距離を取って態勢を立て直そうとする。だが、起き上がろうとした瞬間にヘリから魔力弾が飛来し、ケーニッヒの足を容赦なく撃ち抜いた。

「ぐうあぁっ!!」

「大人しく武装を解除しなさい、ケーニッヒ!」

「悪いが、それはできない相談だ!」

《Photon Lancer》

バイヨネットのシリンダーが回転し、撃ち出された四本のフォトンランサーが背後の転落防止用フェンスを破壊する。
その意図を察したティアナがクロスミラージュを構えるが、それよりもケーニッヒの方が早かった。

「狙撃兵に言っておけ。狙える時に狙わないのはスナイパー失格だとな」

捨て台詞を残し、ケーニッヒは屋上の縁を飛び越えて空中に躍り出た。
縁に駆け寄って地上を見下ろすが、既にそこにケーニッヒの姿はない。大事な局面で逃げるような性格ではないので、恐らくどこかに隠れているのだろう。

『ティアナ、大丈夫か?』

ヘリのヴァイスから念話が届く。緊張のこもった声には、若干の悔しさが感じ取れた。

「私は、平気です」

『あいつ、何か言っていたみたいだったが?』

少しだけ逡巡し、ティアナは先程のやり取りを包み隠さず打ち明けた。すると、ヴァイスはどこか自嘲するように答えた。
615Das Erbe zur ZukunftM:2008/07/07(月) 01:51:49 ID:CBeQOses
『そうだな、自分の妹を誤射しちまうんだから、失格も良いところだ』

「ヴァイスさん、それとこれは・・・・・・」

『同じさ。スナイパーっていうのは、一撃必殺がセオリーだ。ミスショットも手心を加えることも許されねぇ。
俺はいつでも奴の頭を撃ち抜けたが、敢えて撃たなかった。奴はそのことを咎めているのさ』

「非殺傷設定でも、頭を撃てばショック死するかもしれないからですか?」

『俺は殺し屋じゃない。俺がストームレイダーを握るのは、スコープの向こうで戦う連中を守るためだ。
それに、もう人の顔を撃ち抜くのはごめんだからな』

「・・・・・・・」

ヴァイスはかつて自分の妹を誤射してしまい、失明に追い込んだことがある。
そのせいで一時期はデバイスすら手にすることもできない程の深いトラウマに苦しんでいたこともあった。
JS事件を期にそれも克服できたようだったが、やはり心に刻み込まれた傷はそう簡単には癒えないようだ。

「ヴァイスさん・・・・・・」

『気にするな、俺の問題だ。それよりもスバル達を助けに行ってやれ。お前の力がきっと必要になる』

「はい・・・・・・援護、お願いしますね」

『ああ、お前は俺が絶対守ってやるよ』

力強い言葉と共に念話が切られる。思わず頬が緩みそうになるのをティアナは必死で堪え、眼下の戦場へとその身を投げ出した。
一瞬の浮遊感の後、強烈なGに招かれて凄い速度で地面が迫る。その衝撃を魔法で緩和し、ティアナはキャロのすぐ横に降り立った。
ほぼ同時に、スバルとノーヴェがティアナを挟むように着地し、他の面々もルーテシアを守るように陣形を形作る。
全員が確たる意思と闘志のこもった目で、我が物顔で頭上に君臨するデウス・エクス・マキナを睨みつける。

「さあ、怪物退治といきましょう」

ティアナの言葉に、全員が無言で頷いた。

                                                               to be continued
616B・A:2008/07/07(月) 01:53:48 ID:CBeQOses
以上です。
もうやりたい放題ですね。12体1って、ロデオどんだけ不利なんだか。
以下は「登場人物紹介」に追加して欲しい項目です、司書の方、お手数おかけします。

キャロ・ル・ルシエ
年齢:22歳  所属:自然保護隊  階級:一等陸士  魔導師ランク:ミッド式AAAランク
解説:元旧機動六課フォワード部隊の召喚師。フェイトの保護児童でエリオの義妹にあたる(しかしエリオと違って養子縁組はしていないので、実質赤の他人である)。
   現在は別世界で自然保護の任務に就いており、ミッドには時々エリオ達の様子を見に訪れる程度である。

スバル・ナカジマ
年齢:27歳  所属:なし  階級:なし  魔導師ランク:近代ベルカ式AAランク
解説:元旧機動六課フォワード部隊の魔導師。災害救助隊の同僚とできちゃった結婚し、管理局を退職した。
   現在は六児の母として専業主婦をする傍ら、子どもたちにシューティングアーツを教える日々を送っている。
617B・A:2008/07/07(月) 02:00:04 ID:CBeQOses
そして、こちらはネタとしての補足なので保管しないでください。


デウス・エクス・マキナ
7話でシエンが言っていたロデオの切り札。装甲の材質には魔法を弾く素材が使用されている上、複合装甲なので物理的な攻撃にも強く、
更にケーニッヒが夜鍋して後付けしたAMFのおかげで二大怪獣の砲撃にも耐え抜く堅牢さを誇る。また馬力や主砲の出力を底上げするカートリッジシステムを内蔵している。
主武装は手足の爪と両肩の魔力砲。キャッチフレーズは「光る、動く、音が出る」。

ヴァイス・グランセニック
地上本部の武装局員兼ヘリパイロット。ティアナの恋人でもある。別名「歩く死亡フラグ」。
最近の悩みは過去の浮気がティアナにバレないか心配していることと、妹のラグナが可愛いものを見つけたら即お持ち帰りしそうになったり鉈に興味を持ち始めていること。

グリフィス・ロウラン
本局人事部の局員。妻は元同僚であるルキノ・リリエ。

ナンバーズのみなさん
セインは教会のシスター、ノーヴェは災害救助隊(ゲンヤのことはお父さんとして認識)、その他は特に決めていない。

フリードリヒ
すまん、素で忘れていた。
618名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:01:54 ID:l7zppX13
キャロはどこだ。とずっと思ってたんですが、ここで隠し球投入ですか。お見事。
そしてGJ!
619名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:03:12 ID:AauP/TZo
GJ
「光る、動く、音が出る」ってwww
620名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:09:11 ID:L4Fnw+KS
乙!!
しかしスバルは普通に結婚とか似合うよねw
まぁ、StSからのキャラA'sまでと違って英雄とかそういうタイプじゃないからなぁ
621名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 03:21:21 ID:6ELPPljq
>即お持ち帰りしそうになったり鉈に興味を持ち始めていること。
義姉、妹揃って発症フラグ\(^o^)/

あとキャッチフレーズに吹いたw
622名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 03:26:28 ID:CugfyUYI
>>620
結婚は似合うと思うが、辞める姿が想像できん俺
純粋に救助隊のお仕事に誇りを持ってるキャラだけに
623名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 03:39:02 ID:8PqqMyg/
>>622
氏の過去作読んだらわかるよ。あんまり共感できんけど。

みんながヴィヴィオを応援する中、俺はあえてセリカを応援する!
ヴィヴィオもセリカも、お互いの主張は矛盾しているくせにどっちも間違ってないんだよなぁ。深いぜ。
624名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 03:46:57 ID:AauP/TZo
>>622
だから「できちゃった婚」なんだろ。
プロポーズされて、「家庭に入ってくれ」なんて言われたら大げんか必定だが、
その段階すっ飛ばして、ひとたび覚悟を決めたら、もう誰にも止められないw
625名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 03:57:09 ID:CugfyUYI
んん・・・
まあ、B・A氏のSS本編と関係ないし、引っ張るような話題でもないんでこの辺で
626B・A:2008/07/07(月) 04:01:42 ID:CBeQOses
スバルの紹介文で間違いがありましたので訂正します。

スバル・ナカジマ
年齢:27歳  所属:なし  階級:なし  魔導師ランク:近代ベルカ式AAランク
解説:元旧機動六課フォワード部隊の魔導師。災害救助隊の同僚とできちゃった結婚し、管理局を退職した。
   現在は七児の母として専業主婦をする傍ら、子どもたちにシューティングアーツを教える日々を送っている。



えー、まず五つ子生んで、その後に1人生んで、前作2話の時点で7人目を妊娠していたという設定でした。
司書の方、お手数おかけしてすみません。
627名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 11:06:03 ID:bKoP4HDF
>キャッチフレーズは「光る、動く、音が出る」。
なにその爆闘宣言な伝説の闇黒竜w
追加武装に、剣と盾になる赤いのと蒼いドラゴンメカが出るんですね。
628名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 12:14:54 ID:X4XJdDX9
つか、機人って子供産めるのか?
成長できるみたいだから大丈夫だろうが…
どうでもいいけど
629名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 13:07:14 ID:1udCnT23
電車でストライクフレームオナニー思いついたけどやっぱり76スレもあったら通過してる?
保管する価値もない小ネタでひとつ

なのはの部屋の扉が半開きだったので、優しいユーノはキチンと閉めようとすると中からあえぎ声が聞こえてきた。

「あッ! あ……ッん!」

隙間から覗くとなのはがレイジングハート・エクセリオンのストライクフレームを展開してオナニーしてた。
ベッドに寝転び品なく大股開き。短く柄を持ちレイジングハートと絶賛イグニッション中だ。
やらしいユーノはもうその場から離れられなくなってしまう。股間はもはやタイタンフォームである。左手は添えるだけ。

「うぅ…ん! うぅぁ……ひャん…!!」

ストライクフレームの形式はもう見事なまでにチNコである。
それをなのはは自らの秘所に押し付けなすりつけ、強く甘く切ない快感。
ユーノの股間はもはやバーニングフォームである。
未だ開通していないのであろうか、なのはの女陰はぴたり、閉じたままだ。ストライクフレームも、挿入せずに周辺強くこするために用いているのである。
さながら貝のようであるが、そこから溢れた濁りある透明のよだれがなのはのうちももを淫靡に照らしていた。
ユーノの股間がファイナルベントだ。ポンプのように尿道から幾億もの命の種が吐き出されては下半身を汚すがまだまだ彼は衰えない。

「いぃ…! これはいいよぉ……ひぃ…ん…ひん!!」

下唇噛みしめ、大胆に、繊細に、そして何よりも真心込めてレイジングハートかき回す。
ある一点。コリ、としこった場所をストライクフレームが引っ掻いたの皮きりにはのはのお尻が浮き上がった。
なのはが潮吹いて震えて止まる。
ユーノの握りしめる手はさながらアクセルフォームで全力全開。
なのはが再びレイジングハート握りしめると、もうそこしか攻めない。陰核。
時にゆるく、時に激しくお豆さんをいじくるなのはの瞳は己が魔力光の色。

「あー……きゃん……ふぇぇん……ふぁ……!!!!」

あえぎ声ではなく鳴き声に聴こえてきたなのはの嬌声だが、どんどん艶を増していく。
ユーノのキングラウザーもこれにはまた反応。ドクン、ドクン、と清めの音がユーノの脳裏に響き渡るが全然余裕。まだ萎えない。
それどころか、緩急つけていたはずのなのはが、痛いほど強く激しくストライクフレームを股に押し付けてとろけてる様子を見てクロックアップ。
さらに手が加速してしまった。もうすぐクライマックスのようである。

「ぁ…ん! ……ひゃ、イク、達く、逝く、いっちゃう……!! え…え…」

ぎゅっと、レイジングハート握る手が強くなった。ストライクフレームが形作るモノの先が鋭さを有する。
その先っぽで傷つけてしまいそうなほど強烈に、ぷっくり可愛い桃色スイッチを押し込めば、

「エクセリオオオオオオオオオオオオオン!!!!」

なのはが果てた。レイジングハートを手放し、ベッドの上で小刻みに痙攣し続けている。
女陰からとめどなくいやらしい露もらしながら、ふわふわと夢心地。



>>322 で手に入れた杖でユーノの夢を閲覧していた二人は泣いた。
夢の中でぐらい思うさま本番やってもいいのに、と。
630名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 13:14:18 ID:IKy3j/cl
敢えて言おう!!

スバル妊娠し過ぎw
5つ子なんて母体的に大丈夫か?と思ったんだが、戦闘機人だから全然余裕ぽいな。
少子化社会にとって実に羨ましい

あと受精した瞬間を詳しく知りたい(エロパロ的に)
631名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 13:27:36 ID:9oRVEbpB
>>628
人ならざる者でエロネタ考える際に必ず通る道だな
632名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 13:43:41 ID:wW6ys9iF
GJ!
598です。

親切な返答ありがとうございました。
確かに納得です!
ルーを連れて逃げた時に一時期は自暴自棄状態になってまで、ルーを守ろうとした。
その過程で何の罪もない管理局局員を傷つけてしまいましたから、その時にアリシアの時の思い出を思い出してはいけない思い出として無意識のうちに封印してしまった可能性は充分にあります。
そうでなければアリシアとの思い出と誓い、その罪の重さにやられて、精神がもたなかったでしょう。
うーん、やっぱり氏の小説は奥が深い…

そして本編…キャロが出てこないのを不思議に思ってましたが、まさか、ここで出してくるとは!
もうエリオの嫁はキャロとルーの二人いてもいいのではないかと←謎
前作見直すと余計にそう思ってしまいます…
633名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 14:07:00 ID:W7t64T9O
>>629
ぬるぽさんのおかげかどうかはわからないけど、ユーノにヘタレ属性が着いたなぁ
二人とも泣くぐらいかわいそうと思うなら慰めてやれww
しかしなのはさん、なんて抜けないイきかたなんだ
634名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 14:16:23 ID:yN3kf+l9
>>633
ユーノのヘタレ属性なんてもともと一期本編から(ry
635名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 15:45:31 ID:c6yLNsvL
機種依存文字使われるとストレスがマッハ。
636名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:09:17 ID:KnfU161x
一瞬ストレスがマッパに見えた……疲れてるんだな……
637名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:17:18 ID:0drfENdx
ユーノはもういいからゼストを出してくれ
638名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:31:54 ID:bduQMjKa
ゼストはもういいからレジアス出してくれ
639名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:34:51 ID:ihY5E1yn
ユーノ君カワイイ
640名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:58:51 ID:KnfU161x
レジアスやゼストの若かりし頃の話とか誰か書いてくれないかなあ
641名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:10:38 ID:yN3kf+l9
>>640
ゼストの若い頃の話だと本編に出てたゼストとは別人なんだよな……
なんかMGS3思い出した
642名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:47:47 ID:Az7N7uk1
レジアスはもういいから俺出してくれ
643名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:48:38 ID:8PqqMyg/
>>642
いやいや俺をw
644名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:50:04 ID:xvGc0uZR
◆Ev9yni6HFA氏ならそのうち頼まれなくてもやりそうだけど、氏だと本局との対立とか陸の反抗勢力との争いをかなりねちっこく書きそうだなw
645名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:50:41 ID:9oRVEbpB
おまいらはもういいから都築出してくれ
646名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:58:35 ID:XYVl8dXp
>>644
自演乙wwww
人気ないからって見苦しいぜwwwww
647644:2008/07/07(月) 18:04:06 ID:xvGc0uZR
証明する手段もないし逆効果かもしれないが自演じゃないぞ
お前も粘着してないでもっと時間を有意義に使えよ
648名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 18:06:49 ID:XYVl8dXp
自演がバレて必死だなwwwww
お前の作品なんか誰も読んでないからさっさと消えろwwwww
649名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 18:12:44 ID:xvGc0uZR
すまん
完璧に逆効果だった
しばらくROMっとく
650名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 18:16:59 ID:AK1baTHU
あぁ、ageてる時点でいつもの粘着リア消君だしな
NGにでも入れとけば安泰
651名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 18:44:11 ID:ihY5E1yn
◆Ev9yni6HFA氏にはもう期待しない
652名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:18:26 ID:jNeJN9QI
最近フェイトのエロが少なくね?
さすがにみんな飽きたの?
653名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:23:13 ID:SHwIHe8y
>>652
別にそんなことはない。
そもそも滅茶苦茶多いんだからもっと少ないくらいでもいい。
654名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:27:43 ID:bduQMjKa
既にフェイトという文字列からエロスが滲み出ている
655名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:42:41 ID:+WJXqZtG
BJの装甲が薄いのは動きやすいからだよ?ほんとだよ?
656名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:47:53 ID:XYVl8dXp
>>651
俺は最初から期待してないぜwww
657名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:56:18 ID:kFlHTJeH
>>616
GJ!!!
キャロも到着。
ここで来るとは予想してなかった
ただの道具として召喚を使う外道よりも仲間や友として戦う召喚師の方が強いに決まってる!
元ナンバーズ陣も援軍としてきて続きがさらに楽しみになってきた。
改めてGJ!
658名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:56:27 ID:BGhBywLS
さて、七夕といえば織姫と彦星。
では、織姫と彦星といえば?
そう、七夕です。

特に問題なければ投下行きますね。
659名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 19:58:10 ID:yN3kf+l9
俺はユノフェとかなのフェのエロいのが見たいな
非エロは非エロで好きなんだが、エロいのももっと増えて欲しいぜ

>>658
どうぞ
660名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:00:16 ID:Q+iZQ7s/
織姫と彦星か
原作を思い出す…
661野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/07(月) 20:01:44 ID:BGhBywLS
 突然ですが司書の皆さま。
 もし手間でなければ、保管庫拙作の「What Are Little Red Riding Hoods Made of?」を削除願えませんでしょうか。
 理由は……小生の明らかなる実力不足です。(あと、梗概見直したら、すっごい自己矛盾発見して修正できなくなった)
 リベンジのためにも、とりあえず削除していただければ嬉しいです。
 しきり直しは、いずれやります。はやザフィメインですからねっ!

 では、今回の投下、行かせていただきます。
 レス数4
 タイトル「逢瀬」
 あぼんワードは鳥とコテ
662野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/07(月) 20:02:24 ID:BGhBywLS
       1

「なあにっかなぁ♪ あら、また取り調べ? これ以上聞かれても、答えることなんてありませんよ♪」

「訪ねるのは自由だが、答えるつもりなどない」

「勝手にしなさい」

「答えられることと答えられないことがあります。それはどこまで行っても変わりませんよ」




 七夕。それは織姫と彦星の、年に一度の逢瀬の物語。

「年に一度の逢瀬か…。確かにロマンティックかもね…」
「あたしは会いたいときにはすぐ会いに行くよ。ね、ティア」
「あのねえ、人がしんみりしてるときに何能天気なこと言い出すのよ」
「だって、そうじゃない。会いに行けない理由があるなら、それをがんばって排除する! でしょ?」
「それはそうだけどね…」

 スバルのある意味前向きな、というか無駄にアグレッシブな意見に苦笑するティアナ。
 元々、なのはの故郷の言い伝えなのだから、まともに考えても仕方のない部分だというのに。
 そもそも、スバルは伝説そのものよりもなのはが持ってきた別のものに興味があるようだった。
 笹の葉と短冊。そして食べ物とおぼしき包み。

「これは、うちの実家で出してる七夕団子。行事の便乗商品みたいで恥ずかしいけれど、味は保証付きだから」
「おいしそうですね」
「あ、スバル。まだ食べちゃ駄目だよ。これはおみやげにして向こうで食べるんだから」
「これを持っていくんですか?」
「そうだよ」

 ミッドチルダに七夕という風習はない。ましてやナンバーズたちががそれを知っているわけもない。
 ギンガは辛うじて、先祖の風習ということでゲンヤから聞いたことがある程度だ。実際に現地に住んでいたわけではないのだから。
 なのはたちが風習を説明し、当日までに短冊に願い事を書くように言う。そして七夕団子。

「年に一度か…」とチンクが腕を組んでしみじみとうなずいている。
「いい話だ」
「そんなの、さっさと会いに行けばいいだけっす」
「ウェンディ。お前は風情というものを少し学んだ方がいい」
「はぁ…」
「そもそも、そこまでして会いたいという感情がよくわからないな」
「慕情、というものだろうか」
「さあ、想像もできないな」
「一年に一度しか会えない。それでも会いたい人…か」
「願い事、どうしよう」
「思いついたことがあるんですけれど…」
「…うん」
「…正気か?」
「言うだけならかまわないだろうが…」
663野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/07(月) 20:04:19 ID:BGhBywLS
         2

「うれしいですけれど、謹んでその権利はお譲りします。私よりももっと、適任な人がいますし♪」

「必要ない、どうしてもというのなら、私の権利は謙譲しよう」

「いりません」

「私が…? トーレやセッテの分まで…。クアットロ? そんな、あの子まで……」




 ナンバーズの提案に、ギンガは首をかしげ、そしてフェイトに伝えた。
 フェイトからなのはへ、そしてはやてへ。

「それは……困った提案やね…」
「この提案が通るなら、自分たちの拘束期間が伸びてもかまわない。そう言っているの」
「それは取引にはならへんよ。そんなん上に通しても、提案がつぶされて拘束期間だけが伸びるんがオチやわ。二人とも、わかるやろ?」
「うん。はやての言うとおりだよ、私もそう思う。だけど、あの子たちの言い分もわかるんだ」
「はやてちゃん、フェイトちゃん。私、JS事件のことで、まだ調べたいことがあるんだけど」
「突然どしたん? なのはちゃん」
「拘禁されているナンバーズとドクターに聞きたいことがあるの」
「…なのは、もしかして、話を同時に聞くの?」
「うん。そのつもりだよ」
「だけど、二人同時に回線を開くことはできないよ」
「私がドクターと話すから、フェイトちゃんはナンバーズとお話しするの。二人で二つの回線を使うのも、私とフェイトちゃんがお話しするのも自由でしょう?」
「なのはちゃん、なんかえぐいこと考えてる?」
「はやてちゃんは、なんとか許可を取ってくれるとうれしいな」
「一つ言うておくけれど、バレたら洒落にならんよ?」
「いいよ。本気だから」
「……ふぅ。まさか、ミッドチルダで牛車になるとは思わんかったなぁ」
「牛車? はやて、どういう意味?」

 その後フェイトは、彦星が牛車に乗って織姫に会いに行くと知ったのだった。
664野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/07(月) 20:05:04 ID:BGhBywLS

         3

「今更、私に何を聞こうというのかね」
「ドクターは七夕を知っていますか?」
「…何の話かな?」

 なのはは風習を説明した。スカリエッティは風習自体は理解したようだが、なのはの行為の理由には眉をひそめたままである。
 
「更正施設のナンバーズにも同じ話をしました」
「ほう。あの子たちは君たちとうまくやっているようだな」
「あなたにとっても、予想外のことではないと思いますが」
「そうだな。あの子たちは、ある意味では立派な人間だ」

 チンクが中心に話をまとめると、全員が短冊をなのはに返した。そして言ったのだ。
 願いは一つ。
「ドクターや姉に会いたい」と。
 そして驚くなのはに続けて、

「叶わない願いだというのは十二分に承知している。だからこそ、せめてドクターに会わせてほしい。我々でなく、姉様たちを」

 自分たちは姉妹として肩を寄せ合うことができる。しかし、拘禁されている側にそれは望めない。それなら、せめて年に一度くらいは会わせてやってほしい。
 七夕という風習があるのなら、年に一度だけでも会えることがどれほど嬉しいかわかってもらえるだろう、と。

「トーレさんとセッテさん、クアットロさんは貴方との通信を拒否しました」
「ふむ…」
「その代わり、自分たちの時間をウーノさんに譲ってほしい、と」
「……」

 スカリエッティは軽く首を振った。

「お節介な子たちだな……だが、礼は言わない。そう伝えてもらえるかな?」
「ええ」



「…というわけで、今からドクターとの回線を開きます。傍受は可能ですが、私たちにその気はありません。といっても証明はできませんが」
「傍受されていたとしても、構わないわ。そこまでの贅沢を望める立場でないことはわかっているから」
「では…」
「待って」
「なんですか?」
「三人に伝えてください。ドクターが感謝していた、と」
「ドクターが?」
「そう。ドクターが」
「わかりました」
665野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/07(月) 20:05:46 ID:BGhBywLS
         4

 七夕。それは織姫と彦星の、年に一度の逢瀬の物語。
 
 語り合う時間がたゆたうように過ぎていく。それは至福でもあり、切なくもあり。ただ、それを託した者の想いは、確かに二人に届いていた。
666野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/07(月) 20:06:19 ID:BGhBywLS
以上、お粗末様でした。
667名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:07:11 ID:Q+k7cPBJ
>>666

しんみりとした良いお話だ…GJ!
668名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:40:37 ID:+5OxvtX6
>>666
七夕に合わせたいい話でした、GJ!!

そういや、またダメフェイトが読みたくなってきたこの頃。あのポンコツっぷりをもう一度w
669名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:48:52 ID:jNeJN9QI
>>666
いいなあ、和んだ
GJでした!
670名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:58:22 ID:+WJXqZtG
>>666
これはいい七夕、GJ!
671名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:13:38 ID:5j3aiiAc
>>668
個人的には或る執務官シリーズが読みたいところだが・・・
672名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:14:07 ID:5j3aiiAc
>>668
個人的には或る執務官シリーズが読みたいところだが・・・
673名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:16:25 ID:k08A6ABC
大事な事なので2回ry
674名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:19:43 ID:5j3aiiAc
>>671、672
多重スミマセヌ

そして遅ればせながら
>>666、GJ!!
675名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:32:23 ID:jNeJN9QI
>>671,672
俺も久しぶりに読みたい
676名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:32:51 ID:W7t64T9O
>>666
GJ。まさかスカが彦星をやるとは思いませんでした。
一見似合ってなさそうだけどなるほど確かにはまり役ですね

個人的にはお尻フェイトさんの続きを読みたい読みたいです
677名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:14:36 ID:+5OxvtX6
やっぱりフェイトさんは、根っからのド変態だと思うんだ!!

あれ?いい夜なのに雷鳴が・・・
678名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:14:38 ID:EVLhZkso
>>666
良い話です……GJ
679名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:21:24 ID:9oRVEbpB
>>677
んなもんあのBJ見りゃ一目瞭然だろうに
ところで今夜はいやに空が明るいな
680名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:49:59 ID:1udCnT23
>>666
GJ。ナンバーズがいい娘すぎて困る。

>>679
ウーノと間違えてユーノと通信しちゃったなのはに対するスカリーの怒りが天を荒ぶらせている
681名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:00:56 ID:yN3kf+l9
>>679
あのBJはなのはさんを誘惑する為に違いない!と妄想してる俺がいるぜ
682名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:09:04 ID:X4XJdDX9
BJを自分で作れるとしたら、どんなデザインにしたい?
ちなみに着るのは自分ね。
683名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:18:45 ID:kg6s0YSu
>>682
締め込み褌に昇り鯉の法被
684名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:18:48 ID:jNeJN9QI
裸にネクタイ
685名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:20:56 ID:jyT6DWu7
全身透明ボディスーツ(羽根付き)
686名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:21:23 ID:bduQMjKa
朝着替えずに済むからスーツがいい
687名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:26:09 ID:EVb8WMcs
イモいジャージ、ザカエフの息子が着てたような
688名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:28:29 ID:0drfENdx
>>687
足が速くなるのか?
689名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:29:34 ID:EVb8WMcs
相手の見えない所だけな
690名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:55:02 ID:MufYn87A
そもそも自分が着たいとは思わんけど、強いて言うならふっかふかの呪いうさぎ型BJがいい
691名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:55:57 ID:0drfENdx
反応した俺もだが、なのはがまったく関係ない雑談だ。自重しよう

ところでユーなのについてだが、ホテルのときだとこいつらくっ付いてるのかな?って感じで普通に思ってたんだが、ヴィヴィオの件があってからヴィヴィオの為に父親を用意しましたって感じに見えるようになった
本編中でもSS内でもいいからヴィヴィオの件でユーノに相談してるシーンがあれば良かったのになぁ
69269スレ264:2008/07/07(月) 23:57:31 ID:crbLygQU
>>666
内容とリンク、タグを削除しました。
ページ削除は司書長にしか行えないのでページは残ったままになりますが。
693名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:06:32 ID:MRVdLOUH
>>691
三期でなのはとユーノがらみの描写を出すと百合好きな人が怒る可能性もあるし自粛したんだと思う
ユーなの好きな俺としては三期は悲しかったんだぜ
ユーノどころか原作じゃメインはってたクロノすら三期じゃ空気
もうちょい男キャラ出して欲しかったな...
694名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:09:20 ID:In6AuU/g
ノーマル好きが怒る可能性無視かよ
695名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:09:22 ID:0PxSzBvz
>>691
そうかな?
俺は特にくっついてるようにも父親がわりにも見えないけど……
やっぱなのユーが好きな人にはそう見えちゃうのかな
696名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:09:47 ID:fVGzkN4Q
>>693
お前の中の男キャラは昔からいた奴のことしか指さんのか?
697名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:14:45 ID:vYWjgH+v
とりあえず、4期でちゃんとエリオ、キャロ、ルーテシア、ヴィヴィオが活躍することを切に願う!
698名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:29:35 ID:r9GXO/P2
>>629
誰も突っ込まないようだから言わせてもらおう

キバっていかないのか?
699名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:38:40 ID:tTyvZ/oy
>>694
普通にファンの数の違いがあるからじゃないか?
なのはは巷じゃ百合アニメって位置づけだしなぁ
ってかそもそも都築はアニメじゃ男女の恋愛はやらないらしいって聞いたことあるぜ
インタビューで
「成立していないキャラクターの恋愛感情のように見えるシーンも全て友情や家族、兄妹のような関係」
とか言ってるみたいだし

まぁ、だからこそ二次創作に力が入るんだけどな
700名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:42:29 ID:Sdj8xAA+
あれ?なのはって熱血バトルアニメじゃなかったっけ?
701名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:46:37 ID:Bph2uJl9
そしてまたスレの大半を雑談が支配して次スレになるのか

誰がこんな醜悪な場所にしちまったんだろうなぁ
702名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:52:37 ID:Sdj8xAA+
アホか
703名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:17:12 ID:OOMbQOcV
>>701
だから名無しさん@ピンキー をNGに入れろといったんだ
704名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:27:15 ID:EAyUua4R
>>699
T村さん「なのはちゃんとフェイトちゃんがラブラブなんだよ!!」
705名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:32:53 ID:lJA0Cyee
>>695
一期からの付き合いでコンビ、原作派の本命のクロノはエイミィと結婚でライバルが消えた
三期でもホテルの事件後にフェイトが気を利かせて二人で合う時間を作らせてる
ここまでだと二人がカップリングになってても不思議はないけど、ここ以外この二人の接点はなし。俺はSS持ってないがSSでも接点なかったらしいな
でヴィヴィオがなのはの中心に来た結果、Sts後にくっついてもヴィヴィオのために家族の形を創ったようにしか俺には見えない。
なにかの拍子にヴァイスとでもくっ付いたほうが自然な感じだよ
ちなみに俺は原作からでクロなの派なんだけどね
706名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:43:14 ID:N7Vq3fOx
>>705
SSではたしか3か4あたりでユーノと通信してたな。
んで、結局「なのはを一番うまく説得できるのはユーノ」とか言われてた気がする。
707名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:50:48 ID:S74AGA5J
まあしかし、いずれにせよどのカップル予備軍も本編ストーリー中じゃ決定打は無いな。
描こうという意図が全く無いってのがたぶん一番正確。
708名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:50:53 ID:DRP7omOc
>>704
その人はある程度分かってて言っているような気がするな
百合って言ってたけど恋人とかそういうのとは違うとも言ってたし

問題はM樹さんの方だ
709名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:56:50 ID:S74AGA5J
>>708
あの人はあの人で…
なんせあの人、アリソンでヴィルとくっつくことをキャーキャー喜んでたからな。
たぶんあの人はファンの喜びそうなことを何でも営業スマイルで言える人だ。
710名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 04:10:23 ID:0PxSzBvz
>>705
既になのはさんフェイトそんヴィヴィオの三人で暮らしてるっぽい描写がSSにあるから
ヴィヴィオの為にってのを理由にくっつく事はないような気もする
ちなみに俺もクロなの派だよ
クロノさえ健在なら今頃は俺達がノマカプ派のトップを(ry

>>708 >>709
T村さんもM樹さんも結構マジで言ってると思う
インタビュー見てると特にM樹さんはマジとしか思えないw
711名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 04:25:29 ID:18HUNZTV
いや、アレも商売の内だとは思うが。
712名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 04:52:09 ID:EAyUua4R
良い声優さんが抜擢されたとても素敵な作品だね。というか。

「あぁ!話の都合上、不自然な嵐がきて穴のあいたヘリからヴェロッサとシャッハが大森林に放り出されてしまった!!」
「くそ!妙に広いAMFのせいで例えば遭難先で男女の営みをしっぽりとするぐらいの時間は二人を救助できない!!二人とも!無事でいてくれ!!」

遭難先。

「ロッサ!ロッサってば!!」

シャッハが必死で気を失っているヴェロッサに声をかけるが硬く閉ざされたまぶたは少しも開こうとしない。それどころか、胸の上下さえも無いのだ。

「い、意識が……じゃ、じゃあ、つぎはじ、人工呼吸だけど……」

ごくりとのどが鳴る。
緊張と、羞恥と、そして裡には甘美な歓喜。
年近い男女が唇を重ねるという恥らうべき事、これほどの美男子の唇に触れられるという事。
それぞれがそれぞれと絡まって、シャッハは複雑な心理状況へと追いやられてしまっていたのだった。

「こ、これは人工呼吸だから……やましい事なんかでは、決して無いから……」

うわ言のように繰り返しながら、シャッハがヴェロッサの頭を引き、あごを押して気道確保。
そして、ヴェロッサの鼻を押さえてゆっくりと唇を重ねた。

(あ…ロッサの唇薄い。感触気持ちいい……かも…)

瑞々しい感触。
一寸、シャッハはとろけるような顔になって、

(ちょ、ちょっとだけなら味わってもいいでしょうか……ちょっと…ちょっとだけ…)

ヴェロッサの下唇を口に含んだ。
そして甘噛み。
ふるふるとしたヴェロッサの唇は歯に心地よい弾力として帰ってくる。
4度、5度くにゅくにゅとその感触を楽しめば、次にシャッハは舌でヴェロッサの下唇を転がした。
舌先の力加減に応じて形を変える唇を、あるいは押して、あるいは丹念にしごき、あるいはしわの一本一本までも丁寧にしゃぶっていく。

そして、唾液がねっとりと粘度持ち始めたころ合い。
熱にあてられたかのように火照ったシャッハは大きく口を開いてヴェロッサの唇にかぶりついた。
口が繋がればすぐさまヴェロッサの口内へと舌を差し込む。
最初はヴェロッサの舌をつつくように刺激していたが、すぐに大胆に舌を動かし始めていく。
ヴェロッサの舌を食べるように吸引しては、赤子が乳房にするように一心不乱に吸い付き、舌と舌を絡めて舐めて舐めて舐める。
どんどんとヴェロッサからは唾液が溢れてくるのだが、一滴も喉へ落とさぬようシャッハはそれをさもう美味そうに嚥下して、さらヴェロッサを侵略していった。

「ぉ……んん…」

熱い吐息を乗せて、ヴェロッサの口内の奥深くへと舌を差し入れる。
そして、ぬるりと妖しく、ゆっくりと引き戻し、ヴェロッサの唇を一度しゃぶってからまた奥へと舌を差し込んでいく。
そんなピストン運動を、シャッハは徐々に速度を上げて

書いててきもくなってきた。
>>698 キバは欠片も見てないのでネタさしはさめませんでした。
713名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 04:57:32 ID:tTyvZ/oy
>>711
俺はマジでやってるに一票かな
あそこまでいくとさすがに本気な気が……
ってかこういう話題は続けても絶対答え出ないしやめとこうぜ

>>712
何事www
714名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 06:19:37 ID:U7ivXXAb
>>710
なのはさんとヴィヴィオはともかく、フェイトさんは一緒に住んでる描写ってあったっけ?
六課解散後はホームキーパーのアイナさんが出入りしてるが、実質2人暮らしだったはずだが。
715名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 06:30:32 ID:N8bBrgfD
>>708
そのM樹さんはリアルでもガチだという噂をたまに見かけるが……そのせいか?
716名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:16:39 ID:In6AuU/g
口で言うだけなら何とでも言えるしなぁ
Y木さんアタックしてた相手の目の前で「時代は百合」とか言ってたし
717名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:21:52 ID:lJA0Cyee
>>710
それってなおさらユーノとくっつく可能性がなくなったんじゃないのか?
それにしてもアニメ唯一の公式のクロエイだがアニメだけ見てると、クロノ×カリムにしか見えない
なんでカップリングの成立を避けてばかりなのにクロノだけは片付けたんだろ
原作、義妹、因縁と三人娘全員とフラグがあったから百合のために邪魔だったのか?
718名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:39:03 ID:7KGMvtA1
>>714
メールを自宅で打ってる感じで、ヴィヴィオが「早く〜」って急かしてたし、同居はしてそうだが
まあ、あんま家にはおらんだろ
都築が何かの雑誌で「単身赴任のお父さんみたいなもん」とか言ってなかったけか?
719名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:42:32 ID:cjC42OKW
>>717
おそらく百合の邪魔だったが正解だろうな。他に結婚させた理由がない。
エリオはキャロやルーに三人娘ほどの人気がないから安心だろうが
ユーノの場合は下手すると、出た事も無いスクライア族の娘と結婚しました
みたいになる可能性もある。
720名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:52:06 ID:8CJt7BpT
>>717
恋愛を書く気はない=カップリング成立させる気はないというわけではないだろう。
721名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:59:25 ID:RCTycGEz
>>719
どれだけ自分の見方が偏狭か気付いた方がいいよ。
722名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:59:36 ID:ZudVzsjJ
>>718
執務官の仕事柄そんなもんだろうな
そんなこと言ったらなのはも教導で長いこと家を空けないといけない場合もあるかもしれないが
723名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:04:52 ID:NKjSsca7
>>718
あれはてっきり、フェイトさんを訪ねていってて、お出かけ、みたいなもんとばかり思ってた。

単身赴任云々は、会える頻度の目安としての発言じゃなかったっけ。


しかしヴィヴィオが正式に高町の娘として引き取られた後にまで、フェイトが同居してるようじゃ、色々と台無しだな。
724名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:07:30 ID:7DRjxqzA
都築は頭がいいと思うよ
本編後半はほとんどなのフェでFAにしてメインのファン層の支持をがっちり掴む。
一方で最終回や無限書庫託児所化で少数派の望みを繋げてるわけだし
725名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:07:47 ID:tTyvZ/oy
>>717 >>719

だからそういう根拠のない妄想はチラ裏でやろうぜ

>>723
何が台無しなんだ?
ママが二人でずっとやってきたんだから一緒に住んでなかった場合のほうがどちらかというと台無しな気が
726名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:23:00 ID:lJA0Cyee
>>724
クロノ関係は全ての望みを潰したがな
727名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:23:12 ID:vH83Xe2X
そもそもフェイトは本人曰く「ちょっとだけママ」なわけだし、今となっては高町家の異物なんじゃね。
728名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:26:00 ID:n2oTdf8C
都築って最初に名前知った時、
素でイラストレーターの人と勘違いしてた。
729名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:53:44 ID:7KGMvtA1
>>727
あれは謙遜して言ってる気がせんでもないがな
つか、異物だったら3人で一緒にどっかいこうなんてことにはならんだろw
730名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:05:01 ID:tTyvZ/oy
>>727
異物ってのはさすがにないでしょ
ヴィヴィオから見るとなのはほどじゃなくても大切な二人の親の一人だろうし
単身赴任中で滅多に家にいないパパみたいなイメージなんじゃないか
731名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:06:49 ID:vH83Xe2X
書き方が悪かった。フェイトは高町の人間じゃないって書きたかっただけなんだ。

でもさ、自分と母親の家に家族でもない他の誰かが居るって子供としてjは宙ぶらりんで嫌じゃないか?
フェイトも家族になったんだなって思わせるようなイベントが無いと。
732名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:12:47 ID:lJA0Cyee
>>731
転んだヴィヴィオに対する教育方針の違いのところはだめか?
しかしエリキャロの立場ないな
733名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:14:45 ID:tTyvZ/oy
>>731
……最初から三人家族的な描写だったと思うぜ
二人のママって本編でも何度も言われてるし
もともと六課で半年以上家族として同じ部屋で暮らしてる訳だしさ

エリキャロはいろいろと薄かったなw
734名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:20:29 ID:vH83Xe2X
>>732
なるほどあそこか・・・てっきり「なのはには母親の資質がある」ってだけのシーンかとおもってた。
でも納得したよ、すまんかった。
735名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:27:11 ID:0PxSzBvz
雑談めっちゃ伸びてる・・・
投下くるまで雑談少し自重しよう
736名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:46:26 ID:7KGMvtA1
>>733
エリキャロは精神年齢高いし、卒業式までしちゃったからなw
あとは、2人で早いとこ孫作るぐらいかなw>フェイトへの親孝行
737名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:49:50 ID:Jl8OAix2
>>736
けど、まだ10歳だろ二人とも?
いくら早熟だからって、親離れが早すぎやしないか?
もう乗り越えたのかもしれんけど、SS02のような事態だって過去にあったわけだし…
それを思うと、二人を放って(語弊があるかもしれんが)ヴィヴィオにかまけてるフェイトさんは保護者としてどうなんかなー、と思わなくもない
738名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 11:01:43 ID:8CJt7BpT
>>735
とはいえもう残り15KBしかないけどな。
739名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 11:38:16 ID:zvLw1BPb
そろそろ次スレの季節だな・・・。

740名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:24:01 ID:lJA0Cyee
>>737
フェイト自身の過去から考えると過保護になりそうな気がしてたんだけどね。実際はほとんど放置してたよね

>>>738
ここはこのまま雑談で埋めちゃってよくないか?
741名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:36:34 ID:5a7df3Rv
とりあえず立てた
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第77話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215487997/
742名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:49:51 ID:thxm3XkH
エリキャロは確かに精神年齢高すぎるけど、まだ実質10or11なんだし、フェイトさんにss2みたいに甘えて欲しいぜ。
本人もそう言ってたし
743名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:54:27 ID:PZorMUQX
甘えたくてもフェイトって精神面が弱すぎだからな
エリキャロの方で遠慮してそうだ
744名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 13:34:27 ID:n2oTdf8C
フェイトの母乳出るようにならねえかな…。
ちゅぱちゅぱ吸って甘えたいwww
745名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 14:03:02 ID:+AaOgjM1
エリオの母乳しか出ないよ・・・・・・まあ、いいか
746名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 14:15:55 ID:S74AGA5J
>>725
いや、そもそも原作→1期の変化理由が放送帯的にあのままじゃ受けないからなんだよね。
原作を宣伝する役割が無いから、どうせ作るなら放送帯や流行的に受けるものを作りたいと
一度原作を解体して、アクションをメインにしたりライバルキャラを女の子に変えたり
視聴層に向けて最適化されるよう色々と組みなおした。
そして1期→A'sじゃ1期で評判がよかった方向に、氏自身が「政策方針は1期と全然別」と
言うほどのやり方で伸ばしていった。

この「受けがいい方向に加工していく」って作り方を考えると、シナリオ的には無意味な
カップリング成立をわざわざやった意図が見えるような気がしてくるんだよね。
まあ気がしてくるだけだけどね。
747名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 14:46:35 ID:bH6hlrhm
フェイトが保護者やってるのって、エリオとキャロだけって描写あったっけ?
ヴィヴィオに対しては、保護者となったなのはの後見人だってことだったし
事情があって…ってエリオとキャロの保護者になったらしいけど(要は特殊な生い立ち)
そうなると他にも居る可能性があるよな。コミックでは沢山の子供達の写真見てたし
六課に二人が来たからクローズアップされたけど、フェイトには同じような子供が他にも居るんじゃないかと思ったんだが
748名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 15:07:22 ID:da1XP6n1
>>747
考えすぎ
749名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 15:28:12 ID:T67sElgD
>>747
その手の描写はなかったはずだからあるとも言えないしないとも言えない
750名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 15:41:27 ID:lJA0Cyee
>>747
昔の自分を慰める行為に見えるのは気のせいかねぇ
751名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 15:48:50 ID:n2oTdf8C
おまいら、フェイト嫌いなのかwww
752名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:07:17 ID:+AaOgjM1
フェイトそんは、逆ハーレムを作りたいだけだよ

そして輪姦プレイをしたいだけで
753名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:22:48 ID:PZorMUQX
>>751
描写を一つ一つ見ていくと親としての自覚があるのか微妙になっていくだけさ
754名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:24:31 ID:T67sElgD
>>751
逆に考えるんだ、好きだからついいじめたくなると考えるんだ
755名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:28:47 ID:lJA0Cyee
俺が嫌いなのは士郎だけです
こいつが死んでればなのちゃん(天使)が生まれたのに、生きてからなのはさん(冥王)になってしまった
756名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:29:55 ID:7DRjxqzA
>>751
stsを真面目な目で見るとそう見えてくるだけ。
フェイトさんが母親失格だろうがなかろうが二次創作楽しむ分には全く問題はない
757名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:30:31 ID:COKBd7/a
>>755
いやいや、なのちゃんだとフェイトをこちら側に引き込めないんじゃないか?
758名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:39:06 ID:lJA0Cyee
>>757
士郎云々はほとんど冗談だが、なのちゃんの場合でもフェイトは大丈夫じゃないかな。無理そうなのは闇の書事件の方だ
759名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:44:52 ID:N7Vq3fOx
いきなり士郎なんて言うからfateの方かと思ったw
760名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 16:54:23 ID:4iWtVBYN
ややこしいなw

お前らが何を言おうが俺はフェイトのエロで抜くよ
761名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 17:06:45 ID:In6AuU/g
真っ赤っ赤なはやてですか

いつぞやの野狗氏のSSで出て来た「ソープ・ロッカー」
誰か書いてくんないかなぁ
762名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 17:32:20 ID:lJA0Cyee
>>759
なんでなのはの話題でそこに行くか
763名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 17:35:10 ID:N637Ah5T
もうそろそろ夏だから仕方ない
764名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 17:36:42 ID:mbL7Sj40
議論は本スレでしましょうよ
765名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 17:55:24 ID:zmkqq6+n
>>764
こんな議論が本スレで出来るわけないじゃん。
766名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 18:05:09 ID:I/tAQuHQ
じゃあアンチだな
エロパロで長々と引っ張る話題じゃない
767名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 18:07:57 ID:n2oTdf8C
エリオ「フェイトさん! お話しがあります!!」
フェイト「な、何かな?エリオ。」
エリオ「以前言ってくれましたよね。いつでも甘えて良いって。」
フェイト「あ、うん。どうしたの?エリオは甘えたいの?///」
エロオ「おっぱい吸わせてください!!」
フェイト「え」
モンデヤル「フェイトさんのエロい柔らかおっぱいをチュウチュウ吸わせてください!!」
フェイト「( ゚д゚) 」
キャロ「ずるい! エリオ君だけ!! 私も! 私も!!」

なのは「どうしたの?フェイトちゃん」
ふぇいと「あ、あのね。なのは。…実は最近…
で、その…おっぱいが出るようになっちゃったの///」
なのは「!?(マガジン風)」
がばちょ

はやて「最近フェイトちゃん胸大きゅうなってへん?」
ふぇいと「そんなこt」
はやて「ちょっと揉まs」
がばちょ

クロスケ「フェイトォオオオオ!!!」
ふぇいと「おにいちゃん!」
がばちょ

以下エンドレス
768名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 18:59:51 ID:L8FN92V6
>>767
以下エンドレスつまり少なくとも知り合い全員に一度はやられると言う事でおk?
769名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 19:13:35 ID:4iWtVBYN
モンデヤルw
しかしクロスケは年長のくせに一番余裕ないがっつき方だなw
770名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 19:22:52 ID:lJA0Cyee
ずっと我慢してたのに、先を越されたのが許せないんだろ
771名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 19:48:45 ID:yt82Dq5M
クロフェ時空のクロノはだいたい神速で理性がぶっ飛んでるけどなw
772名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 21:30:28 ID:mCzobGRs
>>771
フェイトもフェイトで理性ぶっ飛んでるだろw>クロフェ時空
どっちもどっちだ。

だが、それがいい。
773野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/07/08(火) 21:33:49 ID:xSXuLxLR
>>692
お手数おかけしました。ありがとうございます。
774 ◆CxUEomnhkw :2008/07/08(火) 21:37:14 ID:UPSp5oaO
保管庫管理人です。
たまっていた重複タグのついたページを削除しました。

Wiki開設者宛にアンケートが来てたので、検索とかモバイル対応とか要望だしときました。
どこまで話が通じるか分からなかったので、見たくないカップリングの検索除外とか書くのに苦労したです。
775 ◆51nyTkmf/g :2008/07/08(火) 21:38:38 ID:UPSp5oaO
あ、鳥が違う。
こっちだったかな?
776名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:08:28 ID:0PxSzBvz
>>746
正直考えすぎだと思うよ

さて、埋めのAAさんはまだかな
777名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:22:03 ID:n2oTdf8C
777ならフェイトはオレのママ
778名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:28:31 ID:I/tAQuHQ
じゃあ俺はフェイトのママになる
779名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:29:27 ID:jG/bvJLt
どっちが真実だろうと、放送終わってるわけだしな。
極端なこと言っちゃえば、原作がどういう展開で、どういう意図で作られてようが、二次創作には何の関係もないわけだし。

なのはとは別だけど、やっぱり放送当時色々言われてて、「邪推すんな」って散々言い合いになったけど
「放送当時は色々理屈つけてたけど、正直同人で盛り上がってたのが気に食わなかったんで続編で破局させました」とか
アニメの放送終わってから暴露しちゃうような脚本家だって居るわけだしなー。
780名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:34:40 ID:4iWtVBYN
何でもいいけど780ならフェイトは俺の嫁
781名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:37:44 ID:S74AGA5J
>>779
まあOVAで人気も因縁もあった那美が選ばれず忍になったように
必要論や手法だけでは判断付かないとこもあるんだけどね。
782名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:43:06 ID:0PxSzBvz
>>779
気になったんでその脚本家の名前kwsk
78369スレ264:2008/07/08(火) 23:01:41 ID:eWLYx9AZ
>>775
どうもありがとうございました。
あとタグ整理の意味もあるのですが、自分の手の空いたとき(いつになるかは分かりませんが)に
旧保管庫分(3〜8スレ)の保管に手をつけてもよろしいでしょうか?
784名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:03:11 ID:jG/bvJLt
>>782
脚本家っつーかプロデューサーなんだけど、関って人
785名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:15:09 ID:S74AGA5J
カップリング界で悪名高いデジアドか
786名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:21:10 ID:lJA0Cyee
>>779
なんて作品?
787名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:24:20 ID:jG/bvJLt
補足しておくと、言ったの紙の上(Vジャンのインタビューじゃない)でだから
冗談っぽいニュアンスで言ったのかもしれんけどね。放送してからそうとう時間も経ってるし。
788名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:42:26 ID:DEgFz4dO
>>786
デジモンじゃねーの
789名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 00:12:24 ID:J4kRK/h2
>>788
ああ、二作目のエピローグでのアレの話ね。
790名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 07:47:36 ID:IIM8vTft
>>788
なるほど前作のカップルが続編で崩壊っていうからてっきりs○○dのことかと思ったが、あれは監督と嫁以外内容に手が入れられないから他には何だろと思ってました
デジモンは見たことないんだけどね
791名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 08:28:11 ID:UmhSuDqv
なんでまだ残ってるんだよwww
792名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 12:29:33 ID:9ZO2RFoH
雑談してると思って埋めるに埋めれないんじゃないかな?
もう埋めAA投下してもいいですよ
793名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 14:39:07 ID:IIM8vTft
ここで雑談やってるから新スレで雑談でてないんだしさ
794名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 17:07:11 ID:9st3bwk5
>>793
絶対全く関係ない

>>792
単純に埋めAAの人が来てないんじゃない
795いつもの人じゃないけど埋め:2008/07/09(水) 18:39:09 ID:aHLnoPB0


   ノ´ ̄ ヘ ヾ.                 ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
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 (⌒ |  | ⌒)           "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
   ~~~~~~                ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
                     ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
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                    ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
796いつもの人じゃないけど埋め
         /\
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     //    ,、   \\
   //")' ~´ヘヘ)"ヽ  \\
  // !( ソノ八)ヽ) ソ.   \\
//     ヾl.゚ ヮ゚ノ!   ))卩  \\             次スレこっち つttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215487997/
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