土曜の夜だというのに今宵はいやに静かだ‥‥
やはり1000阻止のために、投下があるまで皆、雑談自重してるのか?
この静寂……、遅かったというのか
>>761 3スレ目からの参加だしそれは知ってるけども、どうも最近はすっかり自分の中で
ペースが狂ってしまったようだ…StS以降の伸びは正直凄い
雑談どうこうの前に最近若干だけど職人さんに感想書く人減ってないか?
読んだらちゃんとGJするようにしようぜ
一言だけでもあると違うだろうしさ
感想書く人減ってったらいずれ職人さんが消え去るぞ
>>762 四期かOVAの発表でもあったらまた一気に加速しそうだw
来月メガミでSSM3ついてくるらしいしそろそろ何かあるかもな
>>762 3期中および3期終了後で異常な投下数が長期間続いたからね
765 :
B・A:2008/06/28(土) 23:07:26 ID:Du6kRyrv
目指せ500kbキャンペーンの言いだしっぺとしてトリを飾りにきました。
ちょっと容量が不安なんでageていきます。すみません。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・無印第9話のネタが少し出てきます
・ユーノって何故かこういう役が似合うよなぁと思った
766 :
Das Erbe zur Zukunft@:2008/06/28(土) 23:12:24 ID:Du6kRyrv
第13話 「不屈の心をこの胸に」
向かってくる傀儡兵の群れを縫うように駆けながら、ティアナは術式を走らせる。
聞こえてくるのは仲間の怒号と擦れ合う機械の音。
包み込むように燃え広がる炎は熱く、慣れ親しんだ死神の気配を感じ取って背筋に冷たい汗が伝う。
「・・!?」
不意に眼前に現われた傀儡兵の姿に、ティアナはたたらを踏む。
耳障りな機械音と共に傀儡兵の巨大な拳が振り上げられる。
考えるよりも早く、ティアナは体を仰け反らせて地面を転がった。瞬間、傀儡兵の拳が先程までティアナの体があった空間を薙ぎ払う。
一瞬でも反応が遅れていれば、胴体が粉々に砕かれていただろう。
何とか窮地を脱したティアナは転がりながらもクロスミラージュを構え、魔力弾のチャージを開始する。
だが、それを良しとしない傀儡兵は両肩から機関銃らしき機構を露出させ、凄まじい轟音を轟かせた。
「!?」
全身を蜂の巣にされ、ティアナの顔が苦痛で歪む。その瞬間、ティアナの体が透けるように消え、代わりに四人の寸分違わぬティアナがどこからともなく現れた。
恐らく、ここに生身の人間がいれば、これが幻術によるものとすぐに気づくことができただろう。だが、生憎ここにいるのは虚構と現実の区別もつかない機械ばかり。
傀儡兵からすれば、まったく同じ反応を示す敵が突然四人に分裂したかのように見えたことだろう。
その隙を突き、すかさず物陰に潜んでいた少女が壁を蹴って疾走し、傀儡兵の背後へと回り込む。
「IS発動、ツインブレイズ」
抑揚のない声と共に必殺の一撃が炸裂し、傀儡兵は真っ二つに裂けて爆発する。
その爆発音を聞きつけ、数体の傀儡兵が新たに出現する。狭い工場内で活動することを考えてか、全て人型で両肩には先程の傀儡兵と同じ機関銃が取り付けられている。
ティアナの幻影を囮にしてその性能を垣間見たが、あの連射速度はかなりのものだ。囲まれた状態で制圧射撃をされれば、三番の姉でもない限り切り抜けることは難しいだろう。
だが、ディードの無表情が崩れることはなかった。それどころか、口元には僅かではあるが余裕の笑みすら浮かんでいる。
「チェックメイト・・・・・でよろしいですか?」
『ええ、上出来よ、ディード』
ディードの呟きにティアナは念話で応える。同時に、暗闇の頭上に無数のオレンジ色の光が灯った。
「クロスファイヤー・・・・・シュートっ!!」
傀儡兵の機関銃が暴風ならティアナの魔力弾はさながら豪雨。五月雨の如く降り注いだ無数の魔力弾は周辺の機械ごと傀儡兵を撃ち抜き、粉々に打ち砕いていく。
「見事なお手前です、ティアナさん」
「これくらい、どうってことないわ。それよりも、何か見つかった?」
「いいえ、ここにいるのは傀儡兵だけのようです。どうやら、私達の動きを察知して慌ててここを破棄したようですね」
「ここも外れか。あの男、飄々としている癖に知恵だけは回るんだから」
「まったくです。あんな奴がエリオ様のクローンだなんて、きっと何かの間違いです。今度会ったら殺します」
「いいえ、蜂の巣よ」
燃え盛る工場、それも未だ黒い煙を上げている傀儡兵の残骸に囲まれながら、二人の美女は物騒としか言いようのない言葉を交わし合う。
エリオの証言によってガジェットを操っているのがロート・シルトのメンバーであるケーニッヒ・エリオ・スクーデリアであることが判明したため、
ティアナの任務はロート・シルトが使用しているであろうガジェットのプラントの捜索と破壊に変更となった。そしてそれらしき施設を発見して襲撃をかけたのだが、
こちらの動きを相手に読まれていたのか、襲撃をかけた時には施設内はもぬけの殻と化していた。その後もいくつかの施設を攻撃したがその全てが尽く空振りに終わり、
前回に至っては直接対峙するところまで持っていくことができたのだが、相手の心理戦に引っかかって取り逃がしてしまうという醜態まで演じてしまった。
767 :
Das Erbe zur ZukunftA:2008/06/28(土) 23:15:41 ID:Du6kRyrv
「とりあえず、一旦クラウディアに戻りましょう。情報を洗い直さないと」
「了解・・・・・・各員に通達、ミッション終了。これより帰還する」
慣れた手つきでディードは敬礼し、インカムを通して部下に指示を送る。
優秀な副官に事後処理を託し、ティアナはまだ機能を停止していなかった傀儡兵の頭部に魔力弾を叩き込む。
中枢を吹き飛ばされ、小刻みに痙攣していた傀儡兵はそれで完全に機能を停止させた。
(呆気ない。爆弾の類も仕掛けられていないなんて、何だかあの男らしくないわね)
ケーニッヒという男は知恵が回る上に悪辣で、人の弱みに付け込んだり心理の盲点を突いた攻撃も得意としている。
例えば、勝利の余韻に浸っているところを背後から襲撃するとか、傀儡兵に自爆装置を組み込んでおくとかだ。
だが、予想に反して罠らしいものは何一つなく、拍子抜けも良いところだった。
(何か理由があるのかしら? あの男なりの理由が?)
思考を巡らせながら、ティアナはディードを伴って生産プラントを後にする。
やがて、紅蓮の炎が全てを包み込んだ。
□
薄暗い自室にこもり、ケーニッヒは一人黙々と作業を続けていた。
彼の前には頭部を開かれたガジェットT型が鎮座しており、剥き出しの基盤が僅かな灯りに照らされて鈍く輝いている。
修理に没頭しているケーニッヒの顔は真剣そのもので、室内に充満している油の匂いも気にせずに手にした工具で基盤を取り付けていく。
「熱心ね」
背後から投げかけられた嘲りの声に、ケーニッヒは苦笑しながら返答する。
「次の作戦は失敗が許されないからな、メンテナンスは念入りにしておいて損はない。それに組み立てはともかく、最終チェックは機械任せにできないからな」
基盤を組み込み終え、頭部を被せてネジで固定する。慣れた手つきは熟練のもので、彼が昨日今日の素人ではないことを物語っていた。
それに、彼は面倒な手作業を楽しんでいる。いつものことだが、機械を弄っている時の彼は本当に楽しそうな笑みを浮かべている。
(美人が訪ねてきたのに、振り返ろうともしないしねぇ)
度の過ぎた機械オタクっぷりに呆れながら、セリカは何をするでなく室内を眺めて回った。
ここに来るのは初めてではないが、相変わらずガラクタが大量に転がっている。部屋の隅には何に使うのかわからない工具が無造作に箱に積められているし、
その横には用途のわからない機械のパーツや塗装用のスプレーが転がっている。本棚に並んでいるのはデバイスや自動車を始めとするエンジニア系の雑誌ばかりであり、
壁には船の設計図らしき絵が書き込まれている。他にもテーブルの上にはボトルシップや船の模型が鎮座しており、XV級次元航行艦の写真の引き延ばしがポスターとして壁に貼られていた。
ちなみに、ベッドはない。
「何か用か?」
ようやく作業がひと段落したのか、ケーニッヒは億劫そうに立ち上がってガジェットの額を小突いた。
それが起動の合図となったのか、ガジェットは額のシグナルを明滅させながらケーブルを振るわせ、所定の待機場所に戻るために部屋から出ていった。
768 :
Das Erbe zur ZukunftB:2008/06/28(土) 23:18:21 ID:Du6kRyrv
「機械弄りって面白いの?」
「道具に愛着を抱いたことなんてないな。オレは壊れたから直しているだけだ、こいつはな」
「直しているだけ、ね・・・・」
見え見えの嘘にセリカは唇の端を釣り上げる。あんな風に楽しそうに機械を弄っている姿を見せて、バレていないとでも思っていたのだろうか。
「何だ、用はそれだけか?」
「ううん・・・・その、お礼を言っておこうと思って」
「礼?」
「前の作戦で、危ないところを助けてくれたでしょ。ちゃんとお礼を言っておこうと思って」
そう言って、セリカは僅かに頬を赤らめながらケーニッヒの顔を見上げた。仄かな緊張感に鼓動が跳ね上がり、息苦しさに声が詰まりそうになる。
「助けてくれて、ありがとう」
「セリカ・・・・」
普段の小生意気な性格からは想像もできない愁傷な態度に、ケーニッヒは目を見開く。
思わず、手元の端末を取り寄せて明日の天気を確認したくなった。
「何よ、文句あるの?」
「え? あ、いや・・・・なんて言うか、意外なものを見たというか・・・・・・」
「ふん、どうせ私は素直じゃないわよ」
「そう言うな、可愛い顔が台無しになるぞ」
「な、にやぁに!?」
予想だにしなかった言葉に、セリカは素っ頓狂な声を上げる。その顔がおかしかったのか、ケーニッヒは持ち前の嗜虐心を全開にして攻撃を続行した。
「なに、お前は基が美人だからな。少し背は低いが、寧ろその方がオレの好みだ。ヴィヴィオとか言ったか? あいつはどうも大き過ぎて好きになれない」
「だ、誰もあんたの好みのタイプなんて聞いていないわよ! だいたい、あんたの好みはあの紫色の髪の召喚師の方でしょ!」
「そうなんだが、実は身近にいた妹分の方が好きだったってのは王道だろ? オレはそういうお約束が大好きなんだ、こいつはな」
「いらないわよ、そんなお約束!」
「つれないなぁ。そう言わずにもっと甘えてくれても良いんだぞ。ほら、可愛らしい声でオレのことを『お兄ちゃん』って呼んでみろ」
「いっぺん死ぬ?」
セリカは目にも止まらぬ速さでデバイスを起動させ、なおもふざけようとするケーニッヒの頬に砲撃形態と化した先端を突きつけた。
にこやかな笑顔を浮かべているが目はちっとも笑っていない。これ以上ふざけたら本気で砲撃を撃ちかねないので、
さすがのケーニッヒも乾いた笑いを漏らしながら身を縮こませるしかなかった。
769 :
Das Erbe zur ZukunftC:2008/06/28(土) 23:21:00 ID:Du6kRyrv
「反省した?」
「しているよ。まったく、これが恩人にする仕打ちか?」
「そう思っているなら、次から言葉には気をつけなさい。兄は妹を気遣うものよ」
「はいはい、確かにそうだな。それじゃ、兄貴らしく聞かせてもらうが、実際のところ聖王の因子の副作用は大丈夫なのか?
いくらお前の体が異物に順応しやすいと言っても、それは普通の人間よりもマシってレベルだ。危険なことには変わりないんだぞ」
先程までとは打って変わって真面目な顔つきに変わったケーニッヒは、壁に手を突いてセリカの逃げ道を塞ぎながら問いかけた。
「答えろ、危険はないのか?」
「・・・・・・・・あなたと同じよ。多少の誤魔化しは利くけど、苦しみから逃れる術はない。いいえ、私の場合はもっと酷い」
言うなり、セリカは自分の左目を押さえてコンタクトレンズらしきものを取り外した。そして、再び開かれた瞼の下を垣間見たケーニッヒは、驚愕の余り言葉を失った。
「なっ・・・・・・・」
そこに輝いていたのは、血よりも赤い光を携えた深紅の瞳であった。
「セリカ、これは・・・・・」
「順応のレベルが高すぎたのね。打ち込んだ聖王の因子が私の遺伝情報と交わって、肉体が変化していっている。多分、後二回・・・・・・・・・・二回聖王の記憶を使用したら、私は完全な聖王になる」
「おい、それって・・・・・・・」
「自分が自分でなくなるってことよ・・・・・・・そうね、融合デバイスの暴走、あれが一番近い状態かしら」
「何を悠長な! そんな危険な真似、すぐに止め・・・ぐぅ、がぁぁっ!!?」
不意に襲いかかってきた痛みに、ケーニッヒは身を捩じらせて悶える。
「ケイン!?」
「ぐぅぅっ・・・あぁ・・・・・がっ・・・・・オレも、人のことは言えないか」
発作に苦しみながらもケーニッヒは笑みを浮かべ、セリカの助けを借りて壁にもたれかかる。
「ケイン、治療は・・・・・・受けるわけないか」
「少なくとも、革命が成功するまではな。なに、十二年前に一度死んだ身だ、どこで死のうと悔いはない。ただ、奴とのケリを着けなければ、死んでも死にきれないがな」
「エリオ・M・ハラオウン・・・・・どうして? 自分とあいつは関係ないっていつも言っていたでしょ、なのにそこまで拘るのは何故?」
「ケジメだからさ・・・・・・火、貰えるか?」
「煙草は吸わないわ」
「言ってみただけだ、オレも吸わない」
茶化すような笑みを浮かべ、ケーニッヒは自分とはまったく逆の答えに辿り着いた兄弟に思いを馳せる。
770 :
Das Erbe zur ZukunftD:2008/06/28(土) 23:25:31 ID:Du6kRyrv
「オレの信念と奴の理想は、どうやっても相容れない。オレ達は天秤の両端なんだ。どちらかの我を通せばどちらかが傾く。
だから争いは避けられない。オレ達は同じものを見据えながら別々の道を走っている。これは、オレ達“エリオ”の宿命なんだ」
大切なものを守るために命を賭けるエリオ・M・ハラオウン。
大切なものだけを守りたいと考えているケーニッヒ・エリオ・スクーデリア。
どちらも行き着く先は守るという事象に過ぎない。なのに、その過程は呆れる程違ってしまっている。
「奴を崖から突き落とした時、虚しさを覚えたよ。こいつは考え方こそ違うが、オレと同じものを見ているとな。
後味悪かった・・・・・・・人を斬ったのは初めてじゃなかったが、あの時だけは何故だか初めて人殺しをした時と同じ気分を味わった」
結局のところ、二人のエリオの戦いは自傷行為に他ならないのだ。だから、そこから生まれ出でるものはなにもない。ただ後味の悪い虚しさだけが残ってしまう。
それでも、ケーニッヒはエリオと決着をつけることを望んでいた。どちらが正しいのかを証明するためではない。
自分達はお互いに、それぞれ過去に捨て去ってきたものを抱えて生きている。それを許容するということは、己を否定することにも等しいからだ。
だから、ケーニッヒはエリオを生かしておく訳にはいかないと考えていた。
「お前はどうなんだ? 聖王・・・・・・・ヴィヴィオとは親友だったんだろう?」
「それでも、敵であることに変わりはないわ」
「殺さなきゃいけない相手か?」
「あなたと同じよ、私もあいつを許せない。ただ自分のためだけに力を振るう輩は犯罪者と変わらないわ。力を持つ者には、等しくそれを役立てる義務がある」
「もしも・・・・・・もしも彼女がお前に相克する信念を得たとしたら? 高町なのはがフェイト・テスタロッサを止めたように、確固たる信念の下にお前の前に立ち塞がったとしたら
・・・・・・・その時はどうする?」
「それでも、殺すわ・・・・・・中将のためだもの」
固く拳を握り締め、セリカは決意を口にする。
飾り気のないシンプルな思考は、それ故に空恐ろしいものがあった。セリカは気づいているのだろうか、自分が口にした言葉の意味を。
「セリカ、お前のしていることは・・・・・・・・」
言いかけた瞬間、仮想ディスプレイが目の前に展開し、シエンの姿が映し出される。
「中将?」
「始まったか」
画面の向こうのシエンは威圧のこもった目つきでこちらを凝視している。それだけで、これから告げられる言葉が非常に重要なものであることを察することができた。
『諸君、長きに渡る雌伏の時は終わりを告げた。我々はこれより表舞台に立つ。思えば今日という日が来るまで、私は諸君らに多くの負担を強いてきた。
志半ばで散っていった者、挫折した者もいた。だが、その苦しみもここで終わる。今日という日を持って、ミッドチルダは真の平和への道を歩むことになる』
それは、最終作戦の始まりを告げる言葉だった。
バビロンの鍵を用いて次元間移動を封じ、ミッドチルダを完全に次元世界から孤立させる。それによって他世界との交流が封じられれば流入してくる次元犯罪者はいなくなり、
必然的に犯罪の発生率も低下する。治安の維持に関しては、十二年前に既にノウハウが構築されている。経済的な問題だけが唯一のネックではあるが、それを解決する術を模索している時間はもうなかった。
今と言う時を逃せば、次にチャンスが訪れるのはいつになるのかわからないからだ。
771 :
Das Erbe zur ZukunftE:2008/06/28(土) 23:28:33 ID:Du6kRyrv
『諸君、世界は元々一つであった。一つの世界に多くの人々が住まい、国が生まれ、政治が行われていた。
しかし、次元間航行技術の確立と共に世界は広がった。それは同時に犯罪の増加を及ぼし、多くの罪なき人々が犠牲となってきた。
だが、それも今日までだ。諸君、世界は再び一つとなる。諸君らの故郷、我らが故郷、ミッドチルダが唯一無二の世界となるのだ。
さあ、その手に武器を、心には勇気を。革命の狼煙を上げ、胸を高鳴らせながら明日への希望を見出そう。我らの悲願、今こそ成就の時なり!』
高々に腕を振り上げ、シエンは演説の終わりを告げる。それと共に、アジトのあちこちから彼を称える声が上がった。
「いよいよね」
「ああ。守るべきものが一つになる・・・・・・・今日はその記念日だ」
先程までのいざこざは既に何処かへと吹き飛び、二人はそれぞれの手に愛用のデバイスを掴んでいた。
そして、無言で部屋を後にして、戦場に向かう準備を開始する。
一人は願い続けた理想を実現させるために。
一人は己の信念を実証するために。
これより、二人は世界を改変するための戦いに赴くことになる。
□
まどろみの中、シエンは懐かしい思い出の日々を垣間見た。
それは気の遠くなるような年月の果てに朽ちてしまった思い出の残滓。過ぎ去った美しい思い出の形骸。
それでもそれが己が内に残った愛しい娘との僅かな記憶であるが故に、シエンは自ら忘れようと思うことはできなかった。
『おとうさん、おとうさんは管理局の局員で、街の平和を守る騎士なんだよね?』
娘が五歳の時だ。自分の職業に興味を持ち、根掘り葉掘り聞いてきたのは。
シエンは不器用な男だった。仕事も恋愛もまっすぐで要領が悪く、早くに先立たれた妻にはそれが魅力であり、弱点でもあると評されていた。
妥協は許さなかった。それが平和に繋がるのならと進んで雑務を取り仕切り、仕事に没頭した。
そのせいで、娘のセラに寂しい思いをさせていることに心を痛めてはいたが、持って生まれた生き方を変えることはできなかった。
だから、娘が自分の仕事に興味を持った時は、自分はまだ父として慕われていると内心で喜んだものだ。
『すごいね、おとうさんはみんなのヒーローなんだ』
シエンは自分の活躍に若干の誇張を加えてセラに語り聞かせた。
ある時はたった一人で遺跡の盗掘団と戦い、無事に生還してみせたことを。
ある時は首都を震撼させた爆弾テロを、一人の被害者も出さずに解決してみせたことを。
ある時は無数の傀儡兵を相手に窮地に陥る部下を、見事な指揮で救ってみせたことを。
当時五歳であった娘がその話を聞いて、父親と同じ管理局を志したことは当然の帰結であった。
772 :
Das Erbe zur ZukunftF:2008/06/28(土) 23:32:39 ID:Du6kRyrv
『わたしもお父さんみたいな局員になって、世界の平和を守るよ』
それが娘の口癖だった。
何の変哲もない、ごく普通の少女だった。
ミリオンセラーの歌手に憧れ、化粧を覚え、友人達と足並みを揃えるように己を着飾り、年相応に男性にも興味を持っていた。
けれど、セラは事あるごとにその言葉を口にしていた。
今にして思えば、それは自分が彼女にかけた呪いであったのだ。
自分が娘との時間を共有したいがために語り聞かせた話が、修正の利かない呪いを彼女に施してしまった。
もっとちゃんと話をするべきであった。管理局は危険な仕事で、父さんはそんな危ない仕事をセラにはして欲しくないと。
だが、忙しさにかまけて娘と接する時間はどんどん削れていった。今夜こそ話をしよう、明日は必ず話をしよう。
そうやってずるずると先延ばしにした結果、セラはとうとう管理局に入局してしまった。彼女が十五歳の時のことだ。
『世界を守るって、漠然とし過ぎているでしょ。多分、人によって世界って言葉の意味は違うんだと思う。わたし? わたしにとって世界は、このミッドチルダのことかな』
一度、友人達と話しているところを遠くから見かけたことがある。その時の娘は心の底から楽しそうに笑っており、
同時に管理局の仕事に対して真剣に取り組んでいるのだという気持ちを感じ取ることができた。
シエンは、娘を説得することを諦めた。
彼女は本気だ。中途半端な気持ちで戦闘魔導師になった訳ではない。
その気持ちに報いようと、シエンは裏から手を回して一つの事件を彼女に任せることにした。逃亡中の次元犯罪者の行方を、本局の捜査チームと合同で捜査すること。
そして、悲劇は訪れた。
作戦に問題はなかった、友人である提督の部隊運用は熟練のもので、他の隊員の練度も十分で、情報支援も完璧だった。不確定要素はどこにもなかった。
なのに、セラは死んでしまった。対峙した次元犯罪者を相手に、ほんの僅かに後れを取った。ただそれだけで彼女は死んでしまった。
その後、娘を殺した次元犯罪者は無事に逮捕され、無期懲役が言い渡された。だが、シエンの心は晴れなかった。
娘の死に目に会うことができなかった。
最後の言葉を聞くことができなかった。
せめて、死に別れる前に謝罪したかった。一人で寂しい思いばかりさせてすまないと。
その言葉をかけることは二度とできない。セラは冷たい骸と成り果て、火に焼かれて灰と化した。
最愛の娘を失ったシエンは深い悲しみと絶望に苦しむ夜を送った。
それでも、仕事を放棄することはできなかった。どれだけ寝苦しい夜を過ごそうと、悪夢にうなされようと、シエンは何事もなかったかのように出勤し、
己に課せられた職務を全うした。そうして二年が過ぎ去り、自分の後任への引き継ぎを終え、やっとシエンは仕事から解放された。否、新たな戦いのためにその地位を捨て去った。
志半ばで散ってしまった娘の思いを、代わりに自分が果たす。そのために地下に潜り、情報を集め、仲間を募った。そしてできあがったのが、ロート・シルトである。
平和を守るための赤き盾。それは同時に、盾が血で赤く染まる日がなくなることを目指すという意味も込められていた。そのための手段として、シエンはミッドチルダを世界から隔離することを考えた。
全ては、死んでしまった娘の無念のために。
全ては、正義という呪いを与えてしまったことへの償いのために。
シエン・ボルギーニは、敢えて修羅の道を進むことを決意した。
□
「・・・・・・・・」
どうやら、立ったまままどろんでいたようだ。眠っている間、何やら懐かしい夢を見ていたような気がするが、よく覚えていない。
ただ、とても悲しい記憶であったような気がする。
773 :
Das Erbe zur ZukunftG:2008/06/28(土) 23:36:45 ID:Du6kRyrv
「この期に及んで、まだ悔いるか」
自嘲気味に呟き、シエンは僅かに残っていた蟠りを心から振り払う。
後悔と懺悔の日々は今日で終わる。
自分が娘にかけてしまった呪いを引き継ぎ、正義に殉じることでそれは終わりを告げる。
「セラ、父さんの最後のわがままだ。せめてお前が愛した世界、私が死ぬ前にその守りを盤石なものとする」
静かに呼吸を整え、リンカーコアを活性化させていく。
一度バビロンの鍵が動き出せば、破壊しない限り停止することはない。引き返すならばここが最後のチャンスであり、これより先は正真正銘修羅の道である。
「構わぬ・・・・・・セラが死んだ時に悟ったわ。私は退かぬ、媚びぬ。例え悪辣と蔑まれ、稀代の大犯罪者と罵られようと、
己が信念を曲げることだけはできぬ・・・・・・・・・・さあ、同志諸君、始めよう!」
念のこもった叫びと共に、シエンの体から錆色の光が迸る。
その瞬間、世界の一部が削り取られ始めた。
□
その日、久し振りに休暇を取ったユーノは果物籠を下げてヴィヴィオの見舞いに訪れていた。
着ている衣装は相変わらずの着古されたヨレヨレのスーツで、ヴィヴィオからは似合っているけどダサいと評されているものだ。
一応、彼のお気に入りでもある。
(やっぱり若作りした方が良いのかなぁ? けど、今更イメチェンしても手遅れのような気が・・・・・・・・)
地味に増え始めている白髪を気にしながら、ユーノはすれ違う入院客や看護士に会釈していく。
その時、不意に世界が鳴動したかのような錯覚を覚えた。
「この感覚、結界!?」
優秀な結界魔導師でもあるユーノは、その場にいた誰よりもこの違和感を深く感じ取っていた。
同時に、言い表しようのない不安を感じてヴィヴィオの病室へと向かう。
「ヴィヴィオ!?」
「・・・パパ?」
切羽詰った声を上げて病室に飛び込み、ユーノは言葉を失った。
ヴィヴィオはベッドから降りていた。しかも病院服ではなく、入院時に着用していた管理局の制服に袖を通している。それが意味することは一つだった。
「行くのかい?」
「うん。セリカちゃんが、すぐそこまで来ている。そんな気がするんだ」
「良いのかい? 君が何を言おうと、きっと彼女は君に牙を剥く。ただ言葉をぶつけただけでは、きっと何も変わらない」
「うん・・・・・・言葉だけじゃ伝わらない。けれど、力だけでも伝わらない。セリカちゃんの思いも気持ちも全部受け止めて、私の全てを届けなきゃならない。
そのためにも、私は行かなくちゃ」
「ヴィヴィオ・・・・・・・」
決意の固い娘の言葉に、ユーノは奥歯を噛み締めて自分の無力さを呪った。
同じだ。
この娘はなのはと同じ。自分がどれだけ傷ついても、誰かのために一生懸命になれる娘だ。
けれど、それは痛みと苦しみを伴う生き方だ。その果てになのはは重傷を負い、そして魔法の力を失った。
ヴィヴィオもまた、それと同じ生き方をしようとしていることがユーノには堪らなく辛かった。
774 :
Das Erbe zur ZukunftH:2008/06/28(土) 23:40:06 ID:Du6kRyrv
(まただ・・・・・・また僕は見ているだけなのか? 僕はいつも、後ろから見ているだけ。なのはが堕ちた時も、
ゆりかごが浮上した時も、僕は安全な場所に引きこもっていただけだ。僕に、もっと力があれば・・・・・・・・)
誰よりも愛しい人達が、自分の手の及ばない戦場で傷ついていく。
本当はいつも側にいて、自分の力で守ってあげたかった。けれど、最前線で戦い続けてきた彼女達と自分の間には埋めようのない実力差が存在する。
今更、自分が出ていっても足手まといになるだけだ。
「パパ」
「ヴィヴィオ?」
「私ね、パパのこと大好きだよ。パパは私に考古学を教えてくれた。過去の歴史を紐解いて、知識に触れる楽しみを教えてくれた。
けれど、私はそれを自分のエゴのためにしか使っていなかったんだ」
「何を言っているんだい、ヴィヴィオ?」
「私が考古学者になったのは、自分のルーツを探るため。自分が聖王であることを否定するためだったの。
聖王のことを知るためには、教会よりも考古学の世界にいた方が都合が良かった、ただそれだけの理由で考古学者になったの」
だから、ユーノから無限書庫の司書にならないかと誘われた時もすぐに断った。こんな身勝手な理由で学問を冒涜している自分に、
次元世界の叡智を管理する仕事に就く資格なんてないからだ。
「けど、そんなことしなくても良かったんだ。私は私、この体は聖王で、スカリエッティに造られた兵器かもしれないけれど、私の心は私だけのもの。
私はなのはママとユーノパパの娘で、時空管理局の魔導騎士ヴィヴィオ・T・スクライアなんだ。それだけは、何があっても変わらない。だから行かせて、私が私であるために」
「君達はいつも僕を置いてきぼりにして・・・・・・・僕がどんな思いで帰りを待っているかも知らずに、いつも勝手ばかりだ・・・・・・・」
涙を流しながら、ユーノは術式を組み上げる。すると、開きっぱなしだった病室の扉の向こうが緑色の光の渦に包まれ、こことは違う異なる場所に通じる道へと作り変えられる。
「けれど、僕は君の父親なんだ・・・・・・・パパは娘の願いを叶えてあげるもの。そうだろう、ヴィヴィオ?」
「パパ!」
「僕にできるのは、送り届けるだけだ。さあ、ヴィヴィオ・・・・・・行って!」
「・・!」
無言で頷き、ヴィヴィオは緑色の輝きへと飛び込む。すれ違った瞬間、少しだけすまなそうに父の顔を見上げていたが、涙で滲んだユーノの目にはそれが見えなかった。
「パパ・・・・・・行ってきます」
「帰ってくるんだよ、必ず」
振り返らずに印を結び、転送先を明確にイメージする。
不意に、脳裏に二十二年前の出来事が蘇った。そういえば、PT事件の時もこんな風になのはを送りだしたことがあった。
「ヴィヴィオをあの娘のところに・・・・・・・転送!」
そして、二十二年の時を経て、今度は娘のヴィヴィオが同じように自分に送りだされる。一つだけ違うのは、この後自分はサポートに出られないということだ。
「ヴィヴィオ・・・・・無事に帰ってくるんだよ。パパとママのところに」
□
緑色の輝きが消失し、ヴィヴィオはクラナガンの遙か上空に投げ出された。
眼下では真っ白な雲が渦を巻いており、その遙か向こうで錆色の光が街を飲み込もうとしているのが見える。
恐らく、あれが課長の言っていたバビロンの鍵によって作りだされた、進入はできても脱出はできない特殊な結界なのだろう。
そして、丁度結界の頂点に位置する場所に、セリカは待ち構えていた。
「セリカちゃん・・・・・・」
これが恐らく最後の戦い。そして、生死を賭けた真剣勝負になるだろう。
逃げるのなら今の内だ。
心のどこかでそんなことを考えている自分がいることに気づく。
(逃げない・・・・・・私は、絶対に!)
落下の風圧に揺られながら、ヴィヴィオは首から下げたレイジングハートに手をかける。
大切な人を止めるために。
管理局局員としての務めを果たすために。
「いくよ、レイジングハート」
そして、自分の思いを貫くために。
「風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に! レイジングハート、セットアップ!」
《Standby, ready》
to be continued
776 :
B・A:2008/06/28(土) 23:47:23 ID:Du6kRyrv
以上です。
今回は無印9話へのオマージュも込めてこのような形になりました。
そしていよいよ次回から最終決戦を延々と書くことになります(なにせボスは4人いますから、エピローグも込みにすると最短で6話かかります)。
以下はネタとしての登場人物紹介なので、保管しないでください。
ディード
ティアナの副官として働いている。負けた人は勝った人を好きになるという高町式交渉術(通称「お話聞かせて」)によってティアナに好意を抱いている。
ティアナ曰く、彼女を引き抜いた理由は近接型なので自分と相性が良さそうだから(ノーヴェ、ウェンディ、セインは性格的な面から選択肢に上げようとしなかった)。
777 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:48:57 ID:Oma3pjL3
おチンチンびろーん
∩___∩
| ノ ヽ/⌒)
/⌒) (゚) (゚) | .|
/ / ( _●_) ミ/
.( ヽ |∪| /
\ ヽノ /
/ /
| _つ /
| /UJ\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
GJ!
シエンの過去話でこれは辛かったろうなじいさん…と思ったら
>私は退かぬ、媚びぬ。
一瞬、北斗の拳のサウザーかとw
このじいさん、まさか南斗鳳凰拳を使い出すんじゃなかろうな?
とりあえず、486kBいってるので次スレたててくる
GJ!
ユーノが立派なお父さんだ。
>>776 GJでした。いよいよ最終決戦突入ですかー。楽しみにしてます
>>610 >とりあえず1000行くほうにフェイトそんの下着を賭けるよ
>とりあえず1000行くほうにフェイトそんの下着を賭けるよ
さぁ、約束のブツを見せてもらおうかハリーハリーハリィィィィィ!!!!
つまりフェイトがパンニーするのか?
さっきA'sまで見て飛んできたんだが、あのwikiは使いこなせそうにないわ……
情報量が多すぎるしページ開かないとキャラすらわからないのもあってまさに無限書庫
>>783 あのwikiは職人のためにあるものだと俺は思ってる。
キャラの性格や指針とする行動パターンをある程度記憶した人が補足情報を調べる、みたいな。
確かに、見ただけだとあれを使いこなすのは難しいかも知れない。
しかしA'sまででキャラが分からなくなるとStsは大変なことになるぞ。
情報量が多いと言っても、本編全部見返してサーチするよりは少ないんだから、重宝するよ。
>>784 捻って考えないと、ユーノかクロノかエリオの三択しか無いんだよな、フェイトの場合……。
>>790 「ぬかった」で許されるんだったら管理局はいらないと思うんだ。。。
少し。。。少し頭冷そうか。。。
フェイトがなのはやエリオの下着でパンニーするSSがあるのなら、キャロのでするSSがあっても良いはず!
キャロにパンニーを指導するフェイトさんとかw
なぜ親友のなのはの名前が挙がって同じく親友であるはやての名前が挙がらない?
はやてのパンツはヴォルケンの方々の間で奪い合いになってます
>>776 GJ!
下手に決着つけないで、ここで終わった方が綺麗な気もする。
>>795 「決着を付けるよセリカちゃん」
「ヴィヴィオォォォォォォ!!」
○○先生の次回作にご期待ください
つまりこういう事ですね
>>776 GJ!!
ちゃんと最終決戦やってください!
読み手にその後の展開を任せるは悶々してしかたがなくなりそうです。
常識的に考えたらヴィヴィオが勝ちそうだけど、予言の内容も気になるし。
それにしてもいよいよラストバトルか…。
これからの展開、楽しみにしております!
>>777 正直うざい。厨房は帰れ
すまない、wikiってのはここの保管庫のことなんだ・・・
検索かけたら長編の途中が出てきたりとかでわけわかめ
>>799 そこからでも第1話にはたどり着ける。がんばれ。
グッジオオオオオオブ
ついに最終決戦か…
みんな死亡フラグたってるような気がして怖い。
やっぱり管理局側の人間は皆無事に帰って欲しい…
>>610です…驚愕したよ…
てなわけで全ての職人達へのリスペクトを込めつつ、そろそろ埋めまする
@職人達にささぐフェイトそんの下着姿
__ ,ィ ____,.r‐ァ
ヽ、 ̄¨¨ヽ、 ,.. - …―- 、_//,. -一'¨/
\ `ヌ´ ´ ̄`ーく
/´\ v′ / -―-、 \__
. / ,..>ハ / / `ヽ 、 \ー'´
/ i イ ヾ| ,' / // , ハ ヽ.| ヽ ヽ
| ! | l ,' //_/ / ! ,' ! リ ト、 !
/ ∧ | 'T「「∧ハTト //ムL}| | l ',レ′
. / / Y´! ィfひ弓ト //f元トリ,.イ ! | ト、\
/ , ' ∧ ! トヒz::ソ ヒzソ彳/イ ,'人} ̄
レ′ / `| | :.:.:.:. , :.:.: ,' / /イ
/ i ハ r_ァ ,イ∧ |
,' |,' } 丶、 _,. < |
! ,-ァ / ト、__,.⊥、 |
|. / / ∧ ー- ,r \ >-、 ',
| / / ! i! ⊂ニ´ァ'" \ \
|,' ,' |リ i!___ /_,.ニ、 ヽ \
ll ヽト、{ // `ー┼^ーt‐、_ ', ',
|| ,''´ `i! ', }" | ',
|| !::. i! !| | !
!l ト、:,' ::.......::::: i! :...:: | ! | |
l| | Y .: _,. -―┴==‐}{ ! |
|| ! K´ ̄ ハ / !
| l | ', ト、_ ノ |
| ! ! ', |ヽ、 |
. ,' ,' / i: ', i |
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l ,' r== 、,,_ _,. ヘ | |
| ,' ,'  ̄`¨¨¨´ ̄ } ! !
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/ ̄ ̄\ / O O ヽ / ̄ ̄\ ‐┼‐ | ┼ll ┼ \ / ̄| ̄\
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ヽ. | | /─| | | ノ ノ しノ \| ` \/ _ノ
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今夜は妙に星がきれい・・・
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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第76話☆
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,. -―――- 、
∧>-、 _____`ヽ
/V⌒ヾ、| l7フ7///|
/V `´ ̄ ̄ ̄Vミ|
ハ|/ |ミ| それは死兆星よ…
{ f/ -、 {ミ|
ヘ| ゞ・>ソ {xニニ. |:;ハ
∧  ̄ } ゞ゚ー' |{ }|
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_.. ‐ ニニ/:::::∨//\ ー-__ ,,`ヾハT ⌒ヽ \_
「「「「「「「「|:::::::::|\///>、/7ハ..x<7{ ̄´ ヽ「「Tゞ、
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@コピペ改変
私は数ヶ月におよぶ次元航行任務を終え、久々の休暇を満喫していた。
そんなある晩。自分の部屋で本を読んでいると、突然窓をバンバンと叩く音がした。
びっくりして振り返ると、部下のTが興奮しながら窓を叩いていた。
『Fさん! 開けてください!!』
私が慌てて窓を開けると同時に、物凄い勢いでTが話し出す。
『あの、ついさっきの話なんですけど!』
『ちょ、ちょっとT、あの、その前に…』
『聞いてくださいよ! さっきまでバイクで夜道をかっとばしてたんです』
『う…うん』
『暫く走ってたんですが、何かおかしいなって思って、途中でバイク降りたら…』
『どうしたの?』
『盗難防止用のチェーンロックかけたままだったんです』
『え?』
『だから、チェーンロックがかかってて、タイヤが回らなかったんです』
『…え? え? それでどうやって走れるの?』
『わかりません。でも、その時までは走れたんです。でも、その後はなぜか駄目でした』
『駄目って?』
『チェーンロックかかってるって事に気付いたら、走れなくなっちゃいました』
『そうなんだ…』
『無意識だからできたのかなぁ…。あ、Fさん、さっき何か言いかけてませんでした? 』
『え?…あ、うん…あのね…』
『?』
『…ここ、57階なんだけど…どうやってそこに立ってるの?…飛行魔法はまだ習得してなかったよね?』
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『女子供が戦場で粋がってるんじゃねえ!
行くぞ! ダンケル、ラムサス!!』
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::::::::::::::::.:.:.:.:.:`コィ仁「ニ''rー 、:::::::.:.:.\ー-`二´ / / / ヽ::lヽ::`::T´r´/,/ 三対一 ……
::::::::::::::::.:.:.:.:.://;:;:;:;:;:;:;:;/::::::ヽト、:::::::::.:.:.ゝー‐‐< _,イ / V_ゝ「>|<く,lV いいよ、数の差が
二ニニ''ー 、_//;:;:;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::ヽ:::::.:.:/::::::::::::::::.:.:.:! / / /ヘ∧/ /| 戦力の絶対的な差
 ̄``ー-/7,ト;:;:;:;:;:;:;:/.:.:.:.::::::::::::::::\/:::::::::::::::::.:.:./ / /__|_l_|_/∠_| じゃないって事を
: : : : . . ..「V^ー- 、 /..:.:.::::/\.:.:.::::::::ト、:::::::::::::::.:/ / /、} -k_ノ | 教えてあげるから!
:.:.:.:.:.:.: : :| ノ.:.:.:.:. . \_.:.::::\/.:.:::::::::::::`7tfニ厂 / ヽV/ /イ|\ l
:::.:.:.:.:.:.:./:::::::::::::.:.:.:.:. i\:.:.::::::::::::::::::::/ j' /L / rノレ/ ./|,i.| ヽ/|
::::::::::.:./::::::::::::::::::.:.:.:.:.:. .\j\.:.:::::::::::/ j' / / `ヽ / / ヽ/ / .}.} } _l
::::::::::/;:;::;:;:;:;::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.ヽ ``ー-イ jイ〈_/:::.:.:./仁ニ/ / /_>イ | | |  ̄ ヽ
;:;::::/;;;;;;;;:;:;:;:;:;:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.``ー<jノソハ!::.:.:.:l/:::::/ / \/ .| .| | | \
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