おおお!1乙!
今スレもたくさんの職忍さんがきますように!
いちおつ!
職人さんも乙!
まとめサイトの人も乙!仕事早いなー
いちもつ!
昼間立てようとしたら規制で立てられなかったから助かった
いち乙、しろべの人ですノシ
スレ立て記念に一発ぶちかまします。
>>4 いちもつとは破廉恥なwww
火薬倉庫の中は、何時も独特の匂いが立ち込めている。
薄暗がりの中に、じりじりとした日光が差し込む。中は熱気で包まれ、ぽたりと一滴の汗が落ちた。
「ねぇ兵助君、そろそろ終わりにしようよ…。俺もう暑くて…。」
「教えて欲しいって言ったの斉藤じゃないか…。」
「でも兵助君顔から湯気でてるよ。」
忍者としても一際目立つ金髪からぽたぽたと汗が流れ落ちる。
4年は組の斉藤タカ丸は、同じ委員会である久々知兵助に、火薬の扱い方を教えて貰っていた途中であった。
久々知は快く承諾し、まずは見るより実際に経験したほうが良いと考え、先程から二人で火薬室に篭っている。
中が異様に暑かったのは、久々知の誤算であった。
まさかここまで熱気に包まれるとは思わず、
その暑さは例えるなら真夏の炎天下の中で激辛ラーメン早食い競争と言った所か。
考えただけで余計に体温が上がる気がした。
「っもう限界!!俺外に出る!!」
「あ!こら…って、俺も無理!!!」
暑さに耐え切れなくなった二人は、目的も忘れて外へと飛び出す。
火薬庫の外は、打って変わって爽やかな風が吹いており、火照った身体には心地が良い。
暫く涼もうとその場に腰掛けると、池田三郎次が息を切らしながらやって来た。
「丁度良かった!タカ丸さん、久々知先輩!」
「三郎次君。どうしたの?」
「そんなに慌てて、何かあったのか?」
「いえ!僕の事じゃなく、友達の様子が変なんです!!」
僕たち二年生だけじゃ解決出来なくって、と付け加えると、二人は顔を見合わせた。
「良いよ、俺達で良ければ。」
にっこりと二人は笑いかけると、三郎次の顔に笑みが浮かぶ。
有難うございます!と元気良く頭を下げ、事の次第を説明した。
「ふんふん、その四郎兵衛が何か様子が変、か。」
「…………。」
「うーん、何でそうなったのか解ったら苦労しないよな、ごめん。」
大よその原因を聞かされ、タカ丸と久々知はメモを取りながら順を追いながら思案を巡らせている。
先程から珍しくタカ丸が押し黙り、真剣に考えていた。
そう言えば忘れがちだが15歳、この中では一応最年長だ。
「タカ丸さん、何か思い当たることでもあるんですか?」
「あ、んー。ついこの前、四郎兵衛君とくの一の子とちょっとあったじゃない?多分その事かと思うんだけど。」
「四郎兵衛がその事とどんな関係があるんだ?」
タカ丸は何となく感づいている。
忍術学園の情報の速さはとんでもない。四郎兵衛の様子が変なのも、多分くの一絡みだろう。
感慨深そうにため息を吐くその様は、普段の彼とは違った、大人びた姿だった。
その様子を解らず、只三郎次はきょとんと見ているだけで、久々知は首を傾げるばかりだ。
「斉藤、どうしたんだ?」
「んー、強いて言うなら『振仰けて若月見れば 一目見し 人の眉引思ほゆるかも』…かなぁ。」
「………タカ丸さん、意外と博識なんですね…。」
「うん。俺も以外。」
「二人とも酷いなぁ。」
三郎次は歌の意味は解っていたが、何故四郎兵衛に関連するのかは解らないでいた。
久々知はその歌の意味と、四郎兵衛が何故様子がおかしい事の意味が解り、
そしてその二つの答えをいとも簡単に当てたタカ丸に、ただ感嘆の溜息を吐くばかりだ。
「四郎兵衛、上手くいくと良いな。」
「うんうん、じゃ、協力しようよ。兵助君。」
「はあっ!?」
「だって兵助君だって解ったんでしょ?尚更だよ。」
いや、と口篭る久々知に、有無を言わせない満面の笑みが帰ってきた。
わかった、と肩を落とす久々知と反対に、何故か意気込むタカ丸。
三郎次は、ただぽかんと二人を見つめるばかりだった。
続
7 :
しろべの人:2008/06/13(金) 22:02:30 ID:8qGMByJM
睡魔に現在進行形で襲われますた。
歌の意味はまた後ほどノシ
8 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:01:54 ID:oxCJTWbI
9 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:05:56 ID:oxCJTWbI
二重ごめん…!
いちおつ!!
しろべの人も早速GJ!!
続き待ってます。
そして
>>8に期待。
12 :
転校生の人:2008/06/14(土) 01:26:50 ID:thLu2XOL
>>8 塹壕プレイだとけしからんもっとやれ!
綾部編で似たシーンが出ちゃうけど許して下さいorz
13 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 08:34:37 ID:/oJQ5pKO
>8
何の画像だ?もう落ちてるから別のとこに再うpしてくれー
暫壕プレイとは確かにけしからん!
綾部の人も待ってます
こへ×ユキ神…!
見たい見たすぎる
>>16 けしからん!!!実にけしからん!!!いいぞもっとやれ!!!!
この間の「振仰けて〜」の意味は、振り仰いで三日月を見ていると、一目見た
あの人(女の子)の眉引が思い出される。
初恋の歌だそうです。
ちまりとうp
これから一体如何すれば良いのだろうか。
久々知兵助は先程から頭を抱え、うだうだと悩んでいる。
あの二人と別れ、いざ後輩の恋の応援をしようにも、如何したら良いのかが検討も付かない。
自身、まだそんなに人の恋路の相談に乗ってやれるほど経験豊富でもない。
うああ、と搾り出すような溜息を吐くと、その場に突っ伏した。
「どうした久々知、んな所に居ると、毒蛇のじゅん子にやられるぞ。」
頭上からする声に空を切り裂いたような悲鳴を上げ、久々知はその場から飛び退いた。
顔を向けると、ぼさぼさの癖毛を靡かせた、5年ろ組、竹谷八左ヱ門が立っていた。
どうやらまた3年い組の伊賀崎孫兵のペットが逃げ出したらしい。
「どうしたんだ?さっきから百面相して。面白い事になってたぞ。」
「あ…、いや。何でも…。」
流石にこれは言ってはまずいだろう。何せ個人情報だ。
竹谷は人が良いし、責任感も強い。相談役には打ってつけだとは思う。
だが久々知がそれを拒むのは、何だかこれ以上人に話すと大掛かりになってしまいそうな予感がしたからだ。
「何だ?悩みでもあるなら相談に乗るぞ?」
「大丈夫大丈夫何でもないいやいやそんなお前が出る様な事じゃないさ。さあー、今日の食堂のランチは何かなあ?」
「お前さっき食ったろ。」
それは下手な役者が棒読み台詞の様に久々知の口から散弾銃のように迸る。
背中に冷たい雫が伝わって来るのを感じ、それを竹谷に悟られない様にくるりと踵を返す。
が、竹谷本人からすると、何か隠しているのは一目瞭然で、食堂に逃げようとする久々知を引き止めた。
それこそ蛇に睨まれた蛙、いや、この場合は焼きそばに絡んだ豆腐と言った所か。
蛇の如きその眼は、久々知を石化していた。
冷や汗が滝の様に流れ、意識が朦朧とする中で、そう言えば図書室で南蛮の妖怪があったっけ。
そう文字が浮かんできたと同時に、ぱたりとその場に倒れた。
忍たま長屋を、涼しい風が吹き抜ける。
烏の濡れ羽色を優雅に靡かせ、じりじりと焼ける様な日差しを物ともせず、
6年い組の立花仙蔵は、作法委員で使うフィギュアを運んでいた。
後ろには綾部喜八郎と、3年は組、浦風藤内もいる。
廊下を歩いていると、綾部が徐に口を開く。
「あ、滝夜叉丸。」
へ?と後ろを振り向く間もなく、綾部と同じ紫色の制服の生徒が目に入った。
そして力強く綾部の肩を掴み、持っている物を落とそうとしてもお構いなしにぐらぐらと揺さぶる。
「どう言う事だ喜八郎!!先程タカ丸さんと出合ったら、四郎兵衛の事を聞かされたぞ!!」
「僕に言われても困るんだけど、ちょっと落ち着いてよ。」
多少くらくらする頭をどうにかして正常に戻そうと、こつんと自分の頭を叩く。
一呼吸置いて落ち着いたのか、滝夜叉丸は切々と話し始めた。
タカ丸いわく、四郎兵衛が今悩んでおり、二年生と相談したが如何にも解らなかった。
そこでついさっき、二年生の三郎次が説明をしてくれて、一緒に考えてる所だ、との事らしい。
「そこで何で僕が出てくるのさ。」
「えぇい五月蝿いっ!!私は気に入らんのだ!!何故私の所に真っ先に相談に来ない!!
この文武両道、成績優秀、完璧な平滝夜叉丸を差し置いて!!!」
「だから何で僕に当たるの。」
「お前が四郎兵衛の様子に感づいていそうだったから!」
「何のこっちゃ。」
二人を我関せずといった風に、仙蔵と藤内はその様子を見ている。
何やら面白そうな予感がし、にやりと吊り上り気味の瞳を光らせ、口は弧を描いた。
その横で、藤内は何となく同級生が悩んでいた事を思い出している。
ぽんと手を打ち、仙蔵は他の仕事を放り出して、四人の肩を軽く叩いた。
「どうしました?先輩。」
「此処は我々作法委員も協力してやろうじゃないか。面白そうな事になりそうだ。」
これほどまでに無い笑顔を輝かせ、後輩四人を引き連れて四郎兵衛の元へと足を運ぶ。
四郎兵衛はこの時まで、既に色んな人を巻き込んでいる事に気付くはずも無く、左近に連れられ
保健室へと足を運んでいた。
続く
>>16 どこかのサイトからの拾い物か?
本人でないなら消したほうがいいと思う。
たしかにー。
荒レルゲンになりそうだ
しかし早くね?
スレ立ってから3日しか立ってないのにもう20・・・
ホントwktk!
21 :
しろべの人:2008/06/16(月) 02:28:12 ID:wpQ00rp9
>>19 携帯からでスマソ。自分の家の本から引用したんだが・・・。
その場合はどうなるのでしょうか
>>16のアドレスにある絵板の絵の話じゃないか?
直リン=どっかのサイトの絵板と繋がっている のだったら、アドレスはっちゃっていいのかよ
ということを言いたいんだと思う
24 :
23:2008/06/16(月) 07:17:27 ID:+gAHsNTm
うっかり肝心な事を書き忘れた…、すみません。
しろべの人乙です。
色んな人たちを巻き込んでいってますね…
どこまで広がるのか、続きが楽しみです。
>>16はどう見ても個人サイトのオエビだよな
せめてうpロダにあげるとかにして(それも本当はよくないが)
直リンは悪意がなくてもやめた方がいい
2に晒されたってだけで最悪閉鎖してしまう人もいる
26 :
しろべの人:2008/06/16(月) 07:39:22 ID:wpQ00rp9
携帯からで失礼。
レス番号を読み間違えてレスしてました。
何やってんだ自分orz
あそこのサイトはここの職人さんだから閉鎖は無いと思うけど
>>16は半年ROMって過去スレも全部読んで出直した方がいい
28 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 12:57:32 ID:n+gUL4em
お絵書き掲示板とか作ってみる?w
でもまぁ絵師はあまりいないか…。
こへユキの人待ってます!
どう絡ませるのか期待。
しろべの人もいつも楽しみにしてるよー
>>16です
>>27さんのおっしゃられているとうり、ここの職人の方のサイトなので
いいかと思い、軽い気持ちで貼ってしまいました
不快な気分になられた方、管理人さん、すみませんでした
半年ROMってきます
>>28 …自分、絵師だったりするw
他にも絵師さんいないの?
>>28 ノ
文章は書けないけど絵なら描けますぞー
くっ…。
今日のアニメ、絡みは無くとも潮江とそうこちゃんが出てきて無駄にテンション上がっちまったじゃないか!
いいぞもっとやれ!(スタッフ)
結局ぐちゃぐちゃ焼き飯が晩ご飯になった潮江に饅頭あげるといいよ饅頭。
そういや、障害物レースのくの一代表はそうこちゃんだったなぁ
文次郎が選手だったらよかったのに
34 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 19:27:11 ID:n+gUL4em
なにぃ、アニメにきもんじとそうこちゃんとは!
見れなかった自分は負け組。もんじカッコイイよもんじ。
絵師さんもいるみたいだね!オエビか何か設置してみようか。
今日のアニメ見損なった
潮江とそうこが出たって ちょ マジですか
再放送はいつですかえねちけぇぇぇ
36 :
ユキちゃんの人:2008/06/16(月) 21:18:27 ID:Sv5NKr4U
>>36 わわわわわっふるううううう!!!!あ な た が 神 か
もう最高だよハァハァ(*´Д`)
自分も描きたいが、他の絵師様を見てハァハァしときますノシ
続き投下
長屋の廊下を、青い制服に身を包んだ少年が二人歩いている。
一人の少年は顔は青ざめ、何処か落ち着き無く目を空に彷徨わせている。
四郎兵衛は左近に連れられ、保健室の主、又は不運の申し子、保険委員長の善法寺伊作の所へと案内されていた。
保健室へ行くのはこれが初めてな訳は無く、寧ろ委員会の都合により何度もお世話になっている。
だが、四郎兵衛はこの悩みを伊作に言っても良いのだろうか、
そして軽蔑されないかとどんどん不安の渦に飲み込まれ、早くもその瞳には涙が浮かんでいた。
「大丈夫だよ、きっと先輩なら聞いてくれる。」
「……うん。」
ぽんと肩を叩き、四郎兵衛を安心させる様に同じ速度で歩いてゆく。
左近が丁度保健室の戸に手を掛けようとした時、濃淡の緑の制服を来た少年が4人と鉢合わせになった。
その4人とは、四郎兵衛と同じ体育委員会に所属する、無自覚方向音痴こと3年ろ組、次屋三之助と、同じクラスの富松作兵衛。
後ろには委員長の七松小平太と、何故か用具委員長の食満留三郎まで居る。
「先輩、どうしたんですか?」
「良かった!丁度四郎兵衛に用があったんだ!!探したぞー。」
にこにこと屈託の無い笑みを浮かべ、四郎兵衛の頭を乱暴に撫でる小平太。
事情を三之助が説明すると、今度は左近が思い悩む。
二人のほうが良いのか、それとも先輩方にも相談に乗ってもらった方が良いのか。
自分が悩んでいても、それは四郎兵衛が決める事だ。
そう思い、こっそりと四郎兵衛に耳打ちをする。
「四郎兵衛、先輩方にも聞いて貰う?」
「………そうする…。」
「よし、先輩方、どうぞ中へお入りください。」
「すまないな、こんなに一気に押しかけて。」
気遣ってくれる左近に、何故か申し訳ない気持ちになり、4人を代表して食満が謝辞を述べる。
案内され中へ入ると、善法寺伊作が胡坐をかき、薬を調合していた。
「あれ?何か今日は人が一杯だね。何処か怪我でもした?」
穏やかな笑みを浮かべ、薬を調合していた手を止めて、5人と向き合う。
ふと伊作と目が合い、四郎兵衛は気まずそうに下を向いてしまった。
「いやいや、怪我はしていないぞ!今日は私達と、四郎兵衛の悩みについて話あブルァッ!」
「もうちょっと包んで話そうか七松君。」
いきなり話題の確信に触れる小平太を、何処から取り出したのか砲弾で殴って沈めておいた。
どくどくと額が割れ、保健室の床を血に染めている。
その横で3年生二人はガタガタと震えている。この時彼らはこう確信した。
あまり用具委員長を怒らせてはならない、と。
「え、と。今朝から四郎兵衛の元気が無くて…。それで俺達が先輩達に聞こうって話に…。」
もそもそと気まずそうに三之助が口を開く。始まりは今朝、四郎兵衛とすれ違った時だった。
事の次第を話すと、伊作は合点が言ったように大きく頷いた。
そしてにっこりと笑みを浮かべ、四郎兵衛と向き合う。
「大丈夫、四郎兵衛君は何処も悪くないし、おかしくない。寧ろこれは一つ成長した証なんだよ。」
伊作の言葉を聞き、5人は顔に安堵の笑みを浮かべた。
が、四郎兵衛だけは何か腑に落ちないようで、また下を向いてしまった。
「…でも、ぼくはどこかおかしいんです…。先輩の言う様に、成長したのは嬉しいんです…。けど…。」
「…けど?良いよ、話してご覧。誰も君を責めたりはしない。」
「…………………。」
そう肩を優しく叩くと、四郎兵衛を囲む先輩達は、ゆっくりと四郎兵衛の言葉を待つ。
やがて暫くすると、ぼそぼそと言葉を紡ぎ始めた。
「ぼく、昨日からもやもやして、胸が苦しくて…。くの一の子の事を考えると、苦しくて…。
でも、今までこんな事無くて…。それで…、昨日お風呂場でその子の裸を見てしまってから…、何だかおかしいんです。」
四郎兵衛はなおも言葉を続ける。
まるで熱に浮かされたように、その言葉の本流は止まる事を知らない様子だった。
「その子が足を滑らせて、ぼくが支えようとしたら一緒になって倒れちゃって、気付くとその子に叩かれて
ぼくは雨に濡れると風邪を引くかもしれないと思って追いかけたら、大嫌いって言われて…。何だか凄く悲しくて…。」
うんうん、と伊作達6年生は只何も言わず相槌を打つ。
四郎兵衛を誰も悪くは思わない、寧ろその様子さえ微笑ましいものだ。
「…ぼく、ぼく、昨日の夜からあそこから変などろどろしたものが出てきて…。
それで止めようとしたらあの子の事が浮かんで……っ…う…、うわああああああああああん!!!!」
まるで湯気が立ちそうな位に顔を紅潮させ、息を荒げ、目は血走っている。
こんな四郎兵衛は今まで見た事が無く、只三之助は戸惑うばかりだ。
やがて四郎兵衛は、昨夜の自分の愚行を思い出したのか、徐々に言葉尻は消え
ふるふると肩が震え、嗚咽が聞こえ始めた刹那、保健室に盛大な泣き声が響いた。
せきを切った様に涙を流し、咽び泣く。
三年生二人はどうしようと顔を見合わせ、うろたえるばかりだが、小平太が泣きじゃくる四郎兵衛の前へと進んだ。
その影に、ひっと息を飲んだが、大きな手が頭上に置かれ、ぽんぽんと優しいリズムで背中を叩かれた。
目を真っ赤に晴らし、未だ涙を零している視界からは小平太の顔は判別出来ない。
だが、多分穏やかに微笑んでいるのだろう。
徐に小平太が口を開く。
「そっかー。四郎兵衛も立派な男の子だ!!」
「大丈夫、ちっともおかしくない。寧ろ正常そのものだ。」
何の事かさっぱり解らないが、自分のこのもやもやした気持ちは正常な物らしい。
伊作曰く、自分達だって未だそんな事があるとさえ聞かされ、下級生3人は目を丸くした。
「女の子に関心がある事は正常だよ。作兵衛君達はどう?」
「…え?」
「…どうだっけ??確かに可愛い子を見たら、つい目で追っかけちゃいますけど。」
「うんうん、大変正常でよろしい。」
どうやら自分たちも正常と言う事が解り、良かったと胸を撫で下ろす。
自分達も四郎兵衛のように、こんな時期がくるのだろうか、と二人は四郎兵衛を見やる。
「で、四郎兵衛君はその子の事が好きかい?」
「うえ!?」
「うは、四郎兵衛真っ赤!解りやすい!!」
「あはははははっ!!可愛い可愛い!!!」
突然伊作の問いかけに、四郎兵衛はそれこそ湯気でも出た様に顔をぼっと赤くさせる。
その純な反応に、食満は悪いと思いつつも腹を抱えて笑い、小平太に居たっては抱腹絶倒している。
その様子に作兵衛と三之助も笑い出す。
笑い声が響く中、コトリと天井から物音がした。
その物音に一斉に保健室が静寂に包まれる。緊張が走り、じろりと天井を睨みつける。
「そういう事か。ならば我々もその恋、応援しよう!!」
「何やってんだ作法委員に図書委員!!!ってか全部盗み聞きかコラ!!」
「いやー、立花先輩に案内されたらこんな話が始まってたとは。」
「何わくわくしてんだよ藤内…。」
「………恋愛の手引き…、特別に……。」
緊張も何もかもぶち壊したその連中は、天井の板を外した直後に降りてきた。
作法委員会、図書委員会の2年生から6年生まで今までの話を盗み聞きしていたようで、
事実仙蔵を始めとする作法委員会の面子は面白い物を見つけたとばかりに瞳を輝かせている。
「やあ君が四郎兵衛君か。安心しなさい、立花仙蔵、恋愛事の手引きには少々自信がある。」
「おやまあ面白そうだ。僕も手伝ってあげよう。」
「四郎兵衛、女の子は繊細だ。ちょっとした事で喜び、怒ったりもする。けれど諦めるな!!」
一方的な展開に、食満は呆れ、小平太は面白がり、伊作は乗り気。
ただ四郎兵衛はぽかんとするだけだ。
その時に扉が勢い良く開かれ、目に飛び込んだのは五年生率いる火薬委員会と生物委員会だ。
「その話聞かせて貰いましたよ先輩方!!!」
「蜂屋三郎!!竹谷八左ヱ門!!久々知兵助に斉藤タカ丸!?」
「三郎次君から話は聞きましたー。四郎兵衛君、一緒にがんばろうね!」
「済まん四郎兵衛!俺は止めたがこいつら3人聞いてくれやしないんだ!」
「一度聞話を聞いてしまったからな!責任を持って仲を取り持とう!!」
会計委員会に知らされなかったのが不幸中の幸いか。殆どの先輩達が本人そっちのけで作戦を練っているか、
事を大きくさせてしまった事に只ひたすら謝るかだった。
この後、2年生3人は此処まで話が大きくなるとは思わずに、四郎兵衛に土下座で誤ったらしい。
続
えらい事になりました。四郎兵衛の恋の行方は如何にww
41 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 23:37:08 ID:I5JhuL6b
オールスターきたこれwwww
やっぱ楽しいなぁwww
42 :
しろべの人:2008/06/16(月) 23:44:55 ID:g9fAoe7P
あ、誤字発見
誤る⇒謝る。
>>28>>30 ノ
ラクガキ程度なら何とか
ところでPCだから
>>36の絵が見れねえぇぇぇ
ひょっとして
>>14の人か?
そして四郎兵衛の人GJ!!
ますますややこしく楽しくなりそうな展開にワクテカなんだぜ
45 :
ユキちゃんの人:2008/06/17(火) 00:40:47 ID:jMxQs8xg
>>43 ごめーん
PCで見れるやり方わからない!
ちなみに
>>14さんじゃないよ^^
>>44 スゲー!!
萌えました^^
絵は半角二次なのでは…
しろべの人Gj!!
食満強いwwww
続き待ってるよ!
>>44 た ま ら ん
ありがとう・・・文次郎そうこありがとう・・・!!
ユキちゃんの人の今後wktk
上級生って誰でもOKなのかな?
49 :
ユキちゃんの人:2008/06/17(火) 01:07:54 ID:jMxQs8xg
>>46 ん!どゆことでしょうか?^^
>>48 ありがとです!
リクエストとかあるかな?
個人的には5年×ユキちゃんですな^^
さぶろーとか久々知とか
半角二次になっちゃうのかぁ。それだとめんどくさいなぁ
絵版あったほうがいいのでは・・
なんでこんな気持悪いことになってんの
53 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 03:10:14 ID:HtBA8/2q
確かにURL増えるのは板的に違うもんなぁ
この前からなんか流れがおかしいね
>>49はもうちょっと空気嫁
せめて山崎だけでも自重汁
絵板でもたてて移動するか、半角二次にスレ立て汁
ユキちゃんの人とやらはあと半年はROMして空気嫁
56 :
44:2008/06/17(火) 07:51:58 ID:oNoQ382H
確かにここじゃ板違いだな、自重すべきだった
ごめん
とりあえず自分の絵は消しとく
不快な思いをさせて本当にスマンかったorz
そういうことでしたね
すみませんorz
半年ROMります
嫌な思いさせて申し訳ない
職忍さん頑張って!
まあまあ、絵の需要はあるから絵師さん達も気を落とさずに…。萌えをありがとな
ほれ、もんじのおにぎりをお食べ つ△△
しかし、画像スレと絵板だったらどっちがいいかな?
あまり過疎になるようなら分けても無駄だよねぇ…。
しかし自分は物書きだが、ここのSSにリンクした絵も見てみたいし、
もしも自分のSSをもとに絵描いてくれるような神いたらかなり嬉しいし。
あまり住み分け住み分け言わない感じでSSも絵も楽しみたい雰囲気がほしいな
では自分はそうこのまんじゅうを つ○○●
絵板設置しようかといってくれた人もいたし、
絵師さんはそこで描いてここで告知すれば
いいんじゃないかな。
女体化の投下みたいに。
絵板に挿絵書かせてもらいましたー、とかそういう報告ならいいんじゃないかな
>>58の気持ちも解るが、絵の投下とそれに関するレスでスレが埋まるなら
エロパロ板からは移動した方がいいんじゃないか
最初だけ言っとけばどうせここも絵板も両方みんな見るから過疎らないかと
とりあえず自分は
>>36の作品見たい
たしかに挿絵なら楽しみだが、個人個人作品に抱くイメージって結構違うからなぁ・・・
絵師叩きとか起きたりしないか?
まあ試しに絵板か専用うpロダでも設置してみたらいいんじゃない?
どっちにしろ絵師さん各自がそれぞれ勝手なとこにうpして
アドレス貼りまくりーとかになってはこのスレの趣旨から外れてしまうだろうから
しろべの人GJ!平和解決しない忍術学園w
絵板は欲しいが難しいところだな。避難所的な感じにするとか。
空気読まずに投下しまs
滝夜叉丸に忍装束をもって来させ、ほぼ脅しの様に約束に念を押して来た。
「忍術学園…恐るべし…。でも進級の為に私頑張る。超頑張る。」
両手にグッと力を込めて気合いを入れた瞬間、フッと視界が真っ暗になった。
「!?」
驚くのと同時に、全身に痛みが走る。イマイチ何が起こったのか脳が着いていかない。
少し目線をずらすと、青い空が視界に入った。
「おや。」
ひょっこりと人影が青い空を遮って視界に入る。
「分かりやすく目印をしておいたのに…。転校生とはいえ分からなかったの?」
そうか。落とし穴に落ちたのか。そういえば土の匂いと口の中がジャリジャリ言う。
「ちょっと考え事してて…。」
「油断大敵火がボーボーだよ。これとか。」
そう言って人影は手に持っていたものを掲げた。
「は か ま」
本日三度目の顔面蒼白。ひっくり返ったままの転校生はようやく下半身がスースーな事に気づいた。
よいしょ、と陰の人物は、何故か助け出さずに穴の中へと入ってきた。
「い組の綾部喜八郎です。趣味はご覧の通りの落とし穴掘りです。」
こんな状況で淡々と自己紹介されても。転校生は吐血をしそうな勢いで胃が痛くなってきた。
「はいはい私は女の子ですよー。くノ一ですよー。これ他校の試験ですよー。」
とやる気なく答え、もう留年は決定した、と腹をくくった。
「へー。」
しかし綾部はもっとやる気のない返答をした。
「…とりあえず袴返して。いくらなんでも恥ずかしいわ。」
天地が正常になるように何とか体制を整えて綾部の顔を見た。
「や。」
「は。」
「僕の趣味は穴掘りです。」
「…さっきも聞いたわよ。…あ。 ま さ か 。」
今世界で一番短時間で血の気が引いているのは私だ、と転校生は思った。
「くノ一ってそういう事に長けてるんだってね。秘密厳守の為ならしちゃうとか。」
何というストレートさ。真顔で言うセリフではない。
「いやあああ!もう不合格でいいから!誰かあああ!!」
「目印置いてるから誰も来ないよ。明日辺り一年は組が全員埋まるだろうけど。」
涼しい顔して恐い事をさらりと言い、ギンギンの股間を露わにする。
「ちょ、どういう体質してんのよ。どこに勃ち所があったのよ。てかデカぁっ!」
狭い穴の中で、僅かでも逃げようと壁にピッタリと張り付く。それでもお構いなしに綾部は躙り寄った。
「理由はよく分かんないし興味もないけど、『黙っててあげる』から。」
そう言って綾部は顔に似合わぬ巨根を転校生の中に埋めた。
「ひぎィ!」
ただし、後ろの穴に。
着物をはだけさせ、穴を掘るような手つきで後ろからサラシを剥ぎ取る。
ハラハラと落ちていくサラシの下から、サラシに負けを劣らぬ白い肌が露わになった。
後ろからなのでもちろん綾部には見えないが。
とりあえず揉んどくか、といった感じで乳房を手に収め、腰を強く振り続ける。
流石に後ろなんて自分でもいじった事がない転校生は声を抑える事が出来ずに喘ぎ続けた。
『…ていうか…、綾部?だっけ…。全く息切れてない…!』
「綾部です。穴掘りって体力使うからこのくらいじゃあね。」
「さらりと人の心を読むなアァァ!あああああ!」
絶叫と共に2人で白く濁った。
ちょwwwwあwwwやwwwべwwww
最強すぐるwwww
穴ってそっちの穴かい!誰がうまいこといえとw
くノ一だとバレる事無く
一月過ごして
忍術学園の図面を持ち帰る
という3つの課題
素敵すぎるwのでネタを借りるぜ秘密のひと!!
不快だったらごめんなさい
単発的なものですが。
風魔から忍術学園にくるんだったら、逆もあるよね! という。
風魔流忍術学園の生徒が忍術学園に転入し、とっても大変な目にあっていたその頃。
なおみはその逆に、風魔流忍術学園に居た。
一方の生徒だけが相手の学園の図を手に入れるのでは後々面倒なことが起こるかもしれない、そんな理由でこの課題は交換学生ということになり、その栄えある代表に選ばれたのがなおみだった。
しかし山の中ということもあり、風魔の学園は入り組んでいて、右に曲がって左に行ったら先のところへ戻るというような、ややこしいつくりになっている。
「これじゃ、図面に起こすのも大変だ」
校舎から離れ、林へ続く庭だかなんだか手入れが悪くて枯れ葉ばっかりの場所を見つけ、腰を下ろす。
仁之進さんは良い人だけど、逆に人が良すぎて自分が彼をだましているような、まぁ実際だましているのだけれど、そんな気持ちに苛まれて気疲れしてしまう。
ここは誰もいないようだし、これだけ葉っぱがあれば誰か来ても足音がするだろう。
と思っていると。
「んなとこしゃごんでたらはがちに噛まれんべな」
後ろからかけられた突然の声に、驚いて振り返る。
枯れ葉が絨毯のように敷き詰められた庭で、まさか足音がしないなんて思わなかった。
「え、と・・・与四郎先輩、でしたよね」
背の高い、釣り目の先輩の名前を記憶の中から引っ張り出し、さっと立ち上がると、与四郎はぐいっと手をひいて体を引き寄せる。
「え」
「ほれ、けつっこに付いて」
「わ!」
ぱし、と先輩の手が尻をはたく。目の端で小さなものが叩き落とされたのが見えたが、それよりも。
「あのー、先輩?」
引き寄せた体を放すどころか、いつの間にか腕の中にすっぽりと収められていることに気づき、与四郎の顔を見上げる。
「おめー、やっけぇなぁ。んでもって十一つーとるにはちっちゃこいし・・・」
ぎゅ、と抱きしめながら、与四郎は独り言のように呟く。
ただでさえ細い釣り目の瞳が、ほんの少しだけ細くなる。そしてそれは若干好色な目つきに見えた。
「本当にやろごけ?」
確信を突く言葉に、ひく、と一瞬喉が音を立てたような気がした。気がしただけで、面には出していないはずだけれど。
なにしろ、"くノ一だとバレる事無く、一月過ごして、学園の図面を持ち帰る"という3つの課題をこなさなければならないのだ。
"絶対無理"
なおみの脳裏にこの四つの漢字がちらつくが、ここでこの局面を乗りきれなければ、この課題はクリアできない。
しかしさっきから手を掴んでいるのとは反対の手が、滑らかに体の線を辿るその動きは、なおみが女だという確信を持っているようで。
「あの、与四郎先輩? なにしてるんですか」
「おめー、くの一か。なんしにここへ入った?」
もはやなおみを男子とは思っていないらしい断定的な声だった。
「え」
忍術学園との交換学生という話だったのだが、与四郎には伝わっていないのだろうか。
そういえば、彼は背負い袋を負っている。どうやらどこかから帰ってきたばかりのようだ。
「夕べはねずっこで忍務でよぉ。ちっとんべー気ぃ立ってんだ」
いいながら与四郎は手に力を込める。ぎりっ、と掴まれた手が急に痛み、思わず身を竦めるとその一瞬でぐるりと景色が回転し。
「わわっ!」
枯れ葉の上に押し倒された。
おかげで痛くは無かったが、さっきはがちが出るといったのは与四郎では無かったか。
「先輩、ちょっと!」
「言わねーならしょーがんねー、体に聞いてみっけぇ?」
気の短すぎる与四郎の発言。そしてにやりと笑うその表情に、今度と言う今度は間違いなく。
なおみの喉から小さな悲鳴が漏れた。
転校生の人GJ!忍術学園に平和?なにそれおいs(ry)
しかし綾部wwww何ということをwwwwww
>>68 まさかの与四郎先輩!!!GJ!!!
強引な殿方ハァハァ
空気読まずに投下
忍たま長屋の夜は長い。夜は彼らにとっては一番都合の良い時間帯だ。
涼やかな夜風の音と共に、庭の方で軽く音がする。
暗闇に紛れ、僅かな月の光が頭上に二つ瞬き、反射していた。
苦無を頭に結わえ、目の下に隈をこさえ、およそ少年とは言い難い風貌の少年。
地獄の会計委員長こと、6年い組の潮江文次郎だった。
夜毎夜毎に敵を警戒し、トレーニングを欠かさないのは良いのだが、如何せん張り切り過ぎる。
同級生の忠告も無視し、更に隈を深くさせているというのに、一向に寝る気配は無い。
いっその事強力な睡眠薬を食事に混入して、ギンギン五月蝿いその口と暑苦しい姿を見られなくしてやろうかと
同級生である誰かが語っていたらしい。
一頻り汗を掻き、泥まみれな自身をじろりと見つめ、流石に暑くなって来たのだし
一風呂でも浴びる事にしようと考え、風呂場へと向かう。
ふと廊下の方を見ると、6年生である長屋の一室に灯りが灯されている。
あの部屋は確かは組の伊作と食満の部屋だ。
足音も立てずその場に向かい、こっそりと聞き耳をたててみた。
盗み聞きの様な気もするが、彼にとっては大事な鍛錬の一つ。同級生のプライバシーも何処吹く風で
お構いなしらしい。
「…さては会計委員会に対する抗議か?」
そう思いそっと耳を欹てると、どうも自分を除く5人が話し込んでいるらしい。
「…だから違うだろ。まずは順序良く、手を繋いでいく事だ。」
「食満は硬いって!恋も閨事も、いけいけどんどんだ!」
「積極的な事は良い事だが、少し違う気がするぞ、」
「長次は何か提案ある?」
「…………交換日記。」
「古!!!めっちゃ古っ!!!てか王道!!!」
長次の出された、何とも可愛らしい提案に、すかさず総出で突っ込みを入れた。
当の本人は解っておらず、首を傾げるだけだ。
扉の向こう側には文次郎が張り付いている事を知ってか知らずか、提案は次々と出されて行く。
「だーかーらー、小平太はがっつき過ぎなんだよ!相手の子がどんな子か知らないんだろうが!」
「そうだけど、やってみなきゃ解らないじゃないか!」
「私はまず景色が綺麗な場所に連れて行き、そしてお茶でも飲んでから、あわよくば…という考えだが。」
「お前は送り狼か!!くの一とはいえまだ11歳の女の子だぞ!!」
「それなら可愛い小物を送ったら良いんじゃないかな?女の子は好きだろうし。」
「…………花を贈る。」
「おお、長次と伊作はなかなか良いな。」
一体何を話しているのだろうか。
声の様子からすると、どうも色恋沙汰の事のようだ。忍者が恋に現を抜かす等言語道断!!
お前らは女かと苛立ち、ギリギリと歯軋りまでしている。
周りから見ると、まるで変態そのものだ。
我慢の限界が来たのか、乱暴に扉を開け放った。
「お前ら一体何の騒ぎだバカタレぃ!!!忍者が恋などげぶっ!!!」
言うが速いか、その投げ付けられた物が速いか。
空気を読まずに乱入してきた同級生に、苦無、縄標、焙烙火矢、手裏剣、マッチ箱、
首のフィギュア、アヒルの船首飾りや鉄双節棍が乱れ飛んで来た。
それらは全て文次郎に直撃し、ひくひくと痙攣する文次郎を冷ややかな視線が襲った。
「空気読め。お前には関係ない。」
「お前が関わっても、人生の一割程度にも満たない話し合いだ。」
「頼むからこれ以上話をややこしくしないでよ。じゃないと一服盛るよ?」
「……貸した本…早く返せ。」
「バレーボールの的にされたい?」
日頃の恨みか鬱憤か。
それらを全て言葉と行動にぶつけた後、何事も無かったかのように提案を続ける五人。
自分が一体何をしたと怒りを露にし、勢い良く立ち上がる。
「何なんだお前ら!!!俺が一体何をした!!」
「積もる恨みは色々とあるが、小平太の後輩の恋の応援だ。」
「そうだ。お前は興味ないだろ。」
「お前ら言いたい放題いいやがって!!俺だって女に関心が無い訳じゃ無いわあ!!寧ろ無きゃおかしいだろ!!」
「はい三禁破った!!!はい忍者失格ー!!!」
「おお、日々頑なに三禁、三病を守り、学園一忍者している潮江文次郎とあろう者が簡単に破るとは。」
「自分で言ってた癖に。」
情け容赦ない辛辣な言葉が刃となり、文次郎の心臓を抉り、貫く。
確かに頑なには守ってはいるが、一応15歳。思春期のど真ん中と言う事もあり、異性の関心はある。
何も言い返せなくなり、普段の暑苦しさは飛んで行ってしまい、一年ろ組よろしく人魂を背後に漂わせている。
もんじw可愛がられてるじゃないかww
「…どうせ俺は色恋とは一生無縁の暑苦しい存在だよ…。悪かったな…。」
がっくりと肩を落とし、ふらふらしながら5人に背を向ける様は、年不相応な哀愁を漂わせている。
流石にやり過ぎたかと5人は顔を見合わせ、文次郎を引き止めた。
「まあ待て。お前が健全な事は解ったし、一緒にどうだ?」
「何だよ、俺とお前らとは感性が違うし参考にもならん。ほっとけ。」
「卑屈になるなよ謝るから!!ほら、忍者の試練の一環だと思って!」
「忍者の試練か。よし俺も混ぜろ!」
「早っ!!!!ってか伊作何の試練?!」
「えー、あ、ほら。敵のくの一を惑わせるって事…で。」
このまま仲間外れにしてしまったら、また予算の事で一悶着起きそうだと思い、
撮り合えず適当な理由を付けて文次郎も四郎兵衛の恋の応援に参加する事となった。
忍者と言えば何でも飛び付くのかと、仙蔵は同じクラスの一員として少し哀れに思った。
一方此方は男子浴場。
硫黄の香り立ち込める湯気は、少し目に染みる。
大泣きしてすっきりしたのか、四郎兵衛は誰も居ない湯船を一人満喫していた。
伊作が言った、自分はしおりの事が好きなのか、と。
確かにしおりの事は好きだ。自分の気持ちを偽るなど、四郎兵衛は器用ではない。
左近たちが謝って来たが、自分は迷惑とは思った事は無く、寧ろ感謝している。
もし話さなかったら、一人で抱え込んでいただろう。
「…でも、どうすれば良いんだろう?」
好意を示すにも、自分は未だ幼すぎる。事実初恋故に、如何して良いのかさっぱり解らない。
うーんと口元まで湯船に浸かると、戸の向こうからがやがやと声がしてきた。
「あれ?四郎兵衛。よし、私たちと一緒に入るか!!!」
「うええええ!?」
飛び込んで来たのは6年生6人と言う、何ともむさ苦しい集団だ。
小平太は四郎兵衛を見るなり湯船に飛び込もうとしたが、長次によって死守された。
身体洗え、と言う事らしい。
しぶしぶと身体を洗い、湯船に浸かる6年生。その隣にちょこんと四郎兵衛が小さく浸かっている。
6年生ともあれば、体つきは大人に近づき、長次に至っては年齢より身体が大きい為、大人そのものだ。
「しほーろっぽーはっぽー、しゅーりけーん。」
「つーきはーしずーんでーほしかげもーなーしー。」
小平太の歌声が湯船に響き、それに敏捷するように6年全員の合唱となってしまった。
一年生の頃良く歌ったなーと笑い合う顔は、15歳そのものだ。
その様子をただ不思議そうに四郎兵衛は眺めるだけで、その様子に仙蔵が気付いた。
「気になったんだが、君の好きな子とやらは何ていう名前だ?」
「うえええ?!」
「照れるな照れるな!教えろ、な?」
「し、しおりちゃんです。」
「しおりちゃん!?え?!あの子!!??今日保健室で休んでたよ!」
「ええっ?!」
その言葉に伊作は驚き、四郎兵衛はそれ以上に目を丸くさせた。
まさか今日保健室で休んでいた子が四郎兵衛の想い人とは知らなかった。
体調を崩したと伝えれば、途端に四郎兵衛の眉が下がる。
「…しおりちゃん、大丈夫なんですか?」
「ああ、季節の変わり目だからね。薬も良く効くのを渡しておいたから。」
「よっぽど好きなんだな、そのしおりちゃん、って子が。」
「あ、その、いえ…。」
「じゃあ嫌いなのか?」
「ちちちちち違います!!!好きです!!!大好きです!!!」
口篭る四郎兵衛に、意地悪く文次郎が問いかけると、のんびりした普段とは違い、速攻で否定の合図をし、その言葉を口にした。
気付くのも束の間、6人は顔を隠してふるふると笑いを堪えている。
やがて耐え切れなくなったのか、どっと笑い声が響いた。
「あははははは!!!!可愛い!!可愛いぞ君は!!」
「いや…っすまん…っぷわはははは!!駄目だ笑うぅぅ!!」
「皆しつれ……四郎兵衛君…ごめっ…あははははは!!!!」
「よく言った四郎兵衛!!!」
「…恋は焦らず…。ふふふふふふ…。」
「お前ら言ってる事とやってる事全然ちが…っ俺も駄目だすまん!!!」
盛大な笑い声が響き、中には腹を抱え笑い過ぎて呼吸困難を起こしている者もいた。
一頻り笑いの渦が立ち込めた後、その後はうってかわってしんと静まり返った。
「いやいやすまない、久し振りに純粋な者を可愛いと思ったよ。」
「腹筋いてぇ…。すまんな。」
「四郎兵衛はやっぱりしおりちゃんとまず何したい?やっぱり閨事?」
「ちょ!おい小平太!!」
直球ど真ん中をすっ飛ばし、いきなり男女の関係に持って行く小平太の発言に五人は噴出し、目を丸くする。
普段無表情な長次でさえ口を押さえ、顔を赤らめている。
しかし四郎兵衛はきょとんと首を傾げるだけで、意味は解ってないらしい。
「先輩、閨事ってなんですか?」
「閨事って言うのは、男女が裸でまぐわごぼべがぶぶぶぶぶ…。」
「お前ちょっと黙ってろマジで。」
「俺が説明しよう!閨事、すなわち子作りだ!!」
「いや一応やる事はあってるが色々何か違う!!!!」
小平太の言葉が終わる前に、音速の速さで頭を掴み、湯船に沈める。
変わりに文次郎が説明をするが、何処か論点がずれている。
四郎兵衛はますます首を傾げるだけで、その口から驚く言葉が発せられた。
「赤ちゃんってコウノトリが運ぶんじゃないんですか?」
「…へ????」
「小さい頃母上が言ってました。」
良く言えば純粋、悪く言えばアホの子。純粋天然恐るべし!
眩暈を覚え、くらりと湯船に沈みそうになったが、何とか持ち直した。
「あー、では図書委員長の中在家長次君、説明を。」
「男女の…、愛の営み。…互いに求め、思いやる事が大切…。先走ってはならない、乱暴にしてはならない。
自分が想う者を大切にし、ゆっくりと想いを育めば良い…。」
ぽそぽそとだが、長次は含蓄のある言葉を四郎兵衛に投げ掛ける。
その言葉に5人は感心し、言い終えた後、盛大な拍手が送られた。
何となくだが四郎兵衛にも伝わった様子で、うんうんと頷いた。
だが肝心の「行為」は未だ解っていない様子で、此処は保健委員長の伊作へとバトンを渡した。
大きい声で言うのもはばかれるし、四郎兵衛を端の方へと移動させ、耳打ちをする。
やがてにこやかな笑みを浮かべた伊作と、真っ赤に茹で上がった四郎兵衛が戻ってきた。
どうやら意味が漸く解ったらしい。
「やっぱ四郎兵衛もやりたいと思うか?」
「ち、違います!!!!」
小平太の言葉に立ち上がると、6人の視線は四郎兵衛の下半身に一転集中している。
否定はしても身体は正直、らしい。本日二度目の爆笑が木霊した。
「うんうん、まだまだ可愛らしいな。」
「大丈夫だ。何とかなる!」
「やっぱ男の子だねー。」
「な、何のはなしですかあああああああ。」
「いや、まあ。生理現象だ、仕方ない。」
「……今度、本、貸す。」
「よーし四郎兵衛!しおりちゃんと一緒に一皮剥けてあばべぶぼぼぼぼぼ…。」
「だから黙れっつーのお前は!!!!」
自重をしない小平太に、今度は5人掛かりで押さえつけ、湯船に沈める。
前を押さえ、これ以上までになく顔を真っ赤にさせた四郎兵衛が、やがて湯船に沈んで行くのは時間の問題だった。
沈む四郎兵衛を慌てて引き出し、長屋まで送って行く。
気絶した四郎兵衛が見た夢は、しおりと団子を食べている夢だったそうだ。
夜は、これから始まる。
続
しろべの人GJ!どんどん人物が増えていくwwww
では厚着先生のお話をば。
空の色はあくまでも青く、日の光は柔らかい鳥の子色をしています。
暖かい、穏やかな昼下がりです。どこからか、鶯の鳴く良い声がしました。きっと、裏に生えている梅の木にいるのでしょう。
「お茶ですよ。」
頬杖を突いて寝転んでいる自分に声がかけられます。いや、これは声と違うようです。
耳に響いたわけではなく、目の前に字が浮かんだようでした。これでは、誰が話しかけてきたのか、わかりません。普通ならば。
そう、知っている人なのです。ただ、声が聞こえないのです。言っている内容と、話しかけてきた人物はわかるというのに。
身体を起こし、その人がいるだろう場所を向きます。ふわふわと、輪郭のぼやけた人が浮かんでいました。
視線を上げて行き、顔で止まったその瞬間。
「…………。」
厚着先生は、目を覚ましました。湿り気を帯びた掌で顔を拭い、重い瞼を擦ってあげ、夢から逃れたことを確認すると、やっと息を吐きました。
また、夢を見ました。これまで、もう、何回も、いえ、何十回、何百回と見た馴染みの夢です。
「…………くそう…………。」
頭を抱え、厚着先生は呟きました。今までさんざ誤魔化してきましたが、とうとうはっきりと突きつけられたのです。
自分は、忘却を始めていると。
76 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:20:33 ID:/Mm/gR/u
しろべ神・・・・・・!!!!6年生をありがとうううううううう
楽しすぎて嬉しすぎて、ほんとに涙でた6年とお風呂とかむさくるしすぎるよ
てゆうかむさくるしさの98%はキモンジだけどな
こへ・仙蔵・伊作・長次・食満だけだったらフーン楽しそうとか思うのになw
こへ→お風呂で口笛・歌・てぬぐいを湯につけてブクブクとかやってそうで楽しい
仙蔵→驚きの色白さに圧倒されそう
伊作→すべって転ばないか心配
食満→背中流してくれそう(保父さん的な意味で)
長次→静かに風呂入れそう
文次郎→なんか急に室温高くなりそう・風呂なのにすいとんの術とかやりだしてuzeeeeeeee!!
てゆうか、銭湯にこういうオッサンいてそう
ところで・・・・・「閨事」が読めない私はしろべだろうか・・。。orz
「厚着先生ー!」
恵々子は正門の前に立っている厚着先生を見つけて、駆け寄ります。
「あれ?恵々子ちゃん、どうしたの?」
厚着先生の隣に立っていた小松田さんが、出張届けを胸に抱えて首を傾げました。
恵々子は小松田さんの質問に答える前に、後ろに隠していた包みを前に差し出します。
「先生、出張なんでしょう?これ、お弁当です!持って行ってください!」
にっこり笑って、無理やり先生の手にお弁当を押し付けます。
「ほう、すまんな。うっかり食堂のおばちゃんから弁当をもらってくるのを忘れて困っていたところだ。
ありがたくいただこう。」
「うふふ、ありがとうございます!お気をつけてくださいねっ。」
頬を赤くすると、恵々子は一回お辞儀をして、来た道を戻ってゆきました。
くの一の制服の、桃色が見えなくなったのを確認してから、小松田さんは怪訝そうな顔をして包みを見ます。
「先生、大丈夫なんですか?」
大丈夫、というのは、もちろん、食べても大丈夫か、という意味です。
なにしろくの一ときたら、実験だ、実習だといって、毒や火薬を仕込んだお団子やオニギリを男子忍たまに食わせようとするんですから。
しかし厚着先生は頬を吊り上げて、包みを小松田さんの顔まで持ち上げました。
「安心しなさい。これは大丈夫だ。」
「ふえ?」
「あの子はなぁ、滅多なことをしない子だからな。」
そういうと、厚着先生は笠を深く被って門を出て行きました。
78 :
しろべの人:2008/06/18(水) 23:39:55 ID:tp+UTC38
>>76 文次郎の98%はむさ苦しさとウザさとキモさで出来てます。
彼のウザい、キモい、暑苦しい、むさ苦しいは褒め言葉。残りの2%誰だw
「閨事(ねやごと)」
閨=寝室。現代で言うセクロス、房事(ぼうじ)とも言う。
因みに閨での語らいは睦言と言うそうです。
昔話の人空気読まずごめんなさい。そしてGJ!
「どうだった?」
教室に残っていたクラスメイトが、戻ってきた恵々子に声をかけます。皆、期待に目をきらきらと輝かせていました。
「ばっちり!情報ありがとうね!」
「よかったー!間違ってたらどうしようかと思っちゃった!」
「どう?ちゃんと毒見した?かんしゃく玉なんか入ってない?」
なんて、ぴーちくぱーちく、わいわいがやがや声を掛け合います。
そりゃあ、そうでしょう。なにしろ、女の子は恋の話が大好き。
誰かが男の子を好きになったと言えば、全力で応援しますし、誰かがひどい目にあったといえば全力で男の子をつぶしに掛かります。
特に、今回の恵々子みたいに、年がうんと離れている上に、教師と生徒なんていう、禁断の関係という美味しいシチュエーションなのですから参加しないわけがありません。
「なんだか、嬉しいな。最初、皆に話すのが怖かったのに。」
恵々子は頬を赤らめて目を伏せます。瞼の裏には、はっきりと、さっき会った厚着先生の姿が焼きついているのです。
「なーに言ってるのよう!こんな障害のある恋、応援しない方がまちがってるわよ!」
しおりは肩を叩きました。
「よーし、じゃあ、早速次回の作戦を立てましょう!」
「おー!!!」
元気の良い掛け声が、教室の中に響き渡りました。
「あらあら、随分と元気がいいわねぇ。」
そんな生徒たちの様子を、山本シナ先生はこっそり隠れながら眺めていました。
初恋に燃える、なんとも可愛らしい、女の子らしいくの一たちの様子がほほえましく、頬を緩めます。
「恋に障害はつき物、っていうけど、恵々子ちゃんの相手は、ちょっと手ごわいかしらねぇ。」
だって、あの厚着先生ですもの。
シナ先生は教本を抱えなおすと、教室の戸を開けました。
「皆さん、何かに盛り上がるのはいいですけど。
もう、授業は始まってますよ?」
話し声が大きすぎて、始業の鐘の音すら気づかなかった皆は、あわてて席に座りました。
続く
途中で投下ストップしてごめん。
いつもロムってるけど、乱交試験五年生の竹谷がすごく良いキャラしてたので、
竹谷となおみちゃんの続きを勝手に書かせてもらいました。
設定はそのまま使わせてもらってます。
エロ無しでギャグでもなく中途半端なラブコメのような…
書いてから気付いたけど、全体的に孫兵(本人は出てこないけど)に失礼な内容な気がしてきた
「あ、おーいなおみちゃーん!」
太陽が眩しい昼下がり。青紫の制服を着た忍たまが、暑さを吹き飛ばすかのごとく爽やかな笑顔を振りまいている。
「身体の調子はどう?どっか悪くなってたりしないー?」
「大丈夫です何もないですだからこっち来ないで下さい!」
「酷っ!」
呼ばれた側であるくのたまは、その忍たまの顔を見るとそんな言葉を吐いて塀の向こうに消えた。
塀の向こうは、男子禁制くの一教室である。
くのたまが忍たまに追いかけられる(しかも何の反撃もせずにくのたまが逃げた)という珍しい事態に、
他のくのたまは驚きを隠せなかった。
「…ねぇなおみちゃん…」
「な、何?」
何やら神妙な顔を向けてくる級友に当事者のなおみは、
「あれ誰だっけ?」
「そこかよ!!」
自分にツッコミの才能があることに気付いた。
五年ろ組生物委員会、竹谷八左ヱ門。
実はなおみ自身、あの試験の直前までその存在を全く認識していなかった。
五年ろ組といえば例の名物コンビが有名すぎるし、生物委員といえば伊賀崎孫兵の印象が強すぎる。
いわば、没個性である。
試験の対策を立てる為に五年達を尾けたこともあったが
(ちなみに速攻鉢屋にバレたうえに試験では4人いっぺんに攻められて、手も足も出なかった。)、
やはり没個性。
生物委員らしく生き物は大事にする性格だということがわかったくらいだった。
…その生き物というのがみんなが避ける毒虫や毒蛇だということは、評価してもいいと思うが。
そんな竹谷が試験の後になおみにプロポーズまがいの言葉を言ったのは、五年の中では有名な話だった。
「俺、責任とって君と結婚するわ!」
「「「はぁ???」」」
なおみも心の中ではぁ?とつぶやいた。ついでに「あんたバカぁ?」とかなんとか言いたかった。
疲れ果てた体がそれを許さなかったが。
そこから竹谷が生き物がどうの最後まで育てることが大切だのまくしたてていたが、混乱したなおみには何も聞こえていなかった。
ただ、結婚するんだったらこういうタイプの男の人が安心なんだろうな…とのん気なことを考え、再び意識を手放した。
目が覚めたら医務室の布団の上だった。
全部夢だと思い込むことにして忘れようとしたのに、それ以来ことあるごとに竹谷が接触してくるのだった。
噂好きのくのたまにその事が知られていなかったのは、単にみんなが揃って「竹谷?何それおいしいの?」状態だっただけらしい。
(さすがにそれは酷いんじゃないの、生き物を大事にする優しい先輩よ)
口に出しかけたその言葉に自分でもびっくりして、なおみは思わず無言になる。
「なおみちゃん?どうしたの?」
「……ストーカー。」
「へ?」
「この前の試験の相手で、ただのストーカー。」
「ストーカー!?」
びっくりするあまり真逆のことを言っていた。どう考えても一番酷いのはなおみだった。
「面と向かってもう付きまとわないでって言えばいいじゃないの」
「顔…ちゃんと見れないのよ」
「どうして?」
「だって…みんなだってあの試験のあと、しばらく先輩の顔見れなかったでしょ?」
うぐぅ、とほぼ全員が呻いた。数人だけは頭に?マークを浮かべたが。(主にそうこである)
「私はその対象が四人もいる上に、その一人が勝手に歩み寄ってくるのよ!?逃げたくもなるわよ…」
一気にまくし立て、なおみはがっくりうなだれた。
(悪い人じゃないのはわかるけど。)
それでもなおみにとって竹谷は、今学園内で一番会いたくない人物である。
会いたくない人に限ってよく会う、というのは最早お約束ではあるけれど。
「何で竹谷先輩がくの一教室の敷地内にっ…!」
予想外の遭遇になおみは体をぐるんと反転させ、そっぽを向きながら叫んだ。
「生物委員会の仕事だよ。先生にも許可とってあるし…連絡とか聞いてない?」
「き…聞いてません…」
今日の授業で忍たま長屋の近くを通るとわかった瞬間、なおみはサボりを決意したのだった。
もちろん仮病。
きっとその授業内で連絡があったのだろうけど、ほかのくの一達はまだ授業中でその連絡がなおみまで届くにはもう少し時間がかかる。
(ああ…私って保健委員に向いてるわね)
不運ってこんなに理不尽なものなんだ、となおみは保健委員会の面々に少し同情した。
いつも冷たくあしらっているにもかかわらず、目の前にいる竹谷は相変わらず笑顔だ。
「なおみちゃん、あれから体の具合とか…大丈夫?」
そしていつもどおり話しかけてくる。これは、いつものやりとり。
「…竹谷先輩、人の心配ばっかりしてどうするんですか。しかもあくまで試験の相手じゃないですか、私なんて」
「へ?」
しかし、答えがいつもと違った。竹谷は間抜けな声を出してそのまま固まっている。
その表情は端から見ると結構おもしろいものだったが、背中を向けているなおみにはわからない。
「だってほら、俺の不注意で子供ができちゃったかもしれないし、君はくの一とはいえやっぱり俺から見たら年下の女の子だし…」
「……」
「生き物は大事にしないとね!毒虫とか毒蛇と同じで!」
何かがぷつんと切れた気がした。
「…っっっ人を虫なんかと一緒にすんなあああああ!!」
「ちょっ…待ってなおみちゃん!そっちは今…」
一瞬でもいい先輩だとか思った自分が馬鹿だった。
この人は私を思って優しい言葉をかけてくれるんじゃないんだ。
ただの生き物としか思ってないんだ。
そう思うと、何だか涙が溢れてきた。
焦ったような竹谷の静止の声も聞かず、なおみはその場から逃げ出した。
もう、声も聞きたくないと思った、
なおみは全力で走りながら、涙で歪む視界の端に何やら見慣れない看板を捉えた。
「これ、より、先…き、け、ん…立ち入り禁止ぃ!?」
その文字のすぐ下に『生物委員会』という文字も見えた。
その看板の意味をすぐに察知したなおみは一気に血の気が引くのを感じた。
すでに看板から一丁ほど進んでしまった。
周りの気配に気を配りながら、そろそろと後退する。
慎重に行動しないと、今のなおみは丸腰だ。仮病を使った為、手裏剣などは長屋に置きっぱなしである。
「なおみちゃん!そこから動かないで!」
「せ、先輩!ここここ来ないでくださーい!」
「そんなこと言ってるバヤイかー!すぐ行くから動いちゃダメだ!」
追いついてきた竹谷に驚き、なおみは一歩後ずさりした。
むにゅ
何かを踏んだ。
「いっっっやあああああ!!蛇いいい!!!」
(んでよりによって蛇なの!しかもこれ確実に毒持ちでしょそうなんでしょ!?)
パニクりすぎてなおみの体は完全に固まった。
(あ、蛇がこっち見た。やばい怒ってる…いやああこっち飛びかかってくるううう!)
「なおみちゃん!!」
最後に聞こえたのは、竹谷の声だった。
「…あれ?」
「あ、気づいたんだねなおみちゃん!良かった…」
「たけ…や…せんぱ…って何やってるんですかぁ!!」
竹谷がなおみの袴に手をかけようとしていた。
「ちっちがっ…!どこか咬まれてたりしたら大変だから調べようとしただけだから!」
「何が…あれ?そういえば毒蛇は?」
「仕留めたよ。最初は捕獲するつもりだったけど、背に腹は変えられない」
いつのまにかくの一長屋まで戻ってきていた。
蛇に襲われ気絶したなおみを、竹谷が運んできたらしい。
「あの草むらで毒蛇が大量発生してさ、駆除する予定だったんだけど伊賀崎孫兵がゴネてね…
虫獣遁用に捕まえようって話になったんだ。まぁ十中八九孫兵のペットになるんだろうけど」
これも連絡してあるはずなんだけどなーと、竹谷は苦笑した。
「…良かったんですか?そんなにあっさり殺しちゃって…毒蛇だって大切な命なんででしょう?」
「何を言う!いくら大切でもなおみちゃんと毒蛇を一緒にしたり………してるようなこと言ったよな、俺」
「……はい」
なおみが怒って逃げ出した一番の理由をようやく察知したらしく、竹谷は思いきり頭を下げた。
「ごめん。ほんっとごめん。孫兵に影響でもされてんのかな俺…女の子と虫を同等に考えるのはいくらなんでもなぁ…」
「…はい」
「それに、ずっと追いかけ回して迷惑だったよな」
「はい」
「そうはっきり言われるとちょっと傷付く…」
「え、あ、ごめんなさい」
「でも、今回は逃げないでいてくれてるね」
「!」
そういえば、なおみが逃げずに竹谷と面と向かっているのは珍しい。
「子供の話だとか虫の話ばっかりしてたけど、俺が本当に言おうとしてたのは…」
「え?は、はいはいなんでしょう」
何故か耳まで真っ赤にした竹谷は、言葉を選ぶように口を少しもごもごさせていた。
ずっと鬱陶しくて、嫌っていた先輩が何だか小さく見える。
そんな竹谷のことを、なおみはなんだか愛しいとまで思った。
そして、
「初めて見た時からずっと思ってたんだけど、やっぱりなおみちゃんって…かわいいね」
初めてまともに見た竹谷の顔は、とても優しく微笑んでいた。
了
お粗末様でした。
86 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:43:25 ID:sHk163Nc
な ん と い う G J
私も5年乱交SSの竹谷の男前さに惚れてたのでかなりワクテカしたよ
おおおGJ!!
5年乱交SSのこの二人が気に入ってたからすげー嬉しいよ
最近神作品が投稿されまくりで幸せすぐる
こうなると絵神の作品も見たいと思う欲求も出てくるな
わがままなのは分かってるんだが
ユキちゃんの人…投下してくれないかな
絵神の作品を見たいのはやまやまだけど、
絵は文章以上に特徴が出るからなあ
サイト餅の人は身元バレを恐れてなかなか投下してくれないだろうから
絵板やうぷろだを用意してもやっぱり過疎ってしまいそうだな…
ところで早漏で申し訳ないが、次スレのタイトルの【】の中は
【落第】【忍者】の方が語呂がよくない?
>>89 忍たましか見てない人もいるからでは?
あ、でもスレタイには忍たまってついてるな。
次スレ立てるあたりにもう一度提案してみては?
竹谷の人GJ!!
二人とも可愛らしいぞ!!!竹谷カコイイよ竹谷。なおみちゃん可愛いよなおみちゃん。
それでは続きドゾ
夏は夜、月の頃はさらなり。
紫の髪をゆらゆらと揺らし、幸せそうに目を細めながら廊下を歩いている少年が居た。
頬は桜色に染まり、瞳は宙を仰いでいる。
やがて自室に辿りつくと、そのまま扉の所にばたりと倒れこんだ。
それを見るなり、癖毛が目立つ少年が慌てて引き起こす。
「おい数馬大丈夫か?!」
「あ、あははは・・・。のぼせちゃって・・・。」
どうやらさっきまで風呂場に居たらしい。
目を回し、視界は自分のほうをまるで向いてない。
浦風藤内は何処までも不運なこの少年を見やり、憐れみの溜息を吐いた。
「所で、藤内は何してんの?勉強?」
三反田数馬が指を指す方向を見やると、先程まで執筆していた事柄の帳面が開きっ放しだった。
普段予習、復習を欠かさない藤内だが、本日は違う。
勉強も大事だが、もっと面白い事が、今日の昼に振り込んできた。
最もそれは、作法委員長である立花仙蔵のお陰なのだが。
「まあ、勉強と言えば勉強だけどねぇ…。ぐふふ…。」
「…何、また女の子の事??」
「あったりー。二年は組の四郎兵衛の恋を応援する事になったんだー。」
隣でにやにやと不気味に笑う藤内に、少しどころか可也辟易した視線が降り注ぐ。
普段は真面目な藤内だが、如何せん色恋話や女の子絡みとなるとそれを放り出してまで熱中してしまう。
100点よりも、大事なのは女の子にもてることかと突っ込みたい衝動をぐっと飲み込み、深々と溜息を吐く。
真面目なくせに女たらし、どう言った性格だ。
げんなりしてると、ろ組の3人がやって来た。
緩む頬を元に戻し、よお、と3人に声を掛ける。
見ると作兵衛と三之助はげっそりと肩を落とし、作兵衛に居たっては泥だらけだ。
「作兵衛どうしたの?何か泥だらけだけど。」
「…左門と三之助がウロウロするからだよ。」
「何を言う!私はは組の近道を探そうと。」
「ただ真っ直ぐ行くだけだろ!何でお前迷える訳?!」
「そうだぞ左門。」
「お前が言うな三之助!どっこい方向音痴め!」
「喧嘩するならあっちでやれよー。今取り込み中だぞ。」
言い争いを始めるろ組3人に、藤内が口を尖らした。
軽く謝ると、此処に来た理由を左門が話し始める。
6年から5年の長屋を行き来していたら、丁度四郎兵衛の恋の応援について語り合っていたらしい。
それを聞かされてなかった左門は、途中から出合った三之助に問い詰めた所で、作兵衛に捕まえられた。
「ずるいじゃないか皆、私をのけ者にするなんて!」
「ごめん、悪かった。じゃあ皆で相談しようよ、孫平も呼んでさ。」
「呼んだ?」
「あ、丁度良かった。」
話している最中、い組の孫平がひょっこり顔を出した。
同じ生物委員の竹谷八左ヱ門に事情を聞かされ、今まさに3年生全員で相談しようと言いに来た所だ。
それならば話は早いとばかりに、6年が円を囲み、ちらちらと灯りが灯された部屋で会議を始めていた。
とは言っても、お互い12歳という年齢も手伝って、その提案は実に可愛らしい物。
花を贈る、お茶に誘う、ロマンチストな孫平は、一緒に星空を見る、等案が出された。
左門は迷っても仕方ないと言い、四郎兵衛の所に行こうとして止められた。
ぎゃあぎゃあと騒ぐ3年生の長屋に、教師の怒声が響くのは数秒後だった。
その数十分前、四郎兵衛はぐったりと上せあがり、食満の背中に担がれている。
本当は小平太がやる予定だったのだが、これ以上四郎兵衛の身体に負担を掛けさせてはまずいと判断し、
その申し出を一刀両断したのだった。
上せたのは自分たちの所為でもあるし、自室まで連れて行こうという事になったらしい。
ゆらゆらと揺れる感覚に、四郎兵衛の丸い目が数回瞬く。
「うえ?」
「お、目が覚めたか。悪かったな、あんなになるとは。」
「でも元気だったぞー!真っ直ぐ天井むいグリコ!」
「黙ってようか小平太君。」
「あ、あれ?食満先輩に七松先輩。」
状況が掴めずに、暫く先程の事を思い出していた。
そう言えば自分は風呂場で上せてしまったと漸く思い出せたのか、ごめんなさいと頭を下げる。
「気にするな。原因こいつだから。」
「ひどっ!私はただ感心したんだぞ!四郎兵衛がちゃんと立派な男になってくれて!
確かにまだちっちゃいし一皮剥けた方が」
「いい加減にせんとナメクジ漬けにした後砲弾諸々使うの禁止にするぞマジで。」
「御免なさい言い過ぎました。」
ぎろりと鋭い目が光り、流石の小平太も素直に頭を下げる。
先程も全員に風呂場に沈められたばかりだというのに、全く懲りていない。
お前は発情期の猿かと小一時間問い詰めたい所だが、あいにく今は後輩を背負っている。
渡り廊下を通り抜け、一年生の長屋まで進んだその時、後ろから声を掛けられた。
「食満先輩に七松先輩〜、こんばんわ〜。」
「時友先輩、どうされたんですか?」
「お、金吾に喜三太。」
ぽてぽてと可愛らしい足音を響かせ、先輩に嬉々として声をかけたのは
1年は組の山村喜三太と、皆本金吾だ。
これから風呂に入るらしく、浴衣を手に持っている。
「ちょっとのぼせっちゃって〜。でも大丈夫だから。」
「時友先輩、あまり無理しないで下さいね。」
「…お前、もっと後輩労わってやれ、な?」
「何で哀れみの目で俺を見てるの?!ちゃんと可愛がってるぞ、なあ金吾、四郎兵衛!!」
「は、はあ…。」
元気の無い返答に、どうやら自分は可愛がっているつもりなのだが、振り回されている後輩達にとっては
半分嬉しく、半分迷惑と言ったところで、可也微妙な表情だった。
あれ?と眉を顰めるが理由は解ってないらしい。
「喜三太、お前風呂場にナメ壷を持ち込んでないよな?」
「そんなことしたらなめさん達が死んじゃいますよ〜。ぼくは幾ら可愛くても流石にしません!」
「…なら良いんだが。」
安堵の溜息を吐くと、二人はくるりと踵を返そうとした時、金吾に呼び止められた。
明日の天気のことだ。
今夜は満天の星が輝いているが、生憎水無月に差し掛かり、天気はどうなるか解らない。
もしかしたら地面がぬるぬる滑って、穴を掘る時ぐちゃぐちゃのどろどろに濡れてしまうかもしれない。
「穴に入れる時は余り力入れちゃ駄目だぞ、些細な事で壊れるかも知れないからな。」
穴について語るのは良いが、如何せん後輩の目はぼけーっと小平太を見上げている。
湿り気について語っていると、今度は喜三太がナメクジの話をしてきた。
ぬるぬるだの、湿り気だの、濡れてびしょ濡れだの。
ナメクジ好きな後輩に些かうんざりした食満の背中に、「何か」が軽く押し当たっている。
後ろを見ると、四郎兵衛の顔が真っ赤に染まっている。
どうやら今までの会話の中で、色んな想像が頭の中を駆け巡って大変な事になっているらしい。
慌てた食満は、四郎兵衛の様子を悟られない様、一歩ずつ後ろへ下がる。
だが相手は好奇心旺盛な1年生。何かの遊びかと思い、二人は食満を追いかけ様とする。
「お前ら追い掛けるな!遊びじゃない!早くお風呂入って寝なさい!!」
ぐるりと勢い良く身体を捻ったのがいけなかったのか、遠心力が強すぎたのか、
四郎兵衛はずるりと廊下に落とされてしまった。
異変に気付いた喜三太が、食満に問いかける。
「食満先輩、時友先輩の浴衣、どうして膨らんでるんですか?」
あまりにも無邪気で残酷な質問に、3人はそこが氷河期よろしくブリザードが身体を打つ感覚に囚われた。
硬直が解けたのか、食満は光の速さで四郎兵衛を抱え、2年生の長屋へと走っていった。
小平太は、後で教えてやると言い残し、後を追い掛ける。
二人はぽつんと廊下に残されたまま、目的を思い出し、風呂場へ向かう。
本日二度目の元気な状態を後輩に見られ、四郎兵衛は布団の中でうずくまったそうだ。
続
四郎兵衛受難www
>>68 秘密の人てwアッコちゃんみたいだなw
自分の設定でこんな素敵な文を…!ありがたやありがたや!!
全くもって不快ではないので是非とも続きをわっふるわっふるwww
しろべの人そろそろ四郎兵衛を幸せにしてあげてくれw
ついでに食満も楽にしてやってくれw
昔話の人待ってたぜ!なんか昔話の人の話はねっとりエロで好みだw
パンツ脱いで干して待ってる!
竹谷の人、なんていうか や ら な い か
その後っていいなwいい心の洗濯をしたぜ。
投下ラッシュで追いつけねえwww(性的な意味で)
田村編投下させて頂きます
転校してきてから数時間。
数時間の間に知らぬ者が見れば何があったのかというくらい転校生は男らしくなっていた。
もの凄い形相でがに股で歩いていただけだが。
早々に女性器にローリングサンダー、お口でバキューム、菊門をボーリング…。
「破廉恥学園か。ここは忍術破廉恥学園か。」
ふと近くにあった建物の戸の鍵が外れているのが目に入るやいなや、
今までで一番忍者したのではないか、といわんばかりの静かな潜入をした。
その瞬間の目撃者がいたのであれば、きっと「消えた!」と騒いだであろう。
静かに建物に入った転校生は、窓から光が差し込む場所を頼りに壁を見つけてヨロヨロとその場に向かった。
壁に手をついた瞬間、頭をガンガンと打ち付け始めた。ただただ頭を打ち付けていた。
横に同じような頭を打ち付けた後があったが、転校生は知る由もなかった。
「絶望した!」
そう叫んだ瞬間、後ろで人の声と物音がした。
「!?」
転校生が振り返ると、窓から差し込む僅かな光に浮かんだのは、い組の田村三木ヱ門だった。
気配を消して入ったので気づかなかったのだろうか。
「あ…。確か隣のクラスの…」
と言いかけて、三木ヱ門の尋常じゃない表情に気づいた。
すー…と目線をゆっくり下にやると、三木ヱ門は袴をはいていなかった。
いや、それまではいい。褌も一緒に脱ぎ捨てられており、尻を丸出しにしていた。
いやいや、まだそれまではよかった。
着用物を脱ぎ捨てて生まれたままの姿の下半身の先には、火器が置かれていた。
「あ、あわわ…。」
三木ヱ門は「ついにバレてしまった」という表情で、身動きできずにいたが、
「あわわって…。こっちの台詞だ…。火器の穴って…。」
どいつもこいつもドイツ人、と転校生はその場にガックリとうなだれてしまった。
「穴が空いてればなんでもいい年頃か…。しかし火器のどこに勃ち所が…。」
「ハルコを馬鹿にするな!!」
さっきまであわわなんて言ってた三木ヱ門が突然吠えた。
「ハルコって…、お前床に『ユカちゃん』とか名前つけてマスかく派?」
「違う!過激な武器を扱わせたら学園一!この田村三木ヱ門は全ての火器を愛し、名付けている!」
火器の銃口にブツをハメたまま三木ヱ門は語り始めた。
「滝夜叉丸みたい…。」
「何!?」
滝夜叉丸という言葉に反応した三木ヱ門はハルコからモノを引き抜いて険しい表情になった。
「私を滝夜叉丸なんかと一緒にして欲しくないな!あんな自慰も知らぬネンネ!」
「あ、やっぱり。」
「ん、何だ知ってるのか。」
「あー。まーな。」
まさかさっき口淫をして一皮剥いたなんていえやしない。ましてや性別がバレてしまう。
適当に話をはぐらかそうとしていたが、ノッて来たのかなんなのか、三木ヱ門は突然
「よし!気に入った!今日は特別にハルコの穴を貸してやる!」
「な、なんだってー!?」
急展開。何を考えているんだコイツは。
遠回しに「俺と穴兄弟になれ」と言っているようなものではないか。
いやいやいや!それ以前に自分が男であろうと火器の穴でなど出来やしない!ましてや私は女だ!
「い、いいよ!三木ヱ門の彼女みたいなもんだろ!?」
と強く断って倉庫を後にしようとしたが、「まあまあ」と袴の紐を捕まれた。
今度は強く結んでいたのでほどける事はなかったが、三木ヱ門は容赦なくハルコを勧める。
「ダマされたと思ってやってみろって!まず先に挿れてだな」
「ちょ、やめ、うああああ!」
説明しながら三木ヱ門の丸出しの下半身は興奮したのか、ギンギンになりはじめていた。
「私とお前の秘密だ!ハルコの穴は本当に最高だぞ!」
そう言って三木ヱ門はついに転校生の袴を引っぺがした。
引っぺがされた転校生の視界はコマ送りのようにゆっくりと流れ、
『私 オワタ 』そう脳内テロップと涙が流れた。
二人で後ろに倒れ込んでしまったが、転校生はただならぬ痛みを感じた。
おそるおそる痛みの場所へ目をやると、ギンギンになっていた三木ヱ門のモノが入っていた。
「本格的に…終わったわ…。」
女として、とか体の事、とか、そんな物は二の次で後輩に囲まれた学生生活を送るビジョンが浮かんだ。
「ど、どこに入って…!?」
「あぁ…。」
涙目で振り返ると、さっき会った時と同じ顔をして三木ヱ門は固まっていた。
「なんたる絶望…。なんたる不運…。これなんてエロゲ?」
なんかもうどうでもよくなってしまった転校生は、今度こそ本気でヤケを起こした。
「…私は風魔の進級試験で潜入操作中のくノ一。バレたらお終いだっけどもうどうでもいいわ。」
すうっと目つきを変える。三木ヱ門の背中に喜三太のなめくじでも這った様な感覚が走った。
「火器と女を一緒にしてもらっちゃ困るわね。女ってものを教えてあげる。」
さっきまでの「男」の顔ではない。艶を帯びた女の顔になった。
ゆっくりと腰を上に上げると、三木ヱ門は「ぅぁ」と小さく声をあげて顔をしかめた。
上げた腰を一気に三木ヱ門の腹に打ち付けるように下ろすと、また三木ヱ門は声をあげた。
段々とその行動を早めていくと転校生からも艶を帯びた声がもれた。
薄暗い倉庫の中、僅かに差し込む光は二人の結合部分を照らし出していた。
上下する肉厚の尻と濡れた女の穴にギュウギュウに入ったモノを
目の当たりにした三木ヱ門は吐きそうなくらいの快楽を全身で感じた。
響き渡る水音とぶつかる肉の音で二人は酔う。
「もう…出るよォ…っ!」
三木ヱ門が喉の奥から苦しそうに声を出す。
「あん…、も…中に…」
「それと火縄銃が…。」
絶頂寸前。倉庫の戸が開いて誰かが入ってきた。
倉庫の中と外の境界線を挟み、世界の違う者同士の目が合った。
「な、な、な…ッ!?」
「あ…。」
「お、お前…ら…!?」
「あぁ…。」
入ってきたのは教師、土井半助と五年い組の久々知兵助だった。
「何をやっとんじゃお前らああああああああ!!!」
土井と久々知の声が同時に響き渡った。
本日…もう数えまい。もう顔面蒼白回数などどうでもいい。私は留年決定なのだ。
転校生は親指を立て、元気よく笑顔で叫んだ。
「ご一緒にいかがですか!」
すごいテンポのよさにハゲワロタ
男前だよ転入生!
四年生全員見事な斜め食い。まさかこのまま
五年生と教師にまで!?
ありがとう感動した!
99 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:09:55 ID:dTSF0an5
初めてリアルタイムで読んだ!!
秘密の人乙&gj!!最後のセリフで吹いたww
しろべの人もgj!!
学習能力のない小平太わろすww
転校生の人GJ!!!!四年制覇おめでとう!!
てwwんwwwこwwうwwwせwwいwww
男前過ぎて腹抱えて笑ったwww俺の水返せwwww
忍術学園の朝は早い。
朝日が昇る前位から起きていて、自主訓練をし始める者も居る。
くの一教室のしおりは、昨夜全くと言って良いほど眠れず、悶々とした夜を過ごしていた。
汗をたっぷり掻いた所為で、熱は何とか下がった物の、心の内は晴れない。
この曇った朝の空の様に、霞が掛かったままだ。
体調もまだ万全でないのに、思いを振り払おうと朝も早く鍛錬に向かおうとしている。
忘れたいのに忘れられる事が出来ない。
自分は気付かない振りを貫き通ていたい。その本当の気持ちを知ったら、四郎兵衛を見れなくなってしまうかも知れない。
それに自分はあんな事をしてしまったのだ。嫌われてしまっても無理は無い。
あの子には、もっと自分なんかより可愛い彼女のほうが相応しい。
そう思いながら髪を結い直し、制服に袖を通す。
「…四郎兵衛。」
誰も居ないのに、ぽつりと名前を呼んでみるも、声はしない。
日々こみ上げる切なさは、胸を締め付け、身体をも疼かせてしまう。
ぶんぶんと頭を振り、勢い良く地を蹴ると同時に、彼女は忍術学園の鍛錬コースへと走って行った。
同時刻、時友四郎兵衛も同じく起床していて、こちらは暇を持て余していた。
ぽてぽてと朝の光を浴びようと庭に出るも、生憎曇り空だ。
顔を洗い、ふと前の方を見ると、くの一教室の誰かが走り抜けて行った。
「…しおり、ちゃん?」
間違いなくあの黒髪はしおりだ。
病み上がりだと言うのに、無理をしたらまずい。しおりを引き戻そうと、その後を追い掛けた。
しろべーの人ちょっと長すぎ。
薄闇の竹林に、霧が立ち込める。
気を抜くと怪我じゃ済まさない。やはり大事をとったほうが良かったのか。
今更引き返す事も出来ず、丁度手頃な木を的に、手裏剣の練習をする事にした。
小気味の良い音が響き、手裏剣も的を外れてはいない。腕は落ちてはいないようだ。
ほっと一安心すると、後ろで小さい物音が聞こえた。
獣かと一瞬警戒し、鶉隠れで身を隠し、その場をやり過ごそうとした。
そっと草陰から覗いて見ると、獣なんかではなく、四郎兵衛がきょろきょろと誰かを探している。
「あの馬鹿…、何してんのよ…。」
さっさと離れて欲しい所だが、全然離れてくれない。寧ろ近づいて来ている。
「しおりちゃーん、どこー?無理しないでー。」
自分を呼ぶ声に心臓が跳ね上がる。
自分の身を案じてくれて此処まで追い掛けて来た事に、喜ばすにいられようか。
気が緩んでしまったのか、小さく頭を上げてしまい、草の動く音に四郎兵衛の身体がこっちを向いた。
足音が止まったと同時に、自分の目の前が明るくなり、四郎兵衛の顔が間近に迫っていた。
「うひゃぁああ!」
「しおりちゃん、無理しちゃ駄目だよー。帰ろうよ。送っていくから。」
「ここここ、来ないでええええ!!!」
「しおりちゃん!?」
手を伸ばす四郎兵衛を振り払い、それこそ某赤白の正義の味方の如き速さで竹林を駆け抜けて行くしおり。
顔は見るも耐えられない程赤く染まり、顔を隠してたのが不味かった。
がくんと身体は下に落ち、そこは深い穴で、ご丁寧に尖った竹まで埋められていた。
幸いにも竹の数が少なかったので致命傷ではないものの、足を怪我してしまい、穴から出られそうも無い。
紅い雫が太ももを伝い、桃色の装束を紅く染める。
「…こんな事なら、拒むんじゃなかった。」
傷の痛さと、胸の奥が切なくて、しおりは穴の中で涙を零し始めた。
どうせ誰も助けてくれない。
四郎兵衛も気付かないだろうと思った矢先だった。
「しおりちゃん!!」
自分を呼ぶ声に上を向くと、そこは四郎兵衛が顔を覗かせていた。
喜ぶ暇も無く、四郎兵衛は穴の中へ入ってきて、颯爽と自分を抱き上げて、穴から引き上げてくれた。
普段のぽやんとした姿からは想像もつかない位で、思わず胸が高鳴った。
しおりを木陰に座らせ、持っていた水筒で傷を洗い流し、布で縛り応急処置をした。
足の他にもあちこち擦り傷があり、四郎兵衛は常備していた傷薬を取り出した。
「…何で、来たの?」
ぽけっとした顔が不思議そうに此方を振り向き、やがて恥ずかしそうに俯いてしまった。
何よ、と素っ気無く答えるものの、もじもじするばかりだ。
「しおりちゃん…、病み上がりだから、心配になって…。」
「あ、あたしに構わないでよ!!」
有難う、と言いたい筈なのに、口は正反対の言葉を放ってしまう。
気付いた時は遅く、また素直になれない自分に嫌気が差す。
どうしてこの子と一緒に居ると素直になれないんだろう。
「あんたがいなくても、あたし自力で登れたんだから!」
自分は長いとは感じないけどな
しろべの葛藤や二人のもどかしさなんかが可愛いし、甘酸っぱさが何とも言えずwとても楽しく読ませていただいている
文字での応援しかできないけど頑張ってください
>>101 ・投下だけでもありがたや、腹に入ればみな同じ。
・名無しは味の濃淡を問わず、品の多少を選ばず、 ただひたすらいただきますだ!
職忍の皆様、GJ&御馳走さまです(-人-)
しおり×庄左ヱ門の続きまだー
>>103と
>>104がいいこと言った。
しろべの人、いつも楽しませて頂いてますありがとう。
長編読みごたえあるよ。これからも応援してる。
長さは気にならない。作品にケチつける気もない。
ただ前の人が投下して一時間もしないのに投下するのは
どうなのかなと思う。
過密スレでもないんだし、そんな焦ることないんじゃないか。
その考えはわかる。
だけど、四郎兵衛の人や他の職人さん達が投下しづらくなったら、ちょっと、、せっかくの良いスレなんですから、、
携帯から失礼
混み合っているときは、仕事の早い保管庫でSS読んでる俺勝ち組。
スレに勢いがあるってのは良いことです。
>ひみつの人
田村wwwちょwwwおまwww転校生の男前っぷりが何か清々しいですな。
続きワッフルワッフル!
>しろべの人
二人の、もどかしくもほんわかする間柄が好きです。
あと6年生の空回りっぷりもニヤニヤさせて頂いてます。
『閨事=子作り』のもんじはそこはかとなく妖精さんフラグが立っているのではと…ん?誰だ早朝かr
秘密の人GJ!!
もうどこから笑ったらいいのか萌えたらいいのか分からんwwwww
最後のシーンは私の中で伝説になったよ
本当に楽しませてくれてありがとうwwwww
111 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 11:16:32 ID:g8Z8U3mG
転校生の男前度に惚れたw
マジで忍たまにこういうキャラほしいな。
それにしても同じ女として、4連発はキツイ…転校生の体が心配だ…
あそこ痛くなってきたお…
たしかにあまりに長期に渡る連載だと
いいから早く「エロパロ」部分に到達してくれ!!と
思ってしまう気持ちはわからんでもないw
わかるww
エロがほしい
もちろん、エロパロ板だからな
個人的にはエロは無いなら無いで構わないかな。
楽しめればいいよ。
かと言ってエロが読みたくないワケじゃないww
エロネタ、下ネタが入るとやっぱこのスレにしか投下できないだろうから、
別にガチセクースがなくても忍たまで下ネタ読めれば私幸せだな
じらされプレイもたまらんし。職忍さんに任せる。
よく考えたら忍たま達小学生中学生だしなw
そうそうマターリいこうマターリ
厚着×恵々子の続き投下します。
エロは次回と言うことで勘弁してください。
あ、すいません、注意書き。
先生の過去捏造ありです。
厚着先生が出張から帰ってきて、三日経ちました。
今日も恵々子の恋を応援するクラス全員参加の作戦会議が開かれています。
円座になり、お茶とお饅頭をその真ん中に広げて、これがいい、あれがいいと話しをします。
「男は胃袋で掴めって言うじゃない。やっぱりこのままお弁当作戦で行くべきよ。」
「うーん、でもそろそろメニューがワンパターンじゃない?ここは実用品作戦で行きましょうよ。」
なんて喧々諤々している中、恵々子は誰か一人、いないことに気づきました。
「あれ、卯子ちゃんは?」
あちらこちらを見回しても、卯子ちゃんの姿はありません。
お饅頭を半分に割りながら、そうこが答えました。
「卯子ちゃんね、厚着先生の身元調査。」
「身元ぉ?」
一斉に声が上がります。
厚着先生の身元なんて、事務のおばちゃんに言えば表面上のこと、例えば現在の住まいとか、そんなのは簡単にわかることです。
そうこは半分にしたお饅頭の一つを口に入れました。
贅沢にお砂糖を使ったお饅頭は、これでもか!というほど甘く、とろけるようです。
「正確に言うと、なんていうかな。酒癖は悪くないかとか、そんなのを調べに行ったわ。こういうのって、結婚する上で大事よ、やっぱり。」
「け、け、結婚なんて!そんな、私、ただ。」
恵々子は顔を熟した柿みたいに赤くしました。
お付き合いを飛び越えて、いきなり先のことを、しかも自分以外の人に考えられてしまったからでしょう。
「ただ、お付き合いしたいなぁ、とか、そんなこと、考えて。」
「でも結構大事なことよね。賭け事しないとか、女癖が悪くないかとか。」
「お給料は大丈夫かもしれないけどねー。」
「あ、あのさ。一つ、いいかな?」
小さな、恥ずかしそうな声が聞こえます。右から三番目に座っていたみかが、手を挙げながら言います。
「厚着先生って、結婚されて、ないよね?そこからじゃない?」
あたし厚着先生っていまいち知らないのよね……と、最後の部分は松千代先生みたいに、あやかの身体の陰に隠れながら呟きます。
「大丈夫よ。」
恵々子の代わりに、ユキが自信たっぷりに返答しました。
「お付き合いする上で大事なことだもん。ちゃんと調べたわ。」
厚着先生、結婚されてないし、恋人もいないらしいわよ。
卯子は池の近くに置かれた火山岩に腰を下ろしてため息をつきました。
これでもう八回目です、いえ、九回目かもしれません。
とにかく、自分でも回数があやふやになるくらい息を吐いていました。
情報収集の第一歩は、聞きやすい相手を選ぶこと。忍者にとっては当たり前のことです。
卯子はもちろん、ちゃんとその手段に倣いました。
まず、厚着先生より年が下すぎる人はだめ。遠慮して聞いていない可能性が高いからです。
ここから、一年生の先生は二人も消えてしまいました。
次に、厚着先生に近しい人。ここに至ると、数は三人ほどになってしまいました。
そして最後に、自分がその相手と話せるかどうか。これが結構重要です。
安藤先生だと、あのくっだらないギャグと毒舌を入り混ぜた話を長時間聞かねばなりませんから、却下。
山田先生はお話しやすいでしょうけど、口を割るかどうかわかりませんし、
うっかり化粧の話をして女装の話題になったら大変です。
そんな取捨選択を繰り返していって、辿り着いた相手が、日向先生でした。
日向先生は厚着先生より年下ですが、同じ一年生の担任ですし、
なにより体育委員会の顧問同士ですから、きっとなにか情報を持っているはずです。
卯子は早速日向先生を探しました。
日向先生は授業がない時は外で日光浴をしていることが多いと聞いていたので、
日当たりの良い場所を中心に探しているとすぐに見つかりました。
先生の隣に座り、卯子はまず、世間話から始めることにしました。
あちらへ曲がり、こちらへ足を向け、時には後退しながら、厚着先生に関わることを聞き出しています。
(酒癖も悪くないし、当たり前だけど、賭け事もされていない。あとは恋人とかいるかどうか。)
悟られないように会話をする、というものはかなり疲れるものです。
話した時間は、おそらくたったの30分ほどだったでしょうが、卯子は額に玉の汗を浮かべていました。
「結婚と言えば、先生方の中でご結婚されていない人っていらっしゃるんですか?」
ほかほかと甘い光は落ちていきます。
こんな力の入った会話をしていなければ、卯子はこの暖かさを晴れ晴れとした気持ちで受け止めていたことでしょう。
「そうだな、若い先生方はまだ子供たちのほうで手一杯だそうだしなぁ。ああ、厚着先生が。」
と、言いかけて日向先生は黙ってしまいました。
「厚着先生、が?」
卯子は慌てて日向先生の方を向きます。なによりも、もっとも重要なことなのです。
くのたまと対照的に、先生はいつもの声で遮った言葉を続けます。
「いや、うっかり話を混ぜてしまっていた。厚着先生はご結婚されていない。」
「あの、混ぜたって、どんなお話とですか?」
「えーと、確か、厚着先生には婚約者が、いたって話とだ。」
――どうしよう、こんなこと盛り上がっている皆に言えることじゃないわ。
目を伏せ頬に手を当てて頭を垂れます。
手に入れた情報が重過ぎて、このまま池に落ちてしまうんじゃないかと思うほどでした。
「卯子ちゃん、危ないわよ、そんなに頭を下にしちゃ。」
声をかけられ、背筋を伸ばした途端、バランスを崩して池に落ちそうになりました。
腕をばたばた動かしてなんとか姿勢を保ってから、後ろを振り向きます。
「山本、シナ先生。」
「どうしたの、随分と考え込んでいるようだけれど。」
真っ白い手が、頭を撫でてくれます。包み込むようなその感触は抱え込んだ不安を吸い取ってくれるようでした。
「厚着先生のことでしょ。」
唇を噛んで俯いていた卯子に、シナ先生はずばり指摘します。
驚いて顔を上げると、先生は柔和に微笑んでおられました。
「わかりますよ。くの一教室全体で探っていることは、厚着先生以外の教師にばれています。」
秘密にしていたことがばれてしまい、がっくりと肩を落します。
まあ、目当ての人にはまだ気づかれていないから良しとしましょう。
胸をとりあえず撫で下ろす卯子を見て、シナ先生は更に爆弾を投げてきました。
「恵々子ちゃん、いらっしゃい。」
ええ、と声を上げるまもなく、茂みから恵々子ちゃんが飛び出してきます。
「恵々子ちゃん。」
「卯子ちゃん、話して、お願い。」
目を合わせ、しっかりと手を握って恵々子は願い出てきました。
「好きな人のこと、全部知りたいもの。」
そうなんです。恋って。
どんな瑣末なことであっても、相手のことが知りたくて仕方がなくなるのです。
例えそれが、足が致命的に臭いとか、借金が小国の予算分だとか、
子供が実は五人居て、しかも来年二人生まれるとか、そんなことであっても、です。
それを聞いて、燃え上がるか、それとも醒め上がるかは本人次第なのです。
卯子はじいっと、恵々子の顔を見て、手を握り返しました。
「……わかったわ。」
卯子は岩に座ると、静かに、ゆっくりと、お話を始めました。
それは古い恋のお話。
あるところに男が居ました。
男は、暮らしていた村の女と恋に落ち、結婚の約束をしました。
女との暮らしのために、男は一生懸命働きました。
男は腕の良い忍びだったので、仕事には困りません。
ある年の冬、男は仕事に出ました。
この依頼をこなした後、男は忍びを辞めるつもりでした。
それは、二月も掛かる長い任務でしたが、
女との暮らしのために、男はがんばって終わらせ、意気揚々と村に帰りました。
しかし、そこに女は居ませんでした。
男が仕事に出てすぐに、流行病にかかって帰らぬ人になったのです。
墓を参った後、男はすぐに村を出て行きました。
それから男を見たものは誰もいないのです。
沈黙には沈黙なりの音があります。しかし、今、この池の周辺は真の沈黙に包まれていました。
長くて、短い話を終えた後、最初に口を開いたのは恵々子でした。
「……あたし、身を引くわ。」
「そんな!」
いきなりの言葉に、卯子は思わず手に力を入れます。
「だめよ!あきらめたらそこでおしまいじゃない!」
「あたしだって、本当はあきらめたくない。」
でも、と言葉を続けます。
「厚着先生を、そこまで思わせる人に、勝てるかわかんない。」
言葉の塊を吐き出すと、目からぽとぽとと真珠が零れました。
澄み切った空から鳥の声が聞こえてきます。
求愛をしているのでしょうか、いつもと、どことなく違うような気がしました。
「……厚着先生はさっきの話を聞いても、本当に素敵な人。
だって、ずっと昔に亡くなった人を、今でも思っているんでしょう?普通だったら、もう忘れちゃっているのに。
でも、そんな先生が好きになった人は、きっと、あたしよりも、ずっとずっとすばらしい人に違いないわ。
きっと、さっきあたしが言った、恋に勝つとか、そんなこと口にしない人よ。」
「恵々子……そんなこといわないでよ。」
堰が切れた恵々子は、思わず卯子に抱きつきました。堪えていた声が、かすかに零れます。
「恵々子ちゃん。」
じっとその様子を見ていたシナ先生が、恵々子の頭を撫でました。
「ごめんなさいね。でも、貴方にこの話は聞いていてほしかったの。」
「山本、シナ先生……。」
恵々子は今度は、シナ先生に抱きつきます。彼女は生徒の頭を、変わらずに撫でました。
「卯子ちゃんもごめんなさい。」
「いいえ、いいんです。でも、どうして。」
シナ先生は少し目を伏せると、小さく呟きました。
「歪んだ噂を耳にする前に、真実を聞かせたかったの。」
どこかで雨が降っているのでしょうか、冷たい風が、柔らかい若芽を撫でていきました。
「厚着先生、ちょっと。」
職員室から出ようとした厚着先生に木下先生が話しかけます。
辺りを窺い、廊下のドン詰まりにある何度の前まで来ると、彼はやっと話を切り出しました。
「実はですな、今度行われる閨房術の試験なんですがな。」
「ああ、来週の。どうかされましたか?」
「はあ、例年通り教員も借り出されるのですがな、
私は抜けたことによって、少し人数が足りなくなってしまったんですよ。」
試験は通常、男子忍たま対くのたまの一対一ですが、一部は一対多数だったり、未婚の教員が相手だったりします。
「なるほど、私にその役を、と。」
「はい。厚着先生さえ良ければなので、強制は致しませんが……。」
厚着先生は口を閉ざします。今まで既婚者でないのに、この試験に立ち会わなかったのは結局のところ自分の我侭でした。
足りないと言う今、それを貫き通すことができましょうか?
「いえ、行いましょう。」
「そうですか。ありがとうございます。」
木下先生は、笑っても怖い顔を明るくしました。
独りになった後、厚着先生は、自分の手を見ました。
あの頃と違い、掌はいよいよ硬く、ひび割れています。
瞳の奥にある、あの手はいつまでも変わらずに白く柔らかいと言うのに。
「無常だな。」
嘲るように唇を吊り上げると、静かにそこから立ち去りました。
静かな陽光が、納戸の戸を照らしています……
「以上で試験の説明は終わります。それではおまちかね。くじを引いてくださいね。」
太い竹筒の中に、何本もの竹串が入っているものを渡されます。
顔を少し染めた生徒たちは、一本引いて、ある子はガッカリしたり、ある子はガッツポーズをとったりしています。
恵々子はじっと、自分の番が来るのを待っていました。前だったら、意中の人が当たるように願っていたことでしょう。
(当たってほしくない。でも。)
当たってほしい。二つの気持ちが縮んだり膨らんだりを繰り返して、苦しくなります。
「でも残念ねー、恵々子ちゃん。」
まだ事情を知らないトモミが竹筒を渡しながら言います。
「厚着先生って、これの試験に出たことがないらしいわよ。」
せっかくお近づきのチャンスだったのにねー、と言われ恵々子は軽く笑うと、クジを引いて、名前を確認します。
「……!」
神様というのは、なんという気まぐれを起こすのでしょうか。
恵々子は指を震わせて、竹串を机に置きました。一番下が削られ、真新しい墨で厚着、と書かれたくじを。
最後の一人が引いたのを確認し、ざわめく教室を静めてからシナ先生は声を出しました。
「皆さんクジを引きましたね。試験は一週間後に行われます。それまでに、相手を調査して、対策を採っておくように、以上!」
続く
昔話の方、つづき楽しみにしてます!ワッフルワッフル
トモミちゃんやユキちゃんの相手が誰になっちゃうのかも気になるぜ
125 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 13:25:08 ID:EsMTeM+H
閨房術、楽しみ!
兵太夫のからくり部屋を見て、授業として忍たまから拷問を受けるシナ先生を想像してしまった。
皆さんの厳しくも温かい意見に全俺が泣いた。
何時もグダグダですいません。幸せにするのでマターリ待っててやって下さい。
昔話の人>
温かくも味のある内容、何時も楽しく読ませて頂いています!
恵々子ちゃんの恋、幸せに実ると信じております。
投下
自分の放った言葉は何時も裏だらけ。本当は有難うと言いたいだけなのに。
違うと心の中で強く思っても、言葉に出来ないならば意味が無い。
暫くの沈黙の後、しおりは俯いてしまい、何も言う事ができない。
四郎兵衛は徐に立ち上がり、ぽふんとしおりの頭の上に手を乗せ、優しい手付きで撫で始めた。
「な、何、よ。」
「早く気付いてあげられなくてごめんね。後でぼくの事殴ってもいいから、まずは帰ろう?」
「一人で帰れる…。」
「どうやって帰るの?この天気じゃ何時か雨が振る。余計に体調崩しちゃうよ。」
女の子はもっと身体を大事にしなきゃ、と言うと、呆然としているしおりを背負い
元来た道を歩いて行く。
何処までも優しい馬鹿なんだろう。放っておけば良いのに。
こんな事また言うと、無理矢理にでも付いて来るんだろうな、と思った。
背負われて揺れる背中は、何時もより頼もしく思えて、しおりは密やかにこの時が止まればいいとさえ願った。
こつん、と軽く四郎兵衛の後頭部に頭を付けると、心地よい鼓動が伝わって来た。
今ならば、素直に言えるだろうか。
「着いたよ、しおりちゃん。」
顔を上げると、そこは忍術学園の門。御礼も言えず、時が過ぎてしまった。
門を開けると小松田がサインを求めて来た。
サインした後、しおりを背負ったまま保健室へと連れて行くことにした。
無論、人目も憚らずそのままで。
すいません48でした。↑
あちこちで刺さって来る視線が痛い。四郎兵衛はそんな事お構いなしに、自分のペースでしおりを運んでいた。
それを、見られてはいけない人物達に見られていると言う事も知らずに。
保健室へ着くと、善法寺伊作が救急箱の整理をしていた。
事情を説明すると、伊作は手馴れた手付きで手当てを始める。
大事に至らなかったのは、四郎兵衛のお陰だろう。
「これなら、完治まで2、3日あれば治るよ。」
「有難うございます、善法寺先輩!」
御礼を言うしおりに、伊作はちょっと、と手を前に突き出す。
二人は意味が解らず首を傾げるだけだ。
優しげに微笑み、そっとしおりに耳打ちをした。
「僕よりも、四郎兵衛君に言ってあげて。…たまには素直に、ね?」
かぁっと顔を赤らめると、伊作はそそくさと保健室から出て行き、二人きりにさせた。
こうでもしない限り、発展はしないだろう。伊作にその思惑があったのかは、不明だが。
水を打った様に静まり返る保健室で、しおりは息を飲んだ。
このまま素直になれなかったら、ずっとこのままの様な気がする。決心した様に顔を上げ、徐に口を開く。
「あ、あの。しろ、べえ。」
「何?」
「あ、あの…。有難う…、あたし…あんな事言ったのに。御免なさい…。」
消える様な言葉が自分でも腹が立つ。
だが四郎兵衛には聞き取れたようで、にっこりと笑顔を作ってくれた。
「しおりちゃんが無事ならいいよ〜。」
「あ、あのね!四郎兵衛!あ、あた、あたし…。」
今なら言えそうな気がした。
けれど、女の子としてはもうちょっと雰囲気のある場所での方が良い。
自分が積極的ならば良かったのだろうが、生憎くの一では控えめな部類に入る。
自分に出来る事は、これしかない。多少順番を飛ばすが、鈍感な四郎兵衛には丁度良い。
恋する乙女は、時として大胆になる。
「あ、あの。目を瞑って。」
「うん?こう?」
「あ、有難う。」
混乱していて、最早自分でも制御出来ない位胸の高鳴りが五月蝿い。
そっと目を閉じた四郎兵衛の頬に、白魚のような手が触れる。
口元に柔らかい感触が伝わり、何処か甘酸っぱい。
その感触に目を開けた四郎兵衛は、少し理解に時間が掛かったようだ。
時がゆっくりと流れ、しおりはそっと唇を離した。
自分でも大胆な行動に出たと、まだ心臓が五月蝿い。
「しおり、ちゃん??」
丸い目はこの上なく見開き、顔を紅葉どころか曼珠沙華を散らしている。
きっと自分の顔もそうだろう。
気付いてしまった気持ちは、ずっと隠して行こうと思っていた。
目の前の少年はひたすら優しく、何処までも純粋で。
それに惹かれてしまった自分の負け。
「…好きです。時友四郎兵衛君。」
「ぅえっ!!?…ぼぼぼ、ぼくも、好き、です。」
穏やかな風が吹きぬけ、曇り空には光が一滴零れる。
どちらかともなく、唇を重ね合い、二人の空間が保健室に立ち込める。
ガタン、という音と共に、保健室の扉が開き、上級生が流れ込んで来た。
今までの雰囲気も全てぶち壊し、二人はお互いの肩を抱いたまま硬直している。
「良かったな四郎兵衛!!おめでとう!!」
「いやはや、私たちの案が台無しになってしまったな。」
「…睦まじき事、実に良き事。」
2年生から6年生までその場で立ち聞きや覗き見をしており、気まずそうにする者、持て囃す者、羨ましがる者様々だ。
水無月の空に虹が掛かり、紫陽花の水玉に光が反射する。
風は何処までも爽やかで、これからの二人を見守っている様だ。
もうじき梅雨の季節が終わり、眩しい夏がやって来る。
幼い二人の恋は、これから始まる―――。
一旦此処で終わります。次回からエロ入ると言う事でご勘弁を。
しろべの人ー!!待ってた!超待ってた!
のぞき多すぎワロタwwwいよいよエロだとけしからんもっとやれ
楽しみすぐるよ!
しろべさんありがとう!!!
もっともっと発展しろwktk
kyが他スレに本放送の話をしに行ってやがる。
何がしたいのか妙な伏せ字で。
しかも容量一杯で埋められないから板のために放置してなるべく早く落とそうとしているのに。
今日のカキコのせいでまた落ちるのが遅くなるって判らないのか。
それとも自分の言いたいことを書きたいということしか考えていないのか。
だからどこに行っても腐女子は嫌がられるんだよ。
とうとう個々にもクマーが…
???
まー当事者が判って恥ずかしい思いすればいんじゃね。
ハイ、ツギー
思ったんだが女体化はアウアウだけど男体化はどうなんだろう
見る人から見ればグロに含まれるんだろうか
原作くノ一ならふたなりでも許せるw
というのはおいといて、
まあ男体化もTSスレに行った方が無難ではあると思う
実は忍たま百合スレもあるんだね
昔、喜三太のナメさん擬人化エロスとか考えたけど、ナメさんの性別のフリーダムっぷりに
結局心の引き出しにしまい込んだ自分が通り過ぎますよ…。
>>138 さあ、今こそ投下の時だ!
自分ネタは思い付いても文才がついていかない…orz
男女の絡みでもたとえば女キャラがペニパンで男キャラを掘るような話だと
普通の男女エロからは外れるような気がするんだけど
ここはそういうの投下してもおkなんだろうか…
別に書く予定はないけどなんとなく気になったw
ナメクジのセクロスは激しいんだよなw
人間になったナメ菊が喜三太としようとしたら
与四郎にみつかって天然ローションプレイとか読んでみたい。
エグい…もはやエロじゃない
エロ的な意味でなく気になってしまったじょまいか<ナメクジ
144 :
宵の恋 1:2008/06/28(土) 22:52:40 ID:c1/5R1IF
しろべの人です。
前回の続きと言う事で投下します。相変わらず上級生出張り気味。
なるべく短く纏めます。
水無月も終わる頃、忍術学園はじめっとした熱気に包まれていた。
じりじりと焼ける様に肌を指す日差しは強く、外に居る生徒の額には珠のような汗が光っている。
木陰に入るも、生憎と風は吹いて来ない。げんなりとした様子で、少女は手拭を水に浸している。
冷たい水が心地よく、丁度水浴びには良い季節かも知れない。
「…まだかなぁ。」
周りを見回せども、辺りは若草色の3年生が二人居るだけで、目当ての人影は無い。
日は傾き、朱色に染まった太陽が周りを紅く染め上げる。
軽快な足音を響かせ、一際大きな影に気付き、少女の頬は桃色に染まる。
深緑の制服に身を包んだ少年と、菫色の制服に身を包んだ少年の後に、若草色の制服が引き摺られている。
もう直ぐ来るだろう待ち人を、今かと心躍らせながら手拭を水に浸したり絞ったりと忙しい。
今日は此処まで、と言う元気の良い声に、二人の少年はその場に突っ伏した。
遅れて、小さい影が二つ重なり合い、青い制服の少年が、一年生を背負っている。
「四郎兵衛!!」
「…うえ?」
やがて力尽きてしまったのか、どさっとその場に腰を下ろし、息を整えている所に駆け寄る。
濡れた手拭を、気付のために無造作にそのぽけっとした顔に叩き付けた。
訳が解らず視界が遮られ、手足を蠢かせたが、少しすると気付いたのか手拭で顔を拭き始めた。
「今日もお疲れ様。」
「しおりちゃんありがとー。」
屈託の無い笑顔に、しおりの顔も思わず綻ぶ。傍で見ていた他の生徒は、苦笑するばかりだ。
くの一教室のしおりと、二年は組の時友四郎兵衛。
二人は紆余曲折の末、この間から交際を始めている。
漸くしおりが一歩を踏み出し、くの一教室の中でもその話は盛り上がっている。
男子生徒の方でも例外ではなく、委員会でも委員長の七松小平太率いる6年生が、恋の発展を執拗に聞いてくる。
最も、お互い清い交際で、見ている此方がもどかしくなる様なお付き合いだった。
二人の仲睦まじい様子を、遠目に見ている上級生3人が口を開く。
「しかし良いんですか、七松先輩。あの二人、あれから進展してるんですか?」
「仙蔵によると、この間お茶屋さんに行ったそうだ!」
「何で知ってるんですか?」
「そりゃあ私たちが仲をより深い物にしようと、色々と提案してるんだ!」
豪快に笑い飛ばす小平太を尻目に、滝夜叉丸と三之助は溜息を吐いた。
幼い恋は可愛いもので、見ている此方の心も洗われる様だ。
何もいきなり発展させずとも、まだ幼いのだし、此の侭でも良いのではないか、と思った。
学園一優秀と豪語する少年、平滝夜叉丸。そんな彼も、恋はまだまだ先の様だ。
145 :
宵の恋 2:2008/06/28(土) 23:50:53 ID:c1/5R1IF
夕焼け空が山々を染め、辺りを茜色が包む。
二人は笑いながら今日の出来事を話し合い、汗が引くまで談笑していた。
その和やかな雰囲気の後ろに、六つの影が落とされる。
六年生全員が木陰に隠れ、その様子を見守っている。
にやにやと緩む頬を押さえつつ、次は何が良いのかと早々提案を出している。
お節介とも言える所業だが、こうでもしない限りあの二人は発展しないだろう。
元々しおりは控えめで、四郎兵衛に限っては鈍感だ。
建前は応援と言った形だが、本音は皆面白いからと言う理由らしい。
他の学年も挙って四郎兵衛に提案を持ち掛けてくる。
「仙蔵、この間の二人、どうだった?」
「いやいや、実に可愛らしかったぞ。二人でお互いに食べさせ合ったりしてて。」
「ひゃー。で、その後は?」
「………帰る時、手、繋いでた。」
「うんうん、実に清い交際だ!」
長次、仙蔵の報告によると、仲は順調の様だ。
二人がどうしても気になり、提案を出し合った委員会や学年二人ずつ組んで、その様子を観察しているらしい。
最早これはストーカーの域に達しているのではないか、と食満は疑問に思った。
だが彼自身も何だかんだで楽しんでおり、嬉々としてその出来事を帳面に記し、他の6年生と共同で回している。
(小平太命名『四郎兵衛の恋模様記録日誌(6年バージョン))
「そう言えば、もう直ぐ始まるよね。くの一の…。」
「へ?」
ふと、伊作の言葉に五人が素っ頓狂な声を上げた。
夏の宵に行われる、くの一と5・6年生の合同授業「房術」。もう直ぐ日時が迫っている。
その事をしおりは知っているのだろうか。一抹の不安が、6人に立ち込める。
ぱたぱたとくの一長屋に足音が響く。
自室に居たしおりは、何事かとひょっこりと顔を覗かせた。
そうことあやかとみかが息を切らし、無遠慮に部屋へと入ってくる。
「ちょ、ちょっと三人とも如何したの?!」
「しおりちゃん、落ち着いて聞いてね?」
戸をぴしゃりと閉められ、厳しい面持ちで3人はしおりを囲む。
見るからに大事のようだ。
ごくりと唾を飲み込み、部屋に重苦しい雰囲気が立ち込める。
先陣を切り出したのは、みかの一言だった。
「あ、あのね。2週間後に行われる、房術の授業…知ってる、よね?」
「え…っ?!」
そう言えばシナ先生がそんな事を言ってた気がする。四郎兵衛と遊ぶのが楽しくて、そんな事は上の空だった。
自分の不注意もあるが、迫り来るその授業まで、どうやって過ごすかが問題だ。
しおりはまだ、男を知らない。
くの一とは言え、初めては好きな人とが良いと心の何処かで思っていた。
けれど授業で散らせてしまうのは忍びない。かと言って、四郎兵衛を誘惑するのにも気が引けるし恥ずかしい。
迷うだなんて、くの一失格だとしおりは溜息を吐いた。
「それでね…って、しおりちゃん、聞いてる?」
「えっ?!あ、うん。」
「しおりちゃんって、四郎兵衛と付き合ってるんだよ、ね?した事…ある?」
146 :
宵の恋 3:2008/06/29(日) 00:06:10 ID:c1/5R1IF
あやかの質問に、ぼっと顔が熱くなる。馬鹿な質問をしたとあやかは後悔した。
俯くしおりを見る限り、経験は未だ無いようだ。
同い年ながら清い交際をしているのは、自分達も知っている。
接吻がやっとなのに、閨事なんかしたら恥ずかしさの余り四郎兵衛をぶっ飛ばしてしまうのではないだろうか。
四郎兵衛の方も、見るからに知識も経験も無さそうだ。
「しおりちゃん、先輩とする?」
「…でも…あたし…。」
「じゃあ四郎兵衛?」
「…………………。」
「しおりちゃん!恥ずかしがっちゃ何も始まらないわ!」
「そうよ!くの一はガッツよ!恋も閨事もどこんじょーよ!」
「でででで…でも…。」
二人の言う事も最もだが、女の方から誘うだなんて恥ずかしすぎる。
その事を想像して、益々しおりの顔が紅く染まり、きゃあきゃあと騒いでいる。
純な級友を目の前に、3人は肩を竦めた。
薄暗い行灯の光に、影が4つ落とされる。
5年生の長屋で、竹谷八左ヱ門、久々知兵助、不和雷蔵、蜂屋三郎の4人は腕を組んで唸り声を上げている。
眉間に皺を寄せ、これからの事を如何するべきか悩んでいた。
つい先程の情報で、房術の授業が2週間後に始まるとの事だった。
もうそんな年頃なのかと感慨深い溜息を吐く間も無く、問題が降り注いできた。
「しおりちゃんだっけ?四郎兵衛と付き合ってる子。」
「あの子と当たったら如何する?」
「やるしかないだろ…。でも何か四郎兵衛には悪いなぁ…。」
「四郎兵衛君を優先させるか…それとも授業を優先させるか…。」
雷蔵よろしく文字通り「迷った」4人は、頭を抱えている。
自分は別に構わないのだが、付き合っている二人の事を考えると心が痛む。
何しろ応援して来た仲だ。今までの関係が崩れてしまうかも知れない。
まるで死霊の呻き声の様に、5年長屋に声が響き、通りすがりの生徒達の間で、奇妙な噂が広がったとか。
しおりの相手は誰か。
そしてしおりは四郎兵衛と如何すべきかと悩んでいた。
時が過ぎなければ良いと言う思いとは裏腹に、時間は無情に過ぎて行く。
初夏の夜空に、星が一つ瞬いた。
続
いいかげんにしろよ、金吾萌え腐女子
あっちに書き込むな
お詫びとかももう良いから
スレ容量の見方も判らない子供はエロパロくるな
専ブラでスレ読んでたら判るもんなんだよ!>スレ容量
だいたいちょっと前のレス読んでたら判るだろ
891 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/25(水) 19:57:11 ID:97Sll1Df
ここでなら言える…!
今日の○たま、昔話の人のSSのおかげで、無駄にキラキラしてた金吾に動悸が止まらなかったよ!
ありがとうありがとう新しい世界に開眼しました!
892 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/29(日) 00:55:05 ID:IaPTvU/4
スレの容量ってどうすれば調べられるの?
これか…。
うーm
本スレに投下できないSSの避難所として使われる事のあるシチュスレに
SSの感想以外でだいぶたってからそのネタでカキコしに行くのは正直迷惑だからなぁ。
こっちにも宣言されてるんだし。
しかも伏せるあたり嫌な感じだなぁ。
もう行くなよ…。あそこに投下した作家さんだって迷惑だと思うぞ。
晒しても全く恥ずかしいと思ってないみたいだし無駄だろう。
腐は迷惑の代名詞みたいだな。
あれは腐じゃなくて嫌腐。数字荒らすのに仲間が欲しくて腐のふりしてる。
ガーン
吊られた訳か…orz
腐同士の抗争ってキメエ。
しろべの人!清すぎてこっちまでムズムズするじゃないかwww
焦らしプレイがうまいな本当に…w
>>148のレス、
ひょっとして自演で称賛コメつけたのかと思ってしまった…
さすがに穿ちすぎだよな、昔話の人ごめんw
一生懸命書いてこんなことまで言われて不幸な…
一人のKYで何人が迷惑被ってるんだ。
しろべの人も巻き込まれ不幸ら。GJ
154もKYだな。
wつけながら書くようなことじゃないだろ。
失礼すぎ。
昔話の人が投下しにくくなるのが心配だ・・・
続き楽しみに待ってます!
居待ち月が明るく、星はすっかり色を無くしてしまった夜。
学園のあちらこちらから、甘い囁きや嬌声や悲鳴が聞こえてくるのは、今日が閨房術のテストの日だからです。
茂みの陰や図書室の本棚の間、忍たま長屋や、はては厠と、試験の場所は個人個人で違いました。
くの一教室の自室が試験会場のユキはこっそり障子を見ました。その方向には、離れを当てた恵々子がいるのです。
(恵々子ちゃん大丈夫かしら?辛くないといいんだけど。)
「ユキちゃん、よそ見してると一気に行っちゃうよ?」
「うっるさい!デリカシーなさすぎ!」
ユキはそう言って、乱太郎の腰に絡めていた足に力を入れてカニバサミをしました。
かすかな声に囲まれ、恵々子は小さく息を吐きます。部屋の中には月光が満ち満ちて、明かりをつけなくてもよいほどです。
だからこそ、恵々子はため息を吐いたのです。
もし、新月だったならば、いえ、曇りだったならば、厚着先生の顔を見なくてすんだのに、と。
そして、厚着先生も自分の顔を見ずに済んだのに、と。
苦しくなった恵々子はそっと体を前に倒しました。ひんやり冷たい床に耳をつけると、廊下が鳴いている音がしました。
この重く低い音は、男の足音です。そして、ここへ向ってくるということは……。
恵々子は身体を起こし、襟を直しました。薄く塗った白粉の匂いが優しく鼻腔を擽ります。
八日前の自分だったら、この状況を嬉々としていたことでしょう。憧れている人に、試験の上とはいえ抱かれるのですから。
むしろ、ここで告白して恋人同士になったり、なんて甘く考えていたかもしれません。
足音が近くなり、障子に影が写ります。恵々子はお腹に力を入れて、背筋を伸ばしました。
離れへの廊下はぎしぎしと鳴き、そろそろ点検を考える時期に来ているようです。
合図のように、わざわざ音を立てながら厚着先生は歩きました。
試験の一週間前から生徒が調査を始める、と聞いていましたが、その気配は一向にないまま当日になってしまいました。
(まあ、相手が誰であろうと、自分は試験官なのだから関係ないだろう。)
厚着先生は乾いた笑いを浮かべて、障子を開けました。
月の明かりが部屋の隅まで行き届く中、その子は部屋の真ん中に敷かれた布団の前に行儀よく正座をしています。
「先生、よろしくお願いします。」
三つ指を突いて頭を下げると、ふんわりと柔らかそうな髪が肩から零れます。
この声は恵々子のものです。久方ぶりに耳にした恵々子の言葉に、なぜか安心を覚えました。
知っている生徒ならば、少し厳しくしたほうがいいか。教師らしいことを考えながら腰を下ろします。探りあいが始まるか、と思った途端に恵々子が先に動きました。
「先生、これを。」
恵々子は立ち上がり、胸元から帯を取り出すと、厚着先生の目をそれで塞いでしまいました。
「恵々子?」
生徒の思惑がわからない厚着先生は、思わず頓狂な声を出しますが、恵々子は答えてくれません。
自身の油断に舌打ちしてももう遅いのです。真っ暗になった世界では、四つの感覚のみが便りでした。
襟が捲られ、隠れていた肌にすっと冷気が当たります。柔らかいものが首筋に触れ、それはゆるゆると下に下りていきます。
厚着先生は、行動しているであろう恵々子の肩に手を置きました。
おとなしい子だと思っていたが、やはりくの一か。頭にそんなことをぼんやり浮かべていると、柔らかいものが、下腹部に到着します。
細い指が下帯にかかり、ゆっくりと自身が外に出されます。恵々子の息遣いが耳に届き、厚着先生は心の中で小さく笑いました。
(もうずっと、任務でしか使われていないそれを、このくの一は扱い切る事が出来るかな?)
冷え切った柔らかい肌が震えながら男根に絡みつき、緩慢に動き始めます。それは稚拙で、平素ならば満足のいくものではないでしょう。
しかし視覚を奪われてしまったせいか、それはわりとすぐに反応し始めました。
ひくひくと動くそれの先に、指以上に柔らかいものが当たります。どうやら口淫を始めたようです。
ぴちゃり、ぴちゃり、という音の中に、恵々子のくぐもった吐息が聞こえます。
(視覚を奪うとは、なかなか考えたものだ。)
行う方は大胆に出来るし、受ける方は残された感覚がいつも以上に働くせいで隙が大きくなる。
厚着先生はあくまで試験官として対応していました。手を伸ばし、実技が上手く出来た子供を褒める様に、恵々子の頭を撫でます。
張り切ったのか、恵々子は亀頭に唇を押し付けると一気にそれを口に入れます。
さすがの行動に、厚着先生は息を呑みました。久しぶりの口の中はとても暖かく、まるで。
そう、まるで…・…遠い記憶の彼方に放ってしまった……
思い出そうとしても、もう欠片ほどにしか出てこない、顔すらも薄れ始めたあの女の。
「恵々子。」
意識を引き締めると恵々子の肩を掴んで引き剥がします。
白い靄が掛かり始めた頭をふるい、視覚を封じている帯の結び目を解きます。
「お前ばかりが攻めていては仕方がない。私もやらせてもらうぞ。」
暗闇に閉じこもっていた瞳に、今日の月の明かりは毒でした。一瞬視界が真っ白になり、すこうし瞼を閉じてから、厚着先生は目を開けました。
徐々に輪郭を成してゆく世界の中、目の前の恵々子の眸から真珠粒が零れ落ちています。それは次第に数を増してゆき……とうとう一本の川になってしまいました。
「え、え、子?」
手を伸ばすと、恵々子は厚着先生の胸に飛び込みました。先生、先生、と、泣きながら。
ただただ嗚咽する恵々子の背を、先生は撫でることしか出来ませんでした。
「はい、お疲れ様。」
渡された報告書を持って、シナ先生は笑顔を見せました。恵々子はそれに対し、ただ力なく笑うことしかできません。
結局、試験は不合格。通常ならば、相手を変えての再試験なのですが、今年は問題行動が多発した(結婚の申し込みだとか、穴を間違えたなど)とかで、
不合格理由を考察して報告書にまとめる、というものになったそうです。
(もしかしたら、山本シナ先生は考えてくれたんだろうか)
自分のことを、と恵々子は思いますが、シナ先生はきっと答えてくれないでしょう。
部屋を出た後、恵々子は男子側の方に面している廊下に座っていました。柔らかい日差しの中に、甘い花の香りが混ざります。
「……で、校庭……だ。始め!」
あの人の声が風に紛れて、ここまできました。恵々子はびくん、と身体を震わせると、自分を抱きしめます。
「……先生……。」
(やっぱり、ダメ。……あきらめるなんて、出来ない。)
あの夜の、自分を呼ぶ声が、泣きじゃくる自分の背中を摩ってくれた優しい手が消えてくれないのです。
恵々子は、もう一度、先生、と呟くと膝を抱えて目を閉じました。
厚着先生の声はもう聞こえません。……
その夜、厚着先生は山本シナ先生の部屋を訪れていました。今度の出張の打ち合わせをするためです。
声をかけて了解をもらい、障子を開けた先は、紙の海になっていました。
「えらく大量の報告書ですな。」
苦笑いを浮かべながら、厚着先生は一枚一枚を重ねて整えます。一年は組のきり丸ではありませんが、もったいないですから。
「ええ、私もえらい目にあいましたよ……二本挿しとか。」
「何か言いましたか?」
「いいえ、ちっとも!」
一枚を手に取った瞬間、動きが止まりました。見慣れた名前を厚着先生はじっと正視します。
「あ、もしよかったらどうぞ。恵々子ちゃんだったんでしょう?お相手。」
シナ先生はこちらを見ずにそう言うと、忙しい忙しいと、採点をします。腰を据え、恵々子の報告書を読み始めました。
最初は、きちんとしたものを書こうとしていたのでしょう。女の子らしい丸い文字で、整然とした文章が並んでいました。
しかし、途中から千々と乱れ始め、次第に自分への気持ちの吐露になっていました。
それは若い者に特有の熱さと甘さと、青さを含んだもので、最後の一文字を読み終えた時、厚着先生の額には玉の汗が浮かんでいました。
「……シナ先生。」
読み終えたものを整えると、読むように薦めた人を見ます。しかし彼女は、やっぱり振り向いてくれませんでした。
「若いっていいですわね。」
「……ずるいですな。」
一言を無視して、シナ先生は報告書をとんとん、と音を立てて整えます。
「じゃあ始めましょうか。今度の出張で連れて行く子は……。」
話し合いをしながら、ちらり、と山の頂上に置かれている恵々子のものを見ます。
それは、一見綺麗のようですが、よく見ると皺が入り、汗を吸ったのか波打っていました。
「なにか、おかしいことでも?」
「いいえ、ちっとも。」
くすり、と目の前のくの一が唇を吊り上げたのを、厚着先生は見逃しませんでした。
空の色はあくまでも青く、日の光は柔らかい鳥の子色をしています。
暖かい、穏やかな昼下がりです。どこからか、鶯の鳴く良い声がしました。きっと、裏に生えている梅の木にいるのでしょう。
「お茶ですよ。」
頬杖を突いて寝転んでいる自分に声がかけられます。
身体を起こし、その人がいるだろう場所を向きます。
「あ……。」
厚着先生は固まります。もう、のっぺらぼうにしか思い出せないその人の顔がはっきりしていたからです。
「どう、私、こんな顔だったのよ。」
その人はそういうと、隣に座りました。声すらも、鮮明に聞こえています。
硬く握られた手に、優しい指が触れました。
「二度と思い出せないと思っていた。」
やっと絞り出した声は上ずり、掠れています。顔を一撫でして、その手を握りました。
「何年も、私のこと、思っていてくれたのね。」
ひばりの声が三回聞こえた後、女は感慨深げに呟きました。
目の奥が熱くなり、視界がぶれますが、何度も擦って正常に戻しました。
二度と、その姿を忘れない為に。
「私はきっと、一番の幸せ者ね。ありがとう。……覚えていてくれて。」
「これくらいしか、できないからな。」
でも、と目の前の人は言います。
「もう、忘れてもいいわ。」
その人は、とんでもないことを言っているのに、満足げに笑っていました。
「好きな人が出来たんでしょ。」
「好きだなんて……ただ、気に掛かっているだけだ。」
「あら、私の時もそうだった。」
白い手が一層白くなっています。体温も、さっきは日差しのようだったのに今では氷のように冷たくなっていました。
「忘れたくない。」
「貴方は真面目な人だから。……いつまでも、囚われてなくていいわ。」
「だって、お前。
お前の傍にいてやれなかった。」
鳥が飛び立つ音が聞こえます。一拍置いて、その人はまた笑いました。
「あら、ずっといてくれたじゃない。私の傍に。」
手が厚い胸板を撫でます。
「今日までずっと、私のことを思っていてくれた。それは、私の傍にいてくれたってことでしょ?」
心の中ではあの日から今日まで、共に暮らしていた。
目には見えないけれど、ずっと隣にいた。
「今度は、あの子の傍にいてあげて。」
「お前は……それでいいのか?」
厚着先生の問いに、彼女は頷きます。その顔は変わらず明るいものでした。
「誤解しないでね。耐えるとか、そんなんじゃないわ。馬鹿みたいに真面目な貴方の手を繋げる人なんて、そうそういないわよ。」
「馬鹿って、お前。」
「そんな人が貴方を見つけてくれたから、私は行くことができるの。」
日差しが強く瞬きました。まるで、迷う者を誘う様に。
「私の代わりなんかじゃなくて、精一杯その人を愛してあげてね。」
その人は静かに立ち上がりました。もう足はうっすらと消えています。
「行くのか。」
「ええ。ありがとう。……さようなら。」
待ってくれ、と手を伸ばした瞬間に
「……あぁ。」
目が覚めました。熱病に罹ったように熱い体を起して、目を塞ぎます。
以前だったら、もうぼんやりとした輪郭しかない彼女の顔が、はっきりと見えました。
「置き土産、か……。」
優しい人だった。
厚着先生は小さく呟いて、一滴を目から落としました。
「ありがとう。愛してい、た。」
続く
中の人です。
次回で最終回です。予告してたよりもエロ少なくてすいません。
むしろリリカルですいません。
むしろおっさんの(略)
次回はがっつり行きたいです。
164 :
sage:2008/06/30(月) 01:58:08 ID:wyeZ1RfC
昔話の人GJ!!
本文もさることながら、さりげに乱交試験とリンクしててすごい!
続きまってます
昔話の人に悪いと思うならこっちにかけよ
しかし全く誠意が感じられん。またやるなコイツ。
291 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/29(日) 07:19:49 ID:4il+pL8F
ちょっとまて
>>891と
>>892は別人だぞと891本人が誤爆しておく!
まあ、確かにアタマ悪い文章だったのは反省しているが、
関係ないレス繋げたコピペまでネタ元スレに貼るか?
あと容量が501KBまでなの位知ってるよ!
本当、件の書き手さまには申し訳ありませんでした。
元スレの話も楽しみにしてます。
>>165 だから釣りなんだろ
これ以上触らないのが賢明だ
すごい勢いで厚かましいな。判っていない。
>>165 これ以後スルーだな。
昔話の人GJです!お疲れ様です
昔話の人GJ!!
泣きそうだったよ自分・・・。
続き待ってます。
くそ…泣いたぞ昔話の人!
謝罪と(ry
171 :
宵の恋 4:2008/06/30(月) 22:26:19 ID:i8v+0xuu
昔話の人GJ!
不覚にも夜中に泣いてしまったじゃないか…。
続き投下
宵の空は群青に塗られ、空には満点の星が瞬いている。
涼やかな夜風を浴び、寝られずしおりは校庭を散歩していた。
黒髪を風に靡かせ、しおりは月を見上げた。
雲一つない済んだ宵に、月が煌煌と照り映えている。
房術の試験を知らされ、未だ心の内は晴れない。
四郎兵衛に知らせた方が良いのか、それとも知らせずに試験を行った方が良いのだろうか。
どちらにせよ後者は先輩に迷惑が掛かってしまうだろう。生娘が相手だなんて、向こうも戸惑ってしまう。
四郎兵衛に言うとしても、彼は何て言うだろう。はしたないと思われてしまうのだろうか。
「…はぁ…。」
こんな時自分に足りないのは積極さだ。肝心な所で怖気づいてしまう。
散々自分を追い詰めて、やっと紡ぎ出せた想い。
いきなり「抱いて下さい」だなんて言ったら、流石に四郎兵衛も戸惑う。
しおりの心は彷徨い、どんな答えを出せば良いのか解らない。
「…四郎兵衛。」
呟いた言葉は、夜の虚空へと消えていった。
日は無情にも昇り、忍術学園は明けの空に包まれた。
空は何処までも青く、白い雲が泳いでいる。
結局しおりは一睡も出来ず、会計委員長よろしく隈をこさえ、夜を過ごした。
眠たいのに寝れない。この状態が二週間続くのかと思うと、しおりは肩を震わせた。
「しおりちゃん…、大丈夫?」
「…何とか。」
みかが心配そうに覗き込み、弱弱しい笑みを作る。
それがかえって辛そうに見えて、何とも痛々しい。
奥手な級友に何とか良い案は無い物だろうか、頭を捻って案を出している。
数分、みかが目を輝かせながら提案を投げ掛けて来た。
「言葉で言えないなら、手紙なんかどうかな?」
「…てが、み?」
「そう。手紙なら気持ちが伝わると思うし。」
「……そうだ、ね…。やってみる…。」
ふらふらとよろめくしおりをあやかが支え、どうしたものかと溜息を吐いた。
手紙を書くのは良いが、この様子じゃ保健室へ一旦運んだ方が良さそうだ。
一旦休ませてから手紙を書かせよう。
そうみかに伝え、二人はしおりを保健室へと連れて行く。
172 :
宵の恋 5:2008/06/30(月) 22:56:06 ID:i8v+0xuu
場所は変わり、此処は6年は組の長屋。
珍しく食満留三郎は部屋に篭り、朝食も食べずに居た。
その場所に座り、険しい顔をしながら唸っている。眉間に皺を寄せ、元々鋭い目つきが更に鋭くなる。
知らない者が居合わせたら、竦み上がることだろう。
「何でこんな事になったんだ…。」
うああ、と嘆きの声を上げ、ごろごろと床をのた打ち回る。
二週間後に行われるくの一との房術試験。相手が知らされる日にちはまだ先の筈だった。
所が如何言う訳か早々と相手が知らされる事になり、6年生は昨夜、シナ先生に呼び出されていた。
しおりの相手は誰なのか。
皆誰しも、同じクラスの善法寺伊作がしおりの相手を勤めるだろうと思っていた所だった。
だが結果は残酷な知らせで、しおりの相手は自分だと言う事が判明した直後の記憶がない。
どうせなら小平太に変えて欲しいと思ったが、あの体力馬鹿の事だ。彼女に無理をさせるに決まってる。
伊作の不運が感染したんだ、と他のクラスでは実しやかに噂される始末だ。
「食満ー。早くご飯食べろって。」
「うっわあ!!こここ、小平太?!」
不意に背後から声が掛けられ、口から心臓が飛び出そうな位驚いた。
6年生にもなって何やってんだと自分に言い聞かせ、一呼吸置いて小平太を見やる。
当の本人はにこにこと上機嫌で、房術を楽しみにさえしている。
最も、小平太は誰であろうと構いはしないだろう。その能天気さがつくづく羨ましい。
「どうした?ご飯食べないのか?」
「…食べる気力がない…。何でよりによって四郎兵衛の彼女…。」
「仕方ないじゃないか、くじで決まったんだし。」
肩を落とす食満とは対照的に小平太はからからと笑い飛ばしている。
確かに決まった物は仕方ない。だがこれでは寝取る様な気分がして四郎兵衛には申し訳ない。
頭を抱えて悩む食満を困ったように小平太は頭をかいた。
当たった食満は可哀想だと思うが、自分は他の子と行う事になってる。
暫く考え込むと、とんでもない提案が発せられた。
「なあ、いっその事、四郎兵衛としおりちゃんとお前で、3人でやったら?食満が教える係りで。」
ひゅう、と涼しい風が通り抜ける。
刹那、廊下中に叫び声と破壊音が木霊した。扉を突き破り、小平太の身体が宙を舞う。
「何考えてんだお前はああああああ!!!!さっ…三人だなんてっ…、あの子に負担掛かるだろうが!」
「良い提案だと思うんだけどなぁ。じゃ、シナ先生に申し出を…。」
「やめろやめろやめろ!!!!!」
校庭に投げ出された小平太は受身を取り、衝撃を物ともせずに立ち直った。
見事な巴投げで、着地が遅かったら地に穴が開いてただろう。
真っ赤に顔を染め、食満が怒鳴り込んでくる。意に介せずシナ先生の所に行こうとする小平太を、必死で食満が押さえ込む。
その光景に、遠目で見ていた下級生たちが何事だと目を丸くした。
173 :
宵の恋 6:2008/06/30(月) 23:45:06 ID:i8v+0xuu
くの一と5・6年生の房術が2週間後に行われる事など知らない少年、時友四郎兵衛。
相変わらずぽけっと空を見上げていたら、目の前に二つの影法師が身体を包んだ。
見上げる先には、作法委員長、立花仙蔵と、会計委員長の潮江文次郎が立っていた。
い組の二人が自分に直接出向くとは珍しい。何の事かと腰を上げようとしたら、待ったと手を翳された。
「四郎兵衛君、君に大事な話がある。落ち着いて聞いて欲しい。」
「そして、何があっても他言してはならない。良いな?」
「はい…。」
真剣な面持ちで二人は自分の前に腰を降ろし、極力回りに聞こえない様に囁いた。
知らされた内容は、まず第一にくの一と5.6年生で房術の試験が2週間後に開催される。
第二に、しおりの相手が早々と決まった。相手は食満留三郎。
「以上を踏まえた上で率直に問おう。君としおりちゃんは、経験済みか?」
「…………ほえ?」
「…こりゃ経験済みじゃないな…。」
一気に捲くし立てられた所為なのか、それとも理解出来てないのか。
文次郎が簡潔に説明をしてくれて、漸く意味が解ったのか、顔が見る見る内に変色して行った。
紅く染まったり、青く染まったりと見ている分には面白い。
「…あの子はどうなんだ?」
「私に聞くな。…多分彼女もまだだろうな、あの様子じゃ。」
「…お互い未経験、か。」
複雑な表情で四郎兵衛を見やり、深く溜息を吐いた。
微笑ましい事には変わりないが、いずれはお互い通る道だ。それが二人には早まっただけだ。
男女の関係の最も核心に触れられ、四郎兵衛は如何する事も出来ず、ただおろおろとするばかりだった。
保健室へ運ばれたしおりを見るや否や、伊作は颯爽と布団を敷いた。
何時でも患者が来たら寝れる様に、布団は清潔な物に取り替えてある。
「最近、しおりちゃん良く運ばれるね。…何か悩み事かい?」
「いえっ!とんでもないです!!」
穏やかなくせに、時折この人は鋭い。
やはり腐っても6年生なのだろうか、それとも、長年人の世話をして来た貫禄なのだろうか。
悩みなら、言って解決出来る物なら言いたい。けれどやはり男相手だと言い辛い。
見かねたあやかが、そっと耳打ちをした。
「…しおりちゃん、ちょっと恥ずかしいかもだけど…。一緒にお風呂入るのどう?」
「!?!?!?!」
「ああ、御免ね…。でもさ、肌を触れ合う事で、恥ずかしさが紛れるかもよ?」
「ででででで、でもでも…。おおおおお、おふ、お風呂…。」
「きゃあっ?!しおりちゃん!?」
あやかの提案にしおりは言葉も出なかった。
一緒にお風呂に入って背中を流してその後に***…。
ダイレクトな提案にしおりの体温は急上昇してしまい、その場に突っ伏した。
悲鳴が遠くに聞こえた。薄れ行く意識の中、それも良いかも知れない、と頭の片隅に思った。
そして、今宵―――。
しおりは動き出す事を決心した。
続。
しろべの人ご苦労様、いよいよかと想うとwktkするぜ
というわけで、最終回です
道を行く旅人の姿は様々で、中には牛や馬もいます。脇に生えている花をつけた野草を眺める人も入れば、無言で目的地へと急ぐ人もいました。
恵々子は前を行く厚着先生の背を、ただ黙って追いかけます。
「出張に行く厚着先生のお供をして欲しい。」
なんて山本シナ先生に言われた時はどうしようと思ったものです。名前を聞いた途端に心の臓が壊れるほどの音を立てていましたし。
(先生はどうして、私に言ったんだろう。)
私のことを知っていたから?それとも……。わからぬままに、恵々子はその広い背を見失わない程度の間隔を開けて歩きます。
出張といっても、堺の福富屋さんに今度授業で使う品々を注文しただけのもので、それはすぐに終わってしまいました。本当に自分が必要なのかと内心疑ったぐらい簡単な仕事なのです。
なぜだかわからず、ぼんやりとした頭で歩いていると、何か柔らかいものを踏みました。驚いて足をどけると。
「危ない!」
厚着先生は恵々子が踏んだそれに小刀を刺します。茶色い、長い蛇です。刃物は頭のすぐ近くに辺り、大きく口を開けると蛇は小さな痙攣をして動かなくなりました。
「大丈夫か?」
刀を抜いて、尻餅をついた恵々子に声をかけてくれます。
「毒のないものだが……噛まれていないか?」
蛇を踏んだ足を触りながら、丹念に調べます。視線が突き刺さって、恵々子はなんだか恥ずかしい気持ちになりました。
「だ、だいじょうぶですっ……ありがとうございます……。」
乱れた裾を直すと、厚着先生の手を借りて立ち上がります。まだ、どきどきと鼓動が煩いのは、蛇のせいだけではないようです。……
その日のうちに学園まで帰れず、二人は茶屋で一泊することにしました。
茶屋の風呂に入りながら、恵々子は厚着先生に触られた足に、丹念に湯をかけます。倒れた時に出来た擦り傷の消毒のためですが、ひりひりと沁みこんで痛みます。
(あの時、先生ちょっと安心してたよね……?)
立ち上がった時、先生は確かに安堵したような表情を浮かべていました。なんだか勘違いしてしまいそうで、恵々子は首を振ります。
(生徒に怪我がなかったからに決まっているじゃない。)
「私」に怪我がなかったから、じゃない。
それはわかっていることなのに、どうしても勘違いしてしまいます。もし他の先生だったら、すぐにそう思うはずなのです。
恵々子は湯から上がり、手早く着替えました。山からの夜風は冷たくて、湯にのぼせたのか、それとも自分の考えにのぼせたのかわからない熱い頭を冷やしてくれます。
なんだか、部屋に帰るのが怖い。
そんなことを感じながら、恵々子は風呂を後にしました。
「ただいま戻りました。」
戸板を開けると、一際涼しい風が迎えてくれます。
目を閉じて風の感触をやり過ごし、恐る恐る開くと銀色の月がまず見えました。
格子を掲げて月見をしていた厚着先生に影が差します。浮き出た陰影に恵々子は思わず息を呑みました。
普段はかっこいい、という言葉が似合う人ですが、今の彼には美しい、という単語の方が当てはまるのです。
「恵々子、戸を閉めなさい。」
ぼんやりと見とれていた恵々子に喝を入れるように厳しい声で言うと、彼女は慌てて戸を閉めます。
その様子が可愛らしく、厚着先生は少し頬を緩めました。
「……。」
戸を閉め終えた恵々子は、視線に気づいてそちらを向きます。
先生が、何かを言いたそうに自分を見つめているのです。
期待させないで欲しい。
柔らかい唇を噛んで、少しだけ視線をずらします。
勘違いをさせないで。
しかしそれでも、眼の気配を感じるのです。
「恵々子。」
空気が動き、音が聞こえました。厚着先生は静かな表情で、手招きをしています。
「こちらに来なさい。もっと、近くに。」
恵々子が言葉通りに近寄ると、厚着先生はゆっくりを話を始めます。
あの、古い、遠い時の向こうに霞んでしまった恋の話を。
そして、この間見た、夢の中の会話を。
最後の一文字まで語り終えた後、先生は震える恵々子の手をとりました。
「……わしは多分、お前を好いている。」
声をかけられ、恵々子は顔を上げます。
好いているというなら、どうしてこんなことを言うの?
恵々子はそんなことを言いたかった事でしょう。
しかし厚着先生は言葉を続けます。
「お前はきっと、あいつの代わりじゃないかと思うかもしれないがそれは違う。
お前に話した全てが積み重なって、今の自分になれた。だから、こそ……聞いてほしかった。」
握られている手に力が込められます。かすかに肩が震えていることがわかりました。
人を好きになるということは難しいことです。
その人の過去も好きにならなければならないからで、現在だけをつまむわけにはいかないのです。
「私が……。」
握り返しながら、恵々子は口を開きます。風呂から出てだいぶ経つというのに、身体は熱いままなのです。
「私が好きなのは、先生です。
でも、その人のことがなかったら、先生はきっと、全く別の性格の先生になっていたかもしれません。」
だから、と恵々子は続けます。喉の奥でどくんどくん、と音が聞こえます。
血管が膨れているのか、圧迫されているような痛みがありました。
「先生の昔も含めて全部好きです。……大好き、です……。」
最後の言葉は痛みに震えて掠れていました。
ぽろり、と涙が零れたのは痛みのせいだけではきっとないでしょう。
厚着先生は恵々子の名前を呼ぶと、ゆっくりと腕を背に回しました。
格子が下げられた部屋の中、恵々子は敷かれた薄い布団の上に寝転んでいました。
「あの、これって。」
目隠しをされ、暗闇の中恵々子は先生の腕を探します。
空に手を彷徨わせ、やっと袖を見つけた途端に唇を吸われました。
「ふぅ……う……。」
かさついた唇は、本来なら心地のよいものではないでしょうが、今の恵々子にそんなふうに感じられませんでした。
柔らかいものが口に入ってきます。歯や上あごを舐めて探っていたそれは恵々子の舌を見つけると、ねっとりと絡み付いてきます。
「ん、ふぁ、あ……。」
唇が離れてた後、口の端から唾液が零れていることに気づきましたが、それを拭うまもなく胸元を開かれます。
硬い指先がいくらか膨らんだ乳房を鷲掴みます。
掌は空気に反して熱を持っていて、目隠しをされているせいで恵々子はその熱さだけで身じろぎしました。
指の間に乳首を挟まれ、ゆっくりと揉まれます。
優しい手つきでしたが時々意地悪するように強くなったり早くなったりするので、恵々子は声を抑えることができません。
「あ……あぅ……う……。」
感覚から、乳首が立ち上がっていることはわかります。
先生はころり、とそれを転がして、口に含んで、先ほどと同じようにころころと舌で遊びます。
片方を舐め回し、もう片方を口に入れると、こちらはかるーく歯を立てます。
痛くて、でもなんとなく気持ちがよくて、恵々子は白い喉を仰け反らせますと、先生は今度はそこに唇を押し当てて音を軽く立てて吸いました。
「ん……。」
こんなとこですらも感じてしまい、恥ずかしくなりますが先生は遠慮しません。
首筋から、鎖骨まで、伝い落ちるように音を立てています。
口の動きばかりに気をとられているうちに、手が足の間に入ってきました。内股を摩り、こちらは上へ上へと昇ってゆきます。閉じようとしますが先生の腕の力のほうが強くて敵いません。
人差し指が膨れかけた実を揺らします。胸の時よりも強い刺激に恵々子は息をつめました。
「……は、……ふぅ……あぁ……。」
指が動く間、口は胸で遊びます。
両方の刺激は心地よく、けれども経験のない(閨房術の時はやらずに終わりましたから)ない恵々子にはちょっときついようです。
次第に喘ぐ声は早く、回数を増してゆきます。
「意外と慣れているな。」
耳元で囁き声が聞こえます。息の乱れた自分と違い、厚着先生はいつもどおりのしゃべり方です。
「自分で触ったことがあるか?」
わしを想って。そう続けられ、恵々子はこくん、と頷きます。素直に答えないと、止められてしまいそうだからです。
「なら、ちょっとばかし、無理をしてもらおうか。」
そう言うと先生は指を実から蜜壷へと移動させます。少し太めの指が、湿り気を帯びてきた中に入ってきました。
「あ、ふと……っ。」
荒れた指の腹で内壁を摩ります。出し入れするものですから、ぐぷんぐぷんとくぐもった音が耳に届きました。
「あ、あ、アぅ……はぁ……ア。」
親指で実を、中指と人差し指(いつの間にか増えていました)で中を弄られ、恵々子はもう降参寸前です。
しかし先生は、丁度いいところでわざと動かなくなるので、達することはありませんでした。
「せん、せ……ヒィ……イカせ……フゥっ……。」
強請っても先生はそれを叶えてくれません。ほどなく、指が完全に離れてしまいました。
「あ、厚着……せん……?」
衣擦れの音の後、足を掴まれて広げられます。
目隠しされているので、詳しいことはわかりません。けれども自分の現在の様子を想像して、恵々子は周知に身震いします。
濡れたその部分に、何かが触れます。
割れ目をなぞり、指で開いた入り口を見つけると、指よりも太くて硬いそれは中に入ってきたのです。
「アアッー!!」
引き連れるような痛みに、恵々子は堪らず声を上げました。
授業で痛いと習っていましたが、まさかこんなものとは。呼吸をして力を抜きますが、ずくずくと入ってくるそれには焼け石に水でした。
「ア、ハ、ウウ、フゥっ……。」
一番太い部分が入り、少し隙間が出来て、でもまたきつきつに満ちてきて……。肌が触れ合うまでの時間が長く感じられます。
「あ……。」
「全部入ったぞ。」
頭を撫でながら先生は言います。確かにそこには、ざりざりとした毛の感触がありました。
「先生……目隠し、解いて……。」
胸板に触れながら、恵々子は懇願します。ここまで来て、先生の顔が見れないのは嫌でしたから。
先生は先ほどと違い、今度はすぐに解いてくれました。
「先生……。」
月明かりの中、やっと見れた先生の顔はとても優しく笑っていました。
手を伸ばして、繋がっている部分を撫でます。きっちりと、根元まで入っていて、恵々子もまた、笑いました。
「では、動かすぞ。最初はゆっくりだが、次第に早くなってくるからな。」
頬を意地悪げに吊り上げると、先生は腰を打ちつけ始めます。
最初は、本当に予告通り緩慢なものでしたが、次第に早くなってゆきました。
「あ、ア、せんせっ、ハン……っ。」
ほんの僅かでも離れないように、身体に足を絡めます。途中で唇が降りてきて、肌に痕を残してゆきます。
恵々子は本当に幸せで、もうこれ以上の幸福はないように思えました。
「せんせ、せんせぇっ、ア、ア、ヒャアぁっ……っ!」
だから、絶頂に達した時、先生が離れないように、しっかりとしがみ付いて、
そのせいで背中に爪を立ててしまったとしても仕方がないことなのです。
春が逝き、夏が去り、秋が果て、冬が散り……
そんなことを五回ほど繰り返したある日、厚着先生は校門の前で人を待っていました。
来年は自分の教え子たちが巣立つ番なのだな、と想うと、今目の前で散ってゆく桜にも感慨が浮かびます。
ふと、塀の隅に生えている花に目が行きました。黄色い、花びらが十重にも八重にもなった花です。
珍しい。そう呟きながら花に触れようと手を伸ばすと、それは煙のように消えてしまいました。
「……。」
黄色い、かすかに残った煙を掴もうとしますが、霧散して掌には何も残りません。
ふと、耳に、あの人の声がかすかに聞こえました。
幸せに、とそんな言葉のような……。
「先生ー!」
ふ、と空を見上げた厚着先生に声が掛かります。卒業証書を持った恵々子です。
「すいません、遅くなって!早く行きましょう!」
「あ、ああ。なあに、今からなら十分間に合うだろう。」
手を握り、二人は歩き出します。これから、恵々子の両親に挨拶に行くのです。
終わり
しばらく厚着先生がまともにみれなさそうな中の人です。
題名の黄薔薇は、花言葉からとりました(黄色のバラの花言葉はさようなら。ただし諸説あります。
長い話ですいません。今度はギャグっぽい奴でいきたいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ヤヴァイ・・・
泣けるよ!
泣けてエロくて女の子が可愛くて男がカコイイって
最 高 ジ ャ マ イ カ !!
恵々子ちゃんお幸せにw
次回ギャグっぽいの、期待してます
しろべの人も昔話の人もGJです!
182 :
宵の恋 7:2008/07/03(木) 20:10:05 ID:0cdUESSF
昔話の人GJ!切ない恋、とても感動しました!
笑える話、期待してるぜ
此処は忍術学園のある一室。その部屋は多分誰も知らない。
この部屋に集まっている、6年生以外は………。
もう直ぐ日が沈む頃とはいえ、それでも夜中の部屋の様に薄暗い。
熱気が立ちこめ、額から汗が零れ落ちる。不意に無機質な音がぱたりと止んだ。
「…よし、こんなもんで上出来だろ。どうだ?」
「流石修補のスペシャリストの用具委員長!」
「色合いも完っ璧だ!」
作業が終わり、食満留三郎は手を休めた。
それは皆が賞賛するほどの出来栄えで、小さく拍手が送られた。
後はあの二人をこの部屋に案内するだけだ。
これからの事を考えると、湧き上がる好奇心と期待を隠す事は出来ない。
6人は顔を見合わせると、小さく笑いながら、互いに手を重ね合った。
「…絶対に抜かるなよ。」
「お前に言われるまでもない。成功させるさ。」
「…小平太。」
「必ず成功させるって!此処まで皆やったんだ。」
「うん、やってやろう!」
そう言うと6人は部屋を後にし、それぞれの計画を実行させる為、定位置へと赴いた。
茜色の夕日が沈み、空には夜の蒼が塗られかかっている。
保健室で休養を取り、体調も万全となったしおりは、落ち着きなく庭を歩き回ってる。
多分今が決行の時だろう。級友の後押しのお陰で、一歩踏み出す決心が出来た。
幾度となく応援してくれたりしているのだ。後で必ず恩を返そうとも思っていた。
四郎兵衛は多分遅くなる。その方が都合が良い。
ちょっと抜けているけれど、何時も自分を気遣ってくれる四郎兵衛。
もう決心は付いた。
(あたしのたった一つのこの操…。貴方に捧げます!!)
「あ、えーっと…、しおり、ちゃん?」
「うひゃっ!」
不意に背後から声を掛けられ、その場から飛び上がる。
独り言が聞かれたのだろうか、おろおろしていると「あの、」とまた声が掛けられた。
後ろを向くと、深緑の制服を包んだ6年生が立っていた。
目付きがキツく、短い髷を結っている。
確か用具委員長の食満留三郎だ。
武闘派と名高く、あの潮江文次郎と互角に戦える6年生と聞いている。
だが目の前に居るのは、目付きこそは鋭いものの、何処か人の良さそうな雰囲気を纏っている。
「な、何でしょうか、食満先輩。」
「えーっと、その。ちょっといいかな?」
183 :
宵の恋 8:2008/07/03(木) 20:50:52 ID:0cdUESSF
ばつが悪そうに頭をがしがしと掻き、用件を言い難そうに口をもごもごとさせている。
どうも様子がおかしい。怪訝に見つめるしおりの視線に気付いたのか、はた、と目が合う。
「食満先輩?」
「あ。その、2週間後に房術の試験があるだろ?」
「…はい。」
俯くしおりをちらりと見やり、食満の心臓がずきずきと痛む。
言わなければいけないのだろう。何で俺がこんな事に。そう思うだけで今度は胃も痛くなってきた。
罪悪感に苛まれつつも首を横に振り、言葉を選んでいる。
「試験の相手、俺なんだ…。」
「え?!」
放った言葉に、しおりは目を丸くさせている。だから言いたくなかったんだと思いつつも、次の言葉が出て来ない。
嫌な予感がしつつも、口を開こうとしたその矢先。
「しおりちゃーん、お待たせ〜。」
その場面に何とも気の抜けた言葉が聞こえて来た。
後ろを振り向くと、泥まみれになった四郎兵衛が、ふらふらと歩いている。
この様子だとまた振り回されたらしい。四郎兵衛を見るなり、食満は頭を下げた。
「四郎兵衛すまん!!しおりちゃんの試験の相手、俺なんだ!!」
「…知ってます。」
「え?」
「立花先輩と潮江先輩に聞きました〜。」
「嫌じゃないの、か?」
そう言うと、四郎兵衛は下を向き、うーんと考え込んでいた。
「…決まった事なら…仕方…ないです…。」
それは消えそうな言葉だった。疲れの所為もあるのだろうが、顔はとても悲しそうで見るに耐えない。
御免な、と小さく謝ると、首を小さく横に振る。
ばつの悪い空気が流れ、しおりはただおろおろするばかりだ。
取り敢えず二人になりたい、そう思い四郎兵衛の手を引いた。
「食満先輩報告有難うございました!!それじゃ2週間後お願いします!!」
手を取った後に、電光石火の如き速さで四郎兵衛を引っ張って行った。
力が強いのか、四郎兵衛は宙へと浮いている。
その後姿を見つつ、食満は草叢へと目配りをした。
ぎりぎりと目付きが吊り上り、仙蔵と文次郎はすまん、と笑った。
184 :
宵の恋 9:2008/07/03(木) 21:29:19 ID:0cdUESSF
場所は変わり、連れて来られたのは脱衣所。
しおりの意図が理解できず、ただぽけっと四郎兵衛は突っ立っている。
「…あの、しおりちゃん?」
「あ、あの。しろ、べえ。い、一緒にお風呂に入りましょう!!」
「うん。……………………え!?」
何気無しに頷いたが、暫く考えると意味が理解出来たのか、驚きの声が響いた。
二人は何時も控えめで、手を繋ぐのにも一苦労だ。接吻も告白の時以来で、清い交際をしていた。
四郎兵衛は特にしおりが言わなければ何もして来ない。所謂受身だった。
自分でも大胆だろうと思うが、一刻を争う時だ。
「し、四郎兵衛疲れてるでしょ??あ、あたしが背中洗ってあげるから…、ね?」
「あ、あの、でも、その…。お願いします。」
まるで懇願する様に見上げられ、四郎兵衛の胸は高鳴るばかりだ。
思わずお願いと頼んだが、やはり恥ずかしい。
互いに後ろを向いたまま、服を脱ぎ始めた。衣擦れの音が響き、互いの鼓動が五月蝿い位だ。
布を固定し、四郎兵衛は先に風呂場へ入っていった。続けてしおりが入り、「清掃中」という札を掲げた。
これで多分誰も入って来ないだろう、そう思い、速やかに四郎兵衛の所へ駆け寄った。
背筋を真っ直ぐ伸ばし、見るからに緊張している。その証拠に、耳まで真っ赤だ。
背中にお湯を掛け、布に石鹸を絡ませてから泡立てる。
四郎兵衛の背中は小さく、何処か頼りない。背丈なら自分の方が若干高いから仕方ないと言える。
そう言えば四郎兵衛を意識したのも、風呂場が原因だった。
頼りないのに、何処か安心する。
「お疲れ様、四郎兵衛。」
「あ、ありがと…。」
湯浴みの心地良さにぼんやりするも、しおりの手が身体に触れた途端、緩んだ糸がぴんと突っ張る。
柔らかく白い手が肌に触れる。胸の音がしおりに聞こえるのではないかと思う位五月蝿く感じられる。
ふと、四郎兵衛がぽつりと呟いた。
「…しおりちゃん。ごめんね。」
「…え?」
「…食満先輩が相手だって知らされて、ぼく、何が何だか解らなくなっちゃって…。」
「四郎兵衛?」
「仕方ないって言ってたけど、本当はしおりちゃんが誰かに抱かれるの…嫌なんだ。」
四郎兵衛の言葉に、しおりの胸は高鳴る。
四郎兵衛は普段ぽけっとしてて、こう言った試験も誰と当たろうが気にしなさそうだったのに。
発せられた言葉は紛れもない「嫉妬」と言う二文字だった。
185 :
宵の恋 10:2008/07/03(木) 22:45:54 ID:0cdUESSF
くの一となれば、少なからず色を駆使して相手を惑わさなければならない事も出てくる。
そして、必要とあれば誰かと寝る事も厭わない事態に置かれることも。
それを理解するのには、四郎兵衛はまだ幼すぎた。
誰かに渡したくない。自分だけを見て欲しい。自分にこんな感情があるだなんて知らなかった。
どろりとした黒い闇なんて知らなかった。
知らされた時に、ちりちりと何かが胸を焦がした。仕方ない事は解っている。
こんな事言ったら、しおりは困ってしまうだろうし、食満だって困る。
「…っごめんね、ぼく…。」
「…しろべ…。」
ふるふると肩を震わせ、小さな嗚咽が聞こえた。
自分だって本当は嫌だ。
「あたしも…四郎兵衛以外嫌だよ…。」
「…しおり、ちゃん?」
後ろから抱きしめ、自分の方を向かせた。
はらりと巻いていた布が落ち、そのまま自然と二人は抱き合う。
同じ思いを胸に抱いていた事が嬉しくて、はらはらと涙を零す。自分だけじゃなかったと。
不意にお腹に固いものが当たる。
視線を下に落とすと、四郎兵衛自身が元気に天井を仰いでいた。
ばつが悪そうにぽつぽつと言葉を紡ぐ。
「しおりちゃん、ごめんね…。ぼく…。」
「四郎兵衛…あの。四郎兵衛なら…いいよ。」
それは肯定の合図だった。
こくりと頷くと、再度気持ちを確かめる様に口付けを落とす。
叢雲に霞んだ月が、二人の様子をそっと見守るように、雲の隙間から覗いていた。
続
次からエロ入ります!待たせてすいませんorz
GJ!
いよいよだね!
六年生部屋セッティングの苦労は報われるのか?
使って欲しいけど、無理かな〜
昔話の人GJ!!
こういう雰囲気の話好きだな。
次回のギャグも期待してるよ!!
しろべの人もGJ!!
ついにエロか・・・
待ってます。
昔話の人感動をありがとう…!!
久々に泣いたら目が腫れたがこっちまで幸せになった!
しろべの人エロ超待ってた!セッティングが気になるな…w
転校生話ラスト。投下させて頂きます。
あれから一月。
突如転校生が「一身上の都合」とやらで再び転校していったらしい。
その情報が流れるや否や、がっかりとした表情の生徒が後を絶たなかった。
いや、生徒だけではない。先生もがっかりする者が多かった。
「ねえきり丸。最近土井先生元気ないよね。」
「元気ないっていうかさ、おかしいよな。今朝なんて竹輪食っても気づいてなかったぜ。」
「どーりで僕のところに竹輪持って来なかったわけだぁ。」
大嫌いな練り物を食べても気づかないような事が何かあっただろうか。
一年は組はまた、自分たちが何かやらかしたのではないかと悩んでいた。
「まーたテキスト遅れてんのか?これだからは組は!」
「い組の伝七!」
窓から2クラス向こうのい組の生徒、黒門伝七がは組をからかう。
「どうせは組の成績が悪すぎて土井先生の胃が軽石みたいになってんじゃないのォ?」
そーそー、と後ろから左吉も顔をのぞかせて言う。
「うちの担任の安藤先生は超元気で授業もサックサク進むしなー!」
あっはははと笑いながら廊下の奥へ二人は消えていった。
「くっそー、相変わらず厭味だよなー。」
「…ん?まって。安藤先生が元気?」
「どしたの庄ちゃん。」
は組の頭脳、庄左ヱ門が何かに気づいた。
「思い出してみろよ。元気のない人と普通の人。例えば…」
「おーっと、そこまで、だ!」
「不破先輩!…と不破先輩。」
「いやいや、どっちかが鉢屋だと言ってくれ。」
庄左ヱ門の推理の静止に入ったのは五年の不破と鉢屋だった。
「何で止めるんですか?僕達は先生の事が心配で…」
ビッ、と庄左ヱ門言葉を止めるように手のひらを突き出し、目を閉じて首を振る。
普段なら鉢屋がふざけて何かやらかしそうなのだが、鉢屋さえも本気の静止だった。
「一年よ。まだ十歳なんだから純粋でいろ。な。」
「そうだよ。南蛮では『ぴゅあ』って言うんだけど、いい言葉だろ?」
本気の静止をしているが、二人の目線と思考は遠くの方に行っていた。
「…先輩も元気ないね…。ピューレの味が忘れられないのかなぁ?」
「しんべヱヨダレヨダレ。ピュア、ね。」
「でもさ、本当…、この件からは手を引こうよ庄ちゃん。」
「何でさ乱太郎。」
「なんとなく…。とぉーい未来から『真実はいつも1つ』とか聞こえた気もするし。」
「?なんじゃそら?」
首をかしげる一年生の頬を、初夏の風が優しく撫でていたその頃…
「ただいま戻りました…。」
風魔流忍術学園の戸を叩く音がした。
重々しい音を立て、内側から強面の男性、この学校の教師の山野金太が現れた。
「おおお前か。ご苦労であったな。」
恐い顔を崩し、ニコニコと優しく笑って転校生を迎える。
一歩前に脚を踏み入れると、慣れ親しんだ我が母校、風魔流忍術学園。
転校生はヘナヘナと全身の力が抜け、「はへぇ〜」と声をもらした。
「どうした帰るなり。そんなに大変だったのか。」
「えぇとても…。」
駆けめぐるのはバレないようにする努力でも一月過ごす事でも図面を起こす事でもない。
ただただ、来る日も来る日も分刻みであり得ないシュチュエーションでバレてしまって
口止め料としての隠事をしたどぎつい桃色の日々…。
お陰で若くしてガバガバになっていたらどうしようかと思っていたが、
給食当番だったしょくまん(と呼んだら怒られました。)に茄子を入れられた時、
緩んでそうなので陰部を締め付けたら茄子が真っ二つにちぎれたのだ。
中に入ったままの茄子が取れなくなって危うく漬け物になりかけていたのを
保健委員の善法寺先輩に取ってもらったが故にまたバレてそんでもって…
思い出したらきりがない。
「お前と交換学生として来ていた忍術学園のくノ一のなおみちゃんも苦労しておったわ。」
「へ、そんな事がいつの間に。」
「お前必死すぎて話最後まで聞いとらんかったな?」
「サーセン…。」
それほど必死だったというのに、と考えると、更にぐったりした。
「では、結果を見せて貰おう。」
「は、ハイ。」
教員室横の小部屋で転校生は忍術学園の見取り図面を拡げた。
「ほお。見事だな。ここに洞窟が?わしの知らない場所まで描かれておる。」
ほうほうとうなずきながら関心する先生は端から端まで細かく目を通す。
そりゃそうだ。書き起こし不可と言われていた学園内をここまで書き起こせたのは
生徒1人1人が秘密の隠れ場所を知っていたからだ。
学園見取り図であると同時に、自分の性記録となってしまった。
上から下までじっくりと図面を眺める先生を手に汗握り、じっと見つめる。
タカ丸に「女の子でしょ」と言われた時よりも心臓がドキドキとうるさい。
もしかしたら進級できるかもしれないし不合格かもしれない。瀬戸際掛けっぷち。
「…ふむ。図面はよかろう。合格じゃ。」
「本当ですか!?」
緊張はすっ飛び、転校生の曇った顔は、ぱぁっと晴れた。望みはまだある。
「うむ。一月耐えて学園内で過ごしたしな。だが…。」
再び転校生の心臓がドキッと跳ねる。
「……だ、だが…?」
「恐るべし忍術学園、といったところじゃな。凄まじいバレ方じゃ。」
「し、ししし知っておいてでしたかかかかか」
真っ白になって固まり、口から脱魂してしまった。
「おぉ、当たり前じゃ。ずぅー…っと見ておったからな!」
がっはっはっはっと豪快に笑う先生の前で転校生の顔面が真っ赤になった。
ずっとって…、あんな淫事こんな淫事、いっぱいあるけど全て見られていたという事か。
転校生は恥と悔しさで覚悟をした。女は引き際が肝心なのだ。
「…解りました。四年間、大変お世話になりました…。」
留年するくらいならば、いっそ学園を去ろう。そして田舎に帰ってリンゴでも作ろう。
「まぁ待て。点数を言い渡す。図面40点、一月一日一点で30点、性別がバレたので0点、計70点。」
合格点は85点。やはりダメだ。
「しかし口止めとしてのくノ一の術、見事であった。これは補習で補ってやろう。」
「え。」
「補習を受ければ合格、進級確定じゃ。」
「本当ですか!?」
再び肩の力が抜け、前のめりにへにょっと倒れ込んでしまった。
「よし、では早速補習じゃ!」
へろへろしている転校生が力なく目線を上げると、年季の入った巨木が目の前にあった。
「へ!?うへぇっ!?」
もんじr…ゴキブリのようにシャカシャカと後ろに後ずさり、勢いよく壁にぶつかる。
何がどうして先生の見た事のない年期の入った色も形大きさもも素晴らしい陰茎が目の前に。
「口止めの技、実践以外では評価しようもあるまい。よって、実践じゃ!」
「なん…だと?」
数日後、忍術学園に手紙が来た。
「なおみちゃん、お手紙だよ。」
「あら小松田さん。ありがとう。」
受け取った手紙が汚れていた。この人はどこまでダメなんだろう。
「なおみちゃんにお手紙なんて珍しいわねー。ねえ誰から?」
「もしかして恋文?」
「え!?なおみちゃんが恋文もらったって!?」
「うそォー!!誰から誰からー!?」
どやどやとなおみの周りにくノ一達が集まり、なおみは焦った。
「ちょ、ちょっとぉ、恋文と決まった訳じゃないのにそんなに集まられても…。」
「いいからいいから!ねえ誰?」
「えぇと…、差出…人…は、と。」
手紙を裏返したが、肝心の名前の部分が汚れと湿り気で滲んでいて読めない。
「肝心な所を滲ませるなんて…。さすが小松田さん。」
それでも読める所を解読していく。
「かぜ…、…ま?かな?な、がれる…、あ。風魔流!?」
「風魔ってこの前なおみちゃんが一月行ってたあの学校!?」
途端になおみの顔が火照った。与四郎とのあの事が否が応でも頭に過ぎる。
「ぷ、ぷらいべぇとな事だから先に読ませて!成績の話だったら恥ずかしいし!」
と拒否したなおみの手には、既に手紙が無かった。
「えーとなになに?『拝啓忍術学園くノ一教室なおみ様…』こっから滲んで読めないわね。」
「猪々子おおおおおおおおっ!?」
「あれ?もう一枚ある…。」
忍術学園潜入報告書
山野先生が一番凄い
「…なにこれ。」
「間違って報告書送ってきちゃったのかしら。」
なおみは与四郎からではなかった事に安心したが、その一文で全てを悟って
無言で風魔流忍術学園の方角に向かって敬礼をした。
長い事おつき合いありがとうございました。
最後の最後で長くなってスイマセンでしたorz
GJ!
ありがとうございます。
笑いがこらえきれなかったw
食満、、しょくまんてずっと読んでてごめんね。
転校生、浮き沈み人生ww
リンゴでも作ろう。って故郷は青森か長野なのだろうか?
他の地方でもありえる訳だが、青森だとしたらえらく遠いなw
193 :
宵の恋 10:2008/07/05(土) 13:21:27 ID:Q2G+LiFg
転校生の人GJ!!
最初から最後まで笑いが止まらなかったぜ!腹筋返せw
しろべとしおりちゃん、ラスト。
群青に塗られた夜空に、くすんだ色の雲が掛かる。
その雲間にはひっそりと朧げな月が覗いており、静寂に包まれた学園を見守っている。
湿った床に、ぴちゃん、と水が一滴跳ねた。
薄桃色の唇が微かに震える。これから起こる事に、僅かな期待と不安でしおりは身を震わせた。
それは四郎兵衛も同じで、互いに経験などない。
胸の高鳴りが五月蝿く、余計な事まで考えてしまいそうになる頭を横に振り、
そっとしおりを床に押し倒そうとした―――矢先だった。
急に床に穴が開き、その事態が飲み込めずに漆黒の闇の中へと落ちて行く。
ただどうする事も出来ずにいたが、それでもしおりに怪我をさせまいと、落ちて行く最中でしっかりと抱き止めた。
迫り来るであろう衝撃に固く目を瞑ったが、その衝撃は何とも情けないもので、二人が落ちた先は柔らかい地面だった。
その手触りは心地良く、上質なもので、多分絹なのだろう。
ふわふわとした手触りと、落ちた場所が解らず、二人は目を泳がせたままだ。
不意にその場所に灯りがついた。
二人が見た物は、まるでどこかの貴族が寝泊りでもするような寝室で、どれも豪勢な物だった。
忍術学園に何でこんな物が置いてあるのかは解らないが、見事に作られたその部屋に、しおりは目を輝かせていた。
所々南蛮じみた装飾があり、和と洋の合わせ技といった所か。
だが、風雅な佇まいの部屋は、何処となく違っていた。
葡萄酒のような色の布が壁に掛かり、二人が座っている場所は如何見ても寝る場所だと想像はつく。
布団は上質なもので、何故か丸型の舞台に羽織られている。
「…凄いね、この部屋。」
「うん!でも誰がやったんだろ?」
そんな会話を二人がしている同時刻。
浴室に向かった伊作と仙蔵は、顔を見合わせほくそ笑んだ。
後は二人の時間だ。
薄暗い部屋の中で、行灯の光がゆらゆらと二人の影を映す。
部屋の興奮が漸く治まったしおりは、目的を思い出したのか、はた、と四郎兵衛を見やる。
丸い目が数度瞬き、やがて四郎兵衛も思い出したのか頬を赤らめる。
194 :
宵の恋 12:2008/07/05(土) 13:49:21 ID:Q2G+LiFg
上の11でしたorz
「あ、あの。しおり、ちゃん。ぼくで良いの?」
「うん…。」
こくりと頷くと、しおりは三つ指を立てた後、深々と頭を下げた。
続いて四郎兵衛も頭を下げる。
最早後戻りは出来ない。
後戻りだなんて、とうに捨ててしまっている。ただ身を任せるだけだ。
「お願いします。」
「こちらこそ、お願いします。」
そう言ったものの、経験と技術は皆無。
如何すれば良いのかさっぱり解らない。長次に貰った本には、まず相手を思いやる事だと書いてあった。
考え込む四郎兵衛を、しおりは只見つめているだけで、自分からは何もして来ない。
ふと四郎兵衛の下半身に目をやると、先程まで元気になっていたソレは、時間が経ったのかしゅんと萎えてしまっている。
少しの好奇心で、おずおずとしおりは四郎兵衛自身に手を伸ばす。
「し、しおり、ちゃん?!」
「し、四郎兵衛の、元気ないから…。あたしが…元気にしてあげる…。」
「うえっ?!…っ、う…。」
四郎兵衛の竿をゆっくりと撫で上げると、それが気持ち良いと言うように軽く動いた。
拙い手付きで、今度は両手でそっと包み込み、ゆるゆるとした動きで上下に動かす。
自分でもまだ数度しか経験のない快感は、四郎兵衛にとっては軽い拷問のようだ。
手の中で硬度を増す四郎兵衛のモノに、しおりは不思議そうに見入っていた。
「っく、し、しおりちゃん…。」
「四郎兵衛、もっと良くなって…。」
瞳を潤ませ、普段結った髪が肩に掛かるその様は、酷く扇情的だった。
不意にぬるりとした感触が全身に広がる。
今度は口を使い、四郎兵衛に奉仕する形を取っている。
「し、しおりちゃん!駄目だよ!!汚い…から…。」
「汚くなんか…ないもん…。好きだから出来るんだもん…。」
その健気な言葉に、四郎兵衛の胸は甘く疼く。
自分を全て受け入れてくれると思うと、こんなに嬉しいことはない。
温かい口腔と、ちろちろと拙くも心地良い舌の感触に限界が来たのか、小さく呻くと欲を吐き出した。
白濁の欲望がしおりの口元を汚し、四郎兵衛は慌てる。
「ご、ごめん、しおりちゃん…。」
「四郎兵衛が気持ち良かったなら、嬉しいよ…。」
咳き込みながら放つその言葉には、何の裏表も感じられない。
好きな男が自分の拙い技術で達してくれたのだ。嬉しくない訳がない。
195 :
宵の恋 13:2008/07/05(土) 14:24:42 ID:Q2G+LiFg
息を整えると、四郎兵衛はそっとしおりを横に倒した。覆い被さり、啄ばむ様な口付けの音が部屋に木霊する。
幼い口付けでは足りないと言う様に、深く貪る様に舌を滑り込ませる。
驚いたしおりだったが、自分もその舌を重ねるように絡ませ、互いに求める様に口を吸い合う。
やがて口が離され、おずおずとその手はしおりの膨らみを撫でる。
まだ熟れ切っていない未熟ながらも形の良い乳房、なだらかな丘陵の先端には、可愛らしい桃色の飾りが咲いていた。
白い肌は、何処か甘い香りが漂う様にも思えた。
それは正しく媚薬の如く、四郎兵衛の僅かな理性を焼き切る程だった。
まだ誰も見た事がない、見せたことのない裸体に、四郎兵衛は僅かな優越感に口を歪ませた。
暫くじっと見惚れている四郎兵衛の下で、しおりの羞恥に染まった声が零れた。
僅かな抵抗なのだろうか、それは返って逆効果で、情欲を煽る材料にしかならない。
そっとしおりの乳房を包み、その膨らみをなぞる様に撫でて行く。
「あ……ぅっ!」
柔らかく撫でる手付きが、徐々に強さを増して行く。
弧を描く様に揉みしだき、しおりはその刺激に漏れそうな声を必死で押し殺す。
その様子に気付いたのか、四郎兵衛はその飾りを摘みあげる。
「ひゃぁっ…。」
「しおりちゃん、声、聞かせて?」
「で、でも…っ…。」
「聞きたい。」
その眸は、まるで欲望に燃えた狼の様に思えた。
四郎兵衛はこんな少年だっただろうか?
普段と酷く違うその眼差しに、しおりはなす術は持ち合わせてなかった。
飾りを口に含み、音を立てて吸い上げる。
もう一つの手は飾りを転がしたり、摘んだり、膨らみを撫でたりしている。
身体に電流を送られた様に、身体が痺れる。
決して気持ち悪いものではなく、不思議と心地良い。
口が離され、手はゆるりと太股を撫で上げる。
ぴったりと貝のように閉じた中心に、そっと指が触れた。
花の中心を優しく開くように、ゆっくりと指でなぞって行く。
くすぐったい感覚に身を捩らせようとしたが、四郎兵衛にしっかりと掴まれていて、身動きが出来ない。
196 :
宵の恋 14:2008/07/05(土) 14:53:41 ID:Q2G+LiFg
秘所を触られる感覚に、しおりの身体が大きく撥ねる。
自分ですら数度しか触れた事のない場所に触れられ、怖くなったのか四郎兵衛にしがみ付く。
「しろ、べえ…。」
「ご、ごめんね、怖がらせて…。大丈夫だよ。」
「っ…うん。」
しおりを安心させる様に、ぽんぽんと肩を一定のリズムで優しく叩く。
欲望のままにしおりを怖がらせてしまった事に、四郎兵衛は自分自身の愚行に眉を顰めた。
「…ごめんね…、ぼく…。」
「良いよ…、続けて、ね?」
四郎兵衛の頭を軽く撫でると、小さく頷いた。
そっと花弁を押し分け、指をそこに埋没させた。
侵入する痛みに眉を顰め、それを見るなり動きを止め、暫くすると指の根元まで様子を見ながら埋め込んで行く。
四郎兵衛の指は、ずっと脚の間で蠢いていて、しおりは自分の身体がどうなっているのか解らなかった。
ただ、広げられたり、擦られている感触は解る。
じわりとした蜜が、四郎兵衛の指に伝わる。
蜜を指に絡ませ、花芽を擦り上げると一際大きな声が上がった。
こうすると良いのかな、と、曖昧な知識でそこをきゅっと摘む。
「ひゃ、ぁんっ!…はぁ。」
「ご、ごめん。痛い?」
「…へーき…。」
指に絡ませた蜜をぺろりと舐め、しおりの脚を割り開く。
もう自分自身も限界に近づいていた。顔は燃える様に紅く染まり、息も荒い。
切迫した様子に、しおりは慌てて四郎兵衛を押し戻す。
「あ、あの、あの。四郎兵衛、や、優しく…して、ね?」
「う、うん…。」
紅潮した頬に、眸は潤んでいる。
髪が顔に張り付き、何とも悩ましい。
その様子とは裏腹に、出てきた言葉は正に乙女そのものの初々しさで、四郎兵衛も言葉を飲み込む。
197 :
宵の恋 15:2008/07/05(土) 15:44:45 ID:Q2G+LiFg
ふるふると寒さに耐える小鳥の様に身を震わせ、四郎兵衛は落ち着く様に息を吐いた。
そっと自分自身を秘所に押し当て、ゆっくりとしおりの中へと自身を埋める。
「ひ…あ…あぁ…。」
上擦った声が聞こえた――その直後、声は悲鳴と変わった。
無理矢理に侵入してくる異物に、鈍い痛みを伴いながら、ソレは推し進められた。
一瞬ではない、長引きそうな痛みに、圧迫感も混ざり合い、か細い悲鳴が聞こえた。
「痛…あぁ!痛いぃっ!!」
今まで経験したことの無い痛みに、ただしおりは耐える事しか出来なかった。
閉じられた瞳に、薄っすらと涙が浮かび、一滴零れ落ちた。
「しおりちゃん…、ごめんね、ごめんね…。」
「しろ、べ?」
恐る恐る目を開けると、四郎兵衛の眸にも涙が浮かんでいた。
紅潮した頬は明らかに興奮している証拠だが、切なそうに眉を下げている。
気持ち良いのではないのだろうか、ふとした疑問が脳裏を掠める。
「大丈夫…、大丈夫…だから。」
「しおりちゃ…っ…!」
自分だって辛い筈なのに、四郎兵衛を安心させようと笑みを浮かべる。
強く抱きしめた後、ゆっくりと抽送を始めた。
「っ…うぅっ…あはぁっ…!」
「しおりちゃ…っしおり…。」
湧き上がる熱さに、しおりは怖くなり必死で四郎兵衛にしがみ付く。
微かに漏れる嬌声も、卑猥な音も、背中に刻まれる痛みも、全てが愛おしい。
まるで現実と引き離されたように思えて、必死で名前を呼んでみる。
夢ならば醒めないで欲しい、現実なら証が欲しい。ただそれだけを強く思い、拙い動きでしおりを貫く。
「っああぁ!!しろ、べえ…!!」
「くっ!」
一度ごとに、刻み付ける様に突き上げる。
奥の奥まで蹂躙するように、限界も近い事を忘れてナカを抉る。
小さな喘ぎと共に、名前を呼ばれ、ぞくりと何かが震えた瞬間、全てを吐き出した。
渦巻いていた欲望は、熱い奔流となりしおりの胎内に注がれる。
自分を満たす熱さと、僅かな快楽に身を震わせ、行為が終わったのだと悟った
198 :
宵の恋 16:2008/07/05(土) 16:06:54 ID:Q2G+LiFg
静かに自身を引き抜くと、白濁した液体が彼女の蜜と混じって、とろりと結合部から流れ出す。
それには破瓜による紅い雫も混じり、太股を伝って、薄紅色の花が咲いた様に布団に散った。
それは彼女が先程まで、生娘だった証拠だ。
手に入れた――。
それは四郎兵衛の胸の奥にある、どろりとした感情を満たしていた。
しおりを見ると、健やかな寝息を立てている。昨夜寝られなかった所為もあるのだろう。
四郎兵衛自身も、委員会の疲れも相まって睡魔が襲ってくる。
汚れた場所をふき取り、そっと布団を掛ける。
やがて数秒も経たない内に、四郎兵衛も寝息を立てた。
闇雲に隠れた朧月が、心地の良い風と共に優しく照らし出す。
荒ぶる戦乱の時代故に、平和は何時来るのだろうか。
時代が違えば、二人はまた違っていたのだろうか?
儚くも柔らかな月光は、何を想うのだろうか――――。
幼い二人は、そんな事は知る事も無い。
例え遠く遠く離れたとしても、想いは変わらないだろう。
宵に包まれて寝ている二人は、互いに手を繋いでいた。
宵の恋は、まだ終わらない―――。
終
199 :
しろべの人:2008/07/05(土) 16:14:44 ID:Q2G+LiFg
何か微妙に四郎兵衛が黒く見える…。
取り敢えず二人の初体験はおわりますた。次回予定してるのは食満との房術試験。
3Pでもやっちまおうかと。
拙い文章ですが、此処まで読んで下さった皆さんに感謝です!
リアタイで読めたこの幸せ…激しくGJ!!!
感動エロに目覚めそうだw
ありがとうしろべの人!ありがとうしろべの人!
大事な事なので2回言いました。
201 :
転校生の人:2008/07/05(土) 16:18:51 ID:2zQTXSzN
名前ミスってスマソ
3Pも期待してるんだぜwww
ほほえましい純愛のあと、一気に3Pとはなんというステップアップ!
食満がどう絡んでくるのか楽しみです。
しろべの人&転校生の人GJ!
四郎兵衛としおりの初々しいエロ最高!
転校生の描かれなかった桃色の日々も気になる・・・
仙蔵×町娘、投下させて頂きます。
上級生ともなれば、夜中に学園をこっそり抜け出して女の元へ行く生徒がいるのだという。
六年い組の立花仙蔵は、その生徒の一人だった。
時は夜半。生徒は寝静まり、学園内が静寂に包まれる。
仙蔵は私服に着替え、笠を深く被る。自部屋を出て、辺りを伺いながら塀に向かう。
鉤縄を駆使して軽々と塀に登り、音もなく着地すると、町のほうへと駆け出した。
行燈を灯し、独り、町娘はいた。
子供のようなあどけなさが残っている顔つきだが、身体は成熟した女に近く、艶めかしさを漂わせていた。
不意に戸を叩く音がした。こんな夜半に訪ねてくるのは何者か。
注意を払いつつ、戸を開けるとそこには笠を目深く被っている、すらりとした体型の男がいた。
娘ははっとする。なぜならその姿は身に覚えがあったからだ。男は笠を上げ、顔を覗かせる。
「…久しぶりだ」
二人は円座に座り、他愛もない会話をし始める。
娘はよく笑話を求めてきて、仙蔵にとってはくだらない話でも、娘は笑みを浮かべていた。
彼女のその表情を見ると、本当に純粋な町娘なのだと安心する。
「…さて」
仙蔵は茶を飲み干し、湯呑みを床に置いて一言、そう呟いた。
和やかだった場の空気が、一気に変わる。娘の鼓動が昂ぶり始めた。
仙蔵は娘を布団の上にゆっくりと押し倒す。互いの指を絡ませ、唇を重ねる。
とくん、とくん、と娘の跳ね上がる鼓動が、着物越しでもはっきり伝わってくるのがわかった。
娘の口内へ舌を這わせると、娘は甘い吐息を漏らした。
仙蔵は片方の手を離し、娘の二の腕、肩、乳房、腰を伝っていく。
着物の隙間から手を滑り込ませ、太股を舐めるように撫でると娘の身体が緊張する。
そっと顔を離すと、互いの舌からは銀の糸が架かっていた。
仙蔵は娘の着物に手を掛け、帯を緩めると華奢な体が露わになった。
彼に負けず劣らず透き通るような美しい肌、形の良い豊満な乳房、
すっきりと括れた腰、女性特有の曲線を描く尻。それらは行燈に照らされ、妖艶だった。
扇動するような姿に、仙蔵の自身がそそり立つ。そこらの悪漢なら今にも
獣の如く襲いかかるであろう猛りを抑え、理性を保ち、冷静でいる。
仙蔵の頬筋が緩んだ。裸体を露わにされ、頬を紅く染め上げ、目を逸らし、羞恥している姿が愛おしかった。
仙蔵は娘の豊満な乳房を揉みしだく。桃色の突起を指で弄んだり、舌で舐めると
娘は目を細めて甘い喘ぎ声を漏らし、徐々に息は荒げ、身を捩る。
娘の秘部に手を伸ばし、二本の指を這わせると、そこはすでに愛液で漏れていた。
指で突起を擦ったり、膣内を掻き回すと娘の腰がびくりと跳ね上がる。
目を潤ませ、切ない喘ぎ声が溢れる。足はがくがくと震えていた。
娘の秘部が十分に漏れているのを確認すると、娘の脹ら脛に手を掛ける。
軽く持ち上げて腰を浮かせ、足を開かせた。自身を袴から抜き出し、秘部に宛がうとゆっくり沈める。
娘の膣内は自身に纏わり付き、繊細に蠢いている。それは仙蔵を酷く煽るようだった。
気を緩めば、今にも果ててしまいそうな衝動を殺し、体重を掛けて突き上げる。
卑しい水音と甘い喘ぎ声が静寂な室内に響き、女の、蒸れる熱と匂いが立ち込めてゆく。
仙蔵は普段の涼しげな顔にそぐわない、額に汗をうっすらと浮かべていた。
娘は、奥へと突き上げられる度に身体に電流が走り、体を仰け反らす。
快感に溺れたように恍惚の表情を浮かべ、呼吸は乱れ、嬌声を上げている。
仙蔵の着物に縋りつき、求めるように彼の名を呼ぶと、娘は絶頂を迎えた。
膣内が波打った瞬間、仙蔵は限界に達し、精を放つ。娘は膣内が満たされる感覚に酔いしれる。
二人は肩で息をしながら余韻に浸っていた。
「今日は急に訪ねてしまって、すまなかったな」
草鞋を履いて立ち上がると、振り返って娘を見やる。娘は首を横に振り、頬をほんのり赤らめて微笑んだ。
それは悦楽した表情だったが、次第に名残惜しい表情へと変わっていった。
仙蔵は笠を目深く下げ、踵を返した瞬間、娘は問いかけた。即座に振り返る。
一言、娘は短く告げると、仙蔵は穏やかな表情で応答した。
娘は闇の中へと消えてゆく彼の後ろ姿を、いつまでも見つめていた。
終
以上です。
それでは名無しに戻ります。
どろん
なんか、エロスというのを超えて、文学っぽいね
耽美GJ!
ご馳走様でした
仙蔵のイメージががらりと変わったよ。
さわやか青春エロGJ!
ぶ、文学〜
こ、これは文学!
静かなエロもいいなあ。
閑かで美しい…!
ところで、性に疎い&性格はともかく見目麗しい&体つきが整ってきてる割に、声変わりや精通がまだ(妊娠の心配なし)…のトリプルコンボから、くノ一達に房中術の練習と称した逆レイプを受けまくる三木ヱ門が急に読みたくなった。
あまりにも騒ぎ立てるので両腕を拘束&目隠しをされ、「私をユリコだと思えばいいでしょ!」と宥められるも、
事ある事に泣き喚き、時にはしゃくりあげながら「ユリコはそんなこと言わない。」と呟く様はどうみても飛影はそんなこと言わないの腐女子です。本当にありがとうございました。
>>210 飛影はそんなこと言わない吹いたw懐かしいw
逆レイプするくノ一いいな。
初なゆきに手取り足取り教える積極的なともみを誰か書いてくれ。
ほしゅう
213 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 12:41:52 ID:MVDMo7oe
>210
そのテンションの高さは、あんた転校生の人か?w
とりあえずもちつけw
今更だけどこへユキ書くって言ってた人、
全裸でまってますんでよろしく!
214 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 12:44:56 ID:pAHfyZtx
215 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 15:25:25 ID:lqKtjmZx
あちぃ〜
ひぃ・・・!
しばらくもぐっている間に色々終結してたんだね
秘密の人、あんなもんでも拾ってくれてありがとう!!
神奈川弁が難しくて放置してたのに・・・
本当にありがとう!!!!
昔某時代物漫画を読んで以来、髪結いといえば髪を結うついでにセクロスして情報を盗む密偵役というイメージがある
タカ丸も将来忍者になったらやんごとなき身分の奥方の若いツバメとしてそういう仕事をするんだろうか
「奥様の髪は僕が今まで見た中で一等綺麗です」
「まあ、上手ね。でも最近旦那が忙しくなってて手入れが行き届かないわ」
「と、いうと」
「ここだけの話ね、近いうちに戦が起こるかもしれないのよ」
「へえ。そりゃこわいなぁ」
みたいな…
218 :
転校生の人:2008/07/11(金) 22:57:43 ID:mk6zwMkU
>>213 違うぞwテンション高けりゃ自分ってどういう事だw
>>216 お礼を言いたいのはこちらの方だ!何度読んでもいいな与四郎なおみw
ただ言いにくいのだが、神奈川弁がさっぱりわからなかった…w
221 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:07:46 ID:OgyzJOnO
15歳メンバーだと誰が一番デカいんだろうか。
もちろん股間的な意味でだぞ。身長じゃないぞ。
自分は、ろ組はデカそうな予感がするんだ。タカ丸も…頭からして…
一年は組のフリチンがあるんだから六年があってもいいとおもうんだ。
222 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 04:21:34 ID:9A0aM4yu
>>221 六年のフリチンなんか確実に放映できないw
BPOに苦情が殺到ww
>>221 長次、小平太、文次郎あたりだろか
保健委員という特性で伊作とか
1年のだって今はもう無理だろう
頭とムスコって比例するの?
文次郎は案外粗チンぽい
====●
あ。
>>224の方角に向かって砲弾が…!
逃げてー!もしくは男一本で粉砕してー!
おまいら大木先生のどこんじょう棒を忘れてはいけないよ
文次郎はサイズは普通で黒くて硬そう
長次は巨チン
女子の皆さん、そろそろやめようぜ
再びカキコすまん。
>>221 昔のマガジンの漫画みたいだが、風呂場でブツ比べとかやりそうではあるな。
発端が食満VS文次郎辺りで、鼻で笑う仙蔵がとばっちり受けて、
七松と伊作が面白そうだと話に乗って、遅れて風呂に来た長次に全員顔を引きつらせ、
最後に何も知らず入ってきたタカ丸に皆涙目。
『男は大きさじゃないよな』と6年各自心に言い聞かせつつも、
しばらく無意識の内にタカ丸に敬語を使っていたという。
……って電波が届いた気がするので書いてみた。反省はしている。
ちょっと男一本で崖崩してくるわ。ノシ
>>229 前のレスでたしなめられてるのも見えないの?
男キャラしか関係しないシモ話は
誤解を招かないためにも数字でやろうよ
↓マターリと。
職忍さんまだかなー
wktkがとまらない
「ほれ、どうした?先ほどの鶴の声ももう出ないか。」
「あ、アァ、ハァッ、アゥッ。」
寝所の布団の上で、女は生まれた姿のまま足を開いていた。
ドクタケ城城主木野小次郎竹高は、その間に身体を収め、こちらは寝間着を着たままで、女の秘所に指戯を施している。
指で遊んで、かれこれもう十分以上だろうか?濡れそぼり、艶やかに開花した華は今か今かとその時を待ち蜜を零す。
「殿……お願いです、早く……ぅ……。」
まろやかな尻を揺すり、女は懇願するが、この男は首を縦に振らなかった。
「まだ、じゃ。わしはこう、女が本当に腰抜けになるまでするのが好みでな。」
ずぷぅっ、と中指が奥まで入り込む。三本の指を先ほどまでしゃぶっていたそこは、そんなものなど容易く飲み込むことが出来た。
「アッ……もう、指だけでは……ァア……ッ。」
中指がきゅん、と子壷の入り口を撫ぜる。筆で舐められた衝撃が走り、女の腰がひどくはねた。
「しょうがないのう……。」
竹高の声を聞き、女は息を吐いた。これで、これでようやく。
しかしその期待は脆くも崩れ去った。彼は褌を外すこともなく、親指で赤く充血した実を、中指と人差し指で蜜壷を、薬指で後孔を同時に愛撫したのだl
「アァー!!!!」
三箇所からの激しい快楽に耐え切れず、彼女は声を上げて見事に果てた。
気絶した女を見下ろしながら、懐紙で指を拭う。月光の下、女のくねる肢体は妙に艶かしい。
「殿。」
八方斎が障子越しから声をかけてきた。いつもながら大きい頭の影が滑稽である。
「良いくの一だな。肉でわしのものを食いちぎるつもりだったらしい。」
纏っている空気があまりにも普通の女で、一瞬だまされそうになったが、中の感触は普通の女と違い、まるで岩を撫でている様に硬かった。
「いかが致しましょう。」
「地下の牢でたっぷりと遊んでやれ。解れた頃に、わしが遊ぶとしよう。」
「わかりました……。」
竹高が寝所を出た後、後ろの部屋が騒がしくなる。
さて、あの女どれくらいでものになるか。と、彼は一人静かに日数を数えていた。
終わり
おつまみ代わりにどうぞ。そういや来週から竹高さんでるっすね。
GJ!!
まさかの竹高様に興奮が治まらないよ!!
つまみ以上のものをありがとう。
あれ?殿と八宝菜がかっこよく見えるよ?
GJ!落乱の一応悪役の面目躍如だな!
236 :
乱×ユキ 1:2008/07/14(月) 23:33:19 ID:Y7A271u4
ドクタケぇ…!伊達に殿様じゃないな竹高様。
ありがとうおいしくい頂いた!
自分も書けたのでちょいと投下。
流血、死ネタ的な雰囲気注意。
ガタガタと風で納屋の戸が鳴る。
深々と積もる雪は音をそっとくるんで無に還す。
「ねぇ…。しっかりしてよ乱太郎…。」
乱太郎の服の裾を握るユキの手が、寒さと心でガタガタと震える。
納屋の戸の音は、実は震えるユキから出ている音ではないか、と乱太郎は朧気に思った。
白い息が浮かんでは消え、体温が徐々に奪われていく。
「乱太郎、大丈夫よね?こんな傷平気よね?」
あぁユキちゃんが泣いてる。
「あたしが手当てしてあげたのよ?治んなかったら承知…しないんだ…からぁ…。」
息も凍てつく寒さなのにユキちゃんの涙はどうして暖かいの?
刺された胸とは別の場所がズキンと痛む。
忍び込んだ城に、たまたま女中に化けていたユキがいた事が嬉しかったのだろうか。油断をした。
卒業をしてから、城の内定をなんとかもらって三流ながらも忍び仕事を頑張っていた。
一足先に学園を卒業したユキは、家業をしながらフリーのくノ一をやっている、という事は乱太郎も耳にしていた。
いじわるをされたあの日から、乱太郎にとって特別な存在だった彼女。
なにも告げられぬまま離れてしまっていたのに、こんなかたちで出会えるなど誰が予想したであろうか。
なのに、乱太郎の視界は霞んでいく一方であった。
虫の息。今の自分にぴったりのあだ名を思いついて少し笑う。
体温を奪われて白くなっていく顔に対し、胸に巻かれた白い包帯は赤く染まっていく。
「だめ、ダメ、乱太郎、駄目よ。」
必死に止血をしようと傷口付近に手をやると、青白くなった手が赤く染まる。
「止まってよ。止まってよ。止まってよ…。」
乱太郎の血以上にユキの涙が溢れて止まらない。
237 :
乱×ユキ 2:2008/07/14(月) 23:34:10 ID:Y7A271u4
「…最期だよ。」
白い息の向こう、乱太郎が笑う。
「バカ!何で諦めるのよ!」
「ユキちゃんたら大きな声出しちゃダメじゃないか。誰かに見つかったらユキちゃんが危ないよ…。」
「…どうして人の心配ばっか…。昔からそうよ。アンタ人の心配ばっかして自分は二の次三の次…で…っ、」
目を開けていられないほど涙がどんどん溢れて乱太郎の服や体に染み込む。
涙の暖かさと感触が、何故か懐かしく心地よく感じた。
「ユキちゃん…。私、やっぱダメた。最期にユキちゃんに会えて…よかった。」
「バカな事言わないでよ!これから助かって一緒に帰って、一緒に暮らしてずーっとずーっと死ぬまで一緒にいるの!」
乱太郎は霞む目を見開いた。必死に焦点をあわせてユキの顔をはっきりと見ようとする。
少しだけはっきりと見えた彼女の顔は本気だった。
「ありがと…。嬉しい。」
にこりと微笑んでみせると、ユキは安心したのか、いつもの様な笑顔になった。
「やっぱ、ユキちゃんは笑顔がかわいい。」
震える手をゆっくりとユキの頬に持って行くと、ユキはその手を取り、頬に当てた。
つめたい。
ヒヤリではなく、血の気がない冷たさ。
また乱太郎の視界がぼやけて白む。
胸が苦しくて大きく息も出来なくて苦しい。
わたしはここでおわるよ
一度大きく息を吸ってみた。
傷口がプチプチと音をたてて開き、大量の血が溢れた。
「…やっぱだめか。」
「え?」
「…ううん。おなかすいたなって。」
「バカ…っ。」
多分今ユキが笑ったのだろう。もう見えない。
「ねえゆきちゃん。」
「なに?乱太郎。」
「抱いていい?」
「…え?」
頬に当たる手に、暖かさを感じた気がした。
「何言ってんのよ!こんな時に…。」
「だって、ここからかえったらわたしたち夫婦になるんだよね?じゃあいいよね?」
乱太郎の瞳の奥にユキは乱太郎の想いを見た。
もう無理、だと。
「……わかった。」
溢れそうな涙をぐっと堪えて頷いたユキは必死に笑顔を作る。
238 :
乱×ユキ 3:2008/07/14(月) 23:35:31 ID:Y7A271u4
「ん…っ。」
絡まる舌はまるで別の生き物のようにぬるぬると動く。
なんとなく喜三太を思い出す。
音を立てて吸ったり、貪るようでいてただ触れるだけの口付けをしたりと、お互いを求めて止まない。
ユキが乱太郎の腰紐に手をかけてゆっくりと解いた。
褌を緩め、横から性器を出す。
手でゆっくりと愛撫すると、硬く大きくなっていった。
冷たい手と違い、熱く熱を持った乱太郎の性器はユキの体も熱くさせる。
「立派だね…、乱太郎の。」
乱太郎はユキの一言で嬉しそうに笑った。
どんな形であれ、ユキに立派だと言ってもらえた嬉しさは神様からのご褒美だろうか。また、目が霞む。
笑ったような声が聞こえ、ユキは乱太郎を見た。
ユキの後ろ、ずっとずっと向こうを見ている。
目が合っているのに乱太郎はユキが見えていないようだった。
下に流れる血。
乱太郎の視線。
体の冷たさ。
ぽろりとユキの目から涙がこぼれた。
ぽろり、ぽろり。乱太郎の血に混じって分からなくなる。
「乱太郎。いれるね?」
うん、と聞こえた声は昔の乱太郎の声。頭の中から聞こえた。
「あたしね、乱太郎の為に大事にとっておいたの。」仕事を失敗してでも死守してきた処女。
まわりがどんどん女になっていく中、一人守りぬいてきた。
乱太郎の上にまたがり、ゆっくりと腰を下ろした。
たっぷりと濡れてはいたが、自身の一部を失う行為は愛液でまかないきれるものではない。
力を込めれば込めるほど膜が悲鳴をあげる。
ぬるぬると亀頭を焦らすように滑るユキの肉は乱太郎をますます興奮させた。
今すぐ欲しい。
体が動かない。
気持ちいいよ、と言ってあげたい。
どれも叶わない。
239 :
乱×ユキ 4:2008/07/14(月) 23:37:26 ID:Y7A271u4
今すぐ欲しい。
体が動かない。
気持ちいいよ、と言ってあげたい。
どれも叶わない。
ユキは痛さを堪えて、全身の力をかけて入れた。
くぅ、と痛さに声が漏れる。
ユキの痛さとは対象的に乱太郎の性器はぎゅうっと心地よい圧迫感が走った。
腹と尻の肉が当たり、全て入ったのだ、と実感させた。
苦悶の声をあげてユキが少し腰を上げると、二人の間から血が溢れた。ユキの純潔であった証。
乱太郎の腹を伝い、乱太郎の血と交じりあってその血はただの血と化す。
小刻みに震えながらゆっくり、ゆっくりと腰を上下すると水音が狭い小屋に響く。
より一層白い息を吐いたユキの息はいかほどの熱を帯びているのだろう。
「乱太ろ…、きもち…い?」
「い…たく…ない?」
腹の底から捻り出した声はユキを気遣う言葉。
「なんでよ…。本当に人の心配ばっか…。」
だからあんたの事が好きなのよ。
ユキは乱太郎の手をとり、繋がった部分へとあてがった。
「分かる?一つになってるんだよ?」
血塗れのお互いの手が、血で濡れた結合部分に触れる。乱太郎の指先が返答の代わりにピクリと動いた。
目は更に遠くを見つめていた。天井を見上げて白い息を吐くだけ。
感じているか否かはもはやどうでもよかった。
もっとお互いを求め合っていたい。
もっとお互いを知りたい。もっともっと。
老いるまで。
「ら、んたろ…っ、あ…っ!」
ユキの腰の動きが早くなる。
「乱太郎…っ、乱太郎…っ!」
大きく痙攣したかと思うと、乱太郎に向かってパタリと倒れこんだ。
雪の深々と降る夜だというのにユキの体は真夏のように火照り、顔は紅葉を散らしたようだった。
息荒く乱太郎に縋るように抱きつく。
そっと体をずらすとつなぎ止めていた部分が離れて血混じりの白濁色の体液が溢れ流れた。
余韻にひたるユキの体がひくひくと小さく痙攣する。
「乱た…」
呼びかけた名を止めた。
身を起こして乱太郎の顔に、胸に。手を当ててぐっと目を閉じた。
力の入らない足で立ち上がり、身を整えた。
戸に手をかけると彼の体より温かく感じた気がした。
戸を開けると相変らず雪は深々と降り続けていた。
ユキは乱太郎を振り返り、そっと呟いた。
「愛してる。」
お粗末様でした。
今すぐ欲しい。
>体が動かない。
気持ちいいよ、と言ってあげたい。
どれも叶わない。
間違えてかぶった…。誠に申し訳ない。
な ん と い う 情 景 美
乙!!
GJ!
なんか泣けてきた…
でも死にネタには注意書きつけた方がよかったんじゃないだろうか…
244 :
ふぶ鬼×山ぶ鬼1/5:2008/07/17(木) 22:11:16 ID:TzjniqSE
>>236-
>>239 全私が泣いた…!
乱ユキ好きだから、この後奇跡が起こったことを祈ってるよ!
ふぶ鬼×山ぶ鬼 成長パロ
やや悲恋ぽいです
↓
近頃のふぶ鬼は変わった。
あんなにも父親思いだったのに、親父のようにはなりたくないというのが口癖になり、
気弱だったのが嘘のように進んで危険な忍務につきたがるようになった。
彼の表情からは、思春期の少年にありがちながむしゃらさというよりも、
むしろ何かに焦っているような様子が見え隠れしていた。
「ふぶ鬼、いつも熱心だね。さすがはドクタケ忍軍期待の若手」
無心に手裏剣を投げるふぶ鬼の背後で、明るい少女の声がした。
振り返らなくても誰かは分かる。山ぶ鬼だ。
「…厭味のつもりかよ」
幼かった頃、世間の評判がどうであれ彼らにとってドクタケは絶対の正義だった。
いつまでも四人で一緒に、「ドクタケのために」戦うのだと無邪気に信じていた。
だがいつの間にか、固く繋いだはずの手は離れ、白漆喰の美しい城壁も以前のように輝いては見えなくなってしまっていた。
山ぶ鬼はある時を境に黒戸カゲについて別に修行をすることが増え、
しぶ鬼は父親と共に他の城へ移ることを考えているらしい。
いぶ鬼もふぶ鬼ほどドクタケに入れこんでいる様子はなく、なんとなく距離が広がったようだ。
数年前まで、確かに評判が悪くはあったが強大で、畿内の奸雄と呼ばれたドクタケ城も、今はかつてほどの勢いはない。
ふぶ鬼の姿は、たった一本でぐらつく巨木を支えようとする細い支柱のようだった。
「嫌ねえひねくれちゃって。これ、お腹空いてるかと思って持ってきたの」
山ぶ鬼はほんのりと温かい小さな風呂敷包みを差し出した。
中には、竹の皮に包んだ握り飯が入っていた。
たねは小魚の佃煮で、山菜の塩漬が添えてある。
以前はわざとふぶ鬼の嫌いな梅干しを入れる悪戯をされたこともあるが、今はそんなことはない。
尤もふぶ鬼の方も、今は何を出されても顔色を変えずに食べることが出来る。
お互い大人になったということだ。
食事の前には手を洗いなさい。昔言いつけられたことを忠実に守るように、ふぶ鬼は竹筒を傾けて手に水をかけ、手拭いでぬぐった。
とはいえ、すでに汗まみれのそれで拭いたのでは、手を洗った意味もあるものかどうか分からなかったが。
口元に近付けた手からは、まだかすかに鉄の臭いがする。
黙々と握り飯を頬張るふぶ鬼を、山ぶ鬼は穏やかな表情で見つめていた。
「…何だよ」
「ふぶ鬼は、変わったね」
ぽつりと呟くと、神経質そうな細面が眉をひそめる。
指についた米粒を舌先で舐めとって、彼は言い返した。
「お前こそ」
言い返しながら、ドクタケの力が衰えたとはいえ、こうして一介の雇われ平忍者の子に過ぎない自分でさえ
こうして白米を好きなだけ口に出来るのだから、まだ今のところは大丈夫だろうなどと楽観的なことを思った。
山ぶきは背中の中ほどにまで伸びた髪を思わせぶりにかき上げて、大袈裟にしなを作るふりをした。
「そりゃあそうよ。あたしはくノ一だもん」
その瞬間、心臓が大きく跳ねたことに気がついて、ふぶ鬼は色眼鏡の下で目をそらした。
大きくなるにつれて感じる回数が増えた、これといった理由のない気づまりな沈黙が流れる。
以前なら、何を言っても言われても、丁々発止の言葉の投げ合いが止まることなどなかったし、
たとえ会話が途切れたとしても、少しの居心地の悪さも感じなかったのに。
何かを言わなければ、重い無言に飲みこまれてしまいそうな気がして、
ふぶ鬼が何を言えばよいのか思いつかないままともかく口を開きかけた瞬間。
山ぶ鬼は唐突に彼の手をとって、自分の胸に触れさせた。
「や、山ぶ鬼!?」
「全部、昔とは違うの。体だって」
「…そのつもりで来たのか」
「そうよ。いけない?」
山ぶ鬼は、ふぶ鬼が見たことのない顔をしていた。
裏返りそうな声を必死に抑える。
「なんで、今頃急に…。その手の修行がしたいなら、しぶ鬼かいぶ鬼に頼めよ」
「嫌。あたしはふぶ鬼がいいの」
そう言う彼女の顔には、何か鬼気迫るものが宿ってるようだった。
気圧されたふぶ鬼の膝の間に強引にわりこんで、彼女は彼の唇の端をつうっと舐めた。
尻がもぞつくような、不可解な高揚感が身震いになって全身を走った。
「ご飯粒、ついてるよ」
彼女の声が、水中で聞く音のようにぼんやりと響き、拡散していった。
気がつくと彼は山ぶ鬼の着物の襟を広げ、白々とした膨らみを見下ろしていた。
じれったそうに体を揺すって、彼女は肩に残った着物を自ら脱ぎ落とした。
ちょうど一番美しく輝く年頃に差しかかったばかりの少女の肌は、練り絹のような滑らかさだった。
いくぶんぽっちゃりとした体はしかし、以前のようなころころした子供の太り方
───ドクタケ忍術教室講師の魔界之は、かつて「姫だるまみたいで可愛いねえ」
などと言って、数日間彼女に口をきいてもらえなかった───とは違う。
腰にはくびれがあって、尻はまん丸く持ち上がっている。
ほとんど毎日見ていたはずなのに、いや、それゆえに気付かなかったのだろうか。
いつの間にか、彼女の体はすっかり「女」になっていた。
ほんの何年か前まで、一緒になって裸で水浴びをしていたぺたんこの胸も
どこが腹でどこが腰だか分からない寸胴も、もうどこにもなかった。
山ぶ鬼が、髪にかざっていた笄をすう、と引き抜いた。
四年生の時、始めての忍務で貰った報酬でふぶ鬼が贈ったものだった。
「任地に向かう往路の弁当を作ってくれた礼に」と理由をつけたが本当は違う。
もしこの先の忍務で自分が命を落とすことがあっても、何らかの形で彼女の側にいたかったのだ。
ふぶ鬼は、山ぶ鬼を好いていた。
多分、山ぶ鬼も。
けれど、あまりにも長く男女としてではなく同志として共にいすぎたせいで、
想いを告げる機会を失ってしまって、互いに一言たりともはっきりと口に出すことはなかった。
ただ、ふぶ鬼が目に見えて変わり、いぶ鬼やしぶ鬼とさえ疎遠になってからも、
山ぶ鬼だけは何かにつけてふぶ鬼を気遣い、時に寄り添ってくれた。
ふぶ鬼にとっては、今はそれで十分だった。
今の今まではそう思っていた。
だが、性に目覚めて間もない若い体は、本当はもっと深く山ぶ鬼を欲していたようだった。
彼の陰茎は、すでに彼女の中に入ることへの期待で、きりきりと充血していた。
山ぶ鬼の解いた髪が肌の上にさらさらと落ちて、白地に濃い茶の揺れる縞模様を描いた。
「あたしだけ裸にするなんてずるいよ。ふぶ鬼も脱いで」
彼女はふぶ鬼の着物を母親のような手つきで脱がせると、彼の体についた傷を労るように指でなぞった。
腹筋を過ぎ臍の脇を通り、緩やかに湾曲しながら勃ち上がった性器に触れる。
ふわっと包み込んだ手が、その弾力を確かめるように時折わずかな強弱をつけて上下し始めた。
好きな相手だから快感が増幅しているのか、彼女の技の巧みさによるのか分からないが、
彼女の手が動くたびに脈動の大きさが増し、甘い痺れが背筋を走り抜けた。
自慰とは比べものにならない気持ちよさだった。
落ちてくる髪を時折指で耳にひっかけ、山ぶ鬼はふぶ鬼の勃起を
いとおしげに注視しながら奇跡のような指遣いで愛撫を続ける。
腕の動きに合わせてぷるぷると小さく揺れる乳房が、誘っているようだ。
「…触っても、いい?」
震える声で確かめると、山ぶ鬼はこくんと頷いた。
大きすぎず小さすぎず、ちょうど手の平に収まる乳房を持ち上げて優しく揉み、口をつけてみる。
それは羽二重のように柔らかで、強く触れたら壊れてしまいそうに思えた。
薄い茶褐色のぷっくりした半円に、試しに少しだけ歯を立てると、山ぶ鬼は嬌声をあげ、胴体を捻転させた。
「あっ、ぁんん…」
痛痒いようなくすぐったいような刺激によって下肢の間に生まれた
切ない疼きが、か細い悲鳴まじりの吐息になって杏色の唇から漏れる。
ふぶ鬼は彼女の持ちあがった腰の裏を撫でさすり、すべすべの乳房に頬ずりし、
小さな果実のような乳首をますます夢中になって舌先で転がしつついて吸い上げた。
「駄目だよお…あたし、そこ弱…っ」
頬を紅潮させた彼女の表情を見、声を聞いているだけで、ふぶ鬼の先端からはじわじわと先走りが漏れてくる。
頭の中身が残らず溶け出てしまいそうな感覚。
だかその片隅で、経験豊富であろうくノ一の彼女が、色事に関しては素人同然の自分の
拙い愛撫で本当に感じているのだろうか、という疑問も拭いきることが出来なかった。
胡乱げその視線に気づいたのか、山ぶ鬼は少し哀しそうに眉を寄せ、彼の顔を両手で包みこんだ。
「ふぶ鬼、あたしのこと疑ってる?あたし、嘘なんてついてない。
これは演技なんかじゃないよ。ふぶ鬼に触ってもらえて本当に気持ちいいの…」
そう言って彼女は大きく足を開き、ふぶ鬼に全てをさらけ出した。
緩やかに盛り上がった丘があり、薄く黒い和毛の下の彼女の最も女らしい部分は、その言葉通りふぶ鬼を待ちわびて潤みきっていた。
一際鮮やかに色づいた割れ目の上の花芯を指先でごく軽くこすると、白い裸体がびくびくと悶え、
こぼれた愛液がその下のもう一つの穴まで垂れて、それ自体が濡れそぼっているかのように見せた。
「もう、いいよ…きて、ふぶ鬼」
大胆な催促に誘われるまま、濡れた花びらをかき分けて先端を当てると、
くちゅ、とかすかな音をたてて肉の扉がすんなりと割り開かれて───そして、驚くほど強く締めつけてくる。
だが、不思議と痛くはなく、その温かい圧力は甘美ですらあった。
「はぁっ…は、山ぶ鬼…」
「ああ…ふぶ鬼の…全部ここに入ってるよ」
彼女は臍の下を手の平でくるくると撫で、うっとりしたように言った。
「初めて…」
「え?」
「"初めて"なの、好きな人とこうするの」
「山ぶ鬼…」
山ぶ鬼のくりくりとした目には、光るものが浮かんでいるように見えた。
当然のことと言うべきか、彼女は生娘ではなかった。
破瓜の相手や時期など知りたくもなかった。
ドクタケに尽くすくノ一になるため心ならずも失ったものを取り戻すように、彼女は何度もこれが初めて、と呟く。
「あたしの初めて、ふぶ鬼にあげる」
ふぶ鬼は黙って、彼女の体を強く抱きしめた。
どれくらい、そうしてじっとしていただろう。
「ふぶ鬼、」
ふいに名前を呼ばれた。
白い指が、色眼鏡のつるにかかる。
軽く首を振って拒もうとしたが、
「お願い。ふぶ鬼の顔、ちゃんと見せて」
どうしてもと上目遣いで懇願されて、結局山ぶ鬼の好きにさせた。
きっとこれが、最初で最後だから。
ふぶ鬼に見えないところで、彼女の唇がそう動いた。
ふぶ鬼は軽く腰を回すようにしながら、ゆっくりめに突き上げ、半ばほどまで引き抜く動きを繰り返す。
膣内は柔らかく、それでいてざらざらとした絶妙な刺激を与えてくる膣内は、
一生このまま捕えられたままになってもいいと思えるほど居心地が良い。
「っあー…ぁく、はぁ…っんん!もっとぉ…奥、ちょうだいっ」
軽く首を振り聴覚から男を蕩かすような声をあげながら、山ぶ鬼は彼の抽送に応えてぎゅうぎゅうに絡みついてくる。
受け口気味の口元から、食いしばった歯をのぞかせて、ふぶ鬼もまた押し殺した声を漏らした。
「ふぅ…う、あぁ……」
恋い慕い続けてきた相手の最奥の抱擁をもっと感じていたい。
何度も何度も小刻みに出し入れしながら山ぶ鬼を見下ろすその目には、
限りない優しさとぎらぎらとした雄の光とが同時に宿っていた。
繋がった部分から互いの体内に温かい波がじんわりと広がり、末端まで染み渡る。
ふぶ鬼の体から山ぶ鬼のもっちりとした肌に落ちた汗が彼女のそれと混ざり、新しい一つの粒になって流れていった。
結合部からは、くちくちと湿った音が絶え間なく聞こえている。
「くふ…っぁ、あ…山ぶ鬼ぃ、気持ちいいよ…っ」
「あっ、あっ、…たしも…ふぶ、鬼…嬉し…」
隙間なくぴったりと肌を密着させると、互いに味わっている快感が共鳴しあい、二乗されて返ってくるようだ。
太古の昔から連綿と続いてきた営みの原始的な至福に酔いしれているうち、
いよいよ欲の奔流がせり上がってくるのをふぶ鬼は感じた。
「うあ、で…あぁっ…!」
掠れた声をあげながら、どうにか欠片だけ残っていた理性を総動員して、
彼は咄嗟に性器を山ぶ鬼の膣内から引き抜き、彼女の腹の上に射精した。
「ぁは、あったかい…」
とろりと垂れた白濁を見て、山ぶ鬼はほうっと息を吐いた。
「ふぶ鬼、」
「ん?」
「あたしね、卒業したらお嫁にいくんだ」
「え……!?
まだ心地よい気だるさに浸っていたい体を起こして衣服を整えた矢先、唐突に告げられた言葉に、ふぶ鬼は絶句した。
ドクタケ初の優秀な若いくノ一は、かねてからドクタケ城主である木野小次郎竹高の遠縁に嫁ぐことが決まっていた。
口をぽかんと半開きにしたまま呆然としている彼に、山ぶ鬼は寂しげな笑みを向けた。
ふっくらした頬にえくぼが出来る。
「だけど、たとえ離ればなれになっても、"一緒に"ドクタケのために戦うのは変わらないから。
あたしはいつまでもずっと…ずっと、ふぶ鬼のこと……」
いつか交わしたように小指を絡め、山ぶ鬼は一粒だけ涙をこぼした。
ひょっとすると、それさえもふぶ鬼の見間違いだったのかもしれない。
彼女はすぐに何事もなかったような表情を作り直すと、
すくっと立ち上がり背中を向けて、抑揚のない声で言った。
「ふぶ鬼。あたし、ふぶ鬼のお嫁さんになりたかったよ」
「山ぶ鬼!」
山ぶ鬼は振り返らなかった。
なだらかな両肩の後姿が、水の上を滑るようにするすると遠ざかってゆく。
後を追おうとして、ふぶ鬼はふと、足元に彼女がよく身に着けていた気に入りの組紐が落ちていることに気がついた。
彼女の名前と同じ鮮やかな山吹色に、雪のような白糸が織り込まれたそれを
拾い上げてみると、滲んだ墨文字の羅列を認めることが出来た。
我が形見 見つつ偲はせ 新玉の 年の緒長く 我れも偲はむ
ふぶ鬼は息をのんだ。
「山ぶ鬼…!」
もっともっと強くなって、胸を張って自分は一流だと言える忍になれば、
その時こそはっきり彼女に想いを伝えることが出来ると。
ずっと彼女と共に、背中を預け合って戦えると、漠然と信じていた。
けれど、それはもはや永久にかなわない夢になってしまったのだ。
ただ一度の消えない記憶を残して、彼女は消える。
同じ心を抱いてそこにいることは分かっているのに、決して手の届かない場所へ。
彼はその場にがくりと膝をつくと、まだ鮮明にその身に残る愛しい少女の温もりを抱きしめ、声を出さずに泣いた。
-終-
249 :
244:2008/07/17(木) 22:19:12 ID:TzjniqSE
今日の放送でふぶ鬼を見てふと思いたち
一気に書いたので、おかしなところがあったらすみません
朝から泣いたよ!GJです!!
ふぶ鬼が梅干し嫌いな事や魔界野先生の無神経さとか
さりげにアニメのネタ入れてるのが上手いなー
忍者って、泣けるな。
GJ!!涙腺がヤバイ超ヤバイ。
もう一回放送見直してこよう…。
やばいやばいやばい
まさかドク玉で来るとは思わなかった
ありがとう!
今日のアニメ見て過去ログの事務のおばちゃん×小松田を思い出してしまったw
夏は夜、こんばんはしろべの人ですノシ
二週間経ったんで房術試験を投下致します。
サブタイトルは「食満留三郎の憂鬱」。相変わらず食満は苦労してます。
じりじりとした太陽の光が肌を焦がす。
滝の様に流れ出る汗を拭う事もせず、少年の横に空を切る音が響いていた。
何時までやっているのだろうか、木陰で休んでいる少年は、級友をただ見守る事しか出来ないでいた。
鍛錬に勤しむのは良いのだが、身体を壊してしまっては元も子もない。
「留三郎、もう休憩にしたらどうだい?」
「…………そう……する……。」
6年は組の食満留三郎は、級友の善法寺伊作にそう呼ばれ、息も絶え絶えに千鳥足で木陰へ向かった。
顔は火を灯した様に紅く染まり、だらだらと汗を流している。
濡れた手拭を渡すと、心底気持ち良さそうに息を吐いた。
「鍛錬も良いけど、今日位休んだら?体力続かなくなるよ?」
「……休みたいのは山々なんだが…、どうしても余計な事が浮かんでくるんだ。」
がっくりと項垂れる食満を見、伊作はやれやれと溜息を吐いた。
事の発端は2週間前に遡る。
夏の宵に行われる、5・6年生とくの一との合同授業「房術」。
去年までは何とも思わなかった自分達だったのだが、今年は違う。
何故なら、2年は組の時友四郎兵衛と恋仲であるしおりの事を考えると、皆気が気でないのだ。
そして運悪く当たってしまったのが、食満留三郎であった。
2年生から6年生まで四郎兵衛としおりの恋を応援していただけあり、この存在をすっかり忘れていた。
忍たまといえど、思春期の少年、人の色恋沙汰にはやはり興味が沸いてしまう年頃だった。
食満がしおりの相手だと知らされたその後、本人曰く全く記憶が無いらしい。
「気付いたら布団に入ってた。」
それもその筈、である。
まず知らされた後、その場で卒倒。気付いたと思ったら、自棄酒を始めて泥酔。
そしてそのまま寝てしまった、と言う事だった。
「…俺本当に酒飲んだのか?」
「…本当だよ、文次郎でさえ心配する有様だったんだから…。」
と、まあ自棄酒で、そのまま大暴れした挙句、本人はその事を覚えていない。
沈んだ彼に、酒は一切飲まさないでおこうと決意した15の夜だった。
今でもまだ痣が残っているよ、と伊作は言うが、食満は首を傾げるばかりだ。
確かに自棄酒に走る気持ちも解らないでもない。
事実、小平太と同じ、それ以上に二人の応援をしていた食満だ。
世話焼きで責任感が強い、そして尚且つ苦労性なのだ。
知らされた後の彼は、まるでどこぞのギンギン忍者よろしく鍛錬に励み、昼夜を問わず
それこそ寝る間も惜しんで鍛錬を続けていた。
結果、三日三晩の徹夜で保健室へと強制連行されたのは、言うまでもない。
こってりと油を絞られた為か、今では自省しているようだ。
「はい、水。」
「お、悪いな。」
冷たい水が心地良い。木陰で暫く休んでいると爽涼な風が吹き、髪を撫ぜる。
時は一刻を刻み、本日がその「房術」の授業日なのだ。
以前よりは流石に落ち着いたが、それでもまだ何処か落ち着かない。
授業の一環だと言うのは理屈では解っているのだが、心の内では何処か罪悪感が湧き上がって来てしまう。
忍の世界は非情なる世界。
学園を卒業したら、皆敵となるかも知れない。こんな事でうだうだ悩んでも仕方が無いのだ。
来るべき時が来た、ただそれだけだ。
「四郎兵衛君も、きっと解ってくれると思うよ。」
「…だと良いけどな。」
「話はしたんだろう?」
「一応、な。」
あの夜、四郎兵衛は決まった事だから仕方が無いと言ったが、眸はとても悲しそうだった。
誰が見ても本心は嫌なんだろうと言う事が一目瞭然だ。
当然と言えば当然だろう、彼女が他の男に抱かれると言うのは、まともな神経の人間であれば誰だって嫌だ。
2週間前の夜が明けて四郎兵衛をふと見たら、何処か「一皮剥けた」雰囲気になっていた。
解る者は解るのか、横を通り過ぎた5年生がほくそ笑んでいたのを見かけた。
無論、食満も伊作も顔を見合わせ、頬を思い切り緩ませたのは言うまでもない。
そして上級生全員で、夜中に宴会を開き、後輩達は羨ましがる者、首を傾げる物等様々だった。
「アレは楽しかった。」
「小平太も三郎君も悪乗りしてたね、君も。」
「俺悪乗りなんかした覚えないぞ。」
「マイクもって「リズムに乗るぜ!」だなんて歌った人は何処の誰だっけ?」
「あれは何かが脳裏をよぎったんだよ。」
どうやら宴会はカオスな流れだったらしく、皆一同ここぞとばかりにはじけまくったらしく
何人か二日酔いで潰れてしまったとの報告が来た。
時刻は正午、夜まであと数時間。
溜息を吐いた食満は、これまでとは違った顔を見せた。
それは決意の表れであり、伊作はそっと心で応援を送った。
しかしその後、予想外の報告を聞かされる事となり、決意が揺らぐのは数時間後の事である。
続
乙。
続き楽しみにしてます。
この六年生あったけぇ……!
GJ!いつもながらよかった
しろべの人乙です!
今から展開が楽しみ…!
ってか、リズムにのるぜってw
しろべの人待ってたー!乙です!!
突っ込んでくれて有難うwwww
続き投下
文月の空は高く、眩い太陽の光が降り注ぐ。
長屋を吹き抜ける風は心地よく、走る生徒達の髪を撫ぜた。
何処かで、風が気持ち良いね、とあどけない声が響く。
つい五年前までは、自分達もああだったものだと、食満はその様子に目を細めている。
気分はすっかり卒業生なのか、食満の様子に伊作は苦笑を漏らす。
「まだ僕らは卒業してないよ。」
「知ってるっての。でも懐かしいよ、あいつら見てると。」
「まだ1年あるよ。」
「…だな。」
何時かは巣立つこの学び舎を、二人、否六人は悔いの残らぬ様に過ごそうと決めた。
色々とあったし、1年は組達が来てからは更にゴタゴタに巻き込まれた。
だがそれも悪くない、寧ろ楽しんでいる自分たちが居た。
それは六人とも同じな様で、何だかんだと培ってきた絆があるのだ。
食堂に着くと、何時ものようにおばちゃんから声が掛けられる。
他愛も無い談笑だが、この一秒こそが掛け替えの無い日々なのだ。
カウンターをからメニューを頼み、暫くするとおばちゃんから手渡される。
「はい、たんとお食べ!食満君も善法寺君も、お残しは許しまへんでえ!」
「解ってますよおばちゃん!」
お盆を受け取ると、如何にも食欲を誘う香りが鼻から全身に広がる。
その匂いに耐えられなくなったのか、食満の腹から元気な雷鳴が響いた。
隣に居た伊作は、きょとん、と目を数回瞬かせた直後、食堂に笑いが響いた。
それはおばちゃんにも聞こえた様で、二人揃って腹を抱えながら笑っている。
「ちょ…、笑わないで下さいよおばちゃん!伊作も何時までも笑ってんじゃねぇ!」
「痛っ!あはは、ごめんごめん!」
「それだけ元気なら、お残しも無いわねえ。」
笑い続ける伊作の頭を小突き、すたすたとテーブルの方へ持って行くと、
半ばやけくそ気味で、頂きます!と叫び、忙しなく箸を進めている。
笑われた事が恥ずかしかったのか、厚さの所為なのか、顔が真っ赤だ。
「ほら、善法寺君も早く食べないと、冷めちゃうわよ。」
「あぁっ、はい!」
伊作をそう促すと、もう殆ど食べ終えた食満の隣に座り、舌鼓を打ちながら食べている。
6年生と言っても、まだ15歳。
食べ盛り、育ち盛りな様子は、おばちゃんにとってはわが子の成長を見守る様な物だ。
満面の笑みを浮かべ、さも美味そうに食べる伊作を、食満は半ば呆れながら見ている。
お前はあの1年は組の3人組と一緒になって食えるぞと言いたそうだ。
確かにおばちゃんの料理は絶品だが、そんな子供みたいに。
「聞こえてるよ留三郎。」
「えっ!?口に出てた?!」
「仕方ないじゃないか、美味しい物は美味しいよ。」
「いやまあそうだが。」
どうやら頭で思っていた事が全部口に出てしまったらしく、伊作の怪訝な瞳がそれを物語っている。
だが直ぐに笑みを浮かべ、食事を続けた。
やれやれと肩を竦める食満の肩に、ぽんと誰かの手が置かれた。
くるりと後ろを向くと、6年ろ組の中在家長次と、七松小平太がいた。
何時の間にこいつは来たんだ、存在感が無いと言えば嘘になるが、この独特な雰囲気は長次にしか出せないだろう。
何とも不思議な同級生なのだ。
何か用があるのだろう。普段無口で、一文字に結ばれた口元が微かに動いた。
だがもそもそと動くばかりで、肝心の用件は聞こえない。
「何だ?俺に何か用でもあるんだろ?」
「…シナ先生が…お呼びだ…。」
聞こえない用件に、眉を顰めた直後、小さくはあるがはっきりと用件が聞き取れた。
最初はこんな奴じゃ無かったな、と思い出しているが、そんな暇はないらしい。
「シナ先生が、何で俺に?」
「今日の授業の事だってさ、シナ先生待ってるぞ。」
「…女性を、待たせると…怖い、ぞ。」
「解った、直ぐ行く。」
「ん、じゃあまた後でね。」
伊作はマイペースに口を動かし、食満の背中を見送っている。
長次と小平太は、珍しく腑に落ちないような複雑な表情を浮かべていた。
それに気付いた伊作は、どうしたんだと声を掛けるも、何でもないと返されるだけだ。
「…良いのかなあ、確かに俺が言ったけど…。」
「…これも、詮無き事…。先生がそう仰るのなら…従うしかない。」
後ろで話す二人の話の内容は聞き取れなかったが、どうも今日の授業の事らしい。
一体何の事なのかは気になったが、深追いするのも悪いと思い、追求はしないでやった。
場所は変わり、普段密閉された空間と言っても過言ではない乙女達の園―くの一長屋。
そこに入った男子生徒は、桃色の花に誘われ、やがて生死の境を彷徨うと言われている。
そんな場所には例え6年になった今でもあまり立ち寄りたくは無いのだが、用事があるのならば別に構わないだろう。
通りかかったくの一達の可愛らしい声が、耳を掠める。
珍しいのか、きゃあきゃあと騒ぎ立てており、ちらりと振り向こうものなら更に大騒ぎとなる。
自分がまるで珍獣の様に扱われてるみたいで、良い気分はしない。
263 :
しろべの人:2008/07/30(水) 00:01:01 ID:5iy5zIrG
今日は此処までで、続きは明日に投下しますノシ
GJ!
前回の小平太の伏線キター!?
明日が楽しみで眠れない!!
続きいきます
普通ならば女の子達に騒がれるのは、男ならば満更でもないだろう。
しかし、相手はくの一であり、こう言うのは失礼だが普通の女の子とは一味も二味も違う。
溜息を一つ吐き、廊下をすり抜けると職員室の看板が目に入った。
その場に立ち止まり、すっと静かに腰を下ろす。
「失礼致します、シナ先生。六年は組、食満留三郎です。」
「あら、いらっしゃい食満君。入って。」
「失礼します。」
すう、と息を吸い、仰々しく扉の向こうに声を掛けた。
その直後、とろりと艶のある声が聞こえ、取っ手に手を翳す。
扉を開けると、若い方のシナ先生が優雅に微笑み、お茶を立てていた。
「御免なさいね、急に呼び出したりしちゃって。」
「い、いえ…。所で、私に何の用事が・・・・?」
「えぇ、今日の房術の授業があるでしょう?」
「…は、はい。」
たおやかな笑みを浮かべながらも、シナ先生は一瞬言葉を選んだ様に思えた。
が、直ぐにまた笑顔を浮かべ、言葉を紡いだ。
それは、食満にとって予想外な言葉であり、また、奈落の底へと突き落とされた心境に陥る言葉だった。
「食満君に頼みたい事があるのだけれど、良いかしら?」
「私で良いのなら、幾らでも。」
「…今日の試験、貴方と、しおりちゃんと、四郎兵衛君の3人で行って欲しいの。」
「何だ、そんなこ……。……え?」
御安い御用と言わんばかりに承諾の言葉を続けようとしたが、ふとその言葉尻が消えた。
今、シナ先生は自分と、しおりと、四郎兵衛の「3人」で試験を行えと言った。
それはつまり、自分と四郎兵衛とで、経験も浅いおぼこいくの一にそれはもう言葉にするのも憚れる様な事をしろと?
自分も男だから、春本の一つや二つくらい見た事はある。
その内容には、男二人と女一人でまぐわったり、それはそれは破廉恥極まりない内容だった。
あまりにも破廉恥な内容なので、学園一冷静な立花仙蔵の所へ持って行って見せた結果。
「破廉恥いいいいいい!!!!」
と、普段の冷静さは何処へやら。
まるでしめりけコンビに出会った時のように冷静さを欠いて、逃げていった。
無論、それは3年前の事であり、性の知識も曖昧な年頃だった。
あれから思えば自分達も随分耐性がついたものだが、所詮は絵空事にしか過ぎない内容だ。
想像は想像でしか無い。そう先程まで思っていた。
「あ、あの…、シナ、先生?何故、その様な事を??」
努めて冷静に振舞おうとするものの、口から出る言葉は明らかに動揺している声だった。
食満の顔も、見事に引き攣っており、ふるふると肩まで震えている。
「七松君がね、『これも良い訓練になると思います、是非あの3人で実地をさせてやって下さい!』って…。」
「は、はは・・・。小平太が??」
「そう。私も最初はどうかなあって思ったのよ。」
「でしょう?!そうですよね??そんな春画みたいな絵空事なんて!!」
言葉を聞くなり、食満は思い切りシナ先生の手を取り、饒舌に捲くし立てる。
やがて手を握っている事に気付いたのか、すいません、と正座に持ち直した。
興奮してしまった自分が恥ずかしく思え、ばつが悪そうに頭を掻いた。
その様子が、年相応の初心な反応に思えて、くすりと笑みを零す。
「それで、二人に聞いてみたのよ。」
「…二人は、何て?」
「一瞬躊躇った物の、四郎兵衛君もしおりちゃんも、先輩が言うなら…だそうよ。」
「は…はははははは…。」
「後は、食満君次第なんだけど…。」
そう言えばああ見えて四郎兵衛は体育委員だった。
あの暴君に何時も振り回され、否応無く従うしかないと思ったのだろう。
その事を考えると余りにも二人が不憫で、同時に小平太にはどんな折檻をしてやろうかと脳裏を過ぎる。
ちら、とシナ先生の方を見ると、艶やかな笑みを浮かべながら言葉を待っている。
それは、否が応にも「はい」と言わなければならないような威圧感が背後から漂っている様に思えた。
言うべきか、言わざるべきか。言わなければならないのだろう。
先程から背中がじっとりと汗で濡れている。
庭から聞こえてくる蝉の鳴き声は五月蝿く、余計に暑さと苛立ちを増幅させる。
「食満君?」
シナ先生の声が聞こえ、食満ははっと顔を上げる。
そこには変わらず笑みを浮かべた彼女が自分を見詰めていた。
ぐう、と喉を鳴らし、ついに食満留三郎は―――折れた。
「解り…ました。」
良かった、食満君ならそう言ってくれると思ったわ。と少女の様な笑みを浮かべ、
試験の時に使えと、可愛らしい巾着に包まれたものを三つ手渡された。
何ですかと問うと、授業をやり易くする為のお呪いの様なものだと言われた。
繁々とそう巾着を掲げると、軽い水音が微かに聞こえた。
意図は掴めないが、取り敢えず貰っておこうと懐へと仕舞い込んだ。
後数刻で授業が開始されると言うのに、たった数時間でどっと疲れが出た様に思えた。
それも、どれもこれもあの小平太の所為だ。
そう思わなければやってられないのだろう、ぎりぎりと歯を食い縛りながら、
大よそ6年生とは思えない足取りで廊下を歩いて行く。
ふと廊下の曲がり角の所で、ばったりとろ組の二人と出くわした。
一目見るなり、小平太はばつが悪そうに微笑んだが、食満にとっては自分の疲労の種だ。
今までの事も踏まえ、暑さと怒りで顔から火でも噴出しそうな位に紅く燃えている。
「小平太アァァァァ!!!!!貴様あああああああああ!!!!」
「うわっ!!御免留!!悪気は無かったんだよ!!ただ良かれと思っ・・・うわああああああ!!」
口から火炎放射でも吹き出しそう、と言うか吹けそうな位に怒り狂い、何処から取り出したのか
大砲を取り出し、小平太目掛けて打ちまくる。
何時ぞやの鬼ごっこの様に完全武装で追い掛け回し、今度と言う今度は逃す訳には行かない。
逃げる方も追う方も必死で、これから房術試験があるというのに、体力が持たなかったらどうするつもりなのだろう。
遠目で見守っている長次は、さして止める気など無く、縁側に腰掛け
冷たい麦茶とカステイラを摘み、その風景を肴にして眺めている。
空は見事な茜色が差し掛かり、木々を紅葉色に染め上げる。
夏の夕暮れに、ひぐらしの鳴く声が忍術学園に木霊した。
涼やかな風が吹き、走り回っている二人がどやされるまであと数秒。
夜は、直ぐ傍まで近づいて来た。
続。
一先ず今日は此処までです。次は3P。
食満が暴走気味の予定。
おお!次回が楽しみです!
小平太www
3P待ってるらん!
案外長次が一番食えないかもな
走り回ってる二人をどやすのはやっぱりギンギンな人なんだろか
※熟女モノ苦手な方は注意
たしかにアタシは年上よりも年下の男の方が好きだ。
だけど、まさか、やしゃごほど年の離れたアイツに、こんなにも激しく心乱されるなんて・・・。
「リリーさん!待ってくださーい!!」
ぜえぜえと、息を切らしながら駆けてくる青年。
いくら逃げても、マドファを打ち放っても、諦めないでついてくる。
「入門表にサインしたんだから、学園に入っていただかないと!」
どうやらアタシを家に連れ込みたいらしい。
元服を終えたものの、まだ幼さが表情に残っている青年。
たしか、名前を小松田と言っただろうか。
「どこまでついてくるつもりじゃ」
「どこまででもです!」
血走った眼光は、餌を目の前にした虎のようで、アタシは一瞬びくりと体が震えた。
その一瞬の隙を見逃さなかったのか、小松田はアタシの腕を掴む。
「さあ、捕まえましたよ。もう逃がしません」
「や、やめるんじゃあ・・・ワシは、ワシにはそんな気は・・・」
「学園へ行きましょう。夜遅くなったら泊まってくれればいいんですから」
嫌がるアタシの声なんて耳に届いてないみたいに、ずるずると小松田に引きずられていく。
小松田に掴まれた腕がやけに熱く感じる。
強く掴まれているからかもしれないけど、
もっと内から溢れるような熱に支配されていくような感じ・・・。
・・・いまだかつて、ここまで強引にアタシを求めた人っていだただろうか・・・。
数十年前を思い出す。
風魔くの一として最前線で活躍していた頃、男を翻弄する術なんてお手の物だったし、
アタシを口説き落とそうとする男たちはたくさんいた。
だけど、アタシの機嫌とりなんて関係ないみたいに、
ただただ力だけでアタシをものにしようとする男はこの小松田が初めて・・・。
良く見ると、顔も死んだじいさんの若いころに似ている気がしないでもない。
気がつくとアタシはもう、小松田に引きずられるのではなく、
自分の足で、自分の意志で小松田の後について歩いていた。
忍術学園に到着する頃には、すでに日が暮れて夜になっていた。
「リリーさん、つきましたよ」
「・・・」
この門をくぐってしまったら、もう元には戻れない。
忍術学園の事務員と、学園の一生徒のひいひいばあちゃん・・・その関係が崩れてしまう。
そんな直観が頭をよぎり、アタシは学園に入るのを躊躇した。
そんなアタシの不安を察知したのか、小松田はふう、とひとつ息をはき
「長く歩いたから疲れちゃいましたか?」
とアタシの顔を覗き込んできた。
急に近づいたその顔にアタシは咄嗟に顔をそむける。
「ワ・・・ワシやっぱり帰る・・・」
絞り出すように言葉を発すると、来た道を戻ろうとくるりと後ろを向いて歩きだす。
しかし、そんなこと、この小松田が許すはずがなかった。
「ここまで来て何言ってるんです!待ってください!」
再び腕を強く掴まれてしまう。
だけどアタシも、小松田から逃げるためその腕をふりはらおうと全力でもがく。
「ダメ・・・ダメじゃ!」
「学園に入ってもらいます!」
「放せっ!!」
「・・・わっ!!」
互いのバランスが崩れて、その場に2人もつれるようにして転がった。
頭を強く打ち、一瞬何が起きたかわからなくなる。
でも、意識がはっきりとしたとき、アタシは自分の状況に、また意識が遠のきそうになった。
上にのしかかっている小松田。
その唇が・・・アタシの唇に重なっている・・・。
もう、駄目だ・・・。
アタシの中の何かが弾けた。この男にはかなわない。アタシの全てを捧げよう・・・。
唇が重なったまま、ぼんやりと小松田が目をあけた。
アタシは覚悟を決めた証を証明しようと、
小松田の頭をぎゅうっと抱きしめて、その唇に舌をさしこんだ。
「・・・・っっ!!!???」
突然のことで驚いたんだろう。
小松田は眼を大きく見開き、アタシの腕の中でじたばたと暴れだす。
こんな強引にアタシを誘っておいて、いざその時となるとこんなに慌てるだなんて。
(可愛いボウヤじゃのう・・・)
こみ上げる愛しさを抑えながら、アタシはゆっくりと焦らすように、
舌で小松田の歯列や上あごをなぞってゆく。
そして小松田の舌をとらえると、今度は激しく、顔の角度を変えてより深く絡ませた。
「んんっ・・・んっ!!」
顔を真っ赤にして抵抗する姿が、また母性本能をくすぐる。
体制を変え、今度はアタシが小松田の上に乗る。そこでようやく唇を離した。
「リ、リリーさん、なにを・・・」
口の端からだらしなく垂れた唾液をぬぐいながら、うるんだ瞳で小松田がアタシを凝視する。
今にも涙がこぼれそうなその眼は、とても奇麗で・・・。
「・・・もっと清純なオンナだと思ったか?」
「な、なに言って」
唇を小松田の耳に近付けて、小さな声でささやく。
「ワシの体が目当てだったくせに」
そのままベロリと小松田の耳をなめ上げると、びくっと小松田の体が反応した。
「ワシが、年の功を見せてあ・げ・る」
ゆっくりと、小松田の下腹部に手を伸ばす。
「ちょ、ちょっとリリーさんやめてくださ・・・あっ!」
袴の上から、ゆるゆると形を確かめるようにそこをさする。
「や・・・やめ・・・ああっ」
くの一時代に培った技はまだ衰えていないようだ。
眉を寄せ、耐えるように眼をつぶる小松田。
その表情に、何十年も眠っていた女の本性が目覚めてゆく。
袴の紐をほどいて、褌をゆるめ、今度は直に触れる。
そこはすでに先走りの汁でぬるぬるしていた。
「手だけじゃ、物足りんかのう・・・」
するりと、褌ごと袴を脱がせる。
辺りはすっかりと暗くなっていたが、小松田のソレは、固く立ち上がってその存在を主張していた。
幼い顔に不釣り合いな巨大なソレに、アタシは思わずたじろぐ。
だって・・・野性味あふれるソレを最後に見たのは、
もうやしゃごの喜三太が生まれるよりもはるか遠く昔のことだったから。
ソレを見たとたん、まるで初めての時みたいに、アタシの中で不安と恐れの気持ちがわき上がった。
しばらくソレを凝視していると、ぐったりと体を横たえていた小松田がぴくりと動いた。
「・・・リリーさん」
ひどく疲れたような、かすれた声。
「・・・何か、勘違いしてません?」
「え・・・?」
予想外の、小松田の言葉。
「僕は・・・ただ・・・事務員の仕事を全うするために・・・
入門表にサインをいただいた方には学園内に入っていただかないといけないから・・・
マニュアルに沿って・・・あなたを追っていただけです・・・」
ぽつりぽつりと紡がれる真実に、アタシは目の前が真っ暗になる思いだった。
・・・そうか。
・・・そう、よね。
アタシ、何勘違いしちゃってたんだろう。
・・・だけど、ここで真実を知れてよかった。
もっと先まで進んじゃってからじゃ、遅すぎたもん。
そうなると今度は、勘違いして暴走した自分が恥ずかしくなってくる。
返す言葉を探しながら小松田を見ると、小松田は青白い顔で袴をはいていた。
「と・・とりあえず、学園内に入っていただけますか・・・」
出入り口に使われる小さな扉が開かれ、促されるままに学園内に入る。
「ありがとうございました・・・帰る時は、出門表にサインくださいね・・・」
本当ならこのまま逃げて帰りたいところだけど、今から帰るにはもう遅い時間だ。
仕方ない。喜三太の所にでも泊めてもらおう。
アタシは小松田に小さく頭を下げると、忍たま長屋のある方角へ歩みを進める。
・・・と、次の瞬間、目の前が真っ暗になった。
「な、なんじゃ?」
良く見ると目の前には「事務」のマーク。
そう、アタシは小松田の腕の中にいたのだった。
「こ、小松田?」
「リリーさんがいけないんです・・・」
え?何?何で小松田がアタシを抱きしめてるの?
「僕は年上の方が好きだけど、ここまで年上はタイプじゃないのに」
事態が把握できないまま、小松田の言葉は続く。
「僕のマニュアルが崩れちゃいました、責任とって下さい」
そう言うと、小松田はアタシの顎をつかんで上を向かせる。
視界に映ったのは、さっきのアタシを引きずっていた時とはまた違った真剣なオトコの顔。
その顔にみとれる暇もなく、小松田はアタシに口づけた。
今度は小松田から舌を絡めてくる。
アタシもそれにこたえるように、必死に舌を絡ませた。
ぴちゃぴちゃと、いやらしい音が闇夜に響く。
唇が離れると、小松田はくすりと笑って囁いた。
「今夜は、僕の部屋に泊まっていってくださいね」
そのやわらかな微笑みに心奪われながら、アタシは今夜の情事に思いをはせ、
もうとっくに乾ききったはずの泉から、ゆるやかに水が湧き出すのを感じた・・・。
― 完 ―
PCから投下しようと思ったら規制に巻き込まれていたため、必死に携帯から投下しました。
4レスの予定が文字数オーバーのため5レスになってしまいました。申し訳ありません。
2/4の最後に一行無駄な改行も入ってしまったし・・・
しろべの方、割り込んでしまいすみませんでした。
全てが勢いに身を任せた行動です。後悔も反省もしていません。
熟女なんてレベルじゃねーぞwww
でも面白かったGJ!
>僕のマニュアルが崩れちゃいました
名 言 生 ま れ た な
完っ熟だ!超GJ!!
今朝小松田とリリーばあちゃん読んでみたいとかぼんやり考えてたところになんという投下物www
>僕のマニュアルが崩れちゃいました
確かに名言だwどこまでGJなんだw
ワロタw熟女www
く そ わ ろ た wwwww
水が器官に入って咽たじゃねえかどうしてくれるwww
熟女すぎwワロスwwww
名言GJwww
もう熟女達との絡みが出来るのは小松田しかいないな
残るは食堂のおばちゃん、老シナ、半助の隣のおばちゃん、黒トカゲ先生
気が向いたら熟女職人お願いw
熟女読み終えてニヤニヤしてたところに
278の>完っ熟だ!が目に入ってコーヒー吹いたwwww
仙蔵自重wwwww
よし、熟女の流れに乗る
ある暖かい日のことです。食堂のおばちゃんは兵庫水軍の水軍館に来ていました。
いつも美味しいお魚を持ってきてくれるお礼に、お料理を作ってあげる為です。
お鍋がくつくと、美味しい音を立てます。里芋とこんにゃくが甘辛く煮えたようです。
「さあ、後はこの煮物が煮えちゃったら完成ね。」
机の上には出来上がった料理が所狭しと並べられています。彩りも鮮やかで、見ているだけで唾が沸いてきました。
「おばちゃん。」
誰かが声をかけてきました。入り口の方を見ると、一番若い海賊さんが、ちょこんと顔を出しています。
「あら、えーと、彼方は。」
「網問です。」
日に焼けた顔を破顔させると、彼はとてとてと中に入ってきました。
「うわー、美味しそうな料理だなぁ!」
「あと煮物が煮えたら終わりだから、もうちょっと待っててくれるかしら。」
蓋を開けて様子を見ます。茶色に染まった里芋も、膨れた麩も、にんじんも何もかもが美味しそうに揺れています。
「お、おばちゃん!!」
「キャア!」
いきなり抱きつかれて、持っていたおたまががちゃん、と地面に落ちます。
太い腕が、しっかりと、柔らかい胴に絡み付いて離れません。
「あ、網問さん?!」
「おばちゃん、俺……おばちゃんが好きなんです!」
「え、あ、ああ、そうなの。」
おばちゃんはさらり、と告白を流しました。
今までもそういうことがあったのです。大抵が料理の腕の方が好きとか、そんなのばかりでしたから。
しかし、網問の声は真剣でした。
「俺、本気なんです!真剣です!『おのこしは許しまへんでー!』の声とか、残さず食べたら褒めてくれる、優しいとことか、
全部、全部好きなんです!!」
興奮の余り掠れた声はおばちゃんの心を、時化の海のように波立たせます。
「そんな……こんな、上がっちゃったおばちゃんが?」
「はい……本気です。」
遠くから、二羽のかもめの声が聞こえてきました。
しかし、おばちゃんはやはりどこか真剣さを欠いていました。あくまでも若い人の冗談、と心の隅で思っているようです。
網問の手が、柔らかく垂れた、でも幾分か張りを残している胸を弄ります。
「ああちょっと……。」
「俺の心……わかってください。」
大きく手を開き、ぎゅ、とわしづかみます。稚拙に、まるで紙を丸めるかのような強引な手つきで愛撫を始めます。
「イタ……網問君、ちょっと、痛いわよ。」
「ああ!すいません……。」
しゅん、と頭を下げる彼の方を向き、おばちゃんは割烹着を捲り、着物を開きました。
「お、おお……!!」
日の匂いのしない白い乳房は予想外にまん丸で、ふかふかとつきたてのお餅のようです。ちょこんとある乳首は桜色でとても可愛らしく乳房の真ん中に座っていました。
「いいわよ、こんなおばちゃんのでよければ……。」
にっこり笑うその顔は、慈愛に溢れた仏様そのものです。
「ありがとうございます!」
網問はたまらずその胸にむしゃぶりつきました。乳首を口に納め、むきゅむきゅと乳房を押し込みます。
「お、おい、何してるんだ!!」
やってきたのは水夫の航。突然の光景に、なんだか身体が引き気味です。
「網問、お前……なんてこと。」
「航、俺は今からおばちゃんと鴛鴦の交わりをするんだからほっておいてくれ。」
「鴛鴦って。」
絶句している航を放って、網問は口撫を続けます。おばちゃんは顔を上げると、呆然としている航に声をかけました。
「もしよかったら、航さんもやっていかない?」
「おばちゃん!そんな浮気なんて!」
「大丈夫、網問ちゃんにはちゃんとメインディッシュを上げるから。」
台所の調理台に寝転んだおばちゃんを、若い水軍衆が囲みます。
女人は穢れに通じるとか、船の神様は女だから乗せちゃいけないとか、いろんな慣わしのために、ここらへんには女性がそんなにいないのです。
なので年若い連中はみんな女人に飢えていたのです。
「ん、ん……。」
航の太い櫂を咥え、途中で加わった重や東南風のものを片手ずつ扱きながら、網問の愛撫を受けます。
「うわー、すごい、柔らかい……。」
せんずりよりいいわ、と呟いた途端、重はいってしまいました。
「お前早いよ!」
航に笑われ、重はふい、と頬を膨らませます。
「この手が柔らかくて気持ちよすぎるのがいけないんだ。」
白いもので汚れた手に、萎えた海鼠を擦り付けますと、また元気よくなりました。
「網問、お前胸ばっか触ってないで下も弄って差し上げたらどうだ。」
東南風はそう声をかけました。さっきからずっと、網問は胸を触っているのです。もう乳房は唾液でべとべとになっていました。
「うん、今弄るよ……。」
失礼します、と頭を下げて足を広げますと、色の濃い鮑が潮を吹いていました。
「うわあ!本当にあわびだぁ!俺、鮑大好きなんです!」
ぺちゃり、とまずは汁をいただきます。じゅうじゅうと吸い上げると、汁は後から後から吹き出ます。
汁の味は良いのですが、歯ざわりはどうでしょうか?網問は早速、鮑の上にある突起に歯を軽く当てました。
「ふぁああ!!」
「うぐっ!」
突然現れた強い快感に、おばちゃんは思わず口に力を入れてしまいました。急に窄まったせいで、航は思わずいってしまいます。
「あーあ、もうちょっと味わいたかったのに。」
「遠慮しなくていいのよ、今日は特別サービス!ただし、おのこしはゆるしまへんでぇ!」
どくどくと白い墨を吐く先端を、ぺろり、と舐め上げます。
「ああ、もう我慢できない!」
網問はぎんぎんに立ち上がったトラウツボを出すと、おばちゃんの鮑に押し込みました。
「ヒエエ!!網問君、そんな、アア!!」
獲物を捕らえるときのように、鮑の中を出たり入ったり。
本当にそれだけでしたが、まるまる育ったトラウツボのおかげで問題ありません。
「よーし、俺たちも!」
声を上げると残りの三人も追い上げに入ります。
「アフ、ウ、ウウ、ヒャフ、アウン!!」
鮑は喜びのあまり強く引き締まり、若いトラウツボを締め上げます。
「オオー!!」
まるで凱歌を上げるように、若い四人は声と同時に潮をおばちゃんにかけました。
「おのこしは、ゆるしまへんでー!!」
「いっただきまーす!!」
待ちに待った夕食の時間。水軍の皆さんは、おばちゃんの料理に舌鼓を打ちます。
「この味噌汁のほっとすること!」
「いやー、なんといってもこの炊き込みごはんだよ!」
絶賛の嵐の中、おばちゃんはちらり、と鍋のこげた煮物を見ます。
(ごめんなさいね、食材さん)
と、目で謝りました。
食事はあっという間に終わり、おばちゃんが皿洗いをしていると。
「おばちゃん。」
「あら、網問君、ありがとうね。」
持ってきたお皿を受け取り、網問を見ます。なんだか、朝見た時よりも、精悍な感じです。
一皮向けたんでしょうか。
「おばちゃん、今度はお刺身が食べたいです。」
「そうなの、じゃあちょっと変わったお刺身を作ってあげるわ。」
夏だったら鯵かしら、と思案しているおばちゃんの肩に、網問は優しく手を置いて囁きました。
「お皿は、もちろんおばちゃんの身体で。」
終わり
287 :
あとがき:2008/08/02(土) 01:38:09 ID:7LA1/vz5
ぜんぜんエロになってなくてすいません。ギャグになってなくてすいません。
熟女の流れに乗ったつもりが乗り切れてませんでした。
この流れ…っ面白いんだが抜けないっ!
流れぶったぎってごめん
しろしおシリーズに感動して、挿絵?的なものを描いてしまった
のを、自サイトに展示するのは避けた方がいいのかな?
(えろすは描けないからそこ以外の場面を)
290 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 22:56:49 ID:xkxgNCeU
291 :
しろべの人:2008/08/02(土) 23:10:31 ID:5l4FbRa4
>>289 この場を借りて御礼を言わせて頂きたいです。
めっちゃ見たい!!
292 :
289:2008/08/02(土) 23:55:36 ID:44USDGF9
え?いいの?本当にいいの?
ありがとうございます。つかご本人様まで…!こちらこそ、素敵な作品を投下してくださってありがとうございます!
では…細々と展示させていただきたいと思います…
ちょww
GJすぎる熟女の嵐www
リリーさんの方、ちょっとアタシは死んだスイーツ(笑)の
コピペを彷彿とさせる文体との相乗効果で私の腹筋も死んだwww
昔話の人GJ!おもしろかったw
おばちゃんビッチでテラワロスwww熟女に目覚めそうだ
295 :
14:2008/08/04(月) 20:26:46 ID:MAJlOKsL
久しぶりに来たら、ものすごい投下量で幸せです。一晩かけて一気に読むべきか
一話一話楽しむのか、まじで雷蔵のごとく悩んでしまう。
とりあえず塾女シリーズは拝見いたしましたwGJせざるをえないwwww
>293
思わずガ板を検索してしまったぜw
申し遅れましたが、スレ最初にこへユキ書きたいと言っていたものです。
不運な諸事情によりずっとこれなかったのですが、8月中に終わるよう投下させていただきたいと思いますので
よろしくです。
ちなみに、個人的に夏男っぽいと思う小平太と竹谷それぞれ一本予定してます。
ではでは・・・。
ちょっと留守にしてたら凄い事になってた!GJGJ!!
この流れで誰か学園長×楓+如月とか書いてくれないものか・・・
熟女シリーズクソワロタwwww皆さまGJ!!
昔話の人会いたかったwww
>>292 思わずサイト巡りした自分が通りますよ。
拙い話ですが、見て下さり有難うございます
続き行きます
忍術学園の空には夜の蒼が塗られ、雲一つ無い宵の空が学園を包む。
漆黒の闇夜に瞬く満天の星屑が光り、静寂に包まれた学園を見守るように輝いていた。
とっぷりと静まった6年の長屋の一室に、食満留三郎はぽつんと胡坐を掻いていた。
房術試験の時間が刻一刻と迫り、先程から全く落ち着きが無く回りをうろついたり、
手に何回も人という字を書いては飲み込んでいる。
忍術学園最上級生として、落ち着かないで如何すると自分に言い聞かせるが、頭では解っていても
心の内は晴れず、悶々と時間を過ごしていた。
風呂に入った、布団も敷いた、行灯の灯りも最小限にした、一通りの準備は済ませてある。
残りは二人が来るのを待つだけ、なのだがまだ時間がある。
此処でずっと待ってるのが良いのか、それとも二人を迎えに行くべきか。
常々自分でも思うが、変に世話焼きな性格故、いらぬ苦労が耐えない。
「…伊作に感化されてんのかな…。」
ぽつりと一人ごちると、何処かで誰かが板を踏み外す音が聞こえた。
多分、十中八九保健委員の誰かだろう。また後で用具委員が借り出される。
はあ、と深く溜息を吐くと、ふと昼間シナ先生に貰った巾着を思い出した。
気になり、その中身を取り出してみると、小さな瓶が入っていた。
三つとも同じもので、違うとすれば自分用と丁寧に張り紙が張ってある事だ。
薄桃色の液状のものが入っており、好奇心からその蓋を取り、鼻を近付け匂いを嗅いでみた。
何とも言えない甘ったるい匂いで、何処か噎せ返りそうな匂いに、食満は顔を顰めた。
直後、くらりと視界がぶれた。
気の所為か、風呂にでも当たったのかと思い、傍に置いてあった水を飲み、気を落ち着かせる。
心なしか身体の節々が熱を帯びた様に熱い。
熱でも出たのか、連日無理をし過ぎた所為か?
どちらにせよこれから房術の授業が開始されると言うのに、体調不良で休む事は出来ないし、
何よりあの二人に申し訳ない。
ぱん、と自分の頬を打ち、気合を入れる。
同時刻、場所は変わり渡り廊下の縁側で、夜風を浴びている少年が居た。
灰色の髪は風に揺れ、ぽけっと口を開き、夏の宵の風景を眺めていた。
「…まだかなあ。」
先程食満が待っている後輩の一人である、2年は組の時友四郎兵衛は、ぼんやりとしおりを待っていた。
女の子は支度に時間が掛かるものだと、浦風藤内に教えられた所為か、それを律儀に頭に入れていたらしい。
夜風が心地良く、このまま寝てしまいそうになる所に、背中を軽く叩かれた。
驚いて振り向くと、しおりが怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
「ご、ごめんね。遅れて。」
「良いよー。ぼくは気にしてないけど、食満先輩も待ってるだろうし、行こう?」
「…うん。」
不安そうに顔を伏せるしおりの頭をそっと撫で、「大丈夫」と声を掛ける。
四郎兵衛自身も、不安で一杯なのだが、目の前に居る彼女を差し置いて、自分が不安がる訳には行かない。
四郎兵衛なりの、男としての意地なのだろう。
小さく頷くと、手を繋ぎながら相手の歩幅に合わせて廊下を歩く。
途中、5年ろ組の竹谷八左ヱ門と、い組の久々知兵助と鉢合わせしたが、
二人は多くを語らず、そっと四郎兵衛の肩を叩いた。
恐らく「がんばれ」のメッセージが込められたものだろう。
くるりと二人が後ろを向くと、竹谷は眩しい笑顔で小さく「頑張れよ」とだけ言って去ってしまった。
久々知は振り返らなかったが、手を振り、自分の場所へと向かっていった。
先輩方に励まされたのか、二人は顔を見合わせ、先程とは違う表情で食満の所へ向かった。
薄暗い光りに包まれ、辺りには物音一つも漏れて来ない。
細長く狭い廊下の向こうには、扉が見える。渡された地図には、此処に食満が居ると言われた。
扉を軽く叩くと、どうぞと声が聞こえた。
いよいよ始まる試験に、二人の顔に影が落とされる。
覚悟はしていたものの、いざとなると矢張り不安は拭い切れない。
うだうだ悩んでも仕方が無いと、四郎兵衛は思い切って口を開いた。
「し、失礼します、食満先輩。2年は組、時友四郎兵衛です。」
「く、くの一教室…しおり…です。」
扉の向こうで、二人の震えた声に苦笑を漏らした。
恐らく緊張の為なのだろう、実に初心で微笑ましい。
和んでいる暇はあまりなく、食満は徐に立ち上がり、扉を開けた。
行き成り開かれた扉に、二人は悲鳴を上げ、しおりは四郎兵衛の後ろに隠れている。
「きゃああああ!」
「し、しおりちゃん落ち着いて!留食満三郎先輩だよ!」
「おい、誰だそれ。」
驚きの余り、姓と名前を混ぜてしまった四郎兵衛に苦い笑いを零す。
わざとでは無いのは解るが、言い難くないのかと思った。
「あ…先輩。」
「食満留三郎だ。けま、とめさぶろう。留食満三郎なんて人間は居ないぞ。」
「ごめんなさい。」
「ま、気にすんな。名前間違われるなんてしょっちゅうだ。」
四郎兵衛の頭を乱暴に撫で、中に入る様に促した。
それに素直に従い、おずおずとした足取りで二人は部屋へと入った。
食満が用意してくれた部屋は、薄暗い灯りが灯してあり、微かな冷風が何処からか入り込んでくる。
暑さで不快にならぬように手配してくれたのだろう、ご丁寧に3人分の水筒が机に並べてある。
「食満先輩有難うございます。」
「暇だったからな、気にするな。」
ぺこりと頭を下げると、気の良い笑みを返してくれた。
ぼんやり立っていたが、すっと食満が腰を下ろすと同時に、慌てて二人も腰を下ろし、
きちんと正座の姿勢に持ち直した。
こほん、と咳払いすると、照れているの後ろ頭をがしがしと掻いた。
「えー…、シナ先生にも聞いていると思うけど、今宵君達と授業を行うことになりました、食満留三郎です。」
「よろしくお願いします。」
「宜しくお願い・・します。」
深々と頭を下げると、こちらこそと食満も頭を下げる。
二人とも若干まだ不安な表情を見せているが、食満の顔をじっと見ながら話を聞いている。
「俺もあまり巧くは無いから偉そうには言えないけれど、あまり緊張しない様に…ってのは無理…だよな。
ま、まあ兎に角だ。先ずは俺が先にするから、四郎兵衛はついて行けたら良い。
しおりちゃんも、それで良いか?」
「はい。」
「…はい。」
先程からしおりは視線を彷徨わせ、顔は蒼ざめている。
気持ちは解らなくもない。
恋人が傍に居るのに、他の男に抱かれると言うのは、誰だって嫌な気分になるだろう。
くの一とは言え、まだ11歳なのだ。酷な話だが、しおりにはこの話を飲んで貰うしかない。
不安そうなしおりの顔を見ると、心がずきずきと痛むが、始めない訳にもいかない。
些か荒療治だが、しおりを腕に引き寄せ、安心させる様に背中を撫でた。
不意に、四郎兵衛の顔が嫉妬で歪むのを、食満は知る由もない。
続。
すいません、次回からきちんとエロ投入します。
食満じゃなく、四郎兵衛が暴走しそうなヨカーン。
うおっ続き来てた!しろべ暴走期待wktk!
留食満先輩のセリフは謙遜か素か気になります。
熟女シリーズもGJ!
個人的に塚口水堂×さゆりちゃんが見たいとか言ってみる。
さゆりちゃんって、仇討ち探しのせいでマトモな青春送れなかったかと思うと不憫だなあ。
食満にも暴走してほしいがむしろしおりちゃんに暴走してほしかったりするw
続き楽しみにしてます。
この前の放送のさゆりちゃんが不覚にも可愛いと思ってしまった。
熟女キャラって案外多いな。
さゆりちゃんが水堂さんと結婚してるのって
アニメだけなんだっけ?
老いてから水堂さんの手で
女の歓びを覚えるさゆりちゃんハァハァw
さゆりちゃんと水堂さんが不思議な桃を食べて若返りハッスルハッスル
…なんて某太郎みたいなパロはry
いや若返りなど必要ないっ・・・!
いくら老いようともそのままの姿でっ・・・!
干し柿のようなさゆりの乳房に水堂の皺にまみれた指が触れる。
先端についた梅干のような乳首をつまめば
さゆりの「あ・・・」という艶のある声が洩れた。
うおおおおおお!!!
オラムラムラすっぞ!
>>304 よしそのネタをSSにする作業に戻るんだ。
可及的速やかにな。
ところで流れ斬りすまんが、房術試験って『イカせたら合格』って設定でFA?
忍者(くの一)の仕事が情報戦中心なら
『あらかじめ双方が持ち合わせている機密情報(←審判は内容を知っているが
試験を受ける者は、相手の機密の内容を知らない)を先に上手く引き出せた方が合格』
とかなんか勝手に試験内容を考えて、途中でどう見ても山風読みすぎです本当にのぬふ。
いや、責めに屈して堕ちる様(男女問わず)が見たかっただけですが。
山風と聞くと、アソコで一物切り取っちゃうくのいちが
浮かんでくるんだぜ。
「ちょん切られたくなかったら教えて?」と
にっこり笑われれば、知らないことまで吐かずにいられないだろうな。
あとは、ばれないように薬を仕込んで
「楽になりたければ情報をはけ」「悔しい・・・でも感じちゃう!」とか
技術に自身のある体力バカなら、いかせまくって
もう何ラウンド目、
「はーいそれじゃあもう一回いってみよう!」
「勘弁して本当に死んじゃう!」
で頭下げさせ情報ゲットとか。
307 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:13:41 ID:H9mFrjil
熟女ブームの中で、四年生投下します。
ざっくら、ざくざく、ざっくざく
今日も喜八郎は穴を掘ります。一つ、二つ、三つ、朝から掘って出来た穴は、もう五個くらいにはなるでしょうか。
ざっくら、ざくざく、ざっくざく
「これくらいでいいかな。」
道具を脇に置いて、出来た穴を見つめます。赤土は適度な湿り気を持ち、がっしりと硬く、触っても砂がつくことはありません。
久方ぶりの大当たりです。
「よし、この穴は、タコ壷9238号、ツボテリーナ18世と名づけよう。」
子供の頭をなでるように、底の部分に触れた後、喜八郎は新たな穴を作りに外へ出ました。
「よいしょ、……おや?」
頭をひょっこり出して前方、二町ほど先に掘り返したような跡があります。ツボテリーナ18世から這い上がり、その掘り返した跡をまじまじと眺めます。
顔を地面につけて観察したり、上から見下ろしたり、そんなことを繰り返して、喜八郎はその掘り返しの上に載りました。
「おや、まあ。」
おや、といった時に、地面はちょっと下がり、まあと呟いた途端に下に落ちました。
落とし穴だったようです。しかし喜八郎は落ち着いたものでした。
「やったやった!大成功!!」
天井から覗き込んだくの一の卯子ちゃん。やったことは凶悪ですが、その顔はにこにこと朗らかです。
「大物が釣れたわ!四年生!」
今日の実習は罠の作って、そこに誰かを引っ掛けること。下級生ならほいほい引っかかってくれますが、四年生以上はなかなかつかまらないのです。
穴の中に下りて、縄を取り出します。捕えた獲物を、先生に見せる為です。
「意外と間抜けなんですね、こんな簡単な落とし穴に引っかかるなんて。」
くるくると喜八郎の身体に巻きつけて言いますと、彼は平然とした顔をして言いました。
「何を言っているんだ。僕はこんな乱暴で下手くそで、稚拙な落とし穴を作った奴が誰なのか見たかったんだ。」
上級生の言葉を聞き、卯子はむっと顔を顰めました。ちょっとでも、表情が変化していたら、腹は立たなかったでしょう。
しかし喜八郎ときたら、無表情で失礼なことを言ったのです。これで怒らない人間が居るでしょうか?
「どこが下手くそなんですか!穴に落ちたから、悔しいんでしょ!」
「僕は真実を言ったまでだ。見てみろ、この土の削り方!これじゃあ穴が可愛そうだ。」
縄抜けをした綾部は壁を触ります。軽く触れただけで、土はぼろぼろと落ちました。まるで涙のように。
「こんな乾いたところに穴を作ったから、ほら、簡単に崩れてしまった。
しかもこんなにでこぼこを作って……均等に掘っていないだろ。」
一字一句がべたべたと頭に張り付いて、引き剥がそうとすると、心の表皮を掴んで一緒に離れていきます。
ああ、腹が立つ。むかつく。女の子で、行儀が悪いけど、殴りたい。
「いいじゃない!どうせ後で埋めなおすんだから!」
卯子が声を荒げると、喜八郎はこのとき初めて眉を顰めました。
「後で埋めなおすからさ。穴の気持ちもわからないようじゃ、だめだね。」
頭に、血が音を立てて上ります。真っ赤になった卯子は喜八郎の腕を掴むと、大声で怒鳴りました。
「穴の気持ちってなによ!穴は穴でしょ!!」
「じゃあ、教えてあげようか。」
喜八郎はにやっと笑うと、自分を縛っていた縄で卯子を縛り上げました。
「なにすんのよ!」
「穴の気持ちを知りたいんでしょ?穴は自分から動かない、しゃべらない。今回は口は塞がないけど、腕を縛らせてもらったよ。」
卯子の袴を脱がして、足の間を弄ります。
「うあっ、ちょっと。」
「まず適度な湿り気が必要。こんな乾いた土に作ったんじゃ穴がかわいそうだし、濡れすぎると、掘るのが大変。」
ぐりぐりと豆や穴の周りを探っていると、じくじくとぬめる地下水が湧き出てきます。
「う、うう、ふうっ。」
「あ、揺れないでくれる?地下水でちゃうから。」
「そんな、あう、言った、うう。」
喜八郎はそういいますが、なにしろちょうどよいところを弄るものですんで、
卯子は何度もイきそうになります。
「あ、ここが掘りやすそう……。」
「い、ア、アアウ!!」
肌が震えて、地下水が吹き出ます。喜八郎はべたべたになって手を舐めました。
「って、不用意に掘ると、えらいことになるから気をつけてね。」
まだぴくぴくとはねる足を開いて、自身も袴を外すと、喜八郎は円匙を取り出しました。
「じゃあ掘るねー。」
「え、ちょっと、まってええええええ?!!」
ぬかるんだ地面に突き刺し、がっつんがっつんと掘り返します。深く、深く、それこそ反対側に出るように。
「いや、痛い!痛い!やめて!お願い!!」
その無軌道な掘り方に、卯子は声を出して懇願します。ぎりぎりと痛いくらい足を開かされて、抵抗できないくらい掘ってくるのですから、堪りません。
涙が、恥ずかしいくらい落ちて卯子はよだれを啜りました。
ふ、と喜八郎の動きが止まりました。
「……これが君の掘り方。穴の気持ち、ぜんぜん考えてない、ひどい掘り方。」
わかる?と聞かれ、卯子はこくこくと頷きます。
「いいかい、穴だって痛いんだ。だから、優しく、優しく掘るんだよ。
そうすれば、丈夫で長持ちする、いい穴が出来る。」
今度は、ゆっくりと腰を動かします。掘りやすい柔らかいところを擽り、入り口を広げるようにまわします。
「わかる?これが上手な穴の掘り方。」
「うん……うん……うふっ、……うん。」
甘く優しい動きに、次第に腰が浮いていきます。
「あ、だめ、ああ……っ。」
狭い穴の中、卯子はふうと息を吐いて起き上がります。
縄は既に解かれ、地下水もすっかりなくなっています。着物もしっかりと着ていました。
「あ、気付いた?」
今度は喜八郎が覗き込んでいます。また、新しい穴を掘っていたのでしょう。
「わかった?正しい穴の掘り方。今度はいい穴を掘るといいよ。」
「あ、あの、先輩。」
卯子はよじ登ると、喜八郎の隣に立ちました。その顔はどこか赤く、目はきらきらと潤んでいます。
「……また、ご指導してくれますか?」
喜八郎はこのとき初めて破顔すると、うん、と頷いてくれましたとさ。
めでたしめでたし
おわり
なんという綾部!!
GJ!
GJ!大好きだ昔話の人!
やはり綾部は始終無表情なんだろうか
GJすぎるーーーーーーー!!!!
やっぱり上手いですなぁ・・・・
昔話の人ktkr!
素晴らしい綾部に夜勤の疲れも吹っ飛んだよw
しかし綾部は意外と体力ありそうだよな
毎日穴掘ってる訳だし、相当足腰鍛えられてそうだ
無表情でがつんがつんて、
ひょっとして7MA2号よりすごいのか…?
趣味は穴掘りだしな。
スタミナで7MA2号に勝てる者はいないかとw
暴走機関車だしな
暴走ショベルカーき-8ROW…
ダメだ7MA2号が最強すぎて勝てんw
おい、18日の忍たまに俺の嫁北石照代がでるそうだ。お見逃しなく。
>>319 誰かと間違えてないか?
北石照代なら俺の嫁のはずだが
おまいらww大笑いしたじゃねえかww
>>320 その隙にしおりちゃんは俺が掻っ攫っていくぞ
投下致します。
宵闇に包まれた学園の庭に、虫の音が鳴り響き、
漆黒に塗られた闇に、一筋の月光が降り注ぐ。
格子状の窓からは、雲間から月が見守る様に覗いていて、四角い部屋を縦状の月が畳を泳ぐ。
薄暗い部屋に、ゆらゆらと行灯の光りが妖しげに照らされる。
半ば強引にしおりを抱きしめたのは良いが、先がどうにも思いつかない。
只しおりは食満の腕の中で如何する事も出来ず、恥ずかしさのあまり硬直する事しか出来ないで居た。
微かな鼓動が、食満の身体を伝わり、耳へと響く。
ちらりとしおりの方を覗いてみると、耳まで真っ赤に染まっている。
触ったらそのまま砕けて仕舞いそうな、それはまるで繊細な硝子細工にも思えた。
不安に怯えるしおりを如何すれば安心させるか、食満は悩んだ。
取り敢えずは始めない事には授業にならない。
幼子をあやすように、一定のリズムでしおりの背中を軽く叩く。
暫く続けると、緊張が解れて来たのか身体の震えは治まった。
そのまま手をずらし、肩甲骨をなぞる様に指の腹でなぞり続ける。
何とも言えないくすぐったさに、しおりは身を捩らせる。
反応を見る限り、不感症では無いらしい。
だが、経験が極端に少ないのは明白だろう、強い刺激を与えては恐怖が先に来てしまう。
そう思い、しおりをそっと抱きかかえる。
「ひゃっ!?け、食満先輩?」
「あー。ちょっと御免な。」
驚くしおりを宥める様に、無骨な手がしおりの髪を撫ぜる。
四郎兵衛とは違う、少年とも大人とも付かない手の感触に、ただしおりは戸惑うだけだった。
目の前に居る食満留三郎と言う先輩は、噂と聞いていた人物とは異なり、
武闘派と言うよりは、面倒見の良いお兄さんと言う感じだ。
ぼうっと見ていると、困った様に微笑みながら「大丈夫」と静かに耳打ちをした。
経験の少ないしおりを気遣っての事なのだろう。
布団に静かに腰を下ろさせると、その反動に従いゆっくりと覆い被さる。
ついにこの時が来たのか、と固く目を瞑る。
不意に、そっと横から小さな手が頬を撫でた。
薄っすらと目を開けると、横で座っていた四郎兵衛が、手を伸ばしていた。
不安になっているしおりを見、自分も何かしたかったのだろう。
その意図を汲み取り、食満はその微笑ましいやり取りに頬を緩ませた。
食満は徐にしおりの着物の帯を少し緩めさせ、前を肌蹴させる。
白い肌と未だ未熟な膨らみが灯りに照らされ、嫌に扇情的だった。
羞恥の為か顔を背け、目を合さないようにしている。
鎖骨にそっと口付け、啄ばむ様にその周辺に口付けを落とす。
ぴくぴくと小鳥のように震え、声を出さぬ様に口を噤んでいる。
初々しい反応だが、ちょっと面白くない。
ふと、机の上に並べて置いた瓶が目に入った。
昼間、シナ先生に貰ったあの瓶。
少し前に嗅いでみたが、どうにもあの咽る様な甘い匂いが未だに残る。
何となくは想像が付くが、核心ではない。
意地が悪いかも知れないが、少し試してみよう。
そんな軽い気持ちだった。
「食満先輩?」
「あ、悪い。ちょっとシナ先生が使ってくれって言ったものなんだが。」
机に向かい、食満はその瓶を二人に見せる。
二人は只顔を見合わせたまま、何が入っているのか検討も付かないらしい。
薄桃色の液体は、行灯の光りで妖しく煌き、何処か触れてはならない様な気もしてきた。
「先輩、その中身・・・。」
「ああ、ちょっと一口だけ舐めてみて欲しい。」
蓋を外し、さあ、としおりの目の前にずいと差し出す。
しおりは不思議そうに眺めた後、何かに誘われるようにその液体を一滴舌の上に零した。
その様子をじっと食満と四郎兵衛は見守り、しおりの様子を伺っている。
「しおりちゃん、どう?」
「うん、・・甘い。」
「?あれ?」
さして変わらぬ様子に、食満は顔をしかめた。
おかしい。自分は嗅いだだけでまるで熱に浮かされた様な熱さが身体全体に広がったと言うのに。
人によって変えてあるのだろうか、どちらにせよシナ先生の意図が掴めない。
だがそれは、一時の事である。
後に食満は、この液体が何なのか。
そしてどう言う仕組みなのか、嫌と言うほど理解する羽目となる。
続。
えろの欠片も無くサーセンorz
じらすなよ〜
続きまってます!
おお、いよいよだな!
がんばれ三人とも!!
続き待ってます!
ところで照代さんっていろいろおいしいキャラ位置だと思ってんだけど、違うのかな?
あんま見掛けない…
今日照代さんの回と勘違いしてた…
でも最近のここ流れのせいで(←良い意味でね)、おばちゃんと利吉も良いなあと思ってしまった。
ありがとう。
くの一に上級生っていないのかね
アニメのくのたま見てると六年とかどんだけエロい体型なんだハアハアとか思っちゃうんだぜ
まあいるとしても五・六年と絡ませたらラブコメっぽくなっちゃうから出さないだろうなあ…
>>331 個人的には是非登場してほしいなぁ
頼むよ尼子テンテー
上級生かなり増えたんだからそろそろ女の子増やしてほしい
くのいち教室ってもう一クラスあるんだよね?
そっちは上級生クラスなんだ、と信じて疑ってないぜ。
もしくは房術専用(?)のクラス。
あえて、くのいち教室は最近できたという設定で、
昔は 共 学 だ っ た
とかでもいいな。
で、くのいちの制服着ずに、ふつうに男子と同じ制服の女子がいると。
一人くらい男装女子がいてもいいとおもうんだけどなぁ。
↓ここからつどい的な話なので、見たくない人スルーしてくれ、頼む
だれか是非、鬼蜘蛛丸とカメ子と長次の三角関係を書いてほしいのだが・・。
裏設定聞いてしまって、もう自重できないんだ・・・
長カメと信じて疑わなかったのに、まさかの10年後鬼カメとは・・・・・
>>334 その設定いいね
今のくの一六年が低学年の頃は共学で、男子六年に混じって学んでたとかだったら萌える
やっぱり小さい頃と違って思春期になれば段々お互いに意識するようになると思うんですよ…
上級生のくの一は俺も見たい。
きっと凛々しい美人さんだと思うんだ。
投下します。多分長くなる!
甘いその蜜は、時として毒にもなり得る―何処かで誰かが囁いた気がした。
はて、と周りを見渡すも人の気配は全く無い。
どうしたんですか、と四郎兵衛の声が聞こえ、食満ははっとした。
「いや、人の気配がした様な・・・。気の所為か?」
「誰も居ないですよ?」
戸を開け、周りを見渡しても漆黒の闇が広がっているだけだ。
本当に気の所為だったのか、どうにも腑に落ちない表情で、食満は踵を返した。
気を取りなおして、ぼんやりとその様子を眺めていたしおりを押し倒す。
「きゃあ!」
「ぼんやりしてると、敵に首をかかれるかも知れないぞ。」
悪戯っぽく笑うと、すねた様な顔をするしおりを見、思わず苦笑を漏らす。
忍者と言うのは、一時の油断が命の危険になり得る事も多い。
これから先、成長して行く後輩達がその危機に晒されるのかと思うと、何ともやり切れない。
だが、今は房術の授業。他の事は考えないでおこうと、その思いは胸にしまった。
肌蹴た胸元に、無骨な手がそっと差し込まれ、柔らかい膨らみを包みこみ、弧を描く様に撫で回す。
首筋に舌を這わせながら、そのまま耳の裏に唇を押し当てる。
耳朶を軽く噛むと、上擦った声が聞こえた。
「しおりちゃん、耳、弱い?」
「ち、違い・・・ます。」
口では否定するものの、反応を見る限り弱いのだろう。
ちらりと四郎兵衛を見ると、その眸はらんらんと輝き、自分達の情事に釘付けになっている。
首筋を強く吸い、柔らかく膨らみを撫でていた手が、膨らみを掴む。
耳に舌を差し込み、両手を使いながらしおりの双丘を弄んでいた。
片方の手はその感触を確かめる様に揉みしだき、もう片方はその丘に咲いた桃色の実を弄っている。
「ふぁ・・・、けま、せんぱぁい・・・。駄目ぇ・・。」
「ん?もう硬くなってるけど、何が駄目なんだ?」
度重なる刺激に、ついにしおりの口から甘い吐息が漏れ始める。
四郎兵衛とは全く違う攻め方に戸惑い、湧き上がる熱に翻弄されるのが怖くなり、制止の言葉を促す。
だが食満はその言葉に耳を貸す所か、口とは裏腹な反応が面白いのか
その実を両方摘み上げ、指の腹でなぞり、指で挟み、転がしている。
刺激が与えられる毎に、その実は硬度を増し、色も濃度を増していた。
「ほら、こんなに硬くなってる。」
「ひゃあっ!」
意地悪くそう言うと、硬くなったソレを指で弾く。
飾りを口に含み、舌先でその実をつつき、転がす。
その度に甘い吐息が頭上から聞こえ、えも知れない感覚が食満自身の背中から這い上がる。
飾りから口を離し、上体を起こし馬乗りの体勢となる。
淡く桃色に上気した頬に、潤んだ眸。そして乱れた髪に肌蹴た着物。
こうして見ると、情欲をそそるには充分過ぎるだろう。
その証拠に、普段ぼんやりした四郎兵衛の目が見開かれ、ごくりと喉が鳴る音が聞こえた。
矢張り、幼いと言えど男なのだろう。
好きな女の子の艶姿を見て、反応せずにおられようか。
目を固く瞑っているものの、抵抗らしい抵抗をしない彼女の双丘をゆっくりと揉みしだいて行く。
按摩をする様に、念入りに―そして、その敏感な先端には触れないままで。
先程とは違う、執拗でもどかしい愛撫にしおりは身体を捩らす。
刺激を受け続けた身体は、緩やかに押し上げる快楽でも反応してしまう。
やがて胸から手が離れ、腹部の周りを優しく摩る。
擽るように上から指を下に這わせ、そして下から上へと這わしていく。
「ふ、うぅん・・・。」
「しおりちゃん、気持ち良いの?」
四郎兵衛の問い掛けに、しおりは目を見開く。
見上げると、四郎兵衛がじいっとしおりの顔を覗き込んでいた。
「し、四郎兵衛・・・。」
「食満先輩、ぼくも…。」
「お、混ざるか?」
しおりはすっかり忘れていた。この授業は、食満と四郎兵衛と自分の「三人」で行うと言う事に。
何か言おうとし、開きかけた唇に、四郎兵衛の唇がそっと重なる。
食満がやっていた行為を思い出し、首筋に軽く口づけ、耳朶、頬と、徐々に場所をずらして行った。
それは恋人と交わすに相応しい所業だった。
一頻り軽い口付けを落とした後、一呼吸置いてしおりと視線を交わす。
きょとん、と眸を瞬かせると、安心した様に薄っすらと微笑む。
それが嬉しかったのか、四郎兵衛はしおりの唇を奪った。
柔らかく甘い唇を、甘噛みしながら貪る。
息苦しさに彼女の唇が僅かに開いたとき、四郎兵衛はその隙間に自身の舌を差し入れた。
ぎこちなく互いに舌を絡めさせる様は、経験の薄さであろう。
「ん、く。ふ、うぅ・・・。」
互いの唾液が混じり合う。
口淫を繰り返しているうちに、固く握り締めた手が緩んでいく。
唇が離されると、名残惜しそうな銀糸が互いの口から零れ落ちる。
見せつけてくれるなあ、と食満は苦笑を漏らす。
取り残された様な感覚に囚われ、少し意地の悪い事をしてやろうと、口元を歪ませる。
シナ先生に貰った三つの瓶の蓋を取り外し、自分用の液体をごくんと飲み込む。
相も変わらず後に引く甘さに、思わず噎せ返る。
その様子に気付いたのか、二人は食満の方を向いた途端、慌てて近寄ってきた。
「食満先輩、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。大丈夫、二人も飲んでみな・・・って、ええっ?!」
呼吸を整え、二人に少し飲んでみろと勧めようとした矢先―食満留三郎は目を疑った。
言うが早いが二人は不思議そうに瓶を見詰めた直後、その中身を丸ごと飲み干してしまった。
呑気に甘いね、だの、そっちはどうだった?だのと言い合っている様は、まるで危機感が無い。
しおりの方はさっき一口だけ舐めたから大丈夫だと思ったのだろうか?
「お、おい!何ともないのか!?身体は?!」
「大丈夫ですよ?四郎兵衛は?」
「ぼくも平気です。」
慌てて身体を揺さぶるも、変わった所は無い。
如何にも気になるが、後に解るのではないか、と思いなおした。
ずい、としおりの前に座ると、しおりを抱きかかえ後ろ向きに膝に座らせた。
戸惑うしおりをよそに、首筋に口付けを落とすと、先程の要領で耳朶を甘く噛む。
後ろから手を出し、膨らみを包みながら実を弾く。
「あ、はぁぁ・・・。」
ふと、しおりの反応に違和感を感じた。
さっきよりも確実に反応が良くなっている。不感症よりは良いが、明らかに違う。
先程は声もか細く、初々しい反応だったのに、今はどうだ。
眸はとろりと半目になり、頬も先程よりも紅く染まっている。
相変わらず震えてはいたが、それは恐怖からでは無く、寧ろこれからの快楽に期待をし
悦びに打ち震えているように見えるのは―自分の錯覚なのだろうか?
気にしない様に、食満はしおりの太腿へと手を滑らす。
内腿を撫でられるくすぐったさに、しおりは思わずびくんと身体を震わせた。
その様子に口元を吊り上げ、掌でその部分を何度も往復させ、攻め立てる。
しおりの感度は充分な程良くなっている。
その事を確認すると、食満はしおりの腹部に腕を絡ませ、丁度抱かかえる体勢となった。
そして、片方の手で一気に脚を押し広げさせる。
「や!食満先輩!」
「閉じてちゃ、先に進めないぞ?」
「い、嫌ですっ!」
「・・・へえ、そんな事、言うのか?」
凍り付く位、低く囁いた声がしおりの耳を掠めた。
その言葉に思わず目を開くと、飛び込んで来たのは、四郎兵衛の驚いた顔だった。
如何みてもその表情は化け物でも見かの様な表情で、今、後ろに居る食満がどんな表情をしているのかが安易に想像出来てしまった。
無言で食満はしおりの腰を持ち上げさせ、尻の下に空いた隙間に放り投げていた枕を敷いた。
意図が解らずに首を傾げ、不審な表情を浮かべるしおりの様子も構わず、逃げられない様に素早く覆い被さる。
有無を言わせる間も与えず、両脚を強引に開かせると羞恥に染まった声が頭上から聞こえた。
未だ開いていない蕾は、雨水が溢れ出た様に、ぬらぬらと灯りに照らされていた。
「や、先輩・・・。」
「・・・まだ一つも触ってないのに、厭らしい子だな?」
言葉が聞こえた直後、食満の指がしおりの花芯へと伸びた。
するりと軽く指の腹で撫でただけなのに、花の蜜が零れだす。
その蜜を指で掬い上げると、蜜がその指では足りないとばかりに滴り落ちる。
「ほら、どんどん溢れてる。」
「ぅあっ、あ、あぁ、んっ!」
その蕾は易々と食満の指を飲み込み、刺激に耐えられず蜜が溢れだす。
指を二本に増やし、業と音を立ててしおりの羞恥を煽り続ける。
卑猥な水音が部屋に響き、しおりは嫌々をする様に首を横に振り続ける。
食満の指は的確にしおりの弱点を捕らえ、快感を増幅させて行く。
込み上げる熱さに満たされ、しおりの身体がびくびくと痙攣し始めた。
どうやら絶頂が近く、固く拳を握り締めている。
頃合を見計らい、ナカを掻き回す様に動かすと、蕾から蜜が飛沫のように溢れ出した。
指を引き抜くと、しおりは肩で息をしていた。
指についた蜜を舐め取り、食満は一呼吸吐いた。
自分も何だか身体が火照って、熱に浮かされた様に思う。
未だ快感の余韻に浸っているしおりを抱かかえると、四郎兵衛がしおりの顔を見れる様に座らせた。
先程より力の抜けたしおりの脚を開かせると、蜜で溢れ返った花芯を見せつけた。
「四郎兵衛、見てみろ。こんなに溢れてきてる。」
「・・・どうやったら、こんな風になるんですか?」
「・・・後で教えてやる。所で、辛くないか、ソレ。」
へ?と食満が指差した方向に視線をやると、そそり立った自身が浴衣越しに山を作っていた。
ばつが悪そうに互いに笑い合うと、食満はしおりを気付かせる様に肩を叩いた。
「しおりちゃん、四郎兵衛が辛そうだから、楽にしてやって。」
「…しろべー・・・、辛い、の?」
「ほら、あんなに辛そうだぞ。」
「しろべー・・・、今、楽にしてあげる、ね?」
しおりの様子は、明らかに違っていた。
まるでうわ言の様に四郎兵衛の名前を繰り返し、眸は曇っておりまるで生気が感じられない。
先程からの反応と良い、漸く食満はあの液体が何なのか理解が出来た。
恐らくその正体は媚薬だろう。そして、匂いを嗅いだだけであの強烈な効き目。
人によって効き目を変えてあるのだろうが、強力な事には変わり無い。
全部飲み干してしまった二人の事を考えると、食満は残った自分用の瓶をそっと見詰めた。
毒を喰らわば皿まで――
腹を括り、半ばやけくそでその液体を飲み干す。後輩二人を差し置いて、自分だけ飲まない訳には行かない。
食満留三郎、とことんまで苦労性な15歳である。
しおりは四郎兵衛をそっと両手で包み、火を迸らせる勢いのソレを口に含む。
ざらつく舌の感触に、思わず上擦った声が聞こえた。
互いに息は荒く、少しの刺激で達してしまいそうな快感が体中を電流が走った様に流れ込む。
四郎兵衛自身を奉仕しているしおりの臀部を、食満の手がそっと撫でた。
お尻を撫でられた感覚にしおりの身体が大きく震えた。
後ろを振り向く余裕さえ無く、四郎兵衛の奉仕に夢中になっている。
着物の裾を捲くり、腰を高く上げさせると、しおりの声が聞こえた。
「け、けま、先輩?」
「しおりちゃん、出来るだけ楽にしてくれ。」
熱っぽく囁くと、後背位の体勢から、一気にしおりのナカへと押し込まれた。
息苦しさに顔を顰めると、四郎兵衛の手が顔に添えられ、上を向かされる。
「まだ、だよ。しおりちゃん。」
続けて、と口調は何時ものままなのに、何処か有無を言わせない様子だった。
文字通り続けると、食満もゆっくりと腰を打ち付ける。
まだ男を受け入れて間もないしおりの秘穴は狭く、痛い位に食満の男根を締め付ける。
四郎兵衛と初めて交わった体勢は正常位のみで、背後からの体勢は経験した事などない。
味わった事のない体勢から責められ、早くも困惑した声を上げている。
「んあっ、いっ、痛ぁっ・・。ふぁっ、あぁん!」
慣れていない体勢の為か、甘い痛みがしおりの身体を苛む。
だが薬が効いているのか、直ぐに甘い声へと変わる。
狭い空洞を探る様に動くと、徐々に慣れて来たの深々と最奥まで埋め込む事が出来た。
花から零れる蜜はしおりの太腿を伝い、布団の上へと染みを作っている。
「ふあっ、あぁっ。ふっ、深い、深いのぉっ。」
荒々しくも弱点を探り当てるその動きに、しおりは為す術も無く喘ぐだけだった。
片手を後ろで食満に捕らえられ、がつがつとナカを荒らして行く。
上の口には四郎兵衛自身が差し込まれ、此方はゆっくりとした動きでしおりの口腔内を犯す。
上下の相反する動きに、しおりの秘所がぎゅう、と締め付けられる。
食満も限界が近いのか、動きを強めにし、しおりの秘肉を味わう。
「っは・・・、も・・・駄目ぇっ・・・。」
「ぼ、ぼく・・・も。」
「く・・・。」
身体の中心が、まるで火を灯した様に熱く燃え盛る様な錯覚に囚われた。
小さく四郎兵衛が呻き、白濁した欲を吐き出す。一呼吸置いて、食満も胎内に欲望を迸らせた。
絶頂に導かれたしおりは、まるで体内で花火が上がったような気分だった。
息を荒げる3人は、暫く余韻に浸っていた。
四郎兵衛はそっとしおりの顔を手拭で拭くと、そのまましおりを押し倒した。
「し、四郎兵衛?」
「しおりちゃん、今度はぼくだよ。」
戸惑ったしおりは、食満の方を見ると、彼自身もまだまだ欲望は萎えては居ない。
二匹の狼に捕らえられた羊は、只食べられるだけ―
これから、長い夜の狂宴の幕が落とされた、そうしおりは確信した。
続
343 :
しろべのひと:2008/08/18(月) 01:22:18 ID:x1oKdjnW
すいません、脱字ありました。
徐々に慣れて来たの「か」が抜けてましたorz
GJ!
2ラウンド楽しみにしています!
最近しろべのひとの小説読むために生きてます
test
しろべのひと相変わらずGJ!続きがすげえ楽しみだ
そして今日の忍たま、山ぶ鬼とふぶ鬼のケンカに萌えた
思わず
>>244氏の小説を読み返してしまった
しろべの人ほんまにGJです
しろべの方、再び割り込み申し訳ないです。
前回リリーと小松田を書いたものです。熟女ものではありませんが投下します。
きり丸×トモミでベタベタな内容です。
※年齢操作しているので苦手な方は注意(きり丸4年、トモミ5年)
「…はぁ…はぁ」
息を弾ませながら、冗談じゃないわよ、とトモミは空を見上げた。
柔らかな光を放つまんまるい月がトモミを見下ろしている。
月の光も、空も、大地も、何一つ幼い頃から変わらないのに。
「……っ」
一筋の涙が頬を伝う。
まるでそれが合図だったかのように、次から次へと涙が溢れだし、
トモミは自らの体を抱き締めるようにしてその場にうずくまった。
トモミ達が一流のくの一を目指して学園の門を叩いたのは5年前。
クラスをまとめる学級委員として皆から頼られ、友人にも恵まれ、学園生活は順風満帆だった。
しかしここは「忍術学園」である。楽しいことばかりでは許されない。
くの一の役目の一つ、敵の内部に入り込み、内側から攻めること。
そして時と場合によるが、相手方の男性と性的な関係を持つこともまた、くの一の役目の一つ。
くの一のそういった仕事については、シナから何度も聞かされていた。
だから頭では理解していたし、きっと自分もやれる思っていた。
しかし、今日。初めての実習訓練。
トモミは、相手を突き飛ばして逃げ出してしまったのだった。
…ほとんど反射的だった。
自分の体に見ず知らずの男がのし掛かってきた瞬間、えも言えぬ嫌悪感が体をかけめぐり、
次に気がつくと、裸足のままで忍術学園へと続く道を駆けている所だった。
「うっ…ひっく……ひっ…」
涙と嗚咽、そして体の震えが止まらない。
男の臭いと、生暖かな体温が甦って来る。
しかし涙が止められないのは、何より自分の不甲斐なさが悔しかったから。
くの一になるには必ず通らなければいけない道。そんなこと、わかっていたのに。
時が経過しても、相変わらずトモミは道の端でうずくまったままだった。
とてもじゃないがこんな情けない姿で忍術学園に戻る訳にはいかない。
かと言って今更来た道を戻る訳にも…。
「トモミちゃん?」
いきなり背後から名を呼ばれ、トモミはびくりと顔をあげた。
姿を確認するまでも無い。聞き慣れた声だけで誰だかわかる。
「…きり丸?」
「大丈夫?体の具合悪いの?」
それは出会って4年にもなる下級生。
最近は昔ほどからかって遊ぶこともなくなったが、それでも弱みは見せたく無かった。
トモミは慌てて涙を拭ったが、少し遅かったようだ。
「えっ、泣いてるの?」
「…っ」
いくら暗闇の中とは言え、拭っても拭っても溢れ出る涙は誤魔化せそうにはなかった。
「な、なんであんたがこんな所にいるのよっ」
「アルバイトの帰りだけど」
トモミちゃんは?と聞き返されるが、言葉が出てこず沈黙が流れる。
「大丈夫?」
軽くなだめるつもりだったのだろう。きり丸はトモミの肩にぽんと手をおいた。
しかしその途端、トモミは体をびくっと震わせて後ろに飛び退いた。
そのあからさまな拒絶の反応に、さすがのきり丸も戸惑いを覚える。
「ご…ごめん」
訳も分からぬままとりあえず謝ってみるが、トモミは下を向いたままだった。
トモミもトモミで、自分自身の今の反応が信じられず驚いていたのだった。
…情けない。くの一のたまごともあろう自分が、たかだか肩に触れられただけで取り乱して。
「きり丸」
もうここまで来たら恥ずかしいも何も無い。
きっと、馬鹿にして笑いのネタにされるんだろう。
それか口止め料を払わされるかも。
ゆっくりと顔を上げると、困ったような顔をしたきり丸と目が合う。
一度離れた距離を詰めて隣に座り、一呼吸おいてから話し始めた。
「私…今実習を逃げ出してきちゃったんだ」
「え?実習って、合戦場とか?」
「違うわよ…きり丸も知ってるでしょ?…くの一の色の実習」
はっとしたようにきり丸の目が見開く。
「………初めて、だったのよ」
言いながら、自分の顔が赤く染まっていくのをトモミは感じた。
しかしそれはきり丸も同じ事で、目の前の少女の突然の告白に、耳まで赤くしている。
「あっ、あんな知らないおじさんに…触られて……耳元で囁かれて…」
一度は止まった涙と震えが再び襲ってくる。
「……怖かった」
かすかな声で呟くトモミに、いつもの強さは見られなかった。
「ふふ。笑うでしょ…情けなくて。いつもあんた達を馬鹿にしてたのにね」
自嘲の笑みを浮かべてきり丸を見る。
しかし彼は笑わずに、今度はゆっくり、トモミの肩を抱き寄せた。
「…もう大丈夫だよ」
いつもとは違う優しい声のトーンに、トモミは先ほどの恐怖や嫌悪とは違う
温かな安心感に包まれるのを感じた。
出会った頃は、一つ年上のトモミの方が頭一つ分背が高かった。
今年、トモミが5年、きり丸が4年に上がる頃に並び、ほんの数か月で彼はトモミを追い越していった。
こうやって肩を抱かれると、まるで体全部がすっぽりと覆われるみたいで、改めてその体格差を感じる。
トモミの体が大人の女性へと変化するのと同様に、
きり丸もまた少年から青年の体へと成長を遂げているのであった。
「…俺がこうするのも、怖い?」
きり丸の問い掛けに、トモミは首を横に降る。
すると、きり丸はトモミの顔を覗き込むようにじっと見つめてきた。
その目は強く真っ直ぐトモミに向けられ、視線をそらす事も、体を動かす事も出来ない。
ゆっくり、少しずつきり丸の顔が近付いてくる。
それが何を意味しているかわからない程子供では無かったが、
不思議と拒否する気持ちは沸いてこなかった。
静かに、唇と唇が触れる。その柔らかな感触を味わう前に唇は離された。
「…これは、嫌?」
「……いや、じゃない」
掠れた声で言うと、今度はもっと深い口付けが降って来た。
道を逸れた草むらで、二人は何度も口付けを交わした。
どちらからともなく舌を絡ませ合い、唾液を交換して。
「…んっ…ふ」
息の仕方を忘れる程のキスに、苦しそうな声が洩れる。
ようやく唇を放すと、きり丸はトモミ扇情的の扇情的な姿に目を奪われた。
実習のために用意したものだろうか。
いつもより大人びた柄の着物は襟元が乱れ、嫌でもはだけた白い胸に目がいく。
時間をかけた熱い口付けにトモミの頬は染まり、うるんだ瞳はじっときり丸を見つめている。
土台の弱い13歳の理性が、ガラガラと崩れていく音がした。
「トモミちゃん…」
「なに?」
「…怖かったら言って。すぐやめるから」
そう一言だけ言うと、きり丸はトモミの着物の帯を緩めた。
「え…ちょっときり丸!」
トモミは草むらの上に押し倒され、露わになった胸の頂きにきり丸の舌先が触れた。
「ひゃっ」
その途端、弱い電流が走ったかのようにぴくりとトモミの体がはねた。
―…ずるい。
舌での愛撫を受けながらトモミは思った。
…そんな優しく触られて、怖いなんて思うわけないじゃない。
舌全体で包むように、ねっとりと胸の突起をねぶられ、
下から上へ持ち上げられるように乳房をもみしだかれる。
「…っ…ん、あ」
丁寧すぎるほどに胸を攻められ、トモミは脳の奥が痺れるような感覚に襲われてきた。
「ねっ……きり丸」
やっとの思いで言葉を発する。
「何でそんな胸ばっかり…」
「…大きくて、綺麗だから」
トモミの問いかけにそう一言答えて、きり丸はすでにぷくりと立ち上がった突起を
再び口にふくんで優しく転がす。
条件反射のようにびくんとトモミの体は反応するが、顔はとても悲しげだった。
「…私は、こんな胸、いらない…」
その言葉に、ようやくきり丸が愛撫の手を止め顔をあげた。
もともと早熟な方だったトモミの体であったが、ここ最近の成長は著しかった。
ふくよかな胸に、丸みを帯びた腰のライン。
思春期真っ只中の忍たま男子の、好奇に満ちた視線を感じる事も少なくなかった。
「さらしで締め付けても男の子達は見てくるし、忍術の練習にも邪魔になる…それに」
再び大きな瞳から涙がぽろりと零れる。
「こんな授業も…っ」
「トモミちゃん…」
「嫌っ……体ばっかり大人になって…もうわかんない…っ」
成熟した体と知識はあっても、その本質はどこにでもいる14歳。
心だけが追い付かないでぽつんと取り残されているのだろう。
きり丸の下で泣きじゃくるトモミは、やけに幼く子供のように見えた。
きり丸はトモミの涙を指でそっと拭って言った。
「トモミちゃんは、くの一になりたいんでしょ?」
「…えっ」
きょとんとした顔できり丸を見返す。しかし彼の顔は真剣そのものだった。
「……うん」
そうよ。ずっとくの一になりたくて、辛い訓練もこれまで耐えてきたんだから。
涙に濡れてはいるものの、トモミの瞳には強い意思が感じられた。
その瞳をまっすぐ見つめながら、きり丸が言った。
「俺は……好きな子が知らない奴に抱かれるのはすげーやだけど…
……夢なら、その夢を大切にしてほしい」
―…え?
トモミの心臓がドキリと音をたてる。
「…きり丸、今なんて」
「トモミちゃんはこんな事で夢を諦める子じゃないよね」
…だって、俺が好きになった子だから。
耳元で、小さいがはっきりとした声でそう囁かれた。
その瞬間、先ほどまでとはまた別の感情につき動かされて、再びトモミの頬を涙が伝った。
「きり丸…っ」
すがりつくようにきり丸の首に腕を回し、今度はトモミから口付けた。
再び愛撫が始まる。
今度は胸だけではなく、脇腹や内腿まで指が這い周り、ぞわりと肌が粟立つのを感じた。
「…あっ…んん」
トモミは与えられる快感に耐えながら、きり丸のスカーフをぐいぐいと引っ張る。
その手が何をしたいか察したきり丸は、トモミを制し、自らスカーフと着物を脱ぎ捨てた。
闇の中にぼんやりと、鍛えあげられた肉体が浮かぶ。
まだ成長段階ではあるが、その厚い胸板とがっしりとした腕、上下に動く喉仏は、
相手が男で自分は女だと思い知らされるには十分なものであった。
そんな男の体に見惚れていると、きり丸の指がトモミの秘所に触れた。
「…んっ」
ぴたりと閉じた割れ目をつぅ、となぞれば、きり丸の指がわずかに湿る。
触れるか触れないかぎりぎりの所を何度か行き来すると、その湿り気は確かなものになり、
ぬるりとした愛液が指先に絡みついた。
「んっ…やぁ…」
内側から沸き上がる熱に堪えるように、あるいは微弱な刺激に物足りないとでも言うように、
トモミの口からは途切れ途切れに切なげな声が洩れる。
「…気持ちい?」
「ん…よくわかんない…むずむずする」
初めて与えられる刺激。
くすぐったいけど、それだけじゃなくて…。
自然とトモミの腰が揺れる。もっと触ってほしいとせがむように。
「指、入れていい?」
一方、きり丸もきり丸で焦っていた。
ここまでしてみたは良いものの、実は彼もまた女を抱くのはこれが初めて。
自分の指に舌に、トモミが切ない声を漏らし悶える姿はそんな経験不足の彼には
耐えられないほど刺激的で。
「い、入れるよ…」
ゆっくり、トモミに気遣いながら指を一本挿入する。
直接感じた女の体温、それが思いを寄せていたトモミのならば尚の事、
その締め付けて来る熱い柔肉に、指だけでなく心までもがふやけてしまいそうだった。
一本指を収めると、指の腹で内側の感触を確かめるように優しく押していく。
「あっ…あっ…」
痛そうなそぶりは無く、指を動かすたび、短い喘ぎが聞こえる。
きり丸は続いて2本目の指の挿入を試みた。
「っ…!!」
途端にトモミの表情が歪む。苦しそうな顔。
「ごめん!痛い?」
「だ…大丈夫」
言葉とは裏腹に、体は指の侵入を拒んでいるのは明らかだった。
まだ半分も入っていないというのに、トモミのそこはきり丸の指を押し出そうと
収縮を繰り返していた。
このままでは埒が明かないが、彼女に負担はかけたくない。
きり丸は、昔先輩に聞いた知識を働かせ、ためらいながらもトモミの秘部へと顔を近付けていく。
「や、やだッ…きり丸、見ないで」
誰にも見せた事のないその場所。
きり丸の指を咥える場所、そのわずか上にあるちいさな芽に、きり丸の舌が触れた。
「ああっ!」
新たな刺激に、ひと際大きな声があがる。
その隙を見計らったように、きり丸の2本の指は一気に最奥まで進んだ。
「ひっ…んっんあ」
舌先で肉芽を弄びながら、奥まで入れた指を小刻みに震わせる。
止まらない愛撫から生まれる快感に、トモミは涙をこぼして耐えるしかなかった。
指を動かすたびに生まれる愛液と、水音。
トモミはもちろんの事、きり丸ももう限界だった。
「トモミちゃん…」
返事をすることもままならないのか、トモミは目線だけをきり丸に向ける。
「もう、入れてもいいかな…」
そう言いながら取り出したそれは、高く天を向いていた。
処女の痛みとは、話には聞けど実際実感のわかないものである。
トモミには、そういった意味で未知の領域に進むことに若干の恐れはあったが
自分を熱い眼差しで見つめるきり丸や、きり丸自身に対する恐怖心や嫌悪感はわかなかった。
むしろ、彼を「欲しい」とすら思った。
「……うん、いいよ…」
その返事に安堵の表情を見せるきり丸。
被さるように体を重ね、口付けを交わす。
とろとろと蜜の溢れるそこに、指とは比べ物にならない程、熱く固いものが当たる。
トモミの神経をそちらから逸らそうとするかのように、より激しくなる口付け。
しかしそれでも、きり丸が入って来る痛みはかなりのものだった。
「いっ…!!」
「ごめん、ごめんトモミちゃんっ…」
ただ謝るしか出来ないきり丸。
「だ…大丈夫だから……」
痛みを堪えつつも、笑顔を作るトモミ。
ずいぶんと遠回りした2人は、ここでようやく一つになった。
「トモミちゃんの中、すっげぇ、気持ちいい…」
「きり丸のも、入ってるのわかるよ…」
至福の気持ちが痛みを越えた時、再び内からわき上がるような快感がトモミを襲ってきた。
「あっ…あっ…」
始めはこれでもかという位ゆっくり、段々と中を慣らすように腰の動きを早めていく。
それに煽られるかのように、トモミの声も大きくなる。
トモミは戸惑っていた。
きり丸が中を行き来するたびに生まれる熱を、どこへ逃がせばわからなかった。
わからず、何かに振り落とされないように、ただ必死にきり丸にしがみつく。
朦朧とする意識の中で、トモミは自分の限界を感じた。
ダメだ…このままじゃ……
蓄積する熱で、体がはぜちゃいそう…。
そんな中、トモミはきり丸の顔を見た。
汗をかきながら、息を乱し、ただひたすら自分を求める姿に男を感じ、また体が熱くなる。
「きり…丸っ……」
「……何?」
眉を寄せたきり丸が、腰の動きはそのままにトモミを見る。
「あっ…あのねっ…あっ…だっ…」
熱が頭の先から爪先まで全身を麻痺させ、思うように喋れない。
「あっ…だ……大好きっ…」
言い終わるか終わらないかの時、トモミの腰がびくんびくんと大きくはねた。
「あああっ……!!!!」
「くっ……」
その瞬間、トモミは生まれて初めて、女であることの喜びを心から感じた。
結局、トモミは学園に帰ってからシナにこってり絞られたそうだ。
反省文10枚に、校庭20周。
そして一週間後に再び実習を行う事を言い渡された。
多分、その時になればまた恐れや嫌悪を抱くのだろう。
しかし、もう逃げない。
夢を諦めない、と最愛の人と約束したから。
「きり丸ー!」
「トモミちゃん」
「今からアルバイト?」
「うん」
「途中までついて行っていい?」
夕焼けが、男と女を茜色に染める。
じきに、闇が空を支配するのだろう。
しかし今はまだ、太陽は彼らを照らし続けていた。
完
以上です。
本当に使いまわされた内容というか、浅い内容で申し訳ないです
また熟女もの書こうかと思いましたが創作意欲がどうしてもわきませんでしたww
あばばばばば誤字発見
>>352 ×トモミ扇情的の扇情的な姿に
○トモミの扇情的な姿に
>>354 ×這い周り
○這い回りor這いまわり
他にもあるかもしれませんが失礼しましたorz
GJ!!
きりトモはこういう初々しさが好きだわ。
360 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 09:02:41 ID:PRt4dhR6
きりトモ!しかも3年後だと!?
も、萌えるじゃないかっ!!
GJすぎるよ!!
きりトモ…!!!!最高でした!
素敵な作品をありがとうございます!
童貞な上級生を集団でからかうくのいちが最近の流行りだ
童貞が許されるのは三年生までだよねー!と詰ってほしい。
>>362 滝の事かー!!
個人的に「くのいち含め女なんて信用しない!」で妖精候補まっしぐらの会計委員長って設定も捨てがたい。
ギンギンは絶倫なのにくのいち連中に呆れられて童貞って所にそうこちゃんが…ってな妄想が脳内で絶賛ドーパミン。
>>363 何 故 書 か ぬ
さあ今すぐそのドーパミンをキーボードに叩きつけるんだ!
ところでその場合、そうこちゃんが処女かどうかを追求したい。
>>364 脳内でニヨニヨしてただけだったー!そうかその手が。
実は今、七松ネタを練ってたので、併走させてみるか…色々頑張れ自分(文章力を中心に)
>>365 七松!?七松と言ったな!?
よーし、全裸で待っちゃうぞ!
文次郎×そうこも超期待!
六年生大好きだ
そういえば、五年ってあんまり見ないな
竹谷とか久々知とか読んでみたい
豆腐プレイと申したか
中在家×カメ子のすまたプレイを誰か><
原作のゆきちゃんと三郎
鉢屋からは(勿論好きなキャラだが)素顔が明かされてない分、
カップルクラッシャーというかNTR系の気配がする今日この頃。
潮江×そうこ前提で、房術試験でそうこの相手になった鉢屋が
潮江の声と顔でそうこの名前呼んだりするが、そうこに
「上手く化けてもだめですよ鉢屋先輩…あの人、あたしの事、名前で呼んだこと無いんですから」
まだまだですね。
とかたしなめられる電波が朝一番に届いた。鉢屋ごめん鉢屋。
鉢×ユキも好きだ。
373 :
6年生のオカズ妄想:2008/08/25(月) 12:24:26 ID:nGVlOcfP
6年生がオカズにしそうな妄想を考えてみた。
【文次郎】
そうこ「し、潮江先輩のすっごい大きい・・・・はむぅっ・・・・」
文次郎「こ、こら、何をするんだ・・・・くっ・・・・」
そうこ「わぁ・・・こんなに硬くなって・・・・!先輩、そうこがご奉仕させていただきます!」
文次郎「わ、何するちょ待(ry」
ご奉仕妄想でギンギーン!
【小平太】
ユキ「わぁっ、七松先輩ってたくましくてス・テ・キ」
トモミ「せんぱーい、トモミもう我慢できませんーっ!」
ユキ「あーっ、トモミちゃん駄目よ、七松先輩はわたしとエッチするんだからぁ!
ね、せんぱーい☆」
トモミ「あっずるーいユキちゃんっ!」
小平太「ははは、しょうがないなー、二人まとめて相手にしてやろうじゃないか!
さぁおいでー!」
小平太は3P妄想で抜いてそう。そして絶倫。
【仙蔵】
シナ「やっ、やめて立花君、生徒が来てしまうわ!」
仙蔵「やめてといっている割には、先生・・・・もうココはグチャグチャですが?」
シナ「だっ、だめ、かきまわさないでぇっ・・・・!!!あああああーーーーーっ」
年上調教妄想。(仙シナ神のSSからインスパイア!)
照代「なっ何すんのよ離しなさいよ、6年ボーズ!」
仙蔵「夜道を女一人でのんきに歩いているほうが悪いんですよ、北石先生・・」
照代「きゃぁぁぁっ、やめてぇっ!!!」
照代「(くやしぃっ・・・・・・でも感じちゃうっ・・・・・!」)
ク○ムゾン的レイープ妄想。
【伊作】
ユキ「アアッ、き、きもちいいよぉ・・・トモミちゃん・・・・」
トモミ「だめよ、あんまり大きな声だしちゃ・・・隣に伊作先輩がいるんだからっ・・・!」
ユキ「だっってぇ!トモミちゃんのあそこ、ぬるぬるしてきもちいいんだもんっ!」
トモミ「ユキちゃんだって、こんなにトロトロ・・・・・ひぁっ」
伊作「(これだから保健委員はや め ら れ な い ・・・・・っ!)」
百合貝合わせのぞき妄想。
【食満】
ユキ「あの・・・・食満先輩・・・・先輩のこと、おにいちゃんって・・・、呼んでもいいですか・・・・・?」
食満「ああ、いいとも、優しくするから、怖がらなくてもいいぞ?さぁ、こっちへおいで・・・」
ユキ「は、はい、おにいちゃん・・・・」
いもうと妄想。
【長次】
カメ子「中在家さまっ・・・・・ああっ、中在家さま・・・・・・
カメ子は悪い子です、お許しくださいっ・・・・中在家様のお部屋に勝手に入って
中在家を想いながら自慰をしているなんてっ・・・・・・!ああ、中在家さまっ、カメ子はもう
どうにかなってしまいそうですぅっ!」
5歳児の自慰妄想。
長次・・・・は じ ま っ た な w
×中在家を想いながら
○中在家様の事を想いながら
スマーソ。
>>373 食満もひそかに始まってる件w
いや伊作も……
むしろみんな始まってるw
食満が一番の重症患者
食満が妹萌え……ありえそうに思えてきたどうしよう
というか、女の子に攻められる妄想とハーレム妄想と年上の女性への支配願望と
百合萌え妹萌えにロリコン……
だめだ六年生はもうだめだ
いやー6年生は個性豊かですね!
小平太がいちばん15才っぽいかな・・?
>378
なぜかわからないが、わたしも食満の妹萌えはしっくりくるんだ
373のネタで五年生。
六年生は簡単に思い付くのに、五年生はなかなか難しいな。
【竹谷の場合】
「いやっ!中は、中は駄目ぇ!ひぁ!」
「大丈夫っ、子供が出来ても、俺、責任取るからっ……う!」
「ああぁ!いや、だめ……中に出されてるぅ……赤ちゃん出来ちゃうよぉ……ふあぁ!」
「……は、いい子を孕んでくれよ……」
種付け妄想
【鉢屋の場合】
「やめてよ!なんでこんなことするの!」
「そうか、君は私に抱かれるのが嫌か。まぁちょっとお待ち……ほぉら、これでどうだい。君の憧れの人の顔だよ」
「!何で知って……」
「これで文句無いだろう?さぁ続きといこうか」
「く……最低……!あぁっ!」
「淫乱だねぇ、顔が同じなら誰にでも感じるのかい?
変装して無理矢理&言葉責め妄想
雷蔵はどうしても思い付かなかった。誰か頼む。
久々知は敢えて考えなかった。何故なら誰もが予想できるものだからさ。
書かれてない久々知が1番破壊力ある件ww
雷蔵は……そうだなぁ
オカズを誰にするかで一日迷い続けるとか
いや待て、さんざん迷う挙げ句おおざっぱな決断を下す雷蔵のこと、
「えーと、年上と年下どちらがいいかな。熟練のお姉様のテクニックに翻弄されるのは憧れだし、
でも年下の娘を優しくリードするのも捨てがたいし…えーとえーと」
……。
…。
翌朝
「……何で事務のおばちゃんで抜いちゃったんだorz」
…おおざっぱにも程があった。今では反省している
5、6年の妄想に水噴いてディスプレイが水浸しになったじゃねーかどうしてくれるwww
六年駄目スグルwww特には組wwww
雷蔵に死ぬ程噴いたwwww
投下します
夜風が闇に包まれた学園に吹き抜ける。
穏やかだった風の音は、吹き荒ぶ様にごうごうと外で鳴り響いている。
荒い風は木々を揺らし、葉が夜の虚空へと舞い上がる。
ゆらゆらと行灯の火が、室内に妖しく揺らめく。
漆黒の影法師が二つ、少女の影に覆い被さる。
四郎兵衛の眸は何処か虚ろで、それなのに真摯な光を放っていた。
例えるならば、小さな狼が、獣の本性を現そうとしていると言った所だろうか。
先程達したばかりのソレは、今か今かとしおりを待ち望んでいる。
しおりの方も愛しい少年を待ち望むかのように、食満の精を受けた場所は、ひくひくと蠢いていた。
「四郎兵衛・・・、あたし、熱いの・・・。」
潤んだ眸が、縋る様に四郎兵衛の眸に映る。
それは酷く蠱惑的で、身体の隅々さえもその熱さに侵されてしまいそうな気分だった。
二人は求めるように口を重ね合い、浴衣を羽織っただけの状態の侭、ただ只管に求め合った。
しおりの白魚の様な手に、幼さを残した指が絡み合う。
軽く四郎兵衛の手を握ると、嬉しそうに微笑み、頬に口付けを落とした。
しおりの首筋に舌を這わせると、甘い吐息が頭上から響く。
経験も、技術も、どう足掻いても6年生である食満には敵わない。
だが、しおりを想う気持ちだけは誰にも負けない、負けたく無いという気持ちがあった。
誰にも渡さない―そう想いを込めてしおりを強く抱き締めると、そっと背中にしおりの腕が絡んできた。
「しおりちゃん・・・ぼく、あのね・・・。」
「しろべえ・・・。」
もごもごと言葉を言い辛そうにする四郎兵衛の口を、今度はしおりの口が塞ぐ。
啄む様な軽い口付けが部屋に響き、自然に四郎兵衛の手がしおりの膨らみを撫でる。
媚薬に侵された身体は、それだけでも甘い疼きとなり、刺激を求める様に身体を密着させた。
↑21だった。
しおりの身体は、まるで火を灯した様に熱を帯び、触れる自分自身でさえもその炎に巻き込まれそうになった。
同時に、四郎兵衛の身体も同じ事であった。
熟れていない膨らみを両手で掬い上げ、只求めるままに桃色に色付いた飾りへと吸い付く。
それは生易しいものでは無く、飾りが取れてしまうのではないのかと言う位、強い吸付きだった。
あまりのその刺激に耐えられず、思わずしおりの上擦った悲鳴が聞こえた。
「っあ!い、たぁ!」
「ご、ごめん。」
聞こえた悲鳴に思わず四郎兵衛は口を離し、申し分けなさそうに頭を垂れた。
桃色の飾りは、淡い朱色へと色付き、輪の周りには薄っすらと歯形が刻まれていた。
我を忘れた四郎兵衛の後頭部に、食満の手が軽く小突いた。
「いたっ。」
「四郎兵衛、女の子には優しくしなさい。」
「ごめんなさい。」
先輩としての権限か、思わず口が出てしまった。
四郎兵衛に悪気は無いのは重々承知だし、何より強力な媚薬を飲んでしまっているのだから
自分も理性の鎖が何時絶ち切れるか解らない。
正直、自分も今瀬戸際まで立たされている。
ふと、手を握り続ける二人を見、食満の脳裏に何かが過ぎった。
徐に自分の髷を結っていた紐を解き、二人の握っている手首に絡ませ、小さいリボンを作り結び付ける。
正確には、二人の手首を縛りつけたと言ってもいい。
食満の意図が解らず、只二人は呆気に囚われるだけだが、当の本人は満足げに微笑んでいる。
385 :
しろべのひと:2008/08/26(火) 22:59:13 ID:aBsZA1az
ごめんなさい、続きは近々上げますorz
原作のくのいち女の子はエロカワイイ
再来週のアニメが楽しみな件
再来週って何やるの?
「くの一のかくれんぼ」の事かな?
>>390 そうそれ
土曜日はまた照代さん出るし何かテンションあがりまくったんだけど。
原作でくの一メインの話やってくれないかな
割り込みすみません。
>>369さんのレスと六年妄想ネタを少々拝借しての長次×カメ子投下します。
********
「はっ……あ、あふっ」
蝉時雨も止まない、真夏の午後。
忍たま長屋のとある一室に、住人のそれとは異なる甘く小さな娘の声がこぼれた。
そもそも女人禁制の長屋から女の声がする事自体、異常ではあるのだが――更に異常たらしめんとしたのは、
彼女に甘い声をこぼさせる行為。
「くっ…だめ、カメ子……こんな所中在家さまに見られ…たら、はっ、でも、んっ!」
首を振り、禿(かむろ)に揃えた髪を乱し、言葉では抗ってみせても、男を受け入れるにはあまりにも小さすぎる性花を
責め立てる己が手指を止めることは出来なかった。
声の主、福富カメ子は、五歳という市井では子守も必要かと思わしき年頃の幼子である。
しかし、大貿易商・福富屋を裏で仕切るとも噂が立つほどの、大人顔負けの聡明さを誇る娘でもあった。
そんな彼女が何故に――問うのは愚問というものであろうか。
「あぁ…ごめんなさい、中在家さ、ふぁっ……カメ子は、カメ子は悪い子でございます。遠くから懸想するだけに
飽き足らず、中在家さまの、お部屋に忍び込んで…こんな、ふし、だら、な」
中在家さま――忍術学園六年ろ組・中在家長次が眉を顰め、一瞥する姿を想像し、カメ子の背が羞恥にくっ、と引きつる。
幼い体の蠢きにつられるように、身体の下に敷かれてあった男物の寝間着が波を打つ。
鼻腔に漂う、嗅ぎ覚えのある男の匂いがカメ子の身体を包み、カメ子は更なる快楽の深みへと堕ちていった。
ぷちゅん。ちゅっ、ちゅく、くちゅっ。
「はぁっ…!」
柔く短い指は、蜜を吐き出し続ける女芯の入口や、赤く腫れた実をまさぐるが、その短さゆえ、決して奥に突き進む事はできない。
己が幼さが課した枷にもどかしさを、そしてそれを解き放ってくれるであろう幻想の男の姿に、後ろめたさと幾許かの期待を抱き――。
「……!! くぅ…んっ! んくぅっ、ううっ!」
幼子は夢想の中、身をこわばらせ、独り絶頂の吐息を蝉時雨の内に紛れ込ませた。
*
「………!!」
がたん、と文机の上に積んでいた古書が崩れる音に、中在家長次の意識がうたかたの夢から、忍術学園図書室内という現実へと引き戻された。
――いつの間に眠っていたものか。声に出さず、呟く。
幸い図書室には他に人の姿は無く、長次は最高学年らしからぬ失態を衆目に晒す事態だけは避けられた。
もとより今日の忍術学園は休講日である。全寮制の学園では滅多に取れない休日に、大半の生徒は大いに羽を伸ばしている事だろう。
かく言う長次もつい数刻前、級友から町へ繰り出さないかという誘いを受けていたのだが、どうにも気が乗らず断った次第だった。
――その末が、独り図書室で見る淫夢とは。
それも、年端もいかない幼子の――ありえないだろそれは。
思い返し、柄にも無く頬が熱くなる。
夢の娘――カメ子と長次は面識がある。後輩の妹で、十にも満たない子供で、けれど気遣いの出来る明るく良く出来た娘だった。
家系なのか、やや太い眉と、ふっくらとした頬と、くりくりとした円らな瞳がとても愛らしい――いやいや待て。
取り留めない考えが妙な方へと向かっていくのを感じ、長次は固く目を閉じた。
「……寝よう」
たっぷり十分ほどの思慮の果てに、長次は一言だけぼそりと呟き図書室を後にした。
油蝉、にいにい蝉、熊蝉――幾種、数多もの蝉の鳴き声が山々にこだまする。
それらの声が頭の中にまで鈍く跳ね返るのを感じ、この暑さで体調まで崩したかと、長次は自分の身体具合を他人事のように分析した。
だとすれば級友の誘いを断ったのは正解らしい。
こんな頭にモヤがかかったような状態で町に繰り出しても、楽しむどころか周りに迷惑をかけるのが関の山だ。
ふう、と一つ溜息を吐き、長屋の自室前に立ち――障子戸に手を掛けようとしたその時。
「……?」
――人の、気配?
確か同室の男も町に出たはずなのに、もう帰って来たのだろうか――疑問を確認するように、長次の手がそっと障子を開けると、
「……!」
疑問は驚きへと変わった。
自室の中に居たのは誰あらん、先程長次に淫らな夢を見せた人物、福富カメ子その人であった。
円らな瞳を閉じ、板張りの床にしどけなく身を横たえながら、すやすやと幽かな寝息を立てている。
――なんで彼女が学園に。
いや、それは兄が学園内に居るのだから問うまでもないが、何で俺の部屋に。
困惑を含んだ目で、己が身の丈の半分も無いであろうカメ子の小さな寝姿をしばし眺め考えた後、長次は布団でも敷いておくか、と呟いた。
経緯は分からないが、このまま放っておける程長次は冷血漢ではない。
押入れから布団を出し、小さな体を抱き上げようとして――ふと、長次の視線が彼女の着物のやや乱れた裾へと向いた。
脳裏に、蝉時雨に混じって紡がれた、彼女の舌足らずな甘い言葉がよぎる。
――こんなところを中在家さまに見られたら。
――カメ子は、悪い子にございます。
「……あれは、夢だ」
首を振り、声に出し打ち消そうと試みるも、夢の残滓は長次の中から消え去ってくれなかった。
自制する心と裏腹に、どくん、と強く鳴る胸が自分の手に更なる悪行を唆す。
――勘違いするな。あれは夢魔が見せた、只のまやかしだ。
――だが、本当にまやかしなのか。
――確かめて
どくん、どくん、どくん。
長次の手が、捲れた裾の合わせ目にそっと潜り込み、柔肌に触れる。
脛から膝裏、そして、太股へ。
傷一つ無い滑らかな幼子の肌は、夏の暑気のせいか微かに汗を滲ませ、固い長次の掌にぴったりと吸い付くようだった。
「…ん」
杏色の唇が吐息をこぼす音に、長次の手が止まった。同時に、熱に浮かされたように茫洋としていた意識が正気を取り戻す。
――何、を、しているんだ。曲がりなりにも僅か五つの子が、自慰などする訳がないだろうが。
それよりも、これでは俺のほうが不審極まりない。
いい年をした男が、胸を高鳴らせて十も離れた娘の太股をまさぐる姿など――長次の中に残ったのは羞恥と自責の念であった。
「…すまん」
外で鳴く蝉の声よりも小さな声で謝り、潜り込ませていた手を引き抜こうと意を決した、が。
ぬるっ。「――!」
指先に纏わり付いた微かな液体の感触に、再び長次の心は揺らいだのだった。
それが汗や、ましてや粗相の跡ではない事は、触れる液体の質感で分かった。
――濡れて…いる?
着物に隠れた太股に一筋残る、幼子に似つかわしくない情欲の証に長次は、取り戻したはずだった理性が崩れるような感覚に襲われた。
「………」
ぐっ、と喉を鳴らし、引き抜きかけた手を再び、カメ子の太股へと這わせる。
今度は胡坐をかいた己の膝上に、眠ったままのカメ子を乗せ、空いていたもう片方の手で小さな肩を抱きながら。
腕の中の彼女からは、子供特有の乳臭さと女特有のほのかに甘酸っぱい匂いがした。
育ちの良さを表したかのように、むっちりと張った尻に手を遣ると、腕の中の幼女の体がぴくり、と小さく跳ねた。
「…ぇ…あ?」
今度は眠りから醒めたらしい――しかし、長次の手は柔らかに熟れた水蜜桃の如きカメ子の双臀から離れようとはしなかった。
太股同様に蜜の残る尻を撫で、無言のまま指を足の付け根へと忍ばせようとする長次に、カメ子は瞬時に顔を赤らめ、身をよじる。
だが、がっちりと肩を掴む長次の片腕によって、身を離す事も叶わなかった。
「!! な、中在家様っ? …何…を」
「………」
「あっ、その、勝手にお部屋に…入ってしまわれた事はお、わびっ、致しますっ!」
南蛮の書物を積んだ貿易船が着いた旨を知らせに来た――というのがカメ子がここに来た理由らしい。
だが、蜜をこぼし続けている秘所を無言のまままさぐる長次の耳には、そんなカメ子の言葉も素通りするばかりだった。
ぬめる指腹が柔襞の間を滑り、指先が実をくすぐる度に、娘の肩は震え、杏色の唇は酸欠の魚のようにぱくぱくと喘いだ。
「だから、はぁっ…戯れ、は、お止めくださ…」
「……戯れだと、思っているのか」
手を止め、長次は低い囁きをカメ子の耳朶に落とした。
声にびくり、と身をこわばらせたカメ子の瞳から、みるみるうちに大粒の涙が溢れていく。
「戯れ…じゃなければ、望外の夢、だと思います。…だって、っく、私は…ずっと…中在家様の事を…」
声はそれ以上言葉にならず、カメ子の頬を伝う涙が硝子細工のような煌めきを放つ。
――夢、か。
カメ子の言葉を心の内で反芻し、長次の顔が苦笑に――表情の変化に乏しいこの男なりに――歪んだ。
奇しくも先程の自分と同じような事を、この娘は思っている。
彼女が、自分を想って独り熱い吐息をこぼした事を、
自分が、この幼き娘に情欲を抱かんとしている事を、
望外の夢だと。
「なら……夢だと思え」
涙に濡れたカメ子の目が見開かれる。何か言葉を紡ごうとした唇を、長次は己が唇で塞いだ。
*
布団の脇の二組の着物は脱ぎ散らかされ、猥雑ささえ伺える皺を作り出している。
「ぷぁっ…ん、んむ、んうっ」
だがそんなものは、何度も何度も唇を重ね合い、舌を絡め合い、吐息を混ぜ合う二人にはどうでもいいものだった。
「はっ…あ…なか、ざいけさま…」
うっとりと名を呼び、上気した頬に汗を伝わせる娘の可愛らしさが、愛しさが、長次の女陰を責める指に更に勢いをつける。
「んぅっ、あ、や…だ、めっ!」
膣口に挿し込まれた指で、体の内から責められるという彼女には未経験であろう快楽に、髪が乱れ、幾筋か汗をかいた頬に貼り付く。
幼子とも思えないほどの、婀娜たる気配の片鱗を見せるカメ子の表情に、長次の胸は高鳴り、下腹部の痛みは強まる。
「……っ!」
一際激しく指が奥を抉ったその時――カメ子の背が強く跳ね、ごぽり、とこぼれた蜜が長次の手首まで熱く濡らした。
――達したか。
ぐったりとした娘の荒い息が落ち着くのをしばし待つと、長次は小さな体を抱き上げ、再び胡坐座の膝の上へと座らせた。
先程と違うのは、お互い一糸纏わぬ裸である事と、脚を開かせ、向かい合うように座らせた事。
「…これ、で、いいのですか…?」
慣れない姿態にやや困惑ぎみなカメ子の問いに、長次はこくりとうなづいた。
彼女があとわずか齢を重ねれば、この体位が俗に『茶臼がらみ』と呼ばれる物だと知るだろうか。
未熟なカメ子の女陰は、男を受け入れるにはもうしばらくの歳月が必要だった為、長次は考えた末に、屹立した己自身を
まだ蜜でぬめる柔肉で挟み込んで、擬似的な情交に及ぼうと試みることにした。
「ごめんなさい…私がもう少し、大人なら…ひとつになれたのに」
――この娘は、こんな時にも相手を思う。
目を伏せ、悔しさからか唇を噛むカメ子の頭を、気にするな、と長次は優しく撫でた。
「……それより、しっかり掴まれ」
声に応えるかのように、しがみ付くカメ子の手足に力が入る。
体と体が密着し、間に挟まれている自身に余す所なく蜜が纏わりついたのを合図に、長次はカメ子の双臀を掴み、ゆっくりと
上下させ始めた。
「……っ!!」
「ひゃあんっ!!」
裏筋をなぞり上げる柔らかくぬめる襞が、女陰を擦り付ける熱く脈打つ杭が、双方に電流に似た刺激を与える。
「あ、あ…中在家さ、ま、のがっ、あた…って」
体を揺すぶられ、鈴口と実がぶつかり合う度に幼い女陰はひくひくと蠢き、新たに溢れる蜜が潤滑油となって更なる快楽を生む。
ぬちぬちと響く卑猥な音が、唇からこぼれる吐息の音が、密着した胸から伝わる鼓動が、極みは近いと二人に教えていた。
「あぁっ…なか、ざいけさまっ、カメ子は…カメ子は…もうっ!」
「く……っ!」
喉奥から漏れた短い呻き声と共に、長次は絶頂の飛沫をカメ子の腹に、胸に浴びせかけた。
「んくっ…ふぁあっ!!」
心拍と呼応するように脈動する肉杭を直に感じ、カメ子もまた絶頂に至った。
「ああ、あ…はあっ」
ほの紅く染まった肌を、己が体液で白く染め上げられた娘の身体は、とても淫らで、背徳的で、それでいてこの上なく綺麗で――。
長次は、身体を繋げることは出来なくともそれより深い場所が繋がったかのような充足感を、彼女の姿に見出していた。
「……がんばったな」
杏色の唇から一筋こぼれる涎をそっと指腹で拭い、唇を重ねあう。
止まない蝉時雨が響く、部屋の中で。
――蝉時雨が。
*
ごすっ。ばさばさばさっ。
「……っ!!」
突如頭上に降り注いだ衝撃と本の崩れる音に、中在家長次の意識がうたかたの夢から、忍術学園図書室の書架の下へと戻る。
――夢、だと!?
転がる巻物も散らかる和綴りの本もそのままに、しばし長次はその場で愕然としていた。
匂いも感触も残る、一蹴するにはあまりにも生々しすぎる余韻は、脳天に巻物が直撃した痛みでも中々消えそうにない。
――いや、それよりも。
「何で…あんな夢を」
呟いて口を塞ぐ。こんな姿、とてもではないが下級生にも同級生にも見せられるものではない。
幸い図書室に人は居らず、長次の呟きは書架の薄闇に溶けて消えた。
淫夢を見るのは別に構わない。何やかやと言いつつも、自分は十代も半ばの男で、人並みに情欲は持ち合わせているつもりだ。
問題は場所と相手だ。十も年の離れた幼子に――なんという事を。
羞恥と後悔の念に、長次の頬が不気味に引きつる。
笑顔にも見えるこの表情は、彼が心底憤った時特有のものであった。
「は…はは…ははははは」
図書室から漏れ聞こえる気味の悪い笑い声に、近くを通りかかった下級生が慌てて踵を返したなどということは、勿論長次には
知る余地もない事である。
じりじりと差す真夏の日差しが、長屋の廊下を歩く長次の肌を灼く。
蝉の合唱と、霞掛かったままの頭の中が、気だるさに拍車を掛けているようだった。
数日続きの暑気に身をやられたのだろうか――こういう時は眠るに越したことはない。
同室の男は確か町に繰り出してから戻って来ていないはずだ。
ならばついでに手慰みのひとつでも――いや、さっきの今だ。また妙な夢を見かねない。
――そもそもあの夢だって。
足を止め、長次は自分の見た淫夢の由縁を思い出した。
彼女の柔らかな肌も、甘い声も、潤んだ瞳も、独り慰める姿も、全て数日前に妄想していたモノそのものだった。
夢は、己が強く意識するものを映し出すという――だとしたら今の自分は彼女を意識していたのだろうか。
慰める姿を夢想するに飽き足らず、彼女を抱きたいと、強く思ったのだろうか。
「………」
答えは出てこない。
ただ思うことは、次に彼女に会った時、詫びの言葉を入れるべきかどうかという、新たな疑問だった。
彼の娘にしてみれば、自分などさほど面識もない、兄の知人に過ぎない。
仮令、自分が彼女をどう思っていたとしても。
つれづれと考えるまま、気付けば自室の前に長次は立っていた。
――もう考えるな。夢は夢だ。
そう結論づけ、障子戸に手を掛けようとしたその時。
蝉の声に紛れ水音と、か細い声が、部屋の中から漏れ聞こえるのが長次の耳に届いた。
『……あ…はぁっ、ご、ごめんなさい、中在家さま、カメ子、は、ふしだらな娘に、ござい、ます。いけないと…わかって、
いるのに、こんな…ああっ、あ、はっ…!』
――俺はまだ、夢の中にいるのだろうか。
目前の淫らな吐息が、背後の蝉時雨が、そして己が内での高鳴る鼓動が、さざめきあい頭の中で奇妙な旋律を紡ぎ上げていく。
ぐらり。足元が揺らめくような眩暈を感じ、戸に手を掛けたまま長次は目を閉じ息を吐いた。
今度見る夢は、きっと醒めることはないだろう。
だが、それも悪くない――心の中で呟き、目を開けると長次は静かに障子戸を開けた。
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以上です。駆け足失礼しました。読んでくださった方、ありがとうございます。
GJ!!初めてリアルタイム投下に遭遇した!
カメ子上品エロ可愛いよカメ子
構成がすごい上手いなー
長カメイイヨー!!GJ!
嫉妬するほどウメエ
ぐぎゃああああああくぁせdrふじこ@
GJGJ!!!!盛大にぐっじょおおおおぶ!!!
長カメイイヨーイイヨーハァハァ(*´Д`)
よおし俺も頑張っちゃうぞ!
「あの、食満先輩。これは・・・。」
「何となくな。気にするな。」
にこにこと微笑む食満を見、二人は顔を見合わせた。
縛られた双方の手首を見、何となくではあるが理解は出来る。
だがこれでは続きをするのには邪魔だろう、そう思い二人はその紐を解いた。
「あぁ!折角結んだのに!」
「でも続きができません。」
後背の最もな返答に、食満も言葉を飲み込む。
余りに見せつけてくれるので、少しばかりの嫌がらせのつもりだったのだが、伝わらなかったようだ。
がっくりと肩を落とした後、気を取り直したのか、しおりの方にすっと腰を下ろした。
「け、けま、せんぱ、い?」
しおりを引き起こすと、徐にしおりの身体の曲線に従って手を這わす。
手を下肢へと移動させると、そのまま脚を開かせた。
先程より意識がはっきりしているのか、嫌々をするように首を横に振り続ける。
羞恥に肢体を震わせるしおりをよそに、食満の手はしおりの花に沿い、桜色の真珠を指で挟み、
しおり自身から溢れ出てくる蜜と、自分の精を絡めさせ、その珠を擦り上げる。
堪らずしおりの口から、艶を帯びた悲鳴が聞こえ、その声が更に食満の淀んだ劣情を増幅させた。
珠を指の腹で擦り上げ、二本の指を使い、あたかも自分自身の穢れた精を掻き出すようにしおりの蜜壺を刺激する。
片方の手は強弱の定まらないリズムで、膨らみをもみしだき、飾りを器用に弄んでいる。
「はぁぁ・・・、あぁっ!」
しおりは食満の巧妙な指に翻弄され、ただ無力に啼き続ける。
どちらともつかない大量の蜜がしおりの花をしとどに濡らし続け、何度も絶頂に導かれる。
それなのに身体の疼きと熱は上昇するばかりで、しおり自身も、戸惑うばかりだった。
しなやかな脚を閉じる事も無く、なすがままにされるしおりの股座に、ふわりとした何かが触れた。
虚ろな眸を数回瞬かせ、視界を下に落とすと、四郎兵衛がまじまじと蜜に濡れる花の様子を見詰めていた。
流石に恥ずかしかったのか、慌てて脚を閉じようとすると、食満の力は思った以上に強く、
ただ四郎兵衛に見詰められるままだった。
四郎兵衛は不思議そうに花から溢れ出る蜜を眺め、恐る恐る口を近づけ、蜜を自身の舌で掬い取る。
それが引き金となったのか、四郎兵衛の何処かで、ぷちん、と何かが音を立てて切れた。
まるであたかも蜜に引き寄せられる蜂の如く、四郎兵衛はその花を舐め上げ、
薄桃色の真珠を舌先でつつき、蜜壷の奥を探るように舌を差し入れた。
「ふぁあ…っ…。しろ、べえ、汚い…よっ…。」
「汚くなんてないよ…、綺麗な桃色だよ。」
どんなに舐めても、蜜は溢れ、零れ続ける。
布団に大きな染みを作る間も、しおりの啼き声は止まらなかった。
卑猥な水音が部屋に響き、灯りに映る影法師が艶かしい踊りを披露した。
否定する言葉とは裏腹に、狂おしい程の悦楽を求め、堪らずしおりは咽び泣いた。
舌をそっと離し、息を弾ませているしおりにそっと覆い被さる。
泪で濡れた眸は艶かしく、それでいて可憐な少女のように、四郎兵衛の背中にしがみ付いた。
先程から既に硬くなった自身を、そっとしおりの秘所に擦り付け、もどかしい快楽を与え続けている。
「四郎兵衛…っ…、は、やく…。」
その言葉を待っていたと言わんばかりに、四郎兵衛はゆっくりとしおりのナカへと自身を埋めてゆく。
食満とは多少大きさが違うが、愛しい少年を受け入れた証か、自然と口元が綻ぶ。
「あはぁぁっ…!四郎兵衛っ…、四郎兵衛!」
ずぶずぶと柔らかい肉壁を、四郎兵衛自身が乱暴に掻き回して行く。
優しさも忘れて、ただしおりを求め、欲望のままにしおりを抱く。
僅かな痛みさえも心地良く、必死で助けを求めるように縋り付く。
誰でもいい、只誰かに縋り付きたい。
熱さに耐えられず、布団をただ握り締め、四郎兵衛の動きに従って上下に揺れている。
不意に、しおりの頬に食満のそそり立った男根が当たる。
「んぁっ…、せんぱ…、食満先輩…っ!」
「しおりちゃん、咥えて。」
言われるがままに食満自身を口に含み、拙い動きで裏筋を舌でなぞる。
揺さ振られているのか、口から離れ、口に含み、の繰り返しに業を煮やし、些か乱暴ではあるが
しおりの頭を押さえつける。
息苦しさに咳き込むと、慌てて「ごめん」と声が聞こえた。
その様子を見て、四郎兵衛はしおりと初めて交わった頃の様に、浅めにゆっくりと抜差をしながら、
徐々に深く突き入れ始めた。
クスリに浮かされ、乱暴にしてしまった侘びなのか、四郎兵衛の動きは緩い快楽与える様に小さく、浅く動いた。
だがそれでは足りぬと言う様に、浅めに動いていた筈の四郎兵衛が、しおりの奥深くまで沈み込む程の動きに変化した。
最奥まで激しく突かれ始め、ただはらはらと悦を浮かべた泪を零す。
「ふぁっ、あ、あぁっ、んぅっ…。い、あぁんっ。」
結合部分から、ぐちゃぐちゃと粘着質な水音が部屋に響き、
四郎兵衛に衝かれる度に、しおりはあられもない声をあげ続ける。
幼さを残した顔立ちは、羞恥と快楽で紅く染まり、未熟ながらも形の良い膨らみが衝かれる度に小刻みに震え
陶器のように白い身体を、艶かしく捩らせる。
長かめすげえ!色っぽいし物語としても面白い!
GJでした。また書いてくだされ!
長カメGJ!!
ほんと、ラストはそうきたか!ってかんじ
挿入なしのようι゛ょモノでもこんなにエロく書けるものなんだな
感動した!
長カメGJ!
そんなはずは・・・の段、なんとなく思い出した。
しろべの人もGJ!
エロに入っているけど焦らしプレイな感じがたまりませんw
>>405 × そんなはずは・・・の段
○ハンサムな・・・の段でした。
本当にごめんなさい。
しろべの人と長カメの人GJ!すばらしいです
すいません、昨日PCの電源切れましたorz
中途半端で終わって申し訳ないです(・ω・`)
「しおりちゃん・・・すっごく・・・あったかい・・・。」
快楽と自分自身の熱で蕩けそうになるしおりが、理性の狭間で何かを求める様に四郎兵衛の首に手を絡ませる。
柔らかく微笑んだ四郎兵衛が、そっとしおりの桃色の唇に自分自身の唇を重ね合わせた。
口を離すと、自ら求める様に上に座っている食満自身を、強弱を付けて咥え込み、
吸い上げ、舌を這わせる。
「く・・・ぅ。」
「食満先輩・・・、気持ち、良い、ですか?」
「あ、あぁ・・・。良い、よっ・・・。」
忘れられた頃に、食満自身にも熱が上がってきた。
昂ぶった欲望はすっかり静まった所を、一気にまた劣情の熱が燃え上がる。
食満が小さく呻くと、しおりの口腔内にどろりとした白濁液が広がる。
「あぁ・・・っ、ごめん、しおりちゃん!」
ちり紙を口元にあて、その精を吐き出す様に支持すると、一頻り咳き込んだ後
素直にその紙の上に吐き出した。
未だ四郎兵衛に貫かれている律動で、口元から残った精がとろりと流れ、酷く扇情的だった。
その様子に煽られたのか、四郎兵衛も自身を引き抜き、欲を迸らせる。
やっと開放された―――と思うのも束の間で、今度は食満がしおりを抱きすくめ
舌を首筋に這わせる。
あれから、何度交わったことだろう。
しおりが何度かの絶頂に導かれた時だった。
食満がしおりを貫く体位を変えようと、しおりから自身を引き抜き、彼女の腰を抱え込むと、
しおりが食満の身体に圧し掛かって来た。
しおりが半ば強引に食満を押し倒そうとして来たので、食満は意図が解らずそれに従う。
が、しおりの目当ては食満では無く、四郎兵衛だった。
ぽやんとしている四郎兵衛を押し倒し、仰向けになった四郎兵衛の上に、しおりが馬乗りになる。
しおりの意図が解らず、ただ四郎兵衛は戸惑うばかりで、抵抗は見せなかった。
それは少しの恐怖と好奇心で、先の事を期待するとつい顔が綻んでしまう。
「しおりちゃん・・・何・・・するの?」
「自分達ばっかり・・・ずるいよっ・・・。あたし・・・からも・・・。」
か細い声で彼女はそう言った。黒い眸は潤んでおり、声も何処か艶を帯びている。
しおりは恐る恐る四郎兵衛自身に手を添え、先端を秘所に擦り付け、ゆっくりと腰を沈めた。
「っはあぁん・・・!」
馬乗りになり、男を咥え込むという事をしなかったしおりのナカが、きゅんと熱く疼く。
柔らかい肉壁が硬い欲望に擦られる感覚に、しおりは思わず甘い声を室内に響き渡らせる。
可也感度が高くなっているしおりにはこれ以上の刺激は辛かったが、
それでも堪えてゆっくりと動き始めた。
「ん…ふっ…ぅんっ…」
根元まで咥え込み、ぎゅっと締め付けながら、ギリギリまで腰を引き上げ、また腰を落とす。
しおりは、ただ只管四郎兵衛を擦りあげた。
甘い声をか細く洩らし、快楽を堪えながら淫らに動くその姿は、まさに恋する男に奉仕する健気な乙女の様でもあり、
更なる快楽を求めて男に貪りつつ男を惑わす、くの一そのものでもある。
その淫らで扇情的な姿に、ただ四郎兵衛はしおりに翻弄されるだけだった。
まるで立場が逆だが、たまには良いかも知れないと、呑気に思っていた。
「しろべー・・・気持ち、良い?」
「・・・っう、んっ!」
快楽に耐える四郎兵衛の表情を見、しおりは満足げにその頬に軽く口付けを落とした。
二人が交わっている頃、食満はそんな二人の様子を、遠い目で見詰めていた。
胸の何処かで、劣情に溺れそうな自分がいる事に気付いた食満は、
何処か冷え切った眸で二人を見ていた。
そう、これはあくまで房術の「授業」なだけだ。
俺は、彼女と性行為をしている訳じゃない。
『くの一』として、彼女を導いていかなければならない。
優しさなんて感情は必要ない、愛しさだなんていらない。
忍術学園を卒業し、在学中でも課題によってはこういう状況にでも出くわすだろう。
この戦乱の世に、戦力となるくの一を――育てるだけだ。
気配を消したまま、四郎兵衛に馬乗りになり、貪欲に腰を落とし続けるしおりの尻を
食満の指が菊座に沿いながら、擽るように指の腹を這わせている。
流石に後ろは驚いたのか、しおりは困惑の声を上げた。
「やっ・・・・けま、せんぱ・・・っ!」
「・・・こっちの方も、いずれは使えるようにならないとな・・・。」
しおりの蜜を絡めとり、沈んだ色の菊座に二本指で刺激を与える。
くりくりと押す様に入り口を押すと、それを拒絶する様に侵入を拒む。
「いっ・・・いやぁ!・・・お尻っ・・・やっあ゛ぁっ!」
「慣れてくると・・・病みつきになるんだってよ・・・?」
執拗にその部分を愛撫すると、拒みはあるものの大分解れて来、
しおりの菊座に、食満の指がするりと侵入して来た。
「うあぁっ!」
新しい刺激と、媚薬に侵された身体が否が応にも反応してしまい、
食満の指をぎゅう、と締め付ける。
口と身体は正反対で、食満の指に与えられる刺激と、四郎兵衛に与えられる刺激で
ただしおりは甘い声を上げる事しか出来ないでいた。
「ほら、大分ほぐれてきたぞ。」
「嫌がってるのに、しおりちゃんのナカ・・・きついよ?」
「あ、あぁぁっ!!」
食満がしおりの菊座から指を引き抜き、自分自身をぴたりと当てる。
「しおりちゃん、出来るだけ力抜いて。」
「で、も・・・。」
言うが早いが、食満はしおりの菊腔にゆっくり自身を埋没させる。
肉壁越しに、二つの男根がキツク擦り合う感覚に、しおりは声を漏らした。
力が入っていて苦しいのか、一定のリズムで安心させる様に食満は軽く肩を叩いた。
まるで幼い子の様に扱われて居る様だが、不思議と安心してしまう。
「んっ・・・はぁ・・・うぅんっ・・・・。
「うん、息吸って・・・吐いて・・・。うん、良い子。」
はあ、と一呼吸置いて、食満はしおりの菊花を傷付けないように、そっと浅く軽く腰を動かす。
四郎兵衛は逆に上から突き上げる様にしおりを貫き、その動きに翻弄され続けている。
身体の中心が、まるで炎に焼けるように熱い。
尻に火がつく、と言うのは違うのだろうが、しおりは今まさにその熱に蕩けている。
「あぁぁっ!熱い、熱い・・・よぉ・・・。」
花と菊、両方の秘孔を真逆の動きで貫かれ、僅かな甘い痛みさえも自分にとっては悦楽の対象でしかない。
髪を振り乱し、涙をはらはらと零し、喘ぐ様は年不相応な位色っぽい。
卑猥な水音が部屋に木霊する。食満も、四郎兵衛も、しおりも、もう限界が来ていた。
「は、ぁぁあ!もう・・・っ駄目ぇっ!」
一際大きな嬌声が聞こえた後、二人は小さく呻いた。
直後、二人がしおりの中に熱い欲望をなみなみと注ぎ込む。
ぐったりと息を弾ませ、やっと二人に一矢報いられた気がしたしおりは、満足げに微笑んだ。
しおりがよろよろと腰を上げると、四郎兵衛は腹筋を使って身体を起こし、食満は両手で彼女の腰を掴んで、
うつ伏せに寝かせた。
「し、四郎兵衛?せ、せんぱ・・・っあぁ・・!」
うつ伏せになったしおりの腰を両手で固定しながら、臀部を上向きに持ち上げ、自身を突き入れた。
さっきのしおりの行為で理性の箍が外れた四郎兵衛は、思う存分しおりの身体を貪らんとしていた。
それは食満も同様で、目の前に居るのは最早理性と言う名の鎖を外した狼の様に眸をぎらつかせている。
その行為は激しく、しおりの「休ませて」という懇願も無視し、夜がとっぷり沈んだ寅の刻まで行われた。
続
412 :
しろべのひと:2008/09/01(月) 00:14:46 ID:ZvgjtSBS
えろシーンは終わりですが、後日談がまだあります。
細々ですが委員長シリーズやってこうかな。
次回予定してるのは盆過ぎたけど夏はまだ終わってない!
食満単品をやってみようかと。
414 :
しろべのひと:2008/09/01(月) 00:25:17 ID:ZvgjtSBS
>>413 いやいや、そう言う意味じゃwww
夏の風物詩として不思議系な話でも。
>>369書いた者です
長カメの方GJGJGJ!!!!!こういうのを読んでみたかったあああああ!!!!!
すまた幼女フェチにはたまらんですハアハア
ありがとうございました
>>413 食満一人でシュッシュワロタwww
ぜひ誰か書いてくれ
ちょうど最近妹萌え説でたもんなw
しろべの人乙です!エロかわいいしおりちゃん有難うございます!
418 :
393:2008/09/01(月) 19:22:00 ID:Cd89c7s7
>しろべの人(割り込みすみませんでした)
しおりちゃんサンドイッチプレイGJ!
十代性欲の暴走っぷりがなんか清々しささえ伺えますなw
今後も楽しみにしてます。
長×カメSSに温かいレス本当にありがとうございました。
また機会がございましたら(次はもう少し羽目外しますw)、
宜しくお願いします。
長カメの人>
文章構成も素晴しさも元より、何しろカメ子ちゃんの可愛さにやられましたw
これで食満としおりちゃん、四郎兵衛の試験は終わりです
夏の夜風が髪を撫ぜる。
荒々しい嵐の様な雨音も、今はすっかり宵の雲が広がった静寂の星空となっていた。
食満留三郎は綿のよう疲れる様子で、よろよろと起き上がった。
ちらりと下を見ると、横には房術試験で疲れてしまったのか、しおりと四郎兵衛がぐったりと横たわっていた。
数を数えると何回しただろう。朧げな意識で憶えている限りは4回くらいだった。
その後の事を考えると、最低でも両手の指の数程情交を続けただろう。
後輩二人は健康的な寝息を立てて、年相応の寝顔を見せていた。
二人の傍にそっと近付くと、寝乱れた布団を直してやり、その部屋を後にした。
縁側で休もうと足を進めたら、同じく6年ろ組の七松小平太が座っていた。
食満を見るなり明るい笑顔で、よお、と返してきた。
「そっち、どうだった?」
「・・・疲れたよ、誰かのお陰でな・・・。」
元を正せば小平太が原因だ。こいつの所為で自分にとって過去最高記録を樹立したと言っても良い。
じろりと恨みがましい視線を送る食満を、小平太はばつが悪そうに苦笑を漏らした。
吹き抜ける夜風に、ちらちらと蛍の光が飛んで行くのを見た二人は、どちらとも無く笑い合った。
「所で、何でお前はシナ先生に頼んだんだよ?」
「ああ、あれ・・・。」
ふと、食満は心のどこかで引っ掛かっていた事を問い掛けた。
何故3人なのか、そして渡されたあの媚薬の事だ。
小平太はしばし考えると、だって、と子供の様に頬を膨らませた。
「留三郎は優しいんだよ。」
「はあ?」
「だから、何時も私達の壊した物修理したり、いらん事まで背負い込んで。
今回だってしおりちゃんの事でうだうだ悩んでただろ。」
荒療治なのは解ってるけど、こうでもしないと吹っ切れないだろ!
夜の空に、小平太の叫びが学園の庭に響いた。
声がでかい、と一つ拳骨で頭を殴ると、食満もはあ、と溜息を吐いた。
「お前らもいらん世話掛けすぎだろ・・・。」
「仕方ないだろ、四郎兵衛は私の後輩だし、お前だって何かと遠慮するだろうし。」
「で?媚薬は誰だ?伊作か?」
「当たり。で、留三郎には即効性でめっちゃくちゃ強力な薬だって言ってた。」
どうりであの噎せ返るほどの甘さか。伊作め、後で一つ殴っておこう。
6年生5人が言う食満留三郎と言う少年は、気が強くて、喧嘩っ早い武闘派。
その癖後輩の面倒見が良く、世話焼きで、苦労性。
食満が悩んでいる最中、6年生五人が見かねて知恵を出し合い、荒療治だか
ああいった結果となった。
「・・・御免。もう遅いかもしんないけど。」
「・・・もう怒る気力もねえよ、一応気持ちは受け取っとく。」
呆れながらも、食満の表情は何処か嬉しそうで、小平太も釣られて笑みを零した。
七松小平太、明るく豪快、その実、見れる所はきちんと見ているヤツなのだ。
きらりと光る一番星を眺め、食満は不思議と穏やかな気持ちになった。
仲間が居る事
守るべき後輩達がいる事
そして自分自身の、ほのかにしおりに抱いた淡い想いを胸にしまった。
あの子は四郎兵衛と幸せになって貰いたい。
戦乱の乱世、学園を出たら離れてしまうかもしれない。
だから――学園に居るまでは、二人だけの時間を過ごして欲しい。
別れだなんて、今は考えたくは無い。
皆で笑い合って、泣いて、怒って、喧嘩をして――
これからの日々を過ごそう。
例えそれが、何時しか対する関係となろうとも迷いはしない。
それが忍者の運命(さだめ)であり、運命から目を決して背いたりはしない。
ただ、そんな日が来なければ良い。
近い未来、時代ゆえに、命を落としてしまうだろう。
遠い未来、何時か戦争がない平和な時代に自分達が生まれていれば、
こんな感傷に浸る事もないだろう。
全ては何時も時代が変わらない、月だけが知っている事だろう。
小平太と別れ、ふらりと校内を散歩していると、微かな光が横を過ぎった。
何事かと学園長の部屋の池へと辿り着くと、数匹の蛍が、ちらちらと周りを飛んでいた。
群青に塗られた夜に光る、微かな灯火。
それは幻想的な光景で、知らずと食満の眸から涙が零れた。
最上級生なのに泣くだなんてみっともない。
それなのに、苦しいほど胸が締め付けられてくる。
しおりの艶姿がちらつき、それを振り払うように頭を横に振る。
「・・・好き、なんだろうなあ。」
伝えたくても伝えられない。伝える事は許されない。
少し泣いたら、また朝は何時も通り振舞えるはずだろう。
あの二人の看病が終わったら、自分の奢りとして団子屋にでも連れて行ってやろう。
袖で強引に涙を拭うと、食満は月に向かって背伸びをした。
そろそろ明けの空が来るだろう。
二人の様子を確かめに、食満留三郎は二人が眠っている部屋へと向かった―
終
422 :
しろべのひと:2008/09/01(月) 23:50:05 ID:ZvgjtSBS
委員長シリーズ、食満編終わりますた。
思ってたより長かったorz
グダグダですが、読んでくださった皆さん有難う御座います!
GJ!!お疲れ様でした!
な、泣いてなんてないんだからねっ!
食満編ありがとうございました!!!
くはー満腹だww
纏めて失礼ながら職忍さんたち乙ですGJです!
素敵な作品たちに頬緩みっぱなしでした!
そんな自分は下書きがまだエロ部分に到達せず…。オラにギンギンの徹夜力といけどんの体力と長次の博識とお父さんの優しさと厳禁頭領のサラストと美しさと不運委員長の人運を分けてくれー。
後半関係なかった。
しろべの人GJ!
お疲れ様でした。最後の切なさがいいよ
他の委員長シリーズも楽しみに待ってます!
こんばんは。しろべの人です。
余り日が経って居ませんが、先に委員長シリーズ投下します。
サブタイトルは善法寺伊作の困惑
・食満編とリンクしてます(後日談)。
・えろはあまりないかも
・一応伊作×卯子ちゃん
文月の空は高く、じりじりとした太陽の光が忍術学園に降り注ぐ。
鬱陶しい水無月が過ぎてから、梅雨のじめっとした空気を振り払う様な眩しさに、思わず目を細めた。
それにしても良く晴れたものだ、そう思いながら毎日恒例であるトイレットペーパーの補充をしに、
でかい風呂敷を背負っている。
回りを見渡し、怪我をしていない生徒が居ないか確かめつつ歩いていると、ふと後ろから可愛らしい声が掛けられた。
後ろを向くと、目のパッチリしたくの一が微笑んでいた。
「善法寺先輩、何してるんですか?」
「ああ、卯子ちゃん。見ての通り、便所紙の補充にね。どうかしたのかい?」
優しく微笑むと、卯子は乙女の様にその白い頬を桜色に染め、手を後ろに回してもじもじとしている。
伊作は笑みを崩さず、卯子の出だしを待っている。
ちら、と卯子が恥ずかしそうに伊作の顔を見上げ、また視線を下げる。
「何か言いにくい事でもあるのかい?」
「あ、あの。そうじゃなくて・・・、これ。」
問い掛けると、卯子はそっと小さな巾着を取り出し、伊作の前に突き出した。
抹茶色の渋い巾着で、女の子が好みそうな花が散りばめられている。
有難うと受け取ると、卯子はそのまま顔を両手で覆い、そのまま走り去ってしまった。
ぽつんとその場に残された伊作は、巾着の中身が気になり、丁寧に結ばれた紐を解き、
中身を確認しようとした――刹那だった。
解いた瞬間、その場に爆発音が響き、周りに居た生徒が涙を流し噎せ返る。
強烈な匂いと、目に来た刺激を真っ向から受け、伊作の瞳から大粒の涙が零れ落ち、盛大なくしゃみが響き渡った。
木陰に隠れた卯子は、その様子をみるなりしてやったりとほくそ笑んだ。
善法寺伊作、密かに卯子が想いを寄せている先輩なのだが、ついついからかってしまう。
罠が成功して嬉しいのと、後にまた上手く伝えられなかったという後悔がやってくる。
くの一としての、所謂悪い癖だ。
「・・・卯子ちゃん、またやっちゃったの?」
「ひゃあ!しおりちゃん?!」
後ろからいきなり声を掛けられ、卯子は思わず木に飛び乗る。
見るからには、とても素晴らしい身のこなしだろう。
よくよく見ると、友人であるしおりが上から困ったように眺めている。
ご免と謝ると、身を翻し軽々と木から飛び降りた。
「・・・卯子ちゃん、たまには素直に伝える事も必要だよ?」
「う、しおりちゃんが言うと説得力あるなあ・・・。」
目の前居る彼女―しおりもかつては自分の気持ちを中々伝えられずに一人で抱え込んでいたのを良く見かけた。
その少年がしおりを助けた事を機に、漸く気持ちを伝えられ、今は清い交際を続けているとの事だ。
だが自分にはそのきっかけすら掴めない。気持ちでは解っているのだが、ついつい悪い癖が出る物で、
好きな子に意地悪をする、男の子の逆だと言っても良い。
ただ単に、本当は伝えるのが怖い―と言うのが本心らしい。
しおりも自分と同じ様な物だが、くの一の中では控えめな方だ。
自分はどちらかと言うとその逆の癖に、全く勇気が出ない。
「あたしはしおりちゃんが羨ましいよ。女の子らしいし。」
「あたしは卯子ちゃんの元気さが欲しい。」
お互い無いもの強請りね、と笑い合った後、しおりは用事があるからと出掛けてしまった。
所謂用事と言う名のデートの様で、くの一達はその「用事」の後、どうだったと聞いて来るのが日課だ。
確か四郎兵衛と言った、ぽやんとした顔の男の子だった。
突いてしまえばそのまま吹っ飛んで行ってしまいそうな雰囲気に思えた。
「・・・・しおりちゃん、何であの子を好きになったのかしら?」
人の好みは十人十色だが、あの少年はどうにも頼りなさそうだ。
そんな事を言ってしまえば、自分は何故善法寺伊作と言う先輩が好きになったのか問われる事だが――
理由を問うのならば、あの優しさだろう。
何時も怪我をしたら丁寧に手当てをしてくれて、その後も調子を尋ねてくれる。
無論保健委員の性―と言うよりは彼の性格からだろう。
包みこんでくれる様な優しさと、あえて言うならからかい易さだ。
ああ、こう言う性格直さないと、と卯子は頭を抱えた。
同時刻、目から大粒の涙を零し、鼻からはずるずると鼻水をたらし、口からはだらだらと涎をたらし――とどのつまり顔から出るもの全部出ている状態の伊作は、
驚いた拍子に落とし紙を全部ばら撒いてしまい、丁度池の近くを通りかかっていた運の悪さに加え、殆ど池へと流れてしまった。
流す用途は合ってるものの、これでは紙の無駄遣いだ。
何とか無事に死守したのは一個だけで、手持ちのちり紙も無い。
仕方ないのでこれを使い、出る物を拭き取った。
鼻をかんでいる最中、同じ組の食満留三郎が通りかかり、乱暴に持っていた紙で顔全体を吹いてくれた。
「・・・お前またやられたのか?で、今度は誰だよ?」
何時もながらくの一に良く引っ掛かる奴だと半ば呆れるが、それ程伊作は人気が高いのだろう。
自分はたまに声が掛けられるが、くの一のちょっとした悪戯には慣れて来てしまい、ここ最近は声は掛からない。
顔を押さえた伊作が、困った様な顔をしながら何時もの事のように笑っていた。
「卯子ちゃんって言う子。結構元気な子でね、くの一の子では良くお世話になりに来るかな?」
「あー、あの子・・・。見るからにお転婆そうな子だな、ユキちゃんっぽい。」
「ユキちゃんに失礼だよ、卯子ちゃんはそうだなー、どっちかと言うと男の子っぽいかな?」
「それってユキちゃんより・・・。」
「うん、元気だよ。・・・でも、頑張ってる子は可愛いよね。」
にっこりと裏表の無い笑みを作り、さらりと言ってのける。
食満は何となく卯子の伊作に対する悪戯の意図が掴めた。
(成程、好きな子ほど苛めたいって奴か。)
やれやれと溜息を吐き、伊作の水筒を手渡す。
「それより、早く行こうよ。二人が出かける時間帯だろうし。」
「おう、今日は何処の茶屋だ?」
「仙蔵お勧めのあの「縁祝楽」だって!」
「よし行くぞ伊作!早く着替えろ!」
「うん、ちょっとま・・・うわあああ!!」
「だから俺を巻き込む・・うぎゃああああっ!!」
急いで二人はしおり達が向かう茶屋へと行こうと言い、長屋へと私服に着替えに行こうとした矢先だった。
走り込んだ少しの間を置いて、綾部喜八郎作の落とし穴に足を滑らせた伊作が、食満の袖を掴み、
そのまま二人は穴へと落ちた。
巻き込まれた腹いせに一発殴ってやってから穴へと這い上がり、急いで長屋へと足を進めた。
私服に着替え、小松田に尋ねると先程出て言ったとの事で、二人は出門票にサインをした。
急いではいるが、サインをしない小松田の恐ろしさは、13日の金曜日に出てくると言う怪物より恐ろしい。
「はい、それじゃあ行ってきます。」
「行ってらっしゃい、善法寺君、食満君。」
二人を見送ると、小松田は仕事をやり終えた満足感なのか、嬉しそうに微笑んでいる。
元服を済ませたとは言え、その表情はあどけない。
そう言えばふと疑問に思っていた事があった。
「最近四郎兵衛君としおりちゃんの後に、良く上級生が外出届をだしてくるなあ?」
何でだろう?と小松田は一人ごち、吉野先生の呼ばれる方向へと掛け出して行った。
二人に見付からないように後をつけ、しおり達の様子を伺っている。
二人はとても仲が良さそうに、団子を食べさせ合っている。
美味しいね、だの、そっちはどう?だの、微笑ましい会話が耳に届く。
どうやら二人の関係は上々の様で、伊作と食満は嬉しそうに帳面に様子を記録している。
やがて夕焼け空が広がり、二人がその場を後にした数分後、伊作達も忍術学園へと戻って行く。
茜色の空は優しげな光で、思わず二人も目を細めた。
「うん、今日も喧嘩した事もなく、無事に終わったねー。」
「ああ、・・・ホント、仲良いよな。」
「・・・留三郎?」
嬉しそうな伊作とは対照に、食満は何処か寂しげな目で夕日を見ていた。
が、直ぐにさっさと戻らないとどやされるぞ、と何時もの調子で話かけてきた。
あれは見間違いだったのだろうか?
そう思う事間も無く、伊作は食満の後を追った。途中、何故か足を滑らせて田んぼに落ちてしまった。
これは何時もの日常であり、二人の応援をする事が上級生達の日課となっていた。
特に小平太率いる体育委員は自分の事のように出かける度に嬉々としてその様子を身振り手ぶり伝えている。
最近は、何故か食満も嬉しそう、と言うか複雑な表情を見せるようになった。
そして――明後日の夜に、彼が物凄く奈落に吐き落とされる羽目になるのは、知る由も無かった。
*
日は変わり、今日も今日とて忍術学園は焦げる様な暑さに包まれていた。
だらだらと汗を流し、伊作は自分で作った氷袋を額に当て、暑さを紛らわせている。
休んでいた所、保健委員顧問である新野洋一先生が、伊作に声を掛けた。
「どうされたんですか?新野先生。」
「ああ、善法寺君。君にお知らせだよ、二週間後の夜、くの一達と「房術」の授業が開催されるって。」
「房術・・・、ですか?」
「うん、それで今日の夜、シナ先生が6年生全員に相手を知らせるって。」
「解りました。」
そう言うと新野先生は、熱中症には気をつけてねと声を掛けると、また何処かへ行ってしまった。
何故か今年はやけに早く発表されるなぁ?と考えると、伊作の脳裏に保健委員長としての勘が働いた。
・・・もしかして、しおりちゃんの相手って・・・僕・・・だったりして・・・。
いやいやまさかな。あ、でもでもこれまでの事を考えると――。
だが結果は、予想外と言っても良かった―。
そしてその夜、6年生6人はシナ先生に呼び出され、緊張した様子で結果を待っていた。
皆伊作がしおりの相手をするだろう、何とも不運なヤツだと早々と憐れんだ様子で眺めていると、
その様子に気がついたのか、まだ何も決まってないと噛み付く。
シナ先生は絶えずたおやかな笑みを作っていて、こほん、と艶のある声が掛けられた。
「皆揃ってくれて有難う。じゃあ、まずはは組からね。善法寺君は―卯子ちゃん。」
「えっ!?う、卯子ちゃんですか?!」
「そうよ、頑張ってね。」
驚いた事に伊作がしおりの相手ではない―、早くも周りがざわめき始めた。
そして、伊作の知らせを聞いた瞬間、食満の顔がなにやら蒼ざめている。
どうしたのと声をかけるも、それどころではない。だらだらと冷や汗をかき、手を震わせている。
そして、シナ先生の口が開かれた――
「食満君は、しおりちゃんに決まったわ。」
その直後、食満の瞳からふっと光が消え、その場に盛大な音を立てて卒倒してしまった。
流石にこれは長次も驚いた様で、慌てて食満に駆け寄る。
「おい!留三郎!!聞こえるか!?」
「しっかりしろ!!気を確かに持て!!!」
「・・・・完全に、意識、飛んでる・・・・。」
流石にこのままではまずいと思ったのか、伊作は食満を肩に背負い、自室へと連れ戻して行く。
後は簡潔に相手を伝え、解散という形となった。
残された4人は、食満の様子を確かめに二人の長屋へと向かった。
場所は変わり、6年は組の長屋。
食満は伊作に連れ戻され、伊作は布団を敷こうとしていた――途中だった。
「あ、気付いた?いきなり倒れるから吃驚したよ。ねえ留三郎?とめさぶ――。」
布団を敷き終え、床に寝かせていた食満が徐に起き上がった。
伊作は声を掛けてみるも、その瞳は虚ろで、何も映して居ないように思えた。
ごそごそと戸棚をあさり、取り出したのは何処から持ってきたのか、銘酒「恋桜」という日本酒だ。
蓋を取り、食満は一気にその酒を――ぐびぐびとやけくそで飲み干した。
呆気に取られると、出てくる出てくる、他の国の銘酒。
出雲国の「大蛇殺し」や、薩摩の「島乙女」。一体どこから調達して来たんだ?!
驚く伊作の後ろで、四人の悲鳴が聞こえた。
その悲鳴に触発されたのか、急いで食満から酒を奪う。
「てめぇ何しやがる伊作!!それは俺の酒だあ!」
「一体何があったんだ伊作!留三郎べろんべろんだぞ!!」
「うるへー!!てめぇに俺の気持ちが・・・っく、わかんのか文次郎ぅ!」
「ちょ!酒臭っ!!!伊作、俺と文次郎と長次で押さえるから酒片付けて!!」
「わ、解った!留三郎、未成年の飲酒は禁止・・・ってうわあああ!??」
「俺はもう十五歳じゃあああああ!!!未成年ちゃうわボケェ!!!てめぇら何勝手にしくさっとんじゃごらぁ!!」
酒を片付けようとする伊作に、押さえていたはずの三人が食満に投げ飛ばされて宙を舞う。
投げられた文次郎に巻き込まれ、伊作は思わず酒を手放してしまった。
三人に押さえつけられても物ともせず、食満は伊作から酒を引ったくり、酒を浴びる様に飲んでいる。
すっかり出来上がり、普段は出さない方言まで出してしまっており、ただ5人はどうする事も出来ずに居た。
数時間後、流石に酔いつぶれてしまい、健康的な寝息を立てる食満留三郎が目撃されたのは、
5人が何処かに怪我を負った後で、伊作に至っては食満に沈められていた始末だった――。
結論、食満留三郎の自棄酒は一番迷惑を蒙る。5人の脳裏に、新しく加えられた事件だった。
続
委員長シリーズ伊作編です。
卯子ちゃんは自分の中では男勝りなお転婆系だと思っております。
食満の話と照らし合わせると面白い、かも?
仕事早っ(誉め言葉)!しろべの人伊作編突入GJ!
食満の酒癖やしろしおデートにニヤリとしつつ、ボーイッシュ卯子ちゃんの可愛らしさに
ときめかせて貰いました。続きワッフルワッフル!
…最初タイトル見て、『感染症って…性病か?』と考えた自分はとりあえず蛸壺嵌ってきます。
しろべの人GJです!
そして
>>433と同じこと考えてましたorz<感染症
縄梯子で吊ってきます
しろべの人の書くくのたまは乙女で可愛いですねえ。続き楽しみにしてます。
あと自分も感染症は…おや向こうから縄標g
さて、先日は長カメ失礼しました393(同板別スレではAQと名乗ってました)です。
一足早い(終わる頃にはちょうど良くなる…筈)秋の話を投下します。
*注意書き*
以前
>>305に書いた房中試験ネタです。
・設定の解説が長く感じるかもしれません。
・ほんのりNTR風味。固定カップリング・特定人物が好きな方すみません。
・ネタバレしといた方が良いかな…潮江×そうこに鉢屋が絡む話です。
・続き物で、今回・次回はさわりの部分となります。
苦手に思われた方は『秋風夜伽話』でNG指定&脳内スルーお願いします。
******
*其の一*
町から東へ三里程。ひなびた街道を行く先に、老夫婦の営む饅頭屋があるという。
何でも元居た都では、朝に晩に人の絶えない繁盛振りだったそうなのだが、二人とも寄る年波には勝てず、この最近静かな道沿いに店を移し、
細々と自分達が満足に作れるだけの量の饅頭を作るようにしたという。
そんな店の自慢は、密度の濃いこし餡もさることながら、頬張ればふんわりと柔かく、ほのかに酒薫漂う皮が魅力の酒饅頭である。
蒸かしたてなら辺り一面に、心を浮き立たせる酒麹の香りが満ちるその店は、甘味好きの町人や旅行く者の間で密かな人気を誇る店であった。
――うん、うまい。
雲ひとつない秋晴れの空の下、店先に備え付けられたさほど広くない茶屋の椅子に腰掛けて饅頭を頬張る男は、心の中で一人呟いた。
大概、評判とされる饅頭というのは、やたら餡ばかり力を入れすぎて皮をおざなりにしがちだが、ここは違う。
酒の風味が程よく残る皮は、ふうわりとした口当たりともっちりした歯ごたえを併せ持ち、それでいて餡の魅力を全く削いでない。
人の好みによって評は分かれるかもしれないが、男にとっては、正に逸品であった。
「いい店を教えてもらったな」
熱い渋茶で舌を洗い、ふう、と一息ついて、男は満足気な言葉を涼やかな秋風に流した。
普段は旅人や町からの人で賑わうという茶屋も、農繁期のせいか腰を下ろす人影はまばらで、店に来るのはもっぱら稲刈りの休憩の
アテにと買い込む近隣住民ばかりである。
一人ふらりと店に入るなら、こういう時がいい。
ゆったりのんびりと羽を伸ばし、日々の憂い事を忘れるには、ある程度の静寂が必要なのかもしれない。
赤蜻蛉が羽を震わせ、すぅいっ、と風の間を滑る姿が視界に入り、男は知らず目を細めた。
「あ、あった! 見て先輩、ホラあの湯気、あれきっとお饅頭屋さんの湯気でしょ?」
「あー…そうかそうか。分かったから袖を引くな。尻の青いガキかお前は」
「ほらほら、早くしないと、蒸かしたてはすぐ売り切れちゃうんだって!」
遠くから響く賑やかな声が、一人ぼんやりとしていた男の意識に輪郭を与える。
視線を赤蜻蛉から声の方角へと移せば、道の向こうからはしゃぐ娘と、体格のいい男の二人連れの姿があった。
「大体なあ、普通饅頭なんて甘ったるいモンは茶を片手に、二つ三つ食って腹にたまれば上等だろう。そういうのに美味いも不味いも
評判もあるのか?」
ふん、と鼻息混じりに悪態を吐く、眼下の隈が印象的な男と、
「今の台詞は聞き捨てなんないわよ! じゃあ文次郎先輩が食べる分のお饅頭は、どんっなにっ! 美味しくても、三つまでだからね!」
指を三本、びしりと男の目前に突き立て啖呵を切る、扁桃型の目をした少女。
会話の内容から二人が戯れ合う兄妹では無いのは、男にも容易にわかった。
――だとすれば、この二人は。
「ちょっと待て、お前幾つ食うつもりだ?」
「もっちろん、食べられるだけ食べるに決まってんじゃない! …うふふ。同じ教室のユキちゃんに話聞いた時から、ずっと楽しみに
してたんだから」
両手を組み、頬を染め、うっとりと夢見る乙女のように――内容はさておき――呟く少女の背後で、額に青筋を立てた男が無言で
ぐっ、と拳を固める。
――どつき漫才師二人組か。
想像し、男は二人に見えない位置で小さく、ぷっと噴き出した。
きっとその考えは、二人にしてみれば不本意極まりない事であろうが。
男の想像など欠片も知らぬ二人は、店に着き早々自慢の酒饅頭を『軽く』十ほど頼み、茶屋の老婆の目を丸くさせていた。
「…懲りないヤツだなお前。そんなに食ったら太るぞ」
「おあいにく様。あたしは食べても太らない体質なんです。…あ、隣いいですか?」
文次郎、と呼ばれた男の軽口(ちなみに、返り討ちにされたか目の周りには青痣が出来上がっていた)に、べー、と舌を出す少女は、
すぐに態度を改めると先客である男に微笑み、隣に空いた席を指差した。
「どうぞ」
後一つに結われた、少女の緑がかった黒髪が、腰を下ろす弾みにさらりと揺れる。
同時に、文次郎の訝しげな視線が男の肌に刺さったのだが、男は気付かぬ振りをして、再び饅頭に手を伸ばした。
――やっぱり、うまい。
皮と餡との見事な調和のとれた饅頭を咀嚼する男の隣で、おまたせしました、と皿に山盛りの饅頭が運ばれてくる。
改めて見ると、やはり冗談染みた量だ。
「わあっ、来た来たっ。いっただっきまーす」
「……我、今幸いにこの清き食を受く…」
目を閉じ、手を合わせて、ぶつぶつと念仏のような口上を述べ始める文次郎の横で、少女は両手に饅頭を持ち、ぱくりと大きく頬張った。
「んーっ!」
喜色満面。掌ほどの大きさの饅頭を、次々と平らげていく少女の姿を知らない文次郎の口上は尚続く。
「…その功徳を念じて、品の多少を選らばじ……いただきます」
口上を終え、目を開けた文次郎は皿に手を伸ばした――が、触れるのは固い皿の質感ばかりであった。
「んなぁっ!?」
「ふぇ? ふぉーふぃふぁんふぇふふぁふぇんふぁい?(え? どうしたんですか先輩)」
愕然とする文次郎に、口を動かしながら、きょとんとした表情で少女は尋ねた。
「…んぐふっ!」
ついうっかり盛大に噴き出してしまった音に、二人の視線が一点に重なった。
自分の頬張る饅頭もそこそこに一部始終を眺めていた男の、笑いの臨界点を超えるにはその光景だけで充分だったのだ。
「ぷぷっ……ははは、あはははははっ! ははははははははっ!!」
腹を押さえ、涙を浮かべて笑う男の様を、少女と文次郎は呆気に取られた目で眺めている。
しかし一度ツボに嵌ってしまった笑いは、中々治まらないものだ。
「く、くくっ、ぷわはっ、ははははは、ひくっ、ははははははは!!」
「「………」」
くきゅっ、と喉の鳴る音と、大丈夫ですか? と心配そうに尋ねる低い声に、しばらく経ってようやく笑いの波がおさまってきた。
「あーはははは、ひ…くくっ、す…スミマセン…芸忍のツボに嵌ってしまって…あーおかしい」
「げいにん?」
耳慣れぬ単語に、少女が首を傾げる。――おっと、余計なことを口にしたようだ。
「こちらの話です。ん、んん。理由はさておき、見ず知らずの人に対しての無礼、大変申し訳ありませんでした」
お詫びといっては何ですが――と咳払いをしつつ男は手際よく財布を出し、更に五つ、隣に座る二人に饅頭を振舞った。
「これはほんの気持ちです。それでは、先に失礼します。お二方とも、努々芸の精進をたゆまぬよう…」
「え? あ、ちょっと」
何か勘違いしてませんか――文次郎の言葉を聞かぬ振りして、男は店を後にした。
秋空は相変わらず青く澄み、赤蜻蛉との色の対比も美しい。
「……ぷぷぷっ」
脳裏に、頬いっぱいに饅頭を詰め込んだ少女の顔が浮かび、男はまた、肩を震わせた。
――静かさだけでは憂鬱は晴れないもんだ。
そんな結論を胸に抱きながら。
*
「…行っちゃった」
茶屋を遠ざかっていく、少年と青年の間ほどの年格好の男の、花菱柄の着物を眺めながら、少女――そうこはぽつりと呟いた。
直後、彼女の脳天に、ごつん、と鈍い音が響く。
「痛いっ!」
「痛いじゃねぇバカタレがぁっ! 何つー恥をかかせやがるんだお前は!」
涙目で振り返れば、体中の肌を真っ赤にさせた男――潮江文次郎が憤怒の表情でそうこを睨みつけていた。
二人が属する学び舎――忍術学園で『地獄の会計委員長』の異名をとる文次郎の、怒髪天を衝く姿など、同じ学校の一年ボーズが
目にすれば失禁間違いなしの代物であったが、そうこは臆せず逆に睨み返した。
「は…恥って何がよ!」
「それすらも分からんのかオマエはっ!? 鈍感にも程があるぞ!」
「何ですってぇ!? つーかアンタに言われたくないっ!」
「んだとぉ!?」
「…あのぉ…ま、饅頭お待たせしました」
バチバチと火花散らす二人の諍いを止めたのは、茶店の老婆の弱々しい声であった。
寿命が七年縮むかと思った――後に老婆は語るが、その言葉を二人が知る事は無い。
「…ところで、気が付いたか?」
ごくん、と咀嚼を終えた饅頭を飲み込み尋ねる文次郎に、湯飲みを両手に持ったそうこは不貞腐れたまま、何を、と素っ気無く返した。
――お饅頭、どんなに美味しくても三つまでって言ったのに。
皿に手を伸ばすそうこの手を叩き、四つ目の饅頭を平らげた文次郎に対する不満が、そうこの太眉の間に皺を刻む。
そんな彼女の態など黙殺した文次郎は、ゆっくりと五つ目の饅頭を手にした。
「さっきの奴。…ありゃ忍びだ」
「!!」
そうこの耳にギリギリ聞こえるか程の声で囁く男に、そうこの目が少女のものから『くの一(のタマゴ)』のものに変わった。
「そう、なの? 先輩どこで…」
「最初隣に座った時、袖から少しだが服の裏地が見えた。…変わり衣の術なんぞ、そこらの奴が使うモンじゃないだろ」
ず、と音立てて渋茶を啜り、ぷはーーっ、と長く息を吐く。
こういう仕草が『オッサン臭い』だの『絶対歳サバ読みまくっている』だの『どこかで時空の穴に落ちたに違いない』といった、
彼の外見に尽きぬ酷評に拍車をかけるのだろう。
「悟られるほど詰めが甘いのは、まだ若いせいかな。…しかし、どこの忍者だろな。あんな奴、合戦場でも見たこと無いんだが…」
「……」
申し訳ないほどに、気付かなかった。そうこは饅頭に夢中で周りを見なかった自分の未熟さを恥じた。
――ああ、やっぱり。
やっぱりこの男は先輩で、あたしよりもちゃんと『忍者』してるんだな。
口をつけてない饅頭を手にしたまま、独り呟き始める文次郎の横顔に視線を向け、そうこは同時にそんな感想を抱いた。
歪さの伺える鼻梁も、手入れのされてない太い眉も、少しエラ張った顎の線も、上下する喉仏も。
自分より歳を重ねた、男の成長の証というものなのだろう。
あたしも――そんな風に歳を重ねていけるだろうか。
知識を、技を、経験を身につけて、いつか、この男の隣に立つ事が出来るだろうか。
「…ナニぼーっとしてんだお前」
いつの間にか独り言を止め、横目でそうこを見る文次郎の視線に、そうこの顔が、ぼんっ、と音立てて真っ赤になった。
――や、ややや、ヤダあたし、ずっと文次郎先輩の顔見てた!?
「なっ、なな何でも無いっ! っていうか、その、いつになったらお饅頭食べるのかなーなんて思ったりとか…」
動揺のせいで、赤面のまま返す言葉もみるみる内に小さくなる。
視線に耐えかね俯き、もじもじと湯飲みを弄ぶそうこの結髪を、文次郎はしばし無言で見つめた後おもむろに手の内の饅頭を
二つに割り、
「…『短歌行』」
と呟きながら割った半分の饅頭をそうこに向け放った。
「へ?」
「三国時代、魏の武帝の詩だ。習っとらんのか?」
えーと、えーと。――間を置き、意図を悟ったそうこの顔が再び赤く染まる。
「今日の『鍛練』、俺はそれで行く。食い終わったら出るぞ」
言うだけ言うと、文次郎はそのまま半分割りの饅頭を一口で平らげた。
「……はい」
一言応え、そうこもまた半分割りの饅頭を口にした。
口の中に甘味が広ると共に、そうこの胸の内にもまた、きゅんと甘い痛みが広がりつつあった。
*
「……くっ…はっ!」
ぎゅうっ、と股間の一点に、引き絞られるような快楽が走り、促されるまま欲を放つ。
外の青空とうってかわって薄暗い、使われなくなって久しい気配のする物置小屋の片隅に、文次郎は塊と化しそうなほど詰めた息を、
喉奥から吐き出した。
「ん…んくっ、んんっ…」
熱にぼやけた視界の下端で、結髪を解いた全裸の少女が唇で脈動を感じながら、白濁した欲の証を口腔で受け止めている。
耳朶に落とされる嚥下の音が、腰に回された細い指が、彼女の幼さの残る外見と相反して、なにやら妙に不埒で艶かしい。
「…ふふ、先輩。『短歌行』の暗唱、する気になりました?」
唇を離し、そうこもまた熱っぽい瞳で文次郎に問うた。
「バカタレ…六、年を、侮るんじゃ…ねぇぞ。それ、と、こういうのは、寸止めが基本だろうが。何、最後までやりやがる、か」
「だって、先輩の凄く苦しそうにしてたんだもの。出したいって張り詰めて…ほら、まだぴくぴくしてる」
ちゅっ。
そう言って、そうこは精を放って少し萎えかけた文次郎の先端を可愛がるように、軽く口付けた。
唇が触れた程度の刺激に過敏かつ正直に反応し、ぴくんと脈打った自身がなんともいたたまれなくて、文次郎は目を逸らす。
――畜生、ちょっと前まで痛いだなんだとピーピーわめいてた癖に、何なんだこの変わり様は!
ぎしっ、と奥歯を噛み締めて、文次郎は再び固くなりだした肉茎に小さな舌を這わせる恋人に向け、届かぬ文句をこぼした。
恋人。
それが、『忍術学園一ギンギンに忍者している男』潮江文次郎と、『忍術学園一底無し胃袋を持つくのたま』そうこの間柄である。
そして、今二人が行っているのは情交――ではなく、あくまで『鍛練』であった。
――忍者のタマゴ、略して忍たまたるもの、徒に快楽に溺れ、ましてや忍者を目指す己の本分を忘れるなんぞ言語道断!
――だが、互いが互いを持ち得る限りの手管で陥としあい、かつそれに耐える為の鍛練だというなら、俺は受けて立つ。
かつて、一向に契りを結ぼうとしない恋人に向け、涙ながらに迫ったそうこに対し、鍛練バカの文次郎はこう説いた。
体よく言いくるめて、まだ未通女だった彼女にやりたい放題しようなどという、邪な考えを抱かなかったという辺りが、何とも
この男らしい話ではあるが、下らないと激怒しても不思議ではない、文次郎の馬鹿げた案をあっさりすんなりと了承してしまった
そうこもそうこである。
ともあれ、結果として二人は結ばれ――今に至る。
ちなみに、先程から会話に出ている漢詩の題は、己が相手の手管に陥ちたのを認めた時に述べ上げる、『忍びの実戦』で言うところの
『機密情報』の代わりのようなものらしい。
最初はもっと違う『台詞』だったのだが、根が強情な二人は妥協に妥協を重ね、今の形に落ち着いたのだった。
二人の何とも返答に窮する『鍛練』を知る、一部の忍たま・くのたまは皆、口を揃えて二人を『似た者同士の(鍛練)バカップル』と
陰で称しているが、知らぬは当人ばかりなり、という話だ。
それはさておき。
ついばむ様な口付けを幾度も落とされ、先程達したばかりだった筈の自身はすっかり硬さと熱を取り戻していた。
「本当、同じ先輩のカラダなのに、口とここじゃあ大違いよね。…こっちは、凄く正直」
「……!」
暗唱しないなら、このまま全部搾り取っちゃおうかなぁ――裏筋を指でなぞりながら、謳うように紡がれるそうこの言葉に、
文次郎の中で、ぷちん、と何かが切れた。
肩を掴み身を離すと、力づくで背を向かせ、そのまま着物を敷いた、朽ちかけの竹床の上に押し倒す。
「ひゃんっ!」
「…調子に乗るなよくのたま。そっちこそ、泣いて詫びても知らんからな」
言うなり、文次郎は彼女の腰を掴むとそのまま背後から貫いた。
「……っ!!」
胎の入口まで一気に抉りこまれた衝撃に、そうこの身体が大きく脈打つ。
「くっ…随分すんなり入るようになったじゃないか」
先手を打たれた為、前戯を施す間も無かったのだが、口淫の間に勝手に熱く潤んだらしい彼女の女陰は、挿し込めば柔らかく受け入れ、
引き抜こうとすれば絡み付き締め上げてくる幾重もの襞でもって、背後の男に目も眩むような快楽を与えようとしていた。
「んっ! ふぅっ、せ…先輩が、こんな、風に、しちゃった、んでしょ…! あたし、こん、なにっ、いやらしく…なんか……ああっ!」
胎を突き上げる衝撃に声は熱い吐息と化し、言葉に意味を失わせていくが、勢いを増して登りつめていく中では言葉自体が無意味だ。
――勿論、普通の恋人同士なら、の話だが。
手入れも絶えた畦の脇にある物置小屋から、微かに漏れる吐息と水音と嬌声は、茜色が混じりつつある秋空へと昇って溶けていく。
八重桜に似た秘芯が精を搾らんと打ち震え、そうこの身体がもう少しで絶頂の極みに達しようとしていた刹那――。
不意に、胎を打ちつける肉杭が動きを止めた。
「ふあぁあっ!?」
「…っと、危ないとこだった。はっ、…くのたま、気を遣るのはいいが、その前…に、言う事があるんじゃないか?」
じんじんと耳の裏が快楽に痺れる中、息も切れ切れに文次郎は尋ねた。
文次郎が今回『短歌行』を陥落を認めた時の口上に選んだように、そうこもまた、一篇の詩を口上に選んでいる。
「…やぁあ…」
身を伏せ、敷かれた着物を握り締める彼女は、首を振り、駄々っ子のような声を発した。
しかし、内で燃え広がる官能の炎はそう簡単に治まらないらしく、動かぬ肉茎を咥えこんだままの柔襞は、快楽を与えるように、
あるいは貪るように、ひくひくと蠢いている。
「悪足掻きは止せ。…そんな甘い腰遣いじゃ、搾れるモンも搾れんわ」
うそぶく文次郎だが、自分もまた絶頂が近いのは、己自身痛い程よく分かっていた。
只でさえ熱くぬめった襞に絡み付かれている状態で、その上、少しでも視線を下げれば、汗に濡れたそうこのあられもない姿が
視界に入ってしまう。
本人は自覚していないし、こちらも教えるつもりは無いが、近頃丸みを帯び始めた胸や腰周りが伝える彼女の『女』の部分は、
やはり十代半ばの男には堪えがたい魔性を孕んでいる。
――陥とすが先か、陥とされるが先か。
体の内の堤防が崩れていくのを自覚する文次郎の、頬から伝う汗が一滴、白い背中に落ちた。
酒に対して当(まさ)に歌うべし、
人生 幾許ぞ。
譬(たと)えば朝露の如し、
去る日は苦(はなは)だ多し。
「遅い帰りだな、文次郎」
秋の日も落ちた、忍たま達の塒(ねぐら)――忍たま長屋の廊下を歩く文次郎が声の方向を見ると、明かりの点る一室から、
同じ組の立花仙蔵が、ひょいと顔をのぞかせていた。
見れば格好は寝間着姿で、元結を解いた髪は水気を含んでいる。
「…風呂の最後は俺か」
「いいや。まだ戻ってない奴が居るから、最後じゃないらしいぞ。それよりどうだったんだ久々の逢引は。相変わらず
頓珍漢な真似をして、彼女に恥をかかせたんじゃないのか?」
――恥をかいたのは自分だ。
思ったが、口にしたところで恥ずかしい話には違いないので、文次郎は細めた目で級友の嫌な笑顔を睨む程度に留めた。
「勘違いするな。逢引じゃない、鍛練だ」
「ふうん。…で、勝敗は」
件の『鍛練』の中身を――文次郎にとっては甚だ腹立たしい話だが――知る、数少ない男は文次郎の訂正を軽く流し、
返す刀で尋ねる。
「聞いて楽しいかお前? …くのたまの手管に陥ちる程、俺は落ちぶれとらんわ」
じゃあ答えなければいいのに――仙蔵は思うが、微かにニヤつきが抑え切れていない男の口端に、接戦の気配を感じ黙った。
代わりに、違う話を振ってみるか、と内心で呟く。
「去年の房術試験でさんざんだったお前の手管で陥ちるとは、彼女は余程素質のある身体をしてるんだな。機会があれば、
手合わせ願いたい……冗談だ。そんな悪鬼のような目で睨むな」
――冗談にしてはタチが悪い。
同じく房術試験の時に、相手となった学園に縁のある手練くの一を泣かせまくった挙句、再起不能にまで陥れた男には
口にしてもらいたくない類の台詞だ。
同級故に、この優男の悪行を知る文次郎が、刃傷沙汰も辞さない目で仙蔵を睨むのも無理の無い話である。
仙蔵は気迫に負けたと言わんばかりに一つ溜息をこぼし、やれやれと肩をすくめてみせた。
「…そんな調子で今年の房術試験、上手く事が運ぶものかな」
「何で話がそっちに飛ぶんだ。大体、くのたまに試験は関係無いだろう」
心身共にまだ未熟なくのたまは、まだ性の手管を教えるのもままならない――距離も歳も一番身近な異性である彼女達が、
試験の相手とならなかった理由に関し、文次郎は担当教師から、そう話を聞いた記憶がある。
「それは去年の話だろ、一年もあれば女は充分熟するさ。ましてやくの一を目指す彼女達なら尚更な」
どくん。
横になり、廊下に頬杖をついて語る仙蔵の言葉が、妙な胸騒ぎと強まる鼓動を伴って文次郎の中で響きあう。
――まさか。
「…ちょっと待て仙蔵。まさか今年の試験……」
「時に文次郎」
「ん?」
街道脇の酒饅頭は、随分美味いと評判らしいな――片手で頬杖をついたまま、笑顔で手を差し出す仙蔵の顔めがけ、
文次郎は持っていた包みを力一杯投げつけた。
*
文次郎の強肩が唸りを上げてから約半刻の後――忍たま長屋の棟の異なる一室にて、障子戸が静かに開き足を踏み入れる音に、
燈台の明かりで本を読む、部屋の中の男が振り返った。
「おかえり」
「…ありゃ。雷蔵、まだ起きてたのかい? 私はてっきり寝たと思って、珍しく静かに入ったつもりだったんだけどな」
「出来るならいつも静かに入って貰いたいんだけどね、僕としては。…いや、今度の試験のことで色々調べとこうと思って。
やっぱり知識の一つも無いと、相手に失礼だろう」
向き直り、再び書に視線を落とす雷蔵――忍術学園五年ろ組・不破雷蔵の横顔を目に、男はふうん、と相槌を打った。
「知識位、私に言ってくれればいくらでも披露す「断る」
横顔が渋面に歪むと同時に、にべも無い返事が飛ぶ。
――冷たいものだ。
雷蔵の反応に、男は大仰に肩を落とした仕草をとって見せたが、慣れたものか雷蔵は知らん振りを通す。
四年半程の間、この男と顔をつき合わせ、時に泣かされ、時に痛い目に遭った彼なりの対応である。
「…冗談はともかく、今年の房術試験はくの一教室の女子も参加するって噂じゃないか。年上の女性が相手ならまだしも、
経験があるかどうかも怪しい女の子相手に、無様な所なんて見せられないよ」
「だから知識なら私が「断るっての」
即答、再び。
しかし男もまた慣れたもので、そんな同室の男の反応に不快な顔を見せる事は無かった。
「それより今日の風呂、君が最後だそうだから、垢がこびりつかない内に掃除するようお達しが届いたよ」
「うへー。休日だからって、ちょっと羽を伸ばしすぎたかな」
「…僕の顔で羽目を外してないだろうね」
じと、と訝し気な視線を寄越す雷蔵に、男はどうだろうねぇ、と韜晦染みた言葉を返してみる。
苦虫を噛み潰したような渋面と、にんまりと笑みを浮かべる顔。
顔の基本構造は、双方共同じではあったが、二人は双子ではない。
一人が、もう一人の顔を精巧に真似た仮面を付けているのだ。
「冗談、違う顔だよ。もう、そんな怖い顔して眉間の皺が残ったら、真似するのも面倒臭くなっちゃうじゃないか」
「気にする所はそこか三郎。というか君から受ける心労で皺が出来る事に、いいかげん気付いてくれ」
「悪かったって。じゃあ、心労続きの雷蔵に、ひとつ手土産を渡しておこうかね」
そう言うと三郎――忍術学園五年ろ組・鉢屋三郎は背中の荷を解き、竹の皮に包まれたモノを級友に手渡した。
持てばずっしりと重く、竹皮の匂いに紛れてほのかに酒の香りの昇る包みに、雷蔵の表情が変わった。
「ああ、酒饅頭。食べに行ったんだ?」
「うん、人も少ない時に当たったみたいで丁度良かっ……」
「?」
急に止まった三郎の声に、雷蔵の視線が包みから自分と同じ顔の級友へと向けられる。
ぽかんと口を開けたままの三郎の視線は宙をさまよい、まるで何かを思い出しているかのようだった。
「く、くくっ、ぷぷぷ…」
「え? 何?」
肩を震わせる程度に始まった三郎の思い出し笑いは、次第に声の大きさを増し、果てには腹を抱えるほどの爆笑へと変化した。
「ど、どうしたの、いきなり笑い出したりなんかして」
――全く、あんな顔するなんて、とんでもない反則だ。
――二人とも無防備にも程がある。
まるで、これから待ってる事を何ひとつ知らないみたいに。
腹を抱え乱れた衿の合わせ目から、花菱文様の裏地が覗く。
『千の顔を持つ』変装名人・鉢屋三郎は、疑問符を頭上に掲げる雷蔵をよそに、いつまでも笑い続けていた。
******
いやあ、芸忍っていい言葉ですね。
今回はここまで。続きは後日(遅筆ゆえスグにはゴニョゴニョ…)。次はエロなしだけど女の子もう少し出します。
668 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 22:07:16
エロパロの流れがうざい件
672 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 22:35:32
>>668 言ってやるな
681 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:04:00
しかしツロベの人、ここまで長くなるとは思わなかった…まだ続いてるけど
682 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:05:04
>>678 気が付けばスレ独占状態だと言われだして
住民からも何時まで続くか等突付き出された職人さんは
スレ告知でファンだけ連れて後々HPでサイト立ち上げたらSsの続きをやる人も居るけどな
685 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:09:53
HPを持ってたら
>>682の言うようにスレじゃ終了宣言で
続きは西都でやる職人さんもいるけど
ツロベの人は長いんじゃなくて、あの人
1〜2スレ分だけUPって間が開いたりするし
その場で打ち込んでる感があるんで、スレが西都代わりになっていそうな職人さんじゃね?
686 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:10:09
それはまたケースが別だろ
687 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:11:32
エロパロ好きなんでゆっくりでも流れててほしいんだけど…
正直ツロベたんにはレスつけるのしんどい
つーか読むのつらい
688 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:13:04
でもツロベの人向こうで言われ出すとあそこだけがSSの書ける場だと
思っていそうで行き場なくなりそうな人だよな
689 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:14:29
>>688 それはきっと皆思ってる
だから長文で連投して今回で完結させればいいのにと思ったりする
690 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:15:41
前もツロベの人うざいって話題出たよなそういや
乳タンはエロパロに投下する時点では名無しだからツロベの人とは違うだろ
仮にそうだったとしたら再録もしてるはずだし
塚ツロベの人テンションが空回りしてるかんじで見ててなんか恥ずかしいわ
本人が思ってるほど住人はツロベの人だけを待ち詫びてるわけじゃないと思う
691 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:16:46
六年全員いく気か
692 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:16:55
疲れつつ、アイデアの泉みたいに本人なってるだろうから
ツロx誰だっけくの一xケマ西都をボログででも作れば良いのにね
余計な心配だけどアカウントのとり方知らないのかな?
693 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:18:32
>>687 そういう時は無理して読んだりレスつけたりせんでもええんよせっちゃん
あそこのスレ住民がもうちょっと優しさを捨ててスルーしたら
本人も自分のKYぶりに気づ…かないか
694 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:19:24
>誰だっけくの一www
ちゃんと読みに言ってやれよ。確か大食いしたくのだったか、オリキャラ?
漏れも人のこと言えないや
696 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:21:26
>>693 なんのかんので間が開いて単発投稿でも
やっと終ったとオモタラ
夏の夜の夢不思議系ネタ宣言だしな
699 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:22:54
可哀相な子ほど見放せない心境
見てられないけど見てやんない的な
701 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:24:40
ネ申扱いされてた日記の人も一時期スレ占拠状態だったけど
ここまでウザくはなかったよね
何が違うんだろう、文章力?
702 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:24:49
>>699 見放してるじゃねーかwww
703 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:25:42
>>701 今ならわからんよ
あの頃は職人がいなかったから重宝されただけだと思うけど
705 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:27:57
>>703 あーなる。確かにSSの立ち初めは
住人が飢えていて光臨してくだすった職人様誰でも在り難や〜になるもんな
707 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:40:01
それにしてもこの流れの速さすげえ
ツロベたんの人気に嫉妬
713 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:45:12
いや書き込み見てつねられたみたくイタッてなるのは
ツロベたんくらいのもん
40 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 02:16:36
ツロベの人全委員長UPるのだらうか
パターンが同じだし・・・・
64 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 09:09:28
白べえの人はもう萌えよりマンセーされる自分に
酔いたくて書いてるってかんじだな
いい加減住民も飽きてるのと
他の職人が投稿しにくいのに気づかないのか
65 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 09:13:49
つかツロベの人もうオリキャr
68 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 09:49:48
ツロベの人にライバル出現の予感
69 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 10:10:05
エロパロスレって行けば必ずツロベの人いるな
70 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 10:44:12
エロパロに職人ってどういう人が多いんだろうな
サイトでやるより確実に反響多そうだけど、読む人の数自体は限られるし
71 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 10:59:07
西都餅なら普段健全とか801でやってる人が西都には載せれないけどノマエロ書きたくなった時とか
西都の常連以外の人から率直な評価をもらいたい人が投下するんだと思う
あと自分で西都作るのはめんどいけど手っ取り早くマンセーされたい人とか(例 ツロベの人)つかツロベの人のは既にドリ小説の域だよな
モブくの一なんて公式無個性にもほどがあるw
72 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 11:50:41
2ネタを交えてパロりパロられしたい人とかね。
ツロベの人は感想や馴れ合いは名無しに戻ればよかったのになぁ。
73 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 12:10:15
彼女は唐突に自分からツロベの人ですって言い始めたような感がある
もうしばらくはあのスレから離れようかな
74 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 12:24:44
>>73 遅いな。
ありゃ日記の人に憧れてるんだしょうがない。
過剰な嫌腐が居る以外は大人板って感じだったんだがなぁあそこだけは
76 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 12:44:00
>>72 他作品に対しての感想も自分の投下のついでってかんじだしな
あの自分大好き乳タンでさえあっちでは名無しを貫いてるというのにw
78 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 12:55:14
数字の棚でも投下者の自分アピールは嫌われるからね
ジャンル内なんかだと余計それが強くなるのも当たり前だろうね
あの人そのへんの空気読めないと自分の首しめることになると
しろべの人、
感染症、自分も思ってしまった。
ちょっと図書室行って借りてきます。
もんそうの人、
ブラックな鉢屋GJ
もんじWWたぶん二人に笑ったんだと思うよW
これ貼った奴は何がしたいんだ?
しろべの人もうちょっと自重しろってことだろ
感想コメまでコテですることないだろとは思う
>>435 芸忍鉢屋ww
潮江×そうこ大好きなんで嬉しいよ
次の投下を楽しみに待ってます
投稿を自重する必要は全然ないと思うけどね
スレが賑わってるのはいいことだし自分は楽しみにしてる
>感想コメまでコテですることないだろとは思う
これは
>>448に同意だけど
>>435 文章上手ですねー
これは良作の予感
潮江とそうこの関係が自分の理想通りでなんか嬉しいな
次の投下も期待してます!
関係ないが先日知り合いの子供に
「どうして赤ちゃんがどこから来るのかを質問すると大人は恥ずかしがるのか」と聞かれた
これは「世界がどろどろした塊だった頃」の話から始めるべきだろうか
しろべの人GJ!
食満自重しろw
続きマターリ待ってます
あと文次郎そうこをありがとう!!
この組み合わせまたみたいと思ってたから自分は幸せだ
続き待ってます
文次郎そう子嬉しすぎる!!
理想どおりってか、好みってか
続き、裸でまってるからw
まぁみんながちょっとは思ってた事だな
感想レスの数やなんかで自分で解ってくれるとは思ってたけども
>>454 もうほっとこうぜ その日が来るまで
ところでちょっと言いにくいんだけど…
「つどい設定」ってだれもまとめてねーの?
まとめたら男×女の うはw な設定在りそうなのに
ルール違反なのかな
つどいネタは荒れる元だぞ
>>455 ぶっちゃけそんなのは無い。
父母の出会い位でそれもころころ変わってるみたいだし…
ソースは2ch
ごめんなさい
ただ、誰もが知っている情報じゃないのに書くから荒れるんだとおもったので
皆で情報を共有すればそういうこともないのかな、と
失礼しました。荒らすつもりは無かったのです。
もうつどいの件は書き込みません
と、ゆうか大人だったらこんな形つかうな。
きちんと注意しろ。
荒れたらごめんなさい。
だな。
誰かが言い出してから尻馬乗るのは見苦しい。
ユキとトモミの小ネタ百合。エロくない。トモミちゃんが壊れてるので注意。
「男の人を虐める能力を向上させたいのよね」
「…。トモミちゃん、お茶で酔っぱらえる人種?」
「要するに、プライド高い人を悔しがらせたいの」
「いわゆる『クヤシイデモカンジチャウ』とは違うの?」
「…?」
「…ごめん。話続けて。面白そうだったら協力するし。具体的にはどういうことするの?」
「とりあえず両手を縛って」
「とりあえず非常識ね」
「上だけ剥いて口を塞いで首筋とか鎖骨とか胸とか撫でまわして舐めまわして
下は一切触らず焦らして焦らして更に焦らしたあとしばらく言葉攻めして
我慢が効かなくなった頃を見計らって放置プレイ開始
お願いします触ってくださいって言わせたい。いや泣かせたい。
こんな小娘にそんな要求して恥ずかしくないですかって言って
悔しくてこっちを睨みつけてくる相手の股間踏みつけて…
直接じゃなくて、褌と袴越しに踏みつけてこれでいい?って訊いてみたい」
「…トモミちゃん、変態?」
「違うの愛なの!」
「ね、誰にも言わないから言ってみなさい。
お相手は?きり丸とか土井先生じゃないんでしょ?」
「…………………………たちばなせんぱい」
「うーん。予想はしてたけど大きく出たわね」
「あれくらいでないと楽しくないもの」
「ま、実行は無理ね。手ごろなところにターゲット変えないと」
「…でもね。実は、最初さえ何とかなればって思ってるんだ」
「うん?最初さえって?どういうこと?」
「…策を練る人ほど、筋書きが崩れた時の絶望は大きいものよ。
ああいうタイプは、一度取り乱したら総崩れ。…だと思う。
だから、うまく余裕を奪うことができれば、後は意外と…」
「んー。そうかもね。策士ほど予想外に弱い、か」
「立花先輩って一見虐めるの好きそうだけど、そういうのは被虐趣味と紙一重って聞いたことあるし」
「あなたいつも上級生をどんな目で見てるの?」
「…だから、これは愛なの!
…でね、最初に余裕を奪うのが一番難しいんだけど…ユキちゃんが協力してくれるなら」
「そうね――嗜虐趣味と被虐趣味は紙一重、か」
「試す価値はあるかもね」
「…え?あれ?んん?」
「ん?」
「…ユ、ユキちゃん、なになに?なんで私押し倒されてるの」
「うん、なんであっさり押し倒されてるのかしら。得意の護身術はどうしたの?」
「えっ……。…ユキちゃん、背中痛いんだけど、ねぇ」
「うふっ、私なんかに反撃できないようじゃあくのいち失格よ、トモミちゃん。
それとも、このまま私にいじめてほし」
「わーーー!すとっぷ!立花先輩は高望みしすぎました滝夜叉丸先輩で我慢しますっだからどいてー!」
「問題はそこじゃないわよ。ねぇ、いじめてほしい?」
「ちょっさっきからユキちゃん顔近い…!
なんでそんなに笑顔なのなんでそんなに楽しそうなの!ねえユキちゃん!
……やめて離して触らないでっ!やっ!……!!!」
「それでいいわ。今はたっぷり抵抗してね」
「な、ひゃ…あっ、んーっ!」
「大丈夫。…すぐに楽しくなるから」
暗転。終了。
最初はドSトモミとドM仙蔵を書こうとしてたんだけど別物になってしまった。誰か書いて。
>>461なんという……破壊力!
テンポの良さと内容の壊れっぷりが心地よいGJ!
立場逆転はいいですのー
ドM仙蔵は自分も見たいです誰か(ry
>ドSトモミとドM仙蔵
すごく…読みたいです…
>ドSトモミとドM仙蔵
これをどう料理したらそうなるんだw
続きを百合板で
ドSトモミとドM仙蔵・・・だと・・・?
仙蔵が実はドMという新たな事実が書き加えられるじゃないか。
秋風の方>
風流・厳か・そして文学!
とても楽しみに待っております。
>>435-441の続き投下します。
五年妄想拝借失礼。鉢屋好きの方本当すみません。
今回、エロなしの説明話ですので、苦手に感じた方は
『秋風夜伽話』でNG登録&脳内スルーお願いします。
******
*其の二*
くのたまとの『鍛練』を始めるようになってからの潮江文次郎に、新たに加わった習慣がひとつある。
「……」
夜も白み、燈台の明かりも用をなさなくなろうかと思わしい頃、文次郎は無言のまま、手にしていた和綴りの本を閉じた。
更に色を濃くした目の下の隈を軽く擦り、敷いたまま潜り込むことの無かった布団を畳んで押入れに放り込む。
くうっ、と一晩通しての読書に固まった体で伸びをすれば、みしみしと体の節々が音を立てた。
「……はあ」
内に篭もった熱を吐き出して、外を見る。
少しづつ色を取り戻しつつある秋の庭先の風景が、徹夜明けの目に染みた。
「失礼する。図書委員はいるか?」
始業の鐘が鳴る少し前、忍術学園図書室の戸を開け、軽く覗き込んで文次郎が尋ねると、中に居た六年ろ組・中在家長次と、
五年ろ組・不破雷蔵が揃って声の主を見た。
図書委員長の長次は、平素変わらずの無表情で、文机の上にしたためていた文を綴る手をわずかに止めただけだったが、
雷蔵は文次郎の顔を見るなり、あ、とでも言いそうな顔をし、直後しまったと言わんばかりに視線を逸らした。
――何の話をしてたんだか。
大方の予想は付いたが、口にする事無く文次郎は持っていた和綴りの本を、長次の目前にある文机の上に置いた。
「……珍しいな、返却か」
ぼそっと呟く長次の言葉に、文次郎は口をへの字に曲げ、返したら悪いか、と答えた。
「次に借りるモノが出来たから返しに来たんだ。それに、未返却が予算会議に響くのは会計委員としても本意ではないからな」
後半は明らかに付け足しである。察し、雷蔵の片頬がわずかに引きつった。
「それより朝の貸し出し時間に、図書委員は一人居れば充分だろう。何で五年がそこに居るんだ?」
書架に目を遣りながら、文次郎は背中で問う。
「………」
「あ?」
ぼそぼそとした声に文次郎は振り返り、苛立ちを抑える事無く問い直す。
長次とも付き合いは長いが、『学園一無口な男』とも称されるほど寡黙なこの男の喋りは、いつ聞いても慣れない。
「いえ中在家先輩、自分が答えます。…近々行われる『五年六年合同閨房術試験』に関して、先輩の知恵を拝借出来ればと思い、
委員会活動時間外であるのは承知の上、こちらに参じた次第です」
――当たり障りの無い、模範解答みたいな台詞だな。
雷蔵の言葉に、文次郎は八つ当たり染みた――実際八つ当たりだったのだが――感情を抱いた。
「ふん、この男に聞いても己の為になんぞなるまい。文献を紐解いたほうが得策だぞ? 五年」
再び背を向け、次に借りる書物を見繕う、が、いくら探しても目当ての本が見つからない。
というより、目当ての本が置いてある筈だった棚は、まるで一気に貸し出されたかのようにごっそりと書を抜かれ、
がらんとした空間を残すのみであった。
「おい。この辺にあった『楚辞』と『詩経』はどこに行った?」
痺れを切らした文次郎の問いに、ああ、それなら――と答えたのは雷蔵だった。
「くの一教室の、山本シナ先生が朝一番に借りていきましたよ」
*
その頃、休日から一夜明けた忍術学園くの一教室では、ある話題に教室中の女子がざわめいていた。
「ねえ聞いた? 今年の房術試験、あたしたちも参加するって」
「忍たま達の間で凄い噂になってるけど、本当かなあ」
「あーあ、結局好きな人も見つからないまま、くの一になっちゃうね」
あちらこちらで交わされるお喋りは、どれも近く行われるという房術試験についてのものだった。
房術試験――時に己が性を利用して情報活動を行う忍びを目指す男女が、持ち合わせた性に関する手管を披露しあい陥としあう、
同じ忍術学園の生徒でも一部しか存在を知らない、隠れた試練の場。
いつか来ることだと思ってたけれど、こんな早く受ける事になるなんて――思う気持ちは皆同じらしい。
「でもさあ、何かおかしくない?」
顎に指を遣り、呟くユキの言葉にくのたまの視線が集中する。
「おかしいって、何が?」
「ホラ、去年聞いた房術試験の噂、立花先輩が相手のくの一を足腰立たなくさせたって話、覚えてる?」
「あー…あったわねそんなの…」
思い出し、相槌を打つトモミの頬が引きつる。
房術試験に関する話は基本的に闇の中だが、昨年の丁度今頃、現在の六年が受けた試験に関する、まことしやかに囁かれた噂は、
くの一教室の面々の耳にも届いていた。
「あたし…立花先輩に当たるのはちょっと…」
「それは同意だけど先輩は置いといて、問題はその試験の内容よ。たしかアレ『交合で相手に気を遣らせたら合格』って内容だったわよね。
……でもさ、初めてって…すっっごぉく痛いって話なのに、気を遣れたりなんか出来ると思う?」
『初めて』とユキが口にした瞬間、くのたまの視線がそうこに向けられた。この面々の中で経験者は、そうこだけである。
いきなり集中する視線に、思わずそうこの頬も赤くなる。
「あ、確かに……初めて、で……なるのは、難しいかも…ってユキちゃん! いきなり話振らないでよ!」
「ごめんごめん、こういうのは一家言ある子の言葉の方が説得力あるから。ともかく、この試験内容のままだったら…」
「…痛いのは確実だけど、あたしたちに有利って訳ね?」
続くあやかの言葉に、ユキがうなずく。
乙女とはいえ、くの一のタマゴである。謀略の気配には敏感な彼女達の目が、なにやら怪しげな光を放たんとした時――。
「はいはい。お喋りもいいですが、始業の鐘は鳴りましたよ」
どさり、と机上に何冊もの本を置きユキの背後に立つ、くの一教室担任・山本シナの艶めいた声に、謀略はひとまずお開きと相成った。
「さて。授業を始める前に、皆さんの耳にも届いているとは思いますが……来る五日後、忍術学園が秋休みに入ると同時に行われる
五年六年合同閨房術試験、略して房術試験。今年は我がくの一教室も参加する事となりました」
シナの言葉に教室がざわめいた。――いつ始まるかを聞いたのは初めてだったのだ。
「そこで、今から房術試験についてあらかじめ教えておくべき事を伝えます。一つ、日程は秋休み前半の五日間。これは審判員の不足や、
生徒の体調不備、及び不測の事態に備えてのものです」
指を立て、解説が始まるとざわめきは止まり、全員真剣そのものの表情でシナの顔に見入った。
「二つ、場所は忍たま長屋、上級生棟。試験にあたり、受験生以外の忍たまは学園内立ち入り禁止となります。そして、三つ、試験内容」
ぴっと立った三本目の指に息をのむ音が微かに響く。
「本来、房術試験は交合を行い、先に絶頂に至らしめた方が合格となりますが、交合未経験の女子が参加するにあたり、男子側に不利である
という意見がありました。……そこで、今回は『符丁』を使う事にしました」
「符丁?」
合言葉、という意味である。トモミの声に、シナはにこりと微笑んだ。
「交合で絶頂に至ったかどうかではなく、互いが隠し持つ符丁をいかに引き出すか。性が絡めば手段も小道具の有無も問いません。
具体的に言えば、薬や張り型を使おうが、膣口を用いらなかろうが構わない、という事です」
容姿は美女、中身は年齢不詳の女教師は、口にするのも憚るような単語をさらりと言い放つ。
この度量の大きさもまた、彼女が熟練のくの一である証の一つなのだろうか。
そんなシナの言葉を、そうこは黙って聞いていたのだが――心の隅に何かが引っかかる。
――なんだろう。どこかで聞いた事あるような。
疑問を解決したのは、手を挙げ尋ねるみかの何気ない言葉だった。
「先生、符丁って、勝手に決めていいんですか?」
「いい質問ね。符丁は相手に悟られない言葉を選ぶのが肝心です。適当に考えてしまったものを悟られ、引き出されてしまっては、
元も子もありません。そこで今回は」
シナの視線が、最前列の生徒の席に積んだ和綴りの本に向けられる。
ユキの片眉が、訝し気にぴくりと動いた。
「図書室から借りてきた、この漢詩の本を使います」
しおりの口が、え、と言葉を紡ぎそうになる。
「この中から一篇、詩を選んで覚えてください。それが」
トモミの目が丸く見開かれる。
「あなた達にとっての、『引き出されてはならない符丁』になります」
説明を終え、シナは花咲くような笑顔を教え子達に向けた。
しかし、そうこにはその表情も、絶対零度の寒風より身を凍えさせる代物に他ならなかった。
――それ、文次郎先輩との『鍛練』の内容そのまんまじゃないっ!!
「せっ!? 先生? その考え、は…どこから?」
勇気を振り絞り、顔面蒼白のみかが再び尋ねる。
――わあああああっ! 聞かないで聞いちゃだめえぇええぇぇえっ!!
心の中で叫んでももう遅い。そうこの届かぬ絶叫を遮り、止めを刺したのは、
「あなた達が知ってて、私が知らない……なんて事があると思いますか?」
菩薩の笑みと共に紡がれた、『くの一教室総元締』の死刑宣告に似た一言だった。
南無三。
「そうこちゃん! しっかりして! 傷は浅いわよ!!」
「駄目だわ。どこかのは組の忍たまみたいに、タマシイ抜けちゃってる」
「うわーん死んじゃやだーっ!! ごめんねあたしのせいでー!!」
涙目のみかが、がくがくとそうこの体を揺さぶるが、諸々の理由により吹っ飛んだそうこの魂は、遥か涅槃の域にまで
近付こうとしていた。
「困ったわねぇ、まだ最後の説明が終わってないのに。…試験相手の組み合わせとか」
片手を頬に添え、紅を引いた唇を尖らせるシナの言葉に、全員姿勢を正す。
勿論そうこの肩を掴んで揺さぶっていたみかも。反動で、そうこの体は教室の床の上に投げ出される始末となった。
乙女とは、時に非情なものである。
「先生! 組み合わせはもう決まっているんですか?」
「先程、他の先生方と厳正かつ公平なクジにより、決めさせて貰いました。皆さんの試験結果を左右する房術試験の相手ですが……」
言葉を切り、凛々しささえ伺える目でシナは、教え子一人一人に向け視線を送る。
ごくり、固唾を飲んで見つめる生徒(一名欠員)の視線にシナは、溜めに溜めた末――。
「教えてあげません」
と、笑顔で答えたのだった。
ズコーッ。
どこか別の世界の効果音がしそうな程のズッコケぶりを、くの一教室の面々が見せたのは直後の事である。
*
日は中天まで昇り、青く澄んだ秋空に昼を告げる鐘の音が鳴り響く。
昼食ついでの所用を思い浮かんだシナは、くの一教室から離れ、職員室へと足を向けた。
「失礼しま…あら、木下先生。まだ昼食はお摂りになりませんの?」
職員室の先客、五年い組実技担任・木下鉄丸はシナの声に顔を上げると、怒っているように見える平常の顔で、ええ、と答えた。
彼の手にあるのは、数枚の殴り書きに似た文書。
早朝行われた、房術試験の組み合わせ相手を決める抽選の結果であった。
「…ウチの組ももう、試験を受けるような歳になったんですなあ。ついこの間入学したばかりだと思ってましたが」
「時の経つのは早く感じるものです…齢を重ねれば尚の事。でも、木下先生はまだお若いじゃありませんか」
年齢不詳の彼女の言だけに、木下は返す言葉もうまく見つからないようだった。困ったように笑いながら、文書に目を落とす。
「何か、心配事でも?」
やたら真剣に文書を読む木下に、シナは尋ねる。
「いや、少々気に掛かる程度の事ですよ。……時に山本先生、くのたまの避妊については大丈夫ですか?」
「? ええ、こちらに不備はありませんわ。それが何か」
突然の質問返しに少々面食らいつつも答えるシナに木下は、それはよかった、と一人納得したようにうなづいた。
「三禁で抑えているとはいえ、十代男子の情欲は馬鹿にできませんからな。…ウチの組の久々知とか、ろ組の竹谷とか」
「あら」
意外な名前にシナの目が丸く見開かれる。――二人共、成績や行動に何か欠陥があるとは思えなかったのだが。
口にすると木下は薄く笑い、人は見かけに依らぬものですよ、と呟き席を立った。
「それじゃ、私はこの辺でお昼を頂いて参ります」
職員室を後にする木下の後姿をシナは、しばし物思うように見つめていた――が。
「山本シナ先生」
名を呼ぶ男の低い声に、視線を移す。
職員室入口に立ってシナの名を呼んでいたのは、六年い組・潮江文次郎だった。
「先生が今朝、漢詩関連の本をまとめて借りていったと図書委員より伺いまして。…これは、私が借りていたものです」
文次郎は言い、小脇に抱えていた和綴りの本をシナに渡した。
「わざわざ悪いわね。図書室に返したままで良かったのに」
「いえ、授業に使うものでしたら急を要するかと思いますので。勝手ながら」
――本当に、それだけかしら。
シナの目が自分よりほんの少し背の高い、六年の姿を見る。
背筋を正し、目上の者に対しての態を取る文次郎の姿は、精悍ながらどこか青臭い。
「…そう」
「ところで、先生にお伺いしたいことが一つ」
「試験の事かしら?」
予想通りの問いを逆に問い返され、文次郎の喉が、ぐっと鳴る。
しばらく黙り、覚悟を決めたか唇を一文字に結んだ後文次郎は、そうです、と答えた。
「房術試験の過酷さは、想像で測れる類のものではありません。経験の浅い深いを問う以前のくのたまに、正直、この試験は
荷が勝ち過ぎていると私は思います」
「だから止めろ。と、貴方は言いたい訳ね」
「でしゃばった真似であるのは先刻承知です。しかし右も左もわからぬくのたまの相手をするこちらの身にもなって頂きたい!
…のです」
途中で語気が荒くなったのを自覚したか、文次郎はばつの悪い表情で俯き、すみません、と一言呟いた。
――心配しなくても、貴方の相手はしないわよ。
「は?」
密やかなシナの呟きが耳に届いたか、文次郎が顔を上げる。
きょとんと見開いた三白眼と、その下の色濃い隈の対比が妙におかしくて、シナは胸中で小さく笑った。
そして考えを口にする代わりに、紅を引いた唇が一篇の漢詩を紡ぐ。
酒に対して当(まさ)に歌うべし、
人生 幾許ぞ。
譬(たと)えば朝露の如し、
去る日は苦(はなは)だ多し。
慨して当に以て慷(こう)すべし、
幽思(ゆうし) 忘れ難し。
何を以て憂いを解かん、
唯(た)だ杜康(とこう)あるのみ。
しばし、ぽかんとシナの諳んじる詩を聞いていた文次郎だったが、すぐにその意味を悟り、羞恥に顔中を赤く染めた。
「っせ、先生…!? まさか昨日あの場に」
「くの一教室で『短歌行』を習うのはもう少し先なのよ。そうこちゃんの察しが悪かったのは、彼女のせいじゃないわ」
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
「…彼女達が本当に未熟かどうかは、自分が一番良く知っているでしょう? ついでに、己の詰めの甘さも」
文句なしの完敗である。笑顔のシナに言葉を失った文次郎は、赤い顔のまま一礼し、踵を返した。
「ああ、そうそう潮江君」
なんですか、と足を止めぶっきらぼうに返す男にシナは、憂いを杜康で晴らすのは程々にね、と一言告げた。
「……酒は、それほど得意じゃありません」
赤味の治まらぬ顔で答え、再び歩を進める文次郎の背を、シナは目を細め眺めていた。
かつて、自分にもあった若く青い時期を思うシナだったが、ふと、背後に感じた気配に振り返った。
「六年の潮江ですか。やはり何か物申して来ましたか」
「ええ。若いっていいですわね、木下先生。…ところで、飼育小屋管理帳の検印はお済みになったのですか?」
振り返る先に立つ『本物の』木下鉄丸は、やはり怒っているように見える平常の顔で、はい、と短く答えた。
「じゃあ、そろそろ抽選結果の紙は処分しましょうか。情報の流出は最小限に抑えておかないと」
忍びの本質は、荒事にある訳でも色事にある訳でもなく、情報の取り扱いの中にこそ発揮されるものである。
教師二人は共犯者にも似た視線を交わすと、職員室の中へと消えていった。
*
とんかん。とんとんかんかん。
茜色に染まりかけた空の下に、金槌で釘を打つ音が響く。
六年は組・食満留三郎は放課後の委員会活動時間を利用し、以前より頼まれていた焔硝蔵の屋根の修繕を行っていた。
何でも二月程前の大嵐以来、焔硝蔵の屋根は雨漏りがするという話で、下級生揃いの用具委員会の中で唯一、高所作業が出来る
食満に修繕するようお達しが届いたのだ。
実際暇では無いのだが、食満は二つ返事で引き受けた。
近く行われる試験の話に、ちょっとした息苦しさを感じていたからかもしれない。
普段縁遠い男女のあれこれで悩むより、単純作業を無心に行うほうが余程性に合っている。
釘を口に数本咥え、金槌を振るう食満の姿は最高学年の忍たまというより、いっぱしの大工か鳶職かと言わんばかりであった。
「おーい用具委員長、屋根の修繕一段落ついたら、ちょっと教科棟の方来てくれ」
屋根の下から呼ぶ、一年は組教科担任・土井半助の声に食満は、何かありましたか、と問い返す。
「昼間会計委員長が、廊下の壁を頭突きで崩してしまったんだ。修繕の範囲が広くて、作兵衛一人では下級生を纏めきれないらしいぞ」
――あの、バカ。
食満が悪態を吐く相手は、後輩の富松作兵衛――ではなく、用具委員の敵・壁崩し石頭の持ち主、潮江文次郎である。
「…わかりました。こちらが片付き次第、すぐに向かうと伝えておいてください」
荒れる気持ちは分からんでもないが、モノに当たるな。手間を増やすな。迷惑をかけるな。
表向き平静を装った声で返し、心中で愚痴を続ける。
――こっちだって、お前の彼女が相手になったらどうしようとか、思ってんだからな。
がつん。
一際荒く金槌を叩いた衝撃で、打ち付けた釘が半ばからぐにゃりと曲がってしまった。
食満は大きく溜息を吐き、さっきの愚痴に『経費を削るな』も付け足すべきだな、と一人心で呟いた。
「……なあおい、房中試験、もうすぐだけど何か対策は取ったか?」
「あー、全然。だって俺、普通に女の子に触ったりとかした事ないもの」
「だよなあ。理想と現実は違うって言うけど、どうなのかなあ」
次に屋根の下から聞こえてきたのは、内容からして五年生らしき二人組の会話だった。
瓦を葺き直しつつ、食満は会話に聞き耳を立てる。
「大体さ、『閨房術』って大層な名前だけど、要は交合だろ? 子作りと殆ど変わらない訳だろ?」
「…そういや、これで子供出来たりしたらどうすんだろな。くのたま相手だったら本当、洒落にならないんじゃないか?」
五年生の一人の言葉に、食満は密かに、ぷっと噴き出した。
去年、初めて房術試験を受けた時に、自分と文次郎が揃って疑問に思った事だ。
思案の末、二人で当時の六年に青い顔で尋ねに行った記憶がある。
『くの一は、男には決して知られる事の無い、くの一独特の技を用いる。避妊に関しても然りだ』
先輩の答えに、二人同時にほっと胸を撫で下ろしたものだった。
――誰もが通る道か。
食満はかつての先輩のように、下の二人に教えてやろうと顔を覗かせ――。
「でもさ、それはそれで良いと思うんだ俺。……というか、子作りだと思うと俄然燃えてきちゃうな」
「おいおい、無責任だなオマエ」
「馬鹿言うな兵助。俺はいたって真剣に、新しい生命を作り出す行為に対し向き合ってるんだぞ? 胎の奥まで子種を注ぎ込んで、
満たして、膨らませてやりたいとだなあっ!」
「おいコラ五年ボーズ共ぉっ!! 猥談は夜の長屋でやれッ!」
助言の代わりに、怒号を響かせた。
――全く、最近の五年の考えは恐ろしい。
ぶちぶちと文句をこぼしつつ食満は縄梯子を持ち、赤面の二人組を尻目に焔硝蔵を後にした。
一旦、梯子を仕舞ってから補修に向かうかと足を用具庫の方向に向け、建物の角を曲がったその時――同じく角を曲がった人影と
派手に衝突し、食満の視界に星が散った。
「な、何だぁっ!?」
「…つっ」
無様に尻餅をつく食満の目の前で、へたり込み小さく呻いたのは、屑篭を持ったくの一教室のくのたまだった。
くのたまは、二、三度首を振るとすぐさま立ち上がり、すみません、と一言残してその場を走り去った。
「……」
茶色がかった癖っ毛頭の少女は、茜色の光の中、姿を小さくさせていく。
そんな中、尻餅をついたまま呆然とする食満の脳裏には、一瞬だけ見えたものが灼き付いていた。
――涙?
一方、六年の去った焔硝蔵前では、先程の二人組――五年い組・久々知兵助と、五年ろ組・竹谷八左ヱ門の二人が、
「…行ったか?」
「…ああ」
食満の去った方向を見、ひそひそと話を始めていた。
「さすがに六年の手前じゃあ、試験の相手の話なんかできないよな。どこから潮江先輩に漏れるか分からないし」
以前より『忍術学園・裏七不思議』の一つとして学園内で存在を囁かれていた『潮江文次郎の恋人』が、房術試験の
参加者に名を連ねているという話は、五年生一同に大きな衝撃を与えた。
『地獄の会計委員長』の名を学園に轟かせる男の恋人。しかもくのたま。
六年とくの一教室、どちらを敵に回しても地獄行きが確定するのは、火を見るよりも明らかだった。
「先輩、山本シナ先生に直談判しに行った位だからな。見事に撥ね返されたらしいけど。……こう言っちゃあ何だけどさ、
俺、あのくのたまに当たらなくてホッとしてるよ。俺が相手したら、後で先輩に全殺しにされそうだ」
遠くを見るように呟く久々知の言葉に、竹谷も深くうなづく。
「それで当たったのがアイツってんだから、因果っつうか何つうか。…ま、アイツなら殺しても死なないだろ」
竹谷の言葉は、決して過言のつもりではないらしい。
経験者は語るというものだろうか――思う久々知の背を、山間に落ちかけた秋の日が照らしている。
「…五日後か」
「…だな」
「ところで八左ヱ門」
「何だ」
「さっきお前が力説してたアレ…冗談だよな?」
「いや、本気だぞ」
「……」
「…何故黙る」
日は山間に落ち、遠くで塒に戻る烏が、しゃがれた啼き声を上げていた。
*
忍者のタマゴが集う学校・忍術学園には覚悟もなしに踏み入れてはならない場所が、数多く点在する。
例えば、暗闇の校庭。例えば、昼休みの一年ろ組教室天井裏。例えば、予算会議中の会計委員会室。
しかし――足を踏み入れたならばマトモな姿で帰れない、という意味で、真に恐ろしいとされる場所は、学園内には一つしかない。
「ふっふっふ。さーあ、覚悟しなさいそうこちゃん? これは授業の延長なのよ。あなたが教師で皆が生徒」
「そっ、その割に教師に対して敬う姿勢が無いと思…やあぁっ! ごめんなさいトモミちゃんもう言いませんっ! 勘弁してください!」
忍たま長屋より塀を隔て、更に奥まった場所にある建物――誰が呼んだか『忍術学園の伏魔殿』の異名をとるくのたま長屋に、
少女の悲鳴がこだまする。
「しょうがないじゃない。くのたまの中で男の人を知ってるのって、そうこちゃんしか居ないんだもの」
「そうそう、それに今度の試験がそうこちゃん達の『鍛練』を擬えてるなら、対策を立てるには正にうってつけの人物でしょ」
普段はそうこに優しく手を差し伸べてくれる、みかもあやかも、今度ばかりはトモミの側に回ったらしい。
三人揃って部屋の隅にそうこを追い詰める姿は、いたいけな兎に齧り付かんとする女狐にも似ていた。
「そんな無茶苦茶な! だ、大体あたし達だって、フツーに組み手したりとか走り込みしたりとかもするし、その、四六時中
やらしいコトなんてしてないし!」
「やあねぇ。あたし達は別に、そうこちゃんと潮江先輩が、いつもどんな事をしてるかを聞きたい訳じゃないのよ?……ただ、
男の人はどの辺りを気持ちよく感じるかとか、どの位刺激を与えたら気を遣るかとか、どんな味がして、どんな匂いがして、
どんな声を出すかっていう、本には載ってないコトを知りたいだけなんだから」
――それが大問題なんだってば!
湯飲みを持ち、他の面々とのんびりと茶を啜る猪々子に、そうこは涙を浮かべた目で語った。
経験者、とは言え、そうこが『知っている』男は文次郎一人しか居ない。
故に事細かに話すよう求められて語るとなれば、自動的に文次郎の性的な面についてを語る羽目に遭う。
――気持ちいい所とか味とか匂いとか言われても、言える訳無いじゃないっ!
口にしたら最後、『傾向と対策』の名において、恋人がくのたま仲間に精神的に陵辱される――そんなのは絶対御免だ。
ていうか、絵的にも如何なモノかと思うし。
顔どころか肌全体を真っ赤にさせ、内でぐるぐると渦を巻き始めたそうこの頭は、どうでもいい事まで考え始めていた。
そんな間にも組み手を得意とするトモミの、知的探究心という名の魔の手は、確実にそうこを絡め取っていく。
――いやあぁあああぁぁ。
少女の叫び声が響く夜のくのたま長屋――その上空で、瞬く星が一つ流れ落ちた。
(暗転)
「…ふんふん、コレがこれこれこうなって…こんな感じなのね」
「うわー結構アレなんだねー」
「ちょっと引くかも」
「想像より少しマシかな」
しばらく間を置いた部屋の中には、鼻息荒く覚書を作成するトモミと、周りで覗き込む容赦なきくのたま一同。
「ううう…文次郎先輩ごめんなさい」
そして、燈台の明りも届かぬ部屋の片隅でうずくまりさざめ泣く、そうこの姿があった。
「ただいまー。調査班戻りました」
「おかえりしおりちゃん。ね、どうだった組み合わせ」
障子戸を開け、部屋に入ったしおりはトモミに向け、手でバツの印を作った。
「もう鉄壁、崩すトコ無しね。組み合わせ表は処分した後だったし、五年も六年も組み合わせの話だけはしないの」
「うーん…せめて相手が分かれば、もう少し対策が練れるのに」
しおりの返事に、トモミは文机に頬杖をつき、溜息を吐いた。
「あれ? ところでユキちゃんは? 姿が見えないようだけど」
「ユキちゃんなら、具合が悪いからって、先に布団に入ってるよ」
珍しいわね――みかの返事にしおりは思ったが、確かに夕方あたりから彼女の様子はおかしかった。
正しくは、放課後の掃除を終わらせた頃から。
「…試験、ユキちゃん大丈夫かしら」
「ユキちゃんだもの、すぐ治るって、っと。…これでよし! 名付けて『くのたま必携・男体攻略法』完成!」
「えっ? 何々見せて」
「見ちゃ駄目ーーっ!!」
きゃあきゃあと賑やかな声が響く一方――同じ長屋の一室では、布団を頭から被ったくのたまが、闇の中一人煩悶していた。
――どうしよう。
本当は、教えるべきなのかもしれない。対策は取れなくても、覚悟を決める手助けにはなれるかもしれない。
けれど言えないのは、怖いからだろうか。それとも。
月の光も届かぬ布団の中でくのたま――ユキは、鉛のようにずしりと来る秘密の重さに、胸を押し潰されそうになっていた。
「………」
――悲しんでいるのは私の方なのに、何で、あんな顔すんのよバカ。
脳裏に浮かぶ、茜色の光と一人の男の表情が、ユキの胸の中を更に重くさせた。
話は数刻前の放課後、くの一教室掃除当番だったユキが掃除を終え、屑篭のゴミを処分しに行った時まで遡る。
忍術学園内でも中心から離れた方にあるくの一教室は、忍たま達の余計な干渉がない分気楽だが、男女共同の食堂や、
焼却場に向かう時など、やはり少々不便に思う事もある。
――やっぱり、くのたま専用の焼却場は必要だと思うのよねぇ。
空の屑篭を持ちユキは、一人延々と文句を呟いていた。
そんな花色装束のくのたまが、忍たま教科棟の横を抜け、池の近くを歩いていた時――不意に、男の声がユキの耳に入った。
『あめんぼあかいな あいうえお!』
妙に気の抜けた明るい声に、ユキの足が止まる。
――は、発声練習?
どうやら声は池の周りにある、ヤツデの茂みの向こうから聞こえてくるようだった。そっと近付き、覗き込む。
『あー、あー…うーん、まだちょっと通りが悪いな』
声の主は五年生だった。確か、ろ組名物二人組の片割れの――どっちだったっけ。
大概同じ顔で行動している二人組なので、いまいち名前の覚えが悪い。
――確か以前、訓練の時に色々話したような。
ちょっとほんわかとした、迷い癖のある方と、自分に物凄く失礼なコトをしでかした、意地の悪い方と。
後者でありませんように――思うユキだったが、相変わらず名前が思い出せない。
その間にも、男の発声練習は続く。
今度は少し声質を変え、低めの男の声で先程同様の発声練習を始める。
――うわ、なんかヤな予感が。
ユキの脳裏に、二人組の『意地の悪い方』に自分の顔でガニ股歩きをされた時の記憶が蘇る。
よく考えれば、もう一人の方ならこんな間抜けな発声練習などする必要は無い筈なのだ。
君子危うきに近寄らず。
我ながら賢明と思う結論を抱き、ユキが池を離れようとした時――聞き覚えのある声が、台詞が、耳に飛び込んだ。
「……!!」
がこん、と屑篭が手から滑り落ち、鈍い音を立てる。
物音に気付いた男――五年ろ組・鉢屋三郎は愕然とするユキに、にっこりと微笑み、
「…見ちゃった?」
と尋ねた。
「…そういう訳なんだよ。確かに公平なクジという奴だねこりゃ。全く遠慮なしだ」
池の庭石に腰を下ろした三郎はユキに向け、おどけた口調で語った。
「それで、わざわざ今みたいに練習なんてしてるの? …試験の為に?」
「『敵を知り己を知れば百戦危うからず』って言うでしょ? それより君はさっきから、他人の事ばかり気にしてるねぇ」
「他人って言わないでよ! …大切な、友達なんだから」
「『友達は他人の始まり』って言葉もあるけどね。あれ? 兄弟だっけ?」
――笑えない。
三郎の軽口も、同じく庭石に座り屑篭を抱くユキの神経を逆撫でするばかりだった。
「まあいいかそんな事は。私は他の組み合わせも知ってるってのに、一向に聞きやしないからどうしたものかと思ってね。
君は、自分の相手はどうでもいいのかい?」
言葉に、ユキの肩がびくん、と強張るのを、やすやすと見逃す三郎ではない。
「…別に教えて欲しければ云々なんて、鬼畜染みた考えなんて持ってないから安心しなよ。私だって、こんな所で初花を摘む
趣味なんか無いし」
自分が未通女であることを見抜かれ、ユキの頬に夕日の茜とは異なる赤味が差す。
――本当に、女心を知らない失礼な奴だ。
「多分、六年にも情報は漏れてないよ。先生方も私が見た後、組み合わせ表を処分されたようだったし。…で? 聞かないの?」
胡坐をかいた膝に頬杖をつき、三郎は再び尋ねる。が、ユキは静かに首を振った。
「みんな、分からないままだったら…聞かないでおく」
知りたいのは山々だったが、今の心理状態では対策どころではない――思うユキに、三郎は目を丸くした。
「変わった娘だね。君、コレでくの一になっちゃうんだろ? 君の純潔ってのはその程度の価値なのかい?」
「そういう訳じゃないけどっ! …でも覚悟は出来てたから」
忍術学園の門を叩き、くの一になるという事がどんな事かを知った時から、ユキは覚悟は決めていた。
きっとそれは自分だけでなく、トモミも、あやかも、みかも、しおりも――そうこも、皆決めていた筈だ。
市井の娘のように無邪気に恋することが出来なくとも構わない。
それでも、忍びの道を、くの一になることを夢見てしまったのだ。
物言わず、屑篭を抱く手に力を込めるユキの姿を見、三郎はふうん、と目を細めた。
「いいけどね、別に。…どうせこの先イヤって程、似たような目に遭うんだろうし」
首に手を遣り無気力気味に、こきこきと音を鳴らす。
続く台詞は、そんな三郎にとって、ほんの軽口の一つのつもりだったのかもしれない。
「今回の事なんか、君達にしてみれば『悪い犬に噛まれたようなもの』って忘れられるって」
――ところだろう。
残りの言葉が声になる前に、三郎の体は衝撃と共に浮き、間を置かず背後の池へと叩き落とされた。
派手な水音と同時に、池に水柱が上がる。
「…ぷぁっ! ちょっと、ツッコむならちゃんとボケをだな」
池から顔を出し、物言おうとした三郎は、夕日を背に仁王立ちするユキの姿に言葉を止めた。
「……」
水滴の落ちる音よりも、屋根の上で啼く烏の声よりも、今の自分の心臓の音がうるさくて仕方ない。
――ああ、コイツは。
「じゃあ」
――コイツはやっぱり、嫌な奴だ。
「じゃあ、アンタは」
――そして、あたしは。
「アンタは、犬に噛まれた事を忘れられるの!?」
――あたしは、コイツのことが、大嫌いだ。
思い出し、こぼれた涙で濡れた枕の表面が頬に張り付く。
「……っ!」
啖呵を切ったのはこちらなのに、胸が痛くて痛くて堪らない。けれど吐き出すことも叶わない。
――この気持ちが、消える日が来ることはあるのだろうか。
布団にくるまって一人噎び泣くユキの姿を、障子越しの月光が柔らかく照らす。
彼女の夜は、長かった。
*
様々な思いが交錯する中でも、時は無常なほど規則正しく過ぎていく。
「ホラ行くぞ文次郎! レシーブだ!」秋休み初日の忍術学園校庭に、六年ろ組・七松小平太の声が響く。
「応! 長次!」小平太の放つ球を受け、六年い組・潮江文次郎が次へと回す。
「……」無言で球を高く上げるのは、六年ろ組・中在家長次である。
たたたたたたたっ、と軽快な足音の後、小平太の足は力一杯地面を蹴り、太陽を背に高く跳び上がる。
「今ここに蘇るっ! 喰らえっ! 伝説のジャコ○ビニ流星アターーック!!」
「ちょっと待て何だその不吉な名前はー!?」
「……伏字」
二人の突っ込みもよそに放たれた小平太の大技は、お約束通り球を破裂させる結末を迎えた。
「コラー! 手前小平太! 球の修繕は自分でやれよ!!」
「はははは、すまんすまん。気を取り直して次行くぞ!」
「…皆元気だなあ。今晩から試験が始まろうってのに」
「血気盛んな輩には、少し疲れた位で丁度良いんじゃないか? 参加する気は起こらんが」
校庭の隅では六年は組・善法寺伊作と、六年い組・立花仙蔵が呆れた風に三人のやり取りを眺めていた。
「特に文次郎、どうしたの? 普段あんな自発的に小平太に付き合ったりしないだろ?」
「ああ、アイツなら」
口にしかけ、仙蔵の喉奥からくっ、と笑い声が漏れる。
「例の『鍛錬』の遣り口を、今回の試験に流用されたのが余程応えたらしくてな。…言ってみれば一回転巡った状態らしい。
情交は情交として素直にいたせば良いものを、下手に凝るから馬鹿を見るんだ」
「へ…へえ…」
その割に、六年に漢詩云々の話が来なかった事を、仙蔵は多少なり訝しんではいたのだが、あえて口にはしなかった。
「それより伊作、例の薬は?」
いきなり真顔になる仙蔵に、引きつっていた頬も戻る。
伊作はごそごそと濃緑装束の懐を探り、一包の粉薬を仙蔵に渡した。
「湯冷ましに溶かすんだ。胃に来るから、食後に飲むようにね。それと飲んでから風呂に入るのも血行が良くなり過ぎてしまうから駄目。
一番いいのはやっぱり、試験の直前かな」
「ふむ、悪いな」
保健委員長にのみ代々受け継がれるという、秘伝の精力剤を手に、仙蔵の頬がわずかに緩む。
対する伊作は、そんな級友の表情に渋い顔を見せた。
「一応言っておくけど、去年みたいなのは勘弁だからね。あの後、僕も新野先生も、相手の治療に苦心したん」
ばこん。
伊作の台詞は途切れ、代わりに仙蔵の足元に、てんてんと白い球が弾んだ。
「おーい二人共、そんなトコにつっ立ってたら危ないぞ!」
「…言うのが遅いわバカモンが」
大きく手を振る文次郎に、仙蔵は溜息混じりに呟いた。
秋空に、日は巡って沈み行く。
残照も絶え、空が濃紺の天幕を張り終えた頃――忍術学園は、その隠された貌を人目に晒さんとしていた。
「はあー、いいお風呂だった…あら、そうこちゃん。支度済んだの?」
くのたま長屋の廊下まで漏れる光に誘われ、障子戸を開けたトモミの声に、唇に紅を引くそうこが手を止め、振り返る。
結髪を下ろし、軽く白粉をはたき、平安の世にあったという『紗の単』に似た薄手の着物を纏ったそうこの姿は、いつもの
活発な印象とは異なり、同性でも溜息が出るような艶めいた気配を漂わせていた。
「……」
「…ね、に、似合ってる…かな?」
「あ、あ…うん、凄く綺麗。なんか…やらしくて」
「それ褒めてるの?」
「ほ、褒めてるって! 頑張ってきてね」
視線を泳がせながら一息に言い切ると、トモミはそのまま戸を閉めた。
――やらしい、か。
確かに、肌が透けるほど薄い着物に身を包み、初めての化粧を施した自分の姿は、自分でもどぎまぎしてしまうほど、いやらしく感じる。
――もし、先輩が今のあたしを見たら、どう思うだろう。
似合っとらん、と口を気難しそうに曲げながら答える男の顔を想像し、そうこは、ありそうだと小さく笑った。
だが直後、そんな笑顔に憂いの影が差す。
――そうじゃない可能性の方が、高いに決まってるじゃない。
どんなに望んでも、叶えられない夢もある。
「…そうこちゃん、用意は出来た?」
障子の向こうから掛けられる山本シナの声に、そうこは目を閉じ、はい、と答えた。
空に星は無く、己が身の半分だけ光る月が、そうこの向かう先を照らしていた。
忍たま長屋。
かつて自分は、二度ほど夜の長屋の庭先に降り立った事がある。
一度目は、十一年の人生で一番の勇気を振り絞り、彼の男に告白した時。
二度目は、契りを結ばない彼の男に、涙ながらに迫った時。
三度目は――。
「ここから先は、一人で行ってね」
廊下でシナは言い残すと手燭と共に姿を消した。おそらく、彼女が審判を務めるのだろう。
緊張にとくとくと跳ねる胸を押さえ、深呼吸をする。
――大丈夫、大丈夫。あたしはくの一になるんだから。くの一に、なってみせるんだから。
心に言い聞かせ、廊下に膝をつけると、顔を伏せたまま静かに障子戸を開けた。
「失礼しま……」
どくん。
顔を上げた瞬間、心臓が強く跳ね上がったまま止まるかと思った。
――嘘。
夢だとも、幻だとも思った。だが、目の前で胡坐をかいて腕を組んだまま動かない男を自分は知っている。
知り過ぎる程に――知っているのだ。
忍たま長屋の一室、布団の敷かれた横で、燈台の明りに向かい合う男は振り返る事無く、
「遅いぞ、バカタレが」
と背後のそうこに向け言葉を放った。
******
山本シナ先生は存在自体がやらしいと思います。
今回はここまで。すみません続きは一週間ほどかかります。
あと三回スレをお借りします。寝取り・寝取られ描写あり注意。
結構重めですが、宜しければお付き合い下さい。
うわー続き来てた!!激しくGJ!!
鉢屋wwやってくれるなw
シナ先生そこはかとなくエロス
それにしても文章力がすばらしいですね
GJGJGJ!!
ユキちゃんと鉢屋が凄く良かった
本当に文章が上手くて羨ましい……
キャラクターの動かし方も、あぁコイツは本当にこういうこと言いそうだよなしそうだよなって全員に思える
次の投下も心から期待してます
あと自分の竹谷オカズ妄想使ってくれてありがとうwwww
すごい読み応え…!
一気に読んでしまった
エロの有無にかかわらず、本当に物語として面白いね
続き楽しみに待ってます!
うおお・・・。思わず声出してしまいました。
GJ。まさに神!!物語としても面白く、また描写も素晴らしいです!
てか竹谷wwwwww
続き、待ってます。
寝取られに期待!!
おおおこれは良作だGJ!!!
鉢屋とユキちゃん!!!この二人の絡み予想外にいいな
文章力ももちろんだけど人の動かし方が巧み
頑張ってください!
超GJ!!!
話、文章、キャラの立ち方、全てが素晴らしい
続きが本当に楽しみです!
485 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:47:30 ID:CRMcQzmu
竹谷と久々知をありがとう!!!!!
本当に巧くて惹きつけられるよ・・・・。
竹谷がもう中出しキャラにしか見えなくなったwwww竹谷最高だ!!!
鉢屋とユキちゃんのフラグにときめいた。
わーわー
好き過ぎる!
シナせんせに直談判しにいく文次郎w
かっこ良いな!
今後にマジで期待する!!
一週間ハァハァしてるから!
>>467 GJ!
鉢屋がスパイスきかせてて大好きです。
そこはかとなく薄暗い雰囲気がいい感じ(ほめ言葉)。
しろべの人>
寂しいです。
お待ちしております。
なぜだろう…エロくもなんともない食満×トモミを書いてしまったんだけどエロなしはやっぱりスレチ?
作品がない訳でもないからねー
過疎なら風を入れるためになんでも歓迎になるけど
一回エロ無しOKすると次から普通に許可スレになる。
続き物にして次回はエロに続きます!ならいいのでは
じゃあ今はやめとくよ
ありがとう
>>490さん
エロパロ板にも『エロくない作品はこのスレに』(すみません検索お願いします)
というスレがあるので、そちらに落として誘導という手もあるかと。
>>488 個人的には凄く見たいw
どこか別の板に落として誘導してくれたら嬉しいな
ご、ごめん…うっかり消してしまった…
今度エロ込みで書き直してみるよ
みんなありがとう
自分も食満×トモミという新しい試みは凄く見たい。
>>494 消しちゃったのか、ドンマイ。
496 :
きり×トモ:2008/09/14(日) 23:27:44 ID:KPNYLUoy
十五夜に間に合え自分!!!と言うか慌てて書いてたら視点が定まりませんでした。ごめんなさいいい。
告白をしたのはどちらともつかず。相手の手を握ったのはきり丸で、初めての口付けはトモミから。
なんやかやで付き合っている二人だが、昼間はお互いの友人たちといたずらしてたり喧嘩してたりとせわしない。
そんなトモミは時折、きり丸がアルバイトをして長屋へ戻る頃に合わせるように、そっとくのいち長屋を抜け出して逢瀬を重ねていた。
今夜も丸い月が照らしている夜道を走り込むと言う名目で出かけ、一応軽く走った後にそれよりも浮かれたような足取りできり丸が通るであろう道の脇にあった石に腰掛ける。
ほどなくして、駆け足の音が聞こえてきて、待ち人がやってくるのを見遣ると、片手を軽く振り、立ち上がる。
「今夜は早かったのね」
「うん、まぁね。バイト先のおばさんがさ、お月見の団子を持たせてくれたからトモミちゃんと食べようと思って急いでみた」
「あら、嬉しいわ。売りに出さないでくれたのね、ありがとう」
からかい半分で笑いあい、落ち合った場所から少しだけ山道を歩いていつもの逢瀬の場所と言う野原へ移動する。
「あ、美味しい。本当に持ってきてく
497 :
きり×トモ2:2008/09/14(日) 23:33:28 ID:KPNYLUoy
トモミが先ほどまで背中を預けていた木の幹に手をつき、きり丸へ尻を向ける。着物の裾から手を差し入れ、ふくらはぎ、太腿と指を這わせながら一緒に着物をたくし上げる。
白い双丘がきり丸の目の前に現れると、その中央はしっとりと潤んでいた。
「や、ちょっとそんなに見ないでよ、きり丸!」
「じゃあ、見ないで味わう」
「何そのへりく…っ、あ、やぁ…っ」
きり丸はトモミの尻と太腿を交互に擦り上げながら、潤んだ箇所の、泉が湧き出てくる処を舌先でなぞる。合わせ目のぷっくり膨らんだ豆も転がし、トモミの体を追い上げる。
「…いい?トモミちゃん」
幹を掴む力も奪われそうになりながらゆるゆると顔を後ろに向けると、きり丸が自分の着物をはだけさせて、臍まで反り立ったものを自分に当てていた。
「…うん、欲しい、ちょうだい、きり丸」
くぷ、と先が入り、トモミから溢れる蜜ときり丸の先走る蜜がくちゅっと音を立てながらきり丸を奥まで誘う。
繋がりを深めながら、きり丸が緩んでいたトモミの帯を地面へ落とし、しっとりと汗ばむ柔らかい胸を少し強めに揉みしだく。
小さく声を上げるトモミをさらに追い上げようとするのか、きり丸の舌がトモミの耳たぶをつぅっとなぞり、奥まで挿し込んだ一物をゆっくりと抜き出す…振りをしてまた最奥へ打ち付ける。
抜いて、打ち付けて、胸を弄っていた指が結合部分を擦り、傍の豆をはじき、後ろの菊穴の周りをなぞり、トモミが反撃できないよう攻撃を緩めないように思う様貪って。
実際トモミはきり丸の緩急をつけた動きに翻弄されて、本能のままゆるやかに膣を締めるしかできず、忍んでいた甘い声が悦楽に溺れ周りを憚らない大きな嬌声に変わっていく。
きり丸の少々一方的な動きは小さな悲鳴と脈打つ股間から迸った精がトモミの尻をぺたりぺたりと汚して一度収まった。
「あら、美味しい。本当に持ってきてくれてありがとう、きり丸」
柔らかくてほんのりと甘いお団子に顔を綻ばせるトモミに得意気に笑い返すきり丸。と、包みを見るとお団子が残り一つになっていた。
「…トモミちゃん、食べなよ」
「そう?…って、きり丸も食べたそうじゃない。ほら、半分こしよ?」
トモミはそう言って半分だけ口に咥えてきり丸の目の前に顔をやる。一瞬たじろいで、辺りをきょろきょろ伺ったきり丸が、トモミの肩に手を置いてそっと口を近づける。
軽く唇が触れ合ったが、二人ともすぐに顔を背けて肩をふるわせる。
「…お団子はもっちりしすぎて飲み込むのが大変ね」
「…だね」
くすくすと小さく笑っていたが、きり丸の「じゃ、続き」と言う合図で先ほど触れ合った唇を再度重ねる。今度は団子ではなく唇の、そしてその奥の舌の柔らかさを堪能して。
ぴちゃぴちゃと音を立ててお互いを確かめながら、4本の手は相手の体を柔らかく擦り、気持ちを高める。
…コピー漏れorz
499 :
きり×トモ3:2008/09/14(日) 23:46:16 ID:KPNYLUoy
そんなに急いじゃって。仕事で疲れたでしょう、今度は私が動くからと、トモミはきり丸を座らせ、その上にゆっくりと跨ぎ、まだ張り詰める肉茎に手を添えて、己が中に招きいれ、ゆっくりとした動きで腰をくねらせる。
はぁ、と気持ち良さそうに喘いだきり丸は、腕にかかっただけのトモミが纏う着物をするりと脱がし、柔らかな腰に手をあて、下から波打たせるように動きを合わせていく。
…ああ、この動きが好きなの。いつもはつんけんしているのに、こういう時はいろんなものを与えてくれるんだから…と、くすっと微笑みかけて。
不意にきり丸の動きが止まる。不思議に思ったトモミがきり丸の顔を見下ろすと、呆然とした顔をトモミに向けている。
と、汗ばむ胸元に顔を引き寄せ、背中に回した腕の力を強めてきつく抱きしめた。
「き、きり丸?どうしたの!?」
「…いっちゃ、いやだ」
「え?」
「月に、帰るな」
「…きり丸?」
いやいやをする子どもの様に胸に顔を埋めたまま首を振るきり丸を少し困惑して見下ろしていたトモミの肌に熱いなにかが落ちる。
…涙?泣いてるの?きり丸。
500 :
きり×トモ4:2008/09/14(日) 23:58:17 ID:KPNYLUoy
「…ねぇ、月、って『竹取物語』の事かしら?」
触れるか触れないかの強さできり丸の頭と背中をあやす様に撫でてやる。しばしの沈黙の後、か細くきり丸が応えた。
「放課後にさ、図書室の本を整理していて、『竹取物語』をぱらぱらっと読んでて…」
「…あたしがなよ竹って?」
こくん、と首が縦に動く。
「月明かりに照らされてたトモミちゃんが、すごく、綺麗だったから。月に連れて行かれるんじゃないかって、俺、怖くなったんだ」
まだ涙が目の端で光っているのが見えたが、気付かない振りをして頬に軽く口付ける。
「…行かないわよ」
「え?」
「行ける訳ないじゃない。こんな太い楔打たれてるのに、どうやって行くのよ」
いたずらっ子のように微笑むと、膣をきゅうっと締め上げる。きり丸がひっと小さく悲鳴を上げるのを楽しげに笑う。つられてきり丸も照れた笑顔を返す。
「月なんかに行くつもりはないわ。あんたがイカせてくれる?」
「…お望みのままに、お姫様」
きり丸は片目を軽くつぶっておどけてみせると、脱ぎ散らかした着物の上にトモミを横たわらせた。
太腿を冷たい手でさすり上げながらトモミの一番悦ぶ位置へ雁首を合わせ、まずは緩やかに、徐々に掘り起こすようにうねりを加えていく。その激しさは繋がった処の水音の淫靡さでお互いをさらに高めていく。
嬌声を上げ続けるトモミもきり丸が与えてくれる快楽を貪るように腰をくねらせ、一緒に果てられるように不規則に、しかし確実に一物をきゅうきゅうと締め上げ搾っていく。
お互いに一際高く声を上げ、荒く呼吸を繰り返し汗だくになりながら顔を見つめあう。
「好きだよ、トモミちゃん」
「先に言われちゃったのは悔しいけど、私も好きよ、きり丸」
ようやく抜かれた楔を眺め、夜気に素肌を晒しながら、トモミはきり丸をふんわりと抱き寄せた。
…絶対言葉にしてあげないけど、私はあんたを一人ぼっちになんかさせないんだから。
おわり
PCが書き込み許してくれなかったので、携帯へメール、コピペの繰り返しで手間取った挙げ句に貼ったつもりで抜けが…。
お手数ですが、脳内補完をお願いいたします。
満月の日にやりたくてやった。でもあまりの拙さに綾部に穴掘ってもらおうと思います(二重の意味で)
では名無しに戻りまっす。
>>496 GJGJ!!
ちょっと強気なトモミちゃんかわいいよトモミちゃん
エロいのになんか和やかで萌えたw
おお〜ラブラブきりトモ、GJです
トモミちゃんもきり丸も可愛くてキュンとした!
>「行ける訳ないじゃない。こんな太い楔打たれてるのに、どうやって行くのよ」
この台詞がなんか気に入った
二人の対等なかんじとか、ちょっと甘え気味のきり丸とか、
すごくそれらしくて自然だったよ
つ ヒサヤ大黒堂
綾部はあんな顔してでかそうなイメージがあるので…
頑張れw
慣れと初々しさの間位の二人がなんとも胸にぐっとくるGJ!
ちょっとお姉さんぽいトモミちゃんと駄々っ子みたい(→心許している
現れだと思いました)なきり丸のやり取りが、不意に恋人になる瞬間の
空気が好きだなー。季節モノご馳走様です!
GJくださった皆様ありがとうございます!
投下後に表現の足りないあれやこれやに潮江ばりに頭を打ち付けてましたが、お察しくださってありがたい限りです。
「行ける訳ないじゃない〜」のくだりがまず浮かんで肉付けした話だったので気に入ってくださって感謝です。
ヒサヤを懐に頑張りますw
綾部は前を指と道具で責めながら、後ろにだけ突っ込んできそうなイメージw
では、再度闇夜に埋もれて…って今、まっ昼間。
昨日、エロくもなんともない食満トモ書いたよ!って話してた奴です
エロ込みで書き直してみたので投下してみます
期待しないでね!
食満留三郎様へ。
本日放課後、用具倉庫の前まで来られたし。
その日、食満留三郎は生まれて初めて果たし状というものをもらった。
正しく言えば部屋の机の上に置いてあったのだ。
しかし留三郎には身に覚えがまったくない。
思い当たるのは喧嘩仲間の文次郎くらいだが、あの男だったらこんなに面倒臭い真似はしないだろうと考えていた。
「食満先輩!」
留三郎はかん高い声に名前を呼ばれ、振り返るとそこには一人のくのたまがいた。
どうやら走ってきたらしく、息を切らしている。
「えーと、君は……」
「トモミです、トモミ。そうそう、そんなことより!」
来てくれたんですね!
大きな瞳を輝かせながら嬉しそうに話すトモミに、留三郎は一瞬混乱する。
来てくれたんですねと言われても、俺が待ってるのは果たし状の差出人で……と、そこまで考えてやっと気が付いた。
「あの果たし状、お前だったのか?」
トモミはにっこり笑いながら、はい、と答えた。
てっきり同い年の六年生か、少なくとも五年生が相手だろうと思っていた留三郎は驚くばかりだった。
まさか十一歳の、しかも女だとは思いもよらなかった。
ふふ、とトモミは愛くるしい笑みを浮かべている。
「食満先輩、私が勝ったら私のものになってください!」
「はあ!?」
508 :
食満トモ2:2008/09/15(月) 17:47:22 ID:3zL1NQpM
さらなるトモミの爆弾発言に留三郎は間抜けな声を漏らした。
それなら初めから恋文を寄越せばいいのに、なんとも回りくどい。
トモミもまた武闘派だから、そういうことには疎いのかもしれないが。
留三郎は一応告白された形になるというのに、そんな実感はまるでないのだった。
「では、行かせていただきます!」
そう言うやいなや、トモミはいきなり回し蹴りを繰り出した。
しかし留三郎はそれを後ろに退がって避け、間合いを取る。
「おい、ちょっと待て!」
「待ちません!」
留三郎の制止などお構いなしに、トモミは懐から縄標を取り出した。
留三郎はとりあえず逃げようとした、のだが。
ヒュン!
「逃げないでください!」
トモミの縄標に左手を搦め捕られてしまい、内心で舌打ちをする。
面倒事は嫌いなのだが、何せくの一は執念深い。
この場合、トモミに負けを認めさせた方が楽だと考えた留三郎はトモミに向き直った。
「降参しますか?」
「誰がするか」
509 :
食満トモ3:2008/09/15(月) 17:48:52 ID:3zL1NQpM
留三郎が縄標の絡まった左手をぐいっと引くと、逆にトモミがバランスを崩した。
歳にも性別にも差があるのだから、当然力にも差がある。
留三郎はよろめいたトモミの右手首を用具倉庫の外壁に左手で押さえつける。
今度はトモミが驚く番だった。
トモミは自由な右手で必死に抵抗するがあまり意味をなさない。
「は、離してください!」
「断る。果たし合いだろ?」
留三郎が口をトモミの耳元に寄せてそう言うと、トモミの体がわずかに震えた。
予想外の反応に留三郎の口角が自然と上がる。
「もしかして、耳弱いのか?」
「やっ、喋んないでくださっ……!」
「お前が降参するならやめてもいいぞ」
「しませ、ん……っ!」
ふうっと耳に息を吹き掛けるとびくっと押さえつけている体が跳ねた。
トモミの耳は真っ赤で、見るまでもなく顔も赤いだろうことがわかる。
「くの一のわりには純情なんだな」
「ふ、やあ……っ」
留三郎はぐいぐいと留三郎を押して抵抗してくるトモミの右手を欝陶しく感じ、右手首も左手で掴み、トモミの頭上でまとめた。
「これでも降参しないのか?」
「し、しま、せんっ……」
武闘派、おまけに負けず嫌い。
まるで誰かさんのようだな、と思いながら、留三郎はにやりと笑った。
510 :
食満トモ4:2008/09/15(月) 17:49:45 ID:3zL1NQpM
「じゃあ仕方ないな」
降参するまでやめないからな、と留三郎が告げると、トモミは怯えたような顔になった。
もっとも、それは留三郎のやる気をより上げるだけだったのだが。
「ひゃ、あんっ!」
留三郎は真っ赤になったトモミの耳を食み、そこに舌を這わせた。
ぴちゃぴちゃという水音がダイレクトに聞こえる。
なんとか逃れようと首を振るが、留三郎の舌はしつこくトモミの耳を嬲る。
「せ、せんぱっ、もうやめ……っ」
「降参するか?」
留三郎は耳に舌を這わせたまま意地悪く尋ねた。
息を吹き掛けられるのとはまるで違う、生温かくて濡れた柔らかいものが耳を伝う感触。
そういった経験の浅いトモミは得体の知れないむず痒さに溺れないように必死だった、が。
「降参するっ、降参するからあっ……も、やあ……っ」
それを聞いた留三郎はあっさりと耳から舌を離し、トモミの拘束を解いた。
ずるずるとへたりこむトモミの息はまだ荒い。
耳だけなのに、たかが耳元で囁かれて舐められただけなのに。
言いようのない羞恥がトモミを襲い、顔の赤はなかなか引かなかった。
511 :
食満トモ5:2008/09/15(月) 17:50:37 ID:3zL1NQpM
「さて、と」
「えっ……きゃっ!」
留三郎はそんなトモミを両腕に抱えた。
いわゆるお姫様だっこだ。
「それじゃ続きは俺の部屋でするぞ」
「え、な、なんで……!」
降参したらやめると言い出したのは留三郎の方だ。
留三郎は細い目をさらに細くしていやらしく笑いながら答えた。
「それは耳攻めの話だろ?」
だ、騙された……!
先ほどの敗北宣言を激しく悔やむトモミに留三郎はさらに追いうちをかける。
「勝ったのは俺だからお前は俺のもんだし。それに俺の息子がどんどん元気になってきたんだよな」
ああもう、なんでこんなことになったんだろうとトモミはぼんやり考えた。
自分はギンギンな会計委員長と互角に戦う留三郎に憧れて、ただお付き合いを賭けたバトルがしたかっただけなのに。
実はトモミにとっての重要性はバトル>お付き合いだったのだが、よもやこんなことになろうとは思いもしなかった。
「男ってみんなこうなのかな……」
「なんか言ったか?」
「いえ、何も……」
憧れは憧れのままにしておくべきだった、と後悔するトモミだった。
終わり
携帯からすみませんでした
しかもあんまりエロくなくて中途半端ダス
食満先輩の口調も性格もわからないダス
トモミちゃんが果たし状を、っていうのが書きたかっただけなんです
お目汚し失礼しました!
食満トモGJ!!
武闘派で純情なトモミちゃんにきゅんとしたよ
耳元で囁いたり舐めたりエロくてイイヨイイヨー!と思ってたら
最後の鬼っぷりがw
耳攻め御馳走様でした!
ぐうううううっじょおおおおおぶ!!!!
食満最後性格悪くてワロタwwwww
耳攻めプレイとは新しい発見。ご馳走様でしたw
ぐっじょぶです!
「勝ったら私のものに〜」
物凄くときめいてしまった
ニンタマでエロなんて考えもつかんかった
君たちは天の高みにいるw
>>516 エロパロへようこそ!
そんな貴方にはまとめをオススメするです
>>食満トモ
GJ!
食満の鬼いちゃんっぷりがw
竹谷のおかずが孕ませってのに噴いて、うっかり妊婦物が出来そうなんだ。投下は可能だろうか?
まあ、主役は竹谷ではないんだが……
大丈夫です。
楽しみに待ってます。
このスレでキャパが広くなりました。
連続ごめん。
ただし注意書きつきでお願いします。
ひゃあああん、しんべヱしゃまの肉棒が奥まで入ってくるうぅうぅ!!!
ちょwwwwおシゲちゃんw
そう言えばしんシゲ見た事ないな・・・
昨日書いた者です。投下します。
注意
・文次郎×そうこ
・要素薄いですが妊婦物です。嫌いな方はすぐにNGにしてください。
それでは開幕
524 :
妊婦物 :2008/09/17(水) 21:38:03 ID:EoNiDE2u
「いくぞー!!!ギンギーン!!!」
丸い腰を掴んでぐい、っと後ろから中に入る。ぎゅうぎゅうに締め付ける膣壁は、初めての交接からもう何年も経つというのに、感触は全く変わらない。
もちろん、自分の物だって衰えていない。むしろ磨きがかかってますます絶好調である。のぶっとい山芋を打ち込めば、彼女はもう、メロメロなのである。普段は。
「あー!!!だめだめぇっ!!後ろからはぁ!!」
床に顔を擦り付け、そうこは彼から離れようともがく。下に向いた乳が、ぷるんぷるんと柔らかく揺れた。
「どうしてだ?お前後ろからも好きだったんじゃなかったか?」
うりうりと回しながら尋ねる。後ろから突き上げ、最後は正常位で達するのがほとんどの二人である。そうこは首を振り、ゆっくりと文次郎の方を向いた。
「だって……赤ちゃんが苦しくなっちゃう……。」
腕を伸ばし、すこうし膨らんだ腹を撫でる。その顔はなんだか幸せそうで、わずかに母親の表情が浮かんでいた。
「その腹にいるのは本当に子供か?」
文次郎が言った途端、そうこの顔は、菩薩から般若に変わる。
「子供です!潮江先輩の!!」
「いや、そうじゃなくてだな。」
ぼさぼさの髪に覆われた頭を乱暴に引っ掻き回し、怒れるそうこの頬を宥める撫でた。
「お前、一年前に喰いすぎてえっらい腹が膨れたことがあっただろ?」
ぼこーっとさ、と手で動作をつけながら彼は言う。確かに、一年前、きり丸に頼まれて大食い大会に出たことがあり、そこまで膨れていた。
しかも運の悪いことに膨れた腹がまだ戻らぬ次の日に文次郎がやってきたものだから、一時妊娠を疑われた。
「また饅頭かうどんがつまっているんじゃないかと。」
「安心してください、ここにいるのは赤ちゃんです。」
今だ怒りが収まらないのか、唇を突き出してぷい、と床の方を向いてしまった。
文次郎は、仕方ないなと口の中で呟いて、ゆっくりと律動を始める。いつもなら小平太の穴掘りよろしく、ギンギンに中を進むのだが、今日は違うのだ。
「怒るなって。じゃあ俺も赤ちゃんにご挨拶しようかな。」
525 :
妊婦物 2:2008/09/17(水) 21:39:09 ID:EoNiDE2u
「ご挨拶って。」
ぐい、と中に進み、子宮の入り口に先端を当てる。最奥を弄られ、そうこの喉が小さく鳴った。
「あ、あの。」
「わかるかー息子ー!お父さんだぞー!!」
ちょんちょんと腰を前後に揺すり、亀頭を擦り付ける。びくん、と白い尻が揺れ、そうこは文次郎の方を向く。
「だ、だめですって、そんな、あ、刺激しちゃぁあ。」
「そう心配するなって。ほーれほーれ。」
じゅっぷんじゅっぷんと軽快な水音を立てながら、文次郎は腰を揺する。対するそうこは女としての本能と、芽生えた母親としての愛情とで心が激しく揺れていた。
中をたっぷり刺激されるのは嬉しいし、気持ちがいい。けれども、あんまり激しいと赤ん坊に影響があるかもしれない。
でも文次郎もずっと出張していて、と考えるうちに腰が自然と動いてしまう。
「お、やっぱり気持ちいいか。」
「だからぁあ、そうじゃ……ひぅっ。」
否定しても体はどんどん反応してゆく。雨模様に変わりそうな心情のそうこの体が、突然くるりと回った。
「へ?」
向き合った文次郎は笑う。気付けば男山芋は入り口の浅い所に移動していた。
「俺だって鬼じゃない。」
鉢巻巻いて、クナイをそこに挟んでギンギン言っていた、忍術の鬼が何を言う。
そう言いたかったが、珍しい顔が見れたのでそうこは許した。
入り口をぐりぐり回し、浅く出入りを繰り返す。高まった体にはゆるい刺激だが、それが心地よかった。
「またしばらく出るが、浮気なんかするんじゃないぞ。」
「するわけないでしょ、あ、あんたのしかはいんない位がばがばなんだからあっ。」
乳首を摘まれ、きゅう、とつぶされると、薄い乳汁がぷつぷつと生まれる。文次郎はそれをなめとり、口に蓋をした。
「じゅあもっとがばがばにしてやるからな。」
「しなくていいわよ……赤ちゃん、で、出る時になっちゃうからぁっ。」
きゅむきゅむ入り口が動いて文次郎のものを離すまいとくっつく。密着度が最高に高まっている中で、ころり、と豆を転がされそうこは声を上げた。
「アー!!!ダメっ!イッちゃう!!もうだめぇっ!!」
「まだだめだ!根性が足らん!って、おおっ!!」
暖かい内壁がぎゅう、と文次郎を揉み、彼もまた果てた。
「あー、よかった。あのまま後背位でやってたら、思わずぶん殴りに行く所だったよ。」
額に浮かんだ汗を拭い、伊作は安堵の息を吐いた。庭の木に仲良く五人、仲間のひさーしぶりの情事を眺めていたのだ。
「なんだ、あいつも意外ともたない。私だったらあと十分は突っ込んでいる所だ。」
「そんなことしたらあの子のほうが持たないだろうが……って、小平太、どうした?」
「んー?いやさ、あの子だけだったらおかずに出来るけど、文次郎がいるとどうしても……。」
「人の嫁さんをおかずにするなよ……。」
留三郎が小平太と仙蔵に吐くため息の音を聞きながら、長次は妊娠に関わる本の目録を黙々と脳内検索していた。
終わり
527 :
あとがき:2008/09/17(水) 21:41:49 ID:EoNiDE2u
本当は木下先生にしようかと思いましたが、色々あってやめました。
このような特殊嗜好のものを読んでいただき、ありがとうございました。
リアルタイム遭遇GJ!なんという親馬鹿文次郎…!甘甘っぷりにニマニマさせて頂きました。
そして出歯亀六年自重汁www
六年は仲良しなのですw
甘い文次郎珍しいね。
面白かった! GJ!!
前回訂正。♯18 誤:『時は無常なほど〜』→正:『時は無情なほど〜』他にも細かい間違いあるかも。
******
>>435-441 >>467-478 続き投下します。
今回ちょっと重め。寝取り表記あり注意。
「鉢屋はそんなこといわない」「久々知は以下同文」「潮(ry」とお思いの方、
『秋風夜伽話』でNG登録&脳内スルーが吉です。
******
*其の三*
――すみませんね。優しくしようって思ってたんですけど、出来ませんでした。
ばちん、と重い珠を弾く男の手が、止まる。
顔を上げ、色濃い隈を湛えた目で言葉の主の顔を見るが、相手は人当たりのよさそうな顔に不似合いのニヤついた笑みを崩す事なく、
言葉を続けた。
――いや私も他人の、それも先輩の彼女なんだから、遠慮する気持ちってのはあったんですよ?
――でもまあしょうがないですよね。試験ですし。
――だから、先輩の顔で相手をしたのは、私からの手心のつもりだったんですよ。バレちゃいましたけどね。
男は、何も語らない。
――何度も、先輩に謝ってましたよ。ぽろぽろ涙流して。ごめんなさいごめんなさいって。
――それでも体は濡れ続けて、私の下でやらしく腰振ってましたけどね。
――何に対しての謝罪だったんでしょうねぇ。試験だと、割り切れなかったんでしょうかね。
じゃこっ、ざああぁっ。算盤珠の重さを悟らせないほどの滑らかな動きで、男は先程まで続けていた計算を『ご破算』とした。
そして、ずっと結んでいた唇をゆっくり開け、言葉を紡ぐ。
「茶番はその位にしろ。鉢屋」
*
――経験は人を変えるというが、ならば性体験は人の心持ちを、これほどまでに変えてしまうものなのだろうか。
房術試験一日目の夜が明けた食堂で、忍術学園五年ろ組・竹谷八左ヱ門は、隣席に腰掛けちまちまと朝食を突付く男の姿を横目に物思う。
一足先に『大人の階段昇った』隣席の男――五年い組・久々知兵助は、大鉢に乗った冷奴――『豆腐小僧』の渾名を持つ彼の為に造られた
特製冷奴である――の表面を、まるで削ぐような箸使いで少しずつ崩しながら、口に運んでいる。
朝から冷奴って、と突っ込むのは遠い昔に止めた事だが、それほどまでに好む豆腐すらわずかにしか口にしない級友の姿は、何とも妙だ。
「…何があったんだろな」
肘で、もう片方の隣席に座る五年ろ組・不破雷蔵の背を突付き小声で問うが、雷蔵は、へ? と抜けた声で返すばかりだった。
どうも『味噌汁と飯のどちらから先に箸を付けるか』で迷うのに夢中で気付かなかったらしい。
――そういえばコイツも試験はまだだっけ。
「や、何でもない」
短く答え、がつがつと一気に飯を頬張る。
食の進みの遅い両隣に挟まれた竹谷は食後の茶を一杯喫し、おもむろに目前の醤油差しに手を伸ばした。
「兵助、味付けも無しに豆腐食って美味いか?」
竹谷にとってはほんの親切心のつもりだったのだが――醤油を冷奴に垂らした瞬間、
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーっ!! なんて事すんだ俺のおっぱい豆腐がぁーーっ!!」
という久々知の、世にも間抜けな絶叫が食堂にこだました。
「ぶふぅっ!!」
口に含んだ味噌汁を盛大に噴くのは、苦心の末ようやく迷いの森から抜けた雷蔵である。
「……は?」
――お、おっぱい豆腐?
絶叫の余韻が残る耳を押さえ、竹谷は大鉢を見た。
醤油でうっすら色付いた冷奴は、まだ歪さを残しているが、球を半分に割ったような形に削れ、見ようによっては――見えなくも、無い。
「げほっ! へ…兵助なに朝からバカな事言ってんだよ」
涙目で問う雷蔵に、久々知は別の意味で涙目になりながら、バカな事じゃないっ! と怒鳴り返す。
「俺は昨日見た! そして知ったんだ! …あの目に涼やかな白さ、仰向けになっても崩れずに、突付けばふるりと揺れる質感、滑らかな
舌触り、そして舌にほんのりと残る甘さと温かさ…あれこそ、俺が求めていた究極にして至高の豆腐! …つまり、豆腐の本質っていうのは、
おっぱいの中にあったんだよ!」
な、なんだってー!? ――などと返すノリの良さを持つ気は、あいにく二人共無い。
「…なあ、性格って試験前と後でこんなに変わるものなのかな?」
「俺に聞くなよ。…ちょっと心配になってきたな」
目頭を押さえ愚痴をこぼす二人をよそに、久々知の『おっぱい豆腐』に対する熱弁は続く。
「ああ…出来るものならもう一度、あの味を堪能したい! あの質感を! あの柔らかさを! お前等だってアレを体験したら目覚める筈だ!
おっぱい豆腐というモノがどれだけ素晴らし」
「朝からおっぱいおっぱい連呼してんじゃねぇーーっ!!」「ていうか食べ物で遊ぶなーーっ!!」
がちゃーん、と食器の割れる音が響く食堂。その入口付近では、踵を返す二人組の姿があった。
「…なんか、朝ご飯食べる気無くなっちゃったから、私帰るわ」
「確かにヒドいね…ところでさっきの人の相手って誰なのかな」
食堂から離れ行く花色装束二人組の片方の呟きに、もう片方の顔全体に赤味が差す。
「猪々子ちゃん…? ひょっとしておっぱ「みかちゃん、それ以上言ったら絶交だからね」
君のおっぱい豆腐は醤油味――頭に大きなタンコブを作り、久々知兵助はそう言い残して倒れた。
「……こ…コレでも、マシなっ、方、だと、思えよ!」
ヒビの入った大鉢を握り、肩で息をしながら竹谷が返す。
「そうだよ。三郎が聞いてたら、こんなんじゃ済まなかっただろうし」
渋面で、味噌汁と飯を混ぜた味噌水(みそうず)仕立ての朝食を口にし始めた雷蔵の言葉に、はたと気付く。
「おお。そういや三郎は? アイツ最近なんか調子悪くなかったか?」
『千の顔を持つ男』――五年ろ組学級委員長・鉢屋三郎の姿が朝から見えない事に竹谷は、長屋で同室の雷蔵に尋ねた。
雷蔵はちょっと考えた顔をして、この間ずぶ濡れで長屋に戻った時から変だったよ、と答えた。
「妙に塞ぎこんでさ。…試験の相手が相手だっただけに、僕もあんまり口出せなかったけど」
「………」
「昨日、試験が終わってから部屋に帰ってないんだよ。…何やってんだろうねアイツ」
*
ばちばち、ばちばちばちん。
忍術学園教科棟の一角から、何かを弾く音が漏れる。
重々しくも調子を刻んで響くそれを、『算盤珠が弾かれる音』だと初めて耳にする者が勘付くのは難しい、と人は言う。
通常、パチパチと軽快に鳴る筈の算盤珠が、何故に指弾でも放つかが如き音を立てているか――答えは部屋の中にあった。
入口に『会計委員会』という札の掛けられた一室の中では、一人の男が朝になっても尚燈台の灯を消す事無く、帳簿を片手に
算盤を弾き続けている。
手にした算盤の大きさは通常とさほど変わらないが、重さは十キログラムと算盤にあるまじき重量を誇る。
枠や梁だけに飽き足らず、珠の一つ一つにまでみっしりと重みの詰まった算盤は、使いこなすには単純に手指にかける力が
必要なのは言うに及ばず、算盤本来の目的――潤滑な計算の補助――を遂行させる為、指先の細やかな動きも求められる。
結果、指が珠を弾く度、鈍く詰まった音と軽妙な調子という珍奇な取り合わせが奏でられる訳である。
これがどういう形で実益をもたらすかは、会計委員の中でも疑問視されているところであるが、口に出すのは憚られた。
こんな非実用的な算盤を作りださんとする男は忍術学園広しと言えども、一人しか居ない。
今、算盤を弾く『地獄の会計委員長』――六年い組・潮江文次郎は、筋金入りの鍛練バカであった。
片手で重い算盤珠を弾きながら、もう片方の手で帳簿を捲る。
墨を塗ったかのような色濃い隈に縁取られた三白眼の瞳は、帳簿上の数字をせわしなく追っている。
そんな、殺人でも犯しそうな形相で重い珠を弾き続ける文次郎に、ひたり、と微かな足音が近付いていた。
「………」
足音は小さいながらも気配を隠そうとしない者の存在を、文次郎は勘付いていたが、あえて黙殺し計算を続けていた。
ばちばち、ばちばちばちばち。
「もう朝なんで、燈台の灯位消したら如何です? 会計委員長」
「手が離せん」
戸の向こうから掛けられた声に、珠を弾く指を止める事無く文次郎は返す。
用があるなら入れ――言葉の裏に隠れた意味を察したか、声の主は戸を開けた。
直後、男の眉目がわずかに歪んだのは、床に山ほど帳簿を積み、淀んだ空気が漂う狭い会計委員会室に対して思う事があったか、
それとも主と化した文次郎に対してか。
文次郎は気にする事無く、計算を続ける。
「一晩中帳簿計算なんかやってたんですか? 何て言うかまあ、『燈台鬼』みたいになってますよ潮江先輩」
歪んだ眉目もそのままに、呆れたように『平家物語』に出てくる人間燈台の挿話を挙げ、軽口を叩く男。
その顔は、ついこの間文次郎が図書室で会った五年と同じものだったが、声が違う。目の奥に宿る気配が違う。
何より――あの五年には無かった、不遜な態をこの男は持っている。
「悪いが、口を閉ざす気は俺には無いぞ。…それより何の用だ鉢屋。言っておくが、見ての通り俺は手が離せん」
下級生が秋休みで暇を取っている現在、ともすれば滞りがちな会計委員の仕事をこなせるのは文次郎一人しか居なかった。
故に、文次郎は夜通しで分厚い帳簿の計算を行っている次第だった。
「燈台の灯を消しに来たというならさっさと消して帰れ。会計に関係ある話なら聞かんでもないが、学級委員長委員会とかいう
ふざけた名前の所のたわけた雑費に関しては、問答無用で却下だ」
長々と喋りつつも、重い珠を弾く手は止めない。
「先輩も、昨日試験じゃなかったんですか? 随分元気な事ですが」
灯を消しながら問う男に、中止になった、と憮然とした表情のまま文次郎は答えた。
「へえ? 中止?」
「世間話をする気も無いんだがな。…六年にもなって自重できんバカタレが一人居た。それだけだ」
牽制しつつ内情を話すのは、どうも文次郎の癖らしい。
鉢屋――五年ろ組学級委員長・鉢屋三郎はそんな文次郎の返答を耳に困ったような笑みを浮かべ、帳簿の積まれて無い場所を捜し、
腰を下ろした。
「委員会の事でも、世間話って訳でもないんですけどねぇ」
口端の笑みはそのままに、三郎は軽く息を吸い、そしてこう言った。
「すみませんね。優しくしようって思ってたんですけど、出来ませんでした」
ばちん。珠を弾く手が、止まった。
*
ゆっくりと振り返り、影の伸びる先を見る。
綺麗だ――と、その娘に対し三郎が思ったのは、下ろした髪や薄化粧や、全裸に近い淫らにも艶やかな衣装に対してではない。
障子戸に手を掛けたまま動かない、彼女の表情にあった。
扁桃型の目は大きく見開かれ、燈台の灯を映した瞳は、わずかに潤んでいるようにも見えた。
紅が引かれた半開きの唇は震え、何か言葉を紡ごうとしているが、喉が上手く震わず、声が出ないようだった。
燈台の前に座る己の影が邪魔して見づらい唇を、三郎は目を細め読み取ろうと試みる。
――お、ん? う? あ――そ、ん、な――だろうか。
多分、自分の予想は外れていない。
何故ならば。
「……何ボーっとしとるか。入るならさっさと入れ」
何故ならば、彼女の前に居る男は、鉢屋三郎であって鉢屋三郎ではない。
自分の今の姿は、彼女――そうこの恋慕う男、潮江文次郎であったのだから。
例のくのたまが喋ってしまうのでは――という危惧を抱かなかった訳ではないが、三郎は敢えてこの顔で試験を受けることにした。
理由は二つ。
一つは、それでもそうこを騙せる自信があったから。幸い、直情的で裏表の無い――有り体に言えば『分かりやすい』――性格を持つ
潮江文次郎は、自分にとって変装しやすい分類の人物だった。
『千の顔を持つ男』の異名は伊達に手にしてはいない。
そしてもう一つは――あのくのたまは、彼女に打ち明けられないような気がしたから。
明確な根拠の無い、勘任せの理由だが。
しかし、結果として目の前の少女は――自分をかの想い人だと思い込んでいる。
三郎は半ば博打染みた勝負を仕掛け、勝利を収めた訳である。
「先輩…が、相手だったんだね」
「厳正かつ公平なクジとは聞いていたんだがな……どうも穴があったらしい。厳正が聞いて呆れるわ」
耳の裏を掻き、一つ溜息をこぼす。
「それより何だその格好。…いくら試験とは言え、お前がするには十年は早いぞ」
あくまで今の自分は『潮江文次郎』である。
自分の考えと裏腹なのは承知で、三郎はさも文次郎が言いそうな台詞を吐いた。
「ちょっと、十年は無いんじゃないの? …そりゃあたしだってあまり似合ってないとは思うけど」
言葉に、そうこは頬を膨らませ不平を漏らした。
「そう言えば、文次郎先輩はこういう格好してないんだ」
ひょいと覗き込み、燈台に照らされた浴衣姿の自分を見るそうこに、バカタレ、と悪態を吐く。
「男がそんなみっともない格好出来るか」
「えー不公平」
「何が不公平だ。大体そんな格好見たいかお前」
想像したらしい。ぷっ、と噴き出したそうこの笑顔に、思わず自分の頬もわずかに緩む。
徐々に緊張感がほぐれていく彼女の様子を目に、三郎は内心で安堵しつつも、腹の底でふつりと沸き立つ高揚感を覚えていた。
――おいおい、逸るなよ私。
ごまかすように燈台に手を伸ばし、灯心の火を静かに消す。
そして――そのまま、三郎は闇の中、そうこの体にゆっくりと覆いかぶさった。
「あ……」
「下らない話はその位にせんと、審判が痺れを切らすぞ。……お前も俺も戯言をぬかしあう為に、ここに居る訳じゃないだろ」
「う、うん。…でも、明り消して大丈夫なのかな。……先生、見づらくない?」
――何を考えてるんだこの娘は。普通逆だろ。
三郎は思ったが勿論口にしない。どうも観点が市井の娘とは少々ズレているらしい。
あの男と彼女がどういう行為をしているのかが藪の中なだけに、ひょっとしたら自分の考えの及びつかない致し方をしているのでは、
という気にもなる。
「お前忍術学園の教師をなめてないか? 向こうだってその位承知で審判を下すに決まっとろうが」
「そっか。…そうだよね」
気を取り直し、白粉の甘い香りが漂う首筋に軽く唇を付けながら、薄衣の帯を解く。
耳殻に舌を這わせれば、熱を孕み始めた吐息が己の耳にも纏わりついてくる。
固い張りが潜む、まだ青い乳房をやわやわと揉めば、肌はうっすらと汗が浮き始め、程なく先端が芯を帯びてきた。
「んっ…は、あ、あっ…」
「随分甘ったるい声だな」
――恋人でもない男に、聞かせているんだよ。
「やっ、聞いちゃ…だ、め」
「口を塞ぐな。『符丁』を言えない状態に持ち込むのは反則だぞ」
――知ったらこの娘、私の事をどう思うだろう。
「くっ、はっ、あ、や…そこっ、しちゃやぁっ!」
――悲しむ? 憎む? 憐れむ? どの感情を私に向ける?
考えただけで果てちゃいそうだな。
そうこの薄衣を完全に脱がす事無く、三郎の舌は耳から鎖骨、胸を通り抜け、臍下の淡い陰りへと辿り着こうとしていた。
「何が嫌だ。…随分濡れとるようだが」
口を離し、指先でほころばせるように、彼女の熱く潤んだ性花をなぞる。
障子越しの月光しか届かない薄闇の中、蜜を絡ませた指が立てるわずかに粘ついた水音が、否が応にも二人を昂らせていく。
「や…だって、だっ…て、あたし、ばっか…されて」
「先手必勝だバカタレ」
ちゅぷんっ。「ひゃうンッ!」
言い返し指を一度、門渡りから実の上まで乱暴になぞり上げると悲鳴にも似た声と共に、そうこの身体が大きく脈打った。
――随分とまあ、感度の好い身体だことで。これもまた、あの男との情交の末か。
唇を女陰に近付け、芯からとろとろと溢れる蜜を三郎は、芯に挿し込む舌にも絡ませた。
「はあぁ……やぁ、だめ、せん、ぱ」
汗の浮いた太股を持ち、喘ぎに呼応するかのように蠢く柔襞に口を付け、熱い蜜を啜る。
「……っ!!」
包む薄皮を舌先で剥き、赤く熟れた実をくすぐる度、太股を持つ掌に筋が引きつる動きが伝わってくる。
――そろそろ、かね。
啜っても啜りきれないほど蜜を溢れさせるそうこの性花から口を離し、唇を舐めながら三郎は心中で呟いた。
既に自分の準備は整い、下穿きの中で天を仰ぐ自身が、今か今かとその時を待ち侘びている。
――焦るなって。一応、『試験』なんだから。
「……さて、答える気になったか?」
荒い呼吸音が部屋中を埋め尽くす中、三郎が立てる衣擦れ音が冷たい響きを伴って、二人の心持ちを決定付ける。
「や…だ。絶対、ぜっ、たい…言ったりなんか、しないんだから」
――そう来なくちゃ。
「強情だな」
ひゅおっ、と、喉が空気を吸い込む音が三郎の耳を突き抜けた――刹那。
「……あぁあああっ!!」
「くっ……!!」
二人の身体は、一つの塊となった。
「あ、あああ、はあぁ……っ!」
うねるそうこの柔襞が、わずかに痙攣を起こしている。どうも軽く達したらしい。
――挿れられただけで気を遣るなんて、敏感にも程があるな。
だからといって始まったばかりの行為を止める気など、三郎は欠片も持ち合わせていない。
時に叩きつけるように、時に掻き回すように、浅く深く腰を遣い、泥沼に似た快楽の深みへと少女を誘わんとしていた。
「はっ、言え、口にせん、と…っ、終わらんぞ」
「くうぅっ、ううう、う…ふぅっ!」
片方の腿を持ち、更に奥――胎の口に鈴口がめりこむまで腰を押し付ける。
突き上げる衝撃にそうこは髪を振り乱すが、唇は噛み締めたか、唸るような吐息を漏らすばかりだった。
肌のぶつかる音と、吐息と、粘ついた水音が二人を包み、昂りを更に加速させる。
吐き気がしそうなほどの快楽に三郎は、『素の声』を漏らさないよう神経を遣うだけで精一杯だった。
剛直を抜き挿しする度に、ねっとりと絡む熱くぬめった肉が、恋しい男の精を搾り取ろうと懸命にうねりだすのを感じ、三郎の内で
狂喜にも近い感情がこみ上げてきた。
――君は、同じ顔なら、同じ声なら誰でも構わない娘なんだねぇ。
――そういうの何て言うか知ってる?
ぐぐっ、とこみ上げるモノが股間の一点に集まっていく感覚に、三郎は腹の底から笑いたくなった。
もうすぐ、一人の男しか知らなかった少女の胎は、恋人の精を偽りと知らぬまま、一滴も余す事無く受け止める。
――それでも君は、悦びに身を震わせるんだろう。
――全く、どうしようもなく淫乱だね。
「…っ! そうこ…っ!」
――だからせめて、最初に果てる時は偽りのままで。
名を呼び、鉢屋三郎は『潮江文次郎』として――そうこの中にありったけの精を放った。
耳にこだまするのは、重なる心音かはたまた内なる笑い声か。
精を放った直後特有の、気だるさと身の重さに耐え切れず、三郎は汗まみれの身体で同じく汗まみれのそうこの身体に覆いかぶさった。
夜目が利いた双眸で見る彼女の顔は、淫らで――やはり、綺麗だと思った。
だから、篝火に魅せられ身を焦がす羽虫のように、三郎が喘ぐそうこの唇に心を吸い寄せられ、もう一度彼女の名を呼び、
己の唇を重ねんとしたのは、とても自然な事だったのだ。
*
「そうこちゃん……入っていい?」
房術試験は秋休みの内に日程が組み込まれている為、昼間や試験終了後の生徒達は基本的に自由な時間を過ごしている。
くのたま長屋の廊下を朝からこっそりと往復していたユキは、日が大分昇った頃逡巡の末、意を決し障子戸に手を掛けた。
部屋の中には、試験が終わってから床に伏せている彼女――そうこが居る。
どうぞ、と返る声におそるおそる戸を開けると、布団の中のそうこは両手を天井に掲げ、じっと何かを見つめていた。
「……!!」
一瞬、寝間着から覗く彼女の両腕にくっきりと赤い歯型が見えたような気がして、ユキは数度目をしばたたかせた。
「どうしたのユキちゃん? 入って早々そんな顔して」
「え…? あ、腕…大丈夫?」
「腕?」
ユキの言葉にそうこは横になったまま腕を見る。が、そこには歯型どころか新しい傷の姿すら無かった。
「腕がどうかした?」
「……なんでもない」
――何考えてるんだろあたし。幻覚にも程度があるわ。
後悔と羞恥に、ユキの頬が赤く染まる。
――今回の事なんか、君達にしてみれば『悪い犬に噛まれたようなもの』って忘れられるって。
アイツのせいだ。
数日前の男の言葉が脳裏をよぎり、ユキの眉間に深い皺が刻まれた。
「腕はなんとも無いんだけど、やっぱり背中が痛いかな。…情けないよねぇ。猪々子ちゃん、初めての試験明けでピンピンしてるのに、
あたしの身体、いつまで経っても慣れてくれないんだ」
「それは…個人差でしょ」
自分は勿論の事だけど『相手の行為』の個人差が――とまでは、さすがにユキの口からは言えなかった。
昨夜行われた房術試験で、目の前の少女がどんな事をされたか、想像するのも躊躇ってしまう。
「……くの一になるなら、慣れなきゃいけないのにね」
ぽつり、漏らす彼女の独り言がユキの胸に深く突き刺さる。
ユキは、布団の脇で正座していた膝の上で、両手をぐっと固く握り締めると、慣れる訳ないよ、と小さく呟いた。
「ユキちゃん…?」
「覚悟が出来てたって……傷付く事に慣れるなん、て、出来る訳、無いじゃない」
鼻につんとした痛みが走り、目から勝手に涙がこぼれていく。けれど抑えられない。
「ちょっと、ユキちゃんどうしたの?」
痛む背を堪えて身を起こした、そうこの手がユキの肩を包んだ瞬間――ユキの中で塞き止めていた何かが、崩れた。
「うっ……あ、ああっ、わあぁぁんっ!!」
それから、ユキは罪を請うように、しゃくりあげながら全てを話した。
そうこの相手が誰だったか知っていた事を。
決して、彼女の想う人では無かった事を。
相手が、わざと想う人に扮し、そうこを抱いた事を。
そしてそれを――ずっと、ずっと黙っていた事を。
昨日、そうこが房中試験を受ける直前が、ユキにとって最後の機会であった。
夜の帳が下りきり、もう少しでくのたま長屋を離れてしまうそうこに全てを告げようと一人意を決したその時、慌てて部屋に入ってきた
トモミの言葉が、ユキの決心を鈍らせた。
『ね、ね、さっきそうこちゃんの試験用の格好見たんだけれど、もう、すっごく綺麗だったの! お化粧とかして、なんか胸とかお尻とか
透けて見える着物纏ってて…あれでオちない男なんて居やしないわよーって位色っぽくて!』
『相手、潮江先輩だったら良いわねぇ。あんなそうこちゃんの姿、この先見られるかどうかも怪しいじゃない?』
『きっと、先輩惚れ直すと思うのよね。そうこちゃんだって満更でも無い顔してたし』
――そう、ね。潮江先輩だと、いいわね。
上っ面の笑顔を浮かべて、答える事しか出来なかった。
そしてユキは、言葉を失った。
「で、でもっ、トモミちゃんは悪くないのっ! ひぃっく、あた、あたしがっ……意気地なしで、伝えられなくって…ごめんっ、っく、
ごめんなさい、そうこちゃん……本当、に」
顔を真っ赤にさせ、幼子のように泣きじゃくるユキの拙い言葉を、そうこはただ黙って聞いていた。
そして、ユキの肩に置いていていた手を震える背中に回すと、あやすように、ぽんぽんと軽く叩いた。
「ユキちゃん、最近何か言いたそうにしてたのは…これだったんだね」
「っ……!」
肩が、びくんと脈打つ。戸惑うユキに、そうこは更に言葉を続けた。
「あたしこそ、ごめんね。…気付いてあげられなくて。ユキちゃんは、自分の事よりもあたしの事、心配してくれたのに」
「あ、当たり前じゃないっ! ……っく、友達、なんだから」
でも自分は――口走った直後に感じた後ろめたさを、解きほぐすようなそうこの掌の温かさが、少しずつ伝わってくる。
「うん、そうね。……だから、さ、今度はあたしにユキちゃんの心配させて? ユキちゃん、試験これからなんでしょ?」
ひっく、大きくしゃくりあげたユキに、そうこはふわりと微笑んだ。
涙で滲んだ視界の向こうの彼女は、柔らかな『女』の顔と、芯の強い『くの一』の顔と――。
「……うん」
優しい『友達』の顔を併せ持っていた。
障子越しの日の光が照らす一室。
ユキは、心底安堵した顔で友の肩に頬を寄せ、涙を一粒こぼした。
*
「……茶番とはまた、酷い言い様ですねぇ」
片眉を上げ、三郎は先程の自分の言葉を一蹴した男の顔を見る。
顔自体は徹夜による疲労から、凶相極まれる有様ではあったが、表情は何の感情も映し出していないようにも見えた。
「茶番を茶番と言って何が悪いか。三文芝居とでも言い換えて欲しいか? お前の目的が何かは俺の知った事じゃないがな、
下らん話を聞かせる為にここに来たなら帰れ」
「言下に伏すだけじゃあ、只の負け惜しみにしか聞こえませんよ先輩? 『戦う会計委員長』ともあろう方が何の論も講じない
なんて、柄にも無い事されても似合いませんし」
この場に他の同級生が居たならば、おそらく全力で三郎の口を塞ぎ暴言を止めただろう。
忍術学園の内でも、武闘派として名高い目前の男――潮江文次郎を煽るのは、命をドブに投げ込む事と同義であった。
だが、それでもいいと三郎は思っていた。
すぐ目の前で、嫉妬に狂う男の姿が見られる――この上なく『面白い』モノを目にすることが出来る。
理由など、それだけで充分だった。
だが、文次郎の表情は変わらない。相変わらず何の感情を映す事なく口を閉じるのみであった。
いや――微かな変化が起こった。
文次郎は静かに目を閉じ、会計委員会室の淀んだ空気を吸い込んだ。
そして、薄い唇を開く。――ただ違うのは一点。紡ぎだしたのは、
「……上邪(じょうや)」
お馴染みの怒号ではなく、ある漢詩の一篇だった。
上邪
我(わ)れ君と相知り、
長命、絶え衰うること無からんと欲す。
山に陵(おか)無く、
江(かわ)の水、竭(つ)くるを為し、
冬に雷、震震として、
夏に雪雨(ふ)り、
天地 合すれば、
乃(すなわ)ち敢えて君と絶たん。
「……?」
確か『短編鐃歌十八曲』の一つだったか――うろ覚えの知識を掘り返す三郎に、文次郎は、聞き覚えは無いかと問うた。
「まあ…馴染みの薄い詩ですね。授業で習った記憶が無いですよ」
それでも分かるだけマシではあるのだが。
三郎の返答に、文次郎の口端が僅かに歪んだように見えた。
「何です」
ようやく文次郎は変貌を見せたが、これは己が求める『顔』じゃない――三郎の意を知ってか知らずか、文次郎は歪んだ口元を
戻す事無く尋ねた。
「……鉢屋。お前、くのたまとの勝負に負けたな?」
「!!」
狭い会計委員会室で相対する二人――その姿は、奇しくも数日前、職員室前で文次郎が山本シナと対峙した様に似ていた。
違うのは、あの時の文次郎の立ち位置にいるのが、自分だという事。
『千の顔を持つ男』鉢屋三郎の今の顔は、同級生・不破雷蔵の『面』である。故に多少の表情の変化は見られても、真にどういう顔を
しているかは、まず相手に悟られない。
だが、おそらく今の『己の顔』は――頬に汗を伝わせ、青ざめた表情は――文次郎に見透かされていた事だろう。
「これは、今回の試験の元になった俺との『鍛練』で、くのたまが馬鹿の一つ覚えみたいに口上に使っていた詩だ。アイツの事だ、
房術試験でも変えやしなかっただろうな」
三郎の脳裏に、障子戸を開けた時のそうこの唇がよぎる。――まさか、あれは『上邪』と口にしていたのか?
だとしたら、自分の行為は、本当は。
「………」
「五年ともあろう者が、尻も青いくのたまの手管に陥ちるとは、精進が足りんぞバカタレが」
っていうか鍛練って何ですか――などと軽口を叩き返す余裕も、今の三郎には失われていた。
ただ、『面』の表情を変える事無く、ぐらつく足元を踏み止まるだけで精一杯だった。
――審判とこの男にのみ通じる二重の『符丁』とは、あの娘もやってくれるな。
確かに『本物の』潮江文次郎ならば、勝負などする前に結果が知れていただろう。正に合言葉の名にふさわしい有様であった。
――けど、それがどうだって言うんだ。
胸の中にある一つの真実。それが三郎の芯に再び火を灯す。
しかし、続く文次郎の言葉はその火さえ消しかねないものであった。
「それとな、鉢屋。お前は物凄く下らん勘違いをしとるぞ。……アイツの自身はアイツのものだ。お前のモノでも、俺のモノでもない。
どれだけ肉体を陥としめたとしても、アイツがくのたまである限り、くの一を目指す限り、何も変わる事は、無い」
――は?
言っている意味が分からない――この男は、恋人ではないのか?
口にすると文次郎は、理解なんぞされたくも無いがな、と憎まれ口を叩いた。
「惚れたハレただの、好きだ何だだの、胸焼けしそうな甘ったるい考えなんぞ必要ない、という事だな。俺もアイツも忍びを目指す身だ。
町の小娘や若造みたいに浮ついた言葉なんぞ、とっくの昔に捨てたわ」
「…そ、れじゃあ」
「お前の言葉が本当でも嘘でも、俺もまた同じく何も変わらんという事だ。……六年を侮るんじゃねぇ」
ぴしり。
三郎の胸の内に付けた仮面に、ヒビの入る音が響く。――なんてこった。
踊らせようと目論んだ自分が掌の上で踊らされていたなんて、間抜けにも程がある。
*
外で秋風の吹く音が、聞こえた気がした。
障子越しの月の光が、ほんのわずか強まったような気がした。
「………め」
紅色の唇が紡ぐ幽かな言葉と共に、吐息も混ざるほど近付いていた三郎の唇は少女の掌によって遮られた。
「そうこ…?」
「……鉢屋先輩…ですよね? …駄目、です、よ。上手に…化けてたみたいだけど……やっぱり、誤魔化せないみたい」
ぬるり。下半身に覚えるぬめった感触が、繋がっていた肉体を離された事実を伝える。
体の下の少女は身をよじると、被さる三郎の体から抜け出し、上気した頬もそのままに身を起こした。
「……はは、やっぱり、恋人の真似、は…無理があったかねぇ。…自信はあったんだけどな」
気だるさの戒めから解けぬまま、三郎は気弱に笑った。その声は、もう『潮江文次郎』のものではなかった。
正体をバラす前に悟られてしまうという、己にあるまじき失態を犯したせいだろうか。
あるいはそれで救われたと感じたのだろうか。
先程まで自分の中で渦巻いていた、彼女に対するどす黒い感情は、精とともに放たれてしまったかのようだった。
そうこはそんな三郎に首を振り、本当に、上手でした、と返す。
「とても…その、溺れてしまいそうな位……でも、一つだけ違うの。…あの人、ね」
ちら、と天井に目を遣り、そうこは審判員の耳に届かないよう三郎の耳に唇を寄せると、こう囁いた。
あたしの名前、一度も呼んだことないから――だから、分かっちゃった。
――何だそりゃ。そんなのアリか。
「ぷっ、あはははっ、ははは、はは……な、成る程ね、そりゃ私の調査不足だ。孫子の兵法も呆れる。はははは」
布団に伏しつつ、三郎はしばし予想外の答えに笑い続けた。
わずかな月光を吸い込んだ障子戸を背に、そうこも少しだけ照れくさそうに笑っていた。
「…で、どうする? もう止めるかい?」
三郎の問いは、心の底から彼女を気にかけたものだった。
「あいにくと他の『顔』の持ち合わせは無いんだ。君が『符丁』を口にしさえすれば、私はこれ以上、君の恋人の顔で君を
抱いたりしないで済むんだけど」
とはいえここで、自分の『符丁』を口にしようと考えない辺りが、鉢屋三郎の鉢屋三郎たるところではある。
そうこは目を閉じ、再び首を振った。
そして静かに目を開け、横になった三郎と視線を合わせた。
「あたしだって、負けを認める気なんてこれっぽっちも無いわよ。……だって、あたし」
言葉を切りそうこは、一度事を終えた後とも思えないほどの滑らかな仕草で三郎の腹の上に跨ると、そのまま上体を沈め、
首筋に唇を付ける。
ぞくり。――この先に控える行為を予感したか、三郎の肌がわずかに粟立った。
「……くのいちに、なるんだから」
かりっ。
少女の歯が首筋に、小さな傷を残した。
今なら――文次郎の言葉を耳にした今なら、あの時のそうこの言葉の意味も理解できるかもしれない。
彼女は、何も変わらない。
悲しみも、憎しみも、憐れみも、何一つ胸に抱える事無く男を迎える彼女は、淫乱とは対極の位置に存在していた。
只一つの目的の為に、己が心を刃で絶つ――自覚は無くとも、一人前の『忍び』だった。
*
かぁぁ…ん、と外で鳴り響く鐘の音が、静寂に包まれていた会計委員会室にも届く。
文次郎は格子窓にちらりと視線を遣ると低い声で、もう昼か、と呟いた。
「いつまでここに居座るつもりだ鉢屋。俺だって一応人の子だ、腹も減りゃあ便所に足を向けたくもなるんだが、お前が居たままじゃ
部屋を離れるに離れられん」
こつこつと帳簿の表紙を指で叩き、やや苛付いた声で文次郎は尋ねた。
対する三郎は首筋を片手で押さえ、何か独り言のような、枯れた声を喉奥から搾り出した。
「何だ」
「…私は、彼女が先輩を只の『通過点』として見ているとは思えませんけどね。大体、先輩はそれで満足できるんですか?
忍びとしてじゃなくて、男として」
「自分の定規だけで物事全て測れるなんぞ、思い上がりも甚だしいな鉢屋。固定概念は足元を掬われる因だぞ」
ぱらぱらと帳簿の端を捲りつつ、文次郎は返す。
「答えになってませんよ潮江先輩」
「お前に教えて何の得があるんだ」
今回は、牽制の後の内情は話す気は無いらしい。一文字に閉ざした文次郎の口に三郎は、それでも、と思う。
――それでも、この男の傍にいる時の彼女に、謀略や損得の気配は感じなかった。
心の底から笑い、怒り、喜ぶ、市井の娘と変わらぬ感情を、まっすぐこの男にぶつけていた。
それすら、この男は否定すると言うのだろうか。
そういえば――先ほどから心の奥に引っかかっていた疑問を、三郎は目の前の男に向け、口にする。
「潮江先輩。…先輩は彼女が『上邪』を『符丁』に使うと分かってたんですよね」
三郎の言葉に、文次郎の目に今まで気配も無かった剣呑な光が宿る。
「それがどうした」
「…ああ、何で分かったかなんて野暮な事は聞きませんよ。只でさえガラの悪い目なのにそんな睨まないで下さい。厠行ってないのは
私も同じですから、失禁しちゃいます。…そうじゃなくて、『上邪』ですよ。先輩はあの詩の意味を知ってるのかな、とね」
一言二言、口が余計なのは生まれつきである。
だが、口にせずには居られなかった。――何故ならあの詩は。
「お前上級生を馬鹿にするのも大概にしろよ。……『上邪』は貴い身分の存在。今で言えば主君だの殿だのといった所だな。
つまり、あの詩は主君に変わらぬ忠誠を誓う詩だろ」
――ああ、やっぱりこの男は。
ふん、と鼻息一つと共に、自信満々に答える六年生に――半目で、三郎は呆れて溜息を吐いた。
「…潮江先輩、漢詩得意じゃないでしょ」
――分かってはいたけれど、どこまで色恋沙汰と無縁なんだろう。
何だと、と眉間に皺寄せる文次郎に、ホントの事でしょ、と言い返す。
「主君に対する忠誠の詩なんて、何で毎度毎度囁かなきゃなんないんですか。あの詩の『上邪』は、心の底から好いた相手の事です。
惚れた相手と、ずっと添い遂げたいっていう強い思慕を謳ったモノですよ」
「なっ……!!」
――こりゃあ、あの娘も苦労する筈だな。
今更――本当に今更ながら、顔を赤らめうろたえ始める男の姿を目前に、三郎はようやく一矢報いる事が出来たな、とほくそ笑んだ。
「随分熱烈に惚れられていますねぇ。……セ・ン・パ・イ」
「う……うるさいっ!! いい加減にしやがれこのバカタレィ!!」
秋の昼下がり、会計委員会室を抜け、廊下をドタバタと駆け回る男二人。
がっちゃがっちゃと10キロ算盤を振り回しながら血眼で追う六年と、腹を抱え笑いながら逃げ続ける五年。
無茶をしたり、背伸びをしたり、強がったりしても、二人はまだまだ青い若造であった。
――馬鹿馬鹿しいなあ。
追撃をかわしつつ思う三郎は、今、己の視界を霞ませるものは笑い過ぎて滲んだ涙だと、自分に言い聞かせた。
傷心なんて甘い感情はまだ、自分には似合わない。
*
「………んがっ!!」
がばっ、と布団を蹴り上げ跳ね起きると、辺りは既に水底のような闇を湛えていた。
微かに部屋の外から漏れる月光と虫の声が、夜が更けて随分経つ事を、寝ぼけ眼の文次郎に教えた。
――ゆ、夢か。
「…何で夢ン中でまであの野郎を追いかけ回さにゃならんのだ」
胡坐をかき、一人ごちながら寝汗の滲む顔を撫でると、指先にざらりとした無精髭の感触。
――どれだけ寝たんだ俺は。
同室の男の姿の無い部屋の障子戸を開ければ、十三夜の月が庭先から廊下まで皓々と照らしていた。
房術試験最終日、深夜。
大なり小なりの揉め事はあれど――試験は終了した。
洗い場で顔を洗い、ついでに月光と手燭の明りを頼りに髭をあたる。
只でさえおっさん臭い顔が余計老けて見える――と、かつて苦言を呈したのは、今は医務室に隔離された同級の男である。
余計なお世話だと文次郎は思うが、確かに学生らしからぬ面相は頂けない。
手拭いで顔を拭き、元結を結い直せば、首筋をひやりとした秋の風が通り抜けた。
「…体でも動かすか」
状況が状況だけに、試験中夜間の鍛練は控えるよう、教師陣より通達は届いていた。
故に、文次郎はこの数日間会計委員会室に篭もり、帳簿と向き合う鬱屈した日々を過ごしていた訳だが、それも今晩で解禁だ。
支度を終え、軽く走りこんで体を慣らす。
そして、部屋から持ち出した道具から、袋槍を出し組み立て、手に取る。
長年使い込まれた槍柄の感触が、馴染んでいくのと相反する妙なむず痒さを掌に伝え、文次郎は一人苦笑した。
――体を鍛えるのはいい。動く間は無心になれる。
腰を落とし構え、添え手はそのままに突き手に捻りを加え――抉りこむように一撃を放つ。
「ふっ!!」
間髪入れず突き手を引き、次の一撃に移る。
――動く間は。
突き手を引き、次へ。
――動く。
次へ。
――私は、彼女が先輩を只の『通過点』として見ているとは思えませんけどね。
「…やかましい!!」
槍柄を地に突き立て、虚空に向け文次郎は怒鳴った。
どれだけ身体を動かしても、数日前の男の言葉が脳裏から離れないのが、文次郎の苛立ちを募らせた。
「キサマに何が分かるか!!」
自分でさえ言葉に出来ないものを――ましてや他人になど、わかられてたまるか。
ぎちっ、と音立てるほど槍柄を握り締め、男は独り立ち尽くす。
秋の夜風が、木の葉を揺らし、草をなびかせる音を文次郎の耳に届ける。
「………」
気が付けば文次郎は、忍たま長屋とくのたま長屋を隔てる築地塀の前に立っていた。
土壁に瓦の葺かれた屋根を持つ塀を見上げれば、今にも月を背に、くのたまがひょっこり顔を出してきそうな、そんな予感がした。
――あの日も、こんな月夜だった。
『思い直せ。無駄花を散らしたいんだかどうだかは知らんが』
こんな所で暴挙に出るな――言いかけた台詞は、無駄じゃないわよ! と叫ぶ少女の声に遮られた。
『無駄かどうかはあたしが決める事でしょう? どうして勝手に決めて、勝手に壁作っちゃうの? あたしは…』
ぱたっ。少女の手の甲の上に、雨粒に似た雫が落ちる音がした。
『……くのいち、に、なるんだよ』
月光が、うなだれる少女の頬を、流れる涙を青白く照らしていた。
一番最初にくのたまとの『鍛練』を始めた日――。
夏の、熱気冷め止まぬ夜の事だった。
一度目に少女が降り立ったのは、嘘か真かもわからぬ告白をしでかした時。
二度目に少女が降り立ったのは、彼女の目指すものを知った時。
三度目は――どうしたいんだ。
築地塀に槍を立てかけ、文次郎は黙々と屈伸運動を始めた。
かつて、髭も生えぬ一年ボーズの頃ならば人馬が必要だったであろう高い塀も、今ならば一人で越えられる。
何をしようとか、目的がはっきりしている訳でない。乗り込む先が先なだけに、後先見ない無謀な行為だ。
それでも自分は――壁を乗り越えなければいけない。
分かっていれば、それだけで充分だった。
目を閉じ、静かに夜風を肺に取り込み、そして静かに吐き出す。
身を屈め、足先にぐっと力を込めると、開眼と共に文次郎の脚は強く地面を蹴り、高く跳び上がった。
築地塀の屋根に両手が掛かる。懸垂の要領で身を持ち上げ、じりじりと体を屋根へと運び――上半身を乗り上げたその時。
ごがっ。
額に走った衝撃と共に、文次郎の目の前に数多もの星が散った。
「!? な、何ぃッ!?」「いったあぁーっ!」
自分の叫びと共に、もう一人誰か――問うまでもない少女の声がした。
「くのたまっ!?」
額を押さえる文次郎の目前で、同様に額を押さえて上半身を屋根にへばりつかせていたのは誰あらん、そうこ本人であった。
忍たま・潮江文次郎と、くのたま・そうこ。この二人の関係を知る一部の者達は、
「もっ…文次郎先輩!?」
口を揃えて二人を『似た者同士の(鍛練)バカップル』と陰で称しているが、知らぬは当人ばかりなり、という話である。
*****
スマンかったー!!(多方面に土下座)だが、おっぱい豆腐に関しては反省はしない。
人物の立ち位置はいつも綱渡り状態です。今回も色々踏み外した気がしてなりません。
今回はここまで。続きは一週間ちょっとかかります。(秋の話なのに延び延びになって申し訳ないです)
容量的に、続きは次スレに投下すると思われます。
もし宜しければお付き合いください。
544 :
秋風書き手:2008/09/18(木) 08:48:22 ID:shjbt5jR
今回なんかやたら連投規制が酷かったような気がしました…。
朝イチはキツイのかな…うむむ。
前回レス下さった方、ありがとうございます。
まだまだ修行中なので恐縮しつつも励みになります。
あと、竹谷好きな方、すみませんと今のうちに謝っておきます。
息するのも忘れて読み入った。
すごい!すごいよ!
よし、おっぱい豆腐を探す旅に出るわ。
GJ!!!みんな最高すぐる
おっぱい豆腐がすっかりマイブームです
す、すげぇ・・・。
一気に読み耽ってしまいました。ご馳走様!
恐縮する事なんてない!もっと自信持ってください!
で、おっぱい豆腐てwwwwあれか?プリンからか?wwww
>>546 や め な さ い wwwww
GJすぎる! 明日朝早いのに夢中で読んでたよ!
初っ端から派手に吹いたんだがww豆腐www
そうこちゃん可愛いよそうこちゃん。
素敵な物語をありがとう、今から次回が楽しみです。
気がつけば489KBとは、3ヶ月で1スレ…何気に凄いなココ。
次スレも色々賑やかになりますように。
まってましたよ秋風さん!GJ!!
鉢屋・そうこ・潮江の立ち位置、思惑の錯綜が素晴らしかった。
いい作品をありがとう。
物語性が強い作品とか、シリーズ物が多いしね。
このスレの魅力の一つ(もちろんそうではない作品も)です。
>>554仕事はやおw
豆腐が食えない自分でも、おっぱい豆腐なら食える気がする…
というか
にっきのひとあたりから、このスレでは文次郎×そうこでFA?
文次郎×そうこ好きにはたまらんスレであるよ
人気はあるけど、その組み合わせじゃなきゃ
だめってことはないんじゃないの。
うん、新たな発見もあるから敢えて違うカプでも良いかも。
色んな発見があって面白いよ。
新スレたったのか
ではこちらはまたーりやらせてもらおうかな
こっそりと……
誰か先生でやってもらえないかなぁ、と。
こっそりと…wiki更新してくれないかな…。
自分テキスト直貼りしか出来ないから続き物リンクとか、わからんのよorz
ボスケテ
こっそりと・・・
伊作編続きこないかな。
こっそりと…
562に同意
伊作ものは少ないから貴重だよね
伊作か…。書きかけがあるのを思い出した。
頑張って書いてみる。
こっそりと…お知らせとか懺悔とか。
・すみません事情により秋風来週明け位の投下になりそうです。気長にお待ち頂ければ幸いです。
・誤:『くのたま長屋』→正:『くの一屋敷』今日気付きました(遅っ!)
もし保管する事がありましたら変換お願いします。
こっそりチラ裏
・土曜日のアニメのおかげでまた長カメフィーバーが…。
でも原作の鬼蜘蛛丸とカメ子ちゃんの甘いスキンシップも好き過ぎて困る。肩だっこ最強。
「もういっそ3Pしちゃえよ!出来た子供がどちらに似ているかで旦那が決まる
『妻をめとらば同時種付け対決』とかしちゃえばいいよ!」
とかいう電波を竹谷が飛ばして来るのですが、どうしろと。
カメちゃんの妻問婚
二人が体を奪いあうという、、
跡取りはカメちゃん似の女の子なのかな。
お借りしてこっそり妄想。
>>565 竹谷wwwwおまwwww
凄く良いと思います。
>>565 ゆっくりで良いと思う。そんなに焦る事はないんじゃないかな
気長に待ってるから、頑張れ!
つか竹谷wwwすっかり種付けキャラになっとるwwwwww
折り合い見て自分も投下すっぞ!
不思議なことに竹谷だといやらしい感じがしないw
>>568見る専者は新規参入をいつでも全裸でお待ちしております
自分がエロパロ見始めたときは其の一だったのに…
良く育ったものだと
しみじみしてしまうのは秋のせいかしら
(しかし所詮エロパロ されどエロパロ)
自分、その一は見損ねた。
その二を偶然見つけて、忍たまでエロパロとは
これいかにと覗いて以来、居続けてるよ。
このスレを見つけて以来
保健室の先生が若い女の先生だったら…と考えてしまって仕方無い。
新野先生ごめんなさい。
亀ですまんが、秋風さんすごい!GJ!!!!
一気読みしてたら風呂に入りそびれたじゃないかwww
もんじろうがもっともっと好きになった。
素晴らしい物語をありがとう。
よく考えたらカメ子ってエロい幼女だな
>>571 保健室に教育実習生が来るとかどおよ
新野先生が休みでその代理とか
伊作と二人きりが多いだろうしね。
布団も敷いてあるし。
来る人がいなくなった夕方の保健室。
「伊作君、この薬この棚でいいのよね?ってキャア!」
伊作が悲鳴に驚き振り向いた先には、頭から液体の薬を被った教生さんがいた。
「服まで濡れてますよ!風邪引きますから脱いでください。僕、拭きますから。」
自分で拭くから・・と言う間もなく、布団に座らせて、
服が伊作の手によって抵抗する間もなく脱がされていく。
伊作は看病しなれているから服脱がすくらい何とも思わない。
だけど教生さんは裸で全身拭かれて恥ずかしい。
不運移り天然辱められ
を感染されました。
で、できれば女王様風保健室のお姉さまで…
>>577 伊作乙と言うべきか
新野先生乙と言うべきか
保健室のおねーさんとは…正直盲点だったが萌えるな。(百合貝合わせのぞき妄想的な意味で)
豚切って悪いけど生理ネタってどうだろう…
相手は保健的な意味で伊作とかいけどん的な意味で小平太とか
>>579 生理ネタは自分としては気になるところではあるけど、やっぱ注意書きは必要だと思う。
伊作は解るけれど何故小平太?w
>>579 あまり生々しさが伺えると、読む人を選ぶかもしれないですね。
でもくのたま11歳だし、丁度そういう時期なのかー(個人差あり)。
小平太はアレですか、
『まだ女として目覚めてないなら暴走機関車7MA2号で叩き起こしちゃうぞ』
プレイ(長いよ)ですか?
早い子は本当に早いよ、9歳とかいるし。
『まだ女として目覚めてないなら暴走機関車7MA2号で叩き起こしちゃうぞ』
な げ え よ wwwwwww
もうすっかり7MA2号扱いだなw
初潮がきたのにびっくりして泣きながら保健室にやってきたくのたまに
保健室のおねえさんが優しくれくちゃあ
まだ子供だからとお触り未満のお付き合いだったのが
このたび大人の体になりました!とくのたまから押し倒す。
生理前はムラムラする人もいるらしい。
「明日生理日なんで中に下さい!」と乱れるくのたまっていいなあ。
>579
私いまちょうど妄想してた。下ネタ注意。
ある日、食堂に行くと、何故かお赤飯。
「ちょ、なに?このお赤飯・・・・」
嫌な予感のユキちゃん。
「みんな、今日はユキちゃんが女の子になった日だから、おばちゃん
特別にお赤飯たいたのよ。お残しは許しまへんでーーーー!」
突然KYなおばちゃん。
「ちょ!!!!何言って・・・!」
鉢屋「ユキちゃん、おめでとうwwww」
仙蔵「大人の階段のぼったなwww」
(こ、こいつら・・・・・・・・・!!!)
ドS二人組はいやらしい笑顔をうかべている。
「てゆうか!なんでそんなこと知ってるんですかぁ!!!」
「え、だって保健委員の善法寺伊作くんがね・・・・・」
「はぁ!?」
振り向くとそこには得意げにたたずむ不運委員長の姿が。
「保健委員長の私が説明しよう!保健委員を6年もやっていると、
女子の初潮を見抜くのなんてお茶の子サイサイなのだよー!!!!」
「ハァァァァァァァ!?」
「ユキちゃん、避妊ってしってる?ちゃんとしなきゃダメだよ。あ、それとね、
生理痛ひどかったらいつでもおいで、私が薬を・・・・」
「ちょ───っと待ったぁぁぁぁ!」
「ん?お前は五年ろ組竹谷八左ヱ門か。」
いつものように虫取り網片手に颯爽と登場。相変わらずひどい髪の毛だ。
「生物委員の存在も忘れないでもらいたいな!!!ユキちゃん!」
(なにこの人誰なのキモイしでもちょっとかっこいいけどでも髪の毛ヤキソバみたいなんですけど・・・・・)
「いやぁ、めでたい!また一人繁殖能力を授かったくのいちがここに!!!」
お前女を何だと思ってるんだ竹谷、という声が聞こえてきそうである。
「・・・・・・!!!」
「忍術学園の全ての生命(いのち)は、我々生物委員会が管理しているのだ──!」
「はぁっ!?なんかスケールでかくね?生物委員!」
地味委員として仲間意識を持っていた火薬委員、久々知は思わず口から豆腐をこぼす。
「俺の子でよければいつでも生んでくれな。責任は取るよ!」
ユキの手をとり頬を赤らめる竹谷八左ヱ門、14歳。
「ナプキンやタンポンならいつでも僕がとりかえてあげるから。」
屈託のない笑顔を咲かせる善法寺伊作、15歳。
その後、食堂に血の雨が降ったのはいうまでもない。
*
*
雷蔵「竹谷、よかったね、伊作先輩が竹谷の分までフルボッコくらってくれて・・・」
鉢屋「てか、もう不運どころじゃなくね・・・・・?」