よつばと!のエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
よろしくお願いします
2名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:27:44 ID:xL9IF2it
意外となかったこのスレ。
よろしくおねがいしまうー
3名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 00:35:18 ID:HwZs1/ts
あったけど何度も即死したんだよ……
確かあずまんがスレと統合する方向で話が進んでいたはず
4名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:08:26 ID:654s1Tq4
あずまんがスレがあの調子だからなあ。
「あ」とか「ず」とか
5名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:38:05 ID:Wo8caI8H
空前の風香ブームなので何か書いても良いですか?
6名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:50:26 ID:654s1Tq4
いいよ
71:2008/05/20(火) 00:29:46 ID:1lXZ1fAV
「……えーと…」

どうしてこうなったんだっけ、と風香は思った。
目の前には息苦しそうな寝息を立てているお隣さん…が全裸。さすがに目のやり場にも困ったが、風香以外いないこの部屋で何も気にすることはないので自然と視線はソコに向かってしまう。
「…うぅ……どうすればいーの?」





「ふうか!」
庭に水をまいていると、よつばがまっしぐらにかけてきた。
「よつばちゃん、おは…」
「とーちゃんしぬっ!どーすればいい!?」

「え、ちょっ、きゃぁ!」
よつばの突進でホースの水が上に向き風香とよつばに降りかかった。

「ふうかたすけろ!」
「あーもう、解ったから離して!」
二人はびしょぬれになっていた。



びしょぬれのよつばを風呂に入れてあげるよう恵那に頼むと、風香も着替えてよつばの家に向かった。

「風邪なんだろうなぁ、たぶん」
よつばの話では、熱がある、体が赤い、苦しそう、と言うことなのでなんとなく目処をつけて風邪薬数点と冷えピタ、柔らか氷枕、買い置きがあったスポーツドリンクを手土産に、家に上がった。

「小岩井さーん。風香でーす…あがりますよー。」
呼びかけながら階段を昇ると、奥の部屋から何やら小さな音が聞こえた。
「おきてますかー…入りますよ?」
引き戸に手をかけ、そっと開いた。
「ひぃっ!?」
開いた隙間から冷風が吹き出してきた。
「ちょ、えー!」
小さな音の正体は、ガンガンに効いたクーラー。
そしてその部屋には…
「こ、小岩井さん!」
うーん…と唸りながらガクガク震えているのは紛れもなく『しにそう』なよつばの父であった。
8名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:33:30 ID:1lXZ1fAV
まちがった…
途中で書き込んでしまった。

「どーすれば〜」と「ふうか!」の間を切りたかったんだけど空白カットされてしまいました。
「ふうか!」から回想になります。
9名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 17:33:18 ID:ezdg+U5a
続きよろしく
10名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:46:13 ID:vXX51Jpn
とーちゃん×ふーか!
続きまってる!
112:2008/05/21(水) 16:53:24 ID:018+3xIl
ひんやりとした部屋に飛び込むとクーラーのリモコンを探した。
汗をかいている父親のために気を利かせたつもりでクーラーをかけたのだろうが逆効果だ。
あれ…ちょっと待てよ…
風香の脳裏によつばの突進がフラッシュバックした。
よつばの手、四角い何かが握られていた…あれはまぎれもなくリモコンだ。
軽い絶望感を感じ、風香は一瞬固まった。
「…う゛…うーん…」
風香の硬直を解いたのは苦しそうなうめき声だった。
「あ、小岩井さん!しっかりしてください!!」
とりあえず、冷えゆく部屋は窓を開け放つことで一時解決した。
熱で汗をかいた後に急激に冷やされたのか、寝間着らしきTシャツは冷たく濡れて肌に張り付いていた。
「えと…とりあえず着替えさせなくちゃ」
12名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:19:44 ID:bJ5a+41J
父ちゃん!よつばが見てるよ!!ガマンして!!
133:2008/05/26(月) 08:01:47 ID:MriYFM8D
ちょうど部屋にはタオルが干してあったので、それを洗面所で暖めた。
冷たくなったシャツを少しずつめくりあげながらなんとか脱がせるとタオルで体を拭いてあげた。
「こんなもんかな…」
足も拭いてあげた方がいいかな…と考えて腰からふくらはぎ位までを覆っていたタオルケットをめくると、思考停止してしまった。
「……え?」
タオルケットの下は、肌色一色。
つまりは、はいていない。
「な、なんで…」
とりあえず足を拭いてあげよう、となるべくソコは気にしないように太ももを拭きだした。
両足を拭き終わる頃、存在を忘れようとしたソレは自己主張を始めていた。
足を拭いただけなのに!と思ったが、ふと電車に乗った時を思い出した。
満員電車の中、痴漢らしき男に太ももを撫でられたとき「嫌」と思うと同時に腰から背中がゾクゾクしたのだ。
すぐに降りたのでそれ以上はされなかったがあのまま乗っていたらたぶん触らせ放題だったかもしれない。
144:2008/05/26(月) 13:42:21 ID:MriYFM8D
男性だって太ももや足を撫でられたら気持ち良くてもおかしくはないだろう。
「ど、どうしよ…」
よく考えたら着替えがどこにあるかも解らない。
とりあえずタオルケットを体にかけると、一部分がテント状に持ち上がる。
「だ、だめ、これは逆にだめ」
よけいに気恥ずかしくなってタオルケットをどかす。
目の前にあるソレを視界の端で観察すると、不思議な感覚が沸き上がってきた。
腰から背中がムズムズ…何とも言えない探求心が出てきてしまう。
「小岩井さーん…起きてくださーい」

そっと肩を揺らす。が、うーんと唸るだけで起きる気配はない。
「…起きないなら…知らないですよー……」
言い訳しながらそっと手を伸ばす。指先が先端に触れるとビクンと角度を変えた。
「…っ!」
驚いて手を引くが、またそっと触れる。竿の部分を優しく握ってみると熱のせいなのかもともとそうなのか解らないが凄く熱かった。
(うわー!うわー!)
心の中で絶叫しつつも手の中で脈打つソレを離そうとはしなかった。
(こんななんだ…これがアレなんだ…すごい…)
頭の中で知りうる限りのイヤラシいことがぐるぐる回った。
155:2008/05/26(月) 17:05:26 ID:MriYFM8D
(…ん…なんだこの違和感…)
息苦しいし体が熱い。そしてだるい…んだが、なぜか下半身が心地よい。
そっと目を開けると寝ている横に誰かが座っているのが解った。
(ふ、風香ちゃん!?)
紛れもなくお隣さんの女子高生がそこにいた。そして、その手は…
(な、なんでんなとこ触ってんだ!)
ぎゅっと握ったり緩めたり、指先で先端までをなぞったり、ぐりっと押してみたり…
完全に元気なソコを遠慮がちにいじっていた。
(えーと、えーと……うぁぁ…)
状況を飲み込もうと考えるが、ぎこちない触り方が逐一ツボに入る。
薄目をあけて風香を見ると、赤面しながらため息をついていた。
くずした足は少しもじもじとしてるように見えた。
(こ、これは…まずいんじゃないか!?)
このままいじられ続けたら間違いなくイってしまうだろう。それはやはり恥ずかしいから極力避けたい。
かといってここで起きてやめさせるのも風香にかなり恥ずかしい思いをさせてしまう。
風香のデニムのスカートからむちむちした脚が伸びている。
(ああ…柔らかそうだな………って、あぁぁ!ダメだ!うそうそ!!)
脚に欲情しかけたらさらにイきそうになって必死に思考を否定する。
166:2008/05/26(月) 17:22:49 ID:MriYFM8D
が、手の動きは止まることがない。むしろ小さな反応を楽しむように少しづつうまくなっているような気がする。
(も、もう……限界だ…)
頭が朦朧としながらある決断を下す。
「きゃ!!」
風香のあの手をがっちりと左手で握り、勢いよく起きあがった。
右手で風香の腰を抱くと、そのまま自分の方に引き寄せた。
「あああの、こいわいさん、これはその……んっ!?」
軽いパニック状態の風香の唇を塞いだ。
ぎゅっと目を閉じた風香の唇は柔らかくて舌を割り込むのも簡単だった。時折触れる風香の舌が熱いのか自分の舌が熱いのか解らなかった。
アレを触っている風香の手を上からそっと促す。
「…こ、いわい…さん…」
唇の隙間から小さく声をあげた風香は涙目だった。
「ごめ、気持ち良いんだ…手、柔らかくて…」
「あ、あの私、手も脂肪が…」
「いやそういうんじゃなくて、柔らかいんだ…全部…」
ぎゅっと抱きしめると柔らかい肉付きが心地よかった。
177:2008/05/26(月) 17:50:20 ID:MriYFM8D
肌に風香の胸の感触が伝わる…が、小さな違和感を感じた。
「あ、あの…風香ちゃん」
「…はい?」
「男性のとこにノーブラはちょっと…」
「えっ!」
あわてて経緯を話された。どうやらよつばが原因で下着まで濡れて着替えてそのままだったらしい。
「…まあ……いっか…」
よっ、と風香を横にすると相変わらず不思議なロゴのTシャツに突き出た突起をなぞった。
「はっ!あぁ…」
ビクンと風香の体が揺れる。胸もたゆんと揺れる。
「…気持ち良いんだ?」
シャツの上から突起に舌を這わせるとその堅さが増した。
「やっ!ちが……あぅ…」
風香の手は力なくアレから離れて、顔を隠すようにした。
布越しに吸ったり舌で転がしたり指でつまんだり、刺激を与える度に小さく声をあげた。
(…かわいいなぁ……ウブというかなんというか…)
Tシャツをまくりあげると、立派な胸が露わになった。
「……っ!!……」
顔を真っ赤にして背けた。
今度は直に乳首に舌を這わせる。
「んーっ!!」
目をぎゅっとつぶって肩をふるわせた。
「……いや、かな?」
風香は口を押さえながら首を横に振った。
「良かった…柔らかくて、気持ちいいね…」
胸を直に揉むと肩や腰がガクガクと震えた。
18名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:44:34 ID:kDcTKyiW
つ、続きを………
19名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 07:16:16 ID:OuYCSDDx
>>18
すみません、誰も来ないと思ってマイペースで書きすぎですね
読んでもらえてありがたいです
208:2008/05/27(火) 07:47:23 ID:OuYCSDDx
「んっ…こ…いわいさん…窓、しめて……はぁっ……」
吐息を押さえながらそう言うと窓を指さした。
言われるとおり締め切り、カーテンも閉じた。
「風香ちゃん、玄関閉めてきた?」
コクンと頷くのを確認して、またキスをした。
唇を舐めあいながら、両手を風香の胸からウエストに滑らせる。くすぐったいのか、風香の手が腕をつかんでぎゅっと握った。
「…っはぁ…おなか、やだ…」
「なんで?くびれてるし、これくらいが好きだけど。」
「すっ……好き?」
うん、と答えると抵抗は無くなったので両手をデニムスカートと肌の隙間に差し入れた。
さすがに少し触りにくいのでデニムスカートを脱がせると水色のボーダーのパンツが露わになった。
(うわぁ…これは…)
体の成熟具合と飾り気の無いボーダーパンツがアンバランスでなかなかそそるものがある。
上に覆い被さるような体制で舌を胸に這わせながら、パンツごしに腰やお尻を撫でた。
かすかに腰をもじもじと動かすのが解る。
「ひゃっ!」
指先をそっと前に這わせると声を出してビクンと全身を震わせた。
(このへんかな…)
指をスライドさせて、堅い感触の場所を探すと軽くぐりっと押してみる。
219:2008/05/27(火) 08:16:34 ID:OuYCSDDx
「…んっ!!」
(お、あってるな…)
ひたすらその部分を撫でつける。
「や、あっ……うぅん…んっ!」
鼻にかかった風香の声が部屋に響いた。
パンツをすこしずらして指を直に触れてみると、くちゅ、と音がした。
「…汚れる前に脱ごうか」
風香は何も答えなかったがスッと腰をあげてくれたのですんなり脱がすことができた。
そっと脚を開かせると、風香は顔を背けた。
「ごめんね、恥ずかしいよね…」
残念だがじっくり見るのは止めて指を這わせた。
くちゅ、じゅっ、と音がするほど潤っていて指をすんなり受け入れてくれた。
「んっ……あっ…あ…」
(…失恋したってことは彼氏はいたってことだよな…)
挿入された指に感じている風香を眺めながら少し嫉妬のような感情が浮かんだ。
「も、いいかな…」
「…ふぇ?」
はちきれんばかりのソレを風香に押しつける。
少し擦り付けるようにして潤滑を良くするために愛液をからめた。
「あっ…まっ…て……ひっ!やぁ…」
グリグリと堅いものが擦られる度に声をあげた。
2210:2008/05/27(火) 08:52:58 ID:OuYCSDDx
両手で風香の腰を押さえ、グッと腰に力を入れると先端がぬるっと熱に包まれた。
「ひやぁっ…!!」
「…う、わ……温かい」
そのまま腰をズッと進めると小さな抵抗を感じた。
「いっ……た!!」
「…え……風香…ちゃん?」
「………」
「あ、あの……はじめ…て?」
コクコクと頷くと、がしっとしがみついてきた。
「…ちょっとだけ、待ってください…そしたら、平気…」
(えぇぇ!いいの?俺でいいの?……うぁ…だめだ、かわいい…)
唇を合わせながら胸を愛撫すると中がぎゅっと収縮するのが解る。
手を体に這わせるとその度にぐにぐにと中が動く。
(感じやすいのかな…)
「…楽になった?」
小さく頷くのを確認すると、ゆっくり腰を引いてまた埋める。
「…うぅっ…あぁん…」
ガクガクと腰を震わせて大きく声をあげた。
「あぁ…やばい、風香ちゃん気持ちいい…」
あくまで優しく出し入れを繰り返す。締め付けと熱と潤いは更に増してきた。
「ひっ、あっ、あっ……やっんっ…」
腰を動かす度に甘い声が響く。振動で胸がブルンと揺れる。
視覚や聴覚や罪悪感や色んなものが襲いかかってきて思ったより保たなそうだった。
「…気持ち良い?」
「…きっ…もち…い……あぁん!…で、す……」
2311:2008/05/27(火) 09:12:36 ID:OuYCSDDx
「俺も、気持ち良すぎる…」
そう言うと、小岩井さんは唇を合わせてきた。
もう、あまりよく解らない。
ただ味わったこと無い快感が体を支配していた。
最初は体をえぐられるような痛みだったのがいつの間にか無きゃダメな心地よさに変わった。
(あぁ……なんか…全部きもちい…)
意識とは別に声は出ていた。

胸を揉まれ、吸われ、腰を撫でられ、つかまれ、全てが気持ち良い。
「…ん!?」
「…どうした…痛かった?」
「ちが…なんか…へん……」
腰から背中にムズムズとした感覚が走る。
小岩井さんは、かすかに笑みを浮かべると、両腕をつかんで腰を激しく打ち付けてきた。
「ひゃっ!」
さっきまでとは違う、激しい出し入れ。
「んっ!やぁ!あ!やぁん…あぁ!だめっ、だめぇ!!」
押し寄せる快感が止まらなくなり、腰がしびれるようにガクガクと震えた。
2412:2008/05/27(火) 09:35:48 ID:OuYCSDDx
「あぁ…俺も、もう…」
ずっ、と中から引き抜くと、風香のお腹の辺りに吐き出した。
拭いたりなんだりして二人並んで横になると、そっとキスをした。
「あ、ねぇ…」
「…なんですか?」
「俺で良かったの?」
「あ…あぁ…えーと…」
少し恥ずかしそうにめくれたTシャツを直しながら起き上がり風香は言った。
「こんなんでも好きって…言ってくれたし」
「え…それで?」
「うん」
「こらこらこら!」
「うぇ?」
「そんなことくらいで体を許しちゃいかん!!」
「は、はい…」
「でも俺は別だ!」
「へ?」
「…たぶん、好き」
言ったと同時に意識が飛んだ。
頭が熱くなってさっきまでの元気などすっかり消え失せた。

「小岩井さん!しっかり!!」
風香の声が少し遠い。
おでこがヒヤッとした。何か貼られたらしい。
風邪の熱なのか、それとも久々の恋愛の熱なのか、どっちにしろそれを癒してくれるのは彼女なんだろう。
お隣さんという大事な存在をこの上なく愛しく思った。
25名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 09:39:37 ID:kDcTKyiW
過疎スレで奇跡のリアルタイムGJだ!
とーちゃんの「でも俺は別だ!」で吹いた&和んだ。
26名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 09:40:07 ID:OuYCSDDx
終わりです
行き当たりばったりで書いてるのでまとまりなくすみません
そして視点が定まらなくてすみません
精進します
27名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 10:00:34 ID:OuYCSDDx
>>25
うわぁぁありがたいです
ありがとう
あまりに久々に書いたのでGJをもらえるのがうれしいです
28名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 10:05:16 ID:Q/APDq21
最後まで待ってたがGJGJ!!
風香可愛いよ、風香
29名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 14:24:19 ID:OuYCSDDx
>>28
ありがとうございます
風香こんなんじゃないーとか悩んで書いてたんでうれしいです
次はみうらでも行こうかな…
30名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:18:29 ID:faiE2u1o
わー!復活してたんだ!おつ!
とーちゃん風香大好物だ。職人さんおつです〜!
31名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 15:24:48 ID:CC5pbsGV
>>30
ありがとうございます
つぎは書きかけですがみうら行きます
321:2008/05/29(木) 15:27:28 ID:CC5pbsGV
「そういやみうらって名字なんて言うんだ?」

「へ?」
突拍子もない質問に間抜けな声をあげる。
みんなで星を観た後、綾瀬家に恵那達を下ろしてジャンボはみうらを送り届けることになった。
「ああっ!すまん、寄り道するぞ!!」
ジャンボは急に何かを思い出したようにみうら宅とは反対方向に曲がった。
「別にいいけど、なんだ?」
「顧客んとこ。今日中にきてくれって言われててなー。」
「今日中って、もう9時近いぞ?」
車の中の時計は8時50分。こんな時間に開いてる店なんてそうそうない。

「いんや、開いてる。稼ぎ時な時間だ」
「?」
飲食店とかそんな感じなのかな、と考えながら窓の外の景色を眺めていると、どうもおかしい。
「ジャンボ…なんか、目がチカチカするんだが…」
「おお、この辺はいかにもな照明ばっかだなー」
332:2008/05/29(木) 15:29:36 ID:CC5pbsGV
(やっぱり!)
みうらはいかにもイカガワシい照明の文字を横目で見た。
HOTEL…いくらみうらでもそこが何をするとこだかは解っている。
「な、なあ、顧客って…」
「ああ、この先のホテルがうちにロビーの花を頼んでくれてるんだ。」
「え、ジャンボ花屋なの?」
「なんだ、知らなかったか?」
話をしている内に目的地に着いた。
ホテルの前の道に車を止めると、すぐ戻るから、と言ってジャンボは出て行った。
(休憩…宿泊……案外高いんだなー)
ぼーっとライトアップされた看板を眺めてると窓をこんこんとノックされた。
外には困ったような顔をした男性が二人たっていた。
「なんですか?」
窓を半分くらい開けて声をかけると男性達は助かったような顔をして口々に良かったと言った。
「いやー僕ら道に迷っちゃって…良かったら下りて案内してもらえないかな?」
「え…いや、私も道解んないんで」
危ない。この人達、変。
そう思うが早いか、窓を閉めようとすると男の腕がぬっと窓から入りロックをはずした。
「なんだよおまえら!」
みうらは必死でドアを引いたが男二人の力は抑えられるわけがない。
「冷たいなー、女の子はおとなしく男の言うこと聞かないとぉ」
にやにやと笑いながらみうらの腕を掴むと座席から引きずり出した。
「痛い!はなせバーカ!!」
じたばたと暴れるが、男の力は強まるばかりだった。
「ほらほら痛いのはこれからだよ〜」
ひゃひゃひゃと馬鹿笑いをしながらみうらを羽交い締めにした。
343:2008/05/29(木) 15:34:03 ID:CC5pbsGV
怖い怖い怖い。誰か助けて。
「あぁ、確かに痛いのはこれからだな。」
みうらの体にドンと軽い衝撃が走った。
(え?)
同時に羽交い締めが緩まる。
「ほら、そっちのにーちゃんも痛くなろうねぇ」
バカみたいにでかい手がみうらの腕を掴んでいた男の頭をがしっと掴むとそのまま車に叩きつけた。
「ふがっ!」
「ああ?足りないか?しかたないなぁ、ほらもう一発!」
「あがっ!!」
「ああん?こりゃ俺の車が傷ついたな…修理代を…」
「ジャ、ジャンボもうやめて!死んじゃうよ!!」
血が苦手なみうらはジャンボの足にしがみついて止めていた。
ジャンボは二人の免許証を取り上げるとさっさと消えろ、と蹴り飛ばした。
「…大丈夫か?」
「うん…」
足にしがみついたまま、みうらの体は震えていた。
車に乗ると二人は無言だった。ホテル街を抜け、土手沿いの暗い道に入るとジャンボは急にハザードを焚いた。
「…ジャンボ?どうした?」
「すまん。」
いきなりみうらのほうを向くと頭を下げた。
「え?ジャンボ?」
「あんな風に簡単に置いていっていい場所じゃないのに俺の不注意だ。」
「ちょ、いいよそんなの…何もなかったんだし」
ジャンボの肩を叩いて頭をあげさせようとすると、その手をぎゅっと握られた。
「良くないだろ!怖かったなら怖かったと言え!遠慮すんな!!」
強く握られた手でやっと気づいた。ずっと全身が震えていたのだ。
「…あ……う……うぇーん…」
あの時ジャンボが来てくれなかったらどうなっていただろう。
とにかく、すんなり家に帰ることはできなかった。
それだけじゃない。色んなものを傷つけて失っていただろう。
354:2008/05/29(木) 15:45:22 ID:CC5pbsGV
よしよし、とジャンボは頭を撫でてくれた。しがみつく手を受け入れて、よっ、と向かい合うように膝の上に乗せて泣きやむまで背中を撫でてくれた。
「みうらも気をつけなきゃいかんぞ…可愛い子は危険がいっぱいなんだから」
「…可愛いってのは、恵那みたいなのを言うんだ…」
「まあ、あれは基本だが…みうらみたいなはつらつタイプも大きいお兄さんには魅力的なんだよ」
「…なんだ大きいお兄さんて」
「……こどもは知らなくていいんだよ」
「…そんなにこども扱いするな」
「…いや、こどもだろ」
「あいつらがしようとしたことくらい解るしな。」
「……こどもじゃなきゃ男にそんな風に抱きつくなよ。」
「ジャンボはいいんだ」
みうらはジャンボにしがみついた腕に力を込めた。
「ジャンボは助けてくれたから、いいんだ」
「みうら?」
しがみついていた腕を放すとハンドルに寄りかかるように離れた。
みうらの手はジャンボの胸を沿ってズボンの前をまさぐった。
「なっ!ちょ、おま…」
「だまれ!お礼の気持ちだ!!」
「た、たんま、シャレにならん…あ…」
36名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 20:41:39 ID:oY61L2Av
三浦みうら
37名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 21:07:16 ID:8u40vzuR
禁断のジャンみうキタ…!
38名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:23:19 ID:lzLzjWPk
わくてかわくてか
395:2008/05/29(木) 23:00:31 ID:CC5pbsGV
みうらの小さな手がぐにぐにと宛もなく動く。ソコに触れたり触れなかったり…逆にじれったくてあおられる。
「なんだ、ジャンボもそんな弱々しい声出すのか」
「おま…おまえ、何してるか解ってんのか?」
「解ってなきゃしないさ」
ついに微妙な堅さを得た部分をみうらの手が捕らえた。
「くっ!」
「おぉぉ〜、これか!」
「み、みうらマジやめ……ちょ…」
しっかり認識されたら最後、みるみるうちに怒超して苦しいほどにズボンを押し上げた。
「すげー!こんななのか!!」
少し楽しそうな声をあげながら、さらにみうらはぐにぐにと刺激を続けた。
「……んぞ…」
「へ?」
「もーどうなってもしらんぞ!!」
「ジャ、ジャンボ?」
勢い良くがちゃがちゃとベルトとボタンを外すと布地に抑えられていたソレが現れた。
「みうらがこうしたんだ、俺は悪くない!!」
「…お、大人げないな」

急に開き直ったジャンボに驚いて少し身を引いたが、すぐにクスリと笑った。
「ジャンボに大人を求めるのが間違いか」
「俺は大人だ。ほれ。」
みうらの手をまた触れさせる。包み込むように手を重ねて上下に動かすと、みうらは少しうつむいた。
40名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 23:02:24 ID:2ivQxA1a
>>17
あー!もう、風香イイ!!
今度があるなら一度、風香の太もものスマタでいってみたいよお!
きっと気持ちいいんだろうな。

>>35
一度でいいから見てみたい、みうらが男装するところ。
ショタっぽくて萌えるんだろうな。
416:2008/05/29(木) 23:39:03 ID:CC5pbsGV
(…急にやりすぎたかな…)
元気のなくなったみうらを見てジャンボは少し不安になった。
「……気持ちいいのか?」
「え?ああ…」
「わかった…」
みうらはそう言うと、集中してしごき始めた。
ハンドルに倒していた背中を起こして、頭をジャンボの胸に預けた。
「…み、みうら……」
シャンプーの匂いがジャンボの鼻をくすぐる。たまらず両手でみうらの背中と腰をつかんだ。
「みうら…ちょっと、言うとおりに…してくれ……」
ジャンボのほうに顔をあげたみうらの頬は少し紅潮していた。「ど、どうすればいい?」
「片手、先に当てて…で……」
「…で?」
言われるとおりに片手を先端にあてがうと続きを問った。
「…顔を…こっちに…」
「こう?…っ!?」
ジャンボのほうを向くとそのまま唇を塞がれた。
ジャンボの手は背中から頭に移って、驚いて逃げようにも動けないのでそのまま唇を重ねる。
「んーっ……はっむっ…ん…」
次第に舌が割り入ってみうらの口内を犯す。
「…っ!で…るっ!!」
「えっ…!」
唇の隙間からジャンボが言うと、また唇を重ねた。
みうらの手には暖かな感触。
「…はぁっ……ジャンボ、苦しい…」
「ごめ……」
427:2008/05/30(金) 00:02:48 ID:X5lmqOzH
みうらにティッシュを渡すとジャンボはなぜか急に恥ずかしくなった。
(…俺は何をしてるんだ…こんなちびっこに何を…つーか、あぁぁ……)
両手で頭を抱えていると、みうらに肩を叩かれた。
「…ジャンボの気持ちは解った。」
「…へ?」
「いやぁ、ジャンボも立派なもんだな!」
「あ、あのみうら…?」
「まさかこんな風に熱烈にファーストキスを奪われるとはなぁ……そうかぁ、だからあいつらにあんなに怒ったのか…」
「み、みうらさん?」
「よーし解った、ジャンボの彼女になってやるかぁ。」
みうらはそう言いながら助手席に戻っていく。
「よろしく、ジャンボ!」
彼女なのにあだ名で呼ぶのか、とつっこみたい所だったが、いつもみたいにこどもらしく笑うみうらを愛しく思い、水を指すのもできずにジャンボは車で走り出した。
あと数年まてば、あり得ない話でもないのかな、なんて思いながら。
43名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 00:10:18 ID:X5lmqOzH
終わりです。すんません、またぐだぐだした…
>>36
まじですか?
>>37
禁断なのか…でも手古希で終わりました…すんません
>>38
大したことないのに無駄にわくてかさせてしまってすんません
>>40
みうら普段から男装な気も…ww
風香スマタですか…それも良いかも
みうらとか恵那とか可愛いなぁと思いつつもやっぱり風香が好きな自分がいる
44名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 11:50:59 ID:/vsby87g
期待してるからあえて言うけど全レスしてると変なの沸くよw
でもGJ!
45名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 12:59:05 ID:X5lmqOzH
了解です。ありがとうございます
46名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 13:13:18 ID:yK8gEODe
GJ!
みうらの髪の毛は、やあらかいんだろうな。その髪の毛に思いっきり、搾りたての小岩井さん牛乳をかけても頂きたい。

47名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:27:54 ID:X5lmqOzH
GJをくださるみなさま、本当にありがとうございます

余談ですが、よつばとの王道カップリングて誰なんだ…
48名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:30:33 ID:AuApd3Sd
父さんと風化
ジャンボとみうら
よつばとヤンダ
じゃね?
49名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 21:20:45 ID:X5lmqOzH
うーん、どうもよつばは対象にできないんだよなぁ…何も浮かばん…
意外とあさぎは人気ないのかな?

やっぱり好みのままに風香が無難みたいかな
50名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 21:26:44 ID:kYqpgNNM
ジャンボ×あさぎもいいと思います
51名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 21:31:06 ID:zwCArSL9
あさぎをSSの中で謝らせたい。
52名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 23:33:38 ID:X5lmqOzH
>>51
あさぎを誰に謝らせたいの?
53名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 00:46:40 ID:WhMQm+fx
男キャラでは小岩井が一番好きだから、
小岩井と色んな女の子との絡みを見てみたい気はする
54名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 00:52:18 ID:WnzyNB+M
あさぎの謝罪会見が見たい。
55名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 05:09:14 ID:g63QT+mL
>>52
親父さんじゃね?
56名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:26:36 ID:YFErCk09
お父さん×あさぎの鬼畜ものを書こうと思ったけどほのぼの系ENDしか書いたこと無いから撃沈した…
だめだ、もうラブラブ系なとーちゃん×風香に逃げようと思う
57名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:45:21 ID:dGjR8iX/
お父さんがあさぎを鬼畜責めしてたけど、いつの間にかほのぼのENDになる。
いいじゃんそれ。
58名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 00:08:03 ID:1OgUTCvh
お父さん×あさぎ×風香とか。
ぐっすりお昼寝の恵那の真横で親子水入らずの秘め事が…。
「これこれ、恵那が起きるだろ」
59名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:06:41 ID:iZZnpvxb
保守
60名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 20:34:24 ID:kJKZpVNs
みうらに説教されたい。
61名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 20:39:13 ID:19YZefLf
10年位経って、大人っぽくなったよつばと小岩井もいいかもしれん
62名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 11:06:34 ID:C2PqIDmO
とーちゃんと風香の構想があるので、書いてみよう。昔一度投稿したけど、挿入シーンでおわった。
63名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 21:43:11 ID:HcAw24LI
エピソード1 いつでも今日が、いちばんしたい日。

Aパート

季節は夏真っ盛り
真っ青な空の下
正面の窓から入る風が気持ちよい
夏の香りがする・・・

カチャカチャ、タンッ

「ふう、少し休憩するか」

俺は今原稿の締め切りに追われている。
ここ三日位は朝から晩まで、パソコンのモニターに向かって仕事をしている。
机の周りには、エスカップの空き瓶や夜食のカップラーメンの残りが片付かず置きっ放しだ。
よつばにかまってやる時間もほとんどない。
まあ、年に何度かあることなのでよつばもさほどぐずったりしない。
田舎に居るときは、じーちゃんばーちゃんが面倒見てくれたし、今は隣の綾瀬さん家がいる。
今日も恵那ちゃん達と外へ遊びにいっているみたいだ。

「うああ、今日も暑いなあ」

椅子から立ち上がり、大きく伸びをしながら、東側の窓際まで歩く。
普段は開けない窓だが、今日は風通しがよさそうだ。

ガラッ

外の熱気に一瞬顔をしかめるが、首筋に心地よい風が当たる。
ちらっと右を向くと、風香ちゃんの部屋が見える。
どうやら本人は窓際のベットで寝そべって居るみたいだ。昼寝だろうか・・・

しばらく見ていたのだが、どうも様子がおかしい。
タオルケット下の風香ちゃんのお尻が、小刻みに揺れているのだ。
その揺れはだんだん大きくなっていく。前後に、そして回すようにして動いている。

ふいに、風香ちゃんの体が仰向けになった。
彼女の右手が、タオルケットの下で、自分の股間に潜り込んでいるのだ。

「・・・凄いシーンに出くわしちゃったな」

あの優等生の風香ちゃんが、大きなお尻をベッドから浮かして、自分で自分のあそこをこねている。
まさしくオナニーである。


(Bパートは明日以降描きます)
64名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 04:58:56 ID:YYiqS7zU
けしからん、非常にけしからん風香でよろしい。
書き手さんも風香もGJ。続きもよろしく。
65名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 17:49:13 ID:Y7aWry7k
恵那にネコ、風香にアライグマ、あさぎにキツネの格好をさせたい。
そして、とおちゃんを困らせたい。
66名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:55:58 ID:LH7ji2Yv
鬼畜とーちゃんの幼女よつば責めはやっぱりマズいのだろうか?
67名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:09:09 ID:Y7aWry7k
まずいのは「幼女」だからか?「よつば」だからか?
68名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:43:51 ID:iniEaAkz
よつばだからに決まってるだろう
69名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 20:04:54 ID:PaSDiaOs
鬼畜よつばのとーちゃん責めは、まずいだろうか
70名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 07:04:34 ID:ihWIV/9s
ある意味ソレは日常だな
71名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 13:03:38 ID:xv/bozi4
成長したよつばはどうなっているだろうか
72名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:31:06 ID:W2zOWTQ8
とーちゃんの壮大な紫の上計画
…だめか
73名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 10:51:12 ID:jd5XQD4u
個人的にはよつばはやんだとめでたしめでたしになる予定。
74名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 18:55:42 ID:Sxd2UHXt
年齢差いくつだ?
75名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 02:04:58 ID:50LtPzrx
多分たったの20くらいだろう。余裕だよ。
76名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 03:29:54 ID:UhL5dcNL
いつの間にか復活しとる!
これは期待

保管庫のURLどこだっけな・・・
77名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 07:37:38 ID:8gHH28vI
よつばとエロパロ! 保管庫
ttp://www.geocities.jp/yotsuband/

78名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 11:50:26 ID:UhL5dcNL
>>77
dクス!
79名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 12:14:49 ID:sK4t5vFJ
よつばと試験
問・潜在的エロさを持ち合わせる順に並べなさい。(10点)
・あさぎ・風香・恵那・みうら・虎子・しまうー
80名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:27:27 ID:1rKDiz8n
しまうー>みうら>恵那>風香>あさぎ>虎子
81名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 04:10:46 ID:eRf/3Y/O
しまうー>恵那>虎子>風香>みうら>あさぎ
だと思います!
82名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:50:11 ID:pd4ZuSuH
しまうー>みうら>恵那>虎子>風香>あさぎ

潜在的だとこうなると思いまふ
83名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:00:28 ID:nhmuXo6y
>>82に一票だな
84名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:35:59 ID:nhmuXo6y
>>80-82
何故かーちゃんが入ってないんだww
85名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:44:19 ID:iUeP/7wr
俺は>>80に一票

てか、しまうーエロそうだよな
騎乗位で腰振ってる絵が容易に想像できるw
86名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 02:23:49 ID:Z8CiPFuC
1位…5Pts、2位…4Pts〜6位…0Ptsで集計した結果…
あさぎ…2Pts
虎子…5Pts
風香…7Pts
恵那…16Pts
みうら…17Pts
しまうー…25Pts

第一回抱かれたいグランプリは、しまうーに決定しました。
というわけで、しまうーのSS読みたいなあ。
87名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 17:30:37 ID:LhF1sIr2


風香>しまうー>あさぎ>虎子>恵那>みうら

風香×しまうー>風香×とーちゃん>あさぎ×ジャンボ
88名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 18:28:09 ID:sQRXV0XL
よつばは幼すぎてダメなんか
89名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 10:34:39 ID:NNJHlauo
よつばとのエロパロスレなのによつばが論外とは悲しいよな。
90名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 19:04:44 ID:2GuOlz7J
10年後のよつばは…
@恵那のようにおしとやか
Aみうらのようにボーイッシュ
どっちだ?
91名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 19:21:55 ID:xoy0wb4X
しっかりした、所帯じみた少女。
小岩井の嫁さん状態。(性的じゃない意味で)
92名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:12:21 ID:no8pvnDw
「も〜、と〜ちゃん。洗い物はこのカゴに入れとくようにって何回言えばわかるの?」
「風呂沸かしてないよ。こんなに暑いんだから、シャワーで済ませてよ。
水道代もバカにならないんだから」
とかこんな感じ?
93名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:04:25 ID:39OE16p4
いいな。
でも周りからおばさん臭いって言われそうだ
94名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:50:09 ID:OzUmHeZi
高校で休み時間に家計簿を付けるよつば
「かわいいくせに、そんなことしているから、もてないのよ」とか
「よつばはお父さんが恋人なんだからいいんだよね〜」とか
勝手なことを言う友達
95名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 11:39:53 ID:a/BMEKF5
実は結構傷ついて、落ち込みながら帰宅するよつばをそっと慰めるヤンダ。
96名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 13:11:37 ID:Bqe+eZC8
セクハラすんな!
97名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 13:15:21 ID:NFFYNsWQ
成長よつば、ヤンダ、小岩井で三角関係とな
98名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 18:25:47 ID:BUrAttS+
とーちゃんはいつよつばに血縁関係にないことを言うんだろう?
こういう場合、成人後ということでハタチ頃か?
99名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 15:29:24 ID:nZAYc9O5
夕陽に焼けた放課後
うつむいて帰るよつばに

「なんだまたヘコんでるのか」プニ
「さわるなヤンダ、警察に捕まるぞ」
「捕まるって悪いことはしてねえじゃん?」

「んー・・・ヤンダは別」
「ひどい!ところでアイス食べる?」
「食べる!」
みたいな
100名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 15:37:14 ID:2f2oT+z8
普段は大人っぽいというか主婦っぽいと思われてて、小岩井には小言奥さんっぽい成長よつば。
でもヤンダの前では子供に戻る。
で、小岩井が嫉妬する訳ですな。
101名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 15:57:18 ID:nZAYc9O5
そこまで深くは考えてなかった

ヤンダに相談するよつば

「学校で家計簿つけるのはいけないのか?」

「時と場所を考えたらどうだ?」

「お昼休みあたりか・・・」

「時を考えてどうする!」

「やっぱヤンダに相談するのはダメだなー」


エロパロは無理だね
102名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:35:44 ID:CFbGZpbE
高校生とかのよつばってどーしても想像できん
うーむ
103名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 01:51:14 ID:gmFE1uoB
よつばは成長するにつれ大人になっていくが
ヤンダは子供のままで、よつばに呆れられる。

「『プルルルル!』…バーカバーカ」
「ばっかじゃないの?」
104名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:32:30 ID:LLZxWSOB
よ「やんだはいつまでたっても子供だなぁ」
や「馬鹿にすんな俺は大人だ!」
よ「じゃあ証明してみろよ」
や「…い、良いぜ!」
というわけか。
105名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 19:36:14 ID:+e3MthWd
ヤンよつなんて考えたことなかったぜw
こんなにいたのか
とし離れすぎじゃね?そこがいいのかw
106名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 21:04:34 ID:JRrrqMCn
ヤンよつ(10代になったよつば限定)ばっかり考えているおれはいったい・・・。
成人男子でいちばん若いからな、ヤンダは。

よつばが幼すぎるからどうしてもSF(少し不思議)になってしまう。
107名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 21:44:37 ID:ZovDmx9X
>>106ヤンよつなんて一_も考えつかない俺を洗脳するためにさっさと書けよ(;´Д`)
108名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 21:46:01 ID:ZovDmx9X
そう言えばよつばは外人だから、肉体的成長は早いかも知らん。
109名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 21:53:40 ID:JXW/oqZ+
中学生で、既に美少女を飛び越えて美女になっていることは確定的。
それでも「と〜ちゃんは、なんでよつばと風呂に入るのを嫌がるんだ?
一緒に入ると楽しいぞ?」と無邪気にせがんで来る

「よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。
よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。
よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。
よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。よつばは娘。」
と呪文のようにつぶやきながら一緒に入ってやると〜ちゃん
110名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 13:34:09 ID:zEZ7Xp09
成長したよつば。
ショタ化したとーちゃん。
せくしーになったよつばを見て、ショタ父が鼻血ブー
111名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 20:20:45 ID:aKvoUZF6
トイレから出てきたよつば
「と〜ちゃん大変だ大変だ、股から血がドバーっと出てきた」

風呂から出てきたよつば
「と〜ちゃん大変だ大変だ、股から毛が生えてきた」

と〜ちゃんは大変だな〜
112名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 20:55:56 ID:iLggykQv
よつばとお赤飯マダー?
113名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 10:33:29 ID:PsP5fWIc
とーちゃん風香たのむ
114名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 09:19:18 ID:2yCrg0Vj
「レイプマーン!」
「おー、レイプマン! またきたなー!?」
「また!? よく出るの!?」
「どっちがバイブでどっちがチンチンか分かるまいー」
「て、ちょっと標的は私ですか!? あっ、いや、だめー!」
115名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 23:37:22 ID:H2AER5SQ
風香もいいけど恵那もいいぞよ
116名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 21:12:52 ID:M3TTIV91
よつばはとーちゃんに電気アンマやられているのかな?
117名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 19:29:27 ID:5uajMVbv
あさぎのビンタと
みうらのビンタ。


されたいのはどっち?
118名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 20:36:27 ID:5Icqx5Lr
>>117みうらだね。そしてビンタされた後、恵那に慰められたい。
119名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 20:47:17 ID:gsxCbGip
俺はみうらのおしりにビンタしたい。
120名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 00:57:47 ID:WxDWrgVt
圧縮来そう保守
121名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 12:41:28 ID:ZpYIAgYV
みうらをネコ化したい
122どうぶつえんごっこ:2008/07/22(火) 21:24:35 ID:uGoibO9X
>>121
突然あの子供は言い出したんだ

よつば「今日はどうぶつえんごっこする!」

恵那「どうぶつえん…」

みうら「ごっこ?」

よつば「ぱぉー!!」

恵那「よつばちゃんどうしたの!?」

よつば「よつばはぞうだ」
みうら「象は喋るのか?」
よつば「・・・ぞうだぱぉー」

恵那「じゃあ私ひつじにする」

よつば「おーえなはひつじか、めぇーだな」
恵那「みうらちゃんは?」

みうら「私はやらないよ、せいぜい飼育いn」

よつば「みうらはネコな!」

みうら「なっ何でネコなんだよ、動物園じゃねーだろ」

恵那「ネコは可愛いメェー」

みうら「恵那・・・わかったよやるよ」

よつば「ネコはにゃーと鳴くんだぱぉー」

みうら「わかったにゃー…」
123どうぶつえんごっこ2:2008/07/22(火) 21:33:47 ID:uGoibO9X
>>122
母「おやつですよー」
よつば「かーちゃん気が利くぱぉー!」

母「ぱぉー?象か何か?」

よつば「よつばはぞうだぱぉー、えなはひつじでーみうらは…」

みうら「ネコです…にゃ」

母「母さんは動物で言うとなに?」

恵那「お母さんはー…」

よつば「きりん!」

みうら「キリンはジャンボだろ」

よつば「そっかーでかいもんな、じゃあうまー」




飽きた
124C.G.Yang:2008/07/23(水) 00:54:54 ID:Y8qHGM5V
適当に投下します。
続きは、妄想がどこまですすむかによります。期待しないでください。
125ねこみみみうら:2008/07/23(水) 00:56:04 ID:Y8qHGM5V
 「恵那〜、いいもの買ってきたよ〜リビングにおいで〜 」
 風香は階段に向かって恵那を呼んだ。

 「何買ってきたの? またへんなTシャツでしょ? 」
 「へんなTシャツって、失礼な。おしゃれなTシャツと言いなさい。
そんなことより、ほら! 」
 風香はそらきたとばかりに、バッグの中をあさくると、カチューシャのようなものを取り出した。
 「じゃーん。ネコ耳カチューシャ! 
恵那に似合うんじゃないかなと思って。さあ、ほら、つけてみなって! 」
 「ちょ、ちょっとおねーちゃん、むりやり、自分でつけられるからっ! 」
 「よいではないか、よいではないか」
 「もーう!」

 まじまじと頭の上に耳のついた少女を見るにつけ、あごに手を当てて風香は言った。
 「うーん、思っていたのとちがうわね……」
 「わたしには似合わないと思うよ、ネコって感じじゃないと思うし」
 はにかみながらそう言った恵那の頭からつま先まで、視線を何度も何度も往復させたが、とうとうあきらめて、大きくため息をついた。
 「はあ、わたしも恵那も、まだまだってことね」
 「意味わかんないよ、おねーちゃん」
 恵那はネコ耳を取って、風香に手渡すと、髪を手ぐしで整えた。
 「結構これ高かったのよ。よつばちゃんの持ってきた牛乳くらい」
 「あ、そうだ。みうらちゃんになら、似合うかもよ!
今日うちに来る予定だし。たぶん、そろそろ――」

 恵那がそういい終わるが早いか、チャイムが鳴った。
126ねこみみみうら2:2008/07/23(水) 01:00:02 ID:Y8qHGM5V
 「おーす、恵那〜きたよ」
 「ちょうどよかった、みうらちゃん、こっちこっち」
 「なに、恵那、どうしたんだ? 」
 みうらをリビングまで引っ張っていくと、にやにやした風香がカチューシャを手に持ってスタンバイしていた。
 「うわ、なにやってんのさ、それは……」
 「ここからは逃げられないよ、みうらちゃん、ふっふっふ」
 「ちょっと、恵那、恵那、どうにかしてよ、このひと! 」
 「えー、わたしも、みうらちゃんのネコ耳、みてみたいなあ 」
 「ばかいってないで、はやくたすけ、ああ、もう、そんなものつけようとするな! 」
 「恵那、押さえといて! 」
 「わかった。みうらちゃん、きっと似合うって」
 「はなせはなせ! 」
 しばらく、みうらの抵抗は続いたが、相手は二人ということで、ネコ耳はみうらの頭の上に落ち着いた。

 「うーん、これは、わたしの想像以上だわ! 」
 「みうらちゃん、全然違和感ないね、すごくかわいい! 」
 「うるせー! 」
 二人が驚嘆している一方で、みうらは頭から出る湯気で温泉卵が出来るほどに真っ赤になっていた。
 スカートだってほとんどはかないみうらにとっては、ネコ耳だけでも相当にはずかしいものだ。ましてや、友人とその家族にみられているのだから、はずかしさも3倍どころではなく3乗されるほどの勢いだ。
 それに追い討ちをかけるように、恵那はつぶやいた。
 「黒いワンピースとか着てみたら、もっといいのかも。きょうのみうらちゃん、いつもにもまして男の子っぽいもんね」
 「恵那、ナイスアイディア! 恵那の部屋から取ってきてあげる」
 風香も親指をたてて、ニッと笑いそれに同調すると、リビングからとびだした。

 「ねっ、みうらちゃん、わたしの服貸してあげるから、着替えようよ」
 「……」
 うつむくみうら。
 「着替えないんだったら、無理やり着替えさせちゃおうかなあ」
 いつもはおとなしい恵那も、えらくはずかしがるみうらにいじわるしてみたくなったらしく、みうらの着ているノースリーブを脱がそうと手をかけた。
 「わかった、わかったよ、着ればいいんだろ……」
 みうらが普段かわいい格好をしないのは、自分には似合わないと思ってはずかしいからなのだが、ネコ耳をつけたみうらへの二人の評価はそう悪くないものだった。
 かわいい格好に興味がないわけではないみうらにとっては、一度、二人にかわいく仕立て上げてもらうことに少し期待感を抱き始めていた。
 もしかしたら、自分にだってかわいい一面があったって、悪くはないかもしれないのだという気持ちも少しはある。はずかしさは少しの辛抱でどうにでもなる、そうみうらは自分に言い聞かせた。 
 「せっかくだから、語尾に『にゃ』 ってつけてみてよ」
 やはり、はずかしいものははずかしい。

 「おまたせ〜、服こんなのでいいかな? 」
127名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 01:41:55 ID:NRwSTkBW
期待
128名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 19:09:39 ID:eAEKZWXi
なんと!期待しないで何をする!
ねこみみみうらを想像したら…ああ。
129ねこみみみうら3:2008/07/23(水) 22:10:27 ID:Y8qHGM5V
 「二人は向こうむいててよ、着替えるんだから」
 「みうらちゃん? 『にゃ』は? 」
 「……着替えるんだから……にゃ……」
 「よくできました」

 着ているものを脱ぐと、クーラーの効いたリビングの空気が汗ばんだ肌に心地よい。
 他人の家で、下着以外には何もまとっていない状態になるなんて、少し変な気分だ、とみうらは感じた。
 着替え終えると、脱いだものを大雑把にたたんで、後ろを向いている二人にもういいよと声をかけた。

 「これは、これは。なんとも言いがたいというか、もはや芸術だね! 」
 風香はご満悦といった表情で、何度も首を縦にうむ、うむ、と振っている。
 「うん、とってもかわいいよ、みうらちゃん! 」
 「そうかな……自分じゃあんまりわかんないよ」
 「今日は、その格好でお勉強しよ?二階に行こうか」
 「えっ、これ着たままなのか? 」
 「それと、『にゃ』も今日いっぱいはつけなきゃだめだよ」
 「……それはないよ、はずかしいじゃん……」
 「宿題みせてあげないよ〜あした先生におこられちゃうかもね〜」
 「わ、わかった……にゃ。それだけは、勘弁してくれ……にゃ」
 「じゃ、二人とも勉強がんばってね〜」
 風香は冷蔵庫をあけて、飲み物を選びながら、二人を恵那の部屋へ送り出した。
130ねこみみみうら4:2008/07/23(水) 22:11:11 ID:Y8qHGM5V
 「じゃあ、勉強はじめよっか」
 「さっそく、宿題みせてくれよ……にゃ」
 「だめだよ、少しは自分でやらないと、後で困るのは自分なんだよ? 」
 「恵那はゆーとーせーだな、まったく……にゃ」
 「なにか言った? 」
 「いえいえ、なんでもないです、にゃ」
 普段も、少しはみうらと冗談を言い合ったりする恵那ではあったが、今日はいじわるな気持ちが恵那の心を大きく支配していた。
 さっきの服を脱がしかけたことといい、語尾の強制といい、はずかしがるみうらが、本当にかわいらしい。おとこのこと間違われることのあるみうらであるからこそ、こんなにも「おんなのこ」らしい彼女をもう少し追究して見てみたいと恵那は考えた。

 「あ〜、わかんないよ、恵那〜、おしえてにゃ」
 すっかり『にゃ』に慣れてしまったみうらは、宿題なんてやってられっかという態度をさっきからとっている。
 「みうらちゃん、ネコってあまえるときって、どうするんだっけ? 」
 「へ?」
 「ネコみたいに、あまえることができたら、宿題みせてあげる」
 「え、恵那?まじでいってんのか? 」
 「ひざの上に乗っかって、ごろごろあまえるんだよね? 」
 「そ、それは……」
 徐々に、みうらの顔が赤くなっていき、目も伏目がちになってくる。
 その表情に心臓の奥がきゅんとするのを感じた恵那は、もう一押しとばかりに台詞をはく。
 「あした、教室の外に立たされちゃうかもよ、はずかしいなあ」
 「わかった、わかった……にゃ」
131ねこみみみうら5:2008/07/23(水) 23:13:41 ID:Y8qHGM5V
 「こんなかんじで、いいのか、にゃ? 」
 座った恵那のひざにみうらが寝転がる。
 「ちょ、ちょっと、恵那、くすぐったいってば! 」
 「ネコは、のどなでられると気持ちいいんじゃない? 」
 「やめ、人間、だよ……」
 「今は、ネコなんでしょ? 」
 「そんなこといったって、くすぐったいものは、もう、……っあ、くすぐった、いだろ……」 
 「じゃあ、気持ちがいいところをさわってあげる……」
 そういうと恵那は、真っ赤になったみうらの頬に軽くキスをした。

 「……恵那?」
 「みうらちゃんが、あまりにもかわいいんだもん、みうらちゃんがわるいんだからね」
 今度は、唇に。
 みうらが目を白黒させている間に、矢継ぎ早に短いキスをもう二度三度。
 「もっと、かわいいとこ、みせてね」
 「えな……こわいよ……」
 「こわがらなくても、いいからね。すぐにきもちよくなるから」
 そう言うと、みうらの着ているワンピースに手をかけ、胸元までおおきくたくし上げた。
 「や、やだ、はずかしいって……こんなこと、やめよ……っんぁ、んん」
 恵那の指がみうらの胸の突起をやさしくはじく。それと同時に、唇をふさぐ。
 今度は長く。恵那はその間も突起をいじくるのをやめないために、ふさいだ唇の間から嬌声がもれる。
 数十秒、唇を重ね合わせていただろうか、ゆっくりと唾液できらきらしている唇を離すと、弱弱しい声でみうらはつぶやいた。

 「……っは、えな、やめ、んっ、いじっちゃ、いやっ……」
 「じゃあ、『やめてくださいにゃ』って、こっち見ていってみて? 」
 みうらが苦しそうな顔をして、恵那の目を見る。いつもとは違う目。
 「や、やめて、っく、ください、んぁ……にゃ」
 赤く上気した頬、涙の溜まった上目遣いの目。そんな姿に、恵那はしばらく見とれていた。
 心臓の奥でもう一度、きゅんとするものを感じるや、恵那はきっぱり言い放った。
 「だーめ」
132名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 23:44:29 ID:oZekYTgC
あまり上げるものじゃないんだが…
これは良い!
期待上げ
133名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 23:50:03 ID:0VPAbgw4
あげなくていいだろうな
134ねこみみみうら6:2008/07/24(木) 00:08:25 ID:Y8qHGM5V
 「えな、はなしが、っあぁ、ちがうよ……なんでっ」
 「だれも言ったらやめるなんて言ってないんだよ? 」
 恵那はニヤっとわらって、起立した突起に口をつけた。
 びくんと大きくからだを一度のけぞらせるみうら。懇願するような目で恵那をもう一度見る。
 それは火に油を注ぐような結果をもたらし、恵那の行為はエスカレートする。
 ぴちゃ、ぴちゃと音を立てて、みうらの突起を舌で蹂躙したり、強く吸い付いたり。
 「んぁ、っく……えなぁ、ぁあっ」
 「こっちもきもちいいんだよ? 」
 みうらの秘部に布越しに指を当てて、ゆっくりとこすりあげていくと、それに伴って、ぬちゃ、くちゃっと淫猥な音が響いた。
 「もうびしょびしょになっちゃってたみたいだね、みうらちゃん? やっぱりおんなのこなんだね、わたしといっしょ」
 恵那は、みうらをひざから床へと寝かしなおすと、片手を自分のスカートの中に手を入れて、やはりゆっくりとこする。
 「いっしょに、はぁ、きもちよくなろ? みうらちゃん? 」
 片手で自分の、もう一方でみうらのを、同じペースでこすりあげる。最初はゆっくり、緩急をつけながら、徐々に指の動きは速くなる。
 二人の嬌声と、染み出るいやらしい汁の音以外に、部屋に響く音はなかった。

 「……みうら、ちゃん、んあっ、かわいい、ぅん、かわいいよぉ」
 「えなぁ、おかしく、ひぁっ、おかしくなちゃうって、ぁあっ! 」
 「みうらちゃんの、んっ、声もかわいくて、わたしも、ぁっ、おかしくなっちゃうぅ」
 恵那の指の動きがどんどん速くなる。自分のほしい快楽のため、そして、みうらをもっとかわいくしたてるため。

 「かわいい、みうらちゃんがっ……んぅっ、だ、だいすきぃ、すきなのぉっ」
 「えなぁ、っうぁ、こわいよぉ、かわいくっ、なくていいからぁ」
 「みうらちゃんはぁ、くっ……かわいくなくちゃっ…だめぇ……んあぁぁっ! 」
 「くうぅぅっ!」
135ねこみみみうら7:2008/07/24(木) 00:14:24 ID:ieLGcqTo
 ほぼ同時に二人は全身をひきつけて、その後、ゆっくりと身体を弛緩させた。
 
 「……みうらちゃん」
 「えな……」
 二人はぼうっとした声で会話する。
 「宿題、みせてあげるから……」
 「そんなことじゃなくて、ほんとに、わたしかわいかったの? 」
 「すごくね。むりやりこんなことしてごめんね。あ、ほら、かわいい子ほどいじめたくなるっていうか……」
 あわてて言い訳をする恵那を見て、今度はみうらの心臓の奥がきゅんとすることになった。
 不意にみうらは上半身を起こし、そのまま自分の唇を、恵那の唇にそっと重ねた。

 「恵那のまえでしか、かわいくなれないけど、いいかにゃ? 」
 みうらは少しはにかんだような表情をして、恵那をいとおしそうに見つめた。

 おわり
136C.G.Yang:2008/07/24(木) 00:18:19 ID:ieLGcqTo
>>132
ああ、どうしてあげてしまったんですか。はずかしい。


というわけで、投下終了です。
恵那が黒いというかなんというか、キャラが崩壊していますが、許してつかあさい。
読んでいただいた皆さんに感謝いたいます。乱文失礼しました。
137名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 00:26:06 ID:tSnXIkjw
恵那はほんとはエロい子。GJだぜい。
138名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 04:16:14 ID:/PacLvf+
よつばがエロい子だったらどうなる?
139名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 09:41:28 ID:oSP1LhmG
やんだがペドる
140名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 18:54:00 ID:JdE+EBAQ
よつばが男の子だったら、いろんな妄想ができるショタコンな俺。
141名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 23:12:07 ID:R28NRaoo
保管庫二年も更新してないのか・・・
142名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 10:11:18 ID:1Ia0ta5Z
保守
143名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 15:42:53 ID:0vL32pUH
やんだとあさぎって無いのかな
144名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 21:08:01 ID:+xtqVIo3
あさぎには彼氏いるし
あれ?あの人とは終わったんだっけ?
145名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 21:17:41 ID:mABOrcEp
そこ!!
そこ大事よ!?
146名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 21:24:18 ID:n97sBhA+
やんだは微妙にウブな感じがする
147名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 02:02:31 ID:Bp7TibuG
ヤンダがみう×えなのロリっこに責められて、その道を極め始めます。
148:2008/08/06(水) 20:14:45 ID:jhJuvROS
(どうしよう。どうしたらいい?)

風香はすこし温めの浴槽につかりながら、ひざを抱えてじっとしていた。
鍵を忘れてしまって途方にくれていたら、買い物帰りの小岩井とよつばに声をかけてもらって──
それで「風香ちゃん、お風呂入ったら?」という小岩井の勧めにしたがって、いまこうして他人の家の浴室で考え事にふけっている。

「ふーか!だいじょうぶかー!?」

ドアの向こうからよつばの溌剌とした声が響いて、風香はびくっとした。
きっと長湯しすぎたため心配されたのだろう。
風香は「大丈夫!」と答えて、ざぶりと浴槽から出た。

(私、小岩井さんのこと好きなのかな!?)
(そりゃあ、会うと嬉しいし、構ってもらえると幸せ感じるし・・・・)
(キスしたり抱きしめられたり、してみたいし・・・・)
(だけどだめだめ!相手になんてしてもらえないもん。ずっと年上で、しかも子持ちの人だもん)

ふわふわした恋心に自覚しているが、すぐに現実問題に当面して溜息が出てくる。
小岩井が構ってくれるのも、優しくしてくれるのも、すべて彼の人柄がそうさせているだけだ。
けして風香を好きだから、そうしているわけじゃない・・・・。
こうして一人ぼっちの風香に声をかけてくれたのも、お隣さんが困っているからという親切心に過ぎない。
それに、小岩井には多分・・・・恋人がいる。
さっき見てしまった。そっと隠すように置かれた、女の人からの手紙。
たまたま目に入っただけだが、頭に入り込んだ情報は、さまざまな不安を盛りたてた。

(このお手紙、恋人からですか?って聞けたらいいのに)

だけどだめだ。そんなことを聞ける間柄ではない。
ただ家が隣同士なだけなのだから。

「風香ちゃん、お風呂ゆっくりだったねー」
「ごめんなさい。気持ちよくって」
「ならいいけど。ぶっ倒れたりしてるんじゃないかと思ったから」

赤い顔のままリビングに出ると、眠っているよつばと、それを抱きかかえている小岩井が待っていた。

「喉渇いたんじゃない。冷蔵庫からオレンジジュース出して飲んでいいよ」
「ありがとうございますー。じゃ、いただきまーす」

他人の冷蔵庫を開けるのは忍びないが、隣人のこのあけっぴろげな性格にはだいぶ慣れてきた。風香は冷蔵庫のドアポケットから、オレンジジュースの紙パックを取り出して、コップに注いでリビングに戻ってくる。
小岩井が、慈しむ手つきでよつばの髪を撫でている姿が目に映った。
どうしよう?すきって言っちゃう?極力接触を避けたほうがいい?なんて悩みも吹っ飛び、風香は微笑んでその光景を眺めた。

「よつばちゃん、今日はお疲れだったんですね」
「うーん。スーパーではしゃぎすぎたからなあ」
「気持ちよさそう。私も真似したいなー」

「うん。来る?」

ごく普通に、よつばを乗せた脚の反対をぽんと叩いて小岩井が言う。
風香は体を強張らせて、その後顔を真っ赤にさせた。
149:2008/08/06(水) 20:15:28 ID:jhJuvROS
「冗談ですよー!」
「あはは、遠慮はいいのに。子供がふたりに増えたところで、そんな変わらないし」
「子供じゃないですっ。結婚だって、もう出来ます。ロトシックスは買えないけど。」
「うん、うん」

顔を真っ赤にさせて反論する子供と、はいはいと笑って頷いている大人。
その図が頭に浮かんで、ますます風香は紅潮した。

「そうだよなー。風香ちゃんしっかり者だもんな。」
「そんなに取って付けたようなフォローはいいですよ」
「ほんとうだよ。俺もよつばも何度も助けられてるし・・感謝してる。」
「・・・・」
「それに風香ちゃんはいいこだしなー。美少女だし。」
「なんですかもう・・」

精一杯冗談めかして笑顔を取り繕うが、高揚した気分が涙腺を刺激する。
心臓が自分のものでないように激しく鼓動している。このあふれそうな気持ちが、伝わってしまったらと思うと怖い。
小岩井に気持ちを悟られて、拒絶されたら・・・・
隣り合わせに生活しているのだ、気まずいどころの騒ぎじゃなくなってしまう。
なにより、こんなに膨らんでしまった感情を無碍にされると思うと、考えただけでおそろしい。

「風香ちゃん?どうした?」
「え?いえ・・べつにどうも」
「涙目じゃない?目がきらきらしてるけど」

小岩井が顔を覗き込もうとしたとき、感情の波がぶわっと風香の心を襲い、ぎりぎりで保っていた薄い膜の理性が決壊した。
風香はぎゅうと小岩井の胸にしがみついて、その首に腕を回し、力いっぱい感情を押し付ける。
腕の中で、小岩井の首筋が汗ばんでいるのを感じた。
もう後には引けない。たった今、やっぱりやめようと考えていたところだったのに。

「・・・・・・・ふうかちゃん・・・・」
「小岩井さん・・・・私を見ないで」
「風香ちゃん、大丈夫だから」
「みないでくださ・・・・」
「風香ちゃん」

風香ちゃん。

小岩井の声が風香を呼び、小岩井の指がそっと風香の髪を撫でた。風香の体にそわそわと鳥肌が立つ。背中は汗をかいているのに。
感極まって涙がにじんできた。この気持ちを受け入れられなかったら、きっと死んでしまう。
ぐすぐす鼻をすすると、つんと目頭から鼻腔にかけて痛んだ。
泣いてしまったら、余計子供だと思われてしまうのに・・・・。

「風香ちゃん、こっち向いてくれる?」
「・・・・」
「大丈夫。がんばって、顔を上げて」

年齢のこと。
環境のこと。
手紙のこと。

いろいろな不安要素が作用して風香をじっと押さえつけていたが、小岩井は、風香のあごをそっと持ち上げた。
どうしても顔を上げることが出来なかったのに、小岩井の指はなぜかいとも簡単に風香を呪縛から解き放たせる。
とろんとした眠そうないつもの顔が目の前に迫って、風香はびくりとした。
150:2008/08/06(水) 20:16:06 ID:jhJuvROS

「・・・・風香ちゃんさ。よつばを寝室に連れて行きたいんだけど、いい?」
「っえ、!はいっ」
「うん。まあ、ほら、いろいろ気を遣わなきゃなんないしさ・・・・」
「あ・・・・は・・・・はい」
「ちょっと待ってて」

ひょいとよつばを抱きかかえて、寝室のほうに小岩井が姿を消した。
その隙に涙を拭い、呼吸を整えようと思ったが、小岩井がばたばたと駆け足で戻ってきたのはあっという間のことだった。
めずらしく焦った顔をしている。そのまま風香のほうにずんずん歩み寄り、腰を下ろすと、風香をがっしり抱き寄せた。
腕の中で風香は目を見開き、硬直する。

(なにが起きているの?どうして・・・・?)

意外と力強い腕。背中を掻き抱く指。小岩井の唇が、風香の髪に触れている。

「風香ちゃん・・・・さっきでわかったと思うけど。俺とじゃ、普通の高校生同士みたいな恋愛は出来ないよ?」
「・・・・・・・・」
「えーと・・・・風香ちゃん?まさか俺間違えた?」

急に腕をゆるめ、体を引き離して、小岩井がじっと風香を見詰めた。
風香は慌てて首を振る。

「まちがえてないです!ただびっくりして」
「ほんとうに?焦った、俺早とちりしてさ、風香ちゃんそんなつもりじゃなかったのかと思ったよ、いま」
「ちがいます!わ・・・・私・・・・よつばちゃんのこと大好きだし気にしてませんし・・・・小岩井さんが・・す・・・・す」
「うん・・・・俺も好きだよ、風香ちゃん」

本当ですか!?と喜ぶ前に、小岩井が風香の口を塞いだ。顔を離して、見詰め合う。
またキスが始まる。小岩井の舌が風香の舌を追いかけ、早急にもつれあった。
はあ、と息をつくまえに再び激しく舌が口内を荒々しく犯しだした。
風香は硬く目を瞑って、小岩井の腰に腕を回す。

「んん・・・・ん!」

いつのまにかTシャツを捲り上げられて、素肌に小岩井の手が這わせられ、風香はびっくりした。
あわてて小岩井に視線を送ると、小岩井は顔を離して、耳を甘噛みしはじめる。
腰の辺りがぞわぞわとして、体中が敏感になっているのがわかった。

「や・・・・こいわいさ・・・・っ」
「いや・・・・?」

そう尋ねるが、小岩井は止める気など毛頭ないらしい。
ブラジャーのカップをぐいとずらし、あらわになった豊かな胸を舌先で愛撫し始める。

「や・・・・やじゃないけど・・・・ん・・・・ん・・・・あっ」
「いやじゃないけど、なに?」
「は・・・・はずかし・・・・・・い」
「かわいいね」
151:2008/08/06(水) 20:16:43 ID:jhJuvROS

ピンクのつやつやした乳輪に沿っていた舌が、突然乳首を刺激して、風香の体がびくびくっと揺れ動いた。
それを押さえつけるように、しっかりと風香の腰を抱き支えて、小岩井はスカートを手繰り寄せる。

(やだっ。普段あんなにぼーっとしているのに、なんでこんなに・・・・っ!?)

「すごいびしょびしょだ」
「やぁ、あ、はずかしいぃっ・・・ふぁ・・・」
「はずかしいのがいいんでしょ?」

小岩井の唇が風香のなめらかな首の皮膚をついばみ、ぞわりとする。
無遠慮な指が下着の上から強引に秘所をまさぐり、涙目になりながら、言葉にならない言葉で風香は訴えかけた。
小岩井が知らない表情を浮かべている。まるで小岩井ではないかのようだ。
そんな顔をする小岩井を、風香はいまだかつて知らなかった。

「あ・・・・や、あ・・・・そこは・・・・」
「だめだよ、恥ずかしがってちゃ・・・・せっかく綺麗なんだから」

やわらかい陰毛が覆っている部分を、執拗な指先で追い求める。出し入れする中指が、濡れて光った。
聞いたことものない卑猥な音が風香の聴覚までも犯しているようだ。

乳首を舐め、右手で風香の体を抱きかかえ、左手で下着の奥の奥をかき混ぜる。
顔が燃えるように熱い。呼吸するのもやっとの状態で、風香は愛撫に耐え切れず、体を弓なりにさせた。

「あーっ、こいわいさ・・・・ーっあ、あ」
「風香ちゃん・・・・」

宙をさまよっていた風香の手を掴み、小岩井は、自分のトランクスの上にその手を押し付けた。
硬くて熱い、肉棒の感触が、華奢な風香の手に伝わってくる。
それは布地越しにびくびくと脈打ち、激しい衝動に、ぎりぎりのラインで我慢しているようだった。
すでに溢れた透明な我慢汁が、トランクスの一点を湿らせている。

「あ、はあ、あ、あん・・・・あ・・・・」

ぴちゃぴちゃと風香の秘所を刺激しながら、小岩井は自分の肉棒に押し付けた風香の手を上下させる。

(こうすればいいの・・・・?)

躊躇いがちに、自らの力で手を上下させてみる。
せつなげな顔で目を閉じる小岩井の顔に、風香の胸がぎゅっと締め付けられた。
たまらないいとおしさが込みあげてくる。

「ん・・・・風香ちゃん・・・・」

小岩井の指がはたと止まる。
風香は夢中で指でその道の感触を撫で、握り、捕まえる。
手の中でびくびくと動くそれは、別の生き物のようだ。

(男の人は、舐めてあげたら喜ぶんだよね・・・・)

握ったまま顔を近づけようとしたとき、小岩井が「あ、ふうかちゃ・・・・!」と慌てて風香の肩を押し掴んだ。
152:2008/08/06(水) 20:17:34 ID:jhJuvROS
「いいよ、そんなことされたら俺、もうイキそうだし・・・・それより、寝転がってくれる?」
「えっ、あ、はい・・・・」
「さっき風呂入ってもらうんじゃなかったな」
「え、どうしてですか?」
「風呂はいった後だったら、風香ちゃんの味がわからないし」
「え?」

事態を飲み込む前に、小岩井が風香の下着の上から、突然むしゃぶりついてきた。

「きゃあっ!!や、やだ!小岩井さん、やあ!あっ、あんっああっ、こいわ・・・・ああん!」

突然の強い刺激に逃げ出そうと引いた腰を、日本の腕で捕まえられる。
ひくひくと蠢く膣に激しく舌をねじ込ませ、鼻先でぐりぐり陰核を押さえつけられる。
歯を食いしばって耐えようとしたが、全身の力を奪い取られてそれも適わない。

「いやっ、いやっ、小岩井さん・・・・っ!!いやああ!!」

びくっ。びくっ。びくっ。
一度強張った膣内が、なんども痙攣を起こし、風香の意識が飛び散った。
やがて痙攣は風香の全身を覆う。

「あっ!あっ、あ、あ・・・・あ・・・・ぁ」

汗がびっしょりと噴出して、もう自力で座っていることもままならない。心臓が破れそうだ。乳首が信じられないくらい勃起して、体中がものすごく敏感になっている。

「イッたね」
「・・・・・・・・はあ、はあ・・・・・はあ・・・・・・・・・」

唇にそっと唇を宛がい、小岩井の舌が優しく風香の舌を舐めた。
唇の端と端に重点的を刺激し、ちゅっとついばんでから顔を離す。

「もう一度お風呂に入っておいで。軽く夕食を作って待ってるから・・・・」
「・・・・・・・・だ、だって、小岩井さんが・・・・まだ・・・・・」
「え?俺はいいよ、あとで適当に・・・・うん」
「でも、だけど・・・・」
「いや、ほんとに大丈夫。無理させちゃったから、またゆっくりお風呂浸かって。」
「でも、こんなに・・・・」
「え・・・・あ・・・・ああ、うん・・・・まあ・・・・。」

まだためらいがちに、そっと指をトランクスに這わせる。
さっきよりもどくどくと脈打つ速度が速まっているし、火傷しそうなくらい熱い。
このまま終わらせるのは、性知識に乏しい風香でも残酷なことだとわかっていた。

「こんなに・・・・すご・・・・」
「・・・・っ風香ちゃ・・・・」
153:2008/08/06(水) 20:18:09 ID:jhJuvROS
まだ震えた、力のあまり入らない指で、そっとトランクスの隙間から肉棒を取り出してみる。
風香はどきどきしながら顔を上げて、小岩井の唇にキスをする。
自分から小岩井の舌を絡め、歯茎や歯の裏をおずおずと舐めていると、手の中の肉棒が激しくびくりとした。

「風香ちゃん・・・・気持ちいいよ」
「ほんとうですか?・・・・あ・・・・」

敏感なままの風香の秘所に、小岩井の指がまた侵入してくる。
その指は、今度は慎重に、ピンポイントを責めるように、風香の中で折り曲げられ、ぐりぐりと押し付けた。

「あっ!!ああん!あ・・・・!」
「・・・・・・・・」

荒い息で、小岩井が風香をカーペットの上に押し倒した。指がまだ風香の中で動いている。

(いれるんだ・・・・痛いかな?)

おぼろげな意識でそう考えているうちに、小岩井の肉棒が陰核に押し付けられる。
そのまま腰を打ち付けてきた。小岩井の肉棒が、陰核を押したり引いたりと擦れあう。
たまらない快感に風香は気を失いかけたが、小岩井のむさぼるようなキスに何度も目を覚まし、そのかわりに意識をとろけさせた。

「あっ、あんっ。あん・・・・あ、ん・・・・小岩井さん・・・・好き・・・・好き・・・・っ」
「く・・・・ん・・・・ふうかちゃん・・・・。イキそうだ、イッていい?風香ちゃん・・・・」
「私、私も変・・・・っ。あ、あ!んんーっ!あ・・・・!!」

ふたたび気の失いそうな快楽が、風香の意識を真っ白にさせた。
風香の秘所から腰にかけて痙攣を起こしたとき、小岩井も歯を食いしばって、風香の陰毛から乳首、あごに向かって強く射精する。
滴る汗とともに、風香の肉体に飛んだ濃い精液が、つうとカーペットに零れ落ちた。

「風香ちゃん・・・・ごめん、汚しちゃって。すごく気持ちよかった」

ちゅっとキスして小岩井が言う。
風香も目の前にある小岩井の唇にキスをしてから、笑みを浮かべて言った。

「わたしも・・・・すごく気持ちよかった・・・・です。」
「風呂はいっといで、いま温めなおすから」
「・・・・あ、えっと・・・・いっしょに入りませんか・・・・?あの、一緒に入りたい・・・・です」
「あ、えーと、うん・・・・じゃ、そうしよっか。飯は一緒に作る方向でいい?」

なぜか自分より気恥ずかしそうな小岩井の態度が可愛い。

「はい。それがいいです」

と風香は笑った。
154:2008/08/06(水) 20:18:35 ID:jhJuvROS
「風呂からあがって飯くって・・・・あ、仕事があった気が」
「え!大丈夫なんですか?」
「うん。今日中にやらなくていい仕事だから。たぶん来週までだった気が。」
「ちゃんと確認したほうがいいですよ〜〜」
「えーと、どこしまったかな〜」

トランクス一枚だけを身に着けて、小岩井が本棚から手紙の束を探り出した。
差出人が海外からだったりするあたり、なかなか難しそうな仕事だなと風香はおもう。

「あのー・・・・玄関の靴箱の中のじゃないですか?ごめんなさい、偶然目に入っちゃったんですけど、そこにも手紙がたくさん詰まってたんで」
「あ、そうだそうだ。そこにも置いといたなー」
「・・・・・・・・ピンク色の封筒で女の人からのお手紙も。恋人からですか?」

どきどきしながら、(お願い、否定して)と願いながら、風香は小岩井を見詰めた。
小岩井はきょとんとしたいつもの顔で振り返る。

「そんなわけないだろー。女性の編集さんだよ」
「・・・・。ごめんなさい、厚かましいこと聞いちゃって」
「いーや、俺としては嬉しいなー、彼女の嫉妬は。」
「・・・・」

(彼女って、私のこと・・・・?)

「あ!風香ちゃん、ご両親帰ってきたんじゃない!?」

綾瀬家の駐車場に、車が入ってくる音が聞こえてくる。
風香は慌ててTシャツを下ろし、下着を穿きなおして立ち上がった。

(彼女になったら、手紙のこととか、気になったことを聞いてもいいんだ。)
(家のこととか、年齢のこととか、一人で悩まないで、相談して話し合えばいいんだ・・・・)

風香は慌てふためきながら、その事実がどれくらい素敵なことだろうと実感した。
小岩井が小走りで濡れティッシュを持ってくる。
この走ってくる相手が、ずっと好きだったこの人が、自分の恋人なんて・・・・。

「とりあえず帰ります。お風呂一緒に入れませんでしたね」
「お隣同士だから、いつでも入りにおいで。あと心の準備もしといて、絶対襲うから」
「あ・・・・、はい・・・・。そうですね、お隣同士でよかった。」
「うん。よかったよかった。」
「あはは」
「風香ちゃん」
「はい?」
「好きだよ。」
「・・・・はい」

ぎゅうと抱きしめあい、名残を惜しみながら体を離すと、風香は小岩井の見守る中、自宅まで走っていった。

(どうしよう。お母さんとお父さんの顔、まともに見れないかも)
(お姉ちゃんも恵那だって・・・・きっと普通の態度できないよ・・・・)

だけど、

 ───好きだよ。───

その一言が、風香を幸福な気持ちにさせたのだった。

fin.
155名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 20:20:21 ID:jhJuvROS
長いわ読みにくいわでごめんなさい。
よつばとを読んだ勢いで書いてしまいました。
読んでくれた方ありがとうございました。
156名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 21:23:26 ID:np0U97v2
とりあえず乙!
157名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 23:15:10 ID:G8LLyddM
妄想が沸いちゃったらまた投下ください
158名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 23:32:48 ID:Q/799P0H
久々にキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
GJGJGJg!!!
159名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 06:14:54 ID:/H3WGvmc
うわすごっえろっ
ちくしょう負けてられるかっ!
160名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 21:23:09 ID:I8EjxvVN
保守がてら七月号の妄想投下

「にへへへへ・・・」
 にやにやと薄気味悪い笑いを浮かべながら風香は一枚の写真を飽きもせず眺めていた。
先日町内で行われた祭りの折にみんなで撮った集合写真である。
長身をかがめるようにフレーム内に収まっているジャンボ、そしてジャンボ扮する天狗を恐々うかがっているよつば。
だが、風香がニヤニヤと眺めているのはそこではなく、はっぴをいなせに着込み真ん中に立つとーちゃん、とそこに心なしか寄り添うようにして立つ自分の姿だった。
「あんたさっきから何見てニヤニヤしてんの?」
「はうあぁ!」
 突然背後からかかった声に驚き思わず写真を隠そうとする風香。いや、別に悪いことをしているわけではないが姉に対する警戒心からつい体が反応してしまう。
が、いきなり隠そうとすれば当然ゆがみが出るわけで、
「あああああああ!!一枚しかない貴重な写真が!!」
若干よれてしまった写真を泣く泣く手押しで伸ばす。
そんな愚妹の姿に呆れたあさぎはため息をつくとひょいと風香の手の中から写真を取り上げた。
「へ〜、これこの間のお祭りのときの写真?よく取れてるね〜。みうらちゃんかわいいじゃない。てかジャンボさんはお面つけててもすぐわかるわね。」
「あ、お姉ちゃん勝手に見ないでよ!」
 取り返そうと必死で手を伸ばす風香の手を軽やかにかわしつつ写真を見続けるあさぎ。
「う〜ん・・・にしてもあれね・・・おとなりさんハッピいやに似合うわね」
 そうなのだ。いつもTシャツトランクス、挙句に髪ボサボサのとーちゃんだが、ハッピを着て立つその姿は中々いなせである。無造作に伸ばした髪の毛でさえなんとなくワイルドに見えるのだからから非日常とは不思議である。
「むっ?そ、そうだね?」
 気に入っている相手を褒められ嬉しさ半分、しかし姉のとーちゃんに対する興味に警戒半分と言った感じで返事をする風香。
「つーかあんたなんかお隣さんに近すぎない?」
 そんな風香の様子に気がつかないあさぎは風香のあまり触れては欲しくないところへまっすぐパスをだしてくる。まさにキラーパス。
「うっ、そ、そんな事ないわぁ〜よ?そうでもしないとフレームに収まりきらないじゃない?」
 緊張のあまり良くわからない口調でまくし立てる風香にあさぎは胡散臭げな視線をよこす。
「・・・ふーん・・・あ〜あ、わたしもお祭り行けばよかったなぁ・・・」
「え、なんで!?お姉ちゃん暑いからめんどくさいって言ってたじゃない?どういう心境の変化?」
「いや別に。ただなんとなくみんな楽しそうだなぁ、って思っただけよ。」
「確かに楽しかった〜。子ども会のお手伝いのあとみんなで屋台も回ったし・・・」
 と、勢いよく話していた風香の顔が突然紅潮する。
「ど、どうしたの風香?」
 突然の変調にあさぎが心配げに顔を伺うが風香はぼうっとしたように宙を見つめたままだ。
意識を取り戻そうとあさぎはきょろきょろとあたりを見回った挙句、
「あ、おとなりさん」
「え!?」
「嘘よ。その反応何かあったわね?詳しく話しなさい」
「あう〜」
 鎌かけに乗りやすすぎる妹の将来を若干案じつつあさぎは風香に詰め寄った。
161名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:24:18 ID:I8EjxvVN
「とーちゃん!あれなんだ!?」
「あー、あれはリンゴ飴だなぁ。よつばリンゴ飴しってるか?」
「り、りろんはしってる・・・」
「よつばリンゴ飴の理論知ってんのか?すげーな」
 相も変わらないよつばの回答にジャンボがしきりに感心していると並んで歩くみうらが何かを閃いたかのようにジャンボに眼を向ける。
「あ、そういやあさぎねーちゃんリンゴ飴好きだったなぁ・・・」
「なに!?」
「え、そんな事おねーちゃん言ってたぐっ!」
 いきなりのみうらの発言に心底喜ぶジャンボ。
そしてそれをいぶかしむ恵那の口をすばやく塞ぐとみうらはいかにも、と頷くとしゃあしゃあと嘘をまくし立てた。
「うん。ねーちゃんそう言ってたな。もし買ってってあげたら喜ぶだろうなぁ・・・」
「それだ!!おいみんなリンゴ飴屋に突撃だ!!」
「あたしらにも買ってくれよ」
「十個だろうが二十個だろうがかってやる!来い!」
「げきとつだー!えなげきとつ!」
 先陣を切って走り出すジャンボの後ろによつばが恵那の手を引き走り出し、最後にみうらがしめしめとついていった。ジャンボの扱いにかなり慣れてきたようである。
 突然走り出してしまったジャンボたちに置いてきぼりを食らったとーちゃんと風香は一言も発せられないまま置き去りの形になってしまった。
「・・・みうらちゃんすげーな」「
「はは・・・おねーちゃんどっちかっていうとリンゴ飴あんま好きじゃなかったような・・・」 呟く様にいってから風香は自分たちが今二人きりだと言う状況に気づく。
(や、やだあたし何考えてんだろ・・・別に二人きりって言ったって疚しいことは何も・・・)
「あ、風香だ〜。何してんのこんなところ・・・おやおや」
 突然自分のことを呼ぶ声にはっとして振り向くとそこには学校のクラスメートが数人立っていた。自分の家から自転車で通学できる距離にある学校である。当然クラスメートの何人かも同じ町内に住んでいた。
 彼女たちは風香の格好を見て、そして隣に立つとーちゃんの姿を見てにんまりと笑みを深めるとやおら肩を組み円陣を組んだ。
「あれはデート?」
「だよね。ペアルックだし・・・」
「相手は子持ちじゃなかったっけ?」
「でも結構若そうだし、風香的にはオッケーなんじゃない?」
「ひとえに愛だね風香」
「ちょ!!聞こえてます!!別にこれペアルックじゃなくて町内のハッピだし、よつばちゃんは今リンゴ飴買いに行っただけで・・・」
 突然沸いた事態にびっくりしながら風香は慌てて事情を説明しだす。
と言うかこの距離で自分も聞こえていると言うことは当然隣にたつとーちゃんにも聞こえていると言うことだ。
やましくはないがなんだか色々こっぱずかしい。
162名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:25:46 ID:I8EjxvVN
「よつばちゃん・・・もう相手の子供も懐柔済みね」
「おじ・・・じゃなかったお兄さんおいくつなんですか?」
 若さとは振り向かないことなのか。
物怖じもせずとーちゃんに年を聞くあたりさすがの風香も感心する。
「え、いや〜、俺はピー歳だけど・・・」
「おおっ!意外と若い。とても子持ちには見えない」
 そりゃあ広いっ子だからなぁ・・・と思いつつも空気を呼んであえて言わないとーちゃん。
こう見えてもなかなか空気は読める男だ。
「ええっ!?おとなりさんピー歳だったんですか!?」
「なんで風香ちゃんが驚くかな?」
「え、いやもっと年取ってるのかなって思ってあはは・・・」
 予想外の答えに若干、いやかなり傷つくとーちゃん。
当然だいくらよつばがいるとはいえ彼はまだピー歳なのだ。
子持ち=年取ってるという概念でおっさん扱いされてはかなわない。
こうなったら若さアピールをしなければ、と。
「なに!?それは失礼な。こう見えてもまだまだ若いんだぜ!体力だってまだまだあります。
たとえばこんな風にパンツマーン!!」
 訳の判らない奇声とともに風香を抱き上げるとーちゃん。
ズボンもはいてるしパンツは気にしなくていいな、と思ったら自然と口からパンツマンが飛び出していた。相変わらず神出鬼没な男だ。
 突然のパンツマン発言とお姫様抱っこにびっくりしてフリーズしてしまう風香。
そしてそんな二人を見ながらさらに確信、もとい誤解を深めるクラスメートたち。
「おお〜!あれが世に言うお姫様抱っこ。さすが旦那、若い!!」
「パンツマンてだれ?」
「風香いいなぁ」
 思い思いの言葉を言いながらパチパチと何故か拍手をするクラスメートたち。
言っちゃあ何だがひどい衆人環視の的だった。
「・・・はっ!ちょ、おとなりさん降ろして!降ろしてください!!」
「はっはっはー!どうだ風香ちゃん、これで俺も若いということがわかったろう?」
「わかりました!わかりましたから降ろしてっつーかむしろ降ろせーー!!」
 ほほほ、じゃあとは若いお二人に、とかなんとか訳の判らないことを言いながら勝手に納得して帰っていくクラスメートたちになんとか言い訳というか釈明というかをしたい風香であったが、結局とーちゃんに降ろしてもらえず追いつくことは不可能だった。
163名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:26:29 ID:I8EjxvVN
「はぁはぁ・・・結局逃げられた・・・」
 なんとかクラスメートを探そうとした無理やり飛び降りた風香はそこら中を探したが結局見つからず仕舞。
落ち込んでいると軽薄そうな声がかけられた。
「おねーちゃんこんなところでなにしてんの〜?」
「俺らお祭りきてんだけどお姉ちゃんも一緒に飲まな〜い?」
 振り向くとチャラチャラした格好の三人組がビール片手に顔を真っ赤にして風香に話しかけている。
酒臭い息にむっとしながらも穏便に断ろうとする風香であったが、酔っ払いに理屈は通じないもの。
無理やりにでも同伴願おうと腕を掴まれてしまう。
「いいじゃんいいじゃん!見たとこ一人みたいだし俺らと一緒に飲もうぜ〜」
「そうそう、こんな田舎の祭りつまんねーと思ってたけどけっこうおねえちゃんかわいいしさ〜」
「ちょ、ちょっと困るんですけど・・・」
「いいじゃんかよ〜そんなに言うと俺たち暴れちゃうおろ?」
腕に伝わる不快な暑さに内心怯えつつも気丈に返そうとすると、男の肩を誰かが叩く。
『Hey guys what's wrorng with my girlfirend?』
「あん?」
気を殺がれた男が若干凄みつつ振り替えるとそこには飄々と笑って立つとーちゃんが片手を置いたままヒラヒラと手を振った。
『It is festival today isn't it? So no one wants any troublse right? I think you guys drunk too much so should get out from here cuz it is prohibitted to drink alcohol in public place by law. Understand?』
 ペラペラとまるで立て板に水を流すように英語でまくし立てるとーちゃんに酔っ払っている男たちはわけもわからず混乱する。
「な、何言ってんだこいつ?」
「か、顔は日本人なのに・・・」
 うろたえる男たちにとーちゃんはニッコリと微笑むと表情を一変させ、パンツマンもびっくりの鬼の形相で叫んだ。
『Take f○cking off your hands from my GIRLFRIEND assholes and Get a f○ck out over here motherf○cker!!!』
 カーッと怒鳴るとーちゃんの剣幕にさすがの三人組もたじろぐと、今度は反対側から肩を叩かれた。
 振り向くと二メートルはあろうかという天狗が両手にいっぱいのリンゴ飴を立って仁王立ちしている。
「でけーーーーっ!!」
「悪い子はいねがーーっ!!」
 それなまはげじゃん、などという突っ込みすら出来ずに口いっぱいにリンゴ飴を詰め込まれたたき出される男たち。
 ほうほうの体で逃げ出すその後姿にも目もくれずとーちゃんは心配そうに風香の肩に手を置いた。。
『Are you alright? じゃね、大丈夫だった?風香ちゃん」
 英語モードに切り替わったおかげで風香にまで英語で話しかけてしまったとーちゃんのあわてっぷりにそれまでが嘘のように笑いがこみ上げてくる風香。
そして、肩からジンと伝わってくる暑さに今度は不快な気持ちではなく安堵が広がる。
「ぷっ!アーユーオライってなんですか〜」
 ぶはっ、と噴出す風香にアーユーオールライト?って言ったんだよ、とこちらも風香が落ち着いたことに安堵しつつ教えるとーちゃん。
 二度とくんな!!と男たちに凄むよつばと横であかんべーをする恵那とみうら、そしてこちらにむかってサムズアップをする巨天狗たちに囲まれて、とーちゃんと笑いながら風香はじんわりと暖かいものが心を満たすのを感じた。
164名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:47:47 ID:I8EjxvVN
「とーちゃんやったな!!げきとつ!」
「げきたい、だろ。それを言うなら」
「よつばちゃんのお父さんすごい英語しゃべれるんだね〜」
「コイはあっちこっち旅してたから英語ぐらいならペラペラだなぁ」
「ジャンボ、おまえはしゃべれないのか?」
 夕暮れの帰り道、わいわいとしゃべりながら帰る中で風香はぼうっっと笑って歩くとーちゃんの姿を見ていた。
ひょろひょろと歩くその姿はとてもじゃないが頼り甲斐あるとは言いがたい。
が、彼は風香が困ったときに一番に駆けつけてくれた。
ボサボサの髪の毛だってチャラチャラした格好よりは何倍もましだ。まぁ、普段はパンツマンだが。
よつばの突拍子もない行動も笑って、躾けるべき所は躾けているし懐も深い。
なにより英語をしゃべることが出来る。
学校の英語の成績がかなりかわいそうな子である風香からすればそれはとてもとても素敵なことに見えた。
そういえば、
「そういえば、さっきあたしの事助けてくれたときなんて言ってたんですか?」
「えっ?ええっと・・・今日はお祭りだから揉め事はよそう、的な?」
 突然の風香の質問に、それまでよつばを腕にぶら下げていたとーちゃんが慌てだす。
ふ〜ん、と納得したような顔の風香だったが、前を歩いていたみうらが突然にやにやした顔で振り返った。
「でも最後なんかさけんでたよな?あれはどういう意味なんだ?」
 こいつ天然の小悪魔か?
とーちゃんは思う。最近の小学生は英語を理解できたっけ?いやいや俺がガキの頃はABCも無理でした。だからきっと当てずっぽう。と一人ごまかそうと考えいたとーちゃんの思考は突然横を歩いていたジャンボ天狗に邪魔される。
「ありゃあ俺の彼女に手を出すな、的なことを言ってたなぁ小岩井君」
「てめージャンボ!!」
 よけーな事言ってんじゃねー、と威嚇するとーちゃんに、うるせーこの性犯罪者とこちらも負けないジャンボ。ジャンボも一応英語の聞き取りぐらいはできるらしい。
流石ハワイの男。
とーちゃん、かのじょってあれか?ころしたり、しんだりするあれか?とうるさいよつばに説明してやるみうらと恵那。
往来の真ん中で珍奇なダンスを繰り広げる大の男二人。
そんなやり取りを視界に入れながら風香はジャンボの言葉に再びフリーズしていた。
「彼女・・・?あたしが・・・彼女?」
 意識したこともなかった。
いや、あるにはあったがよつばの父という印象が強すぎてとーちゃんを男、として意識したことなどなかった。
 だが今は?
なんとなく、一緒にいて楽しい。嬉しい。
今までの夏休みの思い出が駆け巡っていく。
 十代のもやもやとした形のない思いに今日の一連の出来事が、恋、という名前をつけた。
「にへへ・・・彼女」
 あっ、風香ねーちゃんの顔が崩れてる!!というみうらの叫びに全員の動きが止まり、ジャンボがおい、どうすんだ?ととーちゃんを肘でつっつく。
どうすりゃいいのか聞きたいのはこっちだよ、と頭を抱えうずくまるとーちゃん。
 結局、どこかへ飛んでいってしまった風香の意識は戻らないまま、よつばととーちゃんに手を引かれ家まで帰宅した。
165名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:10:58 ID:I8EjxvVN
 まいったなぁ、日本語じゃあ度胸がないから思わず英語で言ってしまった。
しかも流れる口に任せてしゃべってたから思わずGIRLFRIENDなんて単語使っちゃったし。
風香ちゃんなんか気にしてたしなぁ。大丈夫かあれ?
 汗を流しさっぱりとしたパンツマンスタイルのまま書斎で考え込んでいると、
「もしもし・・・もしもし聞こえますかー?」
 あの日以来放置されていた糸電話から声が漏れ聞こえた。
「はい、もしもし?」
「あ、よかった。つながった」
 紙の電話口から嬉しそうな風香の声が聞こえる。
「今日はどうもありがとうございました。
なんか動転しちゃってお礼を言うのを忘れてました」
「いやいや、きにしないでいいよ。
こっちこそ変なこと言っちゃってごめん」
 あはははは、と笑って水に流してしまおうと思ったとーちゃんだが、
「いえ!変なことじゃないです!私嬉しかったです!」
「え!?あ、いや風香ちゃん。落ち着いて聞いて欲しいんだけど、今日ジャンボが言ってたことは本当なんだけど、その場のノリで口から出たと言うか、ああいうフレーズをそのまましゃべってしまったと言うか、とにかく他意はないんだ。ごめん」
 ガラリと窓を開け、風香の部屋を見ながら頭を下げるとーちゃん。
「そ、そんな頭を上げてください。その、なんというかあれです。助けてもらったのがまず嬉しくて、次にそのなんていうかおとなりさんからそういう対象に思われてたのが嬉しくてって言うか・・・なにいってんのかなあたし・・・」
「いや、そういう対象にはあまりみてないんだけど・・・」
「ええ!?あれですか?いきなり失恋ですか?」
「いや、始まってすらいないっていうか・・・」
「あれですか!?おとなりさんもおねえちゃんがいいっていう口ですか!?」
「あれあれ?話が変な方向に進んでるよ?」
「ううっ・・・」
 突然の展開についていけないとーちゃん。
またしても始まる前に終わってしまうのかと意気消沈の風香。
 だが、前回の教訓からグンと顔を上げると力強く拳を握る。
「でも、始まってもいないって事はこれから始まるかもしれないって事ですよね!?」
「ええっ!?なにそのすごい理屈!?」
「わたしがんばりますよ!!今度こそ始めてみせますよ恋ってやつを!!」
 熱いというかクサいというかすごい子だなぁ、ととーちゃんがびっくりしていると一人なっとくしたのか風香はじゃあまた!といって下へと降りていった。
 糸電話を回収しないと言うことはこれはこのままにしておけ、と言うことなのだろう。
とーちゃんはなんだか揉め事を背負い込んだ気がして一つ肩をもむとまた糸電話を窓枠に挟み込んだ。


「・・・ふーん・・・・・・」
 話し終わった風香は、どうだ!?と言わんばかりに小鼻を広げ胸を張る。
その高校生らしかぬふくよかな胸に若干眉をよせつつあさぎは写真を再び見た。
 つまり、今までの自分の気持ちを自覚しちゃった、って訳か。
「で、おとなりさんはあたし狙いなの?」
「あれ!?食いつくとこはそこおねーちゃん!?」
 だってきになるじゃなーい、と軽く流すとあさぎは写真を持ったまま立ち上がった。
「ちょっと、なんで写真を持っていくの?それ一枚きりなんだよ?」
「おかーさん、ネガ持ってるんだから何枚でも現像できるわよ。なんだったら虎子に頼めば言いし。。一枚くらいいーじゃなーい」
 そう言って軽やかに部屋を出て行く。
最後に、ドア元で振り返ると手を拳銃の形にしてあさぎは風香を撃つまねをした。
『Bang. You are my Rival』
 ふっ、と銃口の煙を消すマネをするとニッコリ笑って階段を登っていってしまう。
「ゆーあーまいれヴぇる?れヴぇるってなに?」
 あとにはやっぱりかわいそうな子である風香が取り残された。
166名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:13:41 ID:I8EjxvVN
どうもエロくなくてごめんなさい。
お祭りのあの1コマからここまで妄想が広がりました。
最後若干あさぎの描写が突然すぎるかな?と思いましたが押し切りました。
とりあえず次の職人の皆様が降臨なさるまでの暇つぶしにでもしていただけたら幸いです。
167名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 00:41:28 ID:/0yOZ2Ae
新作ラッシュktkr!
いいぞもっとやれ!
168名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 12:26:09 ID:O1ZhxxM+
169名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 12:34:49 ID:feUUSdf6
>>166
風香のかわいそうな子っぷりに癒されたw
キャラの感じが出ててGJ!
170名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 21:35:44 ID:ux3JyT3v
これぞ「よつばと」のパロって物を読めて、感動した!
おまいさん、天才だ
171名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 22:23:48 ID:57QjF2Nz
書いてくれてありがとう
172名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 00:25:16 ID:PwONvZUG
風香は「小岩井さん」って呼んでない?
173名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 03:27:01 ID:1JpTcnap
>>166

GJ!


今まで何気に読んでて、特に誰それがいいという感想は持たなかったのだが…
このスレ読んで風香が可愛いと思うようになった
174名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 20:59:54 ID:+RHddKYS
みなさんどうも〜
今度本を出せそうなのでイベとかで見かけたら声かけてください!

http://waterdog.ddo.jp/redzone/up/stored/up0109.jpg
175名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 15:04:44 ID:TzUrXd0y
恵那は小岩井の事、何て呼んでましたっけ?
176名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 12:20:25 ID:gG/GhEb5
多分、作中でよんだ事無いな
風香とかーちゃんが「小岩井さん」だから同じじゃねーかな
177名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 21:48:03 ID:brKn+1Ef
恵那に眼鏡を架けさせて、レンズを真っ白にべとべとにしたい。
178名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 01:28:32 ID:ES8x3bfg
>>175
よつばちゃんのおとうさんじゃない。
179名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 09:29:43 ID:YVtu/rhL
180名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 21:31:00 ID:qne/qRQ7
なぜとーちゃん×かーちゃんの不倫ものがないのか、小一時間時間ry

恵那かわいすぎ
181名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:12:11 ID:aDDdCxAZ
祭りのミウラが可愛いすぎるだろ
182名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:59:39 ID:muK3cBuD
>>180
同感

自分はこんなの考えてた。

1.とーちゃんxかーちゃん 不倫物。実は綾瀬ぱぱ公認貸し出しプレー
2.↑を目撃し嫉妬に駆られた風香xとーちゃん
3.とらxあさぎ あさぎがタチ
4.やんだxあさぎ Hのときだけ実はSなやんだ。普段はいじられ役なのに。調教されるあさぎ
5.婦警さんxティッシュ配りのあんちゃん なかなかしっかりしない彼に憤りを感じつつも惚れた弱みと教え込まれた肉の悦びで別れられない婦警さん
6.2を目撃してなんとなくむらむらなえなとみうら。でも俺この年齢はだめ
7.しまうーx綾瀬ぱぱ 
8.ひげもじゃはどう絡まそう。。。
183180:2008/08/30(土) 10:05:35 ID:jFTWCYq3
>>182
綾瀬パパがインポになってとーちゃんと公認こづくりとかどうよ
184名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 11:32:42 ID:PJA3zokS
4が読みたいな。
あさぎをいじりこんにゃくにしちゃいたい!
185名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 11:33:26 ID:PJA3zokS
4が読みたいな。
あさぎが、いじりこんにゃくにされている所が見たい!
186名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 11:35:12 ID:ABIzUDes
>>183
家族ぐるみの付き合いいいね!


俺はあさぎスキーでジャンボ×あさぎ萌えなのに、
ジャンボ×みうらちゃんにももんのすごい萌える。
実はジャンボ信者なのかな。みうらジャンハアハア
187180:2008/08/30(土) 12:40:19 ID:jFTWCYq3
寝取り大好物です、とーちゃんがかーちゃんを寝取って綾瀬家で5Pがいい
188名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 10:59:37 ID:72EXiilm
とーちゃんは出勤してないし
かーちゃんは家に居るし
お隣さんだし

やりたい放題だな
189名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 12:17:14 ID:enBXRGJO
かーちゃん孕ませてぇ
190名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 19:22:39 ID:eOyEs0CJ
かーちゃんいきなり大人気だな。
だが8巻「よつばとあべこべ」で「これはねー通販の本」といっているあたりのかーちゃんの肉付きは作者の意図的なものすら感じるほどだ。

>>182
ひげもじゃの絡ませ方としては、屋外で羞恥・露出系プレーをしていたとーちゃんとかーちゃんにひげもじゃが気が付き、調教に加わるという流れなんてどうだろう。
なにせ親切安心心のこもったサービス。
「アナルはまだ全然使えないからアナルプラグを」
「フィストできるようにしたいから大きめのほうがいいかな」
「いやー初心者でしょ。ぴったりサイズがいいと思うなぁ」

あと、新しい絡みとしては、とーちゃんの鬼畜調教の一環でひろくんの筆おろしをさせられる風香。
ひろくん、初めてでいきなり前穴、アナル、ディープスロート、とーちゃん交えての二穴責め体験で精神崩壊。

>>186
182の4の現場を覗き見てしまい傷心状態のじゃんぼを慰めるみうらとかよいね。

191名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 01:52:37 ID:lsAsP1JU
保管庫のよつばと日常の続きが読みてえ…流石に無いか
192名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 10:50:22 ID:RDuzQF/W
今までかーちゃんにそこはかとないエロさを感じつつも賛同者がいなさそうで口に出来なかったんだが……。
嬉しい流れだな。
193名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 14:15:16 ID:zNz+eHLk
だれかとーちゃん×かーちゃんの不倫ラブラブかいてくれんかのぅ、俺も暇があれば書いてみたいが、暇がない・・・
194名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 23:45:37 ID:Y70wMNC2
エロっ
書いた人すごーっ
195名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 00:50:41 ID:LOn0ucCS
>>179
これかいたやつ本物よりうまいからオレみたたいな知らないやつは
こういう漫画と思うはずなんだけどw

196名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 01:49:18 ID:9VblNQIp
日本語でおk
197名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:05:04 ID:Kt+uislI
その同人誌は恵那の本番とかーちゃんが無い点を除けば満点だな
198名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 18:48:50 ID:KgFmjf5Q
とーちゃん×風香投下していいですか?
199名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:05:59 ID:y/36/BAZ
断る理由がどこにある!
いっちょ頼む
200秋の終わりの 1:2008/09/02(火) 19:11:38 ID:9OU+D8Qo
空はどんよりと曇って、空気はもうきりっとした冷たさを持ち始めている。
季節はもう秋から冬に近づこうとしている。
「風香、今日あのお店に寄ってこうよ!」
「ごめん、今日はちょっと用事があるんだ」
そう答えると授業の終わったばかりの学校を飛び出した。自転車に乗って走り出すと、冷たい風が頬を打つ。
いつもだったらこの冷たさと秋の匂いを楽しむところだけど、今日はそんな余裕も見つけられない。
「小岩井さん…」
そっとつぶやいてみる。胸がぎゅっと締め付けられるような甘い気分と同時に、どうしようもない不安がこみ上げてくる。
今日こそ、今日こそ言うんだ。はっきりと言ってみるんだ。がんばれ!風香!
自分自身をはげまして、私は自転車をこぎ続ける。
私の恋人、のはずの、小岩井さんに、言うんだ…

小岩井さんを好きになり始めたのは、いったい何時だったのだろう。
夏に初めて会って、プールに行って、海にも行って、星を見に行って、私の夏の思い出の中の要所要所に小岩井さんがいた。
お隣のよつばちゃんのお父さん、それだけだったのに。
いつの間にかごく自然に、小岩井さんは私の心の中にしっかりと根をおろしてしまっていた。
そんなこと小岩井さんは思ってもみなかっただろう。
けど、私の目はいつも小岩井さんを追っていたし、小岩井さんとの何気ない会話に一人で一喜一憂していたのだ。
小岩井さんは私よりずっと年上で、恋愛の対象として私を見てくれるかどうかも分らないし、
この気持ちを告げたいとも、告げたくないとも思っていた。
今までの関係が、壊れてしまうのが怖かったから。
小岩井さんは大人だから、今までどおり振舞ってくれるだろう。
私には、できるだろうか…
201秋の終わりの 2:2008/09/02(火) 19:12:50 ID:9OU+D8Qo
全てが動き出したのはあの日、あのお祭りのあと3日ほどたった日のことだった。
よつばちゃんやみうらちゃん、ジャンボさんと撮った写真を持って、私は小岩井さんの家を訪れたのだ。
(小岩井さんの隣に写れたのが嬉しくて、もちろん自分用にも1枚キープしてた)
学校から帰り、手早く着替えると早速隣家へ向かった。
「こんにちはー」玄関からそう呼びかけると、二階からあわただしく小岩井さんが下りてきた。
「あれー、風香ちゃんどうしたの」
「このあいだのお祭りの写真ができたので」
「あ、そう、ありがとう。まあ、上がっていってよ」
「あ…ありがとうございます。今日はよつばちゃんは?」
「恵那ちゃんと遊びに行ったよ」
小岩井さんと二人きりか。嬉しいような、恥ずかしいような不思議な気分。
小岩井さんがキッチンでコーヒーを入れているのを横目に、いつものちゃぶ台の所に腰を下ろした。
「はい、お待たせ」小岩井さんはそう言うと二人分のコーヒーをちゃぶ台に置くと私の向かい側に座った。
「へえー、よくとれてるじゃん」一通り写真を眺め、小岩井さんはちらりとこちらを見て言った。
「風香ちゃんてめずらしいよね」
「へ?」突然の発言に私はかなり驚いてしまった。
「ふつう風香ちゃんくらいの歳の女の子って、あんまりお祭りの手伝いとかしないでしょ。
めずらしいって言うか、真面目っていうか」
「あ、ははは…そうですか?」
「風香ちゃん彼氏とかいないの?」
「え…」耳がカッと熱くなるのが分った。小岩井さんにとって何気ない、世間話の延長の発言だっていうのは、
ちゃんと分ってた。こんなに意識してしまってるのは、自分だけだっていうのも。
「こ、小岩井さんは…彼女いないんですか…」なにか、自分の中のなにかがこの時はじけてしまった気がした。
「…わ、私じゃダメですか……私のこと、嫌いですか…」
202秋の終わりの 3:2008/09/02(火) 19:13:27 ID:9OU+D8Qo
言うつもりのなかった言葉が口から滑り出てしまった。こんなこと、言うつもりじゃなかった。
耳も顔もすごくすごく熱くなって、涙が勝手に溢れ出して、もう顔を上げることができない。
目を伏せる前に一瞬見た小岩井さんは、ひどく困った顔をしていたような気がした。
「ごめんない、嘘です…忘れてください……」
もう何が何だか分らなくなって、一刻も早くここからいなくなりたかった。
小岩井さんを困らせてしまった。
馬鹿なことをしてしまった。
ただ自分の足元だけを見つめて、立ち上がって駆け出そうと、した。
「風香ちゃん!」声とともに手首をつかまれた。小岩井さんの真剣な顔が目の前にあった。
息が止まるくらいびっくりした。そして小岩井さんの言葉にさらに驚いた。
「俺、質問にまだ答えてないよ風香ちゃん。…彼女はいないよ。でも、彼女になってほしいと思ってる人はいる。
元気で、真面目で、めずらしい女の子で、とても可愛い子なんだ。
俺は子持ちのオジサンだからなかなか言う勇気が持てなかったけど…
風香ちゃん、ありがとう。俺は君のことが好きです。俺の彼女になってくれますか」
思っても見ない言葉だった。夢かと思った。嘘かと思った。
ますます涙があふれ出てきて、ただうなずくことしかできなかった。
そんな私を、小岩井さんはぎゅっと抱きしめてくれた。
203秋の終わりの 4:2008/09/02(火) 19:14:22 ID:9OU+D8Qo
あれから約二ヵ月半が過ぎた。
手はつないだ。キスも4回した。公園と、小岩井さんの家で、軽く触れるようなキスが4回。
私はますます小岩井さんが好きになった。でも小岩井さんは?
友人達の言葉が浮かんでくる。
「風香、まだ彼氏とHしてないの?」
好きだったらHして当然。そう友人達は言う。私だって期待してないこともない。
小岩井さんは全然私に手を出そうとしない。
私のこと好きじゃないのかな。私、小岩井さんにからかわれてるのかな…
小岩井さんはそんな人じゃない。絶対そんな人じゃない。でも…
そんな思いがグルグルして、どうして良いかもう分らない。
「明日の放課後はよつばちゃんと遊びに行くんだ」
昨日の夜、恵那がそう言っていた。ということは小岩井さんはおうちに一人。
思い切って、聞いてみようか。
そう決めた。
だから、昨日の晩は良く眠れなかった。今日の授業は全然集中できなかった。
どうしよう、やっぱり止めようか。でもいつまでもこんな不安をかかえてるのはイヤ。
いくしかないんだ!

自転車を家にとめるとそのまま隣家の門へ走る。
「こ、い、わ、い、さん」扉を開けてそう呼びかける。
「あ、風香ちゃんいらっしゃい」笑顔の小岩井さんがキッチンの方から顔を出した。
「ちょうど今休憩しようとしてたんだ」
熱いコーヒーの置かれたちゃぶ台の前に二人で並んで腰を下ろす。よつばちゃんのことや、私の学校のこと、
小岩井さんの仕事のこと。いつものように何気ない会話を交わすけれど、私は半分上の空。
ふと、会話が途切れた。私はそっと小岩井さんの肩に頭をもたせかける。
204秋の終わりの 5:2008/09/02(火) 19:15:10 ID:9OU+D8Qo
小岩井さんは左手で優しく私の頭を包むようにかかえてくれる。
「小岩井さん…」そう呼びかけて私は小岩井さんの空いた右手を両手でとると、そっと私の胸に置いた。
「ふ、風香ちゃん!?」小岩井さんは驚いたように声をあげた。
「…小岩井さんは、私に魅力を感じないんですか…私は、小岩井さんのこと、もっともっと知りたい…」
何度も頭の中でシミュレーションした台詞をつぶやいた。胸が張り裂けそうにドキドキ脈打っている。
不意にきつく抱きすくめられると、小岩井さんの唇が私の唇に押し付けられる。
今までの触れるだけのキスと全然違う。熱い舌が私の口に入り込んきて、舌に絡められて強く吸われる。
歯をなぞられて、唇を軽く噛まれる。また舌が差し込まれて、私もおずおずとそれに答えた。
ずい分長いキスだった気がする。ようやく唇を離した小岩井さんは私をまっすぐ見つめて言った。
「もう、止めないよ。風香ちゃんが高校を卒業するまで待とうと思ってたんだ。風香ちゃんのこと大事にしようと思ってたんだ。
何度も心が揺らいだけど、必死に我慢したんだ。キスする度にもっと風香ちゃんに触れたくなったのを、必死にね。
でももう止めない、風香ちゃんがいやって言っても、もう止められない」
今まで見たことない真剣な顔だった。
「イヤだなんて、言わない…」
それだけ言うのが精一杯だった。小岩井さんは嬉しそうに一瞬笑うと、私の手を引いて立ち上がった。
「ここじゃ落ち着かないから、上の部屋に行こう」
205秋の終わりの 6:2008/09/02(火) 19:15:44 ID:9OU+D8Qo
手をつないで二階に上がる。私の唇にはさっきのキスの余韻がまだ残っている。
つないだ手が熱い。きっと私の顔は真っ赤だ。
「ちょっと待ってて」私を仕事部屋に残して小岩井さんは階段を駆け下りると、すぐに布団を抱えて戻ってきた。
「畳の上じゃなんかいやでしょ」いそいそと布団の敷く小岩井さんがなんか可笑しくて、緊張が少しほぐれる。
布団の上に向かい合わせに座る。ドキドキして、恥ずかしくて、でも嬉しい。
小岩井さんが私の手を取ってしっかりと握った。私もしっかりと握り返す。
お互いに顔を近づけてついばむ様なキスを交わす。1回、2回、3回と交わすうちに、キスは次第に深くなっていく。
深いキスを味わううちに、いつの間にか小岩井さんの手が私の胸の上に置かれていた。
その手はゆっくりと優しく胸をさぐっている。小岩井さんは唇を離すと静かに笑った。
「緊張してる?」
「はい…すごく…」
「はは、俺も…」お互いに微笑んだ。
小岩井さんは私の制服のブラウスのボタンを上から一つ一つはずしていく。段々下着が露わになって、私の顔は火が出るように熱い。
淡い水色の、レースのたくさん付いたブラジャーとパンツ。私の下着の中で一番可愛いやつだ。
こうなることを期待して、私は今日この下着を選んだ。変な下着じゃなく良かったとほっとした。
ボタンが全てはずされて、静かにブラウスを脱がされる。
「やっぱり風香ちゃんの胸は立派だ」海やプールで水着姿は見せていたけど、改めて言われるとやっぱり恥ずかしい。
小岩井さんは私の背中に手を伸ばし、ブラジャーの金具を外そうとしている。けど…
「?」
「あ…あれ?」小岩井さんが小さく声を上げる。金具を外すのに手間取っているようだ。
何か急に可笑しくなってしまった。
「小岩井さん、私、自分で脱ぎます。だから小岩井さんも…」
「そ、そうだね」私は小岩井さんに背を向けて、身に付けていたブラジャー、スカート、パンツ、靴下を脱ぎ捨てる。
…これからどうしたらいいんだろう。何も身に着けていない姿のまま、ちょっと考える。
すると後ろから暖かい体にぎゅっと抱きしめられた。
206秋の終わりの 7:2008/09/02(火) 19:16:25 ID:9OU+D8Qo
そのまま小岩井さんは私を布団まで導くと、そっと横たえた。
誰にも見せたことがない姿が恥ずかしくてたまらない。思わず両手で胸と下を隠す。
「だめ、隠さないで」小岩井さんはそう言うと私の両手をとってしまう。
「いや…」そんな言葉が勝手に口をつく。
「いやって言ってもやめないっていったでしょ」そう言って小岩井さんは私をじっと見つめる。
「風香ちゃん、すごく綺麗だ」嬉しくて涙がこぼれそうになる。
小岩井さんは私の上にのしかかると、鎖骨の辺りに口付ける。鎖骨から胸の間に、そして胸の先端に。
「…んっ」出したことのない甘い声が口からもれる。
ほんとに私、小岩井さんとHしようとしてるんだ…
私の左胸の先端を口に含みながら、手は右胸を優しく撫でている。
くすぐったくて、少し気持ちいい。
そして熱くて硬いものが太もものあたりに触れている。これってアレ、だ…
私の胸に顔を埋めている小岩井さんがとても愛しくて、その頭に手を伸ばし髪に触れる。
「小岩井さん私の胸好き?」
「おっぱいが嫌いな男なんていないよ。風香ちゃんのなら特に」
小岩井さんは笑ってそう答える。
そのまま小岩井さんは私のお腹や太ももに口付け、舌を這わせ、時々強く吸う。
私のコンプレックス。ほんとは少しいやだ。
「風香ちゃんのお腹も足もほんとにかわいい」
でも、小岩井さんが気に入ってくれるなら、それはそれで良いや。
「風香ちゃん、足、開いて…」
「え…はい…」小岩井さんの頭が私のソコに近づく。
「あの、ちょっ…あっ、ん…んん」わけの分らない言葉が口を飛び出す。
207秋の終わりの 8:2008/09/02(火) 19:16:54 ID:9OU+D8Qo
快感の中心に舌が這う。思わず足を閉じてしまいそうになる。でも小岩井さんは私の足をしっかり押さえていて、それもかなわない。
吸われて、軽く歯を立てられる。また舌で舐められる。
突然、下半身に鋭い痛みが走る。何も受け入れたことのない場所に指が差し入れられた。
「ん、あ、あ…もう…イヤ、小岩井さん…恥ずかしい…」快感と痛みと恥ずかしさで私の頭の中はいっぱいになっている。
思わず手で顔を覆う。熱い涙が流れているのが分った。
小岩井さんは少しびっくりした顔で私の顔を覗き込んだ。
「風香ちゃん、ごめん、大丈夫?もうやめようか」止めるなんてイヤだ、と思った。もっと小岩井さんに触れていたい。
「ううん、止めないです。やめないって小岩井さん最初に言ってたじゃないですか…」
そう言うのがやっとだった私を小岩井さんはぎゅっと抱きしめて、額に優しくキスしてくれた。
「じゃあそろそろ、入れるよ…」
「はい…」いよいよだ、私の緊張は一層高まる。
小岩井さんが私の足の間に割って入る。想像していたよりずっと大きく足を開かなくちゃいけないことにすこし驚く。
「行くよ」私はぎゅっと目をつむる。ソコに熱いものがあたった気配のあとに、大きな痛みが襲ってきた。
「痛っ…ん、あ、あ…」
「大丈夫?風香ちゃん」耳元で囁かれる声。
「ん…大丈夫…です」そう答えると、小岩井さんは弾かれたように動き始めた。
世界の何もかもが揺れているようで、何も考えられない。ただ自分の体の上の小岩井さんの背中に必死にすがっていた。
何度もキスを交わして、一緒に揺れ動いて、何度も小岩井さんの名前を呼んだ。好きってつぶやいた。
「風香ちゃん、俺、もう…ふうかっ…」
そう小さく叫ぶと、小岩井さんは動きを止めた。
脱力したように身を横たえると、小岩井さんは私をしっかり抱きしめた。
「俺、ますます風香ちゃんが好きになったみたいだ」小岩井さんは私の顔を見つめて言った。
「私もそうみたい」そう言って私は小岩井さんの胸に顔を押し付ける。
窓の外はもう薄暗くなり始めている。
「そろそろよつばが帰ってきそうだ」
「そ、そうですね」慌てて起き上がり、服を身に付ける。
この時間が少し名残惜しいような気がするけど、きっとまだまだ、こんな二人の時間がすごせるはずだ。
「じゃあ、また」
「はい、また」そう言って軽いキスを交わす。
悩んでた自分が馬鹿みたいに思えた。
そんな秋の終わりのある、一日。
208秋の終わりの 1:2008/09/02(火) 19:18:47 ID:9OU+D8Qo
IDかわってますが、198です。
以上です。
209名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:32:05 ID:9VblNQIp
大本命ktkr!
ふーかかわいいよふーか
最近鬼畜なのとかばっか読んでたけど、やっぱこういうのもイイな。
210名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:39:45 ID:3jmySOeG
グッジョブ!!
211名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:49:15 ID:hPgq47rd
(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ( ; `Д´)/ヽァ/ヽァ!!
212名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:00:40 ID:CBE/9yH2
可愛いいいいいい
やっぱりとーちゃん風香はほのぼのが似合うな〜
213名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:21:35 ID:cIwK8RhO
よかったと思うぞww
gjだ!!
214名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:32:56 ID:4ZvBpHu4
>>208
GJです!

*************************************************************

 よつばの家で一緒に遊ぶ恵那。
 小岩井の膝の上に座ってはしゃぐよつばを羨ましそうに見ている。
 しばらくしてよつばは寝てしまい、小岩井が彼女を隣の部屋へと運び寝かす。
 2人きりになった恵那は、彼の肩を叩きながら、自分の父があまり家に帰って
来れないが為に、父に甘えた記憶があまり無いと話始める。
 戸惑いながらも小岩井にお願いして彼の膝の上に座らせてもらった恵那。
 2人きりの時だけは、彼の事を『パパ』と呼ぶことになり………
 別れ際、小岩井のほっぺたにキスをして自宅へと走り去っていく。

なんてのを妄想したが…SSにしようとして断念
書けなかった><
215名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 11:06:07 ID:48xPctpw
>>214
今すぐ書け、書いてください
216名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 11:27:19 ID:OjbifaV0
200からのやつ、とーちゃん視点のが読んでみたいな
誰か書いてくれ
217名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 13:05:33 ID:BWRaXMEV
かーちゃんマダー?
218名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 18:46:09 ID:XleUUodK
よつばとやんだににすげー萌えてなにか書き上げたくなったが無理だった
10年後予想で想像しても、よつば→やんだのツンデレ片思いになって本番いかねえw
よつばが押し倒せばいいのだろうか……
219200:2008/09/03(水) 19:42:12 ID:LpyiBPVN
>>216
自分も読んでみたい。
どなたか是非。
220名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 20:28:16 ID:cZutOa82
>>200

うわあああああああ
もえたああああああああああああああああああああ
221名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 20:43:21 ID:s47ZbBW7
>>218
頼む!是非書き上げてくれっ!
押し倒しでも、夜這いでも、逆レイプでも、薬盛ってもいいからw
222名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:09:10 ID:twHANiN7
>>218
10年後でも今のままでもなんでもいいんで読みたいですw
飢えてるんでお願いします
223名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:36:12 ID:JsJclGNq
>>218
もいっそのこと本番なしでも全然OKヨ!!
ぜひとも!
224名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:46:23 ID:BbmmZ0qa
>>223
ここはエロパロなのでエロが欲しい
225名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:09:15 ID:TpJbG69I
一連の流れを見て、ふっと出た「よつば×ヤンダ」妄想小ネタを一つ。
>>224には申し訳ないが、エロなしです。
22610年後:2008/09/04(木) 00:09:47 ID:TpJbG69I
空は相変わらず青いって言うのに、どうしてこんなに暗い気持ちなんだろう。
クラスのみんなは楽しそうなのに、どうしてこんなに落ち込んでるんだろう。

一人の少女は悩みながら、帰途に着く。風に吹かれる髪は緑色、ぴょこんと生えた
四つのお下げは彼女の心と裏腹に、元気よく跳ねていた。あの頃のように。
「よつばちゃんって好きな子とかいるの?」
「わー聞きたい!聞きたい!」
「え、えっとお、このクラスには…」
「クラスには?」
「いない…」
「なーんだ。よそのクラスだ!」
「いや…」

クラスの友達は、よってたかってよつばに質問攻め。そして、知ったかぶりの恋愛批評。
「…わたしだって、いるんだもん」
だけども、よつばの声など受け止めもせず、クラスの友達は知ったかぶりの恋愛批評。
教室の悩み事を浮かべながら、日に日に小さくなる田んぼを通りかかる。
そういえば、ここでみうらが網を持って何かを捕まえていたな。よつばの記憶が蘇る。
遠くの目玉はもう怖くない。よつばはもう、15歳。遠くの目玉は小さく見える。
田んぼのカエルはもう居ない。
22710年後:2008/09/04(木) 00:11:21 ID:TpJbG69I
「おーい、よつばー」
「!」
相変わらずも、子供じみた声がよつばの耳を刺激する。
声の主は、金髪の青年。しかし、実際もう年はとっくに三十路を越えているだろう。
もともと見た目が若いせいか、二十歳そこそこに見えるのがリアルなところか。
「ヤンダ!でたな!」
「悪い?」
「…なんだよ」
小さな体で、せい一杯跳ね返して見るものの、今日の気分はそれどころじゃないのだ。
ヤンダなんか、ヤンダ…なんか。

ワイシャツにネクタイ姿。一見サラリーマン風なのだが、ヤンダはそれを否定する。
よつばに近づき、ご挨拶の憎まれ口を一つ。
「なんで、この期に及んでヤンダなんだよ!」
「仕事なんだよー。ところで小岩井さん、元気?」
「う、うん。とうちゃんは、元気」
俯き加減のよつばは、ヤンダの目にはどう映っているのか。
22810年後:2008/09/04(木) 00:12:20 ID:TpJbG69I
「なあ、ラーメンでも食うか?」
「………」
「美味い店があるんだ」
よつばはヤンダに付いていく事に。ラーメンぐらいで釣られる安いよつばではない、
と、いつもみたく大声で叫んで見たいのだが、そんな気分ではない。
ヤンダとよつばがくぐったのれんは、よつばには見覚えがある。
そういえば、ここの大将が卵を一つおまけしてくれたっけ、それだけははっきりと
よつばの記憶の底には眠っている。

「懐かしいよな。ここ」
「うん」
「あ、大将!ラーメン二つ!!」
あいよ、とぶっきらぼうな声が返ってくる。そんな街の一こま。

「で、よつばは何か悩み事でもあるんだろ?」
「…ないよ」
「よつばはウソがヘタだなあ。小さい頃から変わってないぞ」
「……」
店内はヤンダの声と、大将の麺の湯を切る音、それと能天気なFMラジオ。
そんな空気を嫌ってか、よつばはお冷をごくごくと。
「オレがよつばの年の頃は、悩み事ばっかりだったんだぞ。だけどな、そんな
悩み事なんか、考えるだけ時間の無駄だな。全然、悩みなんか解決しようとしなかった。
だから、オレは小岩井さんから『お前は子供のままだな』ってよく言われたもんだよ」
「……」
「はい、お待ち」
丼からは、湯気が立ち上がる。
22910年後:2008/09/04(木) 00:13:11 ID:TpJbG69I
ヤンダはラーメンが好きだという。別にこだわりがあるというわけではないが、
とにかくラーメンが好きだという。
一方、よつばはラーメンと勝負の付かないにらめっこ。
麺が延びるか、よつばが延びるか。
「なあ、よつば。好きなんだろ?」
「……」
「好きなんだろ?」
「……」
にらめっこの勝負は未だ付かず。

突然よつばの携帯にメールの着信が。断りを入れて、メールを見てみると、
『バーカ、バーカ』。
発信主は、隣のヤツ。器用に左手でメールを打っていた。
それに気付いたよつばは、肩を震わせ瞬きを早くする。

「なあ。好きな…」
「ぜんっぜん、キライって言ってないんだからね!!だって、だって…
なかなか会いたいときに会えないし、いっつもよつばのこと困らせるし、
ちっちゃい子供みたいにほっておいたらへそを曲げて意地悪するし、
冷たくなったりするし…。でも、でも…よつばは…よつばは…。
ヤンダ!勘違いするんじゃないよ!よつばは…ヤンダのこと…」
「え?」
「…だから…ヤンダのこと…」
「オレ、ラーメン好きだろって聞いたんだよ」
よつばの顔は紅しょうがのように紅くなっていた。

「ヤンダは嫌いだ!!」
「よつばはウソがヘタだなあ」
大将はそっとよつばの丼に卵をおまけした。


おしまい。
230名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:13:59 ID:TpJbG69I
短くてごめんなさい。投下終了。
231名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:19:27 ID:ZUBK8DkS
>>230
うほおおおおおゴチでした!
いい夢見れそうです…
232名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:49:17 ID:IgqRAAml
うおおおおお!
おでも!おでもかく!かくぅうぅぅぅ!
233名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:54:20 ID:XAnmrsEL
>>232
その勢いに期待w
234名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:54:38 ID:Uus2oC1B
>>230
ラスト3行いいなあ…光景が何か浮かぶわw
GJ!!!!
235名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:56:29 ID:oYNhEMwS
>>230

すっげーほのぼの
心が暖かくなった
GJ!
236名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:08:47 ID:Dt296miM
乙〜
いい話だ
237名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 04:44:32 ID:y/Y5961P
こんな良い話の後に200のとーちゃんバージョン投下してもいいかな?
238とーちゃん目線1:2008/09/04(木) 04:58:42 ID:y/Y5961P
「ふぅ…。」
キーボードを打つ手を休めながら小岩井は時計を見た。
もうそろそろ学校が終わる頃かな?
そう思いながら恋人のことを考えていた。

お隣さんというシュチュエーション。
普通なら恋愛にまで発展しない。
しかし、色々とよつばを通して話をしたり遊ぶ事も増え
自分の中で色々と考えることも多くなった。

お隣さんで美少女。
歳の割りに素直で面倒見もいい。
これが自分の中の第一印象だった。

あのお祭りの3日後までは…
239とーちゃん目線2:2008/09/04(木) 05:00:14 ID:y/Y5961P
お祭りの日。
みんなで撮った写真を風香ちゃんが持ってきてくれた。
やっぱり真面目だなぁ。そう思いながらも
自然と「上がっていってよ。コーヒー入れるからさ」
なんて言葉が出ていた。
他愛もない話をしながらキッチンに入り
この間買ったばかりのおいしいコーヒーを淹れた。

一通り写真を眺めながら
「へえー、よくとれてるじゃん」なんて言いながら目の前の風香ちゃんを見た。
ちょっと色々聞いてみようか…。
「風香ちゃんてめずらしいよね」
「へ?」俺の突然の発言に風香ちゃんはかなり驚いているようだった。
「ふつう風香ちゃんくらいの歳の女の子って、あんまりお祭りの手伝いとかしないでしょ。
めずらしいって言うか、真面目っていうか」
「あ、ははは…そうですか?」
「風香ちゃん彼氏とかいないの?」
「え…」
おっ。耳まで赤くしてる。居ないのかな?
「こ、小岩井さんは…彼女いないんですか…」
と聞かれ「見事な切り返しだな。」なーんて思っていたのに次の言葉で正直困惑した。
「…わ、私じゃダメですか……?私のこと、嫌いですか…?」
240とーちゃん目線3:2008/09/04(木) 05:01:22 ID:y/Y5961P
一瞬で色んな事を考えていた。
よつばを引き取ってから彼女なんて考えたことも無かったし
よつばが大きくなるまでは仕事と生活を第一に考えていた。
風香ちゃんの事は嫌いではない。むしろ好きだ。
でも年も離れてるし気持ちを抑えようとしていた。

言葉に詰まり、何か言おうと風香ちゃんの顔を見た時だった。
「ごめんない、嘘です…忘れてください……」
大きな涙を流しながら精一杯の言葉を発し立ち上がろうとした彼女の姿だった。
「風香ちゃん!」思わず声が出て、彼女の手首を掴んでいた。

一呼吸し、風香ちゃんの精一杯の気持ちを真剣に考え
そして風香ちゃんに言った。

「俺、質問にまだ答えてないよ。風香ちゃん。
…彼女はいないよ。でも、彼女になってほしいと思ってる人はいる。
元気で、真面目で、めずらしい女の子で、とても可愛い子なんだ。
俺は子持ちのオジサンだからなかなか言う勇気が持てなかったけど…
風香ちゃん、ありがとう。俺は君のことが好きです。俺の彼女になってくれますか?」

風香ちゃんの目からは次から次へと大粒の涙がこぼれていたが
しっかりと頷いてくれた。
そんな風香を愛おしいと思った。
離さないようにギュッと抱きしめた。
241とーちゃん目線4:2008/09/04(木) 05:03:13 ID:y/Y5961P
あれから二ヵ月半が経ち
相変わらずの生活が続いていた。
ただ以前と違うのは、傍に風香がいるという事だった。
公園にデートに行くこともあったし、自分の家に来ることもあり。

大事にしようと考えていた為か、軽く触れるようなキスしかしなかった。
自分の欲望を押さえる為でもあるのだが…。

今日も風香ちゃんが家に来た。
ちょうど休憩しようとキッチンに入った所で玄関からの可愛い声。
「こ、い、わ、い、さん」
そんな可愛い風香を笑顔で迎える。
「あ、風香ちゃんいらっしゃい
ちょうど今休憩しようとしてたんだ。おいでよ」
熱いコーヒーを淹れ、会話を楽しんでいた。
けど、今日の風香はどこか上の空だった。

風香が肩にもたれかかって来た。
頭を撫でながら「どうした?」と切り出そうとした時だった。
風香ちゃんが俺の手を風香自身の胸に置いた。
正直びっくりして声が裏返った。

「…小岩井さんは、私に魅力を感じないんですか…私は、小岩井さんのこと、もっともっと知りたい…」

耳まで赤くして、目をウルウルさせている風香が居た。
思わず強く抱きしめ、今までしたこと無いような大人のキスをした。
我慢できなかった…。
風香の舌が甘くて熱かった。舌を絡めて貪る様に強く吸った。
歯をなぞり、唇を軽く甘噛みしながら、また舌を差し込む。
濃厚な大人のキスだった。
242とーちゃん目線5:2008/09/04(木) 05:04:03 ID:y/Y5961P
まっすぐ風香の目を見ながら正直に自分の気持ちを話した。
「もう、止めないよ。風香ちゃんが高校を卒業するまで待とうと思ってたんだ。風香ちゃんのこと大事にしようと思ってたんだ。
何度も心が揺らいだけど、必死に我慢したんだ。キスする度にもっと風香ちゃんに触れたくなったのを、必死にね。
でももう止めない、風香ちゃんがいやって言っても、もう止められない」

風香の答えは
「イヤだなんて、言わない…」だった。

嬉しかった。風香ちゃんの手をとり二人で二階に上がった。
風香の手が暖かくて柔らかい。
こんな気持ちになったのは何年ぶりだろう…。
仕事部屋に行き、布団が無いのに気が付いた。
「ちょっと待ってて。」
急いで一階から布団を抱えて二階に戻った。
「畳の上じゃなんかいやでしょ」俺が彼女なら絶対嫌だ。
布団の上に向かい合わせに座り、風香ちゃんを見た。
気持ちを確かめるように風香の手をしっかり握る。
風香ちゃんの気持ちを考え、触れる様なフレンチキスを交わす。1回、2回、3回と交わすうちに、キスを次第に深くしていく。
深いキスをしていき、そっと風香ちゃんの胸の上に置いた。
ゆっくりと優しく胸を触りながら風香ちゃんに尋ねてみた。
「緊張してる?」
「はい…すごく…」
「はは、俺も…」お互いに微笑んだ。
ちょっと緊張がほぐれた気がする。
243とーちゃん目線6:2008/09/04(木) 05:04:47 ID:y/Y5961P
制服のブラウスのボタンを外しながら胸を見る。
海に行った時も立派だと思ったけど、あらためて見ると凄いな…。
そう思いながらブラウスを脱がした瞬間
「やっぱり風香ちゃんの胸は立派だ」素直に出ていた。
背中に手を伸ばしブラを外そうとしたがうまくいかない。
まだ緊張してるのかも…。焦ってしまう。
そんな自分を察してか、風香ちゃんが助け舟を出してくれた。
「小岩井さん、私、自分で脱ぎます。だから小岩井さんも…」
「そ、そうだね」気遣いがありがたかった。シャツやズボン、パンツを脱ぐのももどかしかった。
後姿もそそる。裸の風香ちゃんを後ろから抱きしめた。

そのまま、風香をお姫様抱っこして布団まで連れて行った。
恥ずかしそうに両手で胸やあそこを隠そうとする風香が可愛かった。
「だめ、隠さないで」しっかり見せてもらいたかった。
風香ちゃんは嫌って言ったけど我慢してた感情があふれて駄目だった。
「いやって言ってもやめないっていったでしょ」そう言って風香ををじっと見つめる。
素直に言葉がこぼれた。
「風香ちゃん、すごく綺麗だ」
風香ちゃんは嬉しそうに目を潤ませていた。
鎖骨の辺りから胸の間、周りをなぞる様にしながら胸の先端に口付けしていく。
「…んっ」くぐもった様な我慢してる感じの声が風香からこぼれた。
244とーちゃん目線7:2008/09/04(木) 05:05:23 ID:y/Y5961P
もっと聞きたい。
胸を中心に責め立てていく。
「小岩井さん私の胸好き?」
「おっぱいが嫌いな男なんていないよ。風香ちゃんのなら特に」
本当に風香ちゃんの体はどこも柔らかく気持ちがいい。
痩せてるよりは少しポッチャリ位が抱き心地も良いし好きなのだが
風香ちゃんはコンプレックスらしい。
コンプレックスに感じ無くて良いのにと思う。

胸からお腹や太ももに刺激を与えていく。
強く吸ったり、舌を這わせ愛撫していく。
「風香ちゃんのお腹も足もほんとにかわいい」
柔らかくて女の子らしい。気持ちがいい。
「風香ちゃん、足、開いて…」
内腿から刺激していき、徐々に快感の中心に向かう。
初めてだろうからしっかり愛撫しないと痛いかもしれない。
好きな人だから気持ちよくしてあげたい。
ゆっくりと舌を這わせクリトリスを攻めてゆく。
あふれる蜜にゆっくりと指を沈ませてみる。
風香ちゃんの表情を探ってみると上気した顔で少し痛そうな感じ。
「ん、あ、あ…もう…イヤ、小岩井さん…恥ずかしい…」
涙が流れているのが見てとれた。
ヤバイ。そんなに痛かったのかな?
245とーちゃん目線8:2008/09/04(木) 05:06:04 ID:y/Y5961P
ビックリして風香に顔を近づけた。
「風香ちゃん、ごめん、大丈夫?もうやめようか」止めるなんて無理なんだけど、風香ちゃんのことを考えて我慢しようか…。
「ううん、止めないです。やめないって小岩井さん最初に言ってたじゃないですか…」
可愛い。風香ちゃんをぎゅっと抱きしめて、額に優しく何度もキスをした。
少しの愛撫の後
「じゃあそろそろ、入れるよ…」
「はい…」いよいよだ、ゆっくり、ゆっくり挿入だ。
風香ちゃんの足を大きく開き、ペニスを密着させる。風香の蜜をペニスに付けてローション代わりにした。
「行くよ」ゆっくりと挿入していく。
「痛っ…ん、あ、あ…」苦痛に歪む表情だった。
「大丈夫?風香ちゃん」耳元で囁くと
「ん…大丈夫…です」と返ってきた。
少しづつだけど、腰をグラインドさせてみる。風香ちゃんの息遣いも段々と荒くなってきた。
たわわな胸も腰の動きとともに揺れていて、なんともセクシーだ。
風香ちゃんが必死にしがみついてきた。口や耳にキスをしながら風香ちゃんを貪っている。
「好きっ。…小岩井さん。好きです。」何度もつぶやく風香に
「風香ちゃん、俺もっ…ふうかっ…」もう限界だった…。
しばらく繋がったままで風香ちゃんに甘える。
「俺、ますます風香ちゃんが好きになったみたいだ」風香ちゃんの目を見つめて言った。
「私もそうみたい」そう言った風香ちゃんは恥ずかしそうに胸にギュッと抱きついてきた。
風香ちゃんの頭を撫でながら、窓の外を見てみる。
窓の外はもう薄暗くなり始めていた。
「そろそろよつばが帰ってきそうだ」時間的にもそろそろ帰ってくる頃だ。
「そ、そうですね」
正直、もっと触れ合っていたい。けど、始まったばかりの自分達には、こんな二人の時間がまだまだすごせるはずだ。
「じゃあ、また」
「はい、また」そう言って軽いキスを交わす。
可愛い恋人を更に大事にしようと思った。
そんな秋の終わりのある、一日。
246名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 05:07:14 ID:y/Y5961P
書いてみて200さんの良さが消された気がするorz
駄文でスイマセン。
247名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 07:58:21 ID:TZsgXbHF
ヤンよつも、とーちゃん目線もグッジョブ!!

最近書き手さんが増えてうれしい
248名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 14:59:26 ID:tj/iuv7l
あいかわらずGJだ!!
249名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 15:58:41 ID:MnPJI0jI
やんだ×よつば便乗投下します
250午後の出来事 1:2008/09/04(木) 16:01:20 ID:MnPJI0jI
この町に住み始めてもう10年くらいかな。
ある初夏の昼間、よつばはそんなことを考えながら自転車を漕いでいた。
初めて買ってもらったあの自転車はどうなったんだろう。
小さくて、水色で、土手から落ちたり、風香の学校に一人で行って、とーちゃんに怒られたりした、あの自転車。
何も変わっていないつもりでも、自分もまわりも少しずつ変わって行く。
自分だってもう高校生なのだ。

もうすぐ家だ、という所で塀にそって停めてある軽自動車に気が付いた。
(また来てるんだ、やんだ)
みんなが少しずつ変わって行く中で、何故だかやんだだけは変わらない。
相変わらず茶髪で、見た目も30代なかばにはとても見えない。
今でもふらっとやって来てはカップ麺を食べて昼寝していったりする。
小さい頃はやんだのことが大嫌いだった。いつもよつばのことをからかって、意地悪をしたやんだ。
今思うとあれは決してよつばのことが嫌いでやっていたのではないことが分かる。
やんだなりの、小さな女の子とのコミュニケーションの取り方だったのだろう。
そんな接し方は今でも変わらない。
(よつばはもう、子どもじゃないんだよ)
心の中でよつばはつぶやく。
251午後の出来事 2:2008/09/04(木) 16:02:51 ID:MnPJI0jI

自転車を停め、自分の服装をチェックする。髪は乱れてない、OK。
真新しい夏服のセーラー服、タイは曲ってないし、スカート丈も大丈夫。
意を決して玄関のドアを開ける。
「ただいま!」
「おー、よつばお帰り」
案の定、やんだがリビングでカップ麺をすすっている。
「あれ、とーちゃんは?」
家の中にとーちゃんの姿がない。
「風香ちゃんと出かけたよ。何か帰りは少し遅くなるってよ」
「あー、式の準備が色々いそがしいって言ってたからな」
とーちゃんと風香はこの秋に結婚することになっている。
よつばの高校入試が終わるのを待っていたらしい。
「お前こそ、なんでこんなに帰んの早いんだよ」
「試験だから午前中で学校終わりなの。そんなことやんだに関係ないだろっ」
「なんだよ、ツンツンすんなよ。しかしよつばももう高校生だもんな。
そのセーラー服、なかなか似合ってんじゃん」
ニヤニヤしながらやんだは言った。よつばの顔がカッと熱くなる。
「うっ、うるさい!」
「はいはい、照れんなよ。ホントのことなんだから。
ちょっと昼寝させてってくれよ。うるさくすんなよ」
「仕事はいいのかよ…」
「今ちょっと暇な時期なんだ〜」
そう言うとやんだはちゃぶ台の脇にごろりと横になり、目を瞑ってしまった。
252午後の出来事 3:2008/09/04(木) 16:04:12 ID:MnPJI0jI

(やんだは、いつも勝手だ…)
いつも突然やって来て、好き勝手なこと言って、自分のペースに巻き込んで、そしてさっさと帰ってく。
よつばの気持ちなんか全然考えてない。
鬱々としながら台所で昼食用のおにぎりを二つ拵えると、それを手にリビングへもどる。
(もうちょっと早く帰ってたら、やんだの分も作れたのに…)
カップ麺とか、コンビニのおにぎりとかそんな体に悪そうなものばっかり食べてるやんだ。
(よつばのおにぎりは、美味しいんだよ)
ふと窓の外を見ると、今にも雨が降りそうな暗い空だ。初夏と言っても今日は肌寒い。
(風邪、ひくかな)
客用のタオルケットを取ってくると、気持ちよさげに眠るやんだに掛けてやりその横にそっと座る。
小さい頃は大嫌いだった。初めて会った時から印象は最悪で、いつもよつばに意地悪をしてた。
でも時々、優しかったり真剣だったりするやんだ。
よつばが中学生になった頃からは、あからさまな意地悪はなくなってきた。
(アイスを食べられちゃったり、水風船をぶつけられたりしたっけ…)
あの頃は真剣に怒ったけど、今考えると少し可笑しくなってくる。
考えてみると素直にやんだと接することができたのはいつの頃までだっただろう。
やんだのからかいの言葉に、嬉しくなったり、泣きたくなったりするようになったのはいつからだっただろう。
(やんだのこと…好き)
今ははっきりとそう自覚している。
今日だってやんだの車があるのに気が付いたとき、すごく嬉しかったのだ。
例えからかいの対象として見られていなくても、つっけんどんな態度しかできなくても、やんだに会えて嬉しかった。
相変わらず眠り込んでいるやんだの髪に、よつばはそっと触れてみた。
(やんだの髪、柔らかい…。ブリーチ?天然で茶色いのかな?)
「…う〜ん」
突然寝返りを打ったやんだに驚いて、慌てて手を引っ込める。
やんだは仰向けの体制になり、また寝入ってしまったようだった。
(やんだの手、触ってみたい)
よつばがずっと小さい頃からの付き合いだけど、やんだと手をつないだこと、あったかな。
体の脇の沿うように置かれた手に静かに触れる。ごつごつしていて、少し冷たい。
(指がけっこう長いんだ)
両手でやんだの手を持ち上げて、指先にそっと口付けて見る。
(起きない、よね…)
手を握ったままやんだの顔を覗き込む。
そっと、そっと顔を近づける。
どきどきして、心臓が口から飛び出してしまいそうだ。
ほんの一瞬、唇と唇が触れた。
253午後の出来事 4:2008/09/04(木) 16:05:18 ID:MnPJI0jI
やっちゃった…)
慌てて顔を起こそうとした時だった。
「それで終わりにしとけよ」
(えっ…)
声と同時に手を強く握られる。見るとやんだは目をパッチリと開けて、よつばをじっと見ていた。
「やん…だ、起きてたのか…いつから…」
「髪を触られたあたりからかな。けっこう敏感なんだよな、俺。
なんの冗談か知らんけど、お子様はこのへんでやめとけよ。
俺が本気になる前に」
よつばの目にみるみるうちに涙が溢れた。
「…冗談なんかじゃないよ。やんだなんか、よつばの気持ちも知らないくせにっ。
いつもいつもよつばのこと子ども扱いして…
よつばはもう、子どもじゃないよ…子どもじゃ、ないんだから…」
やんだはしばらく俯いて涙を流すよつばを見つめていたが、意を決したように口を開いた。
「…あのなあ、後悔しても知らねえぞ」
強く手を引かれて、よつばはやんだの上に折り重なるように倒れこんだ。
「え…やんだ…」
頭の後ろ側を押さえられ、やんだの顔に引き寄せられた。
唇同士がしっかりと触れ合い、よつばの口にやんだの舌が入り込んでくる。
「ん…、ん」
よつばは初めての大人のキスにただ苦しげな息をもらすことしかできなかった。
(やんだと、キスしてるんだ。こんな大人のキスを…)
よつばは嬉しさに満たされた。こんな日が、来るとは思ってもいなかった。
突然、背中の違和感に気付いた。
いつの間にかやんだの手がセーラー服の裾から差し入れられ、よつばの素肌を撫でている。
「ちょっと、やんだ、な…にしてる…」
軽い抗議の声をあげると、そのままきつく抱くすくめられ、やんだの下に組み敷かれた。
「よつばの気持ち知らないくせにだって?
知ってた、ずっと知ってたよ。
気付かないはずないだろ。
俺だってずっと同じ気持ちだったんだから。
よつばこそ俺がずっと我慢してたの知らないだろ」
怖いくらい真剣な顔のやんだがよつばを見下ろしている。
「やんだ…それ、ほんと?」
「嘘なんかつかねーよ。
…よつばのこと、まだまだ子どもだって思ってたんだよ。
でも、よつばはどんどん綺麗になるし、他の男の取られらと思うと気が気じゃなかった。
ここへだって、お前に会いたくて来てたんだ。
もっと待とうと思ってたんだけど、さっきみたいなことされたら…
俺はもう限界なんだよ。
我慢なんかできねえよ」
「うん、やんだ…うん」
254午後の出来事 5:2008/09/04(木) 16:06:19 ID:MnPJI0jI
セーラー服のタイが解かれ、静かに抜き取られた。
服の裾から性急に手が差し入れられ、動き回り、胸の上までたくし上げられる。
「やんだ…制服が皺になっちゃうよ」
「脱いじまえ、そんなもん」
「わ、分かった」
手早くセーラー服とスカートを脱ぐ。
やんだの眼差しに見つめられて、よつばは顔が赤くなるのが自分でも分かった。
「よつば、胸ちっちぇー」
「どうせよつばは風香みたいじゃないもん。
もうやめる!」
そう言ってよつばはやんだに背を向けた。
「うそうそ、よつばは可愛い、最高!
そのままのよつばが、一番、可愛い」
やんだにそう囁かれて、後ろから抱きしめられる。
首筋から、背中にキスの雨が降ってくる。
「やんだ、くすぐったい…」
そんなよつばの言葉を無視して、やんだはよつばの体中に口付けていく。
よつばの下着を取り去り、小さな乳房にも手を伸ばす。
「んっ」
よつばは必死で声をかみ殺した。恥しくてとても声なんか出せない。
目をぎゅっと瞑る。もうやんだの顔が直視できそうもない。
体中にキスされ、弄られて、どれぐらいの時間がたったのか、よつばにはもうよく分からなかった。
不意に耳元でやんだが囁いた。
「よつば、良いか…」
「え…なに、が…」
その瞬間激しい痛みがよつばを現実に引き戻した。
自分の中に侵入してくるやんだの、あまりの熱さに思わずやんだの背中にしがみつく。
きつく閉じたよつばの目から涙が流れ出した。
やんだの激しい動きがよつばの体を揺らす。
「よつば、目を開けて俺を見ろよ。
お前の声、聞かせてくれよ」
恐る恐る目を開くと、目の前にやんだの少し苦しげな顔がある。
「やんだ…好き…」
視線が絡まりあって、お互いの唇を求める。
(いつまでもこの時が続けばいいのに)
よつばはそう考える。
やんだの動きは一層激しくなり、そしてやがて動きをとめた。
よつばは自分の中に熱い何かが放たれるのを感じた。
自分の上にぐったりと身を投げるやんだを、よつばはしっかりと抱きしめた。
そのまま二人で、短い眠りに落ちていった。

「腹減った」
目覚めたやんだの第一声がそれだったことに、よつばはちょっとがっかりした。
(全然ロマンティックじゃない)
よつばだって、恋人との初めての時にそれなりの夢があったのだ。
「そうだ、おにぎりがあるよ」
ずっと放置されていた昼間のおにぎりをやんだにさしだす。
「お、ありがとー。よつばも一緒に食おうぜ」
「その前に服着ようよ」
「いいからいいから」
やんだは胡坐を組んだ膝によつばを座らせ、少し寒いな、と言ってくしゃくしゃになってしまったタオルケットを肩からかぶった。
「こんなとこ小岩井さんとかジャンボさんに見つかったら、俺殺されるな」
「ほんとに。やんだ殺されちゃうよ」
「なんだよ、ちょっとはフォローしろよな。
このおにぎり美味いな」
「そうでしょ。よつばがつくったんだもん」
後ろからやんだの腕がよつばを抱きしめる。よつばも、その腕をぎゅっと抱きしめる。
「これからも、ずっとやんだにおにぎりつくってあげるね」
「おう、頼むぜ」
そう言って、二人で笑った。
255名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 16:09:14 ID:MnPJI0jI
以上です。
自分は>>200なのですが、制服初Hが好きなことが
自分でわかりました。
>>238
ありがとうございます!GJです!
256名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 16:12:55 ID:8swDo0U5
>>249
GGGGGGJJJJJJJッ!
10年後のよつばの口調がすげえ納得いく「女の子なよつば」で萌えた
257名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 18:29:45 ID:sV2JqVmQ
>>255
GJ!
よつば、可愛い
>>256に同意だわ
258名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 19:09:24 ID:TZsgXbHF
やんよつグッジョブ!!
年の差カップリング萌え(やんだはそのまんまたけど)
このまま豊作が続いたらいいな
259名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 19:47:12 ID:43eTrybl
>>249
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
いいよいいよーやんだ×よつば

この新作ラッシュは
俺みたいに数ヶ月ぶりに規制解除された奴が多いのか?w
260名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 19:48:46 ID:obbMx/jV
風香もよつばもとーちゃんもやんだもGJでした!
ほんとよつばとはみんな萌えられて良いわー
虎子をおなごにする男キャラがいればなお好みなのだが…今後に期待。
今なら…とーちゃんか…自転車つながりでひげもじゃ?
261名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:43:29 ID:Dh9/VRzj
俺の好みとしては
綾瀬父と不倫
262名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:56:57 ID:tbEWuEVz
>>255
息抜きにスレ開いたらまたしても投下がww
なんか、最近スレが加速しつつあるぞww?
とにかくGJだ!!
263名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 21:56:48 ID:fTKPI1zV
1日一回は最低でもかーちゃんを希望と言い続けよう4日め
264C.G.Yang:2008/09/05(金) 01:04:29 ID:QqMukMcK
>>182の発案をいただいて書いてみました。
>>263ご所望のとーちゃん×かーちゃんです。
過度な期待をしないでください。それではお願いします。
7スレほど消費します。
265公認家族計画(1/7):2008/09/05(金) 01:06:22 ID:QqMukMcK
仕事で煮詰まった頭に、玄関のベルがさえわたって響いた。
 今行きます、といつものTシャツとトランクス姿で階段を駆け下りる。

 「こんにちは、あら、もうこんばんはって言ったほうがいい時間かしらね」
 「綾瀬さん、こんばんは。いつもよつばがお世話に……あっ! 」
 綾瀬さんは人差し指を唇の前に持ってきて、にこっと微笑む。
 「気持ちよさそうに寝てたもんだから、起こすのかわいそうで」
 「すみません、重かったでしょう、今持ちますから」
 そういって綾瀬さんの背中からよつばを自分の腕に抱きかかえた。寝ている子どもを抱えるのは、結構な重労働だ。
 「どうぞ、あがってください。運んできてくださったんだから、お茶くらい出さないと。あ、あと何か着てきますね」
 「あら、そんな気を遣わなくても。でも、まあお言葉に甘えちゃおうかしら」
 よつばを寝室に寝かせたあと、Tシャツで汗をぬぐいながら、その辺に落ちているジーンズをばたばたとはいた。ちょうど冷蔵庫に麦茶が冷えてたはずだ。
266公認家族計画(2/7):2008/09/05(金) 01:07:14 ID:QqMukMcK
 「いや、ほんとによつばがお世話になって。仕事もあるもんですから、助かってますよ」
 「いえいえ、うちの家族もよつばちゃんを気に入ってるし、毎日来てもらわないとさびしいくらいよ」
 「迷惑になるだけだと思うんですが……」
 「そうそう、小岩井さん。お仕事場って拝見できるかしら?主婦として一度見ておきたいのよ」
 主婦にとって?汚い仕事部屋になにか主婦の興味を引くものがあるんだろうか。まあ、みせられないものでもないからよいのだが。
 「いいですが、汚いですよ。二階です。案内しましょう」

 二階に到着するや、綾瀬さんは不思議そうな顔をして、部屋の中をきょろきょろと見回している。
 「普通の部屋ね。鍋なんかもないわ。ベランダかしら」
 「鍋って何のことなんですか? 」
 「風香がね、小岩井さんがこんにゃく屋さんだって言うものだから、こんにゃくってどういう風に作るのか気になるじゃない?だからなんだけど……」
 またよつばが風香ちゃんに変なことを吹き込んだんだな。とにかく誤解を解いておくか。そう思って正しい職業を伝えることにした。謎のこんにゃく屋さんも、それはそれで面白いのだが。
267公認家族計画(3/7):2008/09/05(金) 01:08:10 ID:QqMukMcK
 「なーんだ。翻訳家さんだったのね、こんにゃく屋さんなんて珍しいわと思ってたんだけど」
 「ご期待に沿えずに申し訳ないです」
 「あら、謝らなくったって。翻訳家だってかっこいいご職業じゃない」
 一瞬胸がドキッと波打ったような気がした。特に照れるところでもないのに。
 「想像してみると、こんにゃく職人じゃなくて、パソコンの前でバリバリ仕事してる小岩井さんのほうがかっこいいわね」
 胸の鼓動はさっきから早くなる一方。あいまいな返事をすると、綾瀬さんはにやりとして、こっちに近づいてきた。
 「顔が赤いわよ? どうかした? 」
 わからない。理由を探すがどこにもない。
 「もしかして、私に惚れちゃってたとか? なんてね」
 脳内に鋭い衝撃が走る。そんなことが? 他人に褒められてここまで照れることもない。
それは綾瀬さんだからなのか……頭がぐるぐるする。返事もできないまま、精一杯の思考に捕らわれていると、柔らかなものを唇に感じた。一瞬だったが、思考を即座に中断して、思うがままに行動する には十分すぎる。もうとめられない。
268公認家族計画(4/7):2008/09/05(金) 01:10:16 ID:QqMukMcK
 次にふと我に返ったのは、綾瀬さんが裸で床に押し倒されている光景を見たときだった。えらく客観的だが、確かに自分のしたことだ。おれだって真っ裸になっているじゃないか。
 三人の娘がいるとは思えない体つき。控えめだがハリのある乳房。くびれた腰。若い子にはない妖艶なヒップライン。おれはなにかに陥れられているのか。目の前の光景が神秘的過ぎて、そうも 思えてくる。
 「おばさんでも、きちんとからだの手入れはかかしてないのよ」
 そんなにおれの視線が、不思議なものを見るようなものだったんだろうかと思いつつも、神秘的なからだに自然と手が這っていく。

 ゆっくりと乳房を手のひらで持ち上げたりこねたりしながら、唇は首筋から徐々に徐々に下へと下りていく。
最後に到達するのは乳首で、片方を舐めながら、もう片方をそれにあわせて指でつまみ上げたり、はじいたり。動きに何か変化があると、逐一これもまた神秘的な嬌声を伴って、あらゆる知覚を満足させてくれる。ゆっくり愛撫を重ねながら、下へ下へ。より神秘的な部分へ。

 隠された核に指で触れた瞬間、大きくからだがうねる。味わおう。そこは、きたないのよ、と制止にも聞こえない声が息も絶え絶えになりながら発せられているが、そんなことはどうでもよい。
味わうのみだ。夢中で。そのうちに、さっきよりも大きなうねりがあったかと思うと、ゆっくりとからだは弛緩していった。


 「はげしいわね……若い人って。こっちもすごいことになってるわね、さすがだわ」
 すっと起き上がった綾瀬さんは、ジーンズのジッパーを下ろして、中をまさぐっていた。
 「さっきのお返し」
 そういうと、おれの一物を引っ張り出して、口に含む。ぞくっとするような快感が背筋を通り、脳天まで達した。
簡単に言うと、きもちいいということだ。さっきまで気取って、神秘的だの、妖艶だの何かと小難しく言っていたが、余裕のないときには、簡単なことばが一番だ。くそ、きもち いい。
おれの反応を見ているのだろうか、気持ちのよい部分を激しく責めてくる。降参します、といいたくなるほどだ。きもちいいから、絶対に降参なんかしないけど。
 もうそろそろだ、というときになって、口を開こうとした瞬間に。
 「まだ、出しちゃだめよ。ここでイってもらっちゃこまるわ」

 夢中で腰を振っている自分が別のものにのっとられているかのように感じられるが、下半身の快感は、それを否定する。なんでこんなにきもちいいんだ。ご近所さんなのに、人妻なのに。それを 超える魅力がこの人にはある。夢中にさせる魅力が。
 嬌声が部屋にこだまする。もしかしたら近所にまで響いているかもしれない。そんなことはいい 。今は、夢中になるべき対象が目の前にあるのだ。むさぼならくては。
269公認家族計画(5/7):2008/09/05(金) 01:11:29 ID:QqMukMcK
 自分の欲望を吐き出して、綾瀬さんのからだを再び愛撫していると、部屋のドアがすっと開いた。
 「いや、若いということはすばらしいですな、はっはっは」
 な、なんだ、とにかくこれはやばい。どうしてここに旦那さんが……頭の中が文字通り真っ白だ。よつばにブレーカを落とされて仕事全部パーになったことなど、比べ物にならないくらい。 

 素っ裸のまま、零コンマ何秒かのすばやさで土下座の体勢になった。謝るしかない。
 「申し訳ございませんっ! これはもう言い訳もしようがありません! 腹を切ってお詫びを……」 

 「はっはっは、小岩井さん、落ち着いて。落ち着いて。いえね、これは私の認めたことなんですよ。もう私も年でね、その、不能になってしまったんです。
それで、なんとかして妻を喜ばせてあげたいということで、とにかく若い男で、私の信用の置ける人物をと思いまして。小岩井さん、あなたが適任かと。よつばちゃんものびのびと育てておいでですし」
 自分がぽかんとしていることが自分でもわかる。夫公認のセックスの相手なんて聞いたことがないぞ。まあ、しかし、殺されたり、自分で自分を殺したりする可能性はなくなった。ひとまず安心していいのか……

 「妻もこのように果てていますし、性的な相性もよいということでしょう。というわけで、今後ともよろしくお願いできますかな」
 「……よろしくお願いします」
 土下座の体勢のまま、深々と頭を下げた。

270公認家族計画(6/7):2008/09/05(金) 01:12:48 ID:QqMukMcK
「ところで、小岩井さんの営みを見ていると、不能になった私のものも、どうやら復活したみたいで、もう一回戦、私を交えてやりませんか? 私も久々にできると思うと、からだがうずきましてね……」

続くのか?
271公認家族計画(7/7):2008/09/05(金) 01:15:38 ID:QqMukMcK
以上です。
一番最初に7『スレ』とか書いてますね。スレとレスを間違うとはね。吊ってきます。
拙い文章を読んでいただいてありがとうございました。
もっとよいSSを皆さんで作ってください。
272名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:18:39 ID:bLS/pM1n
GJ!
よかったな>>263
一日一回は最低でもって日本語でおk
273名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:32:01 ID:a/DDSrLC
新作ラッシュGJ!
新しい保管庫つくるのはダメなのかな?
このままじゃ勿体ない気がするので…
274名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 06:44:28 ID:i2sWW8iF
ほんと、最近スレの活性化が著しいなww GJだ!!
275名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 07:56:34 ID:jMcWyfpH
保管庫作るなら落ちたスレのSSも読みたいです
確かジャンボのがあったような
276名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 09:09:13 ID:8B9xhhN3
>>270
念願が叶いました、これで受験勉強に集中できます。






・・・ウッ・・・ハァハァ
277名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 10:14:05 ID:nVF8oQZt
一応ここは21禁だぞ。
278名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 10:55:58 ID:8B9xhhN3
>>277
ヒント 浪人です
279名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 11:41:32 ID:SSC1Tf0q
>>278
なんだ、その…ガンバレ
280名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 11:49:13 ID:8B9xhhN3
>>279
早稲田の壁は厚いです><
281名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 13:10:53 ID:jMcWyfpH
>>280
「こんにゃく屋」になる気だな?
282名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 13:17:18 ID:8B9xhhN3
>>281
法学部しか興味ないZE

中央もいきたい
283名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 16:03:24 ID:/MRK8ovX
どうでもいい
284名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 17:00:27 ID:8B9xhhN3
>>283
まったくもって
285名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 20:57:47 ID:2eHWK3zn
とーちゃん×風香投下してもいい?
286名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:00:20 ID:lC2YCi6D
もちろんですとも
287av1:2008/09/05(金) 21:07:20 ID:2eHWK3zn
「えー。風香、本当に見たこと無いの?」
友達との会話は卑猥なものだった。
そういった経験も無く、知識も浅くしかない風香にはとても恥ずかしい会話に聞こえる。
「だって、見る機会が無いもん…。…AVなんて…。」
そうなのだ。友達にはお兄ちゃんや弟なんかが居て、こっそり部屋から拝借して見た事があるらしいのだが
風香は三姉妹の次女。今までそういった類のものを見た事が無かった。

その日の帰り道、自転車を漕ぎながらまだ見たことの無いアダルトビデオの事を考えていた。

エッチなビデオという事は分かるんだけどなぁ…。
そのくらいの知識しかなかった。

「風香ちゃん、おかえり」
ふいに声をかけられて声の方を向くと、お隣の小岩井さんだった。
ちょうどレンタルビデオ店から出てきた所だった。
「小岩井さん。こんにちは。よつばちゃんは?」
「今、ジャンボが来てるから留守番してるよ。」
「そうなんですか。もう帰る所なら一緒に帰りませんか?」
「そうだなぁ。他に行く所もないし一緒に帰ろうか」
288av2:2008/09/05(金) 21:07:52 ID:2eHWK3zn
「学校は楽しい?」
ふいに小岩井さんに聞かれた言葉で、今日の友達との会話を思い出した。
「楽しいです。…楽しいんですけど、友達との会話がたまに楽しめない時があります。」
「それってどんな会話?」
「ちょっとエッチな会話ですw私、そういう知識に疎くって。
今日はアダルトビデオの話になったんですけど、見た事ないって言ったら笑われちゃって…。
それに、彼氏との話になっても付き合った事ないからついていけなくて…。
やっぱり高校生になっても、付き合ったことなかったり、そういう知識がないって駄目ですかね?」

小岩井さんは困惑してるようだった。そうだよね。お隣さんて言うだけでこんな会話…。

慌てて「すいません、こんな話しちゃって。困りますよね。」と笑ってごまかした。

「風香ちゃん、アダルトビデオ見てみたい?」
小岩井さんからの突然の提案だった。
「見るだけだったら、今日借りたのが有るから見れるよ。」
「見てみたいです。でも家にはお母さんも恵那も居るし、見る場所がないです…。
せっかく言ってくれてるのに残念です。」
「いや、家で見てくれていいんだけど。昼間ならよつばも居ないし。明日お休みでしょ?」
そうだった。明日は祝日だった。どうしようか迷ったけど好奇心のほうが強かった。

「じゃあ、明日お邪魔してもいいですか?すいません。」
「いいよ。俺は仕事してるからいつでもいいよ。」

こんな会話をしながら家に帰った。明日はいよいよ初AV鑑賞だ!
289av3:2008/09/05(金) 21:08:26 ID:2eHWK3zn
「こんにちは〜。小岩井さん居ますかぁ?」
よつばちゃんが恵那と遊びに行ったのを見計らって、小岩井さんの家に来た。

「お〜。風香ちゃん、いらっしゃい。まぁあがって」
「はい。お邪魔しま〜す」

「今回借りてるのは、2本なんだ。どっちでも自由に見てくれていいから」
そう言うと小岩井さんはお茶を入れにキッチンに行ってしまった。

タイトル見ても良く分からないけど、どっちにしようかな?
悩んでると、小岩井さんが戻ってきた。

「こっちは普通の。こっちは企画物。見るなら普通のがいいんじゃない?」
企画物?わかんないけど、小岩井さんの言った方を見てみようかな。
「じゃあ、普通のって奴を見てみますw小岩井さん、一緒に見ますか?」
「んー。仕事もそんなに忙しくないし、どっちでもいいよw」
他人の家に一人で居るのも気が引けるし…
「じゃあ一緒に見ましょう。ドキドキするなぁ」

小岩井さんはDVDをセットしてくれた。

DVDを見るだけなのに、なんだか凄い事してるようでドキドキしていた。
モザイクがあるから良く分からないけど、声が凄くてビックリする。
あんな風に胸を揉まれたら、あんな声が出るのかな?

見てる間、色々考えすぎちゃってクルクル目が回るようだった。
290av4:2008/09/05(金) 21:09:04 ID:2eHWK3zn
「風香ちゃん?大丈夫?」
小岩井さんが声をかけてくれたみたいだった。
「だ、大丈夫です。ちょっとトイレ借りますね。」
トイレに行こうと思ったけど、ビックリしすぎて腰が抜けたように動けなかった。

「刺激が強かったかな?しばらく横になってて。」
小岩井さんは優しく声をかけてくれた。
「はい。すいません。 あの、背中をさすって貰えませんか?」
「えっ?」
「子供の頃から、背中をさすってもらうと安心するんです。」
「あはは。いいよ。」

小岩井さんの手が背中に触れた時、いつもの安心感とは違った感触がした。
何か電気が走るような、ビリビリした感覚。
「ひゃぁん…。」思わず声が出ていた。

「風香ちゃん?」小岩井さんが肩に手を置くとビリビリした感覚が強くなった。
「な、なんだか体が変です。触られた所が熱くなってビリビリします。」
どうしたらいいのか分からなかった。
「介抱してもいいかな?」
小岩井さんが聞いてきた。
私はただうなずくしかなかった。
291av5:2008/09/05(金) 21:09:52 ID:2eHWK3zn
小岩井さんの顔が近づいてきて、唇と唇が触れた。
なんだかくすぐったい様な感じ。
小岩井さんは耳たぶや耳の後ろ首筋にキスをしていく。
着ているTシャツも脱がされ、胸があらわになった。
「やっぱり、大きいね。立派立派。」かなり恥ずかしい。

口内に含まれた乳首は少しの刺激でも痛いくらいになっていた。
小岩井さんは指で摘んだり弾いたり、もう片方の胸は舌先で舐めたり口に含んだりしながら
ときどき、背中を指でつぅーっとなぞったりする。
背中をなぞられるとゾクゾクしておかしくなりそうだった。

もうおかしかったのかもしれない。
どんどん自分じゃないような声が出る。息遣いも荒くなってきた。

そのうち、胸を触っていた手が太ももに下りてきて
風香の大事な場所に触れた。
「すごいね。もうこんなだよ。」
小岩井さんがわざと風香の愛液を指に滴るように付け風香に見せた。
その指をそのまま、小岩井は舐めてみせた。

恥ずかしい。でも動けない。

小岩井は風香のアソコに口をつけ愛撫していく。
太ももの内側や足の指も丹念に嘗め回して風香の感じる所を探ってゆく。

どうやら背中と足の指とクリトリス、胸と耳の後ろが気持ちいいみたいだった。
「入れてもいいかな?」小岩井が耳の後ろを舐めながら耳元で囁いた。

「初めてなので、優しくして下さいね。」息も絶え絶えだったが言えた。
292av6:2008/09/05(金) 21:10:58 ID:2eHWK3zn
小岩井のペニスが風香の中を埋めていく。
「うぁ…。風香ちゃんの中、凄く熱くてヌメヌメしてる…。やばい。」
小岩井が動くたびに揺れる胸も小岩井の性欲を刺激していた。

「ふぁっ、ちょっと…痛いですけど気持ち…いいですっ。」
なんだか中が擦れる度に痛みと気持ち良い波が体中を走り抜けていた。
初めてなのにこんなに気持ちよくなるなんて…
「こっちはもっと気持ちいいかもね」
小岩井さんが風香を起こして騎乗位の体勢をとらせる。
下から見上げると、更に風香の胸の大きさが堪能できる。
腰を突き上げ、揺れる胸を揉みしだき限界がきそうだった。

小岩井はバックの体制になり果てた。

しばらく横になり風香の頭を撫でていた。

「初めてが俺なんかで良かったの?」
「小岩井さんだから良かったんです。小岩井さんじゃなきゃ嫌です…。」
「それって…」

言葉を続けて言おうとした小岩井だったが、風香の唇に塞がれてしまった。
「大事にしてくださいね。」
風香の言葉に小岩井は「こちらこそ。」と返した。
293av7:2008/09/05(金) 21:11:54 ID:2eHWK3zn
すいません。これで終わりです。
gdgdですいません。まとまりねぇなぁ…。
294名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:48:29 ID:lC2YCi6D

エロかったぜ
295名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:10:03 ID:u+MYHgHA
>>293
ほんと、最近はどうなってんだ!?異常だww

gjwww
296名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:11:50 ID:lC2YCi6D
8巻発売したからじゃないの
297名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:09:53 ID:gUYQTlhu
ちゃんとした文章でwはやめた方がいいと思うが
298名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:20:36 ID:2eHWK3zn
>>297
すいません。笑う表現の仕方が思いつかなくてorz
もう少し勉強してきます

gjしてくれた方ありがとうございます
299名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:24:23 ID:abYt1LWT
まあ、そういった縛りの必要な文章ってわけでもないだろうさ
なんにせよ乙
300名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 03:02:01 ID:X/1626Ku
草は自分は気にならんかったよ
2chのエロパロならではって感じでよかったww
GJ!
301名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 08:17:59 ID:hV243gKg
新作ラッシュktkr
302名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 08:49:55 ID:XiuM+BTd
かーちゃんの笑顔を見るだけでおっきしてしまう
303名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 12:24:04 ID:2tvuB/vK
おっきもいいが、受験の方も頑張れよw
304名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 12:51:22 ID:XiuM+BTd
>>303
なぜ俺だとわかった!?

予備校いてくる
305名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 19:35:51 ID://qEjM/7
落ちたスレの分誰か保存してない?
なんなら保管庫つくるよー
306名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:30:43 ID:9TsQFOSN
保管庫できたら嬉しいな
期待age
307名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:52:08 ID:XiuM+BTd
保管庫更新おそいもんなぁ
308名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:04:09 ID:4WCZ9SYX
遅いってレベルじゃねーww

前スレ落ちてから、このスレ立つまで随分間があったし仕方ない。
ちなみに3話目のがコレ
http://sakura03.bbspink.com/eroparo/kako/1191/11912/1191216777.html
これのよつば×やんだの続きをずっと待ってるぅ
309名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:10:25 ID:4WCZ9SYX
310名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 00:01:17 ID:BbxYE4pS
やんだ×よつばがみたーい
311名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 09:38:20 ID:RtxyVR2j
とーちゃん×虎子がよみたーい
312名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 10:55:04 ID:dAatxVHk
しまうー! しまうー!
313名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 10:58:58 ID:gHlK5Qn2
やんだ×よつば でペドが読みたい
314名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 11:11:27 ID:MgYUJ0X0
とーちゃん×かーちゃん推進過激派の俺
315名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 11:57:02 ID:GNzDbLSW
>>314
エロパロもいいが勉強もしようぜ?
受かったら(覚えていたら)かーちゃんSS書くぜ?
316名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 12:51:32 ID:MgYUJ0X0
>>315
がんばります><
317名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 13:25:06 ID:XlNem2G5
「とーちゃん!>>314はろーにんだってかーちゃんがいってた!」
「そーかぁ。大変だなあ。」
「ろーにんってなんだ?!きったりきられたりするやつか?」
「そーだなあ。よく足を切られるな。」
「いたくないか?」
「心が痛いなあ。」

続かない
318名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 14:19:20 ID:+S2JuARa
読みたいシュチュエーションをチラッと書いておくと
書き手も想像力膨らますかもしれません。

そんな自分はavの書き手w
319名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 14:58:37 ID:GNzDbLSW
ア゛ア゛ァアあ!!
途中まで書いたのに、バックして消してもーた

もう誰か、やんだ×ふーかを頼む…
やんだ×ふーか萌えは少なそうだけど
320名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:08:47 ID:GNzDbLSW
すまねsage
321名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:16:18 ID:EJP2EoWF
とーちゃん×虎子がいいな、やっぱり
322250:2008/09/07(日) 15:17:19 ID:hYPgKc9f
調子に乗って>>250の続きのやんだ×よつば投下します。
無駄に長いうえにエロも少なく、何だか昔の少女マンガのようになってしまいました。
あと、小岩井家の2階によつばの部屋あるということにしてます。
323海へいこうよ 1:2008/09/07(日) 15:18:32 ID:hYPgKc9f
「よつば、海行こうぜ海!」
そんな調子の良い電話がよつばのもとにかかって来たのは、8月の初めのある夜のことだった。
携帯のディスプレイに浮かんだ”着信  やんだ”の文字に一瞬どきりとし、いそいで電話を取ったあとの第一声がそれだった。
能天気なやんだの声に、思わずよつばの声も明るくなる。
「海!行く、行きたい!とーちゃんと風香と、ジャンボも誘って、あ、恵那とみうらも行くかな?」
「なに言ってんだよ、俺とよつばの二人で行くんだよ。
デートだよ、で、え、と。今度の日曜でいいだろ。用意しとけよ。じゃ、また電話するから」
「ちょっと、やんだ!」
電話は一方的に切られてしまった。
「…やんだの、ばーーーか」
携帯を握りしめてよつばは小さくつぶやいた。
本当は、やんだから電話がきたら言ってやりたいことがたくさんあったのだ。
あの初夏の日以来、まだ二人きりで会ったことは一度もない。
よつばが学校に行っている昼間に、何度かやんだは家に来たらしい。
でも夏休みに入ってからは一度も顔を見せていない。
何度も電話してみようかと思ったけど、いくらサボりがちとは言え相手は会社員だ。
仕事中だろうと思われる時間にかけるのは気が引ける。
夜にかけてみたこともあったけれど、電話の向こう側はがやがやと騒がしくてやんだの声も良く聞こえない。
(飲み会?なのかな)
「ごめん、よつば。後でかけなおすわ」
お酒が入っているのか、やんだの声も陽気で大きい。
背後で女性の嬌声が上がった。
「安田さん彼女ですかー!?」
「ばかっ、違うって」
そんな会話が洩れ聞こえて来た。
よつばはすごく悲しくなってそのまま電話を切ってしまった。
すぐにやんだから電話がかかってきたけれど、なんだか出る気になれなくて放っておいた。
それ以来よつばはやんだに電話する勇気が持てなくて、一度もかけていない。
やんだの方もどう思っているのか、電話はかけてこない。
ただ”おはよう”とか”おやすみ”と挨拶のようなメールだけを取り交わしている。
正直、よつばは不安で不安たまらなかった。
やんだを問いただしてやろうと思っていたのだ。
でも。
さっきの電話のやんだはいつもと変わらなくてちょっとほっとした。
久しぶりに話すのにずい分一方的ではあったけれど。
(やんだと、海でデート…)
顔が自然にゆるむ。
「あっ、水着!」
水着なんて、授業で使う競泳用のものしかもっていない。
はっきり言って自分で選ぶ自信もあまりない。
今日はもう木曜日だ。ゆっくりなんかしていられない。
よつばは慌てて階下に駆け下りた。
324海へいこうよ 2:2008/09/07(日) 15:19:45 ID:hYPgKc9f

「ふーか!」
リビングに飛び込むととーちゃんと風香がびっくりしたように振り向いた。
結婚式が間近になった風香は、夜のほとんどの時間を小岩井家で過ごすようになっていた。
「どうしたの、よつばちゃん」
「あの、ふーかだけちょっとこっち来て…」
「なんだよ俺は仲間はずれかよ」
とーちゃんが不満げに口をはさむ。
「とーちゃんはいいの!」
そう言って風香をキッチンに引っ張って行くと、よつばは思い切って口を開いた。
「あの…ふーか、水着買いに行くのに、付き合ってほしいんだけど」
「なになに、よつばちゃんもしかしてデート?」
風香は意外に勘が良い。
「うん…そう、実はそうなんだけど、どんなのにしていいか分んなくて…」
今まで見たことのないよつばの様子に、にわかに風香は目を輝かせる。
「そういうことならこの風香さんにまかせなさい!
相手はどんな人?同級生?先輩?教えてよ。私とよつばちゃんの仲じゃない」
よつばの顔がかーッと熱くなる。
風香になら、言ってもいいかもしれない。
「あ、あのさ……やんだ…なんだ」
よつばの言葉に風香は驚いたように目を見開いた。
「やんだって、安田さんのこと?!
…そっか、うん、そうなんだ。何となくそんな気がしてた。良かったね、よつばちゃん。おめでとう」
嬉しそうな風香の言葉に、今度はよつばが目を見開く番だった。
「なんで…ふーか知ってたの?とーちゃんも?」
「よつばちゃん見てたら何となく、ね。そう思ってたの。
大丈夫。小岩井さんは気づいてないと思うよ」
「ふーかお願い、とーちゃんには秘密にして」
何故だか、とーちゃんにはあまり知られたくなかった。
きっと反対される、そんな気がしたから。
「大丈夫大丈夫、絶対言わないから。そうと決まったら早速買い物に行かなきゃ。
デートいつなの?」
「…今度の日曜日」
「えらい急だね。うん、じゃ、土曜日に買いに行こう!
水着だけじゃなくて、服とか、靴とかも!ボーナスもでたし、お祝いにこの風香様がプレゼントしてあげよう。
でもあんまり高いのはなしね」
「ありがとう!ふーか!大好き」
嬉しくて、ほっとして、よつばは思わず風香に抱きついた。
「大事な娘のよつばちゃんのためだもん。ほんとに良かったね」
少し涙声で風香は言った。
325海へいこうよ 3:2008/09/07(日) 15:20:53 ID:hYPgKc9f
そして、土曜日。
風香お姉ちゃんだけじゃ心配だから、と言って恵那も付いて来てくれた。
恵那ももう大学生で、いつも女性らしい、可愛い格好をしている。
新たな味方を得てよつばも心強い。
デパートやお店を散々歩き回り、ようやく買物を終えたのはもう日が翳り始めるころだった。
水色のセパレートの水着にクリーム色のキャミソールワンピース。
ヒールの付いた白いサンダルとリボンがあしらわれた籠バッグ。
Tシャツとハーフパンツばかりのよつばにとって、どれもこれも初めてのものばかりだ。
「大丈夫かな…よつばに似合うかな」
両手に荷物を下げながら、少々不安になってよつばはつぶやいた。
「大丈夫だよー、よつばちゃんすっごく似合ってたよ」
自分のコーディネートに自信があるのか、恵那は明るく言う。
「そうそう、自信もって!」
二人がかりでそう言われて、なんとなくよつばも安心し笑った。

家に帰ると早速ワンピースをハンガーに吊るし壁に掛ける。靴とバッグも値札を取って机に上に置く。
(あとはタオルとビーチサンダルと、日焼け止めは絶対持って行けって恵那が言ってたな…
お弁当は早起きして明日の朝作ろう。やんだ喜んでくれるかな)
ベッドに寝転びながら考える。
待ち合わせは午前10時に駅前で。昨日そうメールが来た。
10時に待ち合わせで、お弁当を作るとなったら何時に起きなきゃいけないかな。
今日は早く寝なくちゃ。
きっと眠れそうにないけれど…

翌朝、夜明けと共によつばは飛び起きた。
案の定夜中まで眠れなかったけど、そんなこと気にしてられない。
台所に駆け込んで、お弁当の支度を始める。
おにぎりに、玉子焼き、ウインナー。
とーちゃんも起きてきて、何か言いたげにうろうろしてる。
(ふーかから何かきいてるのかな?)
おにぎりとおかずをお弁当箱に詰め込んで、ハンカチで綺麗に包む。
時計を見ると7時半だ。
(良かった、まだ時間はありそう)
外は快晴で、暑くなりそうだ。
海に行くのにちょうど良い日になるだろう。
ホッと一息ついていると、玄関から風香が駆け込んできた。
「よつばちゃん、荷物と服持って!早く早く!」
「なに、どーしたのふーか?」
「いいからいいから、ほら早く!」
急かされるまま部屋から荷物を取ってくると、そのまま手を引かれて隣家の風香の部屋に連れ込まれた。
「おはよー、よつばちゃん」
「よつばちゃん、デートだって?」
部屋にはあさぎと恵那が待ち構えていて、テーブルには色とりどりの化粧品が並んでいた。
それから二時間、顔だの髪だの爪だの、三人に散々いじくり回された。
「よし、完成」
あさぎが満足げに頷く。
「うん可愛い、最高!」
「よつばちゃん、可愛いよ」
三姉妹が口々に言う中、よつばは鏡に映った見慣れない自分に驚いた。
「変じゃないかな…」
思わず不安が口をつく。
「全然変じゃない、すごく可愛いよ。大丈夫。ほら、そろそろ時間じゃない?」
風香がそう言ってくれて、よつばは少し安心する。
326海へいこうよ 4:2008/09/07(日) 15:22:06 ID:hYPgKc9f
風香たちが玄関まで見送ってくれた。かーちゃんもリビングから顔を出す。
「あら、よつばちゃん。すごく綺麗にできあがったじゃない。楽しんで来なさいよ」
「うん、かーちゃん、風香、恵那、あさぎ、ありがとう」
綾瀬家を出て、駅までの道を歩き出す。
(みんなかわいいって言ってくれた。
やんだも、かわいいって言ってくれるかな…)
唇のグロスはべたべたするし、たっぷり塗られたマスカラは何だか重たい。
キャミワンピからは肩が丸出しで、慣れないヒールの靴は歩きにくい。
(でも、やんだに見てもらいたい)
そんなことを考えながら歩いていると、あっという間に駅に着いてしまった。
時刻は10時10分前。駅前の広場のベンチにそっと腰掛ける。
(まだ来ないかな、やんだ。お弁当悪くなっちゃわないといいな)
休日の駅前は賑やかで、手をつないだカップルが楽しげに通り過ぎていく。

(おそい。やんだおそいよ)
よつばは不安げに広場の時計を見上げた。
10時30分。約束の時間から30分も過ぎている。
幾度かやんだの携帯に電話をかけてみたけど、さっぱり出る様子も無い。
ぎゅっと握りしめた手が汗をかいて、むき出しの肩に夏の日差しが痛い。
(どうしよう…やんだ、なんで来ないの)
よつばの不安が頂点に達したとき、バッグの中の携帯が鳴り出した。
慌てて携帯を取り出すと、画面を確認する。
” 着信  やんだ”の文字。
「もしもし!やんだ?!」
「悪りい、よつば!」
携帯から聞こえてくるやんだの声にほっとすると同時に嫌な予感がよつばの胸に訪れる。
「ごめん、ちょっと客先がトラブっちゃって、急に呼び出されてさ。
まだまだ掛かりそうなんだ。やっと今少し抜け出してきたんだけど、また行かなくちゃなんないんだ。
よつば、悪りいんだけど、今日は行けそうも…」
一瞬、なにも聞こえなくなった。
熱いはずの日差しは急に冷たくなって、指先が震えた。
よつばの中で、なにかがぱちんと弾けた。
「よつば?」
「…ばか、やんだのばかっ!やんだなんか嫌い。だいっきらいっ!!」
大声で携帯にそう叫ぶと勢い良く通話終了ボタンを押す。
周囲の人たちが一斉によつばに目をむける。
大勢の視線を無視して、荷物をつかんで立ち上がり駆け出した。
327海へいこうよ 5:2008/09/07(日) 15:23:01 ID:hYPgKc9f
勢い良く玄関を開けて、乱暴に閉める。バタンと大きな音が響いた。
そのまま階段に向かい、一気に駆け上げる。
一瞬、リビングから風香ととーちゃんとジャンボが唖然とした顔を出しているの見えた。
自分の部屋に飛び込むとバッグを投げ捨て、ワンピースも乱暴に脱いで床に放り投げる。
途中で転んですりむいた膝がずきずきと痛む。
唇のグロスをティッシュでぬぐい、ベッドに身を投げた。
後から後から涙が溢れてきて止まらない。
(やんだのばか。
やんだのばか、ばか、ばか。
やっぱりやんだはよつばの気持ちなんか分かってないんだ。
こんなに楽しみにしてたのはきっとよつばだけだったんだ。
電話一本で中止にしてしまえる程度の存在なんだ。
やんだにとって、よつばはそんな存在なんだ…
だいきらい、やんだも、こんな自分もきらい。
みんな、だいきらい…)
さっきから携帯は何度も鳴っているし、ドアの外ではとーちゃんとジャンボが何か言ってるけど今は誰とも話したくない。
もう、なにも話したくない。

自分の名前を呼ぶ声を聞いた気がして、よつばは目が覚めた。
いつの間にか泣き疲れて眠ってしまったようだった。
時計に目をやると午後3時。
階下ではなにかドタバタとうるさい音がしている。
(今日はいったいなんだったんだろ。なんかつかれちゃった)
大きなため息をついて天井を見上げていると、小さなノックの音が響いた。
「よつばちゃん、ちょっと入るよ」
「ふーか…」
よつばは慌てて体を起こした。
タオルを手に、風香が静かに部屋に入ってきた。
「泣いてたんでしょ。目が腫れちゃうよ」
そう言うと風香は冷たいタオルでそっとよつばの顔を拭いてくれた。
タオルの冷たさが心地良い。
「ふーか、ごめんね…せっかくふーかが…」
また涙がこぼれそうになる。
「なんで謝るの。ほら、泣いちゃだめだよ。
ねえよつばちゃん、ちょっと下に行ってみない?良いものが見られるよ」
脱ぎ捨てられたままのワンピースをハンガーに掛けながら、うっすらと微笑んで風香は言った。
「べつに見たくない…」
今は良いものとか、そんな気分になれそうもない。
「いいから、さあ着替えて着替えて」
328海へいこうよ 6:2008/09/07(日) 15:23:49 ID:hYPgKc9f
結局風香に押し切られ、よつばは部屋を連れ出された。
「静かに、そーっとね」
足音を忍ばせて階下におりると、風香はよつばにリビングを覗くようにうながした。
瞬間、よつばは心臓が凍りつくかと思った。
「やんだ…」
鬼の形相のとーちゃんとジャンボを前に、やんだが土下座していた。
「本気なんです。嘘じゃありません!
絶対よつばを幸せにしますから、よつばと付き合うこと許してください!
お願いします」
驚きすぎて声もでない。
やんだがいることにも。
やんだの言葉にも。
「さっきいきなり飛び込んできて、『よつばー!』って叫びながら2階に行こうとしてたの。
でも小岩井さんとジャンボさんに、よつばが泣いて帰ってきたのはお前のせいかーっ!って捕まっちゃって。
で、今はああいうことになってるみたい。
さっきは正座だったんだけど、土下座になってるみたいだね」
風香の言葉もよつばの耳には入らなかった。
もう止められなかった。足が勝手に動いてやんだに駆け寄った。
とーちゃんもジャンボも、やんだも驚いてよつばに目を向けた。
「おねがい、よつばとやんだのこと許してください。
よつばはやんだのことずっと好きだったんだもん。
とーちゃんも、ジャンボも…許してください。
お願いします、お願い…」
「お願いします!」
やんだも声をあわせる。
よつばとやんだの思わぬ真剣な訴えに、とーちゃんはしばらく渋い顔をして何か考え込んでいるようだった。
「やんだ、本当に真剣なんだな?もうよつばを泣かせたりしないって約束できるか?
よつば、お前も節度を持って付き合うって、言えるか?」
とーちゃんの意外な言葉に思わずよつばとやんだは顔を見合わせた。
「します!約束します!絶対泣かせたりしません!」
「うん、よつばも約束する!」
「おいっ、コイっ。何言ってんだよ」
ジャンボが声を荒げて割って入る。
「いいのかよ、やんだだぞ?それにいくら何でも歳だって離れすぎだ」
「こんだけよつばが真剣なんだ。仕方ないだろ。やんだだって本気みたいだし」
とーちゃんの言葉に調子付いたのかやんだも口をはさむ。
「何だよ、ジャンボさんだって人のこと言えないだろ。
この間俺、ジャンボさんがすげー若いショートカットの女の子と手ぇつないで歩いてんの見たもん」
「俺の話はいいんだよ!お前の話をしてんだ」
「なんだよそれ、ずるいだろ」
「ジャンボだれだよ若い子って」
一気にいつもの調子に戻った三人に、思わずよつばの顔にも笑みが浮かんだ。
329海へいこうよ 7:2008/09/07(日) 15:24:45 ID:hYPgKc9f
外はもうすっかり暗くなって、かすかに虫の鳴き声が聞こえてくる。
結局やんだは、とーちゃんやジャンボの嫌みや説教も何処吹く風と聞き流し、夕食まで食べてからようやく重い腰をあげた。
なんだか名残惜しくて、よつばは車のところまでやんだを見送りに出た。
「よつば、今日は本当にごめんな。楽しみにしてくれてたんだろ」
心底申し訳なさそうにやんだは口を開いた。
よく見るとやんだのワイシャツもネクタイもくしゃくしゃで、所々埃かなにかで汚れている。
(ほんとに、仕事たいへんだったんだ…きっと急いできてくれたんだ)
やんだの胸にそっと顔を埋めると、かすかに汗の匂いがした。
「もういいよ、やんだ…ものすごく悲しくて、頭にきて、やんだなんか大嫌いって思ったけど、きっとやんだも大変だったんだもんね。
さっきはとーちゃんにあんなに真剣に言ってくれて、すごく嬉しかった。
もう、それだけでいいよ…」
「よつば…」
よつばの背中に手をまわし、しっかり抱きしめようとしたところで窓に並ぶ三つの顔がじっとこちらを見ているのに気付き、やんだは慌てて手を引っ込めた。
「よつば、海は絶対行こうぜ。しばらくは仕事がいそがしいと思うんだけど、絶対行くからな。約束する。
…今日だって、やっと休みがとれたと思ったのこんなことになるし。
俺だってすげえ楽しみにしてたんだぞ。よつばと海行くの」
「うん絶対、海にいこうね。待ってるから」
やんだの車のテールランプが見えなくなるまで、手を振ってよつばは見送った。

結局、約束は果たされないまま9月も中旬に差し掛かろうとしていた。
相変わらず電話もあまりなかったし、やんだは土日もなにかといそがしいらしく会うこともままならなかったけど、
よつばは以前のように焦ったり不安になったりすることもなかった。
(あのときのやんだの、あの姿をみたからかな)
自分のためにあんなに懸命になっている姿を見たら、きっと誰だって安心できる。
「よつば、海行くぞ海!今度の日曜な。準備しとけよ、迎えに行くから」
またそんな用件だけの電話がきた。やんだらしい、とちょっと笑ってしまった。

日曜の朝、やんだは大きなRV車に乗って小岩井家に現れた。
「すげえ車だな、買ったのか」
「レンタカーっすよ。海行くならこんな車じゃなきゃ」
よつばの見送りをする、と言ってやって来ていたジャンボととやんだのそんな会話が聞こえてくる。
今朝もよつばは綾瀬家に引っ張り込まれ、先日と同じように三姉妹に飾り立てられた。
この間のワンピースのうえに薄いピンクのカーディガンをはおり、やんだの前に進み出る。
一瞬、やんだの目が驚いたように見開かれた気がした。
「じゃ、いってきます」
居並ぶとーちゃん、ジャンボ、風香にそう声をかける。
「おめー、やんだ。よつばに変なことでもしたらぶっ殺すからな」
ジャンボが怖い顔をしてやんだに声をかけた。
(もうしちゃった、なんてとてもいえない…)
そんなことを思ってよつばは一人で赤面した。
330海へいこうよ 8:2008/09/07(日) 15:26:22 ID:hYPgKc9f
「どう、やんだ。今日のよつば」
運転席のやんだに声をかける。
「すっげえ可愛い。びっくりした」
思わぬ直球の誉め言葉によつばは頬が熱くなった。
「そうかな、変じゃない?」
「可愛いって言っただろ。
…でもあんまりそんな格好すんなよ。そういうのは俺にだけ見せればいいんだから」
「今日のやんだは、なんかおかしい」
さっきから意外な言葉の連続で、こんなやんだは見たことがない気がした。
「俺がおかしいのはよつばのせいだよ」
「ひとのせいにするな…」
でも、嬉しかった。

やんだ曰く「超穴場」の海岸には一時間半ほどで到着した。
山間の道が開けたところにある、小さな海岸だった。車を道の脇の小さな空き地にとめると、二人で海岸へ走り出した。
9月も半ばの海には他に人の姿もない。空は晴れているが雲は既に高く、吹く風にも少し冷たさを感じる。
「もう海には入れそうもないな。ごめんな」
「やんだと海に来れただけで、いいよ」
手をつないで波打ち際を歩いた。波が打ち寄せ、素足を濡らしていく。
「ねえ、やんだ。前に電話したときさ、なんでよつばのこと彼女だって言ってくれなかったの?」
よつばはずっと気になっていたことを、思い切ってやんだにぶつけた。
やんだはしばらく何か考えていたが、急に思い当たったのか口を開いた。
「もしかして、飲み会のときの電話のことか?あれ聞こえてたのか…そっか…」
申し訳なさそうにやんだがつぶやく。
「うちの会社のやつら詮索好きのが多くてさ。彼女だなんて言ったら根掘り葉掘り聞かれるに決まってんだよ。
…俺が変態だのロリコンだの言われるのはいいんだけど、よつばのことを悪く言われたりしたら嫌だろ。
だからごまかしたんだけどさ。なんかお前は電話切っちゃうし、その後かけても出ねえし。
なんか怒ってんのかと思ったけど、なんでだかは分かんねえし、電話かけづらくなっちゃってさ。
海に誘う電話だって、かけんのすげえ緊張したんだからな」
一気にまくしたてると、照れたようにやんだは視線を逸らした。
(なんだ、そんなことなんだ)
散々不安になったりしていたのは自分だけじゃなかったんだ。お互い様ということだ。
「何か言えよ、よつば」
「やんだは、ばかだね」
自分のことを棚に上げて、よつばは言った。

持参のお弁当を食べ終わる頃には、一転空は一面暗い雲に覆われ始めていた。
「雨ふりそうだね」
残念そうによつば空を見上げた。
「そうだな、そろそろ行くか」
まだまだここにいたかったけど、帰り支度を始め車まで歩き出した。
車まであと一歩というところで、突然堰を切ったように雨が降りだしてしまった。
慌てて車の鍵を開け荷物を放り込んで乗り込むが、既に上半身はびしょぬれだ。
331海へいこうよ 9:2008/09/07(日) 15:29:54 ID:hYPgKc9f
「ほら」
やんだがタオルを投げてよこす。
「やんだも濡れてるよ」
「俺はいいから、よつば先に拭けよ」
「だめだよ、風邪ひいちゃうよ」
よつばは運転席に身を乗り出してやんだの雨に濡れた髪をぬぐいだした。
軽いため息をついて、諦めたようにやんだはされるがままになっていたが、その視線はじっとよつばに注がれたままだった。
自然に顔が近付いて、唇が重なった。最初ついばむように、そして深く。
(やんだとキスするの、ひさしぶりだ…)
「よつば、こっち来いよ」
やんだは運転席を後ろへ下げハンドルとの距離を広げると、自分の膝を指し示した。
「…やだ」
「恥しがんなよ」
「はずかしがってないもん」
本当はすごくはずかしい。恥しいけど、嫌ではなかった。
思い切って助手席から運転席のやんだの方へ移動する。
やんだの膝にまたがるように向かい合わせに座ると、足と足とがぴったりと密着した。
濡れて肌に張り付いたカーディガンを、やんだがそっと脱がせる。
よつばはやんだの肩に手を置き、今度は自分から口付けた。
やんだの手がよつばの背中にまわされ、ワンピースの肩紐をすべり落とした。
むき出しの肩に、首にやんだの唇が押し当てられ、舌が這い回る。
「ジャンボにおこられちゃうね」
「怒らせておけばいいんだよ、今更もうやめらんねえからな」
「うん…やめないよ…」
車窓を打つ雨の音は一層激しく、吐息まじりのよつばの小さな声をかき消す。
ワンピースは既に胸の下までさげられ、ストラップレスのブラジャーは助手席に放り投げられていた。
露わになったよつばの小さな胸を、やんだは夢中で貪っている。
「ん…ん、あっ…」」
今なら声も雨の音に消されてしまう、そう思うと少し気が楽だ。こんな声を聞かれるのははずかしい。
「よつば、下着はずすぞ…」
「あ、うん…」
ワンピースの下から手が差し入れられ、下着がさげられる。広いとは言えない車内でなんとかして下着を取り去った。
やんだの手が太ももに伸び、更にその奥をまさぐる。
332海へいこうよ 10:2008/09/07(日) 15:31:27 ID:hYPgKc9f
「あっ、あ……やん、だ…」
痺れるような感覚がよつばの背中の中心を駆け抜けた。
よつばのそこが既に潤いを帯びているのが自分でも感じられる。
(よつばが、よつばじゃなくっちゃうよ、やんだ。こわいよ…やんだ)
訳も分からずそんな思いが頭をよぎる。
熱いものが押し当てられ、一気に体内に侵入してくる。
痛みと、そして確かな快感。
「あ…やんだ、もう…どうして、やんだ…」
うわ言のような意味のない言葉が勝手に口からこぼれ落ちる。
突き上げられる動きに合わせてよつばの頭も、心も、ぐらぐらと揺れ動いた。
心が飛んで行ってしまわないように、必死でやんだにしがみついた。
「よつばっ…」
呻くようにつぶやいてやんだは動きを止め、よつばをきつく抱きしめた。
「キスして…やんだ…。もう、よつばを離さないでね…」
心の底からそう思った。
「絶対離さねえから、覚悟しとけよ…」
そのまま、また唇を重ねた。

「雨止んだみたいだね」
「そうだな」
厚い雲の隙間から、日が差し始めていた。
「俺、こんぐらいデカい車買おうかな」
エンジンを掛けながらやんだは言った。
「べつに今までの小さい車でいいじゃん」
「よつばが今日はずい分ノリが良かったからさ。軽じゃ狭くてこうはいかないぜ」
やんだはニヤっと笑みを浮かべた。
さっきまでの自分を思い出して、顔が熱くなる。
「やんだの、ばーーか!」
でも、それもいいかも、とよつばも思ったのはやんだには内緒にしよう。
333名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:32:17 ID:hYPgKc9f
以上です。
334名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:44:34 ID:+S2JuARa
gj
よつば×やんだも萌えるな
335名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 16:04:08 ID:GNzDbLSW
やんだ×よつばグッジョブ!!
中学生よつばもいいね
336名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 16:44:11 ID:GLzPPOB6
GJ!
いやー甘ったるい!
背中が痒くなりますたよ
こういう話は大好物ですじゃ
337名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:22:12 ID:b1IdDRu4
やべえ、可愛いなw
ちょうぐっじょぶ!
338名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:24:31 ID:489RrYYg
よつばは海が似合う!
339名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:30:22 ID:2WzJ8kot
いいか、一度しか言わないからな。
GJすぎる。
GJすぎる。
340名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:50:11 ID:R2Vya5Ip
やべーニヤニヤしちまう
341名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:45:11 ID:xkB73GjO
最高だ!
最高だ!!
342名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 01:17:30 ID:6osX36XF
はあぁ〜もう読んでてクラクラした〜素晴らしすぎる!
職人さんて凄いね!
この調子で糸電話のとーちゃん×風香を見てみたい。どなたか書いて下さらんか〜。
あさぎの邪魔が無くてラブラブな感じの。
あのシーンの二人すごく好きだ。
343名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 08:30:04 ID:gdXY6WcI
さて、今日もかーちゃんをまつか・・・
344名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 08:49:10 ID:x/rMnE8G
実はやんだが本当の父ちゃんだったりして・・・



345名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 11:49:59 ID:gdXY6WcI
つまりとーちゃんならんま的ポジションでやんだが・・・ですよね?わかりますよ
346名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 12:36:15 ID:5Ub8DBjT
とーちゃん×恵那(恋愛物)を書く猛者は現れんかね
347名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 13:06:01 ID:gdXY6WcI
>>346
たまりませんね
348名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 15:24:56 ID:vMo0xAqj
とーちゃん×風香投下します。
エロは無しですorz
349試写会1:2008/09/08(月) 15:25:54 ID:vMo0xAqj
「もしもーし。聞こえますか?」
風香の部屋にある糸電話からの応答を小岩井は待っていた。
「ハーイ。聞こえてますよぉ」
返事をしながら窓を開けてみると
いつもの格好の小岩井さんが居た。

「こんにちは。風香ちゃん、急だけど明日の夕方は暇?」
「暇です。何にも予定はありませんよ〜。」
「じゃあさ、映画の試写会のチケットがあるんだけど行かない?」

突然のお誘いに風香は心が躍るようだった。
小岩井からも分かる位の満面の笑顔だった。

「どんな映画ですか〜?夕方からならよつばちゃん、家で預かるように母に頼みますよ?」
「あー。映画の内容は判らないけど、ラブストーリーぽい感じ。よつば、迷惑じゃないかな?
 駄目ならジャンボに頼むから。」
「多分、大丈夫だと思いますよ。」
「じゃあ、お願いしようかな。夕方からで近くの映画館だから歩いて行こうか?」
「はい。明日の夕方ですね。準備して待ってます。」

こうして二人のデートが決まった。
デートといっても一方的な風香の片思いかもしれない。
隣のお兄さん的な淡い恋心。

「デートだ。デェト(ハァト」
何を着て行こうか悩む乙女な風香だった。

ちょっとでも可愛く見せたい。そんな一心でキャミソールワンピースをチョイスしてみた。
映画館は冷えすぎるかもしれない。ちょっとした羽織物も忘れずに合わせ壁にかけてみた。

そんな感じで夜が更けていった。
350試写会2:2008/09/08(月) 15:26:40 ID:vMo0xAqj
次の日の午後。
糸電話から「ちょっと早いけど大丈夫かな?」とコールがあった。
「はい。大丈夫ですよ。」下に降りる前に、風香はちょっとだけ甘いコロンをつけた。

風香が玄関に出ると
「じゃあ、すいませんがお願いします。」深々と綾瀬母に頭を下げ
「迷惑かけるんじゃないぞ。」と、よつばの頭をワシワシと撫でる小岩井が居た。
「こちらこそ。風香でよかったんですか?」なんて言ってる母の隣ををすり抜け
「お母さん行ってきまーす。」と風香は元気に返事をした。

いつも見慣れてる風景なのに、二人で歩くと特別な感じがした。
「映画は何時からですか?」
「ん?5時からだよ。」
今は3時。よつばちゃんが小岩井さんを急かしたらしい。
「じゃあ、少しブラブラしますか。」
映画だけだと思ってたのが、本当にデートみたいになってきた。

「このシャツ可愛いなぁ。」風香が手にしたのはちょっと変わったデザインだった。
「風香ちゃんはやっぱりちょっと人とは違う感性を持ってるよね。」
「小岩井さんはいつも白いシャツですよね。」
「デザイン物は飽きがくるからね。」

そんな感じの会話をしながらウィンドーショッピングを楽しみ
映画館に向かった。
351試写会3:2008/09/08(月) 15:27:45 ID:vMo0xAqj
「はー。結構面白かったですね。」
「うん。結構、面白かったね。翻訳も斬新な感じだったし。」
「え。そうなんですか?私、英語は苦手で…。」
「分からない所あったら教えてあげるよ。」
「じゃあ、お願いしようかなぁ。」
映画館の入ってるビルを出ると外は暗くなりかけて人の流れも少し多くなっていた。

家路を急ぐ人、飲みに行く人、色んな人が居て小岩井とはぐれそうになってしまった。
ふいに手を繋がれて「はぐれちゃわないようにしないとね。」なんて言われてしまった。
「はい。」しばらく二人は手を繋いで歩いた。
「風香ちゃん。今日はなんだか良い匂いがするね。」
あ、気がついてくれたんだ…。「そうですよ。デートですからね。」はにかんで答えてみた。
「えっ。あー、デートって言えばデートかぁ。」小岩井も笑顔で答えた。
「そうですよ。こんな可愛い服も着てるのにぃ」
「確かに今日はちょっと、いつもとは感じが違うよね。」小岩井はちょっと離れて風香を見た。
「デートならデートらしくしないとね。」ちょっと小悪魔的な笑みを浮かべた風香は
ちょっと強引に小岩井の腕をギュッとした。

小岩井の腕に柔らかい胸の感触。
視線を落とすとキャミソールワンピースの大きく開いた胸元が見える。
風香の胸は更に寄せてあるため、いつもよりセクシーに見えた。

「そうだな。」優しく風香の頭を撫でた。
「それでは、デートを楽しみながら帰りますか。」
腕をギュッとしたまま並んで歩いた。
352試写会ラスト:2008/09/08(月) 15:28:56 ID:vMo0xAqj
途中、大きい公園のベンチに座りジュースを飲んだ。
「また、デートに誘ってくださいね。」
「ん。そうだね。」小岩井は育児から少し離れたこの時間を楽しんでいたようだ。
少しの静寂の後
「私、小岩井さんが大好きです。」風香が静かに小岩井に言った。
「俺も風香ちゃんの事、大好きだよ。」
サラッと答える小岩井に風香はキスをした。
「こういった意味の大好きですよ?」
小岩井は最初ビックリした顔をしていたが、落ち着いてきたのか
「嫌いならお誘いしませんよ?」と答え風香をギュッと抱きしめた。

抱きしめた後、もう一度キスをした。
風香の頭を撫でながら
「さて、帰りますか。」小岩井が切り出した。
「えー。もっと二人で居たい…。」風香の正直な気持ちがこぼれた。
「よつばを預けてるし、両親も心配してるだろうからね。また誘うから。」
「しかたない。帰りますか。」

手を繋ぎ、よつばの待つ綾瀬家まで歩いた。

二人の秘密の恋は始まったばかりだ。
353名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 21:26:23 ID:6O+KZBVX
いいなあ。
風香の女の子している所は激萌えだ。
354名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:12:02 ID:nlOWm6Jk
エロくないですが、やんだ×よつば、投下させてください!
355名前1:2008/09/08(月) 22:18:44 ID:q7ngSYFR
「いいな、とーちゃんとふーかはらぶらぶで」
そうリビングで夕食の準備をしてる2人に向かって言う。
「え!?よつばちゃん!!??」
「いつからいたんだ」
二人はびっくりしてこっちを見る。
冷蔵庫から麦茶を出しながら、よつばの存在にも気付かないほど2人の世界に入ってたんだって、ちょっと落ち込む。
別にとーちゃんとふーかが幸せなのはいいこと。
よつばにもやんだがいる。
でも、
でも。
「安田さんとなんかあったの?あたしに相談しちゃいなさい!」
相変わらず変な柄のTシャツを着てる胸をドンと叩いて風香。
別に相談することはない。
前から気になってる人も自分のことが好きで、付き合えることになった。
こないだとーちゃんやジャンボに交際宣言して、
大切にするって、泣かせないって約束してくれた。
よつばは幸せ者。
けど、やっぱり会えないのは辛い。
夏が終わって、お互いの誕生日やとーちゃんとふーかの結婚式、半年記念やクリスマス、
バレンタインにホワイトデー、そしてこないだの1年記念。
たくさんイベントはあったはずなのに、あんまり思い出がないよ。
デート自体少ないのにドタキャンもあるし。外にデートしに行くよりも、疲れてたり、寒い季節は外に行きたくないとかで、とーちゃんやふーかに公認となった今では家デートが多い。でも家デートだと、最終的にはえっちなことするわけで。
そういうことするの、ヤンダだもん、嫌なわけじゃない。
終わった後、すぐに普通な感じに戻っちゃうのはいやだけど…。
もともとデリカシーないんだ、要求したってしょうがない。
もちろん仕事が忙しいのもわかってる。
でも、友達の話とか聞いてると、不満は募るばかり。
356名前2:2008/09/08(月) 22:20:34 ID:q7ngSYFR
はぁって溜息をつく。
「・・・ヤンダ、連れて来い」
とーちゃんの目がゴーって炎で燃えている。
「とーちゃん!?」
「泣かせないって約束したくせにアイツは・・・」
「泣いてない、泣いてない!」
慌てて首を横に振る。こんな不満漏らしたらヤンダが怒られちゃう!
「安田さんはいつから夏休みなの?」
ふーかがカレーを食卓に並べながら聞く。
「8月ホントに終わりになっちゃうかもだって」
よつばもみんな分のコップに麦茶を注ぐ。
「あいつ最近忙しくなったみたいだからなぁ」
そうなんだぁ。よつばは仕事の内容もあんまり知らない。
「そうそう、よつば。とーちゃんと風香ちゃん、明日から1泊で箱根行ってくるから」
「え!?聞いてない!!」
「言ってなかったからなー」
こんなさびしい時なのに、とーちゃんひどい。


ピルピルピル…
枕もとに置いてあるケータイの着信で目が覚める。
『着信 ヤンダ』
冷めない頭で慌てて電話に出る。
「…もしもし?」
「ごめん、起きてたか!?」
「んー…」
目をこすりながら目覚まし時計を見ると、3時過ぎ。
「どうしたんだ?」
「8月終わっちゃうし、明日花火しようぜ。よつば、空いてる?」
「空いてる」
「じゃあ夕方にでも行くから待ってろよな。おやすみ!」
そう言って一方的に電話を切られる。
久しぶりの電話が20秒。
もっとなんかないのかな。
もっともっと、お仕事のこととかやんだのこと知りたいのに。
357名前3:2008/09/08(月) 22:24:46 ID:q7ngSYFR
次の日のお昼すぎにはとーちゃんとふーかは出かけてしまい、一人ぽっち。
とりあえずえなに前勧められたスカートを履いて、
あさぎに教えてもらった簡単なお化粧をして、
何もする気が起きないまま、だらだら動物番組のテレビを見る。

ピンポーンっていうインターフォンで目が覚める。
いつのまにか寝てしまってたらしい。
あたりはほんのり薄暗かった。時計を見ると5時過ぎ。
もう一度ピンポーンとなる。
やんだだ!
慌てて起き上がり、髪や衣服の乱れを直して、
3度目のインターフォンでようやく玄関を開けた。
「おせーよ」
「ごめん、寝てた…」
「ほら花火っ。はぁー、疲れたー、あちぃー」
そう言ってよつばに花火を渡してから、ドスドスとリビングへ行く。
その後に着いてきながらよつばもリビングへ戻る。
「何お前、囲碁なんか見てたの?」
笑いながらやんだ。
「違うよっ」
そう言ってバチってテレビを消す。
「おまえ機嫌悪くね?」
「別に」
プンってそっぽを向いて、カーテンを閉める。
「あっそ。とりあえず花火?それとも飯?」
「どっちでも…」
「じゃあ飯かな。まだ明るいし」
「今日とーちゃんとふーかいなくて、なんもやってないや」
まったく考えてなかった。キッチンに走りながらそういう。
「いないの!?ラッキ」
やんだもキッチンに来る。
ラッキーって…。
なんとなく心が締め付けられる感じ。
358名前4:2008/09/08(月) 22:26:22 ID:q7ngSYFR
「…何食べる?」
ぶっきらぼうにそう聞く。
「ってかさ、おまえホントなんなの?なんでそんな機嫌悪いんだよ」
さすがにいらいらした口調でやんだが言う。
「別に。悪くない」
とりあえず何か飲もうとコップを出す。
「悪いだろ?俺なんかした?今日予定あったんなら無理やり空けなくてもよかったんだぞ?俺に合わせる必要はない」
「別にないけど…」
冷蔵庫を見ながらそう答える。
「じゃあなんだよ?こっち向いてはっきり言えよ」
腕を掴まれて、やんだのほうに向き返させられる。
「…言えないよ!」
「なんで?」
「……よつばのわがままだってわかってるもん!」
目にはいつのまにか涙がたまってる。落ちないよう必死にこらえながらやんだを見返す。
「わがまま?今さら…なんだよ、言ってみろよ」
ゴクリと唾を飲み込んでからよつばはゆっくり言った。
359名前5:2008/09/08(月) 22:27:50 ID:q7ngSYFR
「…何の仕事してるの?」
「………は?」
やんだの手が緩まる。
「カップラーメンとコンビニのおにぎりのほかに好きなものは?」
「………何の話だよ?」
「よつば、やんだのこと知らない。1年も付き合ってるのに…」
「え、知ってるだろ、たくさん」
当惑しきった顔でやんだ。
目からは涙がとうとうあふれた。
なんでやんだといると泣き虫になるんだろう。
「そういえば、そういう話少なかったかも…な?」
「そうだ。最近はいっつも話もろくにしないで、
すぐ…すぐ…、すぐする。体には文句付けるし…。
やんだ、やだー。ばかー。もー来んなー」
ひっくひっくと泣きわめく。
「ごめんって」
悲しそうな表情でやんだが言う。
やんだの手がそっとほっぺたをなでる。
久々のやんだの手の感触。
ほっとする。
「泣くなよ。な?」
はじめてのよつばの大泣きに動揺を隠せないままやんだはよつばを抱きしめる。
落ち着く。
この手の中は安心できるはずなのに、なんであんな馬鹿なこと考えたんだろう、思ったんだろう。
「やりたくないならやんないから言えよ。
だから来んなとか…、言うな」
ぎゅってやんだの手に力がこもった。
360名前6:2008/09/08(月) 22:31:04 ID:q7ngSYFR
夜とーちゃんもふーかもいないなんてめったにない。
せっかくだから二人でお風呂に入ることにした。
お湯をためて、あさぎからのお土産のバブルバスの素を入れる。
やんだに後ろから抱きかかえられるような形でおふろにつかる。
「あさぎのお土産、いいにおいだな」
「俺までフローラルになるとかちょっとあれだけど」
はははって笑う。
あんなに悲しくてさびしかったのに、吐き出したらすっかり元気になった。
「俺さ、ここ半年…もうちょっと前からか?とにかくホント忙しくて、
あんまかまってやれてないってわかってる。
でも先輩との約束はちゃんと守るつもりだし、一番はよつばだからな?」
「……ごめん、いろいろ言って」
きゅって丸くなりながら小さく謝る。
吐き出すだけ吐き出して、やんだに迷惑かけるなんて、
よつばはホント子供だなって思う。
「いや、言い合ったほうがよくね?ため込むと長続きしないし」
「うん…」
ちゃんとやんだが要求してきたことには答えてあげようって思いながらうなずく。
「ところで。質問なんだけど」
「なんだ?」
くるってやんだのほうに顔だけ向いて聞く。
「キスくらいはいいわけ?」
「え!?…あー…、まー、うん…」
そう答え終わる瞬間唇をふさがれる。
最初は軽いキスから始まって、だんだん大人なキスになってくる。
いつもなら次のタイミングで胸に手を伸ばすところだけど、
やんだはしなかった。
361名前7:2008/09/08(月) 22:35:00 ID:q7ngSYFR
唇を離して、頭をよしよしってされる。
あれ?って思ってやんだを見つめる。
「大丈夫大丈夫、おまえとの約束も守る。いい時いえよな」
あれ…、ちょっと違うぞ。
なんかこうなればこうなったで嫌だ。
なんか…物足りない。
「あとさ、そろそろ俺のこと、
「ヤンダ」じゃなくって、下の名前で呼ばない?」
「え!?…えー??
なんで、いきなり…恥ずかしい・・・・」
そう正直に言うとニヤリとやんだが笑う。
「いーから、呼んでみろよ」
恥ずかしいのわかっててやんだはいつもそういう。
「ほらほらー」
「ばか!!」
ばしゃってお風呂のお湯をかける。
やんだが泡だらけになる。
「ご、ごめん」
手で慌てて泡をとる。
「…いや?」
「嫌じゃないけど…でも…」
恥ずかしい。
どうしようか迷ってると、やんだが軽くキスしてきて言った。
「言えよ」
362名前8:2008/09/08(月) 22:37:30 ID:q7ngSYFR
そう命令されて、無言でやんだの顔を持ってぎゅって横を向かせる。
「なんだよ」
ちょっと怒ったようにやんだ。
気にしないで、やんだの耳にそっと口を近づけて、微かに言った。
やんだの名前を。

真っ赤になりながら顔の向きを元に戻して、小さく体操座りする。
はずかしいはずかしいはずかしい・・・。
「それと!!」
わざと恥ずかしいのわかんないように元気にいう。
背中を向けたまま。
「…そんな約束よつばはしてないからな!
いい時とかダメな時とか…ないからな!」
「なにが?」
「だから……、」
言葉に困っていると、
「何?おれのこと誘ってんの?」
後ろからぎゅって抱きしめながらやんだ。
「ばかっ!」
もう恥ずかしくて、耐えられなくなって、
ばしゃってお風呂のお湯をやんだにかけれるだけかけて、
ダッシュで一人お風呂を出た。
363名前:2008/09/08(月) 22:39:17 ID:q7ngSYFR
長いのにエロくなくてすみません
250、322の続きな感じ
364名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:48:48 ID:ZcAVeKr/
>363
乙!ヤンよついいよいいよー
あなたの作品でヤンよつに目覚めたw
365名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:25:08 ID:6osX36XF
糸電話リクした者です。
>>349
おおぉ〜素敵ー!ありがとうありがとう!こんなの見たかった。
ヤン×よつ職人さん、相変わらずお上手だなー。
今までとー×ふーかだったのに、私も貴方のおかげでヤン×よつに目覚めた。
エロ有りでも無しでも、皆さん世界観壊す事なく
素敵な話作ってて萌えまくりですわー。
366名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:34:11 ID:kKOVLkFC
355から、やんだ×よつば書いた者です

>>364>>365、初めて書くのでドキドキで、
褒められるとか思ってなかったから
すげーうれしー。

やん×よつ、いいよね
367名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:39:28 ID:xEKUrSpw
>>363
GJ!
これは未だエロ無くてもよくね?
もう暫くはこのまま2人のラブラブ甘甘を続けて欲しい
と思う(俺だけかな?^^;
368名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:02:24 ID:a7ax1FCg
>>366
250と323を書いた者です。
自分の書いたものから世界を広げてもらえてうれしいです。
にやにやしながら読みました。
GJです!
369名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:47:15 ID:WkD7ZPI4
別々の人だったのか!

お二人は昨日ここに来たばかりの自分をヤンよつ好きにした責任を取ってくれ。
素晴らし過ぎます……!
370名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 07:13:14 ID:TufdCUly
>>365
試写会書いた者です
素敵といってもらえてありがとうございましたw
正直、こんな感じでいいのかすげー悩んでました
他の人のとー×風香の方が良い感じだしorz

>>363
gj!
ヤンよつのラブラブ良いなぁ
イメージ広がる
371名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 07:21:19 ID:uamVaqwn
さぁその勢いのままかーちゃんにいこうか

恵那でも
372名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 08:03:11 ID:CHpqAAcG
風香とよつばの優遇っぷりに妬いた
偶には他の女性キャラの事も思い出してあげて下さい……恵那とかあさぎ
373名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 08:31:54 ID:uamVaqwn
よつばのSSですら避けてしまう、俺は将来もし子供ができるなら息子になることを祈るばかりだよ、娘を嫁にやる父親は偉大だなぁ
374名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 09:21:17 ID:RceAcDgB
愚痴いう前に自分で書けよ
せっかくの職人に失礼だろ
過疎ってたのが久々に賑わってんのによ
375名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 09:54:30 ID:uamVaqwn
文句のつもりじゃなかったんだごめんよー
376名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 10:42:14 ID:RceAcDgB
悪い373じゃない、その前。
377名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 13:50:25 ID:E+x9JWnz
保管!保管!
378名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 16:52:18 ID:aMhFB86M
恵那って何年生だっけ?
379名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 18:01:04 ID:m1lhgsrv
4年生くらいかなぁと思ってる。星見ってそのくらいじゃなかったかなー。
ほのぼの名作SSが並ぶ中こんなの言うの気が退けるのだが、
ちょっとSな3姉妹が見てみたい…か、な〜。
Sって言ってもハードなんじゃなくちょこっとイジワル責めくらいの。
・あさぎ×自分に気があるのバレバレのジャンボ
「ジャンボさん私のこと好きなんでしょ。言う通りにしたらイイ事してあげようかなー?」
・風香×とーちゃん
「小岩井さん私をコドモだと思ってるけど、私だって色々知ってるんですよ?」
・好奇心旺盛、度胸のある恵那×とーちゃん
「へーここ触るとよつばちゃんのお父さん気持ちイイんだ〜?じゃあここは?」
…みたいな。


ゴメン妄想しすぎました。すみませんすみません。
380名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 21:46:04 ID:uamVaqwn
>>379
俺の愛しのかーちゃんがはいってないのはなぜだ

恵那とかーちゃんはもらっていきますよ
381名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:11:31 ID:wqWp6diV
>>380
何を言う
恵那は渡さない
382名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:24:16 ID:uamVaqwn
>>381
わかった、恵那はゆずろう
かーちゃんと俺でもう一人つくるから
383名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 23:31:22 ID:dHO2of14
朝から張り付きっぱなしで大丈夫か受験生
384恵那x小岩井:2008/09/10(水) 00:24:11 ID:OaW40mtQ
「もしもーし、よつばちゃん聞こえますか?」
「おー、えなーきこえるぞー」
「お母さんがね、おやつ用意したからよつばちゃんもおいでって」
「すぐいく!とーちゃん、おとなりいってくるな」
――バタバタバタバタ
「まったく、あいつはもう少し落ち着いて行動出来んのかね。
 あ、もしもし恵那ちゃん?」
「あ、よつばちゃんのお父さん」
「はは、それじゃ呼びにくいでしょ。小父さんでいいよ」
「で、でも…」
「ん?どうしたの?」
「だってオジサンってもっとこう、何ていうか…よつばちゃんのお父さん、うちの
 お父さんより若いし、オジサンって言うのは違うような…」
「はは、ありがとう。んじゃ『小岩井』でいいよ」
「は、はい。じゃぁ…小岩井さん」
「うん」
「あっ、着たみたい」
「あ、恵那ちゃん?」
「はい、どうしたんですか?」
「今日これからちょっと出かけなくちゃいけないんだ。夕方には帰るから、それ
 までよつばの事、お願いしてもいいかな?」
「いいですよ」
「じゃあ、宜しくね」
「はい。あ、あの…」
「ん?」
「ひとつ、聞いてもいいですか?」
「いいけど、何かな?」
「あの、その…小岩井さんは、年下の女の子ってどう思います?」
「は?それってどう言う」
「だ、だから、その…付き合うとしたら」
「ああ、そういう事ね。んーどうだろ、本人たちが好き合ってるなら、歳の差な
 んて別に気にしなくてもいいんじゃないかって思うけどね」
「そうですか」
「うん」
「……」
「どうしたの?誰か知り合いが年下の娘(コ)と付き合ってるの?」
「いえ、そうじゃないんですけど」
「そう言えば恵那ちゃんも、もう中学生だもんね。恵那ちゃんは好きな男の子
 とか出来た?」
「あ、はい」
385恵那x小岩井:2008/09/10(水) 00:25:07 ID:OaW40mtQ
「もしかして、その好きな男の子が年上だったりするのかな?」
「……」
「図星?」
「…はい」
「そっかぁ。人を好きになるって凄く勇気のいる事なんだよね。でも、それって
 歳を取ったらなかなか出来ない事なんだよ、出会いとかが無くてね」
「そうなんですか?」
「うん。恵那ちゃんくらいだと、学校や習い事なんかでいろんな人と出会えるだ
 ろうけど、大人になったら、特に俺みたいに家で仕事してるとね、なかなか
 そう言った機会も無いんだよね」
「……」
「だからね、その想いが成就するしないは別にして、気持ちは伝えれる時に
 伝えた方がいいよ。もし上手くいかなかったら落ち込むだろうけど、それも
 若いときの経験のひとつだし、それに、そういった経験をして人は成長して
 いくものだからね。使い古された言葉だけど、悲しい想いをした分だけ、人
 は他人に対しても優しくなれるんだから」
「は、はい」
「まぁ、俺が言っても説得力無いかもしれないけどさ」
「そ、そんな事ないです!」
「わっとっと、どうしたの恵那ちゃん、いきなり大きな声だして」
「あっいえ、すみません」
「いや、別に謝らなくてもいいけど」
「あ、あの!」
「ん?」
「…す、好きです!」





-END-

 後は皆様の想像にお任せします^^;
386名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 00:55:40 ID:OaW40mtQ
申し訳ない

>>384 >>385
保管庫に入れて頂けるなら
タイトルを
『糸電話 恵那Ver.』と改めてください
387名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 01:53:15 ID:gDSqp/oz
糸電話リクです。
ちょ、何?このラブラブ糸電話ラッシュは!!
前の方のとーちゃんと風香も良かったが初々しい恵那もかわいい〜。
驚いてるだろう「小岩井さん」の今後も気になる。
二人で秘密の会話するなら別にケータイでも直にでも構わないんだろうけど
相手の顔が見えて、耳の側で声が聞こえて、そして二人が糸で繋がってるのが見える
…っていう糸電話シチュが更にツボで萌えるのですよ!!
…夜中にはしゃぎ杉ゴメン。
388名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 05:04:44 ID:wAR0aIB7
>>383
まぁここだけなら数秒だけで終わるから・・・
389名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 04:49:01 ID:iJgwQhTv
そういえば…すれちな話になって申し訳ないが
どこかの地域のデートスポットには
塔と塔を繋ぐ糸電話が架けられてるんだよな

どこの地域かは忘れたけど…^^;
3901:2008/09/11(木) 10:48:30 ID:S/yAl4ZW
季節は秋になろうとしていた。
駅からの帰り道を紅葉しかけた木を見ながら歩く。

「まだ家には帰りたくないなぁ…。」
まるで親と喧嘩した小学生のような台詞を吐き出していた。
こんな時に限って友達も捕まらない。

プップーッ!
ふいにクラクションが鳴らされた。

「あさぎさんじゃないですか。」
声の主はジャンボだった。
左ハンドルの車に乗ってどこかに出かける所らしい。

「ジャンボさんこんにちは。どこかに出掛けるの?」
「ぶらりと外に出てみたけど、行く所はまだ決めてなくて。
 あさぎさん帰るなら送りましょうか?どうせよつばの所にも行くつもりだったし。」
「そうねぇ。」ちょっと考えるあさぎ。

「ちょっと遠出しない?海が見たくなっちゃった。」
「そりゃいいですけど。帰り遅くなっちゃいますよ?」
「大丈夫よ。携帯もあるし。」
「じゃあ、出発しますか。」

こうして、ジャンボとあさぎのドライブが始まった。
3912:2008/09/11(木) 10:49:09 ID:S/yAl4ZW
「夏が終わった後の海って良いよねぇ。
 秋の夕暮れ時も空気が良いって感じがする。」
隣の美人に気を取られないように細心の注意を払って運転していたジャンボは
会話を楽しむ余裕があまりなかったが、それでも好きな人とのドライブは楽しかった。
「そうですねぇ。俺も秋が一番すごしやすくて好きですよ。」
「あ。ちょっとコンビニに寄っても良い?飲み物、買おうよ。」
「そうですね。ちょっと走るとコンビニがあったはず。」

途中、あさぎの提案でコンビニに寄った。

買い物のあと、車に戻り会話を楽しみながら海へと急いだ。
このカーブを曲がると海が見えるはず…。
「もうそろそろ着きますよ。」
ちらりと横目であさぎを見る余裕が出てきたジャンボに
「本当だ。海が見えてきた。」
どうやら夕焼けの一番綺麗な時間には間に合ったようだ。
車を止め、砂浜に移動する。

少し風がある割には穏やかな海と赤い太陽に照らされた
あさぎはいつも以上に綺麗だった。

「海で見る夕焼けって綺麗よね〜。」
あなたの方が綺麗だとジャンボは思ったが口に出せずにいた。
3923:2008/09/11(木) 10:50:01 ID:S/yAl4ZW
「私ね。今日、失恋しちゃったのw」舌を小さく出して笑うあさぎ
ちょっと涙目のようだ。
「だから、海が見たくて。ごめんね、ワガママ言っちゃって。」

ジャンボはなんて声をかけたら良いのか分からなくて
気がついたらあさぎを後ろから抱きしめていた。

「いつでもワガママ言ってください。」
精一杯の言葉だった。

「ありがとう。ジャンボさんは優しいね。」
あさぎはジャンボの腕にそっと手を重ねて少し泣いた。

どのくらい時間がたっただろうか。
辺りは暗くなってしまい人影もない。

「そろそろ、車に戻りますか?」
後ろから抱きしめていたジャンボがあさぎに問いかけた。
「そうね。ちょっと寒くなってきたしね。」
車に戻り時間を見た。
7時過ぎか…。

「どこかで飯でも食って帰りますか?」
ジャンボの提案に
「じゃあ、そこのホテルにでも行っちゃう?」
指されたホテルは海辺にあるラブホテルだった。
「えっ…。あsdfghjkl;。・:」
「あら?私じゃ不服?」悪戯な笑顔でジャンボを見る。
真っ赤になりながらもジャンボは車を走らせた。
3934:2008/09/11(木) 10:50:43 ID:S/yAl4ZW
「先にお風呂借りるね。」
湯船に浸かり、冷えた体を温めながら
まだどこかで別れた男の事を考えてる自分を払拭したかった。
「よし。」気合を入れて風呂場から顔を出しジャンボを呼んだ。

「気持ち良いですよ。一緒に入りましょう。」
ジャンボは赤面していたが「食わぬ据え膳なんとやら…。」の気持ちで湯船に向かう。

ジャグジーバスで湯船は泡だらけ
甘いイチゴの香りがジャンボを日常から離れさせた。

丁寧に体を洗い、あさぎと向き合って湯船に入った。
体が大きかったが、こういった類のホテルは湯船も大きく出来ていて二人でも楽に入れた。
体も温まり、風呂から出た所で
「抱っこして連れて行って」のあさぎの言葉に
無言で抱っこしベッドまで連れて行った。

「俺が言うのもなんですが…。いいんですか?」
その言葉を打ち消すかのように甘い舌がジャンボの口内を侵食してゆく。
「もう、忘れたいの…。お願い、あいつの影を消して…。」
意を決したようにジャンボはあさぎを愛撫していた。
甘い吐息の漏れるあさぎを感じながらジャンボは無我夢中だった。
3945:2008/09/11(木) 10:51:35 ID:S/yAl4ZW
「すこし、舐めてもらえませんか?」体に比例してジャンボのそれは大きかった。
「いいわよwやっぱり体が大きいからかアソコも大きいわね。」
唾液を絡ませるように、ジャンボのソレを愛撫していく。
「気持ち良いで…す」久しぶりの感覚に早くも果てそうだった。
「このまま。出してもいいよ。」あさぎの一言に素直に果てた。
「すいません。」ティッシュを差し出したが、あさぎは飲んでいた。

「やっぱりおいしいものじゃないねw」のどに引っかかるようなむせ返る匂い。
少しお茶でのどを潤していた。
ジャンボはそんなあさぎの唇を半ば強引に奪い、あさぎを愛撫してゆく。
胸もくびれたウエストも、色んな所を舐めたり吸ったりしながら下に移動していく。
内腿から、大事な部分にさしかかった。
「ここは特に丁寧に愛撫しないと…。」ジャンボは過去の経験から丁寧な愛撫を心掛ける。
クリトリスを吸出し舌先でころがしながら、指は膣壁をなぞる様にゆっくりと動かしていく。
あさぎの息遣いも荒くなっていた。
「そろそろいいかなぁ。」ふいにあさぎが騎乗位の体勢をとる。
こんなに大きいのが本当に入るのか不思議だったが
ジャンボの愛撫と女の体の神秘さで奥へ奥へと飲み込まれてゆく。
「はいっちゃった…。」入るには入ったが、いっぱいいっぱいだった。

ゆっくりゆっくり動かしてみる。
それだけでジャンボは気持ちよかった。
正直なところ早く腰を突き動かしたい気持ちもあったが、今の感触と光景を楽しんでいた。

攻守交替とばかりに体位を変え、あさぎを攻め込んでゆく。
時に早く、時にゆっくりと腰をグラインドしてゆく。
ムズムズとした感覚が体をうねってゆく。限界が近づいてきた。
「も、もうイッてもいいですか…。」
「いいよ。私も限界…。」

さすがに中には出さずに外に出した。

あさぎが失恋相手を忘れられるとは到底思えなかったが
スヤスヤと眠るあさぎを見て
「まぁ、いっか。」と寝顔を楽しむジャンボであった。
395名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 10:53:37 ID:S/yAl4ZW
ジャンボとあさぎを書いてみたけど難しいな…。
ラブラブな話が続いてる所なのにすいません
396名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 11:02:51 ID:A4QUrux2
ジャンボ!!ハバリ?
397名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 14:23:58 ID:fJWPRrMb
けしからん、続けろ
398名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 18:55:27 ID:sqbGO3Vk
これはよい仕事だ!
続行だ!続行しろ!
399名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:02:39 ID:nbss3K2z
vipに鬼畜モノのやんだ×よつばが…
400名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:11:42 ID:A4QUrux2
かーちゃんに限りますよ
401名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:36:18 ID:zxbW7Q+I
のんすとっぷ!
402名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:39:47 ID:pxyRajFD
>>399
張って
403名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:51:28 ID:fJWPRrMb
どうも五才のよつばだと今一興奮できないなぁ……
おっかしいな、ペドなのに(´・ω・)
404名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 02:36:04 ID:998zwh7a
>>399
kwsk
405鬼畜注意 転載:2008/09/12(金) 10:34:13 ID:8Rxbx3CS
もう落ちてるが


「やんだー、なぜよつばのパンツをぬがす?」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221130356/
ID:eQF8Su58O

「ふろか?ふろにはいるのか?」

「ふろじゃないのか?やんだもパンツぬいでるのに。やんだもお尻丸出しマンなのに」

「たのしいこと?ほんとうにたのしいのか?やんだはうそつきだからなー」


「うわっまっくらだ!前がみえません!そうか、このまええなたちとあそんだぞ!めかくしおにだな!」

「めかくしおにじゃないのか?せっかくめをかくしたのに。やんだのいうことはさっぱりわからない…」

「なに?やんだがだしたものをよつばがたべて、それがなにかあてるクイズ?うーん、それおもしろいか?」

「わかったわかった。やんだがそれほどたのむならいっしょにあそんでもいいぞ。ではもんだいをだしなさい!」

「これか?これをよくかんでたべるのか?かんじゃだめ?とーちゃんはごはんはよくかんでたべろってゆーぞ?アメみたいにぺろぺろなめろ?ちゅうもんのおおいレストランだなー」

「んぐ…なんだかぐにぐにしてるな。それにしょっぱいぞ。…あんまりおいしくない…」


「なー、まだぺろぺろつづけるのか?よつば、これいやだ。…えー、まだやるのか。もういいや」

がぶり

バシッ

「…え…?…いたいぞ。よつばのほっぺがすごくいたいぞ?やんだ、なにがあった?よつばこうつうじこにあったのか?」

「もうこのクイズやだ!ちっともたのしくない!めかくしをとりなさい!くらい!くらい!なんでだ?なんでまだぺろぺろつづけるんだ?やんだおこってる?とーちゃんは?とーちゃんはまだかえってこないのか?」

「んぐ…げほっ!やんだ!やめろ!…やめてください…。よつばのおねがいです。よつばのおねがいです。おえっ!」

「!!んっ!!げぼっ!!おえっ…げほっ!!…なんだこれ…どろどろしたのが…おえ…」

「うう…うぇ…あ…めかくしとれ…やんだ…カメラ…もって…げほっ…」

「…やんだ、なにしてる…?よつばのうえにおおいかぶさって…いたいっ!!やんだ、なにしてる?いたい!!いたいっ!!」

「いたい!!やんだ、やめろ!!やめて!!やめてください!!いたい!!いたいいたいいたいいたい!!とーちゃん!!とーちゃん!!いたい…なんでよつばが…とーちゃん…」

「うわーーーーん、うわーーーーん、うわーーーーん」
「うわーーーーん、うわーーーーん、うわーーーーん」




「あーーーー、あーーーー」
「あーーーー、あーーーー」

406250、323:2008/09/12(金) 13:43:48 ID:m61d0VAX
>>250>>323です。
鬼畜なお話のところで申し訳ありませんが
やんだ×よつばの続きを懲りずに投下です。
また長くてエロ少な目ですがご容赦ください。
407幸福な日 1:2008/09/12(金) 13:45:44 ID:m61d0VAX
10月の良く晴れた日曜日の朝。
普段とはちょっと違った空気が流れている。
よつばは鏡に向かい、衣替えしたばかりのセーラー服のリボンを丁寧に結んだ。
階下からじーちゃんとばーちゃんが慌しく動き回っている気配が伝わってくる。
今日はとうとうとーちゃんと風香の結婚式の日だ。
とーちゃんと風香は朝早く連れ立って式場に向かい、昨日から泊り込んでいるじーちゃんとばーちゃんも何やら支度でいそがしそうだ。
新品の紺色のハイソックスを履き、もう一度鏡を覗いて自分の姿を確認する。
髪はきちんと整えられ、胸のリボンも綺麗に結ばれている。余計な化粧などもしていない。
(うん、だいじょうぶ)
日本人には見えない風貌、そして新郎の実子ではない連れ子。
それが今日のよつばなのだ。好奇の目を向けられるのは確実だろう。
そんな人達から、何か言われるような隙があってはいけない。
とーちゃんのためにも。
ふーかのためにも。
「よつばちゃーん!そろそろ時間だよー!」
玄関から恵那の呼ぶ声が聞こえる。
「よしっ」
一人で気合を入れて、よつばは立ち上がった。

家の前に止められた式場の送迎バスにぞろぞろと乗り込む。
よつばとじーちゃん、ばーちゃん。綾瀬家の数人の親戚とおじさん、かーちゃん、あさぎと恵那が乗り込むと、小さなバスはそれだけで一杯だ


「よつばちゃん、こっちこっち」
手招きしている恵那の横に腰掛けた。
「よつばちゃん制服なんだ」
意外そうに恵那が問いかける。
「うん、ちゃんとしなきゃいけないから…」
「ちゃんと?」
恵那が不思議そうに首をかしげる。
(えなには…わかんないのかな…)
そう考えると自分の境遇が殊更特殊なものに思えて、ちょっと悲しくなってくる。
(こんな日にこんな暗いこと考えてちゃだめだ!)
よつばは必死に頭から暗い考えを振り払った。
「ちゃんとと言えばさあ」
よつばの様子の変化に気付いたのか、恵那がわざとらしい明るい声で言った。
「昨日風香お姉ちゃんが、お父さんとお母さんに『今までお世話になりました』って改まって挨拶しようとしてたんだけど、
お母さんもお姉ちゃんも笑っちゃって全然ちゃんとしないの。
お父さんはちょっと泣いてたような気がするけど、どうなのこれって」
「だってしょーがないじゃない」
話を聞きつけたのか、前の座席に座っていたかーちゃんが振り向いて口をはさむ。
「結婚して家を出るって言ってもお隣だし、小岩井さんもよつばちゃんもずーっと前から知ってるし。
よつばちゃんなんてうちの娘も同然なんだから、何か今更って感じよねえ。
これで泣けって言う方が無理よ。今日の式だって絶対泣かない自信あるわよ」
かーちゃんの明るい言葉に、よつばもちょっとだけ気分が軽くなった。
今日は、笑って過ごすんだ。
408幸福な日 2:2008/09/12(金) 13:46:42 ID:m61d0VAX
騒がしい親族控え室を抜け出して、ほっと一息つく。あまり人気のないベンチを探して腰を下ろした。
じーちゃんとばーちゃんに久しぶりに会えたのは嬉しいけど、親戚のおじさんたちはちょっと苦手だ。
今はみんな可愛がってくれるけど、とーちゃんがよつばを引き取ると決めたとき反対した人たちもいるって聞いたことがある。
わざわざ重荷を背負うことはない、と。
おじさんたちに悪気があるとは思わない。自分だっておじさんたちの立場になったらそう考えただろうと思う。
でも、頭ではそう分っていても初めて話を聞いてしまったときは相当なショック受けたし、今でもなんとなく構えてしまうのだ。
(なんで今日はこんなことばっかり考えちゃうんだろう)
さっき笑顔で過ごそうと決めたばかりなのに。いつものよつばはこんなんじゃないのに。
唇の両端を持ち上げて、むりやり笑顔をつくってみる。
「なに変な顔してんだよ」
誰もいないと思っていたのに、突然声をかけられてよつばは飛び上がるほど驚いた。
「なんだ、やんだか…」
「なんだとは何だよ。
よつばが見当たんねえから捜してたんだよ。何してんだよこんな所で。」
「うん、ちょっとね」
少し安心したようにやんだもよつばの横に腰掛けた。
「小岩井さん今ごろガチガチに緊張してんだろうな」
やんだがちょっと笑いながら言う。
「きっとすんごい緊張してるよ。とーちゃんわりと繊細だからな」
「お前も、なんか緊張してんじゃねえのか」
よつばは自分の胸がどきりと大きな音をたてたような気がした。
(やんだ…)
思い切って言ってしまおうか。
全部吐き出してしまって、そして「そんなことないよ」って言ってほしい。
「あのさ、」
「うん」
よつばの真剣な口調に、やんだも居住まいを正す。
「とーちゃんとふーかが結婚するの、すっごくうれしい。
とーちゃんもふーかも、じーちゃんもばーちゃんもえなもあさぎもかーちゃんもおじさんも、みんなよつばのこと大事にしてくれてるのも知ってる


でも、ほかのみんなはどう思ってるのかな?
『あんな子がくっ付いてきちゃって風香も大変だね』ってきっと思ってるよ。
だから、せめて『変な子』だって言われないように今日はがんばろうとしたんだよ。
よつばのせいでとーちゃんとふーかが悪くいわれたくない…」
涙が零れそうになるのぐっと我慢する。鼻の奥がつんと痛くなった。
やんだがよつばの手をぎゅっと握る。
「ねえ、やんだ」
「ん?」
「とーちゃんとふーかは、よつばのこと邪魔じゃないのかなあ」
「…そんなこと絶対ないから安心しろ」
「うん…ありがとう、やんだ」
やんだはよつばの欲しかった言葉をくれた。
ますます泣きそうになるのをこらえて、手をつないでしばらく二人でベンチに座っていた。
409幸福な日 3:2008/09/12(金) 13:48:14 ID:m61d0VAX
チャペルでの挙式を終え、間もなく披露宴が始まろうとしている。
(ふーかきれいだったな)
よつばは終えたばかりの式を思い出していた。
祭壇の前のとーちゃんは傍目にも緊張しているのが丸分かりなぐらい硬直した顔をしていて、額にいっぱい汗をかいていた。
風香と腕を組んでバージンロードを歩くおじさんも、とーちゃんと同じぐらい顔が硬直してた。
長いベールを被った風香今までで一番綺麗で、すごく嬉しそうに見えた。
誓いの言葉があって、指輪を交換して、キスしてた。
とーちゃんもふーかも幸せそうに笑ってた。
(これからが今日のがんばりどころだ)
披露宴会場の円卓に、徐々に招待客たちが着き始める。
受付係りの仕事を終えたやんだとジャンボが席に向かうのが見えた。
親族席のよつばと友人席のやんだの距離はだいぶ離れている。一瞬やんだこっちを見て、にやっとよつばに笑いかけた気がした。

披露宴は滞りなく進んだ。
時折り投げかけられる不躾な視線と、好奇心に満ちたひそひそ話はあったものの、よつばもこの披露宴を楽しんでいた。
雛壇のうえのとーちゃんとふーかは終始笑っていて幸せそうだったけど、キャンドルサービスでテーブルにやって来たときのとーちゃんは明らかに疲れた目をしていたので少し同情してしまった。
花束贈呈では、じーちゃんもばーちゃんも、おじさんもかーちゃんも泣いていた。
(かーちゃんぜったい泣かないなんて言ってたのに)
照明の落とされた場内の自分の席で風香の『花嫁の手紙』に聞き入っていると、横から軽く腕をつつかれた。
「やんだ、なにしてんの」
見るとやんだがよつばの横にしゃがんで、なにやらニヤニヤと笑っている。
「ちょっと来いよ」
「えっ、なに」
訳も分からずやんだに引きずられて、じーちゃんたちが居並ぶ屏風の前に連れて行かれた。
天井からあてられるライトが眩しくて、熱い。
呆然としていると、とーちゃんから小さな花束を渡された。風香が照れくさそうに手紙を読み始める。
「よつばちゃんへ。
よつばちゃんと初めて会ったのは、もう10年も前になります。
その時から、よつばちゃんは私にとって年下の友達であり、可愛い妹でした。
よつばちゃんとの思い出は素敵なものばかりです。
今日からよつばちゃんは私の娘になります。大事な大事な私の娘です。
頼りないお母さんだけど、今まで通りどうかよろしくお願いします。
よつばちゃんが私たちの手許にいてくれるのは、もうあとちょっとの事かもしれません。
せめてそれまで、よつばちゃんのこと大切にさせてください。
変わらないその笑顔を見せてください。
大好きなよつばちゃんへ。
風香より」
後から後から涙が溢れて止まらなくて、よく前が見えない。ハンカチで乱暴に涙をぬぐうと、泣き笑いの顔の風香が見えた。
「ふーか、ありがとう…大好き!」
よつばも、泣き笑いの顔で言った。
遠くで、やんだが満足げに笑っていた。
410幸福な日 4:2008/09/12(金) 13:49:48 ID:m61d0VAX
明けて、翌日月曜日の夕方。
学校から帰り、玄関のドアを開けると家の中は静まり返っている。
とーちゃん達は式の後、式場併設のホテルに泊まってそのまま新婚旅行に旅立って行った。
じーちゃんとばーちゃんもよつばが登校したあと帰って行ったようだ。
これでとーちゃん達が帰ってくるのまで一週間の一人暮らしだ。
かーちゃんは家においでって言ってくれたけど、そこまで甘えるのは悪い気がして断ってしまった。
「悪いことはしちゃだめよ」って釘をさされたけど、正直一週間の一人暮らしはさびしいけど楽しみでもある。
長風呂をして、夜更かしをして映画を見て、好きなものを食べよう。友達も呼んじゃおうか。そしてやんだも…
そう考えるとわくわくした。
一週間の食費とお小遣いとして、風香が少し多めにお金を置いていってくれた。
今日はこれで楽しく過ごしてしまおう。
そうと決まれば早速行動だ。
手早く着替えて家を飛び出す。いつものレンタルショップに行って、ずっと見てみたかったコメディ映画を借りる。
ファーストフードの店で夕食を買い込んで、ついでにお菓子と飲み物も入手して意気揚々と家に帰った。

一人でハンバーガーを齧りながら映画を見始めたものの、なんとなくつまらない。
期待していた映画は頭に入らないし、ハンバーガーはなんだか美味しく感じられない。
(やんだ、なにしてるかな)
ちらりと時計を見ると七時半をまわったところだった。
(もう仕事おわったかな。やんだもこの映画、みたいっていってたな…)
画面の中でせわしなく動く人物達をぼんやり眺めながら、つらつらとそんなことを考えていた。
その時、突然鳴り響いたチャイムによつばは我に返った。
(もしかして…)
慌てて玄関に走り、ドアを開ける。
「ちィーッス」
予想通り、やんだが立っていた。
「寂しがって泣いてたりしてしてないだろうな。何してた?」
思わずやんだの胸にぎゅっとしがみつく。
「やんだのことかんがえてた…」
「俺もよつばのこと考えてた」
やんだもはにかんだように言った。
411幸福な日 5:2008/09/12(金) 13:51:11 ID:m61d0VAX
「あー疲れた」
リビングにどっかり腰を下ろすと、やんだはそう言って早速ネクタイを緩める。
「いそがしいの?」
「いや、昨日二次会だなんだって慌しかったからさ。俺とジャンボさんが幹事だったし。俺も歳だから疲れが溜るんだよ。
おっ、この映画俺も見たい。後で一緒に最初から見ようぜ」
「うん!」
それだけのことが、とても嬉しい。
「そうだ、昨日の写真できたぞ」
やんだはごそごそと鞄を探り、写真の束をとりだした。
「ふーかすごくきれいだったね」
「そうだな。お、見ろよこのよつばの泣き顔」
「そんなもの撮るな!」
写真な中のとーちゃんやふーかやよつばは様々な顔で笑ったり、泣いたりしている。
そんな写真を繰りながら、よつばはふと思い出した。
「とーちゃんとふーかがつきあいはじめたきっかけって、写真だったんだって」
「へー、どういうこと?」
やんだが興味深げによつばに視線をむける。
「むかし、よつばたちがここにひっこしてしてきた年の秋にお祭があって、みんなで写真をとってね。
それでできあがった写真をふーかがとーちゃんにとどけたときに、ふーかが告白したんだって」
「小岩井さんも意外に手が早いよな。風香ちゃんまだその頃高校生だろ」
「やんだだって人のこといえないじゃん…」
「そりゃそーだな」
他人事のようなやんだの口調に、よつばも笑ってしまった。
「それでね、ふーかにいつからとーちゃんのこと好きだったのか、きいてみたんだ」
「それで?」
「きっとはじめて会ったときから好きだったと思うって、ふーか言ってた。
最初はわからなかったけど、ほかに好きなひとがいたと思ってたこともあったけど、きっとそうだった、って。」
「小岩井さんもそんなこと言ってたなあ」
「とーちゃんも!?」
あまりの意外さによつばの声も大きくなる。なんとなくそんな事を言うとーちゃんは想像できない。
「昨日の二次会で小岩井さんも結構酔ったみたいで、
『初めて会った時から可愛いと思ってた。もうその時から惚れてたかもしれない』なんて言ってた。
風香ちゃんは真っ赤になってたけど嬉しそうだったな」
「なんか幸せそうだな」
「全くだな。
……よつばは?」
「え?」
「よつばはいつから俺のこと好きだったんだよ?」
急に自分に話をふられて、一瞬言葉につまる。
「どうなんだよ」
軽い口調ながらやんだの眼差しは真剣だ。その眼差しに頬が熱くなる。
「よつばは…最初はやんだなんかだいきらいだった。だっていつも意地悪で、よつばのことからかってばっかりだったし。」
「そうだっけ?」
「そうだよ!よつばのアイスは食べちゃうし、水風船ぶつけるし、意地悪ばっかりだった」
「お前の仕返しも相当なもんだったけどな…『おかえれー!』だしな」
412幸福な日 6:2008/09/12(金) 13:51:58 ID:m61d0VAX
「?なにそれ…?」
「まあいいからいいから」
「…いつからかなんてわかんないけど、やんだになにか言われるたびに泣きたくなって、でもやんだが家にきてるとうれしくて、
いつもやんだのこと見てたくて、やんだが帰るときさびしくてたまらなくなって…
分かんない…けど、もうずっと前から、かな。
やんだは?いつからよつばのこと好きだったの?
よつばがやんだのこと好きだって、いつから知ってたの?
…なんでずっとよつばに言ってくれなかったの?」
矢継早のよつばの質問にやんだは面食らった顔をしていたが、よつばの傍にそっと移動するとゆっくりと後ろから抱きしめた。
「余計な歳を食ってる分、俺は隠し事はうまいんだよ。
よつばが俺を好きなんじゃないかって、そうだな、俺もずっと前から気付いてたよ。
俺がよつばを好きになったのは、俺もよく分かんねえなー。いつからなんだろうな。
最初はなんつうクソガキだと思ってたし。」
「やんだ、ばーか」
照れ隠しによつばはつぶやく。
「ちゃんと聞けよ。」
いつもと違う、やんだの真面目な声だった。
「うん…」
「中学に入った辺りからよつばはほんとに綺麗になった。びっくりするぐらい。
よつばがいつも俺を見てるのも気付いたのもそんくらいだったな。
俺を見てるよつばはいつも真剣で、泣きそうな顔してた。
俺がよつばを見てたのは気が付かなかっただろ?」
「ぜんぜん気がつかなかった…」
「だろ。上手いんだよ、俺そういうの。」
「いってくれればよかったのに…」
「…言わないって決めてたんだよ。言えないと思ってた。
お前はまだまだ若くて、何も知らない。狭い世界しか知らない。
これから上の学校に行って、社会に出て色んな人と会って世界を広げていくんだ。
それで、よつばが、俺よりもっとよつばにふさわしい人を見つけるだろうと思ってた。
俺のことなんか一時の気の迷いだった、近くにいたから、好きになったって錯覚してただけだ、てな。
その方がいいと思ってたんだ。
俺なんかよりよつばに歳が近くていい男はいっぱいいるからな。
でも、もし、よつばが広い世界を知っても俺のことをまだ想っていてくれたら…
それに賭けてみようと思ったんだ。それまで待とうって。
それでもここに来るのは止められなかったんだ。よつばに会いたかったから。
よつばに近づく男なんてみんなぶっ殺してやりたい思ってたよ。
待とうって決めたなんて言って矛盾してるよな。
まあ、でも結局待てなかったしな。…待てなかったのはよつばのせいだけどな」
よつばには思いもよらない話だった。でもやんだの真剣な言葉が嬉しかった。
「…きっとよつばはいろんな世界をしっても、やんだをえらんだよ。
ずっとずっとやんだのことが好きだったと思うよ」
「よつば…」
よつばを抱きしめるやんだの腕に一層力がこもった。
よつばは、やんだが少し泣いているような気がした。
413幸福な日 7:2008/09/12(金) 13:53:10 ID:m61d0VAX
二人で並んで、改めて映画を見始めた。
さっきはあんなにつまらなかったのに、二人で見るだけですごく面白く感じる。
(いっしょにわらえる人がいるっていいな)
ずっとこんな風に一緒にいられたらいいな、とよつばは思う。
やんだもそう思ってくれてるかな、そうだったらいいな。
横に座るやんだに目をやると、さっきの真剣さは嘘みたいに笑ってる。
こっちのほうがやんだらしい、とちょっとだけよつばも笑った。

映画を見終わると、もう10時を過ぎていた。
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ。戸締りちゃんとしろよ」
いともあっさりやんだは言った。
「やんだかえっちゃうの?!」
思わず声が出た。よつばはなんとなくやんだが泊まっていくのだと思い込んでいた。
「…実は小岩井さんに泊まったりしたら許すさねえって言われてんだ。
でもよつばがそんなに言うなら、泊まってやらなくもないけどな」
いたずらっぽくやんだが言う。
「…やんだ帰らないでよ。今夜はよつばのそばにいてよ…」
いつもやんだがこの帰って行くときのあの気持ちを、今日はどうしても味わいたくない。
そして、少しわがままを言ってみたい気分でもあった。
やんだの手がそっとよつばの頬に触れて、指が唇をなぞった。
「帰んねえよ。帰れねえよな。
よつばにそんな顔されたら」
「ありがとう…やんだ…」
そのままやんだにぎゅっと抱きついた。
「あのさ、よつば」
「なに?」
甘い言葉が投げかけられることを期待して、よつばは顔をあげた。
「俺、腹減ったんだけど。夕メシ食ってねえんだ」
「……」
やっぱり、やんだはやんだだ。

ハンバーガーを半分食べただけのよつばも、やんだに付き合ってレトルトカレーの夕食をとる。
「よつば昨日すげえ泣いてたな」
思い出したようにやんだが言った。
「あれは…しょうがないじゃん…」
胸に渦巻いていた色んなモヤモヤを、風香のあの手紙がみんな吹き飛ばしてくれた。
よつばはとーちゃんと風香のところにいてもいいんだ。大事な娘、風香はそう言ってくれた。
周りの人たちが何を言っても、もう関係ないんだ、そう思えた。
「やんだはふーかの手紙のことしってたの?
だからあのとき、絶対ジャマじゃない、大丈夫っていってくれたの?」
「あの時は知らなかった。挙式のあとに小岩井さんに頼まれたんだよ、花束贈呈の時よつばを連れて来てくれって。
小岩井さんと風香ちゃんはずっと前から決めてたみたいだけどな。
だいたいあの人たちがよつばをジャマになんかするはずねえじゃん。
見てれば分かるっつーの。小岩井さんすげー親バカだよ。だから言ったんだよ。
よつばは心配しすぎだ」
「ほんとに?!」
「ほんとに。あんなバカ親父みたことねえよ」
やんだはカレーの最後の一口を口に放り込むと、笑いながら言った。
「よつば、おまえ先に風呂に入って来いよ、俺は後で借りるから。
…部屋で何にも着ないで待っとけよ。風呂上ったらすぐ行くからさ」
「なっ…!」
よつばの顔が一気に赤らむ。
「本気にすんなよ、冗談だよ」
「やんだは、ほんとにばかだっ!」
414幸福な日 8:2008/09/12(金) 13:55:27 ID:m61d0VAX
湯船から上がり、体を拭いて洗い立ての下着とパジャマを身につけ、洗面所をでてリビングのやんだに声をかける。
「とーちゃんのTシャツとジャージ用意しておいたから。タオルはおふろばにおいてある」
「おー」
と、気のない返事があった。
急いで2階へ駆け上がり自室へ飛び込む。
カーテンを閉めて、ベッドをきれいに整える。
(じょうだんなのかな?本気じゃないの?)
ドキドキして落ちつかない。床に座ったり、ベッドの上に移動したりしたけどやっぱりどうにもならない。
階段をあがる足音がして、ドアがノックされる。
「は、はいっ」
思わず声が裏返る。
「おじゃましまーす。おー、結構きれいにしてんじゃん」
Tシャツとジャージを身につけ、濡れた髪のままのやんだが物珍しげに室内を見回す。
「…そうかな」
ベッドに腰掛けたまま、よつばはつぶやいた。
なんだか緊張して、やんだの方がまともに見れない。
「なに、よつばお前緊張してんの?」
やんだはよつばの横に腰を下ろした。
「だって…こんな改まったのって、今までなかったし…。
どうしたらいいのか、わかんないよ…」
よやんだはつばの肩に手をまわし、自分の方へそっと引き寄せた。
「そんな顔すんなよ。よつばが嫌なら何もしねえよ。
よつばが傍にいるだけで、俺はそれでいいんだ…」
(…よつばは、それだけじゃいやだよ)
好きな人に触れたいし、触れて欲しい。
こんなに近くにいるのに。
やんだの困ったような顔を覗き込み、そっとキスした。
「ぜんぜんイヤじゃないよ…イヤじゃない。
ちょっと緊張してただけ…」
やんだは少し驚いた顔をして、よつばを抱く手に更に力を込めたようだった。
「おまえには驚かされてばっかりだ…」
唇が重なり、そのままベッドに倒れこむ。
長い長いキスの間にパジャマのボタンが外されていく。
(…やっぱり、緊張する)
こういう瞬間に馴れることってあるのかな、そんなことを思う。
415幸福な日 9:2008/09/12(金) 13:56:07 ID:m61d0VAX
パジャマの上衣を脱がされ、胸に口付けられる。ゆっくりと、優しく。
(今日はやんだのこと見てたい…)
自分の体の上のやんだをじっと見る。すごく真剣な顔をしている。
よつばがやんだを見てることに気が付いていないみたいだ。
よつばのパジャマのズボンと下着を取り去り、上半身を起こしてTシャツを脱ごうとしているやんだと目が合った。
「…なに見てんだよ」
ちょっと照れたようにやんだが言った。
「やんだを、みてたんだよ」
「ずいぶん余裕あんじゃねーか」
また何度もキスを交わす。体中にやんだの手がのびる。
「んっ…」
視界が揺らいで、小さな声が口からもれた。
冷静にやんだを眺める余裕はもうありそうにない。よつばは目をつむり、漂う波のような快感に身を任せた。
「あ、…はっ、…ん、…ん」
やんだがよつばの中に押し入ってきて、動き始める。
やんだの動きに合わせてよつばの息も荒くなって行く。
(やっぱり、やんだの顔…みたい)
ゆっくり目を開くと、よつばを見つめるやんだの顔があった。
眉間に皺をよせ、苦しげな表情のやんだの頬に手を伸ばしそっと触れた。
「やんだのこと、大好き…」
荒い息のなか、よつばは囁いた。
「よつば…愛してる…」
やんだも小さくつぶやく。
やんだの動きが一層激しくなる。
そして、そのまま全てが白く弾け飛んだ。

しばしの眠りを貪り、やんだは朝早く起きて身支度を始めていた。
外はまだ空が白み始めたばかりだ。
気配で目を覚ましたよつばはベッドの上に身を起こした。
「…おはよう」
「おう。お前はまだ寝てろよ」
身支度の手を止めずにやんだは言った。
「やんだ、もう帰っちゃうの?
いっしょに朝ごはんたべようよ…」
なんだか寂しくなって、わがままを言ってみる。
「悪りな、今日から出張なんだよ。早めに出社して準備しなきゃなんねえんだ。」
「…ごめん、やんだいそがしかったんだね。よつばにつき合わせちゃって、ごめんね…」
きっと、やんだは自分の予定を曲げてよつばのそばにいてくれたんだ。
よつばの、わがままのせいだ。
「いいんだよ、俺がそうしたかったんだから。
しばらく来れないけど、浮気すんなよ」
「やんだも、浮気すんなよ」
二人でちょっと笑って、軽いキスをした。
「じゃあ、俺もう行くわ。よつばはもうちょっと寝てろよ」
「うん」
毛布にくるまって、階段を下っていくやんだの足音をききながら、幸せすぎて少し泣いた。
416名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 13:58:02 ID:m61d0VAX
以上です。
途中で「。」が変になってしまいました。すみません。
よつばとやんだが見た映画は自分の中では
「コーンヘッズ」です。なんとなく。
417名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:48:32 ID:ALEXwFwF
>>416
ぐっじょぉぉぉぉぉぉぶ!!!
すっげー感動した
特に>>409の風香のよつば宛の手紙、まじでほろりと来た
418名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 20:46:21 ID:TPQhIUsd
甘い、何もかもが甘すぎるわ!!糖尿病になったらどうしてくれるwww

gjだ!!
419名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:55:35 ID:G/TXiI6Z
かーちゃry
420名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 03:39:43 ID:NEumBIB5
>>419
勉強してろw
421名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 08:46:10 ID:BVh26ZpN
ヤンよつたまらん…GJ!!
422名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 09:21:45 ID:Mf6xTlq6
>>420
きょうはもしです><
423名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 14:41:32 ID:uSzmWgGa
成長したよつばってのは、どういう外見を想像すればいいんだろか?
424名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 14:44:22 ID:r3p+KQUY
>>423
あのよっつの髪房がすごい伸びてる。
425名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 14:47:29 ID:sR59hqQE
426名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:06:59 ID:Mf6xTlq6
ばか、けされるぞ
427名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:06:47 ID:IkTiYw6o
>>425
ちょWWWWおまWWWWWWW
428名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 22:08:06 ID:4oKsW9qa
>>425
ふざけんなwww
429名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:21:55 ID:78R5wszG
>>425
大人のやることかあぁーー!!!
430名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:44:36 ID:3dKdnCuS
かーちry
431名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 05:21:00 ID:81j1xDMC
>>425 懐かしいな
>>429 大人だからやれんだれうが
432名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 15:13:21 ID:13sU0R1w
やんよつなんて一ミリも考えたこと無かったけど意外といいw
433名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 18:21:27 ID:DDWk4Yv4
ふーかに憧れるヒロくんと恵那って構図を考えてみた。

地元の高校同士でで付き合ってるんだけど、いつもふーか(女子大生)を見ているヒロくんに業を煮やして恵那が、って展開
434名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 18:40:43 ID:yQkK3hJ3
>>433
同級生とは限らなくね?絡み全くナッスィングだったし。べつに不自然でもないけど
435名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 18:49:24 ID:ou++wnu/
恵那が小学4年生
ヒロくんは高学年なことだけはわかってるが学年は不明
かな?
436名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 19:43:53 ID:kS6BJ+rb
恵那って四年で確定してたのか?
437名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:34:03 ID:cjTkuIVi
とととだと四年生だけど、よつばと!では正確な学年はでてないハズ
438名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 10:54:20 ID:YkLzE/RE
心が病んでる俺にかーちゃんの愛をください
439名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 11:07:18 ID:3IZMECFu
しつこい浪人は嫌われるんだぜ?
440名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 12:01:49 ID:YkLzE/RE
>>439
浪人限定なのかwww

さーせんwww
441名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:08:15 ID:H5u0vEVI
毎日律儀にレスしてるけど……いい加減ウザイ
442名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 15:40:15 ID:YkLzE/RE
おk、自重する
443名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:59:57 ID:BAci5tC+
自分は面白いから好きだけどw
444名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:26:26 ID:X0g95pcn
同じやつだったのか
445名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 22:16:35 ID:zxnSQdIq
とーちゃん×風香を投下しようと思ったけど
PCは規制されちゃって投下できなかった。
エロパロ板はDION規制中なのかな?
446名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:05:09 ID:3IZMECFu
こないだ3ヶ月ぶりくらいに解除されたと思ったら、まただよ!DION〜
447名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:43:14 ID:zxnSQdIq
それが他の板では書き込みできるし
DION規制情報も全サーバー規制解除されたはずなのに
エロパロ板だけ書き込み出来ないんだよね。
なんでだろ?
448名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:08:53 ID:nwGvLdZH
ヤンよつなんてありえねぇ〜と思っていたのにこのスレにきて見方が変わったわ
職人さんたち超gj
あと>>328のジャンボの話を!成長したみうらも見てみたい
449名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 22:22:35 ID:AhI0aHcJ
323です。
ジャンボ×みうら
あと2〜3日お待ちください。
450名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 13:00:17 ID:fPcZ89m0
全裸待機します
451名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:11:21 ID:ImGgBODc
wktk禅裸待機
452323:2008/09/19(金) 23:53:11 ID:m+3Q6OPD
>>328に出てくるジャンボとみうらのはなしです。
時系列的にはこの話のちょっと後に>>250という感じで。
やっぱり長くなってしまいましたが、よろしくお付き合いください。
453言えない言葉 1:2008/09/19(金) 23:54:21 ID:m+3Q6OPD
そろそろ11月も終わりに近付いていたある日の午後。
高校の教室の窓から、みうらはぼんやりと校庭を眺めていた。
「みうらせんぱーい」
グラウンドをランニングする部活の後輩達が、窓辺のみうらに手を振った。
「がんばれよー!」
みうらも笑顔で手を振り返す。
(がんばれ、か…。頑張んなきゃいけないのは私じゃん…)
最後の大会を終えて、部活を引退してからもう何ヶ月だろうか。今やみうらの肩書きは立派な『受験生』だ。
受験のプレッシャーは日に日に圧し掛かり、みうらを押し潰しそうになる。
(あの頃は良かったよなあ)
最近は何故か昔のことばかり思い出してしまう。何も考えずにいられた子どもの頃。
一際印象深いあの夏のこと。
友人の家の隣に越してきたちょっと変わった女の子。恵那とその子と、よく一緒に遊んだ。
その子のお父さんと友達に、色々連れて行ってもらった。
花火や星を見に行ったり、魚釣りにも行った。そう言えばあの人は、なんだか妙にハワイにこだわってたっけ。
(ジャンボか。今は何してるんだろう)
背がすごく高かったっけ。子どもと対等に張り合ったりしてたけど、今思うとマメで優しい人だったような気がする。
…昔のことを考え出すと、きりがない。現実逃避だって自分でも重々承知している。
それでも、心は懐かしいあの頃をさ迷っている。
自分の本質はあの頃とちっとも変わっていないのに、とみうらは思う。
周りの何もかもが、みうらに変わらずにいることを許してくれない。
変わって行くのが嫌なわけではない。ただそれは、もっとゆっくりであってほしい。
進学とか就職とか、現実を突き付けられることから逃げたいわけじゃないけど、何もかもが慌し過ぎる。
ちらりと時計に目をやり、わざとらしく溜息を一つついてみる。
そろそろ予備校に向かう時間だ。講義までまだ時間はあるけど、早めに行って予習もしたい。
参考書や問題集のぎっしりつまった鞄を取り上げ、渋々と教室を出る。
「あ、みうらちゃん今から予備校?そこまで一緒に行こうよ」
帰り支度を済ませた恵那が声をかけて来た。
「いいよなー、恵那は。私なんかまた夜まで勉強勉強だよ」
早々に推薦合格を決めた恵那に、少しおどけて言ってみる。
「あんまり無理しちゃダメだよ、みうらちゃん。帰りとか大丈夫?
最近変質者が出るんだってよ」
「だいじょーぶだって、私なんかを襲う奴いないって。」
小柄で、ショートカット。こんな男の子みたいなのを襲う物好きなんていない。
そう自分に言い聞かせる。
他愛もない話をしながらしばらく歩き、予備校の入るビルの前で恵那と別れた。
手を振って歩み去る恵那を見送り、みうらはなんだか少し寂しくなってしまった。
454言えない言葉 2:2008/09/19(金) 23:56:04 ID:m+3Q6OPD
予備校の中はいつもピリピリした空気がする。
(もうあとちょっとの我慢だ)
早くここから抜け出すには、今頑張るしかないんだから。
予定の講義を終え、しばらく自習室で粘ることにする。
かりかりと響くペンの音に、みうらも自分の集中力が高まるのを感じる。
ひたすら問題集のページを進めて、ふと時計を見るともう午後10時近い時刻だった。
(やばいっ、バスが!)
この時間はバスが少ない。1本逃すと後は30分近く来ない。
慌てて荷物を詰め込み、自習室を飛び出した。
ビルを出てバス停まで全速力で走る。
(やっぱり…ダメだった…)
バス停には人影もなく、目当てのバスはタッチの差で出てしまったようだった。
(歩くと20分、次のバスまであと30分…)
夜の空気はぴんと張りつめて冷たい。
今更予備校まで戻るのも面倒だし、ここで30分待って風邪をひくよりも歩いて帰ったほうがいいかもしれない。
しょうがない、意を決してみうらは歩き出した。

11月の夜の空気は思ったよりも冷たく、肌に鋭く突き刺さる。
マフラーをぎゅっと巻き直し、早足で人気のない道を歩く。
(お腹へった、早くお風呂はいりたい)
気が急いてしまってしょうがない。早く家に帰りたい。
(近道しちゃえ)
車通りの多い道から、わき道へ入る。ここを通ると5分は早いはずだ。
街灯の少ない住宅街の道は、夜はなんだか不気味な感じがする。
静まり返って、やけに自分の足音が大きく聞こえる。
(変質者が出るんだって)
恵那の言葉が蘇って来る。やっぱりこんな道通らなければ良かった。もう通らないことにしよう、明日からは…
不意に、自分以外の足音が聞こえたような気がした。
気のせいだ、と自分に言い聞かせる。自意識過剰だ、怖がりすぎだ。
(違う…やっぱり、足音、する…)
駆け出そうとしたその瞬間、後ろから強い力で手をつかまれた。
(な、なに!?)
叫ぼうとしたけど、うまく声が出ない。手袋をした手が顔に回され、口を塞がれた。
必死になって鞄を振り回し、頭を振って何とか逃げ出そうとしても、力強い手は離れていかない。
(どうしようどうしようどうしようこわいこわいよ)
訳が分からずただ恐怖の中にいて、何も出来ない。
視界の隅に車のヘッドライトが見えた気がした。
455言えない言葉 3:2008/09/19(金) 23:57:39 ID:m+3Q6OPD
(お願い、助けて…)
「おいっ!何してんだっ!!」
突然大きな声が響いた。弾かれたように手が離され、そのまま突き飛ばされる。
道路にへたりこんだまま、走り去って行く足音を呆然と聞いていた。
涙が溢れてきて、体が震えて止まらなかった。
「大丈夫か?立てる?怪我とか…」
聞き覚えのある声がした。恐る恐る見上げると、やっぱり知ってる顔だった。
「…ジャンボ…」
「…みうら?
みうらだよな?大丈夫か?」
「……ジャンボぉ…」
相変わらず大きなジャンボが、背を屈めて心配そうな顔でみうらを覗き込んでいた。
何だか一気に安心して、益々涙が出てきてしまう。
「ほら、そんなに泣くなよ、送ってくから。怪我は?
…ああ、膝痛そうだな」
突き飛ばされた拍子に擦りむいたのか、膝から血が出ていた。
「…ごめん、ありがと…ジャンボ」
「いいから早く車乗れ。行くぞ」
見るとジャンボの車は道の真ん中にエンジンも掛けっぱなしで止められていて、よっぽど慌てていたのかドアも開け放たれたままだ。
助手席に乗り込んでもまだみうらの涙は止まらなかった。
ジャンボもみうらに気を使っているのか、無言のまま車を走らせる。
(良かった…ジャンボが来てくれて)
ジャンボがいなかったら自分はどうなっていたんだろう。そう思ってぞっとした。
「ちょっと待ってろよ」
コンビニの駐車場に車を入れると、ジャンボは店内に駆け込んでいった。
店の明かりが気持ちを落ち着かせてくれる。やっと涙が止まった。
明るい店内をジャンボが駆け回っているのが良く見える。
(ジャンボ、やっぱり目立つな)
やがて買物袋を持って、ジャンボが車に駆け寄ってきた。
「お待たせ、ほらっ」
車に乗り込んだジャンボから熱いココアの缶を渡される。
「甘いもの飲むと気分が落ちつくから」
「うん、ありがとう…」
確かに熱くて甘いココアはみうらの緊張した神経をほぐしてくれた。
「ほい、ちょっと失礼」
そう言いながら、ジャンボはみうらの膝の傷を消毒薬で拭い、絆創膏を貼っていく。
大きな手が器用に動くのに、今更ながらみうらは感心してしまった。
「少しは落ちついたか?」
「あ…うん。」
「じゃあ、説教タイムだ」
456言えない言葉 4:2008/09/19(金) 23:58:28 ID:m+3Q6OPD
意外な言葉にみうらも驚く。
「だいたいな、みうらみたいな歳の女の子があんな時間にあんな所一人で歩くもんじゃないんだよ。
たまたま今日は俺が通りかかって無事だったけど、そうじゃなかったらどうなってたと思うんだ。
もっと自分を大事にしなきゃダメなんだよ。分かってんのか。
それに何でこんな遅い時間に出歩いてんだ。女の子がフラフラしてていい時間じゃないぞ」
まくし立てるジャンボの言葉に、また涙が溢れそうになる。
「あ…あの、予備校で…バスに、乗り遅れて、それで…ご…めんな…さい」
一通り経緯を説明しながら、我慢できずにやっぱりまた泣いてしまった。
みうらの反応に、今度はジャンボが面食らったようだった。
「泣くなって。俺こそすまん、みうらにも事情があるよな。ごめんな。
そうだよな、みうらが悪いんじゃない。みうらのせいじゃないもんな。
責めるようなこと言っちゃってごめんな」
「…うん」
慌てて謝るジャンボが少し可笑しかった。
「よし、じゃ警察行くぞ」
「警察?!」
「こーゆーのは泣き寝入りが一番いけないんだよ。ちゃんとしとかないと、また被害に遭う子がでるかもしれないだろ。
俺が一緒にいてやるから、心配すんな。
あと親御さんに電話しておけよ。」
「…そ、そうだね」
携帯を手にしてみたものの、正直なんて親に言っていいのか分からない。
ただでさえ忙しい親に、余計な心配を掛けるのは気が引ける。それに「襲われた」なんて口にもしたくない。
”自宅”の番号を表示させたまま、動くことができない。
「ほら、貸せ」
ジャンボがひょいと携帯を取り上げ、通話ボタンを押す。
「…あ、夜分遅く申し訳ありません。竹田と申します。…はい、お宅のお嬢さんが……
はい、そうです。…それでこれから警察に……はい、はい…」
(ジャンボは大人だな…)
落ちついたジャンボの様子に変なところで感心してしまった。
「…はい、よろしくお願いします。…失礼します。
警察まで来てくれるってよ。すげえ心配してたぞ」
携帯をみうらに渡しながらジャンボは言った。
「ありがとう、ジャンボ。ごめんな」
電話も出来なかった自分が、あまりに子どもで恥しい。
「何言ってんだよ、みうららしくもねえ。さあ行くぞ」
車は夜の道を走り出す。
457言えない言葉 5:2008/09/19(金) 23:59:27 ID:m+3Q6OPD
「あのさ、帰り誰か迎えに来てくれる人いねえのか?
親御さんとか…彼氏とか。今日みたいなのは無用心過ぎだ」
「…親は、忙しくて多分無理。彼氏は、いない。
そんなことジャンボに関係ないじゃん」
そうだ、誰か迎えに来てくれるのだったら、とっくにそうしている。
好きで予備校に通ったり、遅い時間に一人で帰るわけじゃない。
しょうがないじゃん。そんなことジャンボに言われたくない。
「…うーん、そうか…」
ジャンボは何か考えているみたいにしばらく黙っていた。
「じゃあ、俺が毎晩迎えに行ってやるよ」
「はあっ!?何言ってんのジャンボ」
あまりに意外なジャンボの言葉に、思わずみうらの声も大きくなる。
「いいよいいよ、ジャンボには関係ないじゃん。迷惑かけらんないよ。
これからはバスの時間に気をつけるし、たぶん大丈夫だから」
そうだ、ジャンボは昔から面倒見の良い奴だった。散々な目にあった自分を放っておけないのだろう。
「良くねえよ。時間を気にしながらなんて勉強に集中できねえだろ。
それにあんなとこ見たらそのままになんてしておけねえよ。俺が気になるんだよ。
いいから甘えておけよ。俺は夜はけっこう暇なんだ」
あっさりとそう言うジャンボの言葉が、正直みうらはありがたい。
入試までのあとわずかな間、時間や帰り道を気にせずに勉強できるのは嬉しいことだ。
この際、甘えさせてもらおうか。
「…すいません、じゃあよろしくお願いします」
「おう、任せておけ。
時間は10時位でいいのか?あの駅前の予備校だろ。」
「うん、でも本当にいいの?」
「いいんだよ。でもお前の親御さんに言ったら親御さんが遠慮するかもな…
普通何の関係もない男に送迎は頼まないしな。
そうだな、俺のこと彼氏とでも言っとけよ。
それだったら親御さんも少しは気が楽だし、説明もしやすいだろ」
「かっ、彼氏?!」
「嘘も方便てことだよ。予備校通いが終わったら別れたって言えばいいだろ」
「そうか…」
一瞬、「彼氏」という言葉に動揺してしまった自分が、随分子どもに見える。
そして嘘も方便、と軽く言ってしまえるジャンボが大人で、少しずるくも思えた。
「しかし、みうらに会うのも久しぶりだな。何年ぶりだ?」
「たぶん中学生の時以来だから、3、4年ぶりぐらい?
ジャンボは変わんないな。相変わらずデカい」
「みうらも変わんねえな。相変わらずチビだ。でももう大学受験の歳なんだよな。
あんなとこで会ってびっくりしたぜ。ほんとに俺が通りかかって良かったな。」
ニヤッと笑ってジャンボが言う。
「いや、本当にありがとうございました」
「珍しく素直だな」
「私だっていつまでも子どもじゃないんだってば」
「はいはい。ほらもう着くぞ」
458言えない言葉 6:2008/09/20(土) 00:00:04 ID:TG77RYne
警察には既に両親が来ていた。みうらと一緒に現れたジャンボの存在に驚きながらも、お互いに何度も頭を下げあっていた。
どうやら「車から女性が襲われていたのを目撃し、助けたところ自分の彼女だった。
非常に責任を感じ、これからは自分が迎えに行って家まで送り届けることにしたい。
お嬢さんと付き合っていたのを黙っていて申し訳ない」という、嘘くさいジャンボの話を両親は信じたようだ。
事情を説明し、届出を出して警察を後にしたのはもう深夜近くだった。
「じゃあ、みうら明日な。勉強がんばれよ」
ジャンボの大きな手がみうらの頭に置かれ、ポンポンと軽く叩かれる。
なんだか照れくさくて、つい言葉がぶっきらぼうになってしまう。
「うん、ありがと。よろしく」
ジャンボの車を見送り、両親と共に帰路につく。
「ちょっと年上だけど、なかなか良い彼氏なんじゃない?」
「そうでしょ、良い奴なんだ」
母親の言葉に、ちょっと誇らしげにみうらは答えた。

翌日の予備校の講義に、みうらはあまり集中できなかった。
昨日のことで家に帰ってから親に怒られ心配され、結局寝たのは明け方近くだったし、それにも増してジャンボのことを考えるとなんとなく落ちつかない。
(なんだろう、訳分かんない)
ジャンボに会いたいような会いたくないような、自分でも良く分からない。
自習室にこもり、問題集に取り掛かるものの時間が気になってしょうがない。
いつもは飛ぶように過ぎる時間も、今日は時計が止まっているのかと思うほどだ。
(あと5分)
1分ごとに時計をみあげる。
10時ちょうどに荷物を抱えて自習室を飛び出した。息せき切ってビルを駆け出ると、歩道に寄せて止められたジャンボの車が目に入った。
(いた、本当にいた)
街灯に照らされた車内に、ジャンボの大きなシルエットがぼんやりと見える。
慌てて駆け寄って助手席のドアを開けた。
「おう、お疲れ。早かったな」
「ジャンボ…ほんとに来てくれたんだ」
「俺が嘘つくと思ってたのかよ。早く乗れよ、風邪ひくぞ」
「うん!」
みうらが自分ではっきりと分かったのは、ジャンボに会えて嬉しいと思う自分がいるということだった。
元々、自分はあまり素直な性格ではない。
口調もきついし、強がってしまうことも少なくない。
でもジャンボなら、そんな強がっているみうらをそのまま受けとめてくれそうな気がした。
ジャンボといると、とても楽な気分になれた。
「勉強大変か?」
「んー、まあまあかな」
「なんだよ余裕だな」
「まあね」
短いドライブの間に交わされた、こんな何の変哲もない会話が心地よかった。
459言えない言葉 7:2008/09/20(土) 00:00:51 ID:m+3Q6OPD
それから約一ヶ月の間、ジャンボは律儀に迎えに来てくれた。
学校や予備校では、「みうらちゃんのものすごく背の高い彼氏」の噂が囁かれるようになった。
(ほんとは、彼氏じゃないんだけどさ)
誰かに「超高身長の彼」のことを聞かれるたびに、曖昧に笑っては心の中でそう思った。
本当の彼氏じゃない。
本当の彼女じゃない。
それは、なんだか寂しい言葉だ。
口に出して言いたくなくて、誰にも言っていない。
試験が終わるまで、それまでは「ジャンボの彼女」でいられる。もうちょっとだけそうしていたい。
でも季節はもうすっかり冬になっていて、入試は刻一刻と近付いてくる。
みうらの予備校がある日はジャンボは欠かさず時間通りに迎えに現れ、他愛もないおしゃべりをしながら車を走らせる。
時々ファミレスに寄って、長々と話し込んだりもした。
大抵はみうらが受験の不満や不安を愚痴り、ジャンボはただ笑ってそれを聞いてくれた。
みうらにとってそれは掛けがえのない時間で、日々圧し掛かる重圧を一時だけでも忘れることができた。
ジャンボは、大事な存在だ。
きっと、今まで生きてきて、一番大事な人。
この一ヶ月で、みうらはそう感じるようになった。
ジャンボが自分をどう思っているのかなんて分からない。
ほかに好きな人がいるんだろうな。
たぶんみうらのことは、保護者のような気持ちでいるのだと、思う。
保護する大人と、保護される子ども。それだけ。
あんな場面に行き会ってしまったから、必要のない責任感に駆られているだけ。
知らない方がいい。
忘れなければいけないんだから。

年末に近いその夜も、そうしてファミレスに陣取ってジャンボに愚痴を聞いてもらっていた。
「みうらさ、合格祝いは何が良いんだ?」
唐突にジャンボが言った。
「え、なんかくれんの」
「おう、なんでもいいぞ」
きっとジャンボからもらったものだったら、何だって嬉しいだろうと思った。
でも、結局忘れなきゃいけない日が来るなら、形になんて残らない方が良い。
「花、かな」
「花?」
ジャンボの眉毛がぴくりと動いた。
「そう、抱えきれないぐらい一杯の赤いバラがいいな。卒業式で、みんなが見てるとこで渡してくれるの。
それから、ドライブに連れてってよ。」
夢みたいなことを、言ってみた。
「なんだそりゃ。なんかの映画みたいだな」
「嘘。冗談だってば。何にもいらないよ。
私の方がお礼しなきゃいけないんだもん」
本当は、みんなにこの人が私の彼氏です、って堂々と言えたらと思う。
そんなことは出来っこない、それもちゃんと分かってる。
これ以上ジャンボの迷惑にはなりたくない。
「花でいいのか?」
「だから冗談だってば!そろそろ帰ろうよ」
つい語気が荒くなる。
「みうらなに怒ってんだよ」
「…怒ってないよ」
気を使うジャンボの口調と、自分の子どもっぽさに少し泣きたくなった。
460言えない言葉 8:2008/09/20(土) 00:01:26 ID:m+3Q6OPD
年が明けて、すぐに予備校の講義が始まった。
目前の入試に向けて、みうらの日常も更に慌しくなった。
学校も自由登校になり、朝から晩まで予備校で過ごした。
相変わらずジャンボは迎えに来てくれて、その時だけがみうらの楽しみだった。
日々は飛ぶように過ぎ、とうとう試験前日となってしまった。
いつも通りに10時まで自習室で過ごし、荷物をまとめる。
(今日で、終わりか…)
試験への緊張よりも、ジャンボに会えなくなることの方が心に引っかかってくる。
普通の顔で、ジャンボにお礼を言えるだろうか。
少し緊張して車のドアを開ける。
「おう、お疲れさん。」
ジャンボはいつもと変わらなく見える。
「いよいよ明日だな。頑張って来いよ」
「うん…明日だけじゃなくて、他にも幾つかあるけど、明日が本命だしね」
「みうらはあんなに頑張ってたんだから大丈夫だよ」
「…そうかな、そうだといいな」
「今日でお前を迎えにくるのも最後かな。なんか寂しいな」
「そうだね…」
「来年も予備校通いだったりしてな」
「縁起でもないこと言うな!」
「ごめん、冗談」
こんな会話、もうすることもないのかも知れない。
そう思ったら涙が浮かんできてしまう。
「…なんだよ、みうらどうしたんだよ」
「なんでもない…」
そのまま、車内を気まずい沈黙が包んだ。
「着いたぞ」
「うん」
荷物を持って車を降り、運転席側にまわる。
ジャンボがウインドウを開けて顔を出した。
「じゃあな、明日は忘れもんすんなよ」
「うん、ジャンボ今まで、ほんとにありがとう」
思い切って、ジャンボに近付いて一瞬だけ唇を重ねた。
相当驚いたのか、ジャンボは目も口もぽかんと開きっぱなしだった。
「こんなの、お礼になんないと思うけど、ごめん、じゃあね!」
そのまま、後ろを見ずにマンションに駆け込んだ。
461言えない言葉 9:2008/09/20(土) 00:02:08 ID:m+3Q6OPD
多少の心の動揺はあったものの、どうにか入試を終えみうらはほっと一息ついていた。
結果は2勝1敗で、どうにか本命にも合格できた。
(ジャンボに知らせなきゃな…)
そうは思っても、この間の自分の行動を思い出すと気まずくて仕方がない。
毎日携帯を握りしめては考え込んでしまう。
大人にとってはあんなキスは日常茶飯事で、大騒ぎするようなことじゃない。
きっとジャンボだって大して気にしてないはず。
自分にそう言い聞かせてみても、やっぱり電話する勇気は持てなかった。
(入試までの方便の”彼氏”。最初からそういうことだったんだしな…)
今更ジャンボはみうらになんかかまって欲しくないかもしれない。
でも、あんなに世話になって、結果を知らせもしないってありえないよな…
結局、そうやって無駄な日々を過ごしてしまった。
我ながら、呆れ返る話だった。

そして卒業式。
式も最後のホームルームもみうらは上の空で過ごした。
毎日悩んでいた割りに、とうとう今日までジャンボに合格を報告することが出来なかった。
(最低だな、私)
今日こそ、ちゃんと電話しよう。そう決めた。
ホームルームを終え、クラスメイトたちは泣きながら、又は笑いながら三々五々散って行った。
「みうらちゃん一緒に帰ろうよ」
恵那が声をかけて来る。恵那んところのおばさんも一緒だった。
ちょっと羨ましい。みうらの両親は仕事でいそがしいとのことで今日は来ていなかったから。
「お祝いだからケーキでも食べて帰りましょ。ご馳走するわよ」
おばさんが笑いながら言う。恵那のお母さんとももう長い付き合いだ。
「はーい、ご馳走になります!」
「みうらちゃん大学合格おめでとう、良かったわね」
「みうらちゃんすごい頑張ってたもんね」
「そうでもないよ…いや、そうかな」
三人で校門に差し掛かろうとしたとき、周囲が微かにざわついているの気付いた。
「なんだあれ、巨人?」
「すげー花だな」
そんな会話が聞こえてきた。
「ねえ、あれジャンボさんじゃない!?」
恵那が素っ頓狂な声をあげた。
(まさか…)
門の外の道路際に車を止めて、ジャンボが立っていた。
462言えない言葉 10:2008/09/20(土) 00:03:09 ID:m+3Q6OPD
サングラスをかけて、普段見慣れないスーツを着て、ネクタイもきっちり締めている。
そして手には大きな大きな真っ赤なバラの花束を持って。
背も高い上に巨大な花束を持っているその姿は目立つことこの上ない。
「ジャンボっ!」
心底驚いてジャンボに駆け寄った。
「おう、みうら卒業と合格おめでとう。ほら」
文字通り抱えきれない花束を渡された。
「え、何で?え?え?え?どうして知ってんの?なんで…いるの」
「俺はなんでも知ってんだよ。それにお祝いやるって言っただろ。
さあ、ドライブ行くぞ」
「あ、うん」
驚きすぎて涙も出ない。
「じゃあ、みうらお借りしていきます」
「は、はい。気をつけて」
恵那とおばさんにそう告げて、ジャンボはうやうやしく助手席のドアを開けてみうらを導いた。
花束を後部座席に置いてみうらはようやく車に乗り込み、唖然とした顔の恵那とおばさんを残して車は走り出した。

聞きたいことも、言いたいこともたくさんあった。
でも何から言っていいか分からない。
「なんだよ、みうら。そんな驚いたような顔して」
ジャンボが不思議そうに訪ねる。
「びっくりするよ、いきなりこんなの持って立ってんだもん。どうしたのこれ」
「どうしたのって、俺は花屋だから気合入れた花束作ってきたんだよ。
バラが良かったんだろ」
「花屋?ジャンボ花屋なの?」
更に驚いた。考えてみれば自分はジャンボのこと何にも知らないのかもしれない。
「知らなかったのか?自分の彼氏の職業ぐらい知っとけよ、冷たいな。
…なに泣いてんだよ、泣くなよ」
ジャンボの発した一言に、勝手に涙が流れ出して止まらない。
「だって…彼氏って…」
「そう思ってんの、俺だけじゃないよな。
そうだろ、みうら」
自信ありげな口調でジャンボが言った。
463言えない言葉 11:2008/09/20(土) 00:04:16 ID:TG77RYne
「ジャンボが方便だって、言ったんじゃん。嘘だって、言ったんじゃん。
だから…私…我慢して…ずるいんだよ、ジャンボは…」
「それは俺が悪かった。ああ言ったけどな、最初から実は少々下心あったんだよな。
興味ない女の迎えなんてしないだろ、普通。」
「…そうなの?」
「少なくとも俺はそうだな。
まあとにかく、俺はみうらを彼女にしたいと思ったし、みうらもそう思ってくれてると思ってたんだけど、違うか?」
「違わないよ…でも、ちゃんと言ってくれないと分らないよ。…分らなかったよ…」
「受験前のお前ににそんなこと言えねえよ。終わったらちゃんと言うつもりだったんだよ。
でも何となく分ってんだろうなと思ってたんだけどな。分ってなかったのか…
意外に鈍感だな、みうらは」
「鈍感で悪かったな。…ジャンボは大人だし、私なんて相手にされてないと思ってたし、
同情されてるだけなんだって…」
「それにしてもなあ、お前もちゃんと結果知らせてこいよ。ずっと待ってたんだぞ。
もし不合格だったらって考えたら迂闊にこっちからも聞けねえんだから。
別れ際にあんなことされて、俺が気にしてるって思わなかったのか?」
「それは、ごめん。なんか連絡しづらくて」
「まあ結局恵那ちゃんに聞いたんだけどな。だけど今日卒業式だって言うのは知ってたんだ。
式の装花納めてんのうちだからな。
チャンスは今日しかないと思ってたんだ。言うの遅くなって悪かったな」
「ジャンボ…」
「なんだよ」
「ありがとう…これから、よろしくお願いします…」
「…おう、こっちこそ、よろしくな」
嬉しくて、涙がでた。
泣き顔のみうらを見て、ジャンボも少し泣きそうな顔をしていた。

「よし、着いたぞ」
「ここって…」
見覚えのある公園だった。
「昔来たことあんの覚えてるか?」
「覚えてるよ。星を、見に来たとこだよね」
ずっとずっと前の夏、初めてジャンボに会った年にみんなで星を見に来た公園だ。
「懐かしいね」
「そうだな。あの頃のみうらは生意気なガキだったよな」
「そうかな?」
「それは今もあんまし変わんねえけどな」
ジャンボの大きな手がみうらの手をそっと握った。
みうらもその手を握り返す。
464言えない言葉 12:2008/09/20(土) 00:04:57 ID:m+3Q6OPD
「ジャンボはさ、あさぎ姉ちゃんのことが好きなんだと思ってた」
「いつの話してんだよ。大昔のことだろ」
「そっか、そうなんだ。安心した」
「なんだよ、信用しろよ」
なんだか今日はいろんなことがありすぎて、世界の何もかもが一変してしまった。
今朝起きたときには、こんな気分になるなんて想像もしていなかった。
「ジャンボ…ジャンボは本物のジャンボだよね?
これは私の夢じゃないよね?」
急に不安になる。
途端に手が痛いぐらい強く握られた。
目の前にジャンボの顔が迫り、唇が押し付けられた。
「これが、夢だと思うか…」
きつく抱きすくめられた。ジャンボの大きな胸に、みうらはすっぽりと収まってしまう。
(夢じゃないみたいだ…)
ジャンボの唇は少し乾いてかさかさしていた。
もう一度触れたくて、ジャンボの腕の中で背伸びしてみる。
「何してんだよ」
「届かないみたい。ジャンボはデカすぎ」
「…こうすれば良いんじゃないか?」
軽々と抱き上げられてしまった。ジャンボの顔が目の前にある。
「そうみたいだ」
また唇が重なった。自然に深く、深く。
初めての感触に、ジャンボの首にまわした手に力がこもる。
「…みうら、行くぞ」
急に唇を離し、ジャンボが呟いた。
「行くって、どこ?」
「ホテルだよ…俺はもう我慢できそうもない」
絶句してしまった。でも決して嫌ではない。
「うん、行こう…」
二人で車へ駆け出した。

一番最初に目に付いたホテルに入った。
やけにジャンボが手馴れて見える。
「ずいぶん慣れてるね」
ちょっと皮肉を込めて言ってみる。
「そんなことねえよ。焦ってんだよ」
いつになくジャンボが真剣な顔をしているように見えて可笑しい。
部屋に入るなり、またきつく抱きしめられ、唇が重ねられる。
「ちょっと…ジャンボ待って、苦しい」
あまりの力の強さに、うまく息ができない。
「悪い、でも止めらんねえ」
465言えない言葉 13:2008/09/20(土) 00:05:32 ID:m+3Q6OPD
乱暴にブラウスのボタンが外され、開いた胸元をきつく吸われる。
制服のスカートがたくし上げられ、下着に手がかかる。
体が、一瞬震えた。
「…待って、お願い、もっとゆっくり…
ジャンボ…怖いよ…」
はたと、ジャンボの手が止まる。
「みうら、もしかしてお前初めてか?」
「…そうだよ。誰とも付き合ったことなんかないし…」
「ごめん、急ぎすぎたな。ゆっくり、もっとゆっくりだな…」
「いいよ……止めないで、このまま…」
またキスが始まる。今度はゆっくりと、優しく。
二人でベッドに倒れこんだ。体中に大きな手が這い回る。
みうらの小さな体の隅々まで。
キスの雨が降る。余すところなく。
誰も触れたことのないところにも。
みうらは、泣いているような声を洩らしている自分に驚く。
何もかも味わったことのない感覚。自分が別の生き物になってしまったような気がする。
「みうら、いいか?」
「うん…」
夢見心地で答える。いよいよだと思うと少し緊張する。
「痛っ、い。痛い!待って、ちょっと待って…」
突然の痛みに我に返った。
「やっぱ、無理だよな…みうら初めてだもんな。
デカすぎんだよ、俺。ごめんな」
ジャンボが申し訳なさそうに言った。
「ん…もうちょっと試してみようよ、私も頑張るから」
「…ありがとう」
30分ばかり色々やってみて、結局どうにもならなくて二人とも笑い出してしまった。
「ごめんね、ジャンボ。私のせいだね…」
「みうらのせいじゃないって。だからお前が気にする必要はないんだよ。
焦ることなんかないんだよな。ゆっくりやって行けばいいんだ。
これから時間はたくさんあるんだから」
そう言って、ジャンボの指が優しく頬を撫でた。
「そうだね…」
久しぶりに、明日からが楽しみだな、とみうらは思った。
466名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:08:06 ID:m+3Q6OPD
以上です。
入試とか予備校のあたりは適当です。
センター試験のない私大という感じで。
エロ少なくてすみません。
467名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:38:06 ID:0iTev2P9
虫歯になるわwww

gj!
468名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:03:44 ID:o+3d6xSu
心からgj!
ジャンボ×みうら好きだー!
甘々をごちそうさまでした。
469名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 04:29:03 ID:HQG6MV2s
>>466
GJ!
もー最高!こんな健気なラヴストーリー読めて俺は幸せだーーーーーーー!!
これで、明日から1週間、頑張って働けるぜ

良い養分をありがとう
470:2008/09/20(土) 21:29:03 ID:VdVGsov1
風香はよつばが居ないのを確認して隣の家に出向いていた。
小岩井と初めてHをしてから数日が経っていた。
恥ずかしくて顔を見る事が出来ずに居たが
初めてHしたという事実と色々な好奇心
それ以上に小岩井に会いたいという気持ちが大きくて会いに来たのだった。

チャイムを鳴らし小岩井を待つ。
「あ。いらっしゃい。中にどーぞ。」
小岩井は嬉しそうに中に招き入れた。
やはり小岩井も風香が来るのを待っていた。

ドアを閉めた瞬間に小岩井に抱きしめられて
「やっぱり私、この人が大好きだ」と再確認する。
471:2008/09/20(土) 21:30:08 ID:VdVGsov1

小岩井の匂いも、抱きしめられた感覚も敏感に数日前を思い出させる。

「ちょっとキリの良い所まで終わらせたいから待っててくれる?」
仕事の途中だったのだろう。仕事部屋で小岩井に出された麦茶を飲みながら待つ風香。


玄関で抱きしめられた事で緊張の糸が解けた気がする。
仕事終わりを待ちながら風香はウトウトして、そのまま寝てしまったようだった。

キリのいい所で保存をかけ、振り向くとスヤスヤ眠る風香が居た。
子供を見るような優しい眼差しで風香を見る小岩井だったが
抱きしめた時の風香の甘い匂いを思い出し風香の傍に移動した。

敷布団を敷き風香を移動させ、風香にキスをした所で
途中から寝たふりをしていた風香に強く抱きしめられた。
それからは数日を埋めるかのように何度もキスをしていた。
静かな部屋に唾液の絡みつくような音が響いているような気がした。

小岩井は風香のおでこに軽くキスをした。
「待たせちゃってごめん。その代わり今日は激しくするから」
ニヤリと笑う小岩井に「激しいのかぁ」と赤面の笑顔で返す風香。

風香の着ていた制服のシャツとスカートを脱がせ、キャミソールになった風香を見て驚いた。
472:2008/09/20(土) 21:39:21 ID:VdVGsov1
「何でブラジャーしてないの?」
「こっちの方がそそるかなぁと思って」恥ずかしそうに笑う風香
「学校でもブラジャー無し?」
「まさかw一度家に帰って外してきました」
「良かった。学校でもブラジャーしてなかったなら嫉妬しちゃうところだったよ」

安心した小岩井はキャミソールの上から胸を揉んだり、乳首を中心に愛撫し始めた。
布にこすれる感触と小岩井に弄られ焦らされているという事実が更に気分を高めさせた。


「本当に気持ちいい胸だなぁ」
胸の感触を楽しみながら小岩井は胸に顔をうずめる。
風香の甘い匂いがグッと強くなる。

「胸に挟んでみます?」オズオズと提案する。
何を挟むかは安易に想像できたが、ちょっと意地悪してみる。
「何を挟むの?顔なら今挟んでるよ?」どう答えるか楽しみでニヤニヤしてしまう小岩井。

「うっ…。小岩井さんの…。…アソコ」
顔が真っ赤な風香が可愛かった。
「アソコってどこ?」更にいじめてみたくなった。
「もう、いいですぅ…。」照れて下を向いた風香。
473:2008/09/20(土) 21:40:17 ID:VdVGsov1
思わず抱きしめて、耳元で「意地悪な事、聞いてごめんね」とつぶやいていた。
とはいえ風香の提案は嬉しい提案ではあったので乗っかってみる事にする。
「じゃあ、お願いしようかな(はぁと」いそいそと下着を下ろす小岩井。

風香は友達がアドバイスしたように、最初は小岩井自身を口に含み唾液を絡ませる。

ヌメヌメして熱い口内の感触が小岩井を襲う。
たどたどしい下の動き一つ一つが小岩井には新鮮だった。

「じゃあ、挟みますよ」
ボリュームのある風香のおっぱいに包まれる。
ぎこちなく上下に動かしながら「気持ちいいですか?」と小岩井に尋ねる。

正直、そんなに気持ちはよくないけど、視覚的には十分な刺激だった。
「うん。気持ちいいよ。風香ちゃんのおっぱいは気持ち良いね。」と答えた。

「じゃあ、もっと頑張っちゃいます。」風香は直接口に含み愛撫し始めた。
亀頭から根元までネットリと舐め続ける。
口の中いっぱいに含んで舌を這わせてみたりして小岩井の反応を見る風香。
「ここは気持ち良いですか?」
そう聞いた後、袋を口に含んでみる。
474:2008/09/20(土) 21:40:58 ID:VdVGsov1
小岩井は不思議な感覚だった。小岩井のソレを舐められるのとは違っていて
くすぐったい様な気持ち良いような変な感覚だった。
「なんだかムズムズする」そう答えると
「じゃあ、次は俺の番だから」と風香にキスをした

キスから耳の愛撫に移る。
耳たぶを軽く噛まれるのが気持ち良いみたいだったな。
思い出しながら愛撫していく。

「今日はキスマークつけちゃうからね」
そうは言ってみたものの目立つ場所は避けて胸元中心にキスマークをつけた。
「小岩井さんの印みたい」ちょっと嬉しそうな風香。
「消えたら…、また付けるから。」独占欲のようなものが出てきた。

ふと、グラスに残る氷を見つけた。
風香に目隠しをし古い映画のワンシーンのように氷で刺激してみる。

「えっ…。あっ…冷たい…。  あっ…。あんっ。」
目隠しと急に冷たい感触。どこに氷が来るか分からない。
そんなシュチュエーションがHだと思った。

小岩井は氷を口に含んだまま乳首を舌で転がしてみた
冷たい感触と指とは違う刺激で、思わずエッチな吐息が漏れる。
小岩井は風香の目隠しを外しギュッと抱きしめた。
「やっぱり顔が見えるほうがいいね」
475:2008/09/20(土) 21:41:51 ID:VdVGsov1
指で背中をなぞりながら耳元で囁く。

乳首を軽く噛んだりしながら、右手は内腿を触っていた。
下着の上から指をなぞらせてみると驚くほどグッショリとぬれていた。
下着を脱がせ指を愛液に絡ませてみる。
「風香ちゃん凄い…。グッショリだよ。」

そのまま敏感になっているであろうクリトリスを触ってみる。
まだ皮に包まれてはいるが、少し見えてきているクリトリスを丹念に指先でクルクルと刺激してみる。
風香から切なそうな吐息が漏れる。
段々と出てきているクリトリスを爪先でカリカリと弾いた所で風香の体がビクビクとし始めた。
指を膣内に潜り込ませ尿道を刺激するように膣壁を刺激していく。

クリトリスの丹念な愛撫から膣壁に移った事で風香の息遣いはどんどん荒く淫靡なものになっていた。
すばやく指を上下させていると膣内から温かい液体が噴出した。
「風香ちゃん。凄いよ。指を動かす度に潮、吹いてる…。」
噴出す潮を見ていると不思議な感覚になる。

ぐったりとしている風香に追い討ちをかけるように小岩井自身をバックから挿入する。

「あっ…。あぁっ。」風香の声が漏れる。
「凄い。キツイ…。」思わず小岩井はつぶやいた。
まだ指の刺激が覚めない
476:2008/09/20(土) 21:47:24 ID:VdVGsov1
まだ指の刺激が覚めないままに挿入され、体全体が敏感になりすぎている。
このまま自分が真っ白になりそうだった。
子宮がジンジンとしているのが自分でも分かる。
小岩井もネットリとして、それでいて吸い付いてくるような熱い風香の膣内にどんどん溺れていきそうだった。
腰を打ち付けるたびにネットリとした愛液の音と肌がぶつかり合う音が響き
部屋中にエッチな匂いが充満していくようだった。

小岩井は腰をゆっくり動かしながら、風香の背中を指でそっとなぞる。
風香の体を電気が走るようにビリビリとした感覚がうねっていた。
おもむろに、小岩井は繋がったまま、風香の乳首を強く摘んでみた。
「ふぁあ…。だめっ。だめ…。」
繋がったまま対面座位へと移行した。
顔が見えた事で、恥ずかしさからか膣内がキュンキュンして一段と締め付けが強くなる。

何か得体の知れないものが襲い掛かるようなそんな気がして、風香は必死で小岩井にしがみついた。

そのまま正常位になり、思いっきり腰を振った。
477:2008/09/20(土) 21:48:10 ID:VdVGsov1
「もっ…。もう…。出そう…。」
「私も、もう…。もう、駄目っ…です。…だめっ。はぁん…。」
小岩井に強く抱きついたまま、快感の波を強く感じていた。
二人同時に果てた。

指を絡ませ軽いキスをしながら、顔を見合わせ幸せな笑顔になった。

「今度、みんなでどこかに出掛けようか?」
「そうですね〜。どこでもいいですよ。小岩井さんが一緒なら。」

そんな会話を楽しみながら、よつばが帰ってくるまでの短い時間。二人の時間を満喫していた。
478名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 21:49:10 ID:VdVGsov1
おわりです。
携帯からチマチマと投下で読みにくかったらごめんなさい。
479名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 23:25:48 ID:mcgY9dJ0
いや〜いいですね、GJ!
皆さん文才がありますね、とても真似出来ませんよw
やっぱりよつばと!の小説は鬼畜ものじゃなくて、プラトニックな物が
似合う!
480名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:21:37 ID:3izmn8om
>>466
448なんだが、みうらリクエストこんな早く素晴らしい物をありがとう
身悶えしながら読んだ!超超超GJ!!!!

ここの職人さん方は神だ
481名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 18:16:27 ID:Ldd43asP
どんどん新作出て嬉しい限り
482名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 18:39:13 ID:S5FUyc+X
>363の続きな感じで。エロ目指したいと思います!
483やん・よつ:2008/09/21(日) 18:49:17 ID:S5FUyc+X
一足先にお風呂からあがって、自分の部屋に行って着替える。
すごくドキドキする。
しっかりドキドキを抑えてから、下に降りると、もうヤンダはもうお風呂からあがってた。
キッチンで鍋と向き合っている。
「このゥチなんもないのな。ミートソース缶くらいしかねーの」
そうキッチンに入ってきたよつばに向かってヤンダが言う。
「え?あー、ふーかがちゃんと作ってくれるから、
インスタントとかレトルトとかほとんどないんだよな。
・・・やんだはなにしてるの?」
「は?見てわかんねーの?スパゲッティー茹でてるんだけど」
お鍋の中に入ってるスパゲッティー同士がくっつかないように箸でかきまわしながらヤンダ。
「やんだが料理!? やんだが料理!!!???」
「オレだってダテに何十年も独身やってねーよ」
今度はもう一つの鍋のほう(ミートソース缶)を混ぜながら威張るようにヤンダ。
「……誇れないし」
「うっせー」
よつばの髪を乱暴にぐしゃぐしゃとする。
でもいいなって思う。
男の人が料理するのって。
とーちゃんとはやっぱり違う。
484やん・よつ2:2008/09/21(日) 18:49:55 ID:S5FUyc+X
ふふふってニヤけながらよつばはサラダの準備を始める。
冷蔵庫からサラダになりそうな野菜を取り出して手早く洗う。
「…なにニヤけてんだよ」
ヤンダにそう悪口言われるけど、気にせずにきゅうりをダーっと細く切る。
「…よつば料理だけは上手だよな」
「ホントか!?」
「ってか、まぁ家事はできるんだろうな、家、小岩井さんだけだったし」
「いつでもお嫁にいけるぞっ」
誇らしげによつばはそう言って二つのお皿にサラダを盛る。
「は!?嫁って…何、言ってんだよ、急に…」
しどろもどろにヤンダが言う。
「え?」
よつばはキョトンとした顔で赤くなったヤンダを見る。
少しの沈黙があってから、
「そっか、彼氏が旦那さまになるかもなんだ…。
ヤンダがもしかしたら……、そっか、全然考えてなかった」
「そーかよ」
むっすっとしてヤンダ。
「すねんなよ。赤くなるやんだとか、初めて見たな」
ケラケラ笑いながらよつばはいう。
「笑ってねーで早くスパゲッティー入れる皿出せよ」
そう言って頭をポカンって叩かれた。
485やん・よつ3:2008/09/21(日) 18:50:26 ID:S5FUyc+X
おいしく二人で夕食をすませ、庭に出て花火をした。再びリビングへ戻ってきて、二人でソファーにこしかける。
「もう10時かぁ…」
さびしそうによつばはつぶやく。
「そうだなぁ…明日も会社だから帰るかなぁー…」
「そうだな。ちゃんと寝ろよ」
そう言ってソファーから立ちあがる。
「まぁ、焦んなよ」
ぐいっとヤンダに手をひっぱられ、ソファーに再び座らせられる。
「次は俺が夏休みに入ってからかな。だから…1週間ちょっと空いちゃうな」
こくりとうなずく。
「ホントは泊ってきたいけど…」
パッとやんだを見上げる。
「ホントよつばはわかりやすいな」
そう言われ、理性が戻る。
「や、でも、ダメだ!ダメだろ!?ダメだ!!」
「手出さないって。信じろよ」
「それだけじゃなくて…」
「小岩井さんにバレないように朝帰るって。仕事だし」
「でもでも……」
ヤンダ疲れてそうだし…。
「もう決まりー。よつばちゃんと風呂入ってこいよ。んで、小岩井さんのジャージ貸して」
「わかった!」
そう言ってよつばは立ち上がって、お風呂場へダッシュした。
とまってくれるなんて、うれしくないわけがない。
486やん・よつ4:2008/09/21(日) 18:52:08 ID:S5FUyc+X
客間に二つ蒲団を敷いて、寝ることにした。
二人で、ごろりと横になる。そよそよと風が入ってくる。
ふぁーってヤンダがあくびをする。
昨日も3時なんて時間に電話できるほど遅くまで起きてたんだ、眠いに決まってる。
「電気ちっちゃいのだけ付けとくな?」
「んー」
そう目をつぶったままヤンダ。
このまま寝ちゃうのはちょっとさびしいけど、
今日は一緒に寝れるだけで我慢しよう。
そう心にきめて、電気を消し、隣に横になる。
でもやっぱりさびしくて。
「ヤンダ?寝ちゃった?」
「起きてるよ」
何も言わずにいると、
「来いよ。せっかく一緒に寝るんだから近くで寝よう」
「え・・・あ、うん」
コロコロとヤンダのところへ布団の上を転がる。
そっとキスされる。
それだけで、じわって大事なところが湿ってきたように感じる。
胸もなんだかぞわぞわする。
なのに相変わらずやんだはキスだけ。
やんだは…よつばみたいにドキドキとかこういう気持ちにならないの?
一人でこんな風に感じてるんじゃないかってすごく不安になる。
そっとやんだの下半身に手を伸ばす。
「ちょ、よつ…ば」
「おっき……」
自然と言葉が漏れる。
487やん・よつ5:2008/09/21(日) 18:52:44 ID:S5FUyc+X
「…触んなよ。我慢できなくなるだろ」
よつばの手を振りほどく。
「…我慢しなくて、いいよ」
「何言ってんだよ、俺はちゃんと約束守るから」
「だから、そんな約束なんか、してないもん」
そう言うと同時に、やんだが馬乗りになってキスしてきた。
急の展開に心臓が飛び上がる。
「いいの?」
そうキスした唇の間からヤンダは聞いた。
かすかにうなずくと、またキスされる。
ツツってTシャツの上から乳首を刺激された
。直接触られるのとは違ってちょっと変な感じ。
「たつの、早っ」
そういいながらやんだはTシャツを胸の上までめくる。
ちゅってそっと口づけてから、吸い始める。
「ぁ…」
いつもより強い刺激に驚く。
「ゃ…あぁっ……」
乳首をなめながら、やんだは右手で下の方にも手を伸ばす。
ズボンとパンツの中へするすると入り込む。
じっとりと濡れている。
「今日感じやすくね?」
感じるとこを集中的に指で刺激しながらいう。
「やっ…あ、ぁぁっ、ん・・・・・・・・あっあっあぁっ」
だんだん声が大きくなる。
いつもと、なんか違う。
ヤンダはキスをしながら、左手で胸を、右手で下半身を刺激する。
同時にいろいろなところを触られて、刺激が強すぎてどうかなっちゃいそう。
「あぁっ、やぁぁ、………あぁぁぁんっ」
パンって何かがはじけた。
「イった?」
はぁはぁとよつばは荒い呼吸をする。
488名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 20:31:31 ID:0hJ7tHaX
つ、続きを!
いつまでも待ってますので!
489名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:50:53 ID:1L9qtSnq
やんよつ萌えが止まらない
続き楽しみに待ってます!
490名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 00:44:13 ID:HY8yh/TN
ヤンよつって書いてるからヤンデレなよつばかと思ってしまった。

あげ
491名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 01:32:58 ID:R3a8RTWm
このスレいいなぁ
エロパロって漫画のイメージ壊しそうなイメージあるけど、ここ見てるとあったかい気持ちになれる。

とりあえずヤンよつに目覚めてしまったので誰か責任とってくれ
492名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 17:59:06 ID:QbDk7Rob
>>407の続きです。
幾つかお話を書かせていただいていたのですが、
どんどんエロが少なくなってきていることに気付きました。
(453なんてほとんどないですね…)
せっかくのエロパロ板なので、初心に返って
自分なりのエロに挑戦してみました。
どうぞお付き合い下さい。
493風邪と目印 1:2008/09/24(水) 18:00:22 ID:QbDk7Rob
秋も深まりつつある11月のある月曜日の朝。
風香はよつばから渡された体温計をにらんで、軽くため息をついた。
「37.1度。まだ微熱があるみたいだね。
よつばちゃん、今日は学校休んで寝てなさい。こんな日に出て歩いたらますます風邪がひどくなっちゃう」
確かに、今日は朝から冷たい雨が降り続けている。木々を揺らす風もひどく冷たそうだ。
「そうだね、そうする」
今日ばかりは外へ出る気になれない。窓の外を見ながら、素直によつばはうなずいた。
「私は仕事休めないし、小岩井さんも打ち合わせで出かけなきゃいけないんだけど、
よつばちゃん一人で大丈夫?」
よつばに毛布を掛け直しながら、心配そうに風香が言った。
「だいじょーぶだって、よつばももう子どもじゃないんだから。ふーか心配しすぎだよ。」
「そうかな…小岩井さんは夕方には帰れるって言ってたし、私もなるべく早く帰るから。
スープ作っておいたから、お腹空いたら食べてね。
ゆっくり寝てなさいね、うろうろしちゃダメだよ」
「うん、ありがとうふーか」
間もなく風香も出勤の時間だ。慌しく部屋を出て行く風香を見送って、よつばは目を瞑った。
(いやになっちゃうな…)
今日で寝込んで三日目になる。土曜日日曜日と、ずっと熱を出して寝ていたのだ。
金曜の夕方、帰る時に雨に濡れたのが良くなかったのかもしれない。
ここ何日か冬のように寒い日が続いて、風邪気味だったのにダメ押しをしてしまった。
(よつばはいつもこうだ…)
本当は、昨日の日曜日はやんだと映画を見に行くはずだったのだ。
やんだの仕事の忙しい時期が一段落して、久しぶりのデートの約束をしていたのに。
映画を見て、美味しいものを食べて、たくさんお喋りをして…
本当に本当に、楽しみにしていたのに。
泣く泣く風香に頼んでやんだに連絡してもらった。
「安田さんすごく残念そうだったよ」
風香はそう言っていた。
よつばだだって残念でたまらない。
昔から、楽しみにしすぎると体調を崩すのがよつばの悪い癖だ。
(あのときもそうだったな)
とーちゃんとジャンボに、牧場に連れて行ってもらうその朝に熱を出してしまった。
あの時どれぐらい泣いたか分からない。
結局、後日日を改めて牧場に行ったけれど、期待していたものが目の前でなくなってしまうのは、とても悲しかった。
(そういえば、やんだも一緒に牧場に行ったんだっけ…)
昨日は、やんだも楽しみにしてくれてたんだろうな。
やんだに悪いことをしてしまった…
494風邪と目印 2:2008/09/24(水) 18:01:27 ID:QbDk7Rob
よつばは二時間ほどうとうとして、窓を叩く風の音で目を覚ました。
もう一度体温を測ると36.5度まで下がっている。
(もう大丈夫かな)
そう思うと急に元気が出てくる。お腹も減ってきたし、何よりお風呂に入りたい。
ずっと寝込んでいて、2日もお風呂に入っていない。
風香はうろうろするなって言ってたけど、熱も下がったし、きっと大丈夫。
家の中はしんと静まり返っている。とーちゃんももう出かけたようだ。
階下に下り風香の作ってくれたスープで腹ごしらえし、早速お風呂場に飛び込んだ。
熱いシャワーを浴びて体中の汗を洗い流す。髪を丁寧に洗い、歯もしっかり磨く。
(…気持ちいい)
しばらく振りのシャワーが全身を打つ。
ふと、鏡の中の自分が目に入った。
細い肩と手足。小さな胸。
日に焼けていない胸やお腹は真っ白だ。
(やんだは…ここに触れたんだ…)
自分の小さな胸にそっと触れてみる。
風香みたいに立派じゃない、ほんとはやんだも風香みたいなのがいいのかな…
(ちがう…よつばはよつばでいいんだ、きっと)
人と比べたって仕方ないし、やんだはこのままのよつばを好きになってくれたはずだから。
もし昨日、やんだに会えていたら、やんだはよつばに触れていたのかな…
やんだは、よつばに触れたいと思ってくれたかな…
やんだに、会いたいと思った。

風呂から上ると、少し目眩がした。やはり入浴は体力を消耗する、失敗だったかもしれない。
早々に部屋へと戻り、ベッドに身を横たえる。
相変わらず外は冷たそうな雨が降っている。時計に目をやると間もなく正午だ。
(やんだは、今ごろなにしてるかな)
今日も仕事いそがしいのかな。最近あまり家に昼食をとりにもこないらしい。
昨日の約束だって、本当に久しぶりのことだったのだ。
とーちゃんと風香の結婚式のあと、やんだが泊まっていって以来まともに会うことすらままならなかった。
やんだの気持ちは疑ってないけど、会えないのはやっぱり寂しい。
階下から玄関の鍵を開ける音が聞こえた。
(とーちゃんもう帰ってきたんだ、はやいな)
よつばのことが心配で、早めに打ち合わせを切り上げてきたのかな。
階段を上る足音がして、ドアがノックされた。
「はい、どーぞ」
ベッドに横になったなまま返事をする。
「なんだ、元気そうじゃねーか」
「やんだ!?」
ドアを開けて飄々と入ってきたのはやんだだった。
慌てて身を起こす。
「驚いたか?ほら、お見舞」
にやっと笑ったやんだから、ケーキ屋の袋を手渡された。
495風邪と目印 3:2008/09/24(水) 18:02:13 ID:QbDk7Rob
「あ、ありがとう。なに、どうしたの、やんだ、なんで…」
あまりに驚いて、何を言ったらいいのか分からない。
そんなよつばの様子を、やんだはベッドに腰掛け微笑みながら見ていた。
「お前は大丈夫なのかよ。熱は?」
やんだの手がよつばの額にあてられた。やんだの手はひんやりしていて、気持ちが良かった。
「ん、熱はないみたいだな。でもその割には顔が赤いな」
「それは…やんだに会えたから…
昨日は、行けなくてごめんね…今日はどうしたの?」
「そんなの気にすんなよ、具合が悪かったんだろ。映画はまたそのうち行こうな。
今日は…さっき風香ちゃんから電話があって、誰もいないから良かったらよつばの様子を見に行ってくれないかって。
合鍵の隠し場所を教えてくれてさ。昨日よつばがすごくがっかりしてたからって。」
額に置かれた手が髪に移動し、優しく撫でるように動く。
「まあ、風香ちゃんに言われなくとも、夜にでも来てみようと思ってたんだけどな。
思ったよりよつばが元気そうで良かった。安心した」
やんだの手に力がこもり、そっと抱きよせられた。よつばもその力に身を任せる。
「やんだはさ、昨日残念だった?…よつばに会いたいと思った?
よつばに、触れたかった?」
ますます顔が熱くなった。
よつばの額に軽くキスして、やんだははにかんだように言った。
「すげえ残念だったし、すげえよつばに会いたかった。
…俺はいつでもよつばのこと考えてるし、いつでも会いたいし、抱きしめたいと思ってる。
昨日会えたら、よつばの体全部を俺のものにしようと思ってた。
正直今だって、このままよつばに思いっきりいろんなことしたい。
でも、病み上がりだしな…、今日は大人しくしておくかな」
やんだの残念そうな口調を聞きながら、よつばは嬉しくてたまらなかった。
思わず笑いが浮かんだ。
「なに笑ってんだよ」
ちょっとむっとした口ぶりでやんだが言った。
「やんだはさ、よつばがどう思ってるか、しりたくない?」
「…知りたい」
「よつばも、ずっとやんだのこと考えてるし、抱きしめてほしいっていつも思ってる。
やんだに触れてほしいし、よつばもやんだに触れたい。」
やんだの手を取って、抱きしめて、指先にキスした。
「こういうこと、されるのもするのも、すごく嬉しいんだよ…」
「よつば…」
496風邪と目印 4:2008/09/24(水) 18:03:22 ID:QbDk7Rob
ベッドに並んで腰掛けて、やんだの手をしっかりと握り、細い指の一本一本に口付ける。
やんだの存在を確認するように。
くすぐったそうにやんだはよつばを見つめている。
今度はやんだに手をとられる。よつばと同じ様に、やんだもよつばの指に口付ける。
指から手の甲に、そして手首の内側にやんだの唇が移動して行く。
腕の内側を強く吸われ、軽い痛みが走る。
「…いたいよ、やんだ」
「いいんだよ、俺のもんだっていう目印なんだから」
吸われたところを見ると、うっすらと赤く色が変わっている。
「めじるし?」
「そう。消えたらまたつけるからな」
「なんだ、それ」
笑いながら、顔が近付いて、唇が重なった。
よつばは薄く唇を開けて、やんだの舌を待つ。
やんだの熱い舌がよつばの舌に直接触れた。口の中を動き回るそれに、よつばも追いかけるように舌を絡めた。
「…ん、ん…」
思わず苦しげな息が洩れる。
「大丈夫か?」
「うん、ちょっと、苦しかっただけ…」
「無理はすんなよ」
そう言いながらも、やんだの手はよつばのパジャマのボタンを外しはじめている。
よつばの胸が露わになると、やんだは両手で包むようにそっと触れてきた。
こんな瞬間は、いつもどきどきして心臓が張り裂けてしまいそうな気がする。
「やんだはさ、ふーかみたいな胸のほうがいい?よつばはちいさすぎだよね…」
「…よつばの胸が、一番良いんだよ。何いってんだよ…」
唇に優しくキスされ、胸に置かれた手が胸の先端を刺激している。
キスはそのまま首筋から胸元に下りていき、真っ白い乳房をまたきつく吸われた。
何度もそれを繰り返し、よつばの白い胸に赤い花のような跡が点々と散った。
「まためじるし?」
「そうだよ、よつばがいつでも俺を思い出すように」
「ばか…」
そんなことしなくても、よつばはいつでもやんだのこと考えてるのに。
でも、その赤い跡が愛おしいとよつばは思った。
「ほら、横になれよ」
「うん…」
やんだの手に支えられて、毛布の上に横たえられる。
やんだがよつばの上にのしかかり、またキスが始まる。キスの合間に、パジャマのズボンと下着が脱がされた。
「…やんだも、脱いでよ。よつばばっかりはだかじゃイヤだよ。
…よつばがやってあげるから」
「お、おう…」
やんだはかなりびっくりしたようだった。起き上がり驚いているやんだと向かい合わせに座る。
ネクタイに手を伸ばし、ゆっくり結び目を解きワイシャツのボタンを一つ一つ外していく。
「なんか、すげえドキドキすんな」
緊張した面持ちのやんだがつぶやいた。
「よつばのきもちが分かった?」
「…良く分かりました」
497風邪と目印 5:2008/09/24(水) 18:03:57 ID:QbDk7Rob
その後は、やんだはさっさと自分で衣服を脱ぎ捨ててしまった。
そして後ろからぎゅっとやんだに抱きしめられた。
二人でベッドに転がり、しばらく笑いあった。
首の後ろから背骨、肩甲骨と、よつばの骨格を確めるようにやんだは舌を這わせる。
時々、反射的に体がふるえた。
後ろから手がまわされ、痛いぐらいに胸を弄られた。
もう一方の手はやんだしか触れたことのない場所に伸ばされて、快感の中心を探っている。
「う…ん、ん…あっ…」
指が入ってくるのが分かった。痛くはないが、体内のやんだの指の動きに、思わず足がきつく閉じてしまう。
「…ダメだ、足開いておけよ…」
「でも…やんだ…あっ、…ん…」
胸から手が離れ、やんだがよつばの足の間に移動した。
足を押さえられ、すでに充分に濡れていたよつばのそこにやんだが口付ける。
恥しさに思わずぎゅっと目を閉じる。
「う…んっ、あっ…なに…やんだ、い…や」
よつばの微かな抵抗を無視し、やんだの唇や舌が這い回る。
「…やんだ…ってば…」
何とか目を開けると、足の間でいたずらっぽい目でよつばの反応を窺うやんだの顔が見えた。
「…もうっ、…や、だ…あ」
それでもやんだは止めようとしない。
よつばの体に電流のような震えが走り、一瞬息が詰まった。
ようやくやんだが顔を上げ、よつばを覗き込む。
わざと怒ったように目をそらしてみる。
「よつば、怒った?」
不安そうに言うやんだがおかしくて、笑ってしまう。
「おこってない、びっくりしただけ」
「じゃ、気持ち良かった?」
「……」
「言えよ、良かったんだろ」
「…もう、やんだのばかっ!しらない!」
恥しくて、そんなこと言えるわけがない。顔が熱くなって、涙が浮かんできてしまう。
「ごめん、よつば。俺が悪かった、泣くなよ」
よつばの涙に慌てたようにやんだが言った。
「…いいよ、キスしてくれたら許してあげる」
ゆっくり唇が重ねられ、お互いに貪りあう。
「…よつば、俺我慢できそうにない」
返事をするかわりに、やんだをぎゅっと抱きしめた。
「…あっ、あ……ん…」
熱いものが押し当てられ、体内に入ってくる感触に自然に声が洩れる。
さっきからのやんだの愛撫に、すっかり潤っていたよつばは苦もなくやんだを受け入れることができた。
体の中が、やんだで一杯になってしまったような気がする。
やんだの動きが激しくなって、よつばは体全体でその動きを受け止める。
体中が熱くなって、もっとやんだを感じたい、と思う。
「…やんだ…やんだ…」
ただやんだの名前を呼ぶことしかできない。何も考えられない。
「よつば…」
やんだもただよつばの名前を呼んでいる。
やんだの動きが止まり、よつばをぎゅっと抱きしめる。
よつばも荒い息をつきながら、やんだの腕を抱きしめ返した。

「仕事はいいの?」
二人でベッドに転がりながら、よつばはやんだに問いかけた。
昼休みはとっくに終わっている時間だ。
「あー、午後から半休とってきた、無理やり」
「え、だいじょうぶなの?」
「最近忙しすぎだったからたまには良いんだよ。
よつばが具合悪いって聞いたら、じっとしてられないだろ」
「やんだ…ありがとう。すごくうれしかった」
「俺もよつばに会えてすげえ嬉しい」
お互いにそう言って、笑った。
498名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 18:05:08 ID:QbDk7Rob
以上です。
全然エロくありませんね。
すいません。
499名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 19:02:43 ID:K91K2av/
なんてハートウォーミングなやんよつだ!GJ!
500名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 20:55:29 ID:ovLqtLg2
>>498
良いですね〜GJ!
何かヤンよつって癒されますね。
501名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 22:20:42 ID:R3a8RTWm
おまい虫歯にさせる気か
502名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:54:16 ID:aRopptwt
やんよつ見てから原作読み直すとニヤニヤが止まらないから困るGJ

でもそろそろ他のキャラの作品が読みたい
誰かー虎子で書いてくれー
503名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 02:40:18 ID:5N78LT8E
>>502
とーちゃん×とら でいいなら、明日も休みで三連休の俺が書くぜ?
504名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 05:20:07 ID:avKQqZ8u
>>503
三連休ウラヤマシス

伏してお願いしますから書いて
505名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 16:40:10 ID:9cPvs0jO
>>503
mjk!?頼むぜ!
どんな会話になるか楽しみだ
506虎子の秋 1:2008/09/27(土) 15:54:12 ID:aXuwSej+
夏のうだるような暑さが過ぎ去ると同時に銀杏の葉は黄金色に染まり始め、静かに秋の訪れを知らせてくれている。
大学構内の、日当たりのよい一角。料理サークルの学生達が開いているカフェテラスに、少女が一人。
スレンダーな体つきと、それに似合うカジュアルな服装。そして生来の凛々しい顔付きを際立たせるスッキリとしたナチュラルメイク。
その姿を見ただけで、なんとなくどんな人物なのか察することが出来てしまう。そんな彼女は、ちょっと珍しい名前をしている。
その名も。

「あら、虎子じゃない。次講義入ってなかったっけ?」
彼女の名前を呼んだのは彼女の友人の中でも取り分け親しい人物、綾瀬あさぎ。
正反対の性格をしている二人だが、何故か不思議なほどに気が合った。
「今日は休講になった」
「だからここで読書の秋を満喫してるわけか。羨ましいわねー。
 私次英語入ってるのよ。あーやだやだ……」
 虎子の向かいの席に座ったあさぎは、虎子が目を落としている文庫本を眺めながら大げさに肩を落とす。
 虎子はあさぎの様子を特に気にせず、はらりとページをめくる。
「何読んでるの? 面白い?」
「前から読んでるファンタジー小説の続きだ。私は好きだけど、あさぎにはどうかな。少し合わない気がする」
どういう思考経路を辿って自分に合わないという結論に達したのかあさぎは気になったが、
聞いたら聞いたで反論出来ない痛いところを突かれそうな気がして何も言わなかった。
「ふーん。しかし、ファンタジーねぇ。虎子ってそういうのが好きなの? ちょっと意外だわ」
「ファンタジーが好きなんじゃない。これが好きなだけだ。
 で、講義いかないのか? そろそろ時間だが」
「んー……さぼっちゃおっかなぁ。でもあの先生出席率重視だしなぁ。
 課題も無駄に多いし。ってそういや今日提出の課題あったじゃん」
あー、と特に意味の無いことを口にすると、あさぎはだるそうな様子はそのままに立ち上がる。
どうやら行く気になったらしい。
「小岩井さんに悪いし、今日はまじめに勉強してくるわ」
「いつもまじめにやれよ。そもそも小岩井ってだれ?」
「え? あ、そっか。虎子はよつばちゃんしか知らないのか。よつばちゃんのお父さんよ。
 翻訳家らしくてさ、今回の課題手伝ってもらっちゃったのよねー」
翻訳家、という中々珍しい職業を聞いて、虎子は以前会った小岩井の顔を思い浮かべる。
それほど頭が良いようには見えない人物だったが、言われてみるとなんとなくしっくりくる気もしてきた。
彼女がそんな微妙に失礼な思考をしていると、腕時計に目をやったあさぎが、げっ、という顔をする。
「やっば、本気で遅れそう。虎子はもう帰る?」
「いや、もう少し本読んでるつもりだけど」
「じゃ、折角だから一コマ分読書しちゃってよ。そして私を送ってちょうだい」
「……考えとく」
それじゃ、と慌ただしく駆けて行くあさぎを見送ると、虎子は本にまた視線を戻した。
507名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 15:55:16 ID:aXuwSej+
ここまで書いてはたと気付いたのだが、エロくならなそうだけどスレ的にOKなのか?
508名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 17:47:20 ID:tYyEIKzK
>>507
いいんじゃね?
エロくないだと!くだらん!と思ったら読む方がスルーすればいいだけだし
509名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:22:35 ID:aXuwSej+
>>508
そうけ? なら続けるかな。
でもこれから用事で出かけるから、とりあえず書けたとこまでで。
510虎子の秋 2:2008/09/27(土) 18:27:14 ID:aXuwSej+
あさぎが去ってから、虎子は意識を完全に本に向けていた。
虎子は基本的に、続き物を読むことはない。
ファンタジーというジャンルも別に好みというわけでもなく、そもそも本が好きというわけでもない。
なんとなく本を読みたくなったら、適当な物を図書館で見繕って読む。ただそれだけ。
もし仮に「好きな本は?」と聞かれても「特にない」と彼女は答えるだろう。
面白いと感じる本は幾らか読んだが、「この本が好きだ」と言えるような本は読んだことが無かった。
今読んでいるこの物語を読む前は。
彼女がこの物語に出会ったのは全くの偶然。何か読みたい気分になって、これまで通り適当に図書館で借りた時のこと。
喉が渇いたら水を飲むように、一種の欲を満たすためだけに本を開いて。
そして、惹き込まれた。多分生まれて初めて、本に夢中になった。
物語の世界観とか登場人物がよく練り込まれている、というような難しいことはちっとも思い浮かばなかったが。
ただ自然と、この物語は好きだな、と感じたのだ。
この物語が虎子が覚えている限りでは初めて読んだ海外の作品だが、それは関係が無いだろう。
その後に海外の作家が書いた本を読んだ時は、別にこれといった感想も思い浮かばなかったのだから。
虎子は単純に、この物語が好きなのだった。読み終えた後に残ったのは、大きな満足感と少しの寂寥感。
だから、たまたま入った本屋で物語の続巻を目にした時、彼女は柄にもなく少し興奮した。
以来彼女はこのシリーズを欠かさず読むようになった。このシリーズだけは図書館では借りず、自分で買うようになった。
今読んでいるのは、その最新刊。ページをめくる度に、人物達の活躍に胸躍り、予想もしなかった展開に驚かされる。
それで、結局。あさぎが講義を終えるまで、虎子はずっと本を読んでいたのだった。
511虎子の秋 3:2008/09/27(土) 18:30:55 ID:aXuwSej+
秋になってからは、めっきり日が落ちるのが早くなった。
夕日の眩しさに目を細めつつ、虎子は車のハンドルを操る。助手席には、あさぎがくつろいだ様子で座っていた。
「お腹へったなぁ。今日の夕飯はがっつりいきたいところね。
 あ、そうだ。虎子夕飯一緒に食べていかない? 今日は小岩井さん達と一緒に鍋にするのよ」
「鍋か。なに鍋?」
「闇鍋」
「遠慮しとく」
「じょーだんよ!」
間髪入れず断りを入れた虎子が面白かったのか、あさぎはけらけらと楽しそうに笑った。
いつも陽気なあさぎだが、今は普段より更にテンションが高い。
「何か機嫌が良いな」
「あ、わかる? 流石虎子、鋭いねー」
お前の顔を見れば誰でもわかるよ、と思った虎子が先を促す前にあさぎは勝手に喋りだす。
「今回の課題がね、結構難しめだったらしくてさ。提出したのが私いれても十人くらいだったんだけど、
 その中でも私のは凄い出来良かったらしくてS評価だったのよ、これが!」
「へぇ」
「これで単位を落とす心配はなくなりそうだわ。こりゃ小岩井さんさまさまだ」
調子良く喋り続けるあさぎは、どうやらこれからも小岩井に助っ人を頼む気らしい。
ふと、虎子はその小岩井と言う名に覚えがあるような気がした。
なんだったろう、と信号待ちの間虎子は記憶の中からそれらしいのを探してみたが、どうにも思い出せない。
そうこうしている内に信号が青に変わったため、虎子は車を発進させた。
512虎子の秋 4:2008/09/27(土) 18:37:37 ID:aXuwSej+
「おーかえったかあさぎー! おぉ!? とらもいるー!!」
虎子達があさぎの家に到着して早々、丁度自分の家から出てきていたらしいよつばに、満面の笑顔で出迎えられた。
いつも通りに、綾瀬家に出かけるところだったのだろう。
もう何度もよつばと会っている虎子だが、笑顔でないよつばを見たことが無い。
以前自転車で河川敷まで転げ落ちた時は泣きわめいていたが、あれで笑顔のままなら逆に怖い。
「ただいまよつばちゃん」
「相変わらず元気だな」
「よつばはげんきだぞ! げんきはむてきってとーちゃんがいってた!!」
「その通り、元気は無敵よ!」
そのままはぁー! とよく分からない“元気のポーズ”を決める二人。
あさぎのノリの良さに感心しつつ、虎子が煙草を一本取り出し火をつけたところで、
よつばに続いて小岩井が家から出てきた。
「どーも、こんばんは」
「こんばんは」
挨拶されたので、常識として挨拶を返す虎子。
「とーちゃん、げんきないぞ! よつばがてほんをみせてやる!
 こんばんはぁ!!」
「こんばんはぁ!!」
(面白い親子だなぁ)
煙草の先から立ち昇る紫煙を目で追いつつ、ぼんやりと虎子はそんなことを考えた。
513名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:38:36 ID:aXuwSej+
ひとまずここまで。続きは明日になると思う。
それではー。
514名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 20:02:49 ID:tYyEIKzK
おー!楽しみにしてるぞ
515名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 20:39:49 ID:JJx/9cIq
なにこれ、すっごい楽しみなんだけと……
516名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 21:14:58 ID:6n4ArW4P
こうやってからませるのかー

あったまいー
517虎子の秋 5:2008/09/28(日) 23:01:33 ID:hmwwPHtP
「そうそう、今日大学で褒められたんですよ! 「とても綺麗な訳し方だ」って。
 ちょっと中盤の長台詞の辺りが意訳が過ぎるとか言われたんですけど、滑らかな日本語に直せてるって」
「あー、あれですか。確かにBestには強調の意味は無いですからね。
 でもあそこでは何度もBestが使われてたので、繰り返しを敢えて強調と捉えて訳したんですよ」
「さすが、本職は違いますねー。尊敬しますよ。いや、ほんとに」
例の課題について話している小岩井とあさぎ。
二人の姿を視界の隅に置きながらこの後のことを虎子が考えていると、
なにやら視線を感じた。
じーーーー。
「……どうした?」
自分を見つめているよつばの熱視線に首をかしげつつ問いかけた虎子に、
ばっと車を指差してみせるよつば。
「とらこ、くるまにかっこいいじてんしゃのせてた」
「? ああ、そうだな」
「ほかにも、なんかかっこいいのあるか?」
他と言われても……。確かに車には自転車以外にもカメラや、幾つかの虎子の私物が放り込んであるが、
よつばの「かっこいい」の基準がわからない。なにせ、おみやげに拾ってきたボールをくれるような子である。
ちなみにそのボールを、虎子は今も捨てずに車の中に置いている。
「かっこいいかはわからないが……まぁ、一応他にも色々ある」
「みせて!」
にぱっと笑うよつば。虎子は煙草の灰を落としつつ、あさぎ達に目を向ける。
「出来れば、これからも英語分からないときにお頼りしたいんですけど、いいですか?」
「はい。仕事が楽な時はいいですよ。綾瀬さんちには、いつもよつばが世話になってるんで」
「ほんとですか? ありがとうございます」
とまあこんな感じで、二人は話し込んでいる。大方、二人の話に入れず暇だったのろう。
虎子が運転席のドアを開けてやると、よつばは嬉しそうに中を覗き始める。
やがてそれだけでは飽き足らず、ひょいっと車の中に入ってしまった。
518虎子の秋 6:2008/09/28(日) 23:05:51 ID:hmwwPHtP
「あ、こら。上がるなら靴脱げ」
「わかってる! よつばにまかせとけ!」
何を任せろと言うのか。虎子は不安になったが、靴は一応ちゃんと脱いだし、
後部座席に放り込んでおいたルービックキューブをさっそく見つけて夢中になっているよつばを見て。
「まぁ、大丈夫か」
と、よつばから目を離し、すっかり短くなってしまっていた煙草を携帯灰皿の中へ入れる。
「虎子!」
名を呼ばれ、虎子は相変わらず上機嫌なあさぎの方に顔を向けた。
「結局どうするの鍋? 食べてく? ってか、食べていきなさいって!」
「ああ、それじゃあ……」
いただこうかな、という虎子の言葉は。
パァン! パンパン!!
という、車のクラクションでかき消された。
当然の事ながら、クラクションを鳴らしたのはよつばである。
まぁ、子供が車のクラクションを鳴らすというのは、ある意味お約束であるが。
「こらぁ、よつば! ご近所に迷惑だろうが!」
「とーちゃん、ほらほら!」
叱る小岩井に見せつけるように、よつばは窓ガラス越しに何かを小岩井に見せる。
「あっ!」
と、思わず虎子は声を上げた。よつばが手にしているのは、ハンドバックに入れておいた筈の本だったのだ。
破られでもしたら堪ったものではない。慌てて、虎子が何事か制止の言葉を続けようと開きかけた口は。
「ん? そりゃ、俺が訳した奴じゃないか。どうしたんだそれ?」
予想外の小岩井の言葉を受けて、何か意味のあることも口に出来ないまま。
「え……?」
呆けた顔で、虎子は小岩井を見つめることしか出来なかった。
519名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 23:08:14 ID:hmwwPHtP
明日は早いので、申し訳ないがここまでで。
すまない、当初の予定より長くなってしまった。書きあげてから投下すべきだったな。
では。
520名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 23:45:01 ID:r9eo2cHo
ぐぁ……今回もgjだ!!


gjなんだけど……細切れじゃなく、もっと書きためてから投下したら?
521名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 00:54:23 ID:uC5TxQRD
面白かった! GJだ!!
522名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 01:49:39 ID:vk+pH+LA
読みやすい!文章上手いなぁ!
楽しみ楽しみ。
523名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 10:25:42 ID:pHOpgvyj
百合って需要ないのかな
524名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 13:53:32 ID:WgXJwrxC
>>523
あるよー!
てか百合板によつばとのスレがある。
525:2008/10/01(水) 00:19:28 ID:qCV3CvfX
「こんにちはー。いらっしゃいますかぁー。」
よつばの居ない昼間の静かな小岩井家に元気な声が聞こえてきた。
小岩井は階下に降りてドアを開けると回覧板と何か箱を持った笑顔の風香が居た。

「回覧板持って来ました。」
「あぁ。ありがとう。」
「あと、これ美味しくないかもなんですけど…。よつばちゃんと食べてくださいね。」


どうやら手作りのお菓子のようだった。
「ありがとう。良かったらあがってく?」
「じゃあ…。お邪魔しますw」と家に上がる風香

小岩井が入れてくれたお茶を飲みながら風香が言った。
「この間、文化祭に来てもらった時のよつばちゃんが忘れられなくて…。
 リベンジじゃないけど、もうちょっとまともかなって思ってw」

箱を開けてみると何層かの薄焼きホットケーキに生クリームを挟み
更に生クリームとイチゴでデコレーションして可愛くみせている
簡単なケーキのようなものだった。
526:2008/10/01(水) 00:20:44 ID:qCV3CvfX
「ありがとう。よつばも喜ぶよ。うん。立派なもんだ。」
「そう言ってもらえると、しまうーも喜びますw」
「しまうー?」
「あぁ。文化祭前にうちでケーキをよつばちゃんと作った時に一緒だったんです。
 文化祭の時、よつばちゃんにクレープを持って行った子ですよ。
 よつばちゃん、泣きそうだったの見て気にしちゃって。
 それで、一緒に簡単なお菓子の本見て作ったんです。」
「じゃあ、家で待たせてるんじゃないの?呼んでおいでよ。」
「いえ。用があるとかで、作るだけ作ったら帰っちゃいました。」
「そうなんだ…。ありがとうって伝えておいてね。」

「風香ちゃんにもお礼しなきゃね。何が良いかなぁ…。リクエストある?」

ちょっとした沈黙のあと
「小岩井さんが良いです。」
「へっ?!俺?」理解に時間がかかる。

赤面した風香が沈黙に耐えれず
「嘘ですw気にしないでください。」と小岩井の思考を打ち消した。

それでも、どうしたものかと考えていたけど答えが出ない小岩井に対して風香が切り出した。
527:2008/10/01(水) 00:21:48 ID:qCV3CvfX
「キスしてください。おっ…大人のキス。」

正直、この提案は小岩井にとってはよく理解できないものだった。
思春期の少女が何を考えているかなど理解しようというのがそもそも無謀というものだ。


それでもリクエスト通り大人のキスをしてやろうと思った。
(大人を甘く見るなよ)小岩井はそう思った。

「じゃあ、さっそく…。」小岩井はそう言うと
風香の腰を抱え、背中を支えるように抱きかかえると一気に風香との距離をなくした。


一度ギュッと抱きしめてから、風香の顔を見る。
真っ赤になってる風香が目を強く閉じている。

耳元で「大丈夫だから。リラックスして。」と囁く
唇に軽くキスをして、舌を差し入れる。
緊張からか歯に力が入っていて舌が入っていかない。
歯列を舌で丁寧になぞりながら
小岩井の指は風香の背中をそっと下から上になぞっていく。
「あっ…。」風香から甘い吐息が漏れる。
吐息が漏れたことで力が抜けた風香の口内を小岩井の舌が侵食していく。
移動させた手で風香の頭を撫でて、逃げられないようにホールドする。
528:2008/10/01(水) 00:22:42 ID:qCV3CvfX
小岩井の舌がまるで違う生き物のように風香の口の中を動き回る。
上唇も下唇もネットリと唾液を絡ませるように舐められ
オズオズと差し出された風香の舌を強く吸ってみたり
小岩井の舌で風香の舌を絡ませてみたりしながら大人のキスをしていく。

(男の人の舌ってこんなに熱いものなんだ…。)
初めてのキス。それも大人の濃厚なキスを体験した風香は不思議な感覚と
小岩井の舌の動きや体温。そして男の人の匂い全てに対してクラクラしていた。

唾液がネットリと絡んだチュクチュクの音と風香の吐息が漏れる音が室内に響き渡る。


途中、風香のホッペや耳たぶにも軽いキスをしながら
あくまで風香の唇を貪り侵食してゆく。
下唇を甘く吸って小岩井自身も久しぶりのキスを堪能していた。

「んぁ…。」ようやくキスから解放されトロンとした表情の風香に
「どうだった?大人をからかっちゃ駄目だよ。」と小岩井が悪魔のような笑顔でたしなめる。

そんな小岩井に対し、風香は小岩井の首に腕を回し絡ませて
「からかってなんかないです…。」
そう言って、更に小岩井の唇を奪っていく。
529:2008/10/01(水) 00:23:48 ID:qCV3CvfX
軽く触れるようなキスを何度も何度も重ねていく。
今の風香には精一杯のキスだった。

「私の気持ち。伝わりませんか?」
「?」
「小岩井さんが好きです。」
「あっ…。」
いくら鈍い小岩井でもストレートな気持ちを聞かされてビックリしていた。

「俺はてっきりからかわれてるだけなんだと思ってたよ…。」
「そんな…」
「ごめん。ごめん。」
そう謝ると小岩井は風香をキツク抱きしめていた。
風香の甘い香りが鼻腔をくすぐる。

「素直に嬉しいよ。ありがとう。」そう言って無意識に頭を撫でていた。
もう一度、キスをしようとした時だった。
530:2008/10/01(水) 00:25:47 ID:qCV3CvfX
「とーちゃーん」
慌しくよつばが帰ってきた。
慌てて距離をとる二人。
「おー。ふーかが居る。」
「おかえり。よつばちゃん。」
「よつば。風香ちゃんとしまうー?がケーキ作って持ってきてくれたぞ。」
「おー!ふーかありがとなー!」
箱を開けニコニコ顔のよつばが「とーちゃん。食べてもいい?」と聞くので
「いいけど、みんなで食べような。」
そう言いながら、いつもの空気に戻っていった。

(次はいつ二人っきりになれるのかな?)
こっそり考えながら三人でケーキもどきを食べている風香であった。
531名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 00:28:35 ID:qCV3CvfX
虎子の話が途中なのに投下してすいません。
やっぱり自分はとーちゃん風香萌えですw
532名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 00:29:51 ID:yn3Yboy3
533名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 00:31:17 ID:bv41qMj3
不意打ちだったぜ!乙!
534名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 00:45:47 ID:F4BRMuB1
GJ!
だけどどうしても文中のwが気になる…
535名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 02:47:41 ID:FCksbAXL
確かにwは気になった。
しかし純情ふーかはいつ見てもいいな〜。GJ!
536名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 09:04:38 ID:qCV3CvfX
すいません。なるべくwを使わない方向で次を考えてみます。
GJありがとうでした。
537名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 22:44:19 ID:TZnvnCeA
とーちゃんと虎子の続きマダー?
538名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 10:04:03 ID:oBXn5vIb
>>537
すまん、もうちょい待ってくれ。
539名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 11:56:47 ID:Xq03zeIc
職人は締め切りに追われて大変なー
とーちゃんと同じなー
540名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 22:48:41 ID:UbAg3I3l
しめきりってあれな?
もー!ってなったりねれなかったりするやつ…
541名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 10:25:32 ID:bbywo50p
パンツマーン、パンツマーン、どーこにいったのパンツマーン
542名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 10:46:58 ID:hsqz6s08
とーちゃん「パーンティマーン!!」
ふーか「ちょっ! それ私の!!」
543名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 14:22:15 ID:F5e9hjiH
パンティーマン「フオォォォォォ!!」
544名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 18:34:56 ID:B1boFTIX
そして伝説へ
545名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 20:11:55 ID:YRf7ZivZ
パンティーマン「フォォォ…ォ?、ォ、ゴフッ、ゲホッゲホッ」
ふーか「小岩井さん?」
とーちゃん「ちょ、これ臭っ…も…む…り……」
546名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 22:18:58 ID:ImYt2e4Z
質問なんですが。

トイレに挟まった風香をくすぐったり触ったりするFLASH(?)って
どこにありますか?

どなたか親切な方教えて〜
547名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:09:53 ID:N5/dZC0j
548名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 01:21:23 ID:87UJHDE9
>>547
お前優しいな
549名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 21:46:08 ID:iqHJgR+a
まさかその優しさが命取りになるとは・・・まだ若かったのに・・・
550名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 22:39:13 ID:nuZ83MRe
>>547に何がおこったんだよw
551名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 04:59:29 ID:qM0JwpYF
>>546にヤられた
552名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:22:48 ID:8oo+R45X
風香ととーちゃんが好きです

というわけで
風香×とーちゃんを投下

ごめんエロなしオチなし山梨だ
553名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:23:48 ID:8oo+R45X
「今日は登校日なんだ…」
肩を落として歩く風香の瞳には生気というものがなかった。
鉄球がつながれているかのように、その足どりは重い。
「今日は登校日なんだ…」
登校日以来、久しぶりの校舎に入る。
階段を登り、教室のドアを開く。
懐かしい喧騒が風香を待ち受けていた。
「今日は登校日…な…んだ…」
わかっている。
本当はわかっている。
今日が登校日などではないことを。

だからこそ憂鬱なのだ。
やるせないのだ。
足枷をつけられた奴隷のような心持ちになるのだ。
二学期が始まってしまった。

9月とはいえ、まだまだ暑い。
朝の8時だというのに、やかましいセミの声が降りそそいでいる。
今日を出発点に思えば、次の長い休み、年末の冬休みなど、
海の向こうの、遥か遠くに霞がかってみえる。

(夏休みが始まった頃には、2学期がそう見えたのに)

これから1年の中で最も長い2学期を暮らしていかなければならないのだ。
この身を焼くような暑さが、身を切るような寒さに変わる季節まで、
ひたすらこの監獄のような箱の中へ通い続けなければならないのだ。
嗚呼。
少女の絶望は深い。
554名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:24:18 ID:8oo+R45X



互いに、久しぶりに会う友達ばかりが集まっている教室は、
どこか浮かれた賑やかさが充満していた。
「よっ、風香! 久しぶり」
軽く肩を叩かれた。
振り返ると、クラスメイトが笑っている。
1ヶ月半顔を見ていなかったが、まるで昨日会ったかのような気安さを覚える。

「ああ…ひさしぶり。元気だね」
「なァに風香!? その辛気臭い顔!」
「だってぇ」
ため息交じりの声を漏らす。
「これから冬休みまでまで長いお休みないんだよ? そんなの、絶望じゃない…おおもう…」
「まあまあ。確かに2学期は長いけどさ、イイこともあるじゃない? ホラ…もう、来てるよ」
友人が視線で示すクラスの先には、風香がほのかな感情を抱いて「いた」男子生徒が机に座っていた。

快活な笑顔を見せながら、今の風香と同じように、友人と久しぶりの会話を楽しんでいる。
その笑顔が、今の風香には少し辛い。
この男子生徒が、違うクラスの女子と仲良く手をつなぎ街を歩いているところを見てしまった。
失恋。
2度とない、16歳の夏に起きたのは、一生の思い出になるような鮮やかな恋ではなくて、
いとも簡単に散ってしまった、惨めな失恋なのだった。

しかしそのことをこの友人は知らない。
「…それも、絶望よう…」
風香は倒れこむように机に突っ伏した。
てかてかに光る机の天板に向かって、深い、長いため息を漏らす。
「アレ? ひょっとして、何か地雷的なの、踏んじゃったり…?」

突然、風香は身を起こし、
「…そうだよ」
再び机に突っ伏すように頭を下ろした。
少し勢いがつきすぎて、
ガン
と、空の机がいい音で響いた。
555名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:25:14 ID:8oo+R45X
痛い。
痛むおでこを机からそむけると、
やや上空で友人は引きつった笑顔を見せた。
「あ…そうなんだ、ごめん」
「んーん、いい。私もう、吹っ切ったから」
(そう。私はもう、新しい恋を探して、自分の足で歩いていかなくちゃ)
…太い足でな! と言われたことも思い出して、上向いた気分がちょっと曇る。
「ふーぅか」
「?」

見ると、友人がニタニタとかすかな笑みを浮かべている。
「なになになぁに〜? 風香ったら、もう次の恋を見つけちゃったわけ?」
友人は机の横にしゃがみこみ、風香に視線を合わせた。
風香は、ちょうどシーソーのように、友人がしゃがむと同時に身体を起こした。
「違う違う! これから探さなきゃ、ってこと!」
勢いよく両手を振る。そんな、新しい恋なんて、まだまだ見つからない。

まったくこの友人は、人のコイバナとなったらすぐこれだ。
どうしてこう女の子というのは他人の色恋話が好きなんだろうと思う。
…しかしもちろん、自分だって人の恋愛話を聞くのは好きなのだけれども。

しかも、誰か一人に話すと、次の週末には「風香最近あの人とはどうなったの〜?」
なんて浮かれた絵文字つきのメールが友達から送られてきたりするのだから、侮れない。
…やはりもちろん、たまには自分だってそういうメールを送ったりはするのだが。
まあそれは、女子高生にとっては「いい天気ですね〜」というような時候の挨拶みたいなものなのだ。

「そうよ、花の女子高生だもの」
ポツリとつぶやいた風香の言葉を、友人は聞き逃さなかったようだ。
「なになに!? やっぱり新しい相手、見つかったの?」
「だから違うったらぁ」
「なーにが違うのよぉ。よしわかった。じゃ、風香がこの夏休みどうやって過ごしたか、お姉さんに言ってごらん?」
「アンタ3月生まれじゃん」
苦笑しつつも、風香は過ぎ去った夏休みのことに思いをはせた。
女子高生にとって恋愛の話は、あくまで会話のきっかけにすぎないのだ。

実際に聞きたいのは、今日の場合、
しばらく顔を見なかった友達がその間何をして過ごしていたのか、ということだ。
その回りくどい友情のやり方が、すこしわずらわしく、しかしやはり、久しぶりの、
心地よいものだと感じられた。
556名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:25:53 ID:8oo+R45X

「ええーっとねえ、夏休みはなんだかんだ、いろいろやってたよ。お盆はおばあちゃんち行ったり、
 他にも市民プール行ったり、星を見に行ったり、海に行ったり」
指を折りながら夏休みの出来事を思い出す。
自分で言うのもなんだが、今年の夏休みはなんだかイベントの多い休みだった。
「へぇ、色々遊んだんだ…あとは、失恋してみたり?」
「あんたねえ」

友人がくだらない冗談を言う。
人の恋が終わったばかりだと言うのに、それを茶化すなんて。
「あははは、ゴメンゴメン。だって、なんか失恋した割にはそんなに落ち込んでないみたいだからさ」
これもこの友人なりの励ましなのだろう。
「ちょっと心配したんだけどさ、なんだ、ちゃんと楽しい夏休みを過ごしたんじゃない。よかよか」
「ありがと」
「…で」
友人はやはりニヤニヤと、嬉しそうに風香に聞き返した。

「だ・れ・と・海に行ったの? プールは? 星は!? そんなイベントの多い夏を、
 ずっとひとりで過ごしたとは言わないよねえ?」
「誰と、って…やだ、そんなんじゃないよォ。別にふたりっきりで行ったとかじゃないし」
風香は笑って答える。
海もプールも、星を見に行ったのだってたまたまお隣の子と妹が行くのに、ついていっただけだ。
「あ、そうそう。お隣に引っ越してきた子がいてね」

「話をそらすなっ! そんなんじゃない〜…? 怪しい。じゃあ聞きますけど、その中に男はいなかったって言うの?」
「いやまあ、いたけど」
(ジャンボさんと、小岩井さん。ミウラちゃんは…女の子だし)
「ほらいたんじゃ〜ん。ほらやっぱりオトコいたよオトコ〜。も〜、風香はいつもそんなんだよ〜。
 勉強できないふりしてじつはちゃんとできたりさ〜」

友人は机にしがみつき、がたがたと揺らした。
「あ、もう、やめてよ。だから本当に、オトコとか、そんなんじゃないって!」
「う〜そ〜だ〜。また風香だけ一人でいい目を見てたんだ〜」
「ホントホント! だって、オトコの人って言っても、すごい年上の、こ、子供も居る人とかだよ!?」
友人の目がフクロウのように丸くなる。
驚いているようだ。
557名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:26:24 ID:8oo+R45X

「ハ!? 何それ? 不倫!? ちょ、ちょっと、風香! ダメだってそういうの! 
 いくら失恋してショックだったからって、仮にもあなた生徒副会長でしょう!?」
「ちょ、声大きいって! 何を勘違い…!」
風香は友人の口を手で抑えようとしたが、
「私たち高校生だよ! 花も恥じらう乙女だよ! 
 おしべとめしべが関の山で、そういう昼ドラ的ドロドロ展開はまだ早いって!!」
「ちょっと! いったい何を言って…!」
「風香が〜 風香が〜 大人の階段昇る〜 キミは今シンデレラっさ〜」

気がつくと、クラスのほぼ全員が風香たちふたりを見つめていた。
「あ…いや…ちが…」
風香は弁明を試みようとしたが、うまく言葉が出てこない。
違う、そうじゃない、今のはこの子の誤解だと。
顔を真っ赤にしながら脳内コンピュータをフル稼働させたが、カラカラカラと空回りする音が聞こえただけだった。
「あー…綾瀬さん?」
「!」
いつの間にか、教壇に担任教師が立っていた。

「あなたのひと夏のロマンス、あとでゆっくり聞くから…あとで職員室まできてね?」
「ち」
違うんですよお。と言いたかったが
「起立! 礼! 着席!」
弁明の間なく、学級委員が号令をかけてしまっていた。
風香たちを見つめていたクラスメイトも、号令に従って身体を折り、席に着く。
風香はその号令に反応できず、ひとり立ち上がることができなかった。
(息のあったクラスだなあ…)
とぼんやりと思う。

ショートホームルームの間、クラスは風香の噂話をする声で充満したのだった。
(年上? 子持ち? 不倫?)
(海? 星? …ってグアムとか?)
(すっげー、大人しそうな顔して、やるなあ!)
風香はひたすら顔を赤くして耐えたのだった。
(なんでこうなるのよ…)
2学期の初日から、ついていない。
558名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:26:55 ID:8oo+R45X


帰り道。
もう5時になろうとしているが、太陽はまだまだ高く、明るい。
(なんだか2学期初日からつかれた…)
ようやく家に着きそうだ。
ことさらゆっくりと自転車を漕いでいたら、
いつもより2倍くらい時間がかかってしまった。
隣の家の玄関に人影が見えた。
「あ、風香ちゃん、お帰り」
「小岩井さん」
ただいま、というのもなんだか違うなと思ったので、名前を呼ぶだけにしておいた。

小岩井は昼間も見たままの、Tシャツとジーンズの簡単な格好をしている。
「よつばちゃん、大丈夫でしたか?」
昼間、牛乳を届けてくれたのだ。
驚いたことに、学校まで自転車をこいで。
本人は上機嫌で「おこられねーよー!」と豪語していたが、
やっぱり怒られていた。
「ああ、さっきまで泣いてたけど、泣き疲れて眠ってる。
 ごめんね、なんか迷惑かけて」

「ああいえ、いつものことですから」
「いやホント、申し訳ない。ついつい風香ちゃん家には甘えちゃって…」
「あ! ああいえ、そうじゃなくて、全然気にしないでください! 
 それに、牛乳おいしかったです。ごちそうさまでした」
「そう、それならよかった」
「小岩井さん、お買い物ですか?」
「うん。よつばが寝てる隙にスーパーまで。あいつと一緒に行くと、いつもなんか買わされちゃうし」
「あはは、なるほど。…あ、じゃあちょっと待っててもらえます? 私もスーパー行こうと思ってたんです」
「あ、そうなの。じゃあ一緒に行こうか」
「ハイ!」
559名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:27:26 ID:8oo+R45X

風香は急いで家に入り、荷物を部屋に置くと、すぐに引き返してきた。
「ごめんなさい、お待たせしました」
「いや、大丈夫…」
風香を見て、少し考えるような様子を見せる。
「? どうかしました?」
「制服、着替えないの?」
「別に、スーパー行くだけですし」
「ああ、まあ、そうだね。いこっか」
ふたりは並んで歩き始めた。

「そっか、風香ちゃんは今日から2学期だったか」
「そうですよー。もうこれからずっと学校かと思うと…もうね…なにも考えたくなくなります」
「じゃあもう気軽に遊びに誘えなくなっちゃうなぁ」
「ハハ、また土日に誘ってください。恵那も一緒に」
「そうだね…あ、車」
そう広くない道路を、大きなRV車がエンジンをうならせながら走ってくる。
風香は突然二の腕をつかまれ、体を引かれた。
体が、小岩井の身体に触れた。
「危ないよ」

風香は、見上げるような形で小岩井の表情を窺う。
いつもの無表情のままだ。あくまで自然に出た行動なのだろう。
男らしい行動、と言えなくもないかもしれない。
風香は、自分の胸が脈打つのを感じた。
(…アレ、私ドキドキしてる!?)
小岩井は風香の腕を放すと、再び歩き出した。
(ちょっと、こんなベタなので、ドキッとするのも、どうかと思うけどな。我ながら)
しかし風香はベタに弱い自分を知っていた。

(この人は私のことを、どう思っているんだろう)

朝、友達にからかわれたからというわけではないだろうけど、
ふとそんなことを思った。
お隣さんの娘? 娘の仲のいい友達? 自分の仲のいい友達?
どれも本当だし、けれどどれも、今の関係を表すには、何かが足りないような気がした。
「さっきね」
小岩井が言う。
「は、ハイ」
「さっき、着替えてこないの、って聞いたのは」
「はい」
「見るからに女子高生な女の子を連れて歩く俺って、回りからどう見えるのかなと思って」
560名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:30:20 ID:8oo+R45X

「うーん…」
まさか同級生には見えないだろう。
しかし父親という年齢でもない。
年の離れた兄か、それとも…
「おじさん?」
「ぐ」
うなるような声が聞こえた。
「あ、ごめんなさい。そんな年じゃないですよね」
「そうだよね、キミらにとっちゃ20代後半なんてオッサンだよね…」
「違いますよ! オッサンじゃなくて、おじさん! ほら、血縁関係的な…」
「いいっていいって、無理しないで。そうだね、オジサンだね…」
軽く笑っているが、どことなく、から元気のような気もする。

小岩井さんは。
どう、思われて欲しかったのだろうか。
兄妹か、友達か、…恋人か。
ひょっとして、回りから「恋人たち」のように見られたかったのだろうか。
そう思ったとき、また胸が鳴った。
ちょっと、からかうようにして、聞いてみようか。

「小岩井さん、ひょっとして、恋人みたいに――」
思われたいと思ってました?

そう聞く前に、言葉がさえぎられた。
「恋人みたいに思われることは、まあないだろうけどね」
目を細めて、短く笑った。
なんだか話の腰を折られた風香はむっとした。
「なんでですか」
「え、だってほら、年齢からしてさ」

「そんなの、私がオヤジ好きな女子高生なのかもしれないじゃないですか」
「そうなの?」
無造作に聞き返してくる。
「いや私は…! その、違いますけど…」
どういうつもりなのだろう。
「あ、そう」
そしてまたいつもの無表情に戻る。
うーん、なんだかやっぱり何を考えているかわからない人だ。
561名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:31:03 ID:8oo+R45X
沈黙の中で、風香は自分の鼓動が早くなっているのに気づいた。
(私がオヤジ好きじゃないから「残念」って…?)
頬がカーッと熱くなるのをはっきりと意識した。
「風香ちゃん」
「ハイ!? な、なんですか?」
声が上ずってしまった。
「ついたよ。スーパー」
いつのまにか、目的地まで来てしまっていた。
ああもう、なんだというのだろう、今日は。
朝、友達にからかわれてから、ずっと歯車が狂ってしまっているようだ。

どうしてこんな…。
(ホラ〜オトコいたじゃ〜ん…)
友人の声が頭の中でリフレインする。
ブルブルと首を振る。
「調子悪いの?」「だからそんなんじゃないって!」
心の声に対する呟きが、偶然にも問いの答えみたいになってしまった。
「ああいえ、いやその、こっちの話で! ハイ! 全然お気になさらず! どうぞ! お元気で!
 …すいませんちょっと、友達にメールするので、先に言っててください!」
「…そう?」
いぶかしんだ様子ながらも、ひとりスーパーに入っていった。
(ああもう…なんだってこんな)

好きなのだろうか。
あの人のことを。
562名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:31:34 ID:8oo+R45X
だからこんなに意識してしまうのだろうか。
熱くなった頬を手の甲で冷ましながら自問する。
でも、「好き」とは、なんとなく、違う気がする。
それが何かと聞かれると、自分でもはっきりとはわからないけど。
悪く思ってるわけじゃない。
夏休み、一緒に遊んで楽しかったし、一緒にいても、全然いやな感じじゃない。
(ただ少し、何を考えているかわからないところがあるけど)
さっき「もう気軽に誘えないな」といわれたとき。
少し、胸が痛かったのも否定できない。

嫌いじゃないし、むしろ、好意的な感情を抱いてはいる。
けど、やっぱり「好き」とはちょっと違う気がする。
うーん、この感情は一体なんなんだろう。
「憧れ…?」
それだけはないな。
口に出して呟いて自分でも後悔するほど、可能性としては低かった。

風香は少し考えた。
少し考えてもわからなかったので、
もうちょっと考えた。
それでもやっぱりわからなかったので、
「…うん、まあ、いっか!」
考えるのをやめた。

きっと今の感情は、簡単に言い表せることができるものじゃないんだろう。
人間の感情すべてがそんなに簡単に言い表せるものだと、誰が決めただろうか。
だから、今はこの、言い表せない感情そのままでいいんだと思った。
それがひょっとしたら、そのうち恋愛感情になるかもしれないことは、
風香は自分で否定しなかった。
(別に、悪い感情じゃないんだしね)
スーパーに入る。
なんとなく、足が軽くなったような気がした。
563名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:32:31 ID:8oo+R45X
「あ、小岩井さん、今日は何にするんですか?」
「うーん…カレー…かなぁ。カレーならアイツも元気出るだろうし」
アイツとは当然、アイツのことだろう。
叱られて落ち込んでいる、小さな身体で大冒険をした、アイツ。
甘いな。
風香はなぜか、どことなく嬉しいような気になった。
「小岩井さん、今日はちゃんとお財布持ってます?」

「あ、忘れちゃった。お金貸してくれる?」
「…そのおしりのポケットのふくらみは何ですか」
「え? 財布だよ?」
「…おっさん」
「ハハ、ジョーク、ジョーク」
まったくもう。
変な大人だなぁ、と思う。

「風香ちゃん、けっこう料理するんだね」
「まぁ、部活もしてないし、家で暇ですから」
「えらいなぁ」
「そんなことないですよ。なんか、結局自分が食べたいものしか作りませんし」
「いいお嫁さんになるよ。かわいいお嫁さんに」
風香は足を止めてしまう。
また、胸が高鳴っている。
「ん、どうかした?」
あくまでこの人は、いつもどおりの無表情だ。
本当に一体…どういうつもりなのだろう。
「なんでもありません!」
まぁ、いいか。と思う。

いまは、
恋人でもない、
兄妹でも親子でももちろんない、
仲のいい友達のような、
仲のいいお隣さんのような、
仲のいいお隣のお子さんのお父さんとつきあうような、
なんだかよくわからない、
それでも決して悪くない、
心地いい感情を心地よく味わうことで、
何の問題もないんじゃないかな。
そう風香は思うのだった。
(明日は明日の風が吹く、ってね。…なんかちがうかな?)
まぁいいや。
なんか、今、いい感じだし。
そしてその日、2人とも、同じカレーの材料を買って帰ったのだった。






★おわり★
なんだかなんなんだか
564名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:37:07 ID:8oo+R45X
おわりです

長いかなー
まあよしです

風香好きです
エロくなくて申し訳ない




>>547
ェロィネ
565名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:42:17 ID:Pmfyqsqf
GJ!面白かった!!
566名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:53:45 ID:TFoL1MIf
これは誰かが目撃してて、翌日登校してみたら男と二人でいたと早くも噂になってしまっているパターンですね!
567名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 20:36:50 ID:ItZptry5
うん、実におもしろかった
568名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 15:56:33 ID:HjHBydDT
グッジョブなんか自分の痒いところに手が届いた
569名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 21:53:22 ID:IEbqzdGG
虎子・・・
570名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 05:11:24 ID:BhM3H6BD
ルールを良く知らないんだけど、
ここは絵を描いて張ったりしないの?
571名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 21:12:08 ID:C+vDJh4Y
絵のほうは基本的に半角二次元板の領分ですからね。
スレによっては絵も張ったりしてますが。
572名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 21:40:34 ID:XzkxIMfO
挿し絵ならよくね?
573名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 20:03:14 ID:arKPb+HD
貼れば貼る時貼る貼られ

はよ貼られ
574名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 03:29:06 ID:/CU/z4Hc
ブラウザ逝ってスレの読み込みが出来なかったんだが、復旧してよかった!
大好物のジャンみう、待ちに待った虎モノ、もはや王道?とーちゃん風香、ほのぼのやんよつ
初々しいとーちゃん恵那、なぜかウケた公認とーちゃんかーちゃんにパンティマン!
職人の皆々様、ありがとうございます!
575名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:04:37 ID:3/l6doRE
虎子待ちの間に投下してもいいのかな?
576名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:18:02 ID:bor3uyI+
大いに結構
577名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:24:18 ID:3/l6doRE
すでに薄闇が空を包み込み始めていた。
「ふー。もう夏も終わりですなぁ〜」
そう言いながら、ちょっと遅くなった学校からの帰り道を楽しんでいた。

ちょうど公園の前を通りかかった時
「すいませーん。ちょっと道をお聞きしたいのですが…。」
と道に迷ったらしい男の人に声をかけられた。

「ここから駅まで出るにはどう行けば良いですか?」
地図を片手に聞いてきたので風香は自転車を止め
持っていた地図を見ながら説明しようとした。
「あー。駅ならこの道をまっすぐっ…。」

いきなり後ろから口を塞がれ
道を聞いてきた男の人には足を担がれ公園に連れ込まれた。

ヤバイ!瞬間的にそう思ったが口を塞がれ思うように声が出せない。
「むぐー!んーっ!」
それでも必死で抵抗してみせる。
手足をばたつかせようと力を込めるが
男二人がかりで押さえ込まれ逃げれなかった。
公園内のちょっとした植え込みに連れ込まれ
力任せにブラウスを引き裂かれた。
578名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:25:07 ID:3/l6doRE
引き裂かれたブラウス。
ブラジャーを無理やり引き上げられた事で豊満な胸が露わになる。
「っんー!んんーっ!」
「すげー!結構当たりだったな。胸も大きいし、乳首もピンクだ」
ニヤニヤと笑いながら風香の胸を揉んだり顔をうずめ乳首を口に含んだりしながら男が言った。
男の舌の動きが物凄く気持ち悪い…。

本当にヤバイ…。どうやって逃げよう…。
下半身に乗られ口は手で塞がれているし手も足でがっちりホールドされていて
どう考えても、現状は逃げ出す事が難しかった。
もう駄目かもしれない…。悔しい。大粒の涙がこぼれた。

「お前ら何してるんだ!」

男の人の声がした。そう思った瞬間に下半身に乗り胸を触っていた男が視界から消えた。

「うぐっ」
どうやら蹴り飛ばされたようだった。

「女の子から離れろ!」
口を塞いでいた男にも、その人は蹴りを入れた。
「やべぇ。」
男二人は蹴りを入れられたことでパニックになったのか逃げていった。
「大丈夫ですか?」
助けてくれた男の人が聞いてきた。
「ふ…、風香ちゃん?!」
薄明かりの中、聞き覚えのある声。
579名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:25:48 ID:3/l6doRE
「こっ、小岩井さん…?」
「とりあえず大丈夫…じゃあ…なさそうだね…。」
着ていたシャツを脱ぎ風香に渡す。

小岩井を見てホッとしたのか、風香の目からは大粒の涙が溢れて止まらなかった。
「小岩井さん…。小岩井さん…。怖かった…。」
風香は小岩井に強く抱きつき、怖かったと何度も言った。
「もう。大丈夫だから。」
とにかく安心させてやりたかった。

凄く怖かっただろうな…。
小さく肩を震わせ、小岩井に寄り添うように身を寄せていた。
そんな風香の頭を小岩井は何度も何度も優しく撫でていた。

とにかく風香を落ち着かせようと思い飲み物でも…。と思ったが
公園には自販機が無く、かといって一人にするのも危険だった。

「とりあえず帰ろうか。歩ける?」
「はい…。」

暗くなった夜道を小岩井は自転車を押しながら風香の歩くスピードでゆっくり歩く。

「どうする?家に直接帰る?それとも、落ち着くまでうちに居る?」
「とりあえず家に帰ります…。」
580名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:26:45 ID:3/l6doRE
「この格好でよつばちゃんには会いたくないです…。」
そりゃそうだと小岩井も思った。
「うちはよつばとジャンボが居るから直接帰ったほうが良いかもしれない」
「家に帰って着替えます。小岩井さんも一緒に帰ってくれますか?」
「わかった。一緒に帰ろう。傷の手当やお母さんに説明もしないとね…。」

気がつけば抵抗した為か太ももや足には擦り傷が何箇所か出来ていた。
すっかり暗くなった夜道を誰にも見つからないように歩く二人。

「あれ…。誰も居ないのかな?鍵もかかってるし…。」
そう言いながら鍵を開け二人で家に入ってみると
いつもは明るく暖かな綾瀬家には誰も居ない。
リビングの机の上には風香宛の置手紙があった。

お父さんの実家に急用ができたので3人で行ってきます。
日曜には帰るから、それまでお留守番お願いね。
あさぎは友達の所に泊まるらしいから。 母より

タイミングが悪い時は重なるもので、一人で留守番をしなければならないらしい。
とりあえず着替えに行こう。風香はそう考えて
「ちょっと着替えてきます。お茶を入れるのでこの部屋で待っててください。」
弱弱しい笑顔で風香が言った。
581名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:29:34 ID:3/l6doRE
「お茶は良いから…。着替えて、ゆっくりお風呂にも入ってきて良いから。」
「じゃあ…。お言葉に甘えます。」
そう言うと風香は一度着替えを取りに自室に戻ったようだ。
しばらくするとシャワーの音が聞こえてきた。

これからどうするべきか…。
警察に届けるか。届けないか。
風香の気持ちを聞いてから動かねばならない。

「すいません。お待たせしました。」
シャワーですっかり落ち着いたのか、いつもの笑顔の風香だ。

「じゃあ傷の手当しようか?」
「シャワーで流したし大丈夫ですよ。」
「聞きにくいんだけど…。警察にはどうする?」
「あんまり言いたくはないですね…」
そうだろう。それが女の子の心情だろう…。
「どうするかは風香ちゃんに任せるよ。うちに移動する?」
「そうですね。よつばちゃんやジャンボさんも待ってるだろうし…。」

風香は小岩井なりの気遣いが嬉しかった。
「迷惑かけちゃってすいません。」
「みんなで居ると、きっと気がまぎれるよ。」
「そうですね。よつばちゃんやジャンボさんと居ると楽しいですもんね。」
風香にも、ようやくいつもの笑顔が出てきたような気がした。
582名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:30:47 ID:3/l6doRE
二人で隣の家に移動する。
「とーちゃんおかえれー。おー、ふーかも居る。どーぞおかまいですが?」
「ただいま。おかえれってなんだよー。」
「こんばんは。よつばちゃん。」
何も無かったかのように家に上がり4人で過ごした。

ジャンボが帰り、よつばが眠りについた後で
「どうする?泊まる?帰る?」と心配そうに風香に聞いてきた。
「泊まるならよつばの隣に布団を引くよ。
 俺は仕事するから違う部屋に居るし安心して良いよ。」

風香は迷っていた。
「泊まるのは迷惑になりませんか?今、家に一人はちょっと怖いですけど…。」
目を閉じると何時間か前の記憶が生々しく思い出される。
「迷惑じゃないよ。よつばも居るし変な事はしないから安心して。」
笑いながら、風香の頭を優しく撫でる小岩井。

ふいに風香が小岩井に抱きついた。
「小岩井さんなら触れられても大丈夫なのに…。」
「?」
「私、小岩井さんに初めてをしてもらいたいです。」
精一杯の発言だったのだろう。
耳まで真っ赤にして潤んだ瞳で小岩井を見つめている。
583名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:33:11 ID:3/l6doRE
「嫌じゃないの?あんな事があったのに。」
真面目な顔で小岩井が尋ねる。
「嫌じゃないです…。だって…最初は好きな人にしてもらいたいし…。」
強く小岩井に抱きつきながら、風香は自分の気持ちを吐き出した。

「初めては好きな人とがいいです…。」
そんな風香の気持ちを聞き
小岩井はおでこにキスをした。

「こっちにおいで。」手を繋いで
よつばが寝ている部屋から仕事部屋に移動した。

優しく抱きしめながら、軽いキスを何度も色んな所に小岩井はしていく。
おでこ、ほほ、鼻先、唇、耳や耳たぶ。そして首筋。

ゆっくりとキスをしながら
「嫌な感じはしない?嫌だったら止めるから。」と言った。

何時間か前の出来事だったのに、あの知らない男達とはまったく違う
暖かいようなくすぐったいような不思議な感覚だった。

「嫌じゃ…ないです。」
照れたような、それでいて少し笑っている風香をみて安心していた。
「じゃあ、服を脱いじゃおうか。」
そう言って風香の着ていた長袖のシャツを脱がせブラを外す。
584名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:34:32 ID:3/l6doRE
「プールの時に見たけど、やっぱり立派だなぁ」
「小岩井さんオヤジくさいですよ。」風香が素で答える。
オヤジくさいかぁ。そうだよなぁ。そう思いながら
風香の頭を撫で口にキスをした。

ついばむ様なキスを何度かした後、舌を風香の口内に侵食させた。
オズオズと差し出された舌を絡めたり吸い上げたりしながらキスを楽しむ。

「ぷはぁ…。」息をするのを忘れるくらいのキスをして風香はクラクラしていた。
ボーっとしていた時、ふいに胸に刺激が走る。
乳首を口に含み舌で愛撫し始めたようだった。

「あっ…。」ふいに声が出た。
何時間か前には嫌な感触でしか無かったのだが
目の前の光景と感情は嫌なものでは無かった。
むしろ視覚的にエッチな感じだった。
自分の胸じゃないみたいな恥ずかしい感覚だった。
声を我慢しようと口に手を当てていたが
「我慢しないで。声を聞かせて…。」と小岩井が風香の手を口から外す。

自分の声だけど出した事がないような吐息交じりのくぐもった声が出る。
恥ずかしすぎて手で目を覆ってしまう。

胸もおなかも脇腹も…。色んな所を愛撫されムズムズとした感覚が体中を襲っていた。
585名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:47:09 ID:3/l6doRE
どんどんエッチな吐息と声がでる。
くすぐったいような気持ちいい感触でフワフワしていた。
大事な部分を指で触られグッショリと濡れている事に恥ずかしさも感じていた。
586名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:49:53 ID:3/l6doRE
「もう入れてもいいかな?」
そう言うと小岩井は自分のソレをあてがいゆっくりと挿入していく。

メリメリと音がしたような風船が割れるような感覚がした後
急激に痛みがやってきた。
それと同時に気持ちのいい感覚もやってくる。

痛みが鈍くなり始め気持ち良い感覚が大きくなってきた頃
「ゴメン…。気持ちよすぎる。」
ふいに小岩井の腰の動きが早くなったと思ったら
お腹の上に生暖かい感触がした。

「私、エッチしちゃったんだ。初めてエッチしちゃったんだぁ。」
お腹の上の精子をティッシュで拭き取りながら素直な気持ちが言葉に出ていた。

「ゴメン、一緒にお風呂入ろうか?」
小岩井にそう聞かれ一緒にお風呂に入った。
お湯が気持ちいい。

お風呂から出た時、ふいに抱き寄せられ小さな声だったが
「好きだよ。大事にするから。」
そう囁かれ一気に幸せな気持ちになった。
服を着てよつばと三人で川の字になって寝た。
もちろん手は握ったまま。
眠りにつくまで幸せな気分に浸れた風香だった。
587名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:51:42 ID:3/l6doRE
終わりです。
携帯からなんで改行とか色々おかしくなってすいません。
あんまり、良くなかったかも…
588名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:53:00 ID:svMqiXpF
589名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 08:20:31 ID:VA/cQmPH
作者さん乙
590名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 23:58:32 ID:w5fbcY9d
夜の小岩井家では今日も元気によつばが吠えていた。
「とーちゃん、風呂入るぞーー!!」
「おーーー!!」
すぽぽーんと勢い良く服を脱いでまっぱになるよつば。
とーちゃんにめってされると脱ぎ捨てた服をカゴの中に入れる。
とーちゃんもまっぱになると二人で風呂に入った。
そしてよつばが唐突にとーちゃんのちんこを掴む。
「きのこーーー!!」   ぎゅーーーっ!
「ぎゃあーーーー!!」  どたーーーん!
断末魔の如き悲鳴が轟き、とーちゃんがタイルの上に膝をついて倒れこむ。
よつばは亡骸を前にしたようなお決まりの叫びをあげた。
「とーーーーちゃーーーーん!!」

悲劇的なワンシーンみたいな絵が暫く続いたあと、
悶絶したとーちゃんがやっと復活してフラフラと起き上がった。
「それはきのこじゃねえ……ちんこだ……」
「あー、あれなー、ちんこなー」
よくわかんない感じで首を傾げながら肯くよつば。
もじゃもじゃのしたにブラブラしてるものを凝視する。
「あれなー、イカみたいななー」
「イカでもねえ……それを言うなら!!」
とーちゃんがよつばの身体を持ち上げてお尻を丸出しにさせる。
「よつばのお尻は桃だー! くってやるー!!」 がぶっ!
「ぎゃーーー!!」
今度はよつばの悲鳴がバスルームにこだまする。
小岩井家は今日も平和だった。おしまい。
591名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:44:05 ID:7EDlh4oA
>>590
あの親子なら普通にやってそうでワロタw
592名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 03:44:44 ID:V4wl4rKn
>>590
よつばの「うぉー」「すげー!」とか何か解らん「!」声にも
隣は少し興奮w
593名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 08:19:02 ID:uZP3I0O/
よつば×ヒロくん→風香をおねがいします><
594名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 15:50:08 ID:oDNoeLP4
それよりかーちゃんをだな・・・

いえなんでもありません
595名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 20:48:38 ID:3+BgcaGz
俺はとーちゃん×風香が読めれば幸せ
エロならムスコも幸せ
596名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 21:29:20 ID:2Qk5prX3
とーちゃん×虎子
とーちゃん×かーちゃん
とーちゃん×みうら
でお願いします
597名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 08:39:35 ID:BIb1oBvv
それよりもカプ表記してから投下してくれ
受け付けないものをスルーできないだろ?
598名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 21:10:38 ID:F5c6BpOm
最近よつばと!にはまって、初めてSSを書いてしまった
あずまきよひこ恐るべし
とーちゃん×風香 エロなし
投下します
599よつばと結婚紹介所 1/7:2008/10/25(土) 21:16:15 ID:F5c6BpOm
日曜の昼下がり、小岩井家のリビング。よつばはテレビにかじりついていた。
「スゲー!ケーキのおうさまだ!とーちゃんみろ!みろ!」
寝転がって新聞を読んでいた小岩井は顔をあげた。
テレビでは、芸能人の結婚披露宴のケーキ入刀シーンを中継していた。
「でっけーなー!とーちゃんあんなのたべたことあるか?どこでうってる?」
よつばは目を輝かせてテレビを注視したまま小岩井に問いかけた。
「食べた事ないなー。あれはウエディングケーキといって、結婚式で食べるものだ」
「うえでんぐケーキかぁ。あれだけおっきいとぜんぶたべるのになんにちかかるかなー」
ナイフで切る部分以外は作り物だろうが、そんな野暮なことは言わない。
「一人で全部食う気かよ」
よつばはある事を思いついて、小岩井の方に向き直った。
「とーちゃん、けっこんしきのよていはないのか?」
「俺のか?…残念ながらありません。そもそも結婚相手がいないとできない」
「そーかー。ざんねんなー」
少しションボリして顔を下げたよつばだが、すぐにニッコリと笑って顔を上げた。
「よし!よつばがけっこんあいてをみつけてきてやる!おとなりにいってくるなー!」
そう言って、よつばは元気良く外に飛び出して行った。
「…さて、仕事するか」
立ち上がった小岩井は、両手を上げて一伸びした後、二階の仕事部屋に向かった。
600よつばと結婚紹介所 2/7:2008/10/25(土) 21:19:29 ID:F5c6BpOm
よつばはいつもどおりに、お隣の綾瀬家に突撃。
家の前には、虎子の車が止まっている。
勝手にドアを開けて入り、リビングで横たわって通販雑誌を見ている綾瀬母発見。
「かーちゃん!とーちゃんとけっこんしてくれ!」
いきなりそんな事を言われて少し驚き顔の綾瀬母。
「とーちゃんって、よつばちゃんのお父さんの事?残念だけど私はもう結婚してる
のよねぇ。後十年早ければねー」
計算が合わないが、もちろんよつばには分からない。
「そーかぁ…かーちゃんはけっこんしてたのかぁ」
残念そうな顔をしてよつばはリビングを出て行った。
「そーいえば小岩井さんって独身なの?」

恵那が階段を降りてきた。
「よつばちゃん、いらっしゃい」
「えなにはまだはやい!」
「え〜、またそれ?」
不満気な顔の恵那の横をすり抜け、よつばは階段を駆け上がった。
601よつばと結婚紹介所 3/7:2008/10/25(土) 21:20:32 ID:F5c6BpOm
二階に上がったよつばは、あさぎの部屋のドアを勢い良く開けた。
「あさぎ!」
「お、よつばちゃん、今日も元気だねー」
あさぎの部屋には虎子もいた。
「あさぎ!とーちゃんとけっこんしないか?」
「へっ?よつばちゃんのお父さんと?」
よつばの突拍子もない提案に、あさぎは椅子からずり落ちそうになるが、
体勢を立て直すと神妙な顔つきになって答えた。
「残念だけど、今日はそういう気分じゃないのよねー。またにして」
「そーかー、そういうきぶんじゃないなら、しかたないなー。とら!とらはどうだ!」
よつばはめげずに虎子に話を振る。
ベッドに寄りかかって虎子は少し考えた後、いつものポーカーフェイスで返答した。
「遠慮しておこう」
「えんりょかー、とらはニッポンじんだなー…ハァー」
虎子の返事を聞くと、よつばはため息をつきながら部屋から出て行った。
あさぎと虎子は目を見合わせた。
「何だったんだ?」
「さぁー?」
602よつばと結婚紹介所 4/7:2008/10/25(土) 21:22:06 ID:F5c6BpOm
「とーちゃん、にんきないなー…」
色よい返事を聞かせてもらえない展開に、よつばは少し悲しい気分になった。
だが、まだ希望は残っている。風香だ。風香が何とかしてくれるに違いない。
よつばは元気を取り戻すと、風香の部屋のドアを勢い良く開けた。
「ふーか!とーちゃんとけっこんしてやってくれ!もうふーかしかいないんだ!」
寝転がって雑誌を読んでいた風香は、よつばのいきなりの懇願にびっくりして飛び起きた。
「えっ?小岩井さんと?結婚?駄目駄目!私まだ高校生なんだし…」
ブンブンと手を振って、少し頬を染めた風香は語尾を濁した。
(小岩井さんって結婚してないの?バツイチ?シングルファーザーっていうのかしら?
でもいきなり何で?)
小岩井家の家庭の事情をよく知らない風香は困惑している。
「こーこーせいはけっこんできないのか?」
最後の希望によつばは食い下がる。
「まぁ十六才だからできないことはないけど…って、そんなことより、よつばちゃん。
結婚は好きな人同士じゃないとできないのよ」
お姉さんぶってるが、間違った説明をよつばにする風香。
「ふーかはとーちゃんすきじゃないのか?」
よつばは悲しげな顔で風香を見上げる。
「そっ…それはまぁ好きか嫌いかでいうなら、好きだけど…」
顔を真っ赤にして五歳児の質問に真面目に答える風香。
「だったら、もんだいないな」
満面の笑みで答えるよつば。
「えっ!?問題ないの?」
(それって、小岩井さんも私の事が好きってこと!?でも深い意味じゃなくて、
仲のいいお隣さんとしての好きってことだよね。そこのところどうなのよ、よつばちゃん)
心の中で突っ込む風香。
実際のところよつばは、とーちゃんがふーかの事をどう思ってるかは知らないが、
結婚式を挙げるためには、そんな細かい事はどうだっていいのだ。
603よつばと結婚紹介所 5/7:2008/10/25(土) 21:23:22 ID:F5c6BpOm
「とーちゃんはおすすめだぞー。かっこいいしなー」
よつばは、とーちゃんを猛プッシュする。
「そ…そうだねー」
内心、風香もそう思っているし、文化祭に来ていた小岩井を見て、かっこいいと言っていた
クラスメイトがいるのも知っている。普段はだらしない格好だがキチッとした服装、
例えばスーツを着ればかっこいいに違いない。そんな姿は見た事無いのだが。
「りょうりもうまいぞー。イチオシはぎゅうにゅうだ!」
さらに追い討ちをかけるよつば。
「牛乳はお料理じゃないでしょ。でも料理ができる男性ってポイント高いよねー」
その気になりかけている風香。
「小岩井さんって、二十代後半だよね。私と年が一回り違うのかー。ちょっと年の差が…」
と風香は言いかけたが、よつばは真顔でさえぎった。
「あいにとしのさなんてかんけいない」
「そ…そうだね」
五歳児に説得される風香。ふと思いついて気になっていた疑問を聞いてみる。
「よつばちゃんのお父さんって、本当にこんにゃく作ってるの?あの家で作ってるようには
見えないんだけど」
疑いのまなざしの風香に両手を上げて憤慨するよつば。
「とーちゃんが"こんにゃくや"っていった!きょうもパソコンでカチャカチャやってた!」
「えっ!?」
(パソコンでこんにゃく作り?それとも遠隔操作で工場に指示を出しているのだろうか?
もしかして小岩井さんって社長さん!?青年実業家?)
妄想を膨らませる風香。本当は翻訳家なのだが、よつばはとーちゃんの仕事を理解していなかった。
「疑ってごめんね。よつばちゃん」
「ゆるしてやる」
顔の前で両手を合わせて謝る風香を見て、よつばの機嫌も直ったようだ。
604よつばと結婚紹介所 6/7:2008/10/25(土) 21:25:59 ID:F5c6BpOm
遠くを見つめて妄想する風香。ヤバくなってきた。
(小岩井風香かぁ。語感は悪くないかも。コイワイフウカ…コイ"ワイフ"ウカ…俺のワイフです)
小岩井が知り合いに風香を紹介しているイメージが浮かんだ。
(イニシャルは、今がF.A…ファイナルアンサーで、結婚するとF.K…フリーキックに変わるのかー
ってちがーう!正気に戻れ!私)
風香は頭をブンブン振って、妄想をかき消した。
「もし私が小岩井さんと結婚したら、私がよつばちゃんのお母さんになるんだよ。
よつばちゃんは、それでもいいの?」
シリアスな話を振る風香。
「ふーかがかーちゃん!?それはどーだろう」
よつばは困った顔で考え込んだ。
(ふーかがかーちゃん!?うれしいなー)というよつばの喜ぶ姿を期待していた風香も
予想外の反応にショックを受けた。
(私じゃ嫌なの?母親失格!?よつばちゃんの私に対する評価って…)
しばらく二人とも無言でふさぎこんでいたが、顔を上げたよつばは笑顔に戻っていた。
「ケーキのためにがまんしてやる!けっこんしきはいつがいい?あしたか?」
「明日って早すぎでしょ!それにちょっと待って!ケーキって何のこと?」
よつばの発言の意味が分からず、風香はよつばを問い詰める。
「しらないのか?ふーか。けっこんしきにはうえでんぐケーキといって、
めちゃくちゃでっかいケーキがでるんだぞ。とーちゃんとふーかがきるかかりで
よつばがたべるかかりだ!」
よつばは、誇らしげに言った。
「お目当ては、それか!」
605よつばと結婚紹介所 7/7:2008/10/25(土) 21:27:18 ID:F5c6BpOm
よつばの本当の目的に気付いた風香は、小岩井との結婚を真面目に考えた自分が急に
恥ずかしくなって、ベッドにダイブした。
(ケーキのためにがまんって、私はケーキ以下の存在なのか…)
枕に顔をうずめて落ち込んでいる風香を尻目に、よつばは窓に設置されてある糸電話を手に取り
窓を開けた。
「とーちゃーん!おーい!」
ほんの数秒で向かいの窓が開き、小岩井が糸電話を片手に姿を現した。
「どーした。よつば」
よつばは元気良く、綾瀬家全体に響き渡るような大声で言った。
「とーちゃん!ふーかがなー!とーちゃんとけっこんしたいって!よかったなー!」
顔を真っ赤にした風香が、よつばから糸電話を取り上げた。
「違いますー!言ってませんからそんな事ー!」
小岩井は苦笑いを浮かべながら返事をした。
「風香ちゃん。幸せにするから」
「人の話を聞けー!親子そろって私をからかってー!」

その後、しばらくは綾瀬家の全員に冷やかされて赤面状態の風香。
そして冗談と分かっていても、小岩井のセリフを思い出しては悶々とする風香であった。

おしまい
606名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 21:42:21 ID:Luv9jnp5
607名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 22:06:23 ID:gk+0Ye3Y
GJ!
甘酸っぱくてよし!
608名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 22:18:04 ID:Luv9jnp5
そう言えば、とーちゃん×よつば は見ないな
609名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 22:33:32 ID:xEy2WeUw
乙です
ニヤニヤした
610名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:52:43 ID:wO8pxshh
俺の本命キタ!
とーちゃんの返事がそれっぽくていいな
611名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:06:09 ID:C4o6iY3C
ニヤニヤしてしまった!
虎は日本人だなーにわろたわw
612名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 03:21:14 ID:FVpeDUkT
なんか萌えるとか以前に全体的によつばとっぽくて感心した、特に風香
遠隔操作とかファイナルアンサーからフリーキックてw
感心したあとはがっつり萌えた、できればまた頼む
613名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 08:42:53 ID:b372RXVe
他のSSもいいが今のよつばがメインになっているのがGJ

このSSはくにがつくったにちがいない
614名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 08:53:52 ID:URM8K18I
くにかー

ゆめのよう
615名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 19:05:11 ID:7hGTjKqt
おもしろかっぱー
616名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 19:48:56 ID:wO8pxshh
一カ所つっ込むと、風香は一巻で小岩井家の家庭の事情を知ったはずだ。
でもGJ!
とととを思い出した。
617名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 09:23:49 ID:6nSRcGyF
虎子の続きは?
618名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 09:39:14 ID:Puy8jX6g
すごくいい!
619名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 10:06:35 ID:6RhxCfBw
wktkがとまらねぇ!
620名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 21:42:31 ID:eQDJICmh
温かい感想ありがとうございます
調子に乗って続きを書いてしまった
とーちゃん×風香 エロなし
投下します
621よつばと女スパイ 01/10:2008/10/29(水) 21:44:27 ID:eQDJICmh
「ただいまー」
学校から帰ってきて階段を上がろうとした風香に、キッチンにいる母から声がかかった。
「おかえりー、風香、ちょっと来て」
「何ー?」
風香はキッチンを覗き込む。
「これ、渡してきて。小岩井さん家」
コーヒーを飲みながら、風香に回覧板を差し出す綾瀬母。
「えー、たまにはお母さんが持っていってよ」
珍しく母の頼みを拒否する風香。
「どーしたの?風香。せっかく愛しの小岩井さんに会えるチャンスなのに」
そうなのだ。あの日からずぅぅーっっとこの調子でからかわれて、風香も食傷気味なのだ。
「お母さん!いーかげんやめてよ。私グレちゃうよ?」
風香が反抗してみても、綾瀬母はまったく意に介さない。
「風香はいい子だから心配してないわ。ついでに聞いてきてよ。どうやってパソコンでこんにゃく
を作ってるのかを」
(確かに小岩井さんには謎が多い。仕事もそうだし、よつばちゃんを拾ったのが本当ならどういう
いきさつでそうなったんだろう。)
今まではたいして気にならなかったのだが、あの日以来、小岩井を異性として意識するようになり、
もっとよく知りたいと思っている風香だった。
「潜入捜査よ、これは。小岩井家の謎を暴いてきてちょうだい!風香」
昨夜見たスパイ映画の影響だろうか?母の言動がいつもと違う。
「もー、分かったわよ。着替えてくるからそこに置いといて」
結局、風香が折れる事になった。
(小岩井さんに会いたくて行くんじゃないんだからね。頼まれて仕方なくなんだから…)
自分の気持ちをごまかすように、風香は階段を駆け上がった。
622よつばと女スパイ 02/10:2008/10/29(水) 21:45:21 ID:eQDJICmh
ピンポーン
小岩井家のチャイムを鳴らしてから数十秒後、玄関の扉を開けて顔を出したのはよつばだった。
「ふーか!」
よつばは今日も元気だ。
「よつばちゃん、こんにちは。お父さんいる?」
「とーちゃんはしごとちゅーだ」
「呼んできてくれないかな?」
「んー、につまってるから、へやにはいるなって」
よつばは困り顔になった。
("につまってる"?こんにゃくを煮詰めてるのかしら?)
こんにゃくの呪縛から逃れられない風香。
(しょーがないか、回覧板をよつばちゃんに渡して帰ろうかな?)
風香がそう考えてると、
「ふーか、あそんでやるから、あがれ」
よつばがそう言って風香の手を取り、風香は強引に家の中に連れ込まれた。

一階のリビングでよつばと一緒にお絵描きをする風香。
そういえば、結婚の話はどうなったのか気になってよつばに聞いてみる。
「あー、あれなー、ふーかはまだこどもだからだめだって」
(やっぱりそーだよねー。本気なわけないか)
ちょっぴり残念な気持ちになる風香。よつばが描いている絵が気になって聞いてみる。
「これはとーちゃんがしごとしてるところ」
(これが小岩井さんで、これが机、机の上にある大きな四角い物体がパソコンかな?その周りに
たくさんある小さな四角い物体がこんにゃくなのかしら?)
風香の頭の中に、山積みされたこんにゃくに囲まれて、パソコンのキーボードを叩く小岩井が
思い浮かんだ。小岩井の仕事部屋が見たくなってよつばに提案してみる。
「ねー、よつばちゃん。お父さんの仕事部屋、ちょっとだけ見に行かない?」
「だめだ!とーちゃんがおこる」
「そこを何とか」
両手を顔の前で合わせて頼み込む風香だが、よつばは頑なに首を横に振る。
ふと母が言ったセリフを思い出して作戦変更してみる。
「じゃあ、よつばちゃん、スパイごっこしない?」
「なんだそれ?」
よつばが喰いついた。
「私とよつばちゃんはスパイなの。今からお父さんの仕事部屋に忍び込んで重要機密を盗んで
くるのよ」
「ぬすむ!?ふーか、ドロボーか?」
「泥棒じゃなくてスパイよ、ス・パ・イ。スパイは泥棒よりもカッコいいの!しかも女スパイは
セクシーなのよ!」
おもむろにセクシーポーズをとる風香。よつばも負けじと同じポーズをとる。
「スパイ、わかった。まってろ」
よつばは"よつばこ"と書かれたダンボール箱を漁り、水鉄砲を取り出し構えてみせた。
風香の言いたい事が伝わったようだ。
(所詮、五歳児。たわいもないわね)
風香は悪女っぽくほくそ笑んだ。
「準備OK?行くわよ!」
「らじゃー!」
623よつばと女スパイ 03/10:2008/10/29(水) 21:46:05 ID:eQDJICmh
風香は壁に張り付き、辺りを覗いながら足音をたてずに階段を上っていく。心の中で鳴り響く
BGMは昨日見た007のテーマ曲だ。よつばも風香のマネをして、水鉄砲を構えながらついていく。
目的の部屋のドアの前につく。風香はいったん後ろを振り返り、人差し指を口に当ててよつばに
静かにするようジェスチャーする。うなずくよつば。
ドアごしに耳を当ててみる。部屋の中の音はよく聞こえないが、人のいる気配はする。
そっとドアノブを回してみる。鍵はかかっていないようだ。
(ようやく、こんにゃくの謎が解き明かされるのね)
その時、風香の頭の中に、あるイメージが湧いてきた。
一人っきりの部屋、パソコン、成年男子、女っ気なし、こんにゃく、これらすべての要素を
組み合わせて導き出される解答、それは…
(自家発電!)
もしかしたら他人が踏み込んではならない領域、デンジャラスゾーンに足を踏み入れようと
しているのではないか?
風香は一瞬躊躇したが、好奇心には勝てない。
(えーい!女は度胸よ!)
ドアの隙間から部屋の中を覗き見る。風香がそこで目にしたものは!
「わっ!!」
624よつばと女スパイ 04/10:2008/10/29(水) 21:47:00 ID:eQDJICmh
突然、背中を思いっきり押されて、風香は部屋の中に転がりこんだ。
「痛ーっ!何なのー!」
床に転んだまま風香は後ろを振り返る。
「とーちゃん!スパイをみつけたぞ!」
よつばは水鉄砲の銃口を風香に向けたまま、椅子に座っている小岩井に歩み寄る。
小岩井は状況を把握しきれず、呆気に取られている。
風香が懸念していたような状況ではなかったのが、幸いだ。
「裏切ったのね!よつばちゃん!」
「よつばは、いつだってとーちゃんのみかただ!」
セクシーポーズをとるよつば。
五歳児に負けたショックでorz状態の風香。
「とーちゃん!ふーかはぬすむつもりだぞ!」
気を取り戻した小岩井はよつばに聞き返す。
「盗む?何を?」
「とーちゃんのこころです!」
「ルパンかよ!」
同時に突っ込む小岩井と風香。
「とーちゃん、よつば、おてがら?」
「よくやった、よつば。褒めてつかわす」
よつばの頭を撫でる親バカな小岩井。嬉しそうなよつば。
「で?何の用かな?女スパイくん」
小岩井は笑みを浮かべたまま椅子を回転させて風香の方に向き直る。敵の組織の首領っぽい仕草を
する小岩井。かっこつけて足を組んでポーズをとるが、いつものパンツ姿だ。目のやり場に困る風香。
「ごめんなさい、お仕事の邪魔をして。えーと、盗むとかそんなんじゃなくて、スパイごっこを
していて、その、こんにゃくの謎を知りたくて、あの、母に頼まれて、そーだっ!回覧板を持って
きたんです。下から取ってきます」
風香は支離滅裂な言い訳をして、あわてて部屋から出て行った。
「ふーか、へんなー?」
「いつもの風香ちゃんだよ」
失礼な事を言いながら、小岩井はジーパンを履きに隣の部屋に行った。
625よつばと女スパイ 05/10:2008/10/29(水) 21:47:45 ID:eQDJICmh
「これです」
一階から戻った風香は回覧板を小岩井に手渡すと、落ち着いて部屋の中を観察した。
机の上にはデスクトップパソコンがあり、かたわらにノートパソコンも置いてある。部屋の壁の
ほとんどが本棚で塞がっていて、たくさんの本が並べてある。こんにゃくは一つも見当たらない。
良く見ると本の大半が洋書で、風香にはチンプンカンプンな文字ばかりだ。
(海外からもこんにゃくの注文が来るのかしら。こんにゃくは世界的ブーム?なわけないよね。
どう見てもこんにゃくは関係なさそう。学者さん?それとも翻訳…)
閃いた!
「翻訳こんにゃく!」
小岩井が怪訝そうに風香を見る。
「じゃなくて翻訳家!小岩井さんは翻訳家なんですね!」
「うん、そうだよ」
アハ体験中の風香。
「アハハ、よつばちゃーん。こんにゃく屋じゃなくて、翻訳家だよー」
嬉しくなって、よつばの間違いを訂正する風香。
「よつばはさいしょから、そーいってる」
「えー」
何だろう。負けた気分になる風香。
小岩井は回覧板に目を通し、名前の欄に丸印をつけるとそれをよつばに渡した。
「よつば、隣の○○さん家にこの回覧板を渡してきてくれ。できるか?」
「できる!じゃなくて、わかっぱー!」
よつばは元気よく部屋から飛び出した。
626よつばと女スパイ 06/10:2008/10/29(水) 21:49:29 ID:eQDJICmh
二人きりになって、部屋に沈黙が訪れる。風香が小岩井の方を見ると、目が合った。
風香の鼓動が早くなる。
(小岩井さんと二人きりって連載が始まって以来だよね。う〜、ドキドキする。
静まれ、私のビート!)
「仕事が煮詰まってるってよつばちゃんが言ってましたけど大丈夫なんですか?」
「うん、ちょうど山場は越えたところだから」
小岩井は微笑んでいるが、本当だろうか?
(私に気を使ってくれているのかな?自意識過剰かな?)
風香は勘ぐってしまう。
「翻訳の仕事って英語ですか?」
風香は机の上にある本を覗き込む。
「英語もたまにするけど今やってるこれは○○語だよ。こっちの方がお金になるんだ」
「スゴイなー。小岩井さんって本当は頭良かったんですね」
尊敬の眼差しで小岩井を見る風香。
「そうだね。俺って見た目はバカっぽいよね」
小岩井は自虐的に笑う。
「あ、そういうつもりじゃあ…。でもこれでおあいこですね。ほら、海水浴に行った時の」
「あぁ、そういえばそうだね。まあ、お互い様ということで」
二人は、目を合わせて笑った。
627よつばと女スパイ 07/10:2008/10/29(水) 21:52:02 ID:eQDJICmh
風香はある事を思いついて、おずおずと申し出る。
「あの、もし英語で分からないところがあったら、聞きに来てもいいですか?お仕事の
邪魔にならない範囲で」
「タダで?」
意地悪く聞く小岩井。
「もちろんお礼はします。その…家事を手伝うってのは?お料理とか」
「風香ちゃん、料理作れるの?」
さらに意地悪な質問をする小岩井。
「つ…作れますよ!…たぶん。がんばれば何とか。たまに母の料理を手伝うし…」
ジト目で風香を見る小岩井。
「ちゃんと家で練習しときますから!見ててください!」
「その時間を英語の勉強にあてたら?」
「小岩井さんのイジワル…」
拗ねてみる風香。
「ウソウソ。別にお礼とかいらないから。よつばがお世話になってるし」
「ダッ…ダメです!もう料理をするって決めたんだからっ!そうさせてください」
あわてて強引に決める風香。
「わかった。じゃあ料理楽しみにしてるよ、って先に俺が英語を教えないといけないのか」
「後払いでもいいですよ。利子がつきますけど」
「利子ってつまり教える時間が増えるってこと?」
「そうじゃなくて、英語以外にも…その…色々教えて欲しいです…」
(私、何言ってるんだろう…。Hな娘だと思われちゃうかな?)
風香の顔は真っ赤だ。
「英語以外か…。じゃあ○○語も教えようか?英語よりも難しいけど」
「…やっぱりいいです」
(小岩井さんって鈍感?それともわざととぼけてる?)
小岩井を見つめる風香。小岩井はキョトンとした顔をしている。
628よつばと女スパイ 08/10:2008/10/29(水) 21:52:37 ID:eQDJICmh
風香は小岩井に意地悪を言ってみる。
「そーいえばこの前、私の事幸せにするって言いましたよね、小岩井さん」
「冗談だから」
あっさり答える小岩井に、ショックを受ける風香。
「乙女心を弄んだんですね」
風香は小岩井を睨む。
小岩井は少し考えて風香に言った。
「風香ちゃん、俺とよつばがここに引っ越してくる前と後だとどっちが楽しい?」
「それは断然、後の方ですよ。よつばちゃんがいるとにぎやかだし」
(それに小岩井さんがいるし…)
心の中でつぶやく風香。
「楽しいってことは、幸せだよね。つまり、俺はすでに風香ちゃんを幸せにしているって事にならない?」
「詭弁ですよ、そんなの。却下です、却下。ちゃんと責任とってください」
「責任をとるって、どうすれば?」
「それは…、その…、小岩井さんが考えてください!」
「前向きに、善処します」
小岩井は答えをはぐらかした。
「むー」
不満気な風香。
629よつばと女スパイ 09/10:2008/10/29(水) 21:53:09 ID:eQDJICmh
風香は机の正面に貼ってあるよつばの写真に気付いて思い出す。
「小岩井さん、聞いてもいいですか?」
「ん?何を?」
「もしよかったらよつばちゃんを拾って育てることになったいきさつを教えてもらえませんか?」
真剣な眼差しで小岩井を見つめる風香。小岩井はしばらく考えた後、
「いいけど、話せば長くなるよ」
「小岩井さんの時間の都合がよければ、ぜひ聞きたいです」
「立ったままじゃつらいんじゃないかな。椅子はないけど、どうする?」
風香は床にぺたんと座り込んで小岩井を見上げる。
「それじゃあ」
一呼吸置いて、小岩井は語りだした。
若い頃、世界を旅していたこと。旅の途中、足を滑らせて崖から落ちて死にかけたこと。そんな小岩井を
見つけて助けてくれたのがよつばの母だったこと。傷が回復するまで村に数週間滞在したこと。親切な
村人達との心温まる交流。その村が戦争に巻き込まれたこと。命の恩人との死別。赤子のよつばを託されたこと。
今はもうその村は存在しないこと。
小岩井の運命を変えた数奇な旅の物語が風香の目の前で語られていった。
「…というわけで、俺とよつばはこの町に引っ越してきたんだ」
小岩井の話が終わる頃には、風香は号泣していた。
「ぅえっぐ…ぅえっぐ…よつばちゃんに…そんな裏設定が…」
小岩井は一息つくと、最後にこう言った。
「っていう話を考えてみたんだけど、どうかな?面白かった?」
しゃくりあげていた風香の肩がピタリと止まる。
「えっ!?…つく…り…話?」
風香は泣きはらした目で小岩井を見上げる。
「うん」
小岩井はしれっとした顔で答える。
風香の肩がワナワナ震えだした。
「こ〜い〜わ〜い〜さ〜ん!」
すくっと立ち上がった風香は握りこぶしを作りながら、鬼の形相で小岩井に詰め寄る。
慌てる小岩井。
「風香ちゃん、落ち着いて!暴力反対!話せば分かる!」
「問答無用!乙女の涙を返せ!」
ドカッ!バキッ!
風香のかいしんのいちげき!
小岩井に9999のダメージ!
「ぬわーーっ!!」
小岩井は力尽きた。
「お邪魔しましたっ!小岩井さんのバカッ!」
バタンッ!
風香がドアを勢い良く閉め、階段を下りる荒っぽい足音が遠ざかっていくと、部屋に静寂が訪れた。
630よつばと女スパイ 10/10:2008/10/29(水) 21:53:47 ID:eQDJICmh
…数分後。
「とーちゃん!おとなりでケーキたべてきた!かいらんばんいーな!」
上機嫌なよつばが仕事部屋のドアを開けてそこで目にしたものは!?
「とーちゃんがしんでるーっ!」
小岩井家によつばの悲痛な叫び声が響き渡る。
「ふっかーつ!」
小岩井がガバッと起き上がる。
「おー!とーちゃん、いきかえった!」
「よつば、ありがとな。よつばの声でとーちゃん生き返ったよ」
「よかったなー、ふーかはどこいった?」
よつばがキョロキョロ辺りを見回す。
「風香ちゃんは怒って帰っちゃったよ。悪いのはとーちゃんだけどな」
「とーちゃん、こころは?ぬすまれてないか?」
よつばが心配そうに小岩井を見つめる。
小岩井はよつばに微笑み返して、窓の外の夕暮れを眺めた。
風香の驚いた顔、落ち込む顔、慌てた顔、笑った顔、拗ねた顔、恥じらう顔、睨む顔、真剣な顔、
泣いた顔、怒った顔、鬼の様な顔、今日、一日で見た風香の顔が思い浮かぶ。
(見ていて飽きないよな、ホント。一緒にいると楽しい娘だ)
怒って帰ってしまった風香を思い出して小岩井の胸が小さく疼いた。
(なぜ俺は最後に作り話だなんて言ってしまったんだろう?…よつばを同情の目で見て欲しくなかった
からか?彼女の好意に応えるのが怖いからか?俺の本当の気持ちはいったい…)
久しぶりに煙草を吸いたい気分になる。
小岩井は遠い目をして、つぶやいた。
「盗まれたのかもなぁ…女スパイに…」

おしまい
631名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:29:19 ID:IZ4K97x2
>>630
相変わらずハートフルだなwww
gjだwww
632名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:33:20 ID:Y0kiDDbc
ルパンふいたw
前回今回と上手いなぁ
なんつーか、とーちゃんの返し方が大人だ
GJ!次も期待してるぜ!
633名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 17:45:53 ID:Ct2HA7Mq
乙!今回もよかった

>「ふーか、へんなー?」
「いつもの風香ちゃんだよ」

このやり取りなんかそのうち本編で出てきそうだと思ったw
634名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 01:00:03 ID:slMDi2cJ
翻訳こんにゃくwww風香かわいずぎるだろjk
読みながらずっとニヤニヤしちゃったよ
こっから先の展開も非常に気になるところだ
635名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 11:49:41 ID:Y795RKvU
まずはGJ

本編で、翻訳家であることがはっきりするのはいつになることだろう?
まあ、大した謎ではないけどねw

こういう作品を只で読めるのはいいことだ。
thanks!

あせる必要はないけど、次回作が出来たら、書き込んでね。
636名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 15:35:33 ID:56O1mIX9
637名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 20:23:44 ID:x7ISWKWX
温かい感想ありがとうございます。遅くなって申し訳ない
>>342を見て書いてみたんだが、コミック8巻を読み直したらレストランの話でよつばが紙コップを
持ち歩いている。ということは糸電話は繋がっていないということでは…見なかったことにしよう
所詮パラレルワールド、あれは別な紙コップだ、そうだ、そうに違いない、それでいこう!
とーちゃん×風香 エロなし
投下します
638風香と糸電話 1/6:2008/11/06(木) 20:25:46 ID:x7ISWKWX
バタンッ!
風香は玄関の扉を荒っぽく閉める。
「ただいまっ!」
「ずいぶんと長居してたわね。何か進展あった?」
夕食準備中の綾瀬母がキッチンから顔を覗かせる。
「別にっ!知らないっ!あんな人!」
風香の声が廊下に響き渡る。風香はそのまま階段を上って自分の部屋に入っていった。
「珍しいわね、あの子があんなに怒るなんて。あさぎ、ちょっと見てきてよ」
綾瀬母は、大学から帰ってきてリビングのソファーでくつろいでいるあさぎに言った。
「触らぬ神に祟りなし。ほっといた方がいいんじゃないの。…でも面白そうだから見てくるか」
あさぎはいたずらっ子のような笑みを浮かべた。
「あんた、鬼ね」
綾瀬母はあきれている。
「お母さんの娘ですから」
あさぎはニヤリと笑って軽い足取りで階段を上がっていった。
639風香と糸電話 2/6:2008/11/06(木) 20:27:05 ID:x7ISWKWX
風香は部屋に入るなりベッドに倒れこむ。
(小岩井さんのバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ。人が真剣になって聞いてるのに、私を
からかってばっかり。謝ったって許してあげないんだから)
風香は枕に顔をうずめてふさぎこむ。
コンッコンッ
風香のドアをノックする音。
「風香ー、入るわよ」
あさぎが部屋に入ってくる。カーテンを閉めたまま電気もつけていないので部屋は薄暗い。あさぎは
電気のスイッチを押して明かりをつけた。
「何かあったの?優しいお姉さんが聞いてあげるわよ。」
「お姉ちゃんには関係ないから」
ベッドにふさぎこんだままの風香。
「小岩井さんと何かあったんでしょ」
「話したくない。出てって」
とりつくしまもない。
「風香、泣き寝入りはよくないわ。こういうのは話しづらくても警察に通報しなくちゃ」
あさぎは真剣な顔をして携帯電話を取り出し、110番通報しようとする。
「待って待って待って!何カン違いしてるの!」
風香はようやく顔を上げて、あさぎを見る。
「何って、つまり風香が小岩井さんに襲われたんでしょ」
あさぎはとぼけた顔で風香を見る。
「違うから!それに暴力振るったのは私だし…」
「なるほど、風香が小岩井さんを襲ったと」
「ちっがーう!」
そんなやりとりを二人でしていると、隣の家から叫び声が聞こえてきた。
「とーちゃんがしんでるーっ!」
「えーっ!」
驚愕する美人姉妹。
「風香、あんたまさか…」
震える指で風香を指し、後ずさるあさぎ。
「そ、そんな、そんなはずない」
顔からサーッと血の気が引く風香。
「ふっかーつ」
小岩井の声が聞こえてきた。
ホッと一安心する美人姉妹。
「人騒がせな親子だこと」
あきれ顔のあさぎ
「ハハハ…」
風香の乾いた笑いが響く。
640風香と糸電話 3/6:2008/11/06(木) 20:30:35 ID:x7ISWKWX
あさぎと風香はベッドに腰掛けて話し合う。
「へー、小岩井さんが翻訳家?人は見かけによらないわね」
少し驚き顔のあさぎ。
「お姉ちゃん、小岩井さんに失礼だから、それ」
「風香はそう思わなかった?」
「う゛っ、…思った」
図星を指される風香。
「でしょー。でもそのギャップに風香はやられちゃったと」
「そ、そんな事ないし。別にあんな人好きじゃないもん」
風香は顔を背ける。
「へぇー、そーなの。じゃあ私が狙っちゃおうかなー。よく見るとかっこいいし。実は頭もいいなんて素敵じゃない?」
あさぎは風香に笑いかける。
「ダメー!お姉ちゃん、ずるいよ、そんなの」
顔を真っ赤にして、あさぎに詰め寄る風香。
「ずるいってどうして?風香は小岩井さんの事好きじゃないんでしょ」
あさぎも風香にスッと顔を近づける。
「それは…その……………………………………………………………………………………好きだもん」
風香はうつむいて小さくつぶやく。
「はぁー?聞こえんなぁー」
あさぎは耳に手を添えてよく聞こえないというジェスチャーする。鬼だ。
「もー!小岩井さんが好きなの!文句ある?」
風香は自棄になって叫ぶ。
「フッフッフ、とうとう白状したわね。風香は小岩井さんが好きっと」
ニヒヒ笑いしながら、メモをとる仕草をするあさぎ。
「あー、もー、やっぱり今のなし!酷いよお姉ちゃん!」
顔を真っ赤にして抗議する風香。そこへドアをノックする音。
「風香お姉ちゃん、大丈夫?」
学校の宿題を終えた恵那が、風香を心配して顔を覗かせた。
「あっ、恵那、ちょうどいいところに。風香がねーオヒワヒサ…」
あさぎが言い切る前に風香はあさぎの口を手で塞いで叫ぶ。
「恵那にはまだ早いっ!」
「え〜!またそれだ」
恵那はしぶしぶ顔を引っ込めた。
「風香、あんた酷いわね。恵那をのけ者にして」
あさぎは風香の手を払いのけて非難する。
「お姉ちゃんには言われたくないよ」
風香は疲れきった顔で言った。
「まあまあ、愛しの小岩井さんを取ったりしないから安心しなさい」
「お姉ちゃん、私をからかってるだけならもう出てってよ!」
風香は切れ気味だ。
「へぇー、そんなこと言うなら小岩井さんにチクっちゃおうかなー。風香は小岩井さんが大好きですって」
「私、お姉ちゃんに殺意を覚えたかも」
風香は静かに笑みを浮かべた。笑うという行為は本来攻撃的なものであり、なんたらかんたら。
「ウソウソ!ちゃんと協力してあげるから。風香と小岩井さんの恋がうまくいくように」
さすがのあさぎも風香の殺気を感じて、これ以上からかうのをやめたようだ。
「私も協力する!風香お姉ちゃん!」
恵那がいきなりドアを開けて入ってくる。
「恵那!聞いてたの?」
「ごめんなさい。私一人のけ者は嫌だったから」
恵那は両手を顔の前で合わせて、苦笑しながら舌を出す。
「それでこそ私の妹よ。今こそ綾瀬三姉妹の力を合わせる時。さあこっちに来て手を出して。ほら、風香も」
あさぎは自分の手を差し出して、二人の手と重ね合わせる。
「我ら三姉妹、生まれた日は違えど、死すときは同じ日、同じ時を願わん!」
あさぎは高らかに宣言した。
「…お姉ちゃん、何か違わない?これ」
「ごはんできたわよー」
下から綾瀬母の呼ぶ声が聞こえてくる。
綾瀬家は今日も平和だ。
641風香と糸電話 4/6:2008/11/06(木) 20:34:01 ID:x7ISWKWX
夕食をすませて風呂から上がった後、三姉妹は再び風香の部屋に集まった。パジャマ会議だ。
「そーいえばさー、風香は何で怒ってたの?」
風香は先ほどの小岩井家の出来事を二人に話す。
「って言うわけ。酷いでしょ、こっちは真剣になって聞いてたのに。作り話だなんて…」
「ふーん。…まぁ話したくない訳があるんでしょ。他人の子供を育てるなんて、よっぽど深い事情が
あるに決まってるんだから、無理に詮索しない方がいいんじゃない?もっと仲良くなればきっと
教えてくれるわよ」
あさぎが珍しくまともな事を言う。
「…うん、そうだね。…でも向こうが謝るまで許してあげない」
風香は拗ねてそっぽを向く。あさぎと恵那は顔を見合わせて苦笑する。
「ところで風香、小岩井さんと年が離れてるけど気にならない?」
「愛に年の差なんて関係ないもん」
風香はよつばのセリフを思い出す。
「あらあら、愛を語りだしたわ、この娘」
「愛は地球を救うんだよねー、風香お姉ちゃん」
恵那が見当違いな事を言う。
「あえて茨の道を行くのね。相手は三十路前の子連れの男性。付き合うなら結婚も考えないといけないわよ」
「結婚はまだ早いよー。私はもっとゆっくりというか、ちょっとずつ仲良くなっていきたいんですけど…」
「もたもたしてると小岩井さんにお見合い話が来るかもよ。そうなる前にさっさと既成事実を作る事ね」
「えっ、既成事実って?」
「もちろんセッ…」
あさぎは恵那の視線に気づく。
「コホンッ。キスの一つでもしときなさい」
風香と恵那は頬を染めてうつむく。
「よつばちゃんがそばにいるとアプローチしにくいわね。恵那、あんたはよつばちゃん担当よ。
よつばちゃんを遊びに誘い出して、小岩井さんと切り離すの」
「うん。わかったー」
恵那は役割を与えられて嬉しそうだ。
「その隙に風香が小岩井さん家に行くと。そうねー、英語を教えてもらうってのはどう?」
あさぎの提案に風香がおずおずと申し出る。
「…あのー、もう約束してるんですけど。教えてもらうお礼にご飯を作るって事も…」
「やるじゃない風香!おとなしい顔してやることはやってるのね、コノッコノッ」
あさぎは肘で風香を突っつく。恵那もまねして突っつく。
「え〜い、やめれ〜」
風香は二人を振り払った。
「問題は小岩井さんが私を好きになってくれるかどうかなんだけど」
「それは問題ないわよ。風香はかわいいし。ねー、恵那」
「うんうん。それに風香お姉ちゃん、優しいし、しっかりしてるし」
「そんなにほめられると照れちゃうんですけど…」
風香の顔は真っ赤になっている。
「それにこんな立派なモノも持ってるじゃない。小岩井さんだってイチコロよ」
そう言ってあさぎは後ろから風香の胸を揉む。
「私もー!」
恵那も前から風香に抱きつく。
「ちょっ、ちょっとやだっ!もう二人ともやめて〜」
風香の叫び声が響く。こうして綾瀬家の夜は更けていった。
642風香と糸電話 5/6:2008/11/06(木) 20:34:55 ID:x7ISWKWX
深夜。風香は寝付けなくてベッドから抜け出す。机の上の卓上ランプをつけて時間を確認する。
午前一時過ぎだ。小岩井の仕事部屋の明かりはついている。カーテンを開けて小岩井の姿を探す。
仕事部屋の窓にはカーテンがついていないので部屋の中まで見えるが、部屋の奥の机の方までは
見えない。
(徹夜で仕事するのかな?大変だなぁ。…でも昨日の事なんとも思ってないのかなぁ…)
風香は糸電話を手にして窓を開ける。夜風が少し冷たい。仕事部屋の窓は完全に閉まって糸を
はさんでいるのでこれではたぶん音は伝わらないだろう。それでも風香は紙コップに口を当てて
声を出してみた。
「小岩井さんのばかぁ…」
すると驚いた事に小岩井が窓に姿を現した。小岩井は風香に気づくと窓を開けて糸電話を耳に
当てた。
「あ、あの、もしかして聞こえちゃいました?」
少し慌てる風香。
「いいや。風香ちゃんの部屋に明かりがついたから、もしかしたらと思って。なんて言ったの?」
「な、何でもないです。気にしないでください。それよりお仕事の邪魔をしてごめんなさい」
「いや、俺も風香ちゃんの事が気になって仕事に身が入らなかったから。昨日はゴメン。君を
からかうつもりはなかったんだ。許して欲しい」
小岩井は頭を下げる。風香のわだかまりも一片に吹き飛ぶ。
「そ、そこまでして謝らなくてもいいですよ。私も思いっきり殴っちゃったから。私の方こそ
ごめんなさい」
風香も頭を下げる。
「アレは効いたなー。死んだかと思った。風香ちゃんを怒らせると怖いね」
「もー、大げさ過ぎます。それより今日は徹夜ですか?」
糸電話での会話は一方が耳に、一方が口にと交互に繰り返さないといけないので非常に
まどろっこしいのだが、風香はこの真夜中の二人きりの通話を楽しんだ。
何度目のやりとりだろう。風香が紙コップを口に当てて糸をピンと引っ張った時、糸が途中で
プツンと切れてしまった。風雨にさらされて耐久度が落ちていたのだろうか。
風香は頭の中が真っ白になってしまった。小岩井も呆然としているようだ。
風香は気を取り戻して糸電話を修理しようと机の引き出しの中の裁縫セットを探す。
向かいの窓を見るといつの間にか小岩井の姿は消えていた。仕事に戻ったのだろうか。
糸の切れた糸電話を見ると、まるで小岩井との関係まで切れたような気がして、風香は悲しい気分に
なってきた。
糸を見つけて四苦八苦しながら紙コップにセットする。
(向こうに糸を渡すのにみうらちゃんはぬいぐるみにくくりつけて投げてたな。私にもできるかな?)
風香が思案していると窓から何かが飛び込んできた。ポテンと風香の頭に命中する。
見るとよつばのぬいぐるみだろうか、糸巻きがくくりつけてある。
向かいを見ると小岩井が笑って手を振っていた。
(小岩井さんも私と同じ事考えてたんだ。仕事の途中なのに私に付き合ってくれて…………嬉しい)
風香は幸せな気分になって、胸がいっぱいになる。嬉しくて涙がこぼれそうになった。
小岩井から貰った新しい糸を紙コップにセットする。小岩井はその間も待っていてくれたようだ。
(私、小岩井さんが好き、大好き。言っちゃおうかな?どうしようかな?)
風香は直った糸電話を口に当てる。
少し手が震えている。
深呼吸して声を出した。
「…*******」
643風香と糸電話 6/6:2008/11/06(木) 20:35:43 ID:x7ISWKWX
風香は目覚まし時計のベルの音で目が覚めた。時計を見る。
「わっ、もうこんな時間」
風香はベッドから飛び起きる。パジャマを脱いで制服に着替える。昨夜の事を思い出す。
(あれは夢だったのかな)
カーテンを開けて糸電話を確認してみる。糸電話の糸は新しくなっている。赤い糸だ。
(小岩井さん、意図的にこの色を選んだのかな?糸だけに意図的…)
あさぎが聞いたら突っ込みを入れられそうな事を考えながら、運命の赤い糸の先の小岩井の仕事部屋
を見る。もちろんそこには小岩井の姿はない。
結局、昨夜は"おやすみなさい"の言葉しか言えなかった。でも風香は不思議と後悔はしていない。
(まだまだこれから!小岩井さんの方から私が好きって言ってくれるようにがんばるぞ!)
風香は元気良く右拳を天に突き出した。
糸電話を見てある事を思いついて、机の引き出しを開ける。
「風香ー、起きてるー?」
階下から綾瀬母の呼ぶ声が聞こえる。
「はーい!」
作業を終えた風香はカバンを持って階段を下りた。

「おー、ふーか!」
小岩井家の玄関先には、新聞を取るよつばの姿があった。
「よつばちゃん、いってきまーす」
風香は元気良くあいさつをして自転車のペダルを漕ぎ出す。
空を見上げると気持ちのいい秋晴れだ。
(今日も一日がんばるぞー!)
風香の部屋の窓辺にある糸電話には、赤いマジックで大きなハートマークが書き加えられていた。

おしまい
644名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 22:55:06 ID:4ksE7EwN
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
GJ!ほんわかしててイイ!綾瀬三姉妹はやっぱりいいなあ。
645名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 03:40:27 ID:nqrIxbI5
かわええのう!かわええのう!
やっぱり風香が好きだー!!
646名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 04:29:25 ID:VKKhuTIE
風香には自爆がよく似合うww
647名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 00:13:28 ID:s7Jw6HTr
>>643
GJ!風香かわいいよ風香!

………
「皆さんそれぞれ自己紹介をお願いします」

「こいわいよつばです!」
「綾瀬あさぎです」
「あ「ジャンボこと竹田隆です!!」や瀬恵那です…」
「小岩井風香です」
「初耳!?養子にでも来るの?」
「!…そっ、そうじゃなくてっ!!」
「今のはないっすよ先輩」


何というアホな電波
648名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 18:20:57 ID:e8DruSHk
>>647見て思ったけど……“綾瀬あさぎ”ってなんかごろ悪いな(´・ω・)
649名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 08:49:58 ID:sAGPaZUX
>>648
言っちゃらめぇww
650名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 18:57:07 ID:JOuzq1w7
小ネタ
小岩井オンリー、エロなしばかりでゴメン
651とーちゃんとプリン…:2008/11/14(金) 19:02:42 ID:JOuzq1w7
(ちょっと息抜きでもするか)
小岩井は仕事が一段落着いたところで、パソコンにインストしてあるゲームを起動する。
タイトルは○○○セスメーカー。
ファンタジーの世界を舞台とし、魔王から世界を救った勇者が父親となって、孤児の少女を自分の娘として
育て上げていくという一昔前の育成シミュレーションゲームだ。
(この主人公、俺と似た境遇なんだよな)
もちろん小岩井が勇者だというわけではなく、父親一人で拾った娘を育てるところがだ。
(ファンタジーが舞台だから、娘の名はよつば…クローバーにして、性は小岩井…ロックウェルでいいか)
ゲームを開始する。
(しかしこの父親は世界を救った勇者なのに、何でずっと独り身なんだろう。女なんて選り取り見取りだろうに。
って俺も独り身だけど、俺は世界を救ってないんだからしょうがない)
娘の教育方針は腕力、体力が上がるバイトをさせて、武闘派に育てる。
(わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい。しかし娘の養育費を自分で稼がせるなんて鬼だな)
金がたまったら、いい武器と防具を買って装備させて武者修行に出す。
(獅子は我が子を千尋の谷に落とすんだ。必ず生きて帰ってくるんだぞ)
モンスターが現れた。
(ファンタジーの世界に天狗!?しかもボスキャラ並にでかい。強過ぎる。逃げるんだ我が娘よ!)
ザッザッザ………まわりこまれた。娘は力尽きた。
(リセット!)
収穫祭の武闘会に出場だ。娘のライバルも出てくる。
アヤセ家美人三姉妹の長女、美貌と智謀を併せ持つパーフェクトビューティー、アサギ・アヤセ。
同じく次女、ダイナマイトと言うほどでもなくマニアックボディの持ち主、自称風香る、フーカ・アヤセ。
同じく三女、あどけない顔して平気で魚を捌く戦慄の人形使い、エナ・アヤセ。
しなやかな肢体と寡黙な性格、サイレントビューティー、姓は不明、コードネーム"タイガー"。
ダンスとボケなら誰にも負けない、踊りたガール、シマウー・ヒワタリ。
ローラーダッシュが得意なボーイオアガール、ミウラ・ランボルギーニ。
(見た事あるような顔ぶれだな。…気のせいか)
娘は順調に決勝戦まで勝ちあがったが、最後の最後でアサギに負けてしまった。
(手強いライバルだなぁ。来年を見てろよ)
王宮で娘が王子と出会う。
「はじめまして可愛らしいお嬢さん。俺がヤンダ王子です」
(きさまに娘はやらん!)
春夏秋冬、季節ごとには必ずバカンスに行く。
(べ、別に娘のエロい姿が見たいんじゃないんだからな。娘に頼まれて仕方なくなんだから…)
バイトに怪しい酒場、怪しい宿屋が出現。しかしスルー。
(そんな汚らわしいバイト、とーちゃん許さんぞ!)
武闘会でも優勝した。今度は知力、気品を上げてミス王国コンテストに出場だ。
(審査員は金で買収済みだ。なーに世の中金がすべてさ)
ミスコンも優勝した。そして月日は流れ、娘の十八歳の誕生日を迎える。
「お父さん、今まで育ててくれてありがとうございます。私は幸せ者です。あなたがお父さんで本当によかった」
小岩井はよつばの将来の姿を妄想して涙ぐむ。キモい。
エンディングでは、娘は女王になった。
(納得いかないんだよなぁ。国王はいい年したオッサンなのに…このロリコンが!)
ふと時計に目をやると三時過ぎだ。
(おやつの時間か、よつばは帰ってきているかな?)
小岩井は階段を下りる。今日のおやつはケーキ屋で買った本格プリンだ。
台所の冷蔵庫の前には、二つ目のプリンを食べているよつばがいた。
「コラッ!おまえはどうしてそんなに食い意地が張ってるんだろうなー!」
「とーちゃん、ごめんなさーい!」
よつばと、とーちゃんの叫び声が響き渡る。
小岩井家は今日も平和だった。

おしまい
652名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 08:39:34 ID:gQmav9kX
懐かしいプリメww
武道系ばかり育ててしまったよ
653名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 22:32:05 ID:gqQAkT4e
マニアックボディ…









いい…
654名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 12:03:10 ID:3Htby0br
人こない…
655名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 13:03:23 ID:iNLnJ7Dl
過疎化…
656名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 19:58:25 ID:wQqYivq0
とらマダー?
657名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 20:57:18 ID:Jda/Ayh+
とーちゃん×風香
読みたいのでお願いします><
658名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 17:12:27 ID:n5R4SUAG
電撃限定の風香フィギュア来た。
木曜には7限定版が来る。

スレチすまそ。
659名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 15:21:45 ID:ZqcyI2b5
・風香がとーちゃんの部屋で自分のフィギュアを見つけたら
660名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 22:33:37 ID:chNLocST
とをちゃん×よつばって無いの?
661名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 23:19:27 ID:Po3W39f2
規制解除キタ━━
小ネタ

「小岩井さん、プロ野球はどこのファンですか?」
「へー、風香ちゃん、女の子なのに興味あるんだ。俺のあだ名はコイだからね。広島東洋カープを応援してるよ」
「うわー、めちゃくちゃ安易な発想ですね。私の好きな球団はどこだと思います?」
「うーん、どこだろう。変なものが好きだからドアラのいる中日ドラゴンズとか?」
「違いまーす。ヒントは私の名前です」
「名前?綾瀬風香だよね。イニシャルはF.Aかぁ。F.A……フリーエージェント!?カープの敵め!」
「ち、違いますよー。答えは、風香ふうかふーかぷーかプーカ、カープでーす」
「君もめちゃくちゃ安易な発想じゃん。っていうか君もカープファン?」
「エヘヘッ、来年は一緒に新球場に応援に行きませんか?」
「よし、よつばも連れて一緒に行こう!来年こそBクラス脱出だ!」
「そこは嘘でも優勝って言いましょうよー」

>>657
続きは書いていますから気長に待っていてください
俺のことじゃなかったらすいません
俺も他の職人さんのSSを読みたいです
662名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 14:27:16 ID:ad+Nfe90
とらマダー?
663名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 22:59:11 ID:CJYQsufZ
とーちゃん「パンツマーン!!」
とら「…………」

ジュッ

とーちゃん「熱いっ!!」
とら「あ、すいません。つい」

っていう、とら待ち&他のSS待ち保守。
664名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 01:35:14 ID:VYIlnAZ9
とらはMじゃないのかな?
665名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 08:36:19 ID:TbCIFv74
普段 S
セクロス M
666名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 10:50:02 ID:rLh68znV
だいぶまえのトラってまだ完結してないだろ
667名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 03:44:29 ID:uMG4c1Yl
それを今でも待ってる俺
668名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 14:02:01 ID:qsWMvG79
やんだみたい
669名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 03:53:11 ID:vY76xC17
やっぱり風香とセックスすると気持ちいいな。
おっぱいが気持ちいいな。
670名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 10:28:55 ID:sxkYHYDh
文化祭のお化け屋敷のねーちゃんもいいよな
671名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 19:38:56 ID:zvnRYjz/
とーちゃん×風香 エロなし
投下します
672風香とコイのレッスン 01/14:2008/11/30(日) 19:43:55 ID:zvnRYjz/

ピンポーン
土曜日の昼下がり、小岩井家にチャイムの音が鳴り響いた。
小岩井が玄関の扉を開けるとそこにはお隣の綾瀬家次女、風香が手さげ袋を後ろ手にして笑顔で立っていた。
「こんにちは、小岩井さん。英語の宿題で分からないところを教えて欲しいんですけど、今大丈夫ですか?」
「ああ、急ぎの仕事もないし別にいいよ。それにしても……」
風香は小岩井の答えを聞いて「やった」と小さく呟く。小岩井は風香を見ながら言葉を続けた。
「今日の風香ちゃん、いつもと何か違うような?」
「そうですか?エヘヘッ」
小岩井が気付いてくれたので、風香は嬉しくなって身体をクルッと一回転させた。
タータンチェックのスカートがフワッと浮き上がる。
風香は当初、ジーンズと変な柄がプリントされたトレーナーといった普段の格好で出掛けようとしたのだが、
姉のあさぎに呼び止められてダメ出しを喰らってしまった。それからあさぎに服をコーディネートしてもらって
チェックのスカートにカーディガンを組み合わせた可愛らしい服装に着替えたのである。極め付けにいつもは
スッピンの風香が、あさぎにナチュラルメイクをしてもらえば、無敵の美少女、風香る風香の誕生だ。
今日の風香は一味違う。
「いつもの風香ちゃんじゃない。君は誰だ!正体を現せ!」
風香は自分を指差してボケる小岩井に、弱パンチでツッコむ。
「もー。変なボケはいらないです。ちゃんと褒めてくださいよぅ」
そう言って風香は頬を膨らませてむくれてみせた。
「ゴメンゴメン。今日の風香ちゃんはいつもより一段とかわいいね」
小岩井は風香を眩しそうに眺める。
風香は小岩井の褒め言葉を聞いて、天にも昇る心地になった。
(わーい、褒められたー。いつもかわいいだって。今日はもっともっとかわいいだって。嬉しいな)
ヘブン状態に入っている風香に、小岩井は真面目な顔をして言う。
「社交辞令だよ、グハッ……」
「おじゃましまーす。小岩井さん、早くしてくださいね」
鳩尾に強パンチを喰らってしゃがみこむ小岩井を尻目に、風香はさっさと小岩井家に上がりこんだ。
673風香とコイのレッスン 02/14:2008/11/30(日) 19:45:08 ID:zvnRYjz/
小岩井家のリビング。風香は正座してちゃぶ台の上に英語の教科書を開いた。
小岩井はパンツ姿からジーンズに着替えて、風香の左斜めに胡坐を掻いて座る。
「今日はよつばちゃんは?」
知ってるくせに風香はとぼけて小岩井に尋ねる。実は事前に恵那に頼んで、よつばを連れ出してもらったのだ。
「よつばは恵那ちゃんと一緒に遊びに出掛けたよ。みうらちゃん家に行くって言ってたな」
「そうなんだ。じゃあ今日は二人っきりですね」
風香は小岩井に意識してもらいたくて、そう言って小岩井を上目遣いで見つめた。
「まぁ、よつばがいると勉強に集中できないから、ちょうど良かったんじゃないかな」
小岩井は風香の気持ちも知らずにそう返事をする。恐ろしいほどに鈍感な小岩井に、風香は少しがっかりした。
「じゃあ始めようか」
「よろしくお願いします。小岩井先生」
風香はペコリとお辞儀をした。
「せっ、先生?」
たじろぐ小岩井に風香はニッコリと微笑み返す。
「だって年上の人に勉強を教わるんですから先生と呼ぶのがスジじゃないですか。嫌ですか?」
「まぁ嫌じゃないけど……。慣れてないからね」
「じゃあ早く慣れてくださいね、小岩井センセッ」
風香はいたずらっぽい笑みを浮かべた。小岩井は照れて頭を掻いている。
(エヘヘッ、手ごたえ有り。あさぎ姉ちゃんのアドバイス通り、まずは先生作戦成功だね)
すでに風香はあさぎから小岩井を落とす作戦を伝授されている。予習はバッチリ、後は実践あるのみだ。
「ここのページから訳さなくちゃいけないんですけど……」
風香は英語の教科書を指差して小岩井に見せた。身を乗り出す小岩井に風香は言ってみる。
「小岩井先生、隣に来てくれた方がやり易いと思うんですけど」
「んっ、そうだね……そうしようか」
そう言って小岩井は風香の左隣に座り直す。二人の肩がもう少しでくっつきそうな距離だ。
小岩井は風香が差し出す教科書のページにざっと目を通した。高校レベルの英語など小岩井の敵ではない。
「風香ちゃん、英語は苦手?」
「苦手っていうか、成績はそんなに悪くないんですけど、英語の長文を見るとうわーって思ってしまうんです」
「ふーむ」
小岩井は日本の英語教育に失望感を抱いていた。中・高で習う受験英語はまったくの無駄とは言わないけれど、
英語をマスターするには非効率的なのだ。目の前にいる英語アレルギーの少女を自分が必ず救ってやるぞ、
と小岩井は変な使命感に燃えていた。
「よし!風香ちゃん。俺がまず英文を文章ごとに声を出して読んでいくから、後についてきて。それから
日本語に訳していくんだ。分からないところは俺がフォローするから」
「えっ、声に出すんですか?」
「赤ん坊だってまず耳で聞いてからそれを真似て声を出すだろ。それと一緒だよ。英語はリズムが大事なんだ。」
「はい。小岩井先生」
小岩井の英語のレッスンが始まった。
本来ならここで風香が小岩井に身体を密着させてアプローチするというのが、あさぎからアドバイスされた
スキンシップ作戦なのだが、とてもそんな事ができる雰囲気ではなかった。
風香は真剣な眼差しの小岩井を目の当たりにして、不純な動機で英語を教えてもらおうと思っていた自分が
恥ずかしくなった。風香は作戦を封印して、心の中で深く反省した。
小岩井の指導の下、宿題の範囲の和訳は意外に早く終了した。
「小岩井先生、すごく分かりやすかったです。これなら英語の教師にだってなれますよ。」
これはお世辞ではなく風香の本心からでた言葉だった。風香は尊敬の眼差しで小岩井を見つめる。
「ありがとう。まあ、これでも翻訳家の端くれだから。それに生徒が優秀だから教えやすかったしね」
「もー、小岩井先生ってば口が上手なんだから、コノッコノッ」
風香は照れながら人差し指で小岩井の頬をツンツンと突く。
「社交辞令だよ、グハッ……」
風香の人差し指が鉄拳に変わって、小岩井の頬にヒットした。
「いいかげんにしないと怒りますよ」
「……殴ってから言うセリフじゃないと思うんだが」
674風香とコイのレッスン 03/14:2008/11/30(日) 19:46:16 ID:zvnRYjz/
小岩井は台所でお湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れて休憩を取った。
風香には通販で買った牛乳を温めてホットミルクにして出す。
ホットミルクを受け取った風香は、フーフーと息を吹きかけて冷ましながら飲む。
「おいしーい。この牛乳っていくらしました?」
「一リットル瓶六百円だったかな。フフフッ」
小岩井はなぜか風香の顔を見て笑っている。
「通常の三倍の値段!……なんで笑ってるんですか?」
首をかしげる風香に、小岩井はティッシュを差し出して言う。
「風香ちゃん、白い髭が生えてるよ」
自分の口の周りに牛乳の白い膜がついている事に気付いた風香は、あわてて小岩井からティッシュを受け取り
口を拭った。
「もー、小岩井さんに変なトコ見られちゃった」
「気にしない、気にしない。風香ちゃんが変なのはいつもの事だから」
「どーいう意味ですか!」
風香はキッと小岩井を睨んだ。小岩井は肩をすくめて、誤魔化すようにコーヒーカップに口をつける。
「小岩井さんは私の事そんな目で見てたんだ。変な子だって……」
風香は小岩井を困らせてやろうと思って、拗ねた口調でそっぽを向いた。
「ごめん。風香ちゃんがかわいいから、ついからかってしまうんだ」
小岩井の言葉に嬉しくなる風香だが、まだ許さない。
「またそう言ってからかってるんでしょ。もう小岩井さんの言葉は信用しませんから」
風香の言葉に小岩井は少しからかい過ぎたかな、と思って苦笑する。
「どうすれば機嫌を直してくれる?」
「言葉じゃなくて、行動で」
風香は小岩井の顔をジッと見つめる。
「えーと、土下座しろって事?」
「そんなんじゃなくて、その……、頭をナデナデしてくれたら……」
ずいぶんと子供っぽい事を言っちゃったな、と風香は恥ずかしげに俯く。
風香の提案に戸惑う小岩井はしばらく逡巡した後、風香に近づいて掌を風香の頭の上に置く。
「風香ちゃん、これでいい?」
小岩井は声を掛けて風香の頭を優しく撫でた。
風香は恥ずかしいやら嬉しいやらでまともに小岩井の顔を見れず、俯いたままコクンと小さく頷いた。
そんな可愛らしい仕草をする風香を見て、小岩井は優しく微笑む。
ふと、リビングの入り口に人の気配を感じた小岩井がそこに目をやると、コンビニ袋をぶら下げたスーツ姿の
ヤンダが呆然と立ち尽くしていた。
675風香とコイのレッスン 04/14:2008/11/30(日) 19:46:57 ID:zvnRYjz/
「うわっ、ヤンダ!いつからそこに!?」
小岩井は驚きの声を上げると、慌てて風香のそばから離れた。
風香の方はというと突然現れた見知らぬ人に気付いて固まったままだ。
「今来たところなんですけど、邪魔したみたいッスね。帰ります」
ヤンダは顔を引きつらせたまま、気を利かせて帰ろうとする。
慌てて小岩井が立ち上がってヤンダを呼び止めた。
「待て待て待て、誤解するなよ。彼女は隣に住んでる子でよつばと仲良くしてもらってるんだ。それで英語を
教えてあげていて、よくできましたのご褒美に頭を撫でていただけだから。おまえが考えているような事は一切
していないからな。ドゥーユーヤンダースタン?」
小岩井は早口で捲くし立てる。パニック状態で喋るから最後はなぜか英語で質問してしまった。
「はぁ」
小岩井の気迫に気圧されたヤンダはただ曖昧に頷くしかなかった。
「だいたい人の家に上がるんならチャイムぐらい鳴らせよ」
「ちゃんとお邪魔しますって言いましたよ。聞こえていなかったみたいですね」
ヤンダが痛いところを突いてきた。二人の世界に入り込んでしまって聞こえなかったようだ。
「昼メシの時間にしちゃ遅いんじゃないか?」
「今日は忙しくて中々休めなかったんですよ。結局俺はここで食べてもいいんですか?」
「あぁ、別に構わないよ。お湯はやかんに沸かしてあるから」
「じゃあ、遠慮なく」
ヤンダは赤面して黙りこんだままの風香に笑いかけながら、台所の方に消えていった。
676風香とコイのレッスン 05/14:2008/11/30(日) 19:47:56 ID:zvnRYjz/
小岩井と風香は互いに目を合わせてホッと一息つく。なんとか誤魔化せたようだ。
「誰ですか?あの人」
「あいつは後輩のヤンダ。何故か人の家で昼飯を食っていくどーしようもない奴だ」
小岩井は悪態をつくが言うほど嫌っているわけではない。風香もそれを小岩井の表情から察した。
カップ麺にお湯を注いで戻ってきたヤンダは風香の対面に腰を下ろす。
「そういや、よつばの姿が見えないけど」
コンビニで買ったおにぎりをビニール袋から取り出しながら、ヤンダは小岩井に尋ねる。
「外に遊びに出掛けてるよ」
「ほぉー、ってことは二人っきりで何のお勉強をしていたのかなー」
ヤンダはいやらしい目つきで小岩井を見つめた。
「おまえ、出入り禁止にするぞ」
「すんませんでした」
二人のやり取りに風香はつい笑ってしまった。それに気付いたヤンダは風香の方を見てニッコリと微笑む。
「はっ、はじめまして、綾瀬風香です」
風香はぽっと顔を赤らめながらヤンダにあいさつした。いつもは初対面でも物怖じしない風香だが、あんな
ところを見られた後なので仕方ない。
「俺は安田っていいます。風香ちゃんかぁ、かわいいね。高校生?」
「はい、二年生です」
「ってことは十七歳!?犯罪じゃないッスか、小岩井さん!一人だけいい思いしやがって、チクショー!」
ヤンダは小岩井に食って掛かった。よっぽど羨ましかったのかつい本音も出てしまっている。
本当はまだ十六歳だと言いたい風香だが、火に油を注ぐようなのでやめておいた。
「だから英語を教えていただけだって言ってるだろ。落ち着け!」
小岩井とヤンダの言い争いはカップ麺ができあがるまで続いた。
677風香とコイのレッスン 06/14:2008/11/30(日) 19:48:43 ID:zvnRYjz/
ようやく二人は言い争いをやめた。ヤンダはカップ麺を食べながら風香に尋ねる。
「風香ちゃん、隣に住んでるってことはお姉さんとかいない?髪が長い、モデルさんみたいな。名前はたしか
うさぎ……だったかな?」
「あさぎ姉ちゃんの事ですか」
「そうそう、それ!あさぎさん。小岩井さん、聞いてくださいよー。ケチな花屋のせがれは何にも教えて
くれなかったんですよー」
「あぁ、ジャンボは彼女に好意を持ってるからなー。あっ、風香ちゃん、これ黙っててくれる?」
「黙るも何もジャンボさんの態度じゃ丸分かりですよー」
「ジャンボさんはキリンさんやゾウさんとでも付き合ってればいいんだよ」
「おまえ、何気に酷い事言うなぁ」
「風香ちゃん!俺の事お姉さんによろしく言っておいて。今度遊びに行きましょうって」
「あー、こいつの言う事は無視していいから」
「ひでーよ、あんた自分だけ幸せ独り占めする気かよー」
「だから誤解だって言ってるだろ」
またしても言い争いを始める二人を風香は生暖かく見守る。
(やっぱりあさぎ姉ちゃんって男の人にもてるなぁ。でも小岩井さんはそんな素振りを見せないよね)
風香は自分の好きな男性が美人の姉に興味なさそうなので一安心する。
(私とあさぎ姉ちゃんとどっちが好きって聞いたらなんて答えるんだろう。私って言ってくれるかな?)
風香がぼんやりと妄想しているうちに、二人の争いも収まったようだ。
その後も、にぎやかなやり取りをしながら食事を終えたヤンダは、風香に「あさぎさんによろしく」と何度も
念を押しながら帰っていった。
678風香とコイのレッスン 07/14:2008/11/30(日) 19:49:44 ID:zvnRYjz/
うるさいヤンダが消えてようやく小岩井家のリビングは静けさを取り戻した。
小岩井と風香は互いに目を合わせて苦笑する。
「本当にどーしようもない奴だろ?」
小岩井はあきれた口調で言う。風香も笑って頷く。
「でもヤンダさんってかっこいいですよね」
風香はヤンダの顔を思い浮かべて率直な感想を述べた。
その言葉を聞いた小岩井は、顔を赤らめながらヤンダにあいさつした風香を思い出す。小岩井に沸々と嫉妬心が
芽生えた。
「へぇー、風香ちゃんはヤンダみたいなのがタイプなのか。だったらあいつに英語を教えてもらえば?」
そう言ってから小岩井は顔をしかめる。なんて子供染みた事を言ってしまったのだろう。恥ずかしさで顔が
だんだんと赤くなるのを感じた。
「あれあれー?もしかして小岩井さん、妬いてるんですか」
風香は小岩井がやきもちを妬いてくれた事に嬉しくなって、ニヒヒ笑いしながら小岩井の顔を覗きこむ。
「いや、そんなんじゃ……ない」
小岩井は風香から目を逸らす。
「小岩井さん、かーわいい」
いつもからかわれる立場の風香は、ここぞとばかりに小岩井をからかった。
「そんな事言うならもう英語を教えないよ」
「怒らないでくださいよー。ほらほら、こっちに来てください」
風香は小岩井に微笑みかけながら、自分の隣の床をポンポンと手で叩く。
仏頂面の小岩井はしばらく悩んでいたが、仕方なく言われるままに風香の左隣に座り直す。
風香は黙りこんだままの小岩井に身体をすり寄せて、頭を小岩井の肩にあずけた。
小岩井が驚いて風香の方に顔を向けると、風香の髪の毛が小岩井の口元に当たった。
シャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。寄りかかってくる身体から風香の体温が伝わってくる。
小岩井は唾をゴクリと飲み込んだ。
「私は小岩井先生に教えて欲しいんです……英語だけじゃなくて……色んな事」
風香が小岩井の耳にようやく聞こえるぐらいの小さな声で囁いた。
小岩井は風香の言葉を聞いて激しく悩む。
数日前にも同じセリフを聞いたが、今回、この状況では誤魔化せそうにない。どうする小岩井。
(これって完全に誘ってるだろ。ヤっちゃっていいのか?いいのか?いや、駄目だ。風香ちゃんはまだ高校生
なんだ。淫行条例に違反している。ヤンダの言ったとおり犯罪だ。しかも十歳以上、歳が離れているし……
いや、愛があればいいのか?俺は風香ちゃんの事を……。でも一時の欲望で行動すべきじゃない。いったい
どうすればいいんだ。落ち着け、俺。こんな時は3の倍数を数えて気持ちを落ち着かせよう。すわぁ〜ん、
ろぉ〜くぅ、キゅーってちがーう。これじゃアホになりっぱなしじゃないか)
パニック状態で思考回路が停止した小岩井は本能のままに動く。震える右手をジワジワと上げて風香の右肩を
グッと抱き寄せたその瞬間。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴り響いた。
我に返った小岩井は素早く立ち上がると、不満気な顔の風香をリビングに残してそそくさと玄関に向かった。
679風香とコイのレッスン 08/14:2008/11/30(日) 19:50:16 ID:zvnRYjz/
小岩井は内心ホッとしていた。チャイムが鳴らなければ、欲望に負けて風香を襲っていたところだった。
小岩井が玄関の扉を開けると、そこには顔が隠れて見えないほどの大男が立っていた。友人のジャンボだ。
「オーッス」
ジャンボは頭を屈めて扉をくぐる。
「おまえ、仕事は?」
「配達の帰り。三十分前にヤンダからメールがあってな。コイのところに来れば面白いものが見られるって。
ちょうど良かったから寄ってみた」
「あいつ、余計な事を……」
小岩井はジャンボに聞こえないように小さく呟く。
(三十分前だとヤンダが来てすぐか。台所でメールを送ったな)
小岩井は灰色の脳細胞を働かせて推理する。たぶん間違いないだろう。
「ヤンダはついさっき帰ったぞ」
「まぁ、車がないから分かってるさ。チャイムは鳴らさずに入れってメールに書いてあったんだがさすがに
それはちょっとな」
「ウンウン、ジャンボ、おまえが常識ある社会人で良かったよ」
(もしあの時ジャンボがチャイムを鳴らさずにリビングに入ってきたら……)
小岩井はその光景を想像して背筋が寒くなった。
「んっ?この女物の靴は?」
ジャンボは図体に似合わず目ざとく風香の靴に気付いて、小岩井に疑問の視線を投げかける。
そこに風香がリビングから姿を現した。
「こんにちはー、ジャンボさん」
「オッス、風香ちゃんだったのかー。おっ、今日はおめかししてるなー」
「そんな事ないですよー」
ジャンボに指摘された風香は謙遜して手を振った。
「いや、いつもと違う。さては偽者だな!正体を現せ!」
小岩井と同じリアクションをするジャンボに風香はあきれる。小岩井もバツが悪そうにしている。
「おい、ジャンボ。それもうやったから」
「似たもの同士ですね」
風香は苦笑いするしかなかった。
680風香とコイのレッスン 09/14:2008/11/30(日) 19:52:35 ID:zvnRYjz/
結局、ジャンボは「せっかくだから茶でも飲むか」とリビングにあがりこんだ。
いいカンジだったのに、と内心不満に思う風香だがさすがに顔には出さない。
「そういえば、よつばは?」
ジャンボはキョロキョロと辺りを見回した。
「よつばは遊びに出掛けてる。風香ちゃんに英語を教えていたところにヤンダが来てさ、あいつ変に勘違いした
みたいなんだ。本当にどうしようもない奴だなー、ヤンダは。ハハハ……」
ヤンダと同じ事を聞くジャンボに誤解されないよう小岩井は先手を打って説明した。
小岩井の笑い声に少しわざとらしさが漂う。
「へー、二人きりでねー。そういう事か。それで風香ちゃんはおめかししてるのかー」
ジャンボの眼鏡がキラリと光った。眼鏡の奥の鋭い視線が風香に突き刺さる。
「ち、違いますよー。こんなの普段着ですから!」
「おい、ジャンボ!おまえも変な想像するなよ!」
風香と小岩井の二人は必死にジャンボの誤解を解こうとする。
ジャンボはウンウンと頷いて一人で納得した後、突然豪快に笑い出した。
「ハッハッハッ!いいって、いいって。おい、コイ!こうなったら風香ちゃんをお嫁に貰っちまえよ!こんなに
かわいい娘はめったにいないぞ!おまえには勿体無いけどな」
ジャンボはとんでもない事を言い出す。小岩井は困った顔をしているが、風香にとってこの展開は渡りに船だ。
(ジャンボさんって意外に空気を読める人?いいぞ、もっとやれ!)
「ゆくゆくはコイとも兄弟になるってわけだ。今までどおり仲良くやろうぜ」
「ジャンボ、おまえの言ってる意味がよく分からんのだが」
「そりゃおまえ、コイと風香ちゃんが結婚して、俺とあさぎさんが……って皆まで言わすな。照れるじゃネーか
この野郎!」
ジャンボは一人悶えてちゃぶ台をバンバン叩く。唖然とする小岩井と風香。
「だめだ、こいつ。早くなんとかしないと」
小岩井は風香と目を合わせて呟いた。風香も同意して頷いた。
(ジャンボさんには悪いけど、あさぎ姉ちゃんからジャンボさんの話題が出た事ないんだよねー。お花屋さん
だって教えた時には大笑いしてたけど……)
「ジャンボ、おまえバカだろ」
「なんだとぉこの野郎!バカって言った奴がバカなんだぞ!」
「バーカ、バーカ!」
「やるかぁ!ホァー!」
「チョアー」
小岩井とジャンボは小学生みたいな罵り合いの後、変なポーズをとって威嚇しだした。
風香は呆れた顔をしてそれを眺める。
(さっきのヤンダさんといい、ジャンボさん、小岩井さん。似たもの同士というか、類は友を呼ぶというか
みんなバカだなぁ……)
風香は小岩井を好きになって本当に良かったのだろうかと一抹の不安を感じた。
681風香とコイのレッスン 10/14:2008/11/30(日) 19:53:23 ID:zvnRYjz/
ガキのケンカも一段落ついてジャンボはのんびりとコーヒーを飲んでいる。
「ジャンボさん、お仕事に戻らなくてもいいんですか」
風香は今後の予定が心配になってジャンボに聞いてみた。
「あぁ、店の方は親父にまかせてるし、今日はもうあがりだ。ゆっくりさせてもらうよ」
「おまえ、ちゃんと仕事しろよ」
「おまえもなー」
二人はまた言い争いを始めた。ジャンボの答えは風香にとってショッキングだった。
(前言撤回。ジャンボさん全然空気読めてないよ。KYだよKY……。やった!私、流行の言葉を使い
こなせてる。ってそんな事どうでもいいんだ。こうなったら非常手段を使うしかない!)
「ちょっと、お手洗いに……」
そう言うと風香はトイレに向かった。便座に座って携帯電話を取り出すと素早くメールを打つ。
(あさぎ姉ちゃんにこれ以上借りは作りたくはないけど、そうも言ってられないわ)
風香の計画では英語を教えてもらったお礼に、この後、晩御飯を作る予定なのだ。
このままジャンボが小岩井家に居座れば、計画が台無しになってしまうだろう。
(送信完了。これで良しっと。後はあさぎ姉ちゃんにまかせるしかない)

一方その頃、あさぎは綾瀬家リビングのソファに寝そべって長電話をしていた。電話の相手は友人の虎子だ。
「そう、あの娘ったらおかしいの。あっ、メールだわ。噂をすれば何とやら。ちょっと待ってて」
あさぎは素早くメールを開く。――風香 件名:Help!! 本文:ジャンボ襲来
メールを確認したあさぎはニヤリと笑う。
「ようやく私の出番が来たようね。虎子、今からそっちに行くから」
あさぎは携帯電話を折りたたんでポケットにしまうと、手早く身支度を整えて颯爽と小岩井家に向かった。
682風香とコイのレッスン 11/14:2008/11/30(日) 19:54:05 ID:zvnRYjz/
ピンポーン
小岩井家にチャイムの音が鳴り響いた。
「今日はやけに来客が多いな」
小岩井が玄関の扉を開けるとそこにはお隣の綾瀬家長女、あさぎが立っていた。
「こんにちは、小岩井さん」
「あれ、あさぎさん。風香ちゃんに用事かな?」
「違います。ところで小岩井さん、今日の風香、気合入ってるでしょ。どう思います?」
「えっ、まぁ、その、かわいいと思うよ」
突然のあさぎの質問に、小岩井は少し照れながら答えた。
あさぎは小岩井に近づいて小声で囁く。
「あの娘、まだ経験がないから最初は優しくしてあげてくださいね」
「なっ、何を言って……」
あさぎのキワドイ発言に小岩井は絶句した。
「家庭教師に英語を教えてもらった経験がないって言ってるんですけど。何だと思ったんですか?」
あさぎは口に手を当てて含み笑いしながら、小岩井を見ている。
小岩井は苦笑いしながら、お手上げのポーズを取った。この女性には勝てそうにない。
あさぎの声を聞きつけて、ジャンボがリビングから出てきた。風香もその後ろから顔を覗かせる。
「こ、こんにちは、あさぎさん。こんなところで会うなんて奇遇ですね」
緊張しておかしなセリフを口走るジャンボに小岩井は苦笑する、と同時に同情もする。
ジャンボではあさぎに軽くあしらわれてしまうだろう。
「こんにちは、ジャンボさん。表に止めてある車はジャンボさんの?」
「ハイ!イイエ!あの軽トラは店の車で、俺の愛車はカングーっていう"外車"(ここ強調)です!」
「不躾なお願いなんですけど、もしよかったら友達の家まで送ってもらえません?」
あさぎは両手を合わせて笑顔でジャンボにお願いする。彼女のお願いを断る男性などこの世に存在しないだろう
と思わせる様なとびっきりの笑顔だ。ジャンボなどひとたまりもない。
「いいですとも!あなたのお願いなら地球の裏側にだってお送りしますよ」
「どうやって車で海を渡るんだよ」
小岩井のツッコミもジャンボの耳には聞こえていないようだ。
「よかった、ジャンボさんがいてくれて。じゃあ小岩井さん、風香の事よろしくお願いしますね。風香、"勉強"
がんばりなさいよ」
あさぎは風香にウインクする。風香は指でOKサインを作って微笑んだ。
「それじゃ、行きましょ。ジャンボさん」
「ハイ!行きましょう!コイ、風香ちゃん、それじゃあな」
上機嫌なジャンボはあさぎをエスコートして車で行ってしまった。
683風香とコイのレッスン 12/14:2008/11/30(日) 19:54:47 ID:zvnRYjz/
小岩井と風香は玄関口に立って、ジャンボ達が出て行った扉を見ていた。
「あいつ、舞い上がって事故らなきゃいいけど……」
小岩井は心配して呟く。心配といえばジャンボがあさぎを襲う可能性について考えてみた。そしてすぐに首を
横に振る。ジャンボの性格からして彼女に嫌われるような事は絶対にしないだろう。それに相手はあさぎだ。
小岩井もつい先ほど彼女の恐ろしさの片鱗を味わったばかりだった。ジャンボなど敵ではあるまい。
「あさぎさんって怖いね」
小岩井はつい口に出してしまった。
「えっ、何かあったんですか」
「いや、何でもない」
さすがに先程の会話は風香には聞かせられない。
少し気になった風香だが、それよりもさっきの続きの方が大事だ。風香は思い切って言ってみた。
「こ、小岩井さん、その、戻って続きを……しませんか?」
風香は頬を染めて、小岩井を上目遣いで見た。
「風香ちゃん、やる気はある?」
小岩井は風香の瞳を見つめ返す。
(ヤ、ヤル気?そんな事、面と向かって言われると恥ずかしいよ)
風香はドギマギしてしまう。しかし女は度胸だ。
「も、もちろんあります!」
「よし、分かった。俺がバッチリ英語を教えてあげるよ!」
小岩井は使命感に燃えて、拳を力強く握り締めた。
「はぁ、……アハハ」
風香は小岩井の言葉に拍子抜けして、力なく笑った。
「毎日は無理だけど、週に二、三回ぐらいなら教えてあげられると思う。どうかな?」
がっかりしていた風香だが、小岩井の提案に顔をパッと輝かせた。英語を教えてもらえて、小岩井と一緒にいる
時間が増えるのだから一石二鳥だ。
「お願いします。小岩井先生」
風香は礼儀正しくお辞儀をした。
「でも今日はもうお仕舞いにしようか。教える前に下準備もしたいしね」
「あの、じゃあ今日の分のお礼に、今から私に晩御飯を作らせてください」
「そりゃ助かるなぁ、あっ、そういや冷蔵庫がカラッポだった」
「じゃあ今から買い物に行きませんか?」
風香の提案で二人は買い物に行く事にした。
684風香とコイのレッスン 13/14:2008/11/30(日) 19:55:34 ID:zvnRYjz/
小岩井と風香は近くのスーパーに向かって並んで歩いている。自転車で行く方が速いがそれだと道中に話が
できない。歩いて行こうと提案したのは、もちろん風香だった。
風香は小岩井と手をつなぎたいと思っているのだがさすがにためらっていた。家の近所だし、もし知り合いに
見られたらどんな噂が流れるか分からない。と言っても、こうして二人で並んで歩いている時点で十分怪しい
のだが。
風香がどうしようか迷っているとよく知った声が聞こえてきた。
「おーい、とーちゃーん、ふーか」
向こうからよつばが走って駆け寄ってきた。その後ろから恵那も追いかけてくる。
「よつば、もう帰ってきたのか」
「もうおかえりだ」
よつばは小岩井の足にしがみつく。
「みうらちゃん、ご両親と一緒にお出かけする事になっちゃったんです」
恵那が小岩井に説明する。
「おでむかえゴクロー」
「よつばちゃん、そんな言葉よく知ってるねー」
風香が感心して言う。
「よつば、とーちゃん達はスーパーに買い物に行くところだ。おまえも一緒に行くか?」
「いくー!えなもいくぞ!」
よつばは元気良く答える。
「あっ、私、家に帰って宿題しなくちゃいけないんだった。よつばちゃん、ゴメンね」
恵那は気を利かせて帰ろうとする。風香を見て、笑顔で親指をグッと立てた。
「えな、いかないのかー」
よつばはションボリする。小岩井はよつばの頭を撫でて言う。
「無理言ったらダメだろ。恵那ちゃん、今日はありがとう。気をつけて帰るんだよ」
風香は恵那に耳打ちする。
「恵那、ありがとね。私がんばるから」
恵那は笑って頷く。
「バイバイ、えな」
「バイバーイ、よつばちゃん」
恵那は遠ざかっていく三人を見ていた。
よつばを真ん中にして、小岩井と風香がよつばの手を握って歩いている。まるで本当の親子のようだ。
「風香お姉ちゃん、がんばれ」
恵那は小さく呟いて、家に向かって歩き出した。
685風香とコイのレッスン 14/14:2008/11/30(日) 19:56:25 ID:zvnRYjz/
「とーちゃん、ばんごはんなんだ?」
よつばは小岩井と風香の手にぶら下がりながら喋る。
「それは料理長の風香ちゃんに聞いてくれ」
「りよーりちょー?」
「よつばちゃん、今日は私がご飯を作るからね」
「ふーかが!?ダイジョーブか?」
よつばは不安げに風香を見つめる。
「まかせなさい!あっ、私、まだカレーしか作れないんですけど、いいですか」
風香は胸を張って答えた後、小岩井に許可を求める。料理をすると決めた次の日から、母に教わっているのだが
自信を持って作れるのは、まだカレーだけだ。
「うん、楽しみにしてるよ」
小岩井が風香にプレッシャーをかける。
「カレーか!ごちそーだな!」
よつばは大はしゃぎだ。これだけ期待されると気合を入れて作らねば、と風香は燃えてきた。
「心を込めて作るから期待しててね、よつばちゃん」
風香はよつばに微笑んだ。
「こころ……、とーちゃん、ふーかにかえしてもらったか?こころ」
よつばは何かを思い出して、小岩井に尋ねた。
「何を言ってるんだ?……あっ!おまえ、聞こえてたのか!?」
小岩井は数日前を思い出して狼狽する。
「ナニナニ?その話、くわしく聞かせて頂戴、よつばちゃん」
立ち止まった風香は腰をかがめて、よつばの顔を覗き込んだ。
「こころをぬすまれたってとーちゃんがいってた。スパイごっこしたとき」
よつばはあっけらかんと答える。小岩井は全身の毛穴から冷や汗が吹き出すのを感じた。
よつばの言葉の意味を瞬時に理解した風香は、いやらしい目つきで小岩井を見る。
「こーいわーいさーん、もしかして私、小岩井さんのハートを盗んじゃいました?」
風香はニヒヒ笑いしながら小岩井の顔を覗きこむ。
小岩井絶体絶命のピンチ!
とぼけて話をはぐらかすか、それともここは男らしく……。
決断した小岩井は両手で風香の肩をがっしりとつかみ引き寄せる。
「風香ちゃん」
真剣な面持ちで小岩井は風香の瞳を覗き込む。風香の胸の鼓動は期待と不安で爆発寸前だ。
「早くしないとこのままじゃあスーパーの特売セールに間に合わなくなる。急ぐぞ!」
「へっ?」
小岩井はよつばの手を引いてダッシュで駆け出した。一人ポツンと取り残される風香。
「逃げた!?コラーッ!待てーい!ルパ……じゃなくて小岩井さーん!」
風香も走り出して小岩井とよつばを追いかける。
先行する小岩井とよつば。少し離れて風香が追い上げる。二人と風香の距離はだんだん近づいていく。
小岩井との心の距離も確実に近づいているのを実感して、風香は自然と顔がほころぶ。
(絶対に捕まえてやるんだから。待ってなさい!小岩井さん!)
小岩井の背中を追いかけながら、そう決意する風香だった。

おしまい
686名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 19:58:19 ID:zvnRYjz/
エロもないのに長々とすいませんでした
687名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 21:21:01 ID:p7jigriT
いいよいいよー素晴らしい!
688名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 03:55:09 ID:Yu5h3RvR
GJ!!
続きが気になるぜ
689名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 08:36:23 ID:GPj1Tw99
>>686
いやもーなんて言うかさ








脳が蕩けました
GJ!

690名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 14:27:29 ID:KR6Gr6mN
あ ま ずっ ぺー − −!
691名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 19:38:10 ID:/o35a4Sj
最近年とってきたせいか、エロよりこういう純粋なのがすげぇ胸にくるんだわ…
ってこの板でする発言じゃないけどなw

面白かったよ!GJ!!!
692名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 23:22:10 ID:m5u5rbra
続き、待ってました! 素敵な話ありがとうございます!!
693名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 21:53:44 ID:U4nUGb/6
風香かわゆすなぁ
694名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 00:02:24 ID:lzBjjIA1
>>685
この、じわりじわりと甘酸っぱい進展具合で
最終的にエロりな二人が見れたら、とても幸せになれそうだ。
695名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 23:00:00 ID:VUtHxaxo
某サイトの、成長したよつばのWebコミ読んでたら、やんだ×よつばも良いかもと思えてきた。
696名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 10:23:08 ID:vvPpvB4/
ここにもたくさんやんだ×成長したよつばありますよ!!!!
697名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 11:27:39 ID:5ib7I6rE
>>659
詳細kwsk
698名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 11:28:38 ID:XZ5KTIBG
何その『頭痛が痛い』は
699名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 11:55:11 ID:7uPE5Vu7
>>697
「じゅにあではいなよつばさん」でググれ。
700名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 14:40:19 ID:Og+ZoPW5
>>699
697ではないがれいをいう!
文章で読むのも色々妄想…いや想像が出来て楽しいんだが絵で見るとまた萌えるな〜
701名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 21:24:24 ID:j9vz+PyD
あんまり個人サイトはあげるなよ
702名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 11:48:28 ID:eN9i5kCH
うむ
703名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 12:51:49 ID:rhq2I09e
人が…
704名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 20:26:21 ID:fYEB2dSj
おくれて…
705名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 22:30:36 ID:XNU4l4b2
くるよ…
706名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:24:04 ID:v5IIGrCg
「天狗も来るぜーーーー!!」

祭りの時の白装束に真っ赤な天狗面を被ったジャンボが道路を爆走する。
小岩井家の前を通り、綾瀬家の前を通り、走り去っていく。
そして誰もいなくなった。

「と見せかけてパンツマーン!!」

小岩井家の扉が開き、パンツを被ったとーちゃんが道路に飛び出す。
綾瀬家の前を通り、天狗に追いつき、荒ぶる鷲のポーズで牽制しあう。
そこに市民からの通報が入り、こんどこそ誰もいなくなった。
707名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 14:16:20 ID:yvSnGkYI
何この流れwww
708名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:50:05 ID:IjA5lnN1
ワロタw
709名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 23:38:21 ID:ensmiW+e
絵に浮かぶようだよ
710名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 02:02:09 ID:Citw7I5E
たった今書き終えました
とーちゃん×風香 エロなし
投下します
711よつばと風香と買い物 1/4:2008/12/14(日) 02:04:09 ID:Citw7I5E

ここは小岩井家から徒歩十分の場所に位置するスーパー『マルマート』。夕暮れにはまだ少し早い時間帯だが、
週末の店内は夕飯の買出しをする主婦達で賑わっていた。
「カレーのうたがー、きこえてくるよー」
よつばは上機嫌で替え歌を歌いながら、子供用カートを押していた。そのすぐ後ろを小岩井が、よつばを見守り
ながらついていく。その隣でよつば以上に上機嫌な風香が、チラチラと小岩井の顔を伺いながら買い物をして
いた。風香の機嫌が良いのは、つい先ほどの出来事の影響である。

――今から約五分前。
「捕まえた!もう逃げられませんよ、小岩井さん。観念しなさい!」
風香はスーパーに向かう途中の歩道で、走って逃げていた小岩井の腕をしっかりと両手で掴んで叫んだ。
「くそっ、もはやこれまでか……。よつば、おまえだけでも逃げるんだ!」
そう言って小岩井は握っていたよつばの手を離した。
「とーちゃん!あきらめんな!」
よつばは小岩井の足にすがりついて必死で語りかける。
「何なの、この親子……」
小岩井親子の三文芝居に、風香は呆れて呟く。そしてハッと我に返って小岩井に詰問する。
「小岩井さん、そうやって誤魔化そうとしているでしょ」
「誤魔化すって、何のこと?」
小岩井はとぼけた顔で聞き返すが、その目は笑っている。
「さっきの心を盗まれたって話です。ちゃんとネタは挙がっているんですからね。白状しなさい!」
「黙秘権を行使します」
小岩井はあくまでシラを切るつもりだ。
「ふーん、そういう事言うんだ」
風香がいくら怖い顔をして睨んでも、小岩井は涼しい顔をしている。
「もうっ!小岩井さんなんて知らない!」
風香はプイッとそっぽを向いて一人でサッサと歩き出した。もちろん怒っているフリをしているだけだ。
こうすれば、必ずすぐに小岩井が謝ってくれると信じていたからだ。
賭けは風香の勝ちだ。
「待った。風香ちゃん、怒らないで。二人きりになった時に必ず本心を言うから」
小岩井はすぐさま風香に追いついて、よつばに聞こえないように耳元で囁いた。風香は振り向いて小岩井を
ジーッと睨む。
「絶対ですからね。約束ですよ」
そう言って風香はニッコリと微笑んだ。

風香は先ほどのやり取りを思い出しては、笑みがこぼれるのを我慢した。
小岩井が自分の事を好きなのは、ほぼ間違いない。二人は相思相愛なのだ。
――相思相愛、なんて素敵な響きだろう。
今までは、小岩井が自分の事をどう思っているか分からなかったので、アプローチも遠慮がちだった。
今はもう小岩井の気持ちは分かっている。
これからは遠慮なくトコトン甘えてやるぞと、風香は小岩井の顔を見つめながら心の中で固く誓った。
712よつばと風香と買い物 2/4:2008/12/14(日) 02:05:28 ID:Citw7I5E
野菜売り場で必要な野菜をカートに入れて、精肉売り場に来たよつば御一行。
よつばは勝手にステーキ用高級牛フィレ肉のトレーをカートに入れようとする。
「待った、よつば。それじゃないぞ」
小岩井はあわててよつばを止めた。小岩井家は決して貧乏ではないが、贅沢をできる身分でもないのだ。
「どれー?」
よつばは振り返って小岩井と風香を見上げる。
「チキンカレーにする?」と小岩井。
「ポークカレーにします?」と風香。
二人の意見が分かれた。どうしようかと二人で顔を見合わせていると、よつばが質問してきた。
「キチン?ポークってなんだ?」
「チキンは鶏肉、ポークは豚肉の事だ」
小岩井がよつばの疑問に答えた。
「わかった。とーちゃんがトリで、ふーかはブタかー」
――ふーかはブタかー、ブタかー、ブタカー……。
ウエストの贅肉が少し気になっている風香の頭の中に、よつばの言葉がリフレインされる。
「その言い方、何か嫌だなー」
風香はそう呟いた後、隣でニヤニヤしている小岩井に気付いて彼の足を思いっきり踏んづけた。
痛みで顔をしかめる小岩井に、風香はベーッと舌を突き出してから、よつばに頼む。
「じゃあ、よつばちゃん。そこの鶏肉を取って。今日はチキンカレーにしましょう」
よつばが鶏肉のトレーをカートに入れるのを見ながら、風香はカレーを何人前作ろうかと思案する。
「小岩井さん、私も晩御飯、お呼ばれしてもいいんですか?」
「もちろん、いいよ。何でそんな事聞くの?」
小岩井は不思議そうに風香を見た。
「だって私の食事代を払ってもらったら、御礼にならないかなーって」
風香は顔の前で両人差し指をツンツンと突き合わせながら小岩井を上目遣いで見上げた。
変なところで律儀だなと苦笑する小岩井は、そんないじらしい仕草をする風香の頭を撫でる。
「作ってもらえるだけで助かるし遠慮はいらないよ。俺は働いているんだし、それくらいの甲斐性はあるから。
よつば、晩御飯は風香ちゃんも一緒に食べていいよな」
「いいともー」
よつばは両手で大きく丸を作って、嬉しそうに答えた。風香も小岩井に撫でられながら嬉しそうに答える。
「エヘヘ、じゃあお言葉に甘えます。六百円もする牛乳も買っているし、小岩井さんってリッチですよね」
風香を撫でる小岩井の手がピタリと止まる。誤解されているがどう考えても綾瀬家の方がお金持ちだ。
「いや、その……、がんばって働きます。ハハハ……」
小岩井は力なく笑った。
713よつばと風香と買い物 3/4:2008/12/14(日) 02:06:14 ID:Citw7I5E
食品売り場を回って必要な材料を揃えたところで、よつばが小岩井を見上げておねだりする。
「とーちゃん、おかしかっていいか?」
「いいけど晩御飯の前に食べちゃ駄目だぞ」
「わかったー」
よつばは元気良くお菓子売り場に走っていった。
今がチャンスと、風香は辺りを見回して付近に人がいない事を確認する。
「小岩井さん、二人きりになりましたよ。約束覚えてますよね?」
風香は小岩井に近づいて耳元で囁いた。
小岩井は少しびっくりした顔で風香を見るが、すぐにいつもの穏やかな表情に戻った。
「もちろん。でもスーパーで告白って、ロマンチック過ぎやしない?」
小岩井の皮肉に風香はそれもそうかと納得する。
「あー、やっぱり後でいいです。……って告白!?告白って言いましたよね」
小岩井は一瞬しまったという顔をしたが、すぐにしらばっくれる。
「いや、言ってないよ。聞き違いじゃないの?」
「言いましたし、ちゃんと聞こえましたー。そっかー、告白してくれるんだ。エヘヘ、嬉しいです」
風香は笑顔満開で小岩井に腕を絡ませて体をすり寄せてくる。
風香の積極的なアプローチに小岩井も悪い気はしないのだが、さすがに人目が気になって風香に忠告する。
「風香ちゃん、こんなところを人に見られたらどうするんだい」
「私は別に気にしませんよ。仲の良い夫婦に見られるんじゃないですか?よつばちゃんが私達の子供で」
風香は頬を染めながら、願望を口に出した。小岩井はそれを聞いて苦笑する。
「その設定はちょっと無理があるなぁ。よつばが五歳で風香ちゃんは十六歳だろ?ほら、ありえないよ」
「そこは、十一歳の私に子供を産ませた小岩井さんが変態さんだって事で解決するじゃないですか」
風香の無茶な設定を聞いて、小岩井は小学生の頃の風香が裸ランドセル状態で孕んでいる姿を想像する……
のをやめた。
俺はロリコンじゃないと強く自分に言い聞かせながら、小岩井は頭をブンブン振って淫らな妄想をかき消した。
「こらっ、勝手に変態にするんじゃない」
そう言って頭を軽く小突くと、風香は笑いながら小さく舌を出した。
そんな風香を見て小岩井は不覚にも可愛いと思ってしまう。
気が付けば小岩井は風香の瞳を見つめていた。風香も何かを期待して見つめ返してくる。
暫しの沈黙、そして二人は互いに見つめ合いながら、顔を徐々に近づけて……
「とーちゃーん」
よつばがお菓子を抱えて走って戻ってきたので、小岩井はあわてて風香から身を離した。
今日は毎回このパターンだ。小岩井と風香はお互いに目を合わせて苦笑した。
714よつばと風香と買い物 4/4:2008/12/14(日) 02:07:07 ID:Citw7I5E
スーパーからの帰り道、夕陽でオレンジ色に染まった街並みを、来た時と同じようによつばを真ん中にして
三人手を繋いで歩いている。
「ふーか、おなかいっぱい」
よつばが突然、風香を見上げながら呼びかけた。
「えっ、よつばちゃん、お腹一杯なの?もうすぐご飯だよ」
風香は心配そうによつばを見る。
「おなかいっぱいなの!」
よつばはムキになって言うが、風香にはよつばの言っている意味が分からない。助けを求めて小岩井に視線を
やるが、小岩井はただ肩をすくめるだけだった。もちろん小岩井にはよつばがあべこべごっこをしていて、
お腹が空いたと言っていると分かっていたのだが、面白そうなので黙っておく事にした。
「ふーか、あしほそいなー」
よつばがスカートからスラリと伸びた風香の健康的な生足を見て、小岩井に同意を求めた。
小岩井も苦笑しながら「そうだな」と頷いた。
いきなりの話題転換に風香は戸惑うが、褒められて悪い気はしない。
「そ、そうかなー?エヘヘ、ダイエットの効果が出てきたかな?」
それを聞いて小岩井は笑いを堪え切れずに吹き出すが、風香に睨まれると何とか咳払いをして誤魔化した。
「ふーかはブス」
「えー!?よつばちゃん、どうしてそんな事言うの?」
小さな子供は遠慮なく思っている事をそのまま口に出してしまう。風香はよつばにそんな風に思われていたんだ
とショックを受けて涙目になった。小岩井もさすがに風香が可哀想になって助け舟を出す。
「風香ちゃん、よつばはあべこべごっこをしているんだよ。反対の意味で考えて」
「あべこべ?って事はブスの反対で美人って事?」
風香の問い掛けによつばは笑顔でウンと力強く頷いた。とりあえずよつばに嫌われているのではない事が判明
して風香は一安心した。そして先ほどのよつばのセリフを思い出す。
「そっかー、よつばちゃん、お腹が空いたって言ってたんだ。……ちょっと待って!足が細いって事は……」
小岩井がニヤニヤしているのを見て、風香はからかわれていた事に気が付いた。怒りが爆発する。
「もうっ、小岩井さん!知ってて笑ってたでしょう!……小岩井さんなんて嫌い!」
「俺も風香ちゃんが嫌いだよ」
「よつばもふーか、きらい」
小岩井とよつばは笑いながら、あべこべごっこを続ける。
そういうつもりで言ったのではないと、風香は反論しそうになるが、頭の中にある考えが閃いた。
風香は深呼吸して気持ちを落ち着かせると、小岩井の目を見つめながら言う。
「私、小岩井さんを憎んでます」
風香の発言に小岩井はたじろぐ。憎んでいるの反対は……、小岩井は頭の中で考えた。
頬を染めて見つめている風香の顔は真剣で、とても茶化すような雰囲気ではない。小岩井も覚悟を決める。
「俺も風香ちゃんを憎んでるよ」
小岩井と風香は互いに見つめあいながら微笑む。二人の間に挟まれたよつばは不思議そうに二人を見上げた。
――にくんでる?にく?
言葉の意味は分からないよつばだが、二人を見ていると何故か嬉しい気分になってくる。
両手に握っている小岩井と風香の手をなんとなくくっつけてみた。二人共驚いてよつばを見る。
小岩井はよつばの意図を汲んで、風香の手をそっと握った。
風香も恥らいながら小岩井の手をギュッと握り返した。
よつばはそれを見て満足そうに頷くと、小岩井の反対側に回って買い物袋を下げている手を握る。
「つぎはとーちゃんがまんなか」
「小岩井さん、両手に花ですね」
風香は嬉しそうに笑って、小岩井に腕を絡ませた。
「とーちゃん、かお、まっかだぞ」
「夕陽のせいだ」
小岩井は空を見上げながら、そう答える。
秋の夕陽に染まるうろこ雲を眺めながら、幸せな気分の三人は我が家に足を向けた。

おしまい
715名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 02:09:44 ID:Citw7I5E
温かい感想ありがとうございます
次こそはエロありにしたい
716名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 06:47:35 ID:BVFz5oFC
>>715
うん、光景が目に浮かぶようだ

gj!
717名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 12:49:06 ID:KMosADhK
>>715
うーん、とーちゃんは格好いいな。
エロ期待してます、GJ!!
718名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 13:22:42 ID:bxv2IESG
>>715
良かったよGJ!

いくら人目が無いとはいえ、スーパーで
キスしようとする二人にドキドキだぜ
719名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 20:37:32 ID:Eh9tQmq0
監視カメラ様が見てる
720名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 23:50:28 ID:8jp+NtPh
万引きGメン様も見てる
721名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 09:18:40 ID:chvN3LN5
ドラえもんの帰ってきたドラえもんの回で
「うそ800」を飲んだのび太のドラえもんに「嬉しくない〜」と号泣していたのを思い出した

GJ
722名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 11:44:09 ID:BdzPevex
とーちゃん風香いいなあ〜
よつばもからむと親子みたいでほほえましい。
723名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 11:32:34 ID:SPJE3SxL
ほしゅ
724名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 12:39:09 ID:NR8zOf0y
よつばも小学校に入学しようとする春問題が起きた
小岩井はぼーっとしたまんまだった。

隣の家にいる風香もその異変に気がついた
(どうしたんだろ?最近小岩井さんの様子が変)
そんな時ジャンボが通りかかった
「風香ちゃんもきになる?」
「ええ・・・小岩井さんどうしたんですか?」
ジャンボはぽつりと少し声を詰まらせていった
「よつばと小岩井は血が繋がって無くて勿論小岩井は独身・・・
 なんか無理なんだってよそういう親子・・・・
 普通の親子以上の関係なのにな・・・
 小岩井が結婚でもしていれば何とかなるのに、
 子連れの男になんかそうそう相手なんか見つからないよな・・・」

風香もその話を聞いて愕然とした
よつばちゃんと小岩井さんが離ればなれに・・・・
そう思うと胸が熱くなった
そして一晩中何か考え事をし、目が真っ赤になったまま
翌朝風香は小岩井の所に行って大きな声で言った。

「こ、小岩井さんわ、私と結婚してください!!」
725名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 21:34:31 ID:KtqbvmEM
気体sage
726名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 00:57:53 ID:y7LQ+61F
あべこべごっこの続き……気になります!!
727名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 15:21:56 ID:bssyqUym
阿部さんごっことな?
728名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 16:35:53 ID:k5CTU9xD
とーちゃん×風香ってどう略せばいいんだろう?鯉鱶?
729名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 17:01:21 ID:3Tdw78YM
とーふ?
730名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 09:35:25 ID:RsTEMoE/
とーちゃん×風香 エロなし
投下します
731よつばとクッキングママ 1/6:2008/12/30(火) 09:37:27 ID:RsTEMoE/

小岩井家の台所は玄関から廊下を真っ直ぐに進んだ一番奥の突き当たりにある。
小岩井はそこで一人、テーブルに置いた買い物袋から今晩使わない食材を冷蔵庫に収納していた。
よつばはというと、途中までは一緒にお手伝いをしていたのだが、自分で選んだお菓子を受け取ると、早速
自分専用のよつばこに保管すべくリビングに行ったきり戻って来なかった。
ガチャン
玄関の扉が閉まる音がして、トントンと廊下を近づいてくる軽快な足音に小岩井が振り返ると、白い三角巾を
被ったエプロン姿の風香が現れた。
「エヘヘ、汚しちゃいけないから、着替えて来ました」
そう言ってはにかむ風香をよく見ると、なるほどトレーナーとジーンズという普段見慣れた格好だった。
確かに先ほどまでのおしゃれをした風香はこれまで見たことも無いくらいに可愛かったのだが、小岩井の目には
エプロン姿の彼女もそれと匹敵するくらい新鮮で魅力的に映った。
そもそも小岩井は風香の事を好きだと自覚した時から、彼女の格好や仕草すべてをとても愛おしく感じていた。
だからといって、そんな恥ずかしい事を態度や口に出したりするつもりは毛頭ないのだが。
「エプロン姿もかわいいよ。……社交辞令だけど」
小岩井のセリフに風香はあきれた口調で返す。
「もうっ、一言多いです。小岩井さんって本当に素直じゃないんですね」
「よく言われる」
二人は目を合わせると笑い合った。笑い声が消えて沈黙が訪れると風香が意味ありげに小岩井を見つめてくる。
小岩井はそれを咳払いで誤魔化して言葉を続けた。
「晩御飯の支度は全部風香ちゃんに任せてもいいかな? 急ぎの仕事じゃないんだけど少しくらいは手をつけて
おきたいんだ」
一瞬残念そうな顔をした風香だが、すぐに笑顔を見せた。
「任せて下さい。お仕事がんばって下さいね」
風香は若奥様気取りで小岩井に微笑んだ。
「悪いね。本当は手伝ってあげたいんだけど」
「大丈夫ですよ。お料理くらい一人でできないとお嫁に行けないですから」
お嫁という単語を聞いて小岩井の頭の中に悪戯心が芽生える。
「へぇー、風香ちゃんは何処にお嫁に行きたいの?」
ニヤニヤしながら風香の顔を覗きこむと、彼女の顔は徐々に赤くなっていった。
「……小岩井さんです。……分かってるくせに。いぢわる」
上目遣いで頬を染めてそう言う風香にドキッとしてしまう。
こちらから攻め込んだつもりなのにカウンターを喰らった気分だ。
「風香ちゃん……」
辛抱たまらなくなって、風香の肩を両手でがっしりと掴み顔を近づける。
風香も顔を赤らめながらそっと目を閉じた。
そして――小岩井はいつの間にか足元によつばがいる事に気付いて動きを止めた。
よつばは固唾を呑んで見守っていたが、小岩井の視線に気付くとあわてて廊下に飛び出て、柱の影からこちらを
伺う。
小岩井は教育上よろしくないと考えた後、目を閉じて待っている状態の風香の耳にそっと囁く。
「おあずけだよ」
風香はびっくりして目を見開くが、小岩井の視線でよつばの存在に気が付く。
二人は互いに目を合わせて、仕方無いかとキスを諦めて力なく笑った。
732よつばとクッキングママ 2/6:2008/12/30(火) 09:39:05 ID:RsTEMoE/

小岩井が二階の仕事部屋に向かった後、風香は鼻歌を歌いながら上機嫌で料理の支度を始めた。
小岩井家の台所は綾瀬家よりも狭くて使い勝手も悪そうだが、まったく気にならなかった。
なぜならキスまであと少しだからである。先程はよつばが見ていてできなかったがそれも時間の問題だ。
小岩井と二人きりになれたら、間違いなくファーストキスをする事になるだろう。
その事を考えると顔がカーッと熱くなってきた。
「ふーか、ゴキゲンだな」
いつの間にやらよつばがそばに来て話しかけてきた。風香はあわてて妄想を打ち消すとよつばに向き直った。
「そう見える?よつばちゃん」
「とーちゃんとラブラブだからか?」
「そうだね、エヘヘ」
五歳児にラブラブだと指摘されて照れ隠しに笑う風香。
よつばの顔が見る見るうちに険しくなっていく。
「ちょーしにノンな!」
「えーっ!?」
予想外の五歳児の啖呵にマスオさんばりの驚き方をする風香。
よつばはご立腹である。風香は何か気に障るようなことをしただろうかと記憶を探ってみたが思いつかない。
今度はよつばの顔が見る見るうちにションボリしていく。
「よつばはいないほうがいーんだ」
よつばはいじけている。さっきの出来事を言っているんだと風香は気付いた。
確かによつばがいないほうが小岩井といちゃつく事ができるが、だからと言って邪魔者扱いするつもりは
まったくなかった。
「そんな事ないから。私、よつばちゃんが大好きだし一緒にいて欲しいと思ってるよ」
風香はしゃがみこんでよつばの目線で話す。
「ふーか、よつばからとーちゃんとる?」
よつばは悲しそうな目で見つめてきた。そんなよつばを見て風香の母性本能が目覚める。
「とらない、とらない。小岩井さんはいつまでもずっとよつばちゃんのお父さんだよ。私はよつばちゃんも
小岩井さんも好きだから、いつも一緒にいたいな。もしよかったら私、よつばちゃんのお母さんになりたい」
勢いに任せてとんでもない事を口走ってしまったが、これは風香の偽らざる本心でもあった。
「ふーかがよつばのかーちゃんに?」
「駄目かな?」
よつばは腕組みをして眉間にシワを寄せて考え込む。
風香が固唾を呑んで見守っていると、ようやく口を開いた。
「……ふーかならなれるかもな」
遠い目をして語るよつばに風香は笑いそうになった。
これから先に数多の試練が待ち受けているかの様な言い方だ。風香は笑いをグッと堪えて返答する。
「ありがとう、よつばちゃん。私、がんばるよ!」
拳を握って熱く意思表示する風香に、よつばは腕組みをしたまま力強く頷いた。
まず最初の試練のお料理をがんばらなくちゃと風香は決意して立ち上がる。
ここで下手な料理でも出したら小岩井とよつばの風香株は大幅に下落してしまうだろう。
「よーし、がんばってカレーを作るぞ! よつばちゃんも手伝ってくれる?」
「オウ!」
よつばが元気良く返事をしてくれて風香も一安心した。
クッキング開始だ!
733よつばとクッキングママ 3/6:2008/12/30(火) 09:40:00 ID:RsTEMoE/

風香はポケットからメモを取り出した。
これはつい最近、タイミング良くテレビでやっていたカレー特集のレシピを書き写したものである。
市販のカレールーを使った美味しいカレーの作り方だ。
「ふーか、なにすればいい?」
「よつばちゃん、何ができるかな?」
「たいがいはできるぞ」
怪しい答えだ。ここは無難に簡単な事をやって貰おう。
「じゃあ、お米を研いで貰おうかな」
「まかせとけ!」
風香はお米を入れた炊飯器の器を流し台に持っていって水を注ぐ。
よつばは台所の隅から本の束を紐でくくって作った台を、流し台の前に持ってきてその上にチョコンと乗った。
(この台は小岩井さんが作ったのかな?)
いつもこうしてお手伝いをしていると考えると微笑ましく思えた。
意外にも馴れた手つきでお米を研いでいるよつばの姿を見て風香は感心する。
「よつばちゃん、上手だね」
よつばは褒められて嬉しそうに笑った。
(よしっ! 私もがんばらなきゃ)
まずカレーに使う野菜に包丁を入れる事にした。
風香の包丁捌きは多少ぎこちないが、何とか怪我もせずにやり遂げた。
その間によつばがお米を研ぎ終わったので、炊飯器にセットする。よつばの役目はこれで終わった。
「よつばちゃん、お手伝いありがとう。後は私がやるから遊んでていいよ」
「テレビのとこで、たいきしてる。なんかあったら、よべ」
そう言うとよつばはリビングに向かった。
風香はもう一度、メモを確認する。
今回作るカレーはメインの具が肉だけで野菜はミキサーで細かく砕いて煮込んだものだ。
肉はそのまま煮込むと中まで硬くなるので、食べる直前に焼いてカレーソースを絡める事にする。こうする事で
肉の中が柔らかいままにできるのである。
そして、隠し味に砂糖の甘味、バターのコク、ニンニクの香り、唐辛子の辛味を加える。隠し味を加える分、
カレールーの量を少なめにすると全体の味のバランスがくずれないらしい。
風香は四苦八苦しながらメモの手順どおりに調理する。
――約一時間後。
カレーを煮込んでいる間に、風香は付け合せのサラダを作った。
そして仕上げに鶏肉をフライパンで焼いて、包丁で切り分けた。後は皿に盛り付けるだけで完成だ。
風香は大きく伸びをして一息ついた。
母の料理を手伝った事はあるが一人で作ったのは初めてだ。慣れない事をしたので体の節々が痛い。
(母になるのも大変だなあ。毎日食事を作ってくれるお母さんに感謝しなくちゃ)
風香は自分の家の方角に向かって手を合わせた。
鍋の蓋を開けてカレーの味見をしてみる。
がんばってレシピどおりに作った甲斐があって、とても美味しい。自分でも驚く程の会心の出来だ。
(小岩井さんとよつばちゃんの驚く顔が早く見たいな)
風香は三角巾を取ると、軽い足取りで台所から離れた。
734よつばとクッキングママ 4/6:2008/12/30(火) 09:41:42 ID:RsTEMoE/

風香が廊下に出ると、リビングからテレビの音が聞こえてくる。よつばはテレビを見ているらしい。
よつばに小岩井を呼んで来てもらおうとして、ハッと気付いた。
今がチャンスだ!
風香はよつばに気付かれないようにこっそりと忍び足で階段を上がる。
仕事部屋のふすまは開けっ放しだった。
パソコンに向かって仕事をしている小岩井の背中を見て、風香はニンマリと笑った。
抜き足、差し足、忍び足で近づく。そして……
「コーイワーイさん!」
風香は椅子に座っている小岩井の背中から抱きついた。小岩井の体が一瞬ビクッと反応する。
「うわっ!? ……驚かさないでくれよ、風香ちゃん」
小岩井が首を回してこちらを向こうとしたので、肩越しからパソコンを覗き込む風香の頬と小岩井の頬が
ペタリとくっついた。触れた頬からお互いの体温が上昇するのが感じられた。
風香は恥ずかしさを我慢してそのままの体勢で話しかける。
「晩御飯できましたよ。お仕事中断して下さいね」
「うん、分かった」
小岩井は後ろから抱きついている風香を気にする素振りも見せずに、作業中のデータを保存してパソコンの
電源を落とした。
少し不満に思った風香だが、机の上に散らばった○○語の本を見て、頭の中に浮かんだ疑問をぶつける。
「小岩井さんと○○語はどんな関係があるんですか?」
「……?」
椅子から立ち上がってこちらを向いた小岩井は、質問の意味が分からずに首を傾げた。
「お爺さんかお婆さんが○○人だとか」
風香のぶっ飛んだ想像に小岩井は苦笑した。
「残念ながら俺は生粋の日本人だよ。……関係ならよつばにあるかな。○○語はよつばの故郷の言葉なんだ」
風香は驚いて目を見開いた。
(よつばちゃんは○○人だったんだ。あれっ? ○○って国はどこだろう?)
地理に疎い風香は○○という国があったかどうか思いだせない。
「○○って国はどこにありましたっけ?」
小岩井は本棚から世界地図の本を取り出してページをめくって風香に見せた。
「○○はこの辺り全域を指していて、よつばの故郷は△△国だよ。ほら、ここ。……でも今はもうよつばの
生まれた村はないんだけどね」
小岩井は寂しそうな目をして地図を見る。
「えっ? 嘘……。あーっ! また私をからかおうとしてる。もうその手は食わないんだから」
風香は冗談っぽく睨みつけたが、小岩井は悲しげな顔で黙ったままだった。
「小岩井さん……?」
「ごめん、風香ちゃん。作り話って言ったのが嘘で、この前の話は全部本当の事なんだ」
735よつばとクッキングママ 5/6:2008/12/30(火) 09:42:38 ID:RsTEMoE/

「えっ!? そんな……」
風香は先日小岩井から聞いた悲しい話を思い出して泣きそうになる。よつばは戦災孤児だったのだ。
「風香ちゃん、そんな顔しないで。確かによつばの故郷で起きた出来事は悲劇だったけど……………………。
風香ちゃんから見て、今のよつばは幸せに見えるかな? 俺は亡くなった命の恩人に報いるために、せめて
よつばだけでも幸せにしてやりたいんだ」
小岩井は寂しげに微笑んで風香を見つめた。
小岩井の告白を聞いて、風香の頬に涙がこぼれ落ちる。
「グスッ…………エヘッ、よつばちゃんは幸せだと思いますよ。こんな素敵なお父さんがいて」
風香が泣き笑いしながらそう答えると、小岩井は手を伸ばして優しく彼女の涙を拭った。
「ありがとう、風香ちゃん。でもよつばの前では泣かないで欲しいな」
風香はコクンと頷く。そして、あの時小岩井が何故作り話だと言ったのかを理解した。
(小岩井さんはよつばちゃんを同情の目で見て欲しくなかったんだ。よつばちゃんは決して可哀想な子供では
ない。素敵な大人達に囲まれた幸せな子供なんだ)
風香は心の中でそう結論を出した。
「小岩井さんって大人ですね」
手で涙を拭った風香がそう笑いかけると、小岩井は頭を掻いて照れた仕草を見せた。
「そりゃあ、風香ちゃんから見たらもうおじさんだからなぁ」
「そう言う意味じゃないです」
風香は小岩井に近づいて体を預けると、顔を上げて濡れた眼差しで見つめた。
小岩井の優しい目が見つめ返す。
二人の顔が近づいていく。
そして、二人の唇が触れる直前に、風香はハッと気付いて顔を背けた。
「風香ちゃん?」
小岩井はキスを拒否されてショックを隠しきれない顔をしている。風香はあわてて弁解する。
「ち、違うんです。キスが嫌なんじゃなくて、カレーの味見をしたからカレー味のキスになっちゃう……」
風香の言葉に小岩井は微笑んだ。
「俺は気にしないよ。それに舌は入れないから安心して」
小岩井はそう言うと、風香に返答する間も与えず強引に唇を奪う。そのままギュッと抱きしめた。
風香は驚いて一瞬、身を硬くしたが、すぐに力を抜いて抱きしめ返した。
時間にすれば十秒程度だろうか。しかし風香にはこの時間は数分にも感じられた。――幸せを実感する。
二人の唇が離れると、抱き合ったまま風香は真っ赤な顔をして文句を言った。
「もうっ、強引なんだから」
「嫌だった?」
小岩井の問いに風香は首を横に振る。
「……嬉しいです」
「俺も……。好きだよ、風香ちゃん」
互いに見つめ合いながら、二人の顔がまた近づいていく。
「ふーかどこー?」
階下から聞こえてくるよつばの声で二人の時間は終わった。
小岩井と風香は身体を離すと、互いに目を合わせて笑う。
「じゃあ、晩御飯を呼ばれようかな。風香ちゃんのお手並み拝見と行こうか」
「望むところです。女子高生の手料理を食べられるんだから、小岩井さんは幸せ者ですね。」
「幸せかどうかは味次第だけどね」
「んもぅ」
二人は軽口を叩きながらじゃれ合って階段を下りた。
736よつばとクッキングママ 6/6:2008/12/30(火) 09:49:41 ID:RsTEMoE/

リビングにはカレーの美味しそうな匂いが漂っている。
小岩井とよつば、風香の三人はちゃぶ台を囲んで腰を下ろした。
そのちゃぶ台の上にはカレーとサラダの皿と麦茶の入ったコップが隙間無く並んでいた。
「もっと大きいちゃぶ台が欲しいな」
小岩井が愚痴を言う。
「とーちゃん、もっとはたらけ」
「がんばって下さい。小岩井さん」
小岩井は二人に催促されて、情けなさそうに頭を掻いた。
「ふーかのカレー、とーちゃんのとちがう」
「見た目はレストランのカレーっぽいな」
小岩井とよつばは風香の作ったカレーを見て寸評した。
「風香る風香風カレーです。どうぞ召し上がれ」
風香のネーミングセンスに小岩井は苦笑する。
「ふーかふーカレー? ……ふーかふーか・レー! ふーかふーか・レー!」
よつばは語呂が気に入ったようだ。何度も名前を連呼する。
「それじゃあ、いただきまーす」「いただきます!」
小岩井とよつばはカレーを一口食べた。風香はドキドキしながらそれを見守る。
小岩井の舌がまず最初に甘味を感じる。鼻腔には香ばしい香りが漂った。その後カレーの旨みとコクが口の中
いっぱいに広がり、最後に辛味が舌を刺激した。
「うまいっ!」
小岩井は風香の予想外の腕前に感嘆した。よつばもカレーの味に驚いて叫ぶ。
「うまいぞー! シェフをよべ!」
二人の反応に風香は安堵の表情を浮かべた。
「よかったー。美味しいって言って貰えて」
小岩井とよつばは凄い勢いでカレーを口に運ぶ。
カレーの具は肉だけだが、肉は柔らかくて噛むと肉汁が口の中に溢れ出した。
「ごめん、俺、風香ちゃんの料理の腕前を見くびってた。このカレー、めちゃくちゃ美味しいよ」
「とーちゃん! ふーかをもっとほめて!」
二人はスプーンを置くと拍手をしだした。さすがにこれには風香も照れまくる。
「ちょっと大袈裟過ぎますよー。でも喜んで貰えて嬉しいです」
風香は満面の笑みを浮かべた。風香株はここに来てストップ高だ。
「カレーがなんて言うかすごく滑らかだね」
「ルーを入れる時は、鍋の火を止めて温度を下げるとまろやかになるんですよ」
風香は得意げにテレビの受け売りを披露する。
「へぇー、そうなんだ。良かったらこのカレーのレシピを教えて欲しいな」
「企業秘密です。カレーが食べたくなったら私を呼んで下さいね」
「しょーがないな。ネットで検索するか」
小岩井はわざと意地悪を言ってみた。風香は慌てて抗議する。
「あーん、駄目ですよー。ズルイです、小岩井さん」
「アハハハ」
小岩井が声を上げて笑うと風香もつられて笑った。
一人黙々とカレーを食べていたよつばはスプーンで風香を指して叫ぶ。
「ふーか! かーちゃんにいっぽ、ちかづいたな!」
「何だ? 風香ちゃんのお母さんに腕前が近づいたって事か?」
「ちがう! ふーかはよつばのかーちゃん、めざしてる!」
それを聞いて、風香の頬が真っ赤に染まった。
「わーっ! よつばちゃん! それは言っちゃ駄目!」
「気の早いねーちゃんだな」
小岩井は笑いながら風香をからかった。風香は顔を真っ赤にしながら小岩井を思いっきり引っ叩く。よつばは
ひっくり返る小岩井を見て笑う。
今日の小岩井家の食卓は風香が加わって、いつも以上の笑い声と幸せで満ち溢れていた。
(風香ちゃん、ありがとう)
小岩井は心の中でそっと風香に感謝した。

おしまい
737名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 09:51:10 ID:RsTEMoE/
温かい感想ありがとうございます。励みになります
次こそはエロ(以下略
皆さん、よいお年をお迎えください
738名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 13:02:53 ID:iEm1lqcD
うおおおお!!とうとうキスキタ――(゚∀゚)――!!
甘酸っぱいお年玉ありがとうございます。
739名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 20:33:54 ID:kR+6+SsE
幸せです これで年越せます
740名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 02:49:27 ID:MJ64vfUi
年内に読めたので一片の悔いもありません
741 【大吉】 【908円】 :2009/01/01(木) 00:42:20 ID:7kfPIpAe
age
742 【大吉】 【134円】 :2009/01/01(木) 21:45:43 ID:yZ+o72Fz
GJ
743名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 15:05:47 ID:KAEmbsXa
べ、べつにねんまつのひとをまってるわけじゃないんだからな?
744名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 19:44:14 ID:wJ8eoRDt
お詫び

最近、単行本を読み返して気付いたのですが、今までずっと小岩井の実家が島だと勘違いしていました。
よく見るとよつばの生まれた場所が島だったようです。って事は泳ぎもそこで覚えたのだから、小岩井が
よつばを拾ったのは、結構最近の事なのか? しかし小岩井をとーちゃんと呼んで懐いているし、日本語
も達者だから拾ってから、かなり長い時間一緒に過ごした筈だろうに? 謎だ。
小岩井が泳げないという事は実家は山の中? ブランコもないようなド田舎で辺鄙な場所なのだろうか?
作者が舞台は関東のどこかの県辺りだと言っているので、軽トラで引越して来た経緯を考えると、実家は
群馬だろうか?(群馬の方、ごめんなさい)
というわけで、このSSで赤子のよつばを引き取ったと書きましたが、それはありえないですね。
よつばが島から来た事を覚えているので、村が戦争に巻き込まれたというのもちょっと無理があるなぁ。
しかし、よつばがホームシックになっている様子も無いし、どう解釈すればいいか分からない。
現在のよつばは五歳。島から来た記憶を持っていて、泳ぎも覚えたなら三歳くらい? そこで小岩井に
拾われて日本に来て実家で二年程過ごしたのだろうか? ワケ・ワカ・ラン。
この勘違いで精神的ダメージを喰らったので、やる気がかなり減少しています。
続きを書こうかどうか迷っています。もし待っている方がいるのなら(果たしているのだろうか?)
少し考える時間をください。
745名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 20:29:20 ID:GfigDUZt
「とーちゃーん! たいへんだー!」
「なんだなんだ」
「ふーかのおっぱいは ぎゅうにゅう でなかった……」
「おー そうかそうか」「 え 」「おまえ……風香ちゃんの もんだのか!」
「よつばは もんだりなんて しない!」
「あー そうか そうだよな しないよな」
「ぼくじょうで おそわったとおり」「ちゃんと しぼった!」
「 え 」
746名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 22:52:01 ID:wJ8eoRDt
ワロタw

「ふーか、のめ」
よつばが差し出したコップいっぱいの牛乳を、風香はこぼれないように両手で受け取ると、そのまま一気に
飲み干した。
「おいしーい。よつばちゃんありがとう」
風香の笑顔を見て、よつばも満足そうに笑う。
「ふーか、ぎゅうにゅうはウシのおっぱいからでるんだぞ、しってるか?」
「知ってるよー」
「ふーかのおっぱいからはなにがでる?」
「へっ?」
よつばは呆気に取られている風香のおっぱいをTシャツの上から鷲掴みした。
「こーやって、ごほんのゆびでしぼりだす」
そう呟くと五歳児とは思えないような力強さで風香のおっぱいを搾り始めた。
「痛ぁーいー! おっぱい千切れちゃうーっ!」
風香はあまりの痛みにはしたない叫び声をあげた。何とかしてよつばを引き離そうとするが、しがみついて
離れない。
「コラッ! よつば! やめるんだ!」
小岩井が叫び声を聞きつけてリビングに駆けつけた。なんとか引き離してよつばに説教を始める。
「よつば、女子高生のおっぱいは人類の宝なんだ。もっと丁寧に扱わないと駄目だぞ!」
「わかっぱー!」
よつばは元気良く返事をする。それにしても小岩井の発言が少しおかしい。そう思っていると小岩井は
風香の方に振り向く。
「大丈夫?風香ちゃん」
「うぅー、ちょっとヒリヒリします」
小岩井は心配そうに涙目の風香を見る。
「それは大変だ。よく見せてごらん」
そう言うと小岩井は風香のTシャツをたくし上げた。
「えっ! ちょ、ちょっと、小岩井さん?」
驚いている風香を尻目に、小岩井は躊躇なくブラジャーも引き上げる。
風香の女子十六歳全国平均よりも少し大きめの、形のいいおっぱいが晒された。
「きゃっ!?」
「少し赤くなってるね。手当てをした方がいい」
小岩井はパニック状態に陥っている風香のおっぱいを舌で舐め始めた。
「や、やだっ! 小岩井さん、やめてください!」
半泣き状態の風香は、必死に小岩井の頭を掴んで引き離そうとする。
「君がっ、ペロペロ、泣くまでっ、ペロペロ、舐めるのをっ、ペロペロ、やめないっ!」
小岩井の舌は、風香の桜色の乳首を執拗に責める。
風香は初めて味わう感覚に、……(略

これはヒドい
747名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 01:06:16 ID:PymoEWXW
>>744
プールも海も学校の授業もあるとこの風香ちゃんが泳げなかったり、
大学か?の同期っぽいジャンボが泳げなかったり。
実家地方が山と考えなくても良いんじゃないだろうか。

ならなぜよつばは泳ぎが上手いのか。
それはとーちゃんが自分みたいにカナヅチになってほしくない!と、川やプールによく連れて行ったのではないか。
よつばは海は初めてのようだったので、もしそうなら川かプールだと思う。
先生は魚?

日本語はほら、とーちゃんが外国に仕事行って滞在時に、
両親も観光がてらか何かでついてったのかもしれん。
そこで日本語覚えながら、日本の実家に移ったとか。無理があるか。

そうじゃなくても、島での一時期の仕事中に拾ってしまい、そのまま帰国。
うろ覚えの記憶はあれだが…2、3歳…?
その時すでに泳げたかは微妙だけど、雨のこともあるし水には慣れていただろう。
実家で3年くらい暮らしながら、日本語と泳ぎを覚える。

…なんてな!
748名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 08:10:06 ID:in0zOQUq
ほしゅ
749名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 12:33:51 ID:RXdr8Out
保守
750名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 19:11:06 ID:ER11RYrR
どーなってんだー!
751名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 17:22:21 ID:1KkkWBf5
このスレ読んで涙が出たぜ。職人さんGJすぎる。
感動しすぎていっぺんに読めないよ。
ちなみにやんよつとジャンみうが大好物です。
752名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 22:29:33 ID:t0o9Qh0c
初めて投下させていただきます。
エロがなくて申し訳ないんですが、ジャンボ×みうらです。
753恋ははじめて。 1/4:2009/01/21(水) 22:30:27 ID:t0o9Qh0c
色とりどりの花の溢れる店先から、中を窺う様にひょっこりと顔を覗かせた半袖のパーカーと
ミニスカートという組み合わせの小柄な人影にジャンボはすぐに気が付いた。
「よぉ、みうら」
「おっす」
呼び掛けられて安堵したのか、みうらは店内へと足を踏み入れて来る。きょろきょろと周りを
見回してから、いつもの派手なアロハシャツではなく、白い半袖のシャツにエプロンという姿の
ジャンボを爪先から頭の先まで眺めたみうらは、感心したみたいな口調で言った。
「あんた、本当に花屋なんだな」
「そうだ。今迄信じてなかったのかよ」
「こっちからしてみりゃ、平日の昼間でもふらふらよつばんちに来てる、怪しい
おっさんだもん」
「おっさんで悪かったな」
「悪いとは言ってない」
「そうですか」
こいつはわざわざ喧嘩を売りに来たのかと、遥かに年下の好敵手を眺めながらジャンボは心の中だけで
呟いた。ヤンダとよつばといい、歳の差は関係がないし、大人げも無かった。
けれどみうらの口の悪さは常の事で、ジャンボも別に気を悪くはしない。だから何をしに来たなんて
尋ねはしなかったし、決して近くはない距離にも関わらず覗きにやって来たらしいみうらも
動悸を説明したりはしなかった。
大方風香かよつばにこの場所を聞き、近くに用事があったから寄ってみたとか、そんなものだろうと
勝手に納得をしながら、ジャンボは日ませになっている花をざっとまとめる。
隣まで来たみうらが、その手元を覗き込んだ。
「みうら、口開いてるぞ」
「えっ、あ、うるせーなーっ」
手捌きに見惚れていたのか、ぽかんとした表情だったみうらは、指摘をされて慌てて口元を
引き締めた。
まったくみうらは生意気だ。けれどそこが可愛くもある。
「社会見学にでも来たのか?」
「ちがう。……通りかかっただけ」
「そっか」
「あんたに会いに来たとかじゃないからな」
754恋ははじめて。 2/4:2009/01/21(水) 22:31:06 ID:t0o9Qh0c
ちょっと怒ったような口調で、腰に手を当てながらみうらがジャンボを睨んで言った。
尖らせた唇ときつい目。けれど受ける印象は真逆だった。まるで会いに来たと告げられているみたいに。
ジャンボはにやにや笑いで顎を撫でながら、みうらの顔を覗きこむ。
「へぇ〜最近そっち行けてなかったから、寂しくなっちゃったのかぁ〜?」
「ちがうって言ってるだろっ。もう帰る」
「まあ待て。折角会いに来てもらったのに、手ぶらで帰すわけにはいかないだろ」
「だから会いに来たんじゃないってば」
「花嫌いか?」
「きらいじゃないけど」
「じゃぁ」
ぽんと頭に掌を置いて待っていろと仕草で示す。みうらはそれ以上の文句は言わず、大人しくなった。
オレンジ、黄色。カラフルな色合いのバラを数本組み合わせ、似た色合いのマーガレットや
カーネーションで彩られた小さなブーケ。仕上げにリボンを掛けて完成したそれを、ジャンボはみうらに
差し出した。
元気のよいみうらに、その小さな花束がよく似合う。
ぶっきらぼうに受け取るみうらが照れているのは、ジャンボにだって分かる。
「……ありがと」
「おう」
ぼそりと呟かれたお礼が嬉しくて、ジャンボはにっこり笑った。
どれだけ口調が無愛想でも、胸に抱くように大切に持ってくれているのだから、喜んでいるのは
伝わってくる。
ハキハキとしているのに、妙な所では恥かしがるみうらが何だかいとおしかった。
「帰るなら、もうちょっと待ってくれるなら配達ついでに送って行ってやるぞ」
「……じゃ、待つよ」
その方が楽だからと言い訳をするみうらをはいはいと流しながら、ジャンボは作業台を片付け始めた。


送ると言って良かったと思ったのは、店を出た数分後。にわかに曇った空から落ちた大粒の雨が
車のガラスを叩いた瞬間だった。夏の風物詩である夕立も、車だからしのぎやすい。
定期的にワイパーが動く。みうらはやけに大人しかった。
「酔ったか?」
「酔ってない」
「それにしては大人しいな」
「……あのさ、配達って時間決まってんの?」
「一応のは。余裕あるから、しんどかったら停めてやるぞ」
「しんどくないけどどこかで一回停めて」
755恋ははじめて。 3/4:2009/01/21(水) 22:31:49 ID:t0o9Qh0c
みうらの言葉に従って、ジャンボは先にある公園まで車を走らせると、そこに停止させる。
夕立の中遊んでいる酔狂な子供はおらず、通りがかる人影もなかった。
ぽそりとみうらが口を開いた。
「あんた、あさぎねーちゃんが好きなんだよな」
「そうだよ」
「彼氏がいても?」
「やっぱりいるのかっ!」
思わず助手席に身を乗り出して、ジャンボは問うた。あさぎの恋人の有無は未だに確認されていない
重要事項だ。何故みうらがそれを知っているのかは分からないが。
「彼氏かどうか分からないけど、この前見たから」
「……そうか」
あの美貌の持ち主がフリーであると、期待はしていても心の片隅で覚悟もしていたジャンボだったが、
思わずあからさまにがっくりと項垂れた。深く深く下がった頭に、乗せられたのは小さな手。
ぎこちなく頭を撫でる手が慰めようとしているのだと知り、ジャンボはゆっくりと顔を上げた。
目の前にはみうらの顔。少年を思わせる凛々しさと、少女特有の愛らしさの交じり合った不思議な
瞳がジャンボを見ていた。
「言わない方が良かった?」
「いや、うん……まぁ、覚悟してたといえばしてたし。わざわざ言いに来てくれたんだな」
「家の前でばったり会ってもって思って。お節介だった」
「ありがとな」
子供ながらにジャンボが本気だったのを見ていたみうらは、告げるかどうかで迷ったに違いない。
嫌な役目でもある。それでもみうらはジャンボを気遣ってくれた。その心が嬉しかった。
大丈夫、へこんでいないと笑おうと口元の筋肉を横に引っ張ろうとした瞬間、みうらの顔が
一気に近付いた。
唇に触れた、やわらかいもの。
「……え」
「じゅ、十年待ってよ。そしたら、私もあさぎねーちゃんまではいかなくっても……」
語尾が掠れる。けれどそれは、耳まで真っ赤にしたらみうらが、今にも泣き出しそうになりながらもした
精一杯の告白だった。
ジャンボは驚いて目の前の少女を見つめた。最初は確かに少年と間違えかけた。細い手足と、
生意気そうな目。けれどジャンボの一言で翌日スカート姿で現れたり、虫を手の上に乗せられて
取り乱したみうらは確かに女の子だった。
今目の前にいるのは、間違えようもない女の子。
今日だってスカートなのは、きっとそういう事だ。そのいじらしさが可愛い。
756恋ははじめて。 4/4:2009/01/21(水) 22:32:16 ID:t0o9Qh0c

「十年、か」
「そうだよ。……待ってよ」
もう一度繰り返された言葉。ジャンボは黙ってみうらに顔を近付けた。みうらはぎゅっと目を閉じる。
窓を叩く雨粒は大きく、激しくて、外が見えない。
天然のカーテンで仕切られたこの小さな空間の中、もっと小さい女の子が見せた精一杯の勇気に、
ジャンボは少し笑ってみうらの額く口づけた。
今返してられる、ジャンボの精一杯だ。
きょとんとして目を開けたみうらが子供扱いをされたと怒り出す前に、ジャンボは言う。
「続きは十年後な」
言葉の意味をちゃんと理解した瞬間、みうらは手元の花に負けないくらいに鮮やかな笑顔になった。
どんな花よりも奇麗なその笑顔に、ジャンボは本当に十年待ってしまいそうな自分がいるのに気付く。
大人の五年と子供の五年は違う。子供の五年は恐ろしく長い。それに子供の決意はうつろいやすいと
分かっていても、あさぎへの恋心とは別の部分でみうらをいとしく思うのは本当だからだ。
「がんばって早く大きくなるよ」
「いいよ。ゆっくりでいい」
無理をしなくていいんだと言外に告げると、みうらはこくりと頷いた。
降り出した時と同じ位の唐突さで、雨脚が弱まる。なんとなく気恥ずかしい空気にお互いが
戸惑っていて、所在なげに視線を外に投げていたけれど、同時に声を上げる。
「あっ」
「虹だっ」
「すげー、ひさびさに見た」
灰色の雲の切れ目から射した太陽の光が、七色のプリズムを作る。
ジャンボとみうらは視線を合わせて笑い合う。そっと伸ばされた小さな手がジャンボのサイド
ブレーキの上に置かれていたそれに重なる。
虹が消えるまでの間、二人ははしゃいで空を眺めまがら、手を繋いだままでいた。
757名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 23:35:15 ID:NXTjNYEc
いいね、いいね!GJ!
ジャンボの男っぷりはよつばとで一番だね。容姿はアレだが
年の差が問題だけどジャンボ×みうらも悪くないと思えるお話でした
758名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 12:51:05 ID:/BaaXsus
去年からソワソワ待ってた甲斐があったよ
759名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:12:06 ID:PnR7QSGT
GJ!みうらがむちゃくちゃ可愛いよぉぉぉ!
760名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 21:42:53 ID:qXIp7nOt
以前に10年後のやんだとよつばの話をいくつか書かせていただいたものです。
その続き(?)を投下させていただきます。
エロもないうえに取り留めのない話ですが、お付き合いください。
761手をつないで 1:2009/01/24(土) 21:43:55 ID:qXIp7nOt
目の前を雪がちらほらと舞っている。
空は灰色の雲で覆われて、吹く風も身を切られるように冷たい。
じっと立っていると指先がどんどん冷えてくるのが分かる。
慌しく行き交う人たちを見詰めながら、よつばは冷たくなった手をこすり合わせた。
真冬とはいえ、土曜日の街はそれなりに混み合っている。
どの人も厚いコートを着込み、マフラーや帽子で冷たい風と戦っている。
今夜あたり本格的な雪になるかもしれない。
(あのときも、こんな天気だったな…)
どんよりと曇った空を見上げて、よつばはそう思った。
あの時も、冷たい風が吹いていたっけ…
よつばがまだ小学校に上る前のこと、ある冬の日の午後のこと…

その2、3日前からとーちゃんの仕事は佳境に入り、とーちゃんはずいぶんと切羽詰った顔をしていたのを覚えている。
その異様な雰囲気は子どもであるよつばにもひしひしと感じられ、とーちゃんのことがすごく心配だった。
とーちゃんのために、何かして上げられることはないかとずっと考えていた。
今にして思えば、いそがしい親にとって子どもがしてあげられる一番のことは、「何もしないで大人しくしている」ことだと分かるけれど、
とにかくあの時はとーちゃんの役に立ちたかったのだ。
(とーちゃんはおなかがへっているにちがいない!)
時刻はとっくに正午をまわっていたけど、とーちゃんが仕事部屋から降りてくる気配はない。
よつばがご飯を用意して持って行ってあげたら、きっととーちゃんは喜んでくれるはずだ。
一度そう思うともう止らない。
(とーちゃんのごはんをよういするんだ!)
でもよつば一人で料理なんかはできるはずもなく、選ばれたメニューは当然のごとくカップ麺だった。
週一回のカップ麺の日のために、とーちゃんが買ってきたのを知っていたのだ。
台所中をあさってカップ麺を見つけ出し、蓋を開けたところで気付いた。
お湯がない。
ヤカンでお湯を沸かすことは、よつばだってちゃんと知っていた。
でも、よつば一人でガス台に触ったりしてはいけないと、とーちゃんと約束していたのだ。
(どうしよう…)
しばらく悩んだ末に、決めた。
今は「ひじょうじたい」なのだ。
とーちゃんのためなんだから、とーちゃんだってきっと許してくれる。
きっとよつばを褒めてくれる。
きっと。
762手をつないで 2:2009/01/24(土) 21:44:50 ID:qXIp7nOt
椅子を流しまで引きずって行き、ヤカンを持ってよじ登る。
勢い良く蛇口をひねり、ヤカンにたっぷり水を注ぐと思いのほか重たい。
ガス台のうえにヤカンを置くのも一苦労だった。
さあ、後は火をつけるだけ。
やり方は知っている。とーちゃんがいつもやるのを見ていたから。
丸いところを回すんだ。
「…あれ?」
カチ、カチと音がするけど火はつかない。
「あれー、おかしいなー」
今度は渾身の力をこめて、レバーを押し付けるように回した。
ボッという音と共に、青い炎が上った。
「やったー!」
そのまま、白い湯気があがるまでじっと待つ。
すごく長い時間に感じられたけど、あとはカップ麺にお湯を入れるだけだ。
椅子に登って触ってみるとヤカンの取っ手は熱くなっていたので、布巾で包んでしっかりと持つ。
両手で取っ手を握り、そーっと椅子から降りようとした。
でも。
よつばはまだ小さかった。
ヤカンは熱くて、重くて、小さなよつばの手にはそこまでが精一杯だった。
手から離れたヤカンが、床に落ちていくのがひどくゆっくりと見えた。
ヤカンが床にぶつかり、とんでもなく大きな音をたてた。
たっぷりと入っていたお湯は飛び散り、もうもうと白い湯気を上げている。
椅子の上に立っていたよつばの足にも2、3滴お湯が飛んできたけれど、ただただ呆然としてしまって
小さな足の火傷に気付いたのはずっと後になってからだった。
「よつば!?」
2階からとーちゃんが駆け下りてくる音がする。
「よつばっ!なにやって…」
床に転がったヤカンと、飛び散った熱湯、火がつけっぱなしガス台。
台所に駆け込んで来たとーちゃんは、一瞬でなにがあったか理解したのだろう。
「よつばっ!ケガは?お湯かぶってないか?」
あまりにショックで、言葉が出てこなくて、うなずくことしかできなかった。
とーちゃんはよつばに怪我がなかったことに安心した表情をしたあと、すごく怖い顔をした。
今でもその顔はよく覚えている。
「よつば、とーちゃんとの約束、忘れたのか?」
厳しい声でとーちゃんが言った。
763手をつないで 3:2009/01/24(土) 21:45:38 ID:qXIp7nOt
「…ううん、でも、とーちゃんに…とーちゃんに…」
とーちゃんにご飯を作ってあげたかった。
とーちゃんに喜んでほしかった。
とーちゃんの力になりたかった。
「言い訳はするな。お前はとーちゃんとの約束をやぶったんだぞ。
お前も、大怪我をするかもしれなかったんだ」
「…とーちゃん、ごめんなさい…」
涙が溢れてきた。後から後から溢れて、止らない。
「ほら、泣くな。片付けるから手伝え」
「うん…」
よつばは、バカだ。
全然とーちゃんの役になんて立たなかった。
役に立つどころか、余計な仕事を増やしてとーちゃんに迷惑かけて、心配かけて、邪魔をしてしまった。
よつばなんて、いないほうがいいんだ…
とーちゃんと二人で台所を片付けて、遅い昼食をとっている間、ずっとそんなことを考えていた。

「じゃあ、大人しくしてろよ。もうすぐジャンボが来るから、そしたら遊んでもらえ」
そう言ってとーちゃんは二階に上っていった。
(とーちゃん…さよなら…)
もうとーちゃんの所にはいられない、そんな気持ちでいっぱいだった。
上着をはおり、靴をはいてそっと玄関の扉を開けた。
どんよりとした曇り空。風は身を切るように冷たかった。
もうとーちゃんとは会えないんだとか、とーちゃんの役に立ちたかったのにとか、そんなことを考えると自然に涙が出てくる。
冷たい風の中をどこをどう歩いたのか、どれぐらい歩いたのか今はもう覚えていない。
ひどく寒くて、手の指も、爪先も、耳も、むき出しの膝も氷のように冷たくなっていた。
涙と鼻水で顔は強ばって、それでも涙は止ることなく流れていた。
冬の太陽は沈み始め、風は一層冷たく、小さな雪が混じり始めた。
周囲を見回すと、見覚えのない風景が広がっている。
不安で不安で。
とても悲しくて。
寂しくて。
涙はようやくとまったけれど、悲しい思いはとまらない。
きっと、よつばのことを心配してくれるひとなんて、だれもいないんだ…そんなふうに思えてくる。
764手をつないで 4:2009/01/24(土) 21:46:28 ID:qXIp7nOt
歩き続けた足はもう棒のようで、ますます悲しくなってくる。
ふと気がつくと、目の前には小さな公園があった。
冬の夕暮れ時に、人影はない。
そっとベンチに腰をおろし、このままこの公園で暮らそうか、なんて思う。
とーちゃんにも、ジャンボにも、ふーかにももう会えないのかな。
寒い、お腹減った。
よつばはこれからどうしたらいいんだろう。
どれぐらいそうしていたのか、体はますます冷え切って、どんどん不安も増してくる。
その時、その声が聞こえてきた。
「…よつば?よつばっ!」
聞いたことがある声だと思って、自分の名前が呼ばれているのだと分かって、顔を上げた。
やんだが、いた。
はあはあと肩で息をして、薄闇に包まれた公園の入口に、やんだが立っていた。
「…やんだ?」
正直、とても驚いた。
やんだが怒ったような、安心したような顔をしていたから。
「…お前、なにやってんだよ。ホント…お前、みんなすげえ心配して、探して…」
やんだはよつばの目の前までやってくると、力が抜けたようにしゃがみこんだ。
心配して?
探して?
みんな?
とーちゃんも?ジャンボも?
……やんだも…?
なにか喋ったら、一気に涙がふき出しそうで、何も言えそうにない。
やんだの手が頬にそっと触れた。
「こんな冷たくなって、風邪ひくだろうが、ほら」
やんだが自分のマフラーを外して、よつばの首にぐるぐると巻きつけた。
ポケットから手袋を取り出し、放ってよこす。
「手も冷たいだろ、これしとけ」
「…うん」
マフラーも、手袋もとても暖かかった。
手袋はぶかぶかだったけど、とても、暖かかった。
そして、なぜだかわからないけどほっとしていた。
やんだなんか大嫌いだけど、やんだが来てくれたことがとても嬉しかった。
765手をつないで 5:2009/01/24(土) 21:47:13 ID:qXIp7nOt
「…で?」
怒ったようにやんだが言葉を発した。
「それで、よつばはこんなとこで何をやってたんだよ。
よつばがいなくなったって、小岩井さんすげえ慌ててたんだぞ。
叱ったあとにいなくなったって、よつばの様子がおかしかったのに放っておいた自分が悪かったんだって。
小岩井さんもジャンボさんもお隣の子達も俺も、ずっと探してたんだ。
すげえ心配したんだ。
よつば、どうしたんだよ?話してみろよ」
よつばの目をまっすぐ見つめてやんだが言った。
もう、押さえられなかった。
涙が一気にあふれてきて、それでも必死に声を絞り出した。
「…とーちゃんはおしごとで、いそがしいから…
よつばが…とーちゃんに、ごはんをつくってあげようとおもって…
そしたら、とーちゃんが、よろこんでくれるとおもって…
…でも、しっぱいしちゃったから…
とーちゃんにめーわくをかけたから…
よつばなんて、いないほうがいいとおもって…」
嗚咽がこみあげてきて、そこから先は言葉にならなかった。
頭に、やんだの手がのせられた。
顔を上げると、笑ってるやんだと目が合った。
「よつば、頑張ったんだな。」
その言葉に、その日初めて声を上げて泣いた。
わあわあと泣くよつばを、やんだはよつばの頭を撫でながらじっと待っていてくれた。
やんだは、分ってくれたんだ。
それがなんだか嬉しかった。
「さ、帰るか」
よつばの涙が一段落すると、やんだは明るい声で言って立ち上がった。
「ほら、行くぞ」
そう言ってやんだが手を差し出した。
一瞬戸惑って、でもその手をぎゅっと握った。
手をつないで、ゆっくりと歩き出す。
「お前、よくこんな遠くまで歩いてきたなあ。隣町だぞ、ここ」
やんだがしみじみと言う。
なぜだか恥ずかしくなって、返事をしないでうつむいてしまった。
本当はやんだに「ありがとう」って言いたかったけど、どうしても口をひらくことができなかった。
その代わりに、つないだやんだの手を強く握った。
やんだはこっちを見て、ちょっと笑ったみたいだった。
766手をつないで 6:2009/01/24(土) 21:47:49 ID:qXIp7nOt
そう、あれはもう10年も前のこと。
やんだと一緒に家に帰ったときは、もう辺りは暗くなっていた。
玄関から飛び出してきたとーちゃんに抱きしめられて、そしてこってり怒られた。
家ではジャンボとふーかが待っていて、二人とも目が真っ赤だったのを覚えている。
バカなこと考えるな、ってみんなから言われた。
よつばはそのままでいいんだよって、何度も何度も言われた。
とーちゃんは「ごめんな」とよつばに謝って、よつばも「とーちゃんごめん」て謝った。
やんだは寒かった、腹減ったって、ぶつぶつ文句を言ってジャンボに怒られていた。
今考えると、なんだか可笑しい。
でもあの時は、幼いなりに真剣だった。
その幼い真剣さに、やんだはちゃんと向き合ってくれたのだ。
大嫌いだったやんだ。
その思いがいつから自分の中で変わっていったのか分らない。
もしかして、あの時からだったのかもしれない。
あの後、やんだと手をつなぐことなんて、ずっとなかった。
心の中では、きっとそれを望んでいたのに。
今は。
今は、堂々とやんだの手をとることができる。
あの頃は、そんなこと想像もできなかった。

「なにニヤニヤしてんだよ」
その声に目をあげると、やんだが笑って立っていた。
「やんだ、遅刻!」
「悪い悪い。手え冷たいだろ、これしとけ」
やんだが手袋を放ってよこす。
「うん」
あの時と同じだ、と思う。
あの時と同じように手袋はぶかぶかで、でも暖かかった。
「ほら、行くぞ」
差し出されたやんだの手を、今度はためらわずに、握った。
767名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 21:49:29 ID:qXIp7nOt
以上です。
小さい子が泣きながら歩いてたら
誰か声をかけるだろ、というつっこみはなしでお願いします。
768名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 00:17:39 ID:Zu0+Vtk7
あぁぁぁぁぁぁ超GJ!!
やんよつ良過ぎるっ!
マジで有難う!!
769名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 08:27:45 ID:/hIF5Elt
どうでもいい事に気づいたが
5巻のよつばが海に行けなくて泣くシーンで
とーちゃんが座ってるから恵那と風香にはばっちりちんこが見えちゃう
770名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 09:15:17 ID:KvEosNcQ
風香「小岩井さんおっきい・・・」
恵那「うちのおとうさんもよつばちゃんのおとうさんもだらしないんだから!」

こうですか
771名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 11:03:00 ID:0N3KKH1I
>やんよつの人
あれ?自分はドライアイのはずなのに潤いが…
772名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:26:02 ID:MvqvRECP
>>767
こ、これは涙じゃなくて汗なんだからね! 泣いてないんだから!

…超GJでした。
773名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:26:42 ID:MvqvRECP
sage忘れてしまったorz
774名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 05:01:50 ID:ji3z03H3
ええい、誰かとーちゃん×とらを書ける猛者は居らぬのか!







・・・・・すいません書いてください
775名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 04:14:44 ID:YZb5ACBl
その2人好きだから書きたいんだが…
本見て萌えられても、想像力がないから何も浮かばないんだぜ
776名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 14:42:07 ID:L6Xyz/cN
>>775
とーちゃんが所用で少し遠出をして、そこでとらとばったり
帰り車で送ってもらうことになり・・・
なんてのは?
777名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 15:43:51 ID:s1h1bgsq
少しは自分で書く努力をしろよ
778親子と虎:2009/02/06(金) 03:49:43 ID:hVrZ9XjR
ただの会話文。萌えもオチもない。


「あ!」
ダダダッ
「おい待てよつば!」

「とらーー!」
「…おう」
「きぐうだな!きせきか!?」
「どこで覚えんだそういうの」

やっと追いついたとーちゃん
「やあ」
「こんにちは」
「奇遇だねこんなとこで会うなんて」
「…親子そろって奇遇ですね」

「俺たちはあのデパートに用があってねー」
「とら知ってるか!?
「ん?」
「あのデパートはくにがつくったんだ!くにが!」
「すごいな」

「は!もうせいげんじかんだとーちゃん!行かなければ!」
「何のだよ。まあ邪魔したね」
「いえ、じゃあまた」
「またなー!」
「だから1人で走るなよつば!」


…あれ?
779名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 05:30:55 ID:g8tsPyMN
ほのぼのした
780名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 23:55:22 ID:L8UoDBag
しまうーは誰と絡ませたらいいんだ?
やっぱとーちゃんか?
でも2回しか出てきてないから扱いづらいなww
781名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 01:03:47 ID:UGrsI7Vc
やんだと絡んでる同人なら見たな
782名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 05:19:41 ID:z+yhGyty
よつばとの同人って結構ある?
そんなに見ないんだが。
俺が知らんだけか?
783名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:36:48 ID:PLikrUeV
てかなんでとうちゃんとよつばないの?
やんだよりとうちゃんでしょ・・・普通・・・・
784名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 03:02:50 ID:TPp4xSDh
良心の呵責ってやつかな…この板ではいらんものだが…
785名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 03:55:26 ID:GfRC1pH4
想像できないし、あっても読んだら微妙な気持ちになりそうだし
786名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 15:34:24 ID:9XSyVpdh
>>784
近親相姦ってこと?
787名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 20:50:19 ID:TPp4xSDh
いや、なんとなくだ
よつばト!以外だったら、父娘モノや母息子モノも好きだからね
それにとーちゃんとよつばは、血はつながってないし
ただの俺の好みの話だ、すまん
788名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 22:05:19 ID:y1mzc+Xu
単によつばととーちゃんの近姦に萌える奴が少ないだけだろう
789名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:52:04 ID:Bn9dZMK5
やんよつみたく中学生になった世話好きよつばがだらしないとーちゃんの面倒をみるってのはどう?
俺は書かないけど
790名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 23:58:14 ID:8lZ9nf+V
数年前にとーちゃん×よつばのフリーエロゲがあったな…。
DLしたものの怖くて開始直後に閉じてアンイントールしてしまった。
今でもDLできるかは不明。
791名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 00:08:49 ID:RWZbPf/m
むしろよつばにやんだなんておれは認めん!
よつばにはとーちゃんがいるだろう!

まぁこんなぼくは少数派か・・・
ってことでだれかよつばととーちゃんもの書いて。
792名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 21:19:08 ID:rtVN/Y/e
初心に戻って処女作『よつばと結婚紹介所』を書き直してみました
スレッド容量をオーバーするので創作発表板の方へ投下しました
プロットは同じなので新鮮味はないですが興味があれば見てください
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228978952/134-138
793名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 22:47:43 ID:BOK9exq6
sageも出来ん奴に書くものなんぞない
794名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 02:18:01 ID:mDL55iVL
思春期よつば→とーちゃんはちょっと萌えるな
「まったくとーちゃんはよつばがいないとだめだな! ぜんぜんだめだ!」
とか言いつつ世話を焼き、よつばはファザコンだねとか友人に言われつつ
とーちゃんを好きで何がおかしい?と真顔で首を傾げるような話ならば
795よつばとバレンタイン:2009/02/13(金) 18:15:36 ID:+afoJr0o
よつばととーちゃんでバレンタイン話、エロなしほのぼの

-------
「とーちゃん、きょうはチョコのひだな!」
「チョコの日じゃない、バレンタインだ」

きらきらした目で自分を見上げて言う娘の間違った認識を、小岩井は真顔で正した。
「ばれ……なに?」
「バレンタイン。女の人が好きな男の人にチョコレートをあげる日」
「チョコのひだな!」
「だから違うって」
小岩井が説明しても、よつばの頭にはチョコレートという単語しか残らないらしい。
「とーちゃん、チョコくれ!」
「なんでだよ。俺は貰う側だよ」
よつばが嬉しそうに手を差し出す。その手をぺちんと払って、小岩井が言う。
小岩井の言葉の意味がよく分からなかったのか、よつばは目をまん丸にして固まる。
それからしばらくして、おもむろに背を向けると走り出す。
「どこに行く?」
「おとなりでチョコもらってくる」
「やめろ」
既に戸口まで駆け出していたよつばをスライディングして阻止する。
今までも度々アイスだのおやつだのを貰いに行ってはいるが、バレンタインにチョコレートを
ねだりに行くのはさすがに、なんというか恥ずかしい。小岩井さん宅にはチョコレートがない、
つまり自分はモテませんと吹聴されてるような気がする。
「いやまあ、一児の父だし今更女の子から貰う機会ってのもないしなあ」
普通の会社員なら、それでも義理チョコの一つや二つ、貰う機会もあるだろうが。
あいにく小岩井の職業は翻訳家で在宅勤務。
「チョコの日にチョコもらえないなんてとーちゃんはなんてあわれなんだ」
「憐れむなよ。なんかグサッとくるから……」
畳の上にあぐらを掻いて、膝によつばを乗せて小岩井は少し思案した。
まあなんだかんだ言って、こいつはチョコレートが食べたいだけなんだろうな。
最近テレビではバレンタイン特集でチョコレートものをよく見かける。
高級チョコレートの値段に小岩井が驚愕している横で、よつばはよだれを垂らさんばかりに
テレビの中のチョコレートに見入っていた。
796よつばとバレンタイン:2009/02/13(金) 18:16:23 ID:+afoJr0o
「……よし。じゃあとーちゃんにはよつばがチョコレートをやる」
「ほう。よつばがくれるのか」
「うちにチョコは?」
「ないよ」
よつばがあからさまにがっかりした表情になる。絶望だとでも言わんばかりだ。
「だめだな、とーちゃんは」
「だめか」
「だめだめだー。しかたない、とーちゃんいくぞ!」
「どこに?」
「チョコ! かいにいくのー!」
何言ってんだー!と言わんばかりによつばが叫び、小岩井の腕を引っ張る。
まだ仕事が途中なんだけどなあ、とぼやきながら小岩井が立ち上がる。
「とーちゃんはやくしろ!」
よつばはあっという間に階段を降りて、外套を着こみいつものおでかけバッグを肩から提げて、
玄関で靴を履きながら小岩井を呼んでいる。思い立ったら止まらない娘だ。
「今行くって」
苦笑しながら小岩井も後を追いかけた。


外に出ると風が冷たかった。
首を竦めて歩く小岩井に対し、よつばはそんなことなどまるで気にならないらしい。
つないだ手をぐいぐい引っ張ってどんどん進む。どうやら目的地はすぐそこのコンビニらしい。
「だけどお前、買ってやるって金持ってるのか?」
「もってる、まかせとけ」
とーちゃん、チョコはどんぐりじゃ買えないと思うよ、と続けようとしたがその前に
よつばは小岩井の手を離して駆け出してしまった。ひとりでコンビニに飛び込む。
よっつ結びの目立つ髪型がお菓子コーナーへと一直線に消える。
小岩井が追いつくと、よつばはチョコレート売り場にしゃがみこみ物凄く悩んでいるようだった。
その後ろから商品棚を覗きこみ、華やかにラッピングされたチョコを眺めながらよつばに問う。
「……どれを買ってくれるんだ?」
「!!」
「……なんでそうだった!みたいな顔なんだよ」
限りなく俺にくれるってこと忘れてただろう、お前。じとーっとした目で小岩井が見つめると、
よつばは慌てて首を振った。どっちがとーちゃんのすきなあじかかんがえてたんだ!と言いながら、
よつばがレジへ駆けて行く。
797名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 18:20:41 ID:+afoJr0o
「これください」
「はい、チョコレートが一点で127円です」
少し離れて小岩井が見守っていると、よつばがごそごそとバッグをあさって小銭を出す。
どう見ても茶色い銅貨ばかり、数枚。
ありゃ足りないな。全然。苦笑して、小岩井が足りない分を出そうとサイフを出した。が、
「だめー! よつばがとーちゃんにかってあげるの!」
よつばがばたばたと暴れて抵抗する。それを見たレジのおばちゃんが笑って、
「お父さんにバレンタインのチョコレートあげるの?」
と訊いた。よつばがこっくり頷く。
「だから、チョコ……」
「うん、お父さんにプレゼントするのはえらいね。でもこれじゃお金足りないんだわ」
しょんぼりとうなだれるよつばに、おばちゃんがレジの横に積んである小さなチョコ菓子を手に取った。
「でもこれならお嬢ちゃんの持ってるお金で買えるよ」
「ほんとか! それうまいか?!」
「おいしいよー」
「よし! じゃあそれください!」


小さな駄菓子のチョコレートを三つ買って、よつばは上機嫌でコンビニを出た。
満面の笑み。少し誇らしげに、自分で買ったチョコレートを小岩井に差し出す。
「はい、とーちゃん」
「はい、どうもありがとう」
にこにこと笑う娘の頭を撫でて、小岩井は礼を言う。
「よし、帰るか」
「かえってチョコたべる」
「俺にくれたんだろ」
「……あげた。でもちょっとだけもらう」
食い意地はってんなあと笑いながら、親子は手をつないで家へと帰った。

-------
終わり
798名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 18:45:20 ID:Ge907iN1
ほのぼのした

やっぱ、よつばだとエロ担当にはなりにくいのかな
成長した姿のイメージも人によって違いそうだし
799名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 19:42:34 ID:EODt71jw
ブラボー! いいカンジだね!
800名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:17:38 ID:EODt71jw
>>792のスレッドで感想を書いてくださった139氏ありがとうございます
君の優しさに全俺が泣いた! 少し心が救われました
ただ向こうのスレは批評批判メインなので感想は自重してください
ゴメンね。それとありがとう
801名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:35:40 ID:M8ACuEwS
>>795面白かったよ。
書いてくれてありがとう。
そして>>792の方のもおもしろかったよ。
やっぱりとーちゃんとよつばはほのぼのするね。
802名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:02:33 ID:rKEG0iBW
>>800
そういうことなら>>792の書き込み時点で注意が欲しかったかも。自分もあっちに感想書くとこだった。
ほのぼのとして可愛かったよー、とーちゃんと結婚する!は父親のロマンだね!
いじられ風香も可愛い、あさぎの断り方がらしくてすげー好き。次も期待してる!

……ということで、現在スレ容量494KB、次スレ立てようぜ!

あずまんがと統合って話があったけど、その方向でいいのかな。
あずまんがスレ住人に確認した方がいいだろうか。
803名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:40:45 ID:Sll4QHxl
単独で別に構わんと思うが
804名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 13:50:49 ID:+mb9kWrT
近親相姦ってよつばととーちゃん血繋がってないだろ。
ならどうとでもなるだろ?
805名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:33:06 ID:FUpD1I6S
エロパロなのにエロなしばかりとな
806名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:38:51 ID:JPona1ad
何も投下なくて落ちるよりいい。おもろいし。
807名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:38:47 ID:QYVoPEnc
>>805
昼間から文句言ってる奴へのレスの定番は
自分で書け
808よつば×とーちゃん:2009/02/27(金) 01:44:19 ID:SJUo16p3
ごめん、エロなし
よつば18歳設定。原作キャラクターを再現しているとは言い難い、つーか俺妄想全開。

「高校卒業と大学合格おめでとう、よつば。がんばったな」
「ありがとう、とーちゃん」
カチン、とよつばはウーロン茶、小岩井はビールで乾杯をした。
ちゃぶ台には、小岩井の作ったカレーとよつばが風香から習って作った肉じゃがが並んでいる。
お祝いのごちそうとしては質素だが、お互い一番の得意料理を振舞うということで決まったメニューなので、二人に不満はない。
「しかし、よつばが大学生かぁ。ここに来た頃は電動ドリルで牛乳を作るなんて言っていたから、どうなることかと心配したもんだが…」
「もう、昔の話はやめてよ」
感慨深げに語る小岩井に、よつばは顔を赤らめながら抗議した。
ごめん、と笑って答えながら、小岩井は18歳になったよつばを見つめた。
女性らしい柔らかな曲線を描くしなやかな肢体、昔と変わらない好奇心と生気に満ちて輝く瞳と明るい笑顔。
綺麗になったとつくづく思う。
「…そろそろ、覚悟をしておかないとな」
「?何の話?」
「いや、よつばがすっかり綺麗になったからさ、周りの男共が黙っちゃ居ないだろう。よつばが彼氏を連れて来ることの覚悟をさ」
「…馬鹿」
「ははは、実際どうだ?気になる男の子とかいないのか?」
「…いるよ」
「なに!?」
自分で話題を振っておいて、慌てる小岩井。
「好きな人、いるよ。とーちゃんの良く知っている人」
「俺の知っている?だけどお前、今まで家に男を連れてきたことなんて…。ジャンボ?いや、奴にはみうらちゃんが。まさか、やんだか?だめだ!とーちゃんは認めないぞ!」
「…違う」
「それじゃぁ…まさか、お隣の綾瀬さんか?いやいや、まさかそんな…」
小岩井家の決して広くはない交友関係を頭に浮かべながら必死に考えていた小岩井だが、よつばがじっと自分を見つめていることに気が付いた。
「……」
溢れんばかりの想いが込められた熱い視線。その意味が読み取れないほど小岩井は鈍感ではなかった。
「よつば、まさかお前…」
小岩井の問いかけに何も答えず、よつばはちゃぶ台の上に置かれた小岩井の掌に自分の掌を重ねた。
呆然として小岩井は、大きな不安とわずかな期待に震えているよつばの瞳を見つめた。
よつばはその小岩井の視線を遮るように瞳を閉じると、ゆっくりと身を乗り出して、小岩井の唇に自らのそれを近づける。
「待て、よつば」
穏やかだが逆らうことのできない力が込められた小岩井の言葉に、よつばは身体をびくりと震わせ、目を開けた。
よつばの瞳に、厳しい表情をした小岩井が写る。
拒絶された。
自分を抑えられなかった後悔と、今までの暖かい関係を壊わしてしまったという絶望とがよつばを押し潰す。
「あ、あはは。やだな、とーちゃん。本気にしないでよ、冗談よ冗談。ごめんね、変なこと言って」
身体を震わせ、頭を振りながら必死に言葉を搾り出すよつば。
その尋常でない取り乱し方をみて、小岩井は先ほどの自分の対応がまずかったことを悟った。
だから、激しく振られているよつばの頭にぽんと手を置くと、優しく撫でながら静かな声で語りかけた。
「いいよよつば、判ったから。取り繕わなくてもいい。謝る必要もない。」
「とーちゃん…」
涙に濡れたよつばの瞳に、いつもと同じ穏やかな表情に戻った小岩井が写る。
「少し驚いただけだ。すまん。少し話し合おう」
優しい小岩井の言葉に、よつばは嗚咽を漏らした。
809よつば×とーちゃん


「落ち着いたか?」
「…うん」
「あー、しかし、なんだって俺なんだ?よつばの器量なら、男なんぞ選り取り見取りだろうに」
「判らないよ、私にも。でも、自分の気持ちが娘が父親を慕うそれとは違うと意識したのは、父ちゃんと血が繋がっていないことの意味を理解した中学の頃からかな」
額に手を当てて、小岩井はため息をついた。
「俺は、よつばには広い世界を知って欲しいと思っているんだ。いろんな人と出会って見識を広め、自身で納得できる幸せを探せるように。掴みとれるように」
よつばは、じっと小岩井の言葉に耳を傾けている。
「俺は、あちこち旅をしたおかげでお前と出会い、お前の父親という得がたい経験もしてきた。今のお前を見れば俺は誰にでも胸を張っていえる。俺は幸せだってね」
「だから、よつばにはこの家や俺という狭い世界で満足して欲しくない。俺は、おまえの足枷にはなりたくはないんだ」
よつばは小岩井の話を聞き終わると、柔らかく微笑みながら言った。
「やっぱり大好き。とーちゃん」
「はい?なんでそうなる…」
「だって、そんなにも私のことを思ってくれているじゃない」
「それはだな、父親としての…」
「とーちゃんはそうかもしれないけど、私はとっては違う」
よつばは再び小岩井の手をとり、愛おしげに頬を摺り寄せた。
「大丈夫、心配しないで。今のままとーちゃんに依存していたら、私はいつまでもあなたの娘のままだもの。私はあなたを支えて一緒に人生を送れるパートナーになる。大学に通うのも

、そのための第一歩」
「とーちゃん」ではなく、「あなた」と自分に呼びかけるよつばの大人びた表情に、思わず胸の鼓動が高まるのを小岩井は感じた。
「あなたの気持ちを裏切るようなことは、決してしない。約束する。だから…」
今まで見たことのないほどの真剣な眼差しで、小岩井を見つめるよつば。
「あぁ、お前が本気だということは良くわかったよ、よつば。もう、親子だ父親だといった言葉で説得できる状況じゃないな」
「!とーちゃん。じゃぁ…」
ぱぁと喜びに顔を輝かせるよつばに、慌てて小岩井は手を振る。
「待て待て待て待て。ついさっきまで、俺はお前のとーちゃんだったんだぞ。男としてお前の気持ちに真摯に向き合わなきゃならないんだ、少し考える時間をくれよ」
「少しって、どのくらい?」
「お前が大学を卒業するまで」
「ちょっと、とーちゃん!」
不満げなよつばをまぁまぁとなだめる小岩井。
「お前が独り立ちするまでは、お前のとーちゃんで居させてくれよ。それに、大学生活で俺なんかよりもよっぽど良い男が見つかるかもしれんしな」
むー、と頬を膨らませていたよつばだが、ふぅと息を吐くと
「まぁ、とりあえずでも私の気持ちを受け止めてもらっただけで、今日のところはよしとするか」
そして、にやりと挑発的な笑みを小岩井に向けると
「楽しみにしていてね。大学卒業するまでには、とーちゃんに相応しいとびっきりのイイ女になってみせるから」
「はいはい、精々期待しているよ。さぁ、飯食おうぜ。腹減っちまったよ」
「じゃぁ、暖めなおしてくるよ」
料理を持ってよつばが部屋を出て行くと、小岩井は天井を見上げて大きなため息を一つついた。
「はぁ〜、お袋になんて言おう」

終わり