【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part15【改蔵】

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1名無しさん@ピンキー
久米田康治作品のSSスレです。
週刊少年マガジンに大好評絶賛連載中の「さよなら絶望先生」ほか
「かってに改蔵」「行け!南国アイスホッケー部」「育ってダーリン」など
以前の作品も歓迎。


前スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part14【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204387966/

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【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200314711/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part12【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196555513/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part11【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193976260/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part10【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191831526/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190512046/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part8【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189391109/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part7【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186778030/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part6【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167898222/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Partご【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147536510/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part4【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123772506
【改蔵】久米田康司エロパロ総合 Part3【南国】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105319280
かってに改蔵 Part2 【久米田康治総合】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083582503/
【かってに改蔵〜天才エロ小説〜】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1035829622/


これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/


あぷろだ(SS保管庫付属)
http://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/sslibrary/index.html
2名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 06:34:36 ID:WB4EhWuT
===スレに投稿される職人さんに対するお願い===
・SSの最後には、投下が終わったことが分かるようにEND等をつけるか
 または後書き的なレスを入れてください。
・書きながら投下はルール違反です。書き終えてからの投下をお願いします。
・本スレはノーマルのエロパロスレです。
・行き過ぎた801ネタ、百合ネタは論争の元になるのでお控え下さい。
 軽めのものであれば、SSの冒頭にその旨の注意書きをお願いします。
・鬱ネタ(死にネタなど)、エロなし、鬼畜系、キャラ崩壊なども
 注意書きをお願いします


書き手にもルールがあるからといって必要以上に
気負い込まずにみんなと楽しくやっていきましょう。
3名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 13:54:15 ID:RbKTxsSb
いちもつ
>>2もいいな
4その花束に絶望を:2008/04/02(水) 16:01:14 ID:rCc5PEAh
>>1氏に全力の乙を捧げつつ、こんにちは、鬼畜絶命先生の者です。
体調崩したりなんだりしてるうちに1週間以上経ってしまいました。
明後日から講義も始まるのに、大丈夫なんでしょうか。

と、それはともかく、第8話書きあがったので投下しに来ました。
すいませんすいません私のような者が新スレの1番手になってしまって本当にすいません。

以下、ざっくりとした注意事項です。

・絶命先生が鬼畜です
・陵辱あります

8レス消費予定です。では、参ります。
5その花束に絶望を karte10 (1/8):2008/04/02(水) 16:02:40 ID:rCc5PEAh
『ぴろりぱろぴりろら』

「………っ………?」
ある日の、授業中。教室の片隅で、携帯電話の着信メロディが鳴り響く。
授業などそっちのけで、芽留は、メロディと共に振動する携帯電話を手に取った。望の視線も気にせず、机の上で
堂々と2つ折りの携帯電話を開き、受信したメールを確認する。
「………あのー………音無さん、一応、授業中ですので………。」
望の控えめな忠告にも、芽留は一切反応しない。
まぁ、いつものことか、と諦めて、望はさっさと授業の進行に戻った。

メールの差出人は、知らない相手だった。『無題』というタイトルのそのメールの本文には、ただ、ホームページ
のアドレスが1つ書いてあるだけ。迷惑メールや何かの広告のようでもあるが、それにしては文面が少しシンプル
過ぎるような気もする。
「っ?」
芽留は、それを見て1度首を傾げたが………暇つぶしがてら、何気なく、そのアドレスをクリックする。データが
受信されている印のアイコンが表示されて、やがて、画面が切り替わる。
「………。」
辿り着いた先の、ピンク色を基調としたページを見て………芽留は、は、と小さく息を吐いた。それは、よくある
携帯電話用の投稿動画サイトだった………ただし、18歳以上の人間向けの、である。主に、自らの痴態を曝す
ことに快感を覚える女性達が集い、自ら携帯電話で撮影したあられもない姿を投稿して、男達の反応を楽しむ為
の場所だ。
やはり、そういう類のくだらないメールだったか、と、芽留はやや呆れ顔で携帯電話を畳もうとする………が。
「………っ!?」
その、ページの先頭。最新の記事の、投稿者の名前を見て………その手が、止まった。
投稿者の名前の欄に、表示されている………『めるめる』という、名前。それを凝視したまま、芽留は絶句する。
が、普段から全く喋らない彼女の異変に気付く人間は、その場には誰もいなかった。

芽留は、そのまま数秒身体を硬直させた後………おもむろに、椅子から立ち上がる。
「おや、音無さん、どう………?」
どうかしましたか、と望が尋ねるよりも先に、芽留は、携帯を胸元に抱いて教室を飛び出していた。呆気に取られ
て呆然と立ち尽くす望の代わりに、実質的な学級委員長である千里が、廊下側の窓から首を覗かせる。
やがて、芽留の背中がある場所で曲がり、開いたドアの向こうに消えたのを見て………千里は、望に向き直る。
「お手洗い、みたいですね。それならそうときっちり言わなきゃ、授業が滞るじゃないの、全く………。」
「あ、ああ………そういうことでしたか。なら、いいんですけど………。」
その中断も、さきほどと同じくあっという間に終わって。授業が、再開される。

望が再び黒板に白い文字を綴り始めたその頃………芽留は、教室に程近い女子トイレに駆け込み、個室に飛び込み、
両手で握り締めていた携帯電話の画面を、恐る恐る覗き込んだ。そこには、さきほどまでと同じページが………
めるめる、という人間の投稿が表示されているページが、写っていた。
それ以上先へ進むことを、芽留の心の奥の誰かが、必死で引き止めようとする。しかし………芽留は、その投稿
をした人間、めるめるというその人間の正体を確かめずには、いられなかった。
………きっと、偶然だ。自分のあだ名とこの投稿者のハンドルネームが、たまたま同じだっただけだ。そう、自分
に言い聞かせながら………芽留は、『動画再生』の文字を、クリックする。また、データを受信しているアイコン
が表示され………やがて、動画が携帯電話にダウンロードされる。
そして、自動的に再生された、その動画を見た瞬間………芽留の顔から、血の気が引いた。

直後。何かが割り込むように、勝手に画面が切り替わって。
『ぴろりぱろぴりろら』
芽留の携帯電話が、新たなメールを受信した。
6その花束に絶望を karte10 (2/8):2008/04/02(水) 16:03:15 ID:rCc5PEAh


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その日の、放課後。芽留は普段の下校路を逸れて………ある場所へと、やって来ていた。
『本日休診』のプレートが下がった引き戸を潜った、その先………糸色医院の診察室で、芽留は、あのメールを
送りつけた張本人と向き合っていた。
『あんなモンいつの間に撮りやがったこの覗き魔が』
おどおどした態度に似合わぬ強い言葉の文章が………命の眼の前に、突きつけられる。それを見ても、命は薄ら
笑いを浮かべた表情を変えずに、質問に答える。
「ちょっと、知り合いに頼んでね。留守の間に、いろいろ仕掛けさせて貰った。」
悪びれる様子も無くそう言ってのける命の顔を見つめながら、芽留は、ぎり、と奥歯を噛み締めた。

学校で開いた、あの動画に移っていたもの。それは………昨晩の、芽留の部屋の風景だった。
動画は、芽留が風呂から上がって部屋に戻ってくつろいでいる所から始まっていた。その後、ベッドの上でしばらく
携帯電話をいじっている姿が、ごろりと寝返りをうつ姿が、おもむろに、子供っぽいパジャマのズボンを脱ぎ始める
姿が、そして………携帯電話を片手に自慰に耽る芽留の姿が、そこには映し出されていた。
横になったまま、もじもじと擦り合わせていた太股の間に手を滑り込ませ、もぞもぞと指を動かして………やがて、
仰向けになって両脚を開き、下着の中に手を侵入させ、背筋を逸らせながら、自分の細い指が与える会館を貪って
いく。自分のそんなあられもない姿を克明に記録した動画が、知らぬ間に、不特定多数の人間が出入りする場所に
公開されていたのだ。
その動画は不自然な形でズームされていて、顔こそ映っていなかったものの………家具の配置や着ていたパジャマ、
なによりその行動は、芽留が見れば一目で自分自身だと解かるものだった。

「大丈夫、あの動画は加工済みだ。君以外の人間が、君だと気付けるような手掛かりは無いはずだ。」
『そういう問題じゃねぇ、とっとと消しやがれ悪趣味なヤブ医者が』
「随分な口のきき方じゃないか………いや、こういう場合は『口をきく』と言うのか?」
『知るかボケ』
「とにかく、言葉には気をつけたまえ。君の顔までしっかり映っているオリジナルは、私の手元にあるんだぞ?」
命の言葉に、携帯電話の画面で辛辣に言い返していた芽留も………その絶望的な事実を突きつけられ、文章を打つ
手を止めた。
「なんなら、見せてやろうか?快楽に喘ぐ恍惚とした表情まで、はっきり撮れてるぞ?」
「………っ………!」
「それに、メールじゃ汚い言葉を使うが、声の方はなかなか可愛らしいじゃないか。あの嬌声はなかなか………。」
『黙れハゲ、それ以上言ったらただじゃおかねぇぞ』
「私に、そんな陳腐な脅しは通用しないよ。自分の身を護る為に、あらゆる手を打っているからね。」
命の絶対的優位のまま、会話は進む。もはや自分にこの状況を打開する術が無いということを、芽留の頭は、早く
も理解し始めてしまう。詰め寄る命の声に溢れる自信と余裕が、その言葉が単なるハッタリではないことを示して
いた。指の動きが止まり、次の言葉が、続かなくなる。
「君に、私の言葉に従う以外の道は残されていない。その事実は、覆らない………解かるね?」
遂に観念した………というよりは、ただ愕然とし茫然自失となった芽留の頭の上から、最後通告の言葉を浴びせ
ながら。命は、ふるふると震える芽留の手から、携帯電話を取り上げた。唯一の意思疎通ツールを取り上げられ、
それでも今の芽留には、慌てふためく余裕すら無い。
「まぁ、私の言葉に従ってくれれば、あれはすぐにでも削除しよう。それは、神に誓って約束する。」
「………っ………。」
「と、いうことで………君に1つ、お願いがある。ちょっと、着いてきてくれ。」
その『お願い』という言葉が、絶対服従の『命令』と同義であることを、ひしひしと感じながら。芽留は言われ
るがまま、重い足取りで、命の背中に続いた。
7その花束に絶望を karte10 (3/8):2008/04/02(水) 16:04:23 ID:rCc5PEAh


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そして、今。芽留は、大通りを1本逸れた、今にも朽ち果てそうなビルの敷地に立っている。
街の喧騒と隣接した、静寂に包まれた空間。不況の煽りを受けて、今では誰にも使われなくなった背の高いビルの
敷地へと入る唯一の入り口は錆びた鎖で封鎖されていて、本来なら袋小路のようになっている。あまり厳重とは
言えないその封鎖を潜り抜けて、芽留は、立ち入ることが許されていない、だが立ち入っても誰に咎められるわけ
でもないその場所に居た。
制服姿のままの芽留は、ポケットから携帯電話を取り出す。それは、普段持ち歩いているものではなく、それを
取り上げられた代わりに命から手渡された、旧い型のものだった。
自分のものと同じように二つ折りになったそれを、開く。着信していたメールを、読んで………芽留はまた、ぎり、
と奥歯を噛み締めた。
『指令』というタイトルのメールの本文には………ここに来るまでに、そして今から芽留が従わなければいけない
指令の、耐え難い内容が事細かに記されていた。
最初に書かれているのは、糸色医院を出て、そのビルまで辿り着くルート。ここまでは、まだいい。
問題は………その、後。これから取らねばならない、行動だ。

芽留は改めて、その余りに酷なメールの内容を確認し………その指示通りに、動き始める。
まず鞄から、これも命から手渡された、デジタルカメラを取り出す。説明通りにスイッチを入れて、まず、自分が
その場所に居るのだということを証明する為に、周囲の風景を撮影する。次いで、折り畳み式の三脚を取り出して、
適当な場所で、壁に向けてカメラをセットする。
そこまでの指令をクリアし、次に、そのカメラが撮影している壁の前に歩み出る。芽留はしばし、頬を真っ赤に
しながら、足元の地面とカメラとを交互に見比べて………そして。
「………ん………。」
おもむろに………クロスさせた手を制服の裾に手を掛け、それを、脱ぎ去った。
ぱさ、とカメラのマイクでは拾えない微かな音と共に、制服が埃っぽい地面に落とされる。芽留の白く細い身体と
今は必要かどうか判断に悩むブラジャーが、曝される。
普段から全く人気が無いとはいえ、どこから誰に見られているとも限らない、こんな野外で下着姿を曝すことなど、
芽留にしてみれば………いや、おそらくはほとんどの女性にとって耐え難いことだろうが。今の芽留に、選択権は
無い。それどころか………この後、これとは比べ物にならない程の恥辱を、要求されているのだ。
白かった肌をみるみるうちに上気させ、泣きそうな顔で震えながらも………1枚脱ぎ捨ててしまったことで精神的
にも後戻りが出来なくなったのだろうか。芽留は、指示通りに次々と衣服を脱ぎ捨てていく。スカートが脱ぎ捨て
られて上下とも薄い下着だけになり、それも、ほんの少しの躊躇の後、取り払われてしまう。
「っ………〜〜〜ッ………!」
まるで、一刻も早く事を終わらせようとしているかのように、芽留は、白昼のストリップ撮影を終えた。今はもう、
身に着けているのは靴と靴下、それと髪留めくらいのものだ。少し離れた大通りには、今も多くの人が行き交って
いるであろう、ということを考えると、心臓が張り裂けんばかりに大きく脈打った。
だが………いくら、羞恥心に全身を掻き毟られ、このまま消えて無くなってしまいたいような気分になっても。
未だ、命から課せられた指令は、達成されてはいない。
「………ッ………。」
芽留は、次の指令に従う為に背中を冷たいコンクリートの壁に預け、そのままずるずるとずり落ちるように、その
場にしゃがみ込んだ。その体勢になると、立っているときにはその膨らみがわずかに見て取れるだけだった………
その、高校生にしては幼過ぎる秘裂が、正面からでも丸見えになる。もちろん眼の前のカメラも、誰にも許した
ことの無い秘裂を外気に晒し、全身をガタガタと震わせる芽留の痴態を、克明に記録し続けている。
そして。録画を続けるカメラの前で………芽留は、その細い指を、恐る恐る自らの下腹部へ近づけていく。
8その花束に絶望を karte10 (4/8):2008/04/02(水) 16:05:12 ID:rCc5PEAh
「………あ、ふ………ッ………!」
その指先が、秘裂の上方の末端………その小さな肉芽に、ほんの少し、掠めるように触れた瞬間。普段、滅多な
ことでは声を出さない芽留の口から、小さな、しかし甲高く響く声が発せられた。
「………ぁ………。」
触れるか触れないかの所で指先を停滞させたまま、芽留は、ぼんやりと遠くを見つめるような眼で、今居る敷地
のすぐ隣にそびえるビルの外壁を見上げている。いや………それは形だけのことで、今の芽留の瞳の焦点は、どこ
とも知れない空中を彷徨っているのかも知れない。
しばし、そうして沈黙した後………芽留の指が、再び動き出す。さきほどと同じようにそろそろと肌の上を下り、
最も敏感な部分に自ら接触する。それでも、今度はその指を止めることはせずに………まだ毛も生えていない秘裂
の上を、何度も、往復させ始める。

それは、おそらく誰が見ても紛うことなく………自慰行為、そのものだった。
命が、あの映像を盾に芽留に突きつけた要求………それは、こうして独りで、野外で自らの自慰行為を撮影させる、
というものだった。もちろん、一糸纏わぬ………いや、正確には靴下と靴だけは残されているが、それに順ずる
あられもないその姿で、である。

もちろん、あの携帯電話を渡され、初めてその内容を知ったとき、芽留は命に精一杯の抗議をしてみせた。だが、
それも命があっさりと『ならば、明日から表を出歩けない身になるだけだ。』と言ってのけたことで、あっけなく
収束してしまった。そう、もしも命の課した指令を達することを拒めば、あるいは、それを達することが出来な
ければ………自らの痴態が、大勢の人間の眼に晒されることになるのだ。
救いの光などどこにも見当たらない、この状況。一刻も早くこの理不尽な状況から逃げ出したい、その一心で、
芽留は襲い来る凄まじいほどの羞恥心に耐えているのだった。
命の指令は、カメラの前で、1度絶頂に導かれる様子を撮影し、それを命の元に持ち帰るというものだ。とにかく、
早く果ててしまえばそれで全てが終わる。この状況を、抜け出せる。
極力、それ以外のことを考えるのを止めて、芽留は指を動かし続ける。身じろぎ一つせずに自分を見つめ続ける
カメラの前で、肉芽を摘み、捏ね回し、秘裂を押し開いて、内壁を指先で抉るように愛撫する。不本意ながらも、
少しでも快楽に敏感な場所を求めて、自らの身体を貪っていく。

身体がビクビクと震え、声が抑えられなくなる。やがて頭が、ぼぅ、と熱くなってくる。それが、耐え難いほどの
羞恥心の所為なのか、あるいはその身体が快楽に溺れ始めた所為なのか………それは、芽留にも解からなかった。
やがて芽留は、自分の身体の奥底から………何か、大きな波のようなものが湧き上がってくるのを、感じ始める。
それは、今まで何度も………人知れず自慰に耽る度、そのクライマックスで感じてきた、馴染みのある感覚だ。
「あ、ぁ、ア………ッ、ぅ………!?」
繰り返し繰り返し、短い嬌声を上げながら………芽留はいよいよ、絶頂へと近づき始める。手足の筋肉が痙攣する
ように収縮を繰り返し、2本もの指を呑み込んだ秘所も、急激にその圧力を増し始める。
「あ………〜〜〜ッッッ!!?」
そして………今まさに、芽留の身体が絶頂を迎えようとした、そのとき。

「………おいおい、マジでやってがる。」
「………ッッッ!!?」

突然………男の声が、聞こえた。
絶頂に導かれる寸前の状態で、ビクリ、と身体を硬直させて。芽留が、恐る恐る、声のした方向を見やる。
「真昼間からこんなトコで、素っ裸でオナニーか。ガキみてぇなナリして、とんでもねぇ痴女だな。」
さきほどまで誰も居なかったはずのそこに立っている、顔には見覚えが無い、しかし制服には見覚えのあるその
男子生徒の姿を見て………芽留の表情が、固まった。時が止まり、音が消え去ったような錯覚に陥る。自分自身の
心臓の音だけが、まるで頭の内側から聞こえているかのように、やかましく鳴り響いている。
「お前、ホントに同級かよ?中坊にしたってチビ過ぎんだろ。」
手の中にあった携帯電話をパチン、と畳んで。やや背が高く、髪は金色の短髪、黒い制服の下にTシャツという、
見るからにガラの悪いその男は、まさに『痴女』としか言い様の無い、言い逃れの出来ないような格好で呆然と
している芽留に歩み寄る。その顔に浮かぶ、明らかに何か良からぬことを考えている笑みを眼にして………芽留は
ようやく、眼の前で起きていることの意味を悟った。
9その花束に絶望を karte10 (5/8):2008/04/02(水) 16:07:29 ID:rCc5PEAh
全身から、血の気が引く。今度は、心臓が縮み上がって消滅してしまうような錯覚を覚える。
「………ホントは、毛も生えてねぇガキは趣味じゃねぇんだけどな。」
麻痺したように動きを鈍らせた芽留の脳が、何かの指令を送るよりも先に。歩み寄った男がほとんど全裸に近い
格好でへたり込む芽留の眼の前に、しゃがみ込む。その視線は、1度値踏みするように芽留の顔に注がれた後
………さきほどの体勢のまま固まっていた芽留の、しとどに濡れた秘裂に、容赦なく注がれた。視線に気付き、
引いたはずの血の気と熱が数倍になって跳ね返ってきたときには………男の手が、その秘裂に伸ばされた後だった。
くちゃ、とその指先が僅かに芽留の内側へ沈み込む。
「ふ、ひぁッ!?」
「おー、チビのくせして、こっちは一丁前に感じてんのか。どうしようもねぇな、この変態が。」
芽留はそこで、ようやく我に返って、抵抗を試みる。眼の前に迫った男の身体目掛けて力一杯腕を突き出すと、
しゃがみ込んでいた男の身体がぐらりと傾き、その場で無様に尻餅をついた。抵抗は無いものと思って油断して
いたのか、あっさりと芽留に突き飛ばされた男子の眼の前から、芽留は一目散に逃げ出す………が。
「………あ、ぅ………!?」
芽留は走り出してから、自分が今どんな格好をしているのかに、気付いた。まさかこんな格好で、人が居る場所
まで助けを呼びに行くわけにはいかない………その一瞬の迷いが、ただでさえ快楽の余韻でおぼつかなくなって
いた芽留の脚を、もつれさせる。
「ひ、あ!?」
駆け出して間もなく、芽留はもつれた自分の足に躓いて転んでしまった。護る物の無い身体に、砂や小石が容赦
なく傷をつけていく。
「ンの、野郎………おとなしくしてろってんだよ!」
「う、あ、ぁ………ッ!?」
すぐさま追いついた男が、倒れこんだ芽留の髪を無造作に掴んで、容赦なく引っ張り上げる。そのまま髪で引き
摺られるようにして、芽留は、あっという間にさきほどのカメラの前に引きずり出されてしまった。
「そう、嫌がるなよ………こっちは、センセーからの『指令』に協力してやろうってんだ………!」
「………ッ………!!?」
男のその言葉を聞き、芽留は、その円らな眼を大きく見開いた。その男が、どうやら命の差し金であるらしいこと
を知り………それまでの怯えきった表情とは一転して、心底悔しそうな顔で、奥歯を噛み締める。
芽留は引き摺られながら、制服と共に地面に置かれていた携帯電話をなんとか拾い上げて、そこに眼にも止まらぬ
指さばきで打ち込んだ文章を、男の眼の前に突きつけた。
『てめぇ、あの腐れメガネの使いっパシりか』
そんな、芽留の毒舌が発揮された言葉を受けても、男は気分を害したような様子は見せなかった。それどころか、
なにやらニヤニヤといやらしい笑みを浮かべているようにも見える。
「………ああ、そうだよ。お前の撮影を手伝ってやれってな………そろそろ、次のメールが来る頃じゃないか?」
そして、男がそう言った瞬間。
『ヴヴヴヴヴヴ………』
「ッ!?」
その言葉通り、携帯電話が振動を始めた。見慣れぬアイコンと共に、メールの着信が知らされる。
芽留は、にやつきながら、しかし髪を掴んでいる以外は特に手を出さずに、自分の様子を窺っている男の顔色を
窺ってから、恐る恐る、そのメールを開く。そして『指令:追加項目』という題名のそのメールの内容を読んで
………また、その双眸を見開いた。
「………そういうことだ。まぁ、まずは………先に来てた指令が、優先だけどな。」
「ぁ………ッ!?」
芽留が、たった数行のその指令を読み終えた直後。男は、芽留の体を後ろから抱きかかえた。そのままカメラの
正面に座り込み、開いた膝で芽留の脚を無理矢理押し開く。さきほどまでと同じように、カメラの前に曝け出され
た芽留の秘裂に………男は、躊躇い無くその指を侵入させた。
10その花束に絶望を karte10 (6/8):2008/04/02(水) 16:07:59 ID:rCc5PEAh
「あ、ひぃッ!?」
「まだ、イクとこ撮ってねぇだろうが。ほら、手伝ってやるからさっさとイッちまえ!!」
男の指は情け容赦なく、芽留の秘裂の内側を蹂躙する。さきほどまで自分の指に慰められ、臨界点ギリギリにまで
高められていた芽留の身体が、無遠慮なその攻撃に耐え切れるはずもなく………芽留は、喘ぎ声を上げることすら
ままならず、あっという間に絶頂を迎えてしまった。
「ひッ………ァ………〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
「おー、イッたイッた………ガクガク震えちまって、見た目は可愛いモンだな。」
男の腕に支えられながら、芽留は、まさかこんな形で与えられるとは思ってもみなかった、生まれて初めて異性の
手で導かれた絶頂に身を震わせる。すっかり緩み、ひくひくと痙攣を続ける秘裂から、ちゅぽ、と粘度を感じさせる
水音と共に男の指が引き抜かれる。
「ドロッドロだぜ。ほら、見てみろよ、なぁ?」
あまりに急激な刺激に、半開きになった口に自らの秘裂から零れた粘液を押し込まれても………今の芽留には、
それを拒絶する余裕すらありはしなかった。その手から、たった1度だけ男に反論した痕跡の残った携帯電話が、
滑り落ちる。
そして………その余韻に、溺れている暇も無く。
「休んでる暇なんてやらねぇぞ………早速、次の指令だ………。」
男は、命が芽留に課した次の指令を達成する為に『協力』しようと………自らのズボンに、手を掛ける。
芽留が平静を取り戻すよりも先に、男は制服のチャックを降ろし、既に大きく膨れ上がったその怒張を晒け出した。
その気配に気付き、芽留がようやく、ぼんやりと空中を彷徨っていた視線を自分の身体の下に向ける。
「ひ、ぃ………っ!?」
「んじゃ、行こうか?」
芽留が一瞬で我に返り、恐怖に顔を引き攣らせたのも束の間。その体が、ぐん、と高く持ち上げられ………そして、
天を衝く男の怒張の真上に、落とされる。芽留の身体と比較するとかなりのサイズに見えるそれは、一瞬で芽留の
秘裂に飲み込まれ………その奥にあった、純潔の証を貫いた。
「い”………あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!???」
身体が真ん中から引き裂かれるような、信じられない程の激痛に………芽留は、生まれてから1度も発したことの
ないような大声で、甲高い悲鳴を上げた。すぐさま、男の手がその小さな口を覆う。
「っと………いくら人が居ねぇからって、そこまで叫ばれちゃマズいんだよ………!!」
「ん”うッ、んぐうぅぅぅぅッッッ!!」
「にしても、イイ声で鳴くな………ガキは趣味じゃねぇと思ってたが、ちっとテンション上がってくるぜ………。」
そう言いながら男は、腰を揺すり、芽留を抱えた腕も上下に動かしながら、その怒張を容赦なく芽留の奥底へと
打ちつけ始める。人より身体の小さい芽留の秘所は、破瓜の鮮血を垂れ流しながらも、簡単に最深部にまで達し
そこに衝突する男の怒張を、痛いほどの力で締め上げる。
「前戯なんてしてやんねぇからな………さっき、突き飛ばしてくれた礼だ………!」
「い、ぁ………あ、ぷぁッ、ん、むぅぅ!?」
男は何度も何度も、執拗に芽留の幼い身体を突き上げ続けた。血と愛液が混ざり、埃っぽい地面に垂れ落ちる。
恥ずかしい部分を余すことなくそのレンズの前に晒しながら、口を塞がれ、苦悶の表情を浮かべてその身を蹂躙
される………これ以上無い程屈辱的なその姿を、意思も情けも持たないカメラは、いつまでも撮影し続ける。
やがて………芽留を抱えたままの男が、それに近づく。
「よし、せっかくだ………もっと、楽しい画も撮っとこうぜ………!!」
「ん、ひ………ぁ………!?」
突然体位を変えられて悶絶する芽留のことなどお構いなしに、男は、三脚の上に固定してあったデジタルカメラ
に手を伸ばす。男は、それを手にすると………更に無理矢理な格好で体位を変え、芽留を地面に押し倒す形で、
その小さな体の上に覆いかぶさった。
ぼろぼろと涙を零す芽留を見下ろすように、男は手にしたカメラを回し続ける。
「オラ、これが『ハメ撮り』ってやつだ!なかなか経験できるもんじゃねぇぞ、良かったなぁ!?」
「ん、ぎ………あ”、あァァッ!!?」
なんとか口の自由だけは取り戻した芽留がまた、苦痛に耐えかねて、快楽からは程遠い悲鳴を上げる。それでも
男は構わず狂ったように腰を振り続け、芽留が苦しむ様を堪能し続けた。上下に揺すられるたびに、剥き出しの
背中が地面に擦れ、傷ついていく。が………今、芽留の心は、そんな痛みなど感じている余裕すら無い、絶望の
どん底に叩き落されていた。
11その花束に絶望を karte10 (7/8):2008/04/02(水) 16:08:33 ID:rCc5PEAh

「オラ、もっと鳴いてみろよ!ハハハハハハハハハ!!!」
やがて………カメラを片手に狂ったように笑う男の声が、どこか、遠くから聞こえるようになる。破瓜の痛みが
薄れ、背中の痛みが薄れ………全ての感覚が、緩やかに、芽留の身体を離れていく。
………それは、芽留の意識が、耐え難い惨状に置かれた我が身に留まることを拒絶し始めた故に起きた、ある種の
自己防衛反応であったが………その瞬間、その事実に気付けた人間は、芽留を含め、ただの1人も居なかった。
「ぁ………ぁ、あ、ぁ………ぅ………?」
絶え間なく上がっていた絶叫が、急激に収束し始める。自らの意識を手放した芽留の身体は、やがて、雌の本能
に従って男の蹂躙を受け入れ始めた。
「お、やっと濡れてきやがった………ホラ、そろそろイクぞ!全部叩き込んでやるから、覚悟しろよ!?」
遠くで、男がそんなことを言っている。その声を、意識の片隅でぼんやりと聞きながら………やがて、身体を
離れどことも知れない所に漂っていた芽留の意識は、緩やかに、収束していった。

「出るぞ、オラ!残さず受け止めろよッ!?」
男が、もはや物言わぬ人形のように、ただ自分の腰の動きに合わせて揺れることしかできなくなった芽留の身体に
己が精を注ぎ込んだとき………カメラが写すその身体の中には、既に、芽留の意識は存在していなかった。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


意識を取り戻したとき………芽留は、既に乾き固まり始めた白濁液にまみれて、ビルの敷地に無造作に打ち捨て
られたような形で横たわっていた。それだけ見れば、変死体のようにしか見えない格好の芽留は、ぼんやりと
霞が掛かったような意識の中、ゆるゆるとその瞳を動かした。
やがて身体の感覚が戻り、そのゆっくりとその上体を起こす。身体のあちこちが痛むので様子を見てみると、
疼く秘裂から、そして身体中についた小さな傷から、血が流れ出して固まったような痕があった。
ゆっくりと、10秒ほどの時間を掛けて、芽留は記憶を手繰っていく。

そして。
「………ぁ………ッッッ………。」
程無くして………自分が意識を失う前に、どんな目に遭わされていたのかを、思い出した。

担任の身内に、耐え難い恥辱を強要され。
その手先の、見知らぬ男に………純潔を奪われ、こうして、ボロボロになるまで犯された。
その現実を認識し、芽留の心は、まるで金槌で頭を思い切り殴りつけられたような衝撃に襲われた。

周囲の様子を、確認する。そこに自分を犯していた男の姿は見当たらず、ただ、やって来たときと同じ景色が
広がっているだけだ。脱ぎ捨てられた制服も手付かず、デジタルカメラも、三脚に戻してある。
「………ッ………ぅ、ぅ………!!」
違うのは、これ以上無い程ドロドロに汚された、自分の身体くらいだろうか………無意識のうちに、そんなことを
考えて………芽留は、大粒の涙を零しながら、泣いた。肌を伝う涙が、微かに、本当に微かに、身体の汚れを洗い
流していく。
12その花束に絶望を karte10 (8/8):2008/04/02(水) 16:10:10 ID:rCc5PEAh

そして、その傷だらけの背中に。
「いや、ご苦労様。」
「………ッ!!?」
聞き覚えのある声が、掛けられる。
芽留が、泣き濡れた顔で振り返ったその先で………いつの間にかやってきていた命は、三脚にセットされたまま
だったカメラを手にし、早速その中身を確認していた。
「よく撮れてるね………はは、意外と大胆な指使いだな。顔に似合わず。」
「………う、ぅッ………!!」
「お、あの男子生徒も上手くやってくれたみたいだな。」
「………っ………!!」
「………おお、頼みもしないのに、ハメ撮りまでしてくれるとは。なかなか、見込みがありそうだ。」
芽留は、涙の跡が残る顔で、射殺すかのように命を睨みつけてから、辺りを見渡して、命から渡されたはずの携帯
電話を探す。眼の前の男にどんな辛辣な言葉をぶつけても、その気持ちが晴れることは有り得ないだろうが………
それでも、その煮えくりかえるような想いをぶつけずには、いられなかった。
が。その様子を察して………命は振り向き、にやり、と笑う。
「自慰行為と、絶頂に達する様子の撮影………そして、男子生徒との性行為の、撮影。」
「ッ………っ………?」
「おめでとう、指令は達成された。もう………コレは、必要無いな。」
「っ!」
そう言って、命は白衣のポケットからあの携帯電話を取り出した。芽留がまた、奥歯を噛み締める。
だが………耐え難い苦痛を、受けはしたが………命の言葉通り、これで指令は達せられたはずだ。芽留はよろよろ
と、脱ぎ捨てられた制服のもとへ歩み寄りながら………ようやく悪夢が終わる、という微かな安堵にすがり、どう
にかその精神を、狂う寸前で保っていた。
「約束だ、あの映像は削除する。バックアップなんてつまらん真似はしないから、安心してくれ。」
「………っ………。」
「とりあえず服を着て、診療所に戻ろうか。傷の手当もしなきゃいけないだろう?」
芽留にあんな命令を下したとは思えないような台詞を吐きながら、命は、デジタルカメラを白衣のポケットに
仕舞いこんだ。やがて、制服を着終えた芽留が、命に歩み寄る。少し血で汚れるかも知れないが、今の芽留に、
そんな些細なことを気にしている余裕は無かった。
「では、お疲れ様。着いて来たまえ。」
「………………。」
事が終わったことに安堵し、まるで抜け殻のようになった芽留は、命の言葉に従い、ふらふらとその背中を追って
歩き出す。背丈の大きく違う2人の人影が、人気の無いビルの敷地から、去っていった。

「(約束通り………指令を達成したご褒美に、盗撮した『あの映像』は、消してやろう。)」
その、帰路の途中。ポケットの中のカメラを、弄びながら。
「(次は………今日撮った『この映像』を消す為の、別の指令を考えなくてはな。)」
命が心の中で呟いた声は、誰にも聞かれること無く、命の心の内側へと帰っていった。



(続)
13その花束に絶望を:2008/04/02(水) 16:13:45 ID:rCc5PEAh
………はい、お粗末様でした。

第8話、看護婦も含めると記念すべき10人目。
メンヘル、じゃなくてメルヘン、じゃなくて芽留編でした。
男子生徒は、なんとなく五月バレの話に出てきた彼をイメージしましたが、彼にこんな度胸は無いですよね。本当にすいません。

自分の中で、いよいよ大詰めになってきた感じです。
あと5人、もしかすると6人。なんとか書き上げられるよう頑張ります。

では。乱文失礼致しました。
14名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 17:34:02 ID:fQHArOaM
GJ
楽しませて貰ったよ
15名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 20:17:57 ID:3XhPYq8h
>>13
テラ乙でした。
ぞくへん!!続編!!
16名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 23:44:46 ID:wKj2q62Q
まだ嫁が出てないからwktk
17名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 00:42:31 ID:2etiStgs
前スレ251です。
一応ラストまでは投下しようと思いますのでお借ります。

注意は以前と同じく非エロです。
後長いかもしれません。

それでは、しばしのお付き合いを…。
「誰?あなたは誰?」
さっきまで、たくさんの人がいたのに今はこの子と二人。
『ワタシのこと…忘れちゃったんだ…寂しいなあ。』
思い出せない。思い出そうとすると頭が痛くなる。気分が悪くなる。
『ずっと一緒なのに…ひどいじゃないですか。』
前の子が顔を上げる。白目のない黒目だけの顔。…私の顔。
『ワタシは私ですよ。私自身ですよ。』
胃から何かがあがってくる。耐えきれずに嘔吐する。
『嫌だなあ。そんなに怖がらないでくださいよ。避けないでくださいよ。』
『みんな居なくなっちゃいました。』
やめて…
『みんなどこに行っちゃったんでしょう。』
やメテ…
『どうして居なくなっちゃったんでしょう。』
ヤメテ…
『誰のせいなんでしょう。』
お願い…もう…ヤメテ…
『神様って本当に居るんですかねえ』
『神様との約束って…言い聞かせてましたけど…』
『でも…私とワタシの神様は…誰も…救いませんでしたね。』
『それどころか…』
暗転する世界。いつのまにかみんなが私の周りを囲んでいる。
パンッ…まるで風船のようにみんな割れて消えていく…
上からぶら下がってくる…誰…先生…
『ふふふふ…あははははは…』
『みんなを…恐ろしい道へと…誘ってしまいました。」
目の前の私…朽ちていく。溶けていく…。苦しい。気分が悪い。頭が痛い。
『ゴボッ…ごんどば…ばたしじしんですか・・・』
イヤ…誰か…助けて…
『だれも…たすけることは…できないよ…』
『…ければ…事は…できないよ…』
もう言葉は聞き取れない。苦しい。苦しい。胸が痛い。胸が痛い。意識が遠のく………
「この間聞きそびれたあの子の病状を教えてもらおうか。それとお前から俺たち。いや彼女を呼び出したその理由も併せてな。」
あの日、半分気を失ったような状態で、私は風浦さんの居る病院を後にした。
目の前で突然胸を押さえ、彼女は倒れ込んだ。明らかに心だけではない。何か身体にも異常を抱えているのは素人目に見ても明白だ。
「現実世界からの乖離…それが彼女の。」
「それにしては、あの子の様子は。」
「まあ聞け。心が全ての原因なのは間違いない。だが…治療は続けて居るんだが、彼女の心は回復しようとしない。
何かが彼女の心に重荷となっている。それから解放しないと彼女の回復は見込めない。」
「それは弟のことか?」
「うむ。それで間違いないと思うんだが。まだ何かが足りない…。だが悠長にそれを探る時間はないんだ。」
「どういう事だ?」
「心が体に影響を及ぼし始めている。あの病室に入ったばかりの時は、彼女は毎日を楽しく君の弟さん達との思い出と
一緒に過ごしていた。」
「だが数ヶ月前から彼女にある変化が現れた。夜中に泣き始めたんだ。現実に戻り始める傾向かと思っていたんだが、
いかんせん状況が悪すぎる。」
「彼女に聞いてみても、私が泣くわけ無いの繰り返しだ。何を見て泣いているのか解らんが、その事に心が耐えきれな
いのか彼女に発作の症状が現れ始めたんだよ。」
「その頻度も、月に2〜3回だったのが徐々に回数を増やし、今では週に何度か起きるようになってしまった。
お前達が見たのは随分と軽い物だ。あの後彼女はすぐに意識を取り戻して、また一人遊びを始めだした。」
「肌の異常な白さはその為か…それで許された時間は?」
「半年…それでも長いくらいだと思う。」
砂丹先生の声が小さくなる。…半年…また…わたしの…友達が…居なくなってしまう…
「時間が無いな。」
「ああ。そこで相談だ。君の彼女…。」
「日塔です。」
「日塔さんの力を借りたい。無意味かもしれない。徒労に終わるかもしれない。本来なら患者さんの映像など見せて
はいけないんだが、特別に上の許可も得ている。ちょっと見てくれ。」
目の前のテレビに映像が映る。風浦さんが一人映っている。
「そうですかあ。よろめきバッタが出てくるようになったんですねえ。良い季節になってきましたねえ。」
風浦さんが一人でしゃべっている。画面の中で急に目線を振る。
「あら…今日は一人でいらっしゃったんですねえ。どうぞこっちへ来てくださいなあ…」
そう言いながらベッドから立ち上がり、扉の方へ向かおうとする。
急に胸を押さえ倒れる…そこで映像は終わってしまった。
「すまんな。許可が出たのはこの部分だけなんだよ。」
「これは?」
「この映像はな…」
「私達が…お見舞いに来た時の物ですか?」
無言で砂丹先生がうなづく。…やっぱり気づいてくれてたんだ。
「発作の症状が現れ始めた頃から、彼女は人の区別がつかなくなってきた。正しく言うと、遊び相手以外は全て同じ人に見えている様なんだ。」
「私が治療に行っても、毎回毎回自己紹介からのスタートだ。」
「だが、日塔さんへの態度は明らかに私達とは違っていた。」
「悪影響にならないか。彼女のトラウマを今以上に悪くさせないか。ここにいる医師達とも話をした…だがもう時間が無い。
このままでは確実に彼女は…」
それから、私は授業の合間にできるだけ時間を作り風浦さんの元へと足を運んだ。
私が姿を見せると、風浦さんはいつも笑顔で部屋へ招き入れてくれた。
会話は相変わらず噛み合わないが、彼女の笑顔を見ているだけでなんだか幸せな気分になった。
だけど、現実は厳しく彼女を追い立てていた。
「どうだ?」
「うむ。一進一退…というよりも二も三も退の方が大きいのだがな。」
「厳しいか…?」
「ああ。今のままでは…」
最初はベッドに座って私と話をしていた彼女は次第に背もたれを使うようになり、今では体を起こす事も困難なまでに衰弱してしまった。
季節は冬から春になっていた…。

「外へ…行ってみては駄目ですか…?」
私は駄目元で言ってみた。私の目から見ても…
「外の景色を…見せてあげたいんです。」
「今日明日という話ではないが…そうだな。もう…。」

何かあれば全ての責任をとる。砂丹先生の強い後押しで、風浦さんの外出許可は下りた。
彼女の車椅子を押して歩く。外は随分暖かくなってきていた。
私達のずっと後を、砂丹先生と命さんと看護士の人が着いてくる。
私は何も言わず車椅子を押しながら、春の太陽の下を彼女と行った。
目の前をピンクの小さな物が横切る…
「桜…」
いつのまにか、公園にたどり着いていた。
風浦さんが顔を上げて消え入りそうな声で言った。
「わあ…綺麗ですねえ。まるで両翼を広げた天使のようです…。」
そう言うと、車椅子から立ち上がろうとする。私は風浦さんに肩を貸した。
風浦さん…どこか遠くを…何かを見ている。
「これは…桃色ガブリエル…あっちは桃色右大臣…それは桃色若社長…」
「桃色若社長に…ぶら下がっていたので…桃色…係長…」
私の肩を濡らす風浦さんの涙。
「…先生…ごめんなさい…」
そう言うと風浦さんは急に意識を失った。
…嫌…風浦さんなんで急に重くなっちゃったの…。私の周りを先生達が囲む…嫌だ…嫌…
あの桜を見た日から数ヶ月後。
私は空港にいた。南のとある小さな島へ行く為に。
私の前に人が立つ。
「急に連絡をしてきたと思ったら、南の島へ行きたいなんてどういう事ですの!!」
どこにいても目立つ金髪に碧眼の女の子。
「まあまあ。事情を聞くと行かないわけにはいかないでしょ。」
眼鏡を掛けた女の子が、取りなすように喋る。
ピロリパロピリロラ…携帯電話にメールが入る。
「急に言われてもこっちも困るんだよ!!ブス!!たまたま俺も暇だったから良かったものの。」
人の陰に隠れてもじもじしている子からのメール。
遠くからは、「すいません!!すいません!!私のような者が今から楽しみに行く方々の気分を害してしまってすいません!!
私のような者が南の島へ行ってすいません!!」
「あいかわらずだね。」
髪の長い女の子がつぶやく。
「お客様!!ライターの機内持ち込みは1個でお願いします!!…あの…バットは何のために…?」
「おほほ…久々に会ったというのに、皆さんお変わりのない事で」
「あいかわらずだな。」
随分久しぶりに顔を合わすみんな。
「久藤君にも声を掛けたんだけどね…。」
「なんか編集の仕事をしてて、締め切りが近いから駄目なんだって。担当してる漫画家さんが目を離すと路線を替えちゃって、
ほとんど久藤君がストーリー考えてるらしいよ。」
ちらりと前を見ると、その漫画家さんは久々に会った仲間と話し込んでる。
だけど今回は随分と久藤君に世話になった。私一人では限界があったが、久藤君の人脈で何とかみんなに連絡が取れたのだった。
「しかしまあ。わざわざこっちから会いに行くなんてみんな暇ねえ。しかもそれ以外が無計画だなんて…。
もう少し目的を持って旅をするのが普通じゃなくって?」
自分の事をさしおいていきなり文句を言われたが、まあそれもそうかなあと思ったその時。
「嫌だなあ!!旅の目的がないなんてそんなわけ無いじゃないですか!!」
声のした方を振り向く…
「これは…そう!!思い出探しの旅です!!みんなが置いてきた思い出を探す旅に決まってるじゃないですか!!」
あの春の日…
『…やっと…わかったんですね。』
今日もあの子と私。もう一人の私…。いつものように下を向いたまま…。
『あの時…私は…先生に…ひどいことを言っちゃいましたね。』
『あの時「ナシですよ!!先生!!」って何で言わなかったのか…。何でもっと真剣に止めなかったのか…。』
『まさか先生が本気だなんて気づかなかった。気づいてあげられなかった。』
『あんなに大好きだった先生を自分の言葉で追い詰めてしまった事を許せなかった。…ずっと…自分を責め続けていた。』
『それでも私のせいじゃないって…思いたかった。誰かに私のせいじゃないって言って欲しかった…』
涙があふれる…ポジティブに生きる事をずっと自分への枷として生きてきた。
その為に…真っ先に捨てた物。頬を濡らす涙。
向かいの私が顔を上げる。怖くない…。もの凄く優しい笑顔…。
気がつけば、向かいの子が先生に代わってる…。
「あなたはいつも無理して笑ってるようで、それを見る度になんだか心が痛む思いがしていました。」
「私と居る時に見せてくれた笑顔も…なんだか痛々しくって。本当はもっといい顔で笑えるはずだとずっと思ってました。」
「でも…私もあなたにずっと頼りっぱなしだったのかもしれませんね…。」
「あなたはあの時の事を、自分で責めていたんでしょう。でもあれは私の心の弱さが全ての始まり。あなたの言葉は偶然の
一つに過ぎません。」
「先生…」
「もう…いいでしょう。そうやって、私の事を無理に思いださなくてもいいですよ。あなたにそうやってつらい思いをして
まで記憶されるのは…私も本当につらいです。」
「自然体で…良いと思いますよ…。」
もう一人の私も姿を見せた。
『自分が助けなければ…自分を助ける事はできないよ…』
「そう言う事です。もう責めるのはおやめなさい。私は…私自身であの道を選んだのです…。」
何も言えず私は泣きじゃくる。今まで泣かなかった分をいっぺんに取り返すくらい泣いた。
「それでは…お別れです。あなたの事は決して忘れませんよ。」
嫌…行かないで…
「駄目です!!そういうわけにはいきません!!。」
聞いた事のない厳しい先生の声に私は身を竦める。
「今までのように呼ばれても出てくる事はできませんが…これからも…ずっと…あなたの事を…」
先生の姿が薄くなっていく…行かないでって言いたい…でもそれは先生の本意ではない。
「ありがとう…先生…私も…先生の事を…」

「それで、彼女の病状はどうなったんだ?」
「劇的と言っても良いほどの回復だよ。ポジティブなところは全く変わっていないが、前のように人の心に入り込もう
という様子もない。もう少し慎重に観察する必要があると思うが、問題なければ退院という事にもなるかもしれんな。」
「まあ、長い間の発作で随分と体は弱っているが、それは少し入院して治療すればすぐに良くなるだろう。」
「そうか。良かったよ…。弟にも良い報告ができそうだ。」
「なあ…糸色…」
「なんだ?」
「お前…神様って信じるか?」
「何を突然…」
「俺はずっと神様なんて信じてなかった。だけど…今回ばかりは神様の存在を少し信じてみたくなったよ。」
「偶然が必然を呼んだ。たまたまお前が彼女を連れてきた。誰が前に立とうがあの時まで彼女は一度たりともあの小さな窓を
見る事は無かった。それがあの時だけはなぜか外にいた日塔さんに気づいた…。おまえ気づいてるか?あの窓から
外なんてほとんど見えないようになってるんだよ。」
「…弟がそうさせたのかもしれんな…」
「お互い馬鹿な事を言ってるな。」
「全くだ。」
「しかし。あの患者には色々な事を教えられたよ。」
そう言って小さな窓から二人の医師が中を覗く。
「…さん。」
「はい?今までみたいに風浦さんとか可符香ちゃんでいいんですよ。その名前で呼ばれるのは、まだ恥ずかしいですよ。」
あの時の事を思い出していた。まだ退院して間もないが、風浦さんはすっかり元気になっていた。
「千里も…本当に馬鹿な事をしたよね…どうして私に相談してくれなかったのかって…ずっと親友だと思ってたのに。
私に何も言ってくれないままあんな事を…」
「ごめん…私…許せない。だって…あんな事がなければ…先生だって…ずっと…一緒に…」
「無理に許す事は無いと思いますよ。そんなに人の心は単純なものではないですよ。」
みんなが声の方向を振り向く。その子は一瞬びくっと身を竦めたが、静かに言い聞かせるように話を続ける。
「罪は罪です…法的に罪を償っても彼女は好奇の目にさらされる日々を送ってしまう事になります。」
「それは世間が彼女に架した罪への償い。それは一生掛けても償えるものではないかもしれない。
でも…彼女が罪の重みに苦しんでいる時…だれかが彼女に手をさしのべる…それで良いじゃないですか。」
「私達かもしれない。私達の知らない誰かかもしれない…。自分の心が罪を許せないなら、今すぐには無理でも時が経てば…」
「でも…私その時…千里にどういう顔して会えばいいか…どういっていえばいいか解らないよ。」
「その時は…。」
「言葉なんかいらないと思いますよ。私と芽留ちゃんのように、黙ってじっと目を見れば気持ちは伝わるものですよ。」
風浦さんが芽留ちゃんの顔を見ながらにっこりと笑う。何故か芽留ちゃんはブンブン頭を横に振っている。
「そうだね。忘れる事や許す事は簡単にできないけど…何かの時には手をさしのべる事ができるようになる日が来ると思うよ。」

ピーンポーンパーンポーン
『…行きの飛行機はまもなく搭乗準備に入ります。』
「さあ時間よ!!どうせあんた達は外国の言葉なんてあんまり喋られないんでしょう。私から離れて迷子になっても知らないわよ!!」
ピロリパロピリロラ
「お前3ヶ月くらいしか外国居なかったくせに。お前の居た国の常識で引っ張り回されたり、お前の言葉頼りにしてたら
無事に着くものも着かなくなるんだよ!!ボケ!!」
「なによ!!あんた!!訴えるわよ!!」
「でたでた。さあ行くわよ!!自分探しの旅とやらに!!」
「いや…思い出探しの旅だから…」
「すいません。すいません。私ごときが窓側の席ですいません!!」
「お客様!!ライターの火をつけたりしないでください!!」

「なんか騒がしいね。無事に私達帰ってこられるかな…」
私は横で立ってる笑顔の風浦さんに声をかける。
「いいじゃないですか!!みんな楽しそうで!!」
「あいかわらずポジティブな考えだね…」
「そりゃあもう。約束しましたから…」
「砂丹先生と…?」
「…な・い・しょ…です!!」

自然体の私で…頑張りますよ…糸色先生。
私も自分自身の罪を忘れる事や許す事はできないかもしれない。
…でも…時が経てば…きっと…
24名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 00:55:56 ID:2etiStgs
以上です。お目汚し失礼しました。
タイトルは、今日通勤途中に桜を見て、「そういえば桜の下には死体が埋まってるって聞いた事あるなあ。」
というのがふっと浮かんで、それが頭に焼き付いていたからで特に意味はありません。

一度鬱に叩き込んだ以上、何とかそこから出してやらなければという気になってしまい
気がつけば、だらだらと長い文章を書いてしまいました。
演劇オチとか色々考えてたら、どうにもキャラが出せといってるような気がして
最後は無理から全キャラを登場させてみました。
存在感が薄い人が居ないのは…わざとですw

自分で書いてみましたが、職人さんは本当に凄いなと感心したり尊敬したり。
このくらいでも、色々考えたり投下するのに緊張したりと色々経験しました。
とりあえず、これを最後に見る方に戻ろうと思います。
長々とお付き合いありがとうございました。


25名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 00:57:28 ID:6tE/zL+q
ここは本当にエロパロスレだろうか



褒めてるんですよ
26名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 01:02:05 ID:StaPfiDe
14-111か
もうちょっと待とう
27名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 01:18:00 ID:UxuqonbI
前スレ202です。
私が投げっぱなしだった話が、こうやって収拾がつくとは・・・

こういう自然発生的な連作になるとは、想像もしてませんでした。
なんかすごく嬉しい。
28名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 01:31:17 ID:tzx5y+7k
イイハナシダナー( ;∀;)

何が良いって2のへ組の面々がさ、よくわからないけど良い
29名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 01:43:46 ID:2etiStgs
>>27さま
私の方こそ、色々ネタを奪い取ったようになり申し訳ないです。
奈美と命の2人に砂丹を加えた所や、可符香が元に戻るきっかけなど、
改蔵クロスオーバー作品が、随分と助けになりました。

感想で軽い妄想を書き込んだだけだったんですが、まさかこんな事になるとはw
30名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 03:36:27 ID:p4HneDI2
ぬあぁ、スレ始まってすぐに、待望の続編が2連発!
鬼畜エロから、欝から始まる感動巨編まで、本当になんでもござれだな
両氏共、GJ!
31名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 09:30:35 ID:g3+uEocR
先生×藤吉、お尻プレイありますんで注意。
前スレの619さんの藤吉×久藤とちょっと被った展開ですが、既にあらかた書いちゃってたんで
もうその辺は仕方ないと諦めて投下します。あの藤吉さんはいい感じに腐ってて、とてもかわいかったです。
32名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 09:31:36 ID:g3+uEocR
「せんせぇ〜」
畳に寝転び本を読んでいた望に、甘えるような声を出して晴美が抱きついた。
上半身を起こして、本を置いた望が晴美の方を向くと、晴美がちゃぶ台を指差した。
その上には、コミックに原稿用紙にペンに……と晴美の同人誌作成用の道具一式が置かれている。
原稿用紙には、男性二人が裸体で絡み合う姿が描かれていた。
晴美の少々やっかいな趣味、やおい本である。

「うまく、描けないんです」
「描けない、って……」
描けない、彼女がそう言うのは、少女にとって馴染みの薄いもの、いわゆる男性器の事だろうか?
などと思うも、望はすぐに考え直す、いやしかしそれは、と。
33味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:32:40 ID:g3+uEocR
「あの……この間そう言って、さんざ私の事いじり倒したじゃないですか……」
そう、その話は既に終わっていた。
以前も、望は晴美に同様の事を頼まれたのだ。
猫なで声で、甘えに甘える可愛い恋人に負けて、望は晴美の無茶な要望に応じてしまった。

今でも鮮明に思い出せる。
――男の人ってどこがきもちーのかな?
なんて可愛い事を言う晴美に、逐一反応をチェックされながら、全身の感度を探られたあの日の事を。
特に性器に関しては、どれほど愛でられ、弄られ、イかされ、観察されたか。
さすがに、お尻の方は……『人差し指一本、第二関節まで』で勘弁してもらったのだが、
いくら恋人同士でもあるとはいえ、その日の望の教師としての威厳は完全に地に落ちてしまっていた。

その点に関しては絶望してみたりもしたが、晴美とそういうコトをしたのには後悔していない。
生徒にそんな風に扱われるのが、予想外に気持ち良かったというのが一つ。
お返しに、と望の方もたっぷり晴美の体を堪能させてもらったのが一つ。
結果的に、その日以降の二人の行為の密度が、とても濃いものになったというのが一つ。
どれもエロい理由だった。
おかげで最近、晴美にいじめられながらされるのが、ちょっとお気に入りの望である。
34味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:33:33 ID:g3+uEocR
「ん?ああ、そっちじゃないですよ。それは大丈夫です、ほら」
「うあ!?」
真っ白な原稿を取って、さらさらと絵を描き、望の前に差し出す晴美。
恐ろしいことに描かれたそれは、望のモノに似ていた。

「描けないってのはですね。表情のコトで……」
「表情?」
「ええ。というわけで……先生、手伝ってください!」
「私が手伝う……表情……それって……」
にこりと晴美が微笑む。
「大丈夫ですよ。先生はフツーにえっちしてくれればいいだけです」
「やっぱりそれですか」
「うーん。先生……ダメ?」
望に抱きついて、柔らかな体を押し付けながら尋ねる晴美。
そんな彼女に、今回も望は負けてしまった。
35味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:34:38 ID:g3+uEocR
布団の上に座った二人は、一糸纏わぬ姿で抱き合い、舌をからめ合う。
しばらくそうした後、晴美が望の下腹部に手をやると、すっかり硬くなった望のそれが指に触れた。
その感触に小さく反応した望が唇を離すと、晴美がくすりと笑い、顔を望の下腹部へと近づけた。
晴美が、じっと望の顔を見つめながら、ゆっくりとした動きで望自身を口に咥える。
ちょろっと舌を触れさせたかと思うとすぐに離し、指で軽く袋を揉んだかと思うとそれもすぐにやめる。
それら一つ一つの刺激によって訪れる望の表情の変化を、見逃さぬように、と見つめる晴美。
(ああ、今日は焦らされそうですねえ……)

次第に一つ一つの動きが大きくなり、複合的になっていく。
観察される緊張にも慣れてきた望は、茎に袋にと与えられる刺激に息を荒くして、その表情も乱れていく。
望に奉仕しているうちに晴美自身も興奮して、指で自分を慰めていた。
「っん……藤吉さん、もう……出ま……」
言うやいなや、びくっと体を震わせて、望が多量の精液を晴美の口内へ吐き出した。
射精の快感に酔いしれながら、望が霞んだ目を晴美の方へ向けると、その右手にはカメラが握られていた。

「え……あ、撮りましたね!?」
ちゅぽ、と音を立てて口を望から離し、晴美がデジカメの画面を望に向けた。
そこには、とても気持ち良さそうな顔の望が映っていた。
「バッチリ」
「いやぁぁ!?」
「いいじゃないですか。二人の愛のメモリーです。あとで先生にもあげますから」
「要るかぁ!だいたい二人って、私しか映ってないじゃないですか」
「ふふ、とにかく、ありがとうございました」
くすくす笑いながら、晴美が望自身にキスをした。
36味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:35:41 ID:g3+uEocR
晴美が、唾液と精液でべとべとになった望を舌で綺麗にする。
とろん、と惚けた顔で、晴美は指で自身を慰めながら、その行為に没頭していた。
そこに、パッと光が瞬いた。
なんだろうか、と晴美が顔を上げると、望が先ほどのデジカメを手にしていた。
「お返しです」
晴美がしたように、晴美の痴態が映った画面を向けて、意地悪く望が笑った。
さすがに顔を赤らめ、視線を外したが、むしろ晴美の自身を慰める指の動きは激しくなってしまっていた。

「はぁ……せんせえ……」
「はいはい、わかってますよ」
しとどに濡れる晴美の秘部を前にして、望のそこがまた熱くなった。
望が布団に寝転んで晴美を手招きし、晴美はその誘いに応じて、望を自身の中へと、ずぶずぶ沈めていく。
「っく……」
熱く、きゅっと締め付ける晴美のそこへ挿入した望が、快感と苦しさの混じった顔をする。
そこで、またカメラのフラッシュが瞬く。今度は、晴美がデジカメを手にしていた。
その不意打ちにちょっとした抗議を込めて、少し乱暴に望が下から腰を打ちつけると、
その衝撃に晴美は可愛い声を上げ、大きな胸をぷるっと揺らしてカメラを落とした。
37味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:36:38 ID:g3+uEocR
「あ、あっ……あんっ……せんせっ」
望が腰を打ちつけるたびに、晴美が甘い声を漏らす。
その動きで、ぷるぷると震える晴美の胸は、下から見上げる望の興奮をより喚起させた。
望と晴美は、快楽の渦に飲み込まれて、声をあげながら互いを求めあう。
最高潮に高まった二人は同時に達し、膣内に射精を受けた快感に、晴美は全身を震わせた。

「っふ……ぅん」
ぬぶっという粘着質の音と共に、晴美が腰を上げると、晴美の秘部からポタポタと精液が零れ落ちた。
「はぁぁ〜……先生」
ぐったりと脱力して、晴美が望に擦り寄るようにして横に寝転んだ。
満足そうに目を閉じて、絶頂の余韻に浸っている晴美の頭をなでながら望が言う。
「ね、藤吉さん。何か忘れてません?」
「……何か?」
「ええ……される方、ですよ」
「される方?」
「だから……こっち」
腕を伸ばし、望が晴美の尻を撫で、すぅっと谷間を指でなぞった。

「こっち、って……ええー!?いいです、いいですよそれは!ほら、いつもされてるからわかりますし!」
「それは、こっち……でしょ?」
指を晴美の秘部に挿して、望が言う。
「んっ……でも、その……」
「ちょっとくらい経験してたほうが、良いんじゃないですか?ちゃんと優しくしますから」
「うう…ん」
望も晴美も、お互い甘えられると断れない所は同じだった。
38味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:37:44 ID:g3+uEocR
よつんばいになって、晴美は枕にかじりつくような格好で望に尻を向ける。
「優しく、優しくですよ!ほら、私、優しくしたじゃないですか!」
優しくした、というのは先日のアレのことだろう。
だが、例の『人差し指一本、第二関節まで』というのは譲歩の結果で、当初の晴美の要求はもっと激しいものだった。

「わかってますって……ほら、力抜いて」
「う……ん」
望が晴美の柔らかなヒップに手をやり、尻たぶを左右に少し広げて菊門をさらさせた。
「っあ……へ?ええ?ちょ、ちょ、ちょっと待ってせんへっ!?」
声を裏返らせて、晴美が望の方へ振り向いた。
「……どうしました?」
「今、先生?な……」
「舐めました、けど?」
自分が望にしたこと同様、指を挿し込まれるのだと思っていた晴美の顔が、カーっと紅潮した。

「優しく、って言ったのはあなたじゃないですか。いきなり指入れるよりは優しいですよ?」
「うぅ……でも……」
「多少恥ずかしいくらいが気持ち良いものです。ほら、先生に任せて」
「……うん」
任せて、と言われても普段はあまり頼りにならない望である。
だが、こういうときに限れば、いつだって望は晴美をしっかりと導いてくれていた。
結局、持ち前の好奇心の強さに負けた晴美は、再び元の体勢に戻り、望に身を任せた。
39味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:38:46 ID:g3+uEocR
望の舌が、晴美の菊門の周囲を舐めて湿らせる。
しばらくそうして、晴美の体を温めた後、指を使って広げた穴に望の舌が侵入する。
「うぅん……くっ……あっ、あぁ……」
初めは異物感でしかなかったそれが、晴美が慣れていくうちに、次第に別のものに変わっていった。
むずがゆく、むしろ気持ち悪いくらいであったはずの望の舌による刺激は、もはや快感だ。

望が舌を離すと、既にその感覚にハマりつつあった晴美が、やめないで欲しいという意思を込めて、
甘ったるい声で望を呼んだ。
「っ……せんせぇ……?」
「良さそうですね。じゃあ次、指入れますね」
指を挿し込まれて、一瞬、晴美の息が止まり、苦しさを覚えるも、すぐにまた望の指の動きに溺れる。
だが、しばらくすると望が指を抜いて立ち上がった。
「すいません。ちょっとの間だけ、目を瞑っていてください」
「ふぇ?……うん」

早く続きしてくれないかな、とうずうずしながら望の言う通り目を閉じる晴美。
すぐに望は戻り、再び晴美の肛門に指を入れて前後に動かし始めた。
「あっ……せん、せっ……」
「ふふ、ちょっと大事なコト忘れてましてね…………目、開けていいですよ」
「はい…………あ……」
晴美が目を開けると、目の前に鏡があった。
もちろんそこに映るのは、自分の姿。
両手で枕をぎゅっと握りながら、潤んだ瞳で、はぁはぁと息を荒げ、快感に酔いしれる己の顔だった。
「ほら、しっかり見て。表情描くための恰好の資料でしょう?」
「…………きもち……よさそう……」
自分の痴態を見せつけられた晴美は、さらに強く興奮しながらも、まるで他人事のように呟いた。
40味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:39:42 ID:g3+uEocR
「ねぇ藤吉さん?私も……いいですかね?」
晴美の背後から、望が鏡越しに晴美を見つめて尋ねた。
「んっ……それって、先生の入れる、ってこと?」
「無理なら……」
「いい……ですよ」
熱に浮かされたような顔で、晴美もまた鏡越しに望に答えた。

望が晴美の秘部からしたたる愛液を指ですくって、肛門に馴染ませる。
「苦しいかもしれませんけど……入れますよ?」
「はい」
ぎゅっと目を瞑る晴美の菊門に当てられた望自身が、その中へと入っていった。
「あっ、ぐっうう……」
晴美が涙を流してぶるぶると震えながら、苦しそうな声をあげる。
「大丈夫ですか?抜きます?」
「苦しい……けどなんとか。でも、ちょっと待って……」

はあはあと肩で息をしている晴美が落ち着けるまで、柔らかな誘惑に耐えながら望がじっと待つ。
しばらくして、息の落ち着いてきた晴美が、枕で涙を拭って、少しだけ腰を動かす。
「っひ……ん」
その刺激に一瞬呼吸が止まった晴美に、望が心配そうな顔をする。
「……どうぞ、先生」
望が頷き、ゆっくり腰を前後に動かし始めた。
41味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:40:42 ID:g3+uEocR
「っ!……ふぅ、はぁっ……ああ」
晴美が苦しさと、ほんの少しの快感が混じった声を漏らす。
望は、そんな晴美の様子を確かめながら、腰の動きを少しずつ大きくしていった。
「せんせっ、きもちよく……なって、きまし……た」
「よかった……でも、無理はしないで下さい」
「はっ、い……」

腰の動きと、二人の息遣いが激しくなっていき、晴美の秘部がとろとろとよだれを垂らす。
「はーっ……はーっ……先生、いいです……こ、れ」
「ええ……く……限界です、もう……」
「はい、はいっ……っん、あ、あぁぁ……」
晴美の中で、望の分身が膨張し、精液を放つ。
直腸内で射精を受けた晴美は、だらしなく口を開けて、その未体験の感覚に溺れていた。
42味もみておきましょう:2008/04/03(木) 09:41:41 ID:g3+uEocR
「うっ……ん」
並んで寝転び、ちゅくちゅくと舌をからめ合う望と晴美。
「……ふぅ、どうでした、藤吉さん?」
「きもちよかった……です」
「ふふ……ああ、いいものがありますよ」
と、望がデジカメを手に取り、晴美に見せる。
そこに映っていたのは、目を閉じて、半開きの口から涎を垂らす晴美だった。
ちょうど、望が絶頂を迎えた直後あたりだ。
「またこんなの撮って……先生の変態」
「あなたには、言われたくありません」

「先生、またしてくださいね……お尻。今度は、先生にもしてあげますから」
「……優しくしてくださいよ」
「ええー?私、ちょっと泣かしちゃうくらいが好きなんですけど?」
「勘弁してください……」
「ちぇー」
なんて、半分本気の冗談を言い合って、二人はまたキスを交わした。
43名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 09:43:05 ID:g3+uEocR
鬼畜エロとか、鬱から始まる感動巨編とか、そういうセールスポイントがない無難なエロコメでした。
ああ、おかげであとがきで話すことも思いつかない……あ、>>32にタイトル入れ忘れました。
44名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 10:16:52 ID:OghfLIkw
>43
GJ!
午前中からいいもの見せてもらいました
45名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 15:14:21 ID:beotZ+jt
エロがあるだけで最大のセールスポイントですよ。グッジョ
46名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 19:57:56 ID:yord3lsN
>43
いいエロパロだ。こういうのが読みたかったんだよ。
47名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 21:07:53 ID:E0D/O6H7
>46

孤独のグルメかよww
48紅き炎:2008/04/04(金) 16:44:38 ID:aU1WvsUE
紅き炎を燃やす

行為の間

貴方はとても無口

終わった後も

私が話さないと何時も無口

でも聞こえる

貴方の声が

でも見える

貴方の姿が

でも感じる

貴方の心が

貴方の存在が

心地好い



貴方は私より先に起きている

そして

髪を撫でていてくれる

私が恥ずかしがるのを知ってるのに

耳元で囁くのだ

「良く眠れましたか? 小森さん」

「…はい、先生」

未だ

私の中には紅き炎が疼く
49名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 17:56:46 ID:Nbi7b6fF
何だ何だ
50その花束に絶望を:2008/04/04(金) 18:44:40 ID:0LANchY/
こんばんわ、一昨日ぶりです。鬼畜絶命先生SSの者です。
昨日と今日で憑かれたように書きなぐってたら次の話書きあがってしまったので、投下しに来ました。
ブースター使い過ぎたのでこの後死ぬかも知れません。すいません。

注意事項は>>4参照のこと。
8レス消費予定です。では、投下失礼します。
51その花束に絶望を karte11 (1/8):2008/04/04(金) 18:46:05 ID:0LANchY/
「これが、証拠の権利書だ。全て買い集めてあるはずだが、確認するかい?」
「………っ………。」
薄ら寒い地下室で、命はそう言いながら、10枚ほどの書類の束を無造作に机の上に放った。
「つまり、君の夫の借金は………いや、君達夫婦の、と言った方が正しいか………。」
「………全て………あなたから借りたことになった、ということですか?」
「まぁ、極めて解かりやすく言えば、そういうことだね。全ての債権は今、私の手元にある。」
黒い文字と赤い捺印が並んだ紙の束を………麻菜美は、恨めしそうな眼で見下ろす。
「それで………私に、どうしろって言うんですか………?」
「さすがだな………そこらの頭の悪い学生よりも、ずっと話が解かるね。」
ほんの少しだけずれた眼鏡の位置を、直しながら………命は、ニヤリ、と唇の端を吊り上げて笑った。
「簡単なことさ。この借金を、帳消しにしてやる代わりに………私の言うことに、従って貰えればいい。」
「え………帳消し、って………本当ですか!?」
「ああ。正確には………私が君に対価を支払って、それに見合った『仕事』をして貰う。その、繰り返しだ。」
「………けど、ウチの借金の額って、結構な………。」
「糸色家の財力を、舐めないで貰いたいね。こんな額で君を服従させられるなら、安いものだよ。」
「………ッ………。」
服従、という、命がここへ来て初めて放った穏やかではない言葉を聞き………麻菜美は、少しだけ表情を硬くした。
だが、今まで散々苦しめられてきたその借金が綺麗さっぱり消えてなくなる、というその申し出は、どうしようも
なく魅力的なものだ。麻菜美は一抹の不安を覚えつつも、命の言葉の続きを待つ。
「女子高生で、人妻、しかもこうして容易に漬け込める隙もある。そうは居ないよ、君のような娘は。」
「………でしょうね。自分でも、解かってます。」
「………しかも、芯が強いときてる。いや、ますます魅力的だ。」
「それで………私は、具体的に何をすればいいんですか?詳しく聞かないことには、なんとも。」
「………そうだな、そこが1番重要だ。だが、なに、至極単純な話だよ………。」
命はそう言って、放った権利書達を再びクリアファイルに収め始める。立ち上がり、麻菜美に背を向け、部屋の
隅に置かれた棚の、鍵のついた引き出しにそれを仕舞いこむ。
そして、振り向いた命の表情を見て………麻菜美は、一瞬、背筋が凍りつくような錯覚を覚えた。
その口が………絶望的な言葉を、口にする。

「借金苦の若い娘が、させられることなんて………だいたい、想像がつきそうなものだろう?」
「………ッッッ!!!」
命の言葉に、麻菜美は愕然とした。心のどこかで、まさかそんなことを要求されるのではないか、と思いながら、
必死で根拠の無い否定を繰り返していたが………やはり、その想像は現実のものとなってしまった。

今までは、借金を取り立てに来た人間に身体を売ることを提案されても、なんとか理由をつけて拒み続けてきた。
夫の収入もそれなりのものだったし、更にパートに励んでいたこともあり、返済できるアテがまるで無いわけでは
なかったから、それが可能だったのだ。相手は、金さえ回収できれば、それ以上のことは望まないはずだった。
だが………今回の相手は、眼の前にいる男はそんな甘いことを考えていない、ということを、麻菜美は直感的に
理解してしまっていた。そもそもこの男は、自分の身体を好き放題に弄ぶ為にこんな行動に出たのだ、故に、仮に
将来的に金を返せるアテがあっても、それは何の救いにもなりはしないのだ………命の口から説明されずとも、
麻菜美には、命のその意図がすぐに察せられた。
「………身体を売れ、ってことですか。」
「そう。君の身体を、その奉仕を、私が買い取る。簡単だろう?」
「待ってください、返せるアテはあるんです。少しずつでも、絶対に………。」
「拒否権は無いぞ?今すぐに、金も身体も渡せないというなら………そうだな、家族と交渉するしかないな。」
「………ッ………!」
一縷の望みに懸けて試みた交渉も、そうしてあっさりと切り捨てられてしまう。
………夫に借金があると知って、結婚を決意したとき。この先、借金のことで家族に迷惑は掛けまいと心に決めた
のだ。この男に、家族への干渉を許してしまったら………きっと、取り返しの付かないことになる。その確信が、
麻菜美の言葉を詰まらせた。
52その花束に絶望を karte11 (2/8):2008/04/04(金) 18:46:36 ID:0LANchY/

そして、ややって。
「………本当に………。」
「ん?」
麻菜美が、搾り出すように呟く。
「本当に………私が言うことを聞けば、借金を、帳消しにしてくれるんですね………?」
震える声の、しかし、強い視線を命に向けながらのその言葉を聞き………命はまた、ニヤリ、と笑みを浮かべる。
「………ああ。私の望み通りに働いてくれれば、それなりの対価は支払う。頑張り次第では、色も付けよう。」
命の言葉に、麻菜美はほんの少しだけ黙り込み。
「そう、ですか………解かりました………。」
そう、呟いて………その覚悟を示すかのように、おもむろに、制服に手を掛けた。
「はは、積極的だな………やはり、強い。気に入ったよ。」
「何をすればいいですか。あなたに、抱かれればいいんですか。」
だが。冷たい、機械的な声でそう言う麻菜美の腕を………命が、制する。視線を伏せていた麻菜美が、顔を上げる。
「いや………最初は、少し、趣向を凝らしてみようと思うんだ。」
「………っ………?」
はて、と首を傾げる麻菜美の顔を、見下ろしながら………。
「………君に、今の立場を実感させる為にも、ね。」
指先でその顎を持ち上げ、また、寒気のするような笑みを浮かべた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


そして………その夜。
パートの為に昼にこなせなかった家事を済ませ、遅く帰宅した夫と夕飯を食べ、順番に風呂に入り、2人揃って
ぐっすりと眠りについた………かに見えた、寝室で。
眠りに落ちずにじっと息を潜めていた麻菜美は、ひっそりと、隣で眠る夫に気付かれぬように寝床を抜け出す。
その手には、今さっきメールが着信したばかりの携帯電話が握られ、ほとんど真っ暗な空間に四角い光が漂って
いるような錯覚を起こさせる。
麻菜美は寝巻き姿のまま、足音を立てぬよう慎重に玄関へと向かい………その鍵を解除し、ドアを開けた。
「………夜分遅くにすいませんね、奥さん。」
「早く、入ってください………もし、誰かに見られでもしたら………。」
誰も求めていない冗談を飛ばした命の腕を取り、麻菜美は、命をアパートの1室に引っ張り込んだ。あっという間
に、ドアと鍵が元通りに戻される。
「よろしい、ちゃんと起きていてくれたようだね。」
視界の利かない闇の中、命は手探りで麻菜美の頭を探し、その髪をゆっくりと撫でた。解かれて、肩に掛かるほど
になった髪をしばし弄んで、命は、囁くような声で言葉を続ける。
「………少しくらい、灯りが欲しいんだがな。」
「無理です、もし旦那に気付かれたら………。」
「そうは言ってもな、もしかすると、何かに躓いてとんでもない音を立ててしまうかも知れないぞ?」
至極あっさりと放たれたその脅しに、麻菜美はしばし黙り込み………仕方なく、玄関があるその空間の電球だけ
を灯す。さきほどまでは全て真っ黒に見えていた壁や下駄箱、お互いの姿が、ハッキリと照らし出される。
「よしよし。物分かりの良い娘は、好きだよ。」
再び、頭を撫でられながら………麻菜美は、不安げな顔で命の顔を見上げた。
「あ、の………本当に、ウチで………?」
「ああ、もちろんそのつもりで来たわけだが?」
それでも………命が引く気配は、全く無い。
53その花束に絶望を karte11 (3/8):2008/04/04(金) 18:47:17 ID:0LANchY/
「………お願いです、頼みますから他の場所で………外でも、どこでもいいですから………。」
「そうはいかない。今回はここでする、私がそう決めた以上、それはもう2度と覆らない決定事項なんだよ。」
有無を言わせぬ物言いに、再び、麻菜美は言葉を失った。もはや、観念するしかない………そう考えると、まるで
全身から力が抜けて、その場に崩れ落ちてしまいそうな気分だった。
失意のまま麻菜美は俯き………そして、寝巻きのボタンに指を掛ける。こうなってしまった以上、麻菜美に出来る
唯一の抵抗は、ただ、一刻も早くこの事態を終わらせることだけだった。
が………昼間、地下室でそうしたのと同じように。命はまた、行為に急ぐ麻菜美の手を、制止する。
「まぁ、待ちたまえよ。どうせするなら………もっとスリルがある方が、楽しめるだろう?」
「な………っ………!?」
寝巻きの上を脱ぎ掛けた手を、掴まれながら………今回は、麻菜美もその言葉の意味を瞬時に察知した。この先の
命の言葉を思い、その顔がみるみるうちに蒼褪めていく。
「ま、待って、ください………無理です、そんなの………!!」
解かりやすいほどに激しく狼狽する麻菜美の顔を、心底楽しそうに見下ろしながら。
「………君の夫が眠っている寝室へ、案内しなさい。」
命は、静かな、しかし一層の強制力を感じさせる声で、その命令を下した。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


布団に包まった麻菜美の夫が、静かに寝息を立てている寝室の戸が開く。
手元、足元が見える程度に、オレンジ色の豆電球の弱い光だけが照らす部屋に、足音を潜めて忍び込むように
踏み込んで………命は、後ろでに引き戸を閉じた。
「この男か………君のように若くて可憐な娘を妻に迎えた、果報者は。」
横たわる夫に静かに歩み寄り、命は、その顔を上からまじまじと覗き込んだ。何か仕出かすのではないか、と気が
気でない様子でそれを見つめながらも、麻菜美は、声を上げることすらできずに身体を硬直させている。
「………さて、と。それじゃぁ早速、始めるとするか。」
「………っ………。」
「失敬するよ、旦那様。あなたの妻は………たった今から、私の奴隷だ。」
何も知らずに眠っているその顔を見下ろしながら、嘲るようにそう言って………命はおもむろに、腰のベルトに
手を掛けた。カチャカチャという金属音に、夫が目覚めやしないか、と麻菜美が肝を冷やしているうちに………
命は、自分のモノを曝け出す。
だらり、と垂れ下がった………夫のそれよりも確実に大きなモノを眼の前にして、麻菜美は思わず息を呑む。
「まずは、しっかり準備をしてくれたまえ。」
命はそれだけ言って、後は何も言わずに腕を組み、麻菜美の顔を見下ろしてその行動を待つ。それがどういう意味
なのかは、もちろん、麻菜美には容易に想像がついた。ほんの一瞬、心の中に葛藤が生まれるが………既に自分に
逃げ道が残されていないことを思い出すと、それもすぐに霧散するように消滅してしまった。
麻菜美はふらふらと、まるで死刑囚が13階段を昇るような重苦しい足取りで命の下に歩み寄り、その眼の前で
跪く。視線よりも少し低い位置でぶら下がるそれを見て、ほんの少しだけ険しい表情を浮かべてから………麻菜美
はその指で、そっと、命のモノを包み込む。
「君なら、何も言わなくても解かってくれると思ったよ………本当にいい娘だ。」
躊躇いつつも、自分のモノに対してゆるゆると奉仕を始めた麻菜美の頭を、命の手が撫でた。
「………ん………っ。」
麻菜美は、どこか慣れを感じさせる手つきで、命のモノをしごいていく。全体を包み込みながら優しく愛撫し、
時折カリの部分を指先で刺激する。さきほどまでの様子はどこへやら、命のモノは麻菜美の手によってあっという
間にその硬さと大きさを増していった。
「………そこで寝ている男は、無償でこんなテクニックを享受できるのか………羨ましいな、全く。」
硬く、太く成長し握りやすくなったそれを、麻菜美は一層強く愛撫し始める。
54その花束に絶望を karte11 (4/8):2008/04/04(金) 18:47:53 ID:0LANchY/
やがて………命の腰が、微かに痙攣し始めた頃。
「どうせなら………その、可愛らしい口も使ってくれないか?」
「え………ッ………?」
命にそう言われて、麻菜美は、どこか裏返ったような声を上げた。おや、と命は1度首を傾げて………すぐに、
麻菜美に起きつつあるその変化を察し、眼を細めた。。
「………ああ、なるほど………悪いね、夢中になっている所を、邪魔したみたいだ。」
「え、ちょ………夢中って、私そんなんじゃ………!?」
「ほらほら、あまり大声を出すと、目を覚ますぞ。」
命の言葉に、麻菜美は荒げ掛けていた声のトーンを必死で抑える。
「………っ………で、でも、違います、そんなの………そんなわけが………!」
「いや、違わないね。たくさんの『雌の顔』を見てきたから、解かる。君は今………その奉仕に、没頭していた。」
「違っ………違います、私は………!」
「まぁ、無理に認めろとは言わないが………それより、早くしろ。口も使え、と言ったはずだ。」
「………ッ………!!」
結論の出そうも無い会話を一方的に打ち切って、命は、冷たい声でそう命令した。反論する間もなく言葉を抑え
られた麻菜美は、ぐ、と抗議の声を堪えて、奉仕に戻る………が。
「(………ぁ、っ………?)」
眼の前で、いきり立つモノを眼にした瞬間………麻菜美は、不意に、自分の中で何かが疼くような感覚を覚えた。
自分の奉仕を受け、それで興奮して、ひくひくと震えながら膨張したそれを眼の前にすると………なんとも言え
ない気持ちが、身体の奥底から、じんわりとした熱と共に湧き上がってくる。
「(………なん、で………私………?)」
直前の命の言葉が、フラッシュバックする。麻菜美は必死で、自分の中に浮かびかけたその想いを掻き消そうと
するが………その視線が、どういうわけか、眼の前のモノに釘付けになって離れない。
「………どうした?」
その様子を、まるで全てを見透かしているような顔で見下ろしながら、命は意地の悪い声でそう言った。麻菜美の
頭に乗っていた命の手が、それを押さえつけながら、少しずつ自分の身体へと引き寄せていく。どこか惚けたよう
な表情を浮かべた麻菜美は、それに抗おうとはせず………やがてその眼を閉じ、導かれるがままに、命のモノに
口付けた。
「………ん、ぅ………ちゅ………。」
閉じられた瞳が、開かれたとき………その視線には、明らかに、それまでには無かったはずの熱が篭っていた。
「は、ぁ………ん、く、んうぅ………。」
「………ッ………本当に、高校生とは思えないテクニックだな………!」
「ん、ぶっ………ん、はぁ、ぁ………くちゅ………っ。」
その口は、初めはただ熱い吐息を吐き掛けながら、ちろちろと動く舌で命のモノをくすぐるように動いていたが
………程無くして、その動きを激しくしていった。垂れ落ちる先走りを丹念に舐め上げるように、唾液をまんべん
なく塗り込んでいくように………気付けば、麻菜美はさきほどの命の言葉通り、その行為に没頭し始めていた。
「(………ああ………そうか、私………。)」
それまで、どうにかその気持ちを否定しようとしていた麻菜美の精神も………徐々に、その強さを失い始める。
自分の内側から湧き上がる、その、許されざる熱を………肯定し始める。
「(私、本当に………楽しんでるんだ………。)」
眠っている夫の傍らで、別の男のモノを握り、咥え込み、懸命に奉仕をし続ける。自分の奉仕を受けたそのモノが、
眼の前でどんどん大きさを増し、悦んでくれる。その、どうしようもなく危うく、背徳的な状況に………麻菜美
の心と身体は、明らかに、興奮を感じ始めていた。
「(もう、駄目、いけないって解かってるのに………そう、思えば思うほど………ッ………!!)」
やがて、無意識のうちにその右手が命のモノを離れて………その寝巻きの中、下着の内側へと、侵入する。
「おや、おや………あんなことを言っておいて、結局は自分で慰め始めたか。」
「………ん、く、ふぁ………ちゅる………ん、ひぃッッ………!?」
膝立ちになり、自分のモノを必死になって咥えつつも、自慰に耽り押し殺したような喘ぎ声を上げる。その綺麗な
顔を汚しながら奉仕と自慰に没頭するその様子に、欲望を煽られて………命は、1度麻菜美の行為を中断させる。
55その花束に絶望を karte11 (5/8):2008/04/04(金) 18:48:40 ID:0LANchY/
「………ぷ、ぁっ………?」
引き剥がされ、名残惜しそうに自分を見上げる麻菜美に………命は、それまでにない穏やかな声で、語り掛ける。
「私ばかりでは、申し訳ない………せっかくだ、君にも少しは感じて貰おうか。」
「え、っ………で、でも………。」
「自分の身体を、夢中になって慰めておいて………今更、言い訳はできないだろう?」
「………っ………。」
命はそう言って、麻菜美が黙り込む様子を見届けてから………すぐ隣、さきほどまで麻菜美が息を潜めて横に
なっていた敷布団の上に、相変わらず何も知らずに寝こけている夫と並ぶように、仰向けになる。
「身体を跨いで、あとは、今まで通りに奉仕を続けてくれればいい。」
「………っ………!!」
麻菜美はすぐに、命の意図を察して………図らずも、身体の奥底で何かが疼くような感覚を覚えてしまう。ほんの
少しの躊躇の後、麻菜美は命の言葉通りに、その身体を跨ぐ。
「先に、邪魔なものは脱がせてしまおうか。脚を上げて。」
「あ………ッ………!」
そう言うが早いか、命は麻菜美の脚を持ち上げ、寝巻きのズボンと下着を引き摺り下ろす。股の部分がじっとり
と濡れているのを確認し、人知れずほくそ笑んでから………命は、眼の前で惜しげもなく曝された麻菜美の秘所
を、まじまじと鑑賞した。
「ほう、毛は薄い方か………それと、夫が居るにしては綺麗な形だ。経験回数は、そう多くはないのかな?」
「………〜〜〜ッ!」
「はは、こんなに厭らしく濡れて、びくびく震えて………自分の指がそんなに名残惜しいか。」
その様子を言葉にして聞かされ、麻菜美の顔が熱くなる。しかし、そんなことを恥らっている暇も与えず………
命は、眼の前で開かれた秘所を、指で押し開いた。くちゃぁ、という水音と共にその入り口付近が曝され、命の
細い指を伝って愛液が零れ落ちる。
「は、ふぁ………あ、ぅ、ッ………!?」
「我慢するんだぞ。夫を起こしたくはないだろう………っ………?」
「あ、やッ、し、舌、あぁ………ぁ、ぅぅ………!!」
下半身だけを裸に剥かれ、その秘所を弄ばれながら、麻菜美は地面に突っ伏すように命の身体に崩れ落ちた。
時折腰をビクリと跳ね上げながら、指と舌によってゆるゆると与えられる快感に、その意識が蝕まれていく。
「………誰が休んでいいと言った。そっちも、続けろ。」
眼の前にあるモノへの奉仕を忘れて感覚に溺れつつあった麻菜美の行動、命の言葉が促す。
「は、はひ………ん、あぅぅ………ッ!?」
蝕まれ行く意識の中、麻菜美は必死で、まるで両手ですがり付くように命のモノを握り、その舌を這わせていく。
が………既に充分に高まり、命の愛撫に敏感に反応してしまう今の状況で、まともな奉仕など続けられるはずも
なく。その動きも、命が刺激を与えるたびに中断され、命の身体を高めるには至らない。
その様子に、麻菜美の身体の上体を察し………命は、浅い溜息を吐いた。
「それどころじゃない、か………仕方無いな、全く。」
「ひ、ぁ………ッッッ………!?」
命は呆れたようにそう言って………麻菜美の身体を焦らすのを、止める。
麻菜美の身体の現状維持を続けてきたその指の動きが、突然、容赦のない激しいものになる。浅い位置での侵入
と後退を繰り返していた指が、より深い場所を、愛液を掻き出すように抉り始める。鉤のように曲げられた指の
先が、麻菜美の肉壁の最も敏感な部分を探り当て、そこを執拗に刺激し続ける。
「マトモな奉仕も出来ないような奴隷には、仕置きが必要だな………。」
「は………あ、あうっ………ら、らめッ、吸っちゃ、あぁぁ………!!」
そして。1度、止め処なく溢れる愛液を、音を立てて啜った後。
「これで、終わりだ………くれぐれも、声は出すなよ………!?」
命はそう言って………麻菜美の内壁のある1箇所と、秘裂の端で赤く充血した肉芽を、同時に圧迫した。
神経を焼き尽くす電撃のような感覚が、麻菜美の下腹部から、頭の天辺までを瞬時に貫いた………次の、瞬間。
「あ、っ、っ………〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!???」
麻菜美は、自分の口と喉を必死で塞ぎ、身体の奥底から湧き上がる悲鳴を懸命に抑え込みながら………眼を剥き、
奥歯を食い縛り、全身をガクガクと痙攣させながら、絶頂に達した。
56その花束に絶望を karte11 (6/8):2008/04/04(金) 18:49:15 ID:0LANchY/
ぷし、と僅かに噴き出した飛沫が、命の胸元に落ちてシミを作る。背筋を逸らし、腰を突き上げたままの麻菜美
の身体を襲った急激な緊張は、ややって、次第に弛緩へと転じていった。
「あ、ァ………ひ、ッ、ぅ、ぁ………ッ!?」
絶叫によってその衝撃を発散させることも許されず、麻菜美はただただ、その身の内でのた打ち回る激しい感覚に
酔いしれる。命がその身体の下から抜け出した後もしばらく、麻菜美は敷布団の上にうつ伏せになったまま、その
余韻に小さく痙攣し続けていた。
………だが。麻菜美がこうして、激しい絶頂を迎えても………命はまだ、その身を満足させられてはいない。
「………さて。前置きはこの辺にして………そろそろ、本番に移ろうじゃないか。」
「………ふ、ぇ………っ………?」
ふるふると震える麻菜美の瞳が闇の中でゆっくりと動き、立ち上がった命の姿をぼんやりと見上げる。
「今度は、私が満足させて貰う番だ………立ちなさい。」
命はそう言うが早いか、麻菜美の腕を引いてその身体を乱暴に持ち上げる。
薄暗闇の中、その身体がまるで糸の切れた操り人形のように、ぶらり、と揺れた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


本当に意識があるのか疑いたくなる程に、何の抵抗も見せない麻菜美の身体を、命は再び敷布団の上にうつ伏せで
寝かせた。その身体を抱え、無抵抗な麻菜美の体を、まるで雌豹のように腰を突き上げたような格好にする。
その体位を取らされ………麻菜美はぼんやりとした意識の中で、命の意図を、察する。その想像を裏切らず、命は
麻菜美の背後に回って膝立ちになり、未だ果てていないモノを、絶頂を向かえた直後で最高に敏感になったその
秘裂に宛がう。
「これなら、奥の奥まで届く。きっと、火照りに火照った君の身体にも、満足して貰えるはずだ。」
「ひ、ぁ………ら、らめ、です、無理です、こんな………っ………!」
そんな麻菜美の抗議も聞かず、命は、上手く口が回らなくなるほど快感に意識を浸食された麻菜美の背中に、覆い
被さるようにしてその身を近づけて………その、直後。
「精々………声を上げないように、気をつけてくれたまえよ。」
命は、そう言いながら………全く躊躇せずに一息で、そのモノを濡れそぼった麻菜美の秘裂に埋め込んだ。
快感の余韻に震えていた肉壁を掻き分けて、それは一瞬で、麻菜美の最深部に達する。先の無い行き止まりまで
を一気に貫く熱が、収まったはずの痙攣を再び呼び起こす。
「か、はッ………あ、ぁ、ァ、ッ、………ッッッ!!?」
絶頂を越えた直後の最も弱い状態の秘所に、太く硬く、熱いモノを捻じ込まれて。子宮の入り口にまで到達した
それに、最深部をノックされて。麻菜美は、思わず上げそうになった悲鳴を必死で喉下に押し留めながら、その
身体をガクガクと震わせた。
その容赦の無い一撃にも根を上げなかった麻菜美の姿を見下ろし、命は、ニヤリと微笑む。
「………よく、我慢できたな。それじゃぁ………ご褒美だ。」
「い、あッ………!く、ふぅッ、ん、ぐ………はッ、あぅッ!?」
獣のように背後から秘裂を掻き回され、その最深部を容赦なく、何度も何度も執拗に小突かれながらも………涙を
流しながら、両手を口に押し当てて必死で声を押し殺す。頬を染めながら、ない交ぜになって襲い来る快楽と恐怖
に意識を持っていかれないよう、死に物狂いで己を保とうとする。
あまりに必死で、健気で、悲惨で………それでいて妖艶な、この上ないほど扇情的な姿。眼の前でそれを見せて
いる少女に、欲望を煽られて………命は、更にその動きを加速させる。ぐちゃぐちゃと、濡れた秘裂を命のモノが
往復する水音が、部屋中に響き渡る。
「ふや、ぁ………もっ、駄目っ、む、無理、ですうぅ………あ、ひゃぅッ!?」
「まぁ、そう言うな………どれ、こっちの相手もしてやろうか。」
「あ、はうッ!?」
命は、本当に獣の交尾さながらの格好のままで、器用にその腕を麻菜美の身体の下に回す。麻菜美の寝巻きの裾
から侵入した命の手が、程よく発達した麻菜美の胸をまさぐり始めた。寝巻きの中で下着だけを上に押し上げて、
そのなめらかで柔らかい双丘を鷲掴みにする。
57その花束に絶望を karte11 (7/8):2008/04/04(金) 18:49:50 ID:0LANchY/
「や、あ、ぁ………こ、これ以上、は、あ、ぅあッ………ひゃ、ン!?」
「嫌がってるのは、口だけじゃないのか………ほら、こんなに硬く尖らせながら言っても、説得力が無いぞ?」
そう言って、硬く隆起した先端を摘むと、麻菜美はまた抑えた手の下で曇った嬌声を上げた。
同時に、快楽に従順に反応した内壁が、命のモノを絞り上げるように収縮する。思わず小さく呻き声を上げて、
命は胸の先端を責め続けながら、腰の動きを更に加速させた。
更に、その口で無防備な麻菜美のうなじに齧り付く。そのまま、生暖かい舌を首筋に這わせていく。
「か、ふッ、ひぁッ、あ、うぅっ………あ、うあッ、あ、あ、く、ひぃ………!!?」
身体中から刺激を与えられ、麻菜美はもはやまともな言葉を発することすらままならず、押し殺した喘ぎ声だけ
を漏らし続ける。しゅう、しゅうと、荒い呼吸が指の間を抜ける音が、淫靡な音と声に混ざって聞こえる。
やがて………性感を刺激されるたびに、容赦無く締め上げる麻菜美の秘裂の圧力に耐え切れなくなり、命のモノ
が、限界が近いことを2人に知らせ始める。ビクビクと痙攣する様子は、命本人にはもちろん、それを奥深くまで
挿し込まれた麻菜美にも、まるで自分の身体のことのように伝わっていた。
麻菜美の視線が、ふらふらと空中を彷徨い………やがて、こんな事態が起きている隣で平和に眠っている夫の顔の
上で、止まった。別の男に秘所を突かれ、その刺激に素直に快楽を感じている、その背徳感が煽られる。
自分が、無意識の内に腰をくねらせ、命から少しでも多くの快楽を搾り取ろうとし始めたことに………麻菜美本人
が気付くことは、無かった。
「ッ………そろそろ、限界だ………このまま、出すぞッ………!?」
命の宣言で、麻菜美はほんの少しだけ、我を取り戻す。
「は、ふぅッ………そ、そんな、だ、だめですッ、あ、赤ちゃん、出来ちゃいま………あ、ああッ!?」
「大丈夫、私はO型だ………どんな血液型の子供が生まれても、不審には思われまい。」
「そ、そういう、問題じゃ………は、うぅッ!うあ、ァ………ッ!?」
「避妊だって、完璧な方法というものは無いんだ。本当に偶然、子供を授かることだってあるさ………!!」
医者の端くれとは思えぬ言葉を吐きながら、命は抗議の言葉に構わず、麻菜美の身体の中で自らのモノを絶頂へ
と導いていく。やがて、反論することが出来なくなり、命の言葉の意味を理解することすら困難となり………
快楽という毒に侵された麻菜美の頭は、遂に思考することを放棄した。
『絶対に声を上げてはいけない』という、辛うじて残された思いだけが、麻菜美の口を塞がせる。曇った嬌声を
上げ続けながら、麻菜美はその身をガタガタと震わせる。その身体に、命は凶悪なモノを突き立て続ける。
そして。麻菜美の腰が、一際大きく跳ねた、次の瞬間。

「く、ッ………!?」
「あ、ひッ………あ、っ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ!!!???」

限界を迎えた命のモノが、それまでとは比べ物にならない程の熱を、麻菜美の中にぶちまけた。
急激に秘所の内部を満たし、支配していくその熱に、麻菜美はまたその身を震わせて………2度目の絶頂を迎える。
その痙攣が、まるで1滴も逃すまいとしているかのように、命のモノから放たれ続ける精を搾り取っていく。
時間を掛けて、全てを麻菜美の中に吐き出した後………命は麻菜美の腰に手を当て、そのモノを引き抜いた。ごぽ、
という音と共に、麻菜美の秘裂から、泡立った白濁液と愛液の混ぜ物が逆流する。
「………ふ、ぅ………。」
「あ………ふ、ぇッ………ッッ………。」
命が手を放すと、麻菜美の身体は潰れるようにして布団の上に崩れ落ち、その後もしばらく痙攣を続けた。
58その花束に絶望を karte11 (8/8):2008/04/04(金) 18:50:27 ID:0LANchY/

もはや意識が飛んでしまっているのではないか、と思わせるような、焦点の合わない瞳で眼の前の空間を見つめ
ながら………麻菜美は、その快楽に酔いしれていた。
「(………どうしよう、私………とんでも、ないこと………しちゃった………。)」
全てが終わった今になって………その、後悔の念がぼんやりと浮かび上がる。
………だが。
「(………でも………本当に………。)」
今の麻菜美の、心には………その罪悪感を掻き消す、更に別の衝動が、浮かびつつあった。
「(………壊れちゃう、くらい………気持ち、良かった………v)」
許されざる感情が、麻菜美の中に湧き上がる。麻菜美の心は、しばし理性と欲望の間で揺れ動いたが………あの
快楽を覚えこまされた直後のこの状況で、そのちっぽけな理性が欲望に勝てるはずもなく。麻菜美が、今だけは
この余韻に溺れてしまおう、と決意するまでに、さして時間は掛からなかった。

布団の上、惚けたような顔で、腰と秘裂をひくつかせる麻菜美の姿を見下ろしながら。
「いや………予想以上に、楽しませて貰ったよ。」
部屋にあったティッシュで自分のモノを綺麗にしつつ、届いているのかどうか解からない言葉を放つ。
「約束通り対価は払う、今回は、色も付けてやろう。借金の総額から、差っ引いておくとするよ。」
ふぅ、と1度気だるそうな溜息を吐いてから。

「今日は、これで失礼するよ………それじゃ、次の『仕事』まで、御機嫌よう。」
命は、ぐったりと横たわる麻菜美の体を放置したまま………そっと、寝室を、そしてそのアパートを後にした。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


………まともな意識を保っている者が1人も居なくなった、寝室で。
「………ひ、ぅ………。」
麻菜美の手が、既に蹂躙されつくしたはずの自らの秘裂に伸びた様子に気付いた者は………誰も、居なかった。



(続)
59その花束に絶望を:2008/04/04(金) 18:54:40 ID:0LANchY/
お粗末様でした。
第9話、生徒としては記念すべき10人目、麻菜美編でした。

以前に1度、麻菜美で純愛モノ書かせて頂いたときも、もしかしてと思ってたんですが。
今回書いてようやく、自分が重度の麻菜美好きだということを確信しました。
というわけで麻菜美はオレの嫁。

これから本格的に時間減るのでペースはどうなるか解かりませんが、完結にだけは必ず漕ぎ着けます。
よろしければ、あと少しだけお付き合い頂けたら幸いです。
ということで、今回はこれで。失礼致しました。
60名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 20:19:30 ID:ILAyOHtZ
流石です
61名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 20:46:39 ID:rWTPS/Od
>>50
変態です!!こんな所に鬼畜の変態がいますよ!!



もちろん誉め言葉ですよ。
62名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:17:46 ID:KHLEhHTs
鬼畜変態藪医者がぁ〜
63名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:25:00 ID:86QufZOz
木野×愛で陵辱物書いてたけど、花束読んで自信が無くなった
もう寝よう…
64名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:54:48 ID:iemGS5ua
いますぐ投下するんだ

寝るのはそれからだ!
65名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:45:17 ID:hTprphJt
>>59
毎度毎度、すごいレベルの作品乙です。


>>63
さあ、早く投下する作業に戻るんだ!
66名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:36:29 ID:OCvopApx
>>59いや〜毎回絶望少女の個性に応じた凌辱面白いです

凌辱と言えば妄想されてる復讐に先生と久藤くんが藤吉さんを犯す話考えてるけど書こうかな〜
67名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:44:22 ID:5sKdpgX6
>>63
お前が育ててみた花みたいなSSを見せてみろ
68名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:45:34 ID:zpMOFR+w
>>66
短期間に藤吉ネタ3つも見せられたら俺のミルクタンクが空になってしまうからやってください
69名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:01:45 ID:2EVcuPYk
望「なっ…!!藤吉さんを犯してると思ったらいつの間にか久藤君に入れ代わって……ウッ!!!」
久藤「アッ――!」






藤吉「ニヤマリ」

70名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:02:19 ID:eXKhq3H7
なんだそのスキルww
71名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:04:43 ID:pXven78U
>>69
空になっちゃった
72名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:42:39 ID:lc5+2jmE
>>69
藤吉最強すぎるwwww
73名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 03:05:39 ID:29BZ9xwg
久藤チェンジで藤吉さんレイプは不問
74名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 04:42:48 ID:8KkcLScn
>>73
ダメフラージュにも程があるだろw
7563:2008/04/05(土) 08:48:31 ID:LBxR9Seo
≫64
≫65
みんな優しいですね、とりあえず書き上げて見ます。投下するかは分かりませんが
絶望スレの人って目が肥えてそうでハードル高いよ。
76名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 10:30:20 ID:kjIFGx96
なんか結構保管庫に入ってない作品あるね。
まといが倒れちゃう話でなんとかHz(ヘルツ)という題名の作品読みたいんだけど。
保管庫に入ったらじっくり読もうとして飛ばしてた。
77名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 11:03:01 ID:kjIFGx96
自己完結
ググりあさってたら結構簡単に見つかりました。
作者さん自分のHPに入れるのね。ちゃんと読んでみたけどやっぱり面白かったです。
78名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:12:03 ID:nnGxi1mK
>>73
早く投下しろクズが
79名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 19:07:49 ID:8KkcLScn
>>76-77
あの人の保管庫、どの単語で検索しても見つからない…。
サイトの名前教えてくださいなんてマナー違反は言わないので、
検索した単語だけでもプリーズ。
8076:2008/04/05(土) 19:25:23 ID:UuBeTjRm
ホームページじゃなくてググルで過去スレのキャッシュが残ってたのでそれを見ました。
そっちの方も調べてみたけど見つけるの大変そうなので。
81名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 01:22:23 ID:7Ie/GBS8
テレビ放映がない土曜の夜くらいだれか投下してくれてもいいんじゃないですか!?
82名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 01:39:54 ID:63Qi4cVt
そりゃとんでもなくうまい人もいるが、書き手の大半は元々は単なるイチ読み手
別にそう特別なスキルを必要とするものでもないわけで……自分でも書いてみたらどう?
83名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 03:09:23 ID:9U9x4j3v
今更だが、投下用あぷろだ死んでる?
テキストで打った上に一行長くて改行入れるのも手間だし
データごと上げちまいたいんだが。
84名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 04:57:32 ID:ICYMg/oR
そんな便利なあぷろだがあったとは

長持ちしそうなあぷろだに上げてくれれば
85名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 11:22:40 ID:I6agUzis
誰も居ない…
望霧するなら今のうち…
86名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 11:23:16 ID:I6agUzis
夕暮れの宿直室。たった二人だけの空間。
二人きりの封鎖空間。
報告書へと向かいきりの青年、糸色 望。
その後ろ姿を眺め続ける少女、小森 霧。
カリカリというペンを走らせる音だけが、宿直室の空気を震わせている。
少しづつ時が流れて行き、傾いた太陽の直射日光が望へと当たりだす。
眩しそうに眉をしかめたが特には気にせず、作業を続けていた。
足音も無く窓へと近付いていた霧がカーテンを閉める。

「あぁ、すみませんね。 小森さん」

少女は振り返り、返事をする代わりに微笑んだ。
そして、そのまま望の元へと歩み、手元を除き込む。

「まだ掛るの? 先生」
「えぇ、もう暫く掛りそうです」
「…じゃあ、御飯まだだね」
「すみません、先に終わらせておきたいので」

宿直室にある中央の机の上には既に準備がされており、後は食べるだけだ。
望は再び手を動かし始め、続きを綴っていく。
霧も望から離れて後ろに座り込む。
先程と何も変わらない静寂が部屋を支配する。
カリカリという音は、絶える事無く望の生真面目さを伝えてくる。
自分だけ何もしていない辛さが少女の心に浮かんでくるのだが、手伝う事は出来
ない。
彼女に出来る事は限られていた。
そんな風に考えていると、同じ様に悩んでいる姿が目に映る。
男性にしては長めの髪を乱暴に掻き上げて首を捻っている。

(…どうしたのかな、先生)

「そんなに難しいの…?」

つい、声を掛けてしまった。望は振り返り霧を見つめる。
87名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 11:23:45 ID:I6agUzis
「えぇ。 単純な報告書ではなくて、案が必要何です。 それなのに絶望的な考え
しか浮かばなくって…」

それだけ言うと、また紙切れとの面合わせにのめり込む望。
すると、何を思ったのか後ろで霧が行動を開始する。

(ちょっと気分転換させてあげよう…!)

黒く艶やかな髪を均等に下ろし、顔が見えない状態に。
もはや彼女の正面が何処なのかか分からない。
何処にあるか分からない口で少女が喋る。

「せーんせ」
「はい?」

上体を捻り後ろを振り返る望。

「…何をしているのですか?」

少々呆れた声を出すが、相反して少女は非常に楽しそうだ。

「どっちが正面でしょう?」
「はぁ…?」

興味はあるようで、長時間座っていた机から離れて立ち上がる。
ある種の置物の様になってしまった女生徒の周りを眺める。

「当てたら御褒美があるよ」
「ほう、何ですか?」
「まだ内緒」
「…ふむ、それは興味深いですね」

立ち尽くして眺めていた望だが、漸く霧の周りを歩き始める。
しゃがんでマジマジと見つめてみたり。

(せ、先生の顔が…)
88名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 11:24:13 ID:I6agUzis
どうやら正面を見つめていたようだ。
しかし、別の場所に移ってしまい顔が離れていく。

(先生、分からないのかな…)

少しだけ心が痛んだ霧だが、望はすぐに正面へと帰ってきた。
見つめる。
まだ見つめる。
じっと見つめる。
じーっと見つめる。
まとい並に見つめる。
どうやら正面であることに確証が持てないようだ。
そうと分かると、霧はわざと…。

「これ、交君は当てれなかったんだよ。 先生」

声を出した。

「ほう、交は無理でしたか」
「う、うん」
「しかし、私は騙せませんよ…」

勢いよく立ち上がる望。

「此処が正面です!」

ビシッと指を差し、霧へと向ける。
その位置は見事に正面を捉えていた。

「本当にそう?」
「えぇ、間違いありません」
「…じゃあ、開けてみて」

囁く様に小さい声だったが、望の耳には届いていたようだ。
しゃがみ込む望。
89名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 11:24:34 ID:I6agUzis
両手を差し出し少女の髪に触れる。

「では、失礼して」

(初めて会ったときみたい…)

明るくなっていく視界の中で霧は思い返した。

(あの時も先生が開けてくれた…。 私を新しい世界に引き出してくれた…)

望の両手が左右に動き、霧の髪が広がっていく。

「どうやら私の勝ちのようですね」

(勝負だったっかな…?)

負けず嫌いな性格であるようで。

「…何で分かったの?」
「声がしましたからね」

見事だ、先生。
見事に霧の思惑通り。

「…じゃあ、御褒美あげるね」
「えぇ、一体何でしょうか…?」

霧の言葉にその場から離れようとする望。
それを許さず、霧は望の上半身を押し倒す。

「わわっ!!」

力の掛かった方向へと何の問題も無く倒れていく望。
そして、その上に圧し掛かる霧。
図らずとも、その眼前には男性の秘部が。
90名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 12:43:17 ID:9F1jeBrO
壁│ω・ `) じーっ
91名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 12:57:54 ID:TgBpDqO0
続きはないのかな?
92名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 13:20:54 ID:72S7dGm+
規制?

ところで木野の愚息はどうなったんだ
93名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 14:09:12 ID:uLGAfLRZ
>>89
壁│ω・ `) わっふるわっふる
94名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 14:10:52 ID:7239nETY
>>89
|∀・) ジー……
95名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 15:57:16 ID:8Y9ox5Uc
何で先生下脱いでんだよwww
96名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:42:08 ID:I6agUzis
>>95
エロパロだからですwww

続きいきまーす
97名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:43:28 ID:I6agUzis
「つつっ…、何のつもりですか? 小森さん」

身体を倒した拍子に眼鏡を落とした望。
霧が何をしようとしているのか、いや、何をしているのかが分からない。
袴を脱がされているというのに望は眼鏡を探していた。
手探りで眼鏡を探し当てたときには既に、下半身を露出させていた。
絶句する望。

「…じゃあ、御褒美あげるね」

上目遣いの霧。
先程と何ら変わらない台詞だと言うのに、望にはより妖艶に耳に届いた。
まだ萎んだままの絶棒を小さな口で銜える。
まるで飴を咀嚼するかの様にチロチロと舌で舐め続ける。

「な、何を!?」
「御褒美だよ、先生…」

突然の出来事に対応出来ていない望を尻目に霧は行為を続ける。
男として反応しない訳にはいかないこの状況に置かれた望は、自らの絶棒に少しずつ血が通い始めるのを感じる。
そして、絶棒は少女の口には似合わない大きさへと姿を変えた。

(んっ、先生の凄く大きい…)

「止めなさい…!小森さん…!」

絶え間無い少女の作業によって、強く言葉を表現出来ない。
聞こえてないかのように続ける霧。

「…んっ、はぁ………ちゅぅ…」

不意にぱくっと先端を口に入れた。
唇がちょうど亀頭を包み込み、舌が周囲を辿る。
次第に頭を下げて行き、ほとんど全体が口に納まる。
喉の奥の方に先端が当たっているのが判る望。

(息苦しいでしょうに…)

止める事も忘れて望はボンヤリと考えた。
不慣れで同じ事を繰り返す児戯ではあったが、連続の圧迫感から望の限界が近づいてくる。
息を詰めて耐える望。
霧の頭が小刻みに上下し、根本の方と先端でそれぞれ粘膜に刺激される。
真ん中のあたりには舌が触れている。
それぞれの感触が違い、五感が狂いそうになる。
棒の方全体を口で責められながら、陰嚢も指で揉まれていて、びくびく脈打っている。
98名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:44:29 ID:I6agUzis
(ど、何処でこんな事覚えたんでしょうね…)

次々と与えられる快感は望の脳を溶かしていった。

「んっ、んっ…」

ラストスパートを掛けるように霧が激しく顔を動かす。
美しく整った顔は淫らに崩れ、一人の人間を愛する女性のものへと変わっていった。

「こ、小森さん。 もう…」
「…ちゅぱ。 …良いよ、このまま出して、先生」

一度口を離し一息で喋ると、再び滑らかな唇でぴったりと覆って吸ってくれる霧。
頬の内側まで当ってるのが判る。
ペニスの先端から根元まで、その上陰嚢まで、複雑に様々な快感に包まれて、二度か三度往復した頃、ようやく絶頂感が来た。

「んっ、くちゅ…ちゅぱ…」

更に数回、口が往復する。
そして目の前に火花が散った後、漸く望は自らの絶棒が爆ぜた事に気が付いた。
穢れ無き口を満遍なく犯していく白い液体。
口から流れ出る一筋の線。
それすらも指で掬い上げ、口へ運ぶ。

「こ、小森さん…!?」

何の躊躇も無くゴクリと喉を鳴らした。
そしてニッコリと微笑む。

「先生のだから、苦くても大丈夫だよ…」

その瞬間。
余りにも可愛らしくて。
余りにも愛しくて。
余りにも艶やかだから。
つい、押し倒してしまった。

「せ、先生…!?」

望に組み敷かれ真っ赤に頬を染める霧。
真剣な瞳だが、何処か熱に魘されているかのように息を荒げる望。

「良いですよね…、小森さん」

耳元で囁く。
望の手は霧の衣類に掛けられていた。
どうやら理性の糸が切れた様だ。
それでも相手の許可を得る。
それが糸色 望という男か。
言葉も紡げないほどに緊張しているのか、霧は一度だけ頷いた。
許しを得た望は透かさず霧の衣類を剥ぎとる、絶対聖域だけを残して。
一切外出しない少女の肌は純白と表現するのにふさわしい。
99名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:45:47 ID:I6agUzis
「綺麗ですよ、小森さん…」
「んっ…、やぁ………はぁ」

露出させた肌に触れる。
露出させられた肌に触れられる。
昂まる二人の鼓動。
腕や腹部では抑えきれない。
望は強く霧を求めた。
口付けをしたまま両手を胸へと。
存在を主張するピンクの頂を軽くつまむ。

「やぁ…、はぁああん…」

望が其処に触れるだけでも十分な快感が得られる。

「ちゅ…、小森さん」

固い口付けを解き、舌を顔に這わせながら望は降下する。
首筋を舐め上げた後に、一気に胸へ。
右手で左胸に、口で右胸に。
空いた左手を少女の秘部に。
既に濡れている其処は、唯一の下着も意味を無くしていた。

「こんなに濡らして」

胸から顔を離し、望は霧の耳元で囁く。

「私を待っていてくれたのですね…」

幸福感や恥ずかしさ等あらゆるものが混ざり合い、霧はただ一度頷き返した。
それを視認すると望は霧の腰を掴み、少しだけ中に浮かせる。
造り上げた隙間から重くなったショーツを抜き取り、地に下ろす。
一度体を離して、霧の顔を見下ろす。
重力で散らばった髪と、潤んだ瞳。
頬に一滴落とされた朱色が眩しい。
そのまま望は霧の股の間に顔を近づける。

「あっ、…先生」

ピチャピチャと背徳的な音を響かせながら望は行為を続ける。
たっぷりと女の液を含んだ茂みを掻き分けて行為に没頭する。
暫くの間はなぞる様に舌を這われていたが、不意に指で開いて中に侵入させる。

「あんっ…せんせぇ」
100名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:47:16 ID:I6agUzis
途切れる事の無い快感の波に頭の奥へと意識が埋まって行く。
何が悲しいのか、何が嬉しいのか。
分からないままに、霧は涙の雫を零した。
霧の喘ぎを聞きながら口を動かしてクリトリスに至る。
唇で挟んだり舐めまわしたり、時々歯を当ててみたりする。
望は膣内の上側を丁寧に辿って、霧が大きく反応するところを探った。
二度三度と擦るうちに耐えられなくなって啼く様に助けを求める。
何から助けるのか、理解も至らないが望は霧の手を握る。
きゅっ、と可愛らしく握り返してくる少女を愛しく思う。

「もう、うぅ…はぁ!」
「小森さん…」
「せん…せぇ、もうっ…だぁ、…めぇ………」
「大丈夫です、私が居ますからね…」

舌の動きを更に速くして、霧を絶頂へと導く。

「あんっ、…はああぁぁぁ!!」

身体を反らし迫り来る高揚に耐える霧。
余りに強い波が少女の身を打ち付ける。
望は再び身を離し、より妖艶に変貌した霧を見つめる。

「小森さん…」
「んっ。…良いよ、先生」

少女の膝を抱え脚を開かせて、自らの絶棒を少女の秘部にあてがう望。
少しづつ注入する。
腰がくだけそうになるのを抑えながら、奥まで辿りつく。

「愛してますよ、小森さん…」
「うんっ、…せんせぇ」

覆い被さるようにして、望は霧の耳元で囁く。

(生徒に対して、こんなに愛しい気持ちになるとは…)

腰を振り始めると、霧の熱い体が受け入れていた。
腰を動かしにくいのも関わらず、望は霧の体を抱き締めていた。
焦る気持ちを抑えきれずペースが上がっていく望。
正常位で腰を振り続ける。

「あっ、あっ、あっ、せんせぇ…!」
「うっ、…小森さん」

限界が近づいてくる二人。
腰を振りながら、何度も霧の耳元で愛してると呟いた。
途中から苗字ではなく、名前を何度も呼んだ。
その度に、望の体は熱くなってく。
下半身への素直な刺激が、望を至らせようとしていた。
101名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:49:26 ID:I6agUzis
(ぬ、抜かないと…!)

自身の限界をハッキリと感じた望は、すぐに身を離そうとする。

「だ、駄目…!」

離れていく寂しさを消し去る為に霧は、脚を巧みに絡めた。
一度離れて、また中へ。
先程から続けていた行為だが、この一度は引き金となった。

「ぐぅ…!」
「はあぁ、ああぁぁぁん!!!」

絶棒は二度目とは思えない量を少女に注ぎ込む。
持ち主は青ざめていたが…。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
「…」

互いに息を整えていると、霧がニヤリと微笑んだ。

「…ふふっ。責任取ってね、せーんせ」

固く閉ざされたカーテンが軽く揺れた。






以上です。御粗末さまでした。
感想頂けると嬉しいです。
102名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 19:40:51 ID:fgPaXL1J
ノーマル久々だたから新鮮に感じましたぜ
103名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 20:01:35 ID:DEAz5klM
霧まってたよGJGJ
純愛もいいものね
104名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 20:18:57 ID:7239nETY
>>101
|∀・)b
105名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 20:24:38 ID:Ie6QhFUQ
こういうノーマルエロって、表現は凝っているけど気軽に読めてよいなぁ。GJ
106名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 21:12:17 ID:RjWnxzYe
霧が結構黒いですな。
107名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:19:58 ID:vSY+hSGE
あ〜なんかムラムラしてきた。今なら調子良くエロSSが書けるに違いない。

うーん、本番シーンはどんどん思いつくけど書き出しが浮かばないな。ちょっとヌいとくか…

シコシコ…どぴゅっ

なんか書く気が失せた。寝よう。
108名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:24:57 ID:fgPaXL1J
>>107
ありすぎて困るww
109名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:07:44 ID:ICYMg/oR
書いてから抜けばいいのに
110名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:47:15 ID:kf26NKky
あるある
加賀さんのしっぽがあびるに狙われて、
加賀さんのおしりにしっぽを刺してあびるがしっぽレズプレイするのを妄想して抜いたことあるわ
倫が兄をとられまいと絶望少女たちに折檻するのも妄想して抜いた
書きてぇ
111名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 00:06:18 ID:KMK38a1z
書いたらいいと思うよ
112名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 00:19:34 ID:9l71Frcf
>>111
じゃあさっそく智恵先生と加賀さんのやつでも書いてみる
半角に影響されたし
113名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 00:45:51 ID:k7arOmup
百合メインは投下されるたびに荒れるのでお薦めしない
114名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:20:50 ID:Rjt2pGfB
>>113
事前の注意書きがあるなら、荒らすほうが全面的に悪い。これ常識。
つーか、せっかく立ち上がろうとしてる奴の出鼻を挫くんじゃねぇよ。
115名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:33:10 ID:9l71Frcf
>>113
おけ
注意書きも添えて書いてくる
116名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:38:32 ID:KMK38a1z
加賀さんスキーだから全裸で待ってますよ
117名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 02:58:54 ID:IMgoL0Hy
ここまで育ててくれたのは韓国やし、
悪くもいわれるけど世界一の国だと思っている。
いつまでたっても故郷にかわりはない
118 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 05:17:49 ID:9l71Frcf
智恵×愛ができました
少しみなさんの様子を見て投下準備します
119名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 06:23:19 ID:hKv+hcOd
いや、ちゃんと専用のスレがあるんだからそっちでやれば
120名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 06:53:35 ID:LzZBEoI/
100%百合なら百合板のスレに投下すると良いよ
3Pに百合が混じってるくらいならこのスレだが
121名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 06:56:14 ID:N2fGUVbv
>>118
>>2を読んでくれ
今までにさんざんもめたり荒れたりしたあげくにできたテンプレだ

>本スレはノーマルのエロパロスレです。
・行き過ぎた801ネタ、百合ネタは論争の元になるのでお控え下さい。
 軽めのものであれば、SSの冒頭にその旨の注意書きをお願いします。

>>118のSSが百合メインであればこちらでの投下は避けたほうがいい。
百合スレもここと同じくらいレベル高いし、スレの住人も良い奴らだよ
ここと重なってる住人も多いと思うしエロパロスレ投下にこだわることはないと思う

【第二期】絶望先生で百合〜第二話〜【一月から】
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1197563824/

だからこっちで落とすのはやめてくれ本当に荒れるから
122名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 07:08:01 ID:KMK38a1z
百合スレがあったか

ならばそちらに投稿するのをみんな勧めるだろうな
123名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 08:44:29 ID:qdfHEBZK
専用スレがあるのなら、そっちに投下するのが道理だね。
124名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 09:08:38 ID:TNRdi3L5
軽めのものならいいと思うけどなー。
まぁあっちは流れ遅いし、素直に百合スレで投下した方が喜ばれると思う。
125名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 10:23:05 ID:SUfgsvVl
軽い重いというか、順百合はあっちで男もいるならこっちだと
126名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 10:24:05 ID:SUfgsvVl
純百合デシタ
127 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 11:52:23 ID:9l71Frcf
実は男性は望だけ登場で望×まといが少しあるんですが、
まといに首輪つけて野外露出くらいですし、
やはり百合スレがいいのでしょうか
SMチックだから少し百合スレには投下しづらい
128名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 12:05:32 ID:SUfgsvVl
それならこっちの方がいい
129名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 15:48:57 ID:zkjg5a5C
分ければよくね?
130名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 16:31:48 ID:GWlgm8ij
どっちかわからない微妙なやつは注意書きしてこっちでいいと思う
ギチギチに縛ったら書き手も投下しづらいだろうし
131名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 18:44:49 ID:BqtXvAhr
獣姦とかありなの?
まあ無いだろうけど、蟹×愛とか
132名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 18:47:54 ID:mSZboB8v
ラインバック×あびるとかならともかく、その発想は無かったわ

まあ、注意書きした上でならおkじゃね
苦手な人はスルーすればいいと思うし
133智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 20:44:40 ID:9l71Frcf
では投下に参ります
半角二次元の智恵先生と愛ちゃんの絵に影響されて作ったSSです
あるスレでエロギャグを書いてたんでギャグっぽく見えるかもしれないです
他の方にはかなわないかもしれませんがよければ見てください

・智恵×愛
・望×まとい
・あびるとカエレも登場
・百合注意
・SMチック
・アナル責め
・少しギャグっぽい?
・回想シーンあり
・キャラ崩壊


ではいかせてもらいます
134智恵と秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 20:49:28 ID:9l71Frcf
―エロパロ高校SC室
その部屋の扉の前で一人の少女が立っていた
2のへの加賀愛だ
愛はしばらく周りをキョロキョロ見た後、遠慮がちに扉をコンコンとノックした
「どうぞ」
「失礼します」
この学校のスクールカウンセラー・新井智恵先生の声が聞こえると、
愛はSC室に入っていった
そのときの愛の目は申し訳無さそうであった

SC室の中で、智恵はセクシーに足を組んで愛の方に体を向けていた
智恵は少し待ちくたびれたように言った
「加賀さん、よくきたわね」
「せ、先生、
 時間に遅れてしまいすいませんっ
 木津さんに頼まれ事を………っ!
 …………」
智恵は愛にキスをして黙らせた
愛の頬は少しずつ赤く染まっている
キスを終え、智恵が口を開いた
「何度もいってるでしょ、あやまる必要はないって
 あやまるのなら早く支度をしなさい」
「あっ、はい……… すいません
 準備しますっ!」
二人はSC室に備えられたベットに向かった
ベットに愛が腰を下ろすと智恵はカーテンでベットの周りに壁を作った
この壁の内側で智恵の秘密の世界が繰り広げられるのだ

135智恵と秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 20:52:37 ID:9l71Frcf
「じゃあ加賀さん、いつものように脱ぐのよ」
「…………はい」
愛は智恵に顔を背けて返事をすると、ゆっくりとセーラー服を脱いだ
綺麗な肌、やや控え目ではあるが形のいい乳房が姿をあらわした
その乳房の頂にはちょんっとかわいらしい乳首が飾り付けられていた
「ちゃんとブラはつけなかったようね、やっぱり加賀さんはいい娘だわ」
「そ、そんなことは…」
「ブラなしはどうだったかしら」
「恥ずかしかった………です」
「じゃあ次はスカートよ」
愛は命令どおりスカートを脱いだ
パンツははいているがかなりぐしょぐしょだ
バイブを挿れているらしく、愛の顔を見ると気持ち良さそうな目をしてぽーっとしている
「あっはっ………はっ
 すいません、気持ちよくなってすいませんっ!」
「ちゃんと命令どおりバイブをつけてきたようね
 でも我慢が出来なかったみたいね
 しかもこの場でまたイクなんて
 なんて淫乱なのかしら加賀さんったら」
「す、すいませんっ!
 淫乱ですいませんっ!」
この時の智恵はまさに女王様だった
智恵の中にあるサディストの性が表に出たのである
「さぁ、パンツ脱いで、バイブを取って、私におしりを向けなさい」
「はい…」
愛はすかさずパンツを脱いでバイブを取った
「んっはぁぁ………」
愛はバイブを抜いたが、同時に得た快感の余韻でぼーっとしてしまった
136智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 20:56:00 ID:9l71Frcf
ベチッ!
「ふやぁっ!」
智恵は厳しそうな目をしながら愛の尻にビンタした
「なにもたもたしてるの?」
「ひゃっ、すいません!
 今すぐおしりをそちらに向けますっ!」
愛は智恵に小さくてか弱い尻を向けた
「せ、先生っすいませんっ
 お尻をっ………うをっ゛!」
愛の言葉を遮るかのように智恵は愛のアナルに指を突っ込んだ
ややスムーズに指がアナルに吸い込まれていく
どうやら開拓はそこそこ進んでいるようだ
「時間に遅れるなんて、あなたは私の忠実な豚の一匹なのよ
 我慢すらできないなんて、なんて淫乱なメス豚なのかしら…」
「すいませんっ!
 が、我慢ができなくてすいませんっ!
 放課後に智恵先生にお仕置きされるのを考えたらつい………ッ!
 あぁーっ! はぐぁっ、あっ!」
智恵は愛のアナルをぐりっぐりっとリズミカルにほじくった
愛の口からいやらしくよだれが流れた
「はっうっ…………あっ…………あふっ?」
愛は違和感を感じた
アナルに刺激が突然なくなった
なぜ?
簡単なことである
智恵が愛のアナルから指を抜いた、それだけである
「加賀さん、アナルだけでイかしてもらえると思った?
 まだまだプレイは始まったばかりなのよ?」
「そっ、そんなっ!」
「加賀さん、次は仰向けになりなさい」
「んっ………、はい…」
愛はアソコがムズムズしていた
軽く達せれるかと思いきや止められてしまうなんて…
でも自分の手で勝手にイクなんてご主人様である智恵に対して無礼な行為となる
逆らうとそれ相応の罰を下されるのだ
仰向けになると智恵はろうそく責めを始めた
少しでもろうそくを嫌がると罰をもらうにちがいない
責めを我慢をしている愛の頭に2週間前の光景をフラッシュバックされた

137智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:02:26 ID:9l71Frcf
―2週間前
愛は智恵を満足させることができなく、
尻をムチでうたれていた
「すいませんっ、ちゃんとできなくてすいませんっ!」
「罰が必要ね、今日の深夜12時に命令通りまで来なさい
 散歩するわよ」
「へっ? わ、わかりました」
早めに命令通りに着き、12時になると智恵がやってきた
愛は裸にされ、首輪から縄で繋げられているうえに四足歩行をさせられた
愛のクラスメイトであり、愛と同じ智恵のメス豚である小節あびるもいっしょだった
あびるには犬耳カチューシャ、アナルに犬しっぽがつけられた
あびるは罰ではなくプレイのひとつであり、今回で10回目だそうだ
その時の智恵は女王様のボンテージに身を包み、夜の寒さなど気にしていないかのようだった
「言葉はしゃべらないこと。
 いいわねあびる、愛」
「ワオンッ!」
「わ………わん」
この時のあびるは普段の学校生活のクールな態度からは考えられない、
とても楽しそうで活き活きとした顔とキラキラ輝いた目をしていた
愛は少し意外に思ったが、あびるに失礼だろうと心の中であびるにあやまった
あびるはとてもうれしそうに尻を降りながら歩いたが、
愛は自分の貧相な体を公衆の面前にさらしているため、恥ず
138智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:08:58 ID:9l71Frcf
投下ミスしたうえに変な表現もありました
すいません



―2週間前
愛は智恵を満足させることができなかった
「すいませんっ、ちゃんとできなくてすいませんっ!」
「罰が必要ね、今日の深夜12時に命令通りまで来なさい
 散歩するわよ」
「へっ? わ、わかりました」
早めに命令通りに着き、12時になると智恵がやってきた
智恵が来てすぐに罰は行われた
愛は裸にされ、首輪から縄で繋げられているうえに四足歩行をさせられた
愛のクラスメイトであり、愛と同じ智恵のメス豚である小節あびるもいっしょだった
あびるには犬耳カチューシャ、アナルに犬しっぽがつけられた
あびるは罰ではなくプレイのひとつであり、今回で10回目だそうだ
その時の智恵は女王様のボンテージに身を包み、夜の寒さなど気にしていないかのようだった
「言葉はしゃべらないこと。
 いいわねあびる、愛」
「ワオンッ!」
「わ………わん」
この時のあびるは普段の学校生活のクールな態度からは考えられない、
とても楽しそうで活き活きとした顔とキラキラ輝いた目をしていた
愛は少し意外に思ったが、あびるに失礼だろうと心の中であびるにあやまった
あびるはとてもうれしそうに尻を降りながら歩いたが、
愛は自分の貧相な体を公衆の面前にさらしているため、恥ずかしいと同時に申し訳ない気持ちになった
「おや智恵先生、今日も散歩ですか」
「あら糸色先生」
愛の担任である糸色望だった
服はいつもので見間違えることなどなかった
愛は自分の担任の登場でとても恥ずかしくなった
しかし驚いたことに望も散歩をさせていたのである
望が散歩させていたのは望に惚れ、常につきまとう常月まとい
愛と同じクラスである
彼女もあびると同じ耳としっぽをつけた格好をしていた
まといとあびるはまるで犬のように吠えあった
「わんっ!」
「ワンワンッ!」
愛はどうすればいいのかわからなく呆然としていた
それから望と智恵の話は長くなり、罰が終わるのは深夜1時半であった

139智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:18:06 ID:9l71Frcf
―今、ろうそく責めに耐えきった愛は智恵に体に張り付いたろうをはがされ感じている
特に乳首といった敏感な部分となると声が出てしまう
「ひゃうあっ、ふあっ」
そして全てはがされるとまんぐり返しをさせられた
「加賀さん、おとなしくしてなさい」
愛はまんぐり返しの姿勢にされ、手は背中の後ろに縛られ、足は吊らされて自由を奪われた
「すいません智恵先生、もうイキたいですっ!
 すいませんがイカせてください、もうっイキたいんですっ!
 お願いしますうっ!」
「しょうがないわね………」
くちゅくちゅ、つんっ
智恵は足を組むと、愛のアソコを指で掻き回したり、お豆をつまんだりした
「あぁぁ、あっ、すいませ………あーッ!」
「まだ足りなさそうね」
智恵は絶え間なく愛を責める
「はっ、はい、もっとっ、すいませんがくださいっ!
 ひうあっ! う〜っん!!」
愛はとても苦しそうで幸せそうな顔をしていた
そんな愛を、智恵は冷酷そうな目で見つめる
「あら、かなりぐちょぐちょじゃない」
智恵はラストスパートをかけた
さっきよりも激しい指の動きで愛を刺激する
今までよりも大きめの力でお豆をおもいっきりつねると
「ひあぁぁぁっ………」
愛はイッてしまった
愛の顔はとてもとろ〜んとしている
智恵はその顔を見てもう我慢ができなくなったようだ
「少し待って」
智恵はやっと服を脱ぎ裸となった
すると棒を取りだし自分のアソコに挿した
「ふっ………これで今日は終りにするわよ」
「すいませんっ、限界です先生っ、先にイキそうです、すっ………す、すいませんっ!」
「私ももう我慢できない…、これでとどめよッ、んあっ!」
「すっ、すいませんっ、もうダメーッ!
 あっ、あぁぁーっ!」
「私もっ、ふあぁーっ!」
イッたのは愛が先であったが、ほぼ同時に智恵もイッたようだ
智恵は愛の手足の縄をほどいた
愛は荒く息を吸ったり吐いたりしながらぐったりとしていた
「はぁ…はぁ…すいません…先生………、
 ………すいません…………」
「いいのよ………初めての頃と比べて私好みになったわ………」
「初めて…ですか………」
愛は初めての頃を思い出した
140智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:25:49 ID:9l71Frcf
―1ヶ月前
雨の降るエロパロ高校、放課後
愛はSC室に向かっていた
「雨で制服を濡らしたら洗濯物を増やしてしまう…
 傘を借りなきゃ」
愛は下校をしようとするとクラスメイトの関内・マリア・太郎に会った
マリアは傘を持っておらず、傘なしで下校しようとしていた
愛はそれを黙って見逃すことが出来ず、マリアに自分の傘を貸したのであった
だが愛は傘を一本しかもっていなかったため、傘を借りに職員室に向かっていた
SC室の前を横切ろうとすると、SC室から何か声が聞こえた
誰かが困っているのかと思い、SC室に入ってみた
声はカーテンに包まれたベットの方から聞こえた
「AHH,YES!!
 もっと、もっとぉ!」
愛はカーテンを開けて訪ねた
「ど、どうかしましたか?
 !?」
愛は見てしまった
智恵が同じクラスメイトである木村カエレとプレイをしているのを
二人とも裸で濃厚に絡みあっていた
「あッ!?
 な、何見てるのよ加賀さん!? ううう、訴えるるよ!!」
「す、すいません!」
「加賀さん、見てしまったのね
 秘密を知ったからには、あなたも木村さんと同じように私のメス豚になってもらうわ
 木村さん捕まえなさい」
愛は是非も言えずにカエレに羽交い締めにされ、服を脱がされ、ベットに寝かされ、カエレと智恵に責め続けられた
「加賀さん、おとなしくしなさい!
 私もこうやって先生のメス豚になったんだから!
 逃げるなんて許さないわよ!」
「そ、そんなっ、カエレさんっ、私のを舐めないでくださいっ!
 なにかおかしくなります! やめてください!
 先生も胸を舐めないでください!」
141智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:27:52 ID:9l71Frcf
「加賀さん、あなたは私の秘密を知ったのよ
 調教して私の奴隷にしなくちゃいけないわ」
「案外メス豚ライフもグッドなものよ」
「すいません、すいませんっ!
 見逃して………」
「あやまっても無駄よ
 木村さん、ラストスパートよ
 ちゃんとできなかったらまたパンツを頭にかぶって裸で散歩させるわよ」
「うっ………
 加賀さん、あなたには悪いけどイッてもらうわ!」
「ひえっ、すいませんっ、何か出ちゃいますっ!」
「おもいっきり出しなさい加賀さん」
「ひゃぁっ、あぁあああああ!」
愛はカエレの顔に潮を吹いてしまった
愛の潮を浴びたカエレは機嫌がよさそうな顔をした
愛はよくわからない感情でいっぱいとなった
その後はカエレといっしょに三角木馬に乗せられた
最初は痛い三角木馬もだんだん気持ちよくなり、亀甲縛りをされたり、アナル開発されたり………
痛みはだんだん快感へと変わっていった
様々な責めを受け、次第に愛はMの素質を開花した
もう何も考えられない……
気持ちよくなりたい……
それ以来愛は智恵のメス豚となってしまった
142智恵の秘密の放課後 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:31:44 ID:9l71Frcf
―そして今
愛は智恵の隣ですやすや眠っている
智恵はそんな愛を見て満足そうな顔をしていた……
「ふふっ、かわいいわ加賀さん………
 これからもたっぷり愛してあげるわ……」
智恵は愛の隣で寝て愛の唇にキスをした


この話は新井智恵の奴隷・加賀愛の視点にすぎない
智恵の奴隷はカエレやあびるの他にもいるのだ
あなたは智恵の秘密の世界を少ししか見ていない………
143 ◆yUs7QyrBLc :2008/04/07(月) 21:34:37 ID:9l71Frcf
すいません、お目汚しすいません
以上で終了です
失礼しました
144名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 21:38:50 ID:CxRil4+6
GJなんだが…
どうみても完全に百合スレ向きの作品にしか見えない
145名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 21:59:28 ID:kCBl3kXJ
愛ちゃんがいい具合に淫乱だったなwwww
146名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:04:30 ID:qF4Ys8hZ
荒れる前に流れを変えてしまおう!
次にだれか投下してくれる人いませんかー? だれかー 
147名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:10:39 ID:eL0erWdV
>>146
お前わざとやってるだろ
148名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:56:20 ID:KMK38a1z
やはり百合スレのほうが…
149名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:17:58 ID:SUfgsvVl
全裸で絶望に散歩させられるまとい、なんて明らかに百合の範囲外だろ
だいたい女×女エロが完全に禁止なら前スレの花束も駄目じゃねえか
スレのためとか言って、大した事のないものまで問題問題言ってたら、やりにくいスレだと思われて投下自体減るぞ

>>143
GJでした
150名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:44:14 ID:eOTO63za
お久しぶりです。
えー、アニメも終わって寂しい昨今、皆さん、楽しくいきましょう…。

>>143
命令通りの散歩シーン、何だか不思議世界に迷い込んだような感覚に陥りました…。
平然とまといを散歩させている先生が、シュールで良かったです、GJ!
そしてドSな智恵先生に萌えました。
鬼畜命先生といい、どうしてドSはこんなに萌えるのでしょうか。

正当派のS系智恵先生の後に、嘘っぽい智恵先生で大変申し訳ありませんが、
望×智恵の長編SSを投下させてください。

以下、注意書きです…たくさんあるなぁ…orz
1)望先生と智恵先生は、既に恋人同士という前提になっております。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
  (原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですがオリキャラが出てきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…多分、ないです。

こんなんでも「読んでやるぜ!」という心のデッドスペースの広い方は
どうぞよろしくお願いいたします。
とりあえず、今回は13レス投下です。
151伝えたいことば(1) 1/13:2008/04/07(月) 23:45:35 ID:eOTO63za
智恵は、目の前の光景にため息をついた。

季節は春。
うららかな日差しの中、校舎の裏手の草むらで、
気持ちよさそうに寝ているのは、彼女の恋人である青年。

年の割りにあどけないその寝顔に、近くの桜の木から舞い散る花びらが
さらさらと流れていく光景は、平和で、微笑ましい光景であった。

―――ただし。
今が授業時間中であり、彼が教師である、と言う事実さえなければ、である。

例によって授業をサボり、教室を抜け出した望を探しに出た智恵が、
やっと見つけたのが、ここで、すやすやと眠っている恋人の姿だった。

―――まったく、この人は…。

もう一度ため息をつくと、智恵は望の傍らにしゃがみこんだ。
「先生…糸色先生…。………望、起きて。」

肩をゆすると、望はゆっくりと目を開いた。
「ん…智恵…?」
寝ぼけ眼で智恵を見上げると、ほわぁ、と嬉しそうな笑みを浮かべた。

その笑顔に、智恵は思わずくらりときて、慌てて体勢を立て直した。

この年下の恋人は、時々こうやって、無防備な表情をさらけ出す。
そのたびに、智恵は彼の行動を何もかも許してしまいそうになるのだ。

今日こそは、と心を鬼にして望に向き直った智恵だったが、
「智恵…こっち…。」
「きゃっ。」
まだ半分まどろんでいる状態の望に手を引っ張られ、倒れ込んでしまった。
そしてその腕の中に抱きとめられる。

「ん…。」
柔らかく微笑んだ恋人から、甘い、春の香りのする口付けを受けた瞬間、
智恵の決心は跡形もなく溶け去っていた。
152伝えたいことば(1) 2/13:2008/04/07(月) 23:46:30 ID:eOTO63za
だんだんと目覚めてきたらしい望が、指先で優しく智恵の髪を梳く。
その気持ちよさに、智恵は目を細めた。

桜の木の下で、2人は、ゆっくりと口付けを交し合った。
智恵の胸元に桜の花びらが落ちる。

望は、その花びらをそっと拾うと、花びらがあったところに唇を寄せた。
「…っ、だめよ、そんなところに跡をつけちゃ…。」
智恵が望の頭をつかんで、押し返す。

望は、不満そうな顔で智恵を見ると、智恵の襟元をぐい、っと押し広げた。
「んっ…。」
望の唇が、洋服の下、外から見えないところに紅い花びらを散らす。
「は…ぁ…。」
思わず、智恵は甘い吐息をついた。

望はすっかり目覚めたようだ。
智恵のブラウスのボタンに手をかけた。
「ちょっと、こんなところで…。」
「大丈夫ですよ…今は授業中ですから…誰も来ませんよ…。」

授業中、というところが問題なのだと智恵は思ったが、
望の手の動きに、すぐに、考えることを放棄した。

望は、智恵のブラウスのボタンを外して前を肌蹴させると、
後ろに手を回してブラのホックを外した。

量感のある智恵の胸がはじけ出る。
望は、ブラを押し上げると、その智恵の胸の谷間に顔を埋めた。
「もう…いつも、そうやって…。」
「…男なんて、所詮みんな、おっぱい星人なんですよ…。」
幸せそうに、智恵の豊満な胸に頬ずりしながら望が呟く。

望が、そのまま、ちろりと舌を出して智恵の胸の先を舐めた。
「あ…ん。」
智恵の口から甘い声が漏れる。
153伝えたいことば(1) 3/13:2008/04/07(月) 23:48:09 ID:eOTO63za
その智恵の声で火が点いたように、望は智恵の胸への攻略を開始した。

舌を尖らせて先端をつついたかと思うと、
子供が母親の乳房を吸うように、チュクチュクと音をさせて吸い付く。

「ん…っ!」
先端を強く吸われ、智恵の呼吸が荒くなった。
智恵は、熱の篭った目で望を見ると、その袴の帯に手を伸ばした。

智恵がシュルシュルと器用に袴の帯を解くと、望が自分で袴を蹴り飛ばした。
「智恵…随分、袴の脱がせ方が上手くなったじゃないですか…。」
「馬鹿…。」

智恵は、望に手を伸ばし、すっかり存在を主張しているそれを、
下着の上からやわやわとなぞった。
そして、下着の隙間から、つと指を入れるとそれを取り出した。
「男性用の下着って、便利よね…。」
小さく含み笑いをして、望を見上げる。
指は、そのまま優しく望自身を撫で上げていた。

望の顔は紅潮し、唇が少し開いていた。
「望…。」
智恵が巧みな指遣いはそのままに、望に顔を寄せると、望は目を閉じた。
そのまま、2人でゆっくりと舌を絡ませあう。

「ん…はっ、ち、智恵…!」
望は、智恵の手をつかむと、自身から引き離した。
「こ、これ以上は、もう…。」
智恵は、妖艶な笑みを浮かべて望を見返した。
「ええ…私も、あなたが欲しい…。」

望は、息も荒く、智恵のスカートをめくり上げた。
そして、下着の中に手を入れる。

智恵のそこは、すでに十分に潤っていた。
望が、特にほぐす必要もなかった。

望にも、そんな余裕はないようだった。
154伝えたいことば(1) 4/13:2008/04/07(月) 23:49:25 ID:eOTO63za
「いいですか…智恵…。」
望の囁きに、智恵は頷いた。
「…来て…。」

望が智恵の中に侵入する。
智恵は、目を閉じると満足げな吐息を漏らした。

「く…っ、ああ、智恵、いい…。」
「望…私も…。」

重なった2人の上に、桜の花びらが降りかかる。
そのまま2人は、我を忘れて互いを求め合った。


同時に、互いの欲望を解放し、
2人は荒い息をついて、並んで空を見上げていた。

春の光が溢れる、淡い色の空を見上げているうちに、
だんだんと智恵の中に冷静な考えが蘇ってきた。

―――ミイラ取りがミイラになってどうするのよ…。

智恵は激しく自己嫌悪に陥った。

智恵は、望に向き直ると、不機嫌そうな口調で質した。
「ねえ、糸色先生は、どうして、すぐに授業をサボるんです?」
「…え…。」

望は、まだ行為後の甘い余韻に浸っていたのか、
いきなりの智恵の糾弾にびっくりした顔をして、起き上がった。

「そのたびに、私が先生を探しに行くハメになるんだから…。」
「何を、あなたは…今こんなときに言わなくたって……。」
望の顔も、徐々に不機嫌なものになっていく。
155伝えたいことば(1) 5/13:2008/04/07(月) 23:50:18 ID:eOTO63za
望は、頬を膨らませると、ぷいんと智恵から顔を背けた。
「智恵先生は、担任を持ったことがないから分からないんですよ。
 あのクラスの担任をするのが、どれくらい大変なのか。」

智恵はかちんときた。
自分も体を起こすと、望を睨みつける。
「悪かったですね、担任を持ったことがなくて!
 どうせ私は、教員資格もない単なるカウンセラーにすぎないわよ!」
「そんなこと言ってるんじゃありません!」
「言ってるじゃないですか!」

2人は、しばし無言で睨み合った。

「……あなたみたいに、怠け者で情けない人、見たことがない!」
「私だって、智恵先生みたいに頑固で薄情な人、見たことないですよ!」

もはや、2人は立ち上がっていた。

「―――あなたなんか、大嫌い!」
「こちらこそ!」

2人は、お互いに顔を背けると、智恵は学校へ、望はその逆方向へと
それぞれ歩き始めた。

しかし、大声で罵りあいながらも、
2人とも、この喧嘩をそれほど深刻に取っているわけではなかった。

これは、大人になりきれない2人の、いつもの他愛無い痴話喧嘩。
明日になれば――いや、今日の午後にでも、きっと仲直りできるだろう…。

2人とも、そう思っていた。

―――智恵が帰っていった学校に近づく不穏な足音に、
            望も智恵も、全く気が付いていなかった―――
156伝えたいことば(1) 6/13:2008/04/07(月) 23:51:18 ID:eOTO63za
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、頭が冷えるまで、しばらく街の中をうろついていた。

―――まったく、彼女ときたら、あんな甘い雰囲気の後に、
どうしてあんなことが言えるんでしょうね。

望は、街外れを流れる川の近くの土手に腰を下ろした。
手元の草をむしると、川に向かって放り投げる。

―――そりゃ、授業をサボった私に非があるのは確かですが…。

ふと、傍らに、智恵の好きな花が咲いていることに気が付いた。

彼女は、街の花屋で売っているような花よりも、
こうした野生の草花の方を好んでいた。
「……。」

―――別に、ご機嫌を取るわけじゃないけど…。

望は、手を伸ばすと、その可愛らしい野生の花で、小さな花束を作った。
そして、そろそろ帰ろうかと腰を上げたとき、土手の向こうを、
パトカーがサイレンを鳴らしながら通り過ぎて行った。

―――そういえば、さっきから、やけにサイレンがなってますね。

バラバラという音に空を見上げると、ヘリコプターが飛んでいる。

―――何か事件でもあったんでしょうか。

急に不安にとらわれて、望は土手を登ると学校へと向かった。

学校へと向かう途中、望の不安は段々に増してきた。
街の人達が、皆、望の歩いていく方向に向かって走って行っているのである。

呼び止めて尋ねようにも、皆、興奮しているようで要領を得ない。
いたたまれず、望も一緒になって走り出そうとしたところに、
後ろから、聞きなれた声がした。
157伝えたいことば(1) 7/13:2008/04/07(月) 23:52:08 ID:eOTO63za
「望!お前、無事だったのか!?倫は?交はどうしたんだ!?」

振り返ると、白衣に医療カバンを抱え、やや青白い顔をした兄が、
息せき切って立っていた。
「倫…?交?…命兄さん…いったい何があったんですか?」

命は唖然とした顔をした。
「お前…知らないのか…!?」
胸の中の不安が一気に膨らむ。
「何があったんです!?」

命が重々しい顔で、望を見た。
「お前の高校が、過激派だかテロリストだかに占拠されたって…。
 今、テレビでもそのことで持ちきりだぞ!!」


―――望の手から、花束が落ちた。


思わず、命に詰め寄る。
「テロリストってなんですか!何でうちの高校なんですか!!?」
「良く分からん。
 ただ、お前のところ、校名にネーミングライツとかやってるの、
 この間の新聞に大きく取り上げられてただろう。
 報道によれば、それが原因で、標的になったらしい。」
「な…。」
「神聖なる教育の場で金儲けをする、穢れた資本主義の手先ってな。」
「馬鹿な…。」
望は血が滲むほど、唇を強く噛み締めた。

「それよりも、そうすると倫も、交も、まだ学校の中なんだな。」
命が心配そうに尋ねた。
「多分…。」

望は、学校の方を向いた。
倫と交だけではない。
自分のクラスの教え子達も…そして………彼女も…。
158伝えたいことば(1) 8/13:2008/04/07(月) 23:52:57 ID:eOTO63za
「…テロリストの要求は何なんですか…。」
命は、難しい顔をした。
「先月、アメリカでお粗末なハイジャック未遂事件があっただろう。
 そのときに逮捕された『同志』の解放だと。」
望は絶望的な顔で命を見た。
「そんなの…あの国が応じるわけがないじゃないですか…!!」

望は、心から自分の行動を後悔していた。
なぜ、自分は、授業をサボったりなどしたのだろう。
どうして、自分は、今このとき、彼女の隣にいないのだろう。

「とにかく…近くまで行きましょう!」
望は、命と連れ立って、学校へ向かって走り出した。

学校の前は既に人だかりで、黄色いテープで規制がされていた。
そこに、長身長髪の、作務衣姿の男性の姿があった。

「景兄さん!」
望の呼びかけに、景は振り返った。
「望!無事だったか!命も来てたのか。倫と交はどうした!?」
駆け寄ってきた景に、望は首を振った。
景は顔を曇らせた。
「…っ。とにかくここじゃ、埒が明かない。中に入ろう。」

3人が何とか最前列までこぎつけたところで、制服姿の警察官に阻まれた。

「入れてください!私は、この学校の教師です!!」
命も、望の隣から顔を出す。
「甥も妹も中にいるんだ!通してくれ!!」
「ダメです!何と言われてもこちらが許可した者以外は立ち入り禁止です!」

押し問答をしている2人を見て、景が怒鳴った。
「馬鹿!こういうときに親の七光りを使わないでどうする!」
そう言うと、景は命の携帯電話であちこちに電話をかけ始めた。

「はい…はい、ありがとうございます。…はい、よろしくお願いします。」
しばらくして、景が携帯電話を目の前の若い警察官に差し出した。

「おい、お前、この電話を切らずに、ここの責任者のところまで持って行け。」
警察官は、作務衣姿の景を胡散臭そうに眺めると、携帯を引ったくり耳に当てた。
159伝えたいことば(1) 9/13:2008/04/07(月) 23:54:00 ID:eOTO63za
「誰だ、お前…。……。え?……ええ!?」
若い警察官の顔から、みるみるうちに血の気が引いていく。
「し、失礼いたしました。はっ、直ちに!!」
警察官は、そのまま、踵を返すと携帯を持ったままどこかへ走り去った。

望と命は、呆然と景の顔を眺めやった。
「兄さん…誰と電話してたんですか…?」
「ん?警視総監だよ。親父様の秘書からつないでもらった。」
涼しい顔で答える景に、望と命は、顔を見合わせた。

やがて、先ほどの警察官が戻ってくると、3人に対して、
先ほどとは打って変わった丁寧な物腰で、同行するよう依頼した。

「…お父様が、そんなに大物だったなんて、知らなかった…。」
「何言ってるんだ。伊達に、絶大の名を背負ってるわけじゃないんだぞ。」

3人は、「テロ対策本部」と墨痕鮮やかな看板のかかるテントに連れて行かれた。

中に入ると、恰幅のいい中年の男が3人を出迎えた。
「私が、ここの責任者を務める警視庁公安部公安第一課課長の山田だ。
 ここでは、ま、そうだな、本部長と呼んでくれたまえ。
 …君らが、糸色議員の息子達か。確かに、そうそうたる面構えだな。」
頷いて手を差し伸べる。

望は、思わず前に進み出た。
「そ、それより、本部長。現状は、どうなってるんでしょうか。」
本部長は、望を見た。

「君は、あの学校の教師だそうだな。」
「…はい。」
「たった今しがた、テロリストの奴らから連絡が入った。
 一部の女生徒を残して、後は解放するそうだ。」
望達は、息を飲んだ。

「…普通は、女子供から解放するのが先でしょうに…!」

―――智恵は…倫は、交は…私の生徒達は…大丈夫なのか…?

望は、他の生徒や教師達に後ろめたく思いつつも、
彼らが解放組に含まれているよう、心から祈った。


160伝えたいことば(1) 10/13:2008/04/07(月) 23:54:59 ID:eOTO63za
*   *   *   *   *   *   *   *


一方、学校の中では、教師も生徒達も、皆、体育館に集められていた。
あちこちですすり泣きがもれる中、銃を持ち、覆面をしたテロリスト達が
人質を囲んでいる。

智恵は、交を膝に抱きしめながら、テロリストたちを睨んでいた。

今、現実に起きていることが、信じられなかった。



智恵は、望と言い合いをした後、カッカしながらSC室に帰っていった。

そして、お茶でも飲んで気を落ち着けようと、ポットに手を伸ばした瞬間、
玄関から凄まじい爆音と、怒号、悲鳴が聞こえてきたのだ。

驚いて廊下に出ると、階下から煙が上がってきていた。
そこに、聞こえてきたのは銃声らしき音。
もちろん、実際の銃声を聞くのなど、初めてだった。
―――な、何!?いったい何があったの!?

パニックになっていると、煙の中から覆面をした男達が飛び出してきた。
そして、両腕をつかまれ、体育館まで連行され、今に至るというわけである。

はじめの頃、教師の1人が、勇敢にもテロリストに抗議をした。
「何故、こんなことをするんだ!我々が何をした!」
その教師は、テロリストに銃の台座で殴られ、倒れ臥した。
泣き叫んでいた生徒達が、一瞬にして静まった。

テロリストの首謀者らしき、口髭を生やした男が、楽しそうに人質を見渡した。
「貴様らの高校は、腐った資本主義の手先、金の亡者の見本だ。
 我々は、全世界に向けて、堕落しきったこの国に活をいれ、
 全人類が等しく幸せになるユートピアを作り上げるべく、今ここに立ち上がった!!」

「…考え方が、半世紀以上遅れてるんじゃないかしら…。」
智恵は口の中で呟いた。
161伝えたいことば(1) 11/13:2008/04/07(月) 23:55:49 ID:eOTO63za
髭の男は続けた。
「我々は、日本政府に対し、資本主義的帝国主義者の巣窟である彼の国に
 囚われている勇敢なる同志を解放するよう交渉することを求めている!
 それが受け入れられないときは、貴様らの命はないものと思え!」

体育館の雰囲気が、再び恐怖に満ちる。
テロリストたちの要求が受け入れられる可能性は、ゼロに等しいように思われた。

「智恵先生…望叔父さんは、どこにいるんだ?」
隣に座っていた交が、小さな声で尋ねてきた。

智恵も、先ほどからずっと、望の姿を目で探していた。
どうやら、人質の中に望の姿はないようだ。

―――まだ、戻ってきてなかったのね…。

失望と安堵とを同時に感じながら、息をつく。
「交君…叔父さんは、無事よ。多分、お外にいらっしゃるわ。」
「そっか…心配してるね、きっと…。」

交の言葉に、智恵の胸はキリ、と痛んだ。

―――望…。

さっき、喧嘩別れしたばかりの恋人の顔が目に浮かぶ。

―――あなたなんか、大嫌い!
最後に、望に投げつけた言葉が心に蘇った。

―――……あんなこと、言わなければ良かった…。

喧嘩別れしたまま、仲直りもできないままに、
もし、自分がここで死んでしまったら…。
あの、繊細な青年は、多分、一生それを引きずって生きていくだろう。

―――それだけは、だめ……どうか…誰か、私達を、助けて…!

智恵は、目を閉じると、両手を強く握り締めた。
162伝えたいことば(1) 12/13:2008/04/07(月) 23:56:39 ID:eOTO63za
しばらくたって、髭の男が再び声を張り上げた。
「よーし、一部、交渉がまとまった。
 お前ら人質のうち、そうだな…こいつらを残して、あとは解放してやるぞ!」

髭の男が「残す」として指差したのは、2年へ組の少女達が座る一角だった。
「な…!」
智恵は言葉を失った。

彼の、クラスの生徒達。
望が、いつも文句を言い、授業をサボりながらも、
教え子達に深い愛情を抱いているのを、智恵は知っていた。

この子達を置いて、自分だけが助かるわけにはいかない―――!
智恵は、交を横に押しやると、思わず声を張り上げていた。
「私も、残ります!!」
「智恵先生!」
交が驚いたように智恵を見上げる。

髭の男は、ん?というように智恵を睨みつけた。
「…なんだ、お前は。」
両脇の若いテロリスト達が、智恵に銃口を向ける。

智恵は、喉かカラカラに渇いているのを感じた。
「わ、私は…この学校の保健医です…。
 か、彼女達が怪我をしたとき…誰か、手当てをする者が必要です!」
口からのでまかせを、必死につむぎ出した。

髭の男は、しばらく黙って智恵を睨めつけていた。
智恵は、恐怖と緊張のあまり、気が遠くなりそうだった。

と、そこに、のんびりとしたしわがれ声が上がった。
「私も、一緒に、残らせてもらえませんかな。」

智恵は、声の主を振り返った。
「甚六先生…。」
163伝えたいことば(1) 13/13:2008/04/07(月) 23:57:49 ID:eOTO63za
初老の教師は、どっこらしょ、と立ち上がると、髭の男に向き直った。
「智恵先生も、もう1人くらい手伝いがいた方がいいでしょうし…、それに。」
甚六は、他の生徒に聞こえないよう、男に向かって声をひそめた。
「それに、いざ、人質から犠牲者を選ぶときは、女子供よりも、
 私のようなクソ親爺の方が、世間からの非難は少ないですよ。」

髭の男は、ぐいと眉を上げると、つばを吐いた。
「腐った資本主義者の連中にどう思われようが、そんなものはかまわん。
 …だが、まあ、いい。」
男は、智恵と甚六を見た。

か弱い女性と、いかにも非力そうな初老の教師。
「お前ら、そんなに早死にしたければ、残るがいい。」

ほっと息をつく智恵に、甚六は、にっこりと微笑んだ。

交が叫んだ。
「そんな!倫も、智恵先生も、残るのか!?だったら俺も残る!!」
「だめ。」
智恵がしゃがみこむと、交の両肩に手を置いた。

「あなたは、外に行って、望叔父さんに教えてあげて。
 倫ちゃんも、クラスの皆も、元気ですって。
 …それから……。」
智恵は、言いよどんだが、思い切って口にした。
「…智恵が、叔父さんを愛してるって…そう、伝えてちょうだい。」
交は、驚いたように涙の溜まった目を見開いて、智恵を見上げた。

そこに、倫がそっと膝でにじり寄ってきた。
「交。智恵先生の言うとおりだ。
 お前は、先に外で待っていろ。私たちも、必ず後から出て行くから。」

それを聞いた若いテロリストが、ふん、と鼻を鳴らした。

交は、しばらく下を向いていたが、やがてぐい、と涙を拭くと顔を上げた。
「分かった…俺、行くから。…だから、倫も、智恵先生も、絶対、出て来いよ。」
そう言うと、交は立ち上がって解放される人質の列に加わった。

智恵は、ほっと息をつくと、目を潤ませて交を見送った。

―――交君…あの人に、よろしく…。


164430:2008/04/07(月) 23:58:57 ID:eOTO63za
始めのレスに、名前欄に名前を入れるのを忘れておりましたorz

とりあえず、今回はここまでです…えーと、トンデモ展開ですいません。
先日、何を思ったか「ト●・ソルジャー」なぞを読んでしまったもので…。
テロとかの知識はゼロなので、おかしいところ満載だとは思いますが、
生暖かくスルーでお願いいたします。
165名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 00:09:44 ID:rHha4gAj
ぶっ飛んでるけど…
良いんじゃないですか?




本当にこのテロリストみたいなのが居そうで怖いよな
166名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 00:22:42 ID:VWd/SxJE
乙です。

自分も何か書きたいけど投下する勇気がない。
167名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:09:37 ID:uueqBWZW
GJ
智恵先生エロいよ可愛いよ
168名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:14:31 ID:49HArf8M
>>149
命メインのシリーズもの続きと単発ネタとの差だ
169名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:40:25 ID:28o2AfnF
>>164
すごいですな………GJです
まさか生徒たちが屈辱されるなんて展開がくるのだろうか
たぶん智恵×望だけでしょうが
甚六先生かっけぇ
17083:2008/04/08(火) 01:43:51 ID:k5jldSl0
さらに今更ですが、長持ちしそうなうpろだを見つけたのでテキストで置いていきます。
望と霧のカップリングで、そう言って良ければ普通の話。

ttp://i-get.jp/upload500/src/up15907.txt
171名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:49:19 ID:tgvDOUxu
ちなみに、保管庫のトップページにはアップローだのリンクがある、
http://www3.uploader.jp/home/eroparo/
172名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 10:18:07 ID:7fsWbrtW
>>164
この先の展開が想像できないジンロク先生活躍するんだろうかwktk
173名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 10:55:26 ID:iK9EzYPR
書いた時はこれは完璧だ、と自画自賛しながら投下したものだが、
いざ保管庫に載って改めて読んでみると、どーも薄っぺらくてつまらない。

どうしたらうまく書けんのかなぁ?
174名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 12:18:30 ID:yeuFcH/K
保管庫はレスごとの区切りがないから余計メリハリが必要になるんじゃないかな
175名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 13:04:55 ID:/GrGewAO
>>170

しかしもうちょっと改行しようぜ
176名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 13:27:07 ID:R9ftGjW9
>>164
何と言うか… 甘エロな展開から、いきなり冷水を浴びせられたようだ。
とにかく続きが楽しみなんだぜ。
スキの無い先生にチョット萌えたw 
177名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 15:36:17 ID:WFmw43Tm
途中で止めないで、最後まで一話を書き切ってくれると嬉しいんだが。

完結編に期待してるよ。
178名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 15:58:42 ID:Ses/Kfas
>>164
甚六先生がテロリストフルボッコする展開が一瞬で思い浮かんできた俺は
間違いなく甚六スキー
179名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 15:59:07 ID:7CZotiJD
今から投下しようと思うんですが、
>>164の方の続きを待ってからの方がいいのでしょうか?
なにぶん一見なので・・・
180名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 16:08:44 ID:vYf8Pb9d
何回かに分けて投下って言ってるから大丈夫じゃね?
一見様の投下待ってるよ!
181名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 16:16:02 ID:7CZotiJD
では・・・
・木野×加賀陵辱
・軽く鬱
・原作レイプ
・先生は女生徒達と関係を持っている前提
話は短めです。投下初めてなんでトラブッたらすいません。
182半人半獣:2008/04/08(火) 16:17:23 ID:7CZotiJD
夕暮れの宿直室から俺の好きな女の喘ぎ声がかすかに響いてくる。
中の様子は見えないが何が行われているかは明白で、
俺は悶々として出てくるはずの女を待っていた。
暫くするとその声も収まりガラリと戸が開けられる。
「すいません、お相手してくださって・・・」
「謝らないで下さい加賀さん、私も好きでやっていることですから」
別れの挨拶を済ませると俺の待ち人、加賀愛が宿直室から出てきた。
絶望が戸を閉めたのを見計らい声を掛ける。
「加賀さん」
「ひっ、き、木野さん・・・何か御用ですか?」
「君にこれを渡そうと思って」
そう言って俺は春の新作の蟹びぃむTシャツを差し出した。
「こっ、困ります木野さん!」
まただよ、あんなヤツには体も許しているってのに、俺のことは眼中に無いってのか・・・
「そんな事言わずにさぁ・・・」
「すっ、すいません失礼します」
そういうと加賀は、俺を振り切ってスタスタと去っていってしまう。
どうして分かってくれない?こんなに君の事を想っているのに・・・
そんな事を考えているうちに、何かが弾けたような気がした。
気がつくと俺は加賀を近くの男子トイレに引きずり込んでいた。もうどうにでもなってしまえ。
「木野さん、なにを!!」
「加賀さん・・やらせてよ・・・アイツとはしょっちゅうやってるんだろ?」
「いっ、いやあぁぁ!やめてください!!」
うるさい。さっきは大人しくしていたじゃないか。
183半人半獣:2008/04/08(火) 16:18:46 ID:7CZotiJD
俺は渡すはずだったTシャツを加賀の口に押し込んで黙らせ、服を剥ぎ取っていった。
露になった下の唇に指を差し入れる。
「んうぅー!!」
何か言いたいようだけど知るものか。知るものか。
「さっきは中に出されたんだよな、そんなもの掻きだして綺麗にしてやるよ」
「んぐぅ!んぐぅー!!」
案の定中からは白濁した物が吐き出されてくる。
「あーあこんなにドロドロにされちゃって」
アイツのは気持ちよかったんだろうか?
ふと加賀の顔を見ると相当苦しそうだ・・そういえば花粉症だったっけ?
慌ててシャツを引っ張り出すと、げほげほと呼吸を再開している。危ない、危ない。
未だ息が整わない加賀は震える瞳で見上げてくる、その瞳は恐怖の色に染まっていた。
「あっ、あう、ああ」
「言葉ががでないの?そんなに怖がるなよ、人が来ないうちにすぐに済ますから」
そういうと俺は、肉棒を取り出すと加賀の秘所に押し込む。
「うあぁぁやあぁ!」
184半人半獣:2008/04/08(火) 16:19:56 ID:7CZotiJD
またうるさくするのか、黙れ、だまれ、ダマレ
どうやって静かにさせようか、思案した後・・・加賀の首筋に喰らいつく。
「うぐうぅ・・うぅぅ・・・」
消え入りそうな呻き声を上げながら、口をパクパクさせている。
やっと大人しくなったか・・これでようやく存分に犯せる・・
しかし、
「何をしているのですか!?」
(また邪魔が入ったよ・・・)
振り返ると叫び声を聞きつけてきたのだろうか?絶望が見下ろしている。
「木野君止めなさい!自分のしていることが分かっているのですか!?」
「邪魔はしないで下さいよ先生、さっきあんた等がやってたこと言いふらされたくなければ」
「なっ」
「そうなったら終わりですよねぇ、あんたも加賀さんも」
言い終わると行為を再開し、同じ場所に喰らいつく。口の中に薄っすらと鉄の味が広がる。
「かはぁっ・・・くあぁぁぁ・・・・」
「糞ッ」 (汚い言葉使っちゃ駄目ですよ先生。)
「せんせぇ・・・いいんです、私がっ、我慢すればいいんれすから・・すいません・・ごめんなさい・」
そんなにこいつが良いのか?俺は知っている、こいつが他の女子生徒とも
関係していることを。加賀はその事を知っているのか?
いや、知らないはずが無い。男の俺でも気付くような事だ、それでもこいつが良いのか?
185半人半獣:2008/04/08(火) 16:20:50 ID:7CZotiJD
加賀の顔に俺の顔から水滴が落ちる。
(汗でもかいたのかな?暑い季節でもないのに・・・)
「うくぅ・・あ・・」
気が付くと俺は加賀の中に精を吐き出していた。
挿しているものを引き抜き、口も離して彼女を開放する。
首には歯型がくっきりと残されていて、だらしなく開けられた口からは涎を垂らし、空虚な瞳は真っ直ぐに天井に向けられている。
酷い状態の加賀を見た絶望はすかさず介抱に掛かっていた。
それを見届けた俺は、フラフラと校舎の外へと歩いて行く。

「すいません、ごめんなさい」
加賀の謝罪の言葉が耳から離れない。
こんな筈じゃなかった、こんな事する気は無かった。
すっかり暗くなった空を見上げて、頭の中で反芻する。
「今日は満月か・・・」
いつの間にか顔を出していた月を見ていると、不意に頬を熱い雫が流れ落ちた。
ああ、俺は泣いている?こんな獣にも泣くことが出来るのか?
夜空に浮かぶ月に向かって一声吠えて、俺は何処へとも無く歩き出した。


186名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 16:23:19 ID:7CZotiJD
冗長にならないように短くしたのですが、よけいにgdgdになった
かもしれません。
駄文失礼しました。
187名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 17:26:23 ID:/EKIlDCz
この中で誰が悪いって先生が最低だなww
188名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 17:44:22 ID:lWE6bYSY
>>164を見てる時に、
頭の中でずっと「SP」の音楽が流れていた俺はおかしい?
189名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 18:23:47 ID:v0ZM0TaM
うん、この絶望先生は死んでも悲しまれないな
190名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 18:30:34 ID:rHha4gAj
だって好きでヤッてんだもんな

死んでも100000倍は悲しまれないだろうな
191名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 19:28:32 ID:2vFut8E/
>>186
ちょww先生ww
自分がヤリまくってること言いふらすって脅されて
教え子が目の前でヤラレてんの黙って見てるってアンタww
192名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 19:56:18 ID:6gDvmjZ3
このスレには最低な先生が多いよな
まぁ構わないけど
193名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 20:02:42 ID:rHha4gAj
成る程こういうときに使うのか

だがそれがいい
194430:2008/04/08(火) 20:39:05 ID:RT5JJtBY
早い時間にこんばんは。
>>150>>163の続きで、今回は12レス投下させていただきます。

>>169
鬼畜エロが書けない奴なので、生徒に対するエロはありません。
そういう華麗な展開は、花束の鬼畜命先生にお任せします…。

>>177
すいません、途中の段階でエラク長くなってしまったため、
さすがに一気投下は無理と思い、書きながら投下に踏み切ってしまいました。
その分、日を置かずに投下しますので、どうかご容赦下さい。。。

>>186
皆さん同様、木野よりも先生の鬼畜ぶりに目を引かれました。
先生、ひどいよ〜!
そして愛ちゃんはどうやっても可愛いです。

以下、注意書きです…増えましたorz
1)望先生と智恵先生は既に恋人同士の設定になっております。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
  (原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています(特に景兄…)。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですが、オリキャラがでてきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…ないです。
7)今回はエロがありません。

こんな注意書き満載の話ですが、それでもよろしければお付き合い下さい。
195伝えたいことば(2) 1/12:2008/04/08(火) 20:40:37 ID:RT5JJtBY
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、苛々と人質の解放を待っていた。
中の様子が分からないことが、いっそう、不安を煽る。

携帯電話は持っていたが、本部から、人質に電話をすることは禁じられていた。
中の状況が分からない以上、闇雲に連絡を取ろうとするのは危険だった。
しかも、相手は女子供を人質として残すような、卑怯な連中である。
刺激するようなマネは、できる限り避けなければならなかった。

と、向こうの方が騒がしくなった。
「人質が出てきたぞ…怪我人がいる!!」
その声に、命が医療カバンをつかんで立ち上がった。

望と景も、急ぎ足で命の後に続く。

「望叔父さん!!」
「交!!」
解放された人質の中に、交を見つけ、望と景は駆け寄った。

「交、倫はどうした?」
「智恵先生は!?」
景と望の質問に、交は下を向いた。

「倫と、智恵先生と、叔父さんのクラスの姉ちゃん達は…まだ、中だよ。」
「…な…。」
望は絶句した。

―――智恵…倫…みんな…!!

どうして、自分の身の周りの者達だけが…。
望は、爪が手の平に食い込むほどに両拳を握り締めた。
196伝えたいことば(2) 2/12:2008/04/08(火) 20:41:23 ID:RT5JJtBY
望は、かさついた唇を舐めると、交に尋ねた。
「それで…、皆、無事なんですか…?」
交は頷いた。
「うん…。怪我をしたのは、あの先生だけ。」
と、向こうで命が応急手当を施している教師を指差す。

「智恵先生が、叔父さんに伝えてくれって。
 皆、元気ですって。あと…。」
交が、望を見上げた。

「あと…智恵先生が、叔父さんのことを愛してる、って、伝えて…って。」

望は、顔面を殴られたかのような衝撃を感じた。
そのまま、ふらふらと後ずさる。

―――愛してる、と伝えて…。

まるで、遺言のように聞こえる、その言葉。

―――智恵……智恵、智恵……!!

呼吸が苦しい。
今すぐにでも、智恵の声を聞きたかった。

「望…大丈夫か?」
近くにあった机に両手をついて、肩で息をする望を、
景が心配そうに見やった。

そこに、治療を終えた命が駆け寄ってきた。
「交!!良かった…っ!!…で、倫は…!?」
景が命を見て、首を振る。
命は、景を見て、その隣の望の表情に目を止めると、呟いた。
「智恵先生も、まだ中なのか…。」

望は、再び拳を握り締めた。
ここで、ただ手をこまねいているだけの自分がもどかしい。
何か、自分にできることはないか。

そこに、本部長がどすどすと憤った様子でやってきた。
197伝えたいことば(2) 3/12:2008/04/08(火) 20:43:27 ID:RT5JJtBY
「か弱い女子供だけを残すとは…本当に卑劣極まりないやつらですな。」
「…。」
望と命は、一瞬、黙って目を合わせた。

「か弱い女子供」というには、2年へ組の女生徒達は余りに強烈であった。
テロリスト達が、彼女達の本性を知っていたら、
決して、あの子達を人質として残そうとはしなかっただろう。

しかし、それでも、相手は武器を持ったテロリストである。
心配なことには違いなかった。

と、交が、本部長の言葉に首をかしげた。
「女子供だけじゃないよ。甚六先生も、残ってるよ。」
「あ…。」
望は、交の言葉に気がついた。
確かに、解放された人質の中に、あの温和な初老の教師の姿が見えない。

そのとき、本部長の鋭い声が望を驚かせた。
「今、甚六と言ったか…?…まさか、般若の甚六か!?」
本部長の目は、カッと大きく見開かれていた。
交が、怯えたように後ずさる。

望は交の肩に手を回しながら答えた。
「た、確かに、甚六先生の背中には大きな般若の刺青がありますが…。
 本部長は、甚六先生のことを、ご存知なんですか?」

本部長は、望の質問が聞こえていないようだった。
「―――般若の刺青!!間違いない!!!!
 そうか…確かに、あの後、教師になったとは聞いていたが…。
 彼が、中にいるのであれば…これは、何とかなるかもしれないぞ!」

望は、興奮し始めた本部長を驚きの目で見た。
「本部長…甚六先生とは、いったいどういう…。」
本部長は、そこで初めて望の存在を思い出したように顔を上げ、
気まずそうな表情になった。

「……あ、いや…。
 彼が自分から話していないのであれば、私の口からは言うべきではないだろう。
 …しかし、彼と連絡が取れれば…我々には、十分勝算がありますぞ!」
握りこぶしを作る本部長に、望達は顔を見合わせた。

198伝えたいことば(2) 4/12:2008/04/08(火) 20:44:30 ID:RT5JJtBY
本部長の号令のもと、部下一同がテントに集まり、作戦会議が始まった。

望達は、よほど親の威光が効いているのか、それとも眼中にないのか、
作成会議の最中にも出て行けとは言われなかった。
しかし、さすがに、交は現場から出て行くように言われ、
嫌がって暴れる交を、先ほど駆けつけた時田が、あやしながら連れて行った。

専門用語が飛び交う中、望が何とか把握した作戦とは、単純に言うと
誰かが武器を持って学校に忍び込み、武器を甚六に渡し、
これも持ち込んだ催涙弾と煙幕弾によって生徒達を逃がしつつ、
中と外からテロリストを制圧するという非常にシンプルなものであった。

確かに、甚六は以前、厳重な警戒下にある某国の収容所を爆破し、
瀕死の自分を助けてくれたこともある、謎の人物ではあった。
しかし、今回は10名以上の人質がいるのだ。

「…そんなんで、本当に、人質に怪我人は出ないんでしょうかね…。」
心配そうに呟く望に、本部長がムッとした顔で振り返った。

「甚六の実力を舐めちゃいかん。
 何しろ奴は、あの砂漠の練り消し作戦では、1人で一個連隊を…。」
と言いかけて、口をつぐんだ。
「とにかく、素人は黙って見ていたまえ!」

そこに、部下の1人が口をはさんだ。
「しかし、課長、もとい本部長…甚六に、武器を渡す方法が問題です。
 敵の人数は、ざっと見ても20人以上。皆、武器を携帯しています。
 しかも、この学校は周辺に遮蔽物がない。
 SWATでも、奴らに見つからずに学校に近づくのは至難の業です。」
「むむむ…。」
本部長は腕組みをした。

望が、はっと顔を上げた。
―――見つからずに、学校に侵入する方法…。

望は、自分でも気がつかないままに会議の円卓に進み出ていた。
本部長が怪訝そうに望を見上げる。
望は、本部長の目を見ると、静かな声で言った。
「私なら…テロリストに見つからずに、学校に入ることができます…。」
199伝えたいことば(2) 5/12:2008/04/08(火) 20:45:16 ID:RT5JJtBY
「なんだと…。」
本部長が目を丸くした。
景と命も、驚いたように望を見た。

望は、皆を見渡すと、説明を始めた。
「この高校は、今までに何度も火災や爆発にあってまして…。」
本部長やその部下たちが驚いたように望を見る。
「…今までにも、ここで、そんな事件があったと?」
「そんな記録はなかったぞ。」

ざわめく公安部の連中に、望は両手を上げて苦笑した。
「別に事件ではありませんから…公安の記録にないのは当然です。」
単に自分のクラスの生徒の暴走です、と言うのはさすがにためらわれた。

「私は、学校の宿直室に住み暮らしているので、その際に、
 何度か危険な目にもあったことがありまして…。」
爆発も火災も、実は、大体は自分が原因で、とは更に言い辛かった。

「それで、先般の改築の際、地下に抜け道を作ってもらったんです。」
円卓から、おお、という声が漏れた。

「だったら…その抜け道さえ教えてもらえば。」
「そうだ、別に素人の君が行かなくても…。」
円卓に座った連中が口々にいう。

望は首を振った。
「それが…地下道はかなり入り組んだ迷路になってまして…いずれにせよ、
 私が一緒に行かなければ、たどり着くのは難しいかと…。」
「何でまた、そんなものを…。」
「…。」
包丁やスコップを持って追いかけてくる教え子達から、
無事逃げおおせるため、等とは口が裂けても言えなかった。

「しかし…君は、全くの素人じゃないか…万が一失敗したら…。」
「それでは、地下道の出口まで案内してもらえれば…。」
ざわめく部下たちを、本部長はしばらく眺めていたが、
椅子にどさりと背中を預けると、一言呟いた。
「―――いいんじゃないか。彼に行ってもらうのも。」

部下たち、そして、望自身も驚いて本部長を振り返った。
200伝えたいことば(2) 6/12:2008/04/08(火) 20:46:10 ID:RT5JJtBY
望としては、もとより、この役目は他の誰にも譲るつもりはなかったが、
こう簡単に認めてもらえるとも思っていなかった。

本部長は腕を組むと目を宙にさまよわせながら続けた。
「むしろ…彼個人の行動、とした方が、
 いざと言うときにテロリストを刺激しないで、人質も安全かもしれん。」
「…。」
景が、後ろの方でぴくりと眉を上げた。

「しかし、その場合、万が一、君がテロリストに捕まった場合には、
 あくまでも君個人の判断でのことだ、と言い張ってもらわなければ。」
本部長の言葉に、望は、頷いた。

そのとき、「なるほどな。」と、景が前に進み出た。
「そうすれば、万が一作戦が失敗した場合、
 マスコミに対しても、この作戦は公安は関与していない、
 はねっ返りの一教師のスタンドプレーだ、と説明できるからな。」
命が、景の言葉を聞いて、はっとしたように息を飲んだ。

景の口調は軽かったが、その目は、鋭く本部長を睨んでいた。
しかし、本部長は、どこ吹く風といった表情で景の視線を外した。
「私は、そのようなことを言った覚えはないぞ。
 だいたい、弟君は、自分が行くことを望んでいるんじゃないのかね。」

望は景を見た。
「景兄さん、お願いです…私に行かせてください。」
景は望を見返した。
「望…お前…。」
「お願いです。私は、絶対に、やり遂げて見せますから。」

いつも、サボって、逃げてばかりいたヘタレな自分だが、
今度こそ、逃げることはしない―――望は、自分に固く誓った。

「よし、これで決定だな。」
話を打ち切るように本部長は立ち上がった。

「そうしたら、まず、甚六に、この作戦を伝えなければな。」
「…どうやって、甚六先生に連絡を取るんです。」
「そこは、我々のやり方に任せてくれ。」
本部長は、にやりと笑って見せた。


201伝えたいことば(2) 7/12:2008/04/08(火) 20:47:05 ID:RT5JJtBY
* * * * * * * *


その頃、智恵は、2年へ組の女生徒達と一緒に、
体育館の用具室に閉じ込められていた。
入口の外には、テロリストが2名ほど見張りに立っているようだ。

「先生…こんなことになったのは、私のせいなんでしょうか…。」
加賀愛が、目を赤く腫らして智恵に擦り寄ってくる。
その横には、不安そうな顔をした日塔奈美。
「先生…怖いよ…。」
智恵は、黙って2人の肩を抱いた。

しかし。
智恵は、周囲を見回して、どうも違和感を拭いきれなかった。

テロリストに囲まれて、人質となっている17歳の少女達。
本来なら、恐怖に怯えていて当然である。
ところが、先の2名以外は、皆、余りにも落ち着いているのだ。

ただ静かに座っている倫などは、まだ良い方で、
テロリストに対し、全員釈放するか全員人質にするかきっちりしろと
イライラしている千里。
テロリストの服装を「貴重な資料だわ」といいつつスケッチし始める晴美。
「今朝、先生に撒かれた。」とそればかりを悔しがっているまとい。
(これについては、智恵は内心ほっと胸をなでおろしていた。)
どこから材料を持ち込んだのか、時間が惜しい、と造花作りをはじめる麻菜実。
テロリストが持つ火器を、羨ましげに見つめる真夜。
胸をじろじろ眺めるテロリストに「訴えるよ。」とタンカを切ろうとするカエレ。
テロリストの若者がかぶっているビーバーの尻尾の帽子に目を輝かせるあびる。
混み合う用具室に、「ここは、あたしの場所なのに…。」と文句を言う霧。
何を考えているのか、暢気に鼻歌を歌っている可符香。

彼女達の行動1つ1つが、テロリスト達の神経を逆なでするのではないかと、
智恵は、彼女達をその都度制止したり、テロリストの目から隠したり、
冷や冷やしっぱなしであった。
202伝えたいことば(2) 8/12:2008/04/08(火) 20:47:55 ID:RT5JJtBY
今も、芽留がメールを打とうとしているのを見て、智恵は慌てて携帯を取り上げた。
そんなところをテロリスト達に見られたら、何をされるか分からない。

ところが、芽留は、携帯を取り上げたとたん理解不能の言語で叫び始めた。
しかたなく、智恵は、「絶対に、メールを打ってはだめよ。」と
言い聞かせ、芽留に携帯を返した。

そして、ふと気がつくと、マリアの姿が見えないことに気がついた。
慌てて入口の近くに座っている甚六に声をかけた。

「甚六先生!関内さんを見ませんでしたか!?」
甚六は、のほほんとした顔を上げた。
「関内さんでしたら、先ほど、天井裏から外に出て行ったようですよ。」

その答えにぎょっとして上を見ると、天井板の一角が外れている。
普通の人間なら無理だろうが、小柄なマリアなら通れそうな大きさだ。
「いつの間に…しかも、こんな、テロリストがうろついているときに!」

智恵はぐったりとその場に顔を伏せた。

―――あのクラスの担任をするのが、どれくらい大変なのか…。

望の不服そうな声が脳裏に蘇る。
確かに、望の言う通りだ、と智恵は思った。

このクラスの女生徒達は、余りに常識からかけはなれている。
この子達と毎日付き合うには、ものすごいエネルギーが必要だろう。

智恵は、自分が望に投げつけた言葉を心から後悔した。

―――今度会ったら…謝らなくちゃ…。

しかし、再び生きて会えるのだろうか…。
智恵が物思いにふけったそのとき。

外から、拡声器を通じた声が聞こえてきた。
203伝えたいことば(2) 9/12:2008/04/08(火) 20:48:44 ID:RT5JJtBY
『学校に立てこもっている諸君。
 今なら、まだ、間に合う。投降したまえ―――!』

智恵は、何事かと用具室についている小さな窓に駆け寄った。
生徒達も、いぶかしげに顔を上げて聞き入っている。

用具室の扉の外で、見張りのテロリスト達が叫んでいる声がした。
「なんだ?これは?」

拡声器の声は続いている。

『君たち、早く降参しないと般若心境を唱えるはめになるぞ。
 太陽の彼方から、般若が煙と火を持って、お前らを攻め立てるのだ。
 悪いことは言わない。早く、降参したまえ!』

「般若って…何だか、へんてこな脅し文句ねぇ…。」
智恵は、座っていた甚六に同意を求めようとして、口を閉じた。

甚六の顔からは温和な表情が消え、細い目が凝った光を湛えていた。

甚六は、無言ですっと立ち上がると、智恵のいる窓際に歩み寄った。
智恵は、思わず、一歩後ろに下がった。
窓の向こうには、午後の太陽が燦々と輝いている。
そのとき、智恵の目に、窓の外、遠くで何かがキラリと光るのが見えた。

―――何?今のは…反射?

甚六が、窓の外を見ながら呟いた。
「…山田の馬鹿が…こんな派手な方法を取って、人質に何かあったらどうする…。」
そう言いながら、ポケットから手鏡を取り出した。
「まあ、室内に見張りを置かないなんて、奴らも、とんだ素人だが…。」
「甚六先生…?」

智恵の問いかけに答えず、甚六は、先ほど光った辺りに向けて手鏡をかざした。
手鏡に、太陽の光がきらきらと反射する。

しばらくして、甚六が手鏡をポケットにしまうと、智恵は恐る恐る尋ねた。
「甚六先生…今のは…?」

甚六は、人のよさそうないつもの顔に戻ると、智恵に笑いかけた。
「―――どうやら、援軍が来るようです。」


204伝えたいことば(2) 10/12:2008/04/08(火) 20:49:40 ID:RT5JJtBY
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、本部のテントの中を、不安そうにそわそわ行ったり来たりしていた。
「あんな挑発的なことを言って…人質は大丈夫なんですか…。」

そのとき、テントの中に、部下が走りこんできた。
「本部長!甚六より返事がありました!体育館の用具室です!
『スベテリョウカイ トウチャクヲマツ』とのことです!」

望達は、本日何度目になるか分からないが、再び顔を見合わせた。

「―――よし!作戦αを展開するぞ!!」

本部長が頬を紅潮させて叫んだ。





「これとこれと…あと、これもだ。」
本部のテントの中で、望に、次々に、物騒な物が渡される。

煙幕弾、催涙弾を各1ケース。
簡易の防護マスク17個。
9ミリパラベラム1丁。
予備のマガジン。

望は、それらを1つ1つ丈夫な布のリュックに入れると、
不安そうに本部長を見た。
「甚六先生に渡す武器は…この拳銃1丁だけでいいんですか?」

本部長は頷いた。
「人質もいるし、狭いところで余り口径の大きな銃は使いづらい。
 奴なら、これ1丁で何とかできる。
 それに…これ以上、荷物が増えても、却って君が動き辛いだろう。」

確かに、簡易とは言え防護マスク17個を含む荷物はずっしりと重く、
望の細い身体では、これ以上の重量は耐え切れそうになかった。
205伝えたいことば(2) 11/12:2008/04/08(火) 20:50:27 ID:RT5JJtBY
望は、動きやすいよう、Tシャツとミリタリーパンツに着替えた。
と、そのとき、脱いだ着物の袂に、川で摘んだ花が1輪入っているのに気がついた。

―――花束を作るときにでも、ひっかかりましたか…。

望は、少し考えると、その花をそっとミリタリーパンツのポケットに収めた。



「はっは!そういう格好してると、お前、実家にいるときみたいだな!」
着替え終わった望を見て、景が笑った。
「少し、チャラチャラ具合が足りませんけどね。」
「…当たり前だ…。」
景に対し軽口で応じた望に、命が苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
命は、最後まで、望が行くことに反対していた。
「命兄さん…。」
望は困ったような顔で命を見たが、命は不機嫌な顔のまま望に背を向けた。



望は、リュックを肩に担ぐと、景、命、そして公安の1人と一緒に、
抜け穴の入口に向かった。

学校の裏手の、古びた東屋の中に、それはあった。
「こんなところに…良く作ったもんだな。」
東屋の床を上げると現れた階段に、景は感嘆の声を上げた。

望は、ふと顔を上げた。
東屋の向こうに、桜の木が見える。
そこは、数時間前に、望と智恵が愛し合った場所だった。

―――ほんの数時間前なのに…ずいぶん昔のことのようですね…。

望は、頭を振った。
今は、思い出に浸っている場合ではない。

前に踏み出そうとしたとき、
「―――おい。」
ふいに、後ろから強い力で腕をつかまれた。
206伝えたいことば(2) 12/12:2008/04/08(火) 20:51:15 ID:RT5JJtBY
望が振り向くと、真剣な顔でこちらを見ている命と目が合った。

命は、食いしばった歯の間から、一言一言、押し出すように言った。
「望…。多少の、怪我なら、かまわない、私が治してやる。
 だが………死んだら、許さんからな…!」

普段見ない兄の必死の表情に、望はとまどった。
安心させるように微笑んで見せると、腕から命の手を外した。
「大丈夫ですよ…私が命冥加なのは、兄さんも知っているでしょう?」

景が、命の後ろから歩み寄ると、望の肩を叩いた。
「望…倫を頼む。そして、お前の恋人と教え子達を、見事救い出して来い!」
望は、景に向かってにこっと笑うと、頷いた。

そして、武器の入った袋を担ぐと、一瞬よろめきながらも、
「それでは―――行ってきます!」
片手を上げて、抜け穴へと入っていった。

それを見ていた公安の部下が、腕時計を見ながら無線で報告した。
「こちらポイントデルタ。
 ヒトゴマルマル、予定通り、作成開始いたしました!」




望が抜け穴に消えた後も、命は、両腕を抱え込むようにして
抜け穴の入口を見つめていた。

景は、命の後ろに立つと、ぽん、とその頭に手を置いた。
命が、景を振り返る。
「景兄さん…。」
景は、命に向かって頷いた。

「大丈夫だ…あいつは、見た目ほど柔じゃない。」
最後は自分に言い聞かせるように、景は呟いた。
「必ず、倫も、皆も、助け出して見せるさ…。」


207430:2008/04/08(火) 20:52:05 ID:RT5JJtBY
今回はここまでです。また明日投下しに来ます…。

えー、説明的な話に終始して色気がなくてスイマセン。
武器とか作戦とか素人臭くてスイマセン。
地下の抜け道とか、いろいろとご都合主義でスイマセン。

そして、もしかして、砂漠の練り消し作戦のエピソードは、
甚六先生ではなくあびる父だったような気もしてきました。
208名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 21:02:56 ID:gK+eoEAi
>207
乙!
日本はSWATじゃなくてSATだがそんなささいな突っ込みはどうでもいいw
続き楽しみにWKTKで待つ
209名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 21:30:50 ID:Ses/Kfas
>>207
砂漠のねり消しって甚六じゃね?とか思ってたら
同じこと考えててちょっといい気分になった
210名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 21:34:39 ID:hjyPjHv7
>>207
ご都合主義どんとこいですよ

特殊部隊「砂漠の練り消し」はあびる父の話で出たけど望の勘違いだし
甚六の色々なのを考えれば問題ないでしょ
211名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:05:36 ID:1Z3pWOiA
>>207
毎回いい所で「つづくっ!」なのがニクイ。
楽しみなんだぜ!
ほんと映画みたいだ。
212名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:20:29 ID:28o2AfnF
>>207
すごい面白いね
2のへのメンバーならこんなテロリスト相手におとなしくしてはないよね
鬼畜展開を求むような作品じゃないし
213名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:34:38 ID:rHha4gAj
糸色兄弟がかっこいい
214その花束に絶望を:2008/04/08(火) 22:46:51 ID:KzId0cn6
>>207
こ、これはGod−Jobと言わざるを得ない………ッ
望と智恵先生の関係も素敵ですが、それ以前に1つのエンターテイメントとして魅力的過ぎます
皆さんの、特に甚六先生とか甚六先生とか甚六先生とかのご活躍を心よりお祈りしています
あと、なんか>>194で生徒陵辱分は任されちゃったみたいなので、死ぬ気で頑張ります



………と、いうことで
そんな素敵作品の直後で恐縮しっぱなしですが、鬼畜絶命先生の続編書きあがったので、投下しに来ました

・絶命先生が鬼畜です
・陵辱あります

以上の注意事項を了解していただいた上で、お読みください
8レス消費予定、では、参ります
215その花束に絶望を karte12 (1/8):2008/04/08(火) 22:49:30 ID:KzId0cn6
「いやぁー、まさか、こんなこと頼まれるなんて思いもしなかった………。」
2人以外には誰も居なくなった教室で、楽しそうにそう言いながら、晴海は、その紙袋を差し出した。
「素質あるんじゃないかとは思ってたんだけどね。小節さんスタイルも良いし、きっと似合うと思う!」
「あ………有難う………。」
「リアル包帯ってのも、結構ポイント高いよ………って、ごめん、こんなこと言っちゃ悪いかな………。」
「………ううん、気にしないで………。」
それを受け取って………教室に居たもう1人、あびるは、ぎこちなく微笑む。
その声の、微妙な震えには気付くことなく………晴海は、思わぬところで見つけた、自分と似た趣味を持つ友人に
興味津々な様子で質問を投げ掛けた。
「でも、いきなり路上って結構、冒険だよね。初めてなんでしょ、今回?」
「あ、いや………その………。」
「イベントとかコスパとか、行ったことないんでしょ?急に、そんなにいろんな人に見られて大丈夫?」
晴海にそう問われて、あびるはほんの少しだけ狼狽えた。が………その脳裏に、すぐに、事前に聞かされていた
模範的な返答が浮かぶ。あびるは、それを自分に授けた人間の顔を思い出し、嫌悪感を感じながらも………それを
表に出すことはせずに、晴海の質問に答える。
「そ、の………あの………。」
「ん?」
「………彼氏が、ね………そういう、人で………。」
「………………へっ?」
あびるの言葉の後、たっぷり間を置いて、晴海は素っ頓狂な声を上げた。
「え、彼氏、って………え?それって、あの、まさか………先生、の、こと………?」
晴海の、その勘違いに気付き、あびるは慌てて首を横に振る。
「ち、違うの!先生のことは………あれは、その、ちょっとした、誤解、っていうか………。」
「え………あ、ああ!ビックリした、私てっきり、もう先生とそういう関係になってるのかと………。」
どもりながら弁解するあびるの言葉を聞いて、晴海は、心底安堵したような声でそう言った。
「明日からどんな顔して千里に会えばいいんだろう、とか本気で考えちゃった………いやいやいや………。」
「そういうのじゃ、なくて、その………別の、人………。」
「そうだったんだ。私ずっと、小節さんって先生のこと好きなんだとばっかり………へぇ、そうかぁ………。」
「うん、だから、先生のことは………私、なんとも………。」
押し潰されたような、搾り出すような声で、あびるは………用意された言葉で、そう、嘘を吐いた。
その様子に一抹の違和感を感じながらも、それ以上その話に突っ込もうとはせず………晴海はまた、明るい声で
さきほどまでの話を続け始める。
「まぁ、とりあえず。経験者が付いててくれるなら、たぶん大丈夫よね。」
「う、うん………そう、ね………。」
「とにかく、もう、とびっきり萌えるの選んどいたから!コスプレデビュー、頑張ってね!」
ビッ、と親指を立てて、新たな仲間の門出を心から応援して。晴海は、どこか上機嫌な様子で、教室を後にした。
その背中を、見送ってから………あびるは深い溜息を吐き、ゆっくりとした動作で、歩き出す。
そして、あびるが晴海に続いて、教室から廊下へ踏み出そうとしたそのとき………あびるの携帯が、震え始めた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


「………そうか、ちゃんと調達できたなら良かった。」
診療所の机に向かいながら、命は手にした携帯に向かってそう言った。その電話は、あびるの持つ携帯に繋がって
いるが、その声は電話をしている命以外には聞こえていない。
「じゃぁ早速、次の休みにでも………落ち合う場所は、追って連絡しよう。」
どこか事務的な声で言いながら、命は手元のカルテにペンを走らせ、院長としての仕事を片付けていく。
「………皮肉のつもりかな?生憎、私はそういう嗜好には疎くてね。」
電話越しのあびるに何を言われたのか、命は不意に、乾いた嘲笑を漏らした。
「とにかく、今後の指示を待って貰おう。逆らうという選択肢が無いことは………そうか。なら、良し。」
最後にそう言って、あびるが短く返答するのを聞いてから………命は、手にした携帯をぱたりと2つに折り畳んだ。
ランプが数秒間点滅し、やがて、それは沈黙する。
命は1度、背もたれに身を預けて天井を仰ぎ………その口元を、怪しく歪ませた。
216その花束に絶望を karte12 (2/8):2008/04/08(火) 22:50:08 ID:KzId0cn6


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


その数日後、あびるの携帯に、あの日予告された命からの指示が届き。
更に、その数日後の………とある、週末。
「………ふむ。実際眼にしてみると、なかなか、悪くないな………。」
「………ッ………。」
しがらみ町を遠く離れた街の、いくつかの路線が交わる駅の近く、他では余り見られない格好の人間が行き交う、
大きな通りに程近いとあるビジネスホテルの一室で。命とあびるは、いつか診療所で出会ったときと………命が、
倫に命じて密かに撮影させたあびるのあられもない姿の写真を手に脅しを掛けたときと同じように、正面から向き
合っていた。
命の平然とした表情、あびるの悔しげな表情も、2人の力関係も、そのまま。あの日と違うのは、舞台と………
あびるの着ている、衣装だけだろうか。
「そう、邪険にするなよ………慣れれば、楽しいんじゃないのか?そういう趣味も。」
そう言って、短く笑った命の眼の前で………あびるは、命の指示のもと、晴海に嘘を吐いて調達したその衣装に、
身を包んでいた。
露出度の高い、ほとんどパレオ付きのセパレートの水着と変わらない構造の、黒いエナメルの衣装。膝まである
長いソックスに、肘まである手袋。その裾はことごとく、白いフリルで綺麗に装飾されている。更にオプションと
して、ハイヒールと、黒い猫耳を象ったカチューシャと、赤い首輪と………スカートの中から生えた、尻尾。
完全に、この街のディープな住人にしか見えないような、大胆かつマニアックなコスチュームプレイ。普段から
巻いている包帯も、貼っている湿布も、今は衣装に付属するオプションの1つにしか見えなかった。
そして、更に………外部からは、見えない部分。あびる本人と、それを仕掛けた命だけが知るオプションがある。
命はベッド脇に置かれた椅子に腰掛けながら、しばしまじまじと、どことなく恥ずかしげな様子で佇むあびるの
姿を鑑賞した後………そのポケットから、2つのリモコンを取り出す。
「さて、こっちはちゃんと動くかな?」
「あ………っ………!?」
あびるがその動作に気付き、身の危険を感じるよりも早く………命の指が、そのスイッチをスライドさせた。瞬間、
その身体がビクリと震え、表情が歪む。
見ると………その、それほど短くは無いスカートの中から生えて、針金に支えられ外側にカールしている作り物の
尻尾が、微妙に、揺れ動き始めていた。
「ッ………っ、ぅ………っ!」
必死で声を押し殺しながら、あびるは………その尻尾が取り付けられた先で蠢く機械の刺激に、耐え続ける。
尻の穴に埋められた、動物の尻尾を模した装飾が施されたバイブは、命の手元にあるリモコンからの信号を受けて、
ぐねぐねとその身をくねらせ続けた。
「………っ、ふ、ぅ………ッ、ッッ………!!」
「………よし。正常に、動いているみたいだね。」
あびるがよろよろと壁に身を預けた所で、命は手元のリモコンのスイッチを切った。未だその余韻に苛まれながら
も、あびるは、直腸からの刺激が止んだことに安堵し、震える喉で深い息を吐く。
その表情を見て、命は唇の端を微妙に吊り上げながら、さきほど取り出した別のリモコンに手をやる。
「………前の方も、試してみるか?」
「や………ッ………!?」
その、尻とは別に秘裂にも沈められたバイブのリモコンを自分の下腹部に向ける命の姿に、あびるは声を詰まらせ
身体を硬直させた。今そんなことをされたら、耐えられない………その予感が、あびるを戦慄させる。
217その花束に絶望を karte12 (3/8):2008/04/08(火) 22:50:42 ID:KzId0cn6
だが。命は、まるでその様子を見ただけで満足してしまったかのように、薄ら笑いを浮かべながらそのリモコンを
手放した。あびるの身体を支配する2つのリモコンが、白衣のポケットに収められる。
「ははは………軽い、冗談だよ。」
「………っ………!」
思わず、あびるの腰が砕ける。壁によりかかったまま、ずるずると崩れ落ちるようにその場にへたり込む。
命は椅子から立ち上がり、それを足元に見下ろす位置まで歩み寄って………その頭に、手を置いた。
「………本番は、これからだ。あとは………外で、たっぷり楽しませて貰うよ。」
本当に、まるで飼い猫の頭を撫でるような優しい手つきでその美しい黒髪を撫でながら………その様とは対照的に、
獰猛そうな笑みを浮かべて。
「あとは、その上からコートを着て外に出るだけだ。ほら、立て。」
「………ぁ、ぅ………。」
呻くあびるの腕を乱暴に引っ張って、立ち上がらせた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


街は、人で溢れかえっていた。
歩行者天国となった道路には、普通の街中では決して見られないような、様々な格好をした人間が行き交っている。
水着のような衣装を着た人、着物を来て模造刀を腰にぶら下げた人、西洋の騎士のような鎧を着込んだ人、飾りの
ついた学生服を着た人、男装した女性、女装した男性。そして、そうした趣味に興じる人間を目当てとして集まり、
手にしたカメラで写真を撮る人の群れ。
そんな、混沌とした人混みの中、本来は車道であるはずの場所に、あびるは立っていた。
カチューシャを外し、コートを着ていた時はほとんど見向きもされなかったが………ひとたびそれを脱ぎ捨て、懐
に忍ばせていた黒い猫耳を頭に乗せると、その周囲はあっという間に、ドーナツ型の黒山の人集りと化した。
「きゃー、スタイル良いですね!」
「うわ、滅茶苦茶可愛いじゃん………何?アイドルの販促イベントかなんか?」
「やべぇ、リアル包帯娘とか超萌える!」
「見て見て、あの尻尾本物みたいじゃない!?」
取り囲んだ人々が、口々にあびるの姿を賞賛する声が聞こえる。その中心で、逃げ場の無い状況に追い込まれつつ、
あびるはその人々に控えめな笑顔を返していた。本当は、こんな格好で、しかも人知れず2本もバイブを咥え込んだ
まま衆人環視の元に放り出されるなど、恥ずかしくて気が狂いそうな想いだったが………今のあびるに、命の命令
に逆らうという選択肢は用意されていない。
幸い、周囲の興奮状態と喧騒、そして本来のあびるを知る者が誰も居ない状況のおかげで、誰もあびるの異変には
気付いていないらしい。せめて、誰にも気付かれぬよう、少しでも自然にやり過ごさなければ………あびるは心の
中でそう決意し、必死で、その羞恥心に耐え続けた。
「これ、手作りですか?衣装も、小物も。」
「えっと、あの………と、友達に用意して貰って………。」
「お友達もレイヤーさんなんですね、今日は一緒なんですか?」
「あ、いえ、今日は、私1人で………はい………。」
時折投げ掛けられる質問にも、当たり障りの無い答えを返していく。何事も無く過ぎていく時間が、やがて、その
脳裏に『もしかするとこのまま無事に事を終えられるのではないか?』という一縷の望みを過ぎらせる。
………だが。命の毒牙に掛かったあびるに………そんな結果が、用意されているはずもない。
同じ人混みの中、誰にも知られない場所で………誰の耳にも届かない、カチ、というごく小さな音が響く。
「………は、ッ………!?」
瞬間、あびるは一瞬で背筋を突き抜けたその衝撃に、背中を逸らせ息を詰まらせた。
秘裂に埋められ、抜け落ちないようにエナメルの衣装に支えられたバイブが、振動しながら身を捩じらせ始める。
普通なら眼の届かない、しかし、仮に身を屈めて覗き込めば簡単に視認できてしまう、スカートの中では………脚
の間から生え、その衣装の底部を歪に盛り上げているバイブの尾部が、厭らしくうねっていた。仮に、ここが静寂
に包まれた場所だったなら、そのモーター音もしっかりと聞こえているはずだ。
218その花束に絶望を karte12 (4/8):2008/04/08(火) 22:52:06 ID:KzId0cn6
「(………〜〜〜ッッッ!!!)」
数多の視線を一身に受けながら、自分は………淫具に秘所を蹂躙され、身体を反応させている。
誰にも気付かれずとも、あびる自身が1番よく、激しく体感しているその事実が、あびるの顔を火照らせていく。
あびるは必死で顔を上げ、自分を取り巻く人混みの中に命の姿を探した。リモコンの電波が届く以上、近い場所に
潜んでいるはずなのだが、身を屈めて隠れているのか、その姿は見当たらない。
「いつも、イベントとかでコスプレしてらっしゃるんですか………?」
「っ、え………あ、その、いえ………普段はあんまり………っ、くぅ!?」
それでも、事情を知らない人間から容赦なく投げ掛けられる質問に答えている最中に、バイブがその振動を強める。
腰から背筋に掛けてが震え上がるような感覚に、思わず声を上げてしまう。質問をしていた女性がとうとう、おや、
とその異変に気付いたような表情を見せた。
「あれ………どうか、しました?」
「あ、その………だ、大丈夫です。ちょっと………立ち眩みが………。」
秘裂の中で暴れるその刺激に必死で耐えながら、あびるはなんとか平静を保ちそう弁解した。引き攣った笑みを
浮かべるあびるの様子に、女性は首を傾げながらも………それ以上追求することは、なかった。
思わず股間を抑えそうになった手を必死で押し留めて、あびるは、少しだけ前かがみになった身体を、無理矢理に
しゃんと伸ばす。力を入れればバイブが締め上げられて刺激が強まるし、力を抜けば中が無防備になる………その
ジレンマに苛まれつつ、しばし必死で笑顔を作っていると………不意に、バイブの動きが止んだ。
「あのー………すいません、ポーズとかって、取って貰ってもいいですか?」
そして。ひとまずほっと胸を撫で下ろしている所に、カメラを持った男性の1人から声が掛かる。
「あ………は、はい、いいですよ………。」
あびるは………こうした要求を事前に予想した命から言われていた通りに、その言葉に応じた。
「じゃぁ、こう………膝に手を付いて、前屈みで、腰を突き出す感じで………。」
「あ、じゃぁ、次オレ良いですか?」
「僕、敷く物持ってきたんですけど、四つん這いのポーズとか撮らせてくれませんか!?」
最初の1人を皮切りに、次々とポーズの要求が寄せられる。その勢いに気圧されつつも、あびるはまず最初の要求
に応えるため、その言葉通り膝に手を付き、前屈みになって腰を突き出す。上目遣いにカメラを見上げると、その
方向に居た取り巻きの中から、おお、と歓声が沸き起こった。
立て続けに、フラッシュが焚かれる。思えば自分は、バイブに責められ続けた直後の表情を、こんなに大勢の人間
に撮影されているのか………その事実に気付き、あびるは頭の中が焼けてしまいそうな程の羞恥心に襲われた。
余りに非日常的な状況に、やがて、ぼう、とぼやけ始めた意識の中。あびるは、もはや物事を深く考えることの
できない頭で、数々の要求を機械的にこなしていく。
そして………カメラを持っていた男性の1人が差し出した、怖ろしく嵩張ったであろう畳1枚程の大きさのマット
の上で、求められた通り、脚を開いて四つん這いになったポーズを披露していた、そのとき。
「………あ、ふッ………!?」
その口から、微かな声が漏れた。人々が、再びその声に気付いて首を傾げる中で、あびるは瞬時に我に返り、咳払い
でなんとかその声を誤魔化そうとする。
スカートの中では………さきほどとは別の、尻に沈められたバイブが、振動を開始していた。
「(………ど、どうしよう………気付かれたり、しない………?)」
あびるが、心の中で誰へとも無く問い掛ける。実際、そのスカートは身体のラインが出やすい少しタイトなもの
だったが………それなりの長さもあるので、姿勢を低くしているこの状況では、かなり無理をして覗き込まない
限りその中が見えてしまうことは無い。その点は、あびるの杞憂であった。
だが………今回は、それとは別に、もう1つの問題点が存在する。
「あれ………あの尻尾、動いてる………?」
「ぇ………ッ!?」
背後でぽつりと呟かれたその言葉に、あびるはぎょっとした。そう、今あびるの尻の穴で蠢いているバイブには、
外に飛び出した尻尾が直接取り付けられている。つまり………バイブがその身をぐねぐねと動かす度に、その尻尾
も微妙に揺れ動いてしまうのだ。
「く………ふ、ぅッ………!?」
あびるは咄嗟に、四つん這いのまま脚を前後に開き、腰を微妙にくねらせ始めた。周囲の人間が、どよめく。
219その花束に絶望を karte12 (5/8):2008/04/08(火) 22:52:57 ID:KzId0cn6
「うわ………エロいな、あれ………。」
「清純そうな顔して、結構ノリノリだぜ………?」
その刺激に腰をひくつかせながら、あびるは、自分を見下ろすように取り囲んだ人々の様子を窺った。その大半は、
それがあびるの単なるパフォーマンスだと思い、見入ったり、夢中でシャッターを切ったりしているだけだったが
………その中には、あびるの尻尾を指差しながら隣の人間に耳打ちをしている人間も、数人見受けられた。
「………っ………ッッ!!」
それは、そうだろう。スカートの中から生えた尻尾が、少女の微かな呻き声と共に勝手に動き始めたとなれば………
想像力豊かな人間ならば、その事実に感付いてしまってもおかしくはない。
蠢き続けるバイブに、尻を犯されながら………あびるは思わず、ポーズを取ることを止めて立ち上がった。
「(む、無理………もう駄目、これ以上………絶対、バレちゃう………!!)」
………だが。あびるの、その勝手な振る舞いは………人混みに身を潜め、その身体を支配していた命に、一瞬で、
最後の決断を下させた。
「………チッ。」
誰にも聞かれることのない小さな声で、舌打ちをして………ドーナツ型の中程で、髪型や服装を変えて潜んでいた
命は、ポケットに忍ばせたリモコンに手を伸ばした。その、スイッチが………共に、最も強い振動を示す値へと、
何の躊躇も無く切り替えられる。
その瞬間、あびるの身体を襲った強烈な衝撃は………それを取り巻く全ての人間に異変を感付かせるほど激しく、
あびるの全身を震わせた。
「か………は、あぁッ………ッッッ!!?」
それまで恥ずかしげに顔を伏せて佇んでいたあびるが………何かに弾かれたかのように突然、ビクリと腰を引き、
顎を逸らせ、歯を食い縛って眼を見開く。その手が、意識に静止されるよりも先に、その股間を抑え付ける。
あびるの中で、2本のバイブが悪魔の様に激しく蠢き、その秘所と尻を容赦なく蹂躙していく。肉壁1枚を隔てて
硬いバイブが擦れ合い、その余りの衝撃に、全てを忘れて絶叫してしまいそうになる。
「あ、あ………ひ、ぃ、うぁ………あ、ッ!?」
思わず股間を抑えてしまった手が、今度はその口を塞ぐ。だがそれでも、腹の底から湧き上がる甲高い悲鳴は、
断片となってその隙間から漏れ出してしまう。
やがて、あびるは………内腿を伝う生温い粘液の感触を察し、その震える脚を閉じる。だが、必死でその流れを
塞き止めようとしても、溢れる愛液は留まることを知らず、やがて、ソックスを飾るシルクを濡らし始めた。
「ね、ねぇ………大丈夫なの、あれ?」
「つーか、あれ………まさか、何か入ってんじゃないか………?」
「は、はは………いやいやいや、お前それ、エロゲーやり過ぎだって。」
「おい、見ろよあれ………絶対、太股のトコ濡れてるって。」
「うわ………マジかよ。これ、どっかでAVの撮影でもやってんじゃねぇの………?」
その状況で、誰もその事実に気付かない、などということがあるはずがない。数人が、十数人が、そして数十人が、
あびるが身体にそれらしき物を仕込んでいることに気付き始める。どよめきが、大きくなる。
そして。あびるの身体が遂に、衆人環視の中で、ぺたり、と崩れ落ちて………。
「ひ、ぅ………だ、駄目………あ、あ、あぁぁ………〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!?」
前後の穴から容赦なく送り込まれる、刺激が………その身体を、果てさせてしまった。
内股でマットの上にへたり込み、両手で口を塞いだまま俯いて、あびるはその細い肩をビクビクと震わせる。目尻
に涙が浮き、下腹部から際限なく湧き上がる熱が、耳の先までを真っ赤に火照らせていく。
「(う、うそ………わ、わたっ………私、こんな………!?)」
白い光が明滅するような錯覚の中。数秒前に果てたばかりの身体を、なおもしつこく蠢くバイブに責められながら。
「(こ、こんな、所で………皆の、眼の前で、い………イっちゃった………!!?)」
あびるは、自分が置かれたその状況に………心の底から、絶望していた。
ざわざわという雑音が、あびるを包み込む。もはや、その言葉の1つ1つを聞き分けるほどの余裕など、あびるに
は残されていない。
220その花束に絶望を karte12 (6/8):2008/04/08(火) 22:53:23 ID:KzId0cn6
そして………これが悪い夢なら、今すぐに覚めて欲しい、と願うあびるの背中に。それが現実であることを痛感
させるように、顔も知らない誰かの声が、掛けられる。
「あ、あの………大丈夫、ですか………?」
その言葉にも、振り返ることが出来ず………あびるはただ、震えながら、この先の自らの破滅を思い描いて、背筋
を凍らせていた。

………だが。
「はい、退いて退いて退いて!危ないよ!!」
永遠に続くかと思われた、その地獄のような状況を………怒号のように響くその声が、打ち破った。
頭の上で聞こえたその声に、あびるが泣き濡れた顔を上げる。すると………周囲を取り囲む人込みを、文字通り
掻き分けるようにしながら、数人の男達が猛然と自分に迫って来るのが見えた。
「ぇ、ぁ………っ………?」
そして。突如現れたその男達の中の1人が、何の説明も前触れも無く、突然、崩れ落ちたまま震えていたあびるの
身体を抱きかかえた。そのまま、さきほど割って入った際に出来た人混みの隙間を縫うようにして、あっという間
にあびるをその人集りから連れ出し、すぐ近くの路地へと逃げ込むように走っていく。
人々が唖然として見守る中………嵐のようにやって来たその男達とあびるは、ものの10秒ほどで、人々の前から
その姿を消してしまっていた。
「な………何だぁ、今の………?」
「救護の人?それとも、アイドルの事務所の人とか?」
「あれ、さっきの娘どこ?っていうか………今、何があったの?」
どよめきが、より一層その大きさを増した。

人々が、余りに突然やって来た、答えの解からぬその疑問に首を傾げる中。
その場には、混乱する大勢の人間と………真新しいシミの付いたマットだけが、残された。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


がくがくと、首がぐらつくのに合わせて揺れる視界の中。映る景色が、目まぐるしく移り変わっていき。
やがて、その視界が急に暗くなった所で………あびるはようやく、我に返った。
未だ身体を去らない余韻が、全身をピクピクと痙攣させる。そんな中、あびるはゆっくりと、スローモーションの
ように首を巡らせる。そこはどうやら、後部座席を全て平らに倒されたワゴン車の中らしく………傍らでは、あびる
を抱きかかえてここまで走ってきた男が、その顔を見下ろしていた。
「やぁ、初めましてあびるちゃん。」
見知らぬその男は、そう挨拶をしてあびるに微笑んだ。ぼんやりと霞掛かったような意識の中で、あびるは曖昧な
記憶を手繰り………全てが終わった、と想い絶望していた自分が、その男の手によってあの人混みの中から連れ
出されたのだ、ということを思い出す。
「………ぁ………ぅ、ぁ………ッ?」
「はは………かなり、参ってるみたいだね。」
あびるは、眼の前の男に何かを問い掛けようとするが………喉から、上手く声が出てこない。

が、しかし。
あびるが、尋ねるまでもなく………その男はすぐに、自ら、その正体を明かした。
「大変だっただろう………あの先生に、眼をつけられたんじゃ。」
「え………っ………!?」
先生、というフレーズに、あびるが半開きになっていた眼を見開く。

そう言って、人当たりの良さそうな笑みを浮かべながらも………男はその瞳を、命と同じように獰猛に輝かせた。
その瞬間、あびるは、眼の前の男が命の息が掛かった人間であることを察する。あの状況から救い出されたとき
に、痺れるような意識の中で感じた微かな安堵が、更なる絶望に上書きされていく。
221その花束に絶望を karte12 (7/8):2008/04/08(火) 22:53:56 ID:KzId0cn6
「どれ………まだ、入ってるんだろ?見せてくれよ。」
「ひ、ぁ………や、嫌ぁっ………!?」
全てを理解し、恐怖によって薄れ掛けた意識を覚醒させられたあびるが拒絶するのも、無視して。男は、その脚
の間に割り込み、あびるの膝を掴んで強引に押し開く。未だに振動を続けるバイブを咥え込んだ下半身が、その
眼の前に晒される。
「うわ、ホントにこんなの入ってるんだ………これで、よく人前になんか出られたね?」
今の今まで、それを感じる余裕も無く、存在すら忘れかけていたが………それがまだ自分の身体に刺さっている
ことを意識すると、途端に、下腹部を襲う振動の気配が大きくなるような錯覚に陥る。
再び自分の身を襲い始めた感覚の波に、あびるはまた、その火照った身体を震わせた。
「や、止めっ………見ない、でぇ………!!」
「そんなこと言って、ホントは、あびるちゃんも感じてるんだろう?こんなに、ドロドロにしちゃってさ。」
「ひ、ああッ!?だ、駄目っ、う、動かしちゃ駄目ぇ!!」
バイブの尾部を摘んでランダムに角度を付けながら、男は、振動に犯され続けこれ以上無いほど高まった秘所を
抉られるあびるの反応を楽しんだ。些細な動きにも従順に反応し、あびるはまた、2度、3度と絶頂を迎える。
脚の筋肉が引き攣り、背中が反り返る。
男が強引に、胸を隠すその衣装を捲り上げると………その下に隠された白い乳房の先端は、赤く隆起して微かに
わなないていた。男はなんの躊躇いも無く、その先端を口に含み、ころころと転がす。
「は、ひぃッ!?だ、駄目っ、あッ、やぁッ、止めて………く、ふぅっ!?」
「本当に、キレーな身体してるなぁ………顔も声も可愛いし、おまけにやらしいし。言うことナシだね。」
「や、ち、違っ………私、や、やらしく、なんか………あ、あうッ!!」
「あんな大勢の前でバイブ咥えて悦んでる娘が、やらしくないハズ無いだろう?」
せせら笑うような男の言葉に………あびるは、それ以上反論することが出来なかった。あんな状況でも、その身体
が確かに快楽を感じてしまっていた、という事実は、あびる自身が1番良く解かっていた。
「………ぁ、ぅ………ひぐ………。」
そして。振動と男の手と言葉によって、身も心も容赦なく蹂躙されたあびるが、嗚咽を漏らし始めたそのとき。
「………おい、センセーから、朗報だぜ。」
眼の前の男とは別の声が、あびるの耳に届く。男とあびるが同時に、声のした方に視線を向ける。運転席に座って
いた、ニット帽を被った別の男は………手にした携帯電話をパタリと畳んで、振り返った。
「………そいつ、センセーに言われたルール破ったんだとよ。」
「え………マジで?」
「ああ。カメラ小僧共には従えって言われてたのに………勝手に、ポーズ取るの止めたらしいぜ。」
あびるを無視するように、あびるを弄んでいる男だけに向けて、半笑いでそう言ってから………ニット帽の男は、
その鋭い視線をあびるに注ぐ。あびるが、まるで射竦められたように、か細い声を上げて身体を強張らせる。
「つまり………こっからは、俺達の仕事だ。」
「いやぁ………そうか。そりゃぁ、良かった………。」
自分の脚の間で、男が心底嬉しそうにそう言ったその声を聞き………あびるは本能的に、ぞわ、と身の毛のよだつ
ような気配を感じ取っていた。男が、相変わらず見た目だけは人当たりの良さそうな笑みを浮かべる。
「まぁ、もう解かってると思うけど………ボク達は、糸色命先生に言われて、ここにやって来たんだ。」
そして、男が状況を説明し始める。
「君が限界になったら、あそこから助け出すように、って言われて来た。」
「………は、ぅ………っ………?」
「もし警察沙汰にでもなったら、マズい。だから、事が大きくなる前に、全部うやむやにする為に、ね。」
あびるはそこまで聞いて、命の意図を理解した。つまり、こうして助け出したのも、やはりあびるの為などでは
なく………全ては、自分の為の計画だった、ということか。
「そして………もう1つ。ボク達には、命先生から任せられてる仕事があるんだ。」
あびるの眼の前に人差し指を突きつけながら、男は続ける。
「それはね………君が、今回みたいに、先生の言いつけを守らなかった場合に………。」
「………ぅ、ぇ………?」
「君に………厳しい、お仕置きをする、っていう仕事なんだ。」
「………え………っ………!?」
お仕置き、という言葉に、あびるはまたその身体を強張らせた。
222その花束に絶望を karte12 (8/8):2008/04/08(火) 23:04:04 ID:KzId0cn6
あんな鬼畜な命令を、平然と申し渡せるような外道の手先………そんな人間達の手による仕置きなら、それは絶対
に生半可なものではないだろう。それまでの体験に基づく、あびるのその直感は………残酷なことに、すぐに的中
してしまうこととなる。
「いやいや………本当に、先生の命令に背いてくれて有難う。」
男はそう言って、ニット帽子の男に目配せする。ニット帽の男は何も言わずに、隣の助手席に腕を伸ばし………
そこに乗せられていたダンボール箱を、椅子越しに後ろに寄越す。
男は、怯えきったあびるの顔を見下ろしながら、その箱の淵に手を掛けて………。
「君が、ルール違反をしてくれたお陰で、ボク達はこうして………。」
蓋の無いその箱を、引き倒した。ガチャリ、と金属音がして、その中身が平らにならされた座席の上に散乱する。
「ひ、ッ………ッッッ!!?」
そこから転げ出した、数々の道具を見て………あびるの顔から、血の気が引く。
「君みたいに可愛い、コスプレ少女に………好き放題に、お仕置きできるんだからね。」
そこに収められていたのは………突起だらけの凶悪な造形のバイブや、手錠や目隠し、電気コードが繋がった金属の
洗濯ばさみに、正体不明の薬品が入った瓶など。その半分以上が、あびるにとっては使用法すら解からない正体不明
の器具だったが………その中に混じった、見覚えのある形状の道具を見れば、それらが全て自分の身体を蹂躙する
為の道具だということは、容易に想像ができた。
「端から、全部試してあげるよ。たっぷり、時間を掛けてね。」
男はそう言いながらあびるの秘裂を覆う衣装を脱がせ、そこに埋まっている2本のバイブを抜き取る。箱に入って
いたものと比べれば可愛い形をしたそれを無造作に放り投げた男の手が………大きさも形状もそれとは比べ物に
ならない程に凶悪な別のバイブを、手にする。
「い、いや、あ、ぁ………そ、そんなっ………そんなの、絶対、無理………ッッッ!!」
「………思いっきり、鳴いていいよ。このワゴン、防音仕様に改造してあるからね。」
男はそう言って、微笑んで………次の瞬間、手にしたそれを、強引にあびるの秘裂に捻じ込んだ。
それまでとは比べ物にならない衝撃が、あびるの身体を突き抜ける。その喉から、生まれて初めて発するような、
断末魔にも似た悲鳴が上がる。

狂気の宴の、第二幕が………人々が行き交う街の片隅で、ひっそりと、幕を開ける。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


時間は、ほんの数分巻き戻って。
「………撮影した映像の方も、後で持ってきてくれ………いや、私は、今日の所は帰るとするよ。」
ワゴン者の運転席に居た男との通話を終えて。完璧な変装に身を包んだ命は、もうあの場所を後にしていた。
「今後の交渉の為にも、きっちり鮮明に頼むよ………うむ。あとは任せた、それじゃぁ………。」
会話を終え、通話を切って、携帯電話を畳んでポケットに仕舞う。そのまま、何食わぬ顔で、あのビジネスホテル
へと向かう。その男が、自分が見込んだ残虐な性格を持つ2人の手駒によって、弟の教え子がどんな悲惨な陵辱を
受けるのかを想像し、心の中でほくそ笑みながら歩いていることなど………街行く人間達には、知る由も無い。
「(ほんの少しでも逆らったら、何十倍ものしっぺ返しが来る。それを、身体で覚えこませてやらなければな。)」
やがて、ホテルに辿り着く。応対するフロントの人間も、命の本性には全く気付かない。

「(まぁ………愛する糸色先生の顔でも思い浮かべて、せいぜい必死で耐えるがいいさ………。)」
誰にも知られず、気付かれず、怪しまれず………命の残虐な娯楽は、安全に、続いていく。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


パソコンの前で、コーヒーを飲みながら………晴海は、そのスレッドのタイトルを眺めていた。
「へぇ………そういえば、小節さんも確か今日行ってたはずだけど………。」
とある大きな掲示板で話題となった、秘部に淫具を忍ばせたまま路上撮影会を決行したという、正体に関する一切の
上方が不明のコスプレ少女。晴海は、その詳細に少しだけ興味をそそられつつも………。
「………って、それどころじゃないや。原稿、原稿っと………。」
すぐにその画面を閉じて、自分のすべき作業へと戻っていった。
その少女は結局、正体不明のまま………程無くして、その存在を多くの人間から忘れ去られていった。
223その花束に絶望を:2008/04/08(火) 23:10:33 ID:KzId0cn6
(続)


………はい、お粗末様でした。話としては記念すべき10話目、あびる編でした。
投下してから、最期に追加した蛇足部分の誤字に気付いて絶望しています。上方じゃねぇよ情報だよ………。
でもまぁ、とりあえずコスプレあびるが書けたので満足です。良かった良かった。

これで、絶望少女も残すところあと3人です………思えば遠くまで来たものだ。
実は、次回の話、百合論議の後だとちょっと投下しづらい風味になる予定ではあるんですが………まぁ、適宜改変しつつ、なんとか完成させてきます。
もちろん警告も付けますが………もしもあまりにもアレなときは、閑話的なものとして、華麗にスルーして頂けたら幸いです。と、予防線張っておきます。

では、長々と失礼致しました。
今回はこれで失礼致します。また次回。
224名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:12:15 ID:N93C4chD
ついに俺の嫁が…
GJなんだが一つだけ
晴海じゃなくて晴美だぜ
225名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:13:54 ID:RqzJFFdR
晴美と千里が一緒に残ってるってのが楽しみでならない
226名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:15:12 ID:rHha4gAj
マ太郎
千里
晴美
次は誰やら

楽しみにしておこうか
227名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 00:11:23 ID:ftOlVbpE
ことのん忘れんなよー
228名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 00:21:03 ID:3SaQ7+cm
やばい
可奈子と丸井も忘れてた
229名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:13:17 ID:As6Y+mZM
絶妙先生は?
230名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:14:10 ID:pExiMZUI
前にちょっとほのめかしてた智恵先生は書くのかな?
こっそり楽しみにしてるんだが
231名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:39:52 ID:8OkIB4y8
ことのんとのチャットエッチはどうだ
232名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 05:13:33 ID:zXQJYSxI
望×可符香で一気に書いてみました。
すでに2人とも肉体関係アリなのを前提にしています。
微エロ。可符香が弱めです。
233望×可符香:2008/04/09(水) 05:20:14 ID:zXQJYSxI
「絶望したああああ!!」

今日も望は何かに絶望したようで、黒板に頭を打ち付けていた。
かと思ったら、今度は教室から走り去っていく。
望の泣き叫ぶ声が遠ざかるなか、 生徒たちは
やれやれと言わんばかりの表情で
各々の行動を始めている。友人と話したり携帯をいじったり。
そして千里の提案で、女子数人で手分けして望を探しにいくことになった。


「あ!先生。 見つけましたよぉ」
「ふ、風浦さん…」

可符香は保健室のベッドで毛布をかぶり、
うつ伏せになって しくしく泣く望をみつけた。
彼女に気付いて、望は上半身を起こし 慌てて眼鏡を掛ける。
可符香はベッドの横にある椅子に座り、
目を合わせようとしない望の顔を見ながら話した。

「先生だめじゃないですか。授業中ですよ」
「わかってはいるんですが…」
「戻ります?」
「はあ……」

全くその気が無さそうな返事が返ってきたので、
可符香はどうするべきか少し考える。
234望×可符香:2008/04/09(水) 05:23:03 ID:zXQJYSxI
可符香は無言で靴を脱ぎ、そっぽを向く望のいるベッドに上がり込んだ。

「え。ちょ、ちょっと風浦さん?…だめですよ!ここは学校ですよ!」
「やだなぁ、先生なに考えてるんですか。先生がこっち見てくれないから、
私が移動しただけですよ」
「いや、あの、でも」

いつものことだが、あまりにも分かり易く慌てる望を見ていると、
だんだん可符香は楽しくなってきた。

「人と話すときは、相手の目をみて話さないと失礼なんですよー」
そう言いながら望の下半身を跨いで、四つん這いになり、
口元だけ笑って彼の顔を下から覗き込む。

「教師をからかうのはやめてください!」
ぷいっと目を逸らして、困ったような表情 口調で言った後、
一拍ほど置いてから可符香の方へ向き直り、

「…でないと こうなりますよ」

顔を薄い赤で染めて、低く強めの口調で言った。きょとんとした可符香を無視し、
両手で可符香の肩を掴んで彼女の唇に自分の舌を割り入れた。
235望×可符香:2008/04/09(水) 05:31:41 ID:zXQJYSxI
「ん…っんんっ!…せ、せんせえ…待っ…」

突然のことに、可符香は正直驚いていた。
先生小心者だから、こんな所では何もしてこない。そう思って、からかったのだ。

「いくら私でも、そろそろ怒りますって」
「…あっ…ん、ぁ…ッ!」

セーラー服を中途半端に脱がし、ブラもホックを外さず、
ただ可符香の首元までずらした。
彼女のふっくらした胸を握ると、いつもより更に甘い声が降って来る。
そしてただされるがままの可符香の霰もない姿を前にすると
望のそれが強く反応した。
我慢できず彼女のスカートを腰まで捲し上げ、ショーツの上から
撫で回すと、そこはあっというまにぐっしょりと湿っていった。

「今日はずいぶん早いですねえ…どうしたんでしょう」
「だっ…て、せんせ…っぁ…んっ…はぁっ…!」
「もう指…入れますよ」
「…やあっ!…あぁっ…んッ…」

望が可符香のショーツを剥がそうと、スカートの中に手を入れかけたその時、
廊下から微かに人の声が聞こえた。そろそろ授業が終わる頃なんだろう。
236望×可符香:2008/04/09(水) 05:35:39 ID:zXQJYSxI
「…もう戻らないといけないようですね…」

ぽつりと望が言うと、まだ はあはあと肩で呼吸する可符香を見下ろした。

「まだ、いいじゃ…ないです、かあ……」
「いやあ、さすがにそろそろ…大丈夫ですよ。続きはちゃんと、しますから」


そう言って保健室から出ていく望を横目に、こっちから何もしないのも悪くないかも…と
乱れた姿のまま横たわって ぼんやり思う可符香は、
放課後その続きが行われることを、まだ知らない。
237名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 05:38:18 ID:zXQJYSxI
終わりです。
238名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 11:29:19 ID:zbmznWiR
GJ
放課後の続きを激しく希望する
239名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 16:27:53 ID:DYARf2Lb
GJ
のぞかふのぞは俺の癒し
240名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 19:16:26 ID:oEMRJXRd
GJ
俺もムラムラしてきたぜ…
望と誰でいこうか?
241名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:16:00 ID:As6Y+mZM
甚六で
242名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:16:43 ID:As6Y+mZM
ああ可符香かわいいなぁちくしょう

>>240
甚六で
243名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:41:06 ID:dC/fL5d1
空気を読まずにちょっと失礼して・・・
蟹×加賀、投下します。小ネタの様なものです。

カニが苦手な方は注意。
244名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:42:52 ID:dC/fL5d1
ある日、加賀愛が目を覚ますと蟹(シオマネキ)に取り囲まれていました。
「ひぃやぁぁぁーーーーーーー!」
驚いた愛は寝床から飛び起きようとします、が、不思議なことに金縛りに合ったように体を動かすことが出来ません。
体の方を見ると何百、何千というシオマネキが愛の体を敷布団と連結させているではありませんか。
(あぁ・・きっと何か私がご迷惑になるようなことをしてしまったのですね・・・)
愛は何をしてしまったのか思い巡らせてみます。

「はっ!」
(そういえば・・・昨日の晩御飯は・・・カニ雑炊!?)
「あわわわ・・・私ごときが、カニ雑炊など食べてしまったばかりに・・」
「すいません!すいません!すいません!」
(きっとこのカニさん達は、食べられたお仲間の敵討ちに来たに違いありません・・ん?)

見ると、他と比べ一回り大きなシオマネキが、愛のへその上でなにやら鋏を振っています。
するとどうでしょう。周りにいたシオマネキたちが鋏を振りかざし愛に迫ってきます。

「ひいっ!私殺されても仕方ないんですね!ミンチにされて東京湾のお魚さんの餌にされてしまうのですね!」
望を遥かに凌駕するネガティブ思考をさらしてしまう愛。
しかし、愛の予想に反しシオマネキたちは、寝巻きだけを切り刻んでいき、
寝巻きがズタズタになった所で、数匹のシオマネキが愛の小ぶりな胸にとりつきました。
シオマネキたちは小さな体に釣り合わない大きな鋏を使って、愛の乳首を弄んでいます。

245名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:45:04 ID:dC/fL5d1
時に強く、時に甘く、カニとは思えないテクニックで攻められる愛。
「あ、あん・・・・だっ、ダメです・・カニさん・・・」
愛は心ならずも、自分が感じているということへの羞恥で頭がいっぱいです。
すると、今まで大人しくしていた大きなシオマネキが、のそのそと愛の茂みへと潜って行きます。
「らめぇ・・カニさん・・・汚いとこ・・入らないでぇ・・・」
そんな懇願を無視して、中に入ったシオマネキは、早速大小の鋏を駆使して愛のクリトリスを刺激します。

「ひあっ、あうぅうぅぅ・・・やめてぇ・・」
(これ以上弄られたら私・・・)
次第に愛は、自分の肉欲に抗えなくなっていきました。
(ああ、なんて淫らな女なんだろう。でも・・・)
我慢が効かなくなった愛はシオマネキに懇願します。
「カニさんの大きなのでもっと私を犯してください!挟んで、つまんで、ほじってメチャクチャにしてイかせて下さい!」
それに答えるように、シオマネキはより一層激しく愛を攻めます。

「あうっ!いぐぅっ!・・そこぉ・・・カニさん、そこいぃです!」
「もうだめっ、もうだめぇぇ!ガマンできません!カニさんイクよっ、イクッ!イクぅぅぅぅ!!」
ぷしゅー、ぴしゃぴしゃ。
愛は生まれて初めて潮を吹いてしまいました。
「はぁっ・・はぁっ・・・・はっ!」
「すいませんカニさん、すいません!私の汚い汁を浴びせてしまてぇぇぇぇ!」
愛の加害妄想を無視してシオマネキの一群は窓からそそくさと出て行っていました。そこへ・・・
「どうしたの、愛?大きな声出しって何をしてるのあなたは!」
お母さんの目に映ったのは、ぼろぼろの寝巻きを着て、下半身をびしょびしょに濡らし、必死に謝っている娘の姿でした。
「ヒイィィぃ!すいません、すいません!淫らに育ってすいません!」
その夜、加賀家で家族会議が開かれたのは、言うまでもありません。

おしまい。
246名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:51:06 ID:dC/fL5d1
タイトル忘れた・・・シオマネキ対加害妄想少女 でした。
ヤツメウナギ編とかヤギ対多重人格少女とか考えていましたが頓挫しました。
どなたか続・・・・なんでもありません。
247名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:54:32 ID:vqEaFGDO


こんなにエロい表現ばかりだというのに、読後感が童話に近い
248名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:59:48 ID:qeX1US94
獣姦は苦手だがこれは笑いながら読ませてもらった、GJ!
249名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 22:08:38 ID:qrJ8X3q3
なぜ数ある蟹の種類からシオマネキw

とにかくGJ

短くてもやっぱ人の文っておもろいよ
みんなどんどん投下なされぃ!!
250名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 22:12:58 ID:e3dIlgIL
潮噴いたからだろ
251名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 22:18:20 ID:qrJ8X3q3
その発想がなかった自分に絶望した…
252名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 22:25:44 ID:ydx4y+6G
>>250
目から鱗が落ちる思いです
253430:2008/04/09(水) 22:31:29 ID:JiMV3HIk
す、すいません、とりあえず>>246さんのおかげで腹筋が痛いですw
シオマネキって…! シオマネキって…!!
>>208
SWATってアメリカだったんですね…恥ずかしすぎる!
だから、知識皆無のくせにこんなもの書くなと…orz
>>223
あびるキタ―――!エロ過ぎます可愛すぎます破壊力抜群です…!!!
命先生の見事な鬼畜っぷりに、毎回喜び転げまわっております。
最近は命先生が直接手を下さずに黒幕っぽい立ち位置なのが、またツボで。
残り3人も楽しみにしております!
>>237
おおお、仕掛けようとして逆に先生に翻弄されちゃう可符香…GJです!
同じく放課後の続きを激しく希望!

さて、えーと、>>195>>206の続きで今回は15レスです。

以下、注意書きです、たくさんあります、すいません…。
1)望先生と智恵先生は既に恋人同士の設定になっています。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
 (原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですが、オリキャラがでてきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…ないです。
7)今回、中途半端ですが無理矢理なシーンがあります。

前置きが長くなりましたが、よろしくお願いいたします。
254伝えたいことば(3) 1/15:2008/04/09(水) 22:33:31 ID:JiMV3HIk
*   *   *   *   *   *   *   *


一方、こちらは体育館の用具室。

援軍が来る、という甚六の言葉に智恵は胸を躍らせたが、
「甚六先生、どうしてそれを…?今の鏡は、いったい…?」
今の甚六の行動に不審を感じずにはいられなかった。

しかし、甚六が口を開く前に、用具室の扉が荒々しく開いた。

「全く、あの公安の馬鹿野郎共、何を考えてやがるんだ!!」
髭の男が目を怒らせ、どすどすと用具室に入ってきた。

智恵は、思わず後ずさった。
さすがに、女生徒達も身体を固くしているようだ。

「般若だろうがなんだろうが、俺は無信教なんで関係ないが、
 俺達を脅そうって言うあの態度が気にいらない。」
髭の男は、人質をぐるりと睨めつけながら呟いた。

「俺を怒らせたらどうなるか、思い知らせてやる。」
そう言うと、男は、一番入口付近にいた愛の腕を引っ張った。
「来い!」
「や、やっぱり、私が悪いんですね――!?」
愛は悲鳴を上げた。

智恵は思わず前に飛び出した。
「待って!その子に何をするの!?」
髭の男は智恵を見てせせら笑った。
「知れたことだ。あの馬鹿共に、ふざけた真似をすると人質が
 どんな目に合うか、分からせてやるんだよ。」

それを聞いた愛は、顔面蒼白になった。
恐怖の余り失神しかかっているようだ。

「やめて!だったら、私を連れて行きなさい!」
「智恵先生!待ちなさい!」
甚六が大声を出した。
255伝えたいことば(3) 2/15:2008/04/09(水) 22:34:55 ID:JiMV3HIk
甚六が髭の男に向かって進み出た。
「さっきも言ったでしょう…。
 犠牲になるんだったら、女子供よりも、親爺の方が得策ですよ、って。」

智恵は、必死になって叫んだ。
「甚六先生!ダメです!!私が…私が行きます!!」

智恵は、先ほどの甚六を見て、確信していた。
甚六には、何かがある。
この人は、生徒達を助けることができる力を持っている。

それに引き換え、自分がここにいてもできることはごく僅かだ。
だったら―――ここで犠牲になるべきは、甚六ではない。

髭の男の目は、甚六と智恵、そして愛の間を行き来していた。
そして、ふと、智恵の豊満な体に目を止めると、下卑た笑いを浮かべた。

「―――なるほど。」
そして、甚六の方を向くと、馬鹿にしたように笑った。
「さっきも言っただろう。俺達には、世間の評判なんかは関係ないんだ。
 …ただ、生徒を思うこの女先生の心意気は買ってやろう。」

そして、愛を放り投げると、智恵の腕をつかんで引き寄せた。
愛は、恐怖で引きつった表情で智恵を見上げた。
「そんな…私のせいで、先生が…!」

甚六は、一瞬、前に踏み出しかけたが、
男の後ろにいる若いテロリスト達に銃口を向けられ、
悔しそうに、その場に踏みとどまった。

「智恵先生…!」
呆然と成り行きを見ていた千里が、そのとき立ち上った。
他の生徒達も、腰を浮かしかけた。

甚六を向いていた銃口が、今度は、生徒達に向けられる。

「木津さん!おやめなさい!!」
智恵が、慌てて千里を制した。
256伝えたいことば(3) 3/15:2008/04/09(水) 22:35:45 ID:JiMV3HIk
ここで、彼女達に何かあったら元も子もない。

甚六も、千里を振り返ると、厳しい声を出した。
「智恵先生の言うとおりだ…先生の心を無駄にしてはいかん。」

千里は、目に涙を溜めて唇を噛むと、再び座り込んだ。

「ふん…。じゃあ、行くとするか。」
髭の男に腕を引っ張られ、智恵は用具室を後にした。

最後にちらりと振り返ったとき、
こちらを見る甚六が、僅かに頷いたように見えた―――。




銃を持ったテロリストに囲まれて歩きながら、
智恵は、心の中で恋人に謝罪した。

―――望…ごめんなさい。
   でも、あなたの生徒達は、守ったわよ…。

あとは、ただ、速やかで苦痛のない死を願うばかりであった。

しかし、智恵が連れて行かれたのは、SC室の隣にある保健室だった。
智恵は、いぶかしげに男を振り返った。

髭の男は、ついてきた2人の部下に命じた。
「お前ら…しばらく、外で見張ってろ。」
そして、智恵に向き直ると、再び下卑た笑いを浮かべた。

「どうせ死ぬんだったら…その前に、いい思いをさせてやるよ。」
智恵の全身が総毛だった。

とっさに逃げようとしたが、両腕をがっちりとつかまれた。
「おっと…お前さんが逃げたら、
 あの子が、お前さんの代わりになるだけだぜ?」
257伝えたいことば(3) 4/15:2008/04/09(水) 22:36:40 ID:JiMV3HIk
智恵は、男を睨みつけた。
「私を殺すなら、余計な手間をかけずに早く殺せばいいでしょう!」
男は楽しげに笑った。

「もちろん、最後はきちんと人質としての務めを果たしてもらうさ…だが。」
そう言いながら、智恵の豊満な胸をぐっとつかんだ。
智恵は、苦痛に顔をゆがめた。
「こんなおいしそうな体、ただ殺しちまうのは、もったいねぇよなぁ…。」

男は、そのまま、保健室のベッドに智恵を押し倒した。
「―――やめなさい!このゴミ虫!恥知らず!」
智恵の必死の抵抗も、男はまるで意に介していないようだ。

「おお、いいねぇ。多少手応えがある方が、犯り甲斐があるってもんだ。」
そういうと、男は、智恵の口にその分厚い唇を押し付けた。

「―――!!」
男は、舌を入れようとしたが、智恵は歯を食いしばって抗った。
男が舌打ちすると、智恵の下腹を思い切り殴りつけた。

「がほっ!」

思わず、大きく咳き込んだ智恵の顎を、男が、がっとつかんだ。
抵抗する間もなく、智恵の口内に男の舌が入り込んだ。

「ん―――!!」
必死で口を閉じようとするが、男が物凄い力で顎をつかんでいるため、
閉じることができない。

強く押さえられて頬の内側が切れたらしく、血の味がした。
痛みと苦しさで涙が滲んできたが、それよりも、
男に口内を蹂躙されていることに対する嫌悪感の方が勝っていた。

以前は性には奔放だった智恵だが、望と愛し合うようになってからは、
他の男とは、肌を合わせることはおろか手をつないだことさえなかった。

望以外の男が自分に触れることなど、考えたくもなかった。
258伝えたいことば(3) 5/15:2008/04/09(水) 22:37:37 ID:JiMV3HIk
それが、今。
品性下劣の塊のような男の舌が、ぬめぬめと自分の口の中を這い回っている。
おぞましさの余り、吐きそうだった。

男が、そのまま、智恵のブラウスに手を伸ばすと、ボタンを引きちぎった。
ブラにつつまれた豊かな胸に、男はにやりと笑った。
「おお、いいねぇ。」
そして、腰のベルトから小型ナイフを取り出した。

智恵は、ナイフを見て、身を硬くした。
男は、そんな智恵の表情を楽しむように、智恵の胸元にナイフを近づけた。
「ふふふ…怖いか。」
智恵の呼吸が、恐怖の余り浅くなる。

ピッ

小さく音がして、ナイフが智恵のブラを胸元で切り離した。
その拍子に、ナイフの先が智恵の肌を傷つけ、じわりと血が滲む。
智恵は、走った鋭い痛みに、頬を引きつらせた。

顕になった智恵の胸を見て、男は賞賛のため息をもらした。
「こりゃぁ…すげぇや。」
胸元には、昼前に望が散らした跡がまだ紅くのこっている。
「おやまぁ、姉さん、けっこうお盛んじゃないか。」
男は、へっへと笑いながら、その跡を指先でつついた。

男の言葉に、智恵の脳裏に、望と桜の下で交わったときのことが浮かんだ。
今や、あれは遠い世界、夢の中での出来事のようだった。

男は、胸元に顔を寄せると、傷口に滲んだ血をぺろりと舐めた。
「悪かったなぁ。人の物に傷つけちまって。ふ、は、ははは!」
「…!」
智恵は、恐怖と嫌悪の余り、気が遠くなった。

「さて、ここからがお楽しみ…。」
男は、智恵に覆いかぶさると、目をぎらぎらさせて智恵を見下ろした。
智恵は、次にくるものを予想して固く目を閉じると、男から顔を背けた。
259伝えたいことば(3) 6/15:2008/04/09(水) 22:38:29 ID:JiMV3HIk
しかし、いつまでたっても、何も起こらなかった。
「…?」
恐る恐る目を開けた智恵の目の前にあったのは、
驚愕に目を見開いた男の顔。

男の首にはタオルのようなものが巻きついており、
そのタオルの端を握っているのは―――甚六であった。

甚六は、智恵が今まで見たこともないような冷徹な目をしていた。
「下衆が…お前に、国家の理想を語る資格などない。」
そういって、タオルをぐい、と引くと、甚六は男の首筋に手刀を叩き込んだ。
髭の男は、声もなくベッドの横に崩れ落ちた。

智恵は、呆然としながら、体を起こした。
「甚六先生…。」

「智恵先生。」
甚六は、前を肌蹴た智恵の姿を見て、困ったように目をそらせた。
智恵も、自分の姿を見下ろし、慌てて胸元を隠した。

しかし、ブラウスのボタンは全て引きちぎられてしまっている。
智恵は、一瞬悩んだが、用をなさなくなったブラを脱ぎ捨て、
ブラウスの裾を胸の下で結び合わせることで、何とか間に合わせた。
胸が揺れて邪魔な上に、ウェストが丸見えだが、この際、致し方ない。

胸の傷からの血はまだ止まっていなかった。
智恵は、保健室の救急キットで応急手当をすると、甚六に向き合った。
「甚六先生……どうやってここに?」

甚六は、にこりと笑った。
「用具室の奥の壁が腐っているのを小森さんが教えてくれましてね。
 木津さんが、スコップで一瞬のうちに解体してくれました。」

智恵は唖然とした。
「だって…見張りは…。」
「あの馬鹿どもは、扉の外にしか見張りを置いてませんでしたからな。
 日塔さんと加賀さんが、大声で泣いてくれていたので助かりました。」
260伝えたいことば(3) 7/15:2008/04/09(水) 22:39:39 ID:JiMV3HIk
「それに、ここの外にも、見張りが…。」
言いかけて、智恵は口をつぐんだ。
先ほどの、甚六の手腕を思い出したのだ。

甚六が智恵の言葉を聞いて、思い出したように顔を上げた。
「そうそう、智恵先生、ちょっと手伝ってください。」

甚六に促され、智恵は廊下に出た。
思ったとおり、そこには、見張りが2人倒れていた。

さっき、智恵自身は、パニックで外の様子どころではなかったが、
髭の男も、外の物音に気付いた様子は全くなかった。

―――音もさせずに、2人を、あっという間に…。

甚六を手伝って見張りの体を保健室の中に運び込みながら、
智恵は、甚六と言う人物に対する果てしない疑問が
胸の中で膨らんでくるのを感じた。

甚六は、手早く3人を保健室のベッドに縛り付けた。
このベッドは床に据え付てあり、ちょっとやそっとでは外れない。

智恵は、おそるおそる、男達を見下ろす。
「…生きているんですか…?」
甚六は肩をすくめた。
「単に気絶しているだけですわ。こんな奴ら、手を汚す価値もない。」

「他の仲間が様子を見に来たら…。」
智恵の懸念に、甚六は不愉快そうに唇をゆがめた。
「他の下衆どもは、当分は様子を見にはきませんよ。
 あなたと『お楽しみ』ってやつの最中だと思ってるんですから。」

智恵は、その言葉に先ほどの出来事を思い出して、
思わず背筋が寒くなり、自分を抱きすくめた。

―――甚六先生がいなかったら、今頃、どうなっていたか…。
261伝えたいことば(3) 8/15:2008/04/09(水) 22:40:44 ID:JiMV3HIk
「甚六先生…どうもありがとうございます…。」
「なに、礼には及びませんて。」
手を振る甚六を、智恵はまじまじと見つめた。

「先生…あなたは、いったい…。」
甚六は、智恵の言葉を遮った。
「智恵先生。あなたはいったん用具室に帰ってください。」
「…は?」

甚六は、窓から外をうかがいながら続けた。
「あいつら、とんだ素人ですからな。
 私が今から教えるルートを辿れば、壁の穴から用具室に戻れます。」
「…甚六先生は?」 

「私は、しばらくここにいます。
 この部屋は、周りが良く見渡せるし…それに…。」
甚六の横顔に、凄みのある笑みが浮かんだ。
「この後、私はちょっとばかり暴れさせてもらう予定なので、
 周りに、生徒さん達がいない方が都合がいい。」

智恵は、思わず生唾を飲み込んだ。
そこには、いつも自分が知っている温和な老教師は、いなかった。

甚六は、智恵の方を向いた。
「もうすぐ、援軍がやってきます。
 私の方で、あなたに必要なものが渡るようにに指示します。
 あなたには、こちらでドンパチ始まって見張りの注意が逸れたら、
 生徒達を用具室の壁の穴から逃がして欲しいんですわ。」
「…。」
「そして、体育館の裏のどこかに隠れて潜んでいてくださらんか。
 しばらくすれば、公安の特殊部隊が正面にいる奴らを突破しに
 突入してくるでしょうから…。」

智恵は不安そうに甚六を見上げた。
「援軍は、本当に来るんですか?…警察の人…?」

甚六は、再び窓の外に目を戻すと、あるかなきかの笑みを浮かべた。
「ええ…来ますよ。
 誰が来るのかは……私は、何となく、分かるような気がしますがね……。」
262伝えたいことば(3) 9/15:2008/04/09(水) 22:41:46 ID:JiMV3HIk
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、抜け道を一心に走っていた。
武器の入ったリュックが肩に食い込む。

走り続けて胸が痛くなったが、それでも立ち止まることはなかった。
一刻も早く、智恵の元にたどり着きたかった。

とうとう、抜け道のもう一方の出口に着いた。
肩で息をしながら、そっと扉を押し上げる。
そこは、望が住み暮らす宿直室の台所の床につながっているはずだった。

―――テロリストが、いるかもしれませんね…。

しかし、用心しつつ、隙間から外を覗いた望の目に入ってきたのは、
まったく、想定もしていなかった光景であった。

関内・マリア・太郎。
望のクラスのこの少女が、宿直室のちゃぶ台の前に座り、
のんびりとイヤホンを耳に、テレビを見ていたのである。
あまつさえ、ちゃぶ台の上には、湯飲みと煎餅まで置いてあった。

余りに平和な眺めに、思わず望の口から間抜けな声が漏れた。
「…関内さん?」

マリアが望を振り返った。
「ヤァ、先生。ずいぶん珍しい格好してるナ。」
にぱっと笑顔を見せる。

「あ、あ、あなたは、こんなところで、何をやってるんですか?」
「退屈だかラ、テレビ見てタ。」
「退屈って…テロリストはどうしたんですか!?」
望の声が裏返る。

「あいつらなラ、外にいるヨ。」
マリアは、当然のようにさらっと答えた。
263伝えたいことば(3) 10/15:2008/04/09(水) 22:42:38 ID:JiMV3HIk
「外にいるって…、こんなところでのんびりテレビを見て、
 見つかったらどうするんですかぁ!?」
声をひそめて逆上する望に、マリアは、こともなげに笑って見せた。
「あんな奴ラ、マリアの国のゲリラ達に比べたラ、素人ネ。
 テレビもイヤホンで見てるかラ、大丈夫だヨ。」

望は、混乱した頭を抱えた。

―――絶望した!テロリストが少女に素人扱いされる、平和ボケ日本に絶望した!

そこで、いや、絶望している場合ではない、と思いなおす。
これは、自分や智恵達にとっては喜ばしいことなのだから。

望は、マリアに向き直った。
「関内さん。今、他の皆さんはどこにいるんですか。」
「マリアが見たときハ、みんな、用具室にいたヨ。」

あ、とマリアは思い出したように、くるんと目をまわす。
「でも、さっキ、甚六が、あの階段昇ってるのが見えタ。」
窓から外の非常階段を指差した。

「甚六先生が…?」
彼も、生徒達と一緒に用具室に囚われていたのではなかったか?
―――いったい、ここで、何が起きているんだ。

マリアは、笑った。
「甚六もプロだからネ。きっト、退屈したのヨ。」
望は、マリアを見た。

そういえば、彼女は、甚六の正体を、前から感づいていたようだ。
―――いや、今は、彼の素性について云々している場合ではない。

望は頭を振ると、もう一度、マリアに確認した。
「で、智恵先生と他の生徒さん達は、用具室にいるんですね?」
「そう思うヨ。」
マリアは頷いた。
264伝えたいことば(3) 11/15:2008/04/09(水) 22:43:45 ID:JiMV3HIk
望は考えこんだ。
自分の最優先の任務は、甚六に武器を渡すことである。
しかし、甚六は1人で別行動をしているらしい。

―――危険ですが、校内を、甚六先生を探して回るしかないですね…。

一刻も早く、智恵の元に駆けつけたいのは山々であったが、
甚六に武器を渡す役目は、自分しかいないのだ。

望は、ため息をつくと、リュックを見下ろした。
これを担ぎながら歩き回るのでは、余りに動きが取れない。

顔を上げて、マリアを見た。
生徒を危険な任務に巻き込むのはためらわれたが、
彼女だったら、むしろ自分よりもうまく立ち回れるだろう。

「関内さん。」
「ン?」
「お願いがあります…。これ、持てますか?」
リュックから必要なものを取り出すと、残りをマリアに渡した。

マリアは、自分の体の半分くらいの大きさがあるリュックを、
ひょい、と片手で軽々と持ち上げて、笑顔を見せた。
「全然、へっちゃらヨ。」
「そうしたら…申し訳ないのですが、このリュックの中身を、
 智恵先生や皆さんのもとに運んでいただけますか?」
「いいヨ。」

「それから…。」
望は、マリアに、本部長からの作戦を口授した。

・生徒全員に防護マスクを配り、隠し持っておくこと。
・校舎内で銃撃戦が始まったら、体育館の周囲の見張りが手薄になるのを待つこと。
・場合によっては催涙弾・煙幕弾を使って、全員体育館から抜け出すこと。
・体育館から逃げたら、ひらけたところには出ずに、隠れて公安部隊の突入を待つこと。

口伝えながら、望は改めて、なんて大雑把な計画だ、
と思わずにはいられなかった。
265伝えたいことば(3) 12/15:2008/04/09(水) 22:44:38 ID:JiMV3HIk
「オッケー、分かったヨ。それを智恵先生に伝えればいいんだナ。」
「あ…、ちょっと待ってください。」
リュックを担いで立ち上がるマリアを、望は呼び止めた。

望は、ミリタリーパンツのポケットから、
そっと、先ほど入れた野性の花を取り出した。
花は、だいぶしおれていたが、まだ形を保っていた。

少しためらったが、望は、その花をマリアに託した。
「これを…智恵先生に渡していただけますか?」
マリアは花を受け取ると、望に向かってにやりと笑った。

「先生、ロマンチストだナ。」
そう言うと、まるでリュックの重さを感じていないかのように、
ひらりと宿直室の窓から出て行った。

―――関内さん、頼みましたよ…!



望は、手元に残った武器を、ミリタリーパンツのポケットに
分散させてしまうと、そっと宿直室の扉を開け、外をうかがった。

外には、幸い、誰もいないようだ。
一気に廊下を端まで走ると、ロッカーの影に身を潜めた。

それだけで、心臓がバクバク鳴っている。
どだい、こういうことは自分には向いていないのだ。

―――甚六先生…どこにいるんですか―――!!

望は、再び駆け出した。



* * * * * * * *


266伝えたいことば(3) 13/15:2008/04/09(水) 22:45:52 ID:JiMV3HIk
智恵は、甚六の指示したルートを通り、なんなく体育館裏に戻ってきた。

―――ホントに、誰にも会わなかったわ…。

あきれながら、甚六の言っていた用具室の壁の穴を探す。
さすが甚六で、その穴は、ダンボールや木の枝で上手くカモフラージュし、
外からは容易に分からないようになっていた。

周囲を見回し、ダンボールをどけていると、後ろから肩を叩かれた。
悲鳴を上げそうになって、思わず口を押さえる。

振り返ると、そこには大きなリュックを背負ったマリアが立っていた。
「せ、せ、関内さん…びっくりさせないでちょうだい…!」
息をつく智恵に、マリアは笑いかけた。
「ヤァ、智恵先生モ、退屈してたのカ?」

「退屈…って…。」
智恵はあきれつつ、マリアが背負っているリュックに目を止めた。
「関内さん、その荷物は?」
「糸色先生からノ、預りものだヨ。」
「え。」

―――今……、なんて、言った…?

「い…糸色先生が、学校にいるの!?」
震える声で尋ねる智恵に、マリアは頷いた。
「作戦を伝える人ネ。」

智恵は、へなへなとその場に座り込んだ。
―――援軍…あの人が…。

はっと気がついて、智恵はマリアの腕をつかんだ。
「それで!?糸色先生は、今、どこに!?」
「武器を渡すっテ、甚六を探しに行ったヨ。」

「何ですって…。」
智恵は青くなって校舎を振り返った。
校舎内には、テロリスト達がうようよしている。

望が1人で校舎内を歩き回るのは、自殺行為に思えた。
267伝えたいことば(3) 14/15:2008/04/09(水) 22:46:49 ID:JiMV3HIk
呆然としている智恵を、マリアがつついた。
「先生。糸色先生から伝言ヨ。」

智恵は顔を上げた。
マリアの口から聞いた作戦は、先ほど甚六から聞いたものとほぼ同じだった。
リュックの中を覗くと、確かに、必要なものが入っている。

智恵は、リュックを握り締めてうつむいた。

今、望は、テロリストだらけの校舎で1人、甚六を探し回っている。
そのことを考えると、心配で、胸がつぶれそうだった。
しかし、自分は、生徒を守らねばならない。
そのために、望は自分にこれを託したのだから。

―――でも…でも、望…!

再び、マリアが智恵をつついた。
智恵が顔を上げると、目の前に、しおれかかった小さな花が差し出された。

「これは…。」
目を見張る智恵に、
「糸色先生からネ。智恵先生に渡してくれっテ。」
マリアがにやりと笑って、花を、智恵の手に落とした。

「…。」
智恵は、震える両手で、そっとその花を包んだ。

どこにでも咲いている、小さな野草。
しかし、智恵はこの花が大好きだった。

それを知った望は、ときどき、この花で小さな花束を作っては、
智恵のもとに持ってきた。

―――野生の花は、野にあってこそ、きれいなのに!
―――まあ、たまには、いいじゃないですか。

素直になれずに文句を言う智恵に、望は意に介さない様子で、
いつも、楽しそうに小さな花瓶に花束を生けていた。
268伝えたいことば(3) 15/15:2008/04/09(水) 22:49:07 ID:JiMV3HIk
「…っ!」
幸せな記憶に、胸が痛くなる。
智恵は、しばらくの間、地面に手をついて唇を噛み締めていた。

「智恵先生、大丈夫カ?」
マリアの心配そうな呼びかけに、智恵は顔を上げた。
その目には、強い意志が宿っていた。

―――望…私たち、絶対に、生きて会いましょうね…!

智恵は、リュックを手にして立ち上がると、マリアを振り返った。
「関内さん…中に戻りましょう。皆に作戦を伝えないと。」



*   *   *   *   *   *   *   *



望は、自分が持つ校内の隠れ場所の知識を最大限に生かし、
学校の廊下をさまよっていた。

何度か、テロリスト達に鉢合わせしそうになったが、
そのたびに、手近なロッカーや消火栓の影に隠れてやり過ごした。

改めて、銃を担いだテロリスト達を目の当たりにして、
望は、恐怖と緊張で、眩暈がしそうだった。

―――…皆さん、きっと、怖い思いをしているのでしょうね…。

人質となっている大切な人達のことを思いながら歩き回り、
気がつくと、いつの間にかSC室の近くに来ていた。

―――自然と、足がこちらに向いてしまったんですかね…。

何故か、この廊下には、テロリストの姿が1人も見えない。
望は、少し安心して、廊下の真中をすたすたと歩き始めた。

それが、油断だった。

「!!」
ふいに後ろから伸びて来た腕が、望を羽交い絞めにすると、
望の喉元に、ぴたりと冷たいナイフが押し当てられた―――。
269430:2008/04/09(水) 22:50:07 ID:JiMV3HIk
今回は、ここまでです。

あー、悪役の余りのテンプレ通りなセリフに自分で絶望したorz
そして、今回は「エロなし」と注意書きするべきだったかも…。

あと、視点変更の区切りの* * * *が、
ときどき変なことになってて見苦しくてスイマセン。

明日またお邪魔させていただきます。
多分、あと2回で終わります…ていうか終わらせます!
270名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:00:25 ID:d94CRJjF
>>269 乙でした。智恵先生がやられそうになったときはひやっとしましたが、甚六先生がナイスタイミングで来たので、
安心しました。それにしても後2回なのですね、がんばってください。
271名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:01:30 ID:RhDRAvby
いやあぁぁぁ、本当に、引っ張り方が上手いったらもう………!!
一時は「あれ、生徒エロは無いって言ってたけど、智恵先生まさか………!?」と思いましたが。
やっぱり甚六先生カッコ良過ぎます。あとマリアも。
続き、楽しみに待ってます!!
272名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:14:30 ID:dC/fL5d1
長い文書ける人って、すごく…うらやましいです。
273名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:18:35 ID:NhZQnj/8
>269
乙!
いいねいいねワクワクするね!
このままこれ以上のエロなしでも全然おkだわこりゃw
274名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:28:28 ID:52hAWnBF
アニメ放送中よりも、終了してからの方が投下率多いね
275名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:54:21 ID:e3dIlgIL
2スレ前くらいはちょっと空気悪くてやりにくかった、あと鬼畜解禁の影響?
別に禁止されてたわけじゃないけど、こういう場所は読んだSSの影響受けて書くってとこがある。いわゆる流れか。
あんま手垢付いてなかった部分な事もあって、いろいろ出て来て素晴らしい。
276名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 00:01:48 ID:/spDOeTP
良SSが多いな

一見様も百見様も頑張って下さい
277名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:04:04 ID:edjg+NJ0
やばい全て声込みの映像で脳内再生されている…
278名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 02:41:06 ID:1F9dSGr8
>>269
GJ!
エロはあったよ
しかしここのところ加賀愛ブームだね
279名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 17:21:24 ID:UuMDn89w
今日も中央線が止まりましたね
280名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:36:54 ID:LRIzrQor
「駄目じゃないですか先生、電車を止めるのが世の中で一番重罪なんですよ。
私が助けるのが一歩遅れたらもっと酷いことになってたんですよ。」
「私は本当に死のうとしていたんです!」
281名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 21:21:59 ID:LZkJTAKb
野良鬼の先生×千里で、猫拳のえろ版みたいなのしたいんだけど、前スレの629さんのと被ります
ネタ被りは自重すべきか、原作にあったネタなんだからいいのか、判断に困ります

まあつまり……629さん、理性のタガが外れてる犬みたいな先生、ってネタパクっていいですか?
土曜までにお返事無ければ不許可ということで諦めます
282名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 21:42:17 ID:faK6wsFk
自分は629じゃないが内容自体が丸パクじゃなきゃいいんじゃないか
ネタかぶりはよくあること
283430 :2008/04/10(木) 22:10:16 ID:q0Ar6Hfe
こんばんは。
私も、ネタかぶりくらいならいいんじゃないかと思いますが…。
629さんではないですが。

今回はやや多めになりました、17レスです。
以下、注意書きです。

1)望先生と智恵先生は既に恋人同士の設定になっています。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
(原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですが、オリキャラがでてきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…ないです。
7)またしても、今回はエロがありません…す、すいませ…。
284伝えたいことば(4) 1/17:2008/04/10(木) 22:11:31 ID:q0Ar6Hfe
後ろから自分を抱え込む腕は強靭で、僅かな身動きもままならない。
ヒヤリとしたナイフの感触に、背中に冷たい汗が伝った。

―――しまった…油断、しました…。
声を出そうにも、喉に舌が張り付いてしまったかのようだった。

と、急に望を羽交い絞めにしていた腕の力が緩み、
後ろからのんびりとした声が聞こえてきた。
「糸色先生、そんなにのほほんと歩いていては、危ないですなぁ。」
望が振り向くと、そこにはにこやかに微笑む甚六の姿があった。

望は、口をぱくぽくさせて甚六を見た。
まだ、声を出すことができなかった。

甚六は、そんな望を見て、ふっと笑った。
「やはり、あなたが来ましたか…。」

「あ、あ、あの…甚六先生。」
やっと声がでるようになった望が甚六を指差した。
「あ、あな、あなたは…。」

甚六は、ふと左右に鋭い目を配ると、望の背に手をかけた。
「こんなところで立ち話もなんですな…中に入りましょう。」

保健室に足を踏み入れた望は、目の前の光景に唖然とした。
屈強なテロリストが3人、意識を失ってベッドの足に縛り付けられていたのだ。
「…いったい、何があったんです?」

望の質問に、甚六は口を開きかけ、途中で口をつぐむと、
何かを考えるように髭の男を見下ろし、そして、望を見た。
「…?」
きょとんとしている望に、甚六は、首を振ると言った。
「いや…別に、特に何があったわけでは…。」

望は何か釈然としないものを感じたが、それよりも気にかかることがある。
「それで、智恵先生は…皆は、無事なんですか?」
甚六は、今度は、力強くうなずいた。
「ええ、皆、無事です。今頃、全員、用具室にいるはずです。」
「では、先生は、なぜこんなところに…。」
285伝えたいことば(4) 2/17:2008/04/10(木) 22:12:24 ID:q0Ar6Hfe
望の質問を、甚六は遮った。
「糸色先生。あなたは、私に武器を渡すためにいらしたんでしょう。」
「あ。」
望は、慌ててミリタリーパンツから9ミリとマガジン、そして
残りの煙幕弾と催涙弾を取り出し、甚六に手渡した。

甚六は、手馴れた様子で9ミリを手の中でまわすと、安全装置を確認した。
そして、無造作にマガジンを胸のポケットに放り込む。

「良かった…。こいつらの武器は、図体が大きいばかりで、
 私には、どうも使い勝手が悪いんですわ。」
甚六は、床の上の、テロリスト達の機関銃やライフルを軽く蹴った。

望は、呆然と甚六を見ていた。
「甚六先生、あなたは…いったい、何者なんですか。」
普段の甚六とは、姿勢や顔つき、言葉遣いまで微妙に変わってしまっている。

甚六は、望の問いを聞いていないかのように、催涙弾を1つ取り出した。
「先生、防護マスクは持っていますな?」
「え?あ、はい、先生と私の分を。」
望は、腰のベルトにつるしてあった防護マスクを外した。

「それでは、今から私が言うことを良く聞いてください。」
甚六に、鋭い目で見つめられ、望は緊張した。

「さっき見たところ、奴らの主力は、玄関ロビーに溜まっとります。
 私は、外から玄関に回りますので、あなたは、
 廊下突き当りを左に曲がって、ロビーの吹き抜けの真上に出てください。」
「で、でも、途中でテロリストがいたら…。」
「このフロアには、当分、奴らは来ませんよ。」
「え…?」

いぶかる望を無視して、甚六は続けた。
「まあ、いいから、聞いてください。
 この部屋を出てからきっかり3分後。
 この催涙弾をロビーに向かって投げ込んでください。
 使い方は、分かりますかな?」
「は、はい、何とか…。」
甚六は、望に催涙弾を手渡しながら、満足そうに頷いた。
286伝えたいことば(4) 3/17:2008/04/10(木) 22:13:29 ID:q0Ar6Hfe
「その後は、あなたは、とりあえずどこかに逃げてください。
校内は銃撃戦になりますから、決してうろつかないように。」
「しかし、逃げるといっても…どこへ。」
「教室でも、どこでもいいですわ。
 どうにかして、公安の特殊部隊突入まで身を潜めていてください。
煙幕弾も1つ渡しておきますので、必要があったら使ってください。」

望は、甚六を見ると、青い顔をして頷いた。




甚六と望は、2人、保健室を出ると、ドアの前に並んだ。
甚六が腕時計を見る。
望も、ストップウォッチモードにした腕時計のボタンに手をかけた。

「それでは、今から180秒後。頼みましたぞ。」
「…はい。」
「では…3、2、1、GO!」

甚六と望は、逆の方向に向かって走り始めた。

望は、走りながら甚六を振り返ったが、すでにその姿はなかった。

―――は、速い…。

廊下の突き当りを曲がり、そこからは慎重に歩き始める。
すぐに、玄関ロビーの吹き抜けの真上まできた。

―――ホントに、誰もいなかったですね…。

望は、不思議に思いながら階下を覗き込んだが、
テロリストの若者達の姿が眼に入り、慌てて体を起こした。

と、彼らの話し声が、ロビーの吹き抜けに反響し、
階上にいる望の耳にも聞こえてきた。
287伝えたいことば(4) 4/17:2008/04/10(木) 22:14:13 ID:q0Ar6Hfe
「しっかしまあ、あの女先生、えらい色っぽかったな。」
「ホントだぜぇ、ボスは、いつもおいしいところ持って行くんだからな。」
「どうせ、最後には殺っちまうんだから、その前に、
俺らも味見をさせてもらえばよかったよな。」
「あー、お前、気付くの遅えよ。もう、今頃はホトケになってらぁ。」

下卑た笑い声があがった。
一方、階上で身を潜めていた望の顔は、蒼白になっていた。

―――な、んだ…?今の、会話は…!?

頭の中に、今聞いた話が切れ切れに蘇る。

―――女先生
―――最後には殺っちまうんだから
―――俺らも味見を
―――もう、今頃はホトケに

望は、へなへなと膝を付くと、吹き抜けの手すりを握り締めた。
―――…智恵…!!

何も考えられない状態で、ただ、手すりを握っていると、
再び階下から声が聞こえてきた。
「しっかし退屈だなあ。今何時だ?」
「あー、っと。」

その言葉に、望ははっと我に返った。
慌てて腕時計を見る。
ストップウォッチは171秒を差していた。

急いで催涙弾を取り出すと、教えられた手順どおりピンに手をかける。

―――5、4、3、2、…今だ!

望は、憎しみを込めて、催涙弾を階下の若者の頭めがけて投げつけた。

ガシュ!
鈍い音がして、若者が倒れた。
次の瞬間、催涙ガスが、ロビーに充満した。
288伝えたいことば(4) 5/17:2008/04/10(木) 22:15:07 ID:q0Ar6Hfe
「げほ、げほげほ、な、なんだ…!」
「ぐ、襲撃、か!?がはっ!」
パニックになったテロリスト達の声が聞こえてくる。


*   *   *   *   *   *   *   *


玄関脇にたどり着いた甚六は、防護マスクを素早く装着すると、
催涙弾の直撃を頭に受けて倒れた若者に目をやった。

「あの人も、意外と無茶するねぇ…。」
小さく呟くと、甚六は、9ミリを手に物陰から飛び出した。


*   *   *   *   *   *   *   *


階下で、銃撃戦が始まった音がした。
望は、立ち昇ってくる催涙ガスに、慌てて後ろに下がると防護マスクをつけた。
そこで、肩で息をしながら、先ほど聞いた会話を反芻する。

―――甚六先生は、智恵は、無事だと言っていた…。
―――でも、甚六先生は、いつ、体育館を離れたんだ?
―――その後に、「ボス」とやらが智恵を連れ出したとしたら…。

さっき保健室で倒れていた髭の男が、その「ボス」であることなど、
望は、知るよしもなかった。

膨れ上がった不安に、望は、耐え切れなくなった。

―――体育館に行けば、全てが分かる!

銃撃戦の間は身を潜めていろ、と言った甚六の忠告は、
望の頭からきれいさっぱり消えていた。

望は、身を翻すと、階下へ降りる階段に向かって走っていった。


*   *   *   *   *   *   *   *
289伝えたいことば(4) 6/17:2008/04/10(木) 22:16:07 ID:q0Ar6Hfe
用具室にいた智恵達は、遠くから聞こえてきた銃弾に、一斉に腰を浮かせた。

「はじまりましたね、先生。」
防護マスクをきっちり装着した千里が、智恵の方を振り向いた。
その手には、スコップが握られている。

千里は、智恵が用具室に帰ってきたとき、その格好を見て、
きり、と唇を噛み締めると、涙目で抱きついてきた。
それ以来、千里は戦闘モードに入っているようだ。

智恵は、緊張した顔で頷いた。
「皆、準備はいいわね。」

「…いつでも大丈夫だ。
 あのチキンなお兄様が頑張っているのに、負けてられるか。」
倫が、用具室にあった竹刀を片手に答える。
他の少女達も、皆、防護マスクをつけて、頷いた。

外からテロリスト達の怒鳴り声が聞こえる。
「何があったんだ!?」
「襲撃か!?」

用具室に足音が近づいてきた。
「うろたえるな!こちらには人質がいるんだ!!」
扉の取っ手がガチャリと動いた。
体を固くする智恵に、催涙弾を手にした晴美がニャマリと笑った。
「大丈夫、先生、まかせてくださいよ。」

テロリスト達が扉を開けた瞬間、晴美が驚異的な投擲力で
催涙弾を投げつけた。
「ぬがのぉ!」
「ぎゃっ!」
それは、素晴らしいコントロールで、先頭の若者にヒットした。
「やったね!」
催涙ガスが当たり一面に広がる。
晴美は続いて煙幕弾を投げ、穴のあいた壁をテロリストの目から隠した。
290伝えたいことば(4) 7/17:2008/04/10(木) 22:16:51 ID:q0Ar6Hfe
テロリスト達が苦しさに咳き込んでいる中、倫がすっと前に出た。
そのまま流れるような動作でテロリストの後頭部を竹刀で打ち据える。

倒れたテロリストから、真夜がすかさずナイフを奪うと、
もう1人のテロリストの尻にぷすりと突き刺した。
尻を刺されたテロリストは叫び声を上げ、悶絶しながら倒れた。

「うなぁ!」
残る1人は、千里がスコップであっという間に片付けた。

―――す、すごいわ…この子達…。
智恵は一瞬、状況を忘れて少女達を見ていたが、はっと我に返ると叫んだ。
「さあ、新手が来る前に逃げるわよ!!」

一人ひとり、用具室の壁の穴から外に出る。
智恵は、サバイバル能力に長けているマリアに先導を頼んだ。

「関内さん、お願いね。隠れる場所のあるところまで皆を連れて行って!」
「オッケー、そんなの簡単だヨ。」
マリアは、にぱっと笑って穴に消えていった。

「急いで…でも、気をつけて!」
愛、芽留、奈美、麻菜実、霧、まとい、と戦闘能力の低そうな子から
どんどん外に出していく。

カエレとあびるが穴の中に消えたとき、
煙幕の向こうから再び足音が聞こえてきた。

倫と千里が立ち上がり、真夜も両手にナイフを持って構える。
晴美が催涙弾を取り出すと叫んだ。
「さあ、もういっちょう!」

先ほどと同じ要領で新手を片付けると、真夜と晴美が穴に飛び込んだ。
倫が後に続き、千里が穴に手をかけて振り返った。
「智恵先生は!?」
「後からすぐに行くから、先に行って!」

千里は、一瞬ためらうような仕草をしたが、
「早く行きなさい!」
智恵の厳しい声に、長い髪を翻して穴に消えた。
291伝えたいことば(4) 8/17:2008/04/10(木) 22:17:44 ID:q0Ar6Hfe
千里が消えた穴を、智恵は見つめた。
自分が、一緒に行くわけにはいかない。

穴をこのままにしておいては、後から来たテロリスト達に、
少女達がどこへ消えたかすぐに分かってしまう。

智恵は、跳び箱を引きずると、穴の前に移動させた。
その横に体育マットを立てかけ、壊れた壁の痕跡を完全に隠した。

そして、自分もどこかに隠れようとしたとき、後ろに足音がした。
「―――動くな!」
振り返ると、こちらに銃口を向けた若い男が1人、立っていた。

男は、床に倒れている仲間達と、空っぽの用具室を見て
驚愕の表情を浮かべていた。

「何があったんだ…!女!他の人質はどこに逃げた!!」

智恵は、恐怖でパニックになりかけながらも
視線が壁の穴の方に向きそうになるのを必死で抑えた。

―――ここで、何とか時間稼ぎをしないと…!

そのとき、その場に不似合いな明るい声が後ろから響いた。
「やだなぁ、逃げるだなんて。これは、神隠しですよ。」



*   *   *   *   *   *   *   *



校舎の中は、混乱を極めていた。
甚六が、絶妙のタイミングで繰り出す煙幕や催涙ガス、そして銃弾に
テロリスト達は、パニックになり、とうとう、互いに銃撃を始めていた。

「馬鹿ですか、こいつらは…。」
望は呆れながら、銃弾をかいくぐって走っていた。
292伝えたいことば(4) 9/17:2008/04/10(木) 22:18:46 ID:q0Ar6Hfe
「智恵…。」
走りながら、望は、呟いた。

―――もう、今頃はホトケになってらぁ。

先ほどのテロリスト達の会話が頭から離れない。
不安が望を圧倒していた。

―――まさか…まさか、智恵…!

ふと、交から聞いた智恵からの伝言が、望の胸に蘇る。

―――愛してる、と伝えて…。

「…っ」
望は歯を食いしばった。

―――冗談じゃ、ありません。
    そんな言葉、人づてになんか聞きたくないんですよ。
    …どうして、そんなことが分からないんですか!

さっきから、流れ弾が、腕や頬を掠めていく。
そのたびに、焼け付くような痛みを感じたが、全く気にならなかった。



―――愛している、と。
もう一度、彼女の口から聞きたかった。

―――愛している、と。
もう一度、自分の口から伝えたかった。



硝煙の中、智恵の顔を思い浮かべ、望は必死に走り続けた。



*   *   *   *   *   *   *   *




293伝えたいことば(4) 10/17:2008/04/10(木) 22:19:39 ID:q0Ar6Hfe
智恵は、用具室の扉の影から現れた可符香を、呆然と見つめていた。
「風浦さん…あなた、どうして…。」

穴から出て行ったものだとばかり思っていた。

しかし、可符香は智恵の驚きを全く意に介していないように、
テロリストの男に向かって歩み寄ると、にっこりと明るく微笑んだ。

男は一瞬、毒気を抜かれたような顔をしたが、次の瞬間、
はっとしたように顎を引くと叫んだ。

「な、何を馬鹿なことを言ってやがる!
 神隠しだなんて、ふざけると承知しないぜ!」
そういって銃口を可符香に向けた。

智恵は息を飲んだが、可符香に動じた様子はない。
可符香は、相変わらずの笑顔で男に向かって指を振った。
「ふざけてなんかいません。神隠しは本当にあるんです。
 神は、どこにでもおられるのですよ!」

そう言うと、可符香は、両手を劇的に空に向かって差し伸べた。
「小さい頃は神様がいて、不思議に夢をかなえてくれたじゃありませんか!
 ほら、耳をすませば!
 目に写る全てのことはメッセージなのです!」

微妙に荒○由○とジ○リが入り混じっているような可符香の演説に、
しかし何故か、男は影響され始めているようだった。

「さあ、銃を捨て、心のカーテンを開いて、優しさに包まれましょう!」

男の銃口がだんだん下がってきている。

―――他の子もすごかったけど…この子は、格が違うわ…。

以前、望から聞いていた、可符香の人の心の隙間につけこむ能力に
智恵はただ唖然とするしかなかった。
294伝えたいことば(4) 11/17:2008/04/10(木) 22:20:15 ID:q0Ar6Hfe
「そうすれば、きっと…」

そのとき。

ドゴォ!!!

外で大きな爆音がはじけ、体育館が揺れた。
それに、激しい銃撃の音が続く。

どうやら、公安の特殊部隊が突入を始めたらしい。

その衝撃に。
ぼんやりとしていたテロリストの目が、正気に戻った。


* * * * * * * *


校内にいた甚六は、その爆音に、舌打ちをした。
「馬鹿、山田!!まだ早い…っ!」

甚六は、廊下の影から現れたテロリストの肩に銃弾を撃ち込みながら、
倒したテロリストの数を頭で反芻した。

―――まだ、相当数の敵が残っているはずだ。
彼女達が、自力でそうたくさんの人数を倒せるはずもなし…。

「この突入で、奴らが、自暴自棄になる前に…。」

―――急がねば…!!

甚六は、9ミリに新しいマガジンを装填すると、
前方の慌てふためくテロリスト達の人影に向かって突進した。


* * * * * * * *


295伝えたいことば(4) 12/17:2008/04/10(木) 22:26:26 ID:q0Ar6Hfe
やっと校舎の裏口にたどり着いた望は、爆音に頭を上げた。
「公安が、もう…!?」

爆音は、玄関の方から聞こえてきた。
慌てたテロリスト達がこちらに流れてきたらどうするのか。

校舎の中では、いまだ銃撃の音が聞こえている。

―――このタイミングで…人質は、大丈夫なんですか!?

もう、体育館は目と鼻の先にあった。
望は、肩で息をしながら、体育館に目をやった。

校舎内の喧騒とは裏腹に、体育館は妙に静まり返っていた。
それを見て、望の不安は膨らんだ。

―――智恵…!

望は、校舎を飛び出すと、体育館に向かって一気に走った。


* * * * * * * *


「こいつ…人をおちょくりやがって。」
正気に戻った男の銃口が、可符香の胸に押し付けられた。
さすがに、可符香の顔色が変わる。

男の指が引き金にかかった。

「!!」
智恵は、とっさに男に体当たりした。
「うゎっ!」
全く予想していなかったのか、男は、用具室まで吹っ飛ばされた。

「智恵先生!!」
可符香が驚いたように智恵を振り返る。

智恵は必死に外から用具室の扉を閉めると、体で扉を押さえた。
296伝えたいことば(4) 13/17:2008/04/10(木) 22:27:31 ID:q0Ar6Hfe
「何しやがる!このアマ!開けろ!!」

男が、中からバンバンと扉を叩いた。
そのたびに、扉がぐらぐらと揺れる。
力負けして、扉が打ち破られるのは時間の問題だった。

「先生、私も…!」
駆け寄ってきた可符香を、智恵は、キッと睨んだ。
「ここはいいから!風浦さん!早く逃げなさい!」
「でも、智恵先生!」
可符香が懇願するような目で智恵を見る。

「無駄死には駄目!!行きなさい!」
どうせ、2人で押さえても長くは持ちこたえられない。
智恵は、必死の思いで可符香を見た。

「―――分かりました。」
可符香が、ふいに表情を改めると頷いた。
その目が、きらりと光る。

「絶対に味方を連れてくるから!それまで、持ちこたえて、先生!」
そう叫ぶと、可符香は、体育館の入口から姿を消した。

ホッと可符香の後ろ姿を見送った瞬間。

バン!

扉が中から開き、智恵は吹き飛ばされた。

「このアマ…舐めたマネしてくれやがって…。」
怒りに目を血走らせた男が、銃を構えて智恵の前に立ちはだかった。



*   *   *   *   *   *   *   *


297伝えたいことば(4) 14/17:2008/04/10(木) 22:29:08 ID:q0Ar6Hfe
望は、体育館の前で、見慣れた髪留めの少女を見つけ、驚いた。
「風浦さん!」

可符香は、弾かれたように振り向いた。
そして、望の姿を認めると必死の形相で駆け寄ってきた。

望は、そんな表情の可符香を見るのは初めてだった。

「先生!!智恵先生が―――!!」
可符香が望にしがみついて体育館を指差す。
「智恵先生が、殺されちゃう!!」

「―――!!」
望は、目を見張った。

―――…智恵……生きてた―――!!

安堵と歓喜に胸が満たされた、次の瞬間、
彼女が、たった今、死の危険にさらされている、
という恐怖が再び望をわしづかみにした。

「…っ!」
望は、可符香を振り切るようにして、体育館の入口に向かった。



*   *   *   *   *   *   *   *



智恵は、体育館の床に座り込み、目の前の銃口を見つめていた。

やるべきことをやった今、不思議と、
さっきまで感じていた恐怖は、跡形もなく消え去っていた。

ただ、今この瞬間、自分の命が消えようとしている事実を
静かな気持ちで受け止めていた。
298伝えたいことば(4) 15/17:2008/04/10(木) 22:29:58 ID:q0Ar6Hfe
男は、智恵に狙いを定めると、引き金に置いた指に力を込めた。
「ぶっ殺してやる…。」

智恵は目をつぶった。

―――さよなら…望…。
もう一度だけ、あなたに会いたかった…。

そのとき。
背後から、まさに、今、一番聞きたいと思っていた人の声が響いた。

「―――智恵!!!」

―――まさか。

自分の願望が作り出した幻聴かと思い、智恵は、半信半疑で振り向いた。
智恵の目が大きく見開かれる。

体育館の入口に、息を切らした望が立っていた。

「望…!!」

テロリストの男が、はっとしたように銃口を望に向けた。

智恵が、絶叫した。
「だめ、望!」

タ―――ン!

乾いた銃声が、体育館の天井にこだました。



*   *   *   *   *   *   *   *


299伝えたいことば(4) 16/17:2008/04/10(木) 22:30:54 ID:q0Ar6Hfe
作戦本部のテント内で、命がはっと顔を上げた。

「どうした?」
景が命の様子に気がついて声をかける。
命は、考え込むように片手を口に当てると、無言で立ち上がった。

「おい、命。」
「…いや、別に…何でもない。」
命は首を振ると、テントの帳を開けて外に出て行った。

作戦本部は学校を見渡せる高台に設置されている。
そこから見える校舎からは、公安の突入によるものか、煙が上がっていた。

命は、それを見ながら両手の拳を強く握り締めた。
景はテントの入口に立って、しばらく黙って命を見ていたが
やがて、静かに命に歩み寄った。

景が隣に立っても、命は、強張った表情で校舎を見たまま、
景の方を見ようとしない。

景は、ちらりと校舎を見ると、命の背中を叩いた。
「公安が突入したってことは、終わりが近いってことだ。」
「…。」
命は、ゆっくりと校舎から目を離し、景を見上げた。
しかし、その瞳には、どこか動揺したような色が見える。

景は、命の表情を見て一瞬眉をひそめたが、
おどけた顔で笑って見せた。
「何を情けない顔をしている。じきに望も倫も帰ってくるさ。」

「そうだね…。」
景の言葉に、命は笑おうとしたようであったが、
唇の端を、不恰好に引き攣らせただけに終わった。

「…っ。」
命は、何かを払いのけるように、目を閉じて頭を振ると、
「……そう……帰って、くる……きっと。」
独り言のようにそう呟いて、踵を返した。
300伝えたいことば(4) 17/17:2008/04/10(木) 22:31:40 ID:q0Ar6Hfe
景は命を振り向いた。
「おい命、どこへ行くんだ?」
「…あいつが帰ってきたら、きっと怪我をしてるだろうから…。
治療の、準備を、しておかないと…。」
命の声は段々小さくなり、最後の方は風に流され消えていった。

「おお、だったら、私の秘伝の薬も用意して置けよ!」
景は明るい声で呼びかけたが、命は返事をしなかった。

景は、とぼとぼとテントに戻っていく命を見て、小さく息を吐いた。

望が抜け穴の隠し扉の中に消えてから、命はずっと、
何かに憑かれたように、黙々と治療器具をいじっていた。
とうに、治療の準備は完璧なはずだった。

―――命の奴は、昔から心配性だったからな…。
    まぁ、何かやっていた方が気が紛れるだろう…。

景は、命から目を離し、校舎を振り返った。
背後からの強い風に、景の長い髪が乱れる。

景は、目にかかる髪を乱暴に振り払うと、
望の姿を見透かそうとでもするように、
煙を上げている校舎に向かって、強い視線を向けた。

―――望。必ず、無事で、倫を連れて帰って来いよ…!

風に吹かれながら、景は、いつまでも校舎を睨みつけていた。



*   *   *   *   *   *   *   *


301430:2008/04/10(木) 22:33:40 ID:q0Ar6Hfe
今日はここまでです。
け、けっこう17レス一気投下は疲れました、ゼェゼェ。

やっとバトル(?)に入れてました。
しかし、私の書く命先生は、どうも過保護過ぎ・弱過ぎです。
鬼畜命先生の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいです。

次でとりあえず完結です。
明日は職場の飲み会なので少し遅くなるかもしれませんが、
日付が変わる前には投下しに来たいと思います。
302名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 22:35:58 ID:/spDOeTP
うがぁぁぁぁぁ
生殺しかぁぁぁぁぁ



流石です
続き待ってます
303名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:08:28 ID:nGXXNDTT
>301
うおー続きが気になる!!
エロパロスレでこんな上質なエンターテイメント見られると思ってなかった
今日の『ミニミニ大作戦』よりハラハラするぜ!
304名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:25:34 ID:1F9dSGr8
SSの豊作だな
しかもどれも品質がいい
305名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:11:24 ID:/4cVYBCL
久藤×真夜のエロなし投下します。
空気読めなくてごめんなさい。
306名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:11:50 ID:/4cVYBCL
放課後―――
僕は、ついさっき図書室で借りてきた本を読みながら廊下を歩いていた。

「た、助けてぇぇぇ!!」
おや?糸色先生の悲鳴が聞こえる。
またクラスの女子の誰かに追い掛け回されているのだろうか。
顔を上げると、先生が宿直室から出てきて、大慌てで走り去っていった。
その後ろを常月さんが追いかけていくのはいつものことで…。

僕は、宿直室の前で足を止め、中を覗いてみる。
部屋の真ん中で、バットを持った少女が立ちすくんでいた。
少し落ち込んでいるようで、小さなため息が聞こえてくる。

「三珠さん」
「!?」
声を掛けると、三珠さんは体をビクッとさせて、ゆっくりとこちらを振り向いた。
「何かあったの?今、先生が悲鳴を上げてここから出ていくのを見たんだけど」
「………」
聞いてみたものの、部屋の様子を見れば何があったのか大体察しが付く。
部屋は荒らされ、家具などが所々壊れている。
証拠過多と言ってしまえばそれまでだが、三珠さんが手に持っているバットで暴れたのは明らかである。

返事が返ってこないので、僕は三珠さんの方に歩み寄ってみる。
「これ、三珠さんがやったんだよね?」
三珠さんは何も言わずに、近づいてくる僕を見つめている。
「どうしてこんな事したの?」
「………」
「…もしかして、先生が好きだから…、かな?」
「―――っ!?」
307名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:12:23 ID:/4cVYBCL
三珠さんは顔を赤くして下を向いた。
やっぱり図星だったんだ…。
まぁ、以前から三珠さんも先生に気があるんじゃないかって思ってたけど。

「…そっか。でも、こんな事してたら先生に避けられちゃうよ?」
「………」
「そうだな、こんな話知ってる?―――むかし、ある国に、好きな人にどうしてもいじわるしてしまう一人の少女がいました。その少女は―――」

−中略−

「―――そして、愛する人を亡くしてしまった少女は、彼の後を追うように海に身を投げ、死んでしまいました…。おしまい」

三珠さんは、僕の話す物語を真剣に聞いてくれてたようだけど、
僕が話し終えると、彼女はかなり深刻そうな顔をして俯いていた。
実は即興で作った物語だったんだけど、ちょっとやりすぎたかな?

「ごめんね。所詮作り話だから、あまり気にしないでね」
そう言うと、三珠さんは困ったような顔をして僕を見つめてきた。
彼女の目が、「どうすればいいの?」と訴えている。

僕は、上のほうに顔を向けて、考えるように「うーん」と唸った。
308名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:13:47 ID:/4cVYBCL
「んー…、三珠さんは、先生が好きだからいじわるしちゃうんだよね?」
三珠さんはコクリと頷いた。
「でも、それじゃあ先生は三珠さんが自分のことを好きだってことが分からないし、もしかしたら自分のことが嫌いなのかと思ってしまうかもしれない」
「………」
「だったら、先生にいつもと違った接し方をしてみればいいんじゃないかな?先生って案外単純なところがあるから、優しく接してあげればきっと三珠さんのことが気になると思うんだ」
「………!」
三珠さんは、なるほど、といった感じで目を輝かせている。

「どうかな?まあ、僕の言うことなんて当てにならないかもしれないけどね…」
そう言うと、三珠さんは首を横に振り、ニッコリと微笑んだ。
「いえいえ、どういたしまし―――っ!?」

突然、腹に鈍い痛みが走る。
三珠さんの拳が僕の腹部に当てられている。
これは、証拠過多というよりただの現行犯だ。

―――いや、何故僕が殴られなきゃいけないんだ?何か彼女の癇に障ることでも言っちゃったのかな?
三珠さんは、腹を抱えてへたり込む僕を見下ろして、ニヤリと笑みを浮かべた後、宿直室から走り去ってしまった。

―――きっと、これが彼女にとっての「ありがとう」だったんだな…。
僕は蹲りながら、苦笑して近くに落ちている三珠さんのバットを見つめた。



先生と結ばれるといいね。
そうなれば、あの人が先生をあきらめるかもしれない。
そうなれば、あの人は僕と結ばれるかもしれない。

…結ばれるといいな。
309名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:16:22 ID:/4cVYBCL
終わりです。エロなしでごめんなさい。
真夜のSSを書きたくなっただけです。
一応続きっぽいのも書いたのですが、不評なら投下は自重します。
310名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:18:48 ID:/4cVYBCL
改行忘れたorz
ほんとにごめんなさい…
311名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:43:50 ID:BqZUdEyg
真夜ちゃんかわいい!
GJです!!!
312名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 02:12:46 ID:7UCS/rtu
>>283
あああおもしろすぎる
さっきの千里とマ太郎の中の人が出てた
アニメより何百倍も
全裸でお待ちします
>>305
真夜ちゃんマジ可愛いGJ
シンプルで読みやすいですぜひ続きを
313名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 09:04:45 ID:VGNBVNSb
まさかのウツ展開とか…ないよね?この人前にも死にネタ書いてたから心配
314名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 11:32:15 ID:hOC7UWy/
>>313
誤爆?
315名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 15:43:22 ID:TKrqmA8N
>313
ウソ展開に見えた
316名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 16:38:32 ID:l5wCAJwr
俺はウシ展開に見えたぞ
317名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 17:22:03 ID:WCeu7Oop
アッー展開かも
318名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:21:43 ID:l3kpQOzO
GJ!
続きを激しく希望
319名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:31:43 ID:l3kpQOzO
誰も居ない…
望霧するなら今のうち…
320名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:32:42 ID:l3kpQOzO
それは当たり前と呼べる事。
日常の習慣だ。
朝、起きれば豪勢な朝食がある。
二人で食卓を囲むのも、何ら違和感を感じない。
宿直室を出る時には丁寧に畳まれたハンカチを渡される。
そして、一言。

「行ってきますね」

その一言を掛ける相手が居る。
独り暮らしの時には有り得ない返事。

「行ってらっしゃい、先生」

夕方、仕事を終えて帰れば食欲をそそる夕飯が用意されている。

「ただいま」
「おかえりなさい、先生」

再び、二人で食卓を囲む。
欠片も違和感が無い。
それが日常。
普通の日々なのだ。
だからこそ、それが崩れる時。
人間の精神は異常なまでに容易く狂う。

それは当たり前と呼べる事。
321名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:34:55 ID:l3kpQOzO
――――日常の変化、初日。
窓から差す光で目を覚ます男 糸色 望。
起き抜けで働かない頭だが、何らかの違和感を感じる。

(…小森さん?)

何時も自分より先に起きて食事の準備をしていてくれた女生徒が居ないのだ。
異常に広く見えてしまう宿直室。

(どちらに行かれたんでしょうね…?)

少女が居ないのならば、仕方がない。
望は二人分の朝食を準備し霧の帰りを待った。
だが、時計の長い針が一周の1/4程動いても宿直室の扉は動くことなく、終には予
鈴が鳴っても少女は姿を見せなかった。

―――――日常の変化、二日目。
昨日の朝から姿を消している霧は、今朝も居ない。

(やはり、今日も居ませんね…)

昨日に引き続いて二人分の朝食を準備するが、食卓は独りで囲む。
少し皺になっているハンカチを手に取り望は宿直室を後にした。

「…行ってきますね」

誰も居ない部屋の中へポツリと呟いた。

―――――日常の変化、三日目。
寝不足のまま、望は身を起こした。
昨日は放課後からすぐに、学校中の篭れそうな場所を探し歩いたのだ。
宿直室に帰り、床に着いたのは午前2時だった。
しかし、結果として何処にも霧は居なかった。

(…小森さん、家に帰られたのでしょうか?)

ふと、そんな考えが浮かび上がる。
思い付いたと同時に、望は放課後に家を訪ねようと決意した。
霧がそうしていた様に、今日も望は二人分の朝食を準備する。
少しずつ散らかっていく宿直室を尻目に、望は部屋を出た。

「………行ってきますね」

呟いた直後に乾いた風が胸を吹き抜けた。

――――日常の変化、四日目。
目に見えて望はやつれていった。
霧は家には居なかった。
それどころか小森家は誰も居ない状況を作り上げていた。

(何処に…?)

言いようの無い不安が眠りに付くまで胸を支配する。
もはや自決する余力も勇気も無くなった。クラスの絶望少女達が自らの事を心配
したが、何でもないと告げる。
322名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:36:43 ID:l3kpQOzO
―――――日常の変化、五日目。
朝、起きる。出勤の準備を始める。
のそのそとした緩慢な動作を続ける中で、望は冷静に自分を見つめる思考がある
事に気付いた。

(一体、私は何をしているのでしょうか…?)

只独りの少女に振り回され、依存している。
その自覚はあった。
彼女が居てくれる事は確かに有り難い事ではある。
感謝している。
だが、其処までだ。
そう、感謝していたが居ても居なくても良いはずだった。
空気では無かったはず。

(そうだ、…なのに)

こんなにも胸が痛く、不安定に揺れている。

(彼女は、私が担当している生徒に過ぎない…!)

今からは考えない。
区切りを付けて思考を止める。
そうすればまた、非日常が始まる。

―――――日常の変化、六日目。
もはや限界だった。
何もする気がしない。
まるで屍の様に漂う姿は、人間のものではないかの様だ。
大きく自習と書きなぐった黒板を見つめる生徒達。
そんな事には気も止めずに望は教室を後にした。
宿直室に向かう。
霧が帰っている事を期待しながら。
少女の存在がとても大きい事に、望は未だ気付いていない。
気付いてないふりを続けていたかった。
323名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:38:50 ID:l3kpQOzO
―――――日常の変化、七日目。
崩れに崩れきった望の生活は今日を持って大きく変わる。
崩れた時とも、崩れる前とも違う生活へと変貌するのだ。
如何に変化したかを今回は記述する。

月曜から始まった憂鬱な一週間も今日で最後になる。
望は用事が無いのを良いことに朝から酒に溺れていた。
一升瓶を片手に食卓に突っ伏している。

「…うぃー、ヒック!」

ハッキリと言って下戸である望は、二杯も煽った頃には出来上がっていた。
酔いで抑制の切れた脳で考える。

(…私は、小森さんを必要としている)

教え子への秘めるべき想いは確信へと変わっていた。

(なのに彼女が居るのを当たり前の様に…!)

認める事を避けていた意識は、認識すると同時に責め句となる。
自らへの。

(もっと、気に掛けていれば…。 彼女の事を考えていれば…)

過ぎた時は還らない。
その意味を痛感した望は、霧の居場所に疑問を抱きながら夢の中へ堕ちていった


(………)

起きたのは夕暮れだった。
連日に渡る疲れが、望を夢に引き込んでいた。

(…毛布?)

寝る前には羽織っていなかった毛布が、肩から落ちて畳に付く。
パサリと乾いた音が。

「あっ。…先生、起きた?」
324名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:39:22 ID:l3kpQOzO
懐かしい声がする。
台所があるであろう宿直室の一角に顔を向ければ、DSを持つ少女が。

「こんなところで寝てたら風邪ひくよ。今、布団敷くから…」

長い髪をゆらゆら揺らしながら霧は隣の部屋へと姿を消そうとする。
未だ覚醒しない意識はボンヤリと少女の姿を捉えている。

「小森、さん…?」

呂律の回らない舌で呟く望。
あまりに小さすぎる声は霧に届かず、そのまま歩を進める。
望はヨロヨロと立ち上がり、フラフラと後を追う。

「…よいしょ、と」

宣言通りに布団を敷いている霧の後ろ姿に我慢が効かない。
後ろから腕を回して霧の体を引き寄せる。

「わっ!?…ど、どうしたの、先生?」

細い肩を、いや、体全体を包む様に抱き締める。
驚いて振り返る顔の頬を片手で固定する。
325名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:50:45 ID:WCeu7Oop
支援
326名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 21:31:31 ID:l3kpQOzO
小さい、顎も頬もすごく小さい。
掌に感じるつやつやした肌。
望はゆっくりと顔を近づけていき、目を閉じる。
無理矢理に横を向かせて強引に口付ける。
しっとりと濡れた皮膚と、その内側の柔らかい粘膜。
口付けて触れ合った唇から鼓動のとくん、とくんという振動が伝わり合う。
突然の行為に驚いている霧だが望は御構い無し。
好き勝手に口内を犯していく。
少しずつ眼が蕩けていく霧。

「ふぁ、せんせぇ…」

漸くして口を離すと、霧はその身を望に任す。
しっかりと抱き留めて、望は再び口付ける。

「…んくっ」

どう表現したらいいのか。
そんなような喘ぎ声が望の耳を、肌を震わせる。
繋がった唇から骨が痒くなるような甘い響きが広がっていく。
顔の皮膚に霧の鼻息が吹き付けられる。
霧を抱きとめ、かすかに感じた匂い。
いや薫りと言った方が的確か。
とにかく、霧の身体の匂いだ。
呼気の中に含まれているそれは、ほんの一呼吸嗅いだだけで望の胸を熱く痛くさせる。
そして体温。
冷たい印象を与えるその肌が実は温かい、ということを望は知った。
二人がゆっくりと口を離す。
顔面に感じていた霧の体温と匂いが消え失せる。
望はそれに喪失感を覚えてしまう。
自分の身体の一部だったものがなくなってしまうかのような感覚だ。
キスしてたのはほんの僅かな時間だったのに。
目を開けると、 霧は頬を赤く染めている。
どことなくうっとりとした表情で。
突然の行為を受け入れてくれた。

「小森さん…」

その後は済し崩しに行われた。
敷きかけの布団の上に身を横たえる二人。
覆いかぶさり霧の身の上で指を躍らせる。
何度も少女の中に入り、出る。
まるで機械のように繰り返される作業に体が火照る。
327名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 21:57:47 ID:l3kpQOzO
すいません…
ちょい休憩です
続きは、明日にでも
328名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:28:35 ID:R4yu/3HT
かっこいい甚六先生の人早く来ないかな
329名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:36:33 ID:PvRPdRuu
>327
ぬお…生殺しはイヤン
続き期待してるよ
330名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:47:45 ID:8Zex5ZDg
>>327
全裸待機してるからな!期待してるぜ!
331430:2008/04/11(金) 23:55:07 ID:yIYEO3fJ
ここここんばんは、とりあえず、まだ日付が変わってないですよね…?

>>309
真夜が可愛すぎる…!
そして久藤君の言う「あの人」が誰なのか激しく気になります。
是非是非、続き希望!

>>327
霧が姿を消していた理由が知りたい!
続きを楽しみにしております…。

さて、今回で最後、またしてもやや多めの17レスです。
以下、注意書きです。最後ゆえにちょっと減った。

1)望先生と智恵先生は既に恋人同士の設定になっています。
2)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています。
3)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
4)ちょい役でおっさんですが、オリキャラがでてきます。
5)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…ないです。

それでは、あと1回だけ、お付き合い下さい。
332伝えたいことば(5) 1/17:2008/04/11(金) 23:56:24 ID:yIYEO3fJ
智恵は、急に、世界がスローモーションで動いているような気がした。

体育館の入口に手をかけ、立っている望。
望の口が、自分の名前を形作って動く。

振り向き、望に銃口を向けるテロリストの男。
そして、その指が、引き金にかかり…


銃声。


智恵の目の前で。

―――テロリストの男が、ゆっくりと前のめりに倒れていった。

「!?」
智恵は、頭を巡らせた。

体育館の入口、望の隣に、9ミリを構えた甚六が立っていた。

「……制圧、完了。」
甚六は呟くと、銃口から上がった煙をふっと吹いた。


*   *   *   *   *   *   *   *


望は、驚いた顔で隣に立つ甚六を見ていた。
いったい、今、何が起きたのかよく分からなかった。

甚六は、望の視線に気付いたように顔を上げると、
にこりと笑って智恵の方に顎をしゃくった。
「よろしいんですか、糸色先生?」

望は、はっとすると、智恵を振り返った。

智恵と望の目が合う。
「「―――!!」」

2人は、同時に走り出していた。
333伝えたいことば(5) 2/17:2008/04/11(金) 23:57:25 ID:yIYEO3fJ
「智恵!!!」
「望!!!」

2人は、互いをしっかりと抱きしめあった。

ほんの数時間、離れていただけなのに、
その数時間のどんなに長かったことか。

望は、智恵の顔を両手で挟み込むと、思い切り口付けた。
智恵も、それに熱烈に答える。

お互い、傷だらけでボロボロだった。
でも、そんなことは全く気にならなかった。
遠くから聞こえてくる歓声も、ただよう硝煙も、周りに倒れている男達も、
何もかも気にならなかった。

感じるのは、互いの鼓動だけ。
2人は、戦いの痕跡が散乱する体育館の中で、
生きている喜びを体中で感じながら、夢中で舌を絡めあった。


*   *   *   *   *   *   *   *


甚六は、銃の安全装置をかけてポケットにしまうと、
腕を組んで体育館の入口に寄りかかり、2人を眺めながら呟いた。
「いやはや…糸色先生も、隅に置けないですなぁ…。」

「まったく、ホントですよねぇ。」
そこに、ひょい、と髪留めをつけた少女が顔を出した。

「うぉ…っ!風浦さんか!?」
甚六は、20人のテロリストを倒した男とも思えないくらいに
驚き、のけぞった。

可符香は、甚六を見ると、にっこりと嬉しそうに微笑んだ。


*   *   *   *   *   *   *   *


334伝えたいことば(5) 3/17:2008/04/11(金) 23:58:17 ID:yIYEO3fJ
到着した特殊部隊は、担架を持ってきたが望は首を振った。
「大丈夫、歩けます…それより、私の生徒達は…?」
気遣わしげに尋ねる。

特殊部隊の隊員は、賞賛の目で望と智恵を見た。
「全員、無事保護いたしました…お見事です。」

望と智恵は、目を輝かせて顔を見合わせた。



望と智恵、そして甚六は、特殊部隊の隊員たちに伴われ、
本部に向かって校庭を歩き始めた。

可符香は、見た目は怪我はなさそうであったが、念のため、
他の生徒達と同様、救急隊員が待機しているテントに連れて行かれた。

正門近くまできて、望は、そこに立っている2つの人影に気がついた。
「景兄さん…命兄さん…。」
「望!!」
2人は、望達のもとに駆け寄った。

「望…!良くやった…良くやったぞ!!!」
景が嬉しそうに笑いながら、望の肩をばんばんと叩いた。
「いててて、景兄さん、あちこち傷だらけなんですから、
 余り手荒にしないで下さいよ。」
望も、笑いながら答えた。

そして、望は、先ほどから黙って突っ立っている命に笑いかけた。
「命兄さん。生きて戻ってきましたよ。約束どおり、治療お願いします。」

命は、はっとしたように目を瞬くと、慌てたように声を詰まらせた。
「ば、ばか、やろ…!お前の治療なんか、一番最後だ!」
そう言うと、命は智恵に近寄ったが、ふとその格好に気が付いたように、
白衣を脱いで、それを智恵の肩にかけた。

智恵は、感謝の目で命を見上げた。
望も、命に小さく頭を下げた。

ふい、と顔を背けた命の目は、少し赤いようだった。
335伝えたいことば(5) 4/17:2008/04/11(金) 23:59:26 ID:yIYEO3fJ
「甚六!!久しぶりだな!!
 さすがは般若の甚六だ、良くやってくれた!!!」
本部長が、満面の笑みで、甚六に歩み寄った。

甚六は、すっと目を細めて本部長を見返した。
「山田。お前、なぜ突入の時間を早めた。…功を焦ったか。」
本部長は、甚六の鋭い目に怯んだように後ずさった。

そして、不自然に明るい声を上げると、
「いやー、ここでは積もる話もできないな。テントの方に行くか。」
皆の目を避けるように、甚六をテントに引っ張って行った。

2人の後姿を見ていた景は、望を振り返った。
「…ホントに、あの先生、凄腕だったのか?」

望と智恵は顔を見合わせ、同時に頷いた。
「凄かった…何者なんでしょうね、甚六先生って…。」
望は呟いた。

そのとき。
「先生!!」
声がして振り返ると、人質になっていた2年へ組の女生徒達が
駆け寄ってくるのが見えた。

「智恵先生、無事だったんですね!良かった!!」
千里が半泣きになりながら、智恵に飛びついた。
「先生…助けてくださって、ありがとうございます!!」
まといが、定位置から望に張り付く。

望と智恵は、あっという間に生徒達にもみくちゃにされた。

倫は、景と命に近寄ると、深々と頭を下げた。
「ご心配をおかけしました…お兄様方。」
景と命は、嬉しそうに倫を抱きしめた。

「叔父さん!倫!」
そこに、時田に手を引かれた交もやってくる。

「やれやれ、治療はまだだいぶ先になりそうだな…。」
命は、その光景を見て頭をかいた。

336名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:59:52 ID:vBfM4nry
詰まらん
337伝えたいことば(5) 5/17:2008/04/12(土) 00:00:13 ID:yIYEO3fJ
その日の夜。

望は智恵と2人、ホテルのスイートで一息ついていた。
これは、景の計らいであった。

生徒達にもみくちゃにされた後は、延々と事情聴取が待っていた。

疲れ切っていた2人であったが、
事件現場である宿直室には帰れるわけもなかったし、
この格好で、智恵のマンションに直行するのも近所の手前、憚られた。

そこで、景が気を回してホテルを取ってくれたのである。
「着替えとか、必要なものは後で届けさせるから、
 とりあえずは、ゆっくり休め。」
景は望にそう言い残すと、部屋を出て行った。

望と智恵は、ぐったりとソファに腰を落ち着けた。

2人とも、命の手により一応の手当は終わってはいたものの、
現場から引き上げたままのボロボロの格好だった。

智恵は、まだ、命の白衣を羽織っていた。

望は、白衣の下の、ボタンの引きちぎられたブラウス、
ブラをつけていない胸元に目をやった。

さっきから、気になっていたことであった。
テロリスト達の下品な会話が蘇る。

望は、言いにくそうに口ごもった。
「智恵…。」
智恵が目を上げる。
「…その…あなたは…。」

望は、口を閉ざした。
そして、首を振ると、いきなり智恵を抱きしめた。
「…すいませんでした…!怖かったでしょう…!」
338伝えたいことば(5) 6/17:2008/04/12(土) 00:01:34 ID:J+yrz4H7
*   *   *   *   *   *   *   *


智恵は、望の腕の中で、息を飲んだ。

先ほど、現場で抱き合ったときは、無我夢中で、
お互いが生きていることを実感するだけで精一杯だった。

その後は、生徒達にもみくちゃにされ、
また、疲れた中で延々と続く事情聴取のため、
事件をゆっくり振り返る余裕もなかった。

今、こうやって、安全な場所で望の腕に抱かれ、
初めて、智恵の中に、人質でいたときの恐怖がまざまざと蘇ってきた。

智恵の目から、涙が溢れた。
「う…っ、ふぅ…うわあぁぁぁ!」
声を上げて泣きじゃくる智恵を、望はしっかりと抱きしめ、
その頭のてっぺんに、何度も優しく口付けた。



「……。」
しばらくすると、智恵は泣き止んだ。

目を腫らして、照れくさそうに望を見上げる。
「ごめんなさい…こんな、子供みたいに…。」

望は首を振った。
「いいんです…いくらでも、たくさん泣いてください…。」
そういいながら、智恵のはれぼったい瞼に口付けた。

望の唇は、そのまま、瞼から鼻、頬へと移っていき、
最後に、智恵の唇にたどり着いた。

さっきの現場での情熱的な口付けとは違う、
優しく、労わるような口付け。

智恵は、体のこわばりが、だんだんとほぐれていくのを感じた。
339伝えたいことば(5) 7/17:2008/04/12(土) 00:02:40 ID:yIYEO3fJ
「シャワーを浴びましょう…。」
望が、智恵を抱きしめたまま囁いた。
「事件の跡を全て洗い流して…あなたと、愛し合いたいんです。」


さすがにスイートだけあって、バスルームも広く、
2人でシャワーを浴びるだけのスペースは充分ありそうだった。

服を脱いだ2人は、見事に満身創痍の状態だった。
「これは、慎重に洗わないと、かなり痛いことになりそうですね。」
望は、そう言いながらシャワーのコックを捻った。

シャワーから温かい湯がほとばしる。
「…痛っ。」
2人同時に声が出て、思わず、お互い顔を見合わせて笑い出した。

智恵が丹念に頭を洗っているうちに、
望はさっさと全てを洗い終えてしまったらしい。
ボディーシャンプーを手に取ると泡立て始めた。

「痛かったら、言ってくださいね…。」
そう言うと、望は、慎重に傷を避けながら、
泡だらけの両手で、智恵の体をなぞり始めた。

温かい湯気が智恵を包み、望の手が優しく肌の上を滑る。
智恵は、気持ちのよさにうっとりと目を閉じた。

望の手は、あくまでも優しかった。
ゆっくりと、慈しむように智恵に触れていく。

つ、と望の手が回され、
智恵は、背後から望に抱きしめられるような形になった。
「ん…。」
望の手が智恵の胸を柔らかくつかみ、智恵は、吐息を漏らした。

抱きしめられた背中から、望の欲望がはっきりと伝わる。
望が、智恵の肩に口をつけた。
「そろそろ泡を流して…ベッドに行きましょう。」
智恵は、無言で頷いた。
340伝えたいことば(5) 8/17:2008/04/12(土) 00:03:43 ID:yIYEO3fJ
*   *   *   *   *   *   *   *


バスルームから出ると、望は、ベッドにそっと智恵を横たえた。

欲望はすでに抑えられないほどに膨らんでいたが、
智恵が経験したであろう辛い出来事を思うと、
いつものように欲望のまま突き進むのはためらわれた。

望は、智恵の額に口付けると、智恵の顔を正面から見つめた。
智恵も、じっと望を見つめている。

「智恵…、あなたを、愛してます…。」

不安を抱えて走っている間、ずっと、伝えたかった言葉。
望は、今、智恵の目を見ながら、やっとその言葉を口にした。

智恵の目が大きく見開かれ、その目から涙が一粒流れた。
望は、唇を寄せると、そっとその涙を吸い取った。

望は、痣だらけ、傷だらけの智恵の肌の上を、
細心の注意を払いながら、唇を這わせていった。

智恵の胸まで来たとき、望はふと動きを止めた。

いつもだったら、その胸に顔を埋めるところだが、
今、智恵の胸の谷間には、痛々しい切り傷ができていた。
望は、智恵に見えないよう唇を噛み締めた。

傷に触れないように、そっと胸に唇を寄せる。
紅く色づく頂を口に含み、ゆっくりと吸い上げた。

「ん…。」
智恵が目をつぶったまま甘い声を上げる。
望は、頂を口に含んだまま、胸をそっと優しくもんだ。

余り強く触っては、傷口が開いてしまう。
望は、優しく、優しく胸に刺激を与えていった。
341伝えたいことば(5) 9/17:2008/04/12(土) 00:04:37 ID:J+yrz4H7
頂から唇を離し、胸の付け根を強く吸い上げる。
「っ。」
智恵が声にならない声を上げる。
そこには、きれいな紅い後が残った。

他の傷跡が目立たないくらい、智恵を自分の証で染め上げたかった。
望は、智恵の肌をあちこち吸い上げると、紅い花びらを残していった。
「あっ、ぁ、ぁ、はぁ…っ。」
智恵がそのたびに途切れ途切れに喘ぐ。

望は、胸の谷間に唇を寄せた。
そこにある傷跡に、触れるか触れない程度に、そっと口付ける。
智恵が、ぎょっとしたように体を起こした。
何かに怯えたように顔がこわばっている。

「智恵…。」
望は智恵の顔を両手で挟むと、その目を覗きこみ、微笑んでみせた。
智恵が、少し安心したように体の力を抜く。
望は、智恵の唇にゆっくりと口付けた。
何度も何度も、舌を吸い上げて、智恵の口内をさぐる。

智恵の体に残っている忌まわしい記憶を、全て吸い取ってしまいたかった。

望は、再び智恵の胸に顔をずらすと、今度は舌先で頂を弄り始めた。
「ん…やっ、あぁっ!」
智恵が、さっきよりも激しく反応する。
「もっと…もっと、気持ちよくなってください…智恵…。」
「や、あっ。」
望は、そのまま、智恵が小さな歓喜の悲鳴を上げるまで、
智恵の胸の先を舌で弄り続けた。  

息を整えている智恵を見ながら、望は一瞬ためらったが、
恐る恐る手を智恵の下半身に伸ばした。
そして、智恵に尋ねる。
「智恵…大丈夫ですか…。」
342伝えたいことば(5) 10/17:2008/04/12(土) 00:05:30 ID:J+yrz4H7
智恵は、潤んだ目で望を見上げると頷いた。
望は、慎重に智恵の潤ったそこに指を添えた。
そして、優しく、円を描くように触れ続ける。

智恵の呼吸が、再び浅くなった。
智恵の様子を見ながら、望は体をずらし、顔をそこに寄せた。
そっと舌を伸ばすと、ゆっくりと智恵の中に入れた。
「ん…はぁっ」
智恵が、頬に血を上らせて喘ぎ始めた。

望は、丹念に舌先を使って智恵の中をほぐしていった。
溢れ出る蜜を、じゅる、と音を立てて吸い、舐め取る。
「あぁっ!」
智恵の足が、望の体を締め付けるように動いた。
それを見て、望は、舌使いはそのままに、指を智恵の中に進めていった。

舌で突起を柔らかくつつきながら、進めた指先を軽く曲げ、
智恵の感じるスポットにそっと押し当てる。
「ふ、はぁ、ぁああっ。」
智恵の腰が浮き、両手がシーツを握り締めた。

―――まだ、もう少し…。

今日は、智恵を徹底的に昇り詰めさせる必要がある、と望は思った。
溢れる蜜を指ですくうと、赤く色づいた突起に塗りつけた。
「ゃぁあっ!」
智恵がつま先を伸ばして叫ぶ。
「まだですよ…智恵、もっと、気持ちよくなってください…。」
望は、指を智恵の中に埋め込むと、指先を曲げながらゆっくりと出し入れを始めた。

「だ、だめ、もう、そんな、ぁあっ。」
智恵は、真っ赤な顔をして、夢中な様子で望に向かって腕を伸ばした。

「…っ。」
智恵の爪が肩に食い込んで、望は思わず声を上げそうになり、
慌ててそれを飲みこんだ。
343伝えたいことば(5) 11/17:2008/04/12(土) 00:07:18 ID:J+yrz4H7
硝煙にまみれた傷ではなく、智恵から愛の証として与えられる傷であれば、
いくらでもつけて欲しかった。
肩の痛みは、智恵が快感を覚えている証拠だ。
望は、その痛みに恍惚となりながら、ひたすら智恵を優しく愛撫した。

「もう、あ、望、ぁぁぁああっ!!」
とうとう、智恵が体をしならせて硬直した。
爪がさらに強く食い込む。
「…っ。」
望は痛みに一瞬目をつぶると、目を開いて体を起こし、智恵を見下ろした。

智恵は、息を切らせながら、目を潤ませて望を見上げていた。
「望…。」
「智恵…。」
2人は、ゆっくりと口付けを交し合った。

―――もう、大丈夫でしょうか…。

「智恵…。」
望は、体を起こすと、智恵に覆いかぶさった。
とたんに、智恵が、何かを思い出したようにビクッとする。

望は思わず体の動きを止めて、痛ましそうに智恵を見つめた。
智恵が、目をつぶって望から顔をそらした。
望は、そっと手を伸ばすと、優しく智恵の頬をなでた。

無理強いはしたくない…が、今この場で引き返しては、
この先、智恵が、辛い体験を乗り越えられない気がした。

「智恵…大丈夫、怖くないですから…。」
耳元で囁くと、智恵はそっと目を開けて望を見た。

「私を、ずっと、見ていてくださいね…。」
そう言うと、望は、智恵に優しく口付けながら、
少しずつ、智恵の中に自身を埋め込んでいった。
344伝えたいことば(5) 12/17:2008/04/12(土) 00:08:51 ID:J+yrz4H7
「あぁあっ!」
智恵が目を固く瞑ると、体をそらせて叫んだ。
「智恵、智恵…目を開けて、私を見てください!」
智恵が、望の呼びかけに、潤んだ目で望を見上げた。

「私です…今、あなたを抱いているのは、私です!」
智恵は、頷くと望の首に腕を回した。
「望…愛してる…!」
「智恵…!」
望は智恵に口付けると、ゆっくりと動き始めた。

時間をかけてほぐされた智恵の中は、熱く柔らかく、望に絡まってくる。
「く…、ぅっ」
望は、智恵を気遣い、暴走しないよう必死に自分を抑えていたが、
容易なことではなかった。
「ん…っ、は…ぁ。」
徐々に甘さを増していく智恵の声も、望の耳朶を刺激する。

快感に任せて強く、激しく自身を突き動かしたいという衝動に
飲み込まれそうになり、望はいったん動きを止めた。

「…?」
智恵が目尻を赤く染め、不思議そうに見上げてくる。
息を切らして智恵を見下ろす望に、智恵は両手を伸ばした。
「…私は、大丈夫だから…来て…お願い。」
「―――智恵…!」

望は、智恵と唇を合わせると、今度は激しく動き始めた。
もう自分を止めることはできなかった。

自分の全てを智恵に埋め込むように、腰を智恵に打ち付ける。
「あ、ああぁっ!」
智恵が背をのけぞらせて叫んだ。
智恵の内部が収縮し、望自身を強く締め付ける。
「は…ぁ!!」
望の脳裏に、痺れるような快感が走った。
345伝えたいことば(5) 13/17:2008/04/12(土) 00:09:59 ID:J+yrz4H7
望は、幸福に、気が遠くなりそうだった。

一時は、智恵を失ってしまったかもしれないとも思った。
しかし、智恵は、今現に、自分の腕の中にいる。
歓び、もだえ、全身で自分を求めている。

望は、頭に血が上って、だんだん、何も考えられなくなってきた。

―――智恵…愛してます…!

最後に、智恵を強く抱きしめると、望は自分の欲望を解放した。





2人は、しばらく息を切らせながら横たわっていた。

「……智恵…辛くなかったですか…?」
心配そうに覗き込む望に、智恵は、首を振った。
「全然…すごく、良かった…。」

安心したように体を投げ出した望を、智恵が、おずおずと見上げた。
「あの……誤解ないように言っておくけど…私…その…、未遂、なのよ。」
「……え?」
望は目を瞬かせた。

智恵は赤い顔をした。
「ご、ごめんなさい、早く言わなくて。
 でも、その……何て、言えばいいのか、分からなくて…。
 あの、危ないところで、甚六先生が助けてくれたの。」

「…そう…だったんですか…!」
望は、思わず、心から安堵のため息をついた。

―――それでも、智恵が怖い思いをしたことには変わりはない…。
346伝えたいことば(5) 14/17:2008/04/12(土) 00:10:55 ID:J+yrz4H7
望は、再び智恵をしっかりと抱きしめた。
「覚えておいてください…あなたがどんな目に逢おうと、
 …私の、あなたへの想いは変わりませんから。」
智恵の体が震え、望を強く抱きしめ返した。

2人は、そのまましばらく互いの体温を感じていた。

しばらく後、望は、智恵の顔を見て笑った。
「本当に、甚六先生には…お礼を言わなければなりませんね…。」
「そうね…。」

望は、ふと黙り込んだ。
―――本当に、あの人はいったいどういう人なんだろう。
気がつくと、智恵も考えるような顔で黙り込んでいた。

2人は顔を合わせた。
「甚六先生って…。」
「ねえ、本当に謎の人物ですよ。」

智恵がくすりと笑った。
「今度、あなたが学校を抜け出したら、
 連れ戻し役は、私じゃなくて甚六先生に頼むのがいいかも。」
望は、智恵の言葉に真顔になった。
「いいえ。もう、二度と、あんな思いをするのはごめんです。
 これからは、絶対に、授業をさぼったりはしませんよ。」

自分が学校を抜け出したために味わった、
智恵に二度と会えないのではという、あの恐怖。
あのような恐怖は、二度と味わいたくなかった。

智恵は、望の言葉に瞳を揺らし、頷いた。
「私も…二度と、あなたと離れたくない…。」

2人は、再び互いに腕を回すと、唇を合わせた。
そして、心も体も深く、深く重ねていった。


347伝えたいことば(5) 15/17:2008/04/12(土) 00:11:45 ID:J+yrz4H7
高校は1週間ほど閉鎖されたが、その後、授業が再開された。

しかし、2年へ組だけは、第1回目の授業はホームルームとなった。
生徒達が、どうしても智恵と望にお礼の会を開きたいというのだ。

―――自分達が、授業をさぼりたいだけじゃないですかね…。

望は思ったが、授業がつぶれること自体には反対はない。
多分、同じことを考えて苦い顔をしている智恵に笑いかけた。
「いいじゃないですか、生徒達が喜んでくれているんですから。」

望達は教壇に設けられた「特別席」から、生徒達を見渡した。

「…で、用具室に閉じ込められた後は、どうしたのさ。」
先に解放された生徒達が、人質になった少女達に
事件当時の様子を興味深深で尋ねている。

「もう、そのときの智恵先生、本当に格好良かったんだから!」
千里が身振り手振りで用具室での出来事を語っていた。

「あれ?でも、甚六先生は?先生、いたんでしょ?」
誰かの問いに、千里が憤懣やる方ない、といった調子で首を振った。
「甚六先生ったら、ひどいのよ!
 私が作った抜け穴から、1人だけ先に逃げちゃった!!」

「ええええ〜!!」
他の生徒達が非難の声を上げる。
「ねーよ、なんだよ、それ〜!」
「甚六先生、使えね〜!!」

望と智恵は目を見交わした。
甚六からは、今回の甚六の活躍については固く口止めされていた。

―――だって、それではあなたが…。
―――私は、今さら何と思われてもかまいませんわ。
    もともと、箸にも棒にもかからない、しがない老教師ですからな。

望の抗議に、甚六はただ、からからと笑っていた。
348伝えたいことば(5) 16/17:2008/04/12(土) 00:12:41 ID:J+yrz4H7
望はマリアをちらりと見た。
彼女は、甚六の正体を悟っていたようだが…。
が、彼女はどこ吹く風といったようにお菓子を頬張っている。

―――関内さんは、多分、大丈夫ですね…。

と、そのとき。
「いやだなぁ、甚六先生が逃げるわけないじゃないですか。」
教室に明るい声が響いた。

望と智恵は、ぎょっとして声の主を見た。
そこには、両手を胸の前で組んだ可符香が立っていた。

「甚六先生は、きっと、私達を救うコマンダーだったんです。
 だから、私達の目の前から消えて、影でテロリストさんたちを
 やっつけてくれたんですよ。」
ね、と、望に笑いかける可符香に、望と智恵は焦った顔を見合わせた。

しかし、どうやら他の生徒達は、
可符香のいつものぶっ飛んだポジティブ発言だと捉えているようだ。
幸いにも、誰一人信じている様子は見られなかった。

望は冷や汗をかきながら思い出していた。
確か、可符香は、あのとき、あの場所にいたのではなかったか。
と、いうことは…。
望の顔から血の気が引いた。

可符香はそんな望をちらりと見ると、楽しそうに続けた。
「ああいう極限の状況の下では、思わぬことが起きるものです。
 感情の揺れ幅は増幅され、情熱は高まり、そして、
 恋人達は互いの名を呼び合い、熱いベーゼを交わすのです!!」

―――やはり、見られていた。
望は観念して目を閉じた。
隣で、智恵も赤くなったり青くなったりしている。
349伝えたいことば(5) 17/17:2008/04/12(土) 00:13:49 ID:J+yrz4H7
しかし、他の生徒達は、可符香が何を言っているか分からないらしい。
「なに?それ?スピードのラストシーンか何かだっけ?」
「おっ前、それ、いくらなんでも古いよ!」
「そういやさ、昨日の洋画劇場、見た?」

可符香の演説は、そのまま雑談へと流れてしまった。

望がほっとしながら可符香を見ると、可符香は、にこっと笑みを返した。
皆が雑談に流れたこと自体は、全く気にしてないらしい。
しかし、望に向けた笑顔には、しっかりと横線が刻まれていた。

―――これは、当分、風浦さんに遊ばれてしまいそうですね…。

望は、内心ため息をついた。

―――でも、まあ、いいでしょう。

教え子達が皆、元気で笑い合っていて、そして、隣には愛する人がいる。
それだけで、今の自分は、充分に満たされていた。
これ以上、何かを望むのは贅沢と言うものだ。

微笑みながら智恵を見ると、智恵も同感らしく、望を見て微笑んだ。

望は、立ち上がると、智恵と一緒に生徒達の輪に入って行った。

「そのお菓子、おいしそうですね。先生達にも1つくださいよ。」
「え〜、だって、このお菓子、レアものなんですよ〜。」
「絶望した!主賓をないがしろにする生徒達に、絶望した!!
 今日は、私と智恵先生へのお礼の会じゃなかったんですか!?」
がしっ!はむっ!
「あーーー!全部いっぺんに食べちゃったーーー!!」
「先生…大人気ない!!」

とたんに上がる、怒号と悲鳴。
そして、それを上回るたくさんの大きな笑い声。

望と智恵も、教え子達に囲まれて、声を上げて笑っていた。

―――その日、2年へ組の教室は、いつまでも賑やかだった。

350430:2008/04/12(土) 00:14:58 ID:J+yrz4H7
やっと終了いたしましたー。
最後はお約束ということでエロを…ってエロくないですが。

今まで、望×智恵ではメロドラマチックなものばかり書いていたので、
今回はカラッと明るい話を!と思って書き進めていたのですが、
結局、徹頭徹尾メロドラマになってしまいましたorz

それでは、長々と、しかも微妙(微妙じゃないか?)
にスレ違いのお話にお付き合いいただき、
どうもありがとうございました。

連日の大量スレ容量消費、失礼いたしましたー!
351名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:15:57 ID:ryCDlYG5
乙です

>>336
度胸だけは買ってやる
352名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:17:16 ID:1ipgNGBM
>350
乙!
エロなしでも楽しめたがエロも上質だった!
次回作に期待!
353名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:42:12 ID:o7+vO5C0
いやあ面白かったグレイトジョブ!これでまた明日から戦えるぜ
354名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 02:49:45 ID:ynH82G5N
話そのものの面白さも、エロも、存分に楽しめる神作品でした
生徒達も皆キャラが立ってて、そして、やっぱり甚六先生がカッコ良かった
355名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 06:33:07 ID:EZfKapZV
心が満たされる作品が多い…
皆さん本当にGJですよ
356名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 07:37:41 ID:OpYmxnkY
>>327
続きです…
357名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 07:39:16 ID:OpYmxnkY
「あっ、せんせぇ…」

十分に潤った其処は、もう男を受け入れようとしている。

「小森さん、もう…」

ガチガチに固まっている絶棒を袴から取り出す望。
初めてみる男のものに驚きを隠せないが何とか頷く。
それを受け取り、望は入り口に絶棒をあてがう。
ゆっくりと時を掛けて腰を進める。
自らの中に侵入してくる異物を切実に感じとる。
もはや、霧は何の疑問も持たない。
只、望に愛されたかった。
只、望に愛されていると感じたかった。
欲望を解放した望は、霧を気遣う事も出来ず腰を振り続けた。
脳は冷たく痺れ、絶棒は熱く溶ける。
獣のように霧を求めた。
女神のように望を受け入れた。

それは当たり前と呼べる事。
358名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 07:39:45 ID:OpYmxnkY
行為を終えた後、二人は寄り添いながら倒れ込んだ。
腕を差し出し、霧を休ませる。
せめてもの罪滅ぼし。
望は目を合わさずに少女を見つめた。

「すみません、小森さん…」
「…何かあったの? 先生」

胸に顔を埋める少女は、心臓の鼓動を聞きながら答えた。
静寂の宿直室。
溜りに溜ったゴミ。
何だか、隔離された世界のようだ。
二人しか居ないような。

「こんなこと言っても言い訳にしかなりませんが…」
「…?」
「その、小森さんが居なくなられてしまってから、急に不安定になってしまいま
して…」
「…」
「気付いたんです。そ、その、私が貴方を必要としている事に…」
「…!?」
「すみません、迷惑な話ですよね…」

産まれてから死ぬまで。
多分直らないだろう。
伏し目がちになる癖。
寝転がっていても同じだ。
今は、霧のつむじを眺めている。
それを知っているから、霧は顔を上げた。
黒く美しい双眸の視線が絡まる。
決して離さない。

「迷惑なんかじゃないよ、先生」
「小森さん…」
「嬉しいです。先生にそう言ってもらえて」
「えっ…!?それじゃあ…」
「私も、…私も先生が必要です」

少女の小さな口が、小さく呟いた。

夕方は身を潜め、時は夜。
太陽が死に、月が蘇る。
時が流れ、季節がかわる。
春が夏に、秋が冬に。

それは当たり前と呼べる事。

359名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 07:41:56 ID:OpYmxnkY
以上です
題は「当たり前と呼べる事」でした
何かエロ適当ですんませんorz
続きも考えてますが評価で投下を決めます
360名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 07:45:03 ID:OpYmxnkY
おまけ
「そういえば霧さん、何処に行っていたのですか?」
「全座連の検定試験があったんだよ」
「…はい?」
「一週間もかけてテストするんだ。でも、おかげで初段に受かったんだよ」
「………そうでしたか」
361名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 08:11:50 ID:AWbZZp10
>>359
素晴らしいです。GJ
続き楽しみに待ってます。
362名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 08:27:22 ID:QKzK39Ej
とてもいいもの読ませていただきました。
しかし、いる時は幸せにして、いなくなったら不幸にするって、本当に座敷童だなぁ。
てかそれが試験内容なんじゃないかと思ってしまうw
363名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 14:48:47 ID:IAwmRPyO
壁│ω・ `) グッジョブ…
364名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 21:30:06 ID:22bZ8TqC
GJもっと読みたかったかな、投下希望
365名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:09:00 ID:ryCDlYG5
>>362
それで初段だったらレベル高いな
366名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:24:33 ID:UfqJk5F4
誰もいないですよね・・・?
ご迷惑がかからないよう今のうちに久藤×真夜(>>306-308)の続き投下しちゃいます。
エロなしでちょっとウツ展開かもしれないです。ごめんなさい。
367名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:25:11 ID:UfqJk5F4
放課後の図書室は閑散としている。
普段は、何人かの生徒が本を読んだりしに来るものだけど、
今日に限っては僕以外誰もいない。

今まで、こんな状況をこれほどまでに有り難く感じたことはなかった。
…実を言うと、僕は今、これまでに無いくらい落ち込んでいる。

―――思い出したくない…。僕が最も恐れていたことが現実となってしまった。

事実を知ったのはほんの少し前の事である。
図書室へ来る途中、宿直室の前を通るとき、中から喘ぎ声が聞こえてきた。
それも、自分が前から気になっていたあの人の声。
僕は耳を疑い、音を立てないように恐る恐る中を覗き込んだ。

―――先生と彼女が、体を交え、愛し合っていた。

それから僕は逃げるように宿直室を離れ、ここに辿り着き、現在に至る。

…終わったな。
せめて、あの時あんなものを見なければここまで気が滅入ることもなかったろうに。
まぁ、その分諦めが付くんだけど…。


暫くの間、薄暗い図書室で本も読まずに顔を伏せていたが、
ずっとこんなところで落ち込んでても仕方がないと思い、いい加減帰ることにした。

ふらりと立ち上がり、鞄に手をかけ、おぼつかない足取りで図書室を後にする。
368名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:26:00 ID:UfqJk5F4
抜け殻のように廊下を歩いていると、いつもの習慣で宿直室の前を通る廊下に来てしまっていた。

戻ろうか…。
いや、さすがにこんなに長く続けてるなんて事もないだろう。
それに、戻って遠回りする気力すらない。
僕は、半ば決心したように宿直室へと近づいていった。

―――宿直室の前で、誰かが蹲っている。

僕は、はっとしてその人の元へと駆け寄った。

「やめるんだ、三珠さん!」
僕が叫ぶと、三珠さんは顔を動かさずに、目だけをこちらに向けた。

三珠さんの手元にはオレンジ色の灯りがともっていて、
薄暗い廊下で彼女の姿をぼんやりと照らしていた。
僕は夢中で駆け寄り、三珠さんから火付け具を奪い取った。

「はぁ、はぁ―――っ」
息も荒く、その場にへたり込む僕を、
意外にも何の抵抗も見せなかった三珠さんは、ただじっと見つめていた。
僕は息を整え、三珠さんの顔を見つめ返した。

彼女の目元には、それぞれ一本の筋が輝いている。
369名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:27:00 ID:UfqJk5F4
「…泣いているの?」
「………」
「君も、見ちゃったんだね…」
「………」
無言だが、三珠さんは一瞬驚いたような顔を見せた。
「辛いよね…、僕だってそうさ。さっきまで柄にもなく落ち込んでたよ」
「………」
「でも、だからといってあんな事しちゃだめだ。
後悔しか残らないし、下手したら僕が前に話した物語の二の舞になっちゃうよ」
「―――っ!」

三珠さんは、突然僕にすがり付き、何かが弾けたように―――、
それでも声を殺して泣き出した。

僕は少し戸惑ったものの、そのまま彼女の背中に腕を回し、優しく抱きしめた。

静寂の中で、彼女のすすり泣く音だけが微かに聞こえる。
僕は、胸にすがりつく三珠さんを慰めるように、彼女の髪を優しく撫でた。


暫くして、三珠さんが僕の胸から顔を離し、袖で目をゴシゴシと擦った。
「…落ち着いた?」
僕は手を緩め、目を赤くしたままの彼女の顔を覗き込み、呟いた。
三珠さんは顔を背けたまま、小さく頷く。
「…そっか。良かった」
僕は心の底からそう思い、自然と笑みを漏らした。
三珠さんは、それに応えるように精一杯の笑みを返す。

―――まだ辛いだろうに…。君は、なんて強いんだろう。
僕も、落ち込んでばっかりはいられないな。

「…さっ、帰ろうか」
僕は立ち上がって、三珠さんに手を差し伸べた。
彼女は少し迷った後小さく頷き、静かに僕の手をとり、立ち上がる。


僕達は、決して癒えない心の傷を抱えたまま、宿直室を後にした。
370名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:28:01 ID:UfqJk5F4
翌日―――
僕は憂鬱な気持ちを抱えたまま、校門をくぐった。
結局昨日は一睡もできなかったな…。

とぼとぼと歩いていると、突然背中をポンと叩かれる。

「おはよっ、久藤君」
…今一番会いたくなかった人に出会ってしまった。
「…おはよう、可符香ちゃん」
「あれー、久藤君朝から元気ないね」
可符香ちゃんが心配そうに僕の顔を覗き込む。
僕の元気がない原因は君なんだけどね…。
「ちょっと寝不足で…、昨日遅くまで本を読んでたから」
適当にごまかすと、彼女は笑顔で「そうなんだー」と答えた。

―――さぁ、もういいでしょ?早く僕を解放してくれ。

しかし、何を思ってか、可符香ちゃんは僕の隣を歩いていく。
…何ですかこの状況は?僕に生き地獄を味わえと?
可符香ちゃんはそんな僕の心情とは裏腹に、楽しそうに鼻歌なんか歌っている。
もういいや。煮るなり焼くなり好きにしてくれ。


「久藤君、昨日宿直室の前で真夜ちゃんと抱き合ってたよね?」
「へ?」
可符香ちゃんの突拍子もない言葉に、僕はつい気の抜けた返事をしてしまった。


……
………えーと、もしかして見られてた?

「久藤君も隅におけないね〜」
可符香ちゃんが満面の笑みを浮かべている。

「ちょ、あれは違うって!なんというか、場の流れで…」
「大丈夫、誰かに言いふらしたりしないから!」
僕が必死で言い訳を考えていると、可符香ちゃんは人差し指を立ててそう告げ、
近くを通りかかった木津さんたちのほうへ行ってしまった。


…ま、いいか。誤解は後で解くことにしよう。
今更誤解を解いたところでどうにかなるわけもないしね。

―――はぁ、朝から疲れるな…。
371名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:29:07 ID:UfqJk5F4
−教室−

「なぁ久藤〜、聞いてくれよ。また加賀さん、俺の選んだTシャツ受け取ってくれなかったんだ…」
「ふーん」
やっと席に着いて落ち着いたというのに、今度は木野が恋愛相談を持ちかけてきた。
…僕に安息の時は来ないのだろうか。

「―――絶対似合うと思うのに…。はっ!そうか、きっと加賀さんは恥ずかしがってたんだ!そうに違いない!」
はいはい、そうですね。解決してよかったじゃないか。
僕もコイツくらいお気楽な考えができればな…。

「そうと分かれば早速…、っておい!久藤、後ろ…」
―――ん?後ろ…?

ゴスッ!

…痛い。今度はなんだよ…?

振り向くと、三珠さんが背を向け、自分の席へと走っていくのが見えた。
どうやら、鞄で殴られたようだ。

「…おい、久藤。お前、三珠さんになんかしたのか?」
「いや、別に…」

可符香ちゃんがこっちを見てニヤニヤしてるのは気にしないで…、

三珠さん、何とか立ち直ってきたみたいだな。
僕を殴ったのは、心を少しでも安定させるためだろう。


君がそうすることで心を保てるなら、僕もそれを受け止めるよ。
僕達は、同じ心の傷を抱えた者同士なのだから。


ヒュルルル…
ゴン!


………ごめん、やっぱり体が持たないかもしれないや。
372名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:32:16 ID:UfqJk5F4
終わりです。スレ消費してしまってすいませんでした。
三珠さんは難しかったです。
373名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:39:48 ID:2aROuRyf
とりあえず空気の読めないカフカと先生がムカツクwww

久遠と真夜の組み合わせは新しくて楽しめました。
374名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 01:01:01 ID:J3M8CnTy
可符香は何をしても確信犯にしか見えない…
375名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 01:26:35 ID:DmJ1goV0
また先生は生徒に手を出してるんですか
いったいどこか絶望先生なんですか?
376名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 01:30:13 ID:pdubBuPS
生徒に手を出したのをマスコミやPTAに嗅ぎ付けられて絶望的なことになるんですよ
377名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 01:33:35 ID:U3zGzaKB
懲戒免職でさよならなのです。
いや付いてきそうな奴も多いが。
378名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 01:41:49 ID:GK4/IQKz
何回も心中しては生き長らえるあの人と一緒です
379名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 01:47:07 ID:yqSZcgAV
さりげなく望×可符香で嬉しかった
ごめんね久藤くん、真夜ちゃん
380名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 02:33:11 ID:pdubBuPS
さよなら淫行先生
381名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 02:46:40 ID:EohFaKqo
かわいいよ三珠さんかわいいよ
382名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 07:25:00 ID:VeLhkbEt
三珠さんかわいいよ

先生の淫行は、別視点で書くとむかつかれるなw
個人的には、望視点でもハーレムものとかはむかついたりするw
383名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 14:50:56 ID:fZMbFttL
このスレはホントにレベル高いね
384名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 15:03:51 ID:+XtnOxTp
臼井が完全に陰が薄くなって絶望少女にHなことをするアイデアが浮かんだ
385名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 15:40:26 ID:5l72/98D
>>328
そうそう、まったくもって同意。
この作品の先生は一言もしゃべってないのに、先生がいちばんむかつくw
386名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 15:43:06 ID:5l72/98D
あんか壮大に間違ってるし。382さんね。
387名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 18:21:06 ID:b7miz8Ov BE:633294656-PLT(59370)
花束の新作が来てないか毎日チェックしている俺は間違いなく異端
388名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:38:47 ID:ZwDTr01d
准×真夜GJ

最後の「ごめん、やっぱり体が持たないかもしれないや。 」が秀逸
389名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:44:41 ID:CCVwNegM
先生は総受けなはずなのに・・・。
390430:2008/04/13(日) 19:53:13 ID:ihL/dY0Y
>>387
大丈夫だ俺もいる
391名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:58:24 ID:ihL/dY0Y
あ、クッキー残ってた…恥ずかしすぎる
392名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 20:33:03 ID:J3M8CnTy
>>387
私もだ、同士よ
393名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:46:25 ID:MYcTZ175
私は白カフカを見るために毎日来てますよっと
394名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 12:21:46 ID:vgo/dHbh
絶望的なようでいてなんだかんだで性根は良い奴らと言えなくもないへ組のメンバーの中でカフカだけすごい悪人に見える。
395名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 13:35:42 ID:SBCjeOFe
で、最終回で大逆転というのがいつもの手口。
396名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 14:26:36 ID:aqRJKguw
可符香尊師が白いと言ったら、たとえカラスでも白いということで。
397名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 14:29:31 ID:aqRJKguw

ageてしまった…
398名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 16:12:06 ID:q8vLOUcT
お兄さんに強姦される霧を読んでみたい…
そんな俺はド変態
399名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 18:42:36 ID:mVmK3cjc
可符香と望の話を見るため毎日ここへ来ています
400当たり前と呼べる事:2008/04/14(月) 18:51:10 ID:JntWOLzc
そろそろ望霧かな?
401名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 18:53:30 ID:gYyzjN8t
いやいや望千里かな?
402名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 19:00:18 ID:WN9QyW23
>>398-401
あんまそういうこと言わない方が・・・
投下しづらくなるだろう
403名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 19:52:36 ID:vgo/dHbh
望霧とか望千里を書いている人は投下しやすくなると思うけどな。
俺は、望まとい望奈美望あびる望晴美望真夜望愛望倫望マ太郎望メル望麻菜美望カエレを読みたいです。
404名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 19:54:11 ID:UFDL6Py4
望千里は考えてるが投下する勇気がない
405名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 20:09:12 ID:3j8k4Q8u
なんたるチキン!
さぁ早く投下するんだ
406当たり前と呼べる事:2008/04/14(月) 20:43:59 ID:JntWOLzc
誰もいない…
望霧するなら今のうち…

と、いうわけで「当たり前と呼べる事」の俗編で
「甘き夢みし」です

題通り甘いので、鬼畜好きじゃボケーや、強姦まだーという人は気を付けて
407当たり前と呼べる事:2008/04/14(月) 20:45:12 ID:JntWOLzc
互いの想いが通じあった二人。
特別に生活が変わったわけではないが、二人きりの時は少々バカップルとなった。
交やまといが居ない時など、かなり珍しいもので、その反動だろうか。
今日も二人はイチャついている。

「…ねぇ先生、此処に座って」
「どうしたのですか?」
「良いから、…お願い」

両手で書物を抱えて、霧は甘い声でねだる。
今、宿直室には二人以外誰も居ない。
まといに関しては確信が持てないが。

「分かりましたよ」

少女の願いを叶える為にも、望は求められた場所に腰を下ろす。
背を柱に預けた状態になり、脚を交差させてあぐらをかいている望。
そして更に其処へ腰を下ろす霧。

「えへへっ…」

微笑みの顔で、望を見つめる。
天使の笑顔に、最早全く動こうという気がしない。
暫く見つめ合っていた二人だが、どちらともなく顔を寄せる。
静かに触れ合う唇。
児戯のように唇を合わせていたが、段々情熱的になる。
舌を絡ませ、唾液を交換する。
望が霧を犯し、霧が望を犯す。
それを繰り返していたが、再び物足りなくなる望。
自由に動かせる両の手を霧の体に重ねようとするが…。

「んっ…、まだ駄目ぇ」

やんわりと断られた。
しかも、唇を離すと同時に、霧は器用に座り直した。
望に背を預け座る形になる。
何だかヤル気を削がれた望は、やるせない気持ちと一緒に手を下ろした。
408甘き夢みし:2008/04/14(月) 20:47:16 ID:JntWOLzc
「まだ、明るいから。ね?」
「…分かっていますよ」

自らの恋人が人一倍恥ずかしがりであると知っている望は潔く諦めた。
仕方ないので、暇を持て余した望は読書に興じる少女を眺める事にした。
最初は本に眼を向けたのだが『全座連検定試験』と大きく書かれており、断念。
それからは、長い髪に手を通し、その艶やかさに驚いたり。
白く美しいうなじに欲情して心頭を滅却したり。
少女が全体から発する女の子の香り堪能したり。
望は自分の感覚が少女によって支配されて行くのを感じていた。

(小森さん…)

普段はジャージを愛用している霧だが、今日は望と二人きり。
下着の上に毛布を羽織るだけという煽情的な姿である。
そう意識しだすと男として自己が抑えられなくなってくるものだ。
そう割り切ると望は、まず手始めに髪の中に頭を埋める。
変態みたいだが、そのまま大きく鼻で息を吸う。
少女の香りが肺へと導かれる。
まるで麻薬のように、その香りには依存性がある。
望が何度も繰り返していると…。

「…ん」

霧の小さく反応した声がする。
それに気を良くし、望の中で新たな悪戯心が芽生える。
髪に埋めていた顔を移動させて、首へと到達する。
うなじを目の前にして先程は我慢出来たが、今度はそうもいかない。
望は霧が何処にも逃げられないように腹部に手を回す。
未だ霧はジッと動かずに本を眺めている。
静かな部屋の中でページを捲る音だけが響いていた。
霧の肩に顎を乗せてみる望。
409甘き夢みし:2008/04/14(月) 20:48:28 ID:JntWOLzc
(座椅子があると便利何ですがね…)

痛くなり始めた背中を気遣うが、すぐに目の前の少女に集中する。
悪戯直前になって思わず、欠伸とも溜め息とも取れるものがでる。
そして、それを境に悪戯開始。
うなじに軽く口付けた。
少女の白い肌が放つ体温が鼻先についてくすぐったい。
長く美しい髪の柔らかさが妙に印象的だ。
微かにではあるが、霧を覆っている産毛を舌でなぞり首筋を上に登る。
耳まで到達したのだが霧は何事もないかのように行為に耐えている。
耳たぶを唇に含んでみる。
歯で軽くくわえながら含んだ部分を舌で転がす。
全体を味わった後に穴の中へ舌を少し押し込んでみる。

「あっ、…」

切なそうに霧が声を上げる。
調子に乗った望は腹部に回した手をほどき、毛布からはみだしている美脚へと手
を這わせた。
じらすように触れるか触れないかの距離を保ち太股を撫でる。
更に毛布の裾を捲り上げていき、少女の内腿を晒す。
ギリギリで止めた故に下着は見えていないが、それが逆に男心をそそる。
さわさわと脚ばかりを執拗に触れる。
軽い動きで触れているのか望自身も確信が持てない動きだが、霧は感じているよ
うだ。
耳元で囁く。

「本を読まれなくて良いのですか?」

先程から霧が見つめているページは変わっていない。
焦点が合っておらず、とろんとした目がそれを証明している。
しかし、問うても黙ったままの霧。
どうやら二人の意地の勝負になりそうだ。
望は太股を撫でていた手を股間の中に差し入れる。
寸前で腿を閉めて、それを阻止する。
410甘き夢みし:2008/04/14(月) 20:51:11 ID:JntWOLzc
「んっ…」

ちゅぱぁ、と淫乱な音が霧の口に響く。
昼も夜も分からない。
ふやけた意識はもう戻らないのか。
霧は抵抗の二文字を捨てた。
全てを望に捧げる。
力無く下げられていた手を動かし、望の袴に触れる。
大きくそそり立った絶棒を開放し、楽にさせる。
まるで霧に絶棒が生えているかのような格好になってしまう。
内腿を擦り合わせて、自らの愛液を馴染ませる。
それだけでも発射しそうな快楽。

「うっ…」

男としてそれは有り得ないので、耐え切る望。
互いに十分に濡れそぼった秘部。
脚の動きを止めて一度望から離れる。
温かさが遠ざかるのがよく分かる。
ハッキリと屹立した絶棒に、霧が視線を落とす。
壁にもたれて座り込んだ望の腰の上に、霧は自分の腰を下ろしていった。
首筋に手をまわし、対面のまま割れ目に望のモノを押し込んでいく。
あまりの気持ち良さに声が出そうだったが、望の顔面は霧の豊かな胸の間に包まれていて言葉は出なかった。
入ったと思った途端に、霧は蛇が体をくねらせるように腰を振り始めていた。

「あっ、…せ、先生が悪いんだからね…、んっ、ふぅ…」
「ううっ、…分かってますよ」

絶棒は霧の中に包み込まれ、数千もの舌で舐められているかのように締め付けられる。
頭を抱く霧の微かな吐息が、望の髪を軽く叩いていた。
もう、自分の股間がどうなっているのかもわからない。
毛布の中で何が行われているというのか。
ただ、霧がぎこちなく腰を振っているのだけはわかった。
一番奥に何度も何度も当たっているのが解る。
もう何も考えられない。
狭く熱い場所が、魂を掴み取ろうとしてる死神のように強く握り締めて放さない。
普段は望が霧に奉仕する形で行っている為に、霧の行為は単調そのものだ。
互いに達するまでは至らないという繰り返しが続いてる。
まさに悪戯のように互いを苛めているのだ。
両手を望の後頭部に回した霧が、強く頭を抱き締める。
霧の匂いしかしない。
411甘き夢みし:2008/04/14(月) 20:53:24 ID:JntWOLzc
>>409の続きはこっちです

「開けないと、触れませんよ…」

まるで霧がそう望んでいるかのように優しく話す。
なおも堅く閉じている霧。
望は片手を脚から離し、胸元へ。
ブラジャーの上から、やわやわと揉みしだく。

「んっ…、はぁ…」

声を出すまいと抵抗しているのだが、堪えきれずに可愛らしく啼く。
少女の意識が移らないように注意しながらブラジャーを上へとずらしていく。
やがて外気の中にピンクの頂が姿を見せる。
望は、すぐさまそれに触れて新たな刺激を送り続ける。
親指と人差し指ですりすり擦り、耳に甘噛みを。
本が床に落ちる。
そんな事には全く気が遣えない。
二人は徐々に燃え上がり、先の見えぬ旅路へ。
快楽を求めて旅立つ。
霧が貝のように閉じていた腿を開いた。
すかさず望が手を差し込む。
霧の体は少し強張っていたが、完全に身を望に預けている。
右手の中指で少女の中心を軽く引っ掻く。
下着越しだが十分の効き目がある。
大きく体を振るわせる霧。
強めに、ぐにぐにと指をパンツごと奥へ押し込んでみる。
柔らかな感触が心地良い。
左手で霧の胸を生で揉む。
童顔に似合わない大きな胸は自由自在に形を変える。
望の右手は既にビチャビチャだ。

「こんなに濡らして…」

右手を抜き取り、霧の眼前に持ってくる。
霧は無言で、指先に視線が合うようわずかに顔を上げた。
指を開いたり閉じたりを繰り返していると、不意に霧は望の指を口に含んだ。
一度だけ、舌で指先がなぞられる。
412甘き夢みし:2008/04/14(月) 20:55:05 ID:JntWOLzc
>>410の後

息をするたびに温かい体温が肺を満たした。
色んな想いに汗が吹き出る。
少しずつ霧のスピードが増す。
さらに腰を振る速度を増す。
望が尻に手を回す。
毛布の中に手を差し入れて、腰を撫でた。
手で上下運動を手伝う。
しかし、自分の腰に力が入らない。
少女の熱が神経を溶かしてしまったかのようだった。
わずかに体を離し、顔を見下ろしている。
顔を見上げてる。
霧が目を閉じて唇を合わせてくる。
くちゅくちゅと音を立てながら、キスをした。
舌が唇を割って入り、望の舌を求めるように前歯をなぞっている。
求めに応じて、舌を差し出す。
硬く尖らせた霧の舌先が、望の舌を食べようとしているかのようだ。
唾液が霧の舌を伝って落ちてくる。
それを喉の奥へ流し込んだ。
飲みきれない唾液が顎を伝い畳に染みを付ける。
霧の髪の間に両手を滑らせて、指先であわ立てるかのように撫で回す。

「んんぅ…、はぁ…、せんせぇ…」
「うっ…、小森さん」
「んっ、霧って…呼んで、あっ!…く、ださい」
「はぁ、はぁ、…霧さん!」

その言葉をタイミングに、びくっ、と跳ねた二人。
勢いよく精液は絶棒を発射台にして霧の一番奥へと打ち込まれた。
鼓動にあわせるように三度の発射を終えると、自然と重たい息が漏れた。




「…もう、駄目だって言ったのに」
「……すみません」

一度目の発射を終えた後、済し崩しのように二人は行為を重ねた。
今は、朝起きた時と同じように望の腕枕に霧が横たわって布団を被っている。

「でも…」
「…?」
「……気持ち良かったよ」

顔を寄せて軽く口付ける。
甘き夢みし露の日々。
413名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:10:31 ID:mtLM1xlC
>>406お待ちしておりました。素晴らしい作品に感動した。
414名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:15:32 ID:Q3f1VQLb
>>406
乙です


望×可符香を書いたんですけど、このタイミングで投下していいですか?
415名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:37:07 ID:zMAtMeXD
>>412
シンプルだがそれがいい

しかし>>400、自己申告だったのかよwwww
416名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:42:25 ID:ioRoUkc0
417名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:53:20 ID:VgjQsRTo
望霧乙!

エロい文章書ける人が羨ましい…
418名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:56:26 ID:QJrRI1rJ
>>400
自己申告とな
419甘き夢みし:2008/04/14(月) 21:59:52 ID:JntWOLzc
自己申告さーせんww

自重します…orz
420名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:21:23 ID:WN9QyW23
>>412


>>414
もう少し間を置いてからの方がいいよ。明日にでも。
421名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:32:36 ID:hQwydQjy
>>412
待ってたぜ、GJGJ
422名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:02:22 ID:dWTL+2ib
>>278
だからなかった証明はできないわけだが。
悪魔の証明って知ってるか?
423名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:10:09 ID:q8vLOUcT
>>406
GJ!
続き書いてくれるよね?
答えは聞いて(ry
424名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:59:32 ID:zMAtMeXD
>>422
誤爆……だよな?w
425名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 00:53:18 ID:6QTP2WZ3
>>420
明日って今さ!
私の準備は出来てますよ!
426名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 03:16:11 ID:WYyu9aTe
>>387
申し訳ない・・・・・・今日の夕方くらいには・・・・・・
427名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 06:11:40 ID:4GzjLYML
>>414
>>426
楽しみにしてるよー!
428その花束に絶望を:2008/04/15(火) 13:08:16 ID:H5J6ey8P
1週間ぶりのご無沙汰です。鬼畜絶命先生SSの者です。
多少無理してでも休み中に完結させとくべきだったな、と今になって後悔しきりの毎日です。
なにはともあれ続編書きあがりましたので、投下していきます。

(注意事項)
・絶命先生が鬼畜です
・陵辱あります

それと、今回に限り、内容が内容なのでちょっとネタバレ的な注意事項も追加………。

・主題はハルチリ百合風味、シチュ的には晴美が洗脳されちゃってる感じになってます
・が、最終的には絶命先生のターンになるので、ノーマルもあるっちゃあります

かなり悩んだんですが、連作でこれ1本だけ百合板に落としてくるのも如何なものかと思いまして………。
百合とか絶対無理!という方は、ここを読んだ時点で華麗にスルーして頂けると幸いです。(汗)

と、予防線も張らせて頂いたところで。
投下に参りたいと思います。12レス消費予定。では、どうぞ。
429その花束に絶望を karte13-14 (1/12):2008/04/15(火) 13:09:52 ID:H5J6ey8P
日直の仕事を、終える。何事もきっちりとこなさねば気の済まない性分のお陰で、この手の仕事にはいつも人並み
以上の時間が掛かるので、いつも日誌を書き終える頃には教室には誰も居なくなってしまっている。
「近頃、無断欠席が多いわね………休むなら、きっちり理由を説明しなきゃ駄目じゃない、もう………。」
そんな愚痴を漏らしながら………千里は、自分の荷物をまとめて立ち上がる。見渡すと、まるで絵に描いたように
綺麗に整頓された机達が、夕陽に照らされて規則的な影を作っていた。持ち前の測量技術を駆使して寸分の狂いも
なく並べられたその様にしばしうっとりとしてから………千里は、教室を後にしようと歩き出した。カクカクと、
直角に2回曲がって前方の出入り口に辿り着き、一応最後に窓の鍵を指差し確認してから、ドアを開く。
そして。また、廊下を直角に曲がって下駄箱に向かおうとした千里の背中に。
「あの………ちょっと、良い………?」
何者かが、声を掛けた。千里が、芸術的なまでに綺麗にセットされた黒髪を揺らして、振り返る。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


………月日は、遡り。舞台は、学校からそれほど遠くない、とある診療所の地下室に移る。
「私も私なりに、君のことを理解しようと、努力はしてみたんだがね………どうにも、理解に苦しむ。」
命は溜息混じりにそう言って、他人に命じて買ってこさせた何冊かの薄い本を、机の上に投げ出した。机を挟んだ
反対側の椅子に座らされて………晴美は、その表紙を興味津々な様子で覗き込む。
「………まだまだ、初級者向けだと思いますけどね………。」
にやまり、と奇妙な笑顔を浮かべて、命の顔を見てから………晴美は、ハッと我に返った。
何も聞かされずに突然呼び出された場所で拉致されて、こんな所に連れて来られて。いくら、目の前の見るからに
好みな攻め顔をした医者がそのテの同人誌を読んでいるからといって、そんなことで悦に入っている場合ではない
のである。
「っていうか、なんなんですか、これ………聞いてませんよこんなの………。」
「それは、まぁ………まだ、何も説明していないからね。」
「だったら、早く説明してください。こんなことして、一体何のつもりなんですか!」
椅子に腰掛け、その腕を手錠で拘束されたまま、晴美は不機嫌さを隠そうともせず命に食って掛かる。命は、この
状況でも脅えた様子を見せない晴美の意外に図太い神経に感心し、はは、と乾いた笑い声を漏らした後………眼の
前に放り出したうちの1冊を手に取って、言う。
「まぁ、簡単に言えば………趣味、なんだがね。」
「え………趣味、って………え………?」
「女性を嬲って、調教して………そういう行為がね、好きなんだよ。私は。」
余りに衝撃的な、そして、それにしては余りに抑揚に欠ける声で呟かれたその言葉に、晴美は眼を丸くした。
「あ、あの………今、何て………?」
「君の読む漫画の中にもあるだろう、そういう………いや、君の場合は、男同士を想像するだろうが………。」
「い、いや、そんな………漫画の中じゃあるまいし、実際にそんな人居るわけが………。」
「………君も、風浦さんと同じようなことを言うんだな。だが残念、これはフィクションでもなんでもないよ。」
「え、風浦さんが………何ですか?」
「ああ………彼女もね、既に私の所有物みたいなものだ。かなり、好き放題にさせて貰ったよ。」
「し、所有物って、そんな………?」
まるで、他愛も無い雑談に興じるような口調でそう語る命の姿に………晴美は徐々に、戦慄し始める。その言葉は、
常識的に考えれば悪い冗談にしか聞こえないはずなのだが………しかし、手錠をはめられたまま地下室の椅子に
拘束されるなんて、そもそも常識的ではない事態に身を置いているのであれば、事情は変わってくる。。
こんな状況で、果たして………命の言葉が本当ではない、などと簡単に言いきれるだろうか?そもそも晴美の知る
糸色命という人間は、そんな残酷な冗談を軽々しく口にするような人間だっただろうか?仮にも、望と血を分けた
兄弟である人間が、そんなことを口走るのか?自分が、ほんの断片的にでも知っていると思っていた命の姿が、
全て仮面だったとしたら………?
430その花束に絶望を karte13-14 (2/12):2008/04/15(火) 13:10:20 ID:H5J6ey8P
未だに自分の中で、白か黒かの答えを出せずに困惑する晴美を無視するように、命は続ける。
「話を戻そう。それで………君を知り、君を調教する下準備として、私はこういう物を取り寄せてみたわけだ。」
命の手の中の同人誌、その表紙で抱き合っている2人の美男子の絵が、揺れる。
「だが………正直、こういう趣味の娘の精神なんてものは、理解出来ない。恋愛なんて、したことあるのか?」
「なッ………何言い出すんですか、いきなり!余計なお世話ですよ!!」
「そんな娘に、果たして男女の性行為なんてものが馴染むのかどうか………流石の私も、自身が無くてね。」
「ん、な………せ、性………っ!?」
命の口から、さらり、と言ってのけられたその言葉に、まるで純情な乙女のように頬を染めながら、晴美はその
視線を逸らす。結局、命が何を言わんとしているのかは解からないが………何か、よからぬ事を考えているらしい
ことは、晴美にも薄々感じられた。
「………少女らしい部分も、あるにはあるようだが。それでも………少し、不安でね。」
「………っ………。」
「そこで、だ。女性のことは、やはり女性の方が良く解かると思って………彼女に相手をして貰うことにした。」
「え………彼女、って………?」
晴美が首を傾げたそのとき、命の言葉を合図にしたように、地下室の壁に据えられた唯一の出入り口が、軋んだ
音を立てて開く。その向こうから現れたのは………白いナースの制服に身を包んだ、美しくスタイルも良い看護婦
だった。その綺麗な顔で微笑まれ、晴美は思わず胸をドギマギさせた。
「さて。君は、どうも………男性の同性愛というものに、興味が深いようだが。」
「まぁ………2次元限定ですけど………。」
「その、逆には興味は無いのかい?つまり………女性同士の、同性愛だ。」
またしても発せられた、放送コードに引っ掛かりそうな過激な発言。もはやそんな言葉の1つ1つに驚いている
余裕もない程立て続けに命の口から出てくる言葉に、晴美の中で、常識の感覚が麻痺し始めたかに見えたが………
しかし、命の一連の言葉とその看護婦が現れたこととを照らし合わせ、ある結論に到ったとき。晴美は思わず、
その身をガチガチに緊張させた。

調教。
彼女に相手をして貰う。
そして………女性同士の、同性愛。
それらの言葉が示す、晴美の未来は………1つしか、考えられない。

「………よろしくね、晴美ちゃん?」
そう言って微笑みながらも、看護婦は、獲物を狙う野獣のような視線を晴美に向けていた。その指が、するり、と
晴美の輪郭線をなぞるように頬に添えられる。
晴美が、命の意図を、自分の行く末を確信して………その身を、震わせた。
431その花束に絶望を karte13-14 (3/12):2008/04/15(火) 13:10:51 ID:H5J6ey8P


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時間は再び現在に戻って、場所は、振り返ればそこに学校が見える路上に移る。
「珍しいじゃない、帰りに晴美が私のこと誘うなんて。」
「だって千里って、予定に無い行動って嫌がるじゃない。正直、付いてきて貰えると思ってなかったし。」
「じゃぁなんで声掛けたのよ………一応、こういう『自由時間』も、きっちりスケジュールに組んであるのよ。」
晴美と千里は、普段なら通らないはずのその道を並んで歩いていた。2人で一緒に家路に付くことは、ここ最近は
諸々の騒ぎに巻き込まれるようになって頻度こそ減ったものの、幼馴染の2人にはそう珍しいことではなかったが、
こうして………晴美の提案で放課後に寄り道をするのは、久々のことだった。その原因は、主に晴美の寄り道の先
が、千里を連れて行けないようなディープな場所ばかりだという点にあるのだが………。
「で、こっちって何かあったかしら?本屋も文房具屋も画材屋も、違う通りでしょ?」
「ん、ちょっとね、今回はそういうのじゃなくて………。」
千里の質問に晴美は何気ない調子でそう答えて、それきり言葉を途切れさせた。千里が、少しだけ顔をしかめる。
「………あんた、誘うなら誘うで、きっちり目的地を説明してから………。」
が………晴美が言葉で答えるまでもなく。千里は既に、晴美が誘ったその目的地の眼の前に、差し掛かっていた。
「あ、着いた着いた。」
「え?」
不意に晴美にそう言われて、千里がきょろきょろと辺りを見渡す。そして、そこにあった古びた建物の、外壁に
取り付けられた看板を見上げて………。
「え、ちょっと、あんたこんな所………。」
こんな所に何の用があるのか、と問い掛けようとした、瞬間。
「………ごめんね、千里。」
「え………ッ………!?」
その首に、背後から腕が回される。
気がついたときには、千里の首は………いつの間にか背後に回っていた晴美の腕に、完全に固められてしまって
いた。突然の出来事に心の底から動揺し、千里は眼を白黒させながら、漠然とした危機感に身体を強張らせる。
とにかく、抜け出さなくては危ない気がする………そうは思っても、無駄に運動神経が良く力も強い晴美の腕から、
しかも恐らく本気で自分を捕まえに掛かっているそれから抜け出すのは、晴美の本領をよく知っているはずの千里
にとっても至難の業だった。
「ちょっ………晴、美………ッ!?」
「ごめん、ちょっとだけ………我慢して。」
何も理解できずにもがき続ける千里と、それ全力でを抑え付ける晴美。しかし、寂れた通りには見渡す限り人の
姿など無く、外にその事態に気付いているものは誰も居ない。
………たった独り、2人のその異変に気付いていたのは。
「あら………この娘ね、晴美ちゃん?」
「っ………!?」
眼の前の建物、糸色医院から突然現れた………その、看護婦だけだった。
「たっ………助けっ………!」
千里は本格的な身の危険を感じ、必死の形相で、見ず知らずの看護婦に助けを求めようとする。
………が、しかし。
「まぁ、そう怖がらないで………ちょっと、我慢して頂戴。」
看護婦は、晴美と同じようなことを言ったかと思うと………背後に隠し持っていた布を、千里の口元に押し当てた。
もご、と千里の篭った呻き声が響く。だが、それも………ぷん、と辺りに微かな薬品の臭いが立ち込め始めた頃に
は、すっかり収まってしまっていた。
「はい、一丁上がり。」
看護婦はそう言って微笑み、手にした布を仕舞う。晴美は、意識を睡魔に持っていかれ力無く弛緩した千里の身体
を無言で抱えながら………やがて建物の中へと帰っていった看護婦の背中に、続いた。
診療所の前には、まるで何事も無かったかのような静けさと、いつも通りの寂れた風景だけが残されていた。
432その花束に絶望を karte13-14 (4/12):2008/04/15(火) 13:11:33 ID:H5J6ey8P


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そして、次に千里が眼を覚ましたときには。
「ちょっと………何よ、これ………!?」
その身体は、既に………地下室の壁に手錠で繋がれたまま、冷たい床にへたり込んでいた。

覚醒し、ほんの少しの間を置いて、自分の置かれた状況に気付いた千里は、気付いたときには眼の前の椅子に座り
自分を見下ろしていた命の顔を見上げるようにして睨みつける。
「そう、怖い顔をしないでくれよ。」
「そんなことはどうでもいいんです!何がどうなってこんなことになってるのか、きっちり説明して下さい!」
緊張感など欠片も無い声でそう言った命に、千里が噛み付く。どうしてあのクラスの面子には、こういう気の強い
娘が多いのか………と、心の中で呟きながら、命はぽりぽりと頭を掻いた。
「きっちり説明されても、よもや後悔はしないんだろうね?」
「するもんですか、こんな中途半端な気分で居たら、そのうち気が変になりそうです。早く説明して下さい!」
「………普通なら恐怖でパニックになってもいいところを、『中途半端な気持ち』で済ませるか。」
半ば呆れたようにそう言ってへらへらと笑い、命は椅子から立ち上がって千里に歩み寄る。膝を折ってしゃがみ込む
と、2人の視線がほとんど同じ高さになる。
「じゃぁお望み通り………きっちり、ハッキリと、今の状況、そして君の今後の運命を説明してやろう。」
「御託はいいから、早くしてください。」
「まず………君は今、私に捕らえられている。逃がすつもりは、毛頭無い。」
「それくらいは予想できます。目的はなんですか。」
「なら、これも予想通りかも知れないが………私は今から、君の身体を、好き勝手に弄ぼうと思っている。」
「………っ………!!」
余りにストレートなその言葉に、今までキッと命の顔を睨みつけたまま身じろぎ一つしていなかったように見える
千里の表情に、動揺の色が現れた。だが………その目的自体は心のどこかで予想していたのだろう。それ以上心を
乱すことなく、千里は黙って命の言葉の続きを待つ。
「そんなことをして許されるのか、と思っているなら………多分、心配は無い。」
「………っ………?」
「私も警察沙汰だけは御免だからね、そうならないよう、あらゆる手を打つつもりだ。君に対しても、ね。」
「………脅迫、ですか?」
「君の場合、それは最後の手段だな。基本的には………自主的に従って貰えれば、と思っている。」
「そんなことが、本当に出来るとでも?」
「可能性は大きいと踏んでるよ。ウチには、君を調教してくれる予定の優秀な部下が居るからね。」
優秀な部下、と聞いて、千里は自分に妙な薬を嗅がせた看護婦の姿を思い出した。おそらく、診療所ぐるみの犯罪
に自分は巻き込まれているのだろう、ということを、漠然と察する。実際は、診療所ぐるみと言っても、中心的な
メンバーは2人しか居ないのだが。
と………そこで。千里があることに気付き………そして、それとは別のあることを思い出す。
「………ちょっと待って。『君の場合』って、あなた………他にも………?」
「ああ。これまでも、数え切れないくらいの女性を自分のものにして来たからね………君の、友人達も含めて。」
にやり、と凍りつくような笑みが張り付いた顔でそう言って、命は千里の眼を正面から見据える。その言葉を聞き、
千里の中で甦ったあの記憶が、ある予感を呼び起こさせる。
「友人達って、まさか………あなた………!?」
今の今まで、記憶から飛んでいたあの出来事が、思い起こされる。記憶が途切れる直前………この診療所の前で
起きた、予想だにしなかった、あの出来事が。
433その花束に絶望を karte13-14 (5/12):2008/04/15(火) 13:12:40 ID:H5J6ey8P
その可能性に思い至ったことを褒めるように、命は千里の頭にその掌を置いた。
「君のクラスの娘達も、あらかた攻略済みだ。君の親友………藤吉晴美も、私にとっては例外ではない。」
そこで、初めて………口調は怒りながらも、どこまでも冷徹だった千里の表情に、『熱』の気配が現れる。
「………なんて、ことを………!!」
かけがえの無い幼馴染を手に掛けた、と、そんなとんでもないことをあっさりと言ってのけた命に………千里は、
その瞳の中に心の底から湧き上がるような怒りの炎を燃やす。野獣でも思わず尻込みするのではないか、という
程の迫力に満ちたその視線を一身に受けながらも、全く動じる気配は見せず、命は続ける。
「安心したまえ、さっきの話だと、彼女は後者だ。今は、自ら進んで私に協力してくれている。」
「『今は』ってことは、前は酷いことして言うこと聞かせたってことでしょう………!?」
「人聞きが悪いな。ただ、ちょっとした悦びを教えてあげただけだよ。」
軽い声で笑いながらそう言ってのけた命に………千里が、とうとう激昂する。
「ふざけるんじゃないわよ、!!これ以上晴美に変なことしたら、骨までミンチにして山に埋めるわよ!?」
「………女子高生の吐く台詞じゃないな、全く。」
「五月蝿いわね!!いいから離しなさい、晴美に会わせて、もう晴美に手を出さないで、近づかないで!!」
「せめて、お願いは1つずつにしてくれないか………まぁどっちみち、聞き入れるつもりも………。」
と。そこまで言って………命の声が途切れる。しばしの間の後、命は千里の眼の前で、唇の端を吊り上げて笑った。
「………そうだな。1つくらいは、聞いてやってもいいか。」
「………っ………!?」
「彼女に会わせろ、というやつだ。と言っても、こっちはもとよりそのつもりだったんだがね。」
「だったら今すぐ会わせて!今すぐ連れて帰って、警察に連れて行くわ!!」
「………人の話はよく聞くものだよ。聞き入れる願いは、1つだけだ………おい、入って来なさい。」
命はそう言って立ち上がり、冷たい鉄のドアに向かって呼びかける。すると、それは軋んだ音を立てて、内側へと
開かれ………外に控えていた2人を、命と千里の待つ地下室へと招き入れた。
1人は、千里に薬品を嗅がせて昏倒させた看護婦。そして、その後ろに続いたのが………晴美だった。
「晴美っ!!大丈夫、何か変なことされなかった!?」
その姿を確認するや否や、千里はそれまでとは打って変わった、心の底から不安がっているような声で、叫ぶ様に
晴美に呼びかけた。が………まるでそんな声など届かない見えない壁の向こうに居るかのように、晴美は眉一つ
動かさずに部屋に踏み込み、後ろ手に重い扉を閉めた。ガコン、という金属音と共に、また部屋が閉塞する。
「あら、あらあら………よく見たらホント、可愛い娘じゃない………。」
晴美を引き連れた看護婦は、千里の顔をまじまじと観察した後、開口一番そう言って微笑んだ。普通なら、喜ぶか
照れるかするところだろうが………眼の前の相手が、自分を薬で眠らせて、ここに閉じ込めることに加担した人間
だということを認識している千里の心に、そんな感情が浮かぶはずもない。
「けど………見た目は、ちょっとキツい感じね。ちょっと、子猫ちゃんってガラじゃないかしら。」
「五月蝿いわね、あなた、よくもあんな薬を!!」
悪口にだけは敏感に反応し、千里が看護婦に噛み付く。
「晴美!逃げましょう、こんな所に居ちゃ駄目よ、ねぇ!?晴美ったら!!」
「眼の前で逃げ出す算段とは、舐められたものだな、私達も。」
「いいんじゃないですか?どうせ………この娘も、そんなつもりなんて無いでしょうから。」
千里が必死で呼びかける様に、命は呆れたように笑い………看護婦は、まるで他人事のような台詞を呟いて、背後
に控えた晴美の頬に指を添えた。つう、とその指先が晴美の輪郭をなぞり、その首筋がぴくりと震える。
「ほぉら、晴美ちゃん………大好きなこの娘に、ちゃんと、自分の気持ちをぶつけて御覧なさい?」
「………は、い………。」
「は………晴美?ねぇ、ちょっと、聞こえてるの!?ねぇ!!」
「大丈夫、ちゃんと………お姉様が、見ててあげる。さぁ、あなたの子猫ちゃんに、ちゃんと、伝えてあげなさい。」
看護婦の言葉が魔法の呪文となって、晴美の体を意のままに操ってでもいるかのように、晴美は看護婦の声に反応
し、1歩前に歩み出た。どことも知れない眼の前の空間をぼんやりと見つめていた晴美の瞳が、ふらふらと動き、
そして………やがて、眼の前の壁に繋がれた千里を見下ろす位置で、止まる。ようやく、2人の視線が交わる。
434その花束に絶望を karte13-14 (6/12):2008/04/15(火) 13:13:29 ID:H5J6ey8P
だが………千里にはすぐに、気付いた。その瞳が、普段の晴美のそれとは別物のような光を宿していることに。
「………ごめんね、千里………。」
晴美は再び、その言葉を呟く。
「晴美………どうしちゃったの、しっかりしてよ!早く………早く、こんな所………!!」
千里の言葉を聞いているのかいないのか、反応らしい反応は1つも見せずに。晴美は千里の前に膝をつき、そして。
「………千里………っ………。」
「………っ………!?」
晴美は………その腕で、眼の前にある千里の身体を、抱き締めた。
自由にならない身体が、突然、優しく抱き寄せられる。突然の出来事に、千里が言葉を失う。
………だが。その優しい感覚も………ほんの、数秒のことで。
「………千里………ぃ………っ!」
「え………ん、ふぅ………ッ!!?」
千里が不意を突かれた、その隙を見計らったかのように、晴美は突然………身動きの取れない千里の唇を、奪った。
今度は、さきほどとは別の驚きで千里の身体が凍りつく。
「ん、ふ………んん、う………ちゅ………。」
「ん、ち、ちょっと、晴美っ………ん、く、や、止めッ………ぷ、ぁっ!?」
首から上だけで必死に抵抗する千里の唇に、数秒掛けて貪るように自分の唇を重ねて。晴美はやがて、うっとりと
した表情で、千里を解放した。
「ッ、はぁ………けほっ………!!」
無理矢理に塞がれていた口をようやく解放されて、千里が思わずむせ返る。
「ち、ちょっと、晴美!?あ、あ、あんた、何を………ッ!?」
千里がどもりながらそう問い掛けるが、どうやら、その声は今の晴美には届いていないらしかった。まだうっとり
とした表情で眼の前の千里を見つめ続ける、晴美に代わって………いつの間にかその背後に控えていた看護婦が、
その質問に答える。
「何って、あなた………愛情表現に、決まってるでしょう?」
「あ、愛情………表現………!?」
「そうよ。あなたのことを愛してる、っていう、晴美ちゃんの気持ちの表れよ。」
「で、デタラメ言わないで!!どうせ、あなた達が妙なことしたんでしょう!?」
「あら、失礼しちゃう。私達はただ………晴美ちゃんの中にあった気持ちを、解放してあげただけよ。」
「解放、って………それじゃぁまるで、晴美が、私のこと………!?」
「その通りよ、その娘は、ずっとあなたが好きだったのよ?気付いていなかったでしょうけどね。」
その言葉に愕然とし、千里は改めて、眼の前で惚けたような表情を浮かべている晴美の顔を見つめた。
その瞳が、やがて千里の視線を感じて、ゆっくりと動く。また、2人の視線が重なり………その直後。
「………本当だよ、千里………私ずっと、千里のこと、大好きだった。」
ようやく、晴美が千里の言葉への返答と取れる言葉を口にする。
「友達としても、もちろんだけど………それだけじゃ、無かった。凄く………可愛いな、って思ってた。」
「ち、ちょっと………あんた、何言ってるのよ!?」
「けど私、やっぱり………それって、リアルじゃ表に出しちゃいけないことなんだって、我慢してたんだよ?」
「やめて、晴美………逃げなきゃ駄目よ、早く、眼を覚まして………!!」
「眼なら覚めてるよ………だからもう、私、自分の気持ちに嘘は吐かない。隠すことなんて、何も無いもの。」
そう言いながら、晴美は更に千里の体に迫る。再び、千里の唇を塞いで………その手を、制服の中に侵入させる。
腹を這い上がってくる指の感触に、千里は背筋を震わせ………晴美が何をしようとしているのかを察し、微かな
悲鳴を上げた。
「ふふ………千里、かーわいい………。」
「や、ちょっ、止めてっ!晴、美っ………!?」
晴美の手が、決して大きくは無い千里の膨らみと、その先端の突起を弄ぶ。両腕を封じられた千里は、なす術も
無く無抵抗にその愛撫に身を委ねることしかできない。
「小っちゃいと、感度良いって言うけどね………ホントなんだ、あれって。」
千里の耳元で、熱い吐息と共にそう呟いた晴美の言葉通り………刺激を受け始めて程無く、千里の胸の先端は、
赤く充血しぷっくりと隆起し始めていた。晴美の指先がそれを摘み、転がす度に、千里はその背中を仰け反らせ
ながら甲高い喘ぎ声を上げる。
435その花束に絶望を karte13-14 (7/12):2008/04/15(火) 13:14:24 ID:H5J6ey8P
そして、晴美のその指はやがて、胸だけに留まらず………千里の秘所をも侵そうと、動き始める。
「ひ、ッ………!?」
際限なく与えられる、感度を高められた胸への刺激に、半ば溺れかけていた千里は………つ、と太股を撫でた晴美
の掌の感触に、一瞬で我に返った。今、そこに触れられるわけには、いかない。千里の中の、そこを愛する望以外
の人間に許すわけにはいかないという信念と、もう1つ………自分の身体だからこそ解かる1つの確信が、その
焦燥を掻き立てる。
「………ぁ………や、止めッ………!」
だが。晴美の手は、そんな想いなどお構い無しに千里の太股をなぞり………やがて、その下着に到達した。
「………ふふ………千里ったら。」
「………〜〜〜ッッッ!!!」
眼を細め、艶っぽい笑みを浮かべ千里の顔を覗き込みながらそう言った、晴美の指先は………その下着を濡らす、
千里の内側から湧き上がるじっとりとした湿気を、感じ取っていた。
「こんなに、胸弱かったんだね………初めて知ったよ。」
「ひ、やぁ………さ、触っちゃ、駄目………っ………!!」
秘裂を覆う薄い布を、くい、くいと微妙に圧迫しながら。晴美は、眼の前で真っ赤になって俯く千里の顔を、心の
底から愛おしい物を見る眼で見つめた。自分の最も恥ずかしい部分の状態を知られ、千里はもはやさきほどまでの
強いさを失い、羞恥に震えることしか出来なくなっていた。
晴美の指が、千里の下着を絡め取り、それを膝の下まで引き摺り下ろす。吸い込まれる先を奪われた愛液が、つ、
と一筋の雫となって冷たい床に流れ落ちる。
そして。胸への愛撫だけで既にしとどに濡れた、その場所に………晴美の指が、忍び込んだ。
「千里の中、熱いね………ん、ふっ………。」
「ん、やあぁ………う、くぅっ………!」
細い指で千里の内部を掻き分け、探るように内側を愛撫しながら、晴美はまた千里の唇を塞いだ。秘裂と唇とから
同時に侵入してくる晴美に抵抗することも出来ず、千里はただ、背筋が痺れるような刺激に耐え続ける。
「ん、う………あ、はッ、ひゃうぅッ!?」
やがて、晴美の指がある1点に差し掛かったとき、千里がそれまでになく乱れきった嬌声を上げた。その様子に
全てを悟り、晴美が、にやりと笑う。
「へぇー、そうなんだ………千里、この辺が弱いんだぁ………?」
「い、ひぃッ、うあぁッ!?だ、駄目、そこ擦っちゃ駄目ぇッ!!」
もはや、命と看護婦が自分達を観察していることなど意識の外なのだろう。千里は周囲の眼など気にも掛けず、
抑えられない甲高い悲鳴を上げながら、その身体をビクビクと震わせる。その声がまるで麻薬のように晴美の脳髄
を刺激し、麻痺させ、その行為を加速させていく。

………と、そのとき。

「………さて、その娘ももう、随分切なそうだ。」
それまでじっと事態を静観していた命が………不意にそう言って、立ち上がる。
「ここは1つ………ちゃんと、最後まで慰めてあげるのが、親友としての君の務めじゃないか?」
命のその言葉に、千里を責めることに没頭していた晴美が、ぴくりと反応する。
「………最後まで?」
「そう、最後まで。」
しばし考えて、その言葉の意味を理解して。晴美は………どこか寂しそうに、その視線を伏せる。
「………でも、それは………私じゃぁ………。」
最後までとは、つまり………男女の交わりによって、千里の身体を鎮めることを言っているのであろう。しかし、
いくら千里を心から愛おしいと思っているとはいえ………自分は、女の身体しか持っていない。そればかりは、
どうしようもないことなのだ。
その現実を突きつけられ、肩を落としかけた晴美に………命は、にこやかに語り掛ける。
「大丈夫。確かに君は女の子だ、それはどうしようもない………だが。」
そして、次の瞬間………その手から晴美目掛けて、何かが投げて寄越された。
436その花束に絶望を karte13-14 (8/12):2008/04/15(火) 13:14:50 ID:H5J6ey8P
片手で華麗にキャッチしたそれを、眼の前にして………晴美の眼の色が、変わる。
「それを使えば………少なくとも彼女は、その身体の最奥で、君を感じることができるだろう。」
「………っ………!」
「さぁ、やるんだ。君のありったけの想いを………彼女の、中に。」
命は、心の中で邪悪に微笑みながらそう言って………受け取ったバイブを手に硬直した晴美の姿を、見下ろした。
「これが………千里の、中に………。」
「そう。それは言わば………君の、分身だ。さぁ、今すぐに、それを沈めてあげなさい。」
「う、ぁ………っ………!?」
眼の前の晴美が手にしたそれを見て、千里が戦慄する。しかし、既に足腰も立たない程に体を高められた千里は、
もはやそれを拒否する言葉を紡ぐことすらままならず………ただ、懇願するような眼で晴美を見つめるだけだった。
晴美が、振り返る。その瞳は………彼女が完全に、命の言葉に洗脳されてしまったことを、物語っていた。
「………千里………私………。」
「や、止めっ………晴、美ぃ………!?」
「ごめん、私もう………我慢、できない………!!」
晴美が、それこそ欲望に駆られた雄のように、千里に襲い掛かる。その脚を強引に押し開くと、愛液に濡れた秘裂
が外気に晒される。恐怖と、気が狂いそうな程の羞恥心とで、戦利の表情が引き攣る。
晴美は、何かに魅入られたように、手にしたバイブの先端を千里の入り口に宛がった。ひ、とか細い悲鳴が上がる
のも構わず………それをゆっくりと、内側へ押し込んでいく。比較的小さな千里の秘裂が、侵入する異物に合わせ
その形を変えていく。
「い、ぁッ………や、止めて、晴海、い、痛ッ………!?」
「大丈夫よ………大丈夫。先生とだって、もう、1回やってるんでしょう………!?」
ぼそり、とそう呟いて………晴美は、まるで自分のその言葉がスイッチになっていたかのように、突如として溢れ
出した感情を、口にしていく。
「先生の………先生のが、千里の中に………!」
「あ、はぁッ………ぐっ………!!」
「私ね、悔しかったんだよ………千里が、私の大好きな千里が、先生に汚されたって知ったとき………!?」
「い”、やッ………痛い、痛いよぉ………!!」
「けど、千里とっても幸せそうで………それがまた、憎らしかった。」
「………ひっく………えぐっ………!!」
「なんで、ずっと千里のこと見てきた私より、あんな………あんな、男なんかに………ッ!!!」
「あ、あ、いッ………痛い、痛い痛い痛い痛ッ………ぁ!?」
そして。カタツムリのような速度で、ゆっくりと千里の中を進んでいったそれが………遂に。

ブチッ。
「い、ぎッ………〜〜〜ッッッ!!!???」
「………………………………え?」

何かが裂けるような、感触。そして………一拍後に千里を襲う、壮絶なまでの激痛。
「あ”あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!???」
千里の腹の底から湧き上がった、思わず耳を塞ぎたくなるような痛々しい悲鳴が、狭い地下室にエコーする。
「い、痛い、痛いッッッ!?ぬ、抜いでッ、も、もう、止めてぇッ!!嫌あああぁぁぁ!!!」
そして。眼の前で、狂ったように絶叫する千里とは、対照的に。
晴美は、千里の中に埋まり、愛液と破瓜の血の混ぜ物で濡れたそれを掴んだまま………まるで放心してしまった
かのように、ただ、ぽかんとした顔で口を開けていた。
「ぇ………ぇ、ちょっと、嘘………え?」
「うぇ、い、だいッ………痛い、痛いよぉ………ひっく………ッ!!」
「嘘、待って………なんで、だって千里………もう、先生と………あれ?」
まるで耳からの情報を全てシャットアウトされているかのように、晴美は眼の前で泣き濡れる千里の声などどこ吹く
風で、ただ、自分の視界にあるその光景に唖然としていた。
437その花束に絶望を karte13-14 (9/12):2008/04/15(火) 13:15:27 ID:H5J6ey8P

思考速度落ちた頭は、驚くほど冷静に、状況のひとつひとつを確認し、推理していく。
千里は、少なくとも最初は、望と事に及んでしまったからきっちりとその責任を取ってもらう、ということで望に
言い寄っていたはずだ。それは、千里がそんな理由など関係無く、心の底から望のことを想うようになった今でも
変わらぬ事実だったはずだ。
けれど………それなら、どうして?それが本当なら、千里はとっくの昔に望に純潔を捧げたことになるのに………
どうして、こんなことになっているのか?痛みに泣き叫んで、血を流して。これではまるで………未だに守られて
いた貞操を、自分が、今手にしているこのバイブで、奪ってしまったような………?

「………いやはや………そうか、そうか。」
そうして硬直する、晴美の背後で………命が、呟く。その声は、微妙に震えていて………まるで、湧き上がって
くる笑いを必死で堪えようとしているかのようだ。
「やっぱりな………あいつから話を聞いたとき、そんなことが有り得るものか、と思ったんだ………。」
その言葉に………晴美が、ゆっくりと首を巡らせる。
「君は、彼女から2人の間に何があったかを聞いてるんだろう?どんな話だった?」
「え………だから、先生と、千里が………保健室で………?」
「そうだ………『気がついたら、保健室の同じベッドで眠っていた』と、私もあいつからそう聞いている。」
「………ぇ………気がついたら、って………?」
「言葉の通りだよ。保健室に行って、気がついたら、望の腕の中で彼女が眠っていた………ただ、それだけだ。」
それだけ、という部分を強調しながら、命は心底楽しそうに、晴美にその話を語って聞かせた。
晴美は………千里から、先生と行為に及んでしまったらしい、という確かな言葉を聞かされていた晴美は、その
事実に、唖然とする。晴美の心の中で………絶望的な予感が、膨らんでいく。
「しかしね………私は正直、そんなことは有り得ないと思っていたんだよ。」
「………あり、え、ない………?」
「そう。あいつが、自分の教え子に手を出すなんて………それこそ、どんなに酩酊していても有り得ないよ。」
「ぇ………え?あ、あの………あれ………?」
「あいつもあれで結構、頭が古風でね。男女の交際に関してはことさらだ。」
「だ、だって………男女のべつまくなし、って………?」
「ああ………それは、倫のちょっとした冗談だよ。あいつ、いつもそんな事を言って望をからかっていたから。」
「………ぇ………ち、ちょっと………。」
「望は、良くも悪くも、根っこはお堅い奴なんだよ。そして………それはおそらく、彼女もそうなんじゃないか?」
「………ちょっと………待って………?」
「実際は、大方………隣り合ったベッドで寝ていた2人が、寝返りでも打って偶然一緒になってしまったんだろう。」
「………ゃ………っ。」
「だが………『男女が床を共にしてしまった』ことは、ただそれだけで、2人にとっては重大な事件だった。」
「………や、止めっ………。」
「だから、それに気付いたとき………半ばパニックに陥って………。」
「………や………嫌、そ、んな………っ?」
「自分達が行為に及んでしまった『可能性』を、『事実』だと誤解した。要は………全て、勘違いだったんだよ。」
間髪いれずに放たれる、命の、衝撃的な発言。
それを、全て聞き入れ、受け止めて………晴美は、1つの結論に達する。

つまり。千里は、今の今まで、純潔を護る処女だった。
そして、自分が………それを、かけがえの無い親友の純潔を、無理矢理に、奪い取ってしまった。

その現実を、ようやく、頭の芯で理解して。
………晴美の精神が、ミシ、と軋んだ音を立てる。
438その花束に絶望を karte13-14 (10/12):2008/04/15(火) 13:15:58 ID:H5J6ey8P
「………や………う、嘘よ、そんなの………?」
「嘘なものかね。ほら、眼の前で血を流して泣いている彼女の姿が、何よりの証拠だ。」
「………ち………違う、違うッ、私………私、こんな………!?」
「どうだい?他の男に奪われたと思っていた、愛する者の純潔を、その手で奪い取った気分は!?」
命の語気が、だんだんと強まっていく。
「君の親友が、愛する男に捧げたと思い込んでいた純潔を!その玩具で奪い取った気分はどうだと、聞いてるんだ!」
そして。その、無慈悲にとどめを刺すような言葉に。
「い………っ………!」
遂に………晴美の心が、音を立てて崩れ落ちる。
「いやあああぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
絶叫すると共に、それまでなんとか意識の外に締め出していた黒い感情が、晴美の心に流れ込んで渦を巻く。
後悔、罪悪感、懺悔、そして………もう決して取り返しはつかない、という絶望的な確信。それらが、崩れ落ちた
晴美の心の残骸を、更に容赦なく蝕んでいく。
「………ぃ………たい、痛、いっ………ひ、ぐっ………。」
「や、ぁッ………ッ………!?」
頭が割れるような錯覚。一刻も早く耐え難い現実から逃げ出そうと、今にも強制終了されてしまいそうになる意識
を、眼の前で呻く親友の姿がその場に引き止める。まるで、死体か幽霊でも見るような蒼白な顔でガチガチと奥歯
を鳴らす晴美の背後に………命が、ゆっくりと歩み寄る。
「………そんなに、動揺している割には………。」
「ひ、っ………!?」
命は、床にへたり込んでいた晴美の身体を背後から羽交い絞めにするように抱え上げ、ぐらつく脚でどうにか地に
立たせた後………その手を、晴美のスカートの中に滑り込ませた。ビク、と晴美の身体が震える。
「ここは、しっかり濡れているんだな。」
「え、やッ………そ、そんな………!?」
「友人をボロボロに穢して、それで悦んでいるのか。大したものだ。」
命の言葉の通り………晴美の秘裂は、布越しにもハッキリと解かるほどに濡れそぼっていた。それは、もちろん
晴美が全てに気付く前、何も知らずに千里に迫っていたときの興奮の名残りだったが………動揺しきった晴美が
それに気付くのを妨げるようにして、命は容赦のない言葉を並べていく。
「親友の破瓜の血で興奮するなんて、真性のサディストだな。私も、ここまでの逸材は見たことが無い。」
「ち、違います………私………私ッ………!」
「何が違うんだ?悲痛に泣き叫び、君の手で身も心もズタズタにされた彼女の前で、こんなに濡らしておいて。」
「や………い、やぁ………何で、私、そんなの………ち、がッ………!?」
「ほら、彼女にも見てもらえ。自分が彼女にあんな真似をして、何を感じているのか。」
命はそう言いながら、手錠に繋がれたまま、痛みに疼く秘裂にバイブを挿し込まれたまま虚空を見つめている千里
の眼の前で、晴美のスカートを捲くり上げて下着を引き摺り下ろす。もはや千里の瞳にそんな光景は映っていない
が、それでも、晴美は頬を真っ赤に紅潮させながら唇をわなわなと震わせた。
そして。その背後で………命が何かを思いつき、ニヤリ、と歪んだ笑みを浮かべる。
「………そんなに、罪の意識に苛まれているなら………少しでも、贖罪の手助けをしてやろうじゃないか。」
「………ぇ………っ?」
命はそう言って、晴美の身体を解放し、その正面、茫然自失のまま震え続ける千里の眼の前にしゃがみ込み………
突然、千里の秘裂に捻じ込まれていたバイブを、引き抜いた。
「い、ぎッ………ッッ………!!?」
何の前触れも無くそれを奪われ、千里が新たな痛みに悶絶する。
「………『目には目を、歯には歯を』だ。君も………コレで、同じ痛みを味わってみればいい。」
「え………やッ、嫌………!?」
晴美が、思わず後ずさろうとする………が、それよりも先に、命は晴美の身に襲い掛かり、その身体を部屋の端に
寄せられていた机の上に乱暴に押さえ込んだ。すかさず、じっと部屋の隅に控えていた看護婦が加勢する。
「君も………彼女と、同じだろう?なら、愛する彼女と同じこの玩具で………その純潔を、散らせばいい。」
両腕の高速を看護婦に任せて、命は強引に、その身体を晴美の脚の間に割り込ませる。下着を脱がされ、しとどに
濡れて、既にそれを受け入れる準備の整っていた秘裂に、命は何の躊躇いもなく、バイブの先端の狙いを定めた。
439その花束に絶望を karte13-14 (11/12):2008/04/15(火) 13:16:32 ID:H5J6ey8P
「い………嫌ぁッ!!や、やめッ………止め、て、お願い………許して………ッ!!」
「君が彼女にしたのと、同じことをするだけだ………おい、君もよく見ておけよ!?」
命は振り返り、おそらくは何も聞こえていないであろう千里の耳にそう呼びかけた。案の定反応は無かったが、
それでも構わず、命は手にしたバイブを晴美の中へと沈めていく。自分で自分を慰めようと、似たような物を受け
入れたことはあったが………それほど本格的な物を受け入れたことの無い秘所が、悲鳴を上げる。
「い、あッ………ぐ、ぅ………!?」
そして。眼を白黒させながら、晴美が、その異物感に呻き声を上げそうになった、瞬間。
「………さぁ、これで………晴れて、彼女とお揃いだ………ッ。」
命が手にしたそれが………晴美の純潔の証を、引き裂いた。
晴美が、痛みに眼を剥く。呼吸が止まる。千里を襲ったのと同じ、気が狂うような痛みが、全身を突き抜ける。
「い”ッ………や、ああああああぁぁぁぁぁぁッッッ!!!?」
噛み殺したような呻き声に、甲高い悲鳴が続く。その音に酔いしれるように、命はしばし眼を閉じ、何度か頷いた
後………たった今姦通させられたばかりの晴美の中に、2度、3度と、バイブを突き入れた。晴美の脳内で、肉が
裂けるような音が響く。水音を響かせる秘裂から、赤い液体が流れ出す。
「い、いだッ………あ”、あああッッッ!!?」
「どうだい?君は、彼女がそんな地獄のような思いをしている眼の前で、淫らに股を濡らしていたんだぞ?」
「ぬ、抜いでッ………もッ、や、む、無理………やだ、あ、ぁッ………ん、ぎぃッ!?」
「………まぁ、気持ちは解からないでもないがね。私も、人のことは言えないな。」
そんな残酷な行為に及んでいるとは思えない口調で、そう呟き………命は、笑った。そして。
「いだッ………あ、あっ、かはッ………!?」
「どれ、せめてもの救いに………今回は、早めに解放してやろう。」
その指が………バイブの柄に取り付けられたスイッチに、伸びる。
そんなことは露知らず、ただ、強烈な痛みに歯を食い縛る晴美の姿を見下ろして………。
「大丈夫………1度果ててしまえば、すぐに痛みなど忘れるさ。」
命は、カチ、とそのスイッチを切り替えた。
振動が、未だに血を流し続ける晴美の膣内で、振動し始める。それは一瞬、傷口を滅茶苦茶に掻き回し、晴美の
精神を狂わすのではないかという痛みを生み出すが………すぐに、更に強い感覚でそれを塗り潰していく。
「いッ………や、あ、あああぁぁぁッッッ!!?」
「どうだ、少しは楽に………いや、それどころではないか。」
「や、やあああぁぁぁッッッ!!こ、これ駄目っ、と、止めッ………壊れッ………!!?」
「初めてにしては、刺激が強すぎるかな?まぁ………大丈夫、死にはしないだろう。」
「駄目ぇッ、こ、これッ………し、死んじゃう………ッ!!やめッ、も、もう、許して………ッッッ!!?」
「………死なないと言っているじゃないか。本当に、もう何も聞こえていないんだな………ははは。」
震えるそれを、更に抜き差ししながら、命は乾いた声で笑う。
「あ、ッ、ぐ………あ、あああぁぁぁッッッ!!?」
侵入と後退を繰り返しつつ、強烈な振動で晴美の内壁を抉る異物に………晴美の身体は、ものの数秒で、あっさり
とで絶頂へと導かれてしまった。
「あ、ひぁ………ッ、うぁ………っ!?」
壮絶な痛みと、それを覆い尽くすような強烈な快感。許容量を越える感覚の波に溺れながら、晴美は、自由になら
ないその身をガクガクと痙攣させた。背筋が反り返り、四肢が引き攣り………やがて、ぐったりと全身が脱力する。
だらりと机の上に投げ出された肢体は、それでもまだ、執拗に振動を続けるバイブの刺激にピクピクと小さな痙攣
を繰り返していた。
「は、あッ、はっ………ひっ、う、ぅぇっ………ぁ………ッ………!!」
「………なんだ、あっけなかったな。」
ふん、と鼻を鳴らす命に、抵抗する気配を失った晴美の腕を解放した看護婦が、呼びかける。
「もう、先生ったら………酷いですよ。」
「はは………酷いのは、お互い様だと思うがね。」
「でも私、せっかく晴美ちゃんがネコじゃなくタチもやってみたいって言うから、協力したんですよ?」
言葉では、機嫌を損ねたような台詞を吐きながらも………看護婦の顔には、命には及ばないが、それでも一目で
邪悪さが感じ取れるような笑みが、張り付いていた。
440その花束に絶望を karte13-14 (12/12):2008/04/15(火) 13:17:14 ID:H5J6ey8P
「一緒に楽しみたい娘が居るって言うから、こうして連れて来て貰ったのに………結局、先生ばっかり。」
「いいじゃないか、その娘だって楽しんでいただろう………あのことを知るまでは、だが。」
「あらあら………先生ったら、意地悪なんですから………。」
「何を今更。君だって、楽しそうに見物していただろう?」
「それも、そうですけどね………ふふ………。」
打ちひしがれた2人の少女の眼の前で、平然とした様子で、看護婦と談笑した後。
机の上に仰向けになったまま、肩を上下させ、浅く短い呼吸を繰り返す晴美の姿を一瞥して………命は、その瞬間
に晴美に対する興味を失ってしまったかのように、秘裂に沈めたバイブのスイッチを切ることすらせず、そのまま
千里に向き直った。
流石に、親友の断末魔のような叫び声は、その耳にも届いたらしく。千里はずっと伏せていた顔を上げて、たった
今、眼の前で純潔を散らされ絶叫していた晴美の脚が机の端からぶら下がっている様を、恐れおののくような眼で
見つめていた。さきほどまでは、何も映らない濁った闇が湛えられていたその瞳にも、今ははっきりと、恐怖と
いう感情の気配が見て取れる。
「おお………そういえば君は、まだ最後まで達していなかったね。」
「………ひ、っ………!?」
命が、ゆっくりとした足取りで千里に歩み寄る。1歩ごとに、千里の中の恐怖が肥大化していく。
「ふむ、そうだな………初めての思い出が、地獄の苦しみばかりでは、流石に少し可哀想だな。」
千里を見下ろしながら、とぼけたような口調でそう言って………命はおもむろに、自分のズボンに手を掛ける。
やがて眼の前に曝け出された、膨張した命のモノを目の前にして、千里はまた蚊の鳴くような悲鳴を上げた。
「せっかくの機会だ。私が………その身体に、女の悦びを、刻み込んであげよう。」
「い………嫌っ、ぁ………こ、こなっ、来ない、でッ………!?」
「そう怖がらずに。そんな痛み、すぐにどうでも良くなるくらい………徹底的に、トばしてあげよう。」
壁際に追い詰められた状況でも、なお命から逃れようとする千里の身体に………命が、襲い掛かる。
全力で命の接触を拒否しようとする千里の身体を、難なく抑え込んで………その脚の間に身体を割り込ませた命は、
愛液と鮮血に濡れ、未だに鋭い痛みの余韻が残る千里の秘裂に、腫れ上がったモノを容赦なく突き入れた。

恐怖の叫び声が上がり、数秒の後、再来した激痛による叫び声が響き渡る。
そのエコーの中に、命の落ち着き払った声と、徐々に大きさと頻度を増す淫靡な水音が混ざり合う。

初めてその身を穢された少女達の地獄のような時間には、未だ、終焉の気配は感じられない。



(続)
441その花束に絶望を:2008/04/15(火) 13:29:39 ID:H5J6ey8P
………お粗末様でした。ハルチリ編でした。ゆりゆりゆりゆり百合まくってすいません。
ただ………やっぱり、1度思いついちゃったものを抑えることができず………申し訳ないです。(汗)

とにもかくにも、これで生徒は残すところあと1人です。
話自体は、あと1回で終わるかどうか解かりませんが………あと少しだけお付き合い頂けたら、幸いでございます。
それでは、今回はこれにて。お目汚し失礼致しました。
442名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 13:47:06 ID:zxlnISgZ
回が進むごとに絶命先生が鬼畜になっていく・・・が、それがいい
443名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 15:40:33 ID:QD7Z1vqt
ひあー凄まじかったですGJ
444名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 15:52:11 ID:kO+CmEEs
>>441
おつ

あと一人ってマ太郎だよ…な?
一番展開が予想できないw
445名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:08:52 ID:V7QJ2rZF
これは…ロリコンの俺には次が楽しみだ

>>441乙です
446名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:15:55 ID:DxVm1kZf
このまえ、久藤吉書いた者ですけど、
新しいのできたんで投下しときます。
447勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:23:12 ID:DxVm1kZf
 カップリングは特になし。あえて言うならあびる×望。
オールキャラで、少しエロティックなだけのギャグものです。
自分は鬼畜や欝は書けませんが、こんな話で笑ってくれれば幸いです。
448勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:25:09 ID:DxVm1kZf

 『勝たせ舟』

  「しっぽ鍋がおいしい季節ですね」
ある日の放課後のことである。
2−へ組生徒である包帯の少女あびるは、
愛しの教師、糸色望に寄り添った。
 
 「存じませんが」
 「暇でしたら、食べに行きませんか?」

 本日の彼女は、聊か積極的である。
 「私たち、付き合っているというのに、全く進展がないじゃないですか」

 とあることから、影武者を用意させられた望。
その偽望はあびるの心を掴み、彼女はその彼に告白してしまった。
そして、彼は承諾した。
本物の望になっても、彼女の思いは変わらず、彼に恋慕の情を寄せていた。
449勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:26:42 ID:DxVm1kZf
 「残念ですが、小森さんが夕食の準備をする頃合だと…」
 この言葉にあびるは不機嫌な顔をする。
それは、そうだろう。恋敵の名前を出されたのだから。
この発言に、望はさすがに、拙いと思った。 

 「私、もう限界かもしれません。先生は普通の生徒と同じようにしか
  扱ってくれないし、せめてキスの一つしてくれないと…」

 望は、己の身の危険を感じた。
もし、これ以上彼女の機嫌を損ねたら、犯されるかもしれない。

 「そうですね。しっぽ鍋。いいですね」
 このままじゃ、この生徒と一緒にあんなことをしてしまう雰囲気になる可能性が高い。
何とかしなければ…。

 「鍋はみんなで食べるのが、一番おいしいですよ」

 これは苦肉の策だった。

 「変な噂が立つと困るでしょう? 私もあなたと食事がしてみたいですが、
  二人きりというのは危ない。みんなでどうでしょう?」
450勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:27:37 ID:DxVm1kZf
ということで…


 宿直室には、多くの人が集まった。
まず、あびる、望と彼について来たまとい。そして、ここにずっといた霧。
そして望の妹である倫。その他、放課後残っていた千里や可符香、晴美、愛、芽留などが
鍋に参加した。

 「今日は、交がちょっと命兄さんのところに帰ってるので
  残念ですが、楽しみましょうね」

 望はそういうのだが、すでに陰険なオーラが大量発生してしまっている。
まず、望の隣の席の座を奪い合い。霧とまといは、バチバチ火花をとばした。
加賀愛は、『私なんかが、これをとってしまったら、皆さんが食べることができません』
と一切食べなかったり(何しにきたんだ)カエレは『私のいた国では』と、
文句を言ったり(だからどこの国だよ)千里は鍋奉行で、いちいちうるさいし、
マリアは、生肉を食べるし…。
 絶望した! 普通に鍋に食べることのできない人々に絶望した!!


 「やっぱ、醤油だけいれるのが、いいですね」
と、日塔奈美。

 「普通」
 「普通っていうなー!」


 食事も無事に(?)済んで、みんなが帰るころ、晴美が口を開いた。
 「せっかくなんだから、みんなで遊ばない?」
 「どうしようか?」 

 「あなたたち、そろそろ帰ったほうがいいですよ」
  と望。もう空が暗いのだ。帰ったほうがいいだろう。

 「そうね」
 あびるが賛同する。やはり彼女はその気なのだろうか。
 「あなたたち『は』帰ったほうがいいわ」
 (いや、あなたも帰ってくださいよ)望はそう心の中でつぶやいた。
451勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:28:36 ID:DxVm1kZf
結局ゲームすることになった。

 「こういうときは王様ゲームなんてどうかな」
晴美が提案する。

 「どうしようなあ」
 「ちょっとなあ」
 「まあ、いいけど?」
 
 いろいろ意見が出たが、結局王様ゲームに決定してしまった。
 
 「私の国の王様ゲームは…」

 カエレは日本のルールが合わなかったようで、お帰りになりました。

 「日塔さん。下校しなくていいの? 夜になると…」
 「そ、そうね」
 過去のトラウマによって、奈美は夜の学校を嫌い、
下校することにした。
 「王様ゲーム? オーサマっテ?」
 「国で一番偉い人のことよ。その王様が命令するのよ。関内さん」
 「マリアの国、一番偉い人、命令してタ。お腹すいてた人かラ、
  食べ物奪ってタ、美人な女、つれさっタ。その両親泣いてたヨ」

 一同号泣。

 「じゃあ、辛いこと思い出しちゃうから、関内さんは、
  参加しないでいたら?」
 「じゃ、そうするヨ。バイバイ!」

 「倫?」
 望は、妹がどうして、他の生徒たちを帰らせようとしているのか気になった。
どうしたというのだろう。

 「音無さんも参加しませんか?」

 どうやら、勘違いだったらしい。しっかりと誘っているではないか。

 メルメルメルメル

 『誰が参加するか! お前らの間抜け面眺めてるよ』

 

 結局参加するのは6人になった。

まず、ちゃぶ台の上にくじが置いてあり、それを望と生徒たちが取り囲む。

 南には望。後ろに参加はしないが、まといがべっとりくっ付いている。
東には倫が一人。北には可符香とあびる。その後ろに芽留が携帯をいじくっている。
西には晴美と千里。千里は乗り気ではなかったが、晴美の一言によって、参加することになった。

 『うまくいけば、自然に先生とキスできるかもしれないよ』


 「えー。では、予め言っておきますが、恨みっこは無しです。
  この勝負が終わったら、何もかもさっぱり忘れるように!」
 「いいですよ。じゃあ、皆くじを引いてー!」

 「王様だーれだ?」
452勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:29:22 ID:DxVm1kZf
一回目 王様は望。
 
 「では、3番の人、最近あった絶望的な話をしてください」
 「盛り上がるゲームでなんでそんな…」
 「仕方ないよ。絶望先生だもん」

 3番の晴美が語る。

 「そうですね。この前、とてもいいカップリング見つけたんですよ。
  その少年漫画! 男二人の行動が一々怪しくて、絶対、コレ狙ってる!
  と思って、次の新刊はコレだって決めたんですよ!!」
 「ハイハイ、落ち着いて、息が荒いですよ」
 「そしたら、最新号で…片方が…敵の目を欺くため、男装していた王女様だったんですよーー!
  絶望した! 乙女の心を踏みにじる漫画に絶望し…」
 「ハイ! 次いきましょう」

 二回目 王様は倫

 「1番の人は、王様とキスしてください」

 「マジで?」
 「っていうか『王様と』というのは、ナシなんじゃ…」
 「禁止だよね。っていうか自分で罰ゲーム?」
 「ちょっと、一番私なんですけど…」
と望。
 「アリですよ。王様の命令は絶対ですよ!」
倫は、兄の顎を擡げて、強引に口付けをした。
 「ちょ…」
 「あははは、お兄様かっこ悪い!」

 この行為に、あびる、千里、まとい、霧の4人の殺意が倫に向けられた。
倫はそれを鼻で笑った。
 
 「次いきましょうか。先生」
あびるが静かに言った。絶対に怒っている。

 三回目 王様はあびる

 「じゃあ、1番、2番、3番、4番、5番の人で○○○を持っている人は、
  私と○○○をする。なければ、首吊り」
 
 空気が一瞬止まった。
 「個人が特定できてしまいますよ。禁止です!」
と望。
 「男の人、先生しかいないんだから」
と可符香。
 「よくそんなアレな発言できるね」
と晴美。
 「お前が言うな!」
と千里。
 やはり、あびるは欲求不満のようだ。
453勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:30:49 ID:DxVm1kZf
 四回目 王様は晴美

 「5番の人は、猫耳つけて、セクシーポーズ!」
 晴美は常備している猫耳をちゃぶ台の上に置く。
 
 「5番…私です」
と望。

 「いい、先生、いい!」
 あびると千里は、彼のセクシーポーズを凝視した。

  (おかしい。何で私ばかり!)


 「ちょっと、失礼します。用事を思い出しました。すぐに戻ります」
 「私、ちょっと、風に当たってくるね」
望と可蒲香は、そういって部屋を出た。

 

 「いますか? まといさん」
 「ええ」
 望は、廊下にまでついて来たまといに話しかける。
 
 「先生!」
 続いて可符香がついてくる。
 「きましたね」
 「このゲーム。少し変ですね」
 「わかります? 仕込まれているみたいなんです」
 先ほどの倫と晴美。対象を狙ったかのように、望にしている。

 「そこで二人とも協力してほしいのです。
  おそらく、黒幕は藤吉さん。でも、どうして番号がわかるのでしょうか。
  倫も怪しいですし…」
 「それを探れというわけですね。糸色同士!」
 「そうです。それが指令です」
454勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:31:37 ID:DxVm1kZf
5回目 王様は千里

 「じゃあ」
 千里はもじもじする。
 「2番は…王様に…『好き!』というのでどうでしょうか?」
 望はこの発言に、にやりと笑う。
 「もっと欲張ればよかったのに…」
 晴美は、千里だけに聞こえる声で言った。


 「好きだよ! 千里ちゃん」

 可蒲香の明るい声が響いた。彼女は2番のくじを見せる。
 これに一番驚いたのは、千里だった。そして倫も晴美も少しばかり驚いていた。
二人の目線が芽留に移った。その芽留も首を横に振った。
その瞬間をまといは見逃さなかった。

 「交換したんですよ。彼女と…」
望は、まといに小声で言った。
 「わかりましたよ。いいですか」
まといが望に耳打ちする。

 「よく聞いてください。やはり仕組まれてます。
  まず、あのケータイ女! 彼女が風浦さんと小節さんの番号を見て、それを藤吉さんに
  教えたんです。
  ウィンクした回数がその数字。倫さんと藤吉さん。そして木津さんの
  三人で情報を交換しあって、先生の番号を知ったんです」
  
 「なるほど。それで、倫がああやったんですね。ってことは、倫は私と…いやいや、
  それはともかく、その4人がグルだったんですか。流石ですね常月さん」
 「暗号解読は得意ですから」
 「あとで、ご褒美あげますよ」
 まといの、望を抱きしめる腕が強くなった。
455勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:32:44 ID:DxVm1kZf
 6回目 王様は望

 「では、1番の人、流行っている最新のギャグをやってください」
 「え?」
 仕返しとばかりに、望が選んだのは妹の倫だった。
 「王様の言うことは絶対ですよ」

 「ぅ…。じゃあ、やりますわ。なんでだろ〜なんでだろ〜!」


 メルメル『古いんだよ!』

 「ぅ…お兄様の馬鹿!!」
 
 倫はそういうと、顔を赤面させて部屋を出て行った。
 「私をからかった罰ですよ」

 「倫ちゃん、帰っちゃったね。じゃあ、私、こっちに移動するよ。
  あびるちゃん。狭いでしょ」
 可符香は、北から倫がいた東に移動した。
 これでは、芽留が可付香の番号を見ることができない。
可付香は、望とアイコンタクトをとった。
 そして、彼女は芽留だけに聞こえる声で囁いた。

 「もう、バレバレだよ」

 芽留は小さな悲鳴をあげて、部屋を出て行ってしまった。

 7回目 王様は晴美

 「ごめんね。千里。もう先生の番号わからないわ」
 「うー。いつまでたっても、私は先生と…もう!!!!」
千里のイライラは募る。
 「これをやるしかない!」
 
 千里の額に第三の目が浮かんだ。

 「気のせいでしょうか? 千里さんの額に…目があるような」
 「あの使い捨て一発ネタが、二次創作で復活!」
 「可符香さん。そういうこといわないの」

 「見える! 見える! 先生は5番! さあ、晴美! 何をいうかわかってるよね!」
 「千里、落ち着いて。千里は何番なの?」
 「コレよ」
 千里は一本だけ指を出す。
 「『1番と5番がキス』…でいいかな?」
 「うん。お願い! ああ、これで先生と…」
千里はうっとりとする。 

 「早くしてくれませんか」
 あびるが冷たく言い放つ。
 
 「うん。じゃあねえ、1番の人は大声で、好きな人を下の名前で叫んでください!」
456勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:34:14 ID:DxVm1kZf
 晴美のこの発言に、千里はびっくりした。
 「えっ? キスじゃないの?」
 「1番の人ー! 誰かなー?」
 晴美は意地悪そうにニヤニヤする。

 「一番は、千里だね」
 「ぅ…」
 「王様のいうことは絶対だよ」
 「の…の」
 「ほら、大きな声で!」


 「の! のぞ… 望!!」
 
 千里の声が狭い部屋に響いた。
千里は顔をこれ以上ないぐらいに真っ赤にしてる。
恥ずかしさのあまり下を向く。
 「…千里さん」
 望は、少し照れながら、やさしく千里を見つめるものだから、
千里の恥ずかしさは増幅し、耳の先まで赤くそまった。

 「うっ…うっ。…うなー!!!」
 千里はいきなり立ち上がると、我を忘れて暴れだした。
 「うな! うな! うなーー!!」
 千里は走りながら部屋を出てしまった。

 「あちゃー。やりすぎたかな」
と晴美。
 「ごめんね。先生。ちょっと千里を止めてくるよ」
 「私もいきましょうか」
 「いいよ。あの状態の千里を止められるのは、私しかいないから」
 晴美も続いて、部屋を出て行く。

 王様ゲームに残っているのはあびる、望、可符香の三人しかいない。

 「これではゲームになりませんね。お開きにしましょうか」
 望はそう言って立ち上がろうとしたが、動けない。
ちゃぶ台の下を覗くと、いつの間にかあびるの包帯が、自分の足に絡まっていた。

 「ひぃ」
 
 「いいじゃないですか。続けましょうよ。先生」
あびるがにっこりと笑う。

 そのときだった。宿直室の戸が開いたのは…。

 「あら、糸色先生」
戸を開けたのは、望が密かに恋心を抱いていた新井智恵先生だった。

 

 「王様ゲーム? ふふ。面白そうね。私もご一緒してよろしいでしょうか?」
 「え? まあ、でももうそろそろ終わろうとしていたところでして…」

 まといとあびる、そして台所掃除していた霧が『帰れオーラ』を出しているのにも
かかわらず、智恵はちゃぶ台に腰を下ろす。
 「じゃあ、ちょっとだけ、やりましょうよ」
457勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:34:58 ID:DxVm1kZf
8回目 王様は智恵先生

 「じゃあ、2番は…この首輪つけて、王様に向かって『ご主人様!』といいなさい!」
 「智恵先生! それでは女王様ゲームになってしまいます」
 「ご主人様ー!」

 望はやけにうれしそうに、智恵の言うとおりにした。

 (何よ先生、デレデレしちゃって!)
 まといとあびるが嫉妬する。

 「2番、私なんだけど…」
と可符香。


 9回目 王様は望

 「あ、私が王様ですね」
 「先生! 私、2番です」
あびるが、自分のくじを見せる。
 「報告したら、意味ないでしょう」
 (何を期待しているんでしょう。彼女は…)

 「じゃあ、2番の人は、恥ずかしかったことを話してください」
 
 「先生…じらしすぎです」
あびるが、不満そうに言う。
 じらすも何も、こちらには、その気はないというのに…。

 「恥ずかしかったこと…イベリアトゲイモリとアカハライモリのしっぽを
  間違えたことです」
 「そ…そうですか…。では次で終わりにしましょうか」
458勝たせ舟:2008/04/15(火) 18:36:07 ID:DxVm1kZf
10回目 王様は可符香

 「先生、私2番です」
 「あびるさん。今回の王様は風浦さんです」
 
 「先生は何番ですか?」
 「言うわけないでしょ」
望はそう言って小さく指を1本立てた。
 
 (1番ですか)
 
 可符香は、にやっと笑う。

 「じゃあ、誰かと誰かが口付けというのはどうでしょうか?
  1番さんと…」

 (私と?)
 望は驚いた。


 可符香は、ここで考えた。
 (先生と誰にしようか)
 
 (あびるちゃんが2番。となると智恵先生が3番)
 あびるを選んだ場合。先生は包帯から解放され、
あびるに襲われる可能性は少なくなる。彼女の機嫌もそれなりに
戻るだろう。

 3番の智恵先生を選んだら、先生はとても喜ぶだろう。
でも、他の生徒、特にあびるの反感を買うだろう。

 選択肢の中には『王様』というのもありだ。
つまり、自分とだ。

 
 「先生とキスかあ」
可符香は呟く。
 「ちょっと、いいかもね。ああ、でもどうしようか」

 自分、先生が、そしてみんなが幸せになるには、どうすればいいだろうか。

 可符香はあれこれ考えて、ようやく結論を出した。
2番、3番、そして王様。
この三つの中から、一つを選び声に出す。

 「キスしてもらうのは、1番と…」
可符香の声が部屋に響いた。


 END
459勝たせ舟 あとがき:2008/04/15(火) 18:45:09 ID:DxVm1kZf
 以上で、『勝たせ舟』終わりです。
はい。終わりです。まだ途中じゃない? 
と思う人がいるかもしれませんが、終わりです。

 アニメでは、さまざまな演出をしていた絶望先生なので、
パロディのほうも、新要素を取り入れて、リドル・ストーリーに
してみました。
 リドル・ストーリーとは何かという人はググってみてください。

相変わらず、エロくなくて、馬鹿やってます。

 遅くなりましたが、前回の久藤×藤吉の感想くれた方、
ありがとうございます。これを糧にがんばります。
460甘き夢みし:2008/04/15(火) 19:22:06 ID:VXBRoksF
>>423

期待には応えたいとおもいますww
461名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 19:23:05 ID:GNe8daho
ああ、あったなそんな設定的な面白さがありました。GJ
462名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 19:24:32 ID:jLXTX/L9
>>459GJ!!
素直におもしろかった。リドル・ストーリーとは新しい試みで新鮮w
463名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 19:41:51 ID:Ovxbe51P
>>414
投下マダー?

投下は一日一つまで。なんて決まりはないから、大丈夫でしょ。
464名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:12:56 ID:bQlav5I/
>>414ですが 先ほど帰宅したので投下します。
一応>>233-236の続きっぽいものをなんとか書いてみました…
同じく望×可符香でエロです。
465望×可符香:2008/04/15(火) 21:23:37 ID:bQlav5I/
保健室に入ると、四つ並んだベッドの一番奥、窓際のベッドだけがカーテンで遮られていた。

外は薄暗く、すでにいくつかの電燈に明かりが灯っていた。
ほとんどの生徒は下校し、教職員の人数も減っているせいで
校内は昼間の賑やかさが嘘のような静けさだった。

「陽が落ちるのが早くなりましたね」

望は色を無くした室内を見回してからつぶやいた。
そして誰からの侵入も許さないかのように、カーテンで隙間無く
閉じられたその空間に歩み寄り、そこを開いた。
すると、窓から薄い明かりが差し込んで 自分の膝を軽く抱くような姿勢になって
寝転んでいる可符香を照らし出した。

「待ちくたびれちゃいましたよ」

ごろりと寝返りを打ち、いつもと変わらぬトーンで可符香は言う。
何故か彼女の瞳は少し潤んでいた。

「いや、すみません。なかなか仕事が片付かなくて」

あれはその日最後の授業中の出来事で、あの後 結局可符香は教室に戻らずに
保健室に篭もっていた。
その時 望は女子生徒達から抗議攻めに遭っていたが、なんとかはぐらかした。
466望×可符香:2008/04/15(火) 21:29:25 ID:bQlav5I/
「それじゃあ…先生」

望は上目遣いで見上げる可符香に視線を落とすと、
スカートから伸びる白い脚が目に入った。
制服の上からでもわかる胸の膨らみは 今はそれほど無かった。ブラは外しているんだろう。

「ええ……では…」
「今日は先生の好きにしてくださいね」
「はあ…わ、わかりました」

行為のときは、いつも何かを企んでいるような笑顔でリードしていた可符香が
長距離走でもした後のような表情で誘う姿は初めて見たので、望は少々戸惑った。
しかし同時に、望の身体はどくどくと脈打ち始めている。
ぎこちなく可符香の上に覆い被さり、右手で彼女の額を押さえ付け、唇を重ねた。

抉じ開けられた唇から、望の舌が入ってきた。
「…っん…」

口の中を舐め回してくる望に応えるように、可符香も舌を絡ませる。
互いの唾液が混ざり合い、やがて可符香の口端から滴り落ちた。
唇を離しては、また重ねる。その行為を続けながら、望がゆっくりと可符香の身体の
中心へ手を這わせると、彼女の下腹部がビクンと震えた。
467望×可符香:2008/04/15(火) 21:35:12 ID:bQlav5I/
「あっ…」

スカートの中に手を入れ、下着をずるずると引き下げて脱がし、秘部をそっと擦ってみた。
すると ぬるりと指に纏わりつく感触があった。
しかしそこは、この短い間では充分過ぎるほど濡れていることに望は気付いた。
そして先程の可符香の潤んだ瞳、妙に疲れたような弱々しい表情を思い出し、恐る恐る訊く。

「あの……もしかして私が来るまで…一人で、してました?」

自慰行為を指していることを、可符香はすぐに理解した。

「…だって…どうしても我慢出来なかったんです…」

可符香は恥ずかしそうに身を捩り、悪戯がバレた子供のように目を伏せる。
この場所で自らの手で行い、一人身悶えする可符香を望は想像した。
すぐに堪らなくなってしまい、再び彼女と唇を深く重ね合わせていた。
そして耳、首筋、鎖骨に唇を這わせていき、制服を捲り上げて、柔らかな乳房を露にする。
貪るように片方の乳房を舐め回し、吸いあげた。

「…ああっ…ん、はぁ…ッ!」

もう片方の乳房は、掌を最大限に使って揉み解すと、その柔らかなふくらみは
望の指の動きに合わせて簡単に形状を変えていく。
その行為が終わる頃には、乳房に赤い指の跡が残ってしまっていた。
468望×可符香:2008/04/15(火) 21:43:18 ID:bQlav5I/
胸から下へ移動する手は、可符香の秘部へ向かった。
愛液で濡れるそこに、ゆっくりと人差し指を第二関節まで押し込めていく。

「あっ…ぁ…ん!…ああッ!やっ…」

ぐちゅぐちゅと粘着質な水音が響き、可符香は快感の悲鳴を上げた。

「一人でするよりずっと気持ちいいでしょう」

僅かに口角の上がった望は可符香の耳元で囁いた。

「ぁんっ…!あ、あぁ…っ!…はぁッ…」

望はわざと指の根元まで入れずに焦らして、声を上げる可符香をじっと眺めていた。
今まではされてばかりで、なかなか思い通りに行えなかったからか
喜びが込み上げてきたのかもしれない。
指を抜くと、とろとろと愛液が溢れ出てきた。可符香は小刻みに身体を震わせている。
望は袴の腰紐を緩め、主張しきった自分の肉棒を取り出した。

「入れますよ…大丈夫ですか」
「…は、……い…っ」

望は可符香の両膝を掴み、脚を開かせた。
硬くなったその先端を彼女の入り口にあてがい、器用に沈め始めた。
可符香は声にならない声をあげ、望にしがみついてくる。
469望×可符香:2008/04/15(火) 21:47:50 ID:bQlav5I/
望は肉壁の締め付けで途中で果ててしまいそうになったが、その熱を必死に抑えた。

「ん、ぁ…せん、せ…ッ!だめぇっ!あ、あぁっ」
「もう…少しですから…我慢、してください…」
「はあっ、あ…ぁッ…あんっ」

二人は汗で額や首筋に髪をはりつかせ、呼吸も荒くしながら
やっと完全に繋がることができた。

「…ん、あっあっ、せ…先生…っ!」

しかし可符香は、あまりの刺激に耐えられず腰を上下に動かし始めた。
可符香の腰に手を回し、彼女の動きに合わせて望は気持ち良さそうに声を荒げた。
結合部から粘液がこぼれ、望によって持ち上げられた可符香の腰に向かって流れ出ていく。

「き、もちいい…ですかっ…?あっ…先生……ッ」

可符香は無理矢理笑顔を作ろうとしたが、それは出来なかった。性感には敵わない。

「いいですよ…このまま…いきましょう、か」

途切れ途切れに会話し、望は可符香の胸に顔を埋めた。
可符香は身体に溢れる快感を逃がすかのように 首を上下左右に忙しなく動かしている。
互いの性器を擦り合わせ さらに求め合い――


「あ、あっもう、無理です…ッ…あんっ、あ、あぁぁッ!」

涙を流す可符香の叫びで、望は限界を悟り、一気に引き抜いた。
470望×可符香:2008/04/15(火) 21:52:02 ID:bQlav5I/
しばらく二人は達したときの体勢のまま、呼吸が落ち着くまで抱き合っていた。

気付かなかったが、二人とも腕や脚に着衣が引っ掛かっているだけの姿だった。
望は足首の辺りで袴が皺寄せ合い、上の着物は女性が羽織るショールのように
肘だけで保たれていた。
可符香の制服、腹、乳房、首、顔にまで精液がべっとりと付着しているし、
シーツは汗や混合液でバケツをひっくり返したように濡れている。
そんな状況に望はやや顔を引きつらせて つぶやく。
「なんか…変態みたいですね…」 ぼんやりとした意識の中で、可符香と目を合わせた。
すると、可符香はふふ、と笑って、もぞもぞと擦り寄ってきた。


影もなんの含みもない笑顔に見えたのは、いつのまにか出ていた明るい月の光の
せいではない。と思う。

おわり。
471名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:18:56 ID:GJRn4WDF
GJ
472名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:36:44 ID:KPTMOrXK
>>464
めずらしく貪欲なカフカが良い!GJ
473名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:43:24 ID:4GzjLYML
>>464
待ってたぜ、GJ!

カフカかわいいよ
474名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:07:32 ID:5sBJ7qbm
>>441>>459
ハルチリ好きにはたまりません!
475名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:17:20 ID:007HNERG
>459

遅くなったけど、GJ。
前回の話といい、キャラへの愛情を感じる作品だね。
476名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:17:56 ID:aw5pZK+h
白い可符香かわいいよ白可符香
477名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 03:01:57 ID:Us1vuzoF
>459 GJ!
>470 GJ!
鬼畜物とか暗い話系とかが好きじゃなくて読めない俺にとっては、
ギャグ系とか純粋なエロ系とかは大歓迎。
478名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 09:30:13 ID:Jb+kVYCj
>>477のレスを読んで鬼畜で鬱で救いようのないエロなし話を書きたくなった
479名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 12:05:43 ID:9+kf5kph
>>478
なんてサディスト
480名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 12:48:21 ID:gPI6kD7Z
>>478
鬼畜で欝で救いようのない「エロなし」話・・・・・・それで興奮できたら、末期テスト余裕で合格だな!
481名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 16:47:37 ID:aw5pZK+h
それってもうエロパロじゃないですよね…
482名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 16:58:22 ID:aJkitt3T
だから学級崩壊スレ作ろうぜ
483名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 17:37:48 ID:BTbZl5PR
エロ無しなグダグダな小ネタ投下します。一旧とまといと霧の話です。
484いっKYうさん:2008/04/16(水) 17:41:00 ID:BTbZl5PR
騒ぎの果てに愛する先生の姿を見失ってしまったまといは、仕方なく宿直室の卓にて先生の帰りを待っていました。
部屋の隅には恋敵の霧もいて、二人は視線も言葉も交すことなく、離れて座っていました。時計の音だけがコチコチと鳴り、かえって静けさを伝えていました。
「旧友、いる?」
と、そこに表れたのは、DVDのケースを右手に持った一旧です。
「いないよ」
と、霧はそっけなく答えました。すると一旧は「そうか、じゃあここで待たせてもらおうかな」と言って、宿直室に上がり込み、テレビの前でごろんと横になりました。
そして一旧はそこらに散らかしてあった望の読みかけの本を手に取ると、二、三ページ捲り、ぽいと投げ出してしまいました。また別の本を手に取ると同じことをします。
なんて図々しい奴なんだ……と、まといも霧も自分のことは棚あげして驚愕の視線を一旧に送ります。が、一旧は全く気がつかないのほほんとした様子で、テレビのスイッチをひねりました。
しばらく誰も喋ろうとせず、今度はテレビから流れる音が、この部屋の静けさを伝えています。
霧は居心地が悪くなって、もぞもぞと動きました。
(それにしても遅いな、せんせー……。一旧さんが来てから、もう何十分経ったんだろう)
霧はそう思い、時計を見やります。
(ま、まだ五分しか経ってない……!)
時間旅行に成功し、霧は青い顔をしました。
同様の動揺は、まといにもありました。
二人っきりでいた時は、張り詰めた緊張感があったのですが、一旧が来て二人とも気がゆるんでしまったのです。
恋をすると距離感の分からぬまとい、引きこもりの霧と、それぞれにコミュニケーションに難を抱えた二人でしたが、
自分以上にKYな一旧の振る舞いに気を抜かれ、ふと冷静になり、「変人と恋敵と同じ部屋にいる、しかも無言」という状況に「気まずさ」を感じ始めていたのでした。
(どうしよう……。何か話しかけた方がいいのかな……)
まといは気まずさに少し迷い、勇気を出して変人に話しかけました。
「少し前までは寒かったけど、最近は暖かくなってきましたね」
「え?ああ、そうだね。うん」
「……」
「……」
「……」
(会話がっ続かない……!)
まといは無言だったさっきより気まずくなった気がして、涙目で頭を抱えました。
485いっKYうさん:2008/04/16(水) 17:42:25 ID:BTbZl5PR
一方で、まといの行動は、霧に勇気を与えました。子供好きとしてかねて興味のあった話題を一旧にぶつけます。
「……せんせーは、子供の頃、どんな子だったんですか?」
まといはハッと顔を上げ、霧を見ました。これぞ『共通の話題』です。霧もまといに、唇だけ動かして笑みを送りました。
ポットに入っていたお茶を勝手にすすりながら、一旧は答えます。
「うーん……あまり目立たない子供だったよ」
実は全然覚えていなかったのでした。
「そう……ですか……」
「うん」
「……」
「……」
「……」
霧は勝負でもないのに、負けたような気持ちになりました。
「あの……」まといがおずおずと話しかけます。「女性関係とかは、どうだったんですか?」
「去年の四万六千日に」
「いや一旧さんのではなくて」
「旧友の?えーと」
一旧は両手の人指し指を額にあて、しばし目を閉じました。比較的近い事柄だったので、思い出すことが出来ました。
「中等部、高等部の頃から、女の子にはよく好かれていたよ。誘いを断れない性格だから、いろんな女の子を泣かせては、ダメ集団的自衛権をくらっていて……」
まといも霧も身を乗り出して聞いています。
「……今でこそ枯れたような様だけど、当時は彼も若かったしね。とにかくムードに流されやすくて、強引に誘われれば男女のべつまくなし、といった所があった」
まといは思わず膝を叩きました。先生に意思薄弱で押しに弱い性格は未だ残されている、
それならば、一旧の話が正しければ、エロスへの興味が成人男子相応にありさえすれば、あっさり陥落するはずです。
至急、通信教育で精力増強マッサージを身に付けようと決意したまといでした。
一方で霧も同じことに気が付いていて、今夜から毎日、先生には山芋やにらを食べさせようと考えていました。
さて、今この情報を知っているのは、絶望ガールズの中でも二人だけです。
(となると……)
(邪魔なのは……)
まといと霧の瞳がそれぞれぎらりと光りました。
「おや、皆さんお揃いで」
そこに青ざめた顔の糸色望が帰ってきたことで、二人の思考と一旧の話は中断されました。
「先生!」
「せんせいっ」
「おお、旧友!」と一旧が持ってきたDVDを掲げると、望は露骨にげんなりした顔をしました。
486いっKYうさん:2008/04/16(水) 17:43:12 ID:BTbZl5PR
後日、二人の「先生を陥落させる」もくろみは概ね成功しました。
ただ一つ誤算があったとすれば、人並みにエロスに興味を取り戻した糸色望が、今までにフラグが立っていた女生徒を全員食ってしまい、相対的に距離が縮まなかったことです。
(了)
487名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 17:50:19 ID:ZRDMNtle
エデンの園にページ数を割かなければだめだよな。
今週は。わかってないよ、まったく。
488甘き夢みし:2008/04/16(水) 20:27:47 ID:ZIz0eMK3
誰も居ない…
望霧するなら今のうち…

何かもう続きっていうか二人をベタベタさせたいだけです
…orz
489夜さり桜。:2008/04/16(水) 20:29:52 ID:ZIz0eMK3
夜さりつ方。
紅鏡はとうに沈み、空には金鏡が立ち上る。
簡単に言い換えれば、陽が暮れて月が上がったという事。
今は四月も中旬となっており、桜が咲き乱れる世間。
鈴木商店高校も例外ではなく、校庭に申し訳程度に咲いている。
静まり帰った闇の放課後の中で、二人の影が宿直室に。
かたや、法律で禁止されている酒を片手に持ち、一升瓶をラッパ飲みしている少
女。
かたや、法律で禁止されていない酒なのに付き合い酒でおこちょを空かす男。

「たまには、こういうのも風情がありますね…」
「あはははは。ヒック…、そうらねぇ、せんせぇ…」

窓から遠くに見える桜は、強い風が吹くわけでもなく静かに止まっている。
二人は同じ毛布にくるまり、窓の外を眺めている。
少しずつ傾いていく月だけが、時の移りを示している。

「こうして後何回、桜を見る事が出来るんでしょうかね…?」
「…?」
「…何でもありませんよ」
「なぁに、せんせぇ。ちゃんと話してぇ」
「小森さんとずっと一緒に居たい、と言ったのです…」
「わたしもぉ、せんせぇとずっと一緒に居たいよ」

そう言って朱色を落とした頬を望へ近付ける。
スリスリと頬擦りをし、そのまま望の体に寄りかかる。
胸元にピッタリと収まりその状態で落ち着く霧。
普段の少女からは想像出来ない積極性だが、これも酒の力か。
再び外へ目を向ける二人。
相も変わらず桜は寂れた高校の校庭に佇んでいる。

「小森さん…」
「…?」

胸元から見上げる霧。
上目使いと呼べる状態に。

「桜が何故紅の花を咲かすか、知っていますか?」
490夜さり桜。:2008/04/16(水) 20:32:29 ID:ZIz0eMK3
長い髪がはためくのに気遣う事もなく、頭を横に振る。
それに言葉を続ける望。

「本当は桜の花は白色だったのですが、昔、二人の男女が桜の木の下で永遠の別
れを余儀なくされたのです」

彼の声はとても真剣で。
それは酔った頭でも、醒めて聞こえた。

「二人は嘆き哀しみ、日が変わるまで抱き合い、涙を落としたそうです…。そし
て、別れの際に枯れた涙の代わりに紅の雫を落とした」
「…」
「そうして、その雫を根から吸い桜は紅の花を咲かすようになったそうです」

望の声は普段の話し方と何ら変わりないようにも聞こえ、とても哀しくも聞こえ
た。

「悲しい、お話だね…」

窓から視線を落とし、少女の双眸を見つめる。
前髪の奥に煌めく瞳は、漆黒に渦巻いている。

「貴方も、そう思いますか…」
「うん…」
「永遠の別れ、というのはどんな気分なのでしょうね…」

数日前を思い出す。
何も告げず姿を消した少女を想う気持ち。
二度と味わいたくない。
一生忘れていたい。
そう考えるとまた、胸が痛む。
少女が愛しくて、儚くて。
人は一瞬で消えてしまう。

(今なら、分かる気がしますね…)
491夜さり桜。:2008/04/16(水) 20:33:49 ID:ZIz0eMK3
きっと、あの時のような気持ちになる。
また、胸が痛む。
何か、とても必要な物が足りてない痛み。
自分が正常でないような欠落感。
この隙間を、責めるのか。

(痛い…)

はっきりそう意識すると、望は少女を掻き抱いた。
自らの何かを埋める為に。
霧の体は、産まれた時からくっついていたのだろうか。
思考が底に行き着くと、そう思えた。
望にしては珍しく、苦しみを感じる程に強く抱き締めた。
だが、そんな変化にも理解が至るのか。
霧は甘んじて受け入れている。

「ねぇ、せんせぇ」

望の耳に唇を寄せて、鼓膜に直接囁く。

「…私は、ずっと側に要るよ」

それは、引き金。
ただ、抱き締めていたはずの望が荒々しく霧の唇を奪う。
理性は、意識の果てに消えて。
本能は、霧を求めた。

「んっ、はぁ…」

接吻もそこそこに、望は霧を押し倒す。
無理矢理の行為には慣れていない霧に、抵抗の手段など在りはしない。
ましてや、抵抗する気など在りはしない。
獣の如く男の本能さえも、少女は受け止めるのだ。

「あっ!!!…せんせぇ」

豊かな膨らみには眼もくれず、望は秘部を目指した。
先に到着させておいた右手で秘部をジャージごとこねる。
すぐに顔も目的地へ。
自由な両手を器用に動かし、少女の服をはぎとる。
もはや下着を脱がす時間も惜しいのか、望は霧に吸い付く。

「あああっ…!!!」

前戯が足りてない為に、少女の其処は軽く湿っているだけ。
補うように唾液を塗りたくる望。

「んっ、んっ、んっ、…あはっ、せんせぇ…」

望が舌を寄せる度に可愛らしい声を上げる。
両の手を頭に添えて、自らへと強く押し付け、太股をギューと締め付ける。
霧も隙間を埋めるように望を求めた。
互いが求める、求め合うのだ。
魂の半身とはこの事か。
492夜さり桜。:2008/04/16(水) 20:35:27 ID:ZIz0eMK3
「あっ…、んっ、んっ」

濡れそぼったそれは、既に下着として役目を果たせない。
意味を無くした物体を取り去り、少女の花園があらわに。

「はぁ、小森さん…」
「…んっ。きてぇ、せんせぇ」

痛い程にそそり立つ絶棒を取りだし、あてがう。
其処は十分に女として出来上がっており、望は躊躇なく腰を進めた。

「あっ…、はあぁぁん!!」

霧はこの瞬間が好きだった。
愛しき者と結ばれる感覚は何度繰り返しても飽きない。
最初はゆっくりと時間を掛けて奥まで入れ込む。
互いの存在を確認すれば後は流れるままに。
快楽だけを追い求める。
頭が狂ったのか、歯止めが効かない。
慈しみ、優しさ、気遣い。
全て桜に奪われた。
繁殖より、快楽。
そう考えている猛獣の如く。
望は既に獣でしかなかった。
体の全神経を腰に集中させ振り続ける。

「あっ!、あっ!、あっ!…凄っ……、凄いよぉ、せんせぇ…!」
「小森さん、小森さん…」

いつもの霧ならば三回は達しているであろうという程に激しい行為なのだが、酒
で鈍くなった感覚は何とか望についていっていた。
単調な動きだけでなく、大きくグラインドしてみたり、奥まで入れた後に掻き混
ぜたりと、望は尽きることのない欲望を解放した。
そして、先が見え始める。

「小森さん、もう…」
「はぁ…、あん!あっ、良いよ、せんせぇ…んっ!きてぇ…!」

望が、眼を見つめ口を重ねる。
霧が、舌を絡ませ誘発する。
最後に一撃、深々と奥に突き入れた。
と、同時に回された腕を思い切り引き寄せる。
二人の体は触れていない所が無いように密着し。
その体温を感じながら望は爆ぜた。

荒い呼吸を整える二人。
桜の紅に勝るとも劣らず。
霧の全身は、朱色に染まり熱を持つ。
開いた唇は塞がれる事を求め。
再び交わる事に期待する。
そう感じた望は遠慮無く…。

「ひゃ!?…あんっ!はぁ…、んっ」

腰を動かした。
硬度を取り戻した絶棒を少女の中で暴れさせる。
淫らな音が響く宿直室の窓に映る月。
夜の終りを告げるかのように桜と重なった。
493夜さり桜。:2008/04/16(水) 20:38:32 ID:ZIz0eMK3
以上。
駄作ですいません…

続きはまた評価で決めます
494名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 20:55:36 ID:0aHWSIEJ
4月中に次スレまで行きそう。アニメが終了したっていうのに最近のスピードはすごい
495名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 20:57:30 ID:0GAwNmFf
GJ!
望霧好きとしては豊作でたまらんてっとこです

評価云々よりやりたい様にやっちゃえばいいと思いますよ!
続き期待してますよ!
496名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 21:06:40 ID:MjciBIgX
もうイラネ
497夜さり桜。:2008/04/16(水) 21:09:37 ID:ZIz0eMK3
>>496

…orz
もう終わた
498名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 21:49:07 ID:5sBJ7qbm
ところでhomeって何?
499名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:01:49 ID:wgXrd16R
さぁ?ps3の地雷臭のするネットワークゲームのことかな?
500名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:19:16 ID:0HUHpKR9
みんなGJ!
このスレは良き職人達に恵まれてるね!

>>497
終わってないよ、期待してる
501名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:19:32 ID:u4xcb+v8
GJGJ 望霧はいつでも待ってるよ
イラネとかいってる奴はどこにでも出てくるから気にすんな
502名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:00:03 ID:aw5pZK+h
ここらであっしは霧望がいらね
503名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:09:58 ID:mn9TYfgI
>>483
こういう先生の居ない所でのやり取りって好きだなー。
しかし一旧さん、女の子しかいない部屋に居座るってどういう根性してんだ…。

>>488
うん、もう、ベタベタさせまくっちゃって下さい。
504名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:18:47 ID:xNwxoL8W
>>497
GJ!
終わってない、むしろ始まった
ネタが切れるまで書き続けてくれ
505名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 00:07:20 ID:/YPHqqI6
>>497
もっと強くなれ!
506名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 02:06:09 ID:EiTtV1VG
さのすけ×奈美希望
507名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 03:13:16 ID:62+WdKAE
エデンの園ネタ希望
508名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 04:40:21 ID:F/vp9yJN
日本人は旧に対して冷たすぎる
話題がないならたまには保管庫の傑作の話でもしようぜ
509名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 07:37:42 ID:Bi2SZeEo
旧の話題だけになると他の人が投下しにくくなりますよ
むしろ新を!
510名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 11:57:47 ID:hQw8q3vX
投下あるのに話題ないなんて失礼
511名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 13:01:49 ID:iQzQiIcr
同意。
そういう事は3日以上投下されなくて話題が尽きた時とかに言うべき
512名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 14:28:12 ID:rCyQjpEA
でもまあ保管庫の感想はもっとあってもいいかもね。
たまーにあるけど。
513名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 15:15:21 ID:F/vp9yJN
すまんかった。
514名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 18:32:28 ID:vh0AyOA0
千里の下の毛ってやっぱりきっちr
515名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 20:24:45 ID:HeHLXp/i
百万回
516名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 09:11:37 ID:fy9JNdTv
>>497 
誘い受けや過度な自虐は荒れるもとなのでやめたほうがいいよ。
517名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 23:28:54 ID:cnOcjJ3p
今日は少ないね。
しょんぼら
518名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 01:44:54 ID:R1Uw60GY
アニメの影響か漫画可符香がどんどん黒くなっちゃって
今しょんぼらをすると黒顔になりそうで怖いです
519名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 05:29:03 ID:NEsorCqy
カフカ、千里、マ太郎がどんどんアレになるにつれて、霧、千里に猟奇を吸収される形でまといあたりが初期より良い子になってる。
520名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 07:54:03 ID:UF42NB4O
>>519
まといはディープラブ属性が減少して、
代わりにカフカのリアルに危ない事を言い出す属性が流れてきたと思う
521名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 09:56:06 ID:eo35imfx
惚れた相手をトレースするっつー属性はそのまんまだけどな
522名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 11:15:38 ID:sn+OSV4f
今日中にSSの投下がないときにはこのスレは保管庫の感想を言い合うスレになります
523名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 11:21:07 ID:kch1QK8K
>>519
霧に猟奇属性は無い
524名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 11:53:53 ID:NEsorCqy
>>520
リアルに危ないことというと「休載している作家は掲載されている作家に感謝しろ」あたり?

>>523
読みづらいレスだったかも。すまんね。
仰る通り、千里に猟奇を吸い取られたのはまといだけで、霧は無関係。(さらに臼井君にストーカー属性が付与され、完全に背景キャラかと思いきや、裏の司会役みたいになってきた)

あと読み返していたら日塔奈美も自意識過剰な所は残したまま付き合いの良い子になってる。かわいい。
525名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 19:07:51 ID:TQlYZiBi
「全座連からビデオが届いてますね…、見てみましょうか」
ザァー、ザァー
「はて…、ビデオの調子が悪いんでしょうか」
「ん…!?これは井戸でしょうか?」
「…井戸から手が?」
「も、もしかして…」
ユラーリ、ユラーリ
「長い髪の女の人が…!!」
「ギャー!絶望したー!」

「せーんせ☆」

「小森さんでしたか…」
526名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 19:21:44 ID:+fLtv0CB
これで>>522は潰れたか

絶命先生の人もマ太郎は難しいか

まあ何にせよ職人さんを待つか
527名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 20:01:35 ID:0+Rvafmy
>>525

なんかポケ戦のバーニィのビデオレターを思い出した…
528名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 22:48:57 ID:nHSCnIT/
>>526
マリアに鬼畜は恐ろしいほど似合わんからな…
というかできない
529名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:07:03 ID:sYyyvB6e
確か絶命は「好みじゃないとやらん」とか言ってたから
マ太郎を襲う=幼女もストライクゾーン ってことか
530名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:20:42 ID:sWyePQwE
てことは加賀さん、真夜んはストライクじゃないのか
531名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:30:56 ID:P4g1AWYd
まといだけもう一回希望
532名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:33:35 ID:1xjXE98I
>>225
不覚ながらワロタw
533名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:49:43 ID:Z9aa0Xkx
>>528つうかマリアの故郷の村での出来事が凄すぎて調教出来ないと思う
534名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:00:45 ID:DpJ986BB
マリア相手に調教失敗でブチキレる絶命先生ですね、わかります。
535名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:20:01 ID:cS3g/dwu
>>532>>525
絶望した
536名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:33:32 ID:0OjPTnvQ
鬼畜絶命先生の人のひらめきに任せるしかないか…
537名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:40:04 ID:XiLQvhbz
実はことのんってオチ
538名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:46:11 ID:DC9xuSNN
>>529
ヒント:芽留
539名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 03:03:09 ID:0t3pgyNy
めるめるを泣かせたなああぁ!
540名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 03:06:41 ID:eFQ+ip9g
糞ヒゲハットを登場させるようなパロがでたら、もう二度と読まないからな。
541その花束に絶望を:2008/04/20(日) 03:09:26 ID:W5ut9z0o
お邪魔します。
また1週間ぶりのご無沙汰になる前に来られて良かったです、鬼畜の者です。
次の話完成したので、投下しに来ました。

(注意事項)
・絶命先生が鬼畜です
・今回、おそらくこれまで以上に酷い陵辱シーンがあります

・更に、それに関連して、鬱設定を捏造してあります

以上、了解していただけましたら、そして気が向きましたら、お読みください。
では、どうぞ。
542その花束に絶望を karte15 (1/10):2008/04/20(日) 03:10:48 ID:W5ut9z0o
額に押し付けられる、硬い感触。
耳をつんざくような、誰かの叫び声。
自由にならない、手足。
そして………。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


「………ん、ア?」
マリアは、狭い空間に大勢の人間がひしめき合うその場所で、眼を覚ました。
寝ぼけ眼で、むくりと上半身を起こす。辺りを見渡すと、入り口の隙間から挿し込む光に仄かに照らされて、見覚え
のあるたくさんの顔がすやすやと寝息を立てて眠っていた。
そこが、いつも通りの寝床であることを、改めて確認して。
「………っ………?」
自分が、何故そんなことを確認したのかを、ほんの一瞬だけ考えた後………そんなことはどうでもいいか、と頭を
切り替えて、立ち上がる。すし詰めになって眠る仲間達の隙間を、八艙飛びのように器用に飛び移って、マリアは
その出入り口へと辿り着いた。
ガラリ、と戸が開いて………空き地の片隅に放置された簡易物置の中に、陽の光が差し込む。
「ンー………今日も、良い天気だナ!!」
大きく伸びをして、無邪気な笑顔でそう言う。明かりとマリアの元気な声とで眼を覚ました何人かが、もぞもぞと
寝床から起き上がり、それぞれに身体を伸ばす。
「オハヨウ、マリア。」
「オハヨウ。」
「うん、オハヨウ!じゃ、マリア行って来るヨ!!」
仲間達との挨拶もそこそこに、マリアは寝起きとは思えない程の手際で簡単な身仕度を整えて、出発の挨拶と共に
物置を後にした。ひらひらと手を振る仲間達に見送られ、健康的な肢体が軽やかに町へと繰り出していった。

まだ、通勤、通学する人間もまばらな街の中を、褐色の肌を持つ少女が裸足で歩いて行くその様は、どこからどう
見ても不自然なものであったが………この辺りの住民にとっては、マリアの居るそんな光景はもう日常のものと
なってしまっていた。
恵まれた国での、祖国では決して味わえなかった楽しい生活。警察や公安、その他のもっと危険な人間に追われる
ことも少なくないが、昔の暮らしを思えばそれも苦にならない。
マリアは鼻歌交じりの上機嫌な様子で、学校へと続く通りを歩き………だが、やがて、そのルートから外れるよう
にして、1本の路地へと入り込んだ。もう数分も歩けば、左手に学校が見えてくるはずなのだが………そう。今日
のマリアの目的は、学校でクラスメイト達と授業を受けることでは、ないのだ。
更に人の気配が希薄になった薄暗い路地を、マリアは裸足のままで歩いて行く。ガラス片や尖った小石を上手に
避けながらしばらく歩き、何度か角を曲がった、その先には………。
「………やぁ、マリアちゃん。」
「オー、おっさん!早いナ!」
スーツを着た、この辺りでは見かけない顔の男が、マリアを待ち構えていた。
543その花束に絶望を karte15 (2/10):2008/04/20(日) 03:12:40 ID:W5ut9z0o


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


命は、それまで何人もの女性を嬲り、穢し、調教してきたその部屋で………息を潜めるように、ギシギシと軋む
椅子に腰掛けていた。煙草の煙が、密室となった部屋の上方に充満していく。
「(関内・マリア・太郎………。)」
頭の中で、これまで自分が手中に収めてきた『花束』の、最後の1本………望のクラスで、命が眼を付けた獲物達
のうちの、最後の1人の名を呟く。
「(流石に………少し、緊張するな。あれほどの相手となると。)」
いつになく冷静沈着に、命は思考を巡らせる。しかしそれは、決して余裕から来るものではなく………慎重に、万全
を期して臨まなければ攻略できない相手を眼の前にしたからこその、いわば強いられた冷静さだった。
「(今までの、『ただの女子高生』の娘達とは、根本が違う。どうにも、掴み所が………付け入る隙が、無い。)」
それが、ここ最近自分の手駒達を使って得た情報から感じた、命にとってのマリアの印象だった。
倫から、クラスでのマリアの様子は聞いていた。表向きは留学生、実際は、望のクラスの男子生徒から出席番号を
買い取りあのクラスに潜り込んだ、本来日本では義務教育すら終了していないはずの歳の、某国の難民少女。幼少
の頃から戦地に居て、あの歳で密入国などと言う荒業をこなした彼女の精神は………基本的には無邪気で、歳相応
に子供っぽいのだが、これまでの相手では比較対象にもならない程に強靭で、しかもどこか達観している。
加えて、ここ数日尾行を任せた人間からの報告によると………それも、何度も煙に撒かれてしまい、情報を集めるの
に手間取ってしまったのだが………どうもマリアは、これまでの少女と同じ調教で屈服するような、ヤワな少女では
ないらしい。つまり………性行為に対する耐性が、既に、ほぼ完璧に出来上がっているのだ。
更に、脅迫する術もほぼ皆無ときている。強制送還のことをちらつかせれば大人しくなるのではないか、と、命も
1度は考えたが………これまでに、彼女とその仲間達にその危機が訪れていないとは考えられない。命が自分の身
を護る為にあらゆる手を打っているのと同じように、相手も、強制送還という最悪の事態に対しては、あらゆる
防護策、逃走経路を用意しているに違いないのである。しかもあの手の集団には、人質というものも効きにくい。
自分の所為で仲間が犠牲となると知れば、人質の方が自ら自分自身を切り捨てるからだ。
一見したところ、八方塞がりなその状況。しかし………その困難が、命の欲望を更に燃え上がらせる。
「(多少乱暴な手を使ってでも、1回で確実に堕とす。さもなくば………こちらが、反撃される。)」
そこまで知ってもなお、命の中にマリアを諦めると言う選択肢は存在しない。かと言って、たった今命が頭の中で
呟いたように、もしも手を出してから失敗しマリアに逃げられたならば、今度は彼等に危険因子だと認識された自分
が何らかの攻撃を受けて、窮地に立たされてしまう可能性だってある。相手はこの国の常識では計れない、集団だ。
それに、マリアの無邪気な顔に似合わぬ驚くほどのしたたかさも、既に命には十分に理解していた。

そうなれば、選択肢は1つ。
マリアを、自分のテリトリーに引き摺り込み………何が何でも、今回限りで勝負を決する。短期決戦だ。

「(たかが娘1人に大袈裟かも知れないが………万が一にも、しくじるわけにはいかない。)」
目的は必ず決すると心に決めながらも、自分の身の安全だけは確実に護る。その狡猾なまでの慎重さは、ときに、
それとは正反対の、驚くほど大胆な行動を取らせる。
「(あの花束を、刈り尽くす為なら………どんな手を使うことも、厭いはしないさ………!)」
心の中でそう決意し、どこか、いつもよりも硬い、しかしいつも通りに邪悪な笑みを浮かべる命の眼の前には。
ハトロン紙で厳重に梱包された、見た目よりも重量のある包みが1つ、置かれていた。
544その花束に絶望を karte15 (3/10):2008/04/20(日) 03:13:58 ID:W5ut9z0o


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


マリアは、本格的な援助を受けずにほぼ自力でこの国で暮らし、高校生と言う身分を維持している。独りきりと
いうわけではないが………あの簡易物置で寝食を共にする同胞達も、それぞれに自分が生きていくことで精一杯、
という人間がほとんどで、他人を気遣っている余裕のある者など、マリアを含めて数えるほどしかいない。
この国の法で保護されない難民の少女が、1人で生きていく。それは、想像以上に過酷なことであり………それを
実現する為に、マリアは今まで何度も、その幼い身体を売って金を稼ぐ、という行為を繰り返してきた。それは、
ときにはいろいろと後ろ暗い事情のある生命保険への加入、といった形のものもあったが………大半が、おそらく
は多くの人間が想像する通り、『売春』と呼ばれる類の行為だった。
この国で、マリアのような、健康的でいて幼い身体を持ち、無邪気で、しかし性に関してはオープンでありその歳
に似合わぬテクニックを有している少女など、いくら探してもそうそう見つかるものではない。それが、そもそも
存在しないはずの人間ともなれば、なおさらだ。
そして。その、天文学的に少ない供給量に対して、需要は腐るほどある。そうなれば、少しでも高い金を払って
優先的にマリアの身体を我が物としようとする人間が現れる。最近になってようやく、マリアの懐にもある程度
の余裕が生まれ、同胞を手助けできる立場になってきた。
「デ、おっさん、今日はドコまで行くんダ?車、乗らナイのカ?」
「………そうだね、今日は………すぐ、近くだから。」
路地で待ち合わせた男の後に付いて、マリアは人目を忍ぶように狭い道を辿っていく。もちろん何も考えずに男の
後を追っているわけではなく、常に、ある程度の警戒は続けている。力ずくでマリアを独占しようと言う輩も、今
まで何人も相手にしてきた。今のマリアなら、並の警官やチンピラに取り囲まれたくらいではピンチに陥っている
とすら言えないだろう。
「ヘェ、この辺にも、そんな趣味の奴居るんだナ。どこのどいつダ?」
「名前は、まだ言えないが………どこにでも、特殊な性癖を持ってる人間と言うのは居るものさ。」
「………マァ、誰だって良いカ。お金くれるなら、マリア、ちゃんと一生懸命お相手するヨ。」
「本当に良い娘だね、マリアちゃんは。」
マリアを先導しているその男は、いわゆる仲介業者のような立ち位置に居る人間であった。そもそもマリアの身体
に秘められた、その筋での商品価値を見出し、この仕事に引き摺り込んだのもその男である。それまでは、街の
路地裏にたむろする男達に二束三文でその身体を明け渡していたマリアも、今やその頃の客では手の届かない場所に
立っているのである。その出世が、喜ぶべきものであるかどうかは………マリア自身が、決めることだ。
「………さて、と。」
やがて、2人がある建物の前で立ち止まる。
「お、着いたカ?」
「ここだよ。中に入れば、今日のお客さんが待ってるからね。」
男はそう言って、古めかしい木のドアを開く。
「代金は、本人から受け取ることになってる。内容次第で、色もつけてくれるそうだよ。」
「そうカ。じゃぁマリア、頑張るヨ!」
これからその身体を売りに行くとは思えない、無邪気な笑顔を浮かべて、マリアは素直にそのドアを潜った。それ
を、確実に見届けた後………男はドアに背を向けて歩き出しながら、ポケットに手を入れる。本来ならば、商品を
相手の下まで送り届けるべきなのだろうが、マリアに限ってはあそこまで行って逃げ出すようなことは無い、と
いうことを、男はよく理解していた。
男は1度息をついて………カチカチ、と取り出した携帯電話のボタンを操作する。それを耳に当て、しばし抑揚に
欠ける呼び出し音に耳を傾けた後。
「………もしもし、私です。」
今回の『依頼人』に、確認の電話を寄越す。
「今、送り届けました………はい、そうです。本当に、例の通りでいいんですよね?」
電話の向こう側に居る相手の声に、何度か頷いて。男はやがて、満足げな笑みを浮かべた。
「はい、有難うございます。後で、確認させて頂きます………はい。それでは、失礼します。」
丁寧な応対の後、電話を切り………電話越しにも関わらず無意識のうちに浮かべてしまっていた、営業スマイルと
いう仮面を外し、息を吐いた。
「………人の良さそうな面して、大したもんだよ、全く………。」
男は、どこか呆れたような声でそう言って………すぐさま、その場を離れ、報酬の入金を確認しに行った。
545その花束に絶望を karte15 (4/10):2008/04/20(日) 03:14:39 ID:W5ut9z0o


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


言われた通りに、案内されたその建物の中の階段を下って………マリアは、そこで待っていた人物の顔を見て、
お、と声を上げた。見知った顔の男が、微笑みながら手を振っている。
「ようこそ、関内・マリア・太郎さん。」
「オー、久しぶりだナ、絶命センセー!!」
ぺたぺたと裸足で石の床を歩き、マリアが命に歩み寄る。その顔は、相変わらず無邪気な様子だったが………その
瞳はどこか普段の彼女とは違っていて、何か、幼い見かけに似合わぬ妖艶な光を宿しているように見える。
それを知ってか知らずか、命は早速その手を引いて、マリアをとある1室へと招き入れた。
「けど、センセーもそういう人だったんだナ。」
「はは………担任の兄弟がこんな変態で、幻滅したかい?」
「そんなこと無いヨ。お金くれたら一生懸命お相手するの、マリアの仕事!!」
「………仕事………仕事、か。大変だな、君も。」
「こうでもしなきゃ、生きてけないんだカラ、しょうがないヨ。」
マリアは屈託の無い笑顔で、そんなことを言ってのける。
「それニ………ときどきは、マリアも楽しませて貰えるしナ。センセーは、上手なのカ?」
「さぁ、ねぇ………自信は無くはないが、君に満足して貰えるかどうか。」
「楽しみにしてるヨ。それじゃ………お金の話、解かってるカ?」
「追加料金のことは、直接聞けと言われたが………まぁ、君に相手をして貰えるなら、金に糸目はつけないよ。」
「最初は、お触りとキスまでだヨ。マリアのごホウシも、エッチも、他のオプションも、ぜーんぶ追加料金ナ。」
「………いい商売をしているな。解かった、それで文句は無いよ。」
命の返答に満足し、マリアが微笑む。その顔から………それまでの、無邪気な子供のような表情が、消える。
妖艶な光を宿す瞳はそのままに、マリアは普段はぱっちりと開いている眼を細めて、上目遣いに命の顔を見上げる。
唇には、何かを企んでいそうな怪しげな笑みを浮かべ………その細い腕を目一杯に伸ばして、命の顔に添える。それ
に誘われるようにして、命は腰を屈め………マリアの口付けを、受け入れた。
長い長い、熱く絡みつくような接吻。その舌遣いも、幼い見た目とのギャップを差し引いてもかなり上等なものだ。
ぷは、と息を吐きながら、命の口内から舌を脱出させて。マリアが、命に怪しく微笑み掛ける。
「それジャ………『お客さん』、まずは何して欲しイ?」
「おや………もう、『センセー』とは呼んでくれないのかい?」
「それも、追加料金だヨ。」
そう言って、マリアはまるで挑発するように、唇から赤く小さな舌を覗かせた。
余りに男を惑わせ手玉に取ることに慣れたその様子に、命は1度小さく肩をすくめてから。
「そうだな、せっかくだ………2つ程、オプションを追加しようか。1つは………呼び方を、元に戻してくれ。」
「解かったヨ、センセー。あと1つ、マリア、何すれば良イ?」
「それじゃぁ………1つ、使いたい物があるんだが、良いかい?」
「オモチャもOKだヨ。ソッチが用意してても、追加料金は貰うけどナ。」
マリアの返答を聞き、苦笑しながら………命は、部屋の隅に置かれた棚へと、歩み寄った。そこに並んぶ薬の瓶に
気付き、マリアがニヤリと笑う。
「媚薬だったら、マリアも好きだヨ。一緒に気持ち良くなるの、好きだカラ。」
「はは、そりゃ凄い………けど、悪いね、今回は薬じゃないんだ。ちょっとした、玩具だよ。」
興味津々な様子で、マリアは命の手元を窺う。命は、棚を開け、そこに並んでいた瓶を無造作に横に退かし………
その奥にこっそりと隠してあった、小包を取り出す。あの、ハトロン紙の小包だ。
命は、それを厳重に封じているテープを、次々と取り払っていく。過剰装飾と言える程のテープが床に散らばった
頃、ようやく入り口の開いた小包の中に、命の手が滑り込み………そして。
546その花束に絶望を karte15 (5/10):2008/04/20(日) 03:15:23 ID:W5ut9z0o

「………これ、なんだがね。」
命が、その中身を取り出し、それがマリアの眼に触れた瞬間。
「………エ………っ………?」
それまで、全く動じることの無かったマリアが………一瞬、硬直する。

そして、まるで一瞬の隙を逃すまいとするかのように。命は………その銃口をマリアに向けて、引き金を引いた。
パン、と乾いた音が響く。マリアの頬の横を、高速の弾丸が通過し、後方の壁にぶつかって火花とコンクリート片
を散らす。
硝煙の立ち上る銃口に、西部のガンマンの様に息を吹きかけて、命は………マリアに、微笑んだ。
「どうだい、上手いもんだろう。私なりに、練習してみたんだ。」
「ェ………ぁ、ッ………?」
眼の前で突然発砲をされたとなれば、流石のマリアも動揺したようで。命の言葉に答える余裕など無く、まるで、
未だに眼の前で起こった出来事が理解できていないような顔で、マリアは命を見上げた。その顔にはさきほどまで
の男を誘うような表情は残っておらず、ただ、驚きの色だけが浮かんでいる。
絶対的に安定しているかに見えたマリアの精神が、衝撃を受けている。その事実を確認して、命は言葉を続ける。
「君をモノにしようと思ったら、これくらいは必要かと思ってね。とあるルートで、手に入れた。」
「………っ………?」
「残念ながら、今日の契約は破棄だ。君には今から………無条件で、私の命令に従って貰う。」
「………ぁ………あ、ぁ………ッッ?」
「君の身体を私の色に染め上げるのは、少々骨が折れそうだが。まぁ、たっぷり時間を掛けて………。」
………だが。そこまで、マリアに状況を説明したところで………命は、マリアの異変に気付いた。
普段以上に見開かれたその眼は、確かに命の方を向いているが………その瞳の焦点が、合っていない。
「………あ………う、ぁ………!?」
「………おい、ちゃんと話を聞いて………。」
やがてマリアは………命の声に耐えかねたかのように、がば、と両腕で頭を抱えてしまう。命の話を聞いていない
どころか、まるで………命には見えない何かに脅えているようなその様子に、流石の命も訝り始める。

そして。
「う、ッ………!?」
程無くして、マリアは、崩れ落ちるようにして膝をつき………。
「ああああああァァァァァァァァァッッッ!!」
銃声よりも激しく響き渡るような、叫び声を上げた。
547その花束に絶望を karte15 (6/10):2008/04/20(日) 03:16:02 ID:W5ut9z0o


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


マリアは心の奥に、あるトラウマを封じ込めた重い扉を抱えている。
それは、下手をすれば発狂してしまうのではないかという程の、強烈で残酷な記憶であり。数年前、マリアが母国
でその体験をした直後………マリアの精神は己を護る為に、自身の中に別の人格を構築した。
2度と思い出したくない、思い出してはならないトラウマを厳重に封印し。更に、それをこじ開けようとする外界
からの刺激、衝撃をことごとく受け流し、ダメージを無効化するだけのキャパシティを持った、ともすれば最強とも
言える、無敵の人格。それが………今日この国にある、関内・マリア・太郎。彼女の、人格なのである。

本来ならば、この平和ボケしきった国において、その人格の壁が侵されることなど、有り得ないはずだった。警官
や裏社会の人間を相手にしても、一向に揺らぐことは無い人格は、この先もう2度とその扉が開かれることは無い
であろうことを、約束してくれるはずだった。
難民として食うや食わずの生活を送っていた頃のことをあっけらかんとして話すのも、そして………こうして身体
を売ることに、全くと言っていいほど抵抗が無いのも。本来ならば耐え難いはずの、難民時代の記憶、そして性行為
をわざと『なんでもないことだ』と認識することによって、トラウマの扉が受るダメージを無効とし、それがこじ
開けられてしまうことを防ぐ為。
それは言わば………マリア自身が無意識のうちに取った、自己防衛のための精神の働きだった。

だが。今、マリアの眼の前では………この国では有り得ないはずのことが、起きている。
眼の前には、拳銃を構えて自分を脅迫する男。警官やその筋の人間に追われていた際、拳銃を相手にしたことも無い
わけではないが………今回ばかりは、右を見ても左を見ても、逃げ道は無い。
そして、唯一残された、背後の道は………そのまま、心の奥底、トラウマを封じた扉へと、繋がっている。

暗い部屋。性行為。拳銃。脅迫。命令。背の高い男。決して逃げられない、絶望的な状況。
1つ1つでは、決して大きな威力を持たないその様々な要素が………重なり合い、絡み合って、マリアの心の奥底
にある扉に、叩き付けられる。永い間、マリアの為にその扉を封じていた鍵が壊れ、鎖が千切れ飛び、ドア自体が
無残にひしゃげていき………そして。
とうとう………マリアの心が、あの日の出来事を、思い出してしまう。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


記憶の奥底に、パンドラの箱のように厳重に封印されていた、あの日の記憶が甦る。

その日、マリアが生まれ育った集落は………某国の軍隊の、襲撃を受けた。人々が次々と殺され、家々が容赦なく
焼き払われていく。その、まるで津波のように集落と人々を呑み込んでいった無慈悲な破壊は、マリアの住んで
いた家にも、例外なく襲い掛かった。
何の前触れも無く踏み込んできた兵士は、マリアの家族を一瞥するや否や………手にした銃で、マリアの家族を
次々に、問答無用に撃ち殺していった。わけも解からず、叫び声を上げるよりも先に次々と頭や心臓を貫かれて
命を奪われていく、家族の姿に………マリアはまるで、自分が悪い夢の中に居るかのような錯覚を覚えた。
そして、やがて。マリア以外の家族が、端から順に殺され………その銃口が、マリアを捕らえたとき。兵士は1度、
おや、というような顔をして………すぐに、悪魔のような笑みを浮かべ、マリアに歩み寄った。
恐怖と絶望に全身を引き攣らせながらへたり込んでいたマリアの身体を、乱暴に立ち上がらせて。兵士は、値踏み
するようにその身体を上から下まで鑑賞した後………突然、マリアが着ていた衣服を両手で引き裂いた。
普段から布の服1枚で過ごしていたマリアは、その行為に呆気にとられている間に、ほんの数秒で生まれたままの
姿に剥かれ………死体が転がる部屋の真ん中に、乱暴に押し倒された。
548その花束に絶望を karte15 (7/10):2008/04/20(日) 03:17:41 ID:W5ut9z0o
下卑た笑いを浮かべながら、兵士はいきなりマリアの足首を掴んで強引に太股の間に割り込み、その舌をほとんど
発達していないマリアの秘裂に這わせた。背筋を這い回るような怖気に、マリアがか細い悲鳴を上げて、抵抗する。
がむしゃらに振り回した腕が、マリアには理解できない言葉を発しながら執拗に秘裂を舐め回し、その中に侵入
しようとしていた兵士の頭を、殴りつけてしまう。その瞬間………兵士は人が変わったかのように、やはりマリア
には理解できない言葉で、耳を塞ぎたくなるような声で怒鳴りながら、マリアの腹を殴りつけた。
立ち上がり、土足でマリアの腹を踏みつけながら、兵士は腰のホルスターから拳銃を引き抜き………それを、床に
向けて発砲した。放たれた数発の弾丸は、マリアの頭の隣に着弾し、床を破壊して木屑をばら撒いた。マリアは
余りの恐怖に、悲鳴を上げることすらままならず………その場で、思わず全身の力を失い、失禁してしまった。
広がっていく水溜りを見下ろしながら、兵士は嘲るような笑みを浮かべて、マリアに吐き捨てるように何かを言い
放った。そして、構えた銃をマリアの額に押し付け、マリアが恐怖によって抵抗する気力を完全に削ぎ落とされた
頃………携えていたロープで、マリアの両手首を縛りつけ、片脚を壁の柱に括りつけた。
兵士は手袋を外し、その指を唾液で濡れたマリアの秘裂に挿し込んだ。内部はほとんど濡れておらず、初めて侵入
する異物に、マリアは意識が飛ぶような激痛を覚えた。唾液だけを潤滑液として、兵士は情け容赦なくマリアの
内部を蹂躙する。少しでも深く侵入すれば、たちまち処女幕を突き破ってしまうところだが………おそらく、ろく
でもないことを考えているのだろう、決してそれを傷つけようとはせず、兵士は激しい愛撫だけを続けた。
やがて、マリアの意思に反し、無理矢理に快感の扉をこじ開けられた身体が、兵士の行為に反応し始める。にい、
と厭らしい笑みを浮かべながら、兵士はマリアの中に挿し込んでいた指を引き抜き、そこに微かに絡みついた粘液
をマリアに見せ付けるようにして弄んだ。マリアには、それが一体何なのか理解することが出来なかったが………
ただ、自分の身体の奥から、じんわりと痛みを麻痺させていくような熱が沸き上がってくるのを感じていた。
しかし………その麻酔も、長く続くことは無かった。兵士は散々マリアの身体を好き勝手に弄んだ後………遂に、
自らのズボンに手を掛け、自分のモノをマリアの眼の前に曝け出した。既に最大限に膨らんだそれが、既に愛液
と男の唾液とでドロドロになったマリアの秘裂に、宛がわれる。そして、マリアが兵士の意図を察するよりも先に
………兵士は、マリアの身体に対して余りに大きなそれを、幼い秘裂に突き入れた。
一瞬で、マリアの純潔の証が引き裂かれる。その痛みがマリアの脳に達し、それが叫び声としてマリアの外に発散
されたときには………兵士の先端は、マリアの最も深い部分にまで、届いていた。
それまで考えていたが、爆風に消し飛ばされるように掻き消えて。壮絶な、それこそ気が狂う程の痛みと、自分の
口から発せられる絶叫だけが、マリアの意識を支配する。自由を奪われた身体を懸命に捩らせ、マリアはその地獄
のような痛みから逃げ出そうとするが………両手と片脚を捕らえたロープが、そして兵士の腕が、それを許しは
しなかった。
自分のモノが血に塗れるのも構わず、兵士は野獣のように腰を振り、マリアの中を蹂躙し続けた。モノが往復する
度に傷口が広がり、鋭い痛みが脊髄を突き抜け、悲痛な叫び声を呼ぶ。マリアの秘所が、兵士のいきり立ったモノ
を根元まで受け入れることすら出来ない程、2人の体格には差があり………兵士が深くモノを突き立てる度に、
マリアの下腹部は内側から押し上げられて、ぼこ、ぼことその形を変えていた。
そして………眼の前で、本当に気が触れてしまったかのようなトーンで何事かを喚き続ける兵士に、快楽など微塵
も無い、苦痛だけを伴う陵辱の獲物にされて。マリアの意識が、気の遠くなるような数分間の果てで、考えること
を放棄しそうになった頃。兵士は一瞬、呻くような声を上げて………その動きを、加速させ始めた。
549その花束に絶望を karte15 (8/10):2008/04/20(日) 03:18:59 ID:W5ut9z0o
マリアの身体が、糸の切れた操り人形のように、兵士がモノを突き入れる衝撃に合わせて揺さぶられる。そのまま、
容赦の無い挿入が繰り返され………遂に、兵士の淀んだ精が、マリアの中に吐き出された。
内側から身体を焼き尽くすような熱が、最深部に叩き付けられる。腰を押し付け、モノを1番置くまで挿し込み
ながら、長い射精を終えて………兵士は、ふぅ、と息を吐きながら、マリアの中に埋まっていたモノを抜いた。
マリアの身体が、ビクビクと痙攣しながら床に横たわる。その秘裂から、白濁液と血の混ざった液体が、どろり、
と流れ出す。傷口に、精液が沁みる。
兵士は、欲望を満たした後の倦怠感の中、まるで汚いものでも見るような眼でマリアを見下ろし………やはり、
マリアには理解の出来ない言葉で、しかしどうやら悪態を吐いているらしいと解かるトーンで何事かを吐き捨て
て、どこかへ去っていった。
床に横たわる数人の人間の中で、唯一まだ機能している1対の瞳が、ぼんやりとその様子を見つめていた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


そして。
『死んじゃ、駄目だヨ。』
かつてのマリアが、放たれた炎と深い絶望の中で、ゆるやかにその命を終えようとしていた、そのとき。
『逃げなキャ。逃げて、逃げて………どこまで逃げても、生き延びるんだヨ。』
マリアの中に………それまでとは別の人格が、芽吹く。
『大丈夫。辛いことモ、悲しいことモ、苦しいことモ………「マリア」が、ゼーンブ忘れさせてあげル。』
まさに、どん底と言う言葉が相応しいそんな状況にしては、やけに明るい………新たな「マリア」の、その声は。
『さァ、立っテ。お前なら出来るヨ、「マリア」、お前のこと信じてル!!』
その腕のロープが、事の最中にいつの間にか緩んでいたことを、マリアに気付かせた。
『そうだヨ。立って、逃げて………そしたら、あとハ「マリア」の仕事!!』
その声に従うように、マリアは弛緩しきっていた身を起こし………腕のロープを、振りほどく。
『あとハ、「マリア」に任せテ。お前のコト、絶対護ってやる、絶対、逃がしてやるヨ。だから………。』
きつく結ばれた脚のロープを、驚く程の手際で外し………。
『お前ハ………ゆっくり、眠ってていいヨ。』
マリアは、その意識を………「マリア」へと、明け渡した。

そうして。
今日、2年へ組に居る、関内・マリア・太郎の人格は、誕生した。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


こじ開けられた扉から、記憶が、濁流のようにマリアの意識に流れ込んでくる。
今、その身体に呼び戻された………かつて、母国で生まれ育ち、そして見知らぬ兵士に耐え難い苦痛と恥辱を与え
られた、元々のマリアの人格。その眼の前で、銃を構える命の姿は………今のマリアの瞳には、あの日の兵士と
同じ姿にしか、映らなかった。
「や………や、あ、ァ………ッ!?」
冷たい床にへたり込んだまま、マリアはずるずると後退りをする。それまでとは別人のような、まるで見えるもの
全てに恐れおののいているかのようなマリアの様子に………命は、漠然とながら、何が起きているのかを察する。
「………ははぁ、なるほど。今の銃声で………戦場でのトラウマでも、甦ったか。」
それに気付くや否や………命は再びその手で拳銃を構え、躊躇無く引き金を引いた。弾丸は再びマリアの顔の隣を
飛びぬけて、壁に着弾する。その音に、マリアは今度はまるでバネ仕掛けの人形のように、ビクリと解かりやすく
全身を跳ね上げさせた。
「や、止め、テ………怖いッ、怖い、ヨォ………!!?」
突如として復活し、自分の内側から止め処なく湧き上がって来るその恐怖に、困惑しながらも………マリアはただ、
身をすくませ恐る恐る命の様子を窺っていることしか出来ない。
「これは、完全に予想外だが………嬉しい誤算だな。」
「ひ、ィ………ッ………!!」
「これが、さっきまで私を誘っていた娼婦と、同じ人間の顔か………堪らないな、全く。」
さきほどまでの、男を手玉に取るような態度からは一変して、少女らしく歳相応に、あるいはそれ以上に激しく
脅えた反応を示すマリアに………命は、己の中の嗜虐心がめらめらと燃え立ち始めるのを感じていた。
550その花束に絶望を karte15 (9/10):2008/04/20(日) 03:21:04 ID:W5ut9z0o
「………さきほどの話は、無しだ。約束通り………契約を、全うして貰おうか。」
ここまで来れば既に不要だと判断した拳銃を、手放す。丸腰の命が歩み寄るだけで、マリアは面白いようにガタガタ
とその身を震わせ、ぽろぽろと涙を零しながら、小さく横に首を振った。口が、死に掛けた魚のようにぱくぱくと
動くが、そこから声が発せられることは無い。
「一応こっちは、正式に金を払って契約しているんだ。君に、拒否権は無い………と言っても、もう解からんか。」
「い、嫌、ァ………止めッ、止めてヨ………マリア、い、痛いの、嫌ダ、ァ………!!」
「痛いってことは無いだろう?今まで、その身体で何人もの男を食い物にしてきたんだぞ、君は?」
そう言いながら命はマリアの眼の前にしゃがみ込む。既に壁際まで追い詰められたマリアの脚の間に割り込み、
太股を左右へ押し開くと………下着に覆われず剥き出しになった、マリアの幼い秘裂が、姿を現す。
「止め、ッ………は、放し、テッ………!!」
「止めるも何も、君が誘ったんだろう?」
既に、今のマリアがさきほどまでのマリアとは別人であることを、十分に理解しながら………命は敢えて、マリア
にそう言って詰め寄った。脚の間に身体を入れられ、至近距離で秘裂を観察される………あの日、兵士から受けた
のとよく似たその行為に、マリアの身体がざわざわと総毛立つ。
涙を零しながら見つめるその先で。命は、徐々にその顔をマリアの脚の間に深く埋めてゆき………そして。
「ひ、あァッ!?」
その舌先が、マリアの秘裂に、届いた。
甦る、あの恐怖の時間と………それに相反する、今のマリアが持つ開発され尽くした身体だからこそ感じることの
できる、快感。その2つが混ざり合った感覚に、マリアは一瞬だけ戸惑うが………それでも、マリアの中に長い間
封印されてきた凶悪なトラウマは、そんな些細な快楽など簡単に塗り潰してしまう。
「う、ぇ………ッ………嫌、ァ、アッ………!!」
恐怖が、再び頭の中に流れ込んでくる。記憶が、否応無しに掘り起こされる。
舌を秘裂に這わせ、その中に押し入れて………柔らかい舌が蠢く度に身体が見せる反射的な反応と、それに気付く
余裕すらなく恐怖に震え続けるマリアの様子とを、十分に楽しんで。
「………さて、下準備はこれくらいにして………そろそろ、本番に移らせて貰おう。」
命は………自らのズボンに手を掛け、降ろしたチャックから既にガチガチに固まったモノを取り出して、マリアの
小さな身体に、覆いかぶさるようにして襲い掛かった。2人の距離が、ゼロに等しくなるほど縮まって………その
接近がまた、マリアの中の封印を揺さぶり、記憶を呼び覚ます。
マリアの視界の中で、命の顔に、あの日の兵士の狂ったような表情が張り付く。自分を囲む景色が、かつて平和に
暮らしていた、そして、あの日無残にも焼き払われた生まれ故郷の家に、差し替えられる。完全に、意識をあの
瞬間にタイムスリップさせてしまったマリアは………次の瞬間、何の宣告も無しに自分の中に侵入してきた命の
モノの気配に………本来、今の身体ならば感じないはずの痛みを、感じた。
「あ”、アアアァァァァァァッッッ!!?」
マリアの耳に、あの日と同じ、自分自身の叫び声が響く。断末魔のような声が、地下室に木霊する。
耳をつんざくような悲鳴を上げるマリアの声に、少々顔をしかめながらも………命は、自分の些細な行為に対して
面白いように反応するマリアの身体を、まるで出来の良い玩具か何かのように感じ始めていた。
「い、だッ………や、止め………痛ァッ!?やッ………止めて、ヨォ………!!」
「冗談だろう?こんなに中を蠢かせて、まるで、搾り取るみたいに締め付けておいて………なぁ?」
「あ、あアァッ!!?やッ、だ、駄目ェ………ひぐ、う、ァ………!?」
眼を剥き、細い腕で必死に命を拒もうとするマリアの奥底に、命は2度、3度とモノの先端を叩き付ける。子宮の
入り口まで達するモノの衝撃は、性行為に馴染んだマリアの身体を少しずつ絶頂へと誘い始めていたが………その
刺激も、マリアの脳の中では、ありもしない破瓜の痛みへと変換されてしまう。
「い、だァ………痛い、ヨォ………も、もう、許しッ………う、ェ、ア、あぐゥッ!!?」
「ほら、どうした?この程度で満足できる身体じゃ、ないだろう!?」
「あ、ひァっ………や”めッ………ま、マリア、壊れ、ちゃうヨッ………し、死んじゃ………ぅ、アアァッ!!?」
その言葉通り、マリアの瞳は徐々に焦点を失い始め、その意識が壊れかけていることを示し始める。
551その花束に絶望を karte15 (10/10):2008/04/20(日) 03:22:02 ID:W5ut9z0o
先ほどまでは、この世のどんな男でも食い物にしていたであろう、少女が………今は、自分のモノにその中を蹂躙
されながら、止めてくれ、許してくれと涙ながらに懇願している。
その状況は、遂に………命の本能を、最高速度にまで加速させた。
命の腕が、マリアの細い腰を、爪が肉に食い込むほどの力で鷲掴みにする。マリアの身体は、壁に背を預けたまま
持ち上げられ………その下に潜り込んだ命の身体の上に、結合したまま、叩き落される。
「い”、ッ………〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!???」
体重と落下の衝撃は、結合部の1番奥底に、強烈な衝撃となって襲い掛かる。ゴズン、とマリアの脳内で鈍い音が
響いて………その止めの一撃で、マリアの身体は、とうとう絶頂を迎えてしまった。
「あ”、ア、アアアァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」
そして。それと同時に、急激に収縮したマリアの膣が………命のモノも、同時に絶頂へと誘う。
「ぐ、ぁ………っ………!!?」
ただでさえ狭いマリアの内部に、締め上げられて………命のモノが、決壊する。吐き出された精は、マリアの奥底
に容赦なく注ぎ込まれ、受け止め切れなかった分が結合部から溢れ出していく。
「あ、ひぁ………ひっ、は、ア、あづ、イィッ………!!?」
焼けるような熱は、マリアの中で、やはりあの日の兵士が吐き出したものと重なっていた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


同じ地獄を、2度も体験させられて………既にマリアの精神は、正常とは程遠い物と成り果てていた。
その瞳は、まるで切れてしまった電球のように、光を失ってどろりと濁り。さきほどまで恐怖に震えていた身体も、
完全に力を失い、弛緩しきっている。緩んだ秘裂から溢れた小水が命のズボンを汚し、瞳の端から零れる涙、口の
端から零れる唾液が、ぽたぽたと雫になって床に落ちている。
それは完全に、命も今まで何度か眼にしたことがある………心が壊れた人間の、姿だった。
結合も解かずに、命は眼の前でぐったりとうなだれるマリアの顔を覗きこみ………その唇に、キスをする。
「………素晴らしい。ほんの数分で、ここまで急激に堕ちた人間は、初めて見た。」
「ァ………ッ………ぅ、っ………………。」
「しかし………こうなってしまうと、商品価値は無いか。彼には、申し訳ないことをした。」
眼の前で呟かれる言葉にも、マリアはもう反応しない。その口からは、声や言葉ではない。風の鳴るような微かな
音が発せられるばかりだった。

物言わぬ人形と化したマリアを、その輪郭を、命の指がなぞる。
「ここまで来ると………いっそ、美しくすらあるな………。」
命の中の、特異な嗜好が………新たな段階へと、変貌を遂げる。

………かに、見えた。その、瞬間。



『バタン!!』
「………な、っ………?」



決して開かれるはずのない、地下室の扉が………外側から、勢い良く開かれた。



(続)
552その花束に絶望を:2008/04/20(日) 03:31:39 ID:W5ut9z0o
お粗末様でした。マ太郎編でした。
皆様の仰る通り1番調教が似合わない娘なので、どうするか悩んだ挙句、オリジナル設定という暴挙に出ることになりました。
過去回想のくだりは、書いてて自分で自分が嫌になりました。陰、鬱、陰、鬱。

………ひとまず今回で、生徒14人+看護婦という、開始当時考えていた獲物は全て狩り終わりました。
本当は今回で物語そのものにもケリをつけようと思ってたんですが、余りに長くなりそうなので泣く泣く引っ張ることにしました。
今後は、一連の物語の終結と、気力があればオマケ的にもう1本、ということになると思います。
とにかく、新たな生徒陵辱は無いものと考えてください。期待しないでください。本当に、期待しないでください。

………ということで。
よろしければ、また次回お会いしましょう。
お目汚し、失礼しましたっ。
553名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 09:06:32 ID:hF6BsGbn
>>552
GJ!
いったいどうなるんだ?


しかしマリアを調教できたなんてすげぇわ
オリジナルが違和感ない
554名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 09:14:34 ID:9S8av0wO
GJ!
トラウマをひっぱりだすことで陵辱するとは・・・

そして花束コンプ乙です!
555名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 11:41:48 ID:VEv/kDI9
あれ?
オレの嫁がまだなんだが…
556名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 11:46:00 ID:p5Px5Xsl
>>555
まだ嫁を持つとは、強者だなww
557名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 12:57:21 ID:U8xgAzvQ
命倫を待って保守
558名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:25:40 ID:0OjPTnvQ
>>555
倫も含め、ことのん以外全員ヤられたはずだが?

まさか!?
お前の嫁は…

絶望か?
559名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:26:49 ID:0OjPTnvQ
>>552さん
乙です
560名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 14:45:22 ID:hF6BsGbn
智恵先生じゃね?
561名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 15:48:41 ID:Pr1hegSI
うーみんだよ
562名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:26:02 ID:MtV/6Jwp
丸井
563名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 17:23:47 ID:5+Q7oB0V
>>552
うわぁぁぁすご過ぎるっ!そしてコンプおめでとうございます!
ていうか、この先の展開が気になって眠れないっ!!
564名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 20:21:20 ID:eFQ+ip9g
誰もエデンの園ネタ投下しないなら俺がやっちゃうぞ、バカ野郎。
565名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 21:00:53 ID:AW31pnTe
やっちゃってやっちゃって
566名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 21:14:47 ID:0t3pgyNy
じゃあ俺がやるよ
567名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:07:02 ID:97vL31Wp
二人ともやっちゃって
568名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:35:52 ID:iIc1FxZO
どうぞどうぞ
569名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:36:26 ID:0kWtzhKg
>>552
うわー、絶命鬼畜すぎるw

続き楽しみにしてます、GJ!

570名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:06:46 ID:DpJ986BB
>>552
吐き気がするほど外道wwww

いや、貴方がじゃないヨ。貴方が書く絶命先生がダヨ。
さあ、エンディングを待たせてもらおうじゃないか。
571名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:35:03 ID:x6oOKm4o
おお、みんな集まったか。
最終回の予想しようぜ
572名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 01:19:56 ID:o3oCBsvk
本気でネタが被りそうだから止めましょうよ
573名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 10:20:34 ID:jMYv3OOv
最低鬼畜医者野郎が逮捕されますように(‐人‐)
そして二度と社会にでてきませんように(‐人‐)
574名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 10:46:32 ID:AQYHwakJ
最後まで鬼畜先生のターンでもいい
575名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 12:38:09 ID:D6cyMKdw
>>572が本人様のような気がしてならない
576名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 13:58:28 ID:uwBZYk/1
本人様だったところで何だって話だが
577名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 17:16:59 ID:PEzVvmRI
絶命が刺されて一生苦痛を味わい続けますように。
578名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 18:05:49 ID:7IYjIGE8
>>577
絶命「アッー!!」
579名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 18:16:23 ID:jMYv3OOv
これからの最低鬼畜医者野郎の末路
死なない程度で痛めつける→ある程度回復させる→また痛めつける→……
の無限ループ。ただでなんて死なせないぞ。
580名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 18:17:37 ID:yTdGq5cK
むしろ絶命がハーレムで
581名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 18:56:52 ID:w2Q3tH+n
万世橋マン登場
582名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 19:06:29 ID:wa4buSIq
>581
俺もそれ3話位からずっと思ってた。
583名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 19:29:02 ID:i3LydYHY
わざわざ投下しづらい流れにしなくてもいいじゃないの。
584名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:04:17 ID:PQSN9G+p
絶望先生が大好きすぎて
レイプ物や陵辱ものを見る事すら出来ない俺はおかしいだろうか?
585名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:07:12 ID:OfpToEWX
奇遇だな俺もそうだ
586名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:29:53 ID:uwBZYk/1
俺は好きだぜ、凌辱レイプ。
あと小ネタが結構好きだ。
587名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:31:55 ID:Z+KI6VeH
小ネタって最近あんま見ないな
588名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:34:22 ID:TqBvXJbq
鬼畜もGJだが
そろそろ望霧欲しい
589名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:42:40 ID:OQjARGd/
望霧はもういいよ・・・
590名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:43:37 ID:uwBZYk/1
原作のイメージが強すぎて望と誰かが両想いになっていると違和感を覚えてしまうので、小ネタとか保管庫にある「親指姫始め」みたいなラブコメっぽいのとかが好みだったりする。
591名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:54:38 ID:TqBvXJbq
それは一理ある
592名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:58:46 ID:o3oCBsvk
つまりもうくっついちゃった改蔵南国ダーリンでやれってことですね
593名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 21:22:41 ID:N7s1PvAi
自分は凌辱レイプされた後に望むに慰められてる嫁を妄想
嫁しか考えられないが・・・
594名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 21:49:09 ID:wyzZQrgR
望×可符香ならなんでもおk
595名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:18:10 ID:BbPWJk3j
久米田マンガの読者ってM男が多いと思ってたけど
意外とそうでもないんだな
596名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:27:44 ID:Z+KI6VeH
究極のM男、臼井君のSSはあんまし需要ないしね
597名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:55:13 ID:7IYjIGE8
北欧×北欧の美少女
598名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:39:35 ID:yTdGq5cK
>>595
可符香漫画スレ
加賀愛漫画スレ
に俺はよくいるがそのスレ見たことある?
S男ばかりだぞ
599名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:46:49 ID:R8nNFLYy
>>497
オヤ?
続きがこねェな
試合放棄かな?
600名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:08:46 ID:jnOZ4L9F
投下しにくい事言う奴がいるからなんだろうが
気にしなくていいのにね、どうせアンチだろうし
いつでもまってるんだぜ
601名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:18:09 ID:e2EARkQY
自分勝手にやってるのか愉快犯か知らないけどやめて欲しいよな
602名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 01:11:19 ID:xFAfUEI2
>>497
お前が望霧を書かなかったら誰が書くと言うのだ!
がんばれ
603名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 10:49:56 ID:mOlf1E1m
じゃあ俺が書こうか
604名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 11:07:49 ID:1/xjihtl
誘い受けですか!
605名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 11:17:36 ID:uh6xrDYV
>>603
いやいや俺が
606名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 14:47:27 ID:XqHwTfcF
こわごわ、臼井×あびる投下します(保管なしでお願いします)。
長いのですみません、先に謝っておきます。
607ライオンはトラより美しい:2008/04/22(火) 14:48:31 ID:XqHwTfcF
テストの最終日を無事に終え、各自が帰宅する。
あびるも今日はバイトが休みで、まっすぐ帰宅するつもりだった。
靴を取り出そうと手を伸ばすと、指が紙に触れた。
「……?」
放課後、教室で待っています。
丁寧にそう書かれたメモがあびるの下駄箱に入っていた。


歩いてきた道を引き返し、階段を上がる。
教室にいたのは、臼井だった。席に座り、緊張した顔をしている。
「どこ?」
「こ、ここです」
席を立つと、椅子が音を出した。
「どこ?」
あびるがきょろきょろと顔を動かす。
「こっ、小節さん!」
慌てて出入り口に駆け寄った。
「ここにいます。臼井です」
顔が近づくと、あびるはほんの少し口元に笑みを浮かべた。
「僕のこと見えますか」
あびるの背が高いため、二人の顔はほとんど前にある。
「ええ。あなた、見えない振りのほうがおもしろかったから」
「振り?」
見えない振り、の言葉に臼井が戸惑った。
いつも着替えを覗いていること、入浴を覗いていること、靴を盗んでいたこと。
それらを上げると、勢いよく土下座をした。
「すみません、調子にのってました」
はらはらと臼井の髪が落ちている。あびるも床に膝をついた。
「用事って、そのことだけ?」
「い、いえ」
首を振り、返事する。深呼吸をし、それからまっすぐあびるを見つめた。
「こんな僕ですが、実は、小節さんが好きなんです」
「……」
きょとん、とした顔であびるは臼井を見つめる。真赤になり、汗のにじんだ顔が眼前にあった。
「好きだから、ストーカーしてたんじゃなかったの?」
「そ、そうです。はい。本当に」
しどろもどろに頷く。
「もっと大変なことかと思った」
「はあ。大したことなくてすみません」
頭に手をやり、謝った。
「って……。じゃあ、僕の気持ち知ってたんですか」
あびるが目を細めて笑う。初めて見る顔にときめいた。
「あ」
衝動的に抱きしめる。身動きできないほどに強く抱かれ、声を上げた。
「臼井君」
興奮しているのだろう。汗の匂いがする。あびるは目をつむり、吸い込んだ。
608ライオンはトラより美しい:2008/04/22(火) 14:49:44 ID:XqHwTfcF
「小節さん」
その顔に、キスをねだっていると臼井が勘違いする。唇を静かに重ねた。
「ん……」
ちゅっ、と音が鳴る。初々しいキスだ。唇が離れると、臼井は俯いた。
「すっ、すみません」
同じようにあびるも目線を落とす。学生服のズボンの一部分が、軽く盛り上がっていた。
「……?」
「ひっ」
ただの興味であびるはそこに手を伸ばす。堅い感触に触れ、撫でた。
「こりこりしてる。尻尾みたい」
「くぁ……」
臼井の声が上擦る。積極的に弄られ、すぐに出してしまいそうになった。
意識をほかのことに集中させようとして提案する。
「あのっ。僕も、小節さんに触れていいですか」
「どうぞ」
何のためらいもなくあびるは頷いた。ごくりと唾を飲んで、セーラー服とブラジャー越しの胸を掴む。
乳房の柔らかさが伝わり、そして手の平に尖った乳首を感じた。
「んん……」
耳元にあびるの吐息が触れる。敏感な耳をくすぐられ、その瞬間にズボンの中に射精してしまった。
「う……っ」
下着に濡れた嫌な感じが広がる。
「え?」
声に驚き、あびるが臼井を見た。
「すみません、童貞で早漏で薄毛ですみません」
何度も頭を下げて再び土下座する。あびる優しく微笑んだ。薄い頭を撫でる。
「とりあえず、それ、脱いだら?」
「はっ、はい」
ベルトを外し、ズボンを脱いだ。一方、あびるも同じようにスカートを取り捨てる。
白い肌と包帯が夕日に染まっていた。溜め息を吐き、見惚れた後で咳払いをする。
「小節さんは脱がなくてもいいですよ」
照れながらいうと、あびるは無表情で答えた。
「脱がないと交尾できないでしょう」
交尾という単語に鼻血が垂れた。押さえて止めながら、今から二人で交尾を行なうという事実に身体が火照った。
そんな臼井の目の前で、淡い色のパンティを捨てる。出入り口近くの、誰かの机の上に座り、臼井に手を伸ばした。
「ほら……」
上は着ているのに、下は太股の包帯以外何もつけていない。その様に、すぐ肉棒が硬くなった。
「小節さん」
ひざまずき、顔をあびるの下半身に向ける。淡い秘毛の奥に花弁があった。わずかに匂いを感じる。何度も犬のように嗅いだ。
「ん……」
鼻息に秘部を刺激され、あびるが小さく鳴く。ふと、足でトランクス越しの男根に触れた。
「あっ」
「一緒に、ね」
609ライオンはトラより美しい:2008/04/22(火) 14:50:55 ID:XqHwTfcF
「く、うっ」
器用に足の指を動かし、肉棒をしごく。敏感な先端を親指と人差指で擦ると先走り液がにじんだ。
「可愛い」
小さな声が耳に届き、恥ずかしさでいっぱいになる。臼井も負けじと指で花弁を広げた。
愛液のにじんだ秘唇に舌を進ませる。
「あ、あ……」
可憐な声が漏れた。こじ開けるように舌を差し込む。じゅる、と卑わいな音が教室に響いた。
「はっ、はぁっ。くぁあ……」
陰核を舐め、軽く吸うと身体がのけぞった。体液がとめどなく流れ、臼井は丁寧にそれを喉に通す。
「やだ……」
あびるの頬が赤く染まっていた。その表情に臼井は胸が熱くなる。
「いっ、入れていいですか」
「ええ」
トランクスを脱ぎ、下半身だけ裸になった。あびるの上半身を机に寝かせ、雄々しい肉棒をあてがう。
「あ、く……っ」
十分に潤っている秘唇に、ゆっくりと潜り込む。根本まで入り、溜め息を吐いた。
腰を軽く引くと、肉茎に破瓜の血が着いているのが分かる。
あびるの顔を見ると、痛かったのか、涙が頬を伝っていた。
「小節さん、上手くいかなくてすみません」
「ううん……」
静かな声に熱が混じっている。臼井はあびるの胸に顔を埋め、抱きしめた。
「はぁ、あぁっ」
滑った中を掻き回され、だんだんと痛みが快感に変わる。あびるの肌にも汗が浮かんだ。
「小節さん、小節さんっ」
名を呼びながら、狭隘な中を突く。肌のぶつかる音が教室に響いた。胸元にある臼井の頭に手を伸ばし、抱き返す。
「臼井……くん……っ」
「あっ」
まずいと思った瞬間には終わっていた。中に勢いよく精液を注ぐ。
名を呼ばれただけで果ててしまったのだ。
「わ、わぁっ。すみません!」
慌てて引き抜き、離れると残滓があびるの太股に降りかかる。
「……」
一瞬驚いたものの、指でそれを拭った。嗅ぐと鼻を衝く匂いがする。
困惑顔でこちらを見る臼井に、見せつけるよう指を舐めた。
「苦いのね」
「小節さん……」
離すと唾液が糸を引く。
「また、勃ってる」
指摘されて臼井は顔が真赤になった。あびるが体液まみれの男根を両手で包み、撫でる。
「あの……今度は後ろからいいですか」
610ライオンはトラより美しい:2008/04/22(火) 14:52:25 ID:XqHwTfcF
臼井の提案に頷き、そっと机に手を置いて尻を突き出した。
「こう、かな……?」
自ら花弁を広げると、秘唇から白濁液がこぼれる。見たことのない淫猥さに、臼井はあびるの腰を捕えた。誘われるよう剛直を押し入れる。
「ああぁっ」
頭の中にまで、衝撃が響いた。さきほどよりも更に奥まで届き、気持ち良い。
すぐに果てないよう、唇を噛み締めながら運動を始めた。
「あ、あっ」
あびるが体重を支えきれずに机にもたれ、しがみつく。臼井もあびるの背に抱きついた。
「はぁ、あっ、あ、あぁっ」
肉棒の動きにあわせ、かすれた声が弾む。あびるのお下げが揺れた。
ふと、あることに気づいて動きを止める。不思議そうにあびるが顔をこちらに向けた。臼井は小声で耳打ちする。
「小節さん。僕ら動物みたいですよ」
あびるも視線を床にやった。二人が一つの影絵になっている。そして、いう通り動物に見えた。
「あは……」
再び運動を始め、動く影にあびるは目を輝かせて笑う。
「いい。この交尾、気持ちいい」
元々狭い中が更にきつくなった。それでも歯を食いしばって内奥を貫き続ける。
「あっ、はぁ、あぁあっ」
歓喜の声を上げて、弾けた。肉茎を抜くと、教室の床に二人の体液が落ちる。
「臼井君……」
余韻に浸り、幸せそうにあびるが笑った。顔を近づけた臼井の眼鏡を取り、自らキスをする。
遠くで下校のチャイムが聞こえた。


教室を後にし、二人は玄関にいる。
「今度は、一緒に尻尾を着けてしましょうね」
そういわれ、猫耳と尻尾を着けたあびるを想像した。それだけで止まっていた鼻血が出そうになる。
「は、はい。ぜひ、喜んで」
首を何度も縦に振って頷いた。
「ふふ……」
そんな臼井にあびるも微笑み、手を繋いだ。
611名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 14:54:10 ID:XqHwTfcF
…以上です。ありがとうございました。
お目汚し失礼します。
612名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 15:50:44 ID:LtIhcDmX
素晴らしいです、GJ!
613名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 16:34:57 ID:vAe2djgt
>>610
臼井君、なんという存在感………アニラジ聴いた直後なんで余計に………!!
それにしても、あびるエロいよあびる。攻めあびるは大好物です。
614名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:14:37 ID:9ZLJ4jXV
臼井のくせに!アニメ11話で優遇されたからって!
615599:2008/04/22(火) 17:38:32 ID:LRM3f23m
>>599は相手からの攻撃を誘う寂海王のセリフを真似したものであってアンチではないのですけど…
嫌がらせにしか聞こえなかったようですね…
雰囲気を悪くしてすみませんでした…
本当は続きを楽しみにしているのです
>>497さん、不快にさせてしまって申し訳ございません
それと、これからもがんばってください

>>610
よかったです
GJ
616名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:49:33 ID:1/xjihtl
GJ!
臼井君、顔は結構良いよね。スキンヘッドにした時はなかなかかっこよかった
617夜さり桜。:2008/04/22(火) 19:26:39 ID:1UGjX5oN
激励を受けて復活
やはり春とくれば次は夏
夏のイチャイチャ物語です

※霧の独り遊びがメインです
 ハメ好きはご注意を
618袖合。:2008/04/22(火) 19:40:29 ID:1UGjX5oN
桜は散り、太陽が高く昇る時期。
夏休み直前だ。
絶望教室は期末テストを終えた解放感に満ちていた。
学校に所属する以上避けて通れない壁を乗り越えたのである。
それは、引き篭りの霧も例外ではない。
普段と同じく教室には来ない為、宿直室にての受験だったのだ。
そして、その答案を見て頭を悩ませる望。
本当に基本的な問題しか解けていない。
そう、授業の中で解説される問題には手も足も出てない状況だ。

(ふむ…、どうしましょうか)

決して勉強が出来ない訳ではないのに。
つまり、勿体無いのだ。
数日後からは夏休みだというのに。
通知表を塗り潰しながら、望はある一つの決意をする。

終業式の後のLHRを簡単に済まし、望は愛しい彼女の元へ歩を進める。
宿直室からは美味しそうな昼食の香りが漂う。
部屋を出るときに、昼までには帰ることを伝えていた。
甲斐甲斐しく自分の面倒を見てくれる少女はきちんと準備をしている。
そう確信すると、つい顔が綻んでしまう望。
にやけ面を隠せないまま帰宅する。
開けるべからずの貼り紙に書かれた名前が一つ増えていた。
『きり』の文字の横に、『絶望』。
普段なら失踪してしまう呼び名も、彼女なら許せる。
どうやら随分と贔屓癖が付いてしまった。
そんな事を思いながら一言。

「ただいま」
「おかえりなさい、先生」

可愛らしい毛布を身に纏い、霧が姿を見せた。
季節に合わせて薄い物を羽織っているようで、その顔は涼しげだ。
それに、エアコンが効いているのか、遠くで作動音が聞こえる。
汗を吸った身には少々冷たい室内だが、すぐに慣れる。
荷を下ろし食卓に付けば、間を置かず料理が目の前に。
619袖合。:2008/04/22(火) 19:43:05 ID:1UGjX5oN
「今日はパスタですか」
「うん、食欲無くても食べれるかと思って…」
「気が利きますね、小森さん」

育ちが良く、あまり体が強いわけでも無い望は初夏に在りながら、夏バテ気味だったのだ。
それを考慮しての選択は、本当の親切と呼べるだろう。
望は時間を掛けて皿を空白にしてゆく。
麺と一緒に少女の気遣いも咀嚼しているかのように。
やがて皿は完璧に空となり、それを台所へ移動させる霧。
一息付いて休憩する望。
夫婦の生活と何も代わり映えしない二人の日常だが、今日は少し重大な話がある。

「ところで、小森さん」
「何?先生」

水の流れる音が響く宿直室。
皿を洗いながら、振り向かずに霧が問い返す。
後ろ姿はいつもと変わらない。

「一昨日、通知表を付けました…」
「…!?」

その後ろ姿がびくっと震え、固まった。
望が何を言わんとしているかは分かっているようだ。
話すのも辛い。
聞くのも辛い。
気まずい空気が漂うが、意図的に無視する。

「先生、基本的に非通知なのですが…、今回は通知しなければなりません」
「そ、それって…」
「はい、…追試です」

目に見えて落ち込む霧。
流石に可哀想に思えた望は、音も無く忍び寄り優しく抱き締める。

「せんせぇ…、補習って教室で受けるのかな」
「えぇ、私のクラスの人は大体補習を受けますから…」
「そっか…」
620袖合。:2008/04/22(火) 19:44:23 ID:1UGjX5oN
更に悲願の顔に変化するのを見てとる。
エアコンに奪われた体温を補うように、より霧の体を引き付ける。
頬を寄せて直接、鼓膜に語り掛ける。

「小森さんには私が個人授業しますから、…心配しなくても大丈夫ですよ」
「………うん、ありがとう、先生」

そして、夏休み初日の夕方。
食事も入浴も早々に終えた二人。
何時になく真剣に机へ向かう霧、正面には望の姿が。
教室よりも教師らしい姿が其処には在った。

「さて、小森さん」
「はい」
「本来なら試験の内容は全て復習しなければなりませんが…」
「…」
「時間も有りませんし、幸いなことに小森さんは基本をしっかり理解されています」
「えへへっ」
「…よって、発展問題と苦手であると思われる箇所を復習します」
「分かりました」

筆を取ろうとする霧。
その手に上から優しく手を重ねる望。
不思議そうに見上げてくる少女に身を寄せて囁き掛け、淫らに微笑む。
秘密の約束を契る為に。

「問題を正確に解ければ、ご褒美がありますからね…」

クチュ、ピチャ…闇の宿直室で乱れた水音が響く。
補習を始めてから約3時間が経過している。
しかし、両人に疲れは無い。
始まりと同じように身を寄せて、重ねている。
違うのは部屋の温度の高ぶりと、頬に落とされた朱色。
そして、とろけた瞳。
今までに解いた問題数は既に72問。
その内正解は64問。
二人は述べ64回、口付けを交している。
621袖合。:2008/04/22(火) 19:47:09 ID:1UGjX5oN
「ん、ふぁ…くちゅ」

今も、その最中だ。
そうでなくても身長差のある二人。
椅子に腰掛ける霧が上を向くのは必然だ。
重力に逆らわず唾液を落とす望。
まるで、それが命の水であるかのように飲み干す霧。
時に濃厚に、時に精密に。
深く唇を落とすと、舌だけを残して徐々に離れて行く。
終りの合図は64回の間、変わらない。
銀の糸が二人を強く結ぶ。

「ぷぁ…、せんせぇ…」
「ふふっ、小森さん、次が最後の問題ですからね…」

息も絶々に精一杯な霧だが、対称的に大人の余裕を見せる望。
返事も出来ぬ程骨抜きにされた霧を置いてけぼりに、補習を再開する。
そして、此れが致命傷になったのだ。
説明を終え練習問題を解かせる望。
暫くは茫然と考えていた霧だが、思い出したように計算に取り組み出す。
延々と続く計算式を幾度となく繰り出し、必死に問題を解く。
今までよりも難易度の高い問題は、解答を導くのに10分を必要とした。
少女の目の前で式を見直す望。沈黙と緊張が部屋を制覇する。
その静寂を破壊したのは当然、望。

「小森さん…!」
「…?」
「残念ながら…、符号が逆です」

机に身を落とすペン。
戦慄が体に響き渡る。
まさかの失態だ。

「そ、そんなぁ…」
「考え方は全て適格なのですが、最後の符号の変化がありませんね」
「それじゃあ…」
「えぇ、誠に残念ながら約束は果たせません」

二人が交した秘密の契り。
一つは先程記した通り。
もう一つは、夜の営みだ。
露骨に言えば性交。
つまり、そういうこと。
622袖合。:2008/04/22(火) 19:48:21 ID:1UGjX5oN
「せんせぇ…」
「約束は約束ですから」

やけに頑固な望。
どうにも強い芯を携えているようで、その意思は折れなかった。
故に熱る身体と心を持て余す霧。
並んで横たわる二人だが、望は一足先に夢へと旅立っているようで、安らかな寝顔が目の前に。
それを意識すると、余計に疼いてくるのを感じる少女。
知らず知らずに手は、快楽を求め出した。
最初は恐る恐るに触れるだけだったのだが、少しずつ淫らに変貌を遂げる。

「ふっ…く、ん」

瞳は閉じたまま息を殺し、時折耐え切れなかったように鼻から呼吸を漏らす。
少女の艶やかな呼吸は全てが霞がかったようにぼんやりとしている。
そのくぐもった吐息は部屋の寸法を突如として曖昧にさせ、広くなったり狭くなったりを繰り返している。
そのくせ、少女の呼吸ひとつ、身じろぎひとつさえ明確に感じ取ることが出来るのだ。
そう、望の意識は覚醒していた。
はじめは、ほんのささやかな愛撫だった。
可愛らしいチェックの寝巻きの第二ボタンをそっと開け、おずおずと指先を忍び込ませる。
豊かな膨らみを撫で回し、快楽を見つけ出す。
その手つきはとても手馴れているとは思えない程拙く、そのたどたどしさは未成熟な身体を自ら開拓してゆく少女の禁断の遊びであった。
それは、神聖さと同時に背徳に塗れたいやらしさを誇示していた。
丹念な愛撫に身体も慣れてきたのか。
指先のグラインドも次第に大胆さをましてゆく。
時々、思い出したかのように白き指は膨らみの中心にある小さな突起へと目をつける。
そこに向かう手つきは、恐る恐ると指先をその隆起へと近づけるもので、そっと突くように人先指で触れた。
想像以下の刺激に物足りなさを感じる霧。
この不感は下着のせいだと考え、ブラをたくし上げ、何の恐れもなく自らの乳房をまさぐる。
火照っているはずの手のひらが熱を感じるほど、局所は熱くなっていた。
触れている手のひらが心地よいのか、手を動かすこともなく静止する。
思い出したように触れた乳首は通常のそれと比べれば二倍といってよい程に堅く隆起していた。
くりくりとこね回す感触が面白く膨れ上がった突起を弄ぶ。
しかし、胸に溜まるのは人事を越えた切なさばかりである。
彼女の右腕は下腹部へと伸びていった。
先ほどの手淫により身体の熱が高まっていたのだろう、指先の触れたショーツは僅かな湿り気を帯びている。
慣れない手つきでショーツ越しに、その小さな割れ目に沿って指を這わせる。
クチャクチャと粘液質な水音が鼓膜を叩く。
本来なら聞こえるはずもないそのささやかな音すら、幻聴を望は明確に感じ取っていた。
623袖合。:2008/04/22(火) 19:49:29 ID:1UGjX5oN
「…んっ」

意図せず漏れたと息に彼女の瞳が見開かれる。
口元を押さえ、頬をこれ以上ない程高潮させ横目でそろりとこちらに視線を送った。
当然、僕は動かない。
高まり切った互いの心音が打ち消しあっていた。
ほう、と安堵の溜息をつき彼女は右手の動きを再開した。
先ほどの緊張は、少女の性感を促したのか。
ショーツの染みは目に見えて広がり、指先で押さえればそこからジワリと愛液が漏れ、腿を伝った。
それを契機に彼女の指の動きは加速度的に大胆さを強めていく。
グラインドはより激しく、情熱的に。
放たれる淫水の音も水気を増しピチャピチャと淫靡な音を醸し出している。

「は…あっ、くぅん…」

唇をかみ締めるように閉じてはいるが、口の端から漏れてくる艶声はひときわ甲高く、またその頻度を高めてきている。
望が隣にいることが霧の性感を高ぶらせる一因を担っていることは間違いない。
その証拠に霧は頻繁に望の横顔を覗き込んでは、また自慰にふける。

「せ、せんせぇ……はぁん、糸色先生…」

うわ言のように名前を呟く。
今すぐに、愛おしい少女を掻き抱きたい衝動に駆られるが奥歯をかみ締め耐えることにする。
そんな感情など知り得ない少女は、しどけなく表情を崩し口元には涎の流れた跡さえ残している。
彼女の自慰は間も無く終わりを告げようとしているのか。
高ぶった性への欲求は、より大きな快感へ全力で駆け抜ける。

ショーツを横へずらすと、未成熟で可憐な姿が露に。
霧は完全に閉じきった秘肉を無造作に押し開く。
そこに見えたのはピンク色で桜貝のようなまっさらな孔だった。
ひだはまったくと言っていいほど発達しておらず、左右の均整のとれた美しい形をしている。
肉芽は未発達の性器にふさわしく、未だ包皮に包まれたままだった。
霧の細い指先がその穴へと侵入する。
十分に粘液を帯びていた指先は第一関節まですっぽりと軽々飲み込まれてしまった。
624袖合。:2008/04/22(火) 19:50:49 ID:1UGjX5oN
「ひゃ…!」
突如として襲い来る快感の本流に少女の全身が強張る。
自分の上げた声の高さにも気付かず、欲望のままに快感を貪った。
左手は弄っていた胸元を離れ、こちらもまた秘部へと向かった。
行く先は膣口ではなく、その上にある蕾。
たわんだ皮の部分を目いっぱい剥き上げると、小さな男性器の様に起立した真っ赤な肉芽が

「あっ、はぁぁ…」

躊躇もなく突起に指を這わせるも、外気に晒されたばかりの肉芽は敏感すぎて迂闊に触れると痛みにも似た性感が走る。
はじめは指先で包むように、次第に左右へクリクリと捻る。
執拗にして、丁寧な攻めに身体は陰核の快感になじみ始める。
男と同じ自慰の方法。
しごく動作と同様に指先で陰核を上下に擦りあげる。
霧は自らが行っているはずに行為に、目を限界まで閉じて震えていた。
口の端からはだらしなく舌先が覗き、我を忘れて自慰に没頭する。
胸と秘部から押し寄せる強烈な波は絶えることがない。

(…胸!?)

少女の伸ばされた両腕は花弁を満開にさせるの忙しい。
胸から刺激は来ないはずだが、その性感帯は確かに働いていた。

「小森さん…、私に気付かないほど気持ち良かったですか?」
「…あぁ、せんせぇ…んっ、はぁぁ…」

後ろから回された手は、せわしなく胸を揉み抱く。
その動きを止め、上下に腕を分ける。

「…続きはどうしたのですか?」

片手を巧みに動かし少女の両手を誘導する。
再び流れ出す快楽の渦。
望に聞かれていて、見られていて、感じられていたと思うと羞恥心が込み上げてきた。
そして、嬉しさも。
それは少女をより高みへと昇らせる。
たとえ、無理矢理でも。
絶頂が近いのか。
クーラーの効いた部屋の温度も布団の中とは無関係。
熱く、濃厚な香りが漂っている。
限界が近いことを悟った望は、残った手を口元へ。
何も言わずに、それを咥える霧。
当たり前の事だといわんばかりに舐め回す。
ふやけた手先で霧の舌を掴む。
そして、免許皆伝のフィンガーテクニックを惜しみなく披露。
達する直前に舌を引いてやる。
それを引き金に少女は大きく体を震わせる。
625袖合。:2008/04/22(火) 19:52:06 ID:1UGjX5oN
「ひゃ…、ああぁぁぁぁん!!!」

全身を弓なりに反らし、快楽を受け止める。
今までに味わった事のない自慰の感覚。
それは、少女の世界観を変えるほどだ。

「ふふっ…、まだまだ夜は長いですからね」

長い指が再動し、長い夜着の前がはだけた。
霧に快感が戻り、望もそれを獲ようとしている。
夏の夜は儚い。
その一瞬に生きるのか。
二人の一瞬は、まだ始まったばかりだ。
626袖合。:2008/04/22(火) 19:54:09 ID:1UGjX5oN
以上です
今回は本番無しですので想像で補ってください…
それではまた会う日まで
627名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:40:43 ID:VwJ68HTe
先生と霧人気だな…
628名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:43:45 ID:Y1DCoBdm
いや、最近のはみんな同じ作者でしょ
629名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:45:13 ID:E/+lbbbD
あびる可愛いよあびる
630名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:52:01 ID:aLihgvCo
霧GJ
631名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:55:42 ID:rq7cQWuH
北欧×ことのん
632名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 22:49:20 ID:jnOZ4L9F
>>626 
本番がなくても十分楽しめた
こういうのもいいな GJ

>>599のことじゃなくて>>589とか
「もういい」って言ってる奴に対して言った言葉だから気にしないでくれ
633名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 23:10:47 ID:xFAfUEI2
>>626
乙です!
ずっと待ってました
GJ!
634名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 23:28:02 ID:rndcNqel
霧もあびるもエロいよ(*´Д`)
635名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:06:31 ID:RbItnAma
>>626お疲れ様、そしてGJ!!あなたの書く望霧が大好きです。
636名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:56:37 ID:y3U+ueUg
皆さんお疲れ様です
まさか崖掴み阻止を二回も喰らうとは…
精進します
637名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:58:02 ID:y3U+ueUg
はいはい誤爆誤爆
638名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:04:09 ID:corxxQRZ
>>626
あぁ霧エロ可愛いよ霧。
また会える日を心から楽しみにしてます。
639名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:24:30 ID:Y58+mycx
>>631
万が一投下されたら、責任持って抜くように
640名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:34:32 ID:m8ZPh8rH
>>610
と日記には書いておこう・・・。というオチかと思ったら違うのか。
641名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 04:55:32 ID:llZDpiqx
7〜8レス分ほど投下したいんですが、容量は大丈夫でしょうか?
素人丸出し質問ですいません。
642名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 06:40:01 ID:bmdigkMV
次スレまで待ったほうが安心
643名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 06:58:47 ID:eE/+Bdwx
ありがとうございます、のんびり待ちます
644名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 08:00:18 ID:RbItnAma
>>643ちなみに誰と誰のお話?
645199:2008/04/23(水) 08:11:39 ID:RvbTIUiU
名前入れ忘れてたorz

『貴女の進む道』望×まといがやっと完結したので「そのSS
私の中では終わってるから」と言われるの承知で投下させていただきたく思いまして。
646名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 08:56:23 ID:Y58+mycx
>>645
っていうか、もうYOU次スレ立てちゃいなよ
647名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 09:29:44 ID:y8x115pR
読みたさの余り立てちゃったぜ!
>>645よろしく頼むな!

【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part16【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208910434/
648名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 10:03:10 ID:22fff3mX
1ヶ月たたないうちに次スレとは…!
649名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 10:03:44 ID:5fm7qiDo
>>645
待ってました、ずっと。
650名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 10:21:30 ID:+YQB1acD
現行スレで大賞決めるとすると、どれだろな。
651名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 10:28:00 ID:5fm7qiDo
今のテンプレに変更点は特に無いかな?
週漫板の本スレがテンプレについてちょっと荒れたからさ。
652名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 11:21:37 ID:q1PdI6PM
610の者です。
>640さん
しまった、その手がありましたね;

読んでくださった方、GJ下さった方ほんとありがとうございました。
またなんかの機会があれば…。
653その花束:2008/04/23(水) 11:37:27 ID:IyhkYjev
とりあえず書き上がりましたが、これは>>645氏の投下を全裸待機せざるを得ません
次スレで待ってます!
654名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 12:07:19 ID:4pVkFUuu
埋め
655名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 12:18:04 ID:5T7Fe/wd
>>653
やった!
199氏に鬼畜絶命先生に新スレは神スレになる予感!
656名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 17:59:27 ID:uObTG/U0
気がついたらもう次スレなのかはやいはやい
657埋めるぞー:2008/04/24(木) 19:59:31 ID:QK+QkL1s
望  「とりあえず、このスレを埋めなくてはいけません」
千里 「それなら私に任せてください」
望  「いえ……スコップを持って何を埋めるつもりですか」
千里 「スレを容量いっぱいまで埋めるんでしょう? でしたら、どんな物で埋めてもいいと思いますけど」
望  「そうですけど、スコップでデータは埋まりませんよ」
千里 「埋まります」
望  「いいえ、埋まりません」
千里 「いいえ、埋まります」
望  「埋まりません」
千里 「――ほら、今の言い合いで少し埋まりましたよ。スコップのおかげです」
望  「スコップのおかげじゃないと思いますけど……」
千里 「先生も意外と負けず嫌いですね」
望  「あなたもです」
千里 「先生、その調子です。こうやってあと5分も口喧嘩してれば埋まります」
望  「5分ですか……。ちょっとつらいですね」
千里 「私もです。本当は先生と喧嘩なんかしたくないんです」
望  「木津さん、私もですよ」
千里 「先生……」
望  「木津さん……」
 見つめ合う二人
千里 「先生」
望  「木津さん」
千里 「先生!」
望  「木津さん!」
 ガシッと抱き合おうとする二人
奈美 「はいはーい、そこまで。いくら埋めるのに苦労してるとはいえ、抱き合わなくてもいいでしょ」
望  「そうですね。私もどうかしてました」
千里 「先生! どうかしてたとはひどいです」
望  「え? あなたも悪ふざけしてただけでしょう?」
千里 「もういいです。先生、このスレのために埋まってください」ザックザック
望  「な、何をするんです! 私をどうするつもりですか!」
奈美 「あーあ、また先生が埋められちゃったよ」ヤレヤレ
658名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 20:02:03 ID:QK+QkL1s
全然埋まらなかったか。あとは任せた!
659名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 20:44:35 ID:Irbbwlwi
前スレを埋めねばらなぬ
660埋め小ネタ 1/2:2008/04/24(木) 21:41:38 ID:3GG9kUjc
お久しぶりですね…お元気でしたか?
ずいぶん美しくなられて…ああ、こういう褒め言葉はいけないんでしたっけ。
セクハラ…?
でも、私とあなたの間には、いまや教師と生徒という関係もありませんし、
セクハラにはなりませんよねぇ。

え?私ですか?
いやあ、私は、蔵井沢に引っ込んでからすっかり田舎の人間ですよ。
さっき、自動改札を抜けるのに失敗して、挟まってしまいました。

懐かしい、ですか…?
ふふ、そうですね…教室でそんな話をしたこともありましたっけね。
……楽しかったですね、あの頃は……。
………。
あ、すいません、ぼんやりして。

え、何ですって?失礼な、私はまだボケる年ではありませんよ。
そうですよ、知らなかったんですか?
私はあなた方とは、7歳しか違わないんですから。

…あの頃ならばいざ知らず、この年になると7歳の年の差なんて
……大したこと、ない、と思いませんか?

………。

あ、あはは、すいません、今のは忘れてください。
ちょっと言ってみただけですから。

あ、えと、今日の用件ですか?
そ、そうですね、あなただってお忙しいんですものね。
こんな下らない話に付き合ってる暇なんかありませんよね。

……そんなこと言われても…ネガティブは私の属性ですから…。

……。

そう、私はネガティブな人間なんです。
だから、今さらネガティブになる要因がもう1つ増えたって…
…どうってことないんです。

何を言ってるか、意味が分かりませんか?
そうですね、もっと分かりやすくお伝えしましょう。
661埋め小ネタ 2/2:2008/04/24(木) 21:42:46 ID:3GG9kUjc
―――私は、あなたのことが、好きなんです。


……すいません…驚かれるのも無理はありませんよね…。
でも、私は、あなたが卒業してからも、
片時もあなたのことを忘れたことはありませんでした。

いえ、時が経つほど、離れるほどに、あなたの笑顔が甦ってきて、
もう自分でもどうしようもなくなってしまって。
あの学校にいることが耐えられなくなって、蔵井沢に逃げ帰っても、
結局頭に浮かぶのはあなたのことばかりで…っ。


……。
………。

すいませんでした…。
……やはり…迷惑ですよね、突然こんなこと……。
新しい人生を歩き出そうとしているあなたに、
こんな勝手な気持ちをぶつけてしまって……忘れてください。

では…ここの払いは済ませておきますから…って…え?


――――!!


そ、それは…その…ええと…?

え…いや、だって、そんな……信じられなくて。


……。


はい…そうですよね、こういうときくらいはポジティブになるべきですね。
…嬉しいです……本当に、嬉しいです…。

…はい、私も、愛してます…心から。

662430 :2008/04/24(木) 21:44:27 ID:3GG9kUjc
ええと、こんなんでも少しは埋め草になるかと思って…。
一体いつなんだとか相手は誰だとかどういう状況なんだとか、
そういうのは一切スルーで…埋め小ネタだし…orz

>>657 GJです!こういう小ネタ大好きだ!
663名無しさん@ピンキー
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                     l:l l三三三三三三  //´二`\ニニニニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                   l:l l三ア´a`ヾ三/ <'  {::::::::}   >ニ:ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                  .l:l l三i /分三V __/_`丶、二´=‐'/ニ:ニ:三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                  l:l :l三l l 代三三 三三≧、_,.≦三三三三三三三三三少、;ニ:三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                  l:l l三ヽ ' ,'三三  三三三三三三三三ア 三三少‐='" : : : :',ニ:ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三
                 l:l :l三三ヽ ヾ三||  三三三三三三三ス _,.>='": : : : : : : : : : : :',ニ:ニ:三三三三三三三三三三三三三三三
                 :ll  l三三三ヽ、 `ヾ   三三三三三三少'".: : : : : : : : : : : : : : : : : ',ニ:ニ三三三三三三三三三三三三三三三
                 ll  l三三三三≧ニニ    三三三少='"´: : : : : : : : : : : : : : : : -'''゙´  ',ニ:ニ:三三三三三三三三三三三三三三
                ll  :l三三三三三三三  _,.=''"´: : : : : : : : : : : : : : : : : -''"´     __,. ',ニ:ニ:三:三三三三三三三三三三三三三
          ,r‐─-、__,ll  l三三三三三三少='": : : : : : : : : : : : : : : : : -''"´     ,.-‐'''゙   ',ニ:ニ:ニ:三三三三三三三三三三三三
      __ノ   ミ  `ヽ l三三三三少=''": : : : : : : : : : : : : : : : : -''"´    ,.---'"      _',ニ三三三三三三三三三三三三三三
     /  ミ  ;     ;, ',,∨少='"ll´: : : : : : : : : : : : : : : : : : -''"´    ,--//´       _,. -''"ニニ三三三三三三三三三三三三三三
   ,.-'"   ミ  i     ト-'"´    :ll: : : : : : : : : : : : : -''"´   ____ノ  //     _,. -''"三三三三三三三三三三三三三三三三三三
  ,r' ミ ',     ゙l     ヽ      :ll_,.-i: : : : -''"´       / /    //  _,. -''"ニ:ニニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三
 r'     i     i||      ヽ   -=ニ_ゞ''ニ','"´     ,.---'" /    //,.-'"ニ:三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
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.}   ヽ   :l    l||k',三三三l :lダ   i三三三:','     ./ /_,.-''"ニ:ニ:三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三