【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part10【改蔵】

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1名無しさん@ピンキー
久米田康治作品のSSスレです。
週刊少年マガジンに大好評絶賛連載中の「さよなら絶望先生」ほか
「かってに改蔵」「行け!南国アイスホッケー部」「育ってダーリン」など
以前の作品も歓迎。

前スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190512046/

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【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part8【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189391109/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part7【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186778030/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part6【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167898222/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Partご【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147536510/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part4【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123772506
【改蔵】久米田康司エロパロ総合 Part3【南国】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105319280
かってに改蔵 Part2 【久米田康治総合】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083582503/
【かってに改蔵〜天才エロ小説〜】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1035829622/


これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/


あぷろだ(SS保管庫付属)
http://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/sslibrary/index.html
2名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 17:21:39 ID:A2BBtJkk
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            レ. l   ,     ヽ--'    ,ノ   }/
                  '、             r―_'/
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       / /        \ `ー‐'    .イ ∧:::/ ̄ ̄ ̄
      ノ /            ` -r ' ´   ./ V
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   /__ \/.)     ,.  :'´:__/      |__
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/   {_,クノ'  /.:|.:l |.:.:.:../ ,. :'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
3名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 17:24:04 ID:g9AX2ME7
乙っこみなす
4名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 20:38:57 ID:0aB9TR6h
乙、そして保守。
5105:2007/10/09(火) 00:32:22 ID:Ktw66fHj
素晴らしい速さ!!感嘆します。>>1乙です。430氏の埋め小ネタがもう見られるなんて!!・・・って私のせいですよね・・。
妄想加害者(前科2犯)の105です。妄想警察に捕まる前にツンデレラの続き投下します。
むこうでやった方が良いのか迷いましたが、前回430氏の邪魔になったことがトラウマなのでこっちで投下します。
やはりエロ無しです。遅い時間になってしまってすいませんでした。
6ツンデレラ13:2007/10/09(火) 00:33:31 ID:Ktw66fHj
扉をぶっ壊して入ってきたのは、なにやら車(車輪)のついた黄色い塊でした。後ろの方にギャリソンがしがみついています。
ギ「危ない、王子!!!!!!!!!!!!11」
ノ「へ?ってうわああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
王子は、その黄色いモノにぶつかられてしまいました。(車楽)
そこで、黄色いモノ、もといラインバックはおとなしくなり、止まります。ギャリソンと女性警備員が王子に駆け寄ります、が、
それより早く、ラインバック、もといランボルギーニの中から誰かが出てきます。
それは、大変美しく着飾っていて、なおかつ自身の髪は例えるならカラスの濡れ羽色、細くすらりとした体型は、
例えるならカワセミのような・・・、そう、小鳥。小鳥のような少女、ツンデレラでした。
警「・・・!?」
ギ「なんと・・・!?」
ツ「はあはあ・・・すごい速さだったわ・・・」
ラインバックは、彼女を落っことして、さっさと元来た道を帰っていきました。そのお陰で、ツンデレラにも王子の姿が見えます。
夢にまで見た、しかし写真でしか見たことの無かった王子様は、仰向けになって泡吹いて倒れていました。これは絵としてやばいです。
ツ「ええっ、お、王子様っ!?すいませんすいません、本当にすいませんすいません!!」
ホールには一人謝る声だけが響いていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7ツンデレラ14:2007/10/09(火) 00:39:15 ID:Ktw66fHj
ここは、王子様の記憶の中。15年前の町並み。そこを、大きな馬車が通っています。周りの人間はそれを直立不動のまま見つめます。
馬車の中には王家の人間が入っているのです。みな、不審な動きをして、警備員に酷い仕打ちを受けないよう、恐れているのです。
そんな緊迫した雰囲気の中の馬車は、実に和やかでした。
もうすぐ7歳になろうかという王子様が、隣の国の王様から貰ったボールで遊んでいます。
すると、突如大きくガタンと馬車が揺れ、王子はそのボールを馬車から落としてしまいました。
飛び出したボールはテンテンと勢いよく人ゴミの方へ飛び出したのですが、人々はそれをあろう事か避けるのでした。
貰ったばかりの大事なボール、訳も分からず王子もまた馬車から飛び出しました。
王様たちがあわてて馬車を止めさせます。王子は馬車から落ちたとたん、すっ転んでしまいました。
しかしそんなことはなかったかのように、ボールを探そうとしています。
生まれて初めてたった一人で見た世界は、大人たちの謙譲とも嫌悪とも解らぬ、真っ黒な視線に囲まれていて、ボールの姿など
見えませんでした。王子は不安でたまらなくなり、泣き出してしまいます。そこで、女王様が現れます。
女「あらあら、大丈夫ですか?ノゾム?」
王子は、痛みで泣いているんではないのです。泣き出した視線は女王様も感じていますが、そんなのはないかのように振る舞います。
女「はいはい、痛かったですねえ。・・・それと、ボールは後でまた用意してあげますわ。だから泣きやんで下さいね」
ノ「うっうっ・・・でも、でもお母様、ボール、ボールはこのあちゃりにきっとまだありましゅ・・・」
女「・・・そうね、でも私たちは、探すことは出来ないのよ」
ノ「・・?なんで・・ですか・・?」
女「それはね、貴方が、王様の子だからよ。王子様は、ボールなんて探してはいけないの。ノゾムは偉いから、わかるわよね?」
女王様は王子の答えを待たずして、手を取り連れて行きます。
ノ「あっ、あっ、お母様。でも、でも、・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなとき、人混みの方で大きなざわつきが起こります。女王様、王子様がそこを見ると、
2歳くらいでしょうか、一人の少女がこちらへ走ってきます。
いやそれよりも、特筆すべきはその出で立ち。
ひもで髪を後ろに短く結び、ボロボロの、おそらく元は雑巾だったのではないかというくらいの服を着た
少女が、その姿に合わぬ、高級そうなボールを持っています。どれほどの距離を走ったのか、
はあはあという息遣いがここまで聞こえてきます。
ノ「僕のボールぅ!!」
その声に少女がにっこりと微笑み、尚のこと近づいてきた時、二人の間に、白髪の男が割って入ります。
ギ「お止まり下さい!!」
その声に小さい2人はより小さく縮こまってしまいます。
ギ「ボールをとっていただいたのですね。有り難うございます。ですが、失礼ながら、
貴方のような者が、王家の人間に接触することは出来ないのです。ボールをおいて、そこを去っていただきますか?」
女「・・いいえギャリソン、そこをどくのは貴方の方です。」
ギ「!!?・・・・・・・・・わかりました、失礼しました」
そういうと黒服は女王様、王子様にそれぞれ一礼して、無言のまま馬車の方に歩き出しました。
女「御免なさいね。彼も悪気があった訳じゃないのよ。と言っても、まだ解らないわよね」
女王様は周りを気にしてか、ひっそりと小声で話す。包容力のあるその言葉遣いに安心してか、笑顔を取り戻しました。
少女は、無言で王子様にボールを渡します。王子は、そのボールを嬉しそうに眺めてから、一言
ノ「ありがとお!!」元気な声で礼を言いました。周りの人間は一層騒ぎ出します。
王家の人間が、ましてあんなみすぼらしい格好の少女に口をきくということは、それだけとんでもないことなのです。
女王様が、ノゾムの腕を少々強引に引っ張って帰る際に、少女とすれ違います。
女「本当に御免なさい。今日のお礼は、いつかきっとしますからね・・・」
女王様はボソッとこぼすように言いました。後頭部で縛った髪を揺らしながら歩いて、馬車へ乗り込みました
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8ツンデレラ15:2007/10/09(火) 00:39:52 ID:Ktw66fHj
王子は、当たり所がよかったのか、ゆっくりとでしたが意識を取り戻していきました。目の前には泣いて謝る人物がいます。
ノ「夢・・・?貴方は・・・何をしているんですか?・・・あ・・・!!」
王子は一週間誰とも目を合わせない用に努めて来たのですが、ここに来て目を合わせてしまいました。
一週間ぶりの人間に瞳は、涙に濡れて温かい輝きを見せていました。
ノ「あ、ああ・・・!?」
王子様の瞳にその光が差し込んできます。
ツ「あ!王子様!!目を覚ましてくださいましたか!!・・・すいませんすいません!私のせいでこんな事になってしまって・・・」
ノ「あ、ああ・・・(何だろうこのヒトは・・?)」
ギ「待ちなさい!貴方は一体何者ですか!」
ツ「え、えと、私は・・・」
当然です。どこの誰とも解らぬ人間が、これほど派手な登場をしておいて、怪しまれないことはありません。
女性警備員も、その鋭い眼で睨みを効かせます。
ツンデレラはパニックにパニックが重なり、口をきくことが出来ません。すると王子が、
ノ「やめなさいギャリソン!怯えてしまってるじゃあないですか!彼女はただ、舞踏会にいらしただけです!私が認めます!!」
ツ「お、王子様・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ノ「お嬢様、私と踊っていただけますか?」
なんと言うことでしょう、王子自らお誘いなさるなんて。
本来、相手が王子ともなると、身分の低い者から誘うのが通例なので、ギャリソン始め会場の人たちはひと騒ぎです。
ツ「そ、そんな、私のような者と踊られては、王子様のお手が穢れてしまいます!」
これまたとんでもないこと、王子のお誘いを断る人間など、他にこの国にはいないのではないでしょうか。
王子は一瞬ためらった後、ツンデレラの手を強引に握りました。
ツ「あ・・・!」
ノ「そんなことありません・・・。それとも、私のような者では力不足でしょうか」
ツ「そんな・・とんでも、ない、です」
彼女の目から光るモノが溢れました。
ツンデレラは生まれて初めて、人間の温かさを、その手の平から感じた気がしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9105:2007/10/09(火) 00:40:46 ID:Ktw66fHj
はい105です。私みたいのが一番目ですいません・・・。
私がもたもたしているからこんな半端なことになるんですねえ。すいません。
明日も来ます。ちんたら投下してすいません。では失礼します。
10名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:19:44 ID:hb1WFLho
>>9相変わらず予想出来ない展開にGJ
11名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 07:30:03 ID:Jcbz6cL9
明日、発表か。
二期…を通り越して劇場版とかな。
12名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 07:44:22 ID:XYOvHQNJ
腐女子じゃなくて嫌百合厨です。百合が撤退してるのに801を投下する人がいたら追い払いますよ。
13名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:03:50 ID:4lWMqzzs
>>12
しつこいぞ。わざわざ新スレに来てまで蒸し返すな。死ね。
14名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:06:30 ID:mot54KSH
※荒らしはスルーが一番です。
 荒らしに対するレスも荒らしとみなされます。

スルーライフ スルーライフ
15名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:14:17 ID:m50azusq
>>9
GJ!
今夜も来てくれるのか楽しみにしてるよ!
16名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:23:53 ID:Jcbz6cL9
しかし、神数もそれなり。
なおかつ、長編・短編共にクオリティ高杉。
たまにでる論争好きの厨供以外は極めて和やか。
久米田板はどれも見本みたいなスレよの…。


全ての起源、173氏は…。
17名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:31:22 ID:Jcbz6cL9
そしてツンデレ神に心より、GJ!
18前スレ 42:2007/10/09(火) 17:25:45 ID:URBNYH5A
>>105
ツンデレラGJです。
毎回楽しみに読ませていただいてます。

ネタが3本程溜まっているのですかどれから投下したらいいですかね?
需要が多そうなものから投下したいなと思ってます。

内容としては
@あびる続き物
A霧×交 短編
Bまとい×望 短編
です。


てか、私なんかが今更投下なんかしていいんですかね…?
19名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 17:28:10 ID:tERTdycP
>>18
もし小ネタお持ちでしたら、一緒に前スレ埋めませんか?ww
20名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 17:46:20 ID:oEdruSOr
>>18
もしかして猫の瞳の方?もしそうなら是非続きが見たいので@希望。
人違いならB。でも、自分の書きたいモノ優先でも言いとオモ
21名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 17:53:11 ID:cJ+H3Lgi
>>20
今すぐ前スレにダッシュしろ
22名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 18:07:26 ID:oEdruSOr
>>22
ダッシュしてきた、ありがとう。
239-292:2007/10/09(火) 18:46:24 ID:nWyJ8ORZ
>>22
あちこち移動させてしまい、却って申し訳なかったです。
ちなみに>>18さんとは別人であります。

『猫の瞳』の2章後半部分を投下します。
相変わらず非エロ長いです。
実は元々30レスぐらいあったのを削っていたり。

【注意点】
「望受けイラネ」「本番なしウザス」と言う方はスルー推奨です。

10レスほど消費予定
24『猫の瞳』2章D/14:2007/10/09(火) 18:48:08 ID:nWyJ8ORZ
************
「先生、結構熱心に頑張っていますね」
 放課後、図書室で地図を調べている望にあびるは声を掛けた。

 望は子どもっぽい目付きをして、あびるを見た
「先生こういう怪奇っぽいの実は好きなんですよ。
19歳の芸能人の妹が成人式を挙げたとか、80時間以上残業したのに給与明細
では残業時間が消えうせているとか。ドキドキしませんか?」

「ま……まぁ、それもある意味怪奇ではありますね」
 あびるは微妙に額に線を走らせつつも、同意した。

「それに、なんだか切ないですしね」
「え?」
「だって、風浦さんの話だと、この猫は50年以上交尾してなかったのでしょう?
そうまでして飼い主のお墓参りしたいなんて、何だか叶えてあげたいじゃないですか」

 そうなのだ、可符香や猫に色々聞いたところ、猫又は交尾してしまうと死んで
しまうとの事なのである。つまり、あらゆる猫又は童貞か処女という、極めて
禁欲的な妖怪なのだ。
 猫の性欲は極めて強く、発情期に交尾できないとストレスで死ぬ事もある。
 それを50年以上も続けてきたのだから、相当の執念だろう。

「そ……そうですね」
 2人の声が広い図書館に静かに響いている。今、この図書館には2人以外に
人影はない。
 男性と2人きりで「交尾」などと話しをしていることに急に恥ずかしさを感じて、
あびるは思わず顔を逸らしてしまう。

「意外ですね。先生がそんなことを言うなんて」
 横顔を蛍光灯の光に晒しながら、何気なくあびるは呟いた。
「そうですか?楽しければ笑い、悲しければ泣く。これは自然の摂理で、人も
 動物も変りませんよ。誰かを恋しがる気持ちは、猫も同じでしょう」

 望の声の調子がとても穏やかなのに驚いて、あびるは顔を上げた。
 2人の目線がピッタリと合った。望はすぐに目を逸らしたが、一瞬の輝きに
あびるはハッとした。

 眼鏡の奥の灰色の小さな瞳は、世の中を斜めに見るかのように物憂げそうに
霞んでいたが、その奥には乳白色の光が漂うように輝いていた。

(なんて優しい目なのかしら……)
あびるの胸がきゅんきゅんと高鳴った。頬が桜色に上気し、目の奥がじんじんする。
急に息が苦しくなって、吐息をついた。
(なんだろう・・胸が苦しいのに・・なぜかとっても心地よい・・)

 戸惑うあびるを余所に、望は精緻に地図を調査し、中国地方のある村に飼い主
らしい人物が住んでいたという事まで突き止めたのだった。

************
25『猫の瞳』2章E/14:2007/10/09(火) 18:49:11 ID:nWyJ8ORZ
***********
 週末――
 土曜日の朝。
 望とあびるは、いよいよ飼い主が住んでいたと言われる村に向けて出発した。
 遠出になるので、あびるは1泊することを父親に納得させていた。

 新幹線の中で、2人は今後の予定について協議していた。
「先生。とりあえず、岡山で降りてからローカル線で北上するというので良いですか?」
「そうですね。○×村の温泉宿を予約してあるので、そこを拠点としましょう」

 その時お腹が「ぐ〜」となって、望は一瞬で真っ赤になった。
「そろそろお昼にしましょうか」
 あびるは特に表情を変えずにそう言うと、バックから2つの包みを取り出した。
「実はお弁当を作ってきました」

「え、小節さんがですか!?」
 意外そうな望の様子に、少しムッとした顔をする。
「私だって、料理ぐらいしますよ。父と2人暮らしですからね」
「そうでしたね」
 思わぬ僥倖に頬を緩める望。現金なもので、取り憑いた猫に感謝の念すら感じている。
 受け取った弁当を開くと、それは中々豪華なものだった。

 綺麗な三角形に整えられた小さなおにぎりが3つ。肉詰めのピーマンとロールキャベツ
が並べられており、なにやら尻尾をモチーフにしたウインナーにプチトマトとこれまた
尻尾を型取ったリンゴが添えられている。

「おお。これは美味しそうですねぇ」
 おしぼりで手を拭くと、大喜びで望はおにぎりを取った。
 人差し指でおにぎりの真ん中をグリグリすると、種を抜いた梅干しが出てくる。
「梅ですか。いいですね。私、大好きなんですよ」

 嬉しそうに梅を食べる望に、あびるは目をパチパチさせて言った。
「中身だけ食べるんですか?」
「ええ、外側から食べ始めて中身を食べる寸前に列車事故にあったら大変ですよ。
無念で化けて出なくてはならなくなりますからね」
「そ……そうですか……」

(まあ、食べ方は人それぞれだよね)
 気を取り直して、自分の食事に集中しようとするが、ふと見ると望はなにやら肉詰め
ピーマンの肉だけ取り出して食べている。
「…………」
 あびるの冷たい視線を感じたのか、望は慌てて言った。
「い、いや、その私、赤ピーマンじゃなければダメなんですよ。ほら専用だから専用。
大佐が緑に乗っていたら変でしょう?」
26『猫の瞳』2章F/14:2007/10/09(火) 18:51:19 ID:nWyJ8ORZ
 良く分からない言い訳をする望に、あびるは情けない気分で<どよんど>した。
 肉をうまく詰め込むのに1時間も掛けて悪戦苦闘していたのだ。

「美味しいですよ、このお肉は。とても柔らかいです。小節さんは、料理が上手
ですねえ」
「そ、それはどうも」
 望の箸の動きは軽快で、あびるの料理に満足しているようだった。あびるが
ホッとしながらお茶を飲もうとした時、また望が奇妙な行動をしているのが目に入った。

「あぁ、なんでロールキャベツをバラして食べるの?」
「なんでもかんでも、一緒にしたら大変な事になりますよ!
ツインファミコンとか黒歴史ですし、多機能コピー機は故障率50%増しです。
複数の機能を一緒にした商品は大抵が残念な結果になるんですよ!」
 そう言うと、キャベツを巻いているカンピョウを箸で外し、分解作業を開始した。

 あびるは一瞬泣きそうになったが、なんとかこらえる。
 ピクピクとこめかみを震わせて、望の弁当箱を取り上げた。

「小節さん、食事中にお預けなんて酷いじゃないですか!」
「問答無用ですよ、先生。こういう時の躾け方についてよく知っていますからね」
「し、躾け……?」
「そう、躾け。先生は今、半分猫ちゃんですから。愛玩動物はしっかり躾けしないと」
――あ、愛玩動物!なんて絶望的なことを言うのですかこの子は!
 望の脳裏に、首輪と尻尾を付けられ訓練を受ける自分の姿が浮かんだ。
 何故か胸の動悸が強くなる。なんだか、余り絶望的でもないような気がしてきた。
 期待と不安に駆られて、あびるのほうに目を向けると、彼女はロールキャベツを箸で
つまんで、望の口に近づけた。

「あ〜ん」
「ぶっ」
 望は、危うく尻尾型ウインナーを噴き出しそうになった。
「な、なんですか、失礼な!皇帝ペンギンはこうやったら何でも食べてくれました」
「あの野郎!……ではなくて……私はペンギンと同等ですかっ」
「ロールキャベツは一緒に食べるからおいしいんですよ」
「……ま、まあ、バラバラにしたらロールしてないただのキャベツですしね」
 眼鏡を人差し指でずり上げつつ、節操なく意見を変える望。

「そうでしょう?だから、その、ほら、あ〜ん」
 周りを気にしつつ口を開けると、口の中にロールキャベツを優しく置いてくれた。
 あびるも恥ずかしいらしく、しきりに言葉をつないで誤魔化している。
「ピーマンも食べなければいけませんよ。ツノがあればいいのでしょう、ツノが」
 緑ピーマンに楊枝を突き刺して、ツノっぽくすると、望の口元に運んだ。
「何だか尻尾のようになりましたが、コレはコレで可愛いわ」
「ええ?だ、ダメですよ。ズゴッ●にツノないです……ムググ……モグモグ……
ああ、結構美味のようですね、コレ。」
 ただの食わず嫌いだったようだ。
…………

 岡山に到着すると、新幹線から降りてローカル線に乗り換える。

「こっちですよ、先生」
 望がどっちに行けば分からずキョロキョロしていると、あびるがしなやかな身体を
彼の横にすべらせて、手をつないできた。
 手のひらの柔らかくてしっとりした感触が心地よい。
 望がビックリして彼女の顔を見ると、表情をくずさずに言った。
「手をつなぐことは躾けの基本ですよ。エルベスラッコは、手をつないで上げると
安心して言う事を聞いてくれるの」
27『猫の瞳』2章G/14:2007/10/09(火) 18:52:52 ID:nWyJ8ORZ
*********
かぽーーーん

「これは優雅ですねえ。露天風呂ですか」
 旅館に着き荷物を置くと、望はさっそく入浴タイムと洒落込んでいた。
 大きな風呂場には、彼以外誰もおらず、完全な貸切である。
 天を仰ぐと、太陽はすでになく、満天の星空に煌々と輝く月が輝いていた。

「この星空は、東京ではお目にかかれませんねえ」
 軽快に鼻歌などを歌いながら体を流し、眼鏡を外して頭を洗う。

 扉がカラカラと開く音がして、誰かが入ってきた。
 望の隣に椅子を置き、体を洗い始める。

(こんな広い風呂場なのに、わざわざ隣に座るなんて。まさか、そっち系のお方
ではないでしょうね)
 曇ったレンズを指で拭いて、眼鏡を掛ける。
 チラリと横目で見ると、白い肌、やわらかそうな肉付き、なだらかな曲線・・・

「わ!こ、小節さん!なんてお約束な!」
「どうしたのです、そんなに慌てて」
「ど、どうして男子風呂に?」
「男子風呂?ここ、混浴ですよ」
「な、なんですって? そういえば、よく確認して来ませんでした!」

 あびるはいつもの三つ編みを下ろし、髪を洗っている。
 あちこちに包帯を巻いている所為で、裸体の何割かは隠されていたが、
それ以外の部分は全く隠そうともしない。
 魅力的な胸のふくらみも、股間にある黒い繁みも気にせず男の目に晒している。

「小節さん、恥ずかしくないんですかっ!?」
「私、昔から父とお風呂入っていたせいか、混浴に抵抗ないんですよ」
 あびるは少し微笑して、頭にシャンプーを掛けている。

 あびるが頭を洗うのに夢中になっている隙に、チラリとその肉体を盗み見ると、
少女のあまりの素晴らしい肉体に息を呑んだ。
 透き通るような白い肌、ふくよかで形の美しい乳房、腰はきゅっと括れ、
引き締まったおしりへとなだらかに流れており、多くの男女達が追い求めている理想的な
曲線美を描いていた。
 これだけの見事なボディを持っていれば、他人に見せても劣等感は感じないだろう。

 望の股間はたちまち反応し、痛いくらいに膨れ上がった。
 しかし、彼を責めるのは酷というものである。これだけの芸術を見せられておっきおっき
しない男がいるとしたら、最早男の末期を迎えた者だけだ。
28『猫の瞳』2章H/14:2007/10/09(火) 18:53:31 ID:nWyJ8ORZ

(う……ま、まずいですよ)
 通常の3割増しほどに、高々とそびえ立った絶棒を見て、望は慌てて前かがみに
なりタオルでそこを隠した。熱い露天風呂だというのに、冷や汗がポタポタと
望の額から床に落ちる。

 頭を洗い終わったあびるは、伸びをするように立ち上がると、望の背後に移動した。
ふくよかな胸がぷるんぷるんと揺れて、望の視覚を惑わす。

「お背中流してあげます」
「えええ!?先生、お約束な人気取りは感心しません!」
「まあまあ、遠慮しなくていいですよ。私、お父さんの背中も良く洗うから」
 あびるは笑ってそう言うと、タオルに備え付けのボディシャンプーをたっぷりつけ、
望の背中をごしごしと洗い始めた。
――ああ、いけない。こんな事は。過ちの始まりになる予感がします。

 それなら拒絶すればいいのに、為すがままになっている望。
 もちろん、お約束に期待してドキドキしているのである。

 望のそのような葛藤を知ってか知らずか、あびるは背中から臀部にかけて、
慣れた手つきで洗っていく。
 尻尾の部分に到達すると、手を休めて観察し始めた。どうやらこれが目的だった
ようだ。

「ふーん。やっぱり、お尻から生えているように見えますね」
 白い毛に覆われた尻尾は、湯煙の中でピクピクして動いていた。
 ふさふさとして毛並みをそっと撫でた後、タオルは使わず、手にソープを塗りつけて
尻尾も洗い始める。
「尻尾はとても敏感だから、丁寧に洗わないとダメですよ」
――あぁ……手の感触が柔らかい……
『にゃにゃにゃあ………』
 普段は無口な猫も、尻尾を触られると反応してしまうようだ。

「素晴らしいですよ、先生。やっぱり、お墓参りした後も尻尾は付けたままにして
おきましょうよ」
「い、嫌……ですよ」
「どうしてですか?他人に見つかる心配はないでしょう?」
 あびるは背中を洗い終えると、望の前に移動した。
 起伏のある魅力的な裸身が視界に飛び込んできて、望の心拍数は一気に上昇した。
 湯にあたったのか、少女の発散する甘い香りにやられたのか、望のあたまはボンヤリ
と霧がかかったようになり、あびるの行動を制することができなくなっていた。

「ま……前は……自分で……」
「いいから、いいから」
 あびるは、望を制すると膝をついて、彼の首筋からタオルで洗い始める。
 首、鎖骨、肩と洗った後、腕を持って挙げると脇の下も丁寧にボディソープを
まぶしていく。
29『猫の瞳』2章I/14:2007/10/09(火) 18:54:03 ID:nWyJ8ORZ
 広い露天風呂に男と女の深い息遣いが立ちこめ、2人の間だけ湯気が集まった
ような錯覚を覚える。
 タオルで男にしては華奢な胸を洗うと、くすぐったいような刺激が望の全身を包み、
絶棒がぴょこんと跳ねた。

「?」
 あびるは不思議そうな顔で、さっきからぴょこぴょこと動いている部分を
見詰めた。望の腰にはタオルが掛けられており不自然に盛り上がっている。

 好奇心に駆られて、あびるはサッとタオルを取った。
「あ……だ……ダメ……ですよ」
 最終防衛ラインを呆気なく突破され、望は弱々しく抗議の声を挙げる。
 大きく反り返り、真っ赤に膨れ上がった絶棒があびるの目に映った瞬間――
「しっぽーーー!!」
 あびるは奇声を上げると、望の絶棒を<ぎゅむむ>と握り締めた。

「あうう!ま……間違えですよ!!」
 慌てて望が指摘すると、あびるはギョッとして急いで手を離した。
 
「お、お父さんのと、ずいぶん違ってたから」
 さすがに顔を赤らめて言い訳をする。しかし、その視線は絶棒から離れようとしない。
 よく見ようと少し顔を近づけると、ものすごい異臭が漂ってきた。
 あびるはその整った顔をしかめて、なじる様に呟く。
「先生……ちゃんと洗ってますか?」
「ぅ……」
 望のアソコは仮性包茎のため、垢がたまりやすいのである。
 その上、宿直室暮らしのせいで風呂に入る回数が減っていた。
 望はすっかりションボリして俯いてしまった。

「ふう」と溜息を吐いて、あびるは下ろした髪を掻きあげる。
「こっちも躾けをしないと駄目みたいですね。私が洗ってあげます」

――そ、それだけは、ダメですよ。小節さん!
 望は制止しようとしたが、何故か体が動かない。
 緊張と興奮で舌が張り付いたようになり、うまく喋れない。
 なんとか首をぶんぶんと横に振ったが、その動きは緩慢で説得力がなかった。

 あびるは尻尾を洗うとき同様、手の平にボディソープを塗りつけた。
 何やら危険な雰囲気が優美な露天風呂の空気を変えていた。
 2人の胸はこれまでにないほど高まり、心臓の音がお互いに聞こえるのではないか
と思うほどであった。

白く細い指がそっと絶棒に触れると、まるで喜んでいるかのように絶棒がピクピク
反応した。
30『猫の瞳』2章J/14:2007/10/09(火) 18:54:43 ID:nWyJ8ORZ
 その動きに、あびるの胸がきゅんと高鳴る。
「なんだか、こっちもピョコピョコしていて可愛いですね」
 どこかうっとりした調子で言い、尻尾を掴んでいた手を離して両手で絶棒を握った。

 10本の指を絶棒に絡めて、ゆっくりと皮を剥き、竿から亀頭にかけてゆっくりと
ソープを塗りつけた。
 壊れ物を扱うように優しく竿を摩りながら、まんべんなく塗り付けていく。
 亀頭のくびれた部分に溜まっている白い恥垢を、嫌がりもせず細い指先で掻き出し
てやりシャワーの水を掬って洗い流して綺麗にしてやった。
 漂っていた腐臭が消え、シャンプーの匂いが取って代わっていく。

「いい子ね……」
 まるで子どもを抱いた母親のように優しげに囁くと、手のひらを亀頭に乗せて
撫で撫でした。
 暖かくしっとりとした柔らかな肌が亀頭を包み、望はほんわかとした幸福な気分に
蕩けそうになった。
 その一方で、発情した女のフェロモンが温泉の湯気に交じって漂い、望の嗅覚を刺激した。
「あぁ……、あぅ……」
 きわどい官能がじわじわとせり上ってきて、望は切なく喘いだ。
 いけないと思いつつ、欲望に負けて望は自らの股間に手を伸ばそうとする。

「悪い子!」
 ピシャリと、その手をあびるは厳しく打った。
 望の白い手がみるみる内に赤くなる。
――え……?
 望は痛みよりも打たれたことにショックを受けて呆然とした。
 それまで、優しく扱われていただけにそのショックは極めて強いものだった。
「こ……小節……さん?」
「少しくらい我慢しなさい。みっともないですよ」
 褐色の瞳と深緑の瞳をキラリと光らせて、望を睨む。
 そのなんとも言えない威圧感に、望は身動きできなくなってしまった。
『躾け』という言葉が耳奥で何度も響き渡った。

「先っぽもこんなに濡らして。これって興奮すると出てくるのでしょう?」
 確かに亀頭は先走り汁でテラテラと光っていた。
 望は、羞恥心で真っ赤になった。
「他の子ともこんなことしているのですか?」
「そ……そんなことしてません……。」
「ふーん………」
 突然あびるは黙ってしまった。
 眼鏡が曇ってよくは見えないが、唇は悔しそうに強く噛まれている。
 どことなくその瞳には涙を湛えているようだった。
31『猫の瞳』2章K/14:2007/10/09(火) 18:55:20 ID:nWyJ8ORZ
――小節さん、もしかして私のことを……?
 そうであって欲しいという期待とまさかという不安で、頭の中がゴチャゴチャ
になる。呆然とあびるの顔を見詰めていると、あびるは溜めていた涙を見られた
事を恥じるかのようにそっと目を伏せた。

 再びその瞳が開けられたとき、涙は消えうせ、代わりに悪戯っぽい光が浮かん
でいた。あびるは少し上目遣いになると、甘く囁いた。
「先生……続けて欲しい?」
「は……はい……」

「そう……どうしようかな……」
 あびるは、前立線を指の背でそっとなぞり、親指の腹で竿を軽く扱いた。
 そして、片手で尻尾を再び握り、くいくいと引っ張る。
「くぅ……。うぅう……」
軽い刺激の連続に身体が焦れ、望はもどかしい気分に悶えた。

――だ、ダメです。もうPTAも世間も知った事じゃありません。

 男としてのプライドも教師としての意地も全て捨て、顔を歪ませながら
懇願をする。
「お……お願い……します……。続けて下さい……」
 しかし、あびるは知らん顔をして絶棒を指で弾いたり、小指でカリカリ掻いたりして
遊んでいる。
「こ……小節……さん……」
すると、あびるはチラと望の顔を見た。
2人の瞳が交錯する。

――ああ……こ、これは……!
 ゾクッと来るその瞳――
 少女のオッドアイは、男を惑わすような色っぽい艶を帯び桃色にけぶっていた。
 しかし、その奥には強い意志の光が月の光に反射して煌々と輝いているのだ。
 夕日の中で輝いていた神秘的な瞳を思い出し、望は震え屈服してしまった。

「あ……あびる……様!あびる様……お……お願いいたします」
泣きそうな気分で――いや、望はすでに目に涙を浮かべていた――年下の少女に
とりすがんばかりに哀願し始めた。
 望は、更なる快楽が欲しいのか、それともそれを言い訳に、目の前の少女に
従属したいだけなのか、良く分からなくなってしまっていた。

あびるは何が起こったのか分からず、ぽかーんとした表情をして目をパチパチさせた。
しかしすぐに、男を射るように蔑むような眼差しを向けた。

「情けないですね、先生。教え子に『様』付けですか?」
「す……すいません……。」
完全に馬鹿にしきった口調で言われ、望はシュンとしてしまう。
しかし、望の絶棒はビクビクと震え、さらにガチガチに硬くなっていくのだ。
――あぁ……な……なんですか、この感覚は……
32『猫の瞳』2章L/14:2007/10/09(火) 18:56:08 ID:nWyJ8ORZ
 嬲られるほどに、奇妙な感覚が全身に広がり、目の前にいる少女が崇拝すべき
存在に思えてしまうのだ。もしかすると夕暮れに直立していた少女を見た時から、
この上下関係は決まっていたのかもしれない。

「お墓参りが終わっても、猫ちゃんに取り憑かれたままでいいですよね?」
 あびるは自分の優位を感じて、ちゃっかり外交交渉に打って出た。
 今の望には何の外交カードもない。
「う…うぅ……はい…」
「やった!」
 望がしぶしぶ同意すると、あびるは可愛く喝采の声を上げた。

「先生……どうして欲しいの?」
 実のところ、あびるも初めての経験で良く分かっていないのだ。
 小首を傾げて、望に聞いてしまう。
 上目遣いに男を見上げて、素朴に聞いてくる少女に、望は欲望を抑えることが
まったくできなくなっていた。
 あびるの白く端整な顔に彩を添えている、ピンクの唇が目に映る。
濃いピンク色をした肉付きのよい唇――
望の頭の中がグルグルと回転し、意識せずに声に出していた
「く……口で……」
 モラルも聖職者としての誇りも忘れて、望は淫らなお願いを教え子にしていた。
 脳みそがふやけたようになり、最早まともな判断ができそうにない。

 あびるは少しためらったが、意を決したように小さく頷くと、顔を緊張で
引きつらせながら、望の股間に近づけた。

望が息を詰めて、少女の動きを見守る。
ピンクの可憐な唇が震えを帯びながら、排泄器官に寄せられる。

「……先生の尻尾………に、私のファーストキス上げるね……」
微かに呟くその囁きは、望の耳には届かない。
あびるは目を伏せ、先走り汁をトロトロと流している鈴口に、そっとキスをした。

ふっくらとした唇を絶棒に押し付けつつ、舌を這わし、先走り汁を舐めとっていく。
絶棒から伝わってくる望の鼓動と、あびるの高鳴る胸の鼓動がシンクロして
お互いの存在を伝え合っていた。

まだまだ稚拙な動きだが、じわじわとした快感が望の全身に上ってきた。
チラチラと上目遣いで男の様子を気にする表情も可愛らしい。
「う……ぅ……う……。」
刺激自体は軽いものだが、いつもは品行方正なあびるが自分の性器に口を寄せている
という事実に望は興奮していた。
33『猫の瞳』2章M/14:2007/10/09(火) 18:56:45 ID:nWyJ8ORZ
 片手を望の睾丸に添え、やわやわと愛撫しながら、竿の部分にちゅっちゅっ
とキスをすると、絶棒がぴょこんと跳ねる。
「ぴょこぴょこして……可愛い……先生の……」
 あびるはうっとりとした表情で、絶棒に愛おしそうに頬ずりをし、裏筋に残って
いる恥垢を見つけると、舌でそっと舐め取ってあげた。
 さらなる快感を欲して、望はうわ言のように指示を出した。
「うぅ………く、くわえてください……」

 あびるはおずおずと口を開くと、亀頭をゆっくりと口の中に収めていく。
ずぷぷぷ
 唾液が泡になって口から零れ、音を立てる。
 口の中に完全に絶棒を咥え込むと、あびるは情熱的にしゃぶり始めた。
 テクニックの欠片もない動きだが、一心不乱に奉仕をしていく。
「ん……ちゅっ……じゅ……ぷ…」
 あびるの動きに合わせて下ろした髪がふるふると揺れて、男の内股をくすぐっていた。
「あぁああ……いぃ………です」
 渇望していた快楽を与えられ、悦びに震える望。
 口内の暖かな粘膜に包まれて頭の中がピンク色に染まり、たちまち望は限界を
迎えた。
「うぁ……で……出ます!」
 身体がぶるっと震え、絶棒がぴくぴく蠢動する。
 引き抜こうという理性も働かずに、そのまま教え子の口の中に欲望を放出した。
 あびるは一瞬むせ返ったが、懸命に喉を鳴らして樹液を飲み干していった。
……

 顔や手にべっとりとついた精液をシャワーで洗い流した後、少女美しい裸体を
湯船に沈めて休めていた。
 すでにその顔はいつものキリリとした表情に戻っている。

「せっかくの露天風呂ですよ。一緒に温泉に入りましょうよ」
 望は虚脱したようにぐったりとした様子で座り込んでいたが、あびるに誘われると
魅入られたようにふらふらと立ち上がった。
「そうですね……あびる様……」

あびるは少しキョトンとした顔をしたが、すぐにクスクスと笑った。
「先生、私に『様』付けなんて可笑しいですよ。呼び捨てで、ね?」
(2章終わり)
349-292:2007/10/09(火) 19:02:48 ID:nWyJ8ORZ
投下終了

最初は1歩1歩距離をつめるあびるを書こうとシリアス路線狙ってたんですが・・
自分には無理でした(´・ω・`)。フラグ立ち前提で書けばよかった・・。
3章はまだまだ先になると思われます。

げ、誤字見つけた・・。Mの>少女美しい裸体を 「は」抜けだ・・ごめんよ。
35名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 19:26:31 ID:IE5u+QBO
すげー・・・脳みそと下半身が同時にとろけたぜ
前スレでも聞かれていたがこの濃厚なエロはもしや146氏?
36前スレ42:2007/10/09(火) 20:16:24 ID:URBNYH5A
>>19さんに前スレに誘われましたけどこちらで予告したのでこちらに投下します。

本日はまとい短編いきます。
37露天風呂の情事:2007/10/09(火) 20:29:18 ID:URBNYH5A
2年へ組担任糸色望は温泉旅行に来ていた。
しかし生徒達と鉢合わせになりの毎度の騒ぎ。
騒ぎも落ち着き、時計の針が日付を変える時間帯、望は露天風呂にいた。
「ふう、先程はゆっくりとできませんでしたからね」望が安堵の息をつく。
「そうですね。先生」
望がちらと目線を向けるとまといの姿があった。
「いたんですか」
「はい…ずっと」
「ふぅ」
溜息をつくと湯から上がる。
「もう上がられるんですか?」
「生徒と二人きりで温泉に入っていたなんて知られたら問題になりますからね」
「えーじゃあせめて背中だけでも流させて下さい」
「むぅ、まあ、背中だけなら…」
望は渋々了承した。
しゅしゅ
まといがやさしく望の背中を擦る。
「これも誰かに知れたら大問題ですがね…」
望が呟くと同時に背中に柔らかい感触が当たる。
さわ…
「先生の…背中…」
まといのやわらかな指先が望の背中をなぞる。
「つ、常月さん…?」
「先生…」
興奮がまといの言葉から伝わってくる。
むにゅう
『はぁっ…』
まといの胸が押しつけられる。
「つ、常月さん落ち着いて…」
『ふぅ…ん』
ぎゅっ
「はへ?」
まといの手が望の絶棒を握る。
「ちょ…」
『気持ち良く…して…あげます』
しゅっ…しゅ
「うぁ」
まといの指使いに望の意識は徐々に高まっていく。
「うぁっ…」
望の絶棒から精が放たれる。
放心する望。
まといは指についた精をぺろっと真赤な舌で舐める。
『んふ…おいし…』
「…はっ」
放心状態から覚めた望は目に涙を浮かべ浴場から駆け出していった。
「絶望した!生徒に流されて淫らな行為をしてしまった自分に絶望したーーー!」
駆けていく望を見ながらまといは妖艶に微笑んだ。


「ふふっこれで一歩リードかしら?」

38名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:14:18 ID:/sPIie4L
すげーなビューアなしで4スレ前のスレが読めるって
どれだけスレ立ての速度が速いんだって話だよな
39名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:17:36 ID:Ktw66fHj
もう投下しておk?
40名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:18:09 ID:Zgyc8K76
投下! 投下!
41名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:23:45 ID:/sPIie4L
>>37
自分のSS投下し終わったらその旨報告した方がいいと思うよ
他の職人さんが投下していいものかどうか迷うから
42名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:31:48 ID:MOAQev+d
作品の終わりにENDつけるのはやめた方がいいと言われたからだろうけど
一応もう1レスあとがきくらいはしておいてほしいものだね
43105:2007/10/09(火) 23:33:00 ID:Ktw66fHj
どうやら大丈夫そうですね。皆さんさようなら。いや、こんばんわ。
292様!!あびるいいですねえ。エロ可愛いですよお。105です。
ツンデレラ続き投下しますが、今日の注意はしっかり読んでおいてください。
というのも、ツンデレラはエロ無しなのですが、おそらく19番では百合的表現があります。
(私は百合とは思わないのですが・・・。)なので名前欄に【百合注意】と書かれていたら、苦手な方はご注意ください。
別にスルーしていただいても話に支障はまったくございません。と言うか大体、これが百合なのかよくわかりません。
その程度の絡みです。最近ピリピリしている方がいらっしゃるのでしっかり注意書きさせていただきました。
長々すいません。では投下。

前スレで真夜SSをお書きになられた方にGJです!!真夜補給完了しました。(私は真夜ラーです)
弱々しい彼女もイイですねえ
44ツンデレラ16:2007/10/09(火) 23:34:18 ID:Ktw66fHj
ラインバックの汚して行った、森の泥だらけの絨毯には、誰も近寄ろうとしません。汚れるのがいやなのでしょうか。
しかしそんな土を全く気にする様子もなく、ツンデレラは王子に連れられて踊り出しました。
そこはまるで、二人だけのステージ。嫉妬と怒りの視線をいっこうに浴びながら、ツンデレラは幸せでした。
ツンデレラの目の前の王子は、想像していたよりも、写真で見たその人よりも、ずっとかっこいい人でした。
それに、とても優しい。声も、振る舞いも、握っている手も、すべてが温かった。すべてが有り難かった。
こんな素晴らしい人が、自分と踊っていると思うと、ツンデレラでなくても、なんだか申し訳なくなってしまいます。
ツ「あ、あの、私、迷惑じゃありませんか?踊り、へたくそじゃありませんか?」
ノ「ええ、とってもお上手ですよ」
また、王子様も彼女の事を気に入ってしまいました。二人だけの世界が、目に見えるようです。
誰も口にしませんでしたが、そんな二人は‘お似合い’でした。
ノ「(これほど美しく、かつ謙虚な女性を見たことはないですね。いや・・・昔に一度、・・・!!?)」
ツンデレラの自然な美しさをさっきまではただ眺めていただけでしたが、
改めて顔を、唇を、鼻を、瞳を、目を見開いて凝視しました。
ノ「まさか、あなたは・・・」
ツ「?・・もしかして、なにかご迷惑でしたか!?」
いやそうじゃなくて・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ノ「(・・・決めました・・今夜の十二時の鐘と共に、彼女の瞳を奪います。)あの、貴方のお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
ツ「はい!?・・・あの、私は、、」
ツンデレラがどもっていると、急に耳元から声がしました。
ま「ツンデレ!」
ツ「わひゃあ!!」
ツンデレラが驚いて情けない声を出してしまいます。
ノ「どうしたんですか?」
ツ「い、いいえ・・・何でもないです・・・」〔どうしたのですか、まりあさん?〕
声の主は妖精のまりあでした。ツンデレラから子声で話しかけます
ま「‘オタノシミ’だね、つんでれら。でももう行かないと、約束の十二時の五分前だよ。」
ツンデレラはその事実をすっかり忘れていました。
ツ〔!!・・・そんな、・・・・・・あと、もう少しだけ・・・〕
ま「ダメだよ、このお城大きい、それにラインバック外でずっと待ってる」
ツンデレラの必死の懇願も、まりあにさっと断られました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
45名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:34:46 ID:Ki4dpIla
大草さん怖い
46ツンデレラ17:2007/10/09(火) 23:35:21 ID:Ktw66fHj
まりあは冷たく言い放ちます。
ま「さあ、行かなきゃツンデレ!」
ツ「う・・・・・・あ、あの、王子様?」
ノ「?何でしょうか。」
ツンデレラは、ダンスを止めて、王子の手をふりほどきます。
ツ「ごめんなさい!!私、帰らないと行けないんです!!今夜は有り難うございました!!すいません!!」
ツンデレラはそれだけ言い残すと、扉に一直線に走り出しました!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ノ「ああっ!どこへ!!せめて、せめてあと五分待ってください!!」
ツ「御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい!!」
ツンデレラは謝りながら走り去ります。その姿はあっという間にホールから去ります。王子がそれに続いて行こうとしましたが、
さっきまでいなかった気さえする周りの女性たちに囲まれ、押さえられ、動けなくなってしまいました。
王子と結婚したい女たちにとって、最大の敵はツンデレラだと悟ったのでしょう。
それに、十二時まであと3分ほど。王子をみすみす逃がすわけにはいきません。
ノ「放してください・・・くっ・・・ギャリソン!!!」
ギャリソンが、わかりました、と、狙撃銃を持った男と共に現れました。
ノ「・・・?、待ちなさいギャリソン!何をするつもりですか!!?」
ギ「大丈夫ですよ、これで彼女のハイヒールのかかと部分を、射止めるだけです」
ノ「おまっ、ちょっ、それは待てって、時代設定どうなってんだよ、、ワタリ!・・・もとい、ギャリソン!!!
・・・でもなくて、ジム・ロック!!」
銃を持った男の名はジム・ロックと言うそうです。
ジ「大丈夫ですよお、狙撃銃の発明は1452年生まれのかの天才レオナルド・ダ・ヴィンチ。
そしてグリム童話のグリム兄弟は共に1780年代生まれ。時代設定的に問題はあ・・・ないです!!」
ジム・ロックは、王子の言うことに耳を貸さず、喋りながら十秒ほどで狙いをつけ、弾丸を撃ち放ちました。バァン!!
ツ「きゃあああああ!!」
ノ「!!?彼女は?どうなったんだ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
47ツンデレラ18:2007/10/09(火) 23:36:59 ID:Ktw66fHj
ギャリソンは王子にゆっくり歩み寄り、首を左右に振ります。
ギ「彼の銃弾は、彼女のハイヒールにきっちりあたったものの、止めることは出来ませんでした。
そして、来たときの黄色い乗り物が、彼女を拾うようにして乗せて帰ってしまいました」
ノ「な・・・、よけいなことを時田ーーーーーーっ!!じゃなくて、ギャリソンーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
十二時になり、鐘が激しく鳴ります。二人の始まりを告げる鐘が、別れの音を響かせる。
女2「さあ、きっちり目を合わせてください!!」
ノ「いやだーーーーーーーー!!」

ギ「王子・・・この試練を乗り越えてこその、愛ですぞ・・・」
ジ「逃がしてしまうとは・・・私ももう引退かな・・・んん?あれは・・・」
ジム・ロックの覗くスコープの先には、きらきらと輝く物がありました・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんとかお城から脱出したツンデレラでしたが、それとほぼ同時に魔法は解けてしまいました。
ツンデレラの服は元のボロ絹に、ランボルギーニはラインバックに、すべてが元に戻りました。ただ・・・。
ツ「まりあちゃんは消えないのね・・。よかったあ」
ま「ウン。まりあは、魔法だけで出来たソンザイだから。ツンデレの服にかかってる魔法は、形を変える魔法。
あ!ちょうど・・、足を見て。靴は消えてないデショ。それはまた別の魔法、魔法だけで出来てるの」
マリアの言う通り、足の先には硝子のように輝くハイヒールがありました。・・・片足だけ。
ツ「ああ・・・、せっかくの靴なのに、片方落としてきてしまった・・。絶望しました・・・。でも・・・、」
ツンデレラは、お城を見上げました。
ツ「王子様のおかげで、これからも頑張れそうです。今日は、本当に楽しかった・・・、あああすいません!!」
ツンデレラは、満足げな表情を浮かべた後、ラインバック、まりあ、マナミへの感謝を忘れたかのような発言に対して、
鐘のまだまだ響く中謝罪し続けるのでした・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
48ツンデレラ19【百合注意】:2007/10/09(火) 23:38:43 ID:Ktw66fHj
お城の中の、ダンスパーティの行われているホールからずいぶん離れた大浴場には、鐘の音と共にクシャミがよく響きました。
大きなお風呂でしたが、入浴していたのは女性が一人だけ。腰にタオルを一枚巻いただけで、あとは女性的な肌を惜しげもなく
露出しています。二人のメイド服を着た人たちに、丁寧に体を洗ってもらっている様子は、彼女がただ者ではないことを示しています。
メ1「え・・まだ冷えちゃあないですよねえ、・・・風邪ですか?」
メ2「・・ダメですよぉそんな普通なこと言ってちゃあ。私たち名もなきメイドなんですから、もっとキャラのわかる発言しないと!
私なら“やだなあ、風邪なんかじゃないですよぉ。女王様がいい意味で噂されてるだけですよお”とかかなあ。」
メ1「・・・噂でクシャミって・・・それも普通じゃない?」
メ2「普通って言うなー!・・・あり?」
メ1「あれ?」
女「・・・もうコントは終わったかしら・・?」
メ1「ああ、すいません。お体冷えてませんか?」
女「うーん、湯冷めって訳じゃあないんだけど、森に長いこといたからかなあ。ちょっと冷えちゃったかも」
メ2「あー、だから言ったじゃないですかあ。この時期森は冷えるから、行かない方がいいですよって」
メ1「また例の山菜ですか?もう、いい加減場所を教えてくれたら、私たちが取りに行くのにー」
女「だーめ。あの場所はねえ、私のお気に入りなの。おいしいやつが季節ごとに変わってたくさん採れるんだけどね、
採りすぎちゃあダメなの。それにねえ、あそこは“心のきれいな人”しか入れないようになってるしね」
メ1「何ですかそれ・・・ってああ〜、それってひどくないですか?」
メ2「ひどくないですよ。そう思うなら、女王様にその場所を聞いて、行ってみればいいんですよ」
女「だーかーらぁ、絶対教えないんだかr、ひゃああ!!」
メイドが背中に滑らせた手に、思わず色っぽい声が出てしまった。メイドたちに振り向いた彼女だったが、二の次を告げない。
メイドたちの様子がおかしい。いや、目だ・・・。目が、違う・・・。
メ2「私たち、長年女王様のお体を洗わせてもらってるんですよ。
“ヨワイ”ところの一つや二つ、知ってるに決まってるじゃあないですかぁ」
メ1「そっかあ。・・・今日という今日は、吐いてもらいますからねえ・・・ウフフ・・・」
鐘の音はまだ余韻を含んでいたが、こちらでもまた、息子ほどでないにしろ、戦いが実に激しく、セクシーに幕を開けたのでした・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「はあっ、はあぁん!駄目っそこダメぇ!!」プシャアァァー

メ2「きゃは!ずぶ濡れですう」

メ1「あたしももう、びしょびしょ〜。はぁっ、もう我慢できないっ・・・。脱いじゃおっと!」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
49105:2007/10/09(火) 23:40:05 ID:Ktw66fHj
はい、105です。↑のやつはただマナミ=女王と言うことをくどいようですが暗示しただけです。なので読まなくても支障はありません。
間違ってもエロいわけでもないです。その件についてのネタバレはまた明日と言うことで・・・。(というかわかる人にはわかると思います)
明日はいよいよ最後になりそうです。クライマックスです。でもエロくないですw
明日はマガジンのセンターカラーで大発表だそうです。そっちへ持って行かれるでしょうが読んでやってくだしあ><
50名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:47:59 ID:TRMPXmYP
>>49
今気がついたジム・ロックって甚六先生か!
相変わらず小ネタがきいてるなGJ!!

>明日はマガジンのセンターカラーで大発表だそうです。
これは今すでにアニメスレも週漫スレも祭りになってるから明日はもう大丈夫だと思うぜ!
51名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 00:02:25 ID:z1CYtnji
>>49
ジム・ロックって甚六先生だったのか……!
話の展開もネタの仕込みもすげえよ! GJ!

さて、日付も変わったことだし、二期発表の真偽が早く知りたい人は
マガメガ公式を見てみると幸せになれるかも。
52名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 00:13:58 ID:kH2O8f8K
まさか甚六が出るだなんて!
本当に予想出来ない展開が良いですね
53前スレ42:2007/10/10(水) 00:20:19 ID:6feusw5x
>>41
>>42
ご指摘ありがとうございます。
マナー知らずで申し訳ないです。

>>105
固有名詞無しでも誰のことかわかる書き方には憧れます。
私もそろそろワンパターンな文体、書き方を脱却しないといけないと思ってます。

レスついでに霧×交短編投下します。
54糸色交のどうでもいい話:2007/10/10(水) 00:33:15 ID:6feusw5x
小森姉ちゃんはとてもキレイだ。
口に出したことはないけどそう思ってる。
姉ちゃんと二人きりになるといつもドキドキしてた。
そんな事を考えていたある日、姉ちゃんに宅配便が届いたんだ。
「届いたっ」
「小森の姉ちゃん何買ったの?」
「じゃーん水着だよ」
「外出ないからプールも海も行かないじゃん」
「行かなくても着たいの。着替えるから見ないでよ」
「見るか」
姉ちゃんの水着姿…自然と目線が動いちまう。
色、白いなあ…本当にキレイだ…
「交くん」
どきっ!
「な、なんだよ」
「今、見たでしょ?」
「み、見るかよ、そんな…」
さっ
「見たでしょー」
うわ、ま、前が見えねえ。「姉ちゃん手放せよー」
『むにゅ』
え…あれ?背中に当たっているのって姉ちゃんのおっぱい…?
「正直に言えー」
うわ、わ、体揺するなよぉ。
「見たんだろー?」
あ、あ、姉ちゃん髪の匂いが…いい匂いだなぁ
『ふにん』
わ、あ、姉ちゃん当たってる。当たってるよー
『むにょん』
あ、わ、あ。
ぷしゅっ
「きゃあ!交くん?」
…目覚めた時は姉ちゃんの膝の上だった。
「あ、気がついた?」
「ね、姉ちゃん」
「びっくりしたよー急に鼻血吹いて倒れちゃうんだもん」
「え、え?」
「顔赤くして、可愛かったな」
ぼっ
「か、可愛いなんていうなよー」
さらっ姉ちゃんが髪を撫でてくれた。
柔らかな手の平の感覚が気持ちいい。
ちら。
姉ちゃんの顔を見る。
ああ、やっぱり姉ちゃんが…一番…キレイだ…


「寝ちゃったか」
交くんは私の膝の上で眠ってる。
ふと部屋の窓に目線をうつす。
そこには綺麗な月が姿を見せていた。
「先生、今頃何してるんだろ」


「いやあ今回のパロディの出来は秀逸でしたね」
「サイコーでしたよ先生」
55あとがき:2007/10/10(水) 00:37:12 ID:6feusw5x
文体、内容ともに自分なりに変化をつけてみました。

ワンパターンから脱却できてたらいいなぁ

1レスながら読んでくださった方ありがとうございます。
56名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 01:04:20 ID:90G/pvJF
>>55
乙です!
交君も、いろいろ絡ませると面白くなりそうなキャラですね。
めるめるとフラグ立ったし。でも本番はさすがに・・ムリか?
57名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 01:45:51 ID:0Eh98Qa4
>>34
描写が細やかで上手い…艶のある文章書けるって凄いなぁ。
ただ不覚にもおっきおっきで吹いてしまったw
58名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 04:50:55 ID:JGLINeSe
>>34
文章が美しすぎる、エロが艶っぽ過ぎる、そしてあびるが可愛すぎる…。
59名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 11:05:34 ID:DhsPbNT6
>>34
GJなんだが、なんか先生がばっちいw
60名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 15:27:57 ID:96dKPRVG
普通の恋愛まだー?
61名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 17:39:49 ID:3kGmtNeB
保管庫行ってこい
62名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 17:54:52 ID:ZBD3J5RX
今週のは木津が可哀想すぎだよな。
先生からははっきり嫌われた上に、アリアリというのが完全に脳内じゃ、ほんとうに
単におかしい人じゃん。
木津救済SS誰か書いてよ。
63名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 17:59:51 ID:VzwdjVyD
あれが持ち味なんだから仕方ない。
大体あれアリにされたらオチが無くなってしまう。
今回は結構良いオチだったんだからアレで良いと思う。
あれでこそ「絶望先生」なんだし。
64名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 18:20:41 ID:hxV3O5La
某スレでほとんど同じ内容のレスを見たような気がしないでもない
65名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:40:30 ID:4dIYsOtZ
>>62
千里は昔からあんな感じだぞ
66名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 20:04:47 ID:rAsmov/p
>>62
そんな事言ったっていつも嫌われるような事しかしてないんだからしょうがない

羽美なんて常日頃厄介な事件を巻き起こしては完全にハブにされている
それに比べると羽美より厄介な千里のあの展開なんて全然恵まれている方だ
67名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 20:54:10 ID:aEeOizN5
そういや忘れてたけど、ここって久米田漫画のエロパロだから改蔵でも全然いいんだな
最近の流れで絶望オンリー脳になってた
68名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 20:56:10 ID:j1FN45kn
うーみん×糸色
69名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:13:19 ID:26ZXK8zU
ポカポカのこと、たまにでいいんで思い出してあげてくださいw
70名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:30:34 ID:yX0uMKyg
ダーリンのことも思い出してください
71名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:31:36 ID:8G4qcIDa
南国(ry
72名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:38:21 ID:26ZXK8zU
いいがか(ry
73名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:52:09 ID:Wms1mlCV
>>62
文脈から考えて、今週アリ≠ニ言われた人たちが
逆にナイ≠ニ受け取れるような。

でもきっちりさんは本当にナイ≠ニは思うが。
……あれこんな時間に郵便?
74名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:57:21 ID:cTuxMLjt
特に負けても(ry

今週のアリはフラグなのか今週だけのギャグなのか良くわからんなw
75名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:03:34 ID:wIlN3PAg
>>34
先生がイイ…これは本番よりツボですよ

ねんがんのマたろうフラグをてにいれたぞ!
と、俺は大喜び、でもたぶん流されるんだよね
76105:2007/10/10(水) 23:16:14 ID:p3WwALOw
二期来たああああ!!!・・・ッて信じませんよ。信じられますか。嬉しいんですよ。でも無理です。天の邪鬼なんです。
テレビ画面で可符香が飛び跳ねたりくるくる回ったり首吊ってる先生見つけててもまだ疑っていた105です。
シャフト様には二期に真夜の救済手当てお願いしたいです。ホントお願いします。
一方、ツンデレラは本日完結です。今まで長々と不快に感じた方もいらっしゃったでしょうが、本当に有り難うございました。
やはりエロ無しです。では投下します。
77ツンデレラ20:2007/10/10(水) 23:17:18 ID:p3WwALOw
結局その夜は、王子様が最後まで逃げ切り、見合いが成立することはありませんでした。
(ちなみに、昨晩の女王様は、一時ピンチに陥ったものの、シャワーの蛇口をひねるという機転を利かせて、
メイド二人の服を濡らしてしまうという反撃に成功し、その後も水かけ攻撃で逃げ切ったそうです。・・・・・・なんかすいません)
しかし舞踏会から三日たったある日、突然王子様が国中の家々を一軒一軒周り始めました。
それに伴ってか、ツンデレラのお屋敷は何やらあわただしい雰囲気。
継「ほらツンデレラ!もたもたしない!!次は玄関とお庭のお掃除、きっっっっちりね!」
ツ「はい、お母様!」
そう言う継母も、今日は自ら掃除をしているのでした。
ア「一体どうしちゃったの今日は?」
カ「え・・お姉様知らないの!?今日王子様がこの家に来るのよ!!」
アビィは少しも驚いた様子を見せずただ、“何しに?”とだけ言いました。
カ「!・・・はぁ、お姉様って本当にこの手のにうといわよねえ。なんでも噂によると、こないだの舞踏会に突然現れた
あの女を捜して、国中の女の子たちに会っているんですって」
ア「ああ、パーティをメチャクチャにして帰ったあの子ね・・・、つまり慰謝料請求?」
カ「・・・冗談でしょ?あの王子様の様子見なかったの?あれは、絶対惚れてるのよ、これは、恋人探しなの!!」
ア「冗談よ・・・そんなに声を荒げないでちょうだい・・・」
カ「・・・お姉様の冗談は冗談に聞こえないのよ・・・。とにかく、これはチャンスだわ!!」
ア「チャンス?」
カ「!・・もお、お姉様、いい加減にしてよ、チャンスって言うのはねえ・・・」
継「そう!!チャンスなのよ!!」
いきなり継母が首をつっこみます。
継「今日この時間だけ、あのパーティの乱入者のフリをすれば、王子と結婚出来るって事よ!!」
ア「ああ・・・」
継「さあ二人とも、もっと良い服に着替えて、お化粧もきっちりしてきなさい!!」
ア&カ「はい、お母様」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
時刻にして夕方、王子様はまだこの家に現れません。
継「遅いわねえ・・・大体、“今日この家に伺います”とだけしか言わないだなんて・・・、
きっちり、何時何分に来るって言いなさいよ!!」
ア「仕方ありませんわ、お母様。この家は街から一番離れたお屋敷なんですもの」
継母は、文句を言いながら、淹れた最高級のお茶をすすります。
継「!?お茶もすっかり冷めちゃったじゃない・・、ツンデレラ!!」
ツ「はい、お母様!」
継「お茶を入れ直してちょうだい。温度はきっちり48度よ!」
ツンデレラは返事をして、さっさとキッチンの方へ急ぎます。
ア「・・・そういえば、国中の女の子って言ってたけど、あの子は会わなくて良いのかしら?」
それを聞いたカエレッタが、とたんに笑い転げます。
カ「!!?ふはっ、AHAHHAHAHAHA・・・もう、お姉様ったら、たいがいにしてよ。王子様があの子に会う?」
ア「“国中の女の子”でしょ?」
カ「ふははっ、あんなの“女の子”の内に入らないわよ。さあ、もう時間よ、下に降りてお出迎えしなきゃ」
ア「そうね、それに・・・」
カ「?」
ア「ツンデレラとこの間の女の子、全然違うものね」
カエレッタはたまらず、吹き出してしまいました。
カ「アハ、HAHAHAHAHAHA・・・そうね、本っ当にそう、ハハ、あいつが、あの女なわけ、ないわよねっクハッ、
だって、あの子はあの晩ずっとこの家にいたんだから、ハハ、AHAHAHAHA・・・・・・」
ア「(私、そんなに面白いこと言ったかしら・・・)何でも良いけど、上品にね」
カ「ム、ムリムリッ、面白くって、とまんないわあ、ハハ、」
とそこらで、下の階から呼ぶ声がします。
継「王子様がいらしたわよー!!」
ア「ハイ、お母様!!」
カ「ハ、ハヒ、おかあさま・・・ククク・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
78ツンデレラ21:2007/10/10(水) 23:20:13 ID:p3WwALOw
屋敷にやってきたのは、王子様と、その召使いが五人ほど。継母が丁寧にあいさつしますが、
王子様たちの方は、すぐにでも本題に行きたいご様子。
ギ「・・・では、本日の用件なんですが・・・」
継「ああ、お待ちください!まだお紅茶の準備が・・・。」
ギ「いいえお気遣いなく。私どもおとといから国中の家々を歩き回っているものでして、この家が最後なのです。」
継母の喉がゴクリと鳴りました。
ギ「というのも我々は、昨日の舞踏会でのある人物を捜しているのです。つまり、この家に私たちの探し人がいると思うと・・・」
ギャリソンはかなり感極まっていました。
ノ「・・まあ、そうとは限らないのですが・・・」
ギ「こちらの家には二人のお嬢様がいらっしゃると聞きましたが・・・どちらに?」
継「はい、ただいま。二人ともいらっしゃい。」
継母からみて右の扉が開かれて、中から年頃の娘が二人現れました。二人とも、よそ行きの格好で、しっかりしたメイクをしています。
王子は顔を乗り出して、じいっと凝視しましたが、もうがっかりしすぎてそれさえ出来なくなってしまったのか、黙って座り直します。
アビィとカエレッタがきっちりした挨拶をして、ギャリソンが本題に入ります。
ギ「では、教えていただきたいのですが、舞踏会の日・・」
カ「それは私です!!」
ギャリソンの話している途中で、カエレッタが、が割って入ります。彼女は王子の方に顔を向けて言います。
カ「王子様、あの晩は大変失礼しました。ですが、あの日はああするしかなかったのです!」
王子は、“またか”といった風に、憂鬱そうにして目を合わせませんでした。
ギ「では、あなたは・・・?」
アビィは一度継母に目配せしてから答えます。
ア「はい、あの晩の乱入者は私です」
ギャリソンは困ったように、ですが初めから分かっていたかのように機械的に王子の方を向きます。王子は無言で指示します。
ギ「・・どちらにせよ、この年の女性たちには全員アルコトをしていただいているのです。ジム、アレを・・・」
その台詞に、継母とカエレッタのがピクリと反応します。二人の目線の先には、きれいで小さな、
ガラスのように透き通った、光輝くハイヒールがありました。
ギ「我々は、この靴を頼りに、例の女性を捜しているのです。というのも実は、彼女がこのハイヒールを履いていたのですが、
落として行かれたのです。・・というか、私どもが銃撃して無理に脱がせたのですが、この通り傷一つないことには驚きました。
・・・まあ、そのご本人ならお分かりのことでしょうが・・・」
カ「・・!もちろんですわ!!どこに落としたものかと思っていたんですのよ!!・・・!!!!!!」
カエレッタがあわてて対応するのと対照的に、アビィはただただ黙っていました。
ギ「・・続けてよろしいですかな?、今日あなた方には、このハイヒールを履いていただきたいのです。
足がぴったり入ったとしたら、あなたがあの女性だと言うことです。・・・あと、無理はなさらないでください・・。」
79ツンデレラ22:2007/10/10(水) 23:20:57 ID:p3WwALOw
そういうと、ギャリソンはアビィの手をとり、前へ引きます。他の召使いが、彼女の左足の靴をそっと取り、
爪先だけ硝子のようなハイヒールに導きます。
継母たちがじっと見る中、アビィは何とか入れよう入れようとします。
ア「んっ・・・んんっ・・はぁっ、ふっ・・・、はぁ。駄目です、狭くって、入りません・・・。」
ギ「あなたは、あの女性ではありませんね・・?」
ア「・・すいません・・・。」
不機嫌そうな継母の元へ、彼女は帰りました。次はカエレッタの番ですが、不安そうに継母に耳打ちします。
カ「・・・どうしましょうお母様?・・・私、お姉様より足のサイズ大きいのです・・あんな小さい靴、到底・・・」
それを聞いた継母は、顔をしかめて考えました。考えて考えて、計算して計算して、ボンッという音とともに、継母の“何か”が壊れました。
継「・・・カエレッタさん・・、あるわ、足が入る方法・・・。」
カ「ど、どうすればいいの!?」
継「・・・切ればいいのよ、指の三本も落としたら、キッチリ入るわ。」
カ「・・はぁ?、お母様、こんな時に冗談言わないでよ。そんなこと出来る訳ないでしょう?」
継「・・でも・・・だ・・。」
カ「・・?」
継「でも、原作通りだから!!!!」
継母はいつの間にか魚の目になっていました。乱れそめにし前髪が、何か尋常ならざる精神状態をアピールしています。
カエレッタは思わず退いて、王子たちは何事かと行ったように目を向けます。
継「原作のシンデレラ【灰かぶり姫】は、継母に次女が踵を切り落とされるから!!原作通りだから!!」
継母は、どこからともなく包丁を取り出し、次女に襲いかかります。
継「うなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
カ「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアア、NO、NOOOOOOOOOOOOOO・・・!!!!!!!!!!!!!!」
走り回って必死で逃げるカエレッタを、継母が包丁を持って追いかけるという狂気な雰囲気。
ギ「・・・これは、もうお暇させていただきますね・・・。」
ア「はい、本日はご足労いただき有り難うございました」
アビィが勝手に挨拶をすまし、残念そうに王子様たちが立ち去ろうとしたそのとき、
80ツンデレラ23:2007/10/10(水) 23:21:42 ID:p3WwALOw
ツ「遅くなってすいません!お紅茶お持ちしました!!」
その場にいた全員がハッと振り返ります。年の頃17ほどの、若い少女がそこにいました。
ツ「・・あの、お紅茶・・・もしかして、ご迷惑・・・でした、か?」
継母が我に返り、憤慨して言います。
継「遅いのよ!!何でもっと早くできなかったの!!?」
ただただ謝る少女を、王子様だけがじっと見つめます。その視線に気がつき、継母が取り繕います。
継「あはは、すみません・・・。お見苦しいものをお見せしました・・。あははは・・・。」
ギ「・・・では王子、帰りましょうか」
ノ「いいえギャリソン、この少女にも履いてみてもらいます」
やはりその場にいた全員に、妙な空気が流れます。
継「・・何をおっしゃられるかと思えば・・、お言葉ですが王子様、この子はあの日の夜、ずっとこの家にいましたんですの。
ありえませんわ、ねえツンデレラ?」
今までずっとあの日の夜のことを誰にも話しはしなかった。ツンデレラはどもったまま言い返さない。
継「ツンデレラ!!」
しびれを切らした継母が、きつく返事を求める。
ツ「は、はいぃ!!お母様!!」
それを聞いた継母が、笑顔を作って王子に振り向く。王子は、そんなやりとりに関心のない様に、ツンデレラを見つめていました。
ノ「そうですか、ツンデレラ・・・ツンデレラ・・、ツンデレラ・・・」
呪文のように彼女の名前をつぶやきながら、召使いから例の靴を奪い取りました。
その靴を片手で持ちながら、王子様が一歩一歩ツンデレラに歩み寄ります。
それを察した彼女は、王子様を歩かせてはならないと、王子の元へ小走りで近づきます・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人の距離がさっと短くなり、ツンデレラが王子様を見上げる形になります。
王子様の瞳に吸い込まれそうになりましたが、はっとして王子にお辞儀をしました。
細い指に摘まれたボロ絹のスカートからは、汚れた裸足の足が伸びています。王子様が片膝を付き、手に取った足は冷たかったです。
逆に、足を持たれた方は、王子の暖かみをその足に感じ、気恥ずかしながら、申し訳ないながらも、とても心地よく、
ツンデレラは顔を赤くしてはにかみます。
二人を見届ける視線の主たちは、その状況を理解できず固まったままの者、無駄だと知っていると言うように冷たく腕組みする者、
本来王子のしていることは自分の仕事なのに惚けている者と言ったように様々でしたが、そこには力が、
まるで二人しかいないかのような錯覚を覚えさせる力がありました。そして・・・、

細く儚いその足と、白く輝くその足と、細く儚いその靴が、白く輝くその靴が、恋人同士が抱き合うように、一つになったのでした。
そして、二人もまた・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
81ツンデレラ24:2007/10/10(水) 23:22:35 ID:p3WwALOw
今日は国中がお祝いムード一色といった感じです。町中の人が国で一番大きい教会の元に集います。
教会の中では、出席を許された数十人が、将来この国を担う新郎新婦をお祝いしました。
二人の結婚式は通例通りの流れで行われ、お祝いの言葉や誓いの儀など、全てが問題なく終了しました。
後は男女の晴れ姿を大衆に見せるだけとなりました。広い教会には二人以外もう誰もいません。
観音開きの大きな大きな扉の前で、
高級そうな真っ白な衣装に身を包んだ王子様が、同じく純白のウエディングドレスを着飾った王女様に言います。
「あの・・、一つだけ聞いてもよろしいでしょうか・・?」
「はい、私のような者で良ければ何なりと」
「いや・・、それは私のセリフなのです・・・」
「へえ?」
「・・・私が、王子であるからと言って、無理に結婚する必要はないのですよ・・・。
思えば、この結婚は私の一方的な一目惚れ・・・。貴方が私のことを、結婚するほどには好きにではないというのなら、
まだここで終わりにも出来ます・・・。・・・本当に、私のような者でよろしいのでしょうか?」
少々暗がりになった教会の中が静まりかえる。扉が閉まっていても外からの大歓声がハッキリ聞こえる。
シルクの手袋でブーケを持った女が何か言いにくそうに、顔をうつむけてモジモジするのを見て、
同じ絹のタキシードを着ていた男に緊張が走ります。
「あ・・、あ・・・。」
「、はい、何ですか。ハッキリと言ってください!!」





「 あ な た の た め に 結 婚 す る わ け じ ゃ な い ん だ か ら ね ! ! ! ! ! ! 」





別れの音を響かせた鐘が、今日は二人の始まりを告げる。扉の取っ手をそれぞれが片方ずつ握る。徐々に光が差し込んでくる。
そして二人は今、共に明るい未来に走り出した。一つになった白い影が、白い光に溶け込んでゆく。



ツンデレラは、王子様と一緒に、いつまでも末永くしあわせにくらしましたとさ。おしまい。
82ツンデレラ25:2007/10/10(水) 23:23:48 ID:p3WwALOw
久藤准「・・・と言う話はどうかな?」
風浦可符香「さっすが久藤くん!いろんな昔話知ってるんですねえ。今度の文化祭はこれで行きましょう!」
久藤准「いやあ、この話の本は図書室で見つけたんだ。
ほこりだらけの汚らしい見た目と、あまりにつまらない内容で、逆に覚えちゃったよ」
糸色望「久藤くん・・・意外と毒舌ですねえ・・・。確かに、最低限文化的なシナリオでしたが、私や時田、まして甚六先生を使う
なんてことはできませんからね!・・なんですかスナイパーって、甚六先生に失礼でしょ!!」
加賀愛「・・と言うか、私なんかが主役じゃあ、このクラスの人気が下がって、きっと誰も見に来なくなります!!」
木村カエレ「そうよ!なんで私が脇役なのよ!!私、主役じゃないなら出ないから!!」
小節あびる「・・そう?ハマリ役だと思ったけど・・・」
木村「・・訴えるわよ・・・」
木津千里「と言うかあなた、“まだ・・・・・・、フラグたってない”ってどういうこと!?きっちり説明して!!」
小「どうって・・・どうもこうも・・・」
関内・マリア・太郎「センセイが甚六のこと知らないのとイッショだヨ」
日塔奈美「別にいいけど、何で私メイドなの?」
関「ふつうのメイドたんってやつカラか?」
日「普通って言うなあ!!」
大草麻菜実「・・・絶望した・・・、普段ではありえないキャラクターを演じなくてはならないことに絶望した・・。
しかも入浴シーンって・・・。ユミカヲルか私は!!」
糸「大草さん、それ私のセリフ・・・。でもまあ、大草さんは無駄に喋らされてますよね」
風「三珠ちゃんも絶望したいの?」
三珠真夜「・・・(コクン)」
風「“絶望した!普段絶対に出さない大声のセリフ一つだけという事実に絶望した!”・・ですって・・。
てゆうか、私も絶望しました。本編で一度メイド服着ただけでこんなことになるなんて・・・。
その上当初“アンデレラ”になるはずだったのに、互換の良さだけでツンデレラになるだなんて・・・絶望しt」
糸「絶望した!!生徒に絶望を奪われたことに絶望した!!てうわっ!!三珠さんっ、じゃなくてどこからともなく火がああ!!」
三「!!?(オロオロ)」
風「やだなぁ、三珠ちゃんが犯人なんかじゃあありませんよぉ・・・(本当にね・・・)」
今度こそ本当の、おしまい。
83105:2007/10/10(水) 23:24:47 ID:p3WwALOw
はい、105です。長い間お付き合いいただいて本当に有り難うございました。
この2週間ほどずっとツンデレラの最後のセリフを言わせたいという一念で頑張ることが出来ました。
私はまたROM専に戻るわけですが、何かまたひらめく様なことがあれば、迎えてもらえれば光栄です。
そーこに、妄想が、あーる限ーーりーーーー♪(空に太陽がアルカイック♪)

最後まで意味不明なやつですいません。何か言おうとするからいけないんですよね。
・・・さようなら!皆さんさようなら!!私は来世を見に行きます・・・来期を見ずにして!!!
だからさようなら!!!!さよなら絶望先生ーーッ!!!!!(アオーーーーン!!)
84名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:27:51 ID:Ht8L8Zzh
>>83
God Jobといわざるを得ない……!
展開も小ネタも糸色妙だったぜ! 投下乙!

>ア「んっ・・・んんっ・・はぁっ、ふっ・・・、はぁ。駄目です、狭くって、入りません・・・。」
ところで↑この台詞に反応した人は正直に挙手
85430:2007/10/11(木) 02:59:56 ID:blcTwatu
105さん、ツンデレラ完成おめでとうございます!
加賀ちゃんの最後のセリフに、惚れっときました…。
オールキャラで、しかも全部小ネタばっちりの抱腹絶倒ラブSS、
本当に楽しかったです!ありがとうございました。
実は、最後まであびるがクールだったのが実はツボだったり…。

えー、今週の千里が余りにカワイソすぎたので衝動的に救済してみました。

急ごしらえなので、短い上にエロがありません…ごめんなさい…。
埋めでもないのに小ネタなので、お暇な方意外はスルーでお願いします。

以前に書いた「さぼてんの花」と微妙につながっているような。
設定はそのまま使ってます。
お姉ちゃんが病弱なため、千里がしっかりきっちりの性格になった、ての。
86ありかなしか 1/5:2007/10/11(木) 03:01:06 ID:blcTwatu
千里は、ひたすら夜の砂浜を走っていた。
涙で濡れた頬に当たる潮風が冷たい。

―――では先生と私の、きっちりとした恋愛はありですか。

期待に満ちて口にした質問。

―――それは無い。

それに対して、望の口から出たのは容赦ない言葉だった。

あびるや奈美、カエレ、マリア、智恵先生はともかく、
人妻の麻菜美や一旧まで「ありあり」と受け入れてきた男が、
彼女に対してだけは、迷いもなく拒絶したのだ。

非道な男は、たった今自分の手で埋めてきた。
しかし、心に深く抉られた傷は、埋まることなく血を流していた。

千里は、だいぶ走ったところで息を切らして立ち止まった。
ぼんやりと、海を見つめる。

―――…どうして私は、いつも、こうなんだろう…。

精一杯、一生懸命やっているのに報われることはない。
おいしいところを持っていくのは、いつも、役にも立たないドジっ子だった。

―――木津はしっかりしてるからな。

子供の頃からよく言われる言葉。
本当は、しっかりなんか、したくなかった。

―――千里ちゃん、几帳面だよね。

もとからきっちりした性格だったわけではない。
でも、きっちりと型に嵌まっていなければ、余りにも不安定な自分がいた。
87ありかなしか 2/5:2007/10/11(木) 03:01:44 ID:blcTwatu
幼い頃の、両親との会話が胸に蘇る。

―――ごめんね、千里ちゃん。
   お姉ちゃんがまた具合悪くなっちゃったの。
   千里ちゃん、1人でお留守番できる?

―――うん、大丈夫だよ、お父さん、お母さん!
   千里は、1人でなんだってできるんだから!

―――千里がしっかりしてくれてるから、お父さん達、助かるよ。

いつも笑顔で、病院に急ぐ両親を見送った。
でも、その後、必ず1人で泣いた。
本当は、寂しくて、不安でたまらなかった。

寂しいのに、不安なのに、しっかりきっちりしなければならない。
その重圧は、彼女の精神を次第に追い詰めていた。

そうして、いつしか少女は、自分の精神のバランスを、
猟奇に走ることで保つようになったのだ。

―――でも、結局、そうやって先生にも嫌われちゃった…。

足の力が抜けて、千里は砂浜に座り込んだ。

潮風のせいなのか涙のせいなのか、口の中がしょっぱい。
千里は膝を抱えて顔を埋めると、思い切り泣いた。








88ありかなしか 3/5:2007/10/11(木) 03:02:19 ID:blcTwatu
どれくらい、そうやって泣いていたか分からない。
遠くから、自分を呼ぶ声が聞こえてきた。

「…さーん、木津さーん。」

千里は顔を上げた。

月明かりの中、波打ち際をきょろきょろと見回しながら歩いているのは
先ほど、千里がこの手で埋めたはずの担任教師。

「先生…。」
千里は呟くとゆるゆると立ち上がった。

望が、千里の姿を認め走り寄ってきた。
「ああ、良かった、ここにいたんですね。」
「どうして…埋めたのに。」
千里の呟きに、望はふふん、と笑った。
「先生をなめちゃいけません。
 あれだけしょっちゅう埋められていれば、這い出るコツもつかみます。」

しばしば望を埋めていることを指摘され、千里はうつむいた。
そのまま、小さな声で望をなじる。
「…何か用ですか。先生にとって、私は『ない』んでしょ。」

望は腕を組んで頷いた。
「そのことなんですけどね。あの後、ずっと考えていたんですよ。」
千里は顔を上げた。
「どうして、あのとき、あなたに対してだけ『ない』と言ってしまったのか。」
千里の顔が悲しげに歪む。

なんて残酷な人だろう。
わざわざ追いかけてきてまで、そんな理由を聞かせるなんて。

千里は、思わず望に背を向けて走り出そうとした。
と、その千里の手を、望がつかんだ。
89ありかなしか 4/5:2007/10/11(木) 03:03:07 ID:blcTwatu
千里は驚いて望を振り返った。
望は、真剣な顔で千里を見ていた。
「あのとき、本当は、流れで『あり』と答えそうになったんですよ。
 でも、瞬間的に、それではいけないと思ったんです。」
千里は、目を瞬いた。

望は、千里の目を見ながら続ける。
「あなたは、いつも、いつも、真剣です。あいまいなところなど、1つもない。」

―――私は、きっちりさん、だものね。
だから、皆に煙たがられる。
千里は心の中で自嘲した。

「だから、私も、思ったんです。
 皆の『ありあり』なんていう言葉に踊らされた、適当な返事はあなたに対して失礼だと。
 あなたに対しては、きちんと、考えて答えを出さなければ、と。」

千里は、呆然と望を見ていたが、再びうつむいた。
「でも、先生は、あのとき『それは無い』って…。」
望はため息をついた。
「あれはですね…流れのまま、あり、と答えそうになった自分に、
 反射的に、ストップをかけてしまったもので…。」

千里は目を見張った。
―――あれは、先生自身にいった言葉だったんだ…。

千里は、顔を上げると、望をじっと見つめた。
望の言っていることが段々と胸の奥に沈んでくるにつれて、
胸がどきどきしてきた。

かさかさに乾いた唇を一度湿すと、千里は聞いた。
「…それで、きちんと考えた結論は、どうなったんですか?」

望は、背をかがめて、目線を千里の高さに合わせた。
―――そして、ゆっくりと微笑んだ。

「『あり』です。私は、あなたと本気の恋愛をしたい。」
90ありかなしか 5/5:2007/10/11(木) 03:03:52 ID:blcTwatu
「―――!!」

千里の肩が震えた。

「…きっちり、しっかり、考えて出てきた結論です。
 あなたは、私との恋愛は、ありですか?」
望は笑顔で千里を覗き込んだ。

「…ぁ。」
‘ありです’と返事をしようとしたが、声がでなかった。

ぼとり、と千里の目から、再び涙がこぼれた。
しかし、今度の涙は、さっきとは違って温かかった。

千里は、望にしがみつくと、声を上げて泣き始めた。
望が、優しく千里の背に腕を回す。

―――いつだって、不安だった。
    心細かった。

―――こんな風に、誰かに抱きしめて、支えて欲しかったんだ…。

「木津さん、これからは、私がいつもあなたを抱きとめますから。
 だから……泣きたいときには、思い切り泣いてくださいね。」
 
暖かい抱擁につつまれて、千里はいつまでも泣き続けていた。



91430:2007/10/11(木) 03:05:21 ID:blcTwatu
以上です、お粗末さまでした…。
こんな時間までなにやってるんだか。

次は、きちんとエロ(当社比)落とします。
92名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 03:59:58 ID:bMyA52Eh
何と仕事の早い!GJ!
最近はすっかり猟奇オチ担当ですが、たまにはこんな風に報われるのもアリですよね。
切ない惚れをありがとう。
93名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 07:10:38 ID:p2rsqhSJ
>>91俺の夢に最後の泣いてる千里が出ただけに
GJです
俺も泣けてきた
94名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 07:23:52 ID:p2rsqhSJ
>>83おおお!ツンデレラのツンデレキター!!
そして文化祭落ちとは本当に予測出来ないけど期待を裏切らない展開に
GJ
95名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 08:33:06 ID:so5nOIuO
今週で大草さんフラグが立ったと喜んでいるのは俺だけで良い
96名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 08:50:35 ID:26NMnNa5
早く徒花の続きが見たいです
97名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 11:09:04 ID:sgp66aLt
千里に甘すぎ><
98名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 12:55:55 ID:4NPLM4tI
GJだけどやはり
 
ネタはネタで終らせて欲しいかな
とゆうか今週ネタ使ってハーレムネタキボン
99名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 13:10:32 ID:RdPgVLla
>>91
超GJ、求めていました
千里が報われてるの願ってるから、むしろ拒絶はネタに済まさず次回に引きずって欲しいなあ

ハーレムネタってなると、そういうの得意なあの人が…書いてくれるかもね
100名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 13:47:32 ID:6a8vzva0
>>83
GJ!面白かったー!そしてお疲れ様でした!!
個人的には「アンデレラ」も読んでみたい気も。
101名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 13:47:32 ID:vx8Y2inM
>>99
千里の日頃の行いに対する報いが来るのを願ってるのかw
102名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 16:06:21 ID:ElX3owgD
>>91 
千里かわいいよ千里。 
猟奇的な彼女にだって、普通の幸せがあってもいいはずだよな。 

>>99 
そろそろ期待しすぎはやめようぜ。 
もうあれから1ヶ月は過ぎてるんだし。 
103名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 16:31:15 ID:ohyjmncx
>>99 >>102
誰のことかと思ったら173氏のことか
もう1ヶ月というよりも、まだ1ヶ月しか経ってないのか
なんだかあの裸待機の日々が随分昔のことのような気がするぜ
104名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 19:10:28 ID:9p/tQAQX
絶世美人て日本語しか使ってないよね。そこがいいんだけど。

105名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 19:37:30 ID:i5T+pLI+
>>91
いいっすね。
過去にも千里せつな系SSあったけど、もっと読みたい。
106名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 20:26:12 ID:N4Bv/fSK
ヤンデレラとかwww
107名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:06:26 ID:kQ6rVNOi
保管庫にまとめて下さっている方へ。
8-66と8-146の作品が重複していますので、
どちらか削除をお願いします。
108名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:14:41 ID:gbge/yTr
今週ネタを使うとは仕事はやすぎGJw
今回千里ちょっとかわいそうだったけどこれで報われたな
109名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:01:25 ID:LsWhyB0Q
>>91
GJ
原作でも最終的には報われてほしいなぁ。こんなにきれいなのは無理だろうけどw
っていうか、
>「どうして…埋めたのに。」
>千里の呟きに、望はふふん、と笑った。
>「先生をなめちゃいけません。
> あれだけしょっちゅう埋められていれば、這い出るコツもつかみます。」
こんな会話が自然に感じるのが素敵だw
110名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:16:44 ID:F8uEH5xg
今日は職人さんのSS投下はないのかな
なんか毎週木夜〜金朝はスレが閑散としているのは気のせいか?
111名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:21:04 ID:dJRy8vjQ
ほんの1ヶ月前までは毎日閑散としていたわけですよ
112名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 11:22:20 ID:4t2zD0Dj
またアニメが始まるまで閑散に逆戻りなのかな?
113名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 11:36:40 ID:Y/YoQP0o
だいじょうぶだ!
まだ大草さんSS神や猫の瞳SS神や真昼神のエロエログチョグチョの後日談が残っている!
114名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 12:38:23 ID:/NcwxqVE
>>110
あ、いわれて見れば。

職人さんたちのレス読み返してみると、皆さん仕事で忙しい人多いみたいな。
173氏はそれをネタにしててワラたww
115名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 17:19:56 ID:7i7tSCeH
ニコから来ました!
こんなスレがあったんですね!
さっそく保管庫読ませてもらいました!
感動しました!
では、いきなりのコメ失礼しました!
116名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 17:42:43 ID:3ZTPKHRr
>>115
住人が増えるのはありがたいことだけど、sageてね。

117名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 20:25:52 ID:5T/uyEQg
静かな夜もまた良し・・・。特に秋の夜はね。
でも期待してますよ、職人さん
118名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:32:38 ID:jttR6u+6
ほんとに静かだな・・・
もう秋なんだね・・・
119430:2007/10/12(金) 23:58:16 ID:MsSUnfxf
あ、あれ…?なんか、閑散としてる…??
何か大規模規制とかあったんでしょうか。
それとも、金曜日だから、皆まだ飲んでるんですかね。
自分はタク代をケチって電車で帰ったクチですが。

>>86>>90の千里救済SSで、ついエロをはしょってしまったため、
自意識過剰義務に苛まれ、時間差ながらエロパートを書いたので投下。
今度は、先生視点で。
120ありかなしかの後 1/5:2007/10/12(金) 23:59:14 ID:MsSUnfxf
千里は随分と長い間泣いていたが、ようやく涙も止まってきたようだった。
望は、その間ずっと千里を抱きしめていた。

「ひっく、…うぇっく……けほっ…。」
「大丈夫ですか、木津さん?」

自分の腕の中で震える、少女の細い肩を見下ろしているうちに、
望の中で、だんだんと、先ほどまでの優しい気持ちとは全く別の、
猛々しい感情が湧き上がってきた。

望は、自分でも気がつかないうちに、千里の頬に手を伸ばしていた。
千里の顔を上向かせると、その目尻には、まだ涙が溜まっている。
望は、そっと唇を寄せ、その涙を吸い取った。

「…!!」
千里が驚いたように身を引き、次の瞬間、真っ赤になった。

その様子が余りにも可愛らしく、望は堪らずに腕に力を込めると、
その紅い唇をむさぼるようにして、激しく口付けた。

「んん…!!」
千里は目を見開き、両手で望の胸を押すようなしぐさをしたが、
望はがっちりと千里を抱きしめて離さない。
そのまま、執拗に舌で千里の口内を探った。

舌を吸い、絡めたかと思うと、舌先で歯列をさぐり、口蓋をくすぐる。
望は、少女の甘い香りのする口の中を隅から隅まで味わい尽くした。
ようやく唇を離したときには、千里はすっかり上気した顔で
ぐったりと望の胸に頭をもたせかけていた。

望は、再び千里の顎に手をかけてこちらを向かせた。
千里の、赤く泣き腫らした目が、今や別の色に染まっている。
望は、これ以上我慢できなかった。

辺りを見回し、人影がないことを確認すると、千里を優しく砂浜に押し倒した。
千里は、まだ夢見心地といった表情で望のなすがままになっていた。

千里の豊かな長い黒髪が、白い砂浜の上に広がった。
望は、黒髪の中に浮かび上がる、少女の小さな顔をそっとなでた。
121ありかなしかの後 2/5:2007/10/13(土) 00:00:35 ID:LuNUGZRk
望の指先が、頬から顎をたどり、首筋に移動する。
千里が、びくっと体を震わせた。
目をつぶり、必死に何かに耐えている表情をする。

望は、それを見て、手を伸ばして腿をすっとなでてみた。
「…ぁっ!!」
千里が、さっきよりも激しく反応する。

―――木津さんは、ずいぶん敏感なんですね…。

望は嬉しくなって、千里の首筋に顔を埋めた。
そして、右手で制服のブラウスから手を滑り込ませると、
なだらかな、そのわき腹をなでた。
「…っ!!せ、せん…!!」
千里が体を震わせ、涙目で望を見上げてくる。

「大丈夫…怖くないですよ。」
望は、右手の動きはそのままに、左手でセーラーのスカーフをほどいた。
「木津さん…両手を上げてください。」
千里が顔を真っ赤にして首を振る。
望は、眉根を寄せて、千里を見た。
「…いや、ですか…?」

千里は慌てたように首を振った。
「い、いや、とかじゃなくて…。」
「じゃなくて?」
「…は、恥ずかしくて……。」
千里は消え入りそうな声で答えた。
その顔は、熟れたトマトのように赤くなっていた。

望は、千里への愛しさで胸がいっぱいになった。
「ほんとに…まったく、あなたって人は…。」

そういうと、今度は有無を言わさずブラウスを剥ぎ取った。
千里が小さく叫んで抵抗するようなしぐさをしたが、
構わず、スカートも、下着も一気に取り去る。

望の目の前に一糸纏わぬ千里の姿が現れた。
月の光に照らされたその白い肢体の美しさに、望は息を飲んだ。
122ありかなしかの後 3/5:2007/10/13(土) 00:02:10 ID:MsSUnfxf
千里が恥ずかしそうに腕で体を隠そうとする。
「…せんせ…そんな、見ないで、ください…私、胸、小さいし…。」
望は千里の手を取って開かせた。
「何を言うんですか…素敵ですよ…。」
実際、千里の胸は小ぶりではあったが形がよく、
その先端のピンク色は、どうしようもなく望を誘った。

望は、誘われるままに千里の胸に唇を寄せると、その先を軽く咥えた。
「…あぁあっ!!」
それだけで、千里は激しく体をのけぞらせた。

千里が辛くならないよう気をつけながら、望はゆっくりと舌を動かした。
「あ、んん、やぁ…っ!」
そのたびに、千里の白い体が跳ねる。

平らな腹をなでながら、望の手は、千里の下肢に伸びていった。
しかし、その足はしっかりと閉じられていた。

「木津さん…足、開いてください…。」
千里は、潤んだ目で望を見上げたが、足を開こうとはしない。
望は声を低めて、耳元で囁いた。
「あなたの…を、見せてください…千里。」
千里の体がびく、と震えた。
小さく体が震えている。

望は、千里を見つめながら、そのなめらかな大腿を撫で上げた。
「ぁ…。」
千里の足が、望の指の動きに反応するかのように、ゆるゆると開いていく。

望は、すかさずそこに体を割り込ませた。
「やっ!」
千里が足を閉じようとするが、望は体に阻まれて、動けない。
そして、そこに顔を近づける。
千里のそこも、胸の先端と同じ、きれいなピンク色をしていた。

「……!!や…、先生、そ、そんな、だめぇ!」
千里の抗議にかまわず、望は舌を伸ばした。
「やぁぁぁあああ!!」
千里が、電流に打たれたかのように海老反りになった。
望はかまわず、丹念に舌先を使って、攻略を開始した。
123ありかなしかの後 4/5:2007/10/13(土) 00:03:20 ID:LuNUGZRk
「ん…っ、はぁ……、んんんっ、ぁあっ!」
望の舌の動きに合わせて千里が体をしならせ、首を振る。
そのたびに、艶やかな黒髪が妖しく乱れていった。

「あ、ぁあ…ぁぁぁぁああああああ!!」
やがて、千里が一際高い声を上げて、硬直した。

望は、息を切らして顔を上げた。
千里は、上気した顔で瞳を潤ませ、白い胸を波打たせていた。
まだ早いかとも思ったが、望自身が我慢の限界だった。
「すいません、千里…もう、入りますよ…。」
望は、千里の両足を抱え上げた。

「いっ…ぁぁあ!」
「…っ。」
ほぐされた後とは言え、千里のそこはまだかなりきつく、
望はゆっくりと腰を進めるしかなかった。

全てが収まったとき、望は、その柔らかな感触に必死に耐えていた。
全身が、千里に温かく包まれているかのような錯覚に陥る。
「千里…動きます、大丈夫ですか…?」
千里は、目に涙を溜めながらも、気丈に頷いた。

おそるおそる腰を引く。
千里の中が、それを引き止めるかのように絡みついてきて、
「くぅ…。」
望は思わず歯を食いしばった。

望は、最初こそ注意深く千里の様子を見ながら腰を動かしていたが、
余りの気持ちよさに、だんだん何も分からなくなってきていた。

千里の呼吸も切迫してきている。
望は、千里の両手を取ると、指を絡めて押さえつけた。
千里が、潤んだ目で望を見上げる。

「――――!!!」

最後の瞬間、2人は、お互いの指を強く、強く握り締めた―――。

124ありかなしかの後 5/5:2007/10/13(土) 00:04:17 ID:LuNUGZRk
その後、2人で砂浜に横たわり月を眺めていると、千里がぽつんと呟いた。
「ねえ、先生…あんなにフラグ立てちゃって…これからどうするんですか…。」
望は面倒くさそうに手を振った。
「そのまま放置してれば、適当に消えていくんじゃないでしょうかね。」
千里ががばりと起き上がった。
「ダメです!そんなの!きっちり誤解を解かなきゃ!!」

望は笑った。
「こんなときにまで、きっちりなんですね、あなたは。」
千里の声が小さくなった。
「そうじゃなくて…勘違いしたまま突き進んで行って、
 後で誤解だって分かったときの辛さ……私はよく分かるから…。」
千里の言葉に、望は千里を見上げた。

月光に照らされた、うつむき加減の千里の姿はいかにも儚げで、
望は思わず手を伸ばして千里を抱きしめた。
「あなたの場合は、誤解じゃありませんよ、千里…。」
千里は小さく頷いた。
「分かってます、分かってますけど…。」

望は千里を抱きしめたまま、ため息をついた。
「…分かりました、他の皆さんにはきっちり説明しますよ。」
千里は望から体を離すと、今度は、心配そうに望を見上げた。
「先生、大丈夫…?」

望は苦笑した。
「包帯での首絞めや包丁くらいは覚悟ですかね。あと、訴えられたりとか。」
でも、と悪戯っぽく千里を覗き込む。
「今回は、あなたからの攻撃はありませんからね、だいぶ楽ですよ。」
「…!ひどい、先生!!」

千里は頬を紅潮させると、両手を振り上げた。
望は笑いながらその手をつかむと、再び千里を抱きしめた。

「こういう攻撃だったら、いつでも大歓迎です、可愛いですよ、千里。」
「…先生の馬鹿。」

真っ赤になった千里に、望は笑って軽いキスを落とした。
125430:2007/10/13(土) 00:05:41 ID:LuNUGZRk
以上です、どーもエロがワンパターンになっちゃうんですよね…orz

そして、こういう小ネタをちまちま書いているから、
落としたい長編がいつまで経っても落とせない…。

それでは、皆さん良い週末をお過ごし下さい。
お休みなさい!
126名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:14:28 ID:QceSpS8H
Good job!
千里エロは見れる頻度が少ないので重要な脳内資源になりますな。
きっちりエロスふぉーえばー!

>>119
ついさっきまで社の同僚に"出張お疲れ様の会"を開いてもらっていた俺はタクシーで堂々帰宅ですよ。
127名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:19:21 ID:pIxikc43
>>125
430氏乙です! 
「さぼてんの花」以来、氏の千里に対する愛を感じられるっす。
しかし、ホント仕事、早っ!

・・・私も今書いてます。上手く行けば、明日には投下・・・・できるといいな。
・・・でも休日出勤ww

では、お休みナサイ  ノシ
128名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 01:37:55 ID:DJcqsomV
>>125
これは・・とてもGJ・・です。
恥らう千里ちゃんもいいねえ。
129名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 05:34:59 ID:FrUVgk2S
嗚呼、報われたね千里ちゃん。
130名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 09:29:40 ID:XydcjPPc
まさに凶作リッチ
131名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 10:58:34 ID:LQ6n7pcs
凶作リッチとはつまり凶作であるがゆえにつまらない作品も素晴らしいものと錯覚(ry



あれチャイムが…宅急便かな
132名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 11:16:47 ID:NA2qmNxb
千里の魔女の宅急ry
千里のフラグが消えたので供養してあげてるんですね
GJ!
133名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 13:24:04 ID:LAr1UU4v
あの程度でフラグ消えるくらいなら
とっくの昔に消えているよ
134名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 15:42:43 ID:wFWBWGEm
消えたら2度と付きまとわれないから先生大喜び
135名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 15:44:36 ID:HeTSc7Ce
千里アンチは自重すべき
136名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:17:32 ID:fIni4Lbd
争いのもとになる千里は俺がもらっていく
137名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:19:12 ID:wFWBWGEm
>>135
いや、アンチとかそういうんじゃなくて実際そうだと思うぞ
やっかいさんって思われてるし
138名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:30:39 ID:MVRpU3zf
それを言ったら、霧やまとい、三珠やあびるだって
「フラグ消えたら2度と付きまとわれないから先生大喜び」になっちまうだろうに

てか、わざわざここで、しかもせっかくの千里SSの後に言うべきことじゃねえだろ……
139名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 17:56:05 ID:crxm5w2O
こういう雰囲気を変えるにはやはり職人さんのSS投下しかない!
というわけで、大草さんSSの続きを全力待機
140名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:04:44 ID:GnkM3FeX
最近はレベル高いSS多くて豊作貧乏ですよ困りますもっとやれ、いややって下さい。
大草さんが望まれる中、空気読まず可符香SSを投下させていただきたく候。

一応『真昼が雪』後日談になりますが、別にあんなエロ無しSS興味ねーよって人でも
そこそこ読める感じにしたいと思っとります。途中で前作臭わせる描写入ってもスルーして下され。
今回はエロありの予定ですが、今日の投下ではエロなしです。
141名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:05:27 ID:LAr1UU4v
了解っす。
142午後の紅茶 1:2007/10/13(土) 18:06:47 ID:GnkM3FeX

「それでは、糸色望先生の退院を祝して!」
千里の声高な声と共に、その場に集まる皆の腕が上がる。
各々その手に、何かしらの飲み物を持って。

『かんぱーいッ!』

キィンッ。
一斉に上がる掛け声と、涼しげなガラスの音が響きわたる。
皆近くに居る者同士で、手にしたグラスを弾き合わせた。
「ありがとうございます…」
テーブルの上座に座った今日の主役は、照れたように頭を掻いて微笑んだ。

望は数週間前まで、胃炎で入院していた身である。
退院した今では胃に優しいものならば、食事も取れるほどまで回復している。
何だかんだ望を慕っている2のへ生徒達の計らいで、今日は主催者である
千里の自宅――両親は仕事で留守との事だ――で、糸色望退院祝賀パーティと相成った。
千里の音頭が終わると、生徒達は各々料理に口を付け始める。

パーティと言えば大皿に盛られたオードブルなどを、各種好きなように取り皿に取って食べるのが主流かと思う。
だがそうすると、何でも均等にしたがる千里の機嫌を損ねてしまいかねない。
それに今回の主役は、胃炎で入院していた望である。
結果、料理は胃に優しく栄養満点「おじや」となった。
これなら千里も当分しやすいし、望も問題なく食べられる。
その点では非常に良い選択だっただろう。

だが、大勢でテーブルを囲んで食べている料理が流動食というのは、絵づら的に非常に残念である。

ズルズル…ズルズルズル…。

―――テンションの下がる咀嚼音だ。

「……すみませんね、何だか気を使わせたようで……」
無言でおじやを啜る生徒達の何ともいえない表情に、申し訳ない気分になる望。
思わず頭を下げると、望から少し離れた場所にチンマリと座っていた愛が、悲鳴じみた声を上げた。
「す、すみませんッ!私が調理に加わったばかりに、せっかくの料理を台無しにしてしまって……!
 その上先生を申し訳ない気持ちにさせて…ッ、あぁ、すみませんすみません!」」
ちなみに調理を担当したのは、麻菜実、愛、奈美、可符香、まといである。配膳のみ千里が担当した。
「やだなぁ、愛ちゃん達の作ったご飯が美味しくないわけないじゃない。ね、先生?」
望の隣に座った可符香は、青ざめる愛とは対照的に、柔らかく微笑みながら望に同意を求める。
「ええ。とても美味しいですよ」
頷いて、それを示すかのように望もお椀の中身を啜る。身体の芯から温まるような、ホッとする味だ。
他の生徒からも宥められ、愛の加害妄想はとりあえずは治まったようだ。
143午後の紅茶 2:2007/10/13(土) 18:08:04 ID:GnkM3FeX
調理に参加した面々も、褒められて満更ではないようである。
奈美は少し照れたように頬を染めている。至って普通のリアクションである。
麻菜実は少しだけ満足気に笑みを深め、愛は恐縮しているのか、ひたすらオドオドしている。
まといはパーティそのものはどうでもいいらしく、いつの間にかテーブルの下に潜り込み、
正座した望の足を凝視して微笑んでいる。もはや誰もつっこまない。
可符香は相変わらず、望の隣でニコニコと微笑んでいる。
ずるずる、ずる…。
――美味しいのは間違いないのだが、テンションの下がるSEだけはどうしようもない。
せめてレンゲか何かで食べればいいのだが、配られたのは何故か箸のみ。
どうお行儀良く食べても僅かな音は防げない。
(ぜ、絶望した――祝賀パーティとは思えない微妙な空気に絶望した…ッ!)
口にすると愛がまた半狂乱になりそうなので、胸中でこっそり絶望する望。
「ちょっと熱いですね」
可符香は相変わらずマイペースに、おじやをフゥフゥと吹き冷ましている。

――まぁ、酒も無ければ料理はおじや、というこの状況でも、
皆何だかんだと自分の事を心配していてくれたのは、薄々望もわかってはいた。
それに何より、こうして愛しい少女が楽しげな笑みで隣に居てくれるなら。
(絶望、する事もない……か)
そう思い直して、もう一口おじやを啜る。
優しい味が心の芯まで温めてくれるかのようで、望は思わず頬が緩むのを感じていた。

始まりこそ妙な雰囲気が漂ったものの、基本的にキャラの濃い面々の集まる2のへ生徒たちである。
どういう方向であれ、何かしらの盛り上がりを見せないはずがなかった。
ズルズルというSEは終始流れていたものの、後半はいつものごとく騒がしい空気が場を満たした。

――そんなこんなで、時刻は夕刻。

解散の時刻となり、皆で片付けを手伝った後、各々家路につく事となった。
「今日は本当に、皆さんありがとうございました」
解散の際、望が生徒達全員に向けた一言は、彼の心からの感謝の言葉だった。
まぁ途中で少々悪乗り気味に盛り上がってしまったものの、パーティは成功と言っていいだろう。
集まった生徒たちは、概ね皆満足気な顔で――一部乱痴気騒ぎの被害者は辟易した顔で――帰路につく。
144午後の紅茶 3:2007/10/13(土) 18:09:24 ID:GnkM3FeX
望も宿直室へ帰ろうとしたその時、さり気なく寄り添ってきた可符香にそっと手を握られた。
思わずぎょっとする望。
――望の入院以来、二人は何だかんだと色々あって、恋人同士と言える関係を結んでいた。
だがそれは、他の生徒達には秘密である。
そもそも声を大にして言うような事じゃない、というのもあるが、何よりお互いに自分の身が大事というのが本音である。
表面上、可符香は今まで通り、望争奪戦には加わっていないという事になっていた。
だからこうして、まだチラホラ他の生徒の目がある場所で手を触れ合わせるというのは、嫌ではない(むしろ嬉しい)ものの非常に心臓に悪い。
だがそこの所は抜け目の無い可符香である。ちゃんと生徒達の死角になっていない限り、こういった事はしない。
そこまで考えが及ばず狼狽する望の手に、可符香はそっと、小さな紙きれを握らせた。
手に触れる乾いた感触に、訝しげな顔で無言の問い掛けをする望。
可符香は望がメモを受け取ったの確認すると手を離し、そっと耳打ちした。

「この後二人で、改めて祝賀パーティしましょう」

それだけ早口で囁くと、可符香は羽のような軽い動作で望から離れる。
「それじゃ、またね先生!」
望に何か問う暇を与える事なく、可符香は他の生徒達に混じって歩き去ってしまった。

二人で、改めて。

「あ、う」
その言葉の意味を思わず深読みしてしまって、望は慌てて頭を振った。
(な、何を考えているのやら――彼女はまだ高校生ですよ?)
咄嗟に浮かんだ不謹慎な妄想を振り払いながら、渡された紙に目を落とす。
可愛らしい文字で「七時頃にいらして下さい」と記された紙には、どこかで見覚えのある住所が書かれていた。
「――え?」
それもそのはず。その住所は、彼が宿直室の主となる以前に住んでいた家の、隣の住所であった。
そして望は、その場所に住んでいるはずの、一人の人物を知っている。

「隣の、女子大生さんの…家?」

密かに憧れた、落ち着いた雰囲気を漂わす女性の面影が脳裏に過ぎる。
様々な疑問が次々と浮かんでくる。
望は悶々としながらも、一旦は交と霧の待つ宿直室へ帰る事にした。
とりあえず訊ねてみよう――そうすれば、自ずと疑問も晴れるだろう。

沸々と湧き上がってくる疑問や想像にやきもきしながら、七時までの小一時間を過ごす事となった。
145午後の紅茶 4:2007/10/13(土) 18:10:34 ID:GnkM3FeX

「…ここで、間違いありませんよね」
可符香の指定時刻、午後七時ピッタリに、望はメモに記された住所へやって来ていた。
何度も何度も確認したが、書かれた住所は間違いなくここ――隣の女子大生の家を記している。
「やはり、ご家族なのでしょうか」
チャイムを鳴らそうと延ばした指を彷徨わせながら、望は一人ごちる。
可符香は度々、隣の女子大生を知っているかのような言動をしていた。
望の彼女に対する気持ちも知っていた節もある。
可符香が彼女と家族であるならば、その事に何の不自然もない。
「――窺えば、わかる事ですよね」
望は覚悟を決めて、ゆっくりとチャイムを押した。

ッぽーん。

間の抜けた音。少し遅れて、ドアの向こうから女性の返事が聞こえた。
「はーい、今開けます」
パタパタと軽い足音。
その言葉通りすぐに玄関が開き、姿を現したのは紛う事なく隣の――いや、元隣の女子大生である。
以下、面倒くさいので女子大生と呼称する。
彼女は予想外の客人に驚いたようで、キョトンと目を丸くした。
「あら先生ッ、お久しぶりです。どうされたんですか?」
「ご無沙汰してます。あの…こちらに可符香さんはいらっしゃいますか?」
やはり住所を見間違えたのではないかと一抹の不安を抱えながらも、恐る恐る訊ねる望。
彼女はそんな望の不安を、驚くべき言葉でかき消した。


「可符香なら今は外出中ですけど…妹に何か御用ですか?」


「―――い、妹ッ!?」
思わず素っ頓狂に聞き返すと、彼女は事も無げに頷いて見せた。
「はい。いつも妹がお世話になってます」

「で、ですがあのッ、唐突過ぎませんかその設定!
 今までそんな話、これっぽっちも出て来ませんでしたよ?」
「えぇと…そんな事言われても困ります。事実可符香は私の妹なんですから」
本当に困ったように眉をハの字にする女子大生。
望はそんな彼女の様子に、慌てたように両手をパタパタと振った。
「す、すみませんッ。いきなりだったもので、つい動揺してしまって…。
 そうですよね、妹なら仕方ないですよね」
何が仕方ないのか自分でもわからなかったが、望はとにかくこれ以上彼女を困らせないよう必死に言い繕う。
納得してもらえて安心したのか、女子大生はホッと息を吐いた。
「妹に御用でしたら、良ければ上がってお待ちになって下さい。汚い所で申し訳ありませんが」
「い、いいえいいえ!滅相もありません。ありがとうございます」
望は恐縮しながらも、内心ドキドキしながら玄関をくぐった。
146午後の紅茶 5:2007/10/13(土) 18:11:43 ID:GnkM3FeX

汚いどころか良く掃除の行き渡った家である。
望を居間に通すと「お茶を入れてくる」と言い残し、彼女は台所へ引っ込んだ。
緊張した面持ちで、どうぞと薦められたクッションの上に腰を下ろす。
仄かに感じる、女性宅特有のどこか甘い香りに、余計に妙な気分になってしまう。
(あああ、何を考えてるんだ私は…!!絶望した、節操のない自分に絶望したッ!)
「先生、ミルクティーで良いですか?」
「っへ!?あ、はいッ」
台所から聞こえる女子大生の声に、疚しい気持ちを読まれたような錯覚に陥って、思わず返事が裏返ってしまった。
高鳴る動悸を抑えようと、必死に胸中で「落ち着け、落ち着け…」と呪文のように繰り返す。
少しすると、女子大生はお盆に二人分のマグカップを乗せて戻ってきた。
「お待たせしました」
「――ありがとうございます」
今度はどうにか落ち着いた声音で答える事が出来た。
望は差し出されたミルクティーで、緊張で乾いた喉を湿らせた。
「あの、妹さんは今どこに居るかご存知ですか?」
時間を指定までしておいて、本人が居ないとはどういう事だろう。
至極当然の疑問を投げかけると、女子大生は「うぅん」と小首を傾げて、
「今日はお友達の家でパーティがあるって、お昼頃に出かけてから……まだ戻ってきていないんです」
「えぇ?」
つまり可符香は、望と別れてから一度も帰宅していないという事か。
姉に詳細までは伝えていないのか、望がそのパーティに出席していた事を彼女は知らないようである。
「そのパーティ、私も出席していたんですよ」
「そうなんですか?」
出席も何も主役である。
「解散したのが六時前――妹さんは、一度も帰ってきてないんですか?」
神妙な面持ちで再確認すると、女子大生は戸惑うように頷いた。
「はい……変ですね。何か他に用事があったんでしょうか」
「でも私を呼び出したのはあの子です。時間まで指定したのに、帰ってないのはおかしい」
望は言いながら、携帯電話を取り出して、可符香の番号にコールする。
すると、何処からかハマショーの着歌が流れてきた。
―――何故自宅から、可符香の携帯のコール音が流れるのか。
「あっ。あの子ったら携帯忘れて行ってる」
女子大生は口元に手を当てて、鳴り響く妹の携帯があるであろう二階の部屋を仰ぎ見た。
あちゃあ、口の中でぼやきつつ、携帯を仕舞う望。
「仕方ありませんね。少し、表を探してきます」
そう言って立ち上がる望の袴の端を、女子大生はおずおずと掴んで引き止めた。
「あの――もう少し待ってみませんか。あの子の事だから、心配するほどの事でもないでしょう?」
147午後の紅茶 6:2007/10/13(土) 18:13:06 ID:GnkM3FeX
確かに可符香なら不埒な輩に絡まれても、逆に相手を懐柔してしまいそうではある。
だが万が一というのもある。可符香とて年端の行かぬ少女である事にかわりはない。
何より望は、以前心を寄せていた女性(しかも現恋人の姉)と二人きりというこのシチュエーションに、限界を感じていた。
「何かあってからでは遅いですしね。やっぱり、ちょっと見てきます」
答えて歩き出そうとするものの、袴を握る彼女の手には余計に力がこもるばかりだ。
望はさすがに戸惑って、訝しげな顔で女子大生を見下ろした。
「あの…」
「先生、待ってください……、待って」
どこか切なげな声で、なおも望を引き止める女子大生。
俯いた彼女のうなじに掛かる、一つに纏めた長い髪が美しい。
くらりと眩暈を覚えるも――すぐに頭をぶんばぶんばと頭を振りかぶり、必死に雑念を頭の中から追い払う。
「どどどど…ッ、どうかされましたか?」
「あの……わた、私――ッ」
声を上ずらせて望を見上げる彼女の瞳は、しっとりと潤んでいる。
小さく開いた唇から覗く、赤い舌が艶かしい。
蟲惑的とも取れる表情に、望はもはや動機を抑えられなかった。
ミルクティーで潤したはずの喉は、とっくにカラカラに乾いている。
「お、お姉さん――」
呼びかける声は掠れていた。それが緊張によるものか――興奮によるものか、望にはまだわからない。
彼女は何か言おうと唇を開く。
「…は…ぁ…ッ」
だが、薄く色づいた唇からは熱い吐息が漏れるのみ。
それでも何か紡ごうと、なおも口を開こうとする女子大生だったが――

「……ッ」
苦しげに眉根を寄せると、彼女はグッタリと床にその身を投げ出した。
長い髪が、床に広がる。

「お姉さんッ!?」
望は慌ててしゃがみ込み、ほっそりとした身体を抱き起こす。
望の腕の中で苦しげに胸を上下させる彼女の顔色は、やや青白い。
「大丈夫ですか!?すぐ、お医者様を―――」
「だ…大丈夫、です。きっとただの貧血、でしょうから……」
か細い声で答える女子大生は、きゅっと望の着物を握り締めた。
「あの――お願い、します。少しだけ…一緒に居てくれませんか…?……心細いんです―――」
弱々しいながらも、必死に縋りついてくる彼女を置いていけるはずがなかった。

「……はい、私でよければ」

脳裏に過ぎる愛らしい恋人の姿に心を痛めながら、望はゆっくりと頷いていた。
148午後の紅茶 7:2007/10/13(土) 18:19:34 ID:GnkM3FeX

チッチッチッチ―――
時計の針が時を告げる音が、嫌に大きく聞こえる。
立ち上がれない程に脱力してしまった女子大生を抱き上げて、二階の彼女の部屋のベッドに寝かしつけたのが、つい今し方の事。
望はベッドに横たわる女子大生の顔を、苦虫を噛み潰したかのような表情で見つめた。
ハァハァと荒い息を吐いているその様子は、おそらく貧血ではなく風邪か何かによる発熱だろう。
薄っすらと頬を赤らめて、汗で額に張り付く髪を気だるそうに取り払う姿はどこか妖艶だ。
「……すみません、ご心配おかけして」
「いいえ、そんな」
ベッドの傍らに膝を付いていた望は、彼女のその一言を切欠にするように立ち上がった。
すると彼女はとたんに心細そうに眦を下げ、泣き出しそうな表情になる。
その表情に胸を締め付けられながら、望むは痛みに耐えるようにぎゅっと拳を握り締めた。
「……どちらへ行かれるんですか?」
「か、看病に必要なものを買ってこようかと」
答える声は、情けなく裏返っていた。
嘘ではない。嘘ではないのだが、彼の中で事の優先順位は彼女の看病よりも、恋人の捜索に傾いている。
その事を恥じる事はないのだが、今こうして苦しんでいる恋人の姉の姿を前にすると、どうしても罪悪感を拭えなかった。
ざわつく感情を振り払うように一歩、足を踏み出す。
「待って……ッ」
するとすかさず女子大生の手が望の袴に伸び、逃がすまいとしっかり握り締めてくる。
まるで親に置き去りにされたかのような気弱げな表情を浮かべる彼女を、望は心底困り果てた表情で見返した。
「少しの間だけですから……」
そう言ってもう一度しゃがみ込み、安心させるように頭を撫でる。
袴からは手を離してくれたものの、今度は直接望の手首を握り締める女子大生。
手首から感じる彼女の体温は、望のそれより随分と熱い。
「嘘です――妹を探しに、行くつもりなんでしょう」
まるで非難するかのような言い方に、望は思わず聞き返した。
「先ほどもお伺いしましたが、お姉さんは妹さんが心配ではないのですか?」
「あの子の事ですもの。心配なんてしなくても大丈夫ですよ。
 あの子は何だって、一人で全てどうにかしてしまうもの」
言われて考え込む望。確かに、彼女の言う事も一理ある。
可符香の飄々とした態度を見ていると、確かに彼女に怖いものなどないように思えてくる。

だが――それでも、望は知っている。
姉と同じかそれ以上に、彼女が寂しがりやだという事を。
夜、肌寒い秋の夜長。月明かりの射す保健室。
泣きながら必死に自分に縋り付いてきた、月明かりに青白く染まる彼女の顔を、忘れられるわけがない。
149午後の紅茶 8:2007/10/13(土) 18:21:30 ID:GnkM3FeX

望はゆっくりと、申し訳なさそうに頭を振った。
「すみません……やはり、心配なので……」
望の答えに、女子大生は戸惑ったように喉の奥で息を詰まらせた。
「どうしてそこまで、妹の事を心配してくれるんです……?」
「それ、は」
ずばり問われて、望は思わず返答に詰まった。
そう――確かに、彼女の姉である彼女には、いずれ二人が恋仲だと告げなければならない。
けれどそれを躊躇するのは、恥じらいや、彼女と自分が教師と生徒の間柄であるという事以上に、

何よりも、自分はまだこの女性に対する想いを――完全に捨てきれていないのではないか。

「やっぱり私の勘違いだったんですか?
 先生が、もしかしたら私の事――好いてくれてるんじゃないかって、思ってたのに……」
「!!」
そんな内心の葛藤に追い討ちをかける様な呟きに、望は思わず驚愕に瞳を見開いた。
硬直する望の手首をより強く握り締めて、彼女は上ずった声で畳み掛ける。
「勘違いだったとしても良いんです。わ……私は確かに、先生の事が――ッ!」
感極まったのか、勢いに任せて身体を起こし、望ににじり寄る女子大生。
だがやはりまだ自由に身体を動かせないのか、すぐにくたりと力尽きてしまう。
「ッ! お、お姉さん!?」
ベッドから落ちかけた彼女の身体を咄嗟に支えようとするも、突然の事だった為に、望もバランスを崩してしまった。
そのまま、なし崩しに床に転がる二人の身体。

ッごべ!

「わぐっ!」
強かに後頭部を打ちつけ、妙な呻きを上げる望。カーペットが敷かれているとはいえ、痛いものは痛い。
だがその痛みも、すぐに自らの身体に押し付けられた女体の柔らかさに掻き消された。

「――あは。押し倒しちゃいましたぁ…」

女子大生は何か吹っ切れたような表情で望の顔を覗き込み、
より強く、自らの身体を望のそれに押し付けた。
150名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:25:21 ID:GnkM3FeX
一区切りです。読み専に戻るとか言いつつまた出張って申し訳ない。
次回投下はちと先やもしれません、書き溜め分全部投下したもんで。
今度はあまり長くならないと思います、多分。

あと、自分のMADの所為で迷惑かけたみたいでごめんなさい、本当に…。
151名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:30:21 ID:XydcjPPc
より強く、自らの身体を望のそれに押し付けた。

ここまで読んだ
152名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:30:24 ID:WmPbAgMq
リアルタイムGJ!!
期待してますぜ
153名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:53:39 ID:JR1u44mG
               __
           ,. -'"´      ` 、
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      /      ,/ .,、  /l |ヽ       l
    //   ,_-|、/ |  / l,、l ヽ      |
   '"´/´.l   //  i/ .|  / '´ヽl``|      |
      |    {   /_ | /__j_ |      .|
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        l    (__人__)    // /"ノ l  <  ご奉仕するにゃん!
         `,、_          ,r、/ , {    \
        ノ , ̄`ー-,   ,- '"´   .|l |     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       .///    ,l  ゙、      | ゙、 l
  、_,,-'"-'" 丿 ,.-<"、_  >、   .丶`、ゝ
      ,. -'" /  ヽ    ̄ '" \  \ ヽ

154名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 19:41:30 ID:u4xdHmiK
>>125
GJ!千里はかわいい、異論はあるだろうがかわいい
この千里は特にかわいい素晴らしいありがとうございます
155名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:16:33 ID:tW/SZFKZ
真昼氏お帰りなさい。今回はエロエロだとのことなのでティッシュ準備しときます!
156名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:19:22 ID:3PPLVdFK
そうか・・・前回は涙をぬぐうために使ったティッシュを
やっと本来の目的のために使うことができるのか・・・感慨深いぜ・・・
157名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:24:23 ID:DJcqsomV
>>150
話の運びうまいなあ。
もっと読みたいという気分にさせる作品はスゴイ。GJですよ。
158名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 22:08:22 ID:2Gvlgqr/
倫は着衣でバック挿入、カフカはボールギャグかまして痛めに縄化粧
カエレは強制M字開脚で胸の揺れるように犯すのがポイントで
加賀はほっといても自分から騎乗位に乗っかってくれるシチュが良いと
信じている。
159名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 22:29:16 ID:pIxikc43
>>150
真昼さんおかえりなさいっす! 
女子大生が・・・・・・・・何だかスゴい事になりそうな予感が・・・・
160305:2007/10/13(土) 22:42:56 ID:pIxikc43
お疲れ様です。

えーと、投下する前に少しだけ語らせて下さいw
私はかねがね、<エロ>が書けない奴でした。書けないから仕方ないか、と思いつつ投下する日々を送っていましたが、
ナゼ、書けないのか調べてみました。
430氏の作品の、濡れ場の下りを幾度かトレースさせてもらいました(430氏ゴメンナサイorz)
結果――女性の台詞でつまずく事が分かりました。
どうしても、そこで思考が停止してしまい、書けない――― という、致命的な原因に気が付きまして・・・・

ですが、
基本的に喋らない女性・・・・なら、と思いつき、三珠さん!! と浮かび上がり、――あとは妄想の赴くまま書いてみまして、
・・・・何とか完成しました。

真夜ラーの方すみません! これは、真夜じゃない! と思われたらスルー推奨でお願いします!

私の中では、真夜は、 ・乱暴に見えるが、本人は暴力のつもりはない。
              ・照れ屋に思える。赤面しやすい。やや内向的。
              ・涙もろい。内面は繊細な部分多い。
              ・意地悪するのが好き。好きな相手を困らせたい。
と、なってます。

――では。全身全霊かけて予防wした所で、投下いたします。
   真夜×先生 エロ 長い(多分12スレ位)となります。m(_ _)m 
161「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 22:52:59 ID:pIxikc43
体育用具室の戸は、建て付けが悪い。
先生は両手を戸の端にかけ、一気に引っ張った。
シュガララッ! バム!
大きな音と共に、薄暗い用具室に光が差し込む。
「・・・・!」
室内で何か動いた事に気がつき、先生は目を凝らす。
「・・・誰かいるのですか?」
返事は無い。
だが、入り口から射しこむ光の範囲から逃れるように、壁際の薄闇からこちらを見つめる瞳があった。
半月型で、切れ長の瞳が光を反射し、先生の方を見ている。
「・・・・あ・・・三珠さんでしょうか?」
少し目が慣れると、シルエットしか分からなかった姿が、制服姿の女生徒であることが判別できた。
真夜は無言で、両手にバットを数本抱えてこちらを見ている。
先生は小首をかしげた。
「はて? 三珠さんは運動部でしたでしょうか?」
先生の言葉に、真夜は自分の抱えているバットを見た。
「あ! いやいや。別に部活動でなくとも使うのは良いですよ。まあ、夏休みですし、授業で使う事もありま
せんからね。」
先生は柔らかい口調でそう言って、用具室の中に入ってきた。

真夜はジッと佇んだまま、目だけで先生の姿を追っている。
「・・・校舎裏の日陰に建っているとはいえ、さすがに蒸しますねえ。」
先生はひとり言のように呟きながら、ふところからノートを一冊取り出しページをめくる。
真夜は抱えていたバットをスタンドに戻し、先生の脇からノートを覗き込んだ。
『死に るるぶ』と書かれた表紙が目に入り、真夜は首をかしげた。
真夜に気が付いた先生は苦笑を浮かべ、
「・・・ここは先生が先に見つけたスポットですから。譲りませんよ?」
不思議そうに無言で自分を見上げる真夜に、先生は指差しながら説明を始めた。
「まず、立地が良いですね。校舎裏にひっそりと佇み、用が無いと人が近づきません。用がある人でも、来
る時間帯は限られます。・・・・・・・つまり、発見されにくいと言えますねぇ。」
次に、先生は天井を指し、真夜もつられて天井を見上げる。
そこには、何かで使う長い棒がまとめられ、用具室を斜めに横切って吊るされている。
「縄をかけるのに丁度いいと思いませんか? おあつらえ向きに、跳び箱・平均台・その他、踏み台になり
そうなものは十分揃っています。・・・・先生の評価としてはAクラスですよ。」
満足げにそう言って、先生は真夜に背を向けて、窓の方へと移動する。
「なので、こうして時々見回っているわけですよ。この窓とか・・・・・・」

先生の言葉を聞き流しながら、真夜は何を思ったか、側にあった跳び箱によじ登り出した。
窓の鉄格子をチェックしながらぶつぶつ言う先生を見下ろして、真夜はポケットからハサミを取り出した。
跳び箱の上で背伸びをして、棒を吊るしてあるロープにハサミを入れる。
何度もギコギコこじっているとやがてロープが切れ、吊るされていた棒の片端が、先生の脳天を直撃した。

「どおおっ!?」

少し間の抜けた悲鳴を上げ、先生は落ちてきた棒の束の下敷きになり、のびてしまった。


真夜は嬉しそうに笑みを浮かべると、跳び箱から降りてきた。
先生の側にしゃがみ込み、袖口を掴んで、ついついっ、と引っ張る。
ピクリともしない先生に首をかしげ、おもむろにふところから着火マンを取り出すと、とりあえず手近にあっ
た体操マットに火を付けた。
少し湿り気味のマットだが、しばらく火を近付けていると何とか燃え移り、煙を上げ始めた。
真夜は目を少し細めて微笑んだが、
「何をしてるんですかぁ!?」
気絶していたと思っていた先生が突然叫び、真夜は驚いて着火マンを落としてしまう。
先生はマットの煙を上げている部分を手で叩き、火を消した。
「三珠さん! あなた・・・・・・」
無言で自分を見つめる真夜を見て、先生は何か言いかけてやめた。
162「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 22:54:56 ID:pIxikc43
しばらくして、
「・・・分かってますよ三珠さん。―――ですが、この場所は焼身を行なうのは不向きです。・・・先生に相談
してくれれば教えたのですが・・・・・・はっ!!」
先生は何か思いついたように真夜を凝視する。
「―――光栄ですが、私は焼身での心中は望んでいないのですよ。申し訳ない。」
ただ自己完結しただけなのか、それとも頭を打ったショックが抜けきっていないのか、そう結論付けると、先
生は真夜が落とした着火マンを拾う。
真夜が視線で先生の動きを追っていると、先生はふと天井を見上げ、真夜もその視線の先を追う。
そこには先ほど切り落としたロープの片割れが、ぶら下がっていた。
「・・・・どう見ても、刃物か何かで切り落としたような跡ですが・・・・・・まさか!?」
先生は、ぐるんっ! と真夜の方を振り向き、真夜は思わずびくっ! と身体をすくませた。
「三珠さんじゃありませんよね!? あ! ちょっと!」
先生の大声に、真夜は慌てて立ち上がったが、片手を掴まれてしまう。

カシャン・・・・・!

その拍子に、ハサミが落ちてしまい、軽い音を立てた。

しばし時が止まり、二人は無言で落ちたハサミを見つめている。
先生の首が ぎぎいっ と、ぎこちなく真夜の方を向いた。
「・・・そ、そうです! 証拠が揃いすぎてますから! ・・・・しし、しかし! 取り合えず、もう他には持ってま
せんよね!? これ以上証拠は出ませんよね!? ・・・・ちょ・・・っと、ポケットの中の物を全部出してみな
さーい!!」
先生は、ガバッ! と立ち上がり、片手を掴んだまま、真夜に詰め寄る。
真夜は逃げようとしたのか身をよじり、

カタッ・・・!

上着の内側から着火マンが、もう一つ転がり落ちた。
先生の顔が真っ青になり、パニック状態になったようだった。
「・・・うそですよね!? とと・・・とりっ! とりあえず、危ないものは全部先生に預けて! あなたは見つか
らないうちに帰って―――」
カクカクと動きながら、先生は真夜のポケットを調べようと手を伸ばし―――
真夜は当然、抵抗しようと後ずさり―――

「あ! わわわっ!?」

足元の後ろにあった体操マットに気が付かず、真夜は仰向けに転んでしまう。
その手を掴んでいた先生も引き倒されるように倒れるが、何とかマットに手を付いてこらえた。

真夜は頭でもぶつけたのか、痛そうに両目を閉じ、まぶたの端からは涙が滲み出ていた。
「・・・す、すいません! 大丈夫で・・・・・し・・・・・・・」
先生は少しパニックが収まったのか、目に冷静さが戻り、自分の状況を確認する。
真夜は、体操マットの上に横たわり、自分は半ば覆いかぶさるように、彼女の上にいた。
転んだ時に乱れたのか、スカートは下着が見えそうなほどに捲くれ、細い足が腿の付け根までさらけ出され
ていた。
そして、自分の右手は、真夜の上着の裾をまくり上げながら中に入り込んでおり、細く白いウエストまわりが
、薄暗い部屋の中でもはっきりと目に飛び込んでくる。
指先に当たる布のような感触は―――胸を覆う下着・・・・だろうか。
蒸し暑い中で動き回ったせいか、しっとりと湿り気を持つ真夜の肌の感触。それが、余計に少女に触れて
いる事を実感させられる。

その姿勢のまま動けなくなってしまった先生は、真夜が目を開け、自分の方を見た事に気が付くのが遅れ
た。
真夜は自分の姿を悟ると、表情こそ普段のままだったが、目と頬の間がほんのりと赤く染まっていた。
先生は声が出せず、取り合えず上着の中に侵入してしまっている手を抜こうとして、
ふにゅ
手が震え、少女の柔らかな脇腹の辺りを少し握るような動作をしてしまった。
真夜は驚いたのか、体を硬直させる。
163「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 22:56:54 ID:pIxikc43
さっきまで涙目だった瞳がさらに潤み始め、先生の顔を見上げた。
(・・・・・三珠・・・さん・・・・。こ・・・・この感じは以前にもどこかで・・・・! いやいや! そんな事考えてる場
合では・・・・・・!)
真夜を見つめ、硬直したまま内部葛藤に陥ってしまった先生に、真夜は少し気恥ずかしそうに、顔を伏せ
―――
その途端、ギョッ! と、元々大きい目をさらに見開いた。
見る見るうちに、湯気が出そうな勢いで、その顔が赤く染まってゆく。
「・・・・・・・・?」
先生は訝しそうにその視線の先を追い―――

「なああああああっ!?」

瞬間、硬直状態が解け、先生は絶叫を上げた。

真夜の視線の先―――
それは、先生の足の付け根あたり。
もはや、ハカマの中からでも、隠しようがないほどそびえ立った自分の――――――絶棒。

真夜は呆然としたように、目がそこに釘付けになってしまっていた。
先生は慌てて前かがみになり、両手で覆い隠す。
「・・・・あああ! すいません! これはその・・・・・!」
慌てて取り繕うとしたが、真夜が固まったまま自分を見つめている事に気が付き。
「ああああ!! 絶望した!! 証拠過多なくらいの節操無しを曝してしまった自分に絶望したぁー!!」
真夜が止める間もなく、叫び声を上げて用具室を飛び出して行ってしまった。

真夜は先生を止めようと差し出した手を、所存無く空に漂わせていたが、やがて手を下ろし、まだ顔を赤ら
めたままで、制服の乱れを直した。

ふと、脇を見ると、先生が落としていったノートが目に入った。
ノートを拾い、マットに腰を下ろすと、真夜はゆっくりとページをめくって読み始めた。

やがて、あるページで真夜の手が止まる。
何事か考え込み、しばらくするとノートを閉じて、少し笑みを浮かべて立ち上がり、用具室を出ていった。

/////////////////////////////

先生は宿直室の自分の部屋に仰向けに転がり、力の抜けた顔をしていた。
 あれから、夢中で男子トイレに駆け込み、手洗い場で頭から水を被って、一心不乱に経文を唱え、壁に頭
を打ち付けたりして、どうにか気分が収まった時には、すでに、とっぷりと日が暮れていた。
夏休みで他に生徒がいなかったのが唯一の救いだった。
そして今、誰もいない宿直室で一人、頭を悩ませていた。

(・・・・三珠さん・・・・・。どうも、彼女が分かりません。見た目は悪い子ですが、本当は違うと・・・・思うので
すが、どうも言動に怪しさが満載で―――   まあ、悪さをする年頃もあるのでしょうが――いや! 悪い
子と決め付けてはいませんが。 ・・・・・うーむ。・・・どうしても彼女を見ているとハラハラドキドキで、本当に
分かりません・・・・・・・・・)
先生は頭を掻きむしった。
(・・・ええい! 考えていても分かりません! 今度会ったら、ちゃんと謝ってから、もう少し話を―――)

―――コトン

部屋の入り口から小さな音が聞こえ、先生は思わず起き上がった。
時計を見ると、いつの間にか、時刻は0時を回っていた。
(・・・気のせい・・・・・・でしょうかね?)
そう思いつつも、念のためそっとドアを開けてみる。

廊下は静まり返り、人の気配は無い。
「・・・・気のせいですか。―――おや?」
164「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 22:58:33 ID:pIxikc43
足元にノートが一冊置かれているのに気が付き、拾い上げる。
「これは、私の『死にるるぶ』? どこかで落としたものだと思ってましたが・・・・・・」
そこで、ノートに何かが挟まっている事に気が付いた。
そこのページを開くと、
「・・・ハサミ・・・・ですね・・・・。しかも、名前が入ってますが。」
先生は苦笑を浮かべる。
そのページは、学校のプールの情報をまとめてある所だった。
そして、ページには大きく折り目がつけられていて、先生は眉をひそめた。
「・・・なにやら意味深・・・ですね。・・・・・・これを持って来たのは三珠さんでしょうが・・・・・・」
先生はしばらく考え込んでいたが、
「・・・行ってみますか。」
ぽつりと呟き、プールへと足を運んだ。


外へ出ると、見事な満月が頭上に鎮座していた。
いつもなら、懐中電灯が無ければ良く見えないほどのプール近辺だが、月明かりのおかげで何とか歩ける
ほどには様子が見て取れた。
風はあまり無く、うだるような―――とまではいかないが、少々蒸し暑い夜の空気の中、先生はプール前に
たどり着き、様子を伺う。
周りを囲うフェンスと樹木にさえぎられて、わずかな隙間からしか様子を伺えない。
が、
「あれは・・・・・!?」
そこから見えたのは、こちらに背を向けてプールサイドに佇む少女・・・・・に見えた。
「・・・・みたま・・・・・・・」
先生が声を掛けようとした瞬間、その姿が、ゆらりと動き、

大きく水音が上がった。

「・・・まさか!? 飛び込んだ?」
先生は慌てて入り口の方に廻り、プール場内に駆け込む。

静まり返った水面は暗く、浮かんだはずの波紋ももうおさまり、僅かに波を立て、そこに映った満月の姿を
揺らしていた。
目を凝らし、水中の様子を伺うが、水中は暗く、ほとんど分からない。
「三珠さんー!?」
先生は、水際に手を付き、顔を水面に近づけ、真夜を呼んだ。

一呼吸おき―――

水中から白い手が伸び、先生の襟元を掴むと、グイ! と力を込めて引っ張られる。

再び激しく上がった水音と共に、先生はプールに落ちていた。
「ごぼぼぼっ!?」
必死に抵抗しようとして息を吐き出してしまい、先生は慌てて呼吸を止める。
暴れると余計に苦しくなると刹那に判断し、体の力を抜いて目を開けた。
自分の襟首を掴む白い二本の手と、その向こうに猛禽類を連想させる鋭い目が月明かりを反射していた。
(・・・やはり・・・三珠さん?  まさか、一緒に身投げしてくれと!?)
真夜は水底を蹴りながらプールの中央まで先生を引っ張ってゆき、そこで浮上した。

軽い水音を立てて、二人の頭が水面に出た。
同時に、先生は大きく口を開き、空気を吸い込む。
なんとか足が着く深さであることに気がつくと、ほうっ、と息をついて真夜の方を見た。
真夜の方もかなり苦しかったのだろう。ぜいぜいと息を吸い込みながら、――こちらは足が着いていないら
しく、先生の肩に掴まったまま水に浮いているようだった。
「・・・・・・三珠さん。一体何を・・・・・?」
真夜の呼吸が落ち着くのを待ち、先生は口を開いた。
それには答えずに、真夜は先生の両肩を掴んだまま、少し微笑んだようだった。
真夜の体は浮力で浮いているため、その顔も先生と同じ高さにある。
先生が次の言葉をかけようとするより早く、真夜は腕を曲げ、すいっ、と先生に顔を近づけて、そのまま唇
を重ね目を閉じた。
165「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 23:06:32 ID:pIxikc43

先生はあまりの事に固まってしまう。
肩に置いていた手をそのまま背中に伸ばし、真夜は先生の体を抱きしめた。

先生の目の前には、閉じた真夜の瞳がある。
美しく並んだ睫毛には水滴が宿り、月光を含んで輝いているように見えた。
無意識に先生の手が真夜の背中に伸び、そっと抱え込んだ。
真夜の冷えた唇が小さく震え、微かに吐息が漏れた。
背中に回した手に力が篭り、先生の体を強く引き寄せる。

サプン・・・・・・・サプ・・・・・・・
かすかに聞こえる水音が静まり、プールの水面は静けさを取り戻した。



―――水を吸った服は重い。
プールから上がった時の第一の感想はそれだった。
先生は服と同じく水を吸った草履と足袋を脱いで、休憩用に敷かれているポリマットに座り込んだ。
真夜も先生にならい、靴と靴下を脱いでマットの上に上がる。
時折、パタパタと、水滴がマットに落ちる音をさせ、真夜は先生の隣に膝を抱えてちょこんと座った。
先生は真夜の顔を見ることができずに、視線をそらして眼鏡の水気を飛ばしていた。

―――キュ

マットの軋む音に振り向くと、自分を見上げている真夜と目が合い、真夜は慌てて視線を外した。
先生は、頬を指で掻きながら、真夜に話しかける。
「・・・・えー、その・・・・昼間は失礼しました。あんな醜態をお見せしてしまいまして・・・・・」
先生の言葉に、真夜は視線をそらしたまま小さく首を振った。
「何と言うか、まあ・・・・・その、普段の印象と違って、三珠さんがとても可愛らしくて―――あ! いや!
失礼! 普段がどうとかいうわけでは決してなく! ・・・・いえ、だからと言って、生徒にあんな姿を見せるな
んて、私はもう教師として情けなく・・・・・・・まあ、その・・・・」
弁解になっていないような先生の言葉を聞いて、真夜は少し赤くなり、キョロキョロと何かを探すようにまわりを見回す。
先生はそんな真夜に気がついて、
「―――三珠さん? もしや・・・・その・・・。バットか何かを、お探しだったりしますか?」
先生に指摘され、真夜はハッとしたようにその顔を強張らせた。
僅かに苦笑が混じった微笑みを見せ、先生は真夜に声をかける。
「・・・先生、何となくあなたの事が分かりかけた気がします。先生は、その・・・・・・死にたがる事で誰かの気
を引こうと、ね。・・・・・三珠さんは―――」
先生の言葉に、真夜はバツが悪そうに、うな垂れた。
「・・・・それが、元から、あなたの表現なのですから、そんなに気にしないで良いですよ。――でも、まあ、何
か他の方法も、考えてみると良いかもしれませんが。・・・いや、無理にする事は無いですよ? ただ、分か
ってもらえる事が少ないかも知れませんが・・・・・」
半分、自分に言い聞かせるような先生の言葉に、真夜は少し考えこんでいるようだった。
そして、何か思いついたのか、すっくと立ち上がる。
「ちょ? 三珠さん?」

―――とすっ

軽い音を立てて、真夜は先生の膝の上に腰を下ろした。
「・・・・・・・・・・・・三珠さん?」
真夜は先生には背中を向けたままだったが、耳たぶが赤く染まっているのが分かる。
先生は、戸惑いながらも、それに触れたくなりそっと手を伸ばした。
軽く触れると、真夜は、ぴくっと肩を震わせたが、先生の手に自分の手を添え、顔を挟みこむように頬に当
てる。―――長い指先が真夜の唇に触れ、形を確かめるようにその上をなぞる。
もう片方の手が真夜の頬を優しく撫で、少し丸みを帯びた顎を支えて、真夜の顔をゆっくりと横に向かせた。
166名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:08:23 ID:8fKg0Yy0
支援?
167「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 23:08:54 ID:pIxikc43
すぐ側に先生の顔があった。
真夜は少し緊張した面持ちのまま、目を閉じる。
すうっ・・・と、音も無く、先生の唇が真夜の唇に触れた。
先生は真夜を包むように両手を廻し、片手で真夜の手を握り締め、もう片手は真夜の水を吸って重苦しくな
った髪を梳かすように撫でている。―――ガチガチだった真夜の肩から、しだいに緊張が解けていく。
小さく滑らかな真夜の唇を味わうように、時折甘く噛んだり、舌先でなぞるたび、真夜は唇を小刻みに震わ
せていた。
必死で息を止めている真夜に気が付き、先生はゆっくりと唇を離した。

「・・・・・すみません。」
その声に、真夜は少し眉を寄せて目を開けた。
先生は表情を曇らせて、申し訳なさそうに真夜を見ている。
「――今、完全に・・・・・教師と生徒という立場である事を忘れていました・・・・・・・」
自分の唇を噛みしめてそう告げる。

真夜はびっくりしたように目を見開いた。
「自分の教え子に、こんな事を―――」
先生の言葉が終わらないうちに、真夜は激しく頭を振り、先生の胸を叩いた。
見上げた瞳から、じわり、と涙が湧き出しこぼれ、真夜は慌てて、袖で拭った。
先生はかける言葉が見つからず―――、真夜は、腕で目を押さえたまま―――、お互いに顔をそむけた。

しばらく、どこからか聞こえてくる、ジー・・・、という低い虫の音だけが聞こえていた。

真夜は、膝の上でこぶしを握り締め、何事か考えているようだったが、やがて、意を決したように先生の膝
から降りて隣に座りなおした。
先生はそれに気が付き、首を傾げて真夜を見る。
真夜は先生に背を向けたままで、胸元に手をやり、制服のリボンをほどいて抜き取った。
水を吸ったリボンは、マットの上に、くたり、と置かれる。
「・・・・・み!」
先生は息を飲んで口を開こうとしたが、真夜は先生の手を。ギュッ・・・ と握り、自分はマットの上で仰向け
に体を横たえる。

口元を横に結び、頬を染めて、真夜は先生をジッと見上げた。

真夜の行動を理解し、先生は慌てふためく。
「・・・みみ、三珠さん!? それは・・・! 私たちは、教師と、生・・・・・・」
そこまで言いかけて、真夜の潤んだ瞳に気が付き、先生は吸い込まれるように彼女の瞳の奥をのぞいた。

立場の話を持ち出して、この場を去る事はたやすい・・・・・が。
戸惑い、考えてしまう―――、それをしたら、真夜は――――――

真夜の瞳は表情を変えない。ただ、自分を真っ直ぐ見つめていた。

「・・・・三珠さん。」
先生は真夜の背に手を差し伸べ、ゆっくりと抱え起こした。
真夜は、何もいわずに先生を見ている。
「・・・私は、どうやら、―――あなたと離れたく無いようです。」
そう言って、真夜の小柄な肩に手をまわし、抱きしめた。
「一時の気の迷いなどではありません。・・・今、心底。そう感じています。」
真夜は唇をギュッと噛み締め、先生の胸に顔をうずめた。


168「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 23:10:28 ID:pIxikc43

(・・・こんな・・・・か細い子だったのですね・・・)
湿った上着に手こずりながら、何とか脱ぎ去った真夜を横目で見て、先生は胸の中で呟く。
肩幅も狭く、なで肩気味で、その腕も、手で握り締める事が出来るのではないかと思えるほどだった。
胸の辺りはやや丸みを帯びたラインが伺えるが、腰にかけては、最小限の肉しか付いていない。
真夜が、先生の視線に気が付き、二人は慌てて同時に目をそらす。
水分を吸って重くなった服と二人が格闘している音だけが聞こえている。

「・・・・・・・えっと・・・振り向いてもよろしいですか?」
真夜の返事は無かったが、先生は様子を伺うようにゆっくりと振り返った。

真夜は、まるで胎児のように体を丸め、横たわっていた。
胸の膨らみを両手で覆い隠すようにして、目は半分閉じ、恥ずかしそうに視線をそらしている。
着ていた服が残した水が、幾つもの水滴となって肌に残っており、その一つ一つが月の光を含み、輝いているようだった。
短い髪は重苦しく額に張り付くように垂れていたが、それが余計に、真夜の表情と相まって、愛くるしく感じられ、先生は息を飲んだ。

「―――とても・・・可愛らしいです。」
そう言って、真夜の肩から腰のラインを優しく撫でる。
水滴がその肌をこぼれ落ち、マットの上に広がった。
「・・・・そして・・・とても・・・・・・いとおしいです。」
真夜は口元をほころばせた。
先生は包み込むように体を重ね合わせると、真夜はその腕の上に、人差し指でなぞりを入れた。

 まよ

そう書いた事に気がつき、先生はたまらず真夜を強く抱きしめる。
「・・・真夜・・・さん。」
真夜は微笑みながら、先生の腕を抱えた。


明かりといえば、はるか頭上から射す月の光だけ。
ふと、夢でも見ているような気を覚えてしまう薄闇の中、二人はお互いの存在を確かめ合うように手足を絡
めていた。
真夜は目を閉じたまま、首筋と耳元を唇で優しくなぞる先生の頭を抱えていた。
先生は片手で真夜の髪を撫でながら、もう片手で胸の膨らみをそっと包むと、真夜の体がピクリと軽く跳ね
た。―――ゆっくりと、順番に指をくねらせながら、時に緩急をつけて膨らみをほぐしてゆく。桜色の先端は
指の間に軽く挟み、時折、手首を捻る動作も合わせ、その柔らかさを感じとっている。
真夜は、眉をしかめたり、首を軽く左右に振ったりしながら、半ばむず痒いとも感じられる感触を受け止め
ていた。
薄く目を開けると、その前に眼鏡を外した先生の顔があった。
夢中でその唇を探り、重ね合わせると、何度も擦り付けるようにその上をなぞる。
先生は、髪を撫でていた手を動かし、真夜の体のラインをたどりながら下の方に伸ばした。
腰の後ろへと手をまわして行き、小さく引き締まったヒップラインに触れると、真夜は小さくうめき声を上げ
たようだった。
そのまま、腿の付け根をたどり、真夜の大事な部分に手を伸ばした。
その場所を覆い隠すように手を重ね、少し指を立てて手の平を動かした。そして、少女の部分に沿って
指を流すと真夜はビクッ! と体を震わせて、短く吐息を吐き出した。
指先で軽く秘所をなぞる動作を繰り返して行く。真夜は、苦しそうな、それでいて切なそうな表情を交互に浮
かべ、その動きを感じ取る。幾度も繰り返すうちに真夜の体は熱く火照り出していた。
先生は指先にある場所が、湿り気を帯びて来ていることに気が付いた。
真夜は、自分の秘所に触れている先生の手に触れようと手を伸ばし、別のものに触れてしまい思わず身を
すくめた。
少し困った顔をしながら先生は真夜を見た。
真夜は、完全に硬直した先生の部分にもう一度そっと触れる。暖かい奔流が感じ取れ、真夜は先生に微笑
んだ。
「・・・・・・真夜さん。」
先生の言葉に、真夜は頬を赤らめながらコクリと首を縦に振った。

169「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 23:12:02 ID:pIxikc43

程よく濡れそぼった真夜の秘所に絶棒の先端が当てられた。
真夜は先生に全てを任せるように目を閉じ、その片手に指を絡ませてしっかりと握りしめた。
ゆっくりと真夜の中が押し広げられ、先生が侵入してくる。
真夜は少し肩を震わせて先生を受け入れていた。
絶棒の先端に微かに抵抗のような物が感じられた。真夜と先生の視線が一瞬絡み、先生は真夜の肩を抱
え込むように抱き寄せ、ゆっくりと腰を突き入れた。
真夜の口から鋭い呼吸音が漏れ、激しく頭を左右に振り、足の指はマットに食い込む程踏みしめる。
大きな瞳から涙がこぼれた。先生はそっと真夜の頭を抱え込み、自身も歯を食いしばるような表情を見せ
ていた。
小柄な真夜の中は想像以上にきつく、絶棒を進入させまいとするかのように絞めつけてくる。
やがて、真夜の最深にたどりついた感触があったが、先生は、キュウキュウと絞めつけてくる真夜の中に、
あっという間に限界近くまで達している事を自覚した。
すぐに抜かなくては持たないという気持ちと、このまま真夜に全て受け入れて欲しいという気持ちが混ざり
合い、先生は苦悶の表情を浮かべた。
幾分、痛みに慣れたのか、真夜が心配そうに自分を見ている事に気が付いた。
「真夜さん・・・・・すみませ・・ん。・・・もう、出てしまいそうで・・・・・・・・・」
真夜はそれで理解したのか、大丈夫とでも言いたげに先生の目をジッと見つめ、少し瞳を潤ませながら繰
り返しうなずいた。
『先生が、そうしたいように、して欲しい』と、先生の脳裏には伝わり、それが引き金となって、自分の奥底
から熱い流れが絶棒を遡ってくるのを感じ、
「クッ!」
呼吸を吐き出すとともに、真夜の中から自身を抜き取った。
次の瞬間、駆け上がって来ていた白い濁流が飛び出し、真夜の腹上に吐き出されて行く。
真夜は上気した表情を浮かべ、その放出が終わるまでを、いとおしそうに見守っていた。



先生は自分の服の袖から手拭いを数本取り出し、服と同じように濡れているそれを硬く絞った。
手拭いを軽く広げて、真夜の秘所から流れ出た鮮血と、体の上に散った自身の分身を丁寧に拭き取ってい
た。
真夜は少し恥ずかしそうな表情を浮かべたまま、先生に体を拭かれるままになっている。

やがて手拭いを片付け、先生は真夜の横に再び寝そべると、真夜は嬉しそうに肌に触れてきた。
真夜はその胸に耳を当て、先生の鼓動を聞いている。
先生は真夜の背に手をまわし、腕の中に包み込んだ。―――すでに熱が引き、真夜の肌は少し冷えかけ
ているようだった。
「・・・・・さすがに夜は少し冷えますね。」
真夜は先生の顔を見て首を振った。 そして、体をピタリと貼り付けるように密着させる。
先生は少し笑い、真夜の頭をなでた。
「――真夜さん。できれば、ずっと、このままこうして居たいのですが・・・・・・・ いずれ夜が明けて、また、
普段の日々に戻る事になります。・・・・そうしたら、また、他の生徒に追われたりする毎日で、・・・・その中
あなたとの事を知られないように、なおかつ、二人で会える機会や場所を作る事は容易ではないと思うので
すよ――――」
真夜は先生の瞳をジッと見据え、話を聞いている。
「ですから、今。次に・・・・・私と会ってくれる時を決めませんか? できれば――」
真夜はその言葉が終わらないうちに、ニッ、と、先生に笑いかけると、人差し指を立てて空を見上げた。
先生がその目線の先を追うと、そこには、夜空を大分傾きかけた満月があった。
少し照れくさそうに笑いながら、先生は真夜を抱きしめる。
「・・・はい。――満月の日が・・・・・・とても待ち遠しくなりそうです・・・」
真夜は満面の笑みを浮かべ、先生の頬に口付けた。

170「真夜」:満月の待ち人:2007/10/13(土) 23:13:38 ID:pIxikc43

ずい!

といった感じで、自分の前に差し出された物を先生は凝視する。
真夜が両手で抱えて持って来た、モノ。

「――ま・・・・・・・・三珠さん。えー、これは・・・・・・・・・泥団子でしょうか?」
真夜はさらに手を突き出し、先生は思わず自分の両手で受け取った。
ベタリとした感触で、そのこげ茶色のモノの中に指がめり込む。
先生は思わず眉をしかめたが、すぐにそれから漂う甘い香りに気が付いた。
「あ! おはぎでしたか、すみません――って、巨大すぎませんか!?」
それは確かに、ソフトボールより二回り大きいサイズのおはぎのようだった。
真夜は困惑している先生にそれを渡すと、相変わらず無表情のままスタスタと部屋を出て行き、先生は少
し困った顔で振り返った。
その視線の先にいた交は、少し嫌そうに眉をよせ、そっぽを向いてしまう。
「・・・・一人で食べきれますかね?」
取り合えず、何処かに置く事も出来ない事に気が付き、先生はちゃぶ台の前に腰を下ろして、特大おはぎ
にかぶりついてみる。
「・・・・おや・・・・割と甘さ控えめですね。・・・なかなかいけます・・・・」
そう言って、さらにかぶりつき―――

ガチッ!!

口の中に響いた硬い音に顔をしかめ、恐る恐るかじっている部分に目をやる。
――金属質の・・・先の尖った棒状の物が見えた。
少し青ざめた顔の交が様子を見ているようだった。――ゆっくりとソレを引っ張り出してみる。

「・・・釘・・・・・・でしょうね。・・・五寸釘ってやつでしょうか?」
先生は釘をちゃぶ台の上に置く。
ゴトッ、と、重そうな音がした。――良く見ると、マジックで「まよ」と書かれている。

「・・・・まあ、三珠さんが犯人な訳ありませんね。 証拠がそろい過ぎて・・・・・・・・」
横で交が『絶対アイツだよ!?』と叫んでいるのを軽く受け流し、先生は笑った。


――宿直室の入り口横で、真夜は壁に背を預け、中での会話を聞いていた。
手の平に残っている粒あんを舐めながら、先生の声を聞いて口元に笑いを見せた。

部屋の中が静かになると、真夜はそっと廊下を歩き出した。

廊下の窓、ふと、外を見ると真夏の日差しの中、校庭の端にあるプールの姿が目に入り――

真夜は、かあっ! と顔を赤く染めながら、走り去って行った。
171305:2007/10/13(土) 23:16:43 ID:pIxikc43
お粗末でした。
初めてエロ書きましたが・・・・・・・・・・・

メチャ恥ずくなってきたぁぁぁ! orz

なので、退場させてください・・・
読んで下さったかた、ありがとうございますm(_ _)m
172名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:14:52 ID:RN1bdxhZ
>>171
GJ!
女性の台詞を全く入れない、開き直りのような発想が面白かったですw
305氏の書くエロ無しの話も大好きなんで、無理してエロを入れなくても
いいんじゃないですか。
173名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:32:07 ID:lCOw3fi4
>>150
やったー、こんなに早く真昼さんの後日談が読めるなんて…!!
お粥パーティの雰囲気がツボりましたーーー!
で、でも、何かすごい先が気になる展開に…。
真昼さんお願いです、これ以上可符香を泣かせないで下さいっっ!!
先生、耐えろ、耐えるんだ!

>>171
うおあおあおあお、305さんのエロだあおあおあおあお!
プールというのが、すごい雰囲気が出て、深みがあって素敵でした…!
うちのエロなんざもうワンパターンの押し売りって奴ですからトレースなんぞ
お恥ずかしい、せんでおいてくださいませ。
いやはや、シャッポを脱ぐってのは、こういうことですかね。
でも、305さんのエロなしSSも、ものすごい破壊力をお持ちです。
エロがないのにどきどきさせる、ほのぼの萌えSSも大好きなんですよ…!
エロなしエロあり、どちらもいけるあなたに乾杯です。

そして、コメントし損ねちゃったんですが、前スレのオフレコバトル!
ものすごくかっこよかったです!大好き!
アクションのテンポがよくて、締めもきれいで、最高でした!!

やべー今日は酔っ払っているので、普段よりさらに感想長いよ…ホントにもう…。
174名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:16:42 ID:tSvK4EO1
最近この漫画を萌え>>ギャグの不等号で間違いしている人が多い気がする
175名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:20:34 ID:AUpJuU2X
>>171
逆転の発想お見事
最近真夜ネタも充実してきて嬉しい限りだGJ!

>>174
原作がギャグ>萌えだからこそ、二次創作で妄想を働かせるんだぜ・・・?
176名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:28:52 ID:tSvK4EO1
>>175
そうだったな…今週の千里を見て、そう思わなきゃ何だかやり切れなかったんだ…
177名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:31:54 ID:AUpJuU2X
>>176
泣くなよ・・・そのやり切れない気持ちを胸に、SSを書けばいいさ・・・
178名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:40:44 ID:2IPDvGIM
実際そこまで感情的になるのはおかしいと思うけどな。
ギャグマンガなんだしあの流れは普通だ。
179名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 02:27:25 ID:razTiLll
可符香SSが一時期大量にきた時期があってそれのせいで元々好きだったが
最早中毒の域に達してしまったぜ
まあつまり真昼さん乙ってレベルじゃねーぞ
180名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 02:55:37 ID:0ZuP7Xn8
>>174
もう「萌えるギャグ漫画」でいいと思う。
181名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 09:34:07 ID:smAh9NX0
僕は千里萌え^^
182名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 09:47:50 ID:hscVjHgt
望「えー、今日は保険について話します」
カエレ「告訴します」
望「いきなりですか」
カエレ「男子と同じ部屋で性教育の話をされるのは、完全なセクハラです
 告訴します」
望「保健ではなく保険です
 何が災いするか判らない世の中、事が起こってから
 保険をかけておけば良かったと後悔しないためにも、保険についての授業をします 」


●テレビでみた情報を鵜呑みして納豆や寒天を大量入荷
 →捏造発覚
●2世監督の処女作品を公開前に大絶賛
 →公開
●悪魔「指名した奴殺してやるよ」
 →男「おまえ死ね」
●「男らしくならなければ切腹」
 →水を被ると…
●「負けたら切腹するよ」 →負け

倫「御言葉ですがお兄様…
 家訓の転ばぬ先の杖が刺さるはどうするのですか?」
奈美「ていうかそのネタもうやったし」
望「予防と保険は違います!」あびる「違うんですか」
望「事が起こらないために事前にするのが予防
 事が起こってから損害の穴埋めをするのが保険です!」
望「身近な例で言うと…
 パンツを見られないようにハーフパンツを履くのが予防!
 パンツを見られてから告訴して慰謝料をせしめるのが保険です!」
カエレ「誰のことよ!」
望「ちなみにうちのクラスでは、何故か見えないという点で、
 予防が多数派を占めるようです」
カエレ「訴えてやる!!」


マ太郎「マリアはドッチになるんダ?」
霧「それは第三の選択だから」
183名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 11:03:05 ID:iAPymvoA
>>182
おぼっちゃま君ネタで書いた人ですか?相変わらず上手いw

…何か投下したやつ読み返したら、出るわ出るわ誤字脱字間違え文章。
何だこれは、酔って書きましたかこの野郎。投下前に見直せと母ちゃんアレほど…。
多分これからもありえない間違えを連発するかもですが、温い目で視姦してやって下さい。
ちなみに午後の紅茶の者だす。長々言い訳失礼しやした。
184名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:30:38 ID:OFA4PjaE
二日酔いの頭で昨日の自分のレスを恐る恐るのぞいて絶望した…。
もう二度と酔った状態で書き込みはすまい…。

185名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 17:03:02 ID:3tr04H3e
>>158の人ですか?
186名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 17:40:11 ID:xeIDoLbE
例によって今後投下予定のSSをまとめてみたぜ
)大草さんSSの続き←待ってる!
)『猫の瞳』の続き
)『午後の紅茶』の続き
)430氏の「落したい長編」

他にも前スレのときにはマリアSSとか上がってたけど
とりあえず本スレでの予告のみ
187名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 18:29:53 ID:l6QhV9sJ

       _ ―― _   /|
    _∧/       ―/ | _
  <                ̄/
  /     /∨\/\∧/\ /
 |  ∧/ _    _  ∨
  |_ | #/   \/   \/
 /  ∨  | <○> |<○> | 
 | 6 |  \ _ /\ _ /|
 \_/ ヽ     _ _    |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ∠_−\   |+++++|  / < コーラで洗えば大丈夫。コーラで洗えば!!
        \   ̄  ̄ /    \________
188名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 18:59:46 ID:CFPcQLO9
>>171
GJ。情景が浮かんでくるような、丁寧な描写ですねー。
>>182
予防と保険の違い、うまいなw。そう言えば、そんな気がする。
>>186 乙ー
個人的には、前スレの『加害妄想教室』の続きを待っていたりするのです。
189前スレ42:2007/10/14(日) 20:14:35 ID:Fx4nXb12
お久しぶりです。前スレ42です。
あびる短編投下します。
これにてあびる続き物完結です。
初のエロ無しです。エロの無い私なんて駄目かもしれないでしょうが1レスだけお付き合いください。
190告白:2007/10/14(日) 20:22:03 ID:Fx4nXb12

「先生、好きです」

日曜の宿直室、あびるからの告白。
「家庭訪問の時から先生しか見えなくなって…先生の言いたい事、立場も、わかります…でも気持ちが止められないんです」
あびるが自分の正直な気持ちを告げる。
一時の静寂が流れ、望は静かに口を開いた。
「私で…よろしいのですか?」
「!!」
普段はクールなあびるの情熱的な告白に望は気持ちを固めた。
「私もあなたと添い遂げたい…」
あびるは涙目になりながら言葉を紡ぐ。
「嬉…しい…」
「常に後ろ向きですがよろしいですか」
「はい…」
「すぐに絶望するし…」
「はい…」
「心中しよう、なんて言いだすかも…」
「先生となら、かまいません…」
「先生、私なんかをこんなにも想ってくれる人に出逢えて嬉しいです」
「先生…」
二人は静かに抱き合った。

「じゃあ、先生また明日」
「はい」
「あ、先生、来週の日曜とか空いてます?」
「ええ、特に予定はありませんが?」
「じゃあ、あの、その、で、デートでも…しませんか?」
クールなあびるが顔を真っ赤に染めて言う。
「いいですよ。動物園にでもいきましょうか?」
あびるの表情がぱあっと明るくなる。
「はい!」
これから二人にはいろんな困難(?)が待ち受けているだろう。
それでも二人は歩み続けていくだろう。
ヒジニモ負ケズヒザニモ負ケズ。


HAPPY END

191あとがき:2007/10/14(日) 20:24:05 ID:Fx4nXb12
これにて完結です。
ありがちな終わり方でスイマセン。
ラブラブなあびると先生が書きたかっただけなんですw
読んでくださった方ありがとうございました。
192名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 22:01:02 ID:B4yN47Gj
GJ!
デート編も読みたいぞなもし
193名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 04:35:16 ID:i4OdFTtM
だからENDはつけない方が…
194名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 08:41:53 ID:8s03qKIp
>>179
あれ、俺がいる
195名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 09:02:06 ID:upBRu/Du
>>191
GJですよほのぼのいいですね
ただSSのあとにコメント入れるのであればENDはいらないと思います
逆に後書きコメントがない場合にはENDを入れたほうがいいとは思いますが・・・
196名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 10:00:07 ID:le/nit0p
超亀だがツンデレラが文化祭オチだとして、だったらノゾム王子の子供時代の役は誰がやったんだろう
先生が1人2役で頑張ったんだろうかと考えていたら、神谷のネコ神様声の子供先生が浮かんで
萌え死にそうになった
197名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 10:48:21 ID:A9b4kRxZ
>>196
俺は交かと思ったがそうなると他のキャラの適役がいないので
考えるのをやめた
198名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 13:25:03 ID:opH1HYQG
>>173
オフレコ・・・・・・そ・・・そうですか? 
勢いで書きましたが、うれしいっす。

・・・多分最初で最後のエロssかとww
一度書いてみたい、って欲求がありましてw

前回のマガジン見そびれて・・・奈美が凄く可愛かったと聞いてどうしても見たくて、
昼休に漫喫で見てる現在の私ww  なにやってんだろw
199前スレ42:2007/10/15(月) 16:56:46 ID:Nm7964bs
どうも前スレ42です。
何か終わり方が変で読後感悪くてスイマセン。
END無しのあとがき有りでいきます。
あびるデート編、投下します。
またもやエロ無しでスイマセン。エロ妄想力は絶望の宴で使いきってしまったのだろうかw
200二人の初デート@:2007/10/15(月) 17:03:54 ID:Nm7964bs
がやがやとなる喧騒の中、望とあびるは動物園にデートに来ていた。
あびるは入園してからずっと色んな動物(しっぽ)を見ては目を輝かせている。
普段のクールな印象とはまるで別人で見ていて微笑ましい。
「先生、早く〜」
「はいはい」
あびるがクロシロエリマキキツネザルの檻の前から笑顔で手招きをする。
しかしあびるとは反対に望の表情には笑顔は少なかった。
デートをする二人の後をつけている人影かあるのに気付いてしまったからである。
はっきりと確認したわけではないが人影の見当はついていた。
一人は常月さん、もう一人は木津さんですね。なぜお二人がここに…
くいっ
「あ…」
望が軽く絶望しかけるとあびるが不機嫌そうな顔で望の袖口をひっぱっていた。
「小節さ…」
沈んだ表情のまま望をベンチへと誘導する。
二人は言葉無くベンチに腰掛けた。
しょんぼらした表情のままあびるが口を開く。
「先生…何か今日楽しくなさそう…」
「いえ、あの…」
望が紡ぐ言葉を探しているとあびるが望の手を両手で力強く、ぎゅっと掴んだ。
「こ、小節さん?」
「今日は学校も関係ない、日曜日ですし…その…私達の初デートだし…せめて今日くらいは…私だけをみてほしい…です」
その切ない願いの言葉に望はあびるを強く抱き締めたくなった。
告白の際、望の全てを受け入れる決意をしたあびる。
そんな彼女のこんなにも可愛らしい願いの声を聞いてしまっては…先程まで彼にあった絶望は何処かへと消え去ってしまっていた。
おそらくあびるも二人に気付いている。
でもそんな事を気にはしていられない。
望はすくっと立ち上がると満面の笑みをあびるに向けて
「小節さん、次は何を見にいきましょうか!?」
と声をかける。
あびるも笑顔で立ち上がり「アルマジロ見たいです!」
「それではアルマジロの檻まで競争です!」
可符香も顔負けのポジティブ、もといバカップルぶりで二人は次の檻へと笑顔で駆けていった。ちなみに競争は望の圧勝だった。
201二人の初デートA:2007/10/15(月) 17:17:32 ID:Nm7964bs
皆が遊び疲れ、日もすっかり暮れた動物園。
園内のレストランで食事をした後、二人はまたあのベンチに腰掛けていた。
「先生、今日はとても楽しかったです」
「私も…」
望があびるの方を見ると、なにやらあびるがもじもじと体をくねらせている。
「どうしたんですか?小節さん?」
「あのね、先生……の、望さんって、呼んで、いい?」
顔を真っ赤にしてあびるが問い掛ける。
望は表情を緩ませ、笑顔で答える。
「…かまいませんよ…あびるさん…」
「ぁ…」
あびるは嬉しそうに顔を上げる。その目には少し涙がたまっていた。
ふたたびあびるが恥ずかしそうに話しかける。
「の…の、望さん、その、あの…」
「はい?」
「…‥…して…ください…」
あびるの言葉は望にはうまく伝わらなかったが、あびるが目を瞑り顔を上げるとクスッと微笑むような表情になる。
そしてそのまま二人は静かに唇を重ねた。

「望さん、大好き」
「あびるさん、私も好きですよ」

二人が空を見上げると満天の星が輝いていた。
まるで二人の始まりを祝福しているかのように。
202あとがき:2007/10/15(月) 17:19:25 ID:Nm7964bs
デート編終わりです。
いや、この後〇×な事や□▲な事もあるかもしれませんがそれは要望があればということでw

ラブラブな二人は書いていて楽しいですw
203名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 17:56:52 ID:6+/e0868
じゃあ俺は☆◎がいいな
204名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 18:13:30 ID:wW0c7j2W
要望…?
無いわけがない
205名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:13:00 ID:6f4Uk4NS
>>202
ラブラブ好きっすww
206名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:41:58 ID:rqLhVB2R
脳が溶けそうな甘さ、だがそれがいい
GJ
207名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:47:52 ID:g4MwarKA
甘い、甘すぎる!だがそれがいい
208名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:13:22 ID:3hMMLlLn
>>202氏、あんまーい!GJです。

古いネタをぶちかましつつ懲りもせず投下しに来ました、午後の紅茶の者です。
今回ちょっとアレな描写こそあるものの、本番一歩手前までです。
短いですが6レスほど消費させていただきます。
209午後の紅茶 9:2007/10/15(月) 23:15:02 ID:3hMMLlLn

「ちょ、お、おおおおお姉さんッ!?」
しな垂れかかる柔らかな身体の感触に、マズイ所がマズイ状態になりそうだ。
しかもそのマズイ所には、丁度女子大生の膝が割って入っており、
「……ふふッ、良かったぁ……、先生も満更じゃないみたいですね」
自らの膝に感じる男の反応に、女子大生は満足気に笑みを深めた。

ヤバイ。これはヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
股間ヤバイ。

(し、下ネタは反対です…ッ!)
何故か咄嗟に脳裏を過ぎった下品な文章を振り払うように、望は激しく頭を振った。
「まままま待って下さい、ちょっとぉッ!」
もはやこれは看病の域を超えている。
間近に感じる甘い香りの誘惑に逆らいながら、望は身体を起こそうとするが、
「先生……、嫌がらないで」
熱っぽいながらもどこか寂しげな呟きだけで、望の抵抗を封じる女子大生。
「ねぇ先生……私の事、やっぱり好いていてくれてたんでしょう?」
まるで猫のように身体を擦り付けてくる。
特に重点的に膝を擦りつけられ、局部に感じる感触に望は小さく呻き声を上げた。 
「勘違いじゃないですよね?だって好きでもない相手にこんな事されても……、
 ここは、こんな風になったりしませんものね」
「ち、違います…ッ、これは何というか、生理現象というか、えぇとッ」
「じゃあ、私のこと嫌いなんですか?」
スルリと身体を滑らせて、望の顔を覗き込む女子大生。
その表情はさっきまでの気弱げなものとはうって変わって、男を求める貪欲さを匂わせていた。
「き、嫌い……な、わけが……」
カラカラに乾いた喉から出る声は、悲しいほどに裏返っていた。
まるで女子大生の熱が移ってしまったかのように、望の身体も内側から熱くなっていく。
思わず否定してしまってから、望は内心で「しまった」と冷や汗をかいた。
だがもう遅い。女子大生はまるで勝利を確信したかのように笑みを深めた。
――嫌いになれるわけがない。
正直、こうして誘惑されるのを嬉しいと感じてしまっている。
今すぐに抱きしめたい。抱きしめて、その妖艶に孤を描く唇を自らのそれで塞ぎたい。
しな垂れかかる華奢な身体に、愛おしさが込み上げて堪らない。
香水か、それとも彼女の体臭か、甘い香りに頭の芯が痺れたようで、思考がろくに回らない。
あぁ、何も考えずに、ただ深くねっとりと交じり合えたなら―――
210午後の紅茶 10:2007/10/15(月) 23:16:29 ID:3hMMLlLn

「―――ぁ……、は……ッ」
望はまるで喘ぐように荒い呼吸を繰り返す。汗が、止まらない。
そんな望の様子に興奮を覚えたのか、女子大生は更に頬を上気させて、ゆっくりと望の耳に唇を寄せた。
「―――先生」


『愛して』


紡がれた言葉には、淫猥な響きに似つかわしくない程に、切実な願いが込められていた。

ゆっくりと。
望は、彼女の身体を抱きしめた。

「………」
ほんの僅か。
抱き寄せられた女子大生の瞳に、影が落ちる。

だがそれも一瞬の事。すぐにその口元は孤を描き、熱く火照った望の身体を抱きしめ返した。
『勝った』
彼女は一言、声には出さず、口の中でだけそう呟いた。望はそれに気付かない。
耳元で繰り返される望の呼吸は、さっきより幾分か落ち着いていた。
だが膝に押し当てられた彼自身は先ほどよりも熱を持ち、男としての自己主張を強くしている。
「………」
望はそっと彼女の身体を放し、その口元に自らの唇を寄せる。
「……ん」
てっきり唇に口付けが降るものと瞳を閉じた女子大生は、
しかし予想に反して頬に口付けを落とされて、逆にそのあまりに優しい感触に驚いてしまった。

情欲とは正反対の、まるで母が子にするような、優しい接吻。

キョトンと目を見開くと、望はすでに顔を離し、柔らかく微笑んで彼女を見つめていた。
その瞳に、先ほどまでの狼狽や、困惑といった感情はない。
その態度が不思議でならなくて、彼女は訝しげな顔で望を見つめた。
「どうして……?」
望は何故かくすりと苦笑して、再度顔を寄せてくる。
耳元に触れんばかりに寄せられた唇から漏れた言葉は、彼女の身体を震わすのに十分な力を秘めていた。
211午後の紅茶 11:2007/10/15(月) 23:17:34 ID:3hMMLlLn


「おいたが過ぎますよ――――可符香さん?」

ギクリ。

硬直する女子大生の肩にそっと両手を乗せて、望は笑みを深めた。
「まったく……、危うく騙されかけました」
「な、なに、何言ってるんですかぁ、可符香は妹ですよ?
 私が可符香なわけないじゃないですか……あ」
思わず素の声色で答えてしまって、彼女は墓穴を掘った事を自覚したのか笑顔を引き攣らせた。
凍りつく女子大生―――可符香の頭に、望はコツンと軽く拳骨をぶつけた。
「めっ」
「あ、あははは〜。バレちゃいました」
可符香はチロリと小さく舌を出して照れ笑いを浮かべた。
一つに纏めた長い髪は当然カツラで、可符香は自らそれを取り払う。
長い髪の下から現れたのは、クロスした髪留めと少しはねた短い髪。
どこからともなく取り出したハンカチで顔を拭いメイクを取ると、大人びた女性の雰囲気は取り払われ、
年相応の愛らしさを宿した、いつもの可符香がそこに居た。
「どうして判ったんですか?」
まさか見破られるとは思っていなかっただけに、可符香の驚きは大きい。
「これだけ近くで触れ合えば、判りもしますよ」
望は表面上事も無げに答えたが、正直内心では「間違ってたらどうしよう」という不安で一杯だったりした。
「ちぇー、この変装自信あったのになぁ」
手の中のカツラを弄りながら呟く可符香。
声色こそ不満気ではあるものの、その顔はどこか嬉しそうだ。
「で、この性質の悪い悪戯の理由、説明していただけますか?」
逆襲とばかりに、少し意識して冷たい声で問い質す望。
だがそんな望の強気な態度は、すぐに崩れ去る事になる。

「――だって、私だけ騙されっぱなしなんて、嫌だったんです」

可符香はしょんぼらと肩を落として、憂いを帯びた瞳で答えた。
その表情がグサリと胸に刺さって、望は何故か言い知れぬ罪悪感に駆られてしまう。
「わ、だ、わわ…ッ、私がいつ貴女を騙したって言うんです!?」
「わかってるくせに」
むっ、と上目遣いに睨みつけてくる可符香。
――彼女が言っている事に嫌という程心当たりのある望は、
だがそれを認めるわけもいかず、必死に首を左右に振った。
「だからッ、あの時だって私は一度も嘘なんてついてないと――!」
「あの時? あの時って、先生はいつの事だと思ったんですか?」
「うぅ…ッ!」
また自ら墓穴を掘ってしまって、喉の奥から掠れた呻きを漏らす望。
212午後の紅茶 12:2007/10/15(月) 23:18:48 ID:3hMMLlLn

あの時というのは、望が入院する少し前――可符香と交際する切欠となった、とある一件の事である。
悪意など微塵も無かった……むしろ、心から彼女を思っての事だったとはいえ、
結果的に可符香を欺くような行動を取ってしまった事を、望は誰よりも申し訳なく思っていた。
だがとある理由があり、望はどうしても自分の非を認めるわけにはいかないのだ。
「と、とにかく! もう気は済んだでしょう!?出来れば早々に降りていただきたいんですけど!」
何とか誤魔化そうと冷や汗をかきながら、いまだ自分の上に乗っかったままの可符香の肩を軽く押し、降りるよう促す。
だが可符香は、望の上から退こうという気はまったくないようだ。
それどころか、不思議そうに望の顔を見つめて、

「あれ? ここまできて、最後までしないつもりなんですか?」
などと、とんでもない事をさらりと言ってのけた。

「なななんなな、何を言うんですか貴女は!」
「だってぇ」
ニマリと、彼女の唇は妖しく孤を描く。
可符香の表情に、先ほどまでの妖艶さが舞い戻る。
大人びたメイクは落としたはずなのに、少女は立派に女の香りを漂わしていた。
「先生のここ、まだ硬いままじゃないですか」
いつの間にやら捲り上げた袴の中に手を伸ばし、直接望の内股を撫で上げる可符香。
そのまま、スルリと下着越しに望自身を撫で上げる。
「うひゃわぅああわああああッ!?」
あまりに唐突な接触に、望は情けない悲鳴を上げて身を引こうともがくのだが、
少女一人の体重になす術もなく身の自由を奪われている。
バタバタもがく望を、可符香は少し複雑な表情で見下ろして、
「……もうちょっと色気のある悲鳴上げて下さいよ」
「貴女はもうちょっと謹んで下さいよぉぉおお!?」
確かに望の気の抜けた悲鳴は、男女の営みに漂うはずの、妖しい雰囲気をぶち壊してしまっている。
「これ以上は陵辱です、むしろ強姦ですぅうう!」
「何言ってるんですかぁ。少しでも感じたら和姦なんですよぉ?」
――会話そのものは(一部で)お決まりなのだが、いかんせん男女の立場が逆である。
下手をすれば「らめぇぇ」とでも叫びかねない望の様子に、可符香はやれやれと溜息を吐いた。
一旦望の分身を撫でる手を引っ込めると、望は安心したのか――それとも本当は残念なのか、吐息を吐いて肩の力を抜いた。
「先生……、女の子がここまでしてるのに、その態度は酷いです。
 それとも私より、『隣の女子大生』の方が良いんですか……?」
台詞の最後あたりになると、可符香の声音はとても悲しげな響きを帯びていた。
213午後の紅茶 13:2007/10/15(月) 23:35:48 ID:3hMMLlLn

「――ッ!」
あまりに寂しげに呟く可符香を、咄嗟に抱きしめる望。
「そんな事、言わないで下さい」
さっきまで悲鳴を上げていた男とは思えない真剣さで、望は可符香の耳元で囁いた。
「……先生……」
「……確かに、私は『隣の女子大生』の誘惑に負けそうになりました。
 彼女に貴女の影を見て憧れてた事とか、結果的にやっぱり貴女自身に惚れてたんだって事は、
 この際言い訳にしかなりません……ですが」
「さり気なく自己弁護混ぜてきましたね」
「混ぜっ返さないッ!
 ――ですがそれでも……今の私が確かに好きなのは、貴女なんですッ!」
どうしても格好がつかないのはご愛嬌である。
だがそれだけに望の必死さも伝わってきて、可符香は何だか胸の奥が暖かくなった。
「えへへ……。ごめんなさい、意地悪言って」
「そんな嬉しそうに謝らないで下さいよ」
「えへへへへ〜ッ」
可符香は胸に湧き上がる幸福感を持て余して、ぎゅうと望の身体を抱きしめ返した。
「じゃあ先生、私の事抱いてくれますよね?」
「え、ちょ…何でそう繋がるんですかッ」
「先生こそ、何でそこに繋がらないんですか」
この期に及んでまだ煮え切らない担任教師を、可符香は心底不思議そうに見上げる。
その瞳があまりに澄んでいて、望は余計にやり切れない思いで答えた。
「何も身体のお付き合いだけが愛情表現じゃないでしょう?
 それに貴女はまだ高校生です。そういうのは卒業を待ってから――」
「大丈夫ですよ。私、今日安全日ですし」
「そういう問題じゃなくてですね……」
「んもぉ、お硬くなるのはあそこだけでいいんですよぉ?先生」
「う、上手い事言ったつもりですか! っていうか下ネタ反対って言ってるじゃないですかぁ!」
とても恋人同士が抱き合ってする会話とは思えない。

「そんな事言って……、でも、先生?」
声のトーンを落とし、悪戯っぽく笑う可符香。
その笑みに不吉なものを感じて、望は思わず身震いした。
「な、なんですか」
「本当はさっきから、身体が熱くて仕方がないんじゃないですかぁ?」
「え……」
214午後の紅茶 14:2007/10/15(月) 23:36:58 ID:3hMMLlLn


ドクン。

まるでその言葉に反応したかのように、心臓が大きく脈打つ。
「掌はじっとり汗ばんでいって、頭の奥がぼーっとしてきて……。
 喉はカラカラに渇いて、目の奥が熱くなって、涙で潤んできて……」
染み入るような可符香の声。
彼女の言葉通り、望の掌はじっとりと汗ばみ、思考は熱に霞み、喉が乾いて、瞳が潤んでくる。

「あ、あ…ぁ」
どうして。
湧き上がってくる衝動を必死に抑えながら、望は荒い呼吸の中でそう問おうとする。

「仕方ないですよ、先生。
 さっきミルクティーを飲みましたよね。アレに、気持ちよくなるお薬を混ぜてたんです。
 そろそろ効いてくる時間だから、先生が興奮するのは仕方ない事なんですよ」
そんな望の言葉を先取りするように答える可符香。
出されたミルクティーで喉を潤した事を思い出し、望はぼんやりとした意識の中で納得する。
「……何てこと、するんですかぁ……」
「だってこうでもしないと、先生の事だから臆病風に吹かれちゃうと思って」
「臆病とかじゃなくてですね…あぁ、もう」
すっかり滾ってしまった下半身を持て余しながら、望は何もかも諦めたように溜息を吐いた。
「そこまでされちゃあ……もう、仕方が、ないですよね……」
「はい、仕方ないですっ」
可符香は満足気に笑って見せた。
その笑みがあまりに無邪気で、望はもう苦笑するしかない。
「可符香さん」
「はい」
望はゆっくりと可符香の唇に、自らの唇を寄せながら、

「愛してますよ」
「私もです」

心からの愛の言葉を囁きあって。

ゆっくりと、二人の影が重なった。

215名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:40:11 ID:3hMMLlLn
一区切り。次回でエロス本番予定です。色気のない自分の文章に絶望した。
書いてて自然にエロに持ち込めなくて、結局薬に頼る事に、ぐへぇ。
次回もうちょっと先になるやもしれません。
216名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:59:13 ID:nWl8Q4cH
>>150
真昼氏乙です!!
続き裸で待ってます!!
217名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:05:31 ID:P+sXTa5U
いい感じで区切ったね。
ここで終わってもそれはそれでよい感じだと思う。
218名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:32:02 ID:yZp2XrI2
最高^^
GJ!!
219名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:44:31 ID:7aJbzNYa
ゆっくりと二つの影が重なった。
とゆう最後が美しい
流石真昼さんだ

私もSS投下したいが文が未熟過ぎる・・・・・
220名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 01:01:28 ID:XTUQWNp+
>>217
同意。


>>219
「よお、ちょっと聞いてくれよ」等から始まる
全て口語の独白系SSにも名作はあるんだぜ?
221前スレ42:2007/10/16(火) 01:25:43 ID:A/EdnTrs
あびるラブラブ編、続き投下します。二人がどんどんバカップルになってゆくw
222二人のラブデート@:2007/10/16(火) 01:32:19 ID:A/EdnTrs
ここは某所の温水プール。
望はあびると共にデートを兼ねてここに来ていた。
デートを兼ねて、というのは他に目的があるということでその目的はずばりあびるの運動音痴を少しでも改善しようというものだった。
先週のデートの帰り道。
「ねえ、せ…望さん」
「なんですか?」
「あの…来週の土曜とか空いてます?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「ウチの近所に温水プールができたんです。それで私運動苦手だから少しでも良くしようと思ってて…あの、一緒に行きませんか?教えてくれる人がいれば上達も早くなるし…」
「ええ、よろしいですよ。上手く教えられる自信はあまりないですが…」
「ありがとう、望さん!」

望はプールサイドで一人、その時のあびるの笑顔を思い出していた。
運動音痴改善も目的の一つではあるのだろうがプライベートで会える嬉しさの方が大きかったのだろう。
そんな純粋な笑顔を思いだし望はにやけそうになる。
「望さん、お待たせ」
声のする方に振り向くとあびるの水着姿があった。
水に入る為、包帯や湿布、絆創膏等を取り除いている。
剥き出しになって見える傷跡が痛々しい。
しかしその傷跡が霞んでしまうくらいにあびるの身体は眩しいほどの魅力を放っていた。
「キレイだ…」
不意に望が呟く。
その言葉を聞いたあびるの顔がぼっと火を点けたかのように真っ赤になる。
望も無意識に発してしまった正直な気持ちに少し驚いている。
「もう…望さんたら…」
頬を桃色に染めてあびるが照れながら言う。
「あ、え、えと、早速、練習を始めましょうか」
照れて頭を掻く仕草をしながら望はプールの中へと入っていった。
223二人のラブデートA:2007/10/16(火) 01:42:05 ID:A/EdnTrs
暖かい水が心地いい。
「ふぅっ」
軽く息を吸ってあびるもプールに入る。
「まずはバタ足からですね。私が手を持っていてあげますから、思うように足をバタつかせてください」
「はい。あの、望さん」
「はい?」
「手…絶対に離さないでくださいね」
きゅん、と胸が高鳴る。
あびるの何気ない一言に望の胸はときめいた。
「そうですよ、上手い、上手い」
「んしょ、しょっ」
常に絶望していながらも教師である望の指導で体格に恵まれているあびるは持ち前の要領の良さを発揮しメキメキと上達していった。
「ぷぅ」
「息継ぎもだいぶ上手くなりましたね。さて結構長いこと練習しましたし、今日はここまでにしましょう」
「はい」


帰り道、あびると軽く手を触れ合わせながら歩く。
「望さん」
「はい」
「今日は…ありがとう」
「いえ、大したことではありませんよ。それより今日はあびるさんの水着姿をじっくり見れて嬉しかったです」
あびるは望の意地悪な不意打ちに
「な、何言ってるんですか!私の水着姿なんて…〇×◇□…」
ごにょごにょと小さく何か呟きながら照れていた。

帰り道も中盤に差し掛かった頃、突然、あびるがその足を止める
「あびるさん?」
振り向くとあびるが望の袖口を軽く掴んだままもじもじと身体を揺らしている。
「望さん、あの、そ、の…」
「どうしたんですか?」

「私…今日は帰りたくない、です…望さんと今夜は、一緒に居たい…」
俯きながらもはっきりと想いを伝える。
望は一呼吸すると優しい声で返事を伝える。

「私の家に…来ますか?」
224前スレ42:2007/10/16(火) 01:43:36 ID:A/EdnTrs
とりあえずここまでです。
後半は明日の昼間か夕方になります。
今週は夜勤で今から出勤w
225名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 05:47:54 ID:yZp2XrI2
朝からこんな良いものを…けしからん!
続きが気になってしまう^^b
226名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 07:19:15 ID:+52apj6k
真昼氏愛してます結婚してください
227名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 13:32:20 ID:S/f6QgON
>>219
投下! 投下! と、願う読み専の俺。
「文が未熟」と気にされずに。
読んでると、投下続けて、上達される職人さんが多いと思う。
他の神SSの影響受けたりして上手くなったりとか。

あ・・・偉そうに言ってすまぬ(ry
228前スレ42:2007/10/16(火) 16:24:31 ID:A/EdnTrs
スレの皆様。おはやうございます。
あびるラブラブ編、続き投下しますー
229二人のラブデートB:2007/10/16(火) 16:33:43 ID:A/EdnTrs
「うん…うん、明日の夕方には帰るから」
あびるは電話を切ると望の正面に向き合った。
「お父さんには奈美ちゃんの所に一泊するって連絡しました」
「はい」
不思議な偶然もあり交は藤吉宅に外泊。
小森さんは別室。
この家には望とあびるの二人きりであった。
あびるは少しうつむきながら望を見ている。
その頬は少し赤い。
先日の浴室での事を思い出しているのだろうか。
「あびるさん」
望の手があびるの肩にかかる。
「はい…」
少し身体を震わせながら顔を上げる。
「ん、ふっ」
触れるだけの優しいキス。
もう一度、二人の唇が重なる。
「んむ、ふぁ…はぁっ…」
今度は甘く、激しいキス。
ぴちゃ、ぴちゃと二人の舌が絡まりあう音が響く。
「ふぁ…ん」
二人の唇が離れる。
「望さんの…しっぽ」
すすっ
あびるが手際良く袴を脱がせるとぴょこんと絶棒が顔を出した。
「少し、固くなってる」
「あびるさんが可愛いからですよ」
「もう…んふっ…ぴちゃ、れろ」
あびるが絶棒を優しく舐めはじめる。
「れろ、れろっ…ちゅっ」
「うくっ!」
「ふふっ、望さん、可愛い…ん、むっ」
あびるの口が絶棒をくわえこみ快感を与える。
「んぁ…ん、くむ、んふぅ」
「あびるさん…」
そっ…と望があびるの髪を撫でる。
「…んぅ?ちゅぽっ」
あびるは絶棒から口を離す。
「ありがとう。とても気持ち良かったですよ」
「あぅ…」
あびるは望の優しい労いの言葉にに少し照れているようだった。
230二人のラブデートC:2007/10/16(火) 16:44:34 ID:A/EdnTrs
「次は私が…」
「あっ…」
優しくあびるの服を脱がせていく。
包帯や湿布等を除けば一糸纏わぬ姿。
思わず感嘆の声が漏れた。
「キレイですよ」
「あっ…」
首筋に優しいキスを落とす。
すっ…
望の指先があびるの胸に優しく触れる。
「ぁん…」
きゅ、さわっ
「ふぅん」
胸を手の平で包み優しく揉む。
むにゅ、くにっ
「望さん…触り方が…何か…んっ…あ…やらしいです…っ」
「でも、気持ち良いのでしょう?」
耳元で囁く。
ぶるっ、とあびるの身体が震える。
「はぁ…はぁ…」
きゅっ…
あびるが望に誘われ、二人は静かに抱き合う。
「望…さん」
「あびる…」
優しく布団に誘導され、望があびるにおおいかぶさる形になる。
「よろしい…ですか?」
「はい…」
望の指があびるの秘所に触れる。
ちゅくっ
「あんっ」
「これだけ濡れていればだいじょうぶですね」
「あ…ゃん」
あびるは真っ赤な顔を隠すようにして手でおおっている。
しなやかな指先から可愛い眼が覗く。
231二人のラブデートD:2007/10/16(火) 16:45:39 ID:A/EdnTrs
「いきますよ…」
「あ…」
ずぷんっ
あびるの秘所が抵抗無く絶棒を受け入れる。
「くふぅ…ん」
「おや?すんなりと入りましたね?もしかして私の事を想って日頃、自慰をしていたとか?」
望が意地悪そうに言う
「ゃはぁ…望さんの…意地悪ぅ…」
「ふふっ、とっても嬉しいですよ。私の事をそんなにも想っていただけるなんてね」
「ふ…くぅん」
「動きますよ」
「はぁっ!」
優しい挿入から一転激しく腰を動かしはじめる。
「あ、あ、あ、あはあっ」ぱん、ぱん、ぱぁん
「望さっ…激しっ…」
激しく腰を打ちつけ快感をあたえる。
あびるはその快感に堪え切れず絶頂をむかえる。
ぞわっ
「ひぅっ、望さん、もう私、だめぇ…」
「あびるっ」
「望さ…ぁあ…あああーーっ」
びくっびくんっ
次の瞬間、あびるは望の腕に強く抱かれ、果てた
「は――っ、は――っ」
「気持ち…良かったですか?」
「………はい……」
虚ろな目で望を見つめるあびる。
不意に望の顔を引き寄せキスをする。
「ふぁ…愛してます…望さん」
そう言葉を発するとあびるは自然と微睡みの中へと落ちていった。
232二人のラブデートE:2007/10/16(火) 16:52:11 ID:A/EdnTrs
ちゅん、ちゅん。
「ん、あ…」
あびるは朝日を感じとり目を開く。
自分の隣から視線を感じ取り、身体ごと振り返ると望が笑顔であびるを見ていた。
「あ、せんせぇ、おはようございます」
寝呆けているのか、二人きりにも関わらずいつもどおり先生に挨拶するように話し掛ける。
望は笑顔を崩さずに返事を返す。
「はい、おはようございます。小節さん」
「先生…?」
望の不自然すぎる笑顔に少し違和感を覚える。
「どうしたんですか?何か嬉しそうですね?」
「いえ、朝から良いものが見れたなーと思いましてね」
望の視線が少しだけ下に落ちる。
あびるものその視線を追いかける…
と、瞬間あびるの目がはっきりと覚める。

「っ、きゃああぁぁっ!」

振り返った事でかけていた布団がめくれ、あびるの瑞々しい裸体が望から丸見えになっていた。
「きゃあーっ!せんせっ、あぁ、望さんっ!見ないでぇー」
「何を今更。昨夜はあんなに愛し合ったじゃないですかー」
「それとこれとは別ですーっ!望さんの馬鹿ー!意地悪ー!」
布団で身体を隠し恥ずかしそうに望を睨むあびる。
その可愛らしい仕草に望は珍しく大声をあげて笑う。
その笑顔を見てあびるもまた笑顔になる。
ある晴れた日曜の朝。
二人は幸せであった。
願わくばこの幸せがずっとつづきますように。
あびるは心からそう願った。
233あとがき:2007/10/16(火) 16:56:15 ID:A/EdnTrs
あびるラブラブ編、これで一旦終わりです。
ネタが湧いたらまた、ラブラブな二人を書くかもしれません。
絶望の宴でのあびるはSっぽいのに、こちらのあびるはMっぽくて何か可愛らしい性格で半分不思議。
学校ではいつも通りにクールなんだろうから立派なツンデレになってしまいましたw

絶望した!本編よりピロートークに力を入れてしまった自分に絶望した!

稚拙なSSでしたが楽しんでいただけたのなら幸いです。
読んでくださった方。
スルーしてくださった方。
スレの皆様。
本当にありがとうございました。
234名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 17:26:26 ID:IGzNPER3
42氏、文章うまくなったよね
えらそうなこと言ってスマソ
235215:2007/10/16(火) 18:31:21 ID:uGDWtlml
>>233氏乙です。

何やらエロス無くてもいいんじゃね?との声が多いみたいなので、
直接あはんウフンなシーンはぶっ飛ばしてオチだけ書いた方が納まり良いですかね。
お前のエロは見たくねぇという声が多ければ早々にオチだけ書きますので、どうぞご意見をば。

…あれ、エロいらんって事は自分ここに必要なくね…?ナンテコッタイ
236名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 18:37:36 ID:oY6086JB
異論もあろうが自分としては真昼さんはNOエロの方が萌える
237名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 18:40:27 ID:7aJbzNYa
>>227そうですか、じゃ書いたら取りあえず投下してみますね
238名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 18:51:04 ID:5nDliNUF
俺は真昼さんのエロが読みたい
239名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 19:27:53 ID:pbLrkaRd
俺も真昼氏の書く可符香エロ小説を読みたいです、先生!
240名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 20:46:58 ID:XTUQWNp+
>>229
> 小森さんは別室。


霧の乱入をちょっと期待してしまったwww
241名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 21:33:55 ID:d3YDl05J
>>235
・・・・・それを言ったら、私も ナンテコッタイ orz

真昼さんが一番望む、先生&可符香のカタチへ導いて欲しいなと、コソーリ思ってたり・・・・・
――あ、 Σ( ̄〇 ̄;) 意見になってナイかもデスガ・・・・
242前スレ42:2007/10/16(火) 21:42:50 ID:A/EdnTrs
>>234さん
ありがとうございます。
上達した実感はありませんがそう言ってもらえるとうれしいです。

>>215さん
自分が伝えやすいと思う方法で書くのが一番と思いますよ。

エロ無しを何本か書いてみましたが私はエロ無しの方が話を作りやすいと感じました。

>>240さん
そういえば投下しはじめた頃は二人ペアでのエロが基本パターンでしたね。
そこから乱交に発展したりしましたね〜w
温故知新で一本ペア物書いてみようかな?
ペアのリクエストとかあると嬉しいです。
243名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:18:02 ID:d3YDl05J
>>242
キャラの動かし方が、何となく173氏に似てらして、少し前まで「もしや・・・」
と、思ってましたw 失礼。

あびるの「手…絶対に離さないでくださいね」が、私はもうwwww

それと・・・・指を、お大事に。 ・・・・私は、爪の中で内出血した事がありw
244前スレ326:2007/10/16(火) 22:37:19 ID:ECmcV72i
前スレで奈美の受難を書いたものですけど、今更ながら続きを投下するのは
アリですかねぇ?
245名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:38:11 ID:sUgwKVM8
アリに決まってるじゃないか!
246名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:39:09 ID:d3YDl05J
>>244
奈美! 下さいい!!
・・・・でも読むのが明日になってしまうww
247名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:47:50 ID:M436cw6R
>>244
アリ!アリ!

>>233
甘いあびるいいですね。乙です!
248前スレ326:2007/10/16(火) 23:34:22 ID:ECmcV72i
ありがとうございます!
エロスは初めて書くんですが、こんなにむずいとは思いませんでしたw
先人達の偉大さが身に沁みます。
脳みその色を灰色から桃色に変えてかないとだめですね。
では投下します。
249続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:37:53 ID:ECmcV72i

「普通って言うなぁ!」こんな状況でも条件反射で突っ込む奈美。
「突っ込み入れてる場合じゃないわよ!早く誤解を解かないと!」奈美の下で晴美が叫ぶ。
「はっ!そうだった!可付香ちゃんも手伝って!」
「いやだなぁ。誤解なんて解く必要ありませんよ。先生は生徒の事をより理解できて喜んでいらっしゃるはずですよぉ。」論点のずれた事を言い出す可付香。
素で言ってるのかわざとなのか、その笑顔からは推し量れない。
「それが誤解だって言ってるんじゃない!奈美ちゃん!可付香ちゃんはいいからスカーフほどいて!」晴美は可付香をスルーする様に促す。
「う、うん!」晴美の指示通り奈美はスカーフをほどきに入った。
「ふぅ。じゃあ先生を追いかけようか。」赤くなった手首の調子を確かめる様にさすりながら晴美が言う。
「やっぱ宿直室かな?…ていうか着替えてもいい?」
「そんな時間ないよ!」晴美は焦っていた。
(もし誤解が解けなくて明日先生が誰かに漏らしたらどうしよう…それが広まったりしたら、どっかの誰かがナミ×ハルとか言い出すに違いない!
あぁカップリングなんてするだけで十分!されるなんて勘弁よ!!)
「さぁ!急いで!」
奈美はまだ悩んでいたようだったが、晴美の勢いに意を決したのか表情を引き締めた。
奈美は走り出した。誰にも見られない事を祈りながら…。
250続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:38:27 ID:ECmcV72i
運良く奈美はその姿を誰にも見られる事無く宿直室に辿り着いた。
「ハァ…ハァ…」ずっと走り続けて、さらに誰かに見られるかもしれないという緊張感のため奈美の心臓は破裂しそうなほど鼓動を強めていた。
(あ、暑い…こんなに体力無かったっけなぁ…)
走ると言ってもせいぜい200メートルにも満たない距離だが奈美は体の芯から燃えるような感覚を覚えていた。
「つ、着いたぁ…。晴美ちゃんどうしようか?」
振り返ったが誰もいない。
「あ…れ??」確かめる様に再び振り返るがいない。
「嘘でしょぉ〜!?」悲鳴を上げる奈美。
(どうしよう…一人で?…ひとり…ん〜…?)奈美は思考をめぐらせようとしたが、心が落ち着かなくそわそわとしてしまい、いい考えが浮かばない。
「と、とりあえず中に入ろう。」数分入り口の前でフラフラしたが結局いい考えが浮かばなかった奈美はそう呟き宿直室の扉に手をかけようとした。
ガララッ___その時急に扉が開かれた。
251続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:39:00 ID:ECmcV72i
「あ」二つの声が重なる。
「うわぁぁっ!」支点を失った奈美そのまま望に突っ込んでしまった。
「おぉっと!大丈夫ですか?」望は奈美を何とか抱きとめた。
「・・・・・・・。」しかし奈美は答えない。ぼーっとして望の顔を眺めている。
「…あの〜日塔さん?おーい?」
「へ?」
「へ?じゃあないですよ。先ほどの事は私は関知しないと言ったでしょう。…ていうか、まだそんな格好なんですか?」視線をそらしながら望は続ける。
「ああ…日塔さんまで普通じゃなくなってしまいました…ますます絶望的なクラスですよ…って聞いてますか!?」
「え、はい…多分。」
「多分って…何なんですか!?さっきからこっちをじーっと見ないでください!!あなた変ですよ!」
「そうなんです…。変なんですよ。先生の事しか頭に入らないんです…。」
その言葉に思わず望は奈美の方を見た。
焦点の定まらない、しかししっかりと望を見つめる目は潤んで切なそうな光をたたえている。物欲しそうな顔をする子供に艶やかさが加わった表情。
加えて劣情を煽るような格好のため望の理性を振り切るには十分だったが、次の奈美の一言が望の理性を切り払った。
奈美は頭を望の胸に押し付けながら、
「先生ぇ……先生欲しい。」消え入りそうに呟く。
たまらず望は奈美を抱きしめた。
252続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:41:11 ID:ECmcV72i
しばし互いに無言で相手の存在を確かめ合う様に抱き合っていたが、辛抱できないと言った感じで望は奈美の耳のそばでささやいた。
「日塔さん…本当によろしいのですか?」
「そんなこと聞かないでください…」
「では…」望は破裂しそうな衝動に駆られながらも奈美を抱きかかえ、中へと入っていった。
 居間に入るとあぐらをかいて座り組んだ足の所に奈美を座らせた。
奈美はこの間頭を望の胸に押し当て時折、小刻みに震えながら黙っていた。
「日塔さん…」
「名前で…呼んでくださ…い。」
「わかりました。では…奈美さん。こちらを向いてください。」
答えを待たずに望は奈美のあごに手を添え、愛らしい唇に口づけをした
「んっ…」一瞬身をかがませた奈美だが、すぐに体の力を抜いて甘える様に望に寄りかかってきた。体全体に伝わる柔らかい感触と鼻腔をくすぐる少女の甘い匂いに望は頭がクラクラした。
「ん…あっ…んぅ」望は舌を奈美の中に侵入させた。奈美もそれに応じ、舌を絡ませていく。
「んんっ…はぁ…あん…」歯茎をなぞり、上あごの裏をなぞる。貪る様に相手のすべてを味わう。
望は奈美の背中に手をまわし服の留め具を外しにかかった。
「ふぁぁっ…せ…んせぇ…あ…んんぅ」
奈美は何か言おうとしたが望は舌を再び入れて黙らせた。
253続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:42:27 ID:ECmcV72i
留め具を滞り無く外し、服を下にずらすと豊かなふくらみが露になった。
「はぁぁ…せんせぇ…明かり消して…恥ずかしいよぉ…。」
「とてもきれいですよ…」聞くつもりが無いのか、聞こえていないのか奈美の訴えに構わず望は片方の胸に手を這わせ始めた。
その柔らかな弾力を楽しむ様に揉んでいく。
「や…ん…ダメぇ…!」奈美は手で顔を覆いながら快感を訴えている。揉む手に力が入るたびに甘い刺激で呼吸が乱れ、体が反り上がってしまう。
その様子に嗜虐心を煽られた望は奈美への責めをより強くしていく。
「奈美さん。かわいいですよ」
「ん…は、ひゃうっ!」奈美が答えようした時に望は胸の頂を軽くつまんだ。
そして背中、太ももへと這わせていた手を秘裂へと延ばす。そこは十分に愛液が溢れ出ていて下着を湿らせていた。
…クチュ…ヌチュ…
指を動かすたびに淫媚な音が聞こえてくる。
「やあっ…はうぅ!…やぁぁぁ…せ…せんせぇ…!」奈美は不意に秘部を弄られ悲鳴を上げた。今まで経験の無い大きな快感の波に溺れ、目の前が真っ白になりそうになる。
「あんっ!せんせっ…もう…ひゃあん!…ムリ!」
「私も、も…う我慢できそうにないですっ…!」
そういうと望は袴の帯を解き、脱ぎ捨てた。そうしていきり立つ絶棒を奈美の秘烈へとあてがい、奈美の中へと侵入させた。
254続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:43:09 ID:ECmcV72i
「くうう…!はぁ…はぁ…」
「ふああぁぁぁんっ!」
奈美の中は狭く、一気に突き入れる事は出来なかった。先端を入れただけだが、その締め付けに望は果ててしまいそうになるのを必死でこらえていた。
望は徐々に、果ててしまわない様にゆっくりと侵入を再開した。
「んん…くぅぅぅ…はぁぁん!」深く進んでいくたびに奈美は嬌声をあげる。打ち付ける快感に耐える様に望にギュッと抱きついている。
「動きますよ…」絶棒の大部分をおさめ終えて望は腰を動かし始めた。
「んっ、ふぁぁ!あっ、あん!やぁぁぁぁぁぁ!」奈美は一度目の絶頂を迎えた。しかし望は動く事を止めない。
休む間もなく快感を送り続けられる。イッた後の敏感な状態よってより快感は肥大していく。奈美はもう限界に来ていた。
「せんせぇっ!わ…わたし、あんっ!もうダメぇぇ!」
その様子を見取った望は最後のスパートに出た。よりいっそう激しく腰を打ち付けていく。
「くっ!出ますよ!奈美さん腕を離して!」望はせ背中に絡めた手を離す様に促したが、奈美はよりいっそうきつく抱きついてきた。
「せんせぇっ!せんせっ!好きぃ!離さないで!」
「も、もう無理ですっ!あぁ!」望はそのまま奈美の中に大量の精を放った。
奈美はそのまま果てて気を失ってしまった。
255続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:43:48 ID:ECmcV72i
その頃、日の落ちた薄暗い道に二人の人影があった
「本当に奈美ちゃんに任せておけばよかったの?」
「大丈夫です!奈美ちゃんなら今頃誤解どころか卍解ですよぉ♪」
「うまい事言ったつもりか!」
「アレな薬まで用意してうまくいかない分けないですっ!」
「アレな薬って…あ、まぁ…誤解が解けてればなんだっていいんだけどね。」
「終わりよければ全て良しということです。」
「ははは…」
「先生はいろんな娘から愛されて幸せですねぇ!」
「それが原因で死にかけて、ていうか死んでるけどね。ところでさ、さっきの薬ってあのコロンの事だよね?」
「そうですよぉ?」
「あれって同性同士でも聞くの?」
256続・奈美の受難:2007/10/16(火) 23:50:30 ID:ECmcV72i
終わりです。ほんとにむずかったです…
エライ人とエロイ人はほんとに紙一重ですね〜
つーか、これは究極の自分晒しだと思いましたw
普段こんな妄想をしているのかと。それをネットに流しちゃうわけですから。
ちなみに落ちは3分の一も落ちてないかとw
こんなだめな僕をみなさん罵って下さい!!
257名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 00:00:36 ID:ygPkOtJ9
>>256
なんとけしからん。
罵りたくても次の言葉しか出てこない。
GJであると。
258名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 00:27:04 ID:gfhWkl7F
>>256
バーカバーカそんな人バーカ!!


奈美可愛いよ奈美ハァハァ…
心からGJですぜ。
259名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 02:01:53 ID:ew5iSt4G
>>256
糸色望にちょと殺意を抱いたw
260名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 02:45:06 ID:jHO0Arxn
>>256
作りやがれバーカバーカ!!
GJ!!
もっと自分晒ししてくださいw
261名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 03:01:24 ID:zgRQpztw
>>256
もっと投下しろよバーカ
262前スレ42:2007/10/17(水) 07:21:56 ID:SifO4433
絶望した!絶望放送リスナーの多さに絶望した!
しかし私からも>>256に一言…
バーカ、バーカ、GJですよ。バーカ
もっと投下してスレを盛り上げろよ。バーカ!
妄想をぶつけるのが恥ずかしいって?
僕なんかデビュー作がペアもの、初の長編が乱交ものなんですよ―――


さて、エロ無しですがしつこくあびるラブラブ編、続き投下します。
ご飯休憩に何やってんだかw
263二人の初ケンカ@:2007/10/17(水) 07:27:24 ID:SifO4433
「おはようごさいます。小節さん」
「おはようございます…」
いつも通りに挨拶をする。
まわりの皆は気付かないが二人の間にだけ緊張した空気が流れていた。
どさっ
「ふぅ」
今日も授業がおわり、望は職員室の机に座ると同時に小さくため息を吐く。
「どうしてこんなことになってしまったんでしょう」
そういうと望は先週の休日の出来事を思い返していた。
父親の留守をついてあびるの部屋に遊びにきていた望。
学校での事、尻尾の事、そして二人の事。
話に花が咲き、楽しい時間を過ごしていた。
そしてある拍子に「望さんにはどんな尻尾が似合うのかな?」
と言いながらあびるが尻尾を数本持ち、望に迫る。
その時、望は尻尾を無理矢理つけられるのを嫌がるあまり、口調も強く言葉を吐きだしてしまったのだ。
「そんなしっぽなんかのどこがいいんですか!先生理解できませーん!」
瞬間、あびるの表情が冷たく固まる。
しまった。
自分の失言に気づいた時にはもうおそかった。
「出てって…」
「あ、あびる…?」
「いいから早く出てって!望さんなんか嫌いよー!」
それ以後、電話やメールにも無反応で、学校で会っても挨拶程度で話し掛けてもそっけない反応をされるか、ひどい時は無視までされていた。
「はぁ…」
望はため息を吐きながらとぼとぼとあてもなく歩いていた。
気が付くと望は無意識の内にあびると初めてデートした動物園の前に来ていた。
264二人の初ケンカA:2007/10/17(水) 07:32:34 ID:SifO4433
バタバタバタ―――
病院の廊下に複数の女生徒の足音が響く。
「先生!」
千里が病室のドアを力強く開ける。
そこには包帯や湿布で半身を包まれた望がいた。
「やあ、皆来てくれたのですか」
「来てくれたのですかじゃないですよぉ!」
奈美が強い口調で返す。
「まといちゃんが救急車呼ばなきゃ大変なことになってたんですよ!」
晴美が続ける。
まといは千里の背後に隠れて泣いているようだ。
芽留が青い顔で携帯の画面を向ける。
[何で動物園でそんな大怪我してんだよ]
すん、すん、と霧が人目をはばからず泣いている。
「せんせぇ…」
望は皆に簡単に事情を説明すると「さあ、今日はもう遅いから帰りなさい。明日からしばらくの授業は智恵先生に代理していただきます。クラスの皆にも迷惑をかけてすまないと伝えてください」と伝える。
その言葉を聞くと生徒達はそれぞれに見舞い、別れの言葉を伝えながら部屋を退出した。
一時の静寂が、流れる。
265二人の初ケンカB:2007/10/17(水) 07:38:53 ID:SifO4433
「どうぞ、お入りください」
望が言うと、静かに病室にあびるが入ってきた。
「………」
あびるが望のすぐそばに寄る。
「よく来てくれましたね。ありがとうございます」
その言葉を聞いたあびるは瞳からと涙を溢れさせる。
ガクっと跪き、泣きながら叫ぶ。
「望さんの馬鹿!何でベンガルトラの檻なんかに自分から下りたりなんかしたのよ!」
まといから状況の一部始終を皆と一緒にあびるも聞いていた。
望が穏やかに口を開く。
「しっぽを…触ってみたかったのです…」
「え?」
「あびるの気持ちが知りたかった。あびるに少しでも近づきたかった。ベンガルトラ、お好きでしょう?」
あびるは涙を溢れさせながら叫ぶ。
「馬鹿、馬鹿ぁ、望さんに何かあったら私、私…」
「すいません、軽率な行動で心配をかけてしまいました」
「私の方こそつまらない事で怒ったりして…ごめんなさい…」
「あびる…」
望があびるの顔を上げさせキスをする。
「ん…」
二人の唇がやさしく触れる。

望は包帯に包まれた自分の顔を指差し
「これであびるに少し近付けましたかね」
と普段は吐かない冗談を吐く。
「馬鹿、本当に心配したんだから」
望は久しぶりにあびるの笑顔を見る。
その笑顔を見つめながら、もうあびるを悲しませるようなことは絶対にしない。
そう心に固く誓っていた。
266あとがき:2007/10/17(水) 07:45:59 ID:SifO4433
終わりです。もし逆の立場になったらどうなるのかなーなんて思いながら書いてみました。
投下ペースが速過ぎて申し訳ないです。
読んでくださった方、スルーしてくださった方、スレの皆様。
ありがとうございました。
さ、あと半日頑張るかーw
267名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 08:22:48 ID:Rx4qc97c
まとめて一冊の本にしたらいかがですか^^
268名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 10:25:55 ID:bEuDxNJz
>>267
保管庫の好きなssを保存用に印刷したww

縦書きに直してみたら、雰囲気が変わるなー
269名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 11:46:37 ID:ti2RIbn8
>>268
俺にも一冊ヨロ
270名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 12:50:18 ID:WJMj5eV3
自分的な萌えツボは「望さん」。
271名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 16:34:54 ID:IXdQnhYE
最近Coccoの「遺書。」が頭から離れない・・・
272名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 18:53:11 ID:RTIG0QKJ
午後の紅茶の者ですが、「好きに書いたらいいじゃない」との優しい言葉に甘える事にしました。

で。

エロです、今回ずっとエロです、ひたすらエロです。
だって書いてみたかったんだもの。
でも最後まで行きません、合体直前でぶった切りです…。
前戯書くのが楽しくてそれだけで容量食ってしまった為ですゴメン…初エロなもんで調子こいた…。
お前のエロは見たくねぇって方はどうかスルーをお願いします。6レス程消費させていただきます。
273午後の紅茶 15:2007/10/17(水) 18:55:59 ID:RTIG0QKJ

自然と、惹かれあうように唇を重ねあう。
触れるだけの軽い口づけから、徐々に深く絡み合う口づけへ移行していく。
先に舌を絡ませてきたのは可符香だった。望はそれに答えるように唇を開く。
お互いの粘膜が、触れ合う。
ピチャ…と、唾液の奏でる僅かな水音が、二人にはハッキリと聞こえていた。
お互いの口内を隅々まで舌で詮索するように、しばらく二人は深く舌を絡めあう事に専念した。
ともすれば長すぎる口づけが終わる頃には、二人の呼吸はすっかり荒くなっている。
お互い無意識に両の掌を重ね、強く握り合っていた。
「――ベッドに、上がりましょうか」
「……はい」
望の提案に、潤んだ瞳で頷く可符香。
可符香はさっさと先にベッドに上がると、すぐさま服を脱ぎ始めた。

しかも、何故か下の方から。

「あ、あ…、ち、ちょっと」
「何ですか?」
「い、いえ……何というか、もう少し恥らって欲しいと言いますか……」
今から目合(まぐわ)おうというのに今更恥らいも無いだろうと、可符香は内心で首を傾げつつ、
スルスルと瞬く間に、ロングスカートを脱ぐ去ってしまった。
白くしなやかに伸びる両の足が露になり、純白のショーツを惜しげもなく晒す彼女に恥らう様子はない。
望は複雑な面持ちで、「よいしょ」などと年寄りじみた声を上げながらベッドに上がる。
「えーとですね……、その、男としては脱がす楽しみを取っておいて欲しいんですよ」
「そういうものですか?」
続いてセーターも脱ぎ捨てようとしていた可符香は、望のおずおずと言った一言に動きを止めた。

上半身はキッチリ衣服に覆われ、下半身は下着のみという無防備さ。
そのアンバランスさに望は妙な興奮を覚えて、軽く身震いした。

「え、えぇ…そういうものです」
「じゃ、脱がせて下さい」
可符香はそんな望の様子には気付かなかったのか、すっと身を寄せてくる。
胸に顔を摺り寄せてくる可符香の髪を何度か撫でて、焦る気持ちを必死に静める望。
望はそっと華奢な肩に手をかけて、優しくベッドに押し倒した。
274午後の紅茶 16:2007/10/17(水) 18:57:43 ID:RTIG0QKJ

ギシ…と、小さな悲鳴を上げるベッドのスプリング。
見下ろす恋人の身体は、いつもよりずっと小さく見えた。
そっとセーターの上から小ぶりな胸に触れる。最初は撫でるように、徐々に包み込むように。
可符香は服の上から触れられる感触がくすぐったいのか、小さく笑い声を漏らした。
「そんな小さいの、触ってて面白いですかぁ?」
「大きさ何て……関係ありませんよ」
答えながら、そっと首筋に口づけを落とす。胸を弄る手はそのままに。
身じろぐ可符香。どうやらくすぐったいだけではないようで、その呼吸は少し荒くなっている。
その様子に気を良くした望は、そっとセーターを捲り上げ、質素な白いブラジャーの上から胸を愛撫し始める。
「もぉ先生、じれったいです。直接触って良いんですよ?」
布越しの感触に耐え切れず、可符香は少し身体を浮かして自らブラジャーのホックを外してみせた。
彼女自身の手でブラジャーが取り払われると、望の目前に、小ぶりながら形の良い胸が露になる。
薄い桃色に色づいた乳頭。はりのある白い肌。その全てに、思わず簡単の溜息を漏らす望。
だがそんな望の感慨もお構いなしで、可符香は望の手を自らの胸に導く。
「……ほら」
「――あ……」
ふに、と掌にダイレクトに感じる肌の感触に、望は鼓動が高鳴るのを抑えきれない。
導かれるまま、そっと両手で双方の乳房を包み込むように愛撫する。
「あは――ふぁ……」
可符香は快感を押し隠す様子もなく、気持ち良さげに声を上げて身悶えた。

猫を愛でる感覚に似ている――そんな事を思いながら、望は乳房の先端にそっと口づけた。
少し硬くなった乳頭を唇で挟み込み、舌の先端でチロチロと刺激する。
「――ふぁぁ……ッ」
どうやらお気に召したようで、可符香はよりいっそう声を高くして鳴いた。
さっき「じれったい」と言われた事を思い出し、今度は少し強めに、音を立てて吸い付いてみる。
「んん――ッ! あは……、先生赤ちゃんみたい」
可符香は自らの胸に吸い付く望の頭を愛おしげに撫でながら、湧き上がる快感に身を任せた。
望は胸への愛撫を続けながらも、スルスルと片手を少女の秘部へと降ろしていった。
先ほど自分がされたように彼女の内股を撫で擦る。掌に吸い付くような肌の感触が心地よい。
275午後の紅茶 17:2007/10/17(水) 18:59:13 ID:RTIG0QKJ
そっと下着越しに可符香の女の部分に触れると、そこはすでに熱を持ち、しっとりと潤んでいた。
じわりと下着に染みる愛液の感触。
望は自分の愛撫が少女を快感に導いている事に、何ともいえない幸福感を感じていた。
「先生――……触って?」
「……はい」
 頷く声は、興奮で酷く掠れていた。

ショーツの中に手を滑り込ませ、薄い茂みを越えると、しとどに濡れた感触が望の指に触れた。
「あ、はぁぁあ……ッ」
入り口付近を、指で円を描くように撫でる。溢れ出る愛液の量が、彼女の快感を物語っていた。
「可符香、さん」
薄く色づく唇から漏れる声を飲み込むように、望は可符香の唇を塞ぎながら、指の動きを早めていく。
第二関節程まで指を入れると、可符香は一瞬だけ眉根を寄せたものの、すぐに慣れたのかゆっくりと身体の力を抜いた。
自分を受け入れるであろうそこを解すようにかき回し、同時に親指で少し膨らんだ陰核を刺激する。
「んんんん――ッ!」
くぐもった声。強く望の着物を握り締め、訪れる快感の波に身構える可符香。

「――――ッッ!!!」

絶頂の瞬間、可符香はきつく目を瞑り、望の背に爪を立てた。
仰け反る小さな身体を抱きしめ返して、望はそっと唇を放す。

「ふぁ、はぁぁぁ……ッ」
可符香は荒く息を付きながら、虚ろな瞳で望を見つめ返した。
そっとショーツから手を引き抜くと、掌は彼女の愛液が滴るほどビショビショになっていた。
「大丈夫ですか?」
目尻に溜まった涙を拭ってやりながら問うと、可符香は長い吐息の中で満足気に答えた。
「はい――気持ちよかったぁ……」
あまりに率直な感想だったので、望は思わず小さく笑ってしまった。
「本当に、貴女は快感に素直ですね」
「嘘吐いても意味ないじゃないですか」
事も無げに答えながら、もうすっかり呼吸を整えた可符香は、そっと望の肩に手を置いた。
「じゃあ次は、私の番ですね」
「はい?」
一瞬言われた事の意味が理解出来ずに、キョトンとする望。
「よいしょっと」

そうして次の瞬間には、可符香はあっさりと望を組み敷いていた。
276午後の紅茶 18:2007/10/17(水) 19:00:38 ID:RTIG0QKJ
組み敷かれてようやく、彼女の言葉の意味を理解して、望は焦ったように身を起こそうとする。
「い、いやいやッ!私はいいんですってばッ」
「いいからいいからっ」
が、肩を押さえつけられてアッサリと抵抗を封じられる――非力にも程がある、と自分でも思う。
可符香は中途半端に引っかかっていたセーターを完全に脱ぎ捨てて、望の着物にも手をかけた。
「ほら、私だけスッポンポン何て不公平ですよ? 先生も脱ぎ脱ぎしましょうねー」
「こ、子供じゃないんですから! 自分で脱ぎますよ、もう……」
さっきまであんなに可愛らしく喘いでいた娘とは思えない。
内心でそんな事を呟きつつ、望は自ら着物を脱ぎ始めた。

――結局、可符香は全部自分で服を脱いでしまって、望に脱がせる楽しみを残してはくれなかった。
自分がもたついた所為ではあるが、その事に若干の不満を感じつつ、スルスルと服を脱いでいく。
袴、着物を脱ぎ捨て、シャツのボタンに手をかける。

すると。
「あ、ちょっと待って下さい」
望が服を脱ぐのを、一旦彼の上から降りて見守っていた可符香が、突然ストップをかけてきた。
「はい?」
「ちょっとやってみたい事があるんですよねー」
可符香は非常にイヤラシイ笑みを浮かべつつ、望ににじり寄る。
「な、何ですか?」
「あぁ、大したことじゃないんですけど」
言いながら、ガッシリと望の肩を掴む可符香。

そして。

「とりゃぁ〜ッ!」
ッバリブチブチィ!

ボタンが弾け飛ぶのも構わずに、そのまま思い切りシャツを左右に引っ張る。
露になる、男にしては華奢な体躯。

「――い、いぃやああああ!!」
「お、良いリアクション」
咄嗟に何故か胸を隠して悲鳴を上げる望の反応がお気に召したのか、可符香は満足気に頷いた。
望は何故か強姦されたような気分になって、破れたシャツを引っ掛けたまま涙目で訴える。
「何するんですか!っていうか、何がしたかったんですか!?」
「いやぁ、先生は服破られるのとか似合いそうだなぁ〜、何て」
「意味がわかりません!っていうか、意味がわかりません!!あえて二回言います!」
さっきまでのしっとりとした雰囲気はどこへやら、すっかりいつもの調子でおちょくられてしまった。
らしいといえばらしいのだが、何もこんな時にまでからかわないで欲しいと、望は心から涙して項垂れた。
277午後の紅茶 19:2007/10/17(水) 19:01:59 ID:RTIG0QKJ

「あはは、すみません。じゃあお詫びに……」
と。さっきまでのふざけた雰囲気から一変して、妖艶な女の表情になる可符香。
またも押し倒されながら、望は少女の肢体を見上げ、その美しさに思わず心奪われた。
灯りは点けたままなので、彼女の身体は余すところなく望の目に晒されている。
「何見てるんですか?」
「いえ……改めて見るとやはり……想像以上に、綺麗なもので」
「あれ、先生ってば、いつも私の裸とか想像してるんですか?」
「い、いえ!そんな事は――」
―――ない、事もない。だが「いつも」というのには語弊がある。
いや、そもそも好きな女性の服の下の事を妄想するのは、男としてそうおかしな事ではないと思いたい。
そんな事を悶々と考えている内に、可符香はスルスルと望の下腹部へ手を滑らせていく。
すっかり下着の中で窮屈そうにしているソレを、何の躊躇いもなく握り締められた。
布越しに感じる可符香の掌の感触に、望は思わず喉の奥で小さく呻き声を上げる。
「あはっ。先生苦しそう」
可笑しそうに笑いながら自身を弄ぶ可符香。
スルリと下着を取り払われると、ぴょこんと元気良く自己主張する自分自身に、羞恥心が込み上げる。
「元気ですねぇ、先生」
先走りで濡れた先端を、細い指先でグリグリと弄られる。望は呼吸を僅かに止めて、必死に声を堪えた。
可符香はねっとりとした指使いで望を弄びながら、男の胸に顔を寄せ、小さな舌で乳頭を愛撫する。
「お、男の乳首なんてただの飾りですよ…ッ」
思わず「偉い人にはそれが以下略」などと口走りそうになるも、そんなふざけた事を言える程の余裕が残念ながら彼にはない。
「やだなぁ、そんな意味のない器官なんてあるわけないじゃないですか。
 あるものには須らく意味があるんです。有効活用しなきゃ勿体無いですよ」
可符香はそう言いながら望の乳首を甘噛みする。
慣れない刺激にどう反応すればいいものかわからず、望は戸惑ったように呼吸を震わせた。
「あ、そっか。舐められるならこっちの方が良いって事ですね?」
「え、あ。な、ちょ――!」
 
278午後の紅茶 20:2007/10/17(水) 19:03:19 ID:RTIG0QKJ
胸から顔を離したかと思うと、制止する間もなく望のソレをくわえ込む可符香。
そのあまりに迷いない行動に、もはや呆然とするしかない望。
が、すぐに襲いくる快感に、悲鳴じみた声を上げる事になる。

「ぅ、あ――は……ッ!」

「んー……、んむぅ…」
深く深く銜え込まる。生々しい水音が、余計に望の興奮を煽った。
少し苦しそうに鼻で息をしながら、丹念に舌を這わせ、時には吸い上げる。
掌で柔らかく睾丸を揉みしだかれると、望は頤を反らして掠れた呼吸を繰り返した。
「――ひ、ぁ……は――ッ!!」

(こ、これはちょっと、まずい――!!)

「か、可符香さん――ッ!」
「――んむぁ?」
じゅるんっ。
急速にせり上がってくる射精感を必死に堪えて、望は咄嗟に可符香の頭を掴み、引き剥がした。
「何ですか先生?このまま出してくれたら、飲んであげたのに」
「事も無げに何てこと言いますか!」
ゴシゴシと口元を拭いながらさらっと言う可符香に、思わず赤面する。
だが、恥ずかしがっているのはどうやらこちらだけのようだ。
「そ、それにですね……、先生、あまり…その、回数には自信が無くて、ですね」
「――ああ!そっか、先生枯れた大人ですもんね」
ポン、と両手を打ち鳴らす可符香。
「納得されても悲しいです……」
だがまぁ、悲しいかな事実なのである。
気持ち的には何度でも、愛しい少女と目合(まぐわ)いたい次第ではあるが、
身体がついていかなかった時の事を考えると、非常に情けない事になりかねない。

「それに最初は――やっぱり、貴女と一緒に、ね」
見返してくる大きな丸い瞳。
そこに映る自分の顔は、興奮で上気しながらも柔らかな笑みを湛えていた。

「……はい、先生。私の中に、来てください」

すぅ、と。大きな瞳が閉じられる。
それが口づけの催促だと、望はもう手に取るようにわかっていた。

もう一度、唇で深く交じり合ってから。

二人は身体を絡み合わせて、ゆっくりとベッドに沈んでいった。

279名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 19:06:39 ID:RTIG0QKJ
ごめん、ホント調子こいてごめん。しかもこんなトコで終わってごめん。
次回でようやく終了です。あ、エロはこれで終わりです。所謂朝チュン…?
無駄にダラダラいちゃいちゃさせた所為で無意味にじゃれ合ってるだけになってしもて…。
何分エロスは初めてなので、突っ込み所満載でしょうがご容赦下され、あぁぁ…。
280名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 19:10:46 ID:ddwAnsb9
うわあああああああああ
真昼神にリアルタイムに遭遇してしまった…!

艶やかでそれでいて下品にならない色っぽい文体はさすが。
初エロスに万歳。
可符香に翻弄される先生、かわいいです!
281前スレ42:2007/10/17(水) 19:32:58 ID:SifO4433
>>279
GJすぎる。
絶望した!エロありでもエロなしでもすばらしい表現力に絶望した!
282名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 20:10:56 ID:Wf0KWgso
GJ!けどここまで来たら最後までいってほしい気もする
283名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 21:28:02 ID:GvYaPSB/
>>279
色っぽいわぁぁぁ・・・・・・!!!
しかも、可符香そのまんま!!  キャラそのままでエロしてるって感じで・・・・GJ!

あの・・・・・・・・やっぱり、口淫って基本ですかね(ry   私は、書かなかったのですがw
284305:2007/10/17(水) 21:44:48 ID:GvYaPSB/
えーと、お疲れ様です。

芽留で短編書いてきました。
エロ無しです。
・・・・真昼さんの後で、空気変わっちゃいますが・・・、投下させて下さいませm(_ _)m
285芽留:聖なる夜は、塀の中?:2007/10/17(水) 21:48:00 ID:GvYaPSB/
通りを向かい合わせに立ち並ぶ商店は金銀のモールで店先を飾り立て、軒先には本物だったり、書き割り
だったり、様々なツリーが並んでいる。
店ごとに競い合うように『Merry Chrismas』のノボリを立て、普段よりも道が狭く感じる。
有線や、CDデッキから流れるクリスマスソングは、お互いの音が混ざり合い、ほとんど町の喧騒の一部と
化していた。

『アー ウゼェ!! イベントにつられて やたらと出てくんなよ!!』

人ごみに翻弄されながら、携帯の画面に文句を並べて、芽留は通りを一人歩いていた。
行き交う人に衝突しないようにするのが精一杯で、辺りを見る余裕も無い。

『こんなんで買い物できるか! つうか、ココ、ドコだ!?』

商店街に入ってから、まだそんなに経っていないというのに、芽留はすでに足元はフラフラになって、彷徨っ
ているかのように歩いていた。
「おや? 音無さんではないですか。」
聞き慣れた声に顔を上げると、すぐ正面に担任教師の姿があった。
マフラーを巻き、長めの外套を羽織ってはいるが、膝下からは袴と足袋に草履の鼻緒が覗いており、芽留は
顔をしかめた。

『ちょっとは 空気に合わせた格好でウロつけ! ハゲ!』

芽留に携帯を突きつけられると、先生は澄ました顔で、
「空気・・・? 何の事でしょう。 私は正月の準備に繰り出したのですがねぇ。」
少し嫌味っぽい口調で言う先生に、芽留は眉を寄せた。

『製造日がそんなにイヤか ハゲ』

「製造日って言わないで下さい!!」
先生は少し前かがみになって叫んだ。
「・・・・・ところで。音無さんは、買い物に来られたのですか?」
『プレゼント交換があるからな ・・・メンドクセーけど 付き合いってモンがあるしよ』
「・・・・どこのサラリーマンですかあなたは。 オヤジ臭い言い方は止めてください。」
芽留はニヤリとして、

『先生には どんなヅラが似合うのか 迷うんです』

「ヅラなんていりません!! ―――って、私は参加もしませんから!!」
激しく首を振って往来の真ん中で叫ぶ先生に、芽留は横を向いて携帯を覗き込み、他人のフリをしている。
行き交う人に変な物を見るような目で見られ、先生は頬に一すじ汗を垂らすと、咳払いをする。

『今日の6時からだからな 遅れんなよ』

「だから、参加しませんよ! 私は。」
『張り切ってるヤツもいるんだから 顔ぐらい出せよ ボケ』
「・・・・顔を出したら最後な気がしますが。」
芽留は溜め息を一つついて、いつの間にか立ち話になっている事に気が付き、取り合えず歩き出した。
先生も芽留の横に並んで歩き出し、芽留はチラリとその姿を見る。

『何で付いて来るんだ?』
「・・・いえ、この人ごみじゃ、一人だと危ないでしょう? 特に音無さんは。」
芽留が、携帯で何か言葉を返そうとした時、メールの着信音が鳴った。

  メール着信 1件
  Frm [普通女]

「・・・・・・日塔さんですか。」
『覗いてんじゃねー! エロハゲ!』
286芽留:聖なる夜は、塀の中?:2007/10/17(水) 21:49:24 ID:GvYaPSB/
芽留はすばやくそれだけ打つと、メールを開く。

『芽留ちゃん、来る時にローソクお願い。可愛いやつね♪』

芽留は軽く溜め息をつくと、返事を打って画面を閉じる。
「・・・日塔さんと仲が良いのですか?」
先生の問いに、芽留は小首をかしげて見せる。

『 普 通 』

「ああ、なるほど。」
先生は面白そうにニヤリと笑い、芽留は肩をすくめて見せる。
「まあ、普通はそうですよね。」
『あいつをイジルの好きだな ハゲ』
「ええ、まあ。」
先生は、一つうなずくと、芽留の肩に手を置いた。
立ち止まった二人の前を、寿司桶を乗せた自転車が通り過ぎる。
芽留が少し憮然とした顔を見せた。

『ガキ扱い すんな ハゲ』
そう打って、不機嫌そうにさっさと歩き出して行く。
「いえ、危ないですから・・・・」
『チビだからって言いたいのか?』
「そうではなくて・・・・・・」
先生は苦笑を浮かべて、そのまま何も言わずに芽留の横に並んで歩いている。芽留は、時々、先生を
横目で見ながら、指を携帯のボタンの上に走らせている。
その様子を見ながら歩いていた先生は、何かに気がついたように少し眉を寄せた。
「・・・音無さん。指が赤くなってますが・・・・・・。手袋はお持ちじゃないんですか?」
芽留は、チラリと自分の指を見て、やや、ぎこちなく携帯を操作する。
『手袋してると ボタンが打ちにくいんだよ 悪いか』
そう打った画面を見せて、携帯を左手に持ち替える。寒さで赤くなった右手は、コートに擦りつけて暖めよう
としているようだった。―――よく見ると、芽留の着ているコートには手を入れるようなポケットが無い。
先生は黙って芽留の様子を見ていたが、不意に芽留の右手を片手で握り締め、手を繋ぐ格好となった。
「・・・・・・・!・・・・・・!?」
驚いて立ち止まり、自分を見上げた芽留に少し微笑み、繋いだ手をそのまま外套のポケットに入れた。
「・・・・・ァ!?」
目を丸く見開いている芽留を見て、先生は少し驚いた表情を見せる。
「音無さん、冷え性ですか? 手・・・・氷みたいに冷えてますね。」
そう言って、ポケットの中の芽留の手を少し握り直す。
芽留は思わず顔を伏せて、早足で歩き出し、先生も芽留に足取りを合わせて歩いてゆく。

『何ニヤけてんだ! エロ教師!』
『余計なお世話だ!!』

少し打ちにくそうに左手で携帯を打って見せる芽留に、先生は少し照れるように笑った。
「いやー・・・・ 私、妹の手を引いて歩くという事に、少々、憧れがありましてね。」
芽留は転びそうになった。

『ダレが妹だ!? やっぱ チビだと思ってナメてるだろ!!』
『ってゆうか、ちゃんと妹いるだろーが!! ハゲ!!』
先生は、芽留のツッコミに、頬など掻きながら、
「・・・倫はまあ、 ―――ちょっと可愛げが無いですからねぇ・・・・・・」
「・・・・ヵ・・・・・・!?」
芽留は自分の顔が火が出るように熱くなっている事に気がつき、下を向いたまま、先生から見えないように
顔をそらした。
287芽留:聖なる夜は、塀の中?:2007/10/17(水) 21:50:52 ID:GvYaPSB/

その時、

「ちょっといいかね?」
やおら、二人の前に割り込み、初老の男が声をかけてきた。
「いや、私はこういう者だが―――君たちは、どういった間柄かね?」
スーツの隙間からチラリと見せた警察手帳に、先生は硬直した。
その――私服刑事らしき人物は、怪訝そうに二人を交互に見ている。
「・・・いえいえ! 私たちは・・・・・」
何やら弁解を始めようとした先生に気付かれないように、芽留は文字を打った携帯を刑事に見せる。

『この人 変態です』

刑事の顔が微かに強張り、先生の腕を掴んだ。
「ま、とにかく。ちょっと最寄の交番まで来てくれるかね。」
そう言って、先生の返事を待たずに腕を引っ張って歩き出した。
「えええ!? ちょ、ま・・・」
先生の声と姿は、すぐに人ごみに紛れ、見えなくなった。


「・・・・・・ぁ・・・・!」
先生の姿が見えなくなってから、芽留はようやく気がついたように慌てるが、もう二人の姿はどこにも
見えなくなっていた。
一つ溜め息をつき、自分の右手に気がつく。
さっきまで、先生の手とポケットに包まれていたそれは、今は暖かく解されている。
芽留は、少し骨ばった先生の手の感触を思い出し、

―――トクッ

一瞬鼓動が止まり、そして一度、高く打ち出された。
「・・・・・!!!!」
芽留は困惑し、頭に血が上り、背中を汗が伝うのを感じる。
『嘘!嘘!嘘! 気のせい! 気のせい!』
何度も携帯の画面に打ち込むが、鼓動は早くなるばかりで、さらに、胸を締め付けるような感覚が起きる。
『頼む オレ! スルー! スルー!!』

―――目を閉じ、何度も深呼吸をし

ようやく落ち着いたのか、空を見上げて大きく息を吐き出した時、メールの着信音が鳴った。

  メール着信 1件
  Frm [普通女]

「!!!」
思わずうろたえたが、取り合えず、すぐ横にあったツリーの影に隠れると、メールを開いた。
288芽留:聖なる夜は、塀の中?:2007/10/17(水) 21:53:07 ID:GvYaPSB/

『先生に連絡つかなくてさ。みんなも知らないみたいだし、何か知らないかな?』

芽留は少し顔を引きつらせたが、

『さっき逮捕された。』

そう打って、送信する。
すぐに返信が来る。

『何やったの!? 先生!?』
『いや オレと手を繋いでたら―――』

そこまで打って、芽留はハッと気がつき、慌てて削除して打ち直す。

『オレと並んで歩いてたら、捕まった』
『・・・・・あー なるほど。先生、人を勘違いさせるの大得意だからねー』

奈美の返信を読んで、芽留は微かに自分の胸が痛むのを感じた。
『オマエの気持ちが チョット分かったぞ 結構厄介だな ハゲ』
『そうそう! そうなんだよねー。まあ、いつもの事だけど』

『えーと それで どのへんだろ? 私、迎えに行ってくるわ。イブの夜が留置所なんて
寂しすぎるしね』
芽留は少し苦笑した。
『ほっとけ 似合うじゃねーか』
『まあねー ・・・って、ほっとく訳にもいかないって。とりあえず出るわ』

芽留は肩をすくめ、奈美に任せようと返事を打とうとし―――
ちょっと考えて、すぐに文を取り消す。

『ついでだ オレが行ってやる オマエ行くと また恩着せとか言われるぞ』
『あー! 言うだろーなー 先生は・・・  じゃ、ゴメン お願いね?』

芽留は、頬に少し汗をかきながら返信すると携帯を閉じて、ほっと息をついた。
しばらく、じっと携帯の画面を見ていたが、やがて文字盤を操作し、

『オレは 勘違いしねーぞ』

それだけ打ってすぐに画面を消し、急ぎ足で歩き出した。

ふと、自分の右手がまだ憶えている温もりに気が付き
慌てて、払うように手を振り回しながら、芽留は走り去って行った。
289305:2007/10/17(水) 22:01:48 ID:GvYaPSB/
お粗末でした。

芽留は、いつも、冷静に状況を見て突っ込んでる感じがしてます。
奈美とセットだと書いてて楽しいw
立場的に 奈美=妹
       芽留=姉  的な立ち位置なイメージがあってw

では、失礼しました。
290名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 22:14:08 ID:GYI8u8Xm
>>271
こっこいいよね。「焼け野が原」も好きだなあ


>>289
ああもう芽留ちゃんかわいいなあ!
知らず知らずにニヤニヤしちったよ
291名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 23:11:46 ID:S/bpGTIt
>>271

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1184663

こう言えばいいんだろ?

ニコ厨氏ね!
292名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 23:31:37 ID:2yMfLj4X
>>291
見た。
絶望MADて何でこんなに神が多いんだ。号泣。
293名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:06:13 ID:ti2RIbn8
>>291
なんか汁でてきた
294名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:23:40 ID:dwzUMjTa
>>289
芽留可愛いねー。素晴らしいです。GJ!
このスレでは、芽留大人気だなw。
>>279
やはり、先生には受けが似合うのか。可符香に翻弄されまくりw。GJ−。
和姦はほのぼのしていいね。
でも、時には夕暮れの教室で回されちゃう可符香タソとか・・誰か書いてほすい
・・・あれ、ポロロッカ星から小包が?
295名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 15:15:38 ID:qTeUziFF
>>294
回されちゃう・・・と聞いて、

くるくるくる「あーれー・・・」

と、想像が浮かんだ俺は、いろいろマズイな。
296名無しさん@ピンキー :2007/10/18(木) 16:01:13 ID:B7Dmbxu4
>>289
芽留かわいいなぁ。GJ!
297名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 16:26:54 ID:ofIPFHsJ
ども前スレ42です。
あびるラブラブ編、1レス短編いきますー
298時と場所:2007/10/18(木) 16:34:17 ID:ofIPFHsJ
「秋祭り?」
「はい、ウチの近くの神社でお祭りやるんです。一緒に行きませんか?」
あびるが手際よく望の包帯を取り替えながら話し掛ける。
「お祭りですか、風流ですね。ええ、是非ともご一緒しましょう」
動物園での怪我も小さな傷を除けばほぼ治り、日常生活には何の支障もない。
何よりこれほど早く回復したのは日替わりで見舞いにきてくれた生徒達のおかげであり、特にあびるの献身的な看護には感謝の気持ちでいっぱいだった。
望はあびるの誘いを快く承諾した。
あびるは包帯を取り替え終わると、猫のように望に抱きついてきた。
「ふふっ、そう言ってくれると思ってました!久しぶりのデートですね、楽しみにしてますね!」
「ええ、私も…」
望が返事を返そうとしたその時、部屋の扉が勢い良く開く。
ガラッ!
「!!」
「おじさん、あびる姉ちゃん、何やってんだよ」
「ま、交!」
「交くん…」
空気が凍り、静寂が流れる。
「えっと、これは…っと…脈拍!脈をはかってたのよ!ねぇ、先生?」
「そ、そうです!これは看護の一環であってやましいことは何も…」
取り乱し、苦しい言い訳をする二人の横を通り過ぎながら交は冷静に言い放つ。
「いちゃいちゃするのは勝手だけど時と場所を考えてくれよな、あんまりひどいと小森姉ちゃんとか智恵さんに言いつけるぞ」
二人は自然と正座の姿勢になり、交の背中に向けて頭を垂れていた。
二人は小さく声を合わせて『はい、すいませんでした』と謝るしかなかった。
299前レス42:2007/10/18(木) 16:36:14 ID:ofIPFHsJ
いちゃいちゃする時は周囲に気を付けましょうということですねw
秋祭り編はもうちょっとお待ちください。
というか待ってくれている人はいるのだろうか?w
300名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 17:30:18 ID:H73VfoFr
先生でオナニーするあびるを想像しておっきした
301名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 19:20:12 ID:8jt9ReWU
>>300
んっ、先生…。
先生の大きな尻尾…気持ち良いです…。
302名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 20:19:54 ID:cuDjY0sH
072315
303名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:47:52 ID:tTcTTK8l
 や〜〜〜きいも〜〜〜
奈美「やっぱり秋は食べ物が美味しいわねぇ」
千里「あれ?晴海は食べないの?」
藤吉「ほら私、ダイエット中だから…」
絶望「いいんですか?
 貴女には食欲の秋しか残されていません!
 それでもそれを放棄するのですか!?」
藤吉「いきなり何ですか!」

絶望「食欲、スポーツ、芸術、読書…
 必ずどれかは 秋を楽しめない!」
千里「どういうことですか。」
絶望「秋の一字を付けることで
 普段はしないようなことを楽しめる季節
 それが秋です」
絶望「逆に言えば、普段からしてることは
 秋だからという理由だけでは楽しめないのです!」
久藤「確かにそういうことありますよね」
絶望「久藤君」
久藤「読書の秋っていっても、いつもとしてることは同じだし…
 僕は読書の秋って、そんな特別な価値はないかな…」
絶望「そういうことです
 貴女の場合は、年中読書スポーツ芸術をたしなんでいます」

読書…あなあなよみよみ…
スポーツ…開場と共に競歩&卓越したボディバランス…
芸術…(男性の)裸体デッサン…

絶望「貴女が楽しめる秋は、食欲だけです!」
藤吉「酷い!」
千里「自業自得じゃない。
 でも、何とかなら
304名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:50:39 ID:lU3NeO1c
おお、原作っぽい
305名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:59:38 ID:2uHZN7uS
>>303
原作の雰囲気まんまだw でもこれ途中送信しちゃってませんか?
違ってたらごめん。千里の台詞の続きが気になって。
306前スレ42:2007/10/18(木) 22:16:57 ID:ofIPFHsJ
>>303
凄いな〜原作の雰囲気が出てますね。
まさにパロディって感じですね。

ラブラブ秋祭り編、書き終えたんですが投下はまだ自重した方がいいですよね?

>>303さんのお話の途切れ具合が気になるので…
307名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:20:41 ID:tTcTTK8l
途中送信してスミマセン…
続き


千里「自業自得じゃない
 でも、何とかならないんですか?」

可符香「大丈夫ですよぉ、誰だって秋を楽しめます」
 「例えば久藤君は、普段と違うことをすればいいんですよ
 外国文学や古典を原文で読んだり、
 大人向けの本に手を伸ばしたりすればいいんです」
久藤「確かにそうかもね」

千里「普段と違うことをすればいいのね…」
藤吉「い…嫌な予感…」

千里「BL本を読まずに、レディスコミックを読むのです!」
藤吉「レディコミなんて
 恥ずかしくて本屋で買えないじゃない!」
あびる「え」

千里「驚異の運動能力に制限を与えるのです!」
藤吉「だからってなんで包帯で縛るのよ!
 しかもアニメOP仕様だし!」
あびる「意外と動きにくいのよね、包帯って」

千里「男体を描かずに女体を描くのです!
 さあ、私をモデルに描くのです!」
藤吉「ひえぇぇぇ…」

千里「アゴが尖りすぎてるわ、やり直し。」
  「中心線が歪んでるわ、やり直し。」
  「胸部が不正確だわ、 や り 直 し 」
藤吉「これでもサービスして描いたのにいぃ…」


真夜「・・・・・・・」

  ぼ ん っ

マ太郎「爆発は芸術なのに、体育会系なのナ」
308名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:23:31 ID:2uHZN7uS
>>307
GJ! やっぱりこういう小ネタ系も好きだなぁ、上手い。
309名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:39:03 ID:k7TFxFrP
どうも>>219です
書いていたSSの前編が完成したので投下させていただきます
原作第五十話を元にした時間系列無視のパラレルです
ここでは初めてSS投稿ですが凄惨で鬱な話なので嫌悪感抱いた人はスルーして下さい
310「旧姓」前編壱/九:2007/10/18(木) 22:41:02 ID:k7TFxFrP
「しかし
あなたがいくら旧好きと言っても
旧姓はないんですね」


旧友の教え子に言われたその言葉は一旧の脳裏に焼き付いて離れない

旧東海道を行脚してる時も旧型車につけたカーナビに電子音風に喋りかけた時も
折り合いの悪い新母に会っている時でさえ頭の中でずっと回り続けている
「良いなあ旧姓、
年賀状に旧姓とか書きたい!
欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しいィィィィ!!!!!!!!!!」

その胸が張り裂けそうな衝動を押さえる事が出来ず
一旧はニンテンドーDSを放り出し
夜の街を青春映画よろしく走り出す
僅かに肌寒い春の夜を駆け抜け気がつくと河川敷まで来てしまった

一服しようと袖に入れていたキセルを吸うと
満月のほのかな光に照らされ向こう側から河川敷きの真ん中を歩いてくる少女が見えた


木津千里だ
311「旧姓」前編弐/九:2007/10/18(木) 22:44:08 ID:k7TFxFrP
「あら、貴方は確か先生の旧友の一旧さん。」

「こんばんわ千里ちゃんこんな夜中になんで一人で?」
「あぁ学校の帰りに晴美の家に寄ってどうじ・・・じゃなく漫画の手伝いしたらすっかり遅くなっちゃって。」

「へえ熱心ですねえ」

少し尖った口調でありながら楽しそうに語る少女確か旧友のクラスにいた学級委員っぽく旧友に意見していたな
名は体を表すとゆう言葉通り几帳面な性格
そして今時珍しく長い黒髪と太めで釣り上がった眉は旧好きな私の好み
口うるさいが良い嫁になりそうだ

そう思うとある言葉が自然に口から出て来た

「千里ちゃん・・・・」

「はい、なんですか?」


「むこ入りさせて下さい!」

「何をいきなり!!!!」

めりィィィ!!!!!!
一旧の顔面に鉄兜を砕き大地をも断つ千里の凄まじい威力の拳が深々とめりこんだ
312「旧姓」前編参/九:2007/10/18(木) 22:47:18 ID:k7TFxFrP
反射的に放たれた千里の拳は骨を砕き手首はおろか制服の襟までめりこんだ
だが何故か一旧は倒れない
「グググッ・・・・」


地獄の様な呻き声を上げた途端一旧は己の顔に刺さった腕をいきなりギュギュっと掴んだ

「えっ?えっ?」

この予想外な状況を理解出来ない少女の腕を捕まえ一旧はいきなり河川敷きに生い茂る草むらにドサリと転がる様に押し倒した

「きゃああああ!いきなりなんなのよ!!」


すると押し倒した勢いで拳が抜け50:50の半笑いの顔が現れた

「全然痛くありませんよ、薬物のおかげでね」

一旧がキセルに入れて吸っていたのは煙草などではなかった
以前インド旅行をした際ありきたりな大麻に飽き飽きしていた中ふと見つけた怪しげな薬物
それはダウナー系ドラッグの麻酔効果とドーピングの筋力増強作用を兼ね備えた物であり
一旧は日本にひっそり密輸して愛飲していたのだ
313名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:50:23 ID:HYs70f7r
支援?
314「旧姓」前編四/九:2007/10/18(木) 22:50:58 ID:k7TFxFrP
「や、薬物!?戦中の旧日本軍兵士の士気を高めるために使われた覚醒剤が一般人に出回った事があったらしいけど、
そんな旧趣向はやめなさいよ!!」


彼女らしく几帳面な反論である
だが一旧はそれに動じず叩き込まれていない右手も薬物増強した力で押さえ付けた

「嫌っ!一旧さん離して!痛いわよ!」

「嫌なら力ずくで私を受け入れざるをえない様にしてあげましょう」


そう言うと千里の腕を万歳するかの様に伸ばし細い両手首を左の掌で握り締める
そして自らの着物の帯の下の間に手を入れゴソゴソと何かを探り始めた


「一旧さん、まさか・・・・」

「そのまさかですよ!」


着物の間から硬く起立した肉棒が千里の視界に現れた

「いやぁあ!そんな物出して何する気なのよ!!!」
「そりゃあこれから婿入りするに決まってるじゃないですか
私は準備万端ですよ」


常人には全く理解し難いだろう
旧姓を得るとゆう事に取り憑かれた一旧に道徳心など無意味であった
315「旧姓」前編五/九:2007/10/18(木) 22:54:37 ID:k7TFxFrP
「さて、私は準備万端ですが千里ちゃんはどうかな?」

そう呟くと一旧は躊躇なく千里のスカートの中に手を潜らせ下着越しに勝負の割れ目を触りはじめた
「何が婿入りよ!準備万端よ!触らないで!!」

目を怒りに潤ませ綺麗に真ん中わけされた前髪は次第にはらはらと乱れてゆく
それがかえって一旧の加虐心をそそり
下着をずらし指はとうとう勝負の割れ目へと進入してきた


「いやあぁあ!!!!
一旧さんやめて!!」


几帳面少女の中は予想以上にキツく指が引きちぎられそう
それを強引に愛撫してゆく
「やはり名前通りきついですね、
しかし嫌がってる割には濡れてきましたよ?」


女性器とゆう物は異物が進入して来た際感じてなくても愛液を分泌して粘膜を守る物だが一旧の眼には自分を受け入れるため感じてる様にしか写らなかった

「感じてるわけないでしょう!殺すわよ!!」

だが一旧は脅迫じみた抗議にまったく躊躇せず強引に下着をビリリッと剥いだ
すると毛が左右対象に整えられた勝負の別れ目があらわとなった

「平等院鳳凰堂の様に左右対象な陰毛ですね
さてここに婿入りしますよ〜」
316「旧姓」前編六/九:2007/10/18(木) 22:57:56 ID:k7TFxFrP
「やめて一旧さん!!
今なら半殺しで許してあげるから!!」

「いいえ、目の前にあるチャンスを見過ごす訳にはいかないんです!」

そう言うなり一旧は千里のキツい割れ目へ一気に挿入した

ズブブブブ

「あぁああああああ!!!!!!!!!」

文字通り身を貫く痛みに千里は足をバタつかせ必死に押さえ付ける腕から逃れようとする
だが薬物で限界以上に増強された力からは逃れられない

「フフフ暴れても無駄ですよ
それにしてもこのちぎれんばかりの締め付け
私の竿にまで滴る血
千里ちゃん処女だったんですね」


――処女、その言葉に今まで半狂乱だった千里が反応した
「・・そ、そんな・・私のは、初めては先生だったはず・・・・」


保健室であの日先生と男女の関係になったはず
千里を支えて来た何かが揺らぎ始めた


「何言ってるんですか今凄く痛いでしょう?
それは処女膜が私に破られたからですよ」


「うそ・・、そんな事あるわけない
あるわけないわよ!確かにあの時保健室で先生の腕の中に・・
うぅっ・・・・・」


千里は唇を強く噛み
身をよじらせる様な体の痛みを必死に否定する様に望の事を考えはじめた
317「旧姓」前編七/九:2007/10/18(木) 23:01:41 ID:k7TFxFrP
可符香に変な絵を見せられ気分が悪くなり保健室で寝ていて
気がつくと糸色先生の腕の中にいた

最初はきっちり責任を取らせるため籍を入れようとしていたが
次第に責任以上の想いが募りゆくばかり

それは先生が私を煙たがり恋愛はないと言い放ってもなんとか私の張り裂けそうな心を繋ぎ止めていたと言うのに


「こ、この痛み・・と血は・・きちんと愛撫せず・・に無理矢理・・入れたから・・」


「それだけでこんなに血が出ますかね?
それと旧友は言ってましたよ
『勝手にベッドに転がりこんだだけで責任を取れと女生徒に迫られている』と」


遠回しに聞かされる残酷な言葉
それは破瓜の痛み以上に千里を深く傷つけた


「いや・・いやいやいやいやあぁあああああああ!!!!!!!!!!!!」

その綺麗であった真ん中わけは真ん中わけであった事を失う程に乱れ
真っ赤になった顔を瞳から流れる溢れんばかりの悲しみの涙が大量に伝っていった
318「旧姓」前編八/九:2007/10/18(木) 23:05:33 ID:k7TFxFrP
教室であれほど気丈だった千里が
まるで己の存在そのものを訴える赤子の様に泣きじゃくる姿に一旧の心には流石に罪悪感が芽生えはじめていた


「私は自分の欲望のために彼女の全てを傷つけているのか?」


だが躊躇しはじめた一旧の脳裏に再びあの女生徒の言葉がよぎった

「旧姓がないなんて旧好きとしてはアマチュアなんじゃないですかあ?」


その悪魔の如き囁きは
再び旧への歪んだ愛情に火をつけた


「千里ちゃん、私はちゃんと責任を取ってあげますよ」

グプッグプッグプッ

暴力的で鈍く湿った音を響かせちぎれそうな程きつい千里に一旧は強引にピストン運動をし始める
「うぐっ、うぐぐう、」

鳴咽にも似た悲鳴を上げながら千里はこの凌辱が終わる事を望む事しか出来なかった

だがあまりの締め付けに一旧も限界に達しようとしている

「うおっ、千里ちゃんの中凄く締め付けてくるよ!うわぁあヤバっ」

ズピュピュドプュ

一旧の肉棒は震え大量の白濁汁を泣きじゃくる千里の勝負の割れ目に注ぎこんた
319「旧姓」前編九/九:2007/10/18(木) 23:09:12 ID:k7TFxFrP
自らの竿を引き抜くと
純潔を奪われた割れ目に大量の精液を受け止めきれるはずもなく
血と交じりながら大量に涙の様に溢れ落ちスカートを汚していった


「いやあ千里ちゃんの中気持ちよくてつい中に出しちゃいましたよ〜」

押さえ付けていた手を離し嬉々と話す一旧とは対象的に
千里は顔を覆う様にうずくまり震えて泣いている

「ウッウッ・・せ、先生、・・糸色先生・・」

真実を聞かされ凌辱されてもいまだに愛している男の名を呼び続けて


だがそれを再び50:50の嘲笑う様な歪んだ笑みで見下ろし
一旧はトドメを刺す様に口を開いた

「もし妊娠しても安心して下さい
旧友と違い私はきちんと責任を取って婿入りしてあげますよ」


その夜の満月は醜悪な怪物と化した一旧を不気味に照らしていた
320名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:13:54 ID:k7TFxFrP
はい9スレも使って醜文申し訳ありません

大まかな展開は原作通りで中編、後編も執筆予定です
もし皆様が宜しかったら投下させて下さい
321前スレ42:2007/10/18(木) 23:37:58 ID:ofIPFHsJ
>>307さん
原作っぽくておもしろかったです。GJ!

>>219さん
鬱な話のはずなのに前半はコメディチックな感じ。
でも一旧さんの一言で雰囲気がガラッと鬱々しく変わりましたね。凄い。
あと携帯からも読みやすかったですw
続編の投下を希望します。

さて、お待たせ(?)しました。
秋祭り編投下します。
またもやエロなしです。
エロ希望の方は本当スイマセン。
322秋祭り@:2007/10/18(木) 23:45:21 ID:ofIPFHsJ
小さいながら提灯が並べられ、秋の夜に楽しげな祭りの雰囲気が漂う。
望は祭りの喧騒の中に一人たたずんでいた。
「規模は小さいですが、良い祭りですね」
「望さんっ」
背後から聞き慣れた声がする。
振り向くと浴衣姿のあびるがいた。
「お待たせしちゃいました?」
「いえ、私も今来たところですよ」
カップルお決まりの問答をしながら二人は笑い合う。
「でも現地で待ち合わせだなんて望さんて結構慎重なんですね」
「先日、あんな事があったばかりですからね。さすがに慎重になりますよ。それに…」
「それに?」
「楽しみはギリギリまでとっておきたい方ですからね」
あびるの艶やかな浴衣姿を指差しながら言う。
「もう、おだてても何も出ませんよ?」
「ふふっ、ひどいなあ、本心ですよ。さあ早速祭りを見て回りましょう」
「はい」
二人は人込みに向けて歩きだした。

―金魚すくい―
「わあ〜〜〜」
ぴょこぴょこと水を掻くしっぽ(正確には尾びれ)にあびるが目を輝かせている。
「さすがにしっぽには目がありませんね、よし!先生が金魚すくいの見本を見せてあげましょう。これでも金魚すくい師の資格をもっているのです!」
豪語しモナカを構える望。
「てやあっ!」
ちゃぽっ
「はぁっ!」
ちゃぽん
金魚は無情にも水面へと戻ってゆく。
「店主!このモナカ薄すぎやしませんか?」
「そんなことねぇよ」
「絶望した!偉そうに豪語したのに一匹も獲れない自分に絶望したぁ!」

―射的―
スコンッ!
あびるのコルク弾が標的を打ち落とす。
「やったあ!これで五個目です。望さん、私もやればできるんですよ!」
胸を張るあびる。
「おお、すごいですねー」
(さすがは砂漠のネリ消しの娘…怒らせることのないように気をつけなければ…)
次々に標的を打ち落とすあびるを見ながら望は密かに誓いを立てていた。

「ふぅ、少し休憩しましょうか?」
「はい」
323名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:49:10 ID:LUFYn+cb
閑散としているはずの木曜日夜にこの賑わい・・・
うれしいはずで実際にうれしいのだが
後は後編を残すのみの大草さんSSの職人さん、
そして落したいという長編投下を宣言したまま姿をあらわさない430氏の行方を
心配しているのは自分だけなのだろうか・・・
324秋祭りA:2007/10/18(木) 23:57:06 ID:ofIPFHsJ
ベンチに腰掛け、出店で買ったたこ焼きの箱を開ける。
「おおっ、これは何とも美味しそうですね」
「よっ」
あびるはたこ焼きを楊子に無造作に突き刺す。
「望さん」
「はい?」
「お口開けてください。食べさせてあげます」
「え、あ、それはちょっと恥ずかし…」
望が言葉を言い終わる前にたこ焼きを笑顔で差し出す。
「はい、あ〜ん」
望は一瞬だけ躊躇する素振りを見せるもののあびるの笑顔に折れたようで。
「……あ、あ〜ん」
ぱくっ
「望さん、美味しいですか?」
「は、はい」
顔を真っ赤にしている望を見ながら幸せそうに笑うあびる。
その顔を見ると望も自然と笑顔になる。
「さて、そろそろ行きますか」
「あ、もうそんな時間なんですね」
今夜の祭りのメインイベントが始まる。

どん、どぉん!
色とりどりの美しい花火が打ち上がる。
「花火はヘリコプターでみるのが一番キレイなんですけどね」
望がいつも通り冗談を飛ばす。
「でも、別れてみる花火よりは良いでしょう?」
「意地悪ですね」
「お互い様です」
そう言うとあびるは望の指先に自分の指先を軽く触れ合わせる。
その感触に気づくと望はあびるの手をぎゅっ、と握る。
二人の頬が紅く染まり、互いに見つめ合う。
何も言わず頬笑み合う二人は再び花火に目を向ける。
その後ろ姿はまるで―――


「まるで夫婦みたいだな」
目尻をつりあげながら交が呆れたような口調で言う。
「本当ねぇ」
晴美は交を腕に抱えながら同意する。
「甥っ子放っておきながら自分は教え子とデートかよ」
「まあまあ、交くんそんなに拗ねてないで、今日は私と楽しくデートしましょ?」
「は、晴美姉ちゃん…」
交は少し照れている様だ。
「ね?」
晴美が優しく頬笑みながら話しかける。
「う、うん…な、なぁ…晴美姉ちゃん」
「ん?何?」
「き、今日はありがとな…」
「ふふっ、どういたしまして」
どぉん!
「わぁ!」
「わっ、本当にキレイだねー」

様々な想いの交差する秋の夜空の下、打ち上がる花火は美しく大輪の花を咲かせていた。
325あとがき:2007/10/19(金) 00:00:01 ID:yGwDxMnG
ラブラブな二人はどんなシチュエーションで書いても楽しいですね。
毎度読んでくださってくれる方々、スルーしてくださってる方々スレの皆様、本当にありがとうございます。
少しでもスレのお役に立てていれば嬉しいです。
ネタが続く限り二人は永遠にラブラブですw
326名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:06:25 ID:6tBo6NvN
みなさん大変GJなんですが…
ここまでくると、もはや豊作び(ry…
327名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:14:53 ID:Cx94AZiO
すまん割り込んだ
単に呟いてみたかっただけなんだ
あなたのSSも好きだぜGJ
328名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 09:29:31 ID:eAJhvoF1
大草さん職人さんはともかく430氏は心配するほど消えてないだろ
そんな自分は『猫の瞳』待ち

>>291さん続きが気になる!ヨロ
そして42さんいつも乙
329名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 14:38:14 ID:mCdtDcVX
芽留のペアは奈美じゃなくてカエレのような気がする。
アニメの影響で原作でもそんな感じになってきたし。
330名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 17:25:12 ID:aoByAOmf
>>329
俺には、天敵のようにみえるが・・・・
331名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 19:20:53 ID:POeizPs1
美羽「一人殺せば犯罪者!千人殺せば英雄だっ!!」
332名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 19:53:24 ID:WZiGvztI
空気を読まずに投下致します。

望×カフカのエロですが、自分が携帯な事と、小説書くの始めてなものでアレですが よろしくお願いします。
333夕食1:2007/10/19(金) 19:54:30 ID:WZiGvztI
トン トン トン

一定のリズムが台所から奏でられる。
糸色 望はその音の演奏者の方に目を向けた。


ここ数日、期末考査の採点やらで休みがほとんど取れず忙しい日々を送っていた。

今日やっといつもの慌ただしい日常に戻り、夕方宿直室へ帰ろうとした時だ。

「今日は私が夕食を作ってあげます」

愛しい恋人からの申し出。有無を言わせないその口調に逆らえるはずがなかった。


望の恋人こと風浦 可符香は、手際よく何かを切っている。


制服にエプロン。
短いスカートから伸びる、しなやかでほっそりとした足。


この状況に興奮していないといったら、もちろん嘘になる。
現に望は、心の底に渦巻くやましい感情を必死に抑えていた。


今すぐに後ろから抱きしめて、足を、太股を撫で上げたい---。

…ってだめです!!不純です!!不純すぎます!!
いくら恋人同士だからといってコレは…


しかし、望の目線は可符香から離れてくれなかった。

もう何日交わっていないのだろう。
さっきから望の男は主張を始めている。

このままでは夕食どころではない。
334夕食2:2007/10/19(金) 19:58:02 ID:WZiGvztI
仕方ありませんね。

望はゆっくりと立ち上がった。今日は自分の気持ち、いや欲望に素直になることにしよう。

自制心なんて呆気ないものだ。
望の頭は可符香をどう調理するかでいっぱいだった。


なるべく自然に近づき、やわらかな太股を軽く撫で上げる。

「ひゃっ!?」

相当びっくりしたらしく、後ろを向く可符香の柔らかな唇を奪う。

「んふっ…ん…ンンゥ…」

唇を柔らかく吸い、歯列から舌を滑り込ませる。
上あごをくすぐり、逃げようとする小さな舌を絡めとり、吸い付く。
可符香の頬が薄く染まり、目がだんだんと潤んでゆく。

「…っふ」

塞いでいた唇を僅かにずらすと可符香は喘ぐように息を吸った。

口内を貪りながら望の右手は制服のなかへ、するりと潜り込みホックも外さず乳首をこね回す。

「ンンゥッ!」


唇を外すと、二人の荒い吐息が部屋を満たした。

「ふぁっ…はぁ……先生っ!せっかく…ぁ…りょうり…作ってたのに…ンッ」


「すみません…。けど、私はあなたを料理してみたくなったんですよ」

柔らかい乳房を揉みしだきながら、望は可符香の耳たぶを甘噛みする。

「んッ!!」
335夕食3:2007/10/19(金) 19:59:21 ID:WZiGvztI
弱点を責められたせいか、可符香の体が震え、望に全身を預けてくる。
自己主張し始めた乳首をコリコリと挟みこねてやれば、震える瞳。
体中にキスを降らせてやれば乱れる吐息。
望の分身がまた熱くなった。

「可符香さん…。縁に手をついてください」


素直に手をつき、望に尻を突き出す体勢になる。
望はスカートをまくし上げ、白のショーツをずり下げた。微かに震える体、ショーツから銀色の糸がひいた。

「ここ…こんなにヌルヌルしてますよ」

中指を柔らかな肉盛に沈み込ませる。

「…っ!!あぅ…ヤァッ」

割れ目を何回かなぞったあと、つぷっと導かれるように長い指が熱い中に入る。
ゆっくり中を往復させると、太股にとろりと蜜が流れた。

「あっ…あっ」

じれったそうに可符香の腰が揺れる。

ヒクつく入り口、もっと刺激が欲しいのに望はゆっくりと往復を繰り返すだけだ。

「どうしました?可符香さん」


くやしい…いつもは私が先生をからかっているのに…

可符香の意思を無視して、体は望を求めている。
中が疼いた。
336夕食4:2007/10/19(金) 20:01:44 ID:WZiGvztI
欲しい…先生が…欲しい…

悔しさも、羞恥心も目の前の快感にねじ伏せられてしまった。
可符香は少し振り返って望を見た。
絶え間なく紡がれる熱い吐息。小さな口から時折見える真っ赤に熟した舌。
今にも泣きそうな顔。


誰も知らない、自分だけの可符香の女の部分。

「せん…せ…ぁぅ…きて…くださいっ…ん…せんせいの…あついの…わたしの…っ」

言葉が最後まで紡がれる前に、望の怒張が可符香を貫いた。

「アアアアァァァッ!!」
337夕食5:2007/10/19(金) 20:03:40 ID:WZiGvztI
ズチュッ、ズチュッと怒張が熱い蜜壺を奥まで貫いている。


揺さ振られる度に、可符香の乳房がふるふると揺れた。導かれるようにてっぺんを摘んでやると、嬌声が高くなる。


「あんっ!あっあっ…アゥゥ!…ンゥッ!」


身長差もあり、可符香の快感に溺れた顔が望を煽る。

ズンズンと奥まで貫くと、可符可の背が反りかえる。襞がヒクヒクと望を責め立てた。

「ウンッ!」

腰をさらに高く持ち上げ、乱暴ともいえる強さで中を擦る。限界が近いのか、蜜口がキュッとすぼまり、望の幹を握りしめる。

「あっあっあっ…あぅっ…!先生ッ私…もうッ…アァッ!」

片手で肉芽を押し潰し、怒張をぎりぎりまで引抜いて、おもいっきり貫く。

「ああああああぁぁぁぁッッ!!」

「ッ…カフカッ…!!」
「いやぁぁっ!!あん!!あんっ!!あぅぅッ!もぅっあぁあああぁぁぁぁ」

達したばかりの窒がぎゅうぎゅうと望を締め付ける。
「っ!!」


望は自身を引き抜いて、白濁した液を可符香に吐き出した。
338夕食6:2007/10/19(金) 20:04:43 ID:WZiGvztI
「先生のせいですよ!」


結局第二ラウンドまでやってしまった。
これは夕食と言うよりむしろ夜食だ。


生のにんじんとマヨネーズ、それにご飯。


可符香が作るつもりだったカレーライスの一部だ。

「…それにしても、びっくりしました」

にんじんを箸で挟んで可符香が言う。


「何がです?」

「先生はまだ、枯れていなかったんですね」

「あ…当たり前です!!辛うじてまだ現役ですよ!!」


クスクスと笑う可符香。

その表情があまりに無邪気で、ついつい見とれてしまう。


「今度は、ちゃんとしたものを作りますね」

「はい。楽しみにしています」


穏やかな時間が流れていく。


普段は絶望ばかりしているが、今この時、望は胸を張って幸せだといえる。

明日は土曜日。
また、ゆっくりと、時に速く時間は流れていくのだろう。

そんな時間を彼女と過ごせたらと望は思う。


空には星が、きらきらと輝いていた。
339名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:06:07 ID:WZiGvztI
終わりです。

こんなの投下してしまいすみません!!
スレ汚しすみませんでした!!!!
340名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:18:47 ID:R4xUpvWr
これは良いものを^^
341名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:29:08 ID:4NV1Sgz0
ティータイムの季節を少し過ぎたお二人ですね。
何故だろう、とても幸せなふいんきなのに 
何か‥忍び寄る影を‥ すいません。
2人に幸あれ。
342名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 00:38:13 ID:BV+AN1SD
>>323
地獄の底から舞い戻ってきました、大草SSの者です
ご心配お掛けして申し訳ありません

いや、単に大学の方始まっちまいまして時間が取れず間が空いてしまっただけなんですが

ということで、住民の皆様がいい感じに忘れた頃に、久藤×大草SS後編投下させて頂きます
なんぞそれ?という方は、保管庫の方参照していただければ幸いです
勝手な鬱設定負荷してますので、その点だけご了承下さい

では、参ります
343徒花・後 1/9:2007/10/20(土) 00:40:20 ID:BV+AN1SD
私が下した決断は、何も、衝動的なものというわけではなかった。
それは、自分の過去にまつわる真実を思い出し、冷静に自分の置かれた状況を見つめて
………その結果として導き出された、結論だった。

自分は過去に、心の底から愛し、信頼していた人間に裏切られて。この身に宿した新たな
命の火を、消して。取り返しがつかないほど長く貴重な時間を、病んだ精神が生み出した
妄想の為に費やした。
全てを思い出したときには、もうこの手の中には何も残ってはおらず。ただ、ボロボロに
なったこの心と身体を見下ろすようにして、何も無い、という現実だけが眼の前にそびえ
立っていた。
今まで、愛の為に全てを捧げた生きてきたつもりだった私にとって………その愛自体が
幻だったのだ、と宣告されることは、もはや、今の私の存在そのものを否定されること
と同義だった。
もちろん、真実を伝えてくれた家族には、感謝こそすれ恨む気持ちなど毛頭ありはしない。
けれど………私の妄想の為に、多くを失ったであろう両親や兄のことを考えると、私には
もう、家族に合わせる顔も無かった。私が居なければ、家族に無駄な心労を掛けること
も、多くの時間を奪うこともなかった。全ては、私の所為なのだから。
そうして現実を受け止め、深く考えれば考えるほど、私は結論に近づいていった。
いくら考えを巡らせても、生きていく理由が見当たらなかった。『生きるべき理由』は
愚か、『生きていても良い理由』すら、見つけることができなかったのだ。
だから………私は、自らの命を絶つという、決断を下した。

だが、どうだろう。
今、眼の前に居る彼は………私に向かって、何と言っただろうか。

『死んで欲しくない』
『君が居なくなるなんて、考えられない』

『好きなんだ』

私自身ですらその存在を認められなくなった、こんな、ボロボロの私に向かって。
彼は、叫んでくれたのだ。心の底から。
私が、『生きていても良い理由』を。

ただ、涙が込み上げてきた。

私は。
また、信じてもいいのだろうか。

私が生きていくことを………許しても、いいのだろうか。


//////////////////////////////////////

344徒花・後 2/9:2007/10/20(土) 00:41:29 ID:BV+AN1SD
2人で、フェンスを乗り越える。
まず、彼女が。それを見届けてから、ボクが。
「う、わっ!?」
屋上のコンクリートの上に飛び降りで、そのままカッコ悪く尻餅をつく。
冷静になってやってみると、やっぱり、足が震えてまともに着地も出来なくなるくらい
怖かった。随分無茶なことをしたものだ、ボクも、彼女も。

先にそこに降り立った彼女は、ただ、暗い空を見上げていた。まだ薄明かりの残る空には、
星がいくつか浮かんでいた。彼女がそれを見つめているのか、それとも虚空を見つめて
いるだけなのかは、解からなかった。
その、憂いを帯びた横顔に………ボクは、一瞬で見惚れてしまった。緊張の糸が、切れた
せいだろうか。場違いな感情を抱いていることは自分でも解かっていたけれど、それでも、
その麗しい姿から、眼を離すことは出来なかった。
そのまま、ややあって。彼女の視線が、つ、と眼の前のコンクリートの上に動き、そして。

「………私、ね。」
「………え………?」

彼女が、語り始めた。

「私、もう………生きていく理由が、見つからなかったの。だから、ここに来たのよ。」
ボクの心が、軋んで悲鳴をあげ、彼女の嘆きを聞くことを拒む。しかし。
「………そんなこと………。」
「ごめんなさい、最後まで………聞いて。」
彼女は、敢えてボクの言葉を遮った。
すっかり、自然な落ち着きを取り戻した声。ボクは、言われた通りに彼女のことばを待つ。
「愛してたもの、全部無くしちゃって。家族にも、合わせる顔が無いって思った。」
「………………。」
「世界が、終わっちゃった気がしたわ。このまま生きていても、仕方ないって。」
そして。
「………けど………。」
視線が、こちらに向けられる。
「久藤君は………『死んで欲しくない』って、言ってくれた。」
「っ!」
ほんの数分前まで、深遠な絶望の闇を湛えていたはずの彼女の瞳には………ほんの微かに、
ではあるが、あるべき光が戻っているような気がした。
「自分でも、『生きていても良い理由』が、見つからなかったのに。」
「………………。」
「こんな………こんな、私に………。」
ボクの言葉で、彼女の病んだ心が少しでも立ち直ってくれたのなら………ボクなんかが、
愛しい彼女の心を少しでも癒せたのなら、これほど嬉しいことは無い。
だが………しかし。

「ねぇ、久藤くん………。」
「………………。」
宿る光は、どこか頼りなくて。
彼女の瞳はまだ、不安に苛まれて小さく震えているように見えた。
「私、本当に………本当に、生きていても、良いの………?」

彼女にはまだ、自分がこの先、生きていても良いという、自信が足りないのだろう。
「………違うよ。」
「………え………?」
ならば。
「違うんだ。『生きていても良い』なんて………そんな、話じゃない。」
「………………?」
345徒花・後 3/9:2007/10/20(土) 00:43:44 ID:BV+AN1SD
今のボクに、出来ることは。
「ダメなんだ。君が………居てくれなきゃ。」
心の底から、全身全霊を以て………彼女が存在することを、求めてあげることだけだ。
本来なら生きていく理由など、決して他人から与えられるような物ではないのだろうが。
彼女自身がそれを見出せずに居るのなら、ボクが、手を差し伸べてあげるしかない。
「………………ッ!」
立ち上がり、歩み寄り、また、彼女の身体を抱き締める。彼女の身体は、一瞬硬くなった
けれど………今はもう、震えているようなことは、なかった。
ボクは、ゆっくりと深く息を吸い込んで………腕の中の彼女に、語りかける。

「生きていても良いのか、なんて………寂しいこと、聞かないでよ。」
「………けど………私………。」
「言っただろ。君が居ない世界なんて………ボクには、考えられないんだ。」
「………ッ………。」
「それでも、どうしても、不安なら………生きる理由が、見つからないって言うなら。」
「………う、ん………。」
「そのときは………ボクの為に、生きてくれないか?」
「え………っ………?」
「ボクなんかが、そんな大した理由になれるのか、解からないけど………。」
「………久藤、くん………?」
「君の為なら………何でもする。君が生きていく理由だって、作ってみせる。」
「………本、当………に?」
「ああ。だから………お願いだから………ボクの前から、居なくならないで欲しいんだ。」
「………本当、に………私、なんか、で………。」
「………だから、それは違うよ。言ったろ、ボクは………君じゃなきゃ、ダメなんだ。」
「………わた、し………っ………。」
「君が、好きなんだ。愛してる。ずっと、傍に居て欲しいんだ。」

彼女の心を、闇から救い出したい。彼女に、生きていく勇気を与えてあげたい。
心の底から溢れる、愛しい彼女の為の言葉は、普段物語を語るときとは比べ物にならない
ほど自然に紡がれていった。
彼女が自分を否定するよりも早く彼女を肯定し、彼女が自分の価値を見失う暇も与えず
彼女の存在を求める。彼女が絶望する隙も無い程に、愛の言葉を囁き続ける。普通なら
顔から火が出そうなほど恥ずかしいはずの台詞も、彼女の為なら、まるで躊躇無く放つ
ことが出来た。

やがて………彼女の言葉が、止み。
「………ぅ………う、ぇ………っ!」
代わりに、彼女の泣き声が、小さく響き始める。


//////////////////////////////////////


暗くて、寒くて、死にたくなるほど苦しかった闇の底。
そこに差し伸べられた、彼の腕は………その闇を一瞬で祓うほどに、眩しくて。
そして、こうして身体中で感じる彼の体温よりももっと、暖かく感じられた。

希望が、生まれた。
生きていても良い、ではない………私が生きていくべきである、その理由に、出会えた。

歓喜の涙を溢しながら、彼の背中に腕を回す。決して逞しくはないはずの彼の身体が、
とても、とても大きなものに感じられた。
顔を押し当てた彼の制服の胸元に、涙がじんわりと染み渡っていく。
「ふ、ぇ………ひ、っく………!」
「………好きだよ。大草さん。」
彼が愛の言葉を1つ紡ぐたびに、私の心は救われていった。
今の私にとっては、彼の言葉が自分の全てで、彼の存在が世界の全てだった。
彼の存在を確かめるように、強く、彼の身体を抱き締める。
346徒花・後 4/9:2007/10/20(土) 00:49:47 ID:BV+AN1SD

そして。
「………久、藤………くん………。」
「………なに?」
私の中に、ある衝動が、芽生え始める。

もっと近くで、彼を感じたい。もっと強く、生きる理由を感じさせて欲しい。
彼の言葉に生かされ、彼の為に生きていくことを………もっと、もっと実感したい。

私は、つ、と視線を上げて。少し高い位置にある、彼の瞳を見つめてから。
眼の前の、彼の唇と………唇を、重ねた。
「………っ………!」
突然の行動に、彼も少なからず驚いたようで。唇が触れ合った瞬間、彼の身体が強張った
のが解かった。今日まで、彼が動揺した姿なんて見たことがなかったから………なんだか、
彼がとても可愛く見えてしまった。
しかし。すぐに、彼も私の求める行為に、応じてくれた。
どちらからともなく、唇を開いて、互いの舌を絡める。彼の腕が私の首の後ろに回され、
私の頭を掻き抱く。私達はぎこちない動きで、長く熱いキスを交した。
やがて。唇が離れ、名残を惜しむように舌と舌を透明な糸が繋ぎ。

「ねぇ………久藤、くん………。」

ぼう、とした、浮遊感にも似た心地良い感覚の中で。
私は………彼を、求めた。


//////////////////////////////////////


冷たいコンクリートの上に、申し訳程度に、脱いだ制服を広げて。
その上に、彼女の身体を横たえる。

自分が求められていることを、もっと、感じさせて欲しい。

彼女はそう言って………ボクの腕を引き、自分の身体に導いた。
もちろん、最初は心臓が止まるかと思うほど驚いた。こんな形で、長い間恋焦がれてきた
意中の人に求められるだなんて、予想だにしなかった。
けれど………やはり所詮、ボクも男だということか。潤んだ瞳で、上目遣いにそんなこと
を囁かれて………ボクは、彼女の求める行為を、拒むことが出来なかった。
本来ならば、もっと相応しい段階を踏んで辿り着くべき行為である、と頭では解かって
いたのだが。彼女自身にそれを求められては、ボクももはや、自分の理性に従い続ける
ことは出来なかった。俗っぽい言葉は好きじゃないけれど、据え膳食わぬはなんとやら、
という言葉もある。
それまでとは違う意識で、導かれた先の彼女の身体に触れ。ボクの身体は、徐々に自制が
きかなくなっていった。
そのまま、再び、互いを貪るような激しい口付けを交す。なんだか、頭の中が蕩けて何も
考えられなくなっていくような、妙な感覚を覚えながら、ボクは、彼女の身体を愛でて
いった。制服の上から彼女の胸を撫で、腰に回した手で彼女の身体をくすぐる。彼女は
時折その身を捩りながらも、積極的にボクに身を寄せてきた。

そして、今。ボクはこうして、彼女を………押し倒す、ような形になった。
頬を赤らめながら、少しだけ息を乱しながら、彼女が覆い被さったボクと視線を通わせる。
既に彼女の制服は前がはだけて、その隙間からは、白い下着が覗いている。
さっきまで密着していたせいでよく解からなかった彼女の顔が、まともに眼に入る。その、
まるで熱にうかされているような惚けた表情に言いようの無い魅力を感じて、ボクは思わず
生唾を飲み込んだ。
347徒花・後 5/9:2007/10/20(土) 00:52:07 ID:BV+AN1SD
「………緊張、してる?」
彼女が、囁くようにそう言って、眼を細める。なんだか彼女にからかわれているような気
がしてしまって、どうしようもなく恥ずかしい気分になった。経験の無さが、悔やまれる。
「………それは………まぁ………。」
どう答えればよいか解からず、思わず、本音を口走ってしまう。彼女の表情が、綻ぶ。
「………なんだか………可愛い、久藤くん………。」
「………〜〜〜ッ。」
更に、顔から火が出るんじゃないかと思うほど、恥ずかしくなる。ここまで散々彼女の
身体を愛で、彼女と唇を重ねておきながら、今更な気もするが。
そして。ボクが俯いて、顔の熱が引くのを待っていると。
「でも、私も………ちょっとだけ………。」
彼女が、不意に、そんなことを呟いた。顔を上げた先では、彼女もボクと同じ様に、どこか
恥らう様な表情を浮かべていた。

「そ、の………凄く………久し振り、だから。こんなの。」
「………………っ。」
その言葉を聞いて。ボクの中の何かが、弾ける。
久し振り、というその言葉に、ボクは………その瞬間まで意識の外に弾き出されていた、
あの事実を思い出してしまった。
彼女は、過去に、ある男の子供を身篭っていた。
それはつまり、今更言うまでも無いことだが………彼女が、その男と、肉体の関係を
持っていたことを意味する。彼女の身体は、既に、その男の腕に抱かれているのだ。
しかもおそらく、それは1度や2度ではないのだろうと思う。

それを意識した瞬間。ボクの中に、抑えがたい衝動が芽生えた。

「………大草、さん………っ!!」
「ひ、ぁ………ッ………!?」
ボクは何の前触れも無く、眼の前に横たわる彼女の身体に手を伸ばした。白い下着を、
少し乱暴とも言える手付きで押し上げて、美しい形の胸を曝け出す。そのまま直に彼女に
触れ、2度、3度と円を描くように揉みしだいていく。
「や、ァ………だ、だめ、急にそんな………ッ!」
彼女の抗議も聞かず、指に嬲られて起き上がった彼女の先端をついばむ。ボクが動く毎に、
その身体が、ぴくん、と素直な反応を示す様が、ボクの心を堪らなく刺激する。

彼女を過去に縛りつける鎖を断ち切って、彼女を、ボクだけのものにしたい。
叶うならば、暗く辛い過去も、かつて彼女を捨てた、ボクに言わせればこれ以上ないほど
の失態を犯した不幸な男の存在も、全て忘れさせて………この先生きていく理由など考える
暇も無いくらいに、彼女の心を、をボクの存在で満たしてあげたい。

ともすれば、身勝手とも思えるような、独占欲にも似た強烈な衝動。さきほどまで感じて
いた気恥ずかしさや遠慮が無に帰してしまうほどのその衝動に、突き動かされる。
経験が無いことを悔やんでいたのも、今は昔。まるで、蜜蜂が甘い蜜の香りに惹かれていく
ように、ボクの身体は、本能に従って彼女の身体を愛していった。
執拗な程に彼女の胸に口付け、舌を這わせながら。自然と、手が彼女の脚の間に伸びる。
「ん、ぅ………っ………。」
彼女は一瞬だけ表情を強張らせ、怯えるように全身を震わせたが………ボクの手が内腿を
さすってあげると、やがて、ゆるゆるとその脚を開いていった。
つ、となぞるように、指を這わせていく。そして。
「………は、ぁっ………!」
その先で、待ち受けていた………彼女の入り口を覆った下着に、指が触れた瞬間。彼女が、
それまでよりもより一層熱く、甘い吐息を漏らした。潤んだ眼差しが、ボクに向けられる。
1回、2回と、親指の腹で下着の中央付近を圧迫する。その度に、彼女の隙間に下着が
食い込んで、その向こうにある入り口の形が1本の線になって現れる。そこは指が溶ける
かのように熱く、そして、絡みつくように光る液体で濡れていた。
「………く、ど………久藤、く、ん………ッ………。」
ボクは今一度、彼女の表情を伺う。何かに耐えるように眼を細め、だらしなく半開きに
なった口の端から荒い息を漏らしながら………彼女の瞳は、何かを期待するかのように、
ボクを見つめていた。
348徒花・後 6/9:2007/10/20(土) 00:52:47 ID:BV+AN1SD
その表情から、彼女がその先の行為を求めていることを察し。ボクは、意を決して………
彼女の最も大切な場所を覆う下着を、取り払った。
「ん………や、ぁ………ッ………。」
彼女が蚊の鳴くような声を上げて、恥ずかしさの余り、真っ赤になった顔を両手で覆う。
その態度とは裏腹に、ボクに向けて開かれた彼女のしなやかな脚の間では………彼女の
入り口が、何にも遮られること無く、曝け出されていた。
薄く毛の生えた彼女の入り口は、ボクの眼の前で、てらてらと光る液体を吐き出しながら
ひくひくと切なそうに震えていた。初めてそれを眼にした興奮と、頭を蕩かすような香り
が、僅かに残っていたボクの理性を容赦なく崩壊させていく。
無意識のうちに、身体が彼女の脚の間に割り込み、顔が近づき、そして。
「ひゃ、うッ!!?」
ボクの舌が、彼女の秘所の上を這った。彼女の身体が、まるで感電でもしたかのように、
激しく仰け反る。
「………可愛いよ、大草さん。凄く可愛いし、それに………綺麗だ。」
「ふ、ぁ………だ、ダメっ、そんな、い、いきなり………ィ………っ!!?」
彼女が、ガクガクと腰を浮かせながら必死で制止するのも、全く意に介さず。ボクは、
飾り気も何も無い率直な感想を並べながら、夢中で彼女に貪りつく。這わせた舌で彼女の
入り口を押し開き、音を立てて彼女から溢れる蜜を啜る。
「ダ、メぇ………ひさ、久し振りなのに、こんな………激、し………。」
「………もっと………大草、さん………っ。」
「あ、あ、ああぁぁぁ………ひ、ぐっ………!!」
更に、開いた隙間から、彼女の中に指を侵入させる。舌が届くよりもずっと深く沈み込んだ
指で、彼女の内側を愛撫していく。入り込んだボクを更に奥深く誘うようにうごめく彼女
の内壁は、火傷しそうなほどに熱く火照っていた。
「ひゃ、ぁん………ゆ、指………お、奥まで、来てる、ッ………!!」
「凄い………熱くて、びしょびしょで、指が溶けそうだ………。」
「あ、ひッ!!だ、ダメ、曲げ、曲げちゃ、ぁ………ああ、ぁッ………!!?」
侵入させた指を、内壁を引っ掻くように曲げ、そのままゆっくりと出し入れし、また元に
戻す。2本の指で、入り口を左右に押し開く。彼女の反応がいちいち愛しくて、彼女に
刺激を送るのが止められなくなる。
と、そのとき。ボクの眼が、ある一点で止まる。
「………ぁ………っ。」
刺激に酔いしれ、鮮やかな桃色を覗かせながら濡れるスリットの、終点。赤く充血した、
花のつぼみのような小さな突起。
彼女の………最も、敏感な部分。
「………っ………。」
ボクは、吸い寄せられるようにその突起に顔を近づけていく。ふ、と軽く息を吹きかけた
ところで、彼女はようやく、ボクがそれに興味を示していることに気付き………眼を、
丸くした。
「や………だめ、今………ッ………!」
ここまで気分が高まっているのに、だめ、の一言だけであっさり引き下がれるわけもなく。
ボクは、ゆっくりと舌を伸ばして………縦に走ったスリットの上、小さく膨らんだ彼女の
突起を、ほんの少しだけ、弾いた。
「ひ、ぅ………〜〜〜ッッッ!!?」
瞬間、彼女の身体が、まるで電流を流されたかのように大きく跳ねた。予想外の反応に、
ボクも思わず1度身を引いてしまった。
「あ、あぁ………あ、は………ぅッ………。」
しかしボクは、形振り構わず乱れる彼女の姿に魅せられて、その後も恐る恐るながらも
舌を伸ばし、彼女の芽に刺激を送り込んでいった。その度に、彼女はまた面白いように
激しい反応を見せ、頭の奥の奥まで響くような甘美な嬌声を上げる。その様に、嗜虐心を
刺激されてしまったのだろうか、ボクは更に執拗に彼女の肉芽を責め立てていった。
「ら、め………お、おか………おかしく、なっちゃ、うぅ………う、ぁあッ!!」
身を捩らせ、腰を浮かせ、桃色の花弁を切なげに震わせながら。やがて、彼女の身体が
みるみるうちに緊張し、強張っていく。
ボクはほぼ本能のレベルで、彼女の身体に、限界が近づいていることを悟った。
ぴたり、と、刺激を送るのを止める。彼女の入り口から、身体を引き離す。
349徒花・後 7/9:2007/10/20(土) 00:53:18 ID:BV+AN1SD
「………ぇ………?」
絶頂まで誘われかけた身体を、突然解放されて。彼女は、まるで呆けたような表情で、
ボクの顔を見上げた。涙と涎の垂れた無防備な表情が、また、ボクの心を刺激する。
だが、その心以上に………今の今まで彼女を愛することに徹してきたボクの身体は、
我慢の限界を迎えつつあった。
「ごめん………けど、ボクも、もう………。」
どう説明すればよいものか、迷う。が、その言葉で彼女はボクの気持ちを察してくれた
らしく、また、顔を綻ばせた。
「う、ん………いいよ。私も………。」
「………大草さん………。」

「私も、久藤くんと………一緒に、なりたい。」

さきほどボクを恥ずかしがらせたときとは比べ物にならないほどの色気を帯びた表情と、
崩れ落ちかけた理性に止めを刺すような甘い言葉。
「………ッ………!!」
完全に、その誘惑に負けて。ボクはズボンに手を掛け、彼女の姿を眼にして既に最大限に
膨張した怒張を、取り出した。彼女の様子を確認する余裕もなく、彼女に覆い被さり、
その熱く濡れた入り口に先端を宛がう。
それが触れ合った瞬間、彼女がまた、全身を強張らせる。彼女が感じている緊張が、ボク
にもひしひしと伝わってきて、こちらの緊張も倍増されてしまう。
お互いの緊張を、少しでも拭い去ろうと………ボクは夢中で彼女の身体を掻き抱き、その
顔に口付けの雨を降らせた。
そして。十分に互いの意思を確認し………覚悟を、決めて。
「………じゃぁ………。」
「うん………来て、久藤くん………。」
「行くよ………ッ!」
ボクは………彼女の奥底目掛けて、一気に、腰を沈めた。
一瞬の圧迫感の後、すぐに、先端が熱いものに包み込まれる感覚があって。そして、次の
瞬間にはもう………ボクは、しとどに濡れた彼女の内側に、飲み込まれていた。
「………ッ………〜〜〜ッッッ!!?」
全てが、彼女に包み込まれた瞬間。彼女の口から、声にならない悲鳴が漏れた。
細い腕が、きつく、ボクの身体を抱き締める。鼓動が混じり合いそうなほど、ボクと彼女
の身体が密着する。首の裏に届いた指が、カリカリと、小さな引っ掻き傷を作った。
ボクは彼女と1つになったまま、彼女が襲い来る感覚の波から立ち直るのをじっと待つ。
「は、はぁ………ッ、っは、ぁ、あっ………!!」
しばしの間浅く短い呼吸を繰り返して、やがて、彼女の全身を襲っていた引き攣るような
緊張が、徐々に弛緩へと転じていく。
「………大丈、夫………っ?」
目尻に涙を浮かべる彼女に、呼び掛ける。本当はボクだって、彼女と1つになった感覚に
酔いしれておかしくなりそうだったけれど。今はボクが彼女を包んであげなければいけない
という使命感が、ギリギリの所で、ボクを繋ぎ止めていた。
「う………う、ん………ッ………。」
焦点を失いかけた眼でかろうじてボクの姿を捉えながら、彼女が1度、震えながら頷く。
そして。
「大丈夫………大丈夫、だから………。」
「………っ………?」
「も、っと………もっと、来て、ッ………!」
そう言うが早いか、彼女はもうほとんど力が入らないであろうその身体で、必死に、腰を
動かし始めた。沈み込んだ怒張がほんの少しだけ引き抜かれ、また飲み込まれる。勢い
余って彼女の最深部に先端がぶつかると、彼女が甲高い悲鳴を上げる。
「ちょ、ッ………ま、待って………。」
「や、ら………だって、もう、我慢………ん、ぅ………ッ!」
どうやら彼女の欲望も、もはや取り返しのつかない程に激しく燃え上がっているらしい。
それならばこちらも、躊躇などしている場合ではない。
350徒花・後 8/9:2007/10/20(土) 00:54:04 ID:BV+AN1SD
「………大丈夫………ボクに、任せて。」
「………ん………っ………?」
彼女の耳元に唇を寄せて、吐息を吹きかける様に優しく呟いてから。
ボクは………自ら腰を動かし、彼女の求める物を、彼女に与え始めた。
「あ………あッ、ん、ッ………ああッ!!」
「ふ………っ、はあッ………っ!!」
ボクが動き始めると同時に、彼女の身体がまた緊張し始める。そして、今度はそれと同時
に、ボクの中でも何かが高まっていく。
「大草さん………ッ!!」
「く………久、ど………く、んッ………!!」
迫り来る予感を感じながら、夢中で腰を振り、彼女の内部を抉るように愛撫していく。
繋がり合った部分から響く淫靡な水音と、互いの荒い息遣いだけが聞こえる。視界にも、
彼女が美しく、愛らしく乱れていく姿しか映らない。
全ての感覚で、彼女と、彼女との繋がりだけを感じながら………やがてボクは、自分の
身体の中で高まりつつあったものが、限界に近づいていくのを感じた。
「………ごめん、もう………ッ!!」
「う、うんッ………私、私も、もう………!!」
彼女も、切羽詰ったような声でそう言って、より一層強くボクの身体にしがみ付く。
「お………お願い、この、まま………ぁ………!!」
「で、でも………そんな………。」
「い、いいの!!お願いだから………このままッ………!!」
危険を感じて慌てて身を引こうとするボクの身体を、がくがくと震える腕で必死に捕え
ながら。彼女は喘ぐように、それを求めた。
ほんのわずかに回復した理性が、このまま事を終えようとするボクに、警鐘を鳴らす。
しかし………それが危険な行為であることは承知しながらも、ボクは、彼女がこれほど
必死になって求めることを、拒絶することが出来なかった。
………いや。それは、単なる言い訳に過ぎないのかも知れない。確かに彼女は、そのまま
最後まで行き着くことを望んでいたが、ボク自身も、もしかしたら彼女以上に、自分の
衝動を彼女の中に叩き付けることを、それによって彼女を完全に自分のものにしてしまう
ことを、望んでいたのだろう。

とにかく、ほんの些細な心のブレーキなどでは、燃え上がったボク達の衝動を抑え付ける
ことなど出来ず。ボク達は、互いに互いと繋がったまま………絶頂を、迎えた。
ぷつり、と糸が切れたような感覚の後。ボクの怒張は激しく脈打ちながら、彼女の中に、
熱い迸りを注ぎ込んでいった。まるで体中の熱が吸い取られていくような感覚に、思わず
背筋がぞくぞくと震える。
最高潮に高まった身体の、最も深い部分でそれを受け止めた彼女は、ピンと背筋を逸らせ
ながらしばしの間、声にならない悲鳴を上げていた。脈打つ怒張を締め付ける彼女の内部
が徐々にその緊張を解いていき、それに合わせて、彼女の身体も力を失っていく。

脱力し、崩れ落ちそうになる彼女の身体を、同じく脱力し掛けた身体でなんとか支える。
ボク達はしばしの間、結合を解くことも忘れて、無言で互いの蕩けきった表情を見つめ
合い………そして。
どちらからともなく、唇を重ねた。





//////////////////////////////////////




351徒花・後 9/9:2007/10/20(土) 00:54:49 ID:BV+AN1SD
やがて、頭上で星が瞬き始める。
「………寒く、ない?」
片腕を私の枕に、もう片方を自分の枕に使いながら、彼が呟く。
硬いコンクリート上で、彼と身を寄せ合いながら………私は、小さく首を振った。
「………寒くない。」
「そう。」
「久藤くんと、一緒だもの。」
そう言って擦り寄ると、彼は、ほんの少しだけ頬を上気させた。
………本当は、少しだけ背中が涼しかったけれど。
そんなこと、忘れてしまうくらい………彼の身体は、暖かかった。



その体温を、感じながら。
怖いくらいの幸せを、噛み締める。
生きる理由に出会えたことを、彼に出会えたことを、神様に感謝する。



「みんな、心配してるかもね。大丈夫かな………」

1度は、捨てようと思った、生きる意味を見失った、私だけれど。

「もう………帰りたい?」

彼の為なら………まだ、生きていける。私は、私が生きていくことを、許してあげられる。

「………いや、全然。」

だから、有難う。

「………うん。私も。」

今は………全ての物に、有難う。





//////////////////////////////////////






そうして、闇は晴れ。
2人の徒花が、実を結ぶ。
352徒花・後:2007/10/20(土) 01:03:12 ID:BV+AN1SD
(END)



というわけで『徒花』完結です
本編の長さの割にエラい長い期間使ってしまいました
っていうか前スレは完全にスルーした気もします、絶望した

にも関わらず、最後までお付き合い頂いた方々
並びに、華麗にスルーしてくださった方々
厚く、御礼申し上げます
礼、多謝、土下座

では、またいつかお会いいたしましょう
353名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 03:03:21 ID:GEDKNRoB
GJ!
354名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 04:24:42 ID:itHhlKnj
以前ここのSSを書籍化する話があったが>>352さんのはお世辞抜きで欲しいぜ!
355名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 11:36:10 ID:VhhosDVW
>>354
な、なんだってー!! ・・・と、勝手に先走って興奮してしまたw
書籍化って、>>267>>269の事かいww

そんな話が出たのかと、wktkしちゃったじゃないかorz
356名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 15:08:42 ID:0leeFNAp
実際にどなたか、同人誌にして売り出してはいかがですか?
357名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:25:21 ID:2Jr+X21b
>>356
それに値するクオリティの作品は数多くあるんだが
ここに来れば読めるものにみんなが金を払うかどうか、って問題があってだな

まぁ、とにかく、やっと帰ってきてくれた大草職人氏に惜しみない拍手を捧げたい
358名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:54:32 ID:VhhosDVW
挿絵が付いたら俺買うw
359名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 17:19:32 ID:55VYTDbj
その企画乗ったwww
360名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 18:23:43 ID:2Jr+X21b
>>358
そ の 手 が あ っ た か
361名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 18:27:02 ID:AzV6Awmy
挿絵か・・・いいね
362名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:35:10 ID:6vL7tPDf
角煮に依頼するとか
363名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:44:47 ID:MibUQVE/
ちょいとこの流れ悪乗りが過ぎませんかい?

>>352
全力で感動した。GJ!
364名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 21:43:17 ID:DSUG799u
道楽で悪乗りしてすみませんでした
365名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 22:15:11 ID:TynIK+Ao
いいと思いますがね^^
366名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 22:16:24 ID:DSUG799u
いえ、それはないでしょう
367305:2007/10/20(土) 23:14:20 ID:KxaV4A54
>>352
徒花完結・・・・・・・感動をありがとう、大草さん・・・・!



お疲れ様です、ちょっとその本、欲しいと思ってしまった305です。ww
430氏の長編を期待しつつ、奈美で短編書いてきました。

エロ無しです。・・・ちょっと意味無し、オチ無しもあるかなw
こんな展開もアリかなと思って作ってみました。
では、失礼して。
368奈美:今そこにある普通:2007/10/20(土) 23:18:11 ID:KxaV4A54
「んー・・・・・何か、これといった物が、思いつかないなぁ〜。」
大通りに連なる店を眺めながら、奈美はぶらぶらと軽い足取りで歩いていた。
日はそろそろ暮れようとしているが、空の端に傾いた太陽はまだ十分に明るく、街灯も明かりは入っていない。
茶色のタートルネックに、下は明るい色のローライズのジーパンといった軽装で、そのポケットに両手を半分差し
込んで、特に目的地も無く歩いているようだった。
街路樹に目をやると、まだ枝葉は色ずむ様子も無く、茂らせている。
「今年は暖冬かもねー」
奈美はそう呟き、携帯を取り出すとカレンダーを開く。――日付には、丸印を入れてある物や、プレゼントマーク、
ハートマークなどで印されている日で一杯だった。
奈美は来月の予定にある『先生 B-Day』と、なっている日付を見たようだった。
「・・・えーと。あと一ヶ月ちょいか。・・・じゃ、まだ慌てなくていいよね。」
自分の考えにうなずいて、奈美は携帯をしまって、横断歩道が赤になっている事に気がつき立ち止まる。
一瞬考えて、歩道橋に足を向けた時、何かを見つけ、奈美の動きが止まった。

階段を上りきったその先。橋の欄干から出ている顔と着物の襟。
いつもなら、すぐに近寄って行って挨拶でもする所だが、先生と連れ添っている相手を見て、奈美は一瞬呼吸が
止まったのを感じた。
――見覚えが・・・・ある。
「・・・あ・・・そうだ。――たしか先生の部屋に飾ってある写真の・・・・・・・・」
二人は歩道橋の真ん中辺りで寄り添って立ち止まり、何事か言葉を交わしているようだった。
相手の女性が微笑みながら話しかけ・・・・先生はそれに頷き、頭を掻きながら笑い返した。
女性は先生の手を取った。先生は、少し照れ臭そうに笑っている。
「そっか・・・・・。そりゃそうだよね・・・。」
奈美は気の抜けたようにぽつりと呟いた。
二人は、別れの挨拶を交わしたのか、お互い軽く手を振り背を向け合う。――先生が奈美のいる道への階段に向
かった事に気がつき、慌てて階段の影に隠れた。
「――――はは・・・・。何やってんの私・・・」
自虐的な苦笑いを浮かべ、奈美はうつむいた。
鼻の奥がツンと痛くなってきた。奈美は片手で口を押さえる。
「・・・・・・・・・・っ!」
喉の奥が引き付くように乾くのを感じ、小さく呻くと、奈美は階段とは逆方向へと駆け出していった。


「・・・・・・・おや・・・・? あれは、日塔さん?」
先生は歩道橋の上から、下の道を走っていく奈美の後姿に気がついた。
声をかけられる距離ではない。――片手で顔を隠すようにして走り去って行くその姿をしばし見つめ、
「・・・・・・・・!  もしや・・・」
何かに気が付いたように唸り、少し眉を寄せて肩を落とした。
一度後ろを振り返り、先ほどの女性と寄り添っていた場所を見る。――そして軽く溜め息をついた。
しばし悩むように首筋に手を置いて空を仰いでいたが、やがて階段を降りると奈美の去っていった方向へと向かった。


奈美は、いつのまにか全力で疾走していた。
とにかく逃げたかった。あの場所から離れたかった。
先生の顔も、まともに見れる自信がない。
口を開いたらどんな言葉になるかなんて想像したくなかった。
――とても怖い。先生に会うのがとても怖い。

やがて息が苦しくなり、奈美は自然と足取りを緩め、立ち止まった。
肩で息をしながら奈美はガードレールに腰を置き、涙で滲んだ目を拭った。
「・・・・情けないぞ!・・・・・私・・・・・・泣くな・・・・!」
無意識なのか、自分を叱咤する言葉が飛び出、奈美は大きく息を吐いた。
ガードレールに体重を預け、片足の踵でそれをカンカンと叩き奈美はうつむいていた。
369奈美:今そこにある普通:2007/10/20(土) 23:20:15 ID:KxaV4A54

呼吸も収まったが、なかなか顔を上げられずに、ずっと連続して溜め息をついていた奈美だったが、
「おや―――   君は確か・・・・・」
自分に掛けられた声に、奈美はゆっくり顔を上げた。
「・・・・へ!?」
一瞬、先生の顔に見えたが、すぐに違う人だと気がつく。
「・・・・・あ! ・・・・・・・・・・絶命先生?」
「くっつけて言うな!!」
即座に引きつった顔で言い返した命に、奈美は思わずクスリと笑ってしまう。
命は少し訝しげに、
「・・・何か、可笑しかったかな?」
「あ! いえいえ! 何だか、いつものやり取りみたいな気がして・・・・・・あ、いえ、何でも!」
奈美はパタパタと手を振りながら立ち上がり、命に軽く会釈する。
「お兄さんですよね? 先生の。」
「ええ。・・・・君は望のクラスの・・・・・・・・・・・・・・えー・・・・・・・・」
名前が出てこない様子の命に、奈美が自分で名乗ろうと口を開きかけると、
「・・・・普通さん?」
命の口からでた言葉に、思わずガクリと首を垂れてしまう。
「もしかして先生、私の事話すとき、『普通』を名前代わりにしてたりします・・・・?」
「いや! ま! とっても普通な子がいると、いつも言ってるものだから! ・・・あ!? ご免! 気に
障った?」
奈美は慌てる命に、苦笑して見せた。
「気にしてませんよ。・・・・あ。私、日塔奈美って言います。」
「そうでした! ・・・奈美さん。良い名前ですね。」
頭を掻きながら悪びれる命に、奈美は微笑み返した。


「・・・それで・・・、なぜこんな所で泣いて・・・・?」
命に尋ねられ、奈美は慌てて目をこすった。
「いえ! 泣いてたわけじゃないです! ちょっと目にゴミが・・・・・」
そう言って、奈美は内心、『しまった!』と叫んでしまった。
(うわあ・・・絶対「普通」っていわれそうだぁ・・・・)
だが、命は少し眉を上げ、「そう。」と返しただけだった。
奈美が、ぽかんとした顔で命を見ていると、命は持っていた紙袋をガサッ、と開いた。
甘い香りが奈美のそばまで広がる。
「・・・甘栗は好きかな?」
「へ・・・?」
奈美は思わず間抜けな声を上げて、命の顔を見てしまう。―――命は微笑んでいた。


命に誘われるまま、近くの公園まで足を運んだ二人は、ベンチに並んで腰かけていた。
間に紙袋を口を開けて置く。命は、ひざの上にハンカチを広げ、早速甘栗を剥き始めていた。
それに習って奈美も、自分のハンカチを広げる。
公園には、チラホラと犬の散歩をする人やジョギング姿の人が見える。
陽はそろそろ周りの建物の屋根に触ろうとしている所だった。

奈美は栗を一つ摘まみながら、そっと命の顔をのぞきこむ。
今日は白衣は着ていない。茶色のスラックスと、シャツの上にベストを身につけている普段着の姿に見えた。
顔立ちはやはり先生に似ている。
(眼鏡のシュミも似てるんだ・・・)
ちょっと感心したように眺める奈美に命は気がついた。
「・・・どうしました?」
「―――やっぱり、似てるなぁって思っちゃって。」
370奈美:今そこにある普通:2007/10/20(土) 23:23:39 ID:KxaV4A54
「まあ、兄弟ですから。普通は似るでしょう。」
命の言葉に奈美は苦笑する。
「・・・ああ。『普通』って言われるの、嫌いでしたね?」
命の言葉に、奈美は視線をそらし、栗の背に爪を入れた。
「よく・・・わからないです。なんか、言われるとつい反応しちゃうけど。」
パッキ、と音を立てて栗が割れた。
「ほら、だって、『普通』って全然良い意味で使われないじゃないですか。どうでもいい時とか、悪く言うと角が立つ
とか、取り合えず『普通』って言っておけばいいや、みたいに。」
命は少し笑いながら栗を頬張り、奈美の話を聞いている。
「・・・スルーしてるのと一緒の事ですよね。あまり構いたくない事とか、めんどくさいから流しちゃえって。」
まだほんのりと暖かい栗を奈美は頬張った。
「ただ・・・・まあ、最近はちょっと違うように思えて。クラスのみんなも、何かにつけて『普通、普通』って連呼するけ
ど、何か―――違うんだなって思うようになって。私が嫌だった意味とは違うように思える事もあって・・・・・でもま
あ、やっぱり反応しちゃうんだよねー。・・・・・・条件反射? かな。」
ちょっと小首を傾げて苦笑いを浮かべた。

栗が美味しかったのか、遠慮なく、すぐに二つ目に手を伸ばす。
命は奈美が手に取るのを待って、自分のひざの上に数個置いた。
「奈美さんは・・・・・結構、構って欲しがる人ですかね?」
ぶしつけに命に言われ、奈美は思わず手元が狂い、栗がすっぽ抜けて転がってしまった。
「何言うんですかぁ!? いきなり・・・・・」
慌てて、栗を拾い上げ奈美は口を尖らせた。
自分でも思い当たる所を突かれて、少し顔を赤くする。
「・・・・・いえね。望の奴も、そんな所があってね。昔から。」
「―――ああ。すぐに、かわいそぶるトコですか?」
奈美は納得したように苦笑した。
「小さい時からそうなんですか?」
「うん。まあ、段々とやり方には、手が込んできたけどね。」
「あはは・・・。わかりますっ。ホント。死にたがったりするトコですよねー?」
命は笑いながら、少し手を払い、次の栗を手に取る。
「ぜーんぜん、死ぬ気なんて無いんですよね。周りが心配して止めてくれるの期待しちゃってさ。・・・もう最近は誰も
止めなくなっちゃって。あと、わざと悲観的な事叫んだり、ネガティブ思考したり―――で、ホントに悪いほうへ話が進
もうとすると慌てて逃げるんですよぉー?」
奈美の言葉に、命はちょっと吹き出して笑ってしまう。
「つ・ま・り、チキン! なんですよね。先生は。――――あ! すいません! お兄さんの前で、先生こき下ろしてた!」
「いやいや、・・・・そうか、学校でもそんな感じなんだね。あいつは。」
命は面白そうに笑っている。

奈美は少し首をすくめて、命から視線を外して正面を向いた。
「結局みんなも心配しちゃって、ちょくちょく様子見にいったりしてるんですよぉ? 思惑にかかってる気がしないでもない
ですけど。・・・・・まあ、一応自分の担任ですもんね。」
ふと、命は困った口調で呟く奈美の表情に気がついた。
ぼんやりとどこかを見ているようにも見えたが、口元には穏やかな笑みを浮かべて、遠くを見ているような瞳は透き通り、
優しく揺れているようだった。
(・・・そうか。この子にとっては―――)
命は微かに微笑み、小さく溜め息をついた。
「・・・・お兄さん?」
「あー、いや、困った奴だな・・・・ってね。色々と大変な目に合わされてるだろう? あれで結構やんちゃな時期もあったし
。―――それこそ、所帯でも持てば少しは落ち着くかと、実家のほうでも見合いに参加させたりもしていたけどね・・・・・」
「所帯・・・・ですか。」
「とは言っても、あいつは逃げっぱなしだし・・・・・まあ、常にふところに遺書を持ってるような男に、だれが来てくれるかっ
て事もあるんだが。」
フゥ・・・と溜め息交じりに苦笑を浮かべた命に、奈美もつられて笑ってしまう。
「・・・最近では、浮いた話一つないしね・・・・」
「そ・・・・・・う、なんですか?」
奈美の脳裏に、ついさっき見た歩道橋の景色がよみがえる。
371奈美:今そこにある普通:2007/10/20(土) 23:25:37 ID:KxaV4A54
「そうじゃないかな? ああ、君たちの方が良く知ってるかもしれないね。」
「ん・・・・・・女性と歩いてたりするのを見た事は―――あります。」
奈美は少し言葉に詰まりながら答えた。
「そのくらいは・・・・・普通にあるんじゃないかな? ・・・・・ああ、御免。」
奈美はクスリと笑って、「全然。」と答えた。
そして、いつの間にか袋が空になっている事に気がつく。
「あ! ご馳走様です。私、捨ててきますね!」
そう言って、命と自分の剥いた栗の皮を集め袋に入れると、ゴミ箱を探しながら公園の中を小走りで走って
いった。


奈美の姿が見えなくなると、命はベンチの背にもたれて、大きく溜め息をついた。
「・・・・おい・・・・・望!」
少し鋭い声で、叫んだ。
ベンチの後ろの茂みがガサリと揺れる。
「・・・気がついてたんですか。兄さん。」
何ともいえない表情をして、先生が顔をだした。
「・・・・・・お前、変な趣味とか持ってないだろうな。」
「私は出歯亀の趣味はありません!」
そう叫んで、先生は茂みに隠れたままベンチに手をかけた。
「・・・しかし、好き放題言ってくれますねぇ。だれが手の込んだチキンですか!?」
「微妙に表現が間違ってないか?」
命は首をかしげた。
「まったく・・・・! 日塔さんも日塔さんで、いつも私には、あれだけ突っかかってくるというのに。兄さんの前
では猫かぶりですか?」
「いつも? ・・・『普通』って言われて怒るのか、彼女?」
「ええ。兄さんが言うと怒らないでしょう。つまり、私に言われるのが気に食わないわけでしょう!」
命は顔をしかめた。
「おまえ、それ・・・・」
命は何か言いかけて口を閉じた。
(・・・それは、おまえに・・・・・・・分かって欲しいからだろう・・・・・?)
心の中で溜め息をつき、命は先生の顔をみた。
「おまえ、女連れで歩いたりしてたみたいだが・・・・・」
「あ・・・やっぱり、日塔さん、見てたようですね・・・」
先生は少し落胆したように声のトーンが落ちた。
「別にそういう仲ではないです。誤解されたかと思って追いかけてきましたが・・・・・」
「本当か? ・・・・・・おまえ、昔みたいに、何人もの子を誤解させてたりしないだろうな?」
命の言葉に先生は眉を寄せた。
「しません! もうこりごりですから!」
「・・・本当か? 何人もの子と要領よく付き合って・・・・誰に振られてもいい様に、2番手や3番手を作ろうとし
ていたりしないだろうな?」
「私は鬼畜ですかぁ!?」
先生の絶叫には構わず、命は親指で奈美のいた方を指す。
「あの子も? 本命以外の、キープとかに、してたりしないだろうな?」
「日塔さんを!? してません! 大体、本命ってなんですか!?」
言い切った先生に、命はニヤリと笑って見せる。
「じゃあ構わないな?」
「はい・・・・?」
命の言葉の意味を計りかね、先生は呆けた表情をした。
「私が、食事に誘ったり、ちょっと買い物や映画に誘ったりしても、構わないって事だな。」
一瞬の沈黙があり、
「エエエエエ!? なんでそうなる・・・・」
「何か問題があるか?」
「兄さん! 援助交際ですよ!」
「私が気をつければ良いだけの話じゃないか? ・・・おや、帰って来たみたいだな。」
命の言葉に、先生は反射的に茂みに姿を隠した。
少し間を置いて、奈美が戻ってきた。手には、お茶のペットボトルを二つ持っている。
372奈美:今そこにある普通:2007/10/20(土) 23:27:07 ID:KxaV4A54
「どうぞ! のど渇いたと思って。」
命に片方手渡し、自分のお茶のフタを空け一口飲む。
「ありがとう。ちょうど何か飲みたくてね。」
フタを空けながら、命は立ち上がった。
「だいぶ薄暗くなってきたし、行こうか。」
「あホント! そうですね。ご馳走様でした。」
軽く会釈する奈美に、命は笑顔で話しかける。
「そうそう。先週までここにアイスクリームの屋台が来ていてね・・・・・」
「へえ・・・!」
「夏の間だけなんだけど・・・・・、寒くなってくると今度は鯛焼きを売りにくるんだよ。それが、クリームチーズ入り
とか、珍しい種類が多くて美味しいんだよ。」
「わぁ・・・・・・」
奈美の目が輝いたようだった。
「来週の末からだったから、よかったら一緒に食べないかな?」
「・・・え! じゃ・・・じゃあ・・・お言葉に甘えて!」
そんな会話を交わしながら、二人は去っていく。
命の視線が一瞬ベンチの方に向き―――――ちょっと眉を寄せて・・・・すぐに、前を向いた。




奈美は足取り軽く、暮れなずみ、明かりの灯ってゆく街を家路についていた。
やがてライトアップされた店先で立ち止まり、
「・・・・お! 冬の新色・・・・ でもなぁ・・・上品な色だけど、こんな細っこいマフラーじゃ、先生は首吊るロープの
イメージが・・・・・・」
難しそうな顔で考えていたが、やがて何かひらめいたように、奈美は手を打った。
「そうだ! 手作り! 去年に買ったキットがあったな! そうそう、ちょうどイイ色のセーターもあったし、あれを
ほどいて作ろう!」
自分の思いつきに、ちょっと浮かれてニヤニヤした顔になる。
「今度こそ恩着せてやるもんね!」
そう呟き、片手で軽くガッツポーズを取った。
無意識に小声で歌を口ずさみながら、奈美は、少し冷え始めた空気の中を歩いていった。
373305:2007/10/20(土) 23:34:48 ID:KxaV4A54
お粗末でした。m(_ _)m

普通に恋愛できそうな二人を、少し絡めてみました。
良く見たら、普通すぎて、お約束のセリフもないやw

最近、奈美だけでなく、芽留も書きたくなる時があって、色々溢れてきますw
今度は芽留×交もいいかな・・・・

ではまた。礼。
374名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 23:43:37 ID:eV+FmhSN
ああ、大草さん職人さんとか305さんとか、他にもたくさんの神々が降臨なさっているというのに…!
皆さんマジGJです!
>>352
美しい終りかた、感動しました!
>>305さん
命先生かっこええ〜!最近、自分の中で先生<命先生になりつつある(>_<)

えー、430@携帯ですが、こちとらただいま全鯖絶賛規制中7日目です。
なんか、規制議論スレ見ても、報告人スレ見ても、グダグダで解除の兆しなしorz
携帯から長編落とす根性もないので、今週末は打ちっぱなしにでも行ってます…。
ていうか、ホントに解除されるの!?これ!
375名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 23:53:09 ID:2rUD4987
望の学生時代てどうっだたんだろう?
もててたのかな?童貞じゃないらしいし。
376名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:17:31 ID:JSkyTGEX
童貞じゃないの!?
377名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:25:04 ID:i6RCL6Ts
「チェリーとチョコレート工場」の件かね>非童貞疑惑
378名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:44:39 ID:NLe/FOjy
最高の女とも寝たっぽいし、童貞じゃない説が有力みたいだが
その辺は各自脳内補完でいいんでね?職人さん達のSS見てても色んな設定あるし
379名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:53:15 ID:kLVSxnu+
最近引きこもり成分が不足しがちです…
380前スレ42:2007/10/21(日) 01:20:35 ID:W+FipD21
379さんに捧げますw
1レス短編です。
一応、交×霧短編の続きになるお話です。
即興なんで見苦しい点があったらスイマセン。
381糸色交のどうでもよくない話:2007/10/21(日) 01:26:32 ID:W+FipD21
「交くん」
「何?」
「交くん、キスに興味あるの?」
「!!」
霧の突然の発言に驚く交。
「ななな、なにをいってんだよ。急に」
しかし交に心当たりが無いわけではない。
「急に、じゃないよ。交くん今日、私のパソコン勝手に使ってインターネット検索したでしょ?」
「な、なんで…」
交は慌てている。
その姿をみすえて霧は話を続ける。
「こういうのは検索履歴っていうものが残るのよ」
「姉ちゃん、勝手にパソコン使ってごめんなさい」
霧に向き直り素直に頭を下げる。
「ふふっすぐに謝れるなんて良い子だね。でも…」
「?」

ちゅっ

霧と交の唇が優しく触れ合う。
「今度勝手な事したらお仕置きだぞ」
交は顔を真っ赤にしながら霧をぼーっと見つめている。
「交くんがもう少し大人になったら続きを教えてあげるよ」
交は惚けた表情のまま呟く。
「ね、姉ちゃん…」
つん。と交の額に人差し指で軽く触れる霧。
「それまで良い子にしてるんだぞ」
「うん…」
交はこれからずっと良い子でいようと決意するのだった。
382前スレ42:2007/10/21(日) 01:28:27 ID:W+FipD21
スレの皆様の何気ない一言が創作意欲になることが多々あります。
毎度読んでくださる方、スレの皆様ありがとうございました。
383名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 04:41:27 ID:YgDYmFb+
GJ!さっきから顔が緩みっぱなしで物凄い顔になっちまってるんだぜ!!
384名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 16:58:53 ID:oO2FL3Jj
>>374
丸の内おしんか・・・
ここにも被害者がいたとは!
385前スレ42:2007/10/21(日) 17:48:09 ID:W+FipD21
どうも前スレ42です。
ここ最近、自分の一人よがりの投下になっているのではないか?
このスレに対して本当のスレ汚しになってるんじゃないかと愛ちゃんばりの加害妄想にとらわれています。

つい先程、新作のプロットが大筋で固まりました。
あびるラブラブ編と交×霧編がクロスオーバーする形の長編になる予定です。
しかしこれが全体的にみてあまり幸せな話ではありません。
こんな話でも投下してしまってよろしいでしょうか?

長文、失礼しました。
386名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 17:49:21 ID:eae6+DUD
どんな形で幸せでないかよくわからないし、まずは投下してからだ。
387名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 18:32:10 ID:yxeyg3C9
愛ちゃんみたいに思う必要なんてないんだぜ?
少なくとも俺はあんたのSS楽しみにしてるんだからな
388前スレ42:2007/10/21(日) 19:28:46 ID:W+FipD21
お言葉に甘えて投下させていただきます。
執筆媒体の要領の関係上、二回に分けて投下させていただきます。
本日中には投下しおわる予定です。
389愛しい人よ@:2007/10/21(日) 19:36:59 ID:W+FipD21
「望さん、ダメ…ぇっ…」
「良いじゃないですか。今更恥ずかしがることもないでしょう?あびる…」
望が耳元で囁く
「っあん…っ」
二人の身体が淫らに絡み合う。
望とあびるは情熱的にお互いの想いを交じり合わせてゆく。
今、この部屋にはあびると自分の二人だけ…のはずであった。
二人の行為の傍らでか微かに細い光が差し込まれている。
そのか細い光の源。
押し入れの中には霧と交が隠れていた。

(ね、姉ちゃん?)
霧は手の平で交の視界を遮っている。
(ダメよ、子供はまだ見ちゃダメ!)
(姉ちゃんだって子供だろ!)
か細い声で問答する二人。
「ああっ…望さ…っう…んっ」
部屋から漏れる嬌声。
二人の間に気まずい沈黙が流れる。
(………)
(!!)
突然、霧の両手に違和感が走る。
生温かい水のような感触。
これは―――

ガラッ

押し入れの戸が勢い良く開く。
驚いた表情の二人は半裸のまま固まっている。
つかつかと厳しい表情で二人に歩み寄る霧。
そして―――

ぱんっ

乾いた音が室内に響く。
思いきり頬を打たれた望は呆然とした表情で霧を見つめている。
瞬間、あびるの表情が厳しいものになり霧に向き合おうとする。
が、その刹那あびるの心を強く打ち砕く情景が視界に飛び込んできた。
390愛しい人よA:2007/10/21(日) 19:42:47 ID:W+FipD21

交くんが、泣いている―――

「先生の馬鹿っ!」
霧の激しい怒声が響く。
「いくら彼女が出来たからって浮かれすぎです!小さな子が居るのに、所構わずいちゃいちゃして!」
まるで引きこもりや過充電の時のような激しい口調。
「交くんは今が大事な時なんですよ!」
キッ、とあびるのを睨みつける霧。
「…あびるちゃんも!」
あびるの身体がビクッと震える。
「交くんの親代わりの自覚があるならしっかりしてよ!」
あびるには返す言葉もない。

「うわあぁぁん」
この切迫した状況に耐え切れず交は泣きながら部屋を飛び出す。
「交くん!」
霧が追いかけて部屋を出る。
二人は気まずい空気の部屋に残される形になる。
「先生…」
あびるの口が重みを帯びて開いていった。
391愛しい人よB:2007/10/21(日) 19:45:55 ID:W+FipD21

「少し、距離を置きましょう」

昼休みの職員室、望の脳内に同じ言葉が何度もリフレインする。
「告白した私からいえる言葉じゃないですけど…」
そういって距離を置くことを提案したあびる。
望がその提案を拒絶することはできない。
できるはずがない。
自分の軽率な行為で甥っ子を傷つけ、教え子を傷つけ、恋人を傷つけてしまった。
悪いのは、自分だ―――
望は再び絶望した。
霧はあれからいつもに増して引きこもってしまっている。
話し掛けても口をきかず、笑顔も消えていた。

あびるは自分を避け続けているし、望自身もあびるには関わるような事は自然と避けていた。

絶望した。己の愚かさに心底絶望した―――――
392前スレ42:2007/10/21(日) 19:49:09 ID:W+FipD21
一回目の投下はここまでです。
予定どおり本日中には投下できそうです。
もう少しだけお付き合いくださいませ。
393名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 19:59:00 ID:8PHo/slQ
全裸待機開始
394名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 20:43:41 ID:mL6qNG+x
ツンワビに期待
395前スレ42:2007/10/21(日) 20:47:37 ID:W+FipD21
お待たせしました。
ラストまで投下します。
396愛しい人よC:2007/10/21(日) 20:55:00 ID:W+FipD21
いつも以上に気力の無い望を見てまといが話し掛ける。
「元気出してください…そんな先生、見ていて辛いです」
望は答えない。
深い絶望の谷に落ち込んだ望の耳にはどんな励ましも心の奥底には届かなかった。
ボジティブな言葉も、きっちりした言葉も、普通の言葉も、毒舌メールも―――
望の心に届く事は無かった。

あの出来事から一週間。
薄暗い雲のかかった空模様の日曜日。
望は部屋で惚けながらTVの画面を眺めていた。
しかし望の目にその画面は微塵も映ってはいない。

からっ

この一週間、望以外が開けることの無かった扉が静かに開く。
「おじさん」
「!」
その声に驚いたように振り返る。
「交…?」
交はいつもと同じ目つきで望を見つめる。
「おじさんらしくないよ」
「え?」
「いつもどうしようもない事で騒いで、皆からからかわれて、それでもどこか楽しそうなおじさんが、俺は、好きだよ」
交の目には涙が滲んでいる。
「交…」

ガラッ

扉が再び開く。
「小森さん…」
霧が交に近寄るようにして部屋に入ってくる。
顔色も少しばかり良くなっているように見える。
霧は少しはにかんだような笑顔をみせて話す。
「交くんに叱られちゃった」
「え…」
「そんなの姉ちゃんらしくないって」
霧は交の肩に両手を添え、そう言って頬笑んだ。

「俺、子供だからおじさん達のやってる事が良いことなのか悪いことなのかはよくわからないけどさ。皆の仲が悪くなるのは一番嫌だよ。あびる姉ちゃんと仲直りしてくれよ、おじさん」
「交…」

望の脳裏にあの日の事が思い出されてゆく。
397名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 20:58:13 ID:+KnjvVmr
久々に原作の日塔初登場の回を読み返してみたけど、あのカリカリしている普通も
結構いいなあ。
するんぱし!
398愛しい人よD:2007/10/21(日) 20:59:22 ID:W+FipD21
あの告白の日。
彼女は泣いていた。
その姿が世の全ての事に絶望していた自分にはとても美しく―――守ってあげたいという気持ちになった。
しっぽが大好きで、おかげでいつも全身怪我だらけで、運動音痴で、いつも冷静で、でも二人でいる時は猫のように甘えてきて―――愛しい人よ。

今、迎えに行くから―――

望の目に光が灯る。

「交、ありがとう。忘れかけていた大切なことに気づくことができましたよ」

そう言うと望は部屋を駆け出していった。
399愛しい人よE:2007/10/21(日) 21:07:56 ID:W+FipD21
自宅、動物園、市民プール。
あびるの居そうな場所を捜して回る。
ぽっ…ぽっ。
曇り空からは雨が降りだしてきていた。

小高い丘、あの祭りの日、二人で花火を見たあの場所にあびるはいた。
びしょ濡れになり、虚ろな目で丘から街を見下ろす。
何処に居ても、何をしていても脳裏に浮かぶのはあの人の笑顔、あの人の声。
「望さん…」
今にも消え入りそうな声で呟く。

「呼びましたか?」

はっ、としてあびるが振り返る。
そこには息を切らせて、あびる以上にびしょ濡れになったの望の姿があった。

「望、さん…」
「あびるさん、先日は私の軽率な行為で嫌な思いをさせて申し訳ありませんでした」
望は深々と頭を下げる。
「え…?」
あびるはまだ今の現状を掴み切れていない様だ。
「あなたに伝えたいことがあります」
「え…」
「この一週間、何処に居ても、何をしていてもあなたの笑顔が、あなたの声が頭から離れないのです!あなたの事を心から愛しています!」
「望…さん…」
あびるの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちていく。
「また、一からやり直しましょう」
「はい!」

二人はお互いを強く抱き締めあった。
もう絶対に離れないように。
気づけば雨はあがり、暖かな陽光が雲間から差し込まれていた。
まるで新しい一歩を踏み出そうとする二人を祝福するかのように。
400あとがき:2007/10/21(日) 21:09:50 ID:W+FipD21
愛しき人よ、完結です。
読んでくださった方々、スルーしてくださった方々、スレの皆様。
本当にありがとうございました。
401名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:27:55 ID:f/WFd99H
>>400おぉ素晴らしい
交くんが見ていた時はどうなるかと思ったが
爽やかなラストで良かった
さて>>400様の感動作の後にすいませんが一旧の凄惨SSを投下させていただきます
402「旧姓」中編壱/九:2007/10/21(日) 23:32:08 ID:f/WFd99H
「フフフ昨日は気持ちよかったなあ」

一旧は昨夜の出来事を思い出しながら街を闊歩していた
己の顔に拳を叩き込む程気の強い少女が
凌辱後には弱々しく泣き崩れた姿は征服感を満たし
期待感で気分は高騰するばかり
「しかし婿入り成功したら私は木津旧ですか
きっ〜きゅ〜さ〜ん
なんてね♪」

鼻で笑いながら独り言を呟くと後ろから声が聞こえて来た

「いっ〜きゅ〜う〜さ〜ん♪」
一瞬本当に木津旧さんと呼ばれたかと思ったが脳内でリピートすると流石に違う
後ろを向くと昨夜のきっかけを作ったバッテンの髪飾りが愛らしい明るい少女
風浦可符香がいた

「あっカフカちゃん、
こんなとこで何してるんですか?」

「私は珍しく学校休んだ千里ちゃんにプリント届けに来たんですよ
一旧さんは?なんだか嬉しそうですけど♪」


「実は私、その千里ちゃんに昨夜体育会系のプロポーズをしたんですよ」

「へえ千里ちゃんに?
うふふふふふふ」


遠回しに
「貴女の友達を強姦しました」と言っているのに何故かポジティブ少女は天真爛漫な笑みを見せてた
403「旧姓」中編弐/九:2007/10/21(日) 23:35:20 ID:f/WFd99H
何故なのだろう
この少女は掴み処がないいつの間にか心の隙間に入り込んで散々弄び
捕まえようとするとするりと手の中から抜け出す

触れようとしても決して触れる事の出来ない浮誘感を纏う不思議な少女
風浦可符香

「でもうちのクラスの女子は全員先生のお手付きなんで無理で―す」

悪戯っ子の様にくったくない表情で発した言葉も驚きの物
「そういえば千里ちゃんも旧友の名を呼び続けていたな
体や籍を手に入れても心だけは彼の物なのか」


少し気を落とすと今度は可符香よりも落ち着いた声が聞こえて来た


「何をしているのじゃ?」

兄の教え子と兄の旧友の会話
望兄様の話をしてるのかと期待して糸色倫はのこのこと現れた
その落ち着いた少女は自分や旧友の様に和服を着ていた
ゆるやかなパーマのかかった黒髪に他の少女とは違う優雅さを秘めた顔
育ちの良さを物語るには充分な細かい職人芸が光る美しい花柄の着物

顔と着物が互いを引き立たせる調和は大和撫子そのもの
気がつくと一旧は倫をさらっていた


「いややあああああああああああ!!!!」


「倫ちゃんがさらわれた」

目の前で起こった拉致事件に何故か可符香は動じなかった
404「旧姓」中編参/九:2007/10/21(日) 23:40:12 ID:f/WFd99H
「さあ夫婦になりましょうそして私は旧姓を得るのです」

一旧は千里以上に旧趣向の琴線に触れる少女を見つけ神社に連れて来た
女受けの良い教会よりも陣内と紀香の様なおごそかさを優先したためだ

「何をするのじゃ離せ!!」
抵抗する倫を無理矢理押さえ付け手を柱に括る
抵抗不可能とし昨夜はじっくり出来なかった愛撫を楽しむためだ

「フフフ実は貴女のお兄さんに許可は取ってるんですよ」

「なんじゃと!?」


呆気に取られた倫の視界に奥から特に仲の良かった兄糸色望がいつも以上に覇気のない顔で現れた

「諦めなさい倫、父上は我が子の気持ちよりこうゆう面白い事を優先するお方です」


実の妹に吐く言葉とは思えぬ程絶望的なセリフ
慣れていたはずの兄のネガティブ発言に涙が浮かんでしまう


「私を助けなさい時田!!!!」


奥から続いてやってきた初老の執事
倫の味方はもう彼しかいないのだ

「かしこまりました
お若い方、確かに婿入りすれば旧姓は手に入ります
しかし貴方にとって望ぼっちゃまは旧友ではなく義兄になるのですよ!?」
「そ!そんな!!」

一旧は旧友と旧姓どちらを選ぶべきか一長一短な現実に頭を抱え始めた
405「旧姓」中編四/九:2007/10/21(日) 23:44:53 ID:f/WFd99H
常人にはめったに悩む事ではないが一旧にとっては自分のアイデンティティーに関わる問題だ
だがうんうんと悩む中再びポジティブな悪魔の囁きが聞こえてきた

「そういえば先生の家って旧家ですよね」

「2―1!!」

「糸色家は旧財閥でもあります」

「3―1!!!」

「余計な事を言うな時田アァァアアーーーッ!!!!!!!!」


兄と執事、幼い頃から慣れ親しんだ二人に倫は初めて憎しみを抱いた
だが感傷に浸る場合ではない一旧が再び旧趣向の炎をたぎらせたからだ


「では早速続きを」

「んぐぅ!?」


一旧は泣き叫ぶ倫の口を塞ぐかの様に突然唇を奪い着物の裾から手を進入させてきた
この強制わいせつ行為に流石の望と時田も目の色を変えざるをえない

「ちょっ一旧さん!
妹にそこまでするだなんて旧友とはいえ許しませんよ!!!」

「やはり貴方の様な方を糸色家に入れるわけにはいきません!!!」


望と時田は二人がかりはがい締めにし倫から一旧を引き剥がす
だが

「うるさーーーい!!
私は旧姓が欲しいだけなんです!!!!」

身勝手な欲望を叫びながら薬物増強された腕力で一旧は二人を強引に突き飛ばした
406「旧姓」中編伍/九:2007/10/21(日) 23:49:09 ID:f/WFd99H
「あぁ!お兄様!時田!」

突き飛ばされた老執事の体は障子と柵を突き破り外に投げ出され
か細い兄は柱に鈍い音を響かせながら後頭部を打ちぐったりと倒れ込んでしまった

先程の憎しみも吹っ飛んでしまう状況に普段気丈な倫はあわてふためいてしまう
だが腕を縛りつけたまま少女の体を滑らすように一旧はしゃがませた


「さて邪魔者がいなくなった所で入籍書類に必要なハンコに朱肉をつけてもらいますよ」


そう言うと倫の目の前で昨夜千里を犯したばかりの肉棒をさらけ出した


「なにがハンコじゃ!
私にそんなおぞましい物を近づけるでない!!!!」
そう口を大きく開け絶叫したタイミングに合わせて一旧は一気に倫の口に「おぞましい物」を突っ込んだ

「んぐぐぅ!?」

動揺する倫の頭をわし掴みにして動かし強制的にジュプジュプとフェラチオをさせる
自分を罵り反抗した口に自らの男性自身が入ってると思うたび肉棒は硬く膨張する

倫はくわえさせられながらも顔を赤くし涙ぐんだ上目使いで一旧を睨む


なんとか口内から追い出そうと舌で何度も押し歯で噛みちぎろうとする
だがその反抗は一旧の快楽を増加させる事しか出来なかった
407「旧姓」中編六/九:2007/10/21(日) 23:53:07 ID:f/WFd99H
「倫ちゃんの舌が当たって歯がイタ気持ちよくてイっちゃいそうですよ!」

一旧は益々激しく倫の頭を揺らし長くゆるやかなな波形を描くパーマは大きくバッサバッサと揺れる

「んんーーーッんん!!」
「あぁ!倫ちゃん私を受け止めて!!」

ドプュブプュ

倫の口の中を栗の花の様な匂いがするネチャネチャとした苦い物が広がった
「倫ちゃんお味はどうですか?」
「ごほっごほっ!!」
糸を引く肉棒を引き抜き見下ろす様に淫らな質問をする
だがその屈辱の味に耐えきれるはずもなく倫は鳴咽する様に精液を吐き出した
「おやおやそんなに吐き出して、綺麗な着物が台なしですよ」

そう言うとまってましたとばかりに着物をぬがし真っ白な乳房があらわとなった
だが倫は何故か抵抗せず何かブツブツと呟いている

「こんな事が許されると思っているのか?」

乳房を触ろうとした一旧に眉間にしわ寄せ真っ赤になった顔
睨む眼からは怒りの涙が流れ落ち口からは白濁液を垂らしたままぶつける本当の怒り
刀があれば今にも斬りかかりそうだ


だが今の倫は縛られ身動きが取れず一旧に蹂躙される事しか出来ない
408「旧姓」中編七/九:2007/10/21(日) 23:58:24 ID:f/WFd99H
「許されるもなにもこの神社は塞の神とゆう男根の神を奉っているんです
喜ばれど罰が当たる訳なんてないですよ」

身勝手なこじつけを掲げながら一旧は倫の誰にも触らせた事のない白い胸を容赦なく揉みしだき舐め始める

「あぁ・・刀を・・誰か刀を・・!」

いるはずもない黒服に刀を持って来させ様とする哀れな姿にいつものおすましお嬢様の気品はない

「フフフかわいいですね倫ちゃん
さてそろそろ婿入りますよ」

そう言うなり着物の裾をめくるとなにもつけていない下半身があらわとなった
和服用の下着があまり好き出なく今日にかぎって何も履いてこなかったのだ

「流石大和撫子、日本人女性の鏡です」

倫の唾液と口内で混ざり会った精液でぬるぬると輝く肉棒をあらわとなった倫の女性器に押し当てた

「何が大和撫子じゃ!入るな!入るなーーーッ!!」

「いいえ!今こそ私は
糸色旧、ぜっきゅうさんとなるんです!!」


グププグプ

「いやじゃあぁーーーッ!!!」

悲鳴とともに一旧は無理矢理大切に守られていた倫の貞操を貫いた
409「旧姓」中編八/九:2007/10/22(月) 00:03:33 ID:lUh7HaqL
昨夜の千里ほどのキツさではないが一般女性と比べればかなり狭い
その中を容赦なく嬉々と蹂躙してゆく

「フフフ倫ちゃん華道で忙しくて遊ぶ暇なかったんですね
いつも花を刺してますが刺される気分はどうですか?」

パン!パン!とふとももとふとももがぶつかる音が響く中
倫は残る気丈さを振り絞りなんとか凌辱をやめさせる方法を考えていた

兄と執事が倒された今自分の身は自分で守るしかないのだ

「い・・糸色の・・姓を捨てたいの・・に・・このままでは・・本当に・・本当に・・」


すると以前母の妙が話してくれた事が脳裏によぎった
それはいかに生好きな殿方も凍りつかせる絶妙な言葉
正直一旧に通じるとは思えないが命運を賭けてみる他ない

「い・・一旧・・わたしは今日・・き、危険日な・・のじゃぞ」

「きっ危険日だって!?」

するとあまりにストレートな響きに怯んだのか一旧は倫の予想以上に素早く男根を引き抜いた

「あぁ母上ありがとう・・」
倫は凌辱が終わりほっと息をついた
だが何故かまだ湿った音が聞こえてくる

見上げると一旧は倫の顔前で己の肉棒をしごいていたのだ

「な、何をしておる!?」
410「旧姓」中編九/九:2007/10/22(月) 00:08:30 ID:lUh7HaqL
すると一旧は再び50:50の笑みを浮かべとんでもない事を口走った

「危険日ならさっきの残りの精液とガマン汁でも妊娠できますよね?
だから今から出る分は倫ちゃんの綺麗な顔で受け止めて下さい」


突然の要求に頭が真っ白になる
まだ口内に残る苦く苦しい味が再び鮮明に蘇る感覚に襲われた

「い・・いやじゃ!いやじゃいやじゃ!あんなキモい物を顔にかけられてたまるか!!!!」


「妻たる物は夫の子種を顔でも受け止めれなくてはいけませんよ?」


「そんな妻になぞなりたくはない!!」

頭をブンブンと横に振り縄をなんとかほどこうとするが逃げられない
一旧は倫の頭を再び押さえ付けいっそう激しくシゴきはじめる


「いきますよ倫ちゃ〜ん」

「いやじゃーーッ!!!!!!!!」


ドピュドピュウピュウ


二回目とは思えぬ程大量の温かい子種が倫の顔に降り注いだ
その白濁色は艶やかな黒髪に白い斑点を描き
気品あふれていた誇り高く美しかった倫の顔を淫乱な表情に変えた


「絶倫先生の名に相応しい顔になりましたね」

度重なる辱めを受け倫は涙に揺らめき倒れ込んだままの兄に眼を向けて呟いた

「お・・お兄様・・これが・・絶望なの・・ですね・・」
411あとがき:2007/10/22(月) 00:12:08 ID:lUh7HaqL
はい九スレも使って下品なSSすいません
中編は割と原作に沿った話にしました
後編はオリジナル色の強い話になると思われますのでよろしくお願いします
412名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:18:13 ID:STd18Zyh
ほう…2スレ目から全て自演だったとな…
413名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:25:20 ID:PgSzXYx4
>>412
誤爆?
414名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:49:19 ID:pcTFma1l
>>400
なんとも温かい話ですね。GJ.
>>411
たまには、こういうのも好きだったりします。一旧さんのSSは初めてじゃないかな?
GJ!
415前スレ42:2007/10/22(月) 05:43:55 ID:vBrdIGSa
>>411
GJ!後編も楽しみにしてます!


出勤前に投下します。
割りと長くなってしまいましたが、交主観の温泉ものです。
少しでもエロスが漂うといいなあ。
頑張ってほぼ全員出してみました。
416糸色交、はじめての銭湯@:2007/10/22(月) 05:48:46 ID:vBrdIGSa
夕暮れ時の金曜日。
俺はおじさんの教え子の姉ちゃん達と銭湯って所に向かってる。
最近オープンしたらしく何か色んな最新設備か整ってるらしい。

「どんな所なんだろー」
「楽しみね」
俺の隣でごく普通の会話をしているのは奈美姉ちゃんと晴美姉ちゃんだ。

[めるめる・めるめる]
「誰が人目のある場所で堂々とパンツ見せてるんじゃねーよこの二セ帰国子女よ!いい加減、訴えるよ!」
その少し後ろでうるさく喧嘩に近い問答をしてるのは芽留姉ちゃんとカエレ姉ちゃんだ。

「あーもう!往来で喧嘩なんかしないでよ!目的地に着くまでくらいきっちりできないの?」
「すいません、すいません私のせいで場の空気を悪くしてしまって」
「いや、それ加害妄想だから」
その隣には千里姉ちゃんと愛姉ちゃんがいる。

「マリア、銭湯ハジメテ。温泉とドコがチガウか?」
「それは行ってのお楽しみよ。マ太郎」
その少し後ろからマリア姉ちゃんと可符香姉ちゃんが仲良く手をつないで歩いてる。

そして俺の両隣には、あびる姉ちゃんと…滅多に外に出ない霧姉ちゃんが歩いてる。
「銭湯楽しみだね。交くん」
「うん、でも外に出ていいのかよ?」
「交くんが行くなら私も行くよ?」
「先生が来ないんなら付き添いは多い方がいいからね」

とめどない会話を皆でガヤガヤとしていると目的地に辿り着く。
なんかお洒落な感じだ。
さっそく男湯に入ろうとしたけど霧姉ちゃんに「それじゃ私が来た意味ないじゃない」と言われて一緒に女湯に入ることになってしまった。
417糸色交、はじめての銭湯A:2007/10/22(月) 05:56:08 ID:vBrdIGSa
入場料を払って脱衣所に入ると意外な先客がいた。

「まといちゃん」
可符香姉ちゃんが少し驚いたような声を出す。
「皆、遅かったね」
「まといちゃんも来てたの?」
「先生と一緒に入ろうとしたら断られて」
千里姉ちゃんがすかさず「いや、無理だから。というか先生来てたのね。誘った時は興味なさそうにしておいて、本当に天の邪鬼なんだから」と突っ込む。
「まあ、先生とは後で合流すればいいじゃない。そんなことより早く入ろうよ」

奈美姉ちゃんの普通の意見に皆、賛同して服を脱ぎはじめる。
目のやり場に困ってしまう。

「子供なんだからもっと堂々とみなさいよ。こんなチャンスもう無いわよ」
そう言うカエレ姉ちゃんは…なんか凄い。
おっぱいやお尻はすごく大きいし、なんか金髪だし。

「さあ、準備ができたら入りましょ」
晴美姉ちゃんはなんか、すれんだーっていうのかな?
すらっとしててキレイだ。
晴美姉ちゃんのすぐ後ろにいた奈美姉ちゃんが笑いながら話しかけてきた。

「何?交くん、お姉さんの裸に見惚れちゃった?」
奈美姉ちゃんはおっぱいは少し大きいみたいだけど…
「普通…」
「え?」
「あ」
思わず声に出ちまった。
「普通っていうなー!しかもお子様に言われたー」
そう言うと涙を流しながら浴場に入っていった。
隣にいた芽留姉ちゃんが携帯の画面を俺に見せてきた。

[よくいったな。そしつあるぜ]
全部ひらがななのはまあいいとしてその内容はどうなんだろうと思った。
そんな芽留姉ちゃんはなんか俺とあんまり変わらないみたいだ。
つるつるだし。

「さあ、無駄話してないで入るわよ。交くんはまず私がきっちり身体を洗ってあげるわね」
千里ねえちゃんはおっぱいもお尻もきちんと形が整ってて雑誌で見てるモデルさんみたいだ。
モデルさんは水着をつけてるけど。
418糸色交、はじめての銭湯B:2007/10/22(月) 06:01:04 ID:vBrdIGSa
浴場に入ると壁一面に大きく「富士山」って文字が書いてある。

「普通、富士山って絵が描いてあるよね。奈美ちゃん」
「どーして私に聞くのよぉ」
「お約束だからナ」
可符香姉ちゃんはおっぱいもお尻も普通だけど何か引きつける魅力がある。
マリア姉ちゃんは健康そうですべすべしてそうな肌だ。

「ちゃんと1000まで数えてあがるのよ」
身体を千里姉ちゃんに洗ってもらって湯ぶねに浸かってるとあびる姉ちゃんが話しかけてきた。
「1000は数えすぎだろ!」
とか言いながらちらっと姉ちゃんの方を見る。
おっぱいもお尻も大きいし、なんか色んな所に傷があるけれどそんなの気にならないくらいキレイな身体をしてる。
「おじさんが惚れるのもわかるかも」
と、心の中で呟いた。

皆、思い思いに銭湯を楽しむと、全員で脱衣所に戻ってきた。
419糸色交、はじめての銭湯C:2007/10/22(月) 06:12:10 ID:vBrdIGSa
すすっ、とまとい姉ちゃんが俺に近づいてくる。
「見れば見るほど先生にそっくりだね」
じーっと俺を見つめてる。
「な、何をいまさら」
「光源氏も悪くないかも」
「?」
まとい姉ちゃんの言っている事はよくわからなかったけど屈んだ時にバスタオルから胸が見えて少しドキッとした。

「本当、今日は役得だったなあ」
どこからか声が聞こえたかと思うと眼鏡をかけた薄毛の男の人が姿を現した。
「え?」
「あら、妖精さん?あなたも温泉に入りにきたの?」
「え、あ、しまったあああ」
男の人の絶叫。
一瞬の静寂。
そして――――

「きゃああああ」
「この変態!」
「見るな馬鹿ー」
「訴えるよ!」
叫びと怒りが響き渡る阿鼻叫喚の地獄絵図。

その中で「すいません、すいません」と愛姉ちゃんが一人で謝っている。
動揺しているのか素っ裸だ。
色白で細くてキレイだなぁ。
おっぱいも結構あるし、お尻も小振りで引き締まってる。

「一体何事ですか!?」
脱衣所の扉が開き、そこにはおじさんがいた。
彼女の危機を察知したのだろうが逆効果っぽい。
「の…先生…」
あびる姉ちゃんが肩を震わせる。
その後ろから怒りの炎が見える。

「どいつもこいつもいいかげんにしなさーい!」千里姉ちゃんの絶叫て再開された地獄絵図はしばらく終わりを迎えることは無かった。

ドタバタ温泉の帰り道。
俺は霧姉ちゃんと手をつないで帰り道を歩いてた。
「交くん、今日は楽しかった?」
「ま、まあな」
ぶっきらぼうに答えてそっぽを向く。
でも本当は…――――

今日は色んな裸を見て、色んな話をしたけど――――

霧姉ちゃんの裸が一番キレイで。
「霧姉ちゃんと話してる時が一番楽しかったよ」
そう、小さく呟いた。
420あとがき:2007/10/22(月) 06:14:29 ID:vBrdIGSa
なんか今までで一番ノリノリで書けましたw
早朝から投下失礼しました。
421名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 11:41:40 ID:2CH+9t2S
>前レス42

投下乙
ほのぼのしていていい感じ。
安心して読めたよ。
4229-292:2007/10/23(火) 00:09:55 ID:xWKtk5Z5
[壁]д・;)誰もいない。恥を晒すなら今のうち・・。

>>420
GJ!交いいよ、交!

ずいぶん空いてしまいましたが、『猫の瞳』の3章を投下します。
相変わらず長くなってしまったので、2回に分けて投下。

【注意点】
Hは前戯しかないよ・・( ゚∀。)
12レスほど消費予定

***チラシの裏↓
なんだか、中身バレてる気がするけど、気にしない・・。
(実は前々スレの自分のハンドル番号覚えてなかったり)
何故だろう・・Hが使いまわしになっていたのだろうか・・。
423『猫の瞳』3章前座:2007/10/23(火) 00:11:25 ID:xWKtk5Z5
それで、もしかしてと思ってね。
あの白い猫なのかなって。
そんなはずないのにねえ。あの事件から、もう50年以上経っているんだから。

ははは、老人の悪い癖だね。何でも祟りとか御伽噺にしたがるのさ。
ああ、その女の子のお墓かい?

そこの道を真っ直ぐ行って、左に曲がったところから3つ目のお墓だよ。
○×△之墓って書いてあるからすぐ分かるよ。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★
424『猫の瞳』3章1/11:2007/10/23(火) 00:12:20 ID:xWKtk5Z5
3章

 遮るもののない大きな空は、秋の夕日に赤く染まっている。
 両脇に立ち並ぶ墓石や塔婆の濃い影の中を、望とあびるそして一匹の猫が黙って
歩いていた。せっかくの墓参りということで、猫は本来の姿に戻っていた。

 様々な情報を集約した結果、猫の飼い主の名前が分かり、この墓所に葬られている
ことが判明した。そしてついさっき、ヘアピンをつけた年配の女性が、正確な墓の場所と
思いがけない昔話を聞かせてくれたのだった。

 その年配の老人の話が、望の心を重く、深刻なものに変えていた。
 白猫と黒猫の飼い主が、非業の死を遂げ――白猫は、つがいの黒猫を置いて
去っていったという話。
 飼い主を死に追いやったかもしれない男が白い猫に殺されたという話。
その白猫はもしかして――

 望がすっかり黙り込んでいるせいか、あびるも所在なさげに猫の尻尾をひっぱたり、
抱えている花の匂いを嗅いだりしている。
「……小節さん、さっきの話どう思いますか?」
 望は、思い切って沈黙を破ってみた。
 昨日、呼び捨てにしてほしいと言われたものの、まさか本当に呼び捨てにする
訳にもいかない。世間体というものを、望は強く怖れている。

「どうって?」
 あびるは特に何の感情も見せずに、墓に供える花を片腕に抱えて歩を進めている。
 彼女の平静な態度に、望は不満そうに口を尖らせた。
「だって、あの話が本当だったとしたら………50年もかけて………」

 あびるは物憂げな様子で望のほうに顔を向けると、ひた、と静かな瞳で見据えてきた。
「事実関係が不明な以上、人の話は鵜呑みにしないほうがいいですよ。
それにもし本当だとしても、第三者が簡単に立ち入ってとやかく言うべき
ではないと思います」
「……ぅ……」

 余りにも正論だ。
 老婆の話が本当であるかどうかは、結局のところ白い猫に聞くしかない。
 しかし、聞いてどうするのか。部外者である2人にできることはもう何も無いのだ。

 あびるの瞳は物事を冷静に捉え、判断する知恵者の光を湛えていた。
 昨日風呂場で見せた、あの悪戯っぽく、それでいて艶のある瞳――どちらが本当の彼女
なのだろう。
 猫のことを考える振りをしながら、望の頭は隣を歩く少女のことで一杯になっていた。

425『猫の瞳』3章2/11:2007/10/23(火) 00:12:52 ID:xWKtk5Z5
「……ここね」
 ○×△之墓と刻まれている墓石――すなわち、白猫の飼い主の墓はすぐに
見つかった。 一応、卒塔婆を見て没年月日を確認する。どうやら間違いが
なさそうだった。

「先生、綺麗にしましょうか」
「そうですね」
 柄杓に水を入れて墓石を洗ってやり、箒で墓の周りを掃いてやる。
 最後に花を添えて綺麗に彩ると、後のほうで黙ってみていた白猫を招いた。
「おいで、ここがあなたの帰るべき場所でしょう?」

 猫の瞳に一瞬眩い煌きが生じ、墓石に向かってそろそろと歩き始めた。2人は
脇に退いて、道を開ける格好になる。枯葉を舞い散らせてそよぐ風を感じながら、
2人は黙って猫の動作に注目した。

「にゃーん」
墓の前で、猫はやや高い声で鳴いた。

 飼い猫が捕獲したネズミを飼い主に見せて誇るように、この猫も50年の歳月を
かけた成果を報告したのだろうか。それとも、ただただ飼い主が帰ってこない事
を嘆いたのだろうか。

 猫の鳴き声が秋の空に吸い込まれるように消えていく……。
 と、その瞬間、あびるの視界に影が差し込んだ。

「しっぽーーー!!」
 視界に入った動物の尻尾を、驚異的な反射神経で察知すると、目的物を<ぎゅむ>と
握り締めた。

「にゃ、にゃあー」

「こ、小節さん!その猫……」
「ん?」
 あびるが握った尻尾の持ち主は、真っ黒な毛並みを持つ黒猫であった。
その瞳は、墓の前で佇んでいる白い猫とそっくりの――強い悲しみとその奥に
強い意思の光を秘めた瞳をしていた。
 ハッとして、あびるは自分が握り締めた尻尾を見る。
 その尻尾は、途中で二股に分かれていて、Yの字になっていた。
「この黒猫、もしかして……?」
 望が、しわがれた様な声を上げた。
――白い猫と黒い猫を飼っていた飼い主。
  そして自慢げに語っていた事……「2匹は結婚するんだ」
426『猫の瞳』3章3/11:2007/10/23(火) 00:13:44 ID:xWKtk5Z5

 2匹は引き合うように近づき、お互いの鼻を擦りあった。しきりに匂いを嗅ぎ
あった後、ぺろぺろとお互いをグルーミングしあう。
 と、突然黒猫が甲高い声で鳴いて、石畳に体をこすり付け始めた。
 何やら悩ましげに体をくねらせている。

「なにやってるんですか、あれ……?」
 余りに艶かしい黒猫の様子に、望はびっくりして聞いた。

「交尾をねだっているんですよ」
「ぶっ」
 思わず噴出す望。
 感動の再会が即交尾とは――。獣達の短絡的思考に、胸の感動が吹っ飛んだ。

「ああ、なんという事でしょう。現代日本は汚れきっている!
古来から生きる神聖な妖怪までもが、肉欲に溺れるとは!!」
援助交際が云々、童貞バッシングが云々とブツブツ呟く望。
 あびるは少し首を傾げた。
「先生。動物達にとって交尾は何ら汚れた行為ではないですよ。数億年前から
延々と紡がれている命の血脈なんです」
 あびるはそう言うと、すこし肩を竦めて付け足した。
「まぁ、愛があるかは知りませんが」

「しかしねえ……」
 望が更に言い募ろうと隣を見ると、長い睫の下で、あびるの瞳は少し悲しげに
揺れていた。
 その時、不意に気付いた。風浦可符香が言っていた言葉……。

――猫又は交尾すると死んじゃうんですよ。

 黒猫はしきりに床に体を擦り付けて、コロコロと転がっている。
一心不乱に命がけの求愛をするその様子は、どこか可憐な風情を漂わせていた。
 白い雄猫は決然とした足取りで雌猫の後に回った。

 2匹がしなやかな身体で睦み合う姿は、むしろ神秘的で聖なる儀式であるかの
ように美しかった。望も、あびるも、すっかりあてられてその様子を黙ってみていた。

 気が付くと……2匹は風のように消えていった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『猫の瞳』 主演 白い猫 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
飼い主        恋人を待つ健気な女猫
○×△       黒い猫
………
取り憑かれた人D   通りすがりの人間A   
糸色望        小節あびる
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

427『猫の瞳』3章4/11:2007/10/23(火) 00:14:19 ID:xWKtk5Z5
*********

「消えてしまいましたね……」
「何がですか」
「我々は猫達のドラマに巻き込まれたのですよ!!猫のドラマは物悲しく、
それでいて心が和やかになりましたね」
「現実を見たほうがいいと思いますよ」
「…………」
 うっと詰まると、望は頭を抱えて悶絶した。
 夕日に照らされながら悶える男の影が、石畳に濃いシルエットを映し出している。
 その影の下半身を見ると……長い……Y字型の尻尾が生えていた。

「なんで、再び私に取り憑くのですか、この妖怪猫は!」
「先生、それだけではありませんよ」
 あびるは両手を広げて、くるっと1回転した。三つ編みのおさげがふわっと揺れる。
「なんと、私にも尻尾が生えました!!」
 なるほど、あびるのお尻から長くて黒い尻尾が、ふさふさした毛並みを誇るよう
に生えている。もちろん、こちらもY字型をしている。
 見てみてと言わんばかりに、あびるは望の腕を掴んでゆらした。
 しかし、望はぷいんとソッポを向く。

「あなたがそれ言うの、これで4回目ですよ!もういいですよ!」
「なぜ先生はそんなに感動が薄いのかしら。尻尾の素晴らしさが良く理解できて
いないようですね」

 宝くじが当たってもできないような、満面の笑顔であびるは、くるくると踊り出した。
尻尾がそれにつられて風をはらんで大きく揺れる。

「あの場面で2匹が手を取り合って去っていくのが正しいドラマの終わり方ですよ!
去り際をわきまえないと色々と大変な事になりますよっ!!ドラゴン●ールは
フリーザ編で終了すべきだったんです!!」
 望の脳裏にバトルロワイヤル2、「らせん」とその後のTV展開、桑田の大リーグ挑戦、
赤城元大臣、豊臣秀吉などの例が浮かんでは消えていく。 ※実在とは関係ありま(ry。

「にゃご!!にゃおーん!」
そのような思考を邪魔するかのように、突然望の唇から猫の鳴き声が飛び出した。

「また、何か言ってますよ。今度はなんですか、もう!」
 すっかりぷんすかした様子で眼鏡をずり上げると、苛立たしそうに腕を前で組む。

「ちょっと待ってください」
 あびるが、ポーチから例の翻訳こんにゃくを取り出すと、
猫と意思疎通を始めた。
 ウンウン頷いたり、顔を真っ赤にしたり、首を傾げて悩んでみたり、
忙しそうに表情を変えている。
428『猫の瞳』3章5/11:2007/10/23(火) 00:14:54 ID:xWKtk5Z5
「分かりましたよ」
 少し恥ずかしそうに頬を染めて、あびるは報告した。
「なんか、この猫又クン。交尾に失敗しちゃったらしいです」
「ぶっ」
 どこまでも予想を裏切る展開に、望は翻弄されるばかりである。

「なんですか、それは!」
「まあ、50年間童貞と処女のカップルですから、仕方ないですよ」
「それでどうしようと言うのですか?まさか、交尾のやり方でも教えろというのですか!」

 望の言葉を聞くと、あびるは不意に黙ってしまった。
「え……まさか……?」
 望は思わずゴクリと喉を鳴らし、呆けたような顔を晒してしまう。
 あびるは、少し怯えたように2、3歩下がったが、何とか踏みとどまる。
 手を胸に当てて恥ずかしそうに横を向いた。
「私じゃ……、お相手になれませんか?」

 一陣の秋風が、人気のない墓場を吹きぬけた。赤や黄色の葉がひらひろと舞い散る
様を、どこか夢のような心地で見詰める。
 望の胸は激しく高鳴り、緊張に身体が強張っていた。
「そ……それは……どういう意味……」
 眼鏡を無様に揺らして、間抜けな事を聞いてしまう。

 それには答えず、あびるは腕を後で組むと来た道を引き返し始めた。
 2つに分けられた三つ編みと、お尻の黒い尻尾がまるで息を合わせたかのように、
調和して揺れている。望も慌てて彼女の後を追った。
(一体何なのですか、これは……)
 すっかり頭が混乱してしまった望は、胸の中で毒づく。前を行く少女に何か声を
掛けようとするのだが、うまい言葉が出てこない。自然2人の間は沈黙が続いた。

突然、前を歩いていたあびるが立ち止まった。
思わずつられて望も足を止める。
まるで夕日に語りかけるようにあびるは声を発した。

「私、昔この目のことでイジメられたことがあったんです」
「そうなんですか……」
あびるの瞳は左右で色が違う。小さいころ左目の角膜移植を受けたのが原因らしい。
何と言っていいかわからず、適当な言葉を返してしまう。
429『猫の瞳』3章6/11:2007/10/23(火) 00:15:36 ID:xWKtk5Z5
 それきり何も言わず、しばらく又黙って歩き始めた。
 自分の気のない返事に白けてしまったのかと、望が慌てかけたとき、再び
あびるは立ち止まった。

「先生は、私が尻尾好きになった理由って知っていましたっけ?」
 望は首を捻った。そういえば、あびるの尻尾好きはクラス中に知れ渡っているが、
その理由は聞いたことがなかった。仕方なく、また気のなさそうな返答してしまう。

「いえ、知りませんね」
「そう……」
 少しがっかりしたような声音に、望の心は痛んだ。
 何故、こううまい言葉が出てこないのか、話を続けることが出来ないのか、
望は自分を激しく嫌悪した。あびるは振り向かずに、前を向いて話しているため、
表情は見えない。 もしかしたら、強い失望の色を浮かべているのかもしれない。

 そうだ、絶望してしまおう。いつもの芸風でこの停滞した雰囲気を吹き飛ばすのです。
 首吊り用のロープ、準備OK。しかし、ネタが無いではないですか。
 うーん、ネタが無いと作者取材のため休載になってしまいます。

 しかし、そんな望の葛藤を吹き飛ばすようにあびるは少し笑った。
「いつか、聞いてくれますか。私が尻尾に夢中になったその訳」
 その明るい口調に、望はホッとして答えた。
「もちろん、先生でよければ」
 2人を包む気配がぐっと和やかなものになる。

 あびるがクスクス笑う声が紅く染まった空に消えていく。
 ゆっくりとした動作で左手を顔に当ててから、急に彼女は振り返った。
望は、その表情に息を呑んだ。

 あびるの表情は、望が予想していたどの貌(かお)とも違っていた。
 男のそっけない返事に失望した表情でもない、自分の過去を嫌悪した表情でもない、
さりとて楽しそうな明るい表情でもない。
 一途に思いつめた真剣な表情をしていた。

 左手には眼帯が握られており、少女の宝石のような両の瞳が露にされて、
チカリと紅い夕日を反射している。
430『猫の瞳』3章7/11:2007/10/23(火) 00:16:13 ID:xWKtk5Z5
「先生が、私の目を綺麗だって言ってくれたとき……私すごく嬉しかった。でも、
駄目ね。ちっとも素直になれなくて」
 望は気圧されたように身動きが出来ずに、あびるの唇の動きを凝視してしまう。

「だからね、私、今日は素直に言うわ」
 あびるの影が、一歩踏み出す。

「先生が大好きだって、こと」

 あの日と同じだ――
 望はつよい感動に襲われ、大きく息を呑んだ。

 少女は夕日を背に大地をしっかりと踏みしめて立っていた。
 赤く染まった端整な横顔も、少し釣り気味の瞳に反射する紅い光も、背筋をぴんと
立ててしっかりと大地を踏みしめているその姿勢も。
全てがあの日と同じ――

少女時代の純粋さを全面に立てて、正面から問いを発してきていた。

この厳粛な美しさを前に、
自分の心を誤魔化したり、逃げたりする事が出来る人間がいるだろうか。

――ここにいます!!この男――糸色望がッ!!
  2人の恋が成就したら、世間に叩かれるッ!!職を失うッ!!
  ごめんなさい、小節さんッ!!
  私達の恋は禁断の恋なのです。ああ、愛し合う2人が結ばれない現実に絶望したぁ!!

 ススッと足をすべらせて、あびるの前に立つと少女の肩に両手を置いて、望はしっかりと
告げた。
「先生も、小節さんのこと好きですよ」
 言っている事とやっている事がズレていても全く気にしない男。それが、糸色望である。
 とりあえずお約束の絶望をしといたから、まあ良しです。そんなことを思っている。

 望はあびるの白く形のいい顎を少し上げると、自分の瞳の焦点を少女の瞳にしっかりと合わせる。

 キスは目をつむってするものだとおっしゃる諸兄もいるかも知れない。
 しかし、2人は――お互いの瞳の奥を見詰め合って――ゆっくりと唇を合わせた。
431『猫の瞳』3章8/11:2007/10/23(火) 00:16:54 ID:xWKtk5Z5
 初めてのキスにあびるがうっとりとしていると、口を強引に開いて望の舌が
押し入ってきた。
「ん!?」
 自分の口の中に、舌が入ってきたということに気が付くまで数秒かかった。
 あびるは突然の事に動揺しつつも、目をつむりそれを受入れる。
「ん……ちゅ……んんっ」
 望の舌は、歯や口腔内をねっとりと舐めまわし、縮こまっている少女の舌に
強引に絡みつかせてきた。
「む……!んんぅん……!」
 男の手馴れた舌戯に、あびるはすっかり舞い上がってしまっていた。体の力が
抜けてふやけた状態になり、なすがままになっている。 散々口の中を蹂躙した後、
やっと唇が離れると、繋がっていた唾液が名残惜しそうに橋を作った。

 くたっと力の抜けたあびるを望は両手で支えると、耳に口を近づけて囁いてきた。
「では、交尾のしかたをレクチュアしましょうか」
「え、ここでですか」
 さすがに今この場で行為に及ぶとは思っていなかったあびるは、驚いたような
眼差しを望に向けた。

「だって、猫は普通外でするでしょう」
「まあ、そうですけど……」

 急展開にうろたえているあびるを、望は近くの草むらに引っ張っていく。
 冷静になったり、尻尾を見て興奮したり、可愛く告白してきたり。
 望は、あびるの知られていない顔をもっともっと発見したくなっていた。

 露に濡れた草の上に座らせると、望は覆いかぶさるようにして腰を下ろしてきた。
「脱がしますからね」
 有無を言わさぬ調子で宣言すると、Tシャツをまくり、白い清楚なブラジャーが露にされた。
 露出した肌が冷たい空気に晒されると、あびるは急に今の状況を思い出した。
「や、やだ。誰かに見られちゃう……」
 夕暮れとはいえまだまだ明るい上に、2人がいる場所は周りが開けている。
 誰かが通りかかったら一発で発見されてしまう。

「誰も来ませんよ」
 弱々しい抗議は完全に無視されて、ブラジャーも取り去られる。
 形のいい美乳がぽろんとまろび出た。 少女の乳房は流れるように綺麗な曲線を描き、
きめの細かい白い肌とあいまって、相変わらず溜息が出るほど美しかった。
 高校生にしてはかなりのボリュームを持っている。
 ただ、乳房の一部に包帯が幾重にも巻かれており、その他にわき腹の部分に1箇所ガーゼが
あてられてメンディングテープで固定されている。
432『猫の瞳』3章9/11:2007/10/23(火) 00:17:38 ID:xWKtk5Z5
 恥ずかしさに顔が真っ赤になる。昨日、混浴で裸を晒した時には全く感じなかった
羞恥を、今は強く感じていた。慌てて腕で胸を隠すと、望の手はすでにズボンに
伸びていた。

――ええぇ!?こ、こっちも?
 目を白黒しているうちに、するするとズボンが脱がされていく。
 なんだか、魔法にでも掛かったかのようにどんどん服が剥ぎ取られていくのだ。
 ズボンが脱がされると、その下に薄い水色のショーツが現れた。

――もう覚悟を決めるしかないね……
 恥じらいながらも、腰を浮かせて望がショーツを脱がすのを容易にしてやる。
 ショーツが脱がされてしまうと、下半身を覆うものは全くなくなってしまった…
……と言いたいところだが、相変わらずの包帯が足やらお尻やらに巻かれていた。
 幸い、黒い繁みの下には包帯が巻かれておらず、ひっそりと清楚なたたずまいを
見せている。
――先生、すごく積極的……
 千里やまといを相手に逃げ回っている人物とは思えないほどの、強引で積極的な
行動に、すっかりあびるは呑まれてしまっていた。

「せっかく綺麗な身体をしているのだから、もっと大切にしたほうがいいですよ」
 優しく囁きながら、望は手を乳房の上にフィットさせた。包帯越しに、激しい
心臓の鼓動が伝わってくる。さすがに、包帯をひっ剥がすわけにもいかず、その
上から優しく揉み解していく。少女の美乳は、包帯で窮屈に縛られているとは
思えない弾力を持って、望の指を押し返して来た。

「痛いですか?」
「いえ………」
 膨らみの弾力を十分堪能したのか、望は露出している乳首に吸い付いた。
 乳首を舌先で弄ばれると、あびるの呼吸はどんどん深まっていく。
 反対の乳首は包帯に覆われているが、包帯の上から指で挟んだり摘んだりして
刺激を送る。

「んんっ……」
 我慢できずに、甘い喘えぎ声が唇から漏れた。

――先生、上手……
 望が乳首を弄るたびにアソコの内側からトロリと蜜が湧き出し、
あびるは切なそうに幾度も内股を擦り付けて、もじもじする。
 その様子を見た望は、右手をあびるの両足の付け根に滑らせた。
433『猫の瞳』3章10/11:2007/10/23(火) 00:18:35 ID:xWKtk5Z5
「あ!」
 望の指が蜜壷に触れると強い刺激を感じ、びくりとあびるは喘いだ。
 しかし、それはその後に訪れる狂爛のフィナーレにすぎなかった。
 5本の指が少女の秘所に揃えられると、まるで別々の生き物のように縦横に
動き始める。
 鉤のように指を曲げて内部を掻き回したかと思えば、指を回転させて感じる
ポイントを的確に責めて行く。さらに、痙攣している真珠を繊細な動きで時に
強く時に優しく摘み、刺激する。
 あびるとても、自慰の1度や2度はしたことがある。しかし、望が与えてくる
享楽の波はそのレベルを遥かに超えていた。自分で弄る刺激とはまるで次元が違うのだ。

「ひぅ!あぁぁぁ!!!!」
 男の指が手が動く度に、鋭い電流が全身を震わせ、同時に甘い響きが駆け巡って、
熱くなっていく。
「あ、あぅぅ……!うぅん……!」
 体中が熱くなり、体の底から何かが突き上げるような感覚が広がって、
秘所からコンコンと愛液が湧き出てきた。


 望は、頃はよしと思い、すっくと立ち上がり、袴を解き、褌を外した。
しかし、絶棒を取り出したとき思わず悲鳴を上げてしまった。
「な、なんですかコレ!!」

 望の絶棒は、異常な様相を呈していた。
 通常であればすべすべしている絶棒の表面には、何かトゲのような突起が
びっしりと生えている。触ってみると、チクチクした刺激を指に返してくる。
「どういうことでしょうか」
<どよんど>して呆然とする望に気付いて、あびるは体を起こした。
興味深げな様子で、ジロジロと絶棒を視姦すると、なにかに気付いたように手を打った。

「そういえば、オス猫の大事な部分はそうやってトゲトゲが生えていると聞いたことが
あります」
「なんていうことですか!!人の性器まで乗っ取るなんて。居候の分際でずう
ずうしいですよ! 」
 ズーンと、額にいくつもの縦線を走らせる望。
 あびるは、じっと望の股間を覗き込んでいたが、一言ぼそっと呟いた。
434『猫の瞳』3章11/11:2007/10/23(火) 00:19:11 ID:xWKtk5Z5
「……それでも皮はかぶっているのですね」
 ガーン
「猫をかぶってるんですよ!!私の所為では断じてありませんからね!
先生、かぶってませんから!」
「そ……そうですか?」

――昨日、バッチリ見られているのだから、言い訳しても無駄なのに。
 あびるはそう心で呟きながら、優しく絶棒を手にとって、包皮をめくって上げた。
「うぅ……」
 望は思わず情けない声を漏らしてしまう。
包皮が完全に捲られ、赤黒い亀頭が露出した。通常であればツルツルしている
はずの亀頭にも、隙間なくトゲが生えている。
「なんだか、先っぽのトゲは痛そう……」
 たしかに茎部分に比べて、亀頭に生えているトゲは長く鋭いように見える。
「ど……どうしますか?」
 少し、遠慮がちに望は聞いてきた。
 このような変則的な性器で性交をするのは、嫌なのではないか、望の問いは
そういう事だろう。
 しかし、あびるはキッパリとした調子で「私は、構いませんよ。」と返した。
「……分かりました」

 2人の心臓が急に激しく鼓動を始める。
 望は、あびるの唇に軽くキスをしてやると、ゆっくりと押し倒した。
 草と土が背中に触れて、あびるはひんやりとした感触に少し首をすくめる。
 望はその上に覆いかぶさると、少女の両足をぐっと開かせる。

「先生……必ず最後までしてね……」
 組み敷かれながら、確認を取るようにあびるはか細く囁いた。
「もしかしたら、私泣き言いっちゃうかもしれないけど……それでもしてね……」
 不安と緊張を湛えながらも、健気にそんなことを言う少女が愛おしい。

「大丈夫、優しくします」
 そういうと、望はあびるの頬や額に優しくキスの雨を降らせた。
 左手で髪をなでで、安心させてやる。うっとりとした気分になりながらも、
あびるの瞳は悲壮な決意に揺れていた。

 彼女は、猫の性交がメスにとって苦痛に満ちた行為であることを知っている
のだった。
4359-292:2007/10/23(火) 00:21:26 ID:xWKtk5Z5
前半終わりです。

うーん、自分が何を書きたかったのか。不明だw。
後半はたぶんエロのみになるかと。猫の交尾っぽいHを書けと毒電波が来てまs
436名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 01:13:01 ID:42wSe83R
関係ないが、過負荷は猫っぽい。
437名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 01:14:06 ID:37DqjRfO
>>435
誰も居ないと思ったら大間違いだこの野郎GJ!
相変わらず文章の美しさに呑まれるなぁ。話の運びも上手すぎる。
もう前遊の時点でハァハァしてるわけですが、wktkしながら後半を待ち続ける所存です。
438名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 01:42:36 ID:mSo3xDlx
>>435
猫の排卵する条件は…まさかオチは…!
と悶えてしまったがとりあえずwktkして待たせて頂きます

>>420
『お姉さん達と混浴』というシチュに異常なまでの
興奮を覚えた俺は異端…いや、ただの変態なのだろう
439名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 01:57:43 ID:bu859Dt8
>>438
おれも猫の排卵条件思い出したw
440名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 02:13:22 ID:KUqE55bX
>435

序盤はあまり好きな展開じゃなかったけど、再開後の中盤はよく練りこんであるなと感服。
終盤を楽しみにしてます。
441名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 04:55:57 ID:4uTyQM48
>>435
GJ!寝る前にのぞいてよかった
続きが気になる
442名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 10:22:32 ID:Zehx3ORR
規制続きのIP、ポイしてきたw

>>420
臼井をフルボッコにしたくなったw
42さんの投下、最初は馴染めなかったけど、いま、普通に入ってくる。
あなたの作るシチュエーションが好きなんだとわかった!

>>373
おそレスでスマソ。
なんか奈美が違う・・・って感じてしまう。305さんの書く奈美平じゃないような気がする。
いや、展開は面白くなりそうな感じがしたが、何か違う・・・・・
443名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:28:18 ID:K5vBTZkw
なんだか急にスレの伸びが落ちてきた気がするんだが・・・
規制とやらが影響しているのか?
444名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:56:24 ID:oqBesSqE
ちとレスやら投下がし辛い雰囲気なんじゃないか?どこがと言われると困るんだが…。
なんか最近アイタタなレスが多い気がする、俺が神経質なだけかもわからんが。
445名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 01:45:39 ID:btvgs+WW
明らかにゆとり増えた。宣伝のお陰ですかね。
446名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 01:47:26 ID:1P5eZ+89
分かった、流れを戻そう
430氏の可符香SS投下希望ぅぉおっほおぉうう
447前スレ42:2007/10/24(水) 04:30:01 ID:Ot3dquRc
流れが変わるかどうかわかりませんが軽めのエロを投下。

最近はシチュ重視で、エロくないSSばっかり書いてたんでちと反省。
448下見:2007/10/24(水) 04:39:04 ID:Ot3dquRc
下見に行きましょうといわれ、着いた先は何故か先生の家。

「え、ちょっと、先生?何を?」
気が付くとショーツを脱がされ、先生に押し倒されていた。
「何って夜の営みの下見に決まってるじゃないですか。夫婦には身体の相性も大事ですからね」
そう言うと望は千里の秘所にやや乱暴に指を入れ、愛撫を始めた。
「夫婦…ひあ、だめ、だめ、まだ心の準備が」
両手で望の胸を押し、抵抗する。そんな細やかな抵抗も虚しく千里はイカされてしまう。
「ぅああん」
びくびくっと身体か震え、一気に脱力する。
「はぁ、はぁっ」
「おや、もうイッてましわれたんですか?そんなことでは私の妻にはなれませんよ」
「そんなぁ…」

「それならば私と下見をしませんか?」
ひょこっとまといが望の背後から姿をあらわした。
「おや?常月さん。いたんですか?」
「はい。ずっと」
そう言うとまといは望に背後から抱きつき、胸を押し当てる。
「いいでしょう。下見は何度やっても損をすることはありませんからね」
望はぐいっとまといの手を引きよせ四つんばいの格好にさせる。
「あん」

まといの目の前には惚けた千里の顔。
まといはそっと千里に耳打ちをする。
「これで私の一歩リードね」
その一言が失いかけていた千里の意識を取り戻させた。

「そうはいくものですか!」
がしっと両足を絡み合わせ、まといの腰をホールドする。
「ちょっ、何を!」
「先生、まだです!私はまだイッてません!続きをお願いします!」
まといが反論する。
「なに言ってるの!あなたの番は終わったのよ。次はわた…ひぁっ」

瞬時に袴を脱がされ、秘所におもむろに指を入れられたまといは思わず仰け反ってしまう。
「どちらでもかまいませんよ」
そういうと望は絶棒を丁度貝合わせの状態になっている二人の秘所の間に挿入する。
「ぅあ」
「ひぁん」
ずりゅ、ずりゅと卑猥な音を鳴らす。
敏感な場所を絶棒で擦られ、二人は絶頂を迎えてしまう。
「うあぁん」
「ああーーーっ」

はぁはぁと息を荒げる二人。
不意に部屋の窓が開き可符香が問い掛ける。
「先生、本番はしないんですか?」
「何言ってるんですか、風浦さん。ここまでですよ。これは下見なんですから」
449前スレ42:2007/10/24(水) 04:42:33 ID:Ot3dquRc
1レスですが投下失礼しました。

しかし、この先生はろくでなしだw
450名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 11:43:05 ID:v/QlYfp2
今週の先生と倫ちゃんが並んでテレビを見ている図にぎゅんぎゅんきた
誰か先生×倫ちゃん書いてくれんかのう
451名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 12:55:11 ID:1QWPYkQi
>>450
そういや前に、兄弟愛物を書くって言ってた職人さんいなかったっけ?
記憶違いかな?  ちょっと過去スレ見てくる。
452名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 16:46:02 ID:Jot/PM80
銭湯のお話描いたあなたは神か?
453名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 18:47:36 ID:Id/bBhWr
午後の紅茶の続きが読みたい
でも誰かが宣伝したせいで来辛くなってないか心配
454305:2007/10/24(水) 21:47:19 ID:TICitTOk
お疲れ様です。305です。
規制が原因なのでしょうか? 人が少ないような・・・

えー、芽留で短編書いてきました。
今週のマガジン見ると、ここで芽留を投下する私は、空気読めているのか、いないのかw

では、よろしくお願いします。
芽留・エロ無し・短編です。  m(_ _)m
455芽留:まじわらない想い:2007/10/24(水) 21:51:37 ID:TICitTOk
柔らかそうなデニム地のワンピースに、少し底が厚めのクリーム色のスニーカー。その靴紐は薄いピンク色の物
に替えてある。
肩に下げた麻のトートバックは口がジッパー式で、振り回しても中の物がこぼれないようになっている。
頭の両側で髪を結わえたゴムの飾りは、左右で微妙に色合いが変えてあるように見えた。
ノースリーブの肩を覆うように着たボレロが、パッと見、ジャケットの様に見える程の小柄な姿が、人の多く行き交う
改札口前で立ち尽くしたまま、携帯の画面を見ていた。

『オセー! オセー! オセー!』
『イライライライライライライラ』
『レディを 待たすなんて いい度胸だな!』

メールを送るわけでは無しに、そんな文章を画面に打ち出しては消してを繰り返していた。
少し電池の残量が減り始めた事に気がつき、予備の電池を確認しようと芽留がカバンを開けようとした時、小さな足
音が近づいてきた。

「あー! いたいた! めるねーちゃ・・・・・」

交が言葉を言い終わらないうちに、声に反応してこちらを見た芽留がよろめき、後ろにあった自動券売機にもたれか
かった。
「めるねーちゃん? だいじょうぶか!? ひんけつか?」
慌てて走りよった交を、キッ! と睨みつけ、芽留は携帯の画面を突き出す。

『なんだその格好は! 七五三か!? 入学式か!?』

交は少し首をかしげた。
「なんだよ? けっこう着るの、たいへんだったんだぞ?」
そう言って、紋付羽織と袴。さらに扇子付きの自分の姿を見直す。
『バカだろお前! いや、バカなのは あのハゲか!?』
芽留は画面をつき付けたまま片手で頭を抱えた。すぐそばを通り行く人が、時折、好奇の視線を二人に投げかけた
り、「かーわいい!」と声を上げるのが聞こえた。
芽留は交の襟を掴むと、駅の出口へとグイグイ引っ張ってゆく。
「な・・・なにすんだよ?」
『黙ってろ オマエはいいかもしれねーが オレは凄くイヤダ!』
振り向きもせずに画面を見せて、芽留は交を引きずるように駅を出ていった。


駅前を少し街に入った子供服専門店。
その店内に二人の姿がある。
芽留が、顔なじみらしい店員と何やらやり取りすると、交にサイズの合いそうな服が見繕われて来た。
「じゃ、音無さん。また、つけておくわね。一応、サインお願いできる?」
交の着物を預かってくれるよう頼み、芽留がサインをしている間に、着替え終わった交が歩いてきた。
茶色のボトムと青のスニーカー。上はTシャツ姿になった交が、店内をキョロキョロ見まわしている。
「めるねーちゃん、子供服着てんだな。 へー・・・」
『言いふらしたら コロスぞ?』
「ああ。わかったって・・・・・ でさ。この字、何て書いてあるんだ?」
交がTシャツの裾を両手で引っ張り、フロントに印字された文字を見せる。

 【 沼 人 】

芽留は携帯を操作し、
『意味はハゲに聞け  なかなか似合うぜ』
すこし照れた交に、ニヤリと笑いかけた。


456芽留:まじわらない想い:2007/10/24(水) 21:53:36 ID:TICitTOk
立っている時は交の方が背が低いだけに見えたが、電車の座席に座ると全体的なバランスの不足が伺える。
交は床につかない足をぶらぶらさせながら、首から下げたサイフの中からチケットを取り出す。
「ん。めるねーちゃんの分。」
芽留はチケットを受け取ると複雑な表情を見せる。
『なんでオレが 子供のお守りなんかで ネズミーランドに 行かなきゃなんねーんだよ』
溜め息をついた芽留に、交は少し得意そうに胸を張った。
「このチケット、オレが当てたんだぞ。おじさん、くじ運ないからさ。」
『そーいや ハゲの奴 生きてるのか?』
交はチラッと眉を寄せた。
「大丈夫だと思うよ。」
『いまの時期に 食中毒なんて ベタすぎんぞ?』
「・・・うーん。ちりね−ちゃんが看病に来てくれたし。平気だろ。」
「・・・・・・・・・・・ぅ・・・・・・・・」
芽留の顔が少し青ざめた。
『・・・・・・・死んでなきゃいいがな』
「おーげさだよ、めるねーちゃんは」
そう笑った交に、芽留は溜め息交じりに苦笑を返した。


「うわー! すっげー! なあ、めるねーちゃん! あれ乗ろうぜ!」
『2時間待ちなんて冗談じゃねーぞ!』
「おー!? でかい城がある! あれなんだ!? ネズミのかじったチーズみてーだ!」
『あれはな   中を探検できるらしーぜ』
「ねーちゃん何見てんだ? 説明書?」
『ガイドブックって言え クソガキ』
「なんだ! 実はねーちゃんも楽しみだったんだな?」
『違う! こんなクソ広いトコ テキトーに廻ってたら 日が暮れるだろーが!』
「じゃ、オレのオススメいこうぜ!」
『こっち見ろガキィィィィィ!!』



身長制限のあるアトラクションに乗れず、どよん、と暗くなる芽留。
交が下手な慰め方をして、さらに暗くさせてしまう。
はぐれた交を探す芽留を、『迷子のメルちゃん』と園内放送で交が呼び出し、半分キレながら迎えにいく芽留。
ゴーストハウスを、二人とも目に涙を溜めながら走り抜けたり。
園内にいるキャラクターと、顔をしかめながら写真を撮って貰う芽留。
お昼を食べる事も忘れて、ひたすら遊んで。
さんざん園内を走り回って

気がつくと、日は落ちて、園内はライトアップされていた。

さすがに空腹を憶えて、芽留たちはオープンテラスでハンバーガーなどをパクついていた。
『まあ めぼしいトコは行ったな』
ガイドに赤ペンでマークを入れながら、芽留がジュースのストローに口をつける。
「なに言ってんだよ! 夜はこれからだろ?」
さらりと言った交に芽留はむせ返ってしまい、喉をケホケホしながら交を睨む。
『そんな寝言 ドコで憶えた!?』
「え? だってテレビとかで言ってるぞ? ねーちゃん、言われた事ないのか?」
ひきっ、と芽留の顔が引きつり、凄まじい勢いで携帯を打つ。
『ケンカ売ってんのか!? この量産型メガネハゲ! ハゲ予備軍チビ!!』
交は少し眉を寄せて芽留の携帯を覗き込み、
「・・・ねーちゃん。この字なんて読むんだ?」
その一言に、芽留はずりずりとイスから半分ずり落ちてしまう。
「どーしたんだよ?」
『モウイイ』
無気力な顔の芽留に、交は首をかしげていたが、やがてどこからか聞こえてくる音楽に気がつき、辺りをキョロ
キョロ見回している。芽留は視界の端に、その出所をキャッチすると、すばやく立ち上がり交の手を引いて指差した。
『ナイトパレードだぜ!!』
457芽留:まじわらない想い:2007/10/24(水) 21:57:51 ID:TICitTOk


二人がたどり着くころには、すでにパレードのコースを挟むように人垣が出来上がっていた。
何とか間近で見ようと悪戦苦闘しているが、上れるような段差もなく、飛び跳ねても人垣の頭の向こうまでは
一瞬しか見れない。
楽しそうなテーマソングと、歓声だけが聞こえてくる。
何とか人の足元をくぐって前に出れないか、屈み込んで思案している芽留に、
「・・・・・・めるねーちゃん、パレード見たいよな?」
交にそっと尋ねられ、芽留は不思議そうな顔をして振り向いた。
「よし。」と、一度うなずくと、交は芽留の後ろに回りこみ、しゃがんで両足の間に頭を入れた。
「・・・・・・ぃ・・・っ・・・!?」
驚く芽留の両足をしっかり掴むと、交はゆっくりと立ち上がってゆく。
『おい! 無茶すんな!』
芽留は慌てるが、交はニッと笑うと、そのまま完全に立ち上がる。
「平気・・・さ! オレ、結構、力、あるんだぜ! なあ! 見えるか!?」
肩車状態になった芽留はパレードの方を向き直る。
辺りの大人と、そう変わらない視線になっており、輝く装飾の行列がはっきりと見えた。
『カッコつけてんじゃ  』
芽留は思わずそう打とうとして、慌てて画面を消し、ムービー録画に切り替えた。
「・・・・・・・・・・・・・・ネーョ・・・・・・・・」
画質を【高画質】に設定しながら、芽留は少し頬を赤く染めていた。



帰り道、芽留の携帯を貸してもらい、繰り返しパレードの録画を見ている交と並んで歩く芽留。
自然と、言葉を交わす事もなく、終始無言で歩いていた。
この時間は人通りも無く、時々、蝉の鳴く声が夜の空気を震わし、耳に届く。
道の先に学校のシルエットが見てとれた。

「めるねーちゃん、楽しかったか?」
芽留に携帯を返し、交は尋ねた。
『なかなか いい 子供だまし だったぜ』
「なんだよー オレ楽しかったぞ?」
芽留は小さく肩をすくめた。
『ソレハ よかった デスネ』
「・・・・・・今日、ありがとうな。」
二人は歩みを止める事なく、少しずつ、校門が近づいてくる。

少し焦った顔をしていた交が、たまりかねたように足を止め、芽留の方を振り向く。
「あ―――あのさ! オレさ! 今日、返事しようと思ってさ!」
芽留は訝しげな表情を浮かべて、足を止めた。
『?』
交は一度短く息を吸い込んだようだった。
「オレ・・・・・・めるねーちゃんの事好きだ!」
顔を紅潮させて言葉と呼吸を吐き出した交と反対に、芽留の方は凍りついたように動きが止まり、交の顔を
凝視しているようだった。

しばし――いや、かなりの間が空き・・・・

『往来の真ん中で 寝言 言ってんじゃねー! ボケ!』
『からかってんのか! クソガキ!』
『オマエ ちょっと おもてに出ろ!!』

怒涛のように携帯を打ち続ける芽留に、交は少しあわてて、
「ねごとじゃねーよ! だって、この前、めるねーちゃん、オレに好きだって・・・・・・! だから、返事しなきゃっ
て思ってて――」
その言葉に、芽留は体をよろめかせてしまう。
少し顔を赤くして、柳眉を逆立てながら携帯を打つ。
458芽留:まじわらない想い:2007/10/24(水) 21:59:10 ID:TICitTOk

『あんなの間違いだっつーの! 無効だろーが!』
『って あれで落ちるって オマエどんだけチョロいんだよ!?』
『気付けよ! タコ!』

交は唇をギュッと結ぶと表情を固くした。
「・・・めるねーちゃん。オレの事、キライなのか?」
芽留は、ハッ、としたように言葉に詰まったようだった。

『いや そういう意味じゃねーよ!』
『つまり なんだ』
『10年早いんだよ!!』

混乱しているのか、意味の繋がらない言葉を打ち出すが、
「・・・じゃ・・・・・・・10年待ったらいいって事か? 10年たったら・・・・・」
『10年たったら オレは どーなってる!?』
「え・・・・」
目の前に画面を突きつけられ、交は返事に詰まった。
芽留は、交を睨みながらも、その瞳が微かに潤み、揺れていた。

『ヤメロ ヤメよーぜ こんな話』
『全部 勘違いなんだよ さっさと忘れろ』

「カン違いじゃねーよ!!」
交は涙声で叫び、芽留の両肩を掴んだ。
「だって・・・さ・・・  だってさ・・・ 今日すっげー楽しみだったんだぞ。めるねーちゃんと出かけれるって・・・・・・さ。
 ねーちゃんに会うと、すごくドキドキするんだぞ・・・・・・・  これ、好きだって事だろ・・・!?」
交は泣いていた。泣きながら芽留の両肩を掴んだ手は震えていた。
芽留は一瞬、交から視線をそらして、すぐに真剣な顔で交に向き直る。

『 違う 』

一時の沈黙――――そして、

「なんでだよ! わかんねーよ! める・・・ねーちゃ・・・・」
芽留を、しがみ付くように抱きしめて、交は芽留の名前を繰り返し呼んだ。
交に抱きしめられたまま、芽留は悲しそうに瞳を細め、交を抱きしめようと腕をまわし――――

『・・・・・・ク・・・・・』

小さく呻いて、交の背に触れる寸前に腕を止めた。
指先は、手を握りかけた時のように細かく震え、苦悶の表情を浮かべると、芽留はゆっくりと腕を戻した。

とんっ

軽い音を立てて、芽留は交の体を突き飛ばした。
交は驚いた顔で、後ろに数歩たたらを踏み、芽留の顔を見つめる。
459芽留:まじわらない想い:2007/10/24(水) 22:00:21 ID:TICitTOk

「めるねーちゃん・・・・・・」

『忘れろ 早く』

「何で・・・・・わかんねーよ・・・」

涙を拭おうともせずに佇む交に、芽留はゆっくり近寄った。
『そのうちわかる   10年たって 今日の事なんて 全部忘れた時には わかる』
「・・・いやだよそんなの!」
『男が いつまでも泣き言 言ってんじゃねーよ』
「・・・・・・・だって・・・わかんねーよ」

しゃくりあげながらうつむく交に、芽留は小さく微笑んだ。

『今だけだ そんなのは』
「ねーちゃん・・・・・」

少し顔を上げた交の目の前――鼻が触れるくらい近くに、芽留が携帯を差し出した。

『 じゃあな 』

交の頬に柔らかい物が触れ
――それが芽留の唇だと理解した時には、芽留は交の横をすり抜けるように去り
一瞬だけ肩に乗った髪は、交の頬をくすぐるようにして通っていった。



足音が遠ざかってゆく。


交は振り向き、追いかけたい衝動を必死でこらえ――――
目を拭って、校舎に向かい、走り出した。



宿直室に駆け込み、ただいまも言わずに一直線に押入れに飛び込み、硬く戸を閉め、布団に身をくるみ
交は泣いた。
先生や霧が外から話しかけても、何も答えず――――ただ、ひたすら泣いていた。



芽留は自室のベッドに転がり、携帯をいじっていた。
ナイトパレードのムービー画面。
交に見せるように撮った物とは、別のデータを開く。
そこには、少し携帯の角度を変えて撮った交の顔が写っていた。

絶対に倒れまいと、力を込めた、交の表情

芽留は、真剣そのものの交の表情を見て柔らかく微笑み、携帯を閉じた。
460305:2007/10/24(水) 22:11:17 ID:TICitTOk
おそまつでした。

何だか無性に芽留が書きたくなる時がある、今日この頃・・・・

では、また。
461名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 22:24:20 ID:DUzJCv39
>>460
GJ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
素敵すぎる。芽留&交が好きな自分にはツボでした。
でも、切ない…10年後でもアリアリ!…27歳ならまだいけるっ。
462名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:03:29 ID:hcIKM8w1
>>460芽留と交がかわいくてまじわらない切なさが素晴らしい!
育ってダーリンみたくなる十年後に期待

さて>>460様のかわいい良作後に申し訳ありませんが一旧SS後編を投下させていただきます
凄惨度アップ、この話を書くために前編と中編を書いたような物です
では
463「旧姓」 後編壱/七:2007/10/24(水) 23:05:32 ID:hcIKM8w1
一旧は縛られ顔から涙と白濁を垂らしてうずくまる倫を満足気に見下ろすと今度は障子の影から覗くバッテンの髪飾りに声をかけた


「隠れたって無駄です
私はカフカちゃんの言葉をきっかけに二人婦女暴行をしました
こうなったら貴女にも責任を取って体育会系プロポーズを受けてもらいますよ!」

ピョコンと姿を現した可符香は相変わらず電波的なほどポジティブに口を開いた


「やだなあ一旧さんたら
私に婿入りなんて出来るわけないですよ〜

ポロロッカ星とチャネリングによって共鳴する事の出来た作家フランツ・カフカの魂はおこぼれ神バルボラ三世の意志によってリンカーネーションつまり転生する様に受け継いだ名前が風浦可符香とゆう名なんですよ♪
それに、ん〜そろそろかしら?」

電波発言の後何故か時計を見ながら時間を気にしている
私は2のへでも特に気の強い部類である千里と倫を犯す事が出来たのだ
今ならきっとこの掴み処のない少女も掴む事が出来るはず

「カフカちゃん、
そんな意味のわからない事を言ったって無駄です!
貴女を犯します!!」
464「旧姓」 後編弐/八:2007/10/24(水) 23:09:39 ID:hcIKM8w1
一旧は視線を時計に落とす可符香に襲いかかった
そしてその体に触れようとしたその時

シュッ
バラバラバラバラ

突如風を切り裂く様な音が鳴ったと思うと今まで可符香が隠れていた障子が崩れ落ちた
その切断面の一つ一つは磨かれた様になめらか
それをパキッペキッと踏み付けながら現れたのは・・・・・

「一旧さんたら私の初めてを奪ったと思ったら倫ちゃんにまで乱暴して
一度きっちりわからせないといけないみたいね」

昨夜犯したはずの木津千里だ
だが最後に見た時の様な弱々しい面影は微塵もない
一旧が草と血と精液で汚した制服とはうってかわり元は白かったはずが返り血によって赤黒く染まり鉄臭い匂いを漂わすワンピース着ており

手には両手でかわいらしく持っていた学校指定鞄から使い古された肉斬り包丁へ

残酷な真実に潤ませた目はまるで魚の様に平たく冷たい眼に

そして分かれ目を失った髪がはらはらとかかっていた額には憎い男の居場所を特定した千里眼が不気味に見開く

千里は全てを戦慄させる猟奇形態へと変貌していたのだ
465名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:12:20 ID:CqStU+9u
うぉーメルメルかわいいよメルメル
466「旧姓」 後編参/七:2007/10/24(水) 23:12:27 ID:hcIKM8w1
「うっうわーーーッ!!!!!」

一旧が悲鳴を上げへたれこむ中
千里はふと倫を見た
柱に手を縛られ着物からあられもなく足や胸をはだけさせ泣いていた
いつも先生や皆をからかっていた彼女がまるで別人の様に弱々しくなった姿は昨夜の自分を重ねずにはいられない

それによって怒りは増し殺気は研ぎ澄まされる


「ち、千里ちゃん落ち着いて下さい・・・・・」

「旧姓が欲しいだなんてふざけた理由でこんな事してるあんたが言える立場ッ!?」

ガタガタと一旧は震えなんとか説得しようとするだが立場が逆転、
いや蛇に睨まれた蛙が如き状況を変えれるはずもなかった
すると再びポジティブ少女は天使の顔で悪魔の囁きを吐いた


「それだけじゃないよ千里ちゃん、
一旧さんたら倫ちゃんを助けようとした先生とセバスチャンを突き飛ばしたんだよ♪」


嬉々と可符香が指差した先
そこには本当の事を告げられてもいまだに愛している男がぐったりと倒れこんでいたのだ


「あ、ああああああああ・・・・・」

自分の大切な処女を無理矢理奪い別の少女の純潔もふみにじり
旧友と言っていたはずの最愛の先生にまで暴力を奮った
その憎しみは千里をさらに変貌させた
467名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:14:50 ID:CqStU+9u
千里セツナス
468「旧姓」 後編四/七:2007/10/24(水) 23:16:31 ID:hcIKM8w1
千里の毎朝セットし月に一回はストレートパーマをした事によって手に入れた
まるで高層ビルの摩天楼の様に美しく規則的でまっすぐな髪は

「憤怒」とゆう名の原子爆弾が炸裂し爆炎を上げたかのように膨張する
そして殺気は毒ガスの様に密度を高めながら充満し頭痛と吐き気を催させ手にしている肉斬り包丁を一層妖しく輝かせ
見開いた第三の眼の不気味さは増すばかり

そして両の眼は普段の三千倍の呪力を持ちネガファルムの様に白黒反転した瞳に変貌する


もしスカウターで計ればスイッチを入れた瞬間爆発しそうな程邪々しい千里の姿を一旧はかつて訪れたインド寺院の宗教画で見た事がある


怒りの炎から生じ
魔神たちをも血祭りに上げる
殺戮の女神カーリーだ


「ひぃ!ひいぃーーーッ!!!!!!!!」


生きとし生ける物全て殺し尽くさんとする狂気の女神
最高神ですら容易に止める事は出来ない姿に一旧は我が眼を疑うばかり
469「旧姓」 後編伍/七:2007/10/24(水) 23:27:39 ID:hcIKM8w1
「こっ!!こんな事あるはずありません!!いくらキツい性格の千里ちゃんでも殺戮の女神になるはずありません!!!!!!!」

一旧は必死に目の前に写る光景を否定し現実逃避せんとばかりに
震える手でキセルを取り出し薬物に火をつけた

だが煙を吸っても恐ろしい千里の姿は消えない
そればかりか恐怖心は増し冷汗がこんこんと湧き出る

「うわぁーーーッ!!!!」

思わず口にしていたキセルを千里に目掛け投げつける、だが

「うなあああああーーーッ!!!!!!!」


雄叫びを上げたかと思うとゴツく大きな肉包丁が消えた様に見える程の神速で振り降ろされ

鋼で出来ていたはずの一旧のキセルは唐竹の様に真ん中分けされた


「そ、そんな!そんな!!」

震え怯える事しか出来ない一旧は直視出来ない程凄まじい千里の横の可符香に眼をやった


「カフカちゃん!
貴女はもしやコレを望んであの時あんな事を言ったんですか!!!!」


「一旧さんやっと気づいたんですかあ?
まさかこんなにうまくいくとは思いませんでした面白かったですよお♪」
470旧姓 後編六/七:2007/10/24(水) 23:30:54 ID:hcIKM8w1
なんとゆう事だ
彼女は旧自慢をしていた私を見て一瞬でこんな落としめる計画を思いついたとゆうのか?
本当に心の隙間に入り込み囁いて弄ぶだけ弄び
触れようとしたらするりと抜け出した

それでいて悪戯が成功した子どもの様な無邪気さを持っている少女
風浦可符香

あぁ私はずっとこの娘の掌で踊らされていた玩具に過ぎなかったとゆうのか
だがいつまでも踊っている訳にはいかない
このままでは私の人生が終わらされてしまうのだ

そう思うと涙が溢れた
鼻水も垂らし震えながら口を開いた


「ち、千里ちゃん昨夜の事倫ちゃんにも乱暴した事旧友に暴力を奮った事
私が悪かったです
警察に自首します、
一生かけて償います
旧姓も諦めます
だから、
だから許してください・・・・・」


「いやだなあ一旧さん、
貴方と先生は旧友なんかじゃないですよ♪
密使の報告によると入学式の時だけ仲良くしていた1日友ですよお〜」


可符香はとどめを刺すかのような言葉をなんとも楽しそうに口走る
そして千里は不気味な程落ち着いたトーンで口を開いた
471旧姓 後編七/七:2007/10/24(水) 23:36:00 ID:hcIKM8w1
許しを必死に乞う一旧にゆっくりゆっくりと近づきながら・・・・・


「あら私はくだらないとは言ったけど旧姓を諦めろなんて一言も言ってないわよ?
来世なら今の名前が旧姓になるわ。


 ペ ロ ヴ ゾ ー ロ フ 6 世 」


「うわああああぁあああああーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



―――その後、木津千里と糸色倫は生理も無事起こり
妊娠とその責任取りによる婿入りとゆう事態は避けられた

しかし当事者である一旧の行方は定かではない

ただ一つ言えるのはダム建設によって水底に沈む運命にある某村に咲く
大きな桜の樹の根本が赤みがかって少し盛り上がっていた事であろうか


―旧姓 終劇―
472名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:40:17 ID:zWUle1tp
ちょwwww
473名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:42:54 ID:+6AfTPeS
「凄惨度アップ」ってそっちの意味かよwww
何にせよ乙!ww
474名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:43:45 ID:hcIKM8w1
はい皆様お付き合いいただきありがとうございます
この「旧姓」は原作第五十話を元に妄想したSSです
私は千里好きなので原作通り未遂に終わらそうかと思いましたが
あえて鬱な話にし
より凄惨な猟奇オチにする事にしました

もし機会があればまたSS投下する事があるかと思います
では
475名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:51:09 ID:x16c+sr0
>>460
芽留好きの俺としてはあなたに愛を誓うしかないじゃないか!!
476名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 00:02:18 ID:N4taFclc
可符香こええw
477名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 00:47:04 ID:B8VSJigo
>>460
可愛いさの中に恰好良さが垣間見えるメルにときめいた!GJです!
478名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 00:59:07 ID:/N98hmf+
霧分が足りないと誰かが言ってたので・・・ずいぶん前な気がしますが、
構わず投下します。
479名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:05:38 ID:/N98hmf+
灰色の空。町の色に混ざっていきそうなほど鈍い色の雲。その雲は予報はずれの雨を降らせていた。雨に濡れながら足早に目的地へ急ぐ人々が行きかう。その中に時代錯誤な着物の青年がいた。
「はぁ…絶望した…!あたらない天気予報に…絶望した!」急に降り出した雨に降られながら望は小走りで学校を目指す。
「ふぅ…全くついてませんね…久々に外出したらこれだ。」校舎に入り、雨から逃れた望は一息ついて仮住まいの宿直室に向かう。
 「ただいまぁ…あ、小森さん。」ぐったりとした様子で宿直室の扉をくぐると霧が迎えてくれた。いつもの様に霧は毛布を羽織っている。
「先生。お帰り…ハイ、これ。」そういうと霧は手に持っていたタオルを差し出した。
「おや、気が利きますねぇ。ありがとうございます。」礼を言ってタオルを望は受け取った。
「しかし今日は20%の予報だったのに見事に降りましたねぇ…。大体、20%ってなんだかはっきりしませんよね。
『降らないだろうけど、降っても責任とれませんよ』みたいな感じで。言い訳じみていると、そう思いません?」褒められて嬉しそうにはにかんでいる霧に望は同意を求める。
「うん。そうだね。」楽しそうに霧は答える。
同意をもらい満足そうにする望。
「じゃあ先生着替えますから、ちょっとだけ外してください。」
「うん。」
480名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:06:11 ID:/N98hmf+
そうして霧に台所に行ってもらい、着替えを選び始めた。
(さて…どれにしますかね…)
望は悩んでいた。普段着物で生活しているため、カジュアルな格好をする事に抵抗を感じているためだ。しかし着物を着ようにもそれほど持っているわけではない。自分一人なら何も問題は無いが今日は霧が来ている。
台所では霧がコンロに火をおこしている音が聞こえる。
(今日は休日だから会うのは小森さんだけですかね…それなら。)
台所の方に視線を向ける。すりガラス越しでよくはわからないが、何かを用意しているようだ。
「お待たせしました。もういいですよ。」望は霧に声をかけた。
「はーい。」返事をして引き戸を開けた霧の目にロングTシャツにGパンのラフな格好をした望があらわれた。
「お、おかしくないですか?私。」そわそわしながら落ち着かない様子で望は尋ねる。
「ううん、そんなことないよ。似合ってるよ。」
「そ、そうですか?慣れない格好なもので…」否定されないで安堵の笑顔を見せる望。
「ほんとだよ?あと、もうすぐお湯が沸くからお茶飲む…?」
「ええ、勿論。小森さんは本当に気が利きますねぇ。いいお嫁さんになれますよ。」殺し文句を涼しい顔をして言ってのける望。
「そ、そう…かな…?」霧は照れて俯いてしまったので顔がよく見えないが、漆黒の美しい髪からのぞく対照的な白い肌が薄くピンクに染まっていた。
481名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:08:01 ID:/N98hmf+
その後二人はお茶を飲みながら他愛ない話をしていた。
世の中に対する文句や文学について、ドラマや甥の交の事、ドラマ以外では主に話しているのは望だったが、霧は終始微笑みながら話していた。
「ああ、それなら私も見てましたよ。ただ、大財閥の息子の役の割には軽い感じが拭えないですねぇ彼は…。雨…また強くなってきましたねぇ…。」望は仄暗い空を見上げながら呟いた。
打ち付ける雨はその音をさらに響かせ、騒々しくさえ感じる。
「そうだね。」霧はずっと笑顔のままいる。その様子は見るものさえ幸福にしてしまうように愛らしい。
「今日は何かいい事があったのですか?」その笑顔を今独占している望が尋ねる。
「えへへ、それはね…今日、この時間ね、ほんとは一人だったの。交君もお泊まりだし…それで雨が降ってきて先生帰ってこないかなぁって思った。そしたらホントに帰ってきたから、なんか嬉しくって…」
「小森さん…。」
「昔はね、一人でも平気だったの。でも学校に引き蘢る様になって、先生や交君、それに可付香ちゃんもマリアも遊びに来てくれて、そしたら一人でいる時、寂しいなって思う様になった…。あ、ごめんね先生…変な事言って…。」そういうと霧は黙って俯いてしまった。
望は何も言わずに霧の肩を抱いた。
「あ…せ、せんせぇ……ありがと。」
「お礼なんて言わなくていいですよ…。あなたが良ければいつでも…。」
優しく望は囁く。
「…うん。」
482名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:11:09 ID:/N98hmf+
タイトル忘れてたw
「雨があがれば」です。多分続きます。甲斐性なしなものでw多分です。
483名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:20:03 ID:jqZ8SOq7
GッJだッ!!!!
えーわー霧えーわー
484名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:41:46 ID:tIhObcX5
>>478-482
改行はきっちり入れたほうがいいかな。
それ以外は良い。
485名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 02:18:07 ID:BMJZT+FV
>>460
微笑ましいなぁ…是非とも10年後の話も見てみたいもんだ
27歳と15歳…普通にアリだな

>>474
GGGGJJJJ!!!!!!
俺の望んでいた展開がそのまま実現されやがった!!
結局俺はあんたの思惑通りに一喜一憂していたわけか!

>>482
続きに激しく期待!最近ちょうど霧分が足りなくなって
きたところだったから尚更だwww
486名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 02:24:53 ID:fQnLSI0L
>>482
霧まってた!!いいよいいよーーこの雰囲気好きすぎる!!!
超期待!
487名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 02:57:18 ID:EvXDDkAT
>>482
これは期待せざるを得ない
続き待ってるぜ!!
48842の人:2007/10/25(木) 05:12:13 ID:6RzlnN62
>>474
凄いとしか言い様がないです。
GJでした。
489前スレ42:2007/10/25(木) 06:01:51 ID:6RzlnN62
今週号の冒頭をみて少しドキッとした前スレ42ですw

>>450さんの期待に添えるかわかりませんが倫×望を書いてみました。
1レス短編でもうしわけないですが投下します。
490兄の思い 妹の想い:2007/10/25(木) 06:09:06 ID:6RzlnN62

「男女のべつまくなしやんちゃな時期のあったお兄様は入れません」

そう言う倫の表情は冷静を装いながらどこか寂しげだった。
宿直室の壁にもたれかかりながら考え込む望。

「あの時期はほとんど倫にかまってやってなかったですからね」
やはり兄弟だからなのかあの意地悪な発言の裏に潜む倫の心理を望はうっすらと理解していた。
「まあ、そのうち、なんとか…しないと…いけませんね…」
思考を巡らせるものの、迫ってくる眠気に勝てず望はいつのまにか眠ってしまった。

からっ

倫が部屋の戸を開けると兄が壁に寄り掛かって寝入っているのに気づいた。
倫はそっと近づくとふわりと毛布をかける。

「まったくお兄様ったら…お風邪をめされても私はしりませんからね」
言いながら兄の隣にちょこんと座る。
安らかな寝顔。
その色白の肌に引き寄せられるようにふるふると震える唇を近付ける。
ふっ、と唇が望の頬に触れる。
薄く瞑っていた目を開く。

「お兄様…一体どこまで鈍いのでしょう?」

そう小さく呟くと、すっ、と立ち上がり部屋を後にした。

倫が退出し、部屋には静寂だけが残る。
望は静かに倫の唇が触れた頬に指先を触れながら。
「ふぅ、やはりお前はいつまでたっても子供ですね」
と、呟いた。
491前スレ42:2007/10/25(木) 06:12:12 ID:6RzlnN62
なんかプロローグっぽくなってしまいましたw

気持ちがのれば掘り下げてみたいなーとおもってます。

しかし、今週の交は可愛すぎる。
492名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 07:25:53 ID:AUyc7Qg1
>>462
お疲れ様でした。まさかこういう落ちになるとは思わなかったwww
まさしく窮地に追い込まれたヤンデレの本領発揮?



しかし自分と先生に何もなかった、初めては先生じゃなかったという事を知った千里が、
これからどういう行動を取るかを考えるとここで終わるのは惜しくもありますなw
493名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 11:16:52 ID:dREOrbhB
昨日は久々の豊作(だが貧乏ではない!)でうれしかった!
これであとはあの人とあの人が戻って来てくれれば言うことはないのだが・・・
494名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 11:53:53 ID:M93ysnSS
> これであとはあの人とあの人が戻って来てくれれば言うことはないのだが・・・
こういう書き方ウザイのでキライ。
495名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 12:35:11 ID:Xo0qFf6W
>>493
だからあれから1ヶ月以上経ってるんだと何度言えば・・・
だいたいそういう風に言われたら職人さんのほうがかえって出てきにくくなるとは考えないのか
496名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 15:12:10 ID:qwvJWbuF
どうも、昨日旧姓を全部投下し終えた>>474です後編を投下し終え、
皆様の反響に喜んでいたのですが
>>492様のレスを読んで最初予定してなかった後日談が急遽思いつきました
エロ抜きで凄惨度アップ投下は先になりますがどうかよろしくお願いします
497名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:35:38 ID:45G3Lc8H
>>496
wktkしながら待ってるよ!

今週号を読んで思ったのだが誰か万世橋君でSSを書いてくれまいか
498名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:41:39 ID:GQcmWjgd
それいけ! 二次元マン
499名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:23:09 ID:PZXQIHuC
午後の紅茶を書いていた者ですが、本気で今更ながら投下してもよろしいでしょうか。
「え、あの作品あれで終わりじゃねぇの?」って人が殆どでしょうが、一応自己満足の為のオチがあったり。

っていうか、のうのうとまた投下しても良いんだろうか…。
自分、このスレに迷惑かけていませんか…?
正直例のアレで迷惑かかっちゃってたなら、いつでも削除いたしますのでどうか言って下され。
投下もご迷惑なようなら、午後の紅茶はあれで完結という事で、このまま大人しく読み専に戻ります。
うざったい質問とは重々承知ですが、気の小さい奴なんで……申し訳ない。
500名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:32:32 ID:olIjc3nb
有無を言わさず投下希望!
そして更なる続編も待ってる!
以上!
501名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:39:44 ID:Osqm29/l
全裸待機中
早く投下しないと風邪ひいちゃう
502名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:03:47 ID:cZK91oEQ
ありがたくもお許しを頂いたので投下させてもらいます。
午後の紅茶、これにて完結です。6レスほど消費させていただきます。
503午後の紅茶 21:2007/10/25(木) 19:06:39 ID:cZK91oEQ

ふわり、と柔らかな香りが降ってくる。
唇に暖かな体温を感じて、望はゆっくりと目を開いた。
目前に、愛しい少女の顔がある。

お互いの唇が触れ合っている――それに気付くのに、寝ぼけた頭はしばらくの時間を要した。

「おはようございます、先生」
可符香はすぐに顔を離して、何事もなかったかのようにニッコリと笑う。
「――おはよう、ございます」
まだ完全に意識が覚醒していないのか、ぼんやりとした口調で答える望。
「朝ご飯出来てますから、着替えたら降りて来て下さいね」
よく見ると可符香はエプロンを付けている。朝食の準備をしていたらしい。
一階から食欲をそそる香りが漂ってくる。その匂いに、望の胃は貪欲にも空腹を訴えてきた。
「あ、ありがとうございます」
のろのろと上半身を起こしながら返事をすると、可符香は踵を返してパタパタと軽い足音を立て、一階へ降りていった。
冬の早朝に漂う冷たい空気に、ようやく意識がハッキリし始める。
今更口づけで起こされた事に羞恥心が湧き上がってきて、望は熱くなる顔面を両手で覆った。


――目覚めのキスでも、してくれたんですか?


「いや……確かに言いましたけど」
ふと、数ヶ月前保健室で自分が言った台詞を思い出して、余計に恥ずかしくなってきてしまった。
ひとしきり羞恥に悶絶してから、ようやく望は自分が全裸である事を思い出す。
可符香との情事の後、そのまま眠ってしまったのだから、服を着ていないのは当たり前だ。
眠っている間は二人で身を寄せ合っていたので、心身ともに暖かく眠る事が出来たのだが、
こうして一人で布団の中に包まっていると、底冷えする寒さに震えを抑えきれない。
望は身震いしながら服を着込んだ。二の腕を擦り、白い息を吐きながら一階へと降りる。
居間は暖房が入っており、台所から流れてくる湯気も相まって、とても暖かい。
「あ、やっと降りてきましたね」
望が降りてきた気配を察して、台所からひょっこりと顔を出す可符香。
ミトンをはめた手には、温かい湯気を上げる片手鍋を持っている。
「良い匂いですね。何を作ってたんですか?」
「お野菜を適当に煮込んだだけですよ、大したものじゃありません」
テーブルの中央に畳まれた濡れ布巾の上に、可符香は手にした鍋を置いた。
琥珀色の液体の中に泳ぐ野菜たちは、良い塩梅に柔らかく煮込まれている。
玉葱の香りだろうか、仄かに甘い香りのするスープに食欲を刺激されて、思わず腹を擦った。
「何か手伝う事はありますか?」
「じゃあ、食器出して下さい。お料理はもう出来てますから。
と言っても、スープとパンだけなんですけどね」
「いえ、十分ありがたいですよ」
可符香の指示に遵って、棚から食器を出して並べる。実質、殆ど手伝う事など無かったのだが。

「先生。これ、あと少しなんで飲んじゃって下さい」
テーブルに大人しく座り可符香の着席を待っていた望の目前に置かれたのは、
残り三分の一程度の、一リットルサイズのペットボトル。

中身は――某ビバレッジ印のミルクティーである。
504午後の紅茶 22:2007/10/25(木) 19:09:20 ID:cZK91oEQ

「あの、これ、まさか」
「心配しなくても、中に何も入ってませんよ」
昨日飲まされた媚薬入りのミルクティーと同じものかと、思わず冷や汗をかく望。
だが可符香は事も無げに笑って、

「っていうか、あの時飲んでもらったミルクティーにも、何も入ってませんでしたし」

軽い口調に似つかわしくない事実を、さらっと言ってのけた。

「あぁ、そうですか……それはよか―――ええぇえッ!?」
「お、良いリアクション」
思わず腰を浮かして驚愕の声を上げる望。
欲しかったリアクションそのままな反応に満足して、上機嫌に笑みを深める可符香。
「だ、だってあの、じゃあ昨日のアレは―――」
身体の奥から生じた熱に翻弄される感覚を思い出して、望は思わず赤面した。
確かにあの時自分は、どうしようもなく興奮してしまって――だがそれはあくまで薬の所為であって。
だがそもそも、彼女は薬など盛っていなかったという。
と、いうことは。
……ようするに、まぁ、全部自分の思い込みだった――という事なのだろう。
「―――ああぁぁぁあ〜…ッ!」
頭を抱えてテーブルに突っ伏す望に。
「もぉ先生ってば、元気なんだから〜」
心底楽しそうな可符香の台詞に、否が応にも昨夜の事を思い出して、頬がカァっと熱くなる。
「ぜ……絶望した!あっさり暗示に掛かる節操のない下半身に絶望した!」
「暗示だなんて人聞きの悪い。あれはただ、先生が勝手に欲情しちゃっただけですよ〜」
「明らかに誘導してたじゃないですか!」
ぐわばっ!と顔を勢い良く上げて叫ぶが、可符香は悠々とした態度でそれを受け流した。
「責任転嫁は男らしくないですよ?」
「うぅ…ッ!」
確かに、彼女の身体に欲情していたのは紛れも無い事実である。
望はグッタリと項垂れながら、敗北感に打ちひしがれた。
してやったり、と得意げな顔の可符香。
 彼女はビシィッ!と指でVサインを作り、いまだ項垂れたままの望の目前にVサインを突き出す。

「これでおあいこですねっ」

自分だけ騙されたままでは、彼女の気がおさまらなかった。
だがこれで、晴れてリベンジ成功である。
「おあいこ、ですか」
「はいッ!おあいこですっ」
満足気に頷く可符香。
それでようやく満足したらしい彼女は、何事も無かったかのように席につく。
「さてと。いただきましょうよ、先生。スープも冷めちゃいますし」
「―――はぁ……。そうですね」
しばし何か言いたそうに、じと目で可符香を見つめる望だったが、
やがて深い溜息を吐き、自分ものろのろと合唱した。
重なる「いただきます」の声。
可符香は皿に乗ったロールパンに手を伸ばし、小さな口を精一杯大きく開けて齧り付く。
勝利の味でもするのだろうか、彼女は心底美味そうにパンを頬張っている。
その様子にもはや怒る気も失せて、望は一口スープを啜った。

――暖かなスープは、ややしょっぱい敗北の味がした。

505午後の紅茶 23:2007/10/25(木) 19:12:34 ID:cZK91oEQ

朝食を終えた後、二人は揃って学校に向っていた。
いつも通る並木道。名も無き犬の墓にお参りをして、二人はゆっくりと歩き出す。
「おはようございます、二人とも」
その途中、背後から落ち着いた声音で呼びかけられた。
振り向く二人。そこには、柔らかな眼差しの青年が、分厚い本を携えて立っている。
「おはよう、准君」
「おはようございます。随分と早いんですね」
微笑み返す可符香。軽く頭を下げる望。
「ええ、いつもこのくらいの時間に来るんです」
久藤准は、人の少ない時間帯に本を読みながら登校するのが好きだった。
人の多い所だと、前方不注意でうっかり誰かにぶつかってしまいかねない。
この時間帯ならば人も疎らだし、ぶつかるにしても電柱か枯れ木ぐらいだ。
「本を読みながら歩くのは、些か危ないと思いますよ」
「大丈夫です。最近は電柱に謝る回数も減りました」
「……久藤君、意外とドジっ子だったりします?」
冗談と取るべきかとも思ったが、久藤の表情からそれを読み取るのは難しい。
困惑顔の望の脇をすり抜けて、可符香はやおら久藤の顔に手を伸ばす。
そっと前髪をかき上げられて、普段は隠れている額が露になる。くすり、と苦笑する可符香。
唐突なその行動にキョトンとしたのは望だけで、久藤は照れたように微笑むばかりだ。
「准君の嘘つき。今朝も電柱に謝ったでしょう」
可符香の言葉に、望はようやく、久藤の額が少し赤く腫れている事に気付いた。
「ね、ネタじゃなかったんですね……」
「ちなみに、今朝謝ったのは電柱じゃなくて枯れ木の方です」
「どちらも変らないと思いますが」
というより枯れ木の方が、何となくぶつけた時のダメージが大きいような気がした。
表面がザラザラしているし、下手をすると擦りむいてしまうのではないだろうか。
「――ん」
しばらく可符香に額を撫でられるままにしていた久藤だったが、不意に何かに気付いたように声を上げた。
「どうしたの?」
額を撫でる手を止めて、そっと手を放しながら問う可符香。
久藤は答えずに、すぅっと滑るような動作で望との距離を詰める。
全身をしげしげと見つめられたかと思うと、彼は何かを嗅ぐような動作をした。
「な、なんですか」
困惑する望をよそに、二、三度可符香と望を交互に見比べる久藤。
「――あぁ、そういう事ですか」
そうしてようやく、彼は納得したように頷く。
かと思うと、突然にぃっと口の両端を吊り上げるように笑った。
いつもの穏やかな笑い方とは違う、少し意地の悪い笑い方だ。
「な、ななな……何なんですかッ!?」
その表情は、まるで可符香が自分をからかう時に浮かべる笑みを彷彿とさせる。
思わず身震いする望に背を向けて、今度は可符香に向き直る。
その顔に先ほどまでの人の悪い笑みはない。
彼女に向けられたのは、母性すら感じさせる慈しみの表情だった。
そしてその口から、優しい声音で問われた言葉は、

「可符香ちゃん。先生は優しかった?」

望の胸に、あまりにも深く突き刺さる一言だった。
506午後の紅茶 24:2007/10/25(木) 19:18:05 ID:cZK91oEQ
「―――な、え」
石化したように硬直する望。
可符香は一瞬キョトンと目を丸くしたが、すぐにニコリと笑って頷いた。

「うん、優しかったよ」
「そっか」
その笑顔が本当に幸せそうで、久藤は心の底から彼女の幸せを祝福する。

「おめでとう」
「ありがとう」

固まったままの望をよそに、和気藹々と微笑みあう二人。
――ようやく我に返った望は、慌てて何か言おうと口を開く。だが、
「それじゃあ、僕は先に行きますから。若い二人はごゆっくり」
望が何か言う前に、久藤はさっさと軽い足取りで先に行ってしまった。
「あ、ああああ……貴方の方が若いでしょうがーッ!!」
その後姿に、裏返った声で叫ぶ。
大音量の絶叫にもまったく動じずに、久藤はヒラヒラと片手を振るだけで答えて振り返りもしない。
(な……何だかこの先も、彼には色々からかわれるような気がします……)
ゼェゼェと肩で息をしながら、おそらく当たっているであろう予感に青ざめる望。
「――先生」
歩み去る久藤の背を見つめていた可符香は、やおら望に向き直り、幸せそうに目を細めた。

「祝福されちゃいました」
その表情に、望は一瞬で毒気を抜かれてしまった。

蟠っていた感情が流されて、後に残るのは――目の前で微笑む少女への愛しみだけだ。
「……そう、ですね」
おそらく一番心を許していたであろう久藤の祝福の言葉が、本当に嬉しかったのだろう。
「――あははっ」
可符香はじわじわと湧き上がってくる幸福感を、どうにかして望に伝えたくて、
この感覚が肌越しに伝わって欲しいという願いを込めて、望の胸に飛び込んだ。
「おっとっ」
そんな可符香の華奢な肩を、少し照れながらもしっかりと抱きとめる。
服越しに感じる少女の鼓動は速く、彼女が浮かれている事を如実に伝えてくる。
――呼吸を白く染める冬の空気。だが、触れ合う二人の肌は温かい。
「幸せですねー」
吐息に乗せて呟く可符香。

「――……」

望は咄嗟に口から出そうになった台詞を、すんでの所で飲み込んだ。
口にするにはあまりに気恥ずかしい言葉だ。
「そうですね」
「もぉ〜、何ですか?その気の無い返事」
「すみませんね、気の利かない大人で」
「そんな、先生は気の利かない大人なんかじゃないですよ。むしろ大人になりきれてないですよ」
「それフォローじゃありませんよね!?」
……甘い空気は一瞬でどこかに吹っ飛んでしまった。

――二人はじゃれ合うように、並木道を歩いていく。 
 
ふわりふわりと舞うように先を行く、年下のような、年上のような恋人を必死に追い駆けながら、
彼は心の中でだけ、しっかりと誓いを立てる。

『――今よりもっと、幸せにしてみせますよ。
 ……ろくでもない私でも、精一杯に――――』
 
それは愛しい恋人と、彼女の幸せを心から願う少年への、確かな誓い。
507午後の紅茶おまけ―語り部の物語― 1:2007/10/25(木) 19:21:48 ID:cZK91oEQ

時は放課後。
人気の無い図書室。夕暮れに染まる蔵書達に囲まれながら、彼は眼下の光景を見つめる。
その瞳には、じゃれ合う担任教師と生徒達の姿が映っている。
その中でも、彼の瞳はある一人の女生徒に注目している。
(あぁ、楽しそうだな……)
彼は穏やかな心地で目を細めた。
彼女の視線の先には、散々生徒たちに弄り倒されて半泣きの教師の姿がある。
まぁ彼がわりと本気で悲鳴を上げている事を無視さえすれば、とても微笑ましい光景である。
とりあえず久藤にとって、可符香が幸せかどうかに重点が置かれるので、そのあたりは問題ない。

久藤はゆっくりと目を閉じて、脳裏にハッキリと浮かび上がる少女の面影に思いを馳せた。

彼女を――恋人として、男として愛したい。
そういう考えも少なからずあった。
だが彼には、そうするだけの資格――いや、勇気がなかった。
幼い少女の強がりを突き崩して、温かく抱きしめる事だって出来たはずだ。
だが自分はその役割を怖がって、ただの傍観者で居る事しかしなかったのだ。
結局その役目は、今眼下で生徒達に囲まれている担任教師に押し付けて……。

彼女への愛情は、後悔に埋め尽くされていた。
けれど今――二人は幸せそうに微笑んでくれている。
それが彼にとっての、何よりの救いだった。

誰も貴方を責めないと、望は言ってくれた。
幸せだと、愛しい少女は微笑んでくれた。

「あぁ――良かった」
本当に心の底から安堵して、久藤は深く息を吐いた。

「やっぱり、僕は……ハッピーエンドの方が好きだな……」

二人はいつまでも幸せに暮らしました。めでたしめでたし。
チープな終わり方と言われてもかまわない。
それでも彼は、いつまでも幸せな二人を見ていたい。
二人はいつまでも、幸せに。
その幸せを傍で見守り続ける語り部で居られる事が、自分は何よりも嬉しいのだ……きっと。

「僕も……幸せだよ、杏ちゃん」

――僕は君を助けてあげられなかったけれど。
ただの語り部にしかなれなかった僕に、君はこれからも微笑みかけてくれるだろうか――

「――あの……」
思考の海に沈んでいた久藤の意識を呼び戻したのは、掠れた細い声音だった。
内心驚きつつも、彼の顔に驚愕が浮かぶ事はない。元々感情が表に出難いのだ。
眼下の光景から視線をはなして振り向くと、そこには一人の女生徒が、所在無さ気に立ち竦んでいた。
久藤が視線を合わせると、何故か慌てたように視線を泳がせる。心なしか頬が赤い。
その様子に疑問を抱きつつも、彼は穏やかな口調で、
「何?」
そう問いかけた。だが、女生徒は答えない。
というより、咄嗟に答えようにも声が出ないといった感じだ。
オロオロと視線を彷徨わせ、落ち着かない呼吸を抑えるように胸に手を当てて、深呼吸をしている。
508午後の紅茶おまけ―語り部の物語― 2:2007/10/25(木) 19:24:38 ID:cZK91oEQ

気分が優れないのかと心配になり、体調を訊ねようと口を開こうとする。
だがそんな久藤を遮るように、女生徒は決意を秘めた瞳を向けて、必死に喉の奥から声を絞り出した。


「――こ、ここに……ッ、居て、いいですか…ッ…?」


それは恋する少女の、精一杯の勇気から成る、決死の一言。


『――ここに、居ていい?』


それは、必死に誰かの温もりを求めた、幼き日の少女を思わせた。
拒絶される事を心底恐れているにも関わらず、それでも必死に手を伸ばしてきた、幼馴染の少女の事を。

記憶に深く刻み込まれた少女の面影と、今、震える足で目の前に立つ女生徒の姿が重なる。
彼女と――在りし日の杏に共通するのは、弱さの中に垣間見える、強い光を湛えた瞳。
女生徒は今、持ちうる限りの勇気を総動員して、久藤の前に立っている。
それが自らに寄せられた、強い恋心から来るものとまでは、彼は気付かなかったけれど。

「――うん、いいよ」

あの日と同じ言葉。
だが、幼かったあの頃にはない慈しみを込めて、柔らかく微笑みながら答えた。
すると女生徒は、何かに救われたようにパァっと瞳を輝かせた。
元々赤かった頬が更に紅潮して、耳まで真っ赤になってしまう。
その様子に久藤は、心が満たされていくような安堵感を覚えていた。
――自らの返答で、彼女がこんなにも喜んでくれた事が、嬉しい。
「……きみ、常連さんだよね。よくここで見かけるよ」
「う、うんッ!…お、覚えててくれたの…?」
「うん。よく僕と同じ本借りてたから、名前も覚えてるよ。
 確か―――」

――あの日、彼女に差し伸べられなかった手。
この臆病者の手を、目の前に居る少女は、心から必要としているようだった。

その覚悟を、その勇気を、今の自分ならば――ちゃんと受け止める事が出来る。
そう思いたい。

(……今度は……、うまくできる気がする……)

ずばり名前を言い当てると、少女は涙すら零して歓喜した。
そんな自分に焦ったように慌てふためく少女。
そっとハンカチを取り出して、久藤はそっと、少女の頬を流れる涙を拭った。




―――どうか二人の物語が、ハッピーエンドを迎えますように。
 


 
509名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:29:47 ID:cZK91oEQ
これにて幕引きです。
まぁ幕の向こうでは、変らず騒ぎ続けるキャラ達が居るわけですけども。

最後のオマケではオリキャラっぽいの使っちまいましたが、注意書き忘れてました…すみません。
何か始める前は「真昼読んでなくてもそこそこ楽しめるように〜」とか言ってましたが、
未読の方には完全に意味不明なオチになってしまったような…。重ねてすみません。

では、大して長い話でもないのにやたら引っ張って申し訳ありませんでした。
510名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:41:34 ID:albDWIO9
>>509
GJ! ガチで感動したぜ!
逆襲する可符香も不貞腐れる先生も保護者ぶる久藤も皆すごくいい。
リアル久藤君、乙!

最後の彼女は、競争率の回で久藤を狙ってた
茶道部員の娘ってことにすれば……と独り言
511名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:58:04 ID:UNvIyIBs
真昼さん乙!やっぱり真昼さんの作品はいい!
可符香派の俺にとっての神だ

次回も首を長くして投下待ってるのでお願いします
512名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 20:54:17 ID:DlVBGDSb

交「大人になんかなりたくないよ!」

倫「また何かトラウマをつくってきたな」
望「心配しなくとも…
  人間、何歳になってもなかなか大人扱いしては貰えないのです!」

交「どーゆーことだよ!?」
望「例えば!交は今は小学生にすら子供扱いされてますが」
交「されてねーよ!」
望「小学生になったらなったで、たった一学年上の子供から子供扱いされます
  そして、それは高校を卒業するまで続くのです!」
交「(ガーン)そーなのか!?」
望「さらに!大学生は社会人に、社会人は上司に、
  上司は定年組に、定年組は年齢三桁に、
  いつまでたっても若造扱いされ続けるのです!」
時田「そんなことはありませんぞ、望ぼっちゃま」
倫「ぼっちゃま、って時点で大人扱いではないわね」

望「大人の玩具を買えたからといって!
  その人が大人だとは言えないのです!
  絶望した!大人扱いを許さぬ高齢化社会に絶望した!」

まとい「まるで、大人の玩具を買ったことがあるかのような言い方ですね」
望「いたんですか?」
まとい「ええ、ずっと」
513名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 20:58:02 ID:DlVBGDSb

倫「というかお兄様、やんちゃなさった若いときに
  大人扱いしてもらいたくて買ったのでは?」
まとい「・・・・・」
望「ひ…人聞きの悪いことを言わないで下さい!」
倫「というか、つい先日も大人向けの玩具を買われたじゃありませんか」
まとい「・・・・・え?」
望「誤解を招く言い方はやめなさい!あれはそんなんじゃ…」
まとい「・・・・・『あれ』?」
望「ひいっ!?」

まとい「 買 っ た こ と が あ る の で す ね ?」

望「ち・・ちが・・・」
まとい「私といふものがありながら・・・
  大人の玩具を、誰に、どう使ったのです?」
望「だ、だからそれは誤解だと・・・」
まとい「あの女ですか?
  あの女の薄い胸の突起に、電気マッサアジを仕掛けたり、
  あの包帯女の後の穴から、数珠のしっぽを生やしてみたり、
  それともあの引きこもりの生っ白い肌に、
  ぬるぬるしたローションを塗りたくったり・・・」
望「誰のことですか!
  だから、そんなことしてませんってば!」
まとい「それともこの赤蝋燭で…」
望「熱っ!」
まとい「あるいはこのピンヒールで…」
望「ぐわっ
  そ…そんなもので踏まないでください!
  なんでそんなものもっているんですか!」
まとい「ひょっとしたらこんな乗馬鞭で…」
望「いやあぁぁぁぁぁ」
交「( ゚Д゚)」


マ太郎「で…アイツ結局何買ったんダ?」
倫「膿トレ」


交「怖いよ!DS怖いよ!川島教授怖いよ!!」
514名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:13:33 ID:2XrdV5+w
>512

ギャグとエロのバランス、オチもよいセンス。
原作の雰囲気を残した良作だと思った。
515名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:30:57 ID:stjeCGfW
>>513
原作っぽくて面白かったw
GJ!
516名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:58:19 ID:G+XJQSnP
>>509
真昼さんの文は、こう、一つの物語が積み上がって幕を閉じた、といった感じを受けるのが、いつも印象深いです。
この柔らかい文章が、水・・・・・・と言うより砂時計かな。  流れていく感じがとても穏やか。
正直な所、いつか私もこんな文が書けるように・・・と思い精進を決意した。


次回作の投下。まってますぜ! (ァ、義務を与えてる訳じゃないっすよw)
517名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:53:33 ID:GaGq95hi
本スレに出張してボコられている奴がいるような気がする。
518名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:09:22 ID:D7a0YkG+
俺も……
唯、俺の場合はボキャブラリーを増やしてせめてもうちょっとましな
感想を書けるようになりたい
519前スレ42:2007/10/26(金) 03:15:36 ID:E6w2fWet
1レス短編、投下します。
520謎の覆面ヒーロー:2007/10/26(金) 03:21:11 ID:E6w2fWet

「逸脱するのは三次元だけにしときな!」

謎の覆面漢がそういうと殴り飛ばされた変態は涙を流しながら逃げていった。

「やれやれ、最近は妄想と現実の区別がつかなくなってる奴が増えていて困る」
そう呟くと助けた少女達の方を見向きもせず走り去ろうとする。

「待ッテ!」
がしっ、と褐色の細腕が覆面漢の肩を掴む。
振り向くとマリアが満面の笑みで
「よくワカラナイケド、お前、マリア達助けてくれタ。スゴくイイ人」
「お…お嬢さん、い、いや、お礼を言われるような事ではないよ」
「ウウン、親切な人にはお礼をきちんと言いなさいッテ、カフカがいってた。アリガトウ」

マリアの純粋な笑顔に一瞬惚れっとしかけた漢であったが、無言で二人に背を向け走り去っていった。

「日本人ニハ色ンナ人がいるねー」
芽留に笑顔で話しかけるマリア。
芽留は呆れた表情で携帯に文字を打ちこむ。
[どっちもありえねーよ]
521名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 13:00:10 ID:MuIclDoQ
>>517
ああ、いるかも。 まあ、職人さんではないと思ふ。

>>518
つ 【類語辞書】
つ 【慣用句辞典】
522名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 13:26:42 ID:1L7lcvP+
>>513
>それともあの引きこもりの生っ白い肌に、ぬるぬるしたローションを塗りたくったり・・・
や、やってみてぇ…
523名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:33:59 ID:4+aSsYc+
本スレ読んで思ったけど、SSって結構嫌われてますね。しょんぼら。
524名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:37:44 ID:OaQrPw2N
そりゃ基本的にスレチだからな
いくら絶望の本スレでもそういうの嫌がる奴いそうだし
525名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:40:49 ID:Bofiaq3H
>>523
何にでも好き嫌いはあるさ
SSが好きな人も嫌いな人もいる
そして好きな人はここに来る嫌いな人は来ない
(来んなよ!そして好きな奴は本スレでSSの話すんな!)
それでいいじゃない!
526名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:59:33 ID:46gj6lR3
しえちゃんかわいいよしえちゃん
527名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 02:06:15 ID:pG0NrQgI
>>522
>あの包帯女の後の穴から、数珠のしっぽを生やしてみたり


俺はこっちをやってみたい…
528名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 03:11:47 ID:KjXk+aku
こんばんは。 読みにくいですがよろしければご笑覧くださいませ。

真っ暗な部屋に四角い光。
かちかちかち かかかかちかち
打鍵は心地よいというより、耳障り。

『日記でも書いたらどうですか?』
せんせーは軽い気持ちで言ったのかもしれない。
日記をつけてるうちに思い出したんだ。毎日、時間が流れてる。永遠に続くものなんかない。

私は、閉じた世界から出るのが恐い。

全座連では何かで身体を包めば外に出てもいいって言ってた。

でも、外へ出るのは嫌い。

木津さんは深刻そうに言ったよ。
『毎日ここにいて、息が詰まらない?』
でも、きっちりしないと生きられないほうが、息が詰まると思うんだ。

ここにいればせんせーがきてくれる。
今夜、交くんは奈美ちゃんが預かってくれてる。
他に何か望むのは、贅沢だよ。

「ん・・・?」
せんせーが寝返りをうった。いけない!光が目にはい・・・・
「ああ、日記ですか?では、眼鏡をつけないでおきましょう。」
せんせーの手が、正座した私の足首からつま先をゆっくりとなでている。
「blogなんですよ。せんせー」
私はボタンにカーソルをあわせて更新を急ぐ
「風呂・・・ごめんなさい、先生はそういう世界に疎くて。」
つま先に到達した手が、太ももの内側で止まった。
「せんせ・・?」
四角の中に騒がしい闇が降り、影が部屋を飲み込んでいく。
「暗くてよく見えないのは残念ですが、眼鏡をかけなくてすみますね。」
細い、やわらかい指が私の中へ割り入る。私の中はせんせーの指を抱きしめ、せんせーの腕はわたしを抱きしめている。
「声、聞かせてください。」
後ろから覆いかぶさるせんせーの熱い言葉。指の進む先・・窪んだ処が一気に燃え上がる。
「さっきからハ行とア行しか出てこないですね。そんなにいいんですか?」
せんせーの指が私を掻き出すたびに、頭と下の蓋が外れていく
「そろそろですかね。」
わたしはうつ伏せになって、脚を少しだけ広げた。
「これがいいんですか?」
せんせーがわたしの身体の上に重なって、絶棒を何のためらいもなく与えてくれる。
想像するだけで・・・

「こもりさん?」
薄明かりのなかに響くせんせーの声
「ああ、よかった。」
声は頭の上から聞こえてわたしはうつぶせのまま・・・?
「最中に寝てしまうなんて、酷い仕打ちです。お仕置き代わりにそのまま及んでしまいましたが」
綺麗に拭かれた私の身体・・そんな!なんにもおぼえてないよ・・・
「そんな顔をしてもダメです。さあ、朝の支度を始めないと朝連の生徒が来てしまいますよ。」
確かに、せんせーを受け入れた感触が残っている。何で寝てしまったんだろう。
「そんな顔をしないでください。今夜は、交が戻りますから明日の晩に続きをしましょうね。」
うん。早く明日にならないかな…

夢オチ?ですね。本来はエロではない人なのでこれが限界です、すいませんです
529名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 03:44:53 ID:qxGOmLg5
霧好きな俺にはよいおかずになりました!!!!gj
530名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 05:05:42 ID:aN+dL+IE
退廃的な二人、たまらん
531名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 07:09:42 ID:Il5zIp2d
ええわーたまらねー!GJ!
532雨があがれば:2007/10/27(土) 17:12:15 ID:8jGiM6SU
これはいい!ハ行とア行とか・・・先生は変態です!間違いありません!
482です。GJの力で舞い戻ってきました。
中篇?になるのかな投下させてもらいます。短いです。すいません。
533名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:38:02 ID:M7R/ZtKi
パソコンがいかれた…絶望した!というわけで投下取消です…ごめんなさい
534名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:40:05 ID:Il5zIp2d
絶望した!!
…ガンバレ
535名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 19:29:58 ID:SAKg74dd
>>533
誰よ?
536名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 19:35:45 ID:aIzCCs+1
>>532=>>533だろうよ、文脈的に考えて
パソコン使えないから携帯でレスしたんじゃねえの
537名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 20:57:58 ID:qxGOmLg5
>>533 wktkして続き待ってただけに絶望した…!!
早くなおるといいな…いつまでも正座でお待ちしております。
538名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:02:25 ID:TZLzUHRn
>>528
エロじゃない?いやいや十二分にエロエロっすよ!
えーわー霧ちゃんえーわー

>>533
外で星座見ながら正座して待つぜ
539名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:56:04 ID:6MkYyHrJ
規制、全然解除されないぽ。
・・・430氏はさぞかし悶々とされて(ry
540名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:48:54 ID:sADijVuq
関係ないが、ついさっき公式ページのギャラリーで
真ん中辺りの浴衣を肌蹴た可符香に心の臓を打ち抜かれてきた

5419-292:2007/10/29(月) 00:18:49 ID:6I+gzE1x
霧SS神がご降臨なさっていますね。GJです!!
霧待ちの皆様には申し訳ないのですが、『猫の瞳』の最後を投下します。
神のPCが直るまでの暇潰しってことで。

【注意点】
エロあり。苦痛系・SMっぽい所があります。苦手な人はスルー推奨。
ファンタジー全開です。「妄想ウザス」という方はスルーを。

本編13レスほど消費予定。
※おまけ3レスほど消費

**↓チラシの裏
おまけは、最初に考えてたオチなのです。
しかし、2章の非エロ部分を大幅に削ったせいで、伏線がすっかり消えていたのに
気付いたのです(つд⊂)。ですので、あくまで本筋を離れたオマケということで。
542『猫の瞳』3章後半1/13:2007/10/29(月) 00:19:57 ID:6I+gzE1x
 望は、自分の財布からコンドームを取り出すと、急いで絶棒に装着した。
「あれ」しかし、棘のせいか直ぐ破けてしまう。
 何度か、悪戦苦闘した挙句、とうとう諦めた。

「あびるさん、今日は安全日ですよね?」
 望は少し冷や汗をかきながら、問う。
「いえ、実はかなり危ない日だったりします」
「うぅ……」
 望の中で、天使と悪魔が激しく争った。
――ああ、どうしましょうか。ここで止めると一生悔いを残しそうです。
  しかも、読者諸君がブチ切れるでしょうっ。
  でも、出来ちゃったらまずいし……。

「先生、私なら平気ですよ」
「え?」
「私、子ども結構好きだから」
「……外に出すしかないようですね」
 あびるの期待するような眼差しを何気にスルーしつつ、結局灰色のダメ雪解けである。

 望は意を決すると、秘裂の入り口に絶棒をピッタリとあてがった。
「いきますよ」
「あ、はい……」
 緊張感の欠けたような返事に砕けそうになりながらも、望はぐっと腰を突きこむ。

「…………っ!!!!」 
 絶棒が少女の中の肉を食い破った瞬間、凄まじい激痛が襲い、あびるの
食いしばった歯の奥から声にならない呻き声が漏れた。 
 秘所から、幾筋もの純潔の証がたらりたらりと内股を伝っていく。

「―――!!!」(――い、痛い!痛い!痛いっ!!)

 瞳が限界一杯まで大きく見開かれ、同時に呼吸困難になって口を無意味に
パクパクさせる。彼女はこれまでに様々な怪我による苦痛の経験をしているために、
痛みに対しては一定の耐性を持っていた。しかし、今彼女を襲っている痛みは、
これまでに経験したどの苦痛よりも凶悪なものであった。
 その痛苦の最大の原因は絶棒から生えている無数の棘である。これが絶妙の
バランスで痛覚を厳しく刺激してくるのである。
 
 あびるの顔は血が引いたように真っ青になって、全身がぶるぶると痙攣を
始めていた。
543『猫の瞳』3章後半2/13:2007/10/29(月) 00:20:36 ID:6I+gzE1x

 一方、望はあびるとは正反対の感覚に悲鳴を上げていた。
 少女の中は天国そのものであった。
 無数の暖かな襞肉が細かく震えながらねっとりと絶棒に絡みつき、
纏(まと)わりついてくる。しかも、少女の呼吸に合わせてキュキュッと
絶妙の感覚で締め上げてくるのだ。

 望は今まで味わった事もない快感に顔を激しく歪めながらも、心配そうに
あびるの顔を覗き込んだ。
「大丈夫ですか?……痛かったのですか?」
 あびるは、ハッとして急いで首を振った。ここで痛みを告白したら、望は
最後までせずに中断するだろう。彼女にとって、それは本意ではなかった。

「ち、違うの…………う、嬉しくって……。先生と一緒になれた……から……」

 あびるの普段の無表情な白面からは想像もつかないような物言いに、望の胸は
愛おしさで一杯になった。

「先生……動いていいですよ……先生に、気持ちよくなって欲しい……」
「小節さん……」

 神秘の柔肉に包まれてこのように囁かれれば、誰だって猛然とスパートを
開始するだろう。しかし、望は歯を食いしばり、自然と動き出しそうな腰を
全力で止めた。

 不意に暖かな感触があびるの肌を覆った。
 びっくりして望を見ると、尻尾をあびるの全身にまとわりつかせていた。
「せっかくだから、この尻尾も使いましょうか」
 冗談めかしてそう言うと、自分のお尻から生えている白い尻尾を、絡めるよう
にして少女の身体に巻きつけ始めた。

「あぁあ……し……尻尾……」
 ボリュームのある尻尾でお腹と胸を一巻きにすると、首の周りに襟巻きのように
巻きつけてやる。大好きな尻尾を全身に巻かれて、あびるは序々に落ち着いた表情に
なっていった。
544『猫の瞳』3章後半3/13:2007/10/29(月) 00:21:11 ID:6I+gzE1x

「先生………」
 自分が必死に隠している痛みを察して、慰めてくれる――
 尻尾の温かさも然ることながら、男の気遣いに少女の胸はぽかぽかと温かくなった。
――先生……大好き……
 少女は、痛みも忘れてうっとりと頬を染める。
 ふさふさした尻尾と男の優しさに包まれて、あびるの心は幸福感で満たされていた。
「せんせぇ……」
 男の胸板に頬を摺り寄せて、甘えてみると、望は細い指でゆっくりと髪を梳いてくれる。
 広い背中に手を回して何度も何度も髪を梳いてもらうと、グルーミングされている猫
のようにすっかり蕩けてふにゃふにゃになってしまった。

 動かなくても、じわじわとした痛みがは依然股間から競りあがって来ている。
 しかし、望にしがみついたまま、その刺激を受け止めていると、何だか別の感覚が
広がってくるのだ。
(……痛いけど……でも……この痛みも……先生がくれたものなんだよね……)
 そう思うと、自分を苛む苦痛が愛おしいものにすら感じられた。

――先生がくれるこの刺激を大事にしたいな……

「先生、動いて……」
「平気ですか……」
「大丈夫。もう、痛みも引いてきたし……それに痛いのには慣れているから……」
「そんな事に慣れて欲しくないものですね」

 望は苦笑しながらも、注意深くあびるの顔を覗き込んだ。あびるの体から固さが取れ、
うっとりと目を細めているのを見て、ホワイトライではない事を確認する。

「では、ゆっくり動きますよ」
体が暴走しないように精神力を総動員させながら、望はゆっくりと腰を動かし始めた。

 処女を散らされたばかりの柔肉を擦られると鋭い痛みが全身を貫いていくが、
同時に熱い熱い感覚が駆け巡り、あびるの脳裏を優しく灼いていく。

――痛いけど………先生を感じる……
545『猫の瞳』3章後半4/13:2007/10/29(月) 00:21:51 ID:6I+gzE1x

「あぁ……はぁあ……」
 歯を食いしばっていた口が開けられ、思いもかけず桃色の吐息をはく。

 砂糖菓子のような甘い甘い恋に全身を満たされている少女にとって、
愛する人によって与えられる苦痛は排除すべきものではなくなっていた。
「あうぅん、くぅン……んんっ」
 与えられる痛みに感じて、すすり泣くような声を漏らしてしまう。 蜜液が
淫唇からトロリと溢れ出た
 ふと、あびるは思い出した。

   自分の父親が、殴られるたびに恍惚の表情を浮かべていた事を。
   ――そうか、私はお父さんの娘だもんね

   猛獣の尻尾を引っ張るたびに反撃を受けていたときの感覚を。
   ――そうか、私はアレも含めて尻尾を引っ張るのが快感だったんだ。

 少女はハッキリと自覚した。
 痛みそのものが、心地よく素敵な刺激となっていることを。

 奥深くに絶望が挿入されると、強い衝撃が全身を嵐のように吹き抜け、
引き抜かれる度に粘膜が刺激を受けて痛みが広がる。
 しかし、それがどうしようもなく気持ちよく、少女の甘い官能を刺激していた。

 序々にあびるの吐息が深くなっていく。
 それまで全身を支配していた圧倒的な痛みが、今度は全て快楽に変化し、
少女は夢中になって被虐のうねりを貪った。

――あぁ……先生がくれる刺激……気持ちいい………

 禁断の願望に導かれるまま、より強い痛みを求めてもどかしげに体をくねらせた。
股間にじわじわと熱を持ってきた疼きに耐えられず、上気させた顔を後に向けると
切なそうにおねだりした。

「はぁはぁ。先生っ……。もっと強く……動いてくださいっ」
「でも………」
「なんだか、痛いのが気持ちよくなってきちゃった……」
 蕩けたような顔でそんな変態性癖を告白する。
546『猫の瞳』3章後半5/13:2007/10/29(月) 00:22:25 ID:6I+gzE1x
「な、なんですって……」
 それを聞いた望は、急にムラムラと嗜虐的な気分になった。

――私の芸風である『絶望コント』を否定するくせに、痛いのが気持ちいいなんてっ

――人の事を散々嬲り者にして、教師に『様』付けさせるくせに、痛いのが気持ち
  いいなんてっ

 勝手に自分から『様』付けしたくせに、それこそトンデモナイ言いがかりである。
 しかし、望は全く気にせずにキッパリ宣言した。
「痛いのが気持ちいいなんて軸がブレてますよっ。絶望したっ!
先生、愛玩動物飼養管理士の資格を持っているのを思い出しました。しっかり、
躾けしますから!!」

「きゃ」
 望は、突然あびるの体を引っくり返した。
 膝と手をつかせて4つん這いにさせると、上半身を伏せさせて、顎と胸を地面につけて
うずくまらせる。

「猫は後背位で交尾するんですよっ」
 何故かそんな知識を披露しつつ(動物マニアのあびるはそんな事くらい知っているが)、
腕をのばし、ふくよかな胸から背中に掛けて何重にも巻かれている包帯を
乱暴に引き剥がした。

「え?な、何?」
 目を白黒させている女子高生の手首を掴んで、手錠を掛ける時のように前で
揃えると、あっと言う間に包帯の切れ端でしっかりと縛ってしまう。

 さらに少女のお尻から太ももに掛けて巻かれている包帯を引き剥がすと、
今度はそれで両足のほっそりとした足首をグルグルと縛った。

「ああ、いい眺めです」
「……!!」
 少女は両手・両足を緊縛されて、完全に身動きが出来ない状態で転がされて
しまった。純潔を散らされ無残に腫れ上がっている秘唇も、ひっそりとした
小さな窄まりも後からはすっかり丸見えになっている。
火が出るほど恥ずかしい格好をさせられ、あびるは頬を真っ赤に染め上げた。

「せ、先生……なんて格好させるんですか……」
547『猫の瞳』3章後半6/13:2007/10/29(月) 00:23:05 ID:6I+gzE1x

 望はふんふんと息を弾ませて、背中越しに腕を伸ばし、ふくよかな胸を掬う
ように手を当てた。そして、白い胸に無残に刻まれている猛獣の爪禍をそっと
指でなぞり始めた。包帯が剥ぎ取られたせいで、傷口が露わになっていたのだ。

「醜いでしょう、そこ……」
 あびるは、少し寂しげな表情でか細い声を漏らした。
「全然」
 そっけなく言う望に、あびるはむしょうに嬉しくなって端整な顔を綻ばせる。
 望に傷口を穏やかに撫でられながら、ゆったりと胸を揉まれると、甘美な痺れが
背筋からゾクゾクと這い上がってきて少女は陶酔したように頬を染めた。

「うぅ……ん……あぁ……」
 かすれたような甘い声で鳴いた途端――

ぎゅうぅ
 望が突然乱暴に胸を握り締めて、爪の傷痕を責め立てた。
「ひゃうっ!」
 急に激痛を与えられ、あびるの体はビクンと跳ね上がった。同時に、傷痕が開いた
のか血がじわりと滲んだ。

 酷い――と、ほろほろ涙を零していると、望が顔を寄せてくる。

 すいません、力が入ってしまいました――と耳元で謝りつつ、
少女の顔を後に向けると、唇を優しく塞いできた。
 綺麗な睫を伏せて、甘えるように唇を押し付けて答えると、男の舌がするりと
口の中に入ってきた。互いに舌を絡み合わせて、唾液を交換しあう。
 くちゅくちゅと2人の唇の間で唾液の混ざり合う音がするたびに、ピンク色の甘い
感覚があびるの胸に広がり、すっかり蕩けてふにゃふにゃになっていく。

 少女が熱いキスにトロンとしていると、突然――

ずぶっ
 何の前触れもなく、バックから絶棒が秘裂の内部へ押し込まれてきた。
「あぅ!」
 傷ついた柔肉を絶棒で擦られ、あびるの唇から短い悲鳴が漏れた。

「あぁ……あぅ…!はぁ…」
ゆるやかな動作でグッグッと膣内が太い肉棒で奥まで満たされていくと、
今度は甘い響きが含まれている
548『猫の瞳』3章後半7/13:2007/10/29(月) 00:23:38 ID:6I+gzE1x

「はあーっ……」
今までになく奥まで深く埋め込まれると、あびるは深い満足感を感じて
ため息をついた。 自分を満たす逞しい雄の器官を感じ、目を細めて満足
そうな表情を見せる女子高生に――また突然――

ぎゅむむむっ
「ひぃ!!」
 あびるの細い喉から高い鳴き声が絞りだされた。望が丸い右のお尻に浮かん
でいる赤黒い痣を抓りあげたのだ。
 被虐を呼び覚ます強い刺激と甘く痺れるような快楽を交互に与えられ、
あびるはすっかりメロメロになってしまった。

「ああ、楽しくなってきました。先生、こっちの才能もあったようです」
 そう言うと、望は腰を動かし始めた。リズミカルな動作で大きくストロークを
つけながら、秘部を貫いていく。リズムをつけてピストン運動をしつつ、
望は嬉しそうに教え子をいじめ始めた。

ギュムッ「あひぃっ」
 少女の白い肌に点在する傷痕を強く抓りあげたり、
バシィィ「あぁあ!」
 白くてムチムチしているお尻を平手で叩いてみたり、
グシグシッ「ひゃあああぁぁ・・!」
 尾てい骨から生えている尻尾を思いっきり引っ張ると、あびるは体をぷるぷる
痙攣させて泣き叫んだ。
 散々に嬲られる度に、少女は喜悦の声を上げて上体をくねらせ、蜜壷から
ぴゅうと愛液を飛ばした。何度も熱っぽいため息をついて、全身から発情した
女のフェロモンを発散している。
 明らかに感じているのだ。

 望があびるの顔を覗き込むと、彼女はすっかり堕ちていた。
 端整な顔は上気して赤くなり、額に巻かれた白い包帯と見事なコントラストを
描いている。
 何より涙に濡れて美しく輝いている色違いの両瞳が――
 理知的で控えめな褐色の瞳も――気高く美しい明緑の瞳も――
 共に桃色の官能と被虐の悦びに染め上げられて、左右対称になってしまっていた。

 そして、少女が可憐な唇を震わせながら漏らした言葉……
「先生……もっと……痛くして……」

「は、はぁ……」
 あまりに異常なおねだりに、さすがの絶望教師も眼鏡を揺らして絶句した。
 
549『猫の瞳』3章後半8/13:2007/10/29(月) 00:24:10 ID:6I+gzE1x

――まさか、小節さんがマゾだったなんて……。
 望は今更ながら呆れたようにそっと呟いた。

――『自分のやられたくない事を人にやるな』と言いますが、なるほど品行方正
  な彼女らしい。『自分のやられたい事を人にやっていた』という訳ですか。

  かつて、自分は言わなかったか。『あの娘は変態ですっ』と。
  なんと的を得た発言だったのだ。やはり私はもっと評価されるべきです。

「苛められて悦んでいるなんて、絶望した!やっぱり変態だったのですねっ」
「うぅ……」
 もはや隠しようもない性癖を責められ、あびるは悲しげに目を伏せた。

「変態な小節さんは、お尻を振ってくださいっ」
「は、はい……」
 あびるは従順に返事をすると、恐る恐る腰を揺すって、お尻を振りはじめた。

――あぁ……すごい……恥ずかしい……

 顔を下に向けてはにかみながらも、控えめにむちむちしたヒップを揺すりたてる。
 黒い尻尾がぴょこぴょこと扇情的に揺れて、望の視界を惑わした。

「はぁ……小節さん、いやらしいですよ……先生も、尻尾好きになりそうです……」
 望は後から手を回して、突かれる度にぷるんぷるんと揺れている丸いふくよかな
乳房を、強く握り締めた。
「きゃうっ」
 胸に刻まれた痛々しい爪痕が刺激を受けて、あびるの身体に痺れるような感覚が
広がる。両手でしっかり胸を揉みながら、望は荒々しく腰を動かしてラストスパートに
入った。男から突かれる度に、少女の上体はガクガクと前に突んのめり、おさげの
三つ編みがふるふると揺れる。

「あっ、あっ、あっ」
 あびるは顔を下に向けて、目を固くつむり、何かをこらえるような表情で甘い
ため息をピンクの唇から漏らした。

 粘膜と粘膜を擦りつけあう溶けあうような生の感触が女子高生の瑞々しい肉体を蕩けさせ、
チクチクするトゲが柔肉を優しく抉って、妖しい灼熱で官能を焼いていく。
 高く晒された蜜壷から次から次へと愛液が噴出し、ポタポタと地面に垂れて染み込ん
でいった。
550『猫の瞳』3章後半9/13:2007/10/29(月) 00:24:46 ID:6I+gzE1x
「あぁ、気持ちいいっ」
 耐え切れなくなり、白いおとがいを反らしながら、顔を上げて喘ぎ始めた。
 凛とした少女の白い顔は、それほど大仰には快楽を表現してはいない。ただ
その瞳と口許だけが、彼女が快楽を貪る堕落した天使であることを示していた。

 手足を縛られて、なすがままに犯され、嬲られているうちに、あびるのボルテージは
どんどん上がっていく。めくるめく官能が全身を突き抜け、ガクガクと体が激しく
痙攣した。

「あぁん、はぁ……先生……!先生……!」
 おさげの三つ編みを激しく振りたてて、切なそうに恋人の名を呼んで喘いだ。
 少女の高い嬌声が静かな墓地に響き渡り、夕日に染まっている大空へと消えていく。

「……もうダメ!」
 切羽詰った声で訴えられると、望は上体を倒し、女子高生のきめ細やかな首筋に
顔を埋め、産毛を夕日にキラキラと光らせている白いうなじにキスの雨を降らせた。
 あびるがうっとりとした顔を見せた瞬間、絹のように美しい白い肌にカプリと
歯を立てて甘噛みした。

「あん!」
 歯型をしっかりと刻まれると、熱い快感が全身を貫き、あびるは喜悦の声を上げて
のけぞった。ぴょこんと女子高生の若い牝尻が、本能的に跳ね上がると、一気に
挿入深度が高まる。
 絶棒が膣の奥まで深々と押し込まれると、チクリと望の亀頭に生えている鋭い針が、
最深部の子宮口を刺激した。

 その瞬間、常軌を逸した悦痛が少女の白い裸体を灼きつくし、眩い電撃が身体を
駆け巡ると真っ白な光がはじけた。
「あぁぁっ、イクっ……!」
 上体を激しく反らして、びゅびゅと蜜肉から愛液をしぶかせながら、あびるは
オルガスムスに達した。

「くっ……」
 恋人が絶頂すると同時に、彼女の膣内がつよく絶棒を締め上げ、望は歯を食い
しばって、精の放出を抑える。精神力を振り絞って、急いで引き抜こうとした。
「だめ、抜かないでっ」
 オルガスムスに朦朧としながらも、あびるは必死で快楽に引きつっている太ももに
力を込めて、股を引き締めた。
551『猫の瞳』3章後半10/13:2007/10/29(月) 00:26:49 ID:6I+gzE1x
「うわ!………ひぃっ」
 望は女のように情けない声を漏らした。
 膣肉が彼の亀頭をしっかりと咥え、ずるずると奥へ引きずり戻していくのだ。
絶棒が最奥まで引き戻されると、プスリと、再び最深部の子宮口を棘が突いた。

「あぁああ、また…!!」
 あびるの視界が真っ赤に染まり、溶ける様な強烈な官能が背筋に掛けて一気に
這い上がる。四肢を突っ張らせて上半身が再度海老反りに大きく跳ね、再びオル
ガスムスの渦が彼女を飲み込んだ。意識が半ば飛びつつも、少女は必死に懇願した。

「出してっ、先生!」
 尻尾に夢中になっている時とそっくりの、純粋で直線的な欲望の瞳で――命の繋がりを求めた。

「このまま、私の中にっ」
 あびるは可憐な三つ編みを振り乱し、全身の力を振り絞ってアクメに震えている
細腰を揺らし、裸身を波立たせた。
 膣内の美肉が妖しく蠢動し、男の絶棒に熱い蜜をまぶしてネットリと絡みつくと、
絶妙の動きできゅぅぅと締めつけた。

「ひぁあ、あ、あ……あびるさ……くっ!!」
 絶望的な極上の愛撫を与えられ、望は屈した。
 教え子の最も奥まった部分で、放ってはならない禁断のエキスを迸らせた。
 そして、濃厚な蜜肉が搾り出すのに任せて、少女の胎の奥にたっぷりと放出して
しまった。

「あぁ……熱いっ……」
 熱い牡の子種が体の中にしっかりと蒔かれたのを感じると、あびるは3度目の
エクスタシーへと飛ばされていった。
……
552『猫の瞳』3章後半11/13:2007/10/29(月) 00:27:26 ID:6I+gzE1x
*********

 夕日は序々にその姿を地平線の彼方へと隠し始めていた。
 その代わりに、冷涼な夜の帳が辺りを覆い始め、気の早い星達はチカチカと
柔らかな光を放ち始めている。
 薄暗い風景に、直立した幾つもの墓石が、幽かな白い影を浮かび上がらせていた。

すんすんすん……
 和服姿の1人の男が、木陰にうずくまったまま負のオーラを発して泣いている。

「ぁああ、中で出してしまいました……。絶望したっ。堪え性の無い自分に
絶望したっ。世間に叩かれるぅぅぅ!」

 あびるは草むらに寝転がりながら、めそめそと泣いている男をぼんやりと
見詰めていた。荒い呼吸に合わせて豊かすぎる胸を上下させながら、呼吸を整える。
 ふぅと深く深呼吸をすると、物憂げな表情で上半身を起こして望のほうを向いた。

「出来ちゃったら、1人でも育てるから……」
 少女は呻くようにように呟くと、子種を一杯に受け止めた白いお腹をゆっくりと摩った。
 望は、ムッとした顔で立ち上がると、あびるの傍に腰を下ろした。
「更に絶望した!私はそこまで最低な男ではありませんよ!出来てしまったら責任は
取ります」

「本当に私なんかで、いいの?」
 あびるは少し切なそうな、それでいて自信がなさそうな微笑みを浮かべた。
「え?」
「千里ちゃんみたいにキッチリしてないし、まといちゃんみたいに女らしくないし、
小森ちゃんみたいに家庭的じゃない……ムグッ」

 くどくどと自虐的な言葉を発する口を、唇で塞いでしまう。そのまま、情熱的に
2人は口を吸いあった。
 唇を離すと、少し怒った様な態度で望は言った。

「そんな絶望的な事を言う人間は私だけで十分です!!もう決めました!!
出来てしまってなくても、責任を取っちゃいます!覚悟してくださいよ!」

 その言葉に、あびるの顔は気の毒なほどみるみる真っ赤になっていった。
(それって、プロポーズじゃあ……)
553『猫の瞳』3章後半12/13:2007/10/29(月) 00:28:05 ID:6I+gzE1x

「ああ、すいません。なんだか、途中から理性が飛んでとんでもない事をして
しまいました。」
 望は、包帯に緊縛されていた所為で、すっかり赤くなっているあびるの手首を摩った。
少女の首筋には幾つもの歯型が残されて、その内の1つからは血も滲んでいる。

「最低です、私は。体を大切にしろなどと言いながら……」
「いいですよ。気持ち良かったし……」
「そ、そうですか……」
「今度は、尻尾ムチでぶたれたり、包帯で吊るされてイジメられたりしてみたいな」
 夢見るような表情でそんなマゾ願望を吐露されてしまう。
「は、はぁ……」
 なんだか、前途多難な性生活が待っていそうである。

「尻尾、消えてしまいましたね……」
 不吉な予感を吹き飛ばすように、望は話題を変えた。
 そう。2人が気付いたときは2匹の猫の痕跡はなく、いつの間にやら尻尾は
消えていた。
「……あの子達、きっと幸せだったよね」
 胸板に顔をうずめたまま、あびるは囁いた。
「そうですね……」
 なんら確証はないが、精を放った瞬間。中にいた猫がとても喜んでいたような気が
していた。望は、少女の艶やかな髪を撫でて、白い喉笛をくすぐってやった。
「うふふ」
 いつも無表情な少女は、嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らして、うっとりと目を
細めた。

 ふと、右手にふさふさした感触を覚えて、少女は体を起こした。
 見ると、白い尻尾と黒い尻尾がいつの間にか手に握られている。共に途中で
Y字型に分かれた変則的な尻尾である。
「猫のお礼でしょうか……?」
 望も目を丸くして、あびるの手に握られている2本の尻尾を見詰めた。
 しばらく、少女はジッとその尻尾を眺めていたが、急にすっくと立ち上がり、
テキパキと服をかき集めて身に着け始めた。

「さあ、こうしてはいられません。行きますよ!」
554『猫の瞳』3章後半13/13:2007/10/29(月) 00:28:49 ID:6I+gzE1x
 脱ぎ散らかされた袴と褌を見つけると、望の方に投げて寄こす。
「ど……どこへ……?」
 あびるの突然の変化に目をパチパチさせながらも、投げつけられた衣服を
受け取る。

「猫又がいるということは、狸又や犬●叉もいるに違いません!!」
「た、狸又?」
 聞いたことがないですね、と首をしきりに捻る望。
「犬●叉はサンデーですし、難しいのではないでしょうか」
 望は一応突っ込みを入れておく。だが、すっかり興奮しているあびるの
妄想エンジンは止まらない。

「すごい大物を思い出しました!九尾の狐!!尻尾が9本!!
さあ、先生!!妖怪尻尾探求の旅はまだまだ始まったばかりですよ!!」

 ぽかーんと間抜け顔を晒してジッとしている望を、少女は冷たい表情で
ギロリと睨みつけた。
「何をしているんですか!!早くしないと帰りの電車に間に合いませんが!」
 手を腰に当て、厳しい調子で叱責されてしまう。辺りはすっかり暗くなって
きており、確かに急がないと月曜日に学校に行けなくなってしまう。
「す、すいません!只今!!」
 大急ぎで立ち上がって、身じまいを整える望。
 つい先ほどまで主導権が望にあったことなど、夢のようである。

「先生の実家の地下道には妖怪が棲みついているんでしょ。今度一緒に行きましょう」
「そういえば、何かいたような気もします」
 思い出したくないブラックボックスが開けられるような気がして、冷や汗をかいた。
 袴の帯を締め終わって、支度を整えた望の腕に、あびるはギュッとしがみついた。
 肩にしなだれかかって、甘えた声を出す。

「先生のお父様、お母様にもご挨拶したいしね」
 あびるのコロコロ変る態度に、望はすっかり幻惑されてしまった。

 感情がないように平静になったり、尻尾に大はしゃぎしたり、変態っぽい性癖をさらしたり。
 ちょっと意地悪になったと思えば、ふわふわのショートケーキみたいに甘えん坊になる。

 女心は七変化だ――猫の瞳のようにくるくるくるくると変わる。

 しかしその瞳の奥には、一途で一生懸命な強い光が輝いていることを――望は知って
いたのだった。

(終わり)
555『猫の瞳』おまけ1/3:2007/10/29(月) 00:29:52 ID:6I+gzE1x
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
(おまけ〜本筋とは関係ございません?)

 墓場を見下ろす小高い丘の上に2つの人影が動いていた。

 ヘアピンをX字に2つ付けたショートカットの少女が、望遠鏡をしきりに覗いて
満足そうにウンウン頷いている。彼女の足元には、2匹の猫がじゃれついていた。

「ちょっと手こずらせてくれたけど、うまくいったみたいね」

「なんじゃ、あの娘はマゾか?」
 首から吊るした双眼鏡を顔に当てながら、和服姿の少女が、呆れたように言った。

「私の髪を褒めてくれたお礼にと思って、猫ちゃんに指示して先生のアソコに
トゲトゲ生やしてあげたんだけど……。」
 ショートカットの少女――風浦可符香は、ふふっと、心底嬉しそうに微笑んだ。
「あびるちゃん、すっかり目覚めちゃったみたい」

 楽しそうに笑う可符香をジト目で見据えると、和服の少女――糸色倫は嘆息した。
――この娘だけは、敵に回さない方がいい……。

「うん。バッチリドアップで取れたみたいね」

 ぶっと、倫は噴出した。
 可符香がいつの間にか、ビデオカメラを持って中身の画像を確認している。
「お主、ビデオなんか取っていたのか」
「もちろん。これを使って1本ドラマを作るのが私の目的ですから」
「ドラマって。どこで放映するつもりじゃ!」
「他人のドラマに参加していたと思ったら、それって実は自分のドラマだった。
こういうこと、結構ありませんか?」

●親友にラブレターを渡してくれと頼まれた→相手の男に「実は君の事が好きだ」
と言われる。

●納豆を話題に番組放送→捏造の問題がクローズアップして番組自体が話題に。

●同僚のプレゼンテーションに出席→いつの間にかプレゼン中に居眠りする社員の
ことが議題に。被告人台にオレ。

「ま、まあ。そういうこともあるじゃろう」
「2人は猫のドラマに参加していたつもりだったみたいですが、
今回の本当のドラマはこんな感じですよぉ?」
556『猫の瞳』おまけ2/3:2007/10/29(月) 00:30:25 ID:6I+gzE1x
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『人類補完計画』
主演 
噛み付き教師  聖母 
糸色望     小節あびる
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
通りすがりの猫又A  通りすがりの猫又B
白い猫        黒い猫     
………
監督 風浦可符香(PN)
脚本 久籐 准の感動作品を改変(原型とどめていない)
撮影 臼井影朗
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「どっかで聞いたような計画じゃが……聖母というのは?」
額に縦線をいくつも走らせつつ、倫が細い眉をひそめて言った。

「ふふふ。猫は子宮を突かれると、排卵して確実に子を成すの。あびるちゃんは、
2回ツンツンされたから、双子――いえ、危険日だから、三つ子が出来ちゃったはず」

「み、三つ子っ!?」
 甥と姪が一気に増えるらしい状況に、倫は蒼くなった。
――それにしても、女子高生で3児の母になってしまうとは。小節あびるの人生は
  ガラリと変ってしまうだろう。兄も大変だ。

 しかし、闇の女帝――風浦可符香の野望はそれに止まるものではなかった。

「あびるちゃんのお腹の赤ちゃんは、尻尾付きなのよ」
「な、なぬっ!?」
 サイ●人かい!!と、突っ込みを入れようとする倫に、畳み掛けるように
可符香は叫んだ。

「人の失われた禁断の器官――それが、尻尾!!
我々人間がそれを取り戻したとき、完全な人類として君臨するのっ!」
「ひぃ!?」
「そして尻尾人類が全宇宙を支配したとき、それを創り出した私は神になるっ!!!」
「か、神……!?」
「自分の赤ちゃんに尻尾が生えていても、嫌がるどころか大喜びする人間として、
あびるちゃんは神に選ばれたのですっ!!」
「な、なんと!!」

 余りに壮大で恐ろしい計画に、倫はゆるやかにウェーブする艶やかな髪を揺らして
後ずさった。彼女は、可符香に呼ばれて兄の面白い痴態を見に来たにすぎないのだ。
557『猫の瞳』おまけ3/3:2007/10/29(月) 00:31:01 ID:6I+gzE1x

 逃げようとする彼女の白い手を、むずんぱと可符香が掴んでしまう。
「さあ、倫ちゃん。2人のドラマは始まったばかり。行きますよっ」

「ど……どこへ……?」
 兄と同じように呆けた顔で聞き返す。この辺はやはり、兄妹である。

「狸又と九尾の狐は、私が捕獲します。色々な尻尾を持った人類がいた方が楽しいです
からね。倫ちゃんは、犬●叉の手配をお願いします!高橋留●子先生に連絡して
ください!」
「えーっ。む、無理じゃ! キャラを久米田作品に出させてくれとお願いしたら、
断られたと言うぞ! こ、こら、離せ!」
「うふふふふっ」

*********

 地方の駅へと向かう夕暮れの道を、出来立てほやほやの恋人達が、歩いていた。
 男は和服姿が、女はあちこちに巻かれた包帯が特徴的だ。
 腕を組んで、世にも幸せそうに顔を見合わせて微笑んでいる。

 自分達の織り成す恐怖のドラマを、2人はまだ知らない。

(おまけ終わり)
5589-292:2007/10/29(月) 00:33:58 ID:6I+gzE1x
(あとがき)
読んで下さった方、スルーしてくださった方、ありがとうございます。
あびるって、結構色々な顔持ってるなーとか思って書きました。
あびるのキャラが違う!と言う方、ゴメンなさい(´・ω・`)。

もう、無茶苦茶な作品になってしまった。絶望したっ!!
駄文投下してごめんなさいっ。永遠にROM専に戻りますっ!
559名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:43:37 ID:Grg/rqYp
すげえSMでありながら愛があるし
濃厚でありながら爽やかだ!
そしてまさか可符香の電波オチだとは恐れ入った
560名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 03:31:53 ID:qSZox+RG
>>558
おまけにワロタwww


SMというややマニアックなネタであるにもかかわらず
読んでて引き込まれてしまった。
あびるの女心の描写も良いものでした。
GJ!

永遠にROM専などと言わず、また投下して下さいな。
561名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 03:41:07 ID:xVHR7RTR
262 :名無したん(;´Д`)ハァハァ:2007/10/28(日) 15:56:16 ID:C0TJ9Ebw
交の体力が霧の7割に達した時、レイプフラグが立つ。
男として引退気味の望先生よりこれから今まさに登りつめるであろう交の方が
体中に腎気がみなぎってるような時期のたぎるようなリビドーを限界まで若い女体にぶつけて来そうな悪寒
大体5年後かそこらか。

↑きぼんぬ
562名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 09:44:56 ID:oJazduA3
五年もすりゃ親父の元に帰ってんだろ
563名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 10:17:48 ID:dZualckB
連載が後5年続けばあるいは…
霧よりめるを犯すのを見たいけど
564名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 19:04:43 ID:Vv9fwN4v
ろーほーろーほーろーほー

以前ここに上がったSSの一部が本として絶望オンリーに出るらしいぞ
何でもその人がここに投下した作品をまとめたらしい
565名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:25:30 ID:2iaWAn6Q
交「お前が母さんだなんて 認めないからな!!」
麻「・・・どうしても・・・ダメ?」
交「・・・母親とは・・・結婚できないじゃないか・・・」
麻「!!!」

↑べ、別にきぼんぬなんかしてないんだからねっ!
566名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:41:02 ID:B5wzyBXe
>>564
2段組で印刷して、約120頁・130頁・90頁近くになることに絶望しています。
5679-292 ◆kgnwYVmuLU :2007/10/29(月) 22:47:04 ID:6I+gzE1x
>>558 補足 すいません、書き忘れました。
『猫の瞳』は知り合いのサイトで保管してもらうことになりましたので、
保管庫のほうへは入れないで下さい。よろしくお願いします。
568名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 22:56:41 ID:D8kGqpaV
え?
569名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:31:33 ID:sIn7MGov
>>567 な、なんだってー!?(AA略 

途中まで保管庫に入っているけど、それはどうするつもりなの?
それならそれで、最初に書いておくべきじゃないの?
570名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 00:06:00 ID:2DmxX/HC
>>558
要するに、元146さんの芽留SSと、例の可符香SSと、今回の猫の瞳が
書籍化されるからって話なの??
5719-292 ◆kgnwYVmuLU :2007/10/30(火) 00:18:38 ID:HnEq0Jc5
>>570 
書籍化の話は、自分とは関係ないです。
単に重複で保管して、色々と揉めるとヤダナというだけであります。
・・・あと、削った非エロパートをアップデートしたいので。流れ悪くしてスンマセン;。
572名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:42:48 ID:inuf98oD
同人とは言え勝手な書籍化は嫌だな。
実費なのかもしれないが、金取るんでしょ?
ネタならすまんが。
573名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:59:21 ID:ktHKZoXO
ネタとは思うが釣られて聞いてみる。
同人で出す人は、自分で書いた作品のみまとめて書籍化って事か?
それならまぁアリかもだが、まさか他人のSSで勝手に金取ろうってんじゃないよな。
さすがにそんなこたぁしないとは思うが、一応聞いてみた。
574名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 03:17:38 ID:DPJsFKpV
まぁ金取るたって儲けとしては雀の涙だろうし、やっていい気がするけど。
読んでくれる人が増えるのはいいことだし。
ただ、オンリーイベント行く強者がここを知らないって事はなさそうだけどねw
575名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 04:40:16 ID:CJbWxBIj
普通どう考えても自分が書いた作品だけに決まってるじゃん。



結構絶望好きには有名なサイトだと思ったんだけどな、あそこ。
576名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 06:17:13 ID:CcwV7FHq
ああ、◆n6w50rPfKw さんか・・・それは売れそうだ
時間ができたらまたこちらにもエロいSS落してくれな!
577「普通いぢり」:2007/10/30(火) 14:59:30 ID:6+wAoJ1h
小ネタ投下させていただきます。


 普通少女・日塔奈美は絶望先生にイジられながら夜のお相手をしていた。
「日塔さんのおっぱいは人並みに大きくて魅力的ですねぇ。」
「ぁん…どうしていちいちそういう事を…言うんですかぁ…!」
「褒めてるんですよ?」
 そう言って絶望先生は奈美の敏感な乳首をぱふぱふと口に含む。
 奈美の身体は「普通」というレッテルが無ければ、素直に「官能的」だとか言われる
であろう身体だ。しかし彼女には「普通」という第一印象がありすぎるので、その美しい
裸体を見ても絶望先生はつい「普通」と言ってしまうのである。
 おまけに、この普通という言葉に奈美は異常なまでに神経質な反応を見せる。なので
いつしか、皆は奈美に「普通」という言葉を吐きかけることによって、僅かながらサディ
スティックな快感を心の底で感じるようになったのかもしれない。実際、「普通」と言わ
れた時の奈美の反応は、どこかマゾヒスティックであり、愛らしくもある。絶望先生こと
糸色望が心底にある加虐心の火に油を注がれてしまうのも、無理からぬ事といえる。
「もう先生にはクッキー焼いてもあげないんだから…」
 拗ねたように奈美は言う。
「おやおや、また恩着せが始まりましたね。その普通に恩着せがましい口を塞がせて貰い
ましょうか、私の愚息で!」
 口淫の要求にさえ、「普通」の言を挿入する有り様。
 仁王立ちした絶望先生の勃起したセガレを奈美はすっぽりくわえ込んだ。
 奈美にとって、これが人生初の口による奉仕である。不器用に顔を動かしたり、舌を
使ったりして絶望先生の下半身に快感を与える。
「なかなか上手です…」
 その言葉に元気づけられたように、奈美は馬力を上げる。一般道路から高速道路に入っ
た車のように、快感は加速して行く。
「あぁ、いいですよ、日塔さん…」
 絶望先生のハァハァという喘ぎ声も間隔を詰めてくる。
「うっ…!出ます!」
 と言った時には、既に熱いものが奈美の口の中に流れ込んでいた。
 口を離し、目を白黒させて奈美は動転していた。何しろ初めてなので、どうしていいの
か全く分からない。
「はぁっ!」
 次の瞬間、素っ頓狂な声が出た。声が出るという事は、口の中の異物は無い……飲んで
しまったのだ。
「苦ぁい…」
 ふと絶望先生を見上げると、口をあんぐり開けてポカンとしている。
「の…飲んだんですか、私の×××を…!」
「てへっ、なんだかよく分からないうちに飲んじゃったみたいです」
 自分の頭をコツンと叩く奈美。
「ふ、普通じゃありませんこの娘は!この娘は淫乱です!!」
 顔にタテ線を浮かべた絶望先生が叫んだ。


 それから…
「おはよう、淫乱ちゃん。」
「あ、淫乱ちゃん。」
 ……………
 誰もが奈美のことを「普通」とは呼ばなくなってしまった。

「お願いだから普通って呼んで…」
 かつてはあれほど嫌だった呼び名の再来を、淫乱ちゃんは心から願うのだった。(完)
578名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:46:56 ID:O0LCOyKF
淫乱ちゃんワロスwwwそう来たかw
579名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:15:05 ID:tGlstIEk
普通じゃありません
>>577のSSは面白いです!
580名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:51:56 ID:ZbeHjgXl
ちょっとまって。
何故、クラスの皆は淫乱て言うことを知っているんだ?
もしかして……
581名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:18:28 ID:De1jQ3YG
>>577
GJ!「じ」じゃなくて「ぢ」なのが個人的にツボ
582チッキン:2007/10/30(火) 23:09:29 ID:m7X26tsS

新聞「――○○地鶏、偽装――」
TV「 社長『この度の鶏肉偽装、誠に申し訳―――』 」
望「・・・・・」


望「最近、偽装鶏肉が出回っているようですね・・・」
奈美「ああ、比○とか宮○とか・・・」
望「確かに偽装鶏も困ったものなのですが――
 本当に厄介なのは、偽装チキンなのです」

皆「・・・・・・」
あびる「鶏とチキンでは違いがあるんですか?」
望「大アリです!!
 嫌でも苦手でもないのにわざとヘタレを装う
 そんな偽チキンさんが世の中多いのです!!」
奈美「そっちのチキンかよ!」

望「貴女なんか経験がおありでしょう」
奈美「私ですか!?」
望「音痴だから、恥ずかしいからとあれほどカラオケ行くのを嫌がってたくせに
 いざマイク握ると、ここぞとばかり流行り歌を熱唱し出す
 そんな、普通の経験が」
奈美「普通っていうな!」
583チッキン:2007/10/30(火) 23:12:16 ID:m7X26tsS

藤吉「別にいいじゃないですか、それくらい
 大した害もないでしょう?」
望「そうでもありません
 この風潮が広まったなら、例えばさっきの例のような場合、
嫌だと言う人を誘うのを止めたりしたら、
 こっちがKY呼ばわりされかねないのです!」
芽留「めるめる『若者気取りで最近の言葉使うなよハゲ』」

望「いやよいやよも好きのうち、そんな言葉もあります
 なら、本当に嫌な時は何て言えばいいんですか!
 このままでは、NoといってもYesの意味になってしまうのです!」

望「絶望した!
 Noと言わせぬ日本に絶望した!!」

カエレ「日本人おかしいよ!
 YesはYes、NoはNoだろ!」
千里「そうです!妙なこと言い出さないで下さい!
 そういうどっちかはっきりしないこと、イライラするんです!」

可符香「大丈夫ですよぉ、心配はいりません
 NoがYesの意味になるのなら、
 YesをNoの意味に変えればいいんです」
望「またそんな訳の分からない事を!」
584チッキン:2007/10/30(火) 23:16:10 ID:m7X26tsS

千里「 な る ほ ど 」

望「ひいっ」
千里「それならきっちり、対義語が存在してるわね・・」
藤吉「そーゆー問題なの!?」
千里「今からその方法を採用します
 これは 決 定 事 項 です」
藤吉「圧政だ・・・圧政がまたはじまった!」

愛「み・・皆さんすみません!
 私のせいで・・・
 私がいなければこんなことには!」
千里「 そ こ 」
愛「ひいっ!」
千里「済ま な い 、い な い ならば、
 ってことは、 あいつらのせいじゃ な い んだな?」
愛「?・・・・・あっ・!
 い、いえ、そんなつもりじゃないん・・・」
千里「ほらまた言わなかった
 人のせいにしないんだな?」
愛「え!?え!?
 あ・・あ・・・」
585チッキン 終:2007/10/30(火) 23:21:03 ID:m7X26tsS

愛「あなたたちのせいなんだからね!!
 どうしてくれるのよ!責任とってよね!」
奈美「出た・・じゃなくて出ない、ツンデレ!」

木野( ほ れ っ )「ご・・・ごめん」
愛(ごめんってことは怒られてる!謝らないと!)
 「さあ、さっさと私に謝りなさいな!  土下座で!地面を舐めるようにね!」
臼井( ほ れ っ )「は!はいぃっ!
 こうですか女王様!
 この豚めをもっと罵って下さぁい!」

野郎一同( な ん だ か ず る い ! )

木野「お・・・俺も罵って下さい!」
北欧「ぼ・・・僕も!」
愛(クラス中から責められてるう〜謝らないと!)
 「そんなに罵って欲しいなら、罵ってあげるわ!
 ロン毛!童貞!変態!珍服王子!
 ラノベオタの、ツンデレフェチの、 右 肩 露 出 魔 男! 」

あびる「今、愛ちゃんが男をどう見てないかの片鱗が見えなかった」
マ太郎「ツーか、最早YesNo逆転関係なくなってないんじゃないカ?」




カエレ「日本人おかしいよ!
 なく、なって、ないんじゃ、ないか、
 って何回否定すんのよ!
 結局どっちなのよ!?」
586名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:38:22 ID:zlJA1noy
愛ちゃん大活躍!
587名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:49:03 ID:eUkNLDRB
普通に絶望先生にありそうなワンシーンを書けるのに感心するわ。
588加害妄想教室4:2007/10/31(水) 02:14:55 ID:lPkC+BBI
「それじゃ仕方ないわね」やや怪訝な感じを表しながらそう言った木津に対し、加賀も
例によって、「すみません、すみません」を繰り返した。

 私の曖昧な態度のせいでみんなに迷惑を掛けてしまった、そう考えるだけで胸が押し
つぶされそうな気がして早く教室から逃げ出したかった。それからは席に座って本を読
み、なんとか時間をつぶして、約束の時刻に遅れないよう早めに教室を出た。
 5時少し前には宿直室へ着いた。引き戸についている小窓からは明かりはついていな
い様子だったが、念のためノックしてみる。
 返事はない。仕方がないので廊下で待ち続けた。
 約束の時間を20分ほど過ぎてから廊下の向うから絶望先生が姿を現した。
 「遅くなりました。そんなところで立っていては疲れるでしょう。入って待っていて
  もらえればよかったのに」
 「でも」
 望も加賀の性格なら勝手に入ることなどできるわけがないことに思い当たった。これ
が他の生徒なら勝手に入るどころか身辺調査から放火まで各人によって異なるが、勝手
にいろいろなことをされるのが当たり前なのであるが。
 「まあ、入ってください」
589加害妄想教室5:2007/10/31(水) 02:15:45 ID:lPkC+BBI
 「加賀さんの行動ですが、今月になってもう3回も授業中に無断で抜け出しています」
 「はい、すみません」
 「まあうちのクラスでは、勝手に抜け出したり遅刻をしたりは比較的自由なんですが、
  あまり頻繁だとやはり問題になってしまいます。他の先生の手前もありますし」
 望の心には、智恵先生の顔が浮かんでいた。やはり何とかしないと。加賀への心配よ
りは、ほとんどその恐怖心から動いているという感じだった。
 「すみません」
 余りに素直で、本当に反省しているのは間違いないのだが、望はこれではまた同じこ
とを繰り返すだけではないか、という疑いを持っていた。またその素直さ故に、もう少
し問い詰めてやりたいという衝動を抑えることが出来なくなった。単に自分が新井先生
に怒られてしまったことに対する八つ当たりなのかもしれなかったが。
 「どうしたらいいでしょうね?」
 「はい、すみません」
 「いや、すみませんではなくてですね、どうして教室から飛び出すことになるんでしょ
  う?」
 「みんなに迷惑を掛けたくなくて。私なんていない方がいいと思いますし」
 「加賀さんがああすることで、むしろみんなに迷惑を掛ける結果になっているんじゃ
  ないですかねえ」
 「はい、そ、そうかもしれません」
 確かにその通りだ。結局授業は中断し、加賀を探しにクラス総出となってしまったこ
とさえあった。
590加害妄想教室6:2007/10/31(水) 02:16:31 ID:lPkC+BBI
 「どうすればいいと思いますか? 加賀さんとしては」
 「どうすればって・・・先生の言うとおりにします」
 「なんでも人に決めてもらうようでは結局次に同じことを繰り返すだけだと思いますよ」
 いつになく問い詰めるような先生の調子に、もうどう答えていいのかわからなくなっ
た。半分ぼぅっとしながらまた「すみません」を繰り返した。

 「わかりました。今から『すみません』は禁句にしましょう」
 「え…」
 「加賀さんの謝りたいという気持ちはよくわかるんです。だからこれからはどう問題
を解決するかを考えた方がいいと思うんですよ」
 望はそういったが、内心は加賀を困らせることにさらに快感を感じていた。

つづく
591名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:29:29 ID:ja5EyrK9
>>588-590
おお、加害妄想教室ktkr
これはwktkせざるをえんぜw 投下乙


いやぁ、たまには夜更かしもいいもんですね
592名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 06:38:04 ID:0VDocFYU
>>582
まんま原作の雰囲気だ…すげぇ。
そのまま漫画描けそうなテンポの良さ、GJ過ぎる!
>>588
続きキター、心よりお待ちしてたんですぜ。GJです。

ところでそろそろ次スレの時期ですかね。まだ早い?
593名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 09:05:05 ID:tRilNXPR
すげえ愛ちゃん祭だ!!
594名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 17:44:34 ID:j0Ynx7Vr
>>592
>ところでそろそろ次スレの時期ですかね。まだ早い?

まだいいんじゃないかな 早すぎるとこっちが過疎るし
以前2週間でスレが埋まったときにも次スレ立ったのは470KB過ぎてからだったと思う
あの頃に比べてだいぶ勢いも落ちてきてるからギリギリまで大丈夫じゃない?
595305:2007/10/31(水) 18:05:13 ID:9SzDa5sd
うはww 『普通いぢり』で吹きましたww


えーと、お疲れ様です。
奈美で短編作ってきました。
奈美に酔ってるなぁ・・・と自分でも思う305ですw

では、よろしくお願いします。
奈美・短編・エロ無しです。  m(_ _)m
596奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:08:26 ID:9SzDa5sd
金魚すくい、射的、りんご飴――――
様々な屋台が神社の参道を挟み、埋め尽くす様に連なっている。普段閑散とした印象の多い神社だが、今
日の縁日などの年中行事の時は、夜店目当ての人でごった返し、夜半までその賑わいが続く。

鉄板の上で焼ける音、行き交う人の話し声、参道を外れ砂利の上を歩く音、風船の割れる音・・・・・・

その中、かろころ、と下駄の音を響かせながら歩く浴衣姿。
少し癖のある短い後ろ髪を襟の上で跳ねさせながら、奈美は上機嫌で参道を歩いていた。

片手には大ぶりの五平餅を持ち、その手首には夜店で買ったのか、もとから付けているのか、ミサンガの
ような物や数珠らしき物を嵌めている。
辺りの屋台を物色しながら参道を進んでいたが、やがてその視線の先に神社の本殿の姿を捉え、奈美は
足先をそちらに向ける。

「とりあえず、お参りしとこうかな。」
そう呟いて五平餅を、はぐり、と頬張った時、

「また、ズルする気ですかぁ!?」
「んくうっっ!?」
出し抜けに横手からかかった声に驚き、その拍子に噛まずに飲み込んだ五平餅のカケラがノドに引っかか
ってしまう。
胸の上をドンドンと叩きながら息を止めて何とか飲み込み、奈美は苦しさに涙を浮かべながら声のした方を
振り向き叫ぶ。
「何するんですかぁ!!」
そこには涼しい顔をした先生が両袖に手を入れて腕を組みながら立っていた。

「また、素敵なタイミングで神様にお参りに来たのでしょう?」
「・・・って、先生! 今、絶対、タイミング計って声かけたな!? そうでしょう!?」
詰め寄る奈美に、先生はしれっとした顔であさっての方に視線を移す。
「私、今年は賢くタイミングよく生きる事にしましたから。」
「・・・・・・今年の半分過ぎてから抱負を語られても。」
嫌そうに言った奈美には答えず、先生は参道を歩き出した。
仕方なく、といった表情で奈美もついていく。

先生は浴衣ではなく着流しを身につけ、帯に小さな巾着を挟んだだけの軽装だった。巾着の根付が皇帝ペ
ンギンなのはだれの趣味なのだろうと思いつつ、奈美はそのミスマッチさに、くすりと笑った。

「何ですか?」
「あ、先生、着流し姿カッコいいですよ。遊び人みたいで何か似合う。」
「・・・実に微妙な表現ですが、まあ、褒められたと思っても良いですよ。」
その言葉に奈美は苦笑を浮かべる。
先生はそのままパタパタと草履の音をさせて本殿へと歩いて行く。

しばし無言で二人並んで進み―――

「・・・あ・・・あれ?」
奈美は首を傾げ、からんころ、と下駄を鳴らして先生を追い抜く。
「ね! 先生先生!」
足を止めた先生の前で、奈美はちょっとよろめきながら、ゆっくり一回転してみせる。

「・・・日塔さん、まさか、お酒飲んでますか?」
「なんでそうなる! ―― ゆ か た !!  何でノーコメントで行っちゃうんですかぁ!?」

そう言われ、先生は顎に手をやり、奈美を足先から頭へとゆっくり見つめる。
奈美は思わず硬直し、少し変な姿勢のまま動けなくなった。
597奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:09:32 ID:9SzDa5sd

「―――あなた、大量にぜんざいを作るのに適したナベはご存知ですか?」
「は・・・? えーと・・・ずんどう・・・? ・・・・・・って、嫌味かあ! 私、ちゃんと、でこぼこありますよ!」
「いや・・・日本人として普通ですよ。」
「普通って言うなあ!!」

いつも通りニヤニヤしている先生に、奈美は大きく溜め息をつき自分の浴衣を見下ろしてみる。
「今年はちょっと大人っぽくしようと思って、柄と色もこだわったんですよ? ・・・全然駄目ですか?」
「ほほう・・・・・ 浴衣を着て大人っぽさを演出しようとした訳ですか・・・・」
先生は若干嬉しそうな笑みを浮かべて奈美を見た。
「普通の発想ですね。」
「だから、言うなあ!」
叫んで詰め寄る奈美から身をかわすように、先生は、すすっと本殿の方に行ってしまう。

「あ! まってくださいよお!」
追いかけてきた奈美より先に、先生は石段を上がり賽銭を投げ込んで手を合わせた。
しばし間を置いて祈り終え、奈美に場所を空ける。

「えーと、先生、これ。」
奈美は持っていたままだった五平餅を先生に預け、自分も賽銭を入れて手を合わせた。
(・・・・・・あ、何をお祈りしよう・・・・・。・・・んー・・・よし! 夏休みが楽しく過ごせますように! OK!)
今思いついた漠然とした願いを祈り、奈美は満足して石段を降りてきた。

先生から五平餅の割り箸が差し出される。
「あ、すみませ・・・・・・・へ・・・・?」
割り箸だけだった。
見ると、先生が周りに少しタレをつけた状態の口をモグモグとさせていた。

「こらあ!!」

叫ぶ奈美に、先生はキョトンとした表情で、
「ああ、ご馳走様。」
「ごちそうさまじゃなくって! 何、食べてるんですかぁ!」
「・・・・・・ええっ!? 『これ』って言って私にくれたじゃありませんか!」
「あげてないだろ!? 預けただけじゃないですかぁ!」
奈美は手に持った割り箸を振りながら非難の声を上げている。
先生は困ったように腕を組み、難しそうな顔をして唸りだしたが、やがて何か思いついたように腕を解くと手
をポンと叩いた。

「ちょっと言葉の行き違いがあったようですね。」
「・・・行き違い・・・・・かなぁ・・・・?」
「それは、『語弊』餅ですからねぇ――― しかたないでしょう。」
口元に片手を当てて、横目でニヤリと笑いながら言った先生の言葉に、奈美の動きが止まる。
ぴき と、一瞬ひたいに血管が浮いたように見え、
「くだらない事言うなぁ!!」
小走りで逃げ出した先生を、奈美は下駄の音を響かせながら追いかけていった。


598奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:10:23 ID:9SzDa5sd

取り合えず、先生がりんご飴を奢る事で話がつき、出来たてのりんご飴をそれぞれの手に持ちながら二人
は歩いていた。
「・・・あ、先生! お面買いません? お面。」
言い終わらないうちに奈美はお面の屋台に近寄って選び始めた。先生は後ろで飴をカリカリ小さく齧りなが
ら奈美を見ている。
「日塔さんは、こういう所でやたらと小物を買って部屋が雑然となるタイプですね?」
「憶測で言わないで下さい! ちゃんと片付けてますよ部屋。」
チラッと振り向いてそう言い、奈美は面を二つ受け取った。

「はい、先生。」
「ええ・・・? キャラクター物は勘弁してください。」
「違うって。 先生は―――――ひょっとこ!!」
奈美はサッと背伸びして、先生に面を当て、ゴムをかける。少し嫌そうな顔をして先生は面を横にずらし、
耳の上に移動させた。
「日塔さんは・・・・・・何故キツネを?」
昔ながらの赤い隈取りが入った白い面を額の上に乗せ、ゴムをうなじに通しながら奈美は小首を傾げた。
「・・・・・・ん、なんとなく・・・・。何かこのシャープな顎のラインがいいなって思って。」
その言葉に先生は納得の表情を浮かべた。
「日塔さん、丸顔ですからね。」
「はっきり言うかな!? ちょっとキズつくんですけど!」
ムッと眉を寄せて奈美は口を尖らせる。
先生は笑いながらひょっとこの面を顔に被せ、そっぽを向いてしまう。
「あー! またスルーですかぁ!?」
奈美は苦笑しながら肩をすくめ、まだ熱いりんご飴を軽く齧った。


「そういや先生、今日は交君は?」
「ああ、倫と一緒です。明日には帰ってくると言ってましたね。」
「そっか・・・・。じゃ、まだ廻れますね?」
奈美の問いに先生はあからさまに苦笑いを浮かべてみせた。
「なんですかぁ。」
「・・・しょうがないですねぇ。これを食べ終わるくらいまでは居ましょうか。」
わざとらしい溜め息をついて、ちいさく齧ったりんご飴を軽く振って見せた。



「おや? ちょっと風が出てきましたね。」
先生につられて奈美も空を仰ぐと、夜空に出ている月がゆっくりと移動する雲に隠れ、おぼろげな姿となっ
ている。時折、吹き抜ける風が、少し蒸した空気を払ってくれるようで気持ちがいい。

「――そういや意外と、先生は射的や輪投げが下手なんですか? 男の人のわりに。」
「おみくじを二回も引いて二回とも『中吉』だった人に言われたくないですねぇ。」
「・・・うっ・・・・・それは関係ないっ!  ・・・だって何か、くやしいじゃないですか!」

ぴぅ ぱるるるる・・・・・・

先生はおどけるように残念賞にもらった紙笛を吹いて見せた。丸まっていた紙笛は奈美の鼻先まで伸び、
また元の形に巻き戻る。
奈美は力の抜けた顔で溜め息をついた。
「この、平凡な事を脱却できる方法――――何かないかなぁ・・・?」
「何もないですねえ。・・・ゼロは何を掛けてもゼロでしょう?」
「私がゼロだとまで言う!?」
ほとんど間を置かずに返ってきた言葉に、奈美はさらに深く肩を落としてしまう。
599奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:11:29 ID:9SzDa5sd

「まあまあ。普通の方が良いことも・・・・・・・そうですね・・・・たとえばアレです。」
先生は辺りを見回し、カキ氷の屋台に目をつけた。
「あれにドレッシングをかけて出されたら嫌でしょう?」
「極端な例をだすなぁ・・・」
奈美は苦笑しながらそれでもちょっと考え込む。

「それを喜んで食べたら普通じゃないですよね?」
「受け狙いだったら、ただのイタい人ですよ。ねえ日塔さん?」
「うう・・・・・・って、実は、なぐさめてないだろ!?」
我に返ったように叫んだ奈美に、先生は肩をすくめた。
「ええー? はははは・・・」
「そこで笑って誤魔化しますか・・・?」
奈美の非難の篭った視線を受けながら、先生は小さくなったりんご飴をひとかじりして、芯が刺さった串を
近くにあったゴミ箱に投げ入れた。

(・・・・・・・・あ・・・・)
奈美は心の中で呟き、いつの間にか残り一口程になっていた自分のりんご飴を口に運び、串を同じゴミ箱
に捨てた。―――何だか楽しかった気分が急にしぼんでいく様な焦燥感に囚われ、奈美は落ち着き無く、
視線を周りに漂わせている。

その奈美の様子に気がつき、先生は不思議そうな顔をして口を開く。
「・・・日塔さん?」
先生の声にハッとした奈美は、突然その着物の袖を掴んで先生を引っ張った。
「あ・・・えと・・・・・・先生、ほら! あれあれ!」
適当に指差した方向に先生を引っ張って行きながら、奈美は辺りを見回し、何か無いか探す。
ふと、その視界に何かが飛び込んできた。

「ちょ・・・日塔さん?」
「先生ほら! あれ!」

ちょっと小走りで奈美は指を指して見せた。


境内の外れに組まれた大きな竹棚に、様々な色のかざぐるまが並び、緩やかに回っていた。
椿の花を思わせる八枚羽作りで、一つ一つがカラカラと軽い音を立てて回転していた。

「ほお・・・風流ですねぇ・・・・・」
「・・・あ。無人販売だって。箱がありますよ。」
奈美の指差す先には小さな木箱が置いてあり、『どれでも100えん』とだけ書いてあった。
先生には何も聞かず、木箱に硬貨を二枚入れて奈美は微笑んだ。

「先生に似合う色、選んであげますね!」
「・・・またそんな。・・・まあ、例によって普通な色を選ぶんでしょうね。」
「選ぶ前から言うなぁ!」

一声叫んで、奈美は先生に背を向け、真剣な表情で一つ一つ見定めてゆく。
(・・・・・・絶対「普通」って言われない色・・・何か・・・・・・)
下の段から順番に眺めて行き、ゆっくりと視線を上の方まで巡らせた時、ショッキングピンクの地に金銀で
マーブル模様が描かれた物を見つけ、奈美はニマ〜と顔を緩ませた。
(あれだな!)
奈美は背伸びして手を伸ばし横目でチラリと先生を見ると、先生は奈美が何を選んだかに気がついた様子
で、渋い顔を浮かべて見上げている。

(やった!)
心の中で自分に喝采を浴びせ、奈美は手を伸ばしてかざぐるまの柄を掴もうとし―――
その手が止まった。

600奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:12:35 ID:9SzDa5sd

(・・・・・・やめた!)
手先をずらし、近くにある空色のかざぐるまを手に取った。
(こっちがいいや。)
自分の企みに緩んでいた顔を微笑に変え、奈美は振り返って先生に差し出した。
「・・・はい。」

先生は無言で受け取り、指先でその羽を軽く弾きゆるやかに一度回した。

「・・・・・・・・・・あれ? 言わないんですか?」
奈美は意外そうな声を出し、小首をかしげると、

「・・・言ってほしいんですか?」
手元を向いたたまま視線を奈美に向け、先生はポツリと尋ねる。
奈美はギクリと体を強張らせた。

「いえ・・・・・・・べつに・・・・・・」
少し裏返った声でそう答え、先生から目をそらす。
(調子狂うじゃないかぁ・・・・・・)

戸惑っている様子の奈美に、気が付いていないのか、先生は首をかざぐるまの棚に向け、
「日塔さんは、どの色がいいんでしょうか?」
「ええ・・・・!? ・・・選んでくれないんですか?」
驚いた声を出した奈美に、先生は少し悪戯っぽく笑う。
「先生、文句言われたくないですから。」
「・・・・・・っ! またぁ!」

少し膨れ面をして、奈美は好みの色を選び出す。
「じゃあ・・・・・・あの、一番上の赤いやつ!」
「いちばん普通なやつですね。」
「ここで言うか!?」
眉間に眉を寄せて憤慨する奈美に少し笑いかけ、先生は手を伸ばしてかざぐるまを取った。

奈美の選んだ色とは違う、明るい黄色のかざぐるま―――

「あ、あれ? 間違い・・・・」
戸惑う奈美に手渡し、
「こちらの方が似合うと思いますから。」
さらっとそれだけ言って、少しぎこちなく微笑んだ。

「・・・・・・え・・・あ、ありが・・・とうございます。」
呆けたような表情でお礼を言って受け取ると、奈美は少し顔を赤らめた。

先生は手を伸ばした際に袖が触れて、少し傾いてしまった棚のかざぐるまを直していた。

601奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:13:40 ID:9SzDa5sd

(・・・・・・・・・・・・・・・)

奈美は、優しい表情を浮かべ先生の姿を見つめ、

「ねえ・・・先生・・・・・」

自然と―――その唇が動き、言葉を紡ぎだした。

「私・・・先生のこと、好きですよ。」

その・・・言葉と同時に風が吹き抜けた。
先生から奈美に向かい吹き抜け―――かざぐるま達は勢い良くまわりだす。

呟くように唱えた奈美の言葉は、その中に溶け、風の音たちに持ち去られたようにかき消され―――

風音が収まると、再び縁日の喧騒だけが聞こえてきた。
奈美は同じ表情のまま、先生を見つめ・・・・・・先生は奈美を見つめていた。


「・・・・・・日塔さん?」
先生の言葉に奈美は夢から覚めたようにハッと表情を変えた。
「あ・・・! えーと! ・・・もう帰る時間なんじゃないかなー、って・・・・」
慌てて、誤魔化すように奈美は答えた。
「・・・そうですね。じゃあ、おいとまさせてもらいますか。」

心の中でそっと胸を撫で下ろす自分に気がつき、奈美は苦笑を浮かべる。
(・・・聞こえてないよな。うん。)

先生は軽く会釈して、ゆっくりときびすを返して入り口の鳥居に向かい―――
立ち止まって振り返った。
手に持った、空色のかざぐるまを奈美に見せる。

「―――ありがとう。」

奈美に向けられた搾り出すような声は少しかすれ、
真剣な目と、僅かに口元に浮かべた微笑みは、どこか、つらそうな悲しさが感じられ
再び奈美に背を向けて
先生の姿は鳥居をくぐり、見えなくなった。


602奈美:かざぐるまに伝えた事:2007/10/31(水) 18:14:44 ID:9SzDa5sd


奈美は返事をする事も忘れ、しばし、目に焼きついたように残る先生の表情を繰り返し思い浮かべていた。

やがて、大きく息を吐き出し、その場にうつむく。

「聞こえてたんだな・・・・・・ばか・・・・・・」
呟くように言って、首を振った。
「私もか・・・・・・・・・・馬鹿な事、言っちゃった・・・・・・・・」

ぽたり  と、奈美の頬を伝い、しずくが落ちた。

「・・・あんな、つらそうな顔しないでよぉ・・・・・・。聞き流せばいいじゃないかぁ・・・・・・・・・」
手で頬を拭い、奈美は少し頭を振って空を見上げた。
月は雲に隠れその姿は見えず、雨が落ちてきそうな予感を憶える空気だった。

「いつもみたいに・・・・・・悪態つけば良かったのにさ・・・・・・・・先生・・・」
奈美は空を見上げたまま、少し肩をすくめた。

「・・・やっちゃったな・・・・・・・私・・・・・」

奈美の言葉に答えるように、小さな風を捕まえて、手に持ったかざぐるまが回りだした。
涙目のままクスリと笑い、奈美はその羽を小さく弾いた。

「・・・笑うなぁ。」

かざぐるまは一度止まり、再び回りだした。
からからと小さな音を立てて。


603305:2007/10/31(水) 18:20:16 ID:9SzDa5sd
おそまつでした。

奈美はどこと無く打たれ強いイメージがあるのは私だけかな・・・
と、思うこの頃。
そして、早く430氏の規制が解ける事をコソーリ願ってますw

ではまた。 礼。
604名無しさん@ピンキー :2007/10/31(水) 18:51:54 ID:VFvomT+s
ほのぼのでせつないお話、GJ!
たんたんとした展開がとても良かったです。
605名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 20:16:46 ID:pteqiLwf
よい作品でした。

これをマガジンで載せたら、きっと大人気だろう。
606名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 20:31:24 ID:UC17NWaq
Good Job!!


今週の冒頭の霧のパンチラ
先生と何かジャージ脱がなきゃ出来ないようなことしてたんじゃないか
とかアホな妄想したオレを誰か殺してくれ
607名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:08:03 ID:SwdXNATt
>>606大丈夫だ、俺も同じ事妄想した。
608名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:15:15 ID:vKCcc45P
愛ちゃん祭りだと思ってたら、
今週ツンデレが拝めて悶えた。
609名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:50:56 ID:7qaENF8Z
夕方に規制が1個、半月ぶりに解除されたのがあったが・・・・・・
430氏のだといいな。
610名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:02:07 ID:DQMsq+8X
>>609
>>374>>384を読む限りそうじゃね?
611 ◆n6w50rPfKw :2007/11/01(木) 00:58:28 ID:HPe5xfP+
>>576
遅レス失礼。
はい、たしかに出します。
 #覚えててくださってありがとうございます。あと、これまでレスできなくて、すみません。
こちらには、戦隊物を書いているんですが、難渋しています。
3日が終わったら仕上げてアップしたいと思います……次スレになりますな。
612名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 04:46:18 ID:fkgV6wUq
>>611
あびるちゃんパニックとか俺が最も好きなSSを沢山投下している最も好きな職人が、
まさかあのサイトの管理人だったとは・・・。世の中って狭いんですね。
613名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 06:52:48 ID:zz+2HKew
うわー◆n6w50rPfKwさんが帰ってくるのか!
最近どうしたんだろうと思ってたんだよ
俺もあなたの濃いエロが大好きなんだぜ!
すでに今から全裸待機!
614名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:20:28 ID:3gu2ht/o
430@携帯からです。
>>609>>610
ええ!?丸の内OCN規制解除されたんですか!?やったぁぁぁあ!
今、出張先(寒い!)で明日帰京予定なので、明日の夜には
長期放置プレイで発酵しかかっていた長編を投下できるか…?


そして、◆n6w50rPfKwさん、お帰りなさいませ!
私もあなたのエロスでありながら爽やかなSSの大ファンの1人です。
615雨があがれば:2007/11/01(木) 14:55:31 ID:Tsw4Bjmv
中篇落とします。
616雨があがれば:2007/11/01(木) 14:56:06 ID:Tsw4Bjmv
二人は無言で寄り添い合っていた。望はこのいじらしい少女を孤独から守ってあげたい。切にそう思った。そう思い、ふと横に目をやった。そのまま望の目は吸い寄せられる様にその横顔に向けられた。
陶器のようなという形容が正にふさわしいきめ細かい白い肌。その白さは蛍光の明かりの下でより際立っている。そのコントラストのような長い黒の髪。
小さく整った鼻に桃色の薄い唇。大きな瞳。凛とした雰囲気の中に時折顔をだす幼い純真な印象。思わず見惚れていると、霧がこちらを向いた。
交差する視線。
「先生…どうしたの?…そんなに見られると恥ずかしいよ…。」
耐えられないという様にすぐ視線を下げてしまう霧。髪に隠れしまい、よくは見えないが髪の間から薄く紅潮した頬が見える。
「あ、いや…し、失礼。」
あわてて望も視線をそらす。数秒の間だったがその澄んだ瞳の色の深さが頭にいつまでも残っていた。
再び沈黙が流れる。雨は降り続ける。霧の肩にまわされていた腕は下ろされ、所在無さげにぶらぶらしている。
(どうしたんでしよう私は……彼女は生徒じゃないですか!?)
徐々に頭を占めていく先ほどの庇護心とは違う感情に望は困惑していた。
「せんせ…」霧が再び沈黙を破る。
「ん?何でしょう?」
「先生は先生だよね…?」
「え…まぁ職業はそうですかね。」
なるべく平静を装うように答える。
「私は…生徒なのかな…?」
617雨があがれば:2007/11/01(木) 14:57:06 ID:Tsw4Bjmv
おそらく彼女の最大限の勇気を出した尋ね方なのだろう。何気ない、軽い言い方をしてはいたが、隠しきれない慕情が滲んでいた。
「そ、それは…」
生徒以上の存在として見てくれるのか。そういう意味を持つと思われるその言葉にどう応えればいいのだろうか。望は答えに詰まってしまった。
『そうですよ』そう言えばいい。それでいつも通りの教師と生徒の関係。しかし望には出来なかった。言おうとするが喉から先へ出る事を拒む。
この感情に対して、否定も肯定も望には出来なかった。
「あ、あのですね…小森さんは…」
心臓が高鳴る。雨音も急かす様にリズムを速めていく。頭の中がぐるぐる回る。
霧はじっと望を見つめている。不安と期待の入り交じる眼差し。望は答えを出さなければならない。
しかし望はこの期に及んで逃げ道を捜していた。
(なにか…何か無いんですか…!?)
うまく機能しない頭で必死に考える。その時、意外な所から助け
618雨があがれば:2007/11/01(木) 14:57:59 ID:Tsw4Bjmv
舟が出された。
「せんせ…」
「はッ、はい!何でしょう!?小森さん?」
「私は生徒だよ…?授業に出ないから忘れちゃった?」
助け舟は他でもない霧から出された。一杯々々な望の様子を見て気を使ったようだ。
「…ま、まさか〜。そんなわけないでしょう。」
苦笑いで返す望。
「そう?よかった…。」
霧は安心したような、残念そうな顔をしていた。その顔を見て望は心に痛むモノを感じた。
「なんか…すみませんね…。」
思わず謝ってしまう望。
「ううん、謝る事なんて何もないよ。ねぇ、先生。お昼何食べたい?」
「ん…?昼ですか?」
気付けばもう時計は12時半分過ぎを指していた。
「あぁ…もうこんな時間ですか。何かありますかねぇ…。」
傍にいるとどうかしてしまう。そう思い、望は冷蔵庫を覗きにいった。
「結構…ありませんね。」
「そうなの?」
霧も望に追従する様に覗きにきた。距離をとれたと思い安堵したのも束の間。しかも今度は狭い冷蔵庫を二人で覗いているため目と鼻の先に霧の顔がある。
香る髪の甘い匂い、吐息までもが感じられる気がして望は狼狽してしまった。
「あ…こ、小森さんッ!今日は…そうだッ!私が、私が作りますから居間でくつろいでいてください。」
この状況から逃れるために望は自分で作る事を決めた。いつも通り霧に料理を任せる選択肢もあったが、何かをしていないと落ち着かない気がしていた。
「え…でも先生。」
望の提案に霧は意外そうな顔をした。
「一人暮らしだったんですから料理ぐらい作れます。たまには食べさせたいじゃないですか。」
「うん。じゃあ期待しちゃおうかな。」
望の手料理を食べれるとなって霧も幾分嬉しそうに答える。
「ええ。期待してください。」
(やれやれ…じたばたしてみっともないですね私は…。)
慌てふためく自分に自己嫌悪を感じながらもまだ枯れていない頃に感じた久しぶりの心の乱れに少し愉しみを感じながら望は包丁を手に取った。
619雨があがれば:2007/11/01(木) 14:59:59 ID:Tsw4Bjmv
なんか先生が青すぎですね…
短いくせに投下の間隔長すぎでゴメンナサイ!次で終わりますから…
620名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:51:23 ID:fTB8Hmzr
待っていた!!!
GJ!!!!!
次も待ってるぜ!!!!
621名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 19:00:30 ID:hTfl+MjO
お疲れさまです!
最近倉庫にあるアナザー・エンディングという話が
本当の絶望の最終回に読めて、いつも泣いてしまいます
622305:2007/11/01(木) 22:32:18 ID:HQ02zX2u
小ネタ・・・勢いで作っちゃいました。
埋め近くなるとハイテンションになってしまってw
623小ネタ  「必殺! 〇〇人!」:2007/11/01(木) 22:34:34 ID:HQ02zX2u
〜幕の壱 千里〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸に仕事人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた侍風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、袂から包みを取り出す。

「このお金で・・・・・・その人たちを、お願いします・・・・・・!」

後ろ手に渡された包みはずしりと重い。
娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。

再び地蔵堂には静寂が落ち――――
「・・・承知した。きっちりと仇をとってきましょう。」
千里の声を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


障子に映った影は三つ。
酒の匂いと、酔いどれ達の馬鹿笑いが廊下まで響く。

「・・・咲く花は牡丹のごとくに。大輪を此処に三つ。小輪を間に散りばめ・・・・・・・・・・覚悟。」
音も無く千里は踏み出す。
鞘から抜かれた白光が薄紙を突き抜け、刹那の間を置かずに、連続して格子戸の間を貫いた。

身を翻し、刀身を鞘に収め―――

重いものの倒れる音と共に、真紅の花が障子に映る。
酒の香りは鉄の匂いに替わり、辺りが静まり返ると、千里の姿は消えていた。


〜幕の弐 あびる〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸に仕置人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた職人風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、袂から包みを取り出す。

「このしっぽで・・・・・・その人たちを、お願いします・・・・・・!」

後ろ手に渡された包が開き、さらりと一房の尾が見える。
娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。

再び地蔵堂には静寂が落ち――――
「・・・・・・しっぽ。」
あびるの声を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


あびるの袖口から伸びたさらしが男たちの首に絡み付き一斉に天井から吊り下がる。
その指が張り詰めたさらしを弾き、
頚椎の外れる鈍い音と共に、男たちは動かなくなる。

「・・・今度はしっぽのある物に生まれかわるといいね。」
その声を最後に、あびるは姿を消した。
624小ネタ  「必殺! 〇〇人!」:2007/11/01(木) 22:36:22 ID:HQ02zX2u
〜幕の参 芽留〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸に毒舌人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた童女風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、袂から包みを取り出す。

「このブラで・・・・・・その人たちを、お願いします・・・・・・!」

後ろ手に渡された包みはふわりと軽く。
娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。

再び地蔵堂には静寂が落ち――――
『サイズ 合わねーよ』

素早く半紙に書かれた文字を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


〜幕の四 晴美〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸にやおい人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた絵師風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、袂から包みを取り出す。

「この同人誌で・・・・・・その人たちを、お願いします・・・・・・!」

後ろ手に渡された包みは分厚く。
娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。

再び地蔵堂には静寂が落ち――――
「このカップリングはありえない!!」

晴美の絶叫を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


〜幕の伍 霧〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。

「・・・聞けば、江戸に引き篭もり人がいるとか・・・・・・・・・・」

お堂の中で布団を被る相手に、娘は決意を秘めた表情で言葉を続ける。

「このお堂で・・・・・・引き篭もりを、お願いします・・・・・・!」

娘は格子戸を閉め、逃げるようにその場を去った。

再び地蔵堂には静寂が落ち――――
「・・・私は仕事をする気はあるよ。」

霧の声を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。
625小ネタ  「必殺! 〇〇人!」:2007/11/01(木) 22:45:21 ID:HQ02zX2u
〜幕の六 奈美〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸に普通人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた町娘風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、
「・・・・・・あ、人違いでした。てへっ。」

娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。


再び地蔵堂には静寂が落ち――――

「・・・・・・え?」

奈美の声を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


〜幕の七 まとい〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸に付きまとい人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた相手に、娘は決意を秘めた表情で、
「この袴姿で・・・・・・その人につきまとってください・・・・・・!」

娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。


再び地蔵堂には静寂が落ち――――

「・・・ええ。ずっと・・・・・」

まといの声を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


〜幕の八 絶望先生〜

欠けた月明かりは頼りなく、以下略――――

「・・・聞けば、江戸に絶望人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた書生風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、袂から縄を取り出す。
「この縄で・・・・・・絶望して下さい・・・・・・!」

娘は木の枝に縄を吊るし、逃げるようにその場を去った。


再び地蔵堂には静寂が落ち――――

「絶望されますか?」
「・・・いたんですか?」
「ずっと。」
二人の声を最後に灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。
626小ネタ  「必殺! 〇〇人!」:2007/11/01(木) 22:47:10 ID:HQ02zX2u
〜幕の終 真夜〜

欠けた月明かりは頼りなく、広がる深い闇の奥まではとても届かず。
忘れ去られたような朽ちかけの地蔵堂。その前に、一本だけ灯された灯篭の火は二つの人影を闇の中に
浮かび上がらせている。

「・・・聞けば、江戸に放火人がいるとか・・・・・・・・・・」

背を向けた忍び風の相手に、娘は決意を秘めた表情で、袂から包みを取り出す。

「この着火りさんで・・・・・・お願いします・・・・・・!」

娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。


再び地蔵堂には静寂が落ち――――

「・・・・・・・・・・・・・・」
カチッ    ボウッ!


火事と喧嘩は江戸の華。天を焦がすは夕紅か。
町を舐める赤猫や。通り過ぎれば炭しか残らぬ。
熱く燃えるは情念の炎か。

これにて仕事の納め時。




/////////蛇足///////////


〜幕の外 臼井〜

欠けた月明かりは頼りなく、以下略――――

「・・・聞けば、江戸に薄い人がいるとか・・・・・・・・・・」

「ぼくの事ですか!?」

「やだ・・・・! 誰もいないのに声がした!」

娘は顔を伏せ、逃げるようにその場を去った。


再び地蔵堂には静寂が落ち――――

「・・・見えてないか。」

灯りは消され、辺りは闇へと沈んだ。


627305:2007/11/01(木) 22:49:11 ID:HQ02zX2u
意味無しのネタ失礼しました。m(_ _)m

スルー推奨付け忘れてた・・・・ 失礼。
628名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 22:57:16 ID:cA4pmEQU
>627
禿ワロタwwwww
エロくないがGJ!
629名無しさん@ピンキー :2007/11/01(木) 23:48:20 ID:Ml1VvOdd
>>619
GJです!
続きを楽しみにお待ちし取ります〜。
630名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:01:43 ID:E0K+AE7z
いいですねwこういうのを原作でもやってほしいな〜
631名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:21:38 ID:cQwF6u2q
>>619
GJ!!パソコン治ったのかな?よかった!

きりちゃんええわーほんまええわー
632名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 01:41:32 ID:iMVNwktK
ああ、なんかアニメがオリジナルでやりそうだw
633名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 01:44:18 ID:ZWKYSIB4
>>632
それなんてぱn……アレこんな時間に誰だろう
634名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 11:58:50 ID:RnAo8DZE
前回のは導入が余計でしたかね。
すいませんです、今回もあんまりエロくない1レスです。

「ただい…交はどうしたんです?」
ちゃぶ台の上を拭いていると、せんせーが一人で帰ってきた。
「ハロウィンだから、街へ見物に。かぼちゃとマントも着せました」
全座連から届いた荷物に入っていた仮装用具だったのだ。
「そうなんですか…あれ?そのお布団、柄が飴玉の包み紙なんですね。」
すぐ後ろからせんせーの声が耳たぶに当たる。私はちゃぶ台に両肘をついていた。
「はい。全座連からの荷…物…に…」
せんせーの左手が毛布の中に差し込まれる。
「小森さん、犬みたいなかっこになってますよ。」
双眸をジャージの上からゆっくりと、時間をかけて交互に弄ばれる。
「なぜでしょうね、すごく落ち着きます。」
せんせーの指が、中央の留め金を外してさっきより強くほぐしていた
「うれ…しいです…」
覆いを外された頂点を、きゅ、きゅっ。と指の腹でひねりあげられるたびに電気のようなものが走る。
それにあわせて漏れる声、そして…
「相変わらずいい声ですね…このまま、愛して差し上げましょう。」
「はい…」
せんせーの右肘がジャージのお尻に割り入る。
「ジャージが大変なことになってますよ。ほら。」
目の前に伸びたせんせーの右手の指は湿っていた。
「ん…」
私は顎を出してその指を銜える。そのぐらい、言われなくたってわかる。
「小森さんはいい子ですね…」
毛布から抜かれた手が私の髪を撫で、耳から首へ滑り落ちる。
それと同時にケハイがした。
「どうしたんですか?もしかして、先生、調子に乗りすぎました?」
思わず舌の動きを止めてしまったのを、せんせーは不審に思ったのだ
「……せんせー、まといちゃんが来ますよ」
「仕方ないですね。」
せんせーの左腕が私の頭を包む。私もせんせーのほうに顔を向けた
キスが秒針が3時間分回ったところで、足音がはっきりと聞こえるようになった。
私たちは我に返る
「き、着替え…って」
「せんせー、もうまにあわないよっ。」

「ごめんなさい先生!委員会で遅くなりました!」

ケハイの主はまといちゃんだけではなかった。
「Trick…」

ダブルバインドの導入とか、反則ですね。すいませんすいません。
反省します。
635名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 13:07:55 ID:cQwF6u2q
>606-607の妄想が文章に!!
GJ!!
636名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 13:09:44 ID:jVG0ZUIJ
さすがに容量がやばいだろ
ほれ 
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part11【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193976260/


あとは、埋めSSに期待
637名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 21:02:20 ID:MkUGCBoV
>>636乙でし!!

絶望した!!みんな考えること一緒で絶望した!!
私も今週の霧ちゃんの「ズボンはいてないよ」疑惑から妄想しました。(あれはスカートだろうとは思いますが・・・)
エロと言うより微エロ(しかもネタっぽい)ですので、スルーしていただいても構いません。投下します。
638トリック オア キリート:2007/11/02(金) 21:03:20 ID:MkUGCBoV
今日は10月31日、西洋でゆうハロウィンである。日本でも、その文化はやや間違った感じで伝わっている。
糸色交も漏れることなく町内のパーティに、嬉しそうに宿直室から出ていった。
そして、ここに残された男女が二人。
望:おや、交はどうしたんですか?
霧:ハロウィン・パーティに行ってくるって・・・。
望:そうですか、ハロウィン・・・。
霧:うん・・・。
望:・・・(き、気まずいぃ・・・。)

ここ最近、二人っきりになった事はなかった。望が逃げていたのだ。オンエアされないバトルに巻きこんで、
迷惑になっているという負い目が、そうさせていた。

望:・・・、ハ、ハロウィンって言えば、アレですよねえ“トリック オア トリート”ってゆう・・・。
霧:うん、そういってお菓子をもらって廻るんだよ。
望:そうですよね、でも・・・。
霧:?
望:お菓子がない家に行ってしまったらどうするんでしょう?
霧:へ?・・・お菓子って、別にリンゴとかでもいいんだよ・・・。
望:それさえなければ?それさえないような貧しい家庭に、貴方はいたずら出来ますか!?
霧:・・・(私は、引きこもりだから)出来ないです・・・。
望:でしょう!!むしろこちらがお菓子でも何でも与えるべきだというのに、なのに、ああ、絶望した!!
全然ハッピーじゃないハッピー・ハロウィーンに絶望した!!

糸色望の絶望回路がショート寸前なまでにフル回転である。そんな望を見て霧はうんざりしていた。
せっかく二人っきりなのに、先生は振り向いてくれない。ここでしか会えないのに、今しか二人になれないのに・・・!

霧:先生ぇ?
望:はい?
霧:ハロウィンは子供の行事だよ。お菓子をもらうのは子供だけ。だから心配する事じゃあないよ。
望:なんと!では、いだずらするのもまた子供!!そうやって貧しい人たちを見下して育って、大きくなっても
ホームレスの方の一軒家に火をつけたりするのですね!!

ダメだコイツ・・・。早く何とかしないと・・・。霧の焦る気持ちがドンドン大きくなって、そして、弾けた!!
639トリック オア キリート:2007/11/02(金) 21:03:58 ID:MkUGCBoV
霧:先生、この毛布、可愛いでしょう。キャンディ柄なのよ。
望:え、ああ、そうですね。あなたに似合ってますよ。
霧:えへへ、ツーハンで買ったかいがありました。先生?
望:?
霧:こ、ここで“トリック オア トリート”です!

霧がスクッと立ち上がり、望を見下す形になる。

望:“トリック オア トリート”・・・?
霧:そう、お菓子か、いたずら、選んでもらいます。・・・ただし・・・。
望:(ゴクリ・・・)
霧:わ、私を食べるか、私にいたずらするか、選んでくださいい!!!

それを聞くなり、望は大声で笑い出した。霧の顔が耳まで真っ赤になる。

霧:なんですか!私だって・・・こんなこと・・・、でも、先生っ、・・・だから・・・あたし・・・。

とうとう泣き出してしまった。もう言葉が言葉にならない。それを見て、笑うのをやめた望が、同じく立ち上がると、
泣きじゃくる霧を、抱きしめて、キスをした。

霧:んっ・・・!はあっ・・・。
望:わかっていますよ。淋しかったんですよね。笑ったりしてすいませんでした。

優しい声が自分の感情を見透かす。自分の大好きな、優しい彼を体で感じた。
640トリック オア キリート:2007/11/02(金) 21:04:36 ID:MkUGCBoV
霧:うん、うん、さびじかったぁ・・・。やっと二人になれだのに・・・、先生いづもどうりだかあ・・・。
望:すみません、もっとはやく気付けばよかったんですが・・・。
霧:そうよぉ・・・、ぜんせえが、もっと・・・うう〜・・・。
望:はい、はい。わかってますから、もう泣きやんでください、ね。
霧:(グスン)・・・じゃあ先生・・・。
望:?
霧:“トリック アンド トリート”です。私にいたずらして。私を食べて。

泣きやんだ霧が急に上を向いて、真っ赤な顔の、真っ赤な瞳で、こちらを見つめる。
そんなことされてしまっては、今度は断ることも笑うことも出来ない。望はただ、喜んで、とだけ言った。

望は今後は霧の唇を味わうようにキスをした。同時に、彼女の体を抱き寄せる腕を徐々に下半身の方に滑らせると、
可愛らしい桃尻を、両手で上下に揉みしだいた。二人の呼吸がドンドン荒くなるにつれて、会話が無くなっていく。
二人はただ、お互いを感じ会うことに没頭している。唾液を充分に味わった望は、頬、額、項、肩と、リズミカルに
啄みながら、右手をジャージの中に差し込む。霧は動かない。ウエストのヒモを望が弛めると、それだけでスルリと
ズボンが落っこちた。露出度が一気に大きくなると同時に、望の気持ちも高ぶっていく。
再び唇を重ね合わせて、望は霧の太ももを左手で、秘所を右手でさすりだした。甘い臭いと甘い声が、
部屋のムードを掻き立てる。望は右手に下着越しに溢れる温かいものを感じると、手を二人の目の前に差し出した。
641トリック オア キリート:2007/11/02(金) 21:05:14 ID:MkUGCBoV
望:はあっ、ふふ・・。見てください。貴方というアメを舐めていたら、水アメになってしまいました。
どれ、あむっ・・・じゅる・・べろ・・・、んん、美味しい。
霧:はあぁ・・・せんっせえぇ・・・・・・、わたし、もう、、溶けちゃいそお・・・。
だから、だから先生・・・、私を、食べてえ・・・。
望:では、ショーツを脱がしますよ・・・・・。
?:“トリック オア トリート”!!!

突然、ふすま越しに声がした。二人は、どちらからと無くぱっと離れる。望は座布団の上に座り込み、霧は布団に身を隠す。
声の主は、パーティから返ってきた交であった。返事がないので、戸を開けてもう一度言ってみる。

交:“トリック オア トリート”

・・・三人の間に微妙な空気が流れ出す。普段なら黙ってお菓子の一つもあげていただろうが、‘オタノシミ’を邪魔された
今の先生は、子供のようにすねている。

望:・・・・・・・・・どっちも嫌です!!!!

さあ今週も絶望先生の絶望的授業の始まりです。霧ちゃんがフォローに入るも「どちらか選ばないと」って、ほぼ選択の余地無し
ですから。ハロウィンってそういうものだから。フォローになってないです。先生が絶望を繰り返す中、
部屋の隅には脱ぎ捨てられたジャージ(下)が、僅かに付いた蜜を光らせて横たわっているのでした・・・。
642名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 21:06:24 ID:MkUGCBoV
絶望した!!微エロさえエロく書けない自分に絶望した!!1!・・・前にパロディを投下した者なのですが、
エロシーンになるととたんに手が止まってしまうんです・・・。(これだから童貞は・・)最後まですいません。
遅筆で二番煎じでバカですいません。やはり私みたいなのは一生ROMってるべきなんですね・・・。
読んでくださった方もスルーしていただいた方も感謝です。
643名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:15:54 ID:cQwF6u2q
GJ!
霧祭ですか?霧祭ですね?
あんまり謙遜しすぎるのは良くないってお婆ちゃんが言ってましたよ
644名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:15:57 ID:moFf+Us8
>>642
霧が可愛すぎて気絶しそうになりました。
会話もスパイスが効いてていいなぁ…。

そして、本編へのつなぎが上手い!!
いいもの読ませていただきましたGJです。
645名無しさん@ピンキー
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